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P「貴音が裸族だった…」
今俺の前に担当アイドル、四条貴音が全裸仁王立ちで存在している。
貴音「あなた様、何かおかしいことでも?」
落ち着け。おかしいのはどっちなんだ。
そもそもなぜこんな状況になったのか頭を整理しよう。
うん、そうしよう。
ただ、音無さんから連絡が入って、
貴音が事務所に忘れたお財布を家まで届けるように言われたのだ。
貴音はセキュリティが徹底された家に一人で暮らしている。
あらかじめ電話で連絡を取り、玄関を開けるとそこには…。
貴音「お待ちしておりました。あなた様」
P「?!」
貴音「何を驚かれておいでなのですか」
P「いや、入っちゃまずかったかなと」
貴音「何をおっしゃっているのか分かりませんが…入って構いません」
貴音には羞恥心というものがないのだろうか。
銀色の髪をゆさゆさ揺らしながら彼女はドアを開け、俺を中に案内した。
立ったまま貴音が腕をこちらに伸ばす。
少しだけ太く白い腕、そして無駄な毛一本ない脇の下のチラリズム。
あらゆる身体の部位が目の毒だ。
貴音「あ、あの……」
P「あ、ああ。そうだな」
ごそごそとカエル型のお財布を引っ張り出し、貴音に渡す。
こんななりのお財布だが中にはクレジットカードがぎっしり入っている。
P「以後気をつけろよ」
貴音「申し訳ございません。いくら感謝してもし足りないくらいです」
P「まあ、大事なくてよかった」
貴音「あなた様には何かしらのお礼をしたいと思うのですが、いかがいたしましょう?」
P「?!」
いや待て待て。ここで「貴音が欲しい」とでも言って見ろ。
たちまち訴えられて人生あぼーんじゃないか。
裸族だからと言って油断はできない。
ここは様子を見よう。
P「ああ、いや別にいいよ。そういうのは」
貴音「そうですか。あ、少し失礼します」
そういって貴音は大きく伸びをした。
影になっていた大事なところが一気に丸見えになる。
大きな胸も揺れて、お腹や腰が少し動いて。
正直鼻血が出そうだ。
貴音「失礼いたしました。お見苦しいところを」
P「ああ、別に」
むしろ大満足だ。
P「ところでせっかく来たんだし、リビングに入ってもいいかな?」
貴音「もちろん問題はありません。さあどうぞお入りください」
貴音はドアを開けて俺が入るのを丁寧に待っている。
行動自体は普通なのだが、いかんせん格好が格好なので
すぐにはドアに入らず貴音の方を見てしまう。
貴音「あなた様?」
P「ああ、悪い悪い」
服を着てくれるのかと思いきやあろうことか、そのまま脚を組んで椅子に座ったのである。
貴音「ふぅ……」
大きな机に頬杖をついている貴音。
瞼が徐々に閉じられていく。
P「貴音」
貴音「あ、申し訳ありません。何分眠いもので」
P「まあいいけど……そもそも貴音はなんで裸なんだ?」
貴音「いけませんか」
P「いや悪いとは言わないけど」
貴音「なら問題ないでしょう」
なんだこの「裸になって何が悪い」的理論は。
P「でもさ、ほら、宅配便とかで人が来たとき裸見られるよ?」
貴音「いけませんか」
P(なん……だと……)
P「そんなもんかね」
貴音「なかなか開放感があって良いですよ。あなた様もどうですか?」
P「いや、やめておくよ。なんか色々怖い」
貴音「そうですか」
ふと、彼女の顔から目を離すと貴音の胸が机の上に乗っている。
P「すまん、貴音。どこかにティッシュはないかな」
貴音「てぃっしゅですか。少々お待ちを」
席を立ちあがり、近くの引き出しへ向かう貴音。
すると彼女は…四つん這いになって一番下の棚を開け始めたのだ。
つまり俺から見たら彼女のお尻どころか穴とか大事なとこまで丸見えなわけで……
貴音「はい、あなた様。どうぞ……いかがなされました?!」
P「いや……なんともない。ただ鼻血が……へんた……大変なことになっただけだ」
貴音「はぁ……大事ないならばよいのですが」
P「問題ない」
貴音「時間も時間ですので少し料理の支度をいたしますが……あなた様もお食べになりますか?」
P「お、いいのか?それじゃいただくよ」
貴音「分かりました。今日のお礼ということで腕を振るわせていただきますね」
パックから取り出してお湯をかけて何分かすれば完成。
ぶっちゃけ腕によりをかける必要が全くないのは内緒だ。
……が。
股も、いやまたも彼女、食器棚の前にかがんで色んなものを取り出し始めたのである。
胸が彼女の腕でギュッと潰されて形を変えている。
爪先立ちをした彼女の腰は少しくびれている。
P「見ちゃダメだ、見ちゃダメだ、見ちゃダメだ……」
目を背けるがタイミング悪く貴音が話しかけてきた。
貴音「お飲み物はいかがいたしましょう?」
P「何でもいいよ」
貴音「そうですか」
彼女は再び屈んで冷蔵庫の一番下から飲み物を取り出す。
だからなんでそう都合よくものが一番下にあるんだよ!
目を背けつついちいち「ありがとう」と言ってやる。
すると貴音は俺の肩を叩き……
貴音「お飲み物はこれでよろしかったでしょうか」
P「!!」
貴音の白い肌に触れている白い1リットルの牛乳パック。
巨乳に牛乳とかベタすぎるぞ!どういうことだオイ!
とりあえず脳内で素数を数えろ……落ち着け俺。
P「ああ、牛乳飲むのなんて久しぶりだな。ありがとう」
ここまで10秒。
俺の鉄壁の理性に、感謝を。
いかんな、口調が移ってきたぞ。
貴音「あなた様とらぁめんが家庭で食べられるとは……光栄です」
なんかすっごい家庭的な風景だけどこの人裸だからね。
P「いや、貴音はホントにおいしそうに食べるな」
貴音「そうですか?ふふふ、おだてても何も出ませんよ」
もう何もかも出てるけどな。
P「ところで貴音はその量で満足なのか?」
そう。この娘は765でも右に並ぶものはない大食らいなのだ。
こんなラーメンで満足するはずがない。
貴音「そ、それは!実は……」
P「ん?」
貴音「お恥ずかしながら、これで本日10食目なのです」
P「そいつはすごいな」
貴音「思ったより驚かれないのですね」
P「ああ、いやまあな」
今のあなたの服装の方がよっぽど恥ずかしいし驚きだよ。
貴音「あなた様、わたくしそろそろお風呂に入りたいのですが」
P「あ、そうか。それじゃ俺は帰ろうかね」
これ以上この家にいるのはマズい。
貴音「そうですか。それでは」
P「あ、そうだ」
貴音「なんでしょう?」
P「変な男には気をつけろよ」
貴音「問題ありません。護身術の類は一通り身につけておりますので」
ジャブのようなパンチモーションをとる貴音。
護身術よりも先に衣服を身に着けてほしいものだが。
事務所に着くと、貴音が待っていた。
流石にちゃんと服を着ている。
貴音「あなた様、昨日はどうも」
P「いやいや、大したことはしてないよ」
小鳥「もしかして、一夜を共にしたとか?」
貴音「小鳥嬢、そのような破廉恥な真似は断じていたしておりません」
いやしてただろ、と突っ込みたくなったがここはぐっと我慢。
P「そうですよ音無さん、勝手な妄想を押し付けないでください」
小鳥「す、すいません」
貴音「そういえばあなた様、少し頼みがあるのですが」
P「ん?なんだ?」
貴音「響にわたくしの本を貸しているのですが……
一向に帰ってこないので、仕事の後にお時間があれば催促していただけませんか。
わたくしが行っても響はどうしても先延ばしにしてしまうので、
ぷろでゅうさあの方から、がつんと言って下さいませ」
P「はぁ……なんだかよく分からんが、分かったよ」
貴音「恩に着ます」
確か、彼女も一人暮らしだったか。
貴音に負けないくらいの大きな玄関の呼び鈴を鳴らす。
響「お、貴音のプロデューサーか!入っていいぞー」
ドアを開けると、浅黒い肌、細い手足、大きなポニーテール。
響「貴音のプロデューサー、どうしたんだ?」
そしてまろびでた胸、開いた股倉……
P「響ぃ!お前もかぁぁぁ!」
おわり
短い間でしたがありがとうございました。
アイドル全員が裸族な続きを書くべきだな
Entry ⇒ 2012.10.28 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
響「自分がプロデューサー? 完璧にこなしてみせるさー!」
美希「ふぅーん、頑張ってね」
響「美希も一緒に頑張るさー!」
美希「ミキ、疲れるの、や」
響「でも頑張らないとアイドルやっていけないさー……」
美希「あ、じゃあミキの代わりに頑張って?」
響「よし、自分に任せろってなんでさー!」
美希「むぅ、さっきから声大きいの。
事務所ではもうちょっと静かにした方がいいって思うな」
響「ご、ごめん……とにかく、一緒に頑張るさー」
美希「はいはい、頑張る頑張る」
美希「ねえ、まだ自己紹介してもらってないよ?」
響「あ、すっかり忘れてたぞ。じゃあ改めて、自分、我那覇響! うちなーからアイドルになる為に上京してきたぞ!」
美希「アイドルなの?」
響「アイドルのはずだったんだけど、なんでかプロデューサーやってるさー……」
美希「ね、この子は?」
響「慰めの言葉も何もなかったぞ。ええと、こっちはハム蔵! 自分の大切な家族だ!他にも、家にはイヌ美やネコ吉、沢山いるぞ」
美希「ふぅん、よろしくね、ハム蔵」
ハム蔵「ぢゅい!」
響「自分にはよろしく言わないのか?」
美希「あーうん、よろしくなの……あふぅ」
響「ついで扱いされてる気がするぞ……」
ハム蔵「ぢゅい!」
響「そうだな、電話! もしもし、美希かー!?」
美希「ん、ん~……声大きいの、普通に喋れば聞こえるよ」
響「美希、今どこにいるんだ!? 今日はレッスンだって言ったはずだぞ!」
美希「……何言ってるの? ミキ、今日の予定何も伝えられてないの。だからゆっくりお昼寝してたのに」
響「うぇえ!? だって一昨日、ちゃんとメールで……!」
美希「ちょっと待ってね……うん、やっぱりメールも電話も来てないの。そっちのミスだって思うな」
響「うぎゃー! ご、ごめんね美希! とにかく今日はレッスンだから、今から急いで行ってほしいんだ!」
美希「もう、だから声大きいってば。分かったの、じゃあ一応行くけど、間に合わなくても怒らないでね?」
響「うん、出来るだけ急いで!」
美希「ふんふふ~ん♪ あ、やば」
響「あ、美希! 今日はごめんな……自分のせいで美希のレッスン、一回無駄になっちゃったぞ」
美希「そ、そんなにしょんぼりしなくてもいいって思うな。誰にでもミスはあるってガッコの先生も言ってたの」
響「うう、美希は優しいなあ」
美希「元気出して、ね? ほら、イチゴババロア一口食べていいよ」
響「あむ……美味しいぞ」
美希「元気、出た?」
響「うん! もう今日みたいな失敗はしないぞ! 自分、もっともっと頑張るからね!」
美希「ミキ的には、あんまり頑張らなくてもいいよ?」
響「頑張るの! 一緒に!」
美希「あふぅ」
響「うが~~!!」
響「他人事みたいに言わないでよ、美希のオーディションだったんだぞ……」
美希「知ってるよ?」
響「うう、ごめん……自分の指示がまずかったのかなぁ」
美希「へこみすぎなの」
響「美希の初陣だぞ? 合格させてあげたかったんだ」
美希「ダメな時はダメだよ」
響「美希、もっとレッスン頑張ろうな。自分も、もっと色んなオーディション探して来るから。仕事も取ってくるから」
美希「……うん」
響「もっと腕は遠くに伸ばすんだ、こう、こう!」
美希「こうだね」
響「いい感じだぞ! で、ここでくるっとターンさー」
美希「ここはミキ、得意だよ。ほらっ」
響「うんうん、そこでジャンプ!」
美希「よっ」
響「上手いぞ! この調子なら通しもすぐ出来そうさー!」
美希「案外ダンス、上手いんだね。小っちゃいから苦手かなって思ったけど」
響「自分、小っちゃくないぞー! それにダンスは得意分野さー、一応今もアイドルは目指してるんだし」
美希「そう言えばそんなこと言ってたね。なんでアイドルやらないの?」
響「……なんでだろうなー、気づいたら社長に乗せられてたさー」
美希「な、なんかごめんなさいなの」
響「いいさー……気にしてないさー……今は美希のプロデューサーさー……」
美希「ほら、ダンスレッスンの続きしよ?
」
響「美希、ダンスだけじゃなくて歌も上手いね」
美希「そう? 簡単だよ?」
響「ま、まあ自分もそれぐらい出来るけどね! なんたって自分、完璧だからな!」
美希「あはっ、じゃあ一緒に歌おうよ」
響「今、今か!? 自分、完璧だけど準備は必要で」
美希「いいからいいから、ちょっと合わせてみるの! せーの、~♪」
響「……~♪」
美希「音、外れてるの」
響「今のはわざとさー! もう一回いくよ! ~♪」
美希「……ふふっ」
響「美希も歌うさー! ~♪」
美希「~♪」
響「可愛いぞ、次は悲しそう!」
美希「どう?」
響「バッチリだぞ、嬉しそうは?」
美希「あはっ」
響「美希はすごいなー、感情表現も自分と同じ位完璧だぞ」
美希「ね、そろそろご飯だよね? レッスン切り上げてお外行こ!」
響「駄目だよ、ちゃんと時間いっぱいはレッスン! ほら、困り顔」
美希「むぅ」
響「それは怒った顔だぞ」
美希「ミキ、怒ってるの!」
響(行ける、良い感じだぞ美希! そう、そこで……よし、きれいなジャンプ!)
美希「~♪」
響(ダンスに集中し過ぎて歌が、うがー! 頑張れ美希ー!)
美希「~♪ っ」
響「あ!?」
美希「ったぁ……ぁ、~♪」
響(……転んじゃった)
美希「~♪」
響(頑張れ、頑張れ……!)
美希「~♪……」
響「……だから、他人事みたいに言うの、やめてよ」
美希「他人事じゃないよ、ミキ、結構気合入れたつもりなの」
響「でも、転んじゃったな」
美希「うん……」
響「……ごめんね」
美希「? どうして謝るの?」
響「自分がもっと上手く教えられてれば、きっと」
美希「前にも言ったの。ダメな時はダメだよ」
響「ダメな時がないようにするのがプロデューサーの仕事さー、自分、もっと頑張るからね」
美希「……ミキも、頑張るね」
響「!? み、美希! 今、なんて? 頑張るって言った!?」
美希「うわ、びっくりした……うん、ミキ、頑張ってみる」
響「そっか……そっかあ! よーし、二人一緒に頑張れば、なんくるないさー!」
美希「何それ? ふふ、変なの」
響「……こう?」
美希「下手っぴだね、こうなの」
響「うぎゃー! 美希に下手っぴって言われたさー!」
美希「響、早く覚えないとミキ、置いてっちゃうよ?」
響「すぐに追いつくさー! ……ん? 今名前で呼んだ?」
美希「呼んだの」
響「初めて名前で呼んでくれたさー! 自分、いつまで経っても名前呼ばれないから嫌われてるのかもって、ずっと……!」
美希「はいはい、響響。で、ミキのダンスどう? カンペキ?」
響「完璧だぞ! ……じぶんには負けるけど!」
美希「響の方が下手っぴだよ?」
響「もー! 意地ぐらい張らせてよね!!」
美希「響って、時々めんどくさいの」
響「くさくないさー!」
響「すごかったぞ! 審査員の人もびっくりしてたさー!」
美希「ラクショーってやつだね」
響「勝手にレッスン切り上げて昼寝ばっかりしてたから心配だったけど、合格して良かったさー」
美希「ミキ、スプリンクラーだもん。瞬発力には自信あるの」
響「? スプリンターのことか?」
美希「スプリンクラーだよ? 100m走する人のことなの」
響「それ、スプリンターだぞ。あと距離は100mじゃなくても短かったらスプリンターさー」
美希「ふぅん。どっちでもいいや、ミキ、頑張ったから眠いの……あふぅ」
響「帰りの電車でゆっくり寝るさー、駅に着いたら起こすから」
美希「うん、おねがいー……」
響「あはは、もう電池切れかけさー」
響「そう! これでお仕事いっぱいさー!」
美希「へー、おめでと響」
響「美希のランクアップさー、美希が喜ばないで誰が喜ぶの!」
美希「ミキ、あんまりそういうの分かんないから響Pに任せるね、あふぅ……おやすみ」
響「起きろー! もうお仕事の依頼来てるんだぞー!」
美希「ん、響Pはカンペキなのー……それぐらい捌けるはずなの……」
響「まあ自分は完璧だからこれくらい余裕だけど、ってそうじゃないだろー!さっさとミーティングするさー!」
美希「響。響はランクアップしたの?」
響「じ、自分はプロデューサー業が忙しいから、その、うう、まだFランク」
美希「やっと静かになったの、おやすみ~」
響「起きるさー!」
美希「んー……もしもし、響。ミキ、ダンスカンペキだから、大丈夫なの」
響「ちょ、大丈夫じゃないさー! 美希のダンスは確かにすごいけど、それを維持するのも同じくらい大事なんだよ!?」
美希「あふぅ。でも、今から行っても間に合わないよ?」
響「それはそうだけど……うう、もう絶対こんなのダメだからね? 何があっても連絡はするさー」
美希「うんうん、分かった分かったなの。後のことはよろしくね、敏腕プロデューサー」
響「え、えへへ、褒めても何も出ないぞー?」
美希「じゃあおやすみなさいなのー」
響「あ……切れちゃったぞ」
春香「美希? 何の電話だったの?」
美希「何でもないの、響からギョームレンラク」
春香「ふぅん、やっぱりランク高くなるとお休みでも頻繁に連絡来るんだね。響Pも大変だ」
美希「今はミキのお腹の方が大変なの、早くケーキご馳走して?」
春香「あはは、はいはい。もうちょっとで焼き上がるからねー」
社長「おお、我那覇君! どうかね、調子は?」
響「あ、あはは……自分はプロデューサー兼任だからFランクも仕方ないって思ってるけど、美希の方がちょっと」
社長「ふむ? 少し詳しく聞かせてもらおうか」
響「実はかくかくしかじかさー……」
社長「ううむ、それは非常にまずいな。私の経験上、その内大きな失敗に繫がりそうだ」
響「うぎゃー! それは駄目だぞー! 美希は、美希はこんなとこでつまづいてる暇はないさー!」
社長「そこで私に考えがある。ごにょごにょというのはどうだろう」
響「おー、社長冴えてるさー! 自分も、美希の仕事に穴空ける前になんとかしたいと思ってたところだぞ!」
社長「うむ、力になれたようで何よりだよ。では頑張ってくれたまえ」
響「うん! 社長、にふぇーでーびるー!」
社長「うむ、元気良く飛び出して行ったな。自信に溢れ自分は完璧と言っていた我那覇君が、星井君はこんなところで、か。よきかな、よきかな」
美希「あ、え? でも、それってまだ先の……」
響「ちゃんとメールも打ったし電話でも話してたぞ!? 一体何を聞いてたんだ!!」
美希「ちょ、ちょっと、待ってね、ミキ、確認」
響「確認しながら走るさー! 下手するとCD中止もあり得るんだぞ!?」
美希「あ、ご、ごめんなさ」
響「自分に謝っても仕方ないさー!! 地図とかまとめて今メールしたから、早く来てスタッフさんに謝るさー!!」
美希「う、うん……ぁ、切れた。どう、どうしよう、急がなきゃ!」
響「遅いさー!! レッスンサボるだけじゃなくレコーディングまでサボる気だったのか!? 早くこっち来るさー!!」
美希「ごめ、ごめんなさい、ミキ、あの、あのね、ミキ……ぇ?」
社長「うむ」
美希「社長、え? ひび、き?」
社長「喝!!」
美希「きゃあ!?」
響「美希、姿勢を正して社長の有難いお言葉をしっかり聞くさー」
美希「う、うん……」
社長「星井君、最近仕事も増えて順風満帆だそうじゃないか」
美希「は、はいなの!」
社長「うむ、大変結構。これからも、頑張ってくれたまえ。私からは以上だ」
美希「……え、え? 終わりなの?」
社長「私からは以上だ。我那覇君、何かあるかね?」
響「じゃ、自分からも少しだけ」
美希「ごめんなさいなの、もうしませんなの……」
響「よし、もういいよ……ん? 3時間も正座して疲れたんだね。自分がマッサージしてあげるさー」
美希「ご、ごめんなさいなのー!反省してるのー!!」
響「遠慮しなくても体にじっくり教え込むさー!」
美希「ひゃうん!? だめ、足触っちゃダメなのー!?」
響「逃がさないさー!」
社長「うむ、仲良きことは、美しきかな」
美希「社長助けてなのー!」
響「観念するさー!!」
美希「やったの! これでミキ、もっとキラキラ出来るよね」
響「ランクアップしたのは美希じゃなくて自分さー! 横取りはダメさー!」
美希「ふぅん、おめでと響」
響「祝い方が雑!」
美希「ね、響。ミキね、早く次のランクに
上がって、もっとキラキラしたいの。出来る?」
響「美希……うん、自分に任せれば万事完璧さー!」
美希「ありがと、響! あ、でも……」
響「? 騒いだり静かになったり忙しいね」
美希「響が言うななの。響もまだまだ下の方だけど、ランクアップしたってことは響も仕事が増えるの? ミキ、邪魔になってる?」
響「し、下の方って……まあいいや。確かに自分の仕事も増えるけど、プロデュースなんて一人も二人も同じさー」
美希「? 響、ミキの他にもプロデュースしてるの?」
響「自分はセルフプロデュースさー。とにかく美希は何も心配しなくていいよ、なんたって自分は」
美希「カンペキだからな! なの!」
響「だから横取りはダメさー!」
響(安心して見られるさー)
美希「~♪」
響(歌、一緒に頑張ったもんね)
美希「~♪」
響(元々上手かったダンスもふらつきが更に減ったし、もう自分より上って認めなきゃかもね)
美希「~♪」
響(合間合間の表情や仕草、女の自分から見ても凄く魅力的さー……)
美希「~♪」
響(……)
美希「~♪」
響(……自分、何してるんだろう)
美希「~♪」
響「すごかったさー、生放送なのにいつも以上の力を出せてたぞ!」
美希「あはっ、ミキはまだまだこんなところじゃ止まらないの!」
響「そう、だね。あはは」
美希「そろそろBランクも見えてきたよね、ね? 響!」
響「あ、うん! なんたって自分がプロデュースしてるからな!」
美希「我那覇響プロデューサー様々なの!」
響「あは、ははは」
響「いてて、もう一回!」
響「はっ、はっ、ここ、っ!」
響「うう、美希みたいにはいかないぞ……」
響「当たり前だよね、美希は自分より練習してたもん。そんなにすぐには追いつけないぞ」
響「……美希はもう、Bランク。自分はまだ、EランクとFランクの間ぐらい」
響「……」
響「っ、俯いてる暇なんかないさー! すぐに追いついて、いや追い越してやるさー!」
響「美希ー! トップアイドル目指してるのは美希だけじゃないさー!」
響「うがーー!!」
響「美希、おめでとう! Bランクって言ったらもうトップアイドルの端くれさー!」
美希「これも響Pのおかげなの。あの時ちゃんとミキのこと叱ってくれたの、ミキ、とっても嬉しかったよ?」
響「っ、美希は大事なアイドルだもん、プロデューサーとして当然さー。それにしても美希の失敗で怒られるのも勘弁してほしかったさー!」
美希「あはっ、ごめんね響。でも、本当にありがとうなの。ミキ、響がいなかったらきっと今のミキになれなかったの」
響「……美希の、実力、だよ」
美希「ううん、響のおかげなの! 響がいっぱいいっぱい頑張ってくれたからミキ、こんなに……響?」
響「ん、ん? 何?」
美希「嬉しくて泣きそう、じゃないよね? 辛そうなの。ごめんね? ミキ、何かしちゃった?」
響「……ごめん、自分、嫌な奴だ」
美希「あ、響!? どこ行、ちょっと待ってなのー!」
響「……違う、自分、い、嫌な、奴だ。美希のこと、プロ、プロデュースなんか、しなきゃ、良かっ、うぐ、ひっ、ぐす、良かったって」
美希「……響」
響「美希、美希が頑張ってたの、知ってるのに、美希、ばっかりって、ズルいって、こんなの、自分、なんで、こんなぁ!」
美希「響、風邪引くよ? ミキのコートだけど、貸したげる」
響「んぐ、うあぁ……ひっぐ、けほっけほ、うぅ」
美希「ね、響。もっと聞かせて? ミキのこと、どんな風に見えてた?」
響「……最初は、全然大したことない奴だって、思ってて、全然頑張らない奴だから、自分の方が上だって」
美希「うん」
響「でも、美希、ちょっと練習しただけで、どんどん上手になって、失敗する度に伸びて、その内失敗なしで、上手くなって」
美希「うん、そうだね」
響「ランクもどんどん上がって、その辺のアイドルの中じゃ、一番星で、美希、美希が、どんどん遠くに、自分、自分ももっと」
美希「そっか」
美希「いいんだよ、響。ミキ、響がそんな風に思ってたなんて知らなかったの。でもね、嬉しいの」
響「え……?」
美希「今のミキ、響が認めてくれるくらいキラキラしてるんだよね。ねえ知ってた?
ミキ、響のこと、お日様って思ってるんだよ」
響「……?」
美希「小っちゃい体で沖縄から飛び出して、いっぱいの家族を養って、プロデューサーもアイドルもやって、ミキのことをいっぱいいーっぱい照らしてくれて」
響「そんなの……」
美希「大したことあるよ。響に出来ないこと、ミキは出来るかもしれないよ? でもミキに出来ないこと、響も沢山出来てるの」
響「……う、ぐす」
美希「響、響の周りにいる人ってみんな笑ってるんだよ。ううん、人だけじゃない、みんな。それって、ミキには出来ないの」
響「う、あぁ、ひっく、すん」
美希「でも、しんどいなら、いいんだよ。ミキのプロデューサーお休みしても、誰かに手伝ってって言っても、一人で背追い込まなくても。最初に響が言ったんだよ?」
響「っ、うん……ひぐ、うん……!
美希「一緒に、頑張るさー」
美希「ミキ、デビルじゃなくてエンジェルだよ?」
響「あはは! 自分でそんなこと言えるのはデビルさー!」
美希「あはっ、そうかも。じゃあそろそろ事務所、戻ろっか」
響「そうだな、すっかり体も冷えたさー……ねえ、美希」
美希「あふぅ……んー?」
響「自分、続けるよ。美希のプロデューサーも、アイドルも」
美希「ん、そっか」
響「しんどくなった時には美希にも手伝ってもらうから、覚悟してよね!」
美希「むぅ、もしかしたら失言だったかも知れないの……」
響「言質はばっちり取ったさー! とりあえず事務仕事から覚えてもらうさー」
美希「ミキ的には、お茶汲み方面で頑張りたいって思うな」
響「? お茶汲みも事務仕事も両方やるに決まってるさー」
美希「もしかしなくても失言だったの……」
響「ほっ!」
美希「ばっちりなの。やっぱり響、スジ良いね。練習した分目に見えて上手くなってるよ」
響「Bランクアイドル様のお墨付きなら安心さー」
美希「響は歌とダンスでいっぱいいっぱいになってることが多いから、いつもカメラがあるって意識した方がいいの」
響「……Bランクアイドル様の的確な指導、痛み入るさー」
美希「あとダンスも上半身の動きが大き過ぎるの。メリハリつけるためにももっと」
響「ぐぬぬ、絶対追い越してやるさー……!」
美希「最近調子良いね、あっという間にCランクまで登り詰めるなんて。おめでとう響」
響「これまでは練習量がネックだったけど、美希の手伝いで時間が空くようになったからね。ちょっと自主練習すればらこんなもんさー」
美希「ミキのお手伝いが役に立ってるようで何よりなの。次はBランクだけど、すぐに来る?」
響「勿論この勢いのまま一気に! ……って言いたいけど、一回この辺で基礎から確認しようと思ってるんだ」
美希「へえ、響ならそのまま行くって言いそうなのにね」
響「プロデューサー経験も伊達じゃないってことさー。目の前のことばっかりになって、トップアイドルが遠のかないようにしなきゃね」
美希「ふぅん、でもあんまりのんびりしてると、響がBに上がってもミキいないかもよ?」
響「うう、そういえば美希ももうAランク目前……ふ、ふん! すぐに追いつくさー、自分の完璧なプランに狂いはないさー!」
社長「お、やってるね。我那覇君、ランクアップおめでとう!」
響「社長! 自分、プロデューサーもアイドルもきっちりこなしてるぞ! このまま美希と765の二本柱になるかもね!」
社長「うむ、頼もしい限りだ。それはそうと星井君、そろそろラジオ収録の時間じゃないかね?」
美希「あ、ほんとなの。行って来まーすなのー」
社長「……さて、我那覇君。今日は少し話をしに来たんだ」
社長「うむ、本当はもう少し前からこの話はしようと思っていたんだが機会がなくてね。結局きょうまで伸ばしてしまっていた」
響「絶対、どっちか選ばなきゃなの?」
社長「両方きっちりこなせるのはこの辺が限界、いや、もう容量をオーバーしているんじゃないかと思うんだ」
響「……まぁ、正直ちょっと一人じゃ捌き切れない量にはなってるぞ。でも、その分美希やピヨ子に手伝ってもらってる」
社長「実は今度、正式なプロデューサーを雇おうと考えていてね。音無君にはその教育等に回ってもらう予定だ」
響「ってことは、もう自分はプロデューサーしなくていいのか!?」
社長「ん? 予想していたより随分嬉しそうな反応だね」
響「そりゃそうさー、そもそもセルフプロデュースなんてのは売れてて余裕のある人の……はっ、自分結構売れてるぞ!」
社長「そうだね。そして、星井君のプロデューサーを降りればその分余裕は出来るだろう。なので選択肢は実質三つ」
響「……」
社長「一つ、今後の業務をアイドル一本に絞る。二つ、星井君を新人君に任せ、セルフプロデュースする。三つ、星井君のプロデュースを君が、君自身のプロデュースを新人君に任せる」
響「……うん」
社長「星井君を新人君に任せてセルフプロデュースするならば、全てを自分のペースで行える利点がある。多くの仕事を受けるも良し、少ない仕事で質を上げるも良し」
響「……うん」
社長「そして、三つ目。これは私の経験上からなのだが……一度始めたプロデュースは最後までやり遂げたくなる、違うかね?」
響「その通りだと思う。自分、頑張ってプロデュースしてきたのに、簡単にぽっと出の他人に任せたくない」
社長「うむ。しかし君には、君と星井君の両方をプロデュースする余裕はない。どちらかを選ぶなら……」
響「……美希だぞ。これまで自分の下手なプロデュースについてきてくれたんだから、最後はちゃんと責任を持って一花を咲かさせてあげたい」
社長「私が同じ立場なら、同じ意見を述べるだろう……ふぅ、少し長くなってしまったね。答えは一週間以内ならいつでもいい、ゆっくり考えてくれたまえ」
響「う、ん……」
美希「響も春香のクッキーほしいの?」
響「う、うん、ありがと。ところで」
美希「うん」
響「自分がプロデューサー業辞めるって言ったら、どうする? あ、いや! 変な意味じゃなくて! 例えばの話だけど!」
美希「んー、ミキ、きっとびっくりするって思うな」
響「うん、そうだよなって違うさー! そういうことじゃないさー!」
美希「そんなの言われてみないと分からないの。例えばの話なんでしょ?」
響「ま、まあそうなんだけど……あ、レッスンの時間!? 行ってきまーす!」
美希「行ってらっしゃい、なんだか今日の響は慌ただしかったの……なんてね、嘘が下手っぴだよ、響」
美希(そりゃ、ミキは響のプロデュースで二人並んでトップに立ちたいっていうのが本音だけど)
美希(響は優しすぎるの。そんなことミキが言ったら、きっとボロボロになるまで頑張っちゃうの。それじゃ二人でキラキラ出来ないの)
美希(響が自分で考えてそうしたいって言ってくれたなら嬉しいし、二人で、なんて言えないけど)
美希(ミキの勝手な一言で響の大事な気持ちとかをどうこうするのは、ヤ。ミキはまだ響のアイドルだもん、響がP辞めるまでは、決断は響の仕事なの)
美希「……クッキー、あんまり味しないの」
P「はい、よろしくおねがいします」
響「自分、我那覇響さー。アイドルの副業にプロデュースやってるだけだから、そんなに畏まらなくてもいいぞ」
P「そう、ですか? でも、いきなりタメ口は」
響「先輩命令さー、年下にはきちんと相応の態度で接しなさい!」
P「あ、はい! 分かりまし、分か、った! よろしくお願、よろしく、響!」
響「ん、まだ固いけどそんなとこだね。よろしくさー。じゃ、ピヨ子のとこ行って色々習うといいさー」
P「うん、分かった」
響(順応性そこそこ、ルックスPヘッド、手際は……結構良いみたいだな、中々優秀そうだぞ)
響(きっとあの新人君も自分みたいな連絡ミスをして、アイドルとすれ違って、そうやって成長していくんだろうな)
響(オーディションに負けて、反省して、レッスンして、アイドルとミーティングを重ねて……)
響(アイドルとプロデューサー、二人で並んでトップアイドルを目指して……)
響「……ま、最初から答えは決まってたようなもんさー。社長ー!」
響「アイドルの我那覇響はトップアイドル一直線にしろーって言うんだけどね。自分はアイドルよりもプロデューサー歴の方が長いから」
社長「我那覇君、しっかりと考えて選んだ道に反省はあっても後悔はないのだよ」
響「まくとぅそーけーなんくるないさー。そんなの、うちなーじゃ赤ん坊だって知ってるよ」
社長「はっはっは、これは釈迦に説法だったね。では、アイドルの女の子に伝えてきたまえ」
響「美希、すごく怒るかも知れないからその時は社長も美希を止めてよね」
社長「星井君は君が思っているよりも、しっかりと考えているよ。心配はいらない」
響「分かってても保険は欲しいさー」
社長「はっはっは、ごもっともだ。うむ、もしもの時は私と音無君でなんとかしよう」
響「うん、分かってくれたみたいで良かったさー……美希?」
美希「全っ然分かんないの!! ミキだってセルフプロデュース出来るもん! なのに社長と響の二人だけで内緒話して!」
響「み、美希ー? 文句はないんじゃな」
美希「文句じゃないの! ただの独り言の愚痴なの! 響は黙ってて!!」
響「は、はい……」
美希「ミキのプロデュース続けてくれるのはとっても嬉しいの。でも響が犠牲になることないの! こんなのってないの!」
P「犠牲って……まぁそうだけど」
美希「なの! トップアイドル目前で新人プロデュースなんてまたFランク転落コースなの!」
響「いや、そこは自分がフォローするし」
美希「新人なんて失敗する時は失敗するの! 響も初めは連絡ミスしたでしょ!? 大きなオーディションでそんなのやらかしたら目も当てられないの!!」
響「うぎゃー! せっかく先輩風吹かせてるのに威厳がー!」
プロデュースすればいいの!」
響「いや、そこはPの教育も兼ねて自分が」
美希「そんなのミキたちがトップアイドルになるまで後回しで良いの! 響はさっきからPの肩持ちすぎなの! なんなのなの! なんなのなの!」
社長「あー、星井君。少し落ち着いて」
美希「ミキは落ち着いてるの! 社長も響にだけ内緒話するなんておかしいの! アイドルとプロデューサーは二人三脚なの! なんで話にミキも混ぜなかったの!!」
社長「いや、あの時はラジオの収録が」
美希「ならあの時に無理に話す必要なかったはずなの! 見苦しい言い訳はやめるの! それともまだシラを切るつもりなの!?」
社長「ごめんなさい」
響「しゃ、社長……」
美希「もういいの! 響なんて放っておいて勝手にミキはトップアイドルになるから! Aランクも飛び越えたSランクアイドルになって、響が追いつけないのを笑ってやるの!!」
響「ピ、ピヨ子……いない! 誰か美希を止めるさー!」
美希「誰のせいでこうなったと思ってるの! 響はそこに三時間正座! ついでにあの時のクツジョクも晴らすの!!」
響「うぎゃー!」
響「あの、美希さん、足には」
美希「触るに決まってるの!」
響「うぎゃー! P、先輩を助けるさー!」
P「音無さーん、書類のフォルダ分けのことなんですけどー」
響「危うきに近寄らない優秀さが恨めしいさー!」
美希「ほらほら響、ミキを仲間はずれにした罰を受けるの!」
響「今触るのはー! うぎゃー!」
社長「仲良きことは、美しきかな」
響「ボケるには早いさー!!」
響「ん? 美希、もしかして緊張してるの?」
美希「ねえ、響。ミキ、こんなにドキドキするオーディション、初めてだよ」
響「なんくるないさー。ただの武者震いだよ」
美希「で、でもこんなの初めてで」
響「自分とミキ、これまで色んなことを一緒に乗り越えてきたよね。全部が美希を支えてくれるさー」
美希「……あはっ、響の声聞いてたら緊張感がなくなっちゃいそうなの」
響「ただでさえないのに、それは困るぞ。全部なくならない内に行ってくるさー。美希なら絶対、勝てるよ」
美希「……うん、行ってくるね!」
響「……美希、いつのまにか頼もしい背中になってたんだな」
美希「1番、星井美希なの! 絶対、合格してみせるからね!」
美希「ま、このぐらい当然なの!」
響「ま、自分は完璧なプロデューサーだからな!」
美希「たかが二人分のプロデュースでヒィヒィ言ってたのに完璧はないって思うな」
響「それはそれ、これはこれさー! 自分は、美希をプロデュースすることにかけては世界一完璧さー!」
美希「本当にそう思う?」
響「当たり前さー! 自分と張り合えるような天才、そこらにはいないさー!」
美希「ここいるよ?」
響「え」
美希「ここにいるの」
響「え」
美希「ただプロデュースされてるだけだったと思う? 一緒に頑張るって決めた日から、本格的なプロデュースの勉強してたんだよ」
響「……」
美希「ミキ的には、響と同じくらいのクオリティでミキをプロデュース出来るって思うな」
美希「響はお役ごめんなさいなの、レッスンに力入れるなりテレビにいっぱい出るなりすればいいの」
響「美希」
美希「響、早くここまで登っておいで。一番星に笑われるお日様なんてかっこ悪いよ?」
響「ぐす……えへへ、美希! 自分、すぐにトップアイドルになるからね! Pもそろそろ一人で大丈夫そうだし、もう何も遠慮しないさー」
美希「うん」
響「手加減なしの本気の本気、完璧なアイドルがどういうものか教えたげる! 今日これから始まる、我那覇響の伝説さー!!」
「ごめんごめん、色々あってちょっとだけ遅れたさー」
「初めて失敗した時とは逆だね」
「あの時のことは忘れて欲しいぞ……」
「いいよ、今日ここで全力を見せてくれたら許してあげる」
「いいのか? 自分、完璧だから勝ち目ないぞ?」
「こっちも全力で行くの、全力以外じゃ相手にならないって思うな」
「ふふん、絶対に渡さないぞ!」
「あはっ、絶対に渡すわけないの!」
「「トップアイドルの頂点、Sランク!!」」
おわり
大体>>4のせい
おわり
ひびみきもいいね
Entry ⇒ 2012.10.28 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
モバP「綺麗になった猫を家で飼うことになった」
ガチャッ
P「今日も一日がんばりまっしょい……て」
P「誰もおらんのかな、ちひろさーん?」
P「んー、おらん……お? 書置きが」カサカサ
『おはようございますプロデューサーさん
私はこれから巴ちゃんのご両親に近況報告をしに
広島へ行ってきますね。それとATMにも寄ってから帰ります。
プロデューサーさんには今日みくちゃんのご両親に近況報告をしに
行って頂いていいでしょうか? 先方へはご連絡済みなので
みくちゃんを連れて行ってください ちひろ』
P「ふむ、みくのご両親に挨拶か……ってか何でわざわざ広島でATMなんだろうか」
P「まぁとりあえずみくに連絡入れてみっか、今の時間なら寮に居るだろう」
―――――その頃のちひろポン―――――――
ちひろ「うふふ……人間って凄いですよねぇ、中身がお金なんですもの……お値段つきますねぇこれは」
―――――――――――――――――――――
みく『はいにゃーん、Pチャンどうかしたにゃん?』
P「おーみく、今日はみくOFFだったよな? ちょっと今日開いてるか?」
みく『にゃにゃっ? デートのお誘いかにゃ?』
P「んな訳あるか。みくのご両親に近況報告へ行こうと思っててな、そっちも連れていきたいんだ」
みく『にゃるほどー。今日は大丈夫にゃん、まずは事務所へ行けばいいのかにゃん?』
P「いや、俺が車出して出がけに拾っていくから、寮でそのまま待っててくれ」
みく『了解にゃー。お支度だけしておくにゃん』
P「あいよー、んじゃXX時ぐらいに門の前でな」ピッ
P「んじゃこっちも支度して行くかいね」
―――――――――――――
―――――――――――
――――――――
P「到着ー。あっこにおるな……おーい」パッパー
!……テテテッ…ガチャッ、バタン
P「あいよ、お待たせさん」
みく「大丈夫にゃん、時間よりちょっと早いくらいだったし待ってないにゃん」
みく「それじゃあ、れっつにゃー!」
P「しゅっぱつしんこーっと」
ブロロロロロロ……――――――
P「みくのご両親に挨拶すんのもちょっと久しぶりってとこだな」
みく「いつもはちひろにゃんが連れていってくれてたからにゃー。今日は違うの?」
P「ちひろさんは今日は巴んとこのご両親に近況報告へ広島。だそうだ」
P「んで一日おらんぽいので俺が頼まれたってことだ」
みく「にゃるほど、でも今日だと多分……えーっとお父さんはお仕事で居ないかもにゃ」
P「ん、そうなると母上殿に挨拶になるか。それでいいんかな、話通してるってちひろさん言ってたけど」
P「そか…まぁとりあえず向かうとするか」
――――――――――
―――――――――
――――――――
~みく宅前~
ピンポーン
P「どうもー。モバプロのPと申しますが」
インターホン「あら! 今日はお越し頂いてお手数お掛け致しますー。ささ、上がってください~」
P「はい、それではお邪魔致します」
ガチャッ
P「どうもどうもご丁寧に。いつもお世話になっております」
母「いえいえこちらこそ、家の娘がお世話になっておりますー、どうぞどうぞ上がって居間の方へ」
みく「たっだいまにゃーん、お母さん元気してたー?」
母「あら、おかえりなさいみくちゃん、お母さんは大丈夫よ。そっちも元気そうでよかったわ」
みく「うんっ」
P「ええと、それで今日伺ったのはみくさんの近況についてですが―――――」
アレヤコレヤト……モンダイアリマセン……トテモヨイジョウタイデス……
P「――と、まあここ最近も頑張っている所であります」
母「そうですか。こうやってたまに顔も見せてくれますし、こちらとしては安心してこのままお願いしたいと思っております」
母「ところで……話は変わるのですが」
P「? 何かおありでしょうか」
母「仕事と周囲の人間関係は良好とのお話でしたが……その、Pさんとの間はどうなのでしょうか?」
P「ええと……自分との間、ですか?」
P「どう仰ればよろしいでしょうか……うーん……信頼関係は十分に築けていると自分では思っておりますが」
母「うーん……そういう事ではなくてですね……ちょっとPさんこのままお待ちになってくださいね。ちょっとみくちゃんー」
みく「はいにゃー、何かにゃ?」
母「ちょーっとこっちいらっしゃい?」
みく「?」
母「ね、みくちゃん。Pさんとはどこまでいったの?」
みく「にゃっ!? ど、どこまでって……」
母「おかあさんを甘くみちゃ駄目よー? 何でもお見通しなんだから。Pさんの事気になってるでしょ?」
みく「う”っ……にゃ、にゃんのことかにゃー?」
母「とぼけても無駄よ? みくちゃんがPさんの事じーっと見続けてたの分かるんだから」
みく「…………」
みく「え、えっと……な、なんにもないよ?」
母「ふーん、そっか。まだ何もないのね?」
みく「う、うん……」
母「……わかったわ。お母さんが一肌脱いじゃう、みくちゃんは安心して任せて!」エヘン
みく「に”ゃっ!? 何をするつもりなのかにゃ!?」
母「いいからいいから。じゃあPさんの所に戻りましょう?」
・・・……―――――――――
母「ごめんなさいねぇお待たせしちゃって……さ、みくちゃんそっちにお座りなさい」
P「あ、いえいえお気になさらずに」
母「あぁそれならもう大丈夫ですよ。それよりも少しご相談したい事があるのですけど、よろしいかしら?」
P「……? どういった内容でしょうか」
母「ええ、その……」
P「?」
母「家の娘をPさんの家で預かって頂けないでしょうか?」
みく・P「「ぶっ!?」」
みく「お、おかーさん!?」
母「みくちゃんはちょっと黙ってましょうねー?」ニコッ
みく「に”ゃっ…………」
P「と、突然何を仰るかと思えば……今はちゃんと寮に入って生活していますが……」
母「娘のアイドル生活を支えるにもお金がちょっと足りなくて」
母「寮の月賦も嵩んで大変なんですよ~」
P「ええと……それならばご実家から通わせるようにすれば良いのでは……?」
母「それも勿論考えたんですが、寮に入ってそのあと」
母「娘の生活できるスペースを削ってしまっちゃって、今更戻せなくて困ってしまってるんです……」
母「ですから! いっそのこと安心してお任せできるPさんのお家にご厄介できればと」
P「は、はぁ……ですが仮にも男一人の家に住まわせるというのはさすがに……」
母「それは勿論! 大切な娘を預けるなんてこんな事、信頼してお任せできるのは」
母「Pさんが今まで娘の面倒をとても良く見て頂いたからなんですよ?」
母「是非お願い致しますね~」ニコッ
デスガ……アーデモナイコーデモナイ……――――――
みく(にゃ……Pチャンすごく必死に食い下がってるにゃ……)
みく(Pチャンはみくと一緒に住みたくないのかにゃ……)シュン
母「前向きに、が抜けてますよ~。よい返事しか耳に入りませんので~」ニコニコ
~~~~~~~
バタンッ
P「はぁ……何故こうなった」
みく「にゃー……」
P「みくは何も聞いとらんのか」
みく「一緒にびっくりしてたにゃ、初ネコ耳にゃ……」
P「とにかく……ちょっと寮の皆にも話してみよう、いい案があるかもしれん」
みく「…………」
――――――――――
―――――――――
――――――――
女子寮・正門前
P「よし、着いたっと」バタン
みく「…………」パタン
サッサッサ……サッサッサ……
P「お。玄関前の掃除か、ご苦労様だな。藍子」
藍子「あ、おはようございますプロデューサーさん。今日はどうかしました?」サッサッサ……
P「あぁ、ちょっとな。ちょっと中に入って何人かと話をしたくてな」
藍子「え”っ……」ピタッ
P「どうした? 俺なんかまずい事言ったか?」
藍子「あっ、いえ。ちょ、ちょーっとだけ。プロデューサーさんは」
藍子「ここで待っててもらっていいですか?」
P「ん? まぁ構わんけども……何かあったか?」
藍子「い、いえそういうんじゃないですけど……と、とにかく待っててください!」タタタタッ!
バタンッ!
タイヘンヨー! プロデューサーサンガハイッテクルッテ!! エー!!! イソイデカタヅケナイト!!! バタバタバタッ!
P「…………何があった」
――教訓:女の園を期待してはいけない――
P「なんか息上がってっけど……大丈夫か?」
藍子「は、はい私は大丈夫ですっ」
P「ん……まあ談話室を使わさせてもらうぞ、それとちょっと木場さん呼んできてくれるかな」
P「あと何人か来れそうな奴もおったら頼む」
――談話室――
P「うっし、みくもちょっとそこに座りな。あとホレ、クッション」
みく「にゃ……」ポスン
藍子「はい、プロデューサーさんお茶をどうぞ」コトッ
P「おおすまん、どれぐらい人が来てくれそうかな」
藍子「えっと……私はこれから用があるので難しいですけど……」
藍子「木場さんと、桐野さんと、中野さんと、十時さんと、智絵里ちゃんですね」
P「ふむ……まぁ一気に皆に話してもアレだし丁度いいかもな」
藍子「それじゃあ私はこれで失礼しますね」ペコリ
P「あいあい、また仕事んときよろしくな~」
桐野アヤ(19):格闘技(観戦)アイドル
中野有香(18):空手アイドル
十時愛梨(18):イフクハナゲステルモノ
緒方智絵里(16):チョップチョッパーチョッペスト
P「急にすまんな集まってもらって、ちと相談したい事があってな」
愛梨「一体どうしたんですか? ……因みにここ暑くないですか?」ヌg
P「はえーよ脱ぐな」
木場「ふむ、用件があって呼んだんだろう。恐らく呼ばれていないがここに居る」
木場「前川君の事に関係するのかな」
みく「…………」
P「ええ、何人かに相談したいって事と」
P「木場さんが寮でまとめ役してもらってるんで集まってもらった、と」
木場「寮に関係する事だな、言ってみるといい」
P「智絵里はみくと仲良く遊んだりしてたよな、ちょっとみくの事だから」
P「聞いてもらった方がいいかもしらん」
桐野「まぁ知恵欲しいってんならアタイもできる事ならするけど」
有香「押忍! 他ならぬプロデューサーの為なら何だってやります!」
P「おう、助かる……んで率直に言うと」
P「みくを俺の家で預かって欲しいと親御さんから頼まれた」
ビシッ……
桐野・有香・愛梨・智絵里「「「「ええええっっっ!!??」」」」
P「あぁ、うん……やっぱ驚くわな」
P「あちらさんの都合で寮に預ける事が厳しくなってきた」
P「且つ実家から通わせる事も難しい」
P「んじゃ俺の家ならいいんじゃね? って思ったらしくお願いされた」
愛梨「ど、同棲するときってどこで脱いだらいいんだろう……」
有香「いつでも稽古をつけてもらえる……!」
桐野「別に住むとこ無くなんならテント張ればいいんじゃ……」
P「相談相手として間違えた気がする」
木場「ふむ、それで君の家に住まわせる以外の手段はあるか模索したいと」
木場「そういう事だな?」
P「うぃ、仮に寮を出る事になるなら寮のまとめ役をやってもらってる木場さんにも」
P「話をしないとならんので、このまま相談に乗ってもらったと」
木場「しかし難しいね、寮の部屋は一人用だけだから相部屋なんて無理だし」
木場「他のアイドル達の実家組に頼るとなると親御さんが反対されそうだな」
P「えぇ……ひたすら『Pさんのご自宅で面倒を見て下さい』って言われて」
木場「…………」チラッ
みく「…………」
木場「……ふむ、前川君はどう思ってるのかな?」
木場「思うままに応えていいんだぞ、何よりこれは君自身の事なんだからね」
みく「……みくは……Pチャンと一緒に住むの、嫌じゃないにゃ……」ギュッ
木場「……で、これは相談をする必要あったのか?」
P「え?」
木場「今前川君が了承したことで、家族共々了承されたという事になるワケだが」
P「しかしこれは親御さんにも言ったんですが男の家に住まわせるなんて……」
木場「君とて立場を弁えているだろう。責任を持って面倒を見ると思えるから不安は感じないが」
P「…………」
木場「それを共に寮生活していたとは言え、外部の人間がとやかく言える事は無いな」
木場「寮も空き部屋ができればそこに実家通いが大変な子を改めて迎えてあげれる」
木場「安部君辺りなら喜んで入ってくれるんじゃないかな」
みく「Pチャン……」
P「………あー分かった。相談なんてする必要なかったわ」
みく「……!」
P「まぁちっといきなりの事でびっくりしちまって」
P「どうすんべ、と皆に聞いてもらおうとしてたけど」
P「別に決まりきってた事か、いい案あるかなーってちと期待もしたが」
木場「君が責任感ある人間だという事はこの場に居る全員がよく分かっている事だ」
一同「うんうん」
P「んじゃあ決まりか」
木場「そういう事になるな」
P「まぁよくよく考えりゃこないだ泊めた事もあるしなぁ」
一同「…………………えっ」
P「ん?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ………
木場「ほう。その話は初めて聞いたな?」
木場「前川君が寮に戻ってこない日があってね。寮が大騒ぎになったんだが」
木場「因みに泊めた時、連絡入れたか?」
P「あっ………」
一同「………………………」
木場「まあその後戻ってきたからよかったものの」
木場「連絡ぐらい、入れてもよかったんじゃ……ないのかね?」スッ
P「ええと、はい、すんませんっす……因みにその人差し指は……?」
木場「少し君にお仕置きが必要だと思うんだ、今後の事を肝に銘じる事も踏まえてな」
ドスッ ピキーン!
P「ぐはっ!? か、体がうごかな……!!??」
木場「そして」グリッ!
P「ちょっ!? なんで俺勝手に立ち上がんの!?」シュタッ
みく「は、はいにゃ…」
木場「じゃあ、まずはスーツの上着が邪魔だな。愛梨君」
愛梨「はいっ。ジョインジョインと……終わりました」スッ
P「!?」
P「今何をした!? 気づいたらジャケットが脱げてて愛梨の手元に!?」
木場「うむ、相談相手としては実にいい選択だったなこれは」
木場「次はそうだな……中野君、好きな技をかけたまえ」
有香「押忍! 真さんから教わった………『正中線五段突き』ッ!!!」
ズドンッ! ズドドドンッ!! ズドンッ!!!
P「ご……ふっ……!」ドシャッ
木場「まだダウンするには早いぞ」スッ グリッ!
シュタッ!
P「ぐはっ……また体が勝手に…!」
桐野「おう! アタイも打撃だけど一味ちがうぜー? 『幻突』!!」
バスンッ!
P「がっ……見えん何かが……」
木場「決めは緒方君だな、手加減は無用だぞ」
智絵里「は、はいっ」
智絵里「か、かか、か………『カラミティエンド』です。えい」
シュパッ!
P「ぐわああああーーーッ!!」
――――――――――――――――
P「すんません……マジすんません……」ボロッ
木場「まぁ今後はきちんと面倒を見るように」
木場「それと、たまには二人の様子を見に行く事にするよ」
P「ぁい………」
木場「前川君、部屋へ入れてもらっていいかな」
みく「……はいにゃ」
――――――――
―――――――
――――――
P「とりあえず上がって一息ついたら片付けとか生活スペース作ったりするか」ガチャッ ススス…
みく「にゃ……えと、おじゃまします」
P「んー……はいやり直しー。玄関の前から!」チャリ、ポイッ
バタンガチャッ!
みく「に”ゃっ!? にゃ、にゃんでー!? 鍵まで閉められたー!?」
みく「開けてにゃーー!!」
ピンポンピンポンピンポーン
インターホン「はーいどちらさまですかーって違うわ! 連打すなやかましい
お前は家に帰るときに『開けてもらう』のか?
そのポケットの中身は何だろうなぁ? んん?」
みく「にゃ……? あれっ、この鍵……」チャリッ
インターホン「さぁそれを持って鍵穴に通し捻るがいい! そしてオープンセサミと!!」
カチッ、カシャン
ギィッ……
みく「えと……た、『ただいま』にゃ……」
P「おう、『おかえりなさい』だ。ようこそ我が家へ、歓迎するぞ」
P「それと鍵は予備で持ってたもんだからみくにやる。好きに使っていいぞ」
みく「…………グスッ」
P「お、おい?」
みく「……ふぇぇぇん!!」ダキッ!
P「急に泣き出したりして……どうした」
みく「みく……Pチャンが一緒に住みたくないって思ってて」
みく「嫌われちゃったのかなって……グスッ」
P「…………」ナデナデ
P「……んな訳あるか。家族と暮らせないってのがよくねーって、そう思っただけだ」
みく「……にゃ?」
P「我が家、ってありゃもう違うな」
P「これからは俺とみくの家って所だな」
みく「……うんっ!!」ギュー
みく「えへへ……Pチャンー……えへへへ…ぎゅー♪」スリスリスリ
P「とりあえず、一旦抱きつくのやめようか? 色々当たってる……」
みく「駄目……もう離さないんだからにゃん♪」
みくメインの筈が出番少なくてすんません……
また書き溜めできたら投下致します故
みくにゃんマジみくにゃん
にゃんにゃんにゃん!
にゃんにゃんにゃんにゃん!
乙
Entry ⇒ 2012.10.27 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「伊織恐怖症になった」
伊織「お疲れ」
P「!!」
P「ぎ……ぎぁあああああ水瀬伊織だぁあああああ!」
春香「え、え!?」
P「ひいいいいぃ……!!」
伊織「はぁ……まったくホント情けないわねこのヘンタイは」
春香「い、伊織、プロデューサーさんに何かしたの!?」
伊織「別に大したことじゃないわよ」
伊織「ただ三日間監禁してキス漬けにしただけ」
春香「……なんだと?」
伊織「ええ、言ったわ」
春香「監禁、キス!? 何がどうなればそんなことになるの!?」
P「イオリコワイイオリコワイイオリコワイ」
伊織「落ち着きなさい春香。私が悪いわけじゃないわ。全部この男が悪いのよ」
P「コワイオリ……コワイオリ……」
春香「ちゃんと説明して!」
伊織「じゃあもったいぶっててもしょうがないから言ってあげるけど」
伊織「私、先週この男に告白したの」
春香「!」
伊織「俺は年下は守備範囲外だから無理だ、だって」
伊織「あとプロデューサーとアイドルの関係だから普通に無理だ、だって」
春香「あ、ちょっと……」
伊織「ムカつくでしょ?」
春香「うん……」
伊織「そうしたら監禁するのが世のため人のためってもんでしょ?」
春香「うん……いや! そんなの間違ってるよ! それ全部伊織のためだよ!」
春香「フラれた腹いせに監禁だなんて、非道義的!!」
P「コワイ……コワスギイオリ……」
伊織「まあちょっと落ち着きなさいよ春香」
伊織「ちゃんと有給扱いだから大丈夫よ」
春香「そういうことじゃない! 監禁だなんて……それにキス漬け!? どういうこと!?」
伊織「ハァ……ならいい? よく考えてもみなさいよ」
伊織「目の前には私をフったことで監禁されたプロデューサー」
伊織「この男を何とかして自分に振り向かせたい」
伊織「壁は社会通念と嗜好。言葉で押したって何の意味もない。ならこの場合の最善手は?」
春香「キス」
伊織「だったら純真さを活かして唇に頼むのが常道、でしょう?」
春香「うん……いや違う! そこはフられちゃったんだから潔く退くべきだよ!」
春香「監禁してる前提もおかしいし!」
伊織「潔さが常に美徳とは限らないわ。いい春香、世の中を常に疑ってかかりなさい」
伊織「『潔く退け』、『決して諦めるな』――世の中はこの二律背反を平気で強いてくるの」
春香「ううぅ、何が正しいの……!?」
伊織「今の春香は正解よ。人は真理に直面すれば思い惑うものなの」
春香「うん……違う絶対違う! そうだとしてもやりすぎだよ!」
春香「だってプロデューサーさんこんなに怖がってる!」
P「コワイ……」
春香「キス漬けって、何をしたの!?」
春香「ぐっ……」
伊織「冷静にならなければ見えるものも見えなくなるわ」
伊織「紅茶でも淹れましょうか」
春香「要らない! 早く答えて!」
伊織「そうカッカしないでよね。私は春香と敵になんてなりたくないの」
春香「いいから答えて。キス漬けって具体的に何なの!?」
伊織「あまり大きな声を出さないでほしいわ。人に聞かれて気持ちのいい話じゃないんだし」
伊織「小娘でもあるまいし」
春香「そっちだって小娘のくせにっ……」
伊織「キス漬けが何かって? そのままの意味よ」
伊織「今のあなたはお腹を空かせた小動物。目の前にはずっとずっと追い求めてきた甘美な果実」
伊織「歯を立てれば、舌をくるみこむほどたっぷりの甘い汁」
春香「……ごく」
伊織「口にすれば本能をふやかし、脳髄をとろめかすような刺激の洪水」
伊織「麻薬そこのけの勢いで、あなたはみずみずしく蹂躙されるの」
春香「やだ……やだぁ……」
伊織「ならその果実がもし、プロデューサーだったら?」
伊織「甘く狂おしく焦がれる初恋。その目当てが拘束され無防備にさらされていて」
伊織「それが今あなただけのものだとしたら?」
春香「めっちゃキスする」
春香「え? あ……あああ……っ!!」
伊織「くす、春香、あんたってもしかして」
春香「やめて! 言わないで!」
伊織「くすくす」
春香「………っ!」
伊織「良いわねその『眼』。そんな闘気がみなぎった視線を向けられたら」
伊織「――たかぶっちゃうわ」
春香「卑怯者……奸佞の徒!」
伊織「春香……あんたまだ『理性』なんて人間の負の遺産にとらわれてるの?」
伊織「ヒトの歴史なんて生命の歴史に比べれば刹那にも満たない寸陰の出来事」
伊織「そして、かつて広がっていたのは『理性』なき『ケダモノ』たちの世界」
伊織「そこにはルールも秩序もない。ただ『喰らう』か『喰らわれるか』だけ」
春香「伊織……あなたまさか」
伊織「ええ、そうよ。私が望むのはその『ケダモノ』たちのための世界」
伊織「世界をかつての姿に戻す」
伊織「私はそのためにアイドルになったの」
春香「なんてこと……!」
伊織「何ですって?」
春香「そんなの、絶対にさせない!」
伊織「……できるのかしら、あんたに?」
春香「伊織の考えは間違ってる! 私たちは立ち止まって、考えるから進めるんだよ!」
春香「思いやりや反省が私たちを成長させるの!」
伊織「前時代的で化石のような考え方だわ。何の面白みもない」
春香「たとえプロデューサーさんにキスしちゃっても! もし『立ち止まる』ことができれば」
伊織「ところが」
春香「え……?」
伊織「でもそれは『理性的であれ』という意味ではない」
伊織「『本能の声を聞け』という意味よ」
伊織「『内なる無我を啓発しろ』『耳を澄ませて主体を明け渡せ』」
春香「そんなこと……!」
伊織「私はアイツにキスをしたわ」
伊織「でもアイツは残された『理性』で抵抗するの。『やめろ、やめてくれ』」
春香「っ……」
伊織「私の唇に必死に身をよじらせて抵抗する、あまりに脆弱な成人の男」
伊織「さっきまで小動物だった私は、この瞬間、自分が捕食者にすり替わっていることを自覚する」
伊織「美しい弦楽器を奏でているような錯覚。陵辱の愉悦。享楽の底なし沼」
春香「いや……いやぁっ……」
伊織「普段、辣腕をふるってアイドルたちを指揮する面影はどこにもない」
伊織「口元からは私の唾液が泡立ちながら滴って、両目はとろんと据わっていて」
伊織「身体は刺激を悦ぶようにぴくぴくと震えているの」
春香「ううぅ……」
伊織「私はその姿を見て、今が絶頂にあるような多幸感に包まれると同時に」
伊織「崖から転がり落ちるような背徳の螺旋に身をゆだねた」
春香「私も」
春香「あああぁっ……いやぁあああ……!!」
伊織「春香、あんたそろそろ自分でも気がついてるんじゃないの」
春香「もうやめてぇっ!!」
伊織「――あんたも『こちら側』の人間だということに」
春香「ウソ……嘘っ……!」
伊織「人間は理性的な生き物なんかじゃないわ……」
伊織「大多数の人間は『脳が身体を従えている』と考えがちだけれど」
伊織「本当に究極的な局面では、『身体が脳を支配する』のよ」
伊織「何故ならそれこそが、『種』の偽らざる姿なのだから」
春香「違うっそんなの……!」
伊織「だから絶望することなんてないわ。春香がそう考えてしまうのも詮無いことなんだから」
伊織「目を背けるんじゃないわよ!!!」
春香「―――」
伊織「……本当にそう?」
春香「……え?」
伊織「自分は違うって、自分の心に誓って言えるのかしら?」
春香「そ、そんなの決まって……」
伊織「愛するプロデューサーに恋心に押されるまま告白して、断られて」
伊織「本当に愛していたからショックも計り知れなくて」
伊織「同じ経緯をたどって、同じ状況に立って、同じことをしなかったと言えるの?」
春香「正直五分五分」
春香「あああぁっ……いやぁあああ……!!」
伊織「理性なんて無意味なのよ、春香」
伊織「大いなる大義のもとに並べば、理性なんてまず始めに消し飛ぶもの」
伊織「文明は研鑽を重ねた理性の産物とか考えてるなら、唾棄しなさい」
伊織「平和も、戦争も、略奪も――すべて『本能』のみが成し得るものよ」
春香「あああぁっ……いやぁあああ……!!」
伊織「ねえ春香、何が悪いの?」
伊織「よく考えて。内なる声に耳を澄ませて」
伊織「アイツを監禁することの何がいけないっていうのかしら」
伊織「何かしらその屁みたいなトートロジーは」
春香「いけないからっ……そう、法律でっ、犯罪だから……!」
伊織「まだそんな『くびき』に縛られているの? 法律? 犯罪?」
伊織「ヒトが均整に見せかけて作ったものなんて、圧倒的な力の前では無力よ」
伊織「水瀬財閥が警察に圧力をかける……そんなちょっとした力学で崩れる」
春香「だとしても、プロデューサーさんが傷ついてる!」
伊織「傷ついて? ええそう……そうでしょうね」
伊織「あんたにはそう見えるんでしょうね」
春香「――!?」
伊織「でも、幸福って多角的に検証されるべきだと思うわ」
伊織「しかし彼自身は幸福であることを自覚できないように」
伊織「真の幸福は、一つの視点で、一つの瞬間で、一つの極では決まらない」
伊織「もしかしたら破滅の先にあるかもしれないじゃない?」
春香「いやぁあああ……!!」
伊織「じゃあ春香、私とプロデューサーの間を遮るものって何?」
伊織「プロデューサーが私の元に堕ちるのが真の幸福だとすれば」
伊織「誰がそれを止める権利を持ってるっていうのかしら?」
春香「おそらく誰も持っていないのではぁあああ……?」
春香「え……?」
伊織「これはあんたにとっても悪い話じゃないわ。むしろ幸せにしてあげられる」
伊織「だって私たちは同胞でしょう?」
春香「わたし……私、はっ……」
伊織「私があんたに望むことはたった一つ。簡単なことよ」
伊織「この部屋からしばらく出て行ってちょうだい」
春香「!?」
伊織「私とプロデューサーを少しのあいだ二人きりにしてほしいのよ」
伊織「その代わりあんたには望むものを与えるわ。私にはアイツ以外に価値なんてないし」
伊織「いくら積めば出て行ってくれる?」
春香「っ! バカにしないで!」
伊織「五千万? 一億?」
春香「そんな大きいお金のこと言わないで!」
伊織「ふふ、じゃあどうすれば出て行ってくれるの? 頭の悪い私に教えて?」
春香「私はそんな伊織になんて屈しない! プロデューサーさんを守るんだから!」
伊織「そう……そうなの」
伊織「じゃあやっぱり……『ケダモノ』らしく、本能に訴えかけるべきかしら?」
伊織「そう警戒しないで。こっちに近づきなさいよ。話ができないでしょ?」
春香「何する気――」
伊織「嫌ね。これよこれ」
春香「そ、れって」
伊織「メモリーカードよ。ある一部始終をおさめた記録」
春香「―――」
伊織「今春香が思い浮かべた内容で正解よ」
春香「ちがっ、わたっ」
伊織「これにはプロデューサーを監禁していた時の映像が入っているわ」
伊織「ほしくない? 欲しいはずよね? だってさっきまでありありと思い浮かべていた情景が」
伊織「この中に再現されているんだもの」
伊織「快楽のるつぼに堕ちたプロデューサーの姿が、ほとばしる煩悶が」
春香「ほしいわけない……!」
伊織「本当は私が愉しむために撮っておいたんだけどね」
伊織「特別に同志の春香にはプレゼントするわ。きっと最高の映像でしょうね」
春香「やめて……同志なんてっ」
伊織「常識だの理性だのいうベールを剥がされて喜悦にまみれた男を観る、極上の視覚体験」
伊織「そんな映像をおさめたメモリーカードがあんたは欲し……?」
春香「い……くない!」
春香「欲しくない!」
春香「当たり前!」
伊織「認めてしまえば楽になるのに。自分の内なる『ケダモノ』を」
春香「そんなものいない! 惑わされない!」
伊織「そう……残念ね……」
伊織「少し挑発しすぎたかしら。ここまで強情になられると困ったわ。どうしようかしら」
伊織「打つ手無しね。じゃあ、最後に一個だけ」
春香「………」
伊織「これに一億円もつけるって言ったらどうする?」
春香「そんな大きいお金のこと言わな――んむっ!!??」
伊織「ん、ちゅ……」
春香(何これ、私っ、キス? ……キスされてるの!?)
春香(しまった、距離をとることを忘れて、許してしまった――)
伊織「ちゅるっ、ちゅむ……」
春香(伊織、伊織っ! キスで私を手篭めにしようっていうの!?)
伊織「あむん……ちゅるる」
春香(こんな下劣な手段をとるなんて、相手も困窮している証拠!)
春香(無理やり引きはがしたっていいけど、私はアイドル、そんなことしない)
春香(正々堂々受けて立つんだから!)
伊織「ちゅりゅるっ」
春香(絶対にキスになんて屈したりしない!)
春香「んほおおおおおおキス気持ちいいのぉおおおおおおおお」
春香「………」
春香「……結局、部屋から追い出されちゃった」
春香「ごめんなさいプロデューサーさん……私、何て弱い……」
春香「『プロデューサーさんを守る』だなんて言っておいて」
春香「ううっ……ぅっ……」
春香「でも伊織の尋常ならざるテクニックが私の想定を超えていたから致し方ない部分もある」
春香「!?」
春香「いまの、プロデューサーさんの声!?」
春香「中でっ、いったい何が!」
ガチャンガチャン!
春香「くっ、開かない……当然ながら鍵が……!」
春香「今度こそ助けなきゃ、でもどうすれば」
春香「……思い返せ、私はアイドル」
春香「ヒトの感情を知らない『ケダモノ』なんかに負けちゃいけないんだ……!」
春香「冷静になれ、『理性的』に……」
春香「私はアイドル、こんな小さな壁につまずいてる場合じゃない!」
ガチャンガチャン!
春香「ひらけっ、開けぇっ!」
ガチャンガチャン!
春香「自分のやってきたことを今ぶつけるんだ!」
ガチャンガチャン!
春香「プロデューサーさんを助けるんだ!」
春香「ひらけっ」
春香「開けぇっ!!!」
春香「開いた――!!」
伊織「プロデューサーぁあ/// すきっ、だいすきぃ///」
伊織「ちゅっちゅ/// ちゅっちゅ/// いおりんのちゅっちゅ///」
春香「………」
伊織「いおりんはね、プロデューサーのことがだいだいだいだい……」
伊織「だぁあーーーいすきなのよぅっ、にひひっ/// ちゅっちゅ/// ちゅっちゅ///」
伊織「にひ……ひ……」
春香「………」
伊織「くっ……何故!? 施錠は完璧だったはずなのに」
春香「確かに施錠は完璧だった。でも伊織、最も単純にして重大な事実を見逃してない?」
春香「閉まった扉を開けるのは――鍵だよ」
伊織「それは……合鍵……!」
春香「ここ最近、私は早めに事務所に来て歌の覚えこみをしていたの」
春香「だから小鳥さんが融通して私に合鍵を渡してくれていたんだよ」
伊織「なんてこと……すごいガチャガチャ言わせて『開け』って連呼してたのに」
伊織「実際は鍵を回していただけなんて……!」
春香「積み重ねてきたものの証。自分自身を律してきた努力がくれた突破口」
伊織「理性が……」
伊織「あんたの『理性』が……私の『ケダモノ』を出し抜いたとでも言うの!?」
春香「伊織が思うならそうなんだよ」
春香「あなたは一時の感情に流されてアイドルを捨てた。私は捨てなかった、それだけ」
伊織「認めるわけないじゃないそんなの!!」
春香「伊織ィっ!!」
伊織「はるかぁッ!!」
伊織「まだ――まだやれる!」
伊織「まだ私は終わったわけじゃ――」
「いいや、終わりだよ」
春香「!!」
P「もう終わりだ」
P「伊織……お前の負けだよ」
伊織「なに、を……」
ガチャッ!!
ドタドタドタドタ!!!
伊織「ッ!?」
「警察だ! 水瀬伊織は手を上げろ!!」
伊織「いつの、間にっ……!」
伊織「やってくれるじゃないプロデューサぁあ……」
「動くな! それ以上動くと水瀬財閥の令嬢といえど血を見るぞ!」
伊織「何ですって?」
「水瀬伊織……監禁罪および淫猥接吻罪、瑕疵ツンデレ取締法違反により逮捕する!」
伊織「自分の言っていることを自分で認識できてるのかしらこの猿は」
伊織「その水瀬財閥が動けばアンタたちなんて……」
P「無駄だ、伊織」
伊織「何を言って……」
P「何故なら、お前を通報したのは」
P「他ならぬ君のお父様だからだ」
伊織「―――」
伊織「あのクソジジィッ……!!」
P「伊織、お前ほど才覚のある人物なら、焦らず落ち着いて事を進めれば何だってできたはずだ」
P「トップアイドルになることだって、一人の男を手に入れることだって」
P「ただお前に欠けていたのは、今この世界と向き合う姿勢」
P「夢や幻ばかりじゃなく、周りの小さな現実を見ることを教え忘れた、俺のせいでもあるがな」
P「………」
伊織「私がこうなったのは全部――!!」
「連行しろ」
伊織「うぁああああっ! 終わりじゃないっ、終わらせなんかしないわ!」
伊織「私を捕まえても何の意味もない! もう賽は投げられた! 『種』は蒔かれた!」
伊織「『ケダモノたちの世界』はすぐそこまで――」
伊織「プロデューサー! 春香! 見てなさいッ」
伊織「私は必ず――」
バタン……
P「………」
春香「プロデューサー、さん……」
P「あとで事情聴取があるぞ、これからも忙しくなる」
春香「あの、私っ」
P「そのメモリーカードはダミーだ。俺がすり替えておいた」
P「本物は……伊織の父親のもとへ」
春香「あ……」
P「伊織の言っていた通り、水瀬財閥にはもみ消されてしまう恐れがあった」
P「ならば逆に、そちらから押さえておく必要があると思ったんだ」
P「騒ぎにならないような根回しも済ませてあるんだろう」
P「俺にできることはそれまでの時間稼ぎだったんだが」
P「春香にほとんどその役目を負わせちゃって、俺は見守るだけだったな……すまん」
春香「いえっ、私こそ、ほんと情けなくて……」
春香「じゃあ、あの怖がりぶりは」
P「ああ、演技だよ」
P「アイツは俺が激しく反抗しない限り、強硬な押さえつけはしてこなかったからな」
P「やっぱり、根は優しいんだ」
春香「………」
P「なあ春香……俺は正しかったのかな」
春香「プロデューサーさん……」
P「もっとじっくり『対話』してやっていれば、違う救いもあったんじゃないのか?」
P「なあ、春香……」
春香「プロデューサーさん」
春香「二人で、手紙を書きましょう?」
春香「伊織が安心して帰ってこれるように、伊織がいない765プロでも元気にやっていますって……」
春香「だからあなたが、また事務所の扉を開けて来られる日を、楽しみに待っていますって」
P「ぅっ……うぅううっ……!!」
春香「いいんですよ……」
P「俺、はっ……ぐぅ、ぅううっ……!!」
春香「いいんです、プロデューサーさん……」
P「ぅうううあああっ!!」
春香「プロデューサーさん……」
春香「大丈夫……大丈夫ですからね……」
春香「今は、このまま……」
『認めてしまえば楽になるのに。自分の内なる「ケダモノ」を』
『春香、あなたそろそろ自分でも気がついているんじゃないの』
P「ぅうっ、ううぅっ……」
『本能の声を聞け』
春香「………」
『内なる無我を啓発しろ』『耳を澄ませて主体を明け渡せ』
P「……」
『ねえ春香、何が悪いの?』
P「春香……?」
『内なる声に』『本能を』
――『種』は蒔かれた
P「おい春香! 春香!? 大丈夫か――」
P「なんだ、何が……いつっ」
P「いたいぞ……腕……そんな、強く……」
P「―――」
P「やめっ、おい……や、やめてくれ、春香! 春香ぁあ!!」
P「うぁ……ああああ……」
「ぎぁああああああああああああああああああああ!!!」
「な、何をしているんだ、君っ、君!!!」
天海春香の身体からは微量の薬物が検出されたらしい
媚薬や興奮剤の一種――
おそらくは、水瀬伊織と唇を交わした際に摂取されたものだろう
しかしそれはほんのきっかけにすぎない
水瀬伊織が蒔いた『種』は、それ自体は大きな作用を持つものではないのだ
何故ならあらかじめ『土壌』がなければ、『種』は芽を出さないのだから
あなたの心の中にも、『ケダモノ』は潜んでいるのかもしれない……
END
極上のサスペンスだったと自分でも思います
せ、せやな…
深いようで原因はキスってところとかな…
乙
お、おう…
乙
Entry ⇒ 2012.10.27 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
美希「ただいま戻りましたなのー!」
765プロダクション――
ガチャリ
美希「……あれ?だれもいないの?」
P「すぅ……すぅ……」
美希「あっ、ハニー!」
美希「小鳥も律子、さんもいないし……」
美希「起こすのも悪いよね。とにかくソファーでゆっくりしようっと。あふぅ」
美希「……ん?ハニーの目の下……クマができてる……」
美希「そういえば顔色もあんまりよくないの……疲れてるのかな……?」
美希「ということでまずはお掃除なの☆ ハニーを起こさないように気をつけなくちゃ」
美希「ふんふんふーん」サッサッ
美希「ソファーの下も埃だらけなの」
美希「んんーっ!このソファー思ったより重いの……」
ガタッ!
美希「あっ!」クルッ
P「すぅ……すぅ……」
美希「よかった~。起きてないの」
美希「……これでよしっと」
美希「ライブの企画書を書いてる途中なの」
美希「パソコンつけたまんまだから、居眠りだよね……どうしよう。ハニー……」
美希「美希たちのために、こんなに疲れ果ててまで……」
美希「……よーし!決めたの!事務所のザツムを手伝うの!」
美希「意外と整理されてるの。雪歩がお掃除でもしてるのかな」
美希「……うわあ、と思ったら生ゴミがすごいの……」パカッ
美希「どうしよう。これは小鳥に任せた方が……」
美希「……ううん、ダメなの。もしハニーが先に見つけたら捨てに行くに決まってるの」
美希「この袋ごと捨てていいんだよね?」ドサッ
美希「端っこを結んで」ムスビメギュッ
美希「たるき亭の小川さんに捨てる場所を聞いてみよっと」
■数分後
美希「なるほど。ここがゴミ捨て場所なの」
美希「生ゴミはここかな?」ドサッ
美希「ふうっ。一件落着なの」
再び事務所へ――
トテトテ、ガチャリ
美希「ふふっ。まだハニーはお休み中なの」
美希「みんなが帰ってくる前にいろいろ準備しようっと」
美希「そういえば、ハニーは起きたらいつもコーヒーを飲んでたよね」
美希「目が覚めた時のために今度はコーヒーを作るの!」
美希「……ミキコーヒーメーカー使ったことないの。でもなんとかなるよね」
美希「……コーヒーの粉ってどこにあるのかな」
美希「あ、小鳥?」
小鳥『美希ちゃん?どうかしたの?』
美希「コーヒーの粉って、どこに置いてあるか教えてほしいの」
小鳥『コーヒー?美希ちゃんコーヒー飲むの?』
美希「んーまあそういうことにしてほしいの」
小鳥『わ、わかったわ。でも、ちょうど今切れちゃってるのよ。帰りに買って行こうって思ってたところで』
小鳥『あら、じゃあお願いしてもいいかしら。ちなみにコーヒーメーカーを使うときは、豆から買ってきてね』
美希「粉じゃダメなの?」
小鳥「粉だと酸化が早いから保存がきかなくてね。それに、味も美味しいし」
美希「わかったの!」
小鳥『ありがとう。帰りにおにぎり買っていくわねー』
美希「うん、待ってるね。バイバーイ」ピッ
美希「いざ、しゅっぱーつ、なの」
美希「ハニー、もう少し待っててね」
P「すぅ……すぅ……」
美希「行ってきますなの!」
近所のスーパー――
美希「うわあ、主婦でイッパイなの……」
美希「もやし、特売セールかあ。やよいが喜びそうなの」
やよい「あれ?もしかして美希さんですか?」
美希「あ、やよい!」
やよい「こんにちは!美希さんもお買い物ですか?」
美希「うん。コーヒーの豆を買いに来たの!」
やよい「コーヒーですか?それでしたら、あっちにありますよー!ついてきて下さい!」
美希「おおー、やよい頼りになるの!」
美希「やよいはよくここのスーパーに来るの?」
やよい「はい!いつも晩ご飯のおかずはここで買うんですよー!」
やよい「今日はもやし祭りですー!」
美希「美味しそうだね。今度美希も招待してほしいな」
やよい「うっうー!美希さんならいつでも大歓迎ですよ!」
美希「じゃあ楽しみにしてるね?」
やよい「はい!」
やよい「……と、それより、美希さんはどうしてコーヒーを買いに来たんですか?」
美希「ちょっとお使いなの。コーヒーの粉がなくなってて、ハニーのコーヒーが作れなかったから買いに来たの」
やよい「なるほどー。美希さんはプロデューサー思いなんですね!」
やよい「うっうー!私も負けてないですよー?」
美希「ふふっ。それじゃミキと勝負だね。ハニーは渡さないの」
やよい「私も頑張りますー!」
美希「のぞむところなの!……あ、あったの!……豆はコレしかないみたいだね」
やよい「あ、それプロデューサーが飲んでたコーヒーと一緒ですー」
美希「やよい、知ってるの?」
やよい「はい!プロデューサーが豆を挽いてた時に見た袋なんです」
美希「ホント?じゃあちょうどいいの。これにしようっと。一つでいいかな?」
やよい「予備もあった方がいいと思いますよー!」
美希「分かったの!」
やよい「えへへー、どういたしまして!それじゃ、また明日ですー!」トテトテ……
美希「さてと。急がないとハニーが起きちゃうの」
■PM:4:54
三度事務所へ――
ガチャリ
美希「ハニー?」
P「すぅ……すぅ……」
美希「よかった。まだ起きてないの。よほど疲れてたんだね……」
美希「よーし、早速コーヒーを作るの!」トテテ
小鳥『もしもし?美希ちゃん?』
美希「豆を買ってきたんだけど、どうやって粉にすればいいの?」
小鳥『それなら、棚に豆を挽くコーヒーミルっていう機械があるから、それを使って挽くのよ』
小鳥『豆をセットして、上についてるハンドルを回して使うの』
美希「……あ、コレかな。ありがとうなの」
小鳥『どういたしまして。でも、急にコーヒーなんて珍しいわね』
美希「ハニーのためなの!」
小鳥『あ、そういうことだったのね』
美希「うん。それじゃ、小鳥も早く帰ってきてね」
美希「早速やってみるの」
美希「豆をセットして、っと」
美希「わあ、結構面白いの!」ガリガリ
美希「あ、でも、あんまり音を立てるとハニーが起きちゃうかも……」ソロソロ
~数分後~
美希「できたの!」
美希「えーと、ここにお水をいれて、フィルターはここかな?」
美希「粉をいれて……」
美希「このボタンでいいのかな?」ピッ
美希「おおー、動き出したの。コーヒーメーカー、いい仕事するの」
美希「コーヒーの匂いがする……。いい匂いなの」
美希「こっちは律子、さんの書類で、こっちがハニーので。これは全部小鳥の書類かな」
美希「わあ、すごいの。ライブの記録が全部残ってる」ペラッ、ペラッ
美希「これはオールスターライブの時で、あ、これはミキの初めてのライブ!」
美希「全部、ハニーのおかげで成功できたんだ……ありがとう、ハニー」
美希「……はっ!感傷に浸ってる場合じゃないの。片づけないと……」
ドン、ドサッ、バラバラ
美希「わあっ!」ドンガラガッシャーン
P「うん?……うぇ、なんじゃこりゃ!」バッ
P「美希!大丈夫か?」
美希「いたた……段ボール箱乗せたらバランスが崩れて本棚が倒れてきたの……あ、ハニー!」
P「怪我はないか?」
美希「うん、ミキは大丈夫だよ。でも、ハニーが……」
P「え?俺は何ともないぞ」
P「あ、ああ。なんだそんなことか。ていうか、寝ちまってたのか俺」
美希「そんなことじゃないの。ハニー、クマが出来てるの……」
P「え、マジで?」
美希「それに、顔色も悪いの。ハニー、正直に答えて。寝てないんでしょ?」
P「……い、いや、寝てるぞ?」
美希「ウソなの。ハニー、とっても疲れた顔してるの」
P「……まあ、ここ4日ほどは仮眠を1時間とるくらいしか寝てないな」
美希「やっぱりなの。ミキたちのために、こんなに……」
美希「よくないの。ミキは……ミキはそんな疲れてる顔、ハニーにしてほしくないの……」
P「美希……」
美希「ミキ、少しでもハニーに楽してもらおうと思って、事務所のザツムをやってみたの。でも、本棚の整理が大変で……。逆にハニーに迷惑かけちゃったの……ごめんなさい」
P「……いいや、迷惑じゃないさ。他にはどんなことをしてくれたんだ?」
美希「お掃除したり、ゴミを出したり、ハニーのコーヒーを作ったりしたよ」
P「そっか。十分だよ、ありがとな。俺も体調管理は気をつけるから」
美希「ハニー……!」
P「さて、みんなが帰ってくる前にコイツを片づけるぞ」
美希「うん。でもハニーは休んでて。これは美希が片づけるの」
美希「でもハニーは寝てなきゃダメなの」
P「……そうだなあ。じゃあ二人で片付け終わったら、美希に膝枕でもしてもらおうか。その方がゆっくり休めそうなんだけど、ダメ?」
美希「……! もちろんいいの!」
PM6:31
765プロダクション
小鳥「ただいま戻りましたー」
律子「おかえりなさい。そういえばどこ行ってたんですか」
小鳥「あ、社長と一緒に、新しく業務提携を結ぶレコード会社に挨拶に行ってたんです。最近はみんな人気が出て、あちこちからお仕事が舞いこんできますから」
律子「なるほど。てっきり仕事をさぼって飲んでたものとばかり」
小鳥「ピヨ!私どんなイメージなんですか!」
律子「冗談ですよ。それより、あんまり大きい声出さないでくださいね」
小鳥「え?何かあったんですか?」
律子「アレですよ、アレ」ユビサシ
P「すぅ……すぅ……」
美希「すぅ……すぅ……んぅ、はにぃ……」ムニャムニャ
小鳥「あら、すてき」
律子「美希がソファに寝てるのはいつもの事ですけど、その膝でプロデューサーが寝てるのは珍しいですね」
小鳥「やっぱり、疲れてらしたんですね」
小鳥「あ、そういえば……。律子さん、コーヒーあります?」
律子「ポットに沸いてますよ。帰ってきたらコーヒーの匂いがしたんですけど、プロデューサーが淹れたんですかね?」
小鳥「ちゃんと作れたのね……ふふっ」
律子「? どうかしたんですか?」
小鳥「いえ、それより、美味しかったですか?」
律子「ええまあ、いつも通りのコーヒーですよ」
小鳥「それじゃ、後で美希ちゃんにお礼、言ってあげてくださいね?」
律子「え?美希にですか?」
小鳥「じつはですね――」カクカクシカジカ――
スヤスヤ……
美希「はにぃ……大好き……なの」ムニャムニャ
Fin
おまけ
PM10:27
P宅
P「ふー、さっぱりした~」ゴシゴシ
P「ん、もう10時半か。ちょっと長風呂しすぎたか」
P「さて、今日は美希のおかげで体力バッチリだ。もう少し残った書類を――」
グッバイ、メモリーズコノオーモーイデーハルカゼマウヒーダマリノー♪
P「ん?美希から着信?こんな時間にどうしたんだ?」
P「もしもし?」
美希『あ、ハニー!こんばんはなの』
P「どうかしたのか、こんな時間に」
美希『ハニー今何してる?』
P「え?風呂上がったところだけど……」
美希『そっか。今日はもう寝なきゃダメだよ?』
美希『もしかしてまたお仕事の続きやろうとしてたでしょ?』
P「はあ……美希には適わないな、まったく」
美希『やっぱりなの。最近ハニーは頑張り過ぎだって思うな。体調管理は大事だよ?』
P「あはは、まさか美希から説教を食らう日が来ようとはな。わかった。今日からゆっくり休むよ。心配してくれてありがとう」
美希『ううん、ハニーが倒れちゃったらヤだから。ハニーにはいつも元気でいてほしいの!』
P「そうだな。ちょっとばかり働きづめてたよ。これから気をつける」
美希『うん。ならいいの』
P「ありがとう。さ、もうこんな時間だ。明日も仕事なんだから、早く休めよ?」
美希『それはお互いさまなの』
P「あはは、だな。じゃ、切るぞ」
P「おう、おやすみ」ピッ
P「……仕方ない。こいつは明日にするか」
P「つけたばっかだけど、シャットダウンだな」
ピロリーン、ユーガッタメールナノー
P「ん?今度はメール?」
From:美希
subject:無題
一つ言い忘れてたの。もしハニーがまた眠くなったら、いつでもミキの膝、使っていいからね?ここはハニー専用なの!あはっ☆ (^_-)v
それじゃ、おやすみ!
P「……かわいいやつめ」
P「わかったよ、っと」ソウシン
P「さてと、今日はいい夢が見れそうだ」
一度でもここを開いてくださった方、支援して下さった方、ありがとうございました!
美希はかわいいなぁ
でもせっかくミキが作ったハニーの為のコーヒーを律子、さんが飲むなんて酷いって思うな
Entry ⇒ 2012.10.27 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
真美「お鍋の美味しい季節になってきたよ→!」
小鳥「…え、えぇ…そうね。良い頃合いよね」
小鳥「…え~っと。それはともかくとして…」
小鳥「…どうして、私の部屋に?」
真美「………」
小鳥「………」
小鳥「ぜ、全然答えになってないんだけど…」
真美「亜美も今日は遅くなるらしいし…そしたら、たまたまピヨちゃんが事務所から帰るとこ見つけて」
小鳥「えぇ」
真美「つけてきたの」
小鳥「………」
真美「真美、探偵みたいだよね!すごいっしょ!」
小鳥「うぅ、頭が痛くなってきた…」
真美「鍋!」
小鳥「え?」
真美「鍋しよーよ!鍋!鍋!」
小鳥「…え、えーと…ごめんなさい。さっきから立て続けに色々と起こり過ぎてお姉さんもう、何が何だか…」
真美「そ→だよ~…さっきも言ってたっしょ?」
小鳥「た、確かに言ってたけど…」
真美「真美、そろそろ鍋がやりたい気分なんだよね」
小鳥「やりたい気分なんだよね、と言われても…」
真美「うちの家だと、何鍋にするかで揉めて、結局鍋自体が出来なくなっちゃうんだ」
小鳥「あぁ…あるわよね、そういうの。私の実家も……っていやそうじゃなくって!」
小鳥「何?じゃないわよ…ほら、私が送っていってあげるから、今日はもう帰りましょう?」
真美「……やだ」
小鳥「真美ちゃん…」
真美「………」
真美「……真美ね、実は昨日、亜美とちょっと喧嘩しちゃったんだ」
小鳥「え?」
真美「だから……今日はあんまり会いたくないの」
真美「………」
真美「……うん、そうだよね。ごめんなさい」
真美「今日はもう…帰るね」
真美「………」しょぼん
小鳥「………」
小鳥「……あぁもう…!わかったわ。降参、私の負けです」
真美「え?」
小鳥「……明日はちゃんと会って仲直りするのよ?」
真美「!」ぱぁぁ
真美「うん!」
小鳥「……え?あ、はいっ。わかりました」くすっ
小鳥「それでは失礼致します」
がちゃり
真美「……お母さん、何か言ってた?」
小鳥「えぇ。娘をよろしくお願いします…って」
真美「えー、何それー」
真美「……そっか」
小鳥「……帰らなくていいの?真美ちゃんもホントは寂しいんでしょ?」
真美「なっ…!//さ、寂しくなんかないもん!」
真美「あ、亜美もたまには寂しがらせてやらないとね!」
小鳥「へぇ~…?そう?」
小鳥「真美ちゃんのお母さんがね、こうも言ってたわよ」
小鳥「『あの娘、寂しがり屋だから、夜はすっごく甘えてくるかもしれませんけど…』って」
真美「ーーッ!////な、なっ…!////」
真美「そっ、そんなことないもん…!//そんなのデマだよ、デマ!」
小鳥「くすくす…それじゃ、そういうことにしておきましょうか」
真美「すき焼き!」
小鳥「我が家にそんな財力はありません」
真美「え→…じゃあ、カレー!」
小鳥「………」
真美「…?」
小鳥「えっと…鍋…よね?」
真美「?うん、そうだよ?」
小鳥「…カ、カレー鍋とは邪道な…」ぼそり
真美「え?」
小鳥「い、いや、何でもないのよ。わかったわ。それじゃあ買い出しに行きましょうか」
真美「うん、全然へいきー」
小鳥「…暖かそうな服だものね」
真美「うんっ、この服、真美のオキニなんだ→」
小鳥「へぇ…」
真美「亜美とオソロでねー…」
小鳥「………」
真美「…はっ!//」
真美「…うぅっ、にっ、ニヤニヤすんなー!!//」
小鳥「ふふ…ごめんなさい♪」
小鳥「そうだ、真美ちゃん、何か食べられない物とかある?」
真美「野菜は大体嫌いかな!」
小鳥「それじゃあ鍋にならないじゃない…」
真美「まぁでも鍋なら大体何でも食べられるけどね!」
小鳥「そ、そう?なら良かったけど」
小鳥「…それと真美ちゃん、あんまり私の側から離れないようにしてね?」
小鳥「あなたは仮にもアイドルなわけであって…」
真美「あっ、焼き芋売ってるー!!」ぴゅーっ
小鳥「………」
小鳥「鍋特集かぁ…少し気が早いような気もするけど」トマトは無しね
小鳥「…でもまぁ、実際私みたいに鍋してる人もいるわけだし…」
小鳥「カレーだったら…ウィンナーとかもいれてあげようかな」
小鳥「えっ、今日ポイント3倍だったの?!」
小鳥「うぅ…こんなことならポイントカード持ってくるんだった…」
小鳥「えーっと…もやし、もやしはっと…」
「………」
小鳥「……いや、待った。確か、まだ家にあった気がするわ」くるっ
「……!」
小鳥「えっと次は…」
「………」
「うっうー…」
真美「………」
小鳥「…真美ちゃん、その手に持っているのは何?」
真美「食玩」
小鳥「返してきなさい」
真美「お願いっ!これ、真美ん家の近所には人気でもうないんだ…すっごくレアなんだよ?!」
真美「うぅ…お願い、可憐で清楚な美人事務員のピヨちゃん…」
小鳥「………」ぴくっ
真美「(もう一押し…)よっ!出来る事務員!あんたあっての765プロ!日本一!」
小鳥「……はぁ、も、もぅ、しょうがないわねぇ」
真美「…チョロいね」ぼそっ
小鳥「何か言った?」
真美「いえ、何も」
真美「こっ、これくらいへっちゃらだもん!」
小鳥「そう…?私がそっちの袋持ってもいいけど…」
真美「へーきだよ!」
小鳥「うふふ、ありがと」
真美「………」
小鳥「………」
小鳥「ん?」
真美「…………手、繋いでもいい?//」
小鳥「……//」きゅん
小鳥「……はい、どうぞ」そっ
真美「う、うん…//」ぎゅ
小鳥「!そう、そうなのよね~…やっぱり、仕事も増えてきたからか顔つきもしっかりしてきたっていうか…」
真美「うあうあ→ピヨちゃんが熱いよ→」
小鳥「えぇっ?話をフってきたのは真美ちゃんじゃない…!」
真美「えっへへー」
…ソウソウ、ソレデリッチャンガネー
ヘェー、ソウナノー
ソシタラハルルンガ…
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
小鳥「こらこら、靴ぐらい揃えなさーい!」
小鳥「もぅ、まったく…」
小鳥「………」
小鳥(……でも、こんな形ではあるけれど)
小鳥(家に帰った時に一人じゃないっていうのは…)
真美「?はーやくぅ」
小鳥「はいはい」
小鳥(…うん、良いものね)
真美「了解!」
小鳥「………」とんとんとん
小鳥「……あ、厚揚げってまだあったかしら……」がちゃ
小鳥「うっ、危ない危ない…明日までだ…」
小鳥「…カレーに厚揚げって合うかしら…」とんとん
小鳥「…あーゆれでぃー♪あいむれいでぃー♪」とんとん
小鳥「ふんふふーん…」とんとん
小鳥「……あっちは上手くやってるかしら?」ちらっ
真美「あれ?これってこっちから開け…うあうあー!こちら側のどこからでも切れないよ→!わわっ、汁が飛びちったぁ→!」
小鳥「……;」
真美「真美のおかげだね!」
小鳥「えぇ…?」
真美「何さー、文句あんのー?」
小鳥「いいえぇ別に?」
真美「むー」
小鳥「えっ?ど、どうして?」
真美「鍋が出来るまでやろーよ!…この辺かな?」
小鳥「あっ…!ちょ、ちょっと待ってその棚は…!」
ガチャガチャガチャー
真美「………」
小鳥「………」
真美「…いっぱいあるね」
小鳥「……//」
小鳥「ふぅ…美味しかった」
真美「ひっさしぶりに鍋したなぁー。美味しかったー」
真美「……この鍋は…星みっちゅ!」
小鳥「あはは…微妙に似てる」
真美「でしょ?家族にも真美のモノマネは似てるって定評があるんだー」
真美「次のあみまみちゃんでやろうかな」
小鳥「…そ、それはプロデューサーさんにも聞いてみないと」
真美「んー…まぁまぁくらいかなー」
小鳥「まぁまぁかー…」
小鳥「…カレーなら…きっとチーズが良いわよね」
小鳥「よし」ことっ
つパルミジャーノチーズ
真美「………」
真美「………」
小鳥「ほっ」チーズふぁさ~
真美「………」
真美「……ピヨちゃん、じっぷ見てるでしょ」
小鳥「えっ?!どっ、どどどどうしてそんなことを…?!」
真美「いや…」
真美「うん」
真美「…でもオリーブオイルは無しだったね」
小鳥「そ、そうね…」
真美「思ってるほど万能じゃないよ、アレ。お母さんも言ってた」
小鳥「き、気をつけます…」
小鳥「はぁ、楽しかったけど疲れた…」じゃああ
小鳥「……子供ができたら、毎日こんな感じなのかしら……」がちゃがちゃ
小鳥「主婦って大変…」ごしごし
小鳥「………」ぴたっ
小鳥「はぁ…」きゅっ
真美「ピヨちゃーん、バスタオルどこー?」
小鳥「?!ちょっ…!だからって何も裸で出てくることないでしょう!」バタバタ
真美「だって~」
小鳥「…うわ、このバラエティ、ちょっと酷いわね…大体MCが」ぶつぶつ
真美「ピヨちゃん」
小鳥「…今度はどうしたの?」
真美「…いや、その」
小鳥「?」
真美「一緒に…入らない?」
小鳥「え、入るって…え?お風呂に?」
真美「……うん」
小鳥「………」
真美「………」
小鳥「…う、うちのお風呂狭いから…」
真美「…嫌なの?」
小鳥「はぁぁ…良い気持ち♪これは確かに心の洗濯だわぁ…」
小鳥「……なんとか、真美ちゃんを説得出来て良かった」
小鳥「あんまり…今の体型見られたくないし」つんつん
小鳥「…それを他の娘達に言いふらされたりして、それがプロデューサーさんの耳にまではいったりしようものならもう…」
小鳥「……//」ぶくぶく
小鳥「…ぷはっ、そういえば真美ちゃん、明日の昼からお仕事あったわよね」
小鳥「午前中にはお家に帰してあげなきゃ…」
ガラッ
真美「頼もう!」
小鳥「?!きゃあぁぁぁぁ??!!」
真美「ざま→みろ!」
小鳥「どうしてそんな誇らしげなのよ…」
真美「でねでね?真美、これがやりたい!」すっ
小鳥「!これ…格ゲーね。…ふふん、後で後悔しても知らないわよぅ…?」
真美「その間抜けなクチバシへし折ってやるぜ!」
小鳥「んなっ…!」
真美「…ぐあーっ!また負けたーっ!」
小鳥「まだまだ甘いわね」
真美「ピヨちゃん無駄に強いよ!何で?!」
小鳥「そっ、それは…」
小鳥(一日ほぼ丸々使ってやってたこともあるから、なんて言えない…)
真美「ピヨちゃんもうそのキャラ使うの禁止ね!」
小鳥「ふふっ、いいわよ」
小鳥「………」ぴっぴっ
真美「………」かちゃっ
小鳥「………」ぴぴっ
真美「ぐあーっ!また負けた!もーっ!もーっ!」
小鳥「!こっ、こら!コントローラー投げちゃ駄目ぇーっ!」
小鳥「………」ぴぴっ
真美「……真美ね」かちゃ…
小鳥「?えぇ」ぴっ?
真美「……時々…不安になるんだ。亜美に…置いてかれちゃうんじゃないかって」
小鳥「…!」
小鳥「…そっか」
真美「亜美、竜宮小町としてでびゅーしてから、お仕事すっごく増えてるでしょ?それなのに、真美は今日みたいに何にも無い日だってあるし…」
小鳥「それは亜美ちゃんだって同じよ…今日はたまたま」
真美「わかってる…!それはわかってるんだけど…」
真美「…でも、やっぱり不安になっちゃうんだ」
小鳥「それは、真美ちゃんが亜美ちゃんと離れたくないからよ。ずっと、一緒にいたいから」
小鳥「本当は、亜美ちゃんを応援してあげたい気持ちでいっぱいなの。違う?」
真美「……ピヨちゃんは何でもお見通しなんだね」
小鳥「くすっ…これでもみんなの事、よく見てるつもりなのよ?」
真美「……真美、亜美のことは本当に応援してるんだよ?でも、それ以上に…二人で、一緒に頑張りたいんだ」
真美「え?」
小鳥「プロデューサーさんを…みんなを信じて、自分のペースで頑張っていけばいいの」
小鳥「あの娘に負けたくない、ずっと一緒にいたい!っていうのはみんなが思ってることだと思うから…」
真美「………」
小鳥「…だから、焦る必要なんて無いの。私から見れば、真美ちゃんと亜美ちゃんの差なんて全然無いわよ?」
小鳥「ホントよ。仮にも事務してる私が言うんだもの、間違いないわ」
真美「……そっか…」
小鳥「…明日…ちゃんと亜美ちゃんと仲直りするのよ?」
真美「うん!ちょっと…元気になれたよ。ありがとうピヨちゃん」
小鳥「どういたしまして♪」
真美「よーしそれじゃ→景気付けにもう一戦だ→!」
小鳥「えっ!そ、そろそろ他のゲームにしない…?」
小鳥「ふぁ…あ、もうこんな時間…」かちゃ…
小鳥「…ねえ、真美ちゃんそろそろ寝…」
こてん
小鳥「へっ?」
真美「…zzZ」すぴー
小鳥「………」くすっ
真美「…zzZ」すやー
小鳥「…そうよ、まだ中学生なんだもの。色んなこと思って、当然よね」よしよし
真美「…ん、んぅ…」
真美「……お母さ…」すや
小鳥「………」
小鳥「…ふふ、可愛いなぁ」
小鳥「………」
小鳥(…写メっちゃお)ぱしゃ
ガチャ
小鳥「ただいまー。ふーっ…今日も疲れたーっ」
しーん…
小鳥「………」
小鳥(……やっぱり、昨日あれだけ騒がしかった分、いつも以上に部屋が静かに感じちゃうわね)
小鳥「…私もそろそろ潮時かなぁ…」
ぴんぽーん
小鳥「…前に注文してた本が届いたのかな。それにしては少し早いような…」
小鳥「はーい今開けまーす」
ガチャ
亜美「やっほー」
小鳥「………」
パタム
ガチャ
亜美「もー!何で閉めんのー!」
小鳥「え、えーっと…?」
小鳥「…亜美ちゃん?どうしてここに…」
亜美「どうしてってもー、ピヨちゃんはにぶちんさんだな→」
小鳥「にっ、にぶちんって…」
小鳥「ま、真美ちゃん?!こ、これは一体…」
真美「だって…亜美に昨日のこと話したら、亜美も来たい→って言うから…連れてきちゃった」
小鳥「つ、連れてきちゃったって…」
真美「まぁまぁ、いーじゃんいーじゃん減るもんでもなしー」
小鳥「私の精神は今確実にすり減っているけど…」
亜美「そゆわけでピヨ©、YO・RO・SI・KU〜♪」
小鳥「……え、えぇ〜…?」
亜美「ホントー?!」
真美「うんっ、ほら、こないだやりたいって言ってた…」
キャーキャー
小鳥「あはは…」
小鳥「………」
小鳥(……でも、ちゃんと仲直り…出来たみたいね。良かった)
亜美真美「「よーし、そうと決まれば…とっつげきぃ→→!!」」
小鳥「あっ…?ちょっ、こらっ…!待ちなさーーいっ!!!」
おわり
お姉さんピヨちゃん最強。
無駄に時間を空けてしまい申し訳ない。今からシャイニーフェスタ買ってくる。
ではノシ
Entry ⇒ 2012.10.26 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「真美に甘え癖がついた」
真美「めろめろにしてやるっしょー!」
P「あ、そうだ。ちょっと俺やることがあるから行きは律子に頼んである」」
真美「え?」
P「ま、帰りは迎えに行くから」
ギュッ
P「……真美?」
真美「……やだ」
P「お、おいおいそんなこと言われてもな……」
真美「兄ちゃんに送ってもらわなきゃ、真美やる気でないもん」
P「そんな子供みたいなこと……」
真美「まだ子供だもん!」
P「はぁこういうときばかり……わかった、最低限終わらせるからちょっと待ってろ」
真美「え、ホント!? う、うん! 待ってる!」
P「順番なんだから仕方ないだろ? まあそんなに長くならないし適当にくつろいでていいぞ」
真美「いいの? それじゃ、これっしょ!」
P「なっ! お前いつの間にゲームを……」
真美「甘いよ兄ちゃん、真美はいつでもゲームを持ちある……くしゅん!」
P「どうした? 風邪か?」
真美「ち、違うよちょっとくしゃみが……くしゅん!! う¨ー……」
P「あーあー、ほらティッシュだ」
真美「……んー」
P「……え?」
真美「んーんー」
P「……ほら、ちーん」
真美「ちーん!……ふぅ」
P「全くそれくらい自分で……」
真美「いいじゃん別に~!」
真美「え? なんで?」
P「くしゃみしてたし、どうせ夜更かししてたんだろ?」
真美「むっ、なぜわかった……」
P「というか、よく見たら顔色悪いし……熱は……ないよな」
真美「んっ……」
P「ちょ、へ、変な声だすなよ!」
真美「だって兄ちゃんの手、冷たくて気持ちいんだもん」
P「……真美としてはどうなんだ? 本当に大丈夫なのか?」
真美「……ちょっとだけ寒いかも」
P「困ったな……引き始めか肝心だろうに上着も持ってきてないぞ……」
真美「それじゃ、さ。兄ちゃんがあっためてよ」
P「……は?」
真美「……ダメ?」
P「……」
P「……これ、本当に大丈夫なのか?」
真美「なんで? いいじゃん兄ちゃんセーター!」
P「いや、その……誰か来たら、とか」
真美「むー……兄ちゃんは何か悪いことでもしてるの?」
P「そ、そんなことはないぞ! うん、これは大切なアイドルの体調管理だ! うん!」
P「……だからといって、プロデューサーの膝に座るアイドルもどうなんだ」
真美「普通っしょー」
P「まあ、それならいいんだが……」
真美「もー兄ちゃん! もっとちゃんとギュッとして!」
P「あ、あぁ」
真美「……兄ちゃんのにおいだ」
P「ば、ばか! 嗅ぐな! ……臭くないか?」
真美「ぜんぜーん、むしろ癖になっちゃうかも」
P「お前なぁ……そういうことをよくもまあポンポンと……」
真美「……」
P「どうした?」
真美「もっかいギュッてしてくれたら、降りるよ」
P「……お前なぁ。まあいい、これで」
クルッ
真美「……前から」
P「っ!」
真美「いいでしょ、兄ちゃん?」
P「……こ、今回だけだからな」
真美「うん」
ギュッ
真美「えへへ……さっきより兄ちゃんの匂いすごいや」
P「だ、だからそういう……」
ストッ
真美「よいしょっと……そんじゃ、行ってくるねー!」
小鳥「あら? 何かあったんですか?」
P「あ、音無さん。いえ実は……」
小鳥「なんと……でも嬉しいじゃないですか。懐かれるって」
P「そうなんですけど、なんていうか……甘えられてると言いますか」
小鳥「ふむふむ」
P「いつもみたいに激しく絡んでくるわけではないんです。妙にしおらしくて、子供っぽくて……」
小鳥「そういうことですか~。でもそれって真美ちゃんはそういう風に扱って欲しいんじゃないですか?」
P「……と言いますと?」
小鳥「亜美ちゃんは忙しいですし、それでもアイドルとして毎日頑張って本来なら中学生なりたてだっていうのに」
P「確かに小学生の頃からやってますからね」
小鳥「きっと、童心に戻りたい。っていうと変かもしれないですが、きっと。それもプロデューサーさんだからだとは思いますよ?」
P「なるほど、だから今になって甘えだして……まあそういうことなら少しは大目に見てあげようと思います」
小鳥「それがいいですよ! でも、甘えられすぎて手、出さないでくださいよ~?」
P「なっ! ま、まさか! ……それじゃ、迎えに行ってきます」
P「おぉ、お疲れ様」
真美「今日もばっちし、って感じ!」
P「それはよかった」
真美「……兄ちゃん、どうかした?」
P「え? 別に何もないぞ? それじゃ、帰るか!」
真美「それじゃ、手繋いで帰ろうよ」
P「て、手? 車すぐそこだぞ?」
真美「ダメ?」
P「ダメじゃないんだが……」
真美「……じゃいいや」
P「……真美?」
P「……」
真美「……」
P「……なぁ、真美」
真美「ん?」
P「その、さ。もう体調は大丈夫か?」
真美「あ、うん。もう平気~」
P「そうか、それはよかった」
真美「兄ちゃんにあっためてもらったおかげかな……」
P「なっ……やっぱり大丈夫か? その、いつもの真美らしくないって言うか」
真美「……兄ちゃんはいつもの真美の方が好き?」
P「い、いやそういうわけじゃないぞ」
真美「そっか、そうだよね……」
P「……真美」
P(いつもならば、真美のこと好きなんでしょー? ほらほらー! だとか)
P(おちゃらけた感じなのに、今はそれを感じない)
P(嫌味でもなくただ俺に甘えてくれてる。それならまだ嬉しいけれど)
P「……真美、いいか」
真美「うん?」
P「俺はお前のことが大切だから。これから変なことを聞くぞ」
真美「……うん」
P「何かあったのか?」
真美「それ、変でもなんでもないじゃん」
P「え? あ、いやそのだな……真美がいろいろ悩んでるものと思って一応……」
真美「……どうなのかな。わかんない」
P「真美?」
真美「もう、事務所着いた?」
P「え? あ、本当だ」
P「あぁ、今日はもう何もないし報告したら帰っていいぞ」
真美「ねぇ、兄ちゃん」
P「なんだ?」
スッ
真美「手」
P「……」
真美「兄ちゃん」
P「……誰かに見られでもしたら大変だろ?」
真美「……」
P「だから……事務所の前までな」
真美「う、うん!!」
P「って真美、手離してないじゃないか……」
真美「誰もいないんだし、別にいいじゃん」
P「ま、まあそうだけど……なんでそんな」
真美「えへへ……兄ちゃんの手、こんなにおっきかったんだ」
P「……一回、腕相撲した時同じことを言われた気がするな」
真美「あ、あの時とは違っ……」
P「え?」
真美「……なんでもない」
パッ
P「ん……そうか」
P「……よくわからないが、困ったときは言ってくれ。俺でよかったら相談に乗るから」
真美「……ホント?」
P「俺が約束を守らなかったことあるか?」
P「え、い、いつだ!」
真美「んー……真美も忘れちゃった!」
P「なんだよ……」
真美「……それじゃ、真美帰るね」
P「あ、あぁ」
真美「……じゃ」
P「あぁ、気を付けてな」
真美「……」
バタン
P「……年頃、ってやつなのかねぇ」
P(嫌と言うわけにもいかず、でも俺と二人の時だけ)
P(だがそうはうまくもいかず)
真美「それでね、亜美が~」
ガチャッ
亜美「おはー! 真美と兄ちゃんか……ってあれ?」
真美「……亜美」
P「い、いや亜美これはその……」
亜美「……」
亜美「もー、手なんて握っちゃって。流石は真美、兄ちゃんにメロメロですなぁ~」
真美「なっ! ち、違うもん! 亜美のバカ!!」
亜美「ば、馬鹿って何さ! いいもん、それじゃ言いふらしてやる!」
バタン
真美「……勝手にすればいいじゃん」
P「お、おい……」
P「なんだ?」
真美「真美が困ってたら、助けてくれるっていったよね」
P「あぁ、言ったな」
真美「……じゃ、ギュってして」
P「え? でも事務所で、また誰が来るか……」
真美「もう、いいの。亜美がどうせ……だから」
P「……でもさ」
真美「……にぃちゃぁん」
P「……ほら」
コクン
ポスッ
真美「……この匂い、久しぶり」
P「……」
真美「……ぐすっ、うっ、うわぁあん」
P「……落ち着いたか?」
真美「う、うん……ごめん、兄ちゃん……服グショグショで」
P「いいんだ、これくらい洗えばなんてことない」
真美「……バカ」
P「亜美か? 亜美だって、つい言い返したくなっただけだろう、気にするな」
真美「……違う」
P「ん?」
真美「……兄ちゃんだよ」
P「……俺? な、なんで?」
真美「なんで、なんでそんなに優しいの……?」
P「……真美が大切だから、だろうな」
真美「……うん。そうだよね……それじゃ、真美帰るね?」
P「……あぁ、亜美と仲良くするんだぞ」
バタン
真美「おはよ、兄ちゃん」
P「……亜美とは、仲直りしたか?」
真美「……うん。でも、まだ言ってないこともある」
P「言ってないこと?」
真美「あの約束、もっかい使う」
真美「全部、全部聞いてくれる……?」
P「あぁ、聞くよ」
真美「真美、兄ちゃんとお仕事して、みんなと遊んだりしてめっちゃ楽しいけど」
真美「亜美とどんどん離れて言っちゃう気がしてさ」
真美「アイドルになって、みんな周りは年上のお姉ちゃんばっかりだから話もついてくの難しいし」
真美「亜美と比べて、真美はまだまだだったから。……子供じゃないのに、子供のままだって思って」
P「……なるほど」
真美「でも、兄ちゃんは真美の方が近くにいるから」
真美「兄ちゃんといるときは、違う”真美”で……いつもより、甘えてみようって思ったの」
真美「それに兄ちゃんにも無理させてる気がして……」
P「……」
真美「手を握ってもらうと、不思議な気持ちになったんだ」
真美「本当にあったかくて、なんか胸のもやもやが消えるっていうか……」
真美「でも、亜美に言われたみたいな好きとは違うの」
真美「兄ちゃんのこと、好き。大好きって言えるけど」
真美「……ちゃんと言うのは、無理、かも」
真美「真美、自分でもなんの好きかわかんなくて……」
真美「兄ちゃんは兄ちゃんだから。兄ちゃんが、真美の兄ちゃんじゃなくなったら……絶対やだから」
真美「……好きじゃないって、ずっと思ってたし」
真美「わざわざ言いたくもなかった……でも」
真美「昨日亜美から言われたんだ」
P「亜美が?」
真美「……ただいま」
亜美「……おかえり」
真美「……」
亜美「その、真美……?」
真美「ごめんね、亜美」
亜美「え?」
真美「……やっぱり、真美だけずるいよね……皆の兄ちゃんなのに」
亜美「ちょ、ちょっと待ってよ! 急に何の話?」
真美「あ、ご、ごめん……」
亜美「……亜美も、ごめんね。ただふざけただけだったんだよ?」
真美「うん、わかってる。でも、真美子供みたいに言い返したりして……」
亜美「兄ちゃんと何かあったの?」
真美「……」
真美「……だから、さっきも」
亜美「……でも、多分それあれだよ」
真美「あれって?」
亜美「恋、みたいな」
真美「……」
亜美「あ、あれ?」
真美「やっぱりそうなのかなぁ……」
亜美「亜美は兄ちゃんのこと、兄貴~!みたいな感じだけど、手とかわざわざ握って欲しいとか思わないっていうかさ」
亜美「何かわかんなくても、きっと亜美の好きとは違うと思うんだよねー」
真美「そっかー……」
亜美「……なんか全部しゃべっちゃえば? 兄ちゃんに」
真美「え、えぇ!? む、無理だよそんなの!」
亜美「言ってもなんでもなかったらたださみしかったってことだし、恥ずかしくなったら恋しちゃってるってことで!」
真美「も、もう……他人事だと思って……でも」
――
P「なるほどな……よく言ってくれた」
真美「真美、怖かった……もう、兄ちゃんとふざけたりできなくなっちゃうのかと思ったら……」
真美「でも、言えてよかったって思うから」
P「……俺が思ってた以上に真美は子供で、大人だったんだな」
真美「え?」
P「正直、そこまで思い詰めてるとは思ってなかった。だから、俺のせいでもある」
真美「そ、そんな! 兄ちゃんのせいじゃ!」
P「いいや。どうあれ泣かせてしまうまで気付いてやれなかったのは本当だ」
真美「兄ちゃん……」
P「……最初、真美が甘えてきたとき何かとおもった。まあ正直また変なイタズラでも考えたのかと」
真美「……むー」
P「ま、まあでも真剣なのがすぐにわかって、でもそれが逆に不思議でな」
P「何か悩みがあるのか、って思ってただけで何もしなかった」
真美「……」
P「そんなふうに思ってた自分が情けない……」
真美「兄ちゃん……でも、真美は兄ちゃんのおかげで……」
P「あぁ、そういってもらえると俺も嬉しい。でも、やっぱり俺からお詫びがしたい」
真美「……何?」
P「……その、なんだ」
真美「?」
P「……また、いつでも頼ってくれ。甘えてくれてもいい」
P「だから、許してくれるか?」
真美「……あったりまえじゃん! バカぁ!! う、ぐすっ……」
P「あ、お、おい泣かないでくれよ……」
真美「し、知らないもん……ひっく……兄ちゃんが泣かせたんだかんね……」
真美「……真美、わかっちゃったから。自分の気持ち」
真美「責任、とってもらうっしょ……!」
P「ゆ、許すのか許さないのか……ま、まあいい。何が望みだ?」
P「……え?」
真美「……今の、ぜええええったいに忘れちゃダメだから! わかった!」
P「真美……? あ、あぁ……」
真美「……よし! もういつもの真美に元通りだから! 覚悟しててよね、兄ちゃん!」
P「……あはは、やっぱりそっちの方が真美らしいな」
真美「えへへ、そうでしょ?」
真美「そんじゃ今日も、張り切っていってみよー!!」
真美「次甘えるときは覚悟しててよね、兄ちゃん? んっふっふ~!」
完
良かった
Entry ⇒ 2012.10.26 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「星井美希、5歳……と、届出はこれでいいか」
P「ただいまー。お出迎えとは感心感心」
P「俺がいなくてそんなに寂しかったかー?」
美希「ちがうの。ミキね、おなかすいたの」
P「……そうかい」
美希「ミキね、ばんごはんはおにぎりがいいとおもうな!」
P「お前……朝飯も作り置いといた昼飯もおにぎりじゃねーか」
美希「ふっ……はにーはわかってないの」
P「作ってんの俺なのになんでそんな偉そうなの?」
P「……つまり?」
美希「ここまでいってもわからないの? はにーはばかなの? しぬの?」
P「このクソガキ……」
美希「つまりおにぎりはさいきょうなの! だからおにぎりにするの」
P「はいはい、わかったよ」
美希「はにーほめてつかわすの! ぐはなーに?」
P「梅干しと味玉だ」
美希「ミキうめぼしキライなの。はにーにあげるの」
P「えー、何でだよ。おにぎりっつったら梅干しがセオリーだろ」
美希「うめぼしはすっぱいからイヤなの」
美希「ミキこどもじゃないの! たべられるけどたべないだけなの!」
P「じゃあ食べてみろよー、大人なんだろ?」
美希「れでぃーにいやがらせするなんて、はにーもてないよ?」
P「うるせーな、どーせ俺は年齢イコールですよーだ」
美希「だいじょうぶなの、いきおくれになるまえにミキがおムコさんにしてあげるね」モキュモキュ
P「へいへい、そりゃどーも」
美希「ミキね、ミキね、しょうらいははにーのおヨメさんになるの!」
P「はっはっは、そうかそうかー。楽しみにしてるぞー」
美希「もう! ミキはほんきなの!」
P「残念ながら俺はばいんばいんな女の子が好きなんだ」
美希「ばいんばいん……」
P「隣のあずささんとか最高だよなー……こう、胸もお尻もぼいーんと」
美希「ぼいんぼいん……」ペッタン
P「美希はまだぺったんこだからムリだなー」
美希「みきはせいちょうきなの! これからおおきくなるの!」
P「はっはっは、がんばれー」
美希「むー! はにーのいじわる!」
美希「あずさ、あずさ」ペタペタ
あずさ「あらあら、何かしら美希ちゃん」
美希「ミキね、ばいんばいんになりたいの」
あずさ「ばいんばいん……? 何かしら~?」
美希「あのね、はにーがあずさみたいなばいんばいんがだいすき、っていってたの」
あずさ「あらあら~……そうなの、うふふ」
美希「だからミキもばいんばいんになりたいの。どうやったらなれるの?」
あずさ「ごめんなさいね~、私も知らないうちに大きくなってたからよくわからないのよ~」
あずさ「ええ、きっとなれるわよ。美希ちゃん美人だし、Pさんもメロメロに出来るわよ」
美希「めろめろ……ミキがんばるの! どうしたらいいの?」
あずさ「ごはんをいっぱい食べて、いっぱい遊んで、いっぱい寝ることが大事よ」
美希「わかったの! ありがとうなの!」
あずさ「いえいえ~、うふふ。でもPさんは渡さないわよ~?」
美希「あずさとミキはらいばるなの! せいせいどうどうたたかうの!」
真「あずさ姉ちゃん、春香がプリンを……あれ、美希じゃん。どうしたの?」
真「二人で何の話してたの? ボクも混ぜてよ」
美希「はにーをめろめろにするためのさくせんかいぎなの」
真「え、何それ! ぼ、ボクにも教えてよ!」
美希「まことくんはぺったんこだからむりなの」
真「えっ!?」
あずさ「あら~……」
P「ん……んぅ……あ……?」
美希「はにー……おきて、なの」ユサユサ
P「んがっ……んあ、なんだ……? まだ夜の二時じゃねえか……」
美希「あのね、ミキね、おトイレいきたいの……」
P「あぁ……トイレ、トイレね……一人で行ってくれ……」
美希「やなの! れでぃーをよなかにひとりにするなんて、はにーはおとことしてしっかくなの!」
P「家の中じゃねーか……わかったよ……」
P「だからなんでそんなに偉そうなんだ……お前、一人で行くのが怖いだけだろ」
美希「そ、そんなわけないの! ミキはりっぱなおとなのおんなだもん!」
P「じゃあ一人で行けるだろー?」
美希「あの……その……ひとりにしたら、はにーがさみしがるかな、って」
P「へいへい……ふわぁ」
美希「! おにぎり! こうきゅうってなんなの?」
P「ものすごーくおいしい、ってことだ」
美希「はにーすごいの! さすがはにーなの!」キラキラ
P「はっはっは、もっと褒め称えろ」
P「一個五百円もしたからなー、四個で二千円だ。おにぎりの値段じゃねえよな」
美希「じゃあぜんぶミキのだね?」
P「何でだよ、半分ずつだろ常識的に考えて」
美希「しょうがないの、はにーにもわけてあげるの」フンス
P「お前な……まぁいい」
P「ダメだ。これは今日の晩御飯に楽しみに取っておく」
美希「えー! ミキいまからたべたいの!」
P「別にいいけど……夜、食べたくなっても俺のはあげないぞ」
美希「いいの! はやく! はやく!」ピョンピョン
P「知らないからな……ほら」
美希「わーいなの!」
P「んじゃ俺は仕事に行くけど……俺の分食うなよ。食ったらおしりペンペンの刑だぞ」
美希「わかったの!」
P「本当かよ……行ってきます」バタン
美希「いってらっしゃいなの」モキュモキュ
美希「すごく、すごくおいしいの……! しんじられないの!」モキュモキュ
美希「ふう……おいしかったの……」キラキラ
美希「……」チラッ
美希「みるだけ、みるだけなの……」ゴソゴソ
美希「……」ウズウズ
美希「……くさっちゃったらもったいないし、ちょっとだけあじみするの」
美希「……」モキュモキュ
美希「……! これもおいしいの!」キラキラ
美希「おにぎりはうちゅうなの……すばらしいの」モキュモキュ
美希「……ふう、おいしかったの」
P『なにい!? 俺のおにぎりを食べただと!?』
P『許せん……これはおしりペンペンの刑だな』
パシンパシン
ナーノー!
美希「……うう、なんとかしないとミキのおしりが……」ガタガタ
美希「!」ピコーン
美希「あ、そうだ。はるかならおりょうりできるはず!」
美希「はるか、はるかー」
春香「はいはーい……あら、美希ちゃん。どうしたの?」
美希「あのね、はるかにおねがいがあるの」
春香「なーに?」
美希「あのね、ミキ、はにーのおにぎりたべちゃったの」
春香「?」
美希「たべるな、っていわれたけどたべちゃったの……」
春香「おにぎりを?」
美希「うん、はにーはちょうこうきゅう、っていってたの」
春香「なるほど……大体わかったわ。でも全部食べちゃうなんて食いしんぼさんだね、美希ちゃん」
美希「だって……おいしかったから……」
春香「あらま。それもちょっと見てみたいけど……うん! 春香さんに任せなさい!」
美希「ほんとなの!? さすがはるかなの!」
春香「だーいじょーうぶ! まーかせて!」
春香「うーん……そうだねー、美希ちゃんも一緒に作ろうか」
美希「えっ、はるかがつくるんじゃないの?」
春香「大丈夫だよ! 美希ちゃんならおいしいおにぎり作れるよ!」
美希「うん! ミキおにぎりだいすきだからきっとつくれるの!」
春香「その意気その意気! じゃあ台所いこうか!」
P「ただいまー」
美希「お、おかえりなさいなの」
P「美希、俺のおにぎり食べなかったかー?」
美希「た、たべてませんなの」
P「……」ジロッ
美希「……」ビクビク
P「……そうか、じゃあ俺は食ってくるから」
美希「ど、どうぞなの」
P「……なんだ、このぐしゃぐしゃのおにぎりは……美希?」
美希「……」ビクビク
P「はぁ……じゃ、食うかな」
美希「……」
P「……」モグモグ
美希「はにー……お、おいしい?」
P「……ああ、うまいよ。さすが超高級おにぎりだ」モグモグ
美希「……」ホッ
美希「そして、いちごばばろあもさいきょう……」
美希「このふたつがいっしょになったら」
美希「きっと、ものすごくおいしいの……!」
美希「さっそくやってみるの!」
………
……
…
\ ナーノー! /
P「な、なんだ!? 何事だ!?」
美希「このふくは……いえにあるあれとくみあわせて……」ブツブツ
P「みーきー」
美希「ううん、やっぱりこのたんくとっぷでのうさつ……」ブツブツ
P「みーーーーきーーーー」
美希「はにーうるさいの! ようふくやさんはおんなのせんじょうなの!」
P「服なんてなんでもいいだろ……」
美希「だめなの! もっとキラキラするためにもようふくえらびはだいじなの!」
P「買うの俺じゃねーか」
美希「はあ……おとめごころがわからないはにーはだめなの」
真「本当、ダメダメですよ」
春香「ダメダメですねー」
P「……なんで真と春香がいるの」
春香「いえーい、こんにちはPさん!」
美希「まことくんとはるかはどっちがいいとおもう?」
春香「あら美希ちゃんったらおませさん、これならPさんも一発で悩殺! だね」
真「でも美希ならこれくらい派手でも可愛いよ」
美希「うーん……でもはにーのおさいふもかんがえてあげないとだめなの」
P「……」
美希「とうぜんなの」フンス
真「あ、こんなゴスロリフリフリとかどう? お人形さんみたいで可愛いよきっと」
P「それはない」
春香「それはないよ」
美希「それはないの」
真「えっ!?」
真「? いけませんか?」
春香「私達、元々夕飯の材料買いに来たんです」
美希「はにー! おかしかっていい!?」
P「あー、一個だけな」
真「あ、ボクも!」
春香「私もー♪」
P「何でだよ……まぁいっか、美希が世話になってるし」
真「やーりぃ♪ よし、出撃だ美希隊員!」
美希「れっつごーなの!」
春香「わっほい!」
春香「そういえばPさん今日の献立は何なんですか?」
P「あぁ、美希の影響でいっつもおにぎりだからたまには洋食でも作ろうかなー、なんて思ってるけど」
春香「洋食……オムライスとかですか?」
P「お、いいなオムライス。でも俺うまく巻けないんだよね」
P「だからいっつもチキンライスの卵和えになる」
春香「あ、じゃあよかったら作りに行きましょうか?」
P「へ?」
春香「い、いえ、たまにはいいかなー……なんて」///
P「オムライスなんて滅多に食べられないから来てくれると助かるけど……いいの?」
春香「は、はいっ! 是非!」///
真「ボクはこれで!」
P「予想通り二人とも単価が高いな」
真「あれ? 姉ちゃんなんかあったの?」
美希「はるか、かおがあかいの」
春香「へっ!? いいいいやななななにもないよ!?」
P「ああ、春香がうちに晩飯作りに来てくれるらしくてな」
真「むっ……姉ちゃん……?」ゴゴゴゴ
春香「い、いやそんな」
真「へ?」
P「ついでにあずささんも呼んでうちで食えよ。普段から美希が世話になってるし、それくらいするよ」
真「そ……そうですね! や、やーりぃ!」
春香「う、うぅ……」シクシク
美希「はにー! きょうのごはんはなんなの?」
P「なんとな! 春香お姉ちゃんがオムライス作ってくれるってよ!」
美希「おむらいす……! はるかすごい!」
春香「うん……ありがと美希ちゃん」
P「ん~? なんだ美希」
美希「あかちゃんはどうやったらできるの?」
P「ブッ!?」
美希「ミキね、このあいだテレビであかちゃんみたの」
美希「とってもかわいかったの!」
美希「それでね、ミキもはにーのあかちゃんほしいの!」
P「あばばばばっばば」
美希「あずさもはるかもまことくんもおしえてくれなかったの」
P「あー……うん、そうだな」
美希「?」
P「好き同士の男と女が一緒にいると、コウノトリさんが運んでくるんだ」
美希「……? でもミキとはにーのあかちゃんこないよ?」
P「残念ながら大人同士じゃないと来ないんだ」
美希「ミキおとなだもん! それともはにー、ミキのこときらい!?」ジワッ
P「うおっ、泣くな! 頼むから!」
P「はぁ……俺が美希のこと嫌いな訳ないだろう?」
美希「ほんと……?」
P「ああほんとだ。好きだよ」
美希「えへへ……ならあかちゃんくるね!」
P「あー、うん……そのうち来るかもな……」
美希「いつくるかなー。あした? らいしゅう?」
P(……早く忘れてくれることを祈ろう)
P「美希、雨になると頭すごいな」
美希「あめがふるともしゃもしゃになるの」
P「この際だ、切っちまうか」
美希「それはだめなの」
P「即答かい」
美希「かみはおんなのいのちなの」
P「まぁ、美希は短いより長い方が可愛いだろうしな」
美希「えへへ……そうなの! だからきっちゃだめなの」
P「なんだー?」
美希「おともだちをごしょうたいしたいの」
P「友達……? 別にいいぞ」
美希「ほんと!? じゃあつれてくるの!」タッタッタ
P「え、今から?」
美希「しょうかいするの! おともだちのひびきとたかねなの!」
P「は、はいさーい」
P「えーと、沖縄の子?」
響「そうだぞ! じぶんこのあいだおきなわからきたんだ!」
美希「ひびきはとってもげんきなの」
響「じぶんげんきいっぱいだぞ!」
貴音「はじめまして、しじょうたかねともうします」
P「これはこれはご丁寧に、美希がいつもお世話になってます」
貴音「いえ、わたくしもおせわになっておりますゆえ」
P「礼儀正しい子だね。じゃあ、ジュースでも持ってくるよ」
美希「ミキはぎゅうにゅうがいいな」
P「わかった、ジュースな」
貴音「……」
美希「はにーはつれないの」
響「みきのたーりーはかっこいいんだな……」///
貴音「このきもち……まこと、めんような……」///
美希「? たーりーってなんなの?」
貴音「おとうさんのことですよ」
美希「はにーはおとうさんじゃないよ?」
響「え? じゃあにぃに?」
美希「はにーははにーだよ?」
響「?」
貴音「?」
美希「?」
美希「……はにーはミキのだからあげないよ?」
P「んー……? な、なんだいきなり水着で」
美希「あのね、ミキね、みずぎもらったの!」
P「え、誰から」
美希「はるかなの」
美希「どう? ミキのみりょくにめろめろ?」ミキッ
P「うーん……お腹がぽっこりしてるな」
美希「!?」
P「うむ、見事なずんどうだ。以後精進するように」
美希「は、は、は……はにーのばかぁっ!」
春香「確かにねー、鈍感にも程があるよねPさんは」
真「隣にこんな美人三姉妹が住んでるのに全く反応しないもんね」
あずさ「生まれ付いてのフラグブレイカーよね~」
美希「はにーはあずさがいいっていってたの」
春香「えっ」
真「えっ」
あずさ「あら~♪」
美希「あずさみたいなばいんばいんがすきなんだって」
美希「だからミキもばいんばいんになるの」
春香「ああ、なるほど……そういうことね」ホッ
春香(ならまだ勝機はある……たぶん!)
あずさ「でも真も羨ましいくらいスタイルいいわよ~」
真「それでももうちょっと胸は欲しいよ……あずさ姉ちゃんほどとは言わないけどさ」
美希「ミキね! はにーをのうさつするの!」
あずさ「あらあら、おませさんね」
美希「あずさたちもミキにきょうりょくするの!」
春香「んー? 何すればいいの?」
美希「えっとね、えっとね……ミキをかわいくするの!」
あずさ「美希ちゃんはそのままでも充分可愛いわよ~」
美希「そういうのはいいの」
あずさ「あらあら」
春香「うーん、じゃあ軽くお化粧して髪型でも変えようか!」
………
……
…
P「……で、なにそれ。ツインテール?」
美希「こあくまけいもてかわめいくなの! ね、はにーはミキにめろめろ?」
P「あー、はいはい。メロメロだよ」
美希「えへへ……はるかたちにかったの!」フンス
美希「なの!」
P「ナノ?」
美希「なーのー!」
P「ナノ!」
美希「なの!」
春香「……何やってるんですか?」
P「美希語のレッスンだ」
春香「美希語って」
P「中々習得が難しくてな」
美希「はにーはまだまだなの」
P「なの!」
美希「いまのぐっどなの!」
春香「……」
P「お、どうした貴音ちゃん。美希は?」
貴音「みきとひびきはおひるねちゅうでございます」
P「そうかそうか。貴音ちゃんはお昼寝しなくていいの?」
貴音「わたくしはねむくないゆえ……」
貴音「ところであなたさま、ききたいことがあるのですが」
P「ん?」
貴音「あなたさまにおもいびとはいらっしゃいますか?」
P「はっはっは、貴音ちゃんはおませさんだなー」
貴音「わたくし、あなたさまのはんりょになりとうございます」///
P「はん……? あぁ、伴侶ね。それは嬉しいなぁ」
貴音「それまでにあなたさまにふさわしいじょせいに……」
\ ウギャー! /
\ ナーノー! /
貴音「な、なにごと!?」
美希「ははははははに゛いいいぃぃぃぃ!」ダダダダダ
響「うわああああああぁぁぁぁぁぁ!」ドドドドド
美希「うわああああん! はに゛いいいいいい!」ガッシリ
P「おーよしよし、どうした? 落ち着いて話せ」
響「ごっごっごごご、『ご』がでたさー!」
P「『ご』……?」
美希「くろくてはやくてちっちゃいやつ!」
貴音「……ゆるすまじ」
P「貴音ちゃん?」
貴音「しょうしょうおまちを」
………
……
…
\ぎるてぃ!/
パシーン!
P「そ、そう……たくましいね、貴音ちゃん……」
美希「うっぐ、えぐっ、たかねえええええ」
響「うう、ぐす……こわかったさー……」
貴音「よしよし」ナデナデ
貴音「むしけらのぶんざいでわたくしをじゃまするのがいけないのです」
P(……怖っ)
響「ふんふーん♪」カキカキ
貴音「ふむ……」サラサラ
P「おっ、お絵かきか?」
響「そうだぞ! にぃににぷれぜんと!」
P「にぃに……俺?」
響「そうだぞ!」
P「ははは、ありがとう。これは……俺の似顔絵、かな?」
響「うん!」
響「えへへ……」///
P「美希と貴音ちゃんは何を描いてるんだ?」
美希「おにぎりなの!」
貴音「らぁめんにございます」
P「……そうか」
真「いえーい」パチパチ
あずさ「きゃー」パチパチ
美希「わーい!」パチパチ
春香「え~、抜け駆け厳禁・恨みっこなしをモットーとして結成された我々三姉妹の会」
春香「今日は! なんと!」
春香「美希ちゃんにPさん秘蔵のえっちな本を持ってきてもらいましたー!」
あずさ「あら~」
美希「なんかね、べっどのしたにかくしてあったの」
美希「ミキにはよくわかんないほんだったから、はるかにあげたの」
春香「勝手に人のものをあげちゃいけないよ!」
春香「……と言いたいところですが、今日だけは感謝しましょう」
真「その本を見て、対策を練ろう、ってことだよね……?」
春香「そう……ちょ、ちょっと恥ずかしいけど……」///
真「ぼ、ボクも……」///
あずさ「とりあえず見てみましょうか~」ペラ
真「そう言いながらガン見しないでよ……うわ、すご……」///
春香「やだ、こんなことしてる……」///
真「ほんとだ……しかもこの子、ボクたちとあんまり歳変わらないんじゃ……」///
あずさ「……そんなに若いのがいいのかしら」ボソ
春香「!?」ゾクッ
あずさ「若さ……そうね、二十代は……そうよね」ボソボソ
真「ッ!?」ビクッ
美希「……? なんでこのひとたちはだかんぼなの? おふろ?」
あずさ「うふふ、美希ちゃんはまだ知らなくていいのよ~」ナデナデ
春香「……お姉ちゃん?」
真「……目が怖いよ?」
あずさ「何かしら?」ゴゴゴゴゴ
春香「ひぃ!? い、いえ何も」
あずさ「……おとなりに行って来るわね」
真「い、行ってらっしゃい……」
バタン
春香&真「……」ガタガタ
美希「あふぅ……ねむいの」
美希「―――」
P「……?」
美希「……」コックリ コックリ
P「……おい美希、寝るならベッドで寝ろ」
美希「う……? ね、ねてないの」フルフル
P「船漕いでるじゃねーか、もう寝ろよ」
美希「ねないの……はにーと……あばんちゅーるなの……」ウトウト
P「どこでそんな言葉覚えてくるんだ……」
美希「はるかと……まことくんに」ウトウト
P「あいつら……」
美希「うー……」
P「わかった、じゃあ俺はもう眠いから寝るけど」
美希「う……?」
P「美希も一緒に寝てくれると寂しくないんだけどなー」
美希「えへへ……しょうがないの」ウトウト
美希「さみしんぼのはにーのために……ミキも、いっしょ……に」コテン
美希「ねて、あげ……zzz」
P「変なところで強情な奴だな……よいしょっと」
美希「zzz……はにぃ……」
P「寝顔は一人前に可愛いんだけどな……」
美希「えへへ……zzz……」
P「うん? かしこまってどうした」
美希「あのね……ミキ、なりたいものがあるの」
P「なりたいもの? なんだ?」
美希「ミキ、あいどるになりたい……」
美希「このあいだね、てれびでみたの」
美希「きれいなおねえさんが、きれいなおようふくをきて」
美希「いっぱいのひとのまえで、いっぱいうたったりおどったり……」
美希「すっごく、いっぱいキラキラしてたの」
美希「ミキ、あんなふうにキラキラしたい……」
P「……そうか」
P「今のお前が思っているよりも、何十倍も辛い」
P「泣きたくなるような辛いこと、苦しいことも、たくさんある」
美希「……」
P「美希はまだ小さい」
P「あと少し大きくなって、色んなことを知って……」
P「それでもアイドルになりたいって言うなら」
P「何があっても俺が、全力で応援してやる」
P「ああ、その代わり俺は美希のファン第一号だからな」
美希「うん!」
美希「ミキ、いっぱいキラキラできるようにがんばる!」
記者「星井さんがアイドルになろうと思ったきっかけとは何ですか?」
美希「ミキはね、ずっと小さい頃から、アイドルになりたかったの」
美希「いっぱいキラキラしたい、ってずっと思ってた」
美希「だから、ミキはいっぱいキラキラできるようにがんばったの!」
美希「はいなの! でもね、ミキひとりじゃ絶対できなかった」
美希「ここまで来れたのは、周りの人たちのお陰なの!」
美希「それにミキはまだまだもっといっぱいキラキラするの!」
美希「だから、ずっと見ててね、ハニー!」
完!
よつばと、はなまる共に大好きです。
よかったよ
Entry ⇒ 2012.10.25 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
やよい「今日はおうちに帰りたくないです……」
あずさ「今日は何と一度も迷わず事務所にたどり着けました。ただいまですー」
やよい「……おかえりなさい」
真美「……おかえりー」
あずさ「あら二人ともまだ居たの? もう結構遅い時間なのに。特にやよいちゃん。あなた家族の夕食はどうしたのかしら? いつもそのために早く帰ってるし訳でしょう」
やよい「今日は家に誰も居ないんです。だから──なんとなく帰りたくないんです」
真美「私も同じ。亜美はいおりんと地方遠征。両親も用事で留守だしさ……」
あずさ「へえー、そうなんだ。でも、やよいちゃんちの家族が全員居ないなんて珍しいわね」
やよい「私のアイドル活動で少し家計に余裕ができたんです。それでお父さんが少しづつ貯めてみんなで温泉旅行に行こうと。でも……」
あずさ「そういえばやよいちゃん、今日は生の収録があったわね」
やよい「はい……だから、私はひとりでお留守番です」
真美「あー、なんか誰も居ない家なんて帰りたくないよ。寂しいんだもん」
あずさ「まあ、そうよね……特に二人の年頃だと」
あずさ「そうだわ! 二人とも今日は私の家に泊まるというのはどうかしら」
真美「賛成賛成! 泊まる泊まるー!!」
やよい「えっ、いいんですか? 迷惑じゃないです?」
あずさ「全然! さあ行きましょう。今日はご馳走よ。うふふ」
真美「あずさお姉ちゃん、出口そっちじゃないよ」
──大型スーパー。
真美「あ゛ー、づがれだー。あずさお姉ちゃん、少しでも目を離すと全然別な方へ行こうとするんだもん」
やよい「──大きいスーパーですね」
あずさ「うふふ、なんでも揃ってるのよ。さて、今日は何にしようかしらね~」
あずさ「うふふ、なんでも揃ってるのよ。さて、今日は何にしようかしらね~」
あずさ「そうねー。ちょっと奮発してステーキなんてどうかしら」
真美「おおっ、久しく肉をガブリついてないかに良いですな→」
やよい「ええっ、ステーキ!! そっ、そんなお大臣な食べ物、もったいなくてバチが当たります!!」
あずさ「あら、やよいちゃんの家族は温泉旅館でご馳走を食べてるのよ。これでも足りないくらいよ」
やよい「でもー」
あずさ「いいからいいから。遠慮しないでちょうだい」
あずさ「マリネする時間は無いから和牛のほうが良いわよね。この百グラム五百円ので良いかしら」
やよい「高すぎますー! えーと、えーと。あっ、こちらのお肉は安いです!!」
真美「……やよいっち、それ、挽肉だよ」
やよい「こっ、これなら!」
真美「薄切りだし」
やよい「なら、これ!」
真美「だからそれは豚コマー!!」
あずさ「はいはい、おねえちゃんに任せて。肉を役なら牛脂は必須よね」
真美「うんうんサラダ油で焼くなんて肉に対する冒涜だよ→」
やよい「ええっ、ダメなんですかー!」
あずさ「絶対にダメというわけでないのよ。ただ、サラダ油を鉄板にひいて熱すると独特の匂いが出るからね」
やよい「へえー、そうなんですか」
あずさ「さて、後は──スープストックはまだあるから良いとして、サラダと……やよいちゃんはパンとご飯、どっちがいいかしら?」
やよい「んー、ご飯かな。パンだとなんか力が出ない気がします」
真美「真美はどっちでもいいよ」
あずさ「ならガーリックライスでも作ろうかしら。あと、ワインワインと」
やよい「……何か見たこともないご馳走が出てきそうです」
真美「やよいっちは大げさだなー」
やよい「だって、どう見ても一人分でうちの家族全員の一度に使う食費を超えているんですよ」
真美「……うわー」
──あずさの家
あずさ「ふうー、着きました」
真美「……よかった、あずさ姉ちゃんの家をこんなこともあろうかと知っていて」
やよい「──誘導大変でした」
あずさ「うふふ、ありがとうね。さっ、ご飯作るわよ」
やよい「あっ、手伝います」
真美「真美、テレビ見てるねー」
あずさ「はいはい。さて、肉はほぼ常温だからいいとして、軽く筋を切って塩コショウをパッパ」
あずさ「適度に脂を取って──これもあとから使うのよ」
あずさ「やよいちゃんは冷凍庫のご飯とスープの解凍お願いね」
やよい「はい、分かりました。スープとかはこっちで作りますね」
あずさ「フライパンを熱したら牛脂を入れてと。やよいちゃん、玉ねぎともやしの準備をお願い」
やよい「あっ、はい」
あずさ「牛脂が溶けたら肉の投入」ジュー
真美「おおっ、この肉を焼く音。いつ聞いても食欲揺さぶりますなー」
あずさ「うふふ。前にある洋食屋さんでランチを食べたの。すごく美味しくて満足したけど、帰ろうとしたら隣の人が注文したステーキが来たのよ」
あずさ「大きくジューという焼く音が響いて、お腹いっぱいなのに生唾が出てきて仕方なかったわ」
真美「ああっ、分かる! 分かるなー!」
あずさ「その店で次にランチを取ったときは迷わずステーキにしたわ」
真美「そして後で体重計に乗って後悔すると」
あずさ「──真美ちゃんのお肉は小さくカットしようかしら」
真美「ああっ、それだけは、それだけは勘弁してくだせ→」
あずさ「うふふ、冗談よ。さて肉はすぐにひっくり返さない。肉汁が浮いたらひっくり返してと」
あずさ「少し火を弱めてじっくり焼いたら香り付けにワインを軽く。はい出来ました」
あずさ「やよいちゃん、玉ねぎともやしの準備はいい?」
やよい「はい、ここにあります。スープもいい感じに出来ますよ」
あずさ「うふふ、ありがとう──さて、フライパンに残った肉の脂。これで玉ねぎともやしを炒めます。さっき取り除いた肉の脂も入れますよ」
やよい「おっ、美味しそうです!」
あずさ「まだまだよ。炒め終わったら、次はご飯入れてガーリックライスを作るわよ」
真美「うーん、あずさお姉ちゃん、料理が上手いよね→」
あずさ「ふふ、いつ運命の人を出迎えても良いようにしないとね」
あずさ「それからサラダと。というわけで出来ましたー」
やよい「出来ましたー」
真美「できまちたー」
真美「ステーキにサラダにスープ。そしてガーリックライス。ご馳走ですな」
やよい「スープには刻んだキャベツとかベーコンを入れてみました。サラダはレタスとトマトを中心にしてます」
あずさ「では、いただきます」
やよい「いただきます」
真美「いっただきまーす」
やよい「にっ、肉が柔らかくてとろけて美味しすぎます」
真美「すっごいジューシーだよ→」
あずさ「霜降り和牛は脂の旨味を生かして塩コショウでシンプルに仕上げるのが一番だからね」
あずさ「でも、たっぷり噛み締めないといけないステーキも肉本来の味が味わえて美味しいのよ」
あずさ「たまには歯ごたえたっぷりの肉も良いものね」
真美「スープも具だくさんでサラダも最高!」
やよい「おおっ、肉の下に引いてあるもやしもいつも食べるもやしと全然違います」
あずさ「肉の脂の旨味をたっぷり吸ったもやしだから。ほうれん草とか炒めてもおいしく仕上がるわね」
やよい「ううっ、こんなに幸せでいいのかな。みんなに悪いよ……」
真美「も→、やよいっちはこじまめ過ぎるよ。家族のみんなは今頃美味しい料理を堪能してるんでしょう」
やよい「そっ、それはそうだけど……あと、こじまめじゃなくて生真面目じゃないのかな」
真美「まあ、そんな細かい事はどうでもいいの! せっかくのお泊りなんだからリラックスしようよ」
あずさ「そうね。これはいつも頑張っているやよいちゃんのご褒美と思えばいいのよ」
やよい「ご褒美──か」
あずさ(なんか急に暗くなったわね。どうかしたのかしら?)
──お風呂。
やよい「お風呂が大きいです!」
真美「大きいです!!」
あずさ「やっぱり足を伸ばしてゆったりしたいから……結構こだわりました」
真美「でも、流石に三人は入れないね」
あずさ「もう一人もこうやって私が抱えるようにしないと難しいようね」
やよい「あずささんに抱かれて幸せです! すっごく柔らかいんだもの」
真美「おおっ、見て見てやよいっち! あずささんの胸が、胸が浮いてるよ→」
やよい「ああ、本当です! 千早さんは胸が大きい人は沈んで大変だと言ってたのに」
あずさ「うふふ、沈んだりしないわよ」
真美「しかし、いいな→ あずささんは胸が大きくて凄いせくちーだもの」
やよい「うん、私なんてまだまだ小さいし……」フニフニ。
真美「うん、全然だよ」フニフニ。
あずさ「二人ともまだまだこれからよ。焦らなくていいわ」
やよい「大人になったら私の胸も大きくなるの」
あずさ「ええっ、やよいちゃんは美人になるでしょうね」
真美「真美も大きくなる?」
あずさ「もちろん大きくなるわ」
真美「じゃあ千早お姉ちゃんは?」
あずさ「えっ?」
真美「このごろ豊胸うんど→ に熱心なんだよ。千早お姉ちゃん。牛乳毎日飲んだり腹筋したり。他にも色々やってるみたい」
真美「そのけんめーな努力は実るかな→」
あずさ「ええと、ええと」
あずさ「どっ、努力は結果が全てでないの。行ったという過程が尊いのよ」
あずさ「夢は叶うものと言うけどやっぱりどうしても仕方ないときはあるわ。でっ、でもね奇跡は絶対にないという訳は無い……はずよ」
真美「千早お姉ちゃんがあずさお姉ちゃん並みになるのはどれくらいの確率だと思う?」
あずさ「……たぶん「ハヤテのごとく!」の原作者がヒナギクさんの胸を大きく成長させるぐらいかしら?」
真美「それ、ゼロと言ってるのと同じだよ→」
あずさ「あっ、あははは……」
あずさ「でも、千早ちゃんはこの頃女らしい魅力が本当に出てきたわよ。何て言うか柔らかくなった?」
やよい「前に比べて優しくなりました。レッスンで私が汗をかいたらタオルとかすぐに貸してくれます。洗って返しますと言っても「いいのよ」とニコニコしてるんです」
真美「あ→、いおりんもやよいに同じことしてるね。でも、それ本当に親切心だけなのかな→」
あずさ「多分、彼女……恋をしてるわね」
真美「千早お姉ちゃんが?!」
やよい「ふえー、相手は誰なんでしょう」
あずさ「何となく予想は付くのだけどね。……私も同じだから」
真美「恋──まだ全然分かんないな。歌で愛を歌ったりするけどちょっと実感が無いんだよね」
やよい「私も同じです。みんなが好きだけど、恋の好きと今思っている好きは全然違うのかな」
あずさ「違うわよ。恋の好きはたった一人に捧げたい特別な想いなの。家族や友情の好きとやっぱりね……」
真美「んー、どういうものなんだろう」
あずさ「そうね、心の奥で家族以外に今誰に一番会いたいか。誰ともう会えなくなったら一番悲しいか。思い浮かべて真っ先に出てきたら恋をしている証よ」
やよい「────」
真美「…………」
やよい「──プロデューサー」
真美「……兄ちゃん」
あずさ「うふふ、この子たちも同じなのね。本当、罪作りな人」
やよい「あずささん、ギュッと抱きしめてもらっていいですか。なんか切なくなっちゃいました」
あずさ「……いいわよ。思いっきり甘えなさい」
やよい「──はい」
あずさ(なんだか赤ちゃんみたいね。でも何か別なのを思い出したのかしら)
やよい「────」モミモミ、チューチュー。
あずさ「えっ、あっ?」
真美「おおっ、やよいっちがあずさお姉ちゃんの胸を揉んで吸ってる→」
やよい「………」
あずさ「あっ、あんっ、あの、やよいちゅん、ちょっと強い……くぅ、えっ、そこはダメ。いや、噛まないで」
真美「すっ、すごいエロエロです。正直たまらんですタイ」
あずさ「どっ、どこの薩摩の人よ。んぅ~、やめて、それ以上だとこっちが切なくなっちゃう──」
真美「うーん、ここは真美も参戦していっきにいちはちきんモードに移行すべきかな?」
あずさ「そっ、それはらめぇぇぇ!!」
──寝室
やよい「くぅーくぅー」
あずさ「ふうー、やっと落ち着いたわね」
真美「いやー、あれから原稿用紙四百枚ほどのエロエロ行為が──乱れに乱れたあずさお姉ちゃんが若い真美たちを食い漁り」
あずさ「もうー、そんなのはありませんよ!」
真美「ははっ、冗談っす」
あずさ「それにしても……」
あずさ「何となく今日のやよいちゃんはおかしい感じがするわね」
真美「というと?」
あずさ「妙に甘えてくるというか情緒不安定というか……いつもしっかりしてるのに。やっぱりまだ子供なのね」
真美「……ちょっち違うと思うよ」
あずさ「?」
真美「真美と亜美は双子だけど、一応真美の方がお姉さんじゃん。だからギリギリの所で我慢というか譲らないといけないの」
真美「真美、お姉さんでしょう。そう言われる訳」
真美「亜美と喧嘩したり物の取り合いになると最後にそう言われて諌められたりする。真美としては理不尽極まりないよ」
真美「でも、そう言われたら引き下がるしかないの。お姉さんだからさ……」
真美「やよいっちは一番上だよね。たぶん……真美より大変だと思う。心情的にさ」
あずさ「私は一人っ子だから実感ないけど……そういうものなの?」
真美「うん、どうしてもね。まず下の子を優先したり考えてりすると思う」
真美「やよいっちの家は小さい子もいるし両親は仕事で忙しいしほとんどお母さんと同じ立場だよ」
あずさ「それは大変よね……」
真美「真美とかは自由に遊べるけど、やよいっちはそうでもない。真美たちが携帯ゲームをしてると少し羨ましそうに見てたりするの」
真美「でも『やってみる? 貸してあげるよ』といっても首を横に振って断るの。一度遊んだら歯止めが効かなくなると分かってるからだと思う」
あずさ「全部抑えて大人にお姉さんにならないといけないか──」
真美「もちろん、それはやよいっちの両親も分かっていたと思うよ。もともと温泉旅行はやよいっちのために考えたものらしいし。でっ、サプライズのため黙っていたら」
あずさ「やよいちゃんのお仕事と被ってしまったわけね」
真美「だから、本当は中止にしようとしたらしいけど喜ぶ弟たちに悪いとやっぱり引いて譲ったみたい」
真美「本当は温泉に行きたかったらしいよ。けど、空けられない仕事だったしさ」
あずさ「────」
やよい「うーん」ギュ、
あずさ「あらあら、私はどこにもいかないわよ」
あずさ「そうね。流石に家族で旅行という訳には行かないけど……ちょっとぐらい癒されても良いわよね」
真美「うん? あずさお姉ちゃん、携帯取り出して何する気?」
あずさ「あっ、プロデューサーさん夜分遅く済みません。先日の企画の話なんですが少し変更を。ええっ、企画書はこちらで作成します。はい、詳しいことはまたあとでお送りします」
真美「えっと、何するの?」
あずさ「うふふ、頑張っているお姉ちゃん達にご褒美です」
──某温泉街
やよい「○×温泉に来てまーす」
真美「効用は肩こり、よういた?」
あずさ「腰痛よ、真美ちゃん」
真美「分かってたよ→ わざとボケたに決まってるじゃん」
やよい「でも、顔が真っ赤ですよ」
真美「おっ、温泉に入っているから顔が火照っただけ。それだけなんだから!」
あずさ「あらあらまあまあ」
──事務所
P「あず散歩の温泉バージョン。おかげで大人気だな」
小鳥「大人っぽい色気あるあずささんに無邪気な二人。初めは大丈夫かなと心配しましたけど杞憂でしたわね」
P「子供の視点から温泉宿を見るという新鮮な発想だよな」
小鳥「的確なボケとツッコミの真美ちゃん。天真爛漫なやよいちゃん。人気が出るのも頷けるわ」
P「特にやよいは食事の時のリアクションが本当に美味しそうと評判でね……真美は食べ物で遊ぶけどな」
小鳥「でも、それをまとめるあずささんは凄いわ。最後はきっちり締めてくれるし」
亜美「それはいいけどさ→ 何で真美なの? 亜美でもいいじゃん」
伊織「そうよ、元竜宮小町で組んでいたのに水臭いとしか言い様がないわ」
P「んー、伊織はあずさと組みたかったのか」
伊織「べっ、別にそういう訳じゃないわ。ただ、日本の温泉はあまり行ったことないから興味が湧いただけ。それだけ、それだけなんだから! あと、どちらかというとやよいと一緒に温泉に……」
亜美「亜美も温泉に入って美味しいもの食べたーい」
小鳥「そういえばあずささんが言っていたわね」
小鳥「これはお姉さんキャラへのご褒美ですって」
亜美・伊織「「? どういうこと→(意味なの)」」
終わり。
いずれ、あず散歩温泉編とかも書いてみたいかな。いろんなキャラを組み合わせたりしてね。
まあ、そんな感じで。ではまた、
Entry ⇒ 2012.10.24 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
モバP「汚れた猫を見つけたのでいじめることにした」
ザァァァァァァ・・……――――――――
スタスタ…
P「ったくあの馬鹿どこいったんだか……」
スタスタ……
P「……っと、やっと見つけた」
タタッ
P「おい何してんだ、この猫娘が。こんなずぶ濡れになりやがって」
みく「…………Pチャン…」
P「ったく突然いなくなったと思ったらこんなとこほっつきよって、ほら帰るぞ」グイッ
みく「あっ……」
――――――――
―――――――
――――――
P「ほれ、ついたぞ」
みく「にゃ……ここって事務所じゃなくて……Pチャンのおうち?」
P「とりあえず入れ」
みく「うん……おじゃまします……」
P「んでそのままこっちゃこい」
スタスタ
みく「うにゃ……お風呂場?」
P「いいかー……じっとしてろよ?」スッ
みく「目を閉じてどうしたのかにゃ?」
P「秘技!十時直伝!!『一発脱がせ』ッ!!!」バッ!
みく「に”ゃっっ!!??」スポーン
P「かーらーのー? 桐野直伝!『フェザースロー』! そぉい!!」
フワッ
みく「に”ゃぁぁぁぁ!?」ステーン
みく「ちょ、ちょっとぉぉ!? 何するにゃあああPチャーーン!?」
P「ふはは驚いただろう! だがこれだけではないぞっ」
P「続いてはお風呂場のハイテクリモコン攻撃!」ピッピッピ
シャワワワー
みく「うにゃぁぁ!? いきなりシャワーからお湯が出てきたぁぁ!?」
P「この風呂場は外からリモコンでお湯を出せるのだフハハハ! さあ食らえ食らえぃ!」
みく「ちょっと本当に何なのこれぇぇ!!」
――――――――
―――――――
――――――
みく「その上脱いだ服は勝手に洗濯機に入れられていつのまにか用意された着替えまで渡されて」
みく「一体何が何やら……」
P「お、上がったな」
みく「うん……お風呂ありがとうにゃ」
P「勘違いするなよ? 悪い子へのお仕置きファーストステップをこなしただけだ」
P「次はここへ正座しろ」
みく「うにゃ~……お次は何なのにゃ」
P「ライブにボロ負けしたからといって突然飛び出したお馬鹿の子にお説教だ」
みく「うぅ……ごめんなさいなのにゃ」
カチッ ブォォォ
みく「わぷっ」
P「但し、普通にお説教するだけでは効かんだろうからな、熱風攻撃をしながらお説教だ!」
P「俺が良いと言うまで正座して動くんじゃないぞ? そもそも一回ライブに負けたぐらいで逃げ出すんじゃない――――」
みく「にゃぁぁぁ――」
P「よーしまだまだお仕置きは続くぞぉ」コトッ
みく「にゃ? ごはん……?」
P「お仕置きその3! 『昨日の余り物+俺の嫌いな食べ物押し付け攻撃』!!」
みく「えっと……食べなさいって?」
P「その通りっ! 余り物という粗末な食べ物に加え俺が食うのを躊躇われるものを押し付けてやるっ」
P「冷凍庫から鮮度の落ちた昨日作ったご飯を解凍し温め、加えて俺が苦手な味噌汁と野菜の炒め物だ」
P「味をごまかして食べれないように野菜炒めは薄味! 塩コショウと醤油少し」
P「さあ食らえっ」
みく「にゃ、にゃ……でもPチャンの分は無いのかにゃ?」
P「俺はお前を見つける前に食っておいた」グゥ
みく「…………」
P「……そ、それと俺にはこの小腹がすいたときの『にぼし』がある!」
みく「えっと……p、Pチャンも一緒にたb」
P「ならぁぁん!それは俺がお前にお仕置きで用意したスペッシャルメニューなのだ!」
みく「に”ゃっ! い、いただきますにゃ!!」パッ モグモグ
P「ふはは食べたくないという意思を押さえつけられて食うご飯は十分にお仕置きになるだろう!」ポリポリ
みく「……ごちそうさまにゃ」カチャッ
P「うむ、腹が膨れて苦しかろう。どうだ参ったか」
みく(何だかんだでとってもお世話してくれてるにゃ……なんかヘンな言い方されるけど…)
P「お次はその膨れた腹に更にこれを追加だっ」コトッ
みく「にゃ……ミルク?」
P「一度温めた後にわざと冷やして少しぬるくなった飲み物だ。因みにこれも俺の苦手な物の一つだ」
P「さあ飲めっ」
みく「にゃ……あったかいにゃ、猫舌だから飲みやすいにゃ」ズズ…
P「冷たいと腹を壊してしまう上に、あっためると少々においがきつくなる。その両方を兼ね備えた恐怖の液体!!」
P「ふはは! じっくりと味わうがいい!」
みく「あったかいにゃ……ミルクも、Pチャンも……」ズズッ…
P「ふむ……少々失敗したようだ、逆効果になってしまった」
P「ならばここで挽回のお仕置きは……これだ!」サッ
みく「!!」
P「ふはははは! どうやらこれは効果ありそうだなぁ、んん?」フリフリ
みく(ねこじゃらし……)ウズウズ
P「ほぅれどうしたぁ? お前の目の前をチラチラして邪魔だろう? イライラするだろう?」フリフリ
みく「う”~……に”ゃっ!」ヒュン!
P「おっと甘い!」サッ
P「ほれほれまだこいつは健在だぞ~?」フリフリフリフリ
みく「にゃっ! にゃぁぁっ!」ヒュッ ヒュン!
P「まだまだまだぁっ! そしてもう一本追加ぁっ!!」フリフリフリフリフリフリフリフリフリ
みく「にゃぁぁぁぁっっ!!!!」シュバーッ
―――――――
――――――
―――――
P「ふ、ふ、はは……どぉだ……ゼハァ……これには参っただろ……う…………ゼーハー」
みく「Pチャン……疲れすぎだにゃ……」
P「お仕置き……だからな……フーッ……お前をお仕置きする為ならば全力も厭わん」
みく「もうお腹一杯の上に疲れて一歩もうごけないにゃ……」
P「お仕置きの甲斐あったなこれは、ふはは。動けるようになるまでそこで放置プレイだ」
みく「にゃ~……いいもん疲れたからここで寝ちゃうにゃ……」クター
P「おー寝ろ寝ろ。お仕置きの最後は『普段自分が寝ている場所とは違う所で寝かされる』だ」
P「ここは俺の家であってお前の家ではないからな。安眠できないという事が最大のお仕置きだっ」
みく「知らないにゃーん。みくを励ましてくれてご飯までご馳走してくれた人とそのお家が居心地悪いと思うかにゃ?」
P「ぬっ。反抗的なやつめ、いいからそのまま熟睡できん眠りに落ちるがいい」
みく「そうさせてもらうにゃん♪ おやすみなさいにゃ……Zzzzz」
P(しかぁし! お仕置きにはあともう一つ裏メニューがあるのだ!!)
P(裏メニューは……『普段俺が使っている汗臭い筈のベッドへ放り込む』だ!!)
ソッ……グッ……
P(このお仕置きは途中で起こしてしまったら失敗だからな、慎重に運んでやらねば……)ススッ
ポスン
P(よし、作戦は成功。あとは掛け布団もかけて圧迫してやる)
P「………んじゃあな、おやすみさん。みく、今日のライブは悔しいかったろう。次は勝とうな」ナデナデ
P(俺はっ…と……んま、とりあえず床でごろ寝でもすっか、もう疲れてだりぃし)ゴロン
P「んじゃ俺もおやすみっと……Zzzz」
――――――――
―――――――
――――――
翌日
みく「んぅ……あれ、ここ……Pチャンのベッド?」
みく「いつのまにかベッドに運んでくれたのかにゃ……Pチャンにあったかく包まれる夢はこのせいだったかにゃ…」
みく「んぅ~~っ……ふぅ、Pチャンはどこかにゃー?」
みく「Pチャーン? どこにいるにゃー?」
みく「に”ゃっ!? 床で寝てるにゃ!?」
みく「しかも咳き込んでるにゃ!」
ソッ…ピト
みく「Pチャン!……熱もあるにゃ!」
モゾモゾ
P「んぁ”~……お”はよう……ゴホッゴホッ!」
みく「にゃんでこんな所で寝てるにゃ! Pチャン風邪ひいちゃってるにゃ!!」
P「あ”~……昨日のお前へのお仕置きの後に俺も寝たからな……ゲホッ」
みく「みくばっかりお布団で寝させて自分は床にゃんて……だから冷えて風邪ひいちゃうんだにゃ!」
みく「Pチャン自分の事をおろそかにしすぎにゃ!! もー怒ったんだから!」
みく「……今日はたっぷりPチャンにつきっきりで『お仕置き』してあげるんだから覚悟してにゃん♪」
みく「名づけて『動けない体を無理やりおこして引きずるアタック』にゃ!!」
P「う”~……体がいてぇ」
みく「ほらー! 床でなんて寝てるからにゃ!! もうこのまま担いで連れてくにゃ」
グググ………
みく「に”ゃ、ぁ、ぁ……お、重たいにゃ」
P「あんま無理、すんな…ゲホッ……なんとか立てるから」ググッ
みく「にゃぁ~……それなら少しでも支えるにゃ」
P「ゲホッ!……こりゃ完全にアウトだわ……今日はオフだったから良かったものの、ゲホッ!」
みく「大丈夫かにゃ……?辛そうだにゃ……」ジワッ
P「あ”ー心配しすぎだ、風邪ぐらい寝てれば治る」ナデナデ
みく「にゃっ!? お仕置きするつもりが逆にし返されたにゃ!」
みく「こうしてはいられないにゃ!次のお仕置きにゃ!」
みく「にゃにゃにゃーん! 『口に棒状の機械を無理やり押し込むアタック』!!」
P「あだっ……歯に当たったぞ」ムグ
みく「あにゃ、ごめんにゃ……って! お仕置きだからそれぐらい我慢するにゃ!」
P「へいへい……ゴホッ」
みく「えーと……熱は38度!? ちょっとこれ高すぎじゃないかにゃ!?」
P「……あー頭痛もひどいワケだ……脳天にお仕置きされっぱなしだぞ…ゲホ」
みく「それみくのせい!? ちょっとはみくのせいかもしれにゃいけど……」
みく「とりあえず! このおうちに風邪薬とかは無いのかにゃ?」
P「えーっと……そこの棚、上から3段目の引き出しんとこ」
みく「にゃ、あったにゃ。ではー続いて続いて『お口ににっがーいお薬とお水を入れるアタック』!!」
みく「お薬は苦いにゃ! これに耐えられるかにゃ~?」
みく「それだけじゃないにゃ! これはみくのスペシャル攻撃にゃ!」
サラサラ……クピクピ
P「っておい…そっちが薬飲んでどうすんよ……ゲホッ」
みく「にゅふふ~、ふぃーひゃんひょっひょひゃはんひへへひゃん」(Pチャンちょっと我慢しててにゃん)
ガシッ
チュゥゥゥゥゥ
P「!?」ゴクッ……ゴクッ……
P(口移しで流し込まれ……!)
みく「にゃっふふ~……Pチャンには昨日いーっぱいお仕置きされたからにゃん。こっちもその分のお返しにゃん♪」
P「色々突っ込みどころがありすぎるわ……アイドルだってのにキスなんぞ……それに移ったらどーする…」
みく「Pチャンとならちゅーしても問題ないにゃん、ここはPチャンのおうちだし♪ Pチャンの事だーいすきだしにゃん♪」
みく「それに風邪が移ったらPチャン治るでしょ? それでよくなるならばっちこいにゃ!」エヘン
P「自慢する事か……風邪ひいてなかったら頭にチョップだぞ……」
みく「なら今は風邪ひいてるから何もしないにゃ? お仕置きし放題にゃー」
P「……勝手にしろ、やり過ぎは許さん」
みく「うー……治った後が怖そうにゃ……程ほどにお仕置きするにゃ」
みく「にゃにゃ!? さっきよりも顔赤いにゃ!……ははーん、照れてるにゃ?」
P「このバカ猫……んなわけあるか……」
みく「ひっどーい! こんな可愛い子からキスされて照れにゃいなんてー!」
みく「おまけにバカって言ったにゃぁぁぁ!! アホならまだしもーっ」
P「……ゼーハーー」
みく「って……さっきより辛そうにゃ!? お薬効かなかったかにゃ!?」
P「そりゃ騒がせるからだ……それに薬は飲んで暫くしてからだろ……」
みく「うにゃ……じゃあ後はこのままゆっくりするしかないのかにゃ?」
P「ああ……あとは静かにさせてくれ………」
P「それと……タンスの上から2段目の引き出し、ちょっと着替えを取ってくれ……」
みく「にゃっ。それならおやすい御用にゃーん」
みく「にゃっ? あわわわPチャンのぱんつ……」ピローン
P「広げんなっ!ゲホッ!!……う”~喉まできてるわ」
みく「にゃっ、ごめんにゃ、お着替えはこれだけかにゃ?」
P「いや……あとパジャマも換えがある筈だ、タオルも頼む」
みく「はいにゃ!」
ゴソゴソ……トテテッ
みく「お着替えとタオルって事はー……汗かいてるのかにゃ?」
P「ああ……嫌な汗ずっとかいてて気持ち悪い……」
みく「それなら背中ふいたげるにゃん。『白い布で背中をゴシゴシさすりアタック』にゃー」
P「……自分でやる、あっち行っとけ」
みく「駄目にゃ!!」クワッ
みく「Pチャン、寝る前に最後頭撫でてくれたにゃ? みくちょっと覚えてるにゃ」
みく「昨日励ましてくれて……元気づけてもらえたのに……そしたら今度はみくが原因で風邪までひかせちゃって……」ジワッ
P「…………」
みく「だから、何も、できないにゃんて嫌にゃ……」
P「わかった……頼む」プチプチッ
みく「うん……」
みく「背中……広いにゃ……」ゴシゴシ
P「そうか……ん…力加減も悪くない……」
みく「ん……前も拭いてあげるにゃ」ソソソッ
ダキッ
P「…おいっ…ゲホッ…なんで後ろから抱きつく」
みく「こうしないと前を拭いてあげられないにゃん♪」ゴシゴシ
P「今のさっきで態度を変えおって……」
みく「聞こえないにゃーん。じっとしててにゃんー」フキフキ
P「まぁ…ありがとな……ケホッ」
P「さすがに着替えるのは一人でやるから、さ」
みく「うー……お手伝いしたいけどこれはさすがに……」
P「やったら怒るぞ?」
みく「だよねー……向こういっとくにゃ」
トテテテッ
―――――――
――――――
―――――
P「ああ……さっぱりした事もあってか、少し楽になったわ」
みく「おぉー! みくのお仕置き効果あったにゃ!」
P「薬飲ませて背中拭いただけだけどな……」
P「まぁ……ありがとな」ナデナデ
みく「えへへ……どういたしましてにゃん♪」
P「布団で寝れなかったのもあってまだ眠いわ……ケホッ……ちと寝る」
みく「うんっ。おやすみなさいなのにゃ」
P「明日っからまた……頑張るぞ…………ZZZzzzz」
みく「はいにゃっ」
みく「もう一回くらい……いいよね?」
ソソソッ
チュッ
みく「みくの大好きなPチャン……一緒に頑張ろうね?」
―――――――
――――――
よくじつ
P「う”~……」
みく「に”ゃぁ~……」
P「おかしい……なんで治らないどころか、二人とも風邪なんだ」
みく「Pヂャ~ン……ケホッケホッ!……頭い”た”いにゃ……」
P「駄目だ……今日は休むか……ゲホッ」
みく「うん……ごめんにゃん…ケホッ」
P「とりあえず……布団一つしかねぇから、入れ……」
みく「に”ゃ」モゾモゾ
P「ボイトレの予定が……咳のハーモニーレッスンになるとは……ゲホッ」
みく「う”-に”ゃー…う”-……ゲホッに”ゃぁぁ……」
支援もらった割に短くてすんません
Entry ⇒ 2012.10.24 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「やよいの昇格祝いを高級和食店でしてみよう」
P「ああ、いつもは接待に使ってる店なんだが、今回はお前のために抑えたんだ」
伊織「…ってこの店、あの有名な○○じゃない!」
P「お、よく知ってるな。さすが伊織だ。今回はやよいのAランク昇格祝いだからな、特別だ」
伊織「あ、アンタねぇ…予算は大丈夫なの!?」
高木「なぁに、心配無いさ。これから君たちが頑張ってくれるなら安いもんだ」
P「さぁ、店に入ろう」
真美「だね!」
やよい「うっうー!……あれ?プロデューサー?」
P「ん?どうした、やよい」
やよい「このお店、メニューが無いですよ?」
P「一部の料理はちゃんメニューとしてあって、値段も決まっていたりするけどな」
やよい「へぇ~、そうなんですか。でも…お値段がわからないと…」
P「だいたいこのぐらいでお願いしますって金額を提示したらそれに見合った料理を出してくれるんだ」
小鳥「そそ、そうですよ、だ、だから安心して食べていいんですよ……ね?」
P「こういうお店が初めてなのはわかりますが落ち着いて下さい」
~和室~
高木「さて、ご主人の挨拶も済んだし、楽にしていいぞ」
美希「あふぅ、ミキ堅苦しいのは苦手なの」
千早「高級店だもの。仕方ないわ」
やよい「なんだかご飯食べる前にお腹いっぱいになりそうです」ドキドキ
P「そんなに緊張してたら料理の味がわからなくなるぞ。今日はやよいが主役なんだぞ?」
やよい「は、はい!で、でもここのお料理一つで一体どれだけのもやしが…はわっ!」
小鳥「ぷぷぷぷろりゅーしゃー、わわわ、私もきき、緊張s」
P「やよいがそんなんじゃ、ここに連れてきた意味がなくなるじゃないか」ナデナデ
小鳥「わ、私も…」
やよい「そ、そうですね///あ…でも…私だけ…」
P「妹弟達の事だろ?大丈夫、お弁当を頼んであるから」
やよい「お弁当?ですか?」
やよい「はい!ありがとうございますっ!」
P「やよいは家族想いだな(やよいはかわいいなぁ)」ナデナデ
小鳥「あの、わ私も…き、き…」
P「小鳥さん?ああ、事務所の電話は全て転送されるようになってますので安心してください」
小鳥「ピヨ…」
真美「これ、カイセツ料理って奴でしょ!…ご飯は?」
律子「言いたいことはわかるけど多分漢字が違うわね。今日のは会席料理よ」
響「うう…自分、よくわかんないぞ」
雪歩「あの…、皆さんがよく耳にする懐石料理っていうのは、元々はお茶会の席に出されるもので…」
P「そう、こういったお祝い事ではそこからさらに発展した、会席料理になるんだ」
亜美「なんか難しいよ~」
P「雪歩、よく知ってたな偉いぞ」ナデナデ
雪歩「それは…///あの……家の人と…その…///」ボッ
やよい「プロデューサー…、これ、これって…」
P「ああ、金箔か、食べられるから安心していいぞ」
やよい「金ぱ…」パタッ
P「おい!大丈夫かやよい!?」
律子「お造りなんか見たらどうなるのかしら…」
律子「先付と吸物の次は向付ですね、今日はお祝いなのでおそらく…」
一同「おおーっ!」
主人「鯛の活造りです」
真美「こっ…これは!」
亜美「生きてる?生きてるよ!?」
あずさ「すごいわね…」
やよい「うっうー…」
P「どうした?やよい?」
やよい「お魚さんが苦しそうだなぁーって…」
P「やよい…(やよいはかわいいなぁ…でもどうするか…)」
律子「でも新鮮な証拠よ?それに、腕が良い人が捌かないとできない料理よ?」
やよい「でも、でも…」
P「そうだぞ、腕が良いから痛くないように切れるんだ、痛かったら気絶しちゃうだろ?」
やよい「なるほど!そうですね!」
P「(やよいはかわいいなぁ)」ナデナデ
小鳥「でも結局鯛は息が出来なくて苦し――P「小鳥さんは少し黙っててください?」
小鳥「胸が苦しいピヨ…」
真美「準備はバッチリであります」ヒソヒソ
亜美&真美「それっ、お醤油投入!」
鯛「」ビックーン
一同「うわぁっ!」ドンガラガッシャーン
美希「あはっ!でこちゃんのオデコにお刺身が張り付いたの!」
伊織「アンタ達ねぇ……!」
P「(あ、あずささんの胸元に刺身が……これは目のやり場に困る…ん?)り、…律子…?」
春香「(頭に海老が!律子さんの頭に海老が乗ってますよ!)」
律子「あなた達……ちょっとこっちへ来なさい……」ユラァ
亜美&真美「り、りっちゃん!!」
・
・
・
亜美&真美「」キュゥゥ
P「あれは、俺にもかばいようがないな……」
律子「さて、次は焼き物ですね」
主人「本日はこちらの▲▲牛を使います」
やよい「プ、プロデューサー!お肉ですよ!お肉!」
P「ああ、焼き物はお前達向けにお肉でお願いしておいた」
やよい「でもこれ、なんか模様が綺麗ですね」
千早「高槻さん、これは霜降り肉って言うのよ」
あずさ「ブランドにもよるけど100gで数万円する物もあるわね~」
やよい「す…数万……」キュゥ
千早「ちょっ、高槻さん?」ガシッ
P「まあ、やよいには想像もつかない世界だろうな…って千早、鼻血が…おい」
千早「」キュゥ
律子「あ、もう結構ですのでお願いします」
高木「煮物はそのお店の腕が一番如実に現れる物でな、ここの煮物は最高だぞ」
春香「美味しそうですね!」
P「さぁ、いただこう」
真「すごく…上品な味ですね」
亜美「それでいて素材の味が引き立っていて…」
真美「んっふっふ~、これぞまさに最高の煮物っ!」
響「わ、わかるのか!?」
真美&亜美「もっちろん!」
一同「!!」ざわ・・・」
亜美&真美「えっへん!(作戦通り)」
律子「で、何の料理かわかるの?」
亜美「え」
真美「そ、それは~」
伊織「まさかアンタ達……!」
亜美「い、いや~、なんとなくそういう雰囲気だったし」
真美「な、流れで…」
律子「まあ、そんなことだろうとは思ったわ」
真美「お、美味しいのはわかるよ!」
律子「ふ~ん?」
亜美「な…なんとなく…だけど」
響「よかった…美味しいけどよくわかんないのは自分だけじゃなかったぞ」
小鳥「(私もよくわかんない…)」
春香「プロデューサーさん!頭と身が別々に揚げてありますよ!」
P「この頭が最高に美味い酒の肴になるんだよなぁ」
律子「出汁をとってお味噌汁にするのも良いわね」
やよい「こ…こんな立派な天ぷら初めてです…た、食べてもいいのかなーって…ちょっと思ったり」
P「遠慮しないで食べてくれ。何度も言うが今日はお前が主役なんだから」
やよい「はい!いただきます!」
伊織「ったく、食べなきゃ何しに来たのよ…ってやよい?」
やよい「ふぁい?」モグモグ
伊織「塩で食べるのは初めてじゃないの?」
やよい「はわっ?天ぷらってお塩で食べる物じゃ無いんですか?」
一同「!!!!」ガタンッ!
ざわざわ・・・・ざわざわ・・・・
P「そ、そうか」
やよい「あ、でもお野菜をタレにつけて食べるのは初めて聞きました!美味しいですねー!」
P「ああ……いや、なんでも無いんだやよい、いやぁ、良い塩を使ってるなぁ、うん」
やよい「なんで泣いてるんですかプロデューサー…?」
P「い、いや、あまりの美味しさに感動してだな、うん…今日はここに来てよかったなぁ……」
やよい「はいっ!ありがとうございますっ!」
プルルルル
律子「あら?電話だわ、少し席を外しますね」
ヨォシキョウハノムゾー!オオ、ユキホはキガキクナァ
律子「まったく……大丈夫かしら?……もしもし――
書いてる途中にくると思ったがやよいwwwwwwww
律子「…………。何か嫌な予感がするわね」
――――――――――――――――――――――――――――――
亜美「おおっ!」
真美「ご飯だ!」
貴音「鯛飯ですね」
P「お祝いらからな~」
律子「……プロ…デューサー?」
P「おお!律子ぉ、おきゃえり~」
律子「…………どういう事なの?」
響「じっ、自分は最初だから違うぞ!」
律子「私が席を外してから戻ってくるまでの事の顛末を詳しく聞かせてもらおうかしら…」ユラァ
響「り、律子…な、なんだかこわいぞっ!」
やよい「え~…えっとですね…」
P「さあ今日は呑むぞー!」
雪歩「あ、あのプロデューサーさん…」スッ
P「おお、雪歩は気が利くなぁ」ナデナデ
雪歩「ええっ///(…また頭を!?)……いえ、そのっ…///」ボッ
響「(うう…なんだかうらやましいぞ)」
P「ありがとう、雪歩は良いお嫁さんになるなぁ!」ナデナデ
一同「!!」ガタッ
雪歩「っ~~!!!///あ……あ……穴掘って埋まってますぅ~!!」
響「じっ、自分もお酒!……注いでみたいぞ!」
P「ん?どうしたんだ急に…まあ、せっかくのお酌だし……ごくごく…ぷはぁ……頼むよ」スッ
響「お、おー!(な、なんか近いぞ!緊張して……)」トクトク…
P「おっと、ありがとう。んん?いつもの響らしくないな~、大丈夫か?顔も赤いし熱でもあるんじゃないか?」スッ
響「~っっ!!//////……な、…なんくるないさー!!///」ダッ
P「あっ!響?……何なんだ?」
P「いいのか?やよい。今日はお前がもてなしてもらう側なのに…」
やよい「いいんです!ご馳走してもらってばっかりだとくすぐったいかなーって」
P「そうか、じゃあお言葉に甘えて……ごくっ……ふぅ……お願いします」スッ
やよい「はーい!」
やよい「えへへ///」
P「毎日家事をやってるだけの事はあるな」
やよい「そ、それで……あの」
P「どうした?」
やよい「わ、私も…良いお嫁さんになれるかなー……って///」
P「ああ、なれるさ、むしろやよいみたいなお嫁さんならこっちからお願いしたいくらいだな」
やよい「はわっ!……え?……それって///ええっ!/////」
P「ん?……ああっ!いや、そういう事じゃなくてだな、いや、そうなんだけど!」
やよい「はわ~」プシュー
P「あ、思考停止した…………うん、しばらくそっとしておこう」
やよい「ありがとうございます!」
P「忘れ物は無いか?」
やよい「あ、あの!プロデューサー!」
P「どうしたやよい?」
やよい「さっきの……お話…」
P「さっきの…?」
やよい「私、頑張って良いお嫁さんになりますね!」
P「んん!?(しまっ…>>73のフォローを忘れてた!)」
やよい「今日はどうもありがとうございました~!」タッタッタッ
終わり
P「お?珍しいな千早がこんな事してくれるなんて」
千早「い、いえ、プロデューサーには普段からお世話になってますから」
P「そんなに気を使わなくてもいいのに…ありがとう…んっ……ぷはぁ…じゃあ、頼むよ」スッ
千早「はい」
千早「さっきの話なんですけど……」
P「さっきの……ああ?お嫁さんがどうのか?大丈夫、うちのアイドルはみんな良いお嫁さんになれるさ」
千早「わ、私もですか!?///」
P「ああ、もちろんだ」
千早「でも私…………高槻さんや春香みたいにお料理が上手でもないし……」
P「何を言ってるんだ、今は男も料理をする時代だぞ?それに家庭っていうのは二人で作り上げていくものじゃないか?」
千早「プロデューサー……」
千早「はい」
P「そんな人がお嫁さんになってくれたら素敵な事だと俺は思うぞ」
千早「え……ええっ?//////」
P「ん?あ…なんかまた……ああっ!いや!千早、ええとだな!」
千早「ふふっ……安心しました」
P「あれ?」
千早「いいですよ、そういう風に考えてくれる人がいるってわかっただけでも」
P「あ……そう?」
千早「ええ、頑張って素敵な人になりますから」
P「ああ、そこは問題無い、千早は今でも素敵だと思うよ」ナデナデ
千早「なっ///……プロデューサー…酔ってますね?///」
P「んー、うん、酔ってるなぁ……でもまあ気にするな!」
千早「…もう///」ボソッ
P「社長!いや~申し訳ないです。御返杯を…」
高木「なに、気にすることはないさ、君のおかけで高槻君がAランクに昇格出来たようなものだからな」
P「恐れ入ります」
高木「これからもよろしく頼むよ!」
P「はい、頑張ります!」
真「あ、あのっ!」
P「おお、真か」
高木「丁度良い、ここは菊地君に任せて私は他のアイドルの所へ行くよ」
真「あの、ボクも……お酌…してみたいな…なんて」
P「なんだなんだ、らしくないじゃないか…ぐびっ……はい、お願いします」スッ
真「は、ハイ!」
P「おおっと!」
真「あ!す、すみません!」
P「あ、すまん(思いっきり真の手を掴んでしまった…)」
真「い、いいえ!だ、大丈夫…です///…そ、それより」フキフキ
P「残りが少なかったから一気に出ちゃったんだな、気にするな」
真「すみません…」
P「だから気にするなって…あ、ほら手、かして」
真「はい…ええっ!!?///」
P「さっきお酒がついた手で真の手を握っちゃったからな、拭かないと」フキフキ
真「あ、…あの手を拭くくらい自分でも///」
P「これは俺のせいだから気にするなって…はい終わり。これに懲りずにまた頼むよ」
真「はい…あ、あの、プロデューサー」
P「どうした?」
P「真、ちょっと手を貸して」ピタッ
真「プロデューサー、何をっ///」
P「真の手はちっちゃくて可愛いな」
真「ええっ!?いきなり何を?///」
P「さっき、自分が女の子らしくないって思ってただろ?」
真「…………」
P「確かにお前は女性に人気があるけど、俺からみたらただの可愛い女の子だよ」
真「かっ…可愛い!?///でっ、でもっ!…さっきのお嫁さん…とかには」
真「プロデューサー…」
P「な?もっと女の子である事に自信を持っていいぞ?俺はお前みたいな悩める少女は好きだぞ」ナデナデ
真「あ…///」
P「ん?あ!………本日三回目……いや、変な意味じゃないぞ、真!」
真「わかってますよ。ありがとうございます、プロデューサー///」
P「お…おう、そうか?まー、深く考え過ぎるな、真は今のままで良いさ、うんうん」ナデナデ
真「ハイ!///…って、だいぶ酔ってますね」
オオッゴハンダー
P「ん~?次の料理がきたか~…おっと……」
律子「なるほどね…」
P「まぁまぁ、そんなに怒ると可愛い顔が……怒ってても可愛いれすね?」
律子「なっ///……ごほん……とにかくっ!小鳥さんっ!」
小鳥「ピヨっ!?」
律子「あなたも何で止めな…かっ…小鳥さん?」
小鳥「らってぇ……ぷろりゅーしゃーがぁぁ、ぷろりゅーしゃーがぁ…」
律子「………。はぁ」
小鳥「冷ひゃいんれすよぉ?……初めてこんな立派にゃおみしぇにきてあーんなことやこーんなことをしてもらおうと……」
千早「プロデューサーより酔ってますね」
律子「何?」
やよい「プロデューサー、すっごく喜んでくれてたんです!」
律子「いきなりどうしたの?」
やよい「私がAランク昇格が決まった時、自分の事みたいに……」
律子「……」
やよい「ずっとウキウキしてて、だからちょっと嬉しすぎて……その……」
律子「……そうね」
やよい「律子さん…!」
律子「今日ぐらいは無礼講でも良いかもしれないわね。せっかくのお祝いなんですし」
貴音「私もです」
あずさ「あらあら…なんだか寂しいわね~」
真美「食後のデザート?」
律子「ええ、水物って言うのよ」
春香「プロデューサーさん!綺麗な形に切り分けてあります!」
真「器と盛り付け方だけでこんなにも変わるものなんだ…」
P「和食は目れも楽しむ物らからな」
P「ん?どうした美希?」
美希「ハニー、あ~ん」
P「いいっ!いや、それはちょっと…」
亜美「んっふっふ~。兄ちゃん鼻の下が伸びてますぞ~!」
P「なっ!亜美!……あっ!」ガッ
美希「ひゃんっ☆」
真美「おおっ!これは!」
あずさ「あらあら、胸元に落ちちゃいましたね」
律子「わざとですか…プロデューサー?」ユラァ
美希「…ふーん」
P「美希?」
美希「ハニーってば、こういう事したかったの?」
小鳥「ピヨっ!?わ、私らってぇ、しょれなりにれすねぇ」ヌギッ
P「小鳥さんまれ!?いや、ちょっと待っれ……おっと」フラッ
ぽふっ
貴音「……面妖な」
貴音「すこし驚きましたがあなた様が望むならもう少しこのままでも///」
亜美「ファインプレーの連発です!」
真美「いや~、いい仕事してますねぇ~」
P「うぅ……でもさすがに……ちょっと呑みすぎたな……少し、横になります……」
律子「まったく…」
小鳥「わ、私も少しは自信がぁ……うぅ」
あずさ「あら、起きましたか?」
P「ああ…あずさ……さん?どこから声が?」ムクッ
ボインッ
あずさ「あらあら」
P「!?(何かに当たっ……俺は?)」ウトウト
あずさ「もう少し横になってた方がいいですよ~」
P「(この柔らかい感触……まさか膝枕!?……そしてさっき当たったのはあずささんの…?)っ!!」
あずさ「ええ」
律子「ほら、そろそろ帰りますよ」
あずさ「立てますか?」
P「ああ、すまない」
あずさ「いいえ~、お気になさらず」
P「ありがとう、あずささん」
あずさ「さっきの『ボインッ』は内緒にしてあげますね?」ボソッ
P「!!!」
あずさ「うふふ~♪」
P「いやあ、申し訳ない…」
律子「これからやよいをAランクアイドルとしてプロデュースしていかなくちゃいけないんですよ?」
P「ああ、そうだな。やよい、これからもよろしくな」
やよい「うっうー!私こそです!あ、そうだ!」
P「ああ、アレか」
やよい&P「ハイ、ターッチ!」
やよい「えへへ…」
小鳥「こんなか弱い乙女を残して帰るなんて何かあったらどうするんれすか?」
小鳥「帰り道を一人寂しく歩いていると声をかけられて……ああっ、そんなイケメンに声をかけられたら私……」
律子「(ようやくトイレから出てきたのは良いけどいつ声をかけようかしら)」
今度こそ終わり
Entry ⇒ 2012.10.23 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「どっちだと思います?」 あずさ「あっちじゃないです?」
あずさ「はい~」
P「しかしカーナビって簡単に壊れるもんなんですね」
あずさ「すいません私の飲んでいたジュースのせいで」
P「いや、俺の方こそ急ブレーキかけちゃってすいませんでした」
あずさ「でも~」
P「大丈夫ですって、それに後は帰るだけなんでそこまで急いでないですし」
あずさ「そうですか?」
P「そうですよ。ゆっくりと帰りましょう」
P(携帯使えば簡単に帰れる……がここは携帯を使わない! それが俺のジャスティス!)
あずさ「はい~」
P「さすが、あずささんの演技力はすごいですよね」
あずさ「そんな事ないですよ」
P「そんな事、ありますよ。映画の主演だって決まったじゃないですか」
あずさ「そう言ってもらえると、私も頑張ったかいがありました」
あずさ「び、美人だなんて全然そんなありませんよ」
P「あずささんが美人じゃなかったら、美人なんてこの世にいませんよ」
あずさ「本当ですかプロデューサーさん?」
P「えぇ、本当です」
あずさ「ありがとうございます、ふふっ♪」
あずさ「はい」
P「どっちだと思います?」
あずさ「そうですね~」
P(って聞いたけど、右は森に繋がっているような道だし左、一択だろ)
あずさ「左ですかね~」
P「あぁ、そうですよ……えっ、左!?」
あずさ「多分、そっち側だと思います」
あずさ「あらあら」
P(方向音痴のあずささんが左だと思うって事は、正解は右なんじゃあ……)
――――――
――――
――
P「な、なんかちょっと民家が少なくなってきたような」
あずさ「そうですね~」
あずさ「どうしたんですか?」
P「いや、なんでもないですよ」
あずさ「そうですか?」
P「また分かれ道ですね、あずささんはどっちだと思いますか?」
あずさ「右側ですかね~」
P「はいはい」
P(今度は人気がなさそうな道か……)
P「た、多分」
あずさ「あれ?」
P「どうしたんですか?」
あずさ「あそこにマラソンの服を着た人が……」
P「えっ……」
あずさ「けど、夜なのにおかしいですよね?」
P「もう7時ですからね……」
あずさ「どうたんですか?」
P「い、いますねマラソンの服を着たような人が……」
あずさ「や、やっぱり……」
P「はは、まさかお化けじゃあ……」
あずさ「うぅ……」
ギュッ
P「なな、あ、あずささん!?」
あずさ「こ、怖いですプロデューサーさん……」
P「そん風な抱きつかれると運転が出来ないですよ」
キキっ
?「!」
ギュ―
P「あばばば」
(おっぱい♪ おっぱい♪)
あずさ「うぅ……」
ギュ―
ドンドン
ドンドン
P「うわっ!?」
P「いきなり車を叩いてくるなんて普通じゃない」
P「やはりお化け……」
あずさ「や、止めて下さい~」
ドンドン
響「プロデューサー!! 開けてほしいぞー!!」
P「くっ……やけに響みたいなお化けだ」
あずさ「響ちゃんみたいなお化け……」
ギュ―
ガチャガチャ
P「見れば見るほど響にしか見えない」
あずさ「うぅ……怖いです……悪霊退散悪霊退散……」
タプタプ
P「くっ、これはヤバい」
(胸が……胸が……)
あずさ「な、何がヤバいんですか!?」
ギュ―
P「!?」
響「あずさとイチャイチャしてないで、開けろ―」
あずさ「本物の響ちゃんだったのね~、私ってきりお化けかと思っちゃったわ」
P「で、なんで響はこんな所にいたんだ?」
響「……置いてかれたんだぞ」
P「えっ?」
響「響チャレンジの撮影のバスに置いてかれたんだぞ」
P「……」
響「自分、乗ってないのに、行っちゃったんだぞ……」
P「さすがに酷いな……これは抗議しないと」
響「いいんだプロデューサー」
P「えっ」
響「こうやってプロデューサーとあずさが助けに来てくれただろ?」
響「それだけで自分、すごくうれしいさー」
あずさ「響ちゃん」
P「響……」
(うれシーサーwwww)
響「うん」
あずさ「はい」
響「プロデューサー、ちょっと聞きたいんだけど」
P「なんだ?」
響「さっき、なんであずさと抱き合ってたんだ?」
P「あふぅ!?」
あずさ「!」
P「あれは、あずささんが響をお化けと間違えたからであって、全くもって偶然なんだ!! 全然やりたくてやった訳じゃなくて……」
響「ふーん」
あずさ「……」
響「けど、プロデューサーあずさに抱きつかれてニヤニヤしてたぞ」
P「なっ!? そ、そんな訳ないでしょーに!!」
あずさ「……」
響「ふーん……」
P「そ、それより腹減らないか?」
響「すいたぞ」
あずさ「……」
P「あずささんはどうですか?」
あずさ「……」
あずさ「あっ、はい?」
P「どうかしたんですか?」
あずさ「何でもないです~、で、なんですか?」
P「えっと、お腹すいてないですか?」
あずさ「は、はい少し」
P「じゃあ、飯食べましょう……おっ、あそこのラーメン屋でいいか」
イラッシャイマセー
P「俺の奢りなんでなんでも頼んで下さい」
響「じゃあ自分はチャーシューメン!!」
あずさ「それじゃあ、私は塩ラーメンで」
P「俺は天津飯かな」
P「すいませ……ん?」
ガヤガヤ
響「なにかあったのかな?」
店員「どうもすいません」
P「何かあったんですか?」
店員「実はお客さんが財布を忘れたようで」
あずさ「そうなんですか~」
店員「それがえらい大食いの美人さんでして」
P「美人……大食い……」
P「……」
あずさ「あらあら」
響「なんかその人あれだなー」
響「貴音みたいな人だな―」
P「……」スッ
あずさ「プロデューサーさん?」
P「……ちょっとすいません」
店員「えっ」
店長「だからお嬢さんお金がないと……な、なんだあんたは?」
P「こんな所で一人で食事か――貴音?」
貴音「あなた様!」
P「すいません、彼女の代金は俺が払うんで勘弁してもらえないですか?」
店長「あんたが? まぁ、払ってもらえるならいいが」
P「ありがとうございます」
クドクド
貴音「申し訳ありません……」
あずさ「まぁまぁプロデューサーさんも落ちつ下さい」
響「そうだぞプロデューサー貴音もこんなに謝ってるだろー」
P「うーん、けどな……」
あずさ「ほら、料理も冷めちゃいますし」
P「あずささんがそこまで言うならしょうがないですね」
あずさ「ありがとうございます」
響「いっただきまーす」
あずさ「いただきます」
貴音「プロデューサー申し訳ありません」
P「もう謝らなくっていいよ、さっきの話は―――」
貴音「私も注文してもよいですか?」
P「……」
貴音「らぁめん……」
響「おー太っ腹だなプロデューサー」
あずさ「あらあら」
貴音「私には?」
P「俺も餃子だー」
貴音「私には?」
P「貴音は水だ―」
貴音「」
P「美味いな」
響「自分、全部食べちゃったぞー」
あずさ「そうね、美味しいわね~」
貴音「」
あずさ「……」
あずさ「でも私、お腹一杯になっちゃったわ、よかったら貴音ちゃんこの餃子食べてもらえない?」
ガバァァァァ!
貴音「よいのですか!?」
あずさ「まぁまぁ、いいんですよプロデューサーさん」
貴音「ありがとうございます、あずさ」
パクパク
P「はぁ、しょうがない俺の餃子も一つだけだ」
貴音「あなた……プロデューサー! ありがとうございます!」
響「自分も……」
響「……」
響「自分は皆にお水入れちゃうぞー」
あずさ「ごちそうさまでしたプロデューサーさん」
貴音「お粗末さまでした」
響「プロデューサーごちそうさまー」
P「おう、じゃあ事務所に向かうぞ」
響「おー」
あずさ「お~」
貴音「はい」
響「左!」
貴音「私も左かと」
P(ちなみに俺も左の気がする)
あずさ「うーん、右ですかね~」
P「ほいさっ」
響「な、なん右方向に行くのさー」
P「あずささんが右って言ってるからな―」
あずさ「?」
響「うがー、だからー」
P「まぁ落ち着け響、ほらこのお菓子食べていいから」
ポイッ
響「うわわっと」
貴音「早速開けましょう、今すぐ」
あずさ「どうかしたんですか?」
P「いや……」
P(この道確か前来た事あるな……)
P「あっ」
あずさ「えっ?」
P「すいません何でもないです」
P(あのマンションは確か……)
貴音「」バリバリ
響「自分も食べたいぞ―貴音」
貴音「」バリバリ
あずさ「あっ」
P「どうかしましたか、あずささん?」
あずさ「あれ、千早ちゃんじゃないかしら?」
響「ん、本当だ千早だぞ」
貴音「コンビニの帰りの様ですね」
千早「プロデューサー!」
あずさ「こんばんわ千早ちゃん」
響「自分もいるぞー」 貴音「私も」
千早「あずささんに四条さんに我那覇さんも」
P「コンビニの帰りか?」
千早「はい、夕飯などを買いに」
千早「えっ、でも悪いですし」
P「大丈夫大丈夫、皆も大丈夫だよな?」
ハーイ ハイ エェ
千早「でも……」
P「ほら、袋にも弁当とかお菓子とかいっぱい入ってて重いだろ?」
貴音「!」
千早「悪いですし」
貴音「千早……人の好意は受け取る事も大事ですよ!」
バタン
響「車いっぱいになったなー」
P「よしじゃあ行くか、あずささんどっちだと思いますか?」
千早「えっ、私の家は……」
P「千早! ここはあずささんに任せてくれ!!」
千早「えっ……えっ?」
貴音「響! これはなんでしょう?」
響「あー、これはからあげくんだぞー」
P「……ゴクッ」
P「本当にあっちでいいんですか、あずささん?」
あずさ「は、はい」
P「……うっし、あずささん、響、貴音、千早、明日は何か用事はあるか?」
あずさ「いえ」
響「ないぞー」
貴音「同じく」
千早「私もないですど……えっ、なんですかこれ?」
P「よし、行くぞ」
貴音「……」ジー
千早「た、食べますか……」
貴音「いいのですか!?」
千早「はい」
響「なら、自分もからあげくん食べたいぞ―」
千早「えぇ、勝手に食べてちょうだい」
あずさ「ふふっ、少し楽しいですね」
P「はは……」
P「はは、そうですね……つか、くさっ! からあげくんくさっ!」
響「もぐもぐ」
貴音「もぐもぐ」
千早「ぱくぱく」
P「普通に食事してんじゃねーか!?」
P「知っている、からあげくんが美味いなんて事は日本国民なら皆知っている」
P「なんで車で飯をくってるか聞いているんだよ」
千早「私、そもそも夕飯を買いに来ていたので」もぐもぐ
貴音「食べるものがあったので」もぐもぐ
千早「それに、今日は帰るの遅くなりそうですし……」
響「なんでだ?」
千早「だって、ここ……高速道路ですよね?」
あずさ「あら~」
P「まぁまぁ、そこらへん気にするな」
響「うえっ!?」
P「ほらからあげくんでも食ってろって」
貴音「からあげさんは全て食べました」
P・響「……」
貴音「ほう、なにやら美味しそうな形ですね」
千早「美味しそう……?」
あずさ「あらあら~」
P「やれやれ」
こうして、京都まで5人で小旅行しました。
後にTV番組であずささん・貴音・響・千早で『三浦 あずさでどうでしょう?』という旅番組が始まり、伝説的な視聴率を叩きだしたのだった。
おわり
明日仕事なんでもう寝ます。よかったら誰か京都までの道を書いてくれ。
じゃノシ
Entry ⇒ 2012.10.22 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
P「響がメルニクス語しか喋れなくなった」
P 「参ったな」
小鳥「参りましたね」
オムドゥンディスティイイドゥ?」
P 「なぁ、いつもどおり日本語で喋ってくれよ」
響 「ウ エトゥ ティアン セトゥン エス オソエル」
小鳥「本当、これはなんて言葉なんでしょう」
P 「なんだ?お腹すいたのか?」
響 「ティアウス ウス エ ギイドゥ ワアエムワン!
ウ リヌン ヤイオ!」
小鳥「予想外にはしゃいでいますね…」
貴音「どうなされたのですか」
P 「おぉ、貴音か
実は響がな、日本語しゃべれ無くなって…
でもこれは貴音でもわからんよなぁ…」
響 「プディイドワンディ!
ウ リヌン ヤイオ!」
貴音「なるほど、メルニクス語ですか」
響 「バイバ!」
P 「おぉ、わかるのか!」
貴音「プロデューサーが好き、と響は申しております」
響 「イイプス…」
響 「アンワクー!」バタバタ
貴音「…ほんの、冗談でございます」
響 「タカネ…」
小鳥「名前は言えるんですね」
貴音「ですが、メルニクス語でしたら多少心得がございます」
P 「おぉ、これは助かったよ!」
響 「ギルルヤ エ タカネ ウス バイムドゥンディホル!」
貴音「ふふ、ありがとうございます」
今日のラジオ収録は他の子にお願いしましょうか」
P 「そうだな
しかし、それだけじゃないぞ
日常生活も困るだろ…」
響 「ウ エトゥ エルディウガティ」
貴音「自分は大丈夫、と申しております」
P 「大丈夫とは言ってもな
常に貴音が通訳しているわけにもいかないし…」
響 「ウティ ウス エグディンントゥンムティ」
貴音「はいさーい、自分もだぞ、と申しています」
P 「なんだこれは、ピアスか」
小鳥「わぁ、綺麗なアクセサリーですね!」
貴音「響も、これをつけるのです」
響 「ヤンス」
P 「ピアスはなぁ…穴開けてから6ヶ月の間
献血できなくなるだろう?
だからなぁ…」
貴音「響と献血!どちらが大切なのですか!」
P 「…響だよな」
響 「ウス ウティ ムンワンスセディヤ
ティイ バイディディヤ?」
貴音「そこで悩む必要はあるのか?
と申しております」
メルニクス語がわかるようになる装飾品でございます」
P 「つまり、ほんやくコンニャクみたいなもんか」
貴音「はて、それは何でしょうか」
小鳥「いいなー
貴音ちゃん、私の分はないの?」
貴音「申し訳ございません、在庫を切らしておりまして」
P 「うし、つけたぞ
響、どうだ!」
響 「ウティ ウス エルル ディウガティ!」
P 「変わらんな」
貴音「いい忘れておりましたが、
二人の間に信頼関係が無いと翻訳されないのです」
響 「イア…」
P 「お、落ち込むな、響!」
春香ちゃんにお願いしました」
P 「それは助かりました」
ガチャ
千早「プロデューサー、おはようございます」
P 「おぉ、おはよう」
千早「あの、本日はプロデューサーが
オーディション会場まで案内して下さる、
との事でしたが…
なんですか、そのピアスは」
P 「あぁ、すまん
そのことなんだがな、用事ができたんで、
同伴するのは難しそうだ」
千早「…どのような用事ですか」
響 「バアエティ ウス ティアウス?」
P 「つまり、こういうことだ」
千早「はぁ?」
にわかには信じられませんが」
響 「ウ エトゥ シディディヤ」
千早「いえ、いいのよ、我那覇さんが悪いわけじゃないわ」
響 「ティアエムクス ヤイオ!
ワイール!」
千早「わかりました、こういうことであれば、
本日は一人で行ってきます」
P 「すまんな、後で埋め合わせはする」
千早「それでは…
ふふ、埋め合わせの内容は、道すがら考えてみます」
P 「そうしてくれ」
小鳥「千早ちゃん、これ地図よ」
千早「ありがとうございます」
ラジオ出演は代役を頼みましたが、
この…グラビア撮影はどうしましょう」
P 「グラビア撮影か…
ラジオみたいに喋ったりしないしな…
響は、大丈夫そうか?」
響 「イフ ワイオディスン ウ エトゥ プンディフンワティ!」
小鳥「プロデューサーさん、わかりました?」
P 「いや、まだだ
だが、なんとなく言いたいことはわかるよ
大丈夫なんだな、響」
響 「ヤンス」
小鳥「あ、私もこれわかりますよ!」
P 「多分誰でもわかるよ」
P 「そうですね」
響 「プロデューサー!
ルンティ オス グンティ ギウムグ!」
P 「…おう」
小鳥「どうしました?」
P 「いえ、なんでもないです」
小鳥「困った事があったら、すぐに電話して下さいね!」
P 「ヤンス」
小鳥「もー!プロデューサーさんまで!」
P 「どうした、響」
響 「ミム…」
P 「…まぁそう気を落とすなよ?
俺だってショックだったんだ
俺と響は、信頼関係が築けてると思ってたんだがなぁ」
響 「プディイドワンディ…」
P 「でもな、さっきちょこっとだけ、
響の言葉が聞こえたんだ
だから、後ちょっとで全部わかるようになるさ」
響 「ウ アイプン シ」
P 「今は全く分からないがな!
あっはっは!」
響 「ヂムティ ティンエスン!」
響 「ヤンス」
P 「そうか、そろそろ撮影だぞ」
響 「バエウティ エ トゥウモティン」
P 「ん、どうした?」
響 「…ヂンス ウティ フウティ?」
P 「そうだな、似合ってるぞ」
響 「エディン トゥヤ バイディドゥス
オムドゥンディスティイイドゥ?
バン エディン スティディイムグ ビムドゥ
イフ エフフンワティウイム
ブンティバンンム ティアントゥ!
プロデューサー!
ウ リヌン ヤイオ!」
P 「おーまてまて、ドードー
何を言ってるかわからん」
響 「ヤイオ トスティ ブン クウドゥドゥウムグ!」
なんとなーく言いたいことが分かっただけなんだ」
響 「ウトゥ シディディヤ ヒディ
トゥウソムドゥンディスティエムドゥウムグ」
P 「…うん、本題に戻るが、
その水着、すごい似合ってるぞ」
響 「ティアエムク ヤイオ」
P 「そうだ、自信を持っていいぞ
おっと、ただ、あまり喋らないほうがいいかもな」
響 「なんで?」
P 「カメラマンに、いらぬ心配を掛けたくないからな」
響 「へウディ ンミオガ」
次は元気に谷間を強調してみようか!」
響 「~♪」
P 「うん、順調だな
言葉が通じない以外は普通の響なんだよなぁ…」
カメ「じゃあ次は寝っ転がってみようかー!」
響 「ヤンス!」
P 「あっ、バカ!」
響 「バアエティ ウス ウティ?
ウス ウティ トゥヤ へオルティ?」
カメ「おーいいねー!沖縄の言葉かなー?
響ちゃんらしいよー!」
P 「…まぁカメラマンに言葉は通じなくてもいいもんな」
響 「へへん!自分頑張ったぞ!」
P 「おおっ!響が何を言っているかわかる!」
響 「ディンエルルヤ?」
P 「…ちょっとだけだったが」
響 「バアエティ ドゥウドゥ ヤイオ セヤ?」
P 「まぁまぁ、そう怒るな」
響 「怒ってないぞ!」
P 「あはは…」
響 「ただいまだぞー!」
小鳥「あ、おかえりなさい!
響ちゃん、プロデューサーさん」
P 「音無さん!聞いてください!
響の言うことが、ちょっとだけ分かるようになったんですよ!」
響 「トゥン ティイイ!」
小鳥「あら、そうなんですか?
良かったじゃないですか
私もピアス欲しいなぁ」
P 「うーん、これもう一組無いんですかね」
P 「そうだな、今日はもう無いぞ」
小鳥「あらまっ!本当に普通に喋ってますね」
P 「全部がわかるわけじゃないですけどね」
小鳥「それじゃあ、今日は
響ちゃんを家に帰したらどうでしょう」
P 「そうですね
他の子に見つかって、千早みたいに揉めたら大変ですから」
響 「バンルル エルル トゥウスス ヤイオ…」
小鳥「今のはなんて言ってるんですか?」
P 「わからん」
響 「もう!」
一人で帰れるか?」
響 「ヤイオルル アエヌン ティイ ヂ ウティ
イヌンディ トゥヤ ドゥンエドゥ ビドゥヤ!」
小鳥「嫌がってますね」
P 「…よし、しょうがない!
音無さん、今日は響と一緒に帰ります」
響 「バイバ!」
小鳥「うーん、本来なら止めたほうが
プロデューサーとアイドルですし、止めるんですが
緊急事態ですしね…」
響 「本当に一緒に帰るのか?」
P 「響が嫌じゃなかったらな」
響 「嫌じゃないぞ!
めんそーれ!」
P 「こういうのって、トリリンガルっていうんでしょうか」
響 「ギイドゥ ブヤ!ピヨコ!」
P 「それでは今日は失礼します
小鳥「また明日ー」
小鳥「プロデューサーさんとお揃いかー
羨ましいなー」
貴音「真、憧れます」
小鳥「あら、貴音ちゃん帰ってきてたの?」
急に押しかけることになって」
響 「そんな事ないぞ!」
P 「そうか、ありがとな」
響 「ウ リヌン ヤイオ
ティアンディンヒディン ルンティ
ヤイオディ アエウディ ヂバム!」
P 「…いつになったら全部わかるんだろうなぁ」
響 「プロデューサー…」
自分の事どう思ってる?」
P 「どうって…信頼してるよ
俺から見て、響は最高のアイドルだ」
響 「そういうことじゃなくて!」
P 「なんでなんだろうな
こんなに響を信頼してるのに」
響 「ヂ ヤイオ リヌン トゥン?」
P 「なんで言葉が通じないんだ」
響 「むー…」
P 「響?」
ウフ ウ セウドゥ ウ バエス テドゥルヤ
ウム リヌン バウティア ヤイオ
ヤイオドゥ ティアウムク ウ バエス ルヤウムグ
だから…」
P 「だから?」
響 「…ウトゥ シディディヤ」チュッ
P 「おわぁっ?!
ひ、響?!いきなりどうしたんだ?!」
響 「自分の気持ち、だぞ」
P 「えっと…それはつまり…」
どうせ伝わらないだろうから言うけど、
自分は!プロデューサーが大好きなんだぞー!
アイドルとしてじゃなくて、女の子として!
…この気持ちが伝わらないなら、
言葉も伝わらなくて当然さー!」
P 「…ごめん」
響 「早く言葉を理解してほしいぞ」
P 「響の気持ちに気づいてやれなくて、ごめん」
響 「…へ?
もしかして、さっきの言葉…」
P 「あぁ、響のキスで、目が覚めたよ
俺も、響の事が…」
響 「う…うぎゃー!
は、恥ずかしいぞー!」バタバタバタ
P 「ま、待て響ー!
せめて、せめて止まって返事を聞いてくれー!」
響 「無理だー!止まったら死んじゃうー!」
ねぇ、貴音ちゃん
あのピアス、どこで買ったの?」
貴音「そこの109で」
小鳥「へー、109に、あんなの売ってるのね」
貴音「…プロデューサーと響の手前、黙っておりましたが
あのぴあすには、言葉が翻訳されるような効能はございません」
小鳥「あら、そうなの?
プロデューサーは、響ちゃんの言葉が分かった、って言ってたけど」
貴音「小鳥嬢…偽薬効果、というものをご存知ですか」
小鳥「言語の問題を偽薬効果で片付けるのはどうかと思うわ」
貴音「いけずです…」
響ちゃんがメルニクス語しか喋れないとなると
色々業務に支障が出るわ」
貴音「それならばご心配に及びません
一晩休めば、響はメルニクス語の事は忘れておりますゆえ」
小鳥「…貴音ちゃん、何かしたの?」
貴音「ふふ、とっぷしぃくれっとです」
お し まい
千早「プロデューサーと一緒にオーディション来たかったなぁ…」
ホモルーデンスの称号と25ジイニをやろう
Entry ⇒ 2012.10.22 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P 「律子と二人」
律子「おはようございます。なんですか?私じゃ不満とでも?」
P 「いや、よく考えたらわざわざ早く出てきたんだから当たり前だなって思ってさ」
律子「そうですね、いつもより一時間くらい早いですか」
P 「ああ。ちょっと仕事がな」
律子「ちゃんと終わらせて帰らないから早くから出てくる羽目になるんですよ?」
P 「手厳しいな。まぁ、律子と二人で朝の時間を過ごすのも悪くないよ」
律子「……何も出ませんよ?」
P 「コーヒーくらいだしてくれてもいいぞ」
律子「はいはい。砂糖は三つですよね?」
P 「おう。ミルクもな」
律子「わかってますよ。子供みたいな舌してるんだから」
P 「いいだろ別に」
P 「……よし、しゅーりょー」
律子「あら、早いですね」
P 「大した量じゃなかったからな」
律子(……いや、結構な量残ってたはずだけど。本気でやるとすごいのよね、この人)
P 「律子はまだか」
律子「ええ。何なら代わってくれてもいいですけど?」
P 「同じ事務所でもライバルだって、見せてもくれないだろ」
律子「あら、よくわかってますね」
P 「付き合い長いんだし、当たり前だろ」
律子「……ですか」
P 「君もさっさと終わらせたまえ。そんで俺の話し相手になりたまえ」
律子「あーはいはい。待っててくださいねー」
P 「そう言っていっつもほったらかしのくせにー」
律子「はいはい」
律子「肩ですか?まぁ、勉強と仕事とでずっと机に向かってますから、バッキバキですよ」
P 「揉もうか?」
律子「ええ?いいですよ、別に」
P 「いや、揉ませてくれよ。揉みたいんだよ」
律子「すごい下心を感じるんですけど」
P 「真心しかないよ、安心してくれ」
律子「……あれだけアイドルに迫られても平気な人ですから。そういう感情ってないのかもしれませんけど」
P 「アイドルに迫られた?そんな嬉しい境遇ならなってみたいね」
律子「呆れた。揉みたいならご自由にどうぞー。肩なり腰なり脚なり」
P 「じゃあ脚で」ワキワキ
律子「ひっ!なんですかその手!」
P 「え?オクトパスハンドだよオクトパスハンド、知らないのか?」
律子「しっ、知りません!肩!肩でお願いします!」
律子「……ただの暇つぶしでしょうに。やれやれ」
P 「ほっ、そりゃ、どうだ?」モミモミ
律子「あ゛~……上手いもんですね~……」
P 「修業したからな。しかし本当にこってるな」グリグリ
律子「事務仕事ばかりで運動も出来てませんからねぇ。ストレスも溜まるし肩もこりますよ」
P 「竜宮小町の三人もそれなりに手がかかるし、大変だな」グニグニ
律子「残り全員抱えてる人に言われてもって感じですけどね」
P 「名目だけだろ。みんな自分で出来ることはやってくれるし、そこまでじゃないよ」トントン
律子「いやいや、十分すごい、っていうか凄まじいですよ。どんな超人ですか」
P 「こんなヤツです」グッグッ
律子「はいはい敏腕敏腕」
律子「はぁ、ありがとうございます。だいぶ楽に……」
P 「次、ソファーにでも寝転んで。うつ伏せに」
律子「はぁ?なんでですか?」
P 「肩こりってのは背中の筋肉も解さないと取れないんだぞ?」
律子「あら、そうなんですか?確かに背中も張ってる感じはあったんですけど……恥ずかしいですし、いいですよ」
P 「どうせみんなまだ来ないし、大丈夫だって。ほれほれ」グイグイ
律子「わかった、わかりましたから押さないでくださいよ。もう、変なとこ凝り性なんだから……」
P 「スーツ脱いどけよ、シワになるぞ」
律子「ええ?……仕方ないですね」ヌギッ
P 「ほい、そんじゃ行くぞー」グッグッ
律子「あっ!やっ、強っ……ちょ、待って、待ってよ!」
P 「大丈夫、力抜いとけ。解れてきたら気持よくなるから」グイグイ
律子「っくぅ……んっ、はぁっ!あっ……そこっ、イっ……ああっ!」
春香(ドアの向こうから声聞こえるだけだからどうなってるかわからないけど、これって……ですよね。うん)
春香(まだ時間あるし、ちょっと時間潰してこよう。そうしましょう!)
やよい「おはようございまーす!」
春香「ハッ!」ガッ
やよい「むぐっ!うっうー!」
春香「やよい、ごめんね。今事務所の中は大人空間なのよ。私とファミレスでも行きましょう」ズルズル
やよい「う゛ー!」ズルズル
春香(純粋なやよいの心を守る、天海春香で……あれ、変だな目から汗が)
P 「ん?」ゴリゴリ
律子「どうか……あっ!したんですっ……かっ?」
P 「いや、なんかやよいの声が……気のせいか」
律子「私は何も聞こえませんでしたけど?」
律子「結局腰も揉むんじゃないですか!駄目ですって!」
P 「えー」
律子「えーじゃないです」
P 「背中はいいのにか?」
律子「……さっきも言いましたけど、私最近運動不足なんですよ」
P 「そうだな」
律子「でも、摂取カロリーは変わってないわけで」
P 「普通に食べてるもんな」
律子「だから、その……わかるでしょう?」
P 「?」
律子(腰回りにちょっとお肉がついてきたから触らせたくないんだっつーの!)
P 「……ああ!もしかして律子、ふとっ」
律子「言うなー!」バキッ
P 「おぶっ!」
P 「……」
律子「その、動転しちゃったんです。でも、プロデューサーも悪いんですよ?気にしてることをあんなはっきり……」
P 「……」
律子「あの、だから……」
P 「……」
律子「だから、部屋の隅っこで体育座りするのやめてください……」
P 「……いいんだ、俺デリカシー無いから。殴られても仕方ないんだ」
律子「ああ、もう!わかりました!何がお望みですか!?」
P 「えっ、いやーなんか悪いなー。そんなつもり全然なかったんだけど、いやー律子は献身的だなー」
律子「はぁ……」
律子「あの、邪魔なんですけど」
P 「まあ今日一日だけだって。うん、やっぱいいな」
律子「何を言われるかと思ったら、髪を下ろして仕事してくれって……はぁ」
P 「なんだよ、見たかったんだもん」
律子「いい大人が見たかったんだもんーじゃありません。ていうか、このくらいなら普通に頼んでくれれば」
P 「やんないだろ?」
律子「……まぁ、承諾する理由がありませんね」
P 「だろ。はー眼福眼福」
律子「別に大して変わらないと思いますけど?」
律子「なっ、何をいきなり言うんですか!」
P 「褒めてるんだぞ?」
律子「褒めたってなにも……」
P スッ
律子「……コーヒーのおかわりくらいは出してあげますけど」
P 「うん。そしてその後姿を見る!」
律子「はぁ……」
P 「そろそろみんな来る時間だな」
律子「そうですね」
P 「今日は一日その髪型だぞ」
律子「わかってますって」
律子「はぁ?髪型変えたくらいで仕事に支障でませんけど?」
P 「や、多分律子のことばっかり見ちゃうからさ。俺の仕事がってこと」
律子「……好きにしてください。けど、仕事はちゃんとこなしてもらいますからね!」
P 「わかってるって。本気だせばちょちょいのちょいだ」
律子「もう。いつも本気出してくださいよ」
P 「えー、疲れちゃうじゃーん?」
律子「疲れたら今度は私がマッサージしてあげますから」
P 「本当か!?よっしゃ明日以降の予定もねじ込むか!」
律子(冗談のつもりだったんだけどなー)
律子「私はいつも全力です。ああ、それから……」
P 「ん?何だ?」
律子「マッサージ。良かったら今度またやってくださいよ」
P 「おお、お安いご用だぞ。何なら肩や背中と言わず全身揉んだっていいぞ」
律子「調子に乗らない。……事務所でじゃなくて、プライベートでならいいですけど、ね」ボソッ
P 「今なんて……」
律子「なんでもありません!今日もしっかりお願いしますよ、プロデューサー殿!」
P 「お、おう!」
P 「……って言ってたのが3日前だ」
春香「へーそうなんですかーあの日はたまたま会ったやよいちゃんとお茶してから事務所に来たから全然気付かなかったー(迫真)」
P 「そういえば遅かったな」
春香(わずかな疑念ももたれない迫真の演技。演技も出来るアイドルは私!天海春香です!)
春香「そうですね。月曜日ですから」
P 「その週末にあったのがこちら」写メ
春香「どれどれ……!?どうして律子さんがちょっと頬染めてくったりしてるんですか!?しかもプロデューサーさんのベッドで!」
P 「それを今から……いや待て。なんでお前俺のベッドだって知って」
春香「そんな事どうでもいいから!説明してください!」
P 「あ、ああ。ええと、次の日はみんなオフだっただろ……」
どようび。
P 「今週は奇跡的にみんなオフだから週末が週末らしく過ごせるな」
律子「そうですね。……で?」
P 「え?」
律子「どうして私ここにいるんですか?」
P 「ここって?」
律子「プロデューサーの部屋ですよ!ついてこいって言うからついてきたら……」
P 「え、だって昨日……」
P 「って言ってたじゃないか」
律子「きっ、聞こえてたんですか!?うわ、ちょ、恥ずかしい……」
P 「だから全身マッサージしてやろうと思って」
律子「げ、本気ですか」
P 「げっとはなんだげっとは。気持ちよかっただろ」
律子「それは……認めますけど。すごく楽にはなりました」
P 「だろ?だからさぁ、身を任せて!」
律子「……何か特別な話があるのかと思って黙ってついてきたのに、こんなことか」ボソボソ
P 「どうした?」
律子「いーえ!何でもないです!ほら、やるならやってくださいよ!」ヌギヌギ
P 「お、おう。じゃあいくぞー」
律子「変な事したらまた叩きますからね」
P 「叩くって、お前あれは殴るって言うんだぞ」
律子「知りません。さーどうぞ。煮るなり焼くなりしてください」
律子「はい。……んっ」ピクッ
P 「……」
律子「……あれ?どうしたんですか?続きは?」
P 「あ、ああ。よっ、と……」グイッ
律子「ふっ……んんっ……」
P 「……」
律子「あの、やらないなら帰ってもいいですか?仕事は無くても勉強したいんで」
P 「あっ、ああ。悪い悪い」グリグリ
律子「あんっ……ふぅ、っは……あぁ……ん。やっぱり、上手い……ですね」
P 「はっはっは、お褒めに預かり光栄だよ」
P (事務所の時はなんとも思わなかったけど)
律子「はぁっ……ちょっと、痛っ……くふっ……」
P (色っぺええええええええ)
P 「律子が色っぽくてドギマギしてるなんて言えるわけないだろ」(いや、別になんでもないぞ)
律子「色っ!?」
P 「あっ!いや、本音と建前が逆転して……」
律子「ってことは、本音なんですか」
P 「そうじゃなくて、いやそうだけど!」
律子「……変なこと、しません?」
P 「流石にそれは大丈夫だ!心配するな!」
律子「じゃあ別にいいですよ。続けてください」
P 「……いいの?」
律子「ええ。気持ちいいですし」
P 「う、うん。なら続けるけど……本当にいいのか?」
律子「……いいですよ」
P 「ん?」
春香「部屋に入れたんですか?」
P 「うん」
春香「……律子さんも、黙ってついてきた?」
P 「そうだな。いつもより口数少ないくらいだった」
春香「それで、体中揉ませてもらったんですか?」
P 「揉ませてもらったっていうか、揉んでやったというか。とにかくマッサージはしたよ」
春香「……へぇー」
P 「まぁ、とにかくそれでな……」
律子「……っは」
P 「……」グリグリ
律子「……っふぁ」
P 「……」グイグイ
律子「はぁっ……」
P 「よ、よし!終わり!終わり終わり!」
律子「もう終わりですか?」
P 「うん、終わりだ終わり。さあ上着着て」
律子「……脚も、張ってるんですけど」
P 「脚?」
律子「ええ。ずっと座ってるからか、血が溜まってるのかもしれません」
P 「そうかぁ?すらっとしてるし、むくんでるようには……」
律子「揉んでくれないんですか?」
律子「……」じっ
P 「えー……」
律子「……」じとっ
P 「……わかった。やるよ」
律子「ありがとうございます」
P 「……」モミモミ
律子「……」
P 「……」モミモミ
律子「……ねぇ、プロデューサー殿?」
P 「んー?」モミモミ
律子「色っぽい、なんて、初めて言われたかもしれません」
P 「そ、そうか……」モミモミ
P 「律子で?」モミモミ
律子「変な気分になったり、するって事ですか?」
P 「……は?」ピタッ
律子「あ、やめないで」
P 「あ、はい」モミモミ
律子「だって、あずささんが言われてるのはよく見ますし、マーケティングに……そういう部分もあるのは理解してますし」
P 「男性ファンの事考えたら、そういう話も出てくるよな」モミモミ
律子「ええ。それで、その……色気、ですか。そういうのって、つまり、性的な……その……」
P 「……顔真っ赤だぞ」モミモミ
律子「みっ、見ないでください!」
P 「あ、ああ、すまんすまん。集中する」モミモミ
律子「で、どうなんですか!私もそういう対象として見れるって事でいいんですか!」
P 「怒るなよ……えーと、正直に言っていいのか?」モミモミ
律子「お願いします。あ、勘違いしないでくださいよ。ちょっとしたアンケートみたいなものですから。これからの売り出し方の参考になれば……」
律子「……はい」
P 「そういう対象として見れるっていうか、むしろそうとしか見れない」
律子「ッ~~~~!」ゲシゲシ
P 「いてっ、痛い!蹴るな、やめろって!」
律子「はぁ、はぁ……す、すみません。取り乱しました」
P 「いや、ノリで痛いって言ったけどむしろ良かった」
律子「バカなんですか?」
P 「そうかも」
律子「はぁ……ほら、マッサージ再開してください。まだ右足残ってますよ」
P 「そうだな。よっと」モミモミ
律子「あ、ふくらはぎじゃなくて、もっと上……」
P 「ん?ふとももか?」
律子「ええ、まぁ……」
律子「……もっと、上です」
P 「上って、だってこれ以上……」
律子「いいから、お願いします」
P 「……また顔真っ赤だぞ」
律子「見ないでくださいってば」
P 「いや、それは無理」
律子「なんでですか。脚だけ見ておけば……」
P 「可愛くて」
律子「なっ……」
P 「見ざるを得ない」
律子「もう……」
P 「この手が、お前の望みどおりに動いたとして」
律子「……はい」
P 「そこから先、止まるかどうかわからないぞ」
春香「待った!待ってください!」
P 「なんだよ。次の写真に至るまでの重要な部分だぞここは」
春香「というか土曜日のプロデューサーが待ってください!」
P 「それは無理だろ」
春香「えっ、ちょっと待ってくださいよホント。ちょっと整理させてください」
P 「ああ。好きにしてくれ」
春香「……あ!次の写真に至るまでのって言いましたよね。写真!先に写真見せてください!」
P 「これが日曜日の朝の写真です」
春香「」
P 「春香?どうした?白目剥いてるぞ。おーい」
春香「」
P 「……俺のワイシャツ着てベッドの中で微笑んでる律子を撮った写真の何にそんなに驚いたんだ?」
春香「事後じゃないですか!」バンッ
P 「まぁそうとも言うな」
P 「いや嘘じゃないぞ」
春香「いいや!嘘です!だってあの律子さんですよ!?鉄の女って言ったらサッチャーか律子さんか迷うくらいの律子さんですよ!?」
律子「何を失礼な事言ってるの」パコン
春香「あだっ!り、律子さん!嘘ですよね!?」
律子「は?何が嘘なワケ?」
春香「これですよ!合成か何かですよね!フォトショップですよね!」
律子「プロデューサーの携帯?何か悪質なメールとか……」
律子「……」プルプル
P 「お、おい。律子?」
律子「あなたって人は……どーしてこういう……」ワナワナ
P 「違うんだ、春香に相談したい事があって……」
春香「嘘ですよね!?嘘ですよね!?」
律子「……はぁ。プロデューサーは後で話があります。春香、落ち着いて聞いて。何を聞いたかしらないけど……」
春香「律子さんとプロデューサーさんがセック」
春香「……で、どうなんですか」
律子「……誤魔化してもしょうがないから言うけど。その……し、したわ」カァーッ
春香「」
P 「あ、また白目」
律子「ああ、もう。なんでこんな目にあわなきゃいけないのかしら!プロデューサー!」
P 「ひっ!はい!」
律子「春香に相談ってなんですか!?」
P 「い、いや、その……」
律子「春香には言えて私には言えないってワケですか?それとも本当は相談なんて無くて、ただ私との事が自慢したかっただけ!?」
P 「自慢なんて、そんな……」
律子「ええそうよね、私なんかと寝たって自慢になんかなりませんよ!そのくらいわきまえてます!」
P 「いやいやそういう意味じゃないんだ。その、なんというか律子には言い難いというか……」
律子「なんですか?私の悪口?ちょっと褒めたら勘違いした馬鹿女とでも?」
P 「ちょ、落ち着けって」
律子「アイドルやってた時だって鳴かず飛ばずで、私って魅力無いのかなーとか思ってましたよ!実際無いんでしょうけど!」
律子「だから、嬉しかったんです!可愛いって言われて、色っぽいって言われて浮かれちゃったんです!悪いですか!?」
P 「律子」
律子「なんですか!」
P 「落ち着け」
律子「……はい。すみませんでした」
P 「いいよ、別に。なぁ、聞いていいか?」
律子「何ですか?」
P 「律子は、褒められて嬉しくなったからって、一晩一緒にいるようなヤツなのか?」
律子「……」
P 「一晩一緒にいて、何回も何回も求めて、それ以上にキスを求めて」
律子「く、詳しく言わないでください……」
P 「それは、俺が律子のことを褒めたからか?それだけなのか?」
律子「……そう、ですよ。バカな女です、私は」
律子「ッ……」
P 「これは、俺の希望もかなりはいってるんだが。お前は好きでもない相手に体も心も許したりしない……よな?」
律子「……」
P 「春香に相談したかった事ってのはな、律子の事なんだ」
律子「私の?」
P 「ああ。その……俺も、好きでもない相手の体も心も求めたりしない」
律子「え、それって……」
P 「春香じゃなくても良かったんだけど、たまたまいたのが春香だっただけなんだ。ええと、上手く言えないな……」
P 「俺の中で答えは出てるんだけど、第三者の意見が欲しいというか。そういう時ってあるだろ?」
律子「それは、わかります」
P 「うん、で、何の相談だったかって言うとだな……」
P 「律子に、告白しようと思うって話だったんだ」
P 「言い難い話だって言ったろ。その、随分前からなんだけど、俺、律子の事が好きで……」
律子「」ポロポロ
P 「おわっ!どうした律子!どっか痛いのか!?それとも俺が泣くほど嫌いか!?」
律子「ちがっ……何か、勝手に……ぐすっ、続けてください……」
P 「そ、そうか。けど、なんとなく言い出せなくて、ずっとなぁなぁにしてきた。今回の事は、正直良いきっかけになったと思う」
P 「順番があべこべになっちゃったけど、俺は、君が好きだ。結婚を前提に付き合ってください」
律子「私、嘘をつきました……ぐすっ」
P 「嘘?」
律子「ええ。私は、褒められたから……あんな事したわけじゃありません」
律子「随分前からなんですけど、私、あなたの事が好きで……」
P 「……うん」
律子「だけど、なんとなく言い出せなくて。あの日、久しぶりにプロデューサーと二人になった時、はっきり自覚しました」
律子「今回の事は、正直良いきっかけになったと思います。順序がバラバラですけど……」
律子「私は、あなたが好きです。結婚を前提に、お付き合いしてください」
律子「私こそ、素直じゃなくて、不器用で、仕事と勉強ばっかりな女ですけど……」
P 律子「「よろしくお願いします」」
P 「ぷっ……はは」
律子「ふふっ……」
P 「ほら、顔。ぐちゃぐちゃだぞ」
律子「もう、見ないでくださいってば……」
P 「無理だな。可愛いから」
律子「……もう」
P 「ああ、そうだ。今なら誰も見てないよな」
律子「え?んむっ……」
P 「誓いのキスを、ってな」
律子「あーあ、キザったらしいんですから」
P 「嫌だったか?」
P 「さ、顔拭いたら仕事仕事。やるぞー」
律子「あら珍しい。やる気ですね」
P 「ああ。だってオフに仕事持ち込みたくないからな。オフは……二人で、な」
律子「……そんな風に言われたら、私も頑張らないといけなくなるじゃないですか」
P 「いつも通りじゃないか」
律子「あなたと違ってね。オフが合うように調整しないと、ですね」
P 「ああ。あ、式いつにする?」
律子「……気が早くないですか?」
P 「え?でもいつかはするだろ。結婚式っていや、女の子が一番輝く瞬間だからな。気合い入れないと」
律子「まぁ、そうですねぇ。その時は、しっかりプロデュースしてくださいね?私の……プロデューサー殿?」
春香(私の体が足元に見えますね!これが憧れのアストラルトリップ?このままお空の彼方へ行けてしまいそう!天に舞う正統派アイドル、天海春香でした!)
おわり
もっとりっちゃんの可愛い所を一杯出せたら良かったのにと反省しています。
お付き合いいただきありがとうございました寝ます。
春香ェ……
ちなみに小鳥さんは七時に来て事務所を開けてるとか何とか
小鳥さんはきっとどこかに“いた”んだよ・・・
Entry ⇒ 2012.10.21 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「適当に話でもするか」
P「…………」カタカタ
小鳥「…………」カタカタ
P(よし、企画書が完成)
小鳥「ふう」
P(小鳥さんも休憩に入ったみたいだしなにか話題でも出そうか)
P「小鳥さん、>>5」
小鳥「なんですか?」
P「アフリカでは今も子供たちが飢えに苦しんでいるんですよ」
小鳥「え、えぇ、そうですね……」
P(めちゃくちゃ引かれてる……)
小鳥(プロデューサーさんどうしたのかしら……?)
小鳥「あの、どうして急に……?」
P(……どうしよう……)
P「>>+5」
パーフェクトだウォルター
P「いえ、アフリカの子供たちのことを考えているといろいろと思うことがありまして」
P「そこで良い案を思いついたんです」
小鳥「良い案ですか?」
P「俺達が直接サポート出来ればいいんですが、アフリカに行くわけにも行かないじゃないですか?」
小鳥「やっぱり難しいですねぇ……」
P「まず、俺達が出来ることとしては、募金だと思うんです」
小鳥「それは、そうですね」
P「でも、俺達だって自分の生活にお金がかかるわけですから、寄付したくても、あまり出来ないわけですよ」
小鳥「そうなんですよねぇ……」
P「そこで考えたんです」
小鳥「ほう?」
P「俺達が一緒に住めばいいんじゃないでしょうか 」
小鳥「………?」
P「つまり同棲して生活費を抑えて、募金しましょうってことです 」
小鳥「…………」
小鳥「えっ!えっ?」
P「小鳥さん!」
小鳥「あの……その……、>>+5」
小鳥「はっ、はい!お願いします……」
P「ありがとうございます!」
小鳥「こちらこそっ!!」
小鳥(わっ、私にもついに春がっ?! 確かにプロデューサーさんはいいかなーとか考えてたけど、でもでもっ、いきなり同棲だなんて……)
P「うーん、どっちの家に住みます?」
小鳥「>>+5」
小鳥「良かったら、お邪魔してもいいですか?」
P「分かりました、それじゃあ、早速今夜から家で寝泊まりしてください」
小鳥「はっ、はい!!」
小鳥(いきなりお泊り……。大丈夫よ、小鳥……っ! 今までに読んだ参考書の数々……その知識をフル稼働すればきっと初夜だって……)
小鳥(あぁー!!今日勝負下着じゃなかったぁ!!)
小鳥(どっ、どうしよう? 一回取りに帰るべき? でも、今の勢いがないと怖くなってプロデューサーさんの家なんて行けなさそうだし……そもそも連れて行ってもらわないと家知らないし!)
P「小鳥さん?」
小鳥「なっ、なんですかっ!」
P「いえ、もう夜なんで、帰りましょうか」
小鳥「>>+3」
そしてコンドームを……
小鳥「帰る前に、 薬局に寄りましょう! そしてコンドームを……」
P「小鳥さん……」
小鳥「いっ、いやっ!今のは!」
小鳥(しまったあぁぁっーー!!思わず脳内で暴走して……)
P「………分かりました、男の責任ですもんね」
小鳥「プッ、プロデューサーさん……」キュン
P「車で帰るんで助手席へどうぞ」
小鳥「はっ、はい!」
小鳥「………」
P「………」
P(ゴムも買ったしあと少しで家に着くが……)
P(……車内でまた無言になってしまった……)
P(さっきも小鳥さんに気を使わせてしまったし、ここは男である俺がリードしなければ)
P「小鳥さん」
P「>>+3」
P「………」
ギュッ
小鳥「っ!!」
小鳥(……プロデューサーさんの手……温かい……)
小鳥(そっか……これが幸せなんだ……)
ギュッ
P(小鳥さん……握り返してくれた……)
キーッ
P「……小鳥さん、着きましたよ」
小鳥「…………」
P「それじゃあ、降りま」
小鳥「あのっ! もう少し……繋いだままでもいいですか……?」
P「………」
P「はい」
小鳥「………」ドキドキ
P「………」ドキドキ
小鳥(あれから何分経ったのかしら……?)
小鳥(私が、もうちょっとって言ったから降りないでくれたけど、あんまり車の中で長居したら風邪を引くかもしれないし、そろそろかしら……)
小鳥「>>+3」
小鳥「プロデューサーさん……」
P「……?」
小鳥「……式はいつにしますか?」
P「………式、ですか……」
小鳥(っ!! なっ、なんか頭の中で飛躍して……)
P「そうですね……」
P「俺は、いつでもいいですよ」
小鳥「っ!!」
P「でも先にご両親に挨拶しないと……、あっ、その前にアイドルたちに言うのが先か……」
P「そこら辺は家に入って考えましょうか?」
小鳥「……は……はい……グスっ……」
P「うわー、外寒い……手、いいですか?」
小鳥「……どっ、どうぞ」
ギュッ
P「いいですね、こういうの……」
小鳥「……そうですね……」
ガチャ
P「散らかってますが、どうぞ」
小鳥「し、失礼しまーす」
P「そんなにかしこまらないでください。今日からは小鳥さんの家でもあるんですから」
小鳥「そっ、そうですよね」
小鳥「あっ」
小鳥「少し出て、扉閉めてもらってもいいですか?」
P「……は、はぁ」
小鳥「…………はい、どうぞー」
P「……?」
ガチャ
小鳥「お帰りなさい、プロデューサーさん」
P「……っ!!」
P「たっ、ただいま!」
小鳥「ふふっ」
小鳥「一回やってみたかったんですよね」
P「急に言われてビックリしました……」
小鳥「まぁまぁ、外は寒いんで、入ってください」
P「ここ、俺の家ですよね……」
小鳥「私の家でもありますからっ!」
P「ひと通り片づけましたし、とりあえず……」
P「>>+3」
P「…………小鳥さん」
P「一緒にお風呂にでも入りましょう」
小鳥「……」コクッ
P「ふぅー……」
小鳥『プッ、プロデューサーさんいるんですよね……?』
P「まだ入らないんですか?」
小鳥『こっ、心の準備がまだ、その……』
P「早くお風呂に入らないと、体冷やしますよ?」
小鳥『…………』
小鳥『プロデューサーさんは私の裸を見て……笑いませんか……?』
P「そうなの当然ですよ」
小鳥『でっ、でも……プロデューサーさんはアイドルの水着姿よく見てるから……その……』
P「小鳥さんもスタイルいいじゃないですか」
小鳥『そんなことないです! あーもう、こんな事になるなら、お酒控えてお腹のお肉を……』
P「笑わないんでちゃちゃっと入ってください」
小鳥『……本当に笑わないですか……?』
P「ええ」
小鳥『………っ!』
ガチャ
小鳥「………」
P「………」
小鳥「…あっ、あのっ、………ど、どうでしょう……か……?」
P「>>+3」
小鳥「あ、あのー……?」
P「すごく…大きいです…」
小鳥「おっ、お腹ですかっ!? 太ももですかっ!?」
P「そんなの……、胸に決まってるじゃないですか……」
小鳥「……あっ、ありがとうごさいます……///」
小鳥「……………でも……」
小鳥「……プロデューサーさんも………おっきいんですね………」
P「………すみません……」
小鳥「>>+3」
小鳥「………濡れてきちゃった……」ボソッ
P「えっ!?」
小鳥「っ! なっ、なんでもないです!」
小鳥「…………良かったら……、背中流しましょうか……?」
P「ぜひ、お願いします!」
小鳥(プロデューサーさんの背中もおっきい……)
P(あぁ……俺は今、小鳥さんに背中を流してもらってるんだ……まさかこんな事になるなんて……)
小鳥「………」
ゴシゴシ
P「………」
小鳥「力加減はどうですか?」
P「いっ、良い感じですっ」
小鳥「………」
ゴシゴシ
P「………」
小鳥「どこか痒いところはありませんか?」
P「>>+3」
P「……しいて言えば……」
小鳥「しいて言えば?」
P「前の……もうちょっと下の……」
P「……ほっ、ほうけいちんぽの皮の中が……」
小鳥「………っ!!」
小鳥「ちっ、ちちちっ、ちん……っ!!」
P「いっ、嫌だったらやめ」
小鳥「やります!」
小鳥「やらせてください!!」
P「はい!」
小鳥「まっ、前からは恥ずかしいんで……後ろから失礼します……」
P「………」
ピタッ
P(むっ、胸っ!?)
小鳥「え、えーっと、触ります……」
小鳥「………」
ツン
ツンツン
P「………あっ」
小鳥「いっ、痛かったですか?!」ムニュッ
P「あ……っ、いやっ、大丈夫です」
小鳥「……痛かったら、行ってくださいね……?」
P(それより胸がダイレクトに……)
小鳥「……こっ、これが……」
小鳥「……ふぅ……っ!」
ニギッ
P「………っっ!!」
ピクッ
小鳥「かっ、皮って、ここの先っぽの……ですよね……」
P「はい……」
小鳥「のっ、伸びるって……ことなんですよね……」
ツンツン
クリッ
P「はあっ!」
小鳥(ゆっ、指が隙間に入った……っ!!)
P「はぁ……はぁ……」
小鳥「苦しくないですか……?」
P「もっと……してください……」
小鳥「………は、はい……」
小鳥(包茎って……こうなってたんだ……)ツンツン
小鳥(親指と人差し指で……先をつまんで……)キュッ
小鳥(中に指を……)
小鳥(あっ、おっきく……)
P「……はぁっ、小鳥さん……」
P(小鳥さんも乳首たってる……)
小鳥「なっ、なんでしょう?」
P「……あんまり焦らされると……全部剥けるんで……その……できるだけ早く……」
小鳥「わっ、わかりました」
小鳥(剥ける……? そっか……おっきくなって、出てくるんだ……)
小鳥(……それなら……ひとおもいに……)
小鳥「………いきますっ!!」
グリッ
P「あ"っ!!」
グリグリグリ
P「あ"ぁ"ぁ"っ、あ"あ"っがう"う"ぅっっっっ!!」
P「い"っぐうぅっぅっ!!!」
小鳥「っ!! きゃあっ!!」
P「はあっ……はっあっ……」ピクピク
小鳥「……いっ、いっぱい出ましたね……」
P「……あっ、あっ、ありがとう……はぁっ、はぁ…はぁっ、ございました……」
小鳥「こ、こちらこそ……」
P「………」フラッ
小鳥「プロデューサーさんっ!!」
小鳥「大丈夫ですかっ?!」
P「あっ、ちょっと刺激が強くて……体力なくなっちゃいました……」
P「ちょっと目眩がしただけなんで、あがっていいですか……?」
小鳥「わかりました、手伝います」
P「すみません……服のボタンまで……」
小鳥「いえ、いいんですよ」
P「……? 何か、ご機嫌ですね?」
小鳥「あれ、わかっちゃいました?」
小鳥「プロデューサーさんが、私で気持ちよくなってくれたんだーって、考えると……」
P「……っ!」ピンッ
P「小鳥さん……俺……」
小鳥「………」
小鳥「……今日は寝たほうがいいんじゃないですか?」
P「……っ! でもっ」
チュッ
P「…………」
小鳥「目眩も心配ですし……私は明日もここにいるんですから………ね?」
P「……はーい……」
「…………さん……プロ……サーさん」
P「……ん……んんっ……」
「朝ですよ起きてください、プロデューサーさん」
P「……えっ……ことり……さん……?」
小鳥「はい、小鳥です」
P「………そっ、その格好は……」
小鳥「>>+3」
小鳥「どうですか?エプロン姿」
P「そりゃもう、めちゃくちゃ可愛いです」
小鳥「ふふっ、ありがとうございます」
小鳥「朝食できてますよ、起きてくれますか?」
P「はーい、それにしても小鳥さん起きるの早いですね……」
小鳥「いつも朝一番に行って事務所を開けますからね。今日は社長に連絡してお願いしたんで、大丈夫ですけど」
P「なるほど……」
小鳥「私は一度家に帰って荷物を取ってきて午後から出社する予定なんですが、プロデューサーさんはどうしますか?」
P「俺ですか?確かスケジュールじゃ……」
P「>>+3 」
P「午後から事務作業ですね」
小鳥「と言うことは一緒ですね。それならもっと寝てても大丈夫でしたね、起こしてごめんなさい」
P「そんなことないですよ、こうやって小鳥さんのエプロン姿を拝めたわけですし、朝ご飯もありますし」
小鳥「あっ、そうだ」
小鳥「プロデューサー、あーん」
P「あっ、あー」
P「んっ」
小鳥「どうですか?」
P「……っ! 最高です」
P「ごちそうさまです」
小鳥「おそまつさまでした」
P「じゃあ、送ります。ちょっと着替えるんで待っててくださいね」
小鳥「はい」
P「駐車場まで良かったら、手を」
小鳥「…………」 ササッ
P「……?」
P「俺、避けられてる……?」
小鳥「ちっ、違うんです! 服が昨日と同じなのでもしかしたらーって……朝、コンビニで下着は買ったんでそれは替えたんですけど……」 」
P「あぁ、そんなことですか」
小鳥「そっ、そんな事って……っ! そういうのが一番」
P「………」クンクン
小鳥「嗅いじゃダメですー!」
P「>>+3」
P「うーん……」
小鳥「やっ、やっぱり……」
P「小鳥さんの匂いがしますね」
小鳥「……っ、それはどういう……?」
P「こう……」
ギュッ
小鳥「っ!」
P「思わず抱きしめたくて……安心する匂いです……」
小鳥「プロ……デューサーさん……」
P「………」
小鳥「………」
P「……流石に出ないと、あれですね……」
小鳥「……そうですね……」
P「……ふぅ、行きますか」
小鳥「はいっ!」
P「へー、このマンションですか」
小鳥「どうぞどうぞ」
ガチャ
小鳥「っ!」
バタン
P「どうしたんですか?」
小鳥「すっ、少し待っててください!」
P「別に散らかっててもいいのに」
小鳥「あっ、危ないところだった……」
小鳥「早く片付けないと…… >>+3を……」
小鳥「そう、同人誌よ!」
小鳥「全部が全部、大人向けの特殊なのじゃないけど、やっぱりこういうのは本棚に隠して……」
P「あんまり急いで押し込むと折れますよ?」
小鳥「そうですよね……こんなに薄いのに高価で、何より思い出が……」
小鳥「プロデューサーさん!?」
P「外で待ってたんですけど、あまりに遅いのと、若い男が女性の部屋の前で立ってたら怪しまれたみたいで…… 思わず入っちゃいました、すみません」
小鳥「みっ、みみみましたかっ?!」
P「何をですか?」
小鳥(というか、机の上に散らばってるし、手にも持ってるし!)
小鳥「……っっ」
ササッ
小鳥(今更、隠してももう遅いわよね……)
P「……あぁ、なるほど」
小鳥「……やっぱり幻滅……しますよね……」
P「>>+3」
P「そんなことありません、どんな小鳥さんでも俺は大好きですよ」
小鳥「……………本当ですか?」
P「えぇ、俺ももっと小鳥さんに好かれるように頑張らないと」
小鳥「……っっ、私もプロデューサーさんのこと大好きですよ!」
P「………小鳥さん……顔真っ赤ですよ……?」
小鳥「……プロデューサーさんよりは、ましです……多分……」
P「トランクケースとかありますか? 数日分の服を選んでもらって、車に積みましょう」
小鳥「そうですね」
P「残りは時間を作って、今度の休みにでも」
小鳥「わかりました、少しかかるので、テレビでも見ててもらえますか?」
小鳥「よし、完成……」
P「お疲れ様です」
小鳥「服、着替えてきますね」
P「はい」
小鳥「脱衣所はあっちですけど、覗かないでくださいね?」
P「覗きませんよ」
小鳥「……そうですよね……覗かないですよね……」
P(……何故にショックを……)
小鳥「まぁ、いいや。行ってきます」
ガチャ
小鳥「おはようございます」
P「おはようございます」
>>+3 「おは……」
社長「おお、君たちおはよう」
P「おはようごさいます、社長」
小鳥「あっ、ごめんなさい、社長。急に朝、連絡して……」
社長「いやいや、いいんだよ。音無くんから連絡があったときは何かあったのかと心配したが、顔を見たらいつもより元気そうじゃないか」
小鳥「はい!」
社長「>>+3君も音無君が来ないことに心配していたぞ。そこにいるから、顔を見せてやってくれ」
社長「それじゃあ、私は社長室に戻ろうとするかな」
うさちゃん? 「あんた、どうしたのよ」
小鳥「えっ?」
うさちゃん? 「朝一番に来たら、社長が『音無君が来ないそうだ……』って心配してたわよ」
小鳥「あれ、普通に遅れますって言ったんだけど……」
うさちゃん?「社長はあんたに過保護だから、そうな……」
うさちゃん ? 「って! 話してるのは私なんだから私を見なさいよ!」
P「お、おぉ、伊織じゃないか」
小鳥「伊織ちゃんいつの間に」
伊織「さっきから、目の前にいたでしょ!」
伊織「なによっ、私の存在はこのうさちゃんより目立たないって言うわけ?」
P「冗談だよな」
小鳥「はい、冗談ですよ」
伊織「もう……」
伊織「それよりなんで遅れたの?」
伊織「と言うか一緒に入ってきたわよね……?」
P「そっ、それは>>+3」
P「そっ、それは……」チラッ
小鳥「………」コクッ
伊織「なに……?」
P「俺が小鳥さんと同棲始めたからだよ、結婚を前提に付き合ってる 」
伊織「………えっ………」
伊織「………っ!! へぇ、あんたの冗談にしては面白いじゃない!!」
伊織「でも、今日は別にエイプリルフールじゃないわよ? と言うか、あれって午前中だけだし……」
P「冗談じゃなくて、本当なんだ」
伊織「っ!!」
伊織「……嘘っ……嘘よ………だって……>>+3」
伊織「だって、昨日はそんな感じじゃなかったじゃないっ!!」
P「………まぁ、付き合い始めたのは、昨日の夜からだからな」
小鳥「………」
伊織「それじゃ……付き合い始めて、いきなり同棲っていうの?!」
P「そうなるな」
伊織「あっ……あんたたち、いきなりすっ飛ばしすぎなのよ! なんでいきなり……っ!!」
伊織「だっ、だいたい、職場恋愛なんてロクなもんじゃないのよ! なんで…………っっ!! 今ならまだ、たちの悪い冗談として」
小鳥「伊織ちゃん」
伊織「っ!!」
小鳥「少し、隣の部屋に来てくれる?」
P「………?」
伊織「………」
小鳥「………ここなら、誰もいないわ」
伊織「………」
小鳥「もちろん……プロデューサーさんも……」
伊織「………」
小鳥「伊織ちゃん……あなた……」
小鳥「>>+3」
小鳥「……やっぱり……プロデューサーさんのこと……」
伊織「………っ! そうよっ!なにか悪い!?」
伊織「私はあいつのことが好きよ! トップアイドルになったら……告白しようって……ぐすっ……」
伊織「……せめて他のアイドルなら……ぐすっ……私だって諦めついたのに……っ!」
小鳥「………」
伊織「まさか、あんたに……横取りされるなんて……」
小鳥「…………組……」
伊織「っ! なっ、なによっ! 言いたい事あるのならはっきりいいなさいよっ!!」
小鳥「負け組乙」
伊織「ーーーっっ!! あんた、黙って聞いていればっ!!」
小鳥「伊織ちゃんは本当にプロデューサーさんのことが好きだったの?」
伊織「とっ、当然よっ!」
小鳥「自分から何かアプローチした?」
伊織「そっ、それは……トップアイドルになったら……」
小鳥「……逃げてたんじゃないの?」
伊織「っ!!」
小鳥「トップアイドルになったら……プロデューサーさんから告白してきてくれたら……」
伊織「っっっ!! あんたに私の何がわかるよのっ!!」
小鳥「わからないわよっ!」
伊織「………っ!」
小鳥「人のことも……自分のことも……プロデューサーさんのことも……なにも……誰も……」
小鳥「………でもね、伊織ちゃん……」
伊織「………っ」
小鳥「そのまま想いを伝えないのは、ただの負け組よ」
伊織「こ、小鳥……」
小鳥「行きなさい」
伊織「そんな……あんたは……」
小鳥「私は……、プロデューサーさんを信じる……」
伊織「………いいのね?」
伊織「……私が貰っていくわよ?」
小鳥「………」
伊織「………ふんっ」
バタン
小鳥「……これでよかったのよね……」
小鳥「……………プロデューサーさん………」
P「………まだかな」
バタン
P「っ、小鳥さ………伊織か……」
伊織「ちょっと来なさい」
P「へっ?小鳥さんが、まだ」
伊織「いいから!!」
P「……伊織……お前なんで泣いて……」
伊織「…………」
P「……なぁ、屋上なんて誰もいないし戻ろう、な?」
伊織「………」
伊織「……率直に言うわ」
伊織「私はあんたが好き」
P「…………俺は……小鳥さんと付き合って……」
伊織「そんな薄っぺらい言葉聞きたくないっ!!」
P「………っ!」
伊織「………あんたは、誰を選ぶの……」
伊織「私か……小鳥か……」
P「……俺は…」
P「>>+5」
P「俺は…」
P「小鳥さんを選ぶよ」
伊織「……っ!……」
P「伊織ならわかってくれると思ってる……俺は、心から……」
伊織「あぁーー!!もうっ!! 」
伊織「そんなに念押ししなくても、わかってるわよっ!」
P「……伊織……」
伊織「小鳥には……あんたたちになんて勝てるわけ無いとわかってたわよ……」
P「すまん……伊織……」
伊織「謝るぐらいなら……嘘でも二人とも愛するとかいいなさいよ……」
P「…………」
伊織「……この伊織ちゃんを泣かせたんだから……幸せになりなさいよねっ!!」
タッ
P「いっ、いお」
バタン
P「…………」
伊織「……はぁ……はぁ……っ!!」
小鳥「………」
伊織「なによ……笑いに来たわけ……?」
伊織「おめでとう、あんたの言った通り、プロデューサーはあんたを……」
ギュッ
伊織「…………小鳥……」
小鳥「……ごめんなさい……ごめんなさい…………私のせいで伊織ちゃんに辛い思いを……」
伊織「…………はぁ……」
伊織「………なんで……二人とも謝るのよ……」
伊織「……不幸になったら……承知しないんだから………」
伊織「…ぅっ…ううっ……もうっ……なんで、私より小鳥が泣いてるのよ……涙止まるじゃない……」
小鳥「………ごめんなさい……」
春香「ええっ、プロデューサーさんが小鳥さん……と……」
P「………すまん」
小鳥「………」
春香「いえっ! 小鳥さんなら……仕方ないです……」
春香「二人とも幸せに……あっ、あれ……? 嬉しいのに……なんか……感動しちゃって……」
春香「ちょっと、トイレ行ってきますね!」
伊織「……女泣かせ……」ボソッ
P「……っ!」
伊織「……あと、何人が…… 夜道刺されないように、気をつけなさいよ」
P「………はい」
伊織「小鳥も」
小鳥「っ!」
伊織「……大事なら……夜はこいつを外に出すんじゃないわよ……」
小鳥「………」コクッ
ガチャ
P「あぁ、美希……おはよう……」
美希「ハニー……? みんなも、どうしたの?」
伊織「……よりにもよって本命が……」
P「……あのな、俺……俺と小鳥さんは……」
終わり
安価なのに空気読まれすぎて、逆に戸惑った……文章ごちゃごちゃで申し訳ない……
いおりん、はるるんファンの方、勝手に振ってごめんなさい
支援ありがとうございました
Entry ⇒ 2012.10.20 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
貴音「あなた様とらぁめん探訪」
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貴音「本日はこちらですか」
P 「あぁ、少し並ぶが、大丈夫か?」
貴音「30分程度なぞ、らぁめんの前には霞んでしまいます」
いささか不思議な雰囲気ですね」
P 「そうか?結構商店街に隣接している二十郎は多いんだがな」
貴音「面妖な・・・」
P 「はは、じゃあ次は赤羽の二十郎にでも行ってみるか?
あそこは商店街に隣接じゃあなく、商店街にあるからな」
貴音「なんと!
二十郎はそこまで進化していたのですね」
P 「そうだな・・・特に無いぞ
一般的な二十郎と一緒だ
そのかわり、味も特筆する程じゃあない」
貴音「美味ではない、ということでしょうか」
P 「いや、他の店と同じくらい上手いってことだ
二十郎であんまり美味しくないといったら、新宿ぐらいだからな」
貴音「それは期待が持てそうですね」
P 「なんやかんや話してるうちにもう順番か
貴音は大ダブルでいいか?」
貴音「もちろんです」
先に行ってるな」
貴音「はい、お気をつけて」
P 「・・・」
貴音「・・・」
店主「大豚ダブルの男性の方、トッピングは?」
P 「ヤサイマシ、アブラカラメ」
店主「ヤサイマシアブラカラメ!」ドンッ
P 「ありがとうございます」
店主「大豚ダブルの女性の方、トッピングは?」
貴音「ヤサイマシマシニンニクカラメ」
店主「ヤサイマシマシニンニクカラメ!」ドンッ
貴音「ひょいぱく ひょいぱく」
・・・・・・
貴音「真、美味でした」スタスタ
店主「ありがとうございましたー!」
P 「ずぞぞーっ、ぱくぱく・・・」
貴音「あなた様、先に出ております」
P 「わかった」
P 「いやー、待たせたな」
貴音「今度は2分程短縮して下さい」
P 「善処するよ」
貴音「冗談です
あなた様、黒烏龍茶をどうぞ」
P 「おう、ありがとな
いやー、二十郎を食べた後はやっぱり黒烏龍茶だな!」
貴音「そうですね、これほどまでに飲料が美味しいと感じるときはないでしょう」
P 「それにしても、今日の二十郎は神二十郎だった!
麺の硬さもスープの濃さも、最高だったよ!」
貴音「ふふ、それは宜しかったですね」
P 「貴音はどうだった?」
貴音「それはですね・・・」
? 「・・・まさか、765プロのヘボプロデューサーと
四条貴音がこんなところに居るとは・・・
くくく・・・あーっはっはっは!」
ガチャッ
P 「おはようございます」
ザワザワ・・・ガヤガヤ・・・
P 「ん?どうしたんだ?」
小鳥「プロデューサーさん!
どうしましょう・・・大変ですよ!」
P 「どうしたんです?音無さん
事情を教えて下さい」
小鳥「それが・・・これを見てもらえますか?」
P 「動画投稿サイトですか?
・・・うわっ!俺と貴音じゃないか!」
小鳥「どうやらプロデューサーさんと貴音ちゃんがデートしている所を
誰かに見られてたみたいですね・・・」
P 「参ったな・・・変な男とデートしてるという風にしか見られないじゃないか」
P 「えぇ・・・軽はずみな行動でこんな事になってしまうとは・・・」
小鳥「プロデューサーさんは悪くないですよ!」
ガチャッ
社長「いやーおはよう!今日もいい天気だね!
ん?二人ともどうしたんだい?」
小鳥「それが・・・これこれしかじかの」
社長「かくかくうまうまと言うわけか」
P 「社長・・・どうしましょう」
社長「・・・ピンと来た!」
P 「本当ですか?!」
社長「キミ!四条くんとキミのラーメン食べ歩きを放映しよう!」
P 「・・・はいぃ?!」
さらに、四条くんがラーメンを食べることで宣伝をする!
いいこと尽くめじゃないか!」
小鳥「また始まった・・・」
P 「良くないですよ!
俺、テレビとか出たことないんですよ?!」
社長「それに、だ
この動画の、キミがご飯を食べている所だが実に快い!
見ているこちらが幸せになるようだ!」
P 「は、はぁ・・・」
社長「と、言うわけでだ
私は今から知り合いに連絡して、手はずを整えるから
キミも四条くんに伝えておきたまえ」
P 「そ、そんな!社長ー!!!」
貴音「それは夢のような企画でございます!」
P 「あぁ、夢であって欲しいよ・・・
そういうわけで、これからはあまりオフで外食は行けないな」
貴音「なんと!私は一向に構いません!」
P 「また貴音のファンに動画でもとられたら大変だろう?
俺も苦しいんだ、我慢してくれ」
貴音「いけずです・・・」
真美「兄ちゃーん!お腹空いたよー!」
亜美「もうペコペコだよー!」
貴音「貴音と」
P 「プロデューサーの」
皆 「らぁめん探訪ー!」ワァー!!!
貴音「皆様、ごきげんよう
四条貴音でございます」
P 「貴音のプロデューサーです」
貴音「本日は都内某所の幸薬苑を貸しきって収録しております」
P 「新番組の番宣ってやつだな」
春香「プロデューサーさん!ラーメンはまだですかー?」
P 「もう!挨拶ぐらいさせろ!」
果たしてどのような番組になるのでしょうか」
P 「かいつまんで説明すると
俺と貴音が適当にラーメン屋を巡るっていう内容だな」
千早「プロデューサー・・・?
それは分かったんですが、なぜ私達が幸薬苑に集まったんですか?」
P 「それはだな、俺と貴音だけじゃ間が持たないんで、
毎回一人ゲストとして呼ぼうと思ってな
ぶっちゃけ言うと、今回の収録でピンと来たやつが選ばれるぞ」
小鳥「えっ?!本当ですか?!」
P 「誰だ事務員呼んだの!」
大方、あんたの財布が寒いからだとは思うけどね にひひっ」
貴音「無論、金銭の事情というのもございます
ですが、それとはまた別の理由もあるのですよ」
P 「金銭の事情は無いよ・・・
今回企画を決めるにあたって、俺と貴音で行きたい所を選んだんだがな
なんと、ほぼ二十郎だった」
千早「当然なんじゃないでしょうか・・・」
P 「そこでだ
まず二十郎を食べる前に、らぁめんとはなんぞや、というのを
皆と共有したいと思ってだな」
伊織「だからなんで幸薬苑なのよ」
P 「それに答える前に、まずは注文だ!」
亜美「亜美はもちろん、こってりとんこつらーめんっしょ!」
伊織「スーパーアイドル伊織ちゃんは、この濃厚魚介つけめんを頼むわ」
響 「自分は完璧だから、ねぎらーめんを食べるぞ!」
美希「あふぅ・・・ミキはマンゴープリンがいいな」
やよい「中華そばが一番安いから、これがいいかなーって」
律子「では、私は味噌野菜らーめんを頂きますね」
真 「ボクは坦々つけめんがいいかな」
雪歩「私も、真ちゃんと一緒ので・・・」
あずさ「塩ねぎらーめんと、ぎょうざ、あと日本酒を頂けるかしらー?」
春香「えーっと、私は・・・うーん・・・」
P 「春香、受けを狙わなくていいんだぞ」
春香「狙ってません!」
春香「・・・私、なんでチャーハンなんて選んだのかな」
P 「結構皆バラけたな」
貴音「プロデューサー、私もらぁめんが食べとうございます」
P 「来週からたくさん食べられるんだから、我慢しろ」
貴音「面妖な・・・」
P 「ところで・・・千早は注文しないのか?」
千早「私はそれほどらぁめんが好きではありませんので・・・」
P 「そうか・・・じゃあ杏仁豆腐でも食べておけ、な?」
千早「はい、プロデューサーがそう言うなら・・・」
真美「兄ちゃーん!食べていいー?」
P 「あぁ、いいぞ
食べながらでいいから話を聞いてくれ」
亜美「わぁーい!」
貴音「それでは本題に入りたいと思います
伊織、らぁめんとは、何が入っていればらぁめんと言えるのでしょうか」
伊織「そうね・・・
最低でも、麺とスープがあればらぁめんなんじゃない?」
P 「じゃあ、蕎麦やうどんなんかもらぁめんに入るのか?」
伊織「入るわけないじゃない!あんたバカじゃないの?」
貴音「確かに、麺とスープがあるだけではらぁめんとは言えません」
真 「うーん・・・そんなの考えた事無かったなぁ
鶏がらや豚骨からスープが作られてて、麺が入ってて・・・
後は、上にトッピングがあればラーメンになるんじゃない?」
響 「胡椒とかもあると、らぁめん!って感じがするぞ!」
律子「めんまとか、なるとがあると、らぁめんって雰囲気は出るわね」
亜美「良くわかんないけど、おいしければらぁめんでいいんじゃない?」
真美「真美もそう思うよ!」
P 「確かに、おいしいのはまず第一条件だな」
小鳥「私は、自分の分のらぁめんも注文できたらいいと思いますよ」
雪歩「あのぅ・・・私の分、食べますか?」
小鳥「あら、ありがとう」
そしておいしい、というのが世間一般でのらぁめんなのですね」
P 「そのようだな
となると、やよいが食べてる”中華そば”が一番普通に近いと言えるだろう」
やよい「ふぇっ?!私ですかっ?!」
真美「じゃあ真美の担々麺はらぁめんじゃないのー?」
真 「ボクの坦々つけ麺も定義から離れてる気がする」
美希「ミキのは、おいしいかららぁめんだと思うな」
律子「それはマンゴープリンです!」
P 「春香、らぁめんは上手いか?」
春香「おいしいです」
なんといっても、個人の好みも価値観も千差万別だからな」
貴音「今回、私共が伺うらぁめん屋には、
およそらぁめんの定義からかけ離れたものが出るでしょう」
亜美「さそりが乗ってるとか?」
真美「手で食べるとか!」
P 「自分が行きたい、という意見として受け取っておくよ」
真美「ウソだよ兄ちゃんー!そんなの食べたいわけないじゃん!」
亜美「若気の怒りってやつだよ!」
P 「そんなわけで、だ
It's a らぁめん!というものが置いてある幸薬苑さんにお邪魔したわけだな」
別に悪口を言うわけじゃないんだけど・・・
わざわざ幸薬苑じゃなくても良かったんじゃない?」
P 「どういうことだ?」
伊織「ここよりも手の込んだらぁめんが出るお店なんていくらでもあるし
ぶっちゃけ安いだけの店じゃない」
P 「そうだな・・・伊織の言う通り、味だけじゃ他の店に数段劣るだろう」
律子「ちょっとプロデューサー殿?!
公共の電波に乗るんですよ?!」
P 「だが、ここはチェーン店だ
他の店には無い、利点というものがある」
貴音「らぁめんが食べたい、と思った時に食べられるのは真、素敵ですね」
P 「第二に、味のブレが少ない」
貴音「ちぇえん店であるがゆえに、規則がしっかりとしており
調味料の量から何から何まで安定した味を供給出来るのですね」
P 「第三に、全国、とはいかないがいろんな地域で食べられる
北海道及び四国より西では店舗は無いが、
そこ以外の地域ならば幸薬苑はあるからな」
貴音「もし幸薬苑の味が好みならば、
好きな時に、好きな場所で、安定した味を楽しめる」
P 「更に安いと来たもんだ、さすが幸薬苑さんだー!」
春香「必死でカバーしようとしてるね・・・」
千早「見苦しいわ・・・」
P 「わかってくれるか」
貴音「プロデューサー、そろそろ時間です」
P 「もうそんな時間か・・・
というわけで、だ
来週の本放送からは、二十郎を中心にらぁめんを食べ歩こうと思う」
貴音「らぁめんとは一体なにか
二十郎とは何かを視聴者の皆様にお伝えすべく、
全霊を賭して戦って参りたいと思います」
春香「来週月曜日、19:00からご覧のチャンネルで放映しまっす!」
P 「それでは、貴音とプロデューサーのらぁめん探訪・・・」
皆 「「「「「「皆さん見て下さいねー!」」」」」」
監督「はい、かぁーっと!」
途中から素になってしまった・・・」
監督「オレっちは中々いいと思ったぞ
まったくの勘だが、受ける!多分おそらくメイビー、受ける!」
P 「はぁ・・・監督がそういうなら、良いのでしょうか」
響 「そうだぞ!プロデューサーはきっとテレビ映えするぞ!」
貴音「さすが響、見る目がありますね」
響 「えへへ、褒められると照れるぞー!」
あずさ「プロデューサーさーん!お酒おかわりよろしいでしょうかー」
小鳥「おかわりもってこーい!」
P 「事務所に帰るか!撤収!」
あずさ「あぁんいけずー!」
P 「あぁ、前職の時の趣味がらぁめん食べ歩きだったからな
貴音と食べ歩くようになったのはここ最近だが」
美希「そういえば、ハニー最近太った?」
P 「ぎくっ・・・!」
美希「だよねー
ベルトの穴が一つ増えてるもん」
P 「良く見てるな・・・
確かにこれは運動しないとやばいかもしれん」
真 「プロデューサー!運動ならボクにお任せですよ!」
P 「真・・・助けてくれ、これじゃあ俺、ブタ太になっちまう・・・」
真 「もちろんですよ!じゃあまずはマラソンからですね!」
P 「あんまりきつくないのを頼む」
真 「イヤですっ!」
? 「なんだこれは・・・!!
四条貴音のスキャンダル記事を握ったと思ったら
高木のやつ、逆手に取りおって・・・!
このままでは終わらんぞ・・・
おい!羅刹!」
冬馬「おいおっさん、そろそろその名前で呼ぶのやめてくれよ」
? 「セレブな私は旅行に行ってくる
それまでジュピターは何をすれば良いのか
ラーメンを食べて、考えておくんだな!」
冬馬「ラーメン?おい、意味がわかんねぇよ
待てって、おっさん!
おーい!!」
真 「おはようございます!!!」
P 「あぁ、おはよう・・・」
真 「プロデューサー!声が小さいですよ!
おはようございます!!!」
P 「おはようございますっ!」
真 「良い返事ですね!
じゃあ準備運動も終わったことだし、走り込み行きますよ!」
P 「待て、さっき5km走ったのは準備運動だったのか?!」
真 「今回は20kmです!さぁ立って!
765プローふぁいおっふぁいおっ!」
P 「まじかよ・・・ふぁいおっ」
貴音「貴音と」
P 「プロデューサーの」
春香 「らぁめん探訪ー!」
貴音「皆様、ごきげんよう
四条貴音でございます」
P 「貴音のプロデューサーです」
春香「ゲストの天海春香です!」
貴音「本日は東京の北、埼玉県は大宮で収録しております」
春香「プロデューサーさん!トップバッターですよ!トップバッター!」
P 「あぁ、トップバッターだな」
貴音「春香、なぜ春香が最初に選ばれたかというと」
春香「うん」
貴音「最初に伺うお店は二十郎だからです」
春香「えーっ?!二十郎?!
私行ったことないよ?!」
P 「なんで行ったことないんだ?」
春香「だって・・・怖いじゃないですか!
ロットバトルとか出来ないですよ!」
貴音「なるほど、これは適任ですね」
P 「だろう?」
ラーメン二十郎の大宮店に伺っております」
貴音「本日はよろしくお願い致します」
城島「よろしく」
ヒゲ「よろしくな」
春香「うわぁ、二十郎に初めて入っちゃった」
貴音「真、二十郎でございますね」
P 「あぁ、二十郎だな」
春香「黄色い看板に赤い机、あとロットバトル・・・」
P 「それだそれ、前半は大体合ってるが、ロットバトルなんて無いぞ?」
春香「えー」
春香「そうですねぇ
一番大きいラーメンを頼んだ人が二人以上いると、バトルが始まったり
20分以内に食べきれなかったらギルティ!って追い出されたり
もやしがこれ以上ないくらい載せられてたり
トッピングに特殊な呪文を唱えないといけなかったり・・・」
貴音「春香、一体どこからそのような知識を得たのですか」
春香「えっと・・・インターネットから、かな」
P 「残念だが、春香が言ったのは大半が誇張してある
二十郎はそんな怖い店じゃあないんだよ!!!!」バンッ!
P 「そうだな、それがいい」
春香「二十郎って食券だったんですね」
貴音「さらに、通常時は行列に並ぶ必要がありますが
大体30分も並んでいれば店内に入れるでしょう」
P 「ちなみに、二十郎大宮店では
食券を買ってから行列に並ぶローカルルールがある
他の店では店内に入った時点で買うからな」
春香「それですよそれ!
なんでそれを明示してないんですか?」
P 「なんでだろうな」
春香「なんでだろうなって・・・」
春香「大豚ダブルってなんですか?」
貴音「らぁめんの大きさが大、豚がたくさんという意味です」
P 「らぁめんは大きさが小か大が選べる
ただ小といっても通常のらぁめんより大分多いがな
その点大宮店は、小より下のミニがある」
春香「じゃあ私そのミニで!
豚っていうのはなんですか?」
P 「豚というのは、いわゆるチャーシューの事だ
チャーシューには似ても似つかないが
通常では2枚、豚では5枚、豚ダブルでは8枚入っている」
春香「うーん、2枚でいいかなぁ」
P 「春香はミニラーメンだな
俺は折角だから大豚ダブルを頂こう」
この食券だが、買ったら上に置く」
春香「それもローカルルールですか?」
P 「二郎のデファクトスタンダードだ
明示されていないが、どの店舗でも上に置く必要があるな」
春香「あ!私、ヤサイニンニクでお願いします!」
城島「出来上がったらもう一度聞きますので、
その時仰って下さい」
春香「うぅ・・・」
貴音「春香、こぉるは聞かれた際に答えれば良いのです」
春香「初心者には厳しいですよ・・・」
P 「ちなみに、油少なめと麺固めを注文する場合は今のタイミングでいいぞ
出来上がってからじゃ逆に遅いからな」
ニンニクとかカラメとか」
P 「確かに呪文みたいだよな」
貴音「真、二十郎が恋しくなる呪文でございます」
P 「コールの内容は
ニンニクはニンニクを入れるかどうか
通常はニンニクがゼロだ
ヤサイが野菜を増すかどうか
アブラがアブラを増すかどうか
カラメが醤油を足すかどうかだ」
春香「マシっていうのはなんなんですか?」
貴音「通常よりも多く、という意味です
ヤサイマシマシと言うと、大量の野菜が提供されるのです」
春香「じゃあ、ヤサイマシニンニクカラメ、って感じでいいんですか?」
P 「おお、上出来だな」
貴音「春香、そろそろですよ」
春香「うん・・・!」
P 「緊張することないぞ、肩の力を抜こうな」
城島「ミニラーメンの方、ニンニクいれますか?」
春香「えっ・・・あ、はい・・・え?」
城島「どうぞ」ドンッ
城島「大豚ダブルの男性の方、ニンニク入れますか?」
P 「ヤサイマシマシニンニクアブラカラメ」
春香「えっ?」
城島「どうぞ」ドンッ
城島「大豚ダブルの女性の方、ニンニク入れますか?」
貴音「ヤサイマシマシニンニクマシカラメ」
城島「どうぞ」ドンッ
P 「あぁ、悪い 言ってなかったな
コールの時は、”ニンニク入れますか”と聞かれるんだ」
春香「知らないですよそんなの!」
P 「ただ、さっきみたいに”はい”と答えてもいい
呪文を言わなくてすむから、初心者には安心だな」
春香「安心じゃないですよ・・・」
貴音「さて、春香・・・二十郎のらぁめんを見て、何か思うところはありますか?」
春香「えーとですね、やっぱりこれらぁめんじゃないです!」
P 「春香の言う通り、普通のらぁめんとはかけ離れてるな」
春香「野菜、って言ってももやしとキャベツが大量にあるだけだし、
麺もらぁめんの麺というよりうどんですよ!」
貴音「春香、そろそろ麺が伸びてしまいます
後は食べ終わってからで良いのではないでしょうか」
春香「そ、そうだね貴音さん」
P 「今日はいつにもまして美味しそうだな」
貴音「えぇ、真・・・」
春香「これからバトルが始まるんですね!?」
P 「だから始まらないって!
そもそも貴音のスピードに追いつけるわけがないだろう」
貴音「ひょいぱく ひょいぱく」
春香「うわぁ・・・」
P 「ずぞぞっ、むしゃむしゃ」
春香「はむっ」
貴音「プロデューサー、豚を一枚頂いてもよろしいでしょうか」
P 「ダメだ」
貴音「いけずです・・・
春香、豚を一枚頂いてもよろしいでしょうか」
春香「うん、いいよ」
貴音「春香は将来大物になりますよ
ひょいぱく」
春香、どうだった?」
春香「うぅ、口の中がしょっぱいです・・・」
P 「美味しかったか?」
春香「最初の一口は美味しかったですけど
それ以降はわからないかな・・・」
貴音「正に王道の答え、といった所でしょうか」
P 「だな
基本的に、二十郎は好き嫌いが別れる食べ物だ
一週間後、また食べたくなるかどうかが分かれ道だと思っている」
春香「多分もう食べたいと思いませんよ・・・」
P 「ちなみに俺は、今回は普通だったな
豚がもっと柔らかければ神二十郎だった」
貴音「えぇ、私も同じ意見です
麺の湯で加減は最高でした」
あれ、チャーシューじゃないですよね?」
P 「そうだな
だから”豚”と呼ばれているんだ」
春香「なんていうか・・・やっぱり二十郎はらぁめんじゃないです!」
貴音「やはり、春香もそう思いますか!」
P 「らぁめん二十郎はらぁめんではない、という言葉もあるぐらいだからな
だが、俺は立派ならぁめんだと思うぞ」
貴音「ちなみに大宮店は、私のほぉむでもあります」
P 「貴音のお勧めってことだな」
春香「うーん、ネットで噂を見てただけだから、
二十郎って怖い所だなーって思ってましたけど
それほど怖い所じゃありませんでした!
自分一人で並ぶとしたら勇気がいりますけど
また貴音さんと来るんだったら怖くないかもですね!」
貴音「春香さえ宜しければ、是非ご一緒致しましょう」
P 「うむ、その時は俺もついていくからな」
貴音「さて、では次の店に参りましょう
店長様、副店長様、本日はありがとうございました」
城島「ありがとう」
ヒゲ「次のご来店お待ちしております」
春香「じゃあ私はここまでですね」
P 「待て!春香!机を拭くんだ!」
春香「え?またローカルルールですか?」
P 「二十郎では、食べ終わった後は机を拭くのがマナーだ」
春香「やっぱり二十郎は怖いなぁ・・・」
P 「いや、最後にだな」
貴音「プロデューサー、春香、これを」
春香「なんですかこれ」
P 「トリイサンの黒烏龍茶だ
脂肪の吸収を抑える効果がある」
貴音「トリイサンは今回の放送のすぽんさぁとなっております
ふふ、これを飲んで、一区切りと言うわけです」
春香「へー・・・ごくごく・・・
えっ?!なにこれ、おいしい!」
P 「だろう?」
貴音「二十郎を食べ終わった後の黒烏龍茶は格別です」
春香「ちょっと癖になりそうかも・・・」
P 「ということで、最初のゲストは春香でした!」
春香「ありがとうございました!」
貴音「気をつけて帰るのですよ」
営業時間 11:00~14:00 17:00~22:00
定休日 無し
臨時休業の場合はメールマガジンで連絡アリ
メニュー ラーメン:650円
ミニラーメン:600円
大盛り:750円
豚増し:+100円
豚W:+200円
味付きうずら:100円
刻みタマネギ:100円
期間限定でつけ麺を提供
特殊ルール:行列に並ぶ前に店内入り口左の食券を買う
P 「その前に、次のゲストを呼んでおこうか
あずささーん!」
あずさ「はぁ~い
只今ご紹介に預かりました、三浦あずさと申します~」
貴音「あずさはらぁめんは良くお召になるのでしょうか」
あずさ「ん~、それほどじゃあないけれど、
普通の人ぐらいには食べるわよ~
ところで、私はどのお店に行くのかしら?」
P 「次のお店は・・・着くまで秘密です」
あずさ「あらあら♪」
P 「そう、こってりといえばここ、天上一品!」
あずさ「あらあら、天一ね~
お酒を飲んだ後はすごいおいしいのよね
プロデューサーさんも良く行くんですか?」
P 「いや、俺は時々しか行かないですが・・・
ただ、時々天一のこってりが無性に食べたくなる時があるんですよ」
貴音「プロデューサー、その気持ち良く存じております
一ヶ月も天上一品から離れると、生きた心地が致しませんから」
あずさ「あら?そこまでのものだったかしら?」
こってりについて説明は不要でしょうか」
あずさ「ダメよ、貴音ちゃん
視聴者の方は天上一品か何かわからない人もいるんだから」
P 「確かにそうだな
貴音、こってりについて説明してくれ」
貴音「そうですね
こってりは、あっさりに比べてこってりしており」
P 「その説明じゃわからないぞ」
あずさ「こってりがあっさりよりこってりで、
こっさりがあってりで・・・あら?」
P 「正直俺も口で説明する自信が無いから、
注文しちゃおうか」
P 「あぁ、こってりだな」
あずさ「お酒が欲しくなりますね~」
P 「ダメです!まだ日が明るいんですからね!」
貴音「こってりとは・・・そう、普通のらぁめんではありえないほど
麺にすぅぷが絡みます」
P 「そうだな・・・
天上一品のスープは濁っているから、
視覚的にも麺に絡んでるように見える」
貴音「すぅぷはどろっとしていて・・・
ここまでどろっとしている豚骨は天上一品以外には中々ありません」
あずさ「あらあら、二人ともらぁめんの話になると目の色が変わるんですね~」
俺は食べたことがないんだが、一部店舗には
こっさりと言うものが存在するらしい」
あずさ「こってりと、あっさりの中間って事かしら~?」
P 「どうもそのようで、”こっさり”もしくは”二号”と注文すると
出てくるみたいです」
あずさ「あらあら、じゃあ次はそのこっさりを頼んでみようかしら」
貴音「いわゆる裏めにゅぅという物ですね」
P 「なんか通ぶってるように見えるよな」
貴音「二十郎の呪文も同じようなものです」
貴音「ひょいぱく ひょいぱく」
あずさ「しゃっきりぽん」
P 「毎回思うが、貴音は良くそんな風に食えるな」
貴音「私とてアイドル、無様な姿は見せられません」
P 「らぁめんを食べてる様子がさまになってるのが、
アイドルの辛い所だよな」
貴音「いけずです・・・」
あずさ「本当美味しかったわ~」
P 「もう一杯食べたいな」
貴音「今回の天下一品も、通常のらぁめんとは
大幅にずれていますね」
P 「そうだな
まずスープがスープじゃない
らぁめんとは別の進化系だ」
あずさ「あら~、天一の器って、底に何か書いてあるのね~
普段はスープを全部飲まないから、気づかなかったわ~」
貴音「”明日もお待ちしてます”と書いてあります」
P 「小さな気配りだよな
俺はこれがあるから、毎回スープは飲み干してる」
あずさ「確か、天一ってチェーン店よね?
こんな癖が強い物が全国にあるなんて、全国的に人気ってことかしら
美味しいものがどこでも食べられるなんて、幸せな時代に生まれたものね
それにしてもお酒遅いわねぇ」
P 「お酒は頼んでませんよ」
貴音「代わりに黒烏龍茶をお飲み下さい」
あずさ「うふふ、貴音ちゃんありがとう」
P 「ということで、ゲストの三浦あずささんでした!」
あずさ「天上一品で私と握手~♪」
P 「そんな企画ありません!」
貴音「二十郎で私と握手・・・」
営業時間 店によってまちまち
定休日 上に同じ
メニュー:らぁめんには”こってり”と”あっさり”があり、
同じ値段で選択出来る
なお、中間の”こっさり”もある模様
また、セットメニューも充実しており、1,000円もあれば十分豪遊可能
個人的にお勧めは、チャーハン+こってりスープのラーメンチャーハン
P 「今日はあと2件回る予定回る予定だ」
貴音「ふむ、そろそろ満腹の頃だと思われますが、如何でしょう」
P 「そんなことないぞ、なんてったって・・・」
真 「25km走って、お腹ペコペコですもんね!」
P 「あぁ、正直立ってるのもやっとだがな」
貴音「というわけで、今回のゲストは真です」
真 「まっこまっこりーん!シャンシャンプリプリ 真ちゃんなりよー♪」
P 「カメラ止めて!放送事故!」
真 「事故じゃありませんっ!」
P 「そうだな
今回は、東京都赤羽駅降りてすぐの商店街で収録しています」
真 「商店街ってことは、なんかおしゃれならぁめん屋なんですか?」
P 「ふふ、それはとっぷしぃくれっとです」
貴音「プロデューサー!それは私のセリフですよ!」
P 「これ、叩くな貴音
お、そろそろ見えてきたぞ」
真 「えーっと、あれって・・・」
P 「赤羽店だ」
真 「うわー、初めてみた!
商店街の中にもあるんですね!」
P 「ここは比較的最近できた二郎でな、
商店街の中でも営業出来るっていうことは
世間的にも認められた、と見てもいいだろう」
貴音「プロデューサー、机が!
机が赤くありません!」
P 「確かに珍しいな」
貴音「真は二十郎初めてと言っていましたね」
真 「そうだね
だけど大丈夫!
さっき春香のVTR見て、勉強したよ!」
P 「そうか、それは頼もしい
じゃあ早速入ってみるか」
真 「はい!」
店員「いらっしゃいませー」
P 「貴音はいつもどおり大豚Wでいいか?
貴音「はい、それでお願いします」
真 「ボクはミニラーメンでお願いします!」
P 「残念だが、赤羽はミニラーメンは無いんだ」
真 「えっ?!
どうしよう、食べきれるかな・・・」
P 「安心しろ、ここの麺の量は基本的に少ない
小でも普通のらぁめん程度しか無いぞ」
真 「そうなんですか
二十郎は、店によってまちまちなんですね」
貴音「店による差と、時期による差、それが非常に多いのが二十郎」
P 「いつでも美味しい二十郎は、二十郎じゃない!」
P 「チェーン店ではないな
いわゆる暖簾分けってやつだ」
貴音「二十郎で下働きとして働き、一人前と認められた者は
そのものの希望により店主となる」
P 「そうして幾つもの二十郎ができてるんだ」
真 「へー じゃあ二十郎は、きちっとしたマニュアルは無いんですね」
P 「無いが・・・あまり二十郎から離れていると、二十郎の暖簾を外されるんだ」
貴音「二十郎評価委員会によって、二十郎が二十郎であるかの調査を受けるのです」
P 「あぁ、昔、武蔵小杉に二十郎があったんだ」
貴音「ですが、時が経つにつれ二十郎とは別の進化をしていった
味は確かに美味しいのですが、もはや二十郎とはいえなくなりました」
P 「麺も細いしな」
貴音「本店の再三の警告を無視し続けた結果・・・
本店の店長から破門され、店名も”らーめん546(こじろう)”に改名したのです」
P 「そこから、二十郎委員会が発足した、と俺は踏んでいる
それまではそんなの見たことも聞いたことも無かったからな」
真 「委員会・・・このステッカーですね」
真 「確か食券を上に置くんですよね」
P 「お、さすが勉強してるな」
真 「えっへへー」
店員「ニンニクいれますか?」
貴音「ヤサイマシマシニンニクアブラマシカラメ」
真 「えっ?」
店員「次の方、ニンニク入れますか?」
真 「えっ、あ、はい」
店員「次の方、ニンニク入れますか?」
P 「ヤサイマシマシアブラカラメ」
P 「悪いな、言うのを忘れていた」
貴音「赤羽店では、席に座って真っ先にこぉるを聞かれるのです」
真 「ローカルルールですか?」
P 「そうだな・・・俺も最初きた時はびっくりしたよ」
貴音「先に聞かれるのは、少数派ですね」
真 「むぅ、ボクも呪文唱えたかったなぁ」
貴音「言われてみればそうですね」
P 「ラジオの類が一切ないからな
他のお客さんが食べている音や、らぁめんを作っている音が
他店よりもよぉく聞こえる」
真 「今はボク達しか居ないから大丈夫ですけど
他のお客さんが居た場合は
あまりに静かすぎてすごい喋りづらいですね」
P 「静かだから、というよりは
二十郎では歓談はあまり推奨されないな」
真 「えっ、そうなんですか?!」
貴音「もちろん、多少話すぐらいは問題ありませんが、
らぁめんを食べ終わった後も席に座ったまま話をしていると
ろっとなるものが乱れてお店に迷惑をかけてしまいます」
P 「だから、複数人で食べに行った時でも
食べ終わったらすぐに店を出るのが礼儀なんだ」
P 「うむ、二十郎だな」
真 「うわぁ、プロデューサーと貴音のはもやしがすごいね」
貴音「このもやしを食べないと、二十郎にきたという心持ちがしません」
真 「なるほど・・・ぱくっ・・・」
P 「どうだ?真」
真 「うーん、思ったより麺が柔らかいです」
P 「だろう
先ほど行った大宮店は麺が固めだが、
赤羽店は逆にやわらない
ちなみに麺固めで注文すると、麺がぽきぽきいう食感になるぞ」
貴音「プロデューサー、麺が伸びてしまいます」
P 「おう、すまんすまん」
P 「おぉ、今度は擬音すらなくなったな」
貴音「プロデューサー、まだ豚が3キレも残っていますよ
お手伝い致しましょう」
P 「ダメだ」
貴音「いけずです・・・」
真 「ずずず・・・」
P 「真、スープは飲まなくていいんだぞ」
真 「ちょうどいい感じでしたね
しょっぱすぎず、薄すぎずって感じです」
P 「なるほど、神二十郎だったってわけだ」
貴音「私は、豚が非常に美味しく頂けました
麺がもう少し固ければ神二十郎となっていたやもしれません」
P 「確かにここの豚は美味しいな」
真 「確かに美味しいし、ボリュームもたっぷりで
プロデューサーや貴音が夢中になるのもわかる気はする
けど、絶対カロリーがどうかな?
体を頻繁に動かす学生が食べるならまだしも、
アイドルやプロデューサーが頻繁に食べるのは危険だと思うよ」
P 「う・・・確かに」
貴音「二十郎にかぎらず、らぁめんを食べたら一定の運動が必要なのですね」
P 「貴音は、らぁめんを食べたエネルギーはどこへ行ってるんだよ」
貴音「とっぷしぃくれっとです」
真 「やーりぃ!黒烏龍茶だね!」
P 「ありがとう、貴音」
真 「ごくっ、ごくっ・・・
うわ!美味しい!
もしかしたら、二十郎より美味しいかも?!」
P 「そう思うよな?
多分二十郎より美味しいぞ」
貴音「この時程、黒烏龍茶が真価を発揮することはありません」
P 「トリイサンがスポンサーじゃなくても、きっと黒烏龍茶飲んでたろうな」
貴音「こればっかりは譲れません」
P 「ということで、ゲストの菊地真でした!」
真 「きゃっぴぴーん!」
貴音「面妖な・・・」
プロデューサー、次のらぁめん屋はどちらでしょうか」
P 「いわゆる二十郎系だな
いや、二十郎系とはまた新たな進化先と行ったところか」
貴音「ふむ・・・」
P 「そして今回のゲストは、この人だ」
小鳥「皆さんこんにちは!
765プロの小さなオアシス、音無小鳥です!」
貴音「小鳥嬢ですか」
P 「なんか監督が気に入っちゃったらしくてな
アイドルじゃないがしょうがなくキャスティングしたよ」
小鳥「ちょっとそこ!聞こえてますよ!」
小鳥「なんか私の評価おかしくないですか?」
P 「音無さんはそういうの見慣れてるでしょう?」
小鳥「もう!見慣れてませんよ!失礼ですね!」
P 「痛い痛い!落ち着いて!」
小鳥「で、なんですか?
しもつかれでも食べに行くんですか?」
P 「さすがにそこまでは行かないかな・・・」
貴音「やはり、今回も現地に行くまで」
貴音・P「とっぷしぃくれっとです」
貴音「黄色い看板に”にんにく入れましょう”の文字・・・
二十郎に酷似しています」
P 「もしかして、貴音は初めてか?」
貴音「はい、このようなおどろおどろしい豚の文様、初めて拝見致しました」
小鳥「あーん、確かラーメン博物館で見た気がするー」
P 「音無さんって、意外と遊び人なんですね」
小鳥「プロデューサーさんこそ、貴音ちゃんとらぁめん食べてほっつき歩いて!
デートしすぎですよ!」
P 「カメラさん、編集でカットして下さい」
P 「あぁ、ジャンクガレージは二十郎系インスパイアとして
一部で熱狂的な支持がある
そして、一部では二十郎を超えたとまで言われているそうだ」
小鳥「ここではギルティとかあるんですか?」
P 「二十郎に比べて、比較的緩いから
こうしなきゃいけない、なんてのは無いな」
貴音「ふむ、二十郎系のインスパイアがどのようなものか
実際に食してみましょう」
二種類があるようですが」
P 「今回はまぜそばを頂こう」
小鳥「まぜそば?お蕎麦ですか?」
P 「いや、まぜそばは まぜそばだ
見ればわかる」
貴音「普通のらぁめんは頼まないのですか」
P 「今回は頼まなくていいだろう
いいか、ジャンクガレージにきたら、必ず最初はまぜそばを食べてほしい!
それぐらい、まぜそばはインパクトがでかいんだ」
小鳥「特製まぜそばってなんでしょう」
P 「お、ちょうどいいです、小鳥さんは特製まぜそばを頼んで下さい」
P 「ラーメン大や、富士丸なんかだな
それ以外にもゴリメンとか小さいお店でも増えてきている」
貴音「二十郎が世間に受け入れられている証拠でしょう」
P 「二十郎は見た目は簡単だからな
麺は太い小麦粉、スープは豚骨にカネシ醤油、
豚はスープを作った時に出来る物で、野菜はもやしとキャベツ」
貴音「後はにんにくと油を入れれば二十郎、ですか」
P 「実際、にんにくを大量に入れればそれだけで二十郎に近くなるからな」
貴音「油とうま味調味料を入れれば、それだけで味は確保できます」
P 「今後二十郎系インスパイアが増えるのは構わないが、
ただ真似しただけではなく、何か一アイディア欲しいところだな」
貴音「最初は真似だけでも良いのです
真似ることが完璧にできたのならば、次は工夫を加えてみる
その積み重ねでらぁめんは進化していくのだと、私は信じています」
P 「そうだな、ジャンクガレージでは
野菜、ニンニク、アブラ、チーズ、課長の中から選べる
ただし、野菜はらぁめんのみ、
チーズはまぜそばのみトッピング可能だ」
小鳥「あのー、課長ってなんですか?」
P 「化学調味料だな」
小鳥「化学調味料?!
それって大丈夫ですか?なんか体に悪そうなイメージですけど」
P 「イメージだけです、大丈夫
昔は化学調味料は石油から作ってましたから
確かに体に悪かったですが・・・
今は別の方法で作られていて、体に問題は無い、とされています」
貴音「しかし、化学調味料の入れすぎも、味のバランスが崩れてしまいます」
P 「外食やコンビニ弁当なんかは、基本化学調味料が入ってると言って差し支えない
それぐらい、一般的な物なんだ」
店員「ニンニク入れましょう!」
小鳥「えっ、あ、はい」
店員「ニンニクだけでよろしいですか」
小鳥「えっと、じゃあチーズも入れて貰えますか」
店員「はい」
P 「初心者には聞き返してくれるのも、インスパイア系ならではだな」
貴音「ろっとの間が長い為出来る芸当でしょう」
小鳥「どんならぁめんなんで・・・しょう・・・」
貴音「なんと!」
P 「うむ」
貴音「あなた様!すぅぷが!ございません!」
小鳥「なんか見た目グロいですね・・・」
P 「それが、まぜそばだ」
小鳥「まさか、まぜそばだから、これを混ぜる・・・?」
P 「その通り」
小鳥「うぅ・・・なんか美的感覚が狂いそう」
P 「お世辞にも快い見た目という訳にはいかんな」
貴音「まさにじゃんく、と言えるでしょう」
混ぜる前:ttp://tabelog.com/saitama/A1101/A110103/11004783/dtlphotolst/P9755603/?ityp=1
混ぜた後:ttp://tabelog.com/saitama/A1101/A110103/11004783/dtlphotolst/P9755616/?ityp=1
P 「ちなみに、特製まぜそばは、普通のまぜそばにプラスして
ベビースターとエビマヨネーズがトッピングされている」
小鳥「まさかとは思いましたが、これベビースターだったんですか?!」
貴音「らぁめんにべびぃすたぁらぁめんを乗せるなど、奇天烈としか言い用がありません」
小鳥「うわぁ・・・見ようによっては、しもつかれよりも強烈ですよ・・・」
P 「味は保証します
騙されたっ!と思って食べてみて下さい」
小鳥「プロデューサーさんがそこまで言うなら、食べますけど・・・」
こんなちっさい皿でどうやって混ぜんだよ・・・うまそうだけど
上に乗ってる茶色っぽいドロッとした奴は何?
あ ぶ ら
サンクス
貴音「ひょいぱく ひょいぱく」
P 「・・・いかがですか」
小鳥「ん・・・思ったよりは悪くないですかね」
貴音「確かに、見た目に目をつぶりさえすれば、
味は中々のものです」
P 「そうだろう?
スープがなくてもちゃんとらぁめんらぁめんしてる
一体、らぁめんってなんだろうな」
貴音「これがらぁめんである、という主張であらば
首を傾げざるを得ません」
P 「実際、このまぜそばはらぁめんと似ても似つかない、異色だ
らぁめんではない、というのも理解できなくは無いな」
小鳥「水!プロデューサーさんお水下さい!」
P 「あぁ、はいはい」
貴音「私にもお願いします」
小鳥「貴音ちゃん、食べるの早いわよー」
P 「慣れて下さい」
貴音「確かに、味は良かったでしょう
ですが、日本では食事は目でも楽しむものと聞きます」
P 「食欲をそそるような見た目ではないな
実際、女性でまぜそばを食べる客はあまり見たことがない
女性で二十郎に行く客も居ないが」
小鳥「居たとしても、せいぜいカップルとかですよね」
貴音「そうです
私は好いておりますが、一般的な女性が二十郎の味を好むとは
到底思えません」
P 「二十郎系インスパイアは、女性客をどのようにして取り込むかが
勝利の鍵となりそうだな」
小鳥「今までらぁめんって言ったら、至って普通のらぁめんだったり
替え玉のある、とんこつらぁめんだったけれど
日本には私の知らないらぁめんが、まだまだあるのね
らぁめんとはかくあるべし、という固定概念について
よくわかったつもりよ」
P 「貴音も初めてだろう
どうだった?」
貴音「まだまぜそばを、らぁめんと認めるのは時間がかかるでしょう
ですが、味自体は非常に美味であり、
決して二十郎に引けを取らないと言えるでしょう」
P 「そっか、貴音も音無さんも、それぞれ思う所があったみたいで良かったよ!」
小鳥「後は見た目なんですが・・・
よく今回放映出来ましたね」
P 「本放映ではモザイクをかけます」
貴音「プロデューサー、逆に汚く見えると思われます」
小鳥「黒烏龍茶ね!」
P 「やっぱりこれがないと締まらないよな!」
貴音「一日に4本も黒烏龍茶を飲んだのは初めてです」
小鳥「貴音ちゃん、体調崩さないでね?」
貴音「問題ありません」
小鳥「すごいわね・・・
私なんか、まぜそば一杯だけでお腹ギュルギュルいってるのに」
P 「では、今回のゲストは音無小鳥さんでした!」
小鳥「ピヨー」
営業時間 11:30~15:00 18:00~25:00
定休日 基本無休
メニュー まぜそば:750円
大盛り:+100円
特盛り:+200円
らぁめん:720円
大盛り:+0円
特盛り:+80円
その他、激辛レッドやカレー等あり
チェーン店を相当数展開しているので、
東京付近の県であれば店舗が見つかるだろう
いかがでしたか?プロデューサー」
P 「予想外に時間がかかったな」
貴音「おそらく、味の感想等を仰ったほうがよろしいかと」
P 「そうだな、正直4店舗が全部こってり系、といっても差し支えないので
次回はあっさり系のらぁめんも視野に入れたい所だ
貴音はどうだ?」
貴音「あっさり系、それもよろしいですね
今回は新しい出逢いがございました
果たして、あれはらぁめんと言えるのか・・・
それを差し引いても、素晴らしい出逢いと言えるでしょう」
P 「あぁ、そうだな」
貴音「次回も、新しい出逢いがあると信じて、今週は一旦お別れです」
是非是非、以下の番号までご連絡下さい」
貴音「めぇる、お電話、お葉書でのご連絡等お待ちしております」
P 「次回は、来週の月曜日、19:00から、ご覧のチャンネルで放映予定です」
貴音「皆様、宜しければ来週もお付き合い下さいませ」
P 「それでは、貴音とプロデューサーのらぁめん探訪」
貴音「また来週、お会い致しましょう」
・・・
貴音「プロデューサー、今度はまぜそばではなく、らぁめんが食べとうございます」
P 「えっ?!まだ食べるのか?!」
監督「はい、かぁーっと!」
度胸があるっていうか、カメラ慣れしてるっていうか
とにかくお疲れさん!」
P 「ありがとうございます」
監督「普通の人だったら、カメラの前に立っただけで
呂律が回らなくなるからね
その点キミはすごいよ
貴音くんもそう思うだろ?」
貴音「はい、プロデューサーの会話力には、目を見張るものがあります
現アイドルである私でさえも、
油断をすると負けてしまうでしょう」
P 「いや、そんなことないって」
監督「とにかく、だ!
この調子で、来週も頼むよ!ガッハッハ!」
P 「善処します」
こんなにらぁめん食べて、胃もたれとかなったりしないの?
社長「いやー!素晴らしい!
キミが、プロデュースだけでなく俳優もやれるとは!」
小鳥「たまには社長の思いつきも役に立ちますね」
P 「いえ、俳優なんてとても無理ですよ!」
小鳥「またまた、そんなご謙遜しちゃってー」
ガチャッ
律子「プロデューサー殿ー?」
P 「なんだ、律子」
律子「プロデューサー殿宛のファンレターですよ」
P 「・・・は?」
社長「いや素晴らしい!
まさかこんな短期間でファンまで手に入れるとは!」
P 「いやいや待って下さい!
多分ただの全国のらぁめん好き同士ですよ!
ですから!決して、またピンと来ないでください!!」
真 「おはようございます!!!」
P 「おはようございます」
真 「ボク、プロデューサーがどれだけカロリーを摂取してるのか
甘く見積もってました!反省します!」
P 「いや、反省しなくていいよ」
真 「ということで、今週は走りこみを30kmに増やしますね!」
P 「増やさなくていいよ」
真 「これもプロデューサーの為なんです
今日も美味しいらぁめん食べたいですよね?
はい、じゃあ準備運動!5kmジョグですよ!」
貴音「貴音と」
P 「プロデューサーと」
亜美「亜美と!」
真美「真美の、らぁめん探訪!」
貴音「皆様、ごきげんよう
四条貴音でございます」
P 「貴音のプロデューサーです」
亜美「かわいい方の亜美でーす!」
真美「セクチーな方の真美でーす!」
貴音「本日は東京都、品川区で収録しております」
亜美「兄ちゃん!このメンツで収録すると、嫌な予感しかしないよ!」
真美「デ・ジャ・ヴュってやつだよ!」
P 「少しは我慢しなさい」
亜美「この前、お姫ちんと二十郎いったじゃん?」
真美「ヤサイというよりもやしタワーが出てきたじゃん?」
亜美「あんなのラーメンじゃないよ!」
真美「スペクトラルタワーだよ!」
P 「また訳の分からない例えを出して・・・
安心しろ、二十郎はヤサイマシと言わなければ
ありえない量にヤサイは出てこない」
真美「とかなんとか言っちゃってー
実はどっきりでした!って落ちでしょー?」
貴音「行ってみれば自ずと分かるでしょう
さぁ、プロデューサー
本日の戦地へ導くのです!」
二十郎 品川店です」
貴音「ついにやって参りました
二十郎、品川店!」
真美「嫌な予感しかしないね、亜美」
P 「まぁもしもがあっても、
一応今回は貸切だからな
時間はたっぷりあるぞ」
亜美「死亡フラグってやつかな、真美」
貴音「自分の食べられる量を把握し、
それ以上頼まなければ良いだけの話
自分の限界を理解するのです」
真美「限界を超えろ!」
貴音「はい、それでお願いします」
P 「お前らは・・・そうだな、二人で1杯食うか?」
亜美「ほんとー?!さっすが兄ちゃん!」
真美「真美達の事わかってるー!」
亜美「二人で1杯なら、大でも食べられるかな?」
真美「もちろん!当たり前だのクラッカーっしょ!」
貴音「二人とも、大丈夫でしょうか」
P 「大丈夫だろ、品川店は”麺の量”はそれほど多くない
スープも甘めだし、あいつらでも十分食えるよ」
貴音「では、大豚W3つ、ですね」
貴音「そうですね・・・
ヤサイマシマシニンニクアブラカラメ、と答えれば良いかと」
P 「それもいいんだがな、品川はヤサイの注文方法が少し違うんだ」
亜美「ってゆーと?ヤサイチョモランマ!とか?」
P 「近いな
品川はヤサイマシの上が”ダブル””トリプル”と続くんだ」
真美「その上はー?」
P 「”タワー”」
貴音「タワー・・・心が揺り動かされる響です」
真美「うわー、絶対そんなの食べられないよ!」
P 「そうだな、だからお前らは絶対にコールするなよ?
いいか?絶対だからな?
絶対”ヤサイタワー”と言っちゃあダメだからな?」
貴音「ヤサイタワーは禁忌の呪文です」
貴音「ヤサイタワーニンニクマシアブラカラメ」
真美「今アイコンタクトで会話してた!」
亜美「ツーカー?」
P 「いや、この店舗は視線を送ってコールを聞くことがあるんだ
もちろん、アイコンタクトを送って反応がなければ
直接聞くけどな」
店員「チラッ」
P 「ヤサイタワーニンニクカラメマシマシ」
店員「チラッ」
真美「ヤサイ」
亜美「タワー!」
真美「・・・亜美ー?」
P 「Oh・・・」
亜美「何あれ、タワーっていうよりエアーズロックだよー」
店員「残さないのであれば、もっとませますけどどうしますか」
貴音「お願いします」
店員「はい」
参考画像
真美「なにあれ」
亜美「わかんない」
P 「お、次は俺か」
店員「ましますか?」
P 「はい」
亜美「ねぇ、真美、これ亜美達だけまさなかったら
負けかな?」
真美「もう負けでいいと思うよ」
ヤサイタワーで、かつラーメン大を選んだ客にのみ
野菜の追加マシを持ちかけられることがある」
貴音「その時は、このように小皿で別に野菜が運ばれてくるのです」
真美「小皿?」
亜美「きっと小皿だよ、諦めよう」
貴音「さぁ、亜美、真美
今日はもやし祭りです
この幸福の一時、ともに楽しみましょう!
ひょいぱく」
P 「ぱくぱく」
亜美「うえーん!地獄だー!」
真美「うぅ、泣けるぅー」
真美「お姫ちん早っ?!
まだもやししか食べてないよー!」
P 「慣れろ」
亜美「うぅ、もやしが減らないよー」
P 「ちなみに、ヤサイ通常形態はこんな感じだな」
参考画像
真美「真美これがいいー」
貴音「自分で頼んだ分は、自分で処理するのです」
亜美「うぇー」
貴音「しかし、さすがにこれは酷と言うもの
豚が余っていれば頂きましょう」
調子にのった挙句のもやしは美味いか?」
真美「わかんない」
亜美「知らない」
真美「小麦粉か何かだ」
貴音「当然の報いですね」
P 「うむ
二十郎が有名になっていくにつれ、
高校生等も二十郎に増えていくことになった」
貴音「そして調子に乗った高校生が、
ラーメン大豚W、ヤサイマシマシを注文して」
P 「そして撃沈する」
貴音「二十郎では、まず自分の限界を理解するのが先決です」
P 「そろそろか、貴音、もやしを食べてあげなさい」
はじめに行く店舗ではラーメン小から食べるのが鉄則だな」
貴音「甘めにみて、ラーメン大のヤサイ普通でしょうか」
P 「店舗によって量はバラバラだし、味もバラバラだ
この放送を見て、二十郎に興味を持った人も、
残さない、残らない、退っ引きならないの
3つのNoを覚えて置いて欲しい」
真美「兄ちゃん!普通の麺は美味しいよ!」
亜美「すこーし伸びちったけど」
P 「用量、用法を守れば、これほど美味いらぁめんは無いからな」
貴音「ちなみに、一つのらぁめんを二人で食べる行為は
ぎるてぃとなります」
P 「ぎるてぃなんて実際無いが、あまり推奨されないって事だな」
真美「もやし」
亜美「やもし」
P 「確かにあのもやしの量は圧巻だよなぁ」
真美「野菜とか言っておきながら、もやししか無いんだもん!」
亜美「キャベツとか飾りですよ!兄ちゃんにはわからんのですよ!」
貴音「品川は微乳化したすぅぷと少ない麺の影響で
二十郎初心者にもお勧めしやすい店舗でしょう
しかし、初心者のうちはヤサイは増さないほうが良いかと」
P 「ヤサイの下は美味かったろ?」
亜美「うん、おいしかった!」
真美「新時代の幕開けを見た!」
P 「それは良かった」
亜美「お姫ちんありがと→」
真美「もうお姫ちんらびゅんだよ!」
P 「毎度悪いな」
亜美「ごくごく・・・
くはぁー!効きますなー!」
真美「まったく、極楽ですな!」
貴音「黒烏龍茶は摂取した脂肪の吸収を抑える効果があります
大量に摂取して疾患が治るものではありません」
P 「スポンサーのトリイサンから、黒烏龍茶でした」
亜美「それじゃあ亜美達はこれで!」
真美「ばいばーい!兄ちゃん!お姫ちん!」
貴音「ゲストの双海姉妹でした」
営業時間 平日 11:00~14:30 17:00~21:00
土曜 11:00~14:00 昼営業のみ
定休日 日曜・祝日
メニュー ラーメン小:700円
ラーメン大:800円
豚増し:+100円
豚W:+200円
煮玉子:100円
特記事項:品川店にはロットと呼べるロットが無く、
お客さんが入って来次第麺を茹でる
並ぶ時間は大体1時間程度
あっさり系のらぁめんを選択する、と仰ってましたね」
P 「おぉ、そうだ
次に行く所は、俺お勧めのあっさりらぁめんだ
疲れた体に染み渡るぞ」
貴音「ふむ、薬膳らぁめんでしょうか・・・」
P 「そして、今回のゲストは、この人だ」
千早「あの・・・こんにちは、如月千早です」
貴音「はて、千早ですか」
P 「どうかしたか?」
貴音「たしか千早は、あまりらぁめんが好きではないはずでは?」
P 「そうだ
だから、今回の収録でらぁめんを好きになってもらおう、と
お節介ながら計画してみた」
千早「期待に添えるかわかりませんが・・・」
貴音「熱そうな店名ですね」
P 「そんなことないぞ、どちらかというと最高にCoolだ」
千早「・・・」
P 「なぁ、千早
千早はなんでらぁめんが嫌いなんだ?」
千早「嫌いじゃありません!
ただ、ラーメンは・・・ラーメン特有の刺激が苦手で・・・
それに、口に入ってしまえば皆一緒じゃないですか」
P 「ふむ、わかったよ、千早
まさに火頭山のらぁめんは千早にぴったりだ!」
貴音「一体どのような薬膳らぁめんが出てくるのか、興味が付きません」
千早「はぁ・・・」
P 「そうだな
一言でいうと、優しいらぁめんだ」
千早「優しいラーメン?」
P 「それ以上は言わない
実際に食べて確かめてくれ
ちなみにお勧めは塩ラーメンだ」
貴音「では、私はお勧めの塩らぁめんをお願いします」
千早「私もそれで・・・」
P 「三人塩らぁめんだな」
P 「そのようだな」
貴音「プロデューサー」
P 「なんだ?」
貴音「少々量が少なくありませんか」
千早「私からは普通ぐらいに見えるけど」
P 「つまり、そういうことです」
貴音「面妖な・・・」
P 「あんまり落胆するな、味は一級品だ
そこは残念な思いはさせないさ」
貴音「めんまにきくらげ、なるとにネギ・・・」
千早「柔らかそうなチャーシューに、一点の赤い梅干し」
貴音「これは、目にも心地よい綺麗さです
食べるのが勿体無いとは、正にこの事でしょう」
P 「だが、らぁめんは食べるものだ
千早、口にできそうか?
無理はするなよ」
千早「私、このラーメンなら・・・
四条さん、プロデューサー、私、食べてみます」
貴音「お肉は食べられなかったら頂きます」
P 「貴音、言葉の取捨選択は大事だぞ」
P 「・・・」
貴音「・・・」
千早「あれ?刺激が無い・・・」
貴音「・・・プロデューサー、私も頂いて宜しいでしょうか」
P 「いいぞ」
貴音「ひょいぱく ひょいぱく」
千早「はむ、もむもむ」
貴音「なんと!これはなんと優しい!」
千早「何これ・・・おいしいわ・・・
すごい・・・鳥肌が立ってきてる」
貴音「まったく癖が無く、豚骨であることを忘れさせるような味!
むしろそれ自体がこのらぁめんの癖なのですね!」
P 「あぁ、それが北海道初の優しいらぁめんだ」
その癖の無さを調和するように、
中央に添えられた小梅」
P 「見た目だけじゃなく、食べてもアクセントになる
まったく飽きを感じさせない、素晴らしい味だ」
千早「ごくごく・・・」
P 「千早?!
スープまで飲んだのか?!」
千早「プロデューサー・・・美味しいです
私、ラーメンは皆一緒だって思ってました
ですが、このらぁめんを食べて・・・私は・・・」
貴音「千早・・・」
P 「千早をここに呼んで良かったよ
まさか泣くほどとは、予想にもしなかったが」
千早「私、泣いてなんか・・・あれ、おかしいです・・・」
貴音「千早・・・お手洗いに参りましょう」
千早「はい、取り乱してしまい申し訳ありませんでした」
P 「いや、千早が無事ならいいんだ
千早がらぁめんを好きになってくれれば」
千早「プロデューサー・・・
一つ聞きたいのですが、あれは本当にらぁめんなのでしょうか
私が知っているらぁめんとは、似ても似つかないのですが」
P 「・・・さぁ、どうなんだろうな
貴音はどう思う?」
貴音「私は、らぁめんだと思います」
P 「そうか」
千早「あの・・・もし良ければ、また今度
火頭山に連れてって貰えますか?」
貴音「構いませんよ」
P 「あぁ、俺も問題ない」
千早「ありがとう」
P 「うーん、今回は要らないんじゃないか?」
貴音「それもそうですね」
P 「悪いが千早、持ち帰ってくれ」
千早「はい
トリイサンの黒烏龍茶、私も飲んでます!」
P 「それでは、今回のゲストは歌姫 如月千早さんでした」
貴音「またらぁめんを食べにご一緒しましょう」
千早「是非!よろしくお願いします!」
営業時間 店舗による
休業日 上に同じ
メニュー しおらーめん
みそらーめん
しょうゆらーめん
特選とろ肉らーめん
辛味噌らーめん
チャーシュー麺
各種大盛りあり
特記事項
関西よりも西には店舗は無い
海外に店舗展開をしており、外に出る日も安心
P 「おそらく、ああいうのが女性に受けるんだろう」
貴音「量もさほど多すぎず、女性向けというのが感じられました
ところで、次のらぁめんはなんでしょうか」
P 「次のらぁめんの前に、ゲストを紹介しよう
はい、どん!」
響 「はいさーい!自分、我那覇響だぞ!」
貴音「響でしたか!」
響 「貴音!会いたかったぞ!」
P 「天真爛漫沖縄元気っ子、
チャレンジ精神旺盛な我那覇響くんだ」
響 「そうだぞ!チャレンジ精神の塊だぞ!」
P 「はい、というわけで、今回は蒙古タンメン中卒にお邪魔しています」
貴音「蒙古たんめん?らぁめんでは無いのですか」
P 「らぁめんみたいなもんだと思う
というか多分らぁめんだ」
響 「ただのらぁめんなのか?」
P 「響を呼んだって事は、ただのらぁめんじゃあ無いんだ」
響 「へ?」
P 「なんていうか、辛い」
貴音「プロデューサー、”からい”か”つらい”かわかりません」
P 「両方だ 便利な言葉だよな」
響 「なんくるないさー!自分、ダンスやってるからな!」
貴音「ふふ、頼もしいですね」
P 「その言葉を待っていた!
突発!響チャレンジ!他局編!」
響 「うおー!チャレンジか!燃えてきたぞー!」
P 「中卒はらぁめんの種類によって、0辛~10辛まであるんだ
ちなみに辛いのが苦手な人は、辛さ控えめを選択出来るぞ」
響 「自分10辛だな!楽しみだぞ!」
貴音「響が楽しそうで何よりです」
響 「これは、つけ麺?」
P 「そうだ、多少冷えてるから、辛さは多少抑えられるだろう
ちなみに暖かいらぁめんで一番辛いのは、9辛の北極らぁめんだ」
貴音「私は、あまり辛いものに慣れていませんので、
ここは蒙古タンメンを頂きましょう」
P 「お、さすが貴音だな
初めての人はそれが一番だ」
貴音「らぁめん選びは慣れておりますので」
P 「ところで響、いい忘れてたんだが・・・
冷やし味噌らぁめんな、辛さ5倍に出来るんだよ」
響 「ひっ!」
P 「無理にとは言わないが・・・チャレンジするか?」
響 「うぅ・・・す、するぞ!自分完璧だから、
10辛の5倍でもなんくるないさー!」
P 「じゃあ俺は、普通の冷やし味噌らぁめんでも頼んでおくか」
参考画像
響 「うわー、辛そうだな」
P 「うむ、実際に辛い
だが、その辛さも二度三度と通ううちにやみつきになってくるぞ
お、俺のも来たみたいだ」
参考画像
響 「・・・赤いぞ」
貴音「赤いですね」
P 「赤いな・・・おっと、響のも来たみたいだ」
参考画像
響 「何なのだ、これは!どうすればいいのだ?!」
どうあがいても、しょせん地獄よ」
貴音「私は響を信じております」
響 「いや、これは・・・」
貴音「私の蒙古タンメンは、確かに辛いですが
それだけではない、爽やかさも含んでおります
きっとそのどろっとした何かも、爽やかさがあるでしょう」
P 「まぁ一口だけでも食べてみろって
意外といけるかもしれんぞ?」
響 「うぅ・・・一口だけだぞ・・・」パク
響 「うぎゃー!」
P 「まぁそうなるわな」
貴音「響!気を確かに!」
P 「ほら、響!ヨーグルトだ!食べろ!」
貴音「ヨーグルトは辛味を感じる味蕾を保護し、
辛味を抑える効果があります」
響 「ぎゃー!ぎゃー!」
------
響 「はぁ、はぁ・・・疲れたぞ」
P 「いくら辛いからって、暴れすぎじゃないか」
響 「ごめんだぞ、プロデューサー」
貴音「その赤い謎の液体はどう処理致しましょう」
P 「残すのは忍びない・・・よし、俺が食べよう
幸いヨーグルトはたくさん用意した
代わりに、響はこの普通の冷やし味噌らぁめんを食べてくれ」
響 「わ、わかったぞ!それぐらいなら!」
貴音「はて・・・」
響 「ちゅるちゅる・・・けほっけほっ」
貴音「ひょいぱく ひょいぱく」
P 「響、汗がすごいぞ 大丈夫か?」
響 「プロデューサーこそ・・・
あれ?全然汗かいてないな」
P 「おそらく、限界を突破すると・・・
汗は・・・
出ない」
貴音「真、美味でした」
響 「うぅ、貴音は食べるの早いぞ」
P 「慣れた」
響 「無いぞ」
貴音「その気持ち、よくわかります」
響 「しいて言うなら、らぁめんじゃないぞ!」
貴音「私の食べた蒙古タンメンは、
辛さと味のバランスがしっかりしており
決して普通のらぁめんに引けを取るようなものではありませんでした」
P 「今回は選んだらぁめんが悪かったな」
響 「今度は、チャレンジ無しで普通のを食べたいぞー!」
P 「そうだな、今度は3辛でも食べよう」
響 「うぅ、ありがたいけど・・・」
P 「多分、飲んだら、死ぬ」
貴音「ふむ、それほどまでに辛さが」
P 「トリイサンには悪いけれど、
黒烏龍茶は自宅に持って帰って飲ませて頂きます!」
響 「食後に一本!黒烏龍茶だぞ!」
貴音「以上、今回のゲストの、我那覇響さんでした」
響 「またやーさい!」
営業時間 店舗によって異なる
定休日 店舗によって異なる
メニュー (一部抜粋)
味噌タンメン:750円 辛さ3 ほぼ辛くない
蒙古タンメン:770円 辛さ5 味噌タンメンに麻婆豆腐が出会った
北極ラーメン:800円 辛さ9 温かいラーメンの中ではもっとも辛い
冷やし味噌ラーメン:770円 辛さ10 もはやラーメンではない
蒙古丼:800円 辛さ5 蒙古タンメンの上の具を、ご飯に乗っけてみました
特記事項:辛いメニューを食べた後は、お腹の調子及び
トイレに注意
いかがでしたか?響」
響 「もう辛いのはこりごりだぞ!」
貴音「プロデューサーは、あまりにも辛い物を食べ過ぎた影響で
倒れました」
響 「犠牲になったのだ!」
貴音「本日は二十郎、火頭山、蒙古タンメン中卒と回りましたが、
それぞれが別の方向を目指す、どれもまったく似ていないらぁめんでした」
響 「もう突き抜けちゃってるさー!」
貴音「次回は一体どのような出逢いがあるのでしょうか」
響 「プロデューサーから伝言だぞ!
次回は変わり種のらぁめんを用意しておく、って!」
貴音「はて、変わり種とはなんでしょうか
それでは、次回も新しい出逢いがあると信じて、今週は一旦お別れです」
遠慮しないでこの番号まで連絡くれよな!」
貴音「めぇる、お電話、お葉書でのご連絡等お待ちしております」
響 「最終回は、来週の月曜日、19:00から、同じチャンネルで放映するぞ!」
貴音「皆様、宜しければ来週もお付き合い下さいませ」
響 「それじゃ、貴音と響のらぁめん探訪!」
貴音「また来週、お会い致しましょう」
監督「はい、かぁーっと!」
いい絵が撮れたってもんだ!」
響 「へへっ、自分完璧だから、あれぐらいなんくるないさー!」
貴音「監督、ところでプロデューサーの様態は、いかがでしょうか」
監督「それに関してなんだが
今一番つらい状況らしい
オレっちには何も出来ないが、
峠を超えるまで、せめて見守ってやってくれや」
貴音「はい、わかりました」
響 「うぅ、プロデューサー!頑張るんだぞー!」
P 「お腹が・・・うぐぉっ?!
痛た・・・あぎぃっ?!」
律子「プロデューサー殿?お荷物ですよー」
P 「出会い頭にひどくないか?」
律子「いえ、プロデューサー殿宛にお荷物が届いたんですよ」
P 「なんだろう・・・はぁ?ヨーグルト?」
律子「この前放送した時に食べてたヨーグルト、
あれ雹印のヨーグルトだったみたいで、
あの放送の影響でちょっとしたヨーグルトブーム見たいですよ」
P 「まじか・・・
なぁ、黒烏龍茶は来てないのか?」
律子「あんまり横着してるといけませんよ?
ちなみに、黒烏龍茶は貴音が持って行きました」
P 「なんと!」
?「ふっふっふ・・・はーっはっはっは!
ついに!ついに見つけたぞ765プロ!」
冬馬「急に帰ってきたと思ったら、テンション高いな」
?「なんだ、羅刹ではないか」
冬馬「羅刹じゃねーってーの!
それよりも、ジュピターでラーメン食ってきたぜ」
?「つまらん、そんなことか
それよりも、もっと面白い情報があるぞ
なんと、あの憎き765プロのプロデューサーが、
逢引している現場を発見したのだ!」
冬馬「はぁ?!おいおい、あの鈍感野郎が逢引?!」
?「セレブである私に不可能はない
そして今日から、事務所付きのパパラッチを仕向ける
さて、何日で765プロの化けの皮が剥がれるかな?
はーっはっはっは!はーっはっはっはっはは!」
真 「おはようございます!!!」
P 「おはよう!真!」
真 「おっ、今日は元気いいですね!」
P 「なんか運動し始めてから、最近目覚めがいいんだ
これも真のお陰だな」
真 「そうですよ!
運動すれば落ち込んだ気分も直るし、
ダイエットにも効果的なんです!」
P 「よし、じゃあ今日も気合いれて走るか!」
真 「そうですね・・・プロデューサーも最近体力ついてきたし、
折角だからスポーツとかしませんか?」
P 「そうだな・・・お、あんな所にテニスコートがあるぞ」
真 「プロデューサー・・・ボクにテニスを挑むなんて、勇気がありますね
ボクは一時期テニスのプリンスって言われてたんですよ!」
P 「それはよかった、初心者同士で打ち合いしなくて済むんだからな」
真 「へへっ、覚悟してくださいねっ!プロデューサー!」
貴音「貴音と」
P 「プロデューサーの」
P・貴音「らぁめん探訪!」
貴音「皆様、ごきげんよう
四条貴音でございます」
P 「貴音のプロデューサーです」
律子「皆さんこんにちは
竜宮小町のプロデューサーにして元アイドル、
765プロ一の論理派、秋月律子です」
貴音「本日は神奈川県、鶴見で収録しております」
律子「で、プロデューサー殿?
なんでアイドルでも無い私が呼ばれたんですか?」
P 「んなもん、監督に聞いてくれ
なんでも元ファンだったとか」
貴音「もしかして、そのためにこの企画をOKしたんじゃ・・・」
P 「さぁ、細かい所は気にしないで行ってみよう!」
律子「確か、味噌野菜らーめんね
って、それを聞いてくるってことは、
もしかして味噌野菜ラーメン系のお店ってこと?」
P 「あぁ、二十郎だ」
律子「二十郎ですかー
あそこは味噌こそ無いけど野菜がたっぷり入ってて、
味噌野菜ラーメンに通じるものが
ってこらぁっ!」
貴音「これが本場ののりつっこみ、ですね」
P 「あぁ、覚えておけよ
後で必要になるかもしれん」
律子「そんな必要後にも先にもありません!
ほらさっさと!今日の取材場所に連れてって下さい!」
律子「とんでもない所で営業してるわねー
周りは道路で、人なんて集まりそうにも無いじゃない
飲食店は、人通りが多い所で営業するのが鉄則よ」
貴音「確かに律子嬢の言う通りです
しかし、二十郎はただの飲食店ではありません!」
律子「どういうこと?」
P 「二十郎にはな、遠くからでも人がやってくるような
魔力がこめられているんだ
人が居るから二十郎があるんじゃない
二郎があるから、行列が出来るんだ!」
律子「なるほど、確かに予想に反して人が居るわね
つまり、二十郎はそこに存在するだけで
ランドマークとなり得る、という事かしら」
貴音「私達も、いつかはそのような存在になりたいですね」
P 「あぁ、俺たちにならなれるさ・・・」
律子「二人共・・・微力ながら、私も協力するわ」
貴音「・・・せーの」
P・律子・貴音「アイドルマスター!」
貴音「私は大豚Wでお願いします」
P 「うーん、実はここでは大豚Wはお勧め出来ない」
貴音「なんと!」
律子「何か理由があるんですか?」
P 「そうだな・・・折角だ、頼んでみるか?貴音」
貴音「はて、なぜ私が選ばれたのでしょう」
律子「折角だから、3人で大豚Wとやらを頼みましょうよ」
P 「何が折角なんだよ・・・」
P 「良い所に気づいたな、貴音」
律子「なになに?ヤサイマシマシはご遠慮下さい?」
P 「そうだ、鶴見店では、ヤサイマシマシは出来ない
ヤサイマシはかろうじて可能だ」
貴音「はて、何か理由があるのでしょうか」
P 「基本、ヤサイというのは無料トッピングだからな
無料トッピングを頼まれれば頼まれる程、経営は苦しくなる」
律子「それでも、もやしなんて安いですから
マシマシでもいい気はしますけど」
P 「鶴見店はな、もやしとキャベツの割合が3対7なんだ」
貴音「なんと!7対3ではなく!」
P 「あぁ、キャベツのほうが多い」
貴音「それはなんと・・・早く食べたくなって参りました!」
貴音「ヤサイマシアブラ」
店主「中の方」
律子「にんにくでお願いします」
店主「左の方」
P 「ニンニクマシ」
P 「なんだ、律子コール出来るんじゃないか」
律子「えぇ、無様な姿を見せないよう、練習してきましたから」
貴音「ところで、プロデューサーはなぜヤサイマシにしなかったのですか」
P 「そろそろわかるよ」
P 「皆、立て」
律子「えっ、はい」
P 「立った状態で、器を手前に移動するんだ」
貴音「プロデューサー、異常事態です
すぅぷが今にも溢れそうです」
律子「むしろ、もう溢れてない?」
P 「そういうもんだ
しょうがない、手本を見せよう
まず、器を指先だけを使って持つ
あ、熱っ」
律子「あれは、どうやっても溢れるわよ」
P 「ふー、なんとか手前に置けたな」
貴音「プロデューサー!すぅぷがどんどんこぼれていきます!」
P 「あぁ、なぜか鶴見店は机が傾いている
ついでに、椅子も急に傾いて壊れるときがあるぞ」
P 「あぁ、だから立てって言ったんだ
こういう時はだな・・・
机の上の布巾で、堤防を作る!」
貴音「面妖な」
P 「これをしばらくしていれば、スープの溢れは止まり
落ち着いて食べれるようになる」
貴音「律子嬢、私共も行なってみましょう」
律子「えぇ、プロデューサー殿ばっかりに格好いい所は見せられないわ!」
P 「ちなみにこぼれたスープは左に流れるから、
つまり全部俺の方に来るわけだ」
貴音「面妖なっ!布巾が油まみれなどとっ!」
P 「俺は、鶴見店の布巾が油でギトギトじゃない時を知らない」
P 「らぁめん小を選ぶ、豚増しをしない、
この2つのうち、どちらかをすればスープ溢れは起こらないんだ」
貴音「小を選ぶと、器が小さくなって逆に溢れやすくなるのでは?」
P 「残念だが、鶴見店には器は一種類しか無いんだ」
律子「つまり、大を選んでも器の大きさは変わらないから・・・」
P 「そう、キャパシティを超えて溢れやすくなる」
貴音「食い意地が張っていると、大変な目に合うということですか」
P 「実際そうだから困る」
P 「あぁ、だがこういうアトラクションをやらせる為だけに
鶴見店を選んだんじゃないぞ」
貴音「なるほど、プロデューサーは鶴見店の味に自信を持っているのですね」
P 「そういうこった
まぁ落ち着いて食べてくれ」
律子「ぱくぱく ちゅるる」
貴音「ひょいぱく ひょいぱく」
P 「どうだ?」
律子「想像していた二十郎の味とは違くて
柔らかい美味しい味です」
貴音「味だけならば、大宮の
神二十郎の時にも引けを取らないと思います」
P 「だろう、なぜか味は美味い
乳化してるからか?それはよくわからんが」
貴音「後は麺がもう少々固ければ、最高の二十郎です」
律子「私はこれで満足だわ、麺の固さもちょうどいいもの」
律子「最初のぐだぐだから始まった時は
どうなることかと思いましたけど、
美味しいらぁめんにありつけてそこは良かった
ただ、スープが溢れるのとギトギトの布巾はダメダメですね
そこを何とかしたら、もっと繁盛店になるのに、勿体無い」
P 「確かに、鶴見に来た人は皆が思うことだよな」
貴音「味は真、美味ですが」
律子「二十郎というブランド力と、このらぁめんの味があるから
お客様は来ています
器や布巾がギトギトなのは瑣末な問題なのかもしれないですね」
P 「だが、それを味わった客が不快に思うのもまた事実だ」
貴音「美味なるらぁめんを頂いた後は、快く帰宅したいものです」
律子「ところでプロデューサー殿?
どこかに水道無いかしら」
P 「外にセブンイレブンがあるから、
お手洗いを借りて来たらいいと思うぞ」
律子「ありがとう」
P 「おう、ありがとう」
律子「ごくごく・・・
わ!美味しい!」
貴音「その顔を見るのも、二十郎を勧める際の楽しみの一つです」
P 「トリイサンの黒烏龍茶は二十郎にぴったりだからな」
律子「それではプロデューサー殿、貴音、本日はありがとう」
貴音「こちらこそ、ゲストに来て頂きありがたく存じます」
P 「それでは、ゲストの秋月律子さんでした」
律子「皆さん!竜宮小町、竜宮小町をどうか宜しくお願いしますねー!」
P 「プロデューサー根性に溢れてるな」
ラーメン二十郎 鶴見店
営業時間 平日 11:30~14:15 18:00~24:15
土日祝 11:30~15:00 18:00~24:15
※雨が振ると休日の可能性大
メニュー ラーメン小:600円
ラーメン小豚:700円
ラーメン小豚W:800円
ラーメン大:700円
ラーメン大豚:790円
ラーメン大豚W:900円
ビール:500円
特記事項
・一気に12人分程作る為、行列の前進が遅い
・大豚Wを頼むと、スープが溢れる可能性が高い
・ヤサイマシマシは不可(マシは可能)
貴音「はい、私達は今、栃木県宇都宮市に赴いております」
P 「まだ関東と言っても寒いな」
貴音「栃木県は盆地ですから・・・
ところで、前回プロデューサーは変わり種を用意した、と
仰っておりましたが、どのようならぁめんでしょうか」
P 「あぁ、かいつまんで言うと、見て楽しめるらぁめんだ
と、その前に、ゲストを紹介しよう
おーい」
美希「はいなのー!ハニ~♪」
監督「かぁーっと!」
美希「ミキ、何か悪いことした?」
P 「ハニーはまずい、ハニーは
スキャンダルをもみ消す!って意義もある放送で、
新たなスキャンダルなんか作ったら伝説になるぞ」
美希「伝説になるの?」
P 「いや、ならないから安心しろ
いつもどおり、プロデューサーで頼む」
美希「いつもだったら、ハニーでいいと思うな」
P 「おっけ、今だけ頑張ってプロデューサーで通してくれ」
美希「はいなのー」
P 「監督さん!こっちおっけーです!」
監督「次は気をつけろよっ!!」
貴音「はい、私達はただ今、栃木県宇都宮市に赴いております」
P 「栃木県は関東、と言っても、非常に冷えるな」
貴音「栃木県は盆地ですから・・・
ところで、前回プロデューサーは変わり種を用意した、と
伝言を残しておりましたが、どのようならぁめんなのでしょうか」
P 「かいつまんで言うとだな、見て楽しめるらぁめんだ
と、その前にゲストを紹介するぞ
おーい!」
美希「はいなの!プロデューサー!」
貴音「美希ですか
確か美希はらぁめんに興味なかったのでは?」
P 「あぁ、興味なさそうだった
だから、今回は興味が持てるようならぁめん屋を用意したぞ!」
美希「すごーい!さっすが・・・プロデューサーなの!」
P 「それも、こんな寒い日にうってつけの、な」
貴音「石焼らぁめん・・・でしょうか」
P 「そう、石焼きビビンバのらぁめん版みたいなもんだ」
美希「石焼だと、何かいいことあるの?」
P 「そうだなぁ、しいていうなら、時間がたっても
スープが熱々って事かな」
貴音「らぁめんは熱が冷めると、基本的に味が落ちます
例え食すのが遅くとも、長時間すぅぷが熱いならば
味の低下が抑えられるのですね」
P 「あぁ、それに味も美味いぞ、保証する
ただ、問題があってな・・・
いつまでも熱いから、猫舌の奴には向かないんだ
美希は猫舌じゃないよな」
美希「うん、猫舌じゃないよ」ペロッ
P 「そうか、それは良かった」
貴音「そうですね
プロデューサーのお勧めは何かございますか」
P 「お勧めはなんといっても、石焼野菜らぁめんだな
これは、醤油、塩、豚骨、味噌の4種類から選べるぞ」
美希「ミキは、この塩がいいって思うな」
貴音「では私は、豚骨を頂きましょう」
P 「それじゃあ俺は醤油だな」
貴音「面妖な・・・どこかの方言が書いてあります」
P 「栃木弁というやつだな
栃木県の南部はそれほど訛っていないんだが、
栃木県の北部に行くとはっきりわかる程なまりが出てくる」
美希「どんなことが、書いてあるの?」
P 「炎山のらぁめんを食べる手順について、だな」
美希「食べ方に手順があるなんて、なんかめんどくさいね」
P 「いやいや、それほどめんどくさくないぞ
今回は俺がレクチャーしてやるから、大船に乗ったつもりでいろ!」
貴音「えぇ、それでは宜しくお願いしますね」
美希「プロデューサー♪」
P 「俺も石焼らぁめん自体は久方ぶりだから、楽しみだな」
美希「ん?なにこれ
石鍋に麺と具材だけ入ってて、スープが入ってないの」
P 「これはな、隣にあるスープを店員さんが入れてくれるんだ
俺たちは、さっき貰った説明が書いてある紙をだな
こんな風に、鍋のちかくに立てて、
飛沫が飛んでこないようにガードする」
貴音「これで宜しいでしょうか」
P 「上出来だ」
美希「店員さん!もうスープ入れちゃっていいよ!」
貴音「では、最初は美希のらぁめんから入れて貰いましょう」
美希「ミキが最初でいいの?やったやったやったぁ!」
美希「わあっ!すごいぐつぐつっていってるの!」
貴音「これは見るからに熱そうですね・・・」
P 「熱いぞ
だから絶対に、石鍋には触れるなよ」
美希「わかったの」
貴音「店員殿、次は私のをお入れ下さい」
P 「貴音も見てて、やりたくなったか
ちなみに、スープを入れて2分ぐらい
大体ぐつぐつ言わなくなった頃が食べごろだな」
貴音「あなた様っ!面妖な!
ぐつぐつ沸騰しておりますっ!」
P 「!」
監督「(セーフセーフ)」
美希「そろそろ落ち着いてきたの」
P 「店員さん、俺のにもお願いします」
店員「はい」スー
シーン
貴音「面妖な・・・」
美希「いきなり落ち着いてるの」
P 「時々、なぜか、沸騰、しない
おそらく石鍋の温め時間が少なかったのか、
放置時間が長かったのかのどちらかだろう」
貴音「プロデューサー・・・」
P 「稀にこういうことがあるんだよな・・・
参っちゃうよなホント・・・はは」
P 「ん、ああ・・・落ち込んでる場合じゃないな
もちろん、食べていいぞ
ただ、これも食べ方があってな」
美希「食べ方とかめんどくさーい」
P 「食べ方といっても、”安全な”食べ方だ
失敗するとやけどするから気をつけろよ」
美希「はぁーい」
P 「といっても簡単だ、食べる時はこの小皿に移してから食べる
それだけだ
石鍋から直接食べると、絶対にやけどするぞ
あんなふうに」
貴音「熱っ!熱っ!」
P 「食い意地はるなってことだな
おい貴音、聞いてたか」
美希「分かったの!」
P 「それは良かった
貴音が重篤なやけどを負わなくて良かったよ」
美希「ずっと熱いままかと思ってたけど、
こうやってお皿にとって食べたら
簡単に食べやすい温度に出来るね!」
P 「そういえばそうだな、気が付かなかった
これで、2つのブレがなければ個人的に最高なんだがなぁ」
貴音「ぶれ、でございますか」
P 「あぁ、1つはさっきの石鍋の温度」
美希「意外としゅーねん深いの」
P 「もう1つは・・・肉、だ」
貴音「肉、でございますか
ぶれと申しましても、私が食した肉は
どれも美味でございましたが」
P 「味のブレじゃないんだよ・・・
数にブレがあるんだよ」
美希「へー」
P 「基本的に、一つの鍋に0~5個の肉が入っている
ちなみに俺のは、さっきから探してるんだが無いようだ」
貴音「なんと!」
美希「それは仕方ないの
運が無かったって思うな」
貴音「プロデューサー、もしかしたら醤油味には
肉が入っていないという可能性もございます」
P 「そうだな、きっとそうに違いない」
美希「きっと石鍋の中に放り込むんだと思うな」
P 「お、勘がいいな その通りだ」
貴音「白米を、らぁめんのすぅぷの中に?!」
P 「鍋をした後の、締めのおじやみたいな感じで
これはこれで結構美味いぞ!」
貴音「ふむ、らぁめんとして楽しみ、おじやとしても楽しめる
二度の楽しみが、この石焼らぁめんには詰まっているのですね」
常連はともかく一見さんからは苦情出るだろ
美希「ミキね、あんまりらぁめんには興味ないんだけど、
石焼らぁめんみたいに楽しくお喋りしながら食べるのは
悪くないって思うな
ミキ的には、また皆でらぁめんを食べに来て、
千早さんとかを驚かせたりしたい!」
P 「想像したより美希や貴音が喜んでくれたのは嬉しい誤算だったな」
貴音「味も美味でしたし、私は言うことはございません」
P 「栃木県を中心に、どんどんチェーン店を広げてる
石焼らーめん炎山、東京に進出する日も近いな」
美希「事務所の近くにできたら、一緒に行こうね!」
貴音「そうですね、美希」
美希「ありがとなの!」
P 「おう、毎度悪いな」
貴音「今回はそれほど油っこいらぁめんでは無かったので、
飲む必要性が感じられません」
P 「そんなことないぞ、らぁめんっていうのは
結構油を使ってるからな」
美希「ご飯食べたら、眠くなっちゃったの あふぅ
黒烏龍茶は起きたら飲んでいい?」
P 「おう、構わないぞ」
貴音「今回のゲストは、マイペースアイドル星井美希さんでした」
美希「トリイサン、ばいばーい!」
P 「思えば遠くまで来たもんだ」
貴音「地理的にはそこまで遠くではございません、
神奈川県は横浜西口」
P 「それでは今回のゲストは、この子だー!」
やよい「うっうー!ゲストにお誘い頂き、ありがとーございます!」
貴音「最後にやよいでしたか」
P 「あぁ、そしてやよいってことは、もう既に行く所が
バレているかもしれないな」
やよい「うー?なんですかー?」
貴音「えぇ、やよいといえば・・・あそこしかございません」
貴音「やはりこちらでしたか」
P 「ところで、先ほど紹介した石焼らーめん炎山の紹介を忘れてたんだが」
貴音「宜しいのでは?店舗によって異なる、でしょうし」
P 「そうだな」
やよい「あのー、なんで私と言ったら、このお店なんですかー?」
P 「よし、じゃあそこら辺の説明も含めて、まずは注文しようか」
貴音「一風堂は、確か豚骨らぁめんでしたね」
P 「そう、そして、味は大別して4種類
豚骨の味がシンプルな白丸元味と、
醤油と辛味噌の味が香る赤丸新味、
白丸ベースのスープに肉味噌をトッピングしたからか麺、
最後に、かさね味だ」
やよい「かさね味って、なんですかー?」
P 「なんだろうな
俺が聞いた時は、赤丸と白丸を
絶妙に調合してできたもの、と聞いたが・・・」
貴音「かさね味は、数ある一颪堂の店舗でも
銀座、町田、高崎、そしてここでしか食すことが出来ない
店舗限定の味なのです」
やよい「そうなんですかー?すごいですー!」
P 「やよいは何か食べたいの決まったか?」
やよい「そうですねー、一番安いのがいいかなーって」
やよいはかさね味でいいな」
やよい「だめですよ!プロデューサーさん!
かさね味は一番高いじゃないですか!」
P 「大丈夫だ、今回は一颪堂のご好意で、
お金はかからないことになってるんだ」
貴音「それは本当ですか?!」
P 「やよいの分だけな」
貴音「いけずです・・・」
P 「そういう訳で、やよいは遠慮せずに味わっていいんだからな」
やよい「うー、プロデューサーがそういうなら、
思いっきり味わいます!」
P 「じゃあ白、赤、かさねで注文するからぞ」
やよい「あれですかー?」
P 「そうだな
やよい、ちょっとこの箱を見てくれ」
やよい「はーい」
パカッ
やよい「こ、これは・・・!」
P 「もやしだ
食べ放題もやし、しかもロハだ」
やよい「ロハ?」
貴音「無料ということです、やよい」
やよい「本当ですかっ?!」
美味いぞー!」
貴音「さすがに全て食い荒らすのも如何かと思いますが
らぁめんが来るまでの間に食べるのが良いでしょう」
やよい「食べていいですかっ?!」
P 「食え、好きなだけ」
やよい「はむ・・・」
P 「どうしたんだ?やよい」
やよい「どんな調味料が使われてるのかなーって
わかったら、家族にも食べさせたいんです!」
P 「いつでも家族思いなんだな・・・」
貴音「私も頂きましょう」
P 「さすが早いな」
やよい「うー、まだもやしの謎が解けてませんー」
P 「貴音、そういえば言っておくことがあった」
貴音「なんでしょうか」ひょいぱく ひょいぱく カタメー
P 「替え玉は2回までな」
貴音「なんと!
それでは心ゆくまで堪能出来かねます!」
P 「こういっておかないと、貴音はいくらでも食うからな」
やよい「らぁめん・・・ずるずる
うっうー!美味しいですー!」
P 「貴音も、あんなふうに一口を楽しもう」
P 「やよい、美味しかったか」
やよい「はい!もやしも、らぁめんも、すっごい美味しかったです!」
P 「貴音も落ち込んでないでこっちこい!」
貴音「落ち込んでなぞおりません!」
P 「味はどうだった?」
貴音「えぇ、真、美味でした」
P 「やはり、一颪堂は美味いな」
貴音「えぇ、至って普通に見える豚骨らぁめん・・・
しかして、日本を飛び越えて海外まで展開しているとは」
P 「一体なにが受けて何が受けないのか」
貴音「私共には、まだ理解が足りないのかもしれませんね」
やよい「えーっと、ゲストに呼ばれて、その上
らぁめんも食べさせてもらって、嬉しいなーって!
よくある無料トッピングだと、しば漬けや紅しょうがとかが
多いんだけど、もやし、しかもちゃんと味付けしてある
おいしーいもやしを無料でおいてて、
お客様へのサービスが高いなーって思いました!」
P 「やよいの言うとおり、適当に買ってきた業務用のものではなく、
一颪堂でしか食べられないものを用意しておく、
この部分はサービスとして非常に高レベルにあるだろう」
貴音「店員の声出し等も、しっかりハキハキと喋っており、
こちらに不快感を与えず、逆に心地よい気持ちにしてくれます」
P 「日本を超えて、世界に出ていくらぁめんというのは
サービスもしっかりしているんだな」
やよい「あー!それアイドルにも同じこと言えますよねー!
歌が上手いだけじゃなくて、ファンサービスとかも出来る人が、
トップアイドルになるんだと思いますー!」
やよい「ありがとーございますー!」
P 「おう、ありがと」
やよい「これはなんですかー?」
貴音「トリイサンの黒烏龍茶ですよ、やよい」
P 「食べたものが、お肉にならないように防いでくれるんだ」
やよい「そーなんですかー?すごいですー!」
貴音「あと、これもお渡しします」
やよい「あっ、これはあの、ホットもやしソース(4本入1,680円)ですねー!」
P 「おうちに帰ったら、家族に食べさせてあげなさい」
やよい「はいー!今日は本当に、本当にありがとーございました!」
貴音「以上、高槻やよいさんでした」
やよい「視聴者の皆さんも、ありがとーございましたー!」
営業時間 店舗による
定休日 店舗による
メニュー 白丸元味
赤丸元味
からか麺
かさね味(銀座、横浜西口、町田、高崎限定)
替え玉
特記事項
ほぼ全国的に展開しており、
その県には無くとも隣の県にはあるんじゃないかというぐらい分布している
海外にも展開しており、これからの成長に期待が持てる
いかがでしたか、プロデューサー」
P 「今回の3店舗は、味、と言うよりサービスを中心に見ていったと思う」
貴音「二十郎 鶴見店、石焼らーめん炎山、一風堂・・・
さぁびすとは何か、というのを考えさせられました」
P 「この三週間で回った、10店舗・・・
二十郎 大宮・赤羽・品川・鶴見、 天上一品、 ジャンクガレージ、
火頭山、 蒙古タンメン中卒、 石焼らーめん炎山、一颪堂」
貴音「もっと回っていたと思っておりましたが、
10店舗しか回って居なかったのですね」
P 「それぞれ、良い所や欠点が目立つ所、色々あったと思う
だが、それがらぁめんだ、と俺は思う
誰から見ても、全てが完璧な、らぁめんなんて無いんだ」
貴音「今回の探訪で、そのことが良くわかりました」
P 「人の好みは千差万別、
その人にあったらぁめんが必ずあるはず」
貴音「だから、私達は探すのですね
自分に合う、究極の一杯を」
ですが、私達のらぁめん探訪は終わりません」
P 「番組の意見や感想、素晴らしいらぁめん情報等がございましたら、
以下に表示されている番号までご連絡下さい」
貴音「皆様、宜しければ私達のらぁめん探訪にお付き合い下さいませ」
P 「それでは、貴音とプロデューサーのらぁめん探訪」
貴音「またいつか、お会い致しましょう」
監督「はい、かぁーっと!」
P 「いやー、全くあの時はどうなるかと思いましたよ」
社長「またまた、キミは謙遜が上手いねー
私はキミがうまくやってくれる、そう信じてたよ」
P 「いえ、アイドルでもなんでもない私が、
アイドルと一緒にレポーターをやるなんて
一歩間違えれば炎上してましたよ?」
社長「そこなんだが・・・キミ、これを期に
俳優業なんかに手を出したり・・・なんて気はないか?」
P 「ありませんよ!
私はあくまでプロデューサーですから!
テレビに映るのは得意じゃないんですよ」
社長「そうか、それは実に残念だ」
社長「おや、律子君!慌ててどうしたんだい」
律子「それが、プロデューサー宛にファンレターが来てまして・・・」
P 「またか、今度は前回は2枚だったから、今回は4枚ぐらいか?」
律子「今度は、ダンボール3箱分です」
P 「ほぁっ?!」
社長「おおっ!それは素晴らしい!
どうだねキミ、これだけの声援があれば、
俳優、いや、アイドルにすらなれるとは思わないか?」
P 「いやいや、無いですって!
気の迷い、若気の至りですっ!」
社長「ううむ、残念だが・・・
キミさえ良ければ、いつでも席は開いているんだよ
そこを、忘れないでくれたまえ」
社長「音無君!音無君まで一体どうしたんだね?」
小鳥「そ、それが、社長
こんな動画が炎上してまして・・・」
P 「・・・おい、これは
俺と真がテニスしてる動画じゃないか!」
律子「なんかデ・ジャ・ヴュを感じます」
小鳥「この動画のせいで、真ちゃんとプロデューサーさんが
デートしているように勘違いされますね」
P 「くっ・・・961プロめ・・・!」
社長「・・・おおっ!ピンと来た!」
P 「本当ですか?!」
社長「あぁ、いい案を思いついたよ
プロデューサーとのデート疑惑を払拭しつつ、
真君がスポーツをすることで宣伝をする、一石二鳥の案がね」
--終わり--
貴音「あなた様・・・一体このような所で、何をなさるのでしょうか」
P 「仕事とか関係無しに、貴音とらぁめんが食べたくなった
それだけだ」
貴音「ふふ、私もあなた様とらぁめんが食べとうございます」
P 「先に断っておくがこれはただのわがままだ
ただの自己満足だし、決して面白い話を書こう等とは思っていない
エピローグは無事に終わった
それでもいい、俺のわがままについてきてくれるというなら、
・・・ついてきてくれないか」
貴音「・・・わかりました」
P 「・・・」
貴音「あなた様、こちらの方面は、もしや
一颪堂への道ではございませんか」
P 「よく覚えてるな
だが、目的地は一颪堂じゃあないんだ」
貴音「ふむ、他のらぁめん屋でしょうか」
P 「・・・月が見えないな」
貴音「横浜ですから」
P 「あぁ、一颪堂の道路を挟んで向かい側にあるらぁめん屋
とんこつらぁめんの、よかとこ」
貴音「・・・」
P 「聞いたことないだろう
チェーン店でもないし、有名でも無いしな」
貴音「この水車は、何に使う物なのでしょうか」
P 「さぁ、俺も動いている所を見たことはない」
貴音「本日もそれを食されるのですか」
P 「そのつもりだよ」
貴音「では、私も同じ物を頂きとうございます」
P 「ここのつけ麺はな、つけ汁が二種類出てくるんだ
たしか豚骨醤油味と、塩味の二種類だった」
貴音「ここには結構いらっしゃったんですか」
P 「前の会社の時に、何度も通ったよ」
貴音「それでは、ここのらぁめんも期待が持てる、という事でしょうか」
P 「わからない」
500円で醤油とんこつらぁめんと半チャーハンが食べられたんだ
美味しかった」
貴音「・・・」
P 「よかとこには、何度も通った
雨の日も、風の日も、
会社でミスして落ち込んでいるときも、
プロジェクトが順調に進んでいるときも、
いつだってよかとこに通った」
貴音「なるほど・・・
この店の味が、あなた様にとっては
究極の味、という事なのですね」
P 「さすが貴音だな、なんでもお見通しだ」
貴音「あなた様にとっては究極の味ですが、
他の人にとっては一般的な味かもしれない」
P 「そう、だな」
P 「さぁ・・・今の貴音なら、
その理由もわかると思ったんだがな」
貴音「私は、あなた様の口から聞きたいのです」
P 「・・・俺が究極の味だ、と思ったらぁめんを、
貴音にも食べて貰いたい
ただ、それだけだ」
貴音「はい、ただそれだけで、私は嬉しゅうございます」
P 「貴音・・・ありがとう」
P 「あぁ、醤油とんこつと、塩の二種類のスープ」
貴音「いただきます」
・・・
貴音「醤油とんこつは、麺と絡んで濃厚な味が出ています
毎日通うのも、頷ける味でございますね」
P 「そうだったな・・・」
貴音「塩は・・・醤油とんこつの後に食したからか、
口に残っている味にかき消され、
大した味を感じられません」
P 「・・・」
貴音「あなた様の事ですから、醤油とんこつのつけ汁ばかりを
お召し上がりになっていたのでしょう?」
P 「はは、やっぱり貴音には隠し事は出来ないな」
貴音「確かに、これは美味です
これが、あなた様の究極の味なのですね」
貴音「あなた様が思う究極の味、それ自体は理解致しました
しかし、私の思う究極の味のそれとは、また別物でありました」
P 「・・・そうか」
貴音「以上です」
P 「やっぱり、貴音と一緒に食べるらぁめんは格別だな」
貴音「はい、私も、あなた様と食すらぁめんは別格でございます」
P 「ふー、やっぱり夜は冷えるな」
貴音「もう秋でございますから」
P 「今日、俺の究極の味を貴音に食べてもらって、すっきりしたよ」
貴音「左様でございますか」
P 「あぁ・・・貴音、今日は本当にありがとう」
貴音「いえ、礼には及びません・・・
そうですね、私からもお願いがあるのですが、宜しいでしょうか」
P 「貴音からのお願いか・・・なんだ?」
貴音「あなた様は究極の味に出会えた・・・
ですが、私はまだ究極の味に出会えてません
そして、ここ数日あなた様とらぁめんを食し、
私は確信致しました
究極の味を知りつつも、
様々ならぁめんを追い求めるあなた様といれば、
私の追い求める究極のらぁめんに出会える、と
あなた様のご迷惑でなければ、
私が究極の味に出会えるまで、
共に、歩んで、頂けませんでしょうか」
まさか24時間まるっとかかるとは思いませんでした
貴音×らぁめんの構想を考えた時点で、
蛇足を書くことは決定していました
あくまで私の自己満足です
私の愛したよかとこは、2010年の今頃、廃業致しました
ちょっと出てないキャラがいたのが残念だけど面白かったよ
好きな店が廃業はせつないよな・・・
Entry ⇒ 2012.10.18 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
伊織「サイドストーリー」
伊織「ま、私にかかればこんなの通過点に過ぎなかったわけだけど」
伊織「一歩間違えれば……って、私らしくもないわね」
伊織「そうよなるべくしてこうなったんだもの」
伊織「でも、それはそれで、違った方向に進んでたら?」
伊織「……案外面白そうね」
伊織「例えば……」
>>5
安価はアイマスSSのスレタイ形式で
例)P「伊織が原発作業員に?」、貴音「らぁめんなんてもう見たくもありません」など
DS組はプレイ中なので非推奨 モバは専門外
10~20レス程度でまとめて行く予定 書く側をやりたい人歓迎
スレタイにあるので最初の話にはできるだけ伊織を絡めていく予定
美希「デコちゃんおはようなのー」
伊織「だからデコちゃん言うな!」
亜美「あ、いおりん……デコちゃんおはー!」
伊織「言い直すな!……あんたたちだけ?」
美希「そうみたい」
伊織「そう、珍しいこともあるのね……というか暑いわねぇ……」
亜美「あー確かに。もう10月なのにたまに暑くて、洋服困るんだよねー」
伊織「それもあるけど汗がもう最悪。はぁ、シャワー入ったばっかりなのに……」
美希「あはっ!デコちゃんのデコ、光ってるの!」
伊織「は、はぁ!?美希アンタいい加減にしなさいよ?」
亜美「えーでも光ってるしー」
伊織「し、仕方ないでしょ!暑いのよこの事務所!冷房……と言うか扇風機か何か……」
亜美「あ、はるるんおっはー」
伊織「ちょうど今扇風機を出したところよ」
春香「あ、伊織おはよう!こんな時期に、って思っても暑いときはこれだよね!」
亜美「そんじゃ、スイッチオーン!」
伊織「ちょ、ちょっと待ちなさい!」
亜美「え?なんで?」
伊織「あ、そ、その……ほ、ホコリが舞うでしょう?軽くホコリをとってからじゃないと」
亜美「あ、そっか。流石いおりんじゃなかった、デコちゃん」
伊織「……亜美?」
亜美「あ、あははー……冗談っしょー!」
春香「でも、私はいいと思うけどな~伊織のおでこ」
伊織「は、春香!?」
美希「うん、ミキも別に変な意味で言ってるわけじゃないの。デコちゃんのチャームポイントだって思うな」
伊織「……そ、そうかしら」
春香「あ、亜美……それはいくらなんでも……」
亜美「もー冗談だってばー!」
伊織「アンタのは冗談に聞こえないのよ……」
亜美「でもさ、髪が薄くてひらひらーっていうので笑い取ってる人もいるじゃん?」
伊織「私は芸人か何かか!」
美希「デコちゃんはツッコミでいけるのー」
伊織「あ、アンタまで……」
春香「あ、あはは……」
亜美「よっし!こんなもっしょ!セットしてー……スイッチオーン!」
春香「あー……涼しいね~、でも夏の時とはちょっと違う感じ」
美希「気持ちいの……あふぅ……」
伊織「やっぱりいいわねぇ……」
亜美「……隙あり!!」
ブォン!
伊織「ちょ、亜美?きゃぁ!」
伊織「や、やめなさいよ!か、髪が乱れるじゃない!」
亜美「そりゃそりゃ!次ははるるんじゃー!」
春香「きゃっ!ちょ、ちょっと亜美!」
亜美「続いてミキミキ!」
美希「あ゛~~~ふ~~~」
伊織「亜美!いい加減に!」
亜美「もー!そんなに怒ってばっかりだと禿ちゃうぞ!」
伊織「ばっ!だ、誰が!」
亜美「なんてジョーダン!アメリカンジョーダンだよー!」
伊織「……もう突っ込むのも飽きたわ」
亜美「ってわけで最終兵器、最強の風をくらえーー!!!」
伊織「え?や、やめっ……!!」
ヒラッ
春香「い、おり……?」
美希「デコ……ちゃんの髪が……落ちたの」
亜美「あ、あれ?亜美、やりすぎちった?」
伊織「……」
スッ
春香「……これって、さ」
亜美「……」
美希「……」
伊織「ズラ……」
春香「伊織……」
亜美「いおりん……?」
美希「デコちゃんが……ハゲちゃんだったの……」
伊織「い、いやあああああああ!!!」
春香「おはよう伊織!」
亜美「いおりん!待ってました!」
美希「あはっ!デ……伊織遅いの!」
伊織「あはは!ちょーっと髪の手入れをしてたら遅くなっちゃって」
春香「あはは!伊織らしくないなー!」
亜美「もー!そんなにおめかしして!まさか、誰かとお出かけ?」
伊織「バカ!そんなんじゃないわよ!女の身だしなみでしょ?髪は女の命なんだから!」
美希「伊織は綺麗だから、そんな必要ないって思うな!」
伊織「あはは、美希はお世辞がうまいわね!でもありがたくうけとっておくわね!」
亜美「でもでも、中途半端にあるよりは全くない方が手入れってしやすそうだよね!……あ、あれ?」
シーン
亜美「あ……いや……」
春香「……はぁ」
美希「空気が読めない子なの……」
亜美「あ、あはは……いおりん超綺麗!髪ふっさふさ!」
伊織「」ニコニコ
亜美「や、やだよぉ……ね、いおりん?お願い、違うの!さっきのは本当に!褒めてたの!」
伊織「」ニコニコ
亜美「やだやだやだ!!はるるん!ミキミキ!助けてよぉ!!」
伊織「よかったわね、亜美」
亜美「……え?」
伊織「ズラって高いのよ?」
イヤアアアアアアアアア
春香「……」
美希「あふぅ……」
美希「だ、だめなの春香!笑ったりしたらふふっ!」
伊織「亜美、大丈夫よ」
亜美「もうダメだよぉ……双子の髪が無い方って呼ばれるようになっちゃうよぉ……」
伊織「聞いて、亜美。毛と言うものは外部からの侵入や外傷を防ぐためのガードマンの役割を持っているわ」
伊織「でも、人間はそれを最低限に抑えることができる、それはそれ以外の方法で対応することができたり、傷つくことがなかったりするから」
伊織「つまりね、毛が無い方が優秀な人間なのよ?ほら、私を見て?」
亜美「い、いおりん……うん、本当、いおりんが神様に見えるよ……後光が見える……」
美希「ぶふっ!」
春香「……」
美希「はっ!……コホン、なの」
伊織「だから、元気を出して?そうね、これから言われるとしたら”より進化した方の双子”って呼ばれるわよきっと」
亜美「そっか、それなら……いいかな……ぐすっ」
伊織「ふふっ、泣くほど嬉しいのね?無理もないわ、この領域に達するには勇気が必要だもの。……それと、美希?」ニコッ
美希「なのっ!?」
美希「死ぬの……こんなのもう生きていけないの……」
伊織「待って、美希。……これは聞いた話なんだけれど」
美希「もういいの……こんなんじゃ、何もキラキラできないの……あ、キラキラはしてるの。あはっ、あはは……」
伊織「プロデューサー、ハゲが好きみたいよ」
美希「うん!ミキもっともっとキラキラしてみせるの!というかハニーはそれが目的だったの!」
春香「……」
伊織「春香は、いいのかしら?」
春香「う、うん!すっごくうらやましいけど、遠慮しとくね!」
伊織「……」
春香「だ、大丈夫!私ドジだから、まだ髪生やしていたい派というかさ!ね?」
伊織「わかったわ……でも、気が向いたらいつでも言ってちょうだい?」
春香「わ、わかったよ!ありがとう!」
春香「……この扇風機が、元凶なのかな」
春香「い、伊織!?」
伊織「大丈夫よ、何かしようってわけじゃないの」
春香「……一つ、聞いていいかな」
伊織「何かしら」
春香「……」
伊織「いいのよ、もう今更だもの」
春香「その、さ……あれは、ズラだったのかな?扇風機で抜け落ちたわけじゃないんだよね?」
伊織「……ふふっ」
春香「い、伊織?」
伊織「デコが広い、って。それだけで生え際が後退してるって、思ってた?」
春香「い、いやそんな」
伊織「だからズラをして?あははっ、そんなのバカらしいわよ。だって、生やすならもう少しバサッ!っとやると思わない?」
春香「あ、そ、そうだよね!あはは!」
伊織「普通はね」
春香「あ、えっと……」
伊織「それで、ズラにしたの。わかる?」
春香「い、いやその……」
伊織「あのあふぅあふぅ言ってるやつにデコデコ言われる気持ちがわかる!?」
春香「あ……」
伊織「私は好きでデコったわけじゃないの!だから決めたのよ、アンタのためじゃない。私は自分の意思でデコったって」
春香「……」
伊織「だから、美希がデコデコ言うのは偽物。もうあのデコは消したもの。私はデコじゃない、ハゲ」
伊織「それで?あの扇風機で飛んだらハゲって……お笑いよね」
春香「も、もう何がなんだか……と、とにかく落ち着いて……」
伊織「……ごめんなさい。ちょっと、取り乱してしまったわね」
春香「ううん、仕方ないよ。だって、あんなことが起こったあと、あんなことが起こったんだもん」
伊織「……それじゃ、覚悟はできてるってことでいいのかしら」
春香「……もう、いいや。いいよ、私もデコるよ」
雪歩「誰もいない、のかな……」
伊織「あら、おはよう」
真「あ、なんだいるんだ伊織おはよう」
雪歩「伊織ちゃん、おはよう」
伊織「……」
真「伊織?」
伊織「……ね、真」
真「?」
伊織「きゃぴぴぴぴーん!!デコちゃんなりよー!!」
真「ブフッ」
伊織「……残念。デコってお終い」
真「え?な、何?」
春香&美希&亜美「アイアイサー」
毛のないアイドルという斬新なキャッチコピー、髪をバッサリ切ってスキンヘッドにすることを”デコる”と形容した伊織の影響で
若者たちの中で爆発的にヘアスタイルとしての”ハゲ”が流行となり、永久脱毛するものまで現れたという
もちろん元から髪が心許なかった世代にとってこれ以上ないチャンスということもあり
765プロは老若男女、人種を超え世界中から評価され、デコるは流行語大賞となり、ハゲを流行らせたということで伊織はギネスに認定された
なんでも巷では”髪様”だとか”凸神”とか言われているそうな
さて伝説となった765プロはというと……
伊織「みんな、仕事に行っちゃったわね」
伊織「少し、やりすぎちゃったみたい。私は有名すぎてなかなか仕事が回ってこないけど、お金はもう十分」
伊織「髪がこんなにも大切なものだったなんて、思いもしなかったわ」
伊織「でもね、これだけは言わせてほしい」
伊織「デコることは簡単、選んで髪をはやすのは難しいの」
伊織「今じゃそんな常識通用しないけれど、なんとなく言ってみたかっただけ」
伊織「……あら、そろそろ私も時間ね」
伊織「伊織の別にアンタ達のためにデコったんじゃないんだからね!の収録だわ」
伊織「何よ、そんな顔して。え?丸くなったって?うるさいわよ!……でも、確かにそうかもね」
伊織「……それじゃ、また会いましょうか。それまでにデコっておかなきゃ、ただじゃおかないんだから!にひひっ♪」 終わり
次>>43
やよい「なんでもかんでももやしで解決!粗食少女マジカルやよい!ただいまさんじょーです!!」
あずさ「あ、あら?やよいちゃん?」
やよい「違います!マジカルやよいです!あずささん、何か困ってるんですか!」
あずさ「あ、実はまた道に迷っちゃって……生憎今日は携帯を持ってきてなくって、それほど遠くないからいいんだけれど困ったわぁ……」
やよい「……うっうー!!」
P「説明しよう!マジカルやよいはひらめいたとき右手を高く掲げうっうー!と叫ぶのだ!」
やよい「あずささん!こっちを見てください!」
あずさ「あら?何か落ちて……もやし?」
やよい「はい!こんなこともあろうかともやしを落としながら着たんですよ!」
あずさ「あら、ということは帰れるわね!」
やよい「はい!」
あずさ「あ、あれ?でもやよいちゃん?」
やよい「マジカルやよいです!」
やよい「それはそうですよ!本当に落としながらくるわけないじゃないですか!もったいないです!」
あずさ「え、えぇ……?そ、それじゃどうやって……」
やよい「ふっふっふー……ここからがマジカルやよいの力です!おうぎ!もやしりめんばー!」
P「説明しよう!もやしりめんばーとは、対象物にもやしの幻覚を施し、それを記憶しておくことで事柄やその状況を記憶しておくことができるのだ!」
やよい「なのでこの道にはもうもやしがいっぱいに見えてますよー!」
あずさ「そ、そうなの……?」
やよい「こっちですよー!」
あずさ「ほ、本当に帰ってこれちゃったわね……でも服からなんとなくもやしのにおいがしてるのは気のせいかしら……」
やよい「それじゃ私はこれで!」
あずさ「ありがとうね、やよいちゃん?」
やよい「マジカルやよいです!あ、もやし返してください!」
あずさ「あ、え、えぇ……」
やよい「それじゃ、最後に手を出して~……ハイターッチ!カイケツ完了!」
やよい「なんでもかんでももやしで解決!粗食少女マジカルやよい!ただいまさんじょー!」
貴音「おや、やよいではありませんか」
やよい「違います!私はマジカルやよいです!」
貴音「まじかる……?」
やよい「それより貴音さん!何か困ってるんですか?」
貴音「あ、そうなのです。実は今日行く予定だったらぁめん屋が休日ということでしまっていたのです」
やよい「他のところで食べればいいんじゃないですか?」
貴音「そんなこと!この店のらぁめんに対する冒涜でしょう!……とはいうものの腹の音は収まってはくれず、途方に暮れていたところです」
やよい「うー……難しいですー……! うっうー!!」
貴音「や、やよい?」
やよい「任せてください!そのお店はどこにありますか?」
貴音「えぇ、と少々歩きますがよろしいのですか?閉まっているのですよ?」
やよい「大丈夫です!」
やよい「ふむふむ……やっぱり少し残ってます!それじゃ見せてあげます、私の力!」
貴音「一体何を……」
やよい「おうぎ!もやしめいきんぐ!」
P「説明しよう!もやしめいきんぐとはもやしの色や味、匂いを変化させることでまるでそのものがあるかのように思わせることができるのだ!」
やよい「私は食べ物のにおいをだいたいわかります!……はっ!……で、できました貴音さん!」
貴音「これは……もやし、ですが」
やよい「ふっふっふー……でも、食べてみればわかります!どうぞ、召し上がれ!」
貴音「ふむ……本来はらぁめんの気分なのですが……!?こ、この香りは……いただきます」
やよい「……どうですか?」
貴音「……これは」
貴音「ドロっとした濃厚スープが絡んだ、あの店特有の極太麺……やよい、これは一体……」
やよい「えへへ~これがもやしパワーです!」
貴音「なんと面妖な……完全にあの味、ではあるのですがらぁめんはやはりスープから味わうのが至高……というのはいささか贅沢でしょうか」
やよい「なるほど……それじゃ、このもやしをどうぞ!吸ってください!」
やよい「えへへー!」
貴音「素晴らしい……あのスープが、しっかりほどよい熱さで流れ込んできます……なんと心地よい」
やよい「そのもやしを口に含んでいれば、いつもと同じようにらぁめんを食べてるのと同じ感じになりますよ!」
貴音「な、なんと面妖なのでしょうか……ありがとうございまふ、やよい」
やよい「あ、ですけど……一つ問題が」
貴音「なんでひょうか?あ、その前に次のもやしを頂けますか?」
やよい「このまほう、あと3回しか使えないんです」
貴音「な、なんとー!」
やよい「なので、もやしもあと三本です……」
貴音「そ、そんな……まだ一口しか食べておりません……スープを味わう段階で、まだ潤っておりませんのに……」
やよい「……じゃあ、いらないですか?」
貴音「そのようなことは断じて!3つでよいです!頂けますか!」
やよい「は、はい、どうぞ!」
貴音「んむ、んむ……これです……なんとも……あぁ、しかし……」
やよい「……ごめんなさい、私の力が足りなかったばっかりに」
貴音「い、いえそのようなことはないのですよ、誠、助かりました」
やよい「そうですか!そう言ってもらえると嬉しいですー!」
貴音「……確かに、ある程度物足りなくはありますが、いくらか満たされたかと……やよい?」
やよい「もーマジカルやよいですってば!」
貴音「あぁ、そうでした。それではまじかるやよいその……もやしとにおいさえあればまた、やっていただけますか?」
やよい「はい!1日1回でよければ!」
貴音「あれほどに再現度の高いもの……あれだけの量しかいただけないのは辛いですが、それ以上に惹かれるものがあります故」
やよい「わかりました!それじゃ、最後に手を出して~!」
貴音「手、ですか?あぁ、なるほどいつもの、あれですね」
やよい「そうです!ハイターッチ!カイケツ完了!それじゃ、また!」
貴音「……ありがとう、まじかるやよい」
貴音「貴方のもやしは、まるで太陽のような……不思議な味でした。ごちそうさまでした」
やよい「……ごめんなさい、私の力が足りなかったばっかりに」
貴音「い、いえそのようなことはないのですよ、誠、助かりました」
やよい「そうですか!そう言ってもらえると嬉しいですー!」
貴音「……確かに、ある程度物足りなくはありますが、いくらか満たされたかと……やよい?」
やよい「もーマジカルやよいですってば!」
貴音「あぁ、そうでした。それではまじかるやよいその……もやしとにおいさえあればまた、やっていただけますか?」
やよい「はい!1日1回でよければ!」
貴音「あれほどに再現度の高いもの……あれだけの量しかいただけないのは辛いですが、それ以上に惹かれるものがあります故」
やよい「わかりました!それじゃ、最後に手を出して~!」
貴音「手、ですか?あぁ、なるほどいつもの、あれですね」
やよい「そうです!ハイターッチ!カイケツ完了!それじゃ、また!」
貴音「……ありがとう、まじかるやよい」
貴音「貴方のもやしは、まるで太陽のような……不思議な味でした。ごちそうさまでした」
やよい「なんでもかんでももやしで解決!粗食少女マジカルやよい!ただいまさんじょー!」
真美「え、え?やよいっち?」
やよい「違うの!マジカルやよい!何か困ってること、ある?」
真美「ま、マジカルってあはは!何それ!」
やよい「な、なんで笑うの!」
真美「ご、ごみんごみん!で、なんでそんなこと……って格好もなんか、もしかして意識してる?」
やよい「い、一応……じゃなくて!何か困ってることがないか聞いてるの!」
真美「あ、そだそだ。なんかゲームが動かなくってさー」
やよい「え?」
真美「あ、そっか!さっきもやしでどうとか言ってたし、助けてくれるんだよね?」
やよい「あ、う、うん」
真美「よかったー!これ頑張んないと亜美に負けちゃうからさー。じゃ、はいこれ」
やよい「あ、えっと……」
真美「どしたの?まさか、できないとか?」
真美「お?」
やよい「おうぎ!もやしいんぱくと!」
真美「おー!それっぽい!」
P「説明し……あれ?そんなのあったっけ?」
やよい「と、とりゃああ!!」
真美「わーー!!な、何すんのさやよいっち!」
やよい「静かに!」
真美「え、え?」
やよい「こうしておけばもやしのパワーで直るから!」
真美「い、いやいやいや!絶対無理っしょそんなの!」
やよい「もやしはすごいんだよ!体にもいいし、安いし!」
真美「それはわかるけど今関係ないっしょー!もーできないならいいよー!」
やよい「むー……!もう知らない!真美のバカ!」
真美「な、何さ……あ、あれ?……直ってる」
やよい「なんでもかんでももやしで解決!粗食少女マジカルやよい!ただいまさんじょですよー!」
響「おーやよい!どうしたんだ?」
やよい「だからもーやよいじゃないんです!マジカルやよいなんですよー!」
響「なんだかわかんないけど助けてくれるのか?」
やよい「そ、そうです!何か困ってるんですか!」
響「ちょっとハム蔵の様子がおかしいんだ」
やよい「そうなんですか?」
響「なんていうか具合悪そうで……でも忙しくて病院にも連れて行ってあげられないし……」
やよい「なるほど……うっうー!!」
響「やよい?」
やよい「任せてください!もやしは最強なんですよー!」
響「も、もやし?」
P「説明しよう!やよいのもやしは普通に食べるだけでも普通のもやしに比べて栄養値が高く、簡単な病気なら治ってしまうのだ!」
やよい「というわけでこれをハム蔵さんに!」
響「だ、大丈夫なのか……?」
やよい「……」
響「お、おいハム蔵?う、動かなくなっちゃった……けど」
やよい「あ、あれ?」
響「う、嘘だよな?お、おいハム蔵!」
やよい「ね、寝てるだけですって!」
響「……」
やよい「ひ、響さん……」
響「ごめん……ハム蔵が戻るまで、一人にさせてくれるかな……」
やよい「で、でも!私のせい、かもしれないですし……」
響「……ごめん」
やよい「……っ!」
やよい「本当にハム蔵さんが戻らなかったら……」
伊織「やよいー!」
やよい「い、伊織ちゃん?って私は今……」
伊織「あずさのこと、知らない?」
やよい「え?あずささんならさっき……」
伊織「いなくなっちゃったのよ……携帯も持ってないし……」
やよい「そ、そんな……」
伊織「あら、電話……えぇ私……え?貴音が?」
やよい「え?」
伊織「……そう、わかったわ。誰か向かわせるから、それじゃ」
やよい「た、貴音さん……何か?」
伊織「ラーメン屋の前でうろうろして不審者か?っていう電話が来たらしいの、一体何をしてるのよ……」
やよい「……わ、私……!!」
伊織「あ、ちょっとやよい!!」
やよい「もやしじゃ、みんなの迷惑になるだけ、なのかな……」
あずさ「そんなこと、ないわよ?」
やよい「え?あ、あずささん?」
あずさ「ふふっ、やよいちゃんのおかげで、もやしを思い浮かべたらどうしてか、ここに来ることはできるようになったの」
やよい「そ、そうなんですか……?」
貴音「私も、同じですよ」
やよい「た、貴音さん!?」
貴音「ふふっ、あのもやしの味。素朴で、本当はそんならぁめんの味など、いえ……やよいの心のこもった、なんともいえぬ味。誠、美味でした」
やよい「貴音さん……」
真美「ごめんね、やよいっち……」
やよい「真美?」
真美「ゲーム、直っちゃった。ごめんね、せっかく直すって言ってくれたのに……それと、ありがと!」
やよい「う、ううん……私こそ、無理なのに意地張って……」
響「やよい……」
響「……ひどいぞ」
やよい「……え?」
響「もう!あんなによくなるならもっと早く言ってほしかったぞ!」
やよい「え、え?」
響「あの後すぐ良くなって、今じゃすっかり!……でも、最初は疑うようなこと言ってごめん」
やよい「そ、そうだったんですか……よかったです!」
響「みんな、やよいに助けられたんだ!」
やよい「いえ、もやしのおかげです!もやしって、本当にすごいんですよ!」
あずさ「でも、それを配ったのはやよいちゃんでしょう?」
貴音「えぇ、あずさの言うとおりです。やよいの気持ちがあったからこそ、それぞれが笑顔になれた」
真美「やよいっちだからもやしなんだし!」
響「本当、ありがとうな!!」
やよい「う、うぅ……みなさん、ありがとうございます!……でも、一つだけ言わせてください」
やよい「私はやよいじゃないです!粗食少女マジカルやよいです!うっうー!!」 終わり
次>>85 ちょっと休憩で遠目
あずさ「気持ちいわよぉ~」
伊織「あ、あんたたちねぇ……いい加減に……ひっく」
伊織「どうしてこんなことに……」
――
伊織「え?うちに来る?」
小鳥「ダメかしら?」
伊織「い、いやそれは別に……でも急にどうしてそんな」
小鳥「ん~たまにはどうかな~と思ってね?」
伊織「絶対何か企んでるでしょうアンタ……それに、小鳥だけなの?」
小鳥「あ~そうねぇ、律子さんと、あずささんは誘おうかなと思ってるけれど、いいわよね?」
伊織「アンタの中ではもう決定してるんでしょうどうせ……まあ、いいけれど……」
律子「私はキャンセルでお願いします」
小鳥「え!?ど、どうしてですか!」
律子「……仕事が残ってるんですよ」
律子(絶対関わったらマズイ、今日はそんな気がする……ごめん、伊織)
律子「一応仕事は午前中で終わったはずですけど……」
小鳥「よっし!」
律子「……変なことしないでくださいよ」
小鳥「わかってますって!むふふ~!」
伊織&律子(絶対変な事考えてる……)
律子「というか何する気ですか。竜宮なら亜美とか誘ってもいいんじゃ」
小鳥「あーうん、亜美ちゃんはまた別に機会かな~私も同時に楽しめるほど器用じゃない、というかもったいない!」
伊織「……」
律子「まあなんでもいいですけど、本当無茶はしないでくださいよ!」
小鳥「わかってますって律子さん!」
あずさ「ただいま戻りました~」
小鳥「やったグッドタイミング!あずささんちょっとこちらに~!」
あずさ「え?小鳥さん?」
あずさ「あのーお話ならあっちでもよかったんじゃ……?」
小鳥「ダメなんですよ、律子さんがいるんで!というかホントは丸め込む文句は持ってたんですけど、参加しないとなると……」
あずさ「?」
小鳥「あ、すみません!えっとですね、伊織の家でたまには女子会みたいな感じでどうかと!」
あずさ「あら、いいですね~でも、どうしてまた伊織ちゃんなんですか?」
小鳥「……聞いてもらえます?」
あずさ「は、はい」
小鳥「私、ちょっと目覚めちゃいまして」
あずさ「……?」
小鳥「未成年にお酒を飲ますのが!」
あずさ「あ、あのー……それは」
小鳥「みなまで言わなくていいですあずささん!……わかってるんです、でもその背徳感がどうにも!」
あずさ「は、はぁ……」
小鳥「もちろん、毒になる程のませませんよ!酔ったらどうなるかみたいだけなんですって!」
あずさ「でも……もしものことがあったら」
あずさ「そ、それって結構重い責任に……というか、他に飲ませた子はいるんですか?」
小鳥「いません!妄想の中だけだったので!」
あずさ「……はぁ」
小鳥「……あれ?あ、ホントだ……って、もしかしてヤバイですかね?」
あずさ「……結構、危ないとは思いますけど」
小鳥「……むー」
あずさ(よかった、やったことなかったんですねぇ、私はいいですけど伊織ちゃん……でも)
あずさ(酔った伊織ちゃん、どんな感じかしら……いつもみたいに強気?それとも、甘えん坊さん?……や、やだ私ったら!)
小鳥「なんか怖くなってきましたし、それは辞めておきますか」
あずさ「そう、ですね……」
小鳥「……でも、見たいなぁ……伊織ちゃんが酔う姿見たいんだよなぁ」
あずさ「も、もう酔ってませんか小鳥さん……」
小鳥「だって、甘えん坊だったりしたらどうします?もう母性ガンガン働いちゃいますよ~」
あずさ「確かに見たいと言えばそうですけど……」
あずさ「ち、違いますよ!でも、見たいと言えば……いつも勝気な伊織ちゃんがしおらしくなるのを……」
小鳥「よし!もう決めました!行きましょう!」
あずさ「え、えぇ……でも、わかりました。そういうことなら私もお手伝いします」
小鳥「おぉ!ホントですか!そうと決まれば買い出しですね!よし!」
ガチャッ
小鳥「お待たせー!それじゃ伊織、後で行っていいね!?」
伊織「あ、えぇ……長々と何を話してきたのよ……あずさ?」
あずさ「え、えぇ!?わ、私は何も、話してないわよ~?」
伊織「嘘が下手な二人ねぇ……まあいいけど、なんでも」
―
小鳥「というわけできました!……相変わらずでかい家だこと」
あずさ「うらやましいわぁ……」
小鳥「でも、独り身には流石にさみしすぎませんか?」
あずさ「小鳥さん?今日はそういうの、やめましょ?」
小鳥「……私も今後悔しました。すみません……よーし!もうヤケですよ!飲むぞー!!」
小鳥「お邪魔します!」
あずさ「お邪魔致します~」
伊織「今多分誰もいないし、それで?何をするの?」
小鳥「……」チラッ
あずさ「え、えぇ!?」
伊織「何よもう……何かあるならさっさと出しなさいよね」
小鳥「……わ、わかったわ!これよ!」
伊織「……は?」
小鳥「今日は飲み会です!じゃんじゃん飲みましょう!」
伊織「小鳥、アンタ大丈夫?あ、そっかもう酔っぱらってるわけね。トイレはそっちだから、うちの中でぶちまけるのは止めてちょうだい」
小鳥「ち、違いますっ!まだ飲んでません!」
伊織「……それじゃなんで未成年の家に酒持って来れるのよ」
小鳥「んと、えっと……伊織ちゃんに大人の味を教えてあげようというお姉さん2人の粋な計らいというやつで!」
伊織「……わかったわ、それじゃ寄こしなさいよそれ」
小鳥「流石は伊織ちゃん!はいこれ!それじゃ~イッキイッキ!」
あずさ「こ、小鳥さん!」
小鳥「あっ!つ、つい……こ、コホン。飲むなら少しずつよ!無理はいけないわ!」
伊織「何を言ってるのよ、飲むわけないでしょ。没収よ没収」
小鳥「え、えぇー……」
伊織「オレンジジュースを持ってくるから、それでも飲んでなさい。100%よ」
小鳥「せめて私たちにはお酒を……」
伊織「いつすり替えられるか怖くて飲めないわよ!いいからそこでおとなしく待ってなさい!」
小鳥「はーい……」ブスッ
あずさ「流石伊織ちゃん、厳しそうですね~」
小鳥「くそぉ……こうなるとますます飲ませたくなってきた……というか私も飲みたい」
あずさ「あ、あはは……」
小鳥「……ん?なんですかねあの物物しい箱……高そうな木、かな?」
あずさ「……お酒?」
あずさ「多分……私は飲んだことないのでわからないですけど……」
小鳥「私だって日本酒は飲まないですよ!……でも、これに賭けるしか」
あずさ「え、えぇ……大丈夫ですかね、高そう、ですよ?」
小鳥「今月の給料を使ってでも見たいんですよ!よいっしょ……うわぁ、高そう……字が読めないし」
あずさ「こ、これ伊織って書いてありませんか?」
小鳥「ということは、記念のお酒ってことかしら……」
あずさ「……小鳥さん」
小鳥「流石にこれは……」
ガチャッ
「「っ!」」ビクッ
伊織「お待たせ……って、どうしたのよ、はい、ノンアルコールオレンジジュースよ」
あずさ「な、何でもないわ伊織ちゃん!わざわざありがとう!」
小鳥「あ、あはは!」
小鳥(とっさに後ろに隠しちゃったけどこれどーするのよ!)
あずさ「あったわね~ふふっ、懐かしいわぁ~」
小鳥「へぇ、そんなことが合ったんですね」
伊織「っと、ごめんなさい。ちょっとトイレに行ってくるわね」
あずさ「……あっ、そういえば小鳥さん、お酒、どうしました?」
小鳥「もうずっと後ろに……箱も不自然な位置にあるままだし、ばれないかヒヤヒヤでしたよ……」
あずさ「それはそれは……」
小鳥「……でも、飲んでみたくないですか?」
あずさ「え、で、でも……」
小鳥「この伊織家につたわる秘蔵の酒、ですよ?絶対おいしいですって」
あずさ「……」
小鳥「私が、責任はとります!」
あずさ「そこまで言われたら……」
小鳥「流石あずささん!それでは、っと……はい、あずささん」
あずさ「やっぱり結構強そうですね……」
あずさ「か、乾杯~……あ、あら?」
小鳥「な、何これ……すっごく飲みやすい……日本酒ってこんなにさっぱりして……」
あずさ「でも、私一度だけ嗅いだ事あるんですけど、ここまで優しくはなかった気がします」
小鳥「これはいいですね……っと、それでもやっぱり強いみたいですね~」
あずさ「わ、私も……これは……」
小鳥「もう一杯どうぞどうぞ~」
あずさ「あら、すみません……」
小鳥「オレンジジュース割りって言うのも有りかな……あ、あれ?これ伊織ちゃんのじゃ……」
ガチャッ
伊織「おまたせ、あら?二人ともどうかした?」
小鳥「い、いえ……」
伊織「そう……」
ゴクリ
小鳥「……あ」
小鳥「あ……そ、その……」
伊織「信じらんない……名前書いてあったでしょう?」
小鳥「ご、ごめんなさい!それは本当に……べ、弁償できるかわからないけど……」
伊織「はぁ……それはもういいわよ……私がもらったものだしね」
小鳥「ごめんなさい……」
あずさ「私からも、ごめんなさいね伊織ちゃん……」
伊織「まったくダメな大人ね……ってあ、あら?めまいが……」
小鳥「……」
伊織「ちょ、ちょっとまさか……」
小鳥「ごめんなさい……」
伊織「あ、アンタたちねぇ……うぅ、目が回る……」
小鳥「ごめん、ごめんなさいぃ……私が悪いんですぅ……」
伊織「え、え?何?」
あずさ「でもおいしいわねぇ、このお酒、どんどん入っちゃうわ~」
小鳥「うぅ……」
伊織「も、もう小鳥!いつまで泣いてるのよ!もういいから泣き止んで」
小鳥「そう……?うん、よし!それじゃ飲もう!伊織ちゃん!」
伊織「あ、え、えぇ……?」
あずさ「ほらほら~気持ちいわよ~!」
伊織「あ、そうねぇ……」
伊織(あ、あれ?私も酔ってる?というかさっきのオレンジジュースが思ったよりおいしくって……)
伊織「……もう少しだけよ」
――
伊織「……これはまずいわねぇ、ひっく」
あずさ「そんなの気にしないで飲みましょうよ~」
小鳥「そうそう!伊織ちゃん、こういう時はね、飲んで言いたいことをいいまくるの!それで解決するのよ!あははは!!」
伊織「こ、小鳥……ってあ、あずさ何やって!」
あずさ「ほら~ゆっくりおやすみなさい~」
小鳥「ほらほら~もう素直になっちゃいなさいよ~!」
伊織「やっ……」
あずさ「ふふっ、そんなに暴れなくたっていいのよ~」
伊織「もう……なんなのよぉ……」
小鳥「え?伊織ちゃん、どうしたの?」
伊織「私だって……好きで素直になれないわけじゃないのよ!」
あずさ「あ、あら?」
小鳥「伊織ちゃん?」
伊織「でも、でもそれが怖いから……私だって……」
小鳥「あ、えっと……」
伊織「……小鳥」
小鳥「なぁに?」
伊織「……言いたいこと言って、それだけ?何かしてくれたり、しないの?」
小鳥「っ!そ、そんなのいくらだって受け止めて、ギュッってして、なでなでしてあげるわ!」
あずさ「そ、それなら私が!」
小鳥「ちょ、ちょっとあずささん!私が指名されてるんです!」
あずさ「で、でも私が先にギュッてしてました!」
伊織「……」
小鳥「だったら次は私ですよ!」
あずさ「そ、それじゃ伊織ちゃんに決めてもらいましょう!」
小鳥「そうですね!ねぇ伊織ちゃ……ん」
伊織「……」スースー
あずさ「……あらあら」
小鳥「……ちょっと、やりすぎちゃいましたかね」
あずさ「きっとちょっとどころじゃないですよ?」
小鳥「あ、あはは……ん、私も眠くなってきちゃったかも……」
あずさ「私もなんですよ、寝ちゃいましょうか……」
小鳥「そんな、人様の家で……寝るなんて……――」
小鳥「ここは……そ、そうよ!伊織ちゃんは!?」
伊織「ここよ」
小鳥「なっ!……あ、そ、その……おはようございます」
伊織「全く……あずさは帰ったわ」
小鳥「え、えぇ……起こしてくれればいいのに」
伊織「私が止めたの。……たっぷり聞いてもらわないとね」
小鳥「あ、あの……その件に関しましては……」
ギュッ
小鳥「……え?」
伊織「あずさじゃ……恥ずかしいでしょ?同じメンバー同士でそんな……」
小鳥「……」
伊織「……お酒飲まされたのは許さないわ。でも、その分だけ働いてもらうんだから」
小鳥「そ、それは、まあ全然いいんですが一体何をすれば……」
小鳥「あぁ、素直がどうとかっていう……」
伊織「い、言わなくなっていいでしょ!……だから、そういう時……その、聞いてもらえたら、って」
小鳥「……」
伊織「だ、ダメ……かしら?」
小鳥「可愛いなぁもう!伊織ちゃんは!」
伊織「ひゃっ!ちょ、ちょっと急に何するのよ!離しなさいよ!」
小鳥「いいのよ、もっと頼って」
伊織「えっ……」
小鳥「そういう時くらい、お姉さんやらせてもらった方が、私だってやりがいがあるもの」
伊織「小鳥……うん、ありがとう」
小鳥「ふふっ、伊織ちゃんに頼られるって言うのがそもそも私の自信になるわね!」
伊織「何よそれ……でも、次あんなことしたら承知しないんだから。起きたとき頭が痛くて大変だったのよ?」
小鳥「それは反省してます!でもまた一緒に飲みたいな~……ふふっ」
伊織「成人して気が向いたら、付き合ってあげてもいいわよ?にひひっ!……これからもよろしくね小鳥?」 終わり
最後書くか迷ってるが>>135くらいに置いて離席
P「おっ、お疲れ律子」
律子「あ、お疲れ様ですプロデューサー」
P「最近忙しそうでなによりだが、その感じを見るといいことだけじゃなさそうだな」
律子「いえ、これくらいは当然ですよ、あの子たちもやる気ありますから」
P「んーでもなぁ、たまにはガス抜きしとかないと反動が怖いぞ?」
律子「そうはいっても……あ、すみません電話が。はい、私です。はい……え?延期、ですか?はい、わかりましたそれでは」
P「どうした?」
律子「あ、いえその、明日竜宮でライブのリハが合ったんですけどどうも舞台を使うようで延期に」
P「ってことは全員休みか。ちょうどいい、4人で遊びに行って来ればいいじゃないか」
律子「え?で、でも……それ以外にも仕事ありますし」
P「それくらい俺がなんとかするって、こんなことでもない限り次の休みがいつになるかなんてわからないだろ?」
律子「まあそうですけど……」
P「大丈夫、あいつらのことだ緩急は心得てるさ。律子の心配するようなことはないと思うぞ、ゆっくり楽しんで来い」
律子「……それじゃお言葉に甘えて」
亜美「マジ!?やったー!久々のオフだあ~!!」
伊織「まあ確かにここのところずっと仕事で疲れてはいたからちょうどいいわね」
あずさ「ちょうどよかったですね。でも、他に何かないんですか、律子さん?」
律子「あー……仕事はないんだけれど、その……」
伊織「何よ」
律子「よかったらその……4人でどこか遊びに行かないか、って思ったんだけれど……」
亜美「え?亜美達竜宮の4人で?」
律子「い、嫌ならいいのよ?せっかくのオフだし、私も仕事がないわけじゃないし……?」
伊織「……いいじゃない、たまにはそういうのも」
律子「え?」
あずさ「ふふっ、このメンバーで遊びに行くっていうのもいつ振りかしらね~」
亜美「いいじゃんいいじゃん!流石りっちゃんふっとパラですな!」
律子「あ、いやプロデューサーさんのアイデアなんだけど……ま、まあいいわそれじゃ、そうしましょうか」
亜美「それじゃどこ行く?遊園地?水族館?亜美はお買いものだけでもいいよ!」
伊織「私は別に、どこでもいいわよ?」
あずさ「私もこれと言って行きたいところがあるわけじゃないので」
律子「そうねぇ、かといってあっちこっち回るのも疲れるだろうし……」
亜美「じゃあさじゃあさ!新しくできたショッピングモール!あそこ行こうよ!」
伊織「あら?亜美知ってたの?」
亜美「そりゃ知ってるっしょ!この辺で一番でかいし!ゲーセンとかアミューズメントもたくさんあるって聞いたよ!」
あずさ「あ、おいしいアイス屋さんがあるって聞いたことがあるわね~」
伊織「ま、まあ私も行ったことはないんだけれど、こういう時に行くのもいいかもしれないわね」
亜美「え!いおりん行ったことなかったの!?てっきり常連かと思ってたのに」
伊織「そんな暇どこにあるのよ!」
律子「……ごめんなさいね」
伊織「あ、い、いや違うの、律子を責めたわけじゃないわ。それに、明日遊べるんだからそれでいいじゃない」
あずさ「そうですよ、律子さんは頑張ってくれてますし、明日は一緒に思いっきり楽しんじゃいましょう?」
律子「伊織、あずささん……そうですね!よし、じゃあ明日はショッピングモールに決定!場所と時間は――」
亜美「ごめんりっちゃん、あずさお姉ちゃん!真美と洋服選んでたら時間かかっちゃって」
伊織「ちょ、ちょっと私には何もないわけ!」
亜美「いおりんだって今来た感じっしょー?電車から降りるの見えたもん!」
伊織「ち、違うわ!一個前に来てたけど迷ってただけで……」
亜美「ふ~ん、迷ってた、か~流石お嬢様は電車とか使わないってわけですね~」
伊織「う、うるさいわね!律子!このバカはほっといて早く行くわよ!」
律子「あんたたちが後から来たんでしょうが……こう言ったらあれだけどあずささんより遅く来るってどうなのよ」
あずさ「あ、いえ今日は偶然目がさめちゃっただけで」
亜美「へ~!あずさお姉ちゃんが!あれでしょ、遠足の前の日なかなか眠れないっていう!」
伊織「子供じゃないんだからあり得ないでしょうが!」
あずさ「あら、でも私は楽しみだったわよ?」
伊織「……まあ、そりゃ私も楽しみだったけど」
亜美「亜美も!正直亜美はそのあれで寝てません!」
律子「はいはいその辺にして、とりあえず何から回りましょうか」
律子「ま、確かにそうね」
亜美「あー!!見てみていおりん!これ、新作じゃん!」
伊織「え?あっ、ホント……着てみようかしら」
律子「って早速……もしかしてこれ分かれた方がいいんじゃ……」
亜美「あ、こっちも!」
伊織「待ちなさい亜美!……そうね、律子の言うとおり一旦別れた方がいいかも」
律子「それじゃ、私はあずささん、亜美と伊織で。平日だけど人結構多いし、できるだけ二人で行動するのよ」
亜美「アイアイサー!」
あずさ「それじゃ、後でここに集合っていうことになるのかしら?」
伊織「それがいいわね、何時くらいかしら」
律子「うーん、まあお昼前にはここに」
亜美「よっしゃー!いおりんあっち見に行こ!」
律子「あんまり無茶な買い物するんじゃないわよー!全く、オフになると途端に元気になるんだから……」
あずさ「ふふっ、そういう律子さんも楽しそうで」
あずさ「えぇ、それはもう。仕事の時に叱る律子さんとはまた、違った感じで」
律子「あはは、あずささんにはかないませんね……それじゃ、私たちも行きますか」
あずさ「そうですね。あ、あのお店なんて……」
伊織「アンタ元気ねぇ……」
亜美「何言ってんのいおりん!こんくらい余裕っしょ!」
伊織「別にいいけどまだ午前中よ?それに寝てないとか言って、午後きつくなっても知らないわよ?」
亜美「だっていろいろあって見きれないんだよー!真美にもいくつか頼まれてるし今日中に終わるかなぁ」
伊織「一応言っておくけど、ただの買い物にきたんじゃないんだから」
亜美「え?そなの?」
伊織「アンタはもう……竜宮で遊びにきたんでしょ?たまには律子ともプライベートで話すことも大事でしょ?」
亜美「……いおりん」
伊織「……何よ」
亜美「りっちゃんのこと、そこまで……」
伊織「ち、違っ!べ、別に私はただ竜宮小町のリーダーとしてそう思っただけよ!い、いいから次の店行くわよ!」
あずさ「有名なお洋服がこんなに安く買えるなんて」
律子「でもまだ午前中なんで、あんまり荷物増やしたくないんですけど、なかなか無理ですよね」
あずさ「ふふっ、そうですね。あら?あっ!これですよ律子さん!テレビでやってたアイス屋さん!」
律子「え?あ~みたことあるかもしれないですね。食べますか?」
あずさ「そうですね~、あ、でもだったら亜美ちゃんたちと合流してからの方がいいですかね?」
律子「あ、それもそうですね。そろそろお昼だけど、ちゃんと戻ってくるか……」
伊織「もう!そろそろお昼になっちゃうじゃない!」
亜美「そんなこと言ったってさー!いおりんだって結構みてたっしょー!」
伊織「また遅刻したら流石にまずいでしょ!」
亜美「まあそうなんだけどさー……結構疲れちゃって走れないよー……」
伊織「まだ昼前なんだけど……あ、いたいた。律子」
律子「あぁ、間にあったわね」
伊織「危なく亜美のせいで……」
亜美「ちょ、ちょっと!亜美のせいにしないでよー!いおりんだって!」
あずさ「ほらほら、伊織ちゃんも亜美ちゃんも、アイス食べない?」
亜美「え?アイス?あ!あれってもしかして!」
伊織「テレビでやってたやつね……あずさがさっき言ってたわね」
あずさ「そうそう、二人を待ってたの。食べるでしょう?」
亜美「もちろんだよ!いおりん早くいこ!亜美はチョコミントにする!」
伊織「ちょ、チョコミント!?それはないわ……」
亜美「えー!チョコミントおいしいじゃん!じゃあいおりんはなにさ!」
伊織「私?私は……チーズケーキとか」
亜美「そんなの普通ないっしょー!」
伊織「あるわよ!だいたいチョコミントなんて……」
あずさ「ふふっ」
律子「あの……あずささん、ありがとうございます」
あずさ「あら、なんのことですか?ほらほら、律子さんも行きましょ、アイス」
律子「……はい!」
亜美「おいしかったー!亜美こんな料理食べたことなかったよ!帰ったら真美に自慢しちゃうんだもんねー!」
伊織「ちょ、アンタいつ撮ったのよそれ……行儀悪いわねぇ」
あずさ「アイス屋さんの近くなら、おいしいところがあるかなぁと思って探して正解でしたね~」
律子「流石あずささんです、いやはや恐れ入りますよ」
亜美「流石はあずさお姉ちゃん!ケイケン値が違いますな!」
律子「どういう意味よ」
亜美「うひゃー!なんでもないっしょー!」
律子「全くもう……それで、次はどうする?」
亜美「ゲーセンいこ!ゲーセン!」
律子「ゲームセンター?私はいいけれど……」
あずさ「いいんじゃないですか?とりあえず、すぐ近くですし」
亜美「いおりん、勝負っしょ!」
伊織「ほう、いいわよ?言っておくけれど、これ私強いわよ?」
亜美「ふっふっふ……ゲーマーを甘くみちゃいけませんぜいおりん……そだ、りっちゃんたちもやるっしょー!」
亜美「そんじゃあずさお姉ちゃんはこっちでーりっちゃんはそっちで2対2だぜ!」
あずさ「あらあら、私これやったことないけれど大丈夫かしら?」
亜美「大丈夫!亜美一人で片づけちゃうかんね!」
律子「それじゃ伊織、よろしくね」
伊織「よろしく、亜美に目にもの見せてやるわ!」
亜美「な、何これ……」
伊織「私たちは一体……」
あずさ「ふふっ、甘いですよ律子さんっ!」
律子「見えてますよあずささん、はっ!」
律子「ふぅ、いい汗かいたわね~」
あずさ「楽しいですねこういうのも」
亜美「いおりん、亜美は見てはいけないものを見てしまった気分だよ……」
伊織「忘れるのよ……それが一番」
伊織「そうね、もう一度回りたいところとかあるし、4人で回ればいいんじゃないかしら」
亜美「そ、そだね……」
あずさ「亜美ちゃん、大丈夫?なんだか具合が悪そうだけれど……」
亜美「へ、平気っしょー……ちょっとめまいがしただけで……あっ」
バタッ
律子「あ、亜美!?」
亜美「ご、ごめんねりっちゃん……」
伊織「全く、だからあんなにはしゃぐなって……」
あずさ「ふふっ、伊織ちゃん、律子さんみたいね」
伊織「なっ!そ、そういう律子だってなんか亜美の母親みたいになって!」
律子「ちょ、ちょっと!失礼ね、まだそんな年じゃないわよ!」
亜美「亜美はどっちもやだな……怒ると怖いし……」
「「亜美!!」」
亜美「ほらぁ……」
亜美「そ、そんな……いいよ、りっちゃんも行ってきて。亜美少し休んだらすぐ行くから……」
律子「そんなこと言ってどうせすぐまた倒れるんだから……それじゃあずささん、伊織のことよろしくお願いします」
伊織「……」
亜美「……ねぇ、りっちゃん」
律子「どうしたの?」
亜美「今の竜宮って結構すごいよね」
律子「……そうね」
亜美「そのすごい中に、亜美達がいて。りっちゃんとあずさお姉ちゃんといおりんがいて」
亜美「なんか、こうやって一緒に買い物するものすごいのかなって思ったりしたんだけどさ」
律子「……」
亜美「やっぱり一緒にいろんなことするだけで楽しいっていうか、それが普通になっちゃったからさ!」
律子「亜美……」
亜美「亜美は今の竜宮が好きだよ。りっちゃんは?」
律子「そんなの、当たり前じゃない。……私も竜宮が好き」
律子「……でもなんでまた」
亜美「ほら、忙しくてみんななんか疲れてたっぽいし。なんとなく思っただけー」
律子「亜美らしいわね……」
亜美「えへへ、よっしそろそろ大丈夫!」
律子「本当に?」
亜美「うん!遅刻して迷惑かけたからもう遅刻できないっていおりんも言ってたし、亜美も見習わなきゃね!」
律子「伊織が……そうね。いきましょうか」
あずさ「……亜美ちゃんが心配?」
伊織「え、えっ?」
あずさ「ふふっ、そうよね。一緒に頑張ってきたメンバーだもの」
伊織「……あいつはいつもそうだもの。あんなおちゃらけていっつもふざけてるけど、全部最初に手をつけて全力でこなすの」
伊織「そんなことしてたら、いつかダメになっちゃうってわかってても、あれじゃただのバカよ……」
あずさ「……私は、伊織ちゃんも同じに見えるわよ?」
伊織「え?」
あずさ「亜美ちゃんが最初で伊織ちゃんが最後。二人とも似てないようですごく似てるもの」
伊織「あずさ……」
あずさ「もちろん律子さんだって、私だって竜宮として頑張ってるつもりだけど、若い二人に負けないように、ってね」
伊織「……私、この竜宮が好きだから。でも、ちょっと最近忙しすぎた気はするの」
伊織「なんていうか、焦ってて……メンバー同士で平凡な会話もできなくって、なんか違うって思ってた」
伊織「でも、あずさと話してわかったわ。やっぱり私、竜宮が好き。……ありがとう、あずさ」
あずさ「いいのよ、私だって同じだもの。竜宮小町が、大好き。そんなみんなが大好きだもの。だからこそ、一人一人が大事だって思えるのよね」
伊織「……」
亜美「いおりーん!」
伊織「あ、亜美?」
亜美「お待たせいたしました、亜美隊員只今到着です!」
伊織「……バカ、また遅刻よ」
亜美「えー!これ遅刻に入るの!?」
伊織「当たり前じゃない、それも3回目ね」
律子「……あずささん、ありがとうございます」
あずさ「いえ、律子さんこそ。……みんな、改めてこの竜宮小町っていうのを見返せたかもしれませんね」
律子「そうですね、私も忙しさに甘えて見えてなかったかもしれません」
あずさ「ふふっ、律子さんらしいですね。私は反対に元から見えないので、律子さんに先導してもらわなきゃいけないんですけれど」
律子「それはいいですけど、迷子になるのはほどほどにしてほしい、かな?」
あずさ「あらあら、そうですね。努力します」
亜美「よーっし!次の店いくっしょー!」
伊織「ちょっと、また倒れるわよそんなに走ったら……」
亜美「へーきへーき!ってわぁ!っぶな……えへへ」
伊織「ほらいわんこっちゃない……全く」
亜美「いおりんそんなに亜美のこと心配してくれて……亜美、嬉しい」
伊織「き、気持ち悪いことしてるんじゃないわよ!」
亜美「わー!逃げろー!」
伊織「待ちなさい亜美!!」
律子「……あずささん」
あずさ「はい?」
律子「……ありがとうございます。これからも、よろしくお願いしますね」
あずさ「……もちろん。こちらこそ、よろしくお願いします」
律子「……ふふっ」
亜美「おーいりっちゃーん!」
律子「あ、亜美?」
亜美「亜美も、よろしくねー!」
伊織「わ、私だってリーダーなんだから!これからもよろしく頼むわね、律子!」
律子「亜美、伊織……えぇ!任せなさい!」
あずさ「それじゃ、私たちも」
律子「……そうですね!さぁ、まだまだ遊びつくすわよ!」
終わり
書いてて思ったのがホント安価が面白そうで他のも書きたいなと
っていうので次回書くときは趣向が変わるけど範囲安価してそこから独断で選んだのを書くというスタイルをやってみたいな
お付き合いいただきありがとうございましたー
Entry ⇒ 2012.10.17 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
千早「事務所の場所が変わりました」
携帯電話に謎のメールが届いた。
それが謎になったのは、
おそらく、私が誤ってアドレス帳の中身を吹っ飛ばしてしまったせいなのだけれど。
最初に思いついたのは、プロデューサーや春香あたり。
だって、この二人からは、放っておいてもメールが来るのだもの。
春香なら雑談のようなメールが多いから、
すぐに返信する必要がなくて楽なのだけど、どうかしら。
タイトルには、何も入っていない。
私の望みとは裏腹に、
差出人の名前の欄には、見覚えのない英数字が並んでいた。
>突然ごめんなさい。
>お願いがあって、メールしました。
>そろそろレッスンが終わるころですよね?
>今日の五時に、前の事務所まで来てもらえますか?
>OKなら、お返事ください。
少し怪しいけど、いたずらじゃなさそう。きっと関係者ね。
敬語で書かれた文面を見るに、年下の子かしら。それとも事務連絡?
でも、おかしいわね。
つい最近、そこからの引っ越しを済ませたばかりなのに。
『引っ越しするなら春だろう』
突然の社長の思い付きに、
プロデューサー初めとした社員が奔走していたことは記憶に新しい。
でも、あの建物も大概古かったし、
ちょうどいい機会だったんじゃないかしら。
もっとも、しばらくは肉体労働と縁のない生活と送りたいものだけど。
あんなビッグイベントが年に何回もあったら、たまったものじゃない。
おかげで引っ越しの次の日は、身体が思うように動かなかった。
うららかな春風が、コートの裾を揺らす。
一見、何ともないメール。
だけど、どこか引っかかるわね。
とりあえず、近くまで行ってみることにしましょう。
それなら、万が一いたずらだったとしても、大丈夫なはず。
私は手櫛で乱れた髪をかき上げると、
分かりました、とシンプルな返事を打った。
すぐに着信を知らせる振動があった。
思わずどきっとしてしまう。
だって、着信を受け取る瞬間に、
携帯を握っていることなんて滅多になかったのだもの。
それに、メールもあまりする方ではないしね。
差出人の欄には、さっきと同じ英数字。
>これで助かりました。
>千早ちゃんにメールしてよかったです。
>それでは、前の事務所でお待ちしています。
そのメールは、私の頭の中を、より一層かき乱した。
――いったい誰なの?
だけど、今更それについてメールするのも、気が引けるわね。
とりあえず行ってみることにしましょう。
今度こそ携帯をジーンズのポケットにしまいこむと、
私はもやもやした気分のまま、人ごみのすき間を縫って行った。
公園を抜けると、近道になる。
だから私も、それを利用することにした。
だけど、一つおかしなことがあった。
普段は静かな公園が、少し騒がしいのだ。
足を止めて声のする方を横目でちらりと見ると、大きな桜の木々。
木々の間から、金曜夕方の赤みを帯びた空と、うっすらとした月が覗いている。
お花見なんて騒々しいだけと思っていたけど、
今日だけは騒ぎたくなる気持ちも、分からなくはないわ。
本当に、ほんの少し、だけど。
それにしても、ここの桜はこんなふうに咲いたのね。
去年は確か……どうだったかしら。
まあ、気にするほどのことでもないわ。
それより、メールの送り主の正体を突き止めることの方が、
今の私にとっては重要事項なのだから。
私は、花びらで敷き詰められた道を踏みしめながら、再度、歩みを進めた。
歩くこと数分。
抜け道のおかげか、私が思っていたよりも、早く目的地に着いてしまった。
旧事務所は、大きな道路に面している。
視界もだいぶ開けていて、人も車もたくさん通る所。
これならメールの送り主が顔を出せば、容易く確認できそうね。
もっとも、それらしき人は、まだ見当たらなかったのだけど。
まぁ、どちらでもいい。
時間は五時の十分前。
私は居酒屋の脇に陣取って、
誰とも分からない、来る保証もない待ち人を待つことにした。
わざわざ先についたという報告は、しなくてもいいわよね。
来なければ、ただのいたずらということにして、帰ればいいだけだもの。
建物に寄りかかりながら、それとなしに空を見上げる。
雲一つない空に、さっきの月が浮かんでいた。
月の反対側に乱立しているビル群は、
太陽の光を受けて茜色に染まりかけている。
なんだか眠そうな春の日差し。
ここからは、こんな景色が見えていたのね。
今日という日がなければ、ずっと気が付かないままだったかも、なんて。
「こっちにいたんだ。
ごめんね、急に呼び出しちゃって」
突然、女性の声がした。
どこかくぐもったような、細い声。
萩原さんだ。
予想外の人物に、思わず固まってしまう。
そんな私の様子を見て、その表情が曇った。
「もしかして……迷惑だった?」
しまった。
ここでしくじってしまっては、今後に影響が出るかもしれない。
それだけは、なんとしてでも避けなければ。
慌てて軽い調子の声を作って、言う。
「――いいえ。突然現れたから、少し驚いただけよ」
「そっか。ごめんね? でも、よかったぁ」
「それで、お願いって何?」
「えーっとね……。
外で説明するのもなんだし、とりあえず、中に入ろう?」
少し釈然としない部分もあったのだけど、ひとまずうなずいて見せる。
約束を破るわけにもいかないしね。
それに、ここまで来て、その頼みを断れるような勇気は、生憎、持ち合わせてなかったの。
二人で縦になって、事務所への暗い階段を上る。
軽やかに上っていく萩原さんとは対照的に、私の足取りは重い。
そのせいで、徐々にステップ数段分の距離がついていった。
――なんで私なの?
聞けるはずもない。
口を開こうとすると、言葉にならないのはなぜかしら。
確かに、アドレスは知っていたはずだけど、それが私を呼ぶ理由にはならない。
いや、せっかく頼られているのだ。
だから、ここは喜んでおくべきよね。
それにしても、
どうしてこんなに遠慮がちになってしまっているのかしら。
ふと見上げると、
私の到着を待つ萩原さんの顔があった。
待たせてしまってはいけないわよね。
私は慌てて、階段を一段飛ばしで駆け上った。
扉の前まで来ると、萩原さんはどこか誇らしげに鍵を掲げた。
「プロデューサーから、鍵もらってきたんだ」
「まだ、返してなかったのね」
「うん、ちょっと用があるって言ったら、すぐ貸してくれたの。さぁ、どうぞ」
言われるがまま中に入ると、
デスクもソファも何もない、空白の部屋が私たちを待ち受けていた。
何もない分、その広さがしっかりとわかる。
「本当に何もないわね」
「……うん。そうだね」
そう返事をするなり、萩原さんは窓の方へと歩み寄った。
結局、お願いってなんなのかしら。
はやく教えてほしかったのだけど、
外の道の様子をを眺める萩原さんの背を見ると、やはり私は何も言えなくなってしまった。
仕方なく、もう一度周囲を見回す。
すると、日焼けした壁に、一際目立つ白い跡。
サイズから見るに、写真の跡ね。
あそこには、どんな写真があったのだっけ。
そっと、その場所を指でなぞる。
そうだ、ここには小さなボードがあったのだ。
その証拠に周りの色合いが少し違う。
ということは、この下には、
昔の写真が貼り付けてあったりしたのかしら。
それこそ、私の知らないようなものが。
「写真の跡、だね」
外に夢中になっていたはずのおかっぱ頭が、唐突に視界の端で揺れる。
そちらへと振り向いたら、強い西日が目に入った。
道理で、ここの壁も日焼けするわけね。
思わず顔をしかめてしまう。
「色々、あったね」
「……そうね」
その"色々"とやらが、
ここでの出来事だという事を理解するのに、
少しの間を置いてしまった。
あれだけ特徴的な人々が一堂に会していれば、何もなかったわけがないわよね。
でも、ここでは、"色々"の一言で済まされないような出来事が、数多くあったのだ。
思いつくがまま、と言ったふうに、萩原さんが言葉を並べる。
「ねえ千早ちゃん。冷静に考えると、ここって結構怪しい事務所だと思わない?」
「怪しいって?」
「だって、こんな小さな事務所……」
萩原さんは、
それっきり言いよどんでしまったけど、言いたいことはよくわかった。
確かに、怪しいどころの話じゃないわね、こんな場所。
「そんな所に突っ込んでいくって、私、結構向こう見ずだったんだなぁって」
私たちは、顔を見合わせて笑った。
「ええ。考えれば考えるほど、怪しいと思う」
萩原さんは、満足げにうなずくと、
眩しそうに手で庇を作りながら一歩後ろに下がった。
「ごめんね、なんだか感傷に浸っちゃって。
そうそう、お願いのことなんだけどね?
給湯室の戸棚にお菓子が残ってたはずなんだけど、
けっこう高い所だから、私じゃ確認できそうにないんだ。
引っ越しするときに、忘れちゃってて。
もうなかったら、骨折り損になっちゃうんだけど……」
「いいわよ。そう言うことだったのね」
次第に伏し目がちになっていた萩原さんの表情が、ぱあ、とほころんだ。
だけど、そういうことなら私以外に適任がいるんじゃないかしら。
少しの沈黙を置いて、萩原さんが申し訳なさそうに経緯を説明し始める。
「プロデューサーも四条さんも、
まだお仕事あるみたいで、頼めなかったんだ」
「……ちなみに、あずささんは?」
あの人も、背が高いはずだけど。
「連絡したんだけど……圏外」
なるほど。
お互い肩をすくめながら、今度は苦笑いを浮かべる。
まったく、今日はどこまで行ったのでしょうね。
戸棚は、思っていた以上に高い位置にあった。
こんな所に手を入れたこと、多分なかったわね。
指先を使って探すと、確かに手応えを感じる。
丸くて小さな缶の形を指先で確認することが出来た。
「……あったわ」
「ホント? 見に来てよかったぁ」
背後からは弾むような声。
「ええ。でも、こんな所にあったのね」
「うん。少しでも隠しておかないと、
すぐに誰かが食べちゃうんだもん」
知らない所で、お菓子を巡ったいざこざがあったりしたのかしら。
私は必死で腕を伸ばしながら、そう、と気のない返答をした。
私の背でギリギリ届くくらいなのだから、
こんなお願いをされるのも、無理のないことよね。
「あ、でもね、小鳥さんはここを知ってたみたいで、
無くなってたら、新しいの補給してくれてたんだよね」
「そうなの。はい、どうぞ」
ようやく腕を下ろして、
少し高級そうなクッキー入りの缶を差し出すと、
優しさのこもった声で感謝を告げられる。
「ありがと。助かったよぉ」
まっすぐな優しい目だった。
思わず視線を外して、平静を装った声を出す。
「それにしても、妙な所で律儀よね、音無さん」
「うん、そうだね。だって、私たちの世話までしてくれてるくらいだもん」
「そうね。よっぽどの物好きに違いないわ」
萩原さんは、気まずそうに、どこか頬を引きつらせたような笑顔を見せた。
再び腕を伸ばして、戸棚を閉じると、
あっ、と悲鳴も似た声が耳に届いた。
「ねえこれ、今週までみたい……」
振り向くと、萩原さんが缶の底を覗き込んでいた。
そして、うーん、と少し考え込むような唸り声を上げると、何か閃いたように手を合わせた。
あまりいい予感がしないのは、なぜかしら。
「ねえ」
萩原さんがこらえきれないように言う。
その眼の輝きは、まるでいたずら好きな誰かさんみたいだった。
「ここで食べちゃおっか」
その提案を断る理由もないので、私は黙って首を縦に振った。
「せっかくだし、社長室だった場所にしようよ」
私のコートの裾を引っ張って、萩原さんが楽しげに提案する。
こんな大胆な発言をする人だったなんて。
でも、その気持ち、なんとなく分からなくはないわ。
普段入れない場所に入るって、なぜか浮きたってしまうものがあるわよね。
「そもそも社長室って必要だったのかしら」
何か話題を、と考えた結果がこれだ。
がらんどうの部屋の隅で、
小洒落たデザインの缶の蓋を開けた萩原さんが、困り顔をする。
「偉い人には、色々あるんじゃない……かな?」
「……そうね」
軽く自己嫌悪に陥りそうになった。
まったく、なんで私は気の利いたことが言えないの。
「はい、どうぞ」
笑顔とともに差し出されたクッキーを受け取って、
感謝を告げるとともに、再度、話題の提供を試みる。
「ありがとう。……ねえ、なんで私たち、こんな角にいるの?」
椅子もない部屋では、もたれられるものに頼るしかない。
だけど、扉から一番遠くて、しかも片隅である必要はないと思うのだけど。
「……その方が落ち着くから?」
分からなくはないけど、なんで疑問符がそこについてしまうの。
「それに後ろ盾があると安心出来る、よね?」
「……そうね」
一応、賛同しておけばいいのかしら。
こうしてひっそりしていること自体、アイドルなんて職業とはかけ離れている。
でも、この方が私らしかったりしてね。
「今日のレッスンどうだった?」
普段、誰かにしているように、
萩原さんが自然な調子で訊ねてきた。
プロデューサーに同じようなことを聞かれた時は、なんて答えてたっけ。
「いつも通りだったわ」
「そっかぁ」
萩原さんは目を細めながら、
手に取ったクッキーを口に運んだ。
こんな素っ気ない答えで大丈夫なのかしら。
「ねえねえ、そのストラップって……」
とりとめのない話って、こういうことを言うのかしら。
萩原さんが、私のジーンズのポケットからはみ出た携帯をとらえたようだ。
それは、書店でもらった犬のストラップだった。
正直、犬ともわからないような悪趣味なデザインだったのだけど。
「ええ。本を買ったらついてきたの」
「それって――」
そこまで言うと、萩原さんは口をつぐんでしまった。
その続きにはどんな言葉が入るのかしら。
これが犬だから? いや、どうも違いそう。
と、なると――。
「これ、センスないわよね。
正直言って、犬の顔があまりにも不細工」
「……やっぱり、そうだよね」
良かった。
私の予想は的中したみたい。
「じゃあ、なんでつけてるの?」
「……皆から素っ気ないって言われていたし、
他にしまうところがなかった、から?」
もらいものをなんとなく使うだなんて、貧乏性みたいに思われてしまうだろうか。
私の心配をよそに、
萩原さんは嬉しそうな、
それでいてどこか弱ったような顔をした。
「実はね、それ、私も持ってるの」
言うや否や、萩原さんはバッグの中から、私と同じストラップを引っ張り出した。
もちろん、フィギュアの部分ではなく、紐の端を持って。
「これね、あんまり犬に見えないから怖くないんだけど……」
「全くもって可愛くないわよね」
ストラップとしては致命的じゃないかしら。
お互いのストラップを交互に見て、二人で苦笑する。
「ねえ、それがもう少し犬に似てたら、どうしたの?」
少し考えるようなポーズをとって、萩原さんが言う。
「……穴掘って埋めちゃう、とか?」
私たちはその一言で、同じタイミングで笑い出した。
そんなこと、できないけどね、
と明るい声で弁解する萩原さんは楽しげだった。
これなら、あの素っ気ない返事でも問題なかったみたいね。
でも、残念なことに、一つ問題が無くなると、
また別の問題がすぐに頭の中に浮かび上がる。
せっかく消えかけていたのに、厄介なものね。
――なぜ、あんな他人行儀なメールを?
口に出来ないまま、その疑問を頭の中でぐるぐるさせる。
それだけ距離を置かれている、ということなのかしら。
まあ、だからと言って、どうという事ではないのだけど。
「好きでもないものって、
ついしまいっぱなしにしちゃうんだよね」
萩原さんが空になった缶を、そのままバッグに突っ込んだ。
ゴミ箱もないし、仕方ないことよね。
そんなことを考えていると、萩原さんが何の前触れもなく、私の右腕に抱きついてきた。
思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。
「な、何?」
「静かに。誰か来てる」
声を低くして、萩原さんが耳元でそう囁いた。
なんだ、そんなこと。
私も同じように声を低くして、開き直るような調子で囁く。
「見つかってもいいじゃない。
どうせ関係者か業者の人でしょ?」
「で、でもぉ……」
「別に隠れる必要なんてないわ。行きましょう」
だって、悪いことをしてるわけじゃないもの。
そう言い残して、
私が扉の方へ歩いて行こうとすると、腕をつかむ力が増した。
萩原さんは根を張ったように、そこから動き出そうとしなかった。
これじゃ埒が明かないわ。
力ずくで引きずっていくしか方法はないみたい。
無理やり萩原さんを引きずって、どうにか扉の前まで来る。
言われた通り、扉の外に誰かがいる気配がした。
「待って」
「隠れておこうよ」と、後ろからはこの繰り返し。
私が出ていく前に、その声で気付かれてしまうのではないかしら。
「誰かいるの?」
ほら案の定、外からの声。
私の腕をつかむ手は、
一瞬だけ硬直したかと思うと、すぐ力なくほどける。
その隙に私は、ドアノブを容赦なく回した。
でも、怖がる要素なんて一ミリたりともないわ。
だって、聞き覚えのある声だったもの。
「こんばんは。音無さん」
「あら、千早ちゃんだったの。……それに、雪歩ちゃん?」
その瞬間、音無さんの口元がだらしなく緩んだのを、私は見逃さなかった。
斜め後ろからの安堵の声が、私の髪を揺らす。
「小鳥さん、ですか?」
「ええ。……泥棒とでも思った?」
「ち、違いますよぉ!」
慌てふためく萩原さんに、音無さんはどこか生暖かい視線を送っていた。
「どうしてこんな所にいるの?」
と、音無さんがこの空気を一掃するかのように質問する。
「忘れ物があったんですって。ねえ、萩原さん?」
「は、はい! 千早ちゃんの言うとおりですぅ!」
「じゃあ、私と一緒ね。
もっとも私の忘れ物は、もうなかったんだけど。
引越し屋さんに、持って行かれでもしたのかしら」
まぁ大したものじゃなかったんだけどね、と音無さんは笑うと、
つい最近までカレンダーがかけられていた場所に身を預けた。
その証拠に、音無さんの肩の上の部分には、画鋲の跡がくっきり残っている。
「ここはカレンダーがあったのよね」
私の考えを見透かしたかのように、音無さんがその個所を指で擦った。
「――そっちには温度計。
あっちにはコードがあったわ。
引っ掛かりそうで危なかったから、壁伝いに通してたけど」
「そういえば……そうだったかも」と、萩原さんが言う。
「すごいですね。私は、ほとんど覚えてないです」
私が歓声めいた声を上げると、
音無さんが誇らしげに鼻を鳴らした。
「まぁ、みんなよりは、ちょっと長くここにいたからね」
"ちょっと"に強いアクセントが入っていたのは、私の勘違いではないはず。
更に得意顔になった音無さんは、嬉々としてこの場所当てゲームを続けた。
「そこは古雑誌置場。
……捨てられずに溜まっていく一方だったから、
あっちの棚から移したのよね。
引っ越しの時も結局捨てられずに、今の事務所まで持って行っちゃったけど」
その雑誌類の量のせいで、
プロデューサーが酷く苦労していたのも、つい最近の出来事。
「それにしても、社長も突然すぎるわよね。
いきなり引っ越しって言われても、いろいろ面倒なんだから」
ぐるりと白い部屋を見回して、音無さんが電気のスイッチを入れた。
暗くなりかけていた室内が、また明るさを取り戻す。
「よかった。まだ生きてるみたい」
「ちょっと暗くなってきましたね」と、萩原さんが眩しそうに明かりを見つめた。
そろそろ日も沈んでしまうし、お開きにした方がいいんじゃないかしら。
私の不安をよそに、萩原さんがさっきの写真の跡を指さした。
「ねえ小鳥さん。ここにはどんな写真があったんですか?」
少し考え込むような素振りを見せてから、音無さんが答える。
「確かそこには、ミニボードがあったはずよ。
それで、その横が棚――」
「そうじゃなくて、これ、見てください」
どれどれ、とそれを確認しに行く音無さんの背を見る。
意外と身長低いのよね、この人。
「確かに、写真の跡みたいなのがあるわね。
えーっと……。
そう言えばあったような……無かったような……。
ごめんなさい、ちょっと分からないわ」
「そうですか」と萩原さんがその壁を撫で回す。
「そこの上には、時計ですよね」
続けざまに、音無さんのいる位置の遥か上を指さした。
それはさすがの私でも覚えてるわ。
「ええ。雪歩ちゃんもよく覚えてるじゃない」
「えへへ」
萩原さんは満足げにうなずくと、両手を壁にぴたりとつけた。
「棚の後ろ側ってこんなふうになってたんですねぇ」
やたらと感慨深そうな声だった。
そこには、ファイルや歌の教本など、
私に必要なものがたくさん詰め込んであったのだ。
「そこにあった教本とか雑誌って、たいてい取り合いになったわよね」
「うん。
みんな譲りたがらないんだもん。
だから、ここでじゃんけんしたり、あみだくじ作ったり……。
それでも、結局並んで読んだけど」
萩原さんが思い出すようにして、天井を見上げながら話した。
そういえば、半ば強制的な形で、
それらの戦いに参加させられたのだっけ。
自分がその戦いに勝った時のことを思い出す。
資料を読むのに集中していて、気が付くと勝手に輪ができていたことが何度もあったわね。
それを見た律子が人払いをしてくれたり――。
「……まぁ、嫌ではなかったけど」
意図せずして出た声に、萩原さんが目を丸くする。
どうやら聞かれてしまったみたい。
でも私、何かおかしなこと言ったかしら。
「音無さんは、いつからここにいたんですか?」
萩原さんを気にせず、何気なく訊ねる。
音無さんは、ぼそぼそと、
そこにあったはずのものの名前を呟きながら、
部屋の中をせわしなく歩きまわっていた。
「そんなの、内緒に決まってるじゃない」
「そうですよねぇ」と、萩原さんが落胆した声を出すと、音無さんは少しむっとした表情で言った。
「それに、昔話ができるほど年は取ってないわよ、私」
「じゃあ、……おいくつなんですか?」
間髪入れずに萩原さんからの質問が叩き込まれる。
音無さんの顔に動揺が走った。
私でもわかるくらい、明らかに。
その姿があからさますぎたので、私は少し吹き出してしまった。
「今、笑ったわね」
音無さんが口をとがらせる。
「すみません。おかしくて、つい」
「……千早ちゃんが意地悪する」
珍しく、少し拗ねたような声を出したかと思うと、
音無さんが萩原さんの背中にさっと隠れた。
「ええっ!?」
突然巻き添えを喰らった萩原さんは、聞きなれた悲鳴をあげる。
ああ、これが私の知っていた場所だ。
どこか見慣れた光景の中で、私たちは目くばせすると、声を合わせて笑った。
笑い声がすべて天井に吸い込まれると、萩原さんが、少しかすれた声を出す。
「楽しかった、ですね」
「……そうね」
と、音無さんが部屋の明かりを見上げて、眩しそうに顔をしかめた。
「やっぱり、何もないと広いですね」
萩原さんがぐるりと回転しながら、しみじみと言った。
「私たちしか、いないからじゃない?」と、私も極めて明るい声で言う。
「だから、なのかなぁ」
多分、それだけではないのだろうけどね。
「だから、よ」
強調するように音無さんが言うと、
欠伸をするような息を漏らしながら大きく伸びをした。
「さて、行きましょうか」
だから、その睫毛が濡れていたのは、欠伸のせいに違いないの。
「じゃあ」と言って、萩原さんがスイッチに手をかけると、
こつん、こつんと階段を上ってくる音がどんどん近づいてきた。
まったく、今度は誰が来るっていうのかしら。
「もしかして……今度こそ泥棒?」
「わわわ、私、穴掘って埋まって――」
「待って!」
二人とも、そんなにあわてなくても、
盗るようなものは、ここにはもう何もないのよ。
でも、面白いからこのまま黙っておきましょう。
階段の音が消えた。
曇りガラスに映った影を三人で凝視する。
ゆっくりと開かれていく扉に、私もつい身を固くしてしまう。
「なんだ、君たちか」
でも、やっぱり私の思っていた通り。
面喰らった様子の二人より一歩前に出て、扉を開いた人物に声をかける。
「ええ、忘れ物がちょっとあったので。
社長はどうしてここへ?」
「近くまで来たら、明かりがついているんだ。
気にならないはずが――」
「もう、社長!
驚かさないでください!」
音無さんが社長の言葉を遮って叫ぶと、
社長は肩をすくめて申し訳なさそうに笑った。
「いやぁ、すまんすまん。
それにしても、何もないとやっぱり広いねぇ」
みんな思うことは同じみたい。
そのセリフは今日、何回も聞いた記憶があるわ。
「でも、昨日来た時よりは幾分か明るいみたいだ」
「昨日も来たんですか?」と萩原さんがおずおずと手を上げて質問した。
「ああ、確認のためにちょっとね」
社長は、頭を掻きながらそれに答えた。
それを聞くなり、音無さんが「あ」と手を叩いて、
「社長、給湯室の戸棚のの中とか、確認しませんでしたか?」と、勢いよく訊ねた。
「いいや。そんな所までは……。何か、あったのかね?」
「……いえ、なにも」
社長の答えを聞いて、音無さんが深いため息をついた。
これは……黙っておくのが吉ね。
萩原さんが、明らかに焦った顔をしているけど、
今の音無さんからは見えてないから、大丈夫なはず。
音無さんは、
「せっかく孫の手まで持ってきたのに」
と残念そうに天を仰いでいた。
それは高い場所にあるものを取るためのものではないと思うのだけど……。
「――にしても、ここからやっと抜け出せたねぇ。
新しい事務所の過ごし心地はどうだい?」
社長が場を取り仕切るように言い放つ。
だけど、逆効果だったようで
「それどころじゃなかったんですよ! もう!」
と、音無さんが怒ったように声を上げた。
私怨が混じっているような気がするのは、多分、気のせいね。
「私に何の相談もなく決めないでください。
引っ越しの手続きとか、結構面倒なんですよ?」
「いやあ……。
でも、最初にここから出たいと言ったのは、君だろう?
確か、狭いからいちいち不便だと――」
「ち、違います!
もっと設備を整えたいと言ったのは、社長じゃないですか」
どちらが本当なのかしら。
まぁ、どちらも本当なのでしょうね。
なんとなく、そう思えるから不思議。
「ねえ、どうしよう」
萩原さんが私のコートの裾をつかんでささやく。
「放っておけばいいんじゃない?」
「……そうだね」
目の前で、口論を広げる二人を見つめる。
だって、止めてしまったら、
ここをすぐに出ていく理由が出来てしまうもの。
だから、放っておくのが一番いいに決まってるわ。
「ねえ萩原さん」
「なに?」
騒々しい環境に乗じて、意を決して訊ねる。
「……なんであんなに堅苦しいの?」
「え? ……なにが?」
「メールよ、メール」
あんな素っ気ないメールをした私が言えたことではないかもしれないけど。
萩原さんは、微妙な間を置いた後、すべてわかったような顔をして口を開いた。
私も、その一言一句を聞き漏らさないように耳をそばだてた。
「メール打つ時って、なんか敬語になっちゃわない?
みんなから指摘されちゃうんだけど……変かなぁ」
「…………そう」
なんだ、と今度こそ誰にも聞こえないような声で、独り言を漏らした。
結局、私の早とちりだったってわけね。
「何か言った?」
「いいえ。別に変じゃないと思うわ」
「そっか。でも、よかったぁ。
千早ちゃん、来ないと思ったもん。
あんなに突然頼みごとしたから、無理かなぁって」
目を細めながら、萩原さんは窓の外をのぞいた。
「予定もなかったし、構わないわ。
でも、誰からのメールかわからなかったんだけどね」
驚いた顔で振り向いた萩原さんに、悪びれることなく告げる。
「アドレス帳、飛ばしちゃったの」
「なんだ」
と、安心したように萩原さんが笑った。
「じゃあ、あとで送ってあげる。
とりあえず事務所の人の分だけあればいいよね?」
「……そんなこと、できるの?」
「できるよ?
そうなら、早く言ってくれればよかったのに」
「ごめんなさい、私よくわからなくて」
そう言って携帯を取り出すと、あの犬が揺れた。
この悪趣味なストラップ、もう外した方がよさそうね。
「やっぱり今送っちゃおっか。
……しばらく終わりそうにないし、ね?」
少しばかり離れたところで、一方的な口論を続ける二人をちらりと見る。
あれはいつになったら終わるのかしら。
「ええ、そうしましょう」
そう言って私は、両手を使ってそっとフラップを開く。
「じゃあデータ送るね。赤外線、ある?」
「……セキガイセン?」
聞いたことがあるような、ないような。
「じゃ、じゃあメールで送るね。――はい、送ったよ」
「なんだかごめんなさい。……ねえ、これをどうするの?」
「簡単だよ?
まずはね――」
懇切丁寧に教えてくれようとしていたのだろうけど、
それを飲み込める気がしなかったので、
私は大人しく萩原さんに携帯を差し出した。
萩原さんはとまどいながらも、それを受け取ってくれた。
そして、私にはできないようなスピードでその細い指を素早く動かした。
ほとんど真っ白だったアドレス帳が、見る見るうちに黒く染まっていく。
「ありがとう。
すごいのね、萩原さんって」
「えへへ、どういたしまして」
画面を覗き込もうとすると、肩がぶつかる。
「ごめんなさい。私、邪魔かしら」
「ううん? 千早ちゃんだって、そんなことないんでしょ?」
「――そうね」
萩原さんは満面の笑みを浮かべたかと思うと、
いきなりびくっと肩を震わせた。
「どうしたの?」
「いや……ストラップが犬っていうこと、ちょっと忘れちゃってて」
そう言うと、私の携帯の端を持つようにして、丁寧にそれを差し出した。
もちろんストラップは宙ぶらりんのまま。
よくよく見ると、結構怖い顔してるわね、これ。
「ありがとう。これ、後で外すことにするわね」
「うん、そうした方が」
――いいと思うな。
多分こう続くはずだったのでしょうね。
だけど、その言葉は続けられないまま。
「どうしたの?」
「ねえ、私いいこと――」
「――千早ちゃんもそう思うわよね!?」
萩原さんが再び、びくっと肩を震わせる。
唐突に私たちの間に、大声がはさまれたのだ。
これは飛び火ね。
だって、気が付いたら音無さんが必死の形相で私を見つめていたのだもの。
今更聞いてなかった、なんて言えないわよね。
ひとまず適当に、
「ええ、そうですね」と、相槌を打つ。
「ですって、社長」
「……なら、申し訳なかったね」
その言葉にあまり重みが感じられないのは、たぶん気のせいじゃない。
にしても、これで終わりなのかしら。
さすがに手持ち無沙汰なのだけど。
「それでですね――」
ああ、また始まるの。
「あの、社長」
見計らったかのようなタイミングで声がかかる。
いつの間にか、萩原さんは棚のあったはずの場所まで、移動していたようだ。
「なんだね」
社長は待っていたといわんばかりに、音無さんの前から逃げ出した。
「この写真の跡なんですけど……」
「どれどれ……」
社長がその近くによると、萩原さんが一歩遠くにずれた。
やっぱり、まだダメなのかしら、男の人。
「――写真があったみたいだが、私は忘れてしまったよ」
「そうですかぁ……」
その社長の姿を見て、私は、ふと資料として渡されたファッション誌の特集記事を思い出した。
ちなみにその記事のタイトルは<<男の嘘の見抜き方>>。
酷いセンスよね。
嫌々読んだからか、それだけは頭にこびりついてしまったの。
でも、その中身なんかこれっぽっちも覚えてないのに、
どうして私は社長の嘘がわかったのだろう。
とりあえず、"女の勘"とかいう都合のいいワードを理由にしておきましょう。
もっとも、それに気づいたのは私だけのようで、
萩原さんと音無さんは、残念そうな顔をしていた。
「さて、時間も遅いし、そろそろ行こうか。
どうせ、夕食はまだなんだろう?
ご馳走しようじゃないか」
「はい! 私、いい店知ってます!」
待ち構えていたかのように、音無さんが勢いよく手をあげる。
こうなることも想定済みだったりしてね。
「それは……手間が省けたね」
皮肉交じりの社長の言葉も、
音無さんには通じていないようだった。
「じゃあ、出ましょうか」
しかし、二人が事務所を出ようとしても、
萩原さんは名残惜しそうに、その場に立ち尽くしていた。
「名残惜しいかね」
「……はい」
「じゃあ、私は先に出ているよ。
音無君はどうする?」
「私も出ます。
これ以上ここにいたら、本格的に情が移りそうで」
音無さんが寂しげに笑う。
「それじゃ、なるべく早く出てくるんだよ。
年寄りにはこのくらいの気温でも、結構堪えるんだ」
ばたんと扉の閉まる音がむなしく響く。
今日ここに来た時のように、萩原さんと二人きり。
「ねえ、さっき何か言いかけてたけど――」
夕方の頃が嘘のように、言葉が自然に出てくる。
萩原さんは何も言わずに、にっこりと笑って給湯室の方へと入って行った。
慌てる必要もないのに、ついそのすぐ後を追いかけてしまう。
「ねえ千早ちゃん」
くるりと向き直って、萩原さんがその顔を崩さないまま問いかけてくる。
「千早ちゃんは好きじゃないものってどうする?」
何を言っているのかしら。
私はまだ、萩原さんがこれから何をしようとしているのか、見当もつかなかった。
「そうね……。
とりあえず使ってみて、要らなかったら片付けるわ」
「じゃあ――――」
言い切るなり、ついさっきまで楽しげだった表情が一気に曇って行く。
「あ、でも、だめかな。こんなことしちゃ。やっぱり――」
どうやら、怖気づいてしまったみたい。
だから私は、その不安を取り払うように、精いっぱいの力を込めて言った。
「とてもいい考えだと思うわ。私もするから、やりましょう?」
「公園の近くに店があるんです。
だから、そこを抜けていきましょう!」
音無さんの提案に従って、
私は元来た道を辿って行くことになった。
私の背後から、風が囁くようにさやさやと流れていく。
とりあえず、家に帰ったらこのコートをしまわないと。
そうしたら、この風に歌を乗せましょう。
それなら私がどこにいても、もっと遠く、どこまでも届くはずよね。
遠くなった事務所は、
すっかり夜色の中に溶け込んでしまっていた。
太陽が出ていた時には、
まだはっきり見えていたのに、
その存在は、どこかおぼろげなものになっている。
なんだか今日の出来事もあの場所も、
全部、ふわふわした夢の中だったみたい。
「さよなら」
私は誰にも聞こえないようにつぶやいて、腕を下げたまま小さく手を振った。
多分、私はもうあの場所に足を踏み入れることはないのでしょうね。
だって、これ以上パンドラの箱を引っ掻き回すような真似、しない方がいいに決まってるもの。
「綺麗ですねぇ……」
あのくぐもった声のする方を振り返ると、さっきの桜がライトアップされていた。
「ああ。実にいい眺めだ」
満開の桜を見上げて、社長がかみしめるように言う。
「今度、ここで花見でもしようか。
あの桜の下だと、なかなかいい写真が撮れるんだ」
「じゃあ、場所取りはお願いしますね」
音無さんが悪戯っぽく笑う。
私はというと、喉元まで来ていた言葉を飲み込むことに必死だった。
――社長はよくご存知なんですね。
わざわざ指摘してしまうなんて、あまり良いことではないわよね。
「ああ!」
いきなり萩原さんが叫び声を上げる。
三人同時に萩原さんを見つめると、
少しばかりまごついたけど、すぐに前を見据えて、桜の木の下を指さした。
「あれ、見てください!」
「……おじさんたちがお酒を飲んでいるけど」
「その真ん中に立ってる人ですぅ!」
「とても美しい人だねぇ」
社長がのんびりとした声を出す。
それとは反対に、音無さんは顔色を変えて叫んだ。
「何言ってるんですか社長!
遠目で分かり辛いけど、あれ、あずささんですよ!!」
「まぁ、とりあえず電話をかければわかることでは?」
とっさに携帯を開いて、
先ほど萩原さんから受け取ったアドレス帳から、
あずささんの電話番号を引っ張り出す。
『おかけになった電話番号は――』
ああ、そういえば。
「みんな、のんびりしてないで早く!
サラリーマンの輪の中にアイドルがいるだなんて……問題じゃないけど大問題です!
ああもう、仕方ないわね。社長!」
「ちょっと待ってくれ。それでは五人分に――」
「そんなこと言ってる場合じゃありません! 行きますよ!」
社長は、音無さんに引っ張られるがままに桜の木の下へと向かって行った。
「事務所の場所が変わったことなんて、
あずささんにとっては些細なことなのかもね」
萩原さんがぽつりと呟く。
私も呆れたような調子で、同じように呟いた。
「あの人にとって、場所なんかこれっぽっちも関係ないんだわ」
おじさんたちの中へ、社長を放り込む音無さんの背中を見やる。
自分では入らないのかしら。
でも、私もあの中には入りたくないわね。
「そうだね。あんまり関係ないんだよね」
喧騒の中で、吐息交じりの声だけが耳に響いた。
「ええ、そうね」
「私ね、環境が変わるのってあんまり好きじゃないんだ。
だから引っ越しも、実はちょっぴり嫌だったんだよね」
おじさんたちの中に紛れ込んだ社長が困り顔をしているのは、遠目にも見て分かる。
「でもね、今日、からっぽになったあの場所に二人で行ってみて分かったんだけど」
桜の下では、
輪の中からあずささんを引っ張り出す社長の姿と、
勇ましく、ぶんぶんと手を振る音無さんの姿があった。
「千早ちゃんたちがいれば、大丈夫な気がしてきたんだ」
向こうに手を小さく振り返しながら、
私の隣で萩原さんがしっかりと微笑みかけてくれた。
もっとも私は、まっすぐ前を向いたままの状態で
「そうね」
としか、言えなかったのだけど。
「あらあら、みなさんお揃いで~。
今日は、なにかあったんですか?」
音無さんと社長の間に立ったあずささんは、
いつも通り悠長な声で言った。
「なんでまた、あんなところにいたんですか?」
「お散歩してたの。
ここって、前の事務所の近くでしょう?
だから、ちょっと寄ってみようかと思ったんだけど、
気が付いたら、あの中に引きずり込まれてて」
大して困っていないような調子で、あずささんが微笑む。
「ちなみに携帯はどうしたんですか?」
「携帯?
……ああ、家を出てすぐに電池切れしちゃったの」
それは、携帯を持ってる意味がないのでは。
矢継ぎ早に投げかけられた私の問いかけを、さして気にせず、
あずささんは桜の木と、その周りの人々を横目で見やった。
「でも、おじさんたちが酔っててよかったわ~。
そうじゃなければ、気づかれてたかも」
なんてね、とあずささんは小さく舌を出した。
「本当ですよ」
と、音無さんが安堵したような声を漏らすと、
すっとあずささんの肩に手を置いた。
「まあ、何事もなくて良かったです。
それよりあずささん。晩御飯、ご一緒しませんか?
社長のおごりですよ?」
「それは素敵ですね~。
でも、よろしいんですか?」
それにノーと言える人が、この世の中に存在するのかしら。
「ああ、私に任せたまえ!」
社長がやけっぱちに言い放つと、
今来た方に背を向けて、足取り重そうに歩き始める。
だから私たちも、そのしょぼくれた背中をゆっくりと追いかけて行った。
>今日はありがとうございました。
>それで……、
>今度、新しいの買いに行きませんか?
>空いてる時間があったら、教えてください。
>じゃあ、また明日。
>新しい事務所でお会いしましょう。
やはり、堅苦しすぎるわね。
萩原さんには悪いけど、今度顔を合わせたときに指摘しないと。
だから、明日は新しい事務所に寄ってみましょう。
そうすれば、萩原さんが少し戸惑ったような顔で、私の予定を訊ねてくるに違いないわ。
でも、あの場所は、設備が過剰でどうも落ち着かないのよね。
直に馴染める、なんてプロデューサーには言われたけど、どうなのかしら。
まあ、なんでも、いいですけれど。
だって、場所が変わっても、変わらないものがあそこにはあるのだから。
分かりました、ではまた明日、というだけのメールを送る。
私はぎこちない手つきで、
充電器と携帯を接続させると、部屋の中をさっと見回した。
……ちょっと、殺風景すぎるかも。
あの新しい場所ほど大仰でなくてもいいけど、
少しくらい彩ってみても罰は当たらないわよね。
春なんだもの。
慣れないことをしてみたって、いいでしょう?
どうしたって、あの空になった事務所よりかは見栄えするはずよ。
だって、あの事務所にあるのは、
空になった空き缶と、不細工な二匹の犬だけなのだから。
要らないものだらけの場所。
だから、それ以下になるはずないのは、もう決まってることなの。
私は充電器をコンセントを刺すと、
その前で来るかも分からない"おやすみなさい"の返事を待った。
そして、その間中、
どうやって部屋の模様替えの相談を、萩原さんに持ちかけようか、
いまいち飾り気のない部屋の中でずっと考えていた。
季節外れですまない
ちはゆきっていい組み合わせだと思うんだけど少ないよね
乙
Entry ⇒ 2012.10.17 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
P「律子は説教デレ」
バンッ!!
春香「ぅひっ!?」
律子「いい加減にしてくださいプロデューサー!」
春香(あちゃ~、プロデューサーさんてば律子さんに説教されてる)
律子「何度同じ失敗を繰り返せば気が済むんですか。先週の木曜も同じでしたよね!?」
P「ごめんなさい……」
春香(今出て行ったらマズいよね?)
律子「なぜ今朝はおはようのキスがなかったんですか?」
春香(ワッツ!?)
律子「あらためて確認しますが」
律子「いくら物覚えの悪いプロデューサーでもこれだけは記憶していると信じたいのですが」
春香(律子さんごめん、今キスとか聞こえちゃった)
律子「我々のキスについてです」
春香(言ってる!!)
律子「付き合い始め、我々はこの契約書において相互に同意したはずです」
律子「プロデューサーの節穴さながらの目でも見えるよう、B1に拡大しました」
春香(デカッ!!)
律子「おはようのキス、行ってきますのキス、ただいまのキス、おやすみのキス」
律子「これら四大基本キスを怠ることは重大な不貞に当たる、と」
P「はい……」
春香(そ、そうなの……?)
P「私のものです……」
春香(すごい殊勝……)
律子「それぞれのキス、特におはようのキスの重要性については何度も述べたはずです」
律子「愛し合うパートナー同士ならば当然の義務、そうですよね?」
P「はい……」
律子「だというのにあなたって人は……」
P「………」
律子「義務である理由、暗誦してください」
P「え……」
P「あんしょ……え?」
律子「ほら早く」
春香(なんだろうか、この状況は)
P「え、っと……」
P「あ、愛し合うパートナーであれば、睦みあうこと、スキンシップは必然」
律子「はい」
P「特にキスは互いの愛情を確認しあうための重要な行為であり」
律子「続けて」
P「キスのない恋人同士はすなわち、枯れ果てた大地と同じだからである」
律子「………」
P「………」
律子「……」コツコツ
律子「……」コツコツコツコツ
律子「終わりですか?」
P「え……」
春香(指で机コツコツ怖い……)
P「あっ、あ、あーっと」
律子「ハァ……私はどれだけあなたにガッカリさせられないといけないんですか?」
律子「自分が愚昧、または匹夫であるという自覚はありますか?」
P「……すみません」
律子「いえ、いいですよもう」
P「………」
春香(あ、終わる?)
ゴソゴソ
律子「ふう……」
律子「」ピッ
ウィーーン
春香(え? え、え!? なんか上からスクリーン降りてきた!?)
春香(パ○ポだーー!! パワーポイント○だーーー!!!!)
P「律子、事務所にももう皆が来ちゃうし!」
春香(プロジェクターなんていつの間に導入……いやスクリーンも!!)
律子「スケジュール的にそれはないでしょう、これだけ朝早ければ問題ありません」
春香(早起きしちゃったのは誰!? そう、この私!!)
律子「見ていただきたいのはスクリーンの図Pです」
P「………」
春香(図Pがなんと皮肉めいて聞こえることよ……)
律子「そして折れ線グラフの方は、アイドルプロデュース活動における私の仕事力――」
律子「つまり『りっちゃんパフォーマンス』の推移を定量的に示しています」
P「はい……」
春香(はいじゃないのでは? はいじゃないのでは?)
律子「大脳皮質のヒダがデロデロになっているプロデューサーにもわかるように説明しますと」
律子「例えばこの10月8日、この日はとても満足のいくおはようのキスができたようですね」
P「そうみたいですね……」
律子「すると同日、同様に『りっちゃんパフォーマンス』もとても高い値をマークしています」
律子「これが何を意味しているか」
P「………」
P「………」
律子「信じがたいことですが、おはようのキスがありませんでしたので」
律子「当然ながらおはようのキスのらぶらぶ度もゼロ」
律子「同日の『りっちゃんパフォーマンス』も地を這うような悲惨なことになっています」
春香(恐ろしいまでの公私混同……)
P「こ、公私混同じゃないか」
春香(言った!! なにこのシンクロニシティ! 行けーっプロデューサーさん!!)
P「………」
律子「公私混同ですかぁ……なるほどねぇ……」
P「………」
律子「公私混同ですかぁ……」
P「聞き間違いでは?」
春香(慇懃に日和ったーーー!!!)
春香(というかカップルって初めて知ったし驚いているうえ泣きたい!!)
春香(誰か助けて!)
律子「……と、このようにおはようのらぶらぶキスと『りっちゃんパフォーマンス』は」
律子「密接な因果関係にあるということがよくわかりましたね」
律子「ニューロンがことごとく死滅しているかのプロデューサーにも理解できたかと」
P「は、反省してます……」
律子「………」
P「………」
律子「……」ジーッ
律子「……」チラッ
律子「終わりですか?」
P「え……」
春香(自分の指のネイルを見てからの……!)
律子「プロデューサー」
P「っ!」
律子「本当にあなたはダメな人ですね、ここまで頭が回らないなんて」
律子「説教する私が疲れてきました」
P「そんな……」
律子「まだ気づかないんですか? おはようのキスだけなら私はここまで怒りません」
律子「というより、今日のおはようのキスはとても重大な意味を持っていたはずなのに」
P「あ……」
春香(付き合って○ヶ月的な……)
律子「ゆうべは全然いちゃいちゃできなかったじゃないですかっっ!!」
春香(おーーーーーーい!!!)
律子「お互いに仕事で忙しい身の上で、いちゃいちゃ出来る時間は限られているんです!」
律子「厳しい時間を終えたあと、あなたとふれあえるのがどれだけ嬉しいかっ」
律子「見てよこの髪!!」
P「え……?」
律子「昨日あなたに洗ってもらえなかったからツヤがゼロ! 皆無!! ボッサボサ!!」
春香(いぇーーーーーーい!!!!)
P「いや全然そんなことは」
律子「あります! あるんです!! ぐすっ、やだもう泣きそう……すんっ」
律子「図のRとR´を見でぐだざいっ!」
春香(みんなーーーー盛り上がってるーーーー!!??)
律子「そしてこっちが洗ってもらっていない『りっちゃんヘア』! その差は歴然!!」
P「そうか……?」
律子「そうなんです! こんなの全然パイナップルじゃない!!」
P「いやパイナップルは目指さなくても……」
律子「忙しいのはわかっていますし、いちゃいちゃできない日があるのもわかってます!」
律子「でもっ、ですが図H!!」
律子「こっちがいちゃいちゃできたあとの私の日記におけるハートマークの数っ!」
春香(みんなーーー覚えて帰ってねーーー!!)
春香(これが理路整然としているようで、その実、まるで中身のないプレゼンだよーーー!!)
律子「これが五大基本ハグの一つ、『ちょっと、抱きつかれたら料理できないでしょ……?』」
律子「――の工程を経ていないさもしい夕食です!!」
律子「なんなんですかあなたはっ? 鬼なんですか?」
律子「このうえおはようのキスもないだなんてっ」
律子「ヒトゲノムの塩基配列に『悪』『鬼』『羅』『刹』の四文字でも記されてるんですか!?」
律子「……すんっ」
P「………」
律子「もう、私……何言ってんだろ、ごめ、なさいっ」
律子「泣かないって……決めてたはずなのに……」
P「律子……」
春香「律子さん……(苦笑)」
律子「私が、とんでもない寂しがり屋な、だけ、なのにっ……」
P「そんなに自分を卑下するなって……」
律子「やめてくださいっ、かばわないでください!」
P「っ」
律子「あなたが優しいから……私はとんでもなく甘えちゃうんです」
律子「優しくされると嬉しいけど」
律子「優しくされなかったとき、不安で、さびしくてっ……」
律子「どうしようもなくて……ぐすっ、すんっ……」
律子「もう……だめです私……」
ギュッ
律子「―――!!」
P「律子……ごめんな」
P「ハハ、なあに、さっきまでプレゼンをしていたじゃないか」
律子「それは、そうですけど……」
律子「それに、プロデューサーが悪いわけじゃ」
P「いや、俺が悪い」
P「すまなかった」
P「昨日だって、頑張れば早く帰れたはずなんだ。今朝も仕事ばっかりの頭で……」
律子「だからそれは」
P「律子」
律子「っ」
P「俺……律子に説教されるの、嫌いじゃないよ」
律子「―――」
律子「な、なんですかそれ……」
律子「だからぁっ」
P「だから、」
P「俺のことで説教したくなったらいつでも説教してやってくれ」
律子「え……」
P「甘えたくなったなら、いつでも甘えてくれ。仕事の合間だっていいさ」
律子「……」
P「ためこまないで、俺を責めてくれ、依存してくれ」
P「どんな律子でも……俺は受け止めるからさ」
律子「~~~……」
律子「……プロっ」
律子「プロデューサー……」
P「ん?」
律子「ぷろでゅーさーの、ばかぁっっ……」
P「ああ……」
律子「あなたのいないあの部屋で、あなたのいない夜をすごしてっ」
律子「晩ご飯も一人で食べて、いつもみたいに抱っこされながらじゃなくてっ」
P「ごめんな……」
律子「洗い物しながら後ろを振り返っても、あなたはいないし!」
律子「お風呂だって一人だし、洗いっこも、湯船に入るのもキスしながらじゃないしっ」
P「髪の乾かしあいっこも」
律子「デザートを食べさせあうのだって! 昨日はプリンの日だったのに!」
P「そうだな……」
律子「あなたが差し出してくれるスプーンじゃなきゃ、デザートなんて食べた気しませんっ」
律子「途中までは頑張って起きてたんですっ、でも」
P「起こさないようにベッドに入って、隣で寝てやることしかできなかった」
律子「そうですっ、いつもはハグしながら、ナデナデもしてもらえるのに」
P「おやすみのキスもだ」
律子「何回もちゅーをしながら、あなたの胸の中で眠るのが、私の幸せなのに……」
律子「おかげで悪い夢を見ました……」
P「それは、どんな?」
律子「あなたが……」
P「………」
P「俺はどこにも行かないよ」
P「ずっと律子のそばにいる」
P「約束する」
律子「プロ、デューサー……」
P「律子……」
律子「………」
P「愛してる」
チュッ
P「………」
律子「ぷはっ……あぁっ……」
律子「ん……」
P「………」
律子「………」
P「だ……ダメだったか?」
律子「……っは」
P「ふふ、そっか」
律子「あなたに耳元で愛してると囁かれて、クラリとこない女性がいますか?」
P「いや、律子くらいのものだって」
律子「フザけないでください……なんなんですかもう……めろめろですっ」
律子「さびしくさせたかと思ったら、こんな、優しくして」
律子「これからの結婚生活でも、同じことを繰り返すつもりなんですかあなたは」
P「気をつけるよ。努力する」
律子「罰としてこれからはダーリンって呼びますから!」
P「仕返しには何がいいか。りっちゃんとか?」
律子「バカっ……ほんとばか……」
P「………」
律子「だいすき……」
春香「…………」
春香「だいすき、か……」
春香「………」
春香「きっついねえ……」
春香「へへ……室内だってのに、風が身に染みやがる……」
春香「B1の紙もはためいてらぁ」
春香「………」
春香「あれ……なんだろこの感じ……」
春香「私、興奮してる……?」
この日以降、春香がNTR属性に目覚めるのはまた別のお話
おわり
T たらたらしてたら
R りっちゃんにとられた
Entry ⇒ 2012.10.16 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
律子「んんwwwwwwwプロデューサー殿wwwwwwwwwww」
律子「ヤケモーニンwwwwwwwwwwwプロデューサー殿wwwwwwwwwwwww」
P「ああ、おはよう律子」
律子「今日は我ら竜宮小町とのヤイドルバトルですなwwwwwwwwwww」
P「あはは! それを言うならフェスな」
律子「負けませんぞwwwwwwwww異教徒は優しく導く以外あり得ないwwwwwwwwwwww」
P「こっちだって!」
【フェス会場】
P「よし、みんな! 準備はいいか!」
春香「はい! あ、でも……」
P「どうした、春香」
春香「……竜宮小町って、あの……律子さんがプロデューサーのユニットですよね?」
P「おいおい、今更どうしたんだよ? そんなの、俺が入社する前から知ってることだろ?」
春香「……」
P「あっはっは! もしかして、萎縮してるのか?」
春香「そういうわけじゃないんですけど……」
春香「最近の律子さん、なんかおかしくないですか?」
P「え、そうかな……」
千早「春香。プロデューサーは知らないのよ」
春香「あ、そっか……律子さんがああなったのは、プロデューサーさんが入社する少し前からだもんね」
P「なんの話だ?」
春香「あ、い、いえ! いいんです、こっちの話ですから」
P「……まぁ、確かに竜宮小町は俺達のユニットより先にデビューした、いわば先輩だ」
P「今日は胸を借りるってカタチになると思うけど……」
P「どんな結果でも、得られるものは必ずあると思う。全力で、頑張って来い!」
みんな「はいっ!」
P「さて……みんなは準備に行ったか」
亜美「あ、兄ちゃん!」
P「おお、亜美じゃないか!」
亜美「なんでここにいんの~?」
P「あれ? 律子から聞いてなかったかな……今日のフェスに、俺達も参加するんだよ」
亜美「ええ!!!? ってことは、亜美たちとヤイドルバトルするってこと!?」
P「そういうことになるな。ちなみに、ヤイドルバトルじゃなくてフェ……」
P(ってマズイ! 知らないなら、黙っておけばよかった!)
亜美「……」
P「……あ、亜美?」
亜美「絶対負けないんだから!!!!!!!!!!!!!」
P「っ!」
亜美「絶対絶対、負けないんだから!!!!!!!!! うあうあうあー!!!!!!!!!!!」
P「ははは……いじっぱりな性格は相変わらずだな」
亜美「ガルルルル……!」
P「どう、どうどう……」
伊織「……あら……亜美、こんなところにいたの。……それに、プロデューサーも」
P「伊織。おはよう」
伊織「おはよう。どうしたのよ、亜美の様子が……へんね」
P「それがなぁ……今日のフェスで俺達と対決するって聞いて、熱くなっちゃったようだ」
亜美「いおりん!!!!!! がんばろうね!!!!!!!」
伊織「ええ、そうね……まぁ、私達に相応の戦い方が出来れば、それで十分でしょ」
亜美「んなこといっちゃダメっしょ!!!!!! 何がなんでもブっとばしてやろう!!!!!!!」
伊織「そんなに力んだところで、いつも以上に頑張れるってわけでもないじゃない……」
伊織「それに勝つ、なんて大それたこと、私には言えないわ……それなりにやれれば、それで……」
P「伊織はひかえめだなぁ」
亜美「またそんなこと言って!!!!!」
伊織「だって……」
P「うーん……どうしたら収拾がつくだろうか……」
あずさ「プロデューサーさん」
P「あっ! あずささん、ちょうどいいところに!」
あずさ「ふふっ、困ってるみたいですね。ごめんなさいね、今連れていきますから」
P「助かります、それじゃあ……」
あずさ「……ふたりとも」ピシッ
亜美・伊織「」ビクッ
あずさ「そうやってケンカするよりさきに、やることがあるでしょう?」
あずさ「メイク、衣装、振り付けの確認……もう完璧だって言えるの?」
亜美「そ、それは……」
あずさ「口を動かすより先に、体を動かしましょう。ストレッチ、まだ済んでいないでしょう」
あずさ「勝ちたいなら、やることをやらなきゃ。ね?」
P(あずささんのれいせいな性格には、いつも助けられちゃってるな)
律子「んんwwwwwwwwwwヤーティの前に怖気づいているのですかなプロデューサー殿wwwwwwwww」
P「律子……まあ、さすが竜宮小町、って言ったところだな」
律子「当然ですぞwwwwwwwwwwwヤミ、ヤズササン、ヤオリは我が半年かけて厳選した至高のヤイドルですからなwwwwwwwwwwwww」
P「俺が入社する前に、そんなことがあったのか……」
律子「ちなみに我は儀式は使わない派ですぞwwwwwwwwwwwww」
P「儀式?」
律子「オウ助殿をわざと鳴かせるなんて我の主義に反しますなwwwwwwwwwwww」
P「へえ。言ってる意味はよくわからないけど、律子は動物に優しいんだな」
律子「褒めても何も出ないですぞwwwwwwwwwwwww」
律子「ちなみにヤイドルマスターの中には儀式に賛成派も反対派も多くいるから、ここでその議論はやめていただきたいですなwwwwwwwwwwwww」
P「ヤイドルマスター?」
律子「ヤイドルを使役しヤーティを勝利に導くトレーナーのことですぞwwwwwwwwwwww」
P「ああ、つまりプロデューサーってことか」
【フェス VS竜宮小町】
ワァァ……
春香「……」ドキドキ
春香(初めてのフェス……うう、ちゃんと歌えるかなぁ……)
千早「……春香、春香」
春香「ひゃい! あ、えーっと……」
やよい「歌、はじまっちゃいますー!」
春香「! う、うん!」
春香「……ひとりでは、出来ないこと♪ 仲間となーらでk――
律子「ヤオリwwwwwwwwwwりゅうせいぐんですぞwwwwwwwwwwwwwww」
ワァァァァ!!!!!
春香「!?」
ヒュルルル……
ドカーン ドカーン!!!
ドカーン…… ドドカーン
春香「あ、あっつ! え、ええ!?」
P「春香! 頑張れ!」
春香「がんばれって言われても……」
やよい「なんで空から隕石が降ってくるんですかーっ!?」
P「くそっ、これが伊織のバーストアピールか……なんて威力だ」
律子「んんwwwwwwwwww我のヤオリは当然ひかえめHC振りですなwwwwwwwwwwwww」
律子「ヤオリwwwwwwwwwwもどれwwwwwwwwww」
伊織「……はぁ……それなりにできたかしら」
律子「いいですなwwwwwwwwwwww続いていくんですぞ、ヤミwwwwwwwwwwww」
ぽんっ
亜美「おっしゃー!!!!」
P「あれ? ハチマキ巻いてる……あんなアクセサリ、あったっけかな」
律子「ボハヤにインファイトwwwwwwwwwwwww鉄壁を砕いてやるんですなwwwwwwwwwwwwwwww」
亜美「ふんっ!」
バシバシバシッ
千早「くっ……!」
春香「千早ちゃん、大丈夫!?」
千早「え、ええ……実際に殴られてはないから、平気だけど……」
亜美「ンッフッフー!!! 衣装が脱げちゃったよ!!!!!!!!!」
ヤミのぼうぎょ、とくぼうが下がった!▼
千早「……なんというか、精神的にダメージが……」
やよい「はわわ……亜美、すっぽんぽんですー……」
律子「ちなみにヤイドルバトルはヤケモンバトルと違って実際に殴ったり炎を当てたりするわけではないんですなwwwwwwwww」
律子「そんなことをしてヤイドルの顔を傷つけるなんてありえないwwwwwwwwwwwwすべては精神へのダメージですなwwwwwwwwwww」
P(その後も、俺達のユニットは竜宮小町にまったく手も足も出ず……)
P(めまぐるしくステージの上を入れ替わる伊織たちを前に、何も出来ずに敗退してしまった……)
律子「いかがでしたかなwwwwwwwwwwwプロデューサー殿wwwwwwwwwww」
P「……さすがだよ。完敗だ」
律子「当然ですなwwwwwwwwww先輩ヤイドルマスターとしては勝利以外ありえないwwwwwwwww」
律子「しかしながらプロデューサー殿のユニットも、旅パにしてはなかなかでしたぞwwwwwwwww」
P「え、そ、そうかな? ていうか旅パってなんだ……?」
律子「いかがですかなwwwwwwww我のヤイドル講座を受けてみるというのはwwwwwwwwwww」
P「ヤイドル講座?」
律子「これを受ければ、今よりもっと強くなれますぞwwwwwwwwwwwwww」
P「へえ……」
P(こうして俺は、担当アイドルにレッスンや営業を指示しつつも、律子の指導を受けることになった)
P(毎日が忙しい日々だが、これもあの子たちをもっと強くするためだ。頑張るぞ!)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
律子「プロデューサー殿wwwwwwwwww基本的なことですが三値についてご存知ですかな?wwwwwwwww」
P「三値? ああ、あれだろ。ダンス、ボーカル、ビジュアル。アイドルとしての力量の評価基準のことだ」
律子「さすがの我もそれは引きますな」
P「えっ」
律子「そのような価値観はもう古いですぞwwwwwwww三値とは、種族値、個体値、努力値のことですなwwwwwww」
P「な、何を言っているんだ……?」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
律子「プロデューサー殿wwwwwwwwwww今使用している技はなんですかなwwwwwwwwwwwwww」
P「わざ? えっと、歌のことか? The world is all oneだけど……」
律子「言っていることがまったく的はずれですなwwwwwwwwwwwwwww」
P「ええ……」
律子「補助技はありえないwwwwwwwwwwww『うたう』なんて論外ですぞwwwwwwwwwwwwww」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
P(そうして日々は過ぎ去っていった……)
P「千早。今日はちょっと美容院へ行こうか」
千早「え? そ、そんなに野暮ったくなっていますか?」
P「そういうわけじゃないんだけど……努力値を振り直すためにさ」
千早「……?」
P「お金は事務所のマニーから出すから」
春香「プロデューサーさんっ! 千早ちゃんだけずるいです!」
P「……春香たちは、また今度な」
やよい「え……ぷ、プロデューサー?」
P「どうした?」
やよい「なんか……お顔がいつもと違うかなーって……」
P「……そんなことはないさ。さ、千早。行こう」
千早「は、はい……ごめんなさい、ふたりとも……」
春香・やよい「「……」」
P「響。ちょっと、ペットを貸してもらえないかな」
響「ペット?」
P「ああ。一日だけでいいからさ」
響「あ、わかったぞ! プロデューサーも、動物飼いたいって思ったんだね!?」
P「……まあ、そんなところだ」
響「いいよっ! 一日くらいなら……それで、どの子と過ごしてみたいの?」
響「いぬ美は体はおっきいけど、とっても優しい子さー! あとあとネコ吉なんかは……」
P「オウ助」
響「え?」
P「ペラッ……いや、オウムのオウ助がいいな」
響「ふーん……いきなり鳥を飼いたいなんて、変わってるね」
P「……まあな。んんっ……」
響「どうしたの? 風邪?」
P「……なんでもない、ですぞ……あ、いや、なんでもないさ。うん、大丈夫大丈夫」
響「……?」
P(そして……)
P「……春香たちに、伝えなくてはならないことがある」
春香「はいっ! えへへ……なんですか? 久しぶりのお仕事、ですよね!?」
やよい「わ、私! どんなレッスンでもお仕事でも、ババーンって頑張ってみせますーっ!」
P「……」
千早「……」
春香「……プロデューサーさん? それに……千早ちゃんも、どうしたの?」
やよい「なんか、いつもよりどんよりしてますー……」
P「……春香」
春香「はい……」
P「今日で、このユニットは解散だ」
春香「え……」
P「春香とやよいは、ボックス行きとなる。……急な話で、すまん」
春香「そっそんな! そんなことって……!」
P「……すまない」
やよい「ぷ、プロデューサー……私達、だけなんですか? 千早さんは?」
P「千早は、俺が新しくプロデュースするヤーティのメンバーとして、もう内定しているんだ」
春香・やよい「「!?」」
千早「……ごめんなさい。こんなことになってしまって」
P「新しいユニットのメンバーは……」
P「ヤハヤ、ヤコト、ヤビキの三人だ。AとCの種族値、個体値ともに最高だからな……」
春香「え、あの……さっきから、何を……」
P「春香、さよならですぞ」
春香「説明してくださいっ! 説明を……あ……」
やよい「行っちゃった……」
律子「……別れは済みましたか?」
P「ああ……」
律子「……本当にいいんですか? プロデューサー……」
P「それがいいって教えてくれたのは、律子だろう?」
律子「そりゃそうですけど……だけど、私はそれでもなお、やり方はあるってことを……」
P「いいんだ!」
律子「……っ」
P「……俺の実力じゃあ、春香たちを輝かせてやることは出来ない。厨ヤイを使わないと、レートは伸びないんだ」
律子「プロデューサー……」
P「厨パ使いと呼ばれてもいい。俺は……使命があるんだから」
P「最強のヤイドルマスターになるという、使命が……」
律子「……わかりました。それじゃあ……」
P「ああ……」
律子「行きますぞwwwwwwwwwwwwww」
P「了解ですぞwwwwwwwwww潜りますなwwwwwwwwwwwww」
【フェス会場】
P「んんwwwwwwwwwwwww調子はどうですかなwwwwwwwwwwww」
真「へへっ! もう最高ですよっ!!! 律子たちには意地でも絶対負けません!!!!!!!」
P「ヤコトは見事にいじっぱりな性格になりましたなwwwwwwwwwww」
響「自分もだぞ!! つっこんでつっこみまくって、見事に勝利してみせるさー!!」
P「ヤビキのゆうかんな性格は我は嫌いじゃないですぞwwwwwwwwwww」
千早「……あ、あの……」
P「どうしたんですかなwwwwwwwwwwwwww」
千早「……いえ、なんでもないです。私なんかの意見は、べつに聞いてくれなくても……」
P「ヤハヤはひかえめですなwwwwwwwwwwwww」
伊織「あら……プロデューサー」
P「ヤオリ殿wwwwwwwwwヤケモーニンwwwwwwwwwwwwww」
伊織「気合十分って感じね。それなら私たち、今日は負けてもおかしくないわ」
亜美「なにいってんのいおりん!!!!! そんなこといってちゃ」
あずさ「……」ジッ
亜美「あうう……な、なんでもないっぽいよ~……」
P「んんwwwwwwwwwwwwヤゥグウコマチは相変わらずの調子ですなwwwwwwwwwwww」
【フェス VS竜宮小町(二回目)】
ワァァ
P「二度目の対戦ですなwwwwwwwwwwww」
律子「ランダムマッチのはずなのにこんな短スパンで再戦とはヤーティ神の意図を感じますなwwwwwwwww」
P「今度は負けないですぞwwwwwwwwwwwww」
律子「それは我の台詞ですなwwwwwwwwwwww必然力によって勝利が舞い込んでくる以外ありえないwwwwwwwwwwwwwww」
P「それでは……」
律子「ええ」
P・律子「「いきますぞwwwwwwwwwwwwwwww」」
P「いくんですぞwwwwwwwwwヤコトwwwwwwwwwwwww」
ぽんっ
真「まっかせといてください!!」
律子「ヤズササンwwwwwwwwwww」
ぽんっ
あずさ「あら、最初は私ですか~?」
P(あずささんは超/水。対して真は格闘/炎タイプだ。ここは……)
律子「サイコブーストですぞwwwwwwwwwwww」
P「もどれwwwwwwwwwwwヤコトwwwwwwwww」
シュルルル
P「いくんですぞwwwwwwwwwヤハヤwwwwwwwwwwwww」
ぽんっ
みょんみょんみょん
千早(鋼/草)「くっ……でも、効果はいまひとつだわ」
律子「なかなかやりますなwwwwwwwwww」
P「当然ですぞwwwwwwwwwww交代戦は基本ですなwwwwwwwwwww」
律子「だてにこれまで鍛錬を重ねてきたわけじゃないわね……」
P「ああ……今度こそ、勝たせてもらう!」
P「ヤハヤwwwwwwwwwリーフストームwwwwwwwwwwwサイクルをぶち壊してやるんですぞwwwwwwwwww」
律子「もどれwwwwwwwwwwヤズササンwwwwwww」
シュルルル
律子「いくんですぞwwwwwwwwwwヤオリwwwwwwwww」
ぽんっ
ドカーン
千早「あ……ご、ごめんなさい、水瀬さん」
伊織「うっ……ま、まあ……そこそこのダメージってところね。平気よ、気にしないで」
P(出たな、竜宮小町のリーダー、伊織。竜/炎か……)
P(しかし、俺達だって負けない! 散っていった者ためにも、負けてなるものか!)
律子「ヤオリwwwwwwwwだいもんじwwwwwwwwwww」
P「四倍はさすがに死にますぞwwwwwwwwwwヤハヤwwwwwwwwもどれwwwwwwwww」
シュルルル……
P「再びいくんですぞwwwwwwwヤコトwwwwwwwwww」
~ 中略 ~
P(そして……)
ワァァァ
P「はぁ……はぁ……!」
律子「……っ……はぁ、はぁ……!」
P「……お、終わった……」
律子「……そう、ですね……しょ、勝敗は……!?」
P「結果は……」
律子「……まあ、見ればわかるけどね……結局響しか戦闘不能にできなかったわ……」
P○○● / 律子●●●
P「俺達の、勝ちだ……!」
ワァァァァ!
律子「……ふふっ」
P「ど、どうしたんだよ、急に笑ったりして」
律子「いえ……強くなりましたね、プロデューサー」
P「……ああ!」
律子「あの頃とは見違えますなwwwwwwwwwwwwww」
P「律子殿のおかげですぞwwwwwwwwwww」
律子「100パーセント我のおかげというのはありえないwwwwwwwwwひとえにヤーティ神の加護のおかげですなwwwwwwwwww」
P「違いありませんなwwwwwwwwwwwwww」
律子「いかがですかなwwwwwwww今度はダブルバトルというのはwwwwwwwww」
P「役割論理はシングルでの6350を想定した理論ですぞwwwwwwwwwwwwww」
律子「それもそうですなwwwwwwwwwwww」
??「ふぇぇ……」
P・律子「「!?」」
黒井「あまいんだよぉ……あますぎるんだよぉ……」
黒井「なかまうちでダブルバトルだなんて、あますぎてわらっちゃうんだよぉ……」
P「……あなたは?」
黒井「セレブでゴージャスなプロダクションのしゃちょうさんなんだよぉ……えへへ、くろいたかおっていうんだ」
律子「な、何が甘いっていうんですか!? 私達がおかしいっていうの!?」
黒井「うぃ。そのとおりだよ」
P「……なんのつもりだかはわかりませんが、俺達の身内の話だ。口を出さないでください!」
黒井「そういっていられるのも、これまでなんだよぉ……」
律子「一体なにを……」
黒井「このこたちを、みたことあるよね?」
ぽんっ
春香「ふぇぇ……」
やよい「ふぇぇ……」
P・律子「「!?」」
黒井「おかねのちからでむりやりゲットしたんだよぉ……えへへ、ハルカとハヨイっていうんだ」
P「は、春香……やよい……一体どうして……!?」
春香「ふぇぇ……わたしたちだって、ほんとはやだったんだよぉ……」
やよい「でもおかねのちからにまけて、たかぎしゃちょうが……」
律子「なんてことなの……!」
P「ああまったく、そんなこと気付きもしなかったぞ……!」
黒井「ふぇぇ……ろんじゃなんてもうふるいんだよぉ……」
黒井「いまのじだいは、はんようせいだよ。えへへ……ひとりでなんでもできるんだもん」
P「そ、そんなの、聞いたことないぞ! ヤイドルバトルと言ったら、役割論理だろう!」
律子「そうよ! 一人ひとりが役割を持って……それで」
黒井「たかぎのところのボンクラプロデューサーたちは、まだそんなこといってるの?」
律子「……っ」
黒井「じゃあ、おしえてあげるね。これからのアイドルのたたかいかた。それは……」
P「……」ゴクリ
黒井「はんようりろん、なんだよ! えへへ……♪」
黒井「さ、いくんだよぉ……かえって、いっしょにハケモンサンデーをみようね」
はるか「ふぇぇ……ばいばい、プロデューサーさん」
やよい「さよなら……」
P「ま、まってくれ! あ……」
律子「……いっちゃった……」
P「……くそうっ! 俺の……俺のせいだ……!」ガンッ
律子「プロデューサー……」
P「俺が……あのとき、春香達を見捨てなければ……こんなことにはっ!」
律子「……あなただけのせいでは、ないです。そもそも私が、あなたにこんなことを教えなければ……!」
P「俺は……一体、どうしたらいいんだ……」
律子「……そんなの決まっています、プロデューサー」
P「え……?」
律子「どんなことがあったって、私達がやることは変わらない」
律子「戦って戦って戦って……そして、勝ち続けることよ」
P「律子……」
律子「――体は、H振りで出来ている」
P「……!」
道具は拘りで、喋りはロジカル。
幾度の異教徒を倒し不敗。
ただの一度も素早さ振りはなく。
ただの一度も調整はない。
彼の者は常に独り 流星群で勝利に酔う。
故に、理論として意味がなく。
その戦術は、きっと論理で出来ていた。
「いくぞ異教徒―――素早さ調整は十分か」
――――――――――――Unlimited Logic Works
律子「それがヤイドル。そして……」
P「それを使役するのが……俺達、ヤイドルマスター……」
律子「そうです。それならもう、やることはひとつでしょう?」ニコッ
P「……そうだな。戦って戦って戦って……勝つんだ!」
律子「ええ! その意気です!」
P「黒井社長に教えてやろう。真のヤイドルバトルってやつをさ」
P「そして……春香とやよいを、絶対に取り戻してみせよう!」
律子「んんwwwwwwwプロデューサー殿wwwwwwwwwww」
P「どうしたんですかなwwwwwwwwwwwww律子殿wwwwwwwwwwwww」
律子「いつもの調子が戻ってきましたなwwwwwwww我も嬉しいですぞwwwwwwwwwwwww」
P「いつだって律子殿のおかげですなwwwwwwwwwwwwwwww」
律子「褒めたって何も出ないですぞwwwwwwwwwwwwwww」
P「しかしながら我このだいもんじよりも熱い気持ちは本物ですぞwwwwwwwwwwwwwwwww」
律子「えっ……」
P「……律子。これからも、頑張ろうな! 765プロ一丸となって、IA大賞受賞を目指そう!」
律子「は、はい……そ、そうですね! あはは……」
律子「……そ、そうよね。こういうことよね……」ドッキドキン
律子「んんwwwwwwwプロデューサー殿wwwwwwwwwww」
P「今度はどうしたんですかなwwwwwwwwwwwwwww」
律子「私も……その……同じ気持ちですから……」
P「え?」
律子「なんでもないですなwwwwwwwwww我としたことが、ねごとを使ってしまったようですぞwwwwww」
P「ねごとは変化技ですが場合によっては採用の価値ありですなwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
律子「それもそうですなwwwwwwwwwwwwwwwww」
P(敵になってしまった、春香とやよい……)
P(そしてこれからも次々と現れるであろう、まだ見ぬライバルたち……)
P(これから先、何が起こるかなんてわからない。でも俺達は……戦い続け、そして……)
P「異教徒共を殲滅してやるんですなwwwwwwwwwwwwwwwwww」
律子「その意気ですぞwwwwwwwwwwwプロデューサー殿wwwwwwwwwwwwwww」
P(俺達の戦いは、これからだ!)
完
実際のアイドルマスター2のゲームでは、このようなバトルは起こりません
また、ステータスなんていうものはあまり関係なく、どんなアイドルの組み合わせでもベストENDは余裕で狙えます
ステではなく、愛でメンバーを選んでください
ただしプロデュース後ならありえますなwwwwww
Entry ⇒ 2012.10.15 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (4) | Trackbacks (0)
亜美「年上を……これ何て読むの?」真美「けいう?」
真美「何したの?」
亜美「レコード会社のお偉いさんに挨拶回りしたんだけどね」
真美「うん」
亜美「おっちゃん相手に、おっちゃん!亜美達の新曲よろしくね!って言ったらポカリだよ」
真美「マジっすか」
亜美「マジっすよ」
真美「それでポカリ?理不尽ですなぁ」
亜美「でしょ~?」
真美「真美達の間じゃ愛称で呼び合ってるのにねぇ」
亜美「だよね……ん?」
真美「どしたの?」
亜美「……呼び合ってたっけ?」
真美「えっ?」
真美「うん」
亜美「でもそれって、亜美達以外に使ってる人っていないよね」
真美「そう言われれば……」
亜美「もしかして、愛称付ける程仲良くなってると思ってたのは、亜美達だけだったのかも……」
真美「実態は真美達の一方的な好意で、本当は皆、真美達を馴れ馴れしいと思ってたりとか……?」
亜美「そうだったら亜美達は、律っちゃんの言ってた暴虐夫人になっちゃうよ!」
真美「ぼ、暴虐夫人……!」ゴクリ
真美「とりあえず愛称で呼ぶのをやめてみるとか?」
亜美「うーん、少々名残惜しいけど……真美のその考え方、イエスだね」
真美「でもやめた後、どう呼べばいいのかが問題だよね」
亜美「もっと相手に好かれるような呼称が良いのかもしんないね」
真美「じゃあ……ハニーとか?」
亜美「こないだの生っすかでミキミキにそう呼ばれて顔真っ青になってたらしいよ、兄ちゃん」
真美「マジっすか」
亜美「マジっすよ」
亜美「無難なものに限られるね」
真美「無難、ねぇ……真美達、そーゆー人生は送ってこなかったからなぁ」
亜美「送りバントより初球打ちでホームラン狙うタイプだかんね……」
真美「……じゃあさ、いっそこんな風にしてみない?」
亜美「おっ、なになに?」
真美「えっとね……」ゴニョゴニョ
ガチャッ
やよい「おはようございまーす!」
「「おはよう、やよいお姉ちゃん!」」
やよい「」
亜美「どしたの、やよいお姉ちゃん?」
やよい「お、お姉ちゃん?」
亜美「そうだよ。だってやよいお姉ちゃんは真美達より年上じゃん」
真美「だからやよいお姉ちゃん!」
やよい「えっと……何でいきなり、そんな風に?」
真美「いやぁ、今までの呼び方じゃ何か馴れ馴れしいと思って」
亜美「亜美達、一応最年少だしさ。年上ならもうお姉ちゃんと呼ぶのが筋だな、と」
やよい「そっか~……でも亜美達に改めてそう言われると、何だかくすぐったいね」
真美「まぁでも実際、リアルお姉ちゃんだしね」
やよい「……年上、かぁ」
やよい「あ、伊織ちゃ……」
伊織「?」
亜美「伊織お姉ちゃん!」
真美「伊織お姉ちゃーん」
伊織「」ゾワワッ
やよい「えーっと……い、伊織お姉ちゃん……おはよう」
伊織「」
亜美「何?伊織お姉ちゃん」ニヤニヤ
伊織「今すぐやめなさい、それ。あんた達に言われると鳥肌立つから」
真美「えぇー!?」
やよい「ご、ごめんね、伊織ちゃん……」
伊織「あ、やよいは別にいいのよ、うん」
亜美「何だよそれー!」
真美「何で真美達はダメでやよいお姉ちゃんはオーケーなんだよー!」
伊織「バカね。姉って呼ぶからには、その姉の言う事には従うってのが筋じゃない?」
亜美「ぐっ……そ、それを言われると従わざるを得ない……!」
真美「早くもヒエラルキーが確立してしまったか……!」
伊織「……え?何?」
やよい「伊織お姉ちゃん」
伊織「ごめん、ちょっと聞き取り辛くて」
やよい「……お、お姉ちゃんっ!」
伊織「なにかしら、やよい」ニコニコ
亜美「(……策士だ)」
真美「(策士だね)」
美希「……デコちゃん、何でニヤニヤしてるの?不気味なんだけど」
美希「お姉ちゃん?」
真美「真美達より年上にはね、一応皆お姉ちゃんって呼ぶことにしたんだ~」
美希「ふ~ん……ねえねえ、デコちゃん」
伊織「何よ、ってかデコちゃん言うな」
美希「ミキのこと、お姉ちゃんって呼んでもいいよ?」
伊織「はぁ?何でよ?」
美希「えっ?だってデコちゃん、どう見てもミキより年下……」
伊織「あのね……一応、あんたと同い年なんだけど」
真美「ウソッ!?」
亜美「マジで!?」
やよい「えぇっ!?」
伊織「………」
真美「ウチら辺りの年齢って、特に気にしてなかったからねぇ」
美希「伊織は割とぺったんこだしね」
伊織「うっさいわね!あんたの発育が特別いいだけよっ!」
やよい「い、伊織お姉ちゃん、落ち着いて……」
伊織「えぇ、すごく落ち着いたわ。ありがとう、やよい」キリッ
亜美「呼び方一つ変えただけでこれだよ」
真美「効果は抜群だね」
ガチャッ
響「はいさーい、みんなー!」
亜美「おはよー、響お姉ちゃん」
真美「響お姉ちゃーん」
響「」ゾワッ
響「」ゾワワッ
美希「えっと……響お姉ちゃん?」
響「」ゾワゾワゾワッ
やよい「響お姉ちゃん、おはようございまーす」
響「High sigh!」
伊織「……何よ、この反応の差」
亜美「響お姉ちゃんだからね、ちかたないね」
真美「そうだね、響お姉ちゃんだしね」
響「いきなりそんなっ!呼ばれても困るさー!」
伊織「の割にはやよいで思いっきり動揺して英語になってたわね」
美希「響も妹だからねー。気持ちは分かるよ?ミキも呼ばれた時ちょっと嬉しかったし」
響「う……うがー!」
真美「んー……純粋にお姉ちゃんなのは、やよいお姉ちゃんだけっぽい?」
亜美「ふむ……」
やよい「そ、そんなことないと思うけど……」
ガチャッ
千早「……おはようございます」
美希「おはよー、千早お姉ちゃん」
ドンガラガッシャーン
美希「大丈夫?千早お姉ちゃん」
千早「何?……あなた達、ふざけてるの?」
響「そ、そうだぞ、一体どうして自分達をお姉ちゃんとか……」
亜美「かくかくがしかじかで~」
千早「……やっぱりふざけてるんじゃない」
真美「えー?ふざけてないよ、ちーちゃん」
ズルッ
響「あ、またずっこけた」
真美「いつもは『千早お姉ちゃん』だからさ、ちょっと捻ってみたよ」
伊織「影おくりできそうな名前ね……」
千早「……あ、あなた達にそう呼ばれるのは想定外……」
やよい「大丈夫ですか、千早お姉ちゃん!?」
千早「えぇ、もうすごく大丈夫。ありがとう、高槻さん」スクッ
真美「言葉一つ変えたらコレだよ」
亜美「やよいお姉ちゃん、リアルお姉ちゃんなのにね」
響「本物の妹より妹が似合うとか……それはそれで、ちょっと複雑だなー」
美希「むー……」
春香「天海春香、ただ今戻りましたー!」
真「ふぃー、やっぱり朝から生は大変……」
雪歩「ただ今戻りまし……」
美希「おかえり!雪歩お姉ちゃん!」
雪歩「ふぇっ!?」ゾワワッ
伊織「あら、おかえりなさい真お姉様」
真「っ!?」ゾワワワワワワワ
千早「お、おかえり……春香お姉ちゃん」
春香「」ブバッ
亜美「あ、春香お姉ちゃんが血吐いた」
響「何をどうしたらそんな反応になるんだ……」
雪歩「な、何ですか?一体、何なんですか……?」ガタガタ
真美「全略」
真「伊織が妹ぉ?……こんな面倒なのが?」
伊織「は?」
亜美「むしろ全然いいよ、割と本気で」
真美「守ってあげたいお姉ちゃんってのも、需要ありそうだしね」
美希「雪歩お姉ちゃんはもっと自分に自信を持った方が良いと思うな」
雪歩「うぅぅ、妹達にに励まされるなんて……でも、ちょっとだけ、嬉しいかも……」
真「だからさ、例えオーキド博士が『そこに伊織がおるじゃろ?』って指したとしてもだよ?」
真「伊織を妹に選ぶってのはあり得ないよ、大体それなら……」
伊織「あんた、ちょっと屋上に来なさい。久々にキレたわ」
やよい「い、伊織お姉ちゃん、落ち着いて……!」
響「だ、大丈夫か、春香ー?」
春香「……ち、千早ちゃんに……お姉ちゃんと呼ばれる日が来るなんて!」ハァハァ
千早「えっ?」
春香「でもまぁそうだよね私は千早ちゃんより一コ上だしそう呼ばれるのもそう不自然ではないよね」
春香「だからと言って血は繋がってない訳だしそこは妥協して先輩とか呼ばれるのもまぁ別に悪くないんだけど」
春香「あ、でもマリみてとかじゃ女学園限定だけど普通にお姉さまとか呼ばれる関係だってあるし千早ちゃんもそれに倣えばバッチリなんじゃないかな」
春香「私としてはホントはお姉さまとか呼ばれてみたいしだけどやっぱりお姉ちゃんの方が破壊力抜群かなって思うからこのままでもいいかなって感じなんだけど」
春香「あ、千早ちゃんはどっちがいい?」
響「………」
千早「……ど、どっちがいいって言われても……」
亜美「とりあえずこれまでの反応見る限り、案外イケそうではあるね」
真美「んっふっふ~、そうだね」
貴音「嬉しそうですね、二人とも。何かあったのですか?」
亜美「あっ、お姫ち……じゃなかった」
真美「えっと……」
貴音「?」
亜美「貴姉ちゃん!」
真美「貴姉ぇ!」
真美「何?貴姉ぇ」
貴音「真美は、あの方の真似をしているのですか?」
亜美「あ、えっとね、多分呼び捨てじゃなくて……」
真美「貴と姉で貴姉ぇ、だよ」
貴音「!!!」
真美「ねー、語呂が良いっしょー」
貴音「なるほど……!」
亜美「た、貴姉ちゃん……?」
貴音「嗚呼、双海真美……貴女は何と素晴らしい才能を持っているのでしょう……!」ナデナデ
真美「……ものすごい褒められちったよ」
亜美「いいなぁ」
亜美「ヘイ!律子姉ちゃん!」
律子「………」ピクッ
真美「ヘイヘイヘーイ!律子姉ちゃーん!元気ぃー?」
律子「………」カタカタ
亜美「律子姉ちゃん!今何してるの律子姉ちゃん!」
真美「もしかして律子姉ちゃんお仕事中?ねぇ、もしかして真美達って邪魔?律子姉ちゃん」
律子「………」
亜美「ねぇ律子姉ちゃん!律子姉ちゃん!ねぇってば!」
真美「律子姉ちゃん!ヘイ!律子姉ちゃん!」
律子「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」バンッ
真美「本当なんだよ律子姉ちゃん、真美達を信じてよ律子姉ちゃん」
律子「今すぐ、その連呼を、やめなさい」
亜美「………」
真美「………」
亜美「そんじゃあさ、律姉ぇでいいかな」
真美「律姉ぇ!律姉ぇ!」
律子「もう、何なのよ一体……」
亜美「全略」
亜美「な、なんでー?」
律子「呼称が変わっただけで敬語の一つも使えてないじゃない」
「「!!!!!」」
亜美「ま、真美!これって……!」
真美「……そういう説も、アリだったか~」
亜美「盲点、だったね……」
真美「うん……」
律子「(何で驚愕の事実が判明したみたいな驚き方すんのよ……)」
真美「そだね。真美達はいつでも自然体だもんね」
亜美「そうそう、フリーダムイズ亜美だったかんねー」
真美「でもこれからは、ちゃんと覚えなきゃいけないのかー……」
亜美「世知辛い世の中になったねー」
真美「ねー」
あずさ「この前行ってきたお店のプリンがもう、おいしくって……」
小鳥「えっと、そのお店ってどこに……」
ワイワイ キャイキャイ
亜美「……ねぇ真美」
真美「んー?」
亜美「『ピヨちゃん』じゃあ流石にアレだよね」
亜美「……それ、思いついたんだけどさ。何か……」
真美「うん、違和感あるよね」
亜美「って言うか、さんを付けなきゃいけない気がするんだよね」
真美「!……そっか!ちゃん付けじゃなくって、さん付けすれば敬語になるんじゃない!?」
亜美「おぉーっ!真美あったまいー!」
真美「じゃあじゃあ、今度からピヨちゃんの事は小鳥おばさ
真美「いつも私達の為に頑張ってくれてありがとうございます小鳥お姉さん大好きです」
小鳥「よろしい」
あずさ「あらあら~……それじゃ、私にも何か付けてくれるのかしら?」
亜美「そだねぇ……あずにゃんとかどーよ?」
あずさ「にゃん?」
真美「あーずにゃーん」
あずさ「……にゃーん♪」
亜美「にゃーん♪」
真美「にゃんにゃん♪」
小鳥「にゃーん(笑)」ププッ
あずさ「………」
あずさ「でも音無さんは訂正しないとお姉さんって呼ばれませんでしたよね」
あずさ「………」
小鳥「………」
あずさ「……ふっ」
小鳥「ほくそ笑みましたよね。今私見てほくそ笑みましたよね」
あずさ「にゃーん☆」
小鳥「にゃーんじゃねぇよコノヤロー喧嘩売ってんのか」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
真美「まさにグラウンド・ゼロだね……大人って難しいねー」
亜美「そういやピヨちゃ、小鳥お姉さんの時に敬語使ってたけど、どうだった?」
真美「………」
亜美「真美?」
真美「……読書感想文読まされてる気分だったよ……」
亜美「あー」
亜美「あと残ってるのは……兄ちゃんかー」
真美「ここは無難にお兄さんとか?おにぃとか……おじさまも……」
亜美「あ、いた!」
真美「……何か兄ちゃん、真剣な顔して悩んでるよ」ヒソヒソ
亜美「声、かけづらいなぁ……どうしよっか」ヒソヒソ
P「……セクハラ……」
亜美「えっ?」
P「……お堅い貴音や千早に合法的にセクハラするには、どうすればいいんだ……」
亜美「………」
P「そんな夢のようなやり方があるとすれば……うーん」
真美「………」
P「ここはやはりカラオケで『最強○×計画』を貴音に……歌詞といい、あれは素晴らしいの一言に尽きる」
P「貴音だったら、意外に了承してくれそうではある……だが、きっかけはどうする?」
P「それに、カラオケならば千早だって容易に……」
亜美「ねぇ、おっちゃん」
真美「考えが口に出てるよ、おっちゃーん」
P「!?」
真美「おっちゃんの事だよ、おっちゃん」
亜美「おっちゃんにはガッカリだよ。セクハラする事で頭がいっぱいだなんて」
P「男は暇な時、みんな頭の中はセクハラでいっぱいなんだよ……つーかおっちゃんはないだろ、おっちゃんは」
亜美「じゃあ、おっさん」
P「おっさんじゃない!もうちょっと親しみを込めた呼び方をだな……」
真美「ならさ、ハニーで良いよね」
P「えっ」
亜美「そだね~。美希お姉ちゃんだけじゃなくって、亜美達もちゃんと呼んであげないと不公平だしね」
P「」
真美「真美達はそんなハニーでも応援してるからね、頑張ってねハニー」
P「おいバカやめろ」
あずさ「どうして亜美ちゃん達にハニーって呼ばれてるんですか……?」ヌッ
P「うわぁっ!……あ、あずささん!?」
小鳥「プロデューサーさん、まさか亜美ちゃん達にまで手を付けて……!?」
貴音「何と不埒な……あの子達はまだ年端も行かぬ少女だというのに、あなた様は……!」
P「ど、どこからわいて出てきたんですか二人とも!つーかまだ付けてない!付けてませんから!」
小鳥「ゴムを?」
あずさ「えっ」
貴音「ゴム……?」
P「違うから、全然違うから。小鳥さんはちょっと黙ってて下さい」
真美「うーん……なぁんか、イマイチだね。皆はわりかし喜んでたみたいだけど」
亜美「どゆこと?」
真美「敬語の方もそうなんだけどさ、コレジャナイ的な感じがするんだよね」
亜美「そうかなぁ?亜美は結構イイ線いってたと思うんだけど」
真美「……じゃあさ、ちょっと試してみよっか」
亜美「?……試す?」
真美「ね、亜美。真美の事、お姉ちゃんって呼んでみてくんないかな」
真美「ほら、だって真美も年上だしさ」
亜美「いや、年上も何も双子じゃん」
真美「それでも姉だよね一応」
亜美「……アーケード版では亜美がお姉ちゃんだったよ?」
真美「続編やアニメは真美がお姉ちゃんだけど?」
亜美「ぐぬぬ……」
真美「あれー?どしたの、亜美?」ニヤニヤ
亜美「な、何か……恥ずかしいってゆーか……」
亜美「えっ?」
真美「許してあげようじゃないの、お姉ちゃんの寛大な精神で……!」
亜美「!……ま、まだ真美をお姉ちゃんと認めた訳じゃないんだかんね!」
真美「ふふん」
亜美「………」
真美「………」
亜美「……ま、真美……お姉、ちゃ……」
真美「えっ?何?聞こえない」
亜美「………」イラッ
真美「………」
亜美「(お姉ちゃんって呼ばないと反応しない気満々だな、こんにゃろ……)」
真美「………」
亜美「じゃ、じゃあ、呼んでやんよ!耳の穴かっぽじってよく聞きやがれ!」
真美「………」
亜美「い、言うぞー!」
真美「(早く言いなよ……)」
真美「………」
亜美「……ま、真美、お姉ちゃん」
真美「………」
真美「ごめん、やっぱやめようこれ」
亜美「えっ?」
真美「亜美の口からお姉ちゃんって聞いたらさ、すんごいゾワゾワする」
亜美「あ、真美も?……やっぱ、慣れない事はするもんじゃないね」
真美「真美達が呼び合う時に合わないってのは、致命的だよね」
亜美「ってか、別にどーでもいいじゃんね。どっちが姉で、どっちが妹でもさ」
真美「亜美は亜美だし、真美は真美……それでいいのだ!」
亜美「そだね!」
亜美「この気持ち、さ……大事にしていこうね、真美」
真美「もちろんだよ、亜美」
亜美「結論を言いますと、亜美達が暴虐夫人なのはつまり、個性なんだよね」
真美「そうそう。フリーダムってのはとどのつまり、かけがえのない個性なんだよね」
亜美「個性だからさ、亜美達は変にかしこまったりできないんだよ。これはもう、ね」
律子「(……要するに開き直ったのね)」
真美「ま、そーゆー訳だから!こうなればもう逆に個性押しまくって、どんどんタメでいっちゃうかんね!」
亜美「よろしくね!律っちゃん!」ポンポン
律子「あぁ、そう……」
亜美「そんじゃ手始めに律っちゃん、焼きそばパン買ってこいよ~」
真美「真美は肉まんでいいからね~」
律子「……あぁん?」
おわり
雪歩「お、お姉ちゃん、頑張るから!命懸けで、頑張るからねっ!!」
美希「うん、頑張ってね~……あふぅ」ヒラヒラ
伊織「あんたみたいなお姉様なんて、こっちから願い下げよっ!」
真「な、何をぉ!ボクだって伊織みたいな妹なんか……!」
やよい「めっ!」
伊織「いたっ」コツン
真「てっ」コツン
やよい「これ以上喧嘩したら、めっ!」
響「……やよいはやっぱり、お姉ちゃんだなー」
千早「こーうん こーうん こーうん こーうん 種まき花咲き収穫期~♪」
千早「手放しハッピィー♪手ブラでラッキィー♪」
千早「こーうん こーうん こーうん こーうん こーうん こーうん こーうん こーうん」
千早「こぉーっ!うん こ~っ!うん こーうん こーうんこっ!!」
P「Fooooooooooooooo!!」
P「最高だ!やっぱりお前は最高だよ、千早っ!」
千早「歌に貴賎は、ありませんから」キリッ
P「次のカバー曲は決まったな……!」
春香「絶対にやめてくださいっ!!」
ちーちゃんは不器用かわいい!
千早にお姉ちゃんって言われる春香がよかった
お姉ちゃんって呼ぶ千早はもっとよかったww
おまけの千早は…
しかも2番wwww
とにかく乙
Entry ⇒ 2012.10.15 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
雪歩「甘くて、甘い、雪解けの水」
P「ひと段落したし、少し休憩するか…」
雪歩「あの、プロデューサー。お茶、どうぞ」
P「お、さんきゅ…」ズズー
P「ふぅ…なんて言うか雪歩のお茶は落ち着くなぁ…」
雪歩「そ、そうですか?ありがとうございますぅ」
P「礼を言うのは俺の方さ、ありがとな」
雪歩「えっと、あの…どういたしまして///」
P「それにしても…他のアイドル達がいないとこんなに静かなんだなぁ…」
雪歩「…そ、そうですね」モジモジ
P「ん?どうした、なんか様子が…」
雪歩「あの、昨日お茶を淹れたとき…」
P「あ、あぁ…ついうっかり頭撫でちゃったな。一昨日姪っ子が来てたからつい癖で…すまん、もうしないからそんなに警戒しないでくれ」
雪歩「いえ、そうじゃなくて…」
P「?」
雪歩「また、撫でてくれると嬉しいなって…」
雪歩「男の人ですけど、プロデューサーですから…」
P「そっか、慣れてかないと駄目だもんな。うーん…じゃあそこに座って」
雪歩「そ、そういうことじゃ…うぅ…」ポスッ
雪歩「ぁぅ…」
P「えーっと…そんなに緊張しなくてもいいぞ?」
雪歩「そう言われても緊張しちゃうんですよぉ」
P「そっか、まあできるだけ優しくするように気をつけるよ」スッ
雪歩「ぁ…」
P「…」ナデナデ
雪歩「はい…大丈夫ですぅ」
P「そっかそっか」ナデナデ
雪歩「なんだか、とっても優しい感じがします」
P「そうなのか?姪っ子もいつもそう言ってせがんでくるんだが、俺にはよく分からんな…」ナデナデ
雪歩「姪ちゃんと仲良いんですね」
P「うーん、どうだろ…時々世話を押し付けられてるだけだし」ナデナデ
雪歩「でもよく頭を撫でてあげるんですよね?」
P「まあ、それはそうだが…」ナデナデ
P「そうかな?」ナデナデ
雪歩「そうですよ。だから私も…」
P「雪歩も?」ナデナデ
雪歩「あっ、えっと、男性恐怖症でもプロデューサーなら大丈夫なんじゃないかなって…」
P「他の男の人はまだ苦手か」ナデナデ
雪歩「はい…挨拶するくらいなら大丈夫になりましたけど」
P「まあ少しずつ慣れていけばいいさ」ナデナデ
雪歩「はい、ありがとうございます」
P「大丈夫だよ、いつもは1時間くらいぶっ通しとかざらだし」ナデナデ
雪歩「でもなんだかぎこちなくなってますよね?」
P「それは…撫でる相手が膝の上にいるから…」ナデナデ
雪歩「じゃ、じゃあ…」スッ
P「ゆ、雪歩…!?」
雪歩「さ、さすがに膝の上は無理ですから…隣で…」ポスッ
P「大丈夫か?さっきより近くなるし…それに抱き寄せるみたいになっちゃうけど…」
雪歩「は、はい、大丈夫です…!」
雪歩「ぁ…」
P「…大丈夫か?」
雪歩「はい…だ、だからその…」
P「はは、今日の雪歩はなんだか甘えん坊だな」ナデナデ
雪歩「それは…!だって…」
P「…だって?」ナデナデ
雪歩「うぅ……もしかしてからかってます?」
P「若干」ナデナデ
雪歩「プロデューサー!」
雪歩「ほんとにそう思ってますか?」
P「あぁ、雪歩が可愛いのが悪い」ナデナデ
雪歩「そ、そんな…!私なんてひんそーでちんちくりんで…」
P「あんまり言うといろんな奴に怒られるぞ?っていうか今のは突っ込むところ…」ナデナデ
雪歩「そ、そうなんですか?」
P「そうなんですよ」ナデナデ
雪歩「すみません…」
P「いや、別にいいさ」ナデナデ
雪歩「…」
P「…」ナデナデ
雪歩「あとでちゃんとお仕事しないと律子さんに怒られちゃいますよ?」
P「…アイドルのコンディションを整えるのも仕事の内ってことで」ナデナデ
雪歩「律子さん怒りそうですぅ…」
P「というか、現在進行形で仕事できないようにしてる奴に言われてもなぁ…」ナデナデ
雪歩「あぅぅ…や、やっぱり迷惑でしたか…?」
P「まさか、迷惑ならこんなことしないさ」ナデナデ
雪歩「そうですか…少しだけ安心しました」
P「それはよかった」ナデナデ
P「いい天気だし、美希じゃないが昼寝でもしたくなるな…」ナデナデ
雪歩「…」ウト…ウト…
P「雪歩?おーい、雪歩ー」
雪歩「あ、す、すみません…!今私寝ちゃって…」
P「眠いなら寝たらどうだ?収録までまだ時間あるだろ」
雪歩「で、でも折角……なんですし」
P「ん?何って?」
雪歩「あ、あの…よかったら膝枕とか…してもらえませんか?」
P「膝枕?」
雪歩「でもでも、きっと安心できると思うんです…!」
P「まあそんなに言うんならいいけど…寝心地悪くても文句言うなよ?」
雪歩「は、はいっ!」
P「えーっと、俺はここに普通に座ってればいいんだよな?」
雪歩「…」
P「雪歩?」
雪歩「…」
P「おーい」ペシペシ
雪歩「ひゃいっ!ふ、不束者ですが、精一杯頑張りますのでよろしくお願いしますぅ…!」
雪歩「は、はい…」スー…ハー…
P「もう一回」
雪歩「スー…ハァー…」
P「…落ち着いたか?」
雪歩「はい…」
P「まあ無理することはないさ。さっきも言った通りゆっくり慣れていけば…」
雪歩「…えいっ」コテン
P「大丈夫なのか?」
雪歩「私が…したいと思ってしてることですから…」
雪歩「!」ビクッ
P「っと、悪い…調子に乗りすぎた」
雪歩「い、いいんです…!ちょっと吃驚しただけですから」
P「でも…」
雪歩「続けてください…」
P「分かったよ」ポンポン
雪歩「ありがとうございます」
P「…」ポンポン
雪歩「ふふっ」
P「こういうの?さっきも言った通り姪がいるからな」ポンポン
雪歩「こ、恋人さんとかは…」
P「残念ながらお前達のプロデュースが忙しすぎてなぁ…」ポンポン
P「せいぜい学生時代の真似ごと程度だよ」ポンポン
雪歩「そ、そうなんですか…」
P「でも急にそんなこと聞いてどうしたんだ?」
雪歩「えっと、私にはそういうの、ないですから…」
P「何言ってるんだ、雪歩はまだまだこれからだろ?」ポンポン
雪歩「はい…これから、ですね…」
雪歩「な、なんですか?」
P「なんかこう、複雑だなぁ…」ポンポン
雪歩「それって…」
P「いや、雪歩が選ぶくらいなんだからいい奴なんだろうけどさ、なんつうか俺の雪歩をー!みたいな?」ポンポン
雪歩「お、俺の…///」
P「娘を嫁にやる父親の気持ちってこんななのかなぁ…」ポンポン
雪歩「…父親ですか」シュン
P「あれ?なんかテンション下がってる?」
雪歩「別になんでもないですぅー」
P「…さすがに仰向けになられるとバッチリ目が合って少し恥ずかしいな」
雪歩「わ、私って、娘みたいな感じなんですか?それってやっぱり私がひんそーでちんちくりんだから…」
P「雪歩がっていうかアイドル全員が娘みたいな感じかなぁ…」
P「やっぱり俺が世話してやらないと、みたいなとこあるっていうか…」
雪歩「だったら!トップアイドルになって独り立ちできるようになったら…もう違うんですよね?」
P「んー、まあそうかもな。ちょっとさみしい気はするけど」
雪歩「じゃあ私、今まで以上に頑張ってトップアイドルを目指します…!」
P「えっ…俺の娘ってそんなに嫌か?直接そう言われると少し悲しいものが…」
雪歩「嫌じゃないけど…嫌なんですっ…!」
P「むぅ…よく分からん」
雪歩「あっ…そうですね」
P大丈夫か?「なんだかんだで結局寝なかったけど…」
雪歩「はい、やる気は十二分ですっ!」
P「いい返事だ。それじゃ、終わったら迎えに行くから、しっかりやってこいよ?」
雪歩「プロデューサーも、律子さんに怒られないように頑張ってくださいね?」
P「いやいや、律子に怒られないためじゃなくてお前達のために頑張るさ」
雪歩「ふふっ、ありがとうございます」
P「じゃあ雪歩、行ってらっしゃい」
雪歩「行ってきます、プロデューサー」
P「よ、お疲れ」
雪歩「プロデューサー、見てたんですか?」
P「最後の方だけだけどな。ほれ、お茶」
雪歩「ありがとうございますぅ」
P「今日は調子よかったみたいだな」
雪歩「えっ…!」
P「スタッフの人が褒めてたぞ?『今日は男と話すシーンが多かったのにNGが少なかった』って」
雪歩「それは…プロデューサーのおかげです」
P「あぁ、行く前のあれでちょっとは慣れたか」
雪歩「そういうことじゃ……やっぱりいいです」
P「それじゃ、少し早いけど帰るか」
雪歩「はい、急いで着替えてきますね」
P「あんまり慌てると転ぶぞ?」
雪歩「春香ちゃんじゃないんですから…私は転びませんよ」テクテク
P「いやいや、そう言って油断してると…」テクテク…ズルッ
P「おわっと…危ないところだった」
雪歩「プロデューサーの方が心配です」
P「ははは、面目ない」
雪歩「はい!よろしくお願いしますぅ…!」
P「いい返事だ。そんじゃしゅっぱーつ」ブロロロロ
雪歩「お、おー…?」
P「でも助手席でよかったのか?今日は疲れただろうし家に着くまで後ろで寝ててもいいのに…」
雪歩「いえ、私はこっちの方が…」
P「助手席ってあんまり広くないし俺は後部座席の方が好きだけどなぁ…」
雪歩「でも私は助手席の方がいいんです」
P「へぇ、珍しいな」
雪歩「そうかもしれません」
雪歩「はい?」
P「今日はほんとに調子良かったんだな。雪歩の演技見るために早めに仕事切り上げて来たのにちょっとしか見れなかった…」
雪歩「怒られますよ?」
P「いいさ、雪歩のためなら…」
雪歩「アイドルのコンディションを整えるのも仕事の内、ですか?」
P「そういうこと」
雪歩「でもそうされているうちは、まだまだってことですよね」
P「そうともいうかもな」
P「ちょっとしか見てないけど現場全体の雰囲気もすごかった」
雪歩「…生意気かもですけど、私のやる気でみんなを引っ張って行ったような感覚でした」
P「いや、実際そうかもしれん」
P「トップアイドルっていうのは、今日みたいな感じがずっと続けられるやつのことなんだよ」
P「やっぱり雪歩には素質がある。社長も俺も見る目があるってことだな」
雪歩「そしたらプロデューサーも私の調子を見に来なくなりますか…?」
P「なんだ、見られたくないのか?」
雪歩「そういうことじゃ、ないんですけど…」
P「ま、確かにそうなるだろう」
雪歩「そうですか」
P「しかしそんなことになってしまってはサボりの口実が…」
雪歩「やっぱりサボりなんですか?」クスッ
P「ん?なんだ」
雪歩「今日の私、頑張りましたよね?」
P「おう、過去最高の頑張りだったんじゃないかと思うぞ」
雪歩「だからご褒美を、もらえませんか…?」
P「ご褒美…?」
雪歩「はい」
P「って急に言われてもなぁ…あっ」ティン
P「じゃああそこ入ろうか」
雪歩「え?」
雪歩「それでファミレス、ですか?」
P「ホントはもっといいとこ連れて行ってあげたいんだけど給料日前で…すまん」
雪歩「そ、それは別にいいんですけど」
P「まあ給料出たらもっとちゃんとしたとこに連れて行ってやるからさ、オフの日にでも」
雪歩「ホントですか…!?」
P「ほんとほんと、今日はその前哨戦ってことで」
雪歩「いえ、そういうことなら今日は自分で出します…!」
P「え?でも…」
雪歩「給料日前で辛いんですよね…?」
P「…ありがとな」
P「もちろんだ。って言うかそんなに期待されるとは…」
P「接待用の店でちょうどいいとこあったかな…雪歩はどんなもの食べたい?」
雪歩「お店はどこでもいいんです」
P「どこでも?」
雪歩「はい、どこでも…」
P「それはそれで難しい注文だなぁ…」
雪歩「すみません」ニコニコ
P「顔が満面の笑みなんだが?」
雪歩「そうですか?」ニコニコ
P「そうですよ」
雪歩「忘れてました…」
P「俺も若干忘れかけてた」
雪歩「うーん…なににしよう…」
P「あ、俺決めた」
雪歩「もうですか…!?」
P「うん、この期間限定のやつ」
雪歩「プロデューサーって結構限定物に弱いですよね」
P「だって今しか食べれないんだぜ?」
雪歩「それは確かにそうですけど…」
雪歩「うーん、でもそれは…あ、これにします」
P「定番もど定番なメニューだな」
雪歩「はい、これとってもおいしですし」
P「へぇ…そうなのか」
雪歩「食べたことないんですか?」
P「いつも限定物ばっか食べてるから…」
雪歩「本末転倒じゃないですか」クスッ
P「言われてみればそうかもしれん」
P「じゃあ店員呼ぶぞ」スイマセーン
雪歩「そうなんですか…?」
P「うん、ほんと。ほらこれ、一口食べてみ?」
雪歩「ひぅっ!」
P「っと、すまん。あまりのうまさについうっかり…」
雪歩「い、いえ…その……も、もう一回お願いします!」
P「えっ?」
雪歩「……あ、あーん///」フルフル
P「えーと…いいのか?」
雪歩「…」アーン
雪歩「…」ハムッ
P「ど、どうだ?」
雪歩「お、おいしいですぅ」
P「だろー?これめっちゃうまいよな」
雪歩「で、でも…こっちもおいしいですよ?」
P「え?」
雪歩「あ、あーん…」オズオズ
P「さすがにそれはちょっと恥ずかしいって言うか…」
雪歩「わ、私だって恥ずかしかったんですよ…!?」
雪歩「えっと、お返しです!お返し……あの、こうして待ってる方が恥ずかしいんですけど…」
P「分かったよ。じゃあ…」パクッ
P「…うまいな」
雪歩「でしょう?」
P「割と当たりはずれの大きい店だと思ってたから意外だな」
雪歩「それは、期間限定の物ばかり食べてるからだと思いますぅ…」
P「雪歩のおかげでこの店の新しい一面を知れたよ」
雪歩「それは大げさですよ」クスッ
P「ふー、食った食った」ポンポン
雪歩「プロデューサー、おじさんみたいです」
P「なに?俺はまだまだ若…ってまあ雪歩から見ればおじさんかもしれんな」
雪歩「そんなことないです」
P「初めに言いだしたのは雪歩じゃないか」
雪歩「そ、それは…おじさんじゃないのにおじさんみたいなことするからですよ…!」
P「なるほど、やっぱまだまだ若いつもりでいいってことか…さて、そろそろ行くぞ」
雪歩「はいっ」
雪歩「お父さん、もう怒ったりしてませんよ?」
P「それでもなんとなく、プレッシャーみたいなものが…」
雪歩「?」
P「ま、まあそれはいいんだ。ほら、そろそろ帰りな」
雪歩「あ、あの…」
P「どうした?」
雪歩「少しだけ、お散歩しませんか?」
P「こんな時間に?まあ腹ごなしにはいいかもしれんが…」
雪歩「ダメでしょうか…」
P「いや、いいよ。でも少しだけだぞ?」
雪歩「そろそろ衣替えしないとですね」
P「俺はほとんどスーツだから、涼しい方がありがたいよ」
雪歩「確かに、夏はすごく暑そうでした」
P「…」
雪歩「…」
P「おっ」
雪歩「?」
P「月が綺麗だ」
雪歩「へっ…!?」
P「ほら、満月ではないみたいだけどさ、真っ黒い空に少しだけ欠けた月が浮かんでて…」
雪歩「あっ、そうですね…」
P「これも散歩に誘ってくれた雪歩のおかげだな」
雪歩「そんな…!」
P「…」
雪歩「…」
雪歩「知ってますか?夏目漱石さんは英語のI love youを『月が綺麗ですね』と訳したそうですよ」
P「へっ?あ、いや、さっきのはそういうつもりじゃ…」
雪歩「分かってます」
P「そうだな」
雪歩「プロデューサー」
P「ん?」
雪歩「月、綺麗ですね」
P「あぁ、そうだな」
雪歩「手を繋いでもいいですか?」
P「犬でもいたか?」
雪歩「いえ、私がそうしたいからするんです」ギュッ
P「そっか」
雪歩「え?」
P「雪歩の手」
雪歩「そうですか?」
P「大事にしないとすぐ折れちゃいそうだ」
雪歩「そんなことないですよ」
P「確かに、脆そうに見えて芯は強いからな」
雪歩「何の話ですか?」
P「雪歩の話だよ」
P「男の手なんてこんなもんさ」
雪歩「そうなんですか…」
P「そういうことも少しずつ知っていけばいいよ」
雪歩「あと、すごく大きいです」
P「そうかな?普通だと思うけど」
雪歩「そんなことないですよ」
P「雪歩が言うのなら、そうなのかも」
雪歩「はい、そうなんです」
雪歩「…そろそろ戻りましょうか」
P「ん、そうだな」
雪歩「はい、また明日」
雪歩「プロデューサー、約束、忘れないで下さいね?」
P「約束…?なんかしたっけな…」
雪歩「オフの時に食事に連れて行ってくれる約束です…!」
P「冗談だよ、冗談」
P「期待にこたえられるかは分からんが、できるだけ頑張るよ」
雪歩「よろしくお願いします」
P「ん、じゃあおやすみ」
雪歩「はい、おやすみなさい」
雪歩「いえ、まだ10分前ですし」
P「でも待たせちゃったんだろ?なら遅刻さ」
雪歩「私が早く来すぎたばっかりに…!ごめんなさいー!」
P「ここで謝罪合戦しつづけるのもなんだし、行こうか」
雪歩「あ、はい。ごめんなさ…」
P「はは、でもなんか安心したよ」
雪歩「安心、ですか?」
P「最近の雪歩はキリッとしてるって言うかしっかりしてるからさ」
P「そういう後ろ向きなとこ見るの久々だからちょっとな」
P「しっかりしてる雪歩は仕事する上では助かるけどな」
雪歩「そう言ってもらえると頑張ってる甲斐がありますぅ」
P「それにしても、なんでこんなとこで待ち合わせなんだ?」
P「別に家まで迎えに行ってもよかったし万一アイドルってばれたら大変だろ」
雪歩「それは…」
雪歩「やっぱり待ち合わせが醍醐味って春香ちゃんが言ってましたし…」
P「醍醐味?」
雪歩「はい、待ってる間もずっと楽しかったです」
P「よく分からんが変な奴だな」
P「ふっふっふ、それはだなぁ…」
雪歩「それは…?」
P「着いてみてのお楽しみだ」
雪歩「えぇっ…そこで焦らすんですか?」
P「っていうか着いたし」
雪歩「プロデューサー、楽しんでます?」
P「そりゃもう」
雪歩「ほどほどにしてくださいね?」
P「善処する」
P「だろ?雪歩が気に入りそうな店を頑張って選んだんだ」
雪歩「ありがとうございます」ニコッ
P「最近の雪歩は頑張ってるしな。大サービスだ」
雪歩「えへへ、なんだか少し照れちゃいます」
P「いやいや、雪歩は堂々としててくれ」
雪歩「?」
P「実は俺もこの店来るの2回目だから、ちょっと緊張してるんだ」
P「雪歩が縮こまってたら俺が隠れられない」
雪歩「ふふっ、なんですかそれ」
雪歩「そ、そんな…!責任重大すぎますぅ…」
P「心配しなくてもこの店の物は多分大体おいしいし、なにより俺は雪歩を信じてるからな…!」
雪歩「その言葉はもっと別の時に聞きたかったです…」
P「んじゃ、俺ちょっとツイッターにランチなうって投稿してるから」
雪歩「全然余裕そうですよね…?」
P「いや、今にも空気に押しつぶされそうだ」ピロリロリーン
P「雰囲気のいいお店でランチなうっと」
雪歩「ほ、ホントに決める気ないんですか…?」
雪歩「そうなんですか?私、自分が食べたい物を頼んだだけなんですけど…」
P「へぇ、ファミレスの時のイメージで雪歩とは食べ物の好みが真逆なのかと思ってたよ」
雪歩「でもプロデューサーの頼んだものも、私が頼んだものも、どっちもおいしいって思いましたよ?」
P「なるほど、確かに…」
雪歩「あ、あの…それより…」
P「ん?」
雪歩「ここ個室で、誰にも見られないですから…」
P「ほうほう」
雪歩「えと、その…」
P「うんうん」
P「いやー、全くわからないなー」
雪歩「うぅ……あの…一口、もらえませんか?」
P「良く言えました。じゃあ、あーん」
雪歩「あ、あーん…」ハムッ
P「うまいか?」
雪歩「…はい、とっても」
P「じゃあ俺にもお返し」
雪歩「あ、はい…あーん」
P「あーん…」パクッ
雪歩「二人?」
P「俺が店を選んで雪歩がメニューを選んだ。だから二人、な?」
雪歩「あっ……そうですね!」
P「それにしても雪歩、人にあーんってする時まで、口開けなくてもいいんじゃないかと思うんだけど」
雪歩「へっ?開いてました…?」
P「うん、ばっちり」
雪歩「きゅ、急に恥ずかしくなってきましたぁ…」
P「個室とはいえ真昼間から食べさせ合いっこしといて何言ってんだ」
雪歩「うぅ…そういうこと言わないでください…改めて聞くともっと恥ずかしく…」
雪歩「ごちそうさまでした」
P「どうだった?」
雪歩「とってもおいしかったです!」
P「そう言ってもらえると連れて来た甲斐があるよ」
雪歩「ありがとうございました」
P「別にいいって」
雪歩「あの、この後ってなにか予定とかありますか…?」
P「いや、特にはないな」
雪歩「だ、だったら…私に少し、付き合ってもらえませんか…?」
P「もちろん」
雪歩「えと、美術館に…今茶器の展示をやってるって聞いて…」
P「なるほど」
雪歩「あの、興味なかったですか…?」
P「んー、そうでもないさ」
雪歩「ならよかったです…」
P「んじゃ行くか?」
雪歩「あ、その前に…今日ってご褒美なんですよね?」
P「ん?まあそうだな」
雪歩「なら手を、繋いでもらえませんか?」
雪歩「そんなこと言ったら今こうしてることが既に問題です…!」
P「まあそれは確かにそうだけど…」
雪歩「だから、その…お願いします」
P「うーん…雪歩に頼まれちゃうと弱いなぁ」
雪歩「ありがとうございます…!」
P「そんじゃ今度こそ、行こうか」ギュッ
雪歩「あ、あの…」ギュッ
雪歩「こっちの方がいいです」
P「…これって恋人繋ぎってやつだっけ?」
雪歩「は、はい…」
雪歩「そんなこと言ったら今こうしてることが既に問題です…!」
P「まあそれは確かにそうだけど…」
雪歩「だから、その…お願いします」
P「うーん…雪歩に頼まれちゃうと弱いなぁ」
雪歩「ありがとうございます…!」
P「そんじゃ今度こそ、行こうか」ギュッ
雪歩「あ、あの…」ギュッ
雪歩「こっちの方がいいです」
P「…これって恋人繋ぎってやつだっけ?」
雪歩「は、はい…」
雪歩「それにこうして握れば」ギュッ
雪歩「すぐ近くにいられます」
P「なるほど、世の恋人たちってのは中々考えてるんだなぁ」
雪歩「みんながみんな考えてこうしてるわけじゃないと思いますけど…」
P「じゃあ最初に考えたやつがすごいってことで」
雪歩「誰なんですか?」
P「さあ、わからん」
雪歩「別に誰でもいいですけどね」クスッ
P「なんだ、千早の真似か?」
雪歩「はい。ポスターを見るだけでワクワクしてきます」
「ご来場ありがとうございます」
P「じゃあ俺が…」ゴソゴソ
雪歩「あ、私割引券持ってますから…」
「ありがとうございます。ごゆっくりどうぞ」
P「…あのくらい払ってもよかったのに」
雪歩「お昼ごちそうしてもらいましたし、ここに来たのは私の我儘ですから」
P「我儘じゃないさ。俺は雪歩と一緒に来たいと思ったから来たんだしな」
雪歩「…ありがとうございます」
P「確かに、すごく素敵だ」
雪歩「やっぱりこういうのって自然と職人の技が合わさってできるんですよね…なんだか感動ですぅ」
P「そんなことないはずなのになんだか輝いているように見えるよ」
雪歩「はい、お茶碗のヒビだとか形だとか…今の物のように決して綺麗なものばかりではないですけど」
雪歩「そこに人の想いや生活が詰まっているんだと思うとなんだか考えさせられちゃいます」
P「うん、やっぱり生き生きしてる雪歩はいい」
雪歩「へっ?」
P「茶器を見て興奮してる雪歩は水を得た魚みたいだ」
P「今度こういう博物館の取材収録でもとってくるかな…」
P「だって俺、ぶっちゃけると茶器にはあんまり興味ないし」
雪歩「やっぱり私が無理を…」
P「茶器には興味ないが茶器に興味がある雪歩には興味がある」
雪歩「うぅ…なんだかごまかされてる気がします…」
P「そんなことないさ。今日はいつもと違ってリフレッシュできてるからな」
雪歩「いつも…プロデューサーはお休みの日何をしてるんですか?」
P「だらけてるか仕事してるかのどっちかだな」
雪歩「それは確かにリフレッシュできそうにないです…」
P「趣味と言えることがないからなぁ…割と真面目に仕事が趣味かもしれん」
P「分かってはいるんだが…」
雪歩「あの、今日はリフレッシュできたんですよね?」
P「まあな。雪歩といるとなんか落ち着くし」
雪歩「じゃあまた時々…こうやって一緒に過ごしませんか?」
P「雪歩と?」
雪歩「プロデューサーがよければですけど…」
P「時々?」
雪歩「…プロデューサーがよければもっとでも」
P「ん、ありがと」ポンポン
雪歩「はい…!これも約束、ですよ?」
P「ん、約束だ」
P「っと、もう展示は終わりか」
雪歩「みたいですね」
P「どうする、帰るか?ちょっと微妙な時間だが…」
雪歩「あの…」
P「さてさて、今度は何が来るんだ?」
雪歩「プロデューサーのお家に、行ってもいいですか?」
P「え?」
P「誰が?」
雪歩「私が」
P「どこに?」
雪歩「プロデューサーのお家に行きたいんです」
P「えーっと…さすがにそれはまずいんじゃないかなーと思うんだけど」
雪歩「ダメですか?」
P「ダメって言うかやっぱり世間体とかそういうのが…」
雪歩「プロデューサー」
P「…」
雪歩「お願いします」
雪歩「ここがプロデューサーのお家ですか…思ったより片付いてますね」
P「まあいつもは寝に帰ってきてるだけだからな」
雪歩「あっ、私達のDVDとか写真集…ちゃんととっておいてくれてるんですね」
P「当たり前だろ?」
雪歩「あれ、でもなんで私のが真ん中に…他の皆は50音順なのに…」
P「えっ、あーそれはだな…そう、最近見たんだ!それでちゃんと戻すのが面倒になって…」
雪歩「なるほど…ちょっと残念かもです」
P「残念って?」
雪歩「なんとなく、私が皆の中でトクベツだったらいいなって…」
雪歩「おかしいですね、私なんかが…」
P「俺は雪歩が他の皆より劣るだなんて、思ってないよ」
雪歩「プロデューサー…」
P「それに家まで来ちゃったのはさすがに雪歩が初めてだし、そういう意味では特別だよ」
雪歩「そう、ですか…嬉しいです」
雪歩「…あの、隣に座ってもいいですか?」
P「なんだ今更そのくらいのこと…」
雪歩「ありがとうございます」トテトテ…ポスッ
P「それで、俺の家に来たはいいが…なにをするんだ?」
雪歩「別に何も。私はただ、プロデューサーと一緒にいたいと思っただけですから…」コテン
雪歩「重いですか?」
P「いや、そんなことはないけど…」
雪歩「けど?」
P「こんなに近くて男性恐怖症は大丈夫なのかと思ってな」
雪歩「前にも言った気がしますけど、プロデューサーだから大丈夫ですよ」
P「俺だから…か」
P「信頼されてるんだな」
雪歩「はい、信頼しています」
P「ありがとな」
雪歩「え?」
P「ゆったりと時間が流れててさ…」
P「さっきも言った通り帰ったらすぐ寝ちゃうし。朝は朝でばたばたしてるからな」
雪歩「朝、弱いんですか?」
P「実はちょっとだけな」
雪歩「初めて知ったかもです」
P「そりゃばれないようにしてるからな」
P「寝ぐせチェックの時間がなければあと5分は長く寝てられる」
雪歩「そんなに気にしなくてもいいと思いますけど」
P「いやいや、営業もするんだし気にしなきゃまずいだろ」
P「…」
雪歩「…プロデューサー?」
P「…zzz」
雪歩「寝ちゃったんですか?」
P「zzz」
雪歩「寝てるんですよね…?」
P「zzz」
雪歩「プロデューサー、私、プロデューサーのことが好きです」
P「zzz」
雪歩「だけど、ちゃんと気持ちを伝えるのは、もっと後にします」
P「…」
雪歩「いつか、トップアイドルになれたときに…」
雪歩「今までの感謝の言葉と一緒に、伝えますから…」
P「…」
雪歩「その時にはきっと、聞いてくださいね?」
P「…zzz」
雪歩「…今はまだ、このぬくもりだけで十分です」
雪歩「気にしないでください。お疲れみたいでしたし」
P「でもちょっと寝たおかげでかなり元気になったよ。雪歩のおかげだな」
雪歩「そんな…でもお役に立てたのなら、嬉しいです」
P「ありがとな」
P「…よし、また明日から仕事がんばるぞー!」
雪歩「プロデューサー、頑張ってくださいね」
P「他人事みたいに言ってるが、雪歩もだぞ?」
雪歩「も、もちろんですぅ…!」
P「ってもうこんな時間じゃないか。家まで送るよ」
雪歩「あっ、ありがとうございます」
雪歩「いえ、お礼を言うのは私の方です。お昼ごちそうになっちゃって家にまで押し掛けて…」
P「ま、最近頑張ってたご褒美ってことで。それに俺も久々に休日を満喫できたし」
雪歩「ならよかったです」
P「あ、そうだ。家に来たことは内緒にしてくれよ?怒られたりいじられたりするのはごめんだ」
雪歩「一つだけ条件が…」
P「条件?」
雪歩「また、お家に行ってもいいですか?」
P「んー…まあ雪歩ならいいか」
P「お、この約束は指切りするのか」スッ
雪歩「はい」キュッ
二人「「ゆーびきーりげんまん うそついたら はりせんぼん のーます」」
二人「「ゆーびきった」」
P「…指切りもしたし、この約束は絶対に守らないとな」
雪歩「よろしくお願いしますね」ニコッ
雪歩「…それじゃあ、おやすみなさい」
P「おやすみ、雪歩。また明日」
雪歩「はい、また明日です」
終わり
かわいいゆきぽでした
Entry ⇒ 2012.10.14 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「加蓮の親愛度がMAXになった」
P(加蓮は頑張り屋で、ちょっと身体が弱くて、でも最高に輝いてる)
P(今ではうちの事務所の顔として活躍してるけど)
P(最初の頃は本当に大変だったんだよな…)
P(社長や俺がスカウトしてきた候補生は、能力と本人の反応を見るためにしばらくレッスン場通いになる)
P(加蓮と初めて会ったのは丁度加蓮のレッスン詰め最終日)
P(一目見て惚れ込んで、社長に担当させて欲しいと頼み込んだ)
P(…今思えば、「流石だねキミィ」の意味をよく考えるべきだった)
加蓮「ん?アンタがアタシをアイドルにしてくれんの?よろしく」
P「よ、よろしく。プロデューサーのPです」
加蓮「でさ、アタシ努力とか練習とか、そういうキャラじゃないんだけど。ホントになれんの?アイドルなんてさ」
P「え、え?まあ険しい道程にはなると思うけど…やるからには二人三脚で頑張ろう、な?」
加蓮「えー…言っとくけどアタシ体力ないかんね。入院してた時期もあるし。ちゃんと休ませてよ?」
P「よろしくな、えっと、加蓮ちゃん?」
加蓮「うわ、なにそれ気持ち悪…加蓮でいいよ」
加蓮「はあ、先が思いやられるなー」
P(俺もだよ…うう、見事なまでの現代っ子…これからが心配だ…)
[同日、夕方]
ルキトレ「はい、6、2、3、4、7…ほら加蓮ちゃん頑張ってー!」
加蓮「ハッ……ハッ……あー、もう無理!休憩!」
ルキトレ「あー、もうちょっとだったのに…ダメだよ加蓮ちゃん、気合で最後までやろうよぉ」
加蓮「ハァ…ハァ…無理だってば、無理無理…ハァ…あー、喉渇いた…飲み物飲み物…」
ルキトレ「うー、加蓮ちゃぁん…」
P(でも原石としては最高の逸材だ。磨けば間違いなく輝ける)
P(それになにより、俺がこの子をプロデュースしてみたい)
P(担当を加蓮一人に絞っていいから全力でやれと社長は言ってたけど…)
P(まだ俺が加蓮のことを知らなさすぎる)
P(本人もこの程度のレッスンでかなり辛そうだし、一度ちゃんと話して心の内を聞いておかないと)
加蓮「え、わ、わ、っと…あ、レモン水じゃん!プロデューサーわかってるー♪」
加蓮「んっ…」ゴクゴク
P「ルキトレさん、今日は少し早いですけどここまでで大丈夫です。少し加蓮と話したいこともあるので」
ルキトレ「あ、はい…えっと、加蓮ちゃん、気分とか、大丈夫?」
加蓮「ん、休めば大丈夫だよ。お疲れ~」
ルキトレ「うう、それじゃ次もまた頑張ろうね?お疲れ様」
加蓮「疲れたー。やっぱしんどいよこれ」
P「そっか。じゃ、そのまま座っててくれ…っと、隣、いいか?」
加蓮「へ?と、隣?い、いいけど汗かいてるよ?」
P「構わないって、それくらい。そいじゃ失礼、と」
加蓮(構わない、って…臭わないよね?)クンクン
加蓮「うーん…なんか事務所の子達ってホント努力努力努力ーってカンジでさー」
加蓮「なのにアタシはこんなんだし、レッスンも休み休みじゃないとこなせないし」
加蓮「どうにかなんのこれ?って感じかな。あはは」
P「確かにうちの事務所は結構凄いのいるからなあ…」
P「加蓮はなんでアイドルやってみようと思ったんだ?」
加蓮「え、唐突…んー、なんていうんだろ」
P「へ?」
加蓮「あ、別にふざけてるわけじゃないよ?ほら、日高舞っていたじゃん、もう引退しちゃったけど」
P「ああ…ってまさか日高舞に憧れて?」
加蓮「うん。アタシ小さい頃から病気がちでさ。あんまり外で遊んだりできなくて」
加蓮「いつも家で遊んでたんだけど、そんなアタシのヒーロー?ヒロイン?が日高舞」
加蓮「お母さんも、『大きくなって、元気になればあんな風になれるから』とか言っちゃっててさ。アタシ、信じちゃってたんだ」
加蓮「そ。高校入って、相変わらず体弱くて、全然日高舞みたいにはなれなくて」
加蓮「あーネイルの勉強でもしようかなーなんて考えてたところで、アイドルやりませんか、とか言われるもんだからさ。ちょっと夢見ちゃった」
加蓮「でもやっぱダメだね、アタシみたいなポンコツが通用する感じじゃなさそうかも。あはは」
P「ポンコツってお前……」
加蓮「実際そうだよ。ルキトレちゃんも言ってたよ、アイドルって体力ないと務まらないって」
加蓮「アタシにはそれがないんだし、さ。根性も無いし」
P「…今も、アイドルになりたいと思ってるのか?」
加蓮「えー、実際無理そうじゃない?さっきのレッスン見てたでしょ?あれで人前に立つのは…」
P「加蓮、真面目に」
加蓮「……そりゃ、ね。夢だもん。でもお陰で現実見れたし、これで諦めつけてもいいかな、って」
加蓮「プロデューサーには付いて早々で悪いけど、そろそろ潮時ってことでもう…」
P「諦めも何も、まだ何も始まってないだろ。アイドル、なりたいんだろ?」
加蓮「なんで何度も言わせるのさ、嫌がらせ?」
P「そんなわけないだろ。加蓮をアイドルにするために、俺が知っておきたかったんだよ。プロデューサーなんだからな」
加蓮「…っ、だから無理だって、もう一週間やって分かったよ」
加蓮「アタシみたいなのはアイドルなんてなれない」
加蓮「体力もないし根性もない、そんなんじゃ通用しないって十分思い知ったって」
加蓮「もういいんだってば。帰る。さよなら」
P「おい、加蓮」
加蓮「もういいって言ってるでしょ!しつこい!」
P「待てよ、おい加蓮!」グッ
加蓮「離してよ、や、離してってば!」
P「話を最後まで聞けって!」
加蓮「っ、痛い、離して!」
P「…ごめん」
P「……俺は加蓮にこんなところで終わって欲しくないんだ。まだまだこれからだろ」
P「辛いのに、ちゃんと毎日レッスンも来てるし、根性あるじゃないか。続ければ必ずステージで輝く日が来るさ」
加蓮「…しつこいなあ。今日初めて会ったのになんでそこまで言えんの?」
P「一目見てティンときたんだよ。この子には他の子にはないものがあるって」
P「加蓮さえよければ、一緒に頂点を目指したいんだ」
加蓮「頂点って、話飛びすぎ。期待してもらって悪いけど、アタシ、やっぱこういうの無理だよ」
加蓮「去年の今頃は病院のベッドだったのにアイドルなんて目指させて貰えて、短い間だったけどいい夢見れたよ」
加蓮「いいじゃん、アタシの中で決着つきそうなんだから」
加蓮「………もういいってば……ホントしつこい…諦めさせてよ……」
P「…………加蓮はさ、目が違うんだ」
加蓮「………は?目?」
P「そう、目。アイドルはたくさん見てきたけど、加蓮みたいな目をしてる娘は他にいない」
P「アイドルってのは誰もが目が輝いてるけど、加蓮の瞳は夢を映して、こう、煌めいてて」
P「何て言うんだろうな。輝き方が違うんだ」
加蓮「……何それ、意味わかんない。口説いてるつもり?」
P「…そうだな、惚れたのかも。初めて加蓮の目を見たとき、ビビッときたんだ」
P「うん、一目惚れ、かもしれない」
加蓮「……………へ?」
加蓮「え、あ、手…」
P「お前の夢、叶えさせてくれ。俺が魔法使いになるから、加蓮がシンデレラになってくれ」グイ
加蓮「な、ちょっと…」
P「ちゃんと輝くステージに、ドレスと花を持たせて連れていくから」
P「だからさ、一緒にやろう、アイドル。二人なら出来る、約束する」
加蓮「だから、アタシはもう…」
P「今日まで一週間、辛かっただろ?でも今日からは俺と、二人でやっていこう」
P「まだ、これからだろ。スタートラインなのに、諦めるなんて悲しいこと言うなよ」
P「確かに今はまだまだ遠いかもしれないけど、だからこそのシンデレラストーリーじゃないか」
加蓮「でも、無理だよ………あたしじゃ………」
P「………できるよ。見たいんだ。加蓮の、シンデレラ。一緒にやろう」
P「舞踏会まで、俺が連れていく」
加蓮「……………本当に……?」
P「俺、これでもこの仕事では、結構評価してもらえてるんだぞ?」
加蓮「……私、すぐ疲れるよ?レッスンも活動も、迷惑かけちゃうかも」
P「それでも絶対、だ。約束する」
加蓮「二人三脚になんてならないかもしれないよ。道端でへたりこんじゃうかも」
P「そのときは肩車でもおんぶでもなんでもするさ。カボチャの馬車にだって変身してやる」
加蓮「…ぷっ、なにそれ、バカみたい」
加蓮「……ねえ、ホントに、アイドル、なれるのかな」
P「なれるよ。約束する」
P「やるって言うなら、今日この場から俺が北条加蓮のファン1号で、頂点までのパートナーだ」
加蓮「……わかった。ちょっとだけ、信じてみる」
加蓮「約束、だからね」
加蓮「ちゃんと、私の夢、叶えてね」
P「……加蓮!」ギュッ
P「うん。絶対に、絶対にお前の夢、叶えるから。明日からまた仕切り直して二人で頑張ろう」
P「…ってどうしたんだ?加蓮?」
加蓮「…あの、抱きつかれると…あたし…」
P「…あ、ははは、熱くなっちまって、つい……悪い…」
加蓮「…セクハラ」
P「う、ごめん…家まで送るから着替え終わったら呼んでくれ、外で待ってるから」
バタン
加蓮「………」
加蓮「……ぷっ、あは、あはっ」
加蓮「あはっ、だっさ、俺が魔法使い、だって、あ、あはははっ」
加蓮「しかもとんだセクハラプロデューサーだし、あはっ、ホント最悪、あは、は、は」
加蓮「自分も顔真っ赤なくせに、あは、は、カッコ、つけて、あはっ」
加蓮「しつこいし、ぷふっ、もうホント最低、っ」
加蓮「ヒッ、は、もういいって言ってんのに、あは、グスッ……ヒッ……」
加蓮「諦められると、思ったのに……ぅ、グスン、ぅぅ……」
加蓮「………ヒグッ……グスッ……」
加蓮「…グスン………私……なれるのかな………」
加蓮「…………アイドル、アイドルかあ……ひぐっ、う、うぇぇ」
加蓮「グスッ、う、う、ぅぅぅぅぅ」
加蓮「…ぁ、あ……あ……あ、あああ、」
P(あの日、加蓮がレッスン場から出てくるまで一時間待たされた)
P(ようやく出てきてから家に送り届けるまで、何度も「こっち絶対に見ないでよ」と言われたけど)
P(別れ際の「また明日ね」の声は、今でも耳に残っている)
P(これが俺と加蓮の、最初の一歩)
――――
―――
加蓮「あ、プロデューサー!今日もお迎えありがと」
P「おう、とりあえず乗った乗った、早く出よう」
加蓮「ん、何か急ぐの?今日はレッスンだけでしょ?」
P「いや、結構注目浴びてるっていうかさ…」
P「あんまり噂されたりすると、加蓮も学校でやりづらいだろ?」
加蓮「へ?うわ、ホントだガン見されてる…行こ行こ」
バタン
ブロロロロ
加蓮「普通かな。あ、今日から体育も頑張って出てるよ。先生びっくりしてた」
P「お、偉い偉い。ご飯はちゃんと食べたか?」
加蓮「朝はなんとか食べたけど…昼はちょっとしか食べられなかった。体育の後だったし」
P「それだとレッスン中に力出ないだろ。ほら、そこの紙袋のやつ食べとけ」
加蓮「はーい。今日のおやつは…フルーツサンドかー。こっちの惣菜パンは?」
P「ああ、それは俺の。ちょっと小腹が空いちゃってな」
加蓮「エビフライやきそばパン…?ね、私こっちがいい」
P「え、ええ?別にいいけど」
P「そういや言ってたな。今度からその路線の方がいいか?」
加蓮「んー、でも流石にお腹空いてないと無理だし」
P「なら欲しいときは連絡してくれ。おやつくらいならいくらでも出すから」
加蓮「はーい……んぐんぐ…ん、今日もレッスン頑張ろっと」
P「疲れとかは大丈夫か?」
加蓮「そりゃあれだけいろいろやれば疲れるけど、ね」
加蓮「ちゃんと言われたとおりに食べて、寝て、身体動かしてるから、すっごく調子はいいよ」
P「ならいいんだけどな」
加蓮「あ、それにプロデューサー、ちゃんと身体使うのと使わないのとでバランス取ってにレッスン組んでくれてるでしょ」
加蓮「ふふっ、助かってるよ」
P「その辺は任せとけ。でも頑張り過ぎは禁物だぞ?オフの日はしっかり休んで、遊ぶように」
加蓮「でも今はレッスンも楽しいし、まだまだやれるよ?」
P「他にもやりたいことあったりするだろ。押さえつけると、気がつかないうちにストレスになってくるんだ」
P「休みもちゃんと希望出して、発散すること。いいな?」
加蓮「はーい……うーん、やりたいことやりたいこと……あ」
P「ん?なんだ?」
加蓮「その、放課後デート」
P「…は!?加蓮、お前アイドルなんだから恋愛は…」
加蓮「うん、わかってる。そもそもそんな相手いないし」
加蓮「でも、Pさんならプロデューサーだからさ、その…」
加蓮「えっと、うわ、恥ずかし、何て言うか、その」
P「……」
加蓮「えっと、とにかく私ちゃんと休みとるからさ、Pさんも同じ日に、だって二人で頑張るって決めたんだから」
加蓮「二人で一緒に休んで、その…」
P「はぁ…」
P(加蓮の放課後なら仕事は早上がりさせてもらえば事足りるし…)
加蓮「……」
P「加蓮」
加蓮「ぅぅ…ご、ごめ」
P「来週の金曜な」
加蓮「!」パァァァ
P(純情、だなぁ…)
P(この頃の俺の担当アイドルは加蓮一人に絞られていた)
P(だから加蓮の育成に全力を注ぎ込むことができた)
P(送迎もレッスンも営業も、全部俺の担当で)
P(たまにオフを取っても、何らかの形で加蓮と一緒にいた)
P(忙しい日が続いても、加蓮は弱音一つ上げなかった)
P(仕事も順調、アイドルランクは一度上がり始めたら勢いが止まらず)
P(お互い、パートナーとして成長していった)
――――
―――
P「…」カタカタカタ
加蓮「…」ジー
P「…うーん……」カタカタカタ
加蓮「…ふふっ」
P「…」カタカタカタ
みく「…」ジトー
加蓮「ねえプロデューサー。そろそろいい時間だよ」
P「え?うわ、もうこんな時間か。ごめん、待ってたのか?」
加蓮「うん、プロデューサーがお仕事するの見てた」
P「そっか。よし、それじゃ今日はここで切り上げるかな。飯行こうか」
加蓮「ん。えっとね、今日は…」
みく「…Pチャン?」ジトー
みく「うん、お疲れ様…Pチャン、加蓮がずっと見てたっていうのにノーコメントなの?」
P「いつものことだし」
みく「に、にゃ…きょ、今日は加蓮とご飯の約束してたり?」
P「いや、別に」
みく「…じゃあなんで自然と一緒に食べに行く流れなの」
P「まあ、いつもの流れだし」
みく「…これもいつも!?いつも一緒にご飯食べてるの!?Pチャンみくの担当してた頃はいつも『早く帰って寝なさい』だったにゃ!?」
P「あの頃は忙しくてだな…」
みく「行く!Pチャン、みくはお肉を要求するにゃあ!」
P「回転寿司ならまだ開いてるかな?いいか?」
みく「Pチャン!?ひどくない!?」
加蓮「プロデューサー、私はどこでもいいよ」
みく「にゃ!ならそこのファミレスがいいにゃ!お肉お肉~♪」
みく(Pチャンと加蓮、仲良すぎにゃあ…ふふん、たまにはみくも構ってもらうにゃ!)
ゴチュウモンウカガイマース
みく「ガーリックステーキのデラックスセット!あと食後にストロベリーバナナパフェ!」
P「みくはこっちの焼き魚定食の方が…」
みく「はぁぁ?お断りにゃ!Pチャンの奢りだし、みくは贅沢するにゃ!加蓮はー?」
加蓮「んーっと、えっと…このアンガスバーガーのバッファローウイングセットで」
P「ん、じゃあ俺は野菜スープとシーザーサラダで」
みく「か、加蓮すごいの頼むね…」
加蓮「あはは…色々反動でね、ジャンクフード好きなんだ。こういうところ来ると、つい、ね」
みく「それに比べてPチャンはダイエット中かにゃ~?むふふ、みくを蔑ろにした罰としてお肉見せびらかしの刑にゃ~♪」
P「はいはい、食べ終わったらちゃんと歯磨いてブレスケアしろよ。明日ニンニク臭くなるぞ」
みく「え…ひどくない…?」
みく「ん~~やっぱりお肉は美味しいにゃ~~♪」ハグハグモグモグ
加蓮「ん……Pさん」
P「もういいのか」
加蓮「うん、意外と重くって」
P「そっか。じゃ、ほい」
みく「…!?」
みく(示し合わせたように頼んだもの交換…え、まさかお互い最初からそのつもりで頼んだの!?)
みく(というかそのハンバーガー、加蓮直接かじってたにゃ!?)
加蓮「あ、Pさんフォークとスプーンも」
みく(え、普通新しく頼まない?あと呼び方Pさんに変わった?)
加蓮「この間のカフェのとか酷かったもんね。あ、そのバッファローも割とよくない?」
P「うーん、ちょっと甘い気が…」アーダコーダ
みく(な、何コレ…)
ストロベリーバナナパフェノオキャクサマー
みく「あ、はい…」
P「加蓮はデザートいらないのか?」
加蓮「うん、今はいいよ」
P「そっか」
加蓮「ん、ありがと」
みく(アカンなんやこの空気アカンアカン)
P「みくはよく食べるなあ。ほら、加蓮もこれくらい普段から食べればもっと…」
加蓮「最近は頑張ってるよ。ほら、この間だってさ」
みく「に、にゃー!PチャンPチャン!!並んでる人いるし、食べ終わったらさっさと出よ!…んっんっんっ…ごちそうさま!ささ、早く出るにゃ!」
P「え?お、おう、それじゃ会計してくるか。みく、3000円な」
みく「に゛ゃ!?」
P「ぷっ、相変わらずいい顔するな。冗談だよ、車乗って待ってな」
加蓮「みく、Pさんと仲いいよね」
みく「え、加蓮がそれ言う?加蓮こそ入り込めないくらいPチャンと仲いいにゃ」
加蓮「ふふ、そうかな…でもPさんもさっきから酷いことばっかり言って」
みく「前からあんな感じだよ?みくもあれくらいでじゃれるのが丁度いいにゃ~♪」
加蓮「そっか。……みくはさ、Pさんが担当外れたとき、どうだった?」
みく「うーん、いろいろ思うことはあったにゃあ。でも最後はにゃんていうか、よかったー、って感じが一番強かったかにゃ」
加蓮「え?みく、Pさんのこと嫌いだったの?」
みく「そんなわけにゃいでしょー」
みく「……でもあの頃のPチャン、いつも死にそうな顔してたし」
みく「みくたちのためにやりすぎなくらい頑張ってたにゃ。いつもボロボロで、ちひろが救急車呼ぼうとしたこともあったにゃ」
みく「だからみくたちのLIVEが上手くいって、やっとの思いで出したCDが成功して」
みく「ちひろが新しいプロデューサーが雇えるって教えてくれたときは、寂しいっていうよりも、安心したかも」
みく「結果的にPチャンはみくの担当からも外れちゃって、仕事終わりくらいにしか会わなくなっちやったけど」
みく「もうボロボロのPチャンを見なくていいなら、みくはそれで嬉しいよ」
みく「……ふふーん、みくはいいオンナだにゃ?」
みく「魔法使い?」
加蓮「うん、みくも最初に言われたでしょ?俺が魔法使いでお前がシンデレラ~ってやつ」
みく「へ?何の話?」
加蓮「え、ちょっと待って、みんなに言ってたんじゃないの…?」
みく「…加蓮?もしかしてこれはのろけ話かにゃ?」
加蓮「あ、ウソ、ウソ、なんでもない、なんでもないよ。あ、ほらみく、Pさん来たよ」
みく「む!Pチャン!!Pチャンは魔もごごごご」
加蓮「わー!!わー!!」
P「お前ら仲いいなあ。あ、みくには歯磨きガムとミント買ってきたぞ」
みく「に゛ゃぁぁぁ!!Pチャンがいじめるに゛ゃぁぁぁ!」
P「みくー、着いたぞー」
みく「にゃ、Pチャンお疲れ様!」
P「みくもお疲れ。早めに寝るんだぞ」
みく「みくは夜行性にゃ!夜はこれからだにゃ!お断りにゃ!」
P「にゃあにゃあうっさいにゃあ!」
みく「に゛ゃぁぁぁぁ!もうやだみくおうち帰る!!」
P「おう帰れ!それじゃみく、おやすみな」
みく「にゃ!おやすみPチャン、加蓮」
P「今日はちょっと遅くなっちゃったな。加蓮、親御さんに電話を…」
加蓮「デザート」
P「へ?」
加蓮「どこでもいいから、ちょっと寄ろうよ。お話したい気分」
P「仕方ないなあ。駅前のシュークリームでいいか?」
加蓮「ん、いいよ。人前で、って感じでもないし」
加蓮「ね、Pさん。いつもありがとう」
P「なんだ急に改まって。なんかあったのか?」
加蓮「みくに昔話聞いた。そしたらなんか、溢れだしてきちゃって」
加蓮「ホントに、ホントに感謝してるよ」
P「…なら俺もありがとう。加蓮のお陰で毎日充実してるよ」
加蓮「うん…まだ全然言い足りないや。Pさん、私、Pさんに育ててもらって幸せだよ」
加蓮「今の私は、何から何までPさんのお陰」
加蓮「私の夢、拾い集めてここまで連れてきてくれて、ありがとう」
P「…なんか恥ずかしくなってきた」
加蓮「ふふ、茶化さないでよ。あのね、Pさん、私絶対にPさんの努力にも期待にも応えるから」
加蓮「だから、これからもずっとよろしく、ね?」
P「…当たり前だ。加蓮は俺の自慢のアイドルなんだからな」
加蓮「ふふっ、Pさんも私の自慢のプロデューサーだよ」
加蓮「うーん、どうすればこの気持ち、もっと伝わるかなぁ」
P「これ以上言われると俺が逆に恥ずかしいってば…」
P「ん?どうし…」
加蓮「ぎゅー」
P「お、おい加蓮!?」
加蓮「私から抱き付くのは初めてだね。ふふっ、でもこれが一番いいかも」
加蓮「Pさん、いつもありがとう。大好きだよ」
P「…うん、明日からもよろしくな、加蓮」
加蓮「もー、そうじゃなくて…ううん、やっぱりそれでいいや」
加蓮「ねぇ、次からありがとうって言う代わりにぎゅーってしてもいい?」
P「だーめ。人の目考えなさい」
加蓮「ちぇー。あ、じゃあ人目のないときだけにする。それより時間、そろそろ帰らないと流石にヤバいかも」
P「…はぁ…よし、それじゃ出ますか」
加蓮「うん。よろしくね、私の魔法使いさん」
P(そんな加蓮が倒れたと聞いたときは目の前が真っ白になった)
――――
―――
凛「そ、プロデューサー昨日はずっと上の空でさ」
奈緒「加蓮ガー加蓮ガーって聞かなかったんだぞ!ずっと『ううう加蓮、ううう』って、ぶふっ、思い出したら、ぷぷぷ」
凛「もう熱は大丈夫なんだよね?」
加蓮「うん、明日からは現場に戻れそう。ただの風邪なのに…ホント大袈裟だなあ、プロデューサーったら」
凛「今日は午前で切り上げて、お見舞いに来るってさ」
奈緒「プロデューサーに会ったらまた熱でちゃうんじゃない?」ニヤニヤ
加蓮「もう、そんなことないってば」
凛「それじゃ私たちは仕事に戻るから。お大事にね」
加蓮「うん、わざわざありがとう」
奈緒「がんばれよー」ニヤニヤ
加蓮「もー!頑張らないから!」
P『もしもし加蓮?大丈夫か?一応お見舞いにと思ってな、家の近くまで来てるんだけど』
加蓮『あ、うん、鍵開いてるから上がっていいよ。部屋は階段上がって左ね』
P『鍵開いてるってお前、危ないだろ…』
加蓮『さっきまで凛と奈緒が来てたの。上がるときに閉めといて』
P『無用心だぞー…ってご両親は?』
加蓮『仕事』
P『…そっか。それじゃ上がらせてもらうな』
加蓮「大丈夫だってば、何度もメールしたでしょ?Pさんこそお仕事大丈夫なの?」
P「はは、全然手がつかなくてさ」
P「ちひろさんに『あとは私がやるから今日はもう上がって下さい!』って言われちまった」
加蓮「もう、ホント心配性なんだから」
P「仕方ないだろ?身体弱いってお前が昔散々…」
加蓮「だからちょっと風邪ひいただけだってば。大げさ」
加蓮「……ね、それじゃ今日はもうお仕事戻らないの?」
P「今日は戻ってくるな、ってさ。だからこの後は家かな」
加蓮「そっか。ふふっ、それじゃ今日は一緒にゆっくりしよ?」
加蓮「ホントに大丈夫。それより一人でぼんやりしてる方が辛いよ。だから、ね?」
P「ならちょっとだけ、な。ほい、これ差し入れ」
加蓮「わ、ありがと!うわ重い…プリンにヨーグルトにジュースに…ふふっ、こんなに食べられないよ」
加蓮「でも私の好きなものばっか。流石私のPさん」
P「昼ご飯は?食べたか?」
加蓮「ううん、お母さんがお粥作っておいてくれたはずだけどまだ食べてない。ちょっと食欲湧かなくて」
P「取ってこようか?ちゃんと食べないとだめだぞ」
加蓮「久しぶりにそれ言われたかも…ふふ、それじゃあお願いするね。たぶん台所にメモがあるから」
加蓮「ん、ありがと……ね、Pさんが食べさせてよ」
P「お前なあ…」
加蓮「食欲湧かないのー。でもPさんがあーんってやってくれれば食べられるかもー」
P「全く…加蓮、お前来年17だろ?」
加蓮「来年17で今年16の年頃の女の子だもーん」
P「……お前……はぁ」
P「ほれ、あーん」
加蓮「え、やってくれるの?やった!あーん」
P「………今回だけだぞ。もう一口。ふーっ、はいあーん」
加蓮「あーん…ん、ふふ、幸せかも」
P「だーめ。今日は布団でじっとしてなさい」
加蓮「えー、折角Pさん来てるのに…あ、それじゃ奈緒から借りたアニメ一緒に見よ?ほらこれ、なんか夏の感動作なんだって」
P「それくらいならいいか。でもこの部屋、テレビは見当たらないけど」
加蓮「ベッドの下にノートパソコンがあるの。ん、よっと。で、ほら、横に座れば一緒に見れるよ」
P「……加蓮、流石に俺がベッドに上がるのは」
加蓮「いいじゃん、事務所のソファで一緒にライブのビデオ見るのと変わらないよ。ほら、こっちこっち」
P「スーツのままだし汚いぞ?」
加蓮「Pさんなんだから気にしないよ。ほら、早く入ってくれないと寒いー」
P「……ああもういいや、後で文句言うなよ。お邪魔します」
加蓮「ん、いらっしゃい。あ、足ちょっと曲げて?…よっ、と」
加蓮「ふふっ、あったかい。それじゃ、観よ?」
加蓮「こういうシャツ、杏が好きそうだよね」
P「無気力な若者の間のブームなのか…?」
~~~~~~~~~
P「なあ加蓮、この子加蓮にちょっと」
加蓮「………この子の名前で呼んだりしないでね」
~~~~~~~~~
加蓮「うわ、この人ヤバい変態なんじゃ…Pさん?」
P「」スヤスヤ
加蓮「もう、Pさんったら…」
P「zzz」
加蓮「ほら、枕使っていいから。んー!よっと、それじゃ私も」
加蓮「…うわ、近い…」
P「スヤスヤ」
加蓮「………」
加蓮(ちょ、ちょっとだけ)
ぎゅっ
加蓮(うわ、いつもと全然違う。すっごいいけないことしてる気分)
加蓮(Pさんの体温、すごく感じる…なんか、Pさんに包まれてるみたい)
加蓮(…もっと近くに……)
加蓮「………あ」
加蓮「…P、さん…」
加蓮(……ごめんね、Pさん。ダメだってわかってるのに)
加蓮(我慢、できない)
チュッ
加蓮(………やっちゃった……でも、今凄く………)
加蓮(も、もう一回)
チュ
加蓮(頭、じーんってする)
加蓮(……だめ、止まらない)
加蓮(Pさん、Pさん、Pさん)
加蓮(もう一回)
加蓮(もう、一回)
チュ チュウッ
加蓮「Pさん…………………あ」
P「………加蓮」
加蓮「あ、Pさんごめんなさい、あ、その、ちが、ん、んっ」
加蓮「……Pさん?」
P「加蓮……」チュ
加蓮「っ、ぷはっ……」
加蓮「あ、あのね、Pさん。私、私ね」
P「……ごめん、加蓮。これ以上は、その、ダメだ、とういか俺もダメだな。ごめん」
加蓮「Pさん、私は」
P「加蓮」
加蓮「………」
P「加蓮の夢は俺の夢だから。ここで魔法を切らしちゃダメだ」
加蓮「あ……Pさん、ごめん。私勝手に……」
P「……俺も、嬉しかったよ。でも、俺はこれからも俺加蓮と一緒に頑張りたいから」
加蓮「……うん。ホントにごめんなさい。なんか、勝手に盛り上がっちゃって」
P「俺からもしちゃったしおあいこ。だからこれ以上の言い合いは無し」
加蓮「うん。私、ちょっとおかしかった。ごめんね」
加蓮「なんか、ちょっと、不安で、さ」
P「……不安?」
加蓮「うん。こうして病気でベッドにいるしかない、って久し振りだったから」
加蓮「凛と奈緒が来てくれて、でもお仕事行っちゃって。なんかすごく置いて行かれた気分になって」
P「加蓮………」
加蓮「そしたら、そしたら……その、Pさんも、遠く感じちゃって。すごく怖くて………」
P「………大丈夫、一緒にいるよ。約束しただろ?」
加蓮「うん………でもいつか私がアイドル辞めたら、いつかPさんがプロデューサーやめたらって、考えちゃって」
加蓮「でも、Pさんが、すぐそこにいて、すごくあったかくって。だめだって分かってたのに」
P「加蓮」
加蓮「私、ずっとPさんと一緒がいい。ごめんね、アイドルなのに、こんなこと言って」
ぎゅー
加蓮「……Pさん?」
P「俺も、感謝してるよ。加蓮が頑張ってくれるから、俺も頑張れる」
P「……明日から、またお仕事、頑張ろうな。一緒に」
加蓮「……うん。ありがとう。頑張る」
加蓮「……私、単純だなあ。Pさんがぎゅってしてくれるだけで不安なんて吹き飛んじゃうみたい」
P「今回だけだぞ。もう倒れるのは本当に勘弁してくれよ?」
加蓮「ふふっ、凛と奈緒から聞いたよ。『ううう~加蓮~』、だって?ふふっ」
P「げ……とにかくちゃんと体調悪くなる前に休んでくれよ?本当に心配だったんだぞ。最近休んでなかっただろ?」
加蓮「うん、気を付けます。そうだね、最近お仕事が楽しくって、休むのすっかり忘れてたかも」
P「全くお前は……まぁ、頑張り屋なのは加蓮のいいところだからな。前も言ったけど、頑張り過ぎないように」
加蓮「…ね、Pさん。またお休みちゃんと取るから」
P「うん?」
加蓮「もう、その、さっきみたいなことは無いようにするからさ」
加蓮「また、こっそりデート、連れていってね?」
P(そして加蓮を、約束の舞踏会まで連れてこれたと実感できたのが)
P(夢のステージでのLIVE)
ワーワーワーワーワーワー
パチパチパチパチパチパチ
加蓮「はぁ、はぁ、凛、奈緒、やった、やったね!」
奈緒「やべェ、すッッッげェ楽しかった!夢みたいだ!」
凛「すごい、まだ、拍手、して、くれてる…やった、大成功、だね」
P「三人ともお疲れ!最高だったぞ!ほら水飲め水」
奈緒「んっ、んっ……あー、アイドルやっててよかったなァ」
凛「ぷはっ……本当に、ね。しかもこの三人で一緒にLIVEなんて、夢みたいかも」
加蓮「Pさん、また三人でできる!?できるよね!?」
P「そうだな、ユニット化も社長に打診してみるよ」
P「よし、風邪ひく前に着替えてこい、一息ついたらスタッフさんに挨拶行くぞー」
奈緒「お、そうだ加蓮行け行けー!」
加蓮「え、いいよ、ちょ、なんで今」
P「ん?どうかしたのか?」
加蓮「もー……えっとね、Pさん……」
加蓮「その、私、シンデレラに、なれたかな」
P「……ああ、どこに出しても誇れる、立派なお姫様だよ」
加蓮「ふふっ、ありがとう……うん、シンデレラになれたなら、言わないといけないことがあるんだ」
P「ん?なんだ?」
加蓮「……私ね、ガラスの靴……」
P「?」
加蓮「舞踏会が終わったら、ガラスの靴持って、会いに行くから」
加蓮「魔法が解けるときまで」
加蓮「魔法が解けた後も」
加蓮「一緒に、その、いて欲しいな、って」
奈緒(うわ、聞いてる方が恥ずかしくなってきた、なんだこれ…加蓮乙女すぎだろ……)
凛(顔真っ赤…)
奈緒「ほら、P返事………ってオイ、泣いてんのかよ!」
凛「プロデューサー、加蓮がこんなに勇気出して言ったんだから」
加蓮「……ううん、凛、奈緒、いいんだよ。ほら、着替えに行こ?」
凛「え、加蓮?ちょっと、プロデューサー!?」
奈緒「加蓮、いいのか?」
加蓮「うん。Pさん、また後でね?」
P「………おう」
奈緒「ああもうなんだよ、とびっきり恥ずかしい告白にとびっきり恥ずかしい返事が聞けると思ったのになァ」
凛「加蓮、本当によかったの?」
加蓮「うん。こうなるかなって、思ってたし」
凛「……どういうこと?」
加蓮「その、前にPさんが看病に来てくれた時にね」
奈緒「ああ、こないだのアレ」
加蓮「うん。その時に私がちょっと、その、迫っちゃって」
奈緒「え、ええ!?本当に頑張っちゃったのかよ!?」
加蓮「……うん。で、そのときはその、キスだけだったんだけど」
凛「え、えぇ!?き、キスしたの!?」
奈緒「ああ、加蓮が遠くに…」
加蓮「うん…でもそれ以来、Pさんそういうことに対して厳しくなっちゃって」
加蓮「あ、バレてた?でも手も繋いでくれないし、あんまり抱きつかせてもくれなくなっちゃって」
凛(オフの日毎回一緒で、その度デートプラン相談してたじゃん…名前伏せてたけど)
奈緒(あんまりって結局抱きついてんのかよ)
加蓮「でも、こんな感じのこと言うとやっぱりちょっとはぐらかされちゃって」
加蓮「今回ほどハッキリ言ったことはなかったけど……返事もらえるとも思ってなかった、かな」
奈緒「まあ、加蓮がいいなら…でもなあ」
加蓮「ごめんね、背中押してもらったのに」
凛「……まぁ、アイドルだし、ね」
奈緒「Pもプロデューサーだしなー。どう見ても両想いなのに」
凛「ふぅん……ね、加蓮、目元ちょっと滲んでるよ?」
加蓮「あ、え、嘘!挨拶行く前に直さないと!奈緒、私のポーチ取って」
奈緒「んー……あれ、なんかゴツいな。何入れてんだ?ほいよ」
加蓮「え?そんなに物入ってたっけ…」
ゴソゴソ
加蓮「?あれ、これ……」
凛「……加蓮?何その箱?」
加蓮「わかんない……でも、なんか……」
パカッ
凛「それ、指輪だよね?……箱に何か書いてある?」
加蓮「蓋の裏に何か………イニシャル?あ、やっぱりPさんからだ!」
加蓮「ふふっ、綺麗な指輪……あとは……えっと、Mors Sola?なんだろ、ブランドの名前?」
奈緒「え?え、ええ!?」
凛「奈緒、わかるの?」
加蓮「どういう意味?」
奈緒「そ、その……ラテン語、でさ」
加蓮「?」
奈緒「……『死が二人を別つまで』」
奈緒「いや、多分だけどな?」
加蓮「え、ねぇ、どう意味!?」
凛「……ほら、結婚式で言うやつ」
奈緒「加蓮の告白が恥ずかしいと思ったら、更に上行きやがった…」
加蓮「え!?え、えええ!?じゃあこの指輪って……え、うわ、嘘、わ、私どうしよう!?」
凛「もうお互い伝えたいこと伝えたんだからいいんじゃないの?おめでとう、加蓮。結婚式には呼んでね」
奈緒「あ、アタシも呼べよなー」
加蓮「え、わ、わかった、ちゃんと呼ぶ!あ、私、Pさんのとこ行ってくる!」
凛(茶化したつもりなのに…)
奈緒(完全にその気かよ)
加蓮「で、でも」
奈緒「それに外には記者とかいるんだぞ、指輪片手にうろうろしてたらまずいだろ」
加蓮「うう…でも、でも」
凛「まだやること残ってるんだから、プロデューサーのところ行くのはそれから」
加蓮「……うん、そうだね。……ふふっ、Pさん……」
凛「……あと指輪もしまって。見つかったらまずいし、ニヤケ顔治らないよ」
凛「はい着替えて。そしたらメイク直すよ。奈緒右目やって、私が左目」
加蓮「……はーい」
加蓮「……着けちゃダメ?」
凛「ダーメ。その時が来たら、Pさんに着けてもらいな」
加蓮「あ、それいいかも。そうしよ。ふふっ」
奈緒「にしても、『死が二人を別つまで』かぁ。ちゃんとさっきの告白の返事になってるんだよなぁ」
奈緒「図らずしてこれだよ、両想いどころか以心伝心じゃん」
加蓮「……えへへ、そう、かな」
凛「はーい、そうだよそうだよ。ほら、着替えたらそこ座って」
凛「落ち着いた?」
加蓮「うん。ありがと、凛。奈緒も」
奈緒「あー甘ったるい。砂糖吐きそ」
凛「もう飛び出して行かない?」
加蓮「うん、大丈夫。あのね、今度私からも指輪贈ろうと思う」
奈緒「まぁ、そういう指輪だしな。こっそりやれよ」
加蓮「うん。でもとりあえず、私はアイドル、やり切らないと。私の夢、Pさんの夢だもん」
加蓮「ちゃんと一花咲かせて、いつかステージ降りて、それから普通の女の子になって」
加蓮「それからも、ずっと一緒だもん、ね」
すごい砂糖吐きたい気分
Entry ⇒ 2012.10.12 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
モバP「李衣菜は可愛い」多田李衣菜「私はロックなんです!」
多田李衣菜(17) にわかわいい
ちひろ「プロデューサーさん。先週撮影した雑誌、サンプルが届きましたよ」
P「お、ホントですか。どれどれ……」パラパラ
ちひろ「確か、李衣菜ちゃんのグラビアでしたよね? それも可愛い系の」
P「ええ。あいつ、ひらひらはロックじゃないーとか文句垂れてましたが……あったあった」
ちひろ「あら。ふふ、可愛らしいですね」
P「でしょう? 李衣菜にも言ったんですけどねー」
ちひろ「『ロックがいいんですー!』ですか? ふふっ」
P「はは、仰る通りです。でも、最初は渋々だったんですけど、終わってみれば『可愛いのも意外と……』なんて言ってましたし」
P「これからも可愛い路線で攻めていきます!」
ちひろ「プロデューサーさんったら、李衣菜ちゃんに嫌われちゃっても知りませんよ?」クスクス
P「嫌われない程度に、カッコいい衣装も着せてあげますよ!」
ちひろ「あんまりやりすぎちゃダメですからね? いくらロックを目指してるって言っても、女の子なんですから」
P「分かってますよぉ」ヘラヘラ
ちひろ「本当ですか……?」
ガチャ
李衣菜「おはようございますっ! 多田李衣菜、今日もロックに頑張りまーす!」ビシッ
P「お! おはよう李衣菜!」
李衣菜「おはようございますプロデューサー! 私、ロックですから時間は守りますよっ」
P「ロックって便利だなぁ」
ちひろ「おはよう、李衣菜ちゃん」
李衣菜「ちひろさんもおはようございます!」
ちひろ「うふふ、元気ね。さ、私はお茶を淹れてきますね」スタスタ
李衣菜「へへ、あったかいのお願いしまーす♪」
P「そうだ、李衣菜見てみろ! この前撮ったグラビアだ、可愛く写ってるぞ」
李衣菜「え、ホントですか? えへ、ひらひらの……って」
李衣菜「違います違いますっ! 私はクールでカッコいい衣装がよかったんです!」
P「えー可愛いじゃーん可愛いは正義なんだぞー」ブーブー
李衣菜「私が目指してるのはロックなアイドルなんです! こんな淑やかなワンピースは似合いませんっ」
P「そうかなぁ。この笑顔なんか、とびっきり可愛いのに」
李衣菜「うう、それはカメラさんに言われたからで……そんな可愛い可愛い言わないでくださいっ」プイッ
P「照れてる李衣菜可愛い」
李衣菜「違いますー! 照れてませんよっ!」
P「ほれ、ポーズ決めっ」パンッ
李衣菜「えへっ♪」キャピ
李衣菜「はっ!? レッスンのくせで体が勝手に!」
P「李衣菜は可愛いなぁ!」
李衣菜「だーかーらー、私はロックなんですってばぁ!」
李衣菜「える!」バン
李衣菜「おー!」バン
李衣菜「しー!」バン
李衣菜「けー!」バン
李衣菜「ロックなんですっ!!」バンッ
P「机を叩くな机を……ん?」
李衣菜「もー、いつになったら分かってくれるんですか……」ブツブツ
P「まあいいか……さあ李衣菜! 今日も仕事だぞ!」
李衣菜「やっぱりプロデューサーとは音楽性の違いが……え、なんですか、プロデューサー?」
P「撮影だよ撮影! 一人で行ってもらうけど、大丈夫だよな?」
李衣菜「どうせまた可愛い系の撮影でしょ……つーん」
P「いちいち可愛いなおい……じゃなくて、今日は期待してもいいぞ李衣菜!」
李衣菜「期待していいって……まさか!?」
P「ふふふ……そのまさかだよ。李衣菜ならやってくれると信じてる」
李衣菜「プロデューサー……! わ、私、頑張ってきます!!」
P「よし、その意気だ! 場所はこの紙に書いてある。時間は……」
李衣菜「ありがとうございますプロデューサー! 行ってきますっ」ドタバタ
P「あ、待てまだ早い……」
ガチャ バタンッ
ウヒョー!!
P「行ってしまった」
ちひろ「お茶お持ちしましたよーって、あら? 李衣菜ちゃん、もうお仕事へ?」
P「はぁ、そそっかしいというかなんというか」
ちひろ「随分嬉しそうにしてましたね。李衣菜ちゃんの希望に沿うお仕事なんですか?」
P「いやぁ、ははは! あいつは可愛いですからね!」テヘペロ
ちひろ「……私知りませんよ? ホントに嫌われちゃうかも」
P「あいつを見てると、なんかいじりたくなっちゃうんですよねー」
ちひろ「プロデューサーさんの性癖を疑いたくなる発言、いただきましたー」ススス
P「ああっどうして後ずさりするんですかっ」
ちひろ「さあ、どうしてでしょーねー」
P「俺は李衣菜一筋ですからね!?」
ちひろ「それはそれでまずいかと……」ジトー
P「あれれー? どんどん肩身が狭くなってる気がするぞー?」
――――――
――――
―――
数時間後
P「……よし、一区切り付いたぞっと」ノビー
ちひろ「はい、お茶のおかわりどうぞ」コトン
P「ありがとうございます……ずずー……あぁ美味い」
ちひろ「そろそろ李衣菜ちゃん、帰って来る頃ですね」
P「そうですね。李衣菜のことですから、そつなくこなしてくれてますよ」
ちひろ「プロデューサーさんが意地悪しなければもっと良いんですけどねー」
P「意地悪じゃないですよ! 愛ですよ、愛!」
ちひろ「はいはい……」
ガチャリ
李衣菜「ただいま戻りました……」
ちひろ「あら、おかえりなさい李衣菜ちゃん……元気ないわね?」
李衣菜「いえ……なんでもないです、ちひろさん」
P「おかえりーなー! なんちゃってなーははは」
李衣菜「……」プイ タタタッ
P「あ、あれー?」
ちひろ「あーあ……これはもう、完全に嫌われてますね」
P「ばばばばばんなそかな!!」
ちひろ「当たり前ですよ……プロデューサーさん、悪ふざけの度が過ぎましたね」
ちひろ「言ったでしょう、李衣菜ちゃんも女の子だって」
P「うう……李衣菜ぁ……」
ちひろ「どうすればいいか分かりますよね?」キッ
P「い、行って来ますっ」ダッ
ちひろ「……まったくもう」
休憩室
P「り、李衣菜ー?」ヒョイッ
李衣菜「……」
P(ソファーの上で体育座りして頬を膨らませている……やっぱり可愛い)
P(って違う! こんなときまでバカか俺は!)
P「なぁ、隣……座っていいか?」
李衣菜「……ふんっ」
P「す、座るぞ……よいしょ」ポスン
李衣菜「……」
P「……」
李衣菜「……」
P(やばいこれは気まずい……普段どんな会話してたっけ)
李衣菜「……あの」
P「おっおう! なんだ李衣菜っ!」
李衣菜「……プロデューサーは、やっぱり私がロックなんて無理だって思ってますか?」
P「え……」
李衣菜「……可愛い衣装を着て笑顔でいると、私、アイドルやってるなって思うんですけど」
李衣菜「やっぱりロックじゃないなーなんて思ったりもして」
李衣菜「ダメですよね、こんな中途半端な気持ちでやってるなんて……」
李衣菜「せっかくプロデューサーがお仕事とってきてくれてるのに」ウルッ
P「李衣菜……。中途半端なんて、そんなこと……大体俺が」
李衣菜「私、このままでいいのかなって……」ウルウル
李衣菜「ぐすっ。ううん、ごめんなさい。気にしないでプロデューサー」グシグシ
P「……李衣菜っ」ギュッ
李衣菜「ひゃっ!? ぷ、ぷろでゅーさー?」
P「ごめんな李衣菜。俺が悪かった」
李衣菜「なんでプロデューサーが謝るんですか……」
P「李衣菜はそのままでいいんだよ。ひた向きな所が李衣菜の美徳なんだから」
P「俺が身勝手なばかりに、李衣菜のやりたいことを無視して……不安にさせてしまった」
李衣菜「そんな……別に、私は可愛いの好きですし。そういうのばっかりだとちょっと困りますけど」
李衣菜「プロデューサーについていけば大丈夫って思ってますからね。えへへっ」
P「そこまで信用されてるのに、ばかだよなぁ俺……。本当にすまなかった」
李衣菜「そんなに謝らないでください。プロデューサーには、感謝してもしきれないんです」
李衣菜「街をふらついてた私を拾ってくれて、キラキラのアイドルにしてくれたんですから」
李衣菜「あなたは私の自慢のプロデューサーなんです。もっと胸張ってください!」
P「……うん。ありがとう、李衣菜」
李衣菜「 へへ、なんだかむず痒いですね。こちらこそありがとうございますっ」
P「はは、そうだな。その……これからもよろしく、ってことでいいのか?」
李衣菜「はいっ、もちろんです! ……あんまり嘘つくのは嫌ですよ?」
P「ああ、分かったよ……これからは正直に可愛い仕事を持ってくるぞ!」
李衣菜「だから、もっとクールな……! うー、もういいですよっ」プクッ
P「膨れてる李衣菜も可愛いなぁ」プニッ
李衣菜「んにゅ、なにゅすうんですくぁ」ムニー
P「うはは、ほっぺた柔らかいなぁ」
李衣菜「うゅー! やみぇてくらはいー」ムニムニ
P「おお伸びる伸びるー」
李衣菜「にへぇ♪」
ちひろ「……いつまでいちゃついてるんです?」
P「うおっ!? ちひろさん!」
李衣菜「にゅ、いちゅのまにっ」ムニュー
ちひろ「プロデューサーさんが李衣菜ちゃんの隣に座った時から、ですかね?」
P「最初からじゃないですか……」
ちひろ「というか、アイドルとプロデューサーが抱き合わないでくださいね」
P「!? うおおおお李衣菜すまん!」バッ
李衣菜「いいいいえ! こちらこそっ!」ババッ
ちひろ「仲直りはしました?」
P「は、はぁ」ドキドキ
李衣菜「うぅ……」ドキドキ
ちひろ「なんて、聞くまでもありませんでしたね♪ そろそろ事務所閉めますから、ぱぱっと出ちゃってくださいねー」スタスタ
P「あ、はい……」
李衣菜「も、もうそんな時間なんですね……わ、外暗いですよプ ロデューサー」
P「暗くなるの早くなったよな……そうだ李衣菜、飯でも食ってこうか?」
李衣菜「お、もちろんプロデューサーの奢りですよねー?」
P「あぁいいぞ、今日のお詫びに。それと、未来のロックアイドルに先行投資だ」ナデ
李衣菜「! へへ、頑張ります私っ! シェケナベイベー!!」ハイターッチ
P「Yeah!!」ハイターッチ
パンッ!
――――――
――――
―――
事務所前
ちひろ「忘れ物はありませんねー?」
P・李衣菜「はーい」
ちひろ「じゃあ閉めちゃいますね。……はいガチャリンコっと」
ちひろ「それでは、私はこっちですから。お疲れ様でしたー♪」フリフリ
李衣菜「また明日ですー」フリフリ
P「お疲れ様でしたー……さて、李衣菜は何食う?」
李衣菜「んー、ガッツリと行きますよ! 私、ロックですからっ」
P「俺、李衣菜といるとロックって何か分かんなくなりそう」
李衣菜「ロックはロックです。ロックとは、心で感じるものなんですよ……」ドヤァ
P「ふーん(棒)」
李衣菜「ふーんってなんですかぁ!」
P「いやだって分かんないしぃ?」
李衣菜「分かってくださいよー! 私のプロデューサーでしょー?」ギュ
P「分かるのは李衣菜が可愛いってことかなぁ」ギュッ
李衣菜「私はロックなんですってば!」
P「あーはいはい」
李衣菜「もー!」
P・李衣菜「ギャーギャー」
ちひろ「」コソッ
ちひろ「……仲良く手なんか繋いじゃって……ふふっ」
おわり
李衣菜が可愛いからいけないんだごめんね
こんなのだりーなじゃない?だりーなはお前らのロックが決めるんだ
P「李衣菜、李衣菜」
李衣菜「はいっ、なんですかプロデューサー」ヒョコ
P「ロックのスペルってなんだっけ?」
李衣菜「え? える、おー、しー、けー。ですよ?」
P「ふむ……ほい、これ」
李衣菜「英和辞書……あ」
ロック【lock】
鍵(かぎ)をかけること。錠(じょう)を下ろすこと。また、錠。「ドアを内側から―する」
李衣菜「……」プルプル
P「あれーロックってこういう意味だったんだなー知らなかったー」プークスクス
P「鍵をかけるアイドルってなんだろーなー知りたいなー」ニヤニヤ
李衣菜「……うわああああんプロデューサーのばかああああああ!!!! 」
P「李衣菜は可愛いなぁ!!」
おしり
乙
乙
こんな顔
Entry ⇒ 2012.10.12 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
○○(・・・・・なんで俺はこんなところにいるんだろう)
・・・・・なんで俺はこんなところにいるんだろう。
確かに招待状は着てた。出席に丸をつけて返信したが、実際に会場に到着したのは披露宴どころか2次会からだが。
もとから人が多いところはそんなに好きじゃない。
特にこんな場所では。
手には時間が経って、冷たさと気の抜けたビールの入ったグラス。
情けない話だ。
今の俺はこのビールと同じだな。
そんなくだらないことを考えつつ、壁に背をもたれ会場を見渡す。
学生時代の友人が話しかけてきた。
助かった。話し相手がいなくて困っていたし、こいつと会うのも久々だ。
気を紛らわすためにも会話でもしていれば・・・・。
友人「久しぶりだなぁ、大学の卒業以来か?そういえば、お前いまどんな仕事してるんだっけ?」
○○「4年振りか、ホント久々だよ。今はただのサラリーマンやってる。ようやく一人前扱いされるようになってきたんだ。」
友人「そうかそうか!」
このときばかりはコイツのやかましさが心地いい。
このまま話していれば、最低限の係わり合いだけで終れるだろう。
むしろ、未練だらけなのかもしれない。
だからこそ
直接会うことだけは
直接会話することだけは
なるべく避けておきたい
○○「!」
何故だ。
いや、「何故だ」じゃない。
彼女は今日の主役だ。
ここにいることは当然だ。
視界の端に彼女がいた。
純白のドレスに身を包み、他のゲストと歓談しているようだ。
やめよう。
彼女を目で追うのは。
あぁ、本当にコイツは勝手に喋ってくれる。
今日ばかりは心の底からありがたい。
彼女との思い出を思い返す時間を勝手に貰うぞ。
-----------
○○「随分とオカタイな鉄面皮。」
留美「あら、貴方のようにイイ顔ばかりしている男よりかはマシだと思うわよ?」
出会いは最悪。
所謂、ソリが合わないというやつだった。
-----------
雪がちらついている。
○○「付き合ってくれないか?」
留美「お断りよ。と、以前の私なら言っていたでしょうね。」
留美「でも、今の私は貴方にこんなに惹かれてる。」
留美「これからよろしくね。」
冬の寒い雪の降る日、俺たちは付き合い始めた。
-----------
留美「貴方って本当にものぐさね。」
唐突に留美がそんなことを言う。
留美「なんで?って顔してるわよ。」
そりゃそうだ。心当たりが思いつかない。
留美「靴下。大方、帰ってきて脱いだんでしょうけど廊下にそのままだったわよ。」
あぁ、そういえば脱いだ気がする。忘れていた。
留美「脱いでそのまま洗濯機に入れておけば手間は減るじゃない。」
留美「洗濯し忘れる、なんてことも無くなるんだから。」
○○「ごめん、忘れてた。」
留美「次からは忘れずに。洗濯する私のためにもね。」
同棲してから家事でお世話になりっぱなしだ。
-----------
思い出の中の彼女は笑顔で溢れていた。
○○「・・・・あ。」
無意識に呷っていたらしい。
右手に持っていたグラスは、いつの間にやら空になっていた。
○○「悪い、なんかおかわり貰ってくるわ。」
友人「わかった。けど、飲みすぎるなよ?」
○○「はいはい。」
友人と別れてカウンターへと足を向ける。
さっきはビールだった。
次は何を飲もうか。
カクテルもいい。
飲んだことはないが聞いたことがあるモノがあった。
○○「ホワイト・レディをお願いします。」
バーテン「かしこまりました。」
白い貴婦人とも言われるカクテル。
この場に合うか合わないかはこの際どうでもいい。
酔えれば、いや、飲めればいい。
ふと振り返る。
いた。
さきほどと同じ純白のドレスに身を包む彼女が。
会場の中央に。
俺ではない別のオトコの傍らに。
おそらくはそのオトコとの間に生まれた小さな子をその両腕に抱いて。
笑顔で。
俺にも見せていたあの笑顔。
だけども、どこか違う笑顔。
もう俺に向けられることの無い笑顔。
あぁ、わかる。
泣いている。
止め処なく涙が溢れる。
止められない。止まらない。
○○「っっく!・・・ううっ!っぐ!」
一度流してしまったら止められない。
耐え切れずに膝をついてしまった。
俺はこんなにも弱かったらしい。
自分自身への情けなさ
惚れた女と添い遂げられなかった悔しさ
ゴッ・・・・ゴッ・・・
拳を床に叩きつける。
この感覚が、この痛みが今の俺なんだ。
それでも涙は止まらない。
止めたくない。
彼女を見たくないから。
ドゴォ!
!?!?!?!?
何が起きた?
俺は四つんばいになってたはずだ。
なんで、仰向けに?
え?
なんで彼女が?
なんで俺を見下ろしてる?
留美「貴方なら祝ってくれると思っていたのだけどね・・・・。」
蹴り上げられた・・・・のか。
だから仰向けになったのか。
留美「もういいわ。自分でなんとかしなさい。」
留美「・・・・・ばか。」
あぁ。
やっぱり俺は彼女のことが、留美のことが大好きなんだ。
愛してたんだ。
だから、涙が、想いが止まらないんだ。
受け入れよう。
この愛を、この想いを。
彼女の今の幸せと、これからの幸せを。
留美「当たり前じゃない。惚れた弱みでしょ?」
○○「いま幸せだろ?これから、もっと幸せになってくれ。」
留美「・・・・えぇ、幸せよ。」
留美「絶対に、絶対に今よりも幸せになってみせるわ・・・・。」
これ以上の言葉はいらない。
俺から視線を外し、去っていく彼女。
これでいい。
○○「えぇ、大丈夫です。」
○○「気分がいいので、もう少しこのままでいます。」
大の字で寝転がるなんて何年振りだろう。
周りの邪魔になるだろうが、そんなことはお構いなしだ。
○○「モバPさん。」
モバP「はい、なんでしょう?」
○○「留美、いや彼女のこと絶対に幸せにしてあげてください。」
○○「俺が惚れた、愛した人ですから。」
モバP「言われなくとも、と言いたいですが・・・。」
モバP「全身全霊で幸せになってみせます。」
○○「頼みますよ。」
けれども、悲しみの涙じゃない。
未練は当然ある。
もっといい恋をしよう。
もっと深い愛を育もう。
そう思えてくる。
そのためには、いい人を探し出さないとな。
自然と笑みが生まれてくる。
彼女がうらやむようなアツイ恋を、深い愛を手に入れよう。
この未練とは一生の付き合いになるだろう。
それでいい。
だからこそ、笑って進むことが出来る気がする。
○○「結婚おめでとう、留美。」
小さく、けれどもありったけの想いを込めた祝福の言葉。
その言葉は、驚くほど素直に言えた。
了
初自作SSです。
アイドルやPが主観のSSがあるなら、第三者のものがあってもいいのでは?
と思って書きました。
この作品のきっかけはモバマスのSR和久井さんのイラストと
後輩の結婚式でした。
ほとんど勢いで書いたので書くことも大してありません
お目汚し大変失礼いたしました
乙!
Entry ⇒ 2012.10.11 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
やよい「お泊り?」亜美「うんうん」真美「///」
真美「亜美じゃん。どったの?今日直帰っしょ?」
亜美「なんかねー、パパ達がなんとかパーチーに行くとかで今日帰ってこないって」
真美「えー、そんなの聞いてないよー」
亜美「まあそんなわけでご飯代としてこいつを頂いたんですが…」
真美「い、一葉さん!?それってこれってもしかして!?」
亜美「余りは小遣い」
亜美真美「「ラッキーデー!!」」
亜美「亜美もー…ファミレスとかだと一人1000円超えちゃうよねぇ…」
真美「むむむ…」
亜美「むむむ…」
「…っうー!今日も一日お疲れ様でした!はい、たーっち」
「「いぇい!」」
亜美「…」ティン
亜美「へいへい、やよいっち!」
やよい「う?亜美、どうしたの?」パタパタ
亜美「ここに5000円札があります」ピラッ
やよい「はわっ!亜美、こんなところでそんな大金出したらだめだよ!」
亜美「こいつは亜美達二人分の夕食代+お小遣いです」
やよい「へぇーそうなんだー」
亜美「そこで物は相談なんだがね、やよいっち」
真美「亜美、まさか…!」
亜美「ここから1000、いや1500出そう!それで亜美たち二人に夕飯を振舞ってはくれまいか!」
やよい「え……えええええええっ!?」
真美「や、やっぱり…」
やよい「さすがにそこまでは…100円くらいだよー」
亜美「ふむ、それが兄弟5人で500円、これに亜美達の1500円を足して2000円!それを亜美たち二人を含めた7人で割ると…えっと…」
やよい「一人当たり285円で余りが5円!」ビシッ
真美「計算はやっ…」
亜美「そ、そう!3倍近い資金が夕食に使えることになるわけだ」
やよい「で、でも…」
亜美「やよいっちの家は食卓が潤う!亜美たちはおいしい食事をおなかいっぱい食べて懐もあったか!」
亜美「まさにWIN-WINの関係と言えるのではないだろうかっ!」ドドーン
やよい「…うぃんうぃん?」
真美「どっちにとってもいいことって感じ…かな」
真美「…」キュン
亜美「でしょでしょー?」
やよい「で、でも…」
亜美「ん?どったの?」
やよい「1500円はさすがに貰いすぎかなーって…元々亜美達のお金だし、ちょっと悪いような…」
亜美「うーん…じゃあ、宿泊代も込みってことで!家に帰っても今日は親帰ってこないしねー」
真美「ちょ、亜美!?」
やよい「亜美達がそれでいいならいいけど…」
亜美「やーりぃ!」
真美「うぅ…」
真美「ふえぇっ!?」ドキッ
やよい「私の家に来るのいやなのかなーって」
真美「そ、そんなわけないじゃん!」
やよい「でもさっきからなんか元気ないし…」
真美「それは、ほら、あれだよ!今日のレッスンがハードだったからおなか空いちゃって…」
真美「だからやよいっちの作るご飯、楽しみだなー!」
やよい「そうなの?うっうー!じゃあ今日は腕によりを掛けておいしいご飯作るね!」ニコッ
真美「う、うん…///」
やよい「そうと決まればお買い物に行かないと!じゃあ先に行ってるね。また後でー」タタッ
亜美「…」ニヤニヤ
真美「…」
亜美「…」ニヤニヤ
真美「…亜美、なんなのさ」
亜美「んっふっふ~真美ってばオ・ト・メですなー」
真美「な、なあっ!?真美はやよいっちのことなんて…!」
亜美「亜美はやよいっちのことなんて言ってないけどー?」
真美「あっ…うぅ…」
亜美「双子ってことをおいといてもさ、あんなバレバレな態度とってたら誰にだってわかるっしょー」
亜美「あ、※ただしやよいっちは除くって感じかな」
真美「安心していいんだか悪いんだかわかんないよー」
亜美「せっかく亜美がオデンダネしてあげたんだから、据え膳皿までとかちつくちてよねっ!」
真美「色々ごちゃごちゃでわけが分からな…ってそうじゃん!こ、これからやよいっちの家に行くって…しかも泊まりとか…」
真美「……」
真美「うあうあー!ど、どどどどどーしよー!!心の準備とか!体の準備とか!って体の準備ってなにさ!」
亜美「ま、真美!落ち着いて…!今すぐやよいっちの家に行くわけじゃないから!亜美達も着替えとか持ってこないとだし」
真美「そ、そっか…そうだよね…とりあえず落ち着こう…」スーハー
真美「う、うん…少しは…」
亜美「真美隊員、これから我々は家に帰ってお泊りセット等を回収、やよいっちの家に向かう!」
真美「で、でもさ…」
亜美「ん?」
真美「手ぶらで行っていいのかな…?」
亜美「どゆこと?」
真美「この前ぴよちゃんが言ってたんだよ」
小鳥『好きな人の実家に行くときは手土産を忘れないようにしないと結婚できないかもしれないわ!』
小鳥『妄想の中のシミュレーションは完璧なんだけどな…』シロメ
真美「なにか持ってかないと結婚できなくなっちゃうかもだし…」
亜美(元々性別的に結婚できないことは黙っておこう)
真美「でもでも、なにをもって行ったらいいのかな?今日はもうピヨちゃん帰っちゃってるし…」
亜美「うーん、その辺はやよいっちの家に行くまでに考えればいいっしょ」
真美「あ、うん…そだね。じゃあ一旦帰ろっか」
亜美「うん。にーちゃーん!亜美たち帰るねー!」
P「おー、おつかれー」
真美「げ、兄ちゃんいたのか…聞かれなかったかな…」
亜美「聞いてても問題ないっしょ。兄ちゃんだし」
真美「まあ兄ちゃんならいいか…」
亜美「結局いい案でなかったねー」
真美「うあうあー!このままじゃやよいっちの家に着いちゃうよー」
亜美「うーん…なにかいい手は…」
真美「あっ」
亜美「真美、なんか思いついた?」
真美「やよいっちってさ、確かプリン食べたことないんだよね」
亜美「醤油かけてウニの代わりとして食べたことはあるみたいだけどねー」
真美「だからさ、プリンをプリンとして食べさせてあげるってのは、どうかな?」
亜美「ふむふむ…それって結構いいかも!」
真美「そうと決まればあのお店にGO!!」ダッ
亜美「あっ、真美!待ってよー」ダダッ
亜美「…」
真美「…」
亜美「プリンが…」
真美「あるにはあるけど…」
亜美「ゴージャスセレブプリンEXのみ・・・だと・・・?」
真美「数は…7こ…」
亜美「やよいっちの兄弟+亜美達でピッタリだね…」
真美「…」
亜美「…」
亜美「お値段が…」
真美「一つ500円だね…」
真美「つまり、7個で3500円…」
亜美「…」
真美「…よし」
亜美「ま、真美…?まさか…」
真美「一葉さんを使う…」
亜美「だ、だめだよっ!このお金は二人でポ○モンを買うためのっ…」
真美「すまない、亜美…!やよいっちの笑顔には…」
亜美「兄ちゃんだって悲しむよ!亜美達のために厳選作業やりたいって、言ってたじゃない!」
真美「いや、兄ちゃんは真美達に命令されるのと、報酬の双子サンドイッチびんたが目当てなだけだと思う…」
亜美「…」
真美「…」
亜美「まったく、しょーがないなぁ」
真美「亜美さん…!」
亜美「なんだかんだ言って、亜美にもメリットはあるしね」
真美「メリット?」
亜美「この間兄ちゃんが掃除してるやよいっちを見つめつつ、物憂げな表情で呟いてたんだ」
P『はぁ…できることならやよいの弟か箒になりたい…』
亜美「やよいっちと真美がくっつけば亜美はやよいっちの妹ってことだし、ってことは亜美の旦那様も……」
真美「亜美、あんまり言いたくないけど趣味悪いよ」
亜美「しょーがないじゃん!好きになっちゃったんだから…」
真美「っていうか亜美…?さっき兄ちゃんがいるのに事務所で話したのって…」
亜美「んっふっふ~♪」のヮの
真美「目をそらすなー!」
真美「亜美…ありがと…」
亜美「貸し一つ、だかんね?いや、お泊りの件込みで2つかな?」ニヤリ
真美「いいけど…真美、兄ちゃんの家にお泊りとか絶対嫌だかんね?」
亜美「そ、それは亜美だって恥ずかしいよ///」
真美「真美が嫌なのは別の理由なんだけど…っていうか真美だってやよいっちの家行くの恥ずかしいし…」ブツブツ
亜美「そろそろ行かないとやよいっち待たせちゃうんじゃない?」
真美「あ、確かに…じゃあプリン買ってやよいっちの家へ向かおう!」
亜美「おぉー!」
真美「ついに来てしまった…ここがやよいっちの家…」
亜美「真美ー早く入ろー?」
真美「ちょっと待って…今ココロのゾンビを…」
亜美「準備っしょ」ポチッ
ピンポーン
亜美「ちわー、宅配便でーす。双海さんちの美人姉妹、お届けにあがりましたー」
真美「ちょ、亜美!」
パタパタ…ガチャッ
やよい「亜美、真美!いらっしゃい」ニコッ
真美「可愛いなぁ…」
真美「あっ」
やよい「え、えーっと…///」テレッ
真美「あのそのえっと、だから……エプロン!エプロンが似合ってるなって!」アセアセ
やよい「あ、うん。ありがとー。でもこの間、お料理さしすせそで来てくれた時も私エプロンだったよね?あっちの方が綺麗なのだったと思うけど…」
真美「なんていうか…着慣れてる感じっていうの?それがあるから…」
やよい「あ、そうかな…?えへへ、このエプロンお気に入りだから嬉しいかもー!」
真美(うあうあ~!これ反則っしょー!)
亜美「コホン、そろそろあがってもよいかね?コイツを冷蔵庫に入れないと…」
やよい「う?それなあに?」
亜美「んー、内緒。後でのお楽しみ!先に開けちゃダメだかんねー?」
やよい「う、うん…分かった…!」
亜美「りょうかーい」
真美「ら、らじゃー」ドキドキ
かすみ「あの…いらっしゃい」
亜美「おー、カスミンじゃないか!」
かすみ「か、カスミン…?」
真美「かすみだったらカスミンだYO!こんじょだこんじょってね!」
かすみ「はぁ…あの、姉から聞きました。今日はありがとうございます」
真美「へ?あぁ、いーっていーって!」
亜美「亜美たちにとっても色々都合がいいしね!」
真美「こら、亜美!」
亜美「てへぺろっ☆ミ」
亜美真美「「ん?」」
長介「今日は…い、伊織ねーちゃん来ないの?」
亜美真美((は、はぁ~ん))ニヤリ
真美「少年、残念ながら本日は真美たちだけなのだよ」
長介「そっか…」
亜美「少年、いおりんになにか御用でもあるのかね?」
長介「べ、別にないけど…」
真美「こちらにおわす亜美嬢はいおりん率いる竜宮小町のメンバーでしてな」ニヤニヤ
亜美「言いたいことがあるのなら代わりに伝えてやるのもやぶさめじゃないぞ?」ニヤニヤ
長介「やぶさめ…?いや、俺は…その…」
長介「じゃ、じゃあまた家に…」
やよい「ご飯できたよー」
長介「うわああああああああ!!!」
長介「だ、だって…」
亜美真美「「…」」ニヤニヤ
かすみ「ほら、長介もお皿並べるの手伝って」
長介「くぅ~…」
真美(やよいっちの妹弟のおかげでちょっと緊張ほぐれたかも…少年、この借りはいおりんのでこに反射させて返してやろう…)
やよい「よし、準備できたかな」
亜美「ほほぉ…これがあの伝説のもやし祭り…!」
真美「そしてこれが巷で噂の秘伝のタレ…!」
やよい「もう、亜美も真美も大げさなんだから…あ、でも今日は亜美と真美のおかげでもやしだけじゃないんだよー」
長介「に、肉だ…」
かすみ「お肉が…」
やよい「今日はもやし祭りすぺしゃるです!!」ドンッ!
一同「「「いただきます!!」」」
ンマイ! オイシイ…
ウメェー ンマンマ
アー、ソレアミノー! コノヨハ ジャクニク キュウショク ナノダヨ!
やよい「もー、慌てなくてもいっぱいあるから大丈夫だよ」
ゴハンオカワリ! ワタシモ…
アミモ! マミモ!
ハイハイ、ジュンバンダヨー
―――――
―――
―
一同「「「ごちそうさまでしたっ!!」」」
やよい「亜美と真美の口に合ったみたいでよかったよー」
真美「合わないわけないっしょー!やよいっちはホントに料理上手だなぁ…今すぐお嫁に欲しいくらいだよー」
やよい「そ、そんな…褒め過ぎだよ、真美…///」
真美(い、今真美なんて言った…!?と、とんでもないことを口走って…!)
真美「あ、あああ亜美!そろそろアレ、出していいんじゃないかな…!?」
かすみ「あれ…?」
亜美「アレ…ね。らじゃー!」タッ
亜美「へいおまち!」ジャン
やよい「あ、これって冷蔵庫に入れてた箱?何が入ってるの?」
亜美「んっふっふ~」
真美「それでは~」
亜美真美「「ゴカイチョー」」
かすみ「イチゴとクリームが乗ってる…!」
長介「これってキウイだろ?こんなの給食でしか食べたこと…」
浩太郎「ケーキ?おたんじょうび?」
真美「チッチッチッ…こいつはケーキではない…」
亜美「こいつの名は…」
亜美真美「「ゴージャスセレブプリン!!」」ドンッ!
長介「ぷ、プリン…!?でも今日はちらし寿司の日じゃ…」
かすみ「そ、それにウニと果物は合わないんじゃ…」
亜美「諸君、辛いかもしれないが聞いてくれ」
真美「プリンってのはな…本来醤油をかけないで食べる…デザートなんだよ!」
高槻家一同「「「な、なんだってー!?」」」
パクッ
かすみ「ケーキみたいに甘い…」
長介「だけど食感はケーキみたいにふわふわしてなくてぷるぷる…」
浩太郎「おいしー!」
浩司「んまっんまっ!」
真美「…ほら、やよいっちも」
やよい「うん…」ジー
アムッ
やよい「…!」
やよい「真美っ!」キラキラ
真美(あー、やっぱ買ってよかったかも…)ニヘラッ
真美「あれ?やよいっち一口しか食べてないじゃん。どうかした?」
やよい「あ、うん。残りはとっておこうかなーって」
亜美「うぇ?お腹いっぱいになっちったとか?」
やよい「ううん、違うの。とーってもおいしいから夜遅く帰ってくるお父さんとお母さんにも食べさせてあげたいなーって」
真美(あ、亜美ぃ…)チラッ
亜美(う゛……わ、わかったよぉ…)コクリ
真美(ありがと、亜美!恩に着る!)
真美「じゃあ真美たちの分をお父さん達にあげるからさ、それはやよいっちが食べなよ」
やよい「で、でもそれじゃあ真美たちの分が…」
亜美「まあ亜美たちはプリンくらいいつでも食べれるし。予想以上においしかったご飯のお礼ってことで!」
やよい「で、でもぉ…」
真美「うぇぇぃ!?」
やよい「それは別にいいけど…」
真美「い、いいの…!?じゃなくて…元々このプリンはやよいっちのために買ったんだしさ、やよいっちのためなら真美、我慢できるよ」
やよい「真美…ありがとう…あ、でもせめて一口くらい…はい、あーん」
真美「…!?」
真美「え、えぇと…あ、亜美から!亜美からで!」
亜美「あ、亜美はぶっちゃけご飯食べ過ぎてオナカ、イッパイ、ナノデ」
真美「え、えぇ…!?」
亜美「じゃあ亜美はこのプリンを冷蔵庫に入れてくるねー」ピュー
やよい「じゃあ真美、あーん…」
真美(うあうあ~!突然こんなの無理だよ~!さっき我慢するって言っちゃったから亜美と同じ手は使えないし…)
真美(っていうかあーんって言いながら自分も口開けてるやよいっち、可愛い…)
やよい「…真美?」
真美「う…あの、えと…あーん」
ハムッ
やよい「おいしい?」
真美「う、うん…///」
真美(思い切って食べたけどよく考えたらこれ…間接キス…うあうあ~!考えたらもっと恥ずかしくなってきちゃったよ~!)
やよい「やっぱりみんなで食べるとおいしいね!」
真美「そ、そだね…///」
やよい「いぇい!張り切って二人の背中流しちゃうよー!」
真美(あ、亜美…!真美やっぱいきなりお風呂なんて…)ヒソヒソ
亜美(真美隊員、お主の妹はこーめーな策師ですぞ!)ヒソヒソ…ドヤッ
亜美「うーん、でも二人となるとやよいっちも大変っしょー?亜美はカスミンにやってもらおっかなー」
真美「あみぃ~…」
やよい「え、えっと…」
かすみ「あ、はい。分かりました」
亜美「姉は姉同士、妹は妹同士、チンボツを深めようではないか!ハッハッハッ…!」
やよい「ちんぼつ…?」
真美「それをゆーなら親睦っしょー…」
かすみ「あ、はい。お姉ちゃんも真美さんもゆっくりしてきてね」
やよい「うん、分かった。真美いこー?」
真美「う、うん…」
亜美「いってら~」ニヤニヤ
真美(くぅ…亜美め、面白がってるな…このウラミ忘れぬぞ…!)ジロッ
亜美「…のヮの;」
やよい「真美ー、なにしてるのー?」
真美「い、今行くー!」
真美「う、うん…」
真美(ど、どーしよー…もう完全に逃げ場がない…)
やよい「~♪」ヌギヌギ
真美(わわっ、やよいっちもう脱ぎ始めてる…!そ、そうだよね…女同士なんだし、ここでもたもたしてた方が怪しまれる…)
真美「よ、よーし!」ヌギッ…ガラッ…タタッ
やよい「あ、真美!そんなに急ぐと危ないよー」
真美「ご、ごめん…」
真美(うあうあ~!やよいっちすっぽんぽんだよ~!真美もだけど…)
やよい「それじゃあ背中ながすね」アワアワ
やよい「かゆいところはありませんかー?」
真美「うん、大丈夫。ありがと…///」
真美(やよいっち上手いなぁ…時々亜美と背中流し合いっこするけど亜美はすぐふざけるからなぁ…まあ真美もだけど…)
やよい「んしょ…んしょ…」ゴシゴシ
真美「うあうあ///」
やよい「ん?どうかした?」
真美「いや、やよいっちがかわい…じゃなくて背中流すのうまいなーって…!」
やよい「えへへ、時々お母さんにもしてあげてるんだー」
真美「やよいっちはいい子ですな~」
やよい「そんなことないよー///」
真美「アイドルだけでも大変なのにやよいっちは家のことやったり弟とか妹の面倒みたり…」
真美「真美には絶対真似できないよ」
やよい「真美だっていつもさりげなく亜美の面倒見てるでしょー?私知ってるもん」
真美「…も、もぉー、はずいじゃーん!」
真美(今絶対顔真っ赤…背中流してもらっててよかっ……鏡?)
やよい「…」ニコッ
真美「っ…!///」
真美「こ、こーたい!今度は真美がやよいっちの背中流すから!ほら早く!」
やよい「え、私は別に……もー、変なことしないでよー?」
真美(でもこんなに小さいのに家事とかやってるんだよね…)
やよい「真美?」
真美「いやーやよいっちってちっちゃいなって。1コ上とは思えないくらい」
やよい「わ、私だってすぐ大きくなるよ!」
真美「いやーどうかなー。ひびきんくらいがせーぜーじゃない?」ニシシ
やよい「響さん…」
真美「ん?複雑そうな表情ですな」
やよい「胸があのくらいになるならいいかなーって」
真美「いや、それはむりっしょ」バッサリ
やよい「あー!真美ひどーい!」
やよい「っ…ぅぁっ…」ピクン
真美「やよいっち?」
やよい「ちょ、ちょっとくすぐったいからもう少し強くやって欲しいかなーって…」
真美「…」
コシコショ…コショコシ…
やよい「ぁぅっ…!く、くすぐったいって…ばぁっ…!」
ツツー
やよい「ま、真美!」
真美「…ごみんごみん。つい魔が差して…」
やよい「もー、ふざけるならやらなくていいよー」
真美「まじめにやらさせていただきます!」キリッ
ゴシゴシ…ゴシゴシ…
やよい「んー、きもちいい…」
真美「ふいー…ごぞーそっぷに染み渡るー」
やよい「なに、それ?」
真美「よくわかんないけどピヨちゃんが言ってた」
やよい「へぇー」
真美「…」
やよい「…」
真美「ねぇ、やよいっち」
やよい「なあに?」
真美「ありがとね、いきなり押しかけちゃったのにこんなにもてなしてもらっちゃって…」
やよい「お礼を言うのは私のほうだよー」
真美「いやいや、真美たちの方が…」
やよい「ううん、私達のほうが…」
やよい「…」
「「プッ」」
二人「「あははははは!あはははは!」」
真美「まあお互い様ってことで」
やよい「うぃんうぃん、だもんね!」
真美「うんっ!」
やよい「そろそろあがろっか」
真美「だね、亜美達も待ってるだろうし」
やよい「お風呂上りに牛乳飲む?」
真美「飲む飲むー!やよいっちも頑張って背伸ばさないとね!」
やよい「もー、真美ってば!」
P「で、写真は?」
やよい「なんのですかー?」
P「亜美真美inやよいん家withやよい&かすみの写真」
真美「あるわけないじゃん」
亜美「こちらのケータイに…」
やよい「亜美!?」
真美「い、いつ撮ったのさ!」
亜美「皆が寝静まった後?」テヘッ
P「よーし、よくやった、亜美隊員!見せてっ!」
真美「させんっ!」ガシッ
亜美「うあうあ~つかまっちゃったよ~…」
P「ギリギリコース!擦り傷が心地いいナイスパスだっ!」ズサァァァ
やよい「…プロデューサー」
P「な、なんだ?やよい…」ゴクリ
やよい「それ見たらもうはいたっちしてあげません」
P「は、はいたっち禁止だと…!?そんなことされたら俺はもう生きては…」
P「でもその怒った顔も可愛いよおおおお!!も、もっとみてええええ!!蔑むようにぃぃぃ!!」
亜美「に、兄ちゃん!亜美も見てあげるから!こっちもみてよ~!」
P「亜美ぃぃぃ!!!うわあああああああ!!!」
真美(亜美…お姉ちゃんは心配だよ…)
やよい「ん?なぁに?」
真美「また泊まりに行っても、いいかな…?」
やよい「もちろん!あ、でも…」
真美「でも?」
やよい「今度は私が真美のところに泊まりにいきたいかなーって」
真美「…///」
やよい「だめ?」
真美「うっうー!大歓迎に決まってますー!」
やよい「あっ、真似しないでよー!じゃあ、約束だからね?」ニコッ
真美「うん、約束」ニコッ
糸冬
感想、保守、支援、本当にありがとうございました
近く発売予定のファンキーノートが、とっても欲しいです
Entry ⇒ 2012.10.11 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
あずさ「お隣に…」
あずさ「はい~」パタパタ
ガチャ
P「あ、あの…隣に越してきました………!?」
あずさ「え…??」
P「あ、あずささん?」
あずさ「プロデューサーさん…?」
P「ええ、なかなか良さそうな場所だったので……」
P(まさか隣の部屋にあずささんがいるなんて…)
あずさ(まさか隣のお部屋にプロデューサーさんが来るなんて…)
P「……」
あずさ「……」
あずさ「…?」
P「お蕎麦です」
P「定番すぎてつまらないかも知れませんが…」
あずさ「ありがとうございます~」
P「何はともあれ、これからよろしくお願いします」
あずさ「はい、こちらこそよろしくお願いしますね」
あずさ「仕事の打ち合わせがあるので、事務所に行く予定です」
P「そうですか…では朝一緒に行きましょうか」
あずさ「はい」
P「ではまた明日に」
あずさ「はい、おやすみなさい」
P「……どこだっけ?」
ゴソゴソ
P「この荷物も、いつ片付くやら…」
P「あったあった……と」ゴロン
P「それにしても……壁の向こうにあずささんが」
P「………」
あずさ「…プロデューサーさん、越したばかりで荷物も片付いてないんじゃ…」
あずさ「うん、お手伝いしなきゃね」
あずさ「……この壁の向こうに、プロデューサーさんが」
あずさ「………」
P「………」
P「はぁ、何やってんだか…」
P「……寝よう」
あずさ「………」
あずさ「はぁ、何してるんだろ…」
あずさ「……寝ましょう」
あずさ「……んぅ…」
あずさ「…すぅ………」
ピンポーン
あずさ「ふあい…?」
あずさ「今出ますよ~」
P「おはようござ………」
あずさ「……」
P「!?!?」
あずさ「……っ!?」
P「すすすいません!!」
あずさ「ご、ごめんなさいっ!!」
P(あずささんのパジャマ姿ぁぁぁぁ!!)
あずさ(寝起きの顔見られちゃった…!)
…
ガチャ
あずさ「お、お待たせしました~」
P「あ、いえ大丈夫です」
P「じゃあ行きますか」
あずさ「…はい」
P(気まずい…)
あずさ(気まずい…)
あずさ「私の方こそ…お騒がせしました」
P「いえ、貴重なものを見る事ができたので」
あずさ「もうっ!」
あずさ「恥ずかしくて、死んじゃいそうだったんですから…」
P「はは、すいません」
P「おはようございます」
あずさ「おはようございます~」
律子「おはようございます……あれ?」
亜美「…むむっ、何やらアヤシイ」
伊織「ただ車で送ってもらっただけでしょ」
あずさ「ええと、実は…」
伊織「えっ?」
あずさ「そうなの…私もびっくりしちゃって」
亜美「あずさお姉ちゃん」クイクイ
あずさ「…?」
亜美「うんめー、って奴だよ! きっと」
あずさ「……っ!!」
亜美「亜美は応援してるかんね!」
あずさ「亜美ちゃん…」
P「ん、まあ大丈夫だ」
伊織「きっとあずさも喜ぶわね」
P「え、何故」
律子「……はぁ」
伊織「朴念仁」
P「な、なんだよ」
律子「まあ、そうね」
P「……?」
伊織「じゃ、私たちはこれから打ち合わせだから」
律子「昼過ぎには終わる予定なので、終わったらあずささんを家まで送ってあげて下さい」
P「ん、わかった」
伊織(色々わかってないわよね…)
律子(間違いないわね…)
ガチャ
小鳥「おはようございます」
P「おはようございます」
小鳥「新しい家はどうですか?」
P「思っていたよりもずっといい所ですね」
小鳥「ふふ、それは何よりです」
P「いえ、何でもないです」
小鳥「…?」
P「まあとにかく、まだ荷物も片付けてない状態ですが」
小鳥「焦ることは無いですよ」
小鳥「配置を考えながらゆっくりやるのも楽しいですから」
P「そうですねぇ…」
P「…ええ、そこは問題なさそうですね」
小鳥「男ですか、女ですか?」
P「女性で、かなりの美人さんです」
小鳥「むむ、これはチャンスですよ!」
P「そうですかね?」
小鳥「押しが肝心ですからね」
P(そうは言ってもなぁ……)
…
あずさ「お待たせしました」
P「お、お疲れ様です」
小鳥「お疲れ様です」
P「では、俺はここで」
小鳥「はい、プロデューサーさんもお疲れ様です」
P「お疲れ様です……じゃあ行きますか」
あずさ「はい」
小鳥「…?」
小鳥「……何やら楽しそうな予感」
律子「実はですね」
律子「そんなこと言ってたんですか」
小鳥「本人の前で言ってあげたらいいのに…」
伊織「全くだわ」
亜美「兄ちゃんはニブチンだかんね」
P「……はくしゅん!」
あずさ「大丈夫ですか?」
P「いえ、誰かに噂でもされてるんでしょう」ズズッ
P「まだほとんど片付いてないので…コンビニの弁当で済まそうかと」
あずさ「……」
あずさ「もし良ければ…ご馳走しましょうか」
P「え?」
あずさ「迷惑でしたか?」
あずさ「はい、もらったお蕎麦のお返しだと思って下さい」
P「そうですか…ではお言葉に甘えて」
あずさ「よーし、頑張って作りますね」
あずさ「何かリクエストはありますか?」
P「そうだなぁ…カレーが食べたいです」
あずさ「そうと決まれば…お買い物をしなきゃ」
P「そうしましょう」
P「……」
あずさ「どうしました?」
P「あずささんにナビゲートされる日が来るとは思ってもいなかったので…」
あずさ「あっ、失礼ですね~」
あずさ「作ってあげませんよ?」
P「すいません! それは勘弁して下さい!」
あずさ「ふふっ」
あずさ「これだ!」
P「いい食材の見分け方、わかるんですか」
あずさ「いえ、実は勘で選んでいるんです~」
P「なんだか、あずささんらしくて素敵ですね」
あずさ「むっ、馬鹿にしてますか?」
P「そんな滅相もない」
あずさ「すいません…荷物持たせちゃって」
P「いえ、このくらいお安いご用です」
P「カレーの為の労力は厭わないですから」
あずさ「頑張ってくれたプロデューサーさんの為にも、腕によりをかけて作りますね」
P「期待してますね」
あずさ「はい、上がって下さい~」
P(当然、そうなるよな…)
P「お邪魔しまーす…」
あずさ「早速作りますから、くつろいで待っていて下さい」
P「はい」
P「……」
P「……落ち着かない」
律子『男性のハートを射止めるにはまず胃袋を掴めばOKです』
あずさ『それって、つまり…』
律子『手料理を食べさせてあげればイチコロですよ』
あずさ(ウソだったら…怒っちゃいますからね、律子さん)
あずさ「よし、頑張りましょー!」
P(あずささんがここで暮らしてるんだよな…)
P「いかんいかん、妄想するな」
P「忘れるんだ…」
あずさ「何をですか?」
P「ひゃい!? な、なんでも無いです!」
あずさ「もうすぐできますから、あとちょっと待っていて下さいね」
P「は、はい」
P(とんでもない発見をした)
あずさ「……?」
P(この人、エプロン似合いすぎだろ…)
P(なんだか夫婦みたいで素敵だ」
あずさ「…え?」
P「…あ!」
P「い、今のは…」
あずさ「……」
P「……」
P(沈黙が痛い)
あずさ(夫婦……私とプロデューサーさんが)
あずさ「……あ、お鍋火にかけたまま!」
パタパタ
P「……ふぃ~、助かったようなもどかしいような」
P(俺ってものすごいヘタレなんじゃ…)
あずさ「はい、お待たせしました」
P「おお……!」
P「早速ですが……いただきます!」
P「………う」
あずさ「う?」
P「うまぁぁぁい!」
P「何ですかこれ、美味しすぎますよ」
あずさ「そう言ってもらえると嬉しいです」
P「下さい!」
あずさ「はい、今持って来ますね」
あずさ「やった…!」
あずさ「ふふっ、これで一歩近付けたかな?」
P「こんなに幸せを感じる食事は久しぶりだ…」
P「毎日でも食いたいなぁ」
…
P「ご馳走様です」
あずさ「お粗末さまです」
P「こんなに美味しい料理、久しぶりでした」
あずさ「喜んでもらえて良かったです…頑張った甲斐がありました」
P「もう、毎日でも食べたいくらいですよ」
あずさ「……毎日、お作りしましょうか?」
P「え」
あずさ「なーんて、ふふっ」
あずさ「今度は、プロデューサーさんのお料理が食べたいです」
P「ぐぬぬ……いいでしょう」
あずさ「やった! 期待して待ってますね」
P「過度の期待はしないでくださいね……よし」
あずさ「あ、洗い物は私がやりますから」
P「そんな、悪いですよ」
あずさ「片付けまでが料理ですから、いいんです」
あずさ「いえ、私も楽しかったです」
あずさ「じゃあ、また明日会いましょう」
P「はい」
P「そうだ」
あずさ「……はい?」
あずさ「……!!」
P「では、お休みなさい」
バタン
あずさ「あ、あの……あ」
あずさ「……もうっ、いじわる」
P「まあいいや、ね……」
ピンポーン
P「ん?」
P「はいはい」ガチャ
あずさ「携帯電話、忘れてましたよ?」
P「」
あずさ「ふふ、うっかりさんですね」
あずさ「では、お休みなさい」
P「ちょ…」
あずさ「そうだ、プロデューサーさん」
P「はい?」
あずさ「今夜は、私の夢を見て下さいね」
バタン
P「………何度見てもいいなぁ、パジャマ姿」
P「今日はいい夢見れそう」
おしまい
いい夢を
Entry ⇒ 2012.10.10 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
伊織「幻の料理人味沢匠……?」
アイドルマスターとザ・シェフとのクロスです。実はもう一つクロスをしておりますが気にしないでください。
某レストラン
伊織「へえー、だから美味しいのね。こんなに料理で感動したのは久しぶりよ!」
伊織の父「なるほど、グルメの君がこんなパッとしない店を推薦したのはこういう訳があったのか」
グルメな友人「はい、味沢匠は知る人ぞ知る凄腕の料理人です。しかも出張専門の請負人。こんな機会は滅多にないと思いまして」
グルメな友人「しかも依頼料が法外なんですよ。しかしそれだけの価値はあると思いますよ」
伊織の父「ううむ。確かにこれならいくら出しても惜しくはないな」
伊織「本当ね。出てきたメニューが古典的なフレンチだからどうかと思ったけど、これならまた食べたいわね」
グルメな友人「噂ではリッツホテルで最年少でシェフになったとか……」
伊織の父「ほほう、あのフランスで最も格調高く名門ホテルでか。そいつはすごいなー」
味沢「気に入っていただきましたか?」
伊織「えっ、あっ、はい!」
グルメな友人「はっはっは。リッツホテルなど有名な店ではこうやって料理人が挨拶に来るんだよ」
グルメな友人「おっと、紹介しよう。こちらは水瀬財閥の水瀬氏に娘の伊織さんだ。伊織さんは何とアイドルとして活躍もしているんだ」
味沢「そうですか」
伊織「初めまして水瀬伊織です」ペコリ
グルメな友人「伊織さんは765プロに所属していてもう大人気なんだよ」
味沢「あいにくとテレビはあまり見ないもので」
伊織(むー)
伊織の父「ふむ、そういえば思い出したぞ。味沢匠。確か人の心を打つ料理を作るとか」
伊織の父「私の友人が言っておったが一つの料理で息子と新しい執事の考え方を変えたと。しかも違う悩みをだ」
グルメな友人「それは聞いたことありますよ。引退を決意した力士を説得したり詩の絶望に震えていたお嬢さんに生きる希望を与えた」
グルメな友人「ほかにも頑なな心を解きほぐしたりと、ほんと凄い人ですよ」
味沢「いえ、私はただ料理を作るだけです。大したことはしておりません」
味沢「では、ごゆっくり」ペコ。
グルメな友人「やれやれ、いつもながらそっけない人だよ」
伊織の父「」ところで伊織、いつまでアイドル活動をしてるつもりなのかね
伊織「もちろん、トップにしてスーパーアイドルになるまでよ」
伊織の父「やれやれ誰に似たのかお前も頑固だな。言っておくがこれ以上の──」
伊織「分かっているわよ。私自身の力で成し遂げてみせるんだから!」
小鳥「もうー、プロデューサーさん、また徹夜して!」
小鳥「しかもソファーで仮眠? 体を壊してしまいますよ」
P「だけど音無さん、今度のフェスに大型合同ライブ。さらに番組改編に向けて仕事が山積みなんだ。今頑張らずにいつ頑張るんだよ」
小鳥「けど、こんなに根を詰めて体を壊したら元も子もありません。もう少し私たちを頼ってください!」
P「けど、音無さんもかなり仕事を抱えているでしょう。律子も自分の仕事で手一杯だし、社長は……」
小鳥「健康ドックで入院中ですものね。悪いところが見つかって少し長くなるみたいですし。でも、社長代行まで抱えたら──」
P「分かってるよ、今日で少し一息がつく。とりあえず今晩は徹夜せず早く帰れるさ。そうだな……日付が変わる頃かな」
小鳥「全然早くありません! それと──」チラリ。
小鳥「……春香ちゃんが作っていった夜食、また残したんですか?」
P「すっ、少しは食べたさ。でもやっぱり食欲が沸かなくて……」
小鳥「はあー、とりあえず春香ちゃんの見えないところに処分してくださいね。残したと知ったら悲しみます」
P「分かってるさ。俺のためにみんなが夜食を置いてくれて行くのはありがたく感じてるよ。けどどうしてもな……」
小鳥(……全くどうしたものかしらね)
小鳥「とにかくシャワーを浴びて無精ひげを剃ってきてください! そんなだらしない格好でみんなに会わせるわけにはまいりません!」
P「だから分かってるよ」スタスタ。ガチャ。
小鳥「はあー。アイドルのためのシャワールームがプロデューサーさん専用になってきたわね」
──少し経って。
春香「プロデューサーさん夜食、きちんと食べてくれたかな……」
小鳥「もちろんよ。ほら、空になっているでしょう」
春香「──そうだね」
美希「今日はミキがハニーのためにおにぎり作ってきたの。おかかマゼマゼと鮭まぜまぜだよ。ハニー、食べてくれるかな」
小鳥「ええっ、きっと食べてくれるわよ」
伊織「──それであいつは?」
小鳥「営業先に出かけているわ」
伊織「そう……」
あずさ「こんなこともあろうかと私も事務のやり方は教わっているんですけどねー。プロデューサーさんはどうして頼ってくれないのかしら」
ハム蔵「ヂュイ、ぢゅい」
響「ハム蔵もそれぐらいの事務作業ならこなせると言ってるぞー。忙しいなら猫の手ならぬハム蔵を使えばいいさー」
小鳥「あははは、頼もしい限りね」
律子「……ごめんなさいね。私がもう少し仕事ができればプロデューサー殿に負担かけなくて済むのに」
小鳥「仕方ありません。一気に仕事が押し寄せてきたんですから。こういう時のためにもう少し人を雇おうと常々言ってるんですけど」
貴音「とにかくこちらが出来ることをして少しでもプロデューサーに負担をかけないようにいたしましょう」
真「そうだね。何が出来るか分からないけどやれることは少しでもやろうよ」
雪歩「冷蔵庫に疲労回復効果抜群のお茶を淹れておきましたー」
伊織「──ちょっと喉が乾いたからオレンジジュースを飲んでくるわね」
事務所の給湯室というか台所。
ゴミ箱ガサガサ。ばさっ、
伊織「やっぱり残しているわね。多分、春香も薄々気付いているでしょうけど……全くあの頑固者はー、皆に心配ばかりかけて……」
“グルメの友人”「味沢さんは頑なになった人の心を解きほぐしたりとか」
伊織「そうだわ、あの人に頼めばもしかしたら──」ピッピ、
伊織「新堂? 少し頼みたいことがあるの。ええっ、お願いね」
伊織「さて、依頼料は高いと聞いていたけど幾らぐらいなのかしら? 今自分が使える額は……五十万。まあ、これだけあれば足りるでしょう」
さて伊織が気づかないように見つめる視線。銀髪がたなびく。いったい誰なのやら。
バー「レモンハート」
マスター「おっ、いらっしゃい、久しぶりだね」
P「今日は早く帰れたからね。久しぶりにマスターの一杯を飲んで寝ようかと」
マスター「早い? おいおい、もう十二時を回ったよ。頑張るのは良いけど体だけは壊すなよ」
P「ははっ、分かっているよ。マスター、いつものをお願い」
マスター「はい、少し待っててね」スイッ、
P「おっ、ありがとう」グイ。
マスター「あっ、それは……」
P「んっ、いつもと味が違うな」
マスター「そりゃあそうでしょう。それはこちらのお客さんのなのだからさ」
黒衣の男「───」
P「あっ、すみません。マスターこちらの方に代わりを。もちろんこれも合わせて俺のお代に入れて置いてくれ」
マスター「了解です。味沢さん、すみませんね。もう少しお待ちくださいね」
P「ハハッ、ホント失礼しました」
味沢「いえ、別にいいですが」
P「あなたも仕事帰りですか」
味沢「…………まあ、そんな所です」
P「んー、何をしてるのかな。あっ、分かった、お医者さんでしょう。黒ずくめですし」
マスター「おっと、残念。味沢さんは料理人だよ。しかも知る人ぞ知るという凄腕のね。しかも出張専門の請負料理人さ」
P「へえー、さすらいの料理人か。カッコイイなー。包丁片手に昨日は北へ、今日は東へと渡り歩くわけか」
マスター「珍しいのはPさんもでしょう。765プロでアイドルのプロデュースをしてるんだから」
味沢「765プロ」ピクリ
P「あっ、知ってるんですか? 嬉しいなー」
味沢「いえ、そういうのには疎いもので……」
P「やれやれ、まだまだ有名じゃないか。もっと頑張らないとなー」
マスター「だから頑張るのは良いけど顔色悪いよ。倒れないように気を付けないと」
P「大丈夫ですよ、体だけは頑丈ですから」
マスター「でもね、一人で抱えずに皆に相談したら……」
P「みんなも忙しいですし、これは俺の仕事です──味沢さんなら俺の気持ちが分かるでしょう」
P「流離いの料理人ということは一人で何でもこなさなければならないそれが定めであり宿命じゃないのかな」
P「とにかく俺はみんなをトップアイドルにするために──」
味沢「いい加減にしてもらえませんかな。私はここでゆっくり酒を飲みたいんだ」
味沢「つまらない自慢や愚痴を聞くためでない」
P「うっ、すみません」
マスター「ごめんなさいね、調子に乗って」
味沢「──」マスターから貰った酒を飲み干す。
味沢「ではこれで──それから、お節介かもしれませんが空きっ腹に強い酒を飲むのはやめた方がいいですよ」
──某所
伊織「時間通りに来てくれたようね」
味沢「仕事の話ですから。でっ、どういったご用件で」
伊織「あなたに夜食を作って欲しいの。相手はコイツよ。765プロの事務所でいつも徹夜してるわ」
味沢「それは別にいいですが私は高いですよ」
伊織「ええっ、ここに五十万を用意したわ。これで究極にして至高の夜食を作ってちょうだい」
味沢、なぜかニヤリと笑う。
──765プロ、深夜
P「ふうー、疲れたなー。でもまだまだ頑張らないとな。さて、もうひと踏ん張りするか」
ガチャ、バタ。
P「誰だ? 鍵はかけておいたはずだぞ」
味沢「失礼、765プロからの依頼で貴方に夜食を作りに参りました。
P「あっ、あんたは? 何故ここに?!」
味沢「ですから765プロからの依頼です。こうやって鍵も持っているのが証拠です」」
P「……やれやれ伊織辺りか。余計なことしてくれて……悪いけど食欲がないんだ。帰ってくれないか。
味沢「そういうわけには参りませんな」」
P「何……だと?」
味沢「私は高額な報酬をもらってここに来ているのです。このまま帰っては依頼人たちに合わせる顔がありません」
味沢「とにかく私は料理を作ります。勿論、それを食べる食べないはあなたの自由ですが」
P「やれやれ分かったよ。キッチンはそっちだ。適当に作ってくれ。俺は仕事を続けるから」
味沢「分かりました。では」
トントン、ぐつぐつ。
P(何だろう……すごく胃が揺さぶられるというか、腹が減って仕方がない。ああ、良い匂いだな)
味沢「出来ました。チキンスープのリゾットです。」
P「細かく刻んだ野菜とご飯を入れて煮込んだチキンスープか……まあ、夜食向けだな」
味沢「まさか不センス料理のコースでも出ると思いましたか。この時間となるとあまり胃に負担のかかる料理は避けたほうがいい」
味沢「これは常識ですよ」
味沢「さ、冷めないうちにどうぞ」
P、スプーンをとって一口すする。
P「なっ、なんだこの料理はー!!!
P「ウマイではないかー!!!!」!
ガツガツムシャムシャズズー!!
P「はっ、一気に飲み干してしまった。一体何が起こったんだ?」
P「ううっ、なんという料理だ。いや、今でうまいと思った料理は何度も食べたさ」
P「けど、我を忘れて貪り当然としたのは初めてだ。いや、さすが流離いの凄腕料理人だな」
P「えっと、もっと食べたいのだけど……」
味沢「残念ながらこれで終わりです」
P「ああっ、やっぱりー。おっ、まだ残ってるぞ。うん舐め取っても恥でないよな」
P「しかし、伊織には気を使わせたよ。反省しないと」
味沢「……一体何の話です?」
P「えー、味沢さんを雇ったのは伊織でないのか? 彼女ぐらいしかこんな事できないだろ」
味沢「確かに彼女に呼ばれました。しかし依頼は断ったのです」
P「えっ、何故?」
味沢「簡単な話です。依頼料が足りなかったからです。私の相場は百万単位。今回は二百万を提示しました」
味沢「それにたいして彼女は五十万しか用意してなかったのです。全然足りません」
味沢「水瀬財閥のお嬢さんといえど自由にお金が使えるわけではありません。まだ子供なのですから」
P「じゃあ、誰の依頼でここに?」
味沢「言ったでしょう。依頼人は765プロと」ニヤリ。
P「えっ?」
伊織「二百万?! そんな……」
味沢「びた一文まけるつもりはありませんよ」
伊織「ううっ、この五十万を手付金として支払うわ。残金はきっと払う。だから──」
味沢「こういう稼業は現金即決。それが常識です」
伊織「……」
味沢「水瀬グループならば腕のいい料理人は何人もいるでしょう。中には日本の老舗とも言える店も有しておりますし」
味沢「彼らに頼めば安く上がるのではないですか」
伊織「──ダメよ」
伊織「確かにあんたに匹敵する料理人ならいるわ。でもダメなの。違うの」
伊織「あいつに必要なのは美味しい料理じゃない。心を打つ料理なの。それを作れるのはあんたしか居ないわ」
味沢「そう申されても以来量が足りなければ話になりませんな」
伊織、携帯を取り出して電話をかける。
伊織「パパ、お願いがあるのだけど──」
貴音「ふっ、その必要はありませぬ」 貴音、伊織の携帯を取って通話を切る。
伊織「貴音、どうしてここに?」
貴音「味沢匠。あなたの料理をりっつほてる時代に味わったことがございます。真、美味でした」
貴音「伊織、足りない分は出しましょう」
伊織「でっ、でも百五十万よ。そんなに持っているの」
貴音「いいえ、残念ながら到底足りませぬ」
伊織、ズコーとこける。
伊織「じゃあどうするのよ!」
貴音「ふっ、それは知れたこと。絆を束ねて団結するのです」
春香「伊織ちゃん、一人で抱えるのはプロデューサーさんと同じだよ」
千早「私たちも少しだけお手伝いをさせて」
あずさ「うふふ、運命の人のための結婚資金取り崩してしまいましたー。でもあまり変わりませんよね」
やよい「みんなごめんなさい。当分の間おかず一品減るけど許してね」
真「自由に出来るお金は少ないけど何とか用意したよ」
雪歩「私もです! 出来る限り持ってきました」
律子「ごめんね伊織。こういうのは率先して行わないといけないのは私なのに」
亜美「うふふ→親の目を盗んで」
真美「真美たちの貯金通帳からお金を降ろしてきたぜ→。真美たちまだ小さいからとお給金が自由に使えないからね→」
小鳥「はい、これ。少ないけど足しにしてね」
美希「ミキも持ってきたよ。ハニーのためなら別にいいの」
響「みんなごめん。少しのあいだ餌が減るけど自分頑張るから我慢してくれよー」
伊織「あっ、あんたたち……本当に馬鹿よ。こんなことにお金を使う──なんて」
貴音「いいのです。これでプロデューサーの心に春が戻れば。あの方は今、頑固にこびりついておりますゆえ」
貴音「これで二百万。耳を揃えて用意しました。さあ、これで究極にして至高の夜食メニューを」
味沢「いいだろう。報酬がきちんと貰えれば何も言わない。だが──もう少し水瀬グループの力を借りたい」
味沢「確か日本で屈指の老舗レストランがあったな。そこで貰いたいものがある」
伊織「何が欲しいというの?」
味沢、再びニヤリとする。
──765プロ 深夜。
P「スープストック?」
味沢「ええ、水瀬グループのレストランからスープを分けてもらいました。だからこそ、その味が出たのです」
P「へえー、そうなんだ。でも味沢さんが人の手を借りるなんて……なんかイメージに合わないな」
味沢「残念ながらそのスープは到底私には作れませんから」
P「特別な材料でも使っているのかな」
味沢「いいえ、普通の鶏です。ただ──開店当初から何十年も継ぎ足しつつ煮込み続けたスープですが」
P「なっ、何十年も?! すげえ……」
味沢「本場フランスでも行ってする店は少なくなりました。伝統をひたすら守り続けた結果の味。それがこのスープです」
P「……それがこの感動を生んだのか。何年も何十年もじっくり煮込んで」
味沢「結果というのはすぐに求めることは出来ない好例です。それと……一人では到底成し得ないということでもあります」
味沢「スープの火は二十四時間絶やす事無く続けなければなりません。当然、交代で番をするわけですよ」
P「──何が言いたいのです?」
味沢「いえ、そのスープの味の秘密を述べただけですよ」
味沢「では、これで失礼いたします」
P「………………」
あずさ「音無さん、この書類はこうでいいのかしら?」
小鳥「ええっ、それでお願いします」
貴音「判子、判子はどこですー?」
千早「ライブの進行スケジュールはこれでいいと思いますよ」
春香「そうだね、後は……」
やよい「うっうー、計算終わりましたー。決済終了です」
真「ええと、備品で足りないのは……」
雪歩「はい、765プロです。あっ、いつもお世話になっております」
美希「あふぅ、こっちの書類の整理は終わったのー」
律子「じゃあ、ちょっと行ってくるからあとはよろしくね」
亜美「は→い。任せておいて→」
真美「うし、お掃除おわりまちたー!」
響「はい、プロデューサー、ハム蔵がこっちの企画書をまとめてくれたぞー」
ハム蔵「ぢゅい、ぢゅい」
P「やれやれすっかりみんなに迷惑をかけたな」
伊織「もっと早くからこうすれば良かったのよ。ほんと、頑固なんだからさ」
P「ははっ、味沢さんの依頼料。なんとかみんなに返すよ」
伊織「いらないんじゃない。みんな好きでやったわけだし。あっ、てもやよいにはすぐに返したほうがいいかも」
P「……だな。でも、みんなには本当に世話になった。何とかして返さないと」
伊織「ふふっ、私はそうね、味沢さんの料理をまた食べたいかしら」
P「そうだな、あの人の料理をもう一度じっくり味わいたいかな」
伊織「──それはそうと貴音、味沢さんの料理をリッツホテル時代に食べたと言っていたけど……それってかなり前の事よ」
伊織「味沢さんは若く見えるけど結構長いあいだ請負料理人をしてるし──いったいどういう事なの?」
貴音「うふふっ、それはもちろん──とっぷしぃくれっとです」
765プロのビルを味沢が見上げる。無言で振り返り黒いコートを着てカバンを手に立ち去る。
終わり。
久々にザ・シェフ読むとするわ
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法子「ドーナツ半額だって!」かな子「え……?」
三村かな子(17)
かな子「おはようございまーす! ……あれ?」
かな子「……誰もいないのかな?」
かな子「結構美味しくクッキー焼けたのに……うーん、ちょっと食べながら待とうかな……あーん」
ドタッ ガタガタガタッ バターンッ!
法子「み、みんなぁ! ニュースだよっ!」
かな子「ん、んぐっ……けほっ、けほ……の、法子ちゃん?」
法子「あ、かな子ちゃん! ニュースだよっ! 大ニュース!」
かな子「ニュース? どうしたの……?」
法子「じ、実はね……」
かな子「うんうん」
法子「今、ドーナツ半額キャンペーンやってるんだってっ!」
法子「これは買いにいかなきゃだよねっ、あたし楽しみ!」
かな子「え、えーっと、法子ちゃん……」
法子「どうしたの?」
かな子「それって、ミスタードーナッツのかな?」
法子「うん!」
かな子「……そのキャンペーンは9月末までだったんだけど……今日はもう10月、だよ?」
法子「え、えぇーっ!? そ、そんなぁ……」
かな子「法子ちゃん……お、落ち込まないで、元気だして? ねっ?」
法子「でも……うぅ、ドーナツがぁ……」
かな子「法子ちゃん……」
法子「?」
かな子「買わなくても、作ればいいんじゃない……かなぁ? どうだろう?」
法子「作る……?」
かな子「うん、作るの。手作りで!」
法子「でもあたし、作る方はからっきしだから……」
かな子「大丈夫っ! 好きこそものの上手なれ、だよっ!」
法子「かな子ちゃん……」
かな子「私も、お菓子食べたりするが大好きで、それからお菓子作りも趣味になったし……」
法子「手伝って、くれるの?」
かな子「もっちろん、まかせて! 一緒に美味しいドーナツを作ろうよ!」
法子「……うんっ!」
法子「……」ワクワク
かな子「あ、あはは……早い方がよさそうだね?」
法子「うんっ!」
かな子「じゃあいつがいいかな……えーっと」
法子「うーん、じゃあ日曜日がいいな!」
かな子「日曜日? 大丈夫だけど……どうして?」
法子「うん、10月7日! とお、なな……どおなつ、ドーナツの日!」
かな子「あ、あはは……うん、なるほど……わかった。大丈夫だよ」
法子「あ、お友達も呼んでもいい?」
かな子「お友達?」
法子「うんっ! 他の事務所の子達なんだけど、この前仲良くなったんだぁ」
かな子「そっか……わかった! じゃあ、日曜日に法子ちゃんの家の最寄り駅に――」
かな子「あっという間に日曜日……なんだけど……法子ちゃんとお友達はどこだろ?」
かな子「ひょっとして、あそこにいる集団がそう……なのかなぁ……?」
法子「あっ、かな子ちゃん! おはよー!」
かな子「法子ちゃん……ええっと、それから後ろにいる子達は……」
法子「あたしのお友達だよっ! この前のお仕事で一緒になってから仲良くなったんだ!」
かな子「そ、そっかぁ……」チラッ
光「麗奈、機嫌直せよ。今ならこのダブったリングをプレゼントするから……」
麗奈「なんでアタシがそんなだっさいのつけなきゃいけないのよ! ったく、人のこと叩き起こして連れて来てなんなのよ」
小春「ふぇぇ、2人ともケンカはだめだよ~!」
蘭子「ククク……血が滾るわ(えへへ、楽しみだなぁ)」
幸子「まったく、神崎さんは少し落ちついたほうがいいんじゃないですか? カワイイボクみたいに!」ドヤッ
かな子(ど、どうしよう……とんでもなく個性的な子ばっかりだよぉ……)
かな子「え、えっ……あ……えーっと、三村かな子です! お菓子作りが趣味だからお手伝いをと思ったんだけど……」
法子「かな子ちゃん、お菓子作りすっごく上手なんだぁ! だからきっとドーナツもすっごく美味しいと思うの!」
かな子「え、えぇ!? そんなにハードルられると困っちゃうんだけど……よ、よろしくね?」
法子「ほら、みんなも自己紹介、しよっ?」
光「ん、そうだな……じゃあアタシから」
光「アタシの名前は南条光! 14歳で、ヒーロー兼アイドル見習いです、よろしくっ!」シュッ
かな子「よ、よろしくね?」
かな子(よかった、割とまともそう……あれ?なんだか違和感が……)
かな子「……あ、あの、そのベルトは……?」
光「ウィザードライバーだけど……やっぱりディケイドライバーのほうがよかったかな? でもリング着けてくるとやっぱりこっちのほうが……」
かな子(あ、やっぱりだめかも)
南条光(14)
光「こっちが麗奈。小関麗奈! ちょっと素直になれないけど根はいい奴なんだ!」
麗奈「っだぁっ! ベタベタしないでようっとおしい!」
光「まぁまぁ、いいじゃないか麗奈」
麗奈「ったく……あぁ、アタシのことはレイナサマって呼びなさいよね」
かな子「あ、あははは……よろしくね……」
法子「わかった、麗奈ちゃんよろしくねっ!」
麗奈「はぁ、なんでアンタの連れてくる友達ってのはどいつもこいつも……!」
光「まぁまぁ落ちつけ、ほらリング」
麗奈「いらないつってんでしょヒーローバカ!」
小関麗奈(13)
光「小春は心配性だなぁ、大丈夫大丈夫……あ、それでこっちが小春!」
小春「えぇっと、小春です~。光ちゃんが、おでかけしようって誘ってくれたから、ついてきちゃいました~」
かな子(今度こそ普通っぽい子が……)
小春「あ、きゃっ……だめだよぉ、ヒョウくん、まだでてきちゃ~!」
かな子「ヒョウくん?」
小春「あ、えぇっと、私の大親友なんですけれど連れてきちゃって~」
かな子(犬とか、猫……なのかな? バッグの中じゃ苦しいだろうし……)
かな子「そっかぁ、どんな子なのかみせてもらってもいいかな?」
小春「は、はい! もちろんですよ~」ニコッ
麗奈「……あーあ、しーらない」ボソッ
古賀小春(12)
かな子「」
小春「うふふ~、ヒョウくんペロペロ~♪」
かな子「え……え……」
小春「あ、かな子さんもペロペロしますか~?」
光「お、おいおい小春……初めて会った相手に見せちゃダメって言ったじゃないか……」
小春「でも~、ヒョウくん可愛いよぉ~?」キョトン
光「そうじゃなくて……ほら、そっちの2人も固まっちゃってるし」
幸子「」
蘭子「」
法子「わぁ、可愛いね!」
光「あれ?」
小春「わぁ~! わかってくれるんですか~? 嬉しいです~」ニコニコ
法子「ヒョウくんは……イグアナ?」
小春「そうですよ~♪」
法子「そっかぁ、ドーナツ食べる?」
ヒョウ「……」プイッ
法子「あ、いらないのかぁ……」
小春「あ、えぇーっと、ヒョウくんは虫が好物だから……」
法子「そっか、うーん、残念だなぁ……かな子ちゃん、大丈夫?」
かな子「はっ……あ、う、うん! 大丈夫だよ、平気!」
かな子(ど、どういうことなの……普通だと思った子が、普通じゃなかったよぉ……)
幸子「はっ!? い、今ボクは何を……」
蘭子「くっ……私としたことが意識の混濁を許してしまうとは何たる不覚……(び、びっくりしすぎてちょっと気絶しちゃいました……)」
かな子(なんだか何を言っているかを私じゃ理解できない子がいるような……)
法子「幸子ちゃん、ヒョウくんを見せてもらってびっくりしちゃってたんだよ?」
幸子「ヒョウ……って」
小春「ペロペロしますか~?」
幸子「ちょ、ちょっと! カワイイボクに何を近づけてるんですかやめてくださいっ!」
小春「むぅぅ、ヒョウくんだって可愛いですよ~?」
小春「ほらー、ヒョウくんペロペロ~」
幸子「ひぃぃっ!」
蘭子「お、おのれ小龍! よるでないわぁっ!(や、やめてください近づけないでぇっ!)」
光「ほら、小春。ストップストップ……」
小春「あ、光ちゃん……」
光「こういうのは順序が大切なんだぞ。急に触れ合おうなんて言われても困っちゃうんだ」
小春「そ、そうだよね……ごめんなさい~!」
幸子「ま、まぁわかってくださればそれで……」
小春「でもヒョウくんは可愛いですよね~」ニコニコ
幸子「……もう何もいいませんよ。えぇ、疲れました」
幸子「……ま、ボクのかわいさは奇跡的なレベルなので。すぐに名の売れるアイドルとして知れ渡りますから知ってる人もいるかと思いますけど」
光「あはは、幸子はかわらないなぁ!」
幸子「あなたはどうしていつもそんなになれなれしいんですか……はぁ」
麗奈「ちっ……生意気そうな奴」
幸子「むっ……なんですか、あなた?」
麗奈「別に……なんとなくアンタとはソリが合わない気がするだけよ」
幸子「……ふーん。奇遇ですね、ボクもそう思ってました」
麗奈「へぇ……」
小春「ふぇぇ~、やめてぇ~!」
法子「あ、あれあれ? 2人とも……?」
輿水幸子(14)
麗奈「面白いじゃない、やれるもんなら……」
光「お、おいおいいいかげんに……」
蘭子「や、やめよっ!(や、やめてくださいっ!)」カッ
幸子「……神崎さん」
蘭子「友よ、私は無益な争いなど望まないわ(け、喧嘩はよくないと思いますっ!)」
蘭子「そ、それ以上の争いを起こすというのならばこの『瞳』を持ちて粛清せんっ!(どうしてもっていうなら私が相手になりますぅっ!)」
幸子「……はぁ、それ解読できるのはこの場でボクだけだと思いますよ?」
蘭子「ふぇ……」
麗奈「……」ポカン
幸子「ちょっとばかりクセのあるしゃべりかたをしますけど、悪い人じゃないですよ?」
蘭子「あ……我が名を心に刻むがいい!(よろしくおねがいしますっ!)」
幸子「だからそれじゃ他の人に伝わりませんってば」
蘭子「う……うぅ……」
幸子「はい、せーのっ」
蘭子「よ、よろしくおねがいしましゅっ!」ガリッ
蘭子「……いたい……」
光(噛んだ)
かな子(噛んじゃった……)
神崎蘭子(14)
蘭子「……!」
幸子「なんですかそのキラキラした目は。やめてくださいよ」
蘭子「幸子ちゃん、私のことを『友』と……!(だって、幸子ちゃんが私のことを友達って……!)」
幸子「べ、別にそれはいいでしょう。まったく」
光「へぇ……幸子の友達か。よろしくな!」
蘭子「う、うむっ!(は、はいっ!)」
光「アタシの名前は南条光……すべてのアイドルと友達になる女だ!」ビシッ
麗奈「アンタもアホやってんじゃないの、アタシまでアホだと思われるじゃない」ベシッ
光「いたいっ!? な、なにするんだ!」
小春「お、おちついて~!」
法子「……それにしても、いっぱい人が来たなぁ。どんなドーナツがいいかな……」ブツブツ
かな子(どうしよう、このメンバーをまとめられる気がしないよぉ……)
かな子「……え、あっ、何かな?」
法子「ドーナツの材料、買いにいった方がいいかな?」
かな子「そ、そうだね。いっぱい材料も必要だろうし私が用意した分じゃ足りないかも……」
法子「わかった! よーしっ、みんなー!」
かな子「え、えっ」
法子「かな子ちゃんについていって、お買いものだよ!」
麗奈「……正直帰りたいんだけど」
小春「麗奈ちゃん帰っちゃうの……?」ウルッ
麗奈「……いいわよ、別に。どうせオフだしこのレイナサマがつきあってあげる事実に感謝しなさいよね!」
光「よっしゃぁ、楽しみだなー♪」
幸子「ふぅ、もう少し落ちついて行動したらどうですか?」
光「……じいやがいっていた。乙女は燃えるもの。火薬に火をつけなければ花火はあがらない……ってな!」
幸子「はぁ、やれやれ……」
かな子「お、おー……」
ゾロゾロ…
かな子(うぅ、やっぱり多いよ……大丈夫かなぁ、普段だよ……法子ちゃんは……)
法子「ドーナツ♪ ドーナツ♪」
かな子(ドーナツのことしか頭に無いみたいだし。大丈夫かなぁ……)
光「アタシ、あんたに興味があるぜ!」ビシッ
蘭子「ふ、ふむ? なかなかの業の深さだ。面白い(え、えっ? 私のことが気になるって……どうしてですか?)」
麗奈「だから人を指さすのやめろっていってるでしょ、もう」グイッ
光「あいたたた……」
幸子「まぁ、あなたの話し方なら当然といえば当然でしょう……自覚はありますか?」
蘭子「それは……その……」
幸子「やれやれ……」
麗奈「はぁ……」
幸子・麗奈「「……ん?」」
かな子「あ……ちょっと待って。小春ちゃん……」
小春「どうしよぉ……ヒョウくんが……」
かな子「……だよね。うーん、どうしようか……」
光「ん? あぁ……小春1人だと心配だな。じゃあアタシが」
麗奈「いいわよ」
光「……麗奈?」
麗奈「アタシが残っててあげるから、アンタらは買いものしてなさい。そこらへんぶらぶらして、適当に時間がたったら戻ってくるから」
光「い、いいのか?」
麗奈「別に帰ったりなんかしないから安心しなさいよね……はぁ、まったく世話が焼ける連中ね」
光「恩に着るよ、さすが麗奈っ!」
小春「あ、ありがと~! 麗奈ちゃん、だいすきだよぉ~」
麗奈「はいはい……」
蘭子「……? 如何した、我が友よ(どうしたの、幸子ちゃん?)」
幸子「あ、いえ。別に……」
蘭子「……共に、往きたいのならば私に構わずともよいのだぞ?(あ、あの2人が気になるのなら私のことは構わなくても……)」
幸子「でも、それじゃああなたの言葉を理解できる人がこっちにいないじゃないですか。あなた、爬虫類は苦手でしょう?」
蘭子「う、だがしかし、縁が……(でも、せっかくお友達になれそうなのに……)」
幸子「そういう意味じゃ……」
光「ん、友達? 幸子、麗奈のことが気になる……のか?」
幸子「……!?」
光「あれ、どうしたんだ幸子?」
幸子「今、ひょっとして神崎さんのいった言葉の意味を……」
光「あ……いや、なんとなくだけどわかったよ?」
光「さぁ、なんでだろう? グロンギ語を自力解読しようとしたこともあったからかなぁ」
幸子「グロ……? よくわからないけど、理由になりますか、それ?」
光「ならないかもな。だけどさ……これから友達になろうって相手にその理屈付けなんていらない。そうだろ?」
幸子「はぁ、相変わらずなれなれしいというか距離感が近いというか……」
光「いいじゃないかいいじゃないか! ……ん、蘭子? どうかした?」
蘭子「我が言霊を解す、だと……!?(わ、私のいっている意味が、わかるんですか?)」
光「うん、なんとなくだけどな!」
蘭子「フ、フフフッ、やるではないか人の子よ!(す、すごいですっ! 驚いちゃいました!)」
光「それほどでもないさ……あ、幸子」
幸子「なんですか?」
光「麗奈はたぶん、結構幸子と似てるから仲良くなれるよ」
幸子「……ふん、そうですか。じゃあ迷子にならないよう、あの2人についていくことにしますね」
光「ははっ、素直じゃないところとか、なっ!」
幸子「知りませんっ!」
麗奈「はぁ? 頼んだ覚えはないんだ……け……ど………」
光「……」ジッ…
麗奈「……まぁ、いいわ。勝手にすれば?」
幸子「ふん、そうさせてもらいます」
小春「わぁ~、幸子ちゃんもお友達になってくれるんですかぁ~?」
幸子「……別に。あなたたちがそうなりたいならそう呼んでくれても構いませんけどね。ボクの友達なんて誇りに思ってもいいんですよ?」
麗奈「は? 勘違いしないでよね。あんたがこのレイナサマと友達になりたいっていうからついてきてもいいって……」
幸子「むっ……」
麗奈「なによ……」
小春「お友達~♪」ニコニコ
幸子「……」
小春「どうしたのぉ?」
麗奈「……やめときましょ。あいつらはもう店の中に入っちゃったし適当に歩くわよ」
幸子「ま、いいでしょう」
かな子「えぇと、バリエーションもつけたほうがいいよね? 皆の希望は?」
法子「え? うんっ! あたし、チョコドーナツとか作りたいなぁ」
光「プレーンシュガーで」
蘭子「禁断の果実、荘厳たる黄金。それこそ我が悲願、求めしもの……!(フルーツ系とか、クリーム系も美味しいですよね。お腹すいてきちゃった……)」
かな子「そ、そっかぁ……えぇと、光……ちゃん?」
光「うん? どうしたんだ、かな子さん」
かな子「蘭子ちゃんはどういうのがいいっていったのかな……?」
光「えぇと、フルーツとか、クリームとかそういうの……」
かな子「む、そっかぁ……なるほど。じゃあ……」
蘭子「あ……」
かな子「ん、どうしたの……?」
かな子「……?」
蘭子「ふ、ふつ、ぅに……話す、の……苦手で……」
かな子「あ……うん。大丈夫だよ、私達も理解できるよう頑張るから!」
蘭子「……感謝するぞ、糖の姫よ……(ありがとうございます、かな子さん)」
かな子「と、とうのひめ……って私のことだよね」
光「な、なんだそれカッコイイ! いいなぁかな子さん!」
かな子「そうかなぁ……」
光「蘭子、アタシにも、アタシにもっ!」
蘭子「え……う、うむっ! 任せよ、光の使者よ!(え、は、はいわかりました! 光さん!)」
光「おぉ、M78風だ!」
蘭子「む……気に召さなかったか?(あ、気にいりませんでした……?)」
光「いやぁ、確かにかっこいいんだけどさ……やっぱり、友達だったら普通に名前を呼ばれたいかもってね」
蘭子「名を……(名前を、ですか……?)」
光「あ、嫌ならいいんだけどさ。もっと近くになりたいんだよ!」
蘭子「……わ、わかっ……了承した。そなたの真名を、呼ばせてもらおう……ひ、ひかる…さん」
光「さん……呼び捨てで!」
蘭子「流石の私にもできぬことはあるのだっ!(む、無理ですよぉっ!)」
かな子(よくわからないけど、いいなぁ……光ちゃんは元気で……)
かな子「あ、そういえば法子ちゃんは……」
法子「私はドーナツの使者かドーナツの姫がいいなぁ……」
かな子「わぁお……」
法子「やっぱりドーナツっていいよねっ♪」
かな子「法子ちゃんは本当にドーナツが好きだね……」
法子「うん、だってみんなを笑顔にできちゃう素敵な食べ物だから!」
かな子「そっか……」
法子「そうだよ?」
かな子(本人が満足そうだし、私が突っ込むべきじゃない話題な気がする……)
光「まぁ、確かに美味しいよなぁドーナツ」
法子「そうだよねっ!」
かな子(あっ、目が光った気がする)
光「う、うん、そうだな……」
かな子「あ、あー。ほら、お買いものしようよお買いもの! ね?」
法子「あ、そうですね! ドーナツ作り楽しみだなぁ♪」
かな子「……うぅん、法子ちゃんのあの情熱はいったい」
光「あはは……なんなんだろうなぁ……さ、荷物持ちはアタシに任せろっ!」
かな子「じゃあ買うものは……そうだ、ジャガイモとかもありかな」
法子「ジャガイモ?」
かな子「それはあとからのお楽しみ! バターと牛乳、卵とあと、カスタードクリームの素も買っておいて……」
光「ぐっ……思ってたよりも多いみたいだなぁ、荷物……」
蘭子「で、では私もまたそなたらの咎を請け負おう!(じゃ、じゃあ私も持ちますよ!)」
光「あ、いいのか? ありがとう蘭子!」
幸子「あ、あぁ……ゼェ……ハァ……お、遅かった、ですね……」
麗奈「レイナサマを、待たせるなんて……ケホッ……いい、度胸じゃない……」
小春「あ、みんな~! おかえりなさーい♪」
かな子「えーっと……どうしたの……?」
麗奈「どうもこうも無いっての……ったく、もう」
幸子「古賀さんがヒョウくんを逃がしちゃって、ボク達が探すことになったんですよ……やれやれ」
法子「えっ!? た、大変!」
小春「でもちゃんと見つかったんですよ~? えへへぇ、とっても嬉しいです~♪」
蘭子「……邪気が無いというのもまた、罪深きことよ……(小春さん、そんなにのんきなお話じゃなかったんじゃ……)」
幸子「えぇ、とんでもなく苦労させられましたよ……あなたもよく付き合ってられますね」
麗奈「ハッ、こいつにちょっかいかけていいのはアタシだけなのよ」
幸子「どうだか……」
麗奈「は? アンタどこに目ぇつけてるのよ!」
幸子「まったくですよ。こんな人とボクが仲良しだなんて……」
小春「でも2人でヒョウくんを見つけてくれて、一緒に抱いてきてくれたんですよ~?」
麗奈「また余計なことをっ……!」
幸子「あれは1人で持つのはつかれそうだったから仕方なくですね……」
小春「えへへ~、でも仲良しはいいことってヒョウくんも言ってるよ~?」
麗奈「……もう、否定するのも疲れたわ。勝手にしなさいよ」
幸子「まったく、同感です」
かな子(……よくわからないけど、仲良くなったみたいでよかった……のかな?)
蘭子「絆……」
光「ネクサス!」
かな子「え?」
麗奈「ほっといていいわよ、こいつはこういう奴だから」
幸子「まぁ、神崎さんもいつもこうですからね……」
蘭子「……如何なる意味かしら?(ど、どういう意味ですかぁ……)」
光「だから麗奈もネクサスをみるべきだよ! 絆は光なんだ!」
麗奈「はぁ……じゃ、さっさと用事すませちゃいましょ」
かな子(……さっきまでより、ずっとほがらかな雰囲気になったみたい。よかった……)
法子「じゃあ我が家にれっつごー♪」
かな子「お、おじゃましまーす……」
法子「あ、お母さんたちはでかけてるから気にしなくても大丈夫! あがってあがって!」
幸子「お邪魔します」
蘭子「侵略すること火の如し!(お邪魔します!)」
光「ここが法子の家か……」カシャッ
麗奈「どこから出したのよそのトイカメラ」
光「柔道六段空手五段の人のカメラは手が出なくてこっちにしたんだ」
麗奈「そういう問題じゃなくてね……」
小春「えへへ~、とっても落ちつきますね~♪」
かな子(大丈夫なのかなぁ、これ……)
かな子「えーっと、やっぱり揚げドーナツのほうがいいよね? だから……」
かな子「薄力粉とベーキングパウダーを混ぜて……バターもいるかな?」
かな子「それと一緒にポンデケージョの粉とホットケーキミックスを使ったのも作ってみよう!」
法子「お、おぉーっ! そんなにいっぱい作れるの!?」
かな子「こうなったらやれるところまでやっちゃうよーっ!」
光「プ、プロの目だ……」
かな子「さぁて、がんばろう! 生地が煉れるまでの間にジャガイモをスライスして煮崩れるまで茹でるよ!」
蘭子「馬鈴薯……だと……?(じゃがいも、ですか?)」
かな子「うん。ポンデケージョの粉とホットケーキミックスを混ぜたのとは別でポンデケージョも作ってみようかなって」
幸子「……その、ポンデケージョっていうのはなんですか? ポンデリングとは別、ですよね」
かな子「えーっと、もちもちしたお菓子なんだけど……それを揚げたらポンデリング風になるかなって思って」
法子「す、すごーい! かな子ちゃんすごい!」
かな子「うまくいく自信はないけど、ね?」
法子「美味しそう……だけど……」
かな子「うん、言いたいことはわかってる……こっちの、ホットケーキミックスを使った奴は型を使って揚げようね?」
法子「うんっ!」
幸子「……いつになくイキイキしてますね」
蘭子「己が魂が震えるその時……生きているという実感を味わえるの……(やっぱり、好きなものには夢中になっちゃうんですね!)」
麗奈「でもあれ、かなり柔らかかったわよ? 大丈夫なのかしら……あ、スペ3出すわ」
光「ぬわぁっ!? お、おのれディケイドー!」
小春「大富豪楽しいです~」
幸子「生地を寝かしている間はヒマですからね……」
幸子「やれやれ、調子に乗るのもそれぐらいにしておいたほうがいいんじゃないですか? ボクが富豪をキープするために利用しているだけだってわからないんですか?」
光「笑え……笑えよ……」
蘭子「瞳の奥に闇が見える……(また貧民です……)」
小春「えへへ~、楽しいね~?」
かな子「なんだかみんなも楽しそうだね……法子ちゃんも混ざってきていいんだよ?」
法子「ううん、あたしここで待ってたい!」
かな子「でも生地を寝かせてるだけだし、しばらく待ってればいいんだから……」
法子「美味しくなぁれってお祈りしてるから! もうちょっとだけ! ね?」
かな子「……そっか、うん。じゃあ私も」
法子「さっすがかな子ちゃん!」
かな子「でも、そのあとはみんなと一緒に大富豪に混ぜてもらおうね?」
法子「うん!」
幸子「……流石に12連敗ってありえないんじゃないですか?」
麗奈「大富豪が都落ちした時以外大貧民だものね……」
蘭子「こ、これが罪……!?(つ、ついてない日だってありますよ……ね?)」
小春「ヒョウくんパワーで連勝です~♪」
法子「うぅ、やっぱりドーナツパワーが足りないのかなぁ……」
かな子「そろそろ大丈夫だよー!」
法子「あっ、はーい!」
光「……」ブツブツ
麗奈「ほら、ボサっとしてんじゃないの!」ゲシッ
光「いてっ!?」
かな子「うーん、いっぺんには無理だから交代しながら順番にやってみよっか?」
麗奈「ふん、このレイナサマのが一番うまくできるのはわかりきってるけどね」
幸子「へぇー、まぁボクほどじゃないでしょうけれどね?」
麗奈「……何よ」
幸子「なんですか?」
小春「小春はヒョウくんと一緒に応援してます~♪」
光「よしっ、今度こそ活躍だ!」
法子「なんだか、ワクワクするねっ!」
かな子「あはは……うん。じゃあやってみよう! お手本を見せるね?」
光「よしっ、じゃあまずは……」
幸子「ボクからやらせてもらいましょうか!」
光「な、なんだと!?」
幸子「まぁ、このボクにかかればこの程度楽勝でしょうから、お手本を見せてさしあげますよ!」ドヤッ
かな子「あ、あはは……うん、それじゃあやってみよっか」
幸子「えぇ……まずは、型を抜いて……ん、あれ?」
かな子「結構力がいるんだよ、大丈夫?」
幸子「こ、これぐらい平気です! ふんっ!」ズルッ
幸子「あっ……歪んじゃった……」
かな子「うーん、でも大丈夫だよ! これぐらいなら揚げて膨らめば気にならなくなるはずだから」
幸子「……ふ、ふふん。今回はたまたまうまくいきませんでしたけど次のは……」
麗奈「アタシね!」
かな子「う、うん。大丈夫?」
麗奈「もちろんよ。アタシの手にかかればこれぐらい……」
かな子「でも型の向き、反対……」
麗奈「……あ、アンタが気づくかどうかためしてやったのよ! 合格ね! フ、フーハァッハッハ!」
かな子「そっか……」
麗奈「そうよ、文句ある?」
かな子「ううん、なんにも?」
麗奈「ならいいのよ、ふん」クルッ
かな子(さりげなく持ちかえたけど、やっぱり間違えちゃってたんだよね……?)
麗奈「で、どう抜いたもんかしら……」
かな子「こ、ここら辺とかかなー?」
麗奈「そう……じゃあ、参考にするわ」
かな子(あ、素直に従ってる……)
蘭子「我が咎を見るがいい!(頑張ります!)」
かな子「蘭子ちゃんか……型抜き、じょうずだね」
蘭子「ふふん、我が術式の前ではあまりに無力! 描くは我が咎、我が命!(こういう型抜きとか、お絵かきって大好きなんです! だから、張り切っちゃって)」
かな子「う、うん……そっか……」
蘭子「うむっ!(はいっ!)」
かな子(よくわからないけど、すっごく楽しそう……)
蘭子「あ……」
かな子「どうしたの?」
蘭子「我が身に炎を纏うことになれば、周りもただではすまないぞ……?」ガクガク
かな子「……えーっと、ひょっとして。油がはねるのが怖い……とか?」
蘭子「……」コクッ
かな子「じゃ、じゃあ一緒にいれよっか。ね?」
蘭子「……う、うむ」
光「どうしたんだ、かな子さん!」
かな子「いや、あの……光ちゃん? 大丈夫?」
光「大丈夫だ。任せろ……ホアチャーッ!」ビシッ
かな子「だからその掛け声はなんなの!?」
光「気合い……かな」
かな子「なんでいい顔してるの!?」
光「おばあちゃんが言っていた……どんな調味料にも食材にも勝るものがある。それは料理を作る人の愛情だ」
かな子「う、うん……」
光「だからアタシはここにありったけを込めるんだ!」
かな子「なにか間違ってる気がするよ……」
法子「……」
かな子(……すごく真剣な表情。邪魔しないようにしたほうがいいよね)
法子「やった、うまく抜けた!」
かな子「わっ、すごい! ポンデージョの生地ってやわらかいのに……」
法子「えへへ、ドーナツのためならこれぐらい!」
かな子「法子ちゃんは本当にドーナツが好きなんだね……」
法子「うん! それに、今日はかな子ちゃんや、みんなもいるから!」
かな子「……そっか」
法子「そうだよ! だからとっても楽しみで、このドーナツはきっと最高に美味しいんだろうなーって思うの!」
かな子「そうだね、私もすごく楽しみ! お腹すいてきちゃった」
法子「……食べ過ぎちゃだめだよ?」
かな子「わ、わかってるよぉ!」
法子「やったぁー!」
かな子「ポンデージョの揚げたのは……ふにふにだね。すごく柔らかくなっちゃった」
小春「でもふわふわで美味しそうです~♪」
光「流石は法子とかな子さんだなぁ、アタシ達はうまくできなかったのに……」
麗奈「ま、アタシは普通のドーナツで普通じゃない自分を演出できるからいいのよ」
幸子「へぇ……」
麗奈「なによ? 文句でもあるわけ?」
幸子「いいえ、別に? でもきっとボクが作ったドーナツの方が美味しいですよ?」
麗奈「上等じゃない、食べ比べよ!」
幸子「いいでしょう、受けて立ちます!」
かな子(あれは仲良くなったのかな……?)
光「うん、うまい! このチョコドーナツもいいなぁ……」
蘭子「ふふふ……我が漆黒の闇はまた、甘美な黒……(わ、私が揚げたんです! 美味しいですよね、とってもっ!)」
小春「美味しいです~♪ ヒョウくんはどう?」
ヒョウ「……」フルフル
小春「うん、そっか~」
幸子「食べてないじゃないですか……」
小春「ううん、気持ちだけでいっぱいだっていってるんですよ~?」
幸子「いやいや……まさか、ねぇ」
麗奈「……ま、悪くないわね」
光「麗奈の悪くない、はすごくいいって意味だぜ?」
麗奈「……適当ぬかしてんじゃないわよ」
小春「でも麗奈ちゃんのこと、好きだよ~?」
麗奈「そういう話じゃなくて! ったくもう……」
小春「えへへ~照れ屋さんだね~」
ヒョウ「……」ペロッ
麗奈「なめんじゃないわよ! 物理的にっ!」
法子「あ、あはは……うん! こういうのも、ドーナツのおかげ!」
幸子「……どういう解釈ですか、それ?」
かな子「……そうだね?」
法子「それで輪っかになってて、美味しくってね」
法子「一緒に食べる人がいてくれるともっと美味しいんだぁ」
法子「ドーナツ見たいに手を繋いで輪っかになったら友達でしょ?」
法子「一緒に輪っかになって食べるあたし達も、ドーナツみたいだなーって!」
麗奈「……どういう意味よ、それ」
幸子「ま、いいんじゃないですか? 本人も満足してるみたいですしね」
小春「とーっても美味しくて、楽しいですよ~?」
法子「それがドーナツパワー!」
法子「うん! ここにいるみんなも……大切な時間を一緒に過ごして輪っかになったからドーナツなの!」
光「……いいセリフだ、感動的だな」
光「嫌いじゃないわー!」バッ
法子「きゃっ!?」
光「感動したぜ法子! うん、そうだな……アタシ達はドーナツだ! ドーナツヒーローだ!」
麗奈「アンタはいい加減ヒーローから離れなさいよ……」
蘭子「ふふふ……人の世の理もまた、円環の如し……(なんだか、すごく深い言葉だった気がします……胸に響きました!)」
法子「だよねっ!」
小春「楽しかったし、また集まってドーナツ作りたいです~♪」
かな子「……そうだね。うん! 私もとっても楽しかったからまた機会があったらしてみたいかも」
麗奈「ちょっ……そんな立て続けにやったら誰かけが人でも出るんじゃないの?」
光「じゃあ今度はこの間知り合ったメタルな奴を!」
麗奈「アンタの知り合いには基本的に問題があんのよバカ!」
光「えーっ」
幸子「……ま、どうしてもっていうなら吝かでもないですけれどね?」
蘭子「クックック……よかろう、いかなる挑戦も受けてやろう!(オフの日も合わせるから教えてくださいね!)」
法子「もっちろん! 蘭子ちゃんのいってること、あたしもわかるようになったし!」
小春「ドーナツパワーすごいですね~」
麗奈「え、そういう問題なの……?」
幸子「……え?」
法子「だって、こうやって穴があいてるドーナツには、確かに穴があるんだよ?」
法子「なのに、食べると穴が無くなっちゃう! とっても不思議だなーって思って、あたし考えたの!」
法子「ドーナツの穴があるのか、それともドーナツの穴は無いのか! そしたら――」
光「な、なんだか哲学的な話になりそうなんだけど!?」
蘭子「血が滾るわ……!(ちょっと、興味深いです!)」
幸子「……ボクは知りませんからね」
小春「ヒョウくんペロペロ~♪」
麗奈「小春もちょっと現実逃避してないで帰ってきなさいよ……」
かな子「……よくわからないけど、とにかくよし!」
おわり
ドーナツの日のうちに終わらせたかったけど、眠気もキツいしこの辺で
アイドル同士の絡みを書こうとするとおなじみのメンツになるけど、精進します
保守支援ありがとうございました!
ほのぼのも良いな
ドーナツ食いたくなってきたわ
かな子は良心
あと蘭子ちゃんかわいい
Entry ⇒ 2012.10.09 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「余命半年と宣告されてもう二年経つのか……」
春香「そんなことないですよ、プロデューサーさんが元気でうれしいです」
P「ははは、あれからずっと入院してるけどな」
春香「よくなるといいですね……」
P「そうだな……」
P「なんか悪いな、迷惑かけて」
春香「そんな事ないですよ……」
P「あのまま、半年で死んでればどんなに楽だったか……」
春香「プロデューサーさん!止めてください、そんなこと……!」
P「ご、ごめん……」
春香「そうですね……」
P「あぁ……、たまにさ。凄い苦しいんだわ、発作とかそういうので」
春香「……」
P「ホント、……二年間、ずっと」
P「一年半、余計に苦しんで、皆に迷惑かけてる感じ?」
P「もう……、申し訳ないって思うんだよ。入院費もタダじゃないんだぜ」
春香「プロデューサーさん……」
P「病院のメシはまずいし」
春香「はい……」
P「窓開けて欲しいんだけど」
春香「あ、ちょっと待ってくださいね」
ガララッ
春香「いい天気ですね」
P「だな……」
P「どうせ死ぬなら、晴れの日がいいな」
春香「また、そういうこと言って……」
P「いや、死ぬ日はなんだっていいや」
P「せめて、葬式とかお通夜は晴れがいいなぁ……」
P「着てくれる人に迷惑かけたくないし」
P「あ、葬式は身内だけですませようかな」
春香「死ぬ前からそういうこと考えないでくださいよ……」
P「ごめん……」
春香「……」
P「苦しいの続くだけだし、春香たちに病院に来てもらうのも悪いし」
春香「そんなことないですよ……、好きで来てるんですから!」
P「そっか、ありがとう……」
P「でも、俺のこと気にしないで、自分のことに集中してくれよ」
春香「…………はい」
P「よしよし、いい子だ」
P「おう、またな」
春香「……はい」
春香「あ、あの……!」
P「ん?」
春香「明日も、明後日も来ますから……」
春香「その時も、きっと「またな」って言ってくださいね」
P「……ははっ、わかった、わかった」
P「あー、……あと何日生きて、皆に迷惑かけるんだろうな」
P「先生の言うとおり、半年で死ねてたらな……」
P「社長も、俺をクビにしてくれていいのにいまだに事務所に置いてくれてるしな」
P「ありがたいけど、申し訳ないな」
P「…………」
P「あー、死のっかな」
P「ん、千早か」
P「どうした?」
千早「どうしたって……、お見舞いです」
P「……そっか、ありがとう」
千早「迷惑、でしたか?」
P「そんな事ないよ……」
千早「じゃあ、何でそんな悲しそうな顔……」
P「……」
P「大丈夫、何でもないからさ……」
P「あー、ダメダメだな……」
P「一向に良くなる気がしないんだよな」
P「……悪くもならないから、蛇の生殺し状態だけどなぁ」
千早「プロデューサー……」
P「そんな顔するなって……」
千早「ですが……」
P「そうそう、この前のテレビ見たぞ」
P「凄く良かったと思う」
千早「あ……、ありがとうございます」
P「もう、俺が居なくても大丈夫かな」
千早「そ、そんな事は……」
千早「プロデューサーに、かっこ悪い所を見せるわけにはいかないですし……」
P「あはは、気にするなって。俺なんかこんなだしな」
千早「……そんなこと、ないですよ」
千早「はやく、よくなってくださいね?」
P「あー、そうだな。……そうなるといいよな」
千早「はい、……きっとですよ?」
P「ああ、きっとな」
千早「……あの、私はこれで」
P「ああ、またな」
千早「はい。…………また」
冬馬「……どうしたんだよ、そんな顔して」
P「お、お前が来るなんて珍しいな」
冬馬「たまには顔だしとけ、って北斗に言われたんだよ」
P「へー」
P「悪いな、花なんか持ってきてもらって」
P「丁度、萎れかけててさ」
冬馬「気にすんなって」
P「何の花?」
冬馬「ピンクパンサーだとよ」
P「へー、薔薇か」
冬馬「北斗に聞いたんだけどな」
P「ピンクパンサー自体の花言葉は知らないけど」
P「ピンクの薔薇は、病気の回復とか、そういう意味なんだってよ」
冬馬「へぇ、そうなのか」
P「それに、ピンクパンサーは病気に強いんだぜ」
冬馬「なるほどな……」
P「北斗に、ありがとうって言っといてくれよ」
冬馬「おっと、忘れてた。フルーツも持ってきたんだ」
P「あー、そっちはあれか。翔太が見繕ってくれたのか?」
冬馬「まあな」
P「……ありがとな」
冬馬「……ははっ、気にするなって言ってるだろ」
P「リンゴ剥いてくれよ」
冬馬「な、なんで俺が……」
P「ほら、お前料理好きだろ?」
冬馬「好きだけどよ……」
P「……ほら、ウサギにしてくれとか言わないから」
冬馬「わ、わかった……」
P「あー、ダメダメだな」
冬馬「気の持ちようなんじゃないのか?」
P「はは、病は気からってか」
冬馬「まあ、そうやって後ろ向きになるのって良くないと思うぜ?」
P「でもなぁ、皆毎日見舞いにくるしさ……」
P「もう、申し訳なくて、申し訳なくて」
冬馬「いいじゃねぇか、それだけ大切に思われてるんだろ?」
P「そうかな」
冬馬「そうだよ」
P「やあ、伊織か」
伊織「冬馬が来るなんて、珍しいわね」
冬馬「お前らは毎日来てるみたいだけどな」
伊織「……」
P「あ、伊織。冬馬がリンゴ剥いてくれたんだ、食うか?」
伊織「う、うん……」
冬馬「ああ」
伊織「そうね……」
P「……2人とも、今日はオフか」
冬馬「じゃなきゃ来ねーよ」
伊織「……私も、今日はオフ」
P「じゃあ、春香も千早もオフか……」
伊織「心配しなくても、皆ちゃんとやってるわ」
P「ああ、知ってる……」
冬馬「水瀬もこの前テレビ出てたよな」
P「あー、見た見た」
P「うん、よかったと思う」
伊織「……あ、当たり前じゃない」
冬馬「ん、なんだよ」
P「冬馬は、どうしてるんだ?」
冬馬「ああ、俺は961プロ止めてから、地道にやってる」
P「自分で言うか、地道って」
冬馬「う、うるせぇっ!」
伊織「でも、それなりに仕事もあるみたいね」
冬馬「まあ、な」
P「よかったじゃないか、冬馬」
冬馬「ああ、ありがとよ」
冬馬「……ちょっと、ジュース買って来ッけど何がいい?」
伊織「私はオレンジね。果汁100%の」
P「俺は……、お茶でいいわ」
冬馬「じゃ、いってくる」
P「いいよ、皆に迷惑かかったりするだろ?」
伊織「そんなこと、気にする必要ないのよ……?」
P「いや、でも……」
伊織「私達は、あんたにずっと迷惑も心配もかけてきたんだから」
P「はは、質も量もこっちのが上だ」
伊織「……バカ」
P「ごめんなさい……」
伊織「怒るにきまってるじゃない」
P「……だよなぁ」
伊織「大丈夫、きっとよくなるから」
P「二年間、それきいたよ」
P「もう、聞き飽きたなぁ」
P「ずっと、ココにいるから、病院にも申し訳ないなあ」
伊織「そんな、卑屈にならなくてもいいでしょ……っ!」
P「卑屈にもなるって……」
P「窓からそれを眺めて、最後の葉っぱが落ちたら死ぬっていうのをやったけど」
P「死なないんだよな」
P「……葉が落ちても、俺は生きてるっていうね」
伊織「葉が落ちてもまた、花が咲くじゃない」
P「……そうだな」
伊織「なに?」
P「……俺さ、本当のこといったら、死にたくない」
伊織「…………」
P「生きていたい、伊織たちのプロデューサーやってたい」
P「だから、皆がこうやって来てくれるのは凄く嬉しい」
P「だから、すごく辛い」
伊織「ねえ」
P「何だ?」
伊織「……私達は、全然負担に感じてない、って言っても無駄よね」
P「……こればっかりは、俺がそう感じちまってるからなぁ」
伊織「本当にあんたは……、バカね」
P「こればっかりは、死ななきゃ治らないさ」
伊織「治らなくていいわよ」
伊織「バカは……、治らなくていい」
P「だから、その。泣くなよ」
伊織「な、泣いてなんか……!」
P「はははっ、悪い悪い。スーパーアイドル水瀬伊織ちゃんが、そう易々と涙を見せるわけないな」
伊織「何よ、もう……」
冬馬(……これは、まだ入らねぇ方がいいな)
伊織「ん」
P「もし、もしだぞ?」
P「俺の体治ったら……」
P「そん時はさ、皆でパァーッと、飯食いにこうか」
P「冬馬たちも、誘って」
伊織「そうね、……そうしましょ」
伊織「色々、考えておくから」
伊織「無駄にしたら、承知しないんだから」
P「ああ……わかってる」
P「どうした?」
伊織「本当に、本当に……」
伊織「事務所の皆で、あんたの帰りまってるんだから」
伊織「絶対に、戻ってきなさいよね」
P「ああ、快気祝い引っさげて事務所に行くよ」
伊織「ううん。あんたが元気になってくれればそれでいいから」
P「……嬉しいこといってくれるな」
P「ココまで言わせたんだし、俺も元気にならないとな」
P「ああ、約束する」
伊織「……じゃあ、はい」
スッ
P「な、なんだよ」
伊織「指切りよ、指切り」
P「また、えらく……」
伊織「いいでしょ、……分かりやすい形でやっとかないと、不安なのよ」
P「……わかったよ」
スッ
P・伊織「指きりげんまん、嘘ついたら針千本飲~~ますっ」
P・伊織「指きった……!」
P「……」
P「ん、冬馬」
伊織「あんた、今の見てたの……?」
冬馬「たまたまだよ、……それより」
冬馬「今の指切り、やったのは水瀬だけど」
冬馬「天海とか、如月とか。俺含めたみんなとの約束だからな」
冬馬「その辺、肝に銘じて置けよな」
P「……わかったよ」
P「約束守れない男にはなりたくないし」
冬馬「だろ?」
P「……うん、生きるように頑張ってみるよ」
冬馬「……じゃ、俺はそろそろ帰るな」
伊織「うん、ありがとう……冬馬」
冬馬「気にすんな、またな」
P「おう、またな」
伊織「……」
P「なあ、伊織」
伊織「なに?」
P「……外、見てみ」
伊織「いい天気ね」
P「木、見えるだろ?ちょっと葉が落ちてる」
伊織「そうね……」
P「とりあえず、あの木より早く咲くのが当面の目標だな」
伊織「……」
P「もし、達成できたら……ご褒美くれないか?」
伊織「なにが欲しいのよ?」
P「そうだなぁ……」
P「もし、……達成できたなら」
P「俺と────」
伊織「────うんっ」
冬馬「へぇ、日取りきまったのか」
春香『うん、6月の大安吉日だって』
冬馬「なるほどな……」
春香『2人が、是非冬馬君たちもって』
冬馬「ああ、喜んでいかせてもらうぜ」
春香『本当によかったね』
冬馬「そうだな、まさか本当に治しちまうとはな……」
春香『でもね、ちょっと妬いちゃうかな……』
冬馬「あの2人につけいる隙なんてねえよ」
春香『そうだよね……』
春香『ねえ、何かいいお祝いないかな?』
冬馬「お菓子でも作ってやりゃいいんじゃねぇか?」
春香『お菓子かぁ……、うん。それがいいかも。ありがとう、冬馬君』
プルルルル
P『お、冬馬か。どうした?』
冬馬「天海から聞いたんだよ、式の日取りきまったって」
P『もちろん、来てくれるだろ?』
冬馬「ああ、北斗たちと一緒に行かせて貰う」
冬馬「それと、おめでとう。水瀬にも伝えておいてくれ」
P『本人いるぞ、代わろうか』
冬馬「ああ、頼む」
伊織『……わざわざ電話してくるなんて、律儀ね?』
冬馬「ま、いいじゃねぇか。おめでとう、水瀬」
伊織『あ、ありがとう』
冬馬「幸せにしてもらえよな」
伊織『当たり前じゃない……』
伊織『わかったわ』
P『冬馬?どうかしたか?』
冬馬「いや、あんたが退院してから、言ってなかったことあったからな」
P『おめでとうは、いってもらったけど?』
冬馬「違えよ」
P『じゃあ、なんだ?』
冬馬「そ、その……」
冬馬「ありがとうな。約束まもってくれて」
P『………プフッ』
冬馬「てめぇっ!?」
P『あははっ、いや、悪い悪い……!』
冬馬「くそっ、もう切るぞ。お幸せにな」
P『おうよ、またな』
ピッ
P「いや、なんか……」
P「約束守ってくれてありがとうって」
伊織「何それ……、何か似合わない……」
P「まあ、らしいといえば、らしいのかもな」
伊織「ねえ」
P「ん?」
伊織「私からも、ありがとう」
P「…………どういたしまして」
冬馬「ホント、よかったな、お二人さん」
冬馬「さて、と」
冬馬「北斗達でも誘って、クリームソーダでも飲みにいくか」
終
乙でした。
裏があるんじゃないかと勘ぐってしまうのは汚れちまったからか
乙乙
Entry ⇒ 2012.10.07 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)