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朝倉「む、ブラが合わない……」
長門「………………そう」
朝倉「どうも最近きつくなってきたと思っていたのよね」
長門「……………………そう」
朝倉「それにしてもなんでこんなもん付いてるのかしらね地球人の女って」
長門「……………」
朝倉「でも私達って身体が成長することってありえるのかしらね?長門さんはどう?」
長門「知るかボk……わからない」
朝倉「そっか~、でも邪魔だし情報操作で長門さんみたいにしちゃおうかしら?」
長門「………………」プルプルプル
朝倉「それがいいわね、そうしちゃいましょう♪」
長門「……………………シネ」ボソッ
朝倉「ん?何か言った長門さん?」
長門「別に」
朝倉「そう?まぁ、いいか。それじゃ早速」
朝倉「キョ、キョン君!?」
キョン「お前は自分の持っているものの素晴らしさに気が付いていないだけだ!早まるな!!」
朝倉「お、落ち着いてキョン君」
キョン「お前のその豊満というわけでもないがむっちりしたスペシャルなボディーにそのおっぱいは必要不可欠なんだ!!」
キョン「大体お前のそのパーフェクツなむっちりふとももで膝枕してもらって見上げた視界の先がフラットだったらそれはそれはがっかりなんだ!!」
キョン「だから朝倉!それを捨てるというなら俺にくれ!!!」
朝倉「えっ……と、ちょっといいかなキョン君?」
キョン「なんだ?」
朝倉「ここって私の家の脱衣所よね?」
キョン「ああ、そうだなお前達は2人で一緒にお風呂に入った後だろ?」
朝倉「…………何で居るの?」
朝倉「女の子のお風呂を覗くような下衆に言われても全く嬉しくないわね」
長門「最低」
キョン「他の女なんざどうでもいい!!俺は!朝倉が!朝倉のむっちりボディーがっ!!いいんだよおおおおお!!!」
朝倉「死んでくれないかな?」
キョン「何故だ!?」
長門「ねぇ?」
キョン「ん?なんだ長門?」
長門「ちなみに私はどう?」
キョン「『がんばりま賞』」
長門「そう……」
朝倉「何がよ!」
キョン「そのたゆんなふくらみ二つの所有権を俺に譲渡してくれ」
朝倉「絶対にイヤ」
キョン「馬鹿な!?俺はこんなにも愛しているというのに!!」
朝倉「身体目当ての変態なんて絶対にお断りよ!!」
キョン「変態じゃない、取り消せ!俺は朝倉以外にこんなことはしない!!」
朝倉「迷惑よっ!!」
キョン「それになんだお前こそ下着姿のままじゃないか。そんなこと言いながら実際は誘っているんだろ?」
朝倉「キョン君が着替え中に乱入してきたせいよ!いいから早く出て行って!!」
キョン「……おぉ、そう言えばそうだったな」
長門「アナタはうっかりさん」
キョン「ははは、これは失敬」
朝倉「和んでるんじゃない!さっさと出てけ!!」
朝倉「なんでこの状況で上から物言ってるのよ」
キョン「あ、そうだ朝倉」
朝倉「なによ」
キョン「風呂に入ったということはこれから寝るだけなんだろ?」
朝倉「ええ、そうだけど……それが何か?」
キョン「ブラをつけるのは感心だ、つけないと形が崩れるからな」
朝倉「黙れっ!」
キョン「けど今日は俺が添い寝するから外しておいてくれ」
朝倉「……殺すっ」ジャキッ
長門「待って、統合思念体から許可が下りない」
朝倉「何でよ!?何でこんなのが観察対象なのよ!」
キョン「ハルヒにも困ったもんだな」
朝倉「困ったのはキョン君よ!」
キョン「それじゃ俺はリビングで待ってるから早く着替えて来いよ?」
朝倉「待つな!そのまま帰れ!」
長門「待って朝倉涼子」
朝倉「何よ」
長門「統合思念体が彼の行動の予測をしかねた結果、彼の行動を観察するよう指示を出してきた」
朝倉「それってつまり……」
長門「しばらくは彼の好きなように行動をさせて彼の要求を全て呑むように、とのこと」
朝倉「い、いやあああああああああああああああ!!」
朝倉「はぁ……お待たせ」
キョン「遅かったじゃないか」
朝倉「なんで帰ってないのかしらね」
キョン「イヤだな朝倉、待ってるって言っただろ?」
朝倉「私は帰れって言ったわよね?」
長門「……朝倉涼子、指示を忘れないで」
朝倉「う……」
キョン「何かあったのか?」
朝倉「何でもないわ、キョン君には関係ないわよ」
長門「統合思念体から指示があった」
キョン「それってお前らの親玉だよな?」
長門「そう」
長門「アナタの指示に全て従 朝倉「わー!わー!なんでもない特にキョン君には関係ないから!!」……」
キョン「そ、そうか」
朝倉「そ、そうなのよ!」
キョン「まぁそれはどうでもいいか」
朝倉「そうそう!」
キョン「よし、寝るぞ朝倉」
朝倉「嫌」
長門「朝倉涼子」
朝倉「な、何かしら長門さん?」
長門「指示は絶対」
キョン「どうかしたか?」
朝倉「っ!」キッ
キョン「な、なんだ?涙目で睨まれても可愛いだけだぞ朝倉」
朝倉「か、可愛いとか言うな!大体誰のせいだと思ってるのよ!?」
キョン「お、俺が悪いのか?」
朝倉「そうよっ!」
キョン「訳がわからん……長門わかるか?」
長門「恐らく朝倉涼子は統合思念体からの指示に不満があると思われる」
長門「それは」
朝倉「言っちゃだめよ長門さん!」
長門「何故?」
朝倉「こんな変態にバレたらどんな要求してくるかわからないじゃない!長門さんだって危ないのよ?」
長門「それは望む所」
朝倉「へ?今なんて……」
長門「なんでもない。とにかく彼が不信がっているので教えてしまった方がいい」
朝倉「で、でも……」
長門「安心して朝倉涼子、貴女は私が守る」
朝倉「長門さん……」
長門「待たせて済まない」
キョン「や、別にいいけど」
長門「それで統合思念体からの指示だけれど」
キョン「おう」
長門「要約するとアナタの指示に全て従いアナタの行動を行き着く先を観察しろということ」
キョン「なん……だと……?それはつまり……」
長門「そう、つまりアナタは私を好きにしt」
キョン「朝倉にあんなことやこんなことを要求しても良いってことですか!?」
長門「……そう」
キョン「いいいいいいいいやっほおおおおおおおおおおおおおおい!!」
長門「すまない朝倉涼子、私の力不足だった」
朝倉「いやああああああああああああああああああああああああああ!!!」
長門「待って朝倉涼子、早まらないで。そんなことをすれば貴女は消されてしまう」
朝倉「辱めを受けて生きながらえるくらいならいっそ……」ジャキン
キョン「お、おい朝倉そのナイフはやめろ!完璧にトラウマになってるんだよ!!」
朝倉「死んで、キョン君!!」
長門「待って」ガシッ
朝倉「離して長門さん!アイツは、あの男は生きていちゃいけない存在なの!暗黒の世界に帰らせないといけないの」
長門「落ち着いて朝倉涼子」
朝倉「だぁって~……」グスグス
キョン「泣くなよ朝倉、お前に涙は似合わないぜ?」キリッ
朝倉「誰のせいだと思ってんのよ!!」
朝倉「え……あ……う、うんありがと……」
長門「安心して朝倉涼子、彼は最終的なところでは紳士」
朝倉「うん……」
キョン「当然だ男子たるもの女性に対して紳士でなければいかんだろ」
朝倉(む……以外だったわね聞いた瞬間がっついてくるかと思ったのに)
長門「流石」
キョン「そんなに褒めるな、照れるだろ」
朝倉「ま、まって長門さん!」
キョン「おう任せとけ!」
朝倉「ちょっと!キョン君は黙ってて!!」
キョン「なんだよ涼子、つれないな」
朝倉「な、なぁ!?な、何勝手に名前で呼んでるのよ!?」
長門「……帰る」
キョン「おう、また明日な」
朝倉「待って長門さん!置いていかないで!見捨てないで!!」
長門「朝倉涼子」
朝倉「長門さんっ!」
長門「グッドラック!」グッ
朝倉「」
朝倉「うぅ……長門さん……」グスッグスッ
キョン「いつまで泣いているんだよ朝倉」
朝倉「うっさいわね!元凶が言うな!」
キョン「元凶って……俺は別に……」
朝倉「ああ……私はこれから穢されちゃうんだわ……」
キョン「馬鹿野郎!」
朝倉「な、何よ?」
キョン「俺が朝倉を穢すようなことをするはずがないだろう!」
朝倉「ふんっ、どーだか」
キョン「俺は大切なものは綺麗に保管する主義だ」
朝倉「口ではなんとでも言えるわよ」
キョン「わかったならばこれを見ろ!」バッ
朝倉「こ、これは……」
キョン「そうだ!正確にはスク水だ!」
朝倉「そうだ!じゃないわよ!なんでキョン君が持っているのよ!?」
キョン「朝倉の水着だからだ!」
朝倉「だったら返しなさいよ!」
キョン「ふっ……それは出来ない、これは朝倉の使用済み水着なんだからな……」
朝倉「何遠い目してんのよ」
キョン「朝倉、お前はこの水着を返してもらったらどうする?」
朝倉「当然洗うわよ」
キョン「ほらー。ほら出ましたよコレー」
朝倉「なんかムカつくわね、何が言いたいのよ」
朝倉「は?だから私の水着って……」
キョン「馬鹿野郎!」
朝倉「何よさっきから馬鹿馬鹿って、キョン君のほうがよっぽどアレじゃない……」
キョン「俺はなぁ!さっきこう言ったんだぞ朝倉!『朝倉の使用済み水着』と!洗ったら台無しだろうが!!」
朝倉「……撤回するわ、やっぱ捨てる」
キョン「じゃあ尚更俺が持っていても問題ないな」
朝倉「イヤよ!捨てるんだから返して!」
キョン「すまん朝倉、お前が何を言っているのかさっぱり解らん」
朝倉「私はさっき脱衣所で会ってからキョン君が何言ってるのかさっぱりよ!」
朝倉「何でよ」
キョン「俺がそうしたいからだ。俺の要求はすべて呑むように指示されているんだろ?」
朝倉「う……」
キョン「それにそんな話をするためにコレを取り出したんじゃない、朝倉コレを良く見てみてくれ」
朝倉「もう見たくもないんだけど……アレ、なんか湿ってないコレ?」
キョン「その通りだ朝倉」
朝倉「キョ、キョン君?ま、まさかそれを使って如何わしい事とかしてないわよね……?」
キョン「ふっ……」
朝倉「い、いやあああああああああああああああああああああ!!!」
朝倉「これが落ち着いてられますか!もう……もう、いやぁ……」ポロポロ
キョン「ま、待て!泣くな朝倉!説明する、ちゃんと説明するから!」
朝倉「そんな話なんか聞きたくないわよぉ……ひっく、グス……」
キョン「だから聞け!俺はなぁ、ただこれを入手した時のままの状態で保管しているだけだ!」
朝倉「それがどうしたって言うのよ」
キョン「つまり、だ……これはこの『朝倉の使用済み』という状態を保つためにこれに触れるときは一切素手で触っていないっ!!」
朝倉「そう……なの……?」
キョン「ああ、これに擦りつけたりチュチューしたりペロペロはおろかスーハークンカクンカもしていない!!
それも……それも全ては『朝倉の使用済みスク水』として保管するためだあああああああああああ!!」
朝倉「キョン君……そこまで……」
キョン「朝倉……」
キョン「それは使用感を出す為に霧吹きで、もちろん学校のプールの水だし作業時にはゴム手着用した」
朝倉「……」
キョン「わかってくれたか朝倉?」
朝倉「何慈愛顔で語りかけてんのよ、こっちはドン引きしてるのに」
キョン「あれー?」
朝倉「ほら、早く返して。やっぱり捨てるから」
キョン「ふっ……だが断る!」
朝倉「何でよ!」
朝倉「あ……う……」
キョン「つまり、今のお前は俺に逆らっちゃいけないんじゃあなかったかな?」
朝倉「うぅ……うぅぅぅぅぅ……」ポロポロ
キョン「わー待て待て、泣くな朝倉!」
朝倉「これがっ泣かずにっ、グスッ居られますかっ!」
キョン「つまりだな、今ので俺が何を言いたかったのかというとだな……」
朝倉「もうキョン君の変態っぷりは十分解ったわよ!」
キョン「だからそうじゃない!朝倉には酷い事はしないってことが言いたかったんだ」
朝倉「グスッ……………ホントに?」
キョン「勿論だ」
朝倉「……痛いこととか変な事とかしない?」
キョン「しないしない」
キョン(ダメ、か……?)
朝倉「わかった……それなら、いい」
キョン「ほっ、良かった」
朝倉「で、でも本当にエッチなこととかはダメなんだからね!」
キョン「当然だ、同意もなしにそういうことをするのは紳士ではないからな」
朝倉「紳士は人の水着盗んだりしないわよ」
キョン「こまけぇこたぁ」
朝倉「細かくないっ!!」
朝倉「どこが綺麗なのよ……」
キョン「さて、今の朝倉の格好だが……パジャマだな」
朝倉「なによ、悪い?」
キョン「いや、クマさんのプリントが可愛らしくて非常にいい感じだ」
朝倉「そ、そう?長門さんとおそろいで買ったんだけど可愛らしすぎるかな、って思ってたんだけど」
キョン「ああ、長門はさっき見たがウサギさんだったな」
朝倉「あの格好で部屋に戻るのは止めなさいって言ってるんだけど、いつもお風呂入りに来るとあのパジャマなのよね」
キョン「なるほど、それだからお前も長門が来る時はそのパジャマなんだな」
朝倉「そうよ……………………………ん?」
キョン「ん?」
キョン「そうか、だったら早速で済まんがこれに着替えてくれ」バッ
朝倉「なにこれ……水着?」
キョン「違う、ハイレグスーツだ」
朝倉「水着と何が違うのよ」
キョン「おいおい、よく見ろ。それだけじゃないだろ?」
朝倉「ん?……あぁ、網タイツに………………何これ?」
キョン「なんだ朝倉、ウサ耳も知らんのか」
朝倉「知ってるわよ!なんでこんなのが一緒にあるのかってことよ」
キョン「ふっ、朝倉……そのハイレグスーツのお尻の辺りを良く見てみろ」
朝倉「え……あ、尻尾?」
キョン「そう!つまりソイツは……バニースーツ一式だ!!」
朝倉「……」
朝倉「……何でこんなもんがサッと出てくるのよ?」
キョン「愚問だな、いつ何時朝倉がバニースーツを着てもいい、着たいと言った時に即座に提供するためだ!」
朝倉「どんな時よそれ……」
キョン「馬鹿野郎!可能性はいつだって0じゃないんだ!!」
朝倉「まぁ、確かに現に直面している訳だけどね……いつも持ち歩いているの?」
キョン「ああ、肌身離さず懐にいつも仕込んでいる」
朝倉「……」
キョン「どうかしたか?」
朝倉「……ていっ」ポイッ
キョン「おぃぃぃぃぃぃぃぃいいいい!?捨てんなよ!?」
キョン「それについては安心しろ朝倉に着せるものに自分の汗やら臭いやらが染み付いたものなんか……」
朝倉「どうしたの?」
キョン「…………はっそうか!?」
朝倉「な、何よ……?」
キョン「いや、待て……それは紳士として…………だが、だがしかし!」
朝倉「一体どうしたって言うのよ……」
キョン「……………」
朝倉「キョン君……?」
キョン「……いや、なんでもない。一時の気の迷いだ……さぁ朝倉、バニーちゃんなお前を早く見せてくれ」
朝倉「う、うん?」
キョン「なんだ?」
朝倉「これサイズとかは……」
キョン「俺が朝倉の身長、体重、スリーサイズを知らないとでも?」
朝倉「…………そうね、愚問だったわ気持ち悪いから喋らないで」
キョン「おいおい、さっきから偉く辛辣だな」
朝倉「そりゃ辛辣にもなるわよ普通!」
キョン「そうか?」
朝倉「そうなの!!」
キョン「そうか……女の子ってのは難しいんだな」
朝倉「そこまで行ったら女の子とか関係ないわよ!」
朝倉「ほんとにもう……」
キョン「……」
朝倉「……」
キョン「どうした朝倉、着替えないのか?」
朝倉「そう思うんだったら部屋から出て行きなさいよ!!」
キョン「あ、すまんそうだったな悪い悪い」
朝倉「……ったく白々しい」ジトー
バタン
朝倉「よし、出て行ったわね……それじゃさっさと着替えちゃいましょ」
~朝倉さんお着替え中~
朝倉「思ったよりきついわねこれ……よっ、と」
朝倉「あ、あれ?」
朝倉「うそ……」
朝倉「う~……………んっ!」
朝倉「はぁっ……」
朝倉「む~…………ちょっとキョンくーん!」
ガチャッ
キョン「呼んだか、朝倉!?」
朝倉「早っ!ちょっと覗いたりしてなかったでしょうね!?」
キョン「……なんだまだじゃないか。というかその格好はちと胸のところ腕で支えてるだけとかエロすぎるぞ」
朝倉「し、仕方ないじゃない!ファスナーが上まで上がらないんだからっ!」
キョン「何……?」
キョン「当然だ、俺が朝倉のスリーサイズを間違えるはずがないだろう」
朝倉「それにしてはキツすぎよこれ……」
キョン「そんな馬鹿な……いや、待てよ?」
朝倉「?」
キョン「朝倉ちょっといいか?」
朝倉「え?」
キョン「ちょっと胸をだな」
朝倉「きゃああああああああああああああああ!」ガスッ
キョン「げふん」
キョン「ご、誤解だ!俺はただバストサイズを計ろうと……」
朝倉「だったら何でメジャーも用意せずに思いっきり鷲掴もうとしてたのよ!?」
キョン「お?おぉ、すまんすまんつい気が逸ってしまった様だ」
朝倉「油断も隙もないったら……」
キョン「まぁ今のお前の格好は隙だらけだけどな」
朝倉「う、うるさいっ!」
キョン「さて、メジャーをっと」
朝倉「じ、自分で計るから良いわよ」
キョン「そんなこと言ってもそこで腕を外したらポロリだぞ?」
朝倉「だからメジャーだけ置いて行ってよ!」
キョン「遠慮するな朝倉、俺がお前のサイズを測ってやるから」
朝倉「い、良いって言ってるじゃない!」
朝倉「私が嫌だって言っているの!」
キョン「……命令」ボソッ
朝倉「うっ……」
キョン「これでも俺的には随分我慢しているんだ、お前も我慢しろ」
朝倉「わ、わかったわよもう……」
キョン「さて、と……」
キョン(これはなんと表現したものかな……半開きのファスナー)
キョン(いや、違うな。『朝倉の背中のファスナーが半開き』……うん、これだ
この言葉の響きだけでご飯三杯いけるな。お百姓さんありがとう!)
キョン(この白く細く綺麗な背中がファスナーが開いていることにより見えている
パンツでもなくブラでもなくただの背中……なのに何故ここまで俺に感動を与えてくれるのだろうか……)
キョン(チラリズム、万歳……)
朝倉「ちょっとキョン君、早くしてよね」
キョン「あ、すまん」
朝倉「そ、そんなこと言われても……」
キョン「大丈夫だって、こっちは後ろに居るんだし見えないだろ」
朝倉「う~……で、でも……」
キョン「早くしてくれないといつまで経っても終わらんぞ」
朝倉「わかってるわよ!」
キョン「だったら早くしてくれ」
朝倉「絶対に見ちゃダメよ?」
キョン「おう(見てぇ……)」
朝倉「絶対に絶対だからね!」
キョン「わかってるって(見てぇ)」
朝倉「絶対の絶対の絶対によ!?」
キョン「見てぇ!!(わかったから早くしろよ)」
朝倉「……」
キョン「し、しまった!?」
キョン「わかった、悪かった。確かに見たい願望はあるが絶対に見ない。だから泣くな、な?」
朝倉「……信じるわよ」
キョン「ああ、裏切ったりしない」
朝倉「ん……」ハラッ
キョン(おぉう、これはなんというエロス……しかしそれと同時に俺への信頼で成り立っている後姿……
エロさと同時に神々しさすら感じる……なんというかもう感無量だ)
キョン(そして真後ろからでもチラッと見える横乳の輪郭……全体が見えるわけでもない、いや違う
全体が見えるわけじゃないから掻き立てられる妄想力)
キョン(しかもそれが朝倉だって言うんだからたまりませんよねお兄さん?やっぱ朝倉は最高や!ハルヒなんて最初から要らんかったんや!!)
朝倉「ちょっとキョン君早くしてっていってるじゃないっ!」
キョン「わかったわかった」
朝倉「んー、もうちょっと上」
キョン「こうか?」
朝倉「んっ……上過ぎよ!もうちょっと下!」
キョン「はいはい下ね……」
朝倉「んんっ……行きすぎ!」
キョン「ああ、悪い悪い」
朝倉「ぁ……んっ!わ、わざとやってんじゃないでしょうね!?」
キョン「な、何がだ?」
朝倉「わかんないならいいのっ!」
キョン「?……おう」
朝倉「そう、そこ…………計れた?」
キョン「ああ、やっぱりサイズアップしてるな」
朝倉「あー……そうなんだ」
朝倉「それはホラ、私達って普通の人間じゃないじゃない?」
キョン「ああ、それは知ってるが」
朝倉「だから普通に成長するとかありえるんだなぁって思って」
キョン「それでも長門はぺったんだがな」
朝倉「そうなのよねー羨ましいわ。私もああいう風がよかったわ」
キョン「それを捨ててしまうなんてとんでもない!」
朝倉「もうそれはわかったわよ、もう……」
キョン「わかってくれたならそれでいい」
朝倉「はぁー……それでどうするの?」
キョン「どうするって?」
朝倉「このままじゃ着れないわよこれ、サイズぴったりすぎるから食い込んじゃうわ」
キョン「食い込む……ですって!?」
朝倉「なんでオネェ言葉になってるのよ……」
朝倉「何よ」
キョン「多少の無理は仕方ない、俺は!どうしても!朝倉の!食いkバニーが!見たいんだ!!」
朝倉「食いって何?」
キョン「ちょっと噛んだだけだ、気にするな」
朝倉「はぁ……仕方ないわね、それじゃキョン君がファスナーあげてくれる?」
キョン「おうとも!」
朝倉「それじゃ息止めるからそのタイミングで一気にお願い」
キョン「わかったぜ!任せろ!!」
朝倉「何でそんな気合い入ってるのよ……」
キョン「俺のことはいい!お前は着ることに集中しろ!!」
朝倉「はいはい……はぁ、それじゃ止めるわよー」
キョン「来いっ!」
朝倉「ふっ」
キョン「ふんっ!!」
キョン「良くやったぞ、朝倉!」
朝倉「ぅう……やっぱりきついわね、サイズぴったりすぎよこれ」
キョン「ボディーラインが大事な衣装だからな、そこは我慢してくれ」
朝倉「あんまり長時間は勘弁してね……」
キョン「わかった。それはそうと何でそんな内股なんだ?」
朝倉「し、仕方ないじゃない!胸のせいで上に引っ張られてお尻とか、その……ま、股……とか食い込んじゃうんだから!」
キョン(……作戦通り!)ニヤリ
キョン「ああ、俺の要求はただ一つ……」
朝倉「ゴクリ……」
キョン「朝倉の!むっちむちなふとももで!膝枕を!されたいんだよおおおおおおおおお!!!」
朝倉「…………へ?そんなんで良いの?」
キョン「そんなん……だと……!?」
朝倉「もっと変なこと要求されるのかと思った」
キョン「……朝倉ぁ!!!」
朝倉「な、何よ……?」
キョン「そこに座れ!!!」
朝倉「う、うん」
キョン「あぁ~ん、どうしたぁ~朝倉ぁ~?」
朝倉(しゃがもうとしただけでお尻のほうにかなりのテンションがかかる……破れないでしょうねこれ?)
キョン「はよせんかぁ!!!」
朝倉「わかってるわよ!……よっ……と、ふぅ~成功」
キョン「なんだその中途半端な座り方はぁ!?座れっつったら正座だろうがぁ!!」
朝倉「あーもうわかったわよ……はい!」
キョン「よーし、それでは……とぅ!!」
朝倉「きゃっ!?」ポスン
キョン「ほわぁ……」
朝倉「あ、本当に膝枕で良いんだ」
キョン「当然だろ~……」
キョン「いやもうホント、『日本よ、これが膝枕だ!』って売り文句にしていいくらいの素晴らしさだぞ朝倉!」
朝倉「う、うん、そこまで喜んでもらえると流石に嬉しいけどその売り文句は止めた方が良いと思うわ……怒られそうだし」
キョン「しかしなんだこの膝枕は!?」
キョン「むっちりとしていてふわふわで、それでいてしっとりしていながらすべすべ!すばらしい柔らかさで包み込んでくれる一方で
そのまま沈んでいかないように支えるように反発するこの弾力との融合……」
キョン「これこそ正に、究極にして至高の膝枕!!」
朝倉「や、そんな目をキラキラさせながらそんなことを熱く語られても……」
キョン「いやいや朝倉、これほどの膝枕そうそうあるもんじゃない!誇っていいぞ」
朝倉「ふふっ、はいはい」ナデナデ
キョン「!?」
朝倉「な、なによそんな驚いた顔して……」
キョン「な、なんてことだ……THE膝枕はナデナデ機能まで付いているのか……!?」
キョン(どこの天国だこれは……後頭部には朝倉のむっちりふとももによる極上の感触……
そして頭頂部は朝倉の手によってナデナデされて目を開ければたゆんなおわんが2つ
しかピチピチなバニースーツによってピンと張り詰めた……そう射を構える弓道家の姿
を連想させる程に美しく張り詰めて……ああ、そういえばバニーも良いけど朝倉は袴も
似合いそうだな、袴に胸当て、手甲と弓そしてポニテ……次はこれで行こうそうしよう
っと話が逸れたいかんいかん。そう、たゆんだたゆん。そのたゆん二つの谷間から覗く
朝倉の慈愛顔に香ってくる朝倉のいい匂い……首から上がものっそい幸せやぁ~……)
朝倉「あ、そうだキョン君」
キョン「ん~……どうした~?」
朝倉「どうせだし耳かきしてあげよっか?膝枕には付き物なんでしょ?」
キョン「!?」
朝倉「だからなんでそんな驚いた顔するのよ……」
キョン「朝倉」
朝倉「はい?」
キョン「お前に教えることはもうない……これから先は自分で道を切り開くんだ、いいな?」
朝倉「何言ってるのか全然わかんないわ、キョン君……」
キョン「ああ、一番良いところを頼む……」
朝倉「ちょっと本気で何言ってるかわからないから取り合えずやっちゃうわね」
キョン「ああ」
朝倉「それじゃまずはこっち」コロン
キョン(ふむ……横向きになることでふとももの感触が頬に……これもまた、善し)
朝倉「む~、意外と綺麗にしているのねキョン君」コリコリ
キョン「ん~……そうか?」
朝倉「そうよ、耳垢とかほとんどないからやりがいがないかも……折角の初体験なのに」
朝倉「うん、そうだけど……痛かったりしない?」
キョン(初体験、いい響きだ……つまりあれか!?俺が朝倉の『初めて』を奪ってしまったというのか!?)
キョン「いやぁ、まいったなぁ……ハハハ」
朝倉「ちょ、ちょっとキョン君!急に動かないで危ないでしょ!?」
キョン「朝倉」
朝倉「はい?」
キョン「責任は取るからな」キリッ
朝倉「意味わかんないけど妄想は止めてね、気持ち悪いから」
キョン「はい……」
キョン「!?」
朝倉「むーやっぱり綺麗ねぇ……」
キョン「こ、これは……」
朝倉「ん……お、これは……」
キョン(この向き……視界一杯に広がる朝倉ボディー。おなかのラインの美しさを見ているだけで満足してしまいそうだ
しかぁし!この向きにおいてそんなものに気を取られてばかりは居られない……そう、ふとももの付け根……
その更に奥に!朝倉の!魅惑の!デルタゾーンがあるっ!!)
朝倉「結構大きそうな耳垢はっけーん♪」
キョン(しかも……そう、しかも今日の朝倉はハイレグなバニースーツを着用していることで倍の威力を所持している
そればかりかそのスーツがちょっとした変化に伴いかなり食い込み気味ということで更に倍!!
つまりは4倍の破壊力を誇る形で俺の目の前に存在しているってことだ!!)
朝倉「ん……ちょっとキョン君鼻息荒い、気持ち悪い」
キョン「ああ、すまんすまん」
ここは気を沈め心静にこの奇跡の光景を可能な限り楽しむんだ)
朝倉「む、手強いわねこいつ……」
キョン(そしてこの天国タイムは俺の耳垢が朝倉に屈した時終焉を迎えてしまうことが確定している
つまり、頑張れ俺の耳垢!負けるな俺の耳垢!俺の天国タイムを守るため、戦え耳垢!力の限り!)
朝倉「むむむ……」コリコリコリコリ
キョン(くっ、朝倉め流石に飲み込みが早い!大分手馴れてきた印象を受ける耳かきの動き……このままでは!)
朝倉「ん~……てりゃてりゃ」コリコリ
キョン(耳かきに集中するあまりてりゃてりゃとか言っちゃう朝倉が可愛すぎて負けてもいい気がしてきた)
朝倉「えいえい……………えいやっ!」コリコリコリ
キョン(朝倉は可愛いなあ!!!)
朝倉「…………あ」コリコリコ……ガリッ
キョン「アッー!!」
キョン「があああああああああああああ!耳が、耳がああああああああ!!」
朝倉「きゃ!?キョン君暴れないで、まだ耳に耳かきが……」
キョン「NOOOOOOOO!!!」ジタバタジタバタ
朝倉「んっ……ちょっと待ってキョン君。キョン君が動くとぁっ……服がんっ、ひっぱられっ、て……!!」
キョン「おぉぉぉおおおおおおおおお!?」
朝倉「キョン君、落ち着いて……んっ!本当にこのままじゃ服が……」
バツンッ
朝倉「あ……」
キョン「お?」
朝倉「……」
キョン「……」
キョン「oh……」
朝倉「い、い………」ウルウルウル
キョン(ヤバイ!朝倉の目が明らかに潤んできている!!このままでは爆発は免れない!!
ここは一つ何か気の利いた言葉をかけて朝倉を落ち着かせなければ!!)
キョン「朝倉」
朝倉「うっ……グスッ……」
キョン「ナイスプロポーション!綺麗な身体だな、最高だ!」bグッ
朝倉「いやああああああああああああああああああああああああああ!!」
ドグシャッ
キョン「はぶらっ!?」
朝倉「うぅぅぅぅぅ……………」
朝倉「キョ、キョン君が悪いんだからね!いくら宇宙人だからって女の子の裸見てあ、あんなこと言うなんて!」
キョン「」
朝倉「聞いてるの、キョン君!?」
キョン「」
朝倉「キョン君……?」
キョン「」チーン
朝倉「キョン君!?だ、大丈夫?」
へんじがない、ただのしかばねのようだ
朝倉「う、嘘……」
朝倉「そ、そうだ長門さん!長門さんに相談しないと!」
朝倉「長門さん!長門さーん!!」
長門「呼んだ?」
朝倉「あ、長門さん、大変なのよ!」
長門「何が?貴女の乳が?そんな丸出しにしてまで自慢したいか!!」グニッ!
朝倉「痛いっ!ちが、違うのよこれには事情があって……それよりキョン君が!!」
長門「ん、そういえば彼は?」
朝倉「その……そこに転がって……」
長門「? …………oh」
朝倉「ごめんなさいごめんなさごめんなさい!」
長門「一体何が?」
朝倉「それがその……着ていたのが胸のせいではちきれちゃって」
長門「……ふーん、そういうことなら胸の小さい私は協力できない」
朝倉「あっ、ち、違うの!胸は関係なくて!!」
長門「……で?」
朝倉「それでその……裸を見られて気が動転しちゃって、つい……」
長門「リミッターをかけずに全力でぶん殴ってしまった、と」
朝倉「はい」
長門「それで彼を生き返らせたい、と」
朝倉「うん、できる?」
朝倉「よかったぁ……」
長門「とはいえこのままでは危険なので早速再構成を開始する」
朝倉「そ、そうね!」
長門「それにしても昔の貴女からは考えられない反応と行動」
朝倉「う……ごめんなさい」
長門「やはり再構成されたときに組み込まれた感情プログラムに不備が?」
朝倉「そう……なのかな?」
長門「であるならば私一人では対応しかねる。統合思念体にプログラムの削除を」
朝倉「これって不備、なのかな?」
長門「……朝倉涼子?」
長門「同意する」
朝倉「なのに不思議と、嫌っていう感情が働いている感じはしなくて……」
長門「うん」
朝倉「嫌は嫌なんだけど……うーん、上手く説明できないわね」
長門「そう……」
朝倉「うあー、なんかもやもやする~」
長門「朝倉涼子」
朝倉「うん?」
長門「彼と……何がしたい?」
朝倉「キョン君と?うーん、そうねぇ…………あ、膝枕」
長門「膝枕?」
長門「……」
朝倉「そしたらキョン君がすっごく喜んでくれて……こっちまで嬉しくなっちゃってね
ああいう風にキョン君が喜んでくれるならまたしてあげたいなぁって」
長門「そう」
朝倉「あ、でも同じことを続けてやってもあんまり喜ばれないかしらね?」
長門「わからない」
朝倉「そっかぁ……」
長門「……」
朝倉「……」
長門「ん、再構成完了」
朝倉「よかった~……長門さん協力ありがとう」
長門「いい、問題ない」
長門「訂正、問題はある」
朝倉「え……?」
長門「損傷箇所が頭部中心だった為記憶に関する部分で欠落がある」
朝倉「そうなの……それってどの位の?」
長門「本日のことは全て欠落していると思われる。それ以外については問題ない」
朝倉「そう、なんだ……」
長門「残念?」
朝倉「残念、か……そうなのかも。今日はなんだかんだ言っても楽しかったから……その楽しかったのをキョン君と共有できなくなったていうのは」
長門「……」
朝倉「うん……寂しい、かな」
朝倉「うん?」
長門「だったらまた、してあげれば良い」
朝倉「長門さん……」
長門「それで足りなければ次もその次も。そうしている内に他にしたいことも出てくるかも知れない」
朝倉「他の?」
長門「そう。貴女は他の個体と違って新しい規格で生産された個体。
感情と経験を積むことが出来る貴女だから何かが生まれるかもしれない」
朝倉「うーん、自分では良くわかんないわね……」
長門「成長と言っても差し障りない体形の変化があったこともその作用かもしれない
これは確実に他の個体では見られない変化だから」
朝倉「おぉ、そう考えれば確かに」
涼宮ハルヒ及び彼に関わることでどの様な変化をきたすのかを調べるための個体と言って良い」
朝倉「……うん」
長門「だから、自分の思うように禁止されている行為に抵触しない程度に好きにやればいい」
朝倉「それでいい、のかな?」
長門「貴女が望み、貴女がやりたいと思うならそれには全て価値があるということ」
朝倉「それって自由すぎない?」
長門「それで良いといわれているのだから問題はない」
朝倉「それはそうかもしれないけど……」
長門「朝倉涼子、貴女は真面目すぎる」
朝倉「あはは、長門さんに言われたくないわよ」
長門「む……」
朝倉「でも……ありがと」
長門「うん」
長門「手伝う」
朝倉「良いわよ、これ以上迷惑かけても悪いし」
長門「構わない」
朝倉「私が構うのよ」
長門「そう」
朝倉「それじゃ行くわね」
長門「行ってらっしゃい」
朝倉「うん、いってきます」
朝倉「到着~」
朝倉「じゃ早速、キョン君の服をパジャマに構成して……ベッドに寝かせて……」
朝倉「……これで良し!」
キョン「Zzzzzz……」
朝倉「気持ち良さそうに寝ちゃって……ま、私たちがそうしたんだけどさ」
キョン「ん、んー……………あさ、くらぁ」
朝倉「ふふっ、私の夢、でも見てるのかな?……嬉しい、のかな?んーまだ良くわかんないわね」
キョン「Zzzzz……」
朝倉「それにしても本当に気持ち良さそう……」
朝倉「……」
朝倉「…………さっき長門さんともそんな話してたし、いいよね」
キョン「ん……んが……」
朝倉「ふふふ、お休みキョン君……」
pipipipipipi…
キョン「ん、ん~……朝、か……」
キョン「なんだかすっげー寝心地良かったような……?」
朝倉「おはよう、キョン君!」
キョン「へ!?……朝倉の声が上から?」
朝倉「えへへ……良く眠れた?」
キョン「あ?ああ……それはいいとして朝倉?」
朝倉「うん?」
キョン「お前は朝っぱらから人の家で何やってんだ?」
朝倉「膝枕っ!」
おわり
まぁいいや、寝る。お休み
良がったいがった
続きはよ
Entry ⇒ 2012.09.05 | Category ⇒ 涼宮ハルヒSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ドラえもん「エンドレスエイト!?」
ドラえもんはふとそう思った。
季節は夏、目の前には夏休み中ゴロゴロしているのび太が
やはり今日もゴロゴロとしていた(8月27日)
ドラえもん「もう!毎日ゴロゴロしてるけど、夏休みの宿題は終わったの!?」
のび太「全然~」
ドラえもん「二学期まで後5日しかないんだぞ!?いい加減始めたら!?」
のび太「30日になったらやるよ~」
ドラえもん「去年もそんな事言って最後の方に大変な思いをしたじゃないか!
そろそろ始めなさい!!」
のび太「もうっ!!うるさいんだよドラえもんは!!」
ドラえもん「うるさいとはなんだ!僕は君の事を思って!!」
のび太「うるさいったらうるさーい!!」
ドラえもん「全く君って奴は!!ジャイアンに殴られても知らないぞ!」
のび太「何で僕が宿題をやらないからってジャイアンが殴るのさ~?」
ドラえもん「?・・・・・はて?何ででしょう?」
ジャイアン&スネ夫「のーびー太ーくん」
のび太「噂をしてたらジャイアンとスネ夫が来た。どうしたんだろう?」
ドラえもん「う~ん・・・・・」
のび太「どうしたのドラえもん?」
ドラえもん「いや・・・何だか前にも似たような事があったような気が・・・」
のび太「ジャイアンとスネ夫なんてよく来るじゃない!
さっきからおかしいよドラえもん。僕、ちょっと出てくるからね」ダンダンダン
(のび太は玄関へと向かった)
ドラえもん「う~ん、それにしても強い既視感だ・・・。頭がグラグラする」
(ジャイアンとスネ夫と共にのび太が戻ってくる)
のび太「ドラえも~ん!あ、まだ唸ってる」
ドラえもん「あれ?どうしたのみんなして?外で遊ぶんじゃないの?」
のび太「スネ夫がみんなに話しがあるんだってさ」
ドラえもん「話?」
のび太「えーなになに!?気になるー」
スネ夫「ジャジャーン!!このチケットを見よ!!」
のび太「あぁ!?それってもしかして!?」
スネ夫「そう、豪華客船オーベロン号の乗船チケットさ!!」
ドラえもん「そういえばテレビでやってた!確か明後日の29日に東京湾に来るんだよね」
のび太「何でスネ夫がオーベロン号のチケットを持ってるの?」
スネ夫「ハハ、従兄弟がいらないっていうから貰ったんだw4枚もねw」
のび太「よ、4枚も!?」
スネ夫「そう、だから君達にも幸せを分けてやろうと思ってねw」
のび太「えぇ!?僕らも一緒に連れてってくれるの!?」
ドラえもん「良かったねーのび太くん!!」
のび太「うん!!まさかあんな豪華客船に乗れるなんて♪」
ジャイアン「ハハ、みんな俺に感謝しろよw」
スネ夫「もう!ジャイアンは関係ないじゃないか!」
のび母「いけません!!」
のび太「えぇ!?何で!?」
のび母「何で!?じゃありません!!夏休みの宿題も終わってないのに
泊りがけで遊びなんてママは絶対に許しません!!」
のび太「そんな~。オーベロン号だよ?ママも知ってるでしょ?
あんな凄い船に乗れる機会なんてこれが最初で最後かもしれないのに~」
のび母「どうしても遊びにいきたいのなら、ちゃんと明後日までに
宿題を終わらせなさい!!」
--------次の日(8月28日)
ジャイアン「なに!?宿題が終わらないと行けない!?ふざけんなー!!
意地でも来週までに終わらせろ!!でないと分かってんだろうな!!?」
のび太「そ、そんな事言っても・・・あの大量の宿題を1日でなんて無理だよ」
ジャイアン「うるせー!!やれったらやれー!!」
のび太「うわああああ」
ガンッ、ガンッ、バキッ
のび太「たらいま~」ドテッ
ドラえもん「あらら、また酷くやられたね」
のび太「来週までに宿題を終わらせなかったら殺されるよ~」
ドラえもん「こうなったら、死ぬ気で勉強するしかないね」
のび太「うぅ~~」
-----
--
-
(のび太はそれからドラえもんの手をかりながら
一生懸命勉強した・・・そして翌日、8月29日)
のび太「駄目だーー」ドテッ
ドラえもん「あ、あんなに頑張ったのに半分しか終わらないなんて」
ピンポーーーン
スネ夫「のーびーたーくん!」
ドラえもん「あれだけ頑張って終わらなかったんだ、もうしょうがないよ。
素直に僕らは行けないって謝るしかない」
のび太「そんな~!ジャイアンに殺されちゃうよ~」
のび母「のびちゃん、何をやってるの?スネ夫さん来てるわよ?」
ドラえもん「僕も一緒に謝るから、行こう?」
のび太「うぅ・・・」
のび母「ふー、全く・・・宿題はどこまで終わったの?」
ドラえもん「え・・・・えっと、7割くらいまでです」
のび母「7割?本当に!?」ギロッ
ドラえもん「え・・・・え~と6割くらいだったかな~ドゥフフフフ」
のび母「はー、まぁいいわ。昨日は張ってたみたいだし
特別に許してあげる」
のび太「ゆ、許すって・・・・じゃあ遊びに行っていいの!?」
のび母「ただし!!ちゃんと二学期までに残りを終わらせる事!!いいわね!?」
のび太「えぇ!?後4日しかないじゃない!?
それじゃ船の中でも勉強しろって言うの?そりゃないよ~」
ドラえもん「ドゥフフフフフ、分かりました!さ、行こうのび太くん!」
のび太「う~」
のび母「ちゃんと勉強するのよー!!」
バタンッ
スネ夫「もう、遅いじゃないか!でも出てくるって事は宿題は終わったんだね」
のび太「それがまだなんだ。船の中で勉強しろって・・・・」
スネ夫「えぇ!?あの豪華客船の中で!?」
ドラえもん「あれ?スネ夫くん、ジャイアンは?」
スネ夫「それが聞いてくれよ!!」
---------ジャイアン宅
ジャイアン「も~頼むよ母ちゃん!!」
ジャイ母「駄目だって言ってんだろ!!宿題もロクに終わってないのに!
ウダウダ言う暇があったら勉強しな!!」
ジャイアン「おぉ心の友よ!お前達も母ちゃんを説得してくれ」
ジャイ母「何が説得だい!諦めて勉強しな!」
ドラえもん「あ、あの・・・実はのび太くんも宿題はまだなんです。
ですので残り4日間、みんなを一緒に船の中で勉強させようと思いまして・・・」
ジャイ母「勉強なら何も船の中じゃなくても出来るじゃないか!」
ドラえもん「え・・・えぇ、それはそうなんですけど・・・」
ジャイ母「ふぅ、まぁいいわ。ドラちゃんがそう言うなら許可してあげる」
ジャイアン「えぇ!?本当に良いのか母ちゃん!?」
ジャイ母「その代わり、ちゃんと船の中で勉強すんだよ!!
二学期までに全部終わってなかったら承知しないからね!!」
ジャイアン「わ・・・・分かったよも~」
ドラえもん「よし、じゃあ行こう!」
ジャイ母「ドラちゃん、剛の事ちゃんと監督してちょうだいね」
ドラえもん「は、はい!勿論です」
スネ夫「みんな早くしないと出航時間に間に合わなくなるぞ!」
スネ夫「前に12時って言っただろ!!」
ジャイアン「それで、今何時なんだ?」
スネ夫「もう10時だよ!急がないと!」
のび太「ねぇ、スネ夫。その時計針動いてないよ?」
スネ夫「なに!?わっ、本当だ!!」
ジャイアン「えぇ!?じゃあ本当は今何時なんだよ!?」
ドラえもん「『普通の時計ー!』えーと、只今11時20分」
のび太「じゅ、11時20分!?それじゃもう12時までに行くのは無理だよー」
ジャイアン「おいスネ夫!!お前の時計が壊れてるばっかりに
みんな間に合わなくなっちゃったじゃねーか!!」
スネ夫「元はといえばジャイアンが宿題をやってなかったのが原因じゃないか!」
ジャイアン「うるせーー!!」ゴツンッ
スネ夫「イテッ!!」
ドラえもん「は~、みんな何か忘れてない?」
ドラえもん「あのね~、僕は22世紀のロボットですよ!!」
スネ夫「あっ、そうか!どこでもドアを使えばいいのか!」
ジャイアン「そういえばそうだな。コロッと忘れてたぜ」
ドラえもん「全く君達は・・・・ブツブツ・・・『どこでもドアー!』」ドスンッ
のび太「はー助かった!これなら出航に間に合うね」
ドラえもん「一応聞いておくけど、みんな忘れ物はないね?」
のび&スネ&ジャイ「ないでーす!」
ドラえもん「では行きましょう!!いざ、東京湾!オーベロン号へ」ガチャッ
-----------
-------
---
------何かがおかしい
キョンはふとそう思った。現在彼は豪華客船オーベロン号船内にある個室にいる
目の前には同じSOS団の団員である古泉がいる
キョン「はぁ~~~」
古泉「おや、随分大きな溜息ですね。何か嫌な事でも?」
こちとら宿題も終わってないってのに、勘弁してほしいぜ」
古泉「まぁ、確かに急なことではありましたね。涼宮さんから電話がかかってきたのが27日で
僕達が神戸港を出港したのが28日。流石に準備に手惑いましたよ」
キョン「急に電話してきて『明日から31日まで豪華客船で遊ぶわよ!』だもんな~。
商店街のくじ引きで5枚もチケット当てちまうなんて、どうなってんだかなあいつは」
古泉「涼宮さんがそう願ったからこそ、そのような奇跡的な芸当が出来たのでしょう。
恐らく彼女はあのまま夏休みが終了する事が嫌だったのでしょう」
キョン「夏休みに入ったと同時にお前の知り合いの別荘で充分楽しんだじゃないか。
他に何が物足りないっていうんだあの女は?」
古泉「さあ。それが分かるのは、恐らく涼宮さん本人だけだと思いますよ」
ピンポンパンポーン
--間もなく東京湾に到着致します。間もなく東京湾に到着します
キョン「ようやく折り返し地点か」
古泉「帰路もこのまま何事もなければいいのですが・・・」
キョン「それは無理な話だな。ハルヒの奴がいる限り必ず何かは起こる」
ガチャッ
ハルヒ「やっほーーーーーー!!!」
古泉「あはは・・・」
ハルヒ「何よあんた?私の噂してたの?」
キョン「まぁな。偉大な団長様のお陰でこんな豪華客船に乗るとこが出来て
光栄だって事を古泉と二人で話してたところだ。」
ハルヒ「あらそう♪それより二人とも、外に行くわよ!」
キョン「外?東京見物でもする気か?残念だがこの船はそう長く停泊しないぞ」
ハルヒ「違うわよ!東京湾からも大勢の人が乗船するのよ!?
その中に宇宙人や未来人がいるかもしれないじゃない!」
キョン「お前はこんな所に来てまで不思議探しをするつもりか・・・」
ハルヒ「当たり前じゃない!兵庫にはいなくても東京にはいるかもしれないのよ!?
むしろ人口が多い分東京の方が不思議な奴がいる確率は高いと思うわ!」
キョン「そういう確率が人口の多さに比例するとは初耳だが」
ハルヒ「ごちゃごちゃ言わないでさっさと行くわよ!もしかしたら宇宙人や未来人以上の
もっと凄いのが乗り込んでくるかもしれないわよ!!いえ、きっとそうだわ!!」
キョン「はぁ~~、もっと凄いのってのは具体的にどんな奴なんだ?」
ハルヒ「そうね~・・・・・・未来から来たネコ型ロボットってのはどう!?」
ハルヒ「いいから早く来なさい!先に行ってるわよ!」
バタンッ
キョン「全く台風のような女だ・・・」
古泉「・・・・・・・・・」
キョン「ん?どうした古泉?」
古泉「あ、いえ・・・・少々気になることがありましてね・・・」
キョン「気になる事?」
古泉「大した事ではありませんよ。恐らく僕の勘違いだと思います」
キョン「そうかい。それじゃ行くぞ、あんまり団長様を待たせると後が面倒だからな」
古泉「はは、そうですね」
--------東京湾
のび太「うわ~~~~~~!」
ジャイアン「すげー・・・・俺達本当にこれに乗れるのかよ?」
ドラえもん「いや~凄い!なんて大きな船なんだ・・・・」
ジャイアン「ところでスネ夫、東京湾を出航したら次は何処へ行くんだ?」
スネ夫「ここを出たら終着点の神戸港までノンストップだよ」
のび太「神戸港!?じゃあ僕らは神戸からどうやって帰るのさ?」
ドラえもん「どこでもドアがあるでしょ!」
のび太「あ、そうだった」
スネ夫「今日が29日で神戸港到着は31日だから僕らは二泊三日さ」
のび太「二泊三日!?そんなに遊べるなんて嬉しいなー!!」
ドラえもん「のび太くん!!忘れてるの?遊ぶだけじゃなくて宿題を終わらせないと!!」
のび太「わ、分かってるよ~」
ジャイアン「嫌な事思い出させんなよな~」
ドラえもん「僕は二人を監督するように頼まれてるんだ!絶対にやってもらうからね!」
のび太「分かってるったら~」
スネ夫「さ、早く船に乗ろうよ!もうすぐ出航だよ!」
ハルヒ「いいことみくるちゃん!少しでも怪しい奴がいたらすぐに私に言うのよ!」
みくる「は、はぁ~い」
ハルヒ「有希もいいわね?」
長門「・・・」コクッ
キョン「はぁ、やっとここに来れたか」
ハルヒ「遅いわよキョン、古泉くん!!」
古泉「すいません、未だにこの船の大きさに慣れないもので。
ここに来る途中道に迷ってしまいました」
ハルヒ「大きいって言っても所詮船じゃない。私はもう慣れたわ」
キョン「昨日朝比奈さんを連れまわして一日中船の中を探検してたんだろ?
そりゃまぁ慣れるだろうよ」
ハルヒ「結構いろいろな施設があったわよ!ボーリング場やカラオケ、カジノに
プール、あとパターゴルフ場やバッティングセンターまであったわ!」
キョン「全てを今日明日中に回るのは無理だな。どれかに絞ろう」
ハルヒ「はぁ?何言ってんのよアンタ?全部回るに決まってるじゃない!」
キョン「・・・・・全部だと?」
私は絶対に船を下りないわよ!」
キョン「(お前が満喫しようがしまいが、神戸港に着いた時点で強制的に
下ろされることになるんだが・・・)」
ハルヒ「そんな事よりさっさとアンタも探しなさいよ!」
キョン「はっ、ネコ型ロボットをか?んなもんいるわけないだろ」
ハルヒ「いいえ、きっといるわ!私には分かるの!」
キョン「万が一いたとしても、俺はそんな奇妙なもんと関わりたくないね」
ハルヒ「いたわ!!」
キョン「なに!?」
ハルヒ「ほらほらあれ!!あの青くて丸い奴!!あれってネコっぽくないかしら?」
キョン「いや、ネコというよりは寧ろタヌキに近いと思うが(というかそもそもあれは何だ?)」
ハルヒ「この際タヌキ型ロボットでもいいわ!早速捕まえに行きましょう!
行くわよみくるちゃん!」ダッタッタッタ
キョン「あっ、おいハルヒ!」
古泉「ちょっと待ってください!」
キョン「何だ!?今はあの馬鹿女の暴走を止めないと」
長門さん、あの青いのは人間ですか?」
長門「・・・・・・人間ではない」
キョン「なに!?まさか本当にロボットって言うんじゃないだろうな?」
長門「・・・・・そう」
キョン「なっ・・・・・・」
古泉「ネコ型かどうかはさておき、ロボットという事は確かなようですね。
恐らく僕や朝比奈さんや長門さん同様、涼宮さんが望んだからこそ
現れた存在と言えるでしょう」
キョン「なんてこった・・・」
古泉「問題は、涼宮さんがそれを認識してしまってる事です」
キョン「どういうことだ?」
古泉「僕や長門さんや朝比奈さんは、涼宮さんが望んでいる超能力者であり宇宙人であり
未来人ですが、涼宮さんはそれを知りません。ただの人間だと思っています。ところが今回は・・・」
キョン「おもいっきりロボットだって事を認識しちまってるか・・・。まぁ誰が見ても人間には見えないしな」
古泉「ええ、これはかなり危険です。涼宮さんの望んだ事が実際に実現されている事を
彼女が認識してしまったら、この世界がどうなってしまうか想像も出来ません」
同時に頭の何処かでそんな事あるわけが無いという考えを持っている」
キョン「そこに関しては議論の余地がある」
古泉「しかし、このままネコ型ロボットなる物が本当に存在すると認識してしまったら
涼宮さんの中にある常識的な部分が欠落し、より多くの不思議を求めることになるでしょう
そうなったら、大規模な世界改変が起きる可能性もあります。」
キョン「何であいつはこうも毎回トラブルを呼び込むのかね」
古泉「とにかく、このままあのロボットと涼宮さんを接触させるのは危険です!
我々で何とか誤魔化しましょう!」
キョン「誤魔化すったってな~。アドリブで何とかなるようなもんでもないぞ?」
古泉「それでも何とかするしかありません。とにかく急ぎましょう」
キョン「長門はどうする?」
長門「・・・・・いい」
キョン「そうか、じゃあお前はここで待っててくれ」
長門「・・・・・」コクッ
のび太「うわー中も凄い綺麗だねー」
ドラえもん「本当、まるで高級ホテルだ」
スネ夫「この先に中央ホールがあるらしい!
そこの受付で部屋を割り振られるらしいよ」
ジャイアン「早く行こうぜー!」
ハルヒ「見つけたー!!」ガバッ
(ハルヒはドラえもんに抱きついた)
ドラえもん「うわっ!何だ何だ!?」
ハルヒ「遂に捕まえたわよ!!みくるちゃん、あなたも手伝いなさい!」
みくる「ふぁ、ふぁ~い」ヘナヘナ
ハルヒ「さぁ、大人しく私の所へ来なさい!」
のび太「な、何言ってるんだよ~!ドラえもんから離れろ!」
ハルヒ「へー、あなたドラえもんって言うの。なかなか可愛い名前じゃない」
ドラえもん「そ、それはどうも・・・・あの~、僕に何の御用でしょうか?」
あなた、ネコ型ロボットでしょ?面白いから私と一緒に遊びましょう!」
ドラえもん「・・・・あなたは僕をネコ型だと思うんですか?」
ハルヒ「勿論よ!他に何に見えるって言うのよ?」
ドラえもん「うわ~ん(涙)いつもいつもタヌキと間違われるのに、一発でネコだって
分かってくれる人がいてくれた!うわ~ん(涙)」
ハルヒ「安心しなさい!私にはどう見てもネコにしか見えないわ!もっと自信を持ちなさい」
ドラえもん「ありがとうございますぅ~(涙)」
のび太「ドラえもん、泣いてる場合じゃないだろ!」
ハルヒ「一応確認するけどドラえもん、あなたロボットよね?人間じゃないわよね?」
ドラえもん「は、はい!僕は未来からきたネ」
みくる「ふぁ~~~~~~~~~!!!」
ドラえもん「わっ!ビックリした!」
ハルヒ「もうみくるちゃん、今大事な事聞いてるんだから静かにして!で、何だって?」
みくる「あわわわ・・・・」
ドラえもん「僕は未来から来た」
ドラえもん「・・・・えぇ?」
ハルヒ「キョン!?マスコットキャラクターって何の事よ!?」
古泉「どうやら彼はこの船のマスコットキャラクターのようですよ。
先程受け付けの方がそう言ってました」
ハルヒ「はぁ!?じゃあ何?これは着ぐるみだって言うの?」
キョン「そりゃそうだろ。お前は本当にロボットだと思ってたのか?現代の科学で
こんな器用に動いて喋れるロボットなんて作れるはずないだろ?」
ハルヒ「未来から来たロボットかもしれないじゃない?」
キョン「何でもかんでも無理矢理自分の解釈に合うような考え方をするな。
こいつはこの船のマスコットだ。船員の人がそう言ったんだから間違いない!」
のび太「ドラえもんがマスコット?」
ジャイアン「スネ夫、マスカットって何だ?」
スネ夫「ジャイアン、マスカットじゃなくてマスコット!
イベントとかのシンボルみたいなもんだよ」
ドラえもん「失礼な!!僕はマスコットなんかじゃ」
(その時古泉がアイコンタクトをしながら首を横に振っているのを見て
ドラえもんは言おうとしていた事を途中で止めた)
古泉「・・・・・」(古泉のアイコンタクトは続く)
ドラえもん「・・・・いいえ、僕はこの船のマスコットキャラクターのドラえもんです!」
スネ夫「えぇ!?」
のび太「な、何言ってるんだよドラえもん!?」
ジャイアン「遂にドラえもんが壊れたぞ!」
ドラえもん「みんな静かに、きっと事情があるんだろうから
ここはあの人達に話を合わせて!」
(ドラえもんはハルヒに聞こえないよう小声で三人へと話す)
ハルヒ「な~んだ、つまらないわ。今回は本当にやったと思ったのに・・・・」
みくる「ふぅ~」ホッ
キョン「だから言っただろう。まぁ気にするな、これ程精巧な着ぐるみなら
間違えてもおかしくはない」
ハルヒ「ねぇ、中の人顔見せてくれない?」
キョン「急に何を言い出すんだお前は?」
ハルヒ「だってこんなに小さいのよ?中に入ってる人は間違いなく子供じゃない!
労働基準法に違反してるわ!雇い主を訴えましょう!さ、早く出てきなさい!」
ドラえもん「イタタタタタタ!!!」
ハルヒ「おっかしいわね~、全然取れないわよこの着ぐるみ!」
キョン「止めろこのアホ!」ビシッ
ハルヒ「イタッ!ちょっとキョン、邪魔しないでよ!!」
キョン「周りをよく見ろ、子供達がいるじゃないか。お前は彼らの目の前で
ドラえもんの着ぐるみを引っぺがすつもりか?」
ハルヒ「・・・・」
キョン「中の人なんていない。ドラえもんはドラえもんだ。
大人なら、子供達の夢を壊すようなことは勿論しないよな?」
ハルヒ「フン、当たり前じゃない!まぁいいわ、せっかく知り合ったんだし
今日からあなた達をSOS団の仮団員にしてあげるわ♪」
のび太「何ですか、そのエスオーエス団って?」
ハルヒ「世界を大いに盛り上げる為の涼宮ハルヒの団!それがSOS団よ!
仮とは言え入団できる事を誇りに思いなさい!」
スネ夫「冗談じゃないよ!そんなおかしな団に付き合ってる暇はないんだ!
僕らは僕らで自由にこの船を満喫させてもらうからね!」
ジャイアン「そうだそうだ!」
私の言う通りにしなさい!」
ジャイアン「へ、嫌なこった!」
スネ夫「だいたい、その何とかって団に入って僕らに何のメリットがるのさ!?」
ハルヒ「あくまで逆らうつもりね。いいわ、じゃあそこの大きい君!私と腕相撲しましょ」
ジャイアン「腕相撲?」
ハルヒ「そ、私が負けたらアンタ達は自由。私が勝ったら有無言わずSOS団に入ってもらうわよ」
ジャイアン「おもしれぇ!年上だからって俺が女の子に負けるわけがねー!」
スネ夫「ハハ!ジャイアン、ケチョンケチョンにしてやりなよw」
ハルヒ「決まりね!古泉くん、審判やって!」
古泉「分かりました」
キョン「(まずい展開になってきたな・・・)」
古泉「それでは両者右腕をこのテーブルに乗せてください」
ギュウッ
古泉「では用意はいいですか?いきますよ。レディー・・・・・ゴー!!」
(勝負は開始の合図と共に一瞬でついた)
キョン「(やっぱりこうなったか・・・)」
ハルヒ「ふふーん♪私の勝ちね♪」
ジャイアン「つ、強い・・・・・」
スネ夫「はー、ジャイアンが負けた」
のび太「信じられない!」
ハルヒ「約束は守ってもらうわよ!今日からあなた達はSOS団の仮団員!
神戸港到着まで私と一緒に遊ぶの!いいわね?」
ジャイアン「お、男に二言はないぜ」
ハルヒ「随分潔いじゃない!それじゃみんなさっさと受付を済ませて
部屋に荷物を置いてきちゃいなさい!それが終わったら中央ホールに集合!いいわね?」
のび太「わ、分かりました」
ジャイアン「分かった」
スネ夫「も~、何でこうなるんだ!」
キョン「あいつならまださっきまで俺達がいた所にいるぞ」
ハルヒ「そう、じゃあ私は有希を呼んでくるから!みんな早く準備しなさいよね!」
(ハルヒは長門の元へと向かった)
キョン「はぁ~~~」
古泉「何とか誤魔化せましたね」
みくる「よかったですぅ~、あのままだったらきっと大変な事になってました!」
ドラえもん「あの~」
キョン「さっきは悪かったな。ああするしか無かったんだ。許してくれ」
ドラえもん「それは別にいいんですが、その・・・」
古泉「詳しい説明をしますので、部屋に荷物を置いたら待ち合わせ場所に行く前に
僕の部屋に来てくれませんか?僕の部屋は6階のBエリアにある589号室です」
ドラえもん「分かりました!それじゃみんな行こう!」
(ドラえもん達は中央ホールへと向かった)
キョン「これから先どうなる事やら・・・・」
古泉「涼宮さんが絡んでる以上、何事も無くというのはあなたの言う通りありえないようですね」
コンコンッ
古泉「どうぞ」
ガチャッ
ドラえもん「お邪魔します」
のび太「お邪魔しまーす」
古泉「お待ちしてましたよ。どうぞ、適当な所にかけてください」
スネ夫「僕らの部屋とあんまり変わらないね」
ジャイアン「何処も同じような作りなんだろ」
ドラえもん「それでは説明をお願いします。どうしてあの人に嘘をついたんですか?」
古泉「その説明をするにはまず、涼宮さんや僕についての説明をしなければなりません」
ドラえもん「お願いします」
古泉「では端的に説明しましょう。僕は超能力者です」
のび太「えぇ!?」
ジャイアン「超能力者?」
ドラえもん「未来人に宇宙人・・・・」
のび太「急にそんな事言われても信じられないよ!」
スネ夫「そうだそうだ!本当に超能力者だって言うなら、何か証拠見せてよ!」
古泉「残念ながら、通常僕には何の力もありません。僕が特殊な力を発揮するのは
ある条件下にある時だけなんです」
ドラえもん「それで、そっちの人は何なんですか?」
キョン「ん?俺か?俺は普通の人間だ」
古泉「えぇ、彼は普通の人間です。そして先程まで一緒にいた涼宮さんなんですが・・・
彼女には不思議な力があります」
ドラえもん「何ですかその力っていうのは?」
古泉「涼宮さんには、自分の願望を現実に反映させる事が出来るんです」
ドラえもん「どういう意味ですか?」
古泉「例えば、涼宮さんが宇宙人や未来人、超能力者と一緒に遊びたいと願えば、
そこに僕や朝比奈さんが集まり、ネコ型ロボットと遊びたいと思えば、今回のように
ドラえもんさんがこの船に乗ってきたりする。これらの事に涼宮さん本人は無自覚ですがね」
ドラえもん「僕がこの船に乗ったのは涼宮さんの力が原因だって事ですか?」
この世に誕生したという可能性もあります」
のび太「そんなのおかしいよ!ドラえもんはず~と僕と一緒にいたんだ!」
古泉「始めからそういった記憶を植えつけられているという可能性もあります。
極端な話をすると、この世界自体が昨日出来た可能性だってあるんです。
一人一人にそれまでの記憶を持たされた形で」
スネ夫「そ、そんな事あるわけないだろ!」
古泉「僕は昔まで普通の人間でした。ある日を境に急に自分が超能力者だという事に
気づいたのです。恐らくこれは、その時に涼宮さんが超能力者の存在を願ったからだと思われます。
もっとも、それに僕が選ばれたのは全くの偶然でしょうが」
のび太「それじゃまるで神様じゃないですか?」
古泉「そう、我々・・・・と言ってもここにいる方々ではなく僕と同じ超能力者で結成されている
機関という組織では、涼宮さんを『神』であるという考え方をとっています」
ジャイアン「えぇ!?じゃあ本当にあの人は神様なんですか?」
キョン「あまりこいつの言う事を信用しちゃいかんぞ。あいつが特殊な能力を持っている
という辺りはその通りだが、神だなんて思ってるのはその機関の連中だけだ」
古泉「仰るとおりです。涼宮さんが何者であるかという考え方に関しては、未来人、超能力者
宇宙人、それぞれ全く別の考え方を持っています。少々持論を押し付けがましく展開しすぎましたね」
ドラえもん「う~~ん」
みくる「あのぉ~、ドラえもんさんって22世紀から来たロボットさんですよね?」
ドラえもん「はい、そうですけど。どうして分かったんですか?」
みくる「さっき古泉くんが言ったとおり、私も未来から来ましたから。
と言ってもドラえもんさんよりももうちょっと先の未来からですけど」
ドラえもん「22世紀よりも先の未来!?」
みくる「22世紀ならタイムマシンもあるし、きっと分かると思いますけど
今から約三年前の○月○日に大規模な時間振動があったのはご存知ですか?」
ドラえもん「三年前って事は○○年ですよね。その年の○月○日・・・・
あっ!思い出した、確かロボット学校に通ってる時歴史の授業で習った!」
古泉「僕はその時間変動と同時に自分が超能力者である事に気づきました。
いや、正確には超能力者である事にされたと言うべきでしょうか。
そしてその時間振動の中心にいたのが涼宮さんです。」
ドラえもん「22世紀ではまだその時間振動が何だったのかや、誰によって引き起こされた
ものなのかどうかまでは分かってませんよ?」
古泉「恐らく一般の方々が理解するにはもう少し時間がいるのでしょう。
朝比奈さんは先程言った通りドラえもんさんよりも先の未来から来たそうですし。
僕らががそれを認識できるのは・・・・何故でしょうね。不思議な事に超能力者だと気づいた時から
これは涼宮ハルヒという人物による仕業だということが頭に入っていました」
みくる「信じてください。でないと・・・・困りますぅ~」
ドラえもん「分かりました、信じます。」
古泉「ありがとうございます」
キョン「いくらなんでも物分り良すぎないか?俺は諸々信じるのにかなり時間がかかったぞ?」
古泉「彼は未来のロボットですからね。時間振動という一般の人間には決して
知りえない情報が我々の口から出た以上、それだけで信じる事が出来るんですよ」
スネ夫「信じられない・・・・あの凶暴な女の子が神様だなんて」
ジャイアン「どうりで強いわけだぜ・・・」
キョン「おいそこ、古泉に毒されすぎだぞ」
古泉「そこで、ここからが本題なのですが・・・この船に乗っている間
我々に協力してくれませんか?」
ドラえもん「協力って具体的に何をすればいいんですか?」
古泉「簡単な事です。先程まで同様、ドラえもんさんにはあくまでこの船の
マスコットキャラクターを演じてもらいたいのです」
ドラえもん「それは別に構いませんけど・・・何でですか?」
という点においては考えが同じなのです。ですから、ドラえもんさんをネコ型ロボットだと
彼女に認識させるわけにはいきません。だから誤魔化す必要があるんです。」
スネ夫「もしあの人が自分の力の事を認識しちゃったらどうなるの?」
古泉「これまでに無い巨大な時間振動と共に、この世界全体を改変してしまう
恐れがあります。我々としてはそれだけは何とか避けたいのです」
のび太「せ、世界を改変?」
古泉「ですから、どうかご協力をお願いしたいのですが」
スネ夫「ドラえもん、協力しようよ!」
のび太「そうだよ、世界を改変されたら僕達消えちゃうかもしれないよ!」
ドラえもん「そうだね。分かりました、協力します!」
古泉「ありがとうございます」
キョン「ようやく話がついたな。じゃ、そろそろ中央ホールへ行くか。
あんまり待たせてまた閉鎖空間でも出されたら敵わんからな」
古泉「ですね」
ドラえもん「閉鎖空間?」
古泉「涼宮さんの精神状態が不安定になると現れる空間の事です。
僕が超能力を使える唯一の空間でもあります」
行動や言動は控えてもらえないでしょうか?特にそちらの御二人は・・・」
ジャイアン「その何とか空間ってのが現れるからですか?」
古泉「えぇ。よろしくお願いします」
スネ夫「神様かもしれない相手に口答えなんて出来ないよ。ね、ジャイアン?」
ジャイアン「それにあの人強いしな~」
古泉「ご協力感謝します」
キョン「おい、いい加減いくぞ!本当に閉鎖空間が出現しちまう」
古泉「そうですね、では行きましょう。」
ガチャッ
のび太「は~、またとんでもない事件に巻き込まれちゃったねドラえもん」
ドラえもん「う~~ん」
のび太「どうしたのさ急に唸りだして」
ドラえもん「いや、前にも何か似たような事があったような無かったような・・・」
のび太「あれ?そう言われるとなんだか僕もそんな気がしてきた」
ドラえもん「ま、何かの気のせいだと思う。気にせず早く行こう」
ハルヒ「あっ!やっと来たわねアンタ達!いったい何をしてたのよ!!」
キョン「ちょっくら野暮用でな」
ハルヒ「何が野暮用よ!下っ端団員がそれでいいと思ってるの?
罰として今日の夜ご飯はキョン、アンタが全員分奢りなさい!」
キョン「なっ・・・全員分ってこいつらも含めてか!?」
ハルヒ「当たり前じゃない。この子達も仮とはいえもう立派なSOS団の団員なのよ?」
キョン「orz」
ハルヒ「それじゃみんな、まずは自己紹介から始めましょう!
そこでうな垂れてるのがキョン!そして私はこのSOS団の団長涼宮ハルヒよ、よろしくね♪」
古泉「古泉一樹です。よろしくお願いします」
みくる「朝比奈みくるです。仲良くしてくださいね♪」
長門「・・・・・・・長門有希」
ドラえもん「(この人が宇宙人か)」
のび太「僕、野比のび太です!」
ジャイアン「剛田たけし!ジャイアンと呼んでくれ!」
ドラえもん「僕ドラえもんです!」
ハルヒ「あら、ドラえもんはずっとその着ぐるみを着たままでいるの?」
ドラえもん「え!?えぇ、まぁ」
キョン「船に乗っている以上、寝る時以外は常に着ていろと言われてるそうだ」
ハルヒ「随分徹底してるのね。流石はオーベロン号といったところかしらね」
キョン「で、これから何をしようっていうんだお前は?」
ハルヒ「ふふーん♪これを見なさい!」バンッ
(ハルヒは持っていたチラシのようなものをキョン達に見せた)
キョン「オーベロン号主催、第3回グループ対抗超人選手権?」
ハルヒ「そっ♪どう?面白そうでしょ?」
キョン「まさかこれに参加しようというつもりじゃないだろうな?」
ハルヒ「勿論そのつもりよ!もう参加登録してきちゃったし」
キョン「なに!?」
ハルヒ「SOS団チームは9名で登録してきたわ!総合優勝賞金はなんと1000万円よ!」
ジャイアン「い、1000万円!?」
ハルヒ「そう、だからアンタ達もやる気を出しなさい!絶対に優勝するの!」
ジャイアン「おもしれ~!やってやろうじゃね~か!な、スネ夫!」
スネ夫「オッケー!」
ハルヒ「いいわ、その意気よ!」
のび太「ドラえもん、優勝したらママに高価なプレゼントが買えるね!」
ドラえもん「うん!頑張ろうのび太くん!」
ハルヒ「安心しなさい!この私がいる限りもう優勝は確約されてるようなものなの!
今の内に1000万の使い道を決めておくといいわ♪」
キョン「(どこからそんな根拠のない自信が出てくるんだこいつは・・・)」
古泉「ところで、チーム対抗というのは分かりましたが、どのような競技で
競い合うのですか?」
キョン「ここに詳しく書いてあるぞ」
・ポーカー(4階カジノルーム)午前中
・カラオケ(6階カラオケルーム)午前中
・射的(5階射的ルーム)午後
・ホームラン競争(5階バッティングセンター)午後
・水泳100m自由形(8階競技用プール)午前中
・パターゴルフ(11階ブリッジ)午後
・クイズ(中央ホール)午後
古泉「なるほど、全7種目ですか・・・結構多いですね」
キョン「中にはこれで何を競うんだってツッコミを入れたくなるようなやつもあるな」
古泉「カラオケの事ですか?詳細によると、どうやら音楽事務所の人間が採点をし
最も得点の高かった者を優勝とするシステムのようです。割と単純ですね」
ジャイアン「音楽事務所!?じゃあ俺それに参加しまーーす!!」
ドラ&のび&スネ「えぇ!!?」
ハルヒ「あら、ジャイアンは歌に自信があるの?」
ジャイアン「勿論です!こっちは任せてください!!」
ハルヒ「いいわ!じゃあカラオケ大会はジャイアンで決まりね!」
スネ夫「い、いや・・・・それは止めといた方が・・・」
ジャイアン「何か文句あんのかぁ!?」
のび&スネ「うぅ、無い」
ハルヒ「でもまぁ一人だけってのも心配ね。みくるちゃん、あなたも参加しなさい」
みくる「ふぇ~!?わ、私がですか!?」
ハルヒ「そっ♪その美貌と美声で審査員をメロメロにしちゃいなさい♪」
みくる「わ、私人前で歌なんか歌えませ~ん」
ハルヒ「大丈夫よ!みくるちゃんボイスならきっといい線行くと思うわ!頑張りなさい!」
みくる「ふぇ~・・・・」
ハルヒ「あと何か、これは自分がやるんだってのがあるなら言ってちょうだい!」
のび太「じゃあ僕は射的をやろうかな」
ドラえもん「そうだね、のび太くんは射的の名人だし!」
ハルヒ「へー、それは期待できそうね!私もやりたいから射的はのび太とドラえもんと私ね」
古泉「では僕は水泳をやりましょう」
(ハルヒはチラシの裏にメモを取り始めた)
ジャイアン「ホームラン競争も俺に任せてくれ!スネ夫も行くだろ!?」
スネ夫「勿論!あと僕はゴルフもやってみようかな。一応経験者だし」
ハルヒ「OK♪ホームラン競争はジャイアンとスネ夫、そして私っと!スネ夫はゴルフもね」カキカキ
キョン「随分スムーズに決まっていくなおい!ところで長門は何かやりたいのはあるのか?」
長門「・・・・・・・・・ゴルフ」
キョン「おぉ・・・これはまた何と言うか・・・一番意外なのをもってきたな」
ハルヒ「有希もゴルフっと」カキカキ
キョン「じゃあ俺は残ったクイズかポーカーのどれかだな」
ハルヒ「アンタはどっちも出なさい!」
キョン「Why?何故?」
ハルヒ「一番下っ端のアンタが一種目しか出ないなんて許されるとでも思ってるの!?」
キョン「(あまり言いたくは無いが、一番の下っ端は仮団員であるこいつらじゃないのか?)」
キョン「言っておくが、俺はクイズと名のつくものは大の苦手だぞ」
ハルヒ「安心しなさいよ、私も一緒に出てあげるから♪
ポーカーの方はドラえもん、あなたがキョンをサポートしてね!」
ドラえもん「え?は、はい」
キョン「すまないがそういう事らしい、よろしく頼むなドラえもん」
ドラえもん「いえ、こちらこそ!」
ハルヒ「早速各競技の登録名簿を出してくるわ!大会は明日30日の朝9時から夜の7時までよ!
今日はこの後みんなでご飯を食べたら解散!自分の部屋でゆっくり英気を養いなさい!
ぜーーったいに優勝するわよ!エイ、エイ、オーーッ!!」
のび&スネ&ジャイ「エイ、エイ、オーーッ!!」
キョン「・・・・以外と子供受けするんだな、あいつは」
古泉「そのようですね。これなら閉鎖空間出現の可能性は回避できそうです」
長門「・・・・・・・」
キョン「ん?」
(その時キョンの目には長門の表情がいつもと微妙に違く見えた
何処か疲れているような、そんな顔に見えたが
勘違いであろうと思いキョンはすぐ目線を変えた)
キョン「まさかこんなにいくとはな・・・・9人分支払って会計が3万・・・。はぁ~」
コンコンッ
キョン「はい?」
古泉「僕です。少々よろしいでしょうか?」
キョン「開けていいぞ」
ガチャッ
古泉「突然すいません」
キョン「何のようだ?夕食代に3万も使わされた俺を哀れみにでも来たのか?」
古泉「いえ、実は今少々面倒な事になっていましてね。
あなたの耳にも入れておいた方がいいと思いまして」
キョン「これ以上何の面倒事があるっていうんだ・・・・」
古泉「ここでは涼宮さんが来てしまう可能性がありますので、場所を変えましょう。
僕について来てください」
キョン「はぁ~」
ガチャッ
ガチャッ
古泉「彼をつれてきました」
キョン「おい、こんな所勝手に入っていいのか?」
古泉「いいとは思いませんが、非常時ですので」
キョン「お前な~・・・・ん?ドラえもん達もいるのか!?」
ドラえもん「僕達も急に古泉さんにここへ連れてこられたんです」
キョン「そりゃ災難だったな・・・・てっ、そこで泣いているのはもしや朝比奈さんでは!?」
ジャイアン「この人さっきからずっと泣いてんだぜ」
スネ夫「何があったのか聞いても何も言わないし」
キョン「おい古泉!お前まさか・・・・」
古泉「か、勘弁してください。朝比奈さん、彼らに説明をお願いします」
みくる「ふええ~、キョンくん私、未来に帰れなくなりました~」シクシク
キョン「・・・・・へ?」
ドラえもん「未来に帰れなくなった!?」
延々とループしてしまっているのです」
のび太「ループってどういう意味?」
ドラえもん「つまり、同じ事を何度も繰り返してるって事だよ!」
スネ夫「えぇ!?」
キョン「・・・・・おい古泉、お前は自分が何を言っているのか分かってるのか?」
古泉「解っていますよ。これ以上ないと言うくらいにね。
さっき朝比奈さんと話し合ってみたんですけど」
キョン「(呼べよ、俺も。その話し合いに!)」
古泉「その結果、ここ最近の時間の流れがおかしくなっている事に気付きました。
これは朝比奈さんの功績と言ってもいいでしょう。お陰で僕にも確信が持てましたよ」
キョン「何の確信だよ」
古泉「我々は同じ時間を何度も繰り返し経験しているという事をです」
キョン「それはさっき聞いた」
古泉「正確に言えば、僕らがオーベロン号に乗船する前の日の8月27日から
船を下りる予定の8月31日までの間をですね。
つまり僕達は終わりなきクルーズの真っ只中にいるわけですよ」
キョン「(同感だスネ夫)」
ドラえもん「何でそんな事が言えるんですか?」
古泉「その辺に関しては、朝比奈さんに説明してもらった方がよろしいかと」
みくる「うー、ええと・・・・、『禁則事項』でいつも未来と連絡したり『禁則事項』したり
してるんですけど・・・・一昨日くらいから『禁則事項』がないなぁ、おかしいなぁって思っていたの。
そしたら『禁則事項』・・・・・・・私凄くビックリして慌てて『禁則事項』してみたんだけど
全然『禁則事項』で・・・・。うう、キョンくん!私どうしたらいいでしょうか?」シクシク
一同「・・・・・・・・・・」
キョン「(どうしたらいいのか俺にも解りませんが、禁則事項の連発のせいで
ドラえもん達がポカーンとしてますよ朝比奈さん)」
ドラえもん「あの、つまり・・・とれるはずの未来との連絡が取れないから
その疑いがるって事ですか?」
古泉「えぇ」
のび太「ドラえもんも確かめてみたら?」
ドラえもん「そうだね、じゃあ『未来電話ー』」
キョン「ぬおっ!!な、何だそりゃ!?」
ドラえもん「これは現在過去未来何処へでも電話をかけることのできる道具です」
のび太「ドラえもんのポケットは四次元空間に繋がってるんです」
ジャイアン「そっ、だからなんでも入るんだ」
キョン「四次元空間だと・・・?今更だが、お前は本当に未来のロボットなんだな」
のび太「何処に電話かけるの?」
ドラえもん「取り敢えずドラミにかけてみる」
ピポパピッ
・・・・・・・・・・・・・・シーーーン
のび太「ドラえもん、どう?繋がった?」
ドラえもん「そんな馬鹿な!?繋がるどころか呼び出し音すら鳴らない!!」
のび太「えぇ!?」
スネ夫「じゃ、じゃあ本当に僕らは同じ時間をループしてるって事!?」
ドラえもん「この電話はどんな状況でも絶対に相手に繋がるように出来てる。
それが全く機能しないってことは、未来そのものが無くなっているとしか・・・」
スネ夫「ママーーーー!!!」
8月以降の未来がないんですよ。朝比奈さんやドラえもんさんが未来との連絡が取れない
のも道理です。理にかなってますね。あなたの言うとおり、未来との音信不通は
未来そのものがないから当然と言えます。」
ジャイアン「いったい何でそんな事になっちゃったんですか?」
キョン「何でそうなったかは流石の俺でも察しがつく。ハルヒだろ?」
古泉「恐らく」
キョン「俺達はハルヒの作った変な世界に閉じ込められてるのか?あの閉鎖空間の
現実的バージョンとかさ」
古泉「世界を再生させたわけではありません。涼宮さんは時間を切り取ったんですよ。
8月27日から31日の間だけをね。だから今のこの世界にはたった5日間しか時間が無いのです」
ドラえもん「それって、昼間に古泉さんが説明してくれた願望を実現に反映させるっていう
能力によって引き起こされてるんですか?」
古泉「そうです。勿論涼宮さん自身は無自覚でしょうが」
スネ夫「でもやっぱりおかしいよ!本当にループしてるんだったら、僕らに前に経験した時の
記憶が残ってるはずじゃないか!!でもそんな記憶何処にもないよ」
古泉「それも全てリセットです。それまでの5日間に得た記憶は無かった事となり
また最初からやり直しとなるのです。」
スネ夫「そ、そんな・・・・」
全人類の記憶が一気にリセットされて、また27日の早朝辺りからやり直し。
そしてそれらの事象はハルヒが原因・・・・」
古泉「えぇ、その通りです」
キョン「何でお前はそんなに嬉しそうなんだ?俺を含めたお前以外の7人は
みんな顔面蒼白だというのに」
古泉「ここ暫く僕を悩ませていた違和感の元が明らかになったものでね」
キョン「違和感?」
古泉「恐らくここにいる全員がそうだったのでしょうが、一昨日の27日から今日まで
不定期に強烈な既視感がありました。今思えば、それは前回以前のループで経験した
記憶の残滓(ざんし)としか言いようがないですね。リセットからこぼれ落ちた部分が
僕達にそれを感じさせていたのでしょう」
ドラえもん「確かに何度もあった、強烈な既視感!」
のび太「僕も!」
ジャイアン「俺もだぜぇ・・・」
ドラえもん「ひょっとしてそれは全人類が感じてるんですか?」
古泉「それはないようです。僕やみなさんは特殊な事例なんですよ。涼宮さんに近しい
人間ほど、この異常を感じ取れる事になっているようです」
古泉「全く無いようですね。してもらっては困るというのもありますが・・・・」
キョン「何て幸せな奴なんだ・・・」
ドラえもん「いったい僕らはこれまでに何回くらいループを繰り返してるんでしょう?」
古泉「この中に一人だけ、我々とは違い記憶のリセットを受けずにここまでの記憶を
全て蓄積している人物がいます」
キョン「なに!?そりゃまさか・・・・」
古泉「えぇ、長門さんです」
キョン「本当なのか長門?」
長門「・・・・・・・・そう」
キョン「それで、俺達は何回くらい同じ5日間をリプレイしてるんだ?」
長門「今回が、15498回目に該当する」
キョン「なっ・・・・・」
ドラえもん「い、15498回!!?」
のび太「そ、そんな~」ヘナヘナバタンッ
(のび太とジャイアンとスネ夫がその場に崩れ落ちる)
スネ夫「ママーーーーー!!!」
キョン「長門、それはマジな話なのか?」
長門「そう」コクリッ
古泉「同じ5日間を1万何千回です。自分がそんなループに囚われていると自覚して
記憶もそのまま蓄積するのだとしたら、通常の人間の精神では持たないでしょう。
涼宮さんはたぶん我々以上に完璧な記憶抹消を受けていると思われます。」
キョン「するとだ、明日俺達がやる予定になっている事も、既に俺達は過去において
やってしまっているのか?」
長門「必ずしもそうではない」
キョン「どういう事だ?」
長門「過去15497回のシークエンスにおいて、涼宮ハルヒやあなた達が取った行動は
全て一致しているわけではない」
出会ったが合流しなかったパターンは234回が該当する。この船には今のところ
毎回乗っている。明日開催される大会にはドラえもん達と合流した場合である15261回
全てにおいて参加している。今回の競技内容は全7種類だが、これが9種類あったパターンが
2039回、11種類あったパターンが8567回ある。各競技に誰が挑戦するかも多数のパターンがある
今回のように涼宮ハルヒが3種目、射的・ホームラン競争・クイズに挑戦するパターンは
これまでに3449回あり、その他にも」
キョン「いや、もういい!」
みくる「ふえ~~ん」シクシク
キョン「(俺も泣きたいですよ朝比奈さん・・・・)」
のび太「もう駄目・・・・頭が爆発しそう」
ドラえもん「だ、大丈夫のび太くん?」
キョン「しかし何でまた長門にだけ記憶が残ってるんだ?」
古泉「長門さん、と言うよりも情報統合思念体が、時間も空間も超越している存在だからでしょう」
キョン「さっきまでの不気味な笑顔が消えたな。流石のお前も想像を絶する数値に驚いたか」
古泉「正直これほどまでとは思っていませんでしたからね。僕ものび太くん同様
現状頭が痛い状態です」
キョン「ん?待てよ、じゃあ長門!お前はこの5日間を15498回もずっと体験してきたんだよな?」
長門「そう」
のべ日数は77490日・・・・約212年分だぞ!それだけの時間をお前は
記憶を残した状態のまま過ごしていたってのか・・・・」
長門「そう」
キョン「お前・・・」
ドラえもん「何で何度もループしているのが分かっているのに
今までずっと黙っていたんですか?」
長門「私の役割は涼宮ハルヒの観測だから」
キョン「なるほどな・・・」
スネ夫「に、212年も僕らは同じ事を繰り返してるなんて・・・」
のび太「何でハルヒさんはそんな事をやっているんですか?」
古泉「推測ですが、涼宮さんはこの旅行を終わらせたくないんでしょう。
無意識の内に頭の何処かでそう思っているからこそ、現実にこのような形で
反映されているんだと思います。ですね長門さん?」
長門「・・・・そう」
キョン「俺達はどうすればいい?」
それをせずに新学期を迎えるわけにはいかない。それをしないと心残りがある。
そのモヤモヤを抱えたまま8月31日の夜を迎えて眠りにつき」
キョン「目を覚ましたら綺麗さっぱり5日分の時間を巻き戻してるってわけか・・・」
古泉「えぇ」
キョン「何というか、愛想も呆れも尽き果てるとはこのとこだな。何でもする奴だとは
思っていたが、だんだん非常識レベルがランクアップしてるんじゃないか?
いったい何をすればあいつは満足してこのループから抜け出せるんだか・・・」
古泉「さぁ、それは僕には。長門さんは解りますか?」
長門「解らない」
ドラえもん「つまり、涼宮さんがこの船旅でやり残したとされる事を僕らが実現させれば
このループから抜け出せるってことですよね?」
古泉「そうです。しかしご覧の通り、そのやり残した事とやらが皆目検討もつかない状況でして」
キョン「ドラえもんは何か心当たりはないか?」
ドラえもん「さぁ、僕らは涼宮さんと今日知り合ったばかりですし・・・」
キョン「だよな~」
ドラえもん「あの、長門さんはこれまでの記憶を全部持ってるんですよね?
だったら過去にあった出来事やパターンを聞けば、やり残していることも
少しずつ見えてくるんじゃないんですか?」
時間のループに気づいたのはこれで何回目ですか?」
キョン「(今回が初めてであってくれ・・・・)」
長門「8769回目。最近になるほど、発覚の確率は高まっている」
キョン「orz」
ジャイアン「えぇ!?じゃあ俺達は8000回以上もこの事に気付いてるのに
ループを脱出できずにいるってことかよ~」
古泉「・・・・そのようですね」
のび太「そんな~」
スネ夫「8000回以上も駄目だったのに、今回に限って脱出できるわけないよ!」
古泉「しかし、そう諦めていてはいつまでも活路を見出せません。
とにかくできる事を考え、実行するしかありません」
キョン「できる事ったってな~」
古泉「長門さんの情報を整理しますと、15497回のシークエンスにおいて
一貫している事はこの船に乗っているという点です。そして次に多いのが
ドラえもんさん一行と合流し、合流した際は全てにおいて明日行われる予定の
超人選手権なるものに出場している。どうやらこの辺りに脱出の糸口があるように思います」
長門「ない。大会に出場した15261回の内、最も成績が良かったのは総合2位」
キョン「おい!だったらこれで決まりじゃないか!!明日の大会で優勝さえすれば
この無限ループから脱出できるんじゃないか?」
古泉「確かにその可能性は高いですね。しかし・・・・長門さん、彼が今と同じ質問を
したのはこれが何回目ですか?」
長門「8769回目。ループに気付いた全てのパターンにおいて質問している」
キョン「なっ・・・・・」
古泉「つまり、我々はそこまで解っていながらも、8000回以上も明日の大会で
優勝出来ずにいるという事ですね」
キョン「どうすりゃいいんだ・・・・」
のび太「ドラえもんの道具を使えば簡単に優勝できるんじゃない?」
ドラえもん「うん、確かに!」
キョン「道具?」
のび太「ドラえもんはさっきの電話みたいな便利な道具を沢山持っているんです!」
古泉「それを使えば簡単に優勝出来ると?」
のび太「はい」
キョン「あぁ、確認すべき事があるな」
古泉「これまでのシークエンスにおいて、ドラえもんさんの道具を使用して明日の大会に
出場した事があるのか無いのか。もしあったのだとしたら、我々はそれを使用しても尚
優勝できずにいるというわけですから、益々打つ手が無くなります」
キョン「確かに、これもアウトとなると流石に厳しいな。ただ8000回以上も繰り返して
おきながら、今回に限ってドラえもんの道具を使用するってパターンが都合良く
出てくるとも思えないが・・・・」
古泉「僕もそう思いますが、その可能性に賭けるしかありません」
キョン「だな・・・・・。聞くが長門、これまでにドラえもんの道具を使って明日の大会に
挑戦した事は何回ある?」
長門「・・・・・・」
のび太「ゴクッ・・・・」
スネ夫「神様・・・・・」
キョン「どうなんだ長門?」
長門「ない。のび太がさっきのような提案をしたのは今回が初めてのケース」
キョン「そ、そうか!!」
のび太「やったー!!」
古泉「確認しますが、あなたの道具を使えば明日の大会は絶対に優勝
出来るのですね?」
ドラえもん「勿論です!」
ジャイアン「やったなスネ夫~!これでループから脱出できるぞ~」
スネ夫「やったー!!」
キョン「これで今回は何とかなりそうだな」
古泉「えぇ。のび太くんに救われましたよ。ドラえもんさん、では早速明日の
対策を練りましょう」
ドラえもん「そうですね!」
古泉「まずはポーカーですが・・・・」
ドラえもん「ポーカーならこれを使えばきっと勝てます『ツキの月ー!』」
キョン「何だこれは?」
ドラえもん「これを飲むと3時間、信じられないほどの幸運がおとずれるという道具です!」
古泉「運の要素の強いポーカーにおいて、その道具は最良かもしれませんね。
ポーカーに参加するのは確か、あなたとドラえもんさんの二人でしたね。
どちらが飲むんですか?」
キョン「・・・じゃあ俺だな」
古泉「おや、僕にはとてもあなたが不運は人間には見えませんが?」
キョン「高校入学以来ハルヒのメタクソイベントに付き合わされてるだけで
俺は十分不運だ」
ドラえもん「じゃあこれはあなたに渡しておきます!ポーカーが始まる前に飲んでください」
キョン「分かった」
古泉「次はカラオケですが、これはどうしますか?」
ドラえもん「『ジーンマイクー!』」
●ジーンマイク
このマイクを通して聞いた者は、歌でもお話でも、ジーンと感動してしまう。
古泉「なるほど、これなら確かに優勝できそうですね。カラオケは朝比奈さんと
ジャイアン氏でしたね。どちらが使いますか?」
スネ夫「それはジャイア」
ジャイアン「俺には必要ないっ!!」
スネ夫「えぇ!?」
のび太「必要無いって、まさか普通のマイクで歌うつもりぃ?」
ジャイアン「当たり前じゃねーか!」
スネ夫「そんな事したら死人が出るぞ・・・」
ジャイアン「おぉ!?何か言ったかスネ夫!!」
古泉「ではジャイアン氏は普通のマイク、朝比奈さんがそのマイクを使ってください」
みくる「わ、分かりましたぁ~」
ドラえもん「あの、ジャイアンに普通のマイクなんて使わせて本当にいいんですか?」
古泉「今回の大会は団体戦です。彼が駄目でも朝比奈さんが優勝さえすれば
何の問題もありません」
ドラえもん「もしジャイアンが普通のマイクでなんか歌ったら、朝比奈さんも同じ
SOS団チームって事でかなりの減点が予想されます!!」
キョン「そんなに酷いのかあいつの歌は?」
のび太「そりゃあもう」
古泉「そうですか・・・・。では回避した方がよさそうですね。
朝比奈さん、明日彼が歌う前にこっそりとマイクを入れ替えておいてください」
みくる「はい、やってみます!」
ドラえもん「これは何もしなくても大丈夫です!」
古泉「何故です?」
ドラえもん「のび太くんは射的の天才なんです!!」
のび太「エッヘン!!」
ドラえもん「他に取柄はないですけど!」
のび太「も~、ドラえもんはいつも一言余計なんだよ~!」
古泉「では射的は君に任せます。次はホームラン競争ですね
参加者は涼宮さんとスネ夫くん、そしてジャイアン氏ですが」
ドラえもん「『黄金バットー!』」
●黄金バット
当たりさえすれば必ずホームランにしてしまうバット
キョン「しかしまぁよくこうも都合のいい道具が次々と出てくるもんだな」
古泉「ではこのバットを三人で回して使ってください」
スネ夫「え?涼宮さんにも使わせていいんですか?」
涼宮さんはそれを自分の力だと思い、何かを疑おうなどとは絶対に思いませんから」
キョン「いつも根拠の無い自信で満ち溢れてる奴だからな」
古泉「次は僕が出る水泳ですが、これはどうしますか?」
ドラえもん「『着せ替えカメラー!』」
●着せ替えカメラ
着に入ったデザインの服を着せたい人にすぐ着せられるカメラ
ドラえもん「これに人魚のデザインを入れてシャッターを押せば、古泉さんを
人魚にする事ができます!」
キョン「古泉が人魚だと?それは下半身だけ魚になるって事か?」
ドラえもん「そうです」
古泉「・・・・あの、別の道具はないのでしょうか?」
ドラえもん「ありません」
キョン「面白そうではあるが、ただそれじゃ現地で半魚人姿を衆目に晒す事になるぞ?」
のび太「バスタオルでも巻いとけば大丈夫じゃないですか~?」
キョン「かなり怪しまれるだろうが、まぁ他に手が無いってなら仕方ない。諦めろ古泉」
かもしれんから気をつけろよ」
古泉「・・・・・えぇ」
キョン「次はゴルフだな。参加するのはスネ夫と長門か・・・・これも何もする必要ないな」
ドラえもん「え?どうしてですか?」
キョン「長門は何でもこなせるスーパー超人みたいなもんなんだ
道具無しでも文句なしで優勝できるさ。そうだろ、長門?」
長門「・・・・・」コクッ
キョン「最後に俺とハルヒが参加するクイズだが・・・」
ドラえもん「これに関しては良さそうな道具がないんです」
キョン「なに?じゃあ自力で何とかするしかないのか?」
ドラえもん「『暗記パンー!』『世界クイズ全集!』『スモールライトー』」
●暗記パン
この食パンに暗記したい物を写して食べれば写した内容を完璧に覚えられる
ドラえもん「この世界クイズ全集の全ページを暗記パンに写して食べれば
たぶん何とかなると思います・・・」
そんなに食パンなど食えんぞ・・・」
ドラえもん「このスモールライトで世界クイズ全集を小さくすれば
一枚のパンに多くのページを写す事ができるはずです!」
キョン「しかし500近くあるページ数を全て食パンに写すというだけでも
結構な重労働だな。何だかんだで今夜は眠れそうにない・・・」
みくる「それにしても凄いですねぇ、ドラえもんさんの道具は!
こんなに便利なものばかりあるなんてビックリです!」
キョン「ん?朝比奈さんはドラえもんの未来よりも更に未来から来たんですよね?
だったら今までに出た道具の事だって知ってるはずじゃないですか?」
みくる「それは・・・・・禁則事項です」
キョン「?」
古泉「取り敢えずこれで明日の大会は何とかなりそうですね。
何としても優勝して、このループから抜け出しましょう」
ジャイアン「もうこれ以上同じことを繰り返すのは御免だぜ!」
スネ夫「そうとも!記憶はないけど212年以上もママに会ってないなんて耐えられない!」
のび太「みんなで頑張ろう!」
キョン「やったな長門、どうやら今回は抜け出せそうだぞ」
キョン「長門?」
長門「楽観視はできない」
キョン「他にも何か問題でもあるのか?」
長門「分からない。・・・・ただ可能性はある」
古泉「ではみなさんそろそろ私室に戻りましょう。明日は早いですしね
ゆっくり休んでください」
スネ夫「あっ!もう12時だ!」
ジャイアン「俺ももう眠くて駄目」
のび太「ドラえもん、僕らも戻ろう」
ドラえもん「そうだね」
キョン「じゃあ俺も戻るとするか。世界クイズ全集とやらの問題と回答を
丸暗記せにゃならんからな」
みくる「私も戻りますぅ~」
(8人は倉庫を出てそれぞれの部屋へと戻った)
ハルヒ「おっはよーみんな!いよいよこの日が来たわよ!」
キョン「朝から元気な奴だな・・・」
ハルヒ「当たり前じゃない!SOS団の存在を全世界に知らしめるチャンスなのよ!
あんた何でそんなに疲れた顔してるのよ?ちゃんと寝た?もっと気合を入れなさい!」
キョン「(人が優勝する為に徹夜で頑張っていたというのに・・・)」
ハルヒ「あなた達も気合入れなさいよ!昨日も言ったけどぜーーったいに優勝するの!」
ジャイアン「あったり前だ!今度こそ絶対優勝してやる!」
ハルヒ「今度こそ?あんた前にもこの船に乗った事あるの?」
キョン「あ、いや・・・・こいつら先週小学校の野球大会で優勝出来なかったんだとさ」
ハルヒ「そうなの。だったらその悔しさを全てこの大会にぶつけなさい!!私が許す!」
キョン「ふぅ~」
ハルヒ「古泉くんやみくるちゃんもいいわね!絶対に勝つの!ただ優勝するだけじゃ
つまらないわ!目指すのは完全優勝!7種目全て勝つのよ!!」
キョン「(またハードル上げやがって・・・)」
ハルヒ「有希もいいわね!?」
ピンポンパンポーーン
アナウンス『超人選手権に出場予定のチームの皆様にお知らせ致します。
まもなく4階カジノルームにてポーカー大会と、6階カラオケルームにてカラオケ大会を
実施致します。各チームの出場予定の方は、御時間までに各競技場までお越しください』
ハルヒ「遂に始まるのね!ポーカーはキョンとドラえもん。
カラオケはみくるちゃんとジャイアンね!絶対に勝つのよ!!」
キョン「やれやれ、じゃあ行くか」
ドラえもん「はい」
のび太「ドラえもん、頑張ってね!」
みくる「じゃあ行ってきますぅ~」
ハルヒ「みくるちゃん!頑張るのよ!ジャイアンも!」
ジャイアン「おう!任せとけ!」
(4人は各競技場へと向かった)
キョン「それにしても凄い数だな。これみんな参加者か?」
ドラえもん「何たって賞金1000万円ですからね」
キョン「15000回以上も同じ大会に出場しているとも知らずに・・・」
ドラえもん「僕達で何とかするしかありませんね」
キョン「そうだな」
司会「超人選手権に参加の皆様!これよりポーカー大会を開始致します!」
ワーッ ワーッ ワーッ
司会「この大会には全28チームが出場しています!ポーカー挑戦者数は83名!
優勝者の所属しているチームには10pt、2位と3位の方の所属しているチームには
それぞれ5pt、2ptずつが加算されます」
キョン「各チームごと競技に出してる人数が違うようだが、これは不公平じゃないか?
参加者を多く出してるチームの方が上位に食い込む可能性は高いだろ」
司会「1つの競技につき参加できる人数の上限は3名と明記しておりました。
ですので、1名や2名のみで参加のチームに関しましては責任をとれません」
キョン「(んな事書いてあったのか・・・)」
ドラえもん「ポーカー参加者が83名って事は、3人出してないのは僕達の
チームだけですね」
俺だけじゃなく、まさかハルヒや古泉まで見落としていたとはな・・・。
水泳なんてあいつ一人しか登録してないじゃないか」
ドラえもん「大丈夫ですよ!僕の道具がありますから!」
キョン「そうだったな。頼りにしてるぜ」
司会「では早速一回戦を開始いたします!チーム名と個人名を読み上げますので
呼ばれた方は指定されたテーブルへと向かってください!」
ドラえもん「いよいよだ」
--------
----
--
司会「4番テーブル、チームSOS団キョン様!」
キョン「お、呼ばれたか。じゃあ行ってくる」
ドラえもん「ツキの月を飲むのを忘れずに!」
キョン「あぁ、分かってる」
司会「11番テーブル、チームSOS団ドラえもん様!」
ドラえもん「あ、僕も行かなきゃ!」
1つのテーブルには3名~6名までのプレイヤーが座る(チームが被っている場合あり)
各テーブルには必ず進行役の人間が1人おり、カードを配ったりなどは全てこの者がやる。
ゲーム数は全部で3回。プレイヤーにはゲーム開始前に進行役から現金1万円分の
チップが渡され、最終ゲーム終了時点で最もチップが多かったものが勝利。
1ゲームにつきカードの交換は2回までであり、捨てたカードの分だけ交換する事ができる
プレイヤーがチップを賭けれるのは最初にカードを配られた際と、2回目にカードを
交換した後のみであり、それ以外のタイミングでのベットは認められない。
手持ちのチップが無くなった者はその時点で除外され、次のゲームには参加できない。
--------4番テーブル
(ここにはキョンを含め四人のプレイヤーが座っていた)
進行役「みなさんよろしいでしょうか?」
キョン「ちょ、ちょっと待ってください!」ゴクゴクッ
(キョンは手に持っていたツキの月を飲んだ)
貴族風の男「ははは、それは栄養ドリンクかね少年?w」
ギャンブラー「へっ、ギャンブルにおいてそんなもん糞の役にも立たないぜw」
貴婦人「今からでも遅くないから、坊やは棄権したらどう?w」
キョン「あははは・・・(今に見てろよアホ共!)」
キョン「えぇ、お願いします」
ギャンブラー「さっさと始めようぜ!」
進行役「では最初のゲームを開始します」シャッシャッシャ
(進行役はよく切ったトランプを四人に分けた
四人は目の前に置かれた5枚のトランプを手に持つ
貴族風の男「ほうほうなるほど。諸君、悪いが最初のゲームは私がもらったw」
ギャンブラー「言ってろ!」
貴婦人「(なかなか良い感じね♪これなら勝てそう)」
(一方のキョンは配られた自分の手札を見た瞬間
驚きのあまり声をあげそうになった)
キョン「(なんてこった・・・・・・・・)」
進行役「手札は2回変える事ができますが、この段階でチップを賭ける方は
いらっしゃいますか?」
貴族風の男「では取り敢えず2000円分賭けるとしよう」
ギャンブラー「俺はパス。様子見だ」
貴婦人「私もパスよ」
キョン「全チップ賭ける」
貴族風の男「なに!?」
ギャンブラー「ハハ、正気かよお前!?」
貴婦人「若いわねw」
進行役「本当によろしいのですか?これで負けた場合、第2、第3ゲームを
待たずしてあなたの一回戦敗退が決定しますが?」
キョン「えぇ、構いませんよ。後俺は交換もしないんでこのままでいいです。
そっちで勝手に進めてください」
ギャンブラー「ハハハ、いかれてやがるぜこいつw」
貴族風の男「余程今の手札に自信があるのだろうが、まぁ吼えていられるのも
今の内だけだ。直ぐに現実の厳しさを教えてやる」
(キョン以外の3人による1度目、2度目のカード交換が終わり
最後のベットタイムがおとずれる)
進行役「では手札を公開する前にチップを賭けてください」
貴族風の男「先程2000円分ベットしたが、そこに8000円分を上乗せしよう」
ギャンブラー「何だよオッサン、あんたまで早くも全額勝負かい?」
賭けるわけにはいかんだろう。それに、最初から全員が全額を賭ければ
長々と3ゲームも消化せずに済む。時間短縮だ」
ギャンブラー「へ、プライドだけは一級品だな。まぁいいだろう!
本当の強者ってのは1度キリの勝負をものにするもんだ。俺も全額行くぜ!」
貴婦人「では私も」
進行役「承知いたしました。では一斉に手札を公開してください」
貴族風の男「フルハウス!!」バッ
ギャンブラー「フルハウス!!」バッ
貴婦人「ふふ、フォア・カード♪」バッ
貴族風の男&ギャンブラー「な、なに!?」
貴婦人「残念ですけど、この勝負私の勝ちですわねw」
進行役「いいえ、あなたも負けです」
貴婦人「はぁ!?何言ってるのよ!?どう見たって私が一番じゃな・・・」
進行役「彼はロイヤルストレートフラッシュです」
キョン「いや~、すいませんねぇ」
貴族風の男「ば、馬鹿な!!ノーチェンジでこんな役が出るわけ・・・・」
ギャンブラー「なんて野郎だ・・・・信じられねぇ」
キョン「この人たち手持ちのチップ無くなっちゃったみたいですし
これは俺の勝ちって事でいいんですよね?」
進行役「その通りです。チームSOS団キョン様、2会戦進出でございます」
キョン「(こりゃ凄い道具だ。これなら余裕で優勝できる!
そういえば、朝比奈さんとジャイアンは大丈夫だろうな・・・)」
-----------カラオケルーム
参加者83人中既に46人の歌唱が終了し
いよいよジャイアンの出番が迫ってきた
ジャイアン「いよいよだ!何か緊張してきたな」ドキドキ
みくる「大丈夫ですよたけしくん!ほら、深呼吸しましょう」
ジャイアン「す~~は~~、す~~は~~」
みくる「どうですか?少しは緊張が解れましたか?」
ジャイアン「はい!だいぶ楽になりました!」
ジャイアン「はい!」
(ジャイアンが目を閉じている隙に、朝比奈はジャイアンが使う予定の
普通のマイクとジーンマイクを入れ替えた)
ジャイアン「す~~は~~~」
みくる「ふふ、これできっと緊張する事無く歌えますよ!」
ジャイアン「ありがとうございます朝比奈さん!」
司会「それでは次の方に参りましょう!エントリーNo.49、チームSOS団の
剛田たけしくんによります、オリジナルソング『俺はジャイアン』です!どうぞ!!」
パチ パチ パチ パチ
ジャイアン「おーれーはジャイアーーン♪がーきだいしょー♪
てーんかむーてきーのおーとこーだーぜー♪」
会場「おぉぉぉ!!!」ドヨドヨ
審査員「これは素晴らしい・・・なんて美しい声なんだ」
みくる「わ~、凄いですたけしくん!何だかジーンとしてきちゃいましたぁ」
ジャイアン「(あれ?みんな感動して泣いてるぞ・・・もしかして俺って本当に凄い
歌手なのかもしれない・・・)」
ガヤ ガヤ ガヤ
関係者「競技に参加される方は急いでくださーい!」
古泉「さて、そろそろ行かなくてはならないようですね」
のび太「だから早く撮りましょうよ!この着せ替えカメラのシャッターを押せば
古泉さんは人魚になれるんですから!そうすれば優勝間違いなしですよ?」
古泉「分かってはいるんですけどね・・・やはり多少抵抗がありますよ」
のび太「ドラえもんの道具なんですから大丈夫ですよ」
古泉「そうかい?・・・・では、お願いします」
のび太「いきますよー!ハイ、チーズ」カシャッ
(古泉の下半身が魚のようになった)
古泉「これは・・・・いざそうなってみると我ながら気味が悪いですね」
のび太「古泉さん、早くバスタオルで隠さないと見られちゃいますよ!」
古泉「おっと、そうだったね」バサッ
のび太「じゃあ頑張ってください!絶対に優勝してくださいよ!」
古泉「えぇ・・・・頑張ってみます」
司会「優勝は、チームSOS団キョン様に決定致しました、みなさん拍手をどうぞ!」
パチ パチ パチ パチ
敗者A「なんて野郎だあの餓鬼!結局決勝も全部ロイヤルストレートフラッシュだなんて・・・」
敗者B「それも全部ノーチェンジでだぜ・・・あれじゃイカサマすら出来ないじゃねーか」
野次馬「すげーぞ兄ちゃん!!俺にもその幸運を分けてくれ!」
キョン「あははは、どうも」
ドラえもん「いやーよかったよかった」パチパチ
ハルヒ「やっと見つけたわ!ドラえもん、結果はどうだったの!?」
ドラえもん「ご覧の通り、キョンくんが優勝しました!ちなみに僕は二回戦負け、ドゥフフフフ」
野次馬「よーーし!みんなで奇跡の男、キョンを胴上げだー!!」ガシッ
キョン「え!?あ、ちょ・・・・」
ワーーショイ♪ ワーーショイ♪ ワーーショイ♪
キョン「ぬおっ、落ちる落ちる!」
ドラえもん「あらら、胴上げされちゃってる」
ハルヒ「凄いじゃないのキョン!まさか本当に優勝しちゃうなんて!流石はSOS団の
団員だわ!あんたもやれば出来るのよ♪」
キョン「そりゃどうも」
ドラえもん「これでSOS団チームは12pt獲得、今の段階では首位ですね!」
ハルヒ「そうね♪このまま一気に2位以下をつけ離してサイレンススズカの如く
逃げ切るわよ♪」
キョン「(また懐かしい馬の名前を出すな)」
ドラえもん「そういえば、ジャイアンと朝比奈さんの方はどうなってるんですか?」
キョン「それは俺も気になる」
ハルヒ「じゃあみんなで見に行きましょう♪有希とスネ夫もそこにいると思うから♪」
キョン「ん?古泉とのび太はどうしたんだ?」
ハルヒ「古泉くん達ならもう水泳競技に向かったわよ!そっちも後で応援に行きましょう!」
キョン「(するとあいつは今頃半漁人姿なわけか。心中察するぞ古泉)」
司会者「優勝は、エントリーNo.49!チームSOS団の剛田たけしくんです!」
ワーッ ワーッ ワーッ
パチ パチ
ジャイアン「よっしゃぁぁぁ!!!!」
スネ夫「わー凄い!!あのジャイアンが本当に優勝しちゃったよ長門さん!」
長門「・・・・・そう」
ドラえもん「スネ夫くーん!」
スネ夫「あ、ドラえもん!ポーカーの方はどうだったの!?」
ドラえもん「キョンくんが見事優勝しました!」
スネ夫「やったー!!」
ハルヒ「こっちはどうなったの!?」
スネ夫「それが見てよほら、優勝がジャイアンで2位が朝比奈さん!」
ハルヒ「ええ!?ちょっと凄いじゃないの!!SOS団が上位独占だなんて!!」
キョン「(未来の道具様様だな)」
みくる「おめでとうたけしくん!凄く良い歌でしたよ」
ジャイアン「朝比奈さんの歌も良かったですよ!俺思わず泣いちゃったぜ」
ハルヒ「よくやったわ二人とも!!ジャイアン、あんた歌手になりなさいよ!
絶対に大物になれるわ!今すぐにでも音楽事務所に入るべきよ!」
ジャイアン「いや~それほどでも」
ハルヒ「それにみくるちゃんも2位なんて凄いじゃない!やっぱりあなたを連れてきた
私の目に狂いは無かったわ!みくるちゃんにはこれからも歌手活動の場を提供
し続けてあげるから楽しみにしてなさい♪」
みくる「わ、わ~い・・・」
ハルヒ「次は古泉くんの所ね♪みんなで行きましょう♪」
のび太「みんなー!」
ドラえもん「あれ、のび太くん!古泉さんに付き添ってたんじゃないの?」
のび太「え?水泳はもう終わったよ」
ハルヒ「終わったですって!?それで、古泉くんは何位だったの?」
のび太「優勝しました」
キョン「(ま、そりゃそうだわな。身体半分魚なわけだし)」
ドラえもん「1位の種目が3つと2位の種目が1つだから合計・・・35ptですね!」
キョン「こりゃもう優勝確定レベルじゃないのか?」
ハルヒ「いいえ、まだ油断は出来ないわ!午後にやる競技も全力でやるわよ!いいわね!?」
古泉「おや、みなさん御揃いでしたか」
ハルヒ「お帰り古泉くん!よくやったわ、あなたは天才よ!次のオリンピック
目指せるんじゃないかしら!?」
古泉「あはは、ありがとうございます」
スネ夫「取り敢えず幸先いいね!これなら優勝間違いなしだよ」
ハルヒ「それにしても信じられないわ・・・・なんだか自分が怖くなってきた」
キョン「・・・一応聞いてやるが何故だ?」
ハルヒ「だってみんなをSOS団に入れたのは私なのよ?これだけ天才ばかりを
何人も集めてしまうなんて、自分が怖いわ!!」
キョン「(確かに怖がった方がいい。お前は自分の周りに未来人と宇宙人、超能力者に
更には未来から来たネコ型ロボットまで呼び寄せちまってるんだからな)」
ハルヒ「じゃあこれからみんなでお昼を食べて午後の決戦に備えましょう♪」
ピンポンパンポーーーン
アナウンス『超人選手権出場中の皆様にお知らせいたします!
間もなく、午後の部を開始致します。射的大会に出場予定の方は5階射的ルームへ
ゴルフ大会に出場予定の方は11階ブリッジまでお急ぎください!』
ハルヒ「いよいよ午後の部ね!!みんな気合入れていくわよ!!」
キョン「最初は射的にゴルフか。長門、頑張れよ」
長門「・・・・・」コクッ
のび太「よし、行こうドラえもん!!」
ドラえもん「ふふふ、のび太くんいつにも増して気合入ってるね!」
ハルヒ「そういえば射的はのび太の得意分野だったわね!期待してるわよ!」
のび太「はい!!」
みくる「みなさん頑張ってくださいねぇ~!」
ハルヒ「それじゃ行くわよ!!SOS団の快進撃はまだまだ続くの!!
覚悟しなさい愚民共♪」
キョン「(誰に言ってるんだあいつは・・・)」
ガヤ ガヤ ガヤ
司会者「射的大会参加者の方はこちらに来てください、間もなくルールを説明します」
ハルヒ「ふふん♪腕がなるわ♪早く始まらないかしら♪」
司会者「よろしいですか?それでは説明致します。この競技は40m先の的に向かって
この拳銃を撃ち、得点を競うというものです。弾は10発でございます。
的の中心に近いほど得点は高くなりますが、的を大きく外した場合は得点がマイナス
になりますのでご注意ください。」
ハルヒ「以外と単純ね」
のび太「それって本物の拳銃じゃないの?」
司会者「その通りです。この競技では本物の拳銃を使用していただきます」
のび太「えぇ!!?」
ドラえもん「本物!?」
ハルヒ「いいじゃない♪どうせやるなら本物の拳銃の方が断然面白いわ♪」
司会「出場者数は84名ですので、これをそれぞれ14名ずつ6グループに分け
1回戦を開始いたします。2回戦に進めるのは各グループ成績上位の5名のみ。
2回戦は残った30名をそれぞれ10名ずつ3グループに分け、準決勝に進めるのは
各グループの成績上位の2名となります」
ハルヒ「案外楽そうね♪決勝に進出する3人は私達で決まりだわ♪」
ドラえもん「あの、凄い自信ですけど涼宮さんは本物の拳銃を
扱ったことがあるんですか?」
ハルヒ「あるわけないじゃない。でも何とかなるわよ!オモチャだと思ってやればいいの!」
ドラえもん「はあ・・・」
のび太「僕本物の拳銃を使いこなす自信ないよ~」
ハルヒ「撃った後にちょっと衝撃がある位で他はおもちゃと変わらないわよ!
この競技に関してはのび太、あなたがSOS団のエースなのよ!!」
のび太「僕が、エース?」
ハルヒ「そう!だからもっと自信を持ちなさい!」
のび太「ドラえもん、僕エースだって!」
ドラえもん「ふふふ、良かったねのび太くん!」
のび太「よーし、頑張るぞー!!」
ハルヒ「その意気よのび太!!」
司会者「それではこれよりチーム名と名前を読み上げますので、呼ばれた方は
指定された区画へと向かってください!」
-----
--
司会「チームSOS団、のび太様!ドラえもん様!C区画へと向かってください」
のび太「あ、僕達だ!」
ドラえもん「僕達は同じグループみたいだね」
ハルヒ「二人とも頑張るのよ!」
司会「チームSOS団、涼宮ハルヒ様!D区画へと向かってください」
ドラえもん「涼宮さんも呼ばれましたよ!」
ハルヒ「じゃあ行ってくるわ!」
のび太「僕達も行こう!」
ドラえもん「そうだね」
----------C区画
バンッ バンッ バンッ バンッ
のび太「うわ!もう始まってる!」
ドラえもん「流石に本物の拳銃だと凄い音がするね」
ドラえもん「やっぱりみんなマイナスだ。これは難しそうだ」
アナウンス『チームSOS団、ドラえもん様。7番で競技を開始してください』
のび太「ドラえもん呼ばれたよ!」
ドラえもん「7番って・・・・あ、あそこか!じゃあ行ってくるね!」
のび太「頑張ってね!」
-------C区画7番射撃場
係員「ドラえもん様ですね。それではこのヘッドホンをつけてください。
射撃は私が『始めと』、と言ってからお願いします」
ドラえもん「分かりました」
係員「準備はよろしいですか?」
ドラえもん「どうぞ」
係員「では、始め!」
バンッ バンッ バンッ バンッ
ドラえもん「(凄い衝撃だ!照準がずれる)」
アナウンス『チームSOS団、ドラえもん様18点』
ドラえもん「ふー」
係員「お疲れ様でした、順位発表までお待ちください」
ドラえもん「分かりました」
ビーーーーッ
アナウンス『チームSOS団、のび太様78点』
ドラえもん「えぇ!?78点!?」
のび太「は~怖かった」
ドラえもん「凄いよのび太くん!78点なんて学校のテストでもとった事ないのに!」
のび太「でも最初の方は上手く照準が合わなかったよ。最後の方は修正できたけど」
ドラえもん「この点数なら2回戦突破は間違いないね!みんな殆どマイナスだし」
-12点の男「今のアナウンス聞いたか?あの餓鬼78点だとよ」
-49点の男「へ、どうせマグレだろ」
アナウンス『C区画、全14名競技終了しました。これより順位を読み上げます』
アナウンス『第1位、118点!チームゴルゴ、斉藤様。第2位、78点!チームSOS団
のび太様。第3位・・・』
ドラえもん「ひゃ、118点!!のび太くんよりも上がいるなんて!」
のび太「うわ~凄いな~」
アナウンス『第5位、18点!チームSOS団、ドラえもん様』
のび太「やったー!ドラえもんも1回戦突破したよ!」
ドラえもん「いや~僕はマグレだよ」
アナウンス『1回戦を突破した方々は、奥の部屋へとお進みください』
のび太「そういえば、涼宮さんはどうなっただろう?」
ドラえもん「おかしな力があるっていっても女の子だよ!だぶん無理だったんじゃないかな」
のび太「そうだね。取り敢えず僕らは奥に進もう」
(二人は奥の部屋へと向かった)
ハルヒ「遅かったじゃないの二人とも!でもまぁどっちも無事1回戦を突破できた
みたいだし良かったわ♪」
ドラえもん「・・・・驚いた。涼宮さんも突破してたんですね!」
ハルヒ「当たり前じゃないの!団長の私が1回戦如きで消えるとでも思ってるの?」
のび太「あの、涼宮さん得点は何点だったんですか?」
ハルヒ「私?77点だけど」
ドラえもん「77点!?」
ハルヒ「他の連中は殆どマイナスで余裕の1位。本当張り合いが無いわ~」
のび太「ドラえもん、この人は本当に凄いね」
ドラえもん「うん」
ハルヒ「それで、のび太とドラえもんはどうだったの?」
ドラえもん「僕は18点でギリギリ通過しました、ドゥフフフフ」
のび太「僕は78点です」
ハルヒ「78!?やるわねのび太!!同じSOS団のメンバーとして頼もしいわ!
でも勝負はこれからよ!油断しないで3人一緒に決勝に行くわよ!」
観客A「何だあの娘は!?」
観客B「凄い、PAR5のコースをホールインワンだと!?それも3連続・・・」
------
--
キョン「いくらなんでもやりすぎじゃないのか長門の奴?打ったボールが
あんな不自然に左右に曲がったりしたら怪しまれるぞ」
古泉「怪しまれたところで、何も証拠は出てきません。問題はないでしょう」
キョン「それにしたって3連続ホールインワンってのはな~。いくらパターゴルフとはいえ・・・
もう少しバランス良くできないもんかね」
カコンッ
スネ夫「わっ!また入った!!凄いや長門さん!これで4連続ホールインワンだ!」
長門「・・・・・」
スネ夫「へへ、これなら優勝間違いなしだね!長門さん、僕も1回ホールインワン
をやってみたいんだけど?」
長門「分かった」
長門「・・終わった」
スネ夫「ホント!?よーしそれじゃ!」コンッ
コロコロコロコロ・・・・・・・・・・カコンッ
観客「おぉぉぉぉぉぉ!!!」
パチ パチ パチ パチ
スネ夫「ハハ、こりゃいいや!」
キョン「はぁ~」
---------射撃ルーム
司会「さあいよいよ決勝戦です!ここまで勝ち上がってきた三名をご紹介致します!」
ワーッ ワーッ ワーッ
司会「まず一人目はチームSOS団、のび太様!そして二人目も同じチームSOS団から
涼宮ハルヒ様!三人目はこれまでの最高得点を叩き出しているチームゴルゴ、斉藤様!!」
ワーッ ワーッ ワーッ
のび太「いよいよ決勝か~。緊張するな~」
のび太「はい!」
ハルヒ「それとあの斉藤とかいう人には負けるんじゃないわよ!私達二人で
ワンツーフィニッシュを決めるの!いいわね?」
のび太「分かりました」
司会「決勝戦は三人同時に射撃していただきます!それでは行きますよ!」
ドラえもん「頑張れのび太く~ん!」
司会「始め!!!」
バンッ バンッ バンッ バンッ バンッ
バンッ バンッ バンッ バンッ バンッ
ビビーーーーッ!
司会「さあ結果はどうなったのでしょうか!?」
アナウンス『チームSOS団、涼宮ハルヒ様113点!チームゴルゴ、斉藤様127点!』
会場「おぉぉぉぉぉ!!!」
アナウンス『チームSOS団、のび太様・・・・129点!!』
会場「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
のび太「ドラえも~ん、僕優勝したよ!」
ドラえもん「おめでとうのび太くん」
ハルヒ「129点だなんて凄いわのび太!!よくやったわね!」
のび太「ありがとうございます!」
ドラえもん「これで4種目優勝ですね!」
ハルヒ「目指すは全種目制覇よ!そういえば有希とスネ夫はどうなってるかしら?」
ドラえもん「見に行ってみましょう!」
ピンポンパンポーーーン
アナウンス『超人選手権に出場中の皆様にお知らせ致します。
間もなく、ホームラン競争を開始しますので、出場予定の方は
5階バッティングセンターへお越しください』
ハルヒ「もうそんな時間なの?まぁいいわ、向こうへはドラえもん達だけで行ってちょうだい」
ドラえもん「分かりました」
ワーッ ワーッ ワーッ ワーッ
キョン「結局全ホールでホールインワンか。司会のおっさん顔引きつってるぞ」
古泉「無理もありませんね」
ドラえもん「やった!長門さんが優勝したんですね!」
キョン「おぉ、そっちも終わったのか?どうだった?」
ドラえもん「のび太くんが優勝しました!」
のび太「エッヘン!」
キョン「やるじゃないかのび太。ドラえもんの道具無しで優勝するなんて
誇れるレベルだぞ!」
のび太「いや~」
ドラえもん「そういえばスネ夫くんはどうしたんですか?」
キョン「あいつなら早々に抜けてジャイアンと一緒にバッティングセンターに向かったぜ」
古泉「取り敢えずここまでは順調ですね。後はホームラン競争とクイズだけです」
キョン「クイズか・・・・気が重いな」
キョン「一応暗記パンで予習はしたが、あの本に載ってる以外の
問題が出たらその時点でアウトだ」
古泉「なるほど。そこは神に祈るしかありませんね」
ドラえもん「あ、長門さんが帰ってきましたよ!」
キョン「お疲れさん」
長門「・・・・」
古泉「ではホームラン競争の応援にでもいきましょうか」
キョン「だな。ただその前に長門、一つ約束してくれないか?」
長門「なに?」
キョン「万が一、本当に万が一だが、俺達がまたループするような事になったら
その時は今回の記憶を思い出させてくれないか?お前ならできるだろう?」
長門「直接プログラムを注入すれば可能。でも、どうして?」
キョン「どうしてって言われてもな・・・。まぁ、念の為だ」
長門「・・・分かった」
カキーーーン! カキーーーン! カキーーーン!
観客A「すげーよの子、さっきからホームラン連発してるぜ!」
観客B「プロかなんかか?」
観客A「馬鹿、どう見ても子供じゃねーか!」
観客B「でも・・・じゃあ子は何であんなにホームランばかり打てるんだ?」
カキーーン! カキーーーン! カキーーーン!
司会「凄い凄い!!チームSOS団涼宮ハルヒ様!何とこれで11球連続ホームランです!!」
ハルヒ「ふふん♪楽勝だわ♪」
スネ夫「この分なら総合優勝は間違いないねジャイアン!」
ジャイアン「おう!これでループ脱出確定だぜ!」
カキーーーン! カキーーーン! カキーーーン!
司会「優勝は、58本のホームランを放ちましたチームSOS団の涼宮ハルヒ様です!」
ワーッ ワーッ ワーッ
ハルヒ「ちょろいもんだわ♪」
のび太「いくらなんでも打ちすぎだよ~」
キョン「60球中58本もホームランを打っておきながら、何も怪しまず全て
自分の力によるものだと思い込めるあいつが心底羨ましい」
ピンポンパンポーーン
アナウンス『超人選手権に出場中の皆様にお知らせ致します!
間もなく、最終競技であるクイズ大会を開始いたします。出場予定の方は
中央ホールまでお越しください』
古泉「さて、いよいよ最終競技です。頑張ってくださいね」
キョン「やれるだけやってみるさ」
ハルヒ「キョン!なにそんなところに突っ立ってんのよ!次はクイズ、早く行くわよ!」
キョン「分かってるよ」
アナウンス『チームSOS団のキョン様、ドラえもん様!お話したい事がありますので
至急1階大会実行役員室までお越しください』
キョン「ん?俺か?」
ドラえもん「僕も呼ばれました」
古泉「お話したい事があると言っていましたが、実行役員がいったい何の話でしょう?」
キョン「俺とドラえもんって事は、どうせポーカーの件だろうな。なんたって
7連続ロイヤルストレートフラッシュだ。仲間と協力してのイカサマを疑いたくもなるさ」
古泉「なるほど」
ハルヒ「この忙しい時になんだっていうのよ!!キョン、さっさと行って
用を済ませてきちゃいなさい!私は先に行ってるから!」
キョン「あぁ、分かった。じゃあ行くかドラえもん」
ドラえもん「はい!じゃあみんなも涼宮さんと一緒に先に中央ホールに行っててくれ!」
のび太「分かった!」
ジャイアン「早く来いよなー」
そこは、『ここに来い』とでも言われない限り
まず誰も近寄らないであろう場所にあった。人通りはまるで無く
さっきまでの賑やかさが嘘のように静かである。
ドラえもん「ここみたいですね!」
キョン「役員室の割には随分目立たないところにあるんだな。人通りがまるで無いぞ」
ドラえもん「取り敢えず中に入りましょう」
コンコン
?「どうぞ」
ドラえもん「失礼します!」
ガチャッ
(ドラえもんとキョンは部屋に入ったが、中に人影は無かった)
キョン「誰もいない?確かにさっき『どうぞ』って聞こえたよな?」
ドラえもん「はい」
キョン「どっかに隠れてるのか?アホな事に付き合ってる時間はないんだが・・・」
キョン「うおっ!」
ドラえもん「な、何だ!?」
(入り口のドアが物凄い勢いで閉まった)
ドラえもん「今通路側から誰かがドアを閉めた!!」
キョン「なに!?まさか閉じ込められたのか!」
(キョンは急いでドアを開けようとしたが、どんなに力を入れても
まるでビクともしない)
キョン「ちっ、反対側から押さえてやがるな!誰だか知らんがくだらない真似は止めろ!」
謎の声「いくら押しても無駄だよ。このドアはもう絶対に開かない」
キョン「おいお前どういうつもりだ!さっさとここを開けろ!」
謎の声「そういうわけにはいかないよ。悪いけど君達にはず~とそこにいてもらうよ」
キョン「なにわけの分からねー事言ってやがる!さてはお前別のチームの参加者だな?
俺達の成績があまりにもいいもんだから、最後くらい邪魔してやろうって魂胆だろ!?」
謎の声「あはは、違うよ。僕は単に君達にこれ以上あの大会に出てほしくないだけなんだ」
キョン「何でだ!?」
キョン「なに!?」
ドラえもん「ループだって!?」
キョン「お前・・・・いったい何者だ?」
謎の声「何者かどうか聞いても意味ないと思うよ?どうせ次のループでも全部
記憶をリセットされちゃうんだから」
キョン「答えろ!!」
謎の声「しいて言うなら君達と一緒にいる長門有希と同じ、涼宮ハルヒの観測者さ」
キョン「観測者だと!?じゃあお前も統合思念体が作り出したインターフェイスだってのか?」
謎の声「情報統合思念体とは関係ないよ。別の組織とでも言うできかな」
ドラえもん「何でもいいから、早くここを開けろ!!」
謎の声「何度も言ってるだろ未来のロボットくん。それは出来ないって」
ドラえもん「何で僕の事まで!?」
謎の声「フフ、何でも知ってるよ。流石に15000回以上も似たような事を繰り返すと
どんな人間でもある程度学習するものなんだね。まさかここにきて競技に君の秘密道具を
使用してくるとは思わなかったよ。これまでのシークエンスでは全部自力で挑戦して
惨敗の繰り返しだったからね。その度に涼宮ハルヒの精神が不安定になってたから
観測する立場としてはありがたかったけどね。」
それは僕の立場上阻止しなければならないんだ。上に怒られちゃうからね」
キョン「やっぱりこのループを解く鍵はこの大会だったのか!!」
謎の声「いや、確実にそうだとは言えない。けど僕も君達同様、それが最も
可能性が高いと思っている。だから悪いけど阻止させてもらうよ」
ドラえもん「開けないって言うならこっちにも考えがある!『通り抜けフープー!』」
キョン「何だその道具は?」
ドラえもん「壁を難なく通り抜ける事にできる道具です!これをドアにつけてください!」
キョン「分かった!」
(キョンはドアに通り抜けフープをつけたが、円の中は銀色の幕で
覆われ、身体を近づけると弾かれてしまう)
バシンッ!!
キョン「ぬあっ!」
ドラえもん「そんな、通り抜けフープが使えないなんて・・・」
謎の声「今君達がいる部屋はさっきまでいた世界とは違う切り離されたそこだけの世界
だからその部屋よりも外に出ることは不可能だよ。外には何も無いんだから」
ドラえもん「何だって!?じゃあ何処でもドアも駄目か・・・」
俺にはドアの向こう側から声が聞こえるが?」
謎の声「脳に直接話しかけてるんだよ。そこのドアの向こうから聞こえるようにね」
ドラえもん「どうしよう、このままじゃ・・・」
キョン「おいお前、もういいだろ!15000回以上も同じ状況下での観測ばかり続けても
何の面白味もないじゃないか!だったらそろそろ9月以降の観測にシフトしたって」
謎の声「それが意外とそうでもないんだ。涼宮ハルヒはその度色を変えてくれてる。
それに今回は船旅の途中で突然君達が消えるという特殊なケースだ。観測し甲斐がある
止めるなんてもったいない事できないよ。」
キョン「じゃあ、後何回やればお前とお前の組織の親玉は納得するんだ?」
謎の声「そうだな・・・・断定はできないけど、最低でも1億回は必要になるだろうね」
キョン「い、1億だと・・・」
ドラえもん「そんな事にいつまでも付き合ってられるか!!」
謎の声「別にいいじゃないか。君達は1回1回ご丁寧に記憶を消してもらってるんだから。
ま、最近はだいぶ既視感が強まっているようだけどね。流石に1億回もループしたら
嫌でも記憶を引き継ぐ形になるかもね。そうなったら地獄だ」
キョン「お前・・・・」
謎の声「じゃあ僕はこれで。また次のループで一緒にポーカーが出来るといいね、少年」
謎の声「バイバイ!」
キョン「おい、待て!!」
・・・・・シーーーン
キョン「くそっ!」
ドラえもん「犯人に心当たりがあるんですか?」
キョン「ポーカー大会に出てたとき、俺の事を少年ってよんでたオヤジが
一人だけいたんだ。たださっきの奴とは声がまるで違う。いったいどういう事だ・・・」
ドラえもん「・・・・これからどうしましょう?」
キョン「どうしようったってな・・・・ドラえもんの道具でも歯が立たないんじゃ打つ手がない
このまま8月31日が終わるのをここで待つしかないだろう」
ドラえもん「15499回目のループ確定ですね・・・」
キョン「なーに、次で片をつけるさ。もしもの時の為に次にループした時は
俺達に記憶を思い出させるよう長門に頼んでおいたしな。
次は敵の存在を認識した上で行動できる」
ドラえもん「・・・・のび太くん達、心配してるだろうな~」
キョン「ハルヒ辺りも大騒ぎしてそうだな」
キョンが監禁された事により、結局SOS団はクイズ大会失格となった。
勿論ハルヒは時間内までに登場しなかったキョンに大激怒だったが
超人選手権自体はSOS団チームが総合優勝を果たした。
しかし、翌日になっても姿を見せない二人
船員による船内の捜索活動が行われたが、それでも見つからず
気がつけば船は最終地点である神戸港へと到着していた。
最初は怒っていたハルヒだったが、次第に不安が表情に表れてきた。
古泉「兵庫県警の方々がもう一度船内を捜索するとの事です」
みくる「ふえ~ん、キョンく~ん」シクシク
のび太「ドラえも~~ん、いなくなっちゃやだ~!!」
ハルヒ「どうなってるのよ・・・・キョンもドラえもんも何処へ消えたっていうの・・・」
スネ夫「船内をいくら探しても出てこないって事は、もしかして海に落ちたとか・・・」
のび太「えぇ!?」
ハルヒ「あ、あたしももう一度探してくるわ!!古泉くん、みんなの事頼んだわよ!」
古泉「分かりました」
(ハルヒがその場を去った)
ジャイアン「泣くなよのび太、きっと大丈夫だって」
みくる「キョンく~~ん」シクシク
スネ夫「二人ともいったい何処へ消えてしまったんだ・・・」
古泉「船の中の何処にもいないというのは妙ですね。これでは本当に
海に落ちたとしか考えられない。長門さん、何か分かることはないですか?」
長門「・・・あの二人は今この世界の時空間には存在していない。異空間にいる」
のび太「えぇ!?」
古泉「誰かが意図的にそうしたのですか?」
長門「そう」
古泉「誰です?」
長門「今は分からない。調査が必要」
古泉「そうですか・・・」
のび太「ドラえもんはもうこっちの世界には戻ってこれないんですか?」
古泉「いえ、その心配はありません。こうなった以上、恐らく我々はもう一度
ループする事になるでしょう。今の涼宮さんの精神状態はこれまでに無い以上に
不安定ですしね。」
こちらの世界へと戻ってこれるはずです。勿論記憶はリセットされていますが」
スネ夫「は~、またループするのか・・・」
古泉「今は夜の7時です。後5時間もすればまた8月27日に逆戻りです」
のび太「ドラえもんが戻ってくるのなら、僕は何回だってやり直す!!」
ジャイアン「よく言ったのび太!!」
みくる「ふぇ~ん、私も頑張りますぅ~」
古泉「確か長門さんは次にループした際、自分達の記憶を思い出させるよう
にと彼に頼まれてましたよね?」
長門「そう」
古泉「僕からもお願いします。新たな障害が出てきた以上、記憶を引き継ぎでもしない限り
永遠とこのループから脱出は出来ないでしょうから」
長門「分かった」
のび太「(ドラえもん・・・・)」
(こうして7人は24時まで大人しく待った)
キョンはふとそう思った。現在彼は豪華客船オーベロン号内にある個室にいる
目の前には同じSOS団の団員である古泉がいる
(8月28日)
キョン「はぁ~~~」
古泉「おや、随分大きな溜息ですね。何か嫌な事でも?」
キョン「溜息も出るさ、夏休みもいよいよ終わりだって時に急にこれだ。
こちとら宿題も終わってないってのに、勘弁してほしいぜ」
古泉「まぁ、確かに急なことではありましたね。涼宮さんから電話がかかってきたのが27日で
僕達が神戸港を出港したのが28日。流石に準備に手惑いましたよ」
キョン「急に電話してきて『明日から31日まで豪華客船で遊ぶわよ!』だもんな~。
商店街のくじ引きで5枚もチケット当てちまうなんて、どうなってんだかなあいつは」
古泉「涼宮さんがそう願ったからこそ、そのような奇跡的な芸当が出来たのでしょう。
恐らく彼女はあのまま夏休みが終了する事が嫌だったのでしょう」
キョン「夏休みに入ったと同時にお前の知り合いの別荘で充分楽しんだじゃないか。
他に何が物足りないっていうんだあの女は?」
古泉「さあ。それが分かるのは、恐らく涼宮さん本人だけだと思いますよ」
--間もなく東京湾に到着致します。間もなく東京湾に到着します
キョン「ようやく折り返し地点か」
古泉「帰路もこのまま何事もなければいいのですが・・・」
キョン「それは無理な話だな。ハルヒの奴がいる限り必ず何かは起こる」
ガチャッ
ハルヒ「やっほーーーーーー!!!」
キョン「ほら見ろ、噂をすればだ」
古泉「あはは・・・」
ハルヒ「何よあんた?私の噂してたの?」
キョン「まぁな。偉大な団長様のお陰でこんな豪華客船に乗るとこが出来て
光栄だって事を古泉と二人で話してたところだ。」
ハルヒ「あらそう♪それより二人とも、外に行くわよ!」
キョン「外?東京見物でもする気か?残念だがこの船はそう長く停泊しないぞ」
ハルヒ「違うわよ!東京湾からも大勢の人が乗船するのよ!?
その中に宇宙人や未来人がいるかもしれないじゃない!」
ハルヒ「当たり前じゃない!兵庫にはいなくても東京にはいるかもしれないのよ!?
むしろ人口が多い分東京の方が不思議な奴がいる確率は高いと思うわ!」
キョン「そういう確率が人口の多さに比例するとは初耳だが」
ハルヒ「ごちゃごちゃ言わないでさっさと行くわよ!もしかしたら宇宙人や未来人以上の
もっと凄いのが乗り込んでくるかもしれないわよ!!いえ、きっとそうだわ!!」
キョン「はぁ~~、もっと凄いのってのは具体的にどんな奴なんだ?」
ハルヒ「そうね~・・・・・・未来から来たネコ型ロボットってのはどう!?」
キョン「いや、どう?って言われてもな・・・・」
ハルヒ「いいから早く来なさい!先に行ってるわよ!」
バタンッ
キョン「全く台風のような女だ・・・」
古泉「・・・・・・・・・」
キョン「ん?どうした古泉?」
古泉「あ、いえ・・・・少々気になることがありましてね・・・」
古泉「大した事ではありませんよ。恐らく僕の勘違いだと思います」
キョン「そうかい」
コンコン
キョン「はい?」
長門「・・・わたし」
キョン「長門か、入っていいぞ」
ガチャッ
キョン「どうしたんだ?」
長門「腕を」
キョン「は?」
長門「腕を出して」
キョン「こうか?」スッ
(長門はキョンの腕にゆっくりと噛み付いた)
キョン「んなっ!!!」
(キョンは強烈な目まいに襲われ、前回の記憶
15498回目の記憶を全て思い出した)
キョン「・・・・・はぁ~。何とかこっちの世界に戻ってこれてたか」
古泉「あの・・・先程からお二人は何をなさってるんですか?」
キョン「長門、あいつにもやってやれ」
長門「分かった」
古泉「何をしようとしているかは知りませんが、ちょっと待ってもらえますか!」
キョン「いいから大人しくしろ!やれば分かる!長門、やっちまえ!」
古泉「ちょ、ちょっと待ってくださ」
ガブッ
長門「終わった」
古泉「・・・・・・なるほど、そういうわけだったのですか。いきなり長門さんが
あなたに噛み付いたんで、正直驚きましたよ」
キョン「俺もまさかこんな方法で記憶を蘇らせられるとは思ってなかったさ」
古泉「取り敢えずあなたがこちらの世界に戻ってこれていて何よりです。
次のループでもあちらの世界のままだったらどうしようと、内心ちょっとヒヤヒヤものでした」
古泉「詳しい話はドラえもんさん達と合流してからにしましょう
今は取り敢えず、涼宮さんのところへ」
キョン「そうだな。じゃあ行くか」
それからキョン達はドラえもん達と合流し、前回同様古泉の部屋で
ハルヒと自分達に関する説明をした後、中央ホールにてハルヒから
超人選手権出場の旨を聞き、その日の夕食も前回同様キョンが全額支払った。
----その日の夜(キョンの部屋)
キョン「9人分で3万4000円・・・前回より上がってるじゃねーか!!」
コンコン
古泉「古泉です。みんなをあの倉庫に集めました。そろそろ行きましょう」
キョン「あぁ、そうだったな」
全部やっておけばよかったんじゃないか?」
古泉「あの時は涼宮さんとの待ち合わせまで時間がありませんでしたから
策を練る為にも時間に余裕のある夜の方がいいと思いまして」
キョン「なるほどな」
-------8階倉庫
ガチャッ
古泉「彼を連れてきました」
キョン「どうも」
ドラえもん「あの、話っていうのはいったい何なんですか?」
キョン「ああ、それは今にすぐ分かる。長門、頼む」
長門「・・・・」コクッ
(長門はゆっくりとドラえもん達に近づく)
ドラえもん「わっ!な、何ですか!?」
みくる「キョ、キョンくんこれはどういう事なんですかぁ~?」
キョン「(すぐ終わるんで少し辛抱してください朝比奈さん)」
のび太「ドラえも~ん!良かったー、戻ってこれたんだね!」
ドラえもん「心配かけてごめんねのび太くん!」
みくる「うえ~んキョンく~ん!良かったですぅ~」
キョン「心配かけてすいません朝比奈さん」
スネ夫「あぁ・・・・これで15499回目のループか」
ジャイアン「ところで二人は前回何で突然消えたんだ?」
ドラえもん「変な奴に突然異空間に飛ばされたんだ!」
古泉「その者の顔は見ましたか?」
ドラえもん「一瞬姿は見えたけど、顔までは見れませんでした」
古泉「そうですか」
キョン「なぁ長門、そいつは自分の事をお前と同じハルヒの観測者だと言っていたが
それは本当なのか?」
古泉「という事は、あなた方を閉じ込めた犯人は長門さん同様のインターフェイス
だという事ですか?」
長門「少し違う。私と同じではない」
キョン「どういう事だ?」
長門「私と違いそれには肉体がない」
キョン「肉体が無いだと!?」
ドラえもん「でも僕は確かに見ましたよ!ドアを閉める人影を!」
長門「それは恐らく身体を乗っ取られた人間の姿。それは肉体が無いが故に
有機生命体の身体に乗り移り行動している」
キョン「なるほどな、どうりであの時とポーカーの時とで声が違うわけだ。
何度もいろんな人間の身体を移動しながら俺達やハルヒの動きを注視してたってわけか」
古泉「寄生生物のようなものですね・・・しかし、こうなると少々厄介です。
身体を乗り移る事ができる以上、探し出すのは至難の業です。
長門さん、何かいい手はありますか?」
長門「ない。私でも外から見分ける事は不可能」
キョン「どうすりゃいいんだ。このままじゃまたあいつに妨害されてループの繰り返しだぞ」
キョン「この船にどれだけの人間が乗船してると思ってるんだ。それに万が一当たりを
引いたとしても、気づかれたと分かった時点でまた別の人間に乗り移られるだけだ」
ジャイアン「ちきしょー!何処にいるのかさえ分かれば俺がギッタギタに
してやるのに!!」
キョン「仮に見つけたとしても手は出してやるなよ。その身体は全く関係の無い
人のものなんだからな」
古泉「一つの策として、こういうのはどうでしょうか?」
キョン「言ってみろ」
古泉「僕達は前回同様ドラえもんさんの道具を使って超人選手権を勝ち続ける
そうすれば恐らくその宇宙人はまた何らかの妨害工作に出るでしょう。
むこうからこちらにアクションを示す唯一の機会です。これを逆手に取り、捕らえる」
キョン「捕らえるっていってもな、捕らえた肉体から別の肉体に移動されたら
意味無いんじゃないか?」
長門「それは問題ない。捕まえたと同時に私がそれ対して妨害プログラムを注入する」
キョン「それができればあの宇宙人はもう人体移動ができなくなるのか?」
長門「そう」
キョン「しかし前回そういう行動をとったからって、今回も同じような行動に出るとは
限らないんじゃないか?相手も馬鹿じゃないんだし、それくらい考えるだろ」
古泉「確かにそうかもしれませんね。しかし、現状このくらいしか手がありません」
のび太「ねぇドラえもん、何かいい道具ないの?」
ドラえもん「う~ん・・・・・・・あっ!あれなら使えるかも、『正体スコープー!』」
古泉「何ですその道具は?」
ドラえもん「これを覗くと色んな奇怪現象などの正体を見破ることが出来るんです!」
キョン「またとんでもなくタイムリーな道具を出してくれたなおい!
これならこっちから奴を特定する事も可能なんじゃないか?」
古泉「えぇ。いけますね」
ジャイアン「よっしゃー!!じゃあ明日早速やろうぜ!!」
スネ夫「だね!もうループは懲り懲りだよ」
のび太「でも明日僕達には超人選手権もあるんだよ?敵を探す暇なんてあるかな~」
キョン「確かにそうだな。それぞれ空いてる時間があるとはいえちょっと短すぎる」
超人選手権の方は諦める。そうすれば敵を探す時間は十分に取れます」
スネ夫「えぇ!?それじゃまたループ確定じゃない!!」
古泉「しかし、ここできちんと敵を潰しておけば、次回のループでは何の妨害も受けずに
競技を進める事が出来ます。前回同様、ドラえもんさんの道具を使えばあの大会で
優勝する事は簡単です。最低でも後1回だけのループで全てに片をつけることができます」
ジャアイン「ここで倒しても、次のループで生き返っちゃうんじゃないんですか?」
古泉「それはありません。相手は時間も空間も超越した存在です。
涼宮さんによる能力の干渉は受けませんから、ここで倒す事さえ出来れば
以降何度ループを重ねようと再び姿を現す事はないでしょう」
キョン「後1回ループ覚悟で選手権を捨て宇宙人を叩くか、ここで終わらす為
選手権と宇宙人退治を両立するか・・・・。前者なら確かに後1回のループで済む
かもしれないが、後者の場合失敗したらそれ以上のループを重ねることになるかも
しれない。勿論成功する可能性もあるだろうが、個人的には前者の方が無難だと思うな」
ドラえもん「僕もそう思います!」
のび太「僕も!」
ジャイアン「俺も!」
みくる「私もですぅ」
古泉「では決まりですね。このシークエンスでは敵の殲滅にのみ全てかけましょう!」
キョン「・・・・そういえばその辺を全く考えてなかったな。それどころか、ハルヒの目を
かいくぐりながら宇宙人捜索など出来るのか?」
ドラえもん「問題ありません!いい物があります、『クローン培養気!!』」
●クローン培養気
わずかな細胞から自分と同じ生物を作れる機械。
髪の毛一本からでOK
古泉「なるほど、これで僕ら8人分のクローンを作り、涼宮さんと一緒に明日の大会に
出場してもらい、その間に僕らが敵の捜索と殲滅に終始するという事ですね」
ドラえもん「そうです!」
キョン「ちょっと待て!大きな船とは言っても、万が一ハルヒの目の前でもう一人の自分と
バッタリなんて事になったらどんでもない事になるんじゃないか?」
みくる「確かにそんな所見られたら大変な事になりますぅ~」
ドラえもん「だったら僕らはこれをかぶって行動しましょう!『透明マント!!』」
●透明マント
このマントをかぶると透明人間になれる
古泉「しかし、これでは僕らも互いに視認できなくなるのでは?」
ドラえもん「大丈夫です!マントをかぶっている者同士なら見えます!」
古泉「なら問題ありませんね。早速我々8人分のクローンを作成しましょう」
キョン「もう作るのか?」
古泉「こういう事は早い方がいいですよ。今のうちに8人分のクローンを作り
部屋には彼らに戻ってもらい、僕らはここで明日を待つ」
キョン「まぁ、明日の朝になってからドタバタするよりはいいか」
ドラえもん「ではみなさん、髪の毛1本でいいのでこの機械に入れてください!」
(7人は自分の髪の毛を抜き、機械に放り込んだ
ドラえもんはヒゲを少しだけ切って入れた)
ガガガガガガガガガ
キョン「なんだか凄い音だな・・・・大丈夫かこれ?」
程なくして機械の中から全く同じ姿をしたキョンや
ドラえもんのクローンが出てきた。
キョンやドラえもん達の前に立った
のび太「な、何だか気味が悪いよ~」
ジャイアン「すげーや、こいつ俺そっくり」
スネ夫「もう、当たり前だろ!クローンなんだから」
キョン「何でこいつら何も喋らないんだ?目線もずっと同じ所ばかり見てるし
正直かなり不気味だ・・・。こんな状態でハルヒの所へ行かせて大丈夫なのか?」
ドラえもん「このクローン達は僕達オリジナルが一定の距離入ると待機モード
つまり今みたいに何も喋らず何も考えない状態になるんです」
古泉「なるほど、最悪鉢合わせた時の為の予防策のようなものですね」
キョン「しかしこんな状態じゃこれから自分の部屋にすら帰れないぞ?
俺達が少し離れるしかないのか?」
ドラえもん「待機モードの中はこのリモコンで操作する事ができます」
ピッポッパ
ドラえもん「さ、みんな部屋に戻って!明日は超人選手権の方よろしく頼むよ!」
ドラえもんがリモコンを押すと、クローン達は黙って倉庫を出て
各々の部屋へと向かった
みくる「うぅ~、気味が悪かったですぅ」
キョン「出来る事ならもう二度と顔をあわせたくはありませんね」
古泉「これで準備は完了しましたね。では僕たちも休みましょう
明日は忙しくなるでしょうからね」
みくる「えぇ!?こ、ここでみんなと一緒に寝るんですか~!?
そ、そんなの無理です~///」
古泉「そう言われましても・・・部屋に戻るわけにもいきませんからね」
キョン「ドラえもん、何とかならんか?」
ドラえもん「『壁かけアパート!』」
●壁かけアパート
この壁かけを好きな所に貼ると、中にマンションが出来る
ドラえもん「中には全部で12部屋あります!今日はこの中で休みましょう!」
ジャイアン「やっほー俺一番!」
スネ夫「僕二番!」
のび太「あぁ、待ってよー!」
ドラえもん「いえいえ」デレデレ
キョン「壁かけアパートか、家賃いらずの土地いらず。便利すぎるだろ・・・」
古泉「未来の世界というのは、我々の想像を遥かに超えているようですね」
キョン「それにしても何で朝比奈さんはドラえもんの道具に関して何も知らないんだろうな?
ドラえもんのいた世界よりも先の未来から来たって言ってたのに」
古泉「禁則事項だと言っていましたからね。我々に知るすべはありません」
キョン「まぁどうでもいいんだけどな」
古泉「僕たちも中に入りましょう。今日は少々疲れました」
キョン「だな。長門、お前も早く入れよ」
長門「・・・・」コクッ
こうして8人は壁かけアパートの中に入り眠りについた。
船内では既に超人選手権が開催されていた
古泉「ではそろそろ僕達も行動を起こしましょうか」
スネ夫「あのクローン達はちゃんと上手くやってるんだろうね?」
ドラえもん「それはきっと大丈夫だと思う!」
キョン「宇宙人捜索はみんな一緒に動くよりもある程度散った方がいいだろうな」
古泉「えぇ。ですから二人一組で捜索にあたりましょう」
ジャイアン「よしスネ夫!俺達が一番最初に見つけてやろうぜ!」
スネ夫「オッケー」
のび太「ドラえもん、一緒に行こう!」
ドラえもん「いいよ」
キョン「じゃあ俺は朝比奈さ」
古泉「朝比奈さん、僕と一緒に行きませんか?」
キョン「なっ!」
みくる「あ、はい・・・分かりました」
古泉「ではあなたは長門さんとお願いします」
キョン「(まぁ古泉と二人になるよりは全然マシだな)よろしくな、長門」
長門「・・・・」コクッ
古泉「捜索するにあたって気をつけてほしい事は、我々のクローンと一定以上の距離に
近づかないという事と、敵を発見した際の対処法です。」
キョン「ハルヒの目の前で待機モードなんかになられた日には大変だしな」
古泉「敵を発見した際はまず長門さんに連絡を取り、彼女と合流するまでは
絶対に敵に手出しをしないでください」
ドラえもん「分かりました」
古泉「では行きましょう!みなさん決して無理をなさらずに」
8人は透明マントをかぶり倉庫を出た
二人は正体スコープを覗きながら宇宙人を捜索していた。
ガヤ ガヤ ガヤ
キョン「ふぅ、敵を探し出すのにこれ程便利な道具は無いが
こうも人が多いとちょっと大変だな。長門、そっちはどうだ?」
長門「いない」
キョン「根気強くやるしかないか」
--------ドラえもん、のび太班(6階)
のび太「ドラえもんいた?」
ドラえもん「いないよ」
のび太「人がこんなに多いんじゃ見つけたとしてもすぐ見失っちゃうよ!」
ドラえもん「簡単に見つけられると思ったけど、結構時間がかかりそうだね」
みくる「人が多すぎて全部見切れませ~ん」
古泉「ここは特に人の集まる所ですからね。しかたありません
ところで朝比奈さん、一つ聞きたいことがあるのですが?」
みくる「何ですか?」
古泉「ドラえもんさんの事です。彼の出す秘密道具に対してのあなたのリアクションが
どうも僕には不自然に見えたので・・・。あなたはドラえもんさんの道具に対して
本当に心の底から驚いていませんでしたか?」
みくる「・・・・・」
古泉「あなたはドラえもんさんが生まれたとされる22世紀よりも先の未来から
来たと言っていましたが、その場合彼の出す秘密道具を知らないはずが無い
ところがさっきも言ったように、あなたは次々と出される彼の道具に本気で驚いていた。
それどころか、ドラえもんさんが現れた時点で相当驚いていたようにも見えました」
みくる「き、禁則事項です」
古泉「あくまで推察ですが、彼等は全く別の次元の地球から来たのではないですか?
だからあなたはドラえもんさんの存在や道具に驚いた。こっちの世界の未来と
ドラえもんさん達のいる世界の未来とでは科学力に大きな差がある。・・・違いますか?」
みくる「・・・その通りです」
しまったという事ですね。これは永久的なものなのでしょうか?」
みくる「このループから脱出する事さえ出来れば、たぶんあの子達は
元の世界の地球へと帰れると思います」
古泉「そうですか。恐らく彼らは8月27日の早朝辺りに
こちらの世界へと移動したのでしょうね。しかし彼らが次元移動に
気づいていないのはどういうわけでしょうか?」
みくる「たぶんですけど、周りの人々や地域なんかも丸ごと巻き込んで
移動してきたんだと思います」
古泉「だから環境の変化に気づけないわけですか。元々あちらの地球と
こちらの地球とでは大した変化もないのでしょうし、周りの人間がそのままならば
気づかずにそのまま進んでしまうのも仕方ないのかもしれませんね」
---------ジャイアン、スネ夫班(11階ブリッジ)
二人は何故か透明マントを外して捜索をしていた。
スネ夫「ジャイアン、見つかった?」
ジャイアン「全然」
スネ夫「もう、人が多すぎてこれじゃ見つかりっこないよ!」
ハルヒ「あれ?あんた達こんな所でなにやってるのよ?」
ジャイアン「す、涼宮さん!!」
ハルヒ「何驚いてんのよ?というかアンタ達さっきまでカラオケ大会の会場に
いたのに、いつの間にこんな所まで移動したのよ?」
スネ夫「そ、それはその・・・・」
ジャイアン「スネ夫、逃げるぞ!!」
(ジャイアンとスネ夫は走り出した)
ハルヒ「ちょっと待ちなさいよ!私から逃げれるとでも思ってるの!!」
(逃げる二人をハルヒは猛追する)
ジャイアン「なんて速さだ、このままじゃ追いつかれるぞ!!」
スネ夫「ジャイアン、透明マントをかぶろう!!」
ジャイアン「そうか、その手があったか!!」
(二人は走りながら透明マントをかぶった)
ハルヒ「き、消えた!!?」
スネ夫「よし、このままゆっくり離れよう!声出しちゃ駄目だよジャイアン」
ジャイアン「分かった!」
何処かに隠れたのかしら?不思議だわ・・・」
--------
-----
--
スネ夫「は~、ここまで来ればもう大丈夫だろう」
ジャイアン「いきなり目の前に出てくるんだもん、ビックリだよな~」
スネ夫「やっぱりこのマントはかぶっておいた方がいいね!」
ジャイアン「そんな事より俺腹減ったよ。宇宙人なんて何処にもいないじゃねーか」
スネ夫「あれだけ探してもいないんじゃ、僕らの捜索範囲にはいないのかもね」
ジャイアン「だろ?もう諦めてなんか食おうぜ~」
スネ夫「じゃあ最後にもう一回だけこの辺りの人達を調べてみるか・・・」
ジャイアン「いるわけないってのにもう!」
スネ夫「わー!!わー!!いたよジャイアン、宇宙人!!」
ジャイアン「えぇ!?どいつだ!?」
スネ夫「ジャイアンも見てみなよ!あそこに立ってる制服着たおじさん!!
地球外生命体って文字が浮き出てる!」
スネ夫「船の関係者に乗り移ってるんだ!早く長門さん達に報告しよう!」
-------長門、キョン班(7階)
TRRRRRR
キョン「ん?スネ夫達から電話だ!あいつら見つけたのか?」
ピッ
キョン「もしもし俺だ、見つけたのか?・・・・・・あぁ、分かった、直ぐに行く!
古泉やドラえもん達にも連絡しといてくれ!」
ピッ
キョン「長門、11階だ!!行こう!」
長門「・・・」コクッ
キョン「待たせて悪い!で、奴はどれだ!?」
古泉「あそこで腕を組んでる制服を着た男性のようです」
ドラえもん「スネ夫くん、よく見つけたね!」
スネ夫「はは、まぁ僕にかかればこんなもんだよw」
ジャイアン「よく言うぜ、諦めかけてたくせに」
スネ夫「それはジャイアンでしょ!」
みくる「あのぉ~、それでこれからどうするんですか?」
古泉「ゆっくり背後に回り、僕らで彼を羽交い絞めにて自由を奪い
長門さんが例のプログラムを注入する・・・・というのはどうでしょうか?」
キョン「随分荒っぽい作戦だが、まぁそれが一番手っ取り早いな」
ジャイアン「力仕事なら俺に任せてくれ!」
古泉「長門さん、朝比奈さん、ドラえもんさん以外の5名で取り押さえましょう」
のび太「あの・・・僕もあまりそういうのは・・・」
古泉「ではのび太さんを除いた4名でいきましょう!準備はよろしいですか?」
スネ夫「僕も!!」
キョン「さっさと終わらせちまおうぜ」
古泉「では行きましょう。取り押さえたら長門さん、よろしくお願いします」
長門「・・・」コクッ
(4人は透明マントをかぶったままゆっくりと宇宙人の背後に回り
古泉のアイコンタクトと同時に一気に襲い掛かった!
ジャイアンが胴体を、キョンと古泉が両腕を掴み、スネ夫は両足を押さえた)
船員「な、何だ!!?」ドサッ
ジャイアン「ようやく捕まえたぞ宇宙人!!」
船員「!!?」
スネ夫「観念しろ!!」
古泉「逃げ場はありませんよ」
キョン「前回は世話になったな!悪いがお前のハルヒ観測はこれで終わりだ!長門!!」
長門は瞬時に移動し、宇宙人の乗り移っている船員の右腕に
噛み付き、妨害プログラムを注入した。
インターフェイス「ぐあっ・・・・」
長門「注入完了」
キョン「これでもう人体移動は出来なくなったな、宇宙人さんよ」
インターフェイス「そうか・・・・姿を隠してるんだな!!小賢しい真似を!」
キョン「賢しくて結構だ。これでお前も終わりだな」
インターフェイス「どうせあのロボットの道具だろ?やっぱりあれは危険だったな
次のループでは初日に始末してやる!」
ジャイアン「お前に次なんかないっつーの!」
古泉「大人しく降参してもらえますか?そうすれば、危害を加えるつもりはありません」
ヒューマノイド「偉そうな奴・・・・これで勝ったつもりかい?」
(するとヒューマノイドの目が光りだした)
古泉「!?危険です、みなさん離れてください!!」
(押さえ込んでいた全員が距離をとる)
スネ夫「め、目が光ってる!?」
ジャイアン「こんにゃろう!この期に及んで何するつもりだ!」
出来なくなった。この時点で僕はもう用無し、恐らく彼に消されるだろう。
でもただでは消えない!最後に君達を道連れにしてあげるよ!!」
(ヒューマノイドが右手を上げたと同時に、周りの世界が灰色に染まり
全員の透明マントが破れた)
ドラえもん「わっ!透明マントが!?」
ヒューマノイド「やっと姿を現したね。ここからが本当の戦いだよ」
のび太「な、何ここ!?あたり一面暗くなってるよ!?」
キョン「俺が朝倉涼子に殺されそうなった時教室にできた空間に似てる!」
みくる「ふえ~ん」
ドラえもん「いったいどうやってこんな事を・・・」
ヒューマノイド「簡単な事だよ、この惑星の建造物や乗り物なんて、ちょっと分子の
結合情報をいじくれば直ぐに改変できる。ちなみに11階のこの空間は密室。逃げ場はないよ」
(そう言うとヒューマノイドは両腕を大きな刀に変化させ臨戦態勢に入った)
ヒューマノイド「さて、どいつからいこうかな・・・やっぱりここは同じヒューマノイドからかな?」
スネ夫「まずいよ、あいつ本気で僕らを殺す気だ!!ママー!!」
キョン「ちっ、どうする古泉!?」
古泉「この空間は彼の情報制御下、ここで彼と勝負するのは自殺行為かもしれませんね・・・
長門さん、彼の組んだ情報結合を解除し、元の空間か或いは長門さんの情報制御下に
塗り替える事は可能ですか?」
長門「不可能ではない。・・・ただ時間がかかる」
古泉「どれくらいです?」
長門「・・・・最低でも5分」
古泉「分かりました、ではお願いします。その間は僕が何とか食い止めます!」
キョン「食い止めるったってお前一人でどうするつもりだ?」
古泉「不幸中の幸いというべきか、どうやらこの空間では超能力が使えるようです。
これなら時間稼ぎくらいは出来ます」
キョン「お前・・・」
古泉「では長門さん、お願いします」
(古泉は赤い光の玉に変化し、ヒューマノイドへと向かっていった)
ヒューマノイド「最初は君か、喋り方とかいろいろ気に食わないからじっくり殺してあげるよ♪」
スネ夫「わっ!古泉さんの身体が!?」
ジャイアン「すげー、本当に超能力者だったのか」
長門「パーソナルネーム不明、対象の当該対情報連結解除開始」
キョン「5分か・・・・あいつ一人に任せてられるか!俺も」
長門「あなたは駄目」ガッ
(長門がキョンの腕を掴む)
キョン「何でだ!?」
長門「私の役割は涼宮ハルヒの観測とあなたの保護」
キョン「ここで仮にあいつに殺されたとしても、31日を過ぎればどうせまた
ループするんだろ?そしたら生き返るじゃないか!」
長門「それは無理。敵は恐らく私達を殺した後涼宮ハルヒの記憶を消すつもり
そうなったら二度と生き返れない」
キョン「あいつにはんな事もできるのか・・・。でもこのまま古泉一人に押し付けるわけには・・・」
長門「私が参戦する」
キョン「でもお前にはやる事があるんじゃ?」
ドラえもん「いいえ、長門さんは敵の情報連結解除に専念してください!
古泉さんの援護は僕達がやります!!」
のび太「えぇ!?僕達で!?」
(スネ夫が上空、古泉とヒューマドイドが交戦してる方向を指差しながら言う)
スネ夫「あんな化物と戦ったって僕らじゃ時間稼ぎも出来ないよ!」
ドカーーン!!
キョン「古泉!!!」
(地面に叩きつけられた古泉は、キョンの方を見て微笑んだ後
再び光の玉となって上空へと飛んだ)
キョン「くそ、俺には何もできないのか!!」
ドラえもん「このままじゃ古泉さんが危ない!みんなで力を合わせて僕らも戦おう!」
ジャイアン「おう!!!仲間を見殺しには出来ないぜ!!そうだろスネ夫!!」
スネ夫「う・・・うん」
ドラえもん「『空気砲!』『ショックガン!』『ひらりマント!』『タケコプター!』
みんな好きなのを取ってくれ!くれぐれも無理はしないようにね!」
のび太「わ、分かった」
スネ夫「くそー、もうどうにでもなれー」
のび太「神様!」
(三人は古泉の所へと飛び立った)
ドラえもん「よし、じゃあ僕も!」
キョン「そうだ!!ドラえもん、俺にあの道具を使わせてくれ!!」
ドラえもん「あれって何です?」
キョン「あれだよあれ!!あれさえ使えば俺は絶対に死なない!
絶対に死なないんだから俺もみんなと戦っていいだろ長門!?」
長門「・・・・・あれってなに?」
-------一方上空では
ヒューマノイド「段々と動きのキレが無くなってきたね。そろそろ限界かな?」
古泉「ハアハア・・・・さぁ、それはどうでしょうかね」
ヒューマノイド「・・・・やっぱり君は気に食わない。もっと遊びたいけどこれで終わりに
してあげる」
古泉は再び地面へと叩きつけられた
古泉「ぐあっ・・・・」
(地面で横たわる古泉目掛け上空からヒューマノイドが両腕の刀を広げ迫る)
ヒューマノイド「死ね!!!」
(その瞬間、ヒューマノイドは別方向から攻撃を受け吹っ飛ぶ)
ドカーン!!
ヒューマノイド「くっ・・・・・何だこの攻撃は!?」
ジャイアン「見たか宇宙人!!俺様の強さを!!」
スネ夫「流石ジャイアン!!よーし、僕たちもいくよのび太!」
のび太「うん!」
(スネ夫とのび太はヒューマノイド目掛けてショックガンを連射)
ヒューマノイド「そんな攻撃当たるか!!」
スネ夫「わっ、簡単に交わされた!!」
ヒューマノイド「死ね!!」
のび太「うわー、こっちにくるー!!」
ドラえもん「ひらりマントー!!」
ヒラリッ
ヒューマノド「馬鹿な!?あの攻撃を弾き飛ばすなんて!?」
古泉「みなさん・・・・ありがとうございます」
ドラえもん「古泉さんはそこで休んでてください!ここからは僕達で何とかします」
古泉「分かりました・・・」
ジャイアン「さあ、来るならきやがれ!!」
ヒューマノイド「あのロボットの道具か・・・・。目障りな奴だな、でもこれは防げるかな?」
(ヒューマノイドはさっきよりも更に大きい火の玉を投げつけた)
のび太「うわっ!」
ジャイアン「ド、ドラえもん!!」
ドラえもん「駄目だ、流石にこの大きさのは防ぎきれない!逃げろー!!」
(ヒューマノイドの攻撃を受けドラえもん達は吹き飛んだ)
のび太「うぅ・・・・・」
スネ夫「僕、もう駄目・・・・」バタッ
ジャイアン「ぬ~」
(ジャイアン気絶してしまい、頭の上をヒヨコが飛んでいる)
ドラえもん「く・・・・・・くそぅ・・・・」
ヒューマノイド「フフ、僕の勝ちだね。ゆっくり切り刻んであげるよ♪」シャキッ
キョン「まだ勝負は終わってねーぜ」
ヒューマノイド「ん?・・・何だ君いたの?」
キョン「そいつらを殺す前に俺と一対一で勝負しろ!」
ヒューマノイド「一対一で?別に構わないけど、止めた方がいいんじゃない?
君は普通の人間だ。宇宙人でも無ければ超能力者でもない。
それとも君も未来のロボットくんの道具を使って戦うつもりかい?」
キョン「いいや、お前なんて素手で十分だ」
ヒューマノイド「ハハ、笑えない冗談は止めてよw」
みくる「キョ、キョンく~ん・・・」
キョン「大丈夫ですよ朝比奈さん。俺は絶対に死ぬわけありませんから」
ヒューマノイド「いちいち癇に障る奴だな・・・・じゃあ試させてもらうよ!!」バッ
(ヒューマノイドが刀を構えキョン目掛けて飛んでくる)
古泉「まずい、このままでは!!長門さん、彼を!!」
長門「・・・・」
キョン「大丈夫だ長門、俺を信じろ!!」
(もう少しで刀がキョンの首をはねようかというその時
ヒューマノイドの全身に電気が帯び、激痛が走る)
ヒューマノイド「ぐあああああああああああ!!!」ドサッ
ドラえもん「何だ?何もしてないのに急に苦しみだしたぞ?」
キョン「ふぅ」
ヒューマノイド「くそっ、さっきのプログラムの影響か!!!!ぐあっ!!」バチバチ
キョン「こんな時に持病が再発するなんて気の毒な奴だな」
ヒューマノイド「ぐぎぎぎ、黙れ!!この症状が消えたらお前なんて直ぐにでも殺してやる!!」
ヒューマノイド「な・・・・何わけの分からない事を・・・言ってやがる!!!
ぐおおおおおおおおおお!!!」バチバチ
みくる「きゃあ!」
キョン「朝比奈さん、下がっててください」
(ヒューマノイドは身体を覆っていた皮と肉が所々で剥れ、内部の機械が丸出しになった)
ヒューマノイド「ハア、ハア・・・・フフ・・・フフフフフ。修復完了・・・さあ、お望み通り
一対一といこうか!!!」
長門「終わった」
ヒューマノイド「ハア、ハア・・・フフ、そうだ・・・お前らはもう終わりだ!!」
長門「違う」
ヒューマノイド「死ねー!!!!!!!」
長門「情報連結解除」
その瞬間、灰色だった世界が次第に色を帯びていき
ヒューマノイドの身体が下半身から光の粒のようになって
少しずつ消え始めた。
長門「あなたは優秀。だからこの空間プログラムを割り込ませるのに時間がかかった
でも、もう終わり。」
ヒューマノイド「ふざけるな!!統合思念体の犬が!!最後にお前だけでも!!」
キョン「そうは行くかよ!!」
(キョンは黄金バットでヒューマノイドを思いっきり殴った)
カキーーーーーーーーン!!!
ヒューマノイド「ぐあああぁぁぁぁぁぁぁぁ」
(ヒューマノイドははるか彼方へと飛んでいき
やがて身体全体が粒子となって消えた)
キョン「ふぅ、何とかなったか」
古泉「やりましたね」
キョン「お前大丈夫か?ボロボロじゃないか・・・」
古泉「正直大丈夫とは言えませんね、今も意識が飛びそうです」
キョン「早く医務室に行こう!俺が連れてってやる」
長門「必要ない」
長門「元の身体の状態を再構成する」
(長門が呪文のようなものを唱える。
すると、あっという間に古泉とドラえもん達の傷が元通りになった)
スネ夫「わっ!傷が治った!!」
のび太「本当だ!!もう全然痛くない!」
ジャイアン「んん・・・・あれ?宇宙人はどうしたんだ?」
古泉「もう倒しましたよ」
ジャイアン「えぇ!?誰が!?」
ドラえもん「キョンくんが黄金バットでやっつけたのさ!」
ジャイアン「キョンさんが!?すげーや!」
キョン「勝てたのはドラえもんの道具のお陰さ」
ドラえもん「あそこで『ツキの月』を飲むなんて発想は僕には出てきませんでしたよ」
古泉「ツキの月を?・・・なるほど、だからあなたはあんなに強気だったのですか」
キョン「あれを飲めば7連続でロイヤルストレートフラッシュが出るほどつきまくるんだ
まさかその間に殺されるなんて不運が起こるわけがないと思って飲んだらこれだ
ドラえもんの道具は本当に凄いぜ」
古泉「いや~、確かにドラえもんさんの道具も素晴らしいですが
あなたの冷静な判断力があってのものですよ。御見それしました。」
スネ夫「それより僕達いつになったら元いた場所に戻れるの?」
キョン「長門、頼む」
長門「元いた場所を再構築する」
(周囲が元いた場所に戻った)
ガヤ ガヤ ガヤ
のび太「はぁ~、やっと戻ってこられた」
スネ夫「疲れた~」
ジャイアン「俺もうくたくた」ドテッ
ドラえもん「忘れてたけど、後一回ループしなきゃいけないんだよね・・・」
キョン「まぁいいじゃないか。15000回以上も繰り返してた事が後1回で済むんだからよ」
古泉「今は午後7時。丁度超人選手権が終わった頃でしょうか。
ではドラえもんさん、大会に参加してる僕らのクローン達を消してくれませんか?」
キョン「どうせループが確定してるんだから、残り1日のハルヒの相手もあのクローン達に
任せて、俺達は例のアパートか何処かで休んでればいいんじゃないか?」
スネ夫「何でさ?向こうにいるのは完璧なクローンなんだよ?
偽者だって気づけるはずないんだから別に可哀想じゃないじゃない」
キョン「・・・・・いや、のび太の言うとおりだな。どうせループは確定しているが、やっぱり戻ろう」
古泉「そうですね」ニコッ
みくる「はい♪」
長門「・・・」コクッ
ドラえもん「ではこの入れ替えスイッチを押します!このスイッチを押すと
向こうにいるクローンと僕達の場所が入れ替わります」
キョン「そりゃ便利だな。でもこっちに移動したクローン達はどうなるんだ?」
ドラえもん「入れ替え完了後すぐに消去されるから問題ありません」
古泉「移動の手間が省けましたね。ではドラえもんさん、お願いします」
キョン「みんな気合入れとけよ。向こうへ行ったら選手権に優勝出来なかった事に
腹を立てたハルヒが俺達に八つ当たりしてくるだろうからな」
古泉「そういえばそうでしたね」
ドラえもん「では押します!」
ポチッ!!
司会「第3回超人選手権総合優勝は・・・・・・SOS団チームです!!!!!」
ワーッ ワーッ ワーッ
ワーッ ワーッ
キョン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
ハルヒ「やったわねキョン!!!!総合優勝よ!!!」
キョン「・・・・・・・総合・・・・・優勝?・・・・誰がだ?」
ハルヒ「何寝ぼけてんのよ!!私達SOS団がに決まってるでしょ!!」
キョン「・・・・・何だと!!!!?」
ハルヒ「しかも2位のチームに大差をつけての圧勝劇!!素晴らしいわ!!」
スネ夫「嘘!?優勝したの!?じゃ、じゃあもうループしなくて済むんだ!!やったー!」
ジャイアン「やったなスネ夫!!」
ドラえもん「よかったねーみんな」
みくる「うぅ~、よかったですー」
あのクローン達が1回で優勝しちまったぞ。それもドラえもんの道具無しでだ!
あいつらは俺達と知能も体力も同じはずだよな?」
古泉「えぇ。恐らくこれは、あなたが飲んだツキの月の影響ではないですかね。
まだあれから3時間は経過していません。つまり、今現在もあなたは宇宙一ついてる人間
という状態なんですよ。だからこんな事が起こったんだと思います。」
キョン「だが飲んだのは少なくとも殆どの競技が終わった時間帯だぞ?
そこから一気に逆転したってのか?」
古泉「その辺りに関しては確かな事は言えません。推察ですが、あなたがあの時間
あの場所でツキの月を飲むという行為は既定事項だったのかもしれません。
そう考えれば、それを飲む前からあなたの幸運の為の下準備が始まっていたとしても
何ら不思議ではありませんよ」
キョン「いや、不思議だらけだ」
古泉「ドラえもんさんの道具は我々の想像を絶します。考えても分からないでしょう
今はこの目の前にある幸運を喜びましょう」
キョン「だな。もう1度すると覚悟していたループが無くなったんだ。喜ばずにはいられん」
ハルヒ「キョンに古泉くん、いつまでぶつぶつ話してるのよ!!ステージの壇上で
記念の集合写真を撮ってくれるらしいわ!早く行くわよ!」
キョン「へいへい」
その日の夜は主催者側が優勝記念祝賀会を開きみんな大いに盛り上がった。
ハルヒは終始上機嫌で、その様子を見てキョン達は
「あぁ、これで本当にループが終わる」
と確信し安堵の表情を浮かべた。
しかし次の日、ハルヒは再び彼らの不安を煽るような発言をする。
----------8月31日(中央ホール)
ハルヒ「何か足りないわ!!うん、絶対に何か足りない!!」
ドラえもん「えぇ!?」
ジャイアン「何かって、何がですか?」
ハルヒ「それが分からないのよ・・・でも何かが物足りないのよね!
このままこの旅が終わっちゃったら何だか消化不良な感じがするわ」
のび太「そ、そんな~」
キョン「超人選手権で優勝してSOS団の名を轟かせる事に成功した上に
賞金1000万も手に入れたんだぞ?これ以上に何が物足りないってんだお前は!?」
ハルヒ「うるさいわね~。何かよ、何か」
古泉「これは参りましたね・・・」
みくる「ふぇ~ん」
スネ夫「ドラえもん、何とかしろよ!またループする事になるぞ!!」
ドラえもん「そんな事言われても僕にもハルヒさんが何をしたがってるのかなんて
分からないよ!」
のび太「長門さんは?」
長門「分からない」
ハルヒ「みんなしてさっきら何ヒソヒソ話してるの?いいわ、ちょっと物足りないけど
まぁこんなもんでしょ」ガタッ
(ハルヒは椅子から立ち上がった)
キョン「おいちょっと待て!!何処へ行く?」
ハルヒ「何処って、自分の部屋だけど?今日はみんなまだ疲れが抜けてないだろうから
自由行動って事でいいわ。また夜にね」
(そう言うとハルヒは自分の部屋へと歩き出した)
キョン「(ま、まずい・・・このままじゃ・・・・)」
その瞬間、キョン達を今までに無い猛烈な既視感が襲う!
ドラえもん「うわっ!これは!!」
みくる「凄い既視感です~」
キョン「(そうか、前回は俺とドラえもんが監禁されたから無かったが
それ以外の殆どのループで俺達はこの場面を経験しているんだ!)」
(ハルヒはどんどん遠ざかっていく)
キョン「(以前までのループなら、あいつが感じてる物足りなさの正体は超人選手権で優勝
出来なかった事だろうが、今回は違う!!俺達は優勝している!!
他にあるはずだ・・・・何か・・・何かが!!)」
(更に遠ざかるハルヒ)
キョン「(このままあいつを行かせちゃ駄目なんだ!!・・・・ええい、もう何でもいい!!
何でもいいから言っちまえ俺!!)」
(遠ざかるハルヒにキョンが大声で叫ぶ)
キョン「ハルヒ!!!!」
(キョンの大声に驚いたハルヒがこちらに振り返る)
ハルヒ「何よ?大きな声だして、みっともないわね」
ハルヒ「用が無いなら行くわよ」
(ハルヒが再び帰ろうとしたその時)
ドラえもん「そうだ!!のび太くん、宿題やらなきゃ!!」
(ハルヒが再びこちらを見る)
のび太「もう、今そんな事言ってる場合じゃないだろう!!」
キョン「宿題・・・・・・そうだ!!!宿題だ!!!」
ジャイアン「えぇ!?」
キョン「いいかハルヒ!俺は夏休みに出された宿題を何一つやってない!
それをしないと俺の旅行を終わらないんだ!!」
ハルヒ「はぁ?なに言ってんのよアンタ?」
キョン「おい古泉!!!」
古泉「は、何でしょう?」
キョン「お前は終わっているのか?」
古泉「いいえ、バタバタしていましたからね。まだ半ばと言ったところでしょうか」
キョン「じゃあ一緒にやろう!!長門も来い、お前もまだだよな!」
みくる「え・・・・でも、その、どこへ?」
キョン「俺の部屋でやりましょう!!確かみんなノートも問題集も持ってきてましたよね?
長門と古泉、出来てるところまで俺に写させろ!!」
古泉「分かりました。長門さんもそれでよろしいですか?」
長門「いい」
キョン「おいジャイアン!!どうせお前も終わってないだろ!!のび太達と一緒に
まとめて終わらせちまえ!!」
ジャイアン「えぇ!?は、はい・・・」
キョン「スネ夫は!?」
スネ夫「ぼ、僕はもう終わってるけど一応問題集とノートは持ってきてる」
キョン「よし、じゃあのび太とジャイアンに写させてやれ!!よし、神戸港到着まで
時間が無い!!今すぐやるぞ!!後数時間でどうにかしてやるぜ!!」
ハルヒ「待ちなさいよ!!勝手に決めるんじゃないわよ。団長は私なのよ!
まず私に意見をうかがいなさい!団員の独断専行は重大な規律違反よ!!」
(そしてハルヒはキョンを睨めつけながら)
ハルヒ「私も行くからね!!!」
何とか宿題を全部終わらせる事に成功した。
-------神戸港(夜7時)
キョン「お前達ともこれでお別れか。何だか寂しいな」
ドラえもん「きっとまた会えますよ」
ハルヒ「そうよキョン!いい、遠くに行ってもあんた達はずっとSOS団の団員だって事を
忘れちゃ駄目よ!!」
のび太「あれ?仮団員じゃなかったんですか?」
ハルヒ「いいえ、もうあんた達は立派なSOS団の団員よ!!」
ジャイアン「ハルヒさん、次会う時は腕相撲、負けないからな~!!」
ハルヒ「いつでも相手になってあげるわ!その時まで一生懸命鍛えるのよ!」
ジャイアン「はい!」
ドラえもん「それじゃあみんなそろそろ行こうか」
キョン「ドラえもん、お前には死ぬほど世話になった。ありがとうな」
ドラえもん「いえいえこちらこそ」
脱出する事は不可能だったでしょう。本当にありがとうございました」
みくる「ドラえもんさん、ありがとうございました。さようなら」
長門「・・・・・ありがとう」
キョン「長門・・・」
ドラえもん「いやいや、僕もみんなにはお世話になりっぱなしで」
のび太「じゃあ行こうドラえもん」
キョン「のび太、あまりドラえもんに甘えすぎるなよ」
のび太「はい」
ハルヒ「みんな、私たちの事忘れちゃ駄目よ!!その内絶対に会いに行くからね!!」
ドラえもん「はーい!」
ジャイアン「待ってまーす」
のび太「じゃーねー!」
スネ夫「さようなら~」
ドラえもん達は何処でもドアで東京へと戻り
キョン達も解散し、明日の始業式に備えみな自宅で眠りについた。
ドラえもん「コラ!!起きろのび太くん!!今日から学校でしょ!」
のび太「う~~ん、後5分・・・・・・・・んん!?学校!?・・・・・って事は!?」
ドラえもん「うん、今日は9月1日!!僕たちはループを脱出したんだよ!」
のび太「やったー!!!」
のび母「何を大きな声出してるの!早くご飯食べて学校に行きなさい!!」
のび太「はーーい!」
----------ジャイアン宅
ジャイアン「やったよ母ちゃーーーん!!!」ガバッ
ジャイ母「何だよ~この子ったら朝っぱらから抱きついてきて」
----------スネ夫
スネ夫「ループが終わったよママー!!」ガバッ
スネ母「あらまスネちゃま急にどうしたザマス?」
キョン「別の地球からきただと?」
古泉「えぇ。彼らはこことは別の次元に存在する地球からこちらの地球へと
飛んできたんですよ」
キョン「それもハルヒの仕業か?」
古泉「だと思います」
キョン「まぁドラえもんの道具に対する朝比奈さんの反応は確かに不自然だったが
まさかそういう事だったとはな」
古泉「彼らのいる地球の未来は、こちらの地球の未来よりも遥かに科学文明が
発達しているようです」
キョン「ん?という事はあれか?俺達はもうあいつらには会えないのか?」
古泉「彼らは全く別の次元の住人ですからね。こちらの世界の東京都内をいくら探しても
彼らは何処にもいません」
キョン「そりゃ残念だな。いろいろ世話になったし、その内お礼でもしに行こうと思ったんだが・・・」
古泉「涼宮さんが再び望めば、また会える日が来るかもしれませんね」
キョン「だとすると、そう遠くはなさそうだな」
古泉「ですね」
ハルヒが3年前に起こした時間振動の事を知っていたんだ?」
古泉「恐らく、あの時間振動はドラえもんさんのいた未来の地球でも観測されたのでしょう。
それほどまでに大きなものだったということでしょうね」
キョン「何て女だ・・・」
古泉「その可能性を考え、あの時朝比奈さんはドラえもんさんにその事を
たずねてみたのでしょうね。我々の話を信用させる為に」
キョン「なるほどな、朝比奈さんも意外と頭が回るもんだ」
古泉「ドラえもんさんのいる未来であの時間振動の正体が解析出来ないのは当然の事と言えます
何故なら、全く別の次元の地球で起こった出来事なのですからね。解析しようがありません」
古泉「涼宮さんは文武とも優秀な方です。それは幼い頃からそうだったのでしょう。
ですから彼女は夏休みの宿題などが負担だとは全く思わなかったのですよ。
ましてや友人と共に分担作業をするものでもなかったのです。
涼宮さんはそんな事をするまでもなく、一人で簡単に片付けられる能力があるわけですから」
キョン「嘘だったみたいな気がする。15000回以上もあの船に乗っていたなんて」
古泉「そう感じるのも無理はありませんね。15497回、それだけのシークエンスにいた
僕たちと、今の僕達は記憶を共有していません。15498回目の記憶を引き継いだ
15499回目の僕達だけが、正しい時間流に再び立ち戻る事ができたわけですから」
キョン「全く実感はないが、肉体的には212年ぶりの登校だったんだよな。今日は」
古泉「そういう事ですね。考えるとぞっとします」
キョン「はぁ~」
古泉「ポーカーでもしましょうか?」
キョン「パスだ。ツキの月を飲んでるわけでもないしな、暫くポーカーは遠慮する。
それに、どうせもうすぐ団長様がお見えになるだろうよ」
古泉「涼宮さんは文武とも優秀な方です。それは幼い頃からそうだったのでしょう。
ですから彼女は夏休みの宿題などが負担だとは全く思わなかったのですよ。
ましてや友人と共に分担作業をするものでもなかったのです。
涼宮さんはそんな事をするまでもなく、一人で簡単に片付けられる能力があるわけですから」
キョン「嘘だったみたいな気がする。15000回以上もあの船に乗っていたなんて」
古泉「そう感じるのも無理はありませんね。15497回、それだけのシークエンスにいた
僕たちと、今の僕達は記憶を共有していません。15498回目の記憶を引き継いだ
15499回目の僕達だけが、正しい時間流に再び立ち戻る事ができたわけですから」
キョン「全く実感はないが、肉体的には212年ぶりの登校だったんだよな。今日は」
古泉「そういう事ですね。考えるとぞっとします」
キョン「はぁ~」
古泉「ポーカーでもしましょうか?」
キョン「パスだ。ツキの月を飲んでるわけでもないしな、暫くポーカーは遠慮する。
それに、どうせもうすぐ団長様がお見えになるだろうよ」
ハルヒ「やっほー!!!みんな揃ってるー?」
キョン「噂をすればだ・・・。新学期早々えらくテンションが高いな」
ハルヒ「当たり前じゃない!今日から二学期なのよ?二学期には大きなイベントが目白押し
SOS団の存在をアピールするにはもってこいだわ!!
キョン「超人選手権で優勝して十分アピールは出来ただろ。暫く休もうぜ」
ハルヒ「なに甘ったれた事言ってるのよ!!SOS団の存在を世界中に知らしめるまでは
休んでなんかいられないわ!キョン、アンタは馬車馬の如く働きなさい!!」
キョン「はぁ~。で、今度は何をやらかそうってんだ?」
ハルヒ「そうね、まずは体育祭!これで絶対に優勝するの!それが終わったら次は文化祭ね!」
キョン「文化祭?何するつもりだ?」
ハルヒ「この間の賞金を使って映画を撮るわよ!!主演はみくるちゃん!!
監督は勿論あたし!!」
キョン「映画だと・・・」
ハルヒ「分かったでしょ?休んでなんかいられないの!!早速体育祭に向けて
打ち合わせをするわよ!!ちょっと、聞いてるのキョン!?」
キョン「助けてくれ・・・・・ドラえもん」
おわり
ありきたりなネタだったにも関わらず支援してくださった方ありがとうございます!
特に ID:1sXBegq7O の数多い支援には何度も猿を回避させていただきました!
ありがとうございます。
最後のキョンのセリフ良いな
Entry ⇒ 2012.07.27 | Category ⇒ 涼宮ハルヒSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
ハルヒ「皇帝ルルーシュに会いたいわ!!」
C.C「いよいよ明日からか。長かったな」
ルルーシュ「別に俺はこれまでと同じ生活で良かったんだ。それをわざわざ・・・」
C.C「私に文句を言っても仕方ないだろ、いろいろな手続きをしたのはジェレミアだぞ?」
ルルーシュ「全く、あいつは何を考えているんだ・・・。今の俺は堂々と世間に顔を晒して
生活できる人間ではないというのに」
C.C「悪逆皇帝はゼロに殺されたからな」
ルルーシュ「そうだ!なのに何故今更学校などに行かなければならん!」
C.C「仕方ないだろ『これ以上皇帝陛下に日陰の生活をさせるわけにはいかない』と
聞かないんだからな」
ルルーシュ「何が日陰だ、俺はそれを承知の上でゼロレクイエムを敢行したというのに
だいたい、この顔で堂々と外に出てみろ!大騒ぎになって終わりだ!学校に通うなど論外だな」
アーニャ「それは問題ない、これがある」
ルルーシュ「アーニャ・・・・いつからいた?」
アーニャ「ずっと前から」
ルルーシュ「そうか・・・・で、何だこれは?」
ルルーシュ「変装だと?俺に変装して学校に通えというのか!?」
アーニャ「そう」
ルルーシュ「フン、馬鹿げてる!そうまでして学校に行く必要などない!
俺はこれまで通り静かに暮らせればそれでいいんだ」
C.C「お前は良くてもジェレミアが納得しないぞ」
ルルーシュ「あいつは何故そうまでして俺を学生に戻したいんだ・・・」
アーニャ「ジェレミアはルルーシュに普通の生活をしてほしいだけ」
ルルーシュ「俺が望んでいない以上、それはただのお節介なんだよアーニャ」
アーニャ「もう入学手続きは終えてる。今更逃げられない」
ルルーシュ「いいや、今からなら電話一つで何とでもなる!」
アーニャ「電話線は切った」
ルルーシュ「フン、固定電話などなくても携帯が」
C.C「お前の携帯はさっき私が水に沈めた」
ルルーシュ「お前ら・・・・・」
C.C「諦めろルルーシュ。大人しく言うとおりにするんだな」
たった6年ちょっとで俺だけが人並みの生活に戻る事などできるはずがないだろ!」
アーニャ「大丈夫、スザクは優しい。許してくれる」
ルルーシュ「仮にあいつが良いと言ったとしても、俺が嫌なんだ!」
アーニャ「ルルーシュ、わがまま言っちゃ駄目」
ルルーシュ「わがままを言ってるのはどっちだ!
だいたい変装などして、万が一素顔を見られたらどうする!?」
C.C「皇帝ルルーシュは聴衆の面前で死んだ。それは誰もが知ってる歴史的事実だ
その後に顔形がそっくりな人間が現れたところで、他人の空似で済まされるだろう」
ルルーシュ「それだけで済むとは思えんな」
C.C「だとしても、皇帝ルルーシュ生存説なんて都市伝説のようなものが流行る程度で
実際にその真意を確かめようなんて輩はまず出てこない」
ルルーシュ「それはそうだが・・・・しかし」
アーニャ「実際に通ってみて駄目そうだったら止めてもいい
それならジェレミアも納得してくれるはず」
C.C「だそうだぞ、どうする?」
ルルーシュ「・・・・・フン、仕方ない。暫く通って、頃合を見て辞めればいいか」
アーニャ「ありがとうルルーシュ!ジェレミアも喜ぶ」
アーニャ「・・・何が?」
ルルーシュ「明日から通う大学だ!何て大学に押し込んだ?」
アーニャ「だいがく?ルルーシュが通うのは高校。大学じゃない」
ルルーシュ「何だと!?俺はもう成人してるんだぞ!?通うなら普通大学だろ!」
C.C「いいじゃないか、お前の最終学歴はアッシュフォード学園中退だろ?
だったら高校から再スタートするのが自然だな」
ルルーシュ「アッシュフォードに通っていた当時ですら高校教育など
退屈で仕方なかったというのに・・・またあの身にならない授業を受けろというのか・・・」
アーニャ「大丈夫、ルルーシュは編入扱い。三年生からのスタート
大学は来年になってから通えばいい」
ルルーシュ「クソ、こんな事なら自分で学校を探せばよかった!」
アーニャ「ルルーシュが行くのは西宮にある県立北高校
特に盛んな運動部もない極普通の高校。これはジェレミアの配慮」
ルルーシュ「それはどうも・・・・西宮か、ここからじゃ電車通学だな・・・・」
アーニャ「安心して、既に神戸~西宮間の一年分の定期を購入済み」
ルルーシュ「それはどうも・・・」
アーニャ「勿論偽名を使った。名前はルルーシュのままだけど
苗字はランペルージにした」
C.C「なんだ昔と同じか・・・つまらんな」
アーニャ「ルルーシュの部分を残したのはジェレミアの指示だけど・・・大丈夫?
私は名前も変えた方が良いと言ったんだけど」
ルルーシュ「いや、それでいい」
C.C「そういえばお前はブリタニアから隠れてる時もルルーシュという名前だけは
変えなかったな。愛着でもあるのか?」
ルルーシュ「自分の名前に愛着がないのなんてお前くらいだよC.C」
C.C「失礼な、私はこのシーツーという名前に十分愛着を持っているぞ」
ルルーシュ「親からもらった名前はどうした?」
C.C「さぁな、忘れた」
ルルーシュ「フン、魔女が」
アーニャ「それからルルーシュ、ギアスの件だけど」
ルルーシュ「何か分かったのか!?」
ルルーシュ「なに!?・・・・いや、しかしV.Vが能力を与えた者はジェレミア以外
全員始末した。C.Cが能力を与えたのは最近では俺とマオの二人だけ
俺はコードと引き換えにギアスを失い、マオは死んだ・・・つまり、今現在この世界で
ギアスを使えるのはジェレミアだけのはず」
C.C「そのジェレミアの能力も、ギアスではなく正確にはギアスキャンセラーだ
自分以外に能力者がいない今となっては何の役にも立たんな」
アーニャ「V.Vが与えた側に討ちもらしがあった可能性は?」
ルルーシュ「・・・・0だと断言はできないが、限りなく0に近いはずだ。ギアス教団を襲撃した際も
以前教団の内部にいたロロから情報を得た上で、決して討ちもらす事のないよう
綿密に計画を立ててから実行したからな」
アーニャ「でも別に能力者がいるのであれば、討ちもらしがあったとしか考えられない」
ルルーシュ「それはそうだが・・・そもそもその情報は何処で入手したものなんだ?」
アーニャ「機関っていう組織の人間からの情報みたい」
ルルーシュ「きかん?それはどういう組織なんだ?」
アーニャ「そこに関しては今ジェレミアが調べてる。詳細は分かり次第報告する」
でもジェレミア以外にもギアス能力者がいるという情報は確かなもの」
ルルーシュ「ギアスの存在を知っている組織か・・・・黒の騎士団や
超合衆国から派生した組織かもしれないな」
C.C「どうだろうな、お前の件でギアスの存在は多くの人間の知るところとなった
それ以外の所から独自にギアスを調査しだす連中が現れても不思議ではないぞ」
ルルーシュ「いずれにしろ、唯一ギアスを与える事のできる媒介者はこの世に俺一人
どれだけ調査しようが徒労でしかないな」
C.C「それだけは断言できるぞ、今現在コードを得ているのはお前だけだ
V.Vが所持していたコードはシャルルと共に消滅してしまったからな」
ルルーシュ「そう考えるとやはりV.Vが与えた側に討ちもらしがいたと考えるのが自然か・・・
アーニャ、他に分かったことは?」
アーニャ「その能力者のギアスは自分の望みや願いを現実に反映させる事ができるものらしい」
ルルーシュ「望みや願いを現実に?」
アーニャ「そう」
ルルーシュ「何だそのふざけた能力は・・・。で、その能力者が何処にいるかは分かるのか?」
アーニャ「機関は把握してるらしく、常にその人間を監視してるらしいけど
こっちはまだその情報は掴めてない」
C.C「監視か、一時期の誰かさんと同じ状況だな」
アーニャ「最新の情報はこれだけ、残念ながらルルーシュのコードを消す為の手がかりは
未だに何も出てきてない」
ルルーシュ「そうか・・・。やはりコードを消し去る事など不可能なのかもしれんな」
アーニャ「諦めちゃ駄目、少なくともジェレミアは諦めない『陛下に不死の苦しみを
味あわせるわけにはいかない!』が口癖。毎日一生懸命調べてる」
ルルーシュ「あぁ、お前達には本当に感謝している」
アーニャ「秘密裏にギアスを研究してる組織は沢山ある、中には国家主導で行ってる所もあるくらい」
C.C「だろうな。ギアスさえあれば世界の覇権を握る事だって可能だ
表では超合衆国などと言っていても、本心はそれだ。人は長らく平和が続くとそれに
飽きてしまい、すぐにまた戦争を起こす。世の常だ」
アーニャ「だからきっと新しい情報だって出てくる!希望を捨てちゃ駄目!」
ルルーシュ「・・・あぁ、分かったよアーニャ。C.C、残念ながらお前の考える通りにはならん
この世界は二度と戦争など起こさない!スザク・・・いや、ゼロがいるからな!」
C.C「悪逆皇帝から世界を救った英雄ゼロか・・・・だが最近ではそのゼロに対して不満を
持ってる連中もいるようだぞ?反超合衆国を掲げるテログループまで出てきてる始末だ」
ルルーシュ「自爆テロで一般人を巻き込んでるような連中だろ?あんなのでは世界は変えられない
何か大きな行動をしようとした所で、武力に勝る黒の騎士団に潰されるのがオチだ」
C.C「武力によってそれを征するのであれば、それはもう立派な戦争だぞルルーシュ?」
ルルーシュは明日からちゃんと学校通って。いい?」
ルルーシュ「・・・あぁ、分かってる」
C.C「お前が昼間学校に行くとなると私はその間一人になるのか・・・
さて、どうやって暇を潰したものか・・・」
ルルーシュ「いつもみたいに寝てればいいだろ・・・」
----------
------
--
----文芸部室
ハルヒ「退屈ねぇ」
みくる「そうですねぇ」
ハルヒ「何か事件でも起きないかしら・・・」
キョン「何物騒なことを言ってるんだお前は。ようやく世界的に平和が訪れたというのに」
ハルヒ「それは間違ってるわよキョン!平和なのは先進国と一部の発展途上国だけ
中東やアフリカでは今も内紛やらテロやらで大変なの!」
キョン「あぁそうかい。じゃあいっそ中東かアフリカにでも行ったらどうだ?
退屈な日々から一気に解放されるぞ?」
キョン「ちょっと前までは日本だってブリタニアの植民地支配をうけてたんだ
お前は当時の非日常が楽しかったのか?楽しくないだろ?毎日日本人が殺されて
ブリタニア人がデカイ態度で堂々と街中を闊歩してたあの時を
楽しかったなんて言う奴がいるんだとしたらそりゃただのアホだ」
ハルヒ「誰も戦争始めろだなんて言ってないでしょアホキョン!
この退屈な日々を少しでも紛らわしてくれるようなちょっとした事件でいいのよ!
泥棒とか、殺人事件とか!!」
キョン「泥棒やら殺人事件なんて日本中でしょっちゅう起きてるだろ・・・」
ハルヒ「私たちの身近で起きないと意味ないじゃない!」
キョン「それを物騒だと言ってるんだ」
ハルヒ「はぁ、本当退屈すぎるわ・・・」
古泉「文化祭や体育祭も秋ですし、当分はこれといったイベントもないですね」
キョン「修学旅行があるじゃないか!十分大きなイベントだろ!」
ハルヒ「修学旅行?行き先が海外とかならちょっとは楽しめるんだけどねぇ
何で今時東京なの?大昔の学生じゃないんだからもう少しまともな所連れてきなさいよ!」
古泉「海外はまだ情勢不安定なところが多いようですし、我々は受験生ですからね
学校側がその辺を考慮した上で決めたのでしょう。まぁ、それでも高校三年の修学旅行が
東京というのは個人的にも無いと思いますけど」
ハルヒ「え?そうなの?」
古泉「えぇ、東京で行われる終戦記念式典に参列するようですよ
ブリタニアのナナリー首相や、中華連邦の天子様もいらっしゃるようです」
ハルヒ「ふーん、まぁナナリーとか天子なんかはどうでもいいけど
ゼロは一度生で見てみたいわね!」
キョン「日本が元の状態に戻れたのはゼロのお陰だしな。俺も見てみたいもんだ」
ハルヒ「私は別にアンタ程ゼロに心酔してないけど、英雄とか言われてる人だしね
やっぱり興味はあるわ」
キョン「俺だって別に心酔はしてないさ。たださっきも言ったけど今の日本があるのは
ゼロのお陰と言っていいだろうから、その辺を感謝してるだけさ」
古泉「しかし、世の中にはそのゼロを敵視してる方々もいるようですよ」
キョン「何が気に食わんのかね。どうせ皇帝ルルーシュに手も足もでなかったような連中が
今になっていろいろと文句を言ってるだけだろ」
ハルヒ「前から思ってたんだけど、皇帝ルルーシュってゼロ並に謎の多い人物よね!」
キョン「どの辺が?」
ハルヒ「全部よ全部!!急に現れたかと思ったらそのまま皇帝になったり
貴族制を廃止してナンバーズを解放したかと思ったら恐怖政治で国民を縛ったり
やってることに統一性がないのよね!」
ハルヒ「本当にただの独裁者だったのかしら・・・何か引っかかるのよねぇ
出来る事なら尋問してやりたいくらいだわ!」
キョン「残念だがルルーシュはとっくの昔に故人だ。尋問は不可能だぞ」
ハルヒ「分かってるわよそんな事!でも会ってみたかったわ皇帝ルルーシュ
どんな人物だったのか凄く気になる!同じ意味でやっぱりゼロにも会ってみたいわね!」
古泉「では行ってみませんか?記念式典」
ハルヒ「そうね、どうせ東京なんて言っても今更行く所もないし!
みんなもそれでいい?」
キョン「別に構わんぞ」
みくる「私も大丈夫ですぅ」
長門「・・・」コクッ
ハルヒ「じゃあ決まりね!SOS団は全員終戦記念式典に参加するわよ!!」
キョン「(何だか急に元気ハツラツになったな・・・。ハルヒがこんな顔をすると
その後にロクでもない事が起きると相場が決まってる・・・やれやれだ)」
キーン コーン カーン コーン
岡部「はーい全員席つけー」
ガヤ ガヤ ガヤ
岡部「えーっ、突然だがこのクラスに留学生が来る事になった」
キョン「(留学生?)」
谷口「先生!!女ですか!?」
岡部「残念だったな谷口、男だ」
谷口「何だ男かよ・・・」
岡部「何だとは何だ、失礼な奴だな。おーい、入ってきていいぞー!」
ガラガラ
岡部「じゃあ、自己紹介してくれ」
ルルーシュ「ルルーシュ・ランペルージです。よろしくお願いします」
ザワ ザワ ザワ
「ルルーシュだって」 「悪逆皇帝と同じ名前じゃん」ヒソヒソ
ブリタニアとは一切関係ないぞ、変な事を言わないように!」
女子A「ねぇ、よく見ると超格好良くない!?」
女子B「私も思った!イケメン、イケメン!」
谷口「フン、気に入らねぇ!」
岡部「ルルーシュくん、後ろの開いてる所が君の席だ」
ルルーシュ「分かりました」
スタスタ
ルルーシュは自分の机に鞄を置きイスに腰を下ろした
ハルヒ「・・・・怪しいわね」
キョン「何がだ?」
ハルヒ「こんな中途半端な時期に留学生が来るなんて不自然だわ!
きっと何か裏があるわよあのルルーシュって奴には!」
キョン「留学生が来るのに相応しい時期なんてあるのか?」
ハルヒ「ぜーったい何かあるわ!これはSOS団で調べる必要があるわね!」
キョン「俺の質問は無視かい・・・」
キーン コーン カーン コーン
女子A「ルルーシュくんバイバーイ!」
女子B「また明日ぁ~」
ルルーシュ「えぇ・・・(あぁ・・・やっと終わった。それにしても何て退屈な一日だ
この生活を約一年?ありえない・・・何も得るものないし、もう辞めよう)」
キョン「あのぉ~ルルーシュくん、ちょっといいかな?」
ルルーシュ「ん?何です?」
キョン「いや、あの・・・実は君に用があるって奴がいてさ。呼んで来るようにって頼まれたんだ
悪いけどちょっとだけ付き合ってくれないか?」
ルルーシュ「用があるのは向こうなのに、自ら出向かず人を使って呼び出しですか」
キョン「いや・・・本当悪いと思ってる。登校初日の放課後から面倒だろうが
君に来てもらわないと俺が怒られるんだ、頼む」
ルルーシュ「はぁ・・・・いいですよ、で?何処に行けばいいんです?」
キョン「旧館の文芸部室だ、案内するから付いてきてくれ」
ルルーシュ「(全く、面倒だな・・・)」
二人は文芸部室へ向かった
キョン「本当悪いな、面倒だろうけど辛抱してくれ」
ルルーシュ「いいですよ別に。で、その人は何の用があって俺を呼び出したんです?」
キョン「そいつはこの学校・・・いや、この国を代表する程奇天烈な女でな
この時期に留学生が来るのはおかしい、何か裏があるってんで、君に直接
留学の経緯なんかを聞きたいんだとさ」
ルルーシュ「ほぅ・・・・・ん?女?」
キョン「あぁ、呼び出したのは涼宮ハルヒ、女だ。意外だったか?」
ルルーシュ「いや、てっきり男だとばかり」
キョン「見た目は女だが中身は男みたいなもんだから間違っちゃいないかもな
とにかくとんでもない奴だから、きっと失礼な事を連呼するだろう
今の内に俺が謝っておく、本当にすまん!」
ルルーシュ「はは、そこまで言われると逆にだんだん会いたくなってきたよ
その涼宮ハルヒという人に」
キョン「後々後悔するぞその発言は・・・・。ついた、ここが文芸部室だ」
ルルーシュ「(どんな奴か知らんが、少しは暇潰しになるかな)」
ガチャッ
キョン「おーい、連れてきたぞぉ」
ハルヒ「遅いわよキョン!待ちくたびれたじゃないの!」
キョン「あのな、お前も同じクラスなんだから何もいちいち呼び出さないで
教室で話せば良かったんじゃないか?」
ハルヒ「警察だって尋問する時は個室でやるのよ?教室なんかでやったら
誰の耳に入るか分からないじゃない!」
ルルーシュ「(俺は尋問をうけるのか・・・)」
キョン「このやかましいのがさっき話した涼宮ハルヒだ」
ルルーシュ「君の前の席に座ってる人だろ?」
キョン「まだ一日目なのによくそんな事覚えてるな。特に自己紹介もしてないのに」
ハルヒ「怪しいわ・・・やっぱりアンタただ者じゃないわね!私のSOS団を内偵してる
敵のスパイか何かでしょ!?」
キョン「SOS団の敵っていったい何だよ」
ハルヒ「生徒会の連中とか!」
キョン「SOS団の内情を調べる為に生徒会がわざわざ留学生を送り込んだってのか?」
キョン「いや、0だろ!」
ルルーシュ「なぁ、さっきから言ってるエスオーエスダンってのは何なんだ?」
ハルヒ「私達の部活の名称よ!」
ルルーシュ「ここは文芸部室だろ?君達は文芸部員ではないのか?」
ハルヒ「違うわよ!部室は借りてるだけで、ここではSOS団として活動してるの!」
ルルーシュ「なるほど・・・・ところでそのSOSってのは何の略なんだ?」
ハルヒ「世界を大いに盛り上げる為の涼宮ハルヒの団!略してSOS団よ!!」
ルルーシュ「・・・・・・(想像以上だなこの女、C.Cといい勝負だ)」
キョン「(当然の事ながら呆れてるな)」
ルルーシュ「まぁいいか・・・俺に聞きたい事があるんだろ?
時間がもったいないからやるなら早くやろう」
ハルヒ「ふーん、随分と余裕じゃないの!いいわ、じゃあさっそく始めましょう!古泉くん!」
古泉「分かりました。ではこれよりルルーシュさんにいくつか質問をします。答えにくいものに
関しては黙秘していただいて構いませんが、あまり多いと涼宮さんが納得しない
恐れがありますのでできるだけ答えてください」
ルルーシュ「君は?」
ハルヒ「ちなみにそこにいるメイド姿の子は朝比奈みくるちゃん!二回目の三年生を
むかえてるダブリっ娘!そんでずっと本を読んでるのが長門有希、同学年よ!」
みくる「もぉ、涼宮さ~ん!!それは黙っててくださぁ~い!」
ハルヒ「あはは、ごめんみくるちゃん!」
ルルーシュ「(高校を留年する奴なんて会長くらいのものだと思っていたが・・・世界は広いな)」
古泉「各々の紹介も終わりましたし、そろそろよろしいでしょうか?」
ルルーシュ「どうぞ」
古泉「ではまずあなたの名前を教えてください」
ルルーシュ「そんな所から始めるのか?まぁいい・・・ルルーシュ・ランペルージだ」
古泉「出身は?」
ルルーシュ「EU、イギリス領のマンチェスター」
古泉「御両親の事を簡単に説明してください」
ルルーシュ「母の名前はメアリー・ランペルージ。極普通の専業主婦だ
父はジョン・ランペルージ。国立大学の教授をしている」
古泉「今回北高へ留学する事となった経緯を教えてください」
古泉「日本語も御上手ですし語学留学ではないですよね?
北高は取り立てて偏差値が高いわけでもなく、かと言って運動部が盛んなわけでもない
何故そのような普通の学校への留学を決めたのでしょうか?」
ルルーシュ「日本の文化に昔から興味があったから、人生経験という名目で
親に頼んで留学を許可してもらったんだ。とにかく一度日本に住んでみたくてね
日本にさえこれれば学校なんて何処でも良かったんだ」
古泉「なるほど。ではあなたはブリタニアという国をどう思いますか?」
ルルーシュ「唐突だな・・・栄光盛衰。四字熟語で表すならこれが一番しっくりくるかな
かつてはその圧倒的武力で世界を牛耳っていたが、皇帝ルルーシュが倒れ
超合衆国が成立した今ではその発言力も低く、各国に過去の戦争責任を追及される日々
まぁ、自業自得と言えばそれまでだけど」
古泉「ではこれが最後の質問です」
ルルーシュ「ん?もう最後の質問なのか?」
古泉「えぇ。ずばりあなたはこの世に宇宙人や未来人、超能力者がいると思いますか?」
ルルーシュ「それが最後の質問か?いるんじゃないかな
特に宇宙人に関してはその存在を否定してる連中の方がどうかしてる
広大な宇宙、地球以外にも生物のいる惑星があったって何ら不思議じゃない」
古泉「ありがとうございました。以上で質問は終わりです」
ルルーシュ「(この問答にいったい何の意味があるんだ?)」
ルルーシュ「採点?」
古泉「実は先ほどの質問は全て涼宮さんが考えたものなんです
あなたの回答の仕方によって涼宮さんが100を満点として採点する事になってたんです」
ルルーシュ「はぁ?その採点結果の良し悪しで何が変わるんだ?」
古泉「80点以上なら合格、それ以下ならば不合格になります」
ルルーシュ「話が全く見えんな・・・何だその合格、不合格というのは?」
古泉「合格ならばあなたは晴れてSOS団の団員に、不合格ならばこのままお帰りいただきます」
ルルーシュ「・・・・おい、俺がいつこのおかしな団に入りたいと言った?」
キョン「残念だがSOS団への入団に関してその人個人の意思はあまり関係しないんだ
ハルヒが気に入った時点で即入団。古泉や朝比奈さんもそうだった」
ルルーシュ「何て身勝手な女だ・・・。冗談じゃない!俺は御免だ!
こんな何の活動をしてるのかも分からない団に入るくらいなら、今すぐ国に帰る!」
キョン「(どんだけ入りたくないんだよ・・・まぁ気持ちは分かるが)」
ハルヒ「ちょっと何勝手に話し進めてるのよ!誰もまだアンタを合格だなんて言ってないでしょ!
国に帰るだのなんだの、そういう事は合格してから言いなさい!ていうかあんな回答で
合格できるとでも思ってるの?片腹痛いわ!SOS団を舐めないでちょうだい!」
ルルーシュ「フン、だったらさっさと不合格を言い渡してくれ!俺は忙しいんだ!」
キョン「合格なのかよ!!」
ルルーシュ「何っ!!?おいどういう事だ!?」
ハルヒ「ふふーん、予想外の合格に感無量って所かしら?素直に喜びなさいよ」
ルルーシュ「ふざけるな!!お前さっきは不合格を臭わせていただろう!?」
ハルヒ「あれは合格した時の喜びを倍にする為の作戦よ!一度落としといて持ち上げる!
その方が落差があっていいでしょ?」
ルルーシュ「何を基準に点数を決めたのか知らんが、俺はSOS団などには
絶対に入らないぞ!」
ハルヒ「新入団員が団長に口答えするなんて10年早いわよルルーシュ!!」
ルルーシュ「誰が新入団員だ!!!」
キョン「諦めろルルーシュ。こいつに目をつけられたのが運のつきだ
言い出したら物事がそうと決まるまで突き進むのがハルヒだ
理論武装で戦っても勝ち目はないぞ」
ルルーシュ「・・・・・・・・くっ!!!」
ハルヒ「その通り!!キョン、アンタもたまには良い事いうじゃない!」
キョン「おいそこ、誰も褒めたわけじゃないぞ」
古泉「いや~、ここに来て新しい団員が加わるとは意外でしたね
去年も今年も新一年生は誰も入団させなかったので、涼宮さんは現状のメンバーに
満足しているものだとばかり思っていましたが」
キョン「まだあいつが入ると決まったわけじゃないだろ?結局拒否したまま
途中で帰っちまったしよ」
古泉「涼宮さんが望んでいる以上、彼は必ずSOS団に入る事になります
我々がそうだったようにね」
キョン「しかしハルヒの奴は何でルルーシュに目をつけたんだ?
あいつの言うとおり中途半端な時期に来た留学生だからか?」
古泉「それだけではないでしょうね。何か感じるものがあったのでしょう
ルルーシュという名前もある程度関係してるのかもしれません」
キョン「悪逆皇帝か?」
古泉「えぇ、昨日言っていましたからね。皇帝ルルーシュに会いたいと」
キョン「名前が同じってだけで他はまるで違うがな。皇帝の方は茶髪じゃなくて黒髪だし
眼鏡もかけてない。名前が同じってだけで目をつけられたんだとしたら
心の底から同情するぜ」
古泉「しかし顔はどことなく似ていると思いませんか?」
古泉「何の意味もないでしょうね。涼宮さんは最初から彼をSOS団に入れるつもり
だったのでしょうから、仮にあの質問全てを黙秘したところで
結果はまず間違いなく100点だったでしょう」
キョン「はぁ~・・・・全く無意味な事ばかりする奴だ。最初から素直に入ってくださいと
お願いすりゃいいのによ。それならあんなに怒らすこともなかったろうに」
古泉「涼宮さんが宇宙人未来人超能力者を望んだ結果、僕と長門有希、朝比奈みくるが集まった
となると、ルルーシュ・ランペルージという人間もかなり怪しくなってきますね」
キョン「俺と同じただの一般人枠かもしれないだろ?」
古泉「勿論その可能性もありますが、違う可能性もあります。取り敢えず彼に関しては
機関の人間が調査する事になるでしょう。それでなくても学校関係者は
全員調べているのに、登校初日にいきなりSOS団入りですからね。もう徹底的にやると思います」
キョン「長門や朝比奈さんの意見も聞いてみたらどうだ?」
古泉「勿論御二人も調査をするでしょうね。ただ基本的に我々機関と宇宙人の一派
未来人の一派は情報交換などは一切していません。それぞれが同じ学校、同じ部室で毎日
顔を合わせてる現状は奇跡と言ってもいいです。敵対関係とまでは言いませんが
決して友好な関係とも言えません」
キョン「でもお前個人は長門や朝比奈さんに対して悪く思ってたりはしてないんだろ?」
古泉「えぇ、今のはあくまで組織同士での話です。悪く思うどころか、今はSOS団の方々に対し
当初では考えられないくらいの感情を抱いてますよ」
古泉「とにかく、何か分かったらすぐあなたに報告します」
--------
------
---
------ルルーシュのマンション
ウィーン
C.C「やっと帰ったか。随分遅かったな」
ルルーシュ「・・・・あぁ」
C.C「何だ、ご機嫌斜めだな。学校で嫌な事でもあったのか坊や?」
ルルーシュ「誰が坊やだ!少々頭の痛い連中に絡まれてノイローゼ気味なんだ
悪いが暫く一人にしてくれ」
C.C「ほぅ、たった一日でお前をそこまで弱らせるとはなかなか大した奴もいるものだな」
ルルーシュ「クソ、こんな事ならやっぱり学校など行くべきではなかった・・・」
ウィーン
ジェレミア「陛下、御帰りになっていたのですか。学校の方はどうでしたか?」
俺はもう皇帝じゃないんだ!」
ジェレミア「も、申し訳ありません陛下!!あっ・・・・」
ルルーシュ「はぁ~・・・・」
ジェレミア「あの、ところで学校の方は?」
ルルーシュ「最悪だ!よりにもよってよくもあんなとんでもない女のいる学校へと
放り込んでくれたな!!お前は事前にきちんと下調べしたのか!?」
C.C「ほぅ、お前の悩みの種は女だったのか」
ジェレミア「女!?陛下、それはもしや涼宮ハルヒという娘ではありませんか?」
ルルーシュ「ん?そうだが・・・・・何でお前があいつの事を知っているんだ?」
ジェレミア「実は今日は例の件について進展がありましたので御報告にきたのです」
ルルーシュ「例の件?機関とかいう組織ともう一人のギアス能力者の件か?」
ジェレミア「はい。どうやら機関というのはギアスを研究してる組織ではなく
ある人物の監視を目的とした組織のようです」
ルルーシュ「そのある人物というのがもう一人の能力者か?」
ジェレミア「そうです」
ジェレミア「いいえ、機関はその者を神だと認識しているようです」
ルルーシュ「神?」
ジェレミア「『すべての人や物は神であるその者が5年前にその形態や記憶を
予め保った状態で創造した』というのが彼らの考えのようです」
ルルーシュ「フン、まるで危ない新興宗教だな。だいたいそいつらは何を根拠にそんな事を言ってるんだ?」
ジェレミア「その者には自分の願望を現実に反映する事ができるという特殊な
能力があるというのはアーニャから聞きましたよね?」
ルルーシュ「あぁ、なるほど。その能力を目の当たりにしてそいつを神だと誤解しているのか
人知を超えた力である事は事実だから分からなくもないが、それだと過去の俺も
機関とやらからは神に見えたわけか」
ジェレミア「いえ、どうやらその者の力はギアスとは全く無関係の物だったようです」
ルルーシュ「なに!?ギアスじゃないだと!?」
ジェレミア「はい、ギアスよりももっと強い能力。機関の者曰く、ギアスという能力すら
その者の願望によって生み出されたものだと」
ルルーシュ「馬鹿な・・・・だいたい何故ギアスじゃないと断言できる?」
ジェレミア「その者が能力を得たのは5年前。5年前と言えばV.Vもシャルル前皇帝陛下も
もうこの世にはいませんし、唯一のコード所有者は陛下のみです。
つまりその者がギアス能力者であるならば、陛下が契約者でないと説明がつきません」
つまりその者の能力はギアスではなくもっと別の何かというわけです」
ルルーシュ「待て、その5年前という数字は何故そう言いきれる?」
ジェレミア「機関の者曰く、『分かるから』だそうです。5年前のある日彼らは
その者に力を与えられ超能力者となり、何故そうなったのか、力を与えたのは誰なのか
という事を同時に認識したそうです」
ルルーシュ「超能力者?機関の連中は超能力を使えるのか?」
ジェレミア「どうやらそのようです。ある一定の条件を満たすと、人知を超えた力を
自在に扱う事ができるとか」
ルルーシュ「それもギアスとは関係ないのか・・・」
C.C「ギアスだって端から見たらとても信じられない能力なんだ。他にもおかしな能力
があったって何ら不思議ではないだろう。寧ろギアスという非現実的な能力の存在を
知ってるお前は、もっとあっさり他の能力の事を理解してもいいと思うぞ」
ルルーシュ「・・・・・」
ジェレミア「そして、ここからが一番大事なところなのですが」
ルルーシュ「なんだ?」
ジェレミア「機関が神と崇めている者、その者こそが陛下と同じ学校に通っている
涼宮ハルヒという娘なんです」
ルルーシュ「何だと!!?」
ジェレミア「現在涼宮ハルヒは機関の監視下にあります。と言っても涼宮ハルヒ本人は
監視されてるなどという自覚は全くないようですが」
ルルーシュ「という事は当然あの女の周りの人間に関しても調べているんだろうな」
ジェレミア「えぇ、恐らく今回の事で陛下もその対象になっているかと」
ルルーシュ「機関とやらがどの程度の組織かは知らんが、どんなに調べた所で
俺の正体がバレるような事はまずないだろう。情報操作は徹底してあるからな」
ジェレミア「それは間違いありません!どんなに調べても今の陛下は
EUイギリス領出身の留学生、ルルーシュ・ランペルージという情報しか出てきません」
ルルーシュ「ならば問題はないな」
ジェレミア「ただこれも信じ難い情報なのですが・・・」
ルルーシュ「何だ?」
ジェレミア「涼宮ハルヒを監視しているのは機関だけでなく、宇宙人と未来人も
同様の事を行っているようで・・・」
ルルーシュ「超能力者の次は宇宙人に未来人か・・・・もうわけが分からんな」
ジェレミア「現代の人間ならまだしも、宇宙人の一派や未来人の一派の情報収集力は
我々の常識でははかれません」
ルルーシュ「こちらの情報操作など簡単に見破られる可能性もあるという事か」
手を誤ると何をされるか分かったものじゃないな」
C.C「監視対象の近くに現れた人物が実は死んだはずの悪逆皇帝ルルーシュだった
そんな事がバレたら確かに何をされるか分からんな。まぁ無事では済まないだろう」
ジェレミア「御安心を、何があっても陛下の事は私が御守りします!」
ルルーシュ「・・・いつ正体がバレるか分からない以上、こちらから手を打つ必要があるな
涼宮を一番近い所で監視している末端の人間と話をする必要があるか・・・」
C.C「ではまずその末端の連中を探し出すところからだな」
ルルーシュ「いや、もう目星はついてる」
C.C「ほぅ」
ジェレミア「流石は陛下・・・・」
ルルーシュ「機関や涼宮の件は俺に任せてくれ。お前は引き続きコードの件を頼む」
ジェレミア「イエス・ユア・マジェスティ」
C.C「フン、何だか楽しそうだなルルーシュ」
ルルーシュ「ずっと退屈な生活をしてきたからな。正直こんなにワクワクするのは久しぶりだ」
C.C「やれやれ、相手はかつてのブリタニアよりもたちの悪そうな連中だと言うのに
ま、返り討ちに合わないように気をつけるんだな」
キーン コーン カーン コーン
キョン「・・・・・」
ルルーシュ「・・・・さっきからずっと俺の近くにいるが、涼宮に部室に連れて来いとでも
頼まれたのか?」
キョン「あぁ、家に帰す前に何が何でも連れて来いとさ」
ルルーシュ「お前も大変だな。で、あいつは?」
キョン「とっくに部室に行ったよ。SOS団なんてもんに関わりたくないってのは
当然の心理だが、あいつが入れると言った以上逃げ切るのは至難の業だぞ?」
ルルーシュ「誰が逃げると言った?」
キョン「へ?でもお前昨日は」
ルルーシュ「昨日は突然の事で驚いていただけだ。家で冷静に考えた結果
部活に入るのも悪くはないと思ってね」
キョン「部活どころか同好会として認められてるかどうかも怪しい集まりだぞ?いいのか?」
ルルーシュ「人生経験さ、ああいう奇妙な女に付き合ってみるのも悪くない」
キョン「悪い事だらけだぞ・・・・ま、部活に来てくれるなら俺は助かるが」
ルルーシュ「宇宙人や未来人、超能力者を見つけて一緒に遊ぶ?」
キョン「あぁ、それがハルヒがSOS団を結成した理由だ。笑っていいぞ」
ルルーシュ「主な活動内容は?」
キョン「特に何も。基本放課後は部室で各々時間潰して終わりだ。俺と古泉はゲーム
朝比奈さんはお茶入れ、長門は読書でハルヒは・・・何してるんだろうなあいつは?」
ルルーシュ「まるで娯楽部だな」
キョン「ただ月に何回か貴重な休日を潰される事もあるぞ」
ルルーシュ「その時は何をしてるんだ?」
キョン「特に何も。不思議探しと銘打って、街を散策して丸一日を棒に振るだけだ」
ルルーシュ「つまりまとめると、SOS団というのは特に何かをする部活ではないという事か?」
キョン「まぁそういうことになるな。前言を撤回するなら今だぞ?」
ルルーシュ「いや、一度入ると決めた以上入るよ。ま、場合によっては途中で抜けるかも
しれないけどな」
キョン「それができるなら俺がとっくにそうしてるさ。それをさせてくれないのが涼宮ハルヒだ」
ルルーシュ「確かに手強そうだな。そうだ、お前今夜時間はあるか?話したいことがあるんだが」
ルルーシュ「あぁ。どうだろう?都合が悪いようなら日を改めるが」
キョン「別にいいぜ。時間と場所は?」
ルルーシュ「深夜1時に北高のグランドに来てくれ。古泉一樹や長門有希
朝比奈みくるも呼んである」
キョン「古泉達も?というか1時って随分遅いな・・・・」
ルルーシュ「明日は土曜で休日なんだ、少しくらい遅くても問題ないだろ?」
キョン「まぁな」
ルルーシュ「それじゃあよろしく頼む」
キョン「(話したい事か・・・古泉の言うとおり本当にあいつもただ者じゃないのか?
実は異世界人ですだなんて告白だったら引っくり返るぞ
それにしても俺だけじゃなく古泉達まで呼んだってのはいったい・・・)」
ルルーシュ「(これで条件は全てクリアされた。後はC.Cとアーニャを忍ばせれば・・・)」
ガチャッ
キョン「うーっす」
ハルヒ「遅いわよキョン!ちゃんとルルーシュを連れてきたんでしょうね!?」
キョン「連れてきたさ、後ろを見ろ」
ルルーシュ「別に連れてこられたわけじゃない。俺は自分の意思でここに来たんだ」
ハルヒ「ふーん、それはつまりSOS団に入るって事かしら?」
ルルーシュ「あぁ、そうとってもらって構わない」
ハルヒ「随分素直ね、昨日とはえらい違いだわ!私に逆らっても無駄だって事を
この一日で悟ったようね!なかなか賢いじゃないの!」
ルルーシュ「(このやかましい女の何処にそんな力があるというんだ・・・
願望を現実に反映する事ができる能力。あれだけ拒否していた俺が結局SOS団に入ったのも
やはりこいつの能力が影響しているのか?)」
古泉「いや~、仲間が増えるというのは良い事ですね。改めまして、古泉一樹です
よろしくお願いしますルルーシュさん」
ルルーシュ「ルルーシュ・ランペルージです。こちらこそよろしく」
古泉「しかしそのお名前ですと、これまで嫌な思いをした事も多々あるんじゃないですか?」
病院や学校なんかでは何度か気まずい経験をしたよ」
みくる「誰もが知ってる名前ですもんねぇ」
ルルーシュ「えぇ、まぁ一生ついて回る事でしょうから今は特に気にしてません」
ハルヒ「ねぇ、一応聞くけどアンタ皇帝ルルーシュの親戚とかじゃないわよね?」
ルルーシュ「は?」
ハルヒ「だって珍しいでしょルルーシュなんて名前?」
ルルーシュ「名前が同じだからって何で親戚である可能性を疑う
せめて苗字が同じなら分かるが」
ハルヒ「じゃあ違うの?」
ルルーシュ「残念ながらな」
ハルヒ「なーんだ、つまんない」
キョン「何がつまらんのか知らんが、仮にこいつが悪逆皇帝の親類だとしたら
それはつまりルルーシュ自体もブリタニア皇族って事だぞ?ありえんだろ
まぁブリタニアは皇族制自体もう廃止されてるが」
ルルーシュ「俺が皇帝ルルーシュの親戚だとしたら、お前は何をするつもりだったんだ?」
ハルヒ「そんなの決まってるじゃないの!皇帝ルルーシュの謎を解き明かす為に
アンタを辿って他の旧ブリタニア皇族に会っていろんな情報を聞き出すわ!」
ハルヒ「そうよ!皇帝ルルーシュには謎が多いの!私はその謎を解き明かしたいのよねぇ
それには当時皇帝の近くにいた、或いは近くにいた可能性のある人の話を聞くのが一番でしょ?」
ルルーシュ「具体的にどの辺りが謎なんだ?」
ハルヒ「まず一番の謎は何であんなにすんなり皇帝の座に座れたのかって事ね!」
ルルーシュ「前皇帝のシャルルを殺し、その事を世界に公表したからだろ?
確か一連の流れが生中継されてたはずだが」
ハルヒ「皇帝を殺した事とその後そいつが皇帝になる事は直結しないわ!
だいたいそんな事で他の皇族達が納得するわけないじゃない!」
古泉「確かにそうですね。当時のブリタニアは皇族同士が次の皇帝の座を巡り
競い続けていたようですし、急に現れた皇族が皇帝を殺したから
次期皇帝には自分がなると言ったところで納得できるものは一人もいないでしょう」
キョン「でもみんな納得して大合唱してたじゃないか。オール・ハイル・ルルーシュって」
ハルヒ「それがおかしいのよね!第一皇女のギネヴィアなんかはルルーシュの事を最初
しれ者って言ってたのよ?それがいきなり人が変わったように・・・・怪しすぎるわ!」
ルルーシュ「・・・なるほど、それがお前の言う皇帝ルルーシュの謎か」
ハルヒ「他にもいっぱいあるんだけどね、まぁそれはいいわ
今日は決めなきゃいけない事もあるし」
ハルヒ「修学旅行の件に決まってるじゃない!もう一ヶ月しかないのよ!?」
キョン「この間まで修学旅行なんて特に興味ないって言ってたのは何処の誰だ・・・」
ハルヒ「あの時はあの時、今は今よ!」
キョン「どうせ終戦記念式典の話を聞いて気が変わったんだろ?
そんなにゼロに会いたいのか?」
ハルヒ「うるさいわね!アンタだって会いたそうにしてたじゃないの!!」
ルルーシュ「終戦記念式典?さっきから何の話をしてるんだ?」
古泉「そういえばあなたにはまだ話していませんでしたね。実は一ヵ月後三年生には
修学旅行というイベントがあるのですが、その行き先が東京でして」
ルルーシュ「なに!?東京!!?」
古泉「?どうかしましたか?」
ルルーシュ「い、いや・・・続けてくれ」
古泉「その日にちと東京で行われる終戦記念式典の日にちが丁度重なっているので
戦没者を追悼する為我々も出向こうという話を以前していたんですよ」
ルルーシュ「そうか・・・」
キョン「まぁそれは建前で、本音は生でゼロを見てみたいだけなんだけどな」
とテレビでやってたな。なるほど、本命はそれか」
キョン「で、今更お前は何を決めようって言うんだ?」
ハルヒ「別の日に行くところよ!他に何があるっていうのよ?」
キョン「は?」
ハルヒ「修学旅行は三泊四日なのよ?三日目は式典に出るって決まったけど
二日目の自由時間はまだ何処に行くのか全然決めてないじゃない!!」
キョン「そういやそうだったな」
みくる「あのぉ、私遊園地に行きたいですぅ」
ハルヒ「却下!!」
みくる「ひぇ・・・・」
キョン「じゃあスカイツリーなんてどうだ!?戦後日本復興の象徴、一度は登ってみたいだろ?」
ハルヒ「それも却下!!」
キョン「・・・あのなぁ、じゃあお前は何処で何がしたいんだ?」
ハルヒ「残念だけど、何をするかはもう決まってるの!
決まってないのは何処に行くかという事だけよ!」
キョン「はぁ・・・じゃあまず何をするのかを発表してくれ・・・」
人口の多い東京ならきっと何かがあるはずだわ!それを探すの!」
キョン「orz・・・・・せっかくの修学旅行時にまであんな事をせにゃならんのか」
ハルヒ「何よ、何か文句でもあるの?」
キョン「・・・いいや」
ルルーシュ「なるほど、それで何処を探すのかを決めようとしていたのか」
ハルヒ「そう!流石に東京中を探索するわけにもいかないし、ある程度場所に狙いを定めて
やろうと思ってるの!何処がいいと思う?個人的には租界の外がいいと思うんだけど!」
キョン「租界の外はまだ治安が悪いから出歩くなと岡部が言ってただろ」
ハルヒ「フン、岡部の諸注意なんてSOS団には関係ないわ!ここでは私がルールブックよ!」
ルルーシュ「じゃあ新宿ゲットーなんてどうだ?」
ハルヒ「その心は?」
ルルーシュ「最近は復興が進んできているようだがあそこは元々戦地だ
面白いものが眠っている可能性があるかもしれないぞ?それに」
ハルヒ「それに?」
ルルーシュ「新宿ゲットーといえばゼロが最初に行動を起こしたとされる場所だ
ファンとしては一度行ってみたいんじゃないのかと思ってな」
キョン「いや、俺も違うぞ・・・」
ルルーシュ「でも面白そうな場所だと思うぞ、不思議を探すのにはもってこいだ」
ハルヒ「うーん、そうね!じゃあそうしましょ!!行き先は新宿ゲットーで決まり!
みんなもいいわね?」
古泉「えぇ」
長門「・・・・」コクッ
みくる「ゲ、ゲットーなんて行って大丈夫なんですかぁ?怖い人がいっぱいいるんじゃ・・・」
ハルヒ「大丈夫よみくるちゃん!SOS団に手を出そうなんて不逞の輩が現れたら
私がケチョンケチョンにしてあげるから!!」
みくる「は・・・はぁ」
キョン「ったく、何でお前はそんなに積極的なんだ?」
ルルーシュ「早いところ意見を出しとかないとあいつの事だ、新宿ゲットーよりも
更にタチの悪そうな場所を選択しかねないだろ?」
古泉「確かにそうですね、賢明な判断だと思います」
キョン「はぁ~・・・・」
古泉「えぇ、僕も言われましたよ。話したい事があるので1時にグランドに来てくれとね」
キョン「長門や朝比奈さんにも声をかけてあるらしいが、あいつは何を話そうとしているんだ?」
古泉「さぁ、皆目検討もつきませんね。ただいちいち呼び出すくらいですから
重要な話である事は間違いないでしょう」
キョン「機関の調査とやらの結果はどうだったんだ?」
古泉「昨日の今日ですからまだ十分に調べられてはいませんが
彼が部室で答えた内容に関しては全て裏が取れました」
キョン「部室で答えた内容?あぁ、家族構成やら出身地の事か」
古泉「えぇ、ある程度捏造してるかと思っていましたが、どうやら全て事実のようです
彼はEUイギリス領出身のルルーシュ・ランペルージで間違いありません
ただ、分かったのはそれだけでまだ何者であるかという事までは不明ですが」
キョン「異世界人である可能性もあるのか?」
古泉「えぇ、ですから今後も調査は続ける予定です」
キョン「いっその事今夜本人に聞いてみたらどうだ?その方が話が早いだろ」
古泉「仮に彼が異世界人だとして、その勢力の規模も、我々の敵なのかそうでないのかも
分かりませんからね。正体が分かるまでそのような行為はできません」
できるだけこちらの正体が悟られないよう、慎重に調べる必要があるので
直接聞くというのはやはり難しいでしょうね」
キョン「今夜の話とやらで向こうから正体を明かしてくれるかもしれんぞ?」
古泉「どうでしょう、それなら助かりますが・・・」
キョン「それに俺と同じようにただの一般人である可能性だって微量ながらあるんだろ?」
古泉「本当に微量ですがね。涼宮さんが絡んでいる以上、やはり彼は普通の人間だとは
思えませんが」
キョン「はぁ~、どうなることやら」
------
---
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-----深夜1時半(北高グランド)
キョン「ハァ、ハァ、すまん遅くなった!」
古泉「珍しいですね、あなたがここまで約束の時間に遅れるというのは」
キョン「11時くらいにウトウトしちまって・・・すいませんでした朝比奈さん」
みくる「大丈夫です!気にしないでください」
長門「・・・いい」
キョン「ルルーシュ、本当に・・・・ってあれ?ルルーシュもまだ来てないのか?」
古泉「えぇ」
キョン「フー、助かったぜ。あいつ怒ったら怖そうだからな」
古泉「それにしても、自分で呼び出しておいて30分以上も遅刻というのは
少々引っかかりますね」
キョン「まさかすっぽかしたのか?」
古泉「流石にそれはないと思いますが・・・」
みくる「あ、来ましたよルルーシュ君!」
昇降口方面から歩いてきたルルーシュがキョン達と少し離れた場所で立ち止まる
ルルーシュ「やっと全員揃ったか・・・随分と待たせてくれたなキョン」
キョン「何言ってんだ!俺よりもお前の方が遅いじゃないか!」
古泉「もしかして、実はとっくにこちらへいらしていたのですか?」
ルルーシュ「あぁ、君達が来るずっと前からね」
古泉「分かりませんね、では何故早々に姿を現さなかったのですか?」
お前達はまず俺の質問にだけ答えてもらう」スッ
古泉「!!!」
ルルーシュが右手を上げると上空から二機のナイトメアが猛スピードで降下し
キョン達を囲むように着地して、ライフルの銃口を四人に向けたまま静止した
ドスン! ドスン!
キョン「ぬわっ!!」
みくる「きゃぁぁぁぁぁ!!!」
長門「・・・・」
古泉「やはり一筋縄ではいきませんね・・・」
キョン「ナ、ナイトメア!?どうしてこんな所に??おいルルーシュ、お前の仕業か!?」
ルルーシュ「見れば分かるだろ」
古泉「これはヴィンセント・・・ブリタニアが戦時中に開発した第七世代のナイトメアフレームですね
そしてこっちのは・・・まさかモルドレッド!?」
キョン「おい、何だそのモルなんちゃらってのは?」
ナイトオブシックス、アーニャ・アールストレイム卿の専用機です」
キョン「ナイト・オブ・ラウンズの専用機だ?何でんなもん持ってんだよ・・・
ルルーシュ、お前は何者なんだ!?」
ルルーシュ「俺が何者であるかという前に、まずはお前達の事をはっきりさせてもらおう」
古泉「しかし手荒ですね、銃口を突きつけられた状態での問答は最早脅迫ですよ?」
ルルーシュ「こうでもしないとお前達とは対等に話が出来そうになかったのでな
何しろ宇宙人に未来人、超能力者が相手では、このくらいやらないと
我が身の安全も保障できない」
キョン「!!?」
みくる「ふぇっ・・・」
古泉「既に御存知でしたか、我々の正体は」
ルルーシュ「あぁ、だが誰がどれに当てはまるのかまではまだ半信半疑でな
まずはそこから答えてもらう。機関に所属している超能力者は・・・古泉、お前か?」
古泉「御名答です」
ルルーシュ「では未来人は?」
みくる「わ、私ですぅ・・・」
ルルーシュ「宇宙人は?」
ルルーシュ「大方予想通りだな。だがこれだけはいくら考えても分からなかった
キョン、お前はいったい何なんだ?涼宮の近くにいる以上、お前もタダ者ではないんだろう?」
キョン「残念だが俺はタダ者だ。宇宙人でも未来人でも超能力者でもない
普通の人間だ」
ルルーシュ「・・・・」
ルルーシュは古泉を見る
古泉「彼の言っている事は事実ですよ!嘘ではありません。というか、この状況で嘘はつけません」
ルルーシュ「・・・まぁいいだろう」
古泉「その物言いですと、涼宮さんの能力に関しても御存知のようですね」
ルルーシュ「あぁ、お前達機関の人間があいつを神と崇めてる事もな」
古泉「厳密に言うとそれは少し違います。機関の中でも意見が割れてましてね
神と崇める者もいれば、そうでないと主張する者もいます」
ルルーシュ「お前はどっちなんだ?」
古泉「前者です」
ルルーシュ「フン、だろうな」
キョン「おいルルーシュ、このナイトメア何とかならんか!?
さっきから朝比奈さんの震えが止まらんのだが・・・」
ルルーシュ「心配しなくても、お前達が何もしなければこちらも何もしない
さっきも言ったがこれはあくまで俺がお前達と対等に話す為に必要な演出にすぎない」
キョン「だそうです、大丈夫ですよ朝比奈さん」
みくる「ふぇぇ・・・怖いぃ」ガクガク
古泉「そろそろ答えていただきませんか?先ほど何故早々に姿を見せなかったのかという問いと
あなたの正体に関して」
ルルーシュ「俺が姿を見せなかったのは、お前達を観察していたからだ」
古泉「観察?」
ルルーシュ「宇宙人の勢力、未来人の勢力、超能力者の勢力がどの程度の
結びつきを持っているのか、それを確認する為だ。警戒する謎の留学生からの突然の呼び出し
お前達に横の繋がりがあるのなら、俺が来るまでの間にある程度話し合いをするはずだからな」
古泉「なるほど」
ルルーシュ「しかし、話し合いどころか長門有希は終始沈黙し続け、朝比奈みくると古泉一樹
の間にも会話らしい会話は殆どなかった。つまりお前達の勢力に横の繋がりはなく
俺に関する事も一切情報交換をしておらず、尚且つ今夜ここに無策で来たという推測が立った」
キョンの遅刻は少々気にはなったが、彼が加わった後も観察を続けたところで
何か変化が起こるとは思えなかったのでな」
古泉「もし観察中に我々が怪しい行動、話合いをしていた場合は
どうする予定だったんです?」
ルルーシュ「今夜は姿を現さず、諦めて家路に向かうお前達を個別に拉致し
一人ずつ尋問する予定だった」
キョン「なっ・・・・」
みくる「ひぃぃぃ・・・」
ルルーシュ「正直それはあまりしたくなかったから、お前達に横の繋がりがなくて
感謝しているところだ」
キョン「で?ルルーシュ、お前はいったい何者なんだ!?いい加減教えてくれ!」
ルルーシュ「百聞は一見にしかず。口で説明するよりもこうした方が早いな」バサッ
ルルーシュはフェイスマスクとカツラ、眼鏡を外しキョン達に素顔を見せた
キョン「!!?」
古泉「これは・・・」
長門「・・・」
みくる「ふぇぇぇ!?こ、皇帝ルルーシュ!!?」
キョン「嘘だろおい・・・皇帝ルルーシュはゼロに殺されたはずじゃ」
古泉「衆人環視の中で確かに刺されたはず・・・何故生きているのです?」
ルルーシュ「何故生きているかか・・・そうだな、まずはその説明が必要か
古泉、お前ギアスという能力を知っているな?」
古泉「えぇ」
キョン「何だ、そのギアスってのは?」
古泉「王の力と呼ばれる他者の思考や人体に干渉する特殊能力の事です
そういえばあなたにはまだ教えていませんでしたね」
キョン「思考や人体に干渉する能力?そりゃまんまハルヒの謎パワーの事じゃねーか」
古泉「涼宮さんの能力はギアスとは関係ありません。一時期我々もその可能性は疑ったのですが
ギアスはコードを所有している者との契約がなければ発現しない能力です
しかし過去に涼宮さんがそういった者と接触したという事実はありませんでした」
キョン「コード?また新しい言葉が出てきたぞ・・・何が何だか分からん」
古泉「恐らく僕よりも長門さんの方が御詳しいでしょう、説明していただけますか?」
長門「ギアスというのは個人の努力等で得られる力ではない。不老不死のコードというものを
所持している者と契約して始めて得られる力」
能力発動の際には片目、或いは両目から赤い鳥のような紋章が浮かび上がり
コード所有者以外の者なら誰でも使用可能」
キョン「何だそれ・・・」
長門「ギアスは使用し続けるごとにその力を増していく。力を制御しきれなくなると暴走し
ONとOFFの切り替えができなくなる。しかしそれらを乗り越え、一定以上に能力を増大
させた者は、ギアスを失い不老不死のコードを得て新たな媒介者となる」
ルルーシュ「そこまで調査済みとは恐れ入った。流石は宇宙人といったところか
やはり情報戦では勝ち目は無かったようだ。こちらから正体を明かしたのは正解だったな」
キョン「いやちょっと待て、そのギアスってのと死んだはずのアンタが生きてる事と
何の関係があるんだ?」
古泉「つまりあなたはコードを所有しているギアスの媒介者という事ですね?」
ルルーシュ「そういう事だ、理解が早くて助かる」
キョン「は?つまりこいつは不老不死って事か?」
古泉「えぇ、だからゼロに刺されても死ななかったのでしょう」
ルルーシュ「俺がまだ生きている理由、御理解いただけたかな?」
ルルーシュ「何だ?」
古泉「何故そんなあなたがわざわざ変装までしてこの学校に通っているのです?
何か理由がないと到底理解し難いのですが」
キョン「まさか皇帝の座に返り咲く為にハルヒの力を利用しようとしてるのか!?
だから北高に入って俺たちに近づいたとか?」
古泉「恐らくそれはないでしょう。さっきも言いましたが彼はギアスの媒介者です
元の地位に返り咲く為に人知を超えた力が必要ならば、わざわざ涼宮さんに近づかずとも
自ら手当たり次第に契約者を作り、利用すればいいだけです」
ルルーシュ「それに先に近づいてきたのは俺ではなく、お前達の方だろ」
キョン「そ、そういえばそうだな・・・」
ルルーシュ「涼宮の能力の事は昨日知ったばかりだ。俺が北高に入った理由に
涼宮は一切関係してないし、他に特別な理由もない。この学校に入ったのは・・・
そうだな、軽いアクシデントのようなものだ」
古泉「それは本当ですか?」
ルルーシュ「あぁ。それに俺が北高に来た理由付けなら、最も納得のいく解釈が他にあるだろう?」
古泉「何です?」
ルルーシュ「『涼宮ハルヒがそれを望んだから』これで十分だろう?特にあの女を神と
崇めてるお前にとってはな」
そのような事を口に出していましたし」
ルルーシュ「あいつは心のどこかで皇帝ルルーシュ、或いはゼロに会いたいと願ったのだろう
その結果俺がここへ来る事になってしまったわけだ」
キョン「ん?何でそこでゼロが出てくるんだ?皇帝ルルーシュに会いたいと願って
お前が来るのは分かるが、ゼロに会いたいと願ってお前が来るってのはおかしいだろ」
ルルーシュ「何もおかしな事はないさ。何故なら、ゼロの正体は俺なのだからな」
キョン「・・・・・・は?」
みくる「ふぇ・・・!?」
ルルーシュ「厳密に言うと、だったと言った方が正しいか」
キョン「何をわけの分からん事を言ってるんだ!あんたがゼロ!?ありえないだろ!」
ルルーシュ「何故ありえない?」
キョン「だってあの時アンタを刺したのはゼロで・・・」
ルルーシュ「あの時仮面を被っていたのが本物であると証明できるのか?
偽者かもしれないぞ?」
キョン「いや・・・そりゃそうだが」
ゼロの正体を知っている者にしかできませんよ」
ルルーシュ「その通りだ。自分で言っておいて何だが、そもそもゼロの正体に
本物も偽者もないんだよ。ゼロというのは個人を示す名前ではなくあくまで記号だからな」
キョン「言っている意味がさっぱり分からんのだが」
古泉「つまりあの仮面を被れば誰もがゼロになり得るわけで、それを本物か偽者かと
追求することに何の意味も無いという事ですか?」
ルルーシュ「そういうことだ」
キョン「無茶苦茶な理論だな・・・」
古泉「しかしその場合ですと、涼宮さんがゼロを望んだ場合過去にあの仮面を被った経験のある
人々全員が召喚対象になります。確か終戦間際、黒の騎士団は日本人を中華連邦に移す為
100万人近い人々にゼロの格好をさせた事がありましたよね?候補者の数は膨大です
何故そのような人数の中からあなたが選ばれたのでしょうか?」
ルルーシュ「推察だが、涼宮の中のゼロとはただ姿形を似せた者ではなく
実際に黒の騎士団を率いブリタニアと戦っていた者の事なんだろう」
古泉「つまり、あなたがそうだと?」
ルルーシュ「あぁ。クロヴィスを殺したのも、黒の騎士団を結成したのも、ブラックリベリオンを
仕掛けたのも全部俺だ」
キョン「百歩譲ってそれが本当だとして、じゃあ何でお前は終戦間際自分で作った黒の騎士団と
戦ってたんだ?それもゼロとしてではなく、皇帝ルルーシュとして!意味が全く分からん!」
あなたがゼロであったという事を信じることなど出来るわけがありません」
ルルーシュ「別にいいが、かなり長くなるぞ?」
古泉「僕は構いませんよ」
キョン「俺も大丈夫だ。説明できるもんならしてみろ!」
ルルーシュ「そうだな・・・何処から話せばいいだろう。
まずは俺がブリタニアにいた頃から話をしようか」
ルルーシュは自分がゼロになった理由と
クロヴィス殺害からゼロレクイエムを起こすまでの経緯を事細かに説明した
ルルーシュ「以上だ、何か質問はあるか?」
キョン「・・・・・・・・・・・じゃ、じゃあ何だ・・・今ゼロの仮面を被ってるのは
巷じゃ裏切りの騎士って言われてるあの枢木スザクだってのか?」
ルルーシュ「あぁ。さっきそういっただろ?」
みくる「ふぇぇぇ・・・そんな裏事情があったなんて・・・」
ゼロの仮面を被せた枢木スザクに討たせる!結果世界は愚かな戦争を止め
話し合いという手段でもって外交を行うようになる。悪の元凶たる皇帝ルルーシュを討ち滅ぼした
ゼロは正義と平和の象徴として人々の心の支えになる。まさに今の世界そのままですね」
ルルーシュ「勿論今話した事を裏付ける証拠は何処にもない。信じるか信じないかは
お前達次第だ」
古泉「ここまで明確な回答をいただいた以上信じないわけにはいきませんよ
それにしても、まさかあの大事件にそのような裏があったとは・・・・面白いですね」
キョン「駄目だ・・・まだ頭の整理が追いつかん」
古泉「事件後は身を潜めて生活していたが、涼宮さんの能力が作用した結果
あなたは北高へ通う事となり、我々と相対する現状へと至ったわけですね」
ルルーシュ「そうだ。正直お前達の正体を知った時はどうしたものかと悩んだが
下手な嘘をつくより全てを話し、理解を求めた方が安全だと思ってな」
古泉「だから自ら告白なさったのですか」
ルルーシュ「こちらから正体を明かすのと、黙っていた正体をお前らに明かさせるのとでは
その後の関係性を考えても雲泥の差だからな。お前らが相手では
何をされるか分かったもんじゃない」
古泉「機関は基本話し合い重視ですので、後からあなたの正体が割れたとしても
手荒な真似はしなかったと思いますよ」
ルルーシュ「お前の組織じゃない、俺が恐れていたのはこの二人の組織だ」
長門「・・・・・・」
古泉「なるほど、そうでしたか。まぁ、確かに分かる気がします
僕が逆の立場でも、恐らく一番脅威に感じるのは朝比奈さんや長門さんの一派でしょうし」
みくる「わ、私達も乱暴な事はしませ~ん!」
ルルーシュ「お前はどうなんだ長門有希?」
長門「・・・時と場合による」
ルルーシュ「フン、やはりこちらから打ち明けたのは正解だったか」
古泉「それで、あなたはこれから我々とどのような関係を築きたいとお考えなのでしょうか?」
ルルーシュ「互いに不利益になるような事は避け、互いに干渉しない関係というのはどうだろう?
今のお前達は実際そんな感じなのだろう?」
古泉「まぁそうですね。ただ我々は時と場合によっては干渉しあったりもしますよ?」
ルルーシュ「そうなのか?まぁその辺はお前達に合わせるさ。この中では一番後輩だしな」
キョン「話がまとまったならとっとこのナイトメアと、俺たちに向けられた銃を何とかしてくれ
さっきから生きた心地がせん」
ルルーシュ「あぁ、そうだな。C.C、アーニャ、もういいぞ!」
ナイトメアのコクピットハッチが開き中から二人の女性が姿を現した
アーニャ「・・・終わり?」
ルルーシュ「あぁ、終わりだ。話はついた、ご苦労だったな」
C.C「全く、こんな夜中に迷惑な話だ。夜更かしは美容の敵だというのに
ルルーシュ、この貸しはでかいぞ?」
キョン「パイロットは女だったのか(しかも両方可愛い!)」
古泉「元ナイト・オブ・シックス、アーニャ・アールストレイム・・・どうやら本物のようですね」
キョン「元ラウンズが護衛かよ、どうなってんだあいつのコネクションは?」
古泉「こちらの御二人はあなたの協力者ですか?」
ルルーシュ「そうだ。アーニャの事は知ってるみたいだな、いい機会だからもう一人の方も
紹介しておいてやる。あいつはC.C、俺の前にコードを所持していた者だ」
古泉「つまりあなたにギアスを与えた人物ですね」
ルルーシュ「あぁ、今はコードもギアスも持たないただの人間だがな」
C.C「フン、ただの人間でいられる事の喜びはお前達には分かるまい」
みくる「あ、あのぉ・・・私の顔に何かついてますかぁ?」
アーニャ「・・・・・・」ジー
みくる「・・・・あのぉ」
アーニャ「・・・・・・」ジー
みくる「ひぃぃぃ、キョンくーん!」ガバッ
キョン「だ、大丈夫ですか朝比奈さん!おい、あんたさっきから何で
朝比奈さんを凝視してるんだ?怖がってるじゃないか!」
アーニャ「・・・・なんか、声が似てるから」
長門「・・・・・・」
C.C「確かお前が宇宙人だったな、ずっとモニターで見ていたが
お前さっきから顔色一つ変えんな・・・・不感症か何かか?」
ツンツン
C.Cは指で長門の脇腹を突き始めた
ツンツン ツンツン ツンツン
長門「・・・・・・・」
あまり刺激するな!」
C.C「他人に止めろと言われると止めたくなくなるのは何でだろうなルルーシュ」
ツンツン ツンツン ツンツン
ルルーシュ「止めろと言っているだろ!?相手は宇宙人だぞ!?」
ツンツン ツンツン ツンツン
長門「・・・・・・・・・止めて、くすぐったい」
C.C「お?ようやく反応したか!もしかして怒ってるのか?」
長門「・・・・・」
C.C「何だ、ちゃんと感情があるんじゃないか。だったら能面ぶってないで
もっと表情に出したらどうだ?その方が人生楽しいぞ」
長門「・・・・・」
古泉「では僕はこの辺で失礼させていただきます。今夜は有意義な会談が出来て
本当に良かったです。これからよろしくお願いします」
ルルーシュ「こちらこそよろしく頼む」
古泉「では、失礼します」
キョン「じゃあ俺達も帰りましょうか朝比奈さん」
朝比奈「はい・・・・」
ルルーシュ「先輩は俺が送りますよ、この時間帯に年頃の女性の一人歩きは危険ですからね」
キョン「なに?・・・・お前よからぬ事を考えてるんじゃないだろうな?」
ルルーシュ「フン、お前じゃあるまいし」
キョン「何だと!?」
朝比奈「だ、大丈夫です!私一人でも・・・」
アーニャ「駄目、危ないから私がモルドレッドで送っていく」
朝比奈「へ?へ?モルドレッドでってどういう意味で・・・キャー!!!」
アーニャは無理矢理朝比奈さんを担ぎモルドレッドのコックピットに乗せ
機体を発進させた
バシューッ
キョン「・・・・なんて強引な奴だ。ハルヒ級だな」
ルルーシュ「長門有希、一応聞くがお前は夜道大丈夫なのか?心配なら送っていくが?」
長門「大丈夫」
長門「・・・・」コクッ
長門はその場を去った
キョン「はぁ・・・じゃ、俺も帰るか」
ルルーシュ「送っていこうか?」
キョン「気持ちの悪い事を言うな」
ルルーシュ「はは、冗談だ」
キョン「しかし不思議だ・・・6年前にテレビで見てたあの皇帝ルルーシュと
今こうして話しをてると思うと」
ルルーシュ「人生というのはいつ何が起こるか分からない、良い勉強になっただろう?」
キョン「生憎だが、その手の勉強は高校入学以来何度も復習してる」
ルルーシュ「涼宮ハルヒのお陰でか?」
キョン「あぁ、あいつと出会ってから俺の平穏な日常は激変しちまった」
ルルーシュ「人によっては羨ましがるだろうな、今のお前の立ち位置は」
キョン「そんな物好きがいるとは思えんな」
ただの人間でありながら涼宮ハルヒに引き寄せられ、周囲で起こる事件に何度も巻き込まれる
退屈な日常に飽き飽きしている人間にとって今のお前はまさに理想の塊だろうな」
キョン「代われるものなら代わってやりたいね」
ルルーシュ「残念ながらそれは無理だ。これはお前にのみ与えられた特権
お前はきっと特別な存在なんだよキョン。この世界にとって、そして涼宮ハルヒにとってもな」
キョン「・・・・・・」
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------東京租界空港
ジノ「いやー、かなり待たせちゃったね!ごめんごめん、税関でトラブっちゃってさ!」
カレン「遅すぎ!!ていうかあんた今度は何持ち込もうとしたのよ?」
ジノ「オーストラリアで見つけた珍獣の角なんだけど、駄目だってさ。
カレンにプレゼントしようと思ったんだけどなぁ」
カレン「・・・いらないわよ、そんなの」
ジノ「悪いな、迎えに来てもらっただけじゃなく帰りの運転までさせちゃって!」
カレン「別にいいわよ、アンタの荒い運転だと落ち着いて乗ってられないし」
ジノ「車の運転ってちまちましててどうも好きになれないんだよなぁ
ナイトメアでぶっ飛ばすのに慣れてるせいかなぁ」
カレン「最近もナイトメアに乗ってるの?」
ジノ「いや、終戦以降一回も乗ってないよ」
カレン「じゃあナイトメアは関係ないじゃない、性格の問題ね」
ジノ「痛いところつくなぁ」
カレン「で、今回は何で帰ってきたの?」
ジノ「そりゃ勿論、カレンの顔を見に」
カレン「茶化さないで!!何か理由があるから帰ってきたんでしょ?
知ってるのよ私、ロイドに呼び出されたんでしょ?」
ジノ「何だ、知ってるのか。じゃあロイドさんに直接聞けばよかったじゃないか」
カレン「だっていくら聞いても教えてくれないだもんあのオヤジ!」
ジノ「あの人変わってるからなぁ」
ジノ「答える、答えるよ・・・・内緒にしとくようにって言われてるんだけどなぁ
まぁ仕方ないか、実はさ」
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-------東京租界ロイドの研究室
ロイド「セシルくん、このおにぎりなんだけど・・・」
セシル「あっ、気付きました!今日は隠し味にはちみつを入れてみたんです!」
ロイド「隠し味?はちみつの味しかしないんだけど・・・全然隠れてないよねこれ」
セシル「お口に合いませんでしたかぁ?今日はジノ君が来る日だから
沢山作ってきたんですが・・・」
ロイド「沢山って、どれくらい?」
セシル「10個以上は作ったと思います」
ロイド「10個・・・(彼に頑張ってもらうしかないね)」
ロイド「噂をすれば、ようやく来たようだね」
ジノ「こんちはー」
セシル「いらっしゃいジノ君・・・・ってあれ?カレンさんも一緒?」
カレン「こんにちはセシルさん」
セシル「こんにちは、今日って紅蓮のテストの日だっけ?」
カレン「いえ、今日はジノの送迎のついでに寄ってみただけです
そこの人に言いたい事があったんで」
ロイド「ん?それって僕の事?」
カレン「えぇそうですよ!!聞いたわよ、アンタがジノを呼び出した理由!!」
ロイド「困るなぁ、内緒にしてっていったのに」
ジノ「いや~、すいません。ていうかカレン、お前まだナイトメアに乗ってるのか?
紅蓮のテストがどうとか言ってたけど」
セシル「カレンさんには大学の授業の合間を縫って私たちのナイトメア開発に
協力してもらってるの!」
ロイド「ウフフ~、彼女程優秀なデバイサーはなかなかいないからね!
本当いつも助かってるよ」
何で私に黙ってたの!?」
ロイド「そうしろって言われたからだよ、コーネリア元殿下にね」
カレン「コーネリアに?」
ロイド「そう。実はジノ君を呼び出すようにと連絡してきたのはあの人なんだけどね
その時僕が、じゃあカレン君にも手伝ってもらった方がいいんじゃないですかって言ったら
平和な生活を取り戻した普通の大学生を元の世界に連れ戻すような事は
しちゃいけないって怒られちゃってさ。あの人もだいぶ変わったよねぇ」
カレン「あいつがそんな事を・・・」
ジノ「ていうか、俺も今は普通の一般市民なんだけど・・・・俺は元の世界に戻ってもいいんだ・・・」
ロイド「コーネリア元殿下曰く、仕事もしないで世界中歩き回ってるような放浪者は
例外だそうだよ」
ジノ「失礼だなぁ、旅先で必要に応じてちゃんとしてますよ!仕事」
カレン「コーネリアが変な気を回してくれたのはありがたいけど、結局私も知っちゃったんだから
詳しい事を説明してもらうわよ!」
ジノ「そうそう、詳しい事を教えてよ。ざっくりとした情報しか受けてないんだから
来月の終戦記念式典に反超合衆国の連中がテロを仕掛けようとしてるんだろ?」
ロイド「そうだよ。ま、詳しい事はセシルくんお願い」
テロを行い、ゼロ及び式典に参列する各国の代表を抹殺するとの情報が入ったの」
ジノ「何処の組織だいそれ?過激派って言っても今そういうのいっぱいあるでしょ?」
セシル「それがそれまで沢山あった組織が最近一つにまとまったらしくて・・・」
ジノ「一つにまとまった?あのイカれた連中が?確か一つ一つ微妙に主義主張とか
異なってなかった?」
ロイド「どうやら優秀な指導者が上に立ったのが原因みたいだよ。詳しい事は分からないけど」
ジノ「へー、またゼロみたいなのが現れたって事か」
カレン「ちょっと、ゼロとそんなのを一緒にしないでちょうだい!!」
セシル「一つ一つは大した勢力ではなかったんだけど、これらが一つにまとまった今
その勢力は黒の騎士団と比較しても遜色のないレベルにまで達してるそうよ
だから最近は超合衆国や黒の騎士団の中でもこのテログループへの対策案ばかりが
議論されてるの」
ジノ「そこへ来て式典でテロをするって情報が流れてきたわけか」
セシル「えぇ、だからあなたを呼んだのよジノ君。あなたには当日ナイトメアに乗って
式典会場周辺の警備を行ってもらいます」
ジノ「それは別にいいんだけどさ、何も俺がいなくたって今の黒の騎士団にも
沢山優秀なパイロットがいるんだろ?何でわざわざ俺を呼んだんだい?」
カレン「は?何でよ?」
ロイド「終戦記念式典は平和への祈りを込めたものらしくてね、大掛かりな軍隊の出入りは
一切禁じられてるんだよ。だから当日会場を警備しているのは日本の警察と自衛隊のみ」
カレン「はぁ?何よそれ?事前にテロの情報が入ってるんでしょ?」
ロイド「例外はないそうだよ。ちなみにこの決定を下したのは今の超合衆国代表ね
まぁ仕方ないよ、テロを警戒して黒の騎士団の軍隊を総動員しちゃったら
式典のムードぶち壊しだからね」
カレン「だからって・・・警察と自衛隊だけだなんて」
セシル「だから私たちは警察と自衛隊の他に、少数精鋭による別の部隊を組織するようにと
扇首相から要請を受けたの」
カレン「扇さんから!?」
セシル「えぇ。その組織のリーダーがコーネリア元殿下で、最初にジノ君に
白羽の矢が立ったって事なの」
ジノ「なるほど・・・・ハハ、ちょっと面白くなってきたな」
カレン「何処がよ馬鹿!!セシルさん、その部隊に私も参加させてください!!
ただ見ているだけなんてできない!」
セシル「どうしますかロイドさん・・・?」
個人的にはカレン君にも今回の部隊には参加してほしかったんだ」
ジノ「新型紅蓮?」
ロイド「んふふ~、そうだよ!僕とセシル君の血と汗と涙の結晶
かつて君が乗ってたトリスタンを10とするなら、新型紅連は100を超えるスペックだ」
ジノ「凄いなそれ!俺に乗せてくださいよ!?」
ロイド「残念だけど、あの機体の性能をフルに生かせるのはカレン君だけだと思うよ
操縦時における彼女独特の癖なんかを考慮して作ってあるからね
まぁ安心しなよ、ちゃんと君の実力に見合った機体をコーネリア元殿下が
用意してくれてるみたいだからさ」
セシル「ではカレンさんの件は私がコーネリア元殿下に伝えておきますね
カレンさんたっての希望とあらば承知してくださるでしょうし」
カレン「よろしくお願いします」
ジノ「少数精鋭って言ってたけど、最終的に何人くらい集める予定なんだい?」
セシル「現状はジノ君とカレンさんを合わせて5人です。コーネリア元殿下の騎士を務めていた
ギルフォード卿、藤堂鏡士郎に玉城真一郎」
カレン「えっ?・・・・・・玉城?」
セシル「はい、元黒の騎士団で凄腕のパイロットだと伺ってますけど?」
カレン「誰がそんなデマ流したのかしら・・・」
他の戦力とか全く恐れる必要ないですよ」
カレン「何処から出てくるのよその自信、もう5年以上もナイトメアに乗ってないくせに」
ジノ「ハハ、そのくらいハンデだよハンデ」
セシル「実はアーニャ・アールストレイム卿やジェレミア卿にも声をかけようとしているんだけど
連絡しようにも居所が全くつかめなくて・・・・」
ジノ「アーニャか、懐かしいなぁ・・・今何してんだろあいつ?」
カレン「ジェレミアが戦後姿を隠すのは分かるんだけど、何でシュナイゼル側で戦ってた
アーニャって人まで行方不明になったのかしら?」
ロイド「まぁいろいろと理由があるんでしょ、連絡がつかないなら仕方ないよ」
ウィーーン
ニーナ「ロ、ロイドさん大変です!!」
カレン「あらニーナ、久しぶりね」
ニーナ「あっ、カレン久しぶり!って、それどころじゃないんです!」
ロイド「どうしたの珍しく慌てちゃって?」
ニーナ「テレビつけてください!」
ロイド「テレビ?セシル君」
ザーーーーーーーーッ
セシルはテレビをつけるがどのチャンネルも砂嵐が映っているだけで
まともな映像を映し出しているところは一個もなかった
ザーーーーーーーーッ ンキセヨ・・・
セシル「変ですねぇ・・・・アンテナの故障でしょうか?」
ロイド「アンテナの故障?面倒だなぁ」
カレン「ねぇ、何か聞こえない?」
ジノ「何が?」
カレン「ほら、砂嵐のザーッって音に紛れて何か聞こえる」
ジノ「どれどれ」
ザーーーーーーーッ ブソウ・・・ホウキセヨ
ジノ「本当だ、何て言ってるんだこれ?」
セシル「確かに何か聞こえますね」
ニーナ「武装蜂起せよ、つまり戦えと言っているんです」
ニーナ「それは分かりません」
カレン「ねぇニーナ、何なのこれ?」
ニーナ「分からないけど、何処のチャンネルももう20分以上この状態が続いてて
よく聞いてみたら武装蜂起なんて言葉が出てるし、もしかしたらテログループのメッセージ
なんじゃないかと思って急いでここまで来たの!」
ロイド「もしかしたらっていうか、間違いなくそうだろうねぇ。それにしてもここまで
大規模な電波ジャックはゼロが起こした時以来だね」
ザーーーーーーーッ ブソウ・・・ホウキセヨ
ジノ「何がしたいんだろうねぇこいつら、ずっとこのままってわけじゃないだろうけど」
カレン「どういう事?」
ジノ「わざわざここまで大掛かりな電波ジャックを仕掛けたんだ、こんなか細い声で
武装蜂起なんちゃらだけで終わらせるなんて到底思えない。たぶんその内明確な
声明を出すんじゃないかな?」
ロイド「僕もそう思う、暫くこの画面と睨めっこだね」
すると突然画面が切り替わり、テロリストのリーダーらしき人物が姿を現した
見慣れた仮面に見慣れた服装、誰もが分かる人物。それは英雄ゼロだった
カレン「えっ!!?」
ジノ「なーんでここでゼロが出てくるんだぁ?」
ゼロ『ゼロと言っても、超合衆国の相談役である諸君等がよく知っているあのゼロではない
私はこの間違った世界を正す為に現れた新たなゼロである』
カレン「新たな・・・ゼロ?」
ゼロ『6年前、愚かな戦争は終結し世界は新たな道に向かって進み始めた
新たな道、それは武力ではなく話し合いという選択でもって世界を
変えていこうというものであり、長らく続いた戦争に疲弊しきっていた
各国の人々は歓喜の声をあげた。そして我々は超合衆国の掲げる
[優しい世界]へと歩みを進めたのである。しかしどうだろう
今現在のこの世界は果たしてかつて歩を進めた先の世界なのだろうか?
断言しよう、それは断じて違う!!』
ジノ「力入ってるねぇ~、どう違うのか言ってごらん」
カレン「ちょっとジノ黙ってて!!聞こえないでしょ!」
当初超合衆国は経済的に苦しい国を支援すると明言していたが、今ではその予算は
黒の騎士団の軍事機密費として計上されている。結果貧しい国はより貧しくなり
平和維持軍であるはずの黒の騎士団の軍事力ばかり肥大しているのが現状だ
これがかつて我々が目指した[優しい世界]だと言えるだろうか?』
ジノ「今の話は本当なんですか?」
セシル「さぁ・・・でもここ数年貧しい国への支援が行われていないってのは事実よ」
ロイド「黒の騎士団の軍事力が格段に上がってる件も事実。その証拠に、僕等への研究費も
当初の倍以上にまで上がってるからね」
ジノ「ロイドさん達って今黒の騎士団に依頼を受けてナイトメアの開発してるんですか?」
ロイド「そうだよ」
ジノ「じゃーあのゼロの言う事が本当だとすると、ここの研究開発費の殆どが
貧しい国へ支援として行くはずの金だったってことか」
セシル「・・・・・・・・・・」
ロイド「一応言っておくけど、僕もセシル君もそんな事実は知らなかったんだからね」
ジノ「ハハ、分かってますよ」
カレン「ここの給料貰ってなくて良かったわ。何考えてるのよ超合衆国の連中は!」
フレイヤを密かに所有している!これは重大は裏切り行為である
強大な軍事力を武器に政策に異を唱える国に対して圧力をかけ屈服させる
これではかつてのブリタニアと何ら変わらない!ブリタニアという名前が
超合衆国と名を変えただけで、この世界は何も変わっていない!!』
カレン「・・・・・」
ゼロ『にも関わらず、ゼロを始め、超合衆国の代表も
これらを正すどころかただ静観を決め込んでいる!
確かに彼らはかつて皇帝ルルーシュから世界を救った英雄である
しかし、だからと言ってこの愚行を見逃すわけにはいかない!!
超合衆国が黒の騎士団を御せないのであれば、私がそれをしよう!
人々を恐怖で縛る軍事力など、私が全て破壊してやる!!』
ロイド「過激な事言うねぇ」
ゼロ『まず手始めに、愚かなるラムサス卿にたった今天誅を下した!!』
画面が切り替わり、炎の海と化した黒の騎士団中央軍事基地の映像が映し出される
ゼロ『彼は黒の騎士団総司令という立場にありながら、中東でいつくも
無意味な虐殺行為を部下に指示していた。罰を受けて当然の人間だ・・・』
ゼロ『これはこれから始まる粛清のほんの序章に過ぎない!
この世界を正す為なら私は如何なる手段も選ばない
かつての英雄ゼロも、私の邪魔をするなら容赦はしない!
世界は、新たなるゼロであるこの私が裁く!!!』
映像が切れ元の画面に戻った
ロイド「凄い事になっちゃったね。黒の騎士団のフレイヤ所持を暴露された上に
黒の騎士団の中で最も大きい軍事基地が炎上、そして犯行声明。これは荒れるよ」
セシル「何よりゼロの仮面を被っているというのがちょっとあれですね・・・」
ロイド「テロリストに限らず、今のゼロに対して不満を持つ人は少なくないからね
こんな形で新たなゼロが出てくると、そういう人達はそっちになびくかも」
カレン「黒の騎士団がフレイヤを所持してるっていうのは本当のことなんですか?」
ロイド「前からそれらしい噂が絶えなかったからねぇ、たぶん本当でしょ」
カレン「なに考えてるのよ・・・・黒の騎士団は弱い者の味方だったのに・・・
どうしてこんな事になっちゃったの・・・」
ロイド「さっきゼロが殺したって言ってたラムサスってEU出身の軍人なんだけどね
彼が総司令になった辺りから段々おかしくなってきたんだよ」
ジノ「でもそのゼロも今では腑抜けと化してるんだろ?自業自得なんじゃないか?」
カレン「それは・・・(そりゃそうよ、今のゼロはスザクであってルルーシュじゃないんだから・・・)」
ジノ「こっちは当然として向こうにもちゃんと戦う理由がある、こういう状況下での
戦闘は本当に楽しいんだよなぁ。式典が楽しみになってきた!!」
カレン「言っておくけど遊びじゃないのよ?こっちはゼロやナナリーを守らないといけないんだから!
足手まといになるくらいなら今のうちから辞退しなさい」
ジノ「あんまり元ラウンズを舐めるなよ?ロイドさん、シュミレーター使えますか?」
ロイド「んふふ~、そう言うと思って準備してあるよぉ」
ジノ「一ヶ月で全盛期の状態に戻してやる!」
カレン「(またこんな事になるなんて・・・ルルーシュ、私達はどうすればいいの?)」
ゼロ『世界は、新たなるゼロであるこの私が裁く!!』
ギルフォード「大変な事になりましたね・・・」
ゼロ「新たなるゼロか・・・」
ナナリー「あの、先ほど言っていた事は事実なのでしょうか?フレイヤ所持の件や
予算計上の件」
ギルフォード「予算の件は事実だと思います。フレイヤの件は・・・何とも言えませんが
事実だとしたら確かに大問題です」
ゼロ「しかしテロリストはどうやってあの基地を落としたんだ?黒の騎士団の中で
最も大きなの軍事基地だというのに」
シュナイゼル「いずれにしろ、彼らが行動を起こした以上我々も何かしら手を打たねばなりません
黒の騎士団への攻撃は超合衆国への立派な反逆行為です」
ナナリー「でも、武力に対して武力で向かっていったら戦争になってしまいます!
それだけは何としても避けないと・・・」
シュナイゼ「これはもう戦争です。甘い事を言っていると取り返しのつかない事になりかねません
ゼロ様、いかがなさいますか?」
ゼロ「・・・・・超合衆国で話し合って対処を決めるしかないだろう。私はこれから本部へと向かう
シュナイゼル、お前もついてこい」
ナナリー「ゼロ・・・・気をつけてください」
ゼロ「・・・・分かった」
ゼロとシュナイゼルが部屋を出て行った
ギルフォード「これで式典当日の襲撃はほぼ間違いなく行われるでしょうね」
ナナリー「どうしてこんな事に・・・」
ギルフォード「御安心を、私と姫様がついております!今各地から同士を募っている所です!」
ナナリー「ありがとうございます。私は今も昔も守られてばかりですね・・・」
ギルフォード「ナナリー様・・・」
ナナリー「(お兄様、今の私に何ができるでしょうか・・・)」
ゼロ『世界は、新たなるゼロであるこの私が裁く!!』
ルルーシュ「何なんだこれは・・・」
C.C「いつぞやのお前も端から見たらこんな感じだったのだろうな」
ルルーシュ「テロリストがゼロの名を騙ったのは恐らく本物のゼロ、つまりスザクへの挑発だろう」
C.C「ゼロに本物も偽者もないんじゃなかったのか?」
ルルーシュ「それはそうだが、異なる二つの勢力にそれぞれゼロがいる以上
後から出てきたほうを偽者とでも表現しなければややこしくなるだろ」
C.C「さっきその偽ゼロが言ってた事が全て事実だとするならば
私はテログループの方を支持するぞ。奴の言うとおり、かつてのブリタニアと変わらん」
ルルーシュ「連中が行動を起こす理由は十分理解できる。かつての俺や黒の騎士団が
そうだったように、彼らも強い信念の下に行動を起こしているのだろうからな
だが超合衆国側にはナナリーや、昔の仲間が沢山いる」
C.C「ではお前は合衆国側につくのか?」
ルルーシュ「どちらにつくも何も、俺はとっくにいないはずの人間だ
これからの事はスザクとナナリーに任せるしかない」
C.C「やれやれ、無責任な奴だ」
C.C「今回の件はお前にも多少なりと責任があるはずだ。お前の見立て
考えが甘かったからこそ、6年やそこらでこんな事になったのだからな」
ルルーシュ「ゼロレクイエムが失敗だったとでも言いたいのか?」
C.C「あの策のお陰で一時的にでも世界から戦争が無くなったんだ、失敗ではないだろう
問題はその後だ、超合衆国や黒の騎士団が世界を牽引するようになってからの事
お前はその辺の事を考えられなかった、だからこんな事態が起こってる。違うか?」
ルルーシュ「数年も先のことまで予測した作戦など立てれるはずがないだろ!」
C.C「それを無責任だと言ってるんだよルルーシュ。ゼロレクイエムで一時的に
戦争を無くしたらお役御免でその後の事は他の者に丸投げ。丸投げされた者達
特にゼロの仮面を被っている枢木への負担はかなりのものだ」
ルルーシュ「・・・・」
C.C「あいつは武には優れているが政治に関しては素人、お前の代わりなど務まるはずがない
結果、ゼロは人々の要求に応えられず次第に支持を失っていき、超合衆国と黒の騎士団内での
求心力も低下、そんな中偽ゼロが登場し堂々と宣戦布告。今のあいつの心に余裕は
殆どないだろうな」
ルルーシュ「スザクの事を悪く言うな、あいつはよくやっている・・・ただ、人々が求めすぎているんだ
英雄ゼロ、奇跡のゼロ、何か問題があるとすぐにゼロを頼り、答えを求める
自分で考えるよりもその方が楽だからな、自らが責任を負う心配もない」
C.C「そうなる事は6年前からでもある程度予想出来たはずだ。枢木は勿論ナナリーも
相当悩んでいるだろうな。ルルーシュ、それでもお前は静観を決め込むつもりか?」
C.C「ルルーシュ・ヴィ・ヴリタニアは確かに6年前に死んだ。しかし、今のお前は
ルルーシュ・ランペルージなのだろう?妹と友人が苦しんでいるんだ、助けてやればいいだろ
あの二人を助けられるのは恐らくお前だけだ」
ルルーシュ「・・・・・・・C.C」
C.C「なんだ?」
ルルーシュ「お前はたまに、本当にたまにだが正しい事を俺に教えてくれる」
C.C「何だそのたまにというのは?私は常に正し事しか言わんぞ」
ルルーシュ「お前の言うとおり、確かに俺は無責任だったのかもしれない
だから今回の問題を全て解決し、6年前のゼロレクエイムを完璧なものにしてやる!
そうすればナナリーやスザクへの負担も軽くなるだろう」
C.C「ふぅ、ようやくその気になったか」
ピッ
TRRRRRRR
ルルーシュ「ジェレミアか、俺だ」
ジェレミア「陛下、先ほどの映像」
ルルーシュ「その件でお前に至急調べてもらいたい事がある!頼めるか?」
ルルーシュ「いいか、まず・・・」
---------
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--
-
------一昨日の昼休み(文芸部室)
ガチャッ
キョン「うーっす」
古泉「お待ちしていましたよ」
キョン「あれ?ハルヒは?」
古泉「まだ来ていませんが」
キョン「急に昼休みに部室集合だって言うから、俺は昼飯も満足に食わず
急いで部室まで来たってのに、当の本人はまだ来てないのかよ・・・」
ルルーシュ「まだ来てないならここで昼食の続きをとればいいだろ」
みくる「キョンくんお茶飲みますかぁ?」
キョン「あ、お願いします!」
みくる「ルルーシュくんは?」
ルルーシュ「いえ、俺は結構です」
古泉「ルルーシュさん、ちょっとよろしいでしょうか?」
ルルーシュ「一昨日の件だろ?」
古泉「えぇ、あなたに聞きたい事、確認したい事があるのですが」
ルルーシュ「その件は後で話す。今夜俺のマンションに来い。時間はいつでもいい」
ルルーシュは自分の住所が記されている紙を古泉達に配った
みくる「え?私達も行くんですかぁ?」
ルルーシュ「お願いします、今後の事を話し合う必要がありますので」
キョン「今後の事?」
ルルーシュ「一昨日のテロリストの・・・・新たなゼロのメッセージは間違いなく涼宮も見ているだろう
あんなものを見てあの女が大人しくしているはずがない。恐らく何か企んでいるはずだ
いちいち昼休みに俺達を呼び出したのもそれが原因だろう」
ルルーシュ「それは直に分かる、取り敢えず今日の夜、必ず俺の家まで来てくれ」
古泉「分かりました」
ガチャッ
ハルヒ「やっほーーーーー!!!みんな待ったー?」
キョン「待ちくたびれたさ・・・・で、何でいちいち昼休みに集合をかけたんだ?」
ハルヒ「何でって、そんなの決まってるじゃない!!アンタ一昨日のテロリストの放送
見てなかったの?」
キョン「やっぱりその件か・・・」
ハルヒ「新たなゼロが出てきて超合衆国や黒の騎士団に喧嘩売ったのよ!?
こんな面白い事ないわ!!私はこういうのを待ってたのよ!!」
キョン「こういうのって、下手したら戦争になるかもしれないんだぞ?」
ルルーシュ「下手をしなくても、新ゼロは既に黒の騎士団の軍事基地を攻撃してる
もうとっくに戦争だ」
ハルヒ「昨日の発言から察するに、新ゼロは超合衆国と黒の騎士団を消滅させるつもりね!
そんでもって旧ゼロを殺そうとするに決まってるわ!」
キョン「あのなぁ、だから何だってんだ?そんな国際規模の話、一高校生の俺達じゃ
どう引っくり返っても関わりあえるもんじゃないぞ?」
一気に超合衆国や旧ゼロを攻略する方法はないかってね!」
ルルーシュ「・・・それで?」
ハルヒ「一ヵ月後の終戦記念式典よ終戦記念式典!超合衆国の関係者は勿論各国の要人
旧ゼロが一堂に会するこの舞台を、新ゼロが見逃すはずがないわ!!」
ルルーシュ「(やはりそういう考えに至ったか・・・馬鹿なのか賢いのか分からん奴だな)」
キョン「終戦記念式典にテロを仕掛ける可能性があるって言いたいのか?」
ハルヒ「可能性っていうかこれはもうほぼ確定事項と言ってもいいくらいだわ!
この式典の警備って警察と自衛隊だけしか参加しないみたいだし
新ゼロにとってこれは千載一遇のチャンスと言っていいわ!」
キョン「テロリストが宣戦布告した上に攻撃までしてきた後だぞ?いくらなんでも
黒の騎士団が厳重に警備するだろ」
ルルーシュ「いや、涼宮の言うとおり警察と自衛隊だけで済ますようだぞ
警備しようにも黒の騎士団は中央軍事基地が奇襲を受けたばかりで
それどころではないだろう」
ハルヒ「新ゼロが最初に黒の騎士団の軍事基地を攻撃したのは、式典でのテロの成功率を
上げる為のものだったって事よ!」
キョン「本当に新ゼロが式典でテロを仕掛けるってんなら、俺達の予定も変えないとな」
ハルヒ「何でよ?」
巻き込まれでもしたら死んじまうじゃねーか!」
ハルヒ「こんな面白そうな事から逃げようって言うの!?ありえないわ!!駄目よ!
もう決めたの、SOS団はこの戦いに参戦するわよ!!」
みくる「ひぇぇ・・・・」
キョン「・・・・・お前は自分が何を言っているのか分かってるのか?」
ハルヒ「勿論よ!ただ現実的に考えて、私たちがナイトメアや戦闘機を所持してる
テロリストに戦って勝てるわけがないわ!だから別の戦い方をするの!」
古泉「別の戦い方?」
ハルヒ「そっ!私達SOS団は、ナナリー・ヴィ・ブリタニアをテロリストから守るわよ!!」
ルルーシュ「!!?」
キョン「・・・・は?」
ルルーシュ「・・・・・なんでナナリー首相なんだ?お前なら旧ゼロを守ろうと言うと思っていたが」
ハルヒ「旧ゼロなんて私たちが守らなくたって自分の身くらい自分で守れるでしょ!
でもナナリーは足が不自由で車椅子なしには自分で移動する事も出来ないのよ?
私たちが守ってあげるしかないじゃない!」
キョン「ちょっと待て、ナナリー首相は文字通り国の代表だ。俺達が心配しなくても
周りにボディーガートやら大勢の取り巻きがいるだろ」
キョン「そうなのか?何で?」
古泉「ブリタニアはかつての戦争のいわばA級戦犯です。超合衆国の中にはブリタニアの
終戦記念式典への参加を拒む方々も大勢いたのでしょう、今回のナナリー首相の出席は
『一人だけならば』という条件付きで許可されたもののようです」
ハルヒ「流石古泉君よく調べてるわね!!つまり会場がパニックになった時
ナナリーを助けようとする人は皆無なわけ!だから私たちがやるのよ!」
キョン「お前はアンチブリタニアじゃなかったのか?」
ハルヒ「それとこれとは話は別よ!だいたい今になってもまだ昔の事を引きずってる連中は
頭がおかしいとしか思えないわ!そんなんだからいつまで経っても平和にならないのよ!」
ルルーシュ「しかし助けると言っても具体的にどうするつもりだ?」
ハルヒ「テロリストが攻撃を仕掛けてきたら会場がパニックになるでしょ?
そしたら一般人も関係者もないんだから、それに乗じてナナリーの所まで行って
無理矢理車椅子引っ張って安全なところまで移動すればいいじゃない」
ルルーシュ「かなり強引だな・・・見方によっては俺達もテロリストの仲間に見えてしまう恐れがあるぞ?」
ハルヒ「大丈夫よ、当日も私ちゃんと腕章つけていくから!!」
キョン「腕章ってお前・・・・まさかそのSOS団と書かれた腕章じゃないだろうな?」
キョン「(んなもんつけてるからって誰が『あぁ、そうか』と納得するんだ・・・)」
ルルーシュ「まぁ・・・当日どう動くかに関しては議論の余地がありそうだな」
キョン「議論の余地って、お前やる気なのか?」
ルルーシュ「面白そうじゃないか。それに、他に守ってくれそうな人がいない以上
俺達がやらなければナナリー首相の身は確かに危険だ」
キョン「(そうか、こいつはルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。つまりナナリー首相は実の妹・・・)」
ハルヒ「よくぞ言ったわルルーシュ!!SOS団は常に弱いものの味方なの!!
キョン、あんたもいいわね!?誰か一人が欠けてもこの作戦は成功しないの!!
一人だけ抜けるなんて勝手許されないわ!」
キョン「はぁ・・・・分かったよ」
古泉「フフ、面白くなってきましたね」
キョン「何処がだ!」
みくる「あ、あのぉ・・・本当にやるんですかぁ?私怖いですぅ」
ハルヒ「大丈夫よみくるちゃん!私がついている以上なんの心配もないわ!!
大船に乗った気持ちでいなさい!!」
みくる「は・・・・はぅ・・・」
ピンポーーン
C.C「開いてるぞ」
ウィーーーン
キョン「お邪魔します・・・ってあれ?ルルーシュは?」
C.C「ん?出迎えが私では不満か?」
キョン「いえ、そんな事は(寧ろ大歓迎です)」
C.C「他の連中ももう来てる、早く上がれ。そこにあるスリッパを使え」
キョン「あぁ、はい」
ウィーーーン
C.C「来たぞ」
ルルーシュ「今日は遅刻しなかったようだなキョン」
キョン「そう何回も遅刻できるかよ」
ルルーシュ「適当にかけてくれ、さっそく始めよう」
キョン「始めるって何を?」
始めるのは話し合いだ」
キョン「あぁ、終戦記念式典の件か・・・直に分かるってお前の言葉、その通りだったな」
ルルーシュ「涼宮なら必ずああ言うと思っていたからな。ただ、護衛の対象が旧ゼロでなく
ナナリーだったのは予想外だったが・・・」
古泉「ルルーシュさん、まずこちらの問いに答えてもらってもよろしいでしょうか?」
ルルーシュ「何だ?」
古泉「一昨日の放送でカメラの前に姿を見せた、いわゆる新ゼロは
あなたとは全く無関係の人物なのでしょうか?」
ルルーシュ「あぁ。・・・フン、やはり機関はあれが俺である可能性を疑っているのか」
古泉「僕はそうは思ってませんでしたが、一部ではそういった考えの方もいるようです」
ルルーシュ「新ゼロの正体が分からない以上、俺がそうでないと完全に証明する事はできないが
断言しておく、あのゼロと俺は全く関係ない」
古泉「その言葉だけで十分です」
ルルーシュ「この二日間、俺は部下に命じあの放送を行っていたテロリストに関する
情報と、中央軍事基地襲撃に関する詳細なデータを集めていた。その結果
気になる情報が上がってきたのでそれを発表する」
古泉「気になる情報ですか?」
最も大きな軍事基地だ。テロリストの軍事力が上がったとは言え、正攻法で攻略できるほど
甘いものではない。ではどうやって落としたのか?生存者の話によると、攻撃を受ける
数十分前、基地内部では軍人同士が殺し合いをしていたようだ」
キョン「殺し合い?」
古泉「どういうことです?」
ルルーシュ「あの軍事基地は17時になると時間を知らせる音楽のようなものが流れるらしく
証言によるとその音楽が流れ始めた瞬間、一部の隊員が急に人が変わったかかのように
味方を襲い始めたそうだ。我を失ったかのように銃を乱射する為、自衛の為に他の隊員も応戦
ものの数分で基地内で銃撃戦が始まったわけだ」
キョン「何でそんな事に・・・・」
ルルーシュ「そして暫くしてテロリストのナイトメア部隊が基地上空から一斉空爆
しかし基地内部では味方同士で銃撃戦をしていた為、外から来た敵勢力に気付けないまま
或いは気付いた所で何も出来ないままに攻撃を受け、敷地内にいた隊員はほぼ全滅
格納してあったナイトメアや戦闘機、戦車も全て破壊され何も出来ずに敗戦
これがあの基地襲撃事件の真実だ」
古泉「17時の音楽が流れた瞬間に一部の隊員が同僚に向け発砲・・・つまりその者達全員が
テロリスト側の協力員だったという事でしょうか?」
ルルーシュ「協力員は協力員でも、彼らは無理矢理協力させられた者達だ」
古泉「脅されたという事ですか?」
古泉「ギアス?」
ルルーシュ「そう、これはギアスによって引き起こされた惨劇。新ゼロは間違いなく
ギアス能力者だ。それも過去に俺が所有していたものと同種のギアス」
キョン「確か絶対遵守とかって言ったか?命令には逆らえないってやつだろ?」
ルルーシュ「あぁ、新ゼロはそのギアスを使いこう命じたのだろう『○月×日に17時の音楽が流れたら
仲間を撃ち殺せ』とな」
古泉「しかしおかしいですね、確かギアスを与える事のできる人間はこの世に
あなた一人のはずでしたよね?そう考えると、新ゼロがギアス能力者である場合
契約者はあなたという事になりますが」
ルルーシュ「俺はコードを継承して以降誰とも契約はしていない」
古泉「では何故新ゼロはギアスを扱えるのでしょう?」
ルルーシュ「正直その辺は未ださっぱりだ。しかし、新ゼロがギアス能力者である事は
生存者の証言を聞く限り確定事項といえる」
キョン「冗談じゃないぜおい・・・そんな反則的な技を使うような奴が攻撃を仕掛けるであろう所に
俺たちは来月行こうとしてるってのか?」
ルルーシュ「今更やる気になっている涼宮を止める事は不可能だろう。
だからこそ敵の情報を知っている俺たちで事前にある程度策を立てておく必要があるんだ
下手をすれば涼宮は勿論、俺たちもみな死んでしまう恐れがあるからな。まぁ俺は不老不死だが」
基地襲撃の時みたいに、会場にいる一般客にギアスをかけられでもしたら
それだけでアウトだぞ?」
ルルーシュ「相手のギアスの件は心配ない。こちらにはギアスを無力化する
事のできる能力者がいる」
古泉「そのような能力がある事は初耳ですね」
ルルーシュ「ギアスキャンセラーという能力でな、相手のギアスを
全て無力化することができる。式典前にこれを使って会場に集まった人全員の
除洗をしておけば、相手のギアスの脅威はなくなるだろう」
古泉「その能力者の方は我々に紹介していただけるのでしょうか?」
ルルーシュ「別に構わんぞ。ジェレミア、入れ!」
キョン「ジェレミア?どっかで聞いた事のある名前だな・・・」
ウィーーーン
ジェレミア「始めまして、陛下の御学友のみなさん。ジェレミア・ゴッドバルトです」
キョン「そうだ思い出した!!オレンジ事件の人だ!!」
ジェレミア「オレンジ、それは忠義の名」
古泉「戦後は行方不明になっていると聞きましたが、なるほど・・・・あなたとご一緒でしたか」
それだけではどうしても心もとない。だからこちらからもナイトメアを出す
ジェレミアはジークフリードで、アーニャはモルドレッド、C.Cはヴィンセントで出てもらう」
C.C「ちょっと待て、私も出るのか?」
ルルーシュ「当たり前だろ、俺をその気にさせたのはお前だぞ?」
C.C「操縦の仕方など殆ど覚えてないぞ?」
ルルーシュ「まだ一ヶ月ある、なんとかしろ」
C.C「全く、勝手な奴だ」
ルルーシュ「しかし、正直これでもまだ足りない。相手が何機のナイトメアを送り込んでくるか
分からんが、恐らく質より量で攻めてくるだろう。パイロットがいなければギアスをかけ
無理矢理にでもナイトメアに乗せ飛ばしてくる。だからこちらはある程度優秀な
ナイトメアとパイロットを揃えておきたい」
古泉「一応何度かナイトメアの騎乗経験はありますが、実戦でお役に立てるレベルでは
ないですね」
キョン「言っておくが、俺も無理だぞ」
ルルーシュ「誰もお前達を乗せようだなんて考えてないさ。長門有希、お前に乗ってもらいたい」
長門「・・・・・・」
キョン「長門!?」
マスターする事も可能じゃないか?」
長門「一ヶ月も必要ない。情報統合思念体からプログラムを送ってもらえれば
今すぐにでも操縦可能」
ルルーシュ「じょうほうとうご・・・何だって?」
キョン「情報統合思念体。長門の親玉だ」
ルルーシュ「ほう・・・・興味深いが今はその事はいいだろう。では長門有希
そのプログラムとやらを送ってもらっておいてくれ。君は当日貴重な戦力になる」
長門「了解した」
ジェレミア「練習せずにナイトメアを動かせるというのか・・・恐ろしいな宇宙人というのは」
ルルーシュ「ナイトメア班はジェレミア、アーニャ、C.C、長門の四人
リーダーはジェレミア、お前に任せる」
ジェレミア「はっ!」
ルルーシュ「キョンと朝比奈さんは涼宮の護衛」
キョン「おい、ハルヒの護衛は俺と朝比奈さんだけかよ!?」
ルルーシュ「安心しろ、ちゃんとサポートする。古泉は長門有希同様
俺達とは別行動をとってもらう」
古泉「具体的にどのような事をするんです?」
という事を頭に入れておいてくれ」
みくる「あのぉ・・・私運動神経良くないですし、お役に立てないと思いますけど」
ルルーシュ「大丈夫ですよ、運動神経は関係ありません。涼宮の傍にいて
危険を回避していただければそれでいいんです」
みくる「は、はぁ」
キョン「しかし勝手にいろいろ決めたところで、当日はハルヒの近くにいなきゃならないんだぞ?
別行動とか言ったって、どうやってばらけさせるつもりだ?」
ルルーシュ「古泉は敵が攻撃を仕掛けてきてから動けばいい。涼宮も言っていたが
パニックが起こった後ならどうにでも動けるからな。ただナイトメア班の長門有希は別だ
敵が攻撃を仕掛けてきたらすぐに対処できるよう準備しておく必要がある」
キョン「どうするんだ?」
ルルーシュ「当日に風邪を引いたとでも言えば大丈夫なんじゃないか?
流石の涼宮も病人を連れまわしたりはしないだろう」
C.C「おい、ところでお前は何をするんだ?」
キョン「あ・・・そうだ、お前は何をするんだルルーシュ?」
ルルーシュ「俺は当日指揮官として全体を見ながら各々に指示を出す」
キョン「まさか一人安全圏から指示を出そうってんじゃないだろうな?」
キョン「昔ゼロだった奴にこんな事を言うのはなんだが、俺達が死ぬか生きるかは
お前の立てる作戦次第だ。本当、頼むぞ!」
ルルーシュ「あぁ、任せてくれ」
古泉「しかし相手はギアス能力者、どんなイレギュラーが起こるか分かりません
ギアスキャンセラーなるものがあるとは言っても、完全にその脅威から
解放されたわけではないですしね」
ルルーシュ「何が言いたい?」
古泉「確実に相手に勝つには、相手と同等かそれ以上の力がなければなりません
つまり、こちらもギアスが必要かと」
ルルーシュ「要するにお前は俺に誰かと契約しろと言うのか?」
古泉「万が一にでも涼宮さんの身に危険が及ぶような事はあってはいけません
神である彼女が仮に死んでしまった場合、この世界がどうなってしまうか分かりませんからね」
キョン「あいつを神だって考えてるのはお前を始めとする一部の連中だけだろ
少なくとも俺はあいつを神だなんて思っちゃいない」
古泉「えぇ、勿論そうですが、それでも僕としてはそのような可能性は1%でも
少なくしておきたいんですよ」
ルルーシュ「だからギアスか・・・お前の言いたい事は分かるが、しかし・・・」
古泉「僕が契約します。だからお願いします」
古泉「えぇ、勿論あなたからコードを奪おうなどという恐れ多い事は微塵も考えていません
ただ純粋に、涼宮さんを御守りしたいんです」
ルルーシュ「どうせ契約するなら奪ってくれた方がこちらとしては助かるんだがな・・・
だが、お前は駄目だ古泉」
古泉「何故です?」
ルルーシュ「お前が機関という組織に所属している超能力者だからだ
宇宙人、未来人、超能力者、それぞれのどの組織にもこの力を与えるわけにはいかない」
古泉「なるほど、確かに大きな組織の人間にそのような能力を与えてしまったら
また争いごとの原因になりかねませんからね。分かりました、諦めます」
ルルーシュ「契約するとするなら、そうだな・・・アーニャかキョンのどちらかだろう」
キョン「なに!!?」
C.C「アーニャは本日欠席だ。となると、キョンという奴しか適任者はいないな」
キョン「おい、冗談だろ!?」
古泉「お願いします、こちらにもギアスがあれば作戦が成功する可能性が大幅に
上がります!なんとか涼宮さんの為にも・・・」
キョン「マジな目をするな!顔が近いぞ古泉!!」
お前自身に直接的な害はない。寧ろそこさえ気をつけていれば
お前は便利な力を手に入れこの先の人生万々歳だ」
キョン「まるで詐欺師のような言い回しだな・・・」
ルルーシュ「無理強いするな、本人が嫌だというなら止めておいた方がいい」
古泉「そうですね・・・・すいませんでした」
キョン「・・・・・なぁ長門、お前はどう思う?」
長門「情報統合思念体はルルーシュ・ランペルージとの契約は推奨していない」
キョン「統合思念体じゃない、お前の意見は!?」
長門「・・・・・・・した方が、みんなの危険が少なくなる」
キョン「・・・・・はぁ~、何でこんな事になっちまったんだろうなぁ・・・
分かったよ、契約する。なってやるよギアス能力者に」
古泉「ほ、本当によろしいのですか?」
キョン「お前がそうしてくれって頼んだんだろ?俺がルルーシュと契約する事で
全員の助かる確率が上がるって言うなら仕方ないさ」
C.C「なかなか仲間想いの良い奴じゃないか、気に入ったぞ」
ルルーシュ「ではキョン、手を」
ルルーシュ「契約をするには対象者の肌に触れる必要があるんだ」
キョン「そうなのか、ほら」
キョンが差し出した手をルルーシュが握る
ルルーシュ「・・・もう一度だけ聞くが、本当にいいんだな?」
キョン「あんまりしつこく確認されると気が変わっちまいそうだ
やるなら早くしてくれ」
ルルーシュ「分かった、感謝するぞキョン」
その瞬間キョンは激しい目まいのようなものに襲われその場に倒れた
キョン「ん?な、何だ急に・・・・頭が・・・」
バタンッ
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キョン「ん?あれ?・・・・・寝てたのか俺?」
みくる「あっ!ルルーシュ君、キョン君起きましたよぉ!」
キョン「朝比奈さん・・・なんで俺・・・あれ?」
C.C「やれやれ、ギアス契約時に目を回す奴なんて始めてだぞ」
キョン「ギアス・・・契約・・・・・そうだ、俺はルルーシュと契約したんだった!」
C.C「その事すら忘れていたのか・・・」
みくる「キョン君急に倒れたからビックリしました!痛い所とかないですかぁ?」
キョン「心配させてすいません、大丈夫ですよ」
古泉「ところでルルーシュさん、契約の方は上手く行ったのでしょうか?」
ルルーシュ「あぁ、気絶された時はどうなる事かと思ったが、なんとかな」
C.C「で、こいつのギアスはどんな能力なんだ?契約者のお前なら分かるはずだぞ」
キョン「(わけの分からん能力じゃありませんように・・・・)」
ルルーシュ「キョンのギアスは時間を戻す力」
ルルーシュ「そうだ、時間を戻す事のできる能力。それがお前のギアスだ」
古泉「面白い能力ですね」
ルルーシュ「ただ制約がかなり多い。まずこのギアスは5回までしか使用できない
戻す事ができるのは発動した時間から24時間前まで
つまり戻せる時間の限界は5回連続で使用したとして120時間、つまり5日前までとなる」
C.C「私も過去に多くの人間と契約してきたが、回数自体に制限のある能力は初めてだな
加えて言うと、時間を戻すという能力も初めてみる」
古泉「かなり珍しい能力という事ですね」
キョン「5回までか・・・」
C.C「良かったな、5回なら暴走する心配も、万が一達成人となり
コード所有者になる可能性もない」
キョン「ただこれ新ゼロの能力に比べるとかなり弱くないか?」
ルルーシュ「いや、そうでもない。特殊な制約があるせいか、この能力はかなり強い
お前のギアスは発動した時点で全世界の人間が対象となり時間を巻き戻す。
いや、人間だけでなく、地球上の全ての物や、宇宙すらその対象になるだろう」
古泉「そう考えると、かなり怖い能力ですね」
ルルーシュ「だがこの能力はかなり使える、万が一にも新ゼロに敗れるようなシナリオになった時
最高5回再チャレンジできるのだからな」
策を講じてきたのか、予め知った状態で再び式典に臨めるという事だ」
古泉「なるほど、確かにそれは大きなアドバンテージになりますね」
ルルーシュ「新ゼロはこちらにこのような能力者がいる事を知らない
仮に知っていたとしても対策の取りようがないのがこの能力の大きな利点だ
更にギアスキャンセラーを持つジェレミアもこちらの駒、最早勝利は確定したも同然だな」
キョン「おいおい、変なフラグ立てるなよ・・・」
C.C「発現する能力にはその者個人の性格や願望が反映されるものだが
お前何か心当たりはあるか?」
キョン「ありまくりですよ、ハルヒに出会っちまう前の時代に戻りたいと何度思った事か
制約のお陰でその願いは叶いそうにありませんが」
C.C「そんなに凄いのかその涼宮とかいう女は?」
キョン「そりゃーもう、奇想天外傍若無人、稀代の変人ですよ」
古泉「そこまで言いますか・・・」
C.C「ほう・・・一度会ってみたいものだな」
ルルーシュ「それは駄目だ!俺が許さん!」
C.C「何故だ?」
ルルーシュ「火事場に灯油まくようなもんだからな、お前と涼宮だけは絶対に会わせん!」
C.C「全く、束縛の激しい男だ」
ルルーシュ「何が束縛だ・・・」
古泉「あの、今更ですが御二人はどういった関係なのでしょうか?」
ルルーシュ「ん?契約者だと前に言っただろ?」
古泉「それは過去の関係ですよね?僕が聞いているのは今現在の関係です」
ルルーシュ「今も昔も大した変化はないさ、強いて言うなら今は」
C.C「恋人だ」
ルルーシュ「なにっ!!?」
みくる「へぇ!?や、やっぱりそうだったんですかぁ?」
ジェレミア「陛下・・・・まさかそこまで進展していたとは・・・」
キョン「こんな綺麗な人か彼女か・・・羨ましすぎてヘドが出るぜ」
ルルーシュ「おい!真に受けるな!!嘘に決まってるだろ!!」
C.C「照れるな照れるな、顔が真っ赤だぞルルーシュ」
古泉「C.Cさんの言っている事が真実であるというのは、その顔色が証明してますね
どうして今まで黙っていたのですか?」
C.C「照れ屋だからなこいつは。自分で言うのが恥ずかしかったんだろう」
古泉「なるほど、それで」
みくる「ふふっ、ルルーシュ君も可愛い所があるんですね!」
キョン「意外だな」
ルルーシュ「おのれ魔女め・・・・・・・」
------------
--------
-----
---
-
----一ヵ月後(東京租界駅)
カレン「・・・・・・ねぇ、何これ?」
ジノ「何って、東京ラーメン街だよラーメン街!知らないのか?全国の有名ラーメン店が
一堂に会する夢のイベント!テレビなんかでも宣伝してたじゃないか!」
あんたナイトメアの方は大丈夫なんでしょうね?」
ジノ「もう完璧に感覚戻したから大丈夫さ、それにせっかく日本に来たのに
カレンと一回もデートしないってのも失礼だと思ってさ」
カレン「な、何が失礼なのよ///その上から目線・・・・本当に腹立つわ!
今日だっていきなり呼び出すし!私の事なんだと思ってるのよ!!」
ジノ「何って、彼女だけど」
カレン「うりゃ!!」
ドスッ
カレンの回し蹴りがジノの腹にヒット
ジノ「うっ・・・・」
カレン「だ・・・だ、誰が彼女よ///か・・・か、からかわないで!」
ジノ「うぅ・・・・息が・・・(からかったつもりはないんだけど・・・・)」
?「ラーメン食べるわよー!!!」
?「おい、分かったから引っ張りまわすな!転ぶ、転ぶって!!」
ドテッ
カレン「騒がしいわね、何かしら?」
キョン「お前が俺の腕を掴んだままありえないくらいのスピードで走るのが悪いんだろ・・・
そんなに急がなくても、ラーメン屋は逃げたりせん!」
ハルヒ「うるさいわね!とっととラーメン食べて違う所に行きたいの!
初日の自由時間は3時間しかないんだから!」
カレン「修学旅行生か何かかしら・・・学生服着てるけど」
ジノ「だろうな。・・・・・それにしても、可愛いなあの子」
ドスッ
カレンの肘がジノの腹にヒット
ジノ「うぉっ・・・・・・・・」
キョン「ラーメン食って、その後何処へ行くつもりなんだお前は?
どうせあまり遠い所へはいけないぞ?」
ハルヒ「そうね、じゃあ東京競馬場なんかどう!」
キョン「・・・・何しに?」
ハルヒ「競馬場なんだから馬券買う為に決まってるじゃない!」
キョン「高校生は馬券なんて買えんぞ」
ハルヒ「みくるちゃん遅いわよ!迷子になったのかと思ったじゃない!
あれ?有希達は?」
みくる「え?おかしいですね、さっきまで一緒にいたのに・・・」
ハルヒ「もう、みんなして迷子になってるの?しょーがないわねぇ」
キョン「お前が目的地も言わずに急に走り出すのが悪いんだろうが」
ハルヒ「まぁいいわ。キョン、今いる所有希達にメールしといて!」
キョン「ったく」ピッピッピ
みくる「あのぉ~、これから何するんですか?」
ハルヒ「みんなで美味しいラーメン食べるのよ!何処のお店がいいかしら
みくるちゃんも入りたい店があったら遠慮なく言いなさい!」
みくる「分かりました」
キョン「おいハルヒ、メール送ったぞ」
ハルヒ「キョン、アンタも入りたい店があったら言いなさい!善処してあげるから!」
キョン「そりゃどーも。ていうか・・・土日祝日でもないのに何なんだこの混みようは・・・
何処の店も行列ができてるじゃねーか」
みくる「日本人はラーメンが好きですからねぇ」
ジノ「お困りですかお嬢さん?」
ハルヒ「ん?何よアンタ?ナンパならお断りよ!」
ジノ「通りすがりのラーメン好きさ!見たところ何処のお店に入るか
悩んでるようだけど、俺のオススメを教えてあげようか?」
ハルヒ「オススメ?ん~・・・」
キョン「教えてもらったほうがいいんじゃないか?このまま悩み続けても
時間だけが過ぎる一方だ」
ハルヒ「そうね、じゃあ教えてもらおうかしら!」
ジノ「OK!俺のオススメはこの先にある麺工房って店だ!
魚介系をベースとした濃厚なスープと」
ハルヒ「そっ!ありがとう、じゃあ行きましょうみんな!」
ジノ「いや、ちょっと待って!説明がまだ」
ハルヒ「いらないわよ説明なんて!どうせ今から食べるんだから」
ジノ「・・・・・うん、いいな。やっぱりいい・・・・」
ハルヒ「は?何が?」
ジノ「君だよ!タイプなんだ、君みたいな子!悪いけど電話番号とか教えてく」
ドンッ
助走をつけたカレンの飛び蹴りがジノの背中にヒット
衝撃でジノは5mくらい先へ飛ばされる
ドサーッ
ジノ「う・・・・・うぉぉ・・・・」ピクピク
キョン「(なっ・・・・すげー蹴り。死んだんじゃないか?)」
カレン「何やってんのよアンタわ!!高校生相手に馬鹿じゃないの!!」
ハルヒ「凄いわね今の飛び蹴り!!どうやったの!?まるでプロの格闘家みたいだったわ!」
カレン「え?ア、アハハハハ・・・・(つい本気でやっちゃった)」
ハルヒ「あれ?あなた何処かで見たことあるわね・・・えーっと誰だっけ・・・」
カレン「(やばっ!髪型変えててもやっぱりバレるか)」
ハルヒ「あっ!思い出したわ!あなた紅月カレンでしょ!?元黒の騎士団の!?」
カレン「あ、あんまり大きな声出さないで!人が集まっちゃうから!」
ハルヒ「凄いわ凄いわ!東京に来た初日にこんな人に会えるなんて!!!」
カレン「だーかーら、静にしてって!!」
ハルヒ「ねぇ、あなた戦時中は零番隊の隊長だったのよね?旧ゼロの素顔見たことある?」
カレン「え?旧ゼロ?」
ハルヒ「あなたには聞いてみたい事がいっぱいあるの!今から時間つくれないかしら?
喫茶店か何処かでお話しましょう!勿論代金はこちらが出すわ!」
キョン「(こちらがっていうか、どうせ俺だろう)」
カレン「う~ん・・・・・悪いけど今そこの奴とデート中なの。だからごめん!」
ハルヒ「こんなナンパ男とのデートなんて今すぐ止めるべきだわ!
だから私達と一緒にお茶しましょう!!」
カレン「あははは・・・(な、何なのこの子・・・・)」
キョン「いい加減にしろ!!」ビシッ
ハルヒ「痛いわね、何するのよキョン!」
キョン「デート中だってんだから仕方ないだろ、こっちの都合を押し付けるな」
ハルヒ「うるさいわね!分かってるわよ!」
キョン「ところで、あの人放っておいて大丈夫なんですか?」
カレン「え?あぁ、大丈夫よ大丈夫。あのくらいで倒れるタマじゃないから!」
キョン「いや、倒れてますけど・・・」
ジノ「・・・・・・」グデー
古泉「遅くなりました!」
キョン「おぉ、やっと来たか。ていうかお前ら何処にいたんだ?」
古泉「ずっと八重洲口周辺をウロウロしていましたよ」
ルルーシュ「全く、急に涼宮とキョンがいなくなったかと思えば、次は朝比奈さんが
音もなく消え、傍にいろと忠告したはずの長門有希は書店にフラフラと入っていく始末。
俺と古泉がどれだけ苦労をしたかお前らには分かるまい・・・」
キョン「なんというかその・・・大変だったな」
古泉「まぁまぁ、こうやって無事合流できたのですからいいじゃないですか」
ハルヒ「その程度のアクシデントも上手く切り抜けられないようじゃ、SOS団副団長の座は
遠いわよルルーシュ!」
カレン「ルルーシュ!!?」
カレン「今ルルーシュって・・・・」
ルルーシュ「ん?(カ、カレン!!?何故こんな所に??)」
キョン「(ん?ひょっとしてこのバッティングは結構まずいんじゃないか?
ルルーシュは元ゼロで、この人はそのゼロと一緒に戦ってた黒の騎士団の元メンバー・・・
うぉぉぉぉ、結構所じゃなくかなりまずいじゃねーか!!)」
ハルヒ「そうよ!ルルーシュ・ランペルージって名前なの!
悪逆皇帝と同じなんて珍しいでしょ?」
カレン「ランペルージ・・・・(あいつが使ってた偽名と同じ)」
キョン「(まずいな、ここらで誤魔化しておかないと・・・)」
古泉「しかし、彼はEU出身の留学生です。かの有名なルルーシュ・ヴィ・ブリタニアとは
縁遠い関係にあります。当たり前ですが、顔も全然違いますしね」
キョン「(そうだ、変装してるしバレてないよな・・・・)」
カレン「へー、そうなんだ・・・(確かに顔や髪型なんかは全然違う・・・でも同姓同名なんて・・・)」
ルルーシュ「ハハ、名前が同じだというだけでもいろいろと大変なのに、顔まで一緒だったら
まともに生活すらできないよ」
古泉「それもそうですね」
カレン「・・・・・・ねぇあなた、歳はいくつ?」
カレン「そう・・・C.Cって人の事知ってる?」
キョン「!?」
ルルーシュ「シーツー?誰ですかそれは?」
カレン「・・・・ううん、何でもないの。変な事聞いちゃってごめんなさい
(そうよね、ルルーシュはあの時、間違いなく死んだ・・・今更何考えてるのかしら私・・・)」
古泉「ところで、あなたはもしや紅月カレンさんではありませんか?」
カレン「えぇ、そうよ」
古泉「会えて光栄です、握手してもらってもよろしいでしょうか?」
カレン「いいわ」スッ
カレンと古泉が握手を交わす
ハルヒ「流石古泉くんね、気付くのが早いわ!」
ルルーシュ「(カレン・・・・元気そうだな。ん?あそこに倒れてるのはジノか?
なるほど、二人でデートか。普通の生活を歩んでいるようで何よりだ)」
古泉「ところで、何処のお店に入るのかはもう決まっているのでしょうか?」
ハルヒ「麺工房って所に決めたわ!早く行きましょう!」
カレン「何かしら?」
ハルヒ「この紙に私達SOS団の連絡先が書いてあるわ!何か面白い事、不思議な事があったら
いつでもそこに連絡してちょうだい!SOS団は24時間365日いつでも営業中だから!」
カレン「エスオーエス団?」
ハルヒ「じゃ、連絡待ってるからねー!」ダッダッダ
キョン「おい、引っ張るなハルヒ!!」ダッダッダ
ルルーシュ「またお前達は勝手に!行きますよ朝比奈さん、今度は離れないでくださいね!
長門有希、お前もだ!!」
みくる「は、はい」
長門「・・・・・・・」コクッ
古泉「では我々はこれで失礼します」
ダッダッダ
カレン「エスオーエス団って・・・・・・何?」
ジノ「・・・・・おーいカレン、救急車呼んでくれ・・・」
キョン「ぐあー、もう一歩も歩けん!!」
古泉「今日は流石に疲れましたね・・・東京版不思議探し、まさかあそこまで
歩き回ることになるとは思いませんでした」
キョン「足が・・・足がいてー・・・」
古泉「無理もありません、今日だけで5万歩近く歩いてますからね」
キョン「・・・一歩一歩を数えてたのか?」
古泉「万歩計ですよ、制服の中に入れておいたんです」
キョン「爺臭い奴だ」
古泉「我々以上にルルーシュさんもかなり疲れてたようですね」
キョン「運動系はあいつの領分じゃないだろうからな
しかしこりゃ確実に明日に響くぞ・・・」
コンコンッ
キョン「ん?先生か?」
古泉「いえ、恐らくルルーシュさんです。先ほど最後の打ち合わせをすると言っていましたから」
キョン「それでクラスが違うはずのお前が俺の部屋にしれっといるわけか」
ルルーシュ「・・・・・」
キョン「・・・その顔、だいぶ疲れてるみたいだな」
ルルーシュ「お前もな」
古泉「明日に関する打ち合わせですよね?長門さんはいるようですが
朝比奈さんは呼ばないのですか?」
ルルーシュ「朝比奈さんは気分が悪くなったらしく、たった今引率の教師と一緒に
近くの病院へ行った」
キョン「なに!?気分が悪くなったって、まさか不思議探しのせいか?」
ルルーシュ「それ以外に何がある。あれだけ歩かされれば、気分だって悪くなるさ
彼女は俺以上に体力がないようだしな」
古泉「参りましたね、明日はいよいよ式典当日だというのに」
ルルーシュ「相当グッタリしていたようだからな、恐らく朝比奈さんは明日戦力外になるだろう」
キョン「どうするんだそれ?」
ルルーシュ「どうするもこうするも、一人でも欠けると事前に立てた計画が水の泡だ
それに朝比奈さんだけでなく、俺やお前も疲労困憊で明日に疲れを引きずりそうな勢いだ
こんな状態ではテロリスト共とはまともに戦えない」
キョン「とは言ってもなぁ・・・・今更止めるわけにもいかないだろ?」
キョン「こ、こんな所で5回の内の1回を使っちまっていいのか?」
ルルーシュ「このままでは明日の作戦は間違いなく失敗するからな
ここで使わずしていつ使うというくらい大事な局面だ」
古泉「しかし時間を戻しただけでは何の意味もありませんよ?」
ルルーシュ「分かってる。時間を戻し、涼宮を説得して不思議探しを
面舵いっぱいで回避する!」
キョン「それを誰がやるんだ?」
ルルーシュ「記憶を引き継げるのは俺とお前だけだ、俺達でやるしかないだろう」
キョン「はぁ~・・・」
古泉「羨ましいですね・・・・僕もそちらの側で行動したいですよ」
キョン「代れるものなら代わってやりたいね」
ルルーシュ「戻す時間はギアスを発動した際に頭の中で念じればいい
今朝ホテルを出発したのが9時だから、今からだとだいたい13時間前だな」
キョン「分かった。・・・初めてだからなんか緊張するな・・・・よしっ!」キュイーーーーン
キョンの左目に赤い鳥のような紋章が浮かび上がった
-----
--
-------朝9時(ホテル・ロビー)
ハルヒ「みんな揃ったわね?いいこと、今日こそは何か面白いものを見つけるの!
いいわね?」
キョン「・・・・・・」
みくる「はぁ~い」
古泉「分かりました」
キョン「(・・・・・・凄いな、本当に今日の朝に戻ってる。さっきまでの
足の痛みや身体のダルさもない)」
ハルヒ「キョン・・・・・・・・・キョン!!!」
キョン「うわっ!何だよ!」
ハルヒ「いつまで寝ぼけてるのよ!?ちゃんと私の話聞いてた?」
キョン「あ、あぁ・・・・(このまま何もしないとまた地獄の東京散歩が始まっちまう
何とかしないと・・・・あっ、そういえばルルーシュは!?)」
ルルーシュ「・・・・・・」
キョン「(本当にあいつも記憶を引き継いでるのか?さっきから黙りこくってるが・・・・)」
キョン「(ヤバイヤバイ!!何とかしないと・・・)」
ルルーシュ「なぁ涼宮、お前アッシュフォード学園という学校を知ってるか?」
ハルヒ「ん?アッシュフォード学園?明日の式典の開催地でしょ?」
ルルーシュ「あぁ。その学園には面白い秘密が隠されているんだが、それも知ってるか?」
ハルヒ「面白い秘密?知らないわ、何それ?」
ルルーシュ「アッシュフォード学園、それは皇帝ルルーシュと裏切りの騎士枢木スザクが
かつて学びをともにしていた場所なんだ」
ハルヒ「そうなの!?そんな話初めて聞くけど!?」
ルルーシュ「父の知り合いにその辺の情報に明るい人がいてな
学校経営に支障をきたす恐れがあるとかで、一般には公開されていない情報だ」
ハルヒ「皇帝ルルーシュに裏切りの騎士枢木スザク・・・時代を動かした二人が
同じ学校に通っていただなんて・・・・・凄い事じゃないの!」
ルルーシュ「だろ?お前が喜びそうなネタだと思って言ってみたんだ」
キョン「(そこからどう不思議探しを回避させるつもりだ?)」
ハルヒ「面白いわね、そうなってくるとそのアッシュフォード学園にも
何か裏があるのかもしれないわ!実はそこの理事長が悪の枢軸だったりして!?」
ハルヒ「分からないじゃない!」
ルルーシュ「どうだろう?あるかどうかも分からないゲットーの不思議探しよりは
こちらの方が面白そうじゃないか?アッシュフォードは明日俺達が作戦を行う場所だし
前日の下見も兼ねて行ってみるというのはどうだろう?」
キョン「(そうきたか!!ナイスだルルーシュ!!)」
ルルーシュ「(フン、学園内なら歩き回ったところでたかが知れてる
さっきのように病人が出るほど疲れるような事はないだろう)」
ハルヒ「う~~~ん、そうねぇ・・・・」
ルルーシュ「ちなみにルルーシュは皇帝になる前、学園のクラブハウスに住んでいたそうだ」
ハルヒ「クラブハウス?何でそんな所に住んでたの?」
ルルーシュ「さぁな謎だ。ちなみにこれも一般には公開されてない情報らしい」
ハルヒ「クラブハウスって言うくらいだから学園が管理してるはずよね・・・
そこに住んでたって事はやっぱり理事長が怪しいわ!!決めた、不思議探しは止めにして
今日はこれからアッシュフォード学園に行くわよ!!」
ルルーシュ「ふぅ・・・・・」
キョン「御苦労さん」ポンッ
ハルヒ「着いたわよー!アッシュフォード学園!」
みくる「わぁ~、綺麗な学校ですねぇ」
古泉「敷地面積もかなり大きそうですね。式典の会場に選ばれてた
意味が分かりました」
キョン「北高とはえらい違いだな・・・・これが公立と私立の差か・・・」
ルルーシュ「やはり正門付近や運動場は式典の準備でごった返してるようだな
所々警察や自衛隊の姿も見える」
キョン「設営に大忙しってか、これじゃ中に入るのは無理そうだな」
ハルヒ「ここの学生だって言えば入れるんじゃないの?」
キョン「思いっきり制服が違うだろう」
作業員「こら、君達ここの学校の生徒じゃないよね?部外者は立ち入り禁止だよ
邪魔だからどっかいったいった!」
キョン「あ・・・すいません」
ハルヒ「何よあのオヤジ、イラつくわね!!せっかくここまで来たのに
中に入りもせずに帰るなんてありえないわ!」
ルルーシュ「作業員が多いのはここだけだろう。恐らく裏のクラブハウスの辺りは
殆ど誰もいないはずだ。後ろに回って中に入ろう」
みくる「ふぇぇ!涼宮さーん助けてくださーい!」ガタガタ
ハルヒ「全くしょーがないわねみくるちゃんは!こんな低いフェンスも
乗り越えられないなんて。待ってなさい今行くから!」
キョン「しかしいいのか?フェンス乗り越えて敷地内に入ったりして?
騒ぎになったりしないだろうな?」
古泉「明日は式典当日で警備している警察や自衛隊もピリピリしているでしょうし
バレたらちょっと怒られるだけでは済まないでしょうね」
ルルーシュ「大丈夫さ、何とでも言い訳はできる」
みくる「みなさんお待たせしましたぁ」
ハルヒ「で、何処から探検してみる?」
ルルーシュ「お前は何処を見てみたいんだ?」
ハルヒ「そうねぇ、やっぱりそこのクラブハウスかしら!皇帝ルルーシュが住んでた
場所なんでしょ?何か面白いものが見つかるかもしれないわ!」
キョン「建物の中にまで入るのは流石にまずいんじゃないか?」
ハルヒ「何でよ?」
キョン「だって俺達完全な部外者だぞ?」
キョン「悪党の常套句だな・・・」
ルルーシュ「その通り、バレなければ問題ない。幸い鍵も開いているようだし
少し中を見て回るか」
ハルヒ「それでこそSOS団よ!キョン、ちょっとはルルーシュを見習いなさい!」
キョン「はぁ・・・・どうなっても知らんぞ」
------
---
-
----クラブハウス内
みくる「大きな建物ですねぇ」
キョン「これがクラブハウスだってんだから金持ち私立は恐ろしい
北高の本館にしてもいいくらいだ」
古泉「部屋の数もかなり多いですね」
ハルヒ「これだけあると、何処に皇帝ルルーシュが住んでたのか分からないわね
ルルーシュ、そこ辺の事は分からないの?」
ルルーシュ「流石にそこまでは・・・・(あまり知りすぎていると、またおかしな疑いをかけられ
かねん)」
その後ハルヒ達はクラブハウス内にある部屋のドアを何度も開け閉めし
かつてルルーシュが生活していた場所を必死に探した
ハルヒ「う~ん、ないわねぇ」
キョン「そもそも、皇帝ルルーシュが生活していた部屋があったとしても
6年も経った今その部屋を探し当てるなんて不可能だろ・・・・
生活の名残か何かが残ってりゃ話は別だが」
古泉「表札が立っているわけもないですしね」
キョン「アッシュフォードからしたら、昔ここに皇帝ルルーシュが住んでいたって事実は
黒歴史に近いはずだし、証拠の類は全部綺麗さっぱり消し去ってるだろうよ(ルルーシュすまん)」
ルルーシュ「(別にいい)確かにそうだな、このまま無作為に探し続けても
恐らく見つける事は困難だろう」
ハルヒ「仕方ないわ、じゃあ理事長に直に問いただすしかないわね!!」
キョン「また過激な事を・・・んな事してみろ、本当に警察沙汰になって
全員ブタ箱送りになるぞ?」
ルルーシュ「あまり長居はしない方がいい。涼宮、次で最後にしよう」
・・・・・・・1階よ、1階だわ!!1階の角部屋!!そこが怪しいわ!!」ダッダッダ
そう言うとハルヒは一人で走り出した
キョン「何だってんだ急にあいつは!」ダッダッダ
みくる「待ってくださ~い!」ダッダッダ
他の四人もその後を追う
ルルーシュ「(1階の・・・・角部屋・・・)」
-------クラブハウス2階
ハルヒ「ここだわ・・・・うん、ここ!ここが一番匂う!」
キョン「何を根拠に言ってるのか知らんが、早く開けてみたらどうだ?」
ルルーシュ「(やっぱりそうだ・・・俺とナナリーが暮らしていた部屋・・・・
願望を現実に反映させる力か・・・恐ろしい奴だ)」
ハルヒ「言われなくてもそうするわ!」ポチッ
ルルーシュ「(こ、これは!!?)」
みくる「何だかここだけ他の部屋と少し違いますね。何か生活感があります」
ハルヒ「さっきまでの部屋は殆どがただの部室みたいなものばかりだったのに
ここはまるでマンションみたいな作りになってるわね・・・。台所はあるし
寝室なんかもあるんじゃないかしら?」
古泉「棚に日用雑貨などが沢山入ってますし、今現在誰かが
住んでいるのではないでしょか?」
キョン「お前はどう思うルルーシュ?ルルーシュ?」
ルルーシュ「(あの時・・・あの時のままだ。俺とナナリーが、俺とロロが住んでいた
あの時と何も変わっていない。これはどういう事だ?)」
キョン「(珍しく動揺してるな・・・・そうか、ハルヒの奴本当に当たり引きやがったのか!)」
ルルーシュ「(まさかまたここに来る事があるとはな・・・懐かしい)」
みくる「あのぅ、ここに写真があるんですけど」
ハルヒ「写真?どれどれ」
みくるが見つけた写真はかつての生徒会メンバーが
全員写った集合写真だった
この兄妹一緒に住んでたのね!!あっ、これ枢木スザク!!こっちには紅月カレンもいるわ!
どうなってるのこれ!?何で敵同士のはずの連中がこんなに仲良さそうなの??」
ルルーシュ「(何でこんな写真が今ここに・・・・)」
キョン「おい、しかもこの真ん中にいる人はお天気お姉さんのミレイさんじゃないか!?」
ハルヒ「本当だわ!!どういう事なのこれ?・・・・・ミレイ?ミレイって人確か苗字は
アッシュフォードじゃなかったっけ?」
キョン「そういえばそうだな・・・まさか?」
ハルヒ「そのまさかだわ!ここの学校の理事長の娘、それがミレイ・アッシュフォードよ!
そしてこの写真は彼女が在学中に友達と撮った写真って事でまず間違いないわね!」
キョン「(くそっ!ルルーシュ、お前あのミレイさんと友達だったのか!?
羨ましいぜくそ!今度紹介してくれ!!)」
ルルーシュ「(何だその目はキョン・・・)」
ハルヒ「この写真を見る限り、皇帝ルルーシュとナナリー、枢木スザクと紅月カレンは
一般で語られてるような敵対関係ではなかった可能性が大きいわね!
仲の悪い者同士が一緒のフレームに収まるはずがないし、何しろみんな笑顔だもん!」
古泉「しかし、この写真を撮影した何年後の事かは分かりませんが
彼らが争い始めるのは事実です」
ハルヒ「きっと何か裏があるのよ!皇帝ルルーシュにも、ナナリーにも
枢木スザクや紅月カレンにもね!」
これは独裁者の顔じゃない、やっぱり何かあるわねこの連中は・・・・面白くなってきたわぁ!!」
ルルーシュ「(異様なまでに鋭い奴だ・・・この写真だけでそこまで見抜くとは)」
ハルヒ「秘密を握ってて、尚且つ私達でも接触が可能なのは、ミレイ・アッシュフォードと
昨日たまたま駅で出会った紅月カレン、それと写真に写ってるこの青い髪の人と
眼鏡をかけた人、それとオレンジ色の髪の人ね・・・・・何処から攻めるべきだと思うルルーシュ?」
ルルーシュ「(オレンジ色の髪・・・・シャーリーか・・・)」
ハルヒ「ぬあ~、やっぱり昨日紅月カレンを尾行でもして住所を特定しておくべきだったわ!」
キョン「お前は探偵にでもなるつもりか」
ハルヒ「まぁいいわ、過ぎた事を悔やんでも仕方ない!新しい情報が分かったんだし
ここから少しずつ詰めていけばいつか真実にたどり着けるはずよ!」
ルルーシュ「(たどり着かれては困るんだが・・・)」
ガタッ!!
?「動くなっ!!!!」
キョン「!!?」
ある人物が急に部屋に入ってきハルヒ達に銃を向けた
キョン「あははは・・・ど、どーも」
カレン「ここで何してるの!?あなた達学園の関係者じゃないわよね?
こんな所に勝手に入って、ただで済むと思ってるの?」
キョン「(だから俺はあれほど自重すべきだと言ったんだ)」
ハルヒ「渡に船とはこの事だわ!!また紅月カレンに会えるなんて!!」
カレン「渡に船?何言ってるのあなた?」
古泉「申し訳ありません、実は僕等は今皇帝ルルーシュの秘密を調べてまして」
カレン「ルルーシュの・・・秘密?」
古泉「えぇ、それでかつて彼が通っていた学校、住んでいた場所を見てみようと思って
ここへ来たんです。無断で建物の中に入ってしまった事は弁解の余地もありません
本当に申し訳ありませんでした」
カレン「ちょっと待って!何であなた達知ってるの?ここがルルーシュの通っていた
学校だって」
古泉「噂を辿ってきただけですよ。半信半疑だったのですが、その物言いですと
本当にここが皇帝ルルーシュが通っていた学校のようですね」
カレン「(噂?誰が流したのかしら・・・・)」
助かるのですが・・・」
カレン「・・・・まぁいいわ、あなた達悪い人には見えないし。今の話信じてあげる」
古泉「ありがとうございます」
カレン「ただし、勝手にここに入った事への罰は受けてもらうわよ!」
キョン「け、警察に通報ですか!?」
カレン「あなた達修学旅行中なんでしょ?流石にそれは可哀想だから、勘弁してあげる
その代わり」
ミレイ「その代わり罰としてこの部屋を掃除してもらいまーす!」
カレン「か、会長!?どうして来ちゃったんですか!?」
キョン「(お、お天気お姉さんのミレイさん!!!)」
ミレイ「だって何かカレンだけじゃ心配だったんだもん」
カレン「何か怪しい人達がいるから様子見てきてって言ったのは会長ですよ?
私一人じゃ心配ってのは心外です!」
ミレイ「ごめんごめん!でも良かったわ、空き巣とか強盗の類じゃなくて
まさか修学旅行中の学生とはねぇ~」
キョン「あ、あの・・・勝手に入ってすいませんでした」
ただし、さっきも言ったけどこの部屋の掃除はペナルティーとしてやってもらうわよ!」
キョン「(ミレイさんと一緒にいれるなら喜んで!!)」
ルルーシュ「(カレンに続いて会長まで・・・これも涼宮の力のせいか?)」
ミレイ「それにしてもあなた達さっき面白そうな事話してたわね
皇帝ルルーシュの秘密とかって」
ハルヒ「そうよ!私達はルルーシュの秘密を探ってるの!そこでズバリ聞くけど
あなた達何か隠してるでしょ?皇帝ルルーシュに関する事や、妹ナナリーに関する事で!?」
カレン「(うっ・・・・)」
ミレイ「どうしてそう思うのかしら?」
ハルヒ「皇帝ルルーシュがこの学園に通っていた事も、ここのクラブハウスで生活していた事も
学園に通っていた時敵であるはずの紅月カレンと友達だった事も一般には明かされてない情報だわ
明かされてないってのはそこに何か知られたくない秘密があるからだと思うのよね!」
ミレイ「知られたくない情報って、例えば?」
ハルヒ「当時この学校の生徒の中に旧ゼロがいて、あの戦いは友達同士だった
ゼロとルルーシュによる茶番だったとか!?」
ルルーシュ「(!!?)」
キョン「(脳みそが飛躍しすぎて遂に正解に辿りついちまった。まぁ、正確には
ゼロもルルーシュだったんだが)」
ハルヒ「他にもいろいろな可能性があるわ!とにかく皇帝ルルーシュは一般に言われてるような
ただの独裁者ではなかったと思うのよね!」
ミレイ「うーん・・・・・・・・素晴らしい!!」
キョン「え?」
ミレイ「あなた素晴らしいわ。そう、その通り!ルルーシュはただの独裁者なんかんじゃないの」
ルルーシュ「(余計な事は言わなくていいんですよ会長!俺は独裁者のままでいいんだ!)」
ハルヒ「やっぱりそうなのね!お願い、あなたの知っている事全部教えて!」
ミレイ「教えてあげたいのは山々なんだけどね、私が知っているのは
ルルーシュの人間性だけ。だからその事に関してならいくらでも説明してあげるわよ
妹ナナリーとの思い出とかもね!」
ハルヒ「本当!?じゃあお願いするわ!」
ミレイ「た・だ・し!掃除をした後にね!」
ハルヒ「みんな急いで掃除するわよ!!キョンは床を雑巾がけ、古泉くんは掃除機!
みくるちゃんは台所、有希は棚を拭き掃除!ルルーシュはトイレとお風呂!!」
ミレイ「ル、ルルーシュ?」
ルルーシュ「お前は何をするんだお前は!?」
ルルーシュ「ふざけるな!お前も動け!掃除如きに指揮官などいらん!」
ハルヒ「甘いわねルルーシュ、こういう全体作業には一人指揮する人間を置かないと
いつまで経っても作業が終わらないものなの!」
ルルーシュ「仮にそうだとしても、その場合は適した人物を指揮官に据えるべきだ!」
ハルヒ「同感だわ、だから私がやるのよ!文句ないでしょ?」
ルルーシュ「大有りだ!だいたいお前はいつも」ガヤガヤ
ミレイ「ね、ねぇ君」
キョン「何です?」
ミレイ「あの子の名前、ルルーシュっていうの?」
キョン「え・・・えぇ、そうなんですよ。大変みたいですよ、同じ名前だといろいろと」
ミレイ「ふーん・・・でもなんかあの子、雰囲気が何処となく似てるわね、ルルーシュに」
キョン「えっ?」
カレン「会長もそう思いますか?私も何となくそう思ってたんです」
キョン「(まぁ当人だからな、雰囲気が似てるのは当たり前か)」
ミレイ「すっかり遅くなっちゃったわねぇ。ごめんね、いつまでも喋っちゃって」
ハルヒ「ううん。話をしてってお願いしたのはこっちなんだし、本当貴重な話が
聞けて良かったわ!ありがとう!」
ミレイ「部屋も綺麗に掃除してくれたし、ギブアンドテイクよギブアンドテイク」
カレン「いや会長、部屋の掃除は無断でクラブハウスの中に入ったペナルティーでしょ」
ミレイ「あはは、そうだったっけ?」
キョン「おいハルヒ急ぐぞ!早くホテルに戻らにゃ先生に怒られる!」
ハルヒ「分かってるわよ!じゃあ、またね!今日は本当にありがとう!
みんなダッシュで帰るわよぉ!!!」ダッダッダ
カレン「元気な子ねぇ・・・ていうか足はや。周りの子達大変そう」
ミレイ「あれ?みんな行っちゃったけど、君は行かなくていいの?」
ルルーシュ「最後に一つだけ質問してもいいですか?」
ミレイ「ん?なに?」
ルルーシュ「皇帝ルルーシュが住んでいたあの部屋、確かさっき当時のままにしてあると
言っていましたよね?」
ミレイ「そうよ、それがなに?」
誰も戻ってこないあの部屋を、何故いつまでも当時のままにしているんです?」
ミレイ「そうねぇ・・・ルルーシュは6年前に死んじゃって
ナナリーは今やブリタニアの代表。二人とも二度とここへは戻ってこない
そんな事は100も承知なんだけど、何だか残しておいてあげたいのよ。あの部屋は」
ルルーシュ「何故?」
ミレイ「大切な思い出なんだもん。私達にとっても、そしてきっとナナリーにとってもね」
ルルーシュ「・・・・・・・・・・・」
ミレイ「これが質問の答え!不満は?」
ルルーシュ「いえ・・・ありがとうございました。では」ダッダッダ
ルルーシュがその場を去った
カレン「あの子、何であんな質問したのかしら?」
ミレイ「さぁ。それにしても、変わった子達だったわねぇ」
カレン「・・・・・・・・」
ルルーシュ「(明日、絶対にここを戦場にはさせない!!会長が守り続けていてくれた
俺達の思い出は、絶対に壊させたりしない!!)」
古泉「ギアスを使用した?」
キョン「あぁ、勿論ルルーシュの指示でだがな」
古泉「いつ使用してどの時間まで巻き戻したのか、詳しく教えていただけますか?」
キョン「今日の夜に使って今日の朝に戻ったんだ・・・って、我ながら意味不明だな」
古泉「つまり、我々は今日という日を二度過ごしたという事ですね?」
キョン「そうだ。一度目は当初の予定通り新宿ゲットーで不思議探しをしたんだが
あまりの過酷さ故朝比奈さんが病院送りになるは、俺とルルーシュが筋肉痛になるはで
とても明日の作戦を計画通りに進める状態じゃなくなってな」
古泉「それで時間を戻したのですか。なるほど、朝にルルーシュさんが
不思議探しを回避しようとしていたのはそういった経緯があっての事だったのですね」
キョン「お陰で万全の状態で明日を迎えられそうだ」
古泉「しかし羨ましいですねぇ」
キョン「何がだ?」
古泉「記憶を引き継げない僕は、あなたやルルーシュさんのように前後の変化を
楽しむ事が出来ませんからね。いや、本当に羨ましいですよ」
キョン「毎度毎度おかしな事を羨ましがる奴だ・・・」
ルルーシュ「全員揃ったな?それじゃ作戦の最終確認をしておく
まずはキョンと朝比奈さん。前にも言ったがとにかく二人はずっと涼宮の傍にいて
あいつを守ってくれ」
キョン「俺が守ってもらわにゃならん事になるかもしれんが・・・まぁ頑張ってみるさ」
みくる「が、頑張りますぅ」
ルルーシュ「長門有希はこの後C.Cと共に移動、ナイトメアで出撃してもらう
細かい指示は状況に応じてその都度俺が出す」
長門「・・・・分かった」
ルルーシュ「古泉は事が始まったと同時に涼宮達と別れ
Aポイントまで移動しランスロットに搭乗しろ
その後旧ゼロに機体を渡し、その後お前は仮面を被り旧ゼロを演じる」
古泉「上手く演じれるか分かりませんが、最善を尽くします」
ルルーシュ「ランスロットの操縦の方は大丈夫だな?」
古泉「ただ運ぶ程度でしたらなんとか。ただ、道中テロリストのナイトメアに
攻撃されないか、そこが大いに不安なのですが」
ルルーシュ「安心しろ、決めてあるルートは戦場とは無縁な場所を選んである
恐らく連中は疎開の外、品川方面から攻めてくるはずだ。問題ない」
古泉「それを聞いて安心しました、正直戦闘になった場合対処できる自信がありませんからね」
正直あいつの計画通りに物事が進むとは思えん」
ルルーシュ「ナナリーの件は心配ない、既に手を打ってある
キョンと朝比奈さんの最優先事項は涼宮を守る事だ
危険だと思ったらナナリーの事は諦めて力ずくでも涼宮を安全圏へと運べ」
キョン「あいつを力ずくで?」
ルルーシュ「それから全員これを耳につけといてくれ」
ルルーシュは鞄からイヤホンのようなものを取り出してテーブルに置いた
古泉「無線機か何かですか?」
ルルーシュ「あぁ。これがあれば常に互いの状況を理解できるし、俺も指示が出しやすい
何か問題があった場合はすぐに俺に連絡を入れてくれ」
キョン「了解」
ルルーシュ「ただし涼宮の近くにいるキョンと朝比奈さんは基本聞き手に徹してくれ
無線であれこれ喋っている所をあいつに見られたら面倒だからな」
みくる「分かりました」
ルルーシュ「それからキョン、万が一作戦が失敗した場合は俺が指示を出すが
明らかにこれは駄目だと思った時は自分の判断でギアスを使用してもらって構わない」
ルルーシュ「例の軍事基地襲撃事件を見る限り、新ゼロは勝つ為には
手段を選ばない者だ。各自油断せずに行動してくれ」
古泉「分かりました」
キョン「はぁ・・・やるしかないよな」
みくる「が、頑張りましょう!」
長門「・・・・」
ルルーシュ「じゃあそろそろ行こう、下で涼宮が待っているだろうからな
長門有希はここから別行動だ、ホテルの裏でC.Cが車で待っている
直ちに向かってくれ」
長門「了解」
キョン「長門、お前にこんな事言っても仕方ないだろうが、無理はするなよ」
長門「・・・・」コクッ
ハルヒ「有希が風邪!?」
ルルーシュ「あぁ、昨日の夜から具合が悪かったそうだ。さっき先生と病院に行った」
ハルヒ「大丈夫かしら・・・・」
ルルーシュ「一人欠けてしまったが、どうする?計画は中止するか?」
ハルヒ「中止なんかしないわ!有希がいないのは残念だけど、ここで止めるわけにはいかないの!
私達だけでナナリーを助け出しましょ!」
ルルーシュ「(そう言うと思った)」
キョン「ならとっとと行こうぜ、早くしないと会場に入れなくなるぞ?」
ハルヒ「そうね、急ぎましょう!」
------
---
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-----東京湾
ジェレミア「ようやく来たか、遅いぞ!」
C.C「予定より少し遅れただけだろ、いちいち怒るな」
C.C「まだ作戦は始まっていないぞ早漏くん」
ジェレミア「なっ・・・なんという下品な言葉を!やはりお前は陛下の恋人には相応しくない!」
C.C「相応しいか相応しくないかを決める権利などお前にはない」
ジェレミア「お、おのれ魔女が・・・・」
アーニャ「二人とも、作戦前に喧嘩は駄目」
C.C「悪いのはジェレミアだ、私ではない」
ジェレミア「貴様・・・」
アーニャ「ジェレミア、C.C達が来たんだからあなたは次の行動に移らないと」
C.C「そうだそうだ、時間厳守なんだろ?早く会場に行って除洗してこい」
ジャレミア「フン、分かっている!!!」
ジェレミアは式典会場へと向かった
C.C「さて、うるさいのがいなくなった事だし、長門有希。お前のナイトメアを見せてやろう」
長門「・・・・」
アーニャ「・・・・」ジーッ
長門「・・・・」
アーニャ「この子、無口キャラ?」
C.C「キャラかどうかは知らんが、無口なのは確かなようだな
ベラベラといらん事ばかり喋る奴よりは、私はこっちの方が好きだぞ」
アーニャ「私アーニャ、よろしく」
長門「・・・・よろしく」
アーニャ「あっ、やっと喋った!」
C.C「何をしている、さっさと格納庫へ行くぞ!」
アーニャ「うん。私たちについて来て、案内する」
長門「・・・・・」コクッ
-------
---
-
-------アッシュフォード学園(式典会場)
ガヤ ガヤ
古泉「何でしょうかねこれは・・・凄い数です」
キョン「5、6万人くらいいるんじゃないかこれ?いくらなんでもこんなにいたんじゃ
トラブルが起きた場合かなりの死傷者が出るぞ・・・」
ルルーシュ「当初の予定ではこんなに多くの人を入場させるはずではなかった
恐らく超合衆国の馬鹿共が途中で設けていた上限を撤廃したのだろう」
キョン「何でんな事したんだ?テロリストが攻撃を仕掛けてくるって分かってるのに!」
ハルヒ「どうせテレビ的には来場者が多い方が盛り上がるとか思ってるのよ!
全く信じられない連中だわ!」
キョン「そんなテレビマン的発想を、政治家の連中が持ち合わせてるとは思えんが・・・」
古泉「しかし、これだけ多くの人を入場させているからこそ、我々も中に入れたわけですし」
ルルーシュ「確かにそうだな、予定通り入場制限をかけられていたら
俺達は今頃会場の外だ」
ハルヒ「あんた達が起きてくるのが遅いのが悪いのよ全く!」
キョン「悪かったよ。ていうか今何時だ?」
古泉「12時半、式典開始まで後30分です」
新ゼロ「現場の状況は?」
カノン「以前変化はないようです」
新ゼロ「妙だな・・・・12時30分を過ぎたと同時に殺し合いが始まるはずなのだが・・・
カノン、今何時だ?」
カノン「12時45分です」
新ゼロ「・・・・・・15分以上経っても動かないか。しかしこれはどういう事だ?
俺は間違いなくギアスをかけた、なのに何故動かん?」
カノン「何者かが解除したという可能性は?」
新ゼロ「解除?・・・・・・・・なるほど、ギアスを解除する事のできる能力か
確かにそんなものがあったとしても何ら不思議ではないな」
カノン「しかしその場合・・・」
新ゼロ「あぁ、敵側は俺がギアス能力者であるという事を認知しているようだ
この間の軍事基地襲撃の件からバレた可能性が高いな」
カノン「いかがなさいますか?」
新ゼロ「勿論作戦は継続する。この機を逃して次はないからな
事前にトラブルを作り出すことは失敗に終わったが・・・なーに、ならば次の策を講じるまでだ」
カノン「突撃部隊ですか?」
カノン「ナイトメアに爆弾を積み、敵軍に取り付かせて爆破
パイロットはギアスをかけられ操り人形と化したテロリスト。かなり非人道的ですね」
新ゼロ「気に入らないか?」
カノン「いえ、勝つ為に最善ではなく最良をつくす。私はあなたのそういう所に惹かれたのですから
そのような事は一切思いません」
新ゼロ「フン、しかし本当にいいのか?このまま俺の下で働くという事は
お前がかつて仕えたシュナイゼルも殺す事になるんだぞ?」
カノン「今の殿下はかつてのゼロであるルルーシュによってギアスをかけられた
ただの人形です。私は1秒でも早く殿下をそのような状態から開放してあげたい・・・」
新ゼロ「その為なら殺すも止む無しか?」
カノン「はい」
新ゼロ「フハハハ、まぁいいだろう。お前は優秀だからな、これからもよろしく頼む」
カノン「こちらこそ。・・・・・・・ところでゼロ」
新ゼロ「何だ?」
カノン「あなたは一体何者なんです?」
新ゼロ「フン、瑣末な事を気にするな。それよりも我々も動く、準備しろ」
一般参加者より高い位置に軍や各国の政府関係者が椅子を並べて座っており
中央には大きな慰霊碑が置かれている
ガヤ ガヤ ガヤ
キョン「古泉、今何時だ?」
古泉「もうすぐ13時です。いよいよですね」
ハルヒ「いいみんな、猛ダッシュでナナリーを助けに行くのよ!!」
キョン「ていうか来てるのかナナリー首相は?ここからじゃ関係者は豆粒程度にしか見えん!」
ハルヒ「いるわよ、慰霊碑の横の席!中華連邦の天子と何か話してるわ!」
ルルーシュ「よくこれだけ離れた場所からそんな事まで確認できるな・・・」
ハルヒ「私視力2.0だし!」
キョン「いや、2.0でもこれは普通見えん」
古泉「13時です」
その瞬間会場全体に大きな爆撃音が鳴り響いた
ザワ ザワ ザワ
「何今の音?」 「爆発?」 「まさかテロ!?」
ザワ ザワ ザワ
関係者「み、みなさん落ち着いてください!何でもありません、今の音は花火です!」
ハルヒ「花火?何言ってんのあいつ!?終戦記念の式典で花火なんて
打ち上げるはずないじゃない!?」
ルルーシュ「そうか、何でこんなに多くの人間を入場させたのかと不思議に思っていたが
なるほど、どうやら連中は犠牲者を増やしたいようだ」
キョン「犠牲者を?どういう事だ?」
ルルーシュ「この間の放送で超合衆国と黒の騎士団の不正、怠慢を暴露した新ゼロは
今現在多くの人々の支持を集めている。この状態では黒の騎士団はテロリストに対して
報復攻撃ができない。支持を受けているテロリストを攻撃しようものなら
たちまち正義と悪の立場は逆転し、彼らは民衆の敵になってしまうからな」
キョン「だから何だって言うんだ?」
そうなったら民意はガラリと変化するだろう。新ゼロは誰の目にも明らかな悪となり
それと戦う黒の騎士団は正義となる。そうなれば堂々と報復でもなんでも好きなだけできる」
古泉「つまり、彼らがこの式典にこれだけ多くの人々を入場させたのは・・・」
ルルーシュ「あぁ、十中八九犠牲者を多くする為だろう。犠牲者が多ければ多いほど
人々の反新ゼロ感情は大きくなるだろうからな」
キョン「さっきの音を花火だなんだと誤魔化したのも、みんなをここに留まらせておく為の嘘か!」
ハルヒ「腐ってるわね・・・許せないわ!!どっちがテロリストだか分かったもんじゃないわ!」
ルルーシュ「同感だ。しかし、まさか民意を得る為とはいえここまでするとはな・・・」
ハルヒ「私達でなんとかするしかないわね!このままじゃこの会場にいる殆どの人が
テロに巻き込まれちゃうわ!」
キョン「何とかするって、どうするつもりだ?」
ハルヒ「とにかく叫ぶしかないわ!!『今のはテロリストの攻撃よー!』とか、『みんな逃げてー!』って!」
キョン「戯言だとスルーされるんじゃないか?」
ルルーシュ「いや、かなり有効だ。平静を装っているが、さっきの爆発音でみんなかなり動揺している
これなら少し背中を押してやるだけでみな回避行動をとるだろう」
ハルヒ「決まりね!みんないいわね?力いっぱい叫ぶのよ!?」
キョン「ええい、やるしかないか!」
交戦状態に入っていた
テロリストA「落ちろ赤いの!!」
テロリストのナイトメアが紅蓮に対しハドロン砲を撃つ
しかしカレンは操縦桿を素早く動かしこれを回避
カレン「そんな攻撃当たらないわ!」
テロリストA「くそ、何でこの距離から撃って当たらねーんだ!!」
紅蓮がテロリストのナイトメアの後方に回り込む
カレン「後ろ、がら空きなんだけど?」
テロリストA「は、早すぎる!?」
紅蓮は敵ナイトメアの両腕部、両脚部を即座に切断
相手を無力化しては次の相手へと向かい、それを繰り返していた
ジノ「相変わらず早いなぁ、カレンの機体は」
藤堂「よそ見している暇はないぞジノ君!相手の数を見ろ!」
ジノ「へ?・・・うわー、凄い数。一機ずつじゃ日が暮れるね
面倒だから一気に減らすか!」
ドカーーン!!
テロリスト「うわああああ!!」
カレン「ちょっとアンタ、そんな技があるなら最初からやりなさいよ!
一機ずつ倒してた私が馬鹿みたいじゃない!」
ジノ「凄いだろこれ?四連動式ハドロンブラスター!新型トリスタンの目玉さ
まぁエナジー消費が滅茶苦茶多いのが欠点だけど」
玉城「エナジーの心配なんていらねーって!もう今ので全部撃ち落しちまったんだしよw
これで俺達の大勝利だwww」
カレン「あんたよく落とされなかったわね・・・」
藤堂「油断するな、この程度で終わるとは思えない」
玉城「おっ?噂をすればだwwまーた団体さんのお出ましだww」
カレン「あの機体・・・旧型のサザーランド?」
ジノ「本当だ、旧型のサザーランドにフロートユニットをつけただけじゃないか
あんなんで俺達と戦おうってのか連中は?」
藤堂「いや・・・何かおかしい」
大量のサザーランド部隊がカレン達目掛け一直線に飛んでくる
自衛隊のナイトメア部隊がカレン達の前に出て敵部隊を迎え撃つ
藤堂「おい待て、正面から当たるのは危険だ!!!」
司令官「問題ありません、このような旧式、我々で十分!!」
自衛隊のナイトメアが敵部隊に向かってライフルの一斉射撃を行う
しかし弾に当たらなかったナイトメアが自衛隊のナイトメアに抱きつき相次いで自爆した
自衛官A「な、何だこいつ!?は、離れろ!!」
ドカーーン!! ドカーーン!! ドカーーン!!
藤堂「なっ!?」
ジノ「自爆かよ、こりゃまずい!みんな逃げろ!取り付かれたら終わりだ!」
カレン「くそっ」
藤堂「一定の距離を保ちつつ、遠距離攻撃で少しずつ数を減らしていくしかない!
近づきすぎると爆発に巻き込まれるぞ!」
その間にも自衛隊のナイトメア部隊はどんどん落とされていった
ドカーーン!! ドカーーン!! ドカーーン!!
ハルヒ「テロよー!!テロリスト!!これは花火の音なんかじゃないわ!!」
キョン「みんな逃げろ!!テロの標的はここだ!!巻き込まれるぞ!」
古泉「みなさん今すぐ会場の外に逃げてください!間もなくここは戦場になります!」
みくる「みなさーん、逃げてくださ~~い!」
「やっぱりそうか!に、逃げるぞ」 「みんな逃げるわよ、お母さんに着いてきなさい!」
「早く逃げろー!殺されるぞ!」 「おい押すな!!」 「さっさと行けよお前!!」
ワー ワー ワー ワー
ハルヒ達の言葉によって一般来場者の殆どが会場の外へと向かい走り出し
会場はパニック状態へと陥った
関係者「み、みなさん落ち着いて!席に御戻りください!」
キョン「この期に及んでまだ言ってるのかあいつ?」
ルルーシュ「こうなってしまった以上式典は中止せざるを得ない、すぐに諦めるさ」
ハルヒ「この混乱状態・・・まさに思い描いていた通りだわ!今ならナナリーの所へ行っても
何ら不自然ではないわね!」
ハルヒ「問答無用よ!ぐずぐずしてたらテロリストが来ちゃうし、今のうちにナナリーを
安全圏まで運ぶわよ!みんなついてらっしゃい!!」
キョン「お、おい待てハルヒ!!」
ハルヒ「突撃ー!!」ダッダッダ
ハルヒは会場の外へ逃げようとする人々を掻き分けながら
ナナリーのいる壇上目掛けて猛スピードで走り出した
ルルーシュ「キョン、朝比奈さん!」
キョン「あぁ、分かってるよ!あいつの事は任せとけ。行きましょう朝比奈さん!」
みくる「は、はい」
キョンとみくるがハルヒの後を追い走り出す
古泉「さて、では僕も動きますか」
ルルーシュ「頼むぞ、必ずスザクにランスロットを渡してくれ!」
古泉「えぇ、任してください」
ルルーシュ『C.C、応答しろ!』
C.C『何だ?』
ルルーシュ『そちらの状況は?』
C.C『今アーニャ達と東京湾に向かっている。あと5分程度でつくだろう』
ルルーシュ『よし、予定通りだな。奴等は戦力を分散させずに一点に攻撃を集中させるはずだ
つまり、東京湾からの部隊させ食い止めればこちらの被害は0で終わる
一機たりとも先へ進ませるな!』
C.C『言われなくてもそのつもりだ。で、そっちは今どうなってる?』
ルルーシュ『今さっき涼宮達がナナリーのもとへ走り出したところだ
俺はこれから蜃気楼に乗り込み一般人の避難誘導をする!そちらは任せたぞ』
C.C『了解だ』
ルルーシュ『何かあったら連絡を入れろ。無理はするなよ!』
C.C『あぁ、分かってる』
ピッ
ルルーシュ「よし、行くか」
関係者A「ちっ、これではもう式典どころではないな・・・」
関係者B「テロリスト共は何をやっているんだ!?さっさとここへ来い!」
ナナリー「あ、あなた達は何を言っているんですか!?」
関係者B「い、いや・・・今のは」
ナナリー「みなさん急な事で混乱しています!私達で非難誘導をしましょう!」
関係者A「避難誘導?我々がですか?」
ナナリー「そうです!」
関係者B「冗談でしょ、そんな事は警備してる連中に任せとけばいいんです!
我々には式典を遂行するという重大な役割が」
ナナリー「もうそんな事を言っている場合ではありません!式典は中止です
だから私達で出来る事を」
関係者A「ええい、うるさい!!ブリタニアの分際で我々に意見するな!!!」
ナナリー「国は関係ありません、今は一人の人間として」
関係者A「黙れ!!!この虐殺皇女が!!」
ナナリー「!!」
あんたと裏切りの騎士枢木スザクだけだったな?そんな人間がどの面下げて
ここに座ってやがんだ?あぁ!?」
ナナリー「わ、私は・・・」
関係者B「おい止めろ!!今支持が出た、プランBに以降だ!」
ナナリー「プランB・・・何ですかいったいそれは?」
関係者A「あはははいいねぇ!!面白くなってきた!」
ナナリー「な、何を笑っているんですか?」
関係者A「我々はこれからこの会場を爆破します!」
ナナリー「何を言ってるんですか!?そんな事をしたら」
関係者A「そんな事したらいっぱい死んじゃいますよね、何の罪も無い一般人が
でもね、それでいいんですよ。この状況で会場が爆発すれば
誰もがテロリストの仕業と思うでしょう、そうなれば世論は超合衆国支持に傾き
テロリスト共を徹底的に叩く事ができる」
ナナリー「まさか、そんな事の為に・・・」
関係者A「そんな事?大事な事でしょう。民衆の支持無くして政治はできません
ちなみに、あなたはここで死んでいただきます」カチャッ
関係者Aがナナリーに銃を向ける
関係者A「勿論です。国家の代表がテロに巻き込まれて死亡。
そうなれば民衆は更に強く反テロリストへの感情を強める事になる
必要な事なんです、世界平和の為に死んでくださいナナリー首相」
ナナリー「・・・・・・」
関係者A「いつもあんたを助けてくれるゼロも、今回ばかりは助けてはくれませんよ?
爆発音と同時に様子を見てくるとか言って外に出ちゃいましたからね
まぁ、プランBが発令された以上、彼ももう用無しなんですが
今頃私の部下が始末してるはずです」
ナナリー「ゼロは・・・スザクさんはあなた達になんて負けません!」
関係者A「は?スザク?枢木スザクの事か?わけ分からんな・・・ もう楽にしてやるよ!!」カチャッ
ナナリー「(お兄様!!)」
ハルヒ「ちょーーーーと待ったぁぁぁ!!!!」
ハルヒのとび蹴りが関係者Aの顔面に炸裂する
ドサッ
関係者A「ぐはっ!!」
ハルヒ「あんた達今何しようとしてた!?撃とうとしてたでしょ!?
考えられないわ!なに考えてんのよ!!」
関係者A「うっ・・・・うぅ」
ナナリー「あ、あなたは?」
ハルヒ「私?私は涼宮ハルヒ!あなたを助けに来たのよ!」
ナナリー「わ、私を?」
ハルヒ「そっ、私達SOS団が来たからにはもう大丈夫よ!」
ナナリー「エ、エスオーエスダン?」
キョン「お、おいハルヒ!!ハァハァ」
ハルヒ「遅いわよキョン!!何してたの・・・・・ってあれ?古泉くん達は?」
キョン「逸れちまったよ、お前が一人でぶっ飛ばすもんだから」
みくる「ま、待ってくださ~~い!ゼェゼェ」
ハルヒ「みくるちゃんですらちゃんと着いてきるっていうのに、全く何やってるのかしら!
ルルーシュはともかく、古泉くんって運動神経良かったわよね?」
ナナリー「(ルルーシュ・・・?)」
みくる「えぇ!?ま、また走るんですかぁ!?」
キョン「朝比奈さんよく見てください、あの連中銃を持ってます!
早いとこ逃げないと危険なんです!」
みくる「ひぇ、ひぇぇぇぇ!」
ハルヒ「じゃあとっとと逃げるわよ!!ナナリー、振り落とされないようによ~~く掴まってなさいよ!」
ナナリ「は、はい」
関係者B「待て!!逃がすか、お前ら全員まとめてあの世へ送ってやる!!」
関係者Bが銃をハルヒ達に向ける
キョン「まずい!!ハルヒ逃げろ!!」
関係者B「死ね!!」
ドンッ!! ドンッ!!
引き金を引く瞬間、関係者Bの額にクナイのようなものが突き刺さった
体勢を崩した彼から放たれた弾丸は上空へと消える
ドサッ
すると何処からともなく一人の女性が現れハルヒ達にこう告げた
咲世子「ここは私がおさえます、みなさんは早くナナリー様を安全な所へ!」
ハルヒ「あなた誰よ?今のあなたがやったの!?」
咲世子「そうです。早くナナリー様を安全な所へ!」
ナナリー「咲世子さん!!!」
ハルヒ「へ?知り合いなの?」
ナナリー「お久しぶりです咲世子さん!今まで何処にいらっしゃったんですか!?」
咲世子「再会を懐かしむのは後にしましょう、とにかく今は」
咲世子がキョンへアイコンタクトを送る
キョン「(そうか、この人はルルーシュの協力者か!)」
ナナリー「私達だけで逃げるなんて、咲世子さんも一緒に!」
咲世子「それはできません、私には私の役割がございますので・・・さあ、早く!!」
キョン「よし、行くぞハルヒ!さっきみたいにぶっ飛ばせ!!」
ハルヒ「そうね、ここはお言葉に甘えましょう。行くわよみんな!」
咲世子「ナナリー様、どうか御無事で」
ハルヒ「フルスロットルよー!!!」ダッダッダ
ハルヒは猛スピードで走り出し、キョンとみくるはその後を追った
関係者A「おのれ・・・貴様ただで済むと思うなよ!!お前が今殺したのは超合衆国の幹部だ!
貴様は勿論親兄弟、まとめてあの世に」
ドスッ
咲世子のクナイが関係者Aの額に突き刺さった
ドサッ
咲世子「ナナリー様を愚弄した罪、そのあの世とやらで償ってください」
関係者C「何だあいつは・・・誰でもいい、早くあの女を殺せ!!!」
号令と共に無数の警官隊が咲世子へ銃を向ける
咲世子「・・・少々数が多いですが、まぁいいでしょう。篠崎流の恐ろしさ
その身に味あわせてあげましょう」
何とか取り付こうというテロリストのナイトメアを交わしながら遠距離で攻撃という
面倒な作業が、戦闘時間を大きく長引かせていた
玉城「う、うわっ!!しまった!!」
ジノ「おい、あの人捕まっちまったぞ!?」
藤堂「早く脱出レバーを引け!!」
玉城「か、神様ぁぁぁ!!」
バシュー
ドカーーン!!
脱出が一歩早く玉城は命を繋いだ
カレン「ったく、危なっかしいわねあいつは!」
ジノ「でも、あの人じゃなくてもこれはちょっと厳しいな・・・キリがない」
ピーッ、ピーッ、ピーッ
ジノ「はぁ?やばい、エナジーが・・・」
カレン「調子に乗ってあんなの使うからよ馬鹿!!」
ブウンッ
エナジーが切れ降下するトリスタンに自爆部隊のナイトメアが取り付く
カレン「何やってんのよ早く脱出を!!」
ジノ「駄目だ、くそっ、連中が取り付いたせいで動かない!」
カレン「そ、そんな・・・ジノ!!!!」
機体が自爆しようとしたその時、大量のハーケンがトリスタンに取り付く
サザーランドを弾き飛ばした
ドカーーン!!
ジノ「ぐあっ!」
爆風を受けトリスタンは大きく飛ばされ、また降下を始めたが
モルドレッドがそれを受け止める
ガシッ
ジノ「た、助かった・・・・のか?」
カレン「なに、あの機体?」
そして見慣れない金色のナイトメアが存在していた
藤堂「ジノ君を助けたのはあの金色の機体だな。それにしても何ださっきの攻撃は?
あんなに大量のハーケンを一度に・・・それもあの状況で敵のナイトメアだけにヒットさせた・・・」
カレン「味方・・・・ですよね?」
藤堂「ジノ君を助けてくれたんだ、恐らくそうだろう。それに他の二つの機体には
君も見覚えがあるだろう?」
カレン「えぇ・・・(ジェレミアとナイト・オブ・シックス)」
ジノ「この機体・・・・アーニャ、アーニャなのか!?」
アーニャ「・・・・・違う」
ジノ「やっぱりアーニャだ!!助かったよ、ていうか今まで何処で何してたんだ?」
C.C「そんな話をしてる場合ではないだろう、まずはこの連中を何とかしてからだ」
カレン「そ、その声・・・・・まさかC.C!!?」
C.C「久しぶりだなカレン、だいぶ手こずっているようだから私達が力を貸してやる」
カレン「ちょっとアンタ、今まで何処でなにして」
ジェレミア「話は後だ、敵を殲滅するぞ!」
さっきの攻撃見る限り、相当な腕前のようだけど・・・」
藤堂「何故彼らがここへ来たのかは知らんが、これ程頼もしい戦力もない。紅月くん、ここは彼らの力を借りよう!」
カレン「わ、分かりました!」
モルドレッドが新しいエナジーフィラーをトリスタンにとりつけた
ブゥーンッ
ジノ「用意がいいなアーニャ、まさかこの事態を想定してたのか?」
アーニャ「無駄話禁止」
ジノ「何だよ、冷たいな」
カレン「C.C、この戦いが終わっても逃げないでよね。アンタには聞きたい事が
山ほどあるんだから!」
C.C「おぉ怖い怖い」
ジェレミア「行くぞ!!!」
ジェレミアの号令と共に各ナイトメアは自爆部隊に向け一斉射撃を行った
軍人「ぐはっ・・・・・」ドサッ
会場の外、人気のない所に黒いマントと黒い仮面を被った男が立っていた
その周りには武装した多くの軍人が地を這うようにくたばっている
ゼロ「ハァ、ハァ・・・・何故このような事を・・・・・誰の指示だ!?」
軍人「くそ・・・・化物め、まさかゼロがここまで強いとは・・・くっ」
ゼロ「答えろ!!誰の指示だ!?」
軍人「へ、アンタの時代はもう終わりだ・・・これからは俺達が・・・・」ガクッ
そう言うとその軍人は絶命した
ゼロ「間違いない、この人達は黒の騎士団の暗殺部隊だ・・・何でこんな事を
いや、考えるのは後だ!このままだと恐らくナナリーが危ない!早く助けにいかないと!」
?「何処へ行く気ですかゼロ様?」
ゼロ「!?お前は誰だ?こいつらの仲間か?」
隊長「この部隊を率いてる者です。あれまぁ、全員殺しちまったんですか・・・凄いねこりゃ」
隊長「さぁね、それは答えられません。ただ、あなたには確実にここで死んでいただかないと
私が困るんですよ」
ゼロ「私に一対一で勝てるとでも?死にたくなかったらそこをどけ」
隊長「愛しのナナリー首相をお助けに参るのですか?」
ゼロ「なに?」
隊長「あなたはいつもそうですよね、何故かかつて敵だったはずのブリタニアのナナリーに付き添い
常にサポートしている。あれは何故です?」
ゼロ「答える義理はない。何度も同じ事を言わせるな、そこをどけ!」
隊長「気に入らないねぇ、絶対に自分が勝てるもんだと思ってやがる
俺は戦場で生まれ戦場で育ち、物心ついた時から殺しをしてる、あんたとは環境が違う
そいつらを倒したくらいで調子に乗るなよ?」
ゼロ「・・・・・」
隊長「じっくりあの世に送ってやる。あのゼロを殺せるなんて、こんな喜びはねぇ!興奮するぜ!!」
ゼロ「クズが・・・・」
ゼロは猛ダッシュで隊長に迫る
隊長「へ、馬鹿が!!」
隊長「死ねぇぇぇ!!!」ドドドドドドドドドッ
しかしゼロは走りながらこれを全弾回避
隊長に向けいつもの回転蹴りを放つも紙一重で交わされる
隊長「あっぶねー!!ヘヘ、なんて野郎だ!!ライフルの弾を交わしやがった!!
ククク、こりゃ想像以上の上玉だ!!殺し甲斐がある!!」
ゼロ「・・・・最後のチャンスだ、そこをどけ。そうすれば見逃してやる」
隊長「うるせー!!死にやがれ!!」ドドドドドドドッ
再びゼロに向けライフルを乱射
ゼロは弾を避けながら持っていた小型ナイフを投げ
銃口に命中させ、ライフルは暴発し粉々に破裂した
ボンッ!!
隊長「ぐあっ!!」
その瞬間ゼロは再び回転蹴りを繰り出し隊長は地に伏せた
ドサッ
ゼロ「終わりだ」
ゼロ「誰の指示で俺を襲撃した?答えれば命だけは助けてやる」
ゼロは倒れた隊長をマウントポジションで押さえ込み
顔に銃を突きつけている
隊長「ヘ、ヘヘヘ・・・くたばりやがれ!」
ドンッ!!
ゼロ「・・・・・・・早くナナリーの所へ行かなければ・・・・ん?何だあれは?」
その時上空から一機のナイトメアがゼロの前に降り立った
ゼロ「これは・・・・・・まさかランスロット!?」
コクピットハッチが開きある人物が姿を現し答える
古泉「その通りです。あなたの専用機、ランスロットですよ。いや~、探すのにかなり
苦労しました。しかし、何とか見つけられてよかった」
ゼロ「君は・・・・いったい何者だ?」
ゼロ「・・・・・冗談に付き合っている暇はないのだが?」
古泉「冗談ではないんですけどね・・・・まぁいいでしょう、今はそんな事よりもやらねばならない事がありますし」
ゼロ「もう一度聞く、君は何者だ?何故ランスロットを動かしている?」
古泉「頼まれたからですよ、ルルーシュさんにね」
ゼロ「なに!!?ルルーシュ!?」
古泉「えぇ、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。僕は彼の協力者です」
ゼロ「そうか、ルルーシュの・・・ではある程度の事情は大体聞いているんだろうな」
古泉「はい、あなたが枢木スザクだという事も知っています。だからこうしてここに
ランスロットを持ってきたんです。ルルーシュさんは今回の事件を事前に察知し
あなたやナナリー首相を守る為密かに動いていたんです」
ゼロ「では彼もここに来ているのか?」
古泉「えぇ。あなたはこれからランスロットに乗って東京湾の部隊に合流してください
その間は僕がその仮面を被りゼロを演じます」
ゼロ「君がゼロを?しかし、私は・・・ゼロは今命を狙われている。危険だ」
古泉「そのようですね・・・正直あなたが外だけでなく中からも命を狙われるという事態は
想定していませんでした。しかし、だからといって計画を変更するわけにもいきません」
古泉「人目の多い所に出れば恐らく大丈夫でしょう。それに、仮に襲撃を受けたとしても
こちらにも一応護衛をしてくれる者が数名いますからたぶん大丈夫です」
ゼロ「護衛?」
古泉「えぇ、僕の所属している機関という組織の戦闘部隊です。プロの方々には劣るでしょうが
それでもいないよりはだいぶマシでしょう」
ゼロ「機関?」
古泉「詳しい事はまた機会がありましたらその時に説明します。それより急ぎましょう
ルルーシュさんの計算では、あなたとランスロットが加わらないとあちらの戦いは
かなり厳しいものになるとの事でしたので」
ゼロ「分かった」
スザクはゼロの仮面、衣装を脱ぎ古泉が用意していたパイロットスーツに着替え
古泉はスザクが脱いだ仮面、衣装を身に着けた
スザク「ふーっ・・・・・・・・久しぶりだな、外で顔を出したのは・・・」
古泉「これまで一度も外さなかったのですか?」
スザク「外ではね。屋内でも寝る時や入浴する時くらいしか仮面は外さなかった」
古泉「それは大変でしたね」
口調なんかは出来るだけ前のゼロ、ルルーシュに似せないといけないからね」
古泉「なるほど」
スザク「それにしても、また枢木スザクとしてランスロットに乗る日が来るなんて・・・」
古泉「このランスロットはあなたが最後に乗っていたアルビオンよりも数世代進んだ機体です
簡単な教本は中に入っていますが、操縦できそうでしょうか?」
スザク「あぁ、何とかやってみるよ」
古泉「頼もしいですね。元ラウンズの方に先ほどの質問は愚問でしたか」
スザク「そういえば、まだ君の名前を聞いていなかったね」
古泉「古泉一樹です。よろしくお願いします」
スザク「古泉くんか、僕が戻るまでゼロのフリよろしく頼むよ」
古泉「はい」
スザク「じゃあいってくる!」
スザクはランスロットに乗り込み、東京湾へ向け飛び立った
キョン「ハァ、ハァ、ハァ」
みくる「ふぇ~~、もう走れない~」
ハルヒ「みんなよく頑張ったわね!ここまでくればもう大丈夫よ!」
キョン「何処が大丈夫なんだ?会場から殆ど離れてないじゃないか!」
ハルヒ「灯台下暗しよ灯台下暗し!さっきの連中やテロリストも、まさかこんな所に
ナナリーがいるだなんて思わないでしょ!」
ナナリー「あ、あのぉ・・・・助けてくださってありがとうございます」
ハルヒ「いいのよお礼なんて、当然の事をしたまでだから!」
ナナリー「本当にありがとうございます!ところで、みなさんの御名前をお聞きしたいんですが」
ハルヒ「そういえば自己紹介がまだだったわね!私は涼宮ハルヒよ、よろしくね!」
キョン「俺は」
ハルヒ「こいつはキョンよ!」
キョン「何でお前が俺の紹介をするんだ!しかも本名の前にあだ名を教えてどうする!」
ハルヒ「いいじゃない別に、キョンの方が呼びやすいんだし!」
キョン「いや、そういう問題じゃないだろ・・・」
全員SOS団のメンバーで、私が団長よ!」
ナナリー「先ほども言っていましたけど、そのエスオーエスダンというのは
一体なんなんでしょうか?」
キョン「(当然の疑問だな)」
ハルヒ「世界を大いに盛り上げる為の涼宮ハルヒの団!略して、SOS団よ!!」
ナナリー「・・・・・は、はぁ」
キョン「(鳩が豆鉄砲食らったような顔をしている・・・誰でもそりゃそうなるわな)」
ナナリー「あの、ところでみなさんは何故私を助けてくれたんですか?
誰かに頼まれたのでしょうか?」
ハルヒ「違うわよ!SOS団が独自に考えて行動したの!もしテロが起きた場合
他にブリタニアの関係者が一人もないあなたが一番危ないだろうと思ってね!
だから一目散に保護したのよ!」
ナナリー「そうだったんですか・・・あの、本当にありがとうございます!」
ハルヒ「だからいいのよお礼なんて、SOS団は正義味方なんだから
困った人を助けるのは当然の事なの!」
ナナリー「あの、ところで他の方は?先ほどの会話を聞く限りだと
他にも何人か団員の方がいらっしゃるようですけど」
ハルヒ「そうだわ、完全に忘れてた!有希達大丈夫かしら・・・」
ナナリー「ルルーシュ・・・・」
キョン「あっ・・・・ルルーシュって言っても、あなたの御兄さんの事じゃありませんよ!
全くの別人です、別人」
ハルヒ「いちいちそんな事言わなくたって、ナナリーだって分かってるわよ!ねぇ?」
ナナリー「え?あっ、はい・・・」
みくる「あのぉ、それでいつまでここにいるんですか?」
ハルヒ「う~ん、そうねぇ・・・まだ外はかなり騒がしいし、暫くはここにいた方がいいわね」
みくる「で、でもいつテロリストが攻撃してくるか分からないですよ?」
ハルヒ「そういえば最初の爆発音から随分経つのに全然来ないわねテロリスト
日本の警察と自衛隊って結構優秀なのね」
キョン「(長門達が食い止めてくれてるお陰だな。それがなけりゃ今頃ここは火の海だったかもしれん・・・)」
ハルヒ「ま、ここにいれば取り敢えずは安全よ。テロリストが来たら別のところに移動すればいいわ
疲れたでしょナナリー?またいつ動く事になるか分からないから、今の内に休んでなさい」
ナナリー「ありがとうございます」
キョン「(そういえば古泉は無事枢木スザクにランスロットを渡せたのだろうか・・・)」
ピーッ ピーッ
スザク『僕だ』
ルルーシュ『久しぶりだな、スザク』
スザク『ルルーシュ・・・・古泉という人から聞いたよ、わざわざすまない』
ルルーシュ『構わん、それより後どのくらいでつきそうだ?』
スザク『もう目の前まで来てるよ、すぐに参戦できる』
ルルーシュ『そうか。会場とその周辺の避難誘導は無事終わった
万が一連中が会場へ攻撃してきても、死傷者はでないだろう』
スザク『そうか、それは良かった』
ルルーシュ『だが、あそこは・・・アッシュフォード学園は俺達の思い出の詰まった場所だ
出来る事なら戦場にはしたくない、そこで食い止めてくれ』
スザク『分かった!』
ルルーシュ『・・・・フッ、またお前とこうやって話せる時が来るとはな』
スザク『僕も意外だよ、でも・・・・話せて良かった』
ルルーシュ『俺もだ。ではこれから詳しい事を説明する』
ジノ「そこ、密集しすぎだぞ?食らえ、四連動式ハドロン重砲!!」
ドカーン ドッカーン ドカーン
カレン「あんたはまたエナジーの無駄づかいを!」
ジノ「大丈夫だって、もうあっちの戦力も数える程だし。連中が全滅するのは時間の問題さ
アーニャ達の援護のお陰だな」
ジェレミア「落ちろ!!」
ドカーン
アーニャ「・・・遅い」
ドカーン
長門「・・・・」
ドカーン ドカーン
ジェレミア、アーニャ、長門の三人が次々と敵ナイトメアを落としていき
ジノの言うとおり敵の自爆部隊は残り数機程度にまで減っていた
ジノ「今更驚くような事でもないだろ?元ラウンズにあのオレンジだぞ?」
カレン「その二人じゃないわよ、あの金色の機体!」
ジノ「あぁ・・・確かにさっきから良い動きしてるよな、撃墜数もたぶん一番多いだろ」
カレン「誰が乗ってるのかしら・・・」
C.C「気になるか?」
カレン「うわっ!急に何よC.C!勝手にこっちの通信に割り込んでこないでちょうだい!」
C.C「ん?あぁ、彼氏との会話中だったか。それはすまなかったな、謝るよ」
カレン「だ、誰が彼氏よ誰が!!!」
C.C「フフ、変わらんな。からかい甲斐のある奴だ」
カレン「ていうかあんたどこにいるのよ!?さっきまで一緒に戦ってたのに!!」
C.C「私の技量では連中の突進を回避しつつ攻撃などという器用な真似は出来ないようなのでな
危ないから今は下のコンテナの陰に身を隠しているところだ」
カレン「・・・アンタ、いったい何しに来たのよ」
C.C「だが私の変わりにあの金色のが大活躍してるんだ、何の問題もないだろ?」
カレン「で、あのナイトメアのパイロットは誰なの?私達の知っている人?」
カレン「ながとゆき?って、日本人なの!?」
C.C「いや、宇宙人だそうだ」
カレン「それ、からかってるつもりかしら?」
C.C「からかってるつもりなどないぞ?私は本当の事を」
ジェレミア「おい、無駄話は戦いが終わってからにしろ!!」
C.C「・・・・だそうだ、気をつけてな」
ピッ
カレン「あっ、ちょっと待ちなさいよC.C!!」
ジノ「ハハ、面白い人だなカレン!宇宙人はいくらなんでもないだろ」
カレン「あいつ、どうせまたからかってるんだわ!!」
そんな無駄話をしている最中もジノとカレンは敵の攻撃を交わし
遠距離攻撃で敵ナイトメアを撃墜していった
ジノ「よーっし、最後の一機!!!」
別方向から攻撃が飛んできてその一機に命中した
ドカーン
ジノ「うわっ・・・・なんだよ誰だ?最後は俺が決めようとしたのにって・・・あれ?あれは・・・」
カレン「ラ、ランスロット!?」
藤堂「何故あの機体がここに・・・・まさかパイロットは・・・」
スザク「これはどういう事だ?何でモルドレッドやジークフリードの他に紅蓮やトリスタンまで・・・
ルルーシュ、ルルーシュ、応答してくれ!」
ピーッ
ルルーシュ『どうした?』
スザク『それが、ちょっと聞いていたような状況と違うんだけど・・・』
ルルーシュ『なに?敵の数が予想よりも多かったか?』
スザク『いや、そうじゃないんだ。敵はもう全滅してる』
ルルーシュ『何を言っているんだ、あいつらと自衛隊の戦力だけでそんな事ができるはずがないだろ』
スザク『それが紅蓮にトリスタン、それとたぶん藤堂さんらしき人が乗ってるとみられるナイトメアが
あるんだけど・・・』
スザク『古泉という人からは、戦力的には僕が加わってようやくなんとかなるレベルだと
聞いていたけど・・・この様子だと必要なかったかもしれない』
ルルーシュ『・・・・・なるほど、恐らくカレン達も今回の件に関して独自に動いていたのだろう
だからこそ警護の面で手薄なナイトメアの部分を補うために自ら出撃しているという事か
これは嬉しい誤算だ、戦力は俺が当時見積もっていた2倍にも3倍にも膨れ上がっているというわけか』
スザク『で、僕はこれからどうすればいい?』
ルルーシュ『そこから南に行ったところの上空に敵の航空母艦が浮いてる
恐らく新ゼロもその中だろう、詳しい位置情報を送るから行って撃墜してこい』
スザク『分かった!』
ルルーシュ『ジェレミアと長門有希にも同様の支持を出しておく、協力して叩いてくれ
長門有希が乗っているのは金色の機体だ』
スザク『例の宇宙人か・・・』
ルルーシュ『あぁ、話しかけてもまともな答えは帰ってこないぞ』
スザク『まず僕等の言葉を理解できるのかい?宇宙人なんだろう?』
ルルーシュ『理解はしているんだろうがリアクションが殆どない
まぁ、挨拶だけしておけばいいだろう』
スザク『はは、分かったよ』
カレン「(まさかスザクが・・・?)」
ピーッ ピーッ
ルルーシュ『俺だ、聞こえるか!』
ジェレミア『陛下!えぇ、聞こえます』
アーニャ『聞こえてる』
長門『・・・聞こえる』
C.C『聞こえるぞ』
--------アッシュフォード学園(クラブハウス)
みくる「き、聞こえてますぅ~!」
キョン「!!?」
ハルヒ「ん?みくるちゃんどうしたの?何が聞こえるの?」
みくる「へ?い、いや・・・そのぉ」
キョン「み、耳鳴りですか朝比奈さん?」
ハルヒ「耳鳴り?さっきの爆発音が原因かしら?大丈夫?」
みくる「だ、だ、だ、大丈夫ですぅ!」
キョン「(ふぅ・・・朝比奈さん、お願いですから向こうの問いかけには答えないでください・・・)」
みくる「(キョンくんありがとう)」
----------東京湾
ルルーシュ『お前達はスザクと共にテロリストの母艦を沈めて来い
可能ならば新ゼロの身柄を確保しろ!』
ジェレミア『イエス・ユア・マジェスティ!』
アーニャ『了解・・・・スザクとの共闘、久しぶり』
長門『分かった』
ランスロットがその場から離れ、ジークフリードやモルドレッドもその後を追った
カレン「ちょ、ちょっとあいつら何処に行くのよ!?」
ジノ「急に来たと思ったら急にいなくなったな・・・」
ジノ「な、何で!?」
カレン「何でって、あいつらが誰の指示で動いているかとか気にならないの?」
ジノ「そりゃ気にはなるけどさ、残念ながらトリスタンはもうエナジーが・・・」
カレン「だから言ったのよ、あんな技使うから・・・・いいわ、一人で行くから!
下で待ってなさい!」
カレンもスザク達の後を追ってその場を去った
ルルーシュ『フ・・・・フハハハハ、フハハハハハ!!』
C.C『何だ急に笑い出して、気持ちの悪い男だな』
ルルーシュ『これを笑わずにいられるか、まさかこうもあっさり新ゼロを追い詰めれるとはな
どうやら俺は彼を過大に評価しすぎていたようだ。所詮ギアスが無ければただの凡庸な人間だったか
ジェレミアのギアスキャンセラーがこちらにある時点で勝負は決していたようだな』
C.C『カレン達が動いていた事がかなりプラスに働いたな』
ルルーシュ『あぁ、新ゼロが用意していた自爆部隊をこの早さで殲滅できたのは
カレン達が参戦していてくれたお陰だ。予定ではもう少し時間がかかると思っていたからな
実に運がいい、どうやら神は俺達の味方のようだ』
ルルーシュ『この際あいつが神でもいいさ、こちらに有利に事が運ぶのならな
ところでC.C、お前の機体の信号だけさっきから一ミリも動いてないのだが・・・
俺はスザクと一緒に母艦を落とせと命じたはずだぞ?』
C.C『私がいなくても問題はないだろう、元ラウンズが二人に、オレンジ
それに宇宙人の四人組だぞ?』
ルルーシュ『・・・・ん、まぁ別にそれでもいいが』
C.C『では私は暫く休んでいる、後は頼んだぞ』
ピッ
ルルーシュ「全く・・・・まぁいい、直に戦いは終わる。キョンのギアスも必要なかったな
新ゼロ、お前はゼロを名乗るにはあまりにも無能だ。お前にその仮面は相応しくない!
俺が今から剥ぎ取ってくれる!」
-----------テロリスト側
オペレーター「敵とみられるナイトメアが5機、ハートネットに向かっています
も、物凄い速さです」
カノン「どうやって場所をつきとめたんだ・・・・」
新ゼロ「誰が指揮をしているのか知らんが大したものだ、このままでは我々の完敗だな」
まさかこれ程に有能なパイロットとナイトメアを用意していたとはな・・・」
カノン「いかがなさいますか?」
新ゼロ「予定通りでいいだろう、その五機がハートネットの半径500m内に入ったと同時に
艦を放棄、フレイヤを使って自爆する」
カノン「フフ、容赦ないですね。それで我々はどうします?」
新ゼロ「もう少しここで待機だ。私の読み筋が正しければ、直にあの男がやってくるだろうからな」
-------
---
--
------合衆国ブリタニアナイトメア空輸機
シュナイゼル「ゼロ、御無事でしたか!!ん?そちらの女性は?」
旧ゼロ「私をここまで護衛してくれた森という人だ。それより、超合衆国の艦は今何処を飛んでる?」
シュナイゼル「シェバトは今府中市上空にあります」
旧ゼロ「なるほど、テロの巻き添えを恐れて自分たちは早々に安全圏へと避難か・・・」
シュナイゼル「我々も向かいますか?」
恐らくそいつはもう既にゼロは死んだと思い込んでいる事だろうから
行って驚かせてやろう」
シュナイゼル「ゼロ様の御命を?なんという・・・。しかし、ナナリー様はいかがなさいますか?
未だ連絡すらつかない状況ですが?」
旧ゼロ「ナナリーの事は心配ない、既に安全を確認済みだ
我々はこれからシェバトに向かう」
シュナイゼル「了解しました!」
旧ゼロ「(枢木さんの為にも、こちらの問題は解決しておいてあげましょう)」
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---
-
------アッシュフォード学園
ハルヒ「だいぶ静かになってきたわね!」
みくる「結局テロリストは来ませんでしたね」
ハルヒ「張り合いのない連中ね、私のオーラを感じ取って逃げたのかしら?」
キョン「あぁそれはありえるな、全身から湧き出る奇人変人オーラ
人間版虫コナーズみたいなもんだなお前は」
ナナリー「フフフ、みなさんは仲が良いんですね!」
キョン「これが仲良しに見えますか?」
ナナリー「えぇ、とっても」
ハルヒ「ナナリーにもいるんでしょ、仲の良いお友達!」
ナナリー「・・・・そうですね、はい」
ハルヒ「それってさ、ひょっとしてこの人達の事じゃない?」
ハルヒはポケットから昨日ルルーシュの部屋で見た写真を取り出した
ナナリー「これは・・・・何故涼宮さんがこれを?」
ハルヒ「お天気お姉さんのミレイ・アッシュフォードに貰ったのよ!」
ナナリー「そうですか、ミレイさんに・・・」
ハルヒ「これがお兄さんのルルーシュよね!こうやって見るとなかなか良い男ねぇ・・・
学生時代はかなりもててたでしょ?」
ナナリー「はい!お兄様は学園の女性の憧れの的でした!」
ハルヒ「ねぇ、もし良かったらルルーシュの事いろいろ教えてくれないかしら!?」
ハルヒ「ナナリーはお兄さんの事が大好きなのね!」
ナナリー「はい、今でも大好きです!」
キョン「(あいつが聞いたら卒倒するだろうな・・・今の台詞は)」
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-
------超合衆国航空母艦シェバト
シュナイゼル「ゼロ様、やはり御一人では危険です。私を同席させてください」
旧ゼロ「心配ない、中には他の国の関係者も大勢いる。それに私の暗殺を企てていたのは
恐らく一部の人間だけだ。この場でどうこうしようという事はまずないだろう」
シュナイゼル「分かりました。では私はここで待機しています
万が一何かありましたらお呼びください」
旧ゼロ「あぁ。森、お前もここで待機していろ」
森「分かりましたゼロ様」
旧ゼロ「では行ってくる」
艦内ブリッジに入った旧ゼロ(古泉)は即座に異変に気付いた
旧ゼロ「誰もいない?」
すると後方からある人物が声をかける
?「やはり来ましたねゼロ、彼の言うとおりでした」
旧ゼロ「誰だお前は?他の者達はどうした?何故君一人しかいない?」
?「いいえ、私一人ではないわ」
その者の後ろから黒い仮面に黒いマント
古泉と全く同じ姿をした人物が姿を現した
旧ゼロ「なっ・・・・・・・・お前はまさか!?」
新ゼロ「始めまして、ゼロ!」
旧ゼロ「そんな馬鹿な・・・・何故お前がここに・・・お前は東京湾にいるはず」
新ゼロ「やはりあちらの指揮官はお前だったか。ゼロ、いや・・・・偽ゼロ」
ルルーシュ『ん?どうした古泉?何かトラブルか?』
旧ゼロ「・・・・・・」
ルルーシュ『おい、応答しろ古泉!!何があった!!』
C.C『SOSのサインかもしれんぞ!言葉を発せない状況にあるのかもしれん』
新ゼロ「やはりあちらの指揮官はお前だったか。ゼロ、いや・・・・偽ゼロ!!」
ルルーシュ『この声・・・・・まさか!!?』
カノン「枢木スザク、あなたの正体は分かっている。早くその仮面を外しなさい
この世にゼロは二人もいらない。本物のゼロは彼だ」
新ゼロ「いいや、俺が言った偽ゼロとはそういう意味ではない
今ゼロの仮面を被っているのは枢木スザクではなく別の人間だ」
カノン「別の人間?」
新ゼロ「考えても見ろ、枢木スザクにここまで策を巡らす事は不可能だ
恐らく途中で入れ替わったのだろう、枢木本人は今頃ランスロットに乗って東京湾の上だ」
旧ゼロ「なるほど、全てお見通しというわけか・・・」
古泉は仮面を外した
カノン「子供!?」
新ゼロ「高校生か大学生くらいか?若いのに大したものだな
君は実に優秀だったよ。だが、優秀だからこそ読み易い
まずは名前でも聞いておこうか」
ルルーシュ『何故だ・・・・何故奴がそんな所にいる!!』
古泉「古泉一樹と申します、お察しの通り高校生です
しかし参りましたね、まさかあなたがここで待ち構えているとは・・・」
新ゼロ「当初の予定ではずっとハートネットで作戦の指揮をとる予定だったのだが
直前にギアスが発動しないというイレギュラーが発生したのでな
相手側にギアスを無力化することの出来る者がいて、尚且つ私がギアス能力者だという事を知っている
これはかなりの脅威だった、だからこそリスクを恐れず動いたのだ。ハートネットを棄ててな」
古泉「ギアスキャンセラーの事までご存知でしたか」
新ゼロ「ギアスキャンセラーというのか?半信半疑ではあったがな
しかし時間になっても発動するはずのギアスが発動しないのであれば、そういった可能性を疑うしかない
この情報が無ければハートネットからここへ移動する事もなかっただろう
今頃お前の仕向けたナイトメア部隊に蜂の巣にされてたかもしれんな」
かけたはずのギアスが発動しないという、たったそれだけの情報で!!』
C.C『見事に出し抜かれたわけか・・・なかなかやるな』
新ゼロ「ここにいれば必ず君が現れると思っていたよ。まさかここまで思い通りに行くとはな
ギアスを使い人払いをしてまで待っていた甲斐があったというものだ」
古泉「となると、今ハートネットの中にいるのは」
新ゼロ「あぁ、ギアスの奴隷と化した者達だけだ。お前がよこしたナイトメア部隊が
半径500m以内に入ったらフレイヤを使って自爆する手はずになっている」
古泉「なっ・・・・」
ルルーシュ『何だと!!?』
新ゼロ「残念だったな古泉一樹、お前の負けだ」
古泉「どうやらそのようですね・・・しかし、あなたは一つだけ間違っています」
新ゼロ「なに?」
古泉「あなたがこれまで戦っていたこちら側の指揮官は僕ではなく
別の人間です」
古泉「はい」
新ゼロ「フン、そのようなハッタリは今更何の意味もなさない!
古泉一樹、お前にはここで死んでもらう」カチャッ
新ゼロが古泉に銃を向ける
古泉「嘘ではないんですがね・・・まぁいいでしょう、直に分かります」
新ゼロ「まだ言うか!!ここでお前を殺し、ハートネットを爆破させた後に
式典会場にフレイヤを打ち込む、これで今回の作戦は完遂される
超合衆国の要人は既に俺の奴隷、残すは弱体化した黒の騎士団のみ!
フハハハハハハハ、見えてきたぞ!本当の優しい世界が!」
古泉「フレイヤを打ち込む?待ってください、ハートネットを爆破したらフレイヤを
打ち込むのは不可能では?」
新ゼロ「ところが不可能ではない。何故ならこの艦にも積んであるからな、フレイヤは」
古泉「どういう事です?」
新ゼロ「超合衆国の連中は我が身守る為なら何だって作り、何だって持ち込むという事だ
よほど小心者なのだろうな、4つも5つも積んであったぞ
だから私がありがたく有効活用させていただく」
ルルーシュ『フレイヤで東京を・・・・まずい、このままではナナリーや涼宮達が!!』
みくる「キョ、キョンく~ん」
ナナリー「それでお兄様は私の為にサンタクロースの格好をしてくれて」
ハルヒ「ふーん、話を聞けば聞くほど良いお兄さんね!」
キョン「お、おいハルヒ!!」
ハルヒ「ん?何?」
キョン「今すぐここを離れるぞ!!」
ハルヒ「はぁ?何で?」
キョン「理由を説明してる暇はない、とにかく少しでも遠くへ逃げないと!!」
みくる「そ、そうです!早く逃げましょう!」
ハルヒ「みくるちゃんまで急にどうしたの?外よりここの方がどう考えたって安全じゃない!」
キョン「ここにミサイルが飛んでくるんだ!!だから早いとこ逃げないとみんな死んじまう!」
ハルヒ「あんたの妄想に付き合ってる暇は無いの!私はナナリーの話を聞かないといけないんだから!」
キョン「くっ・・・・(どうやってこいつを動かせばいいんだ・・・)」
みくる「キョンくんこのままじゃ!!」
聞こえてるのか!!おいキョン、応答しろ!!』
C.C『落ち着け!あいつの近くには涼宮ハルヒやナナリーがいるんだ
こちらの問いかけには応答できないだろ!心配しなくても音声は届いてる』
ルルーシュ『そ、そうだな・・・』
C.C『それよりもハートネットに向かった枢木達に指示を出すべきだ!
このままだと全滅するぞ?』
ルルーシュ『スザク、さっきの通信は聞いたな!?今すぐ引き返せ!
おいスザク!!ジェレミア、アーニャ、応答しろ!!』
C.C『何故応答がない?』
ルルーシュ『分からん・・・クソ、どうなってるんだ!!』
古泉『ジャミング?』
新ゼロ『あぁ、ハートネットから放出されている。半径3kmに入った時点で
通信機器の類は全て誤作動を起こす。今更攻撃に向かった連中を
戻そうとした所で無駄と言うわけだ。まぁ、お前がここにいる時点で
そのような指示すら出せる状況ではないだろうが』
ルルーシュ『ジャミングだと!?おのれ新ゼロ!!』
C.C『チェックメイト・・・・・・・のようだな』
スザク『ようやく見えてきた。あれが敵の母艦か・・・あそこに新ゼロが』
ジェレミア『枢木スザク、君が先攻するのか?』
スザク『そうさせていただくと嬉しいのですが・・・』
ジェレミア『フッ、まぁいいだろう。我々は援護に回る。アーニャもそれでいいな?』
アーニャ『別にいいけど・・・・紅蓮はどうするの?』
ジェレミア『紅蓮?・・・・・な、何故あの機体まで着いてきたんだ!?』
アーニャ『ずっと後ろにいたしずっと通信入れてるよ。全部拒否してるけど』
カレン『なーーんでこっちの通信拒否してんのよあいつらぁぁぁ!!!』イライラ
ジェレミア『仕方ない、今更戻れと言っても聞かないだろうしな
それに彼女は戦力になる、このままこちらの戦いに参加してもらおう』
スザク『了解しました。では、行きます!!』
新ゼロ『終わりだ』ピッ
巨大なピンク色のエネルギー球体が発生し、スザク達を飲み込もうとしていた
ズズズズズズズッ・・・
スザク「そんな・・・・これは!?」
ジェレミア「まさかフレイヤか!!?全機撤退、速やかに離脱しろ!!」
アーニャ「・・・・今更動いても無理。間に合わない」
カレン「ちょ、ちょっと何よこれ・・・・何でフレイヤが」
スザク「みんな逃げろー!!!」
ピーッ
ピーーッ
C.C『・・・・・シグナルロストだ』
ルルーシュ『スザク・・・・カレン、長門、アーニャ・・・ジェレミア・・・・クソッ、俺のせいだ!!』バンッl
C.C『落ち着け、まだあいつのギアスがある!』
ルルーシュ『キョン、今すぐギアスを使え!何処まででもいい、時間を戻せ!!!』
新ゼロ「フハハハハハハハハ!!!さて、次は東京租界だ」ピッ
シェバトからフレイヤが発射され東京租界へ猛スピードで飛んでいく
ルルーシュ『おいキョン早くしろ!!!ギアスを使え!!』
------
---
-
キョン「ハルヒ、俺のいう事を聞け!!すぐにここを離れるんだ!!」
ハルヒ「しつこいわねぇ!!外よりここの方が安全だって言ってるでしょ!!」
みくる「キョンく~~ん!」
キョン「(クソ・・・・こうなったら仕方ない!!)お、俺は・・・俺はジョン・スミスだ!!!」
ハルヒ「!!?」
ルルーシュ『キョン、今すぐギアスを使え!何処でもいい!時間を戻せ!』
キョン「(ルルーシュ!?逃げるだけの時間はなかったか!)」
まさか本当に・・・・・」
ルルーシュ『おいキョン早くしろ!ギアスを使え!!』
キョン「あぁ分かってるよ!」キュイーーーン
キョンの左目に赤い鳥のような紋章が浮かび上がった
-------
---
-
-------ホテル(ルルーシュの部屋)
ルルーシュ「(・・・・・・・ここはホテルか?)」
古泉「ただ運ぶ程度でしたらなんとか。ただ、道中テロリストのナイトメアに
攻撃されないか、そこが大いに不安なのですが」
ルルーシュ「(この状況・・・・そうか、当日の朝。作戦の最終確認をしている時か
悪くない時間帯だ。キョン、よくやってくれたな)」
古泉「あの、ルルーシュさん?そこが大いに不安なのですが?」
ルルーシュ「(分かっている)・・・悪いが、作戦内容を一部変更する!」
古泉「ここへ来てですか?御言葉ですが、直前で作戦を変えるというのは・・・」
ルルーシュ「お前ならこの一言だけで読み取ってくれるだろうと思っていたのだがな」
古泉「どういう意味です?・・・・・・・・・まさか!」
ルルーシュ「そうだ、作戦は一度失敗した。スザクやジャレミア、長門有希とアーニャが戦死し
お前は新ゼロに捕まってしまった」
古泉「ギアスを使ったんですね?」
ルルーシュ「あぁ。認めるしかないだろう、完敗だ。奴を甘く見ていた・・・
まさかフレイヤを使ってくるとは・・・」
古泉「フレイヤ!?」
ルルーシュ「だが一度経験した敗戦を糧にできるのがこちらの大きな利点だ
奴がどのように動くのかはもう十分理解できた。その上で作戦を立て直す!」
キョン「立て直すって言っても、フレイヤなんてどうやって防げばいいんだ?」
ルルーシュ「奴が戦場の中にいる以上やり方はいくらでもある
今度こそその仮面を剥がしてやるぞ、新ゼロ!!」
ジノ「本当にここで合ってるのか?」
カレン「コーネリアがそうだって言うんだからそうなんじゃないの?」
ジノ「でもこれで連中が攻めてくる場所が全然違ったら大変だぞ?
俺達だけじゃなく自衛隊の軍も殆どがここに集まってるんだから」
藤堂「東京湾から攻めてくると断言した以上、確かな情報による裏づけがあるのだろう
ここはコーネリアを信用するしかあるまい」
カレン「今何時?」
ジノ「11時、式典開始まで後2時間だ」
ガーッ ガーッ
ジノ「ん?何だ?ノイズが」
ガーッ ガーッ
ルルーシュ『聞こえるか?藤堂鏡士郎』
藤堂「誰だ!?」
最初は普通のナイトメアが、次に爆弾を積んだ
大量の自爆部隊が攻め込んでくる』
カレン「な、何よこいつ急に!」
藤堂「おい、こちらの質問に答えろ!!」
ルルーシュ『お前達なら自爆部隊にも対処できるだろうが
自衛隊の連中にそれは無理だ、多くの死傷者が出る
だから早急に彼らを別の場所へ移させる必要がある』
藤堂「何を勝手な事を言っている!だいたいその自爆部隊とやらは何処から出てきた情報だ?
お前が何者であるか分からない以上、話を聞く事は出来ない!」
カレン「そうよ!あんた誰なのよ、まず名前を」
ルルーシュ『誰でもいい!!勝ちたいのなら、私の話を聞け!!』
カレン「!!?(この感じ・・・・新宿の時と同じだ・・・・もしかしてこいつ・・・)」
ルルーシュ『自衛隊の連中はそこにいても死ぬだけだ
ならば別の場所で有効活用した方がいいだろう
私に預けてもらえないだろうか?』
自衛隊がいなくなったら我々は三機だけになってしまう・・・それでは敵を押さえきれない」
ジノ「まぁ俺は三機でも余裕だけど」
ルルーシュ『問題ない、こちらから援軍を出す。既にそちらに向かわせた
そろそろ到着する頃だと思うが』
藤堂「援軍だと?」
カレン「藤堂さん、あれ!!」
カレンと藤堂の視線の先にはジークフリードとモルドレッド
ヴィンセントと金色に輝く謎の機体が浮遊していた
カレン「あの機体って・・・」
ジノ「モルドレッド・・・・・アーニャか!!!」
藤堂「あっちのはジェレミアが乗っていた機体だな・・・何故ここに?」
ルルーシュ『その四機がこちらから出した援軍だ。元ラウンズのアーニャ・アールストレイムに
オレンジ疑惑のジェレミア・ゴットバルト。これだけ戦力があれば問題ないだろう?
そちらの四機は藤堂、君が指揮してもらって構わない。だから私に自衛隊を
預けてもらえないだろうか?』
ルルーシュ『何度も言うが、自衛隊はそこにいても死ぬだけだ
指揮官であるならば、まず部下の命を最優先に考えるべきだ
私に預けてもらえれば、彼らの身の安全は保障する』
藤堂「(こんな何者かも分からない奴のいう事を鵜呑みにしていいのだろうか・・・
しかし、何だこの妙に懐かしい感覚は?私はこの者と過去に話した事があるのか?)」
ルルーシュ『自衛隊のナイトメア部隊など最近組織されたばかりの
いわば素人部隊だ。実戦でどうこうなるレベルではない
お前も分かっているはずだぞ藤堂?』
藤堂「(そうだ、似てるんだあの男に!)・・・・・・いいだろう、お前に預ける」
ルルーシュ『賢明な判断だ、それではあちらの司令官に話を通してくれ』
藤堂「分かった。少し待っていろ」
ジノ「本当にいいのかよ?敵の罠かもしれないぞ?」
藤堂「いや、それはないだろう。私は彼を信じることにする」
ジノ「アーニャ、おいアーニャ!!久しぶりだな、今まで何処で何してたんだ?」
アーニャ「・・・・愛媛でみかん作ったり、神戸でボーッとしてたりいろいろ」
ジノ「みかん作り!?ていうかお前今神戸に住んでるのか?」
アーニャ「・・・ちょっと喋りすぎた」
C.C「みかん作りだけで止めておくべきだったな」
カレン「そ、その声・・・・まさかC.C!?」
C.C「久しぶりだなカレン、乳は相変わらずデカイのか?」
カレン「な、何でアンタがこんな所に・・・ていうか今まで何処で何してたのよ!?」
C.C「何処で何をしてようが私の勝手だ」
カレン「(C.Cがいるって事は・・・もしかして本当に・・・でもあいつはあの時確かに死んだはずだし・・・)」
藤堂「自衛隊への説明は終わった、これから何処へ行けばいいか指示を待っているぞ」
ルルーシュ『感謝する。彼らへの指示は直に出すとしよう
そちらはお前たちに任せる、頼んだぞ』
ピッ
ジノ「本当に誰なんだ今の奴は?」
新ゼロ「現場の状況は?」
カノン「以前変化はないようです」
新ゼロ「妙だな・・・・12時30分を過ぎたと同時に殺し合いが始まるはずなのだが・・・
カノン、今何時だ?」
カノン「12時45分です」
新ゼロ「・・・・・・15分以上経っても動かないか。しかしこれはどういう事だ?
俺は間違いなくギアスをかけた、なのに何故動かん?」
カノン「何者かが解除したという可能性は?」
新ゼロ「解除?・・・・・・・・なるほど、ギアスを解除する事のできる能力か
確かにそんなものがあったとしても何ら不思議ではないな」
カノン「しかしその場合・・・」
新ゼロ「あぁ、敵側は俺がギアス能力者であるという事を認知しているようだ
この間の軍事基地襲撃の件からバレた可能性が高いな」
カノン「いかがなさいますか?」
新ゼロ「勿論作戦は継続する。この機を逃して次はないからな
事前にトラブルを作り出すことは失敗に終わったが・・・なーに、ならば次の策を講じるまでだ」
カノン「突撃部隊ですか?」
カノン「ナイトメアに爆弾を積み、敵軍に取り付かせて爆破
パイロットはギアスをかけられ操り人形と化したテロリスト。かなり非人道的ですね」
新ゼロ「気に入らないか?」
カノン「いえ、勝つ為に最善ではなく最良をつくす。私はあなたのそういう所に惹かれたのですから
そのような事は一切思いません」
新ゼロ「フン、しかし本当にいいのか?このまま俺の下で働くという事は
お前がかつて仕えたシュナイゼルも殺す事になるんだぞ?」
カノン「今の殿下はかつてのゼロであるルルーシュによってギアスをかけられた
ただの人形です。私は1秒でも早く殿下をそのような状態から開放してあげたい・・・」
新ゼロ「その為なら殺すも止む無しか?」
カノン「はい」
新ゼロ「フハハハ、まぁいいだろう。お前は優秀だからな、これからもよろしく頼む」
カノン「こちらこそ。・・・・・・・ところでゼロ」
新ゼロ「何だ?」
カノン「あなたは一体何者なんです?」
新ゼロ「フン、その内分かるだろう。それよりも我々も動く、準備しろ」
新ゼロ「そのつもりだったのだがな、嫌な予感がする
あちらの指揮官に私のギアスの事がバレている以上、ここからは常に最悪の事態を想定して動くべきだろう」
カノン「最悪の事態とは?」
新ゼロ「ハートネットと共に我々が落とされる事だな。だからこの艦を棄てる」
カノン「しかし、いくらなんでもこの艦の位置までは分からないのでは?」
新ゼロ「どうだかな、あちらも十分非常識な連中の集まりだ。ギアスを無力化するような
奴がいるくらいだぞ?何をされても不思議ではない。もしハートネットまで飛んでくるようなら
フレイヤで丸ごと吹き飛ばし、来なかった場合はハートネットからフレイヤを東京へ放てばいい
いずれに転んでも私達の身は安全だ」
カノン「それで、我々はどちらに?」
新ゼロ「今後のゼロの動きを考えると、そうだな・・・・ジェバト辺りがいいだろう」
カノン「シェバト?超合衆国の母艦ですよね?」
新ゼロ「あぁ、連中は既に安全圏に避難しているようだしな。迂回して回り込めばいいだろう
中にさえ入ってしまえばギアスでどうにでも操れる」
カノン「分かりました。では移動の為の小型機を準備します」
新ゼロ「あぁ、頼む」
乗組員A「識別コードの無い小型機が着陸したらしい、見に行くぞ!」
乗組員B「面倒だな、どうせ日本の警察か自衛隊だろ?
燃料でも切れて慌てて着陸したんじゃないか?」
乗組員A「さぁ、どうだろうな。取り敢えず確認する必要がある、格納庫へ行こう」
------シェバト格納庫
乗組員A「ん?これって黒の騎士団とかが移動に使ってるやつじゃないか?」
乗組員B「本当だ、何でこんなもんが・・・・」
乗組員A「中にいる者、早急に外に出なさい!繰り返す、早急に」
ウィーーーーーン
乗組員A「なっ・・・・・・ゼ、ゼロ!!?」
乗組員B「何でゼロがこんな所に?」
新ゼロ「死ね!!」キュイーーーーン
乗組員A「・・・・・あぁ」
乗組員B「分かった」
バンッ バンッ
カノン「相変わらず手荒ですね。何も殺す必要はなかったのでは?」
新ゼロ「必要だからそうしたまでだ。俺が奴隷にするのは使えそうな駒だけだ
このような凡庸な連中にその価値はない」
カノン「では私は使える駒という解釈でよろしいのですか?」
新ゼロ「あぁ、お前に関してはギアスを使う必要はないがな」
カノン「それでこれからどうするんです?」
新ゼロ「このままブリッジへ向かう。道中邪魔する奴はギアスで仕留めればいい
そしてそこでゼロを待つ」
カノン「本当に来るでしょうか?ゼロは」
新ゼロ「奴は超合衆国の一部の人間に命を狙われている。その危機を脱したならば
恐らくここへ来て諸悪の根源を見つけ出そうとするだろう。きっと来るさ」
---
-
新ゼロ「死ね!!!」
バンッ バンッ
カノン「ようやく着きましたね。それにしても、いくらなんでも殺しすぎです」
新ゼロ「黙れ。短い命令でないとこちらが先に攻撃される恐れがあるんだ、仕方ないだろう
長々と命令している時間はない」
カノン「とは言っても、艦を操縦している方々まで殺してしまったら
我々は地上へダイブしてしまいます」
新ゼロ「流石にそいつらまでは殺さないさ。行くぞ」
ウィーーーーーン
--------シェバト(ブリッジ)
新ゼロ「ん?何だこれは?」
新ゼロ「自動操縦で飛んでいるのか?それにしても人っ子一人いないというのは・・・」
?「ようやくお出ましか、待っていたぞゼロ」
カノン「ゼ、ゼロ!!?」
新ゼロ「・・・・・・馬鹿な、何故お前がもうここにいる?」
旧ゼロ「おや?意外だったかな?その物言いだと、君の予定では
俺はもう少し遅く登場しなければならなかったようだな」
新ゼロ「・・・・・全て読まれていたという事か」
旧ゼロ「あぁ、お前がハートネットにフレイヤを積んでいる事も知っている
東京湾の部隊はあちらへは向かわせない」
カノン「何故その事まで・・・・あなたは一体何者なんです?」
新ゼロ「私も気になるな、君の正体は。枢木スザクではないのだろう?
裏で彼らを指揮し、私と戦っていたお前は何者だ、仮面を外して素顔を見せてもらえないか?」
旧ゼロ「フッ、いいだろう」カチャッ
カノン「・・・・・・子供?」
新ゼロ「高校生か大学生くらいか?若いのに大したものだな」
旧ゼロ「いや、まだ俺は仮面を被っている」
旧ゼロはフェイスマスクとカツラを外し素顔を晒した
カノン「あ、あなたは・・・・・ルルーシュ!!」
新ゼロ「なるほど、そういうわけか・・・・」
ルルーシュ「カノン・マルディーニ、シュナイゼルの元側近だったか。こうなるのであれば
あの時お前にもギアスをかけておくべきだったな」
カノン「何故あなたが生きているのです?あの時確かに死んだはずでは・・・」
ルルーシュ「その答えは、君ならもう分かっているのではないかゼロ?」
新ゼロ「・・・・・コードか」
ルルーシュ「そうだ。やはり知っていたようだな」
新ゼロ「C.Cのコードはお前が継承していたのか」
新ゼロ「あぁ、よく知っている。しかし、となるともうこちらは窮地だな
私のギアスもお前には効かないのであろう?」
ルルーシュ「当然だ。ゼロ、お前に聞きたい事は山ほどある
これからじっくり尋問してやる、覚悟しておけ」
新ゼロ「私を倒せば全ての問題が解決すると思っているのかルルーシュ?
超合衆国と黒の騎士団はかつての志を忘れ私利私欲ばかりを追い求めている
かつてのブリタニアと変わらない存在だ。君に彼らを粛清できるのか?」
ルルーシュ「粛清する必要は無い。組織自体を解体し、また最初から作り直す」
新ゼロ「超合衆国と黒の騎士団を解体するというのか?あれ程までに肥大化した
組織を解体するなど、容易く出来る事ではないぞ?」
ルルーシュ「お前がやろうとしていた事だって決して容易くはなかっただろう?
だがお前はそれをやろうとした、俺も同じだ。道のりは険しいだろうが
きっと実現させてみせる」
新ゼロ「・・・・・」
ルルーシュ「お前と俺は手段さえ違えど、やろうとしている事は同じだ
お前が目指した未来は俺が引き継ぎ、必ず実現させてやる
だから降伏しろ、もうお前に勝ち目はない。それともハートネットに積んであるフレイヤを
東京租界へ向けて発射するか?」
新ゼロ「・・・・・いや、止めておこう」
新ゼロ「私の負けだルルーシュ。先のことは全て君に任せよう」
ルルーシュ「フン、案外あっさりしているな」
新ゼロ「私は馬鹿ではない。こうなってはもうどうしようもない事くらい分かる
ここに来る途中シェバトの回りを日本の自衛隊が包囲するように飛んでいた
最初はシェバトの護衛の為だと思っていたが、あれは私を追い込む為に
お前が仕掛けたものだったのだろう?」
ルルーシュ「あぁ、お前が少しでも抵抗するようなら指示を出し、周囲から集中砲火して
この艦ごと落とそうと思っていた」
新ゼロ「なるほど、それでも君は不老不死だから死なず私とカノンだけがやられるというわけか」
ルルーシュ「まぁ不老不死とは言っても痛みは伴うからな、できればやりたくは無かった」
新ゼロ「C.Cは元気か?」
ルルーシュ「元気すぎて毎日迷惑しているところだ。ところで何故お前がC.Cの事を知っている?」
新ゼロ「その答えは、これを見てくれれば分かるだろう。
ルルーシュ、さっきの約束を忘れるなよ?必ず実現しろ、本当の優しい世界を」
新ゼロは仮面を取って素顔を晒した
ルルーシュ「お、お前は・・・・・・・・」
ハルヒ「結局来なかったわねぇテロリスト」
キョン「来ないに越したことはないだろ、みんな無事だったんだから良いじゃねーか」
ハルヒ「みんな無事って、会場で逸れた有希達と連絡とれたの?」
キョン「え?・・・・・あぁ、ついさっきメールが来てな」
ナナリー「他の方も無事だったんですか?良かったですね!」
ハルヒ「何で私じゃなくてキョンなのかしら!まずは団長に連絡するがの常識じゃない!
これは教育が必要ね!」
キョン「んで、これからどうするんだ?」
ハルヒ「そうねぇ、まずナナリーを然るべきところへ届けないといけないわよね!」
キョン「然るべきところって?」
ハルヒ「超合衆国は論外だから、やっぱりブリタニアの関係者かしらね」
ナナリー「あのぅ・・・何から何まで本当にありがとうございます」
ハルヒ「気にしなくていいのよ!それより、ブリタニアの人に連絡入れる
方法って何かないかしら?」
あっ、でも私のつけてるこのペンダントは中にGPSが入ってますから
その内誰かが迎えに来てくれると思います!」
ハルヒ「何だそうなの!それならここで待ってれば大丈夫ね!」
キョン「んな事言ってたら早速なんか来たぞ」
上空から小型の空輸機がハルヒ達の前に着陸した
ハルヒ「ナナリーを迎えにきたのかしら?」
キョン「どうだろうな、少なからず超合衆国の連中である可能性もあるぞ・・・」
ハルヒ「もしそうだったら今度こそ私が叩きのめしてやるわ!」
キョン「何処から出てくるんだその自信は・・・」
ウィーーーーン
ハルヒ「ゼ、ゼロ!!?」
ナナリー「ゼロ!!無事だったのですね!!!」
ゼロ「えぇ、御心配をおかけしましたナナリー首相」
ハルヒ「つ、遂にゼロに会える事ができたわ!!ねぇゼロ、いきなりだけど素顔見せて!!」
キョン「本当にいきなりだな・・・」
ゼロ「君は?」
ハルヒ「私は涼宮ハルヒ、SOS団の団長よ!!」
ナナリー「ゼロ、この方々がずっと私を守ってくださっていたんです!」
ゼロ「ほぅ、君達が。それはお礼を言わねばならないな」
ハルヒ「お礼なんていらないわ、その代わり素顔を見せて!」
ゼロ「フッ、面白い娘だな。素顔を見せるわけにはいかないが
出来る限りの礼は尽くさせてもらおう」
ハルヒ「キョン、礼ですって!私達あのゼロに感謝されてるわよ!!」
キョン「あぁ、そうだな」
ハルヒ「あぁそうだな、じゃないわよ!もっと感動したらどうなの!?」
キョン「(こいつ前は自分はゼロに心酔してないなんて言ってたが
この反応だと相当ゼロの事好きだな・・・)」
ゼロ「しかし今は取り敢えずナナリー首相をブリタニアへ届けなければ」
みくる「お別れですか、寂しいですねぇ」
ナナリー「涼宮さん、キョンさん、朝比奈さん、みなさんがいなかったら
今頃私はどうなっていたか分かりません、本当にありがとうございました」
キョン「礼なんていりませんよ」
ハルヒ「そっ、SOS団は正義の味方なんだから!当然の事をしたまでよ!」
ナナリー「フフッ、もし良かったら私も入れてくれませんか?SOS団に」
キョン「いや、それは止めといた方がいいと思いますけど・・・」
ゼロ「(断れ・・・断れ涼宮)」
ハルヒ「勿論大歓迎よ!!ブリタニアの首相が団員だなんて
SOS団にも伯がつくってもんだわ!」
ナナリー「本当ですか!嬉しいです!」
ゼロ「(orz・・・)」
カノン「ゼロ様、そろそろ」
ゼロ「あぁ、そうだな。ナナリー首相、では行きましょう」
ナナリー「みなさん本当にありがとうございました!また会いましょうね!」
ナナリー「はい、絶対に!」
ナナリーはゼロと共に空輸機へと乗り込み
その場を去った
ハルヒ「はぁ・・・・行っちゃったわね」
みくる「また会えるといいですねぇ」
ハルヒ「会えるわよ、きっと。・・・・あれ?キョンは?」
みくる「え?さっきまでここにいたんですけど」
-------
---
-
-----空輸機内
キョン「・・・・・・・・・・・・・何故俺までここに?」
ゼロ「悪いな、もう少しだけ付き合ってくれ」
ナナリー「?ゼロはキョンさんと面識があるんですか?」
ナナリー「それと、何故ここにカノンさんがいるのでしょうか?
確か何年か前から行方不明だったはずですけど・・・」
カノン「異国で自由気ままな生活を送っていたのですが、先日ゼロ様に見つかって
しまいましてね。無断で国を出た私を再び登用してくださったのです
本当に感謝の気持ちしかありません、私は一生ゼロ様についていきます」
ナナリー「そ、そうなんですか・・・・」
ゼロ「(やはり疑っているか、まぁ不自然な点しか見当たらないし当然か)」
ナナリー「それで、ゼロとキョンさんは面識があるのでしょうか?」
キョン「いや、それはあの・・・」
ゼロ「ナナリー首相、実は私はあなたの思っているゼロではないんです」
ナナリー「そ、それはどういう意味ですか?」
ゼロ「私は枢木スザクではないという事です」
ナナリー「へ・・・・ではあなたは誰なんです?」
キョン「(ルルーシュ、妹に素顔を晒すのか?)」
ルルーシュは仮面を外して素顔を晒した
ルルーシュ「久しぶりだねナナリー」
ナナリー「な、何でお兄様が・・・・わ、私は夢でも見ているのでしょうか?」
ルルーシュ「夢じゃないよナナリー。ほら、手を」スッ
ルルーシュの差し出した手にナナリーが手を重ねる
ナナリー「はっ・・・・・・・・」
ルルーシュ「お前ならこうするだけで、何故俺が生きているのか
何故ここにいるのか、これまでの経緯が分かるだろ?」
ナナリー「お兄様・・・・本当にお兄様なのですね!!」
ルルーシュ「だから何度もそうだと言っているだろ、全く」
ナナリー「嬉しいです、またお兄様とお話ができるなんて・・・・
あの、でもスザクさんは今どちらにいらっしゃるのですか?」
ルルーシュ「あいつは今頃ジノ達と旧交を深めてるんじゃないか?
心配しなくても、すぐにこっちに戻ってくるよ」
ナナリー「お兄様・・・・」ギュッ
ルルーシュ「ナナリー・・・・・・本当に久しぶりだな」ギュッ
これからはずっと私の傍にいてください!」
ルルーシュ「ナナリー、残念だがそれはできない」
ナナリー「何故です?」
ルルーシュ「お前も分かってるはずだ、俺は世界に名の知れた悪逆皇帝
それも6年前に死んだ事になっているんだ。今更昔のようには戻れない」
ナナリー「では、仮面を!ゼロの仮面を被っていれば私の傍にいても
誰にもばれません!」
ルルーシュ「それじゃスザクはどうするんだ?そうなったら今度はあいつが
隠れまわる生活をせざるを得なくなる」
ナナリー「でも、それでも私はお兄様と・・・」
ルルーシュ「それに、ずっとゼロの仮面を被り続けるというのもなかなか辛い事なんだよ
スザクは文句一つ言わずに頑張ってくれてるようだがな」
ナナリー「お兄様・・・」
ルルーシュ「そんな顔をするな。これからも、何かあったら必ず俺が助ける
離れた場所に住んでいても、心はいつも一緒だナナリー」
ナナリー「・・・・・・はい」
ギアスをかけてある、今後はゼロに絶対服従だ。今回のようにお前達の敵に回るような事は
もうないだろう」
キョン「ギアス?お前はもうギアスは使えないんじゃなかったのか?」
ルルーシュ「新ゼロが消える間際にやってくれたんだ。『使える駒を増やしてやる』等と
偉そうな事を言ってな」
キョン「消える?新ゼロは死んだのか?」
ルルーシュ「死んだというより、正確に言うと消えたんだ」
キョン「言っている意味がさっぱり分からんのだが・・・」
ルルーシュ「後で説明するさ。ナナリー、これからはやる事が多いぞ
腐りきった黒の騎士団は勿論、既得権に縛られた超合衆国も絶対に今のままではいけない」
ナナリー「はい」
ルルーシュ「本当の意味での優しい世界を実現する為には、険しい道のりが待っている
お前にそれを乗り越える覚悟はあるか?」
ナナリー「はい、あります」
ルルーシュ「・・・・そうか、じゃあもう俺がいう事は何もないな。お前は大丈夫だ
キョン、ギアスを使え」
キョン「は?」
ナナリー「お兄様、何を言っているんですか?」
キョン「だから俺を連れてきたのか・・・・いいのか?せっかく妹さんと」
ルルーシュ「いいんだ。俺が生きているという情報は、今後の事を考えても
ナナリーにとってマイナスに作用する可能性が大きい」
キョン「じゃあ何でいちいち仮面を外したんだ?」
ルルーシュ「自己満足だろうな・・・・もう一度、もう一度だけ素顔を晒した状態で
ナナリーと話をしたかったんだ。お前のギアスに甘えたわけだ、すまないとは思ってる」
キョン「いや、別に俺はいいんだが・・・」
ナナリー「お兄様?さっきから何を・・・」
ルルーシュ「ナナリー、俺は常にお前の傍にいる。忘れないでくれ」
ナナリー「は、はい」
ルルーシュ「キョン、頼む」
キョン「あぁ、分かったよ。お前の意志を尊重する」
ルルーシュ「すまない」
キョン「フンッ!!!・・・・・・・・・・・・・あれ?」
キョン「フンッ、フンッ、フンッ!!・・・・・・・・・おかしいな、発動しない・・・」
ルルーシュ「何をふざけてるんだ!まさか、過去に二度も使っておいて今更
使い方を忘れたなんて言うつもりじゃないだろうな?」
キョン「いや、そんな事はないんだが・・・・駄目だ、何度やっても発動しない・・・・」
ルルーシュ「なっ・・・・・・そんな馬鹿な」
ナナリー「あの・・・・御二人はさっきから何をされてるのですか?」
ルルーシュ「発動しないわけがない、お前は後3回あの能力が使えるはずなんだ!
頑張れ、ほら!」
キョン「いや、頑張れって言われてもな・・・・無理なもんは無理なわけで」
ルルーシュ「くっ・・・・・・・・・・!ありえない、ギアスが急に無くなるなど
ギアスはコード所有者からコードを奪うか、お前の場合は5回使用しない限り
絶対にその身から消えないはず・・・・なのに何故・・・・」
キョン「お、俺は何もしてないぞ?」
ルルーシュ「(ありえない事が起きている場合、やはりあの女の奇怪な能力を疑うべきか・・・
涼宮ハルヒ!あいつが『ギアスがなくなるように』と心の何処かで願い、それが実現したとしか思えない
しかし、涼宮はキョンがギアス能力者であるという事以前に、ギアスの存在自体知らないはず
知らないことは願いようもない・・・・・では一体これはどういう・・・・・・・・ま、まさか!!!)」
下の着ていたタイツを捲って自分の左腕を確認した
キョン「お、おいどうしたんだ急に?」
ルルーシュ「無くなっている・・・・・」
キョン「無くなってるって何が?」
ルルーシュ「俺の、俺のコードが・・・・・」
キョン「コード?それってあれだろ、確か不老不死の・・・・あれ?お前確か前にあれは
他にコードを継承する奴が現れない限り無くならないって言ってなかったか?」
ルルーシュ「あぁ、それがなくなってる(間違いない、こんなルール無視な事ができるのは
涼宮しか考えられない・・・・・しかし何故あいつが)」
キョン「お、おいルルー・・・・・シュってお前泣いてるのか?」
ナナリー「お、お兄様?」
ルルーシュ「ア、アハハハハ!!心配するな、嬉し泣きだ」
キョン「嬉し泣き?」
ルルーシュ「アハハ、まさかこんな形でコードが消えてくれるとはな・・・
キョン、本当に涼宮は神かもしれんぞ?」
キョン「急に何を言い出すんだお前は?そういうのは古泉だけで十分だぞ」
カレン「ル、ルルーシュが生きてるですってぇぇ!!?」
C.C「おい、声がでかいぞ」
カレン「あっ・・・・・ゴメン」
C.C「あいつは私のコードを継承し不老不死となっていた
だから刺されようが撃たれようが死ぬ事はないんだ。ちなみにもうギアスは使えない」
カレン「そうだったんだ・・・・ていうか、だったら何で私に教えくれなかったのよ!!
だいたいあの時だって、スザクにはいろいろ教えて私だけのけ者にして!!
ちゃんと理由を説明してくれれば私だってルルーシュ達と一緒に戦えたのに!!」
C.C「まぁまぁそう目くじらを立てるな。あの時ルルーシュ側で戦うという事は
戦後は今の私達のように人様の目を避け続けながら生活しなければならないという事だぞ?
お前には母親がいるのだろう?その辺を考えてあいつはお前を巻き込まなかったんだろう」
カレン「うっ・・・・・・C.Cのくせに、何だかそれらしい事言うじゃない
で、あいつは今何処にいるの?会わせてくれるのかしら?」
C.C「何処にいるかは知らんが、今は神戸に住んでいる。会えるかどうかはあいつ次第だな
というか、お前今更ルルーシュに会ってどうするつもりだ?告白でもするのか?」
カレン「はぁ///な、何言ってんのよアンタ!!」
C.C「フフ、顔が真っ赤だぞ?相変わらずからかい甲斐のある奴だ」
カレン「シ、シーツゥゥ!!!」
ジノ「はぁ・・・・」
アーニャ「何その溜息?」
ジノ「いやさ、結局カレンはルルーシュの事が好きなのかな~と思ってね」
アーニャ「・・・・・・ジノ、あの人の事が好きなの?」
ジノ「まぁね。ただ相手がルルーシュじゃなぁ・・・・・ところで、さっきあの緑の人が言ってた
ギアスだのコードだのってのは何の隠語なんだ?」
アーニャ「ジノは知らなくていい事。世界には知らない事がいっぱいある」
ジノ「おっ、暫く会わないうちに何か大人っぽい事言うようになったなアーニャ」
アーニャ「それ誉めてる?」
ジノ「勿論!見た目もいろんな所が成長してるし、もう立派な大人の女だな!」
アーニャ「ジノ、それギリギリセクハラだよ?」
ジノ「え?そうなの?厳しい世の中だな・・・」
古泉「暫定議会は超合衆国及び黒の騎士団の解体を決定。ゼロを暗殺しようと企んでた者は
全て議員としての資格を失い、それぞれ自国の裁判所で裁かれる予定
今後暫定議会は民衆の声を第一とした組織の構築を目指すとの事です」
キョン「あぁそうかい、わざわざ新聞まで引っ張り出して御苦労だったな」
古泉「これらの事を最前線に立って指揮しているのはゼロのようですね
やはり何だかんだ言ってもまだゼロの求心力は高かったという事でしょうか」
キョン「そりゃそうだろ、悪逆皇帝から世界を救った英雄・・・・って事になってるんだからな」
古泉「確かに、6年やそこらで記憶から消えるような事ではないですね
それにしても、あの事件から僅かこれまでの機間でここまで物事を進めるとは
いやはや、流石はルルーシュさんですね」
キョン「そのせいで最近学校をよく欠席するもんだから、ハルヒの奴の機嫌は悪いがな」
ガチャッ
ルルーシュ「ん?なんだ、二人だけか」
キョン「悪かったな。ていうかお前、今日学校休んでただろ?
何でわざわざ部活にだけ来たんだ?」
ルルーシュ「たまには顔を出さないとな・・・あいつのストレスが溜まると
何とか空間ってのが発生して機関の連中が大変なんだろ?だから来たんだ」
我々としては助かるのですが」
ルルーシュ「そうしてやりたいのは山々だが、今は一番忙しい時だからな
なかなか両立するのは難しい」
キョン「なぁ、こうやってお前がルルーシュ・ランペルージとして生活してる時は
今まで通り枢木スザクがゼロの仮面を被ってるんだよな?」
ルルーシュ「あぁそうだ。いろいろと立て直すまでは暫くこの状態が続くだろうな
ゼロの仮面を被っている時は近くにいれるからナナリーは喜んでくれるが
正直この行ったり来たりの生活はなかなかキツイものがある」
キョン「いいじゃねーか、もう二度と会えないと思ってた妹と
長い時間一緒にいられるんだからよ」
ルルーシュ「まぁな」
古泉「新しい組織を構築した後は、やはりゼロをトップに据えるおつもりですか?」
ルルーシュ「いや、ゼロはあくまで象徴的存在とするべきだろう。適任を探しその者を
トップに置く予定だ」
古泉「そうですか。しかし本当に良かったですね、コードが消えて」
ルルーシュ「間違いなく涼宮の力が原因だろうな。感謝してもしきれん
ギアスの存在自体を知らないあいつが何故ギアスの消滅を願えたのかは謎だが」
古泉「彼女の力に関しては我々もまだ分からない事だらけとうことでしょうかね」
無くなっている所を見ると、この世界からギアスやコードそのものを消滅させたのだろう
これで、新たな能力者やコード所有者が現れる心配は無くなったわけだが
全くあいつの力は常軌を逸してるな、強すぎる」
古泉「我々から見ると、ギアスも十分常軌を逸してますがね」
ルルーシュ「しかし、本当に何でこんな事が起きたんだろうな
あいつはギアスの存在自体知らないというのに」
古泉「推察ですが」
ルルーシュ「言ってみろ」
古泉「恐らく今回涼宮さんは、他人の願望を現実に反映させたのではないでしょうか?」
ルルーシュ「他人の?」
古泉「えぇ、比較的身近にいる他人の願望を、ですが」
ルルーシュ「常日頃からギアスやコードの消滅を望んでいた者・・・・・フッ、なるほど俺の事か」
古泉「そうです。涼宮さんはルルーシュさんの願望を現実に反映させたんですよ
だから自分の知識に無いギアスやコードを消滅する事ができたんです」
キョン「あいつは遂に自分以外の人間の願望まで叶えちまうようになったのか?
でも確かお前、前にハルヒの力は次第に弱まってきてるって言ってなかったか?」
古泉「の、はずだったんですがね。どうやら違ったようです
まぁ、ルルーシュさんの願望が物凄く強かったからという可能性もありますが」
古泉「あまりに強い願い故に、涼宮さんの力が反応したのかもしれません」
ルルーシュ「いずれにしても、今後もあいつの監視は必要だな
今回の件で、僅かだがあいつが神であるというお前の説を信じつつある」
古泉「ほぅ、それは良い傾向ですね」
キョン「何処がだ」
古泉「そういえば、式典開始の際に鳴ったあの爆撃音。あれは何だったのでしょうね」
キョン「ん?テロリストの攻撃音だろ?」
古泉「テロリストが戦っていたのは東京湾ですよ?いくらなんでもあそこまでは聞こえませんよ」
ルルーシュ「あれは俺が流した音だ。観衆が逃げるきっかけを与える為に準備しといた」
古泉「なるほど、そうだったんですか」
キョン「それならそうと事前に説明してくれよ、俺はマジでビビってたんだぞ?」
ルルーシュ「ハハ、悪い悪い」
古泉「それともう一つ疑問なのですが、結局新ゼロとは一体誰だったのですか?」
キョン「あぁそうだ!消えたとか何とか言ってたが、あれはどういう意味だ?」
キョン「詳しく説明してくれ、それだけじゃ意味が分からん」
ルルーシュ「新ゼロの正体、それは・・・・・俺だったんだ」
キョン「・・・・・は?」
ルルーシュ「奴が仮面を外した瞬間はビックリしたよ、俺と全く同じ顔だったんだからな」
キョン「どういう事だ?そっくりさんか何かだったって事か?」
ルルーシュ「いや、あいつは紛れも無く『ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア』だった」
古泉「・・・・・・・なるほど、そういう事ですか」
キョン「何一人で納得してんだ、俺にも説明しろ!」
古泉「つまり新ゼロを演じていたもう一人のルルーシュさんは、涼宮さんが
作り出したものなんですよ!」
キョン「ハルヒが?何で?」
古泉「お忘れですか、いつぞやここでこう言っていたではありませんか
『皇帝ルルーシュに会ってみたかった』と」
キョン「・・・まさかあの目立たない一文を現実に反映させちまったのかあいつは?」
古泉「そしてその後にはこう続けてます、『ゼロにも会ってみたい』と」
二人を同時に呼び寄せる事はできません、ですからもう一人のルルーシュさんを作り上げたのでしょうね」
ルルーシュ「俺も全く同じ考えだ。奴の顔を見た瞬間、涼宮の仕業だとすぐに理解できた
じゃなきゃありえないからな。奴がギアス能力者だという事も、俺のコピーであるというならば納得できる
ただ一つ解せないのがナナリーへの対応だ」
古泉「どういう意味です?」
ルルーシュ「あいつがルルーシュであるならば、妹であるナナリーを危険な目に
合わせるような事は絶対にしないはずだ。しかしあいつは危険な目に合わせるどころか
ナナリーがいる東京租界へ向けフレイヤを放っている・・・・あれはどういう事なんだ?」
古泉「涼宮さんが多少アレンジを加えたのではないでしょうか?
当時の彼女が描いていた皇帝ルルーシュは、自らの覇道の為なら家族の命すらいとわないような
そんな人物像だったのでしょう。実際、世間では今もそのように語られてますし」
ルルーシュ「なるほど」
キョン「みんな無事だったんだ、何でもいいさ」
古泉「ですね」
ガチャッ
ハルヒ「農業やるわよーーーーー!!!」
ハルヒ「そうよ、農業!国内の食料自給率が低下する昨今、日本に一番必要なのは
農業なのよ!!だから私達でやるの!」
キョン「やるったって、畑がないだろ畑が」
ハルヒ「そんなもんどっか借りてやればいいじゃない!」
ルルーシュ「高校生に畑を貸してくれる農家など、何処探せば見つけられるんだ?」
ハルヒ「あーっ!!ルルーシュ、あんた今日も学校休んでたでしょ!!
最近休みすぎ&怠けすぎよ!!」
ルルーシュ「だから今日はこうして部活だけ顔を出しただろ」
ハルヒ「部活だけ顔を出せば良いってもんじゃないわ!ちゃんと授業を受けなさい!!」
キョン「(おぉ、ハルヒが割と普通の事を言っている)」
ハルヒ「とにかく農業よ農業!!目標は日本の食料自給率を10%上げる事よ!!
みんな張り切って行くわよぉー!!」
キョン「はぁ・・・・」
ルルーシュ「まぁ、戦争させられるよりは遥かにマシだろう」
古泉「同感です」
アーニャ「式の日取り?」
C.C「そうだ、あいつも晴れてコードの呪縛から解放された事だし
そろそろ身を固めても良い時期だろう」
アーニャ「それはいいと思うけど・・・・・相手は誰なの?」
C.C「そんなの決まってるだろ、勿論」
カレン「私よ!!」
C.C「・・・・・なんだまだいたのか赤ゴリラ」
カレン「誰が赤ゴリラよ!!あんたには絶対に渡さないわよ!!」
アーニャ「ちょっと待って、勝手に話進めすぎ。ルルーシュは私のもの
誰にも渡す気は無い」
カレン「はぁ?あんたもあいつの事が好きなの?」
アーニャ「・・・そう」
カレン「ちっ、どんだけいんのよライバル!!」
C.C「(・・・・・・・・・・・駆け落ちでもするかな)」
完
前にもギアスとハルヒ、ドラえもんを絡めたクロスを何度か書いた事があるので
暇な時にでも読んでみてください
ドラえもん「黒の騎士団を迎え撃とう」
ドラえもん「エンドレスエイト?」
ルルーシュ「SOS団?」
ハルヒ「黒の騎士団に入るわよ!」
これでググればたぶんログがあると思うので
お疲れ様でした。
新ゼロとことかお見事だったー
面白かった!!
これは良くできたSS
楽しかったわ
ってコーネリアお姉ちゃんが名前しか出ていないじゃないですか、やだー!
Entry ⇒ 2012.07.25 | Category ⇒ 涼宮ハルヒSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
ハルヒ「みくるちゃんは今日から抱き枕ね」
ハルヒ「抱き枕」
みくる「私がですか?」
ハルヒ「そう言ってるじゃない」
みくる「涼宮さんの?」
ハルヒ「当たり前田のクラッカー」
みくる「え?」
みくる「ちょ、ちょっと待って下さい。どういう事ですか?」
ハルヒ「今日はどっちの家にしようかしら」
みくる「あのっ、涼宮さんっ」
ハルヒ「みくるちゃんの家の方が良いかしら、最初なんだし」
みくる「す、涼宮さーん?」
ハルヒ「うん! そういう事で、今夜、お邪魔するわ!」
みくる(決まっちゃった!?)
ハルヒ「お邪魔しまーす」
みくる「ど、どうぞ(本当に来た……)」
ハルヒ「流石にかわいい部屋ねー」
みくる「ありがとうございます」ふわっ
ハルヒ「あれ?」ずいっ
みくる「ひゃっ?」
ハルヒ「……みくるちゃんお風呂入っちゃったの?」スンスン
みくる「はい、さっき」
ハルヒ「い、一緒にお風呂……」ズーン
みくる(何でか私が申し訳無くなってくる……)
みくる「お湯加減はどうでした?」
ハルヒ「バッチリよ」
みくる「それは良かったです」
みくる「って、涼宮さん、髪濡れたままじゃないですかぁ」
ハルヒ「そっか、まだ乾かしてなかった」しっとり
みくる「ほら、座って下さい」ぽむぽむ
ハルヒ「?」ちょこん
みくる「じゃあ乾かしますねー」ブオォォォ
ハルヒ「はーい」
みくる「えっと、うち、お客様用のお布団が無いんですけど……」
ハルヒ「何を言ってるのよみくるちゃん」
みくる「ふぇ?」
ハルヒ「みくるちゃんは抱き枕、つまり、一緒の布団に決まってるじゃない」
みくる(そうだった)
みくる「えーと、じゃあ……一緒に寝ます?」
ハルヒ「うん!」
みくる(かわいい)
みくる「す、涼宮さん、近いですぅ」
ハルヒ「抱き枕と密着しなくてどうするのよ」ぎゅう
みくる「そ、そうですけど」
みくる(流石にちょっと恥ずかしい……)
ハルヒ「みくるちゃんのおっぱいー」むに
みくる「ひゃいっ!?」ビクッ
ハルヒ「いいわねー。やっぱりおっぱいの半分は優しさで出来てるわよねー」むにむに
みくる「そ、ひゃっ、それは某お薬の、あうっ、事じゃあ」カアァ
みくる「ひぅ、お、おお、おっぱいは禁止ですぅ!」ドーン
ハルヒ「やだ」ぶー
みくる「そそそれなら一緒に寝るのは無しですっ!」
ハルヒ「どうしでも駄目?」
みくる「だーめーですっ」
ハルヒ「……顔をうずめるのは?」
みくる「……」
ハルヒ「……」じーっ
みくる「ま、まあそれくらいなら(かわいい……)」
ハルヒ「やった」むぎゅう
みくる「……んぅ」
みくる「ふあぁ」
みくる「……う?」
ハルヒ「……」スースー
みくる「……?」
みくる(あっ、そっか、涼宮さんが泊まりに来てて……)
ハルヒ「……」しっか
みくる(うふふ、本当に一晩中、抱き着いたままだったんだ)
ハルヒ「……んー」
みくる「涼宮さーん」
ハルヒ「……あふ」もぞ
みくる「あ、起きた」
ハルヒ「……」ぽけーっ
みくる「おはようございます」
ハルヒ「……おはよ……」ぽけーっ
みくる「はぁい。朝ご飯、用意しますねー」
ハルヒ「新しい朝だー!」ペカー
みくる(ラジオ体操?)
ハルヒ「流石はみくるちゃん、抱き心地抜群よ」
みくる「そ、そうですかぁ(何が流石なんだろう)」
ハルヒ「久々に熟睡出来たわ、ありがと」
みくる「いえいえ、どういたしまして」
ハルヒ「じゃあ今夜はウチに来てね」
みくる「あ、まだやるんですね」
みくる(そしてしっかり来てしまう私)
ピンポーン
ハルヒ「はーい、いらっしゃい」ガチャ
みくる「お邪魔します」
ハルヒ「上がって上がって! 親には話を通してるから」
みくる「は、はい」
ハルヒ「ご飯にしましょ。お母さーん! みくるちゃん来たわー!」
ハルヒ「そうなのよ、もういつも食べすぎちゃって」
みくる「涼宮さんはその分ちゃんと動いてますから」
みくる(対して私は……体重計乗るの怖いなあ)
ハルヒ「さっ、私の部屋に行きましょう」
みくる「はい」
みくる「へぇ、長門さんがー」
長門「へくちっ」
ハルヒ「ところでみくるちゃん、お腹は落ち着いた?」
みくる「そうですね、満腹感もそこそこに」
ハルヒ「うふふ、それじゃあ」ギラリ
みくる(えっ何が起きるの?)
ハルヒ「お風呂入りましょう! 一緒に!」ぺかー
みくる「な、なーんだ」
みくる「みっくるんるん」ごしごし
ハルヒ「……むぅ」じーっ
みくる「しゅっせのおそいー」
みくる「……ん?」はた
ハルヒ「……」じーっ
みくる「ふぇ? な、何ですか?」
ハルヒ「やっぱり大きいわよねー」じーっ
みくる「お、おっぱいは禁止ですからねっ!?」
ハルヒ「分かってまーす」ぷー
ハルヒ「女の子二人くらいなら一緒に入れるわ」ちゃぷん
みくる「……涼宮さん、肌すべすべ」なでり
ハルヒ「んっ。……くすぐったい」
みくる「!……えい」なでり
ハルヒ「ぅん、ちょっとぉ……」しなっ
みくる(い、色っぽい……!)
みくる(みくるがミルクを……お、面白くない)ごくごく
ハルヒ「ぷはーっ!」
みくる「ぷはー」
ハルヒ「ほらみくるちゃん、そこ座って」
みくる「え? はい」ちょこん
ハルヒ「はい、髪、乾かすわよー」ブオォォォ
みくる「あ……。うふふ、お願いしまぁす」
理想の頼れないお姉ちゃん像だ
みくる「眠いです」うと
ハルヒ「そろそろ寝ましょうか」
みくる「はぁい」
ハルヒ「おやすみー」カチ
みくる「おやすみなさ……ふぁ」
みくる「……」
ハルヒ「あれ?」
みくる「……」スースー
ハルヒ「あ、もう寝ちゃった」
みくる「……」スースー
ハルヒ「……」
みくる「……」スースー
ハルヒ「……おやすみなさい」ぎゅっ
長門「バカップル乙」
みくる「だ、誰がカップルですか」カアァ
キョン「いや正直うらやまけしからんですよ」
みくる「ん? うら、けし……え?」
古泉「なるほど、そういうわけでしたか」
みくる「古泉君、何がですか?」
みくる「えっ?」
キョン「何だと?」
長門「それはこちらでも観測していた」
キョン「長門も知っていたのか」
長門「ごく小規模なものが短い間隔で数度に渡り発生していた」
古泉「はい。一つ一つの手間は掛からないのですが、いかんせん頻度が高くてですね」
古泉「結局、一晩中あっちにこっちに奔走する事になってしまいました」
みくる「そうだったんですか……」
古泉「確かに、朝比奈さん宅との往来が始まった日と一致していたので、何かあるとは思っていたのです」
みくる「あの……今回の私の事で閉鎖空間が出なくなったのは何故なんですか?」
古泉「それは分かりかねますが……」
長門「私が把握している」
キョン「流石だな。どういうわけだったんだ」
長門「涼宮ハルヒは数日前まで、正常な睡眠が取れていなかった」
みくる「え?」
古泉「それは……肉体的にも精神的にも、かなりのストレスになり得ます」
長門「そう。閉鎖空間の発生理由はこれ」
みくる「……そんな……」
キョン「眠れなくなった原因ってのは何なんだ?」
長門「不明」
古泉「不眠症の要因は様々ですが……精神的、心因的なものではないでしょうか」
キョン「ふむ?……何か悩みでもあったんだろうか」
古泉「調査の必要がありそうですね」
みくる「……」
みくる(夕ご飯を食べて、お風呂に入って、お互いの髪を乾かして)
みくる(お喋りして、一緒に寝て……そう、くっついて寝て)
みくる(起きたら朝ご飯。それから、一緒に登校して……)
みくる(ずっとニコニコしてたし、楽しそうだった)
みくる(悩んでるような素振りなんて、ちっとも無かったのに)
みくる(私の前では元気に振舞おうって)
みくる(弱いところなんか見せられないって)
みくる(……私、また一人で何も知らずに、呑気に……)じわ
みくる「……うぅ」ぐすっ
キョン「あ、朝比奈さん?」
キョン「朝比奈さん……」
みくる「私、涼宮さんに申し訳無くって……!」ぐすっ
キョン「そんな! 俺も……俺も気付けなかったんです」
古泉「僕もです。あまり自分をお責めにならないで下さい」
みくる「でも、私っ、最近はみなさんよりずっと近いところにいたのに……」
長門「朝比奈みくる。泣かないで」
みくる「長門さん……」
長門「涼宮ハルヒは貴女と過ごす事で、一連のストレスから解放されていた」
長門「貴女と共にいる時、涼宮ハルヒには一切のストレスが無かった」
長門「貴女が気付けないのは当然の事」
キョン「そうですよ! ハルヒがちゃんと眠れるようになったのは、朝比奈さんのお陰なんです」
古泉「もし気付けなかった事が罪だとしても、朝比奈さんはそれに贖うだけの事をしています」
長門「だから……泣かないで」
みくる「みなさん……」ぐすっ
みくる「は、はいっ」
キョン「やれやれ。神様だの進化の可能性だの言う前に、やっぱりハルヒも人の子ってわけか」
古泉「ええ。つい彼女の持つ能力に注目しがちですが」
長門「涼宮ハルヒという一人の女子高校生」
キョン「それにしても、悩み、ね。一体全体、何なんだろうか」
古泉「我々が調査を進めます。監視記録を遡れば、何か手掛かりがあるかもしれません」
みくる「……あのっ」
古泉「はい?」
古泉「直接、ですか……。そう簡単に聞き出せるでしょうか」
長門「関連する質問により涼宮ハルヒの精神がゆらぐ可能性もある。推奨されない」
みくる「う……」
キョン「いや……良いんじゃないか」
古泉「……と、仰いますと?」
キョン「長門。ハルヒは、朝比奈さんと一緒の時は、一切のストレスが無いんだったな?」
長門「……」コクッ
古泉「それならば、あるいは……という事ですか?」
キョン「俺は、いけると思うぜ」
キョン「朝比奈さんを抱き枕にするだなんて突拍子も無い行動も……」
キョン「朝比奈さんに甘えたい、頼りたい、っていう事なのかもな」
古泉「……」
長門「……」
みくる「キョン君……」
ハルヒ「今夜はみくるちゃんの家にお邪魔しています」
みくる「そろそろ寝ます?」
ハルヒ「そうね、もういい時間だし」
みくる「じゃあベッド入っちゃいましょう」
ハルヒ「はーい」もぞもぞ
みくる「電気、消しますね」パチッ
みくる「……」ぎゅっ
ハルヒ「あったかーい……」
みくる「……ねえ、涼宮さん」
ハルヒ「ん?」
みくる「私の抱き枕としての性能ってどうです?」
ハルヒ「もうトップクラスね。これ以上の抱き枕を私は知らないわ」
みくる「うふふ、ありがとうございます」
ハルヒ「ええ、朝までぐっすり」
みくる「良かったです」
みくる「涼宮さんに安心して眠って貰えて……私も嬉しいですよ」
みくる「もう私がいないと眠れなくなってたりして? うふふ」なでなで
ハルヒ「……」
ハルヒ「……そうかも」ぎゅっ
みくる「……」なでなで
みくる「……どうして?」
ハルヒ「……」
みくる「……」
ハルヒ「……特別、きっかけがあったわけじゃないんだけど」
ハルヒ「みくるちゃん、私達より先に卒業しちゃうんだなぁって、何か突然、思っちゃって」
みくる「……」
ハルヒ「今までみたいに五人で不思議探索をする事も無くなって」
ハルヒ「今までみたいに五人で一緒にいる事も無くなって」
ハルヒ「……あんなに楽しい時間が、いつか無くなっちゃうんだ、って」
ハルヒ「布団に入ってから、そんな事ばっかり考えちゃうから」
ハルヒ「全然、眠くなんかならなくって……」ウル
みくる「……」なでなで
ハルヒ「もう私、みくるちゃんがいないと、ちゃんと眠る事だって出来ないのに」
ハルヒ「いなくなっちゃわないといけないの……?」ぎゅっ
みくる「……時間は待ってくれませんから」
ハルヒ「……!」
みくる「……」なでなで
ハルヒ「……」ぐすっ
みくる「……涼宮さん」
みくる「沢山、私達を傷つけるくせに、それを癒してくれるのも時間なんです」
ハルヒ「……」
みくる「時が経てば……綺麗な思い出に昇華させてくれるんです」
ハルヒ「そんな簡単に……割り切れないもん……」
みくる「そうですね。私達って結構、面倒くさい生き物ですから」
みくる「でも。……でもね」
みくる「どんなに時が流れても、風化しないし、色褪せないんです」
ハルヒ「……」
みくる「思い出に変わる前……傷ついて、つらい時は」
みくる「信じて下さい」
ハルヒ「……信じる?」
みくる「傍にいなくても。すぐそこにいなくても」
みくる「心はいつでも繋がってるんだって」
ハルヒ「……」
みくる「涼宮さんは、どうですか?」
ハルヒ「……好きよ。大好きに、決まってるじゃない……」
みくる「なら、信じましょう?」
みくる「この繋がりは絶対に消えません。時間にだって負けません」
みくる「私達は……天下無敵の、SOS団なんですから」
ハルヒ「……うん……」
ハルヒ「?」
みくる「今この時が、未来に向かって絶え間無く流れるから」
みくる「私は、涼宮さんに出会えたんですよ」
ハルヒ「……それって、どういう意味?」
みくる「うふふっ。それは禁則事項ですっ」
ハルヒ「んー?」
みくる「さて、すっかりお喋りしちゃいましたね。寝ましょうか」
みくる「……おやすみなさい、涼宮さん」ぎゅっ
ハルヒ「……うん。おやすみなさい、みくるちゃん」ぎゅっ
キョン「抱き枕期間、終わるんですか?」
みくる「はい。隔日でお邪魔し合うのもやっぱりお互い迷惑かなって」
長門「……解決した?」
みくる「そうですね。大丈夫だと思いますよ」
古泉「何をされたんです?」
みくる「特別な事は何も。ただ……」
キョン「ただ?」
みくる「私達が何なのか、思い出して貰っただけです。うふふっ」
キョン/古泉/長門「?」
古泉「こんにちは、涼宮さん」
キョン「よう、遅かったな」
ハルヒ「ちょっとね」
長門「……」
みくる「はい涼宮さん、お茶をどうぞ」
ハルヒ「ありがと。……ねえ、みくるちゃん」
みくる「何ですか?」
ハルヒ「たまには……お願いしてもいいかしら、抱き枕」
みくる「はい、勿論、良いですよ。」
ハルヒ「ん、ありがと」
みくる「……でも一つだけ条件が」
ハルヒ「えっ、条件?」
みくる「はい」
ハルヒ「な、何……?」
みくる「涼宮さんも、私の抱き枕になって下さいねっ」
おわり
シリアスもどきが入っちゃったね。どうしてだろうね。
酒飲んで眠いから寝る。
じゃあね。
和んだ
乙です
Entry ⇒ 2012.05.17 | Category ⇒ 涼宮ハルヒSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ハルヒ「黒の騎士団に入るわよ!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334734116/
ハルヒ「あぁ〜暇だわ!キョン、何か面白い話して!!」
キョン「急にどうした?無茶ぶりにも程があるぞ」
ハルヒ「だって最近本当退屈なんだもん!はぁ、何か面白い事ないかしらねぇ」
古泉「待ってるだけでは何も起こりません、今週末辺りにまた不思議探しをする
というのはいかがでしょう?」
キョン「(余計な事を言うな古泉!)」
ハルヒ「不思議探しねぇ・・・何かもう飽きちゃったわ」
古泉「・・・!」
キョン「意外な反応だな、いつもならすぐに乗り気になるだろうに
まぁ、ああも毎回徒労の連続じゃ飽きて当然だが」
みくる「え?じゃあもう不思議探しはやらないんですか?」
ハルヒ「飽きたけど完全に終わりにするつもりじゃないわ!
今はそういう気分じゃないからやりたくなってだけよ」
キョン「そりゃ残念だ」
ハルヒ「あー退屈退屈!!何で世の中ってこんなにつまらないのかしら!
漫画やアニメみたいな非現実的な出来事が何で起きないの!?」
その辺の欲求は今お前が言った漫画やアニメで補完すればいい」
ハルヒ「そんなのつまらないわ!!私は現実の世界で不思議な事件を見たり
聞いたりしたいの!」
キョン「あぁそうかい」
ハルヒ「本っっ当退屈!退屈すぎて頭おかしくなりそうだわ!
はぁ・・・現実世界が駄目なら、せめて夢の中だけでも面白い事に巻き込まれてみたいわ・・・」
キョン「夢?そういえば昔ドラえもんの映画でのび太が似たような事言ってたな」
ハルヒ「何それ?」
古泉「ありましたね、確か夢幻三剣士という映画です。
辛い現実に嫌気がさしたのび太が、夢の中だけでも格好良くなりたいと言って
ドラえもんがその望みを叶える、いや〜懐かしいですね」
ハルヒ「へー、私ドラえもんとかってあんまり見なかったんだけど
のび太って意外と話せる奴かもしれないわね。
で、ドラえもんはその望みをどうやって叶えたの?」
古泉「確か好きな夢を自由に見る事のできる道具を使ったと記憶しています」
ハルヒ「好きな夢を自由に見れる道具!?羨ましいわ・・・そんな道具があったら
この退っっ屈な日常も耐えられるんだけどなぁ」
キョン「諦めろ、その道具だってドラえもんというアニメの中の話で
一般的に見たら非現実的なんだからな」
最後の人、ちゃんと鍵閉めてってね!!」
バタンッ
みくる「は、はぁ〜い・・・」
キョン「・・・ったく、今日はいつにもましてご機嫌斜めだったな
特にやる事もないし、俺達も帰るか」
古泉「ちょっと待ってください、お話が」
キョン「ん?何だ?」
古泉「ここ最近の涼宮さんをどう思いますか?」
キョン「どうと言われてもな・・・取り敢えず不機嫌なのは確かだが
あいつの情緒は常に不安定だからよく分からん」
古泉「えぇ、確かに不安定なのは間違いないのですが、ここ最近は特に顕著でして・・・
閉鎖空間の発生頻度も日に日に高まっていってます」
キョン「またあの気味の悪い空間を作っちまってるのかあいつは・・・」
古泉「いつもなら現実世界で不思議探しなどをして気を紛らわす事で
涼宮さんの中にある様々な鬱憤を少しずつ解消する事が出来るのですが
どうやら今回はそれすらもさせてはもらえないようで・・・正直お手上げです」
キョン「あー、あれはビックリしたな。まさかあいつが恒例の不思議探しを断るとは」
飽きたと一蹴した・・・これは正直かなり危険なサインです」
キョン「なにがどー危険なんだ?」
古泉「また以前のように、閉鎖空間と現実世界を入れ替えようとする恐れもあります」
キョン「・・・そうなったらまた俺だけあいつと残る事になるのか?」
古泉「恐らく。まぁそうなったらあなたが以前涼宮さんにした事を
もう一度していただければ解決するかもしれませんが」
キョン「断る!」
古泉「そう言うと思いました。では何か対策を立てなければいけませんね
そうならない為にも」
キョン「なぁ長門、お前の目から見ても今のハルヒはヤバイ状態なのか?」
長門「・・・そう」
キョン「はぁ〜」
古泉「あまり深刻になっても仕方ありません、取り敢えず今日はここまでにして
明日また話し合いをしましょう。何か良い手立てがないか、みなさん各自
家で考えてきてください、よろしくお願いします。」
キョン「分かったよ」
みくる「分かりましたぁ」
キョン「はぁ〜、ハルヒの不平不満を少しでも晴らす為の手立てねぇ・・・
まずい、なにも浮かばん・・・」
キョン「まぁ、俺の頭に浮かびそうな考えなんざ古泉の奴ならとっとと思いつくだろうし
考えるだけ無意味だな。よし、もう遅いし寝よう!」
キョンは布団に入り眠りについた
?「キョン・・・・キョン」
キョン「Zzz」
?「キョン、いつまで寝てる気だい?早く起きてくれないかな?」
キョン「んん?まだ朝じゃ・・・・・・・って何だこれは!!」
目を覚ましたキョンは自分が今いる場所に驚いた
四方八方見渡す限り星空。そこはまるで宇宙空間のようだった
そして目の前にいたのは
キョン「さ、佐々木?何でお前が・・・・ていうかここは何処だ!?」
佐々木「やれやれ、やっと起きてくれたか」
俺は自分の家の自分のベッドで寝ていたはずだぞ!」
佐々木「まぁ当然の疑問だね。でも残念、僕はそれらの答えを持ち合わせていないんだ
僕に与えられた仕事は、ここで君に別の世界へ行くにあたっての簡単な説明を
するという事であって、それ以外の事は何も分からないんだ」
キョン「別の世界?説明?お前は何を言っているんだ佐々木?」
佐々木「ククク、そりゃいきなりこんな事を言われたんじゃそんな顔にもなるよね
改めて言うけど、君にはこれから別の世界へ行ってもらう!
そしてそこで待ち受けてる様々な問題を解決してきてくれ」
キョン「・・・あぁ、なるほどな。俺って奴は頭がどうかしてたぜ
こりゃいつも見てるアホな夢じゃないか。目を覚ましたらそこはわけの分からん場所で
目の前には佐々木がいて意味不明な事を言ってる、完全に夢だ」
佐々木「ククク、まぁ解釈は自由だよ」
キョン「えーっと、何だっけ?あぁ、別の世界に行かなきゃならないんだったな?
じゃあさっさと連れてってくれ、睡眠の時間は限られてるんだ
別の世界とやらへ行く前に目が覚めちまったんじゃつまらんからな」
佐々木「随分と乗り気だねキョン」
キョン「アホな夢とは言え俺の夢だからな、出来るだけ楽しむさ
さぁ、早く連れてってくれ」
キョン「あぁ、そういえばそれがお前の仕事だったな」
佐々木「さっきも言った通り君はこれから別の世界へと行くわけだけど
急に何も知らない世界へと放り込まれても困るだろ?
だからその世界に関する一般的な知識や周りの人間に関する情報を
これから脳に記憶させる」
キョン「おう、何でもやってくれ」
佐々木「じゃあおでこ出して」
キョン「こうか?」
キョンは手で前髪を上げ佐々木にでこを出した
すると佐々木は右手人差し指をキョンのでこに当て
なにやらブツブツと呪文のような言葉を呟いた
佐々木「終わったよ」
キョン「は?もう終わりなのか?いくら夢とは言え適当すぎるだろ・・・」
佐々木「でもどうだい、これから行く世界の情報、関わる人間の事など
頭の中に入ってるだろ?軽い問題でも出してみるか
君がこれから行く世界の3分の1を支配している国の名前は?」
キョン「神聖ブリタニア帝国」
キョン「アッシュフォード学園」
佐々木「君はその学校でどんな立場だい?」
キョン「生徒会役員」
佐々木「生徒会に所属している人の名前は?」
キョン「俺に生徒会長のハルヒ、古泉に長門、朝比奈さんにリヴァル、シャーリーにルルーシュ
カレン、スザク」
佐々木「完璧だね!でも今入れた情報はあくまで基礎的な知識だけなんだ。
いざ向こうの世界へ行ったら知らない事も多いから油断は禁物だよ」
キョン「あぁ、それにしても凄いなこれ・・・当たり前の事のように自然と答えが出てくる!
流石は俺の夢、都合が良いいな・・・ん?ちょっと待てこの夢にはハルヒ達まで出てくるのか!?」
佐々木「勿論」
キョン「orz・・・夢の中くらい解放されたいもんだ」
佐々木「それと、これが一番重要な事なんだけど」
キョン「何だ?」
佐々木「君は向こうの世界で特殊な力を使う事ができる」
佐々木「面倒だろうけどこれに関しては口頭で説明させてもらうよ」
キョン「あぁ、構わん」
佐々木「能力の名前はギアス、絶対遵守の力だ」
キョン「ぜったいじゅんしゅ?」
佐々木「簡単に言うと、君の命令した事に誰も逆らう事ができない能力って事だよ」
キョン「おお!そんな能力が使えるのか俺は!最強じゃないか!」
佐々木「ただこの能力にはいくつか制約があってね、まず相手の目を見ないと使えない
そして同じ相手に二度は使えない」
キョン「能力の内容の割りに楽な制約だな、流石は俺の夢だ
俺が困らないようにできてる」
佐々木「ククク、そうだね。以上で説明は終わりだ。じゃ、頑張って」
キョン「おう、いろいろとありがとな!」
佐々木「じゃ、飛ばすね」
佐々木がそう言った瞬間、キョンは激しい目まいに襲われた
いつぞやに朝比奈みくるとタイムリープした時のようなあの感覚
そんな中、かすかに佐々木の声が聞こえてくる・・・
それと、君のギアスは他の能力者にだけは効かないからねぇぇ」
キョン「ん?何言ってるんだ佐々木の奴は?」
------
---
--
-
?「キョン、起きなさい!何寝てんのよアンタわ!!」
キョン「へ?」
?「へ?じゃないわよこの馬鹿!状況を考えなさい、寝てる場合じゃないでしょ!」
キョン「ハルヒか・・・?」
ハルヒ「・・・・あんた寝ぼけてんの?私以外に誰だってのよ!」
キョン「あ、いや何でもない!いやーすまんすまんつい寝ちまった」
古泉「この状況下で睡眠がとれるなんて羨ましいかぎりです
大物感に溢れてますね」
ハルヒ「ただ馬鹿なだけよ!全く信じられないわ!」
キョン「この状況この状況って、今どんな状況な」
みんなで放課後に新宿ゲットーを探索してたらブリアニア軍が来て・・・)」
古泉「急に日本人を襲い始めた為、我々は廃ビルの陰に隠れているというわけです」
キョン「連中がゲットーでやってるのは軍事演習だけじゃなかったのか?」
古泉「表向きはそう言ってますが、どうやら実情は違ったようですね
そういえば聞いた事があります、軍の中には演習と銘打ってゲットーに住んでいる
日本人を狩りと称し虐殺してる野蛮人がいると」
キョン「何だそれ・・・いくらなんでも酷すぎるじゃねーか!」
ハルヒ「クズもいいところだわ、許せない!」
みくる「あのぅ・・・それじゃ私達も殺されちゃうんですかぁ?」シクシク
ハルヒ「安心しなさいみくるちゃん!この私がいる限りは何の心配もないわ!
ブリタニア軍なんてコテンパンにやっつけてやるわ!」
キョン「やっつけるったってな、向こうはナイトメアを使ってるんだ
生身の俺達が勝てるわけがないだろう」
ハルヒ「そんなのやってみないと分からないじゃないの」
キョン「いいや、分かる!」
古泉「彼の言う通りです、残念ですが我々に勝ち目はありません
かと言って下手に逃げ回るのも危険です、背を向けて逃げる日本人など
狩人にとっては格好の獲物ですからね」
ハルヒ「有希、何か良い考えない?」
長門「・・・・・・・・」シーン
古泉「両手を挙げて保護を求めるしかありませんね。不本意ではありますが
我々は名誉ブリタニア人として国民IDも持っています、これを見せて
きちんと保護を求めれば、流石に殺される事はないかと」
キョン「なるほど・・・逃げたり戦ったりよりは確かに助かる可能性は高い」
ハルヒ「冗談じゃないわ!私は嫌よ!あんな連中に保護を求めるなんて!
あいつらは罪のない日本人を虐殺してるのよ!?」
キョン「気持ちは分かるが、ここで全員が助かるにはそれしかない
逃げるにしても戦うにしても、お前は何とかなるかもしれんが運動能力の低い
俺や朝比奈さんはどうなる?」
みくる「キョンくん・・・」シクシク
ハルヒ「・・・・・」
キョン「会長なら自分の事だけじゃなく、生徒会全員の事を考えた上で判断を下すべきだ」
ハルヒ「うるさいわね!そんな事アンタに言われなくても分かってるわよ!
・・・・いいわ、保護を求めましょう」
キョン「ありがとよ」
古泉「では次にそこの道をナイトメアが通ったら
全員で両手を挙げて保護を求めましょう」
キョン「分かった!」
古泉「出来ればライフルを装備していないナイトメアがいいですね
見られた瞬間発砲されたんじゃ保護を求めようもないですから」
ウィーーーン
キョン「来たぞ!ブリタニア軍のナイトメアだ!!」
古泉「ライフルは装備していないようですね、しかもサザーランドと比べ旧型のグラスゴー
武器はスタントンファーとハーケンのみ・・・・・行きましょう!」
キョン「よし!」
キョン達は隠れていた場所から飛び出し
走行するグラスゴーの前に姿を見せた
グラスゴーパイロット「ん?何だあいつらは?イレヴンか?」
パイロットはグラスゴーをキョン達の前で停止させ
音声を外に流し話し始めた
Gパイロット「貴様等、こんな所で何をしている!?見たところ学生のようだが・・・」
キョン「そうなんだ、そしたらあんたらが演習を始めてそれで・・・」
Gパイロット「帰るに帰れなくなったというわけか?」
古泉「えぇ、僕達は名誉ブリタニア人です、IDカードも所持しています
ご確認の後保護をお願いしたいのですが」
みくる「お、お願いしますぅ〜」シクシク
Gパイロット「ふっ、ふははははwww何が名誉ブリタニア人だ、笑わせるな!!
そんな者ブリタニアには必要ない!!つまり、俺がお前等を保護する必要もない!」
キョン「な、何だと!?」
古泉「・・・・外れでしたね、まさか純潔派の方だったとは」
キョン「純潔派?」
古泉「ブリタニアはブリタニア人だけで構成すべきだという考えを主張している方々の事です
彼らはナンバーズだけでなく名誉ブリタニア人も毛嫌いしていますからね
IDを持っていようがいまいが関係ないのでしょう」
キョン「なっ・・・」
ハルヒ「ちょ、ちょっと何よそれ!?私達は名誉ブリタニア人なのよ!!
ちゃんと保護しなさいよ!」
弱い弱いイレヴンだろうが!!立場をわきまえろ糞が!!」
ハルヒ「な、なんですってー!!」
キョン「お、おい止めろハルヒ!敵う相手じゃない!」
古泉「相手が純潔派ではもうどうしようもありませんね、作戦を考えたのも
保護を求める相手を選んだのも僕です、責任はとります
囮になりますので、みなさんはその隙に逃げてください」
キョン「おい、何言ってんだお前!?」
ハルヒ「そうよ、団員を見捨てるなんて事できないわ!みんなで逃げるの!
いいわね古泉くん!!」
古泉「しかし全員で一緒に逃げてもすぐに攻撃されて全滅です!」
キョン「(そうだ!!そういえば俺はギアスとかいう能力が使えるんだった!!
あれを使えばこの状況も簡単に打破できる!!)」
Gパイロット「何をごちゃごちゃ言ってやがんでイレヴン共!!
皆殺しにしてやる、覚悟しやがれ!!」
キョン「あ・・・・・駄目だ、直に相手の目を見ないといけないんだった・・・こりゃイカン」
ハルヒ「考えてる暇はないわ、みんな逃げましょう!」
キョン「お、おう!!いくぞ古泉!!」
グラスゴーが逃げるハルヒ達に迫る
キョン「くそ、もう駄目だ!」
みくる「ふぇぇぇぇ」
Gパイロット「死ね!!」
万事休すかと思ったその時、どこからかスラッシュハーケンが飛んできて
キョン達を襲っていたグラスゴーの右足を弾き飛ばし
バランスを崩した機体はその場に横転した
ドスンッ!!
Gパイロット「ぐわっ!!!」
キョン「ハァ、ハァ・・・た、助かった・・・朝比奈さん、大丈夫ですか?」
みくる「ふぇぇぇぇんキョンくぅぅぅん!!怖かったですー」シクシク
古泉「どうやら我々を助けてくれたのは、あのナイトメアのようですね」
ハルヒ「あの赤いのって、黒の騎士団のエース機じゃないの!?」
キョン「本当だ、黒の騎士団が来てくれたんだ!朝比奈さん、もう大丈夫ですよ!」
みくる「ふぇぇぇぇ・・・」
赤い機体から外部音声で声が響き渡る
キョン「そ、そうだな!朝比奈さん、もう少し走れますか?」
みくる「ふぇぇ・・・なんとか」
古泉「急ぎましょう!」
ハルヒ「全速力で行くわよ!!みんなちゃんとついて来なさいよね!」
ハルヒを先頭に全員その場から走り出した
赤い機体のパイロット「(ふぅ、良かった・・・それにしても、何でみんなが
こんな所にいるのかしら?)」
Gパイロット「糞がっ!逃がさねーぞイレヴン共!!」
赤い機体のパイロットが油断した瞬間、グラスゴーのパイロットは横転したまま
スラッシュハーケンを逃げるハルヒ達のすぐ横にある廃ビルへと打ち込んだ
バシュッ!!
赤い機体のパイロット「はっ!しまった!!」
ズガーン!!
ハーケンは見事ビルに命中し
大量の瓦礫がハルヒ達目掛けて降り注ぐ
古泉「しかしこうも広範囲では・・・」
みくる「ふぇぇぇぇ!!」
ハルヒ「嘘でしょ・・・きゃああああああ」
長門「・・・・・」
キョン「うわあああああああああ」
ガラガラガラドカーン!!
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キョン「うわああああああああああ!!!」ガバッ
チュン チュン チュン
キョン「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・・・・・・・・・・へ??ここは??」
キョン妹「キョンくーん、朝だよー!!あれ?キョン君珍しく起きてる?」
キョン「・・・・・・へ?朝?」
キョン妹「そうだよー、キョン君どうしたのぉ?汗ビッショリだよぉ?」
キョン「い・・・いや、何でもない。分かったから先に下降りてなさい」
キョン妹「はーい」
ガチャッ
キョン「・・・・・・・・・・・ゆ、夢か・・・・・・」
キョン「・・・・・・・・・」
キョン「ぬおおおおおおおおお!!なんちゅー夢を見てたんだ俺は!!
最初の方は夢だって自覚してたのに後半は完全に忘れちまってた!!
かぁーっ、フロイト先生も爆笑だっぜ!!」
国木田「あっ、おはようキョン」
キョン「あぁ・・・・」
国木田「どうしたんだい?朝だっていうのに疲れきった顔して?」
キョン「いや、ちょっとな」
国木田「もしかして夜遅くまで勉強してたのかい?」
谷口「国木田、キョンがそんな事するわけないだろ
精々深夜のエロイ番組でも見てたって所だな」
キョン「お前と一緒にするな」
谷口「残念だったな、俺は録画してるから起きてる必要はないんだ(キリッ」
キョン「あぁそうかい」
キーンコーンカーンコーン
国木田「そろそろ先生が来ちゃうね、じゃあキョンまた後でね」
キョン「あぁ」
国木田、谷口と別れたキョンは自分の席に着席した
取り敢えず話しかけてみるか)」
キョン「ようハルヒ、今日もイライラが顔に出てるぞ」
ハルヒ「はぁ!?何よ朝っぱらからうるさいわね!余計なお世話よ!!」
キョン「(どうやら当りのようだ)」
ハルヒ「別にイライラなんてしてないわよ!昨日変な夢見たから
それでちょっと変な気分なの!」
キョン「変な夢?奇遇だな、俺も昨日飛びっきり変な夢を見たばっかりだぞ」
ハルヒ「だから何?私とアンタの夢を同列にしないでちょうだい!」
キョン「へいへい」
ハルヒ「最初の方は凄くドキドキして、面白い夢だったのに
最後の最後で最低な終わり方したのよ!あー思い出すだけで気分が悪いわ!!」
キョン「ったく、前日の夜に見た夢の内容によっていちいち機嫌を変えられたんじゃ
周りの人間はいい迷惑だぜ・・・」
ハルヒ「何か言った!?あ、そうだ!今日ちょっと用事があるから私部活いけないの
みんなに伝えといてね」
キョン「へいへい(朝から放課後の話かい!)」
ガチャッ
キョン「うーっす」
古泉「おや?今日は涼宮さんは御一緒ではないのですか?」
キョン「今日は用事があるとかで欠席するとさ」
古泉「そうでしたか、それは都合が良いですね」
キョン「都合?何の都合だ?・・・・・ん?あ、朝比奈さん!?」
みくる「キョンくーん・・・・」シクシク
キョン「な、何で泣いてるんですか朝比奈さん!?おい古泉、まさかお前!」
古泉「か、勘弁してください。都合が良いと言ったのは、朝比奈さんが泣いている
理由を説明するのに都合が良いと言う意味です」
キョン「(何だか激しく嫌な予感がする、朝比奈さんが泣く時というのは
決まってハルヒ絡みだと相場が決まっているからだ・・・)」
古泉「流石ですね、正解です」
キョン「はぁ・・・で、今度は何をやらかしたんだあいつは?」
キョン「何だ?」
古泉「昨日、どんな夢を見ましたか?」
キョン「昨日?・・・・・・人に話すにはかなり勇気のいるアホな夢だったから
あまり言いたくないのだが」
古泉「では僕が当ててみせましょう」
キョン「なに?んな事できるわけないだろ」
古泉「お忘れですか、僕は超能力者ですよ?」
キョン「現実では力が使えないエセ超能力者だろ」
古泉「ふむふむ・・・・見えます」
キョン「付き合ってられん」
古泉「あなたが昨日見た夢、それは新宿ゲットーという場所で
我々SOS団がブリタニアという国の軍隊から逃げ回るという内容ですね?」
キョン「!!?」
古泉「途中黒の騎士団が助けに入るも、最後は瓦礫の下敷きになり全滅・・・違いますか?」
キョン「な、何で分かるんだ!?」
古泉「いいえ、先程のは冗談です」
キョン「じゃあ何で分かった!?」
古泉「簡単ですよ、僕も全く同じ夢を見ていたんです」
キョン「・・・・言っている意味が分からんのだが」
古泉「僕だけじゃありません、そこにいる朝比奈さんと長門さん
そして涼宮さんも、昨日あなたが見たモノと全く同じ夢を見ていたんです」
キョン「何でそんな事が言える?」
古泉「僕も今日ここに来るまでは何も気がつきませんでした
これらの事実を教えてくれたのは長門さんです」
キョン「長門が?」
古泉「えぇ、勿論僕がそれらの事を信じたのはきちんと裏付けをとってからですが」
キョン「おい長門、昨日俺達全員が同じ夢を見てたって言うのはマジなのか?」
長門「厳密に言うと夢ではない、昨日の夜私達は全員別次元の地球に飛ばされていた」
キョン「夢じゃない?別次元の地球?」
キョン「・・・すまんが、もう少し分かりやすく説明してくれ」
長門「私達が今生活しているこの世界とは別の歴史を辿っている並行世界
私達は昨日そこに飛ばされていた」
古泉「つまり、パラレルワールドですよ!」
キョン「飛ばされてたってのはどういう意味だ?」
長門「そのままの意味、昨日の出来事は寝ていた時に見た夢ではなく
実際に起きていた事」
キョン「するとなんだ、瓦礫の下敷きになったあれは実は夢じゃなく
本当に下敷きになってたって事か?」
長門「そう」
キョン「でも俺もお前も、ハルヒだって何ともないじゃないか?
あれが夢じゃなかったなら俺達は無事でいられるはずがない」
長門「それは涼宮ハルヒがあっちの世界を夢だと認識しているから」
キョン「ハルヒが夢だと思い込んでるから、その並行世界とやらで瓦礫の下敷きになっても
こっちの世界で目が覚めて身体には何の影響もなかったって事か?」
長門「そう」
夜な夜な我々を別の世界へと飛ばしている原因は勿論彼女の力によるものです
現状明確な対処法はありません、恐らく今日の夜も飛ばされるでしょう」
キョン「あいつは何が悲しくてそんな事をしてるんだ?」
古泉「昨日のここでの会話をお忘れですか?」
キョン「ん?」
古泉「『せめて夢の中だけでも』という話をしていたではありませんか」
キョン「ドラえもんの映画のくだりか・・・」
古泉「えぇ。涼宮さんは無意識の内に、夢の中だけでも面白い体験をしたいという
願望を具現化してしまったようです」
キョン「今日も飛ばされるって言ったな?いったいいつまで続くんだ?」
古泉「涼宮さんの気が晴れるまでは永遠と続くと思いますよ」
キョン「orz・・・・・朝比奈さんが泣くのも無理ないな」
古泉「飛ばされた先の世界で涼宮さんが満足するくらい面白い体験が出来れば
恐らく解放されるでしょう、我々がやるべき事はそれです」
キョン「ハルヒを満足させりゃいいわけか・・・簡単なようで難しそうだな」
古泉「飛ばされる世界自体、一筋縄ではいかないような場所ですしね」
古泉「いいえ、同じ場所だそうです」
キョン「何で分かるんだ?」
長門「こっちの世界と向こう世界を繋ぐ超空間がまだ存在してる
普通では絶対にあってはいけないもの、それがあるという事は
今夜もそこを通って同じ場所に行く可能性が高い」
キョン「なるほど・・・ん?でも待てよ、俺たちは向こうの世界では
確かに瓦礫の下敷きになったんだぞ?まさか向こうの世界に行った瞬間
瓦礫の下で瀕死の状態からスタートするのか?」
長門「それはない、涼宮ハルヒが事実を改竄した」
キョン「改竄した?」
古泉「あの時、夢の中であるという認識があったにしろ涼宮さんは
『死にたくない!』と強く願ったんですよ、だから向こうの世界でも
我々は瓦礫の下敷きにならず、あのまま軍から逃げ切ったという風に
歴史を書き換えたんです」
キョン「ハルヒパワーは別の世界でも健在なのか・・・
ていうか、何でそんな事まで分かるんだ?」
長門「情報統合思念体が調べた」
キョン「こういう不足の事態の時は本当に役に立つな、お前の親玉は」
キョン「大丈夫ですよ朝比奈さん、俺達みんな一緒なんですから!
それにほら、向こうの世界でどんな怪我をしようが、ハルヒが夢だと認識している以上
こっちの世界では身体に傷一つつかないんですから」
古泉「夢だと認識している内は確かにそうですが、あまり時間がかかると
涼宮さんが夢である事を忘れ、それを現実だと認識してしまうかもしれません
そうなったらあちらの世界とこちらの世界が入れ替わってしまうでしょう」
キョン「そうなったらどうなる?」
古泉「夢ではなく現実なのですから、向こうで受けた傷はそのまま残りますね
死ねば本当に死にますし、それ以前にこちらの世界へ戻る手立ても失われます」
みくる「ふぇぇぇん、キョンくーん」
キョン「だ、大丈夫ですよ・・・・こっちにはギアスもあるんですし!」
みくる「ふぇ・・・ギアス?」
古泉「何です、そのギアスというのは?」
キョン「ん?お前昨日の夢見る前に佐々木に説明受けなかったのか?
同じ夢を見ていたんだろ?」
古泉「ほぅ、あなたの方には佐々木さんが出てきたのですか」
キョン「お前は違うのか?」
思い入れの深い人物が出てきていたようですね」
キョン「(特に思い入れが強いとも思わんが・・・付き合い自体もそんなに長くないし)」
古泉「ところで、そのギアスというのが何なのか説明していただけますか?」
キョン「あぁ、えーっと確か・・・」
キョンは古泉達にギアスの説明をした
古泉「絶対遵守の力・・・なるほど、確かにこれは我々にとって大きな武器に
なるかもしれませんね」
キョン「本当にお前には何の説明もなかったのか?」
古泉「えぇ、僕だけじゃなく朝比奈さんと長門さんもそういった能力の存在については
何も聞いていません。恐らくこの力はあなたにだけ与えられた特権なのでしょう」
キョン「何で俺だけなんだ?」
古泉「涼宮さんがそう願ったからです」
キョン「・・・・・」
古泉「やはり今回もあなたがキーマンになりそうです。頼りにしてますよ」
キョン「はぁ・・・・」
まずは涼宮さんがあちらの世界で何をしたいのかを知る事から始めましょう」
キョン「やりたい事が分からないんじゃ満足させようがないしな」
古泉「かなり骨の折れる作業になると思いますが、みなさん頑張りましょう」
みくる「・・・はい」
キョン「あぁ」
------その日の夜
キョン「・・・・・・・・・・・・よし、寝るか。はぁ、寝るのがこんなに憂鬱なのは初めてだぜ全く」
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--
-
---アッシュフォード学園生徒会室
ハルヒ「起きなさい馬鹿キョン!!!」パコンッ
キョン「イテッ!!」
ハルヒ「これから会議が始まるってのに居眠りしてるアンタが悪いのよ!」
キョン「たく、どうして俺だけいつも叩き起こされる所から始まるんだ」
ハルヒ「ん?何か言った?」
キョン「いいや(よし、古泉達もいるな)」
ルルーシュ「何を決める会議なのか知らんが、早くやって早く終わらせよう
俺は他にやる事があるんだ」
キョン「(こいつはルルーシュ・ランペルージ、妹ナナリーと一緒に
学園内のクラブハウスに住んでる生徒会の副会長・・・分かる、分かるぞ
まるでずっと前から知り合いだったかのように分かる)」
シャーリー「やる事って、どうせまた賭け事でしょ?」
キョン「(シャーリー・フェネット・・・ルルーシュに思いをはせる同級生)」
ルルーシュ「いや、もう賭け事は止めたんだ。他に面白いものを見つけたからね」
シャーリー「面白いもの?」
リヴァル「おいルルーシュ何だよその面白い事って?俺も混ぜてくれよ!」
スザク「ルルーシュ、まさか法に触れるような事をやってるんじゃないだろうね?」
後者は名誉ブリタニア人でありながらユーフェミア皇女殿下の騎士にまで登りつめたイレヴンの英雄)」
ハルヒ「ありえるわね!詐欺だわ、詐欺でしょ!?アンタいったい誰を騙してるの?」
シャーリー「えぇ!?ルルそんな事してるの!?」
ルルーシュ「勝手に話を進めるな!法に触れるような事俺がするわけないだろ!」
カレン「どうかしら・・・じゃあ何で最近生徒会に顔を出さないの?
それどころか授業に出る回数も減ってるじゃない」
キョン「(カレン・シュタットフェルト、親父さんはブリタニアの一流貴族
学園一の超御嬢様だが、身体が弱くて学校は欠席する事が多い)」
ルルーシュ「少なくとも君よりは出席日数も、生徒会に顔を出す機会も多いと思うが」
カレン「・・・むっ」イラッ
ハルヒ「いいや、駄目よ!ルルーシュ、アンタ最近怠けすぎよ!!
授業はともかく生徒会の活動には必ず顔を出しなさい!!」
ルルーシュ「会議の時はいつも顔を出してるだろ、それに俺よりもカレンやスザクの方が
生徒会に来る回数は少ない」
ハルヒ「カレンは身体が弱いんだから仕方ないじゃない!スザクは軍の仕事があるし
アンタは何もないじゃない!それに副会長という役職に就いているんだから
毎日来て会長である私のサポートをしなさい!」
リヴァル「そうだそうだ、毎日来い!」
ハルヒ「しょーがないじゃない、他に出来そうな人がいなかったんだから」
ルルーシュ「古泉がいるだろ!!」
古泉「まぁまぁ、その辺にしてそろそろ会議を始めませんか?」
ハルヒ「そうね!じゃあ始めましょう」
リヴァル「いや、始めましょうって言われても・・・」
シャーリー「今日は何の会議なの?」
ハルヒ「会議って言うか、実はアッシュフォード学園生徒会の名を世界中に轟かせる為の
活動目標が決まったからそれを発表しようと思っただけなの!」
ルルーシュ「世界中に轟かせる・・・お前はまだそんな事を言ってるのか・・・」
キョン「(活動目標・・・・これだ!これがハルヒがこっちの世界でやりたい事!
それを達成できればこの夢から解放される!)」
ハルヒ「何をするか聞きたいでしょルルーシュ?きっとビックリするわよ!」
ルルーシュ「どうせくだらん事だろうが、言ってみろ」
ハルヒ「フフーン♪我がアッシュフォード学園生徒会は、ゼロの正体を暴きます!!」
ルルーシュ「!!?」
シャーリー「ゼロの?」
リヴァル「ゼロって、あのゼロだろ?」
ハルヒ「そうよ!ゼロの正体なんて今世界中の人が関心をもってる事だし
暴いたらこの生徒会の名が一気に知れ渡るわ!」
キョン「(これがハルヒのやりたい事か・・・やっぱり一筋縄じゃいきそうもないな)」
ルルーシュ「単純に暴くと言っても何か具体的な方法がなければ絵に描いた餅だ
何か作戦はあるのか?」
ハルヒ「勿論あるわよ!」
ルルーシュ「ほう、言ってみろ」
ハルヒ「まずはゼロに近づく事が第一ね!相手の懐に入って油断したところを襲うの!
公に募集なんてしてないけど、黒の騎士団は常に団員を求めてるって言うし
中に入り込む事自体はそんなに難しくないと思うわ!」
キョン「相手は仮にもテロリストだぞ?お前はゼロの正体を暴く為ならテロリストにも
なるっていうのか?」
ハルヒ「別にいいわよ」
スザク「いや、危険だから止めた方がいい!」
シャーリー「そうだよ、テロリストなんかになってもし捕まっちゃったら・・・」
それにゼロは・・・・黒の騎士団は普通じゃない!絶対に関わっちゃ駄目だ!」
カレン「むっ・・・」イラッ
リヴァル「スザクの言うとおりだと思うぜ、流石にテロリストに関わるのはまずいって」
ルルーシュ「そうだな、ただの学生が手を出していいような相手じゃない」
ハルヒ「・・・・・ったく、何真に受けてんのよ!冗談に決まってるじゃない!
ブリタニアンジョークよブリタニアンジョーク!」
キョン「お前はブリタニア人じゃないだろ!ていうか、ジョークだと?」
ハルヒ「いくら何でもテロリストに近づこうとなんてするはずないじゃない!冗談よ」
シャーリー「はぁ、良かったぁ」
ルルーシュ「くだらん冗談に付き合ってる暇はないんだが?さっさと本題に入ってくれ」
ハルヒ「本題?うーん、今日はもういいわ!解散!」
キョン「なに?解散?」
ハルヒ「そ、もうみんな帰っていいわよ!あっ、キョンと古泉くんと
みくるちゃんと有希は残ってね!」
ルルーシュ「・・・・何の為にここに来たんだ俺は・・・」
スザク「はは、会長らしいね」
ハルヒ「よし、みんな帰ったわね!」
キョン「何だってんだ、俺達だけ残して?」
ハルヒ「さっきは誤魔化したけど、私は大マジなの!
ここにいるメンバーでゼロの正体を暴く為、本日から動き出すわよ!」
キョン「はぁ、やっぱりそういう事だったのか・・・」
みくる「で、でも相手はテロリストなんですよぉ・・・大丈夫なんでしょうか」
ハルヒ「心配ないわ!私がいるから!」
キョン「(お前がいるから心配なんだ!)」
古泉「しかし、何故我々だけなのですか?他の方々は?」
ハルヒ「スザクは軍人だから黒の騎士団に潜入なんてできないだろうし
カレンは病弱だし、リヴァルは・・・・・地味だし」
キョン「おい、最後おかしいぞ」
みくる「あの、シャーリーさんは?」
ハルヒ「シャーリーみたいな天真爛漫な良い子をこんな危険な事に巻き込めないわ!」
キョン「じゃあ朝比奈さんもはぶくべきだ」
みくる「む、むむむ無理ですぅ〜!!」
ハルヒ「うーん、まぁ仕方ないわね!今回は相手が相手だし
いいわ、みくるちゃんは外しましょう!」
みくる「よ、良かったぁ〜」
ハルヒ「一応聞くけど、有希は大丈夫よね?」
長門「・・・」コクリッ
ハルヒ「決まりね、じゃあ私、キョン、古泉くんに有希の四人でやりましょう!」
古泉「個人的にはルルーシュさんも入れたほうが良いと思うのですが」
ハルヒ「あいつは駄目よ!」
キョン「何でだ?」
ハルヒ「私ね、実はルルーシュって黒の騎士団の関係者じゃないかって思ってるの!」
キョン「何を根拠に言ってるんだ?」
ハルヒ「根拠なんてないわ!勘よ、勘!!最近いつも出かけてるし
朝帰りばかりしてるのよ?だから私達が中に潜り込んでその真意を確かめるの!!
これは生徒会の仲間を更正させる為の活動でもあるのよ!」
キョン「もし本当にそうだったらの話だろうが」
キョン「それはいいが、どうやってゼロの正体を暴こうっていうんだ?」
ハルヒ「さっき説明したじゃない!」
キョン「俺達が黒の騎士団の内部に入り込むってあれか?んなもん無理に決まってるだろ
だいたいどうやったら黒の騎士団なんぞに入ることができるんだ?」
ハルヒ「心配ないわ、もう応募してあるから!」
キョン「・・・・は?」
ハルヒ「もうここにいるメンバー分の書類を送ってあるの!
審査が通れば後日連絡をくれるらしいわ!」
キョン「そんな話初めて聞いたぞ!だいたいんなもん何処に送ったんだ?」
ハルヒ「何処って黒の騎士団の関係者に決まってるじゃないの」
キョン「何でお前がその関係者とやらの連絡先を知ってるんだ?」
ハルヒ「調べたからに決まってるじゃないの、ゲットーに行けば
その手の情報はゴロゴロ転がってるわよ!」
キョン「ゲットーって・・・あの後もお前一人で行ってたのか?」
ハルヒ「そうよ!」
キョン「はぁ・・・」
こうも簡単に見つけてしまうとは、流石涼宮さんですね」
キョン「ハルヒが流石というより、黒の騎士団が甘いんじゃないのか?」
古泉「あのゼロのことですから、そういったところからは決して足がつかないように
かなり警戒してるはずです。それを見つけてしまうんですから
やはり涼宮さんを流石と評するのが的確ですよ」
ハルヒ「確かに警戒心はかなり強いわね、入手した情報の9割はトラップかガセ
みたいだったし!」
キョン「よくもまぁ正解の1割にたどり着いたもんだな」
ハルヒ「当たり前じゃない!私に不可能はないの!」
みくる「あ、あのぉ〜」
ハルヒ「何?みくるちゃん」
みくる「さっき全員の書類を送ったって言ってましたけど・・・
私に関する書類も送ったんですかぁ?」
ハルヒ「えぇ、勿論送ったわよ!」
みくる「こ、困りますぅぅ!」
キョン「朝比奈さんは外すとさっき決めただろ!どうするんだ?」
ハウヒ「そんなの適当に誤魔化せば大丈夫よ!みくるちゃん、心配しなくていいのよ」
ハルヒ「まずは黒の騎士団の内部に入り込んでゼロの信用を得るの!
そしてゼロが油断した瞬間を狙って仮面を剥ぎ取る!完璧な作戦だわ!」
キョン「完璧かどうかはさておき、まず書類審査とやらが通らないと話にならないぞ?
そこら中にいるただの高校生をテロリストが欲しがるとは思えん」
ハルヒ「大丈夫、きっと通るわ!私を信じなさい!」
キョン「どこから湧いてくるんだその自信は・・・」
古泉「何やら面白くなってきましたね」
キョン「何処がだ」
みくる「あの、みなさん気をつけてくださいね・・・」
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ルルーシュの部屋
C.C「ルルーシュ、腹が減ったぞ。ピザを頼め」
ルルーシュ「俺は今忙しいんだ、食べたいなら自分で電話して頼め」
ルルーシュ「入団希望者のリストを見てるんだ、そろそろ人員を補充する必要があるのでな」
C.C「まだ団員を増やすのか?組織というのは大きくなりすぎると
統率がとれにくくなるものだぞ」
ルルーシュ「無能な人間が上に立ってる場合はな。俺は違う」
C.C「ふふ、そうだといいがな」
ルルーシュ「きたるべき東京決戦を迎えるには、もう少し駒がいる
シュナイゼルが動き出した以上、もうあまり時間が無い
これが最後の補充だ、だからできるだけ有能な人材が欲しい」
C.C「それで自ら選別してると言うわけか、ご苦労なことだ」
ルルーシュ「ん?これは・・・」
C.C「どうかしたのか?」
ルルーシュ「・・・入団希望者の中に、生徒会メンバーの名前がある」
C.C「ほう」
ルルーシュ「ありえない・・・租界に住むただの一般人がどうやって書類を・・・
あれほど入り組んだダミーやトラップを全て見破ったとでも言うのか・・・」
C.C「租界に住む一般人が黒の騎士団に入団を希望する事とはそんなに
難しいことなのか?」
様々なトラップを幾重にも張り巡らせてある。租界からの希望者は
やはり念入りに振るいにかける必要があるからな」
C.C「ほう、ではそれを突破したそいつらは相当優秀なようだな」
ルルーシュ「(涼宮がこれらのトラップを突破したなど考えられない
となると、やはり古泉か)」
C.C「で?どうするんだ?前は生徒会の人間は出来るだけ巻き込みたくないと言っていたが」
ルルーシュ「(あの五人はイレヴンだ、ブリタニアと戦う理由はある
それにこれはゼロの正体を暴く為の策に基づいての行動
向こうの目的がはっきりしてる以上、スパイだと疑う必要もない)」
C.C「おい、聞いてるのか?」
ルルーシュ「(相手の懐に入って油断したところを、とあいつは言ってたな
その為にはまずゼロの信用を得る事が第一。表では忠誠を近い
裏では常に俺の仮面を狙っているというわけか)」
ルルーシュ「フフフ、面白い。入れてみよう!」
C.C「ほう、意外な判断だな」
ルルーシュ「確かに出来る事なら友人は巻き込みたくはない!が、あのトラップを
掻い潜った知力、そして行動力は賞賛に値する!逃すには惜しい人材だ」
C.C「やれやれ、カレンといいお前といい、生徒会の殆どがテロリストとは
学園の行く末が心配になるな」
ハルヒ「ちょっとキョン、アンタちゃんと地図見てたんでしょうね!」
キョン「穴が空くほど見てただろ!!ここが指定された場所で間違いない」
ハルヒ「でもアジトどころかなーんにもないただの更地じゃないの!!」
キョン「確かに・・・・まさかガセだったのか?」
ハルヒ「何よアンタ、私が掴んだ情報を疑うわけ!」
キョン「そうは言わんが・・・」
古泉「指定された場所だからと言ってそこに黒の騎士団の施設があるとは考えにくいでしょう
恐らくここに出迎えが来て、そこから移動という手順だと思いますよ」
ハルヒ「なるほど!流石古泉くんだわ!!や〜い、キョンのアホ〜!」
キョン「はぁ・・・」
古泉「と、言っていたら来ましたよ」
黒塗りの車がハルヒ達の近くで停車し
中から大柄な男が降りてきた
扇「君達が新入団員だな?」
ハルヒ「そうよ!!」
キョン「え?いやそれはその・・・」
ハルヒ「途中で怖くなって逃げ出しちゃったのよ!だから私達だけで来ました!」
扇「そうか・・・まぁいい、取り敢えず車に乗りなさい。アジトまで案内する」
ハルヒ「はーい♪行くわよ有希!」
長門の手を引っ張ってハルヒは勢いよく車に乗り込んだ
扇「はは、元気な子だな」
キョン「騒がしくてすいません」
扇「気にしなくていいさ、暗いご時世にはあのぐらい元気なくらいが丁度良い
さ、君達も早く乗りなさい」
キョン「あ、はい」
ハルヒ達を乗せ車は黒の騎士団のアジトへと走り出した
カレン「え?新しい団員ですか?」
ゼロ「あぁ、今日ここへ来る予定になっている」
カレン「ここへですか?でもここは黒の騎士団の中でも初期のメンバーや
上層部の人達しか入れない場所ですよね?
入ったばかりの団員を入れるのは危険では・・・」
ゼロ「問題ない、スパイの類でない事は既に確認済みだからな
それに、これからここへ来る連中はただの一般団員とは違う」
カレン「どう違うんですか?」
ゼロ「即戦力になりうる人材だ、だから最初からアジトに入ってもらう事にした」
カレン「そうなんですか・・・あの、ナイトメアのパイロットもいるんですか?」
ゼロ「経験者はいないだろうが、何人かはナイトメアにも乗ってもらう予定だ」
カレン「え?経験者はいないんですか?」
ゼロ「あぁ、即戦力というのは何も戦闘においての意味だけじゃないぞカレン」
カレン「そ、そうですよね、すいません!」
ゼロ「心配しなくても紅蓮二式は君の専用機だ。これから来る連中や
藤堂や四聖剣にパイロットを替える予定はないから安心しろ」
コンコン
扇「ゼロ、俺だ。新入団員を連れてきた」
ゼロ「そうか、入れ」
ガチャッ
カレン「えっ・・・・・ええ!?」
扇「この子達が新しく入団する」
ハルヒ「カ、カレン!?何であなたがこんな所にいるのよ!?」
カレン「それはこっちの台詞よぉ・・・」
キョン「カレン・・・・本当だ、雰囲気は違うが確かにあのカレンだ!」
扇「何だ、お前達知り合いだったのか?」
カレン「学園の友達なの」
扇「そうだったのか・・・じゃあカレンがここにいて驚くのは無理もないな」
ハルヒ「ど、どういう事なのカレン!?何で病弱なアンタが!」
カレン「これが私の本当の姿よ、シュタットフェルトじゃなく
紅月カレンとしての私」
小泉はともかく長門が制限なく能力使ったらブリタニアなんて話にならんぞ
カレン「私はブリタニア人と日本人のハーフなの、紅月が日本名で、私の本当の名前よ」
キョン「そうだったのか・・・」
ハルヒ「全く気付かなかったわ!まさかカレンに日本人の血が流れてるなんて!
何か嬉しいわね!!」
カレン「ありがとう、そう言ってくれると助かるわ」
古泉「病弱な名家の御嬢様というのは世を忍ぶ仮の姿だったというわけですか」
カレン「そっ、驚いた?」
キョン「そりゃもう・・・」
ハルヒ「全然見破れなかったわ・・・何か悔しいわね」
扇「ちなみにカレンは紅蓮二式のパイロット、つまり黒の騎士団のエースだ」
キョン「なんですと!?」
ハルヒ「あの赤いののパイロットなの!?凄いじゃないカレン!!」
古泉「という事は、いつぞや新宿ゲットーで我々を助けてくださったのは
カレンさんだったというわけですか」
カレン「そうよ、感謝してちょうだよね!正直ビックリしたわよ
まさかあなた達がゲットーをうろついてるなんて思わなかったし」
カレン「別にそんな、照れるから言わなくていいわよ」
ゼロ「盛り上がってるところ申し訳ないが、そろそろ話してもいいかな?」
キョン「うわっ、ゼロ!!」
ハルヒ「ちょ、ちょっと急に出てこないでよ!ビックリするじゃない!!」
古泉「いえ、彼はずっと部屋の中にいましたよ」
ゼロ「一つの事に夢中になると回りが見えなくなるタイプのようだな
まぁいい、ところで人数が足りないようだが?もう1人はどうした?」
扇「それがどうやら直前になって一人辞退したそうだ」
ゼロ「そうか・・・(朝比奈みくるは自重したわけか)」
キョン「(これがゼロか・・・実際に会ってみると、威圧感というかオーラが凄いな
本当にこんな奴の仮面を剥がす事なんて出来るんだろうか・・・)」
ゼロ「君達の資料は読ませてもらった、それを踏まえた上で所属する部隊を分けたので発表する
以降は配属された部隊での活動となる。涼宮ハルヒ、君には零番隊でナイトメアに乗ってもらう!」
ハルヒ「本当!?やったわ!!私ずっと前からナイトメアに乗ってみたいって思ってたのよねぇ!!」
カレン「零番隊って事は私と同じか」
ゼロ「カレンは零番隊の隊長だ、ナイトメアの操縦方法など指導を受けるといい」
ハルヒ「隊長!?黒の騎士団のエースであり隊長でもあるなんて
あなたって本当に全然学園でのキャラと違うのね!」
カレン「まぁね、嫌いになった?」
ハルヒ「いいえ、個人的には今のカレンの方が断然好感が持てるわ!」
カレン「そう、ありがと」
ゼロ「続いて長門有希、お前もナイトメアに乗ってもらう
所属するのは壱番隊だ」
キョン「長門もパイロットか・・・」
ゼロ「そして次は」
ハルヒ「キョンよ!」
ゼロ「・・・・何だ?」
ハルヒ「こいつはキョンって読んでくれればいいわ!
みんなそう読んでるし、呼びやすいでしょ?」
キョン「おい、それがいちいちカットインしてまで言う事か!」
ハルヒ「アンタだって本名で呼ばれるよりこっちの方が良いでしょ?」
ゼロ「フン、まぁいい。では私もキョンと呼ばせてもらう事にする
キョン、お前には私の側近として雑務などをこなしてもらいたい」
キョン「側近?俺がですか?」
扇「ゼロ、いくらなんでも入ったばかりの彼では」
ゼロ「問題ない、やってくれるな?」
キョン「え、えぇ」
ハルヒ「(ナイスよキョン!ゼロの側近なんて、仮面を剥がすチャンスが広がるわ!)」
ゼロ「そして古泉一樹、君には媒体情報管理の方を担当してもらいたい」
古泉「媒体情報管理?」
ゼロ「情報全般の整理及び管理は勿論、広報、諜報、渉外など様々な点で
黒の騎士団を支える部署だ、励んでくれたまえ」
古泉「なかなか大変そうですね」
ゼロ「では早速研修といこう。扇、藤堂達の準備はできてるな?」
扇「あぁ、問題ない」
カレン「?これから何かやるんですか?」
相手は藤堂と四聖剣だ」
キョン「なっ・・・・」
ハルヒ「なになに、いきなりナイトメアで戦えるの?最高だわ!!」
カレン「い、いきなり模擬戦だなんて無茶です!この二人はナイトメアの騎乗経験すら
ないんですよ?まずは基礎からみっちり教えるべきじゃないでしょうか?」
ゼロ「模擬戦の中で基礎を学んでもらう。実際に戦ってみての経験こそが一番貴重だ
それにゆっくり教えるほどの時間もない、多少荒っぽいかもしれんが
この二人をいち早く戦えるパイロットにする為の判断だ」
ハルヒ「素晴らしい判断だわゼロ!心配しなくても私と有希ならすぐに
即戦力になってみせるから安心しなさい!」
キョン「毎度の事ながら何処から湧いて出るんだその自信は・・・」
ゼロ「フン、それは心強い。カレン、二人のサポートは君に任せる
君がいるからこそこのような判断が出来たんだ。頼むぞ」
カレン「はっ、はい!!頑張ります!!」
扇「じゃあ三人は俺についてきてくれ!模擬戦をやる場所まで案内する」
ハルヒ「はーい♪行きましょう有希、カレン!」
キョン「お、おいハルヒ!あんまり無茶はするなよ!」
ゼロ「古泉一樹、君は下の会議室に行け。そこにディートハルトという男がいるから
彼の指示に従って行動してくれ」
古泉「承知しました、ではまた後で」
キョンを横目で見て古泉も部屋を後にした
ゼロ「さて、後はお前だけだな」
キョン「あの、側近のする雑務って具体的にどんな事なんです?」
ゼロ「実は私には君の他にもう一人側近がいてな。君にはその者の身の回りの世話を任せたい」
キョン「・・・・・えーっと、つまりは側近の世話係ですか?」
ゼロ「まぁ簡単に言うとそういう事になる。だが気を抜かない事だ
ある意味では涼宮ハルヒや古泉一樹よりも、仕事に関してはお前のほうがキツイかもしれん」
キョン「・・・・・その側近とやらはどんな奴なんです?」
ゼロ「会ってみれば分かる」
キョン「はあ・・・」
ウィーン
C.C「遅かったな、ん?そいつは誰だ?」
ゼロ「さっき話した新入団員だ」
キョン「ど、どうも・・・(この人がゼロのもう一人の側近で
俺がこれから世話を焼かなにゃならん人か、まさか女だとはな)」
C.C「そうか、では何故その新入団員をこの部屋に連れてきた?」
ゼロ「彼をお前の世話係に任命した、欲しがっていただろ?
身の回りの世話をしてくれる人間を」
C.C「ほう、気が利くではないか。しかしいいのか、こいつがここにいると
お前はアジトの中で仮面を外せる場所がなくなるぞ?」
キョン「(!?ゼロはこの人の前では素顔を晒しているのか・・・・)」
ゼロ「別に構わん」
C.C「そうか、ならばありがたくいただいておこう。おいお前、名前は何て言う?」
キョン「あっ・・・えっと」
ゼロ「キョンだ」
C.C「キョン?変わった名前だな」
ゼロ「みんなそう読んでいるそうだ」
C.C「そうか、では私もそう呼ぶとしよう。おいキョン!」
キョン「何でしょう?」
C.C「さっそくで悪いが、肩を揉んでくれ」
キョン「・・・へ?」
C.C「聞こえなかったのか?肩だ肩、最近疲れが溜まっていてな
それが終わったら私の服の洗濯、部屋の掃除、一階トイレの電球の取替えを頼む」
キョン「・・・・・・」
ゼロ「だから言っただろう、ある意味ではお前が一番キツイと」
--------ゲットー(外)
扇「ここで模擬戦を行う」
ハルヒ「広いところねぇ、サッカー場か何か?」
カレン「そうよ、今ではただの廃墟だけどね。誰も近づかないから
ナイトメアの訓練をする時はいつもここでやってるの」
長門「・・・・・」
扇「二人にはこれからあそこにいる四聖剣の四人と戦ってもらう
とは言え流石にいきなりじゃナイトメアを動かす事さえできないだろうし
最初に一時間程度操縦方法などを学んでから」
ハルヒ「あ、それいらない!今すぐ戦わせて!」
扇「な、何言ってるんだ?騎乗経験もないのにいきなりナイトメアを動かせるわけがないだろ!」
カレン「そうよハルヒ!」
ハルヒ「ゼロも言ってたじゃない、模擬戦の中で基礎を学べばいいって!
だから面倒な事は省いちゃっていいわ!今すぐ戦わせてちょうだい!」
扇「確かにゼロはそう言ったが、操縦方法や起動の仕方なんかは
基礎以前の問題だ、流石にそれくらいは理解してからじゃないと
模擬戦なんて到底不可能だ」
ハルヒ「大丈夫よ、ここに移動するまでの間車の中でカレンがくれたマニュアル読んだし!」
扇「いや、しかしだな・・・」
ハルヒ「有希も大丈夫よね?」
長門「・・・・」コクッ
藤堂「ここまで言ってる事だし、いいじゃないか扇」
ハルヒ「藤堂?この人があの藤堂将軍なの?」
藤堂「教本を読んでいるなら起動の仕方くらいは分かるだろうし
後は模擬戦の中で学ばせてやればいい」
扇「わ、分かりました」
ハルヒ「なかなか話の分かる人みたいね!私涼宮ハルヒよ!よろしくね!」
カレン「ちょ、ちょっとハルヒ!!敬語使いなさい」
藤堂「ははは、構わんさ!なかなか面白い娘だ。しかし、我々は手加減せんぞ?」
ハルヒ「望む所だわ、私が即戦力になれる逸材だってところを見せてあげる!」
藤堂「ふむ、楽しみにしているぞ」
藤堂は自分のナイトメアがある場所へ向かって歩き出した
カレン「ちょ、ちょっとアンタあんな事言って・・・・知らないわよ!藤堂さんって
物凄く強いんだからね!勿論四聖剣の人達も!」
ハルヒ「大丈夫よ、まぁ見てなさい!・・・ていうか、私たちが乗る機体はどれなの?」
扇「あそこに置いてある無頼という機体だ」
ハルヒ「旧型ね・・・・まぁいいわ、乗れるんだったらなんでも」
ライフルの中に入っているのは勿論実弾ではなく着色弾だから安心しろ」
ハルヒ「え?そうなの?なーんだ」
カレン「アンタに実弾入りのライフルなんて撃たせたら死人が出る恐れがあるしね」
ハルヒ「確かに出るわね、向こうにいるシセイケンとかいう連中の中から♪」
カレン「・・・・・相変わらず凄い自信ね」
扇「模擬戦は涼宮と長門の二機VS四聖剣だ。四聖剣のナイトメアが縦一列に並び
それを前から順番に戦っていくという内容だ。つまり二対一になるわけだな
まぁ無いと思うが、四機突破したら最後に藤堂さんと戦えるぞ」
ハルヒ「面白そうね!」
扇「お前達は相手に一打でも攻撃を命中させる事ができれば勝ちだ
攻撃が当たった段階で受けた側は戦闘を中止することになっているから
そしたら君達は次の敵に向かっていけ」
ハルヒ「何だ、楽勝じゃないの!」
扇「君達の敗北条件は操縦不能になった場合のみとする
まぁ胸をかりるつもりでぶつかっていけ、初めての騎乗なら
勝敗はともかく得るものも多いだろうからな」
ハルヒ「だからさっきから負けないって何度も言ってるじゃないの、全く!」
扇「説明は以上だ。まもなく模擬戦を開始する、ナイトメアに乗ってくれ」
ウィーーン
古泉「失礼します」
ディートハルト「ん?君がゼロの言っていた新入か」
古泉「はい、古泉一樹といいます」
ディートハルト「ディートハルト・リートだ。ここがどういった事をする部署かは
ゼロに説明を受けたかい?」
古泉「えぇ、だいたいのことは」
ディートハルト「ならば今更私が説明すべき事は何もないか
何か質問があるなら聞くが?」
古泉「では一つだけよろしいでしょうか?」
ディートハルト「言ってみたまえ」
古泉「見たところあなたはブリタニア人のようですが、どうして黒の騎士団に入ったんです?」
ディートハルト「ブリタニアを良く思ってないのは何もナンバーズだけではないという事だ
ブリタニア人でありながら黒の騎士団に所属している者は私以外にも沢山いる
それにつまらんだろ?」
ディートハルト「ブリタニアは既に完成された素材だ、そんなものを見ていても
何の面白味もない。だがゼロや黒の騎士団は違う、まだまだ未完成であり
だからこそ面白い!私はゼロによって引き起こされる世界の変化を
一番近いところで見ていたいのだよ」
古泉「なるほど、ブリタニア人というのはみな祖国への忠誠心が高い
国民だと思っていましたが、全員が全員そうというわけではないんですね」
ディートハルト「それはそうさ。国への忠誠ほど馬鹿らしいものはない」
古泉「では組織や個人への忠誠はどうです?」
ディートハルト「ん?」
古泉「黒の騎士団という組織と、ゼロという個人への忠誠ですよ、どう思いますか?」
ディートハルト「どちらも組織をまとめる上では必要なことだ
私個人には忠誠という言葉自体が無縁だが」
古泉「ではアナタはゼロや黒の騎士団への忠誠心はないと?」
ディートハルト「私が黒の騎士団に入ったのはさっきも言ったがゼロに興味を持ったからだ
ここでの行動の原理は全てがそれであり、忠誠などという気持ちは微塵もない
つまらん存在に成り果てるような事があれば、次の素材に乗り換える、それだけだ」
古泉「実に分かりやすい回答です。ありがとうございました」
古泉「えぇ、もう結構です」
ディートハルト「そうか、ではこれから静岡へ行くから君もついて来なさい」
古泉「静岡?」
ディートハルト「他の団員にはまだ発表していないが、近いうちに大きな作戦があるのだよ」
古泉「その作戦予定地が静岡というわけですか?」
ディートハルト「あぁ、今回はその下見というわけだ。別に私一人でも構わんがどうする?」
古泉「行かせていただきます」
-------
---
-
-----ゼロの部屋
バリンッ
キョン「うわっ・・・・あ〜あ、やっちまった」
C.C「どうした?皿でも割ったのか?」
キョン「えぇ、すいません」
キョン「わ、分かりました(どんだけこき使うんだこの女は・・・)」
C.C「ん?おい、手から血が出てるぞ」
キョン「え?・・・あっ、本当だ!ちきしょー皿の破片か」
C.C「仕方ない、医務室で絆創膏でも貰ってきてやるか」
キョン「え?ありがとうございます(何だ、意外と良いところもあるんじゃないか)」
ウィーーン
ゼロ「ん?何処へ行くんだC.C?」
C.C「キョンが手を切ってしまったようでな、医務室に絆創膏をとりに行こうとしていた所だ」
ゼロ「ほう、珍しく優しいじゃないか。だが残念だがそれは後だ
これから格納庫で集会を行う、他の団員はもう集まっている。お前達も早く来い」
C.C「だそうだだが、血は大丈夫か?」
キョン「えぇ、これくらいなら何とか」
ゼロ「では格納庫へ」
ハルヒ「あっ、キョーーン!!こっちよこっち!!」
キョン「んなでかい声を出さんでも聞こえてるよ
しかし凄い数だなこれ・・・何人くらいいるんだ?」
カレン「団員の殆どが来てるからね!ちょっと前までは
これの10分の1にも満たない人数しかいなかったのよ?」
キョン「へー、それが今ではこの大所帯か。凄いもんだな
それよりハルヒ、お前ナイトメアでの模擬戦はどうだったんだ?」
ハルヒ「フフーン♪よくぞ聞いてくれたわねキョン!!」
キョン「何だその顔は?まさか勝ったんじゃないだろうな?」
ハルヒ「そのまさかよ!四聖剣の四人も藤堂将軍も完膚なきまでに叩きのめしてやったわ!」
キョン「どうして今日始めて操縦桿を握った奴が軍人相手に勝てるんだ・・・」
カレン「本当に凄かったのよハルヒと長門さんの動き!とても初めてとは思えなかったわ
特に藤堂さんの三段突きを交わした時の反応なんて、ラウンズクラスよ!」
ハルヒ「あ〜あの攻撃ね、割と簡単に回避できたわよ?ねぇ有希」
長門「・・・・」コクッ
カレン「味方なんだし頼もしい限りだけど、エースとして私も負けてらんないわね!」
ナイトメアに乗った奴が四聖剣や藤堂鏡四郎相手に勝つなんておかしい」
長門「そういった事はしていない、涼宮ハルヒは自分の力で戦っていた」
キョン「なっ・・・・それで勝っちまったってのか?」
長門「そう」
キョン「運動神経はやたらと良い奴だが、まさかそんな才能があったとは・・・」
ハルヒ「何ボソボソ喋ってんのよ!アンタはどうだったの、ゼロの側近としての仕事」
キョン「え?あぁ、そうだな・・・まぁ普通だったよ」
ハルヒ「アンタ分かってんでしょーね!ゼロの仮面を剥がす為には
側近に任命されたアンタの活躍が一番重要なのよ!」
キョン「わーってるよ」
カレン「ん?何の話?」
ハルヒ「こっちの話よ、それより集会って何をするの?」
カレン「基本的にゼロが次に予定してる作戦内容を発表したり説明したりするのよ
たぶん今日もそうじゃないかしら」
キョン「お、ようやく出てきたぜ」
扇「それがディートハルトと新入りが一人まだ来てないんだ」
ゼロ「あの二人はいい、私が仕事を与えた」
扇「仕事って何のだ?」
ゼロ「それはこれから話す事を聞けば分かる」
玉城「おーいゼロ、何か話しがあるなら早くしてくれよ!!」
ゼロ「今日集まってもらったのは、近日決行する作戦をみなに説明する為だ!」
藤堂「作戦?」
ゼロ「ここ数ヶ月副総督であるユーフェミアが妙な動きをしている
週に何度も東京と静岡の間を往復している」
藤堂「ユーフェミアは静岡で何をしているんだ?」
ゼロ「現在調査中だが、その際ダールトンやギルフォードなどを同行させている事からみても
政治的な何かをする為の行動である事は間違いない!これは我々にとって最大の好機だ!
ブリタニア軍はこの間の九州戦役で疲弊しきっている!そこへ来て皇女である
ユーフェミアが租界を離れるのであれば、つけ入る隙があるというものだ」
扇「しかしユーフェミアって事はあの白兜もいるんだよな?」
ゼロ「あぁ、だがユーフェミアが静岡へ行く日程やルートなどは既に調査済みだ!
この二つのが分かっている以上、いくらでも事前に策を講じられる」
ランスロットの動きを止める事も容易かもしれんな」
ゼロ「あの騒ぎの後すぐに九州の件があったからな、連中はゲフィオンディスターバーの
対策は殆ど出来ていないはずだ、ならばもう一度あの策が生きる
白兜など恐れる必要はない、あの機体は無力化しパイロットを捕虜にする」
ラクシャータ「そしたらあのナイトメア私にくれない?いろいろとイジってみたいのよねぇ」
ゼロ「好きにしろ」
藤堂「この作戦の最終目標はユーフェミアを捕虜にする事か?」
ゼロ「そうだ、ユーフェミアさえこちらの手に入ればコーネリアとはいくらでも交渉ができる
皇族が捕虜になったとあらば連中もこちらの要求を無視できないだろう」
扇「要求?何を要求するつもりだ?」
ゼロ「前に言っただろう、東京に独立国を作ると?」
藤堂「いきなりそんな要求をするつもりなのか?
いくらなんでもそれでは連中交渉のテーブルにすらつかんぞ?」
ゼロ「いいや、絶対につくさ。こちらがユーフェミアを捕虜にしている以上必ずな」
玉城「んで、いつ決行なんだ?」
ゼロ「詳しい日時や作戦内容は日を改めて発表する。まだ検討しなければならない
部分が多少残っているのでな、だがこの作戦自体は必ず決行する!
ナリタとベイエリア、式根島での忘れ物を取り戻すぞ!!」
コンコン
ディートハルト「ゼロ、私です」
ゼロ「入れ」
ウィーーン
ディートハルト「ただ今戻りました」
ゼロ「御苦労だったな、で?何か分かった事は?」
ディートハルト「はい、何の目的があってかは分かりませんが
どうやらブリタニアは富士山周辺に一つの街のようなものを作っているようです」
ゼロ「街?」
古泉「街とは言っても、仮設住宅のようなものがいくつも建設してある程度です
あと大きなスタジアムのようなものも作ってました」
ゼロ「いよいよ連中が何をしようとしているのか分からなくなってきたな」
古泉「中華連邦から難民を受け入れようとしているのではないでしょうか?
先日の九州戦役、表向きは旧日本軍による攻撃となっていますが
実際は中華連邦の傀儡軍でありその事は国民の中ですら周知の事実です
移民を受け入れる事で中華を大人しくしようとしているのでは?」
他国から難民を受け入れるなど・・・」
ディートハルト「いずれにしても奇妙な行動である事は事実です
引き続き今後も調査を続けます」
ゼロ「ブリタニアが何の目的があってそのようなものを作っているのかは知らんが
この際その理由はどうでもいい。大事なのはユーフェミアが租界を離れているという事実
これを逃す手はない・・・・・・よし、来週作戦を決行する!!
ディートハルト、来週ユーフェミアが静岡に行くのは何曜日だ?」
ディートハルト「水、木、金の三日間です」
ゼロ「よし、では金曜にしよう!明日もう一度全団員を集めさせろ!」
ディートハルト「承知しました」
ゼロ「疲れただろう、もう下がっていい。お前も御苦労だったな
入ったばかりなのにいきなり外回りじゃ不満もあるだろう」
古泉「いえ、不満なんてとんでもない。実に有意義な時間でしたよ」
ゼロ「君には期待している、これからもよろしく頼む」
古泉「承知しました」
古泉とディートハルトが部屋を出る
ルルーシュ「あぁ、今度の作戦でユーフェミアとスザク、両方同時に攻略してやるさ」
C.C「まだあの男をこちらに引き込もうと考えているのか?」
ルルーシュ「いや、あいつは何があってもこちらに鞍替えするような事はしないだろう
だがブリタニア側にいられると厄介な戦力なのは事実だ、だから捕虜にする」
C.C「捕虜にするといっても相手はランスロットだ、そう簡単ではないぞ」
ルルーシュ「またゲフィオンディスターバーに活躍してもらうさ
それにナイトメアでの戦闘になったとしても、今の戦力ならスザクを倒す事も可能だ」
C.C「カレンと藤堂だけで事足りると?」
ルルーシュ「そこに涼宮ハルヒと長門有希が加われば足りるさ」
C.C「入団したばかりの女二人に何を期待している?取り付かせて自爆でもさせるつもりか?」
ルルーシュ「スザクは勿論あの二人も生徒会の仲間だ、そんな事させるわけないだろう・・・
あの二人、初めての模擬戦で藤堂と四聖剣を倒したそうだ」
C.C「馬鹿な、そんな事できるわけがないだろ」
ルルーシュ「事実だ。藤堂はどうだか知らんが四聖剣の四人は相当悔しがっていたそうだぞ
初めての騎乗であの五人を倒す・・・・もしかしたらスザクやカレン以上の逸材かもしれん」
C.C「なるほど、それでお前はさっきから上機嫌なわけか」
ルルーシュ「あれだけの戦力が二枚も加わったんだ、上機嫌にもなるさ
それに古泉一樹もやはり使えるようだしな」
C.C「さっきの奴だろ?私はあまりああいうのは好かんな。終始にやけてて気持ちが悪い」
ルルーシュ「そこは同意するが、俺があいつを評価してる点は頭の中だから問題ない」
C.C「今日入った新人の中で一番使えるのはどう考えてもキョンだろう
あれはなかなか見込みのある男だぞ?何しろ私に従順だしな」
ルルーシュ「気に入ってもらえたようで何よりだ」
C.C「そうだ、明日はあいつにピザでも作らせよう!」
ルルーシュ「(これから大変だな、あいつ・・・)」
------アッシュフォード学園学生寮(キョンの部屋)
キョン「ふぁ〜、今日はどっと疲れた・・・もう寝よう」
------
---
-
キョン妹「キョンくーん!!起きてー!!」
キョン妹「朝だよキョンくーん!!」
キョン「んぅぅ・・・・分かったから下に降りてなさい」
キョン妹「あれー?キョンくん血が出てるよー?」
キョン「なに?」
キョン妹「ほらー、指から出てる!絆創膏持ってくるねぇ!」
キョン「なっ・・・・・・こりゃいよいよまずいな・・・・」
:
:
その日の放課後(文芸部室)
ガチャッ
キョン「うーっす」
古泉「おや?今日も涼宮さんはお休みですか?」
キョン「あぁ、面白い夢の続きを見る為に帰って寝るとさ」
古泉「夜な夜な我々が別世界へ飛ばされるようになって今日で丁度一ヶ月ですね
それは涼宮さんが部室に顔を出さなくなってからの日数でもあるわけですが」
古泉「お陰様で、涼宮さんがあの夢を見始めるようになってからは一度も出現
していません。相当満足なさっているのでしょうね、あの世界での生活に」
キョン「そりゃ結構な話だ。しかし向こうの世界で寝た瞬間こっちの世界で
目が覚めるっていうシステムは何とかならんのか?
ここ一ヶ月間体感的に全く休めてる気がしないのだが・・・」
古泉「それは仕方ありませんよ、無事にこちらの世界に帰ってこれるだけまだマシです
事態が悪化した場合、それが出来なくなる可能性があるのですから」
キョン「それなんだがな、どうやらその事態とやらは確実に悪い方向に進んでるようだぞ」
古泉「どういう事です?」
キョンは切った指を古泉に見せる
古泉「何かで切ったのですか?」
キョン「昨日向こうの世界でな。皿を割った時に切っちまったんだ」
古泉「・・・・その傷が治りませんか」
キョン「あぁ、治るどころか一度は血が止まったはずなのに
こっちで目が覚めた瞬間またふきだしてきやがった」
古泉「これは確かにまずいですね・・・あまりに楽しい夢であるがばかりに
涼宮さんは現実世界と向こうの世界を入れ替えようとしているのでしょう
一ヶ月程度でここまで来てしまうとは・・・そろそろ何とかしなければなりませんね」
古泉「今のところはそれで間違いないでしょう。途中で変わってしまう可能性もありますが」
キョン「気紛れだからなぁ、あいつは」
古泉「側近ならばゼロの仮面を取る隙もあるのではないですか?」
キョン「いーや、全くない。常に警戒してる感じだ
ギアスを使おうにも仮面を被られたんじゃ使えんしな」
古泉「ゼロの素顔については他の団員も誰一人分かっていないようですしね
ある程度予想はしていましたが、トップがあの状態のままで組織が成立しているというのは
なかなか凄い事だと思いますよ」
キョン「いや、一人だけゼロの素顔を知ってる人がいる」
古泉「誰です?」
キョン「C.Cっていう女の人だ。もう一人のゼロの側近」
古泉「ほぅ、明かしてる人物もいるのですか・・・」
キョン「まぁ難しいが何とかするしかないだろう
そうしないと本当に向こうの世界とこっちの世界が入れ替わっちまう
ようやく黒の騎士団までたどり着いたんだしな」
古泉「えぇ、頑張りましょう」
----
-
静岡付近(G1ベース内)
ダールトン「殿下、そろそろ静岡に到着します」
ユーフェミア「分かりました」
ダールトン「日程的に今日と来週で視察は終了ですね
御不満な点がありましたら何でも申し付けてください」
ユーフェミア「ありがとうダールトン。あなたが毎週付き添ってくださってくれるお陰で
私も現場のみなさんも安心して作業に取り掛かれました」
ダールトン「何と勿体無い御言葉を・・・私は将軍として当然の事をしたまでです」
ユーフェミア「でも毎週G1ベースとナイトメアを引っ張り出すのはどうかと思いますけど!」
ダールトン「それは黒の騎士団や他のテロリストから殿下の身を御守りする為に
必要な事です!租界から離れる以上警備は厳重にしなければなりません」
ロイド「だからってあんなに何機もナイトメアを搭乗させなくても
僕のランスロット一機で十分ないのに」
ダールトン「枢木とランスロットの力は認めている、だが流石にそれだけでは駄目だ
黒の騎士団を、ゼロを甘く見てはいけない」
スザク「僕も同感です」
ロイド「うふふ〜ん、何でそんな事が分かっちゃうの?」
ダールトン「ロイド、口のききかたに気をつけろよ」
ユーフェミア「私には分かるの・・・」
ギルフォード「そういえば、貴公は以前九州の件でゼロと共闘していたな?」
スザク「は、はい」
ギルフォード「あの時の事は忘れるんだ、ゼロは皇族殺し。ブリタニアの敵だ」
スザク「分かってます」
その時艦内に警報音が鳴り響いた
ピーピーピー
ダールトン「何だ!?どうした?」
軍人「艦周辺に熱源多数・・・・ナイトメアです!」
ダールトン「何だと!?黒の騎士団か・・・・何機だ?」
軍人「27機です!!」
ギルフォード「27か・・・艦に多くのナイトメアを乗せていて正解でしたね!」
スザク「イエス・マイロード!」
ユーフェミア「スザク、気をつけて!」
スザク「はい!」
スザクとダールトン達は格納庫へと向かった
ロイド「いやぁ〜勘が外れましたねぇ、ここで黒の騎士団が攻めてくるとは」
ユーフェミア「そんな・・・(ルルーシュ・・・)」
---ガウェイン(コクピット内)
ゼロ「藤堂、聞こえるか?」
藤堂『ゼロ、読み通りナイトメアが出てきたぞ!どうする』
ゼロ「予定通りそのままG1ベースを取り囲め
出てきた雑魚は叩き、四方からG1ベースに向け砲撃を行う!
ランスロットが出てきたら、分かってるな?」
藤堂『あぁ』
ゼロ「よし!ギルフォードとダールトンはお前と四聖剣に任せる
私はガウェインで空中から狙撃を行う!下は任せたぞ」
ピッ
ルルーシュ「さて、後はスザクが出てくるのを待つだけだ」
C.C「随分と余裕のようだな、油断していると足元すくわれるぞ」
ルルーシュ「藤堂が加わってからは作戦行動中も幾分楽になったからな
それにこの作戦はG1ベースを囲った段階で成功したも同然
既に条件はクリアされている」
C.C「ラクシャータはもうスタンバイさせてあるのか?」
ルルーシュ「あぁ、後はスザクが出てきたら例のポイントでゲフィオンを起動させればいいだけだ
援軍要請は出しただろうが最寄の基地からでも50分はかかるだろう
この勝負、決着がつくまでにそこまで時間は必要ない」
C.C「それにしても相手のナイトメアちょっと多くないか?
お前の想定ではランスロットを合わせても5機程度だったはずだが・・・
パッと見た感じでも20機以上はいるぞ?」
ルルーシュ「恐らくダールトン辺りの指示だろう、相当臆病になっているようだな
何機いようが問題ない。ユーフェミアがいる以上連中はG1ベースを守りながらでしか戦えない
こちらの包囲網を突破する事は不可能だ!」
黒の騎士団のナイトメアが攻防を繰り広げていた
ハルヒ「もーーらい!」
サザーランドパイロット「し、しまった!!」
ドカーン!!
ハルヒ「あっ!有希、後ろから狙ってるのがいるわよ!気をつけて!」
サザーランドパイロット「もらったー!!」
長門「・・・・」
長門は瞬時に操縦桿を動かし攻撃を回避し
振り返って敵ナイトメアの両脚部を切断した
ズバンッ!!
サザーランドパイロット「ば、馬鹿な!!早すぎる!!」
ハルヒ「ナイス有希!それにしても張り合いのない連中ね!
初めての実戦なんだからもう少し楽しませなさいよ!」
卜部「何て奴等だ、一瞬で四機も撃破したぞ・・・」
千葉「模擬戦のときよりも動きが良くなってる、機体性能が上がったからか?」
藤堂「ふふ、頼もしい限りじゃないか!遅れをとるな、我々も行くぞ!」
サザーランドパイロット「う、うわぁぁぁ!!」
ドカーーン!!
ハルヒ「凄いわねあの攻撃・・・あれが紅蓮二式の輻射波動」
カレン「なに呆けてるのハルヒ!先に行くわよ!」
ハルヒ「カレンには負けてらんないわね・・・私たちも行きましょう有希!」
カレン、ハルヒ、長門の大車輪の活躍により
防衛に出てきたサザーランドは見る見るうちに破壊されていった
サザーランドパイロット「ば、化物だ!!あの赤いのと二つの青い機体は強すぎる!」
カレン「アンタで最後よ!!」
サザーランドパイロット「だ、誰か助けてくれぇ!!」
カレンがサザーランドを攻撃しようとした瞬間
G1ベースから出てきたランスロットが紅蓮目掛けてハーケンを打ち込んだが
カレンは瞬時に反応し回避した
サザーランドパイロット「ハァ、ハァ・・・た、助かった・・・」
スザク「カレン・・・・・戦場で会った以上手加減はしない!」
カレン「藤堂さん、ランスロットが出てきました!それとグロースターが二機!」
藤堂「確認した、これより第二段階に入る!各機後退しろ!」
スザク「ん?何だ、相手の機体が下がっていく・・・」
ギルフォード「深追いはするな枢木、我々をG1ベースから離そうとしているんだ!
援軍が到着するまで離れず相手の砲撃を回避しつつ応戦すればいい」
ダールトン「罠に誘い込もうという魂胆が見え見えだ、この期に及んで
わざわざ部隊を下げる必要などないのだからな」
スザク「分かりました、上にガウェインもいるので御二人共気をつけてください!」
ゼロ「やはり誘いには乗ってこないか・・・だがそれでいい
全ては計画通り、後は連中がG1ベースから離れないよう遠距離から
砲撃し続ければこちらの勝ちだ!」
藤堂「各機、砲撃を開始しろ!!全弾撃ちつくしても構わん!!
あの三機をG1ベースに釘付けにするんだ!!」
私の狙撃の腕前見せてあげるわ!覚悟しなさいブリタニア!
あ、でもランスロットにはスザクが乗ってるんだから有希もカレンも手加減しなきゃ駄目よ!」
長門「・・・・」
カレン「あいつに手加減なんかしてたらたちまちやられちゃうわよ!」
黒の騎士団による砲撃がG1ベース目掛けて嵐のように降りかかる
--------G1ベース内
ドドドドドドド
ユーフェミア「きゃっ」
セシル「だ、大丈夫ですか殿下!」
ユーフェミア「大丈夫です、ありがとう」
ロイド「う〜ん、本格的にやばくなってきたねこれ。降伏した方がいいかも」
セシル「何言ってるんですかロイドさん!!」
ロイド「でもねぇ、いくら僕のランスロットでもこの大きな艦を守りながらじゃ
まともな戦いはできないし、このままだと遅かれ早かれチェックをかけられると思うよ」
ユーフェミア「・・・・」
ロイド「殿下、このままだとランスロットも相手の砲撃でボロボロになっちゃうし
個人的には降伏もやむなしだと思いますよ」
ユーフェミア「・・・・ロイドさん、この艦に放送機材はありますか?」
ロイド「放送機材?ありますけど・・・そんなもの使って何しようって言うんですか?」
ユーフェミア「スザク達を助けるのに必要なんです!協力してください!」
ロイド「えぇ勿論、現状が打開できるのなら何でもしますよ」
-------外
ドドドドドドドド
スザク「くっ・・・・シールドだけじゃ防ぎきれない」
ダールトン「クソ、このままではらちがあかん・・・・よし、敵陣へ突っ込むぞ!」
スザク「えっ?」
ギルフォード「しかしそれではG1ベースががら空きになってしまいます!」
ならば一か八か敵陣へ突っ込み、一機でも敵を減らす方が良い!
それにランスロットの突破力なら敵包囲網を崩せるかもしれん」
スザク「ダールトン将軍・・・・」
ダールトン「頼むぞ枢木、お前が頼りだ」
スザク「分かりました!!では僕が先頭になります御二人は後ろからついて来てください!」
ギルフォード「了解した」
-------ガウェインコクピット内
C.C「おいルルーシュ、ランスロットが動き出したぞ!」
ルルーシュ「このままでは負けると悟って強攻策に出たか
だが残念だったな、もう少し早くその決断をとっていれば
或いは勝てたかもしれんが、もう遅い」
藤堂『ゼロ、G1ベースと白兜がエリア内に入ったぞ!』
ルルーシュ「確認した。これで終わりだスザク・・・・ラクシャータ!!」
ラクシャータ「はいは〜い」ポチッ
ゲフィオンディスターバーが作動し、エリア内にあるG1ベースと
全てのナイトメアは起動を停止した
ギルフォード「き、機体が動かない!」
スザク「式根島の時と同じだ・・・」
------ガウェイン
ゼロ「フハハハハ、やはりG1ベースの動力源にもサクラダイトが使用されていたか
これでもう連中には打つ手はない、降伏するのみだ」
藤堂『ゼロ、連中の足は完全に止まったぞ!』
ゼロ「あぁ、分かっている。砲撃を止め少しG1ベースとの距離を詰めろ
間違っても効果範囲内には入るなよ、あの装置は無差別だ
こっちまで身動きがとれなくなっては話にならないからな」
藤堂『承知した!』
ゼロ「ユーフェミアにスザク、ギルフォードにダールトン・・・一気にこの四名を
捕虜に出来た事の意味は今後の戦いにおいて非常に大きい!
コーネリア、周りの者達を奪われる苦しみを知るがいい」
C.C「まだ捕虜にしてないだろ、そういう事は実際にそうしてから言うものだ」
ゼロ「この状況下で逃げられるわけがないだろう。
向こうに与えられた選択肢は二つだ。降伏するか、その場で自決するか
ユフィは俺の正体を知っている、降伏し話し合いの場を持とうとするだろうから
後者はありえないし、まず周りの者がさせないさ」
スザク「はい、ロイドさんが言っていました」
ダールトン「機体が動かなくなったのはそのせいか・・・
しかし連中はいつそんなものを設置したんだ・・・」
ギルフォード「静岡に行くまでのルートがバレていたという事か
恐らく黒の騎士団は前もって我々の進路上にその装置を設置していたのでしょう」
スザク「でも効果範囲はそんなに広くないはず・・・まさかG1ベースごと止めるなんて」
ダールトン「我々が出てきた途端隊を引いたのも、罠を警戒しその場に留まるであろう
心理を読んだ上での作戦か・・・そして隊を引いた後すぐに一斉砲撃」
ギルフォード「結果我々はG1ベースに釘付けになり、このザマか・・・」
ダールトン「クソ!!」
ゼロ『聞こえるか、ブリタニアよ!!』
スザク「ゼロ・・・・・・」
ゼロ『この戦い、既に我々がチェックをかけた!現在ガウェインのハドロン砲の照準は
諸君等の母艦に向けられている、5分やろう。降伏し、我が軍門に下れ!!』
ダールトン「くっ・・・・これでは降伏するしか他に手はない」
ギルフォード「この状況でハドロン砲など撃たれたら、我々は勿論
ユーフェミア様の御命まで・・・」
玉城「よっしゃああ!!流石ゼロだぜ!!完全勝利だwww」
扇「気を抜くな玉城!まだ終わってない」
藤堂「だがこうなった以上彼等は降伏する他道はないだろうな」
カレン「ランスロットの脅威も無くなるし、これで大分この先が楽になるわね」
ハルヒ「残念だわ、一度スザクのランスロットとは戦ってみたかったのに」
カレン「アンタはあいつの鬱陶しさが分かってないからそんな事が言えるのよ!」
朝比奈「と、藤堂さん!モニターをテレビに、チャンネルBに切り替えてください!
ユーフェミアが出ています!!」
藤堂「なに!?しかし今ユーフェミアはあの艦の中にいるはずじゃ・・・」
ハルヒ「あの中から中継してるんじゃないの?」
扇「中継って、この状況でなにを考えてるんだ?まさかテレビの電波を使って
救出でも訴えるつもりなのか・・・」
藤堂「・・・・いや、そんな無意味な事をするはずがない」
カレン「じゃあ何を始める気なのかしら?」
玉城「降伏宣言だろww決まってるじゃねーかww」
キョン「ふぅ、これで一安心だな。それにしてもここまで上手く行くもんかね」
古泉「ゼロの立てた作戦が見事だったと言う事でしょうね
こちらの死傷者は0、ほぼ無傷で貴重な捕虜とナイトメアを得る事が出来たわけですし」
キョン「ハルヒや長門も大活躍のようだったしな」
古泉「こちらの集計ですと涼宮さんは4機、長門さんが5機、カレンさんが7機落としてますね
流石というべきか、あそこまで自在にナイトメアを動かせるのはちょっと羨ましいですね
僕なんてゼロ曰く適性0だそうですから尚更です」
キョン「何でんなもん集計してたんだ?」
古泉「それも僕の仕事です」
キョン「そら大変な仕事だな」
南「おいディートハルト、チャンネルBにユーフェミアが映ってるぞ!!」
ディートハルト「なに!?映像を回せ!」
キョン「本当だ、この状況でなに考えてるんだあの人は?」
古泉「降伏までに与えられた5分、この間に出来る事は限られてますが
流石にテレビを使ってする事は何も浮かびませんね・・・」
ディートハルト「嫌な予感がする・・・この放送ジャックできないか!?」
少なくともこの場の環境で出来るような事ではありませんね」
キョン「皇室専用チャンネル?んなもんあるのか?」
古泉「えぇ、ブリタニア本国は勿論、統治しているエリア全域に放送されてます」
ディートハルト「黙って見ているしかないというのか・・・」
---------ガウェイン
C.C「この期に及んで悪あがきか?テレビを使って何をするつもりだ?」
ゼロ「さぁな、まぁいいだろう。少しでもおかしな事を言ったら一斉砲撃すればいい
ユーフェミア本人があそこにいる以上、放送自体を止めさせる事は容易い
個人的には何を言おうとしているのか、そっちの方が興味深い」
C.C「始まるぞ」
ユーフェミア「神聖ブリタニア帝国エリア11副総督、ユーフェミアです!今日は私から
皆様にお伝えしたい事があります!」
玉城「へ、小娘が何を偉そうに!」
ユーフェミア「私、ユーフェミア・リ・ブリタニアは富士山周辺に行政特区日本を
設立する事をここに宣言いたします!」
スザク「日本を・・・認める」
ディートハルト「やられた!!この手があったか!!地域制限付きとは言え・・・」
ユーフェミア「この行政特区日本ではイレヴンは日本人と言う名前を取り戻す事になります
イレヴンへの規制ならびにブリタニア人の特権は特区日本には存在しません
ブリタニア人にもイレヴンにも平等な世界なのです!」
ゼロ「(止めろ、そのケースは考えた・・・しかしそれはただの夢物語だ)」
ユーフェミア「聞こえますか、ゼロ!!」
ゼロ「!?」
ユーフェミア「あなたの過去もその仮面の下も私は問いません!
ですからあなたも特区日本に参加してください!」
ギルフォード「馬鹿な、それではクロヴィス殿下が・・・」
ユーフェミア「ゼロ、私と一緒にブリタニアの中に新しい未来を作りましょう!」
ゼロ「・・・・・・クソ、やられた」
扇「おいゼロ、どうするんだ!?砲撃するか?それとも」
ゼロ「撤退だ!!」
玉城「えぇ!?何でだよ!?目の前にユーフェミアがいるんだぜ!?捕まえないのかよ!」
玉城「はぁ!?どういう意味だよそれ!?」
古泉「ブリタニアが特区日本に黒の騎士団とゼロの参加を求めている以上
こちらが強行に出た場合我々はたちまち悪役になってしまう」
キョン「つまりここは撤退するしかないって事か・・・」
ハルヒ「行政特区日本・・・・本気なのかしら」
カレン「・・・・・ッ」
ゼロ「聞こえなかったのか!?撤退だ!!ルートAを使って全機撤退しろ!
間違ってもブリタニア側に攻撃などするなよ!!」
玉城「ちきしょー!!ここまでやったのに!!」
ゼロ「やられた・・・これでは参加するか否か、どちらを選択しても黒の騎士団は終わりだ
参加すればまず平和という名目で武装を解除され、参加しなければ自由と平等の敵となり
民衆の支持を失う・・・こんな簡単な事であっさり潰されてしまうというのか・・・」
C.C「静岡に建設している施設というのはその特区日本の為のものだったと言う事か」
ゼロ「特区日本・・・ブリタニア側からそれを提案する事など考えもしなかった・・・・
ユーフェミア・・・」
扇「特区日本・・・信用できるのだろうか」
玉城「できるわけねーだろ!!どうせ罠に決まってる!!」
朝比奈「同感、でも周りの反応はかなり良いんだろ?」
古泉「インターネット上ではユーフェミア殿下を賞賛する意見が多数を占めてますね
この様子ですと、特区日本に参加したいという考えの人は大勢出てくると思います」
藤堂「日本人が特区日本を支持するのであれば、我々もどちらかを
選択しなければならないだろうな・・・」
古泉「黒の騎士団は日本人は勿論その他ブリタニアに統治されている
多くのナンバーズの支持によって成り立っていると言っても過言ではありません
参加を拒否したら我々はその支持を失う事になりますね」
藤堂「どちらを選んでも終わりか、ユーフェミア・・・とんでもない手を打ってきたものだ」
玉城「クソ、みんな騙されてるとも知らずに!何が特区だ!!」
扇「だがこの特区構想は俺たちの抵抗活動が実を結んだ結果じゃないのか?
なら胸を張って参加してもいいと俺は思う・・・」
玉城「おい、お前それ本気で言ってんのかよ!!」
古泉「扇さんの言ってる事は正しいですよ、何もしなければブリタニア側から
特区日本などという言葉は永遠に出てこなかったでしょうからね」
扇「何が賛成派だ、仲間を分断するような表現を使うな!」
玉城「うるせー!!俺は反対だからな!ブリタニア何か信じられるかってんだ!!」
古泉「その意見も実に良く分かります、何せ日本はこれまでブリタニアに
騙されっぱなしでしたからね」
キョン「だが今回は皇室チャンネルを使って皇族が堂々と宣言したんだぞ?
にも関わらず騙まし討ちだったら国際社会から一気に非難されるんじゃないか?」
古泉「圧倒的な軍事力でそれすらさせないのがブリタニアじゃないですか
非難を受けようが関係ないですよ、あの国にはね」
藤堂「では今回もやはり嘘だと?」
古泉「それは何とも・・・」
藤堂「いずれにせよ我々は何らかの答えを出さねばならない
ゼロはどう考えているのだろうか・・・」
-----アッシュフォード学園(ルルーシュの部屋)
ルルーシュ「特区日本・・・どうしたものか」
C.C「参加したら武装を解かれ、参加しなければ民衆の支持を失うだったか?」
長期化すると組織の統率に支障が出るだろうな」
C.C「だったらその二つを天秤にかけて重い方を選ぶしかないだろう」
ルルーシュ「どちらか一つでも失ったら終わりだ!!」
C.C「だがどちらかを選ばなければいけないのだろ?」
ルルーシュ「いや・・・まだ時間はある。どちらも失わない方法を考えてやるさ」
C.C「二兎を追うものは何とやらという諺があるが、どうなる事やら」
ルルーシュ「(いざとなったらユーフェミアにギアスをかける事も考えなくてはな・・・)」
------------
------
--
数日後、アッシュフォード学園生徒会室
キョン「はぁ・・・」
古泉「お疲れのようですね」
キョン「こう何度もこっちの世界と元の世界を行き来してたら誰だって疲れるさ」
古泉「同感です。が、そういった愚痴はなるべきこちらの世界にいる時は控えてください
昔から壁に耳あり障子に目ありと言いますからね」
意見はまとまりそうなのか?」
古泉「反対派と賛成派が真っ二つのまま平行線です
未だゼロが明確な考えを示してないのが原因と言えますね」
キョン「それなんだがな、何でゼロは未だに何も言わないんだ?」
古泉「さあ、僕には分かりません。何か考えがあっての事でしょうけど・・・
そういえば、あなた1回でもギアスを使用しましたか?」
キョン「ギアス?あぁ、そういえば何だかんだで一度も使用してないな・・・」
古泉「その力は必ず役に立ちます、ぶっつけ本番では心もとないので
何度か適当に使ってみてはいかがです?」
キョン「使ってみろったってなぁ・・・誰に何を命令すりゃいいんだか」
ガチャッ
リヴァル「あれ?今日はまだ二人だけ?なーんだ急いで来て損した」
古泉「良い機会です、彼にかけてみてはどうでしょうか?」
キョン「リヴァルに?何て?」
古泉「そうですね・・・少々喉が渇いたので、ジュースでも買ってきてもらいましょう」
キョン「またベタな命令だな・・・まぁやってみるか」
リヴァル「ん?何だよキョン?」
キョン「喉が渇いたんだ、悪いけどジュース買ってきてくれ!」キュイーーン
キョンの左目に赤い鳥のような形をした紋章が浮かび上がる
リヴァル「・・・・・っ」
キョン「・・・・あれ?もしかして欠陥能力か?」
リヴァル「あぁ分かった!」
タッタッタ
リヴァルは部屋を出て行った
キョン「おぉ・・・こりゃ凄い」
古泉「絶対遵守の力・・・やはり使えますね」
キョン「だが残念ながらゼロの仮面を外させる事には使えないぞ
ずーっと仮面被ってるからな」
古泉「しかしその能力、正直ゼロに教えてあげたいくらいですよ
その能力さえあれば、いかなる難局も乗り越えられるでしょうし
現在の特区日本問題も速やかに解決できるでしょうからね」
キョン「この能力を使ってどうやって解決できるんだ?」
コーネリアと会談の席を設け、その際相手に『日本人を騙せ』とギアスをかける
そうすればブリタニアは特区日本を騙まし討ちに利用する事になり
結果日本国民は憤慨し黒の騎士団は戦う理由を得る事ができる、なんてのはどうでしょうか?」
キョン「どうでしょうかじゃねー!この鬼が!!金輪際お前を人とは思わん」
古泉「あくまで一つの例を出しただけですよ、僕はそれが出来る状況下にあったとしても
絶対にそんな事はしません」
キョン「どうだかな」
ガチャッ
ハルヒ「やっほーー!!みんな遅くなってごめんねー!!・・・ってあれ?
二人しかいないの?」
キョン「随分と遅かったな、カレンは病欠、スザクは仕事、シャーリーは水泳部の練習
長門は不明、リヴァルはジュース買いに行って、ルルーシュはサボりだ」
ハルヒ「何よそれ!!集まり悪いわね!!みくるちゃんは!?」
キョン「園芸部に入ったらしく花壇に水を撒きに行ってるよ」
ハルヒ「園芸部!?そんな話初耳よ!!」
キョン「仕方ないだろ、俺達最近黒の騎士団の方ばかり優先してて
生徒会の方が疎かになってたんだから、朝比奈さんだって退屈してたんだよ」
ハルヒ「ったく!!まぁいいわ、それより今日は二人に大事な話があるの!!」
ハルヒ「違うわよ!ねぇ、二人は特区日本の件についてどう思ってるの?」
古泉「どうとは?」
ハルヒ「参加に賛成か反対か・・・・どっちが日本の為になると思う?」
古泉「難しい質問ですね・・・個人的には参加した方が良いと思います」
ハルヒ「何で?」
古泉「参加すれば武装を解除され、黒の騎士団は抵抗勢力としての力を失いますが
特区日本構想が嘘でないのであればそもそも武力は必要ないですし
仮に我々を嵌める為の罠だったとしても、その後は民衆の支持を得た状態で
またブリタニアと戦う事も可能だからです」
ハルヒ「なるほどね、キョンは?」
キョン「ん?俺も古泉と同じ意見だ。参加した方がいいと思ってる」
ハルヒ「理由は?」
キョン「この間ので実感した、もう戦争は懲り懲りだ
戦わずに問題が解決する可能性があるならそっちに賭けてもいいと思う
勿論騙される可能性もあるが」
ハルヒ「二人共素晴らしいわ!!流石はアッシュフォード学園生徒会メンバーね!!」
キョン「って事はお前も参加賛成派なのか?」
キョン「意外だな、お前の事だからもっとナイトメアで戦いたいだの何だのと
文句をつけて平和的解決を拒みそうなもんだが」
ハルヒ「アンタ私の事なんだと思ってるわけ?平和的に解決できるなら
それに越した事はないわ!まぁ確かにナイトメアで戦いたいって気持ちも多少はあるけど」
キョン「あるのかよ!」
ハルヒ「とにかく、私は行政特区を成功させたいの!!
特区が実現すれば間違いなく多くの日本人が救われるわ!絶対に参加すべきよ!」
キョン「まぁ待て、お前がどんなに特区を成功させたいと思っても
ブリタニア側は単に俺達を罠に嵌めようとしてるだけって可能性もあるんだぞ?」
ハルヒ「分かってるわよそんな事!もしそうだったらさっき古泉くんが言った通り
もう一回戦えばいいだけよ!」
キョン「というかな、俺やお前が声高らかに特区に参加すべきだと言ったところで
黒の騎士団の最終決定はゼロが下すんだぜ?入ったばかりの新入りの意見なんて
誰が聞いてくれるんだよ」
ハルヒ「そこを何とかするのがアンタの仕事でしょ!ゼロの側近なんだから!!」
キョン「正しくはC.Cの側近だ」
ハルヒ「あの人いっつもゼロの近くにいるんだし、似たようなもんじゃない!!」
そんな事考えてたってどうせどっちか選ばなきゃいけないのよ?
だったら平和的に解決する可能性が少しでもある方を選ぶべきよ!!」
キョン「いや、そりゃ確かにそうだけどさ・・・どうやって黒の騎士団を特区参加の方向に
持っていくんだって話だよ。今現在も意見は真っ二つに割れてるんだぞ?」
ハルヒ「真っ二つって事は半々なんでしょ?だったらそんなに難しい事じゃないわ
反対派を根強く説得すればいいだけの話よ!」
キョン「その説得とやらは誰がするんだ?」
ハルヒ「勿論私達でやるのよ!!」
キョン「orz」
古泉「面白いですね、どうせそこまでするなら特区参加の是非を多数決で決めてもらうよう
僕がゼロに進言しておきますよ」
キョン「多数決?」
古泉「そうです!多数決ならば我々が反対派の説得に成功した場合
賛成派が多数となり特区参加が簡単に決まりますし、その後の遺恨も残りにくい
極めて民主的な方法じゃないですか。勿論ゼロがOKを出してくれればの話ですが」
ハルヒ「いいわねそれ!やりましょう!じゃあ古泉くんゼロへの説得任せたわ!」
キョン「反対派への説得が失敗したらどうする?」
古泉「大丈夫ですよ、絶対に成功します」
ハルヒ「いい、絶対に特区日本を成功させるのよ!!その為にはまず黒の騎士団を
特区に参加させる事から始めないと駄目なの!!ぜーたいに参加させるわよ!!」
キョン「分かったよ。それよりお前、当初の目的忘れてるんじゃないだろうな?」
ハルヒ「当初の目的?何だっけ?」
キョン「おいおい、ゼロの正体を暴くんだろ!?」
ハルヒ「あぁそれね!もうそんな事どうだっていいわ!とにかく今は特区日本よ!!
これは多くの日本人を救う事のできる最大のチャンスなのよ!?
ゼロの正体なんかよりもずっと大事な事よ!!」
キョン「(割と難しそうな方向に目的が変わっちまった・・・)」
ハルヒ「私今からアジトに行ってカレンにも同じ事話してくる!あの子ならきっと
私たちに協力してくれるだろうから!じゃあまた明日、最後の人鍵閉めてってね!」
バタンッ
キョン「・・・・・聞いたか?目的が大きく変わっちまったぞ」
古泉「そのようですね」
キョン「今ハルヒが一番やりたい事、それは特区日本を成功させる事・・・
つまり特区日本が成立さえすれば」
古泉「我々はこの世界から解放される・・・可能性が高いですね」
古泉「そこに関しては断言はできませんが、涼宮さんを満足させる事が
この問題を解決する一番の近道である事は間違いありません
涼宮さんが特区日本を成功させたいと言うのであれば、我々はその目標に向かって
馬車馬の如く働くしかないんですよ」
キョン「はぁ・・・」
古泉「ただゼロの正体を暴くという目的よりは圧倒的にこちらの方が簡単だと思いますよ」
キョン「そうか?俺には全く逆に思えるが」
古泉「今だから言えるのですが、後何年近くにいても恐らくゼロの正体など暴けないでしょう
それくらい彼には隙がありません」
キョン「特区日本を成功させる事だって同様に難儀な事だと思うがね
だいたい反対派を説得するって段階で厳しいと思うぞ」
古泉「それは大丈夫です!あなたのギアスを使えば余裕です」
キョン「ん?・・・・・おぉ!!その手があったか!!だからお前さっきから強気だったのか!」
古泉「えぇ、あなたのギアスを使えば多数派を作り上げる事など簡単に出来ますからね
あとはゼロを説得できれば、黒の騎士団の特区参加は決まったようなものです」
キョン「ゼロにはギアスは使えないしな、その説得はお前に任せるぞ」
古泉「えぇ、任せてください」
キョン「あぁ・・・疲れた。今日はアジトへ行かず帰って寝よう
まぁ寝たところで元の世界で目が覚めるだけなんだが・・・」
ルルーシュ「ん?こんな所で何してるんだ?もうとっくに授業は終わってるはずだが?」
キョン「ルルーシュ・・・・あのな〜、俺は最近誰かさんが殆ど顔を出さないもんだから
溜まりに溜まった生徒会の仕事をこの時間まで消化してたんだよ!」
ルルーシュ「あぁ、そうだったのか。それはすまなかったな」
キョン「たまには顔出して仕事してくれよ・・・お前や古泉なら10分で終わるような事でも
俺やリヴァルだと1時間以上かかるんだからな」
ルルーシュ「・・・それは偉そうに言うような事じゃないぞキョン」
キョン「実はまだちょっとだけ残ってるんだが、面倒だから途中で抜けてきたんだ
お前今から代わりにやってきてくれないか?」
ルルーシュ「悪いが俺はこれから野暮用があってな」
キョン「野暮用?(そうだ、ギアスでも使ってみるか!)」
ルルーシュ「あぁ、野暮用だ」
キョン「(友達に仕事を強制するのは忍びないが、いつもサボってるお前への
ささやかな罰だ!くらえルルーシュ!!)」
ルルーシュ「ん?どうした?」
キョンの左目に赤い鳥にような紋章が浮かび上がった
ルルーシュ「なに!?お前その眼はまさか!!?」
キョン「さぁ、とっとと生徒会室へ行った行った」
ルルーシュ「・・・・・・・・・・・」
キョン「ん?あれ?どうした?・・・もしかしてミスったか?」
ルルーシュ「・・・・・・・・・・・分かった、今からやってくる」
スタスタ
キョン「ふぅ、一瞬ヒヤッとしたぜ・・・」
ルルーシュ「(間違いない!今のはギアスだ!!何故あいつがギアスを扱える?C.Cが契約したのか?
あの物言いからして、恐らく俺と同種の能力だろうが、何故俺には効かなかった!?
俺が同じギアス能力者だからか?いや、だがマオのギアスは俺も効果対象だったし
俺のギアスもマオには効いた・・・・・では一体何故・・・キョン、あいつはいったい何者なんだ・・・)」
キョン「さて、帰って寝るか」
ゼロ「多数決?」
古泉「えぇ、黒の騎士団に所属しているメンバー全員に決をとり
その結果で特区の件を決めるというのはどうでしょうか?」
ディートハルト「古泉、何を馬鹿な事言っている?特区に参加するかどうかは
ゼロが決める事だ!決をとる必要などない」
古泉「しかし今回ばかりは流石にリーダー一人の意見で決めていい事ではないと思います
現在黒の騎士団は特区参加賛成派と反対派で二つに割れています
ゼロがどちらかに決めたとして、片方は納得したとしても、もう片方は納得しないでしょう
それでは組織内に亀裂が生まれる恐れがあります」
ゼロ「だから多数決で決めようと?」
古泉「はい、多数決で決まった事ならばその後に遺恨を残すような事はないでしょうし
少数派だった方々も納得した上で先に進む事ができます」
ゼロ「なるほど・・・確かに今後の事を考えると、組織内に亀裂や遺恨を残すような事は
極力避けたいところだ。・・・・いいだろう、お前の案を採用しよう」
ディートハルト「ゼロ、しかし!」
ゼロ「構わん。古泉の言う通りこの問題はリーダー一人で決めて良いような事ではない
ここは民主的な方法でどちらかを決めるとしよう。安心しろ、どちらに決まったとしても
私には双方に策がある!こちらが貧乏くじを引くような事にはならん」
ディートハルト「・・・わ、分かりました」
準備は全てお前に任せる、いいな?」
古泉「それなんですが、決をとるのは多数決をすると発表した三日後にしませんか?」
ゼロ「何故間隔を空ける必要がある?」
古泉「いきなり全員集めて多数決をとると言っても、みなさん戸惑うでしょうし
各々数日考える時間があった方が、身のある決断が出ると思うんです」
ゼロ「三日か・・・まぁいいだろう、好きにしろ」
古泉「ありがとうございます」
---------
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-
翌日(クラブハウスルルーシュの部屋)
ウィーーン
C.C「やっと帰ってきたか、連日朝帰りとは・・・まるでホステスだな」
ルルーシュ「C.C、俺の質問に答えろ!」
C.C「何だやぶから棒に、答えられる質問とそうでないものがあるぞ?」
C.C「好きな食べ物はピザだ」
ルルーシュ「そんな事は知っている」
C.C「片付けは苦手だ」
ルルーシュ「それも知っている!!俺が聞きたいのはそんな事じゃない!
お前、俺とマオ以外の人間にもギアスを与えた事はあるか?」
C.C「あるぞ」
ルルーシュ「そうか、やっぱりお前の仕業だったのか・・・」
C.C「何を勘違いしてるのか知らんが話は最後まで聞け
ある事はあるが、それは大昔の話だ。現世に生きている人間で
私がギアスを与えた者はお前だけだ」
ルルーシュ「なに!?ではあいつは一体誰から・・・」
C.C「あいつ?・・・まさか他の能力者に会ったのか!?」
ルルーシュ「その言い方だと、この世界には他にも能力者がいるようだな
という事はお前以外にもギアスを与える事のできる者もいるわけか
つまりキョンはそいつと契約したという事か・・・」
C.C「キョン!?あいつがギアスを使えるというのか?」
ルルーシュ「あぁ、間違いない。あれはギアスだ」
ルルーシュ「能力は俺と同種の物と見てまず間違いない。ただおかしな事に
俺には何故か効果が無かった。あいつにギアスをかけられた後も
俺は自分の意志で行動できていた。前後の記憶障害もない」
C.C「あいつはお前にギアスをかけたがお前はそれにかからず
キョンの眼の光を見てそれをギアスだと認識したという事か?」
ルルーシュ「そうだ」
C.C「ギアスが効かない人間というのもいるにはいるが、それは限られた者だけだ
お前が相手のギアスを無効化できるはずはないのだがな・・・」
ルルーシュ「だが俺はかからなかった・・・どういう事だ?」
C.C「ならば恐らくあいつの制約が関係してるのだろう
お前のギアスに制約があるのと同様、あいつにも何らかの縛りがあるはずだ」
ルルーシュ「同じギアス能力者には効果がないとかそんな制約か?」
C.C「恐らくな。あいつはお前が能力者だなんて微塵も思っていないだろうから
その制約の事を考えずお前にギアスを使用したのだろう」
ルルーシュ「なるほど、確かにその解釈が一番しっくりくるな」
C.C「しかし驚きだな、まさかあいつが能力者とは」
ルルーシュ「ギアスを与えた者に心当たりは?」
ルルーシュ「フン、魔女が!」
C.C「それより行政特区の件はどうするつもりだ?あまり決断を遅らせると
団員の中にゼロに対する不信感が生まれるぞ」
ルルーシュ「その問題はもう解決した。多数決で決める」
C.C「多数決?また随分と古典的な決め方だな」
ルルーシュ「民主的と言ってもらおう」
C.C「民主主義は結構だが、それではどちらに転ぶか分からんぞ?大丈夫なのか?」
ルルーシュ「いや、もうどちらが多数派になるかは分かっている」
C.C「ほう、票読みでもしたのか?」
ルルーシュ「票読みなど必要ないさ。多数決というのは古泉が提案してきた事でな
これには涼宮ハルヒやキョンが関わっている」
C.C「あの二人が?」
ルルーシュ「あぁ、そしてやはり中心にいるのは涼宮ハルヒだ!
あいつの思考を読めば特区参加に賛成か否かはすぐに分かる」
C.C「で、あの破天荒娘はどっち派なんだ?」
反ブリタニア感情もさほど高くない、争い事以外での解決策があるなら
必ずそちらを支持するはずだ」
C.C「あの娘は玉城タイプだと思っていたが、実は真逆なのか」
ルルーシュ「涼宮はいつでも我を通さないと気が済まない人間だ
つまりなんとしても黒の騎士団を特区に参加させたいと考える
その結果出た結論が多数決というわけだ」
C.C「だが多数決だと必ず賛成派票が多数になるは限らないぞ?」
ルルーシュ「古泉は決をとる日を多数決をとると発表した三日後にしようと提案してきた
つまりあいつはその三日間の間に反対派票を賛成派票に移させるつもりだろう
キョンのギアスを使ってな」
C.C「ほぅ、つまりキョンがギアス能力者であるという事を古泉と涼宮は理解しているという事か」
ルルーシュ「あぁ。ギアスを使えば多数派を作り上げる事など朝飯前だ
間違いなく数日後の多数決では特区参加賛成派が多数となる
そうなると確信したからこそ俺はあいつの意見を採用したんだ」
C.C「という事はお前自身も賛成派なのか?」
ルルーシュ「そちらの方が考えた策を使いやすいからな!
ゼロは団員の意見を採用し、多数決によって特区参加を決めた
この事実は後にゼロに対する忠誠心に繋がる、涼宮ハルヒ様様だな」
C.C「どんな策を考えたか知らんが、また血を見そうだな。やれやれだ」
玉城「何だよこんな所まで呼び出しやがって!!
お前ら後輩だろーが!!何で俺が出向かなきゃならねーんだよ!!」
キョン「まぁまぁ落ち着いてください」
玉城「落ち着いていられるかっつーの!こっちは明日の多数決に向けて
賛成派の説得に回ってて忙しいんだ!!お前等の相手なんかしてる暇は」
古泉「その必要はないと思いますよ」
玉城「あん!?どういう意味だそりゃ!?」
古泉「お願いします」
キョン「玉城さん、明日は賛成に票を入れてください」キュイーーン
キョンの左目に赤い鳥のような紋章が浮かび上がる
玉城「・・・・・あぁ分かった」
スタスタ
キョン「ふぅ、今ので213人目・・・そろそろ安全圏じゃないか?」
古泉「昨日今日とお疲れ様でした、これだけやればもう十分でしょう!
後は明日を待つだけですね」
扇「賛成428票、反対209票!賛成多数により、黒の騎士団は特区日本に
参加する事に決まった!」
ワー ワー ワー
玉城「チクショー何でだ!?あんなに必死に勧誘したってのに!!
こんなに差が開くなんてありえねー!!」
カレン「決まった事なんだからいつまでもウダウダ言ってんじゃないわよ!
特区に参加する事に決まったんだから、アンタもこれからは
そのつもりでちゃんと活動しなさいよね!」
玉城「けっ、わーってるよ!!」
ハルヒ「やったわね!キョン、アンタどうやって反対派を丸め込んだの!?
まさかこんなに差が開くなんて思ってなかったわ!」
キョン「ま、俺の巧みな話術を持ってすればこのくらい朝飯前って事だ」
ハルヒ「巧みな話術ねぇ・・・まぁいいわ!良くやったわよキョン!」
カレン「キョンが反対派を説得したの?凄いわね、いったいどんな魔法を使ったのかしら」
キョン「はは・・・・まぁいろいろとな」
C.C「文字通り魔法を使ったんだろう」
キョン「!?」
C.C「ちょっと前まで半々だった特区参加に関する意見がたかが三日でここまで
片寄るのは妙だ。何か人知を超えた力でも使ったのなら話は別だがな」
キョン「なっ・・・・」
カレン「何いってんのよ、そんな力がキョンにあるはずないじゃない」
ハルヒ「そうよ、この冴えないキョンにそんな力あるはずないわ!」
キョン「冴えないは余計だ」
C.C「ま、瑣末な事だ、気にするな。ではな」
スタスタ
古泉「・・・・」
ハルヒ「いつも風変わりだけど、今日は特に変ねあの人」
キョン「はい、お前が言うな」
カレン「特区参加が決まったからには、何としても成功させたいわね
後はブリタニアの出方次第だけど・・・・」
キョン「まぁ信じるしかないだろうな、ユーフェミアを」
きたるベく行政特区日本設立記念式典に向けての対策会議を行っていた
扇「設立記念式典か・・・・」
古泉「スタジアムに参加申請をした日本人の一部を集め、かなり盛大に行うようです
テレビカメラも入れるたしく、世界中に生中継される予定です」
藤堂「正式な参加表明はもうしたのか?」
古泉「えぇ、多数決が終わった後ゼロの指示でブリタニア政府に対し
特区日本に参加するという主旨の文を送りました」
扇「参加すると言った以上、俺達もこの式典に出席すべきだよな?」
ディートハルト「ブリタニアの真意も分からないのにですか?
流石にそれは危険です、数人を代表という形で式典に参加させれば十分でしょう
何が起こるか分かりません、他の団員は別の場所で武装し待機するのが一番です」
扇「武装?いくらなんでもそれはやりすぎじゃないのか?参加すると言った以上
こちらはあまり相手を刺激するような真似はしない方がいいと思うが」
ディートハルト「あなたはブリタニア側がこの式典において非武装だとお思いですか?
そんな事はありえません、必ずナイトメアや戦闘機を待機させているはずです
もしもの事態に備え、それらに対抗できるだけの武力を忍ばせておくのは当然の事です」
ゼロ「ディートハルトの言うとおりだ、まだブリタニアの罠だという可能性も捨て切れてない
いかなる場合に備えておくべきだろう、0番隊から7番隊まではスタジアム付近で待機
勿論目立たない所でだぞ」
ディートハルト「それは誰でもいいでしょう、適当な団員を数人選べば
大事なのは黒の騎士団が式典に出席したという事実だけですからね」
古泉「では新入りですし僕が行きましょうか?」
ディートハルト「君は駄目だ、当日も私の方を手伝ってもらう」
古泉「そうですか、では誰にしましょうかね」
ゼロ「式典には私が出る!」
藤堂「なに!?本気か?」
ゼロ「あぁ、もし当日何か異変が起こったらすぐに合図を送る
そうなった場合はお前が指揮をとりスタジアムに突っ込め」
藤堂「分かった!」
古泉「しかしゼロ一人でというのは流石に心配ですね・・・」
ゼロ「問題ない、C.Cとキョンも連れて行く」
古泉「二人を?」
ゼロ「あぁ、一応私の側近だからな。心配するな、何か異変があったら
すぐ対処できるよう脱出ルートは確保しておく」
古泉「分かりました」
ウィーーン
キョン「おっ、やっと終わったのか。待ちくたびれたぞ」
古泉「おや?待っていてくれと言いましたっけ?」
キョン「ちょっと気になる事があったんでな、お前に相談しようと思ってよ」
古泉「それはもしかしてC.Cさんの事ではないですか?」
キョン「正解だ、よく分かったな」
古泉「あなたが気になっているというのは昼間彼女が言ったあの発言の事ですね?
人知を超えた力・・・・妙に核心に迫る物言いでしたので僕も気になっていたのですよ」
キョン「あぁ・・・もしかしてあの人は知ってるのか?ギアスの事を?」
古泉「どうでしょうか、その可能性もあるにはあるでしょうが・・・
ただの冗談である可能性の方が大きいと思います」
キョン「でもあの言い方がどうも引っかかるんだよな・・・」
古泉「そんなに心配なら本人に聞いてみましょう」
キョン「は?」
古泉「ですから、本人に聞いてみるんです。ギアスを使って
『ギアスという能力を知っているか?』とね」
古泉「今彼女は何処にいるのでしょう?」
キョン「ゼロの部屋にいるはずだ!」
古泉「ゼロはまだ会議室の中・・・ギアスをかけるなら今がチャンスですね」
キョン「あぁ、急ごうぜ!」
-------
---
-
ゼロの部屋
ウィーーン
C.C「ん?どうしたキョン?もう帰ったんじゃなかったのか?」
キョン「いや、それがちょっと忘れ物をしましてね」
古泉「僕は付き添いです。中に入ってもよろしいでしょうか?」
C.C「構わんぞ、だがゼロの机には触るなよ。あいつは神経質だから
ちょっとでも私物が動くとすぐに分かるからな」
古泉「分かりました。それにしても、あなたは随分とゼロに関して御詳しいですね」
古泉「なるほど、ではゼロの仮面の中も見たことがあるのでしょうか?」
C.C「あぁ、あるぞ」
古泉「そうですか・・・ちなみにゼロは男性ですか?それとも女性ですか?」
C.C「・・・・何を言ってるんだお前は?」
古泉「そのリアクションですとやはり男性なのですね。いや、念のために一応と思いまして」
C.C「面白い事を知りたがる奴だな。女だったら口説き落とすつもりだったのか?」
古泉「恐れ多くてそのような事はできませんよ」
C.C「おいキョン、忘れ物とやらは回収したのか?」
キョン「えぇ・・・・・あの、C.Cさん」
C.C「何だ?」
キョン「・・・・」チラッ
キョンが古泉に視線を送る
古泉「・・・・・」コクッ
古泉はうなずく
キョン「C.Cさん、俺の質問に答えてくれ!
アンタはギアスという能力を知っているのか!」キュイーーン
キョンの眼に赤い鳥のような紋章が浮かび上がった
C.C「・・・・・・」
キョン「さあ、答えてくれ」
C.C「・・・・・フフフ、断る!!」
キョン&古泉「!!!?」
C.C「相手が悪かったな、今お前達は最もギアスを使用してはいけない人間に
ギアスを使用してしまったんだぞ?これで二回目だ、もう少し慎重になるべきだったな」
キョン「どういう事だ・・・ギアスが効かない」
古泉「その物言いですと、やはり知っているのですね?ギアスという力の存在を?」
C.C「知っているもなにも、私はその能力を与える側の人間だ」
キョン「なに!!?」
古泉「与える側・・・なるほど、だからあなたにはギアスが通じないというわけですか」
C.C「そういう事だ」
C.C「答える義務はない、自分で考えることだな」
古泉「ギアスを他人に与える事が出来るあなたがゼロの側近としてここにいるという事は
もしかしてゼロも彼同様ギアス能力者なのでしょうか?」
C.C「さて、どうだろうな。もういいだろう、私は忙しいんだ」
古泉「では最後に一つだけ!あなた自身もギアスを使用する事はできるのでしょうか?」
C.C「いい質問だな坊や。答えはNoだ」
古泉「そうですか、ありがとうございます。あと、できればここでの事はゼロに内密に
してもらいたいのですがよろしいでしょうか?」
C.C「あぁ、別に構わんぞ」
古泉「ありがとうございます。では、我々はこれで。行きましょう」
キョン「ん?あ、あぁ・・・」
キョンと古泉は部屋を出た
C.C「フフ、なかなか鋭い坊やじゃないか」
ルルーシュ「だから言っただろ。全く余計な事をペラペラと・・・・」
奥の部屋からルルーシュが姿を現す
ルルーシュ「古泉に放った言葉全てが余計だ。あれだけヒントを与えれば
あいつの事だ、遅かれ早かれゼロの正体の真相に近づくだろう」
C.C「正体がバレるのが怖いのか?」
ルルーシュ「怖い?違うな、俺は優秀な駒を失いたくないだけだ
あいつがゼロの正体を知ったら、俺はあいつを消さなければならない
そんな事をしたくないだけだ、一応生徒会の仲間でもあるしな」
C.C「そうか、それはすまなかったな。以後気をつけるよルルーシュ」
ルルーシュ「お前、さてはわざとあいつにヒントを与えるような事を言ったな・・・」
--------アッシュフォード学園学生寮
キョン「まさかC.Cさんにあんな秘密があったとは・・・」
古泉「十中八九ゼロはギアス能力者でしょうね。彼女が傍にいる以上
既に能力を与えてると考えるのが自然です」
キョン「だが本人は否定も肯定もしなかったぞ?」
古泉「否定も肯定もしなかった事がこの場合肯定したと言えるでしょう
それに、ゼロがこれまで起こしてきた奇跡の数々
これらの事もギアスという能力を前提に考えると納得できるんですよ」
かけていたと考えると、その後のジェレミア卿の理解し難い行動も納得できます」
キョン「つまりオレンジなんて言葉には何の意味も無かったって事か?」
古泉「えぇ、ブリタニア政府は勿論マスコミも意味の無いオレンジ発言ばかりに気をとられ
その後コーネリア総督が着任するまでエリア11は大混乱でした。あれもゼロの狙いでしょう」
キョン「ゼロの知能に何でもありのギアスか、最強だな」
古泉「そして最も気になるのは先程C.Cさんが言った『これで二回目だ』という発言です」
キョン「二回目?何が二回目なんだ?」
古泉「『今お前達は最もギアスを使用してはいけない人間に
ギアスを使用してしまった。これで二回目だ、もう少し慎重になるべきだったな』
覚えてらっしゃいますか?」
キョン「あぁ、確かにそんな事言ってたな。ん?まてよ、二回目?」
古泉「そう、そこです!我々がこんなミスを犯したのはあれが初めてのはず
しかし彼女はそれを二回目と表現しました。これはつまり、我々が自覚していないだけで
過去に同様のミスを犯し、ミスをおかした際にギアスを使用した相手が
C.Cさんにその旨を報告したという事です」
キョン「C.Cさんに報告?でもあの人はゼロの側近で基本他の人とはあまり
絡まないはずだが・・・・という事は」
古泉「そうです!過去に間違ってギアスをかけた相手
それは素顔を晒した状態のゼロです!」
ギアスを使用していたって事なのか?」
古泉「そうとしか考えられません。あなたがギアスを使用した者の中に必ずゼロがいます!
思い出してみてください、怪しい反応を見せた人物はいませんでしたか?」
キョン「いや、でもギアスが効かなかったのは間違いなくC.Cさんだけだ!
他にかけた連中はみんなちゃんと言われた通りの行動をとってたはずだ」
古泉「かかったフリをしていたのでしょう。あなたが能力者であるという事実だけを得て
ギアスにかかったフリをしてその場を離れ、C.Cさんに相談した。
これまでにギアスをかけた相手はどれくらいいるのですか?」
キョン「特区参加反対派の団員と、学園ではリヴァルにルルーシュ・・・・・
あと教師にも何人かかけたな」
古泉「教師?」
キョン「はは、来週のテストの問題用紙くれってさ」
古泉「あなたという人は・・・こちらの世界のペーパーテストなどどうでもいいでしょうに・・・」
キョン「仕方ないだろ、進級が危ないんだ!」
古泉「・・・まだ5月ですが、あなたはあと何ヶ月この世界と現実を行ったり来たりするおつもりですか?」
キョン「・・・・と、とにかく!俺がこれまでにギアスをかけたのは
さっき挙げた人達だけだ!この中にゼロがいるんだろ?いったい誰なんだ?」
彼らには行動を起こす理由がないですからね。となると、特区反対派の中・・・・」
キョン「組織のトップでありながら、たまに仮面を外して一般団員と化してるって事か?」
古泉「その可能性が高いですね、末端の声を聞くには自らがそこに入るのが一番でしょうし
意外と部下思いの上司という事でしょうか。少々印象が変わりましたね」
キョン「あの中にゼロが・・・・一応聞いとくが、玉城さんは」
古泉「絶対にありえません」
キョン「はは、だよな」
古泉「しかしよくよく考えてみると、我々がゼロの正体を追求する必要はもう無いんですよね」
キョン「あぁ、ハルヒの目的が別のものにシフトしたからな
でもまぁ出来る事なら暴いてみたいぜ、ゼロの正体」
古泉「同感です。同時進行でやりませんか?勿論涼宮さんの件に
支障が出ない範囲でですが。ここまで来たら僕も彼の正体を知りたい」
キョン「おう、まぁ疲れない程度にな」
古泉「我々の推理が正しければゼロは特区参加反対派という事になる
となると、特区参加賛成派が多数となった現状を好ましく思っていないかもしれない・・・
式典当日、何かをする可能性がありますね」
キョン「何かって何だ?」
キョン「まさか・・・」
古泉「あくまで可能性です。しかし、我々の目的は特区日本の成功です
万が一ゼロが特区を壊すような真似をした時は、あなたが何とかしてください」
キョン「ちょっと待て、何で俺だけなんだ?」
古泉「式典に参列するのはゼロと側近の御二人のみと決まったんです
つまりあなたとC.Cさんです。現場で彼を静止できるのはあなただけしかいません
C.Cさんはどちらかと言えばやはりゼロ寄りのようですしね」
キョン「はぁ・・・・ゼロを止めれる自信なんて俺には微塵もねーぞ・・・・」
古泉「大丈夫です、あなたにも彼同様ギアスがある」
キョン「仮面被った相手にギアスはかけれないし、仮面を被って無くても
ゼロにはギアスが効かないんだろ?無意味じゃねーか・・・」
古泉「そこはゼロのように頭を使ってください!あなたならできるはずです」
キョン「お前は俺の偏差値を知らんのか・・・はぁ、気が重いぜ」
キョン「はぁ、いよいよ明日か・・・」
古泉「おや?何か不安な点でもあるのですか?」
キョン「お前はいいよなぁ、アジトで待機なんだからよ」
古泉「現場でのことは全てあなたに任せます。頑張ってくださいよ」
キョン「はぁ・・・」
古泉「そういえばゼロの正体の件ですけど」
キョン「何か進展があったのか?」
古泉「あなたがギアスをかけた特区参加反対派の方々、計213人の中には
どうやらゼロはいないようです」
キョン「何でそんなことが言い切れるんだ?どうやって調べた?」
古泉「昨日全団員を集めた集会がありましたよね?実はあれは僕が提案した事なんですが
ゼロが演説してる間も全員いたんですよ、あなたがギアスをかけた反対派の人達全員がね
一人でもいない者がいればその者がゼロだと確信できたのですが」
キョン「よく200以上の人間の存在の有無をあの短い集会の中で確認できたな・・・
でもそれだけじゃまだあの中にゼロはいないとは言い切れないんじゃないか?
ゼロが影武者を使ってる可能性だってある」
疑っているという事をゼロが認識している場合、確かにそれもありえますね
別の人物にギアスをかけ壇上で喋らせ、自分は聴衆側に回る」
キョン「あぁ、まぁその場合俺達はいろいろとヤバイ状況かもしれんが・・・」
古泉「えぇ、ですのでその可能性は考え無い事にしましょう」
キョン「おい!」
古泉「ここ数日反対派の方々を観察していましたが、正直あの中にゼロがいる
とは思えないんですよ。勿論一般団員に見せかける為、凡人のフリをしている
のかもしれませんが、それにしてもちょっとゼロの印象とは程遠い方ばかりで・・・」
キョン「最初に反対派の中にゼロがいるって言い出したのはお前だろうが・・・
じゃあ何だ、ゼロは学園の教師かリヴァルかルルーシュだってのか?
こっちの方がお前の言うゼロの印象とかなり遠いと思うぜ」
古泉「そうでしょうか?雰囲気的に実に良く似ている人物が一人いるではありませんか」
キョン「・・・まさかルルーシュとか言い出すつもりじゃないだろうな?」
古泉「残った選択肢の中で一番可能性があるのは彼です
いや、よくよく考えれば反対派を合わせた中でも彼が一番そのイメージに近い」
キョン「でもあいつには理由がないだろ?ブリタニアと戦う理由も、日本を解放させる理由も!」
古泉「そこなんですよね、その辺りは検討もつきません。しかし、彼がゼロであるのであれば
必ず理由があるはずなんです。意味も無いのに行動を起こすような人ではないですし」
古泉「9割方あっていると思います、他に思い当たる人物がいませんし」
キョン「で、どうする?確かめてみるか?」
古泉「どうやって確かめるのです?」
キョン「ここまで来たら本人に直接聞いてみるしかないだろ!」
古泉「止めた方がいいと思いますよ、こちらはもう既に彼に対しギアスを使用していますが
あちらは恐らくまだ我々にギアスは使っていないでしょう。下手に追い込んだりしたら
何をされるか分かりません。彼は自分がゼロだという事実は絶対に守ろうとするはずです
その為なら我々を消す事だっていとわないでしょう」
キョン「・・・・それもそうだな」
古泉「これまで全く分からなかったゼロの正体に関して、9割方この人物であろうという人間を
見つけることができたんです。それだけで十分ですよ。本人にその事を確認する必要は
ありません、先程も言った通り危険ですからね」
キョン「まぁお前がそれでいいなら俺からは何も言う事はないさ
じゃあ後は明日の式典と、特区日本を成功させるだけだな!」
古泉「えぇ、明日は頼みましたよ」
キョン「ま、やるだけやってみるさ」
ハルヒ「ふふ〜ん♪」
カレン「ご機嫌ねハルヒ、何か良い事でもあったの?」
ハルヒ「別にないわよ!ただ明日の式典が楽しみなだけ!」
カレン「行政特区日本か・・・もし成功したら、ハルヒは特区に住むの?」
ハルヒ「勿論そうするわ!名誉ブリタニア人なんて胸糞悪い名前から
日本人に戻れるんですもの!カレンだってそうするんでしょ?」
カレン「え?うん、まぁね。でもゼロはどうするのかしら・・・」
ハルヒ「そういえばゼロって日本人じゃないんだっけ?」
カレン「えぇ、前に本人がそう言ってたわ」
ハルヒ「別に元々日本人だった人だけしか住んじゃいけないってわけじゃないんだし
ゼロだって特区の住人になる事は可能なんじゃない?ていうかゼロの場合は
特区成立後はそこの代表になるだろうし」
カレン「そ、そうよね!うん、きっとそうよ!あぁ良かった」
ハルヒ「・・・ねぇ、前から思ってたんだけど、もしかしてカレンってゼロの事好きなの?」
カレン「は、はぁ!!?な、何言ってんのよアンタ!?///」
ハルヒ「顔真っ赤よ・・・・分かりやすいわね」
頭良いし凄い人だってのは分かるけど、顔も見たことないんでしょ?
よくそれで惚れられたわね!」
カレン「うるさいわね、余計なお世話よ!アンタだってキョンが好きなんでしょ?
知ってんのよ私!あんなリヴァルに毛が生えたような男の何処がいいのよ!」
ハルヒ「な、何であたしがキョンなんかを好きにならないといけないのよ!!」
カレン「赤くなってきたわよ、顔」
ハルヒ「だ、だいたいアンタはルルーシュが好きだったんじゃないの!?
それをいきなりゼロに乗り換えるだなんて気が多いにも程があるわ!」
カレン「な、何でそこでルルーシュが出てくるのよ!?」
ハルヒ「シャーリーが言ってたわよ、最近ルルとカレンが怪しい仲だって」
カレン「うぅぅ・・・・シャーリー・・・・あれほど違うと言ったのに・・・・」
ハルヒ「二兎を追うものは一頭も得ず!どちらかにしなさいカレン!!」
カレン「だから違うって言ってんでしょ馬鹿ハルヒ!!」バコッ
ハルヒ「イタッ・・・・やったわねー!!!」
ワーキャー ワーキャー ワーキャー
扇「全く騒がしい連中だな・・・明日は大事な日だって言うのに・・・」
C.C「いよいよ明日だな」
ルルーシュ「あぁ」
C.C「本当にやるのか?この間言っていた策を?」
ルルーシュ「そうしなければ黒の騎士団は終わるからな、俺をここまで追い込んだのは
他の誰でもないユフィ自身だ・・・・だから彼女には責任をとってもらう
ユフィにギアスをかけ、俺を撃たせる!」
C.C「黒の騎士団とゼロに対し参加を呼びかけた特区日本の提唱者が
式典に参加したゼロに対して引き金を引く、確かに一気に反ブリタニア感情が爆発するな
おまけに特区構想は頓挫し、民衆の黒の騎士団に対する支持は強まる」
ルルーシュ「あぁ、そしてその勢いのまま東京租界へ進軍する!」
C.C「東京租界へ?本気か?」
ルルーシュ「勿論、既に策は打ってある。東京租界へ進軍し、今度こそコーネリアを潰す!
そして政庁陥落の映像と共に独立宣言をすれば、嫌でもあの男が出てくる・・・ブリタニア皇帝が!
直に会うことさえできれば、後は奴にギアスをかけるだけだ」
C.C「・・・・」
ルルーシュ「特区日本を提唱したユフィに悪気など無い事は分かっている
悪気どころかむしろ俺とナナリーの事を考えての結論だろう
しかし、俺達兄妹にとってその優しさは最早罪でしかない・・・・
だから俺は修羅になってでも特区日本を阻止する!!ナナリーの為にも・・・」
アナウンサー「こちら行政特区日本開設記念式典会場です!
会場内は大勢のイレヴ・・・・失礼しました、大勢の日本人で埋め尽くされています
会場の外にも入場できなかった日本人が沢山式典が始まるのを待っています!」
アナウンサー「しかし、特区日本への参加を表明した黒の騎士団のトップであるゼロは
依然姿を見せておらず、式典が始まるまでに姿を現すのかどうか
その動向が注目されています」
ガヤ ガヤ ガヤ ガヤ
スザク「このまま来ないつもりなのでしょうか?」
ダールトン「かも知れんな。しかしそれでも構わん、奴等が特区に参加するしないに関わらず
こうなった以上どちらを選んでも黒の騎士団は終わりなのだからな」
ユーフェミア「(ルルーシュ・・・私は信じてます)」
ダールトン「ユーフェミア様、そろそろ御時間です」
ユーフェミア「・・・・はい」
「ゼロだ!!!」
ユーフェミア「え?」
視線の先にはガウェインの肩に乗ったゼロがおり
こちらに向かってきていた
ダールトン「負けを認めたか!」
指令部「相手はゼロだ、不審な動きを見せたら即座に射殺しろ!」
狙撃犯「イエス・マイ・ロード」
ゼロの乗ったガウェインが式典の壇上へと着陸する
ユーフェミア「ようこそゼロ!行政特区日本へ!」
ゼロ「ユーフェミア・リ・ブリタニア、折り入ってあなたとお話したいことがあります」
ユーフェミア「私と?」
ゼロ「はい、あなたと二人っきりで」
ゼロがナイトメアから降り、操縦席からキョンとC.Cも出てきた
スザク「キョン、何で君がここに?・・・・そうか、君もカレンと一緒に」
キョン「そういう事だ、黙ってて悪かったな」
スザク「いや、僕だって最初は技術部だと嘘をついていた。これで御相子だ」
キョン「そう言ってくれると助かるぜ、正直なところここでお前に正体を晒す事が
一番億劫だったからな」
C.C「久しぶりだな」
スザク「やっぱり君は黒の騎士団の関係者だったのか」
キョン「俺とこの人はゼロの側近なんだ。あとついでに言っておくが
ハルヒと古泉も黒の騎士団の団員なんだ」
スザク「会長と古泉も・・・・」
キョン「あぁ、だからこれまで戦場でお前とも何度か戦ってる」
スザク「そうか・・・でも、特区日本が上手く行けば、僕等はもう争わなくても済む!
君や会長達と争うのなんて僕は嫌だ」
キョン「俺だって嫌さ・・・・・上手く行くといいな、特区日本。いや、俺達で上手く行かそう!」
スザク「キョン・・・」
ダールトン「話し合いならこの場でしてもらおう、二人だけの状況は悪いが作れん」
ゼロ「こちらは特区に参加すると表明し、武器も持たずこちらに出向いたのだ
平和的解決の為に必要な事なのだが、それでも申し出は許可されないのかな?」
ダールトン「何が武器も持たずにだ!ガウェインに乗って来たではないか!」
ゼロ「あくまで移動の手段として使用したまでだ、武装は全て外してある
調べてもらっても構わんぞ」
だから二人っきりにさせてください」
ダールトン「しかしユーフェミア様!!」
スザク「この男と二人になるのは危険です、せめて自分だけでも!」
ユーフェミア「大丈夫ですスザク!私を信じてください!」
スザク「(ユフィ・・・)」
ユーフェミア「ダールトン」
ダールトン「・・・・分かりました、では下のG1ベースでよろしいでしょうか?」
ユーフェミア「はい」
ダールトン「お前もいいな?」
ゼロ「あぁ」
ダールトン「悪いが案内する前に検知器を通ってもらう
凶器を持っていられては敵わんからな」
ゼロ「構わん、それで君達が安心するのならいくらでも協力しよう」
ダールトン「G1の入り口付近にこちらの兵を一人置かせてもらう
枢木、お前が行け」
スザク「え?自分でよろしいのですか?」
必ずユーフェミア様を御守りしろ!」
スザク「イエス・マイ・ロード!!」
キョン「そういう事なら俺も一緒に行きたいんですが・・・」
ダールトン「ん!?何だお前は!?」ギロッ
キョン「え?いやぁ・・・俺はその」
ゼロ「私の側近だ。可能なら彼を枢木卿と同じ場所に置いておきたいのだが?」
ダールトン「いかがなさいますか?」
ユーフェミア「構いませんよ」
ゼロ「ありがとうございます」
ダールトン「では枢木、G1へ案内してさしあげろ」
スザク「分かりました、こちらです」
キョン「(よし、これでゼロに近いポジションゲット!何か不測の事態が起こっても
トラブルが起きる前に対処するんだ!頑張れ俺!)」
スザクを先頭に四人は会場の外に停めてある
G1ベースへと足を運んだ
ゼロは中に入ると同時にG1ベース全ての電源を落とした
ユーフェミア「用心深いのね、カメラは全てオフにしてあるのに」
ゼロ「いつも隠れて生活しているのでね、何処かの帝国のお陰で」
ゼロは仮面を外しふところから銃を取り出す
ルルーシュ「竹とセラミックで加工したニードルガン、これは検知器でもヒットしない」
ユーフェミア「何の冗談ですか?ルルーシュ、あなた撃たないでしょ?」
ルルーシュ「あぁ、俺は撃たない。撃つのは君だよ、ユフィ」
ユーフェミア「え・・・・?」
---------会場付近
扇「ゼロは上手くやっているのだろうか・・・」
藤堂「ユーフェミアと二人だけで会談か・・・こんな事は予定になかったが」
扇「いったいゼロは何を考えているんだ」
藤堂「(我々をここに待機させてある上にラクシャータやディートハルト、古泉も
別働隊として行動させている・・・もしや、ゼロはユーフェミアを・・・)」
スザク「キョン、ゼロはユーフェミア様に一体何の話をしているんだ?」
キョン「さぁ、何を話しているのやらさっぱりだ」
スザク「君は何も聞いていないのかい?」
キョン「俺に限らず黒の騎士団のメンバーの殆どが何も知らされてないと思うぜ」
スザク「じゃあやっぱり君もゼロの正体は知らないのか」
キョン「あぁ・・・(ゼロがルルーシュかもしれないなんて言ったらこいつは
どんなリアクションをとるのだろう?)」
スザク「キョン、悪いけど僕は中で何かが起きたらすぐにゼロの身柄を取り押さえるよ」
キョン「あぁ、そんときは好きなようにしてくれ」
スザク「君はそれでいいのかい?ゼロは君の上官だろ?」
キョン「お前と格闘しても勝ち目はないし、それに俺は特区日本を成功させたいんだ!
万が一ゼロがそれを阻害するような行動をとるなら守ってやる義理はない」
スザク「はは、君は分かりやすいね。うん、特区を成功させたいと思う気持ちは僕も同じだ
お互いに頑張ろうキョン!」
キョン「(ゼロが何か企んでいるのなら俺がその企みを阻止しなきゃならん・・・
何をしでかすか分からんし阻止できる自信もない、ないが!!やるしかない!)」
ユーフェミア「私が・・・ルルーシュを?」
ルルーシュ「そうだ」
ユーフェミア「何を言っているのですルルーシュ?私はそんなことしないわ!」
ルルーシュ「君の意志は関係ない、俺がそうさせてやる!」
ユーフェミア「?」
ルルーシュ「この式典は全世界に中継されている、そこでブリタニアの皇女である君が
ゼロを撃ったらどうなると思う?」
ユーフェミア「暴動になるんじゃないかしら?」
ルルーシュ「あぁ、騙まし討ちされたとなれば、ゼロは殉教者となり
君とブリタニアの信望は地に落ちる」
ユーフェミア「何ふざけてるんですか?私と一緒に日本を」
ルルーシュ「もう全ての条件はクリアされた、ゼロは生死を彷徨い
奇跡の復活を遂げ称えられる。民衆は理屈ではなく、奇跡に弱いものなんだ
さぁ、銃を受け取りたま・・・・・ウッ!!!!」
ルルーシュは左目を押さえその場にうずくまった
ユーフェミア「ルルーシュ!?どうしたのです、大丈夫ですかルルーシュ!?」
俺は自分の力で手に入れてみせる!その為には汚れてもらうぞユーフェミア・リ・ブリタニア!!」
ユーフェミア「その名は返上しました!」
ルルーシュ「なに!?」
ユーフェミア「いずれ本国から発表があると思います!皇位継承権を放棄しました」
ルルーシュ「何故・・・まさかゼロを受け入れたからか?」
ユ−フェミア「わがままを通してもらったのですから仕方ありません」
ルルーシュ「何故特区日本の為にそこまでできる・・・スザクの為か?」
ユーフェミア「それもあるわ。でも、一番はナナリーの為」
ルルーシュ「ナナリー?」
ユーフェミア「あの子言ったの、お兄様さえいれば他に何もいらないって
だから決めたの、特区を成立させようって」
ルルーシュ「そんな事だけで決めたのか?」
ユーフェミア「そう、そんな事だけで決心がついちゃったの!」
ルルーシュ「・・・フッ、フハハハハ!!全く、君は大馬鹿だよ」
ユーフェミア「そりゃあ、昔からルルーシュにはゲームでも勉強でも勝てなかったけど・・・」
ユーフェミア「ルルーシュ、お願いです!私と特区日本を・・・私に協力してください!
あなたとナナリーの事は誰にも言いません、だから・・・」
ルルーシュ「・・・・・・・・・・・・・・・・・君は、俺にとって最悪の敵だったよ
いいだろう、行政特区を生かす形で策を練ろう。あぁ、部下になるわけじゃないからな」
ユーフェミア「ルルーシュ!!」
ルルーシュ「俺達で特区を成功させよう、ブリタニアを中から変えるんだ」
ユーフェミア「はい!それにしても私って信用ないのね、あんな言葉で
騙そうとするなんて!心外です!」
ルルーシュ「あぁ、あれか。俺が本気で命令すると、誰も俺に逆らう事ができないんだ」
ユーフェミア「またからかってるの!?」
ルルーシュ「本当さ、例えば俺が『ゼロを撃て』、『スザクを解任しろ』、『日本人を殺せ』
と命令すれば君は」キュイーーーーン
ユーフェミア「・・・・・・・・い、いや・・・そんな事したくない」
ルルーシュ「ん?ユフィ?」
ユーフェミア「そ、そんな事、したくない!!」
ルルーシュ「おいどうしたんだユフィ!?眼のふちが赤い・・・・まさか!?」
ルルーシュ「ギアスが発動している・・・・まさかマオのように暴走しているのか!!?」
ユーフェミア「いや・・・そんな事したくない!!」
ルルーシュ「さっき言った内容のどれかがギアスとして飛んだのか!!
まずい・・・・ユフィ、落ち着け!!俺の眼を見ろ!!」
ユーフェミア「いや・・・・そんな事」
ルルーシュ「クッ・・・・またさっきの痛みが!!」
ルルーシュは再び眼を押さえてうずくまった
ユーフェミア「・・・・・・・・・・そうね、日本人はみな殺しにしましょう!」
ルルーシュ「クッ・・・・よりによってその命令か・・・止めろユフィ!!」
ユーフェミアはルルーシュの銃を奪い会場へ向け走り出した
ルルーシュ「ユフィー!!!」
キョン「・・・随分長いな」
スザク「話し合いが上手く行っていないのかもしれないね」
キョン「はぁ〜、頼むから上手く行ってくれよ」
ガチャッ
キョン「ん?やっと終わったか・・・・って、ユーフェミア様一人だけ?」
ユーフェミア「あら?あなたはさっきの」
キョン「あの〜、ゼロはどうしたんです?」
ユーフェミア「ゼロならまだ中にいますよ!私はやらなければならない事があるので
先に出てきたんです!」
キョン「は、はぁ・・・そうなんですか」
スザク「ユーフェミア様、やらなければならない事というのはいったい?」
ユーフェミア「日本人を殺すんです!」
キョン「・・・・・・・・・・・は?(今この人物凄い事言わなかったか?)」
スザク「ユ・・・・・・ユフィ?」
ユーフェミア「私は日本人を殺さないといけないんです!」
スザク「ユフィ!!何を言ってるんだ、君は行政特区日本を」
ユーフェミア「特区なんてもうどうでもいいんです!今は日本人を殺す事だけを
考えなければなりません。さあ、御二人とも道をあけてください!」
スザク「違う!特区構想は純粋に日本人を助ける為にユフィが考えた事だ!」
キョン「じゃあこの状況はどう説明する気だ!?」
スザク「ユフィ、目を覚ますんだ!!君はそんな事を言ってはいけない!!」
ユーフェミア「スザク・・・どうしてあなたが私の邪魔をするのです?」
ユーフェミア「・・・・そういえば、あなたも日本人でしたね!」
ドンッ!!!
銃弾を受けたスザクはその場に倒れた
ドサッ
スザク「うぅっ・・・・」
キョン「おい大丈夫かスザク!!・・・・銃弾が貫通してやがる
な、何とかして血を止めないと!!」
ユーフェミア「?何故血を止める必要があるのですか?」
キョン「お前狂ってんのか!?スザクはお前の騎士だろ!!
なのに殺そうとするなんて・・・」
ユーフェミア「仕方ないんです、日本人は殺さなければならないの・・・」
キョン「何だとこのや・・・・」
涙を流すユーフェミアの顔を見て、キョンは少しだけ冷静になった
キョン「(泣いてる・・・しかもあの眼・・・・この豹変ぶり・・・・・・
そうか、これはギアスだ!!ゼロの奴がユーフェミアにギアスをかけたんだ!
『日本人を殺せ』と・・・・)」
キョン「(くそ、どうすりゃいいんだこの展開・・・このままユーフェミアを会場に行かせたら
間違いなくとんでもない事になる・・・おい古泉、俺はどうしたらいい?)」
スザク「くっ・・・・キョ、キョン・・・ユ、ユフィを・・・・ユフィを止めてくれ・・・」
キョン「スザク!?じっとしてろ、喋るな!すぐに医務室に運んでやるから!」
スザク「ユ・・・・ユフィはきっと・・・何かに操られてるんだ・・・だから彼女を助けてくれ・・・」
キョン「(あぁ分かってるさ、これはこいつの本意じゃない!ギアスに操られてるが故の行動・・・
でもどうすりゃいい!?ギアスの命令は絶対だ・・・ゼロが日本人を殺せと命令した以上
仮に力ずくで取り押さえてもその後の事を考えると何の解決にもならない・・・どうすれば」
ユーフェミア「スザクもあなたも、ここで死んでいただきます!」
キョン「(まずい・・・・もう一発撃たれたらスザクは本当に死んじまう!
何とか、何とかしないと・・・)」
ドンッ!!
ユーフェミアはスザクに向け発砲したが
その銃弾はスザクを庇ったキョンの背中に命中した
スザク「・・・・キョン・・・・・」
キョン「(イテー、痛すぎる!!死ぬ死ぬ死ぬ!!うわっ、何だこの血の量・・・
終わった、こりゃもう駄目だ、俺はここで死ぬ。ゲームオーバーだ・・・)」
ユーフェミア「あら〜、庇わなくたってちゃんと二人とも殺しますのに」
キョン「(思い返してみると、高校入学以降ハルヒのお陰でこの手のトラブルには
何度も遭遇したっけな・・・・全部あいつのせいだ・・・ったく、何で死ぬ時まで俺は
ハルヒの事を考えちまってるんだ・・・)」
ユーフェミア「さようなら、二人とも」
スザク「・・・・ユ、ユフィ・・・止めるんだ・・・」
キョン「(ちきしょー・・・・ちきしょーちきしょーちきしょー!!こんな所でくたばってたまるかよ!
俺は80歳くらいに老衰で苦しまずにあの世へ行く予定なんだ!こんな所で死ねるか!!)」
キョンはゆっくり立ち上がった
背中と腹から大量の血が噴出す
ユーフェミア「まだ立てるんですか?じゃああなたから行きますね!」
キョンの左目に赤い鳥のような紋章が浮かび上がる
ユーフェミア「何をなさっているのです?」
キョン「俺のギアスとゼロのギアス、どっちが上か白黒つけてやる!
何度でも命令してやる!!正気に戻れユーフェミア!!!」キュイーーーン
キョンの両目に赤い鳥のような紋章が浮かび上がる
ユーフェミア「・・・・・・・・・・・・」
キョン「ハァ、ハァ・・・・・はは、もう駄目だ」バタンッ
キョンはその場に倒れた
ユーフェミア「・・・・・わ、私はここで何を・・・・・ス、スザク!!?
それにゼロの側近の方まで・・・どうしてこんな事に!?誰がこんな事を!!?」
と、最後にツッコミを入れてキョンの意識は飛んだ
ユーフェミア「凄い血だわ、待ってて!すぐに御医者様を連れてきますから!」
ゼロ「ユフィ!!」
部屋からゼロが出てくる
ユーフェミア「ゼロ!!見てください二人がこんな事に」
ゼロ「スザク!!?キョン!!?」
ユーフェミア「私は御医者様を呼んできます、ゼロはここで二人をお願いします!」
ユーフェミアはG1の外へ走っていった
ゼロ「・・・あの様子だと俺がかけてしまったギアスはもう解けているのか?
しかしいったいどうやってそんな事を・・・」
ゼロ「・・・・そうか。キョン、お前がやってくれたのか・・・」
ルルーシュは意識を失っているキョンのまぶたを指で少し開けギアスをかけた
ゼロ「生きろ!!!」キュイーーン
ゼロ「ギアスで傷口は癒せない・・・しかし、生きたいと強く願う気持ちさえあれば
人は死なないはずだ、きっと・・・・もうすぐ医者が来る、それまで二人とも頑張ってくれ!」
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-
数日後
カレン「あっ、やっと目が覚めた!ったく、心配させるんじゃないわよ!」
キョン「カ、カレン・・・・?」
カレン「そうよ、もしかして寝ぼけてる?」
キョン「ここは・・・病室?そうだ、俺はスザクと一緒に撃たれたんだ!!」
カレン「そっ、あなたとスザクは撃たれたの。特区に反対してたブリタニアの過激派にね」
キョン「・・・・へ?過激派?」
カレン「そうよ。やっぱり撃たれた相手見てなかったんだ。まぁ仕方ないわよね
あなた後ろから撃たれたみたいだし」
キョン「(俺は確かユーフェミアに撃たれたはずだが・・・・そうか、ゼロが情報を隠蔽したのか
でも何でゼロがそんな事を?ユーフェミアに日本人を殺させようとしてたあいつなら
そんな隠蔽しないでありのままを発表した方が都合が良いだろうに・・・)」
カレン「ゼロやユーフェミアに感謝しなさいよ、あなた達が助かったのは
二人が迅速な処置を施したからだってお医者さんが言ってたわ」
キョン「(ユーフェミアは分かるがゼロが?これも隠蔽か?)っていうか二人って事は!?」
今はもう退院して仕事に戻ってるわよ」
キョン「何て奴だ・・・・・ていうか、特区日本はどうなったんだ?」
カレン「大成功よ!多くの日本人が特区への移住を開始してるわ!
今現在も参加申請が大量に来てて、黒の騎士団のみんなはそっちの仕事にてんやわんや」
キョン「そうか!!そりゃ良かった!!」
カレン「まぁまだ課題は沢山あるんだけど、それはこれからゼロを先頭に私達と
ブリタニアとで話し合いをしながら解決していけばいいわ」
キョン「あぁ・・・・そうだな」
カレン「じゃ、私はこれで!邪魔者は消えるわ」
キョン「邪魔者?できればもう少しいろいろと話を聞きたいんだが?」
カレン「下に寝てる子に聞いたら?ず〜とあなたに付き添ってたのよ!
ちゃんと御礼言ってあげなさいよね!じゃ、お大事に」
バタンッ
キョン「下に寝てる子?」
キョン「・・・・・・・・・ハルヒ」
ハルヒ「zzz」
キョン「・・・・・・・顔に落書きは・・・・・止めといてやるか」
----------
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--
次の日
ガチャッ
キョン「今度はお前か・・・・」
古泉「その御様子ですと、かなりの人数が面会にいらしたようですね」
キョン「黒の騎士団の仲間だけならまだしも、何故かブリタニアの政府関係者まで来たぞ」
あちらも責任を感じているのでしょう」
キョン「過激派ねぇ・・・」
古泉「おや?違うのですか?」
キョン「いいや、その通りだ」
古泉「それにしても意外でしたね、あのゼロが何も仕掛けてこないとは・・・
僕の予想では特区をぶち壊す為に何か手を打ってくると思っていたのですが
どうやら杞憂だったようですね」
キョン「(実際そうだったんだがな・・・)」
古泉「しかしそのお陰で特区日本は無事成功しました!
これで涼宮さんの目的は達成された事になります」
キョン「これでこの現象から解放されればいいんだがな」
古泉「えぇ、涼宮さんが新たに他の目的を見つけないことを祈るばかりです。
そういえば、彼女はどちらに?ずっとあなたに付き添っていたはずですが?」
古泉「そうですか、しかしあなたが羨ましいですよ」
キョン「去年はナイフで刺されて、今年は銃で撃たれた俺の何処が羨ましいんだ?」
古泉「そういう意味ではありませんよ、常に心配してくれる人が傍にいるという事が羨ましいんです」
キョン「お前が同じ立場になったとしても、ハルヒは心配してくれると思うぞ」
古泉「なら良いのですが」
キョン「するさ、あいつは絶対に」
--------
----
--
-
ガチャッ
キョン「C.Cさん・・・」
キョン「お陰様で」
C.C「背中を撃たれたと聞いた時は無理だと思ったが、なかなかの生命力だな」
キョン「まだ動くと少しだけ痛いんですけどね」
C.C「・・・・・」
キョン「どうしたんです?」
C.C「お前には礼を言っておかねばならないな」
キョン「礼?俺何かしましたっけ?」
C.C「ユーフェミアを止めた件だ」
キョン「あぁ・・・C.Cさんは知ってるんですか」
C.C「まぁな、大体のことはゼロから説明を受けた」
C.C「いいぞ、今回は何でも答えてやる。スリーサイズか?」
キョン「いや、そうじゃなくて・・・(それも確かに気になるが)
ゼロはどうしてユーフェミアにギアスをかけたんです?あのまま俺が何もできなかったら
たぶんとんでもない事になっていたと思うんですが」
C.C「あれはゼロの意志ではない。あいつのギアスが暴走した事によって起きた
いわば不幸な事故だ」
キョン「故意じゃないんですか?」
C.C「勿論だ、故意にやったとするならお前や枢木スザクを撃った犯人を
ブリタニアの過激派などと改竄する必要はないだろ?」
キョン「確かにそうですね・・・そうか、事故だったのか」
C.C「ゼロもお前には本当に感謝していたぞ。その内ここに顔を見せるだろうが
その時は小言の一つでも言ってやれ。故意でないにしろ、あいつのミスが原因で
お前は撃たれたわけだからな」
C.C「お前がユーフェミアを止めていなければ、ゼロも、この世界もとんでもない
方向へと歴史を進めていただろう。本当に感謝するぞキョン
これからもあいつの事を支えてやってくれ」
キョン「は、はい」
C.C「ではな、御大事に」
--------
-----
--
-
ガチャッ
キョン「ゼロ・・・」
ゼロ「体調の方はどうだ?」
キョン「まだちょっと背中が痛いですかね」
キョン「いいですよ、C.Cさんから聞きました。ギアスが暴走したんですよね?」
ゼロ「あぁ、日本人を殺せとというギアスがユーフェミアにかかってしまってな・・・
お前が止めてくれなければ、とんでもない事態になっていただろう
礼を言う、ありがとう・・・・キョン」
キョン「別にいいですよ、あの場面は俺も我が身大事で必死でしたし」
ゼロ「そうか」
キョン「でも良かったですね、特区日本が成功して」
ゼロ「あぁ、だがこれから先解決していかなければならない問題は沢山ある
キョン、これからも俺に力を貸してくれるな?」
キョン「えぇ・・・まぁ」
ゼロ「微妙な返答だな・・・まぁいい、俺がお前を信用する証としてこの仮面を外そう」
キョン「え!?んな事しちまっていいんですか?」
ゼロ「構わん、俺とお前は互いにギアスという能力を持ち、その秘密を共有しあった仲間だ
今更素顔を晒すくらい何ともない。それに、大体の予想はできてるんだろ?」
キョン「っ・・・・・・やっぱりルルーシュ、お前だったのか!」
ルルーシュ「そうだ、俺がゼロだ」
キョン「何でお前がこんな事を・・・・ブリタニアに反旗を翻すような真似をしてるんだ?」
ルルーシュ「それらの質問には後でゆっくり答えてやるよ。それよりも、さっきの件だが」
キョン「さっきの件?」
ルルーシュ「俺に力を貸してくれるかという問いに関してだ」
キョン「あぁ、その事か」
ルルーシュ「ゼロではなくルルーシュ・ランペルージとしてお願いする
キョン、これからも俺に力を貸してくれ」
キョン「・・・・分かったよ。俺の屁みたいな力で良かったらいつでも貸してやる」
ルルーシュ「ありがとう・・・では、俺はこれで失礼する」
ルルーシュ「そうだ、キョン」
キョン「何だ?」
ルルーシュ「ゼロの正体、古泉には内緒だぞ!」
キョン「あぁ、分かったよ」
バタンッ
キョン「ふぅ〜・・・まさか本当にゼロの正体がルルーシュだったとはな
・・・・ん?何だか急激に眠くなってきたぞ・・・・・う〜ん、寝るか」
-------------
------
---
-
キョン妹「キョンくーん!朝だよぉ〜!!」
キョン「んん?あぁ、こっちの朝か・・・」
キョン「分かったから布団の上から降りろ・・・動けん」
キョン妹「はぁ〜い」
-------
----
--
------学校
キョン「ふあぁぁ〜、眠い・・・・」
バンッ
キョン「イテッ!!何しやがる!!」
ハルヒ「朝から何だらしない顔してんのよ!一日の初めはもっとシャキっとした顔しなさい!」
ハルヒ「ん?何よ?私の顔に何かついてる?」
キョン「いや・・・・最近あまり元気がないようだったのに、今日は随分元気だなと思ってよ」
ハルヒ「別に元気が無かったわけじゃないわよ、ここ数日ず〜っと面白い夢を見続けてたから
現実の学校とか授業がちょっと鬱陶しかっただけ」
キョン「夢?あぁ、前に言ってた何ヶ月も同じ夢の続きを見てるっていうあれか」
ハルヒ「そっ!それが昨日で終わったの!
と〜っても楽しい夢だったわよ!!1から説明してあげようか?」
キョン「結構。ていうか、終わったって何でそんな事が言えるんだ?」
ハルヒ「何でって言われても、何となくもうあの夢は見ないんだろうなって思うのよねぇ」
キョン「ほぅ・・・」
ハルヒ「でも本当に楽しい夢だったわ〜!あの夢のお陰で私の鬱憤も解消できたし
キョン、涼宮ハルヒ完全復活をここに宣言してもいいかしら!?」
キョン「は?・・・・・し、したら?」
全校に向け謎の復活宣言をしたのであった。
キョン「何故全校生徒に聞かせる必要がある・・・」
--------文芸部室
ガチャッ
古泉「お待ちしていましたよ」
キョン「何だ、気持ちの悪い」
古泉「無事今回の問題は解決されたようです。長門さんが確認してくれました
こちらの世界とあちらの世界を繋ぐ超空間は、今朝消滅したそうです」
キョン「そうか・・・・・はぁ〜、良かった」
古泉「お疲れ様でした」
みくる「キョンくん、お疲れ様でした!」
キョン「朝比奈さん、ありがとうございます」
キョン「いいんですよ朝比奈さん、ちゃんと分かってますから」
みくる「ありがとうキョンくん」
キョン「長門も御苦労だったな」
長門「・・・・・疲れてない」
キョン「そうかい」
古泉「長い戦いでしたが無事何事も無く解決して何よりです
あなたの撃たれた傷も、もう完治していますよね?」
キョン「そういえばそうだな、全く痛みを感じない・・・」
古泉「あちらの世界が涼宮さんの中で夢だと認識された結果です」
キョン「なぁ、俺達はもう二度とあの世界に行く事はないんだよな?」
それがどうかしたんですか?」
キョン「いや、向こうの連中は急に俺達が消えてなんて思ってるのかなと思って
みんな心配してるんじゃないか?」
古泉「問題ないでしょう。我々があちらの世界にいたという事実そのものが
消去されてるでしょうからね」
キョン「消去?何でそんな事が分かるんだ?」
古泉「長門さんの受け売りです」
キョン「長門、統合思念体がそう言ったのか?」
長門「そう。向こうの世界の人々の頭から私達の記憶は完全に消去された
故に変化に気付く者は出ない」
キョン「そうか・・・・何となく寂しい気もするが、まぁ仕方ないよな
特区日本、ちゃんとこの先上手く行くだろうか・・・」
古泉「大丈夫だと思いますよ、日本にはゼロとスザクさんがいますからね」
キョン「あぁ・・・・そうだな」
キョン「ん?何だ?」
古泉「ゼロの正体ですよ、恐らくルルーシュさんだろうという予測は立ちましたが
結局確証は得られず終い・・・・何となくモヤモヤしますね・・・・
やはりあの時本人に問いただしておくべきでした」
キョン「ははっ」
古泉「気になる笑いですね・・・まさか、あなたゼロの仮面の下を見たんですか?」
キョン「さぁ、どうだろうな」
古泉「教えていただけませんか、このままでは夜も眠れそうにない・・・
僕の仲では99%ルルーシュさんなのですが・・・どうしても残り1%を埋めたいんです」
キョン「悪いが無理だ、ゼロに他言しないと約束しちまったからな」
古泉「そうですか・・・それは残念です」
キョン「落ち込んでる暇はないぞ、朝の放送聞いただろ?」
古泉「復活宣言でしたっけ?ちゃんと聞きましたよ」
古泉「涼宮さんが元気でいられるのであれば、僕は何でもしますよ」
ガチャッ
ハルヒ「やっほーー!!!」
キョン「噂をすればだ・・・」
ハルヒ「みんな久しぶりね!暫く部活お休みしてたけど、今日からまたSOS団を再開するわよ!」
キョン「お前一人がいなかっただけで、SOS団自体は毎日活動していたんだが」
ハルヒ「うるさいわね!私がいないんじゃ意味がないのよ!!いい、今日から完全復活よ!!
朝の放送聞いたでしょ?SOS団完全復活!!まずそれを世間に知らしめてやらないと駄目ね・・・」
キョン「何故知らしめる必要がある・・・」
キョン「orz」
みくる「あぅぅ〜、またですかぁ」
古泉「・・・」ニコニコ
キョン「(こりゃ向こうの世界の心配してる場合じゃないな・・・)」
シャーリー「スザクくん最近凄く忙しそうだね!」
スザク「うん、特区日本の件でやる事が多くてね」
リヴァル「でも良かったじゃん、特区日本成立して!」
スザク「あぁ、今まで虐げられてきた人達も特区ではみんな凄く幸せそうに暮らしてるよ」
シャーリー「それもこれも、スザクくんが頑張ったお陰よね!」
リヴァル「だな」
スザク「いや、僕は何も・・・・ユーフェミア様とゼロのお陰だよ」
リヴァル「またまたー、謙遜しちゃって!」
スザク「(何だろう、何かが足りない気がする僕にとって物凄く大切な何かが・・・
分からない、いったい何だろうこの感じは・・・)」
カレン「支度できましたか?」
ゼロ「あぁ」
カレン「ブリタニア皇帝がお待ちです、急ぎましょう」
ゼロ「分かっている・・・・それよりカレン」
カレン「はい?何でしょうか?」
ゼロ「何か・・・・何か違和感を感じないか?誰かが足りないような、そんな違和感を」
カレン「じ、実は私も最近そんな感じがするんです!何なんでしょうねこれ?」
ゼロ「お前もそうなのか・・・・フン、まぁいい、いつか解決するだろう
それよりも今日の会議は非常に大事なものだ、気を引き締めろよカレン」
カレン「は、はい!」
ゼロ「(特区日本・・・これを生かして救えるだけの人間を救ってみせる・・・
大丈夫だ、俺にはユフィやスザク、それにカレンや黒の騎士団がついてる
それにあいつらも・・・ん?あいつら?)」
ゼロ「あぁ!!」
C.C「フフフ、全く・・・・結局あいつらは何者だったんだか
急に現れたかと思えば急に消えた・・・・この世はわけの分からん事だらけだ」
ゼロ「おいC.C!!何をしている、さっさと行くぞ!」
C.C「分かった分かった、そう急かすな(キョン、お前の事は忘れずに覚えておいて
やろう、またいつか会える事もあるかもしれんからな)」
カレン「ちょっとアンタもっと急ぎなさいよ!遅刻しちゃうじゃない!」
C.C「はいはい」
------
---
-
キョン「ハルヒ!!映画撮影は止めよう!!」ジーーー
ハルヒ「・・・・・・何よ、じっと人の目を見て気持ち悪いわね!嫌よ、絶対にやるからね!!」
キョン「・・・・・はぁ〜、やっぱギアスは使えないか」
完
次回は猿規制やら水遁やらもう一度調べてから投稿しようと思います・・・
ドラえもん「よし、黒の騎士団を迎え撃とう」 ドラえもん「エンドレスエイト!?」
ルルーシュ「SOS団?」 転載してくれた人本当にありがとう!
おっつおつ
Entry ⇒ 2012.04.28 | Category ⇒ 涼宮ハルヒSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ハルヒ「くらえーキョン、衝撃のファーストブリットぉー」ぺちん
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334657170/
ハルヒ「あはは、なんちてー」
キョン「………」
キョン「ぐおおおおおおおおおぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」バビューーン!!
ドギャァァァアアアアアアアアアアアアアン!!!!!
ドンガラグッシャアアアアアァアアアアア!!!!!
ハルヒ「な……!?」
キョン「ぐ……なんて力だ……!」
ハルヒ「……!?……!???」
キョン「すげえパワーだハルヒ……お前にゃかなわんな……」
キョン「ぐ……がくっ」
ハルヒ「なんてこと……私はアルター使いだったのね……」
キョン(やれやれ、とりあえず壮大にぶっ飛んでみせたが……)
キョン(まったく……ハルヒを楽しませるのにも苦労するぜ……)
キョン(げ……古泉……)
ハルヒ「あ、古泉くん! ちょうどいいところに!」
古泉「はい?」
ハルヒ「悪いけど、私のアルター能力を試させてもらうわ!」
古泉「はあ? あるたぁ?」
キョン(まずいぞ! 古泉はスクライドを知らない!!)
ハルヒ「いくわよー、撃滅のぉ……」
古泉「………」
ハルヒ「あ……あれ? 効かない?」
古泉「あ、あのーー……?」
古泉「ハッ!!?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
古泉(な、なにやら殺気が……!)
キョン(古泉ぃぃいぃいいいいいいいいいいいいいい)
古泉「!?」
古泉(この殺気の正体は彼か……くっ!冷や汗が止まらない……!)
キョン(吹き飛ばンとぶっ殺すぞぉおおおおおおおおおおおおおおおおお)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
古泉(ぐぅ……! 殺気の重圧でふ、ふ、)
古泉「吹き飛ぶぅううううぎゃあああああああああああああああああああああ!!!!!!」バビューーーーーン!!!
グッシャアアアアアァアアアアア!!!!!!
バキバキバキ!!!!ゴシャアァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!パリーーーン!!!
ハルヒ「きゃあああああ!? 古泉くんが廊下の窓を突き抜けて吹っ飛んでった!!?」
キョン(ふう……やれやれだぜ……)
ハルヒ「でもすごい……私はこういう力を望んでいたのよ!!」
キョン(ふふ、ハルヒのやついい顔で笑ってやがる)
キョン(ハルヒを喜ばせるのにも一苦労だ。まったく世話のやけるやつだぜ……)
がちゃり
みくる「こんにちはー」
キョン(朝比奈さんが空気を読んで吹き飛ぶとは到底思えない!)
キョン(だからといって殺気を当てて吹き飛ばすわけにもいかん! どうする!?)
ハルヒ「ふふ、ちょうどいいところに来たわねみくるちゃん!!」
みくる「はい?」
ハルヒ「この私の力! 見せてあげるわ!!」
みくる「え?」
ハルヒ「抹殺のォォォおおおおおおお!」
みくる「あたっ」
ハルヒ「ふふふ……」
キョン(くそ! 万事休すか!?)
みくる「………」
みくる「おっぱいハンマァァアア」ぶるんっ
ハルヒ「ぶえっっ!?」べちん!
キョン(な、なんだと!?)
ハルヒ「く……! 私の攻撃が効かないなんて!?」
みくる「ハンマァァァアアアアアアア」
ぶるんっべちん! ぶるんっべちん! ぶるんっべちん!
ハルヒ「きゃっ! いたいいたい!」
キョン(なんて攻撃だ……)
みくる「ハンマァァァァアアアアアアアアア!」ぷるるんっ
ハルヒ「きゃあ!? どうして! 降参したのに!」
みくる「ハンマァァァァアアアアアアアアアアアアア!!」ぷるぷるぷるんっ
ハルヒ「くっ……! みくるちゃんが正気を失ってる!?」
キョン(ど、どういうことだ? これは一体……?)
みくる「ふふ……」
キョン(!? お、俺にウィンクをした……? まさか彼女は……!)
ハルヒ「私の最終奥義を見せてあげる!!」
みくる「ハンマァァァァ」
ハルヒ「いくわよ!! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
ハルヒ「シェルブリットォオオオオオオオオオオオ!!!!」
みくる「ハ、ハンマァアァアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」バビューーーーーーーン!!!
ドッギャァァアアアアアアアアアアア!!!!!
ベキベキベキ!!! ゴッシャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!パリーーーーーーーーーン!!!!
キョン(朝比奈さんが部室の窓を突き破って吹き飛んでいった!!)
ハルヒ「ハァハァ……か、勝ったわ!!」
キョン(なるほどな、そういうことか……)
キョン(そう、彼女はスクライドを知っていたのだ。そしてなんと、朝比奈さんは敵役を演じ、熱い展開を広げてみせた!)
キョン(それだけでなく、最終的にハルヒのアルター能力をシェルブリットにまで進化させるとは……)
キョン(ただ吹き飛んだだけの俺とはレベルが違う……朝比奈さん、恐ろしい人だ……)
ハルヒ「フフフ……私は最強だわ! 最強の力を手にしてしまったわ!!」
キョン(いい笑顔だぞハルヒ……!!)
キョン(そしてこの流れからして……来るぞ!この展開をさらに熱くさせてくれる本命のあいつが!)
長門「………」
ハルヒ「ふふ、来たわね有希」
キョン(来た! 長門が来た! さあどう出る長門よ!)
ハルヒ「突然で悪いけれど、私と戦ってもらうわ」
長門「………」
キョン(さあ、見せてもらうぞ長門よ。お前は朝比奈さんを超えられるか?)
ハルヒ「いくわよぉ! 衝撃のぉ……!」
長門「絶影」シュンッッ!
ハルヒ「消えた!?」
キョン(な、なにぃいぃいいいいいいいいいいいいいいい!!!?)
ハルヒ「くっ! いったいどこに!」
長門「後ろ」
ハルヒ「ちぃっ! なんてスピードなの!」
長門「剛なる左拳、臥竜」シュバッッ!!
ハルヒ「右手で受ける!! ファーストブリットォオオオオオ!!!!」
ズドォオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!!
キョン(すげえ! 本気でやりあってやがるぜ二人とも!)
キョン(それに長門が力を使っているせいか、やたらエフェクトが派手にかかっていやがる!! 面白くなってきやがったぜこいつァよォ!)
長門「………」
ハルヒ「けどまだまだこんなものじゃないわよね有希? もっと私を楽しませて頂戴!」
キョン(さすが長門だ……状況を把握して敵役を演じた上に、ハルヒの闘争心に火をつけやがった……!)
ハルヒ「いくわよぉ! 撃滅のぉ……!」
長門「剛なる右拳……」
ハルヒ「セカンドブリットォオオオオオオオオオオオ!!!!!!」
長門「伏竜!」
ドギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!
ハルヒ「やった! 打ち勝ったわ!!」
キョン(いい演技だ長門! このままラストブリットを喰らって華麗に吹き飛んでやれ!)
ハルヒ「トドメをいくわよ有希ィ! 抹殺のォォォおおおおおおお!!!!」
ハルヒ「ラぁストブリットォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!」
長門「……遅い」
すかっ
ハルヒ「あれっ、外れた……」
キョン(なに……?)
ハルヒ「えっ……?」
キョン(な……!? 長門の腕が……ハルヒの腹を貫通して……)
長門「……私の勝ち」
ハルヒ「ぐぁっ…!!」
キョン(刺しただとぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!?)
ハルヒ「がはぁっ……!!」ビチャビチャッッ!!
ハルヒ「私…刺されたのね……」
長門「………」
キョン(ば、嘘だ……長門が……ハルヒを殺すだと……?)
キョン(こんなお遊びごときで……長門がハルヒを刺した……本気で……?)
ハルヒ「う……血が……止まら、ない……」
キョン(嘘だろ……死ぬなハルヒ、死ぬな……!)
キョン「死ぬなハルヒィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!」
キョン「ハルヒしっかりしろ! 死ぬんじゃない!!」
ハルヒ「あんた、起きて……たのね……」
キョン「しっかりしろぉ!! ハルヒ! ハルヒ!!!」
長門「……」
キョン「長門ぉ!! なにしてる! 早くハルヒの傷を治してくれ!!」
長門「それはできない」
キョン「なっ……!?」
キョン「な、何を言ってるんだ長門……今はそんな事言ってる場合じゃないだろう……!」
キョン「このままじゃハルヒが死んじまうんだぞぉおおおおお!!!!」
長門「………」
キョン「こんなお遊びで! ハルヒが死んじまうだなんて馬鹿げてるぜ!」
キョン「早くハルヒを助けてくれ! 頼む!!」
長門「……繰り返すが、私のアルターでは涼宮ハルヒの傷を癒すことは不可能」
キョン「長門、てめえ! まだそんなことを……ッ!!」
長門「しかし、私以外のアルターならば、彼女の傷を癒すことが可能かもしれない」
キョン「……!?」
長門「………」
ハルヒ「う…ぅ……キョン……キョ…ン」
キョン「ハ、ハルヒ!?」
ハルヒ「私……あんたに謝らなきゃ……」
キョン「ばか、しゃべらなくていい! 大人しくしてるんだ!」
キョン「ばか……! 今はそんな事言ってる場合じゃないだろ……!」
ハルヒ「それに、今までも……いっぱい殴って……いっぱい迷惑かけて……」
ハルヒ「ごめんねキョン……ごめん…ね……」
キョン「ばかやろう……謝るなハルヒ……」
ハルヒ「聞いてキョン……私、あなたに言いたいことが……」
ハルヒ「わた、し……あなたのこと……ずっと……」
キョン「やめろ……諦めるなハルヒ……諦めるんじゃない!」
キョン「お前を死なせるもんか、俺がなんとかしてやる……俺が……」
キョン(俺が……?)
長門「………」
キョン(そ、そういうことか……長門!!)
ハルヒ「キョ…ン……?」
キョン「この俺が救ってみせる!!!! 俺が! 俺のアルターで!! お前を救う!!!」
キョン「だから生きろハルヒィイイイイイイ!!!!!!!!! うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
キョン「エターナル・デボーテェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!」
ハルヒ「あ……え……? お腹の傷が……塞がっていく……?」
キョン「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!! これが俺のアルターだ!!! 傷を治す能力!!」
長門「………」
キョン(まあ、実際は長門が治してるわけだが)
キョン(まったく長門のやつビビらせやがって……しかし、なかなか粋なことするじゃねえか)
ハルヒ「すごい……! 傷が治るだけじゃないわ……力がみなぎってくる……!!」
キョン「俺の力をくれてやる! ハルヒ!! その力で長門を!!」
ハルヒ「イケる……これなら有希に勝てる……!」
長門「ば、ばかな。この力は私の想像以上」
ハルヒ「くらいなさい!!! 私と!!!キョンの二人の力!!!」
キョン「いけええええええ!! ハルヒィイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!」
ハルヒ「シェェェルゥブリットォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」
ハルヒ「バァアァアアアアアアアアアストォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
長門「ぐわああああああああああああ」
ズッッドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!
バキバキメキャメキャメキャ!!!!!!! ズガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!
キョン「すげえ……天井を突き破って吹き飛んでいった……」
ハルヒ「私の……勝ちだ……!!」
ハルヒ「ええ、あんたのおかげよ、キョン」
キョン「なあに、俺はただお前にほんの少し力を貸しただけさ」
キョン「この勝利は、お前のもんさ。お前が手にしたんだ」
ハルヒ「私が手にした……勝利」
キョン「いい拳だったぜ、ハルヒ」
ハルヒ「ありがとう……キョン!」
キョン「え?」
ハルヒ「私が死にそうな時、大声で私の名前叫んでたでしょ」
ハルヒ「『死ぬなー!』って。なかなか面白いもの見れたわ」
キョン「ばっ……! お、俺は別に……泣きそうになんかなってねえよ!」
ハルヒ「ふぅうーん、どうだかねー?」
キョン「くっ……! お、お前だってあんなに弱気になってたくせに!」
キョン「『ごめんね』だなんて言ってよ! あんなにしおらしいお前は初めて見たぜ!」
ハルヒ「な、なんですってぇ!」
キョン「それにこうも言ってたな……『俺のことがずっと……』あれは何を言おうとしてたんだ?」
ハルヒ「なっ……! べ、別に……あれは……何でもないわよ!!」
キョン「へぇえええーー?」ニヤニヤ
キョン「おおっとぉ! こりゃいけねえ! シェルブリットのハルヒを怒らせちまった!」
ハルヒ「このお! 逃げるなあー!」
キョン「わははは!」
ハルヒ「まちなさーい!」
古泉「……やれやれ、お二人の世話をするのには苦労しますよ」
みくる「まったくです」
長門「同意」
おわり
乙
Entry ⇒ 2012.04.18 | Category ⇒ 涼宮ハルヒSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ガラッ ハルヒ「キョン~今日はものすごく大変な一日になるわよ!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333472712/
ハルヒ「は?、とは何よっ!この神聖に不可侵の象徴たる存在に向かって!」
キョン「お前誰だよ」
ハルヒ「キョ、キョン……?」
キョン「俺はお前なんか知らないぞ」
谷口「俺も転校生だろう、と思ってずっと黙っていたんだけれどもな……」
ハルヒ「あ、あんたっ! わたしと同じ中学だったじゃない!」
谷口「お前と同じ中学だと? 何を言ってるんだ? 俺はお前と一緒の中学だった覚えは微塵もないぞ」
キョン「それにしてもおかしな転校生がやってきたものだな」
ハルヒ「(な、何よ……みんなして……わたしのことを……)」
ハルヒ「え、え……」
キョン「不法侵入者なら、担任に言って警察に連行してもらうぞ」
ハルヒ「……」
キョン「それが嫌ならさっさとここから出ていけよ」
キョン「はぁ?」
ハルヒ「本当は私のこと……し、知ってるんでしょ? ねぇキョン?」
キョン「いい加減にしないとはり倒すぞ……」
ハルヒ「一緒に草野球や映画上映会、それに孤島に行ったり雪山にいったりもしたじゃないっ」
ドンッ!
キョン「10秒以内にこの教室から出ていけ……さもないと俺はお前を潰すっ!」
キョンが普通にキチガイな剣
谷口「なんだなんだ……不法侵入者だったのかよ」
キョン「8……」
ハルヒ「な、なんなのよ……何が起きているのよ」
キョン「7……」
ハルヒ「そ、そうだ。み、みくるちゃんならわたしのことを覚えているはずだわっ」
スタスタスタスタスタッ
ハルヒ「何よ何よ、どうなってるのよ……私の頭がおかしくなっちゃったわけ?
それとも、この世の中がおかしくなっちゃったの?
さすがの私でもこんな時には冷静にならざるを得ない……」
「あら、これはこれは美しい御方ですね」
ハルヒ「こ、古泉君っ!?」
ハルヒ「古泉君までとぼけないでっ! 当たり前でしょ! SOS団の団員なんだからっ!
ところで古泉君、一体全体何が起こってるのよ」
古泉「いえ、私は今日初めてあなたと対面したのですが」
ハルヒ「こ、古泉君まで……嘘でしょ……」
古泉「嘘とおっしゃられましても、初めては初めてなもんですから……何と言えばよいのですかね」
古泉「ちょ、ちょっと!」
スタスタスタスタスタスタッ
ハルヒ「ど、どうなってるのよ! 何が起きてるのよ!
なんで誰一人として私のことを知らないのよ! でも、みくるちゃんならきっと……」
スタッ
ハルヒ「ここがみくるちゃんの教室……」
ガタッ
ハルヒ「み、みくるちゃぁぁあああああんっ!」
スタスタッ
ハルヒ「み、みくるちゃんなのね!」
みくる「え、えーと……そうですけれども……」
ハルヒ「みくるちゃんは覚えているわよね?」
みくる「あ、あなたのことぉ……?」
ハルヒ「そ、そうよっ! 知ってるでしょ?」
みくる「し、知りませぇん……」
生徒C「しかも1年が2年の教室に入るなんてな……」
ハルヒ「な、なによ……なんなのよ……」
生徒D「用が済んだなら早く出て行ってくれないかなあ?」
みくる「わ、わたしは本当に知りませーんっ!」
スタスタスタスタッ
ハルヒ「……もう何も言いたくない……苦しい……ただ苦しいわよ……。
みんながわたしのことを知らないなんて……」
ハルヒ「私のことを知っている人が一人もいないことが、こんなにも苦しいなんて……」
ポタポタッ
ハルヒ「涙なんか流したの……何年ぶりよ.........」
ガラッ
ハルヒ「キョ、キョンっ!」
キョン「おい、またお前かよ」
ハルヒ「やっぱり変わっていなかった。
一晩寝て起きたら、元に戻っているだろうなって思ったけれどもやっぱり変わっていなかった……」
ハルヒ「もう嫌だよ……こんなの嫌だよ……」
ハルヒ「な、なんで私がこんなに苦しい思いをしなくちゃいけないのよ……」
ハルヒ「キョン……」
ハルヒ「会いたいわよ……SOS団のキョンに会わせなさいよっ……」
ハルヒ「SOS団……まだ有希がいるじゃないのっ!」
ハルヒ「なんでまだ団員がいたことを忘れていたのよ! もうっ!」
スタスタスタスタスタスタッ
ハルヒ「とにかく走って向かうしかないわっ、あの文芸室に」
ハルヒ「有希……あなたなら知っているわよね? じっとおとなしく待ってなさいよっ!」
ハルヒ「有希っ!」
スッ
「……」
ハルヒ「有希……」
長門「……」
ハルヒ「やっぱりいてくれたのね、ここに」
長門「……」
長門「……」
ハルヒ「ねぇ、有希?」
長門「……知らない」
長門「……知らないものは知らない。あなたと会うのは今日が初めて」
ガクンッ
ハルヒ「……」
ハルヒ「……......」
ハルヒ「あ、あ……......」
長門「……他に何か」
ハルヒ「い、いい……ぇ...............」
バタッ
ハルヒ「もう何もしゃべりたくない……ものすごく気持ち悪い……こんなこと初めて……」
ハルヒ「もう……終わりにしたい……」
ハルヒ「も、もしかしたらっ!」
バタッ
ハルヒ「あったっ!」
長門「……」
ハルヒ「有希っ!、このPC、少し使っていいかしら……!?」
長門「……ご勝手に」
ハルヒ「SOS団のエンブレム……これがなかったら……もう……」
ハルヒ「そのときはそのときよ……」
カチカチッ
ハルヒ「SOS団のホームペー.........」
ハルヒ「SOS団のホームページもない……何もない……」
ハルヒ「.....」
長門「……」
ハルヒ「...........終わった……」
ブチッ、ブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ
ブンッ
Smith.J>久しぶりだな……覚えているか? 俺がここにいたことを。
ハルヒ「ジョ、ジョンじゃないのっ!!!」
ハルヒ「も、もしかして……」
Smith.J>ああ、そうだ。俺があのジョンだ。
嘘でしょ……ジョンだって私をだましているのに違いないわっ!!!
Smith.J>『私は、ここにいる』……これでわかってくれるか?……ハルヒ
な、なんで、そ、それを……
Smith.J>SOS団の団員5人を……この部室に集めよ……そして……エンターキーを押せ。
Smith.J>そうすれば、きっとこの世界から抜け出せるだろuuuqdwkどwpqぢqぽwff
cjcふぃjfqjwfqwfjwqf___\\\__________________________________
ちょ、ちょっと、ジョ、ジョンンンンンンンンンンンっ!!!!!!!!!!!!!!
長門「……」
ハルヒ「……今……何か……本当に面白いことが起きているような気がしてきた……」
ハルヒ「私しか知らないことを知っている人がいた……あのジョン……」
ハルヒ「詳しいことはわからないけれども……何か不思議なことが起こり続けてる……」
ハルヒ「いつものわたし……そう……私はわたし……」
ハルヒ「みんな、ここに連れて来ればいいんでしょ……そんなことぐらい、いとも簡単にやってあげるわ」
ハルヒ「フフッ、待ってなさい」
ハルヒ「ジョンを信じるわっ!」
スタスタスタスタスタスタスタッ
ガラッ
生徒B「またあいつかよ」
ハルヒ「フフンッ」
生徒C「な、なんなんだ」
ハルヒ「みくるちゃん、ちょっとこっちにきなさい」
みくる「ふ、ふふふふぇぇぇぇえ~」
ハルヒ「みくるちゃん、ちょっと私に付き合いなさいっ!!」
みくる「や、やめてくださぁ~い!」
ハルヒ「ほんのすこしだけの間よ!」
バシッ
「ちょっと~そこの少女~おいたはダメにょろよぉ~?」
鶴屋さん「ん~わたしのことを知ってるにょろか」
ハルヒ「(やっぱり私のことを知らないのね)」
鶴屋さん「まあ、そんなことはどうでもいいにょろ。
みくるから手を離すにょろよ。さもないと……」
ハルヒ「ふふん。私はそんなことですぐにあきらめる女じゃないわ」
ハルヒ「み、みくるちゃんいいからついてくるのよっ!」
スタスタスタッ
みくる「ふふふふふぇぇえええ~」
ハルヒ「今日中に五人を文芸部室に放り込まないと……!」
みくる「わ、わたし、ど、どこにつれてい、いかれるんですかぁ~」
ハルヒ「お黙りっ!」
スタスタスタスタスタッ
ハルヒ「おりゃあああああっ!」
みくる「ふ、ふえ~ん」
長門「……」
ハルヒ「みくるちゃん、おとなしくここで待ってるいるのよ。いいわね?」
みくる「うううぅ~」
長門「……」
ハルヒ「逃げたりなんかしたら私刑の上に死刑だからねっ!」
ハルヒ「あとは古泉君とキョンだけだわ。問題はキョンよ」
ハルヒ「どうやってキョンをここに誘導するかよ」
ハルヒ「でも悩んだりしている暇はないわ。ただやるだけよ」
スタスタスタスタッ
ハルヒ「まずは……古泉君からよっ!」
ガラッ
ハルヒ「古泉君っ!!!」
古泉「おやっ、また会いましたね」
ハルヒ「ちょっとついてきてくれる?」
古泉「見知らぬ人についていくほど怖いものはないんですがね……」
ハルヒ「お願いっ! 古泉君、来て。私にはあなたが必要なのっ!」
古泉「そんなことをおっしゃられましても……」
古泉「……」
古泉「まあ、そこまでいうなら仕方ありませんね……いいでしょう」
古泉「ぶ、文芸部室ですか? またそれはどういうわけで……」
ハルヒ「いいからいくのよっ!」
スタスタスタスタッ、!
鶴屋さん「あ、あの人にょろよ!」
ハルヒ「!」
古泉「これはこれは……」
警察「あの人なんですね!? 不法侵入者は!」
鶴屋さん「そうにょろよ。あの人が不法侵入者にょろ!」
ハルヒ「(わたし……どうすれば……でも悩んでいるなんて私らしくないわね)」
ハルヒ「こ、古泉君! 古泉君は先に文芸部室に行って待ってて! 絶対に外には出ないのよ!」
古泉「ははあ……」
ハルヒ「お願いよっ!」
スタスタッ
警察「こらっ! 待ちなさい!」
鶴屋さん「絶対に逃がさないにょろよ!」
スタスタスタスタスタッ
ハルヒ「どうにかして巻くしかないわ。その間にキョンを文芸部室に誘導することができれば、道が開けてくる……。だけど、警察に捕まれば………..」
ハルヒ「とにかく急ぐしかないわっ!」
先生「おい、不法侵入者! 待てええええ!!!」
ハルヒ「なにっ! そんなのあり!? 後方には警察、前方には先生……」
ハルヒ「こうなったら階段をあがって、キョンのいる教室に直行するしかなさそうね」
警察「逃げられるとは思うなよ!!!」
スタスタスタッ
ハルヒ「運動神経抜群の私でも、朝からこれだけ走ればさすがに疲れるわ」
ハルヒ「でも……待っている団員たちがいる……あきらめられるわけないじゃない!」
スタスタスタスタッ
ガラッ
谷口「おい、またアイツが来てるやないか」
キョン「また来るなんていい度胸してんじゃねーか、おい」
ハルヒ「キョン、あんたみたいなバカはいっぺん地獄に堕ちないとわからないみたいね」
キョン「お前、ふざけていってんのか?」
ハルヒ「大マジよっ! その腐った脳みそをどうにかしたければ、今すぐ文芸部室に来なさい!」
キョン「お前ぇえええええええええええええええええええええええ!!!!」
ガラッ
ハルヒ「(私とキョン、どっちが先に文芸部室にたどり着けるか勝負よ)」
ハルヒ「(キョンが先に文芸部室に着いていたあかつきには……わたしの負けだわ)」
ハルヒ「でも、そんなことは絶対にさせないんだからっ!!!」
スタスタッ
先生「おい、待てええええええ!!!」
警察「もう逃がさないぞ」
キョン「この野郎おおおお!!!」
ハルヒ「大丈夫……二階くらいからなら飛び降りても大丈夫よね」
警察「ひっ捕らえろおおおおおおおおお!!!」
ハアッ
先生「!」
警察「なにやってんだ!!!」
キョン「アイツは文芸部室に向かう気だ!」
スタスタスタッ
ハルヒ「もう目の前…….」
キョン「待ちやがれえええええええ!!!」
バタッ
ハルヒ「み、みんな揃ってる!?」
みくる「ふふふぇ……」
古泉「おや、やっと着きましたか」
長門「……」
ハルヒ「……」
ハルヒ「ど、どうして!!! どうしてPCとキーボードが壊れてるのよ!!!」
長門「……私が壊しておいた」
古泉「……だそうですね」
ハルヒ「有希ぃ!! う、嘘でしょ!? ねぇ!? ねえったらあ!!」
長門「……あなたの負け」
バタッ
キョン「おい……もう逃げられないぞ……覚悟しろ」
バン 長門 バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・) バンバンバンバン゙ン
_/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
\/___/ ̄
\,,(' ⌒`;;)
!!,' (;; (´・:;⌒)/
∧_∧(;. (´⌒` ,;) ) ’
Σ( ・ω・)((´:,(’ ,; ;'),`
⊂ヽ ⊂ ) / ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄ ̄\/___/ ̄ ̄ ̄
キョン「俺の腐った脳みそをどうにかしてくれるんだろ……」
ハルヒ「は、離れなさいよ!」
長門「……」
キョン「それとも、俺がお前の腐った脳みそをどうにかしてやろうか? あ?」
ハルヒ「や、やめて……」
キョン「うおおおおおおおおお!!!」
ハルヒ「もうダメ……窓から落ちるしか……」
___________________________________
キョン「なに!」
長門「……!」
みくる「ふえ!」
古泉「な、なんと!!!」
ハルヒ「(あ……落ちてる……なんだか分からないけど……すごいスピードで……)」
ハルヒ「(ごめんね……キョン……有希……みくるちゃん……古泉君……)」
ハルヒ「(団長として何もしてあげられなかったね……)」
ハルヒ「(キョン、自己中でワガママで迷惑かけたりして……今までごめんね……)」
ハルヒ「さようなら……」
ハルヒ「!」
「‘さようなら‘じゃねーよ」
「俺はキョンじゃねえ。それにしても、お前、意外と重いんだな」
ハルヒ「じゃあ誰だっていうのよ!!!」
「ジョンだ。ジョン・スミスだ」
ハルヒ「ジョ、ジョンだっていうの!?」
「喜んでいる暇なんてないぞ。ホラ見てみろ」
警察「もう逃げられないぞ。お前らはすでに包囲されている!!!」
先生「ひっ捕らえろぉおおおおお!!!」
「ハルヒ、お前はちょっと嫌な居心地の悪い世界に突然巻き込まれただけなんだよ」
「時間がない。詳しいことはいずれ分かるさ」
ハルヒ「な、何よジョンッ」
「‘彼‘に会いたいか?」
ハルヒ「……も、もちろんよ! き、決まってるじゃないのぉ!!//」
「そうか。ならしっかりつかまってろよ」
「そして……世界を大いに盛り上げるジョン・スミスをぜひとも宜しくな!」
――――――――――――――ビュンッ
ハルヒ「こ、ここは……」
ハルヒ「自分の家……こ、これは……夢だったの……」
ハルヒ「……で、でも夢のような気が全くしない……
以前にも一度だけこんな感覚を味わったことがあるような……」
ハルヒ「あぁ……ものすごい睡魔が襲っ………」
バタッ
ハルヒ「……学校に着いた。でも、またみんな私のことを知らなかったら……」
「涼宮さん! なにこんなところで、ボォーっとしているんですか!」
ハルヒ「み、みくるちゃああん!!!!」
みくる「ふふふふ、ふぇ~!! な、なななにするんですかぁ~涼宮さーん」
ハルヒ「み、みくるちゃん、ああ、あ、あいいい、たかったよぉぉお……」
みくる「涼宮さんったら……私はずっと涼宮さんのそばにいますよっ!」
ハルヒ「こ、古泉君までえええええ!!!」
古泉「あらあら、どうなさったんですか」
ハルヒ「もう……本当に心配したんだから……」
「……」
ハルヒ「ゆ、有希!!!!」
長門「……」
ハルヒ「有希も私のことを覚えているわよね!?」
長門「……覚えている。私はSOS団の団員その2」
ハルヒ「ゆきぃいいいいいいいいいいいいい!!!」
みくる「きっと何かあったんですよっ」
ハルヒ「もう……なんだか涙が止まらないじゃないの!!!」
長門「……」
古泉「しかし、もう一人教室で団員が待っているのではないですか」
みくる「そうね」
ハルヒ「キョン……」
ハルヒ「キョ、キョン!!!!!!!」
キョン「な、なんだよ!いきなり!」
ハルヒ「会いたかった……ものすごく会いたかった」
キョン「なんだなんだ、そんなきつく抱きしめるなよ……おい……」
谷口「う、嘘だろ、おい……おいおいおいおいおいおい。どうなってんだよ」
国木田「これってもしかして……」
ハルヒ「キョン……」
キョン「全く何が起こってんのかわかんねぇけど……まあ、たまにはこんなのもいいか」
キョン「おい、ハルヒ」
ハルヒ「な、なによ……」
キョン「……愛してるぞっ」
チュッ
―――――――――――――――END
仕事をやりながら、こっそり書いていました。遅れてしまってすいませんでした。
地の文がなく、漠然としていて、かなりの稚拙な出来になってしまったことを深くお詫びいたします。
最後まで読んでくださった方々、本当にありがとうございました。
みなさんにも何か良い出来事が起こることを祈りつつ。
ハルヒかわいい
Entry ⇒ 2012.04.05 | Category ⇒ 涼宮ハルヒSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
キョン「おい、ハルヒ。金はまだか?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331725783/
キョン「どうした?今月分の友達料、まだ貰って無いんだが……」
ハルヒ「はい……これ」
キョン「毎度。会話しホーダイ、メール送りホーダイ、呼び出ししホーダイのプランで変更はないか?」
ハルヒ「いいわ、それで」
キョン「了解。じゃあ今月も友達よろしくな」
キョン「あ、おい谷口!今月の友達r…」
ハルヒ(……15000円は高いんじゃ……)
キョン「ふう、これで今月も……」
古泉「おや、どうも」
キョン「お、よう」
キョン「……ああ、悪いか?」
古泉「いえ、咎めるつもりなどありませんよ。彼女以外にアレをしていなければ、ね」
キョン「していたら何だ?」
古泉「あまり好ましくはありませんね。どうやら彼女は自分だけがそうであって欲しいと望んでいるようですから」
古泉「彼女は望んでいますから。お金を払い続ける限り、貴方との繋がりは消えません」
古泉「ですから彼女は」
ブー、ブー、ブー
キョン「おっとすまん」カチッ
ハルヒ:あんた今日はお弁当?
キョン「……」
古泉「おやおや……」
ハルヒ:そ、ならたまには一緒に食べましょうよ。あんたの分もちょっと作ってあるから
古泉「おやおやおや」
キョン「覗き見とは趣味わりいな」
古泉「これは失礼」
キョン:良いぜ、どこで食う?
キョン:了解
キョン「ったく、直接言えば良いのに」
古泉「面と向かっては言い辛いのでしょう」
キョン「何でだ?」
古泉「んっふ、本当はわかってらっしゃるのでしょう」
キョン「うるせえ」
キョン「ああ、良いぜ」
古泉「彼女は形の無い繋がりに不安を覚えてしまった。何故ならば貴方の旧友」
キョン「佐々木か」
古泉「ええ、何と言いましても"親友"ですからね。たかだか同じクラスの、同じ部に所属して居るだけでは太刀打ちできない」
古泉「ですので、それよりも強い繋がりを求めたのです」
キョン「まあ言い出したのは俺だが」
古泉「彼女がそう望んだんですよ」
キョン「そんな事で金とはね……捻くれた奴だよ」
古泉「おや、それはそれは」
キョン「今まで奢らされた分は取り返した様な気もするしな」
古泉「いや、それはまだ取り返せていないかと……」
キョン「……まあいいさ」
古泉「優しい方ですね」
キョン「馬鹿言え、友達料なんぞ貰ってる時点で優しくないだろ」
古泉「彼女がそう望んd」
キョン「良い、聞き飽きた」
古泉「んっふ……では、そろそろ授業が始まりますので、これで」
キョン「そうだな、また」
古泉「ええ、また」
キョン(現国か……寝よう)
ハルヒ「ちょっと、どこ行ってたのよ」
キョン「世界の平和を守りに」
ハルヒ「バッカじゃないの?」
キョン「へいへい馬鹿ですよー」
ハルヒ「ふふっ」
キョン「何笑ってんだよ」
キョン「失礼な奴だな全く」
ハルヒ「ほら、前向きなさい。授業始まるわよ」
キョン「おう」
キリーツ、レー
ハルヒ(……もっと、独占しないと……)
ハルヒ「キョン、行くわよ!」
キョン「ん?おお飯か、はいよ」
ハルヒ「あんたいっつも寝てばっかりね。脳味噌腐っちゃうわよ?」
キョン「防腐剤かけてるから大丈夫だ」
ハルヒ「腐ってからかけても意味ないわよ?」
ハルヒ(あっ……)
ハルヒ「なんて冗談よ。ごめんね?」
キョン(ハルヒが謝る……だと?!それにこんな他愛も無い事で……!!)
キョン「い、いや、いいさ。ほらこの辺で良いだろ?腹ペコペコだ。食おうぜ」
ハルヒ「そうね、食べましょうか」
キョン「おっ、言ってたやつか!って弁当作って来てくれたのか」
ハルヒ「……迷惑だった?」
キョン「いやまさか。嬉しいぜ」
ハルヒ「良かった。ほら開けて見て」
ハルヒ「と、当然よ!あたしが作ったんだから」
キョン「味も最高だ。マイマザーを超えてしまうかもしれん」
ハルヒ「そこまでないわよ!自分の親の料理が一番美味しいはずよ」
キョン「何だ、昔文句言ってたのは嘘だったのか?」
ハルヒ「いや、うちのオフクロは例外」
ハルヒ「言わないから良いの」
キョン「おっ、厚焼き卵も良くこんなに綺麗に巻けるな」
ハルヒ「自信作よ。どう?美味しい?」
キョン「最高に美味い!毎日でも食いたいぜ」
ハルヒ「まっ……毎日巻くのは大変よ」
キョン「?顔赤いぞ。何か詰まらせたか?ほら」ポンポン
キョン「いやあ、それにしても美味い。やめられない止まらない」
ハルヒ「ふふ。あ、そうだ。昔からしたい事があるの」
キョン「何だ?」
ハルヒ「……はい」
キョン「?」
ハルヒ「口開けて」
キョン「あ」
ハルヒ「あーん」
キョン「ちょ、ちょっと待て、心の準備が……」
ハルヒ「だ、ダメ……?プランに無いからダメなの?ならそれも入れて良いから!」
キョン「いや、それは大丈夫だ!よし食べよう!ほら、ハルヒ!」
ハルヒ「良いの?ふふ、はいっあーん」
パクッ
鶴屋さん「わーおデリシャス!!これってハルにゃんが作ったの?!すっげーうまいね!!」
キョン「あっ、鶴屋さん……」
ハルヒ「つる……ちゃん……」
キョン「いえ、そんな……」
ハルヒ「……」
鶴屋さん「ハルにゃん?……怒っちった……?」
キョン「お、おいハルヒ」
鶴屋さん「へっ?お金?なんのこt」
ハルヒ「払ってない癖に邪魔したの?!何それ?!あたしの邪魔しないで!!
ほら、早くどっか行きなさいよ!!」
キョン「ハルヒ!!ほ、ほら、鶴屋さん早く」
鶴屋さん「ご、ごめんっ!やっぱり邪魔しちゃってたね!またねお二人さん!」
ハルヒ「……」
キョン「……」
キョン「あ、あーん……」パク
ハルヒ「おいし?」
キョン「お、おう、なんか5割り増しで美味しく感じるぜ……」
ハルヒ「そう?ふふっ言いすぎよキョン」
キョン「はは、ははは……」
ハルヒ「お粗末さま」
キョン「いやー凄え美味かった。良かったらまた頼むぜ」
ハルヒ「あ、キョン、さっき卵焼き毎日食べたいって言ってたわよね?」
キョン「ん?おお」
ハルヒ「毎日作って来てあげるわ。感謝しなさい!」
キョン「えっ?いや……」
ハルヒ「嫌?これもプランに入ってないから?じゃあ入れて良いわ。
それとも本当は美味しく無かった?嘘ついたの?」
キョン「ち、違う!嬉しすぎてな!はは!ありがとう!毎日食べられるなんて幸せだ!」
キョン「おう!勿論だ!」
キョン(なんか……ヤバイぞこれ……)
キョン「……部室に行きたくない……」
キョン「何だあのハルヒは……怖すぎる……」
鶴屋さん「あっ!キョンくん!」
キョン「鶴屋さん……すみません、昼休みは……」
鶴屋さん「いや、いいっていいって。あたしが悪いっさ」
キョン「はい、何でしょう」
鶴屋さん「あんときハルにゃんが言ってた、お金って何にょろ?」
キョン「ああ……それは……」
キョン(軽蔑されるだろうな。しかし鶴屋さんに嘘はつけんだろう)
キョン「……というわけです」
鶴屋さん「そんなこと……してたんだね……」
キョン「……はい」
キョン「はい」
鶴屋さん「あたしも良いかい?」
キョン「はい……はい?!」
鶴屋さん「おっ、良いんだね!やった!いくら払えば良いにょろ?」
キョン「いや、ちょっと待って下さいよ!」
キョン「いやあ……駄目と言うか……驚き過ぎて……」
鶴屋さん「なーんだ、駄目じゃないんだね!そんじゃ、友達コースはいいから、恋人コースはどうかな?それやるならいくら?」
キョン「ま、待って下さいよ!良いんですか?寧ろ!」
キョン「一万……ご、五千円で……」
鶴屋さん「わお、破格だね!あんな事やこんな事するのに!んでも悪いからお姉さんは諭吉さん三人出しちゃお!はいっ!」
キョン「うわっとっと!……ありがとう……ございます……あれ?ってあんな事やこんな事って」
鶴屋さん「おっけー受け取っちゃったから決まりね!にひひ、じゃあ今日活動終わったら連絡よろしく!」
キョン「早速?!わ、わかりました」
キョン「ハルヒ……!」
鶴屋さん「何ってー?ただのお話だけどっ?悪いかい?」
ハルヒ「つるちゃんは友達料払ってないんだから、キョンに気安く話しかけないで。
ねえ?キョン」
キョン「あ……それは……」
鶴屋さん「ふーん、で、ハルにゃんはいくら払ってんの?」
鶴屋さん「そっかあ!あたしは30000払ってんの!さらにこ、い、び、と、コース。
ハルにゃんこそ人の彼氏に気安く話しかけないで欲しいにょろ」
ハルヒ「な、何よそれ!!ちょっとキョン!どう言う事よ!!」
キョン「あ、いやその、それは」
鶴屋さん「予定変更っさ!キョンくん、行くよほらっ!」
キョン「うおっ?!ちょっと鶴屋さん?!」
ハルヒ「何よ、それ、何なのよ……キョン……」
みくる「ひゃ!ど、どうしたんですかー?」
古泉「失礼、席を外しますよ」
みくる「へ?……何だったのかな?」
長門「大規模な閉鎖空間。危険」
みくる「えー?!どどどどど、どれくらい危ないんですか?!」
長門「かなり。しかし拡大が停止している。原因は天蓋領域によるものと見られる。
何故そんな事をしているのかは不明」
長門「わからない」
鶴屋さん「ふう、いやーハルにゃん怖かったね!にゃはは!」
キョン「笑い事じゃありませんよ……。挑発し過ぎですって」
鶴屋さん「ごーめんごめん。あたしとした事がついついカッとなっちゃってさ」
キョン「全く……今後はやめて下さいよ。あんな事」
キョン「デートですか?」
鶴屋さん「そそ、駄目かなっ?恋人だし放課後デートは定番っさ!」
キョン「まあ……ですね」
ブー、ブー、ブー
鶴屋さん「ゆっくりお話したいから、ファミレスでも行こっか!
あたしドリンクバー大好きなんだよねー。それかあたしんち来る?」
ブー、ブー、ブー
キョン「いやいや!段階踏みましょう!まずはファミレスで!!」
ブー、ブー、ブー
キョン(……携帯が……)パカッ
着信:26件
未読メール:61件
キョン(……嘘だろ)
ハルヒ:どこいくの?
ハルヒ:あたしはどうするの?何で裏切ったの?
あたしに何も言わないで何やってんの?
ハルヒ:鶴屋と恋人になってなにするつもりよ
ハルヒ:あたしは4万出すから関係切って
ハルヒ:でんわでろ
ハルヒ:鶴屋なんて死ねば良いのよ。殺してやる
鶴屋さん「もちおっけー!いってらっしゃーい!」
キョン「はは、それじゃ」
パタン
キョン「……もしもし、ハルヒか」
ハルヒ「キョン!もう、やっと出てくれた」
キョン「……すまん」
ハルヒ「良いのよ?それで、今どこなの?」
キョン「今はな、鶴屋さんとは解散して、トイレに居る。腹の調子が……悪くてな」
キョン「……え?」
ハルヒ「何?どうしたの?」
キョン「いや……何でもない」
ハルヒ「そ。ていうか、お腹痛いって大丈夫?
あたしのお弁当が悪かったのかしら……ごめんね?」
キョン「いやいや、昨日からコレなんだ。ハルヒの弁当は最高だったさ」
ハルヒ「本当?じゃあ明日はお腹に優しいの作って来てあげるから、楽しみにしててね?」
ハルヒ「それじゃ。また明日ね!お大事に」
キョン「ああ、また明日」
キョン(なんか思ったより普通だったな。大丈夫、ハルヒもそんなに怒ってなかったみたいだ。
ったく、鶴屋さんを呼び捨てとか殺してやるとか、冗談が過ぎるぜ?)
鶴屋さん「キョンくん、長かったね!」
キョン「すんません、ちょっとお腹痛くて」
キョン「スッキリしたんで大丈夫っす!さあガンガンドリンクお代わりしちゃいましょう!」
鶴屋さん「その意気っさ!でも無理しちゃだめにょろよ?」
キョン「わかってますって。じゃ、ちょっとついできます」
鶴屋さん「はーい!」
みくる「ほっ……よかったあ。古泉くん、大丈夫でしょうか」
長門「大丈夫」
みくる「でもなんで天蓋領域さんが止めてくれたんでしょうかね?」
長門「恐らくこの巨大な閉鎖空間の調査も兼ねて。
今までは統合思念体しか手を出していなかったから。
天蓋領域が止めて居なければ統合思念体が止めていた」
みくる「そうですかあ……よくわかりません」
長門「そう」
鶴屋さん「んー、今まではハルにゃんに譲ったげようと思ってたんだけど。
昼休みにあーんなんてしてるのみたらやっぱし嫉妬しちゃってね。
あたしももう我慢できなくなっちゃったからさっ」
キョン「ん……嫉妬って、はは。恋じゃあるまいし」
鶴屋さん「好きだよ」
キョン「へ?」
鶴屋さん「キョンくんのこと好きじゃないなら、こんなことしないっさ」
キョン「あの……」
お金でキョンくん独占できるなら幾らでも出すっさ」
キョン「鶴屋さん……」
鶴屋さん「でも今は本当の恋人じゃないから、今みたいに二人でお話くらいしかしないよ。そこは我慢だねっ」
キョン「……」
鶴屋さん「ハルにゃんと同じで良いから、さ。
恋人コースなんて名ばかりだよ。キョンくんも嫌だろうし」
キョン「そんな事……」
あたしが貰えなくてもそれまでこうして居られたら満足っ!」
キョン「チケット……ですか」
鶴屋さん「うん。もし良かったらあたしの事も考えてね!
さっ、ちょっとお代わりしてくるよ!」
キョン「は、はい」
キョン(俺は……最低だ……)
妹「キョン君おかお青いよー?大丈夫ー?」
キョン「ああ、大丈夫だ。ほら歯は磨いたか?寝る準備しなさい」
妹「はーい」
キョン(どうするべきか……やれやれ……)
キョン(俺はハルヒが好きなのか?鶴屋さんが好きなのか?いや、それにしても流石に鶴屋さんは想定外の想定外だった……)
古泉「どうも、お早う御座います」
キョン「ん?……おう」
古泉「いやあ、昨日は大変でしたよ。もう少しで世界そのものが変わってしまう所でした」
キョン「……すまん」
古泉「……他の方にはしない様に、と注意した筈ですが……」
キョン「ああすまん!!すまんすまんすまん!!」
寧ろ彼女にとっては、燃える展開なのかもしれませんよ?」
キョン「何でだ?」
古泉「今現在、閉鎖空間が出現して居ないのが何よりの証拠でしょう。
本来ならばあの様な規模、あの様な膨張速度の閉鎖空間は……天蓋領域、或いは情報統合思念体であっても止められません」
古泉「彼女の心は益々燃えているのかもしれません」
キョン「何でちょっと楽しんでるんだよ」
未だ、完全に安心できる状況ではありませんがね」
キョン「そうかそうか。良かったな。うん良かったな」
古泉「くれぐれもお気を付けて。それでは」
キョン「おう、じゃあな」
ハルヒ「キョン!遅いじゃない!」
キョン「何を!いつもより早いくらいだろ!
古泉と鉢合わせたのが何よりの証拠だ!」
ハルヒ「……そ、古泉くんとね。それで、お腹の調子はどうなの?」
キョン「ん?ああ、すこぶる良いぞ」
ハルヒ「良かった。安心したわ。頑張って作ったんだからたらふく食べなさいよね!」
キョン「おう、有難く頂くぜ」
ブー、ブー
キョン(ん?)
佐々木:やあ、調子はどうだい?話したい事があるんだが、放課後に少しの時間会って貰っても良いかな?
キョン(佐々木か……二人には上手く言っておこう)
キョン:勿論だ
キョン「っと」ピ
ハルヒ「……」
ハルヒ「何よ」
キョン「今日は放課後家に帰っても良いか?
お袋が手伝って欲しい事があるんだと」
ハルヒ「……そう、良いわよ」
キョン「ありがとう。埋め合わせはするからさ」
ハルヒ「本当に?約束よ?」
キョン「ああ約束だ」
ハルヒ「ふふ。覚悟してなさいよ!」
キョン:すみません、今日は用事があって余り一緒に居れそうにないです。
また明日にでも、デート行きましょう。
キョン「さて、寝るか」
ハルヒ「……」
キョン「ん?どうした?」
ハルヒ「あんた本当寝るの大好きね」
キョン「頭を使うと直ぐに眠くなるもんでな。数学は特に心地良い子守唄だ」
ハルヒ「寝たらシャーペンで刺すからね」
キョン「やめろ。頼むからやめてくれ」
ハルヒ「冗談よ。その代わり昼休みにうとうとしてたら許さないから」
ハルヒ「期待しとくわ」
キョン「おう」
ブー、ブー
佐々木:良かった。じゃあいつもの喫茶店で待ち合わせようか。
楽しみにして居るよ。
キョン(まあ、鉢合わせる心配も無いだろう)
キョン:了解
ハルヒ「あんたそんな態度じゃ留年よ。シャキッとしなさい」
キョン「はい先生」
ハルヒ「誰が先生よ……。お弁当今日はここで食べましょっか、移動するのも面倒だし」
キョン「おう。腹減ったぜ」
キョン「すまんな」
ハルヒ「良いのよ。あたしが好きで作ってるんだから。
ほら、早く開けてみて」
キョン「おう……相変わらずよくこんな綺麗に作れるもんだな」
ハルヒ「料理は見た目が肝心よ。お弁当は形崩さないの大変なんだから」
キョン「うん、味も相変わらず最高だ。良い嫁さんになるな」
ハルヒ「ま、まあね。あたしを嫁に貰える人は超超幸せ者よ」
ハルヒ「一言余計よ!」
キョン「はは、すまんすまん」
ハルヒ「もう……」
キョン「ふう、ご馳走様。美味かったぜ」
ハルヒ「ありがと。そう言って貰えると作り甲斐あるわ」
キョン「明日は学食にしてみないか?こう連続で作るのも大変だろう」
ハルヒ「……」
キョン「ハルヒ?」
キョン「は?」
ハルヒ「本当はあたしのお弁当美味しくなかったんでしょ。嘘つき」
キョン「待て、そうじゃない。そんな事はない」
ハルヒ「毎日食べたいって言ったじゃない!」
キョン「だから嘘じゃないって!ハルヒ落ち着け!」
ハルヒ「……」
でもな、ハルヒがきついんじゃ無いかと思ったんだ。
負担になってるんじゃないかと」
ハルヒ「……大丈夫よ。苦にならない。だから大丈夫」
キョン「そうか……わかった。ありがとうな」
ハルヒ「ううん、良いわ。気にしないで。
あたしこそごめんね」
キョン「ハルヒが謝る事じゃないさ。……明日も楽しみにしてる」
ハルヒ「うん……」
キョン(ハルヒ……やっぱり最近おかしいぞ……)
ハルヒ「ええ、また明日。埋め合わせ忘れちゃダメよ」
キョン「わかってるって。じゃあな」
キョン(待ち合わせは後1時間か……間に合うな)
キョン(佐々木、頼むから橘や藤原が絡んだ話を持って来ないでくれよ……!)
キョン「よう、待ったか?」
佐々木「いや全く。今から注文しようと思っていた所さ」
キョン「そうか、良かった」
佐々木「すみません、アイスコーヒーを二つ」
キョン「おっと、有難う」
佐々木「構わないさ。それでね、話なんだけど……」
キョン「ああ、聞かせてくれ」
キョン「……すまん、まずそれを何故知って居るのか聞いても良いか?」
佐々木「九曜さんに聞いたんだよ。先の閉鎖空間を調査した時に、面白い情報を手に入れたってね」
キョン「そんな事が……」
佐々木「閉鎖空間は彼女の心そのもの。それを解析する機を天蓋領域は狙って居たみたいだ。
思いがけない拾い物があったみたいだから、教えて貰ったのさ」
キョン「……」
佐々木「本当はこんな事したく無いんだけどね。居ても立っても居られなくなったんだ」
佐々木「何故、って?」
キョン「お前、彼氏が出来たんじゃないのか?」
佐々木「何の事かな?」
キョン「言ってたじゃねえか、前に。告白されたとかの……考えてみる事にしたとか」
佐々木「ああ、あれはね。君の気を引こうと思って。つい言ってしまった」
キョン「えっ?」
とても残念だったよ。ほんの少しでも君の心が動かせたらと思っていたから」
キョン「そうだったのか……」
佐々木「恋人コースなどと言って居る時点でもうわかりきっていると思うけれど、僕は君が好きだ。
君のフリーパス争奪戦に、僕も参加させて貰えないかな?」
キョン「佐々木」
佐々木「こう言うのもなんだけど、僕は決心してこのお金を用意したんだ。
受け取って貰えないなんて事は絶対に避けたい。
それは僕にとって最大の侮辱だ。お願いだよキョン。受け取って欲しい」
佐々木「良かった……じゃあ早速」
キョン「だが金は受け取れない」
佐々木「……何故だい?」
キョン「自由に呼び出し、メール、会話ができるのが俺の契約内容だ」
佐々木「……」
キョン「契約しすぎてそれに違反しちまってる。だから金は受け取れない。
二人にも返す」
佐々木「……そうかい、なら、恋人コースは無理なんだね?一日キョンを独占するなら幾らかな?」
佐々木「何を?」
キョン「クソみたいな言葉だが、俺は誰を選ぶのか決めなければならない。
逃げ続けるのはもうお終いだ」
キョン「一日、デートをさせてくれ。それで決める」
佐々木「……わかったよ」
キョン「また……連絡するから」
佐々木「うん……待ってるよ」
佐々木(二人は、狡いや。タダで独占出来てたようなものじゃないか)
佐々木(でも勝ち取れば毎日……)
佐々木「よし、負けないよ。頑張ろう」
鶴屋さん『何かなっ?デートのお誘い?』
キョン「はは、そんなもんです。ちょっとだけ会えませんか?」
鶴屋さん『もちろんっさ!昨日のファミレスでも良いかなっ?』
キョン「はい、お願いします」
鶴屋さん『おっけー!んじゃ、また後で!』
キョン「ええ、また」
キョン「ははっ、見ての通りまだですよ」
鶴屋さん「待っててくれてたのかい。いやあ、お姉さん嬉しいなっ!」
鶴屋さん「ところで、どしたん急に?今日会えないんじゃ無かったっけ?」
キョン「ああ、その事なんですが……」
鶴屋さん「ふうん、一日デートで決めるんかあ……。良いね!じっくり考えてもらえるし!」
キョン「すみません、最低っすよね、俺……」
鶴屋さん「そんなことないにょろ。寧ろこうして考えて貰えるなら、幸せだよっ」
鶴屋さん「なーんも悪くないから、キョンくんは遠慮なしにずばっと決めるっさ!」
キョン「……有難うございます」
鶴屋さん「そんじゃ、当日とびきりおめかししてくるからさ!
楽しみにしてて!んじゃまたねっ」
キョン「は、はい!また!」
ガチャ
キョン「……おう」
ハルヒ「あれ?キョン?」
長門「……」スッ
キョン「何処か行くのか?」
長門「……コンピ研」
キョン「そうか……またな」
ハルヒ「行ってらっしゃい。なんかされたら直ぐに言うのよ!……キョン、あんた用事は?」
キョン「ああ、その事なんだが……」
ハルヒ「はあまさか嘘ついてたなんてね。信じらんない」
キョン「すまん」
ハルヒ「まあ良いわよ……正直に言ったんだしね。
一日デートでしょ?あたしの魅力を存分に思い知らせてあげるわ。
もうほんっと、いい度胸してるわよキョンのクセに」
キョン「はい、すみませんでした……」
ハルヒ「でも良かったの?お金払うって言い出したのはあたしなのに……」
キョン「良いんだ。寧ろ返さないと気が済まん」
ハルヒ「そう……わかったわ」
その時は正直に言ってね。嘘をつかれる方がもっと辛い」
キョン「勿論だ」
ハルヒ「それじゃあ、覚悟は出来てるから……今度の三連休でしょ?いつでもいいから……またね」
キョン「ああ、また連絡する。気を付けて帰るんだぞ」
ハルヒ「大丈夫よ。ありがと」
キョン「……寝るか」
キョン(考えるのは後だ。俺も、皆に答えなければならない)
鶴屋さん『明日?大丈夫っさ!何時にどこかなっ?』
キョン「じゃあ……11時に駅前で良いですか?」
鶴屋さん『はいよっ!りょーかい!んじゃ、また明日にょろ!』
キョン「はい、お休みなさい」
キョン(緊張する……どうなるんだろうか)
鶴屋さん「キョンくん!こっちっさ!」
キョン「あっ、鶴屋さん!すみません、お待たせしました」
鶴屋さん「いやあ全く、待ちくたびれたにょろ」
キョン(ショートパンツにTシャツ、うっすらと汗をかいた首元……正直、たまりません)
鶴屋さん「今日はね、ちょっと遠出するよっ!」
キョン「遠出?」
鶴屋さん「なんと日帰り温泉旅行っさ!折角駅前集合だからね!さ、はりきっていこー!」
キョン「え、ちょ、マジですか!」
鶴屋さん「マジも大マジ!値段なら大丈夫、案外安いもんだからさ!ほら行くにょろ!」
キョン「は、はい!」
キョン「俺はこれです」
鶴屋さん「わーお牛飯かあ!男の子って感じだね!」
キョン「鶴屋さんのは……」
鶴屋さん「いやあ偶然にも、同じ牛飯にょろ!」
キョン「はは、お揃いですね」
鶴屋さん「本当だね!はい、あーん」
キョン「へ、あ」
鶴屋さん「美味しい?」
鶴屋さん「あたしも食べたいな?」
キョン「あ、はい……あーん」
鶴屋さん「ん。おおーめがっさうんまいね!お茶がすすむっさ!」
キョン「はは、節約しないとお茶無くなりますよ?」
鶴屋さん「大丈夫大丈夫!心配ないよ!あっ!外みて!すっげーでっかい河!」
キョン「うわ本当っすね……横何mあるんだ……」
鶴屋さん「残念ながら鶴は居ないねっ。鴨しかいないっぽいね」
キョン「鶴はそうそう居ませんって」
キョン「へっ?あ、わかりました!」
鶴屋さん「おおー!到着到着!」
キョン「さっきの河の近くだったのか……」
鶴屋さん「あれすごかったねー、さ、入ろ入ろ」
キョン「ほう、案外安いもんなんですね」
鶴屋さん「言ったっしょ?何も旅館じゃないんだからさっ!ちょんと浸かるだけだからねっ」
鶴屋さん「うん、あがったらここで!」
キョン「はい」
キョン(慌しいけど……時間が経つのを忘れるな。鶴屋さんと居ると)
キョン「おお……露天風呂広すぎだろ……」
キョン「ふい~……たまには良いな、こうやってゆっくりするのも」
キョン「ハルヒのやつもたまにはこんなイベント設けてくれれば……古泉に言ってみるか」
誰を選んでも残り二人に申し訳なくて一生後悔しそうだし耐えられる自信が無い。
俺には縁のない悩みでよかった。
お前には縁が無くて良かったな
俺もだよ///
キョン「のぼせる前に上がっとくか」
キョン(鶴屋さんは……まだか)
キョン(そりゃあの長い髪、洗うだけで大変だろう)
キョン(水吸ったらとんでもない重さになりそうだが……乾かすのも一苦労だろうな)
鶴屋さん「おーい?キョンくん?」
キョン「ん?おわっ!早いですね」
鶴屋さん「そう?だいたいこんなもんだと思うけどなー。さ、ほら、風呂上がりといったらアレっしょ?」
鶴屋さん「おやっ珍しいね!あたしはフルーツ牛乳派だよ!」
キョン「一緒じゃないですか!」
鶴屋さん「ちっちっち、一緒にしたのさっ」
キョン「ははっ、嬉しいですね」
鶴屋さん「前から興味あったんだよねー。どんなんかな?うわおっ、あんま!でもけっこーイケるね!」
キョン「でしょ?なかなか美味しいんですよ」
鶴屋さん「コレも良いもんだね!家に常備しときたいにょろ」
キョン「良いっすね。受けて立ちますよ」
鶴屋さん「言っとくけどあたしけっこー強いよ?」
キョン「俺はかなり弱いですよ」
鶴屋さん「にゃはは!そんじゃいっちょいってみよー!」
キョン「……強過ぎません?」
鶴屋さん「ラケットは友達にょろ」
キョン「ピンポン球ではないんですね」
鶴屋さん「残念ながら……。さっパパっと帰ろっ!」
鶴屋さん「電車も丁度いいくらいの時間につくっさ、忘れ物ない?」
キョン「大丈夫です」
鶴屋さん「そんじゃいこっか!」
キョン「はい!」
鶴屋さん「なんかちょっと暗くなると、窓の外全然見えなくなっちゃうよねー」
キョン「街を離れると、一面真っ暗ですね」
鶴屋さん「ねえ、キョンくんさ」
キョン「何でしょう?」
キョン「景色……?そうですね……晴れてて、夏っぽいような……」
鶴屋さん「……そっかあ」
キョン「そうです」
鶴屋さん「嬉しいにょろ」
キョン「……良かったです」
鶴屋さん「あたしは今日そう言って貰えただけで十分かな。
今更四の五の言ってもしょーがないし!」
鶴屋さん「さ、ほら着いたっさ!行こう」
キョン「……はい」
キョン「めちゃくちゃ楽しかったです。また、今度……また、行きましょうね」
鶴屋さん「そうだねっ。今度は皆で行くにょろ!
次の合宿は温泉地だねっ!そんじゃ、お休み!」
キョン「はい、お休みなさい。お気を付けて!」
キョン(……楽しいだろうな。付き合ったら)
キョン(新鮮な事ばかりで、飽きなんて無い毎日なんだろう)
キョン(ゆっくり、考えよう……)
佐々木「勿論だよ。明日かな?」
キョン「ああ」
佐々木「そうかい。なら明日の14時に、いつもの喫茶店で」
キョン「わかった。有難う」
佐々木「また明日……お休み」
キョン「お休み、佐々木」
キョン「よう、また待たせちまったな」
佐々木「構わないよ。僕はこの待つと言う時間が好きでね。
何時間でも大丈夫さ」
キョン「はは、何時間でもは流石に言い過ぎだろ?あ、アイスコーヒーを二つ」
佐々木「おや、有難う。ところでね、今日のプランなんだけど」
キョン「ん?ああ」
佐々木「僕はここだけだ」
佐々木「ここで君とゆっくり話す。ただそれだけで良い。
キョンはそれでも良いかい?」
キョン「ああ、全く構わん。寧ろお前らしくて良い」
キョン「良いさ。外は暑いし、動き回るのも難だ」
佐々木「くっくっ、君らしいね。君が君で良かったよ」
キョン「良い意味として受け取っておこう」
佐々木「それでよろしく頼むよ。……キョンは正直、僕の事をどう思っている?」
キョン「どうって……親友……かな」
佐々木「そうか。嬉しいよ。だけれど哀しくもある」
キョン「何故だ?」
無論僕もそう考えている」
キョン「いや、ケースバイケースなんじゃないのか?俺はあると思うが」
佐々木「そうだね、その通りだ。でも僕らにもその世間一般の常識は当てはまるみたいだよ」
キョン「……」
佐々木「現に僕は君を男として、恋愛対象として見ている。そうなると友情では無くなるんだ」
キョン「それは……」
佐々木「ならば、涼宮さんの事はどう思う?」
キョン「あいつは……」
キョン(友達?クラスメイト?同じ部活の仲間?……どれもしっくりこないな……)
キョン「わからん……」
もっとも、愛情はあるのだろうけどね」
キョン「愛情って」
佐々木「君が僕の事を親友とそう呼べるのなら、僕はもう友人として取り返しのつかない所まで来てしまったんだ」
佐々木「そこから恋愛に覆る事はそうそう無い」
佐々木「僕が涼宮さんに対抗したくて言った"親友"とは違うんだと……そう思う」
キョン「佐々木……」
佐々木「僕の事を選んでくれとは言わない。でも一つだけ」
キョン「何だ?」
キョン「そりゃ……勿論だ」
佐々木「安心したよ。……僕は卑怯だね。予防線を張るなんて」
キョン「……」
佐々木「君と涼宮さん程月と太陽みたいな人は居ない。相性抜群だ。
とても近づけそうに無いよ……こう言ってしまうと、もう一人の女性にも悪いがね」
佐々木「さあ、僕はもう良い言いたい事は全て言ったつもりだ。
とてもデートと言える様なものでは無かったけれど、許して欲しい」
キョン「良いさ。佐々木の気持ちが聞けて良かった」
佐々木「それじゃあまた、連絡待っているよ」
キョン「ああ……またな」
キョン(すまん、そんな気持ちにさせて)
キョン「……ハルヒ、明日、大丈夫か?」
ハルヒ「いつでも空けてるって言ったでしょ?じゃ、駅前に11時!遅刻は罰金!わかった?」
キョン「おう、わかってる」
ハルヒ「じゃあね。寝坊すんじゃないわよ!」
キョン「へいへい、わかりましたよ」
キョン(……夜は俺が皆を照らすんだろう。ハルヒの力を借りて。
佐々木の言っている意味の半分くらちは理解出来て居るつもりだ)
キョン「早いなお前……一時間前だぞ……」
ハルヒ「あんたの考えなんてお見通しよ!残念だったわね!」
キョン「はあ……喫茶店でいいか?」
ハルヒ「ううん、ポップコーンとコーラよ」
キョン「ん?その組み合わせは……」
ハルヒ「そう、映画を見に行くの。話題のSF映画よ」
キョン「SFね……なんともハルヒらしい」
キョン「はいはい」
ハルヒ「はいは一回!」
キョン「はーーい」
キョン(すっかり元のハルヒだ。こっちの方がしっくりくるぜ)
ハルヒ「席はここね。中央の席だなんて運が良いわ」
キョン「ハルヒパワー」
ハルヒ「なに?」
キョン「いや、何でも無い」
ハルヒ「あっそ、あ、始まるわよ」
何と言ったら良いのかわからんが、女はこういうの気にするみたいだしな)
キョン「ハルヒ」
ハルヒ「何よ」
キョン「髪型似合ってるぞ。魅力度倍増だ」
ハルヒ「……上映中なんだから静かにしてよ」
キョン(……ハルヒの口角がピクピクしているのは怒りからだろうか)
キョン(いや……それにしても何故こう映画館と言うのは眠気を……)
キョン「zzz」
ハルヒ「ったくもう……ふふ」
キョン「んおっ!……今何時だ?」
ハルヒ「……ヨダレすごいわよ」
キョン「おお、有難う」
ハルヒ「はあ……折角見に来たのに寝る何てバッカじゃない?
お金を捨てたような物よ?
まああたしは集中して見れたから良いんだけど」
キョン「すまん」
ハルヒ「まあ良いわ、ご飯食べに行くわよ」
キョン「おう、丁度腹減って来てたんだ」
ハルヒ「上の洋食屋さん。昔パ……親父とよく言ってたんだけど、オムライスが美味しいのよ」
キョン「オムライスか……やべ、さらに腹減って来た」
ハルヒ「じゃあ早速行くわよ」
キョン「おう」
ハルヒ「ふわとろよ」
キョン「冗談だろ。お前はこんな上等な物を幼少期に食していたのか」
ハルヒ「大袈裟ねえ、あたしだって作れるわよこんくらい」
キョン「興味深いがちょっとお口チャックだ。
睨まれてるぞ」
ハルヒ「ふんっ知ったこっちゃないわよ」
キョン「ケチャップついてるぞ」フキフキ
ハルヒ「ん……ありがと」
キョン「どういたしまして」
キョン「ご馳走様でした」
ハルヒ「最後に一つだけ、行きたい所あるんだけどいい?」
キョン「ああ、良いぜ」
ハルヒ「ありがと、じゃ着いてきて」
キョン「おう」
キョン「ここは……」
キョン(ハルヒの……)
ハルヒ「東中。ちょっとした思い出があるのよ。ほら、ここ登って」
キョン「侵入したらセコム来るぞ」
ハルヒ「来ないわよそんなもん。いいからほら!」
キョン「おう……」
キョン「お前がでっかい絵文字書いたってとこか?」
ハルヒ「そうよ」
キョン「……」
ハルヒ「……」
ハルヒ「ねえ、キョン」
キョン「何だ?」
ハルヒ「宇宙人って居ると思う」
キョン「長門だろ?」
ハルヒ「じゃあ未来人は?」
キョン「朝比奈さん」
ハルヒ「超能力者は?」
キョン「古泉だな」
キョン「本当の事だからな」
ハルヒ「……じゃあ異世界人は?」
キョン「……余ってる俺かね?」
ハルヒ「でしょうね」
キョン「ははっ」
ハルヒ「……あたしね、ずっと特別な存在になりたかったの」
キョン「……」
ハルヒ「SOS団立ち上げた目的も、特別な存在と遊べる特別な存在になりたかったから」
ハルヒ「それで気付いたら精神病だと思ってた恋も普通にしてたわ」
ハルヒ「あんたともずっと普通に過ごして行ければ良いと思ってたんだけど、何時の間にかあんたにとって特別な存在になりたいと思ってた」
ハルヒ「キョン、好きよ」
キョン「……」
ハルヒ「あたしと付き合って欲しい」
ハルヒ「……いいの?」
キョン「俺もやっぱり、ハルヒじゃなきゃ駄目みたいだ」
キョン「鶴屋さんと、佐々木と一緒に居てもハルヒの事ばかり……ハルヒだったら、ハルヒもこんな事を、そんな風に考えちまってた」
キョン「俺は阿保だな。ホンモンのクソッタレだ。
恋なんて馬鹿らしい。俺にそんな事があるわけ無い。
そうやって、誰かに気持ちを向けられても鈍感な振りしてフラフラ逃げ道を探してたんだ」
キョン「これからも改めてよろしく頼む。これまですまん。
一生かけてハルヒを大切にするから」
キョン「ハルヒ……ポニーテール、最高に似合ってるぞ」
ハルヒ「えっ?んっ……いきなりなにすんのよこのバカキョン!!」
キョン「あいたっ!!おい何もビンタする事は無いだろ!!」
ハルヒ「こういうのはムードってもんが大事なのよ!初めてなのに、こんないきなりされてよく覚えて無かったらどうすんのよ!」
キョン「完璧にそのムードだっただろうが!じゃあいつすりゃ良いんだ?わからん!全くわからん!」
ハルヒ「もうっ!良いわよ!とにかく、明日から毎朝あたしの家に迎えに来る事!良いわね?」
ハルヒ「なに?嫌なの?」
キョン「いえ、喜んで」
ハルヒ「じゃあ決まりね!来ないとお弁当抜きだから」
キョン「はい……」
ハルヒ「また明日!マジで来るのよ!」
キョン「わーかったって!また明日な!」
キョン(なんか実感わかんが……これからだな)
谷口「おいキョン、お前のお仲間がお呼びだぞ」
キョン「ん?おお古泉か」
谷口「ッチ、ほらさっさと言って来いよ!」
国木田「谷口、何でそんなに気が立ってんのさ」
谷口「良いんだよ。こんぐらいしてやんねーとあの幸せもんには響かねえ。
どうせ心の中では俺らの事見下してんだ……」
国木田「そんなわけないじゃん。卑屈過ぎだって」
谷口「ああ、友達料、払わなくて良かったぜ」
キョン「相変わらず情報が早いな。まだ誰にも言った覚えはないんだが」
古泉「細かい事はお気になさらず。ともあれ。丸く収まり私達は万万歳ですよ」
古泉「途中の涼宮さんの暴走ですが、どうやら発端は友達料の件の様ですね。
まあ、そんな事は火を見るより明らかですが」
キョン「……そりゃそうだろうな」
古泉「恐らく、形のある繋がりを持った事で、完全に貴方を独占出来ると考えていらっしゃったのでしょう。
そこに邪魔が入った事でタガが外れてしまったと……」
古泉「押さえ込んで居た気持ちが一気に爆発。そんな所ですかね。
ほら、バネだって抑える程良く飛ぶでしょう。
ですが一度飛んでしまえば、徐々に収まって行きますから。途中迄は冷や汗物でしたがね」
キョン「そうかい、相変わらず解説が好きな奴だな。要件はそれだけか?」
狂ってしまいそうだった世界を、貴方が正しく導いて下さった。
有難う御座いました。途中迄は」
キョン「冷や汗もんだったんだろ?」
古泉「ええ、その通りです」
キョン「まあ、今回の結果が全て正しかったのかはどうか知らんが、心配かけてすまなかったな。
今後は安心してくれ。俺が何とかする」
古泉「それは心強い。是非お願いしますよ」
古泉「それでは、また放課後部室で」
キョン「ああ、また後でな」
キョン「何でも。ボードゲームがなんたらって話しくらいだ」
ハルヒ「ふーん、あんた達よく飽きないわね」
キョン「普通だろ?」
ハルヒ「普通飽きるのよ」
キョン「そういうもんかね」
ハルヒ「そういうもん。あ、あと今日ミーティングあるから。
あたしも掃除終わらせたらすぐ行くわ」
キョン「そうか、わかった」
わたしほっとしましたあ。
未来と通信が取れにくくなってて、どうしようって思ってたらそんな事になってたなんて」
長門「そう」
みくる「あの、前から思ってたんですけど……わたしとお話するの嫌ですか、」
長門「そんな事はない」
みくる「良かったあ……うふふ、今日はほっとする事ばっかりです。
あ、長門さん、お茶どうぞ」
長門「……」コク
コンコン
みくる「はあーい」
みくる「あ、キョンくん!おめでとうございますう。
あたし嬉しくて、飛び跳ねちゃいましたあ」
キョン「はは、そんなにですか?」
みくる「もちろんです!長門さんも喜んでましたよ?」
キョン「長門が?」
みくる「はい!……多分」
長門「……頑張って」
キョン「ありがとな、長門」
長門「……」コク
コンコン
ハルヒ「皆居るわね!早速ミーティング始めるわよ!」
みくる「ミーティングですか?」
長門「……」
キョン「そういや何の話をするんだ?全く聞いてないんだが」
古泉「涼宮さん、どうぞ」
ハルヒ「おっほん!今度の不思議探索では、温泉に行きたいと思います!
不思議を探しながら、存分に日頃の疲れを癒すが良いわ!」
みくる「わあー。素敵ですー」
ハルヒ「でしょ?癒しの中にこそ、不思議は隠れていると思うのよね。
早速計画を立てるわよ!」
古泉「おや、つい最近行かれたばかりでは?」
キョン「お前は一体どこまで知ってるんだよ」
古泉「んっふ、禁則事項です」
キョン「視界から消えろ」
古泉「これは手厳しい」
それぞれに、正直な気持ちと報告を。
二人が居なければ、きっと今の俺は居ないだろう。
こんな俺に心を寄せてくれた事を、本当に感謝している。
ハルヒ「ちょっとキョン、聞いてるの?」
キョン「ん、ああ。勿論だ」
ハルヒ「じゃあついさっきあたしが言った言葉を復唱してみなさい」
キョン「ちょっとキョン、聞いてるの?」
ハルヒ「はい失格。罰金」
キョン「すみませんでした」
だからこそ、格好悪い所は見せたく無いんだがな。
そう上手くはいかないもんだ。
おわり
いつもは鶴屋さんのssばっかりだったのでハルヒでいきました
でもやっぱり鶴屋さんが一番好きです
長時間オナニーすみませんでした
とっても良かったよー
よくヤンデレルートから抜け出したなwwwww
Entry ⇒ 2012.03.20 | Category ⇒ 涼宮ハルヒSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
佐々木「キョン、トイレを貸してくれるかい」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329546256/
佐々木「分かったよ、ありがとう」スタスタ パタン
キョン「……」
キョン「暇だな」ゴソゴソ
キョン「Lv10いったし安価スレでも立てるか」
佐々木「ふぅ…」
ガチャ
佐々木「……」
キョン「……」
さっき断ったようにここは使用中だ。悪いがもう少し待ってくれないか」
キョン「いや。俺が用があるのは便所ではなくお前だ」
佐々木「何の用だい、携帯を握りしめて。この状態で役にたてるようなことなのかな」
キョン「申し訳ないがお前の頭を便器に突っ込まなくてはならなくなった」
よかろう、まず水を流して」ゴソゴソ
キョン「いや、今すぐにだ」ササッ
佐々木「さすがにそれは困るな」ジタバタ
キョン妹「何やってるの、佐々木のお姉さんとキョンくん?」
佐々木・キョン「ハッ」
キョン「お、お前こそこんなところで何をやってる?
今日一日出かけてたんじゃないのか!」
キョン妹「友達が用事できちゃって、帰ってきたの。
そしたら騒がしくて。キョンくんたちは?」
佐々木「僕もそれを知りたいところだな」
キョン「ちょっと待て」ポチポチ
佐々木・キョン妹「え?」
キョン「お前、佐々木がどんなパンツを履いているか気になると言っていただろう」
キョン妹「そんなこと言ってない」
キョン「しかし佐々木お姉さんが好きだろう!それは佐々木のパンツに興味があるのと同義なんだよ!」
佐々木「キョン、それならば僕が便器に頭を突っ込むことも、
いや第一にトイレというロケーションは必須ではないのではなかろうか」
キョン「大いに必要だ!お前が俺の前でパンツをぬぐのは俺の倫理に反するぞ」
佐々木「語るに落ちたぞ、キョン」
キョン「違う!大事なのは結果じゃない。
なぜ佐々木がパンツを脱ぐという結果に至ったかという動機とその過程だ。
仮に俺の部屋であったならばこれは重大な事項に相当するであろう、
しかし客であってもトイレという用事であるならば生理的必然性がそこにはあり、
しかし俺の招かれざるトイレへの闖入という突発的事故の発生によってそれは不可抗力が働いていたのだと言える」
一度足もとに下げられたパンツは重力によって元の位置に戻る。
これで佐々木のパンツを最も自然な形で目にすることができるわけだ」
橘「おふぃたろこおmですっ」
佐々木・キョン・キョン妹「!?」
橘「…」
橘「お二人とも、そこまでです」
キョン妹「う、うん…?」スタスタ
クイ ジャーーッ…
キョン・佐々木「……」
橘「…あなた、これで水に流せたと思ってないでしょうね」
キョン「橘、とりあえず口の端から出ている血を拭ってくれ」カラカラ
橘「お気づかいありがとう。しかしそれであなたが許されるわけではありませんが」フキッ
佐々木「橘さん、血相変えてどうしたんだい」
あなたの両親がショッピングモールのキリ番を踏んでしまい、
本日中限定の商品券お食事券を使わなくてはならなくなりました。
それをたまたま見かけたあたしが佐々木さんの親しいご友人であるあなたと、
あなたの妹さんへ知らせる労を自発的に買って出たのです」
キョン「それはまた、色々すまなかったな」
キョン「じゃあどうすればいいのだ」
橘「やって」クイ
ゾロゾロ…
キョン「な、何だ、お前達は!」
キユイーン ガガガ…
橘「……これでこのドアは内からではなく外からカギがかかるようになりました。
佐々木さん、夜までのどが渇いたりお腹がすいたときはこちらを使ってください」ソッ
佐々木「どうもありがとう」
橘「では、失礼します」
キョン「ちょっと待て!どういうつもりだ橘!」
橘「妹さんをご両親のところへ連れていきます。
当選の件は伝えてあるのでしばらく忘れているでしょうし帰宅は夜遅くなるでしょう」
キョン「ちょっと待て!色々とややこしいことが起きるぞ!」
橘「それはあなたがなんとかしてください」バタン ガチャ
しかし、どうしたものか」
キョン「うむ……」ポチポチ
佐々木「そういえばキョン、その携帯で何をしてるんだい」
キョン「おわ、やめろっ!お前に見られたら色々な意味で……」
終わり
ヲイ
Entry ⇒ 2012.02.26 | Category ⇒ 涼宮ハルヒSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
佐々木「キョン、こんなに拍動してるよ」
どぞどぞ
(人ω-`)
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328965844/
佐々木「キョン、こんなに拍動してるよ」
大分焦った様子で呼び出す理由も言わずにただ「僕は君が来てくれないと今夜は寝れそうにない、お願いだ助けてくれ親友よ」と泣きそうな震えた声で話すあいつの雰囲気に、またハルヒ絡みなんだろうなとウンザリしながらも、親友の頼みとあっては仕方がない。
間違っても、夜遅くまで遊んでいるような不良でない俺は誤解を与えない為に、妹や親を起こしてしまわないようにコッソリと家を抜け出した。
佐々木の家はあの頃から変わらずにしっかり存在した。その当然のことにとりあえずひと安心すると、携帯を取り出し、到着の旨を伝えた。
やましいことが無かったとしても流石にこの時間に男が訪問するのを許す親はいないからな。
カギを掛けてないとは田舎とはいえ、防犯意識が低くすぎるんじゃないか?それにこんな時間の訪問は親に隠れる必要があると思うのだが。
「それなら大丈夫さ、二人で仲良く旅行中さ。頼むから早く来てくれよ、キョン」
驚愕の事実を平然と言ってくれるやつだ。いくらなんでも危機感を感じなさすぎだ、さっきの鍵の件も含めて一言言わんと安心出来ん。
扉の前で立ち止まり、ノックをすると間を置かず「入ってくれ」と声がした。
「やあ、こんな遅くに呼び出してしまってすまない。だが、君以外に頼れる人がいなかったんだ」
そんなに信頼して貰えるのは嬉しいが、親がいない夜中に男を家にあげたり鍵を掛けてないのは不用心すぎるんじゃないか?
「……。そうかもしれない。だけど、僕にはそんな事を気にする心の余裕は無かったんだよ」
それにこんな時間に男を上げるんなら一応橘とかも呼んでおくべきだったんじゃないか?
「それは出来ない、彼女に頼れる内容じゃないんだ。いや、君以外では意味がないというのが正確だね。加えてそもそも君は僕をどうこうしようなんてこれっぽっちも考えてないんだろ?どうせ……」
「ああ、その、えぇと」
なんだ、歯切れが悪いな。言ってくれないと、どうしようもないぞ。俺には読心術なんてないからな。
うん?なんだそれは?ずいぶんボロボロになっているが、大きいクッションか?
「そう。一般に抱き枕と呼ばれる類だよ。僕は小さい頃からこれを抱いて寝ていたのさ。子どもっぽいと僕を笑うかい?でも、抱き枕っているのは、しっかりと人間の心理に基づいている物なんだよ。いや、そんなことはどうでもいいんだ。ここを見てくれ」
「もう、ダメになってしまったんだ。長く愛用してきたからね、いつか物は壊れるのだから仕方ないと言えばそうなんだけど、僕はさっき言ったとおりコレがないと寝れないんだよ」
まさか、それが困ったことなのか?
「失礼な、僕にとっては大問題だいなんだよ。そこで、君を頼ったって訳さ」
どうしろって言うんだ。俺の家庭科の評価は3だぞ。とてもじゃないが、裁縫は無理だ。
「一晩だけ、抱き枕の役をやって欲しいんだ」
……。すまんがもう一度言ってくれ。聞き間違いをしたようだ。
「キョン。抱き枕になってくれ」
聞き間違いじゃなかったーー!!
「おやおや、キョン。君は親友の願いを断るどころか、裏切るような人間だったのか?僕を襲うつもりだとでも?」
そんな訳あるか!
「じゃあ!問題ないね!さぁ、布団に入ろう」
いやいやいやいや、問題ありまくりだろ。布団に入ろうにも私服だし。
「ここに男物の新品のパジャマが偶然ある」
なんであるんだよ!
「お父さんにプレゼントしようと買った物だがサイズを間違えてしまったんだ。これで問題ないだろ?」
「洗面所に新品の歯ブラシがあるはずだよ。僕がそろそろ替えようと思っていた物だ。使ってくれ」
そ、そうだ!ベッドのサイズが厳しいだろ!
「僕と寝るのはそんなに嫌かい?」
いやいやいやいや、そういう訳じゃない。決してそうではない。だが……
……腹を括ろう。今夜は寝れそうもない。明日が休みで良かった。
違うからな!寝れないってのはそういう意味じゃないからな!!勘違いするなよ!!
さて、俺はハルヒのお陰で他の人よりは経験値がそこそこ高いが、しかし俺のマニュアルに『抱き枕』の項はない。一体どうなることやら。
「さあさあさぁ、ベッドに入ってくれ!」
あいつの目、輝いてないか?いや、気のせいだろう。
ドキドキしているのは事実だが、仕方ない。生理現象というやつだ。俺も男だ、行くしかない!
佐々木のベッドは俺のベッドと比べて長さは少し短いが横幅に関しては二人で寝ても十分な広さだった。これで、もう逃げ場はなくなってしまった。
佐々木が抱きついてきた。分かっていたとはいえ身体がピクッとしてしまう。
佐々木はそれだけでなく、顔を埋めてきた。今、俺は一体どんな顔をしているのか自分でも分からない。
いや、ただ親友の頼みを聞いたまでだ。それに実際、察したんじゃないさ。まだ、状況すら掴めてない。
「それでもだよ。君は優しすぎる。だから僕は……。いや、これはフェアじゃないね。ここまでだって今までのハンデを埋めると言ってもこれはギリギリなんだ。これ以上は反則かな」
「くっくっくっ、そうだね、君ははっきり言わないと分からないタイプだね。それどころか、言っても分からなそうだ」
いくら俺でも今のが馬鹿にされいるのくらいは分かる。
「いや、褒めてるんだよ。君の凄さをね」
まぁ、いいさ。事実みたいだからな。
「おや、気づいていたのかい?」
古泉にあれだけ言われてるんだ、事実なんだろう。
「くっくっくっ、SOS団かい?嫉妬してしまうね」
そんな羨ましがるようなもんではないさ。
勘弁してくれ、これでも限界なんだ。
「ダメだよ。許さない。僕の前でSOS団の話をした罰さ」
ええい!ままよ!
振り向いた目線のちょっと下に佐々木はいた。暗闇に慣れた目は真っ赤に染まっているあいつの顔を捉える程度には冴えていた。
一世一代の我慢だ。頑張れ、俺。
シャンプーのいい匂いがする。あぁ、やっぱり眠れなそうだな。仕方ない。
あいつの役にたてたんだ。これ以上は望まないさ。
「今日は本当にありがとうね。それじゃあお休みなさい」
おう、おやすみ。
「それにしてもキョン、今宵は月が綺麗だね」
ああ。そうだな
ーFIN ー
一応これで終わりです。
昨晩のスレは書こうとした所で落ちてしまい、悔しかったので今日、佐々木スレを見つたので書いてしまいました。
SSは二作目だったのですが前回は台本式だったので(当然佐々木スレです)、拙い所があったかもしれませんがお許し下さい。
乙乙
キョンが気づくのはいつになるのか…
Entry ⇒ 2012.02.18 | Category ⇒ 涼宮ハルヒSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
長門「甘いチョコレートにはコーヒーが良い」
最初から投下したほうがいい?
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329223121/
長門「甘いチョコレートにはコーヒーが良い」
昼休みの文芸部室。
長門「バレンタインデー」
キョン「あぁそうだ、で、お前は俺に渡すものとかそういうものはないのか」
長門「……」
キョン「あーなんかこう、コーヒーに合う甘いお菓子が食べたいなぁ」
長門「……」
キョン「……」
キョン「はぁ……んじゃ、教室戻るわ」
長門「……私も」
キョンと長門有希は少し急ぎ足で教室へと向かった。
ドアを開くのも大変そうな量の荷物を抱え、古泉一樹が現れた。
古泉「どうも」
キョン「……」
古泉「挨拶くらいは返していただきたいのですが」
キョン「抱えたゴミを焼却炉にでもぶち込んでから話しかけてこい」
古泉「そうもいきません。義理、本命に関わらず、僕はきちんとお返しをするつもりですし」
古泉「そのためには1つ1つの手紙を読んで、お返事を書かねばなりません」
キョン「……忌々しい」
朝比奈「遅れちゃってごめんなさい」
朝比奈「わぁ、すごい数のプレゼントですね!これ全部チョコレートですか?」
古泉「中身は確認していませんが、おそらくそうでしょう」
古泉「困ったものです……」
キョン「……」
古泉「朝比奈さん、今日はお茶ではなくコーヒーを頂けませんか?」
古泉「捨てるのはもったいないですから、今からみんなで食べましょうか」
キョン「このやろう……お前の貰ったチョコ何か食えるか!」
古泉「あなたに、食べて欲しい/////」
キョン「可愛く言ってもダメ!」
古泉「ふふ、ダメでしたか」
キョン「大体、女の子から1個ももらえなかったのに男から受け取れるわけがないだろうそれが冗談だったとしてもだ!」
キョン「えぇ、えぇそうです、誰からも!」
朝比奈「それなら……これをもらってもらえませんか?」
朝比奈みくるは自分のかばんから1つの可愛らしい包みを取り出すと、キョンに手渡す。
キョン「……朝比奈さんから……チョコレート……」
キョン「ありがとうございます!本命チョコなんて!」
朝比奈「え?義理ですよ?市販のですし」
キョン「……」
朝比奈「あと古泉くんにもこれ、どうぞ」
古泉「あはは、ありがとうございます」
朝比奈「さすがに誰からも貰ってないんじゃ可哀想ですもんね!」
古泉「その言い方ではキョンくんが本当に可哀想ですよ、朝比奈さん」
朝比奈「え?なんでですか?」
キョン「……」
そういうと古泉一樹はかばんから大きな包みを取り出す。
キョン「なんだこれは」
古泉「チョコレートではありません」
古泉「想いを伝えるイベントとしてのバレンタインにはふさわしくないかもしれませんが」
古泉「日頃お世話になっている方に、感謝の気持ちを伝えるのには良い日だと思いましたので」
朝比奈「まめですねぇ」
キョン「このクソイケメン野郎……」
そのときけたたましい音を立ててドアが開いた。
ハルヒ「やっほー!遅れてごめんなさいね!」
キョン「もうちょっと静かに入って来い。ドアが壊れるだろうが」
ハルヒ「うるさいわね、喪男。そんなだからモテないのよ」
朝比奈「こんにちは。お茶とコーヒーどちらにしますか?」
古泉「涼宮さんも、よろしかったらこのクッキー食べてください」
古泉「日頃の感謝の気持ちです」
ハルヒ「通りでモテるわけだわ、キョンとは大違い!」
キョン「余計なお世話だ……」
ハルヒ「ところで有希は?今日来てないの?」
キョン「そういやあいつどこだ。昼休みには部室にいたんだが……」
ハルヒ「あら、そうなの?何か予定でもあったのかしら」
ハルヒ「まぁいいわ!鶴屋さんに貰った高級そうなチョコ、みんなで食べましょう!」
その瞬間ドアが開き、長門有希が姿を表した。
長門「遅くなった」
キョン「……こいつ、チョコに釣られて……」
長門「あなたに」
キョン「え?」
長門「あなたに話がある。部室に残っていて欲しい」
キョン「?とりあえず、わかった」
長門はそう言うと、定位置、ではなく、部室中央のテーブルに向かって座った。
長門「甘いチョコレートにはコーヒーが良い」
朝比奈「……あ!はい!今すぐいれます!」
長門「濃いめ、砂糖抜き、ミルクは入れて」
朝比奈「は……はぁ……」
古泉「この人は……ふふふ」
ハルヒ「さぁ!みんな揃ったし、鶴屋さんご自慢のチョコレートタイムね!」
朝比奈「甘くて美味しいです!」
ハルヒ「みくるちゃん、語彙が足りないと将来グルメリポーターになれないわよ!」
キョン「局所的すぎるだろその夢」
古泉「語彙の足りないアナウンサーによるリポートは、なかなか侮れない可愛げがありますよ」
ハルヒ「確かに……。さすが古泉くんね!でもいくら何でも甘くて美味しいだけはないわよ」
古泉「甘いのはチョコレートとしてほぼ当然ですし、不味いとは言えないですからね」
ハルヒ「ブランドの名前間違えるとか、入れ物を褒めだすとかすると良いかもしれないわね!」
キョン「その無駄な妄想をそろそろやめろ」
朝比奈「あのー、さっきから気になってたんですけど……」
朝比奈「語彙って何て読むんですか?」
ハルヒ「やっぱり高いのは違うわねー」
ハルヒ「でも足りないし、古泉くんの幾つかもらって行ってもいい?」
古泉「えぇ、どうぞ。手紙だけ先に取らせてください」
ハルヒ「ありがと!それじゃ今日はもう解散でいいわ。またあしたね!」
キョン「何なんだあいつは……。バレンタインをチョコ食べるイベントと勘違いしてないか」
古泉「まぁいいじゃないですか。大きな問題も起こらず、僕は安心しました」
みくる「それじゃ私も帰りますね」
古泉「僕も失礼致します」
キョン「それで、何の話だ?」
長門有希はおもむろにかばんに手を差し入れ、小さくも可愛らしくラッピングされた小箱を取り出した。
長門「……あなたに」
キョン「えっ!?」
キョン「でも昼間は……」
長門「あなたが欲しそうにしていたから、午後の時間を使って用意した」
長門「バレンタインデーが、どのようなイベントかわからなかったため調べてみた」
長門「カカオの豆からチョコレートにするのに少し時間がかかってしまった」
長門「チョコレートを手作りするのは初めてで、あなたの口には合わないかもしれない」
長門「どんな外装が流行なのかもわからなかった」
長門「参考になるものは街中にあふれていたため、良いと思われるものを選んだ」
長門「あなたに……受け取って欲しい」
キョン「ありがとう」
長門「……それだけ」
最後にそういうと、長門有希はかばんを手に取り部室を後にする。
残ったキョンは小さな包みを眺めるのに飽きると、部室を出た。
キョン「あいつ、心なしか顔が赤かったような……」
キョン「……気のせい、だよな」
キョン「やれやれ……甘いチョコには濃いめ砂糖抜きミルク入りコーヒー、だったよな?」
すばらしい
ちょっと中途半端な気もするが乙
>>27
ホワイトデーのを書いてるが今投下すべきじゃないだろう
Entry ⇒ 2012.02.15 | Category ⇒ 涼宮ハルヒSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ハルヒ「キョンの指って意外と綺麗ね」
ハルヒ「……」カチカチ
みくる「お茶どうぞー」
ハルヒ「……」カチカチ
みくる「キョンくんも、どうぞ」
キョン「ありがとうございます」
ハルヒ「……あれぇ?」
キョン「何やってんだよ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328013987/
ハルヒ「キョンの指って意外と綺麗ね」
ハルヒ「なんかバグっちゃった」
キョン「いかにもPC初心者が言いそうな台詞だな」
ハルヒ「もーなによこれ」カチカチ
キョン「変なサイトでも見てたのか?」
ハルヒ「違うわよバカキョン。勝手にこうなったの」
キョン「見してみろ」
ハルヒ「あんたじゃどうしようもないでしょ。有希が来たら直してもらうから」
キョン「いいから貸せ」グイッ
ハルヒ「ちょっ、ちょっと……」
キョン「んー?何だこりゃ」カチカチ
ハルヒ「近いわよ、ちょっと離れなさいっ」
キョン「こら押すなバカ、痛い」カチカチ
ハルヒ(……あ)
キョン「ああ、ここがこうなって……」カチカチ
ハルヒ(キョンの指って、意外と綺麗なんだ)
キョン「……」カチカチ
ハルヒ(……)ぼーっ
PC<ドゥン!
キョン「うわびっくりしたぁ!」
ハルヒ「っ!!」ビクッ
キョン「音量下げとけよ全く……」
ハルヒ「う、うるさいわね!(完全に見とれてた……)」
キョン「えっと、音量音量……っと」カチカチ
ハルヒ「……」
ハルヒ(ぱっと見は綺麗だけど、よく見るとゴツゴツしてて男っぽい)
ハルヒ(伸ばしっぱなしかと思いきや、意外に爪もきちんと切ってあるし……)
ハルヒ「……」ドキドキ
ガチャッ
長門「……」
みくる「あ、長門さん来ましたよー」
キョン「長門ー、ちょっとこれ見てくれないか」
ハルヒ「待って」
キョン「え?」
ハルヒ「有希にやらせちゃだめ。あんた一人で解決しなさい」
キョン「なんでだよ。長門に任せりゃ一発だろ」
ハルヒ「あんたが直してやるって言ったんでしょ?言ったことに責任持ちなさいよバカキョン」
長門「……」
キョン「やれやれ……親切心で言ってやったってのに」
ハルヒ「団長命令!」
キョン「へいへい」
キョン「むー……」カチカチ
ハルヒ「……」じーっ
キョン「あれー?」カチカチ
ハルヒ(マウスを握る手が妙に色っぽく見える)ドキドキ
キョン「……」
ハルヒ(なんでこんなにドキドキしてるんだろ……)
キョン「おいハルヒ」
ハルヒ「ふぇっ!?」
キョン「どうしたさっきからボーっとして」
ハルヒ「なっ、なによ、関係ないでしょ!さっさと取り組みなさいよ!」
キョン「いや目の前でずっと黙られるとなんかこうプレッシャーがな」
ハルヒ「知らないわよそんなの……」
ガチャッ
古泉「おや、今日は仲がよろしいようですね」
キョン「来るなりうるさい奴だな」
古泉「お二人で何をなさっているのです?」
キョン「別に一緒になってやってるわけじゃねえよ」
ハルヒ「手出ししちゃだめよ古泉くん。こいつ一人にやらせてるんだから」
古泉「なるほど……了解しました」
みくる「今お茶淹れますねー」
古泉「ありがとうございます」
ハルヒ「……」
キョン「……」カチカチ
ハルヒ(マウスのホイールをいじる指が、なんかやらしい……)
ハルヒ(あ……スクロールやめちゃった)
ハルヒ(もっと見てたいのに……)
キョン「おい」
ハルヒ「な、なに?」
キョン「もしかしてお前ここクリックしたか?」
ハルヒ「そんなの覚えてないわよ……」
キョン「ああそうかよ」カチカチ
ハルヒ(キョンの手って、触ったらどんな感じがするんだろう)
ハルヒ(触れてみたい。ごつごつした骨の形をなぞってみたい)
ハルヒ(……)ドキッ ドキッ
ハルヒ「ちょ、ちょっと貸して」スッ
キョン「!」
ハルヒ「……」ドキドキ
キョン「おい、手」
ハルヒ「あんたがマウス放しなさいよ」
キョン「んなこと言ったって……手重なってちゃ、どうしようも」
ハルヒ「んっと、これを開いて……」カチカチ
キョン「おい適当なことするなよ」
ハルヒ「こんなの勘よ勘!フィーリングでなんとかするのよっ」カチカチ
キョン「だったら最初からそうしろって……」
ハルヒ「……」ドキドキ
ハルヒ(ちょっと強引すぎたかな……)
ハルヒ(やばい、テンパって自分でも何してるかわかんない)
ハルヒ「……」カチカチ
キョン「おい、そのアイコンを」
ハルヒ「うるさい!」
キョン「な、なんだよ……いきなり大声出すなって」
ハルヒ(なんかめちゃくちゃ恥ずかしくなってきた……さっさと直りなさいよもうっ)
PC<ピロン
ハルヒ「あっ……」
キョン「あれ?」
ハルヒ「直ったの?これ」
キョン「いや俺に聞かれても……バグる前の正常な画面に戻ったのか?」
ハルヒ「うん……多分」
キョン「多分ってなんだよ」
ハルヒ「……」
キョン「……おい」
ハルヒ「えっ?」
キョン「いつまで俺の手を拘束してんだ」
ハルヒ「あっ、ご、ごめん」
キョン「なんだよ。しおらしくて気持ち悪いな」
ハルヒ「うるさい、ばか」
キョン「さてと……やっと終わったか……」
ハルヒ「……」
ハルヒ(まだドキドキしてる……顔が熱い……)
ハルヒ(……)
ハルヒ(キョンの手……あったかかったなぁ)
古泉「ではナイトをここに」コトッ
キョン「んー、そうきたか」
ハルヒ「……」
キョン「あ、これいただき」コトッ
古泉「むう……」
ハルヒ「……」ガタッ
古泉「おや、どうかされました?」
ハルヒ「暇なの」
キョン「静かに惰眠でも貪ってればどうだ」
ハルヒ「うるさい」
古泉「では代わりましょうか?もうすぐ決着がつくと思うので」
ハルヒ「観戦でいいわ」
キョン「俺と古泉の勝負なんて見てて楽しいか?」
ハルヒ「暇つぶしだから。別にいいの」
ハルヒ「……」じーっ
キョン「……」
古泉「……」
ハルヒ「……」じーっ
キョン「こうやって見られてると気が散るな」
ハルヒ「なによ、たかがチェスくらいで」
古泉「ではここに……」
ハルヒ「それよりそこのポーン動かした方が良いわよ」
キョン「あ!お前、手助けなんて」
ハルヒ「ふふ。古泉くん弱いから。ハンデよハンデ」
古泉「かたじけないです」
キョン「くっそ……」
ハルヒ「……」じーっ
キョン「んー……」イジイジ
ハルヒ「……」
キョン「どう動くか……」イジイジ
ハルヒ「……」
ハルヒ(無意識にやってるのかな……駒を指でいじるの)
ハルヒ(……)
キョン「ん~」イジイジ
ハルヒ(なんか……あれ……)
ハルヒ(駒を手で弄んでるみたい……)
キョン「……」イジイジ
ハルヒ(なんか……すごく、やらしい……)ドキドキ
キョン「ここだっ」コトッ
古泉「ほう……」
ハルヒ「……」ドキドキ
キョン「これでもう時間の問題だな」
古泉「まだまだ」
ハルヒ「……」ドキドキ
ハルヒ(早くキョンのターンになればいいのに)
ハルヒ(……もっと、見たい……)
古泉「これでどうです」コトッ
キョン「む」
ハルヒ「……」ドキドキ
キョン「んー、どうするかな……」イジイジ
ハルヒ(あっ……)ドキドキ
キョン「……」イジイジ
ハルヒ(……)
ハルヒ(あたし……今日はどうしちゃったんだろ)
キョン「よーし」イジイジ
ハルヒ(あの駒、クイーンよね……)
ハルヒ(クイーンがキョンの指でいじられてる)
ハルヒ(……)ドキッ ドキッ
キョン「ここだ」コトッ
古泉「うーむ」
ハルヒ「……」ドキッ ドキッ
キョン「おい、ハルヒ?」
ハルヒ「っ……!な、なによっ?」
キョン「お前風邪気味なのか?」
ハルヒ「はぁ……!?」
キョン「顔も赤いし……それにさっきから息荒いぞ。鼻でも詰まってんのか?」
ハルヒ「ばっ……馬鹿っ!!いきなり何言ってんのよバカキョン!!」
キョン「おいおい……心配して言ってんのに」
ハルヒ「誰だって呼吸してるんだから!!そんなの仕方ないでしょ!」
みくる「保健室……開いてるでしょうか」
長門「問題ない」
ハルヒ「ちょっとちょっと!別に風邪なんか引いてないわよ……ただちょっと」
キョン「?」
ハルヒ「鼻炎気味なの!昨日から……」
キョン「風邪みたいなもんじゃねえか」
ハルヒ「うるさいわね!!」
キョン「はいはい分かったよ」
ハルヒ「はぁ……はぁ……」
ハルヒ(大声出してよけいに息乱れたじゃない……)
ハルヒ(もういや……恥ずかしい……)
古泉「……」コトッ
キョン「馬鹿め、かかったな」
古泉「あっ」
キョン「チェック」コトッ
古泉「あー……」
キョン「ハンデが足りなかったみたいだな」
古泉「んっふ、これでも上達はしてる方なんですよ」
ハルヒ「……」
キョン「……なぁ」
ハルヒ「なによ」
キョン「お前どうした?」
ハルヒ「は?」
キョン「いや、今日は一段とおかしいと思ってな」
ハルヒ「ばっかじゃないの。あたしはいつも通りよ……」
キョン「そうかぁ?」
古泉「涼宮さんもやりますか?」
ハルヒ「いい」
古泉「オセロや将棋もありますけど」
ハルヒ「別にやりたくないわ」
キョン「だったらなんで見てたんだよ。本当はプレイしたかったんじゃないのか?」
ハルヒ「べっ……別にっ」ドキッ
長門「……」パタンッ
キョン「お、もう長門が読み終わる時間か」
古泉「今日はここまでですか」
みくる「お疲れ様です~」
ハルヒ「……」ドキッ ドキッ
ハルヒ(『プレイ』って言葉に反応してドキっとするなんて、絶対どうかしてるっ……!)
キョン「おいハルヒ」
ハルヒ「え?」
キョン「今日はここまででいいのか?」
ハルヒ「あ……そ、そうね。今日はこれで解散よ!」
キョン「……」
ハルヒ「そ、それじゃ……また明日ね!おおお先に失礼するわ!」ガチャッバタンッ
キョン「声裏返ってたぞあいつ……」
古泉「誰かついていってあげた方がいいですね」
キョン「は?」
古泉「今日の涼宮さんはどうもボンヤリしている。帰り道に事故に遭うことだってあるかも分からない」
キョン「何言ってるんだお前」
古泉「誰か一緒に帰ってあげた方がいいと思いますねぇ」
キョン「……」
古泉「んっふ。というのはまぁ半分冗談でして、まぁ実際のところ最近の彼女の閉鎖空間は……」
キョン「あーあー分かったよもう……行けばいいんだろ」
古泉「走れば昇降口辺りで追い付けると思います」
キョン「くそっ……面倒かける奴だな」
バタンッ!
みくる「うふふ」
古泉「……いや閉鎖空間のことは事実なんですよ?だから」
みくる「またまた、そんなこと言ってぇ」
長門「……」
古泉「神人も閉鎖空間も彼女の欲求不満から生まれるものですからねぇ」
バタンッ!
ハルヒ「はぁっ……はぁっ……」
ハルヒ「あ゛ーーーっ!!!もうっ!!」
ハルヒ「恥ずい恥ずい恥ずい恥ずい……何やってんのよもうっ……!」
ハルヒ「明日顔合わせられないよ……」
ハルヒ「……」ドキドキ
ハルヒ「まだドキドキしてる……もうどうかしてんじゃないの……!?」
ハルヒ「……」ドキドキ
ハルヒ(キョンの手の感触と、ものを弄ってる指の動きが、焼きついて離れない)
ハルヒ(顔が……熱い……)
ハルヒ「はぁっ……はぁっ……」
ハルヒ「キョン……」
ハルヒ「……」
キョン「ハルヒの奴、どこ行った……」
キョン「もしかしてもう帰ったのか?……ったく」
キョン「走った甲斐無しか……」
キョン「……」ガタッ
キョン「靴はまだ残ってる……まだ学校の中なのか?」
キョン「どこに居やがるんだあいつ……」
ハルヒ「……んっ……ぁ……」
ハルヒ「はっ……はぁ……はぁ……あっ」
ハルヒ(あたし学校で何してるんだろ……)
ハルヒ「あっ……!」
ハルヒ(……全部、キョンのせいよ)
ハルヒ(キョンの指がいけないんだから)
キョン「おーいハルヒー」
ハルヒ「!!?」ビクッ
キョン「どこに居るんだか知らんが、えーっと……どっかに居るなら出てこーい」
キョン(ノリで言っちまったが、呼び出す理由も無いのにこう言ってるのも変だな)
キョン(なんか適当な口実は……)
キョン「その、ちょっと話があるんだ。どこに居るー?」
ハルヒ(何やってんのよあのバカ……!廊下であんな大声で……!)
キョン「おーい」
ハルヒ(恥かかさないでよ……こっちの場所も知らないで……!!)
ハルヒ「……」
ハルヒ「行った……かな」
ハルヒ「あのバカ……なんてタイミングに来るのよ……もう」
ハルヒ「あっ……?」フラッ
ハルヒ(ん……腰が……ふらつく)
ハルヒ(うまく、立てない……)
(昇降口)
キョン「散々回ったが、どこにも居ないな……」
キョン「もうこれ帰ってもいいんじゃないのか……?神人の一匹や二匹くらい普通に退治してもらえば……」
ハルヒ「……」
キョン「あ」
ハルヒ「なによ、話って」
キョン「お前どこ行ってたんだよ、部室から追っかけたのに」
ハルヒ「うるさいのよ!廊下で人の名前大声で……!!」
キョン「なんだ聞こえてたのか……だったら返事くらいしろよ」
ハルヒ「バカキョン!!」
キョン「何なんだよもう……やっぱり今日のお前おかしいぞ」
ハルヒ「で、話って何なの」
キョン「あー……なんだったっけ……あそうだ」
ハルヒ「……」
キョン「古泉たちに色々と言われてだな、その、なんだ……一緒に帰らないか?」
ハルヒ「……え?」
キョン「別にこれといった理由は無いんだが……俺も暇でな、どっか寄り道でもしようぜ」
ハルヒ「話って、それだけ?」
キョン「ああ」
ハルヒ「……」
キョン「……」
ハルヒ「……ひとつ、条件があるわ」
キョン「なんだよ」
ハルヒ「手……触らせてよ」
キョン「はぁ?」
ハルヒ「手を触らせてって言ってるの!!」
ハルヒ(『にぎらせて』なんて恥ずかしくてとても言えない)
ハルヒ(かといって『さわらせて』って言うとなんか生々しくて嫌な感じもする)
キョン「へいへい、わがままな団長さんだな」
ハルヒ「いちいちうるさいのよあんたは」
キョン「……」ギュッ
ハルヒ(でも、実際のとこは、同じだから……まぁいっか)
ハルヒ「……ねえ」
キョン「ん?」
ハルヒ「キョンの指って意外と綺麗ね」
(おわり)
乙乙
続きを書いてもいいのよ
Entry ⇒ 2012.02.03 | Category ⇒ 涼宮ハルヒSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
佐々木「まったく…こんなに出してキョンは僕を孕ませたいのかい?」
国木田「あはは…ちょっと言ってみたかったんだ。もし僕が女の子だったら、こんなセリフ言ってたのかなって」
キョン「…なあ。もしかしてお前、まだあんな馬鹿なこと気にしてんのか」
国木田「…。だってやっぱり女の子の方がいいに決まって」
ぎゅっ
国木田「わわっ…!キョン?何を…」
キョン「前にも言ったけどな、俺はお前が男なんてこと気にしてない。俺はお前だから、国木田だから好きになったんだ」
国木田「キョン…///」
あれ?
佐々木「くっく、君は相変わらずだね」
キョン「ん? どういうことだ?」
佐々木「いや、なんでもないよ。それにしても大量に出したものだね」
キョン「我ながら呆れるな・・・どこに入ってたんだ」
佐々木「それは僕の台詞だよ。ああ、すっかり小さくなってしまったな」
キョン「こら、佐々木。繊細な男の尊厳を踏みにじらないでくれるか」
佐々木「別に勃起時のサイズに言及している訳ではないんだがね」
キョン「それは分かっているが・・・」
佐々木「とは言え、僕は君以外の経験がないものでね、実際君のものが大きいか小さいか判断しかねるよ」
キョン「・・・それも分かってるさ」
キョン「おう、そりゃ良かった」
佐々木「それにしても、君はいつまでこんなことを続けるつもりだい?」
キョン「・・・」
佐々木「卑怯な質問だったかな?」
キョン「いや・・・」
佐々木「・・・くっくっ」
キョン「佐々木?」
佐々木「そんな顔をしないでおくれ、キョン。僕は君にそんな顔をさせたまま別れたくないんだよ」チュ
キョン「・・・すまん・・・」チュ
佐々木「ん・・・ふふっ、相変わらずキスが好きなんだな、君は」
キョン「・・・お前だけだよ」
佐々木「・・・ありがとう、キョン」
キョン「・・・」
ブーッ ブーッ
佐々木「出たまえ」
キョン「・・・ああ」
ブーッ ピッ
キョン「・・・もしもし、ああ、おう、そうか・・・ああ、分かってる、うん、分かってるよ」
佐々木「・・・」
キョン「ああ、それじゃまた後でな、じゃ」ピッ
佐々木「愛しの涼宮さんから呼び出しかい?」
キョン「・・・そんなんじゃ、ない、さ」
佐々木「・・・君は1人で出たまえ、鉢合わせても困るだろう」
キョン「いつも、すまんな」
佐々木「良いのさ・・・」
キョン「じゃあ、またな、佐々木」
キョン「・・・また、やっちまった・・・」
キョン(これで、何度目だ・・・? 3・・・いや、4回、か・・・?)
キョン(佐々木の優しさに甘えて・・・佐々木を傷つけている・・・)
キョン(それでもどちらかを選べない・・・俺は最低野郎だ・・・)
ブーッ ブーッ
キョン「もしもし? ああ、今、移動中だよ、ちょっとくらい待てんのか、お前は」
キョン「分かってる、分かってるから落ち着け・・・ああ、それじゃあな」ピッ
キョン「・・・くそ・・・っ」ダッ
---
佐々木「・・・キョンの・・・バカ・・・バ、カ・・・」ポロッ
佐々木「ぐっ・・・ひぅ・・・ひぐっ・・・うぅぅぅ・・・」ポロポロ
佐々木「わぁぁぁぁぁぁぁ・・・!」バタッ
キョン「うっせ・・・こ、これでも・・・急いだんだぞ・・・」ゼェゼェ
ハルヒ「ふん、どんだけ頑張っても遅刻した事実には変わりないの」
キョン「ぐっ・・・」
ハルヒ「そういう訳で、ここアンタの奢りね」
キョン「・・・わーってるよ・・・」ドスッ
長門「・・・」
古泉「お疲れ様です」ボソッ
みくる「だ、だいじょうぶですかぁ?」
キョン「ええ、朝比奈さんのご尊顔を拝し、元気出ましたよ」
みくる「ふえっ・・・///」
ハルヒ「キョン! みくるちゃんを口説いてんじゃないわよ! 百年早いわ!」ガスッ
キョン「いてぇ!!」
キョン「おい待て、俺はここまで全力で走ってきたんだぞ、もうちょっと休ませろ」
ハルヒ「そんなの知らないわよ、アンタが遅刻したのはアンタのせいでしょ」
キョン「お前な、集合15分前にいきなりここに呼び出されたら自宅からでも遅刻するぞ」
ハルヒ「でもみんな時間通り来てたわよ? 有希なんて私より早いんだもん、びっくりしちゃった」
古泉「まぁまぁ、涼宮さん。ここは団長として寛容な心を示し、その威容で団員を照らすのも良いかと」
ハルヒ「・・・ふん、そうね。良いわ、特別にキョンがブレンド飲み終わるまで待ってあげる。感謝しなさい」
キョン「・・・ああ、ありがとよ、古泉副団長」
古泉「いえいえ」
ハルヒ「団長であるアタシに感謝しなさいっての!!」
キョン「はいはい、アリガトウゴザイマスダンチョウサマ」
ハルヒ「片言で感謝するな! バカキョン!」ゲシッ
キョン「だからいてぇ!!」
古泉「ある意味、仕組まれたタイミングだとも言えますが」
キョン「どういうこった」
古泉「いえ、何も。しかしこうして涼宮さんと別れて僕たち2人だけで話ができるというのは結構な事です」
キョン「・・・そうだな」
古泉「まさかこんなタイミングで涼宮さんから集合をかけられるとは正直思っていませんでした」
キョン「何が、『いつもと違う時間帯だからこそ見つかる不思議もあるはずよ!』だよ・・・」
古泉「いやしかしなかなか論理的な思考の結果とも言えます。昼間に見つからないなら夜間探せば良い、というのはね」
キョン「それでこのクソ寒い夜に野郎と2人で探索だぞ・・・? どうせなら春や夏にしてもらいたかったね」
古泉「まぁ、それについては同意せざるを得ませんね・・・」クスッ
キョン「・・・」
古泉「・・・それで、彼女のことですが、直前までお会いになっていたんですよね」
キョン「ああ、まぁな」
キョン「いや、そういう事はない、が・・・なぁ、古泉」
古泉「はい」
キョン「お前、回らない寿司とか、神戸牛の霜降りとか食ったことあるか?」
古泉「は?」
キョン「この際なんでも良い。ミシュランの星レストランでもなんでも、いわゆるご馳走ってやつさ、お前にとってのな」
古泉「ま、まぁ、それなりに」
キョン「お前は、それを食ったらすぐに歯磨き粉たっぷりつけて、歯を磨くか? 目の前に自分が平らげた皿が
残ってる、もしかしたらまだ料理が乗っている状態で、シャカシャカ歯を磨いたりするか?」
古泉「いえ、それはしませんね」
キョン「だろ? それは美味いものを食った余韻に浸っているからだ」
古泉「・・・そうですね」
キョン「つまりはそういうこった」
古泉「・・・申し訳ありません・・・」
キョン「お前のせいじゃないさ・・・」
みくる「あはは・・・そうですかねぇ・・・」
ハルヒ「みくるちゃんはキョンに少し甘いのよ! アイツにはもっと厳しくしなきゃ!」
みくる「え、ええ~」
ハルヒ「有希もそう思うでしょ?」
長門「・・・彼は、よくやっていると思う・・・」
ハルヒ「え~、そうかしら? いつも遅れてくるし、気は利かないし・・・」
長門「・・・男は度胸、女は度量・・・」
ハルヒ「へー、有希ってば面白い事言うわね。うーん度量ねえ・・・」
みくる「そ、そうですよ~、キョンくんの事も大きな度量で・・・」
ハルヒ「いや、やっぱダメだわ! アイツはもっとビシバシやってやらないと!」
みくる「え、ええ~!」
長門「・・・」
キョン「そういうお前は何か見つけたのか?」
ハルヒ「ふん! 今日は調子が悪かったのよ!」
キョン「なんだそりゃ・・・じゃあ俺も調子が悪かったってことで・・・」
ハルヒ「そんな言い訳が通ると思ってんの!? このアホンダラ!!」ガスッ
キョン「・・・っ」
みくる「ひゃ・・・」ビクッ
古泉「・・・」
長門「・・・」
ハルヒ「ったくもう・・・アンタは補講。良いわね、この後、アタシと2人で追加探索よ!」
キョン「なんだそりゃ・・・もう23時だぞ・・・警察に見つかったら補導されるだろうが」
ハルヒ「そんなの逃げれば良いわよ! ささっと隠れちゃえば良いんだしね♪」
キョン(ダメだこいつ・・・早くなんとかしないと)
古泉(これは・・・少々まずい事になったかもしれませんね)
ハルヒ「ダメよ、キョンには不思議探索の何たるかを団長自ら再教育してあげる必要があるわ!」
みくる「で、ですけど・・・」
ハルヒ「みくるちゃんはキョンに甘すぎ!」
みくる「ひうっ」ビクッ
古泉「・・・わかりました・・・ですが、ご家族に心配をかけさせないために、一度連絡を取らせて差し上げるべきでは」
ハルヒ「・・・そうね、SOS団がネガティブな偏見を持たれるのは避ける必要があるもんね、良いわ、許可します」
古泉「ありがとうございます」カチッ
ハルヒ「じゃあキョン、家族に連絡入れたらすぐ行くわよ!」
キョン「へいへい・・・」
キョン(ん? メール受信中? 誰だ、もしかして佐々木か・・・?)
<メール受信 古泉>
キョン(お前かよ・・・って、目の前にいるのにどうしたんだ?)
件名:(無題)
本文:涼宮さんは あなたと ふたりきりが 楽しみなようです
とくに 警察云々は 彼女の 心の金銭に 触れたかもしれません
実現する可能性がありますので ご注意を
キョン(・・・俺が携帯を見ることを許可されるタイミングまでメール送信を待ってたのか)
キョン(しかもポケットに携帯を入れたまま打ってたから誤変換されてやがる)
キョン(まぁ琴線、だろうな・・・つまり俺はまた余計な事を口走ったらしい)
キョン(警察官に追い回されるという非日常に浮かれていやがる、と・・・)
キョン(・・・ああ・・・マジで帰りてぇ・・・)ブーッ
<メール受信 佐々木>
キョン「のわっ!?」
ハルヒ「ちょっと、まだ!?」
キョン「うっ、あ、ああ、悪い悪い」
ハルヒ「ったく、のろいわね・・・」ブツブツ
送信者:佐々木
件名:今日はありがとう
本文:いつもお疲れ様。今日も楽しかったよ。
また時間を作って一緒にいてくれると僕はとても嬉しいよ。
家に着いたから寝るよ。良い夢を、願わくば君の夢を見たいものだ。
キョン(・・・)ピッ ピッ
キョン「ああ、もしもし、母さんか? ああ、すまん、ちょっと今日は遅くなる。
え? いや心配はいらない、大丈夫、変な事はしないって! うん、うん、
鍵はあるから閉めて寝てくれ、それじゃあ、ああ、おやすみ」ピッ
キョン「よし、行くぞハルヒ!!」メラメラ
ハルヒ「えっ、え、ええ・・・まぁ、い、行きましょうか」
キョン「さぁ行くぞ! ほら、レッツゴー! ははははは!!」ダダッ
ハルヒ「な、なんなのよ・・・もう・・・!」ダッ
みくる「ふえぇ・・・キョンくん、いきなり元気になりましたけど、どうしたんでしょう・・・」
古泉「・・・天の配剤、というやつでしょう。それはそれで悲劇かもしれませんが」
長門「問題ない・・・彼にしかできない事は、彼になら大丈夫という事だから」
古泉「ははっ、これは長門さんに一本取られましたね」
ハルヒ「ちょ、ちょっとキョン・・・いやに上機嫌じゃない・・・」
キョン「そうか?」
ハルヒ「そうよ・・・」
ハルヒ(もしかしてコイツ・・・あ、アタシと一緒だから・・・二人きりだから・・・浮かれて・・・?)
ハルヒ(それってやっぱり・・・コイツ、アタシのこと・・・そういう意味よね・・・)
ハルヒ(も、もう・・・ホント、素直じゃないんだから・・・///)
ハルヒ「ほ、ほら、手ぇ繋ぐわよ」
キョン「いや、別に良いが?」
ハルヒ「な、なんでよ!?(な、なんなの!? 女の子が勇気出して手を繋ごうって言ったのよ!?)」
キョン「いや、人に見られるからな・・・」
ハルヒ(あ、ああ・・・恥ずかしがってるのね・・・もう、面倒くさいやつね!///)
キョン(やっぱハルヒじゃなく、佐々木しかいないわ・・・ダメだ・・・こいつといると疲れしかない)
キョン「ん?」
ハルヒ「アンタさ、好きな人とか・・・いるんじゃないの?」
キョン「!?」
ハルヒ「その反応・・・やっぱりそうなんだ・・・///」
キョン「おま・・・なぜそれを・・・?」
キョン(まさか佐々木のことがバレたのか!? やばい、ヤバイぞ! 古泉との約束が・・・!)
古泉「・・・なんですって?」
キョン「・・・2度言わんと言ったはずだが」
古泉「・・・僕の気持ちも考えてくださいよ・・・」ガクッ
キョン「すまんとは思ってるさ」
古泉「本当ですか?」
キョン「・・・まぁ・・・一応」
古泉「・・・これは大変な事態ですよ・・・」
古泉「佐々木さんと・・・寝たなんて・・・」
キョン「言うなよ恥ずかしい///」
古泉「頬を赤らめて照れないでください・・・」
キョン「・・・最近、ハルヒの横暴さが激化してるだろ?」
古泉「まぁ、否定はしません」
キョン「で、昨日のアレだ」
古泉「・・・はい・・・」
キョン「もうな、俺は我慢の限界だった。でもな、それをハルヒにぶつける訳にはいかん、そうだろ?」
古泉「そうですね・・・あの場はよくぞ堪えてくださったものだと感嘆の念を禁じえませんでした」
キョン「いつぞやの二の舞は俺も避けたかったんだ、けどな、そのはけ口がどこにもなかった」
古泉「・・・僕で良ければ・・・」ボソッ
キョン「ん?」
古泉「いえ、それで、その佐々木さんに?」
キョン「ああ・・・恥ずかしい話だがな」
古泉「怒りの、感情の赴くまま、滾った全てをぶつけるように彼女に?」
キョン「お前は何を言っているんだ」
『・・・まったくアイツときたら・・・』
『・・・もうこれ以上付き合ってられん・・・』
キョン「・・・俺の愚痴に延々付き合ってくれたよ、嫌な顔ひとつせずな」
古泉「さすがにもう1人の神候補だった方、と申し上げるべきでしょうか、超越した精神性ですね」
キョン「心地よいリズムで入る相槌、なだめるような母性を感じさせる口調・・・もうな、限界だった」
キョン「泣いた。人目も憚らず泣いたのなんて初めてだったよ・・・ジーサンの葬式でも涙は出なかったのにな」
古泉(・・・そこまで・・・)
キョン「アイツはその間も背中をさすって横にいてくれた」
キョン「そして俺は、誘われるまま、佐々木と一夜を共にしたんだ」
古泉「なんと・・・」
キョン「まぁ、それがなけりゃ、不登校にでもなってたかもしれんが」
古泉「そう、ですか・・・」
古泉「はい」
キョン「スマンが、無理だ。佐々木がいなけりゃ、俺はもうハルヒとは付き合ってられん」
古泉「・・・必要とあれば、機関から女性を、その目的でお送りしますが」
キョン「アホか。俺が欲しいのは女じゃねえ。佐々木だ」
古泉「・・・ですよね・・・分かっています。失言でした」
キョン「・・・俺の立場も状況も分かっているつもりだ・・・だからお前には言っておこうと思ってな」
古泉「そのお気持ちは純粋に嬉しいですね。良いでしょう、分かりました。いくつか約束を」
キョン「約束?」
古泉「はい。以前と違い、佐々木さんを御輿に担ぐ組織は既に弱体化、ほとんどその体をなしていません」
古泉「今なら、佐々木さんごと彼らを取り込めると思います。
その上で、彼女との逢瀬は我々がスケジュール管理させてください」
キョン「なんだと?」
古泉「佐々木さんと会うのは構いません、しかし涼宮さんに万が一にもバレてはいけない事もご承知のはずです」
キョン「そりゃな」
古泉「ですから、監視などを含め、こちらで調整を行ってから、貴方には佐々木さんと会って頂きたいのです」
キョン(バレたら、文字通りただ事じゃ済まない・・・だからこそ俺はその約束に乗った)
キョン(そして佐々木もそれを受諾してくれた・・・)
キョン(お互いの都合、SOS団、そしてハルヒ・・・それらが全部上手いこと都合がついたのは今日をあわせ4回)
キョン(本当ならもっと会いたいくらいなんだが、世界の破滅と俺個人の幸せを天秤にかけられる訳もない)
キョン(しかしいずれ真実を告げなくてはいけない・・・分かっていたはずだ)
キョン(ハルヒはどうやら俺のことを好意的に思っている、それも分かっていたことだ)
キョン(だが、しかし、俺には・・・俺は―――――!)
ハルヒ「ね、ねぇ、キョン・・・アタシ、知りたいんだけど」
キョン「・・・なにを、だ?」
ハルヒ「アンタの・・・その・・・好きな人の、名前///」
キョン「・・・良いのか?」
ハルヒ「・・・うん・・・聞かせて///」
キョン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・佐々木だ」
ハルヒ「わ、私も・・・って、・・・は?」
ハルヒ「・・・え? わ、わた、私じゃないの?」
キョン「いやー、まさかお前の方からちゃんと言ってほしいなんて言われるとは思わなかったんだがな」
ハルヒ「・・・あれ?」
キョン「いつか言おうと思っていたんだがなかなか踏ん切りがつかなくてなあ」
ハルヒ「はえ?」
キョン「これでも相当悩んだんだぞ? こういうのはタイミングもあるし・・・」
ハルヒ「・・・ふぇ?」
キョン「けど、言ったらスッキリしたぜ! ありがとな、ハルヒ!! お前のおかげだ!!」キラーン
ハルヒ「え・・・? あ、あぁ、よ、良かったわね・・・?」
キョン「よし、こうなったら早速佐々木にこの気持ちを伝えに行くとするか
・・・ってこんな時間だからさすがに迷惑だな、はっはっは」
ハルヒ「そ、そうね・・・もう良い子は寝る時間だものね」
キョン「そうだな、じゃあ俺たちも帰るとするか!」
ハルヒ「う、うん・・・はい・・・ええ? あ、あれ?」
森(ちょっ・・・古泉・・・アレどーすんの? キョン君バラしちゃったじゃない!)
古泉(・・・これはもう何が起こるか・・・お決まりのコースですね・・・)
森(・・・あー・・・今月のサビ残、また200時間か・・・)
古泉(・・・森さんは今、管理職ですから残業は適用されませんよ)
森(・・・チッ・・・)
佐々木「きょ、キョン!?」ガバッ
送信者:キョン
件名:起きてるか?
本文:佐々木、お前のことが好きだ。付き合おう。
佐々木「・・・」
-----
ハルヒ「・・・なんで・・・?」
ハルヒ「なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで」
ハルヒ「アイツじゃなく、あの女なのよおおおおおおおおおお!!」
-----
閉鎖空間「来ちゃった♪」
古泉「超弩級のが来ましたね・・・いつぞやの時以来ですか・・・」
森「ま、待って、これ・・・!?」
古泉「こ、この音楽は・・・!!」
http://www.youtube.com/watch?v=3JWTaaS7LdU&ob=av2n
古泉「へ、閉鎖空間が・・・!?」
森「桃色で染まっていくわ!!」
古泉「こ、こんな事はいまだかつて・・・!」
森「こんなの初めて・・・!」
スゥゥゥゥゥウ
古泉「・・・閉鎖空間が、消えた・・・」
森「ど、どうなって・・・あ、あれ、私たち・・・」
古泉「超能力が・・・消えた・・・?」
森「まさか、これは・・・」
古泉「涼宮さんが・・・神ではなくなった・・・?」
------
送信者:佐々木
件名:うん
本文:不束者だけど、末永くよろしくお願いするよ、キョン。愛してるよ
キョン「いいいいいいいやっほううううううううううううううううううううううううう!!!」
キョン(あの後聞いた事だが、日付が変わる頃、ハルヒは神ではなくなったらしい)
キョン(恐らく佐々木に移譲されたのだろうという古泉の推測だ)
キョン(推測、というのは、古泉はもう超能力者ではなくなり、それが分からなくなったからだ)
キョン(機関は即日解体。今日から普通の男子高校生として過ごせますと零した古泉の顔は、初めて見る表情だった)
キョン(無理もない。これまで世界の命運を背負わされていたんだからな)
キョン(何故かコチラを見る目が熱っぽかったのは気のせいだろうと思っている。思うことにした)
キョン(別れの挨拶に来た森さんが、別れ際、俺のケツを触ってきたのも多分偶然だと思う)
キョン(消滅してしまうのかとも危ぶんだが、大丈夫だったらしい)
キョン(それどころか、朝倉を復活させる始末なのだから情報統合思念体とやらが何を考えているのか)
キョン(全く検討もつかないね・・・気になるのは長門がNTR系の官能小説に手を出している事だが・・・)
キョン(朝比奈さんは未来へと帰る予定だったが、まだもう少しこの時代にいるらしい)
キョン(今日の団活でやけに背中にあの豊かなバストがぶつかったがアレはなんだったのだろうな)
キョン(いや、非常に素敵な想いをしたのだが・・・)
佐々木「キョン、何か不埒なことを考えてるね?」
キョン「おわっ!? そ、そんなことはないぞ!?」
佐々木「いーや、鼻の下が伸びていた。別の女、さしずめ朝比奈さんかな?」
キョン「なぜ分かる!?」
佐々木「やはりか」
キョン「・・・」
キョン「悪かったよ・・・なんとなく感傷がな・・・」
佐々木「感傷か」
キョン「ああ、そうさ」
佐々木「なら仕方ない。それは人が記憶を残しつつ、
汚い部分をそぎ落とし、綺麗な思い出を作るのに必要な工程だからね」
キョン「でも悪かったよ。今は目の前に最高の彼女がいるんだ、そっちに集中しないとな」クインクイン
佐々木「ばっ・・・な、何を言うんだ・・・君は・・・んっ/// ふぁっ・・・///」
キョン「・・・佐々木、好きだぞ」グッ
佐々木「んっ・・・僕もさ・・・あっ・・・好きだよ、キョン・・・好き・・・好きぃっ」ギシッギシッ
キョン「くっ・・・佐々木・・・出るぞ・・・!」ジュポッジュポッ
佐々木「出して・・・いっぱい・・・赤ちゃんできるくらい・・・いっぱい出してっ・・・!」ズチュッズチュッ
キョン「佐々木ぃぃぃぃっ」ドクドクドクッ
佐々木「ふあ・・・ぁ・・・あぁぁっ・・・っ! ・・・い、いっぱい、出たぁ・・・もう、僕、孕んでしまうよ・・・?///」
キョン「いいさ、その時は二人で育てよう」ギュッ
佐々木「バカ・・・///」ギュッ
ハルヒは結局泣き寝入りか
Entry ⇒ 2012.01.14 | Category ⇒ 涼宮ハルヒSS | Comments (0) | Trackbacks (0)