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ソーニャ「この広い青空の下」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333102871/
後日談っぽい話なのでやすなとソーニャは20代ぐらい
「はぁ……、はぁ……」
くそっ……。こんなへまをするなんて迂闊だった……。
「がはっ……。うぅ……」
腹部に受けた傷がぎりぎりと痛み、口から血の臭いがしてきた。
打ち所が悪いみたいだ……。意識が……。
よたよたと歩いていると、後ろの方からどかどかと足音が近づいてくるのが聞こえてきた。
もう追い付かれたのか……。武器もまともに残っていないし、これじゃあ……。
くそっ、こんなときにこいつの顔が浮かぶなんて……。
──ソーニャちゃんって意外と小心者なんじゃないのぉ~?
しかも、何だかイライラしてきた……。最期なのに何でこいつのことばっかり……。
──や~い! ソーニャちゃんのぶああああぁか! ぶああああぁか!
「……いい加減にしろおおおぉ!」
──ふふふ、腕が鈍ったんじゃないのぉ?
手ごたえはあったはずなんだが、逃げられた!?
「何だとぉ……! こいつっ……!」
自分の粗い息づかいだけが聞こえる中、闇雲にやすなを追いかけては虚空に手を伸ばしていた。
「こいつ……! いつも調子に乗りやがって……!」
いつもいつも私をおちょくって、殴っても蹴っ飛ばしてもうっとうしく纏わりついてきたバカ……。
私は……、私は……。
「はっ……!」
気がつくとやすなの影は無く、私は空を仰いで倒れていた。
横を見てみると、私を追いかけて来たたくさんの敵が倒れていた。
何だ? 私がやったのか……。
「へへっ……」
やすなの幻影で助けられるとは、私もいよいよだめかもしれない……。
とにかく任務は完了している。あとは撤収するだけだ……。
「はぁ……! はぁ……! うぐぅ……!」
揺らぐ視界の中で、ぽたぽたと体にあたる何かを感じていた。
「雨、か……」
どうやら体に当たるのは雨らしい。ぽたぽたと私の体を濡らしている。
雨は匂いとか足跡を消してくれる。好都合だ。
私は震える足を何とか動かして、先へと進んだ。
が……。
「うぅ……」
体が前のめりになるのを感じ、踏ん張ろうとしたがそれもできなかった。
足がもつれて、そのまま体は重力に引かれていった。
あぁ、落ちていく……。
何もできないまま宙を舞い、そんなことをぼんやりと考えていた。
ドボンッ。グルグルグルグル……。
ひどい衝撃と共に耳と鼻がキンと痛くなり、海水が口の中に入ってきた。
もう、死んでしまうのだろうか。
冷たい。体が寒い……。
体の感覚も時間の感覚も無くなってしまい、ただ流れに漂うだけ……。
人間なんて、死ぬときはみんなこんなものなんだろうか。
……。
光……? 何か、光っている……。
それに、温かい……。
天国、か? いや、私がそんな所に行くわけがない。
──大丈夫ですか?
誰だ……?
──立てますか?
何だろう。またあいつの声が聞こえる気がする……。
「……」
ほんのりと漂う温かい匂い。そうだ、これは太陽の匂いだ。
目を開いて見ると、辺りは真っ白な光が溢れていた。
「うっ……!」
意識がはっきりしてきて身じろいでみると、体中が痛く重かった。
どうやらここは天国ではないらしい。
頭を動かすと、真っ白な部屋に真っ白な棚がずらりと並んでいるのが見えた。
中には茶色い瓶が整頓されており、薬を入れておくものに見えた。
ここは一体どこだ?
更に頭を振ってみると、レースが風に揺られていてさんさんと注ぐ日光を弄んでいた。
「……温かい」
太陽って、こんなに温かかったんだな……。
生きてもう一度太陽が見られるとは思ってもみなかった。
「ソ、ソーニャちゃん……!」
誰かの声が聞こえてきたので視線をずらすと、白衣を着た同じ歳ぐらいの女性が入口に立っていた。
「目が覚めたんだね!?」
私が目が覚めたことを確認すると、弾けんばかりの笑顔を見せて駆け寄ってきた。
「よかった……! 本当によかった……!」
動く気力も無く、私はその女性に痛いぐらいに抱きしめられていた。
……あれ? 何でこいつが私の名前を知っているんだ?
ようやく頭が回り出し、私は警戒しながらその女性を見つめた。
私の名前を知っているやつなんてほとんど同じ稼業の奴しかいない。
だけど、こいつからはそんな雰囲気は無い……。こいつは誰だ?
「あれ? もしかして私が誰かわからない?」
一体誰なのか考えていると、涙目のまま私の顔を覗き込んできた。
何だか妙に馴れ馴れしい奴だな。それに、この雰囲気は……。
ま、まさか……。
「お、お前……、やすなか?」
「そうだよ、ソーニャちゃん!」
「ほ、本当にやすなか?」
目の前にいるやすなは白衣を着ていて、その姿は誰がどう見ても医者の格好だった。
やすなが医者だと? 悪い冗談だろう?
私の中にあるやすなと、目の前のやすながまったく一致しなかった。
「本当も嘘も無いよ。ソーニャちゃんの友達の折部やすなだよ」
疑っている私を見つめて、涙を拭いながらやすなはにっこりと笑った。
その笑顔はあの時のままで、何も変わっていなかった。
それに少しだけほっとしつつ、私は状況を確認した。
「やすな……、ここは……」
「無理しないで。ソーニャちゃんあれから一週間も寝ていたんだから」
「一週間……?」
まさか、あれから一週間以上も経っているのか……。
「おう、やすなちゃん。お友達が起きたかね!」
「あ、どうも!」
声のする方を見ると、初老ぐらいのおじいさんが入口でにこにこしながら立っていた。
「勝手に道具を使ってすみませんでした。費用は私の給料から引いておいてください」
「そんなの構わんよ」
「でも、悪いですよ」
「いいんじゃよ。それより、目が覚めてよかったのぉ」
「本当にありがとうございました」
やすなとのやりとりを聞いて、どうやら本当にここの医者らしいことはわかった。
「私は仕事に戻るけど、ケガが酷いんだから勝手に動いちゃだめだよ?」
しばらくここに残っていたいそぶりを見せたが、そう言い残すとやすなは出て行ってしまった。
正直こんな状態になっていると、この隙を突かれて襲われそうで不安だ。
しかし、体は重いし痛みもある。それにとてもだるくて何もする気が起きなかった。
仕方がない、ここはひとまず眠るか……。
「……」
私が目を覚ますと、ほとんど日は沈んでいて部屋が暗くなっていた。
こんなに寝たのは風邪で寝込んだ時以来だな。夢らしい夢も全く見た覚えも無く気持ちよく眠れた。
体はまだ痛いが、ようやく自分の置かれている状況を見渡せる余裕ができた。
さっきは気付かなかったが、どうやらここは診療所の奥の方にある部屋らしい。
向こうの方からやすなとさっきのおじいさんが話しているのが聞こえてきた。
「私が責任もって面倒見るので、心配しないで下さい」
何だかやすなにそう言われると癪にさわるが、実際に面倒を見てもらう側なので仕方がない。
「その方が良いかもしれんがなぁ……」
おじいさんは唸って悩んでいるようだったが、仕方がないなと笑った。
「何かあったらすぐにいいなさい」
「ありがとうございます」
「それじゃあ、頼んだよぉ」
「わかりました」
おじいさんはそう言い残すとドアの音を残して出て行った。
「あ、ソーニャちゃん起きた?」
「あぁ、今起きたところだ」
「ごめんね、電気つけるよ」
やすなは部屋の電気をつけると、ペットボトルとコップを持ってベッド脇の椅子に座った。
「はい、喉乾いているかと思って」
「すまない」
コップに注がれた水を少しずつ流し込むと、それに体中の傷が疼いた。
「大丈夫?」
「なんてことは無い」
少し強がって言ってみたが、水を飲むのにも苦労するとは思っていなかった。
「あ、ソーニャちゃん起きた?」
「あぁ、今起きたところだ」
「ごめんね、電気つけるよ」
やすなは部屋の電気をつけると、ペットボトルとコップを持ってベッド脇の椅子に座った。
「はい、喉乾いているかと思って」
「すまない」
コップに注がれた水を少しずつ流し込むと、それに体中の傷が疼いた。
「大丈夫?」
「なんてことは無い」
少し強がって言ってみたが、水を飲むのにも苦労するとは思っていなかった。
「ソーニャちゃん、ご飯食べられる?」
「少しぐらいなら何とか」
「ごめんね、本当なら点滴とかですませるんだけどここには無くて……」
「気にするな」
「さてと、それじゃあ何かスープのようなものでも作ってあげるね」
「え? お前が……?」
あからさまに嫌そうな顔をしたら、やすながふくれてしまった。
「そんな嫌そうな顔しなくてもいいじゃん……」
「じ、冗談だよ……、ははは……」
確かこいつの作ったものをいくつか食べた気がするんだが、味は悪くなかったな。
「絶対ソーニャちゃんがおいしいって言うものをつくってやるぅ!」
くそぅ! くそぅ! なんて懐かしい言葉を叫びながらやすなは台所へ行ってしまった。
やすなは昔から変なところで器用だったなぁ。
パペットだっけ? あの人形を作ったり、弁当もたまに自分で作ったものを持ってきていたりしていた。
あ、輪ゴム鉄砲とか作ったこともあったな。
しばらく待っていると、いい匂いがしてきてやすながお椀を持ってきた。
「じゃーん! 特製やすなみそ汁です!」
「……もっとケガ人に食べさせる食事ってあるだろう」
「結構気を使って作ったつもりなのに……」
「いや、みそ汁って違うと思うぞ?」
「そ、そうかな……」
まぁ、食べやすいと言えばそうだが……。
「まぁ、食べるよ。せっかく作ってくれたしな」
「自分で持てる?」
「大丈夫だ」
私はお椀を受け取ると、少しだけ飲んでみた。
「どう? おいしい?」
「……まぁまぁだな」
「もう、素直じゃないんだから」
みそ汁というのはあんまり飲んだことがないから一概には言えないが、これは不思議な味がするな。
辛くも無いし甘くも無い。おいしいといえばおいしいのだが味噌が入っているからもっと塩味がすると思っていた。
具は油揚げと豆腐とわかめが入っている。みそ汁ってこういうものなのか。
「あ、ソーニャちゃんってお箸使えたっけ?」
「い、一応は……」
日本に来た時は箸を使って食べるものが多くて閉口してしまったが、今ではそれなりに使えるつもりだ。
「でも、手もケガしているからスプーンにしようか」
やすなが銀色のスプーンを手渡してくれたが、みそ汁にスプーンってミスマッチじゃないか……?
しかし、この手ではそうも言っていられず私は仕方が無くスプーンでみそ汁を飲んだ。
みそ汁を飲み終えてようやく人心地がついたところで、私は気になっていたことを聞いてみた。
「やすな、ここは一体どこなんだ?」
「ここ? 華津穂島だよ」
「か、かづ……?」
「まぁ、聞いたことも無いような小さな島だよ」
島の名前を聞く限り、どうやらここは日本らしい。
しかし、あんな状態でよく助かったものだ。
海に落ちて漂流してきたのだろうか。泳いでくるほど体力は無かったし……。
「診療所に行こうと思ったら海に誰か倒れていてさぁ、助けに行ったらソーニャちゃんなんだもん」
やすなの話を聞きながら、私は未だに自分が生きていることが信じられなかった。
しかし、今はそれよりも信じられないことがある。
あのやすなが。あのやすなが!
大事なことなので2回言ったぞ。
ただでさえあんなにおバカだったのに医者だぞ?
夢だと思いたいような、どこか嬉しいような……
「ソーニャちゃんはここで休んでいて。片づけてくるから」
「お前、こんなに遅いのに家に帰らないのか?」
「あ、今日はここに泊まることにしたから安心して?」
「別に心配なんかしていない」
「またまたぁ~。ケガ人の世話は医者の仕事ですから安心してください!」
「……安心できん」
でも、今までの行動を見る限りだと少しは信用してもいいかもしれないな。
ベッドの横にある窓を開けると、潮の匂いとともに夜風が吹きこんできた。
周りはほとんど真っ暗で、家の明かりも遠くの方にしか見えない。
「……あ」
真っ暗だなぁと思い見まわしていると、空には数えきれないぐらいの星が輝いていた。
あれは、冬の大三角か。こんなにたくさんの星に囲まれているのにその存在はとても大きかった。
「すごいでしょ……」
片付けを終えたやすなが後ろからそっと囁いた。
「ここは人が少ないから星が良く見えるんだ」
「……そうか」
「ソーニャちゃん、ガーゼ取りかえてあげる」
「あぁ、頼む」
やすなは慣れた手つきでベッドの上で服を脱がし、体中に巻かれている包帯をするすると解いていった。
「ちょっと痛いかもしれないけど、我慢してね」
お湯を張った洗面器を用意して、ガーゼを取りかえるのと並行して体を拭いてくれた。
「こんなに傷だらけで、自分をもっと大事にしなくちゃ……」
「なぁ……」
「何?」
「何でお前、医者になったんだ……?」
「あ、聞きたい? 聞きたい?」
私が聞くと、やすなは待ってましたと言わんばかりにニヤニヤした。
「……やっぱいい」
あの頃と全く変わっていないウザさに内心ホッとしつつ、私はやすなの話に耳を傾けた。
どうせこいつは私が止めても話し始めるだろうし。
「まぁ、私にも色々あったんだよ」
「どうせろくでもない理由だろ?」
「そんなことないもん!」
……ほらな?
「お金持ちになりたいなぁとは思っていたんだけど、やっぱり人の為になるほうがいいじゃない」
「……そんな事でよく医者になれたな」
「それだけじゃないよぉ!」
失礼しちゃうとか言いながらやすなは拗ねてしまった。
「で、何でこんなところにいるんだ?」
「医大を出てから就職先が決まらなくて、やっと仕事が見つかったと思ったらここだったんだ……」
「……お前なぁ」
全く、行き当たりばったりもいいところだ。やすならしいと言えばそうなんだけど……。
「でもね、ここもすごくいいところだよ。みんな優しいし、海もきれいだし、それに……」
「それに?」
言葉が詰まったので不思議に思って気にかけていると、一息いれてからやすなが震える声で言った。
「……ソーニャちゃんに会えたし」
「お、お前、どこ触って……!」
やすなの手があらぬ方向を触ってきたので一発殴ってやろうかと思い振り返ると、やすなが肩を震わせていた。
「……やすな?」
「本当に、心配したんだから……! えっぐ……」
やすなは……、泣いていた。
「ずっと連絡も、できなくて……! 二度と会えないって、思ってた……!」
「せっかく会えたと思ったら、ボロボロで……、死んじゃうんじゃないかって……!」
そのままやすなは私に寄りかかると、声を上げて泣き始めてしまった。
「……悪かった」
謝ることじゃないのに、私の心に少しだけ芽生えた罪悪感が口から漏れていた。
それから私は、しばらくはここで治療に専念することにした。
それしかすることはできなかったし、体が無ければこれからのことは何もできない。
しかし、傷が癒えていくにつれて私の中にある不安が募ってきた。
この傷が癒えたら私はどうするのかという漠然とした不安だ。
組織に戻るのが普通なのだろうが、その考えが少しずつ薄れていた。
あの時のように……。
「ほら、包帯変えるから服脱いで?」
「も、もう自分でできるからしなくていい」
「そういわずにさぁ」
あれからもうすぐ一ヶ月になろうというこの時には、傷もある程度塞がったので診療所からやすなの家にお邪魔していた。
やすながどうしても来てほしいと言うので仕方なく来たのだが、そこには捨ててきた日常があった。
ぎりぎりとした殺気に体を晒す必要もないし、精神をすり減らす必要もない。
そして、何よりここには……。
それを知らないやすなはいつものように接してくる。それは今の私にとって挑発以外の何物でもなかった。
「……だめだ!」
溜まった気持ちが爆発してしまい、包帯を変えようとするやすなの手を振りほどいていた。
「ど、どうしたの……?」
「あ……」
少し強くし過ぎたせいで、やすなは何か悪い事でもしたのかと不安そうな顔をした。
「ち、違うんだ。その……」
そろそろけじめもつけなきゃいけない時期だと思い、私は自分の気持ちをありのまま話すことにした。
「……お前はこんなにもしっかりとやっているのに、私なんかと関わっちゃいけないんだ」
「何でさ?」
まるで何も考えていないような顔しやがって……。もしかしたら何も考えていないのか?
「なぁ、お前は怖くないのか?」
「何が?」
「私のせいで、お前が怪我したり最悪死んだりするかもしれないんだぞ?」
「大丈夫だよ」
やすなは何の不安も無い顔で笑った。
「何でそう言い切れる」
「だって、そうなったときはソーニャちゃんが守ってくれるもん」
「やめろっ!」
私は堪え切れなくなって、ついに叫んでしまった。
「私は、そんなに強くない……。自分すら守れない奴が、お前なんて守れるわけだろう……?」
私は弱い。組織に戻らなくてはいけないのにたったひとりのこんなバカに心を乱されて、今ではこんなに……。
「お前を、失いたくないんだ……」
そう、高校を卒業する辺りに異動の為に日本を離れることになった時からずっと思っていた。
刺客に一緒に狙われて、命の危険にさらされたことも一度や二度ではなかった。
だから、だから……。
「……私だって、ソーニャちゃんを失いたくない」
タオルを握りしめて、いつになく低いトーンでやすなが呟いた。
「学校を卒業してから突然いなくなっちゃって、携帯でも連絡できなくて寂しかったの!」
「やすな……」
「このままだったら、ソーニャちゃんがまたいなくなっちゃう……」
いつもと違うやすなの顔にドキドキして、私は動けなくなっていた。
「どこにも行っちゃ、いや……」
まるで大切な宝物でも守るように優しく、しかし力強くやすなは私のことを抱きしめた。
いつもと違うやすなに戸惑いを隠せず、私はただ受け止めることしかできなかった。
包帯も巻き終わり、私たちはどうにか寝る準備をしていた。
「……寝ようか」
「……あぁ」
だが、変に意識をしてしまって一体何を話していいのかわからず気まずい雰囲気が流れていた。
「ねぇ、ソーニャちゃん」
「何だ?」
「一緒に寝て、いい?」
「えっ!?」
やすなと、一緒に寝る……!?
「もう、そんなにびっくりすることないじゃない」
「だ、だって……」
「ソーニャちゃんってば意外と初心なのねぇ~」
「早く寝ろ!」
「あだぁ……!」
いつもの調子を取り戻そうと、照れで威力二倍増しのげんこつを喰らわせてやった。
布団をかぶると、やすなも大人しくなって布団に入った。
「……ソーニャちゃん」
「ん?」
少し静かになったと思ったら、不意にやすなが話しかけてきた。
「……ごめんね」
「何だよ、急に」
「ケガが治ったら、組織に戻るんでしょ?」
「……」
「わかってるよ……。でも、行っちゃいやだ……」
それだけを言うと、やすなは布団を深く被ってそっぽを向いてしまった。
「……」
私だって、お前と一緒にいたいと思っている。
お前は心の底から安心していられるんだ。
硝煙の臭いも、血の臭いも、殺気もない普通の関係でいてくれる。
でも、私は色々と背負いこみ過ぎたんだ。お前と違う世界の人間なんだ……。
「おはよう」
「お、おはよう……」
くそっ、あれからこいつの顔がまともに見れないぞ……。
自分でも不思議だが、こんなアホ面のどこにドキドキしたんだろう。
「そろそろ診療所に行こうか」
朝食を済ませて準備をすると、検査の為に少し違和感の残る体を動かして診療所へ向かった。
「……」
「……」
いつもならやすなが話しかけてくるのだが、今日に限ってはずっと無言で歩を進めていた。
まぁ、昨日あんなことを言ったしな。こっちも考えるので精いっぱいだから助かる。
お互い無言のまま診療所につき、やすなはそのまま仕事に移った。
私は誰もいない待合室の椅子に腰かけて、自分の番を待った。
「はぁ……」
私以外の患者がいないせいか早速呼ばれて、私は診察室へ入った。
「おぉ、待っとったぞ。どうじゃ、調子は?」
「おかげさまで順調です」
「そうかそうか。しかしすごい回復力じゃのぉ」
傷口のあたりを確認し聴診器による診察を終えると、おじいさんはカルテを書きながら笑った。
「そうなんですか?」
「あぁ。やすなちゃんのおかげじゃな」
「……まぁ、そうですね」
「あの時、わしは助からんと思っとったんじゃが、やすなちゃんが大切な人なんですと言うてな、そりゃあ必死にやっとったわ」
「た、大切な人!?」
あのバカ、そんなことを言っていたのか……!
「絶対助けるからと何度も言うて、仕事そっちのけであんたに付き添っていたんじゃ」
向こうの方で薬の充填をしているやすなを見やり、仕事らしいことなんてここにはあまりないんじゃがな、と自虐的に笑った。
「ったく、あのバカ……」
「おやおや、ずいぶんな言い草じゃなぁ」
まぁ、バカは否定せんがなとおじいさんは失笑した。
「でも、やすなちゃんはいい子じゃ」
「……そう、なのかな」
「おや、そう思わんかね?」
「……あいつは単なるおせっかい焼きのバカですよ」
「そうかもしれんが、そういうことは言っちゃだめじゃ」
おじいさんは笑いつつも私を見据えて強く言った。
「人の善意を無視する奴は一生後悔するからのぉ」
「……」
「おっと、長く生きていると人におせっかいをしたくなるようじゃ。すまんすまん」
おじいさんは言いすぎたようだと私に謝りつつ、今日の診察を終えた。
善意、か……。
でも、それが本人にとっては辛いこともあるんだ。
「ソーニャちゃん」
晩ご飯を食べ終えて片づけていると、やすなが話しかけてきた。
「何だ?」
「あのね……」
そこまで言って、やすなは言い渋り言葉を濁した。
一体何をためらっているんだ? そんなに言いにくいことなのか?
しばらくもごもごしていたが、やすなは私と目を合わせないようにしながら話し始めた。
「……ソーニャちゃんは、私といるの嫌?」
やすなの口から出たのは、思いもよらない質問だった。
「何でそんなこと聞くんだ……?」
こいつは私が予想もつかないことをいつもしてくるが、これはまた種類が違う。
「またあの時みたいに突然いなくなったりするんじゃないかって、不安になるの……」
「一緒にいてほしい。ずっといてほしい。でも、ソーニャちゃんが嫌なら……!」
やすなは俯いたまま吐き出すように言った。それだけで相当思いつめていることは見てとれた。
「嫌……、じゃない。けど……」
「……けど?」
「こんな、こんなことはやっぱり間違っている……」
お前と私は普通なら関係を持つことすらなかったんだ。
誰が殺し屋と好き好んで友達になったりするというのだ。
「……私ね、ソーニャちゃんとなら怖くないよ」
「お前……」
「はっきり嫌だって、言ってくれないと……、私……」
答えを求めるように、やすなが私に寄り添った。
「ねぇ、私じゃ嫌なの?」
そのやすなの質問には色んなものが交じっているように思えた。
私だって子どもじゃない。それがどういう意味を持っているのかも、どういう答えを待っているのかも見当はついている。
やすなのことを思えば答えは決まっているはずだった。
しかし……、
「嫌……、じゃ……」
素直なやすなの瞳に射抜かれて、建前も言えなくなり言葉を濁してしまった。
それどころか見つめ合う瞳に吸い込まれるままに距離は縮まって、お互いの唇が触れ合っていた。
「……」
「……」
少し息苦しくなってそっと離れると、顔が燃えるように熱かった。
唇に残った感触がくすぐったくて、微笑むやすながとても……、とても……。
「キス、しちゃったね……」
「わざわざ言うな……」
「……じゃあ、もう言わない」
やすなはいたずらっぽく笑うと再びキスしてきた。
「ちゅっ……、はぁっ……、んんっ……!」
キス、キス、キスの応酬……。
始めは触れ合うだけだったのに、いつしかもっと深く、もっと濃密に、もっと淫らに私たちは絡み合っていった。
キスって、こんなふわふわした気持ちになるんだ……。
「ソーニャちゃん、好き……! 大好き……!」
キスの合間にうわ言のように繰り返しては、やすなは私を求めて舌を伸ばし絡めてきた。
やすなの言葉はまるで呪いのように私を絡め取って、動けなくしていった。
「ねぇ、ソーニャちゃんは……?」
唇を解放してやすなが私に問いかけてきた。
今までの私だったらこんなことまともに答えたりしなかっただろう。
でも、こんな状況で少しだけお前に甘えてみたくなったのかもしれない。
「……言わなくてもわかっているくせに」
「……ちゃんと言って欲しいな」
恥ずかしいからあまり言いたくないんだがな……。
「……好き、だよ」
「……えへへ」
私がそっと囁くと、珍しくやすなは頬を赤くして照れた。
「ちょっと、やすな……」
キスを続けていると、やすなが徐々に私のことを押し倒してきた。
「えへへ……。ソーニャちゃん……」
やすなはすっかりその気になっていて私の服を脱がしにかかっていた。
予測できなかったわけではないが、少し強気なやすなに戸惑ってしまった。
「ま、待て。いきなりこんな……」
「やだ、待たない。待てない」
「やすっ……、んんっ……!」
私が止めるのも聞かずに、やすなは焦った様にキスを繰り返してはボタンを外していった。
「……ちょっと待てって!」
肩を掴んで思い切り引き離すと、やすなは呆然とした顔をした。
「ソーニャ、ちゃん……」
「ちょっと落ち着け……」
乱れた息を整えながら制すると、やすなは不安そうな顔をして黙っていた。
そんな顔をするなよ……。どうしていいかわからなくなるだろ……?
「ソーニャちゃん……」
「……もう、嫌だなんて言っていないだろう」
「でも……」
「いきなりは、嫌だってだけだ……」
それを聞くと、やすなは嬉しそうに笑って服を少しずつ肌蹴させていった。
「肌、きれいだね……」
「あ、あんまりじっと見るな。バカ……」
確かにやすなよりは白いとは思うが、私の肌は人並みじゃないのだろうか?
それに、今までの傷跡がちらほらと見えているというのに……。
「本当にきれい……」
それでもうっとりとした声を漏らし、やすなは私の首筋に舌を這わせ始めた。
「あっ……、お前っ……、あぁっ……!」
やすなの舌が光る跡を残しながら降りて行く中で、両手で胸を大事そうに包んで優しく触れた。
今まで感じたことのない感覚に戸惑い、変な声を出してしまった。
「ちゅうううぅ……!」
「んあっ!?」
舌で私の肌を弄んでいたと思ったら、吸血鬼のように首筋に吸いついてきた。
「あ、あああああぁ……!」
じんじんと熱い感覚が首筋に沸き起こり、やすなの唇が離れる頃にはそこに真っ赤なキスマークが刻まれていた。
「えへへ……。つけちゃった」
「お前、ふざけんなよ……! こんなところにつけやがって……」
今のはまずかった。私の理性がぐらぐらと揺れて、崩れていきそうだった。
いや、もしかしたらすでに崩れてしまっているのかもしれない。
やすなは私が怒っていると言うのににこにこ笑いながら首筋を舐めていった。
「あ、あああぁ……!」
やすなの舌がぬるぬると首筋をつたって鎖骨に降り、軽いキスをしながら私の胸を揉み始めた。
「んっ……! そ、そんなに揉むなよぉ……!」
「ソーニャちゃんのおっぱい、ぷにぷにで柔らかいよ」
自分でもそんなに触ったことないのに、他人に揉まれるなんて恥ずかしくて死にそうだった。
それに、何かむずむずとしたものが体中を駆け巡っていくのが耐えられなかった。
「気持ちいい?」
「し、知らん……!」
そういう知識で言えば胸を揉まれたら気持ちいいのだろうが、そんなことは全くなかった。
こんな感覚が気持ちいい訳が無い。こんなに背筋をぞわぞわとさせる感覚が……!
胸の間あたりを舐めていたやすなが乳首の方へ移動を始めると、敏感に反応して震えてしまった。
「はむっ……」
「んきゅぅ……! ち、乳首は……!」
固く充血した乳首をくわえられると、そこから何かが電撃のように走った。
「く、うあああぁ……! な、な、なああぁ……!」
ぬるぬるでざらざらなやすなの舌が乳首を舐め上げると、体中の力が抜けていくような感覚に襲われて怖くなった。
腰にも力が入らず、ふるふると震えることしかできなかった。
それがおもしろいのか、やすなは私を見上げてにやにやしながら乳首を責め続けた。
私は抵抗するにもどうしていいのかわからず、ただされるがままになっていた。
それをいいことにやすなは私の胸をリズミカルに吸い上げたり、乳首を唇で挟んでしごいてきたりしてきた。
「ちゅぱ……、ちゅる……、んっく……、はぁむっ……」
「や、やめろ……! だめっ……! おかしくなるっ……! や、やあぁ……!」
自分の胸なのに自分の思い通りにならず、それどころか私の心をこれでもかと掻き乱していった。
「ちゅぽん……。はぁ……、ソーニャちゃんってかわいい声出すんだね……」
散々胸を愛撫し尽くすとやすなは舌舐めずりをしつつ口を放し、すっかり呆けてしまった私を見て笑った。
「はぁ……、っはぁ……! はぁ……」
あのバカが、こんな顔になるのか?
その顔はあまりにもいやらしく、純粋だった。
「ソーニャちゃん、すごい顔しているよ……?」
「はぁ……! お、お前にいわれたくない……! はぁ……!」
出来る限りの威圧を持って睨んでみても、やすなは怖気づくどころかさらに嬉しそうに笑った。
「……変態」
「何とでも言いなさい」
やすなは全く動じていない様子で、私の胸から下半身に手を滑らせていった。
やすなの指が秘所に近づくにつれて疼きも大きくなり、腰の奥の方が熱くなった。
「ぴくんぴくん跳ねて、そんなに気持ちいいの?」
「ち、違う! ちょっとびっくりしているだけだ……」
やすなの指が秘所に触れるとぞくぞくとした感覚が腰に走り、今まで出したことのない声が鼻に抜けていった。
こんなあられも無い声を出すなんて恥ずかしくて堪らないが、やすなの指はそれを欲して私の体を愛撫してくる。
「あっ……! そ、そこ……! だめぇ……!」
くりくりと撫でまわすように動くやすなの指が敏感なところに触れて、私は一段と大きな声を出してしまった。
「くっ……! はぁ……! お前……!」
やすなにいいように弄られているのに耐えられなくなり、私は意を決してやすなの秘所に手を伸ばしてみた。
「あっ……! ソーニャちゃん。ゆ、指……!」
ショーツの上から指で触ってみると、じんわりと熱が滲んで絡んできた。
「お、お前……」
「ソーニャちゃんを見ていたら、こうなるよ……」
指先で軽く引っ掻いて見ると、息があがってきたやすなが恥ずかしそうに悶えた。
私に、そんなに興奮しているのか……?
意識してみると何だか変な感じだった。
「はぁ……! あっ……! そこっ……!」
やすなと同じように指を動かして見ると、あっという間に甘い吐息を漏らし始めた。
「はぁっ……! ソーニャひゃん……! んっ……!」
「うあっ……!? くぅ……! やすなぁ……! あっ……!」
反撃に出た私をあざ笑うかのように、やすながショーツに手を突っ込んで直接愛撫を始めた。
下半身の感覚があっという間に熱く濡れそぼった秘所だけに集中して、やすなの指の動きに反応してしまった。
私も負けじとやすなのショーツに手を突っ込み、秘所に指を這わせた。
「……ちょっといい?」
「な、何をするつもりだ」
「脱がないと気持ち悪いでしょ」
そういうとやすなは私のショーツに手をかけてするすると脱がしていった。
「ソーニャちゃん、ここぬるぬるだよ……」
「や、やめろっ……。恥ずかしいだろ……」
「そうだね。じゃあ……」
そう言うとやすなは目の前でショーツを脱ぎだした。
「ソーニャちゃん……」
「み、見ていないぞ……」
「……ソーニャちゃんのえっち」
「見ていないって言っているだろ!」
ちょっと怒鳴ると、やすなはくすくすと笑った。
「嬉しいな……」
「は?」
「私で興奮してくれたんだよね?」
「えっと……、その……」
今すぐにでも否定したいが、私の体はそれを裏付けるかのような反応がそこかしこに見られていた。
私は観念して小さく頷いた。
「電気、消そうか……」
「あ、あぁ……」
部屋の電気を消して、月明かりの中でやすなは私の横に並ぶように寝転がった。
「続き、しよう?」
艶めかしく笑うやすなの体を抱き寄せて、私は暗闇の中でその存在を確かめるかのようにキスをした。
産まれたままの体は熱く火照って、隅々まで痛いほど痺れていた。
「んちゅ……! んっ……! はぁ……! んっふ……!」
「はうぅ……! ちゅぅ……! ちゅく……! れろ……!」
淫らな舌の絡み合いの中で、私たちは曝け出されたお互いの秘所に手を伸ばした。
指先が触れると、熱い愛液がとろとろと出迎えてもっと欲しいとねだった。
「はぁ……、はぁ……、あうぅ……! あぁっ……!」
「くぅ……! うあっ……! はぁ……、はぁ……」
月明かりが差しこむベッドの上で、お互いの荒い息遣いと秘所から漏れだす淫らな水音だけが響いていた。
頭が真っ白になりそうだった。
自分がやすなとこんなことをしているなんて、考えらないことだった。
しかし、そんなことを考えている暇があればやすなの指がそれを吹き飛ばしてしまう。
私だけを見てと、指の動きを速めたりキスをせがんだりしてくるのだ。
それに呑み込まれそうになり、私は必死にやすなにしがみついていた。
「ソ、ソーニャちゃん……! そ、そこぉ……! あぁん……! はぁ……!」
偶然指が当たったところがやすなの弱点らしい。指がそこを擦るたびに体が強張り腰が跳ねた。
「ここが、いいのか?」
確認するように指で撫でつけると、やすながびくんと大きく跳ねた。
「そ、そこらめぇ……! あぅぁ……! あっ! あぁ……!」
かなり刺激が強いようで、すっかり私への愛撫をやめてしまい指の動きに翻弄されて嬌声を上げ始めた。
溢れだす愛液に助けられながら、私は指の動きを速めていった。
「ソーニャちゃん……! 私っ……、来ちゃうぅ……!」
肩に噛みつく様に堪えていたやすなが弱弱しく呻いた。
必死にしがみついてくるやすながとてもかわいくて、私はさらに指の動きを速めた。
激しく飛び散る愛液の音が部屋に響き、やすなの声が次第に高くなっていくにつれて私もなにかこみ上げてくるものを感じた。
「ひゃあぁ! らめぇ! ふあぁっ!? あぁっ! っ───!」
一際大きく跳ね上がった後、やすなは糸が切れた人形みたいにぐったりとベッドに沈んだ。
「あああぁ……! い、いっひゃっらぁ……!」
ぐちょぐちょになってしまった秘所から指を引き抜くと、どろりとしたやすなの愛液が絡みついてきた。
すっごいな……、これ……。
やすなは荒い息をがんばって整えようとしていたが、まったく収まる気配が無かった。
「大丈夫か?」
「う、うん……。はぁ……、はぁ……」
やすなが落ち着くまで待っていたが、その間にも私の体はじんじんと疼きに侵食されていた。
胸の鼓動は収まらないし、体温も高いままだ。
どうしたものか……。
すると、やすなが荒い息のまま私を抱き寄せてきた。
「な、何だ?」
「ソーニャちゃん、まだ、だよね……?」
私の体から火照りが抜けず、奥の方で渦を巻いているのをやすなは感じ取っているようだった。
「いいよ……、ソーニャちゃんの好きなようにして……?」
ベッドに横たわったままやすなは私を迎え入れる準備をすると、おねだりを始めた。
火照った私の体がそうさせるのか。それとも私を誘うやすながそうさせるのか。
一瞬ためらったものの、私はそのままやすなにのしかかり首筋に顔を埋めていた。
この疼きを鎮めたい。お前をめちゃくちゃにしてやりたい。
そのまま指を絡め合いベッドに組み伏せると、やすなの体が月明かりに白く浮かんだ。
白いシーツの上に広がる亜麻色の髪の毛と、私を射抜く亜麻色の瞳。
そして、小ぶりだがきれいな胸が息をする度に上下に揺れ動いていた。
「はぁ……、はぁ……、きて……?」
官能的な顔を見せながら、やすなは笑った。
その姿は、私の理性を完全に破壊するのに十分すぎた。
「……!」
一気に溢れだした自分の本能に身を任せて、私はやすなの唇を吸い舌をねじ込んでいた。
「んむぅ……! ちゅっ……! はぁ……! ソーニャ……、ひゃん! ソーニャちゃん……!」
「うあぁ……! あむっ……! やすな……! やすなぁ……!」
ベッドの上で足を絡め合い、腰を振っては体を抱きしめて激しいキスの応酬を繰り返した。
お互いの秘所はいやらしい水音を立てて糸を引き、お前が欲しいと口を開いていた。
私を縛るものはすっかり壊れてしまい、理性を失った獣のようにやすなに喰らいついては貪った。
何度も、何度も、何度も……。
「あぁん! や、ああぁ! あんっ! 気持ち、いいよぉ! ソーニャひゃぁん!」
ベッドに組み伏せた獲物を貪りながら、私は優越感に浸っていた。
私が動けばそれに合わせて嬌声を上げる、いやらしい獲物だ。
お前の唇、声、吐息、匂い、全部が私を狂わせるんだ。
もっとちょうだい、もっとちょうだいと私を欲して誘惑するんだ。
だから私は貪る。お前を、どこまでも……。
「そんなに激しくしちゃぁ! わたしっ……! 来ちゃうぅ!」
「はぁ……! やすなぁ……! わたしも、来るっ……!」
息も絶え絶えに喘いで限界が近いことを知ると、その先を目指してさらに動きを速めた。
「んああぁ! ソーニャちゃん! わらひ、またいくぅ! いっちゃうぅ! いっちゃううううぅ!」
「うあっ! あぁ! はぁ! やすなぁ! やすなあぁ!」
やすなの熱と私の熱が混ざっては離れて、混ざっては離れて……。
絶頂への荒波の中でお互いの体を固く抱き合い、真っ白になる意識を超えて高みへと登りつめた。
「「あああああああああぁ───!」」
そして、狭いベッドの上で私たちの体は絶頂に震えた。
「……はぁ」
こんなことをして何になるのだろう。
熱が冷めて我に返り、その思いが罪悪感のように湧いては私の心に溜まってぐるぐると渦を巻いていた。
人肌に触る機会なんて、生死の境でぐらいしかなかった私が人を抱いているのだ。
おかしいったらありゃしない。
血でまみれた私の手が、人を抱くなんて許されるのだろうか。
そんな私なのに、やすなは……。
「……どうしたの?」
「起こしたか?」
「ううん。……また考えていたでしょ」
「……何を?」
「ごまかしちゃってさ」
人肌の、いや、お前の温かさを求めるように私は抱く力を強めた。
「今だけは、忘れてほしいな」
「そうもいかない」
「……私じゃ忘れられない?」
「……」
少し難しい顔をしたら拗ねてしまったようで、私の胸に顔を埋めてきた。
「ソーニャちゃん、もうどこにも行かないで……」
「……」
私だって、今ぐらいは忘れたい。お前とずっと一緒にいたい。
でも、硝煙と血の匂いが染みついたこの体が忘れさせてくれない。やはり私は殺し屋なのだ。それはどうやっても変わらない。
私はやすなをさらに抱き寄せると、眠ることに努めた。
お前を抱いている時は忘れていられそうなんだ。
今は、今だけは、お前とふたりきりでいたい。
それから私はやすなと愛し合うようになった。
始めは戸惑いもあったり迷ったりもした。それに、私が組織に見つかるかもしれないという不安が常に付きまとっていた。
その不安を振り払うように、自分がまだ生きていることを確かめるように私たちは肌を重ね合った。
でも……、私はどこまでも弱い人間だった。
「やすな、言っておきたいことがある」
「何? 改まって」
眠りにつこうとしていたやすながもぞもぞと私の胸から顔を上げた。
「もしも、組織から逃げられなくて私が死んでも、殺した奴のことを恨まないでくれ……」
「えっ……?」
やすなは酷くびっくりしたようで、私の顔を見つめて息を呑んだ。
「それでお前の人生を狂わせたくない。無理かもしれないが……」
そこまで言いかけて、やすなの唇がその先を奪った。
「それ以上言わないで……」
「でも、これ以上私に付き合わなくていいんだ。ずっと平和な世界で生きていてほしい」
「……無理だよ。こんなにも愛しているのに」
ここまで深入りしておいてこんなことを言うなんてかなり酷なことだと思ったが、これも本心なんだ。
「嬉しいけど、わかってくれ……」
せめて、私がいなくなった後ぐらいは迷惑をかけたくないんだ……。
そんな日々が少し経った頃。
すっかり傷も癒えて最期の検診も終わった帰り道でのことだった。
「相変わらず隙が無いですねぇ」
「!?」
やすなと過ごす日々が勘を鈍らせていたのか、私の後ろからどこか抜けたような声が飛んできた。
背筋に嫌な汗が流れていくのを感じつつ、私は後ろにいるであろう人物の名前を呼んでみた。
「あ、あぎり……」
「どうも~。このまま気づかれなかったらどうしようかと思いましたぁ」
後ろに立っていたおばあさんがべりべりとマスクを剥がし、おっとりとしたあぎりの顔が現れた。
「お前、何でこんなところに……」
「それはこっちが聞きたいですぅ。組織には戻らないんですかぁ?」
「……」
「ソーニャちゃん、どうしたの?」
「どうも~」
「あ、あぎりさん! いつここに?」
懐かしい顔を見て笑顔を見せたやすなだが、私は到底そんな気分になれなかった。
「戻る気は、なさそうですね」
「な、何を……」
「顔に書いてありますよぉ」
一体何を考えているのかわからないその笑顔に、私は覚悟を決めた。
「ソーニャがそういう気持ちなら、私はあなたを消さなくてはいけませんねぇ」
「ちょ、ちょっと一体何の話!?」
いつもと雰囲気が違うのを感じ取り、やすなも何かおかしいと気づいたようだ。
「仕事の中で機密情報など知り得ている可能性もありますしねぇ」
「やすな、下がっていろ……」
「ソーニャちゃん……! あぎりさん……!」
やすなはこの状況がどういうことなのか気付いたらしい。すがるような声であぎりに呼びかけた。
だが、あぎりはそんなに甘い奴じゃない。それは私が一番よく知っている。
「あぎり……、手間をかける」
「……もっと抵抗らしい抵抗をすると思っていました」
「今の私は丸腰だ。それに、お前と戦う気なんて無いよ」
遅かれ早かれいつかはこういう時が来ると思っていた。ターゲットが組織から逃げるなんてできないんだ。
「お前で、よかったと思う」
「そんなこと言っても何も出ませんよぉ?」
あぎりはそういうと懐から何やら怪しげな道具を取り出し、それを私に向けた。
「やすな……」
顔を見ない様にして呼びかけると、泣いているのかひどく息を詰まらせた声が聞こえた。
「今まで、ありがとう」
「ま、待って……! 待ってよぉ……!」
涙でぼろぼろな声を絞り出して引き留めてくれたやすなに別れを告げて、あぎりの前に立った。
私が死んで泣いてくれる人がいるなんてな……。
私はそれだけで十分幸せだよ。
「これでいいんだ……」
目を瞑り、私は最期の時を迎える準備を終えた。
「それじゃあ、さようならぁ」
あぎりが構える音が聞こえて、乾いた音が響いた瞬間に私はこの世から消えた。
……はずだった。
「……?」
体に何も感じず、私は違和感を覚えた。
何だ? もう終わったのか?
恐る恐る目を開いて見ると、そこには色とりどりのカラーテープを撒き散らしたクラッカーを持って笑っているあぎりがいた。
「あ……、あぁ……!」
緊張が解けたのか、やすなが震えたまま地面に座り込んで泣き出してしまった。
これは一体どういうことなんだ?
答えを求めてあぎりを見つめると、相変わらずにこにこ笑っていた。
「ど、どういうことか説明しろ」
「都合の悪い人間の存在を消すのが、殺し屋の仕事ですから」
「……?」
焦る私をのほほんとかわしながら、あぎりは散らかったクラッカーを片づけながらいつもの調子で話し始めた。
「ここに来たのは組織の命令ではないんですよぉ」
「何だと!?」
「偶然立ち寄ったらソーニャがいただけです」
「ぐ、偶然……?」
「あ、組織ではソーニャはもう死んでいることになっていましたよぉ。状況が状況でしたし」
クラッカーのくずを集め終わると、どこから取り出したのかゴミ袋につめて一息ついた。
「ソーニャに戻る意思があるのなら連れ戻してもよかったんですけど、驚かせすぎましたかね?」
「……やすなにはやり過ぎたかもな」
未だに体が震えてへたりこんでいるやすなを立たせると、私もようやく力を抜いた。
「このことは報告しませんからご安心を」
「あぎり、いいのか……?」
「殺し屋のソーニャはもういませんしねぇ」
とぼけた感じでウィンクすると、あぎりは背中からカイトを引っ張り出すとワイヤーを張って広げていった。
「それじゃあ、私はそろそろ行きますねぇ」
「あ、あぎりさん!」
立ち去ろうとするあぎりをやすなが呼びとめた。
「あ、あの! もし組織を抜けられたら、ここで一緒に暮らしませんか!?」
あぎりは少し黙ると、振り向いて低いトーンで話し始めた。
「……人を知らず、世も知らず、影の中に生きる。それが忍者です」
「あぎりさん……」
「……でも、考えておきますねぇ」
あぎりは嬉しそうに笑うと、そのままカイトを使って飛び立ってしまった。
それから……。
私はここでやすなの仕事を手伝っている。
仕事柄薬剤の知識はあったからそれなりに仕事はできた。
最近ではやすなに仕事をとらないでと怒られることもしばしばだ。
「はぁ……」
船で運ばれてきた薬の充填も終わり、私は青空を仰いで一休みしていた。
「あ、また考えてる」
一緒に作業をしていたやすなが私の顔を覗き込みながら少し不満そうに言った。
「いきなり何だ」
「自分が幸せになるなんて悪いなぁ~、って顔してるよ」
……本当にこいつは変に鋭いな。
「いいじゃん。他人なんてさ」
そばにあった椅子に腰かけると、やすなは元気に言った。
「ソーニャちゃんの人生なんだから、好きなように生きなきゃ損だよ」
「……そうかもな」
この広い青空の下、私はまだ生きている。
どうしようもなく愛おしいバカと一緒に。
おわり
こんなに長く、そして遅くまで付き合ってくれてありがとう。
保守してくれた人もありがとう。
いい話をありがとう
乙!よかった
Entry ⇒ 2012.03.31 | Category ⇒ キルミーベイベーSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
地獄大使「えっクビですか?」 首領「うん」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333119376/
首領「すまんな」
ブラック将軍「・・・・・」
地獄大使「誰ですそいつ」
首領「新しい幹部」
地獄大使「えっ?」
首領「新しくゲルショッカーになるからさ解るだろ?」
地獄大使「・・・・・」
首領「それに今度の組織は二種類の生物を混ぜた怪人なんだよね」
地獄大使「はあ」
首領「ちなみにこの男も」
ブラック将軍「フフフ」
地獄大使「じゃあ私めにも再改造を」
首領「いや無理だからな」
地獄大使「なぜです」
首領「金がかかるんだよ再改造って」
地獄大使「・・・・・」
地獄大使「ええ」
首領「例えばハエとかゴキブリをドッキングさせてみるだろ」
地獄大使「いや何でそのチョイスなんだよ」
首領「想像してみハエガランダとかゴキガランダを」
地獄大使「・・・・・」
首領「な?」
地獄大使「・・・・・」
科学者「どうしたのですか?」
地獄大使「クビ切られた」
科学者「えっ?」
シオマネキング「首ってあるじゃんか」
モスキラス「そっちじゃないから」
ジャガーマン「それじゃあ我々の今後の生活は!?」
地獄大使「何とも言えん・・・・・」
エレキボタル「そんなぁ」
ウニドグマ「・・・・・」
地獄大使「落ち込みたいのは俺の方だよ」
毒トカゲ男「みんな何してるんだ?」
モスキラス「荷造りさ」
毒トカゲ男「引っ越すのか?」
シオマネキング「俺たちはもう用済みだとよ」
毒トカゲ男「えーっ」
ジャガーマン「お前もほら手伝えよ」
エレキボタル「海蛇男はどうしたんだ?」
戦闘員「ライダーに敗れました・・・・・」
ウニドグマ「・・・・・」
シオマネキング「いやいや」
モスキラス「無理でしょ」
カミキリキッド「やってみないと解らないだろ」
ジャガーマン「俺やるよ」
毒トカゲ男「俺も」
エレキボタル「俺もだ」
ウニドグマ「・・・・・」
カミキリキッド「お前たちは?」
シオマネキング「パス」
モスキラス「俺も」
カミキリキッド「総攻撃だ行くぞ!」
ジャガーマン「おおー」
エレキボタル「ノックしましょうか」
カミキリキッド「すんませーん」
ヨッコ「はーい」
カミキリキッド「どうも」
ヨッコ「えっ・・・・・」
滝「どうしたヨッコ?」
毒トカゲ男「よお」
滝「ショッカー!」
カミキリキッド「本郷は居ないようだな」
隼人「俺は居るけど」
ジャガーマン「げっ2号が居る」
カミキリキッド「・・・・・」
科学者「どうやら死神博士の遺品みたいですね」
地獄大使「何だこれは」
科学者「はあタイムマシンって書いてあります」
地獄大使「いいこと考えた」
科学者「?」
地獄大使「こいつを使ってまだ見ぬ悪共を勧誘しよう」
科学者「えっ!?」
地獄大使「どうせあと2年ぐらい経てば三種類の生物とか」
科学者「はあ・・・・・」
地獄大使「機械合成怪人とか居そうだろ?」
科学者「それまでこの組織が残ってるのかどうかと」
地獄大使「とにかく行ってみようか」
科学者「私もですか!?」
地獄大使「一人じゃ心細いだろ」
隼人「特訓してるんじゃないか」
滝「他の連中は買い物とか」
ジャガーマン「どうします」
カミキリキッド「どうせならダブルライダーを一気にやった方が」
毒トカゲ男「いや一人の方が楽でしょうが」
カミキリキッド「そっちのが首領の評価も上がるだろうが」
エレキボタル「確かにそうですけど」
カミキリキッド「待たせてもらうぜ」
隼人「どうぞ」
百目タイタン「・・・・・」
ゼネラルモンスター「・・・・・」
ガテゾーン「・・・・・」
ドラス「・・・・・」
バダー「・・・・・」
ローズオルフェノク「・・・・・」
ガオウ「・・・・・」
アンク「・・・・・」
地獄大使「悪そうな奴ばかりだ」
科学者「確かに」
地獄大使「何だ」
ローズオルフェノク「我々を勧誘してどうする気だ」
地獄大使「ショッカーを取り戻すって説明したろ」
バダー「・・・・・」
ガテゾーン「興味ないね」
地獄大使「いやそれを承知で来たんだろ」
ゼネラルモンスター「いや全くないんだけど」
アンク「僕帰りたい・・・・・」
地獄大使「こいつら・・・・・」
ムカデタイガー「クスクス」
シオマネキング「何だお前たち!」
モスキラス「よせ多分こいつらがゲルショッカーの連中だろ」
ハエトリバチ「邪魔だからあっち行け」
戦闘員「・・・・・」
サソリトカゲス「お前らはもう必要ないんだよ」
モスキラス「・・・・・」
シオマネキング「くそ・・・・・」
隼人「ふーん」
滝「お前たちも大変だな」
エレキボタル「お嬢さん電話番号を教えてください」
ヨッコ「えっ」
ジャガーマン「やめろ嫌がってるだろ」
カミキリキッド「大変なんだよね」
隼人「ゲルショッカーだってさ」
滝「本郷もおやっさんも驚くだろうな」
カミキリキッド「・・・・・」
ナオキ「ただいまー」
ミツル「うわっ・・・・・」
カミキリキッド「お邪魔してます」
地獄大使「すまん」
ゼネラルモンスター「ゾル大佐の同僚だもんなあんた」
ガテゾーン「俺も面白そうだしやってやるよ」
バダー「俺も」
ローズオルフェノク「ガオウあんたは?」
ガオウ「いいだろう」
ドラス「・・・・・」
ガオウ「どうやらこいつも手伝うらしいぞ」
科学者「君は?」
アンク「うーん。いいよ」
地獄大使「お前はどうなんだ」
百目タイタン「俺はやだ」
ローズオルフェノク「関係ないだろ」
ガオウ「そうだぞ」
ゼネラルモンスター「同じ悪党が苦しんでると言うのに」
ローズオルフェノク「俺だって社長なんだからさ」
アンク「もっと協力的になろうよ」
ガテゾーン「空気読もうぜおっさん」
百目タイタン「・・・・・」
シオマネキング「解らない」
戦闘員「・・・・・」
暗闇大使「何やってんだお前たち」
モスキラス「あっ」
シオマネキング「どこ行ってたんだよあんた」
暗闇大使「?」
戦闘員「あれこの人・・・・・」
暗闇大使「わしは暗闇大使の方だ」
シードラゴン1世「違いがわからない」
シードラゴン2世「多分あの触覚だろうな」
シードラゴン3世「ああなるほど」
暗闇大使「あいつと一緒にするのやめてくれんか」
戦闘員「本当に嫌いなんだな」
シオマネキング「そうなのです」
モスキラス「どうしたらいいのか」
暗闇大使「わしが首領と話し合ってやろうか?」
モスキラス「本当ですか」
暗闇大使「あいつに借りを作るチャンスだからな」
シオマネキング「・・・・・」
暗闇大使「ふふふ」
百目タイタン「はいはい」
ガテゾーン「おっしゃ」
ゼネラルモンスター「ゲルショッカーなんて怖くない」
ローズオルフェノク「新生ショッカーの怖さを見せてやろう」
ガオウ「ついでに金品ごっそり盗んだろ」
ドラス「・・・・・」
バダー「・・・・・」
アンク「さあみんな行こうよ」
科学者「おおーっ」
地獄大使「待ってろよ首領・・・・・」
ヨッコ「解らない」
ミツル「滝隊長も隼人兄ちゃんもべろんべろんに酔ってるよ」
ジャガーマン「まさか酒を飲み始めるとはこいつら・・・・・」
ヨッコ「あなたは飲まなかったのですね」
ジャガーマン「バイクで来ましたから俺」
ヨッコ「・・・・・」
ジャガーマン「おいお前車で来てんだろ」
エレキボタル「・・・・・」
ジャガーマン「完全に酔いつぶれてる」
暗闇大使「うん」
首領「久しぶりだな」
暗闇大使「どうも」
首領「それで話とは」
暗闇大使「ショッカー解散をやめていただきたい」
首領「は?」
暗闇大使「いやそんな冷たくせんでも」
首領「いやお前が訳の分からない事いうもんだから」
暗闇大使「・・・・・」
イモゲラス「うぎゃ」
おやっさん「ライダー!」
ユリ「ライダー!」
チョコ「ライダー!」
1号「みんな無事か?」
おやっさん「何とかな」
1号「それにしても一文字と滝は何をしてるんだ」
おやっさん「全くだ連絡一つもよこさんと・・・・・」
1号「それにしても買い物帰りに襲われるなんてとんだ災難だな」
首領「わかった」
暗闇大使「はい」
首領「お前の言い分も正しい。ブラック将軍」
ブラック将軍「はい?」
首領「ゲルショッカーの件見送るわ」
ブラック将軍「えっ?」
首領「やばくなるまでアフリカで待機しててくれ」
ブラック将軍「は、はあ・・・・・」
ワシカマキリ「た、大変です・・・・・」
ブラック将軍「どうした!」
ワシカマキリ「地獄大使の反乱が・・・・・」
首領「えっ・・・・・」
ガラオックス「」
ローズオルフェノク「こいつめ」
クラゲウルフ「うぐっ」
ヤモリジン「せいっ」
ガニコウモル「野郎・・・・・」
百目タイタン「タイタン破壊銃」
ムカデタイガー「何の」
ガテゾーン「後ろは俺とバダーに任せてお前たちは先に行け」
地獄大使「しかし・・・・・」
バダー「早く行くんだ」
地獄大使「よし」
科学者「このまま乗り込みましょう」
ヨッコ「意外といい人なんですね」
ナオキ「見直しちゃったよ」
ミツル「ショッカーって悪い奴ばかりじゃないんだね」
ジャガーマン「えへへ」
アブゴメス「おい!エレキボタル」
ジャガーマン「通信か。あいつなら寝てるぜ」
アブゴメス「その声はジャガーマンか」
ジャガーマン「おお」
アブゴメス「アジトがえらい事になってんだ助けてくれ」
ジャガーマン「いや今買い出し中だし・・・・・」
アブゴメス「早く来てくれ!」
ジャガーマン「解ったよ・・・・・」
おやっさん「おい起きろ」
隼人「おやっさんおはよう・・・・・」
おやっさん「おはようじゃないだろ」
本郷「こらっ」
カミキリキッド「いてっ」
ユリ「ねえヨッコは?」
毒トカゲ男「つまみ買いに行ったぜ」
本郷「滝どうなってるんだ」
滝「うるさい寝かせてくれ」
本郷「ダメだ完全に酔ってる・・・・・」
百目タイタン「はぁはぁ」
サソリトカゲス「おらっ」
百目タイタン「次から次へと・・・・・」
ガテゾーン「おらおら」
ハエトリバチ「うっ」
バダー「えいっ」
エイドクガ「」
ガテゾーン「よし轢くぞ」
バダー「おお」
ナメクジキノコ「いやちょっと待て・・・・・」
ガテゾーン「問答無用のストームダガー」
バダー「天下無敵のバギブソン」
ナメクジキノコ「」
サボテンバット「」
地獄大使「あれは・・・・・」
ショッカーライダー「・・・・・」
科学者「6人のライダー?」
ガオウ「ここは俺たちに任せろ」
ドラス「・・・・・」
地獄大使「頼んだぞ」
ローズオルフェノク「もうすぐか?」
地獄大使「ああここを右に行くと」
アンク「早く行こう」
科学者「・・・・・」
ムカデタイガー「」
カナリアコブラ「だがこれで終わりだ」
ネズコンドル「へっへっへ」
イノカブト「しぶとい男だ」
ヤモリジン「やばい」
アブゴメス「待てぇ」
ギラーコオロギ「誰か知らんか大丈夫か?」
イノカブト「何だお前たちは」
アブゴメス「俺たちは地獄大使の配下のもんだ」
ヤモリジン「助かった」
ネコヤモリ「」
クモライオン「」
モスキラス「何がどうなってるんだ」
イソギンジャガー「あっお前たち」
シオマネキング「どうやら内乱っぽいな」
戦闘員「暗闇大使が穏便にしようとしてたのに」
ガラオックス「死ねぇ!」
ジャガーマン「ちょっと待った」
イソギンジャガー「車で吹っ飛ばすとは卑怯だぞ」
ジャガーマン「うるさい」
科学者「開けましょう」
暗闇大使「おっ」
地獄大使「ん?」
首領「とんでもない事してくれたな」
地獄大使「うるさい!」
首領「えっ・・・・・」
ブラック将軍「ここは私にお任せを」
地獄大使「変身」
ブラック将軍「変身」
ガラガランダ「決着を付けよう」
ヒルカメレオン「望むところだ」
ヨッコ「あっ本郷さん」
ミツル「猛兄ちゃん」
本郷「ここがショッカーのアジトだった場所か・・・・・」
ナオキ「うん」
本郷「これは酷いな」
ヨッコ「みんな大暴れしてましたからね」
地獄大使「ほ、本郷・・・・・」
本郷「うわっびっくりした」
地獄大使「勝ったぞ」
アンク「間一髪だったね」
ゼネラルモンスター「全くだ」
ガテゾーン「死ぬかと思った」
地獄大使「いつか決着をつけてやる楽しみにしてろ」
本郷「何なんだ一体・・・・・」
暗闇大使「いやふざけんな」
地獄大使「名前は地獄ショッカーってことで」
百目タイタン「だっさ」
ガテゾーン「もっとましな名前付けようぜ」
ガオウ「超ガオウ一味とか」
ローズオルフェノク「村上峡児とショッカーとか」
科学者「何はともあれ良かったですね」
戦闘員「これからどうするんですか」
地獄大使「世界征服&打倒ライダー」
ゼネラルモンスター「それも有りだな」
地獄大使「よし今日も気張って作戦を練るぞ」
一同「おおーっ」
終
Entry ⇒ 2012.03.31 | Category ⇒ 仮面ライダーSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ほむら「まどかに安価でメールする」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332860406/
ほむら「常々そう思ってはいるけれど、ヘタレなわたしは自分から話しかけることもままならない」
ほむら「というわけで、安価の力を借りましょう。自分の言葉じゃないだけ気が楽ね」
ほむら「VIPにスレ建てて……『安価で女友達にメールする』」
ほむら「文面>>5っと。イカしたやつ頼むわよ。原則文面だけだけど、ファイルの添付くらいなら安価に従ってもいいわ」
ほむら「でも安価は絶対。まあこれくらいなら覚悟はしてたわ」
ほむら「『パンツはいただいた』……っと」
三分後
ほむら「返信が来たわ。なになに……『え? どういう意味かな?』」
ほむら「素晴らしいフォローを期待しているわ>>13」
大人しくまどかのお○んこ写メを送りなさい
ほむら「『脱ぎたてパンツをクンカクンカされたくなかったら大人しくまどかのお○んこ写メを送りなさい』……っと」
ほむら「……」クラッ
ほむら「いえ、もしかしたら本当に写メ送ってきてくれるということも……!」
5分後
ほむら「返信を見るのが怖い……『冗談よしてよ(笑) ほむらちゃんってそんなキャラだったっけ(笑)』」
ほむら「まどかが天使で助かったわ……」
ほむら「そろそろ熱い返信を>>21」
ほむら「『冗談よ、直接まどかの大事なところを見せてちょうだい』」
ほむら「送信」
2分後
ほむら「ええと……『今日ずっとそのキャラなの(笑) 春休みでヒマだからいいけど、いつどこでにしようか?』」
ほむら「よくやったわ!! >>21」
ほむら「さっそく日時場所の指定を>>30」
二分後
ほむら「返信が来たわ。『じゃ、うちで待ってるね。何でそんなにテンション高いの(笑)』」
ほむら「というわけでまどかの家に行くことになった」
ほむら「携帯に切り替えてこれからは行動安価ね」
ピンポーン
まどか「あ、ほむらちゃん。いらっしゃーい」
ほむら「お邪魔するわ」
まどか「ま、座って座って。ほむらちゃん、あのメールのテンションどうしたの?」
ほむら「それは……>>40」
まどかパンツとはずらすものである
まどかパンツとはかぶるものである
まどかパンツとは臭いを嗅ぐものである
まどかパンツとは猿轡の代用品である
まどかパンツとは…まどかパンツとは…
って考えてた
oh...
まどかパンツとはずらすものである
まどかパンツとはかぶるものである
まどかパンツとは臭いを嗅ぐものである
まどかパンツとは猿轡の代用品である
まどかパンツとは…まどかパンツとは…
って考えてた」
まどか「そ、そうなんだ……。今日のほむらちゃん、何かヘンだよ……。あ、何して遊ぼうか」
ほむら「そうね……>>48でもしましょうか」
お前って奴は…
ほむら「(VIPPER共め……いくらまどかでもそろそろ限界よ!)」
まどか「……」
まどか「ほむらちゃん、貝合わせって何?」
ほむら「(とりあえずセーフ! さ、ここから挽回よ!)」
ほむら「貝合わせというのは……>>55よ」
まどか「それだけじゃ分からないよ!」
ほむら「それもそうね。つまり……>>62よ」
まどか「なーんだ、そうなら初めからそう言って……って、えええ!?」
ほむら「キスよ」
まどか「あ、あの……。ひょっとしてさっきから暁美さん、本気で言ってます?」
ほむら「わたしはいつでも本気よ」
まどか「え、えっと、わたしたちまだ中学生だし、そういうのはまだ早いっていうか! そもそも女の子同士だし、ね?」
ほむら「(まどかは困惑している)」
ほむら「(わたしはどう出るべきか>>68)」
まどか「え? あ、うん。もう、びっくりさせないでよね……」
ほむら「(志筑仁美にメール……すぐ来るらしいわ)」
十分後
仁美「お邪魔します」
まどか「仁美ちゃん! いらっしゃい」
ほむら「志筑仁美、ちょっといいかしら」
仁美「……はい?」
ほむら「まどかがわたしとキスするよう説得してほしいのだけど」
仁美「そ、そんな!? いけませんわ! それは禁断の愛の形ですのよ~!!」
ほむら「あなたがそっち系に興味があることは知っているのよ」
仁美「(た、確かに見てみたい気も……)でも、どうやって?」
ほむら「あなたは>>82してくれればいいわ」
仁美「はぁ!? そ、そんな屈辱的なことをわたくしが……」
仁美「(でもそれくらいしないとまどかさんは聞き入れてくれないか……)」
仁美「ほむらさん、貸しひとつですわよ」
ほむら「感謝するわ」
仁美「まどかさん!」
まどか「何?」
仁美「ほむらさんとキスしてください! お願いします!」ドゲザ
まどか「へっ? な、何してるの? それになに言ってるの?」マドマド
仁美「ほむらさんの友人として、お願いします! 」
まどか「か、顔あげてよ……」
仁美「ほむらさんとキスしてくれれば上げます!」
まどか「……」
ほむら「(まどかは迷っている。ここでわたしが>>91すれば!)」
仁美「お願いします……!」
ほむら「ねえ、まどか。お願い。仁美だってここまでしてくれているわ」
まどか「ほ、ほむらちゃん。本気なの?」
ほむら「わたしはいつだって本気だと言ったはずよ」
まどか「……」
ほむら「(無防備になった! これはOKのサイン!)」
まどか「……」ドキドキ
ほむら「(ま、ま、まどかとキス!)」ムチュー
まどか「やっぱ無理! ごめん、ほむらちゃん!」ドン
ほむら「えっ」
仁美「逃げましたわ! あの方向は……まどかさんの部屋!」
ほむら「(どうする? わたし! >>98)」
仁美「追いますわよ!」
ほむら「ええ!」
まどか「ふえーん!! ふたりとも今日どうしちゃったの~!?」ドタバタ
ほむら「スキあり!」
まどか「ぎゃっ!!」ドサッ
ほむら「(押し倒したわ! ……あとはパンツに指を入れて……!!)」
まどか「ほ、ほむらちゃん……どこに手入れて……きゃああああ!!!」ドンッ
ほむら「!?」
ほむら「(まどかのものとは思えないほどの力で突き飛ばされた!)」
ほむら「(あ、まどかが部屋に……鍵をかけてしまった)」
まどか「もう嫌っ!」
ほむら「違うのまどか!」
まどか「何が違うの!?」
ほむら「>>107」
まどか「ま……なんて?」
ほむら「魔男よ」
まどか「え、魔男って何?」
ほむら「魔男っていうのは……>>115のことよ」
まどか「きら? きらって何?」
ほむら「それはつまり……>>123のことよ」
まどか「そ、そのきらさんは何者なの?」
ほむら「>>105こときらはね……>>135なの」
まどか「中沢くんっ!?」
ほむら「そうよ。すべて中沢君のせい」
まどか「中沢くんが今日のこととどう関係があるの?」
ほむら「それは……>>142」
まどか「……」
キィ
ほむら「(よし! まどかが部屋のドアを開けてくれた!)」
まどか「入って?」
ほむら「ええ」
まどか「ほむらちゃん、中沢くんに写真で脅されているって……」
ほむら「言葉のとおりよ。ちょっとわたしの口では言えないような写真を中沢くんに握られていて……」
まどか「中沢くん……そんな人だったなんて……。じゃあさっきのメールもそれを知らせるために……」
ほむら「え? あ、そ、そうなのよ」
まどか「ほむらちゃん、わたしほむらちゃんの力になりたい! 何かできることはないかな?」
ほむら「ありがとう。……>>155してもらえると助かるわ」
まどか「(だからさっきほむらちゃんはあんなことを……)」
ほむら「……」
まどか「……ほむらちゃんのためなら、いいよ。わたし……」
ほむら「まどか……」ドキドキ
仁美「(キマシタワー)」
QB「その必要はないね」
ほむら「!?」
まどか「QB!?」
まどか「そ、そうか。わたしが契約すれば……」
ほむら「ま、まどか! そいつの言葉に耳を貸しちゃダメ!」
まどか「でもほむらちゃん、脅されてるんでしょ? わたしが魔法少女になれば全部解決できるんだよ?」
ほむら「(うう……まどかを落ち着かせる為の嘘がこんな形で……)」
まどか「QB、わたし、魔法少女に……」
ほむら「待ちなさい、まどか! >>170!」
まどか「え、ええ!?」
ほむら「つまりこういうことよ……。QBが中沢に命令して、わたしの写真を握らせた。
そうしてわたしに無茶な命令をすればいずれまどかは追い込まれ、魔法少女の契約をする! それがQBの狙いなの」
QB「嘘はよくないよ、ほむら」
まどか「……」マドマド
ほむら「まどか! わたしを信じてくれるなら、契約はしないで!」
まどか「……わたし、ほむらちゃんを信じる」
ほむら「ホッ」
まどか「でも中沢くんにそんな写真を握られてちゃほむらちゃんは安心して暮らせないよ! 今から中沢くんの家に行こう!」
ほむら「!?」
まどか「仁美ちゃんも!」
仁美「は、はい」
ピンポーン
中沢「はい……って、鹿目さんに暁美さん、それに志筑さん!? な、何の用かな?」
まどか「そんなの、中沢くんが一番よく分かっているよね」
中沢「???」
ほむら「(こうなったら合わせるしかないわ!)もうあなたには従わない! あなたが持っている例の写真! 奪い返しに来たわ!」
仁美「中沢くんがそんな人だったなんて……」
中沢「ちょ、ちょっと待って! 何を言っているのか分からないよ」
ほむら「しらばっくれるつもりね! まどか! 強行策よ! >>186しましょう!」
まどか「! う、うん!」
ほむら「写真を返してください!」ドゲザ
まどか「お願いします!」ドゲザ
仁美「!? お、お願いします!」ドゲザ
中沢「そ、そんな……。ま、まあ立ち話もなんだ。上がってよ」
ほむら「(……なんだか流れがまずいわ)」
まどか「とぼけないでよ! 中沢くんがほむらちゃんのピィーな写真を持って脅してるんでしょ!」
中沢「そ、そんな! 言いがかりだ! 僕はそんなことをしていない!」
まどか「ほむらちゃんが嘘ついてるって言うの!?」
中沢「残念だけど、そういうことになるよ」
ほむら「(まずいまずいまずい)」
ほむら「(ここで流れを引き戻す一言を!)」
ほむら「>>197!」
そして時を動かしその胸ポケットにある写真を返してくださいと泣く
すげーなw
カシャ
ほむら「(次に全裸になります)」
ほむら「(カメラは……あったあった。今時珍しいインスタントカメラが盾に入っていたわ)」
パシャパシャ
ほむら「(これを中沢の胸ポケットにいれます)」
ほむら「(服を着ます)」
ほむら「(時間を動かします)」
カシャ
ほむら「その胸ポケットにある写真を返してください!」
中沢「胸ポケット? 写真なんて……あれ!?」
まどか「その写真だね!」
中沢「い、いつの間に……」
中沢「あっ!」
まどか「……こ、これは……」
仁美「……ひどい」
まどか「背景もこの部屋と同じだね! 中沢くん、もう言い逃れはできないよ!」
中沢「そんなぁ~!」
まどか「この写真は返してもらいます」
ほむら「ありがとう、まどか。でもこのままじゃ腹の虫がおさまらないわ」
まどか「それもそうだね」
ほむら「仕返しに>>206をしてやりましょう」
まどか「そうだね! わたしにキスをって……ええ!?」
ほむら「捕まえた!」ガバッ
まどか「ほ、ほむらちゃん!?」
ほむら「今頃気付いたって遅いわ。まどかにキスしたいのは中沢関係なくわたしの意思よ!」
まどか「だ、誰か助けて!」
仁美「キマシタワー」
中沢「もう明日から学校に行けない……」
まどか「だ、駄目だ! 使い物にならない! ……そうだ!
ほむらちゃん、無理やりキスするようなら、わたしはQBと契約しちゃうよ!」
ほむら「く……」
ほむら「(契約されるのはまずいわ……)」
ほむら「(何か手は……!? >>215)」
まどか「そ、そんなわけじゃないけど……」
ほむら「じゃあキスしましょう!」
まどか「それとこれとは別ー!」バタバタ
ほむら「やっぱりわたしのこと嫌いなのね」メソメソ
まどか「だから違うって」
ほむら「じゃあ……キス、してよ」
まどか「……」
ほむら「(まどかが目を閉じた! これはもうOKでしょう!)」
まどか「ん……」
ほむら「チュッ」
仁美「タマリマセンワー」
中沢「なんだかすごいことになってるけどもう僕には関係ない……。僕は明日死ぬんだ……」
ほむら「(キスはしてみたものの……)」
ほむら「(経験不足なわたしはこの後どうすればいいか分からない)」
ほむら「(いったい何をすればいいの? >>228)」
まどか「……いいよっむぐ!?」
ほむら「(今回は舌も入れる!)」
まどか「ふぁ……んん……」
ほむら「(さらにまどパイをもみもみ)」
まどか「ふぉふらひゃ……んっ……!」
ほむら「(さーらーに? >>242)」
まどか「ひゃっ!? ちょ、ほむらちゃん!!」ドンッ
ほむら「……え」
ほむら「(またしてもまどかに拒否されてしまった)」
ほむら「ご、ごめんなさい。嫌だった?」
まどか「ちょっとそこまでは……」
ほむら「(まぁ雰囲気でキスまではいけたけど、ノンケの人間を落とすのは結構手間取りそうね)」
中沢「ブツブツ……はっ! いったい何が起きているんだ!?」
ほむら「(チッ、そうだったわね……)」
ほむら「じゃあそろそろ帰りましょう。中沢くん、お邪魔しました」
まどか「ばいばーい」
仁美「お邪魔しました」
中沢「何だったんだ……」ポカーン
帰り道
ほむら「(……気まずい)」
まどか「……」
ほむら「(……流れを変えなきゃ。まどかの家に戻ったら速攻で>>256するわよ!)」
たしかに裏山
まどかの家
まどか「ただいまー……」
仁美「お邪魔します」
ほむら「お邪魔します、っと同時に廊下に仰向けになる!」シュバッ
まどか「!?」
ほむら「そしてすかさず腹筋! ノルマは86回! ふん、ふん!!」
まどか「ほ、ほむらちゃん何してるの?」
ほむら「腹筋よ」
まどか「それは分かるけど、何で……?」
ほむら「>>267」
まどか「!」ビクッ
ほむら「ふんっ! ふんっ!」
まどか「あ、あの、ほむらちゃん?」
ほむら「何かしら」
まどか「帰って」
まどか「いや、もう結構遅いし……それに、やっぱりほむらちゃんをそういう目で見られないというか……。ごめん」
ほむら「そ、そんな……」
まどか「うん。明日からは友達に戻ろ? ね? あ、仁美ちゃんもそろそろ……」
バタン
ほむら「追い出されてしまったわ」
仁美「じゃあわたくしもそろそろ……。また明日お会いしましょう、暁美さん」
ほむら「ええ、さようなら……」
ほむら「(……明日どんな顔してまどかに会えばいいのよ……)」
ほむら「……メール? まどかかしら」
『さっきはどうも。どうやったか知らないけど、あの写真を僕の胸ポケットに忍び込ませるトリック、見事だったよ。
だけどひとつ見落としてないかな? そう、あの写真はまだ僕の手元にあるということをね』
ほむら「! ……しまった……!」
ほむら「『……要求は何?』」
中沢『>>292』
ほむら「『!? 何で中沢が安価を……!?』」
中沢『これが怒りの力さ』
ほむら「『……分かったわ』」
中沢宅
中沢「いやー、よく来てくれたねえ」
ほむら「……」
中沢「さっきは動転していたけど……よく考えればこの写真、相当な武器になるよね」
ほむら「……」
中沢「とりあえず僕を陥れようとしていたことは許せない。まず>>303して償ってもらおう」
ほむら「!! よくもそこまで残酷なことを思いつくわね……」
中沢「そんな口を聞ける立場かな?」
ほむら「くっ……!」
中沢「ほら、もうスレは建てておいた。さっさと本文を書け!」
ほむら「(しかしまどさやSSを書くなど、わたしにとっては耐えがたい屈辱……!)」
ほむら「(よし、ここは『>>320』と書いてやりましょう!)」
中沢「……ん?」
ほむら「……」ニヤリ
中沢「ふんっ!!」バシッ
ほむら「ほむぅ!!」
中沢「言い忘れていたが……僕の意に沿わない文を書くたびに、靴べらで肩を叩かせてもらうよ」
ほむら「(これ何て苦行?)」
ほむら「(『まどか「ほむらちゃん大好き』……と)」
中沢「ふん!」バシィ
ほむら「ほむっ!!」
中沢「まだ分からんのかー!」
ほむら「ほむぐふぅ!!」
ほむら「(……
まどか「さやかちゃんが、悪いんだよ?」
さやか「あ、あたしが何したってのさ……」
まどか「毎日毎日あたしの嫁だーとか言って身体触ってきて……そんなの、そんなの勘違いしちゃうよ……」
さやか「(……かわいい。はっ、いかんいかん! 何考えてるんだわたしは!?)」
まどか「責任とって、くれるよね?」
さやか「う~……! 分かった! ここで拒むなんてさやかちゃんじゃない! 来い、まどか!!」
まどか「さやかちゃーん!!」ダキッ
さやか「へへへ……」
……)」
ほむら「……」
ほむら「(もう、限界……)」
中沢「ちょっとトイレに行ってくるから、そのまま続けてろよ」
ほむら「(今だ! >>350に>>365とメールを送りましょう)」
10秒後
ほむら「(返信早っ! 『どこ!?』 でも助かったわ。ここの場所を送って……)」
中沢「さて、どこまで書けたかな」
ほむら「……」
マミ「わたしのお友達に何をしているのかしら?」
中沢「! だ、誰だ!? いつの間に入ってきた!?」
マミ「質問は一回ずつでお願い」
ほむら「(だから早っ! 助かるけど!)」
マミ「わたしのお友達、離してもらえる?」チャキッ
中沢「は、はいいいっ!!!」
ほむら「巴マミ、中沢の持ってる写真も取り上げて!」
マミ「写真? ……これねって……/// あ、あなた、最低の男ね!」
中沢「ひぃぃ!!」
ほむら「助かったわ」
マミ「礼には及ばないわ。でもこれはいったいこれはどういうことなの?」
ほむら「……>>385」
マミ「え? 何が?」
ほむら「これを見て」
マミ「携帯?」
・・・・・
・・・
・
マミ「……つまり自分の行動を全部掲示板に書かれた言葉に委ねていたらこうなったと」
ほむら「そうね」
マミ「馬鹿じゃないの!?」
ほむら「面目ない。でもまどかと仲良くなるどころか距離を置かれてしまった……」
マミ「(ひょっとして、これは先輩らしさをアピールするチャンスでは……)」
マミ「暁美さん。これからは安価じゃなくてわたしがあなたを導いてあげるわ。まず>>400するといいわ」
ほむら「結局それしかないわよね……」
マミ「大丈夫、鹿目さんのことですもの。誠意をもって謝ればきっと許してくれるわ!」
まどか「ほむらちゃん」
ほむら「遅れてごめんなさい」
まどか「……」
ほむら「今日は、昨日のお詫びがしたくて……」
まどか「……」
ほむら「まずは、これを見てくれるかしら」
ほむら「まどかと仲良くなりたくて、この掲示板の人たちにどうすればいいか相談してたの」
まどか「その結果があれ?」
ほむら「……ごめんなさい」ドゲザ
まどか「ったくもう。あきれるほど優柔不断だね」
ほむら「ごめんなさい……」
まどか「……わたしと仲良くなりたいなら、初めからそう言ってくれればいいのに」
ほむら「え?」
まどか「ほむらちゃん」
ほむら「はい」
まどか「>>420」
※このまどかの言葉をもってこのSSはとりあえず終わります。
kskst
ほむら「……」
まどか「……」ニコッ
まどかは何も言わずにただ笑っていた。
こんな惨めな状態にあるわたしに対して何か言葉をかけることはせず、ただ彼女は笑ってみせた。
それが彼女の最大限の優しさの形だった。あんなことをしたわたしを、ただ黙って赦してくれた。
気がつけばわたしはまどかの腕の中で泣いていた。泣きたいのはまどかの方だろうに、なんて情けないんだろうわたしは。
結局、あれ以来まどかとは少し親密になれた気がする。若干「百合っ気のある危ない人」と思われてしまったみたいだけど。
まあそれはともかく、今もこうして笑っているまどかを見ると、あの日安価スレを建てたのも悪くはなかったな、と思えるのである。
ほむら
おわり
俺はとりあえず寝るが後半分あるんで、新たに安価SSスタートするでも何でも好きに使ってくれ。
お付き合いいただきありがとう。
結局安価とれなかったけどおもしろかった
頑張って安価さばいたな!面白かった!
乙
Entry ⇒ 2012.03.31 | Category ⇒ まどかマギカSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
千早「カラオケでボーカルレッスン……ですか?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333110907/
千早「はあ、まあなんでもいいですけれど」
P「しかも今日は全員でレッスンだ」
千早「全員予定が合うなんて、最近では珍しいですね」
P「皆ボチボチアイドルランクもEとかDに上がりだして、
ちょっとずつ忙しくなってるからなー」
P「というわけで、コレのために全員無理やり予定合わせた」
千早「なんでそこまで……まあなんでもいいですけれど」
P「テンション高いなー」
春香「だって、みんなで遊びに来るなんてなんだか楽しいじゃないですかあ」
P「一応レッスンだからな?」
春香「プロデューサーさんの歌、早く聞きたいな☆」
P「……部屋割りするぞ~」
講師:律子
B:千早、あずさ、真、貴音、伊織、響
講師:P
P「ああ、流石に1部屋だと全員歌えないからな」
伊織「それなら一人1部屋にすればいいじゃない」
P「……予算の問題で。あと、一応これにも狙いがあるんだぞ」
真「まあ、メンバー見れば何となく分かるような……」
美希「律子…さん、厳しいから嫌なの」
亜美、真美「兄(C)と同じ部屋がいい~」
律子「今文句言ってる人!今日はビシビシしごきますからね!」
雪歩「真ちゃーん……」
P「まあ、雪歩はもうちょっと歌の安定感が欲しい。そうするとA部屋がちょうどいいんだ」
P「美希は……こっちに入れるとグダグダになるからな……」
伊織「ちょっと!それじゃあ伊織ちゃんが余りものみたいじゃない!」
P「いや、伊織の部屋割りにも狙いはあるんだ」
響「自分、歌も完璧だぞ!いまさらプロデューサーに教わることは無いさー」
P「ほう、凄い自信だな」
あずさ「あらあら~」
やよい「うっうー、今日も元気に頑張りまーす」
P(やよいマジ天使)
律子「どうしてこっちの部屋か、大体わかってるわね?」
春香「のヮの」
雪歩「……ふえ~ん……」
美希「少なくともミキはこっちじゃないと思うな」
律子「危険な発言をするな!じゃ春香、早速、太陽のジェラシーから」
春香「ハイ!天海春香、いきまーす!!」
―そぉっともぐる、わたしマーメイッ―
真美「音程外しまくりだね☆」亜美「ズコーだね☆」美希「寝れないの」
やよい「とっても元気でしたー」雪歩「とっても個性的だね!」
律子「採点機能ONにしてあるから、よく見なさい」75.132点
春香「何だか……五角形、すごく、小さいです……」
律子「この機種は五角形で評価を示してくれるけど、気にするのは一番上の音程だけでいいわ」
春香「音程、すごく、低いです……」
春香「えーん……あ、そうだ!機械がおかしいんですよ、きっと!」
律子「じゃあ、音程を見えるようにしましょ。設定変えるわ」
律子「次、美希、適当に何か歌って」
美希「よーし、ここ早く抜けてあっちの部屋に行くの!」relations!
―よーるの、駐車場でー、あなたは、何も言わなーいまま―
真美「それに歌った音も線になって表示されますな!!」
律子「……実に説明的な会話をありがとう」
律子「この機種は採点演出表示で後ろのビデオ消せるから、音程に集中できるわ……」
律子「アンタたち、歌った音の推移をよく見てなさいよ」
やよい「うっうー、すごいですー!」亜美「やりますねえ…」
真美「これは私たちもうかうかしてられませんなあ」雪歩「すごーい!」
春香(ずーん……)
律子「聞いた感じ、機械は正常ね。ちなみに、歌った結果は、もっと詳細に分析できるわ」
律子「出だし若干音外してるわね」
美希「むー、無理やりけなさなくていいの!ミキここ卒業するの!」
律子「では、私が同じ歌を歌うわ。美希の点が上ならあっちにいっていいわよ」
―夜のショーウインドーに―
美希「嘘……」
春香「美希、ドンマイドンマイ!
持ち歌で負けたなんて気にしちゃダメ!あはははは!」
亜美真美やよい「……」
律子「どう?何か気づいたかしら」
美希「ズルなの!何か細工したの!」
律子「何もしてないわ。
むしろテクニックを封印して美希の土俵で歌ったのよ?」
途切れなくてするするーと歌ってたきがしますー」
律子「そうね。自分勝手に息継ぎしちゃダメ。
ここぞというとき思いっきり吸うのよ」
真美「あとあと、なんだか最初から丁寧に歌ってたよねー」
亜美「サビじゃなくてもしっかり歌ってたねー」
律子「亜美には普段から言ってるわね。
歌はサビだけ頑張ってもちぐはぐな印象になるわ」
律子「美希は基本的に音程は取れてるから、
ちょっと気を付ければ格段に歌の質が上がるわよ」
美希「むー。わかったの……」
雪歩「えっ?二人とも同じなんですか?」
律子「そうよ!」
―ごまえ×2―
律子「真美は後だから結構わかって来てたみたいね」
律子「こぶしを回すと、どうしても音程が乱れやすくなるわ。
正しい旋律からどうしても外れてしまう」
律子「かといって、演歌でもないのに自由自在にこぶしを回せる実力は、
今のアンタ達には無い。とりあえず封印が正解」
律子「そんなことはないわ。自由自在に使えれば、他にはない特徴になる。
でも、中途半端なこぶし回しは、ただの不安定な歌唱にしかならないわ」
やよい「えーっと、こぶしってなんですかー?
手を握り締めて歌うんですか―?」
律子「そうね。音程をしっかり取るところからね」
律子「じゃあ次やよい、行ってみましょう」キラメキラリ!
やよい「うっうー、頑張りまーす!!」
―東京特許許可局 許可却下どっちか?―
―神様!!のの様!!お願い♪―
やよい「うう……頑張りました!」
亜美(かわいい)真美(かわいい)雪歩(かわいいですぅ)美希(かわいいの)律子(かわいい)
春香「……(かわいい…けど…!)」
律子「これはプロデューサーとも意見が一致してるんだけど……」
律子「やよいはある意味完成品ね」
やよい「はわっ!」
律子「歌い方をいじると持ち味を消してしまう」
律子「でもある意味全く未完成……」
律子「あなたは、そのままの声で、きちんと音程を合わせてすべての歌を歌えるようになりなさい」
やよい「うっうー?」
律子「春香と一緒に、基礎レッスンを頑張ってやりなさいってこと」
春香「……」
やよい「うっうー、それなら分かります!頑張りましょうね!春香さん!」
雪歩「緊張しますぅ……」
律子「自分REST@RT!」
雪歩「は、激しすぎますぅ……」
―輝いたステージに立てば最高の気分を味わえる―
亜美「おお!」真美「いつものゆきぴょんじゃないみたい!」やよい「かっこいいですー!」
春香(なにこれ?イジメ?)
美希「雪歩、すごく苦しそうなの……」
律子「雪歩は、ウィスパーボイス気味に歌うからね」
春香「ウィスパー……?」
律子「歌声に息を混ぜるように、ささやくように歌うってことよ」
律子「どうしても音が小さくなってしまうし、慣れないととても疲れるわ」
律子「待ちなさい!ダメじゃないわ!」
律子「確かに難点もあるけど、利点もあるの」
律子「雪歩の消えそうな儚さ、ステージに立つと見られる堂々とした姿」
律子「雪歩の声は、この矛盾する2つを同時に表現できるの」
亜美「確かに、歌ってるゆきぴょん(E)→!!」真美「E→!!」
雪歩「///」
使い方次第で大きな財産になる」
律子「だから、何があっても、その声で歌を歌えるように、
地道な訓練が必要なの」
律子「例えば、春香の声は、訓練次第でアイドルとして頂点を狙える才能よ」
春香「……いまさらフォローしなくたっていいですよーだ……」
春香「えー?!普段そんなこと言わないのに照れちゃうなーあはは!!!」
律子(音程さえどうにかなればね)
美希(チョロいの)亜美(チョロ過ぎ)真美(はるるん……チョロい)
雪歩(私もプロデューサーに褒めてほしいですぅ)
やよい「うっうー、よくわからないですけど、春香さんすごいですー!!」
律子「じゃあもう少しレッスンするわよー」
みんな「はーい!!!」
A部屋おわり
響「みんなでカラオケなんて初めてだぞー」
P「さて」
P「こちらのカラオケ機種は最新機種だ」
P「始めから採点していくぞ」
伊織「前置きはいいから早く始めなさいよ!」
あずさ「……」
響「あ、自分からだなー」
P「いや。さっき俺から教わることは無いと言っていたな」
P「勝負だ」
響「お、なんか楽しそうだぞ!」
P「まず俺が歌う!」
―どっかのデュオの曲―
千早(…!)貴音(これは……)伊織(カッコいい……)真(凄い……)
P「さあ響、97点より上で勝ちだ」
響「わ、分かってるぞ……。も、持ち歌で行くさー!」
―私 shiny smile―
P「残念。やってない」
響「う、うぎゃー!プロデューサー上手過ぎだぞー!」
千早「確かに……意外でしたね……」
P「そうでなきゃこの面子のレッスンなんてやらないさ」
P「プロの肩書だけで勝手に歌が上手くなったりしないってことだ」
真「どういうことですか?」
貴音「どんな時でも不断に訓練を続け、より高みを目指さなくては……」
持ち歌だから、そんなことで歌は上手くならん!下手は下手だ!」
響「うう……」
P「あ、響は上手いぞ?テクニックを意識せず90点出せればかなりの実力だ」
??「へっくし」ハルルンカゼー?
P「ああ。いい機会だし、おさらいするか」
P「基本的な歌のテクニックとして、カラオケで判定してくれるのは、
ビブラート、しゃくり、フォール、こぶし」
音程が外れない程度に小刻みに上下に音を揺らすテクニック」
P「しゃくりは、
半音程度低い音から本来の音へなめらかに上げるテクニック」
P「フォールは、逆に半音上からなめらかに下げるテクニック」
P「こぶしは、本来の音から一音程度、
一瞬だけなめらかに上げてまた戻すテクニック」
P「ま、こぶしに関しては定義がいろいろだ。
亜美真美専用という気がしないでもないが」
P「みつゆりとか、ちりめんとかいろいろあってなかなか面白いぞ、
採点はされないけど」
P「他にも、抑揚、ロングトーンの美しさ、リズム感が重要だな」
響「うぎゃー、おぼえきれないぞー!!」
真「いや、そこはプロとして憶えておこうよ」
P「まああまり気にしなくていい。音程が一番重要だ」
P「じゃあ次……」
伊織(ドキッ)
P「貴音!Do-Dai!」
伊織「へ?」
千早「あまりその……四条さんのイメージでは……」
貴音「……行きます……!」
―突然告られちゃったぞ! どーしよ! (どーしろと?)―
響「あれ?」あずさ「とってもかわいいわ~」
真(いいなあ……)伊織「やるわね…」
千早「四条さん……凄い!」
P「ふむ。あまりなじみがないはずだが、よくできたな!」
P「貴音と……あと響もそうだが、何でも歌える。」
P「それこそ、イメージに合わないような歌でもな」
P「まあ、器用貧乏になってしまう可能性もあるが……」
P「大人しくて悲しげな響、元気でかわいい貴音」
P「本来のイメージにこういった要素を混ぜ込んでいければ、かなりプラスになる」
千早「……!!」
貴音「成程……そのような考え方もあるのですね……」
響「なんか照れるぞ///」
真「は、ハイ!」
P「きゅんっ!ヴァンパイアガール!」
伊織(それ、私だと思ってたのに……)
真「へへっ、ここでいい所見せて、ボクもかわいい歌歌わせて貰いますよ!」
―パッと舞って ガッとやって チュッと吸って haaaaaaaan!―
真「どうでした?!ボクも何でも歌えますよ!
もっとかわいい歌とか!!」 89.121点
P「おう。まず……」真「まず?」
P「こういう激しい曲だとどうしても音程が取りにくくなる」
P「特に、ライブではダンスもやりながらだからな」
P「言いにくいですが、あずささん。体力のほうは、
しっかり維持してくださいね」
あずさ「は、はい。頑張ります~」
P「そうダンスだ!!」
真「うわっ、びっくりした!今まであからさまに無視してたのに!」
P「真といえばダンス、ダンスと言えば激しい曲」
千早(やっぱり無視してるわね……)
P「そして真の持ち味は、ハスキーな低い声だ!」
P「そうなると、歌うのはカッコいいダンスチューン……」
真「……そうですよね、持ち味を生かさないと……」
P「ではあるが……」
真(?)
P「酒やたばこでかすれたような低さではないからな」
P「別れを歌う寂しげな歌が映えるんじゃないかな?」
P「それと、コミカルな表現も体当たりでこなす度量がある!」
交互に出したいと思ってる」
P(それに日本だと、カッコいいだけのダンスチューンって
あんまり売れないんだよね)
真「……へへっ、期待してますよ」
伊織「すすすスーパーアイドル伊織ちゃんの力を見せてあげるわ!!」
(なんでみんな点数高いのよ……何歌わせる気よ……)
P「フタリの記憶を歌ってくれ」
伊織「へ?割と普通ね……」
―何も言わずにサヨナラするよ キミと出会えてすごく嬉しかったな―
千早「やっぱりいい曲ね」貴音「真……良き歌です」
響「普段からこのくらいしおらしいといいさー」
真(それでもかわいいのがあきらめきれない)あずさ「かわいいわ~」
P「伊織、点数を気にし過ぎだ。いつもより上ずっていたぞ」
伊織「そ、そんなことないわよ~」
貴音「目が泳いでいますよ」
P「分析してみようか……。サビ以外で、
低めが低くなりきらなかったようだな……」
P「ああ、伊織は低めも甘い声で伸ばせるからな。
この癖はいい特徴だと思う」
伊織「冷静に解説されるとなんだか変な気分ね……」
伊織「まあ、こうして目で見えるといいわね」
伊織「ボイストレーンングで指摘されても、ピンとこないこともあるし」
P「ああ、そうだな。相手が機械だから、
機械的に判定してくれるし、目に見えやすい」
P「伊織はもうしばらくボーカル系のレッスンだなー」
何だボイストレーンングって
P「俺は伊織を、765プロNo.1のオールラウンダーだと思ってる」
伊織「なななな何言ってんのよいきなり///」
P「伊織は、この歌を歌えば変だ、という歌がない」
P「どんな歌でも、自分のイメージに引きこんでしまえるんだ」
P「しかも、誰かの歌声と喧嘩する声質でもない」
響「立ち直ったぞ……」あずさ「あらあら~」
P「まあそれも、きちんと歌えてこそだからな」
伊織「わかったわよ……」
P「A部屋は、ボーカルに難がある奴ら……と共に、
既にコレという特徴がある奴らが集まってる(美希以外)」
P「一方こちらは、割と完成度が高く、何でも歌える、
いろいろとチャレンジできる奴らを集めた」
P「今日この機会に、何か新たな自分を掴んでいってくれ」
P「千早」
千早「はい……」
P「魔法をかけて!何か掴むんだ!!」
千早「はい!!」
―(Cast a spell on me!)ふふっ
(Cast a special spell on me!)―
伊織「今私は何を見たの?」真「いいなあ…」あずさ「かわいいわね~」
貴音「何か別の次元を垣間見ました……」響「凄い!凄いぞ!」
P(帰ったらすぐにアレンジバージョンの企画書提出だな)
千早「……点数はあまり伸びませんでしたね……」
P「かなりアレンジしていたからな(でも93点、化け物だな)」
千早「でも……」
どういうものか、聞かせてやろう」
P「隣に……だ。俺が歌う」
あずさ(来ましたね)
―私の隣にいて 触れてほしい―
P「どう思った?」
皆「……でも……」
P「正直に言え」
伊織「う、上手いんじゃない?」響「でもなんか、こんなもんかーって感じだぞ」
真「なんだか不自然……なのかな?」貴音「正直申し上げて……それほどとは」
千早「皆の歌のほうが明らかにいい歌です」
千早「今の歌は……まるでロボット。機械的に音を揺らしているだけで、
感情の欠片もありません」
P「所詮は採点するのは機械。俺は機械を騙しただけだ」
P「お前たちが相手にするのは、何十万、何百万という人間だ」
P「機械を相手にするんじゃない。感情を伝えろ」
P「ありとあらゆる方法で、ファンの感情を揺さぶるんだ」
お前たちの実力は途方もないものになるだろう」
P「でも、聞いている人間がいる、ということを忘れるなよ」
P「では、最後だ。本当に感情豊かな歌とはどういうものか」
P「あずささん。隣に…。本気でお願いします」
あずさ「あらあら、本気で、ですね~」
千早(採点を切った……?)
―そばにいると 約束をした あなたは―――嘘つきだね……―
伊織(なんとなく気づいてたけど、アイドルの枠じゃ収まらないわよね)
P「あずささんは、アイドルのように歌ってもらう、ただそれだけのために
レッスンをしてもらってる」
P「本当はシンガーで十分いけるんだが……」
あずさ「でも私は、アイドルがしたいですから」
P「……千早」
千早「……はい!」
P「最終的には、お前には今の歌の上を行ってもらう」
P「もちろん、あずささんもね」
P「そのうえで、ありとあらゆる歌を、歌わせよう」
P「……さて、目標の話はこれくらいで……
もうちょっとやったら、向こうの連中も呼んで騒ぐか!」
社長「お?ついに歌う気になったかね?」
終わり
支援してくださった皆さん
読んで下さったみなさん、ありがとうございました
あとは適当に、アイマスいい曲スレにしちゃってくださいな
あと初代MAは名曲ぞろいだよな
ラジオで歌った曲とかカオスすぎて笑う
いや上手いんだけどさ
お姫ちんの星のかけらを探しに行こうが好き
Entry ⇒ 2012.03.31 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
あかり「赤座さんテスト?」ともこ「問いに全て答えて頂戴!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333025261/
ともこ「じゃあ、分かるとこまででお願いするわ!」
あかり「えっと、それじゃ……きょ、今日のお姉ちゃんの下着の色は黒です!」
ともこ「く、くくくくく、黒!?」ドキッ
あかり「はい、黒です!」
ともこ「黒!? 黒!? 黒!?」キラキラ
あかり「はい、黒です!」
ともこ「黒…黒……く、くぶふぅ!!」ボタボタ
あかり「きゃあ! 大丈夫ですか、ちなつちゃんのお姉さん!?」アタフタ
あかり(一体なにが助かるんだろう?)
ともこ「後は肝心の、好きな女性のタイプだけど!」
あかり「好きな女性ですか? う~ん、お姉ちゃんの好きな女の人は…」
あかり「あっ、お姉ちゃんがよく一緒に出掛けてる友達の方なら知ってますよ!」
ともこ「そ、それって、もしかして!!?」
あかり「ちなつちゃんのお姉さんですよね♪」ニコッ
ともこ「嘘……赤座さんの好みのタイプは私なの!?///」ドキドキ
ともこ「そ、それはもうっ!! …好きです、はい///」シュン
あかり「わぁ~、あかりもお姉ちゃんのこと大好きだから嬉しいです♪」
ともこ「…それは宣戦布告と受け取っていいかしら?」ゴゴゴゴゴ
あかり「ええっ!!?」ガーン
あかり「あ、あかりなにか気に障ること言いましたか!?」アセアセ
ともこ「いえ、これからもライバル同士仲良くしましょうね♪」ニコッ
あかり「はあ…(ライバル?)」
ともこ「あら、なにかしら?」
あかり「…ちなつちゃん、どうしたんですか?」
ともこ「ちなつなら、1万円札を握らせたら喜んで出て行ったわよ♪」
あかり「えっ、いちま――!!?」
ともこ「ハッ!!」
ともこ「ごめんなさい、5千円札の間違いだったわ!!」アセアセ
あかり「そ、そうですか……5千円札」
ともこ「…2千円札とでも言った方が良かったかしら?」ボソッ
あかり「はい…。(話戻されちゃったよぉ~)」
ともこ「あかりちゃんは赤座さんとどこまで行ってるの!?」
あかり「ど、どこまでって…」
ともこ「手を繋いだりとか、一緒にお風呂入ったりとか、キスしたりとか!!///」
あかり「えっと……キス以外なら、小さい頃からしてましたよ?」※
ともこ「キ、キスはまだなのね!?///」
あかり「まだって言うか……はい、まだです」※
ともこ「そう――ありがとう、あかりちゃん。私、希望が湧いて来たわ!」グッ
あかり「あはははは…」
あかり「いえ、お姉ちゃんが初めてかどうかは分かりませんけど」
ともこ「私も初めてだし、上手く出来る自信が無いわ」
ともこ「ああ、赤座さんとのキスに失敗したらどうしましょう…」
あかり「……」
あかり「…あれ?」
あかり(なんだかこんな展開、前にもあったような)
ともこ「――あかりちゃんも、キスはまだなのよねぇ?///」チラッ
あかり「いえいえいえ、あかりはもう既に2回してますから!!」※
ともこ「あら、そうなの? 人は見かけによらないわね…」
あかり(ちなつちゃんや池田先輩のおかげで助かったよぉ♪)ホッ
ともこ「――でも、あかりちゃんが経験者で助かったわ!」
あかり「…えっ?」
ともこ「未経験の2人で試行錯誤するより遥かにいいものね!」
あかり「あの…ちなつちゃんのお姉さん……まさか」ダクダク
ともこ「あかりちゃん。お姉さんの唇にキス、してみない?///」
ともこ「いいのよ、遠慮しなくても。あかりちゃんになら構わないわ♪///」ニコッ
あかり「そんなこと言われてもぉ…」
ともこ「まさか、私の赤座さんとのキスなんか失敗しちゃえって思ってる?」
あかり「そ、そんなこと考えて無いです!!」ブンブン
ともこ「そうよね。未経験の私なんかとキスなんてしたく無いわよね」シュン
あかり「うぅぅ~…」
ともこ「……」
あかり「……」
ともこ「…大丈夫。赤座さんとのキスのシミュレーションは何度もしたわ」ボソッ
あかり「えっ?」
ともこ「だから、きっとあかりちゃんのことも満足させられると思うの!!」スクッ
あかり「あの…」
ともこ「さぁ、あかりちゃん。私のキスの実験だ……初キス相手になって頂戴!」
あかり「うわぁあん!! やっぱり、こうなっちゃうんだぁ~!!?」アッカリーン
あかり「きゃあぁぁあ!!」
ともこ「逃げても無駄よ、あかりちゃん!」
ともこ「いくら私が運動オンチだからって、中学生には負けないわ!!」
あかり(イスさん、あかりを助けてぇ~!!)グイッ
ともこ「!!」ゴッ
ともこ「くぅ…」ピクピク
あかり「きゃあ、ごめんなさい! だ、大丈夫ですか!?」
ともこ「だ、大丈夫…大丈夫だから……」ジワリ
あかり(あっ、半泣きしてる…)
ともこ「隙あり!!」ガバッ
あかり「きゃん!?」
ゴロゴロゴロ
ノシッ
ともこ「遂に捕まえたわよ、あかりちゃん♪///」ドキドキ
あかり「あわわわわ…」
ともこ「うふふ、見れば見るほど可愛いわ……赤座さんそっくりね///」フニフニ
あかり「ひゃう///」ビクン
ともこ「…じゃあ、そろそろ。お姉さんの唇、しっかり受け止めて頂戴?///」ンー
あかり(もう駄目!! …って、確か前はこの辺でチャイムが)
ピンポーン
ともこ「えっ!?」ビクッ
あかり「やっぱり!!」パァァ
あかり「ちなつちゃん!! ちなつちゃんでしょ!? お願い、助けてぇ~!!」
ともこ「ち、ちなつ! そのまま回れ右すれば、またお小遣いあげるわよ!!」
ちなつ「…へっ? いくらくれるの?」
ともこ「えっと…その……また、1万円」
ちなつ「」ガッ
ともこ「3万!! 3万でどう!?」
ちなつ「」ガタガタガタガタ
ともこ「5万!!! お願い、これ以上はドーナツ買えなくなっちゃうの!!」
ちなつ「ちぇ…。じゃあ、5万でいいよ」スッ
ともこ「ホッ」
あかり「待って、行かないでよ! ちなつちゃん!! ちなつちゃ~~ん!!!」
あかり「ちなつちゃん、ちなつちゃん、ちなつちゃ~ん!!」
ともこ「ちなつを呼んでも無駄よ。私のおやつ代と引き換えに行ってしまったわ」
あかり「京子ちゃん!! 結衣ちゃん!! 櫻子ちゃん!! 向日葵ちゃん!!」
ともこ「はぁ…はぁ……。やだ、なにかに目覚めそう♪///」
あかり「うわはぁぁあん!! 助けて――」
あかり「お姉ちゃ~~~~~~~~ん!!! ……あっ」
チュッ
あかり「……………」
ともこ「………………………」
あかり「……………………………………」
ともこ「……………………………………………………」
あかり「……………………………………………………………(あれ?)」
あかり(なんだろう? フワフワして、とっても気持ちいい///)
あかり(あっ、これがキスの……そっか、だからみんなキスしたがるんだぁ♪///)
ともこ「…っはぁ。はぁ…はぁ……///」
ともこ「私の初めて、だったんだけど……どうだったかしら?///」モジモジ
あかり「――あかり、こんなに素敵なキスしたの初めてで…初めてで……」ポロポロ
ともこ「嬉しいわ、あかりちゃん! あかりちゃん!!///」チュッ…チュッ…
あかり「ちなつちゃんのお姉さん! ちなつちゃんのお姉さん!!///」チュッ…チュッ…
ダダダダダッ
???「ぁかりぃぃーーーーーーーーーーーーっ!!!」ガラッ
ちなつ「そろそろ入ってもいいわよね?」
ちなつ「お姉ちゃん、ごま……ただいま~」ガラッ
ともこ「……」
ちなつ「…お姉ちゃん?」
ちなつ「お姉…」ソッ
ともこ「ふふ、ふふふふふ…」
ちなつ「!!」ビクッ
ちなつ「そ、そっとしておこうっと!」ピュー
ともこ「…私に息も止まりそうな殺意を向ける赤座さんも――」
ともこ「私の横でひたすら怯え続けるあかりちゃんも素敵だったわ…」
ともこ「これはもう死ぬまで2人のことを愛し続けるしか無いわね。うふふ♪///」
お わ り !
乙
姉妹だね
Entry ⇒ 2012.03.31 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
恒一「あの世へ繋がる電話?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333086422/
恒一「噂?」
鳴「都市伝説みたいなものよ」
恒一「ああ……口裂け女とかメリーさんみたいなものか」
鳴「うん、それで死んだ人とお話ができるらしいの」
恒一「死んだ人とかあ」
恒一「あっ、勅使河原……それに望月も」
望月「二人で何の話してるの?」
恒一「最近流行ってる都市伝説の話だよ」
勅使河原「都市伝説ぅ?」
望月「あ、それ僕も知ってるかも。あの世へ繋がる電話とか言う奴だよね?」
鳴「そう、それ」
勅使河原「なんだそれ……女子とか好きそうだよなあ、そう言うの」
恒一「さあ……見崎知ってるの?」
鳴「ううん、私もそこまでは……風の噂で少し聞いただけだし」
勅使河原「まあそんなもんだよなあ」
望月「あ、僕知ってるよ」
恒一「え?」
勅使河原「は?」
恒一「へえ、お姉さんから……」
望月「お姉さんもお客さんの一人から聞いただけらしいんだけどね」
勅使河原「ふーん……じゃあ折角だし試してみるか?」
恒一「試す?」
勅使河原「今ここで電話掛けてみようぜ、あの世に」
勅使河原「なんだよサカキ、もしかして怖いのか~?」ニヤリ
恒一「なっ……いやそういうわけじゃないけどさ」
勅使河原「大丈夫だって! どうせただの噂なんだろ?」
恒一「うーん……」
勅使河原「つーか実際に電話掛かるねーって、うちのクラスの災厄じゃあるまいし!」ハハハ
恒一「見崎はどう思う?」
鳴「……いいんじゃない、ちょっと試すぐらいなら」
恒一「まあ見崎もそう言うなら……」
勅使河原「よし! そうこなくっちゃな!」
望月「えっと確か……『111』だったかな? その番号に掛ければいいらしいよ」
恒一「随分と簡単なんだね?」
望月「他にも何か注意事項みたいのがあった筈なんだけど……ごめん、細かい所は忘れちゃった」
勅使河原「まあ大事なとこだけわかりゃーいいって。それじゃあ早速かけてみるか……って、あれ」
恒一「どうかしたの?」
勅使河原「……わり、携帯家に忘れちまったみたいだ。誰か貸してくれねーか?」
恒一「ええー……」
鳴「私はまだ新しいの買ってないから」
望月「僕はそもそも携帯持ってないよ」
恒一「……仕方ないなあ、はい」スッ
勅使河原「さっすがサカキ! サンキューな!」
恒一「もし変なところに繋がったりしたら責任とってよ?」
勅使河原「大丈夫だって、えーと1、1、1っと……」ピッピッピッ
恒一「そういえば変なところに掛かったら通話料金とか大丈夫なの?」
望月「さあ……ちょっとわかんない」
恒一「わかんないってそんな無責任な!?」
鳴「もしその時はご愁傷様ね、榊原くん」
恒一「そんなぁ……」
勅使河原「……お?」
恒一「ん? 勅使河原どうかした?」
勅使河原「……ちょっちょっと待て! 今ハンズフリーにする!」
恒一「これは……」
望月「……」ゴクリ
勅使河原「ま、マジかよ……」
鳴「……」
勅使河原「いや待て! まだ本当に死後の世界に繋がったってわけじゃ――」
プルルル……ガチャッ
『……もしもし?』
勅使河原「どうすんだよこれぇ!?」
望月「勅使河原くんがやろうって言ったんじゃないか!」
勅使河原「俺だってマジで掛かるだなんて思ってなかったっつーの!」
恒一「ちょっと二人とも! 喧嘩してる場合じゃ……」
鳴「……ねえ、ちょっと待って」
恒一「えっ?」
鳴「この声……」
『もしもーし? どうかしましたか?』
勅使河原「どうかしたのかよ、見崎」
鳴「ちょっと静かにしてて」シッ
『もしもし? 大丈夫ですかー?』
恒一「……? あれ、この声って……」
鳴「……」
恒一「……桜木さん?」
『あっ、その声は榊原くん?』
恒一「ほ……ホントに桜木さんなの?」
勅使河原「はあ!?」
望月「さっ桜木さん!?」
桜木『勅使河原くんに望月くんも……と言うことは見崎さんも近くに?』
鳴「うん、いるよ」
桜木『やっぱり。三人方もお久しぶりです』
勅使河原「マジかよ……マジで桜木なのか?」
恒一「信じられないけど、この声は確かに桜木さんだよ」
望月「声が似てるだけの別人ってことは?」
鳴「でも私たちの名前も知ってるとなると……」
恒一「そうだね、一応やっておこうか」
桜木『テスト?』
勅使河原「いいか、今から質問していくから澱みなく答えてくれよ?」
桜木『? はい、わかりました』
恒一「じゃあまずは……自分の名前と学年クラス、それに出席番号は言える?」
桜木『桜木ゆかり、夜見北中学校3年3組所属、出席番号は11番です』
望月「クラス内での役職は?」
桜木『風見くんと一緒にクラス委員長をやっていました』
桜木『もちろんです。毎月クラスの関係者が一人以上死んでしまう……私もその犠牲者の一人になりましたから』
鳴「その対策になるおまじないについては?」
桜木『クラス内の誰か一人をいない者にしてクラスの人数を合わせることです』
恒一「それじゃあ、今年のいない者は誰だった?」
桜木『見崎鳴さんです』
望月「自分の身長、体重は言える?」
桜木『身長は155センチです。た、体重は……その、40キロ台、です』
勅使河原「カップのサイズは?」
桜木『D――ってなに言わせるんですか!?』
勅使河原「……これは完璧に桜木で間違いなさそうだな」
恒一「だね」
望月「流石にあの質問はね……」
勅使河原「わりーわりー、ちょっとした出来心だから許してくれよ委員長!」
桜木『もう……それにしても、まさかあなた達から電話が掛かってくるとは思いませんでしたよ』
恒一「僕らもまさか繋がるなんて思ってもみなかったけどね」
望月「……ねえ、それでどうするの、これ?」
勅使河原「どうするっつったってなあ……折角繋がったんだし少し話してみるか?」
望月「ええっ!?」
恒一「確かに……」
鳴「一生に一度あるかないかの機会かもね、こんなの」
望月「二人まで……」
桜木『そうですよ、折角だから少しお喋りしましょう?』
望月「うーん……なんか嫌な予感がするんだけどなあ」
勅使河原「大丈夫だって、もし多額請求が来てもこれはサカキの携帯だしな!」
恒一「おいちょっと」
勅使河原「待った! 冗談だから! もしものときは割り勘だって!」
鳴「そこは勅使河原くんが全額負担するべきだと思うわ」
桜木『はい! ……と言っても、いざとなると何の話をすればいいのか困りますね』
勅使河原「そうだな……そっちは今元気? とか」
恒一「何だよその質問」
桜木『はい、私は元気ですよ。こっちは怪我をしたり病気になる心配がありませんから』
望月「へー……」
桜木『それに食べ物や飲み物もたくさんありますし』
鳴「……食べ物に飲み物?」
恒一「本? ゲーム?」
桜木『はい、ボードゲームとかトランプとか……あ、それに最近増えたのだとダーツもありますね』
恒一「ダーツ……?」
勅使河原「ちょっ、ちょっと待った!」
桜木『なんですか?』
勅使河原「桜木が居る所ってあの世なんだよな?」
桜木『はい、そうですが?』
勅使河原「そ、そうか」
望月「……僕、ちょっとあの世のイメージが崩壊してきてるんだけど」
恒一「安心して、ここにいる全員が同じこと思ってるから」
勅使河原「聞きたいこと?」
桜木『その……今災厄はどうなっているのかなって』
望月「災厄?」
恒一「どうなってるって……ああ。大丈夫、今年の災厄はもう終わったよ」
桜木『終わった?』
恒一「うん、終わった。もう現象は止まったんだ」
桜木『ほっホントですか!?』
望月「多分この間の合宿でクラスに紛れ込んだ死者が死んだんだろうね」
桜木『そうなんですか……よかったですね!』
恒一「うん……」
鳴「……」
望月「……」
勅使河原「あー……その、あのな桜木――」
桜木『そうだったんですかあ……通りで少し前から人が来ないわけですね』
恒一「えっ?」
桜木『あ、えっと……災厄で死んだ人は皆こっちの方に来てるんです』
恒一「皆?」
桜木『はい、皆です。私が最初にこっちに来て、最後に赤沢さん達が』
勅使河原「赤沢達もいるのか!?」
桜木『はい、いますよ? 他にも中尾くんとか杉浦さんとか、水野くんのお姉さんとかも』
望月「ほ、本当に……?」
鳴「……」
桜木『そうだ、なんなら代わりましょうか? 皆も榊原くんたちと話したいでしょうし』
勅使河原「どうするってお前……もうとことん行けるとこまで行くしかねーだろ」
恒一「そうだね……じゃあお願いできるかな、桜木さん」
桜木『はい、じゃあちょっと皆を呼んできますので』
恒一「うん、よろしくね」
勅使河原「頼んだぜ!」
桜木『はい、少し待っててくださいね』
鳴「……」
望月「……それにしてもびっくりだね。こんな風に死んだクラスメイトと話してるだなんて」
勅使河原「だよなあ、なーんか実感わかねぇな」
恒一「……でも、ちょっと安心してるかな」
鳴「安心?」
恒一「うん……もしかしたらさ、僕、桜木さんとかに恨まれてるんじゃないかと思ってたから」
鳴「恨まれてるって……」
勅使河原「サカキそれは……」
望月「……」
恒一「だからもし恨み言でも言われたらどうしよう、ってちょっと緊張してたんだよね」
鳴「……でもそんな感じはしなかったね」
恒一「うん、だから安心してる。勝手な話だとは思うけど……」
鳴「……大丈夫よ、榊原くん」
恒一「え?」
鳴「私も同じだか――」
『……ま、待ってください!!』
勅使河原「お?」
勅使河原「なんだ?」
望月「桜木さんの声だね」
恒一「何かあったのかな?」
『待って! 待っ……待ちなさい!!!!!』
勅使河原「うおっ!?」
恒一「!?」
鳴「!!」ビクッ
『……静かになりましたね、では皆さんそこに正座して大人しくしていてください』
恒一「あ……も、もしもし?」
桜木『ごめんなさい、ちょっとこっちの方で不手際があって……もうちょっとだけ待っててくれますか?』
勅使河原「お、おう……わかった、いくらでも待ちます」
望月「」コクコク
桜木『ありがとうございます、それじゃまた後で……』
『……はい皆さん、それじゃ今からクジを作りますのでその順番通りに――』
恒一「……」
鳴「……」
勅使河原「……桜木ってさあ、結構こわ――」
望月「いや、余り言わない方がいいと思うよそれは」
・
・
『やったー!! 私が一番!!』
『くそぉおおっ!!』
『ちょっと! そのクジ私と交換しなさい! 一万、一万出すから!』
『やだよーっだ! 悔しかったら裸踊りでもしてみれば~?』クスクス
『このアバズレがぁ!!』ガタッ
勅使河原「……」
望月「……」
桜木『……あ、もしもしー?』
恒一「あ……な、なに?」
桜木『話す順番が決まりましたので、今から一人ずつ電話代わっていきますね?』
恒一「わ、わかりました」
桜木『なんで敬語……? まあいいです、それじゃ一番の人来てくださーい!』
恒一「あっ、その声……」
『おおっ、本当にこういっちゃんだ! 久しぶりだねー!』
勅使河原「この声……綾野か」
恒一「久しぶり、元気だった?」
綾野『元気元気! そっちも元気ー?』
恒一「うん元気だよ……ってなんか死んだ人と話す会話っぽくないね」
勅使河原「死人に元気もくそもなあ……」
望月「ちょっと勅使河原くん」
綾野『あはは、確かに勅使河原の言う通りだねー』ケラケラ
恒一「うん、一応今年だけはね」
綾野『そっかーよかったね! あーあ、なんなら私が死ぬ前に止まってくれてたらなー……』
恒一「そ、それは……」
綾野『あっ……あはは冗談だってば、そんな声出さないでよこういっちゃん』
恒一「綾野さん……」
綾野『仕方ないよ、災厄なんだから……こういっちゃんは気にしないで?』
恒一「……ありがとう、綾野さん」
勅使河原「っつーかなんかサカキだけ喋ってね?」
望月「会話に入り込む隙が……」
鳴「……」(私さっきから空気)
恒一「ああそっか……確か崖から落ちちゃったんだっけ?」
綾野『あ、そうなの?』
恒一「え? そうなのって……」
綾野『実は死んだときの記憶があいまいになってるんだよね』
恒一「そうなの?」
綾野『うん、車で引っ越し先に向かってたところまでは覚えてるんだけどー……』
恒一「そうなんだ……」
綾野『私だけじゃないみたいだよ? 他にも死んだときの記憶が無い人多いみたい』
勅使河原「さあな、俺オカルト詳しくねーし。見崎分かるか?」
鳴「ううん」
勅使河原「だよなあ……」
恒一「まあ、死んだときの記憶なんて無い方がいいと思うよ」
望月「それもそうだね……皆結構悲惨な死に方だったし」
鳴「確かに……死んだときの記憶なんて残ってたらトラウマになるかもね」
勅使河原「特に小椋とか桜木とかな……」
綾野『え? 由美がどうかした?』
恒一「あっいやいや、なんでもないよ」
恒一「え? 見崎?」
綾野『あれ……もしかしてまだ付き合ってない?』
恒一「はあ!?」
鳴「!?」
綾野『うっわマジで……? 意外と言うか予想外と言うか、いい加減にしろと言うか』
勅使河原「あー……まあそうなるよな」
望月「それは僕らも思ってたことだしね」
恒一「ちょっちょっと勅使河原たちまで!?」
望月「いい加減にしろって言われても文句言えないね」
恒一「ど、どういう……」
鳴「」
綾野『なーんだ、ならもし私が生きてたらこういっちゃんに猛アタックしてたのになー』
恒一「は?」
綾野『あっ、やっぱり気付いてなかった? 実は私、こういっちゃんのこと少し気になってたんだよ?』
恒一「え?」
鳴「……!?」
勅使河原・望月(なんか面白いことになってきた)
勅使河原「確かに……サカキはスペックたけーもんな」
恒一「ちょっと……勅使河原まで」
綾野『しかも進学校に行く予定って聞いたし、これは玉の輿狙うしかないなって!』アハハ
鳴「そういう理由なの……?」
望月「綾野さんって意外と打算的なんだね」
綾野『あ、もちろん都会云々は抜きにしてこういっちゃんのことは好きだよ? そんなのはおまけとかきっかけみたいなものだし』
恒一「そ、そう……ありがとう?」
綾野『あははは! なんでお礼言うの、こういっちゃん変なの!』
恒一「ご、ごめん……」
恒一「交代?」
綾野『うん、いいんちょーが一人十分までって決めて……』
恒一「そうなんだ……」
綾野『それじゃこういっちゃん、それに三人も』
望月「うん」
勅使河原「俺らはおまけかよ……」
綾野『あはは、それじゃまたね!』
恒一「うん、またね」
勅使河原「じゃーなー」
『はいはい私! パスパース』
『ちょっと! 子機投げちゃだめですよ!』
望月「……綾野さん、元気そうでよかったね」
恒一「うん、そうだね」
勅使河原「あの世って案外楽しい場所なのかもな」
恒一「あはは、かもね」
『……もしもーし?』
勅使河原「おっ、次の人か……って誰の声だこれ?」
『あれ、子機壊れてない? 大丈夫?』
恒一「あっ、この声……水野さん?」
『おおっ! その声はホラー少年!』
勅使河原「水野?」
恒一「ほら、水野くんのお姉さんだよ。水野早苗さん」
勅使河原「ああー……なるほどな」
水野『何やら知らない人もいるみたいね。私は水野早苗よ、よろしくね』
望月「あっ……僕は望月優矢です」
勅使河原「俺は勅使河原直哉……です」
鳴「見崎鳴……」
勅使河原「例の?」
水野『ちょっとねー、以前見崎さんのことで恒一くんに相談されてたことがあって』
鳴「相談……?」
恒一「ちょっと水野さん! 誤解を与える言い方しないでくださいよ!」
水野『え? 何か問題でもあった?』クスクス
鳴「相談ってなんの相談ですか?」
水野『ええー……ちょっとここじゃ言えないかなあ?』
望月「ここで言えないことって……」
勅使河原「サカキお前……」
鳴「……榊原くん?」
恒一「ちょっと水野さん!! いい加減にしてください!!」
水野『あはははは! ごめんごめん怒んないでよホラー少年』
恒一「……まあ、一応は」
水野『よかったよかった、実はそれだけが心残りだったんだよねー』
恒一「ありがとうございます」
水野『と言うかなに、さっき綾野さんに聞いたけどまだ告白もしてないって本当?』
恒一「だからそれは……」
勅使河原「なんかまたサカキだけ喋ってんぞ」
望月「僕ら水野くんのお姉さんとは交流無かったし、これは仕方ないんじゃ……」
鳴(何の相談してたんだろう……)
恒一「水野くんなら大丈夫ですよ、怪我一つしてません」
水野『そっか! よかったあ、あの子意外とどんくさいとこあって心配だったのよね』
恒一「そうなんですか……そんな風には見えないけどなあ」
水野『見た目はね、見た目は。たまにとんでもないドジするのよあいつ』
恒一「へえ……水野さんとそっくりなんですね」
水野『……え? それどういう意味?』
恒一「いえ、なんでもないですから気にしないでください」
水野『ちょっと! それ私がドジだって言いたいの!?』
恒一「そういうわけではないですけど、遺伝ってすごいなあとは思ってます」
水野『ちょっとー!! ホラー少年表に出ろ!!』
勅使河原「へっ? お、俺?」
水野『ちょっとそこの小生意気なホラー少年一発叩いといて!』
勅使河原「ええ!?」
恒一「ちょっと!?」
水野『私が許可するわ! 行っちゃいなさいかませ少年!』
勅使河原「かませ少年ってなに!?」
水野『なんだか気味からはかませ臭がするから』
望月「ああ……」
鳴「確かに……」
勅使河原「おいお前ら何納得してんだ!!」
勅使河原「くっそお……サカキ一発殴らせろ!」
恒一「それ完全に八つ当たりだろ! やめてよ!」
勅使河原「うるせー!」
水野『あはははは……って、あれ? やばっもう時間!?』
恒一「え?」
勅使河原「あん?」
水野『ごめんねー、なんかもう十分経っちゃったって……』
恒一「あっ、もう終わりですか……」
水野『あら? なにそのちょっとほっとした感じの声』
恒一「いえ、ほっとなんてしてませんって」
恒一「……はい、またいつか」
水野『……あ、それと』
恒一「? まだ何か?」
水野『私も……キミのせいなんて思ってないからね?』
恒一「え?」
水野『だからあんまり気に病まないようにね!』
恒一「み、水野さ――」
水野『それじゃバイバイ!』
恒一「あっ……」
『だから投げないでください!』
『おっしゃ次は俺――ってなんだよ、なにか問題でも……って、え? ふざけんなおい!』
勅使河原「なんかよくわかんねーけど……よかったなサカキ」
恒一「うん……そうだね、よかった」
鳴「それより榊原くん」
恒一「ん? なに?」
『これは満場一致で決まったことよ』
『そんな……!』
『諦めなよ、仕方ないさ……』
鳴「なんの相談してたのか後で教えてね?」
恒一「…………そ、それは……」
鳴「ね?」
恒一「………………は、はい」
恒一「あっ、ほ、ほら! 次の人来たみたいだしその話は後にしよう!」
鳴「……そうね、後で」
勅使河原「えーっとこの声は……」
『お、その声は勅使河原か』
望月「中尾くん?」
『あ、僕もいるよ』
勅使河原「あれ、高林も?」
中尾『何でも尺の都合がどーとか……男は需要ないからひとまとめとも言ってたぞ』
高林『女子の圧政ってフェアじゃないよね』
恒一「た、大変そうなんだね……」
中尾『その声は榊原か……』
高林『久しぶり、榊原くん』
恒一「うん、久しぶり二人とも」
『ついでに、僕もいるよ』
勅使河原「は……? こっこの声って……!」
風見『元気そうだね? 勅使河原』
勅使河原「かっ風見……」
恒一「……!」
金木と松井もそっちいるんだろうし
恒一「……うん、久しぶり」
勅使河原「か、風見! あのさ俺……」
風見『……ああ、いいよ謝らなくて』
勅使河原「え?」
風見『僕を殺しかけたことだろ? もういいって言ってるんだ』
勅使河原「なっ……で、でもよ」
風見『あんなことを知ってしまったら疑心暗鬼になるのも頷ける……それにあれは事故みたいなものだったしね』
勅使河原「風見……」
風見『それに、あの後僕も色々やらかしたし』
恒一「……」
恒一「風見くん……」
風見『こっちに来て冷静になってから、ホント自分のやったことを後悔したよ』
風見『……まさか自分が人殺しするなんてね』
勅使河原「……金木と松井のことか?」
風見『うん、そうだよ。誰かから聞いてるみたいだね』
恒一「その二人もそっちにいるの?」
風見『うんいるよ……二人とも、僕を見た瞬間怯えて逃げ出したけど』
恒一「ああ……そりゃあ、ね」
風見『自分を殺した相手がやって来たら、まあ仕方ないよね』
恒一「そうなの?」
風見『うん……なんだろうね、少し不思議なんだけど』
風見『こっちの方に来ると、感情が薄れると言うか……憎しみとか悲しみとかそういうのが殆ど消えるみたいなんだ』
恒一「憎しみとか悲しみが消える?」
風見『うん、どういう仕組みなのかはわからないけどね』
風見『少なくともこっちには一人も恨み辛みを抱えてる人はいないよ』
恒一「そうなんだ……」
風見『っと……随分と話しこんじゃったみたいだね、もう時間だ』
恒一「え? もう?」
風見『女性陣は十分、男性陣は五分ってさっき決まったらしい』
恒一「そ、そうなの……」
勅使河原「苦労してそうだなお前ら」
中尾『っておいちょっと待て!! 俺ら殆ど話してねーじゃねーか!?』
高林『こんなのフェアじゃないよ!!』
恒一「あはは……まあ元気そうなのが知れてよかったよ」
中尾『おい榊原! 俺はお前に一つ言っておくことが――』
『はいもう終了ですよー、終わった人はこちらにどうぞ』
中尾『ちょっはっ放して……うわー! 待って! やだー!』
高林『フェアじゃないー!!』
『無い無いそんなの、少なくとも中尾には』
『次の人誰ですかー?』
恒一「……」
勅使河原「……」
恒一「……よかったね、話せて」
勅使河原「……だな、ちょっとすっきりしたかもな」
『つぎわたしー』
『わかりました、子機どうぞ』
恒一「えっと、この声は……」
鳴「……小椋さん?」
小椋『久しぶりね、榊原くんに見崎さん』
勅使河原「小椋かあ」
望月「久しぶり、小椋さん」
小椋『うん、勅使河原に望月くんも久しぶり』
望月「小椋も元気そうでよかったね」
勅使河原「だな、なんせ死に方が――」
望月「ちょっとその話は!」
小椋『死に方……? あ、それよりも……見崎さんに榊原くん』
鳴「?」
恒一「えっ、僕ら?」
小椋『うん……ごめんね、殺しかけて』
恒一「あ……」
鳴「……」
恒一「……うん、そうだね。今年の死者は別の人だったよ」
小椋『やっぱりかあ……はあ、ごめんねホントに。勘違いで殺しかけるなんて』
恒一「いやそんな……あの状況じゃ仕方なかったよ」
鳴「……そうね、皆疑心暗鬼になってた」
小椋『……ありがと、ちょっと元気でた』
恒一「どういたしまして」
小椋『……そうだ、ちなみに多佳子や川堀とかも同じこと思ってるみたいよ』
恒一「杉浦さんたちも?」
小椋『うん、気まずいのか電話の順番のクジはひいてないみたいだけど……頼まれたし代わりに謝っておくわ。ごめんなさい』
恒一「そっか……うん、ありがとう。杉浦さんたちにもよろしく言っておいてくれる?」
恒一「あはは、よかったね」
小椋『うん……あ、そうだ』
勅使河原「ん? どうかしたか?」
小椋『気になってるんだけどさ、今年の死者って誰だったの?』
恒一「え?」
鳴「……? そっちに来てないの?」
小椋『最後に来たのは泉美よ。もしかして泉美が死者だったの?』
恒一「えっ……いや、赤沢さんは死者じゃないよ」
小椋『え? どういうこと?』
小椋『怜子さん?』
鳴「三神先生のこと」
小椋『……誰よそれ?』
恒一「え?」
小椋『三神先生なんて人学校にいたっけ……? もしかしてその人が今年の死者だったの?』
恒一「う、うん……そうなんだけど、本当に覚えてない?」
小椋『うーん……やっぱり覚えてないなあ』
恒一「そう……」
鳴「どういうことなの?」
恒一「さあ、僕にもちょっと……」
鳴「死者だった人は別、ってことなのかな」
勅使河原「俺らはもうその人のことは覚えてないし、なんとも言えねーな」
望月「そうだね……」
小椋『とにかく、こっちにいる中には死者はいないってこと?』
恒一「……うん、そうだね」
小椋『そっか……わかった、それだけわかれば満足よ』
恒一「うん、それじゃまたね小椋さん」
小椋『ええ、また……まあ次が何時になるかわかんないけどね』
恒一「あはは、そうだね……」
小椋『見崎さんもまたね』
鳴「うん、またね」
勅使河原「おい俺らには何かねーのかよ?」
小椋『高校入ったら部活ぐらいしなさいよ、帰宅部のエース』
勅使河原「おい! なんだそりゃ!」
小椋『あはは! じゃーねっ』
『ついに私の番ね!! 早く貸しなさい!』
『ちょっちょっと! つかみ取らないでよ!』
恒一「うーん……怜子さんはいないのか」
鳴「……話したかった?」
恒一「少し、ね……ほんの少しだけ」
『もしもしっ!!』
勅使河原「うおっ……ってこの声は!!」
『うげっ、勅使河原……ねえ恒一くんはいる?』
恒一「この声……赤沢さん?」
恒一「うん、久しぶり赤沢さん」
赤沢『ずっとあなたと話したかったわ』
恒一「そ、そうなの?」
赤沢『うん、こっちに来てからずっとね』
恒一「そうなんだ……」
鳴「……」
勅使河原「おい赤沢! 俺は!?」
赤沢『ゆかりー! これって勅使河原だけミュートとかにできない?』
勅使河原「おいっ!!!!」
勅使河原「冗談きついぜマジで……」
望月「あはは、変わってないね赤沢さん」
赤沢『そりゃあね、私は私だもの……そうだ、それよりも見崎さん』
鳴「……私?」
赤沢『ええ、先に済ませておかないとね……合宿の時はごめんなさい』
鳴「……ああ」
赤沢『あなたは死者じゃなかったらしいわね』
鳴「うん、私は死者じゃない」
望月「まあ元から余り対策できてなかった気も……」
勅使河原「おい望月、それ禁句禁句」
赤沢『…………まあいいわ、恒一くんもごめんね』
恒一「僕も気にしてないよ、それより僕もごめん」
赤沢『……ごめん? 何のことかしら?』
恒一「思い出したよ、赤沢さんが最後に言ったこと」
赤沢『最後……?』
赤沢『ごめんなさい、私も死ぬ直前の記憶があいまいで……』
恒一「えっとほら、河川敷で僕が缶をぶつけられた話」
赤沢『缶……? ……あっ!』
恒一「思い出した?」
赤沢『え、ええ……私たちが初めて会った時のことでしょ?』
恒一「そうそう」
鳴「? どういうこと、榊原くん。缶がどうとかって」
恒一「話すとちょっと長いからな……また後で話すよ」
恒一「ホントに?」
赤沢『ええ……恒一くん、ああいう時は嘘でも覚えてるって言うものよ』
恒一「あはは、ごめん……」
赤沢『まったく……まあそういうところでも、私は完敗だったってわけか』ボソッ
恒一「完敗?」
赤沢『こっちの話よ、気にしないで』
恒一「あっ……もう時間か、早いね」
勅使河原「だな、話しこんでると結構時間が経つのって早いもんだなあ」
望月「だね……と言うかもうそろそろ下校時刻じゃない?」
『お願いゆかり! もうちょっとだけ! あと五分だけ!』
恒一「ああ、確かにもう夕方だね」
鳴「そろそろ帰った方がいいんじゃないかしら?」
恒一「そうだなあ……」
『お願いゆかりー!! 一生のお願いだから!!』
恒一「そうみたいだね……それでさ、こっちも悪いんだけど」
赤沢『? なにかしら?』
恒一「僕らもそろそろ帰らなきゃだから、次の人で終わりでいいかな?」
赤沢『ああ……わかったわ、皆に伝えておく』
恒一「ありがとう、じゃあさようなら赤沢さん」
赤沢『ええさようなら……またね、恒一くん』
恒一「うん、またね」
『ええーっ!!!!?』
勅使河原「……赤沢のやつ、俺らには挨拶無しだったぞ」
望月「ドンマイ、勅使河原くん」ポン
勅使河原「肩に手ぇ置くな!!」
『あっぶなー……最後私じゃん!』
『あら、あなただったの。はい受話器』
鳴「……最後は誰だろうね?」
恒一「うーん、まだ話してない人だと……誰だろう?」
勅使河原「この声は……って誰だよ? 望月知ってる?」
望月「いや僕は……榊原くんは?」
恒一「いや、これは僕も知らない人の声だよ」
『ん? もしもーし? 聞こえてるー?』
鳴「……え?」
恒一「どうしたの見崎?」
『あっ、今の声もしかして鳴!?』
鳴「っ……! み、未咲!?」
恒一「未咲?」
鳴「……ホントに未咲なの?」
未咲『うん! ホントに私だよ、鳴』
鳴「未咲……」
勅使河原「なあ、どういうこと? 見崎がミサキミサキって言ってるけど」
望月「わかんないよ……」
恒一「……ああそっか、なるほど」
勅使河原「おっ、サカキは何か知ってんの?」
勅使河原「フジオカミサキ?」
恒一「うん、彼女も災厄の犠牲者だったんだ」
望月「あれ、ちょっと待って……でも今いとこって言わなかった?」
恒一「あー……それは……」
未咲『鳴元気だった?』
鳴「うん、私は元気。未咲は……言わなくてもって感じね」
未咲『うん! 私も元気だよ!』
鳴「……まさか未咲とまた話せるだなんて思ってなかった」
未咲『私もだよー! 相変わらず鳴の声は綺麗だね!』
勅使河原「ふーん……まあいいけどな」
望月「それより、あっちは随分楽しそうだよ」
未咲『ごめんね鳴、約束守れなくなっちゃって』
鳴「ううん……いいよ、そんなの。気にしてない」
未咲『でもー……あーあ、鳴と一緒にまた観覧車乗りたかったなー』
鳴「私も」
未咲『全く、ホント病気のばかやろーだよね! あれ? 災厄だっけ?』
鳴「それは……」
鳴「ううん、それほどでもなかったわ」
未咲『でもいない者にするなんて理不尽じゃない! 私に少しぐらい相談してくれればよかったのにー!』
鳴「それは……ごめんね、家族には話しちゃいけない決まりだったから」
未咲『ぶー……まあいいけど。鳴だから許す』
鳴「ふふっ……ありがと、未咲」
未咲『……えへへっ、どーいたしまして!』
勅使河原「俺、見崎のあんな笑顔初めてみるぞ」
恒一「僕もだよ……」
鳴「……は?」
未咲『鳴ったらずるいよ! 私を差し置いて先に大人の階段を……』
鳴「ちょっちょっと待って未咲、彼氏って誰のこと?」
未咲『えー? しらばっくれてもだめ! こっちの人が教えてくれたんだから! 確か榊原くんだっけ?』
鳴「!?」
未咲『もしもーし! そっちに榊原くんって人いるー!?』
恒一「あれ? 僕呼ばれた?」
勅使河原「みたいだな……行って来いよ」
恒一「いいのかなあ邪魔して……」
望月「呼ばれてるんだから気にしなくていいと思うよ」
未咲『おー! 君が鳴の彼氏?』
恒一「えっ?」
鳴「ちょっと未咲! 榊原くんはそんなんじゃ……!」
未咲『あはは、鳴ったら照れてる! ねえねえ榊原くん!』
恒一「あ……な、なに?」
未咲『鳴のどこに惚れたの?』
恒一「惚れっ!?」
鳴「未咲っ!!」
恒一「は、はあ……」
未咲『鳴って結構ゴスロリとかフリルたくさんのワンピースとか似合うんだよ? そういうの着たときはホントお人形さんみたい!』
恒一「ご、ゴスロリ……」ゴクリ
未咲『おっ、興味ある? 興味ある? 残念だなー、写真が見せれたらよかったんだけど』
鳴「……未咲、いい加減にして。榊原くんに迷惑」
未咲『ありゃ……あはは、鳴に怒られちゃった。ごめんね榊原くん』
恒一「い、いや僕は別に……」
鳴「もう?」
未咲『うん、もう終わりだって。もっと鳴とお喋りしたかったなー』
鳴「……うん、私ももっと未咲と話したかった」
未咲『うん……ねえ、榊原くん』
恒一「……ぼく?」
未咲『鳴のことよろしくね? この子意外と危なっかしいから』
鳴「!?」
恒一「ああ……そうだね、確かに」
鳴「榊原くんまでっ!?」
鳴「もう……じゃあね、未咲。話せてよかった」
恒一「僕も藤岡さんと話せてよかったよ」
未咲『うん、私も二人と話せてよかった……バイバイ!』
鳴「バイバイ、未咲」
『それじゃあ受話器戻しておいてくださいね』
『待って! その前に恒一くんともう一言だけ――』
『駄目ですよ、あちらに迷惑になりますから』
『お願いゆかり! 後生だから――』
――ブツッ
ツー…ツー…ツー…
鳴「……」
勅使河原「……」
望月「……」
恒一「……よかったね」
勅使河原「……だな、まさかまた赤沢達と話せるなんて思ってなかったぜ」
恒一「ホント、皆と話せてよかったよ」
鳴「私も……未咲とまた話せて嬉しかった」
勅使河原「だなー……オカルトは災厄以外信じない主義だったけど、こりゃ改める必要があるな」
恒一「みたいだね」
鳴「うん……」
勅使河原「……よし! それじゃそろそろ帰るか!」
望月「もう外も暗いしね」
恒一「そうだね……行こう、見崎」
鳴「うん」
望月「またあ?」
恒一「僕もちょっと空いたかな……夕飯前に少しだけならいいと思うけど」
望月「榊原くんまで……」
恒一「見崎はどう思う?」
鳴「たまにはいいんじゃないかしら」
勅使河原「よし、じゃあ決まりだな! じゃあ久しぶりにイノヤでも――――」
「――――?」
「――。――――」
「――」
・
・
・
・
・
――リリリリ
ピリリリリリリ
ピリリリリリリ
ピリリリリリリ
ピリリリリリリ
ピリリリリリリ
ピリリリリリ
ピリリリリリ――ピッ
『……』
『……』
『……この度はあの世へ繋がる電話のご利用、ありがとうございました』
『もう二度と話せない筈の人との会話、楽しんで頂けたのなら幸いです』
『……では』
『本日、お客様がご利用になられた時間は××時間××分××秒になります』
『ご利用時間から換算致しました通話料金は後日、係の者が請求に参りますのでそのように』
『では、またのご利用をお待ちしております』
『……』
『……』
『……まあ』
『――次があれば、の話ですが』
――ブツッ
ツー…ツー…ツー…
終わり
最後……
おもしろかった乙
個人的にはこのラストは気に入った
乙
王子…
Entry ⇒ 2012.03.31 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
やすな「またあえるよね?」ソーニャ「さあな」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333029810/
ソーニャ「もう決まったことだ……」
やすな「ソーニャちゃんは…… ソーニャちゃんは……」
ソーニャ「……」
やすな「ソーニャちゃんは私と離れても寂しくないんだ!?」
ソーニャ「っっ……」
やすな「だからそんな態度とって……」
ソーニャ「うるさいっ!」
やすな「えっ?」ビクッ
やすな「ソーニャちゃん……」ジワァ
ソーニャ「初めて出来た友達だぞ…… 最初は友達なんかいらないと思ってたし、ウザイと思ってた…… でも……!」
ソーニャ「楽しくないわけ無いじゃないかっっ!!!!」ポロポロポロ
やすな「ソーニャぢゃん…… ひっく……」ポロポロ
ソーニャ「あぁ…… だから嫌だったんだ…… ずびっ……」
ソーニャ「こんな…… 人前で泣くなんて…… ぐすっ…… 殺し屋失格だ……」
いよいよアニメ最終回だと思うとどうにも寂しい気持ちになる
ソーニャ「今更やめれないんだよ…… 今更やめたって組織に消されるだけなんだよっ……」
やすな「ソーニャちゃん……」
ガラガラ
あぎり「時間です 行きますよ、ソーニャ」
ソーニャ「あぁ…… じゃあな、やすな」
やすな「うぅ…… ソーニャちゃあああああああああああん」
ソーニャ「やすっ…やすなっ…… ぐすっ……」
あぎり「あれ~? ソーニャ、泣いてる?」
ソーニャ「泣いてねぇ!!」
あぎり「今だけ…… 泣いてもいいですよ」
あぎり「……」ニコッ
やすな「ぞーにゃぢゃああああああああん うわあああああああああああん」ポロポロポロ
ソーニャ「っっ…… やすな…… ありがとな、ありがとな」
やすな「やだよおおおおおお!! ソーニャちゃんと離れたくないよおおおおおおおおおおお!!」
ソーニャ「ごめん…… やすな……」
やすな「謝らなくていいよっっ…… 謝らなくていいから一緒にいてよ……」
ソーニャ「ごめん…… ごめん……」
やすな「やだよっ…… やだよっ……」
ソーニャ「ごめんな…… やすな……」
ソーニャ「……」ボソボソッ
やすな「えっ!?」
ソーニャ「あぎり…… やってくれ……」
あぎり「……もう、いいんですね?」
ソーニャ「ああ……」
あぎり「フッ!」
やすな「いっ……」プス
やすな「そー……にゃ……ちゃ…………」バタッ
ソーニャ「これで…… 忘れてるんだな……」
あぎり「はい……」
ソーニャ「行こう……」
あぎり「ソーニャ、最後なにを言ったんですか?」
ソーニャ「な、なんでもいいだろ……///」
あぎり「ソーニャ……」
あぎり「お目覚めですか~~?」
やすな「あ、あぎりさん! 私いつの間に寝てたんですか?」
あぎり「私が来た時はもうぐっすり~」
やすな「そう…… ですか……」
やすな(なんだろう…… 胸におっきな穴があいたみたい…… なにかが足りない……)
やすな「じゃあ、私、帰ります」
あぎり「さようなら~~」
やすな「……」トボトボ
やすな「……!」
やすな「あれ…… 私……泣いてる? なんで?」グジュ
やすな「いつも……一人で帰ってたっけ……」
やすな「なんだろう…… なんなんだろう……」
一週間後
やすな「…………」
女「折部さん、一緒にご飯食べない?」
やすな「あ……ごめん…… わたし屋上で食べなきゃ……」
女「なんで?」
やすな「なんで…………だろう……」
女「なんなのよあの子っ! せっかく一人ぼっちで可哀想だから誘ってあげてるのに!」
男「そうだよな、前からあいつ一人だったけど最近なんだか妙だよな……」
屋上
やすな(ここにきたらなんだかとても寂しい気持ちになる…… なんでだろう……)
やすな(それなのにいつも来てしまう……)
やすな(なんで…… なんなんだろう……これ……)
やすな(あぁ…… 最近これ口癖だな……)
やすな(学校ではほとんど喋らないけど……)
あぎり「おねむですか~~?」
やすな「っは!? あ、あぎりさん……」
あぎり「目の下のくまがすごいですよ~」
やすな「最近、同じ夢ばかり見るんです」
あぎり「どんな夢?」
やすな「誰かが…… 耳元で呟くんです」
やすな「『大好きだったぜ』って行った後に……」
やすな「とても低い声で……『キルミーベイベー』って……」
やすな「その声が怖くて…… いつも目が覚めるんです……」
あぎり「では~ 天然由来の安眠グッズを差し上げますよ~」
やすな「あ、ありがとうございます……」
あぎり「ではこれで~~」
あぎり(ソーニャ…… 貴女って人は……)
やすな(なんなんだろう…… この気持ち……)
教室
ガラガラ
オイッ オリベガキタゾッ メヲアワセルナッ… アイツヤベェヨナ…
やすな(もう…… なれた……)
女「おっとぉ! ごめんなさぁい」ドンッ
やすな「っつ……」コケッ
女「ぼーっとしてると危ないわよ!」
やすな「……」パタパタ
女「チッ……」
やすな(これにも…… なれた……)
やすな「……」ガタッ
やすな(私の隣だけ…… 空席……)
やすな(なんでだろう…… これだけは……なれない……)
やすな(なんてことないことなのに…… なんでだろう……)
家
やすな「…… 寝れない……」
やすな「あぎりさんに貰った薬、飲んでみよう……」
やすな「……」ゴクリ
やすな「これで…… 寝れるかな……」
あぎり(眠り…… ましたね……)
あぎり(ごめんなさい…… それを飲むとソーニャのことを、完璧に忘れてしまう……)
あぎり(でも…… 最近の貴女は…… 見ていられなかった……)
あぎり(あのころの…… 明るいあなたに戻ってほしい……)
あぎり(ごめんなさい…… ソーニャ……)
やすな「クー… クー…」
あぎり(これで…… もう……)
やすな「っっぁ!!」ガバッ
あぎり(なっ!?)
あぎり(な、なんで……!?)
やすな「だめだ…… 寝ちゃったら…… 何か大事なものがなくなっちゃう気がするっ」
やすな「ハァ… ハァ…」
やすな「ハァ…… ハァ………… カクンッ…………」
やすな「クー… クー…」
あぎり(すごい精神力…… 薬に打ち勝とうとするなんて……)
やすな「ソー…ニャ……チャン…………」クークー
女「あたし髪染めたんだよーー みてー金髪ーー」
男「すげーー きれーじゃん」
ガラガラ
やすな「……」
女「あっ、折部さんじゃーーん おはよーー」
やすな「っ!! ぁう……」ビリビリ
女「あぁ? なに無視ってんだよ?」
やすな「っつぅ…… 頭が……」ビリビリ
男「保健室っ……! いやっ、救急車っっ!!」
やすな「っっうぅ……」ビリビリ
ピーポーピーポー
病院
やすな「…… ここは……?」
先生「病院だ 朝お前が急に倒れたからな、男と女が助けてくれたんだぞ」
やすな「そう…ですか……」
先生「感謝しとけよ じゃあ先生は学校戻るから」
やすな「はい……」
先生「ハァ……」
やすな(私っていらない子なのかな……)
家
やすな(学校は休めっていわれたけど…… もう頭は何ともないし、ひまだなぁ……)
やすな(なにかないかな……)ゴソゴソ
やすな(……あれ? これは……)ゴソゴソ
やすな(人形……?)
やすな(こっちは私に似せて作ったやつだ……)
やすな(じゃあこっち…… 誰……?)
やすな「…………」
やすな(かわいいっ)ギュウウ
やすな「っ!? いっっづぅ……」ビリビリ
やすな「あ゙ぁ…………」
やすな(痛すぎて…… 声がでない……)
やすな(私…… 死ぬのかな……)
やすな「ああああああああああああああああああああああ」
やすな(ああああぁぁ……ああぁ…………あぁ……ぁ…………………………)
『大好きだったぜ』
やすな「っっ!? この声はっ……」
プツンッ――――
やすな「……なきゃ…………」
やすな「…ろさなきゃ……」
やすな「殺さなきゃ」
やすな「殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ
殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ
殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ
殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ
殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ
殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ
殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ
殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ
殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ」
やすな「キルミー……ベイベー…………」
ガラガラ
やすな「……」フラフラ
先生「おっ、折部っ!? お前家で寝てろって……」
やすな「……」フラフラ
女「ひっ!? こ、来ないで!」
やすな「…………」フラフラ
ガシッ
女「うぐっ……」
キャアアアアアアアアアアアアアアアア
先生「お、折部っ! なにしてるっ!!」
やすな「きん……ぱつ…………」
先生「えっ!?」
あぎり「ハッッッ!!!」ドヌッ
やすな「ぐっ!!」
やすな「」バタッ
女「げほっ、げほっ…… なんなのよ…… こいつ……」
あぎり「私が責任を持ってつれて帰りますので~~」
あぎり「お騒がせしました~~」
ガラガラ
やすな「あれっ…… ここは…… っつ……」ビリビリ
あぎり「気が付きましたか……」
やすな「最近目を覚ましたら知らない場所、って展開が多い気がする……」
あぎり「…………」
やすな「あぎりさん? なにか知って…… っうがぁっ」ビリビリ
あぎり「寝ててください、最低限のことは説明します」
やすな「やっぱり何か知ってるんですね…………」
やすな「はい…… 半信半疑みたいなところもあるんですが……」
あぎり「私は本物の忍者なんです で、ある組織に所属しています」
やすな「ほ、本物なんですか……」
あぎり「まぁ、信じるか信じないかは自由ですが」
やすな「で、その組織とは?」
あぎり「殺し屋育成機関です」
やすな「殺……し屋…………? ぁうぅっ」ビリビリ
あぎり「本当は他言無用なんだけど…… 私はたぶん…… もう……」
やすな「どうなるん…… ですか……?」
あぎり「そして、見習から一流になるにはある『試験』を受けなければなりません」
やすな「その、『試験』とは……?」
あぎり「自分と親しい人を殺すことです」
やすな「なっ…………!?」
あぎり「自分に親しい人をためらいなく殺すことで『覚悟』を試すのです」
あぎり「そしてそれは同時に自分の害になりうる情報源をつぶすことになります」
やすな「な、なるほど……」
やすな「それは……」ゴクリ
あぎり「ソーニャ、という金髪の殺し屋です」
やすな「あっ―――――――――」
あぎり「なにか、思い出しましたか?」
やすな「うぐぅ――――――――」
やすな「……あっ」
やすな「だから……ソーニャちゃん、友達はいらないって……」
あぎり「さすがですね……」ニコッ
あぎり「常人なら絶対に思い出すことなんてありえないはずなのに……」
やすな「私とソーニャちゃんの絆の力だねっ!!」
あぎり「はい……」
やすな「ってことはあぎりさんも?」
あぎり「はい…… 私はこれまでの試験の成績でソーニャに劣っていたんです」
あぎり「もし、返り討ちに出来れば私が合格なんですけど……」
あぎり「ソーニャ相手では無理です♪」ニコッ
やすな「あぎりさん……」
あぎり「でも、ソーニャは貴女にお土産を残していきました」
やすな「お土産……?」
やすな「この頭の痛みは……」
あぎり「そうです、リミッターをはずすには脳に負担がかかるようですね」
やすな「……」
やすな「ソーニャちゃん失敗したらどうなるんですか?」
あぎり「組織に消されます」
やすな「っ……」
あぎり「もし、ソーニャが自害しても私たちは消されます」
あぎり「もちろん、わざと失敗してもダメです」
あぎり「もう、誰かが死ぬしかないんです」
やすな「そんなの…… わたし、ソーニャちゃんのためなら、しムグッ」
あぎり「それ以上はダメです♪ そんなこと言うとソーニャが悲しむだけです」
やすな「そんな…… せっかく思い出せたのに……」
あぎり「しょうがないですよっ♪」
やすな「あぎりさんは…… なんで……」
あぎり「ん……?」
やすな「なんでそんなに軽いんですか? ソーニャちゃんが自分の命と引き換えに護ってくれるんですよっ!?」
あぎり「……」
あぎり「わたしは……」
やすな「へっ……?」
あぎり「もし返り討ちにしたらわたしは貴女を殺さなければいけません」
あぎり「それが『試験』ですから……」
やすな「あっ……」
やすな「ごめんなさい……」
あぎり「別にいいですよ~ この世界に入ったときから覚悟してたことですから それはソーニャも同じです」
やすな「あぎりさ……」
あぎり「っっ…………」ドヌッ
やすな「あ、あぎりさんっっ!?」
あぎり「頑張って……ね…………」
やすな「あぎりさんっっっ!!!!」
??「キルミーベイベー」
やすな「ぬがっ……」ビリッ
やすな「ソー…ニャ……ちゃん…………」
ソーニャ「なっ!? お前、記憶が……!?」
やすな「当たり前だよ、ソーニャちゃんのことは忘れるわけないよ」
ソーニャ「くっ…… キルミーベイベー!!」
やすな「ぅぐっ……」ピリリッ
ソーニャ「くっ…… あぎりのヤツッ…… 思い出させやがったな!」
やすな「ソーニャちゃん……」ギュッ
ソーニャ「なっ……!?」
やすな「やだよソーニャちゃん…… わたしだけ残されてもどうすればいいかわかんないよ……」ギュウウ
ソーニャ「離れろっ!! このっ!!」
やすな「わたし、ソーニャちゃんがいなくて寂しかった…… 辛かった……」ギュゥ
やすな「でも、わたし……あの言葉のおかげで頑張れた……」
ソーニャ「あの…… 言葉……?」
ソーニャ「なっ……/// あのっ……/// それは……///」
やすな「わたしだって大好きだよ…… 言い逃げなんてずるいよ……」ギュウウウ
ソーニャ「だからっ…… だからこそっ! やすなには生き抜いてほしい!!」
やすな「やだっっ!!」ギュッッ
ソーニャ「ナイフでわたしの腹を刺せ!」
やすな「わたしね…… こんなことに巻き込まれたけどね、ソーニャちゃんと出会えてよかったと思ってるよ」
ソーニャ「わ、私はお前なんかと出会いたくなかったっっ……」ポロポロ
ソーニャ「こんな悲しい思いをするのなら!!」ポロポロポロポロ
ソーニャ「うるさいっっ!! 殺せっ、キルミーベイベー!!!!」ポロポロ
やすな「私はソーニャちゃんと出会うまで、ずっと一人ぼっちだったんだよ」
ソーニャ「…………」
やすな「死のっ、うと… ヒック… 思ったことも… ズズッ あるんだよ……」
やすな「でもっ、ね…… グスッ… ソーニャちゃんっ…と…… ズビッ 一緒にいるときはねっ……」ポロポロ
やすな「最高に楽しかったよっっ!!!!!!!!!!」
ソーニャ「あたしだって!!!!!!!!!」
ソーニャ「好きだ好きだ好きだ!! やすなが大好きだ!! お前みたいな最高に面白いやつ他にはいない!!」
ソーニャ「楽しかった!!!!!!!!」
やすな「……」ズズッ
やすな「ソーニャちゃん、顔ぐしゃぐしゃだよ…… ぶっさいくぅ……」
ソーニャ「うるせぇ…… お前もだろ……」
やすな「ねぇ、ソーニャちゃん……」
ソーニャ「なんだ?」
やすな「一緒に死のうよ」
ソーニャ「…………いいのか?」
やすな「うん…… ソーニャちゃんも、あぎりさんもいない世界なんて息苦しくて生きていけないよ」
ソーニャ「そうか…… ごめんな……」
ソーニャ「でも…… 謝っても謝りきれないっっ……」
やすな「お別れは笑顔で、感謝の言葉と共に そのほうが幸せでしょ?」
ソーニャ「あぁ…… ありがとな……」
やすな「ありがとう、 ねぇ、また会えるよね?」
ソーニャ「さあな」
やすな「来世でもよろしくね! ソーニャちゃん!」
ソーニャ「仕方ないから付き合ってやるよ」
やすな「もー ソーニャちゃんったらいじっぱりぃーー」
ソーニャ「うるせぇ!!」
やすな「じゃあ、ソーニャちゃん……」
ソーニャ「あぁ……」
やすな・ソーニャ『キルミーベイベー』
終わり
乙…
Entry ⇒ 2012.03.30 | Category ⇒ キルミーベイベーSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
グリムジョー「・・・」シコシコシコシコシコ ウルキオラ「・・・」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333032166/
ウルキオラ「何してんの」
グリムジョー「見れば解るだろ」シコシコシコシコシコ
ウルキオラ「そうだな」
グリムジョー「・・・・・」シコシコシコシコシコ
ウルキオラ「虚しくならないか」
グリムジョー「・・・・・」シコシコシコシコシコ
ウルキオラ「なあ」
グリムジョー「うるさいなあっち行けよ」シコシコシコシコシコ
ウルキオラ「すまん・・・・・」
ウルキオラ「なあ」
グリムジョー「なんだよ」シコシコシコシコシコ
ウルキオラ「彼女ぐらい作れよ」
グリムジョー「人の事言えないだろお前も」シコシコシコシコシコ
ウルキオラ「俺はいるよ」
グリムジョー「えっ」シコシコシコシコシコ
ウルキオラ「いるよ」
グリムジョー「・・・・・」シコシコシコシコシコ
ウルキオラ「いるんだよ」
ウルキオラ「えっ」
グリムジョー「お前に気を使って黙ってたけどな」シコシコシコシコシコ
ウルキオラ「ふーん」
グリムジョー「お、おう・・・・・」シコシコシコシコシコ
ウルキオラ「そうか・・・・・」
グリムジョー「・・・・・」シコシコシコシコシコ
ウルキオラ「いるんだ・・・・・」
ウルキオラ「えっ」
グリムジョー「俺はほら家庭的で巨乳な子なんだぜ」シコシコシコシコシコ
ウルキオラ「俺は胸は無いが黒髪が良く似合う清楚な子で」
グリムジョー「そ、そうか」シコシコシコシコシコ
ウルキオラ「お、おう・・・・・」
グリムジョー「・・・・・」シコシコシコシコシコ
ウルキオラ「・・・・・」
ウルキオラ「行くのか」
グリムジョー「デ、デートなんだ」
ウルキオラ「そうか」
グリムジョー「じゃあな」
ウルキオラ「・・・・・」
グリムジョー「こ、今度お前の女に会わせろよ」
ウルキオラ「考えとく」
グリムジョー「・・・・・」
ウルキオラ「・・・・・」
ザエルアポロ「何かブツブツ言ってるぞ」
アーロニーロ「本当だ」
グリムジョー「手ごろな巨乳転がってねぇかな・・・・・」
ザエルアポロ「おーい」
グリムジョー「巨乳・・・巨乳・・・」
アーロニーロ「・・・・・」
ウルキオラ「うん」
ヤミー「あんな狂犬に彼女ができるとはな・・・・・」
ウルキオラ「ビックリしたろ」
ヤミー「それでお前嘘付いちゃったのか」
ウルキオラ「あいつに負けるの嫌だし」
ヤミー「それにしても清楚な貧乳なんてな」
ウルキオラ「知り合いには巨乳しかいない」
ヤミー「貧乳は居てもみんな小生意気で」
ウルキオラ「どうしよ」
ザエルアポロ「アホだろ」
グリムジョー「うるさいな」
ザエルアポロ「すぐに張り合ってさ」
グリムジョー「お前たちも知恵貸せよ」
アーロニーロ「知恵って言われてもな」
アーロニーロ「確かに」
グリムジョー「言われてみればそうだよな」
ザエルアポロ「でも家庭的ってのはな」
アーロニーロ「ネリエルはどうよ」
ザエルアポロ「あとあの井上とか言うウルキオラが唾付けてた」
グリムジョー「どっちにしようかな」
ザエルアポロ「・・・・・」
グリムジョー「遠くの巨乳より近くの巨乳だな」
ザエルアポロ「決まったか」
アーロニーロ「単純な奴だ」
ウルキオラ「・・・・・」
ヤミー「なあ」
ウルキオラ「居る」
ヤミー「?」
ウルキオラ「黒髪の貧乳なら居るぞ」
ヤミー「どこに」
ウルキオラ「死神だ」
ヤミー「何言ってんだ」
ウルキオラ「用意しろヤミー・・・・・」
ヤミー「用意って」
ウルキオラ「ほら急げデブ」
ヤミー「お、おう・・・・・」
ハリベル「そもそも家庭的ではないしな私」
ザエルアポロ「悲しいね」
アーロニーロ「そう落ち込むな」
グリムジョー「まだ一人居る」
ザエルアポロ「本当に大丈夫なのか」
グリムジョー「任せておけ」
アーロニーロ「すんませんね忙しいとこ呼び出して」
ハリベル「・・・・・」
グリムジョー「おい行くぞ野郎ども」
ザエルアポロ「何言ってんだこいつは・・・・・」
アーロニーロ「・・・・・」
ヤミー「・・・・・」
ウルキオラ「さすがに広々としてるな」
ヤミー「まずいってバレたら殺されるって」
ウルキオラ「堂々としてれば大丈夫だろ」
ヤミー「・・・・・」
ウルキオラ「ちょっとそこの」
大前田「・・・・・」
ウルキオラ「この辺に貧乳で黒髪の女性って居るか」
大前田「誰だこいつら」
大前田「あっち・・・・・」
ウルキオラ「本当か」
大前田「多分」
ヤミー「・・・・・」
ウルキオラ「居なかったら殴るぞ」
大前田「えっ」
ウルキオラ「殴るぞ・・・・・」
大前田「は、はい・・・・・」
ヤミー「こいつも可哀想にな」
大前田「どうしよう」
ヤミー「もう勘弁してやれよウルキオラ・・・・・」
ウルキオラ「おほっ・・・・・」
ルキア「・・・・・」
ウルキオラ「いい仕事したなデブ君」
大前田「は、はあ・・・・・」
ヤミー「良かったな殺されずに済んで」
大前田「・・・・・」
ルキア「ん?」
ウルキオラ「俺と来い」
ルキア「うわっ何だお前たちは?」
ウルキオラ「ヤミーとデブ。お前たちも手伝え」
ヤミー「・・・・・」
ウルキオラ「足持て足を」
ヤミー「はいはい」
大前田「・・・・・」
ルキア「だれ何だお前たちは」
ウルキオラ「俺たちは」
ヤミー「し、死神だ」
ウルキオラ「そう俺はアンタを彼女にしに来た」
ルキア「・・・・・」
ウルキオラ「俺と来い」
ルキア「兄様ー兄様ー」
ウルキオラ「ふふふ・・・・・」
大前田「やばいぞ」
ヤミー「どうした」
大前田「奴が来る」
ウルキオラ「すんませんでした・・・・・」
ヤミー「・・・・・」
大前田「何で俺まで・・・・・」
白哉「人の妹をさらおうとして犯罪だよ?」
ウルキオラ「はあ・・・・・」
ルキア「・・・・・」
白哉「どうするルキア」
ルキア「可哀想だからこの辺で」
ウルキオラ「俺と来い」
白哉「こらっ」
ヤミー「どうした」
ウルキオラ「お兄さん」
白哉「何だ」
ウルキオラ「妹さん彼氏とか居たりしてた時期あるでしょ」
ルキア「全く無い」
ウルキオラ「おかしいぞ」
白哉「何が言いたいんだ」
ウルキオラ「この娘からは処女の匂いがしない・・・・・」
白哉「!?」
ウルキオラ「何か身に覚えはありませんか」
白哉「そういえば一時男と同棲してた時期があってな」
ウルキオラ「それだ」
ルキア「・・・・・」
ヤミー「こんな娘でもやる事はやってるんだよな」
大前田「性の乱れってやつだよね」
白哉「あのオレンジ頭に妹の処女を・・・・・」
ウルキオラ「解りますオレンジ頭って何かムカつきますよね」
白哉「くそったれ・・・・・」
ウルキオラ「・・・・・」
グリムジョー「なんだ」
ザエルアポロ「あの井上って人間じゃダメなの?」
グリムジョー「ダメだ」
アーロニーロ「どうして」
グリムジョー「あの娘な多分黒崎とできてるよ」
アーロニーロ「・・・・・」
ザエルアポロ「君にそんなことが解るわけ」
グリムジョー「目ん玉見れば処女か非処女かぐらい見分け付くんだよ」
ザエルアポロ「あんな娘が経験者?まさか・・・・・」
グリムジョー「黒崎とやり合ったときピンと来たんだ」
ザエルアポロ「・・・・・」
グリムジョー「こいつはもう大人なんだなって」
ザエルアポロ「そうだね」
アーロニーロ「・・・・・」
グリムジョー「ちなみにハリベルは処女だ」
アーロニーロ「残念だったね」
グリムジョー「残りはネリエルだ」
ザエルアポロ「・・・・・」
ノイトラ「待ちな」
グリムジョー「無視無視」
ノイトラ「・・・・・」
ザエルアポロ「どうしたんだ」
ノイトラ「お前ら狙ってるんだろ」
アーロニーロ「俺とザエルアポロは別に」
グリムジョー「消えろあっち行け」
ノイトラ「・・・・・」
グリムジョー「しっしっ」
ノイトラ「この野郎・・・・・」
グリムジョー「プププ」
ノイトラ「ぶっ」
ザエルアポロ「・・・・・」
グリムジョー「弱い弱い」
アーロニーロ「ああやられちゃったよ」
ノイトラ「」
グリムジョー「ほら行くぞ」
ザエルアポロ「ノイトラどうするんだよ」
グリムジョー「ほっとけ」
アーロニーロ「・・・・・」
ザエルアポロ「・・・・・」
ザエルアポロ「どうしたの」
グリムジョー「緊張してきた」
アーロニーロ「人って字を手のひらに書いて飲めばいいよ」
グリムジョー「本当かよ」
アーロニーロ「試してみ」
グリムジョー「・・・・・」
アーロニーロ「どうよ」
グリムジョー「何か楽になった」
ザエルアポロ「単純だな・・・・・」
グリムジョー「ダメっすかね・・・・・」
ザエルアポロ「ずっとって訳じゃないんですよ」
アーロニーロ「しばらくの間って事で」
グリムジョー「頼んます」
ネリエル「・・・・・」
グリムジョー「俺ウルキオラに負けたくないんすわ」
ネリエル「まあちょっとだけならね」
ザエルアポロ「おお」
アーロニーロ「良かったなグリムジョー」
グリムジョー「わーい」
ヤミー「もう帰ろうぜ」
大前田「俺も帰っていいですか」
白哉「・・・・・」
ウルキオラ「一人にするなよ・・・・・」
ヤミー「探しても見つからんぜ。なあ?」
大前田「うん」
白哉「おい」
ウルキオラ「はい」
白哉「あれはどうだ」
雛森「・・・・・」
ウルキオラ「よし行くか」
雛森「はい?」
ウルキオラ「俺と来い」
雛森「えっ」
ウルキオラ「ジタバタするな」
雛森「ちょっと誰か助けて」
白哉「誘拐に近いな」
ヤミー「あれはあいつなりのナンパの仕方なんですわ」
日番谷「こら」
ウルキオラ「いたっ」
日番谷「何してんだよお前」
ウルキオラ「ペッ」
日番谷「こいつ・・・・・」
ウルキオラ「ペッペッ」
日番谷「うわっきたね」
日番谷「こいつ・・・・・」
大前田「どうします?」
白哉「場合によっては参戦するしかあるまい」
ヤミー「・・・・・」
雛森「シロちゃん」
ウルキオラ「プププ」
日番谷「笑うな」
ヤミー「あの子供何なんだ」
大前田「一応隊長」
ヤミー「ふーん」
白哉「生意気な坊主でないつか取っちめてやろうと思ってたんだ」
日番谷「・・・・・」
ウルキオラ「後ろに何かいるぞ・・・・・」
日番谷「は?」
ウルキオラ「ほら後ろ」
日番谷「何もいねぇじゃねえか」
ウルキオラ「おらっ」
日番谷「ぶっ」
ウルキオラ「死ねぇ」
白哉「死ねぇ」
大前田「死ねぇ」
日番谷「やめんか馬鹿野郎どもが」
ウルキオラ「クスクス」
日番谷「明らかに誘拐しようと」
ウルキオラ「俺流のナンパ術だ」
日番谷「・・・・・」
ウルキオラ「全く親の顔が見てみたい」
日番谷「親はいねぇ」
雛森「私もシロちゃんもお婆ちゃんしかいなくて」
ウルキオラ「ほぉ」
雛森「・・・・・」
ウルキオラ「という事はお二人は姉弟という事になるな」
雛森「はあそれに近い感じで」
ウルキオラ「という事は君は今日から俺の弟か」
日番谷「は?」
ウルキオラ「お兄さんと呼びなさい」
大前田「言ってる事はおかしいのに」
ヤミー「今は半笑い状態だウルキオラの」
ウルキオラ「な?」
日番谷「絶対に嫌だ」
ウルキオラ「分からず屋だな弟よ」
雛森「すみませんね」
ウルキオラ「いいんです」
雛森「・・・・・」
ウルキオラ「元気が有ってよろしい」
ヤミー「あれが満面の笑みだ」
白哉「真顔だろ」
ヤミー「やっと帰る気になったか」
ウルキオラ「はい集まって」
白哉「・・・・・」
大前田「・・・・・」
雛森「・・・・・」
日番谷「何だこうなるんだ」
ヤミー「黙ってろ」
日番谷「・・・・・」
ウルキオラ「テレポート」
グリムジョー「おお」
ウルキオラ「彼女を連れて来た」
グリムジョー「奇遇だな俺もだ」
ウルキオラ「見せろよ」
グリムジョー「いいだろう」
ネリエル「・・・・・」
雛森「・・・・・」
グリムジョー「どうよ」
ウルキオラ「へっへっへ」
ザエルアポロ「後ろに居る人たち死神だよね」
ヤミー「色々あってな」
アーロニーロ「色々って・・・・・」
ザエルアポロ「まあね」
ネリエル「これからどうするの」
グリムジョー「解らんないっす」
アーロニーロ「解らないって」
グリムジョー「ウルキオラがどう動くかだ」
ザエルアポロ「そこまで張り合わなくてもいいだろ」
アーロニーロ「もう帰ってもいいんですよ」
ネリエル「どうしよ」
グリムジョー「もうちょっと居てくださいよ・・・・・」
ネリエル「わかったわかった」
グリムジョー「すんませんね」
雛森「読書とかを」
ウルキオラ「官能小説ですか?」
雛森「違います」
ウルキオラ「エロ本ですね」
雛森「違いますから」
ウルキオラ「好きな食べ物は」
雛森「ええっとですね」
ウルキオラ「ちなみに僕はあなたですかね」
雛森「えっ・・・・・」
ウルキオラ「冗談ですよ」
雛森「・・・・・」
ウルキオラ「ふふふ・・・・・」
グリムジョー「さあ」
アーロニーロ「さあって」
ネリエル「そうだ夕ご飯の支度しなくちゃ」
ザエルアポロ「いつもいつもすみませんね」
グリムジョー「ウルキオラんとこ行こうぜ」
アーロニーロ「そうだな」
グリムジョー「・・・・・」
ヤミー「おお」
大前田「・・・・・」
グリムジョー「何してんだ」
白哉「何だろ見合いのような」
ヤミー「まあな」
ザエルアポロ「暇だね君たちも」
ヤミー「お互いにな」
アーロニーロ「・・・・・」
雛森「・・・・・」
ウルキオラ「言わなくても結構解るんです」
雛森「はあ・・・・・」
ウルキオラ「匂いでね」
雛森「そうですか」
ウルキオラ「何も経験したことありませんね」
雛森「え、ええ」
ウルキオラ「いいですね・・・・・」
雛森「・・・・・」
ウルキオラ「帰しませんよ」
雛森「そんな・・・・・」
ウルキオラ「別に何もしませんから」
雛森「・・・・・」
ウルキオラ「安心してください」
雛森「本当ですか?」
ウルキオラ「一応紳士ですから」
雛森「・・・・・」
ウルキオラ「一応ね」
ヤミー「さあ」
日番谷「手出したらぶっ殺してやる」
大前田「シネチビ」
日番谷「あ?」
大前田「きゃー怖い」
ヤミー「坊主落ち着け」
白哉「本当の事言っただけだろ」
グリムジョー「何だこのチビッ子は」
日番谷「どいつもこいつも・・・・・」
グリムジョー「目つき悪いなこいつ」
グリムジョー「わーい」
大前田「俺たちも食わせてもらいますか」
白哉「そうだな」
日番谷「俺いらね」
ザエルアポロ「背大きくならないよ」
日番谷「何なんだお前たちは俺に何か恨みでもあるのか」
グリムジョー「別に」
大前田「シネチビ」
日番谷「ぐぬぬ・・・・・」
雛森「どうかしましたか」
ウルキオラ「貧乳ですね」
雛森「くっ・・・・・」
ウルキオラ「それがいいんです」
雛森「はぁ・・・・・」
ウルキオラ「何かしましょうよ」
雛森「何かって言われましてもね」
ウルキオラ「交尾とか」
雛森「嫌です」
ウルキオラ「子作りは」
雛森「・・・・・」
ウルキオラ「性行・・・・・」
雛森「もういいです」
アーロニーロ「ありえるな」
ザエルアポロ「あいつは・・・・・」
グリムジョー「あいつあれで変態だしな」
ザエルアポロ「確かにな」
アーロニーロ「むっつりって奴だな」
グリムジョー「・・・・・」
大前田「うめぇうめぇ・・・・・」
白哉「・・・・・」
ヤミー「よく食うなこいつら」
ウルキオラ「ええーっ」
白哉「もう夜だから」
ウルキオラ「・・・・・」
雛森「そんながっかりしないでください」
ウルキオラ「・・・・・」
雛森「たまに遊びに来ますから」
日番谷「行くことねえぞ」
ウルキオラ「ペッ」
日番谷「こいつ・・・・・」
ウルキオラ「プププ」
大前田「シネチビ」
ウルキオラ「おお」
グリムジョー「何やってんだ」
ウルキオラ「手紙書いてんだよ」
グリムジョー「あっそ」
ウルキオラ「・・・・・」
グリムジョー「誰にだよ」
ウルキオラ「秘密」
グリムジョー「色々とあってな」
ウルキオラ「ふーん」
グリムジョー「・・・・・」
ウルキオラ「・・・・・」
グリムジョー「どこ行くんだよ」
ウルキオラ「ポスト入れてくる」
グリムジョー「そう」
ウルキオラ「お前も精々よろしくやってろよ」
グリムジョー「ああ楽しませてもらうぜ」
ウルキオラ「・・・・・(あいつどこまでやったんだろ)」
グリムジョー「・・・・・(この嘘はいつまでつけばいいんだ)」
ウルキオラ「はあ・・・・・」
グリムジョー「ふう・・・・・」
終
おもしろいぞ
Entry ⇒ 2012.03.30 | Category ⇒ BLEACH SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
京子「せめて夢の中ででも」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333029669/
京子ちゃん誕生日過ぎた記念の結京同棲ネタ
ガチャリ
京子「うぅ~……買いすぎで荷物が重い~……」
結衣「しょうがないだろ、こうやって安い時に買い溜めしておいた方が家計にいいんだから」
京子「そりゃそうだけどさぁ……」グッタリ
~結衣宅~
京子「……あっ!た、ただいまんはった~ん!!」
結衣「いや、忘れてたんなら無理にやらなくても」
京子「ほらっ、結衣も早く!!」
結衣「えー……おかえりこっとしてぃ」ボソッ
京子「テンションひけぇ!」
京子「それじゃあさ……ほら、おかえりのちゅー……///」ンー
結衣「その前に、もう一つ忘れてることあるんだけどな」
京子「え?なんかあったっけ?」
結衣「……思い出すまでキス禁止だから」
京子「ええ~!?そんな殺生なぁ……」ガーン
結衣「じゃあ頑張って思い出すんだな」フフッ
京子「え~……何があったっけ……いつも何やってたっけ……?」ワタワタ
結衣「私、買った物片付けてくるから」
京子「ううう……」
京子「……わ、わかったぁ!!」
ドタドタ…
京子「ゆ~い~っ!!」
結衣「どうした?もしかして思い出したとか?」
京子「おうよ!見てろよ~?」
キュッ…ダババー
京子「ふっふふ~ん♪」ジャバジャバ
コポポポ…
京子「んく……がらららららら~……っぺ」
京子「手うが完了っ!!」
結衣「……よくできました」フフッ
京子「じゃあさ!じゃあさ!……おかえりのちゅーを……///」
結衣「ん……」
チュッ
京子「……ただいま///」
結衣「おかえり」ニコッ
…………………
京子「それで、今日は夕飯何にすんの~?」
結衣「んー、今日は京子の好きな物なら何でも作るよ」
京子「えっ……何、なんかいやに優しいじゃん?」
結衣「そりゃお前、今日は……」
京子「今日は?」
結衣「……わかんない?」
京子「今日……なんかあったっけ?」テヘッ
結衣「マジでわからないの?」
京子「いや、わかんないわけじゃないから!……今思い出すから!」
結衣「わかってねえじゃん」
京子「え~、私たちが付き合い始めた日……とか?」
結衣「それは別の日」
京子「ですよねー」
京子「ん~、何だろう?初キス日?それとも初デート日?」
結衣「ちがうちがーう」
京子「……わかった!結衣が初めてオンナに目醒めた日だっ!!」グッ
結衣「……」ムカッ
ゴチンッ!
京子「痛ぁ……何も殴らなくたっていいじゃんよ~……」
結衣「今のは殴られても文句言えないレベルだったから、つい」
京子「今ので完全に忘れましたぁー!あーあ、結衣のせいで大事な記念日忘れちゃったー!」
結衣「……ぷふっ」
京子「おい、何が可笑しいんだよ!?」
結衣「お前……今の台詞、今日一日中覚えておくんだぞ……?」プククク…
京子「な、なんだよ~?私、なにか変なこと言った~?」アセアセ
結衣「くくくっ……いや、いいんだ、忘れてくれ」クスクス
京子「だからそんな風に言われたら余計気になんだろーがーっ!!!」ウガーッ
結衣「じゃ、じゃあ……私、晩ご飯作り始めるから……!」クククッ
京子「さすがにもう笑うの止めてくれよ」
結衣「京子はゲームでもやって待っててよ」
京子「え、私も手伝うけど……?」
結衣「いや、今日は私一人で作るから」
京子「……やっぱりなんか怪しい」ジトー
結衣「うっ……ほ、ほら!ナモクエの新作やるから!」
京子「え~っ!?これ、昨日発売のナモクエ3じゃん!?いつ買ったの!?」
結衣「あ、いや、たまたま手に入ったから……京子先にやっててよ」
京子「おっけいおっけ~い!……だけど、新作だし結衣も一緒にやったほうが……」
結衣「い、いや……私は晩ご飯作ってるから」
京子「ふ~ん……」
…………………
結衣「おまたせ……って、京子ナモクエしなかったの?」
京子「うん……やっぱり結衣と一緒にやんなきゃ面白くないし!」
結衣「そっか……」フフッ
京子「で~、今日の晩飯は何かな~っと……あれ?オムライスのみ……?」
結衣「そうだよ」
京子「さっきさ、『私の好きな物ならなんでも』って言って……たしかに結衣のオムライスは大好きだけどさぁ……」
結衣「まぁまぁそんなことは置いといて、早く食べようよ」
京子「そ、そうだな……いっただっきまーす」
結衣「そういえば、今日が何の日か思い出せた?」
京子「いやぁ全然」モグモグ
結衣「マジか……殴られて忘れるような日じゃないんだがなぁ」クスッ
京子「うっ……もう!わかんないんだから早く教えろよ~!」
結衣「オムライス食べ終わってからな」フフッ
京子「……ごちそーさまっ!はい!教えろ!!」
結衣「まだ私食べ終わってないし」パクパク
京子「いいから!ね、教えてくれよ~!!気になって夜も眠れなくなっちゃうから~!!」
結衣「それじゃあ……私の誕生日はいつ?」
京子「4月22日」
結衣「じゃあ、お前の誕生日は?」
京子「そんなの、3月のにじゅうは……」
結衣「ん?」ニヤニヤ
京子「わ……わかった……!!」
結衣「今日は何の日?」ニヨニヨ
京子「……私の誕生日じゃーん!!!」テヘペロー!
結衣「自分の誕生日を忘れるなんて、ベタすぎんだろ」クスクス
京子「うっさい!いろいろと考えることが多くて忘れちゃったんだよ!///」カァー
結衣「はいはい」クスクス
結衣「じゃあ……ちょっと待ってろ」
京子「ん?うん」
…………………
結衣「……はっぴばーすでーきょーこー」
京子「!!」
結衣「はっぴばーすでーきょーこー」
京子「けけけ、ケーキじゃん!!いつ作ったんだよ~!」
結衣「はっぴばーすでー……ふんふふ~ん♪」
京子「よくわかんないなら無理すんなよ」ハハハッ
結衣「はっぴばーすでーきょーこー♪」
結衣「誕生日おめでとう、京子」ニコッ
京子「うわ~……マジで美味しそうなケーキ……」
結衣「時間がなかったからスポンジとかが既製品になっちゃったんだけどさ」
京子「そんなの関係ねえよ!ほら、早く食べよっ!」
京子「でらうめぇ!!」モグシモグシ
結衣「それはよかった」
京子「これ、さっき作ったの?」
結衣「うん、オムライスはちゃちゃっとで済ませられたんだけど、ケーキはさすがに時間かかっちゃうよね」
京子「それでも私が作るよりも全然美味いし!」モッキュモッキュ
京子「……あ、もしかしてあのナモクエは誕生日プレゼントとか?」
結衣「まぁ、二人で遊べるからプレゼントって感じじゃないかな」
京子「いや、プレゼントだよ!すっごいうれしい!!」
京子「……今すぐ抱き着いてちゅーしたいくらいっ!」ガバッ
結衣「ちょ、待て待て!まだちゃんとしたプレゼントがあるんだから!」
京子「据え膳食わぬは女の恥っ!今すぐキッスユー!!!」ガバチョッ
結衣「……ぬんっ!」グワッ
京子「なにぃ!?阿修○閃空だとっ!?」
結衣「とりあえず落ち着け」
京子「お前も落ち着けって!」
…………………
京子「ふぅ……で、もう一つのプレゼントって何よ?」
結衣「あ、ちょっと待ってて……」トテトテ
京子「へいへ~い」
結衣「おまたせ、じゃあ目をつぶって」
京子「えっ……ま、まさか……!?」
結衣「ははっ……なんだかバレちゃったかなぁ?」
京子「……まさか『私がプレゼント!』とか言わないよね?」
結衣「言うか馬鹿」
結衣「いいから、早く目つぶれって」
京子「はいよ~」ツムリ
結衣「……京子、薄目開けてるでしょ」
京子「もう!細かいなぁ……はい、これでもう何も見えませ~ん」ギュッ
結衣「……」ガサゴソ
京子「ん?何か開けてる?」
結衣「……」スッ
京子「ひゃっ!?く、首が冷たいんだけど!?」ビクッ
結衣「ちょっと我慢してろ」カチャカチャ
京子「……」
結衣「よし、目開けていいよ」
京子「だいたいわかっちゃったけどさ……うん、凄く綺麗なネックレス……」
結衣「何にしようか迷ったんだけど、今更手作りの物とか微妙だと思って」
結衣「せっかく二人で付き合いだして初めての誕生日だしさ、少しくらいはしっかりした物をあげたかったんだよね……///」
京子「……うん」
結衣「どうした?もしかして……こういうの嫌だった?」
京子「んなわけねぇし!」
京子「ただ……なんか嬉しすぎて、なんて言ったらいいかわかんなくて……」ウルウル
京子「ありがと……結衣」ニコッ
結衣「どういたしまして」ニコニコ
京子「これ、高かったんじゃないの?」
結衣「いや、まぁそこそこかな……毎月のお小遣いを貯めてたから、それで買える範囲で選んだんだよ」
京子「そんな……私のために……」
結衣「指輪とどっちにしよっかなって迷ったりしたけど……指輪って、やっぱりまだ早いかなって……」
京子「このネックレス、一生大切にするよ!」
結衣「そっか、贈って正解だったな」ニコニコ
京子「けど、結衣の誕生日の時は……」
結衣「そ、そんな気にすること無いって!京子からもらえる物ならなんだって嬉しいしさ!」アセアセ
京子「あのボクシンググローブは……?」
結衣「あれだってまだ使ってるし、もらって嬉しかったよ!」アセアセ
京子「……」
結衣「京子……?」
京子「決めた!私、結衣の誕生日に指輪あげる!!」
結衣「お、おい……あまり無理すんなよ?」
京子「無理じゃないし!結衣だってこうやってネックレスくれたんだし、私だって結衣にしっかりしたプレゼントをあげたい!」
結衣「私は本当に、京子からもらえる物ならなんだって……」
京子「大丈夫!結衣はその日まで楽しみにしててよ!」グッ
…………………
京子「……結衣~、どう?」
結衣「すっごく似合ってるよ、京子」
京子「本当にありがと……」チュッ
結衣「……ねぇ、一旦そのネックレス外してよ」
京子「えっ……どうして?」
結衣「せっかくの誕生日プレゼントを、その日に壊したりしたら嫌だしさ」
京子「大丈夫だよ?私、乱暴に扱ったりしないし」
結衣「いや……だから、今から私が乱暴に扱っちゃう可能性が……」
京子「?」
結衣「……ああもう!だから、今すぐ京子を抱きたいからネックレス取ってってこと!!///」
京子「も、もう阿○羅閃空しない……?」
結衣「し、しないから……///」アハハ…
京子「う……うはーっ!!ルパンダイブじゃああああああっ!!!」ビヨーン
結衣「だ、だから今日は私が先に……って聞いてねーし!!」
京子「ゆいーっ!!!」ガバッ
…………………
結衣「……」グッタリ
京子「くかー……」スヤスヤ
結衣「くっ……くそ……京子のやつ、散々責めてきたくせに自分の番になったらすぐ寝落ちかよ……」
京子「むにゃむにゃあ……」スピー
結衣「ふふっ……かわいい寝顔だなぁ、まったく……」
京子「うぅーん……ゆいぃ……」
結衣「寝言で私の名前を呼ぶなんて……どんな夢見てんだか」クスッ
京子「ゆ…い……、ずっとぉ……ずーっと、愛してゆよぉ~!!……すぴぃ……」
結衣「……ったく///」
結衣「京子かわいすぎ」チュッ
おしまう!
他の子たちが京子ちゃんの誕生日を祝えてないとかそんな野暮なことは言わないで
春休みなんで、きっと翌日に誕生日パーティーやったんだよ
京子ちゃん誕生日おめでとう!
そして、綾乃ちゃんが救われないので
綾乃ちゃんチックな超短編おまけ
綾乃「痛っ……指を切ってしまったわ」
綾乃「痛っ……指を切ってしまったわ」
~調理室~
千歳「だ、大丈夫!?綾乃ちゃん!?」
綾乃「キャベツ切ってたら……ちょっと切っただけだから大丈夫よ」
結衣「けど、結構血出てるし……保健室行った方がいいよ」
綾乃「そうね、消毒してもらってくるわ」
京子「綾乃!ちょっと待って!」
綾乃「え?どうしたの?」
京子「切った指、見せてみ?」
綾乃「え、えぇ……はい、ここをちょっとだけ切っちゃったんだけど……」
京子「……はむっ」
ちうちう
綾乃「ひぃっ!?///」
京子「ちゅぱちゅぱ」
綾乃「ととと、歳納京子ぉ!?な、何やってるのよっ!?///」
京子「ん~?ほぉやっへ、らえたらいいんらよぉ~」
(ん~?こうやって、舐めたらいいんだよ~)
綾乃「だだだだだだ、だから!そういうことは一言声をかけてから……!!///」プシュー
京子「ちゅぽん……あ、言ってなかったっけ?ごめんごめん」テヘヘ
綾乃「ごめんごめん……じゃあないわよぉーっ!!!///」キィー!!
京子「じゃあ……はい!これで許しておくれよ~」スッ
綾乃「えっ、これ……」
京子「は~い、また指出して~……ペッタリンっと」
綾乃「……かわいい絆創膏///」
京子「京子ちゃん印のハート柄の絆創膏!レアなんだよ~?」ニコッ
綾乃「……///」カァー
綾乃「……い、一応、ありがとって言っておくわねっ!///」
綾乃「けど……さっきのをゆ、許したわけじゃないんだからねっ!!///」
京子「へいへい」ニヤニヤ
結衣「……あれ?今日の実習、材料に紫キャベツなんかあったっけ?」
千歳「いや……普通の緑のキャベツやで~……?」ダクダク
…………………
綾乃「……熱っ!」
千歳「何かあったん!?綾乃ちゃん!?」ダクダク
結衣「とりあえず千歳は鼻血止めてこいよ……」
綾乃「あ、あの……ポトフの味見しようとしたら、凄く熱くって舌をやけどしちゃったみたい……///」
結衣「ああ、よくやるよね~」
千歳「あれは地味にダメージ大きいんよなぁ」
結衣「とりあえず、冷たい水で冷やしたらいいんじゃないかな?」
京子「綾乃!ちょっと待って!」
千歳「キキキキ、キタワァー!!!!!」ブバー
綾乃「ど、どうしたのよ……?///」
京子「はい、あっかんべーしてみて~」
綾乃「えっ、そんなの……うぅ……べ、べぇー……///」カァー
京子「……はむちゅっ」
べろちうー
綾乃「んふっ!んんんぅ~……///」
京子「んちゅう……れろっえろえろ……ちゅぱ」チュー
綾乃「も、もぉいいれしょ!?はやふはられらさいよぉ~!!///」
(も、もういいでしょ!?早く離れなさいよ~!!)
京子「んちゅ……ぷはっ……///」
綾乃「あっ……///」ポー
京子「これで……やけども痛くないでしょ……?///」ドキドキ
綾乃「う……うん///」カァー
綾乃「けど……ま、まだちょっと痛い……かも///」
京子「えっ……じゃ、じゃあ……もう一回///」
綾乃「うん……///」チュッ
結衣「……お~い、おまえら~、今授業中なんだけど~?」
千歳「……ぐふっ」グッタリ
モブ子「あれ~?ポトフがいつの間にかトマトスープになってるよ~?」
おしまい!
特にオチなし
調理実習中にこんなことなってたら嬉しいなって
京綾もごちでした
結衣ちゃん誕生日も期待してるぜ
Entry ⇒ 2012.03.30 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
まどか「さやかちゃんの机に花瓶が置かれてる……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332839840/
さやか「よーっす!」
まどか「(お、来た来た)」
さやか「まどか先に行っちゃうなんて…」
さやか「ん?」
まどか「(おっ)」
さやか「私の机に花瓶が…」
まどか「ウェヒヒ…」
まどか「えっ…」
まどか「あ、あ…うん…」
さやか「うれしいな~!誰がこんなこと…」
まどか「…」
まどか「誰だろうね~こんな…」
さやか「さては」クルッ
まどか「えっ?」
さやか「まどかの仕業だな~!?」
まどか「なっ、なんで私が…」
さやか「まどか…私を愛するあまりこんな粋なことしてくれるなんて…」
まどか「…」
さやか「私も愛してるぞー!」ギュウ
まどか「ちょっ、ちょっとさやかちゃん//////」
まどか「い、いや…」
さやか「でも机の上じゃちょっとね~」
さやか「勉強出来ないっていうか…」
さやか「まあさやかちゃんどっちにしろ勉強しないんだけど!」
さやか「あははははは!」
まどか「…」
さやか「ってことで教室の前の棚においてくるね!」タッ
さやか「え?」クルッ
まどか「あ、あの…えーっと…」
さやか「ん?」
まどか「そ、それ私が置いたの」
まどか「さやかが喜ぶと思って…ウェヒ…ウェヒヒ…」
さやか「ふふっ…」ニヤッ
まどか「え…」
さやか「わかってるって!」
さやか「まどかは私の嫁なんだもん!なんだって分かるよ!」
まどか「あ、うん…」
さやか「お?」
女A「この前のやつなんだけどさ…」
さやか「あー!どうなった!?」コトッ タッタッ
まどか「あ…」
まどか「(やばっ!あそこ…)」
ほむら「…」スタスタ
まどか「(ほむらちゃん来ちゃったよ!)」
まどか「あわわ…」
ほむら「な…!?」
ほむら「これ…」
まどか「(うわあああ…)」
ほむら「誰が………」
女B「あ、それさっき鹿目さんが持ってるの見たよ」
ほむら「なっ!」
まどか「(ばかあああああああ!)」
ほむら「まどかが…どうして…」
まどか「(うぅ…違うんだよ、ほむらちゃん…)」
ほむら「まどか…」
まどか「それはさやかちゃんが…」
キーンコーンカーンコーン
早乙女「はい、席に着いて~」
まどか「あっ…」
ほむら「…」プイッ
まどか「ほ、ほむr…」
早乙女「何してるの?鹿目さん、早く席に着いて下さい」
まどか「は、はい…」
まどか「(ほむらちゃんに誤解されちゃったよ~)」
まどか「…」チラッ
さやか「ぼーっ」
まどか「(しかもさやかちゃんにはノーダメージだし!)」
まどか「くっ…」
まどか「(と、とにかくさやかちゃんのことはあと…)」
まどか「(とりあえずほむらちゃんの誤解を解かなきゃ…)」
さやか「まどかー!ご飯食べよ~」
まどか「ちょ、ちょっと私用事あるから…」タッタッ
さやか「あっ…」
さやか「なんだー?」
さやか「ま、いっか!仁美ー一緒に食べよー!」
仁美「ええ、かまいませんわ」ワカメ
まどか「たぶん屋上かな…」
まどか「(早く謝らなきゃ…)」
まどか「ハァ…ハァ…」ガチャ
ほむら「…!」
まどか「いた…ほむらちゃん…ハァハァ…」
ほむら「何しに来たの…」
ほむら「…」
まどか「朝のは…誤解で…」
まどか「あれはさやかちゃんが置いて…」
ほむら「クラスの子があなたが持っていたと言っていたけれど」
まどか「そ、そうなんだけど…そうじゃなくて…」
まどか「持って来たのは私なんだけど…置いたのはさやかちゃんで…」
ほむら「あなたが美樹さやかにやらせた…」
まどか「い、いや、そうじゃなくて…」
まどか「あ、ほむらちゃん!」
ほむら「…」スタスタ
まどか「そんな…ほむらちゃん…」
まどか「…」
まどか「さやかちゃんのせいだ…」
まどか「こうなったのは全部…」
さやか「おっ、まどかおかえりー」
さやか「どこ行ってたの?」
まどか「どこでもいいでしょ…」
さやか「…?」
仁美「どうかしましたの、まどかさん?」コンブ
まどか「な、なんでもないよ!」
キーンコーンカーンコーン
さやか「あ、もうこんな時間!」
さやか「次移動だよね、急がなきゃ!」
まどか「…」
さやか「ねぇねぇまどか!」
さやか「今日仁美が珍しくCDショップ付き合ってくれるらしいんだけど」
さやか「一緒に行かない?」
まどか「いや…今日は…」
さやか「そっか…」
仁美「残念ですわね…」
仁美「何かおありなのですか?」コンブ
まどか「い、いや…そういうわけじゃないんだけど…」
まどか「と、とにかくまた今度ね!」ダッ
さやか「あ…」
仁美「どうしたんでしょう…」
さやか「お昼もちょっと様子がおかしかったしね」
仁美「…」
仁美「きっと何かプライベートな悩みでもあるんですわ」メカブ
さやか「そうだね、まどかにだっていろいろあるよ!」
さやか「じゃ、行こっか!」
仁美「はい」フコイダン
さやか「いやー仁美のおかげでいいCD手に入ったよー」
仁美「いえいえ、そんな…」
さやか「ほんとほんと、助かっちゃった!」
仁美「それは良かったですわ」ウミブドウ
さやか「さすがピアノやってるお嬢様は…ん?」
仁美「どうしました?」
さやか「…あれ転校生だよね」
仁美「そうですわね」
さやか「随分暗い顔してるな~」
仁美「ええ…」
さやか「ここはさやかちゃんの出番かな!?」ダッ
仁美「あっ、さやかさん!」ベチャッ
ほむら「?」
ほむら「あれは…美樹さやか…」
仁美「ちょ、ちょっと…ハァ…さやかさん…ハァハァ…」ベチョ…ベチョ…
さやか「よっ!」
ほむら「…なにか用かしら?」
さやか「いや用ってわけじゃないんだけど…」
ほむら「…」
さやか「なんか落ち込んでる感じだったからさ!」
ほむら「っ!」
ほむら「あ、あなたには関係ないわ」
さやか「またまた強がっちゃって~」
さやか「おじさんになんでも相談してみ?ん?」ガシッ
ほむら「は、離しなさい!」グイッ
ほむら「関係ないと言っているでしょ…」
仁美「でもあんな悲しそうな顔…」
仁美「とても放ってはおけませんわ」アオノリ
さやか「一応クラスメイトじゃん?」
ほむら「…」
さやか「それにこれから仲良くなればいいんだし!」
仁美「そ…そうですわ…これから…友達に……」ボトッボトッ
ほむら「あなたたち…」
ほむら「そうね…ありがとう」
ほむら「でもまだ人に相談するようなことじゃないと思うわ」
さやか「そっか」
仁美「で、で……も゛…?」ウネウネ
ほむら「私が一人で抱えきれなくなったときは…」
ほむら「あなたたちに話してみようと思うわ」
さやか「!」
さやか「ふふっ…全力でチカラになるよ!」
ほむら「ええ…」
さやか「さやかちゃん、を味方にしたなら百人力!いや…千人、万人?」
ほむら「ふふ…」
ほむら「じゃあ今日はこれで」
さやか「うん、明日学校でね!」
仁美「ぁ…ざ…ょ……なら゛…」アオミドロ
仁美「だぃ……ょ……ぶ……ぅ…」ベチャッ
さやか「ほんと…?」
仁美「ぉ…」ボトッボトッ
さやか「そっか…」
さやか「じゃあ私こっちだから」
仁美「ヒュー…ヒュー…」
さやか「まったねー!」ダッ
仁美「ぁ゛……さ…ヒュー……ょ……ヒュー…」ドロドロ
仁美「ヒュー…ヒュー…」ズルッズルッ
仁美「(早く…家に…)」ズルッズルッ
仁美「じ…ぉ………し………ぉ゛おおお…」ズリッズリッ
仁美「(塩を…早く…!)」ズリッズリッ
さやか「おっ!仁美おはよー!」
仁美「おはようさん!」
仁美「今日もええ天気やなぁ!」
さやか「あ、昨日は兵庫の塩だったの?」
仁美「せやねん!」
仁美「昨日は年に一度の塩のチカラが弱まる日…」
仁美「わても最後はひやひやしたで!」
さやか「ほとんど溶けてたもんね」
仁美「まあ結果オーライっちゅうことで!がはははははは!」
さやか「あ、うん」
さやか「そうだね…」
さやか「もしかしたら今日も来ないかもしれないし…」
仁美「せやなぁ…昨日もこの時間まで待ってたけどこうへんかったしなぁ~」
さやか「まどか…」
仁美「まあわいらが遅刻したらシャレにならへんで!」
仁美「いこか」
さやか「うん…」
さやか「(まどか…どうしたんだろ…)」
仁美「そんでな…そん時わいの茎ワカメが…」
さやか「(あ、まどかもう学校来てる…)」
さやか「(なんで…)」
仁美「…そこに挟まってんねん!」
さやか「…」
仁美「ブッ…ギャハハハハハハハハ!!!」バンッバンッ
仁美「傑作やろ?これで笑わんやつなんか人間やないで!」
さやか「あ、うん」
さやか「おもしろいよ」
さやか「みんな、おっはよー!」
サヤカオハヨー オハヨー
仁美「おうおう、みんな元気やなー!」
仁美「ほなさっそく一ついかしてもらうで!」
さやか「…」
仁美「わいな、昨日兵庫の塩つこうてしもてこんなことになってんねん…せやから…」
ゴゴゴゴゴゴ…
仁美「ソルトのことはソットしといてー」
シーン
エッ ドウイウコト? ワカンナイ アタマダイジョウブカナ?
さやか「あはは…」
仁美「んー?いまいちうけてへんなー」
仁美「ま、そんな日もあるで!がはははは」
さやか「あっ、まどか…」
まどか「…」フイッ
さやか「…」
仁美「お、まどかさん学校来てるやん!」
仁美「窓から見える、まどか…なんつってな!」
仁美「ギャハハハハハハハハ!!!」
まどか「…」
キーンコーンカーンコーン
早乙女「はい、席着いてください」
仁美「チャイム?…チャイム…チャイム…」
仁美「チャイムがなっちゃいむ!」
シーン
仁美「なんてな!ガハハハハハハハハハ!」
早乙女「志筑さん、面白くないですよ」
早乙女「早く座ってください」
仁美「こりゃ手厳しい!!」
仁美「ここは一つおとなしくしてよか!」
早乙女「お願いします、えーそれで…」
さやか「(まどかどうしちゃったんだろ…)」
さやか「(今日のお昼休みに聞いてみよう)」
さやか「(よしっ…)」ガタッ
さやか「ま、まどか!あの…」
まどか「…」ガタッ
さやか「あ…話が…」
まどか「…」タッ
さやか「まどか!待って…」
仁美「ん?さやかさんどないしてん?」
さやか「まどか…な…んで…」
仁美「まどか…な?」
仁美「かまどかな?かまどじゃないよ、まどかだよ♪」
仁美「なんつってー!ゲハハハハハハハハハ」
仁美「おっ?さやかさんどないして…」
トイレ
さやか「(どうして…私がなにかしたの…?)」
さやか「(分からない…分からないよまどか…)」
まどか「…」ソロッ
まどか「(さやかちゃんはこの中だね…)」
まどか「(このバケツの水を…)」
まどか「よっ…んぐぐ…」
まどか「あっ!」ツルッ バシャー
隣の人「ひゃっ!」
まどか「と、隣の個室に入っちゃった…」
まどか「あ…」
さやか「あ、あんた何やって…」
さやか「ちょ、ちょっと大丈夫?ねえ?」ドンドン
ほむら「ええ…たぶん大丈夫だわ」キィ
まどか「なっ!」
さやか「て、転校生!」
まどか「そんな…」
さやか「どういうことよまどか!」
まどか「ち、ちが…」
ほむら「いいのよ、美樹さやか…私がまどかに嫌われているだけだもの…」
さやか「なっ…!?」
さやか「あんたっ…」
ほむら「まさかこんなことまでされるとは…」
さやか「こんなことって…他にも何かされたの!?」
まどか「あ、あの花瓶は違うんだよ!あれはさやかちゃんの…」
ほむら「もういいわけはやめて…」
さやか「花瓶…?」
さやか「私の机に置いてあったやつ?」
ほむら「え?」
まどか「あ…」
ほむら「どういうこと?」
さやか「そんでどっかにおいて…」
ほむら「なっ…!」
ほむら「じゃああの嫌がらせは美樹さやかへのものだったの?」
まどか「え…っ…と」
さやか「いやがらせ?」
ほむら「あの花はそういう意味なのよ」
さやか「ええっ!?」
ほむら「この水も美樹さやかを狙ったものね」
まどか「ぁ…ぅ…」
さやか「…」
さやか「どういうことよ、まどか…」
まどか「…」
まどか「ご、ごめんなさい!!」
さやか「え?」
まどか「だって…だって…さやかちゃんが離れちゃう気がして…」
まどか「さやかちゃん、上条くんと付き合ってからあんまり遊べなくなっちゃったし…」
さやか「そんな…」
まどか「私、さやかちゃんがいなくなったら…」グズ
まどか「だから気を引こうとおもって…ちょっとしたいたずらのつもりだったのに…」ポロポロ
さやか「…」
ほむら「…」
まどか「私どうしたらいいかわからなくて…」ポロポロ
まどか「仁美ちゃんはあんなだし…」
まどか「一人になっちゃうと思って…」ポロポロ
まどか「私…バカだから…」ポロポロ
さやか「…」
さやか「ほんとにバカだよ、まどか」
さやか「私はまどかを一人になんかしないよ」
まどか「さやかちゃん…」ポロポロ
さやか「さみしくさせてごめんね、私浮かれちゃってたよ…」
ほむら「私もあなたを信じてあげれば良かった…」
ほむら「話も聞かず…ごめんなさい…」
まどか「ほむらちゃ…ごめん…」ポロポロ
まどか「私…わたし…」ポロポロ
さやか「もういいよ、まどか」
ほむら「ええ…泣かないで…」
さやか「確かによくないことはしたけどさ…」
さやか「まどかが私のこと大好きだってのはわかったよ」ニコ
まどか「さやかちゃん…ぅうう…」ポロポロ
仁美「おはんら、なにしてんねん!」
三人「!?」
いや、やっぱいてください!
さやか「あ、いや…」
仁美「わいも混ぜんかーい!」ダッ
まどか「えっ!?」
ほむら「ここ濡れてるわよ…」
仁美「青春やああ…あっ………?」ツルッ
仁美「ごはぁ!」ガボッ
さやか「ひ、仁美!」
まどか「べ、便器に足が…」
ほむら「濡れてると言ったのに…!」
仁美「ぐ…あ、足が…あかんで…これは…」
仁美「これはあかんでええええええ!!!!」
ほむら「そんな…足がハマったぐらいで…」
ほむら「確かにイヤだけど…」
仁美「ち、ちゃうねん!ハマるハマらんの問題ちゃうんや!」
まどか「そっか!仁美ちゃんは…」
さやか「海藻少女 ひとみ☆ワカメ!」
ほむら「な、なんだってー!!」
仁美「そ、そんなネーミングいらんねん!」
仁美「こっ、このままじゃ…」
まどか「あっ!もう左足が全部海藻に!」
さやか「やばい!助けなきゃ!」ダッ
仁美「おうよ!」グッ
ほむら「ファイトー」
仁美「いっぱあああああああああつ!!!」
仁美「って、なにやらすねん!そんなことやってる場合と違う!」
まどか「ほむらちゃん!煽ってないで手伝わなきゃ!」ダッ
ほむら「それもそうね」ダッ
まどか「仁美ちゃん」グッ
ほむら「…」グッ
さやか「くっ…手までヌルヌルしてきた…」ヌルヌル
まどか「引っ張り…だせない…」ズルズル
ほむら「もう下半身が…」
まどか「ダメ…まだ…」ズルズル
ほむら「…」ズルズル
仁美「ぐっ…はっ…」ボトッボトッ
仁美「…」
仁美「ここらが…ハァ…年貢の納め時の……ようやな…ハァハァ…」ドポッドポッ
さやか「なっ!?」
まどか「仁美ちゃん!」
ほむら「気をしっかり持ちなさい!」
仁美「もう胸まで溶け出してしもた…」
さやか「仁美!」
仁美「へへっ…ここで戻ったとしても…ぐっ…ハァ…もう元の身体には戻れへん…」ズズズ
まどか「そんな…」
仁美「も゛う…ム゛リ…ゃ……ガフッ…」ズルズル
ほむら「あなたが諦めてどうするのっ!?」
仁美「ぇ…ぇ゛んゃ…ヒューヒュー……」ズルズル
さやか「ねえ!しっかりして!」
仁美「…ヒュー……が……ぁ…ぃ…ヒュー…」
まどか「やだよ…こんなのいやだよ!」
仁美「ぁ゛……ぐ………」
ほむら「そんな…どうすればっ…!」
仁美「(みんな…楽しかったで!)」
ゴポゴボゴボ…
さやか「そんな…」
まどか「こんなのってないよ…あんまりだよ…」
ほむら「私は…友達を…救えなかった…」
さやか「仁美…」
さやか「仁美いいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!」
~~~~~~~~~
さやか「まさか…仁美の机に花瓶を置くことになるなんて…」
まどか「うっ…うう…」
ほむら「せっかく…仲良くなれると…」
仁美Forever
さやか「あれから一ヶ月か…」
まどか「まだ実感わかないや…」
ほむら「そうね…信じられない最期だったもの…」
?「おはんら何落ち込んでんねん!」
さやか「え…?」
まどか「まさか…」
ほむら「あなたは…」
仁美「おちこんだりしてもええけどおちんこだしたらいかんで!」
仁美「ガハハハハハハハハハ!」
さやか「う、うそ…」
まどか「仁美ちゃん!」
ほむら「どうして…?」
さやか「海に…?」
仁美「せや!」
まどか「そうか…海水!」
ほむら「でも身体はバラバラに…」
仁美「わいは海藻少女 ひとみ☆ワカメやで?核になるワカメさえ無事なら何度でも復活できる」
仁美「まあそれでも時間がかかって完成したのは関西のほうまで流れたあとやったけどな!」
ほむら「それで…」
仁美「ま、海に出られてへんかったらホントに死んでたんやけどな!」
仁美「ガハハハハハハハハハ!」
まどか「でも…ホントによかった…」
さやか「その意味のわからない身体のおかけだね…」
仁美「ホント、わけワカメってか?」
仁美「ギャハハハハハハハハ!!!」
おわり
仁美が無事で本当に良かった!
……あれ?なんか同時進行で別の話も進んでいたような……
でも肝心の問題が解決してないよほむらちゃん!
乙
ハッピーエンド?でよかった
Entry ⇒ 2012.03.30 | Category ⇒ まどかマギカSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
従妹「兄さん。」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1331999334/
このSSはSS深夜VIPのSSです
従妹「お久しぶりです。」
兄「どうした?」
従妹「遊びに来ました。」
兄「それは分かるけど。」
兄「まぁ、良いや。何して遊ぶ?」
従妹「山に行きたいです。」
兄「ん。わかった。ちょっと支度するから外で待ってな。」
兄「ん?」
従妹「帽子、ありますか?」
兄「麦わら帽子なら。」
従妹「今は春ですけど……」
兄「だって俺帽子好きじゃないし。」
兄「持ってないよ。」
妹「そうですか。」
従妹「母さん曰く、お昼からお日様が強くなるそうなので。」
従妹「なのに持ってくるの忘れてしまって……」
兄「そう。探そうか?」
従妹「いえ。もう麦わら帽子で良いです。」
兄「良い?」
従妹「良いです。」
兄「俺はまぁ、なくても大丈夫かな。」
兄「でも帽子ないし……」
従妹「でも……」
兄「……」
従妹「……」
兄「あっ、これじゃ駄目? タオル。」
従妹「ふざけないでください。タオルでどうやって頭を。」
兄「ほれ。」
従妹「兄さんすごいです。タオルが帽子に。」
兄「ふふふっ。」
従妹「海賊みたいです。」
兄「これで良いな?」
従妹「はい。」
兄「じゃあ用意してくるな。」
従妹「はい。」
兄「この山に来るのも結構、久しぶりだな。」
従妹「昔はお祭りとかでよく来ましたからね。」
兄「悪いな。受験と部活が忙しくて。」
従妹「……」
従妹「……東京に行くんですよね。」
兄「……」
兄「……この町は静かで自然豊かで凄い好きだ。」
兄「誇れるようなことをしたいんだ。」
従妹「……」
兄「……」
従妹「兄さんは凄いです。」
兄「……」
兄「登ろうか。」
従妹「そうですね。」
従妹「はぁ……はぁ……ちかれました……」
兄「ははっ、早いな。荷物もないんだからもうちょい頑張れよ。」
従妹「はぁ……兄さんは……陸上部で体力もあるんでしょうけど……」
従妹「私は平均的な女の子なんです……」
兄「まぁ、そうだな。腕とか細いし。」
兄「……肌も白くて綺麗だよな。」
従妹「!?」
兄「うーん、それにしても。今日は確かに暑いな。」
従妹「そうでしょう……? 休憩しません……?」
兄「いや、しない。」
従妹「鬼ですね……」
兄「おんぶしてあげるから。ほら。」
従妹「!」
兄「よいしょ、っと。あれ?」
従妹「♪」
兄「聞いてねぇ……」
兄「おい。従妹。」
従妹「ちゃんと食べてますよ。」
兄「あ、ちゃんと聞いてたんだ。」
従妹「聞いてますよ。」
従妹「それより、早く行きましょう。兄さん号発進♪」
兄「よし、ここら辺で休むか。」
兄「ほら降りな。」
従妹「やです。」
兄「くっついてると暑いだろ?」
従妹「暑いけど、でも……」
兄「……」
兄「またおんぶはしてやるから、な?」
兄「おう。」
従妹「よいしょ、っと。」
従妹「木陰に行きましょう。あちいです。」
兄「おう。」
従妹「……はー、涼しいです。」
兄「だな。それに木漏れ日が綺麗だ。」
従妹「……」
従妹「……」
兄「……」
従妹「あっ、四葉のクローバーがあります。」
兄「おぉ、ラッキー。」
従妹「えへへっ。そうですね。」
兄「……」
従妹「? 何をそんな微笑んで、ひゃ!」
従妹「な、撫でるなんて卑怯です。や、やです。」
兄「さらさらしてる。」
従妹「お手入れは頑張ってるんですよ。えっへん。」
従妹「……よし、そろそろ遊びましょう?」
兄「ん。休憩はもう良いのか?」
従妹「はい。」
兄「わかった。じゃあ、何する?」
兄「またまたどうして。」
従妹「佐藤さんが鬼ごっこする小説を読みまして。」
兄「そうなのか。俺は読んだことないけど。」
兄「でもどうして佐藤さん限定?」
従妹「ネタばれになりますよ?」
従妹「佐藤さんは佐藤さんから生まれた佐藤さん殺害する為に佐藤さん達を皆殺しにしようとしたんです。」
兄「佐藤さんしかいないじゃん。」
兄「まぁ、良いや。じゃあ鬼ごっこね。」
従妹「はい。兄さんが鬼です。」
兄「ん。じゃあ、10秒数えるぞ。」
妹「きゃー♪」
兄「10……9……8……7……6……5……」
兄「4……3……2……1……」
兄「0!」
従妹「はぁ……はぁ……疲れました……」
兄「ふぅ、なかなか従妹も足速いね。」
従妹「はぁ……いえ……加速されないように兄さんの直線上に出なかっただけです……」
兄「おぉ、頭使ってたのか。捕まえられないわけだ。」
兄「従妹は凄いな。」
従妹「えへへっ。もっと褒めてください。」
兄「じゃあ途中から見つけらなくなったのも作戦?」
従妹「はい、兄さん。」
兄「これは、タンポポ……?」
従妹「えへへっ。なかなかみつからなかったんですよ。」
兄「ははっ、ありがとな。」
従妹「……もっと撫でてください。」
兄「うりうりー!」
従妹「えへへっ。」
兄「あ、お腹が鳴いた。」
従妹「兄さん可愛いで。」
兄「……」
従妹「……」
兄「従妹も可愛いお腹の音だね。にやにや。」
従妹「うがああああ!」
従妹「やめてください! からかわないでください!」
従妹「……もう良いです。お弁当あげませんから。」
兄「あっ、あの袋はお弁当の袋だったのね。」
従妹「そうです。私の手作りです。」
兄「兄さんは弁当になんか釣られな。」
兄「……」
従妹「ふふっ、可愛いお腹の音ですね。」
従妹「一緒に食べましょう?」
兄「取り敢えず頭に巻いてるのを外して、これで汗を拭いて、と。」
従妹「……」
兄「……? 何をまじまじと?」
従妹「! い、いや、兄さんってその、格好良いので絵になるなぁ、と。」
兄「そう? タオル付け替えてるだけだよ?」
従妹「なんか、こう、胸がきゅぅって締め付けられる感じです……」
兄「? そっか、大丈夫?」
兄「詳しいのな。まぁ、元気ならそれでいいよ。」
兄「よし、縛れた。」
従妹「それじゃあ、お昼ご飯食べましょう。」
兄「賛せ。」
従妹「ふふっ、お腹も賛成してますね。」
兄「くそぅ……」
従妹「兄さんは可愛いです。によによ。」
従妹「そ、そうですか。ありがとうございます。」
兄「従妹って料理得意だったんだな。」
従妹「は、はい。兄さんの為に練習を。」
兄「え? あ、そうなの?」
従妹「え、あ、ち、違います! 練習なんかしてません! も、もう撫でないでください!」
従妹「……むーっ!」
兄「ん?」
従妹「……本当に東京に行っちゃうんですか?」
兄「……」
従妹「……」
兄「……休みとかには帰ってくるよ。」
従妹「……兄さん。」
兄「……」
従妹「え、あ、兄さん。か、顔近いです、よ?」
兄「……」
従妹「に、兄さん……」
兄「ご飯粒ついてあべし!」
従妹「お約束ですよね。分かってましたよ。」
兄「殴られた……」
従妹「殴られて当然です。」
兄「ん?」
従妹「桜、見に行きませんか?」
兄「良いね。でも、咲いてるのか?」
従妹「はい。奥にある桜の木はもう咲いてるらしいです。」
兄「あぁ、あの木か。」
従妹「はい。」
兄「良く二人であの木の下で遊んだよな。」
兄「そうそう。いつも従妹、寝ちゃうから困ってたよ。」
従妹「そうなんですか?」
男「家まで抱っこかおんぶだった。」
従妹「えへへっ、何か恥ずかしいです。」
従妹「よし、じゃあ、今日も兄さんのお膝で寝ます。」
兄「ははっ、懐かしくて良いね。」
従妹「はいっ! 行きましょう。」
兄「……綺麗だな。」
従妹「……綺麗ですね。」
兄「……」
従妹「……」
兄「ほら、従妹。おいでおいで。」
従妹「私は猫ですか。まぁ、行きますけど。」
兄「……こうやってさ。この木の下で肩を並べて座るの。」
従妹「……私も。」
従妹「……私も兄さんのこと、好きです。」
兄「……」
兄「……俺もだよ。」
従妹「……」
兄「……」
従妹「……兄さん、お膝貸してください。寝ます。」
従妹「……へへっ。」
兄「……」
従妹「桜が綺麗です。」
兄「だな。」
従妹「お兄ちゃん……」
兄「どうした?」
従妹「あの……その……」
兄「……従妹。」
従妹「困らせるし、無理なこともわかってます、でも。」
従妹「お兄ちゃんとずっと一緒にいたいです……」
兄「従妹……!」
従妹「抱きしめないでください……」
従妹「そんな悲しそうな顔で……うっ……声で抱きしめないでください……」
従妹「行っちゃうって分かって……ひっく……ぐすっ……」
兄「……」
兄「今日から1人暮らしか……」
兄「気が楽だけど、家族と会えないのは辛いなぁ……」
兄「それに……」
兄「……」
兄「あいつ結局、見送りにこなかったな。」
兄「……」
兄「……嫌われたかな。」
兄「ここが、新しい家。」
兄「まぁ、大学生だし。そんなに良いところではないけど。」
兄「住めば都と言うし?」
兄「すぅ……はぁ……」
兄「……」
兄「よし。」
兄「ただいまー!」
Ture End
それではまた次回作で。
Entry ⇒ 2012.03.30 | Category ⇒ その他 | Comments (0) | Trackbacks (0)
少女勇者「脱ぎたぁいのおおおお」魔王「」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332849065/
勇者「よし……勝負だ、まおぅ…………」
勇者「脱ぎたぁいのおおおお」
魔王「」
勇者「やだ、やだ、どうして!? 脱ぎたいの!」
勇者「ねえチャーム使った!?」ヌギヌギ
魔王「そのようなことをした覚えはない」
勇者「そうだよね! 魔法かけてる素振りなかったもん!」
魔王「……」
勇者「やだ、見られたくないのに…………」
勇者「魔王に見られたいのおおお」
勇者「僕おかしくなっちゃったの!?」ハアハア
側近「魔王様、勇者が到着したとの報告があったのですg」
側近「……貴方は勇者に一体何をさせているのです」
魔王「いや待て誤解だ。俺にも一体何が起こっているのか全く分からん」
側近「悪い大人が幼い少女を半裸にさせて泣かせているようにしか見えませんが」
側近「……本当ですか?」
魔王「だから誤解だと」
勇者「ひくっひくぅっ……僕一体どうしちゃったの」ヌギヌギ
側近「ほら、ちゃんと服着てください」パサッ
勇者「うぅ…………」グスッ
側近「揉め事が起きた時、手っ取り早くどちらかが諦めるように施された魔王と勇者の戦いの儀式ですが」
側近「これでは実行できませんねえ」
勇者「僕こんな子じゃないのに……」
側近「ちょっと別室で落ち着きましょうか」
勇者「魔王以外の人には身体見られたくない……」
側近「魔王様は別行動していただけます?」
側近「貴方がいらっしゃると勇者の調子が悪くなるそうなので」
魔王「…………」
側近「冷静になりましたか」
勇者「うあぁ……僕どうしてあんなことを…………」
側近「一体何が起こったのですか」
勇者「魔王を見たら、突然……ふ、服を脱ぎたくなって」
勇者「気がついたら上半身……裸で…………」
勇者「は、はつ、発情するって……こういうことなのでしょうか」
勇者「うそだ……僕そんな変な子じゃない!」
勇者「よく……委員長よりまじめでうざいって言われてるのに……」
側近「……不思議ですねえ」
勇者(やだこれ……)
側近「魔王様があのタイミングで魅了魔法使うとは到底考えられませんし……」
勇者「どうしよ……王様と国の皆の期待を背負ってるのにこれじゃまともに戦えない」
側近「まあ今回の魔族と人間の問題の解決はそこまで急ぎませんし、」
側近「しばらく様子を見ましょうか」
勇者「ごめんなさい……」
側近「魔族と人間の間に問題が発生した場合、談合による解決が見込めない場合は」
側近「魔王と勇者が戦い、敗北した側は勝利した側の要求を呑む」
側近「このような状態で勝利したくはありません」
勇者「うぅ……ご迷惑をおかけして本当にごめんなさい」
魔王「おい、勇者はどうなっている」コンコン
勇者「っ!?」
側近「戦える状態ではありません。儀式はしばらく見送りましょう」
魔王「勇者の行動の原因は分かったのか」ガチャ
勇者「まおおぉぉぉお」ガバッ
魔王「!?」
勇者「はあはあはあはあ」スリスリ
魔王「っ…………」
側近「魔王様、お顔が赤いですよ。まさか、10代前半の少女にこうh……」
魔王「早くこいつを引き剥がせっ」
側近「はいはい」
勇者「あうっ」
魔王「全く……何故今回の勇者はこのような行動を取るのだ」
側近「原因はまだ不明です」
魔王「…………」
勇者「まおー……………………」ウルウル
側近「もうしばらくどっか行っててください」
魔王「……そうするぞ」バタン
勇者「はっ、僕は一体……」
側近「魔王様の気配が消えたら正気に戻る、と」
勇者「い、今さっき、完全に理性吹っ飛んでた……」
勇者「やだ……やだよぉ…………」
勇者(……最高に恥ずかしい……)
勇者(魔王を見ると、魔王以外のこと考えられなくなって)
勇者(夢中になっちゃう…………)
勇者「ぅぅ…………」
勇者(何で……どうして……)
側近「まるで恋する乙女みたいですね」
勇者「えぇっ!?」
側近(やっていることは変態ですけど)
勇者(恋=発情するってことなの?)
勇者(わかんない…………)
勇者(けど、会ったばっかりなのに……魔王が……恋しい)
勇者(でも確実に変な子だって思われてる……! 思われてないはずがない!)
勇者「うあぁぁぁぁぁ暴れたい」ゴロゴロバタバタ
側近(発情の仕方はサキュバスに近いが……淫魔特有のフェロモンは発生していない)
側近(そもそも勇者は人間のはず……)
魔王(先天性の痴女か?)
魔王(一瞬でも彼奴を可愛いと思ってしまった自分が情けない)
魔王「……………………」
魔王(抱き付かれた部分が……熱い)
魔王(阿呆が)
勇者「何であんな行動に走っちゃうん、だろ……!」グスッ
勇者「こんなんじゃ、勇者としての責任も果たせないよ……」
勇者「うぅっ……ぐすっ…………うわあぁぁぁん」
勇者「えぐっ…………えぐぅっ…………」
魔王「…………」
魔王(俺が傍にいない時は普通の人間なのか…………)
……
側近「城内でも散歩します?」
勇者「あ、ちょっと見て回りたいです。こちらの文化にも興味があるので」
勇者「装飾見事ですよねー」
魔騎士「閣下、少々来ていただきたいのですが」
側近「……お一人で大丈夫ですか?」
勇者「多分大丈夫です」
勇者(彫刻や他の装飾も、豪華且つしつこ過ぎない。ほんと綺麗だなー)
勇者(いっそのこと永住したい)
勇者「あ」
魔王「っ……」
勇者「まおおおおおお」ガシッ
魔王(思わず遭遇してしまった)
勇者「はあはあまおぉぉ」スリスリ
魔王「…………」
勇者「か、らだ、が、かってにぃ」スリスリスリスリ
魔王「…………」
魔王(……これはどう対処すべきなのだろうか)
勇者「ま、ぉ…………」
勇者「………………ぇき」
勇者「まおーのせーえきほしい」
魔王「」
勇者「や、やだっせーえきってなに?」
勇者「わけわかんないのに言いたくなったのおお」
魔王「」
勇者「いみわかんないのにくちがかってにいいいいい」ブワッ
魔王(まるで淫魔だな…………)
勇者「まおおぉぉ…………」スリスリ
魔王「ぅ…………」ビク
勇者「まおう?」
魔王「……牛乳でも飲んでいろ」バッ
魔王(逃げる)ダッ
勇者「まおーまって、おいてかないで!」
魔王(反応しかけた…………)
……
勇者「この汚れはこの洗剤使うと簡単に落ちるよ」
召使「あら本当」
勇者「お料理手伝います!」
調理師「すっ、すごい」
勇者「家事は得意です」
魔王「……何をしている」
勇者「!? まおおおおおお」ガバッ
魔王「…………」
勇者「せめて滞在にかかっている税金の分だけでも働こうと思ってえええ」スリスリスリ
魔王「……妙に律儀なんだな」
魔王(変態だが)
勇者「僕ねえきっと良いお嫁さんになるよおおお?」
魔王「よ、嫁……?」
勇者「あれ? 僕何言っちゃってるの!? 僕魔王のお嫁さんになっちゃうの!?」
側近「というかもう他の所には嫁に行けなくないですか」
側近(裸見せてたし)
勇者「ど、どうしよおおおお」
魔王(……逃げるか)
側近「魔王様を見ては脱衣、しがみ付く等の(変態)行為をここ数日続けたわけですが」
勇者「…………」
側近「このまま変化なしだと少々厄介ですので、私なりにこの現象について検討してみました」
勇者(魔王に会いたいいいぃぃ)
側近「まず、貴女は人間の中では最も強い、という事は真実ですよね?」
勇者「勇者第一候補だった兄にうっかり勝ってしまったので恐らく正しいかと」
側近「人間に、もしくは魔族にでも、対等と言える者はいましたか?」
勇者「戦っていないので実際どうなるかはわかりませんが」
側近「という事は、貴女が唯一対等な立場になれるかもしれない魔王様に親近感を覚えることはおかしいことではありません」
側近「しかし、それだけでは発情行為の説明がつかない」
勇者「は、発情……」
側近「家系図を調べた限りでは、貴女は純粋な人間なのですが」
側近「実は淫魔の血が入ってたりなんてことないですか?」
勇者「そういえば、昔おばあちゃんが言ってたような……でも、確かな記憶じゃないし」
格闘家「こいつの父ちゃんの本当の親父インキュバスだってよ」
勇者「や、やっぱり? って」
勇者「わわわわわ4君いつの間に来てたの!?」
側近「この私でさえ気配に気づかないとは……」
格闘家「今さっき来た。戦いの儀式が延期だって聞いたから様子見に」
勇者「数少ない友達が会いに来てくれた!」
格闘家「あまりにもぼっちで痛々しいから憐みで相手してやってるだけだぞ」
勇者「……分かってたけどはっきり言われると傷付く…………」
格闘家の名前=4
勇者「おばあちゃん、淫魔と浮気したってこと? 誘惑に負けちゃったの?」
格闘家「いや、じいさんと結婚する前にお前の親父産んだらしい。したがって浮気ではない」
勇者「そ、そっかあ……って、他人の事情にどうしてそこまで詳しいの」
格闘家「小さい頃お前のばあちゃんからこっそり聞いた」
勇者「わけがわからないよ」
魔王「おい、勇者以外の人間の気配がしたのだg」ガチャ
勇者「まおおおおおおお」ガバァッ
魔王「……慣れたからもういい」ズリズリ
勇者「ん……まおぉ……」トロォ
格闘家「何この面白い生物」
勇者「わっ! う、うわ、4君もいるのに理性吹っ飛んでたあああ」
側近「珍しく貴方がいるのに正気に還りました」
魔王「…………」
勇者(ど、しよっ……魔王に抱きつきたいぃっ…………)ウズウズ
側近「例外もありますが、生命とは基本的に自分より優れた者を伴侶に得たがるものです」
側近「勇者の場合、戦闘に於いて自らより優れている、もしくは同等である可能性のある存在が魔王様しかおらず」
側近「生命の本能と、淫魔の本能が重なった結果あのような行動をしていたのだと思われます」
格闘家「先天的な変態だったんだな」
勇者「う……」
側近「淫魔の本能はなかなか抑えられませんからねえ……」
側近「性欲抑制剤でも飲みますか」
勇者「せ、せい、よく…………」
格闘家「俺等の年齢には刺激が強い単語だな。俺は平気だけど」
側近「というわけで、明日戦いの儀式結構で問題ないでしょうか」
魔王「俺は構わんが」
勇者「…………」
コンコン
魔王「……誰だ」
勇者「ぼ、僕です、勇者です。入っても良いですか」
魔王「…………抱き付かないのならな」
勇者「う……精神安定剤だけは飲んできたので、多分大丈夫だと思います。……保証はないですけれど」
勇者「っ……こんな夜に、ごめんなさい」
魔王「……何の用だ」
勇者「そのっ、あ、明日のことで」
魔王「…………何だ」
勇者「……………………でき、ること、なら、」
勇者「たたかいたく、ないんです……っ…………」ヌギ
魔王「……怖気付いたか?」
勇者「そうじゃ、ないんです」
魔王「……それで事が済むなら、疾うの昔に終わっている」
勇者「それは、そうですけど……」ヌギ
勇者「でも、戦いの儀式は、言わば戦争の代わり。どちらかが、もしくは両方が死ぬかもしれない」
勇者「貴方と、殺し合いをしたくは、ないんですっ…………」ヌギ
魔王「……………………」
勇者「ごめんなさい、僕、まだ子供だから、詳しい大人の事情なんて分かっていないのに」
勇者「こんなことを言って、ごめんなさい……」ヌギ
勇者「無責任にも、程がありますよね…………」ヌギ
勇者「……いいえ、きっと、淫魔の本能だけじゃない……」ヌギッ
勇者「魔王、僕は…………」ブルブル
魔王「……とりあえず服を着ろ」
勇者「えっ!? や、やだっいつの間に裸にっ……!」
勇者(なんか寒いと思った…………)
魔王「……こっちに来い」
勇者「で、でも」
魔王「良いから近付け」
魔王「…………」ギュゥ
勇者「!?」
魔王「……俺だって、お前と殺し合いたくなどない」
勇者「え…………」
勇者「僕のこと、嫌いじゃないの? 僕、すごく……変な子でしょ?」
魔王「……この数日、お前を遠くから眺めていた。正気のお前も知っている」
勇者「え、そ、そうなの…………?」
魔王「俺が近くにいる時といない時とで豹変するからな。何と面白い生物だと思って観察していた」
魔王「…………冗談だ」
勇者「な、何それ!」
勇者(魔王でも冗談言うんだ……)
魔王「……お前はまだ子供だ。大陸に住む人間全員の期待を背負うには小さすぎる」
魔王「重責まで圧し掛かるのならば尚更だ」
勇者「ん…………」
魔王「戦闘能力が高いからと言って、子供一人に全てを背負い込ませること自体が間違っている」
勇者「戦わないといけないのは理解しているんです。でも、感情が追いつかなくて」
勇者「僕、僕…………」ウル
魔王「…………」ナデナデ
勇者「っう、えぐっ…………」ブワッ
勇者「やだよ……魔王……っ…………戦いたく、ない、よ…………」
勇者「領土を奪う合うことの価値なんて、僕にはわからないよっ…………」
勇者「わかんないよぉ…………」
魔王「……………………」
勇者「明日になったら、ちゃんと戦うから…………」
魔王「…………」
勇者「………………からだが、あついです」
勇者「ど、しよっ……からだがあついのお」
魔王「……薬など、気休め程度だったか」
魔王「子供に多量の薬剤を投与させたくはないのだが」
勇者「ふくさよう、あるの……?」
魔王「……ああ」
魔王「……薬なしに淫魔の本能を抑える方法があると言ったら、どうする」
勇者「方法、あるの? 教えて!」
魔王「……淫魔の本能、即ち欲を満たせば良い」
勇者「え…………それって、つまり…………魔王と、大人じゃないとしちゃいけないこと、するってこと……?」
魔王「……そうだ」
勇者「………………」
魔王「お前の身体と、そして心も傷つける行為だぞ」
勇者「構いません。ちゃんと戦う為ですから。……お願いします」
魔王「……お前の一生が壊れてしまうかもしれないぞ」
勇者「……僕の、人生なんて、貴方がいなければ、寂しいままなんです」
勇者「貴方がいなければ、僕はこれからもひとりぼっちなんです」
勇者「ですから、貴方からされるのであれば……嫌なんかじゃ、ないんです」
勇者「はやく、この熱を……沈めてください」
魔王「……本当に、良いのだな」
勇者「はいっ……」
魔王「……大丈夫か」
勇者「ひぁ、はい」
勇者(くちびる、くすぐったい……)ゾク
魔王「……舌、挿れるぞ」
勇者「ひぇっ……どういうこと?」
魔王「…………ディープキス、分かるか?」
勇者「……分からないです」
魔王「……噛むなよ」
勇者「んぅっ!?」
勇者「…………ぷは、は、はあっ、は、あ…………」ゾクゾクゾクッ
魔王(……このまま続けても良いのだろうか)
魔王(いや……続けるしかないのか)
勇者「キスが、甘い、って、こういうこと、なの……?」トロォ
勇者「んむぅっ……っ…………」クチュ……
勇者(キスって、こわくて、すごい…………)ビクッ
勇者(押し倒された…………)ゾク
魔王「……怖いか?」
勇者「こわい、けど、からだ、あついの」
勇者「こすりあわせたい」
魔王「……身体を異性に擦りつけたがるのは、淫魔の子供によく見られる習性だ」
勇者「そ……なの……?」
魔王「幼くとも、本能的に快楽を求めるのであろう」
勇者「かい、らく…………」
勇者「むねなんて、なんかいもみられてるのに」
勇者「やっぱり、はずかしい…………」
魔王(……膨らみがほとんどないな……当然か)
魔王「……触るぞ、良いな?」
勇者「は、い…………」ブルブル
勇者「ひぁっ……」ピク
魔王(このようなろくに知識もない子供が、最後まで耐えられるのか……?)
勇者「まお、ぅっ……んぅっ…………」
勇者「はあ、はぁっ……は、あぁっ…………」
魔王(傷痕が多い……相当修行を積んだのだろう)
魔王(これほどまでに小さな体で、どれほどの苦労をしてきたのだろうか)
勇者「そ、そこ、だめぇっ」
魔王「……脇腹が弱いのか」
勇者「んんっ! やめ、てぇっ! あ、や、やあぁ……」ビクビク
……
勇者「おなか……あしのあいだがムズムズするの……」
魔王「………………このまま続けても後悔しないな?」
勇者「そんなこと、しな、いよ…………」ピク
勇者「だって、ぼく、まおうのこと……すき、だからっ…………」
魔王「っ…………」
勇者「なにされたって、いいの…………」
魔王「勇者…………」
勇者「ほんと?」
魔王「当初こそ妙な子供だと思ったが、いつの間にか、な……」
勇者「まお、ぅ……まおー…………」ギュウ
魔王「…………痛くなるぞ。覚悟は……良いな」
勇者「はいっ…………」
魔王「耐えろっ…………」ググ
勇者「ぅっ…………っ…………」
勇者「っ……ひ、ぁぁあっ…………」ビグビグゥッ
魔王「っ……痛みは激しいか」
勇者「だい、じょう、ぶですっ……ちょっと、ピリってする、けどっ…………」ヒクッヒクッ
魔王「……っ………………」
勇者「いたみより、あっぱくがぁっ…………ぜはっ…………」
魔王(すぐに動くのには無理があるな……)ナデナデ
勇者「ん…………」
魔王「……しばらく撫でてやる」
勇者「んん…………」トロォ
勇者「だれかにあたまなでてもらうの、ひさしぶり」
勇者「勇者になってから、だれからもなでてもらえなかったから」
勇者「まおう、だい、すき」ギュゥ
魔王「…………ああ」
勇者「んっ…………」
勇者「ずっと、いっしょにいたいの、いてほしいの」
魔王「…………」
勇者「ぼく、まおうがいれば、きっとひとりぼっちじゃない。さみしくなんてない」
魔王「勇者…………」
魔王(…………手放したくない)
勇者「めいわくだったら、ごめんなさい」
魔王「……迷惑なわけがあるか!」
勇者「ぼく、まおうといっしょにいられるの…………?」
魔王「……お前を抱く責任は取る」
勇者「ぼく、まおうのおよめさんになれるの……?」
魔王「ああ、そうだ」
勇者「……ほんきでたたかっても、きっと、しなないよね?」
魔王「……共に、生き延びよう」
勇者「きっと…………ううん、ぜったい……!」
勇者「うん……うごいて、いいよっ…………」
勇者「あっ、あぅっ、ううっ……んあっ……ああっ……!」
魔王「つらかったら正直に言え。良いな」グッグッ
勇者「んっ……だい、じょぶっ…………」ビクゥッ
勇者「あ、ああ゛っ、ん、んぅっ、んぁあああっ!」
魔王「勇者っ、やはり……」
勇者「だいじょ、うぶ、だよっ……だいじょうぶ、だからぁっ」
魔王「……勇者っ…………」
……
勇者「ひぁぁあああっ!」ビグゥッ
勇者「……終わった、の?」ハー ハー
魔王「ああ。……熱は治まったか」
勇者「うん…………もう、平気だよ」
勇者「魔王…………ありがとう」
魔王「……よく耐えきったな」
勇者「まお、ぅ…………」スー
魔王「…………よく眠れ、勇者」ナデ
魔王(既にあの土地を故郷として愛している者も多い)
魔王(……俺は負けるわけにはいかない)
魔王(しかし、儀式の敗者に対する誹謗は禁止されているとはいえ)
魔王(勇者が負ければ、故郷での勇者の立場は悪くなるだろう)
魔王(俺が傍にいたとしても、勇者の苦しみが……孤独が増す可能性がある)
魔王「……………………」
少年1「こいつゆうしゃのいちぞくのくせにちょーよえーよなー」
少年2「だっせぇw」
妹「だ、だって、たたかうのあんまりすきじゃないもん」
少年3「いたいのがこわいのか? ゆうしゃのちをひいてるくせに?w」
妹「いたいのは、こわいよ。つらいよ」
少年1「こいつほんとうにゆうしゃのいちぞくかよ」
少年2「ばーかちーびぶーすよわむしー!」
少年4「おいやめろって、なきそうだぞこいつw」
妹「いじめてるの? たすけてくれたの?」
少年4「りょうほう」
妹「…………?」
少年4「あんまりにもかわいそうだからちょっとかばってやったけどさー」
少年4「ゆうしゃのしそんのくせによわむしでなきむしなのはなさけねぇんじゃねーの?」
兄「こらお前何言ってんだ! 妹を馬鹿にしたら許さないからな!」
少年4「うわこええ!」ダダッ
兄「妹ぉ、大丈夫か?」
妹「……いもうと、だめなこだからいやなことたくさんいわれちゃった」
兄「お前は優しい子だからな。言い返すくらいしても良いが、相手を傷付けようとしないところがお前の良い所でもあるんだぞ」
兄「あんな奴等のことなんて気にすんな」
妹「うん……」
妹(つよくなったら、いじめられなくなるのかな)
妹(いまいじめてくるひとたちとも、なかよくなれるのかな……?)
妹「はあっ!」
兄「くっ……」
カキィィイン
審判「勝者、妹!」
司会「妹選手、優勝です! なんと勇者第一候補の兄選手を敗りました!」
妹(やった! これで、皆から認めてもらえる……!)
妹「お兄ちゃん、戦ってくれてありがとう。良い試合だっt」
兄「近付くな!」
妹「え…………」
兄(今まで俺が面倒見てやってたのに…………)
妹「おに、いちゃ……?」
兄「お前なんてもう俺の妹じゃねえ!」
妹「!?」
妹「ど……して…………」
妹(あんなに優しかったのに……)
司会「第一候補である兄選手に勝利したため、妹選手が今世代の勇者決定です!」
妹(勝っちゃ、だめだったのかな…………)
少年1「うわやべ逃げろっ」
少年2「復讐されっぞ!」
少年3「こ、殺されるうううう」
妹「待って、酷いことなんてしないよ、待って!」
妹「…………」
妹「……ただいま」
母「……妹!」
妹「え……?」
父「兄がいなくなった! お前さえ素直に負けていれば、家出なぞしなかっただろうに!」
母「あなたの所為よ! あなたの所為で兄が! 私の可愛い兄が……うう……」
妹「僕の所為で、お兄ちゃんが…………?」
妹「……………………」
母「ああ、兄、可哀想に……まさかこんな小さい妹に負けるだなんて……」
父「勇者になって、国を救いたかっただろうになあ……」
妹「僕、間違ってるの……?」
少年4「強くなり過ぎたんだろ」
妹「4君……」
少年4「お前が仕返しなんてしない性格だってのは知ってるっての」
少年4「俺格闘技習ってるから、相手が闘志持ってるかどうかくらいは読めるし」
少年4「まあ、俺もお前が強くなりすぎる原因作った一人でもあるわけだしよ」
少年4「少しくらい責任負った方が良いよなーって」
妹「よん、くん、僕、僕っ…………」グスッ
少年4「いくら強くなっても、泣き虫な性格は変わらねえよな」
妹「みんな、僕から離れて行っちゃったよおっ……」
妹「弱かった時よりも、もっと…………!」
妹「僕、僕、ひとりぼっちになっちゃった」
妹(体は強くなっても、心は弱いまま……)
妹「…………ごめんなさい」
二年後
兵士「勇者殿、任務です。古来より続いている領土問題なのですが」
妹「…………」
兵士「現在、魔族に奪われている地区を取り戻そうという活動が活発になっており」
兵士「今世紀は、勇者と魔王の戦いの儀式により諍いを沈めることとなりました」
兵士「御武運を」
妹「はい……」
妹(魔王に勝っても負けても、僕はきっと……ひとりぼっちのまま。帰ってくる場所なんてない)
妹(いっそ、死んじゃった方が楽になるのかな……?)
妹(独りでも、ちゃんと戦って、責任を果たさないといけないんだ)
――――――――
勇者「ごめ、なさ、い…………」
魔王「……寝言か」
魔王(涙…………)
魔王「勇者…………お前を独りにはしない」
勇者「痛み止め魔法かけてるから、大丈夫」
魔王「なら……始めるぞ」
勇者「…………はい」
側近「防護結界確認、戦いの儀式を開始します」
格闘家「がぁんばーれよー」
魔王「……手加減はせぬぞ」
勇者「僕も、本気で戦う!」
魔王「だが、絶対に死ぬな」
勇者「魔王も、死んじゃやだからね!」
エネルギー波の風が巻き起こった。
側近「生まれ持った、そう大きくはない素質を最大限に鍛え上げている勇者」
側近「どちらが勝利なさるのでしょうねえ」
格闘家「…………」
勇者「はぁあああ!!」カキイィィン
魔王「っ……」ギイイ
二本の刃が幾度と無く交わった。
……
側近「ほぼ互角ですね。数時間経ちましたが……」
格闘家「二人とも大分消耗してきたな」
勇者「……僕は、最後まで戦います。貴方が、僕をまともに戦えるようにしてくれたから!」
魔王「来い、勇者!」
二刃が最後の交わりを成し、勇者と魔王の魔力が吹き荒れる。
格闘家「衝撃波此処まで来たぞ、ヤバくないか!?」
側近「なら、人間の報告委員の方々と同じ様に室外に避難されます?」
格闘家「いや、見守りたい。防護魔術頼む」
側近「仕方ないですねえ」
魔王「くっ…………!」
凄まじい閃光が空間を包んだ。
それと同時に、魔王と勇者は対極に吹き飛ばされた。
勇者「っ!!」ドガッ
魔王「……っ」ズザアァァ
勇者「…………」
魔王「……っ…………」
側近「……先に立ち上がった方が、勝ちです」
格闘家「…………」
魔王「……っゆ、うしゃ…………」ヨロ
格闘家「……魔王か」
魔王「勇者っ……勇者ぁっ…………」ヨロ
勇者「…………」
側近「……っ!」
格闘家「おい、あいつ、血が…………!」
勇者「…………」
魔王「ゆ……う、しゃ…………?」
側近「……衝撃波により、全身に貴方よりも酷い傷を負っています。これでは……」
魔王「すぐに治療を!」
側近「…………出血量が多過ぎます。勇者は助かりません。それより、貴方の治療を」
魔王「ふざけるな!」
側近「貴方まで死んだらどうするんですか! 直ちに救護班を呼びます」
魔王「輸血はどうした!」
側近「……勇者の血は、人間と淫魔の混合型。適合者など見つかりはしないでしょう」
側近「…………勇者は、もう助かりません」
勇者「…………」
魔王「勇者、死ぬな! 勇者!!」
格闘家「……ごめんな」
格闘家「俺等がお前をからかったりなんてしなけりゃ、お前が嫌いな戦いをする破目になんてならなかったのにな」
格闘家「お前が早死にすることもなかったのにな」
格闘家「…………ごめんな」
魔王「勇者、お前は無能などではない! 勇者ああ!!」
魔王「ゆ…………う……しゃ…………」
数日後
側近「そろそろ報告班が人間の国に到着する頃でしょう」
側近「相当高位の術師でないと、向こうまで一瞬で転移することは難しいですからね」
魔王「…………」
側近「上手く事が運べば良いのですが」
魔王「………………」
側近「もうちょっと元気出したらどうなんですか」
魔王「…………」
側近「元気出せっつってんですよこのポンコツ」
魔王「………………」
魔王「…………」ハア
側近「……あの子供はよくやりましたよ、貴方とほぼ互角に戦ったんですから」
側近「貴方を殺しかける程戦える存在なんて他にはいないでしょうね」
魔王「………………」
団長「閣下、処理していただきたい書類があるのですか」
側近「分かりました、すぐにそちらへ向かいます」
側近「もっと嬉しそうな顔くらいしてくださいよ。では」タッタッ
魔王「………………………」
勇者「まおおおおおおおおお」バターン
勇者「まおー! まおおおお!!」ヌガセヌガセ
魔王「……」
勇者「はー、はー、まおおおお!!」ヌギヌギ
勇者「まおうあったかいよおあついよお」ジュリジュリ
勇者「まおおのちくびとぼくのちくびかさなってるよおこすれあってるよおお」スリスリスリスリ
魔王「……傷はもういいのか」
勇者「もうふさがったよおお」ジュリジュリジュリジュリ
勇者「目が覚めたら部屋から魔王いなくなってたから寂しかったよおおおおお」スリスリ
魔王「っ……ぅ…………」
勇者「まおーの身体おいしいのおもっと吸いたいのお」チュウンヂュウウウ
魔王「……跡を見られたらどうする」
勇者「髪の毛と服で隠れるところだけえ」チュッチュウウッ
勇者「あははっ、まおー僕のキスマークでいっぱあい」ウットリ
魔王「……抱いてから変態度が増したな」
勇者「はあはあ魔王大好きだよ魔王はあはあはあはあ」
勇者「まお……ぉ……」クラァ
魔王「お、おい! 全く……まだ貧血が酷いのだろう、無理をするな」ナデナデ
勇者「あうぅ…………」
魔王「ゆ…………う……しゃ…………」
ドッゴオオォォォォオオオオオ
側近「天井から侵入者が!?」
兄「妹! 妹ぉ!!」
格闘家「妹の兄ちゃんじゃんかよ! 生きてたのか!?」
兄「妹おぉぉぉ、ごめんな、悪い兄ちゃんでごめんな」
側近「あ、貴方は……」
兄「俺には妹と同じ血が流れてる! 必要なだけ抜き取ってくれ!!」
魔王「…………勇者は……助かるのか……?」
兄「さっさとしろ!」
……
勇者「…………」スースー
側近「どうにか一命を取り留めました」
魔王「勇者…………」
格闘家「……何で天井裏なんかに隠れてたんだよ」
兄「俺は……俺は…………」
兄「妹を、殺しに来たんだ…………」
格闘家「はあ!?」
側近「どうしてそのようなことを」
魔王「…………」ピク
兄「情けなかった。小さな妹に負けたことが」
兄「ずっと見下していた妹に、追い抜かされたことが」
格闘家「昔は仲良かっただろ」
兄「ああ、可愛がっていたさ。でも、それは俺が妹を下に見ていたからだ」
兄「……気がつけば、俺は暗殺術を学んでいた」
兄「妹を殺すことで頭が一杯だった」
兄「馬鹿だよな、負けたのは俺の努力不足だったのに」
兄「小さい頃から天才だって言われて、天狗になってたんだ」
兄「だから、数日前は城門の前に潜んでいた」
側近「しかし、儀式は延期になりました」
兄「ああ……だから、様子が気になって城内に忍び込んだ」
兄「その時は、まだ復讐に燃えていた」
兄「……でも、いざ妹が死にかけているのを見たら助けずにはいられなくなった」
兄「殺しに来たはずなのに、無我夢中で駆け寄っていた」
兄「……ごめんな、こんな悪い兄ちゃんで、ごめんな、妹…………!」
兄「全部俺の逆恨みだったのにな。本当は自分が悪いって気付いてたのに、認められなかった」
兄「ごめんな…………」
格闘家「知ってるわけないか」
兄「……俺の代わりに持て囃されていたんじゃないのか?」
格闘家「最年少勇者として持ち上げる奴等も遠くに居たことは居たが」
格闘家「友達は怖がって離れてくし、いじめっ子すら寄り付かなくなるし」
兄「嘘だろ!? 俺は勇者候補だから大勢のダチがいたんだぞ」
格闘家「お前とは違う。それにあいつ、両親からも結構酷い扱いされてたぞ」
兄「は……? 父さんと母さんから……?」
格闘家「罵倒されたり暴力振られたりはなかったらしいが」
格闘家「無視されたり、一晩中家から追い出されたりしていたんだってよ」
格闘家「『いつ追い出されても良いように新しい寝袋買ったのー!』って笑顔で言われた時はどう反応しようかと」
兄「嘘だ……父さんと母さんがそんな…………」
兄「妹を……女の子だからってすごい可愛がってたんだぞ……?」
格闘家「それだけお前が大事だったんだろ、妹なんてどうでも良くなるほど」
兄「俺の所為で、妹がそんな…………」
兄「俺、妹に感謝される資格なんてないから。合わせる顔もないし」
格闘家「これからどうすんだよ」
兄「……故郷に帰って、妹の居場所を作ってやりたい」
兄「少しでも贖罪したいんだ」
兄「……じゃあな」
魔王「……兄、と言ったな。勇者の命を救ってくれた事、感謝する」
兄「……俺、妹を殺そうとしていたんだぞ?」
魔王「お前が居たから勇者が助かったのは事実だ」
兄「…………」
格闘家はノーマルだけど妹は恋愛対象外の異性の友達みたいな
魔王「勇者!」
勇者「良かったぁ、二人とも生きてるんだ」
格闘家「おはよう変態」
勇者「変態言うなし」
側近「御生還おめでとうございます。しばらくは安静にしていてください」
勇者「ありがとう側近さん。少し、魔王と二人だけにしていただけますか?」
勇者「あ、でも色々用事あるからちょっとだけ国に行かなくちゃ。王様にも会わないと」
魔王「勇者……ゆ、うしゃ…………」
勇者「魔王……泣いてるの?」
勇者「どうして? 僕ちゃんと生きてるよ? 約束通り二人とも生きてるよ?」
魔王「……勇者、いや、妹…………」
勇者「ん、なんだか本名で呼ばれると気恥ずかしいや」
魔王「あのまま、お前が目を覚まさないのではと…………」
勇者「大丈夫だよ、僕生きてるよ! 心配してくれて、ありがとう」
魔王「お前を、この手で殺めては……いないのだな」
勇者「うん。本気でぶつかり合ったけど大丈夫だったよ!」
魔王「妹っ…………」ギュウ
勇者「んっ……」
魔王「……愛している。俺の腕を離れるな」
勇者「うん! 一回人間の国に行って帰ってきたら、後はずっと一緒だよ!」
勇者「魔王、どうして心配そうな顔してるの? もう安心して良いんだよ」
魔王「……あの時、お前を失っていたらと考えると、いまだに恐ろしくてな」
魔王「それに……一度故郷へ帰らねばならぬだろう」
勇者「それも心配なの? 大丈夫だよ、負けても馬鹿にされたりはしないから」
勇者「戦いの儀式で負けた勇者の悪口言ったら捕まっちゃう決まりだもん」
魔王「だが……」
勇者「早めに王様への挨拶終わらせて、すぐにこっちに帰ってくるよ」
勇者「あ、でも実家に荷物取りに行きたいな」
魔王「…………」
勇者「大丈夫だよ、もう、慣れてるから…………」
勇者「僕を待ってたの?」
格闘家「お前の魔法なら一瞬で飛べるだろ」
勇者「そっか、他の人だと休みながらになるから数日かかっちゃうもんね」
格闘家「お前の兄ちゃんでさえ数日かかるのに、お前どんだけ努力したんだよ」
勇者「? どうして分かるの?」
格闘家「い、いや……昔そんなこと言ってたんだよ」
勇者「……………………そっか」
勇者「……ご期待に沿えず、申し訳ございません」
国王「良いのだ。ここ数代負け続きではあったが、その中でもお主はよくやった」
国王「お主はまだ十一だと言うのに、成人している魔王と互角に戦ったのであろう?」
勇者「ですが、領土は……」
国王「魔王から何も聞いておらぬのか?」
勇者「は、はい。治療に専念するようにと、特に何も教えられませんでしたので」
国王「魔王は、あの地域を中立地区にするつもりなのだ」
勇者「中立……地区……?」
よって、敢えて要求ではなく提案という形を取らせて頂く。
第四中央地区を人間と魔族の中立地区に――
国王「魔国から送られた書類の内容だ」
国王「世代毎に不毛な戦いを続けるより、最初こそ困難は多くとも」
国王「将来的には争いが無くなる道を選ぼうとしているそうだ」
勇者「魔王が…………」
家臣1「しかし、罠と言う可能性が……!」
勇者「罠だなんて! 魔王はそんな……」
家臣2「儀式が終わり、状況を確認をしようと扉を開いた時、最初に目に飛び込んできたのは」
家臣2「かの魔王が、必死に重体の勇者を助けようとしている姿でした」
家臣2「詳しい事情は把握しておりませんが、数日の間に魔王は勇者と絆を築いていたようです」
勇者(……発情してたのは知られてないよね? 知られてたら死ねる…………)
家臣3「だが、要求――もとい提案を受理したところで、人間と魔族が近い位置に住めばどんな問題が勃発することか……」
国王「長い時間はかかるだろうが、少しずつ距離を縮めるべきではないか」
勇者「国王陛下!」
国王「あの土地は作物が良く育ち、他所では採れない最高質の鉱物も掘れる」
国王「太古より、幾度と無く奪い合ってきた」
国王「この時代で、この争いに終止符を打つべきであろう」
家臣3「……」
国王「何より、魔王は強制的な『要求』ではなく『提案』として申し出ている」
国王「我等も、この誠意に応えるべきではないか」
家臣1「…………そうかもしれませぬ」
勇者「僕が勝っていたら、今世紀は人間があの土地を奪えても」
勇者「未来で、同じ戦いが起きていたでしょう」
勇者「魔王は、絶対に人間を裏切ったりなんてしません!」
勇者「きっと平和な時代を創り上げることができます!」
勇者「したけど、味方してくれたから思ったより大丈夫だった」
格闘家「じゃあ俺こっちだから」
勇者「うん、ばいばい」
格闘家「……たまには魔王城に遊びに行くからな、ダチとして」
勇者「うん! 楽しみにして待ってる」
「小さいのによく頑張ったわよね」
「あんな幼い子に戦わせるなんて、世の中酷よねえ」
「おつかれさまー」
勇者(同情的な目で見てくれる人も、いるんだ)
勇者(世の中、捨てた物じゃないのかな……?)
少年2「あ……ほんとだ勇者じゃん」
勇者「っ!?」ビクッ
少年3「あいつ負けちまったんだろ?」
少年2「あいつが負けるとか、魔王ってどんだけ強いんだよ」
少年1「あいつも怪物レベルだろ?」
少年1「ひぃっ!?」
少年2「逃げるぞ!」
少年1「あいつ死んじまえば良かったのに」
少年3「捕まるから気をつけろよお前!」
勇者「…………」
勇者(話しかけようとした僕が馬鹿だったのかな……)
母「今思えば、妹が勇者になってくれて良かったわあ」
母「大切な兄が死なずに死んだんですもの。試練だけでも死ぬ危険性があるのでしょう?」
兄「母さん、やめてくれよ」
父「母さんの言う通りだぞ、兄。お前は大切な跡取りの長男なんだからな」
兄「父さんまで!」
勇者「……」
兄「二人とも、妹が大切じゃなかったのか!? お前等の娘だろ!?」
母「強すぎる女の子なんて、お嫁の貰い手ないじゃない」
母「普通の女の子としての幸せすら掴めないような子、育てても価値なんてないでしょう?」
父「可哀想だが、将来がなあ……金持ちに嫁がせることも不可能じゃな…………」
母「そもそも、女の子らしさの欠片もなくなっちゃったしねえ……」
兄「な……んでだよ…………お前等、そんな子供を道具としか見れないような親じゃなかっただろ!?」
母「貴方が出て行った時、とても不安になったわ。その時に子供の本当の価値知ったの」
兄「違う! お前等は子供の大切さを忘れちまったんだ!」
勇者(お兄ちゃん…………)
母「貴方は悪くないわ、可哀想な兄。あの子が異常だったのよ」
父「あの子があそこまで強くなるとは思わなかったが、結果的にお前は無事だった」
父「結果的に良かったんだ、あの子が犠牲になってくれて」
兄「俺だって、あいつが憎くて……殺そうとまでしていたさ」
勇者「!?」
兄「でも、出来なかった……! 」
兄「助けずにはいられなかったっ……!」
勇者(お兄ちゃん……やっぱり来てたんだ、魔王城に)
母「あのね、兄。私達は、貴方さえ戻ってきてくれたなら……」
勇者「……ただいま」ガチャ
父・母「妹!?」
兄「い、妹……まさか、聞いていたのか?」
勇者「……ごめんね、荷物纏めたらすぐに出てくから」
母「あ、あのね妹ちゃん」
勇者「そしたらね、もう二度と帰ってこないから、安心して」
勇者(僕の体が弱かったからなかなか遠出出来なくて、やっとのことで行けたんだっけ)
勇者(あった、お祭りの時にお父さんが買ってくれた服。今思えばちょっとぼったくりだったけど、模様気に入ってるんだよね)
勇者(3年前のだけど、当時で結構大きかったからまだ着れるはず)
勇者(お母さんから買ってもらったハンカチ。ずっと使ってたから大分色落ちしちゃった)
勇者(……小さい頃、お兄ちゃんからもらったペンダント。あの時から、お兄ちゃんっ子になったんだったな)
勇者「っ…………」
勇者「ばかだな、自分。こんなの持って行ったら、見る度に嫌な事も思い出しちゃうのに」
勇者「……どうしてこうなっちゃったんだろう」
勇者「うっ……うぅっ……おと、さ……おかぁ、さん…………おに……いちゃ…………」
兄「い、妹っ!」
勇者「……お兄ちゃん。命助けてくれて、ありがとうね」
兄「何処行っちまうんだよ!」
勇者「……ずっと、遠い所」
兄「っ…………ごめんな、ごめんな。こんな家族にしちまって、ごめんな」
兄「でも、いつかきっと、父さんと母さんを元に戻してみせるから」
兄「お前の居場所を取り戻してみせるからな」
兄「だから……無理にとは言わないし、信用なんてされるわけないけど」
兄「……いつか、帰って来て欲しい」
勇者「うん……分かった。いつか、きっと。お父さんとお母さんが優しくなったら」
勇者「昔のお父さんとお母さんに戻ってくれたなら…………また、会いに来るよ」
勇者「じゃあ、僕は僕の居場所に帰るから……ばいばい、お兄ちゃん」
側近「一泊もして来なかったんですか」
勇者「僕の帰ってくる場所は、此処……だから……」
魔王「…………妹、来い」
勇者「魔王が気を遣ってくれたから、中立地区にするって提案してくれたから」
勇者「優しくしてくれる人いっぱいいたよ」
魔王「……そうか」
勇者「ぐすっ……っぅう…………うあぁぁぁ!」
魔王「…………」ナデナデ
妹は勇者を退任し、奪い合っていた地区の中立化が進められた。
そして魔王と妹が婚約したと発表され、妹が成人し次第正式に婚姻を結ぶこととなった。
格闘家「久しぶり変態」
妹「変態言うなし。そっちこそエロ知識豊富なくせに」
格闘家「これお前の兄ちゃんからのお土産」
妹「お兄ちゃんから……ありがと。……向こうの様子はどう?」
格闘家「中立地区化の反対派の声もあるが、魔族に占拠され続けるよりはマシだろって意見が多いな」
格闘家「しっかし、まさかお前があそこの領主とはな」
妹「まだ政治の事とかよく分からないから、周りの人に手伝ってもらいながらだけどなんとかやってるよ」
妹「うん…………」
格闘家「お前がいなくなったらいなくなったで、また心境に変化あったみたいだぞ」
格闘家「別に擁護はしねえけどな」
妹「……そっか」
格闘家「お前の兄ちゃんは今勇者やってるぜ。お前の苦労が分かったとか言ってた」
妹「ん…………」
妹(本当に、いつか……元に戻ってくれるのかな…………?)
……
妹「まおおおおおおお!」スリスリスリスリ
魔王「……昨晩抱いたばかりだと言うのに」
妹「一日しか持たないんだもん身体が勝手にいいいいい」
魔王「全く……ここ数ヶ月、毎晩お前を抱いているが」
魔王「俺の体力の方が負けそうだ」
妹「……迷惑? そうだよね、面倒くさいよね、僕なんか……」
魔王「……迷惑でも面倒くさくもないぞ。お前は自らを卑下する癖を直した方が良い」
妹「うぅ…………」
魔王(こいつが発情するのは、淫魔の本能と世界で唯一拮抗し得る存在である魔王を求める心が重なった結果だと側近は言っていたが)
魔王(それ以上に、愛する者から拒絶された孤独感が関わっているのだろう)
妹「あの地域が中立地区になることもなかったしいいい」ズリズリ
妹「僕こんな体質で良かったよおお」
魔王「発情行為は世界を救ったか」
妹「でもまだ問題山済みだから、頑張って魔王を支えるよおおお」スリスリズリズリ
妹「はあはあ脱ぎたあいのおおおお」
魔王「どっちだ」
妹「からだがかってにいいいい」
魔王「毎晩見られているのに今更恥ずかしがらなくともいいだろう」
妹「何回見られても恥ずかしい物は恥ずかしいのおお!」
妹「ねえねえ僕いつ赤ちゃん産むのおおおお?」シュリシュリ
魔王「早くて五年後だな」
妹「まおうの赤ちゃん産みたあいのおおお」シュリシュリ
魔王「だからまだ早いと」
完
乙
とても良かった
Entry ⇒ 2012.03.30 | Category ⇒ 勇者魔王「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
桜「セイバーさんと先輩が居間で大喧嘩してる…」ライダー「ほぅ?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332509754/
士郎「なんでそうなるんだよ!!」
セイバー「そういうことでしょう?」
士郎「どうしてそういう言い方しかできないんだ!!」
セイバー「しかし、それで全てが解決するのも確かです」
士郎「もういい!!勝手にしろ!!セイバーのわからずや!!」
セイバー「……はい。勝手にさせていただきます」
桜「あ、あの……」オロオロ
セイバー「お世話になりました」スタスタ
ライダー「……」
士郎「ふん……」
士郎「別に」
桜「先輩……」
ライダー「いいのですか?」
士郎「桜、夕飯の準備をしようか」
桜「え。でも……」
士郎「ほら」
桜「は、はい……」
ライダー「……」
ライダー(桜にとっては好機……)
ライダー(それに士郎のことですから、そのうちセイバーとも自然と寄りを戻すでしょう)
士郎「今日は何を作ろうか?」
桜「そ、そうですね……なににしますか?」
凛「ふわぁぁ~」
アーチャー「はしたないな、凛。淑女が聞いて呆れる」
凛「淑女っていうのは公の場で飾るものよ」
アーチャー「そういう普段の行いが仇となると思うが」
凛「はいはい。コーヒーいれて」
アーチャー「全く……」
ピンポーン
凛「ん?アーチャー、でてー」
アーチャー「自分で出るという選択肢はないのか……」スタスタ
アーチャー「―――誰かな?」ガチャ
セイバー「……」
アーチャー「な……セイバー?」
セイバー「家出してきました」
アーチャー「なに?」
アーチャー「いや……」
凛「どしたのー?」
セイバー「リン」
凛「ありゃ、セイバー?」
セイバー「私をリンのサーヴァントにしてください」
凛「ちょっと、突然どうしたの!?」
セイバー「……」
アーチャー「大方、衛宮士郎と喧嘩でもしたのだろう」
セイバー「……」コクッ
凛「あら、珍しいわね。なにかあったの?」
セイバー「……」
アーチャー「いえないのか?」
セイバー「そういうわけでは、ありませんが……」
凛「ま、立ち話もなんだし、あがって」
セイバー「ありがとうございます」
凛「で、衛宮くんと喧嘩して、ここまで家出したきたのはわかったわ」
セイバー「……」ズズッ
凛「でも、理由を聞かないとなんともね。ほら、あの朴念仁が9割非があるのは目に見えてるけど」
アーチャー「ふん……」
凛「セイバーに非があれば、私は衛宮くんの味方をしなきゃいけないし」
セイバー「そうですね。ここで世話になる身ですから、言っておいたほうがいいですね」
凛「おねがい」
セイバー「実は……今朝、シロウと買い物に出かけたのです」
凛「ふんふん」
セイバー「そこで意見の相違がありまして」
凛「相違?」
セイバー「はい」
士郎「今日のお昼ご飯は何にしようか?」
セイバー「しろー」テテテッ
士郎「どうした?」
セイバー「この新発売のポテトチップスを買ってもいいでしょうか?」
士郎「前にも買っただろ」
セイバー「あれは味が違います」
士郎「ダメだ。前、買った分が無くなってからって約束だろ?」
セイバー「ですが、ここでこれを食べないと明日には食物を口にできないかもしれません」
士郎「そんなわけないだろ。早く元の場所に戻してきてくれ」
セイバー「シロウ!どうしてそんなことを言うのですか!!これぐらい買ってください!!」
士郎「ダメだって。イリヤでもダメっていったら素直に諦めるぞ?」
セイバー「イリヤスフィールと一緒にしないでください!!」
士郎「なんでさ?セイバー、約束は守ってくれ」
セイバー「嫌です!!買ってください!!」
凛「ふーん」
アーチャー「ふっ……」
凛「士郎もダメねー。お菓子ぐらいで怒って」
セイバー「リンもそう思いますか!?」
凛「一袋ぐらいいいじゃない、ね?」
セイバー「流石はリン!!やはり私のマスターはリンだったのですね!!」ギュッ
凛「おぉ?!」
セイバー「リン……リン……」スリスリ
凛「よしよし」
アーチャー「少しいいかな?」
凛「どうしたの?」
アーチャー「衛宮士郎に1割も非はないように思えるのだが」
凛「珍しいわね。アンタが士郎の肩を持つなんて」
アーチャー「いや……流石にセイバーを擁護できないというか……」
アーチャー「凛。衣食住ばかりでなく娯楽も提供してる家主が、居候の我侭も律することができないのは問題だ」
凛「えー?そうかしら?」
アーチャー「セイバーもその辺り、自重したほうがいいと思うのだが?」
セイバー「でも、あれが食べたかったのです!!」
凛「なに?アーチャーったら、普段は恨んでるとか言いつつもやっぱり自分のことは庇っちゃうわけ?」
アーチャー「……」ピキッ
凛「ま、誰しも自分には甘くなるわよねー」
アーチャー「その言葉は聞き捨てならないな。取り消してもらおうか」
凛「なんでよ?そもそも、士郎が200円かそこらを払ってればこんなバカなことにならなかったんでしょ?」
アーチャー「セイバーがその200円を諦めればよかっただけの話だ」
凛「そんな甲斐性の無い言い訳なんて恥ずかしくないの?」
アーチャー「君は衛宮士郎にもセイバーにも甘すぎる!!」
凛「これは一般論でしょ?!」
セイバー「あの……」オロオロ
凛「どうかよ?これは正当な意見だと思うけど?」
アーチャー「君の正当性は狂っているとしか言いようが無い」
凛「なんですって?」
アーチャー「サーヴァントを執事のように扱い、いや、それどころか体の良い番犬だと思っているだろう?」
凛「思ってないわよ。というか、番犬はその通りでしょ?」
アーチャー「……っ」
凛「マスターの言うことを聞くのがサーヴァント。主の身を守るのもサーヴァント。番犬って表現はぴったりじゃない」
アーチャー「そうか……よくわかったよ」
セイバー「あの……アーチャー……?」
凛「どこいくのよ?」
アーチャー「こんな場所にはもういられない。出て行く。セイバーが新しいサーヴァントになってくいれて丁度よかったな」
凛「ちょっと!!何を拗ねてるのよ!!」
アーチャー「凛には愛想が尽きたよ」
凛「な……?!」
セイバー「あの……」
アーチャー「セイバー、凛を頼む」
セイバー「え……」
凛「アーチャー!!」
アーチャー「……」スタスタ
凛「ふんっ!!勝手にしたらいいのよ」
セイバー「よかったのですか?」
凛「べっつに。私としてはセイバーがいてくれたほうが嬉しいもーん」ギュゥゥ
セイバー「リン……」
凛「そうだ。お昼ご飯までしょ?」
セイバー「ええ」
凛「ちょっと待ってね。すぐに作るから」タタタッ
セイバー「ありがとうございます」
士郎「……」モグモグ
桜(空気が重い……)
ライダー「……ごちそうさまでした」
士郎「……おそまつさま」
ライダー「士郎、少し出かけてきます」
士郎「どこにいくんだ?」
ライダー「散歩を」
士郎「そっか。気をつけてな」
ライダー「……」スタスタ
桜「あ、ライダー、私は……?」
ライダー「桜は士郎の傍にいてください。モノにするチャンスですよ?」
桜「もうっ!ライダー!!」
ライダー「それでは」
士郎「いってらっしゃい」
桜「はい。お手伝いします、先輩」
士郎「ありがとう」
桜「あの……先輩?」
士郎「ん?」
桜「セイバーさんとなにがあったんですか?」
士郎「……」
桜「言えないなら、別に……」
士郎「……セイバーがどうしてもお菓子が欲しいっていってさ」
桜「へ?」
士郎「で、それはダメだっていったら、セイバーが怒って」
桜「それで喧嘩を?」
士郎「いや、家に帰ってきたあとさ……」
桜「……?」
セイバー「シロウはどうしてお菓子の一つも買ってくれないのですか!?」
士郎「だから、もう買い置きがいっぱいあるんだから、それでいいだろ?」
セイバー「魔力のストックはないくせに、そう言うものだけはきっちり置いているのですね」ムスッ
士郎「セイバー、それは関係ないだろ?俺が未熟なのは認めるけどさ」
セイバー「私のためにも魔力を高める努力をしてほしいものです」
士郎「セイバー……」
セイバー「……」プイッ
士郎「俺だってセイバーみたいに燃費が悪いサーヴァントじゃなきゃあ、もっと戦えるんだ!!」
セイバー「……っ」
士郎「セイバーが無駄に魔力を持っていくから、俺の魔力だけじゃ足りなくなるんだろ!?」
セイバー「シロウ、自身の未熟さを棚にあげてなんですか」
士郎「こっちの苦労もわかってくれっていってるんだよ!!」
セイバー「……分かりました。私がこの家から出て行けばいいのですね?」
士郎「なんでそうなるんだよ!!」
桜「なるほど。セイバーさんもプライドが高いですからね」
士郎「俺も言いすぎたと思う……」
桜「先輩……」
士郎「……」
桜「でも、セイバーさんが悪いです!!」
士郎「え?」
桜「そもそも、セイバーさんがお菓子を我慢したらいいだけの話だったわけですし」
桜「そ、それに先輩が少し強く言い過ぎたのもセイバーさんが煽ったからですし」
士郎「桜……」
桜「だから、セイバーさんが悪いんです。先輩が謝ることなんてありません」
士郎「そうかな?」
桜「そうですよ。ここで下手に出たらだめですからね、先輩っ!」
士郎「うん……そうだな」
桜「……」
ライダー「さてと……セイバーの行き先なんて一つぐらいしかないでしょう」スタスタ
アーチャー「……ん?」
ライダー「どうも」
アーチャー「どこにいく?」
ライダー「凛の邸宅へ。セイバーがいるでしょうから」
アーチャー「……いや。いないが?」
ライダー「え?」
アーチャー「セイバーはきていない」
ライダー「そんな馬鹿な……」
アーチャー「そもそも衛宮士郎にベッタリな彼女が凛のところに行く理由が無い」
ライダー「ですが……そこぐらいしか……」
アーチャー「それではな」
ライダー「は、はい」
ライダー「そんな……では……どこに……」オロオロ
ライダー「セイバー?せいばぁー?」キョロキョロ
ライダー「レストランにいるかとも思いましたが……。セイバーはお金を持っていませんでしたね……」
ライダー「はぁ……凛のところではないとしたら……」
キャスター「らんらーん♪」
ライダー「……」
キャスター「うふふ~今日は宗一郎様とお鍋をつつくの~♪」
ライダー「……」ジャラ
キャスター「え?」
ライダー「ふっ!!」ジャララララ
キャスター「ちょ……なによ!?早く鎖をときなさい!!」
ライダー「貴女ですね?」
キャスター「なにが?」
ライダー「セイバーをどうしたのですか?」
キャスター「セイバー?」
キャスター「セイバーなんて知らないけど?」
ライダー「嘘ですね。貴女はそうして呼吸するように嘘を吐く」
キャスター「酷いいいかた……」
ライダー「セイバーは?」ググッ
キャスター「いたたた……!!」
ライダー「答えなさい」
キャスター「本当にしらないわ!!」
ライダー「……」
キャスター「うぅ……」ウルウル
ライダー「……はぁ。申し訳ありません」
キャスター「ふぅ……どうしたの?セイバーがいなくなったのかしら?」
ライダー「その通りです。士郎のためにも連れ戻したいのですが」
キャスター「ふーん……そう。セイバー、家出したの……ふーん……」
ライダー「一体、どこにいったのか……」
アーチャー「……」スタスタ
ランサー「ん?」
アーチャー「……釣れてはいないようだな」
ランサー「消えろ」
アーチャー「そういうな。はぐれサーヴァントの身なんだ」
ランサー「なら、もっと相応しい場所がある。そこいけ」
アーチャー「参考までに聞いておこう。それはどこかな?」
ランサー「あるだろ。迷える子羊を優しく抱擁してくれるところがよ」
アーチャー「拘束の間違いではないかな?」
ランサー「なんだ?お嬢ちゃんから解雇通告でも受けたのか?」
アーチャー「辞表を叩きつけてきた」
ランサー「もったいねえ。あんなできたマスターは他にはいねえぜ?」
アーチャー「隣の芝は青くみえるだけだろうに」
ランサー「そうかねえ。なんなら俺が新しいサーヴァントに立候補してこよっかな?」
ランサー「誰だよ。その羨ましい野郎は」
アーチャー「セイバーだ」
ランサー「ちっ……」
アーチャー「残念だったな」
ランサー「つまんねえなぁ……」
アーチャー「だが、まだ正式に契約したわけではないようだから、今からすぐに売り込めばマスターになってくれるかもしれない」
ランサー「そうか。なら、いっちょセールスにでも行ってくるか」
アーチャー「まあ、君がセイバーに勝てるかは甚だ疑問だがね」
ランサー「うっせ」
アーチャー「ふっ……」
ランサー「ふんふーん……」スタスタ
アーチャー(どうせ行く気などないのだろうが……)
凛「どう?美味しい?」
セイバー「はい!」
凛「いっぱい食べてね」
セイバー「ありがとうございます」
凛「アーチャー?飲み物ー」
セイバー「リン、アーチャーは……」
凛「あ、そっかそっか」
セイバー「……」
凛「あとでお菓子買いに行きましょ、ね、セイバー?」
セイバー「いいのですか?!」
凛「もっちろん!」
セイバー「流石はリンですね」
凛「使うところには使う。そのかわり、使わなくてもいいところには一切使わない。それだけよ」
セイバー「素晴らしい。確かに出し惜しみをしては大局を越えるこなどできませんからね」
士郎「……」
桜「せーんぱい」
士郎「ん?」
桜「暇でしたら買い物にでもいきませんか?」
士郎「なにか買いたいものでもあるのか?」
桜「そうでねー、お洋服とか」
士郎「いいな。付き合う」
桜「やった」
士郎「じゃあ、支度するから。ちょっと待っててくれ」
桜「はーい」
士郎「はぁ……」
桜(先輩……やっぱり元気がありません……)
桜(私がなんとかしないと……)ムフー
ライダー「ここにいるとは思えませんが……」
ギルガメッシュ「……」
ライダー「……」コソコソ
ギルガメッシュ「まて」
ライダー「なんでしょう?」ドキッ
ギルガメッシュ「雑種風情が我に一瞥もないとはどういうことだ?」
ライダー「えと……おはようございます」
ギルガメッシュ「たわけ!!我に声をかけるな!!耳が腐るであろうが!!」
ライダー「……」
ギルガメッシュ「なんだその顔はぁ?!王を前にして晒すものではないなぁ……」
ライダー(めんどくさい……)
ギルガメッシュ「いいか。我は王の中の王。下民と対話するなど業腹もいいところだ」
ライダー「……」スタスタ
ギルガメッシュ「まて、どこにいく。我の話はおわっていなぁい!!」
ギルガメッシュ「セイバーだと?」
ライダー「はい」
ギルガメッシュ「どういうことだ?」
ライダー「セイバーが家出をしてしまって」
ギルガメッシュ「ほう……?」
ライダー「セイバーがいるかどうか確認できればすぐに消えます」
ギルガメッシュ「おらん」
ライダー「本当に?」
ギルガメッシュ「覗いてみるがよい」
ライダー「いえ、いいでしょう。貴方がそのような嘘をつくとは思えませんから」
ギルガメッシュ「ふふふ……」
ライダー「では、これで」スタスタ
ギルガメッシュ「そうか……セイバーはいま……」
ギルガメッシュ「あははははは!!!!!こうしておれん!!今すぐ準備をするぞ!!」
凛「さー、何を買いましょうか?」
セイバー「リン、ちょっとお菓子コーナーに行って来てもいいですか?!」
凛「いいわよ」
セイバー「ありがとうございます」テテッ
凛「ふふ……」
凛「……アーチャー……どこに行ったのかした……」
ランサー「おー、こんなところにいたか」
凛「ランサー?」
ランサー「あの弓兵と縁を切ったんだってな?」
凛「誰から聞いたの?」
ランサー「んなことはどうでもいいんだよ。次は俺と繋がろうぜ?な?勿論、ベッドの上でも繋がってやってもいいぜ?」
凛「残念だけど、もうセイバーがいるから」
ランサー「まだ正式に契約はしてないんだろ?」
凛「まあ……そうだけど……」
新手のナンパかお前は
凛「だから、私にはもうセイバーがいるの」
ランサー「つれないねえ」
凛「他を当たって。今なら衛宮くんがフリーよ?」
ランサー「あんな坊主じゃやる気がおきねえからな」
凛「あっそ」
ランサー「俺じゃあ嬢ちゃんの騎士は務まらないのかよ」
凛「いえ。セイバーがいなければ、貴方を選んでもいいぐらいよ」
ランサー「マジか?」
凛「いなければね」
ランサー「よし」
凛「ちょっと、どこいくのよ」
ランサー「出直すわ」
凛「なによ……もう……」
セイバー「リーン、これです!これこれ!」テテテッ
セイバー「はいっ!」
凛「ふーん。これぐらい士郎も買ってあげればいいのに」
セイバー「……」ギュッ
凛「だめよ、抱きしめたら。破裂しちゃうから」バッ
セイバー「あ……」
凛「さ、今日の夕食でも」
セイバー「リン……あの……」モジモジ
凛「なに?」
セイバー「も、もうひとつ、気になるものがあったのですが……」
凛「遠慮なんてしなくていいわよ。5つまでなら、オッケー」
セイバー「リン……」
凛「ほら、いってきなさい」
セイバー「ありがとうございます!!」テテテテッ
凛「士郎もケチケチせずに買ってあげればいいのに……」
ギルガメッシュ「ん?」
セイバー「これ……とどき……ません……」
ギルガメッシュ「……」
セイバー「んー……!!」
ギルガメッシュ「これか」ヒョイ
セイバー「あ……。英雄王?!!」
ギルガメッシュ「ほれ」
セイバー「ありがとうございます」
ギルガメッシュ「―――タダではやらん」
セイバー「な!?」
ギルガメッシュ「家出したらしいな、セイバー?」
セイバー「それをください!!」
ギルガメッシュ「セイバー、我の寝屋にくるか?」
セイバー「行きません!!それを早く渡してください……!!」ピョンピョン
セイバー「むぅ……」
セイバー「はぁ!!!」ドゴォ
ギルガメッシュ「ふごっ!?」
セイバー「全く……」バッ
ギルガメッシュ「お、おまえ……」
セイバー「これでよし」
ギルガメッシュ「まて、セイバー」
セイバー「なんですか?」
ギルガメッシュ「ここに駄菓子、全てをお前にくれてやろう」
セイバー「……」
ギルガメッシュ「悪い条件ではあるまい?」
セイバー「何を言っているのですか?私を物で釣ろうなどと、愚の骨頂」
ギルガメッシュ「この店にある食材全てをお前のものにでると言ってもか?」
セイバー「くどい。私はこの菓子さえあれば満足です」
ランサー「よっ」
凛「また来たの?」
ランサー「そんなこというなよー」
凛「別にいいけど」
ランサー「ところで、さっきの言葉覚えてんだろ?」
凛「なんのこと?」
ランサー「セイバーがいなければ、俺のマスターになるって話だよ」
凛「それが?」
ランサー「ん」
凛「え?」
セイバー「……」トコトコ
ギルガメッシュ「ふははははは!!!」
凛「セイバー!?ちょっと!!!まって!!どこいくの!!」
ランサー「おいおい。俺との契約は?」
凛「セイバー!!知らない人についていったらダメじゃない!!」
ギルガメッシュ「おい、雑種。我は天地創造の主、ギルガメッシュだぞ?知らぬとは唾を吐き捨てる行為だぞ?」
セイバー「あの……これは……」
凛「その両手一杯のお菓子……」
セイバー「……申し訳ありません」
ギルガメッシュ「あははははは!!!!どけ、雑種が。我とセイバーが進む大道に許可無く立つな、痴れ者め」
セイバー「あの……」
凛「セイバー、目を覚まして。こんなヤツのところに行ったら何をされるかわからないわよ?!」
セイバー「それはそうですが……」
凛「セイバー……おねがい……私を見捨てないで……」
セイバー「リン……」
ギルガメッシュ「さ、いくぞ、セイバー。劣悪種に貸す耳などなかろう?」
セイバー「……」
凛「セイバー……!!」
ランサー「心配しなくていいぜー」
セイバー「ランサー!?」
凛「え?」
ランサー「もう俺がいるからな」
凛「ちょ!?」
セイバー「……そうでしたか」
凛「違う!!セイバー!!」
セイバー「では、私は必要ありませんね」
凛「どうしてそんなこというのよ?!」
セイバー「それでは」
凛「セイバーってばぁ!!」
ギルガメッシュ「いくぞ、セイバー?」
セイバー「はい」
凛「セイバー!!せいばー!!」
凛「ふんっ!」ドゴォ
ランサー「おふぅ?!」
凛「余計なこといわないでよ!!」
ランサー「いいじゃねえか、セイバーはあれで幸せ。嬢ちゃんも俺がいて幸せ」
ランサー「俺もいいマスターをもらえて幸せ。ほら、みんなハッピーだろうが」
凛「いや……そういうことじゃ……」
ランサー「ほら、早く行こうぜ。あのいけ好かねえ弓兵にも報告したいしな」
凛「それはっ?!」
ランサー「なんだよ?」
凛「べ、べつに……言う必要なんて……」
ランサー「もう縁は切ったんだろ?いいじゃねーか」
凛「……」
ランサー「昔の男なんて俺が忘れさせてやるよ」
凛「……やめて」
桜「せーんぱーい!!こっちですこっち!!」
士郎「はいはい」
桜「これ!これなんてどうですか?!」
士郎「へえ。桜も赤い服とか着るんだな」
桜「どうですか?似合いますか?」
士郎「うん」
桜「じゃ、これとー♪これもー♪」
士郎「……」
桜「あとはー♪―――先輩?」
士郎「え?」
桜「やっぱり、セイバーさんのことを……?」
士郎「いや!!そんなことないぞ!!ほら、桜!!こっちのスカートもいいんじゃないか?!」
桜「先輩……」
桜「もう……」ムスッ
士郎「よかったのか?俺も多少なら出せるのに」
桜「そんないいですよ。これはあくまでも私的な買い物ですから」エッヘン
士郎「そっか」
桜「先輩……?」
士郎「ん?」
桜「手……繋いでもいいですか?」
士郎「さ、くら……あーいや……それは……」
桜「もう、我慢できませんっ。えいっ」ギュッ
士郎「お、おいお―――」
桜「えへへ……先輩の手……あったかい……」
士郎「……」プルプル
桜「先輩……?どうしたんですか?」
ギルガメッシュ「ふははははは!!!!」
セイバー「……」ムシャムシャ
士郎「……」
桜「先輩……?あの……」
士郎「行こう。桜」ギュッ
桜「あ……」
セイバー「ん?」
セイバー(あれはシロウ……)
セイバー(なるほど……もう私は忘れられているのですね……)
ギルガメッシュ「ん?どうした?」
セイバー「……いや、なんでもありません」ムシャムシャ
ギルガメッシュ「そうか。ではいくぞ」
セイバー「はい」ムシャムシャ
セイバー(シロウ……)
セイバー「さよなら……」ムシャムシャ
桜「先輩……」
士郎(なんでよりにもよって……あんなやつのところに……!!)
桜「先輩……」
士郎「……」ギュゥゥ
桜「いたっ……!!先輩、手!手が……!!」
士郎「あ、ごめん!!」
桜「いえ……」
士郎「あ、えっと……どこいく?」
桜「……」
士郎「き、喫茶店でもいくか?」
桜「はい」
士郎「よし、じゃあ、こっちだ」
桜「……」
桜(どうやったらセイバーさんのこと忘れてくれるんだろう……)
ライダー「くそ……!!」
ライダー「セイバーはどこに……!!」オロオロ
アーチャー「ん?」
ライダー「はぁ……このままでは……」
アーチャー「ライダー?何をしている?」
ライダー「アーチャー……。依然、セイバーが見当たらなくて……」
アーチャー「……」
ライダー「桜にかっこをつけてしまった手前……手ぶらでは……」
ライダー「どうしたら……」
アーチャー(ライダーは何も悪くないな。そろそろ凛も反省したかもしれない)
アーチャー(ネタばらしといくか)
アーチャー「ライダー、私に心当たりがある」
ライダー「え?!ど、どこでしょうか?!」
アーチャー「こっちだ」
アーチャー「悪かったよ」
アーチャー(セイバーをライダーに引き渡して、私が凛に説教をして終わりだ)
アーチャー(私も少し大人げなかったな)
ライダー「この辺りは探したのですが……」キョロキョロ
アーチャー「ここだよ」
ライダー「ここは……凛の屋敷ではありませんか?!」
アーチャー「ああ。ここにいる」
ライダー「しかし、初めはいないと……!!」
アーチャー「まさか鵜呑みにしているとは思わなかった」
ライダー「貴方がそのような嘘をつくとは思わなかったのです」
アーチャー「それはすまない。私だってたまには洒落をこぼすこともある」
ライダー「全く……こっちは困っているというのに……」
アーチャー「では、行くか」
ライダー「わかりました。お邪魔します」
ライダー「いませんね」
アーチャー「しかたない。少し待っていてくれ。すぐに帰ってくるだろう」
ライダー「はい」
アーチャー「紅茶でもいれよう」
ライダー「ありがとうございます」
ライダー「今頃、桜と士郎はうまくやっているのでしょうか……」
アーチャー「桜はデートの最中か?」
ライダー「はい」
アーチャー「ふっ。まあ、ギクシャクしているだろうな」
ライダー「それについては同意見です」
アーチャー「そうか。君と気が合うとはね」
ライダー「そういうこともあります」
アーチャー「どちらも保護者的な立場だからかな?―――ほら、飲んでくれ」
ライダー「ありがとうございます」
ライダー「……」ズズッ
ライダー「おいしい……」
アーチャー「そうだろう?」
ライダー「よろしければ、おかわりを」
アーチャー「ああ。構わないよ」
ライダー「……」
アーチャー「―――どうぞ」
ライダー「どうも申し訳ありません」スッ
ポロッ
アーチャー「あ―――」
ライダー「あ」
バシャ
ライダー「あぁ……ズボンが……」
アーチャー「拭くものを持ってくる。しばらく待っていろ」
ランサー「ホンキホンキ」
凛「全く……」ガチャ
ランサー「いい家だなぁ。やっぱり」
凛「あんまりジロジロ―――」
ライダー「あの……本当に申し訳ありません……」
アーチャー「気にするな」ゴシゴシ
凛「……」
ランサー「あらー……前戯中か……」
ライダー「凛!?」
アーチャー「むっ!?」
凛「な、なにやっての……?」
アーチャー「いや、これは……」
ランサー「すっげー、ライダーの股、濡れまくってんな」
ライダー「え?!あ、これは?!あの……!!」
アーチャー「まて、誤解だ」
ランサー「ハッハー!!最低なやつだなぁ!!アーチャー?!」
アーチャー「そういうお前はどうして凛の傍らにいる?」
ランサー「嬢ちゃんのサーヴァントになったからだよ!!」
アーチャー「なに……?」
凛「そんなつもりはなかったけど……。もういいわ!!アーチャーなんて顔もみたくないんだからぁ!!!」
アーチャー「ふん!こちらこそ、そのような気の多いマスターになど仕えるつもりはない!!」
ライダー「アーチャー……あの……セイバーは……」
ランサー「セイバーなら金ピカやろうがつれていったぜ?」
ライダー「えぇ!?」
凛「でていって!!」
アーチャー「言われなくても出て行く!!ライダー、いくぞ!!」ギュッ
ライダー「ちょっと、アーチャー!!手をひっぱらずとも……!!」
凛「もう……サイテー……」
ライダー「あの……誤解では?」
アーチャー「そうかな?凛ならやりかねない」
ライダー「これからどうされるのですか?」
アーチャー「……君はどうする?」
ライダー「私は……セイバーを探さないと……」
アーチャー「そうか。ではここまでだな」
ライダー「行くあてはあるのですか?」
アーチャー「ないさ」
ライダー「……」
アーチャー「ではな」
ライダー「待ってください」
アーチャー「なにかな?」
ライダー「あそこに行ってましょう。そこなら受け入れてくれるかもしれません」
アーチャー「……?」
アーチャー「おい、ここは!!」
ライダー「いいではないですか。私も用がありましたから」
イリヤ「どうかしたの?」
バーサーカー「……」ズンズン
アーチャー「あ……イリヤ……」
イリヤ「なによ?」
ライダー「すいません。少し手伝って欲しいことがありまして」
イリヤ「なにかしら?」
ライダー「セイバーの奪還に協力をしてほしいのです」
イリヤ「セイバーの?何かあったの?」
ライダー「では、順を追ってお話します」
イリヤ「おねがい」
バーサーカー「……」バナナ、イル?
アーチャー「遠慮しておく」
ライダー「そこで、貴女の力をと思いまして」
イリヤ「ふーん。まぁ、セイバーはいいとして凛はいいの?」
アーチャー「構うことはない」
イリヤ「貴方の行き先がないじゃない」
アーチャー「私のことは放っておいてくれ」
イリヤ「ま、いいけど。で、シロウは?」
ライダー「今頃、桜とデートをしているでしょう」
イリヤ「なにそれ?」ムッ
ライダー「え?」
イリヤ「シロウのためにやろうとしてるのに、シロウはサクラとデートなんだー。ふーん」
ライダー「あ、いや……それはですね……」オロオロ
イリヤ「まずはサクラのデートをぶっ壊しにいくわよ!!バーサーカー!!」
バーサーカー「■■■■■―――!!!!」
アーチャー「……」
士郎「……」ギリッ
桜「あの……先輩……。そんなにセイバーさんが……?」
士郎「……え?!」
桜「そこまで思い詰めるなら……今からセイバーさんのあとを……」
士郎「いいって……セイバーのことなんて……」
桜「先輩……」
桜(キャスターさんに頼んで記憶の操作をしてもらったほうがいいのかな……?)
ズン……ズン……ズン……ズン……!!!
士郎「なんだ……?」
桜「え?え?」
イリヤ「シロー!!!!」
士郎「イリヤか?」
イリヤ「早く出てこないと、お店が粘土みたいにぺっちゃんこになるよー!!!」
桜「えぇー!?」
イリヤ「やっほー、シロウ!」
バーサーカー「……」
桜「イリヤさん……バーサーカーさんまで……」
ライダー「士郎、セイバーを奪還しにいきますよ」
士郎「え?」
ライダー「さぁ」
士郎「いや……」
アーチャー「セイバーは英雄王に拉致されている可能性がある」
士郎「なに?!」
ライダー「ランサーが連れて行ったと言っていましたから」
士郎「でも、セイバーは両手いっぱいにお菓子をもって……」
イリヤ「セイバーのことだから餌に釣られただけじゃないの?」
バーサーカー「……」キャンディ、イル?
桜「あ、ありがとうございます……」
士郎「ああ。分かった」
アーチャー「どうせどこぞのスイートルームを独占しているだろう。調べればすぐに居場所は割り出せる」
イリヤ「よーし!!いくわよ!!バーサーカー!!」
バーサーカー「……」ペロペロ
桜「……」ペロペロ
イリヤ「……いくわよ!!バーサーカー!!」
バーサーカー「■■■■―――!!!」
桜「先輩……」
士郎「ごめん、桜。この埋め合わせは絶対にするから」
桜「……はい」
ライダー「では、虱潰しに探しましょう」
アーチャー「私は高台にいこう」
イリヤ「よろしくねー」
士郎(セイバー……)
ギルガメッシュ「どうだ、セイバー?絶景であろう?」
セイバー「……」ムシャムシャ
ギルガメッシュ「まぁ、王が見下すには若干高さが足りんがな」
セイバー「下々の民を眺め、愉悦に浸る趣味はありません」
ギルガメッシュ「王の威厳とはそういうところから生じるものだぞ?」
セイバー「そうでしょうか……?」
ギルガメッシュ「ああ……。ん?」
セイバー「……」ムシャムシャ
ギルガメッシュ(おのれ……雑種め。我とセイバーの営みを覗き見るとは……!!!)
シャッ!!
セイバー「何故、カーテンを?」
ギルガメッシュ「……」
セイバー「……!!」
セイバー(まさか……私の体を……?!)
セイバー「……」ビクッ!
ギルガメッシュ「ん?」
ギルガメッシュ(セイバーの口の周りに食べかすが……拭いてやるか……。ティッシュは……)
ギルガメッシュ「……」スタスタ
セイバー(ティッシュをもってきた……!間違いない……英雄王は私の体を狙っている……!!)
ギルガメッシュ「セイバー?」
セイバー「よるな!!」
ギルガメッシュ「……」
セイバー「見損ないましたよ、英雄王」
ギルガメッシュ「何がだ?」
セイバー「私が自身の貞操を駄菓子ごときで捧げるとでも思っているのですか?」
ギルガメッシュ「何を言ってる?それよりはやくこっちにこい」
セイバー「いやです!!」
ギルガメッシュ「貴様……我の言うことがきけんか?」
ギルガメッシュ「セイバー?ここには多くの雑種がいるのだぞ?」
セイバー「それがなんですか?」
ギルガメッシュ「ここで事を大きくしてみろ。貴様はこの地での居場所を失うことになる」
セイバー「なに……?」
ギルガメッシュ「ただでさえ秘匿に神経質な連中だ。お前が暴れたとなれば……」
セイバー「うっ……」
ギルガメッシュ「ほら、言うことを聞け」
セイバー(くっ……到底、英雄王から逃げられる状況ではない……。終わりか……。シロウ……)
ギルガメッシュ「こい、セイバー」
セイバー「あ、あの……」
ギルガメッシュ「なんだ?」
セイバー「わ、私は……魂までは売りません……」
ギルガメッシュ「……」
セイバー「わ、私のマスターは……マスターは……」
イリヤ「よし!!」
士郎「セイバー……!!」
アーチャー「急いだほうがいい。セイバーが襲われそうになっていた」
士郎「なっ!?」
ライダー「士郎、私が最上階まで案内します」
士郎「いいのか?!」
ライダー「ここまで来たのです。躊躇うことはありません」
士郎「よし!!」
イリヤ「バーサーカーも遅れたらだめよ!」
バーサーカー「■■■■―――!!」
桜「先輩……」
士郎「桜、いってくる」
桜「あの……」
ライダー「いきます!!!」ゴォォォ!!!
セイバー「……」
ギルガメッシュ「……」スッ
セイバー「うぅ……」ブルブル
バリィィィン!!!!
ギルガメッシュ「!?」
セイバー「え……」
ライダー「ふっ!!」ジャララララ
ギルガメッシュ「なに!?」ギィン!!
士郎「セイバー!!」
セイバー「シロウ!!」
士郎「大丈夫か?!」
セイバー「は、はい……!!」
ギルガメッシュ「おのれ!!雑種がぁぁ!!!」
ライダー「士郎!!はやく逃げて!!」
セイバー「え……?そ、そうですか……?」
士郎「あとで拭いてやる。今は逃げよう」
セイバー「はい」
ギルガメッシュ「まてぇ!!!」
ライダー「くっ!!」ジャラララ
ギルガメッシュ「おのれ!!このような玩具で我を拘束するとは!!」
バーサーカー「■■■■―――!!」
ギルガメッシュ「狂犬か!?」
アーチャー「―――投影、開始」
ギルガメッシュ「フェイカーまで……!!」
イリヤ「流石にこれだけの英霊を相手にまともには戦えないでしょ?」
ギルガメッシュ「木偶人形まで一緒か……!!」
ライダー「このまま見逃してくだされば、なにもしません」
ギルガメッシュ「ふざけるなぁぁぁ!!!我の営みを怪我したこと後悔させてや―――」
桜「あ……最上階で爆発が……」ペロペロ
カレン「……」
桜「きゃぁ?!」
カレン「どうも」
桜「ど、どうも」
カレン「なんの騒ぎですか?」
桜「そ、それが……」
カレン「全く。かませ犬も英雄王も好き勝手にして……。おしおきが必要ですね」
桜「カレンさん、どちらへ?」
カレン「ここは既に手配を終えていますので。犬を迎えに行ってきます」
桜「はぁ……」
士郎「はぁ……はぁ……」
桜「先輩!!大丈夫ですか!?」
士郎「なんとか」
士郎「ほら、口元拭かないと……」ゴシゴシ
セイバー「んぶぶ……」
士郎「よし。綺麗になったな」
セイバー「あの……シロウ……私は……」
士郎「桜、帰るか」
桜「他の皆さんは?」
士郎「今はこの場を離れるほうが先決だ」
セイバー「シロウ……あの……」
士郎「……」スタスタ
桜「……」チラッ
セイバー「……」ウルウル
桜(勝った……)
セイバー「……シロウ……」
セイバー「うぅ……」
イリヤ「あーたのしかった」
バーサーカー「……」コクコク
アーチャー「魔力が……」
ライダー「よかったですね?」
アーチャー「なんのことかな?」
ライダー「分かっているくせに……ふふ……」
アーチャー「ふん……」
セイバー「……」
ライダー「セイバー?士郎と桜は?」
セイバー「先に……帰りました」
イリヤ「えー?!シロー!!!バーサーカー!!追いかけて!!!」
バーサーカー「■■■■―――!!」ズンズン
セイバー「私は……もう……」
ライダー「セイバー……」
セイバー「え……?」
アーチャー「衛宮士郎はお前の謝罪を待っているはずだ」
ライダー「……」
セイバー「私の……」
ライダー「事情は知りませんが、仲違いの原因が貴女にあるのなら、意地を張るのはやめたほうがいいですよ?」
セイバー「……」
ライダー「……それはアーチャーにも言える事ですが」
アーチャー「私の場合は凛が悪い」
ライダー「ふふ……」
セイバー「そうでした。私が……悪かったのです」
セイバー「シロウのところに戻ります。アーチャー、リンに伝えておいてください」
アーチャー「何と?」
セイバー「私のマスターはシロウだけでした、と」
アーチャー「やれやれ。では、私も大変不本意ながら凛のところに戻らざるを得ないわけか……」
アーチャー「ふんっ」
セイバー「では、これで」
ライダー「……」
アーチャー「どうした?セイバーと一緒に帰らないのか?」
ライダー「いえ。セイバーはもう大丈夫でしょう。それよりも私は貴方が心配です」
アーチャー「なに?」
ライダー「さ、行きましょう」ギュッ
アーチャー「こ、こら!!」
ライダー「凛が貴方の帰りを待っているはずです」
アーチャー「そうだろうか。今頃、ランサーと……」
ライダー「大丈夫ですよ」
アーチャー「……」
ライダー「セイバーの伝言も伝えないと」
アーチャー「そうだな。仕方ないか」
ランサー「いやー!!マジかいてきだなー!!」
凛「あっそ」
ランサー「それで、いつ俺と魔術回路繋いでくれるんだ?」
凛「そ、それは……」
ランサー「手っ取り早く、ベッドで繋ぐか?」
凛「なっ!?」
ランサー「いいねー、その初心な反応。まだ男をしらねえらしい」
凛「そ、それ以上、近づいたら殺す!!」
ランサー「いいぜ。やってみな」
凛「うぅ……!!」
ランサー「ここでするか?」
凛「そんな……」
ランサー「まぁまぁ。絶対に満足させてやっから」
凛「ひっ……!」
バゴォォォォン!!!
凛「へ!?」
ランサー「な、なんだ!?」
カレン「発情期ですか?」
バゼット「……」
ランサー「な……!?」
凛「カレン!?バゼット?!」
カレン「手癖の悪い犬が迷惑をかけましたね。きちんと調教しますので」
バゼット「……」
ランサー「あ、あの……」
カレン「言葉はいりません。全てバゼットに一任してあります」
ランサー「なんだとぉ?!」
バゼット「……」ポキポキ
ランサー「やめろ……!!わるかった!!!どうしてもいいマスターがほし―――」
ライダー「壁が壊されていますね」
アーチャー「凛!!」
凛「……」
アーチャー「凛!!大丈夫か?!」ユサユサ
凛「……え?」
アーチャー「なにがあったんだ?まさか、ランサーに……」
凛「ううん!!なにもないわ!!なにもない!!」
ライダー「しかし、この壊されようは……」
凛「それはバゼットがやったの」
アーチャー「……なるほど。なんとなく理解した」
ライダー「では、この点々と落ちている血痕は……」
凛「アーチャー……」
アーチャー「凛……まだ、私との契約は続いているようだな」
凛「うん……」
凛「そーよ。アンタなんて顔もみたくないわ!!」
アーチャー「では、どうして魔力を供給し続けているのか?」
凛「それは……その……。ど、どうせ私以外にマスターになってくれる奴なんていないでしょ!!」
アーチャー「……」
凛「泣きつかれるのはわかってるんだし、泣きつかれたら……その……またどうせ契約するし……」
凛「二度手間でなるでしょ……だから、よ……」
アーチャー「そうか。実は私もマスターは凛以外にいないなと再認識したところだった」
凛「ほ、ほら!!みなさい!!」
アーチャー「口が過ぎたな。すまなったよ」
凛「アンタが素直だと気持ち悪いわね……」
アーチャー「君が素直な言葉を口にしないからだ」
凛「ふんっ。早く、壊れた壁を直してよね!」
アーチャー「はいはい」
ライダー(私はお邪魔のようですね……)
士郎「……」
イリヤ「ねーねー!!シロー!!おんぶー!!」
バーサーカー「……」モモ、タベル?
セイバー「シロウ!!!」
士郎「……」
桜「セイバーさん?」
セイバー「……もうしわけありませんでした!!!」
士郎「セイバー……」
セイバー「シロウの気持ちも考えず、ただ自身の私利私欲のみを求めてしまいました」
セイバー「これは騎士としても、王としても、サーヴァントとしても失格です」
セイバー「ですが、やはり私はシロウの下にいたいのです!!」
士郎「……」
桜(もう遅いですよ……ふふふ……)
セイバー「だめ、でしょうか……?」
イリヤ「シロウ?」
士郎「セイバー……」
セイバー「はい……」
士郎「俺も悪かったな」
セイバー「シロウ……」
士郎「一袋ぐらいならいつでも買ってやる」
セイバー「シロウ……シロウ……」
士郎「家に帰ろう。お腹すいただろ?」
セイバー「はい……ペコペコです」
士郎「うん」
イリヤ「シロー!!私もたべるー!!」
バーサーカー「……」オレモオレモ
桜「……」
桜「どうして……いつも……!」
士郎「じゃあ、夕飯の支度するか」
セイバー「はい」
イリヤ「ねえねえ、セイバー。このポテトチップたべてもいいの?」
セイバー「ええ。構いません」
イリヤ「やったー」
セイバー「ふふ……」
イリヤ「バーサーカーとたべてくるねー」
セイバー「はい」
士郎「よかったのか?」
セイバー「はい。駄菓子一つで愚痴をこぼしては騎士王の名折れです」
士郎「そっか」
セイバー「……」グゥ~
士郎「すぐ作るから」
セイバー「お、お願いします」
桜「……」
キャスター「あら、なにをしているのかしら?」
桜「キャスターさん……それが……」
キャスター「なにかあったの?」
桜「セイバーさんが……家出をやめてしまって」
キャスター「あら、そうなの?」
桜「はぁ……」
キャスター「実は私もセイバーに用事があったのよ」
桜「え?」
キャスター「お土産もあるし、ちょっとお邪魔するわね」
桜「は、はい……」
キャスター「ふふふ……。この犬耳メイドセイバーになってもらうわぁ……♪」
桜「……」
セイバー「え?」
キャスター「セイバー♪」
セイバー「どうかしたのですか?」
キャスター「これ、着て欲し―――」
セイバー「お断りします」
キャスター「ここにお土産のケーキがあるの」
セイバー「え……」グゥ~
キャスター「ほら、美味しそうでしょ?」
セイバー「た、たしかに……」タラーッ
桜「セイバーさん!!涎!!」
キャスター「はい、あーん」
セイバー「や、やめてください!!今からシロウの手料理が振舞われるのです!!」
キャスター「気にしなくていいじゃないの。ほーら」
セイバー「やめろ!!それ以上、その洋菓子を近づけるなら!!こちらにも考えがあります!!」グゥ~
セイバー「あんま、あま♪」モグモグ
キャスター「あとで犬耳メイドになってねー♪」
セイバー「わかりまふた」モグモグ
士郎「……」
セイバー「はっ!?」
士郎「そうか……セイバーは俺の料理より……キャスターのケーキのほうがいいのか……」
セイバー「シロウ?!これは誤解です!?」
士郎「もういいよ!!セイバーは結局、口に入ればなんでもいいんだろう!!」
セイバー「ち、ちがいます!!私は……その……」
士郎「夕飯前なのに……ケーキなんか食べて……!!」
セイバー「これはキャスターの計略です!!」
士郎「もういいよ!!キャスターの世話になればいいだろ!!」
セイバー「なっ!?シロウ、それは私に死ねと言っているのですね……!!」
キャスター「えー?もらっていいのー♪」ギュゥゥ
セイバー「シロウ!!」
キャスター「やったわぁ。等身大セイバーゲット♪」
桜「先輩、折角仲直りしたのに……」オロオロ
士郎「もういい……!!!」
キャスター「さ、セイバー。行きましょう?」
セイバー「うぅ……シロウ……」
キャスター「うふふふふ……」
士郎「……」
桜「あぁ……あぁ……」オロオロ
桜(やった……)グッ
ライダー「……おや?今、セイバーとキャスターが出て行きましたが?」
桜「それが……また喧嘩に」
ライダー「えぇ?!……はぁ、もう結構です。気が済むまでしてください」
士郎「ふん」
イリヤ「この明太味おいしいわね」ムシャムシャ
バーサーカー「……」ムシャムシャ
セイバー「シロウ!!もういやなんです!!!謝りますから!!もう一度、わたしをここに住まわせてくださぃ!!」ポロポロ
士郎「知らない。良く似合ってるぞ、その婦警姿」
セイバー「しろぉぉ……」ポロポロ
キャスター「こんなところにいたのねー?さ、かえりましょ?ご飯と新しいコスチュームを用意したから」
セイバー「うわぁぁ……しろー!!しろー!!!」
桜「せーんぱい。朝ごはん、できましたよ?」
士郎「さんきゅ。いくか」
桜「はぁい♪」ギュッ
ライダー(今回は長引きそうですね……。ま、その分、私にもチャンスが……)
イリヤ「おかし、おいしー♪」
バーサーカー「■■■■―――!!」ムシャムシャ
END
婦警姿のセイバー画像はよ
騎士王はほんとダメだな
Entry ⇒ 2012.03.29 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
貴音「響。歩いて帰りませんか?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332945210/
事務所に戻ると、響を見つけたので
散歩がてら、一緒に帰りませんかと誘いました
「いいぞー。自分も仕事終わったし、退屈してたところだったんだ」
浅葱色の瞳をきらきらと輝かせ
元気な返事を頂きました
「うんっ! じゃあ、ちょっと待っててね」
そう言うやいなや、脱兎のごとく駆け出す響
「転ばないように気をつけるのですよ」
「なんくるないさー!」
では、そふぁに座って待つとしましょうか
それにしても、今日の事務所は静かですね
ほわいとぼーどに目を向けると
びっしりとはいきませんが、かなりの予定が書かれています
少し前には考えられなかったことでしょう
これもプロデューサーと、皆の頑張りの成果
今では、あの方を中心に765プロが動いていると言っても過言ではありません
その周りには、笑顔の皆がいる
この忙しさを楽しむように、皆が良い顔をしています
おや、待ち人が来たようですね
「そんなに待っておりませんよ」
少し息が乱れています
それほど急いでくれたということでしょうか
「しゅっぱつだー! あ、ピヨコお疲れ様」
ふりふりと手を振る響を真似て、私も手を振ってみました
お先に失礼致します、小鳥嬢
「で、どうするの?」
「今日は良い天気ですし、公園でひなたぼっこでもしてみましょうか」
さぞ気持ち良いことでしょう
「よし、光合成してやるぞー」
「ふふっ、では私もしてみましょう」
頑張れば、何とかなるかもしれません
「人間は、未知の部分がたくさんあると聞きます。もしや……」
無理なのかどうか、やってみなければ
挑戦する気持ちが大事なのです
「そこで真剣な顔をしないでよ……」
呆れられてしまいました
「どういうこと!?」
こうしてからかうのも、実に面白い
心を許した相手との、何気ない会話
とても楽しく、とても大切なもの
ぽにぃてぇるを、ひょこひょこと揺らす響に尋ねます
「良い感じかな。それに、最近は仕事が面白いよ」
それは良きことです
喜ばしいことですが、すこし寂しい
悲しいかな、葛藤する自分がいます
「うん! 目指せトップアイドルだからねっ」
私たちの最終目標でもある、アイドルの頂点
数多のアイドルたちを押しのけて
一番に輝くために、皆が努力し、涙し、それでも前に進む
ですが、頂点にはそれほどの価値がある
「そうですね、いつかは頂点の座に……」
私は少し事情が違いますが
目指すことに違いはありません
いつの間にか、公園に到着していました
時間というものは、一定ではないような気がします
だって、楽しい時間は一瞬に感じてしまうから
「ええ、存分にひなたぼっこを楽しみましょう」
「おー!」
べんちで休んでいるご老人
なんとも平和な風景が広がっています
「この辺りで良いでしょうか?」
「うん、そうだね」
「暖かいですね。響、春はお好きですか?」
本当に日差しが暖かく、気持ちが良い
植物たちが光合成できる理由が、少し分かったような気がします
「好きだよ。暖かいし、なんか元気がでるさー」
「そうですね。私もそう思います」
春の暖かさは優しさでしょうか
この優しさは植物、動物を分け隔てなく
元気にしてくれる。そう思います
「でしょでしょ! さすが貴音」
そう言って、にこりと笑う響
私も貴方に元気を頂いているのですよ
まるで、私の太陽のようです
「ところでさ、さっきから甘い匂いが気になるんだけど」
言われてみると、確かに甘く香ばしい匂いが漂っています
鼻をひくつかせつつ、席を立った響を追うと
案外、簡単に匂いの原因を見つけることができました
「あ! 大判焼き屋さんだ。貴音、食べようよ」
昼食は頂きましたが、甘いものは別腹です
「そうですね。頂きましょうか」
強面の主人がこちらを見た瞬間
突然、びくりとしたのは驚きました
面妖な……
「粒あんとカスタードかぁ。じゃあ自分、粒あんで」
「では、私はかすたぁどを頂きましょう」
何故か、おまけを二つも頂いてしまいました
はて……?
「おっちゃん、ありがとー!」
「ご主人、ありがとうございます」
深くお辞儀をすると
少し赤面された主人が笑っておりました
「そうですね。感謝して、頂きましょう」
思いのほか重い紙袋を手に、先ほどのべんちへ
「あつあつだー。いっただきまーす」
ほかほかと湯気をあげる大判焼き
ふふっ、火傷に気をつけるのですよ
ああ、甘味は真に美味ですね
柔らかい甘みが、体に染みていくようです
「美味しいねー」
「ええ、そうですね」
響も喜んでくれているようで、なによりです
にこにことしている響を見ていると
こちらまで笑顔になってしまいます
「響。動かないでくださいね」
急いで食べすぎですよ
口元に餡が付いているのに、気づいていない様子
響の唇へ手を伸ばし
餡をすくって、自分の口へ
「この粒あんも美味ですね」
甘さ控えめで、美味です
「ありがとう貴音。でも、ちょっと恥ずかしい」
「ふふっ、それは失礼しました」
活発なのに、繊細で
守ってあげたくなるような
そう、まるで妹のように感じてしまいます
「あーっ! なにがそんなに面白いの!?」
どうやら、顔が緩んでしまっていたようです
「なんでもありませんよ。ただ、響は可愛いなと思っていただけです」
ふふっ、顔を真っ赤にして、照れてしまったのでしょうか
本当に色々な一面を見せてくれます
「もぅ……」
私は悪くありません
響がそのような反応をしてくれるから
ついつい……ね?
「なにやつっ!」
瞬間的に体が反応して
後ろを振り向くと
……にゃあ
可愛い襲撃者がおりました
にゃあ、と鳴く可愛い襲撃者は、響にひょいと抱きかかえられ
頬ずりをされています
「可愛いなー、お前はどこの子かな」
その手つきは慣れたもので
子猫も気持ちよさそうです
にゃあにゃあ
「んー、お母さんとはぐれちゃったのか」
にゃあにゃあ
「響。意思疎通ができるのですか?」
響は唇に人差し指を添えて
「それは、トップシークレットです」
と、うぃんくをしました
「あははっ! ごめんごめん」
逆にからかわれてしまうとは
精進せねばいけません
「貴音も抱っこしてみる? ふかふかで気持ち良いよ」
響からの提案
「私にできるでしょうか」
落としてしまったら、等と嫌な考えをしてしまいます
「大丈夫、優しくしてあげればさ。ほら」
なかば強引に子猫を渡されました
まだ心の準備が……
「……ふかふかですね」
柔らかく、さらさらとした毛並み
それに暖かくて、お日様の匂いがします
子猫と目が会うと
にゃあ、と一声
ふふっ、貴方の抱き心地はとても気持ちいいですよ
にゃあにゃあ
貴方も、私の胸の居心地が良いのですね
「存分にくつろいでくださいね」
おや、違う猫の声も聞こえます
子猫の耳にも聞こえたのでしょうか
私の手をすり抜けて、そちらの方へ行ってしまいました
「あ……待ってください」
名残惜しさに手を伸ばす
ぴたりと手を止めた
「お母さんみたいだね」
「ええ、そうみたいですね」
親子の再会に、水を差すなんて野暮はできません
「今度ははぐれぬよう、気をつけるのですよ」
にゃあ、と聞こえた気がしました
「可愛かったねー」
「はい。また出会えたら良いですね」
次は、お母さんも抱っこしてみたいものです
楽しみにしておきましょう
響が声を上げます
何か見つけたのでしょうか
「どうしたのですか?」
「あれって桜かな?」
響が指差す方には枝についた、赤みが強い桃色の花
よく間違われるので仕方ありませんが
「なんだ、桜じゃないのか」
梅も綺麗なのですよ
「はい。でも私は梅の花も好きですよ」
いち早く、春の訪れを知らせてくれる梅の花
けれど、堂々と咲く可憐な姿
言葉にできない色気がある
「言われてみれば……うん、綺麗だね」
「はい、桜の頃には散ってしまいますが、また来年、美しい花を咲かせるのです」
ああ……来年もこのように
響と共にいられたら良いのに
はっと、我にかえる
「あ……なんでもありませんよ?」
おっと、いけません
感傷にひたってしまうとは
「私、飲み物を買ってきます」
「……うん、わかった」
そして、響の笑顔を
台無しにしてしまのは避けなければ
逃げるように、その場を離れてしまいましたが
情けない顔を見られるのよりはずっといい
さて、早く飲み物を買って響のもとへ戻りましょう
冷たいか暖かいか、悩むところですが……
ここは暖かい方にしましょう
私も同じお茶を購入して響のもとへ
「響。お待たせしまし……」
慌てて口を閉ざします
暖かい日差しは眠気を誘います
忙しい毎日を送り、疲れが取れないのでしょう
こんな小さな体で、頑張っているのですから
「……少し、失礼します」
良き事を思いつきました
自分の太ももに、響の頭をそっと乗せる
こちらの方が寝やすいでしょう
「ふふっ、よく寝ていますね」
可愛い寝顔
時折、身じろいでは髪がさらりと靡く
ももに擦れて、少しこそばゆい
気持ち良いのでしょうか?
ねぇ、響
頬を軽くつつく
柔らかな弾力が、指を押し返してくる
この感触は癖になりそうです
あまり意地悪をすると、嫌われてしまいますね
「おやすみなさい、響」
今は、ゆっくりと寝てください
今だけは忙しさを忘れて
良き、夢を……
おしまい
ひびたかは可愛いなぁ
しかし、書き方で特定されるとは思わなかった
ひびたかは心の栄養やでぇ
書き方に特徴があったので前書いたのを覚えてたのよ
乙!
Entry ⇒ 2012.03.29 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
響「ひとりぼっち……」
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/net/1332909289/
知らない土地に、知らない人たち
全然わからないことばかり
全てはトップアイドルになるために
でも、もう挫けてしまうかもしれない
お母さん、ごめんなさい……
ああ、今日もはじまるんだ
自分にとって、楽しくない、1日が
「最悪の目覚めだぞ……」
夢を見ていた
事務所のみんなと、楽しい1日を過ごす夢を
みんなと、過ごす夢を
そう……夢……
「あははっ、夢は気楽で良いよね」
乾いた笑い声
虚しく、部屋のなかに響く
だるい体を動かして、朝の準備をする
顔を洗って、鏡を見ると、酷い顔の自分が映った
あはは、自分、酷い顔だ。こんなのでアイドルと言えるのかな
「ごはん食べよう」
昨日の残り物で、軽くすませよう
懐かしい味、お母さんに教えてもらった料理
一緒に食べてくれる人が欲しいな
でも、みんなには不評だったし、無理かな
「美味しいのになぁ……」
お腹はふくれた。気持ちはからっぽだけど
食器を片付けて、歯を磨いて、身支度を整える
まだ肌寒いので、厚手のものを着ていかなくちゃ
もう沖縄は暖かいんだろうなぁ
最後に髪をまとめる。お気に入りの、浅葱色のリボン
「よし、今日も頑張らなくちゃ」
皆がいる、あの事務所へ
「……」
足が重い
体の調子は悪くはない
原因はわかってる。簡単なこと
体は気持ちが動かしてるんだね。面白いなぁ
そう呟いて、前に進む
とても重い足を、前へ
歩くなんて簡単なことなのに
右足を動かして、次は左足
一定のリズムで交互に動かす
でも、電車は使わない。酷い目にあったから
人間、足がついてるんだ。歩けば良い
「寒いなぁ」
ほぅ、と白い息をはく
寒いのは嫌だな
やっぱり、暖かいほうが良い
少し体が温まってきた
体の真ん中は冷たいままだけど
ずっと冷たくて、温まらない
変な感じ……
「あ、たんぽぽ」
隅っこで、ひっそりと咲くたんぽぽを見つけた
春もすぐやってくるのかな
雑草に混じりながらも、堂々と咲いている
「お前は強いんだね」
自分もこのくらい堂々としたいものだ
ちょこんと触ってみると、たてがみのような花弁が揺れる
ライオンみたいだ。かっこいいな
たんぽぽにお別れして、また歩き出す
ばいばい、さようなら
少しだけ気分が良くなった
歩みも軽い。ちょっとだけど
後少しで到着だ
こんなこと言ってる時点で、無いと思うけどさ
「あははっ……」
おかしくて、笑っちゃった
まぁいいや
考えるだけなら、誰にも迷惑かからないし
事務所に着いちゃった
うーん、数えられないほど来てるのに
この慣れない感じはなんなんだろ
あの子が辞めてなかったらな
……だめだめ、こんな考えはだめ
階段を上がって、ドアを開けて
元気に挨拶をしよう、挨拶は大事だよね
「おはようございますっ!」
良かった。きちんと声がでた
「おはよう。今日は早いな」
プロデューサーだけ……かな
少し、ほっとした
「うん、仕事の確認しておこうと思って」
「そうか。お前なら心配いらないと思うけどな」
「えへへ、自分にお任せさー!」
なんてことない会話
けど、嬉しくなっちゃって顔がにやけちゃう
「わかったよ、プロデューサー」
今日は1人の仕事
準備をして、出発だ
「プロデューサー。準備できたよ」
「ああ、じゃあ行こうか」
2人並んで座るのって良いな
「良い天気でよかったな」
「そうだね、日差しが暖かいさー」
朝と違って、ぽかぽかしてる
うーん、気持ち良いな
元気に……か
「うん、わかった」
あ……あの子たちはユニットかな
仲が良さそうで良いなぁ
自分もユニットで活動したいけど……
「ううん、なんでもないよ」
切り替えなくちゃ
今は1人でも、プロデューサーがいてくれるんだから
情けないことはできないしね
「プロデューサー! 自分頑張るからねっ」
「ははっ、頼もしいな」
1人だって仕事はできるんだ
無いものねだりしたって始まらない
今できることを精一杯しよう
皆と一緒に仕事をしたいけど
皆と一緒じゃないほうが、良いと思ってる自分がいる
……変なの
今日の仕事は終わり
「はーい」
ミスもしないで終わることができた
ふぅ……疲れたな
でも、良い感じだった
このまま何もなければ良いんだけど
帰りも、行きと同じくタクシーを拾う
プロデューサーに起こされると、もう事務所についていた
「響。そろそろ起きてくれ」
「んん……あ、うん」
起きたばっかりで頭がはたらかない
寝ぼけたままで事務所に入った時にはもう遅かった
自分を出迎えてくれたのは、暖かい言葉ではなく
深い憎悪を感じる鋭い視線と、沈黙だった
条件反射のように頭が動き出す
びくりと、自分の体が動くのがわかった
プロデューサーは社長室へ向かったので、自分と相手だけ
それとも、痛いことされるのかな
何をされるかびくびくしていると
言葉をかけられた
自分を貶して、傷つけてくる、そんな言葉
「違うよ……自分そんなことしてない……」
痛いことされるより、言葉の方が傷つくんだよ……
少し低い声をだして、まるで脅すようにするのは……
人と人との間には何があるのかな?
見えない線でもあるのかな?
だとしたら、自分にはその線が繋がってないんだね
こんなんじゃ駄目なはずなのに
なんでこんなに空回りしちゃうの?
もう、どうしたらいいの
下を向いて耐えていたけど
ゆっくりと近づく音に、顔を上げたとき
意地悪そうな顔が笑っていて
「きゃあ!」
声に出した時にはもう、突き飛ばされていた
嫌だ、こんな言葉は聞きたくない
嫌だ、皆を信頼したいのに
嫌だ、自分が皆を嫌いになっていくのは
嫌だ、もうこんなの嫌だ……
「うぅ……やめて……もう嫌だよ……」
誰か助けてよ……
プロデューサー……助けてよぉ
「お前ら何してるんだ!」
あっ……
ドアが開くのと同時に、プロデューサーの大きな声が響く
「プロデューサー……」
顔を見上げると、怒っているのがわかった
「ほら、お前は早くレッスンに行って来い」
相手は何か言いたそうだったけど、すごすごと部屋を出て行く
緊張の糸が緩んだのか、安心したと同時に泣いているのに気づいた
「おいおい泣くなって。怖い思いをさせてすまなかったな」
ああ、この人は自分をちゃんと見てくれてるんだなぁ
自分に普通に接してくれる
当たり前のことかもしれないけど、とても嬉しい
「ごめんプロデューサー。もう……大丈夫だから」
泣き顔見られるなんて、恥ずかしいな……
「あいつには俺から話をしておくからさ。もう今日は帰っていいぞ」
申し訳なさそうな顔でプロデューサーが言う
優しく微笑んで、自分に言ってくれた言葉
「うん、うん……本当にありがとう」
馬鹿ぁ……そんな言葉かけられたら、また泣いちゃうよ
「じゃあ、お疲れ様でした」
「ああ、お疲れ様。気をつけて帰るんだぞ」
「うん!」
いつもプロデューサーに助けてもらってるけど
このままじゃ良くないよね
今は自分の言葉が皆に届かない
そのせいで、すれ違っているのかも
皆が始めにくれた優しさは、嘘じゃないと思うし
うん、今度プロデューサーにも相談してみよう
さっき突き飛ばされた時に、落としちゃったのかな
まだ事務所から離れてなくて良かったけど
……こっそり取りに行こう
泣いた後の顔を、誰かに見られたくないし
ついでにスケジュールの確認をしようと、ドアに手をかけた瞬間だった
プロデューサーの声だ
他にも何人か、話し声が聞こえる
「もっと上手くやれよ」
何の話をしているんだろう
「あいつに辞められたら、俺が何を言われるかわかったもんじゃない」
おい
「いやいや、お前たちの方が可愛いに決まってるだろ?」
なんだろう、この嫌な予感
胸が苦しい
「お前たちには、もっと仕事取ってきてやるからさ」
……
最後に、ぼそりと自分の名前を出した
金づる? 自分が? そんな見方だったの?
さっきの言葉は嘘だったの? ねぇ、プロデューサー?
「ははっ、俺がいないとあいつひとりぼっちなんだぜ。事務所で縮こまってさ、笑えるよな」
……そっか。そういうことなんだ
ちょっと期待しちゃったけど、勘違いだった
「……あははっ」
泣きながら笑っちゃうなんて、初体験だ
あーあ、本当にもう……
こんな惨めな思いするのなら、早く辞めちゃえば良かったな
「……うぅ」
本当に、辞めちゃえば、良かった……
夢のために、自分のために、今まで頑張ってきたけど
信頼してたプロデューサーにも裏切られた
自分、何か悪いことしたのかな?
もう、わからないよ……
もう、ひとりぼっちは嫌だよ
逃げるように走り出して
気づいたら屋上に来ていた
もう考えることも面倒
もう楽になりたい
もう……疲れたよ
「お母さん、ごめんね……」
「カット!」
「我那覇さんお疲れ様! 良い画が取れたよ」
「本当ですか? 良かったです」
監督さんに褒められた
涙を拭って、顔を上げる
主役だからって引き受けたけど、暗すぎだぞ……
もっと明るいのが良いさー
「響。とても良い演技でした」
あ! プロデューサーと貴音だ
見に来てくれてたんだ
「今日は1回もNG出さなかったんだっ! えらいでしょ?」
「ああ、えらいぞ響。よく頑張ったな」
えへへ、もっと褒めても良いんだよ
「わっ! た、貴音?」
ふわりと、貴音の腕に包まれる
「演技とはいえ、いたたまれない気持ちになりました……」
暖かくて、優しい匂いがする
「大丈夫だよ、貴音。心配してくれてありがとねっ」
とても優しい自分の友達
「響は強いのですね」
ううん、強くなんてない
自分には支えてくれる皆がいるから
「皆がいるからね。だから頑張れるんだ」
「ふふっ、そうですか」
本当の自分には皆がいる
「おーい、俺を忘れてないか?」
それに、プロデューサーもいる
「ごめんごめん。ねぇ、プロデューサー?」
自分たちのために、本当に頑張ってくれている人がいる
「どうした?」
意地悪な質問だったかな
765プロは、あんな事にはならないけど
「はぁ……」
ためいきと同時に頭にチョップされた
「痛いっ! 何するの!?」
「当然助けるさ。俺はお前たちの、本当のプロデューサーなんだからな」
自分たちは本当に助けられてきた
たまに情けない時もあるけど
凄く頼れる、自分の本当のプロデューサー
「それに、あんな奴と俺を一緒にしないでくれよ」
あははっ、質問しなくてもわかってたけどさ
でも、安心したな
この人ととなら、どこまででも行けるはず
「さすがだね。自分が見込んだだけはあるさー」
「ふふっ、私もそう思います」
ほら、貴音だって同じ考えだ
「これは喜んでいいのか?」
そしてプロデューサーと
もっともっと高みへ
立ち止まってなんかいられない
夢はでっかくトップアイドル
「もちろん! これからもよろしくねっ!」
おしまい
もっと上手く騙せれば良かったなー
後、欝展開だと思った人ゴメンね!
ヒヤヒヤさせんなよ…
夢オチとかじゃなくて本当によかった・・・
怖くて見逃せなかったぞ!
ハッピーエンドでよかった…
Entry ⇒ 2012.03.29 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
勇者「メラ…?」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1332422503/
このSSはSS深夜VIPのSSです
勇者「なんだそれは?」
魔法使い「火属性の初期魔法ですぞ」
勇者「ああ、それなら…」
勇者が横に手を伸ばすとその先に
火の柱が激しく空に向かって燃えだした
魔法使い「!?」
勇者「これだろ?」
魔法使い「メ、メラゾーマ…」
勇者「ん?」
戦士「ではこれより剣の練習を始める」
勇者「剣って必要なくね?」
戦士「なっ…貴様なにを!?」
勇者「ちょっと来てよ」
戦士「ん?」
そう言うと、勇者は戦士と街の外に出て
野生モンスターが出現する場所に来た。
すると、そこにスライムが現れた!
戦士「ククク…武器無しでは1の
ダメージも通せまい」
勇者「ふんっ」
勇者が拳を突きだすとその風圧で
3匹いたスライムは遙か彼方に
飛んでいってしまった。
戦士「素手で…バシルーラ…」
勇者「ん?」
王様「なに、旅に出るじゃと!」
勇者「はい」
王様「ならばこの防具と武器を」
勇者「いりません」
王様「なぬ!?」
勇者「素手で十分ですから」
王様「な、仲間のために…」
勇者「お前は一人で十分だ!
…と連れて行こうとしたら
そういう風に言われました」
王様「そ、そうか…」
王様「むむ…ではせめてこの王の右腕…
側近を倒してからにしてみよ!」
王様(側近は高レベルの賢者。そう易々と…)
勇者「えっ」
王様「む?」
勇者「まぁいいや。お願いします」
王様「うむ」
王様の横にいた側近は、颯爽と前に出て
そして勇者の類稀な身体能力と魔法の
数々によって颯爽と負けてしまった。
王様「つ、強すぎる…?」
勇者「ん?」
勇者は、とても強かった。
人間としては言うまでもなく
誰よりも、何よりも強かった。
スライムなどでは相手になるはずもなく─
また、人間界にいた高レベルの魔物の
やまたのおろち、ボストロール、
表の支配者のバラモスでさえも
勇者の手にかかれば瞬殺であった。
勇者は本当に誰よりも強かったのだ。
─そう、魔王さえも例外ではなかった。
魔王「ぐっ…何故だ…なぜこんなにも…」
勇者「強いのかだって?」
魔王「そう…だ…」
勇者「答える必要はないね」
魔王「ぐ…だが、魔王は何度でも
復活する…何度でもな…!」
勇者「……」
勇者は静かに剣で魔王の首を切り払った。
勇者「…わかっているさ。そんなこと」
─それから勇者は、何度も復活する魔王を
復活の度に旅に出て、魔王城まで出向き
魔王を消滅させていた。
何年、何十年、何百年と─。
精霊の加護で勇者は半分、不死となって
いる。魔王を倒し続けるためだけに
与えられた能力。その驚異的な戦闘力を
買って、精霊の長が与えたものだ。
魔王が復活する毎に全盛期に
若返りするというものであった。
魔王が復活するまでに寿命が来たら
死ぬ、というものであった。
その長い時間の中で勇者が発狂しても
妖精きっとそれを助けようとしない
だろう。勇者はその事をよく理解している。
何故なら、妖精に心は無いから。
ただ、善と悪を分け、悪を滅ぼす
ためだけに存在する──正義の鉄槌。
悪を滅ぼすなら善の犠牲など気にもしない。
言葉は通じても、そこに心はない。
勇者はそれを理解しているからこそ
考える必要があった。
─あの日の、あの出来事を。
─勇者が初めて魔王を消滅させたその日。
─妖精は目の前に現れた。
魔王を倒した直後に現れたその妖精は
妖精のイメージとは少し異なる、白い髭を
生やした無表情のおじさんであった。
「少年よ、世界を救いたいか?」
勇者「うん、救いたい!」
「そうか。では、これから平和は
来ると思うかね?」
勇者「う~ん…魔王倒したから
来るんじゃないかな?」
「半分正解じゃ。しかし、勇者よ。
これだけは覚えておいて欲しい」
勇者「なぁに?」
「魔王は何度でも復活する」
勇者「え?うそ…」
「うそではない。魔王は勇者が存在
する限り、何度でも復活する」
勇者「なら、僕が何回でも倒すよ!」
「ふむ…しかし、魔王は何百年経っても
復活するぞ?それこそ1年に一回
なんてものではないぞ」
勇者「…それでも、僕が倒すよ」
「その決意、本物のようじゃな」
勇者「うん。だって僕は勇者だから!」
…その後、妖精の力によって
勇者は今の不死身のような体を
手に入れた。幸か不幸か、魔王が復活する
のはいつも早く、勇者は百年経った
今でも死ぬことはなかった。
妖精から力を得たことを後悔した日も
あった。ただ、それでも勇者は自分の
正義を信じて生きてきた。
──ある一人の魔王に出会うまでは。
その魔王と出会ったのは、何年前に
なるだろうか。その時すでに
何度も魔王を倒し、消滅させることが
全てになっていた勇者に、時間を
覚えることなど必要でなかった。
その魔王は、とても優しかった。
魔物に人を襲わせないようにして
また、それらを徹底するために
魔界に魔物を全て引き連れて、
さらには魔界と人間界を結ぶ"軸の歪み"と
呼ばれるものは死にもの狂いで塞いだり
もした。とにかく優しかった。
魔物も、魔王の優しい魔力を何度も
注がれて、いつしかかつての荒い気性は
無くなっていた。
だけども人は愚かで、かつての
魔王の姿が忘れられず、報復を恐れて
魔王討伐のため、勇者を旅立たせた。
勇者も自分の正義を信じるが故に
魔王を討伐せんと、賛同して旅に出た。
魔王が塞いだ"軸の歪み"さえも
無理矢理こじあけて城に突撃して。
そうして、あっという間に魔王の玉座
まで着き、魔王を斬りにかかった。
心優しき魔王は抵抗もせず、
それどころか、斬りにかかる勇者に対して
微笑み続けたまま、斬られてしまった。
そのまま魔王は倒れ、涙をうっすらと
浮かべながら横たわっていた。
倒された魔王はしばらくすると
頭の方からどんどんと空気に
とけ込むように消滅していった。
それと同時に、勇者の回りに魔王の
魔力が溢れて身体に流れていく。
勇者「これは…」
しかし、何も起こらない。
勇者「あたたかい…?」
そう、暖かかったのだ。身体ではなく
心がとても暖かくなった。
それは魔王の優しさや気持ちが
流れてくるようで、とても心に響く。
気がつけば、勇者の目から大量の涙が
溢れ出していた。それは魔王の優しさに
気づいた勇者の暖かさかもしれない。
勇者「なんだよ、これ…」
涙を拭っても拭ってもそれは溢れていく。
勇者「ああ、そっか…こんなにも
大切なことを忘れて…
…いや、知ろうともしなかったのか」
─何百年経った今でも、勇者はその魔王の
ことを思い出す。思い出す、というよりは
忘れられないといったほうが
正しいのかもしれない。
今まで数え切れないほどの魔王を
倒してきて、優しい魔王に会った
のは、その一度きりだったから。
勇者は、その優しい魔王に再び
会おうとするために魔王を倒し続けている。
…優しい魔王が生まれる、奇跡を信じて。
─魔王城。
勇者「…魔王」
魔王「…勇者か」
勇者「そうだ」
魔王「……戦うつもりか?」
勇者「?…もちろんだ」
魔王「…なら、その前に少し話を─」
しないか、と言い切る前に勇者の剣に
よって魔王の首は斬られてしまった。
首を斬られても、体の構造が違うのか
魔王は首より上だけの顔で喋り続けた。
魔王「…や…はり…おま…え…の…ゆう…
しゃ…の…こころは…むし…ば…
…まれ…て…いる…よう…せい…の」
そう言って、その魔王は息絶えた。
そして、空気となって消滅した。
その時、不意に勇者の目に涙が流れる。
勇者「あ、あれ…おかしいな。悲しく
なんてないはずなのに─」
その涙とともに勇者はあの優しい魔王の
ことを思い出した。
何故か忘れていたそれを──。
勇者「…危ない。忘れるところだった」
しかし、何故忘れてしまいそうになって
いたのか?と勇者は考える。
忘れるはずがないあの魔王のことなのに─
勇者「…心が蝕まれる…」
先ほどの魔王の言葉を思い出すように
その場で静かに呟く勇者。
勇者「…妖精…?」
妖精、といった言葉が妙に引っかかる。
勇者「─まさか!」
─もし、もしも妖精が心の中を
覗けることが出来るとするならば。
絶対的な悪の存在である魔王を
消滅させるためだけの存在ならば。
『ただ、善と悪を分け、悪を滅ぼす
ためだけに存在する──正義の鉄槌。』
─勇者の心は、不必要とされたのかも
しれない。そんな考えが巡った。
妖精は、悪を滅ぼすために手段を
選ばない。だから、それを手伝おうと
する──主に勇者のような存在に力を貸す。
ただし、あくまで善の者に
力を貸すのではなく、悪を退治する者に
妖精はその力、加護を与えるのだ。
そう、絶対的悪の象徴である魔王を
消滅させるためならば、例えどんな
心の持ち主でも加護を与える。
─それ以上の悪は存在しないから。
しかし、それでも勇者はなかなか
世界中を探しても現れない。
それは、魔王だけは加護を打ち破る
可能性を秘めているという事ともう一つ。
──魔王を倒す意志がなくなったと
判断された者は、加護が尽きて…死ぬ。
それから勇者は、魔王を倒し続けた。
あの優しい魔王のことを忘れないように
心に深く刻みながら、何度も何度も─。
加護が消えて自分が死んで新たな勇者が
優しい魔王を消滅させないためにも
魔王を倒すという思いも刻みながら。
もちろん、勇者はこの世の誰よりも
何よりも強いので魔王に殺されるなんて
いうことはなかった。
─それから、何年の月日が経っただろうか。
また、魔王が復活した。
しかし、勇者はそこに違和感を覚える。
──どこにも魔物が存在していない。
今まで魔王城まで進むには魔物がいた。
復活までに時間がかかるのと食料が
ないため、魔王城に住むことは
出来なかったため、いつも魔王城に
復活の度に進まなければならなかった。
さらに勇者はあることに気がついた。
魔界に住んでいて気がつかなかったが
"軸の歪み"がいつの間にか塞がれていた。
勇者「…もしかして」
魔王は復活してからすぐのおよそ3日間は
魔力が弱っているため、復活してすぐには
勇者は魔王に気が付かない。
気付いたとしても、勇者の住む場所から
魔王城までは何日か必要とする。
移動魔法も勇者はなるべく使わない。
優しい魔王が現れた時、そう、例えば
あの時のように"軸の歪み"を塞ぐための
時間を少しでも魔王に与えるために。
勇者は確信していた。今回の"軸の歪み"を
塞いだのは魔王である、と。
勇者「…ここまで長かった」
そうして勇者は、ようやく辿り着いた
魔王の玉座への扉を開ける。
魔王「…あなたが勇者ね」
勇者「ああ」
魔王「あなたは…私と戦うつもりかしら?」
勇者「……」
魔王「……」
勇者「…そうだな。戦わなくちゃいけない」
──それがたとえ、あの時と変わらない
優しい魔王の姿をしていた相手でも。
魔王「私の…いえ私たちの罪は…
…数え切れないほどだものね」
勇者「…"軸の歪み"は…あなたが?」
魔王「…そうね。罪滅ぼしにはならない
だろうくど、完璧に塞いだつもりよ」
勇者「…それなら、安心かな」
勇者は瞬く間に魔王に近づき、斬り払った。
その速さは、魔王ですらも捉えきれない
ほどで、本当に一瞬の出来事であった。
勇者「…ありがとう」
勇者の剣から黒い血が流れていく。
そこから暖かい魔力が溢れている
ようにも思えた。ただ、魔王が消滅
すると同時に消えていってしまった。
勇者「…ごめんな」
だけども、次の瞬間に勇者の剣には
赤い血が流れ続けていた。
それはしばらく辺り一面、床にしばらく
広がり続けた。赤い血は勇者の首のない
身体から流れていた。
─勇者が生まれる時、魔王は復活する。
勇者という存在は、魔王がいる象徴。
だから、魔王は何度でも復活する。
だから、勇者は勇者がいなくなれば
いいと考えた。魔王の消滅と同時に。
妖精は死なない。触れることもできない。
声が聞こえるだけ。心のない声が。
そして、妖精が見えるのは勇者だけ。
勇者がいない今、また魔界と人間界を
繋ぐ"軸の歪み"がない今は、妖精を
除いて真実を知るものはいない。
──真実なんて誰も知らなくていい。
優しい魔王がいたことも。
自分という勇者がいたことも。
ただ一つ、願うとすれば──
──あの優しい魔王に、一番
始めの頃に出会いたかった。
出会った時にはすでに狂っていた。
涙なんて、流れただけだった。
心に響いても、心の傷は癒えなかった。
──でも、もう一度会えた時、
本当に心から嬉しかったと思えたよ。
…ありがとう。そして、ごめん。
少しアレな終わり方ですが、これにて
完結といたします(ノД`)
当初の予定では、勇者強すぎワロタww
といった展開を考えていましたが…
どうも苦手なみたいで…。
では、みなさん。
また出会える日まで、さようなら。
感じ入ったよ
すごく感動した
Entry ⇒ 2012.03.29 | Category ⇒ 勇者魔王「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
愛「パパ、765プロ辞めて876にきてよ!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332853003/
P「そうは言ってもなぁ」
愛「いいでしょ、パパー!」
P「うーん…」
舞「愛、パパが困ってるでしょ」
愛「えー」
愛「じゃあ今日中に考えといてね!」
舞「いってらっしゃい」
P「気をつけてな」
愛「はーい!」
P「…」
P「…はぁ」
P「いや、愛にあんなことを言われるなんて思わなくて」
舞「あら、でも765プロ近いうちに辞めるんでしょ?」
P「そうなんだけどな…」
P「でもそれには理由があって…ってかお前は知ってるだろ」
舞「まぁね」
P「だから876に行くとか無理だろ」
舞「…」
舞「まぁでもアナタ以外に人がみつかったらそれはそれでいいわよ?」
P「いいって?」
舞「アナタが876に行っても」
舞「わからないわよ?」
舞「意外といるもんよ」
P「どうだか」
P「まぁそんな人が現れたら876にでも行くかな」
P「…なんて」
愛「はぁ…」
絵理「どうしたの?」
愛「パパに冗談でウチのプロデューサーになってって言ったんですよ」
絵理「愛ちゃんのパパ?」
尾崎「確か765のプロデューサーよね」
尾崎「敏腕って業界でも有名なのよ」
絵理「…そうなんだ」
愛「冗談で言ってみたけど…」
愛「本当は来てくれないかなぁって思ってるんです」
絵理「?」
愛「まなみさんがお家の都合で事務所辞めちゃって」
愛「それから私、なんだかやる気でなくて」
尾崎「あら、私だけじゃ不満かしら」
愛「いえ、そうじゃないんですけど」
愛「そうなんですか?」
尾崎「えぇ、13人いる765のアイドルを1人でプロデュースしてきた人よ」
尾崎「そんな有能な人を765プロが手放すなんて考えられないわ」
愛「パパって本当に凄い人なんだ」
尾崎「まぁ最近は1人アイドルからプロデューサーにシフトした子がいるみたいだけど」
舞「でもよくアナタが退社するの認めてくれたわね」
P「律子もいるし、なんでも新しくティンときた人がいたらしくてな」
P「律子にもある程度引き継ぎをしたし、いいだろうってことで」
舞「ふーん、結構軽いわね」
P「アイドル達にはいろいろ言われたけどな」
舞「そう」
愛「じゃあやっぱりパパがウチに来るのは無理かぁ」
愛「家に帰ったら冗談だよって言わなくちゃ」
尾崎「…」
尾崎(もしきたらフリーの私はお払い箱になってしまうかもしれないわ…)
尾崎(いや、でも絵理の担当は私だし…)
絵理「…どうしたの?」
尾崎「何でもないわ」
愛「まなみさん戻ってこないかなぁ」
絵理「愛ちゃん」
尾崎「私も全力でサポートするから何かあったら言って頂戴」
愛「ありがとうございます」
P「さて、俺はそろそろ仕事に行ってくるかな」
舞「いってらっしゃい」
P「よーし、残り僅かの765プロを楽しむか」
P「…じゃあ行ってくる」
舞「ふー、二人とも仕事に行っちゃったし暇ね」
舞「今日のお昼作るの面倒だし…」
舞「お寿司でも食べようかしら」
舞「…回転寿しでいっか」
P「おはようございます」
律子「おはようございます」
P「まぁフレックス出勤だからもうお昼に近いけどな」
律子「もうここを辞めるんですから残り時間ぐらい有効に使わなくちゃですよ」
P「そうだな、律子も優秀だから本当助かるよ」
律子「褒めても何もでませんよ?」
律子「酷いですね」
律子「そうだ、小鳥さんと話してプロデューサーの送別会をしようって話になったんですけど」
律子「今日とか大丈夫ですか?」
P「これまた急だな」
律子「しょうがないですよ、あずささんも来れるのが今日しかなかったんですから」
P「あずささんもくるんだ…」
P「まぁあとは未成年だししょうがないか」
P「…わかったよ」
P「舞には連絡入れておく」
律子「ありがとうございます」
ブーブー
舞「ん?」
P『急遽送別会になった、夕飯いらない』
舞『了解』
舞「っと、しょうがないよね」
舞「仕事の付き合いだもん」
舞「…それよりお寿司お寿司」
「いらっしゃいませ~」
舞「…」
「お一人様ですか?」
舞「はい」
舞「ティンときたわね」
「?」
愛「はぁ…」
愛「でも、こんなことでモチベーション落としてたらまなみさんも悲しむよね」
愛「やっぱり落ち込んでられない」
愛「パパの力を借りるのも逃げになっちゃうような気がする」
愛「気合いいれなきゃ」
愛「がんばるよー!」
社長「いやー君には本当いろいろ助けてもらったからなぁ」
社長「本当は辞めてほしくはないんだが…」
小鳥「そうですよ、奥さんなんて放っておいて私のために765に残ってくださいよ」
あずさ「そうですよ~、私のために」
律子「…私達のじゃないんですね」
律子「ってか社長まで一緒になって引き止めてるし、送別会なんですから」
P「この前ティンときた人がいたって」
社長「…」
P「社長?」
社長「あー、うん、そうだったね、あはは」
P「もしかして嘘着いたんですか?」
社長「はて、なんのことかね?」
P「僕が765からいなくなって大丈夫なんでしょうか…」
P「心配になってきましたよ」
あずさ「あらあら、プロデューサーさんそんなんじゃダメですよ?」
P「あずささん…」
あずさ「私達アイドルはプロデューサーさんがいないとまるでダメダメですから」
P「あずささん…」
小鳥「私もプロデューサーさんがいないとダメダメです!」
P「…」
P「音無さんは置いておいて」
P「社長がそれじゃあダメじゃないですか!」
律子「…よくこの事務所潰れないわね」
社長「律子君なにか言ったかね?」
律子「いえ」
律子(酔っぱらいの相手は疲れるわね)
P「律子まで」
律子「私はプロデューサーの後をまだ追いたいんです」
律子「…まだプロデューサーとして新人ですから」
P「別に俺が765にいなくても大丈夫だろ」
律子「いえ、765のプロデューサーだからこそです」
律子「いつか追い越したいんです」
律子「…そのために企画も考えてるんですから」
P「企画?」
P「でもなぁ退職届けはもう社長に渡してあるし」
律子「…」
社長「…アレ、どこにやったかな」
小鳥「そういえば私もまだそれの事務手続きしてません」
P「え?」
あずさ「あらあら」
「あの、なんで私はこんなところに連れてこられたんでしょうか…」
舞「いいじゃない、今日は家の旦那帰り遅くて暇なのよ」
「はぁ…」
舞「で、あなたいい感じね」
「な、何がですか?」
舞「私と波長が合いそうな感じ」
「はぁ…波長ですか」
舞「あなた名前は?」
舞「あなた以外に誰がいるのよ」
「…」
「岡本まなみです」
舞「そう、じゃあ今日からあなたは」
舞「まなみんね」
まなみ「…」
まなみ「あのすみませんあなたは…?」
舞「日高舞よ」
まなみ「日高…どこかで聞いたような」
まなみ「もしかして愛ちゃんの」
舞「元アイドルの…とかじゃないんだ」
まなみ「す、すみません」
舞「いいわ、ってなんで愛を?」
まなみ「わけがありまして」
愛「おはよー!」
P「おはよう」
舞「おはよう、今日もうるさいわね」
愛「うるさいって…元気って言ってよね」
愛「あ、パパに言いたいことがあるんだ」
P「なんだ?」
P「昨日の?」
愛「パパに876に来てって言ったこと」
P「そういやそんなこと言ってたな」
愛「うん、だから気にしないでしないでね!」
愛「でも、これからもっとやる気出してパパの765なんてやっつけちゃうんだから!」
P「おーそうかそれは怖いなぁ」
愛「覚悟しててね」
愛「それじゃ私行くねー!」
舞「どういう風の吹き回しかしらね」
舞「でも、あなたはもうすぐ765辞めるのに」
舞「あ、そうそう」
P「ん?」
舞「アナタ、私のプロデューサーしなくていいわよ」
P「?」
舞「だから愛はあんな風に言ってたけど876に行ってもいいわよ?」
舞「いい人材をみつけたのよ!」
舞「まなみんよ、まなみん!」
P「誰だよ…」
舞「んー、前まで愛のマネージャーやってた人みたい」
P「ほー」
舞「あ、でも今のは愛に言わないでね」
P「わかったよ」
P「そのことで俺も話が?」
舞「何?」
P「…どうやら俺が765からいなくなると面倒なことになりそうなんだ」
P「というか潰れる」
P「そう思うだろ?」
P「だから俺は765を辞めないよ」
舞「そう」
舞「じゃあ全て今まで通りってことなのね」
P「あぁ」
P「舞がアイドル復帰してもウチのアイドルは負けないからな、覚悟しておけよ」
舞「そう来なくちゃ」
おわれ
もう無理
気が向いたらまた頼んます
Entry ⇒ 2012.03.29 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ヤナギン「私の大事な親友のために」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332087136/
・ヤナギン、羽原、唐沢のお話
・でも唐沢は空気
・基本はヤナギンの一人称視点
こんな内容でよければお付き合い頼む。
一人はとしゆき。
背は小さくて、少し頼りないように見えるけど、困っている人を見れば手を差し伸べずにはいられない、誰よりも優しい男の子。
一人は羽原。
我儘で、乱暴で、喧嘩では男子が束になっても敵わないけど、でも笑顔がとてもかわいい女の子。
私達は家が近いこともあって、いつも一緒に遊んでいた。
何をするにも一緒だった。
ずっと、それが続くんだと思っていた。
としゆきには、私達以外にも友達がたくさんできた。
彼は優しいし、気配りもできるし、さらには頭もいい、いわゆる「スゴイやつ」ということで、男女問わず人気者だった。
私にも友達はたくさんできた。
私は元々の性格もあってか、男子とも気が合うことが多く、専ら男子たちと遊んでいた。
でも、羽原は…
羽原には、私達以外の友達は、できなかった。
私やとしゆきが遊びに誘えば笑顔を見せたが、そうでない時はいつも教室の隅で、一人で佇んでいた。
はじめのうちは、クラスメイトにもよく話しかけられたり、遊びに誘われたりしていた。
でも、同じ子には、二度は誘われることは無かった。
それが続き、いつしか彼女は、私たち以外の子と遊ぶことは無くなった。
何度か「どうして?」。と尋ねたことはあった。
だが、帰ってくる答えはみんな似たようなものだった。
「羽原のわがままには付き合いきれない。」
「あんな乱暴者とは、遊びたくない。」
親友をこうして悪く言われるというのは、とても辛いことだったし、腹立たしかった。
羽原が我儘で、乱暴なのは、否定できない事実だ。
でも、それだけじゃない。彼女にだっていいところはある。
そんな一つの側面だけを見て彼女を判断しないでほしい。
はじめは皆乗り気ではなかったが、私が説得したおかげで、なんとか了承してくれた。
やった。これならいける。
羽原がなにかしでかしても、私が仲裁に入れば、摩擦も減らせるだろう。
羽原も、私がいれば少しは態度も軟化するだろう。
そうして遊んでいるうちに、いずれ皆も羽原のいいところを理解してくれる。
大丈夫、きっとうまくいく。きっと皆仲良くなれる。
そんな私の期待は、最悪の形で裏切られることになった。
羽原と、グループの男子が、遊び道具の使用を巡って口論になったことだった。
これはまずい。
私が止めようとするより早く、羽原が彼の顔を思い切り殴りつけた。
更に倒れた彼にのしかかり、彼をたこ殴りにした。
「止めろ!!!」
「何してんだお前!!!!!」
すぐさま数人の男子が止めに入る。しかし羽原は、すぐさま身を翻し、今度は彼らに殴りかかった。
そこから先は、羽原と男子たちによる乱闘が始まった。
いや、あれは乱闘ですらなかった。
羽原による、一方的な蹂躙であった。
狂気の笑みを浮かべ、拳を振るう羽原。
逃げ惑い、泣き叫び、いたぶられる男子たち。
「止めろ羽原!止めてくれ!!!」
私は必死になって羽原に掴みかかり叫ぶ。しかし羽原は私の声が聞こえていないのか、私を抱えたまま暴れ続けた。
「は、羽原…」
「ねぇヤナギン、私疲れちゃった。帰ろ。」
「あんた、何言って…」
「私、こいつら嫌い。いじわる言うもん。こんなやつらいらない。私はヤナギンと、としゆき君がいてくれればいいもん。」
「………」
「だから、ね。こんなやつらほっといて、行こ。」
そう言って羽原は笑顔を浮かべた。先ほど見せた狂気の笑みではなく、見る者を魅了する、愛らしい笑顔であった。
羽原に巻き込まれた友人たちに、彼らの親に、私はとにかく必死で謝った。
結果、私自身と、羽原の暴行のみについては許されたが、周囲の羽原への態度は、一層厳しいものになった。
羽原は、あの事件の後も相変わらずの態度であった。おそらく、自分が悪いことをしたなどとは、かけらも思っていないのであろう。
そんな羽原の態度は、多くの人の反感を買った。喧嘩を売られることも増えた。
羽原は売られた喧嘩は全て買った。そしてその全てを叩きのめしていった。
いつの間にか、羽原に喧嘩を売る者は、誰もいなくなった。
いつの間にか、羽原に話しかける者すら、私達以外誰もいなくなった。
そして、今度は羽原が、周囲に暴力を振りまき始めた。
目を合わせれば睨まれる、少しでも逆らえば殴られる。
皆羽原の姿を見れば怯え、名を聞けば震え上がる。
いつしか羽原は、周囲からこう呼ばれるようになった。
「谷田東小のアークデーモン」と。
羽原がいつものように、私を誘ってきた。私の周りにいた友達は、我関せずとばかりに去っていった。
羽原はそんなことは気にもとめていないのか、ニコニコしている。
彼女は、自分が周りにどう思われているか、分かっているのだろうか。
私ととしゆきとしか話さない、遊ばない。それがどれほど異常なことなのか、分かっているのだろうか。
このままでは、羽原はこれから先、本当に誰にも相手にされなくなる。
もし私達まで離れてしまえば、本当に独りぼっちだ。
誰かが羽原を叱ってやらなくてはならない。誰かが羽原を正してやらなくてはならない。
では誰が。
親はあてにならない。子供同士の争いに親が介入しても根本的な解決にはならない。
教師もあてにならない。羽原を恐れて見て見ぬふりを決め込む奴らに何を期待できるのか。
私と、としゆきしかいないじゃないか。
私達が、羽原を正してやらなければ。
羽原は、ひょっとしたら怒るかもしれない。私達を嫌いになるかもしれない。
それでも、誰かが言わなければいけないことだ。
それができるのが私達しかいないのであれば、私はそれをためらわない。
「……羽原。少し話がある。放課後、いつもの空き地に来い。としゆきは私が誘っておく。」
「……?うん、分かった。でもお話が終わったら遊ぼう。」
「分かった。じゃあ、また後でな。」
私は、羽原と別れてすぐ、としゆきに声をかけた。
としゆきも、私と同じ気持ちだったようで、快く応じてくれた。
「ヤナギン、お話って何?早く終わらせて遊ぼう。」
「羽原。あんた自分が周りに何て呼ばれているか知っているか。」
「あーくでーもん…だっけ?なんかかわいくないあだ名だよね。」
「何でそう呼ばれているか、知っているか。」
「分かんない。」
私の質問にキョトンとして答える羽原。やはり分かっていないようだ。
「簡単なことだ。お前が我儘な乱暴者だからだ。」
「ふーん。」
羽原はどうでもいいといった風に、生返事を返してくる。
「羽原。最近、俺達以外の奴と遊んでないだろ。いや、それどころか俺たち以外の奴とろくに会話もしていないだろ。」
「うん。」
「以前、柳の友達グループと遊んで、喧嘩になったのは覚えているか?」
「うん。だってあいつらいじわる言うんだもん。」
「あいつら皆言ってたぞ。羽原は怖いって。もう一緒に遊びたくないって。あいつらだけじゃない。皆同じことを言ってるぞ。」
「そう。別にいいよ。私もあいつら嫌いだし。私はヤナギンと、としゆき君がいればいいから。」
「言い訳がないだろう!!!」
「柳……」
私は思わず叫んでいた。2人とも驚いた様子で私を見る。
「いじわるを言われた!?それはあんたの我儘に反論したんだ!嫌いだから殴った!?自分が気に入らなければすぐ暴力か!?いい加減にしろ!!!!!!」
「私ととしゆきさえいればいい!?これから先もずっとそうしていくつもりか!?もし私もとしゆきも一緒に居られなくなったらどうするんだ!?甘えてんじゃねぇ!それじゃあ、あんたはいつか…」
「おい柳、落ち着け…」
もう駄目だ。感情が溢れだす。次の言葉が止められない。
「いつか、本当に独りぼっちになっちまうぞ!!!!!」
「ヤナギン…」
「どうして、そんないじわる言うの?ヤナギンも、私のこと嫌いになったの???ヤナギンも、私と遊ぶの、もう、嫌なの……!!!!!!??????」
「ハッ…!ち、違う!!!そういうことじゃ…!!!」
「うるさい!!!!!」
「うっ!!!」
ドンッ!!!
叫ぶより早く、羽原は私を突き飛ばした。私はバランスを崩し、尻もちをつく。
「待て、羽原!落ちつ…「うるさいうるさいうるさい!!!!!!ヤナギンのいじわる!!!いじわる言うヤナギンなんか嫌い!!!!!!ヤナギンなんか…」
羽原は側に落ちていた角材を拾い上げ、私に振りおろしてきた。
「っ……!!!」
避ける暇もない。ガードも間に合わない。私は固く目を瞑った。
ガスッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
私はおそるおそる目を開いた。そこに映ったのは…
「………としゆき君?」
血濡れの角材を握りしめたまま呆然としている羽原と、
「う、うあああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
絶叫を上げながら額を押さえているとしゆきの姿であった。
「うわあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
どうやらあの瞬間、としゆきは私を庇って間に割り込み、そのまま羽原の一撃をまともに受けたのだろう。
かなり傷は深いのか、としゆきの額からはものすごい量の血があふれている。
「………………くっ!!!!!!!!!!」カラン
「ま、待て、羽原!!!!!!!」
羽原は角材を捨て、背を向けて走り出した。
「うわあああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
駄目だ。今は羽原のことより、としゆきを病院に連れて行かなくては。
あの後、私はとしゆきの両親に連絡し、すぐに病院に運んでもらった。
としゆきの治療を行った医者が、としゆきの怪我について私達に説明していた。
何針縫ったとか、傷がどのくらい深いとか、淡々と説明していたが、私の耳には入らなかった。
かろうじて理解できたことは2つ。
1つは、としゆきの傷はかなり深く、完治しても傷痕は一生残るだろうということ。
もう1つは、としゆきの心に、羽原への恐怖が深く刻み込まれてしまったということ。
それはつまり、もう羽原ととしゆきは、以前の様な関係には、戻れないかも知れないということだった。
そしてそれは、私も同じであった。
最早としゆきは、羽原の名前が出るだけで取り乱し、傷について触れるだけで吐き出してしまうほどであった。
いつからか、彼は常に帽子を深くかぶるようになった。まるで、羽原に刻みつけられた恐怖から目を逸らすかのように。
羽原は、としゆきの一件以来、更に荒れた。
としゆきにも避けられ、私のことも避けるようになった羽原は、その苛立ちを周りに一層振りまき、より一層周囲から恐れられるようになってしまった。
もっとも恐れていたことが、あってはいけないことが、とうとう起こってしまった。あろうことか、私がその引き金を引いてしまった。
その結果、としゆきは心と体に消えない傷を負い、羽原は、本当に独りぼっちになってしまった。
もう羽原を正すことはできないのか。もう私達は、昔のようには戻れないのか。
「ごめんなさい、としゆき……ごめんなさい、羽原…………」
後悔の思いが、消えることなく押し寄せてくる。後悔など、いくらしたところで無駄なのに。
羽原はいつものように周囲に暴力を振りまいていた。標的にされた子は泣きながら視線で助けを求めるが、皆自分に矛先が向くのが嫌なのだろう、見て見ぬふりをしている。教師すら例外ではない。ふと、私と羽原の目が合ったが、羽原はすぐに目を逸らし、再び続きを始めた。
「またやってるよ、アークデーモン。」
「もうあいつに怯えながら生活するのは嫌だよ…」
クラスメイト達の陰口が聞こえる。悲しいことに、もう聞き慣れてしまった。
「そういえばさ、最近アークデーモン討伐隊が結成されたらしいな。」
「あー聞いた。なんでも近隣の小学校の最強メンバーが集まっているらしいじゃん。」
「そいつらなら、もしかしてアークデーモンを倒せるかな…」
「そう願いたいよな、でも相手はあのアークデーモンだしな……」
討伐隊か、羽原もとうとうそこまで敵視されて…
…待て、今あいつらは何て言った。討伐隊?羽原を倒すための?
これは…いや、迷っている場合じゃない。
「あ、あんた達!!!」
「うおっ!ど、どうした、柳!?」
「今の話、詳しく聞かせてくれないか?」
放課後。
私は討伐隊の話を聞き、彼らが集会場としているという神社にやってきた。
階段を上り、境内の前に行くと、少年たちが話し込んでいた。
「!!!誰だ!?」
仮面を被った少年に話しかけられる。彼は確か、ラバーシューター。噂によると、かなりの凄腕だったはずだ。
彼の他に集まったメンバーを見る。皆この近隣では音に聞こえたほどの猛者ばかりであった。どうやら彼らが討伐隊と見て間違いなさそうだ。
「柳!?アークデーモンの親友の!?」
「ああ、確か空手をやっているって…」
どうやら討伐隊の中に、私のことを知っている奴がいるようだ。
「…柳、でいいのか?」
ラバーシューターの男が、警戒しながら問いかけてくる。
「ああ。あんた達がアークデーモン討伐隊か?」
「…その通りだが、ここに何の用だ?」
私は一呼吸置き、彼らに頼み込んだ。
「私を…討伐隊のメンバーに加えてほしい。」
それから、私達は日夜、羽原を倒すための会議を開いた。私は羽原の情報を知っている限り彼らに提供した。
そうして、作戦を立てていった。
そして、ついにその日が近づいてきた。
「羽原。ちょっと話がある。」
「ヤナギン…」
教室で羽原を呼び止める。思えば話しかけるのも久しぶりかもしれない。
羽原は、気まずそうな顔をしていた。
そう言って私は、一通の手紙を渡した。討伐隊から彼女に宛てた、果し状である。
「………(ペラッ)」
羽原は、私から果し状を受け取ると、その場で読み始めた。
果し状には、羽原の悪行への糾弾、討伐隊結成の経緯、宣戦布告の意思表示、決闘の申し込みと場所,日時の指定、そして討伐隊全員の署名が綴られている。
「………!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
始めは愉快そうに笑みを浮かべながら読んでいた羽原が、突然顔色を変え、驚いた様子で私の方を向いた。おそらく署名の中に私の名前を見つけたのだろう。
討伐隊の署名は全て直筆だ。羽原は『私の名前が私の字で書かれている』ことに気付いたのだろう。
「ヤナギン…」
「私は確かに渡したぞ。くれぐれも遅れるなよ、『アークデーモン』。」
私は敢えてアークデーモンという呼び名を使った。お互いの立場を分からせるために。
「ッ!!!」
羽原は一瞬、驚いたような、悲しそうな顔をしたが、
「…分かった。」
すぐにそれは消え、狂気の笑みを浮かべ、そう言った。
もう後戻りは出来ない。待っていろ羽原。
「皆。分かっているとは思うが、奴に逃亡、降参、戦意喪失はありえない。あいつに勝つ方法は一つ。戦闘不能にすることだけだ。」
「「「「「「「「「おう!!!」」」」」」」」」
「そろそろ約束の時刻だな……」
ラバーシューター…修一が時計を見ながら呟く。
「来たぞ!アークデーモンだ!!!」
程なくして、羽原が私達の前に現れた。
羽原がこちらを見つめる。討伐隊の全員に緊張が走る。
「………(ニヤッ)」
羽原が狂気の笑みを浮かべ、手にしていた角材をへし折り、
「「「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」」」」」」」」」」
討伐隊が一斉に鬨の声を上げ、
戦いが、始まった。
「…柳、しっかりしろ柳。」
気が付けば私は、地面に倒れていた。修一が、心配そうに私の顔をのぞき込んでいた。
彼も全身ボロボロだった。いつも被っている仮面は壊れ、覗いた口元からは地が滲んでいた。
ひょっとすると、彼もついさっきまで気絶していたのかもしれない。
「……!修一、や、奴は…?」
私の問いかけに、修一は無言で後ろを指さした。
「!?」
そこには、討伐隊のメンバー全員が倒れていた。
「ぜ、全滅…!!!」
なんてことだ。また私は、羽原を止められなかったのか。
だが修一は、ニコリと口元に笑みを浮かべ、
「よく見ろ」
「相打ちだ」
地面に大の字に倒れ込んだ、羽原を指した。
私達は倒れている討伐隊を次々に起こしていった。
皆、次々に起き、勝鬨の声を上げていった。
だが、まだこれで終わりじゃない。むしろここからが本番だ。
しばらくして、羽原も気が付き、身を起こそうとする。
「う、うーん…」
「起きたな、アークデーモン。」
「私は……?くっ!!!!!」
目を覚ました羽原は、身を起こし、素早く立ち上がろうとした。
しかし、すでに体力は尽きていたのか、そのまま尻もちをついた。。
「いたっ!!!」
「そこまでだ、アークデーモン。」
「アークデーモン、この戦い、俺達の勝ちだ。」
「!!!!!!」
修一が勝利宣言をする。羽原はその言葉に己の敗北を悟ったのか、抵抗を止め、座り込んだまま俯いた。
「私の…負け……」
「そうだ。だが、これで終わりじゃない。お前がまた悪行を重ねるのなら、俺達はそのたびに集まり、お前の前に立ちはだかってやる。よく覚えておけ。」
「……もう……どうでもいい……としゆき君も…離れて行っちゃった……ヤナギンも…敵になっちゃった……みんな、敵……私、ほんとに独りぼっち……」
羽原はもはや修一の声が聞こえていないのか、うわ言の様に何かを呟いていた。
修一が、私のほうを向いて言った。
「ああ、ありがとう、修一。」
「羽原、立てるか?」討伐隊の輪の中に入り、私は羽原に手を差し出した。
「う、うん…」羽原は最初戸惑っていたようだが、私の手を掴んで立ち上がった。
「羽原、もう今日は遅い。一緒に帰ろう。」
気が付けばもう日は沈み、辺りは暗くなり始めていた。
「明日は一緒に登校しよう。給食も、一緒に食べよう。そして、としゆきに謝って、またいつかのように、3人で遊ぼう。」
私は羽原に語りかける。できる限り優しく、静かに。
「ねぇヤナギン…」
「何だ?」
「どうして、そんな優しい言葉をかけてくれるの?ヤナギンは、私の敵になったんでしょう?ヤナギンは、私のこと、嫌いになったんでしょう?」
羽原が分からないといったふうに、私に問いかけてくる。
「何を言っているんだ。私は、あんたを敵だとか、嫌いだとか、そんな風に思ったことは一度もないよ。」
「だって、あんたは私の、親友じゃないか。」
「だって、あんたはこれまで、まともに会話もできなかったし、しようともしなかったじゃないか。こうでもしないと、落ち着いて話せなかったんだよ。」
「うっ…でも…」
「アークデーモン、いや、羽原。口を挟むようで悪いが、いいか。」
修一が羽原に問いかける。
「何?」
「お前は、柳が何で俺達討伐隊に加えて欲しいと言ってきたと思う?」
「……?」
「あの時柳はこう言ったんだ。」
「私を…討伐隊のメンバーに加えてほしい。」
ざわ…ざわ…
「どういうことだ、アークデーモンの親友が討伐隊に入りたい?」
「仲違いか…?」
「いや、油断させて俺達を後ろからやるつもりじゃ……」
討伐隊がにわかにざわめきだす。
そんな中、私に話しかけてきたのは、ラバーシューターの男だった。
「柳、いくつか聞きたいんだが。」
「何だ。できる限りは答えるぞ。」
「では1つ目。お前はアークデーモンの親友だそうだが、それは本当か?」
「ああ、幼いころからの、一番の親友だ。」
「そうか。では2つ目、今日お前がここに来た事を、アークデーモンは知っているのか?」
「知らないはずだ。少なくとも今日ここへ来たのは私個人の意思だ。」
「分かった、では最後の質問だ。なぜアークデーモンの親友であるお前が討伐隊へ入りたい?」
私は答えた。
「私の大事な親友のために」
ラバーシューターは少々戸惑ったように問いかけてきた。
私は彼らに話した。
私達のもう一人の親友のこと。
彼が羽原に負わされた傷のこと。
壊れてしまった私達の関係のこと。
討伐隊は、しばし私の話に聞き入っていたが、やがて一人が口を開いた。
「……つまりお前は、アークデーモンに傷を負わされた親友への贖罪のために、あいつと戦うつもりなのか?」
「勿論それもある。でも、それだけじゃない。」
「……………」
理性を無くして、独りぼっちで暴れまわっている。私がそうさせてしまった。
このままでは、あいつはもっと罪を重ねてしまう。
あいつは2度と、私達と仲直りできなくなってしまう。
あいつは…ずっと独りぼっちのままになってしまう!!!」
「柳…」
「私は今度こそ羽原を止めなければいけない!
そして、あいつに謝らせなければいけない!としゆきだけじゃない、あんた達にも、他の沢山の人達にも!
もう2度と、あいつを独りぼっちにしないために!
また、3人一緒に笑いあえるようになるために!
だが私だけではそれができない!でも、あんた達となら、それができるかもしれない!だから…」
「だから頼む!私を討伐隊に入れて欲しい!共に戦わせて欲しい!!そして、共にあいつを…羽原を救って欲しい!!!」
私は彼らに深々と頭を下げた。大好きな親友のために。
ラバーシューターが討伐隊のメンバーに問いかけた。
……反対する者は、誰もいなかった。
「だ、そうだ。じゃあ、よろしくな。柳。」
「ああ、ありがとう。こちらこそよろしく。」
私達は、固く握手を交わした。
「しかし、驚いたな……まさかアークデーモンを救いたいなんて奴が来るとは思わなかったよ。
俺達はアークデーモンを許せない、倒さなくちゃならないって集まった連中なのに。」
「やはり、迷惑だったか?」
「いや、そんな考えもあったんだなって思って。何だか毒気を抜かれたようでな。」
ラバーシューターは、そう言って頭を掻いた。仮面の下の表情はうかがいしれないが、きっと笑顔を浮かべているのだろう。
「よし、じゃあ遅くなったが、今日の作戦会議だ。柳、お前も参加しろ。」
「「「「「「「「「おう!!!」」」」」」」」」
========================================
「柳がお前と戦ったのは、他の誰のためでもない。
としゆきのために、そしてお前のために。
自分の『親友』のために、お前と戦ったんだ。」
「!!!…ヤナギン……!!!」
羽原が私の方を振り向く。もう今にも泣きそうだ。
「羽原、ごめんな。独りぼっちにさせてしまって。」
私は羽原を優しく抱きしめた。羽原はとうとう堪えきれなくなったのか、幼子の様に泣き出した。
「ヤナギン……ごめんなさい……」
「羽原。あんたは沢山の人に迷惑をかけた。
これから皆に沢山謝らないといけない。
もしかしたらそれでも許してもらえないかもしれない。
でも、大丈夫。私も一緒にいるから。
私も一緒に謝るから。
私はいつでもあんたの味方だから。」
「ううっ…ありがとう…ヤナギン……」
そして私は、討伐隊から、彼女の監視を任されることになった。
もちろん、命じられずともそのつもりだったが。
もう二度と、アークデーモンが目覚めることの無いように。
もう二度と、羽原を独りにしないために。
たかひろ「まああの様子を見れば許されなかったのは分かるけど。」
唐沢「ペッ」
羽原「うっ…うっ…」
ヤナギン「いやーそれが次の日2人で謝罪に行ったまではよかったんだけど、
としゆきのやつ羽原の顔を見るなりその場で吐き出してねー。
もうゲロくせーし周りは騒ぐしでもう謝罪どころじゃなかったわ。」
生島「ギャハハ、なんかもう色々台無しじゃねーか。」ゲラゲラ
羽原「笑い事じゃないわよ、もう……」グスン
ヤナギン「しかしここまでとしゆきの怒りが根深いとはな…
なら羽原!こうなればお前のフラッチェボディでとしゆきに謝罪と言う名のご奉仕プr」
唐沢「お前はキモイな」
ヤナギン「( ゚д゚)」
生島「プッ」
おわり
男子高校生の日常のアニメがやってるのにSS少なくね?
⇒もっと誰か書いてくれればいいのに
⇒ならいっそ自分で書くか
ってな訳で経験も無いくせにSS書いた(今回は書きためてたけど)が、予想以上に楽しかったわ
それに支援って言葉がこんなに嬉しいとは思わんかったわ
こんな時間に俺のスレに付き合ってくれた奴ら、本当にありがとう、そしてお疲れ
あーもっとSS増えないかなー
薄い本も増えないかなー
Entry ⇒ 2012.03.29 | Category ⇒ 男子高校生の日常SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
愛「パパの仕事はプロデューサー」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332492061/
P「俺の仕事?」
愛「うん!」
P「愛がアイドル続けてればわかるかもな」
愛「え?じゃあアイドルに関係する仕事なの?」
みたいなのが読みたいです
愛「ほとんど営業だから」
愛「あ、でも765プロの雪歩先輩とはラジオとかで」
愛「今じゃ友達?みたいな感じだよ!」
P「ほー、雪歩と友達なのか」
愛「パパ、雪歩先輩知ってるの?」
愛「そっかー」
愛「ねぇ、パパ知ってる?」
P「ん?」
愛「765プロってマネージャーがいないんだって!」
愛「かわりにプロデューサーさんがマネージャー兼ねてるんだって」
愛「すごいよね!」
舞「案外近くにいるかもよ?」
P「…」
愛「私の知り合いにそんな有能な人いないよ~」
愛「今度、雪歩先輩に紹介してもらおー」
舞「いってらっしゃい、気をつけるのよ」
P「…」
舞「ほら、パパも愛に」
P「あ、あぁ」
P「気をつけてな」
愛「はーい!」
舞「言ってないわよ?」
P「でも知り合いにそんな有能な人は知らないって」
舞「それはアナタの仕事を知らないからでしょ?」
P「…」
P「俺が765のプロデューサーって知ったら愛は幻滅するだろうな」
舞「しないわよ、多分」
P「そうだ、今後もばれないように動こう」
舞「…」
P「いや、愛に限ってそれはないな」
舞「なんでアナタはそんなに後ろ向きなの」
P「…」
P「とにかくばれないようにするから舞も協力してくれ」
舞「はいはい」
舞「気をつけてね」
P「あぁ、765のみんなにも愛にもばれないように気をつけるよ」
舞「そうじゃなくて事故によ」
P「…アイドルとはそういうことはないから」
舞「…」
舞「もう!知らない!いってらっしゃい!」
P「何怒ってるんだよ、いってきます」
愛「おはよーございまーす!」
まなみ「愛ちゃんおはよう」
まなみ「今日も元気だね」
愛「元気が取り柄ですから!」
まなみ「あはは」
愛「あ、まなみさん」
愛「今日は765の人と仕事ってありますか?」
愛「…予定聞いたような、聞いてないような」
愛「…」
愛「忘れました」
まなみ「今日は愛ちゃんの大好きな人と仕事だよ」
愛「私の好きな人?」
P「はぁ、結局なんで舞が怒ってるのかわからなかった…」
小鳥「舞?誰ですか?」
P(…そういや音無さんには面倒くさいから教えてなかったっけ)
P(まぁ社長と律子が知ってればいいしな)
小鳥「そんなことより、今日飲みに行きませんか?」
P「…」
小鳥「無視しないでくださいよー」
P「…!」
小鳥「!」
律子「…なに小鳥さんもビックリしてるんですか」
P「律子…」
律子「はい?」
律子「別にここでもいいじゃないですか」
P「いいから、お願いだ」
律子「わかりましたよ」
P「ありかとな」
P「今日の担当を変わってもらいたい」
律子「はぁ」
律子「プロデューサーさんの今日の担当って」
P「雪歩だ」
律子「なにか不満があるんですか?」
律子「じゃあどうしてですか?」
P「今日の雪歩のラジオの出演者…」
律子「?」
律子「あぁ、愛ちゃんですか」
P「そうなんだよ…」
P「この前はたまたま律子が担当してくれたからよかったけど」
律子「娘と仕事がてきるなんて嬉しいものじゃないんですか?」
P「今朝まで俺もそう思っていました」
P「だけど、俺の仕事振りをみて幻滅するんじゃないかと思って」
P「そうなったら愛がグレるに違いない…」
律子「考えすぎですよ」
律子「まぁわかりましたよ」
P「さすが律子様だ」
P「今度なにか奢ってやるよ」
律子「はいはい」
愛「わぁい、雪歩先輩とラジオ~!」
愛「あ、765プロのプロデューサーさんに会える!」
愛「わーい!」
まなみ「愛ちゃんいつもより元気だね…」
愛「楽しみがいっぱいありますから」
律子「雪歩、そろそろ行くわよ」
雪歩「え?」
雪歩「今日のラジオって…」
雪歩「プロデューサーとじゃ…?」
律子「プロデューサーは急用ができちゃったのよ」
雪歩「そう…ですか…」
律子「さぁ、グズグズしてる暇はないわ」
雪歩「はい」
雪歩「せっかく愛ちゃんとの収録だし楽しまなきゃ」
律子「…」
雪歩「愛ちゃんはまだみたい…」
律子「もうすぐくるわよ」
愛「おはようございます!」
律子「ほら」
まなみ「おはようございます」
雪歩「愛ちゃん~」
愛「あれ?今日はプロデューサーさんは…?」
律子「今日も私よ」
愛「律子さん」
雪歩「プロデューサーは今日、急用が入っちゃったんだって」
愛「会えると思ったのに」
まなみ「愛ちゃん…」
雪歩「私も愛ちゃんに紹介したかったんだけどね」
愛「ますますどんな人か気になる」
律子「…」
雪歩「見かけによらずなんて酷いですぅ」
律子「ごめんごめん」
律子「だからいろんな仕事に引っ張りだこなのよ」
愛「すごい人なんですね」
雪歩「律子さんも凄い人だよ?」
律子「ありがと」
愛「一度でいいから見てみたい、765プロのプロデューサーさん」
雪歩「あ、だったら事務所に遊びに来ない?」
雪歩「多分春香ちゃんも喜ぶと思うよ?」
愛「春香さんにも会いたーい!」
律子「…!」
律子「ちょっ…」
雪歩「問題でもありましたか?」
律子「そんなことはないわ」
律子「…」
雪歩「じゃあ収録終わったら一緒に行こ」
愛「はい!」
雪歩「今日も頑張ろうね」
愛「はい!」
まなみ「愛ちゃん噛まないようにね」
愛「大丈夫ですよ~」
律子「別に私がプロデューサーの味方しなくてもいいのよね」
律子「とりあえずメールだけはしておきましょう」
律子「あとはプロデューサーがなんとかするでしょ」
まなみ「?」
P「…律子の代わりに雑用」
P「まぁ助かったけど」
ブーブー
P「ん?メール?」
P「…」
P「マジか」
春香「どうしたんですか?」
P「雪歩がラジオの収録終わったら愛を連れてくるらしい」
春香「愛?」
春香「876の愛ちゃんですか?」
P「あぁ」
春香「わぁ、久しぶりに愛ちゃんに会える!」
春香「もしかして…」
P「…」
春香「愛ちゃんが嫌いですか?」
P「それはない、むしろ大好きだ」
春香「…うわぁ」
P「変な意味でとらえるな」
P「そうだな…ファンとしてだ」
P「別に別の事務所のアイドルのファンでもいいだろ」
春香「まぁプロデューサーさんが言うならそうでいいです」
P(娘だからなんて言えない)
春香「愛ちゃん可愛いですもんね~」
P「あぁ、世界一可愛いと思う」
春香「…」
春香「プロデューサーさんは自分の事務所の子が一番って言わないんですね」
P「…はっ」
P「あ、いや、そのこれには訳が…」
春香「いいですよ」
春香「早く愛ちゃんきて欲しいですね」
P(自分のせいだけど更に逃げ出しにくくなってしまった)
P(いや…朝、舞は機嫌悪かったからなぁ)
春香「?」
春香「プロデューサーさん?」
P「すまん、考え事をしてた」
春香「愛ちゃんのことですか?」
P「…」
春香「今日のプロデューサーさん変ですよ?」
春香「…」
春香「何かあったんですか?」
P「いやぁとくに何かあった訳じゃないんだけどなぁ」
春香「じゃあ…」
P「…」
P「そろそろ来る頃か」
律子「戻りました~」
小鳥「お帰りなさい」
愛「お邪魔します!」
春香「愛ちゃん!」
愛「春香さん、お久しぶりです」
春香「楽しみにしてたよ~」
愛「誰ですか?」
春香「え?誰って私の横にいる…」
愛「?」
雪歩「春香ちゃん、誰もいないよ?」
春香「え?」
春香「さっきまで一緒に話してたのに」
小鳥「プロデューサーさんならダッシュで何処かに行ったわよ」
春香「どこに行っちゃったんだろ」
愛「誰が私と会うの楽しみにしてたんですか?」
小鳥「だからプロデューサーさん…」
春香「プロデューサーさんだよ」
愛「春香さんにも会いたかったけどプロデューサーさんにも会いたかったのに…」
春香「そっかぁ」
春香「そういえばプロデューサーさんが愛ちゃんのことを世界一可愛いって言ってたよ」
雪歩「え?」
愛「え?」
P「…咄嗟にトイレに隠れたものの」
P「そう長くもいれないよなぁ」
P「とりあえず…」
P「舞にメールしてみよ」
P「舞なら助けてくれるはず」
ブーブー
P「早いな」
舞『自分でなんとかしなさい』
P「…」
P『そこをなんとか!世界で一番愛してるよ舞ちゃん!だから何かいい案を!』
P『了解』
P「何とかなりそうでよかった…」
P「舞だったらいい案を教えてくれるはず」
舞『全部正直に話しなさい』
P「…ほらね」
P「…」
愛「プロデューサーさんってウチのパパみたいなこと言う人なんですね」
愛「家でよく言われるんですよ」
愛「でもなんか申し訳ないです…」
春香「愛ちゃんが謝ることじゃないよ」
雪歩「うんうん」
律子(親馬鹿ね…)
雪歩「でも愛ちゃんせっかく来てもらったのになんかごめんね」
雪歩「肝心のプロデューサーがいなくて」
愛「いいんですよ、先輩達とお話できますから」
春香「プロデューサーさんが帰ってくるまで話でもしてよっか」
愛「はい!」
小鳥「うー急にお腹が…」
小鳥「…」
小鳥「あ、プロデューサーさんじゃないですか」
P「ちゃ、チャオ」
P(…なんでウチの事務所のトイレは男女兼用なのだろうか)
小鳥「愛ちゃん来てますよ」
P「…」
小鳥「みんなぁ~プロデューサーさんいたわよ」
雪歩「プロデューサーさんに惚れちゃダメだよ?」
愛「大丈夫ですよ~」
愛「楽しみです!」
春香「プロデューサーさん早く~」
小鳥「あの、私も早くトイレに籠りたいので…」
P「…」
愛「あ、こちらこそどうもです!」
愛「876の日高愛です!よろしくお願いします!」
P「ははは…元気だねー」
愛「元気だけが取り柄ですから!」
春香「愛ちゃん、顔あげて話した方が…」
愛「…さっきのを思い出したら照れちゃって顔が見れません」
P「…」
愛「そうですよね」
P「…」
愛「…じゃあ、失礼します」
律子「…」
愛「あっ」
P「…」
愛「会っていきなりで申し訳ないですけど…」
P「?」
愛「私のパパにそっくりです!」
P「えー」
愛「声も…」
春香「世の中に似てる人は3人いるって言うけど…身近にいるってすごいね…」
律子(おばかタレントとして売れそうだわ)
P「愛、ホントに気付いてないのか?」
愛「はい?」
春香「プロデューサーさん、初対面の子を呼び捨てなんて酷いですよ?」
雪歩「そうですよ」
P「…」
これが自分の娘なんだぜ…
愛「!」
春香「またまたぁ、プロデューサーさんは結婚もまだじゃないですか」
律子「え?」
P「え?」
律子「いつも左手の薬指に指輪してたのに気付いてなかったの?」
雪歩「え?」
春香「え?」
P「なんで律子が言っちゃうんだよ」
愛「なんでパパが765プロに?」
P「だから765のプロデューサーなんだよ」
雪歩「プロデューサーが既婚者…」
春香「それに愛ちゃんの親」
律子「…」
P「娘だしな」
愛「なんだぁ照れて損しちゃった」
P「損って…」
P「それよりパパは傷ついたよ」
P「すぐに気付かないなんて」
愛「ごめんなさい」
愛「パパ~」
雪歩「…よ、よかったねプロデューサーに会えて」
春香「それに愛ちゃんのお父さんだなんて本当サプライズだね」
愛「私もビックリですから!」
愛「でもパパ凄いなぁ、みんなに凄い人って言われてて」
愛「パパのこと尊敬しちゃった」
P「全部話したら楽になったよ」
P「それに尊敬したって言われちゃった」
舞「よかったわね」
P「これも舞のおかげだよ、ありがとな」
舞「アナタはウジウジしすぎなのよ」
P「そうだな」
P「でも」
P「何故かわからないけど765のアイドル達が凄い怖い目で視てくるんだ」
P「あれはなんなんだろう…」
P「怖いんだよ」
舞「ふふっ…大丈夫よ、多分これからそんな怖い目で視られないようにしてあげ」
舞「怖い目で視られなくなるわ」
P「?」
おわれ
…えっ
Entry ⇒ 2012.03.28 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
雪女「やめてぇっ……溶けるぅぅ……っ!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332774339/
雪女「くっ……こんなにあっさりと捕まってしまうなんて……!」
雪女「ここから出しなさいっ!」ガンガン
男「無駄だよ、ボクが作ったその箱はいかなる妖力も受けつけない」
男「もちろん純粋な腕力で壊せるほど脆くもない」
男「つまり、君はそこから出られない」
雪女「私をどうするつもりなの!?」
男「すぐに分かるさ」
男「これはストーブといってね」
男「人間にとっては暖を取るための機械だが、君にとってはどうだろう?」
男はストーブ5台のスイッチをつけた。
ブオオオ……
雪女「なんなの、この熱風は……」
雪女「あ、暑い……やめてぇっ!」
雪女「や、やめてぇ……!」
男「やめないよ」
雪女「なぜこんなことをするの……!?」
雪女「私に何か恨みでもあるの……!?」
男「ないよ」
男「ボクの行動は、全てボクの好奇心によるものだ」
雪女「お願い……なんでもするから……」
雪女「早くここから出してぇ……」
男「う~む、思ったより変化がないな」
男「よし、温度を上げよう」ピッ
雪女「!?」
雪女「いやっ、いやぁぁぁっ!」
雪女「ねぇ、お願い……私が悪かったのなら謝るわ」
雪女「だからもう、やめてぇっ!」
男「キミはまったく悪くないし、やめるつもりもない」
男「残念だけどね」
雪女「そ、そんなぁ……」
男「ダメ押しにもう少しだけ温度を上げよう」ピッ
雪女「やめてぇっ……溶けるぅぅ……!」
雪女「私の体がぁっ……!」
雪女「い、いやぁぁぁっ……こんなの、こんなのやだぁ……」
男「ようやく体が溶けてきたね」
男「一度溶け始めると、早いものだね」
雪女「あ、あぁぁっ……こ、こんな……なんでぇ……」
雪女「いやぁ……あぁっ……」
雪女「た、助け……」
雪女「うぁ……」
男「もう少しだな」
一時間後、箱の中は水だけになった。
もちろんこの水は、元々は雪女だったものだ。
男「完全に溶けたようだな」
男「では、さっそく……」ガラガラ…
箱の下はタイヤがついており、男は箱を注意深く運んだ。
男は箱の中の水を注意深く浴槽に入れる。
一滴残らず入れる。
ストーブでだいぶ温めたため、雪女だった水はぬるかった。
男(……本当は熱い湯の方が好きだけど)
男(沸かさない方がいいだろうな)
頭のてっぺんからつま先まで、念入りに洗った。
そして普通の水で体を洗い流し、いざ浴槽へ。
男「行くぞ……」チャプン
男は雪女だった水の中に入った。
男「悪くない……」チャプン
全身をくまなく、あの美しい雪女に抱き締められたような感覚が襲う。
男「気持ちいい……」
男「なんという気持ちよさだ」
男は水面を波立たせた。
男「………」ジャブジャブ
まるであの雪女のような美しい波紋ができた。
男(ようやく夢が叶った……)チャプ…
男は風呂が好きだった。
全国を巡り、あらゆる温泉に入った。
そんなある日、彼はある話を聞いた。
『雪女を溶かした水に入浴すると、とても気持ちいい』
ちょっと雪女さがしてくる
雪女を探し求めた。
──そして苦心の末、雪山で雪女を捕えることに成功し、今に至る。
男「この水が、雪女なんだよな」
男(自分でやっておいてなんだが、とても信じられないよ)チャプチャプ
男「ハハハ」チャプチャプ
男はしばし、水を弄ぶのを楽しんだ。
男(体が冷えてきたな)
男(そろそろ上がるか)ザバァ
男はなるべく雪女の水を減らさないよう、注意深く浴槽から上がった。
男「さてと……」
男「次の準備をするか」
風呂場がどんどん冷えていく。
そして、しばらくすると──
男「お久しぶり」
雪女「さっきはよくもやってくれたわね……!」
浴槽の水が雪女に戻った。
男「キミを捕え、ストーブで溶かし、あげくその中に裸で入った」
男「キミにとっては死にも勝る屈辱だったろう」
男「もちろん、ただで済むとは思っていない」
男「ボクの命一つでキミの怒りが収まるとはとても思えないけど──」
男「殺すなり、凍らすなり、キミの好きにしてくれ」
男「最初からこうすると心に決めていたからね」
雪女「つまり、アナタは私の思うがままってこと?」
男「そうだ。好きにするといい」
雪女「ふふふ……それじゃあ……」
男「………」
雪女「もう一回やって」
男「えっ」
雪女「だから、私を溶かしてもう一回さっきのやってよ」
男「いやいやいやいや、意味が分からない」
男「キミはあれだけの仕打ちを受けたんだぞ?」
雪女「えぇ、最高だったわ……」
男「えっ」
雪女「体の全てが液体となった」
雪女「アナタはそんな私に全身を委ね、私を存分にかき回したのよ」
雪女「まさか、あんなにキモチいいなんて……思わなかった……」
雪女「ほら、さっきまでのことを思い出すだけで……」
雪女「あ、あァッ……!」ビクッ
雪女「ハァ……ハァ……」
男「………!」
雪女「あら、逃げるの?」
雪女「うふふ……ダメよ。逃がさない」フワッ
男「あ……あ……」
雪女「さっきまでの威勢はどうしたの?」
雪女「こんなに顔を真っ赤にして……」
雪女「うふふ……」
雪女「アナタ、ずっとおっきくしてたじゃない。ちゃんと知ってるんだから」
雪女「キモチよかったんでしょ? ……私の中」
男「いや……あれは……」
雪女「あら、今もおっきいのね……どれどれ」スリスリ
男「や、やめっ──!」
雪女「うふふ……」スリスリ
男「あ、あ、あぁっ……!」ビュルッ
男「ああぁっ!」ビュルルルッ
雪女「うふふ、いい声ね……」
男「あ、あ、あ……」ビクッ ビクッ
雪女「あらあら汚れちゃった」
雪女「じゃあもう一回お風呂に入らないとね……」
雪女「今度は浸かりながら出してもいいのよ?」
雪女「アナタの分身だって、私の中を泳ぎ回りたいはずよ」
雪女「きっと私もさらなる快楽が得られると思うし……」
雪女「想像しただけでゾクゾクしちゃう」
雪女「ね?」
男「ハァ……ハァ……ハァ……」
雪女「なんだったら人のカタチのまま相手してあげてもいいし……」
雪女「これからアナタと二人、楽しくなりそうね……」
男(捕まったのは──)
男(ボクだった……!)
男(ボクはもう、身も心も彼女のモノ……)
男(ミモココロモ、カノジョノモノ……)
<おわり>
だがそれが良い
Entry ⇒ 2012.03.28 | Category ⇒ その他 | Comments (0) | Trackbacks (0)
やすな「ソーニャちゃん、わたし留年しちゃうかもwww」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332818386/
やすな「だーかーらー!わたし留年しちゃうかもwwwww」
ソーニャ「・・・・・」
やすな「てへ☆」ペロッ
やすな「ソーニャちゃん!人間の頭の良さは勉強だけで決まるものじゃないよ!」
ソーニャ「勉強以外でも馬鹿なやつが何を」
やすな「わたし馬鹿じゃないよ!だって英語喋れるしね!ペラペラだよ!」
ソーニャ「高校生にもなったらそれ位みんな多少は喋れるだろ」
ソーニャ「バカバカしい・・・何でわたしがそんなこと」
やすな「あー!日本語使った!ソーニャちゃんの負け!敗者!俗物!」
ソーニャ「あぁ!?お前も日本語使ってるだろうが!!」バキボキ
やすな「ぎゃあ!痛い痛い!二本!指が二本折れちゃう!!」ジタバタ
ソーニャ「チッ・・・I want to kill you.」
やすな「Pardon?」
ソーニャ「・・・I want to ki」
やすな「Pardon?」
ソーニャ「・・・・・・・・I w」
やすな「Pardon?」
ソーニャ「うがああああああああああああああああああああああ!!!!」ドカッ バキッ
やすな「ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!!」
ソーニャ「いや、わたし日本人じゃないが」
やすな「細かいことは気にしないの!」
ソーニャ「全然細かくねえよ やっぱ馬鹿なんだな」
やすな「あぁー!また馬鹿って言った!馬鹿って言った方が馬鹿なんだからね!」
ソーニャ「・・・・・なぁ・・・やすな・・・」
やすな「ん?」
やすな「えっ・・・?」
ソーニャ「お前・・・このままじゃ留年しちゃうんだろ」
やすな「・・・・・・かもだよ・・・」
ソーニャ「でも、こないだのテストで赤点だったんだろ だったら補修試験でいい点取らないと・・・お前ホントに・・・」
やすな「わかってるよ!!」クワッ
ソーニャ「!?」ビクッ
ソーニャ「・・・やすな・・・」
やすな「だから・・・だから勉強なんてしてらんないよ!」
ソーニャ「・・・・・・・・」
やすな「・・・・・・・あっ!そうだ!そういやこないだテレビで・・・」
ソーニャ「うるさい!!黙れ!!!」
やすな「!?」ビクッ
やすな「ソ・・・ソーニャ・・・ちゃん・・・?」
ソーニャ「大体毎日毎日絡んできやがって!うっとうしいんだよ!!」
やすな「・・・・・・・」
ソーニャ「いつも面倒くさいことばっか言って!くだらないことばっかして!」
ソーニャ「もうたくさんだ!もうこりごりだ!もう我慢ならない!!」
やすな「ソーニャちゃん・・・ひどいよ・・・グスッ・・・何でそんなこと言うの・・・?」
ソーニャ「・・・・・・・っ・・・・・!!」
ソーニャ「う・・・うるさい!さっさと勉強でもしろ!馬鹿!!」
やすな「・・・ソーニャちゃんの・・・・ソーニャちゃんの馬鹿!!!絶交だ!!」タタタッ!
ソーニャ「・・・!!・・・・・」
ソーニャ「・・・・・やすなは・・・いないか・・・帰ったか?」
ソーニャ「・・・ふん」
ソーニャ「・・・・・・・・・・・」
ソーニャ(これでよかったんだ・・・これで・・・)
あぎり「何してるの~?ソーニャ?」ヌッ
ソーニャ「うおっ!?」ビクッ
やすな「・・・・・はぁ・・・」
やすな「ソーニャちゃん・・・いつもあんな風に思ってたのかな・・・」
やすな「・・・いやいや!!もう絶交したんだし!関係ないよね!!」
やすな「・・・・・・・・・・・・」
やすな「・・・関係ないよ・・・」トボトボ
あぎり「実は~事の顛末は忍法でしっかり見てました~」
ソーニャ「・・・ずっと見てたのか いい趣味してるな」
あぎり「まあ~忍者ですから~」
ソーニャ「意味が分からん・・・まあでも見てたなら話は早い
この問題はお前には関係無いから余計なことはするなよ じゃあな」スタスタ
あぎり「ソーニャは優しいですね~」
ソーニャ「あ!?」キッ
ソーニャ「・・・馬鹿言うな アイツのことはいつもウザったいと思ってた
あれはわたしの・・・紛れもない本心だ」
あぎり「・・・そうですか~ わかりました~」
ソーニャ「ふん わかったらさっさと帰・・・」
あぎり「一つ言っておきま~す」
ソーニャ「・・・?」
ソーニャ「・・・お前わたしの話聞いてなかったのか?いい加減怒るぞ」
あぎり「しっかり聞いてましたよ~だから言ってるんです~」
ソーニャ「・・・・・早く消えろ 今のわたしは機嫌が悪いんだ いくらお前でも・・・」
あぎり「・・・それでは失礼します~」
ソーニャ「・・・何なんだよ・・・くそっ・・・」
やすな「プハーッ!!お風呂上りの牛乳ってサイコー!!」
やすな「これはきっと何かしらの魔法がかけられてるね!温度差マジックだよ!」
やすな「・・・・・そういや・・・補修試験まであと3日かー・・・」
やすな「留年しちゃったら・・・ソーニャちゃんともう遊べないのかな・・・」
やすな「・・・いやいや!!もう絶交したんだし!関係ないよね!!・・・ってあれ?何かデジャヴ・・・?」ゴクゴク
やすな「プハーッ!にしてもホントにこのめんつゆ美味し・・・ブーーッ!!」ゲホゲホ
やすな「あ、あぎりさん!?どうやってここに!?っていうか変わり身!?」
あぎり「ご満足いただけない?」
やすな「いただけませんよ!!」
やすな「というか、何しに来たんですか?あ、その前に何でわたしの家知ってるんですか?」
あぎり「まあまあ、わたしは一つ聞きに来ただけですよ~」
やすな「?」
やすな「えぇっ!?何で知って・・・」
あぎり「答えてくださ~い」
やすな「・・・・・・・・それは・・・・・・・・」
あぎり「・・・・・・・・・・」
やすな「・・・・・・・・・・」
あぎり「・・・・・・・・・・」
やすな「わたしは・・・ソーニャちゃんといるのが楽しかったけど・・・もしかしたら
ソーニャちゃんはわたしといても楽しくなかったの・・・かも・・・」
あぎり「・・・そうですか~」
やすな「・・・・・はい・・・」
やすな「・・・え・・・?」
あぎり「あなたならソーニャの本心に気づいてあげられてると思ってたんですけどね~」
やすな「ソーニャちゃんの・・・本心・・・?」
あぎり「・・・ここ最近のソーニャは随分変わりました~」
やすな「・・・?」
あぎり「あなたに出会ってからはまるで心を吹き込まれたかのようですよ~」
やすな「そ、そうなんですか・・・」
あぎり「まあそんなものは殺し屋にとっては足枷でしかないんですけどね~」
やすな「・・・わたしは・・・邪魔だったってことですか・・・?」シュン
やすな「わ・・・わたしが練習台になってるからかな?」
あぎり「違いますよ~言ったじゃないですか~あなたに心を吹き込まれたからだって」
やすな「で・・・でもそれは邪魔だって」
あぎり「殺し屋にとってはそうですけど~人間にとっては違います~」
あぎり「人間の思うままに動かされる機械なんかよりも~自分の心が思うままに動く人間の方が強いんですよ~」
あぎり「あなたがソーニャを強くしてあげられたんですよ~ 自信もってくださ~い」
やすな「・・・・・・でもわたし別に特別なことなんて何も・・・」
あぎり「あなたにとっての普通はソーニャにとっては特別だったんですよ~」
あぎり「間違いなくあなたはソーニャにとって一番の親友です~」
やすな「あぎりさん・・・」
あぎり「わたしが保証します~」
やすな「わたしはソーニャちゃんを親友だと思ってます!だから・・・だからきっとソーニャちゃんもわたしを親友だと思ってくれてるはずですよね!」
あぎり「はい~」
やすな「あぎりさん!ソーニャちゃんの家教えてください!」
あぎり「いや~それはさすがに~本人の許可がないと~」
やすな「そこを何とか!クレープおごりますから!!」
あぎり「安心してください~連れて行かないとは言ってませんよ~」
やすな「ホントですか!?」
あぎり「忍法で連れて行くんで~ちょっと眠っててください~」プシュー!
やすな「何か嗅いだことある気がするガスが!? うぅ~・・・」ガクッ
ソーニャ「・・・・・・・・・・・・・・・」
ソーニャ「・・・・・・・・・・あぎりか?」
やすな「・・・ソーニャちゃん・・・」
ソーニャ「!? や、やすな!?何でここに!?」
やすな「あぎりさんに連れてきてもらったの あっでも寝てたからここがどこかは知らないよ」
ソーニャ「・・・・・・・・・そうか」
やすな「・・・ごめんねソーニャちゃん」
ソーニャ「・・・は?」
やすな「ソーニャちゃん・・・わたしが留年しないようにわざと突き放してくれたんだよね」
ソーニャ「そっ・・・そんなことは・・・」
やすな「だから『一緒にいても楽しくない』とか『うっとうしい』とか嘘ついてくれたんだよね」
ソーニャ「・・・・・・・・違う」
やすな「ソーニャちゃんはわたしのためにつかなくてもいい嘘を・・・」
ソーニャ「違う違う違う!!」
ソーニャ「あれは・・・あれはわたしの本心だ!!」
ソーニャ「本当だぞ!いつもお前のことはうっとうしいと思ってたし!面倒くさいやつだと思ってたし!もう我慢ならないと思ってる!!」ジワッ
ソーニャ「本当だ・・・本当なんだよ・・・」グスッ エグッ
やすな「ソーニャちゃん・・・」
ソーニャ「うぅ・・・うっ・・・・何で・・・何で涙が・・・」ヒクッ ズズッ
やすな「あぎりさん・・・!」
ソーニャ「な・・・何だよ・・・何がだよ・・・っ」グスッ
あぎり「あなたは~自分のことをまだ冷徹で非情で残忍な殺し屋だと思ってるんですか~?」
ソーニャ「あ、当たり前だろ!わたしは・・・」ゴシゴシ
あぎり「じゃあ~あなたの方がよっぽど馬鹿ですよ~」
ソーニャ「!?」
ソーニャ「そ・・・そんなことは・・・」
あぎり「あなたはいつも彼女と・・・やすなさんと一緒にいるじゃないですか~」
ソーニャ「そ、それはこいつにつきまとわれてるだけで・・・」
あぎり「だったら~無視でもなんでもしたらいいじゃないですか~
・・・それこそ~二度とあなたに近寄れない位のトラウマを与えたり~」チラッ
やすな「ひぃっ!?」ゾクッ
あぎり「・・・以前のあなたならそうしてたんじゃないですか~?」
あぎり「・・・・・・認めてください、ソーニャ ホントはわかってるはずです」
あぎり「あなたはもう、冷徹で非情で残忍な殺し屋なんかじゃありません」
ソーニャ「・・・・・・・・・・・」
あぎり「いや、正確にはもうそれだけじゃありません」
やすな「・・・・・・・・・・・・」
あぎり「あなたは・・・ただの一人の女の子で、やすなさんの友達です」
やすな「・・・うん・・・友達だよ・・・親友だよ・・・ソーニャちゃん・・・」
ソーニャ「・・・やすな・・・」
やすな「ソーニャちゃん・・・」
やすな「・・・え?」
ソーニャ「ホントに面倒くさくて・・・ウザったくて・・・馬鹿だ・・・」
やすな「・・・・・・・・・・・・」
ソーニャ「でも・・・」
ソーニャ「でも・・・大好きだ・・・やすな・・・」
やすな「ソーニャちゃん・・・!!」パァァァ
やすな「え?」
ソーニャ「・・・馬鹿って言った方が・・・馬鹿だった・・・」
やすな「・・・・ふふっ そうだね」
ソーニャ「わたしたちは・・・どっちも馬鹿で・・・親友だ」
やすな「・・・うん!!」
やすな「えぇーーっ!?せっかく親友になったのに!?遊ぼうよ!!」
ソーニャ「馬鹿か!?いっ・・・一緒に進級できないと来年一緒に遊べないだろ!?」
やすな「ソ、ソーニャちゃん・・・!」
ソーニャ「もう時間はない・・・気休め程度かも知れないがまだ望みはある」
ソーニャ「試験までは・・・日付が変わったからあと2日か やれることをやるぞ わたしも協力する」
やすな「あ、ありがとう!じゃあ今日は泊まってくね!!」イソイソ
やすな「え!?な、何言ってるんですか!?あぎりさんも一緒に泊まりましょうよ!」
あぎり「え~?」
やすな「あぎりさんもわたしの大切な友達ですよ!だから泊まっていってください!」
ソーニャ「お前・・・勉強教えてもらう人手増やしたいだけだろ」
やすな「な、何言ってるのかな~?ソーニャちゃんは全くもう~!」アセアセ
ソーニャ「はぁ・・・」
あぎり(どうやら~馬鹿だったのはわたしも同じだったようですね~)
やすな「あぎりさん!早く来てください!あっ、忍法でいい点取れませんかね?」
ソーニャ「楽しようとすんな!ていうか足踏んでんだよ馬鹿!!」ボカッ
やすな「いったぁー!!何すんのソーニャちゃん!!」
あぎり「ふふっ・・・では~英単語を覚えられる忍法道具を~」スッ
やすな「ただの単語カード!?しかも白紙!!」
ソーニャ「あぁーもう!時間の無駄だ!今夜は寝かさないぞやすな!!」
チュンチュン パタパタ
ソーニャ「・・・いい天気だな」
あぎり「そうですね~」
あぎり「・・・やっぱり寂しいですか~?親友がいないというのは~」
ソーニャ「ふん そんなことはない うるさいのがいなくて清々する」
あぎり「またそんなこと言って~・・・それにしても残念ですね~」
ソーニャ「・・・・・・あぁ」
あぎり「新学期早々お腹をこわすなんて~ やすなさんせっかく進級したのに~」
ソーニャ「大方拾い食いでもしたんだろ 馬鹿だからな あいつは」
やすな「ソーニャちゃん!また一緒のクラス!しかも隣同士だね! 何か大きな力が働いてるかのようだよ!」
ソーニャ「ええい やかましい 少し黙ってろ」
やすな「またまたそんなこと言って~?ホントは親友のわたしと一緒で嬉しいんでしょ?
親 友 の わたしと!!」
ソーニャ「うるさいっつってんだろうが!!」ギリギリギリギリギリ
やすな「いだだだだだだだだだだ!!取れる!腕取れちゃう!」ジタバタ
やすな「あ!あぎりさん!ホントにありがとうございました!おかげで進級できましたよ!」
あぎり「ふふっ、ちょっと忍法で試験のヤマが当たっただけですよ~」
ソーニャ(・・・ホントにヤマだったのか・・・?)
あぎり「あっそうだやすなさん クレープ、今日おごってくださ~い」
やすな「は、はい!そうだ!・・・ソーニャちゃんも行こうよ!」
ソーニャ「面倒くさい いい」
やすな「ええーっ!?行こうよ!ね?ね?」
ソーニャ「チッ・・・仕方ないな」
あぎり「ふふふっ」
あぎりさんとは別のクラスになっちゃったし、二人は相変わらず殺し屋の仕事を続けてるみたいだけど毎日がとっても楽しいです
もちろん今までもソーニャちゃんたちと過ごす毎日は楽しかったけど、もっともっと楽しくなった気がします
やすな「よし!じゃあ早速行こう!!」
ソーニャ「放課後に決まってるだろ、馬鹿!」
おわり
あぎりさんは学年一つ上
まあ別にスレの伸びとかはどうでもいいけどやっぱり安価とかの方がウケるんだろうか
一応もう一つキルミーで書き溜めてるのがあるから近いうちに投下したい
>>67
そんな設定あったっけ?ごめん
ですよね 次のもこんな感じなんでひとつ
確認しました ホントですね 今まで知らなかった
次も期待してる
Entry ⇒ 2012.03.28 | Category ⇒ キルミーベイベーSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
シャロ「横浜デートですか」エリー「頑張って」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332773801/
アンリエット「遅れないように気をつけてください」
コーデリア「どんな服を来て行こうかしら~♪」
エリー(あの…どうしてコーデリアさんが…?)
シャロ「同時に3人とデートなんて私人気者です」
続かない
シャロ「うわぁ! エリーさんですか。びっくりしましたぁ~」
エリー「あの、その……さっきのは、どういう、ことなの」
シャロ「さっきのというと、なんです?」
エリー「…………」
シャロ「エリーさん?」
エリー「……他の人、とも、デートの約束してた」
エリー「浮気……してたんだ。2又……3又?」
シャロ「つい、出来心で!」
エリー「3又も」
シャロ「はいー」
エリー「シャロなんて、大嫌い……」
シャロ「エリーさん! エリーさーん!」
シャロ「でも、しょうがないじゃないですか」
シャロ「ココロちゃんも、アンリエットさんも、私から告白したんじゃない」
シャロ「あっちから好きだって言ってきたんですー。断れませんー」
シャロ「私って人気者ですねー。あっははははー」
※黒シャロ
エリー「確かに……私の気持ちを、ぶつけるばかりで、」
エリー「シャロの気持ちを、ちゃんと、確認してなかったけど……」
エリー「ぐすっ、ぐすっ……」
ネロ「エリー?」
エリー「ね、ネロ……」
ネロ「どうしたんだよ、エリー。顔真っ赤じゃん。ていうか泣いてるの?」
エリー「う……うぇぇえーん」
ザワザワ……ヒソヒソ
ネロ「まるでボクが泣かせたみたいじゃんか!」
エリー「うぇぇえぇーん」
ネロ「泣き止んで! 泣き止んでよ、エリー!」
ネロ「お願いだから泣き止んでよ! これ以上泣くならお金取るよ!」
エリー「うぇえええーん」
ネロ「もう、困ったなぁ……」
エリー「ぐすっ、ぐすっ」
ネロ「少しは落ち着いた」
エリー「う、うん……」
ネロ「泣虫のお守り、それもタダ働きなんて、もう御免こうむりたいよ」
エリー「ごめん、な…ぐすっ、ぐすっ」
ネロ「はいはい、また泣かない」
ネロ「まったく今日は特別だよ? この店のお代も、後で2倍で返してよね」
エリー「そ、それは……」
エリー「…………」
ネロ「あー、もう黙るなよ! 話して楽になっちゃえばいいじゃん」
エリー「あのあのっ、そのっ……シャロが浮気、してたの」
ネロ「浮気だぁ? 恋愛とか、ボク興味ないんですけどー」
エリー「シャロのこと、好きだから、とても悲しい」
ネロ「それは、単にシャロが暇なだけじゃん」
エリー「困っているときは、真っ先に駆けつけてくれて、一緒に悩んでもくれた」
ネロ(確かに1番に駆けつけるね。でも悩みを増やして悩ませるのもシャロだ)
エリー「私のご飯がなくなったときも、自分のを半分こしてくれたの」
ネロ(たぶん、ご飯(芋)はシャロが間違って食べたんだと思う)
エリー「そんな元気で、天真爛漫で、天使のようなシャロを見てたら、」
エリー「いつの間にか好きになってて」
エリー「そんなシャロに、思い切って、告白してみたの」
ネロ「まだ続くのー」
エリー「答えは「いいですよー」だった。とてもとても、嬉しかった」
エリー「なのに……」
エリー「どうして…………」
ネロ(正直すごく帰りたい、けど)
エリー「ぐすっ、ぐすっ」
ネロ「……うーん」
エリー「えっ……?」
ネロ「これ、ヨコハマ遊園地のチケット」
エリー「どうしたの、そのチケット……」
ネロ「ネットオークションで落としたんだ。高値で売りさばこうと思ったんだけど、価値が下落してねー」
ネロ「不良在庫を抱えるのもなんだから、ボクたちで使っちゃおうってこと」
ネロ「別に、エリーのためじゃなくて、ここまま紙が腐るのも、もったいないと思うからっ」
エリー「……ふふ」
ネロ「わ、笑うなよ…………よかった」ボソッ
シャロ「大変です、大変なことになりました」
シャロ「ココロちゃん、アンリエットさんとのデートの時間が重なってました」
シャロ「今気づきました、今まさに! これがダブルドッキングというヤツですね」
シャロ「どうしましょう。困りました」
シャロ「うーん、分かりました。分身してみましょう! って、なんでですかー」
エリー「……シャロ」
エリー「……本当に? 心配して、くれたの……」
シャロ「本当ですよ。探偵はウソをつきません!」
エリー「信じて、いい……」
シャロ「はいっ!」
シャロ「あっ、エリーさん。相談があるんです! ココロちゃんとアンリエットさんとのデートの時間が重なっちゃって」
エリー「そう……なんだ……」
シャロ「どうすればいいですか、ってエリーさん、エリーさーん!」
エリー「シャロの馬鹿……」
ネロ「ほらほら見てよエリー! あの観覧車、とっても大きいよ!」
ネロ「あっちのグルグル回ってるのも楽しそうだよねー。あっちも」
エリー「ふふ……ネロってば子供みたい」
ネロ「いいじゃん、まだ子供なんだし」
エリー「そうね……キャッ」ドンッ
ネロ「おっとっと。エリー、ちゃんと前見ないとぶつかるよ」
エリー「えっ、あっ、その……」
ネロ「ボクがついてないとダメだねー。ほら、手つないであげようか?」
エリー「…………」カーッ
小衣「もうシャーロックのヤツいつまでトイレなのよぉ!」
小衣「おそいおそい、遅すぎる――!」
シャロ「ココロちゃーん! ごめんなさーい」
小衣「シャーロック、遅いわよ。それと、ココロちゃん言うなー!」カコーン
シャロ「あうっ……ううう、すびばせん。おトイレ混んでたんです」
小衣「まぁ、いいわ。このアトラクションもけっこう並ぶみたいだし」
小衣「でも、せっかくデートなんだから……もっと一緒に」
シャロ「あはは、ココロちゃん可愛いですー」
小衣「こ、ココロちゃん言うな」ボソッ
アンリ「まさか迷子かしら……迷子センターに行った方がいいのかしら」
アンリ「シャーロック、シャーロック!」
シャロ「あ、アンリエットさーん!」
アンリ「しゃ、シャーロック。どこに行っていたのですか」
シャロ「ちょ、ちょっと道に迷っちゃって」
アンリ「まったく、しょうがないですわね」
シャロ「あははー」
シャロ「あっ、ホントですー。」
アンリ「はい、これでよし。探偵たるもの、服装には気を着けなさい」
シャロ「ごめんなさいですー。なんかアンリエットさん、お姉さんみたいですね」
アンリ「おおお、お姉さんなんて、柄じゃないですわ」
シャロ「照れてるです?」
アンリ「照れてなど……」カーッ
シャロ「アンリエットさん“も”可愛いですー」
シャロ「遊園地のアトラクションとかはとっても行列ができます。テレビでやってました」
シャロ(その待ち時間に、ココロちゃんとアンリエットさんを行き来する)
シャロ(我ながら名案です。これで2人ともハッピーです)
シャロ「でも、ぜぇぜぇ……すごく疲れます」
シャロ「あれ、何か忘れているよーな」
デリア「お花畑が1本、お花畑が2本……シャロはどこかしら~♪」
ネロ「エリーに絶叫系はキツかったかー」
エリー「だから、ネロ一人でも、って言ったのに……」
ネロ「せっかく来たのに、ボク一人じゃつまらないじゃん!」
エリー「そ、そうね……うう」
ネロ「そろそろお昼時だし、なにか食べようよ。エリー持ちでね」
シャロ「あーん、忙しい忙しい忙しいですー」ダダダダダー
ネロ「ん?」
エリー「どうしたの、ネロ」
ネロ「ん、なんでもない。……気のせいかな」
エリー「ありがとう……って!?」
ネロ「どうしたの、エリー」
エリー「それ、カップル用の、ジュース……」
ネロ「あぁ、これ? これが一番安かったんだよ。2人分あるんだって」
ネロ「ストローが変な形だね、ははっ」
エリー「…………」カーッ
ネロ「飲まないの? 僕が全部飲んじゃうよ~」チュー
エリー「えっ、あの……飲みます」プシュー
小衣「ちょっとシャーロック、何回目のトイレよ! 便秘!」
シャロ「ココロちゃん、便秘とか大声で言わないでくださいー」
小衣「あー、もう楽しくないわ。シャーロックも心ここにあらず、って感じだし」
シャロ「そ、それは……」
小衣「小衣、帰るわ。じゃあね、バカシャーロック」
シャロ「こ、ココロちゃん!」
小衣「ココロちゃん言うなーっ、2回分!」ドカーン、バカーン
シャロ「あふっ、ぐへぇ」
シャロ「大丈夫です。きっといつか分かり合えます。今はアンリエットさんの方を」
シャロ「アンリエットさーん、アンリエットさーん」
係員「きみ、シャーロックさん?」
シャロ「えっ? あっ、はいー。シャーロックですー」
係員「アンリエットという人が探していたよ。止めたんだけど、誘拐されたかもしれないって、園外に走って行ったんだ」
シャロ「えぇぇ~、そんなぁ……」
エリー「キレイ……」
ネロ「あんなに並んだ甲斐があったよ。これでショボイ眺めだったら、チケット代請求してやったのに」
エリー「もう、ネロはお金のことばかり……」
ネロ「世の中、お金だよ、マネーだよ。いつか、このヨコハマも手に入れてみせるさ」フフン
エリー「ふふ……探偵じゃなくて、まるで怪盗みたい」
ネロ「ぼ、ボクはこれでも探偵だってば! 怪盗じゃない!」
エリー「ふふ……そうね」
エリー「そう、だね……また」
ネロ「まぁ、あんなに安価でチケット手に入ることもないから、二度と来れないかもしれないけど」
エリー「えっ……」
ネロ「なんで悲しそうな顔するのさ」
エリー「その、あの……楽しかったから」
ネロ「なら、バイトをがんばることだねー。それを僕が20倍にしてあげるよ」
エリー「う、うん」
シャロ「あぁー! エリーさんに、ネロ!」
シャロ「エリーさん、助けてくださいー。アンリエットさんに本当のこと話したら、鬼のようにプンプン怒ってしまって」
シャロ「こっ、これでは怖くて探偵学園に帰れません」
エリー「…………。ふふっ、シャロ」
シャロ「えっ、エリーさん。不自然な笑みです」
エリー「……頑張って」
ネロ「まぁ、ご愁傷様~」
シャロ「えっ、何を頑張るんですか。というか助けてくれないんですか。ネロ、エリーさーん!」
デリア「お姉さんに話して御覧なさい~♪」
シャロ「私は、ココロちゃんもアンリエットさんも幸せにできませんでした」
デリア「無視かしら~♪」
シャロ「でも、大丈夫。私には明日という希望があります!」
アンリ「えぇ、そうですね。明日のお日様を見れるといいですね」
シャロ・デリア「えっ?」
エリー「特別、補修……?」
ネロ「トイズが戻るまで、滝で水に打たれる修行だって」
エリー「それで、戻らなかったら……」
ネロ「さぁねー。しばらく二人とも、帰ってこないってさ」
エリー「えっ……」カーッ
ネロ「なんで、そこで赤くなるのさ」
ネロ「ボクも隅に置けないねぇ~」
エリー「…………」カーッ
ネロ「そ、そこで否定してくれないと、ボクとしても反応に困るんだけど」
エリー「…………」カーッ
ネロ「あぁ、もう、いつもいつもまどろっこしい! 言いたいことあるなら、はっきりと!」
エリー「分か、らない……」
ネロ「けど?」
エリー「もっと、ネロのことを、知りたいと思う……」
ネロ「そうかい」
エリー「迷惑、じゃない?」
ネロ「迷惑? あぁ、迷惑さ。グズでノロマではっきりしないエリー」
エリー「……うぅ」
ネロ「そんなエリーには、誰かそばにいないとね。……たとえばボクとかさっ!」
エリー「……ネロ」カーッ
ネロ「僕は高くつくけど、それでもいいならね」
―END―
シャロ「つべたいです、さむいです、ひもじいです」
アンリ「反省しなさい、シャーロック。あなたは悪いことをしました」
シャロ「えぇぇ……よく分からないですー」
アンリ「シャラップ!」
アンリ(それにしても、シャーロックは恋愛のことを全く知らないんですね。今回のことも、罪悪感なしにやっていたとは……)
デリア「お花畑が、近づいてくる~」
アンリ「それにしても、なぜコーデリアさんはいるのかしら」
Entry ⇒ 2012.03.28 | Category ⇒ ミルキィホームズSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
御坂「ただいまー」 黒子「お姉様おかえりな……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332850879/
御坂「ああ重かった」フウ
黒子「……」
御坂「どうしたのよ黒子」
黒子「お姉様……それ……なんですの?」
御坂「え、これ?」ポン
上条「」
御坂「ゴミ捨て場で拾ってきたのよ、いい椅子でしょ?」
御坂「この部屋に置こうと思って」
黒子「い、椅子ぅ?」
黒子「(どうみても類人猿ですの……)」
黒子「(わたくしの目がおかしいのでしょうか……)」ゴシゴシ
黒子「……」チラッ
上条「」
黒子「……」
御坂「どう?」
黒子「どうと言われましても……」
御坂「いいデザインでしょ?」
黒子「はぁ……」
黒子「(人型ですの)」
黒子「むむむ……」ジー
上条「」
黒子「(微動だにしませんわ……)」
御坂「黒子にもこの良さがわかるかしら?」
御坂「まだきれいだしさ……」
御坂「なんか引き付けられるものがあるというか……」
御坂「一目見て惚れ込んじゃったのよね~」
黒子「……」
黒子「(お姉様……本気でこれを椅子と……?)」
黒子「(正直に疑問をぶつけたほうがいいのでしょうか……)」
御坂「座り心地もいいし……」ヒョイ……ポスッ……
上条「」
御坂「ただで拾えたなんてラッキーよね」
黒子「お、お姉様……」
黒子「(やはりわたくしにはどうみても類人猿が空気椅子をしているようにしか見えませんの……)」
黒子「(その上にお姉様が座って……)」
御坂「柔らか~い」スリスリ
ムクムク
御坂「?」
御坂「なんか私の股下ぐらいに硬い棒がでてきたわ……落下防止の安全バーかしら?」
黒子「!!!」
黒子「お姉様! すぐに離れてくださいまし!」
黒子「(もう我慢できませんの!)」
御坂「え?」
黒子「お姉様は騙されておりますの!」
御坂「騙されてる? 誰に?」
黒子「その椅子……いえ類人猿にですの!」
上条「」
御坂「はあ? 意味がわからないんだけど……」
御坂「類人猿ってあいつのことよね?」
黒子「そうですの! 類人猿も所詮は獣で変態だったということですの! 」
御坂「どういうこと?」
黒子「大方、お姉様の純粋なお心に付け込んで……」
黒子「ここに侵入し卑猥なことをしようとでも考えているに違いありませんの!」
黒子「変態類人猿の浅はかな考えなどわたくしには通じませんわ」
上条「」
御坂「……」
黒子「まだふりを続けて……いいですの……言ってやりますの……」
黒子「それは椅子などではありませんわ! れっきとした人間……」
パンッ
黒子「……え?」ヒリヒリ
御坂「あいつのことあんまり悪く言うんじゃないわ。いくら黒子でも許さないわよ」イライラ
御坂「もう今日は寝るわ」
御坂「黒子も一日頭を冷やしなさい」
黒子「……」
黒子「……わかりましたの」シュン
御坂「はあ、お風呂は明日の朝入ればいっか」
御坂「とにかくこの椅子はこの部屋に置くからね」ポン
上条「」ウイーン
御坂「あっ!」
御坂「すごいわ、変形した! 直立型になったわ!」
御坂「これなら抱き枕にも使えるわね」
黒子「やっぱりおかしいですのー!!!」
上条「」
黒子「お姉様……くれぐれもお気をつけて……」
御坂「もう心配性ね黒子は……」
御坂「とにかくもう寝るから、お休み」ガバッ
御坂「えへへ」ギュウ
上条「」
黒子「(わたくしも寝るとしますの……)」スッ
黒子「(今のお姉様には何を言っても無駄な気がしますし……)」
黒子「……」ジー
黒子「……」スウスウ
黒子「……」スウスウ
だ、だめだって……
黒子「……ん?」パチッ
黒子「(今……お姉様の声が?)」
隣に黒子が……
黒子「……」
もう……しょうがないんだから……
黒子「(これは……まさか!)」
……静かにね?
黒子「(止めませんと!)」
黒子「類人猿! ついに本性を……」ガバッ
御坂「……」スウスウ
上条「」
黒子「ってあら?」
御坂「そ、そこは……駄目……」ムニャムニャ
黒子「……」
黒子「……寝言……ですの?」
上条「」
黒子「お姉様……どんな夢を……」
黒子「……」ハア
黒子「寝ますの……」ゴロン
黒子「……」スウスウ
黒子「……んん」ピクッ
黒子「ふあ~……もう朝ですの……」ムクリ
黒子「(これで昨日のが夢だったらどんなに幸せか……)」
御坂「あら、おはよう黒子」
黒子「おはようごさいますのお姉様」チラッ
上条「」
黒子「……」
黒子「(そう都合よくはいきませんの……)」
御坂「そろそろご飯食べさせたほうがいいわよね」
黒子「……」
黒子「え!?」
御坂「椅子だってご飯ぐらい食べるわよ」ヒョイ
御坂「はい、あ~ん」スッ
上条「」パクッ
御坂「ほらほら食べたわよ!」
黒子「……」
黒子「(ここまでくると……)」
黒子「(お姉様……もしかして……)」
黒子「(というよりはわたくしを騙そうとしている?)」
黒子「(類人猿をこの部屋に住ませるために?)」
御坂「じゃあ、私お風呂入ってくるわ」スタスタ
黒子「……」
黒子「よし、この間に……」
上条「」
黒子「類人猿、そろそろしゃべってはどうですの?」
上条「」
黒子「……何を企んでいるかはわかりませんがお姉様に手を出すことは私が許しませんの」
上条「」
黒子「……このっ!」ゲシッ
上条「」ドサッ
御坂「やっぱり朝風呂は最高よね~」
御坂「黒子も入って……」チラッ
黒子「このっこのっ!」ゲシゲシ
上条「」ゴロン
御坂「!」
御坂「黒子!!」
黒子「!」ビクッ
黒子「あっ……お姉様……」
上条「」デローン
御坂「……」
黒子「い、いえ……その……これは……」
御坂「説明しなさい!」
黒子「……」
上条「」
黒子「お姉様……どうかお許しを……」
御坂「……」ムカッ
御坂「出ていきなさい! 二度と顔も見たくないわ!」
黒子「う……」グスッ
黒子「うう……」ポロポロ
黒子「……」ヒュン
御坂「……」
御坂「やったわ! これで二人きりよ!」
御坂「ほら、あんたもいつまでも椅子のふりしてないで」ポンポン
上条「」
御坂「それにしても昨日ゴミ捨て場であんたを見つけた時はびっくりしたわ」
御坂「あれだけ言えば黒子も数日は帰ってこないかも……」
御坂「ふふふ」ニコニコ
御坂「楽しみね……どうやってすごそうかしら……」
御坂「ねえ?」
上条「」
御坂「……」
御坂「あれ?」
上条「」
御坂「どうしたのよ?」
上条「」
御坂「……」
御坂「えっと……」
御坂「これってもしかして……」
御坂「本当に椅子?」
御坂「……」
御坂「そっ、そんなわけないわよね……」
上条「」
黒子「……」グスン
黒子「お姉様に嫌われてしまいましたの……」シュン
黒子「もうおしまいですの」ポロポロ
上条「お、白井じゃねーか」
上条「なにやってんだ? こんなところで一人で……」
黒子「え!?」
黒子「……」
黒子「あなたのせいですのー!」ガバッ
上条「うおっ!? な、なんだ!?」
黒子「どうしてここにいるのか知りませんがようやくしゃべる気になったようですの!」
黒子「覚悟するんですの!」
上条「お、おい……どこ連れて行くんだよ?」
黒子「わたくしの部屋ですの」
上条「なんで?」
黒子「お姉様に証拠を突きつけるんですの」
上条「?」
上条「さっきから話が見え……」
黒子「しらばっくれるのも今のうちですわ」
上条「はあ……」
上条「(まあでも、なんか怒ってるみたいだし……一応付き合うか)」
上条「」
御坂「違うわよね……だってほら」カチャカチャ
ボロン
御坂「ここだって……」ツンツン……ムニムニ……
ムクムク
御坂「こんなに大きくなるし……」
上条「」
御坂「ってあんたもなにか反応しなさいよ!」
上条「」
御坂「ふ~ん、だったらいいわ。意地でも声出させてやるわよ」ハム
御坂「……んっ」ペロペロ
御坂「……どう?」
上条「」
黒子「お姉様! 申し上げたいことがありますの!」
上条「ういーす」ヒョイ
御坂「あっ……あっ……もうっだめぇ……」ズッチュズッチュ
黒子「」
上条「」
御坂「んん!」ビクビク
御坂「……」
御坂「もう……あんたいつになったら射精するのよ……」ハアハア
上条「」
御坂「あいかわらず声も出さないしさ」
黒子「お、お、お姉様……」ワナワナ
御坂「え!?」ドキッ
御坂「!?」
御坂「え……え……なんで……?」
御坂「なんであんたが……? だってここに……」
黒子「なんでここに類人猿がいるのにまだ椅子があるんですの……?」
上条「なんだ!? あれ俺にそっくりだぞ!?」
上条「」
御坂「え……ってことは……これはまさか……」
黒子「本当に……椅子だったんですの?」
上条「いやもはや椅子ではないような……」
上条「元気だせって御坂」
御坂「だ、だって……私……椅子相手に……初めて……を……」ヒックヒック
上条「それは……まあ……」
御坂「うえーん……」シクシク
上条「(どうやって励ましたものか……)」
上条「(そうだ!)」
上条「なんてな」
御坂「……ふぇ?」グスッ
上条「冗談だよ、あの椅子は本当は俺だったんだ。だから御坂としたのも……」
御坂「それはさすがに無理よ」
上条「ですよね」
御坂「お疲れ」
上条「これで一応解決か?」
上条「まぎわらしい椅子もあったもんだ。それにしても一体誰があんなものを……」
御坂「んー……なんか今日は疲れちゃったわね……」
黒子「お姉様早く寮に戻りましょう」
上条「じゃあな御坂、気にするなとは言えないけど元気だせよ」
御坂「……努力するわ」
上条「またなにかあったら俺を頼るんだぞ、わかったな?」
御坂「……うん」キュン
黒子「(ムキーですの!)」
う~ん、じゃあもうちょいで終わらせるわ……ペースあげる
御坂「俺を頼れ……か。ふふ」ニコニコ
黒子「むう……」
御坂「部屋に着いたわ」ガチャ
黒子「もうあの椅子を見ないですむと思うと清々しますの」ヒョイ
上条「」
御坂「……」
黒子「……」
御坂「黒子」
黒子「はいですの」
御坂「燃やしたのよね?」
黒子「間違いなく」
御坂「……あいつを呼ばないと」
御坂「どうしよう……」
上条「よし、俺に任せておけ」スタスタ
上条「(多分……右手で触れば消えるだろう)」スッ……ピト
ピュキーン
御坂「あっ!」
黒子「消えましたの……」
上条「これで大丈夫だ、もう安……」
上条「!」
上条「うおおおおおおおっ!!!」ガクガクガク
黒子「え!?」
御坂「ちょっとどうしたの!?」
黒子「なんかヤバい気がしますの……」
上条「ああっ! ああっ!」ビクンビクン
シュウウウウウウ……
黒子「おさまったみたいですの……」
上条「……」ハアハア
上条「……」
上条「……そうか……そうだったのか……」ムクリ
御坂「?」
黒子「?」
勃ちあがったんだろう
だれがうまいこと言えと
黒子「さっきのはなんだったんですの?」
上条「今話す……」
上条「……あれはいわば俺の性欲が具現化したものだったらしい……」
上条「爆発した性欲が作り出した分身……」
上条「俺が性欲処理を怠った結果か……」
上条「そしてたった今……放出されていた性欲は俺の体に戻った!」
上条「あんな種無しのまがいものではない! 性欲と精子を備えた完全態だ!」
上条「さあ! 俺を止めてみろ!!」
黒子「……」ポカーン
黒子「お姉様!? いっては駄目ですの!」
御坂「ち、違うのよ黒子……足が……勝手に……」フラー
上条「そうだ御坂……自分に正直になるんだ……」
御坂「……」ゴクリ
黒子「行かせませんのー!」ガシッ……グイグイ……
黒子「あんなのに近づいては絶対孕まされますの!」
御坂「で、でも……」
上条「ならばこちらから行くぞ!」
上条「ふんっ!」ダッ
黒子「ひいっ! 来ましたわ!」
ピュキーン
御坂「……?」
黒子「? お姉様に右手で……」
ドクン
御坂「!」
黒子「お姉様?」
御坂「え……これって……もしかして……」
黒子「どうしたんですの!?」
御坂「私……あいつの子供……妊娠したみたい」ポー
黒子「……」
黒子「いやあああああっ! 嘘ですのおおおお!」
上条「これが俺の新しい力……悪くない……」
黒子「惚けている場合じゃありませんの! 早く逃げましょう!」
御坂「どうして?」
御坂「そうだ、黒子も妊娠させてもらったら?」
御坂「すごく幸せな気持ちになるのよ」
黒子「死んでもごめんですの!」
上条「うっ……」ゴホッゴホッ
上条「吐血か……これは……想像以上に消耗が激しいな……」タラー
上条「あと……一発が限界といったところか……」
御坂「ちょっと、大丈夫!?」タタタッ
上条「俺に構うなぁっ! 腹の子にさわる……」
黒子「逃げるが勝ちですの!」ヒュン
外
黒子「ふう」
ガシャーン
シュタッ
上条「俺からは逃げ切れんぞ」
黒子「え!? 窓を破って飛び降りたんですの!?」
上条「フィナーレだ!」バッ
黒子「拳を天高く掲げ……」
上条「母なる大地よ……」
上条「俺の子を産めえええええええぇぇぇ!!!!!」ダン
ドゴオオオオオン
ピュキーン
地球「孕んじゃった」
上条「ぐふっ……」
上条「……」フラー
上条「……」ドサッ
黒子「力尽きたようですわ……」
御坂「あなた~!」ダッ
黒子「もうなにもいいませんの」
御坂「目を覚ましてよ! ねえ!」ユサユサ
上条「……」
上条「う……」ピクッ
上条「あれ……どこだここ……なんで俺こんなところで寝て……」
御坂「気がついた!?」
上条「……御坂?」
上条「あ、そうか……」
上条「たしか……御坂たちの部屋で……椅子を……右手で触って」
上条「それから……あれ……どうなったんだ?」
御坂「よかった……」ギュウ
御坂「……」ポロポロ
上条「御坂……」
上条「勝ったんだよな……俺……」
御坂「すごくかっこよかったんだから!」
上条「そっか……」
上条「それならいいさ……御坂も無事みたいだし……」
御坂「もう!」カアア
上条「よいしょ……ッゥ!」ズキッ
上条「駄目だ……足が動かん……粉々だ……」
御坂「攻撃をくらいすぎたのよ……」
黒子「飛び降りたからですの」
上条「体中にも切り傷が……」
御坂「痛そう……大丈夫?」
上条「命に関わるほどじゃないだろ、心配すんな」
御坂「うん……」
御坂「これからは……あんまり無茶しすぎちゃ駄目よ……」
御坂「もう……あんただけの体じゃないんだからね!」ニコッ
黒子「……」
黒子「いい加減にしろですの!」バキッ
上条「いてっ」
黒子「なに綺麗にまとめようとしてるんですの!?」
上条「どういうことだ?」
黒子「あなたは先ほどまで性の化身になって好き勝手暴れまわっておりましたの!」
上条「はあ?」
黒子「挙句の果てに地球を孕ませましたわ!」
上条「意味がわからん」
御坂「黒子頭おかしくなったの?」
黒子「……」
黒子「はあ……もういいですの……」
wwwwwww
理解できねぇwwww
上条「……」
上条「……え」
上条「はあ!?」
上条「え、え、そんな馬鹿な!? どういうことだ!?」
御坂「責任とってもらうんだから」ニコッ
上条「嘘だ! 上条さんの宝刀はまだ未使用のはず……」ゴソゴソ
黒子「うわ……目の前で……最低ですの……」
上条「……」ピタッ
上条「あれ?」ゴソゴソ
黒子「?」
上条「……」ゴソゴソ
上条「あ~……なるほどね」
上条「無いわ」
上条「無いんです、あれが」
黒子「……」
上条「通りでな~……なんかさっきからこう……」
上条「清々しいもん」
御坂「……」
上条「なんか邪念が湧いてこない」
黒子「恐らく力を使い果たして消滅してしまったのでしょう」
上条「まあ別に女になったわけじゃないからな」
上条「今まで通り精一杯生きるよ」
御坂「え……でも……おしっことか……どうするの?」
上条「もともとあれがあったところにパイの実ぐらいの突起があるんだ。そこからできると思う」
御坂「そう……」
黒子「ですの」
上条「でもこれが俺の選択だ。悔いはないさ」
御坂「強いのね……あんた」
黒子「ですの」
上条「はは、でも御坂からしたら浮気防止ぐらいになっていいじゃないか」
御坂「もう!」カアア
上条「こんな竿無しの俺でもいいかな、美琴?」
御坂「……」
御坂「当たり前じゃない……」グスッ
御坂「幸せにしてもらうわよ馬鹿……」ポロポロ
上条「ああ!」
黒子「……」
黒子「なんですのこれ?」
完
ダメだろ
乙
Entry ⇒ 2012.03.28 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
勅使河原「好きだ赤沢!!」赤沢「えっ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332767370/
勅使河原「だから俺の彼女になってくれ」
赤沢「別に私あんたのこと別に好きじゃないし」
勅使河原「じゃ、じゃあ嫌いじゃないってこと?」
赤沢「嫌い」
勅使河原「」
みたいな
望月「ま、まあ……そんなに落ち込まなくても」
勅使河原「あまり見込みがあるとは思ってなかったが、こうハッキリ言われるとな…」
榊原「赤沢さんは勅使河原の何が嫌なんだろう?」
望月「そういう問題ではないと思うよ」
望月(だって赤沢さんは榊原君のことが……)
望月(勅使河原君の方はそれをハッキリと認知してるわけではなさそうだし)
勅使河原「……まだこんな事で諦める訳にはいかねえ。なあサカキ、望月」
榊原&望月「何?」
勅使河原「どうしたら俺は赤沢の彼氏になれると思う?」
榊原「……といわれてもなあ。赤沢さん美人だし、なかなかハードル高いんじゃないの?」
望月「そうだね。たぶん勅使河原君以外にも赤沢さんのこと好きな男子はいるだろうし」
榊原(中尾君とかね)
勅使河原「なぁ~なんか良いアイディアないか~?」
榊原「……そもそも赤沢さんは他に好きな人がいるって可能性はないの?」
望月(……この展開はマズい気が)
勅使河原「なるほど…そういうこともあるか」
勅使河原「よしっ!今度直接赤沢に訊いてみるか」
勅使河原「なんだ?望月。言いたい事があるのならハッキリ言えよ~」
榊原「う~ん、そういうことってそんな気軽に訊けるものかな?」
勅使河原「俺はもう一度振られた身だから怖いものなどないっ!」
望月「だから、なんというかそういう直情的というか考えなしというのは」
勅使河原「俺はバカだからな」キリッ
榊原「望月は……そういう所が赤沢さんに嫌われる一因になっているんじゃないか、と言いたいんじゃない?」
勅使河原「えっ?…そうなのか、望月」
望月「……否定できないね」
勅使河原「確かに、赤沢は俺よりずっと頭もいいしなあ」
赤沢「勅使河原に告られた」
杉浦「モテる女は辛いわね」
赤沢「……ま、まあ人並み以上には告られてるのかな、私って」
杉浦(否定しないんだ)
杉浦「で、返事は?」
赤沢「聞くまでもないでしょ?NOよ、NO」
杉浦「ふ~ん……」
赤沢「……何、その含みのある笑みは」
杉浦「何で断ったの?勅使河原君、良い人そうじゃない。バカだけど」
赤沢「私はバカは嫌いよ」
赤沢「あいつを振るのに何か考えがいる?」
杉浦「ま、確かに直接的にはそうね」
赤沢「……多佳子、その顔は何か企んでるわね」
杉浦「ま、私の考えは泉美があることを認めてからじゃないと、ね」
赤沢「どういうこと?」
杉浦「あなた、恒一君のこと好きでしょ」
赤沢「え」カァァ
杉浦(赤くなった……分かりやすい……可愛い…)
杉浦「別にわざわざ口で答えなくてもいい。顔を見ればすぐわかるし」
赤沢「そ……そう」
杉浦「…まあそれはいいとして、本題はここからよ」
赤沢「…」
杉浦「泉美は恒一君のことが好き。勅使河原は泉美のことが好き。そうよね?」
赤沢「そうね」
杉浦「このふたつは直接には何の関係もない。しかし……」
杉浦「正直言って、泉美は恒一君と一緒にいられることは少ない」
赤沢「否定できないわね……」
赤沢「……見崎さんとべったりだから……」
杉浦「その通り。普段恒一君と一緒に行動してるのは見崎さん、あなたじゃない」
赤沢「なんとなく話は見えてきたわ」
杉浦「じゃあ、その次に一緒に行動してるのは……」
赤沢「望月君と勅使河原。そう……言いたいのね?」
杉浦「そう」
赤沢「つまり……恒一君に接近するために勅使河原を利用しろと?」
杉浦「そういうこと」
杉浦「別につきあえと言っている訳じゃないわ」
赤沢「でも……」
杉浦「勅使河原と仲良くなれば、恒一君とも仲良くなれる可能性が高くなるのは確かだと思わない?」
赤沢「それはそうだけど」
杉浦「まあ、嫌だと思うのも分からなくはないけどね。他人の恋路を利用するって理由以外もあることだし」
赤沢「!」
赤沢「…否定はしないわ」
杉浦「まあ、私も得意じゃないけどね」
杉浦「これを機会に親睦を深めるっていうのもいいんじゃない?」
赤沢「……そうね。いきなりあの二人を引き離して私と……というわけにはいかなそうだし」
杉浦「そうそう」
赤沢「恒一君にしても……今の私は友達とすらいえないし」
杉浦「泉美……」
赤沢「わかった。多佳子の作戦に乗ってみるわ」
望月「あとやっぱりなんというか……物事には順序ってものがあるよ」
勅使河原「…と言いますと?」
榊原「いきなり彼氏彼女っていうのはハードルが高いって事?」
望月「うん……勅使河原君がどう思っているのかはわからないけど……」
勅使河原「けど……?」
望月「はたから見る限り、今のところ赤沢さんと勅使河原君はただの同級生だよ」
榊原「……友達ですらない、と」
勅使河原「おいおいサカキ、冗談は…………うわぁ、やめろ!二人して憐みの視線を俺に向けるな!」
榊原「どうやら本人と周囲でかなり認識に誤差があるようだね」
望月「とりあえず友達を目指す所から、じゃない?」
勅使河原「……そ、そうみたいだな……」ションボリ
勅使河原「おはよっす、サカキ!」ダキッ
榊原「なんだよ勅使河原、急に抱きつくな」
勅使河原「いやぁ、あの後慰めてくれてありがとな」
榊原「そ、それはどういたしまして」
勅使河原「よっ、望月。昨日はありがとよ」
望月「おはよう勅使河原君。…僕には抱きつかないんだ」
勅使河原「…なんか、抵抗あるんだよお前とそういうことするのは」
望月「何それ……」
杉浦「……来たわよ、ターゲットが」
赤沢「う、うん」
赤沢「勅使河原」
勅使河原「!おう……なんだ?もしかして昨日の返事を撤回しに……」
赤沢「それはないわ」キッパリ
勅使河原「ですよねー」
赤沢「……まあ、昨日はちょっと言い過ぎた所もあるし、謝っておくわ。ごめんなさい」
勅使河原「え?あ、いやいいってそんなこと」
赤沢「それと……」
「?」
赤沢「その……友達くらいならなってやってもいいわよ」
勅使河原「!」
望月(向こうからアプローチがあるとは想定外)
杉浦(……問題はここからね)
赤沢「まあ、あんただけって訳じゃないわ」
勅使河原「え?」
赤沢「望月君、榊原君も……私の友達になってくれるかしら」
勅使河原「おいおい、その二人にはお願いなのかよ……」
赤沢「あんたは自分の立場をわきまえなさい」
勅使河原「へ~い…」
望月&榊原「いいよ(…改まって言われると変な感じだけど)」
赤沢「それと……」スタスタ
赤沢「見崎さん?あなたも」
望月&榊原&勅使河原「!」
赤沢「…苦手意識があったのは確かよ。あなた自身、あまり人と積極的に関わる方ではないと思っていたし」
見崎「……そうね」
赤沢「でも、『いない者』を解かれて恒一君達と一緒にいるのを見て考えを改めたの」
見崎(……なるほどそういうことか)
赤沢「その…対策係としても、クラス内部での不信が増幅するのは好ましくない」
見崎「それで……私と友達にってこと?」
赤沢「そうよ」
見崎「……わかった」
望月&榊原&杉浦(これで第一関門はクリア……か)
見崎「榊原君、屋上……行こう?」
榊原「うん」
杉浦(ほら、泉美!)
赤沢(う、うん)
赤沢「恒一君、見崎さん」
見崎&榊原「はい?」
赤沢「その……良かったら……私も一緒に食べてもいい?」
榊原「え?僕はいいけど……見崎は?」
見崎「いいよ」
望月「いいの?赤沢さんあのままにして」
勅使河原「良いわけない!だから望月、お前も来るんだ」
望月「え~僕もなの」
勅使河原「いいからいいから」
スタスタ
勅使河原「ようサカキ!今日は両手に花で羨ましいことで」
榊原「そんなんじゃないよ。……勅使河原や望月も来る?二人が良ければの話だけど」
見崎「私は構わないわ」
赤沢(ここで断るっていうのも……勅使河原ひとりならまだしも……仕方ない)
赤沢「…いいわよ」
勅使河原「よっしゃ!」
杉浦(なんで私までここにいるのかしら)
赤沢(仕方ないじゃない、あっちがそう来られると露骨に恒一君目当てみたいで嫌だったの)
杉浦(…まあいいけど?)
勅使河原「おい望月、その唐揚げうまそうだな。ひとつくれよ」
望月「え~しょうがないな~ほんとはあげたくないんだけど」
勅使河原ヒョイッ パクッ「うめえ!やっぱお前の姉貴の作る弁当は最高だぜ!」
榊原(それよりいいの?勅使河原は赤沢さん目当てで来たんだろ?)
勅使河原(そうは言ってもなあ、今は杉浦と喋ってるし)
赤沢「あら、見崎さんはお弁当じゃないの?」
見崎「お母さん、あまり料理しない人だから」パクパク
榊原「そう。だから僕のを時々あげてるんだよ。見崎、これ食べる?」
見崎「うん」パクパク
赤沢(思わぬ地雷を踏んでしまった……)
勅使河原「いやあ、お熱いねえお二人さんは」
赤沢「あんたは黙ってなさい!」
勅使河原「すいません…」
勅使河原(今日は結構赤沢と喋れた気がするぞ…)
杉浦(泉美……これはなかなか道は険しそうね……)
榊原(赤沢さんと勅使河原……結構相性いいと思うけどなあ)
赤沢(ああ……結局恒一君とはあまり喋れなかった)
望月(はたから見てる分には面白い)
見崎(榊原君のお弁当はいつも美味しい…)
昼休みの屋上
赤沢「私はそういうデリカシーのない所が嫌いなのよ、勅使河原!」
勅使河原「なんだよ赤沢、思ったこと訊いたら悪いのかよ」
赤沢「悪いわ、あんたはまず喋る前に考える必要があるわ!」
赤沢(よりにもよって、恒一君と見崎さんのいる前で「好きな奴いるのか?」なんて訊くなんて……)
勅使河原「わ、悪かったよ。ごめんなさい。これでいいか?」
赤沢「いいわ。特別に許してあげる」
榊原(赤沢さんはなんであんなに怒ってるんだろう……?)
望月(勅使河原君、今のはまずかったよ……)
杉浦(今の状況じゃ、泉美に勝ち目がないからねえ……)
見崎(……)
教室
赤沢「あ~あ、なんだか全然恒一君と進展してない気がする」
杉浦「仕方ないよ。一緒にいるとはいっても、私も含めて他の友達もいるし」
赤沢「……思い出しても勅使河原と口喧嘩してるだけみたい」
赤沢「嫌だなあ……印象ますます悪くなりそうで」
杉浦「恒一君の様子を見てるとそうは思えないけどな」
赤沢「本当!?」
杉浦「うん……二人の様子を微笑ましく見守ってるよ」
赤沢「ますますダメじゃないの……」
中尾「……」
勅使河原「あ~…また赤沢の奴を怒らせちまった……」
望月「赤沢さんも言ってたけど、勅使河原は思ったことすぐ口に出るからね」
榊原「なかなか性格を直すっていっても難しそうだしなあ」
榊原「まあ、赤沢さんがカラッとした性格なのが幸いだね」
勅使河原「そう!その時はすごく怒るんだけど、後からグチグチ言ったりしないのよ」
勅使河原「そういう所も好きなんだよな~」
榊原「傍目には『ケンカするほど仲が良い』とも見えなくもない」
勅使河原「そうなのか!?サカキ。望月、お前はどう思う?」
望月「そう見えなくもないかな。お互い遠慮しないから」
勅使河原「そっかそっか~」
中尾「……」
赤沢(もっと二人の関係を深めるような出来事がないと)
赤沢(『いない者』同士だったことのハンデは大きい……)
赤沢(……自分で認めるのも悲しいけど、今の恒一君は私にあまり興味がない……)
スタスタスタ
中尾「赤沢さん」
赤沢「……」
中尾「赤沢さん」
杉浦「中尾君が呼んでるよ」
赤沢「え!?あ、ごめんなさい。何かしら」
中尾「赤沢さんと二人だけでお話ししたいことがあります。今日の放課後、あいてますか」
赤沢「あ、あいてるわよ。対策についての話かしら」
中尾「内容は後で話します」
赤沢「分かったわ」
杉浦(これはもしかして……)
教室
赤沢「何かしら、改まって話なんて」
杉浦(……気になるから覗きに来ちゃった……)
中尾「最近、よくみんなで屋上にお昼に食べに行ってますよね?」
赤沢「ええ、そうよ」
中尾「…今日気になって見に行ってみたんです」
赤沢「そ、そう……(あのケンカを見られてたのかしら)」
中尾「勅使河原にある事を質問されてましたよね?」
赤沢(やっぱりその話題か……)
中尾「ごめんなさい。聴いてました」
赤沢「でも、何故あなたがそんな事を気にするの?」
中尾「それは………………赤沢さん、あなたの事が好きだからです」
赤沢「え!?」
中尾「だから、赤沢さんが誰を好きなのかが気になって……」
赤沢「……ごめんなさい。私、全然気づいてなくて」
中尾「いや、それはいいんです。俺は勅使河原とは違いますから」
赤沢「口が先に出る訳じゃないから、か……」
赤沢「どっちにしてもあなたの気持ちには答えられないわ。……ごめんなさい」
赤沢「私が好きなのは、恒一君よ」
中尾「……いいんですか?今のままで」
赤沢「…どういう意味?」
中尾「赤沢さんと榊原の仲が進展しないって意味でもそうですが……」
中尾「……このままだと勅使河原の気持ちも弄ぶ事にもなりますよ」
赤沢「!……そうね。ご忠告ありがとう」
中尾「いえ……では対策係としてはこれからもよろしく」
赤沢「ええ……よろしく……」
杉浦(……)
勅使河原「なんということだ……油断していた……」
望月「どうしたの?」
榊原「中尾君が赤沢さんに告ったらしいよ。誰が広めたのか知らないけど噂になってる」
望月「へぇ~赤沢さんは何て?」
榊原「ごめんなさい、だったみたいだね」
望月「そうか、良かったね。勅使河原君」
勅使河原「いや、良くねえよ。赤沢はモテる。今回はお断りだったみたいだが、これからもこういうことがあれば……」
望月「大丈夫だよ」
勅使河原「何を根拠にそんなことを……」
望月(だって赤沢さんの本命は榊原君だし……)
榊原「?」
望月「ええと、いや……最近は赤沢さんとよく話しているし、以前よりは仲良くなってるっぽいから」
勅使河原「そうなのか?う~ん、自分じゃよく分からないんだよなあ」
榊原「今の二人は悪友って感じかな」
勅使河原「おいおい、それじゃあ俺が赤沢を悪の道に引きずりこんでるみたいじゃないか」
榊原「文字通りの意味じゃなくて、友達ってこと」
勅使河原「むむむ……まああまり考えても仕方ないか」
勅使河原「それよりこれからは夏休みだよ、夏休み!」
勅使河原「あ~、赤沢と海とか行きたいなあ……」
榊原「どのみち合宿はあるけどね」
プルルルルル…
榊原「はい」
勅使河原「朗報だよ!朗報!」
榊原「どうした?まさか赤沢さんと海に行く予定でもできた?」
勅使河原「そのまさかだよ!」
榊原「マジ?」
勅使河原「……まあ、まだ決まった訳じゃないけどな」
榊原「なんだ、驚かさないでよ」
勅使河原「この前言ってた、望月の姉貴の話、覚えてるだろ?」
榊原「ああ、災厄を止めたっていう」
勅使河原「そう、それ!」
榊原「確か松永さんの働いてるのがリゾートホテルで…」
勅使河原「それで、怜子さんが連れてってくれると……」
榊原「それに対策係の赤沢さんもついて来るってことね」
勅使河原「そう!」
榊原「なんだ、そういうことか。ん?でもそうなると」
勅使河原「杉浦と中尾も来るぜ!」
榊原「気にしないのか?振られたとはいえ恋敵だろ?中尾って」
勅使河原「いいんだって!そんなこと。むしろ振られたもの同士仲良くできるかもしれないぞ」
榊原「ハハハ……その根拠のないポジティブ志向は僕も見習いたいかもね」
赤沢(…このままだと勅使河原の気持ちも弄ぶ事になる、か……)
赤沢(……まあ、嫌いってわけじゃないんだけどね…)
赤沢(言いたいこと言えるっていうのも悪くはないけど……)
赤沢(でも、私は……恒一君のことが……)
赤沢(以前に会ったような気がするけど……)
赤沢(どうして私は……恒一君の事が好きになったのかしら……)
赤沢(……しかし、ややこしいメンバーで松永さんに会いに行くのね)
赤沢(何も考えてない勅使河原らしいといえばらしいけど……)
……
勅使河原「よっす!」
望月「おはよう、榊原君」
榊原「おはよう、勅使河原、望月」
ブルルルル…
バタン
赤沢「おはよう、恒一君」
榊原「おはよう、赤沢さん」
中尾「う、う~ん」フラフラ
杉浦「大丈夫?」
中尾「大丈、夫……ウッ」ダダッ
中尾「オエエエエ……」
榊原「そんなことないよ。意外とよく走るし」
怜子「意外は、余計~」
赤沢「ふ~ん……」
赤沢「勅使河原、あんたは私のクルマね」
勅使河原「はい!」
赤沢「中尾君はクルマに酔うから前ね」
中尾「はい……」
勅使河原(そして赤沢が隣に……)ポンポン
バタン
勅使河原(ありゃ)
スタスタ
バタン
榊原「ハハハ……」
ガチャッ ブオーン
怜子「ったく、チンタラ右走んないでよね」
望月「ヒッ」
赤沢「…人はみかけによらずってね……」
榊原「赤沢さんは見かけどおりって感じだね」
赤沢「ふぅ~ん、どんな感じ?」
榊原「強く、たくましい」
赤沢「え~私ってそんなにマッチョ?」
榊原「責任感の強い所とか、ね」
榊原「そ・ん・な・こ・と・な・い・よ」
赤沢「何よそれ。ムカツク」
榊原「時には仕返ししないとね」
赤沢(…なんというか半分は私の行いのせいだけど……恒一君て冷淡な所あるよね)
赤沢(私は見崎さんを目の敵にしていて……恒一君はその見崎さんが好き、か……)
赤沢(……)
……
勅使河原「おい、中尾。大丈夫か?」
中尾「まあ、今は何とか…」
勅使河原「具合悪くなったらすぐ言えよ?」
中尾「ああ……」
勅使河原「しかし、杉浦も大変だったな。朝から」
杉浦「私は別に」
勅使河原「そうか?今まで知らなかったけど、杉浦って意外と面倒見いいんだな」
杉浦「!……そ、そう?」
勅使河原「いや、俺がよく知らなかったっていうのもあるけどさ」
勅使河原「まあ……よく考えたら、そうじゃなきゃ対策係なんてやってないか」
中尾「……」
勅使河原「その、なんというか……風当たりの強い時もあるかもしれないけど」
勅使河原「これからもよろしく頼むよ、お二人さん!」
杉浦「うん……」
松永「ここにいたか」
怜子「!……なんでわかったの?」
松永「ここはホテルから一番近い浜だしな」
松永「携帯の電池、切れてたろ?電話したんだけど」
怜子「ありゃ…ほんとだ」
松永「……あの子たちは?」
怜子「……今年の3年3組の生徒よ」
松永「……あれからもう15年か……」
ビュゥゥゥゥ
「!」
中尾「まかせろー」
バシャバシャ
榊原「マズくない?」
中尾 手を振る
勅使河原「おい、脅かすなよ~。くだらないことするな~」
「ん?」
榊原「やっぱりなんか様子がおかしくない?」
勅使河原「俺がいく」バシャバシャ
榊原「僕も……」バシャバシャ
…
中尾「……」
中尾「…」グッタリ
勅使河原「サカキ!お前も来てくれ!一人じゃ…」
榊原「うん!」バシャバシャ
勅使河原「…意識がないみたいなんだ」
榊原「早く浜に連れて行こう」
バシャバシャ
松永「……遅れて済まない。この子の容体は」
榊原「意識がないみたいなんです」
勅使河原「…とりあえず、浜の地面に」
松永「そうだな、いち、に、さん」
勅使河原「よいしょっと」
榊原「……携帯で119番してくる!」
勅使河原「おう、頼む」
……
杉浦(中尾君…………)
勅使河原(……頼む、助かってくれ)
榊原(……もし勅使河原が中尾君の所に行くのが遅れていたら)
見崎(離岸流に流されて……)
赤沢(……助けることは不可能だったかもしれない)
望月(……まだ安心できる状況ではないけど)
松永(とっさの判断が功を奏したか)
怜子「中尾君のことは心配だけど……とりあえず……私たちはホテルに戻りましょう」
「はい……」
ブルルル……
赤沢「うぅ……私が……私が誘わなければ……こんなことには……」ポロポロ
勅使河原「それは違うぞ。そう自分を責めるな」
赤沢「でも……」
杉浦「……勅使河原君の言うとおりだわ。今回の事故は夜見山の外。まったくの偶然」
赤沢「対策係だからって言って……多佳子や中尾君も誘ったけど……」
赤沢「こんなことになるくらいなら……」
勅使河原「……誘った事自体を悪く思うなよ。中尾もたぶん……赤沢と海に行けて嬉しかっただろうしよ」
赤沢「それがダメなの!つい最近自分が振った相手なのにこんな無神経な……」
杉浦「…私たちは対策係なんだから、一緒に行って当然よ」
赤沢「私……中尾君に謝らないといけない……勅使河原にも……」ポロポロ
勅使河原「お、俺!?」
赤沢「私……あんたなら気にしないだろうと思って結構酷いこと言ってたし」
勅使河原「いや気にしてないから、大丈夫だから」
杉浦(完全に思考がネガティブスパイラルに陥っているわ……)
赤沢「多佳子にも……ごめんね、私が誘わなければ中尾君はあんな…」
杉浦「何故……私に謝るの?」
赤沢「多佳子、中尾君のこと気に入ってるみたいだったから……」
杉浦「!?」
赤沢「……薄々は……私が中尾君のこと振ったのもかなり早く知ってたみたいだし……」
勅使河原(なんか話が変な方向にいってないか?)
赤沢「ごめんなさい……私……あなたの好きな人を振ってしまって……」
杉浦「いえ、それは別にいいんだけど……」
杉浦「それに……泉美は恒一君の事が好きなんだし」
勅使河原「え?」
赤沢「!」
杉浦(ヤバ……これ勅使河原は知らなかったのか)
杉浦(あれから結局誰も喋らなくなってしまった……気まずい……)
赤沢(……私……余計な事を……)
勅使河原(……そうか、それでこの間赤沢は怒ってたのか……そうか…)
勅使河原(サカキが相手じゃな……諦めもつくさ)
勅使河原(まあ、仕方ないよな)
……
運転手「……着きましたよ」
勅使河原「あ……どうもありがとうございます。わざわざ家の前まで送ってもらって」
運転手「いえ…」
赤沢「勅使河原……」
勅使河原「え?」
赤沢「帰る時……慰めてくれて…ありがと」
勅使河原「あ、ああ……うん」
赤沢「え?」
勅使河原「お前も……その……気をつけて帰れよ」
赤沢「…わかってる」
勅使河原「杉浦も」
杉浦「うん……」
バタン
ブロロロロ……
勅使河原(さて……どうしたものかな……)
赤沢(大丈夫かな……中尾君……)
赤沢(帰りのクルマで泣いて……少しは落ち着いたのかな……)
赤沢(単純な女よね……私も……)
赤沢(多佳子と勅使河原に言いたい放題言っちゃったし……)
赤沢(言いたい放題、か……)
赤沢(そう言える相手の存在っていうのもありがたいのかもしれない……)
赤沢(私は……どうすべきなのかしら)
一週間後
コンコンコン
勅使河原「お~い、中尾~見舞いに来てやったぞ~」
望月「あ、あんまり大きい声出すと」
榊原「このくらいなら大丈夫だよたぶん」
中尾『…どうぞ』
ガラッ
杉浦「……具合は大丈夫?」
中尾「…おかげさまで起き上がれるくらいには」
見崎「…良かったわね」
赤沢「みんなのお見舞い品、とりあえずここに置いておくわね」
中尾「……ああ、ありがとう」
榊原「そうだね」
中尾「勅使河原が最初に助けに来てくれたんだっけな?改めてお礼を言うよ。ありがとう」
勅使河原「いや、俺はたまたま一番近くにいただけって言うか……サカキもすぐ来てくれたしよ」
望月「とりあえずこれに限っては勅使河原君のとっさの判断が効いたと思う」
榊原「そうそう」
勅使河原「そうなのか?」
赤沢&見崎&杉浦 頷く
中尾「……なんか癪だけどひとつ借りが出来ちまったな、勅使河原」
勅使河原「いいって、いいって。そのくらい」
杉浦「……病状はどうなの?退院はいつくらいになりそう?」
中尾「術後の経過にもよるって言ってたが……早くて1週間後くらいらしい」
赤沢「……思っていたより悪くなくて良かった…」
榊原「自分も春入院してたけど……過ぎてしまえば意外と早く感じるから、あまり気に病まなくていいよ」
中尾「入院患者先輩ならではの励まし、どうも」
榊原「入院患者先輩って……」
見崎「……あまり長居しても悪いし、先に何か伝えておいた方がいい事とかある?」
中尾「…いや、今は大丈夫だ」
中尾「ただ……赤沢さん、ちょっと後で話があるんだけどいいかな?」
赤沢「え?私?……構わないけど」
「?」
榊原「……じゃあ僕たちはこれで失礼するよ。また何かあったらすぐ電話してね」
中尾「はいはい」
見崎「…お大事に」
望月「早く元気になってね」
杉浦「……何かあったらすぐ行くから」
勅使河原「…あとは…赤沢とうまくやれよ……」ヒソヒソ
中尾「何か誤解しているぞ、勅使河原。そういう話じゃない」ヒソヒソ
勅使河原「え?違うのか?」ヒソヒソ
中尾「…だから気にするな」
勅使河原「…まあ、いいや。じゃあ、またな」
中尾「うん、またな」
ガラッ
中尾(ある意味誤解ではないがな……うまくやるのはお前だ、勅使河原)
赤沢「中尾君……話がどういうものなのか、わからないけど先に謝っておく。ごめんなさい」
中尾「えっ?」
赤沢「……私があなたを誘わなければ……こんなことにはなってなかったと思うから」
中尾「…赤沢さんは何も悪くないですよ」
赤沢「…これは私の気持ちの問題でもある……のかもしれない」
中尾「というと……?」
赤沢「一応対策係って名目はあるけれど……自ら振った男を海に誘う自分の無神経さに腹が立ってね」
中尾「赤沢さんは厳しいな、自分に対して」
中尾「どっちにしてもさ、もう謝ることはないよ。こっちが惨めになるだけだし」
赤沢「!……ごめんなさい」
中尾「だからそれ禁止」
赤沢「あ……はい…」
赤沢(何か要求をされるのかしら……)
中尾「まあ、その前に一応言っておいた方がいいか」
赤沢「?」
中尾「あの日、俺は朝階段から落ちて頭を打ったわけだ」
中尾「手術をしたとはいえ、打った事実が変わる事はない」
中尾「……いわば、今の俺は頭を打っておかしな状態にある」
中尾「もしこれから俺の言う事が妄言だと思うなら、適当に聞き流してくれ」
中尾「ただ、今の俺の思っている事そのままを言う。そこにウソ偽りは100%ない」
赤沢「……」
中尾「なあ赤沢、勅使河原とつきあう気はないか?」
中尾「俺はいいと思うんだけどな」
赤沢「え……いや、おかしいでしょ。話がおかしい。やっぱり中尾君頭を打っておかしく…」
中尾「確かに俺はこの前赤沢に告白した。見事玉砕したが」
赤沢「…ごめんなさい……」
中尾「これじゃあ恋敵を応援する行為だから、おかしいよなあ」
赤沢「そうよ。それに私は……」
中尾「別に本命がいるって?」
赤沢「……そう」
中尾「……榊原恒一君か」
赤沢「うん……」
中尾「成績優秀、性格も良さそうだし、料理もできる。おまけに親は大学教授ときたもんだ」
中尾「これでモテないほうがおかしい」
赤沢「……」
中尾「一方の赤沢も間違いなくモテてる。……俺も他の男子がお前に告ってるの見た事あるしな」
中尾「いわば、どっちも相手を選べる立場にあるわけだ」
中尾「でもさ……そういう立場にいると、どうしてもある事をやってしまいがちになる」
赤沢「…ある事って?」
中尾「こいつは顔が良くないからダメ、あいつは成績が悪いからダメ、そいつは背が低いからダメ、とかさ」
赤沢「……」
中尾「それで、条件に合ったごく少数の人間から恋人を選ぶ訳だ。とは言ってもモテる人間であればその中でも選択肢は多い」
中尾「それが悪いとは言えないさ。結局は条件をつけてるのは自分なんだから」
中尾「でも、そうやって除いていった結果残る人間が……本当に自分の好きなひとって言えるのか?」
中尾「赤沢にとって榊原恒一は……たまたま除いていって残った人間じゃないのか?」
赤沢「ち…違う……私は……」
赤沢「…好きになるのにいちいち理由なんていらないわ」
中尾「……そうかもな。……じゃあ赤沢と榊原、どこが、どの辺りが相性が合う?」
赤沢「!……それは……」
中尾「…恋人になるっていうのは、自分だけの問題じゃないからな」
中尾「いくら自分自身が好きでも、合うと思っていても……相手もそう思っていない限りは話にならない」
赤沢「……それはまた、別の問題じゃない?私が恒一君を好きでいるのは問題なの?」
中尾「いいや。ただ、お前自身も相手とどこに波長が合うのかも分かってないんなら、なかなか難しいんじゃないか?」
赤沢「……余計なお世話よ」
中尾「少し口が滑り過ぎてしまったかな。失礼…」
赤沢「私は……バカは嫌いよ……」
中尾「そうだったな、俺もバカは嫌いだ。嫌いだった。あるいは勅使河原をただのバカだと思っていた……」
赤沢「……」
中尾「でも、少なくともこの間はそのバカさによって俺は命を救われた」
中尾「…何も考えず、すぐ海に飛び込んでくれたから俺は今、ここで生きていられる」
中尾「俺は……お前も勅使河原によって救われてる部分があると思うんだ」
赤沢「私が……あいつに……?」
赤沢「緊張しすぎない……」
中尾「勅使河原は何も考えずに、良く言えば裏表なく誰にも話しかけるからな」
中尾「言葉の裏を読まないっていうのは、ある意味楽だろ?」
赤沢「まあ、確かにそうだけど……」
中尾「あと、ただのバカじゃないっていうのはだな……」
中尾「あいつ自身も自覚はしてないが、人間関係のバランス感覚っていうのかな……それが抜群に優れてる」
赤沢「随分持ち上げるのね」
赤沢「…確実に今より悪いわね…」
中尾「そういう意味では杉浦も含めた『対策係』も救われてるってことになるか…」
赤沢(勅使河原がいなければ、恒一君と一緒にいることすらおそらくできなかった……)
中尾「あとさ、あいつバカだから人を区別しないんだよ、良くも悪くも」
赤沢「そうね……(恒一君以外では見崎さんによく話しかけてもいるし…)」
中尾「その区別をしない勅使河原が……お前のこと好きだって言ってくれてるんだ」
赤沢「!……」
赤沢「……ありがとう」
中尾「え?」
赤沢「私、バカね……私は自分の事、自分でもよくわかっていなかったみたい」
中尾「…誰でもそんなものだよ」
赤沢「でも、中尾君もなんでこんな事を?これじゃあ……」
中尾「恋敵を応援してるみたいってか?まあ、あいつの真似をしてみただけだ」
中尾「そういえば、赤沢は知らなかったんだっけか。海に行くのは勅使河原にも誘われてたんだよ」
中尾「赤沢来るから一緒に来ないか?ってな。わざわざそんな事言わなくてもいいのに」
赤沢「何を?」
中尾「赤沢と勅使河原の様子をさ。たぶん勅使河原と一緒にいる時が一番可愛いぞ、お前」
赤沢「な!?か、可愛いって……」
中尾「本当のことだから仕方ないだろ?」
中尾「ま、そういう事だから、一度話をしてみたらどうだ?勅使河原と」
赤沢「うん。私……今から行ってくる!」
中尾「……行ってらっしゃい」
ガラッ
タタタッ
中尾(これで借りは返したつもりだ……あとはお前次第だよ、勅使河原……)
赤沢「勅使河原!」
勅使河原「どうした赤沢?そんなに急いで。中尾の用事は済んだのか?」
赤沢「ま、まあね」ハァハァ
杉浦(中尾君に何を言われたのか……この様子はもしや)
赤沢「勅使河原……」ゼーゼー
勅使河原「?」
赤沢「今から……時間ある?」ハァハァ
勅使河原「おう!赤沢のためなら無くても空けちゃうぜ!」
赤沢「そう……良かった……」
榊原(…さっき病室で何があったんだろう…?)
見崎(なるほど……これは……)
見崎「……そのようね」
榊原「?」
見崎「榊原君、行こう?」
榊原「え?あ、うん……」
……
公園
勅使河原「……少しは落ち着いたか?はい、これジュース」
赤沢「ありがと…」プシュ
ゴクゴクゴク…
勅使河原&赤沢「ハァー……」
赤沢「ハァ!?違うわよ」ジロリ
勅使河原「わ、悪い……でも二人きりで話したいとなるとそういう関係の話かと」
赤沢「まあ、間違ってはいないけど」
勅使河原「……じゃあ、何なんだ?」
赤沢「……なおしてもいいわよ……」
勅使河原「え?」
赤沢「考え直してもいいわよ……あんたの……その……告白の返事」
勅使河原「!?」
赤沢「あんたの彼女になってやっても……いいってこと…」
勅使河原「…これは夢か何かか」
赤沢「夢じゃないわ」ムギュッ
勅使河原「痛い!痛いですよ、ほっぺたつねらないでください赤沢さん…」
赤沢「だってあんたが夢とか言うから」
勅使河原「いや、夢じゃないのは分かったけど、どっちみち話が分からん……」
勅使河原「赤沢はサカキの事が好きなんじゃなかったのか?」
赤沢「私……ある人から『お前は値踏みしてる。榊原がその条件にあっただけなんじゃないか?』って言われた…」
赤沢「私……それを否定できなかった……くやしいけどね」
赤沢「それどころか……自分の好きな人なのに、どこが好きなのかも言えなかった……」
勅使河原「全部好きっていうのじゃダメなのか?」
赤沢「そういう答えもアリかもしれないわ……でも私にはその答えすら思いつかなかった」
赤沢「結局私の言う本命ってそんなものだったって事」
勅使河原「そうだな……強いところ?」
赤沢「…」
勅使河原「いや、違うな……強くあろうとしてるところ?」
赤沢「!」
赤沢(…やっぱり中尾君の言ってた事は正しかったのかな)
赤沢「ありがとう、勅使河原」
勅使河原「え?」
赤沢「……私の事、そこまでちゃんと見てくれる人……今までにはいなかったから…」
赤沢「ううん、違う」
赤沢「今まで私に告白してきた人は、みんな私の強いところが好きと言っていた」
赤沢「恒一君に私の印象を訊いた時も『強く、たくましい』と答えてた」
赤沢「……本当は、私……別に強くなんかないのに……」
赤沢「自分の弱さを認めたくないから……強がってるだけ」
勅使河原「……」
赤沢「勅使河原……本当は…私、弱い子だけど……それでもイイの?」
赤沢「え?」
勅使河原「もう認めてるじゃん、自分の弱さを」
勅使河原「それに……強くあろうとしてるだけじゃなくて、実際に強くなってるんだと思う」
勅使河原「…それって努力してるってことだろ?」
勅使河原「だから……赤沢は弱くなんかないよ」
赤沢「勅使河原……」
勅使河原「そういうところが……俺が赤沢を好きな理由、かな」
勅使河原「な、なぜ?」
赤沢「…こんなバカに慰められるなんてさ。こんなバカが一番私の事理解してるってどういう事?」
勅使河原「…あまりバカバカ言わないでくれ……さすがの俺も少しは傷つくっていうか」
赤沢「いいえ、あなたはバカよ。他人の事あまり言えないけど。でもね……」
赤沢「そういうバカなところが私は……好きよ」
勅使河原「!」
勅使河原「好き勝手喋り過ぎ……とでも言うのか口が暴走してるとでも言うのか…」
赤沢「もう全部壁がぶっ壊れちゃったのよ。あなたに対しては」
赤沢「ま、もともとその片鱗がなかったとは言えないか」
赤沢「勅使河原にはあまり遠慮しないで喋っていたし……」
赤沢「その時は今のような状態になるとは想像してなかったけど」
赤沢「もうあなたに対しては何を言っても怖くない」
赤沢「だって、そういうところも含めて私の事好きって言ってくれたんだから」
勅使河原「お、おう…」
勅使河原「え?あの時はバタバタしてたし特に理由もないんじゃ」
赤沢「私ね、恒一君とは同じクルマには乗りたくなかったの、あの時は」
勅使河原「なんで?」
赤沢「……弱い私を見られたくなかったから……」
勅使河原「…サカキだったら別に見られてもお前の事嫌いになったりしないと思うけど」
赤沢「これは私の気持ちの問題なの」
勅使河原「そ、そうですか……」
赤沢「自覚はなかったけど……でもたぶん勅使河原の事を信じてたから…」
勅使河原「俺の隣に座ったと?」
赤沢「…今から思えばね」
杉浦(その恒一君にもバッチリ見られちゃってますが……)
榊原(……とりあえず雰囲気は良さそうでなにより)
見崎(…これいつまで見てないといけないのかな)
榊原「ま、まあ僕たちはこの辺で退散しようか」ヒソヒソ
杉浦「そうね」ヒソヒソ
ガサゴソ…
……
勅使河原「予行彼氏?」
赤沢「あまり最初から甘やかすと堕落しそうだから、あなたは」
勅使河原「俺、信用されてるんじゃなかったの?」
赤沢「アメとムチよ、アメとムチ。それとも……私のムチは嫌だったかしら?」
勅使河原「いえ、とんでもないです!是非お願いします!」
赤沢「あんた……比喩だって分かってる?」
勅使河原「え?」
イノヤ
榊原&見崎&杉浦&望月&望月姉「おめでとう!」
勅使河原「みんな、ありがとよ!」
赤沢「なんだか恥ずかしいわ……」カァァ
勅使河原「紅くなってる顔も可愛いよ、泉美」
杉浦「泉美!?」
赤沢「なっ馴れ馴れしいわ、このバカ!」
勅使河原「ハハハ。どうせ俺はバカですよ~バカな所が好きなくせに」
見崎(なんだか熱い……)
榊原(最初見た時はどうなることかと思ったけど……良かった良かった)
勅使河原「今は予行彼氏なんだろ~?抱擁の練習もしないとなあ」
赤沢「ほら今もベタベタ触り過ぎなのよ。ちょっと離れなさい」ガンッ
勅使河原「泉美の肘鉄……これもまたご褒美」
杉浦(完全にバカップルね)
榊原(完全にバカップルだ)
望月(完全にバカップルだね)
見崎(はいはいバカップルバカップル)
望月姉「……二人の馴れ初めをちょっときいてもいいかしら?」
勅使河原「!……そうだ、いいこと思いついたぞ、泉美!」
赤沢「あんたがそういう時って大抵ロクでもない……」
勅使河原「ここで実演すればいい!」
赤沢「やっぱりロクでもなかった」
勅使河原「それでですね、まずここは朝の教室で、赤沢さんがやって来る訳ですよ」
勅使河原「それで……」
勅使河原「好きだ赤沢!!……っとこう俺がまず告白を」
赤沢「……私も好きよ…………直哉」
おわり
本当に乙でした
Entry ⇒ 2012.03.28 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「四条貴音、6歳……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332482669/
たかね「……」
P「ったく、何処に行ったんだ……」
たかね「……」
P「仕方ない、カップヌードルは俺一人で食うことにしよう」
たかね「!!」
P「二つ買ってきたから、どっちも俺のものだな!」
たかね「……あ、ああ……」
P「……」
たかね「……あなたさまーっ」トテトテ
P「よーし捕まえたぞー」ガッシ
たかね「な、なんとっ!」
P「予防接種まだなんだから……」ズルズル
たかね「いやでございます!ちゅうしゃはいやです!」イヤイヤ
P「はいはいすぐ終わるからな」
かわいい
P「ああ」
たかね「あっちのほうがおおきいのです!うえにおいてあるほうがおおきいのです!」
P「そうだな」
たかね「なんと……いままできづきませんでしたが、あっちのほうがこすとぱふぉーまんすにすぐれるわけでございますね」
P「うん」
たかね「あなたさま、わたくしあれがいいです」
P「自分で取れ」
たかね「なんとっ!むむむ……しかし、わたくしではとどかないので……」
P「そうだね」
たかね「どうしたものか……うむむ……」
P「まず買わねーよ」
たかね「な、なんと!」
P「カップラーメンは一週間に一度だけだぞ」
たかね「いっしゅうかん……めんような……」
たかね「!?あ、あなたさまっ?」
P「やった!やったぞ!うっひょひょーい」
たかね「どうしたのですかっ、なにがおきたのですかっ?」
P「いぃぃぃぃやっほおー!たかね!いやっほーう!」ガッシ
たかね「うれしいのですね!あなたさまっ、うれしいのですね!」キラキラ
P「あははははは!」グルグル
たかね「ふふっ!あはははは!」グルグル
P「花粉症治まったー!」グルグルグルグル
たかね「あはははははは!あなたさまーっ!」グルグルグルグルグルグルグルグル
P「あははは、は、うわー!!!」ガッシャーン
たかね「あはははー!あなたさまがとんでるー!」ケラケラ
P「うわああああああああああああああああああああああああ」ゴロゴロ
たかね「あはははははははははは!」ゲラゲラ
たかね「あなたさまー!」
P「なんだなんだ」
たかね「ふふふ……」
P「……」
たかね「ふっふっふっ……」
P「……なんだよ」
たかね「……」
P「……」
たかね「……??」
P「おい」
たかね「わたくしは……なにを……?」
P「痴呆かこいつ」
P「んー?」
たかね「まえが……まえがみえない……」ヨロヨロ
P「あーあー、いい加減服くらい一人で脱げるようになれよ」
たかね「んー、ぷはあ……」パチパチ
たかね「……おお、ぱちぱちします……」フワフワ
P「髪がヤバイことになってんな……静電気か」
たかね「なにかわたくしにふしぎなちからが……?」プワプワ
P「ねえよ、とっとと服着ろ」
たかね「あなたさまはいけずです……」プクー
たかね「おそとでたべる……?まさか、ばぁべきゅぅ、というやつでございますかっ」キラキラ
P「違う、外食するってことだ」
たかね「ああ、がいしょく、でしたか……」
P「……」
たかね「がいしょく……がいしょく……」
P「……」
たかね「わたしのきおくによれば……それは……」
P「……」
たかね「とても……むつかしい……」チラ
P「……」
たかね「えーっと……とても、めんような……」チラ
P「……」
たかね「…………ああ、なるほど、がいしょく、でございますね?」チラチラ
P(こっち見んな)
たかね「……しっております」
P「うそつけ、わかんないんだろー」
たかね「しっております!わたくしは、がいしょくのえきすぱぁとでございます!」エッヘン
P「ほー、じゃあ何だ、言ってみろよ」ククク
たかね「むー……え、えっと」ウーン
P「うんうん」
たかね「……」ウーンウーン
P「おー?」
たかね「……」ウーンウーンウーン
P「くっくっく……」
たかね「……はっ!」ピキーン
P「お、わかったか?」
たかね「あなたさま、おなかがすきました、はやくごはんを……」グゥー
P「!?」
P「どうした」
たかね「おりいって、そうだんがあるのですが……」
P「相談?なんだ?」
たかね「わたくし、しょうらいなりたい、ゆめがあるのです」
P「ほほー、将来の夢、か」
たかね「はい……ですが、わたくしだけでは、なんとも……」
P「なんだ弱気だなたかね」
たかね「だからこそあなたさまにごきょうりょくを……」
P「おう、いいぞ、なんでも言ってくれ」
たかね「わたくし……」
P(まさかたかねに将来の夢なんてできるなんてなー……)
たかね「ぷりきゅあに」
P「無理」
たかね「……な゛ーっ!」
たかね「!……ありましたっ」
たかね「こんなところにかくしてあったとは……あなたさまもいけずでございますね」
たかね「さあ、さっそくたべることにしましょう」
たかね「おゆをいれて……おゆ……」
たかね「きっちんは、かってにつかってはおこられますし……」
たかね「……むむむ」
たかね「……はっ!」ピキーン
たかね「しゃわあからおゆがでるではありませんか」
たかね「それをつかうことにしましょう」トテトテ
5分後
P「……」
<ア゛ー
P「!?」
たかね「……」
P「……話せ」
たかね「……あの、かっぷらぁめんが……」チラ
P「……」
たかね「かっぷらぁめんが……とつぜんわたくしのまえにでてきて……」チラチラ
P「……」
たかね「……うぅ」ウルウル
P「……」
たかね「……わ、わたくしがやりました……」ウルウル
P「おしりぺんぺんだな」
たかね「な、なんと!」
スパーンスパーン
\めんようなーっ!/
P「ん、んー……どうした……まだまっくらだぞ……」
たかね「あの、わたくし……あの……」モゾモゾ
P「あ゛ー……なんだ……?早く言ってくれ……」
たかね「おといれにいきとうございます……」モゾモゾ
P「ああ……トイレな……うん、んー」
たかね「あなたさま……」モゾモゾ
P「うん、わかってる、トイレね、うん……」
たかね「……」モゾモゾ
P「うん、トイレ……トイレ……zzz」
たかね「……あなたさま」
P「うーん……zzz」
たかね「……めんような」
たかね『うぅ……』
P『罰としておしりぺんぺんだ』
たかね『な、なんと!』
P『ほーら、はやくこっちこい』
たかね『い、いや……いやでございます……』
P『ほーらほーら』
たかね『い、いや』
P『ほーらほーらほーらほーら』
たかね「めんような!」ガバッ
たかね「……はっ!」
たかね「ゆ、ゆめ……」キョロキョロ
たかね「……ほっ」
P「シーツびちゃんこやけどなんぞこれ」
たかね「……めんような」
たかね「そ、それは……」
P「あ、わかったぞ」ピコーン
たかね「!!」
P「お前まさか……」ニヤニヤ
たかね「ちがいます!だんじてちがいます!」ポコポコ
P「おばけが怖いんだろー」ニヤニヤ
たかね「ちがいます!こわくなんてないです!」ポコポコ
P「ははは、6歳なのにー、たかね6歳なのにー」ニヤニヤ
たかね「こわくないです!ろくさいだからこわくないのです!」ポコポコ
P「ははは、わかったわかった、わかったから叩くのをやめろ」ニヤニヤ
たかね「うぅー!てっかいしてください!ぜんげんてっかいしてください!」ポコポコ
P「ははは、やめろってー」ドゴボキィ
医者「全治2ヶ月です」
P「マジか」
ぬこ「なんじゃこいつ……」
たかね「……」ジー
ぬこ「なにみとんねん……いてこますぞわりゃあ……」
たかね「……」ジー
ぬこ「なんじゃ……やんのかこらあ……」
たかね「……」ジー
ぬこ「おらあ……いつまでもみとんちゃうぞこちとら……」
たかね「……」ジー
P「おーいたかねー」
ぬこ「でけーやつ来た……」
たかね「あなたさま……わたくしついにねことかいわができるようになりました……!」キラキラ
P「あー、そいつ話す猫だから、別にお前が話せるようになったわけじゃないから、ほらいくぞ」ガッシ、ズルズル
たかね「なんとっ!……めんような」ズルズル
ぬこ「あー……いってもうた……」※話せません
たかね「おお……すばらしい!」
たかね「つけめん……めんような……」
たかね「なんと!にぼしをつかったぎゃかいけいすぅぷ……!」
たかね「じかせいにくあつちゃぁしゅぅですか……たまりません」
たかね「ぼりゅぅみぃなとんこつこってりもいいです……」
P「ふんふふーん……あ!おいたかね!」
たかね「ぎく」ビクン
P「またお前は!そんな近くでテレビ見んな!すぐ目が悪くなるぞ」ガッシ
たかね「う、うぁー」ズルズル
P「次やってみろ、わかってるな?」
たかね「……ごくり」
2分後
たかね「なるほど……!あとのせさくさく……!」
P「たかね髪のびてきたなあ」
たかね「かみ……のびました」
P「久々に切りに行くか」
たかね「だめです!のばすのです!」
P「伸ばすって……どの位伸ばすんだ?」
たかね「えぇと……いっぱい……?」
P「えー……長いと洗うの面倒なんだよな」
たかね「のばすのです!つきにとどくまで!」
P「なにそれ洗うの超めんどくさい……お前自分で洗えよ」
たかね「それはできません、あなたさまがあらってくださいまし」フンフン
P「なんでそんな生意気なの」
P「氏ね……夏氏ね……」
たかね「あなたさま、こうえんにでかけましょう」
P「公園……行くか公園」
たかね「はい」
公園
P「ああ……結構涼しいかも」
たかね「そうでございますか」
P「……お前、手つめたいなあ」ヒンヤリ
たかね「そうでございますか」
P「ああ……元気出た」
たかね「そうでございますか」
P「よーし……ブランコまで競争よーいどん!」ダッ
たかね「なんとっ!おまちに!あなたさまはいけずですーっ!」タッタッタ
たかね「ひきょうでございます!ひきょうもの!」ポコポコ
P「げへへ、はぁ、なんとでも、ひぃ、言え……勝てば官軍……はぁ、はぁ……」ゼェゼェ
たかね「むむむ……ではつぎはすべりだいまできょうそうです!」
P「え、ちょっと」
たかね「よーいどんでございます!」ダッ
P「ま、待て!ち、っくしょ」ダッ
たかね「ずるいです!あなたさまはずるしております!」ポコポコ
P「ハッ、ハッ、ず、ずるなんて、ハァ、してねえよ……っ」ゼェゼェゼェゼェ
たかね「しかとこのめでみました!しばふははいってはなりません!」ポコポコ
P「そんな、ゲホッ、ルールありませーん……ハァ、ハァ」ゲッホゲッホ
たかね「あそこにかんばんがあります!いぜんあなたさまからおしえていただきました!」ポコポコ
P「あれは、嘘、だからな……」ゼェゼェ
たかね「な、なんと!」
たかね「……!」ピコーン
たかね「それではあのじゃんぐるじむまできょうそうです!」
P「な、もう終わりで……」
たかね「すたぁと!」ダッ
P「待ってえ……待ってえ……」ヨロヨロ
たかね「もう!おとなげないですあなたさまは!」ポコポコ
P「ゼェ……ゼェ……」コヒューコヒュー
たかね「つぎはあのぞうさんまでですよーいどーん!」ダッ
P「くそっ、たれえ……」ヨロヨロ
医者「全治3ヶ月です」
P「ふざけんな」
P「ん?何描いてんだ?」
たかね「すずめでございます」カキカキ
P「へぇーあんなちょこまかうごいてるもんよく描けるなーどれどれ」チラ
たかね「うごきあるものだからこそ、かきかたもじゆう」カキカキ
P「……」
たかね「じゆうだからこそ、とらえかたもせんさばんべつ」カキカキ
P「またなんかのテレビに影響されたな」
たかね「ばかな、わたくしのじろんでございます」カキカキ
P「カッコイイこと言ってっけど君絵ヘッタクソやなー」
たかね「なんとっ!」ガーン
P「ま、せいぜい精進したまへ」
たかね「わたくしのぷらいどがー!」
たかね「??なにか……?」トテトテ
P「アリの巣だよ、見てみ」
たかね「!!こ、これはっ」キラキラ
P「なんだ、知ってるのか」
たかね「これこそ、わたくしのもとめていたものでございます!」キラキラ
P「ほー」
たかね「こんな……ちいさきものだってとは……っ!」
P「うんうん」
たかね「これが……あいのす……」キラキラ
P「違う」
P「……」
たかね「……」
P「入るか、たかね」
たかね「……うっ」フラフラ
P「……」
たかね「おなかが、おなかがいたいでございます……」チラ
P「……」
たかね「お、おなかが……」チラチラ
P「……」
お化け屋敷「早く入れよ」
たかね「あの……えっと……」チラチラ
P「……」
たかね「……あたまも?」チラチラ
P「……」
P「うははははは!!」ッパ
たかね「!!あなたさまー!どこにおられますか!たすけてください!あなたさまー!」
P「おっと、うっかり手を離しちまったぜ」
たかね「いやああああああああああ!あなたさまあああああああああああ!」ギャーギャー
お化け「あ゛ー」
たかね「ああああああああああああああああああああああああああ」
P「ぎゃはははははははははは!!ひぃー、笑い死ぬぅ!」ケラケラ
お化け「あ゛ー……え、ちょ、痛、ぎゃあああああああああああ!」
P「え」
貴音「……」スタスタ
P「え?」
貴音「賊は去りました、行きましょう」スタスタ
P「え?誰?」
たかね「なりません!のばすのです!」
P「いやいや、前髪を伸ばす必要はないし、切らないと前が見えないだろ」
たかね「そんなことはありません」
P「あるって、俺が切ってやるよ」シャキーン
たかね「のばすのです!きってはなりません!」
P「だから前髪だけだって、な?」
たかね「むむ……ならば、まえがみだけならば……」
P「よしよし、すぐおわるからな」ジョキジョキ
たかね「ああ……さらば、わたくしのまえがみ……」
P(……あ、やべっ)
たかね「きっと、あなたさまがきれいなまえがみにしてくれるとしんじております」
P(なんかおかっぱみたいにパッツンになった、まあいっか)
たかね「ぱっつんだけはないと、しんじております」
P「……」
たかね「ほとんどおわっております」エッヘン
P「早いな……俺なんて最終日まで残ってたぞ」
たかね「あなたさまはむけいかくなのですね」
P「……6歳児に言われるのはムカツクな」
たかね「わたくしはなつやすみにはいるみっかまえからけいかくをたてておりました」
P「ほー」
たかね「あとはあなたさまが『あさがおのかんさつ』をやってくれれば」
P「俺にやらせんな」
たかね「……ではこの『まいにちのえにっき』を」
P「俺にやらせんな」
たかね「……わたくしはいそがしいのですが」ハァ
P「ガキが言うな」
たかね「!!それはまことですかっ?」
P「ああ、だから準備しろ」
たかね「ふふふ、うみ……うみ……」キラキラ
P「置いてくぞ」
たかね「ま、まってくださいましっ」ダッ
P「あれ?お前うきわは?」
たかね「あのようなもの……もうひつようありません」
P「ほー」
たかね「あのようなものは……おこさまようなのです」
P「へー、たかねは?」
たかね「わたくしはもうろくさいです!」
P「お子様じゃねーか」
たかね「かに!」
P「捕まえた!」
たかね「おお!さすがですあなたさま!」
P「たかねも持ってみるか?」
たかね「もちます!もってみます!」
P「気をつけろよ、挟まれると痛いぞ」
たかね「ふふ、わたくし、このてのいきものはとくいぶんやです」
P(何言ってんだこいつ)
P「じゃあはい、後ろからココを持つんだぞ」
たかね「はいっ!では、もちます!はっ!」ガシ
P「違うそこじゃない」
蟹「おら」ハサミ
たかね「あ゛ー!いたい!たすけてくださいまし!」ブンブン
P「あーあやるとおもった」
P「焼けたなーたかね」
たかね「やけた……?」
P「肌が黒くなったなあ」
たかね「おお……そういえば……」キョロキョロ
P「こりゃ今日の風呂は地獄だな」
たかね「おふろがじごく……?はっ!ま、まさか!」
P「お?」
たかね「じごくゆ……?」
P「……」
たかね「……」
P「……」
たかね「……いたいのですか?」
P「さあ……?」
たかね「あめのひは……たしか……」
P「おーいたかねー」
たかね「!」ビク
P「こっちきてみ」チョイチョイ
たかね「……なぜてをうらでくんでるのですか」ススス
P「ん?いや……大して意味はない」ススス
たかね「……このあめのなかどこにいっていたのですか」スススススス
P「ん?いや……大して意味はない」スススススス
たかね「……なぜほおをゆるませているのですか」ススススススススス
P「ん?いや……大して意味はない」ススススススススス
たかね「……」ダッ
P「ん?いや……大して意味はない」ポイッ
カエル「うーっす」ピョン
\めんようなーっ!/
/ ⌒ ⌒ ヽ
/ ( ●)(●) |
| (__人__) } うーっす
/、. ` ⌒´ ヽ
/ |
| | /
ヽ_| ┌──┐ |丿
| ├──┤ |
| ├──┤ |
P「へー、たかねの友達か、楽しみだな」
たかね「そうでございますか、しかし、おうちにまねくのも、おてもなしもしたことがないので……」
P「おもてなしな」
たかね「お……おもなてし……」
P「おもてなしな」
たかね「そんなことはいまはいいのです」
P「いいんかおい」
たかね「して、おもしなてのことなのですが」
P「よくないね」
たかね「むむむ……あなたさまはいけずです……」
P「そうだね」
たかね「はい、どうぞあがってください」
??「はぁい、お邪魔しま~す」
たかね「あなたさまー、おともだちをおつれしました」
P「おー、どれどれ」
??「あ、こんにちわ~」
P「はいこんちわ……?」
あずさ「私、三浦あずさと申します~」
P「……あのー」
あずさ「はい?」
P「失礼ですけど、おいくつですか……?」
あずさ「……あらあら」
P「……?あ、あの」
あずさ「うふふ」
P「……はい」
たかね「……?わたくしのおともだちですが……」
P「おい!友達=同年代くらいに考えてたぞ俺は!」
たかね「ですが、わたくしのおともだちですが」
P「……あの人いくつかわかるか?」
たかね「はい……たしか、にじゅう」
あずさ「あらー?たかねちゃん~?」
たかね「……」
P「……」
あずさ「うふふ~……」
たかね「……」
P「……」
たかね「……とっぷしぃくれっと、でございます……」
P「……」
P「はあ……そうっすか」
たかね「じゃんぐるじむのてっぺんでこまっていました」
P「……」
あずさ「たかねちゃんがいなかったら、ブランコまで辿り着けなかったわ~」
P(え!?)
たかね「いえ、それくらいあさめしまえのことですよ、あずさ」
P(呼び捨て!?)
あずさ「ところでPさんってカッコイイですね~」
P(うわこっち来た)
あずさ「私と結婚しませんか~?」
P「なんだこいつ」
たかね「わたくしはたのしゅうございました」
P「お前はな……俺はもう会いたくないわ」
たかね「そうでございますか……」
P「……」
たかね「あずさは、わたくしのおうちにいきたいと、つねづねいっておりましたから……」
P「……そりゃまたなんでだ」
たかね「さあ……わたくしにはわからないのですが……」
P「そもそもお前らに付き合いがあるっておかしくねぇ?」
たかね「そうでしょうか……?」
P「うーん……そう思う」
たかね「そうですか……」
P「ほら、年の差を感じるとことかあんだろ?」
たかね「たしかに……あなたさまのおはなしをしたところ、めのいろをかえてしつもんぜめにされました」
P「絶交しろ」
たかね「はい」
P「あれがアルタイル」
たかね「はい」
P「あれがベガ」
たかね「はい」
P「……」
たかね「……えっと、あれが、でねぶ、あるたいる、べが」
P「……」
たかね「あれが、でねぶ……あれ?あれが、あるたいる……」
P「……」
たかね「べが、あるたいる……」
P「……」
たかね「あれがでぶ……?」
P「お前見えてないだろ」
P『おーいたかねー』
たかね『あ、あなたさまー……』
P『何泣いてるんだ!今日が何の日か知らないのか!』
たかね『きょうが……なんのひだというのですか……』
P『今日は、ラーメン祭りだー!』
たかね「そ、それはまことでございますかぁっ!」ガバ
P「暑い……zzz」グースカピー
たかね「ま、まことですか!?きょうは、らぁめんまつりだというのですかっ!」ユッサユッサ
P「うぅん、なんだぁ……?」ガクガク
たかね「きょうはらぁめんまつりだとおっしゃいました!おっしゃいましたじゃありませんか」ユサユサ
P「うん……そういうことで……zzz」スピー
たかね「はぁー……らぁめんまつり……なんといいひびき……」キラキラ
時計「まだ4時だぞハゲ」
俺ハゲじゃないけど
たかね「……」プクー
P「カレーだカレーだやっほっほい!」ズンズン
たかね「……」プイッ
P「ほらー!たかねカレーだぞおー」ズンチャズンチャ
たかね「……む」ウズウズ
P「カレーだカレーだやっほいほい!」ズンズン
たかね「……か、かれぇ」ウズウズ
P「カレーだカレーだやっほいほい!!!さん、ハイ!」ズンズン
たかね「か、かれぇだかれぇだやっほいほーいっ」トテトテ
P「やっほいほいのーやっほいほーい」ズンズン
たかね「ほいほーいっ」トテトテ
P「マジちょれぇ」
たかね「おとなりさん……ですか」
P「ああ、おつかいだ」
たかね「……おとなりさんは、ちょっと……」
P「なんでだよ、いっつも遊んでもらってんじゃん」
たかね「う、うぅ……し、しかし……」
P「いいからいってこい、ほら」
たかね「それでは、いっしょに……」
P「おつかいだって、ひとりでいってこい」
たかね「……あなたさまはいけずです……」
P「はいはい、ごー」
たかね「うぅ……」トテトテ
たかね「……はっ!」ピンポーン
インターホン『…………ガチャリンコ、はーい』
たかね「あ、あのっ、しじょうたかねですっ」ワタワタ
インターホン『あ!お姫ちん!まっててすぐ行くーガチャリンコ』
たかね「あ、えっと、つまらないものですが、おつかいですからっ」
インターホン『……』
たかね「わたくし、いそがしいみでありますのでっ、これからもおはなのしゅぎょうが……」
インターホン『……』
たかね「これから……えっと、らぁめんぱぁてぃがあるので、ここにおいておきます、でわ……」ダッ
亜美「お姫ちんヤッホ→!」ドアガチャーン
たかね「な、なんとっ」ガシ
真美「にっしっし~、まああがっていきなよ~ほらほら~」ズルズル
たかね「あ、あなたさまー!」ズルズル
真美「絶対編みこみ!」
たかね「う、うぁ……」グイグイ
亜美「も→!お姫ちんにはツインの素質があるのに!」
真美「編みこみのほうが可愛くなる!絶対!」
亜美「ちっち、可愛くなんて古い古い!これからはあだるてぃ~なのが流行るんだから」
真美「こんなにすべすべの髪は編み込みしなきゃ絶対損だよ~!」
たかね「かみのけはいいのですっ、やめてくださいましっ」グイグイ
亜美「編みこみなんてダサいの!」
真美「なんだと~!ツインテールなんて2次元の話だYO!」
亜美「ううう~!」
真美「むむむ~!」
たかね「あなたさまーっ!わたくし、たすけてくださいましーっ」バタバタ
真美「真っ白のワンピースに麦わら帽子!」
亜美「真美センスがキモい!」
真美「亜美こそエロエロだよ!」
亜美「いいの!お姫ちんはエロエロな小悪魔スタイルでやってくんだから!」
たかね「え、えろえろ……?」
真美「駄目だよ!そんなの変態さんだよ→!」
亜美「こういうのが今モテるんだから!真美はセンスが古い!」
真美「むかっ!白のワンピースには古き良き歴史があるんだYO!」
たかね「ふるきよき……?」
亜美「オタクっぽい!」
真美「亜美のほうこそ!ただのビッチじゃん!」
亜美「なにを~!」
真美「なによ~!」
たかね「じゆうが……じゆうがほしい……」
たかね「な、なにを、なにをするのですっ」
真美「は→い、暴れないでね~♪」ガシ
たかね「!や、やめなさいっ!はなしなさいっ」バタバタ
亜美「すぐ終わるからね~♪」
真美「兄ちゃんきっとびっくりするYO!」
たかね「た、たすけてくださいっ、あなたさまあっ!」
??「待ちなさい!」
亜美真美「「!!」」
たかね「!!あ、あなたは……っ!」
??「まったく……何してるかと思えば……」
亜美真美「「ね、姉ちゃん……」」
伊織「……にひひ!私も混ぜなさいよね!」
たかね「いやあああああああああああ」
たかね「……」
P「なんだその格好は……」
たかね「……」
電子レンジ「説明しよう!たかねは伊織亜美真美によって猫耳(トラ)スクミズオーバーハイニーソックスにくきゅうミトン+尻尾
そしてコテコテの80年代宝塚メイクを施された世にも奇妙な22世紀モンスターと化してしまったのだ!」
P「……」
たかね「……」
伊織亜美真美「プークスクス」
P「……」
たかね「……ただいま、にゃん」ニャンニャン
伊織亜美真美「ゲラゲラヒッー」ゴロゴロ
たかね「……にゃんにゃんにいやんだいすきにゃん」ニャンニャン
P「……100倍返ししなきゃだな」ナデナデ
伊織亜美真美「!?」ビク
真美「あ゛ー……」ピクピク
伊織「んあー……へあー……」ビクンビクン
たかね「……」ブルブル
P「おら、出てけオラ」ゲシゲシ
亜美真美伊織「んあー!」ゴロゴロ
たかね「……いんがおうほうでございます」
P「風呂入って寝よか」
たかね「そうしましょう」
P「服を買いに行く」
たかね「ま、まことですか!」
P「ああ」
たかね「おようふく……かってもらえるのですかっ」キラキラ
P「ああ、買ってやんよ」
たかね「ふふふっ、おっかいものっ♪おっかいものっ♪」ルンルン
P「お前ほんと服買うの好きだなあ」
たかね「はいっ、じぶんみがきというやつでございますっ」
P「なんだ、ハイカラだなお前」
たかね「わたしのよくみるばんぐみでは、じょしりょくをあげると、さまざまなみりょくが」
P「もうそれ見るのやめろ」
P「たかね、まだか?」
たかね「しかし、こちらもすてがたい……こちらもかわいらしい……」
P「ねーえーまーだー?」ユサユサ
たかね「しかし、いろあいをいしきするなら、おうちにあるあれとくみあわしたほうが……」
P「ねーえーたーかーねー」ユサユサ
たかね「ええいだまりなさい!」カッ
P「ヒィッ」ビクッ
たかね「おようふくえらびはわたくしにとってせんじょうなのですっ!あなたさまはひっこんでてくださいっ!」
P「は、ハイ……」
たかね「おや、これもよいかんじで……」
P「……」
たかね「あなたさまはどちらがいいとおもいますか?」
P「あれ?」
たかね「んむんむ」シャクシャク
P「たかねは宇治抹茶金時か、一口くれ」
たかね「なりません」
P「なんでだよ、いいじゃん俺のも一口あげる」
たかね「あなたさまはなにもわかっておりません!」
P「ん?」
たかね「まっちゃとあずきのはーもにー!もちもちのしらたまとしゃきしゃきのこおりのぐらでーしょん!」
P「おおう?」
たかね「うじまっちゃきんときこそしこう!しこうのいっぴんなのです!」エッヘン
P「へー、白玉もらい」パク
たかね「な゛ー!!なんと!!」
P「うん!うまい!」
貴音「………………許しませんよ、三下」
P「!?」
P「ああ、明日な」
たかね「……」
P「ん?どうした、行きたくないのか?」
たかね「そういうわけではないのですが……その……」
P「なんぞ」
たかね「ゆかたを……きたいのですが……」
P「あー、ゆかたね、いいじゃんお隣に着つけてもらえば」
たかね「いやでございますっ!いやでございますっ!」イヤイヤ
P「なんでだよ、いっつも遊んでもらってるのに」
たかね「……う、うぅ」
P「俺から頼んどくわ」
たかね「い、いや……しかし、ゆかた……むむむ……」モンモン
P「まったく、なにをそんなに怯えてるんだか……」ヤレヤレ
インターホン『……ガチャコンはーい』
P「どうも、Pですけど」
インターホン『お→兄ちゃん今行くYO!ガチャコン』
P「早い……」
ドア「がちゃ」
亜美真美「やっほ→兄ちゃん!」
P「おう姦姉妹、ちょっと頼みたいことが」
真美「兄ちゃんからの頼みごとだって!」
亜美「おやおや~それならそれ相応の態度ってもんがあるんじゃないのか~?」
真美「そうだそうだ!菓子折りもって来い!」
亜美「アンパン買ってこいYO!」
P「たかねの浴衣着つけてもらおうと思ったけどやめるわじゃあな」スタスタ
真美「やらせてもらいます!お願いします!やらせてください!」
亜美「アンパン買ってくるYO!」
真美「膝下!」ギャーギャー
たかね「あなたさまあ……」グイグイ
亜美「あずき色!」ギャーギャー
真美「藍色!」ギャーギャー
たかね「ああ……」グイグイ
亜美「盛る!」ギャーギャー
真美「三編み!」ギャーギャー
たかね「むう……」グイグイ
亜美「小悪魔メイク!」ギャーギャー
真美「うっすらメイク!」ギャーギャー
俺「お姫ちん!」
たかね「つかれました……」グイグイ
なにがあったし
P「可愛いじゃないか」
たかね「はい、あるおひとのおかげで、なっとくのいくものができあがりました」
俺『ったくしかたねーなー』
俺『どけおまえら、こっからはな……』
俺『俺の独壇場(サクセスストーリー)だッッッ!!!!』ドンッ
たかね「まことにめんようなひとでした……」
P「その人は超絶イケ面で高身長高学歴高収入髪フサフサなんだなきっと……」
たかね「はい……かみがふさふさでした……」
P「髪がフサフサか……やっぱりか……」
たかね「はい……かみがふさふさでした……」
P「髪がフサフサか……やっぱりか……」
たかね「はい……かみがふさふさでした……」
まあそういうこともあるさ…
/j
/__/ ‘,
// ヽ ', 、
// ‘ ! ヽ …わかった ハゲの話はやめよう
/イ ', l ’
iヘヘ, l | ’
| nヘヘ _ | | l ハイ!! やめやめ
| l_| | | ゝ ̄`ヽ | |〈 ̄ノ
ゝソノノ `ー‐' l ! ¨/
n/7./7 ∧ j/ / iヽiヽn
|! |///7/:::ゝ r===オ | ! | |/~7
i~| | | ,' '/:::::::::::ゝ、 l_こ./ヾ.. nl l .||/
| | | | l {':j`i::::::::::::::::`ーr ' ||ー---{
| '" ̄ ̄iノ .l::::::::::::::::::::::∧ | ゝ ',
, 一 r‐‐l γ /、::::::::::::::::::::::::〉ー= ___ ヘ ヽ }
/ o |!:::::} / o` ー 、::::::::::::i o ,':::::::{`ヽ ヘ ノ
/ o ノ:::::∧ /ヽ o ヽ::::::::| o i::::::::ヽ、 / /
/ ノ::::::/ /::::::::ヽ o ヽ:::| o {::::::::::::::Υ /
たかね「おお……っ!あなたさま!とうもころしでございますっ」キラキラ
P「とうもろこしだな」
たかね「ともころし……食べとうございます……!」キラキラ
P「とうもろこしな」
たかね「そんなことはどうでも」
P「よくないな」
たかね「わたあめでございます!あなたさまー!」キラキラ
P「移り身早いな」
たかね「なんと……ぷりきゅあ……ぷりきゅあのおめんが……!」キラキラ
P「可愛いな」
たかね「あれは、たかいところにありますので、かえますのでしょうか……?」
P「どうだろうね」
たかね「あなたさま、あれはかえるのですか?」
P「どうだろうね」
P「面妖な食べ物……?」
??「はいさーい!沖縄から出張販売でやってきましたゴーヤーチャンプルーはいかがですかー!」
響「味良し見良し素材良し!今しか味わえない本場の味を、ここでどうぞ、だぞ-!」
P「ゴーヤーチャンプルー……出張販売ってマジか?」
たかね「ごぉやぁ……ぷるぅ?」
P「俺もあんまり食ったことないな……苦そうだし」
たかね「にがそう、なのですか……?」
P「うん、ゴーヤーが」
響「そこのお兄さん!そんなことはないぞ!」
P「うわ、え、俺?」
響「ゴーヤーを強火で一気に炒めることによって、苦みを甘味に変えるんさー!どうぞ一口!」
P「あ、はい一口」モグモグ
たかね「あなたさまっ!?にがいのではっ!?だいじょうぶなのですか!?」
P「……」モグモグ
たかね「ああ……あなたさま……どうかごぶじで……!」ハラハラ
響「大丈夫に決まってるぞ!今に裸になって踊りだすさー!」
たかね「なんと!め、めんような……!」
P「……」モグモグ
たかね「はだかになっておどりだすとは……」
響「あまりのおいしさに感涙さー!」
たかね「いつもとかわりませんね……」
響「!?」
P「うまい!」ビリビリ
響「ぎゃー!ほんとに裸になり始めたぞー!」
たかね「おや……れべるつー、というところでしょうね」
響「レベルってなに!?」
響「踊り始めたぞ!何だこいつは!」
P「いやーおいしかった、どうもありがとう」
響「なんか急にまともになったぞ……」
たかね「わたくしもっ!わたくしもたべとうございますっ!」ピョンピョン
P「はっはっは、だめだ」
たかね「なんと!な、なにゆえ……っ!?」
P「これは……大人味だからだ!」
たかね「な、なんとっ!」ガーン
響「なんなんだそれ……」
たかね「な、なんということでしょう、まさかおとなしかたべられない、おとなあじだとは……」
P「そういうことだ、あきらめてくれ、たかね」
たかね「うう……」トボトボ
響「こ、子供でも食べられるぞ!嘘教えちゃだめだぞ!」
P「……だめだ、もう買えない」
たかね「な、なんと……!」ヨロヨロ
響「なー!ケチンぼ!買ってあげなよ!」プンスカ
P「たかね……お前はもう食い過ぎた……」
響「えっ?」
たかね「……そうでしょうか、ほんじつは、そんなにしょくしてないようにおもいます……」
P「とうもろこし6本焼きそば3皿綿あめ8本タコ焼き5船のどこがそんなになんだ?」
響「な……っ!ありえないぞ……!」
たかね「……」
P「わかってくれ、たかね……おさいふもペラペラなんだ……っ!」
財布「お腹すいたよー」
たかね「……おさいふさんがぺんぺらでございます」
響「さすがに食い過ぎさー……」
雰囲気のおかげでうまく感じるのもわかってるけど、好き
たかね「はい……」グゥー
響(腹の虫!?)
P「う、うぅ……」ポロポロ
たかね「なかないでくださいまし……あなたさま……」ナデナデ
P「うぅ……たかねぇ……っ!」ポロポロ
たかね「あなたさまぁ……」ナデナデ
響「う、うう……不憫に思えてきたぞ……」
P「うぅ……」チラ
たかね「あぁ……」チラ
響「……あー!しまった!2人分つくりすぎちゃったぞ!これは困った処分したいけどもったいないなー」チラ
P「あ、いただきます」サッ
たかね「ふたりぶんですか……たりませんね……」モグモグ
響「!?」
たかね「……は、はなび」
P「ん?なんだ、たかねはまだ花火が怖いのか」
たかね「そ、そんなことは……」
P「ドォン!」
たかね「きゃあ!」ビクゥ
P「はははは!」
たかね「あなたさま!もう!」ポコポコ
P「まったく、たかねは6歳なのに、おねしょもするしお化けも怖いんだなー」
たかね「うう……こわいものはこわいのです……」ショボーン
P「うんうん、大人にも怖いものはあるからな」
たかね「そうなのですか……」
P「ああ、やたら結婚を迫ってくる三十路乙女(笑)とか」
P「あと頭皮の後退とかな」
たかね「それはおそろしい……」
たかね「はい、もうはなびはこくふくしました!」エッヘン
P「そうだな、すごいすごい」
たかね「ほんじつは、たのしゅうございました」
P「俺は痩せる思いだったけどな」
響「あ、いた、おーい!」
たかね「おや……あのかたは……」
P「ゴーヤのねーちゃん」
響「やっぱりお兄さん、今まで上半身裸だったのかー」
P「あ、そうだった……恥ずかしい」
たかね「おはずかしゅうございますか……わたくしはそうでもないような……」
P「そりゃお前は恥ずかしくないよね」
響「そうだと思って……はいこれ!沖縄限定Tシャツ!」
Tシャツ「ゴーヤー」
P「……恥ずかしい……」
たかね「こちらのおへやでございます、あなたさま」
P「おお、こんなとこにいたか、何してたんだ」
たかね「はい、こちらにちいさきあなをみつけましたもので」
P「……穴?」
たかね「はい、こちらです」
P「……」
たかね「このちいさきあなからちいさきものたちがいききしているようなのです」
P「……」
たかね「あ!でてきました!なにやらしろきものをはこんでいるようなのですが……」
P「……」
たかね「まさかわがやにありのすができるとは……ゆめにもおもいませんでしたね、あなたさま?」キラキラ
P「……」
P「かいちゃだめだ、ほら、痒いとこ出して」ヌリヌリ
たかね「めんような……すーすーするでですが……」
P「ああ、ひんやりしてきもちいいだろ」
たかね「すーすーして……うう……めんような……めんような……」モンモン
P「蚊に刺されないようにしないとな」
たかね「ああ……あのようなちいさきものに、ここまでくるしめられるとは……」
P「とくに日陰じゃ気をつけろよ」
たかね「うう……うでにくっつけてあそんではいけなかったのですね……」
P「お前アホなん?」
たかね「わたくしになついていたわけでは」
P「ないね」
P「おうふ……どうしたいきなり」
たかね「これなるものです!」サ
ぐりとぐら「うーっす」
P「ああ……なつかしいな」
たかね「ふわふわにふくらんで……きっとびみなるものにちがいありません!」
P「カステラか……めんどくさい……」
たかね「あなたさま!いまこそふんきするときでございます!」ユサユサ
P「うーん……あ、そうだ、お隣の姉ちゃんいるだろ、料理が得意な」
たかね「え、あ、あの、あなたさま……?」
P「頼みこんでこい、俺にも持ってきてくれ」
たかね「そ、そんな……おとなりのおうちへいけというのですか……?」
P「俺のもだぞ、いいか、俺のもだ」
たかね「い、いきたくありません……」
P「なんでだよ、いっつも(ry」
真美「それともお着替え?」
たかね「ちがいます!きょうはあのかたからのおつかいなので!」
亜美「ふ→ん、で、どしたの?」
たかね「あの……かすてらが……しょくしてみたくて……」
真美「お使いじゃないじゃん」
たかね「あ、そう、わたくしではありません!あのかたがたべたいとおっしゃって、わたくしがおつかいで……」
亜美「ほほ~、だったら春姉ちゃんの出番ですな~」
真美「お→い!春姉ちゃ→ん」
春香「はーい……あれ、たかねちゃん!」
たかね「ごきげんうるわしゅう、はるか」
春香「あーん可愛いー!」
亜美真美俺「かわい→!」
亜美「亜美も覚えてるよ!でっかいカステラのやつでしょ!」
真美「真美も!あ→ん、カステラ食べたくなってきた!」
たかね「じ、じつのところわたくしもしょくしてみたいとおもっていたのですっ」
春香「よし、わかりました!Pさんの為にも、たかねちゃんの為にも、お姉さん一肌脱いじゃいますよー!」
亜美真美「「やった→!カステラだ→!」」
たかね「おお……かすてら……っ」キラキラ
春香「んふふ、じゃあたかねちゃんにはお使い頼んじゃおうかな!」
たかね「まかせてください、わたくしこれでも、ここきんじょではえきすぱぁとですから!」
春香「そっか、エキスパートかー!じゃあ、卵を買ってきてくれる?うちの切らせちゃったから」
たかね「まかせてください、みごとにんむをはたしてかえってきましょう」エッヘン
亜美真美「「頑張れお姫ちん!」」
エアコン「はてさてどうなることやら」
ソファ「まったくでげす」
机「おいたちはここで見守らせてもらうドン」
おやおや?電柱の陰に怪しい影が……
ぬこ「みつけたでえ……このまえのおとしまえ、つけてもらおうやないか」
大変!たかねちゃんに恨みを持ったぬこさんがたかねちゃんを狙ってるよ!
どうする!たかねちゃん!
たかね「……ねこさん」
ああ!たかねちゃん寄り道しちゃった!だめだよ~(困惑)みんなまってるんだから!ほら、立って!
たかね「しかし、わたくしいまはにんむのみ……あなたとたわむれているじかんはないのです……」
そうそう、ちゃんと立ってね、ほら!スーパーはすぐそこ!
たかね「すぅぱぁにつきました」
ちゃんとスーパーにたどり着くことができたね、だけど、何買うんだっけ?
たかね「……たまごのところは……どこでしょうか」
そうそう、卵だったね
お前ら「うぇーいwwwwwwwwwwwwうーいwwwwwwwwwwwwww」サッ
たかね「な、なにやつ!」
お前ら「たかねちゃんwwwwwwwwwwたかねちゃんwwwwwwwwwww」サッサッ
たかね「め、めんような……!」
お前ら「たかねちゃんwwwwwwwあwwwwwwwwそwwwwwwwwぼwwwwwwwwwwwwww」サッサッサッ
たかね「なりませんっ、はなれなさいっ!」ダッ
お前ら「ディーフェンスwwwwwwwwディーフェンスwwwwwwwwwww」スッスッ
たかね「く、こ、このままでは……!!」
??「待て待て待てェーい!!」
??「たかねちゃん、ここは俺に任せて先に行くんだ!」
たかね「し、しかし……」
??「いいから行くんだ!卵が腐っちゃうぞ(危惧)!」
たかね「く、おんにきりますっ」タッタッタ
お前ら「ウワアアアアアアアアアアアアアア」シュウゥゥ
俺「ふ、ハゲに生きる価値無し……!ちなみに俺はハゲではない後退もしてない別に気にしてないぶっちゃけハゲてもいいと思ってる」
たかね「ただいまもどりました」
春香「あ!おかえりたかねちゃん!」
亜美真美「「お帰り→お姫ちん」」
春香「どうだった、変な人とかに声かけられなかった?」
たかね「はい、とくになにもありませんでした」
春香「そっか」
(´;ω;`)ブワッ
たかね「いざ!」ワクワク
亜美真美「「応援するよ→!」」
春香「……あれ?」
亜美「?どったの春姉ちゃん」
春香「……ハンドミキサーなかったっけ?」
亜美「……げ」
真美「あー……あれは、えっと→……」
春香「……どうしたの」
真美「あはは……その→……」
亜美「……あれでミックスジュースが作れるかな~、な→んて……」
春香「……」
亜美「……」
真美「……」
たかね「かすてら、なんといんびな……」キラキラ
真美「死ぬ……死ぬう……」ピクピク
たかね「てがつかれました……」
春香「よし、こんなもんかな」
たかね「これが……かすてらになるのですね?」
春香「そうだよ、ここまでいったら、あとは焼くだけだね!」
たかね「おお……!これをやくと、かすてらが……!」
亜美「うぅ……おにだ……おにがいるよ→……」
真美「ほとんど真美たちがかき混ぜたのに……」
春香「……」
亜美「……」
真美「……」
春香「……ん?」
亜美真美「「なんでもないです……」」
たかね「なんと……あとさんじゅうびょうでかすてらができあがるのですか!」
亜美「もうおなかぺこぺこだよ→……」
真美「背中とお腹がくっついちゃう……」
春香「10!9!8!7!」
たかね「ろく、なな、はち……」
春香「た、たかねちゃん!増えてる増えてる!」
たかね「きゅう、じゅう、きゅう、じゅう……おや、えー……?」
オーブン「チーン」
春香「できた!」
たかね「きゅうじゅうきゅう……ひゃく……?なんと……」
春香「で、できたよ!貴音ちゃんできたよ!」
お姫ちんとほのぼのしたかっただけなのにいつの間にかハゲが増えてきた
ちなみに俺はハゲじゃないただデコが広いだけ
デコちゃんおやすみなの
ドア「ガチャ」
春香「Pさん!カステラですよ!カステラ!」
たかね「あなたさまっ!かすてらでございますっ!かすてぃら!」
亜美真美「「兄ちゃんやっほ→!」」
P「……暑苦しいのがたくさんきた……」
春香「なっ!暑苦しいってなんですか!」
亜美真美「「そうだそうだ→!」」
春香「まったく!女子高生と絡めてほんとは嬉しいくせに!」
亜美真美「「そうだそうだ→!」」
たかね「あなたさまはいけずでございますね」
P「はいはい……なんかいいにおいするけど」
たかね「ふふふ……あなたさまに、かすてぇらというものをごらんさしあげましょう」エッヘン
P「知ってる」
春香「はい、どうぞ」
たかね「いただきますっ」キラキラ
亜美真美「「いっただきま→っす!」」
P「もぐもぐ」
たかね「んぐんぐ……」
P「うまいな……どうだたかね、カステラの味は」
たかね「んむ……ほぁあ……」キラキラ
P「……たかね、どうだ?」
たかね「なんと……これがかすてら……」キラキラ
P「……うまいか?」
たかね「んぐんぐ……」モグモグ
P「……」
たかね「おや、あなたさまはしょくさないのですか、しかたありません、ではわたくしが」
P「やんねーよ」
春香「それじゃあ、お邪魔しました」
P「悪かったね、たかねがどうしても、って言うから」
たかね「!?あっ、あなたさまが」
春香「そうなんですか、もーたかねちゃん、すぐ人のせいにしちゃダメですよ!」
たかね「!?そ、そんな」
P「また俺のせいにしたのかたかねは……いけない子だなあ……」
たかね「な、なんとっ!」ガーン
P「じゃ、御馳走さま、春香ちゃん」
たかね「あなたさまがおっしゃったではありませんか!あなたさまがおとなりに」ポコポコ
春香「いえいえ、お粗末様でした」
たかね「はるか、これはいんぼうですっ!しくまれているのですっ!」ポコポコ
春香「もー、たかねちゃんったら食いしん坊だね!」
たかね「なんと!!」ガーン
春香「Pさんが嘘つくわけないんだから」
<ぷぴー
P「……」
<ぷぴぺー
P「……」
<ぷぴぽぺぴー
P「たかねか…・…?」
P「おいたかね、なにしてんだ」
たかね「んぷは……あなたさま、これはりこぉだぁなるものでございます」
P「あーリコーダー……」
たかね「ふふふ……あなたさまもわたくしのせいこうなるえんそうをごらんにきたのですか?」エッヘン
P「いやへったくそだなーって」
たかね「なんとっ!」ガーン
たかね「これは、じつは……はっ!」ビク
P「ん?」
たかね「もうしわけありませんあなたさま……これはあなたさまのもでした……」
P「物置にでも入ってたか?」
たかね「いいえ、そうではないのです……」
P「??」
たかね「これは、あなたさまにわたすようたのまれていたのでした……」
P「んー?だれから?」
たかね「あずさでございます」
P「……」
たかね「かんそうもきいてくるようにと」
P「捨てろ」
P「はははははははははは!」ゲラゲラ
たかね「やめなさい!おやめなさいなっ!」ウガー
P「ヒヒヒヒイー!」ゲラゲラ
たかね「ああーっ!おかおはやめてくださいまし!」ウワー
P「ヒャーヒャッヒャヒャ!」ゲラゲラ
たかね「それいじょうこうげきするなら、わたくしもようしゃしません!」ウガー
P「イヒィー!イヒヒィー!」ゲラゲラ
たかね「ほあぁ……い、いたいっ!おやめになってくださいまし!」ウワー
P「ハァハァ……こっちこい、たかね」
たかね「うあぁ……あなたさまあーっ!」ガバ
P「あかとんぼにピンポイントで狙われるのは世の中でもお前だけだと思うよ」
たかね「いつか、このうらみははらすでございます……っ!」ギュ
P「今いってこいよ、ほら」
たかね「いまはおこさまですからっ!まだろくさいですからっ!」ギュー
鏡「なんやこの子……さっきからおどれ見すぎやろ……」
たかね「……」キョロキョロ
鏡「髪ふわっふわでうらやましいなー……ワイなんてツルッツルピカピカってやかましいわwwwwwwwwww」
たかね「……かがみよかがみ……このよでいちばんうつくしいものはだれですか?」
鏡「せやなー……ワイは生まれてこの方お嬢ちゃんとけったいなおっさんしか見てないからなー……」
たかね「……」ジー
鏡「ちょ、そんな見んといてーな……はい、お嬢ちゃんだよ、お嬢ちゃんが世界一かわいいよ」
たかね「ほんとにー?」
\うぉおおおおおおおおお!!/
P「何やってんだたかね」
たかね「あなたさま、せかいでもっともうつくしいじょせいは、わたくしのようでございます」エッヘン
P「……その鏡嘘つきだぞ」
たかね「なんとっ!」ガーン
P「……たかね」
たかね「……」ウツラウツラ
P「たかね、もう眠いんだろ」
たかね「……そんなこと、ございません……」ウツラ
P「うそつけ、髪がフワフワなってる」
たかね「……それは、まいど……」フワフワ
P「ねむくなると髪がフワフワするっておかしくねえ?」
たかね「わたくしのちゃぁむぽいんとでございます……」ウツラウツラ
P「お前今日早起きだったからなあ……」
たかね「……すずめたちが、わたくしにごあいさつを……」ウツラウツラ
P「あっそ、もう寝ろ」
たかね「……あなたさまも」ウツラウツラ
P「はいはい、お前が寝るまでここにいてやるから」
たかね「……そうで、ございますか……zzz」スピー
P「ん?何読んでんだ」
たかね「あなたさま」
P「……なんだこれ」
たかね「ふふふ、わたくし、じばっかりのほんをよんでいるのでございます」エッヘン
P「字ばっかりって……読めんの?」
たかね「よめます」
P「……じゃあ読んでみろ」
たかね「……」
P「……」
たかね「……」チラ
P「……」
たかね「そらに……く……せし……ありき……しか……」
P「……」
たかね「……ほんじつは、ここまでにしておきましょうか」パタム
たかね「おお……なんと、きゅぅとな……」
TV『これで気になるオトコもメロメロ!何でも言うこと聞いちゃいますよ!』
たかね「なんでもいうことをきいてくれるのですかっ!」
TV『そうよ!何でも聞いてくれるようになるのよ!』
たかね「しかし……わたくしまだろくさいじでございますので……」ションボリ
TV『ノンノン!女に年なんて関係ないわ!』
たかね「なんとっ」キラキラ
TV『若さ爆発!元気爆発で頑張っちゃって!』
たかね「なるほど……わかさをぶきにするのですね」
TV『そうよ!オバサンになってからじゃ、遅いんだから!』
たかね「いいあどばいすをもらいました……わたくし、いっしょうけんめいやりましょう」フンス
TV『頑張るピヨ!』
P「うーん……」
たかね「あなたさま、ごらんください、あなたさま」クイクイ
P「うん……ちょっとまって……えーっと」
たかね「まちましょう、はやくしてくださいまし」ソワソワ
P「えっと、これをこうして……」
たかね「……」ソワソワ
P「お、これか!」
たかね「!」バッ
P「で、次は……ここか……?」
たかね「……」ソワソワ
P「やっぱそうか!よし!」
たかね「!!」バッ
P「いやー……なかなか面白いな、ジグソーパズル」
たかね「……」ソワソワ
P「飽きた……続きはいいや、明日で……」
たかね「……」ソワソワ
P「ん?おお、たかね、どうした」
たかね「はい、あなたさまにぜひごらんいただきたいものが」
P「なんだずっと正座してたのか、たかねは正座が得意だよなあー」
たかね「……そうでございましょうか」
P「そうだな、俺なんて10分もすると痺れちゃって……」
たかね「せいざには、こつがあるのですよ」
P「なんだコツって、正座にそんなもんがあんのか」
たかね「はい、ただしいしせいをますたぁすることができれば、とてもはかどります」
P「ふーん、教えてくれ」
たかね「よろしいでしょう、わたくしがあなたさまのせんせい、というわけでございますね」エッヘン
P「はいはい」
TV『ちょっと!たかねちゃん!ちゃんとやら』プツン
P「早く決めちゃえよ」
たかね「しかし……こちらのしぃふぅども……」
P「いいじゃん、俺の分も買うから、二人でわけようぜ」
たかね「そんなことはわかっておるのですっ!」
P「!?」
たかね「まったく……そのふたつをどうしようかなやんでおるのですよ!」
P「え、もう決まってんの?」
たかね「のぉまるたいぷもまたびみ……いやしかし……」
P「無視すんなよ」
たかね「さわがしいですよ、あなたさま」ヤレヤレ
P「もう買わねーぞコラ」
たかね「いっしゅうかんにいちどという、めいやくがございますのを、おわすれなのですか?」ニヤリ
P「何こいつクソ生意気」
たかね「おつかいでございますか」
P「ああ、頼んだ」
たかね「わたくしひとりで、ということでございますか」
P「ああそうだ、八百屋わかるだろ?」
たかね「やおや……いろとりどりのおやさいがあるあそこでございますね」
P「そこでピーマンと人参を買ってきてくれ」
たかね「……ぴぃまんとにんじん」
P「あぁ、ピーマン3つに人参2本だ」
たかね「……ぴぃまんとにんじん……」
P「……」
たかね「……あなたさまがおひとりでしょくすのですか?」
P「んなわけねーだろ」
たかね「……お、おなかが」フラフラ
P「んなわけねーだろ」
たかね「やおや……あれですね」
やよい「うっうー!もやし100グラム10円のごていきょーですー!今日はもやしが一段と安いですよー!」
たかね「こんにちわ、やさいのおねえさん」
やよい「あ!たかねちゃんじゃないですか!はいたーっち!」
たかね「はいたぁっち」パン
やよい「よくできました!今日はお一人で……お使いですかー?」
たかね「はい、あのかたからのにんむでございます」
やよい「ほぇー、たかねちゃん、えらいえらい!」ナデナデ
たかね「そうでございましょうか」
やよい「そうでございますよー!」
たかね「そうでございますかっ」
やよい「そうでございますよー!」
たかね「そうでございますかっ!」
やよい「そうでございますよー!」
たかね「……?」
やよい「大根?キュウリ?トマトかな?」
たかね「はて……なんでしたか……?」
やよい「はわー、大変!忘れちゃったのっ?」
たかね「はい……なにぶんわたくし、いそがしいみでありまして……」
やよい「うーん、ピーマンかな?」
たかね「……」ピク
やよい「それとも人参さんかな?」
たかね「……」ピクピク
やよい「うーん……困ったときのもやしさんですーっ!」バーン
たかね「なんとっ」
やよい「はい!もやしがあれば、モウマンタイですよ!」
たかね「もやしがあれば、もうまんたいでございますか」
やよい「そうですよ!これでたかねちゃんも怒られずに済みましたね!」
やよい「あっ!Pさんじゃないですか!はいたーっち!」
P「うーーーーい(ォライッ、ォライッ」パン
たかね「……」
やよい「どうしたんですか、さっきもたかねちゃんが来てましたよ」
P「それは……な、たかね」
たかね「……」
やよい「うぅー、どうしたんですか?もやしじゃなかったんですかー?」
P「ほら、たかね、ちゃんと言え」
たかね「……」
やよい「たかねちゃん……」
たかね「……うそつきもの」
やよい「はうわっ!」
P「おい違うだろ」ペシ
たかね「はうわっ」
P「なんだと!」
たかね「はるかのほうがおいしくつくります」
P「それを腹いっぱい食ってから言うやつのセリフか!」
たかね「ほんとうのことをいったまで」
P「いいんだよ飯なんて、腹に入れば全部おんなじだし」
たかね「わたくしのみにもなってくださいまし」
P「何様だコイツ」
たかね「わたくしはせいちょうきなのですよ」
P「まだ6歳じゃねーか」
たかね「はなのろくさい」エッヘン
P「何言ってんだコイツ」
P『は!ただいま飲み物をお持ちします!』
たかね『いそぐのですよ……おや、あなたさま、てがとまっておりますよ』
P2『は、はい!すみませんたかね様!』バサバサ
たかね『まったく……にどめはないとおもいなさい』
P3『おお……なんと懐の広いお方だ』
P4『彼女こそ、我が姫に相応しいお方だ!』
P5『たかねさま、ばんざーい!』
Ps『『『『『ばんざーい!ばんざーい!』』』』』
たかね『ふふ……』
たかね「ふふふふ……zzz」スピー
P「……」
たかね「はやくよつんばいになりなさいな……zzz」スピー
P(こいつは大物になるぜ)
たかね「よろしいではありませんか!よろしいではありませんか!」
P「いかん、元の場所に戻してこい」
たかね「そんな……せっしょうな」
P「だいたい、お前コイツの面倒見れるのか?」
たかね「みれます!みられられれます!」
P「こいつを育てるのは一苦労だぞ」
たかね「それでもできます!わたくしはいっぽもひきません!」
P「……」
たかね「……」フンフン
P「……仕方ないな」
たかね「!!ま、まことでございますか!」
P「ああ、だが、言ったからには責任持って育てろよ」
たかね「はい、いのちにかえても!ふふふ、よかったですね、めんようないきものさん」ナデナデ
ファービー「ナデナデシテェー」
P「ふんふんふーん」
たかね「……うごくな」カチャ
P「!!……だ、誰だ」
たかね「おしえるひつようはない……おれのきくことにだけこたえろ」
P「……ゴクリ」
たかね「きのうかってきたあいすはどこだ」
P「……」
たかね「はけ!」ペシ
P「っぐ!……冷蔵庫の一番上だ……」
たかね「……そうか」
P「も、もういいだろ!俺にようはないはずだ!」
たかね「そう……もうきさまにようはない、な」パン
P「ぐわ!」バターン
たかね「…………あなたさま、とってくださいまし」ユサユサ
P「ん?」
たかね「ありさんが、ありさんがー!」ワタワタ
P「ありさんがどうしたんだ」
たかね「なにか、めんようなあなにすいこまれていくのです!」ワタワタ
P「ほー、どれどれ」
たかね「ど、どうしたら……わたくしがふれるとぺしゃんこになってしまうので……」ワタワタ
P「あーアリジコクか……ほいっと」
あり「いやーあんちゃん助かったでえ……」
たかね「おお……あなたさま!なんとじひぶかい……」
ありじごく「もーなにしてくれとんねん」
P「コイツは……隣のウチに放っておくか」ポイ
ありじごく「あーお空飛んでるー」
たかね「よろしょうございましたね、ありさん」
あり「ほんまやで(安堵)」
P「……」パチ
たかね「むむ……」パチ
P「ほお……」パチ
たかね「むむむ……まった」
P「もう駄目」
たかね「な!まだいいではありませんか!」
P「もう50回やっただろ」
たかね「ひゃっかいまでいいとおっしゃったではありませんか!」プンスカ
P「お前が勝手に言ってるだけじゃねーか……」
たかね「よろしいですか、わたくしはあとひゃっかいまったできるのです」エッヘン
P「え!?」
たかね「ここでは、わたくしがるぅるなのです」パチ
P「何もんだよお前……てか君将棋下手やなー」
たかね「まだならってないかんじだからでございますっ!はやくしてくださいまし!」
たかね「あなたさま、だがしやにまいりましょう」
P「駄菓子屋?……よし、いくか」
たかね「はい、いざっ」
P「お、なんだたかね、その麦わら帽子は」
たかね「おとなりのまみが、わたくしにぷれぜんとしたいと」
P「へー、なかなか似合ってるぞ」
たかね「そうでございますか、……りべんせいにすぐれ、かつおしゃれとは……」
P「ちゃんとありがとうしたか?」
たかね「ありがとう……しておりませぬ……」
P「なんでだよ」
たかね「……なにか、きょうれつなじゃきをかんじたもので……」
P「……そうか」
たかね「はい……もうしわけありません」
P「いや……いいよ……」
P「こんちわー」
たかね「ごきげんよう」
雪歩「Pさんっ、たかねちゃんっ、こんにちわっ」
P「あれ、おばあちゃんは」
雪歩「今日はゲートボールの大会があるみたいで、代わりに私がいるんですぅ」
たかね「げぇとぼぉる……めんような」
P「へー、おばあちゃん元気だなー……ほらたかね、選べ」
たかね「ではそうしましょう」トコトコ
雪歩「ふふふ、たかねちゃん、麦わら帽子が可愛いですね」
P「そうだな……」ヨッコラセ
雪歩「あ、お茶持ってきますね」
P「あ、いやそんな気使わなくても」
たかね「あなたさまっ、ごらんください!べびぃすたぁらぁめんとやらがっ!」ピョンピョン
たかね「なんと……ねればねるほどおいしくなるのですか……」
P「……ん?」ダッダッダ
真「あ!Pさん!」キキーッ
P「げ」
真「げ!とはなんですか!げ!って!」プンスカ
P「あー……よう、真」
真「へへ、こんにちわ!Pさん!」
たかね「あなたさまー……なんと」
真「あ!」
たかね「うっ」ギク
真「こんにちわ!たかねちゃん!」ギュー
たかね「うう……あつくるしい……」
P(コイツがくると周りの気温が2度は上がるな……)
真「おっと」ヒョイ
雪歩「あ、まこ姉ちゃん」
真「ただいまー、雪歩」
たかね「まったく……せっかくととのえたかみが……」ブツブツ
雪歩「おかえり、何処行ってたの?」
真「ちょーっとひとっ走り……あ、そのお茶もーらい!」パシ
雪歩「あ!」
真「んく……ぷっはー!うまい!」
たかね「ああ……あせがついてきもちわるい……」ブツブツ
雪歩「Pさんに持ってきたお茶なのに……」
真「ありゃ、そうだったの……Pさん!」
P「ん?べつにいいけど」
真「ごめんちゃい☆ミ」テヘペロ
P「……許さん」
P「なんでお前に買わねばならんのだ」
真「いいじゃないですか!女子高生ですよ!」
P「なにがいいんだよ……」
たかね「あなたさま」チョイチョイ
P「お、決まったか、たかね」
たかね「はい、こちらのほぉむらんばぁとじゃんぼもなかとたまごあいすにします」
P「……決まってねーじゃねーか」
たかね「……?」キョトン
P「なにキョトンとしてんだ、アイスは一個だけだ」
たかね「なんとっ」
真「違いますよPさん!僕と雪歩のぶんもあるんだよね?たかねちゃん」
P「!?」
たかね「……いいえ」
真「へー……」
真「んまーい!」ペロペロ
雪歩「私の分まで、ありがとうございますぅ」
P「いやいや」
たかね「あなたさま、おいしゅうございますよ」
P「そうか、一口くれ」
たかね「おかいもとめくださいませ」サクサク
P「このガキ……」
真「Pさん!僕の一口あげますよ!」
P「……」
アイス「もう姉ちゃん舐めすぎでベタベタやでえ……」
P「……遠慮しておきます」
雪歩「じゃあ私のを……」
たかね「ゆきほ、つけあがるだけですよ」
P「おい表でろ」
P「もう食えねえ……zzz」グースカピー
たかね「……」キュポ
油性ペン「おいお嬢ちゃん……何する気やねん……」
たかね「……」カキカキ
P「うーん……zzz」グースカピー
油性ペン「ワイ知らんで……後で怒られるで……」
たかね「いいのです、これはほうふくなのです……」カキカキ
油性ペン「報復て……なにがあったか知らんが、憎しみは憎しみしか生まんのや……」
たかね「……」ピタ
油性ペン「ええかお嬢ちゃん……心を鎮めるんや……何があったか話してみぃ」
たかね「……」
油性ペン「……お嬢ちゃん」
たかね「……ねしずまっているわたしのおかおのうえに、かえるをはなったのです」
油性ペン「そらあかん(納得)」
たかね「ふふふ……くく……」プルプル
P「おはようたかね」
たかね「お、おはようございます……ふくく……」プルプル
P「……」チラ
油性ペン「お嬢ちゃん……ちゃんと隠しとかな……」
P「……」
たかね「い、いかがなさいましたか、あなたさまふふっ」プルプル
P「……ちょっと鏡見てくるわ」
たかね「……わたくしはおそとにまいることにします」ステテ
P「まあ待て」ガシ
たかね「ひっ」
P「一緒に見に行こうぜぇ……」ズルズル
たかね「いけませぬっ!わたくしはおそとにゆくのですっ!」バタバタ
\めんようなーっ!/
たかね「そうでございましょうか」
P「何か参考にしてるとかあるのか?」
たかね「……とくには」
P「へー」
たかね「わたくしはわたくしのいんすぴれぇしょんにみをゆだねているだけなのです」
P「たいしたもんだな」
たかね「あなたさまも、ふぁっしょんにきをつかったほうがよろしいですよ」
P「俺は……別に誰に会うわけでもないしなあ」
たかね「おそばにいるわたくしがはずかしいのです」
P「なんでそんな上からの発言なの」
たかね「??あのたさまのほうが、せたけがたかいのでは……?」
P「そうだね」
たかね「なにをおっしゃっているのやら……」ヤレヤレ
P「憐れむなボケ」
たかね「!!いかがなさいましたかっ、あなたさまっ!」
P「蜂だああああああああああああああ逃げろおおおおおおおおおおおおおお」ガッシ
蜂「ブーンwwwwwwwwwブンシャカwwwwwwwwwwwwwww」ブブンブーン
たかね「ふあ……わたくし、おそらをとんでるようでございますっ!」
P「うわああああ蜂早いよおおおおおおおおおおお」ダダダダ
蜂「もう勘弁wwwwwwwwwwwwwww」ブンブーン
たかね「おはやいっ!これがこうそくのせかいでございましょうかっ」キラキラ
P「なんでおっかけてくるのおおおおおおおおおおおおおおおお」ダダダダ
蜂「刺したいから♂」ブーン
たかね「あなたさまっ、これはなんきろくらいでているのでしょうかっ」
P「知らねえ!マッハだマッハ!」ダダダダ
たかね「おお……!これがまっはでございますか……!わたくし、またいっぽおとなになったきがします……!」キラキラ
P「気がするだけだあああああうおあああああああああああああああああああ」ダダダダ
蜂「(俺が諦めるのを)諦めろ♂」ブブブーン
P「大人サイズだから」
たかね「うむむ……・おとなさいずでも、わたくしならかんしょくできますが!」
P「だろうね」
たかね「ならばよろしいではありませんかっ!」
P「駄目です」
たかね「いっしゅうかんにいっこというやくそくでは」
P「いやだから上のほうの奴は駄目」
たかね「なにゆえ」
P「大人サイズだから」
たかね「わたくしならかんしょくできますが!」
P「だろうね」
たかね「ならば」
P「駄目」
以下、無限ループ
P「……」ホワンホワンホワーン
貴音『貴方様、今日の夕餉はどういたしましょうか』
P『んー、そうだな……ハンバーグが食べたい』
貴音『何を仰られてるのですか!』
P『!?え、なに』
貴音『本日のらぁめんは、醤油味か味噌味か豚骨味のどれがいいかと聞いているのです!』
P『……』
貴音『唐辛子味でも良いですよ』
P「いや俺が作るわ」
たかね「なんとっ!」ガーン
たかね「…………はい」
P「……そうか、ちょっとやってみ」
たかね「……しょうちしました」
P「……」
たかね「……ゆきます」
P「……」
たかね「ほ、ほぁーっ!」ダッ
P「!?」
たかね「ふんぐぐ……むぐぐぐぐ……」プルプル
P「え、ちょ、なにこれ」
たかね「ふんむむむ……」プルプル
P「すげえ、鉄棒と直角になったまま停止してやがる」
たかね「あ、あなたさま……たすけてくださいまし……」プルプル
P「ちょっとカメラ持ってくるわ」タッタッタ
たかね「なんと、こうもりさんでございますか!」キラキラ
P「ほらあそこ」
たかね「ど、どこでございますか」キョロキョロ
P「ほら、あそこだって」
たかね「みえませぬっ、みえませぬっ」キョロキョロ
P「……まさかお前、また目が悪くなった?」
たかね「……そっ、そんなことはいまはどうでも」
P「よくないね」
たかね「ああーっ、どこでございましょうかっ、こうもりさんっ」キョロキョロ
P「まったく、だから近くでテレビ見るなって言ってんのに……」
たかね「うう……もういってしまったのでしょうか……」ショボーン
P「いやだからあそこにいるって」
たかね「なんと、ど、どこでございましょうかっ」キョロキョロ
P「駄目だコイツ」
たかね「!!あなたさまっ!?」
P「足の小指ぶったああああああああああああ」ゴロゴロ
たかね「な、なんと!」
P「いてえよおおおおたすけてくれえええええええ」ゴロゴロ
たかね「ど、どうしましょうか……はっ!きゅうきゅうしゃを」
P「それはやめろおおおおおおおおああああああああ」ゴロゴロ
たかね「ま、まずはかんぶをよくあらうのです!ねっとうしょうどくです!」
P「あついのはかんべんしてくれえええええええええええ」ゴロゴロ
たかね「し、しかたありません……おくのてをつかうとしましょう」
P「たかねえええええたすけてくれえええええええええええ」ゴロゴロ
たかね「いたいのいたいのとんでけーっ」
P「……あれ……いたくない」ピタ
たかね「ふう……いいしごとをしました」キラキラ
P「なにこれこわい」
律子「いらっしゃいませー……」
たかね「……」
律子(何あの子……)
たかね「……」チラ
律子(!目が合った!)
たかね「……おかいものをしましょう、おつかいですので」トテトテ
律子(……)
たかね「たしか……ひげそりと……ぷりん」
律子(何その組み合わせ!)
たかね「ひげそり……ひげそりとは……?」
律子(まあわかんないよね……)
たかね「しぇーびんぐくりぃむもついてあるほうがよいのでしょうか……?」
律子(わかるんかい!)
律子(てか可愛い!何あの子天使!?)
律子「はい、ありがとうございまーす」
たかね「おだいはこれで」
律子「おじょうちゃん、おつかい?」
たかね「そうでございます」
律子(可愛い!話しかたすごい可愛い!)
たかね「あのかたは、まことにおひとづかいのあらいおかたで……」
律子(なんか舌足らずなのに一生懸命しゃべってる!)
たかね「しかしわたくしは、もうろくさいのしょうがくせいですので」エッヘン
律子(得意気!すっごい得意気になってる!)
律子「そうなの、偉いわねー」
たかね「そうでございましょうか」
律子「そうよー、はい、どうぞ、5000円お預かりしまーす」
たかね「……えびふらい」
律子「!?」
P「おう、おかえり、ちゃんと買えたか?」
たかね「はい、ひげそりと、ぷりん……」ガサゴソ
P「うんうん」
たかね「あと、おにんぎょうさん……」
P「!?」
たかね「なにやら、きゃんぺぇんとやらで、くじをひかせてもらいましたところ、それがいっとうしょうだったのです」
P「すごいなたかね」
たかね「しかし、わたくしにはひつようのないもので……」
P「何の人形だこれは……」
小鳥人形「ぴよー!わたしですよ!たかねちゃん!」
たかね「しかもこれが、あとにたい……」ゴトゴト
小鳥人形2、3「こんにちわ!」
P「……捨てるか」
小鳥人形s「ぴよーっ!?」
P「おーいたかねー、映画見に行くか」
たかね「え、えいがでございますかっ!はい!ゆきましょう!」ワクワク
P「たかねは何かみたいのがあるか?」
たかね「わたくし、ぷりきゅあがみとうございます」
P「えープリキュアかーなんだよーそんなお子様みたいなのー」
P「まーでも仕方ないなーたかねはお子様だしなー」
P「俺は見たくないけどたかねが一人で見るわけにはいかないからなー」
P「仕方ない、俺もプリキュアにするか、誠に不本意だけど仕方ないからな」
たかね「まことでございますかっ」キラキラ
P「俺は別に見たくないけどな、お前が見たいなら俺も見ないとな」
P「まだ六歳だしなお前は、しかたないしな、俺は大人だし見たいわけじゃないけど」
P「仕方ない、仕方ないんだぞ、マジで、いやマジで」
たかね「ぷりっきゅあ♪ぷりっきゅあ♪」ピョンピョン
P「あー、たりーわマジ、あ、ダリぃはこりゃ、はー、マジで」
たかね「……」ブチブチ
P「もうやだー!まだ半分も残ってるしー!」
伊織「なんで私まで手伝わされてんのよ……」
P「あとやっといてくれ……」
伊織「なんでそうなるのよ……もう伊織ちゃんギブ……」フラフラ
P「待てよ……見捨てんなよ……」
伊織「こんなになるまでほっとくあんたが悪いのよ……」
P「待ってくださいぃ」ガシ
伊織「離しなさい……きもちわるい」ブンブン
P「待ってぇ……」
たかね「あなたさま!いおり!みてください!」
P「……お前は元気だなあ……」
たかね「こんなにながいみみずでございます!」キラキラ
伊織「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」
たかね「おそてにでられないのは、しょうしょうたいくつでございますね……」
たかね「えんがわにまいりましょう」トテトテ
なめくじ「あぁ……今日は良い日やなあ……」
たかね「おや、かたつむりさんではありませんか」
たかね「……??どうしました、おうちがみあたりませんが」
なめくじ「なんやコイツ……ワイをカタツムリの皮被りと勘違いしとるんか……」
たかね「あなたさまは、かたつむりさんではございませんのですか?」
なめくじ「あんなヤツと一緒にせんでくれや……ワイは常にアウトドアさかい……」
たかね「ほほう……いまはやりのすぽーつけいというやつですか」
なめくじ「せや……舐めとったら痛い目見るでえ……」
P「せい」パラパラ
なめくじ「うわあああああああああああああ塩やあああああああああああああああああ」シュウウ
たかね「!!な、なんと!!あなたさま!」
P「こいつら畳食うんだよな……」
たかね「あなたさまのぎじゅつがためされるときですよ」
P「あーはいはい、流すぞー」ジャー
たかね「んむむ……」
P「つぎはトリートメント……」ペタペタ
たかね「ひごろのけあがだいじなのですよ」
P「えー……必要ねーだろ……」ペタペタ
たかね「だめです!けいぞくはちからなりというではありませんか!」
P「ガキにはまだはえーってことだよ……」
たかね「そんなことありません!わかいうちからやっておくことこそが」
P「はいはい……誰の受け売りだよそれ」ペタペタ
たかね「ばい、ことり」
P「誰だよそれ……どうせ行き過ぎたオバサンだろ……」ペタペタ
たかね「しつれいな!かのじょはまだにじゅう\ぴよーっ!/でございますよっ」
P「……なんか変な声が」ペタペタ
P「こっちか」
たかね「ちがいます!みぎ、みぎでございます!」
P「右じゃねーか、まさかお前から見て右とか言うなよ」
たかね「みぎでございますのにーっ!」
P「だからお前から見て言ってんだろ、それじゃわかんねーぞ」
たかね「あなたさまはおとなでございますのに……みぎもわからないのでございますか」ヤレヤレ
P「このガキ……」
たかね「おはしをもつてでございますよ」
P「……」
伊織「何やってんのよあんたたち……」
たかね「いおり、すいかわりでございます」
伊織「スイカ割りって……庭でやるもんじゃないでしょ……」
P「こいつ役立たずだから、伊織が指示してくれよ」
たかね「な、なんと!」ガーン
P「お前俺視点で考えねーんだもん……俺目隠ししてるのに」
たかね「みぎーっ!みぎでございますーっ!」ギャーギャー
P「うるさいうるさい」
伊織「そのまままっすぐよ」
たかね「ちがいます!みぎでございますよ!」ギャーギャー
伊織「あんたちょっと黙ってなさいよ……」
たかね「だまされてはなりませぬあなたさま!みぎーっ!」ギャーギャー
P「まっすぐな」
たかね「そう、そのちょうしでございますよ!つぎはまえのほうにゆくのです!」ギャーギャー
伊織「ちょっとひだり」
P「ひだりな」
たかね「よろしゅうございます!きゅうにすなおになりましたねあなたさま!つぎは」ギャーギャー
P「うるせえ」
たかね「なんとっ!」ガビーン
伊織「ほんとね、おいしい」シャクシャク
たかね「……」ムス
P「さすがやよいさんが選んでくれただけあるわ」シャクシャク
伊織「あー……やよいさんね」シャクシャク
たかね「……」チラ
P「あー甘いわ……最高だわコレ」シャクシャク
伊織「……」チラ
たかね「……うう」ウルウル
伊織(可愛い)
P「はあー……もう一個食おう」
たかね「……」
P「うめえ」シャクシャク
たかね「……」シャクシャク
伊織(食べ始めた……)
ちなみにプリキュアとか俺はどうでもいいと思ってる
ただ幼女と話し合わせるためだけに見てる、それだけ、他意は無い
さあ、書くんだ
P「台風だからな」
たかね「たいふう……なんとめんような……」キラキラ
P「何でそんなテンション高いの」
たかね「てんしょん、でございますか……?」
P「ああ、テンションだ」
たかね「てんしょんとは……?」
P「知らないのか」
たかね「はい……ぞんじあげませんが……」
P「2点減点だな」
たかね「なんとっ!」ガーン
P「台風怖くねーのか」
たかね「はいっ!てんしょんがたかくなるゆえっ!」キラキラ
P「わかってねーだろ」
たかね「……とくにきにしたことはありませんが」
P「お前髪の毛めっちゃ多いしなあ……少しすいてもいいけど」
たかね「すく……すくとは……?」
P「髪の量を減らすんだよ」
たかね「な、なんと!かみをぬくということですございますかっ!?」ガーン
P「いや違う、すく」
たかね「すく……」
P「うーん、なんて言ったらいいんだろ……薄くする?」
たかね「はげさせるのですかっ!?」
P「違うって、ボリュームを落とすって言うのか……?」
たかね「ぼりゅぅむ……?」
P「量を減らすってことかな」
たかね「ぬくのでございますねっ!?」ガーン
P「いや違う」
P「あーん……んぐんぐ」
春香「まったく……お腹出して寝るから夏風邪なんかになっちゃうんですよ」
P「そうみたいだな……」
たかね「あなたさま、あーん」
P「……食欲無いんだけどんぐふぅっ!」
たかね「おだべなさい、おかゆはたんとおあがりなさい」グリグリ
P「むぐふぁ、やめろたかねんぐぅ」
春香「たかねちゃんはPさんに早く元気になってほしいんですよ」
たかね「まだたくさんございますので、ねじこんでしまいましょう」グリグリ
P「もるふぁっもるふぁっ」
春香「……たぶん」
たかね「おや、おはなからでてきてしまいましたよあなたさま、おしもどしてしまいましょう」グリグリ
P「ひぬぅうう、ひんらうおおおおおおおおおおお」
たかね「めからもでてきてしまいました、おしもどしましょう」グリグリ
たかね「いかがなさいましたか、P」
P「怖くて眠れないよー」
たかね「まあ、しかたありませんね……こちらにきなさい」
P「おねーちゃーん」
たかね「よしよし……きょうはごいっしょにねむりましょうか」ナデナデ
P「わーい」
たかね「まったく、Pはあまえんぼうさんでございますね」ナデナデ
伊織「何やってんのあんたたち……」
P「お姉ちゃんごっこ」
伊織「なによそれ……」
たかね「おねえちゃんぷれいでございます」
伊織「プレイ!?」
たかね「もえ、というがいねんでございます」
伊織「萌え!?」
たかね「なんと……めんような……」
??「だーれだ♪」
たかね「はっ!なにやつ!」
??「だーれだ♪」
たかね「このおこえは……むかいのおばあさま!」
??「おばあちゃんっ!?そんなに老けてないわ!」
たかね「しかし、こえがおばさまみたいな……」
??「ぴよー!まだまだ20代ですっ!」
たかね「そうでございましょうか……」
??「せっかくたかねちゃんのために召喚してきたのに、酷いわっ!」
たかね「して……おばさまはなにようで」
??「もういいわよ!ぴよーっ!」シュゥゥ
たかね「はっ!き、きえてしまわれたっ!」
たかね「めんようなっ!めんようなっ!あなたさまーっ!」ステテ
P「ん?なんだ」
春香「たかねちゃんは、一体何者ですか……?」
P「……遂に聞いちゃうか」
春香「はい……Pさんの子供ってわけじゃなさそうだし……」
P「……たかねはな」
春香「……ゴクリ」
P「……宇宙人なんだ」
春香「!?」
P「あれは3年前の7月7日……そう、七夕の夜にあった出来事だ……」
春香(え、なんか語り始めた!)
P『あれがデネブアルタイベガ……』
P『ん……?なんだあれは……』
UFO『うーっす』フォンフォン
P『え、未確認飛行物体!?すげー!』
UFO『ここでいいだろ、ほらでろ』フォンフォン
P『!!なんか出てきた!宇宙人!?』
たかね『……』
P『なにあれ天使!?』
UFO『まあなんかあったら呼べや』
たかね『……しょうちしました』
P『ウワァァァァァシャベッタァァァァァ!』
UFO『じゃあの』フォンフォン
たかね『では、またいつか……おや?』
P『あわわ』
春香「……」
P「たかねは宇宙人なのか……何故地球に来たのか……」
春香「嘘はいいですから、早く教えてくださいよ」
P「だからマジだって」
春香「はいはい、騙そうとしって駄目ですからね」
P「いや」
たかね「あなたさま」トテトテ
P「ん?」
春香「あ、たかねちゃん、聞いてよ、Pさんったらねー」
たかね「わたくし、かえるときがまいりました」
P「え?」
春香「え?」
たかね「とっぷしぃくれっとですが……あなたさまにはおつたえしなければとおもいましたゆえ……」
春香「え?なになになんのはなし?」
春香「え、たかねちゃんのおうちは、ここだよ?」
P「ん……?あ、あれは!!」
UFO「うーっす」フォンフォン
P「あ、あのUFOだ!」
春香「えぇー!!なんですか!あれ!!」
たかね「わたくし、ほんとうはつきのたみなのです……」
春香「えぇー!!」
たかね「しゃかいべんきょうゆえ、わたくしたんしん、ちきゅうにおりたったのです」
春香「え、ええー!展開についていけない!」
P「……そうか、やっぱりそうだったのか」
春香「Pさん適応力すごいですね!」
UFO「帰るでたかね」
たかね「はい、まいりましょう……」
春香「た、たかねちゃん!」
P「……それでいいんだ」
春香「Pさん!」
P「……たかね」
たかね「……あなたさま」
P「お前と過ごした夏休み、楽しかったぞ」
たかね「……」
P「お前と出会って3年間とちょっとか……もうそんな経つんだな」
たかね「……」
P「お前と一緒にいるだけで、毎日が楽しかったよ」
春香「Pさん……!」ウルウル
たかね「……」
P「いままでありがとうな」
たかね「……あなたさま」
P「あっちでも、元気でな」
P「……っく、あー!目がかゆい!目がかゆいわー!」ゴシゴシ
春香「Pさぁん……たかねちゃぁん……」ポロポロ
たかね「なにをおっしゃっているのですか?」
P「あー……ん?」
たかね「あなたさまもごいっしょにまいるのですよ」
P「……ん?」
たかね「さあまいりましょう、むこうでわたくしのおかあさまがまっております」
P「え?ちょ、なに?」
UFO「吸い上げるでー……」フォンフォン
P「うわー!お空飛んでるー!」
春香「あ、あ!Pさんとたかねちゃんがキャトられてる!きゃー!わたしもー!私もつれてって!」
たかね「はるかはだめです」
春香「……あぁ、そう……」ショボーン
たかね「こんどはわたくしがあなたさまをやしなうばんでございますね」キラキラ
P「え?ヒモ?俺ヒモになれるの?やったー!」
たかね「ひも……ひもにはなれないきがいたしますが……?」
春香「Pさーん!ちゃんとご飯食べてくださいねー!3食ですよ!3食!」
こうして俺はキャトられた
まさかたかねに拉致されるとは夢にも思ってなかった
まあいい、キャトられたなら仕方ない、向こうでの生活を楽しもうじゃないか
俺の戦いは!まだ始まったばかりだ!
貴音(16)「おや……どなたでございましょう、この方は」ジロジロ
たかね「わたくしのふぃあんせでございます」
貴音(10)「なんと……ませてございますね、たかねは」ペタペタ
貴音(3)「ふぃあんせ……めんよぉな」ギュー
貴音(20)「地球の方でございますね……」ジロジロ
貴音(2x)「どうでしょう、私とでぇとなどでも」ベタベタ
P「なにこれ天国」
たかね「ずっといっしょでございますよ!あなたさま!」ピョンピョン
俺はハゲじゃないぞ、別にうpとかしないけど
あとSSはめだかとか書いてたけど、アイマスは童貞
リアルは童貞じゃないけどな、ハゲでもない、マジで
いやマジで、うpとかできないけど、マジだから
乙
毎日月にカップらぁめんをお供えすれば迎えに来てくれるんでしょうか
乙
ハゲかけてる俺でも貴音に会えるかもしれないという生きる希望が湧いた
貴音が可愛くて余は満足じゃ
Entry ⇒ 2012.03.27 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (9) | Trackbacks (0)
P「千早がプルプルしてる?」 春香「はい」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332759481/
春香(千早ちゃん…?)
千早「…これは」グヌヌ
美希(千早さん…)
千早「…くやしいけれど」ギリッ
雪歩(千早ちゃん…)
千早「…」スッ スタスタ ガチャ バタン
春香「なんだか緊張したー…」
美希「千早さん、どうかしたの?」
雪歩「何かを読んでたみたいですぅ」
春香「台本…じゃないみたい。なんだろう、すっごい強い眼差しで読んでいたよね」
雪歩「あまりに真剣で、私まで息が詰まっちゃいましたぁ~」
美希「ミキもなの。ステージに立つ直前と同じくらい、ピリピリした雰囲気だったの」
春香「一体あの本は、何なんだろうね…」
美希「気になるけど、勝手に見るのはさすがに失礼なの」
美希「ミキが見た時は、なんだか悔しそうだったの」
雪歩「私が見た時は、少し怒ってたようにも見えます~」
美希「う~ん…演技の練習?」
春香「でも、千早ちゃんの性格だと、事務所で練習って考えにくいと思うよ」
雪歩「そうだよね。自宅かレッスンスタジオか…」
美希「…なりふりかまわないくらい、追い詰められてたりしてるのかも」
雪歩「千早ちゃんが、追い詰められてるって事ですかぁ?」
春香「千早ちゃん、ひとりで頑張りすぎちゃうところがあるから…」
美希「春香の言う通りなの。千早さんは頑張りすぎちゃうところが問題なの」
美希「もっともっと、ミキたちを頼ってくれたら嬉しいのに…」
雪歩「二人とも、ちょっと考えすぎ…だと思いたいですぅ」
春香「とにかく、あの本が何かわからないと、どうしようもないよね…」
ガチャ バタン スタスタ
千早「…」
美希(ついつい、春香たちと離れちゃったの)
雪歩(うぅ…なんで私は給湯室に来ちゃったんでしょうか~)
千早「…」ペラッ
美希(雑誌を見てるフリして千早さんを観察するの)
春香(曲の確認するフリして…出来るだけ自然に…)チラッ
千早「…」ククッ
美希(口の端だけで笑ったの…千早さんが、黒い笑い方をしたの!)
春香(なんだろう…さっきは悔しい感じや怒りの感じ…だけど今度は違う)
美希(相手を騙す、悪い女に見えてきたの…!)
千早「…」フフッ
美希(やっぱり…あれこの間、でこちゃんが練習してた、『クールな女の笑い方』なの!)
美希(千早さんは、凛とした中にはかなげなものも持ってて)
美希(なんていうか、孤高の存在って感じなの)
美希(他を寄せ付けない雰囲気もあるけど、実際はすごくやさしいし)
美希(歌だけじゃない、自分の芯をしっかり持ってる、ミキの憧れなの)
美希(ハニーが千早さんに悪女の仕事を持ってきたのかな…?)
美希(…)
美希(意外とハマる気もしてきちゃったの…さすがハニーは敏腕なの!)
美希(ミキに全力を注ぎながら他のメンバーにも気を配るなんで、本当にデキる子なの!)
美希(ミキ的には、あずさの悪女とかも、すっごい似合うと思うなー)
春香(でも、さっきの表情は、ほんの少しだけ笑ったよね)
春香(面白いから笑う って感じじゃなくて、なんていうか)
春香(『なに?あなたずいぶんやるじゃない』みたいな)
春香(上から目線?全てを見切った感じ?)
春香(…わからない。わからないよ!千早ちゃん!)
春香(そういう役柄が回ってきたなんて、そんな話も聞いていないし)
春香(…あ)
春香(イヤホン片方だけにすれば、声も聞こえるね)
千早「…やっぱり」ペラッ
千早「…」ペラッ
千早「…」ペラッ
千早「…次はベンチね」ペラッ
千早「…」ペラッ
千早「…やっぱり」ペラッ
雪歩「千早ちゃん、お茶どうぞ~」ニコニコ
雪歩「どういたしましてですぅ~」スタスタスタ
春香(ゆゆゆ雪歩!?逃げ込んだ給湯室といつものお茶くみを使った頭脳プレイだけど!)
美希(すっごいの、雪歩。あんな大胆に攻めるなんて…恐ろしい子!)
雪歩「千早ちゃん、昆布茶どうぞ~」ニコニコ
春香(また来た!雪歩それはムリがあるよ!)
千早「ありがとう萩原さん」
春香(普通に飲んだ!)
春香「…」
美希「…」
雪歩「…」
美希「雪歩は大物なの」
春香「本当だよ。最初のお茶は、勇気ある凄い作戦だと思ったけど」
春香「その直後に、違うお茶も持ってくるなんて思わなかったよ」
美希「さすがのミキも、あれはまねできないと思うな」
雪歩「でも、肝心の本の中身はわからなかったですぅ…」
雪歩「二杯目を普通に飲まれちゃって、私の方が動揺しちゃいましたし」
美希「『やっぱり』と『次はベンチね』って」
雪歩「ベンチって、やっぱり公園のベンチかなぁ?」
春香「弁知:わきまえる、思慮分別がある って言葉もあるみたい」
美希「耳にタコのタコも、胼胝(べんち)っていうらしいの」
雪歩「あ、ベンチマークとかも聞いたことありますぅ」
三人「うーん」
春香「なんだか、ますます謎が深まってきちゃったなー」
春香「本を読むのに疲れて、気分転換に行ってるのかと思ったけど」
美希「それだけじゃない気もしてきたの」
「ただいまー」
律子「あら?三人とも難しい顔して、どうしたの?」
美希「律子…さんなら何か知ってるかもしれないの」
春香「あの、実は…」
雪歩「律子さんは、何か聞いていませんか?ドラマのオファーがあったとか…」
律子「うーん…私はそういう話、聞いていないわ」
律子「千早本人かプロデューサー殿に確認、とってみるわね」
春香「ちょ、ちょっと待ってください!」
春香「もしかしたら、千早ちゃん、悩んでるかもしれないけど」
春香「自分なりにそれを打破しようとしてる様にも見えたんです!」
春香「だから、あの…千早ちゃんが自分から言ってくれるまで、待ってくれませんか?」
律子「…一番身近で千早の事を見ている春香がそこまで言うなら、もう少し様子を見ましょうか」
律子「で・も!千早に少しでも何かあったら、すぐに相談する事!」
律子「あななたちもよ?悩みがあったりしたら、バンバン相談しなさい?」
千早「…」ペラッ
春香(帰ってきたらすぐに本を読み始めてる)
春香(…? でもこれって、普通の事じゃない?)
春香(私だって本読むし、それが難しい本で、表情が硬くなる事もある…よね?)
春香(もしかして、私たちの考えすぎ…?)
千早「…」ペラッ
千早「…春香」
春香「!? は、はいっ!」
千早「枕…って、重要なのよ。おかしな眠り方は体に不調をきたすわ」
千早「ちゃんと、自分の体にあう枕を見つけられるといいわね」
春香(今日も本読んでる…)
雪歩(昨日と同じ本…?なのかな)
美希(眠いけど、千早さんの方が気になるの)
千早「…行ってきます」スッ スタスタ ガチャ バタン
美希「千早さん、今日は…」
雪歩「やよいちゃんと一緒に、お料理さしすせその収録になってますぅ」
春香「そっかー、今日は調査できそうにないかもね」
雪歩(調査!?)
美希(調査って言ったの)
美希「やよい、おかえりなの!」
雪歩「やよいちゃん、おかえりなさい」
春香「おかえり、やよい」
やよい「ただいまですー!みなさんお菓子タイムですかー!」
美希「やよい、シルベーヌあるの!」
雪歩「歌舞伎揚げもありますぅ~」
春香「チーズおかきもおいしいんだよ!」
やよい「う~!ここはお菓子天国ですー!」ウッウー!
春香「うん、今日のお料理さしすせそ、どんな感じだった?」ボリボリ
やよい「えーと、ずっとニコニコしてて、すっごく楽しかったです!」ボリボリ
美希「休憩中とか、何してたの?」モフモフ
やよい「休憩中も、千早さんとお料理のお話です!」モフモフ
雪歩「へ~。じゃあ今日はお料理デーだったんだぁ」バリバリ
やよい「そーなんです!千早さんも最近、自分で料理してるらしくて」バリバリ
やよい「なんでそんなに、千早さんの事が気になってるんですかー?」ボリボリ
春香「えーと、千早ちゃんってお料理苦手だったでしょ?」バリバリ
春香「だから心配になっちゃって…」ボリボリ
やよい「なるほどですー」モフモフ
春香「うん、もうちょっとゆっくりしていこうかな って」モフモフ
美希(雪歩おすすめの歌舞伎揚げ、お茶によくあうの)バリバリ
雪歩(美希ちゃんおすすめのシルベーヌ、おいしくて止まりません~)モフモフ
やよい「」
やよい「」ジーッ
美希「やよい、お菓子はたくさんあるから、お土産に持っていくといいの」
やよい「本当ですか!」ガタッ!
雪歩「うんうん、たくさんあるから好きなの選んでいいよ~」
春香「ほらやよい、チーズおかきあるよ、チーズおかき!」
美希「いい事をした後は、気持ちがいいの」
春香「やよい、すっごいニコニコして帰ってったね」
雪歩「私のおすすめお菓子も、すっごい喜んでくれました~」
美希「小鳥の秘蔵お菓子コレクション、こうやってみんなで食べる方が、お菓子も喜んでるはずなの」
美希「一人でこっそり食べてる小鳥は、反省した方がいいと思うな」
ガチャ バタン スタスタ
千早「ただいま、みんな」
雪歩「千早ちゃん、一緒にお菓子食べない?」
美希「おいしいバタークッキーがあるの!」
千早「ごめんなさい、今日はもう、帰ろうと思うから…」
春香「そっかー…。じゃあまた明日ね、千早ちゃん!」
雪歩「やよいちゃんが、お料理さしすせそ、とっても楽しかったって言ってました~」
美希「千早さん、気をつけて帰るの」
千早「ええ、みんな、ありがとう。また明日ね」 ガチャ バタン
雪歩「やっぱり、私たちの考えすぎなんでしょうか~?」
ガチャ
千早「そういえば美希」
千早「あなた、おにぎりは表と裏、どちらから食べる派?」
千早「」バタン
ガチャ
千早「それとも反対側からかしら」バタン
春香(時間差だー!)
春香「どういう事なんだろう…そもそも、質問の意味がわからないよ」
美希「おにぎりの表?裏?いったいどういう事なの…」
美希「こっちから見たら表、むこうが裏。でも反対から見たら…」
(千早『それとも反対側からかしら』)
美希「反対側って何?ミキが今、見てるのはどっち側なの!?」
美希「ミキが見てる…?見てるのはミキなの?おにぎり?ミキが見てるってなに!?」
春香「ちょ、ちょっと美希!落ち着いて!自分で勝手に難しくしちゃってるよ!」
雪歩「そうだよ美希ちゃん!自分で穴掘って埋まっちゃってるよ!それ私の役だよ!」
春香(あれ…?今日は本じゃない)
雪歩(千早ちゃんが、ポータブルDVDプレイヤーで何か見てますぅ…)
美希(一晩寝てわかったの。おにぎりはおにぎりなの!表とか裏とか、そんなのないの!)
千早「…」ジーッ
春香(イヤホンしてるから、何のDVDかわからないけど、真剣な眼差し…)
雪歩「千早ちゃん、お茶どうぞ~」ニコニコ
雪歩「アクション映画っぽい感じでした!」
雪歩「カンフーっていうんですか?あんな感じのアクションですっ!」
美希「カンフー…」
春香「やっぱり、演技か何かの仕事のために勉強してるのかな」
美希「いままではそういうの、真君や響にやってもらう事が多かったけど」
美希「千早さんがアクションしたら、みんなびっくりするし、かっこいいと思うな」
美希「チャイナドレスとか、すっごく似合いそうなの!」
春香「千早ちゃんのチャイナドレス…」
雪歩「とっても似合いますぅ…」
「帰ってきたYO!」
亜美「おっ!千早お姉ちゃん、何見てるの?」
真美「DVDプレイヤーなんて持ってきて、もしかしてむっふっふ~なものですか!?」
春香(ナイス亜美、真美!私たちに出来ない事を平然とやってのけるっ!)
亜美「#□∀」
真美「○×△」
千早「~~~~///」
春香「のヮの」
亜美「おじゃましました、千早お姉ちゃん!」
美希「亜美、真美、ちょっと来て欲しいの」
亜美「お三方、なにやら怪しげで楽しげなふいんきですな~」
雪歩「千早ちゃん、どんなDVD見てたのかなぁ って」
真美「ん?え→っとね」
亜美「ダメだよ真美!敵にタダで情報を与えるなんて!」
亜美「使えるものは最大限に利用!計画的にごりYO!」
雪歩「あぁ、ルマンドとバームロールっておいしいなあ♪」モグモグ
春香「んー!チーズおかき!チーズおかきはおいしいYO!」バリバリ
美希「やっぱりエブリバーガー最高なの」ボリボリ
あみまみ「条件提示くらいは、聞いてやろうではないか」
真美「カンフーのにーちゃんたちがね→」バリバリ
美希「ちょっとふたりとも、お菓子ばっかり食べないで少しはDVDの事を言うの!」
亜美「カンフーの」「カンフーの」
真美「にーちゃんたちが」「にーちゃんたちが」
美希「卒業式みたいにやってもダメなの!」
雪歩「カンフーのところで、話がずーっとループしてますぅ…」
春香(お菓子はたくさんあるし、そのうち飽きるよきっと)ボリボリ
春香「カンフー少年をロボットがビームで蹴散らして」
美希「解決したと見せかけて、恐怖の大王が襲ってきて」
雪歩「アルバイトに受かる ですかぁ…」
真美「あれっ!?」
亜美「真美、これ亜美たち絶対疑われてるよね…」
真美「本当だよっ!真美たちウソなんて言ってないって!」
亜美「ちゃんとタイトルだって聞いたんだYO!」
真美「え~…っと」
亜美「あり…あしがい?ざりがに?」
真美「…コカイン?クレマチス?クローン?」
亜美「ほうぼう?ごうこん?ごるごん?」
真美「…」チラッ
亜美「…」チラッ
あみまみ「さ、サイクローンGOGO…?」
雪歩「インターネットで検索しても、それっぽいの見つかりません~」
美希「答えたふたりの不安いっぱいな顔を見たら、見つからないのも当然だと思うな」
春香「でも、アクションものっぽいのは確実みたいだね」
雪歩「アクションかぁ…やっぱり、そういうお仕事が千早ちゃんに来たって事なのかなぁ」
千早「DVDも見終わったし、今日はそろそろ帰ろうかしら…」
春香「まだ夕方前だね」
美希「ちょっと追跡してみるの」
雪歩「えぇっ、美希ちゃん、それはちょっといけないよう…」
美希(春香、雪歩がなんだか生き生きしてるの)
春香(うん。私もちょっと戸惑ってるんだ)
雪歩「あっ!公園、公園に入っていきますよ!」
美希(はしゃぎっぷりが、あみまみみたいなの)
春香(きっとこういうの、一度やってみたかったんだと思うよ)
雪歩「ほらふたりとも!ゆっくりしてると見逃しちゃうよ!」
千早「ふぅ」
春香「空を見上げてる…」
雪歩「どうしたんでしょうか…」
千早「はぁ」
美希「千早さん、今度は頭を抱えてうつむいてるの…」
春香「これって。もしかして、相当深刻な悩み…!?」
千早「…」スッ スタスタ
雪歩「帰るみたいですぅ」
春香「千早ちゃん、大丈夫かな」
美希(千早さん…)
美希「?」
春香「千早ちゃんと同じ事をしてみれば、もしかして気持ちが少しわかるかも!ってね」
雪歩「同じ事っていうと…空を眺めたり、頭を抱えてみたり?」
美希「うーん、それで何かわかるとは思えないけど、一応やってみるの」
春香(そらきれい)
雪歩(あのプールの下にはロボット基地がありそうです~)
美希(アリさんが頑張ってるの)
律子「ええ、そうよ」
美希「そんなことないよ!律子…さん」
雪歩「ふえぇ、それは誤解ですぅ」
律子「悩みがあったらすぐ相談する事!言ったわよね?」
律子「まったく…。ミイラ取りがミイラになるって言葉、知ってる?」
春香「誤解ですって!どこからそんな情報が入ったんですか?」
「わたくしです」
貴音「ええ。わたくしが、べんちに座るあなたがたを見て、律子嬢に相談いたしました」
貴音「最初は、三人で空を眺めていましたから、気分転換でもしているものかと思いました」
貴音「ですが、次はみなで、うつむいているではありませんか」
貴音「そこで ぴーん ときたのです。ああ、これはきっと、何か悩んでいるのでは と」
貴音「空に『こうなりたいな』という希望を映し」
貴音「地面に映る、己の影を見て、まだ飛べていない現実を知る」
貴音「理想と現実…そのぎゃっぷというものに、いつの時代も人は苦悩するものです」
貴音「わたくしだって…身近なぎゃっぷに苦悩する事があるので、よくわかります」
貴音「食品さんぷると、出てきたもののぎゃっぷ…」
貴音「小さき事 と思われるかもしれませんが、わたくしには、とても大きなしょっくなのです」
貴音「しかし、らぁめん二十郎という店舗は、いい意味でのぎゃっぷを」
律子(長い)
雪歩「そうなんですよ~」モクモク
貴音「相手の気持ちを知るために、同じ環境に立ってみる…」モグモグモグモグ
貴音「それは、真よき考えかと。みなは優しいのですね」モグモグモグモグ
律子「千早がそんな行動をね…ちょっと、本格的にマズいんじゃない?」モスモス
春香「亜美たちの話から、見ていたDVDはアクションものっぽいとはわかったんですけど」ボリボリ
美希「本やDVDも気になってたのに、あんな姿見せられたらまた心配事が増えたの」モシャモシャ
貴音「はて、ちょこりえーるが無くなったようです」モグモグモグモグ
貴音「次はぶらんちゅーるを開けましょう」
春香「うん、何かアクションの相談とか、受けてないかなー って」
真「うーん…。ずっと前に、ダンスで使えそうだから って」
真「足を上げた時の、バランスの取り方のコツは聞かれたけど」
真「アクションのコツなんてものは、聞かれた事が無いなあ」
春香「そっかー…。ありがと、真」
真「何かあったの?」
雪歩「実はね、真ちゃん」
美希「そうなの…。千早さんの事、心配なの」モサモサ
春香「大丈夫だと思いたいんだけど、やっぱり心配で」バリバリ
雪歩「真ちゃん、真ちゃんも何かあったら、私たちに頼っていいんだよ?」ポリポリ
美希「? どうしたの、真君?」モサモサ
真「ん?ああ、えっとね」モグモグ
真「春香たちの言う、『自分なりに打開してほしい』って気持ちもわかるけど」
真「もしだよ?もし、本当に千早が追い詰められていて」
真「追い詰められているけど、自分からは誰にも相談できない状況だったら?」
真「見守る事が、結果的に見殺しになっちゃったら、って思って…」
雪歩「そ、それは」
美希「そういわれると、困るの…」
真「ごめん。あくまで最悪の事態を考えてみたら、って事なんだけどさ」
ガチャ バタン
千早「ただいま帰りました。あ、みんな、おやつタイム?」
春香「うん!ちょっと時間遅いけど、甘いものはエネルギーになるから」
美希「千早さん、さくさくパンダ、おいしいよ!」
雪歩「千早ちゃん!ふ菓子の二度塗りもおいしいよ?」
真「ひもQ!超ひもQもあるよ!」
春香「チーズおかき!チーズおかき!」
ちくしょう食べたくなってきた
同じ事考えてたわ
千早「あ、もうこんな時間。そろそろ私、帰るわ」
春香「うん、千早ちゃん、また明日」
美希「千早さん、また明日なの」
雪歩「千早ちゃん、気をつけてね」
真「お疲れ様、千早。また明日!」
千早「ええ、みんな、また明日」
ガチャ バタン
雪歩「うん、私もそうとしか思えなかったなぁ…」
ガチャ
千早「そういえば、わさびを食べて鼻がつーんとした時はね」
千早「…」バタン
春香「」ドキドキ
美希「」ドキドキ
雪歩「」ドキドキ
真「?」
春香(今度は来ない!)
雪歩「『わさびを食べて鼻がつーんとした時はね』と言って」
美希「普通に帰ったみたいなの」
春香「新しいパターンだね」
雪歩「身構えてたのに、見事に騙された感じですぅ…」
美希「…」ペチペチコネコネ
「ちょっとあんたたち、そんなところで何やってんのよ」
春香「おかえり、伊織」
伊織「ただいま。途中で、グミを食べて上機嫌な真に会ったわよ」
雪歩「真ちゃん、さっきまで私たちと一緒にお菓子食べてたから…」
伊織「あれひもQよね?まだあるの?」トントン
伊織「ん?」
美希「おかえりなの、でこちゃん。ひもQは無いけど、お寿司があるの」
伊織「お寿司?なに、出前でも取ったっていうの?」
美希「まあ、そんなとこなの」
伊織「なんで手巻き寿司自作してんの!どこから酢飯と海苔持ってきたのよ!!」
伊織「それはまだ許すわよ!中身よ、中身!」
伊織「中身わさびじゃない!中身!わさび!な・か・み!わ・さ・び!」
伊織「そんなものを人に食べさせるなんて、どうかしすぎよあんた!」
美希「つーんと、した?」
伊織「は?」
美希「わさび食べて、鼻、つーんとした?」
伊織「つーん どっこじゃないわよ!見てわかんない!?泣いてるのよ!」
伊織「いまはもう大丈夫だけどね、今度こんな事やったら、本当に許さないんだから!」
美希「以後、気をつけます」
伊織「口ばかりの反省はいらないわよ!」
美希「…」スッ
伊織「!」
伊織「あ、あんたも本当に反省してるみたいね!」
春香(たべっこどうぶつだ)
雪歩(伊織ちゃん、たべっこどうぶつ好きなのかなぁ)
伊織「あんたたち、仲間のひとりも信じられないわけ?」
雪歩「でも真ちゃんが、『見守る が 見殺し になるかも』って…」
伊織「それは真が、いっちばん最悪の場合って考えで言った事でしょ?」
伊織「そんな事は絶対に起きないわよ。絶対。私が言い切るわ」
伊織「そりゃ、確かに千早は、一人で出来る事は一人でやろうとする」
伊織「当然、痛い目も見てきた事でしょうね」
伊織「でも、痛い目を見てきた頃の千早と、いまの千早は違うの」
伊織「千早は変わったわよ。もちろんいい方向にね」
伊織「私は千早を信頼してるの。大丈夫だと思う理由なんて、それだけで十分すぎるわよ」
あずさ「あらあら、春香ちゃん、おはよう」
春香「あれ、あずささん、今日はずいぶん早いんですね」
あずさ「そうなの~。今日は、あず散歩の特番ロケがあって」
あずさ「『耐久あず散歩』ってタイトルなんだけど、なんで耐久なのかしら?」
春香「特番って事は、誰かゲストもくるんですか?」
あずさ「ええ。千早ちゃんと、雪歩ちゃんがゲストに来てくれるの」
あずさ「本当はみんなで一緒に、お散歩してご飯食べて ってやりたいんだけど」
あずさ「人数的なもので、それは厳しいんですって。残念ね~」
春香(きっと今日は、千早ちゃんも雪歩も事務所には来ないんだろうな)
春香(もしかして、明日になってもロケが終わらない なんて事はないか)
春香(歩きすぎて筋肉痛 って事はあるかもしれないけど)ふふっ
春香(今日はテレビの台本でも読み込んでおこっと)
あずさ「あらあら、春香ちゃん、おはよう」
春香「あれ、あずささん、今日もずいぶん早いんですね」
あずさ「昨日、あず散歩の特番ロケで早起きしたから、今日も早く目が覚めちゃって~」
春香「ロケ、どんな感じだったんですか?私も行きたかったなあ」
あずさ「もう、すっごく楽しくて!普段も楽しいけど、誰かと一緒だともっと楽しいわね~」
あずさ「春香ちゃん、次の特番は、ぜひ一緒にお散歩しましょうね」
春香「楽しみにしてます!ウチの近くの山、てっぺんにアスレチックがあるんですよ!」
あずさ「そんな面白い場所があるの?」
春香「てっぺんから、海も見えるんですよ。でもそこまでの階段がキツくてキツくて…」
あずら「いい運動になりそうね~」
春香「?」
あずさ「昨日のロケ、海沿いと、お寺と、古い町並みを歩いたの」
あずさ「それでね、海に向かって、おもいおもいの言葉を叫んでみよう ってなって」
春香「海に行くとやりたくなりますよね。あずささん、何て叫んだんですか?」
あずさ「えっ?えーと、普通に『海のバカヤロー』って」
春香「雪歩はきっと…悩みに悩んで、『うーーみーーーー』とかですか?」
あずさ「春香ちゃんすごいわねー。言葉も、悩んだってところもあってるわよ」
春香「えへへ。雪歩なら、きっと迷って迷って、こうなっちゃうかな って」
あずさ「それで、千早ちゃんなんだけど…」
あずさ「海を指差して『塩辛いんだよ!』って」
春香「声、通ってました?」
あずさ「それはもう、すっごく」
雪歩「あの時のびっくりした私の顔、絶対オンエアで使われますぅ…」
美希「千早さんのそんな姿、ミキはなかなか想像できないの」
美希「生っすかの時は、振られてもなかなかそんな風にやらないのに」
春香「あず散歩は収録で、編集してもらえる気楽さがあったから挑戦したのかな」
雪歩「」チョイチョイ
春香「?」
美希「?」
雪歩「あれ…」
響「…」プルプル
美希「あの感じ…見た事あるの!」
雪歩「最初の、千早さんの反応と一緒ですぅ!」
響「…これは」ククッ
春香「チャンスかもしれないよ…!」
美希「響と、千早さんの読んでる本が同じだったら…!」
雪歩「一連の謎が解けるかもしれないです!」
響「えっ!?春香?なんだその呼び方?」
美希「響、完全に包囲したの!」
雪歩「か、覚悟しなさいっ!」
響「ちょ、え、自分、何かした…のか?」
春香「重要参考人として、事情を聞かせてもらおうか、我那覇響君」
響「重要参考人!?理由を聞かせてほしいぞ!どうなってるんだ?」
美希「事情は署の方で聞くの」
雪歩「弁護士を呼ぶ権利もあげますっ!」
響「なんだこれ!理不尽だ!」
春香「えへへ、ちょっと悪ふざけしてみました」
美希「春香のアドリブに乗ってみたの」
雪歩「頑張りました!」エッヘン
響「えぇ…あれアドリブだったのか…。すっごいびっくりしたんだぞ」
春香「ごめんね、響ちゃん。ちょーっとだけ、聞きたい事があって」
響「聞きたい事?」
美希「黙秘権はあるけど、使用は認めないの」
響「美希、まだ容疑者ごっこやってるのか…」
雪歩「単刀直入に聞きます!さっき読んでいた本は一体なんだー!」ドン!
響「春香…さっきから思ってたけど、雪歩が一番ノリノリだぞ」
響「本を出せば、とりあえず解放してくれるのか?これさー」ガサガサ
『王様はロバ ~はったり帝国の逆襲~』
美希「響…ミキ、嘘は好きじゃないよ」
雪歩「漫画?」
響「嘘なんかついてないぞ!」
響「ギャグ漫画だけど、笑うのがなんだか恥ずかしくて」
響「我慢してたから、プルプルしてたんだぞ!」
響「嘘だと思うんなら、三人とも読んでみるといいさ!」ドサドサッ
~~~~~
春香「…くっ」プルプル
美希「…」ピクッ
雪歩「…」フフッ
響「…鉄のお茶碗」プルプル
春香「…バカな家族にバカ売れ」
四人「…」ブフッ
春香「うん、響ちゃん、何か知ってるかなーって」
響「知ってるぞ」
美希「え」
響「千早が読んでる本、何か知ってるぞ」
雪歩「本当っ!?」
響「千早に読ませてもらったし、自分も王ロバ読ませたぞ」
響「反応は芳しくなかったけど…」
春香「ねえっ!千早ちゃんが読んでた本って何!?」
響「あれ、クロマティ高校だぞ」
雪歩「ん?」
響「クロマティ高校だぞ」
ミ 彡 ,.ィi彡',.=从i、;;;;;;;;;;;;
三 ギ そ 三 ,ィ/イ,r'" .i!li,il i、ミ',:;;;;
三. ャ れ 三 ,. -‐==- 、, /!li/'/ l'' l', ',ヾ,ヽ;
三 グ は 三 ,,__-=ニ三三ニヾヽl!/,_ ,_i 、,,.ィ'=-、_ヾヾ
三 で 三,. ‐ニ三=,==‐ ''' `‐゛j,ェツ''''ー=5r‐ォ、, ヽ
三. 言 ひ 三 .,,__/ . ,' ン′  ̄
三 っ ょ 三 / i l,
三. て っ 三 ノ ..::.:... ,_ i ! `´' J
三 る と 三 iェァメ`'7rェ、,ー' i }エ=、
三 の し 三 ノ "'  ̄ ! '';;;;;;;
三 か て 三. iヽ,_ン J l
三 !? 三 !し=、 ヽ i ,.
彡 ミ ! "'' `'′ ヽ、,,__,,..,_ィ,..r,',",
彡川川川ミ. l _, , | ` ー、≡=,ン _,,,
ヽ、 _,,,,,ィニ三"'" ,,.'ヘ rー‐ ''''''"
`, i'''ニ'" ,. -‐'" `/
ヽ ! i´ /
ノレ'ー'! / O
千早「…」ペラッ
春香(本だ)
美希(本なの)
雪歩(本です~)
千早「…」スッ スタスタ バサッ ガチャ バタン
春香「!!」
雪歩(千早ちゃんが、本を…!)
美希(これ…ついにチャンス到来って事!?)
雪歩「カバーがついてるから、何の本かわからないですぅ」
美希「ミキ、前に言ったの。勝手に見るのは失礼 って」
美希「でも、もういい加減、我慢の限界なの。ねえ春香!もう見てもいいよね!?」
春香「美希…。雪歩も、いいよね?いくよ!」
雪歩「うん!」
『魁!!クロマティ高校』
美希「響、ごめんなさい。ミキ、本当は少し疑ってたの」
雪歩「千早ちゃんがこれを…?」
春香「とりあえず、読んでみようか…」
美希「うん…」
雪歩「そうだね…」
美希「…オチはきっとゴリラ」プルプル
雪歩「…ベンチ」orz
~~~~~
春香「響ちゃんの証言もあるし、間違いないね」
美希「千早さんがずっと読んでいた本は、この漫画なの」
雪歩「いままでの行動を思い返してみると、共通点もありますぅ」
美希「でも、なんでこの漫画を読んでいたのかな?千早さんがすすんで読むものとは思えないの…」
春香「うーん…」
雪歩「美希ちゃんが前に言ってた、生っすかの事とかに関係あるんじゃ…」
春香「こういった漫画から、少しでもお笑いに慣れていこうとした って事?」
雪歩「うん。自分なりに勉強したから、海に『塩辛い!』とか言えたんだと思うなぁ」
美希「じゃあミキが言われた『おにぎりの表と裏』とかも…」
雪歩「千早ちゃんなりにお笑いを考えて、試してみたんだと思うよ」
雪歩「番組でいきなり挑戦するよりも、事務所で私たちに試して、反応を見たかったんだよ、きっと」
春香「お茶二連続を普通に飲んだのも、変な事に対して普通に接する、ギャップの笑いを誘ったと…」
美希「むー。すっごい悩みかと心配して、損したの」
雪歩「美希ちゃん、よかったんだよ、深刻な悩みじゃなかったんだもん」
ガチャ バタン スタスタ
千早「…」ペラッ
春香「千早ちゃん!」
千早「春香、どうしたの?」
雪歩「千早ちゃん!次の生っすか、期待してますぅ!」
美希「ミキにもどんどん、話振ってほしいの!」
千早「みんな…どうしたの、急に?」
美希(やっぱり、千早さんはミキの憧れなの!)ニコニコ
雪歩(千早ちゃん、もしバラエティのお仕事がきたら、一緒に頑張ろう!)ギュッ
千早「…」ペラッ
千早「…ふう、全17巻、読み終わったわ」パタン
千早「……あら?」
千早「これ『巡ろう!世界遺産』じゃなかったのね!」
はるみきゆきぽ「それは間違えないよ普通!!!!」
おわり
なんかほのぼのしたわwww
笑った
美希「んー、あみまみ、響あたりから借りたと思ったのに、違ったの」
雪歩「最近は漫画のレンタルしてるお店もあるから、そこから借りたのかも」
「私よ」
小鳥「千早ちゃんにクロ高貸したのは、私よ」
小鳥「『心温まる人間愛の本を貸してください』って言われて、間違えちゃった」テヘ
美希「小鳥…。小鳥は悪い子なの」
春香「そうだね…。悪い鳥だね…」
雪歩「人を振り回す、害鳥ですぅ…」
小鳥「え?え?ええええええ!?」
美希「小鳥悪い子!」
春香「小鳥悪い子!」
雪歩「小鳥悪い子!」
千早「小鳥悪い子!」
千早「小鳥悪い子!」
千早「こと あれ?」
はるみきゆきぴよ「お前が言うな!!!!」
美希「うん」
春香「あれはなんだったのかな?」
美希「雪歩の証言とあみまみの証言で、アクションっぽいとは思うの」
テケテケー
雪歩「大変ですぅ!、これ、見てください!」
『魁!!クロマティ高校 THE MOVIE』ドドーン
春香「実写版…!」
美希「千早さん、そんなところまでチェックしてたの!?」
ID違うと思うけど>>1です読んでくれた方ありがとうです おしまい
おつwww
いいものを見せてもらった
サイ→魁! クローン→クロマティ GOGO→高校
なるほど
そこでネタばらし仕込んでたのか・・・すげーな
ミスリードまで誘うとは
Entry ⇒ 2012.03.27 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
エルルゥ「気がつきましたか?」ジャギ「なんだテメェは?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1326642879/
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332687658/
ジャギ「……そうか」
エルルゥ「良ければ、貴方の名前……聞かせてくれませんか?」
ジャギ「名前か? 俺は……」
ジャギ「おいお前、俺の名を言ってみろ」
エルルゥ「え、いや、わかりませんし」
エルルゥ「もしかして、記憶喪失とか……」
ジャギ「ぐぬ……自分の事を何一つ思い出せん」
ジャギ「いや……弟が憎くて仕方ないって事だけは覚えている!」
エルルゥ「それは忘れて良かったんじゃ……」
ジャギ「そんな事ないと思うが……というか、何だこの鉄仮面?」
エルルゥ「まだ貴方が寝ている時に、お顔を拭く為に脱がそうとしたんですけど、手をかけたら物凄く暴れて……」
ジャギ「別に仮面を取るぐらいどうって事……」グッ
ズキッ
ジャギ「ぐあっ!?」
エルルゥ「どうしました!?」
ジャギ「顔がッ!? 痛ぇぇ!!」
ジャギ「はぁ……はぁ……」
エルルゥ「大丈夫ですか?」
ジャギ「すまん、仮面は取れなさそうだ……」
エルルゥ「いえ、無理を言ってすいません……」
ジャギ「……」
エルルゥ「……」
トゥスクル「騒がしいと思ったら……気がついたみたいだね」
エルルゥ「おばあちゃん」
ジャギ「俺は……」
エルルゥ「おばあちゃん、この人記憶がないみたいなの」
トゥスクル「なんと。それは不便じゃな……」
トゥスクル「ならばハク……」
ジャギ「……」
トゥスクル「ンンッ! ジャギオロ、今日からジャギオロと名乗るがよい」
ジャギオロ(なんと……南斗…………)
エルルゥ「これからよろしくお願いしますね、ジャギオロさん!」
アルルゥ「!」ササッ
アルルゥ「……」チラッ
エルルゥ「アルルゥ! 出てきてご挨拶なさい!」
アルルゥ「や!」テテテ
エルルゥ「もう! アルルゥったら!」
トゥスクル「すまんな。人見知りが激しくて」
ジャギオロ「気にしてねぇよ。あんま興味ねーし」
エルルゥ「肩お貸ししますか?」テクテク
ジャギオロ「いらねーよ」テクテク
「おーい! エルルゥ!」
エルルゥ「あ! テオロさんにソポク姉さん!」
ソポク「こんにちはエルルゥ」
テオロ「そっちは怪我してたアンチャンだな? もう歩いて大丈夫なのか?」
ジャギオロ「……知り合いか?」
エルルゥ「村の仲間のテオロさんとソポクさん。この村ではみんな家族みたいに仲良く暮らしているの」
ジャギオロ「平和なんだな」
ドドドドド
テオロ「……それが案外そうでもないんだよ」
「さっさと作物を出しな!」
トゥスクル「税ならこの間払ったじゃろ! とぼけた事言っとらんで、さっさと帰りなさい!」
ヌワンギ「ところがどっこい、今期から増税する事が決まってんだ!」
トゥスクル「増税じゃと!?」
ヌワンギ「ああ、領主である俺の親父、ササンテが正式に決定した事だ。痛い目見たくなかったら、さっさと出す物出しな!」
ヌワンギ「ようエルルゥ! 会いたかったぜ!」
エルルゥ「どうして……こんな事するの? 村の暮らしが豊かじゃない事ぐらい、知ってるでしょ」
ヌワンギ「決まりだからな。この村に限らず、親父の領主の村は全部増税している」
ヌワンギ「いくらエルルゥの村とはいえ、無条件で免除って訳にゃいかねぇんだ」
ヌワンギ「だったら俺と一緒に来い! 最高の贅沢をさせてやる!」ガシッ
エルルゥ「イヤッ! 離して」
トントン
ヌワンギ「なんだ! 今は取り込み中……うわ!?」
ジャギオロ「その汚ぇ手を離せ」
エルルゥ「ジャギオロさん!」
「オウオウ、なんだテメェ!」
「ヌワンギ様に逆らうのか?」
ジャギオロ「もう一度だけチャンスをやる。その汚ぇ手を離しやがれ!」
ヌワンギ「この野郎! 言わせておけ……ばわっ!?」ビクッ
ピキーンッ
ヌワンギ「あがが!? 手が……勝手に!」グググッ
ジャギオロ「死にたくなかったら、二度とエルルゥに触れるな!」
やだ…かっこいい…///
「こいつがやったのか!?」
ヌワンギ「く……! 殺せ! 何してんだ!」
「は、ハッ!」
ザザザッ
ジャギオロ「なんだ? 俺とやるのか?」コキコキ
トゥスクル「いかんジャギオロ! せっかく助かった命を投げ捨てるでない!」
「死ねぇー!」
エルルゥ「ジャギオロさーん!」
『なんだそりゃ? 攻撃のつもりか?』
「へ?」
ドスッ
ジャギオロ「スローすぎて欠伸が出るぜ」スタッ
「減らずくひぉ!?」ビクッ
ピキーンッ
「からだが!?」ググッ
「な……何故だ!?」ググッ
ヌワンギ「お、お前ら何やってんだよ!」
ザッ
ジャギオロ「おいお前!」
ヌワンギ「ひぃ!?」ビクッ
俺 の 名 を 言 っ て み ろ
ヌワンギ「し、知らない! お前の事なんか知らない!」
ジャギオロ「……そうか。この胸の傷が手掛かりになると思ったんだが」
ソポク「兵士の奴ら、まるで金縛りにあったみたいに動かないよ!」
ヌワンギ「ぐぇ!?」グイッ
ジャギオロ「さっき税金がどうとか言ってた気がするが……気のせいだよな?」ギロッ
ヌワンギ「は、はひい……!!」ブルッ
ジャギオロ「それでいい」ズッ
ヌワンギ「うげっ!?」ビクッ
ジャギオロ「俺の気がかわる前に失せろ! そして二度とそのツラ見せるんじゃねぇ!」
エルルゥ「あ、ありがとうございました……」
ジャギオロ「……」
ジャギオロ「すまねぇ。ついカッとなって暴力を……」
テオロ「アンチャンは悪かねぇよ! いつもいつも無理難題を押し付けてくるササンテが悪いんだ! なぁ、みんな!」
…………
テオロ「あれ……?」
トゥスクル「皆テオロと同じ気持ちじゃ。じゃが、一層ササンテからの風当たりが強くなる事を考えると……どうしても声を大にしては言えんのじゃ」
トゥスクル「……そうならん事を願うしかないね」
ヌワンギ「クソッ! クソッ! あの仮面野郎……俺様を見下しやがって!」ガッガッ
ヌワンギ「何がエルルゥに触れるなだ……コノッ!!」ガゴッ
――ウォォォオオオンッ――
ヌワンギ「ひぃ!? な、なんだこの鳴き声?」
エルルゥ「隣村で死人が!?」
テオロ「ああ。食いちぎられた死体から察するに、森の主(ムティカパ)様の仕業みたいだ」
エルルゥ「でも、なんで急にムティカパ様が……」
トゥスクル「ムティカパ様を祀った祠が、誰かに壊されておったらしい」
エルルゥ「おばあちゃん」
ソポク「村の人間じゃないね。ムティカパ様を怒らせたらどうなるか、私達は知っているもの」
エルルゥ「村を襲っているのはムティカパ様の使い。もし、危害を加えたら、更に祟りが降りかかるかも……」
トゥスクル「それに、ムティカパ様の毛は鋼より硬く、槍をも通さぬ。しなやかで賢く、強靭な身体を持っておる。わしらは、嵐が去るのを待つしかない……」
ジャギオロ「……」
ムティカパ「グルルル……」ザッ
『やっと現れおったか』
ムティカパ「!」ザッ
ジャギオロ「テメェがムティカパか。何かと思えば育ちすぎの虎じゃねぇか」
ムティカパ「グルルル……!」
ジャギオロ「来いよ化け物」スッ
ムティカパ「グガァッ!!」バッ
ジャギオロ「よッ!」ザッ
ムティカパ「グァッ!」バッ
ジャギオロ「ふッ!」スッ
ジャギオロ(はっきりと奴の攻撃が見える! 後は奴の攻撃パターンを見極め……)
ムティカパ「ガァッ!!」ブォッ
ジャギオロ「見えた!! その首貰ったァ!!」グォッ
――ガギィンッ
ジャギオロ「なにっ!?」
ジャギオロ「ぐあぁッ!?」ズザァァッ
ジャギオロ「ぐうぅ……!?」ブシャッ
ジャギオロ(硬いとか……そういう問題じゃねえ! 俺の拳が当たる瞬間、奴の体毛が俺の攻撃を防ぎにきた!!)
ムティカパ「ガウァッ!」バッ
ジャギオロ「ちィ!!」ゴロゴロッ
ジャギオロ「はぁ……はッ!」ダラダラ
ジャギオロ「……ッ、はぁ……後はゆっくり追い詰めるってか? 確かにそこらの肉食獣とは違って、慎重さを兼ね備えてるみてぇだな」ジリッ
ジャギオロ「あんま使いたくなかったが……背に腹は代えられんな」チラッ
ムティカパ「ガァッ!!」グァッ
フッ
ムティカパ「!?」ザッ キョロキョロ
バチャァッ
ムティカパ「ギャウ!?」
『丈夫が自慢の毛皮みてぇだが、耐火性はどうかな?』
ボウッッ
ムティカパ「ギャウ!? ギャオンッ!!」ゴロゴロッ
ジャギオロ「いかに毛皮が硬くとも、液体ばかりは防げまい! どう足掻こうと貴様は助からんわ!」
ムティカパ「ギィィ……ギャウァッ!!」ダッ
ジャギオロ「! 逃がすか!」タタッ
…………
エルルゥ「はいはい……」
エルルゥ「……? あれ、ジャギオロさんがいない」
アルルゥ「おしっこ?」
エルルゥ「そう、なのかな……」
エルルゥ(……嫌な予感がする)
ジャギオロ「ちッ、見失ったか」
ジャギオロ(どうする……ムティカパを狩るには絶好の機会だが、見知らぬ森での深追いは危険だ)
ジャギオロ(しかも相手は手負いの虎。捨て身になると何をするかわからん)
ベチャッ
ジャギオロ「!」
ムティカパ「グルルル……ッ!」ビショ…
だが、それは同時に、防御を捨てた必殺の一撃を繰り出す事を意味していた
ジャギオロ「ハァァァ……!」スススッ
ムティカパは、ジャギオロと相対し死を覚悟した!!
ムティカパ「…………ッ」ギラッ
そして、ジャギオロも、ムティカパを仕留めるには捨て身の一撃を加えなければならぬ事を悟っていた!!
ムティカパ「…………」
――――ピチョン
ムティカパ「グァァアッッ!!」ゴウッ
ジャギオロ「北斗羅漢撃!!」バババッ
―――ガガガガガガガガガッッ―――
エルルゥ(何か……力と力がぶつかり合っているような……)
アルルゥ「おねーちゃん……」ギュ
エルルゥ「大丈夫。大丈夫だから……」ギュ
アルルゥ「ん……」
アルルゥ「!」ビクッ
エルルゥ「どうしたの?」
アルルゥ「しんじゃう」
エルルゥ「死ぬ? ジャギオロさんが!?」
エルルゥ「ちょっと! 待ってって……」
エルルゥ「!? ジャギオロさん!」タタタッ
ジャギオロ「え……るるぅ……?」
エルルゥ「しっかりして下さい!」
ジャギオロ「……ムティカパは」
エルルゥ「え……」
ジャギオロ「ムティカパは死んだか……?」
エルルゥ「……はい」
ジャギオロ「そう……か」
ジャギオロのすぐ側には、血まみれになったムティカパの亡骸があった
その死顔は、とても獣とは思えない程安らかで、あるいは、強敵と死力を尽くして戦えた事への満足感が表れていたのかもしれない
トゥスクル「馬鹿者! ムティカパ様と戦うなど、無茶な事をしよって!」
ジャギオロ「……傷に響くだろうが」
トゥスクル「生きてるのが不思議なぐらいじゃ! 痛くて泣き叫ぶぐらいが丁度ええわい!」ベシッ
ジャギオロ「いっっってぇぇえ!?」
トゥスクル「フンッ」スタスタ
ジャギオロ「クソッ! あのババア!」
エルルゥ「そうですよ。ジャギオロさんも、もう私達の家族なんですから、命を投げ捨てるような事はしないで下さい」
ジャギオロ「…………善処する」
エルルゥ「約束して下さい」
ジャギオロ「お前、結構頑固なのな」
エルルゥ「おばあちゃんの孫ですから」
ジャギオロ「ケッ」
エルルゥ「これは私を泣かせた分です」ベシッ
ジャギオロ「あいたぁッ!?」
テオロ「見せつけてくれるねぇ!」
ジャギオロ「ふぁ…………やっと寝れる」
トテトテ
ジャギオロ「……ぐぅ」
トテトテトテトテ
モゾ
ジャギオロ「……んぁ?」
ジャギオロ「……ぐぅ」
『アルルゥー! どこいったー!』
ジャギオロ「すぴー」
『アルルゥー! 出てきなさーい!』
ジャギオロ「……うるさいな」モゾ
ムニュ
ジャギオロ「あ? なんだ?」バサッ
アルルゥ「しーっ」
ジャギオロ「は!? アルルゥ?」
アルルゥ「……かくれんぼ」
ジャギオロ「…………そ、そうか」
『アルルゥー! いい加減にしなさい!!』
『ムティカパを生かしておくのがどれだけ危険かわかっているだろ!』
ジャギオロ「ムティカパ……?」
アルルゥ「知らない」ボテ
ジャギオロ「…………」
コロン
「ニャーウ」
アルルゥ「ムックル!」
「ニャー!」
ジャギオロ「ムティカパの子供か……」
「ニャー」ペロペロ
ジャギオロの脳裏に、死闘の夜が蘇る
最後の一撃を放つ寸前、ムティカパはジャギオロの瞳をじっと見つめていた
それは、先までの「読み合い」ではなく、目と目……心で交わす「会話」のように思えた
幾重も、幾重にも牙と拳を交わした二人には、いつしか友情に近いものが芽生えていたのかもしれない
ソポク「アルルゥのやつ、どこにいっちまったんだい!」
ジャギオロ「アルルゥならここだ」
テオロ「アンチャン! それにアルルゥも!」
エルルゥ「アルルゥ! 探したんだからね!」
アルルゥ「……」
テオロ「さ、ムティカパをこっちに渡すんだ」
ムックル「ニャー!」
テオロ「いい子だ」
ヒョイ
テオロ「あ!」
エルルゥ「ジャギオロさん!?」
ジャギオロ「おいムックル! 俺の名を言ってみろ!」
ムックル「ニャーン」
ジャギオロ「そうだジャギオロだ。みんな聞いたか? こいつは俺の名をちゃんと言えた。家族と言っても過言じゃない」
テオロ「あ、アンチャン!」
ジャギオロ「村の仲間は家族同然。家族は助け合わないとな!」
アルルゥ「あわないと!」
ムックル「ニャーン!」
トゥスクル「……ジャギオロ、ムティカパと共存できると思うかえ?」
ジャギオロ「こんだけ懐いてんだ、大丈夫だろ」
ジャギオロ「それよか、こいつがデカくなったら荷駄を引かせたり、ササンテの兵を追い返したり、色々使えそうだ」
ソポク「ま、まぁ、ウォプタルよか力はありそうだね」
ジャギオロ「力はいくらでも欲しいんだ。可能性は全て拾う。駄目だったらまた倒すまでだ」
アルルゥ「だめ」
ジャギオロ「じゃあお前がちゃんと躾ろよ」
アルルゥ「わかった」
ジャギオロ「確かに育ちが悪いな」
テオロ「だろ? 開墾した頃は結構順調だったんだが」
ジャギオロ「だが俺は農業の知識なんかねぇぞ。期待はするな」
テオロ「そう言わずに! 後で一杯つけてやるから! 頼んだぜ」
ジャギオロ「…………はぁ、土なんか見ても何もわからねぇよ」
ジャギオロ「……というか、俺には弟が憎いという記憶しかないんだよな」
ジャギオロ「俺は…………」
エルルゥ「ジャギオロさん!」
ジャギオロ「……エルルゥか」
エルルゥ「お昼、持ってきました」
ジャギオロ「いや、さっぱりだ。農業に関してはズブの素人だしな」モグモグ
エルルゥ「そうですか……」
ジャギオロ「……」
エルルゥ「……」
エルルゥ「あの、この前はありがとうございました」
ジャギオロ「この前?」
エルルゥ「あの、ヌワンギと揉めた時……」
ジャギオロ「誰だヌワンギって」
エルルゥ「……」
エルルゥ「ジャ、ジャギオロさん!」
ジャギオロ「随分とエルルゥに執着してるみたいだったな」
エルルゥ「……ヌワンギは私の幼なじみで、一緒にこの村で育ったんです」
ジャギオロ「あのひねくれ者がか」
エルルゥ「昔は真っ直ぐで、明るくて、いつも私を笑顔にしてくれてました」
ジャギオロ「……」
ジャギオロ「そして、歪んだ」
エルルゥ「…………」
ジャギオロ「ヌワンギに帰ってきて欲しいか?」
エルルゥ「え……」
ジャギオロ「今でも、ヌワンギとヤマユラで暮らしたいと思っているか?」
エルルゥ「…………はい」
ジャギオロ「そうか」
オボロ「遠路度々申し訳ありません」
トゥスクル「いいんだよ、孫に会いに来るようなもんじゃて」
オボロ「そう言っていただけると助かります」
ギィ
オボロ「ユズハ、トゥスクル様がお見えになった」
トゥスクル「ユズハ、こんばんわ。どうだい? 身体の具合は」
ユズハ「こんばんわトゥスクル様。おかげ様で最近は大分いいの」
ユズハ「……ところで、後ろの方はどちら様でしょう?」
オボロ「なに!?」バッ
ジャギオロ「……フフ」スッ
トゥスクル「ジャギオロ、いつから気づいておったんじゃ?」
ジャギオロ「最初からだな。バアさんがどこに行こうが興味が無いから放っておくつもりだったが、事情が変わった」
オボロ「……知り合いなのですか?」
トゥスクル「ジャギオロ、ウチの居候じゃ。わしの患者のユズハ、その兄のオボロじゃ」
ジャギオロ「ご丁寧にどうも。ユズハの方が兄貴より勘がいいみたいだな」
オボロ「なんだと!」
トゥスクル「さあ診察を始めるよ。さっさと出て行きな」
オボロ「……ほら、出ろ」
ユズハ「あ……」
フォンッ
ジャギオロ「あぶねぇな」スッ
オボロ「ユズハの事を口にするな。次口にしたら……殺す」
ジャギオロ「わかったわかった。カッカするな」
オボロ「……今日のところはトゥスクル様に免じて見逃してやる。さっさと出ていけ」
ジャギオロ「そうもいかん。まだ用事が済んでないからな」
オボロ「こっちはお前に用などない」
ジャギオロ「ケナシコウルペの悪政について調べて欲しい」
オボロ「……なんだと?」
オボロ「俺の知った事ではないな。さっさと出ていけ」クル
ジャギオロ「妹に光を与えたくはないか?」
オボロ「!!」
ジャギオロ「聞くのはタダだ。全て聞いてから判断しても遅くは」
ヒュオッ
シュンッ ビッ
ジャギオロ「……」ザッ
オボロ「軽々しく……希望を口にするなッ!!」
ジャギオロ「わからねぇな。何せ絶望した事がねぇからよ」
オボロ「貴様……ッ!!」ブチッ
ドリィ・グラァ「若様!?」
オボロ「ドリィ、グラァ、下がっていろ! やはりこいつは生かしておけん!」
ジャギオロ「妹の前に、まずテメェの性根を直す必要があるな……!」スッ
フォンッ ビュッ
タッ シュンッ ピッ ヒュンッ
ザッ
ジャギオロ「……速いな」ツー
オボロ「大口叩いた割に、手も足も出ないか!」ススッ
ジャギオロ「いや、指ならとうに出している」
オボロ「指だ……?」
ビキーンッ
オボロ「なっ!? あげぇ!!」ギギ
グラァ「一体どうしたんです!?」
オボロ「目がぁ!! 光が!?」ガクッ
ドリィ・グラァ「貴様! 若様に何をした!」
ジャギオロ「俺の話を信用してもらうのには、これが一番速いだろうと思ってな」スッ
ピキーンッ
オボロ「は……! はァッ!!」
ジャギオロ「俺の話を聞いてくれるな?」
オボロ「はぁ……はぁ……」
ジャギオロ「落ち着いたか?」
オボロ「……フンッ」
ジャギオロ「反発する力があるなら十分だな。本題に入るぞ」
ジャギオロ「俺の狙いは、ケナシコウルペ悪の枢軸を抹殺する事だ」
オボロ「なんだと!? 皇だけでなく、全員殺すというのか!?」
ジャギオロ「腰巾着程度なら、首脳陣が死ねば自然消滅するだろうが、諸悪の根元はそうもいかん」
ジャギオロ「手心を加えるつもりはない。禍根は全て断つ……!」
ジャギオロ「その為に、お前にはインカラ派の調査と同時に、反インカラ派の洗い出しも頼みたい」
ジャギオロ「と言っても、内情を探っていれば、おのずと分かる事だが」
グラァ「その反インカラ派を」
ドリィ「次の首脳陣に据えるんですね」
ジャギオロ「そうだ」
オボロ「できるのか?」
ジャギオロ「駄目ならまた潰す」
オボロ「アンタ、馬鹿だろ」
ジャギオロ「お前には言われたくねぇよ」
オボロ「14日!? いくら何でも短すぎる! 人間関係なんて、そう簡単に浮かび上がってくるもんじゃない」
ジャギオロ「14日で何とかしろ」
オボロ「クッ……わかった! やりゃあいいんだろ!」
ジャギオロ「わかればいいんだ」
ジャギオロ「では、俺は帰る」
オボロ「待て! なんでアンタはこんな事をしようと思ったんだ?」
ジャギオロ「……」
ジャギオロ「今の世界が気にくわない。それだけだ」
重傷を負って倒れていたところを村娘エルルゥ達に助けられた鉄仮面の男
記憶を失った男は、村長トゥスクルから「ジャギオロ」という名前をもらい、ヤマユラという小さな村で生活を始める
祠を壊された事に怒った大型肉食獣ムティカパを、ジャギオロが激闘の末に撃破
再び村に平穏が訪れるかと思ったのも束の間
ヤマユラ周辺の小村に重税が敷かれる事となった……
トゥスクル「ユズハ、元気しとったか?」
ユズハ「こんばんは、トゥスクル様。おかげ様で最近は本当に調子がいいんです」
ジャギオロ「ようユズハ、元気そうだな」
ユズハ「ジャギオロ様っ」ピク
オボロ「挨拶は済んだろ。さっさと来い」
ジャギオロ「へいへい。んじゃなユズハ」
ユズハ「あ……」
ジャギ様のお通りだー!
ジャギオロ「挨拶しただけじゃねーか。肝の小せぇ野郎だな」
オボロ「なにい!」
ドリィ「若様、抑えて下さい!」
オボロ「離せドリィ!」
ジャギオロ「で、ケナシコウルペの内情は」
グラァ「はい、これにまとめてあります」
オボロ「グラァ!」
ジャギオロ「でかした」
オボロ「約束! 絶対に守ってもらうからな!」
オボロ「っ! ……さっさと読め!」
ジャギオロ「そうさせてもらおう」ペラ
ジャギオロ(ケナシコウルペ、皇インカラによる独裁が続く国……)
ジャギオロ(…………行政はほとんど機能していないな。インカラのやりたい放題でよく今日まで生き残れたものだ)
ジャギオロ(……! 侍大将ベナウィ、か。こいつが実質)
ガシャーン
ジャギオロ「!」
オボロ「なんだ!?」
オボロ「ユズハ……!? トゥスクル様!」
トゥスクル「水と布を用意しな! ユズハを助けたくば、兄のお前がしっかりするんだよ!」
オボロ「! はい……!」
オボロ「ドリィグラァ! 布を用意しろ!」タタッ
トゥスクル「アンタも見てないで手伝いな!」
ジャギオロ「……」
ジャギオロ「……」スッ
ズグッ
ユズハ「ぅ!?」ビクッ
トゥスクル「これ! ジャギオロ!」ガタッ
ジャギオロ(気の流れに淀みが出来ている……)
オボロ「トゥスクル様、布を……!? 貴様! ユズハに何をしているッ!」ダッ
バキッ
ジャギオロ「……ッ」
ジャギオロ「……ッ、く……っ」ガスッ
ジャギオロ(経絡が滅茶苦茶だ……これだけ気が体内でうねっていれば、普通なら秘孔を突くまでもなく絶命するだろう)
ジャギオロ(ユズハとオボロ、か……面白い!)
オボロ「離さぬならその腕切り落として」
ズグッ
オボロ「っぐ!?」ビクッ
ジャギオロ「ギャアギャアうるせぇんだよ!」
オボロ「貴様! これ以上ユズハに触れ――!?」ピキーン
北 斗 神 拳 奥 義
残 悔 積 歩 拳
オボロ「あ!? 足が……勝手に!!」ヨタヨタ
ドリィ「若様!?」グラァ「若様!?」
ジャギオロ「お前は外で待ってろ」
オボロ「ゆ、ユズハー!!」ヨタヨタ
ジャギオロ「うるせぇ野郎だ……」
ユズハ「ゼェ……ゼェ……」
トゥスクル「ジャギオロ、何をするつもりじゃ」
ジャギオロ「なに、ちょいと血行を良くしてやるだけだ」ズグッ
ユズハ「ぅぁ……!」ビクッ
トゥスクル「……っ」
ジャギオロ(……ッ、思ったより複雑だ。もたもたしてるとユズハの体力が保つか……)
ユズハ「く……ぅぅ……」ガクガク
ジャギオロ「鎮痛薬は」ズグッ
トゥスクル「これ以上の投与は危険じゃ。後遺症が残ってしまう」
ジャギオロ「…………」
ジャギオロ(おかしい……淀みは一通り解消したのに、気の流れが改善しねぇ)
ジャギオロ「何故…………」
――――ドクン――――
ジャギオロ「!!!!」
ジャギオロ「心臓だ」
トゥスクル「心臓……?」
ジャギオロ「心臓の腫瘍が血液の吐出を妨げている! その所為で身体に負担が掛かっているんだ」
トゥスクル「く……」
ジャギオロ(どうする…………どうすれば…………)
ジャギオロ「! 今のは……」
ユズハ「……ハ、……はっ」
ジャギオロ「……迷っている場合ではないな」
ジャギオロ「ババア! ユズハの身体を起こせ!」
トゥスクル「! いきなり何を言うかと思えば! ユズハの身体に負担をかける事は」
ジャギオロ「孫助けたかったら言うとおりにしろ!」
ユズハ「……っ、…………」
ジャギオロ「動かすなよババア。少しでも動いたらユズハは助からん」カキカキッ
トゥスクル「……わかった。ユズハを頼むぞ」
ジャギオロ「…………」
ユズハ「…ジャギ……さ…ま」
――――南斗邪狼撃――――
ツプッ
ユズハ「」ガクッ
トゥスクル「ユズハ!?」
ジャギオロ「なんとか腫瘍は取り除いた。後はユズハの体力次第だ。」
ジャギオロ「こっからはお前の領分だ。頼んだぜ、ババア」
トゥスクル「こ、これ、ジャギオロ!」
オボロ「貴様! 俺の身体に何をした!」ヨタヨタ
ジャギオロ「…………ああ、忘れてた」
ズグッ
オボロ「ッ、ユズハー!!!!」ダダダ
ジャギオロ「……兄、か」
ジャギオロ「ふぁぁ……眠」
「ジャギオロさん」
ジャギオロ「!」
エルルゥ「……お帰りなさい」
ジャギオロ「……」
エルルゥ「外は冷えますよ。さ、中へ」
ジャギオロ「……何も聞かないのか?」
エルルゥ「……聞いたら答えてくれるんですか?」
ジャギオロ「……」
エルルゥ「いいんです。こうして……ちゃんと帰ってきてくれたから」
ジャギオロ「……」
ジャギオロ「今夜、また出掛ける」
エルルゥ「ちゃんと、戻ってきて下さいね」
ジャギオロ「ああ、約束しよう」
……
ジャギオロ「容態はどうだ」
オボロ「まだ目は覚ましていないが、随分落ち着いた」
オボロ「以前に比べて、顔色もいい気がする。…………お前のおかげだ」
ジャギオロ「礼ならいらん。代わりにしっかり働いてもらうからな」
オボロ「…………わかっている」
ドリィ「はっ」サッ
グラァ「ここに」サッ
ジャギオロ「お前達には、俺と共に皇都に行ってもらう」
ジャギオロ「狙うは暴君インカラの首!」
ドリィ「!」グラァ「!」
オボロ「…………」
ジャギオロ「覚悟はできているか?」
オボロ「……無論だ」
トゥスクル「なんだえ」
オボロ「ユズハの具合は……」
トゥスクル「お前はそればっかりだね」
オボロ「……」
トゥスクル「死ぬんじゃないよ」
オボロ「!」
トゥスクル「目が覚めた時、お前の姿がなかったら、ユズハは悲しむ」
トゥスクル「だから、ユズハの為にも生きなさい」
オボロ「………………ユズハを、お願いします……!」バッ
衛兵「おう、止まれ!」
番兵「怪しい奴め、城に何の用」
バキッ
番兵「だべっ!?」ドサッ
衛兵「なっ!?」
「おい、お前」
衛兵「な、なんだ!」
ジャギオロ「俺の名を言ってみろ……!」
「出会え出会えー!!」
兵士「あろっ!?」バキッ
ジャギオロ「グフフ……雑魚が!」
警備兵「な、なんだあいつ!」
巡回兵「滅茶苦茶強いぞ……」
ジャギオロ「歯ごたえのねぇ連中だ。戦う気がねぇなら失せろ!」ギラッ
警備兵「ひい!?」ビクッ
「何やってんだてめぇら!!」
ジャギオロ「!」ガキィンッ
クロウ「敵一匹に何ビビってんだ! それでも男か!」ググッ
クロウ「俺を知ってんのか、嬉しいねぇ」ギギッ
クロウ「ついでにその首も置いてってくれっともっと嬉しいんだがな!!」ブォンッ
ザッ
ジャギオロ「俺の首が欲しくば、ベナウィと二人がかりで掛かってくるんだな」
クロウ「……あ? てめぇ、ナメた口利いてっと本当に殺すぞ?」
ジャギオロ「『その』刀でか?」
クロウ「何」
バキンッ
クロウ「!」
ジャギオロ「ケナシコウルペ一の猛将と言ってもこの程度か、こりゃベナウィの方もあまり期待」
ブォンッ
クロウ「久しぶりにトサカに来ちまったぜ…………」
クロウ「生かして返さんッッ!!」ゴウッ
「畏れながら聖上、城内に賊が入り込んだ模様です」
インカラ「賊? 数は」
「一人との事ですが、陽動の可能性が高いかと」
インカラ「たった一人にゃもか! さっさと片付けてこんか! うるさくてかなわんにゃも!」
「申し訳ございません。聖上の御身は、この身に代えても必ず御守りします故、ごゆるりと……」
インカラ「当然にゃも! 虫一匹通すでないぞ、ベナウィ」
ベナウィ「はっ」
クロウ「ぬん! ぬん! ぬんッ!」
ガキンッガキンッガキンッ
ジャギオロ「スローすぎて欠伸が出るぜ」
クロウ「ぬおおおおッ!!」グオッ
バキンッ
クロウ「……チッ」
ジャギオロ「何度やっても同じだ。貴様の剣が俺を捉える事」
ガシイッ
クロウ「刀が駄目なら力比べはどうだい?」ググ
ジャギオロ「……」ググ
ジャギオロ「……」
キラッ
クロウ「うお!?」バッ
クロウ(含み針!?)
「に、逃げたぞ!」
「追え! 兎に角追うんだ!」
クロウ「糞!!」ダッ
ユズハ「……ん」
トゥスクル「気がついたかえ?」
ユズハ「トゥスクル様……おはようございます」
トゥスクル「おはよう、ユズハ」
ユズハ「お兄様は……?」
トゥスクル「少しばかり出掛けておる。このババと一緒に帰りを待とうか」
ユズハ「はい……」
ジャギオロ「インカラの野郎はどこにいるんだ……こう広いと探しづら」
フォンッ
ジャギオロ「やっと現れおったか」スタッ
ベナウィ「今のを苦もなく避けますか……」ザッ
ジャギオロ「てめぇが出てきたって事は、この先にインカラがいるって事だな」
ベナウィ「さあ、どうですかね」チャキッ
ジャギオロ「フ……目は正直だぜ」ススッ
ガキィンッ
インカラ「……にゃぷぅ、うるさにゃも」モゾ
ドゴォッ
インカラ「……誰ぞ! 誰ぞおらんか!」
兵士「……」
インカラ「遅いにゃもよ。お前、さっさ騒ぎを収めてくるにゃも」
兵士「」グラッ
ドサッ
インカラ「にゃも!?」
「残念だったな。ここには貴様の腰巾着はもういないぜ」
インカラ「な、何者にゃも!?」
オボロ「今から死ぬお前に教える名などない!」チャキッ
ドリィ「逃がしませんよ」ザッ
グラァ「観念しなさい」ザッ
インカラ「ぐ、ぐうぅぅ~!!」
オボロ「辞世の句はあるか?」チャキッ
インカラ「い、嫌にゃも! 死にたくないにゃも!」
オボロ「そうか」
――シュパッ
インカラ「――――ぁ」
オボロ「確かに聞き届けたぞ」
ブシャアア……
ベナウィ「つ……」ザザザッ
ジャギオロ「寸でのところで全て受けきるか……流石は一国の侍大将」
ジャギオロ「いや、実質お前がこの国を治めているようなものだったな。何故、インカラのような愚君に尽くす」
ベナウィ「……」
ジャギオロ「それが、侍という生き物……てか? 下らねえな」
ドドドドド
ベナウィ「!」
ジャギオロ「この足音……」
「大将ー!!」
ジャギオロ「騎兵隊……!」
ベナウィ「はっ!」バッ
クロウ「すみやせん、取り逃がしました」
ベナウィ「……正直、想像以上でした」
クロウ「大将……」
ベナウィ「騎兵隊全騎に告ぐ! これより、我らの脚で眼前の敵を蹂躙する!!」
「応ォ!!」
ベナウィ「続けえッ」パシッ
ジャギオロ「ふッ! は!」サッ
クロウ「こっちだ!」ドドド
ブォンッ
ジャギオロ「くッ」バッ
ジャギオロ(こんな室内でウマを使うとは……どんな鍛え方してんだ!)
騎兵「もらった!」ドドド
ブウンッ
ジャギオロ(間髪入れずに次から次にウマが突入してきやがる!)
ベナウィ「我が軍の強さは用兵に在り。人馬が一体となり、敵を呑み込む激流を生み出す」
ベナウィ「今の貴方は、滝壺に陥った一片の木葉に過ぎません」チャキッ
騎兵「吶喊!!」騎兵「吶喊!!」騎兵「吶喊!!」騎兵「吶喊!!」
ジャギオロ「四方から!?」
ベナウィ「これで――――詰みです」ダッ
クロウ「了解」ダッ
「そうですね。この場合、空中以外に逃げ道はありません」
ジャギオロ「!」
クロウ「この時を待っていたぜ……!」
ベナウィ「我らが心に曇り無し」
クロウ「我らが前に敵は無し!」
――――バシュウッッ――――
ベナウィ「……我らの勝利です」ザザッ
「馬上の不利を知れ」
クロウ「がはッ!?」ブシャッ
ベナウィ「! これは……!?」
北 斗 七 死 騎 兵 斬
ベナウィ「ぐ……ゴフッ!」ブシャッ
騎兵「ベナウィ様!」
ザッ
ジャギオロ「俺の勝ちだな」
ベナウィ「く……」
「まだだ……」
クロウ「まだ、俺は死んでねぇぞ……!」ググッ
クロウ「うるせぇ! 大将守れなくて部下が務まるか!」
ベナウィ「クロウ……」
ベナウィ「名は、なんと言うのですか」
ジャギオロ「ジャギオロだ」
ベナウィ「ジャギオロ……」
ザッ
ベナウィ「ジャギオロ殿、貴方は下らないと言いましたが、これが我らの唯一の生き方……」
ベナウィ「一度誓った忠義に殉ずる。それが、我ら侍の『ちっぽけな誇り』なのです」チャキッ
ベナウィ「!!」クロウ「!!」
ベナウィ「やはり陽動でしたか……」
ジャギオロ「俺は本気で正面突破するつもりだったぞ。予想以上にてこずったが」
ベナウィ「インカラ皇を倒し、貴方はこれからどうするんですか」
ジャギオロ「俺か? 俺は帰るぞ。家族が待っているしな」
ベナウィ「……はい?」
ジャギオロ「何故俺が責任取らにゃならんのだ」
ジャギオロ「お前らは負けたんだ。選択の余地なぞ無いと思え」
ベナウィ「…………貴方は、何を望んでいるのですか」
ジャギオロ「甘えんな。ガキじゃあるまいし、そんな事ぐらい自分で考えろ」
ジャギオロ「強いて言えば、『二度と俺に手間掛けさせない国』を作ってもらいてぇな」
ベナウィ「……わかりました」
クロウ「負けちまいやしたね」
ベナウィ「そうですね」
クロウ「自害とかしなくていいんですかね」
ベナウィ「あの方は我らをそう簡単に死なせてはくれないでしょう」
ベナウィ「死にかかったこの国を、今一度立て直せ。……簡単に言ってくれますね」
クロウ「本当に、どっちが暴君だかわかんねぇっス」
ケナシコウルペの侍大将・ベナウィを総大将とするこの謀反は、僅か一晩の内に収束する
夜明けと共に、ベナウィは腹心クロウを引き連れて、民衆のもとへと姿をあらわした。
「ここに約束しよう! 二度と民百姓に手間を掛けさせぬ、屈強な国を作ると!!」
皇らしからぬ発言に、民衆は少々戸惑ったが、日に日に良くなってゆく国政を目の当たりにし、次第にベナウィ皇の約束が本物であると確信するのだった……
エルルゥ「…………」
エルルゥ「……あ」
タタタ
ジャギオロ「ただい……うお!?」ボフッ
エルルゥ「……」ギュ
ジャギオロ「…………ただいま」
残悔積歩拳→アミバは塔から落下して死んだので、爆散はしてないと解釈
大気の構成が云々→ヘルメットがなかったら死んでたぜ…
ユズハとトゥスクル→トゥスクルさんにとってユズハは孫同然らしいです
FFT→書いてました
ジャギオロ「ぐう」zzz
エルルゥ「もうっ、帰ってきてからちょっとぐうたらしすぎですよ!」
ジャギオロ「ぐう」zzz
エルルゥ「オヤジさんも、畑はどうなってるんだって言ってましたよ!」
ジャギオロ「ぐう」zzz
エルルゥ「~~っ! もう知りませんからね!」プンプン
ジャギオロ「むにゃ」
テテテテ
ジャギオロ「すぴー」
アルルゥ「じゃぎ、おきる」ユサユサ
ジャギオロ「んがっ」zzz
アルルゥ「……む」
ムックル「にゃー?」
アルルゥ「せーのっ」
ボスンッ
\ばわっ!?/
ジャギオロ「おい、そこに座れ」
アルルゥ「おきた」
ジャギオロ「あんなもん誰でも起きるわ!」
ジャギオロ「ったく、これだからガキは……」ゴロン
アルルゥ「じゃぎ」
ジャギオロ「ガキは外で遊んでこい。あと、勝手に略すな」
アルルゥ「じゃぎも行く」
ジャギオロ「嫌だ」
アルルゥ「む」
ガブッ
\アッー!?/
アルルゥ「じゃぎ」ガサッ
ジャギオロ「! バカめ! わざわざ叱られに現れるとは」
アルルゥ「がんばる」ベチッ
ドサッ
ジャギオロ「……なんだこりゃ?」
アルルゥ「ハチミツ」
ジャギオロ「蜂の巣ー!?」
ブブブブブブブブブブブブブブブブブブ
アルルゥ「がんば」
アルルゥ「んーっ」ホッコリ
ムックル「ハグハグ」
アルルゥ「おいしい」
ムックル「にゃー!」
<ホクトラカンゲキィヤ!!
<タ、タスケテクレー!!
エルルゥ「アルルゥー! ご飯よー!」
エルルゥ「もう、どこ行ったのかしら」
アルルゥ「ただいま」テテテ
エルルゥ「もう、また遅くまで遊び回って」
アルルゥ「ん」
エルルゥ「! 蜂の巣……また危ない事して!」
アルルゥ「大丈夫」
エルルゥ「何が大丈夫なのよ」
アルルゥ「じゃぎが手伝ってくれた」
エルルゥ「ジャギオロさんが?」
アルルゥ「ね」
ムックル「にゃー」
アルルゥ「ねてる」
エルルゥ「……もう、本当にしょうがないんだから」
ブブブブブブブブブブブブ
ブブブブブブブブブブブブブブブブブブ
ジャギオロ「」☆
トゥスクル「……ん、脈拍も落ち着いとるな。またしばらく薬は使わず様子を見ようかね」
ユズハ「最近は、ちょっとなら立ち上がる事もできるようになったんですよ」スッ
オボロ「こら、ユズハ。あまり無理をするな」
オボロ「ここ数週間、発作らしい発作もないんです。なんと御礼を言っていいか」
トゥスクル「礼ならジャギオロに言うんだね。もっとも、そういうのを嫌がる男だが」
ユズハ「そういえば、ジャギオロ様は?」
トゥスクル「今は自宅療養中じゃ」
ユズハ「?」
ユズハ「でも、もう少しトゥスクル様とお話が……」
トゥスクル「ババならまたすぐ来るよ。それより、早く元気になって友達を作りなさい」
ユズハ「…………はい」
トゥスクル「ユズハが元気になったら、どうするんじゃ?」
オボロ「……」
オボロ「でも、ジャギオロとトゥスクル様のおかげで、ユズハに快復の兆しが見えてきて、ユズハも普通の娘のように、幸せになれるんじゃないか……と思うようになりました」
トゥスクル「確かにの。ジャギオロが何をしているかは知らんが、ユズハの目も見えるように出来るらしいしの。順調にいけば、普通の子供のように生活できるようになるじゃろ」
トゥスクル「だがオボロ、勘違いしてはならんぞ」
オボロ「勘違い?」
オボロ「馬鹿な! 満足に歩く事も出来ず、目も見えぬのに幸せな訳が」
トゥスクル「たわけ!!」
オボロ「……」
トゥスクル「例え狭い部屋で一生が終わろうと、肉親の顔が見えずとも、お前みたいな妹想いの兄を持って、ユズハは十分幸せだと思っているだろうよ」
トゥスクル「純粋な子だ。皆にどれだけ想われているかちゃんとわかっているよ」
オボロ「………………」
トゥスクル「泣くんじゃないよ馬鹿息子。さ、送っていっておくれ」
オボロ「……はいっ」グシッ
スウッ
ジャギオロ「さて、泣き虫兄貴をちっとばかし驚かせてやろうか」コキャコキャッ
ユズハ「スゥスゥ」
ジャギオロ「フフフ……! イテテ、腫れに響くわ……」
ごめんなさい時間なくなっちゃった
ユズハが元気になって、特に国家間大戦もなくゆるゆる過ごす話にするはずでした
こんなに苦しいなら続きが読みたいなら
SSなど開かぬ
ラオウだったら皇の器だったけど、ジャギ様ってそういうタイプじゃないよね…
保守と支援ありがとうございました
ジャギって元々いい奴だったけどどうやってもケンシロウに勝てなかったり恋人殺されたからああなってしまったんだよな
外伝の設定だけど
Entry ⇒ 2012.03.27 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
結衣「み、みんな小さくなっちゃった……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332666242/
あかり「わぁい、ちなつちゃんのお茶美味しいよね」
京子「ちなつちゃん、あなたのお茶を毎朝飲みたい」
ちなつ「お、お断りです!……それより結衣先輩はまだですか?」
あかり「いつも京子ちゃんと一緒に来るのに珍しいね」
京子「んー、なんか掃除があるから先に行っててくれーって」
京子「まったく、掃除なんかサボればいいのにな」ズズッ
ちなつ「……普通サボりませんから」
あかり「だよねえ……」
あかり「今日はあかりなにも持ってきてないよぉ」
ちなつ「みかんもなくなっちゃったもんね」
京子「いやーここにさ、おまんじゅうが四つあるんだよね」ゴソゴソ
あかり「わぁ、お茶にピッタリだねえ」
ちなつ「わざわざすみません、京子先輩」
京子「いやーなんのなんの」
京子「……私二つ食べちゃおうかなぁ」チラッ
あかり「だめだよぉ、ちゃんと結衣ちゃんにも残しておかないと」
京子「へへへ、分かってるよー」
あかり「はむはむ、あんこもぎっしりで美味しいね」
ちなつ「そうだね、でもこの西っていう烙印なんだろう?」
ちなつ「ま、特に気にすることはないか」ハムハム
京子「あー、お茶も美味しいし最高だよ……」
あかり「ふふふ、京子ちゃんの差し入れなんて珍しいよね」ズズッ
京子「あぁコレ実は、西垣ちゃんからもらったんだ」
ちなつ「……」ピクッ
あかり「へえ~西垣先生ってスゴイ人だったんだぁ」
ちなつ「う、うーん……」
ちなつ「確かに味はいいんですけど、なんか嫌な予感が……」
京子「大丈夫でしょ、さすがに爆発したりはしないって!」
あかり「……」ハムハム
ちなつ「……」
京子「だ、大丈夫だよ、たぶん……」
あかり「……」
ちなつ「そ、そうだよね、べつに火薬臭いとかはなかったし」
京子「うんうん大丈夫だよ、みんなビビりすぎ」
京子「……」ブルブル
ちなつ「……爆発したら一生京子先輩を恨みます」
あかり「あ、あかりまだ死にたくないよぉ……」グスッ
京子「し、死ぬなんて言うなよ!!」
京子「……あ、あれ、なんか眠たくなってきた」
あかり「ふぁ~、あかりも……」
ちなつ「ふにゃ……」
綾乃「そうねえ、でもピカピカにしたらみんな喜んでくれるわ」
千歳「せやなぁ」
結衣「……綾乃はほんと立派だよ、私も見習わないと」サッサ
綾乃「か、かわいいだなんてそんな……」
結衣「あ、あれ可愛いなんて言ったっけ?」
千歳「うふふ、船見さんってば自分で言ったこと忘れたらあかんよー」
結衣「って、言ってないから」ビシッ
綾乃「ふふ、船見さんのツッコミは相変わらずキレがいいわね」
結衣「……綾乃と千歳にいじられるとはな」
綾乃「えっ?歳納京子なら掃除はないって……」
千歳「あはは、まーた歳納さん掃除サボったんかぁ」
結衣「あーもう、またアイツ迷惑かけて……」
綾乃「むむむ、生徒会の名にかけて絶対に許せないわ!」
綾乃「いいかげん今回という今回は!!」
結衣「(……くるか、綾乃のあのギャグが)」
綾乃「ぜーったいに罰金バッキンガムよ!!!」
結衣「ぷっ、ふふっ、くふふ……」ピクピク
綾乃「あ、あれ船見さんもしかして私のダジャレで!」
結衣「……っ!?」ピクッ
結衣「わ、笑ってなんかないよ!」
綾乃「でもさっきピクピクして笑ってたような……」
千歳「うふふ、綾乃ちゃんもう一回言ってみればええんちゃう」
綾乃「そうね、きっと私の見間違えかもしれないし」
結衣「えっ、ちょっとまってよ2人とも――」
綾乃「素直じゃない船見さんはブーブーブータンだぞっ!」
結衣「ぶ、ぶ、くふふっ……!」
千歳「どうやら船見さんにはツボみたいやね」
結衣「ち、ちがうっ、わたしは笑ってなんか……」モジモジ
綾乃「ふふふ、たじたじタージマハルな船見さんなんて珍しいかも」
結衣「たっ、たじたじ、くふふふっ……」
綾乃「やったわ千歳!!あ、あの船見さんに私のギャグが通用するのよ?」
綾乃「これはもうきっと誰にでも通用するわっ!」
千歳「ホンマ良かったなぁ綾乃ちゃん」
千歳「(あかん、なにが面白いのかさっぱりわからんよー……)」
綾乃「うふふ、まだまだネタはあるのよ船見さん」
綾乃「残りは明日の給食の時間にでも披露するわ!」
結衣「きゅ、給食の時間だけは絶対にダメえっ!!」
千歳「せやせや、船見さんまともにご飯食べれやろー」
綾乃「それもそうね……」シュン
結衣「あ、えっと、でも楽しみしてるよ綾乃のギャグ」
綾乃「……!」パァ
綾乃「そ、そうかしら、それなら明日の休み時間にでも!」
結ちと「(綾乃かわいいな 綾乃ちゃんかわええわぁ)」
結衣「……でも、ゴメンないつも京子が迷惑かけて」
綾乃「船見さんが気にすることはないわよ」
綾乃「……そうだわ、と、歳納京子に説教しないと」
結衣「あぁそうだね、仕事落ち着いたらこっちおいでよ」
綾乃「べっ別に用事があっていくワケじゃないんだからね!!」
結衣「はいはい、しょうがなく、だろ?」クスッ
千歳「船見さんも綾乃ちゃんの扱い上手くなったなぁー」
綾乃「あっ、扱いってなんなのよ千歳ェ!!」
結衣「あぁ、ほんとに素直でいい子だよ」
綾乃「もう!2人して私をいじって!」
結衣「……たぶんギャグをしゃべる綾乃がツボなんだろうな」テクテク
結衣「中身そのものは大したこと……」
結衣「ぷぷっ、やっぱりどっちもだな」
ガラッ
<こらぁー、きょうこちゃんをいじめるなぁ!
<なによっ!ここはチーのなわばりなの!
<ふぇぇぇぇぇぇん、ゆいっ、ゆいいいいいいい!
結衣「……えっ、なんだよこの声は」
ガララッ
ちなつ「ふふん、あのおとこおんなのことかしら?」
京子「ゆいっ、ゆいぃぃいいいいいい」グスグスッ
結衣「……なに、この状況」
あかり「あれっ、おおきなおねえちゃんだー」
ちなつ「ちょっと!なにかってにはいってるのよ!」
ちなつ「ここはチーのなわばりなんだから!」
京子「……ゆい?」
結衣「小学校低学年くらいの可愛い女の子が3人……」
結衣「ええっと、このお団子の子があかりだよな」
あかり「えへへ、おだんごおだんごー!」
結衣「……無邪気で可愛いな」
結衣「それでこっちのちょっとツンツンしてる子がちなつちゃんか」
ちなつ「むむ、なによ、かってにチーのことみないで!」
結衣「……ちなつちゃん昔はこんなにトゲトゲしてたのか、でも可愛い」
結衣「それでこっちのリボンは京子かな」
京子「こ、こんにちはっ」ビクッ
結衣「……可愛い」
あかり「あかりはね、あかりっていうんだよ!」
あかり「こっちのリボンの子はね、きょうこちゃん!」
京子「っ!」ビクッ
京子「あ、あかりちゃんこわいよぉ……」ギュッ
あかり「ありゃりゃ、でもこのおねえちゃんいい人そうだよ」
結衣「あ、えっと、私の名前は船見結衣だよ」ニコッ
京子「や、やっぱりゆいなの……?」
あかり「ゆいちゃんと名字までおなじだねー」
ちなつ「むむむむ……」プクー
あかり「わーいゆいちゃん、ゆいちゃーん!」ギュッ
京子「あっ、あかりちゃん……」
結衣「そのぶかぶかな制服を見ればみんなが小さくなったのは一目瞭然」
結衣「でも説明したところで納得するかな……」
京子「わっわたしもゆいにぎゅーってする」ギュッ
結衣「あはは、くすぐったいからあまりひっつかないの」
ちなつ「むむむむ……」
ちなつ「ふんっ」プイッ
あかり「あはは、おっきいおやびんだー」
結衣「……こっちに話を合わせた方がいいかもな」
結衣「そうそう、私だけちょっとお薬で大きくなったみたいなんだ」
結衣「もう少しでお母さんたちが迎えにくるからさ」
結衣「みんなで遊んでよっか」
京子「……ほぇー」
あかり「いいなー、あかりもそのお薬飲みたいなぁ……」
ちなつ「……おかーさん」グスッ
あかり「あはは、ゆいちゃん拾い食いしたらだめだよー」
あかり「おくすりはちゃんとよーほー、よーりょーを守らなきゃ!」
結衣「用法用量、あかりは難しい言葉知ってるんだなーえらいぞ」ナデナデ
あかり「わーい、ほめろほめろー!」
結衣「……ちょっとお調子者なあかり可愛い」
京子「ゆっゆい、わたしもなでなで……」
結衣「うん?」
京子「ううんっ、な、なんでもないっ……」
京子「……」トコトコ
結衣「いつもいい子にしてえらいえらい」ナデナデ
京子「あっ、えへへ、ゆいー」ギュッ
結衣「あぁもう、ほんと可愛いなみんな」
あかり「あーおこたはあったかいなぁ……」
京子「あはは、あかりちゃんおじいちゃんみたい」
結衣「ふふ、そうだな」
ちなつ「むむむ……」プックー
京子「ひっ……」ビクッ
ちなつ「ちょ、ちょっとそこのおおきいの!!」
結衣「大きいの、て……」
ちなつ「はやく、チーのこともなでなでするの!」
結衣「あぁうん、ほらここに座って?」ポンポン
ちなつ「……ふんっ」モソモソ
ちなつ「おかーさんとおばーちゃんにしかナデナデなんてさせないんだからね」
結衣「ふふふ、それは光栄だね」ナデナデ
ちなつ「ふっ、ふん……えへへ」
京子「……」グスッ
ちなつ「ちっちがうもん、いじわるなんて……」
結衣「……」ナデナデ
ちなつ「いじわるなんて、チーはしてないもん」グスッ
あかり「じゃあどうしてきょうこちゃんにひどいことするの?」
ちなつ「そっそれは……」
結衣「ふふ、ちなつちゃんも一緒に遊びたかったんだよね?」
ちなつ「……」ギューッ
結衣「2人とお友達になりたかったんだよね?」ナデナデ
ちなつ「……」グスッ
結衣「大丈夫だよ、京子とあかりも良い子だから」
結衣「きっとちなつちゃんと仲良くなってくれるよ」
ちなつ「ほ、ほんと……?」
ちなつ「でっでも、チーはいっぱいいじわるしちゃったし……」グスッ
結衣「だってさ、京子はどうしたい?」
京子「わっわたしは、おともだちになりたいな」
あかり「……えへへ」
ちなつ「あっあのね!」
ちなつ「ほんとはみんなとなかよくしたかったんだけど……」
京子「ううん、もういいよ、きにしてないから」ニコッ
あかり「あはは、きねんにいっしょにはっぱ仮面やろうよー」
あかり「いっせーのーで!」
ちなつ「えっ、それだけはムリ」
あかり「な、なんでぇ……」グスッ
あかり「はっ、はっぱ仮面かっこいいのに」グスッ
結衣「い、いやカッコ良くは……」
あかり「ゆいちゃん、はっぱ仮面はカッコイイよね!」
結衣「あ、あぁそうだな」
あかり「えへへやっぱり分かるひとには分かるんだぁ」
京子「このふく、ぶかぶかだね」
ちなつ「うん、ちょっとうごきづらいかも」
結衣「はいはい、あぁミラクるんの単行本か」
京子「えへへ、この子ちなつちゃんみたいでかわいいね」
ちなつ「……」
あかり「ちなつちゃん赤くなってるー」
結衣「みんなはまだ漢字が読めないのかな」
結衣「……ホラ読んであげるから、こっちおいで」
京子「うんっ!」
京子「わ、わたしはとなり……」
ちなつ「えへへ、わたしもお姉ちゃんのとなりー」
結衣「ふふ、えーっと、どれどれ……」
結衣「世界を羞恥心で満たしてやるボ」
京子「しゅうちしん……?」
あかり「えーっとね、はずかしいってことだよ」
ちなつ「じゃあさっきのはっぱ仮面みたいなことかな」
あかり「あぅ……」カァー
結衣「……的確な指摘だよ、ちなつちゃん」
結衣「うふふ、なにを迷うことがある」
結衣「わたしはギガギガ団のために戦うだけ」
結衣「そのためにはあなたがじゃまなのよ、ミラクるん」
結衣「そっそんな……」
あかり「……すぅ」zzz
京子「ゆぃ……」zzz
ちなつ「えへへ……」zzz
結衣「ふふ、みんなどんな夢を見てるのかな」ナデナデ
結衣「……おまんじゅうだ」
結衣「大丈夫だよね、あかりあたりが持ってきてくれたんだろ」
結衣「……」ハムハム
結衣「はぁ、それにしてもどうしたもんかな」
結衣「西垣先生が怪しいとは思うんだけど……」
結衣「あ、美味しいなこのおまんじゅう」
結衣「……ふぁ」
結衣「なんかみんなの寝顔みてたら私も眠くなってきた……」
結衣「……」zzz
逆パターンになるわけだ
あかり「京子ちゃん、ちなつちゃん起きて!」
京子「んー?なんだよぅ、面白い夢見てたのに……」
ちなつ「ふぁ~、私もなんか昔に戻る夢を……」
結衣「……すぅ」zzz
京子「んー、誰だ私をぎゅーってしてるのは」
京子「もう、ちなちゅってば見境ないんだから」
ちなつ「えっ、ちょ、そっその子誰ですか……?」
京子「その子?」
結衣「むにゃ……」zzz
あかり「こっこの、黒髪で活発そうな女の子って」
京子「えっ、どう考えても昔の結衣……だよな」
ちなつ「むっ昔の結衣先輩!?」
あかり「だよねぇ」
結衣「……」zzz
結衣「んっ……」zzz
京子「はぁ、なんつーの、こう言い表せない可愛いさが」ツンツン
結衣「むにゅ……」
ちなつ「うふふ、アルバムで見たあの子そっくりです」
あかり「制服がぶかぶかだから、きっとなにかの拍子に小さくなったのかなぁ」
京子「まぁ普通じゃありえないことなんだけどな」
ちなつ「やっぱりあの人ですかねえ……」
あかり「あ、あはは、それしか考えられないよね」
京子「だよなぁ、中身が大人の結衣だったら助かるんだけど」
ちなつ「人格も幼児退行してる可能性もありますし」
京子「あはは、それはそれで面白そうだけどね」
あかり「……可愛いなぁ、昔の結衣ちゃんだよぉ」
結衣「へぷちっ!」
京あち「!?」
結衣「……あれ、おかーさんは?」
結衣「どこだろココ、きょうこは?あかりは?」キョロキョロ
京子「……中身も昔のままだー!」ギュムッ
京子「うははは、結衣だ、昔の結衣だー!」スリスリ
結衣「だれ、なんでわたしのなまえしってるんだよ!?」
あかり「ちょ、ちょっと京子ちゃん!」
ちなつ「もう、抱き着きたい気持ちは分かりますけど」
ちなつ「ミラクるん・ドンキ!」ガツン
京子「きゃふん!」
結衣「ひいっ!?」
ちなつ「うふふ、ごめんね結衣ちゃん、怖がらせちゃって」
結衣「……」ガクガク
あかり「絶対ちなつちゃんを怖がってるよ!!」
あかり「あっ、ええっと……」
結衣「お団子だ……」
結衣「おねーちゃん、あかりそっくりだ!」
あかり「……えへへそうかなぁ」
ちなつ「そりゃ、あかりちゃんはあかりちゃんだもんね」
あかり「そうだよねえ、どう説明すればいいのやら……」
結衣「このおようふく、ぶかぶかー」
結衣「みっみらい!?」
ちなつ「ちょ、ちょっとあかりちゃん!」
あかり「でもこうしないと結衣ちゃん怖がっちゃうよきっと」
ちなつ「そっか、確かに知り合いってことは結衣先輩も安心するね」
結衣「それじゃ、このおねーちゃんはみらいのあかりなんだ!」キラキラッ
あかり「えへへ、そうだよぉ結衣ちゃん」
結衣「かみの毛ばっさりきったんだね!」
あかり「うんうん、似合ってるかなぁ」
ちなつ「いいなぁ幼馴染みって……」
結衣「あはは、おとなになってもあまえんぼうだなーあかりは」
結衣「……わたしをおやびんってよぶのは、あかりだけだもんな」
結衣「おねーちゃんはきっとあかりなんだね」ニコッ
あかり「うんうん、信じてもらえて嬉しいなー」ナデナデ
ちなつ「あ、あかりちゃん……」
結衣「そっちのおねーちゃんはあかりのともだち?」
あかり「うん、あかりの一番のお友達でね、ちなつちゃんって言うの」
結衣「えへへ、こんにちはー」
ちなつ「はぅっ……」キュン
ちなつ「うん、毎日お手入れしてるから」
結衣「あかりのおだんごはあいかわらず、なぞだなー」ムニムニ
あかり「お団子を謎呼ばわりとは、おやびんは極悪人ですぜ!」
結衣「あはは、なんかなつかしいなぁー」
ちなつ「あ、あのね結衣ちゃん」
結衣「うん、どうしたのちなつおねーちゃん」
ちなつ「わっ私のこと、ちなつちゃんって呼んでほしいな」
結衣「あ、うん」
結衣「……ち、ちなつちゃん」モジモジ
ちなつ「はぅっ……」キュン
ちなつ「うん、私もそっちの方が結衣ちゃんと仲良くできるし」
あかり「あかりには呼び捨てだよねぇ結衣ちゃん!」
結衣「あはは、だってあかりはあかりだもん」
あかり「うっ、うっ、あかりは喜んでいいのかなぁ……」
ちなつ「それだけ気を置けないってことだよ、あかりちゃんは」
あかり「そっかぁ、信頼されてるのかな」
結衣「ねえねえ、こっちでのびてるおねーちゃんはだれ?」
京子「ちっこい、ゆい、おうじさまー」zzz
ちなつ「……」
結衣「このリボンはきょうこそっくりだなー」グイグイッ
京子「……ふにゃ」
あかり「うん、そのリボンのお姉ちゃんは京子ちゃんだよ」
ちなつ「……言っちゃった」
結衣「えっ!この品のなさそうなのがきょうこなのか!?」
京子「……ぐへへ」zzz
あかり「京子ちゃん聞いたら悲しみよぉ……」
ちなつ「む、昔とは正反対らしいからね京子先輩って」
あかり「あ、あの、えっとねその子は……」
結衣「このリボンはきょうこそっくりだなー」グイグイッ
京子「……ふにゃ」
あかり「うん、そのリボンのお姉ちゃんは京子ちゃんだよ」
ちなつ「……言っちゃった」
結衣「えっ!この品のなさそうなのがきょうこなのか!?」
京子「……ぐへへ」zzz
あかり「京子ちゃん聞いたら悲しむよぉ……」
ちなつ「む、昔とは正反対らしいからね京子先輩って」
あかり「えっと、でもね結衣ちゃんとはほんと仲が良いんだよ」
ちなつ「そうそう、1人暮らししてる結衣先輩の家に毎日通ったり」
結衣「うそっ!わたしひとりぐらししちゃうの!?」
結衣「……すげえ、かっけー!」
京子「……」
あかり「うんうん、中学生で一人暮らしなんて珍しいよね」
結衣「でっでも、それに毎日きょうこがくるなんて……」
結衣「あはは、なーんかこいびとみたいだな」ポリポリ
京子「!?」カァー
ちなつ「ずーっと起きてましたよね、京子先輩」
京子「な、なんの、はなしですか?」
結衣「……」ズイッ
京子「ひょっ、ひょえ!?」
結衣「おねーちゃんはさ、ほんとにきょうこなの?」
京子「そ、そうだよ、愛しの京子ちゃん――」
結衣「そっか、ならわたしがまもらないとな!」
京子「ふぇっ?」
結衣「おとなのきょうこも、こどものきょうこもみーんなわたしが守るから」ニコッ
京子「……」ボフッ
ちなつ「天然のジゴロなんだね……」
京子「なっ、なに言ってるんだよお子ちゃまのくせに!!」ムニムニ
結衣「こっこら、やめろひょーこ!」
京子「ガキンちょに言われても、嬉しくなんかない!」
結衣「あはは、かおまっかのくせにー」
京子「うるさい、このっこの!」
結衣「……なんかあんしんしたなー」
京子「へ?」
結衣「んーむかしのきょうこはさ、いじいじしてて」
結衣「いっつもべそかいてないてたから」
結衣「ほんとにしんぱいだったんだ」
あかり「結衣ちゃん……」
結衣「でもそのちょうしならきっとだいじょうぶだな!」
結衣「あはは、わたしが守るまでもなさそうだよ」
京子「……そんなワケあるか!」
京子「いっ、一回言ったんだから最後まで守れよ」ギュッ
結衣「……きょうこ」
京子「うるへー、無駄口ばっかり叩きやがって!」ギュムッ
京子「あのさ結衣、昔の私は泣き虫だったけど」
京子「いまもそんな変わってないんだ」
京子「悲しいことがあれば泣きそうになるし、ただちょっと明るくなっただけ」
京子「でも泣かないのは結衣とかあかりとか、ちなつちゃんが側にいてくれるから……」
結衣「うん……いいともだちもったな」
京子「ふふふ、自分で言うな」
結衣「えへへ、きょうこあったかいや……」
京子「……」ナデナデ
京子「結衣、眠いの?」
結衣「うん、ちょっとねむくなってきた……」
京子「それならさ、昔の私に伝えておいてくれる?」
結衣「……?」
京子「未来の京子ちゃんは超絶可愛い美少女って!」
結衣「自分でいうな……」
京子「昔の私をしっかり守ってくれよ、王子様」
結衣「ん……」
結衣「……」zzz
あかり「ふふふ、寝ちゃったね」
ちなつ「あれだけ決めちゃって、戻るっていう確信でもあるんですか?」ジッ
京子「んーなんか私が見た夢だとさ」
京子「ひと眠りしたらしっかり体が戻ってたから」
京子「まぁ、根拠はないけどだいじょーぶ!」
あかり「あかりも小さくなっちゃう夢見たなぁ」
ちなつ「私も……」
京子「うーん、こんなことってあるんだね」ズズッ
京子「おー、見事に戻ってるよ!」
あかり「お話ししてる間に戻ってたね」
京子「あーくそ私としたことが、戻る瞬間撮っておくべきだった!」
ちなつ「た、確かに歴史的瞬間ですもんね」
結衣「ふぁ~、なんか変な夢見たな」ノビー
結衣「なんか私だけ小さくなって、あかりたちが大きいままって夢」ポリポリ
あかり「……えへへ」
ちなつ「……ふふふ」
京子「……くふふ」
結衣「な、なにその不気味な笑いは」ビクッ
結衣「……」ズズッ
結衣「なんか最近さ、泊まる頻度増えたよねアンタ」
京子「んーそうかなぁ、気のせいだよ気のせい」
結衣「それにやたらベタベタしてくるし」
京子「くふふ、いいじゃんいいじゃん!」スリスリ
結衣「ま、まぁ、いいけど」
京子「昔の結衣も好きだけど、やっぱこっちの結衣もいいですなー」
結衣「お、お前は昔の方も素敵だったと思うよ」プイッ
京子「……昔のほう、も?」ニヤニヤ
結衣「……が、だよ言い間違い」カァー
京子「NHKとは渋いですね、結衣姐さん」
結衣「せめて姉さんにしろ、スケバンか私は」
<続いてのニュースです
<富山県の和菓子会社が製造したお饅頭を食べた人たちが
<集団的に幼児退行するという奇怪な現象が発生しており
<体の異変は一時的なものではありますが
<警察では、製造会社の立ち入り捜査を――
京子「ほんとだね、富山県ってココじゃん」ギュッ
結衣「あーもうひっつくなよ、そんなことより買い出し行くぞ」
京子「あまり無駄遣いしちゃダメよ、結衣」
京子「おほほ、通い妻として、家計の管理はしっかりしなきゃね」
結衣「あーそう、なら節約としてラムレーズンはなしだな」
京子「あーんそれだけは勘弁して!」
結衣「冗談だよ、ほら行くぞ」ギュッ
京子「あはは、ちゃっかり手握ってやんのー」
結衣「……っさい」
おしまい!
需要はないと思うけど書きたいから書くよ、おやすみ
需要あるぞ
期待
Entry ⇒ 2012.03.27 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
由乃「安価でユッキーを攻略するよ!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/133248357
由乃「ユッキーはホモとか無駄巨乳とかいろんな人に狙われてるからね!」
由乃「私が守ってあげなくちゃ!」
由乃「という訳でまずは>>5をするよ!」
由乃「ユッキー(はぁと)」
雪輝「あれ?由乃、どうしたn」ドゴォ
雪輝「」ガクッ
由乃「ごめんねユッキー……でもこれもユッキーの為なんだよ。」
由乃「ユッキーは、由乃が守ってあげるから!」
由乃「おはユッキー!」
雪輝「ど、どういうことだよ由乃ぉ!」
由乃「ユッキーはね、私が守ってあげるの。」
由乃「だからね、ユッキーはちょっと大人しくしててね。」
雪輝「そ、そんな……でも絶対日向達は助けに来るぞ!」
雪輝「そうなる前に早くここから出してよぉっ!」
由乃(確かに……あいつらは厄介だわ。ここは>>15をするしかないわね。)
由乃「という訳でちょっと待っててねユッキー!」
雪輝「ちょっ、おま」
由乃「おはよう、日野さん。」ドゴォ
日向「おお、我妻!おh」ゲフゥ
輝き「ちょっ、おm」ボコスカドゴッオレッテカガヤイテタゼ…
由乃「二人目♪ 順調だね。待っててねユッキー!」
由乃「おはアッキー!」
秋瀬「!? お、おはよう我妻さん……」ゾワァ
由乃「見て! ユッキーの生写真だよ!」
秋瀬「なんだって!? いただきm」ドゴォ
由乃「ちょろいっ!」
由乃「おはよう、野々坂さん。」ドゴォ
まお「フンッ!!」
まお「ふっ……一度高坂くんに腹パンした事がある私に勝てるとでも?」
由乃「そ、そんな……どうすればいいの!?助けてユッキー!」
脳内雪輝「>>20すればいいと思うよ」
由乃「助けてー!12thマーン!」
12th「トゥ!子供ガ呼ブ所ニヒーロー有リ!五12th、参上!」ドドーン
まお「ろくでもない……」
12th「ドォシタンダァー2ndヨ」
由乃「あの紫髪レズが苛めるのえーんえーん」
12th「ナ、ナントッ!」
12thピンク「ラブリーピンクアターック!」
12thブルー「スゴイブルーキーック!」
12thイエロー「モノスゴイイエローパーンチ!」
12thグリーンこと礼くん「エリートグリーンサンダー!」
12th「トドメ!12th……シタイアヤツリ!」
死体「」
まお「ちょっ、おま」アタマドゴォ
12thズ「正義ハ勝ーツ!ハッハッハッハ!」
由乃「ありがとう12thズ!ありがとうクソガキこと5th!」
由乃「助かったわ……流石ユッキーね!」
由乃「でもこいつらどこに保管しておこう……ユッキーの所に一緒に置いとく訳には行かないし……」
由乃「そうだ!>>27に隠そう!」
由乃「そうと決まったら皆纏めて金庫の中に」ズルズル
由乃「はぁ……このシステム一々面倒くさいなぁ。」ピッピッピッピ
由乃「ま、いっか。どうせもう来る事もないだろうし。」ポイポイポイポイ
由乃「じゃあね、アッキーとその他ロンググッドバイフォーエバー永遠に。」
由乃「あっ、もうそろそろユッキーのお世話をしに行かなきゃ!」
由乃「待っててねユッキ~!」
雪輝(いや出るっていっても下半身的な意味じゃなくていや下半身的な意味だけど)
由乃「ただいまユッキー!」ガチャ
雪輝「由乃っ!良かった、この手錠とその他もろもろを外してくれると嬉しいんだけど……」
由乃「え?なんで?」
雪輝「そ、それは……もにょもにょ」
由乃(この匂い……まさかユッキーのおしっこが近い!?)
由乃「分かったよ!ちょっと待っててねユッキー!」
雪輝「ほっ」
楽しそうで何よりです
雪輝「おかえ……ゆ、由乃、その瓶は……」
由乃「ごめんねユッキー……手錠外しちゃったらユッキー逃げちゃうかもしれないでしょ?」
由乃「だからね、代わりに由乃がしてあげるの!」
由乃「ちょっとだけじっとしてて、ユッキー」
雪輝「や、やめろお!やめてよっ!」ジタバタ
由乃(どうしよう……ユッキーが嫌がってる。>>40に判断してもらわなきゃ……)
>>32
由乃はユッキーの膀胱の匂いの判断なんて朝飯前
雪輝「なんでだよっ!」
西島「いや、みねね以外のことはちょっと……」
由乃「雨竜みねね生写真」チラッ
西島「少しくらいアブノーマルな事をした方が愛も深まるんじゃないかな。」
由乃「ですよね! えへへ、ユッキー、すぐ終わるからね!」
雪輝「うわあああああああああああん!!」
由乃「はい、眼帯テロリストの生写真。」
西島「きゃっほい!」
雪輝「えぐっ、えぐっ、もうお婿にいけない」
由乃「私が貰うから安心してユッキー!」
雪輝「もっとやだ……それなら高坂の方がまだまし……」エグッエグッ
由乃「ほう……」
由乃「ユッキー、出かけてくるからちょっと待っててね!」
秋瀬「なんだこれ……手錠?」
まお「うえーん、日向ー、ごめんなさいー」
日向「まぁまぁ……まおは頑張ったで。それよりどうやって此処を脱出するかや。」
秋瀬「見たところ……此処は銀行の金庫の中みたいだね。」
日向「なんやて!?」
まお「なんでそんな事が……」
秋瀬「周りを見てごらん。こんなに大量の金、普通の場所にあるなんて信じられるかい?」
日向「た、確かに……」
まお「でもなんでこんな所に……」
秋瀬「我妻さんは銀行家の一人娘だったんだよ。」
日向「なんやて!?」
秋瀬「雪輝くんの攻略には僕らが邪魔だったから?いや、わざわざそんな、雪輝くんに嫌われるようなことをするだろうか……」
秋瀬「だとしたら、雪輝くんに嫌われる異常に、僕らに邪魔をされると困ることがあった……?!! 雪輝くんが危ない!」
日向「なんやて!?」
高坂「そんなことよりこの手錠外そうぜー!」ジタバタ
由乃「その必要は無いわ」
秋瀬「んなっ……何故わざわざ舞い戻ってきた……」
由乃「お前ら全員、殺すためよ。」
由乃「まずは>>55から殺すわ。」
日向「なんやて!?」
秋瀬「んなッ……」
由乃「お前はユッキーに付き纏いすぎ。そしてユッキーに触りすぎ。」
由乃「そしてなによりも、ホモ」
秋瀬「ホモじゃないよ、好きになった人がたまたま男の子だっただけだよ」
由乃「黙れホモ」
高坂「なぁ、秋瀬ってホモだったのか?」ヒソヒソ
まお「さぁ……」ヒソヒソ
秋瀬「待つんだ我妻さん!これを見ろ!」
由乃「そ、それは……ユッキーの生写真!」
秋瀬「そしてこれを僕の首元にくっつける。」ペタ
秋瀬「どうだい我妻さん!これでも僕の首チョンパでk」サクッ
由乃「なら心臓刺せばいいだけじゃない……」
秋瀬「くそっ……そんな、手が……カハッ」
まお・高坂「「バカだー!」」
由乃「それじゃあ次はレズ、お前よ。」
まお「やだー!」
まお「そうだ、ここは>>67に助けを……!」
高坂「キモイちゃうわ!なんで俺が!」
まお「早くー!殺されちゃいますよっ!そしたら次は貴方の番ですわよ!?」
由乃「死ねぇッ!」ブン
高坂「くっそう!」ガキン
まお「歯で受け止めたぁ!?」
日向「なんやて!?」
由乃「ッ!?」
高坂「フッ……何故俺が受け止めれたか教えてやろう。それは……」
高坂「俺 が 輝 い て る か ら だ !」
まお「キュン」
日向「なんやて!?」
由乃「でも、こんな所で負けられないわ!」
由乃「こうなったらこっちも助太刀を頼むわ!出よ、>>77!」
秋瀬「」
クズ「えっ、ちょっ、ここどこ……ハッ!」
クズ「お金だーこんなにいっぱい!」
クズ「こんなにあれば、借金を返せるどころか一生遊んで暮らす事だって……」
由乃(ダメだこいつ……早く何とかしないと……)
由乃「あ、あの……ユッキ、雪輝君のお父さん」
クズ「なんだい?今ならどんなお願いでも聞いちゃうよ!」ヒャッホー
由乃「えっと、出来ればあのキモ……輝いてるやつをナイフで刺しやすいようにしてくれると助かるんですが……」
クズ「お安い御用さ!僕は昔羽交い絞めのHAGAと呼ばれた男だからね!」
高坂「ちょっ、おま、離せっ!」
クズ「残念、はなさないy」ドゴォ
まお「ふぅ……やっぱり背中パンは最高ですわ♪」ワタシッテサイコウニカガヤイテマスネ!
クズ「」ドサ
由乃「」
由乃(やっぱり駄目だった……くそっ、もう後が無い、>>85をやるしかないか……!)
由乃「!?」
高坂「秋瀬!」
まお「秋瀬君!」
日向「なんやて!?」
由乃「なっ……何故っ!」
秋瀬「気付かなかったのかい?これを見てごらんよ。」バッ
由乃「そんなっ……防刃ベスト!?」
秋瀬「形勢逆転だね。」ハガイジメ
由乃「このッ……離せっ、このカヲルううううううううううううううっっ!」
秋瀬「高坂くん、今だ!」
高坂「お、おう!」
由乃「」ニヤァ
秋瀬「」フッ
まお「秋瀬君の体が……消えた!?」
日向「なんやて!?」
由乃「死ねえええっ!このっ、輝きいいいいいっ!」ザクッ
高坂「な……な、んで……」
由乃「残像よ」
まお「な、なんですって!?まさか秋瀬君を背負って光速で動く事で私達に秋瀬君が復活したように見せかけた!?」
日向「なんやて!?」
由乃「えへ、これでユッキーの邪魔者は後二人。>>93からいっちゃうよ!」
日向「なんやて!?」
まお「そ、そんなっ!日向が死ぬくらいなら私がっ!」
由乃「おりゃ」サクッ
河内「なんやて!?」
まお「日向あああああああっ!」
日向「ふっ……」
由乃「なん……だと……!?」
日向「なぁ我妻……アザラシの話知ってるか?」
由乃「っ……アザラシはその厚い体脂肪で牙から自身を守る……ハッ、まさか!?」
日向「その通りや我妻!お前が今刺したのはうちの胸!つm」
由乃「お腹を刺せってことね!」ザク
まお「……バカばっか」
まお「ひっ、ひぃっ、こないで!」
由乃「さようなら、ロンググッドバイフォーエバー永遠に2回目。」
まお「――ッ!」
>>101「待て!」
由乃「お、お母様っ!?なんでここが……」
礼亜「そんなの決まってるでしょう!?雪くんに教えてもらったのよ!」
由乃「…………え?」
礼亜「あなた何やってるの!いくら好きでもしていい事と悪いことがあるのよ!」
由乃「な、なんでユッキーが……あそこにはトラップだって……!」
12th「ソレニハ私ガ答エヨウ」
由乃「12th!?」
12th「ソレコソガ1st、天野雪輝ダッタノダ。」
由乃「そ、そんな……け、けどトラップはどうやって!」
礼くん「エリート的に見破ったよ、エリート的にね!」
由乃「5th……まさか、あれが伏線だったというの!?」
礼くん「いやそれはない」
「待て、由乃!」
由乃「え……ゆ、ユッキー?」
雪輝「もうやめるんだ、由乃……」
由乃「ユッキー、でも」
雪輝「もうやめるんだっ!」
由乃「っ!」
雪輝「もう僕は由乃にこんな事して欲しくないんだ……」
由乃「ユッキー……」
由乃「でも、ユッキー、私、取り返しの付かない事……」
雪輝「何言ってるの?由乃は取り返しの付かないことなんてしてないじゃないか。」
由乃「えっ!?見てよユッキー、あそこに秋瀬が……」
秋瀬「僕がどうしたんだい?」
由乃「……え?嘘、なんで……」
日向「おう我妻、そんなに慌ててどしたん?」
由乃「!? だ、だって確実に殺したはずじゃ……」
日向「見てみい、我妻。あそこに倒れてるのは誰や?」
由乃「え?」
由乃「……誰?」
日向「知らん。だが、分かってるのは我妻がうちを殺してない事や。」
由乃「じゃあ、私はあの人を間違って刺した、って事?」
日向「その通りや。」
由乃「そしたら、秋瀬はなんで……」
秋瀬「防刃ベストの着用は基本」
由乃「そっか……あはは、なんだ、私すっかり騙されてたんだ。」
雪輝「帰ろう?由乃。僕お腹すいちゃったよ。」
由乃「うん……ごめんね、ユッキー……」
雪輝「ううん。ほら、早く帰らないともう暗いよ?」
由乃「……うん!」
△月□日 ユッキーが私を許してくれたよ!ユッキーは本当に優しい!大好きだよ、ユッキー!
HAPPY END
乙
Entry ⇒ 2012.03.27 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (2) | Trackbacks (0)
幼馴染「男の部屋漁ってたら…」
幼馴染「おっぱいが一向に大きくならない」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332427193/
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332518830/
幼馴染「うわあ、みんなおっぱい大きい」
幼馴染(やっぱり、男も大きいほうが大好きなのかな?)
幼馴染「でも、わたしのは…」フニフニ
幼馴染(お母さんもお姉ちゃんもあんなに大きいのに…)
幼馴染(で、で、でもこの本に載ってる人たちみんなが大きいわけじゃ!!)
幼馴染「………」
幼馴染(いくら見返しても、みんな大きいね)ションボリ
幼馴染「で、でも!男がおっぱいの大きさだけで人を判断するわけないよね」
カエッタゾー
幼馴染「!!」
幼馴染(帰ってきた。見つからないうちに部屋に行こう)
幼馴染「………」
幼馴染「一冊くらい……いいよね」
幼馴染「どうしてわたしってこんなおっぱい小っちゃいのかな」
幼馴染(昔はお姉ちゃんより大きかったのに)
幼馴染「はあ……」
女「なに溜息吐いてるんだ!!」
幼馴染「ひゃう!!」
女「むふふ。相変わらず揉みやすい小柄なおっぱいですなあ」
女「ひひ、甘い声出しちゃって。しょうがないな。もっといじめたいけど、離してあげる」
幼馴染「ハアハア…。もう!ずっとやめて、って言ってるじゃん!!」
女「ごめんよ。どうも幼馴染見てるといじめたくなっちゃってね~」
幼馴染「へ?…べ、別になんでもないよ!!」
女「………えいっ!!」
幼馴染「ふぃあ!?」
女「ウソ言うのはこの口か~。あんな深刻そうな顔してなんもないわけないだろ~」
幼馴染「いふぁいふぉ!!いふぁいふぉ!!ふぃっふぁんふぁいで!!(痛いよ!!痛いよ引っ張んないで!!)」ギュウウ
・・・・・・・・・
女「お、幼馴染…そんなことしてるんだ…」
幼馴染「うん…。男って女の子の好み言わないから…何か手掛かり無いかなって」
女「それで、その手掛かりには、自分には無い物が記してあったと」
幼馴染「そ、そうなんだよ!!女の人みんなおっきかっただもん!!」
女「そーか、そーか」
幼馴染「むうう!! スタイルよくておっぱい大きい女ちゃんに言われても嫌味ににしか聞こえないもん!!」
女「おや、こりゃあ、手厳しい」
幼馴染「はあ。どうしたら大きくなるのかなあ…」
女「!!」
女( ニヤリ)
幼馴染「な、なんだか笑顔が怖いよ、女ちゃん」
女「このお胸を大きくする方法はね、誰かに揉んでもらうことよ!!」ドーン!
幼馴染「………」
女「あり?なんだか反応が薄いぞ。折角提案してやったのに」
幼馴染「女ちゃん……」
幼馴染「それ、毎日自分でやってるよ」
幼馴染「む。どういうこと?」
女「あたしゃあ今、『誰か』って言ったろ。自分でやっても意味がないんだよ」
幼馴染「そ、そうな…の?」
女「そうなのですぞい。むふふ。と、言うわけで…」
幼馴染「お、女ちゃん!め、目が血走ってるよ…。な、何を?」
女「とりゃああ!!」
幼馴染「ひゃあああ!!」
幼馴染「ひ、お、女ちゃん…。そんな…さわっちゃ、んっ!!だ、だめ…」
女「ふふふ~。幼馴染は可愛いね。そういう風に顔真っ赤にしてくれるんだもん」
幼馴染「ん…っく…そ、そんな…言わ…ないで…」
女「ああ、もう。本当可愛いな。それそれそれ!!」
幼馴染「ほ、ホントに…これいじょ…はだめえ…」
女「正直すまない。朝っぱらからやり過ぎてしまった」
幼馴染「もう…授業受けられない…。お嫁に行けないよ…」
女「そんな大げさなこと言わないの。ほら、授業始まるぞ」
幼馴染「うう、鬼…悪魔…」
女(っはああああ。ほんっっっっっと可愛い!!)
幼馴染(あの後、考えたんだ)
幼馴染(揉まれて胸が大きくなるなら…)
幼馴染(男に揉んでもらえばいいんだ!!)
幼馴染(そうすれば、おっぱいも大きくなるし、男も喜ぶはず!!)
幼馴染(そして、最後には…「幼馴染、俺、おっぱいだけじゃ」とか言われて…)
幼馴染(うう、おとこぉ積極的だよ!!)
子供「ママー。あのお姉ちゃんなんで顔赤くしてくねくねしてるの?」
ママ(43)「きっと、面白いことを考えてるのよ。ふふ」
幼馴染「こんにちはー」
男母「あら、幼馴染ちゃん、こんにちは」
幼馴染「あ!おばさん、こんにちは。あ、あの…男いますか?」
男母「ええ、居るわよ。二階のお部屋に居るから上がって大丈夫よ」
幼馴染「は、はい!!おじゃまします!!」トントントン。
男母「さてと。今夜はお赤飯かしらね」
実況「ああ、見てください、キヌガサさん!!中畑監督ベンチで固まってますよ!!」
キヌガサさん「ムリもないですね。三浦が初回から13失点ですから。燃え尽きちゃってますね」
男「なんということだろうか…」
男「帰ってきておもむろにテレビを点けたら…」
男「まさかこんなことになってるとは…」
男「野球というものは恐ろしいな」
どんっ!!
幼馴染「お、男ー!!遊びにきたよ!!」
男「うわ!!ってなんだ…幼馴染か…」
男「いや、むしろ良かった。父さんだったら、暴れ狂ってただろうから」
幼馴染「え、どして?(私でよかったって言ってもらえた//)」
男「ほら、見ての通り負けてるだろ、横浜。父さん横浜が負けてるところ見ると、機嫌損ねるからさ」
幼馴染「ふーん。あの優しそうなおじさんが。あ、男。私も一緒に見てもいい?」
男「別にいいけど、いいのか野球で?」
幼馴染「うん。大丈夫!!隣座るよ」
つまり機嫌悪いのがデフォって事ですね
男「これはもうひどいな。今日は負けだな、横浜。あと、この投手三浦じゃなくて牛田な」
幼馴染「へ、へえ。そうなんだ」
幼馴染(ど、どうしよ…。何気なく隣に座っちゃったけど…)
幼馴染(なんだかすごくドキドキするよ///)
幼馴染(そ、それになんだか男からいい匂いがするし…///)
幼馴染(うう、男を真っ直ぐ見てらんないよ///)
幼馴染「ひゃ、ひゃい!?」
男「顔真っ赤だぞ?熱でもあるのか?」
幼馴染「そ、そんなことないよ!!ぜんぜん元気だよ!!」
男「ホントか?ちょっといいか?」グイッ!!
幼馴染「ひゃ!!」
幼馴染「……」ドキドキ
幼馴染(お、男の顔が近くに///)
幼馴染(お、男の息が当たってる//)
幼馴染(そ、それに、また別のいい匂いがする////)
男「まあ、大丈夫に越したことはないか」
男「お、いい当たり!…ああーセカンド正面か。ここで内川が居てくれればな」
幼馴染(ど、どうしよう…)
幼馴染(タイミング見ておっぱい揉んでもらおうかと思ったけど…)
幼馴染(ドキドキしすぎて喋れないよ////)
幼馴染(男のバカ!!なんであんなことすのよ!!)
幼馴染「ひえ!?」
男「だって、わざわざ野球を見るために来たわけじゃないだろ?」
幼馴染「う、うん。ま、まあそうだけど…」
幼馴染(お、おっぱい揉まれに来たなんて…言えないよね)
幼馴染「う、うん!!ちょっと暇だったから、来ただけだよ!!特に用事はないよ!!」
幼馴染「えへへ////」
幼馴染(もうバカ!!何で言わないのよ!!)
幼馴染(ここで言っちゃえばよかったのに。うう…)
男(何か。妙に可愛いな今日の幼馴染)
・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
男「さて、風呂でも入るか」
幼馴染「もうお風呂入るの?」
男「ああ。いつもは先夕飯だけど、母さんがまだ黙ったままだから、入ってくるよ」
幼馴染「そ、そうなんだ」
幼馴染(こ、これはチャンスだよね!!男が入った後にこっそり私も入って!!そして…)
幼馴染「………」
幼馴染(えへへ///)
男「おーい!にやけてるぞ、大丈夫か?」
男「ふう。やっぱいいよな、風呂ってのは」
男(しかし、今日の幼馴染、やっぱり少し変だったよな…)
男(何か、少しそわそわしてたと言うか、なんと言うか…)
男「まあ、いつものことか。気にしない気にしない」
幼馴染「男ー!!入っていーい!?」
男「!?」
幼馴染「だから、一緒に入ろうよ。昔はよく入ったでしょ?」
男「バ、バカ!!今と昔は全然違うだろ!!大体、母さんがいる手前そんなこと…」
幼馴染「大丈夫だよ。おばさんも頑張ってって言ってくれたから」
男「何を期待してるんだあの人は!!」
男「ちょ、ちょっと待て幼馴!!」
幼馴染「?どうしたの、顔背けて?」
男「な、なんで前を隠してこないんだよ!!」
幼馴染「わたしと男の仲だよ。気にしない気にしない」
幼馴染(うう、ほ、ホントはすごく恥ずかしいけど…がまんがまん///)
男「え? それはどういう?」
幼馴染「だーかーらー。背中流してあげるって言ってるでしょ!!」
男「わ、分かったから腕にしがみつくな!!」
男(む、胸が。生おっぱいが当たってるんだよ!!)
幼馴染(な、何としても、男におっぱいを意識させなきゃ!)
可愛いぜ畜生!
男「…………」ゴシゴシ
男(無言と言うものがこんなに辛いというのを初めて知ったな)
幼馴染(男の背中すごく広い///それに適度に筋肉があってすごいたくましいな///)
幼馴染「お、男。お湯掛けるよ///」
男「お、おう。た、頼んだ。」 ザパァ!
幼馴染「気持ち良かった?///」
男「ああ、気持ち良かったぞ」
幼馴染「じゃあね。男、その…あのね///?」
男「ん?何だ?」
幼馴染「わ、わたしの背中も流してくれるかな///?」
男「…イマ…ナンテイイマシタ?」
男(も、モジモジしながら上目遣いで、見てくるなよ…)
男(こ、断るに断れねえじゃないか)
幼馴染「おとこぉ…」
男「分かった!!流してやるから!!だから泣くなって!!」
幼馴染「………」ゴシゴシ
幼馴染(うう。無言は辛いよ。何かしゃべってよ…)
男(幼馴染の背中すべすべしていて、すげえ気持ちいい)
男(それに背中を擦る度におっぱいが揺れて///)
男「………」
男(だ、ダメだ!!そんなこと意識しちゃ!!煩悩退散!煩悩退散!)
幼馴染(男に洗ってもらうの気持ちいいな///)
幼馴染「うん」ザパア!
男「よし、全部泡取れたな。じゃあ、俺は出るから…」
幼馴染「ちょ、ちょっと待って!!」
男「!?」
幼馴染「そ…その…」
幼馴染「まえの方も…あ、洗ってください////」
男「 」
幼馴染「………」コクコク
男「ま、マジで…?」
幼馴染「うん。お願い…///」
男(前ってことは、必然的に胸を触ることになっちまうよな?)
男(そ、それは流石に…まずいんじゃ…)
幼馴染「おとこぉ…だめ…?」
男(そ、そんな、同じ手を二度も喰らうわけには!!)
幼馴染「うん。いいよ。来て」
男(喰らってしまうんだな、これが。うん正面から見ると女のおっぱい綺麗な形してるな、こんちくしょー)
男(と、取りあえず。あんまり長い時間女の身体を見るのはまずい。さっさと済ませて)
幼馴染「あ、男。もう一つお願いがあるんだけどね///」
男「ん?な、なんだ?」
幼馴染「わ、わたしね、ちょっと、お肌が弱いからさ…」
幼馴染「タオルじゃなくて、素手で洗ってもらえるかな?」
男「 」
幼馴染「ひわい?」
男「そ、その…胸を生で触ってしまうというか…なんというか…」
幼馴染「えへへ。大丈夫だよ、男///」フニッ!
男「!?」
男(お、幼馴染が俺の手を自分のおっぱいに…。やばい、すごい柔らかい)
幼馴染「わたしね、男だったらどんなとこを触られても平気。だからね、男。気にしないで大丈夫だよ///」
男「分かった。洗わしてもらうぞ」
幼馴染「うん!!////」
男「じゃあ、まずはここからな」
幼馴染「っ!?」
幼馴染(お、お腹!!私弱いのに///)
幼馴染「ふぁ///んっ…ひゃっ///」
幼馴染(ど、どうしよう・・・声が我慢出来ないよ///)
男「じゃあ、次はここだな」
幼馴染「ハア…ハア…」
幼馴染(足…なら大丈夫…)
男「よっと」
幼馴染(男の手…すごく気持ちいいや)
幼馴染「男、洗うの上手だね」
男「そうか?まあ、褒めてもらえてるなら嬉しいよ」
男(ああいう風に言ってくれたけど、流石にアソコを洗うのはまずいよな)
男(となると次は胸だな…)
男「幼馴染…本当にいいんだな、胸、触っても」
幼馴染「だ、大丈夫だよ。さっきも言ったでしょ。男ならいいって」
男「そうか…分かった」
幼馴染「ひゃっ!?」
男(幼馴染のおっぱい…今まで無いものだと思ってたけど…)
男(こうして触ってみると結構柔らかいんだな)
男(おっと感傷に浸っている場合じゃない。早く洗わないと)ニュルニュル
幼馴染「ふあっ!!//んっ・・んひゃあ!!」
男(しかしまあ、洗ってるだけなのに随分声が出るんだな)
幼馴染(お、男の手…洗ってるだけなのに、すごくいやらしい)
幼馴染(そ、それに…手がたまに先っぽに擦れて…)
幼馴染(な、なんだか…変な気分になってきたよ///)
男(それに、薄らだけど目にも涙が溜まってきてる…)
男(そろそろ終わりにしてやろうかな)
男「幼馴染、流すけど、大丈夫か?」
幼馴染「ん…///だ、大丈夫…」
男「よし」ジャパア!
・・・・
男(そして、互いに身体も洗い終わり湯船に浸かっているわけだが)
男「………」
幼馴染「………」
男(なんとなく気まずくて、お互い話す気配が無い)
男(でも、俺には一つ聞きたいことがある)
男「なあ、幼馴染」
男「なんで、いきなり風呂なんか一緒に入ろうなんて言い出したんだ?」
幼馴染「え!? え、えっとそれはね…」
幼馴染「お、男におっぱいを…揉んでもらいたかったから…」
男「………」
男「あの…それはどういう?」
幼馴染「その中の人、みんなおっぱいが大きかったの。だから、男はおっきいおっぱいの人が好きなのかなあとか思って」
幼馴染「だから、今日ねそのことを女ちゃんに相談したらね、『誰かにおっぱいを揉んでもらいなさい』って言われたの」
幼馴染「それで、揉んでもらうなら男が良い…ううん。男じゃなきゃ嫌だからね、そのチャンスを伺ってたらね」
男「俺がちょうど風呂に入ったってわけか」
幼馴染「うん…そう…」
幼馴染「でも、世界で一番。いっちば~ん男のことが大好きです」
幼馴染「部屋を漁るとかいろいろ迷惑かけちゃって、ダメダメなわたしだけど」
幼馴染「わたしをあなたの一番にしてください!!」
男「そうだな。色々言いたいことはあるけど」
男「まず、人の部屋を勝手に漁るんじゃない。親しき仲にも礼儀ありだぞ」
幼馴染「う、うん…」
男「あと、もう一つな」
男「確かに俺は、胸がデカくてスレンダーな人が好みだ」
男「だけどな、それ以上にな…お前のことが好きなんだ」
幼馴染「うん…」
幼馴染「……はい」
幼馴染「喜んで!!」ニコッ!
終わり
初めてのSSでしたが、皆さんのお陰で書き終えることが出来ました。
お休み
続きを期待してるぞぉい
幼馴染「私のおっぱいは一向に大きくならない…」
幼馴染「男はこれで十分って言ってくれるけど…」
幼馴染「やっぱり大きくしたいよ」
女「なるほど。それでまた私のところに来た訳か」
幼馴染「うん」
女「でも、男君、別に何も言ってないんでしょ?」
幼馴染「でも!」ズイッ!
幼馴染「やっぱり、女の子としてはおっきいおっぱいが欲しいんだよ!!」
幼馴染「むうう。みんなあるからそういう風なこと言うんだよ」
幼馴染「それに、小さいと…子供っぽいし、色気がないというか…」
女「まあ、それは一理あるね」
幼馴染「ふえ?どうって?」
女「白を切るんじゃねーぞ。もうちゅーとかしたのか?もうやっちまたかー?」
幼馴染「え?え?」
幼馴染「ふえええええ!?」
女「はあ!?あんた2ヵ月も経ってるのにまだキスしてないの!?」
幼馴染「う、うん…」
女「お、おねーさん…。それはちょっと酷すぎますよ」
女「そうだよ。はあ…なんだか、男君が不憫に思えてきたよ…」
幼馴染「うう。だって、男が寝ているときにしようと思ってもいざしようとすると、緊張しちゃって」
女「まず、起きているときにしようって概念がないのねあなたには」
幼馴染「うう…」
幼馴染「うう!!」タジタジ
女「明日、学校に来るまでに男君にキスしてきなさい!!してこなかったら、1ヶ月間私にカレーパンを奢ること。いいね」
幼馴染「うう…。恥ずかしいのに…」
幼馴染「おとこー、いるー?」コンコン
男「おう、いるぞー」
幼馴染「あれ? また野球見てたの?」
男「うん。なんかこの前のベイスターズ見てたら無性に応援したくなってさ」
幼馴染「へー。あ、また隣良い?」
男「ああ。いいぞ」
男「知ってるのか?」
幼馴染「うん。この前見たときに覚えたんだ」
男「ふーん。お、打った!!…あー、セカンドゴロか」
幼馴染「悔しそうだね」
幼馴染「それってまずいことなの?」
男「ああ。高槻に行きたいのに間違えて宝塚線に乗っちゃったくらいまずいことだ」
幼馴染「よ、よく分からないけど、大変なんだね」
幼馴染(やっぱり男といると楽しいな)
幼馴染(でも、ドキドキもする)
幼馴染(わたし、やっぱり男のこと大好きなんだ)
幼馴染「………」
幼馴染「ねえ、男…」
幼馴染「あ、あ、あ、あのね…///その//」
男「なんだよ。モジモジしてても分からないって」
幼馴染「わ、わたしたち…つ、付き合って、も、も、もう2ヶ月だよね//」
男「ああ、そうだぞ」
男「そ、そろそろって言うのは?」
幼馴染「そ、そ、そ、そ、そ、そ、その////キ、キ、キ///」
男「キ?」
幼馴染「キ、キ、キ、キs」
男母「男ー! ごはんよー!!」
幼馴染「………」
男「幼馴染。お前泊まっていくのか?」
幼馴染「ふえ?ど、どうして?」
男「だってもう10時だぞ夜の」
幼馴染「ええ!?」
幼馴染(ほ、ホントだ…。キスのことばっか考えていて全然気づかなかった)
幼馴染「う、うん。ちょ、ちょっとお部屋が暑いからさ。えへへ」
男「そうか。確かに強いかもな暖房」
男「俺、風呂に入ってくるからその間に泊まるか決めておいてくれ。暖房の温度自由にしていいから」
幼馴染「う、うん。ありがと」
バタン!
幼馴染(ど、どうしよう…///)
幼馴染(で、でも…今日中にキスをしないと女ちゃんにカレーパンを…)
幼馴染(キ、キス…恥ずかしいな///)
幼馴染「………」
幼馴染(ダメだよ…いつまでもこれじゃ)
幼馴染(きょ、今日は泊まって…)
幼馴染(男とキスをするんだ!)
・・・・・・・・
男「それで、泊まっていくんだな?」
幼馴染「う、うん!!」
男「よし、オッケー。じゃあ母さんに頼んで、別の部屋に布団を…」
幼馴染「お、男!!」
男「!!」
幼馴染「あ、あの出来れば…い、一緒に寝てほしいなって////」
男「 」
男「………」
男(さて、毎回恒例の状況説明をさせてもらおう)
男(隣には俺のジャージに身を包んだ幼馴染がいる。うん、胸元ゆるゆるだからいろいろ見えてるね)
男(顔を赤らめて上目遣いでこちらを見ている)
男(うん、なんというか)
男(ヤバいね、色々と!!)
男「な、なんでしょうか!?」
幼馴染「あ、あのさっき言いたかったこと、言うね…」
男「さっき…?」
幼馴染「ゆ、夕飯の前のアレ…」
男「ああ、キ、なんとかってやつか」
男「おわ!!」
幼馴染(か、顔が近い!!)
幼馴染「あのね、男。今日、女ちゃんに言われたの」
男「な、なんて言われたんだ…?」
幼馴染「つ、付き合って2ヶ月も経つのにキスをしないのは可笑しいって」
男「……え?」
幼馴染「で、でもね…恥ずかしいの…いざとなると」
幼馴染「ごめんね。私の…わたしのせいだよね…ごめんね…」
幼馴染「ひっく、うう…うう…」
男「………」
幼馴染「ひゃ!?」
幼馴染「お、おとこ!?」
男「ごめん…俺の方こそごめんだよ」
幼馴染「な、何で…」
幼馴染「何で男が謝るの?」
男「でもさ、違うよな、普通はしたいよな。付き合ってるんだから」
幼馴染「う、うん…」
男「だからごめんな、幼馴染」
幼馴染「それでね、男…」
男「幼馴染!!」
幼馴染「は、はい!!」
男「その…」
男「キス…するか…?」
男「…よし分かった」
チュッ!
幼馴染「…んっ///」
男(幼馴染の唇すげえ柔らかい…)
男(それになんか…息遣いが妙にいやらしい)
男「ハア…ハア…」
幼馴染「し、しちゃったね///」
男「そ、そうだな///」
幼馴染「う、うん。すごく気持ちよかった///」
男「そ、そうか、。そりゃあ、よかった」
幼馴染「………」
男(なんとなく…気まずくて話ができない)
男(何か話さなきゃってのは分かってるんだけどな…)
幼馴染「おとこ…?」
幼馴染「わたし、キスしてよかった。すごく気持ち良かったし、なにより」
幼馴染「すごく幸せだった…」
男「………」
男「うん、俺もそうだよ」
幼馴染「えへへ。だからね」
幼馴染「またしようね、キス!!」
終わり
明日までにこのスレがあったら、明日。もしなかったら、いつか、初エッチ編を書きたいと思います。
女「ふう。なんか久々に遊んだな」
幼馴染「そうだね。二人とも夏休みに入ってから忙しかったからね」
女「しっかしまあ、あれだねえ。こうして二人で話しているとあの時のことを思い出すねえ」
幼馴染「ふえ?何のこと?」
女「うっふふふ~。女さんのバージンですよ」
幼馴染「バ、バ、バ///バージン!?」
女「うわっ!声が大きいよ!キスだよキス!!ファーストキスのこと!!」
幼馴染「キ、キ、キ、キ、キス////」
女「あちゃー…そっちでも恥ずかしがるか」
女「『あのね、男のちゅーしたと』」
幼馴染「わー!やめて!!やめて!!」
女「にひひ。あの時の幼馴染、可愛かったな」
幼馴染「うう…」
幼馴染「進展?」
女「もう。わかってんだろーが。キスときたらその先はエッチしかないだろ!」
幼馴染「エ…エッチ///」
女「どうした?顔なんか赤らめて?」
女「ん? どうした、どうした?」
幼馴染「………」ゴニョゴニョ
女「えー!?きょ、今日誰もいない男君の家に呼び出されてるー!?」
幼馴染「わー!わー!女ちゃん声大きいよ!!」
女「ああ。ご、ごめんよ」
幼馴染「や、やっぱりそういうことだよね?」
女「あったりまえじゃないか!!ここで何も手を出してこなかったら、男君ホモかバイのどっちかだよ!!」
幼馴染「ホ、ホモ///」
女「おーい。そこで顔を赤らめるなよー」
男(まずい…幼馴染を呼び出したのはいいけど…)
男(心の準備が全くできていない!)ドヤア!
男(勢いに任せるのはよくないな、本当に)
男(しかもさ…)
男「なんで避妊具だけは準備万全なんだよ!!」ドーン!
男「………」
男「はあ。ここまで来たら腹をくくるしかないか…」
実況「いやー。ベイスターズは強いですねー。初回だけで16点ですよ」
キヌガサ「ええー。筒香がいい働きを見せていますからね」
男「もうベイスターズだけが心のオアシスだな」
幼馴染「はあ…」
幼馴染(来ちゃったなあ…。緊張するなあ)
幼馴染(…初エッチかあ)
幼馴染(女ちゃんが痛いって力説してたなあ)
幼馴染(その後、私が練習台にって言ってきたからびっくりしたなあ)
幼馴染(うん!こんなところに居ても始まらないや、入ろう!!)
幼馴染「ごめんくださーい!」
男「!!」
男「や、ヤバいついに…ついにこの時が来てしまった…!!」
男「お、お、お、お、落ち着け!!こんな時こそ落ち着くんだ!!」
男「やばいやばいやばいやばいやばいたらいぞ!!」
幼馴染「ど、どうしたの?ぶつぶつ言って?」
男「 」
幼馴染「男、そんな気にしなくて平気だよ」
男「だって。すっげえ馬鹿みたいだったじゃん」
幼馴染「だ、大丈夫だよ!うん!大丈夫!」
男(フォローになってないぞ…)
男「………」
男(なんだか…落ち着かないな…)
幼馴染(うう。男と目を合わせるだけでも、意識しちゃう)
幼馴染(こんなシチュエーション、前にもたくさんあったのに…)
男(いかんいかん!意識してはいけない!!)
実況「六回のオモテ遂にスワローズが勝ち越し!野口の満塁ホームランで勝ち越し20対16です!!」
キヌガサ「中畑監督、泡吹いて失神しています」
キヌガサ「まさにベイス、ボールでしたね」
幼馴染「お、終わっちゃったね、野球」
男「あ、ああ。そうだな…」
幼馴染「ざ、残念だったね、ベイスターズ」
男「あ、ああ。そうだな」
幼馴染「………」
男「………」
幼馴染「わ、わたし!お、お風呂入ってくるよ!!」タッタッタ
幼馴染(ど、ど、どうしよう///な、なんだか勢いだけでお風呂に来ちゃったけど…)
幼馴染(考えてみればまだ夕飯も食べてないじゃない…)
幼馴染(もしかして、わたし期待してるのかな…///男とすること)
幼馴染(うう…これじゃあわたし、変態さんだよお///)
男「行っちまったな…風呂に」
男「これはもう…良いってことだよな?」
男(……いや)
男(考えてみれば、付き合うときもキスの時もあいつからだった)
男(男として、それでいいのか?)
男「……」
男(ダメだよな…)
男(大体、家に呼んだのも俺じゃないか)
男(覚悟を決めよう!)
ガチャ
幼馴染「おとこー、上がったよー」
男「幼馴染っ!!」ガシッ!
幼馴染「ひゃ!?な、何かな?」
男「俺も風呂に入ってくるから、その…俺の部屋に行っててくれないか?」
男「………」
幼馴染「う、うん…。分かった。行ってるね」ニコッ!!
トントントントン
男「ふう。あとは…もう、成り行きに任せるしかないな…」
ガチャ
男「よ、よう…。その…待ったか?」
幼馴染「ううん。そんなに大丈夫だよ!!」
幼馴染「ふふふ!」
男「どうしたんだ?」
幼馴染「なんか、デートの待ち合わせみたいだね」
男「………」
男「ああ、そうだな」
男「おっけ」ポフ
幼馴染「………」
男「………」
男「なあ。幼馴染…」
幼馴染「ん?どうしたの?」
男「いや、なんか…うまく言えないけどさ。うん。俺、お前のこと大好きだ」
幼馴染「どうしたのいきなり。変な男」
男「だから…そういう前提で聞いてくれ」
幼馴染「うん。分かったよ」
男「あのさ。今日、幼馴染を家に呼んだのはさ…特に意味なんてなかったんだ。ただ一緒に居たかった、とかそういう理由なんだ」
男「でもさ、考えてみたら、今夜…いま二人きりなんだよな。そうなるとさ…俺も男だから…その…意識する部分とかあるんだ」
男「だからそのなんて言うんだ…うまく言えないけど…その…」
幼馴染「いいよ」
男「へ?」
幼馴染「いいよ。わたし、決心も出来てるし、それにわたしも男としたい。だから…」
幼馴染「しよ///男///」
男(………)
男(理性がログアウトしました)
幼馴染「んっ!?」
幼馴染(お、男とのキス…//)
幼馴染(ま、毎日してるけど…きょ、今日は、はげっ!!)
男「………」チュウウウ
幼馴染「んんっ!?」
幼馴染(し、舌…入ってきた///)
幼馴染「んっ…ふっ…ふあ…///」クチュクチュ
幼馴染(あ、頭…真っ白になってきた///)
男「………」クニクニ
幼馴染「………ぷはっ!!」
男「ハア…ハア・・・」
幼馴染「おとこぉ…おとこぉ///」
男(トロンとした目で幼馴染がこちらを見上げてくる)
男(顔も真っ赤で、息遣いも荒い)
男(これでがまんしろって方が無理だよな)
幼馴染「う、うん。小っちゃいけど…」
男「そんなこと…関係ないよ」フニフニ
幼馴染「ん…っは!!///」
男「幼馴染の胸、こんな柔らかいじゃないか…」
幼馴染「そ、そんな…んはっ!!」
男「それに良いんだよ。俺は幼馴染だから良いんだよ」
男「んっ!?」
幼馴染「ん…///んふっ…ふぅ///」クチュクチャ
男(お、幼馴染…)フニフニ
幼馴染「んんっ…ん…んちゅ///」クチュクチュ
男「お、幼馴染…?」
幼馴染「おとこ…おっぱい触って…いいよ。服脱がせていいよ////」
男「ああ、分かった!」フクヌガス
幼馴染「////////」
男「お、幼馴染?」
幼馴染「えへへ。お風呂のの後は、苦しいからいつもしてないんだ」
男「………」
男(理性が超新星爆発を起こしました)
男(まずい…服越しでも柔らかったけど生はさらにヤバい…)フニフニ
幼馴染「んあ…いやぁ…////」
男(これは…うん、タイミングだな)パツニシノバス
幼馴染「……っっ!!」
幼馴染(あ、アソコに…手が…)
男(声が大きくなった。これは感じてるってことでいいのか?)
幼馴染(だ、ダメ…も、もう何も考えられない////)グチュグチュ
幼馴染「んんっ!!ふあ////あっ、ふあああぁ///」ビクビク
男「………」
男(これは…イったってことだよな…)
男(俺が幼馴染をイせたん…だよな)
男(ちょっとうれしいかも…)
男「ああ…俺もだ…」
幼馴染「いいよ…おとこ…きて…」
男「幼馴染!!」
男「そりゃあ変わってなかったら可笑しいだろ」
幼馴染「それもそうだね。…それにしても」
男「ん?」
幼馴染「これが///入ってくるんだよね////」
男「…やめとくか?」
幼馴染「ううん。来て男。私、男と一つになりたい///」
男「幼馴染…」
幼馴染「うん」
男「ゆっくり…行くからな…」ヌプッ!
幼馴染「んんっ!いっ!!」
男「!?」
男「だ、大丈夫か!?」
幼馴染「う、うん…大丈夫。だから続けて」
男「…………」ヌプププ
幼馴染「・・・・・・っは、入った?」
男「あ、ああ」
幼馴染「そ、そう…よかった」
男「動いても大丈夫そうか?」
幼馴染「う、うん。平気///」
男「じゃあ、動くぞ」ヌププ、グニュ
幼馴染「んっ!?んあっ!」
男(幼馴染の中…すごく温かい)
幼馴染(男のすごく熱い…)
男(ヤバい…なんも考えられない…とにかく気持ちい)ヌポ、ヌプ
幼馴染「ん・・・ああっ!おとこぉ///」
男「っく…幼馴染!」
男「俺も…そろそろヤバい」グニュ、ズポ、ニチュ
幼馴染「い、いいよ…中に出しても…」グニ、ニチュ
男「なっ!?」
幼馴染「ふああ!んっ////!!」ビクビク
男(お、幼馴染がイったから…締め付けが!!)
幼馴染「おとこぉ、おとこぉ!!」ニチャニチャニチャニチャ!
男「っく…幼馴染…俺…」パンパンパン!!
幼馴染「だ、大丈夫だよ。だから来て…!」パンパンパン!
男「幼馴染…幼馴染いいいいい!!」ビュルウウウウウ!!
……………
幼馴染「ねえ、男」
男「ん?」
幼馴染「わたし…今すごい幸せ…。男と…一緒になれて…」
男「そうか」
男「俺も一緒だよ」
幼馴染「よかった。ねえおとこ…」
男「今度はなんだよ?」
幼馴染「大好きだよ!!!」
すべてが終わり
三日間ありがとうございました
Entry ⇒ 2012.03.26 | Category ⇒ 幼馴染「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)