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ルルーシュ「765プロだと?」
ルルーシュ「ふん、くだらん」
CC「そうはいってもな、ほれこのいおりんなんかなかなかだぞ」
ルルーシュ「興味ない」
CC「ふん、童貞坊やめ」
ルルーシュ「魔女めが・・・うん?これは・・・?」
うっうーみなさんこんにちわー高槻やよいでーす!!
ルルーシュ「・・・・・」
キラメキラリー♪
ルルーシュ「ふはははははは!!そうか!そうだったのか!!」
CC「どうした?とうとう童貞をこじらせて壊れたか」
ルルーシュ「CC、すぐに黒の騎士団を集めろ!今すぐにだ!」
CC「はいはい、私は共犯者だからなすぐ扇にでも連絡とるよ」
ルルーシュ「(俺はナナリーの事しか頭にしかなかったがいるじゃないか!アイドルというものが!)ふははははは!」
CC「・・・・」
ゼロ「諸君、今日は集まってありがとう、それでは会議を開始する」
扇「ゼロ、いきなり呼び出したからには重要な話なんだろうな?」
ゼロ「もちろん 今日集まってもらったのはこれだ映像を見てくれ」
ピッ!
はーじめよーう♪やればできるーきっとー絶対ー♪
王城「なんだこれ?」
カレン「ゼロなんですかこれ?」
南「なるほど・・・」
扇「なにっ?!ブリタニアと戦うのになぜこれが必要なんだ!」
ゼロ「扇・・・貴様甘いぞ、古来よりアイドルというものは人の心を掴むもの そして我々の行動も人々の協力がないと成功しない ならなおさら人の心を掴むために765プロを利用させてもらう!
」
カレン「で、でもゼロの行動によって人の心を掴んでると思いますが・・・」
ゼロ「ああ掴んでいるがまだ足りない 私の作戦にはもっと人々の協力が必要なのだ」
藤堂「ふむ・・・」
藤堂「うっうー!!!」
みんな「!?」
千葉「藤堂さん・・・?」
藤堂「ゼロよ、一つ聞きたいことがある?」
ゼロ「なんだ藤堂(藤堂・・・お前はまさか・・・)」
藤堂「お前の好きなアイドルはなんだ?」
ゼロ「私か、私は高槻やよい、双海亜美・真美姉妹だが?」
藤堂「ふっそうか・・・いいだろう私はこの作戦に賛成だ」
ゼロ「さすが藤堂・・・他に意見あるものはいるか!」
シーン・・・
ゼロ「いないか・・・ではこの作戦は実行させてもらう!藤堂・・・お前の奇跡期待させてもらうぞ?」
藤堂「任せておけ、そうと決まれば私はいかせてもらう」
朝比奈「藤堂さん!いったいどこへ!?」
藤堂「生すっか!?を見直さなくては・・・」
プシュー
でもこういう組織の象徴やシンボルとしてアイドルを立てるのはアリだよな
ルルーシュ「ふう・・・みんなの説得はうまく行ったが765プロを掌握するにはどうするか・・・」
CC「なんだ、考えてなかったのか童貞」
ルルーシュ「うるさい!仮にも一つの会社だ 無理やりすると反感を買う・・・」
CC「確かにな まぁ私はいおりんに会えるならなんでもいいぞ」
ゼロ「藤堂にも考えがあるようだが奴は果たしてどうするのか・・・」
CC「今回は藤堂に任せてみてはどうだ?」
ゼロ「まぁそれもアリだが俺にも考えがないわけじゃない・・・」
ピッ
ゼロ「ディートハルトか?お前に頼みが・・・」
P「え?テレビで765プロの特集を組みたいって?」
ディートハルト「ええ、いま人気絶頂の765プロの皆さんでドキュメンタリー方式で撮らせてもらいます もちろんゴールデンで放送させてもらいますよ
」
P「そりゃぁすごい!おーいみんな聞いたかー?」
響「はいさーい自分がんばるぞー!」
美希「ハニー!美希キラキラするから見ててねっ!」
春香「ゴールデンですよ ゴールデン!!」
藤堂「うむ」
貴音「まこと よき考えですね」
ディートハルト「え?」
P「あぁ先日から来てもらってる警備員の藤堂さん・・・ってなんでいるんですか!?」
藤堂「なに、楽しそうな声が聞こえてな ついこちらまできてしまったわけだ」
律子「ちょっと!藤堂さん困りますよ!」
藤堂「失礼した、それでは・・・」
千早「なんかあの人怖いわ・・・」
真「そうかなぁ?日本男児って感じがしてかっこいいよ!」
P「なんかすいませんね・・・」
ディートハルト「いえいえ・・・(ゼロ、これもあなたの作戦ですか?)」
ディートハルト「はい、警備員として765プロにいました ゼロ指示ではないのですか?」
ルルーシュ「(さすが藤堂だ・・・もう動きだしたか・・・)」
ディートハルト「ゼロ?」
ルルーシュ「いや、それは私の指示だ ディートハルトは引き続き作戦を遂行してくれ」
ディートハルト「わかりました では」
ピッ!
CC「どうした?」
ルルーシュ「いや藤堂がもう765プロに侵入したらしい」
CC「OPでダモクレスに単騎特攻しただけあるな」
ルルーシュ「? 何の話だ?」
CC「なんでもない」
ディーハルト「いやぁ いい画がとれました!」
P「いやいやこちらこそ!うちのアイドル達は大喜びですよ!楽しみだなぁ放送・・・」
ディートハルト「・・・つきましてはこちらのほうのスポンサー達とアイドル達とのささやかなパーティー、まぁ前祝いみたいなものをやりたいのですが・・・
」
P「ええ!もちろん出席させてもらいますよ!」
亜美「ねぇねぇー兄ちゃんー!豪華なご馳走とかあるのかなー?」
真美「もちろんあるしょー!」
P「こらっ!お前ら! すみませんね・・・」
ディートハルト「いえいえ では改めてまた」
P「ありがとうございましたー」
藤堂「最初は竜宮小町で七色ボタン、次に春香で乙女よ大志をその後はダンスが激しいマリオネットの心そして・・・」
P「うんうん・・・って!藤堂さんなんでいるんですか!?」
藤堂「ミニライブの曲を考えるのではなかったのか?」
P「いやいや!別に藤堂さんも一緒に考えなくてもいいですよ!!」
藤堂「そうか・・・失礼した・・・」
スタスタ
P「なんで社長もあんな人雇ったのかな・・・まぁいいや仕事仕事」
ディートハルト「いやいやよく来ていただきました」
美希「ハニー!!おにぎりいっぱいなのー」
貴音「らぁめんの匂いが・・・」
伊織「ふんっ!この伊織ちゃんの舌を満足させるものなんてあるのかしら?」
やよい「うっうーもやしもたくさんありますー!」
あずさ「あらあらーなに食べるか迷っちゃうわー」
藤堂「みな今日はミニライブもあるんだ 気をぬくなよ?」
P「(また藤堂さんいるし・・・まぁいいか・・・)」
ディートハルト「こちらのスポンサーの挨拶までどうぞくつろぎください それでは・・・」
スタスタ
ゼロ「よし 今からそちらに向かうお前は時間までやつらをもてなせ」
ディートハルト「わかりました」
ピッ!
ゼロ「さて、向かうか」
CC「私もいくぞ 追いてくな!生のいおりんが見れるのに行かない手はない」
ゼロ「勝手にしろ」
CC「ところでパーティ会場にピザはあるのか?」
ゼロ「知らん」
千早「これホントにおいしわ」
春香「うん!すごいおいしいね千早ちゃん!」
雪歩「真ちゃん私達頑張ったからこんなにおいしいもの食べれるんだね!」
真「そうだね雪歩 あれ?やよいどうしたの?」
やよい「うーこんな豪華な料理私一人で食べていいのかなーって」
伊織「あっ・・・」
藤堂 スッつタッパ
やよい「えっ?」
藤堂「使え これに長介やかすみ達の分も詰めておけ」
やよい「うっうー! 藤堂さんありがとですー!」
藤堂「礼には及ばん」
P「(なんで長介やかすみの事知ってんだ)」
P「あっ!もうそんな時間か!ほらーみんな席につけー」
ガヤガヤ
カレン「それでは今日はスポンサーのゼロ様から挨拶があります ご清聴ください」
P「ゼロ!?ディートハルトさん一体これは!?」
千早「ねぇ春香ゼロって・・・」
春香「あの黒の騎士団のゼロだよね・・・」
貴音「ゼロ・・・」
ゼロ「ふはははは! 諸君楽しい会食いかがかな?」
雪歩「真ちゃん あ、あの人ってブリタニアの人いっぱい殺してんだよね・・・」
響「日本を開放しようとしてる救世主だって自分きいたぞー」
P「ゼロ!お前何しにきた!まさか!!この子達を戦争に使おうと・・・!」
ゼロ「ふふふ、虐げられた人びとの救世主ゼロがそんなことするとでも?」
P「じゃあ、目的はなんだ!」
P「えっ?」
ゼロ「言語か、土地か、血の繋がりか」
P「違う・・・それは…心だと思う」
ゼロ「私もそう思う」
ゼロ「自覚・規範・矜持、つまり文化の根底たる心さえあれば、住む場所が異なろうとそれは日本人なのだ」
ゼロ「では聞く! お前達にとってトップアイドルとはなんだ?」
P「!?」
春香「私たちにとって・・・」
美希「トップアイドル・・・」
亜美・真美「って・・・・」
ゼロ「わたしも思う・・・それを私達と目指すというのはどうかな?」
みんな「!?」
ゼロ「私はブリタニアに支配された日本を解放したあとはブリタニアという国ごと潰そうと思う その活動を君たちとしていけば・・・君たちの知名度は日本だけではなく世界に知れ渡る。そして世界の頂点に立った時がトップアイドルと言えるのではないか?」
律子「確かに一理あります」
伊織「この世界じゃ私達じゃ限界があるかもしれない・・・・」
雪歩「でも!ブリタニアだからって人殺しの人達となんて・・・・」
やよい「プロデューサー・・・・」
ゼロ「(ふふふ・・・抵抗してるがやはり迷っている日本人は強大なブリタニアの力を知ってるからこそ贖えるわけがない・・・もうひと押しだ・・・)」
ゼロ「諸君 私は・・・」
藤堂「喝っ!!!!!」
みんな「!?」
春香「藤堂さん・・・?」
藤堂「お前達は765プロの力だけでトップアイドルを目指すのではなかったのか?」
ゼロ「・・・・」
藤堂「黒の騎士団の力を借りてトップアイドルなろうとは言語道断!お前たちと対立した961プロとなんら変わらん!」
765プロ「!!」
藤堂「仲間達と目指すトップアイドルこそお前達が目指したものではないのか!?」
響「で、でも!自分達だけじゃできないこともあるぞ!」
藤堂「ひとりでは出来ないことー仲間となら出来ること♪」
みんな「!?」
春香「そうだよ!みんな!私達誓ったじゃないみんなで目指すって!」
伊織「全く この伊織ちゃんが危うく忘れるとこだったわ 礼を言うわ藤堂」
藤堂「礼には及ばん この藤堂鏡志朗するべきことはしたまでだ」
ゼロ「(何をしているんだ藤堂!!)」
P「俺なんでここにいるんだろう・・・・」
律子「でも、急に言われても衣装とかが・・・」
藤堂「問題ない 用意してある 最初は双海姉妹と高槻のキラメキラリからだ!」
亜美「うわーやよいっちと歌うなんて久しぶりだよー!」
やよい「うん! 頑張ろうねー!」
ゼロ「(はっ!藤堂まさかこのために俺の好みのアイドルを・・・・)」
藤堂「(ゼロ・・・分かってくれるか・・・)」
ゼロ「(ふっ・・・負けたよお前の奇跡に・・・力でアイドルを押さえつけようとした俺の負けだ・・・)」
キラメキラリー♪ ずっとチュッと♪ 地球で輝く光ー
CC「で、765プロを手に入れることはできなかったと・・・・」
ルルーシュ「あぁ 奴は奴なりのやり方で765プロを押さえるつもりらしい・・・」
CC「そうか・・・で当の藤堂はどこにいったんだ?」
ルルーシュ「なんでも警備員から藤堂Pになったときいてるが・・・・」
CC「!?」
P「黒の騎士団の面接ってどこで受けれるんだろうな・・・あはは」
おわり
天子「しんくー見てみてー!」フリフリ
星刻「天子様それは・・・ぐはっ!・・・」
天子「765プロのアイドルの服着てみたんだけど似合うかなー?」
星刻「(天子様・・・最高だ・・・)」
天子「スタ→トスタ→♪」
ちなみに俺はお姫ちんが一番好きです
ちょうど眠かったからいい長さだったよ
次回はがっつり、ルルとアイドル絡ませておくれ
面白かったです、ありがとうございました!
Entry ⇒ 2012.11.08 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
カレン「私の事どう思ってるの?」ルルーシュ「こう思ってる」
カレン「……ブラックリベリオンの時、扇さんはあなたを護れと言った。私の、お兄ちゃんの夢を継ぐ者だって……」
カレン「――ルルーシュ。あなたは私の事どう思ってるの……? どうして斑鳩で私に……『君は生きろ』と言ったのよ!?」
ルルーシュ「……」
カレン「っ……」
ルルーシュ「!」
(ちゅぅっ)
カレン(ああ……そうか、私……ずっとルルーシュに恋してたんだ……)
カレン(ねえ、お願い……一緒に来いって、そう言って! 私、あなたとなら―――)
(れろっ)
カレン(……んんっ?)
(れろれろっ)
カレン「ん……んぅっ!?」
カレン(ちちょっ、ちょちょちょっとぉっ!? 何これ、何これぇっ!?)
(れろれろれろっ れりゅっ)
カレン(こ、これって! ルルーシュの舌ぁ!?)
ルルーシュ「……」
(れるれるっ れりょりょっ)
カレン「んっ……んぅふぅっ!!?」
カレン(えっ、ええっ!? やだ、舌入れられるなんて予想してない!! ちょっとぉっ!!)
(るりゅるりゅっ ねりゅっ)
カレン「ん……んぁ、んぅ~っ!!」
カレン(やだやだ、これじゃまるっきりディープキスってやつじゃないのぉ!)
カレン(確かディープキスって、恋人とか夫婦がするようなちょっと……え、えっちなキスでしょぉ!?)
カレン(どーすんのよ、私これ初キッスなのに! いきなりこんな、階段十段ぐらいすっ飛ばしてるわよぉ!)
ルルーシュ「……」
(れるるるっ ぬりゅっ くちゅっ)
カレン「ん、んふぁっ……はっ、ふぁあ……」
カレン(い、いやぁ……やばい、なんか変な気分になってきちゃうぅぅ……)
(れろっれるるりゅっ ぬりょっ ぴちゃっ)
カレン「はぁっ……ん、んあぁふ……」
カレン(こ、これ以上はホントにまずい! 息できないし、いけない気分になってきたし!)
カレン(さすがにそろそろ、離れて―――)グッ
ルルーシュ「……」ガシッ
カレン「んっ! んぅ~っ!? んむーっ!!」
カレン(ちょっとぉぉぉっ!! 後ろ頭抑えないでよぉぉぉぉっ!!)
ルルーシュ「……」ギュッ
カレン(お、おまけに抱き締められてる! だ、だめ……どうにか解かなきゃ―――)
(れろれろりっ ぬるるるっ くちゅちゅっ ちゅ~……)
カレン(ああ、ダメだぁ……全っ然力入らない……)
カレン(いいやもう、どうにでもなっちゃえ……)
カレン(ああ……ルルーシュぅぅ……///)
カレン「はぁっ……はぁっ、ふうっ、んぅ……」
ルルーシュ(いやさすがに驚いたぞ……カレンからキスされるなんて)
ルルーシュ(そこまで俺を想ってくれたとは嬉しい限りだ。おかげでつい全力でお返ししてしまった)
ルルーシュ(これだけ長時間キスすればおそらく一生分キスしたといえるだろう。これで悔いは一つ消えた)
ルルーシュ(さすがにこんな猥褻なキスをしたらカレンに嫌われただろうな……だが、それでいい)
ルルーシュ(人生最後のキスだろうが、相手が君でよかったよ。ありがとう、カレン)
ルルーシュ「……では行こうか。あまり合集国首脳陣を待たせるわけにもいかないし」
カレン「え……続き、しないの……?」トローン…
ルルーシュ「え?」
カレン「え……?」
カレン「でも……さっきのキス……」モジモジ
ルルーシュ「キスが、何だ?」
カレン「あ、あんなに激しくしたって事は……その」
ルルーシュ「?」
カレン「あ、あなたも私の事……好きだって、そう……考えて、いいの……?」モジモジ
ルルーシュ「ほぁっ!?」
カレン「わ、私……その、いい……よ?」
ルルーシュ「待て、いいって何が!?」
カレン「え? そ、その……」モジモジ
ルルーシュ(まずい……カレンのこの反応、俺は何かいらぬスイッチを押してしまったのか!?)
ルルーシュ「……」
(れるれりゅっ ぬりゅっ れろぴちゅっ……)
カレン「んぁぁふぅ……んっ……うぅ、はぁん……」
カレン(ああ、いつまでキスしてるんだろう……でも、もうずっとしてたいかも……)
カレン(……やっぱりこのあと、えっちな事されちゃうのかな……)
カレン(お母さん、お兄ちゃん、ごめんなさい……カレンは悪い子です……)
ルルーシュ「っ……」スッ
カレン「んぁっ……は、あぁっ……」ペタンッ
カレン(え? もう……じゃなくて、やっと終わり……? ……このあと、何されちゃうんだろう……)
カレン(すっごくやらしい気分になっちゃったけど……いいよね……だって、好きな人相手だもん……)ドキドキ
カレン「私っ! あなたになら、その……ぜ、全部、あげても……いいよ?」モジモジ
ルルーシュ(……聞いちゃいない! 完全にスイッチが入っている!?)
カレン「あの……は、はじめてだから、その……優しく、して下さい……///」
ルルーシュ「……ストォーップ! ストップだカレン!!」
カレン「えぇ?……あの、今更……何?」
ルルーシュ「な、何って……その」
ルルーシュ(どうする!? 会議場に行く前にこうなるとは予想外だ!! まさかこんなところでカレンが障害になろうとは……)
ルルーシュ「カレン。違う、間違っているぞ」
カレン「え?」
ルルーシュ「いいか、まずここは学校だ。君が想像してるような行為をする場所じゃあない」
カレン「それは……そうだけど」
ルルーシュ「そして俺は今日、会議に参加するためにここに来たんだ。君とそういう関係になるつもりで来たんじゃ――」
カレン「えっ……じゃあ、あの……さっきのキスは……」
ルルーシュ「……してきたのは君だろう」
カレン「でもっ! あんな激しいので返してくれたじゃない!」
ルルーシュ「うっ……ま、まぁ、そうだが」
カレン「あれはその……返事と受け取って、いいんでしょ?///」
ルルーシュ「」
ルルーシュ(これではカレンがついて来ると言いかねない! それはダメだ、彼女にまで汚名を着せるわけにはいかない!)
カレン「私、ね……あなたが求めてくれるなら、例え地獄の果てだって……」
ルルーシュ「カレン、それはダメだ」
カレン「どうして!!」
ルルーシュ「今の俺は、君の大嫌いなブリタニアの皇帝だ。君はその……ブリタニアなんて嫌いだろう?」
カレン「うん……」
ルルーシュ「だから、俺は君と一緒にはいられない。わかるな?」
カレン「でも! あなたがそのブリタニアを変えてくれてるんじゃない!」
ルルーシュ「う!? いや、確かにそうだが……」
カレン「だから、私も側にいたい! あなたと一緒に世界を変えるの!」
ルルーシュ(まずい……カレンの意思を余計固くしてしまった! どうする、どうするべきなんだ!?)
ルルーシュ「カレン……」
カレン「あなた本当は悪い人じゃないもの。じゃなきゃ、あのとき『君は生きろ』なんて言うはずない」
ルルーシュ「だが、俺は……」
カレン「きっと皇帝になったのだって、何か私にはわからないような考えがあるんでしょ?」
カレン「何も言ってくれないからわからないけど……きっと、みんなのためを想ってなんでしょ!?」
ルルーシュ「それは……」
カレン「だったら! 私、あなたと一緒に夢をみていたい!」
ルルーシュ「だからそれはダメだと」
カレン「どうしてよぉ!!」
ルルーシュ「う……」
ルルーシュ(どうする……どう返せばいい!? カレンに嘘は言いたくない、だが何か言わなきゃ食い下がる!! 一体どうすればカレンを引き離せる!?)
ルルーシュ(カレンの心を傷つける事になるが、こうなってはそれしかない! それを打ち砕く言葉は――)
ルルーシュ「……カレン。君は確かにゼロとしての俺の側近だった」
カレン「え? ……うん」
ルルーシュ「だが俺はもはやゼロではない。ゼロではいられないんだ。わかるな?」
カレン「……うん……」
ルルーシュ「そして君が憧れたのは『ゼロ』だ、『俺』じゃない。かつて君自身そう言っただろう?」
カレン「……」
ルルーシュ「だから君が俺に抱いた想いはまやかしだ。未だゼロと重ねているだけで、何とも想って――」
カレン「でも、キスしてはっきりわかったの。……私はあなたが好き。ゼロじゃなくて、ルルーシュが」
ルルーシュ「え」
ルルーシュ(なんだこれは……嬉しいけど、いや嬉しいけどまずい展開だ!)
ルルーシュ(例えカレンが俺を愛してくれても、ついて来させては地獄しかない! カレンのためにも、俺は!)
ルルーシュ(かくなる上は……強行突破か!)
ルルーシュ「カレン。君との話は後回しだ。俺は会議n
はしっ
ルルーシュ「……カレン?」
カレン「行かせない」
ルルーシュ「はい?」
カレン「ついてっていいって言うまで、行かせない!!」
ルルーシュ「」
カレン「やだ!」
ルルーシュ「我侭言うな!」
カレン「いやだぁ!」
ルルーシュ「ダメなものはダメだ!」
カレン「なんでよぉ!」
ルルーシュ「それは……言えない」
カレン「いかせてよぉっ!」
ルルーシュ「こっちの台詞だ!」
カレン「じゃあ……さっきのキスはなんだったのよぉ……」グスッ
ルルーシュ「お、おい! 泣くな!」
カレン「やだぁ! もう……私の純情、返してよぉ……」グスグスッ
ルルーシュ(なおさら面倒な事になった……どうしよう……)
カレン「うぅっ……」グスッ
ルルーシュ「その、キスの事はすまなかった……忘れてくれ」
カレン「あんな激しいの、忘れられるわけないじゃない……初めてだったのに……」クスンッ
ルルーシュ「だが忘れろ、それが君のためだ」
カレン「無理!……どうしても忘れろっていうなら、ギアスでもなんでもかければいいじゃない」
ルルーシュ「それもダメだ!」
カレン「どうしてよぉ!」
ルルーシュ「それは……だから言えないと」
カレン「……なんか隠してるでしょ」
ルルーシュ(勘付かれた……って、そりゃそうか。くそ、ここからどうする!? さっきからこればっかりだ!!)
カレン「そんなんじゃ納得できない!」
ルルーシュ「しなくていい! 俺はもう行く!」
カレン「行かせないって言ってるでしょっ!!」ガバッ!
ルルーシュ「どぁっ! か、カレン!?」
カレン「隠してる事、全部聞き出してやるんだから……あなたの本音、引き出してやるんだから!!」
ルルーシュ「お、おい……目が据わってるぞ……」タジッ
カレン「さっきのお返し……あなたにも味わわせてあげるっ!!」
(ちゅぅっ!)
ルルーシュ「んんっ!」
カレン「んっ……んぅっ……(れりゅりゅっ)」
ルルーシュ(ふ、ふぉぅわあああああぁぁぁぁぁ……!!)
千葉(クラブハウスに入ってからもう30分近くも経つ……出てくる様子が一向にない)
千葉(さすがに不安だな……ライフルの望遠レンズを使って確認するか)
千葉(ギアスにかけられているようなら、紅月……)
千葉(……まずは確認だ、倍率最大っと)
千葉(よしこれで……あとはあの窓から)
ジィーーーッ
千葉(!?)
ルル・カレン『……』
(ちゅっ ちゅうぅっ ぐぐぅ~っ)
千葉(な、ななな、なぁっ!?)
千葉(あれがギアスか、ギアスなのか!?)
千葉(だったら紅月を撃つしか……でも!!)
千葉(いや待てよ……確かギアスって命令を強制するって話だったな)
ルルーシュ『~~~!』ジタバタ
カレン『……!(むちゅっ ちぅ~っ)』
千葉(ルルーシュの奴は抵抗してるっぽい……まるで紅月が襲ってるかのようだ)
千葉(じゃああれはギアスじゃない……のか?)
千葉(…………)
千葉(見なかった。私は、何も見なかったぞ)
千葉(……ともかく、今夜はお赤飯炊かなきゃ)
カレン「ん、ふぅっ……はふっ……んぅ……」
(れるれるっ ぬりゅりゅっ)
ルルーシュ(こ、これはまずい……頭がおかしくなる! 不意打ちだとなおさらだ!)
カレン(ああ、ダメぇ……ホント変な気分になるぅ……)
カレン「んはっ……ぅ……ぷはぁっ……」
ルルーシュ「はぁっ……カレン、もういい、もう……」
カレン「はぁっ……はぁっ……ほら、話してよ……///」
ルルーシュ「だ、ダメだ……くそっ、さっきのが最後のキスのはずだったのに……」ボソッ
カレン「え、最後?……最後って、何よそれ……」
ルルーシュ「」
ルルーシュ(しまったあああぁぁぁぁぁっ!!)
カレン「私耳のよさは自信あるの。間違いなくはっきり聴こえたわ」
カレン「ねぇルルーシュ、最後ってどういう事!?」
ルルーシュ「ぐ……」
カレン「話してよ」グイッ
ルルーシュ「ダメだって……」
カレン「話せぇっ!!」
ルルーシュ(どうする!? 適当にはぐらかすか、いやダメだ!! 適当な事を言った瞬間カレンに殺されかねん!!)
ルルーシュ(ゼロ・レクイエムの実行まで死ぬ事は許されない!! ならば、俺の選ぶべき道は―――!!??)
ルルーシュ(うっかり漏らした言葉で計画を崩すわけには……ならば!)
カレン「さぁ早く! なんならもっかいキスして――」
ルルーシュ「カレン、何を勘違いしてるのか知らないが」
カレン「え?」
ルルーシュ「以前も言っただろう。俺にとって君は優秀な駒だったに過ぎないと」
カレン「っ!!」
ルルーシュ「駒に対し特別な感情は抱かない。……わかったら早く退きたまえ」
カレン「……」
ルルーシュ(これでいい、これで……ここまで傷つければ、追って来るはずも……)
カレン「……そう、わかったわ」
ルルーシュ「いい子だ。さぁ」
カレン「あなた、最後に死ぬ気でしょ!!」
ルルーシュ「!?」
ルルーシュ(落ち度はなかったはずだ、ならば何故! 一体何がまずかった!?)
カレン「何驚いてんのよ。わかんだからね」
ルルーシュ「な、何が……」
カレン「気付かない? あなたの今の言葉、斑鳩の時とまるっきり同じなのよ」
カレン「あのときだってそんな事言って、私遠ざけて死ぬつもりだったんでしょ」
ルルーシュ「バカな、あれは救助があったから――」
カレン「いいえ驚いてたわ! 完全に予想外って感じだった!」
カレン「あなたそうやって、いっつも自分だけ犠牲にするもの! もうばれたわよ!」
ルルーシュ「」
ルルーシュ(これは……完全に詰み、だろうか……)
カレン「ホントに、あなたいつもずるいわよ……」
ルルーシュ「カレン……」
カレン「遺された人はどうすればいいってのよ……」
ルルーシュ「……もうナナリーはいない。シャーリーも、ロロも喪った。他に誰が俺の命など惜しむ?」
カレン「私はどうなるのよ! 会長や、リヴァルだって!」
ルルーシュ「それは……」
カレン「あなた頭いいんだし、いくらでも方法浮かぶはずでしょ!?」
ルルーシュ「う……だが……」
カレン「なんで!」
ルルーシュ「それが俺の責任で、贖罪だからだ!」
カレン「逃げるな!」
ルルーシュ「なっ……」
カレン「命より大事なものってあるけど、投げ捨てるのとは違うでしょっ!」
ルルーシュ「しかし!」
カレン「罪だと思うなら、生きて償え!」
ルルーシュ「だが、俺は……」
カレン「あのときの言葉、そのまま返すわ」
カレン「ルルーシュ、あなたも生きろ!!」
ルルーシュ「っ!!」
ルルーシュ「ん?……スザクか」
pi
ルルーシュ「俺だ」
スザク『ルルーシュ。ずいぶん経ったようだけど、僕の出番はまだかい?』
ルルーシュ「あー……それがな」
スザク『早く合図くれないかな。いつになったら襲撃かけれるんだい?』
カレン「襲撃!? あんたら……そんな事考えてたわけ?」
スザク『!? なんでカレンの声が!!』
ルルーシュ「……スザク。計画は変更になりそうだ」
スザク『どういう事だルルーシュ!?』
ルルーシュ「それがな……カレンが俺達の計画に勘付いてしまった」
スザク『』
ルルーシュ「言ったつもりはないが……その、色々あってな」
カレン「どんな計画かまで知らないけど、ルルーシュ死なせるような計画反対だからね」
ルルーシュ「……とまぁ、こんな具合に最後の解にたどり着いてしまったらしい」
スザク『バカな……じゃあ、ゼロ・レクイエムは!?』
ルルーシュ「ばれてしまった以上、実行できないだろう……」
スザク『待てルルーシュ、だったら僕らは何のためにここまで!』
ルルーシュ「俺だって困っている!……くそ、ホントにどうするか……」
スザク『っ、ああ……』
pi
ルルーシュ「C.C.、話がある」
C.C.『一体どうしたんだ?』
ルルーシュ「イレギュラーだ。……カレンに俺達の計画がばれた」
C.C.『ほう? 女の勘か』
ルルーシュ「知らん! それで、計画を実行すべきか迷い始めてる」
C.C.『私は別に構わんぞ、生きたくなったなら生きればいい』
スザク『C.C.!?』
カレン「これで3対1、多数決により決定ね。はい、計画中止~!」
スザク『待て待て! 僕は納得してない!!』
スザク『しかし!』
C.C.『坊や、一つ訊く。お前は生きたいか、それとも逝きたいか?』
ルルーシュ「全て背負って死ぬつもりだったが」
カレン「だったが?」
ルルーシュ「……カレンに諭された今、ちょっと死ぬのも怖くなってきた」
スザク『ルルゥーシュゥゥゥゥゥッ!!』
C.C.『まぁ、死ぬ事が幸せといえるのは私ぐらいなものだしな』
スザク『二人ともわかってない! ルルーシュ、お前ユフィへの責任はどうするつもりだ!』
ルルーシュ「それは……そうだが」
スザク『ユフィやシャーリーへの責任として! 自分の命を捧げると決めたのは君だろう!?』
カレン「その二人だって、ルルーシュの命と引き換えで世界変えるなんて望んでないと思うけど」
スザク『カレンは黙っててくれ! これは僕とルルーシュの問題だ!』
カレン「何よ、あんたルルーシュ死なせればそれでいいわけ?」
スザク『いや、そういうわけじゃ……ないけど』
カレン「だったらいいじゃないのよ。ねぇ、ルルーシュ?」
ルルーシュ「うーん……」
C.C.『そうだな、ルルーシュが悪事の限りを尽くして悪の象徴となった後、スザク扮する新たなゼロに殺される事で世の憎しみを一掃するって内容だ』
スザク『C.C.!?』
C.C.『もう中止確定もいいとこだし、構わんだろう?』
カレン「……どんだけ酷い計画なのよ……」
ルルーシュ「他の連中には絶対言うなよ?」
スザク『ホントに止める気なのかルルーシュ!? だったら僕の憤りはどうすればいい!!』
カレン「やかましいっての! やらせないからね、そんな計画!」
ルルーシュ「二人ともやめろ。しかし、ホントどうしよう……」
カレン「その『みんな』の中にあんたらがいないってどうなのよ!」
C.C.『確かにあのとき、坊や自身が明日が欲しいと、そう言ったな』
ルルーシュ「まぁ……そう、だな」
カレン「だったら言葉どおり、ルルーシュもスザクも揃ってみんなで明日を向かえればいいじゃない」
スザク『僕らは罪人だ、そんな資格など……』
カレン「私達に罪人だなんだ言っといて、今更自分達だけ偽悪者気取りなんて虫唾が走るのよ」
ルルーシュ「……なぁスザク、俺達ももしかして、生きてていいのかな?」
スザク『ルルーシュ!?』
ルルーシュ「いやまぁそうなんだが、このまま計画続けてもカレンは不幸になりそうだし……」
スザク『諦めるのか、一人と世界を秤にかけて!!』
C.C.『おい坊や達、年長者からひとつ言わせろ』
ルルーシュ「なんだ?」
スザク『今はそんな場合じゃ!』
C.C.『いいから聞け。お前達は自分と引き換えに世界を変えようとしたがな』
C.C.『惚れた女一人幸せに出来ないヤツが、他全てを幸せに出来ると思うなよ?』
スザク『う……』
ルルーシュ「……」
カレン「ルルーシュ……」
スザク『……何だ?』
ルルーシュ「ユフィの最期は、やはり辛そうだったか……?」
スザク『いや……すごく安らかで、笑顔で逝ったよ』
ルルーシュ「そうか……」
スザク『シャーリーは、どうだった?』
ルルーシュ「生まれ変わっても俺を好きになるって……最期まで、笑顔だった」
スザク『そう……』
ルルーシュ「ロロのヤツも満足な顔をして逝った……カレンだけ悲しい顔なんて、させたくないな」
C.C.『なら、どうする?』
ルルーシュ「そうだな……ならば……」
スザク『どうするんだ?』
ルルーシュ「カレン。一緒に会議場まで来てくれ」
カレン「っ……うんっ!!」
スザク『襲撃はやはり、するのか?』
ルルーシュ「いや、襲撃はなしだ。替わりといってはなんだが、用意してほしいモノがある」
スザク『それは?』
ルルーシュ「……」ゴニョゴニョ
スザク『正気か!?』
ルルーシュ「俺はいつでも大真面目だ。できるか?」
スザク『イエス、ユア・マジェスティ』
C.C.『腹は決まったんだな』
ルルーシュ「ああ。急拵えだが、新たな計画を立ち上げる」
ルルーシュ「皆さん、お待たせしてしまって申し訳ない」
神楽耶「随分ごゆっくりな到着でしたわね。さながら観光気分ですか?」
ルルーシュ「懐かしくてつい、ね」
カレン「……」
神楽耶「? カレンさん、エスコート役のあなたがどうして会議場にいるのです?」
カレン「皇帝陛下が一緒にいてほしいと希望されたので」
ルルーシュ「神楽耶様、あなたが考えてるような事はありませんよ。彼女の意思でイエスと言ってくれたのだから」
神楽耶「そうですか……」
ルルーシュ「では始めましょうか。カレン、君もこちらへ」
カレン「……はい」
ガシャン!!
ルルーシュ「ギアス対策か。用意周到な事だ」
星刻『万全には万全を期させてもらう』
扇『首脳陣を操らせるわけにはいかない……って、なんでカレンがいる!?』
カレン「彼の要望です。そして私の意思で一緒にいます」
扇『ギアスなのか!?』
ルルーシュ「違うと言っているだろう。頭の固い事だ」
神楽耶『まぁいいでしょう。それでは問わせてもらいます』
ルルーシュ「いつでもどうぞ」
ルルーシュ「合集国憲章にのっとった上での申請です。何も問題はないと思いますが?」
藤堂『だがブリタニアの国力と人口、それを鑑みればこれは乗っ取りに等しい』
星刻『参政権は人口に比例する。ブリタニアが加盟したとなれば、最大の人口を誇る貴国が最大の発言力を得る』
星刻『そしてブリタニアは専制君主制だ。すなわち皇帝たるお前のいうがままだろう』
ルルーシュ「そこまで読まれていましたか」
扇『そんな目論見があっては、とても容認できるものではない!』
星刻『どうしてもというならブリタニアという国を割るか、参政権を人口の20%程度に抑えるか、二つに一つだ』
ルルーシュ「首脳陣ならともかく軍事組織たる黒の騎士団がそのような選択を迫るとは……越権行為では?」
神楽耶『貴国の力を考えればの措置です。さぁ皇帝陛下、ご決断を』
ルルーシュ「いいですよ」
一同「「「!!??」」」
ルルーシュ「当初はその推測どおり、超合集国を掌握するつもりだったのだが……計画は変更になったのでね」
藤堂『計画だと? ゼロ、何を考えている!』
ルルーシュ「私はゼロではなくルルーシュ・ヴィ・ブリタニアです。世間からは正義の皇帝と持て囃される、ね」
扇『詭弁を!』
ルルーシュ「ブリタニアを、世界を変えたいと思っているのは事実。そのためならば、罪の全てを背負い、自分すら壊す覚悟だった」
ルルーシュ「だが……気付いてしまったのでね。もっと大事な事に」
星刻『一体何のつもりだ!』
ルルーシュ「それはこれから宣言させてもらう。……ギアスも使うつもりはない、バリケードを外してもらえるかな?」
神楽耶『残念ですが、それは出来ません。言いたい事はその場でどうぞ』
ルルーシュ「いいでしょう……では!」
がしっ
カレン「え?」
ルルーシュ「私ことルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは、黒の騎士団所属・紅月カレンとの婚約を発表する!!」
騎士団一同「「「 」」」
カレン「え? ええぇ~っ!!??」
神楽耶『ぜぜぜ、ゼロ様ぁ!?』
ルルーシュ「この婚約をもって、ブリタニアと日本の友好の証としたいと考える!!」
カレン「ちちょ、ちょっと、ルルーシュ!?」
ルルーシュ「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる……世界よっ!!」
ルルーシュ「祝福しろ!! 結婚にはそれが必要だっ!!」
ルルーシュ「いやですね神楽耶様。あなたはゼロの妻と聞いています」
ルルーシュ「そして私はゼロではなく、ルルーシュです。見ればわかりますね?」
神楽耶『』
扇『カレン!! お前ホントにそれでいいのかぁ!?』
カレン「わ、私はその……は、はい」コクリ
藤堂『貴様は紅月を幸せにするためだけに、国の地位すら厭わんと言うのか!』
ルルーシュ「違うな、間違っているぞ。惚れた女すら幸せに出来ない男に、世界を幸せになど出来ないと俺は知った」
ルルーシュ「世界の前に目の前の一人の女性を幸せにしたい。こう考えるのは男なら当然でしょう、ねぇ黎星刻?」
星刻『ぐ……そ、それは……』
ルルーシュ「そういう事だ、さぁわかったら祝福してもらおうか! さぁ!!」
ルルーシュ「そこまでゼロにこだわるのでしたら、あなたにうってつけの相手を紹介しますよ」
神楽耶『え?』
ルルーシュ「そう、我が騎士……ナイトオブゼロこと枢木スザクをね」
神楽耶『あ、あなたは……』
星刻『貴様自分の幸せのために、腹心すらも出汁に使うか!』
ルルーシュ「違うな、これはあくまで提案だ。なぜならゼロは東京で死んだのだろう?」
扇『お前は! だがカレン、相手はブリタニア人だぞ!?』
ルルーシュ「それが何か? 愛があれば国境など関係ない」
カレン「そういえば扇さんの彼女、ブリタニアの軍人でしたよね」
扇『』
藤堂『……返す言葉もない』
ミレイ「……たった今情報が入りました、会議場にてルルーシュ皇帝が紅月カレン隊長との婚約を発表されたと!」
ミレイ(やるわねルルーシュ、このために日本へ……って、まさかねぇ?)
カメラマン「ミレイちゃん、ちょっと! アレ!」
ミレイ「ん? あれは……上空にKMFが現れました!」
ミレイ「あの機体はナイトオブゼロ、枢木卿の専用機・ランスロットです!」
ギューン!
スザク『この中継を視聴する全ての諸君!』
ジャキッ
ミレイ「っ、スザクくん!?」
スザク『……皇帝陛下を、祝福しろぉっ!!』カチッ
ポォ~ン!
ミレイ「何あれ……銃口からテープって、クラッカーかなんか?」
スザク(くぅ……なんでヴァリスからこんなもん撃たなきゃならないんだ、ルルーシュゥゥゥッ!!)
ルルーシュ「とまぁ、こういうわけですよ皆さん。祝福していただけますね?」
藤堂『……男に二言はないのだな?』
ルルーシュ「当然だ」
藤堂『……ならば』パチパチパチパチ
扇『藤堂将軍!?』
藤堂『皇帝ルルーシュよ。紅月を頼んだぞ』
ルルーシュ「その願い、確かに受け取った」
星刻『……私にも天子様がいる。だから貴様の想いはよくわかった』
星刻『ルルーシュよ。紅月カレンと、世界を必ず幸せに導け』
ルルーシュ「わかりきった事をいうのだな。例え不可能でも、俺は可能にする」
星刻『ふ……』
扇『お、俺は認めない!』
藤堂『扇。諦めろ』
ルルーシュ「はい」
神楽耶『私もあなたを愛していた事、忘れないで下さいね……』
ルルーシュ「その愛はきっと、ゼロにも届いてますよ」
神楽耶『ゼロ゛様゛ぁぁぁぁ……』
pipi
ルルーシュ「失礼。……スザク、どうした?」
スザク『陛下……帝都ペンドラゴンが、消失しました……』
ルルーシュ「何ッ!?」
カレン「消失って、まさか!」
スザク『ああ、フレイヤだ……!!』
ルルーシュ「もちろんです。……カレン、いくぞ! 紅蓮にのって、アヴァロンまで!!」
カレン「うんっ!!」
扇『お、俺達はどうすれば……』
藤堂『聞かれるまでもない。奴が世界に尽力すると言った以上、フレイヤこそが世界の脅威だろう。我らも動くぞ』
星刻『フレイヤという事はシュナイゼルか……やってくれる!!』
ルルーシュ「スザク! 待機中のアヴァロンを至急学園まで呼び出せ! 何があったか調べるぞ!」
スザク『イエス、ユア・マジェスティ!』
ルルーシュ「C.C.!!」
C.C.「おかえり、幸せ者。……皇室専用チャンネルにシグナルありだ」
カレン「C.C.……その、久しぶり」
C.C.「そうだな、妹ちゃん。いや嫁といった方がいいか?」
ルルーシュ「後にしろ。……繋ぐぞ」
ポチッ
シュナイゼル『久しぶりだねルルーシュ。どうだい、支配者の気分は?』
ルルーシュ「やはり貴様かシュナイゼル!」
シュナイゼル『だが真に皇帝にふさわしいのは君じゃない。彼女だよ』
ナナリー『……お久しぶりです、お兄様。ご婚約おめでとうございます』
ルルーシュ「ナナリー!!」
C.C.「さっき咲世子からも通信があった。命辛々脱出して来たそうだ」
ルルーシュ「ナナ……リー……生き、て……」
ナナリー『トウキョウの時はシュナイゼルお兄様が秘密裏に脱出させて下さったのです。だから、ここにいる私は本物です』
ルルーシュ「ほん、とに……」
スザク『陛下……これは、一体……』
ナナリー『スザクさん。あなたもお兄様も、私に嘘をついていたのですね』
スザク『そ、それは……』
ナナリー『お兄様はゼロだという事を隠し、いくつもの非道な作戦を実行し……皆を苦しめたのでしょう?』
ルルーシュ「……必要があった! 日本人のためにも、お前のためにも!」
ナナリー『いつ私が頼みましたか? 私はあのまま平和に暮らせればよかったのに』
ルルーシュ「くっ……」
ナナリー『でも私が今一番お話したいのはお兄様でもスザクさんでもありません』
ナナリー『ね、わかっているでしょう?……カレンさん(にっこり)』
カレン「え?」
カレン「いや、無理でしょ……みんなナナリーの事、死んじゃったと思ってたし」
ナナリー『いやですね、お約束ってあるものなんですよ?』
カレン「」
ルルーシュ「ナナリーがそんな言葉を使うなどありえない……これは、まさか!」
カレン「シュナイゼルね」
C.C.「シュナイゼルだろ」
スザク『シュナイゼル殿下だと思う』
ルルーシュ「やはりか、おのれシュナイゼル!!」
シュナイゼル『……私が何を言ったというんだい?』
ルルーシュ「……なんだ?」
ナナリー『カレンさんを娶るという事は、愛してるという事ですよね?』
ルルーシュ「ああ、そうだな」
ナナリー『私よりもですか?』
ルルーシュ「っ……そ、それは……」
カレン「ってちょっと! 悩むなぁ!」
ナナリー『正直におっしゃって下さい』
ルルーシュ「いやだな、お前が一番に決まってるじゃないかナナリー」
カレン「」
カレン「る……ルルー、シュ……?」
C.C.「おい坊や、これはあんまりじゃないか?」
ルルーシュ「事実だから仕方ない……だが安心しろ」
カレン「え?」
ルルーシュ「ナナリー、カレン。お前達に向ける愛はそれぞれ別のベクトルのものだ」
ルルーシュ「ナナリーはたった一人の家族だし、カレンは俺にとって女性として大切な人だ。そもそもどっちがどう、というのもおかしい」
ナナリー『ではどちらも愛してるという事ですか?』
ルルーシュ「ナナリーは家族として、カレンはパートナーとして愛してる。不満か?」
カレン「……!!」
ルルーシュ「お前は愛云々より共犯者という事が第一だ。わかってるだろう?」
C.C.「ふん……まぁ、そういう事にしといてやるよ」
C.C.「そういう事らしいからカレン、いい加減泣き止め。私ほどじゃないが美人が台無しだ」
カレン「う、うっさい!」
ナナリー『言いたい事はわかりました。ですが私は、これ以上お兄様を進ませるわけにはいきません』
ナナリー『お兄様の独裁は、私がこの手で止めます!』
ルルーシュ「いや……もう独裁もしない気なんだが」
ナナリー『』
ルルーシュ「当初は独裁から計画を始める気だったが、それではカレンやリヴァル達が悲しむだろうとわかったからな」
ルルーシュ「だがナナリー、それでも向かってくるというなら俺も全力でお前を止めるぞ?」
ナナリー『……』
シュナイゼル『ルルーシュ。ここまで来たら君の思惑も関係ないんだよ』
ルルーシュ「何?」
シュナイゼル『先のフレイヤ。引き金を引いたのは私じゃない……彼女なんだからね』
ルルーシュ「なっ!?」
シュナイゼル『そうだろう? ナナリー』
ナナリー『いいえ、こいつです』
シュナイゼル『』
おのれシュナイゼル
ナナリー『助けて下さいお兄様! 私、シュナイゼルお兄様に脅されてるんです!』
シュナイゼル『ダメだなナナリー。君はさっき間違いなく押しただろう? ダモクレスの鍵、その引き金を』
ナナリー『私、シュナイゼルお兄様に無理やりやらされただけなんです! あんなものなんて知らなかった!』
スザク『殿下、あなたという人は!!』
C.C.「やはり大元はこいつか」
カレン「やっぱりシュナイゼルね!」
ルルーシュ「ナナリーにまで罪を着せようというのか……おのれシュナイゼル! どこまでも卑怯な男め!!」
シュナイゼル『いけないねナナリー、そんな悪い子はお仕置きしなくてはいけないよ?』
ルルーシュ「黙れ……」
シュナイゼル『……ルルーシュ?』
ルルーシュ「シュナイゼル……もしナナリーの命を、いや指一本触れてみろ……」
ルルーシュ「そのときは俺の全てをなげうってでも、貴様の存在をこの世から消してやる!!」
シュナイゼル『……本気の目だね』
ルルーシュ「当然だ!」
カレン「ルルーシュは死なせない。そんな事になったら、私があんたを潰す!」
スザク『これ以上、世界をあなたの思う通りにさせるものか!』
シュナイゼル『……どうも旗色が悪いねぇ……』
ルルーシュ「望むところだ。ラストゲームとさせてもらおう!」
シュナイゼル『そんな強気でいいのかな? 私にはまだ黒の騎士団との休戦協定が生きている』
シュナイゼル『彼らの力は君自身よくわかってるはずだね。傀儡の兵達で勝てるのかい?』
ルルーシュ「……ということらしいが、どうなんだ? 星刻総司令」
pi
星刻『冗談ではない。フレイヤなどという力、到底許されていいものではない!』
藤堂『皇帝ルルーシュが超合集国との融和を示した以上、我らとて剣を交えるつもりはない』
シュナイゼル『』
ルルーシュ「フッ、密かに斑鳩に回線を中継させて正解だったようだな」
シュナイゼル『困ったねぇ……これではこちらのカードは2枚しかないじゃないか』
ルルーシュ「投了なされますか?」
シュナイゼル『まさか。だが、せめてこちらも駒を揃える時間ぐらいは許してもらうよ』
ルルーシュ「いいでしょう。ならば、決戦は1週間後。それまでにフレイヤを使うような事があったら――」
シュナイゼル『怖いねぇ……大丈夫、約束は守るよ。安心して』
ルルーシュ「ナナリー、1週間だけ待ってくれ。必ずお前を助けに行くから」
ナナリー『はいお兄様、私待ってます!!』
シュナイゼル『……では1週間後、フジ上空で待つよ。また逢おう、ルルーシュ。枢木卿、カレン嬢も』
プツッ
C.C.「決戦の準備か。黒の騎士団との事もあるしな」
カレン「そっちは私がなんとかする。きっと、みんなもわかってくれると思う」
ルルーシュ「すまない、頼む。……扇には気をつけてな」
カレン「わかってる」
スザク『ルルーシュ、ロイドさんから通信が入った。ニーナを発見、保護したそうだ』
ルルーシュ「ならばどうにか説得しないとな……フレイヤ開発者であるあいつが切り札になるだろう」
スザク『彼女も悔いていたから、きっと協力してくれると思う』
ルルーシュ「だといいがな」
C.C.「ぼやくよりさっさと行動しろ。結果が大事なんだろ?」
ルルーシュ「わかっている。言われずともな」
C.C.「で、どうだったんだ?」
ルルーシュ「ニーナも俺がゼロと知った上で協力を誓ってくれた。現在アンチシステムを開発中だ」
スザク「さすがにすごい顔してたけどね……ユフィの事もあるから」
ルルーシュ「贖罪は必ずするさ。ただし、命でではなく生きて世界を変える事でだがな」
スザク「……ルルーシュ。僕は今も君を許せない」
C.C.「相変わらずだな。頑固な男だ」
スザク「でもシャーリーも言ってた。許せない事はない。それはきっと、許したくないだけだって」
ルルーシュ「……そうか」
スザク「だからルルーシュ。いずれ君を許してもいいと思えるようになってくれ」
ルルーシュ「わかっている。それまで死ぬつもりはないさ……その先も」
ルルーシュ「愚弄は許さんぞ」
スザク「でもルルーシュ、今日また許せない事が一つ増えたよ」
ルルーシュ「は?」
スザク「ヴァリスでクラッカーなんて、あんな恥ずかしい真似はもうこりごりだ!」
C.C.「滑稽だったぞ、実にな」
ルルーシュ「安心しろ、お前の時も盛大にやってやる」
スザク「」
スザク「ジェレミア卿!? いつの間に……」
ルルーシュ「別働任務ご苦労だったな、ジェレミア」
ジェレミア「お心遣いありがとうございます、陛下」
ルルーシュ「お前にももっと働いてもらう事になる。苦労をかけるが、いいか?」
ジェレミア「イエス、ユア・クリスティ!」
C.C.「なんだそれは」
ジェレミア「陛下がご婚約されたとの事で、その喜びを全力で言葉にしてみました」
ルルーシュ「頼む、やめてくれ」
ルルーシュ「……お手柔らかに頼む」
ジェレミア「もったいないお言葉! スザク君、君の時もこの私に全て任せよ!」
スザク「え、えーと……ルルーシュ、僕はロイドさん達の所に行くよ」
ルルーシュ「そうか。丁度いい、ジェレミア。お前もスザクに同行してやってくれ」
スザク「」
ジェレミア「イエス、ユア・クリスティ!」
ルルーシュ「それはもういい」
C.C.「スザクの奴逃げられないな。酷いやつだ」
ルルーシュ「今更だな」
C.C.「ケチつける気はない。だが、罪を背負って生きるのは死以上に苦難の道だぞ?」
ルルーシュ「こんな俺でも、必要としてくれる人がいる。ならば、恐れる事はない」
C.C.「茨の道を行くか」
ルルーシュ「往く道が覇道から王道になっただけだ。もう誰も泣かせる気はない……絶対にだ」
C.C.「よかったな、あいつと話すことが出来て」
ルルーシュ「ふん……黙れ、魔女」
C.C.「はいはい……どこまでも素直じゃない坊やだ」
カレン「そっちも、順調みたいね」
ルルーシュ「カレン。KMFの整備があるんじゃ……」
カレン「あなたの側に居たかったの」
C.C.「残念ながら、二人きりではないけどな」
カレン「む……」
C.C.「冗談だよ。お邪魔虫は出てってやるさ」
ルルーシュ「すまんな」
C.C.「ピザ10枚。それで手を打ってやる」
カレン「……ホント変わらないわね、あんた」
C.C.「当然だろ? 私は――」
カレン「C.C.だからな。……でしょ?」
C.C.「……ふん」
カレン「やれって、何を……」
C.C.「ふふっ、さあな? ……それじゃな」
プシューッ
ルルーシュ「……」
カレン「……えっと……その」
ルルーシュ「……なんだ?」
カレン「あのね……訊きたい事が、あるんだけど」
ルルーシュ「……言ってみろ」
ルルーシュ「あれか。それが何だ?」
カレン「あれってその……本気かなーって」
ルルーシュ「疑うのか?」
カレン「そういうんじゃないけど……あの場を繋ぐ作戦なのかなーとも思って」
ルルーシュ「想像に任せるよ……だが」
ルルーシュ「サプライズって、あった方がいいだろ?」
カレン「……誰かさんみたいね」
カレン「もういいわ。だけど、もう一つだけ……もう一度だけ、訊かせて」
ルルーシュ「ん?」
カレン「あのね……」
カレン「あなたは、私の事どう思ってるの……?」
ルルーシュ「そうだな……」スッ
ルルーシュ「こう、思ってる」
(ちゅっ)
おしまい。
Entry ⇒ 2012.11.04 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
カレン「ルルーシュ!ごはんできたわよー!」ルルーシュ「わかった」
ルルーシュ「スザク!!貴様は友達を売り渡すのか!!」
スザク「そうだ。友達を売り、僕は上に行く」
ルルーシュ「くっ……!」
シャルル「よぉくやったぁ……」
スザク「いえ」
シャルル「では、目を」
スザク「イエス、ユア・マジェスティ」グイッ
ルルーシュ「シャルルゥゥゥ!!!!またお前は!!俺を!!!」
シャルル「シャルル・ジ・ブリタニアが刻むぅぅ!!」キュィィン
ルルーシュ「やめろぉぉぉ!!!!」
ルルーシュ「……」
カレン「ルルーシュ……起きて……」
ルルーシュ「ん?カレン?」
カレン「朝ごはん、できたけど」
ルルーシュ「今、何時だ?」
カレン「もう7時。そろそろ着替えないとダメじゃないの?」
ルルーシュ「そうだな」
カレン「お弁当はテーブルの上ね」
ルルーシュ「いつも悪いな」
カレン「そう思うなら、手伝ってほしいけど」
ルルーシュ「今晩は俺が作るよ」
カレン「ホント?やったぁ」
ルルーシュ「ふふ……」
カレン「ちょっと待って……」
ルルーシュ「置いて行くぞ」
カレン「なによ。私が起こさなかったら寝坊してるくせに」
ルルーシュ「それとこれとは関係ないな」
カレン「じゃあ、もう起こしてあげない」
ルルーシュ「それは困るな」
カレン「そう思うなら―――」
咲世子「ルルーシュ様、カレン様」
ルルーシュ「咲世子さん。どうかしましたか?」
咲世子「ミレイ様が生徒会室に来て欲しいと」
ルルーシュ「分かりました」
カレン「なんだろう?」
ルルーシュ「どうせ、くだらないことだろ。とはいえ、待たせたらどんな貧乏くじを引かされるかわからないな。急ごう」
カレン「待ってよ、ルルーシュ」
ルルーシュ「おはようご―――」
ミレイ「おっそーい!!」
カレン「呼ばれてから10分もたってませんけど……」
ミレイ「5分で来なさい。5分で」
ルルーシュ「で、用件はなんですか?」
ミレイ「昨日、ふと思ったのよね」
カレン「何をですか?」
ミレイ「ほら、ルルーシュとカレンが結婚したのになんでか祝ってないなーって」
ルルーシュ「そういえば……。不思議と事実だけを伝えて終わりましたね」
カレン「でも、あのときはみんなからたくさんお祝いの言葉を貰いましたし」
ミレイ「ダメよ、ダメダメ!!折角、結婚したのに生徒会で盛大なパーティーもしないなんて!!」
ルルーシュ「そんな今更じゃないですか」
カレン「いいですよ。恥ずかしいし」
ミレイ「やるったらやる!!生徒会で結婚式をやるの!!」
カレン「はぁ……」
ルルーシュ「騒ぎたいだけですか……」
ミレイ「じゃあ、カレンはドレスをきないとダメよねー」
カレン「ドレスって……」
シャーリー「……」
ルルーシュ「シャーリー?どうした?」
シャーリー「うーん……」
ミレイ「おはよー。シャーリー」
シャーリー「おはようございます」
ルルーシュ「何かあったのか?機嫌が悪いみたいだけど」
シャーリー「別に。なんだか腑に落ちないだけ」
カレン「……?」
ルルーシュ「腑に落ちないって、何がだ?」
シャーリー「それが分からないから困ってるの」
ミレイ「ご苦労、リヴァルくん」
リヴァル「いえいえ。カレンとルルーシュのためですから」
シャーリー「……」
ルルーシュ「シャーリー?」
シャーリー「ねえ、ルル?」
ルルーシュ「なんだ?」
シャーリー「カレンのこと、どこで好きになったの?」
ルルーシュ「え?」
カレン「シャーリー、どうしたのよ?」
シャーリー「気になるの」
ミレイ「ちょっと、シャーリー」
シャーリー「でも」
ルルーシュ「カレンをどこで好きなった……か。……カレン、思い出せるか?」
カレン「え?うーん……ルルーシュを好きになったときのこと……?」
ルルーシュ「……」
カレン「あれ?ルルーシュっていつプロポーズしてくれたっけ?」
ルルーシュ「おいおい。あれは……雨の日にお前が外でずっと待ってくれていたときだろ?」
カレン「あー、そうだったわね」
シャーリー「付き合い始めたのって半年ぐらい前からだよね?」
ルルーシュ「ああ。そうだな」
カレン「うん。私からルルーシュに告白して……」
ルルーシュ「キスしたんだよな」
カレン「も、もう!!そんなこと言わなくてもいいでしょ!!」
リヴァル「ヒューヒュー」
ミレイ「ごちそうさまー!!」
ルルーシュ「だが、いつ異性として意識し始めたのかは覚えていないな」
カレン「そうね。まぁ、そんなものなんでしょうけど」
シャーリー「そっかぁ……」
リヴァル「よっしゃー!!」
カレン「あはは……。なんか恥ずかしいね……」
ルルーシュ「そうだな」
シャーリー「……」
ミレイ「どうしたの?」
シャーリー「……私、ルルのこと好きだったような気がするんですけど」
ミレイ「知ってるけど、それはもう諦めたって言ったじゃない」
シャーリー「諦めた?」
ミレイ「そうよ」
シャーリー「……諦めた……」
ミレイ「ほら、過去のことは水に流して!!ぱーっと行きましょう!!イエーイ!!」
シャーリー「―――恋はパワー!!!」
ミレイ「……!?」ビクッ
シャーリー「会長!!わ、私!!やっぱり諦めた覚えはないです!!」
シャーリー「だって……あの……」
ミレイ「ルルーシュとカレンは結婚したのよ?もう取り返しなんて……」
シャーリー「だって、変なんですもん!!」
ミレイ「頭が?」
シャーリー「私の記憶じゃ、すんなり諦めてるんです……。自分でも驚くぐらいスッキリと!」
ミレイ「潔い子に育って、私は嬉しいわ」
シャーリー「でも、そんなの私じゃないっていうか……」
ミレイ「過ぎたことはしょうがないでしょ?シャーリー?」
シャーリー「……」
カレン「今日の晩御飯はどうする?」
ルルーシュ「お前だけで十分だな」
カレン「何言ってるのよ。バッカじゃないの……ふんっ」
シャーリー「……っ」
ミレイ「シャーリー……ちょっと……。ここで変な諍いを起こしても誰も幸せにならないというか……」
ルルーシュ「もうちょっと右だな」
リヴァル「わかったー」
カレン「……」
シャーリー「カレン」
カレン「なに?」
シャーリー「ルルと結婚して幸せ?」
カレン「ええ」
シャーリー「ホントに?」
カレン「何よ?ルルーシュはとても優しいし……」
シャーリー「変じゃないかな?」
カレン「変って?」
シャーリー「だって……私もルルのこと好きだもん!!」
カレン「はぁ?!」
ルルーシュ「……え?」
ミレイ「ちょっとちょっと!!」
シャーリー「はー……はー……」
カレン「シャー……リー……?」
ルルーシュ「……」
シャーリー「私もルルのこと好きなのに、何もなかったって変だと思うの!!」
カレン「ちょっと待って。シャーリーだって祝福してくれたじゃない」
シャーリー「そうだけど……」
ルルーシュ「シャーリー……」
シャーリー「カレンとルルのことで一度も真剣に話したことがないって……どう考えてもおかしいよ……」
カレン「そういわれても……。シャーリーが身を退いてくれたんでしょ?」
シャーリー「うん」
カレン「なら、それでいいじゃない?」
シャーリー「……でも……私は……」
ミレイ「シャーリー……」
ルルーシュ「あ……」
カレン「シャーリー、どうしたんだろう?」
リヴァル「おいってば!!」
ミレイ「もう少し左かなー」
リヴァル「りょーかい」
ルルーシュ「……」
ミレイ「ルルーシュ、どうしたの?」
ルルーシュ「カレン。確認したいことがある」
カレン「なに?」
ルルーシュ「告白した雨の日のことだが……。場所は……コンサートホールのところだよな?」
カレン「そうだけど?」
ルルーシュ「会長。俺がカレンとの結婚を報告したとき、誰が居ましたっけ?」
ミレイ「ルルーシュとカレンとシャーリーとリヴァルとニーナとスザクくんと私、だけど?」
ルルーシュ「そうですか」
ヴィレッタ「何をしている?」
シャーリー「先生……」
ヴィレッタ「またルルーシュと喧嘩か?」
シャーリー「……先生、ルルとカレンが結婚しているのはご存知ですよね?」
ヴィレッタ「無論だ。学生同士の結婚なんて後にも先にもあいつらぐらいだろうな」
シャーリー「……」
ヴィレッタ「どうした?」
シャーリー「なんか変なんですよね」
ヴィレッタ「……変?」
シャーリー「どうしても納得できないんですよ。ルルとカレンが結婚したなんて……」
ヴィレッタ「……」
シャーリー「なんかこう、喉に何かが貼りついたときみたいな気持ち悪さがあるんですよね……」
ヴィレッタ「そ、そうか。まあ、深くは考えるな」
シャーリー「んー……」
ヴィレッタ「報告は以上です」
スザク『シャーリーが……』
ヴィレッタ「問題はないと思いますが」
スザク『……』
ヴィレッタ「どうされますか?」
スザク『検討してみます。引き続き監視をお願いします』
ヴィレッタ「はい」
ロロ「殺しちゃえばいいのに」
ヴィレッタ「そういうわけにもいかない。昨日、記憶の改竄が行われたばかりなんだからな」
ロロ「不安分子は殺しておくのが利口ですよ?」
ヴィレッタ「余計なことはするな」
ロロ「分かっていますよ」
ヴィレッタ「……」
ヴィレッタ(またシャーリーか……)
シャルル「ほう……。ワシのギアスに抗うか……!!」
スザク「シャーリーも強靭な精神を持っているようです」
シャルル「いや。ワシの考えた設定が浅すぎた故だろう」
スザク「では、どうされますか?」
シャルル「気づかれては厄介だな……」
V.V.「僕にいい考えがあるよ、シャルル」
シャルル「兄さん……」
V.V.「要するにそのシャーリーって子が邪魔なんでしょ?」
シャルル「障害になるやもしれませんからね」
V.V.「元々、ルルーシュにはナナリーという妹がいた。でも、今はいないでしょ?」
シャルル「兄さん……まさか……」
V.V.「そのシャーリーをルルーシュの妹にしちゃえばいいんだよ。兄妹という絆と記憶が刻まれれば、些細な矛盾は気にしなくなるよ」
スザク「でも、顔が似ていないから……」
V.V.「血の繋がっていない兄妹にしちゃえばいいじゃないか。それで解決だよ」
スザク「……」
シャーリー「え……どこここ?!」
シャルル「よぉくきたな……」
シャーリー「怖い!!」
シャルル「だまれぇい!!!」
シャーリー「ひっ」
スザク「シャーリー、皇帝陛下の目を見るんだ」
シャーリー「ど、どうして?」
スザク「いいから!!」
シャーリー「でも……」
スザク「見るんだ!!」グイッ
シャーリー「うわ!?」
シャルル「シャルル・ジ・ブリタニアが刻む!!―――お前は今から!!!ルルーシュの義妹ぉぉぉ!!!」キュィィン
シャーリー「は―――」
ルルーシュ「……」
カレン「ルルーシュ!ごはんできたわよー!」
ルルーシュ「ん……」
シャーリー「ルルー。カレンが呼んでるよ」ユサユサ
ルルーシュ「あ……ああ……。おはよう、シャーリー」
シャーリー「うん。おはよう。ルル。ほら、顔洗ってきたら?」
ルルーシュ「偶にはお兄様って呼んでくれないか?」
シャーリー「もうそんな歳じゃないの!」
ルルーシュ「寂しいな。昔はもっと可愛かったのに」
シャーリー「今だって可愛いでしょ!!」
ルルーシュ「違うな。間違っているぞ」
シャーリー「可愛くないって言いたいの?!」
ルルーシュ「美人になりすぎなんだよ」
シャーリー「も、もう!!妹をからかわないで!!」
シャーリー「結婚しても変わらないんだから」
カレン「シャーリー、お皿運んでよ」
シャーリー「はーい」
カレン「……」
シャーリー「……」カチャカチャ
カレン「不思議ね」
シャーリー「え?」
カレン「少し前まで同級生だったのに……」
シャーリー「今じゃあ、私のお姉様だもんね」
カレン「ふふ……そうね」
シャーリー「ちょっと悔しいけど……」
カレン「シャーリー……」
シャーリー「……」
ルルーシュ「何をしているんだ、二人とも。朝食にしよう。遅刻するぞ?」
ミレイ「うーん……」
ルルーシュ「どうしたんですか、会長?」
シャーリー「ずっと唸ってますね」
ミレイ「いや、カレンとルルーシュの結婚式って盛大にやったわよね?」
カレン「ええ。もうすごい騒ぎになるほどに」
リヴァル「花火100連発はやっぱ圧巻だったな」
ルルーシュ「火事にならなかったのが不思議なぐらいだな」
シャーリー「ホント、ホント」
ルルーシュ「二度とやりたくないな。シャーリーが火傷したら大変だ」
シャーリー「もう!ルル!子ども扱いしないで!!」
ルルーシュ「妹扱いだよ」
シャーリー「一緒でしょ!!」
リヴァル「相変わらずのブラコンですかぁ?」
ルルーシュ「黙っていろ」
ルルーシュ「カレン!!」
シャーリー「カレン!!」
ミレイ「もしかして。やっぱり二人って一線越えてたりするの?禁断の兄妹愛ってやつ?」
ルルーシュ「あ、あるわけないだでしょう!!」
シャーリー「そ、そうですよ!!どうしてルルなんかと!!」
ルルーシュ「なんかとはなんだ!!なんかとは!!」
シャーリー「ルルなんてなんかで十分でしょ!!」
ルルーシュ「もう少し可愛げのある妹になってくれないか?」
シャーリー「十分、可愛いです」
ルルーシュ「あのなぁ……」
カレン「いつもこんな調子なんですよ?私の入る隙がないぐらいなんです」
ミレイ「新妻としては辛いわよね。妹とイチャイチャする旦那を近くでみるのは」
カレン「全くです」
ルルーシュ「カレンも余計なことはいうな!」
シャーリー「まぁ……はい……」
ルルーシュ「……」
リヴァル「でも、あのときはどうして何事もなくルルーシュとカレンが結婚できたんだっけ?」
ルルーシュ「え?」
リヴァル「だって、ルルーシュは二言目にはシャーリーシャーリーって言ってたし、シャーリーもルルーシュのこと―――」
シャーリー「リヴァル!!」
ミレイ「そうよね。私はてっきりシャーリーと結婚するものとばかり思ってたし」
カレン「それ、私の前で言いますか?」
ミレイ「だって、考えても見てよ。ルルーシュは妹のことをこれでもかってぐらい過保護にしてたじゃない?」
シャーリー「そんなこと……」
リヴァル「熱でたってだけで授業サボったときもあったよな?」
ルルーシュ「当然だ。シャーリーに熱が出たんだぞ。授業よりも看病が優先だ」
カレン「咲世子さんもいるのに?」
ルルーシュ「それは……」
ルルーシュ「会長。その話は……」
ミレイ「そうね。ごめんなさい」
シャーリー「……」
カレン「はい。この話は終わりにしましょう。昔は昔だし」
ルルーシュ「……それもそうだな」
シャーリー「うん」
ミレイ「じゃあ、リセーット!!」
ルルーシュ「魔法の言葉ですか?」
ミレイ「じゃあ、生徒会会議を始めます。何かある人ー」
ミレイ「なーし。では、解散」
ルルーシュ「……」
カレン「ルルーシュ、帰りましょ?」
シャーリー「ルルー、いくよー?」
ルルーシュ「シャーリー。ちょっといいか?」
ルルーシュ「俺に告白したことあるよな?」
シャーリー「え……?」
ルルーシュ「リヴァルの話で何か引っ掛かるんだ」
シャーリー「告白って……昔のことでしょ……」
ルルーシュ「雨の日に……」
シャーリー「やめて!!」
ルルーシュ「……!」
シャーリー「私とルルはただの兄妹……だから……」
ルルーシュ「そうだな……。で、そのあとシャーリーに童貞とか罵られて……」
シャーリー「はい?」
カレン「兄妹だけでコソコソしないでほしいんだけど。私も一応身内だからね」
ルルーシュ「ああ、悪かったな」
シャーリー「ほら、もうかえろ!」
カレン「ルルーシュ、行くわよ」
リヴァル『ルルーシュは二言目にはシャーリーシャーリーって言ってたし、シャーリーもルルーシュのこと―――』
ルルーシュ「……そこまで俺はシャーリーなんて言ってたか?」
ルルーシュ「いや、言ってた。確かに口癖のようにシャーリーの名前を口にしていたな」
ルルーシュ(でも、何故だ……。どうして……)
ルルーシュ(そうだ。確かにカレンのことも好きだ。愛している。だが、俺はそれ以上に妹のことを……)
ルルーシュ「……」
ルルーシュ「まてまて。俺はどうしてそんなにシャーリーを気にしていた……?」
ルルーシュ「シャーリーだからか。妹だからか……」
ルルーシュ(なのに何事もなくカレンと結ばれている現実は酷く違和感がある)
ルルーシュ「わからない……」
カレン「ルルーシュ?そろそろ寝る?」モジモジ
ルルーシュ「カレン、今日は気分じゃない。すこし散歩にでてくる」
カレン「え……」
カレン「初夜はいつになるのよ……」
ルルーシュ「……」
咲世子「ルルーシュ様、夜風は体に障りますよ?」
ルルーシュ「咲世子さん。少し考えごとを……」
咲世子「考え事ですか?」
ルルーシュ「咲世子さん。俺は少しまでまでシャーリーのことばかり気にしていたように思えるんですが」
咲世子「ええ。ルルーシュ様はシャーリー様のこと大変可愛がっていました」
ルルーシュ「例えばどのように?」
咲世子「そうですね……。お料理を振舞ったり、シャーリー様が寝るときはいつも抱き上げてベッドまで―――」
ルルーシュ「シャーリーを抱き上げる?」
咲世子「はい。いつもそうしていたではありませんか」
ルルーシュ「ああ。そうですね。って、それはシャーリーが中等部の……」
咲世子「……」
ルルーシュ「咲世子さん。俺にもう一人、妹がいるということはないですよね?」
咲世子「シャーリー様……一人では……?いえ……あれ……?」
ルルーシュ「シャーリー!!」
シャーリー「きゃぁ!?」
ルルーシュ「……シャーリー……リー……」
シャーリー「な、なに……急に……?」
ルルーシュ「シャーリー。俺と風呂に入ったことあるよな?」
シャーリー「……あるけど?」
ルルーシュ「どうして一緒に入ってたんだ?」
シャーリー「そんなの……ルルと入りたかったから……」
ルルーシュ「だが、かなり最近まで入っていたよな?」
シャーリー「う、うん……。カレンと結婚してからやめようって話、したじゃない」
ルルーシュ「おかしい……」
シャーリー「な、なにが?」
ルルーシュ「シャーリー……いつの間にそんなに豊満な胸部になったんだ……?もっと小さな丘だっただろ……」
シャーリー「セクハラ!!」
シャーリー「……そういえば」
ルルーシュ「どうした?」
シャーリー「ルルとお風呂にはいった記憶はあるけど……。ルルの裸があんまり想像できない……」
ルルーシュ「実は……俺もシャーリーの裸は想像できない」
シャーリー「どうしてかな……?」
ルルーシュ「ついでに言うとカレンの裸もだ」
シャーリー「え……。まだなの……?」
ルルーシュ「浮かんでくるのは、華奢でありながら魅力的な裸体と、妙にお尻の大きな体だけだ……」
シャーリー「……」
ルルーシュ「……」
シャーリー「ルル、私たち、疲れてるんだよ……きっと……」
ルルーシュ「そうだ。そうだな。忘れよう」
シャーリー「お休み……ルル……」
ルルーシュ「ああ。悪かったな。変なこといって。おやすみ」
カレン「すぅ……すぅ……」
ルルーシュ「……」チラッ
カレン「ん……ルルーシュぅ……」
ルルーシュ「……」ジーッ
ルルーシュ(違う。カレンのお尻では遠く及ばないでかさだった……)
ルルーシュ(なんなんだ……記憶の片隅にある巨大なお尻は……)
ルルーシュ(ここに居た……。誰か違う女が……)
ルルーシュ「カレンでもシャーリーでも咲世子さんでも会長でもない……。もっとお尻の大きな女がいたはずだ……」
ルルーシュ「誰だ……!!誰がいたんだ……!!」
ルルーシュ「考えても出てこないな……。寝るか」
ルルーシュ「……」
カレン「ルルーシュぅ……ふふ……」
ルルーシュ「カレン……」
ルルーシュ「おやすみ」
尻
脳内に焼き付くわ
ルルーシュ「シャーリー、ほら、口元に……」スッ
シャーリー「や、やめてよぉ……」
ルルーシュ「ほら、とれた」
シャーリー「いつまでも子ども扱いなんだか!!」
ルルーシュ「妹は一生妹なんだよ」
シャーリー「もう!」
カレン「ルルーシュ、はい。あーん」
ルルーシュ「カレン、恥ずかしいから……」
カレン「シャーリーにするのはよくて、私にされるのは嫌なの?」
ルルーシュ「そういう言い方をするな」
カレン「なら、いいでしょ?はい、あーん」
ルルーシュ「全く……」
リヴァル「いいなぁ……ルルーシュ……」
ミレイ「青春よねぇ……。いや、もうそんなの通り越してるか……」
ルルーシュ「ああ。そうだったな」
シャーリー「ルル!!どこ行くの?!授業は?!」
ルルーシュ「上手くいい訳しておいてくれ」
シャーリー「だめだってばぁ!!」
カレン「遅くなるの?」
ルルーシュ「夕食までには戻ってくる」
カレン「わかったわ」
シャーリー「カレンも止めないと!!」
カレン「止めたって止まらないでしょ?」
シャーリー「それは……」
ルルーシュ「よくわかってるな、カレン」
カレン「妻だからね」
ルルーシュ「怖い奴だ」
カレン「でも、危ないことはしないでよ、ルルーシュ?」
リヴァル「今日も圧勝だったな!」
ルルーシュ「貴族相手は楽でいい」
リヴァル「いやールルーシュさまさまだな!!」
ルルーシュ「ふっ。さてと、そろそろ帰るか」
リヴァル「新妻と可愛い妹が待ってるもんな」
ルルーシュ「そうだな」
バニー「えー?もうかえっちゃうんですかぁ?」
リヴァル「うわぁ!?」
ルルーシュ「ええ。たっぷりともうけさせて貰いましたからね」
バニー「そんなぁ、もっとゆっくりしていってくださいよぉ」
ルルーシュ「そういうわけにも―――」
バニー「サービスしますからぁ」プリンッ
リヴァル「うわー、いいお尻」
ルルーシュ「……」
リヴァル「ルルーシュ、どうする?」
ルルーシュ「……」
バニー「なんですか?」
ルルーシュ「……」
リヴァル「ルルーシュ?」
ルルーシュ「リヴァル、先に帰ってくれないか?」
リヴァル「は?なんで?」
ルルーシュ「用事を思い出した。とても大事な用事をな」
リヴァル「べ、別にいいけど……」
ルルーシュ「悪いな」
リヴァル「じゃ、じゃあな」
ルルーシュ「ああ」
バニー「思い出したのか?」
ルルーシュ「ああ……。全てをな」キリッ
ルルーシュ「これは……」
C.C.「お前のナイトメアは用意してある」
ルルーシュ「そうか」
C.C.「今まで随分と楽しい生活を送っていたようだな?」
ルルーシュ「カレンもシャーリーもシャルルの玩具にされたようだな……」
C.C.「お前の周囲にいる人間は全員だ」
ルルーシュ「シャルルめ……!!」
C.C.「今すぐ行動を起こすのか?」
ルルーシュ「それは……まだ早い」
C.C.「……」
ルルーシュ「もうしばらくは普通の学生を演じる。監視の目もあるしな」
C.C.「本当にそれだけが理由かな?」
ルルーシュ「何が言いたい?」
C.C.「別に。お前が行動を起こすまで私はここで働いているから、いつでもこい。それじゃあな」
シャルル「……」
V.V.「ルルーシュ、思い出しちゃったみたいだね」
シャルル「C.C.の仕業でしょう」
V.V.「どうするの?」
シャルル「次なる一手は既に打ってあります」
V.V.「ルルーシュをもう一度、捕らえるの?」
シャルル「もうそれはできないでしょう。ルルーシュには三度も同じことをしましたから、奴も警戒しているはずです」
V.V.「なら……」
シャルル「……」
スザク「皇帝陛下」
シャルル「来たか……枢木よ……」
スザク「連行してまいりました」
シャルル「久しいな……」
コーネリア「……なんのつもりですか?」
シャルル「お前の行動など筒抜けだ、コーネリア」
コーネリア「……」
V.V.「ギアスのことを調べていたそうだね?」
コーネリア「知っていたのですね……父上……」
シャルル「とぉぉぜんだ」
コーネリア「なら、どうしてユフィを見殺しにした?!」
シャルル「……」
コーネリア「何か言ってください……」
シャルル「ワシはこう考えておる」
コーネリア「……」
シャルル「ルルーシュには平穏の中で死んでほしいとな」
コーネリア「馬鹿な……。もうルルーシュは後戻りできない場所にいるのですよ?!」
シャルル「奴は非力ではあるが有する思想は厄介だ。故に牙を抜く必要があぁる」
コーネリア「牙……?」
コーネリア「……」
シャルル「その温床が奴の足を鈍らせる」
コーネリア「それで……?」
シャルル「しかし、奴はまた牙を剥いた。また抜歯せねばならん」
コーネリア「私でルルーシュの牙を抜くというのですか?」
シャルル「日常という檻が強固になればなるほど、奴は身動きがとれなくなる」
コーネリア「私はもう……ルルーシュのことなど!!!」
V.V.「僕は嘘つきが大嫌いだ」
コーネリア「な……」
V.V.「憎みきれていないくせに」
コーネリア「……」
シャルル「さぁ、コォォネリアよ!!次なる一手になってもらうぞ!!!」
スザク「皇帝陛下の目を見てください!!」グイッ
コーネリア「い、いやだ……やめろ……!!」
ルルーシュ「……」カタカタ
カレン「ルルーシュ、コーヒーいれたけど、飲む?」
ルルーシュ「ああ。ありがとう」
カレン「最近、よくネットしてるけど、何かあるの?」
ルルーシュ「少しな」
カレン「ふぅん……」
ルルーシュ「……どうした?」
カレン「ねえ、結婚してからもう半年なんだけど……」
ルルーシュ「そうだな」
カレン「あの……そろそろ……初夜……」モジモジ
ルルーシュ「カレン」
カレン「なに?」
ルルーシュ「体は大事にしたほうがいい」
カレン「私……妻よね?」
カレン「だったら!」
ピンポーン
ルルーシュ「誰かきたみたいだな」
カレン「こんな夜に?誰かしら?」
ルルーシュ(まさか……C.C.……?いや、それはありえない……)
カレン「私が出るから」
ルルーシュ(監視役の誰か……?)
カレン「はい?どちらさまですか?」
ルルーシュ(まだボロは出してない……はずだ……!)
カレン「え?は、はい……」
ルルーシュ「どうした?」
カレン「ルルーシュ……」
ルルーシュ「なんだ?」
カレン「ルルーシュの許嫁がきたみたいだけど?」
カレン「……そんなのいたの?」
ルルーシュ「いるわけないだろ」
カレン「でも、ルルーシュの許嫁と言えばわかるって」
ルルーシュ「なんだと?」
シャーリー「ふわぁぁ……だれかきたのぉ……?」
カレン「起こしちゃった?ごめん」
シャーリー「それはいいんだけど……」
ルルーシュ「分かった。俺が出る」
カレン「う、うん……」
ルルーシュ「代わりました。ルルーシュです。申し訳ないが私に許嫁など―――」
『とにかく開けて』
ルルーシュ「名前を聞いてもいいですか?」
『アーニャだけど』
ルルーシュ「知りません。帰ってくれますか?」
ルルーシュ「とにかく帰ってくれ。迷惑だ」
『開けて。寒い』
ルルーシュ「失礼します」ガチャン
カレン「悪戯?」
ルルーシュ「だろうな」
シャーリー「もういい迷惑なんだから……ふわぁぁ……」
カレン「おやすみ、シャーリー」
シャーリー「うん」
ルルーシュ「じゃあ、俺たちも寝るか」
カレン「寝るの?!」
ルルーシュ「普通にな」
カレン「……そう」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ(しかし、アーニャ……どこかで聞いた名前だな……)
ルルーシュ「そうか!!ラウンズのナイトオブシックス、アーニャ・アールストレイム卿!!」
ルルーシュ「いや、まて……そんな大物がここに来るわけ……」
ルルーシュ(まさか……監視目的で……?)
ルルーシュ(だが、露骨な手段をとるとも思えないが……)
ルルーシュ「……」
カレン「ルルーシュ?寝ないの?私の隣、ガラ空きなんだけど」
ルルーシュ「……すこし、散歩に行ってくる」
カレン「え……」
ルルーシュ「先に寝ててくれ」
カレン「ルルーシュ!!」
ルルーシュ「……アーニャ……確かめておくか……」
カレン「……」
カレン「……もう倦怠期なのかしら」グスッ
アーニャ「寒い」ガタガタ
ルルーシュ「……」
アーニャ「あ」
ルルーシュ(やはり、ラウンズの……!!)
アーニャ「部屋にいれて。あとココアもいれて」ガタガタ
ルルーシュ「あの。どうして貴方のような人物がここに?」
アーニャ「これ」ブルブル
ルルーシュ「携帯……?」
アーニャ「そこに記録がある。私はルルーシュの許嫁。今すぐ嫁げって」ガタガタ
ルルーシュ「……」
アーニャ「……いれて」ブルブル
ルルーシュ「そんな水着みたいな格好でくるからだろう?」
アーニャ「……くしゅん」
ルルーシュ「とりあえず、入れ」
アーニャ「ふぅ……」
ルルーシュ「俺は一学生だ。君とは身分が違いすぎる」
アーニャ「……」
ルルーシュ「だから、嫁ぐ必要はない」
アーニャ「でも、記録にあるから。私にとってはそれが全て」
ルルーシュ「何を言ってる?」
アーニャ「記憶がよく食い違う」
ルルーシュ「なに?」
アーニャ「なかったことがあったり、知らないことを知っていたり。私はずっとそう」
ルルーシュ(記憶障害なのか?)
アーニャ「だけど、その記録は本当。私そのもの」
ルルーシュ「ここに書いてあればそれは君にとって真実であり、絶対ということか」
アーニャ「そう」
ルルーシュ(このタイミングだ。シャルルの差し金と考えてまず間違いないが、何が目的なのか全くわからない。しかし、何か意味があるはず)
ルルーシュ「カレンか」
アーニャ「……」ゴクゴク
カレン「その子……誰?」
ルルーシュ「……」
アーニャ「ルルーシュの許嫁。よろしく」
カレン「私はルルーシュの嫁よ。よろしく」
アーニャ「……」
カレン「あ?」
ルルーシュ「カレン。落ち着け」
カレン「嫁のほうが強いわよね?」
ルルーシュ「よくわからないが」
アーニャ「許嫁も相当強いけど」
カレン「あん?」
アーニャ「やる?」
ルルーシュ「起こしたか、悪いな。シャーリー」
シャーリー「それはいいんだけど……。何かあったのぉ?」
ルルーシュ「なんでもないよ。ほら、寝てくれ」
シャーリー「もう子ども扱いしないでってば」
ルルーシュ「……そうだな。本当はしたくない」
シャーリー「ふわぁぁ……」
ルルーシュ(シャーリー……すまない……。できることなら、お前だけでも元に……)
アーニャ「許嫁は約束されたお嫁」
カレン「嫁は成就した女なんだけど」
アーニャ「……」
カレン「……」
ルルーシュ「もう夜も遅い。寝よう」
アーニャ「うん」
カレン「三人で?」
カレン「……」
リヴァル「ルルーシュ。カレンのやつ、機嫌悪そうだけど、なんかあったのか?」
ミレイ「もう離婚調停?」
ルルーシュ「違いますよ」
シャーリー「昨日、ルルの許嫁を名乗る女の子が来ちゃって」
ミレイ「許嫁!?」
リヴァル「お前!!義理の妹に嫁さんにメイドさんまでいて、許嫁ってなんだよ!!おい!!」
ルルーシュ「俺にもよくわからないんだ」
リヴァル「どういうことだよ?」
ルルーシュ「俺自身、許嫁がいたということを昨夜知ったんだ」
ミレイ「もしかしてルルーシュが生まれる前に親同士で交わされた約束事だったとか?!」
ルルーシュ「可能性はありますね」
リヴァル「俺にもそんな星の下で生まれたかった……」
シャーリー「妹の立場から言わせてもらうと、その節操のなさはどうかと思うけどね」
シャーリー「全くですよ。……どういう意味ですか?」
リヴァル「あーあ。ホント、ルルーシュばっかだよなぁ」
ルルーシュ「隣の芝は青く見えるだけで、それほどいいものじゃない」
リヴァル「これ以上、俺を怒らせないほうがいい」
ミレイ「リヴァルもそのうちいいことあるわよ」
リヴァル「俺みたいな平凡な人間は新しくきた保険医さんで目の保養をさせてもうぐらいしかないっすよ」
シャーリー「保険医?」
ルルーシュ「……なんだそれは?」
リヴァル「知らないのか?一昨日から赴任した保険医が居るんだよ」
ミレイ「あのとんでもバディの人でしょ?健全な男子学生の目には毒よねぇ」
シャーリー「へー、知りませんでした」
リヴァル「ルルーシュ、見に行くか?」
ルルーシュ(胸騒ぎがする……。確認はしておくべきか……?)
シャーリー「ルル、ダメだからね?」
リヴァル「ま、ルルーシュも男なら一度ぐらいは見ておくべきだもんな」
ルルーシュ「まぁな」
シャーリー「もう……ダメ兄なんだから」
リヴァル「失礼しマース」
コーネリア「……ん?どこを怪我した?言ってみろ」
リヴァル「えーと……」
コーネリア「頭が悪そうだな。悪いが馬鹿につける薬はない」
リヴァル「ひでぇ!!」
ルルーシュ「……」
コーネリア「なんだ?怪我人がいないなら出て行け」
シャーリー「本当にすごい……」
ルルーシュ(シャルル……!!あいつ……!!)
コーネリア「こっちも暇じゃないのでな。用がないなら退室してくれ」
リヴァル「は、はい。すいませんでした」
ルルーシュ「確かにな」
シャーリー「……はぁ。自信なくなった」
リヴァル「まぁ、ルルーシュは周りにいっぱいいるから感動も薄いか」
ルルーシュ「そんなことはない」
シャーリー「ルル、もう帰ろう?カレンも待ってるだろうし」
ルルーシュ「そうだな」
ルルーシュ(コーネリアにヴィレッタがいる学園か……。気を抜くことができるのはベッドの上だけだな……)
リヴァル「はぁ……こんなことでしか自分を慰められないのが悲しいな……」
シャーリー「あはは……」
リヴァル「笑い事じゃないんだよ!」
シャーリー「ごめん……」
リヴァル「会長さえ……会長さえ振り向いてくれたら……!!」
ルルーシュ(そろそろ手を打つか……。このままでは全てのマスが敵の駒で埋まってしまう!!)
ルルーシュ(まずは……)
ルルーシュ「久しぶりだな」
C.C.『どうした?』
ルルーシュ「学園にこい」
C.C.『なに?正気か?』
ルルーシュ「お前が必要なんだ、C.C.」
C.C.『……そこまで言うなら行ってやろう。しかし、無駄なリスクが増えるだけだぞ?』
ルルーシュ「どうもおかしい」
C.C.『なんのことかな?』
ルルーシュ「今まで異変にはすぐに気がつかなかったが、連日は明らかな異変が俺の周囲で起こっている。しかも、その異変に気がついているのは俺だけだ」
C.C.『それはシャルルによる記憶改竄がお前にだけ行われていないということだな』
ルルーシュ「何故、改竄せず、周りに壁だけを置いていくのか。答えは簡単だ。俺の記憶が戻ったことをシャルルは知っている」
C.C.『……』
ルルーシュ「理由はわからないが、そうとしか思えない」
C.C.(私がシャルルのギアスを無理やり解いたから、感付かれたとはいえないな。ルルーシュ、絶対に怒るだろうし)
C.C.『わかった。では、三日後に合流する。で、バニーでもやればいいのか?』
ルルーシュ「それもいいが、ボディーガードをしてほしい」
C.C.『私がか?おいおい。見た目より丈夫ではあるけど……』
ルルーシュ「ギアス能力者がいるかもしれないからな」
C.C.『なに?』
ルルーシュ「俺の記憶が戻った場合の対処法としてまず考えられるのがギアス能力者を配置しておくことだろう」
C.C.『ギアスの盾になれというのか』
ルルーシュ「ああ」
C.C.『出来ればいいがな』
ルルーシュ「お前にしかできない」
C.C.『分かった。行ってやろう』
ルルーシュ「会えるのを楽しみにしている」
C.C.『精々、死ぬなよ』
ルルーシュ「俺は死なない。世界を変えるまでは」
カレン「ルルーシュ?」
ルルーシュ「どうした?」
カレン「あの……これでも体には自信あるんだけど……」モジモジ
ルルーシュ「また今度な」
カレン「……ルルーシュ!!」
ルルーシュ「どうした?」
カレン「私のこと……嫌いになったの……?」ウルウル
ルルーシュ「な……」
カレン「私はルルーシュのこと好きなんだけど……」
ルルーシュ「カ、カレン……おい……」
カレン「傍に置いておきたくないほど……嫌いなら……あきらめるけど……」
ルルーシュ「いや……そうじゃなくて……」
カレン「目障りじゃないなら……傍にいさせてよ……」
ルルーシュ「えっと……」
シャーリー=嫁
C.C.=愛人・母親
カレン=友達以上奴隷未満
会長=とても親しい幼馴染のような先輩
スザク=妻
な気がする。
何言ってるんですか?
ナナリー=嫁
ナナリー=愛人・母親
ナナリー=友達以上奴隷未満
ナナリー=とても親しい幼馴染のような先輩
ナナリー=妻
こうですよ
全部全て何もかもナナリーでいいんだよナナリーで
ナナリーは私の母になってくれたかもしれなかった女性だ
乗り換えかこのロリコンニュータイプめ
ルルーシュ「嫌いなわけないだろう。良く考えろ、カレン」
カレン「本当に?」
ルルーシュ「ああ」
カレン「じゃあ、好き?」
ルルーシュ「……ぁぁ」
カレン「聞こえないんだけど」
ルルーシュ「ああ!!」
カレン「はいかいいえで答えろ!!」
ルルーシュ「はいだ!!」
カレン「ルルーシュ、お腹すいたでしょ?今、ご飯つくるから、待っててよ」テテテッ
ルルーシュ「……」
ルルーシュ(まあいい。現状は維持しておく。C.C.がくるまでヴィレッタに感付かれても厄介だしな)
カレン「これはレンジでチンしようっと。―――弾けろ、ブリタニアっ♪」
ルルーシュ(俺は何も間違えていない!!)
ルルーシュ「ああ、ありがとう」
カレン「ふふ。美味しい?」
ルルーシュ「ああ」
カレン「ありがとう」
ルルーシュ(そういえば、カレンの身体能力はどうなっているんだ?この状態でも戦えるんだろうな……)
カレン「なに?」
ルルーシュ「ふっ!」バッ
カレン「!?」グイッ
ルルーシュ「がっ?!」
カレン「いきなり、殴ろうとしてどういうつもり?」ググッ
ルルーシュ「い、いや……顔にソースがついていたから……」
カレン「あ、そうなんだ。ごめん」
ルルーシュ(よかった……戦力としては十分だ……。よし……)
カレン「もう恥ずかしい……どこでついたのかしら……」ゴシゴシ
カレン「うんっ。じゃあ、食器洗うからちょーだい」
ルルーシュ「俺がやるよ。これぐらい」
カレン「いいから。家事は妻の仕事なんだから」
ルルーシュ「そ、そうか……」
カレン「ルルーシュに任せると、私のやることなくなっちゃうし」
ルルーシュ「なら、任せる」
カレン「うん」
ルルーシュ「ふぅ……」
アーニャ「……ルルーシュ」
ルルーシュ「アーニャ、どうした?」
アーニャ「ココア、許嫁が入れたけど、のむ?」
ルルーシュ「……ああ」
アーニャ「美味しいから、飲んで」
ルルーシュ(アーニャはどうなんだ……。スパイと考えるのが自然だが……。少し探りを入れるか……)
ルルーシュ「アーニャ。お前は俺と結婚したいということでいいのか?」
アーニャ「ルルーシュに嫁ぐけど」
ルルーシュ「俺のことがその……好きなのか?」
アーニャ「わからないけど、嫁ぐ以上、好きになる」
ルルーシュ「そうか」
アーニャ「……うん」
ルルーシュ「なら、俺の言うことを聞いてくれるか?」
アーニャ「いいけど、あと3年待って」
ルルーシュ「え?」
アーニャ「ルルーシュを犯罪者にしたくないから」
ルルーシュ「別にそういうのは期待してないが」
アーニャ「……」
ルルーシュ「アーニャ……?」
アーニャ「胸をどうにかしたほうがいいってこと?」
アーニャ「そう。安心した」
ルルーシュ(感覚がズレているのか。それとも演技なのか……)
アーニャ「……」ゴクゴク
ルルーシュ(ちぃ……確証を得難いな。既に堕ちているのか?)
アーニャ「ふぅ……」
ルルーシュ「アーニャ。率直に訊ねる」
アーニャ「なに?」
ルルーシュ「俺と結婚するために軍を辞める覚悟はあるか?」
アーニャ「どうして?」
ルルーシュ「嫁を戦場には立たせたくないからな」
アーニャ「……」
ルルーシュ(さあ、どう答える……)
アーニャ「……じゃあ、今から辞表書く」
ルルーシュ「!?」
ルルーシュ「……」
アーニャ「じゃあ、行って来ます」
ルルーシュ「待て」
アーニャ「なに?」
ルルーシュ「本気か?」
アーニャ「うん」
ルルーシュ(この目……本気だな……。迷いがない。ここまでの演技ができるなら、騙されてもいい)
ルルーシュ「分かった。アーニャの想いが本物であることは十分にな」
アーニャ「そうなの?」
ルルーシュ「ココア、美味しかった。ありがとう」
アーニャ「おやすみ、ルルーシュ」
ルルーシュ「おやすみ」
ルルーシュ(アーニャはどうやら俺の味方になってくれそうだな……。存分に利用させてもらうぞ……フフフハハハ……)
カレン「ルルーシュ、寝る?」
カレン「……うんっ」
ルルーシュ(C.C.にカレン、そしてアーニャ……。これだけの駒があればヴィレッタごときは制圧可能だな)
シャーリー「あれ、ルル。まだ起きてたの?」
ルルーシュ「シャーリー……」
シャーリー「ん?」
ルルーシュ(そうだ。シャーリーだけでも解放してやらないと……。このままシャルルの駒にさせてたまるか……!!)
シャーリー「なに?」
ルルーシュ「シャーリー……」
シャーリー「え……?」
ルルーシュ「……」ギュッ
シャーリー「ちょっと!!いくら兄妹でもダメ!!」
ルルーシュ「お前だけは必ず守る……必ずな……」
シャーリー「お兄ちゃん……うん……ありがとう……」ギュッ
ルルーシュ「シャーリー……」
C.C.「……久しぶりだな」
ルルーシュ「会いたかったぞ」
C.C.「冗談がうまいな」
ルルーシュ「よし。これで前提条件は全てクリア。いくぞ」
C.C.「本当に私たちだけでやるのか?」
ルルーシュ「問題はない」
C.C.「なら、お前を信じるとしよう」
ルルーシュ「行くぞ」
C.C.「ああ」
ルルーシュ「俺からナナリーを奪い。そして他の者を玩具のように扱った報いは受けてもらうぞ!!シャルル!!」
ルルーシュ「手始めに俺の監視役どもを制圧する」
C.C.「人数は?」
ルルーシュ「並みの相手ならギアスで十分だ。問題は……」
C.C.「ギアスが通じないヴィレッタと、いるであろうギアス能力者か」
ルルーシュ「女子更衣室でも覗きにいけ!!」キュィィン
見張り「そうだ。覗きにいこう」タタタッ
C.C.「悪魔だな」
ルルーシュ「死ぬよりはマシだろ?フフハハハ」
C.C.「ここだな」
ルルーシュ「……」ピッ
ウィィン……
ヴィレッタ「ん?―――なに?!」
ルルーシュ「ヴィレッタ先生。どうも」
ヴィレッタ「お前……記憶が……」
ルルーシュ「……」
ロロ「……」キュィィン
C.C.「ふっ!―――なるほど、便利なギアスを持っているな、クソガキ」
ロロ「がっ……!?お、お前は……!!!」
ルルーシュ「なんだ?」
C.C.「どうやら体感時間を止めるギアスらしい。私がいて命拾いしたな」
ルルーシュ「全くだ」
ヴィレッタ「ルルーシュ……!!」
ルルーシュ「どうやらあなたたちに俺の情報は降りていなかったか。完全な捨て駒ということか」
ヴィレッタ「なに……」
ロロ「こんなことで……!!」
C.C.「残念なお知らせだ。お前はもう一度ギアスを使えば、楽になる」チャカ
ロロ「……」
ヴィレッタ「何が目的だ……」
ルルーシュ「ここを無力化させるだけですよ」
ヴィレッタ「またゼロに戻るのか……」
ルルーシュ「当然でしょう?」
スザク「―――今の君にそれだけの覚悟があるのかい?」
スザク「皇帝陛下の言うとおりになるなんて……。信じたくなかったよ」
ヴィレッタ「来ていたのですか……」
スザク「ルルーシュ……」
ルルーシュ「貴様……」
スザク「ゼロに戻るなら。この場で討つ」
ルルーシュ「……」
スザク「ゼロは死んだ。それでいいだろ」
ルルーシュ「どういう意味だ?」
スザク「……」
ルルーシュ「俺に覚悟がないとはどういう意味だ?」
スザク「今の君は恵まれているじゃないか」
ルルーシュ「なに?」
スザク「魅力的なお嫁さんがいて、血が繋がっていない妹がいて、年下の許嫁がいて、美人な保険医がいて、お尻の大きな愛人がいて……。これ以上、何を望むんだ?!」
ルルーシュ「俺はそのようなものを望んでいないんだよ!!!スザク!!!」
ルルーシュ「俺は間違ってなどいない!!」
スザク「お前がいるから!!!彼女すらできない哀れな男性が生まれるんだ!!!」
ルルーシュ「知るか!!!」
スザク「ルルーシュゥゥゥ!!!」ガッ!!!
ルルーシュ「ぐっ!?」
スザク「君はそれでいいのかもしれない!!だけど!!!我を通す者の陰で涙を流す者もいることを自覚するんだ!!!」
ルルーシュ「俺は俺の望むものを手に入れるために多くの血を流してきた!!もう止まることなどできない!!」
スザク「止まるんだ!!俺が世界を変える!!!」
ルルーシュ「貴様の方法で変わるのはいつになる?!10年か?!20年か?!俺はもう1日たりとも無駄にしたくはない!!」
スザク「そのための犠牲なら払ってもいいというのか?!」
ルルーシュ「そうだ!!それが大義のためならばな!!」
スザク「君は屑だ!!」
ルルーシュ「なんとでもいえ!!俺が目指す世界のためならば、どんな汚泥もかぶってやる!!!」
スザク「この……!!」
ロロ「お前たちは皆処刑だ……」
ヴィレッタ「諦めろ、ルルーシュ」
スザク「ルルーシュ……君には普通の男が何度転生しても手に入れることのできないものが揃っているんだぞ?」
ルルーシュ「俺が望むのはナナリーだけだ」
スザク「……ナナリーがいればそれでいいのか?」
ルルーシュ「違うな。ナナリーが笑っていられる世界を望む」
スザク「何を言っても無駄なんだね……ルルーシュ」
ルルーシュ「ああ。お前とは分かり合えない」
スザク「なら!!ここで!!」
ルルーシュ「無策でここにくると思うな!!―――カレン!!」
スザク「え?!」
カレン「私の旦那からはなれろぉぉ!!!」バキィ!!!
スザク「ぐ!?」
カレン「スザク。男の嫉妬は醜いんだけど」
モニター『キャー!!覗きよー!!』
ヴィレッタ「……!?」
ルルーシュ「見張りなら鼻の下を伸ばしながら婦女子の着替えを観覧していますよ」
ヴィレッタ「ルルーシュ……!!」
スザク「カレン……」
カレン「なに?」
スザク「君はギアスによってルルーシュのことを好きになっているだけなんだ」
ルルーシュ「スザク!!」
スザク「君は偽りの愛に尻尾を振っているだけだ!!」
カレン「……ギアスにかかってるからなんなの?」
スザク「え……」
カレン「私はルルーシュのことが好きだし、愛してる。それが全てよ!!紅月カレンを甘く見るな!!」
スザク「くっ……」
C.C.「……暫く見ないうちに一皮剥けたな……カレンめ……」
スザク「ルルーシュ……逃げる気か?」
ルルーシュ「なに……?」
スザク「君に会わせたい人がいる」
ルルーシュ「会わせたい人……?」
カレン「誰よ?」
C.C.「……まさか」
スザク「総督に繋いでください」
ヴィレッタ「ああ」ピッ
ルルーシュ「総督だと……?」
スザク「こんど新たに就任される人だよ。モニターを見てくれ」
ナナリー『―――お兄様?』
ルルーシュ「……!?」
ナナリー『お兄様?いらっしゃるのですか?』
スザク「……」
C.C.「枢木……」
ルルーシュ「何の真似だ?」
スザク「……」
ナナリー『お兄様……。私、全てをスザクさんからお聞きしました』
ルルーシュ「全て……?!」
ナナリー『ゼロのこと……ギアスのこと……』
ルルーシュ「スザァァァク!!!」
スザク「……」
ルルーシュ「貴様は!!!」
スザク「ルルーシュのことを全て話す。それがナナリーが出した条件だった」
ルルーシュ「なに……!?」
スザク「総督になるための条件だよ」
ルルーシュ「じゃあ……ナナリーは……!?」
スザク「自分の意志で総督の座についた。もう君が戦う理由はない!!」
スザク「ナナリーは自分の意志で世界を変えるつもりだ」
ルルーシュ「ふざけ……!!」
ナナリー『お兄様……』
ルルーシュ「ナナリー……おれは……おれはぁ……!!」
C.C.「これまでか……」
カレン「……この子、だれだっけ?」
ナナリー『―――お兄様。聞いてください』
ルルーシュ「……」
ナナリー『中から変えるのは……はっきりいって無理です』
スザク「!?」
ヴィレッタ「え……」
C.C.「ほう……?」
カレン「あ!!思い出した!!ルルーシュの実の妹のナナリーだ!!」
ルルーシュ「……ナナリー?」
ナナリー『私が総督になっても知らないところで日本人の皆さんに対する圧政が行われています』
スザク「それは……」
ナナリー『総督になればあるいはと思いましたが、所詮は小娘の戯言で一蹴されてしまう。少し考えれば分かったことなのですけど』
ルルーシュ「……」
ナナリー『だから、一度外側からシステムを壊しましょう。お兄様』
スザク「ナナリー!!!どうして!!」
ナナリー『私の言うことを聞いてくれない人ばかりですから……』
スザク「僕がいる!!ジノも!!アーニャもいるじゃないか!!」
ナナリー『たった三人のラウンズでは……ちょっと……』
スザク「……」
ルルーシュ「ナナリー……俺にどうしろと……?」
ナナリー『ゼロとしてブリタニアと戦ってください。私はお兄様が壊した世界を中から修復します。勿論、今とは違う形でですが』
ルルーシュ「……本気か?」
ナナリー『私とお兄様なら造作もないことだと思います』
ナナリー『中から変える間にも罪のない日本人の方々、世界中にいるナンバーズと呼ばれ差別されるの人たちが血を流しています!!』
スザク「!?」
ナナリー『流れる血の量が少なくて済む方法があるのなら、私は躊躇うことなくそちらを選びます。これは可笑しなことですか?』
スザク「でも……間違った方法で得た結果に価値なんて―――」
ナナリー『スザクさんにとって間違いでも、私にとっては正しいことです。不満があるのなら、軍から抜けてもらっても構いません』
スザク「……」
ルルーシュ「ナナリー……いいんだな?」
ナナリー『よろしくお願いします。お兄様』
ルルーシュ「容赦はしないぞ?」
ナナリー『優しい世界でありますように』ニコッ
ブツッ……
ヴィレッタ「……」
スザク「……」
ルルーシュ「撤収するぞ。もうここに用も価値もない」
ロロ「ま、まて……!!」
C.C.「殺してもいいんだぞ、クソガキ」
ロロ「……っ」
カレン「ルルーシュ……」
ルルーシュ「カレン。今のお前は覚えていないかもしれないが、紅月カレンは黒の騎士団のエースだった」
カレン「……」
ルルーシュ「カレンさえよければ……」
カレン「夫が戦えっていうなら戦う」
ルルーシュ「カレン……。ありがとう。だが、絶対に死ぬな」
カレン「ルルーシュがそういうなら死なない」
ルルーシュ「いくぞ」
C.C.「よし」
カレン「おー」
スザク「……こ、ここで逃がしたら……!!」
C.C.「しつこい男は嫌いだ」
カレン「ホントに」
ルルーシュ「外に出れば勝ちだ!!いくぞ!!」
C.C.「わかっている」
カレン「まだなにか策があるの?!」
スザク「まて―――」
モルドレッド『止まってくれるぅ?』
スザク「!?」
ルルーシュ「フフフハハハハハ!!!」
スザク「ア、アーニャ!!何の真似だ!!」
ルルーシュ「アーニャ!!ここは任せるぞ!!」
モルドレッド『はいはぁ~い』
スザク「アーニャ!!何をしているのか分かっているのか!?」
モルドレッド『あなたこそ何をしているのかわかってるわけぇ?』
アーニャ『ルルーシュはねぇ、たくさんのお嫁さんに囲まれて世界を変えちゃうんだから』
スザク「は?」
アーニャ『勿論、夫の計画が失敗したときの保険だけどね』
スザク「なにを……」
アーニャ『いい?作り変えられた世界で必要なのは絶対的な王なのよ。それを捕まえようとするなんて、ナンセンスだと思わない?』
スザク「ルルーシュはただの人殺しだ!!」
アーニャ『英雄や王で独りも殺さずその椅子に座り続けた者はいないわ。あなただって、今の地位に来るまでにどれだけの人を殺してきたの?』
スザク「それは……僕は正しいことを……」
アーニャ『正しい人殺しってなぁに?』
スザク「……!?」
アーニャ『二元論で語れるほど、世の中は甘くないとおもうけどぉ。どう思う?』
スザク「……」
アーニャ『ルルーシュには少なくともナナリーとシャーリーとカレンとアーニャと……ついでにコーネリアを孕まして、夫亡き後に君臨してもらわないとね。アレが失敗した場合だけど』
スザク「ま、待ってくれ……アーニャ……君は……どうするつもりだ?まさか……ルルーシュにつくのか……?」
スザク「裏切るのか?!」
アーニャ『友人を裏切った貴方がいってもねえ』
スザク「……」
ジノ『アーニャ!!見つけたぞ!!』
スザク「ジノ!!」
アーニャ『ハドローン!』ゴォォ!!!
ジノ『うわ!?』
スザク『アーニャ!!!』
アーニャ『それじゃあ、追って来てもいいけど、そのときはボイスレコーダーに最後の言葉を吹き込んでおいてね?』
スザク「アーニャァァァ!!!!!」
ジノ『待て!!!』
アーニャ『ハドローン』ゴォォォ
ジノ『うそだろ?!』
ドォォォン!!!
ヴィレッタ「今、ルルーシュ、C.C.、カレン、シャーリー、コーネリアの5名が学園敷地内から姿を消しました」
スザク「……」
ロロ「追います」
スザク「いや、いい。やめるんだ。追っても無駄だよ」
ヴィレッタ「これからどうなるというんだ……」
スザク「こんなの絶対に間違っている……僕はやる……たとえ一人でも自分の正義を信じて……戦う!!」
ヴィレッタ「……」
ロロ「レジスタンスと同じ思考ですよね」
ヴィレッタ「しっ」
スザク「……」
ヴィレッタ「では、逃げた5名の行方を至急捜索します」
ロロ「ラウンズを入れたら6人ですね」
ヴィレッタ「モルドレッドはすぐに補足できるだろう。急ごう」
スザク「……僕はどうしたらいいんだ……」
カレン「扇……?」
コーネリア「おい。怪我人はどこにいる?いないぞ?」
ルルーシュ「今からわんさか来ますよ」
コーネリア「そうか。ならいいんだ」
シャーリー「ルル……私は本当にルルの傍にいればいいの?」
ルルーシュ「ああ。俺の帰る場所になってくれればそれでいい」
シャーリー「……うん」
C.C.「しかし、どうやって救出するつもりだ?」
ルルーシュ「そろそろ連絡がくる」
ナナリー『―――お兄様』
ルルーシュ「どうだ?」
ナナリー『中華連邦とも連絡を取りました。黒の騎士団のみなさんの身柄は中華連邦総領事館で渡しますね。あくまで取引をしたという形で……』
ルルーシュ「くくく……よし……」
カレン「おうぎ……?だれ……だっけ……?まぁ、いいか」
ゼロ「では、団員たちの身柄は我々が貰い受ける!!」
扇「助かった……」
玉城「さっすがゼロだぜぇぇ!!!」
藤堂「……」
ギルフォード「さぁ!!姫様を渡せ!!」
ゼロ「……できない相談だな」
ギルフォード「約束が違うぞ!!」
コーネリア「怪我人はいないか!!私が治療する!!!」
ゼロ「彼女は大事な医療班のリーダーだからな」
ギルフォード「くっ……!!ゼロは卑怯にも約束を反故にした!!うてぇ!!」
ゼロ「くくく……」
モルドレッド『うざい奴、嫌い』
ギルフォード「モルドレッド……ラウンズ……!?」
アーニャ『私のダーリン、殺させない』ゴォォォ
ゼロ!!ゼロ!!ゼロ!!
アーニャ『ゼロっ、ゼロっ、ゼロっ』
カレン「ゼロ!!ゼロ!!!ゼロ!!!ゼロ!!!」
ゼロ「皆の者!!ナイトメアに搭乗しろ!!まだ終わってはいない!!」
藤堂「用意がいいな」
千葉「よし」
ギルフォード「撤退だ……撤退しろ……」
ランスロット『まだ、自分がいます!!』ギュルルル!!!!
ゼロ「来たか……」
ランスロット『ゼロ!!お前を倒して僕が正しいことを証明す―――』
紅蓮『いいよ』
モルドレッド『こい』
斬月『スザクくん。無駄な抵抗だ』
ランスロット『……うわぁぁぁぁ!!!!』
ランスロット『くそ!!まだだぁ!!』
斬月『であぁぁぁ!!!』ザンッ!!!
ランスロット『ぐぁ?!』
紅蓮『捕まえたぁ!!!』ガキィィン
ランスロット『くっ……?!』
紅蓮『弾けろぉ!!ブリタニアァ!!!!』
ランスロット『くそぉぉ!!!僕は諦めない!!!絶対に諦めるものかぁぁぁぁ!!!!』
ドォォォン!!!!
ゼロ「よし。脅威は去ったな」
玉城「やべえ!!今の爆風で扇がふっとんだぁ!!!」
南「医療班!!」
コーネリア「任せろ!!」ダダダッ
ゼロ「フフフハハハハ!!!!やれる!!やれるじゃないか!!!」
コーネリア「……唾付けておけば大丈夫だろう」
千葉「ゼロ。ブラックリベリオンのとき、どうして逃げ出した?説明はあるんだろうな?」
ゼロ「見れば分かるだろう、千葉よ」
千葉「え?」
コーネリア「……」
藤堂「コーネリアを仲間に引き入れるためだったのか」
ゼロ「そうだ」
千葉「ならば、そのとなりにいる女はなんだ?」
ゼロ「ん?」
シャーリー「……」オロオロ
ゼロ「私の影武者になる人物だ。知略計略に長けている」
シャーリー「え?!」
千葉「なら、いいけど」
シャーリー「よ、よろしくおねがいします!!」ペコッ
千葉「……礼儀正しいな」
ゼロ「これはこれは、ナナリー総督。何か御用ですか?」
C.C.「……」
玉城「ブリタニアの総督がなんのようだよぉ!!」
ナナリー『あなた方の卑劣な行為。看過できるものではありません。即刻、日本から退去してください』
千葉「なんだと?!」
藤堂「ふざけるな!!」
ナナリー『蓬莱島というところがありますから、そこに新しい日本でもなんでも作ればいいです』
千葉「貴様!!少し可愛いからと侮辱が過ぎるぞ!!」
藤堂「……待て、千葉」
千葉「はい?」
藤堂「奴らから拠点の提供をしてくれたようなものだぞ……」
千葉「……」
ナナリー『ゼロは悪魔です!!大嫌いです!!パセリぐらい嫌いです!!』
ゼロ「気が合いますね、ナナリー総督。私も貴方のことは子猫を愛でてる程度の情しかもてませんよ』
ブツッ
ゼロ「聞いたな、皆の者。新天地で新たな国をつくるぞ!!」
玉城「ブリキ野郎ども!!俺たち日本人を日本から追い出すなんて!!ひでーやつらだ!!今にみてやがれ!!!」
C.C.「酷い演技だ。藤堂辺りは感付くんじゃないか?」
ゼロ「感付いたにしろこちらにとってメリットしかない。文句のつけようなどないだろ?」
C.C.「悪魔め」
ゼロ「魔女が」
カレン「よし。みんな!!移動開始!!」
シャーリー「列を乱さないようにしてください!!」
コーネリア「怪我したら速やかに言うのだぞ!!」
アーニャ「記録……」パシャ
ゼロ「行くぞ!!未来は我らにあり!!!」
ゼロ「世界は変わる!!!変えられる!!!!」バッ
カレン「かっこいいフレーズ……メモしておかないと……」カキカキ
V.V.「……いいのかい?」
シャルル「ふふふ……ふはははは……ぬぁっはっはっはっはっは!!!!」
V.V.「……」
シャルル「ルルーシュめ……やりおったわぁぁ!!!!」
V.V.「でも、まだまだだよね」
シャルル「ええ。側室がたったの4人では……ダメですね……」
V.V.「じゃあ、そろそろ僕も行くよ」
シャルル「兄さん……」
V.V.「大丈夫さ。ルルーシュが本当に王の器があるのなら、僕でも抱けるはずだよ」
シャルル「それほどまでにルルーシュのことを……」
V.V.「ルルーシュはシャルルに似ているからね。僕は好きだよ」
シャルル「……がんばってください」
V.V.「うんっ」テテテッ
シャルル(ルルーシュ……兄さんを……たのぉぉむ……)
ナナリー「ふぅ……これでよし」
スザク「ナ、ナリー……どうして……」
ナナリー「お兄様……次にあえるときは……世界が変わるときですね……」
スザク「ナナリー……僕の話を……」
ナナリー「……」
スザク「こんなの間違っている……」
ナナリー「スザクさん?」
スザク「ナナリー……」
ナナリー「邪魔しないでくださいね?」
スザク「……」
ナナリー「それでは」ウィィン
スザク「ははは……」
スザク「ハハハハハハハハハ!!!!!アハハハハハハハハ!!!!!!!」
スザク「アーッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!!」
カレン「ルルーシュ!ごはんできたわよー!」
ルルーシュ「わかった」
シャーリー「ルルー、新聞」
ルルーシュ「ありがとう」
アーニャ「歯磨きセット」
ルルーシュ「悪いな」
コーネリア「体温を測る。ズボンを脱げ」
ルルーシュ「どこで測る気ですか」
C.C.「お前の周りは女だらけだな」
ルルーシュ「そうか?黒の騎士団は男のほうが圧倒的に多いぞ?」
C.C.「そういうことじゃない」
ルルーシュ「今日の一面は……。たった一人の抗議デモ……。正義は我らにあり……。スザクも必死だな」
C.C.「世界が変わればこいつも大人しくなるさ」
ルルーシュ「そうだな。こんなスザクは見たくないな……」
ルルーシュ「ほう?」
ジェレミア「ギアスキャンセラーでございます」キュィィン
V.V.「ルルーシュのギアスが実質何回もかけられるようになったよ」
ルルーシュ「なるほど。それは使えるな。ありがとう、V.V.」ナデナデ
V.V.「……♪」
ルルーシュ「よし、そろそろ行くか」
ゼロ「―――イカルガの進捗状況は!!」
シャーリー「えっと、いい感じです!!」
ゼロ「中華連邦との会合日程は!!」
カレン「天子様はお昼寝するそうなんで午前中か17時から19時までの間でお願いしたいと言ってます!!日にちについてはいつでもいいらしいです!!」
ゼロ「わかった。では、各員持ち場につけ!!!」
「「はいっ!」」
ルルーシュ(ナナリー、待っていろ。二人が、いや、みんなが笑っていられる優しい世界を必ず作ろう!!そのために俺は進み続ける!!!)
END
スザクェ…
V.V.が普通に愛されていたwww
Entry ⇒ 2012.10.19 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ルルーシュ「こんな事をしているのは知られたくないからな……」
ルルーシュ「蓬莱島に来て数日、中華との交渉も必要な分は全て済んだ」
ルルーシュ「合衆国日本の内政については、神楽耶に指示も出し、滞りなく進んでいる」
ルルーシュ「物資の調達や在庫管理は扇や藤堂に任せてある……問題はない」
ルルーシュ「そしてC.C.とカレンはそれぞれ偵察任務についている……久しぶりに一人だけの、自由な時間だ」
ルルーシュ「一人ではできない事も多いが、逆に一人でなければできない事だってある」
ルルーシュ「あいつらが帰って来ないうちに済ませなければな……よし、決行するなら今だな」
ルルーシュ「俺自身の脈拍、心拍とも正常値……健康状態にも問題はない」
ルルーシュ「メンタルも非常に落ち着いている……先ほどハーブティーを飲んだのは正解だったな」
ルルーシュ「室内には俺一人。現在、誰かが尋ねてくる様子もなし」
ルルーシュ「姿見には汚れ一つない。角度のズレも一切ない……条件は全てクリアされた」
ルルーシュ「では改めて! ゼロとしてのポージングの練習を開始するッ!!」ビシィッ!
ルルーシュ「まぁこの程度は慣れたものか……では次、こうッ!!」バサァッ!
ルルーシュ「……今一つキレというか勢いが足りない……ではもっと大きく動きをつけてみるか」
ルルーシュ「ぃよぉっ!!」シュババッ!
ルルーシュ「ふははははは! いいぞ、やれるじゃないか!」ウットリ
ルルーシュ「だがこの程度は序の口だ……1年の時を経て新生した、より威厳あるゼロのポーズを世に見せつけてやる!!」
ルルーシュ「……これはダメだな、雄々しさというか、壮麗さが感じられん」
ルルーシュ「では次っ! そぉれっ!!」ビシィッ!
ルルーシュ「……うむ、次にブリッジで主砲の指示を出すときはこれでいってみるか」
ルルーシュ「ならこれはどうだ! はあぁぁぁっ!!」シュビビィッ!
ルルーシュ「ふはははははは! いいぞ、いいじゃないか! これほどの素晴らしいポーズならブリタニアも畏怖する事間違いなしだ!」
ルルーシュ「クククク、なんだか楽しくなってきたぞ……いいだろう、ならば極限を追求してくれる!!」ニヤァ
ルルーシュ「あはははは、素晴らしい! 自身の才能ながら怖くなりそうだ!」
ルルーシュ「ならば次はもっと派手に! 美麗に! 大胆に! 大きなアクションを加えてみるか!」
ルルーシュ「ぃよおぉぉぉっ!!」クルクルクルゥー…
ルルーシュ「ここで……そぉれぇっ!!」ビシィッ!!
プシューッ
C.C.「帰ったぞ……って」
カレン「何、やってんの……ルルーシュ」
ルルーシュ「!?」ビクゥッ!
C.C.「実にスローな振り向きだな、動きに合わせてギギギィ~と錆びた音が聞こえてきそうだぞ」
カレン「えーっと……その、ね……」
ルルーシュ「み……見た、のか……?」オソルオソル
C.C.「ああ、この曇りのない澄んだ眼で拝ませてもらったとも。お前が姿見に向かって恥ずかしいポーズをきめているところをな」
カレン「正直、見なきゃよかったと思ってるわ」
ルルーシュ「」
ルルーシュ(ましてC.C.はこの事をネタにからかってくるに決まっている! こいつの性格はよくわかっている!)
ルルーシュ(最悪この事をバラしかねない……そんな事がディートハルトあたりに知れてみろ、たちまち艦内全域で笑い話にされる!)
ルルーシュ(ならば頼みの綱はカレンしかいない! カレンのゼロへの信頼は絶対だ、ゼロの秘密をバラす事はないはず!)
ルルーシュ「カレン、君ならわかってくれるだr
カレン「ルルーシュ。お願いだからこれ以上あたしを幻滅させないでほしいんだけど」
ルルーシュ「がっ……!?」
ルルーシュ「ま、待ってくれカレン! 俺の話を聞いて―――」
カレン「そりゃ正体知らなかったときは、ゼロの一挙手一投足見てかっこいいと思ってたけど」
カレン「正体がルルーシュだってわかっちゃったら、ルルーシュがあのポーズ決めてるって思うと……」
C.C.「思うと? なんなんだ?」
カレン「……あまり言いたくないけど、正直痛い」
ルルーシュ「」
C.C.「一人で鏡の前に立って、ビシッ! シュバァッ!って……く、くくくっ」
カレン「そんな事言うけど、あんただって影武者であのポーズやってるんでしょ? 充分痛いわよ」
C.C.「私をそこの坊やと一緒にするなよ。本音をいうと、あんないかにも『俺カッコいい』なポーズやりたくないんだ」
カレン「まぁ普通そうよね……ノリでやってるならともかく、練習までしてるとは思わなかったわ」
ルルーシュ「……黙れ……」ワナワナ
C.C.・カレン「ん?」
ルルーシュ「黙れ貴様らぁぁぁぁっ!! 練習して何が悪いぃっ!!」
ルルーシュ「五月蠅いッ! ……こんな真似するのも、元はといえば君が原因だぞ、カレン!」ギンッ!
カレン「はぁっ!? 何よ、いきなり人のせいにして!!」
ルルーシュ「そうだろうが! あのとき新宿で、俺に言った事を自分で忘れたのか君はぁ!」
カレン「言った事……って確か」
ルルーシュ「言ったよな、俺に! 『最後の最後まで騙せ、今度こそ完璧にゼロを演じきってみせろ』とっ!」
カレン「そりゃまぁ、言ったけど」
ルルーシュ「だからこそゼロとしての完成度を高めるべく研鑽を積んでいたんだ! 文句はあるかぁっ!」
カレン「」
C.C.「やれやれ。子供丸出しだな」
ルルーシュ「そして1年の不在を経てなお健在という事もアピールせねばならない! だから努力を怠るわけにはいかんのだ!」
カレン「だからってあんた、ポーズ先行でやるのもどうなのよ?」
ルルーシュ「まだいうか……えぇい、ならば君が憧れたゼロの仮面を被る! これなら幻滅も何もないだろう!」カポッ
カレン「直前まで素顔見てたわけだし、今更被っても……」
C.C.「恥を隠すどころか上塗りしてるぞ、ルルーシュ」
ルルーシュ「くっ……なぜだ、なぜこんな事に……」スポッ
ルルーシュ「ダメだ。同じものの繰り返しではやがて飽きが来る、新作の開発は急務だ」
ルルーシュ「これから数多くの奇跡を起こす事になるんだ、その都度ポーズが同じというのは絶対に避けるべきだ!」
C.C.「言い換えれば奇跡の数だけ恥をかくわけか」
ルルーシュ「俺は今までのポーズを恥と思った事はない!!」キッ!
カレン「ルルーシュ……あんた頭いいけど、馬鹿なの?」
カレン「あたしも正体知る前はともかく、今はちょっと……ねぇ?」
ルルーシュ「違うな、間違っているぞ。少なくとも子供や大きいお友達には大人気のはずだ」
カレン「あたしも去年学園の帰り道に見た覚えはあるけど……まぁ、子供がやる分には微笑ましかったわね」
C.C.「だが年齢重ねればああいうのやるのは恥でしかなくなるぞ」
ルルーシュ「ならば俺は何なんだ!! 決めポーズの数々を恥とも思わなかった俺は!!」
C.C.「ある種の病気だろ。それか素顔隠してるからできる事だ」
カレン「あのさぁ、さっきあたし達が入ってきたときの反応が全てを物語ってない?」
ルルーシュ「なっ……ぐっ、おのれぇっ……!!」
カレン「だったら扇さん達にも聞いてくればいいわけ?」
ルルーシュ「っ……」
C.C.「いい方法があるじゃないか。お前明日から数日間、エリア11に戻るんだろ?」
C.C.「アッシュフォード学園の生徒達にそれとなく確認してみればいいんじゃないか?」
ルルーシュ「だが学園ではスザクの目がある。大っぴらには聞けないだろう」
C.C.「だからそれとなくといったろ。ゼロの話題だって出るはずだ、そこに聞き耳立てればいい」
ルルーシュ「……よし、やってみるか……C.C.、留守の間は任せるぞ」
カレン「アッシュフォード学園、か……」
ルルーシュ「……やはり、懐かしいか?」
カレン「そりゃ懐かしいけど、今どのツラ下げて戻れるっていうのよ……」
ルルーシュ「……そうか」
ルルーシュ(結局教室では対してゼロの話題が出なかったな。情報規制の影響か)
リヴァル「ちょいちょい、ルルーシュ! ちょっとこれ見てみろよ!」
ルルーシュ「ん?」
ゼロ『ゼロが命じる……』ウデクロスッ
ゼロ『黒の騎士団は全員、行政特区日本に! 参加せよッ!!』ビシィッ!!
ルルーシュ(あのときの映像か。このシーンが記録されているとは思わなかったな)
ルルーシュ(我ながらあのポーズは会心の出来だった。カレンの叱咤と生徒会のみんなの想いがあったからの完成度だ) シンミリ
リヴァル「ゼロってさー、一体いくつぐらいなんだろなー?」
ルルーシュ「は?」
リヴァル「いやさ、正直俺らくらいの年であんな事してたら痛くね?」ハフー
ルルーシュ「!?」
ルルーシュ「は、はは……そうだな……」
スザク「……」
ミレイ「ねぇねぇ、何見てんの?」
リヴァル「会長も見ます? ゼロの派手なポーズの数々」ホレホレ
ミレイ「うーわ、何度見ても派手通り越してちょっとひくわー」
シャーリー「こんなポーズ決めたがる人、友達にいてほしくありませんよねー」
ルルーシュ「……だよな、俺もそう、思う……」ヒヤアセ
ルルーシュ(そんなっ……これが世間の目だというのか!? 俺の、ゼロのポーズは恥ずかしいというのか!?)
ルルーシュ「何?」
スザク「だってルルーシュって、子供の時変身ヒーローのもの真似したりして……」
シャーリー「えっ、ルルってそんな趣味持ってたの!?」
ルルーシュ(スザクめ……俺がボロを出すよう仕向けているなっ!!)
ルルーシュ(俺はシャルルのギアスで記憶を変えられた設定だ、ここでイエスと答えては記憶が戻ってる事の証明になる!! だが……)
ルルーシュ「いやだなスザク、そんな事話した事あったっけ?」
スザク「え? いや……」
ルルーシュ「仮にそうだとしても、子供の時の話だし……それに俺だって高校生だ。恥という概念ぐらいあるさ」
リヴァル「そーだよなぁ、さっすがにいい歳こいてやんねーって」
スザク「あー、そう? そうか……」
ルルーシュ「そうそう、まったく……ははは」
ルルーシュ(くぅ……おのれ、おのれ貴様等ぁぁぁっ!!)
ミレイ「シャーリーはルルーシュがやる事ならなーんでも歓迎なんでしょー?」
シャーリー「そっ、そんな事いってませんけどぉ……」
ルルーシュ「勘弁してくれよシャーリー。そんな事期待されても困るって」ハフー
スザク「……だったら僕がみんなに、素晴らしい決めポーズを教えてあげるよ」
リヴァル「え? なになに、スザクってそーいうの好きなんだ?」
スザク「好きとか嫌いじゃなく、騎士として当然の振る舞いだよ」
スザク「いいかい? 右手をこう水平に構えて、背筋伸ばすのと同時に足閉じて……」
スザク「ではみんなで一緒に、イエス! ユアマジェスティ!!」ビシィッ!
一同「「「」」」
ロロ「イエス! マイブラザー!」ビシィッ
ルルーシュ「あー……ハイハイ」
ルルーシュ「……」ナミダメ
C.C.「どうだった? 世間様の目とやらは」
ルルーシュ「黙れ……うぅっ」グスッ
カレン「その様子じゃ散々だったみたいね……」
ルルーシュ「なぜだ、なぜみんなあのかっこよさがわからない……」グスッ
C.C.「それが一般の認識というものだ。わかったらあんなポーズの開発なんてやめとけ」
カレン「そうよ、ゼロは仮面とマント姿で佇んでるだけでもちゃんと存在感あるんだし……」
ルルーシュ「俺が……間違っているというのか……」
C.C.「直球でいえば、そうなるな」
ルルーシュ「違う……間違っているぞ!!」ユラリ
カレン「……はい?」
C.C.「壮麗かどうかはともかく、まぁそうだな」
ルルーシュ「やはりお前達もわかっているんじゃないか……そう、間違っているのは俺じゃない!! 世界のほうだ!!」
カレン「なんか、やな予感……」タジッ
C.C.「まぁまたバカな事始めるんだろうさ……やれやれ」
ルルーシュ「世界は変わる、変えられる―――」
ルルーシュ「そう、俺はゼロ!! 世界の常識すらも破壊し、創造する男だ!!」 ビシィッ!
ルルーシュ「フフフ……フフフハハハ……!! フハハハハハハハハハハハ!!」
ゼロ「諸君。今日こうして集まってもらったのは他でもない……」
ディートハルト「また新たな作戦ですか? 情報操作でしたらお任せを」
ゼロ「頼らせてもらうとは思うが、まずは話を聞け。……諸君、先日の特区日本の件は覚えているな」
扇「あ、ああ。もちろんだ」
玉城「そりゃゼロの服着るなんて普通ねぇもんよぉ、張り切っちゃったぜ俺!」
神楽耶「まるで身も心もゼロ様になりきったかのようでしたわ♪」
ゼロ「そうか……だが諸君。君達は服を着ただけで私に……ゼロになったつもりでいるのか?」
藤堂「ゼロ、どういう事だ?」
ゼロ「諸君はあのとき、ただ服を着ただけだ! 心からゼロを演じたとは言えない!!」シュビッ!
ラクシャータ「全っ然意味がわからないんだけどぉ?」
ゼロ「わからないという事は、諸君が普段私をちゃんと観察していないという事だ」
ゼロ「この私、ゼロを語るにあたって、この装束以外の特徴がわからないか?」
朝比奈「そりゃ……起こした奇跡? でも特徴じゃないよねぇ」
ゼロ「惜しいと言っておこう。私が言っているのは、諸君らでも再現可能な特徴だ」
扇「と言われても、なぁ……」
C.C.「おい、もう面倒だから言ってしまったほうが早いぞ」
ゼロ「そうだな……では諸君、私のポージングを再現してみろ、今この場で!!」バッ!
一同「「「!!??」」」
南「再現!?って……」
朝比奈「ゼロ、いきなり何を言い出すんだ!?」
ディートハルト「お言葉ですがゼロ、あのポーズはあなたがやってこそのものです! それにあれは、あの場限りの策だったのでは……」
ゼロ「違うな、間違っているぞ。今後またああいった策を使う機会もあるかもしれない」
ゼロ「それにゼロはあくまで記号の存在。私もいわばゼロを演じている一人に過ぎんのだ」
ゼロ「その一役者の私が不測の事態で倒れる事があったら、代わりに演じる者が必要となる」
ゼロ「代役を務めるものとて、ゼロを演じるなら完璧でなくてはならん。知略もそうだが、まずは入り易い外見からだ」
ゼロ「ゼロの外見はこの装束だけで構成されるものではない、事あるごとにとるこのポーズもセットでゼロの姿なのだ!!」
ゼロ「そして諸君は特区日本の作戦で外見だけとはいえ私を演じた、だがやるならやはり完璧だ!!」
ゼロ「よって!! 諸君には全員!! 私のポージングをマスターしてもらう!!」
一同「」
ゼロ「ほぅ? 何故だ、千葉よ」
C.C.「正直に言ってやれ。こいつだって言われる覚悟はあるさ」
ゼロ「そうだ。言っていいのは、言われる覚悟のある奴だけだ!」
千葉「な、ならば……(ゴクリ)ゼロ、悪いが正直言って恥ずかしい!!」
扇「す、すまないゼロ……俺も正直恥ずかしいんだ」
朝比奈「僕もこの歳になってあのポーズはちょっと……」
ゼロ「恥ずかしい? ……恥ずかしいとは情けないな」
千葉「なっ、なんだと!?」
ゼロ「我々は二度ブリタニアに敗れ、それでもこうして立っている身だ。今更恥や外聞を気にする必要があるのか?」
藤堂「……ふむ」
ゼロ「それにあたって私は自身の恥や外聞は切り捨てた。そんなもの抱えていては、今こうしてここに立っていない」
藤堂「……なるほどな。言いたい事は察した」
朝比奈「でも藤堂さん! あんな特撮ヒーローみたいなポーズ、いい大人になって―――」
ゼロ「では朝比奈よ、いい大人でありながらああいったポーズをとる私はおかしいのかな?」
朝比奈「う……」
ゼロ「考えてみろ。ゼロを演じきる者が増える事はすなわち、このゼロという記号の存在の秘匿性を高める事にもなる」
千葉「つまり、かつてのように処刑を騙られて姿を消すということも防げるという事……」
ゼロ「察していただけたなら幸いだ。ならわかった者から順次やってもらおうか」
玉城「おうよ!!(シュビッ)こうか? こうだろゼロぉ!」
ゼロ「腰の入りが甘いぞ。鍛錬が足りん」
玉城「ちぇ~っ」
藤堂「我々の認識はゼロは彼個人だが、世間に対してはそれを特定させない……単純ながら重要な事だな」
ゼロ「そういう事だ。私一人でなく、全員でゼロという存在を完全にしなくてはならない」
南「でもゼロ、やっぱり恥ずかしさはあると思うぞ」
扇「ああ、俺達もう30近いんだし……」
ゼロ「恥は捨てろといったのにまだ言うか……ならば一つ、真理を説いてやろう」
千葉「真理? 一体なんだ?」
ゼロ「古来より日本に伝わる言葉ゆえ、知ってる者も多いはず……今の諸君にはうってつけだ」
ディートハルト「ゼロ、その言葉とは!?」ワクワク
ゼロ「その真理とは……『赤信号、みんなで渡れば怖くない』ッ!!」
一同「」
カレン「(要は一人じゃ恥ずかしいからみんな巻き込もうって事じゃないのぉっ!!)」ヒソヒソ
C.C.「(やれやれ、どこまでも困った坊やだ)」ヒソヒソ
ゼロ「だが全てを覚えてもらわねばならない。それが完全に演じるという事だ」
扇「で、でも……」
神楽耶「まぁ練習すればできなくもないかもしれませんが……」
ゼロ「ほぅ? さすが神楽耶様はわかってらっしゃる」
神楽耶「ですが私は妻としてお傍に控えているべきで、演じる必要はないのでは?」
ゼロ「ダメです、例外は認めません」
藤堂「……ゼロよ、それは我ら黒の騎士団のみが対象か?」
ゼロ「違うな。あのときゼロを演じたのは百万人の日本人。それら全てが対象だ」
朝比奈「子供やお年寄りまでいるのに、全員に徹底させるなんて無理なんじゃ……」
ディートハルト「ですがその無理を現実にすれば、また新たな奇跡となります」
藤堂「ふむ……」
ゼロ「それを話し合うためにこうして集まってもらったのです」
千葉「つまり、ノープランなのか?」
ゼロ「当初は黒の騎士団総員で先にマスターし、そこから徐々に広めていくつもりだったのだがな……」
藤堂「……温いな」
ゼロ「何っ!?」ガタッ
朝比奈「藤堂さん、まさか!?」
藤堂「ゼロ、ここは私に任せてもらえるか?」
ゼロ「やれるのか、藤堂!?」
藤堂「フ……かつて奇跡と呼ばれた以上、私も結果を出さねばな……」
藤堂「落ち着けゼロよ。……玉城!」
玉城「お!? おぅ、なんだよ旦那?」
藤堂「お前の抱える問題とは覚えられない事、そう言ったな?」
玉城「おぅよ、しゃーねぇじゃんよ、頭悪ぃんだからよぉ!」
藤堂「千葉! 朝比奈! 扇!」
3人「「「は、はいっ!!」」」
藤堂「お前達はひた恥ずかしい、これが最大の問題なのだな?」
千葉「え、あ……はい///」
朝比奈「藤堂さんの言動なら、いくらでも真似れるんですけど……」
扇「俺や南も、年齢的な事もあるし……」
藤堂「つまり年齢や性別に縛られず、体に直接覚えさせる事が出来なお且つ恥ずかしくない……そういった習得方法を編み出せばよいのだな?」
ゼロ「まさか藤堂、お前!!」
藤堂「私に策が浮かんだ。その全てを解消する策がな」
ゼロ「よし……ならばまずは私と藤堂、それに―――」
藤堂「千葉、朝比奈、それにディートハルト。お前達にも協力してもらう」
千葉・朝比奈「「藤堂さんのご命とあれば!!」」
ディートハルト「私をご指名という事は、メディアを使うのですか?」
藤堂「ああ。日本人に馴染み易いやり方を採る」
神楽耶「私にできる事はございますか?」
藤堂「いえ、ここはまず見ていて頂きたい」
神楽耶「そうですか~、残念……」
C.C.「ひとまず私達は外されて安心ってところか」
カレン「油断しない方がいいんじゃない? ……あいつと藤堂さんだし」
カレン「……く~……」zzz
カレン「ん……うぅ……るるーしゅの、ばかぁ……」スヤスヤ
ゼロ『諸君ッ!! おはようっ!!』キィー…ン!(※大音量で全艦放送)
カレン「ふわゎぁっ!?」ビクッ!!
ゼロ『起きた者は順次自室のテレビを点けろ! 先日の成果を見せてやる!』
カレン「テレビって、一体何なのよもう……」
カレン「ん……っと」ポチッ
カレン「って何これ、千葉さんと朝比奈さん?」
千葉『み、みんな~、おはよぉ~っ!!///』テェフリフリ
朝比奈『今日から始まる、朝のゼロ体操の時間だよぉ~っ!!』ヒキツリ
カレン「はい?……ゼロ体操って、何??」キョトン
千葉『じゃあみんな、お姉さんとお兄さんの動きに合わせて、いっしょにやってみよぉ~っ!!』
朝比奈『準備はいいかな? それじゃ、いっくぞぉ~っ!!』
チャーンチャラチャッチャッチャチャ チャーンチャラチャッチャッチャチャ チャラチャチャチャラチャチャタララララン♪
朝比奈『腕を大きく広げて、背伸びの運動ぉ~っ!』
千葉『さん、はい♪』
ターン ターン チャーンチャン ターン ターン ターン…♪
カレン「」
千葉『はい、これでゼロ体操第一はおしまいっ!』
朝比奈『第二もあるんだけど、それはまた次の機会にねっ!』
千葉『みんな、この体操で毎朝トレーニングしながらかっこよさを磨いてね♪』
朝比奈『続ければきっと君も、とうd……ゼロのようになれるはずさ!』
千葉『それじゃあ今日はここまで!』
千葉・朝比奈『それじゃあ、またね~!』
ナレーション『この番組は、合衆国日本国営放送がお送りしました―――』
ポチッ
カレン「……何これ」
ゼロ「ご苦労だった、二人とも」
藤堂「よく頑張ってくれたな、ほれタオル」
朝比奈「い、いえ……藤堂さんのためなら、これくらい何でもないです!」
千葉「ちょっと恥ずかしかったけど、まぁ……一応、アリかな~と……」アセフキフキ
カレン「あ、あの~、ゼロ……?」テッテッテッ
ゼロ「カレンか。派手に寝癖が立ってるが……何だ?」
カレン「ふぇっ? あーいや寝癖はともかく! あの、さっきのアレ……何ですか?」
ゼロ「見ての通り。朝のゼロ体操第一だ」
カレン「いやゼロ体操って何!?」
カレン「あー……はい、お願いします」
藤堂「先日の会議でのオーダーは覚えているな?」
カレン「えっと、年齢や性別関係なしで、体で直接覚える形でなお且つ恥ずかしくない、でしたっけ?」
ゼロ「その通り。ちゃんと覚えていたか、やはり優秀だなカレン」
カレン「え、えへへ……じゃなく、何でそれが体操に?」
藤堂「体で覚えるならば不自然ではなく自然な形で入る事が必要だ。よくよく見ると派手なポーズが自然な形で織り込まれている、私はそれでラジオ体操を思い出した」
ゼロ「そうだ。カレン、君も日本人ならば小学生時代に経験したはずだろう」
カレン「そりゃありますけど」
藤堂「ラジオ体操の様なものなら毎日繰り返す事によって自然と動作を覚える。これにゼロのポージングを上手く織り込むと、知らず知らずのうちに体が覚える事になる」
藤堂「年齢層も性別も関係ない。そして気軽に出来る。それにどうだ、みんなやる事だし恥ずかしくもないだろう?」
ディートハルト「なるほど、この機転こそが奇跡の藤堂と呼ばれる所以……!!」
藤堂「ふ、よしてくれ。大した事はしていない」
藤堂「ああ。加えて体操という以上、健康増進効果も考慮してプログラムを組んでいる。平均寿命が延びて日本の行く末も安泰だ」
ディートハルト「ゼロと藤堂鏡志朗、奇跡の体現者が二人手を組めばこれほどの事が……!」
ゼロ「藤堂、お前という漢がいて本当によかった!」
藤堂「お前に二度も拾われた命だ、出来る限りを尽くすのは当然だ」
ゼロ「藤堂……!!」
藤堂「ゼロ……!!」
ガシィッ!!(握手)
カレン(どうしよう……ものすごくツッこみたいんだけどツッこめる空気じゃない!)
千葉「早寝早起きすればいいだけだ、私は問題ない」
朝比奈「藤堂さんのご命令とあれば、不眠不休でも!!」
藤堂「いかんぞ昇悟、少しでも睡眠はとっておけ」
カレン「ってこれ生放送だったの!?」
ゼロ「よし! 放送スケジュールも固まった、あとはやるだけだ!」
ディートハルト「相変わらず素晴らしきカオスです、今後もバッチリ撮らせて頂きますよゼロ!!」
ゼロ「この流れなら国民総ゼロ化も遠くないな!! フフフハハハハハハハハ……!!」
ゼロ「ディートハルトよ。国民の様子はどうだ?」
ディートハルト「国民の半数近くは毎朝のゼロ体操を実行しているようです。老年層からは、この体操で節々の痛みが消えたのもゼロの奇跡とあがめているとか」
ゼロ「待て、半数近く? 全員ではないのか」
神楽耶「それについては私が説明しますわ」
神楽耶「……かつてのラジオ体操同様、中高年層、及び幼年層は欠かさず行っているようです」
ゼロ「すると……残りの半数とは!?」ガタッ
神楽耶「お察しの通り、問題は若年層ですわ」
ディートハルト「街頭でアンケートをとった結果、『朝に体操なんてかったるくてやってられない』という意見が多いですね」
神楽耶「加えてポージングに抵抗感を持ってらっしゃる方も多い用で……あ、私は毎朝やってますわよ?」
ゼロ「若年層……学生連中か! おのれぇぇぇぇっ!!」
神楽耶「奇跡に近付く努力、お嫌いなのでしょうか……」シュン
朝比奈「どうすんの? もうちょっと引き込む要素増やす?」
ディートハルト「ふむ。美形成分を足すなら、特務隊の杉山さんに手伝ってもらいましょうか?」
朝比奈「ほら、千葉ももうちょいこう、色気ある格好でやってみるとかさ?」
千葉「絶対嫌だ! このタンクトップ姿だって結構いっぱいいっぱいなんだ!」プンスカ
神楽耶「私もお姉さん役やりましょうか?」
ゼロ「神楽耶様にそこまで無理をさせるわけには参りません……しかし、若年層を取り込むにはどうする……」ブツブツ
朝比奈「それもありかもね」
千葉「だが相当激しい運動になるぞ、大丈夫か?」
ディートハルト「少なくとも千葉さんの踊る姿は男子の目を釘付けにするかと」
ゼロ「下劣な話はやめておけ。……だがそれでは一部の層を蔑ろにする事になる……何か策は……」
朝比奈「ゼロって軍略や政略は得意なのに、こういう事は弱いんだねぇ」
ゼロ「黙っていろ! えぇい、何かないか……」ブツブツ
藤堂「フ……」
ゼロ「む、どうした藤堂?」
藤堂「案ずるなゼロよ。この体操を生み出すときも、『まずは』と言ったろう?」
千葉「藤堂さん、まさか!?」
藤堂「この程度は想定済みよ。今回の策は二段構えだ!」ニィッ!
藤堂「落ち着け。今度の策は、ここに集うメンバー以外にも援けを求めねばならん」
ディートハルト「さらに増員を? 一体何を……」
藤堂「ちゃんと説明する。ただ言うなれば、今度は体操とはベクトルが異なる」
千葉「え? っていうことは……」
朝比奈「僕らのゼロ体操はもう、御役御免ですか……?」
藤堂「安心しろ、ゼロ体操は続けてもらう。既存市場を手放すわけにはいかん……神楽耶様」
神楽耶「はい?」
藤堂「神楽耶様にもご協力願いたいのですが、よろしいですかな?」キリッ
神楽耶「私の出番ですか? 喜んでご協力致しますわ♪」ニパッ!
ゼロ「藤堂……一体何をたくらんでいる……?」
藤堂「フフ……実はな」ゴニョゴニョゴニョ
ゼロ「! フ、フフフハハハハ!! それならいける、いけるぞぉっ!!」
ゼロ「諸君! 集まってもらったのは他でもない、先日結実した国民総ゼロ化計画、それがさらなく飛躍の時を向かえた!」シュバッ!
カレン「飛躍って、また何かやるんだ……」
C.C.「また下らない事なら御免だぞ、ゼロ」
ゼロ「話は最後まで聞け。……ところで、ちゃんと毎朝ゼロ体操はしてるだろうな?」
玉城「ったりめぇよ親友! おかげで毎日すこぶる快調だぜぇ!」
南「神楽耶様がやってるっていうから、俺も毎日やってるよ」
扇「やってると慣れてくるもんだな、最近俺カッコいいかもって思えてきたよ」
ゼロ「結構。では女子勢はどうかな?」
カレン「ま、まぁ……やってます、一応……///」
C.C.「真面目だなお前。私はやらん、ピザ10枚積まれても御免だ」プイッ
ゼロ「C.C.貴様ぁぁぁぁぁっ!!」プンスカ
ゼロ「藤堂……そうだな、あの計画なら間違いなくいけるはずだ」フーッ、フーッ
C.C.「ずいぶん自信ありげだな。まぁ聞いてやるから話してみろ」
ゼロ「いいだろう……後悔するなよ?」ユラリ
カレン「(ちょっとC.C.!! 挑発して大丈夫なわけ!?)」ヒソヒソ
C.C.「(あの阿呆共の考えなどたかが知れてるさ。大方エアロビとか女子増強、露出アップとかその辺だろう?)」ヒソヒソ
神楽耶「ふふふ~、きっとC.C.さんやカレンさんにもお楽しみいただけると思いますわ♪」
藤堂「さぁゼロよ、我らのプレゼンの時間だ!!」ニヤリ
ゼロ「よぉし……ではとくと聞くがいい!!」バサァッ!
カレン「あ、はい……年齢や性別関係なしで、体で直接覚える形でなお且つ恥ずかしくない、でしたよね?」
藤堂「見事な回答だ、紅月」
ゼロ「その答えの一つが体操だったわけだが、残念ながら朝の体操では若年層の心を掴むに至らなかった」
南「じゃあ今度は若年層も取り込むってわけか!?」
ゼロ「その通り……若年層をメインターゲットとしつつ、その実全ての年齢層に訴えかけるもう一つの策!!」ゴゴゴゴゴ
C.C.「本当にあるのか、そんなもの」
藤堂「愚問だな、日本人なら惹かれる事請け合いの策だ!!」ニィッ!
扇「そ、その策とは!?」
ゼロ「心して聞けッ!! 新たに全年齢に訴求する策、それはッ!!」ブワサッ!
ゼロ・藤堂「「アイドルだっ!!!!」」
一同「「「「……はい!?」」」」
ゼロ「日本人は皆すべからくアイドル―――偶像というものが大好きだ。藤堂の言によりこれはハッキリしている」
藤堂「そう、アイドルというものは人の心を熱狂させる。私もかつてどれほどのアイドルを追っかけたかわからんほどだ」
ゼロ「そして昨今のアイドルはただ歌うだけではない、歌って踊れるのが主流だ」
藤堂「そのダンスの中にゼロのポージングを織り込めば、さぁどうなると思う!」
南「そうか……そのアイドルが魅力的であればあるほど注目し、自然と目は向かう!」ガタッ
扇「見ているうちに振りを覚え、いつしか自分でもやりたいと思うほどになる!」ガタッ
玉城「んで覚えた振りは実はゼロのポーズってわけか! さすがだぜゼロぉ!」ガタッ
ゼロ「そう、近年ではカラオケで振り付きで歌う輩も数多い。中には女性アイドルの曲を振り付きで歌う男性もいるほどだ」
藤堂「つまりだ。我々から皆の目を引くアイドルをプロデュースし、ゼロのポーズを織り込んだダンスを踊りながら歌えば!!」
男達「「「国民総ゼロ化も間違いなし!!」」」
ディートハルト「どころか、PVを国内外に流す事によって世界規模で巻き込む事ができるかもしれませんよ?」
ゼロ「フハハハハハ、夢が広がるではないか!!」
こんなとこで何やってんですかギルフォードさん!
まだ仕事が残ってんですよ!戻ってください
ゼロ「そんな事はわかっている。すでに候補にも目星はつけている」
藤堂「ほう、そこまでは聞いてなかったが」
神楽耶「まずはゼロ様にその候補を発表していただきましょう?」
ゼロ「ああ、では発表する……カレン!!」ビシィッ!
カレン「え!?」
ゼロ「このゼロが命じる! 我ら黒の騎士団プロデュースのアイドルとなりたまえ!」ババッ!
カレン「ちょ、ちょっと! なんであたしなんですか! 千葉さんたちだっているのに……」
ゼロ「カレン。君に自覚があるかどうかは別にして、君の容姿は間違いなく黒の騎士団……いや、合衆国日本中でもトップクラスだ」
ゼロ「整った顔立ち、魅惑的なプロポーション、アイドルとして全く申し分ないと思うがな」
カレン「え? そ、そんな……って、そうじゃなくって! あたしはゼロの親衛隊隊長だし―――」
ゼロ「加えて! 私を助け出してくれた時などに見せた高い身体能力! 激しいダンスでも問題なかろう」
ゼロ「心配いらない、私が―――私達が全力で君をスターにしてみせる!! そうだろう、藤堂!!」バッ!
藤堂「フ……ゼロよ、目の着けどころがいいな」ニィッ
ゼロ「フッ、カレンのことはちゃんと見ているからな」
藤堂「だがまだ甘い!!」
ゼロ「!?」
藤堂「紅月を選ぶのは必然といえる。彼女ほどうってつけな人材もいないだろう」
カレン「ホントに、あたし決定なわけ……?」
藤堂「だが今日び、ピンのアイドルのダンスだけで世を席捲できると思うのか?」
ゼロ「まさか藤堂、お前の考えているのは!!」
藤堂「フ!! さすがに察したか……そう、ユニットだ!!」
藤堂「一人より二人、二人より三人!! そしてどうせなら違うタイプの女子で編成する事で更なる効果促進が見込める!!」
ゼロ「お……おおぉ……!! これが、これこそが!! 奇跡の藤堂!!」
藤堂「よせ。わずかばかり長く生きてるだけだ、なんでもない」フッ
ラクシャータ「あたしパ~ス。ダンスするよりこーやってソファにお気楽してる方が性に合ってるしぃ」
藤堂「案ずるなラクシャータ。お前はアイドルよりセクシー女優という方がイメージに合っている」
ラクシャータ「ほめられてんのかしらぁ? でも夜はこーんな寝たきりじゃないわよぉ♪」ペロォリ
ゼロ「藤堂、頼れるお姉さんポジションで千葉はどうだ?」
藤堂「千葉にはゼロ体操のお姉さん役がある。それに新人アイドルとしては年齢的に問題ありだ、浮いてしまう」
ゼロ「そうか……むぅ」
神楽耶「あらー! でしたら私とカレンさんとC.C.さんでいいんじゃないかしら?」
ゼロ「何っ!?」
神楽耶「ほら、ゼロ様を支える三人官女ですし♪」
藤堂「ほう? いつの間にか既にユニットが出来ていたのか」ニィ
C.C.「……ほう?」
C.C.「私は別に構わんぞ? これでも歌は自信アリでな」クスッ
藤堂「編成としてもバッチリだ。ハーフで活発な正統派美人の紅月、純日本人でちょっとわがままなロリ系の神楽耶様、国籍不明で意地悪エロスなお姉さんのC.C.!! 人数は押さえ目でもこれは売れる!!」
神楽耶「でしょー?」
カレン「……やっぱりもう、後戻り効かない感じ?」
ゼロ「確かに売れるかもしれんが……えぇいC.C.! ちょっとこっち来い!」ズカズカ
C.C.「強引だなぁ、キスの一つもしてくれるのかな? ふふっ」
カレン(まーた二人だけで話しこむー……)ジトーッ
C.C.「(私だって女の子だ。アイドルというものに対する憧れくらいなくもないぞ?)」ヒソヒソ
ゼロ「(女の子って歳でもないくせに……って違う!)」ヒソヒソ
ゼロ「(さっき言ったろうが、PVは世界規模で流す予定なんだ! 皇帝や嚮団にバレるだろうがぁっ!)」ヒソヒソ
C.C.「(目はカラーコンタクトで誤魔化せばいい。髪は染めるなりヅラ被るなり、最悪ヘアスタイル変えるだけでも充分だ)」ヒソヒソ
ゼロ「(名前はどうする! アイドルの名前じゃないだろ、さっき言ったようにバレるし!)」ヒソヒソ
C.C.「(そんなもん偽名で充分通る。そうだなぁ、クリスティナ・シエラなんてどうだ? ふふっ)」ヒソヒソ
ゼロ「(くぅっ……仕方ない、珍しくやる気のようだし承諾してやる! ただし絶対バレるなよ!)」ヒソヒソ
C.C.「(安心しろ、私を誰だと思ってる? C.C.だぞ)」ヒソヒソ
ゼロ「(……もういい、向こうに戻るぞ。参加の方向で話を進める)」ヒソヒソ
C.C.「アイドルの時はクリスティナ・シエラと名乗らせてもらう。うっかりC.C.と呼んでくれるなよ」
神楽耶「確かにイニシャルはC.C.になりますわね……これが本名ですの?」
C.C.「さぁな? 秘密だよ、お嬢ちゃん」クスッ
カレン「C.C.が入るんじゃ負けるわけにいかないわね……いいわ、やってやるわよ!」
藤堂「私の構想では紅月と神楽耶様の2トップでいくつもりだったが、これは予想以上だな……フフフ、私の胸も熱くなってきたぞ」
ゼロ「藤堂、人数を補うべくバックダンサーを付けるのはどうだ?」
藤堂「ほう?……なるほど、奴らか」
ゼロ「察しが早くて助かる。そうだ、オペレーター3人娘をバックに付ける!」
藤堂「ふむ、バックで経験を積みいずれは世代交代というのもありかもしれんな」
ゼロ「そうだ、そしてメイン3人も追い越されまいとする結果競争心が生まれる! その行く先は更なる未来を生む!」
藤堂「そしてゆくゆくはソロデビューも考え得る……ゼロよ、完璧だな」
ゼロ「ああ! 藤堂、お前がいてくれた事に心から感謝する!!」
ガシィッ!!(握手)
ゼロ「どうした、カレン?」
カレン「ユニット名、どうするんですか?」
藤堂「そのまま三人官女でいいとも思うがな」
ゼロ「それに加えてバックのオペレーター3人か……むぅ」
ラクシャータ「せっかくだし公募したほうがいいんじゃなぁい?」
神楽耶「何かいいアイデアが出るかもしれませんしね♪」
C.C.「まぁ、たまにはそういうのもいいだろうさ」
ゼロ「よし! では>>140まででユニット名を公募する!」
ゼロ「そこまでにカッコいいものがあれば採用だ、なければそのまま三人官女! さぁ諸君、悩むがいい!!」
藤堂「何々……まずはオノイゼル、か。これはなんとなく避けた方がよさそうだな」
神楽耶「こっちはゼロ様ラブ♥LOVE親衛隊ですね……そのまんまですが、私はいいと思いますわ」
C.C.「冗談よしてくれ。次……000(オーズ)か。特撮みたいだな」
カレン「これは……ゼロの使い魔って、こんなタイトルなかったっけ?」
ラクシャータ「グラストンナイツだってぇ……さすがにマズイでしょぉ、これぇ」
ゼロ「最後の一つは……っ!? き、却下だ! こんなものぉっ!!」
C.C.(さすがに童貞坊やにはこたえたらしいな)
神楽耶「どうします?」
ゼロ「……当初の予定通り、三人官女が一番よさそうだな。投稿者達には申し訳ないが、これで決定だ」
藤堂「ならば三人官女withラブリー☆オペレーターズとかどうだ?」
カレン「藤堂さん、それだとバックの方が豪華になってます……」
ゼロ「三人官女のみで充分だろう。バックダンサーとはメインの引き立て役に過ぎない」
C.C.「なかなか酷い言い草じゃないか」
ゼロ「違うな、間違っているぞ。自分もその輪に加わりたいという想いが競争心を呼び覚まし、また新たなステップを踏めるのだ」
藤堂「ゼロ……わかっているじゃないか」
ゼロ「よし! ならばあとは曲とダンスの練習だ!」
藤堂「私は振り付け指導と衣装のデザインを行う。そのデザインを元に千葉が衣装を作ってくれるだろう」
ラクシャータ「舞台装置とかはまかせてくれちゃっていいわよぉ☆」
ゼロ「フフフハハハハ……いいぞ、順調だ! では、三人官女、始動っ!!」ブワサッ!
―――蓬莱島・特設会場―――
ゼロ「さすがだなディートハルト。この会場を埋め尽くすだけの観客を集めるとは」
ディートハルト「いえいえ、これもゼロのカリスマのなせる業です」
藤堂「彼女ら自身の努力もあるさ……お前達! 準備はいいかっ!」
3人「「「はいっ!!」」」
ラクシャータ「演出はさっきアンチョコ渡した通りだから、タイミングずれないよう気ぃつけてねぇ~」
藤堂「ゼロ、何か言ってやる事はあるか?」
ゼロ「そうだな……これまで長い間、この記念すべきデビューの日のためによく地獄の特訓に耐えてくれた」
ゼロ「歌もダンスも、これほどまでに短時間で完璧に仕上がるとは思っていなかった。君達の努力の賜物だ」
ゼロ「これ以上私から言う事も特にないだろう。君達の努力の結果を国民に見せ付けてやれ!!」
藤堂「よし、行って来い!」
ゼロ「!……そうだ、カレン」クルリ
カレン「え? あ、はい!」
ゼロ「立ち位置上では君がセンターだ。気張り過ぎる事はないが、二人を引っ張るつもりで存分に力を振るえ!」
カレン「……わかってます、リーダー張らせてもらいます!」
ゼロ「その意気だ……それと」
ゼロ「(その衣装、よく似合っている)」ボソッ
カレン「! ばっ……」
C.C.「おやおや、これはしくじれないなぁ?」
神楽耶「なんにせよ、折角だし楽しんでいきましょう?」
ゼロ「では改めて、行くぞぉっ!!」バサッ!
ゼロ「予告していた通り、これより! 我が黒の騎士団プロデュースによるアイドルユニット、三人官女のデビューコンサートを開催する!」
ゼロ「ではメインメンバーを紹介しよう! まずはセンターを勤める、黒の騎士団の切り込み隊長!」
ゼロ「見目麗しき姿だが、戦場では紅蓮を駆って血路を開く! 歌って踊れて戦うアイドル、紅の戦乙女・紅月カレン!!」バッ!
カレン「みんな今日はよろしくーーーっ!!」
ゼロ「続いてぇ! 我ら合衆国日本の代表でありながら、その歌声で心を照らす!」
ゼロ「体は小さくても器は大きい、ちょっとやんちゃな幼き女神、皇神楽耶ぁ!!」
神楽耶「楽しんでって下さいね~~♪」
ゼロ「そしてぇ! 私の傍らにコイツあり! 一体お前はどこから来たんだ!?」
ゼロ「風の吹くままピザ香るまま、今日は何をやらかすか!? 謎に満ちたミス・ピッツァ、クリスティナ・シエラァーッ!!」
C.C.「ピザの差し入れならいつでも歓迎だぞ?」
ゼロ「彼女ら3人が集まって、チーム三人官女だ!! ―――では聴いて頂こう!!」
ゼロ「彼女らのデビュー曲……colors!!」
――ワァーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!――
ミレイ「ねぇルルーシュ~、これ知ってる?」ホレッ
ルルーシュ「学校で何を見て……って、ああ。黒の騎士団の」
ミレイ「カレンったらいつの間にかアイドルなんてやってたみたいね~、頑張ってるようで安心したわ♪」
リヴァル「だめっすよ会長~、こいつこーいうの興味ない奴だから」
ルルーシュ「俺だって知った顔だしちゃんと見たよ。まぁ、元気そうで何よりだ」
ミレイ「ってかすっごいダンスよね~……そのくせこんなミニなのにちゃんと中は見えないギリギリ保ってるし」
リヴァル「結構可愛い衣装だよな~、どう思いますかね、センセーは?」
ルルーシュ「……馬子にも衣装だな」
シャーリー「も~、ルルったらすぐそういう事言う! ほんっとカレンには冷たいよねー」
ミレイ「あれ~、シャーリー知らない? ルルーシュがこういう事いうのはねぇ、ホントは褒めてるって事よ♪」
シャーリー「え!? や、やっぱりルルとカレンって……」
ルルーシュ「会長もそういう冗談はやめて下さいよ、全く」
リヴァル「ん~、俺としてはこのクリスって姐さん、いいな~……」
リヴァル「え゛!? い、いやそういうんじゃないっすよ会長ぉ~」
シャーリー「会長! このカレン達みたいな衣装って用意できますか!?」
ミレイ「え? あー、まぁ似たようなのはあるかもだけど」
シャーリー「ないなら私が作るから、私達もやりましょ、このダンス!」
ルルーシュ「……ほぅ?」
ミレイ「ちょ、シャーリーってばちょっとタンマ! どったのよいきなり……って、はっはぁ~♪」
ガラッ
ヴィレッタ「おいお前ら、騒がしいぞ! 生徒会としての自覚が欠けてるんじゃ……」
ミレイ「(ピコーン)うん、いいわね~! じゃヴィレッタ先生も一緒にやりましょっか♪」
シャーリー「ヴィレッタ先生! 私達と一緒にアイドルやりましょう! 歌って踊れるアイドル!!」
ヴィレッタ「はぁ!?」
ヴィレッタ「おい待て! 一体何が―――」
シャーリー「大丈夫です、悪いようにはしませんから!!」ガシッ
ヴィレッタ「え!? おいこら、何をするシャーリー!!」ジタバタ
プシューッ(LOCK)
リヴァル「ホントに、追い出されちまった……」
ルルーシュ「いつもながら強引だな、ホント……」
スザク「あれ? どうしたんだい二人とも」
ルルーシュ「スザク。いや実は―――」
ルルーシュ「ああ。カレン達のPV見て火がついたらしい」
リヴァル「クラスの奴らも食いいる様に見てたしな! もう国とか組織関係なく、アイドルとして認知されてる感じだぜ?」
ルルーシュ「そうだな。平和になったら、色眼鏡なしで受け入れてもらえるかもな」
スザク「ルルーシュ、君は―――」
ルルーシュ「……さっきから変だぞ、どうしたんだよスザク?」
スザク「……いや、なんでもない」
リヴァル「っつーかスザクはこのPV知らねーわけ?」
スザク「一応僕も見た。ナナリー総督が興味を持たれたからね」
ルルーシュ(ナナリーが!?)
スザク「総督の目が見えなくてよかったと思う。あんな派手で卑猥なダンス、教育上よろしくない! 即刻配信停止すべきだ!」
リヴァル「お前相変わらずかったいねぇ……」
ルルーシュ(スザク……やはり今のお前は俺の敵だぁっ!!)
ヴィレッタ「センターはやはり私だな。引率者がリーダーだろ、当然だよな?」
シャーリー「嫌です! センターは私がやるのぉ!」
ミレイ「さーてシャーリー、理由をどうぞぉ?」
シャーリー「私もカレンみたいに、ルルに『馬子にも衣装』って言われたい~!」
ヴィレッタ「シャーリーお前、その言葉意味わかっていってるのか!?」
ミレイ「やっぱりねー……まぁ私はクリスティナってお姉さんのポジかな~やっぱり」
シャーリー「じゃあヴィレッタ先生があの神楽耶って子のポジション! 決定!」
ヴィレッタ「ちょっと待て! なんで一番年上の私が幼女ポジなんだぁ! ちゃんと考えろお前らぁ!」
シャーリー「ダメです、もう決定! 私はルルに『馬子にも衣装』って言ってもらうのぉ!!」
―――以降、下校時間までドタバタ繰り返し―――
ロロ「あれ? 兄さん、生徒会は?」
ルルーシュ「今日はなしになったんだよ。さ、帰るぞ」
リヴァル「なぁルルーシュ、久々に賭けチェスいかねぇ?」
ルルーシュ「悪いが予定もあるんだ。それに、そこでコワ~イ軍人さんが目光らせてるぞ?」
スザク「リヴァル、やはり高校生が賭け事はよくない!」
リヴァル「うげ……た、退散~! また明日な、ルルーシュ~!」スタコラ
ルルーシュ「まったく……」
スザク「ルルーシュ。いくらアイドルデビューしても、今のカレンは犯罪者だ」
ルルーシュ「……そう、だな」
スザク「戦いもそうだし、あんなダンスの被害者を増やさないためにも、僕は彼女達を潰すよ」
ルルーシュ「お前、何言って―――」
スザク「そうさ、ラウンズ全員でアイドルデビューすれば、三人官女なんて敵じゃない!!」
ルルーシュ「……は?」
ルルーシュ「スザク、さすがにどうかしてると思うぞ。仕事しろと一喝されて終わりだろう」
スザク「だけど―――」
ルルーシュ「カレンにはカレンの、お前にはお前が進むべき道がある。それでいいじゃないか」
ルルーシュ「話はここまでだ。じゃ、また明日な」スタスタ
スザク(ルルーシュ……!)
ロロ「ねえ兄さん、僕もあのアイドルみたいなダンスすればいいの?」
ルルーシュ「いや、お前にはそういうのは求めてないよ」
ロロ「じゃあどんなことすれば兄さんは嬉しい?」
ルルーシュ「そうだな……適当な格好でひたすら匍匐前進でもしてればいいよ」
ロロ「」
ルルーシュ「冗談だよ、冗談」
プシューッ
カポッ
ルルーシュ「帰ったぞ」
C.C.「お帰り、坊や」
カレン「あんたがいない間こっちは大変だったわよぉ……」
ルルーシュ「藤堂から報告は聞いている。新曲も追加してのアンコールツアーやってたらしいな?」
カレン「そうそう、凄かったわよみんな、振りまで全部一緒にやってくれて」
C.C.「あの馬鹿な体操の成果もちゃ~んと出ていたらしいな。よかった、のか?」
ルルーシュ「全ては計算通り、予定に沿って進んだだけの事だ」ムフー
C.C.「予想通りの反応だな」
カレン「ったく、可愛くないわね~」
カレン「っ……し、知り合いに見られたと思うとすっごく恥ずかしいんだけど……」
C.C.「その知り合い達にもあの恥ずかしいポーズが伝承されていくわけか。やれやれ、とんだ罪人だよ私達は」
ルルーシュ「みんながやってるなら恥ずかしくもないさ。少なくともカレン、そうやってソファの上でミニスカートで胡坐かくよりはマシだ。……見えてるぞ」
カレン「ふぁっ!? み、見ないでよ変態!!」バッ!
C.C.「おやおや、衣装褒められたのが嬉しくてサービスしたんじゃないのか?」
カレン「ち、違うってば! もう!」
カレン「ルルーシュ……まさか、そのためにあたしをアイドルに……」
ルルーシュ「さぁな……まぁ、こんな戦いだっていいだろう?」
ルルーシュ「何にせよ、国民総ゼロ化計画はアイドル効果により見事第2段階を達成した! 次は第3段階、世界制覇を目指す!!」ビシィッ!
カレン「ってちょっと、趣旨変わって来てない!?」
C.C.「日本解放とブリタニア打倒はどこへいったんだろうなぁ?」
ルルーシュ「違うな! 間違っているぞ。全世界ゼロ化が成されれば、ブリタニアの完全包囲も可能だ。そうすれば日本解放も容易い事!」
ルルーシュ「全ては繋がっている。そしてこの戦いは血を流さない新たな戦いだ! アイドルと体操、そしてポージングが世界を変える!」
C.C.・カレン「」
ルルーシュ「そのために新たな戦略を練るとしよう! 加えて君達は歌と踊りを、俺はポージングをより高みへ昇華させる!」
ルルーシュ「さぁ二人とも姿見に正対しろ! 共に決意のポージングだ! ぃよぉっ!!」シュバァッ!
C.C.「いいかげんに―――」
カレン「しなさいっ!!」
ゴツンッ!!!!
おしまい。
いい奇跡だった
Entry ⇒ 2012.10.12 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ナナリー「お兄様、私を叱ってください!!ルルーシュ「ナナリー…」
ナナリー「はい。丁度、喉が渇いたなぁって思っていました」
ルルーシュ「それはよかった。用意しよう」
ナナリー「そんな。お兄様」
ルルーシュ「いいから、俺にやらせてくれ」
ナナリー「はい」
シャーリー「ルルってナナちゃんにだけは優しいよね」
ミレイ「妹に嫉妬は恥ずかしいわよ?」
シャーリー「そんなんじゃありません!」
リヴァル「仲のいい兄妹じゃないか」
カレン「そうね……羨ましい……お兄ちゃん……」
スザク「……」
シャーリー「えー?サボりー?」
ルルーシュ「違う。急用だ」
ミレイ「何の用だぁ?」
ルルーシュ「秘密です」
リヴァル「まーただよ」
ルルーシュ「あとは任せる。それじゃあな、ナナリー?」
ナナリー「いってらっしゃい、お兄様」
カレン「どこに行ってるんだろう」
シャーリー「さぁ?どーせ、いけない場所でしょ」
ミレイ「もしかしてエッチなところ?」
ニーナ「エッチ……」
スザク「僕は違うと思う」
リヴァル「何が?」
スザク「ルルーシュは優しさを履き違えている」
スザク「ルルーシュはナナリーに優しい……。本当にそう思えますか?」
ミレイ「どう見ても優しいわよね?」
シャーリー「ナナちゃんのために炊事洗濯掃除までこなしてるんでしょ?」
リヴァル「主夫だよなぁ、ルルーシュって」
カレン「嫁に欲しいわね」
ニーナ「嫁って……」
スザク「でも、考えてみて欲しい。ナナリーがもし何不自由のない生活ができていれば……ルルーシュは今と同じように接するだろうか」
ミレイ「それは無いんじゃないかな?ナナリーだってそこまで付き纏われるのは嫌でしょ?」
ナナリー「え?いえ、別に……」
スザク「今のルルーシュは腫れ物を扱うようにナナリーに接しているだけじゃないか」
ナナリー「……」
シャーリー「カレン……」
カレン「なに?」
シャーリー「スザクくん、どれだけ失礼なこと言っているか分かってないみたいだし……。注意してあげて」
スザク「ナナリー?」
ナナリー「何でしょうか?」
スザク「ルルーシュに怒られたことってあるかい?」
ナナリー「怒られたことですか?何度もあります」
スザク「何時頃の話?」
ナナリー「えっと……」
スザク「僕と出会う前かな?」
ナナリー「そ、そうです。よく走り回ってお兄様にご迷惑をかけていたので」
スザク「今の状態になってからは?」
ナナリー「……ありません」
スザク「やっぱりか」
カレン「どういうこと?」
スザク「本当に相手のことを想っているなら、叱るはずなんだ。どんなに愛していても、大切に想っていても」
ナナリー「叱る……」
ミレイ「私も。叱られるとヘコんじゃうし」
ニーナ「ミレイちゃんが?」
ミレイ「誰だって落ち込むでしょ?」
ニーナ「ミレイちゃんが?」
ミレイ「……」
カレン「でも、まぁ、スザクくんの言っていることは間違っていないと思うわ」
リヴァル「カレンも叱られたいって思うのか?」
カレン「ええ。好きな相手や尊敬している人からは叱責を受けたいわね」
シャーリー「どうして?マゾ?」
カレン「違うって。貶されることと怒られることは違うってこと」
スザク「そう。本当に大事な人だからこそ怒るんだ。関心の無い人に怒る人なんていないからね」
シャーリー「でもでも、いきなり怒鳴る人っているじゃない?電車とかで」
スザク「それは怒鳴った人が短気なだけだよ。そこに愛情なんてないから」
カレン「怒鳴られても大切にされているかどうかって不思議と分かるのよね……」
スザク「違うんだよ、ナナリー」
ナナリー「どうしてですか?スザクさん、お兄様の言葉が嘘だと言う事ですか?」
スザク「確かにそうした言葉を並べるのも良い事だと思う。だけど、全てを優しい台詞だけで収めてしまうのはいけないと思う」
ナナリー「それは……」
ミレイ「そうよねぇ……。叱って欲しいときってあるかも……」
シャーリー「よくわかりません」
カレン「例えば帰宅が夜遅くなったとするでしょ?」
シャーリー「え?うん」
カレン「それで何も言われないのと怒られるの、どっちがいいって話よ」
シャーリー「怒られるのも嫌だけど、何も言われないのは……寂しいかなぁ……」
カレン「でしょ?」
シャーリー「カレンもそういう経験あるの?」
カレン「うん。あるよ」
シャーリー「どんなの?」
カレン『え?な、なにかまずかったですか?!』
ゼロ『状況がわかりにくい!!もっと完結に書けないのか!?』
カレン『す、すいません……』
ゼロ『全く……』
カレン『ゼロ……あの……』オロオロ
ゼロ『お前には期待しているのだからしっかりやってもらわないと困る……』
カレン『ゼロぉ……!!』
カレン「……えへへ……」
シャーリー「カレン?」
ナナリー「では、怒られない私は……お兄様に愛情を貰っていないということですか?」
スザク「本当の愛情ではないかな。残念だけど」
ナナリー「そんな……そんなこと……」
スザク「ルルーシュのは……ただの同情でしかないはずだ……」
ナナリー「……!!」
ミレイ「スザクくん、流石にそれは……」
スザク「ないと言い切れますか?」
ミレイ「……」
スザク「ナナリーが元気なときは叱っていたのに、今ではそういうことを一切しない。それはやはりナナリーに対して間違った優しさで接しているが故なんだ」
ナナリー「お兄様が……!!」
シャーリー「でも、怒れないよね?」
リヴァル「普通はなぁ……」
スザク「僕はナナリーを怒ることができるよ。大切な存在だから」
カレン「そうなの?」
ニーナ「私もユーフェミア様に叱られたい……鞭とかで……」
ミレイ「ナナリーが良い子だから怒る機会がないだけかもしれないじゃない?」
スザク「それなら問題はないですけど……」
カレン「今日もあたしを叱ってくれないかなぁ……」
ナナリー「お兄様……」
シャーリー「電話?」
カレン「うん。―――もしもし、カレンです」
ミレイ「ナナリーが悪いことするわけないし、ルルーシュだって叱りたいって思ってるぐらいかもね」
シャーリー「あ、それはありそうですね」
ナナリー「お兄様が私を叱りたいと?」
ミレイ「本当はお尻ペンペンしたいんじゃない?」
ナナリー「お、お尻……?!」
シャーリー「もう!会長!!ナナちゃんに変なこと言わないでくださいよ!!」
ミレイ「えー?でもー、あり得ない話でもないし」
ナナリー「……」
ルルーシュ『ナナリー……悪い子だな……。お仕置きだ!!!ほら!!お尻を向けろ!!!反省するまで叩いてやる!!!』ペシッペシッ!!!
ナナリー『あんっあんっ!お兄様!!ごめんなさいっ!!あんっ!!』
ナナリー「……私、叱られてみたいです」
スザク「ナナリー?」
ナナリー「怒られることが愛情を確かめる術となるなら、私は是非とも叱られてみたいです」
ミレイ「でも、無理に叱られることは……」
ナナリー「いけないことですか?」
シャーリー「難しいんじゃないかなぁ……。ルルがナナちゃんを叱るなんて想像できないし……」
リヴァル「だよなぁ」
カレン「ごめんなさい。あたし、そろそろ……」
ミレイ「あ、そうなの?うん、それじゃあ、また明日ね」
カレン「はい」
シャーリー「カレン、なんだか嬉しそう……」
リヴァル「男か?」
シャーリー「まさか」
ナナリー「あの……どうしたらお兄様は私のことを叱ってくれるでしょうか?」
スザク「そうだな……」
ナナリー「……」
咲世子「ナナリー様、そろそろご就寝のお時間ですが」
ナナリー「寝ません」
咲世子「しかし、お体に障りますし」
ナナリー「今日はお兄様が帰ってくるまで寝ないって決めたんです。ごめんなさい」
咲世子「どうして……」
ナナリー「……」
咲世子「わかりました。では、私もお付き合いいたします」
ナナリー「咲世子さんは部屋に戻っていただいても……」
咲世子「いえ。ナナリー様を独り残して自室には戻れませんから」
ナナリー「咲世子さん……ありがとうございます……」
咲世子「ですが、これっきりにしてくださいね」
ナナリー「私を叱っているんですか?」
咲世子「い、いえ!!滅相もありません!!」
咲世子「ナナリー様?」
ナナリー「とにかく、お兄様を待ちます」
咲世子「では、コーヒーでも淹れましょうか?」
ナナリー「咲世子さん……」
咲世子「ルルーシュ様がお帰りになるまでに寝てしまっては事ですから」
ナナリー「はいっ!お願いします!」
咲世子「それでは今しばらくお待ちください」
ナナリー「ありがとうございます」
咲世子「……」スタスタ
ナナリー「……」
ナナリー「…………」
ナナリー「………………はっ!?」
ナナリー「いけない……意識が……」
ナナリー「がんばらないと……がんばって夜更かししてお兄様に叱られなければ……」
ナナリー(スザクさんの言うことにきっと間違いはありません。夜更かしをすればお兄様は私に……)
ルルーシュ『ナナリー……こんな時間まで起きていていいとでも思っていたのか!!!』
ナナリー『お、お兄様……ご、ごめ……』
ルルーシュ『言い訳するな!!お尻を向けろ!!!』
ナナリー『いやぁぁ!!』
ルルーシュ『このっ!!悪魔の子め!!!』ペシッペシッ!!!
ナナリー『いたい!!いたいですっ!!おにいさまぁ!!!』
ナナリー「ふふ……」
ナナリー「お兄様……いけない妹を……是非とも……」
ナナリー「ふふ……」
咲世子「―――ナナリー様、コーヒーをお持ちしました」
ナナリー「……」
咲世子「ナナリー様?」
ナナリー「すぅ……すぅ……」
咲世子「お帰りなさいませ」
ルルーシュ「咲世子さん、どうしてこんな時間まで?」
咲世子「ナナリー様が寝付けなかったようでしたので」
ルルーシュ「そうですか。ありがとうございます」
咲世子「いえ。それではおやすみなさい」
ルルーシュ「はい」
C.C.「……おかえり。待っていたぞ」
ルルーシュ「適当なことをいうな」
C.C.「恋しかったのは本当だが?」
ルルーシュ「黙れ魔女」
C.C.「つれないなぁ……。こんなに可愛い天使が起きて主の帰りを甲斐甲斐しく待っていたというのに」
ルルーシュ「じゃあその大量のピザの空き箱はなんだ!!!」
C.C.「なんだ、一緒に食べたかったのか?なら、そういえばいいのに」
ルルーシュ「そんなわけあるか!!!こっちは疲れているんだ!!余計な体力を使わせるな!!!」
C.C.「やっぱり一緒に食べたかったんだな、お前」
ルルーシュ「うるさい!!」
C.C.「何をカリカリしている?いつものことだが」
ルルーシュ「……向こうで色々あったんだよ」
C.C.「玉城が何かやらかしたか?」
ルルーシュ「カレンだ」
C.C.「珍しいな。お前の前では優等生のあいつが?」
ルルーシュ「最近、細かなミスが目立つ。戦場では申し分ないのだが……」
C.C.「わざとじゃないのか?」
ルルーシュ「わざと?メリットがない」
C.C.「お前に怒られたんだろ」
ルルーシュ「どこの世界にそんな馬鹿がいる。顔を拝んでみたいものだな」
C.C.「お前は本当にそういうことには鈍いな」
ルルーシュ「さて、ナナリーの寝顔でも見て癒されくるか」
ミレイ「ナナリー、やっほー」
ナナリー「どうも」
シャーリー「どうだった、怒られた?」
ナナリー「駄目でした……」
リヴァル「やっぱ、ルルーシュがナナリーを怒るわけなかったか」
スザク「夜更かしじゃ効果はなかったか」
シャーリー「一回夜更かししただけじゃあねえ」
ニーナ「じゃあ、今晩もやってみたらどうかな?」
ナナリー「は、はい……」
スザク「二日連続ならきっとルルーシュも怒り狂うと思う」
ミレイ「二日連続は不良だものね」
ナナリー「不良ですか……」
カレン「昨日はすごく怒られた……今日も……」
シャーリー「そういえばさっきからカレンがずっとにやにやしてる。何か良い事でもあったのかな?」
ナナリー「……」
咲世子「ナナリー様……今日もですか?」
ナナリー「昨日はできませんでしたので」
咲世子「ですが……」
ナナリー「お願いします!どうしても夜更かししてお兄様に……!!」
咲世子「余程、ルルーシュ様とお話がしたいのですね」
ナナリー「はい」
咲世子「分かりました。では、不肖篠崎咲世子。微力ながらナナリー様に片肌脱ぎます!!」
ナナリー「咲世子さん!!ありがとうございます!!」
咲世子「では、眠らないようにしないといけませんね」
ナナリー「どうしたらいいでしょうか?」
咲世子「まずはコーヒーを飲みましょうか」
ナナリー「わかりました」
咲世子「ご用意いたします」
咲世子「どうですか?」
ナナリー「にがいです……」
咲世子「ブラックですからね」
ナナリー「でも、これで寝ないで済みますね」
咲世子「ええ。では、ルルーシュ様がおかえりになるまで私と―――」
ナナリー「……」
咲世子「ナナリー様?」
ナナリー「おにいさまぁ……だめです……あ……」
咲世子「ナナリー様!!」
ナナリー「え?!」
咲世子「大丈夫ですか?」
ナナリー「ごめんなさい……少し意識が……」
咲世子「やはりナナリー様に夜更かしは無理なのではないでしょうか?」
ナナリー「そんな……!!がんばりますから!!咲世子さん!!私は必ず夜更かししてお兄様に!!」
咲世子「ええ……」
ルルーシュ「ナナリー……」
咲世子「ですが、もうお休みになられましたので」
ルルーシュ「そうですか」
咲世子「あの……」
ルルーシュ「はい?」
咲世子「ナナリー様はどうしてもルルーシュ様にお話したいことがあるようです」
ルルーシュ「俺に?」
咲世子「実は昨日と今日、ルルーシュ様にお会いすために夜更かしをすると意気込んで……」
ルルーシュ「そうだったのか……」
咲世子「ルルーシュ様。ご無理を承知で申し上げます……」
ルルーシュ「分かっていますよ。明日は早く帰ってきます」
咲世子「ありがとうございます」
ルルーシュ「ナナリー……一体、俺に何を……?」
スザク「駄目だったのか?」
ナナリー「は、はい……」
ミレイ「二日連続でも駄目なんて……」
リヴァル「じゃあ、これはもう三日目突入だな」
ミレイ「流石に三日連続なんて……」
ニーナ「ミレイちゃん?」
ミレイ「私がルルーシュならビンタよ、ビンタ」
シャーリー「そこまでですか?!」
スザク「これはやりかたを変えるしかないかもしれないね」
ナナリー「やりかた……ですか?」
スザク「夜更かしが駄目なら……」
ナナリー「……」
シャーリー「どうするの?」
スザク「あまり望ましいことじゃないけど、ナナリーがルルーシュの愛を感じたいっていうなら仕方ない」
ゼロ「何度言えばわかるんだ!!!」
カレン「ご、ごめんなさい」
ゼロ「この報告書は……!!」
カレン「ひっ」ビクッ
藤堂「ゼロ、その辺でいいではないか」
ゼロ「藤堂!!しかし!!」
藤堂「紅月は戦場で評価してやるべきではないか?」
ゼロ「そんなもの評価しているに決まっているだろう!!だからこそ怒っている!!!」
カレン「ゼロぉ……」
ゼロ「何をにやけている!!私は怒っているのだぞ!!!カレン!!!」
カレン「……ごめんなさい……」
ゼロ「全く……。ん?もうこんな時間か。私は失礼する」
藤堂「どこに行く?」
ゼロ「私用だ」
ナナリー「……」
咲世子「そろそろお帰りになるとご連絡がありました」
ナナリー「そうですか」
咲世子「ナナリー様?」
ナナリー「咲世子さん。マグカップを持ってきてもらえますか?」
咲世子「何をされるのですか?」
ナナリー「お願いします」
咲世子「……わかりました」
ナナリー「ふぅー……」
咲世子「お持ちしました」
ナナリー「えっと……」
咲世子「ここに」
ナナリー「ありがとうございます」ギュッ
咲世子「ナナリー様……何を……?」
咲世子「ルルーシュ様」
ナナリー「お兄様」
ルルーシュ「ナナリー……」
ナナリー「……てい」ポロッ
ガシャン!!
咲世子「ナナリー様!!」
ルルーシュ「ナナリー!!大丈夫か!!!」
ナナリー「……」
ルルーシュ「破片が足に刺さっていたりしないか?!」
咲世子「すぐに掃除を!!」
ルルーシュ「ナナリー。怪我はないか?」
ナナリー「わ、私はマグカップを落とし、割ってしまいました……」
ルルーシュ「そうだな」
ナナリー「……」
お漏らし?
それじゃあルルにとってご褒美だろうが…
ナナリーがルルーシュを殴ればいいんですね
それもご褒美じゃねえか
ルルーシュ「ここはお願いしてもいいですか?」
咲世子「はい。お任せください」
ナナリー「お兄様……」
ルルーシュ「怪我がないようで良かった。……ナナリー、俺に話があるそうだな」
ナナリー「え……」
ルルーシュ「部屋で聞くよ。行こうか」
ナナリー「お兄様」
ルルーシュ「どうした?」
ナナリー「わ、私はマグカップを割ってしまったのですよ?」
ルルーシュ「ああ」
ナナリー「お、怒らないのですか……?」
ルルーシュ「俺もティーカップをいくつも割った経験がある。ナナリーを怒る資格はない」
ナナリー「そんな……」
咲世子「ナナリー様……」
ナナリー「……」
ルルーシュ「ナナリー?」
ナナリー「お兄様は私のことを愛していますよね?」
ルルーシュ「当然だろ?何を言っているんだ?」
ナナリー「……ですが、私は不安です。お兄様」
ルルーシュ「俺の言葉が信じられないというのか?」
ナナリー「そ、そんなことは……」
ルルーシュ「俺はナナリーのことを世界で一番愛している」
ナナリー「お兄様……」
ルルーシュ「たとえ世界を敵に回しても俺はナナリーを愛し続ける」
ナナリー「では……あの……」
ルルーシュ「ん?」
ナナリー「私が悪いことをしたら……きちんと怒ってくれますか?」
ルルーシュ「勿論だ。ナナリーが道を誤りそうになれば、叩いてでも正す」
ルルーシュ「ああ。覚悟しておけ。ナナリーだからってそのときは容赦しないからな」
ナナリー「……っ」
ルルーシュ『フハハハハハ!!!!ナナリィィ!!!!貴様はもう人間ではない!!!家畜だ!!!』
ナナリー『お、お兄様……いや……やめてください……』
ルルーシュ『知っているか?馬はな……鞭でお尻を叩くと言う事を聞くんだよ!!!!ナナリィィ!!!!』パシン!!!
ナナリー『あんっ!!』
ルルーシュ『言うことを聞かない妹はこうだ!!!こうだ!!!』パシンッパシン!!!!
ナナリー『おにいさまぁ!!あんっ!!ひゃんっ!!』
ナナリー「……」
ルルーシュ「ナナリー?紅潮しているようだが、熱でもあるのか?」
ナナリー「い、いえ……。大丈夫です」
ルルーシュ「ナナリー。最近、俺の帰りが遅いから不安になったんだな。安心しろ。俺は変わらない」
ナナリー「お兄様ぁ……」
スザク「マグカップも駄目だったのかい?」
ナナリー「はい。お兄様は破片で怪我をしていないか心配してくれたほどで」
ミレイ「うそ……。私だったら割ったマグカップに代わるモノを探すために一日中街を引きずりまわすけどなぁ……」
シャーリー「会長と買い物って拷問ですね」
ミレイ「なんですって?」
リヴァル「でも、ここまでだと難しいなぁ。マジでルルーシュってナナリーのこと怒らないんじゃないか?」
ミレイ「うーん……そうねえ……」
シャーリー「無理かも」
ナナリー「そんな!!私は叱られたい!!お兄様に叱られたいです!!」
ニーナ「ナナリー……そこまで……」
ミレイ「これは仲良し兄妹の危機よね。なんとかしないと」
リヴァル「でも、どうするんです?夜更かしも駄目。カップを割っても駄目。あとは……」
スザク「そうだ。なら、ルルーシュが怒るツボを抑えればいいんじゃないかな?」
ミレイ「それいいかもね」
ナナリー「そういえば……」
シャーリー「どうしたの?」
ナナリー「最近のお兄様、機嫌が悪いときがあるんです。私の前ではそれを隠していますけど」
ミレイ「外でなにやってるのやら」
シャーリー「どうせ下らない事ですよ」
ミレイ「ルルーシュって自分の思い通りにならないと機嫌悪くなるときあるわよね?」
シャーリー「ああ。ありますね。文化祭のときとは予定がすこーし狂っただけでなんかムスってしてますもん」
リヴァル「狂わせてるのは会長だけどな」
ニーナ「うん」
ミレイ「聞こえてるけど」
ナナリー「お兄様の思惑とは違うことをすればいいのですか……」
シャーリー「予定があって初めて成り立つ作戦だけど、結構効果的かも」
ナナリー「なるほど……」
スザク「もしもし、ルルーシュ?」
スザク「今、いいかな?」
ルルーシュ『あとにしてくれると助かるな』
スザク「そうなのか?でも、少しぐらいいいじゃないか」
ルルーシュ『悪いが……あとで頼む……』
スザク「ルルーシュ?」
ルルーシュ『今は取り込んでいるんだ』
スザク「何かあったのかい?」
ルルーシュ『いや……』
スザク「でも、凄く機嫌が悪そうだけど……」
ルルーシュ『なんでもないと言っている!!!』
『ひっ』
スザク「……ご、ごめん」
ルルーシュ『また、掛け直す』
スザク「わ、わかったよ。待ってる」
カレン「あの……今のは……?」
ゼロ「何でもない。それよりもだ……」
カレン「……」
ゼロ「何故、また同じミスをしている?!えぇ?!」
カレン「うっかり……していました……」
ゼロ「君の操縦センスは買っている!!しかし!!組織にいる以上は事務作業もかなしてもらわなければ困る!!」
カレン「はぃ」
ゼロ「君のように兵器を上手く扱える者は貴重だ!!!しかし、こういう書類処理で失敗を重ねられると……!!」
カレン「……すいません」
ゼロ「もういい……」
カレン「え?」
ゼロ「出て行ってくれ!!」バサァッ!
カレン「ひっ……」
ゼロ「……」
玉城「それは新人歓迎会で……」
ゼロ「無断で使うな!!これは立派な横領だ!!!馬鹿者!!!」
玉城「わ、わりぃ……」
ゼロ「全く……!!」
扇「ゼロ。どうしたんだ?最近、気が立っているみたいだけど」
ゼロ「……」
扇「ゼロ……?」
ゼロ「黙れ……!!」
扇「……あ、ああ」
藤堂「ゼロよ。何を苛立っている?」
ゼロ「……」
藤堂「千葉の全身マッサージを受けてみるか?癒されるぞ?」
千葉「あれは藤堂さんにだけですけど!!」
ゼロ「……すまない。色々あって気が尖っているようだ。少しだけ休む」
ゼロ「……」
C.C.「最近、イライラしているな」
ルルーシュ「スザクの件にコーネリアの件……。問題が山積している」
C.C.「それでか」
ルルーシュ「それに……」
C.C.「ナナリーか」
ルルーシュ「俺の思っている以上にナナリーは寂しがっているようだからな」
C.C.「鉄仮面で隠しても妹への情だけは溢れ出るな」
ルルーシュ「早くこの感情もコントロールできるようにならないとな……」
C.C.「できるのかな。童貞坊やに」
ルルーシュ「お前の発言が最も俺を苛立たせる」
C.C.「それは悪かったよ。自重する」
ルルーシュ「ふんっ」
C.C.「……」
ミレイ「そうよね……」
スザク「うーん……」
ナナリー「私はこのままお兄様に優しく頭を撫でられるだけの人生なのでしょうか……」
ニーナ「だめなの?」
ナナリー「そんな何もない毎日……楽しくありません……」
シャーリー「え……?」
ナナリー「はぁ……でも、お兄様にご迷惑をかけてまで自分の欲を満たそうとするのはとても……いけないこと……ですよね……」
リヴァル「そうだなぁ。それは駄目だ」
ナナリー「この想いは胸に秘めておいたほうがいいのでしょうか……。お兄様もそんなこと私には望んでいないでしょうし……」
ミレイ「あ!」
シャーリー「会長?」
ミレイ「そうよ。ルルーシュにとってナナリーには絶対にしてほしくないことをしたらいいんじゃない?」
スザク「例えば?」
ミレイ「男の子と付き合うとか」
ミレイ「でしょ?ルルーシュならきっと怒号と唾を撒き散らしながらナナリーを叱りつけるはず」
シャーリー「そうですか?」
ミレイ「どこの馬の骨とも分からない奴と付き合うとはどういうことだぁぁぁ!!!!!って感じで」
ナナリー「まぁ……♪」
スザク「確かに。ルルーシュならそうなるかもしない」
リヴァル「試してみる価値はあるかもな」
シャーリー「相手役はどうするんですか?」
ミレイ「んー……。最初は彼氏が出来たってことにしておいて、相手を隠す。それで突っ込んできたら……」
シャーリー「間違いなく突っ込んできますよ」
ミレイ「やっぱ、スザクくんが相手役でいいんじゃない?」
スザク「僕ですか?!」
ナナリー「スザクさんと……私が……?」
ミレイ「信憑性あるじゃない?」
ナナリー「……でも、それでお兄様に叱られるなら……なんでもします」
ルルーシュ(今日も疲れたな……。ナナリーの顔を見て癒してもらおう……)
ルルーシュ「―――ただいま」
ナナリー「お兄様……」
ルルーシュ「ナナリー。なんだ、まだ起きていたのか」
ナナリー「お兄様。今日はお話しておきたいことが」
ルルーシュ「なんだ、改まって。怖いな」
ナナリー「私……今日から男性と付き合うことになりました」
ルルーシュ「……え?お腹が空いたって?はは、わかったよ。すぐに用意するから」
ナナリー「私、今日、ボーイフレンドが出来たんです」
ルルーシュ「魚がいいって?はいはい」
ナナリー「……本当です。告白されて……承諾しました」
ルルーシュ「分かってる。ああ、デザートもつけるよ」
ナナリー「お兄様。聞いてください」
ルルーシュ「さてと、料理を始めるか」
ルルーシュ「どうした?」
ナナリー「あの……ですから……」
ルルーシュ「ナナリー」
ナナリー「はい」
ルルーシュ「俺はナナリーのことを世界で最も愛している」
ナナリー「は、はい……」
ルルーシュ「ああ、そうなんだよ。ナナリー」
ナナリー「……彼氏ができました」
ルルーシュ「今日は少し暑かったもんな。ナナリー、風邪でも引いたか?季節の変わり目は体調を崩しやすい」
ナナリー「今度の日曜日にデートの約束もしました!!」
ルルーシュ「……はは……」
ナナリー「お兄様……?」
ルルーシュ「フフフ……はははは……フフフハハハハハハ!!!!!!!」
ナナリー「……!」ビクッ
ガシャーン!!!!
ナナリー「お、お兄様……?」
ルルーシュ「そんなこと……あるわけがない……!!あってたまるかぁ……!!!!」
ナナリー「あ、あの……?」
ルルーシュ「俺の計画は完璧だ!!!条件は全て満たしている!!!」
ナナリー「あの……あの……」オロオロ
ルルーシュ「橋を落としてルートを断て!!!!」
ガシャーン!!!!
ナナリー「きゃっ」
ルルーシュ「ふぅー……ふぅー……!!」
ナナリー「お兄様……あの……」
ルルーシュ「悪い……取り乱した……。最近、少し嫌なことが続いてな……」
ナナリー「い、いえ……」
ルルーシュ「ナナリーが決めた男なら間違いはないだろう……幸せにな……。ああ、結婚式には呼ばなくて結構だ。何をするか分からないからな。俺が」
ルルーシュ「言うな。絶対にな」
ナナリー「どうしてですか?!」
ルルーシュ「……名前を聞けばきっと俺は……道を踏み外す。人間でいられなくなる……」
ナナリー「それはどういうことですか?」
ルルーシュ「頼む、ナナリー。言わないでくれ……。お前の恋人を殺したくない……」
ナナリー「そ、それは……!?」
ルルーシュ「もう休む……おやすみ……ナナリー……」
ナナリー「……」
ルルーシュ「はははは……」フラフラ
ナナリー「スザクさんです」
ルルーシュ「……」
ナナリー「私の相手はスザクさんです。お兄様」
ルルーシュ「スザク……?どこの誰だ?名前だけじゃ……わからないな……」
ナナリー「枢木スザクさんです。お兄様もよく知っている。スザクさんです」
ギアスで嬲り殺す事はできないな
カレン「はぁ……昨日の怒りかたは愛がなかった……。ゼロ……なにかあったの……?」
シャーリー「今日もルルったらサボりですよ」
ミレイ「いつものことじゃない」
シャーリー「だから駄目なんですってば」
スザク「ナナリーはまだ来てないんだ」
リヴァル「昨日の作戦上手くいったんだろうな」
ミレイ「それは大丈夫でしょ」
スザク「そうか。ルルーシュはきっと昨日の夜、怒ることにエネルギーを使いすぎて―――」
ルルーシュ「……」
シャーリー「あ。ルルだ」
リヴァル「よう!お前、そろそろ単位がヤバいんじゃねーの?」
ルルーシュ「スザクは?」
スザク「ルルーシュ?」
ルルーシュ「話がある」
ルルーシュ「……スザク」
スザク「なんだい?」
シャーリー「ちょっと、雰囲気違う気がするんだけど……」
リヴァル「なんかこえぇ……」
ニーナ「ルルーシュ……」
カレン「……」
ルルーシュ「お前のことだ。生半可な覚悟ではないのだろう」
スザク「え?」
ルルーシュ「一晩……寝ずに考えた……。お前になら……ナナリーを……ナナリーを……」
スザク「ルルーシュ?」
ルルーシュ「ナナリーを……任せても……いいと……思って……おもって……って……」
スザク「ルルーシュ、鼻息が荒いけど、大丈夫か?」
ルルーシュ「ま、かせても……はぁ……はぁ……はぁ……いいと……思って……いる……はぁ……はぁ……!!!」
ミレイ「ルルーシュ……大丈夫?保健室、いく?」
ルルーシュ「ナナリー……」
ナナリー「これは……あの……」
ルルーシュ「兄として……たった一人の肉親として……俺は役目を果たした……。もういいな?」
スザク「ルルーシュ!!待ってくれ!!」
ルルーシュ「なんだ……?」
ナナリー「あの……ですから……」
スザク「……」
ルルーシュ「今日は……体調があまり……よくなくてな……。悪いが……早退させて……もら、う……」
スザク「僕はナナリーとは付き合わないよ」
ルルーシュ「……」
ナナリー「スザクさん!」
スザク「まさか、ここまでルルーシュが追い詰められるなんて思ってもみなかった。だから―――」
ルルーシュ「つ……付き合わない……だと……スザァク……」
スザク「ああ。僕はナナリーとは付き合わない。いや、付き合えないんだ。ユーフェミア様の騎士だからね」
スザク「全部、嘘だったんだよ。ルルーシュ」
ルルーシュ「……」
ミレイ「ちょっと……」
シャーリー「こわぃ……」
ニーナ「データのバックアップとっておかないと」カタカタ
リヴァル「ルルーシュくん?あのー……」
カレン「やばそう……」
ナナリー「あぁぁ……お兄様ぁ……」オロオロ
ルルーシュ「嘘……だと……?」
スザク「だから、安心して―――」
ルルーシュ「ふざけるなよぉ!!!!スザァァァク!!!!!!」
スザク「うわ?!」
リヴァル「ルルーシュをとめろ!!」
シャーリー「ルルー!!!」
スザク「ルルーシュ……」
シャーリー「ルル、落ち着いて!!」ギュゥゥ
カレン「ルルーシュくん!」ギュゥゥ
ルルーシュ「ナナリーの想いを!!お前はなんだと思っているんだぁぁ!!!」
スザク「だから、嘘なんだ!」
ルルーシュ「ナナリーに嘘の告白をしたのか!!!貴様ぁぁ!!!!」
ミレイ「どうどう、ルルーシュ」ギュゥゥ
ニーナ「ルルーシュ、暴れないでぇ……」ギュゥゥ
リヴァル「ルルーシュ……こんなときになんだけど……羨ましい奴……」
ナナリー「お兄様……これは全て演技で……」
ルルーシュ「スザァァァァク!!!!頭を地に着けてナナリーに謝れぇぇ!!!!」
スザク「……」
ルルーシュ「ナナリーを……ナナリーを……かえしてくれ……うぅぅ……」
スザク「ルルーシュ……すまない……」
ナナリー「お兄様は?」
咲世子「今、お休みになられました」
ナナリー「そうですか……」
咲世子「相当、疲れていたのでしょう。ベッドに入るとすぐ眠りに」
ナナリー「私が……私がお兄様を追い詰めてしまったんですね……」
咲世子「ナナリー様……それは……」
ナナリー「私はなんてことを……!!こんなはずじゃ……ただ……お兄様に叱られて愛を確かめたかっただけなのに……!!」
咲世子「ナナリー様、気に病むことは……」
ナナリー「私は酷い妹です……うぅ……ぅぅぅ……」
咲世子「……」
C.C.「お邪魔するぞ」
咲世子「C.C.さん」
ナナリー「……」
C.C.「何かあったのか?」
ナナリー「はい……」
C.C.「ナナリーも最近、構ってもらえずに寂しかったのかな?」
ナナリー「そうですね。それもあるかもしれません……」
C.C.「まぁ、今回はナナリーが全て悪いな」
咲世子「そんな!!」
C.C.「諸悪の根源といってもいい」
ナナリー「……」
C.C.「それでもルルーシュはお前のことを叱りはしないだろうな」
ナナリー「……もう、いいです。お兄様をこれ以上、苦しめることはできませんから」
C.C.「そうか」
ナナリー「私にできるのは……。お兄様に心労をできるだけかけないようにすることだったのに。私はそのことを忘れていました」
C.C.「それでこれからどうするつもりだ?」
ナナリー「……お兄様の傍に行きます」
C.C.「それしかないな」
ナナリー「お兄様……」ギュッ
C.C.「……」
ナナリー「ごめんなさい……お兄様……お兄様……」ウルウル
ルルーシュ「ナ……ナナリー……?」
ナナリー「お兄様?」
ルルーシュ「どうした……?」
ナナリー「ごめんなさい……ごめんなさい……」
ルルーシュ「おいおい……どうした?まさか、俺の顔に落書きでもしたのか?」
ナナリー「おにいさまぁ……うぅ……おにいさま……ごめんなさい……」
ルルーシュ「ナナリー……」
ナナリー「ぐすっ……」
C.C.「叱ってやったらどうだ?それでナナリーの気持ちも随分軽くなると思うがな」
ルルーシュ「ナナリー……お前……」
ナナリー「お兄様……ごめんなさい……ごめん、なさい……私が全て……悪いんです……」
ナナリー「お兄様、私を叱ってください!!」
ルルーシュ「ナナリー……」
ナナリー「お願いします……お兄様ぁ……」
ルルーシュ「ならば……お仕置きが必要だな……」
ナナリー「鞭なら私の部屋に」
ルルーシュ「必要ない。ナナリー、反省しているんだな?」
ナナリー「はい」
ルルーシュ「……なら、叱ることはしなくてもいい」
ナナリー「え?」
ルルーシュ「叱るっていうのは相手が間違いに気づいていないときにすることだ。ナナリーのように理解しているものを叱っても何の意味もない。エネルギーの無駄だ」
ナナリー「そうだったのですか……」
ルルーシュ「ナナリーはいつも自分の反省点を理解している。だから、俺は叱れないんだよ」ナデナデ
ナナリー「お兄様……」
C.C.「私にはすぐ怒るくせに」
C.C.「はいはい」
ナナリー「お兄様、この度のことは本当に……」
ルルーシュ「いや。大丈夫だ。様々なことが重なりすぎただけだよ」
ナナリー「はい」
ルルーシュ「でも、もうこういうことはないようにな」
ナナリー「分かりました」
C.C.「童貞坊やも偶には人間らしいことをいうんだな。感心したよ」
ルルーシュ「黙れ!!魔女!!」
C.C.「女に余裕が無いと怒りっぽくなるんだから、少しは大人しくしておいたほうがいいな」
ルルーシュ「きさまぁぁぁ!!!!ふざけるなぁ!!!」
C.C.「ぶつのか?いいぞ、ほら、私のお尻でもぶってみろ。その細く弱りきった腕じゃ痛くもない―――」
ルルーシュ「定規の撓りを利用すれば……どうなるのか……思い知らせてやろうか……?」ヒュンヒュン
C.C.「それは……やめろぉ……!!」
ナナリー「……」
C.C.「痛いじゃないか」
ナナリー「C.C.さん、大丈夫ですか?」
C.C.「割と平気だが……痛い……」
ナナリー「定規という手があったなんて……灯台下暗し……!」
C.C.「何も定規が折れるほどフルスイングしなくてもいいだろ」
ルルーシュ「どうせ同じ事を繰りかえすつもりだろ、貴様」
C.C.「よく分かったな。エスパーも発現したのかな?」
ルルーシュ「貴様の軽口は耳障りだ!!」
C.C.「それは嬉しいなぁ。なら、もっと耳元で囁いてやろう」
ルルーシュ「やめろ!!離れろ!!」
C.C.「ルルーシュぅ?ピザはまだかぁ?」ギュゥゥ
ルルーシュ「魔女がぁ!!!いい加減にしろ!!!」
C.C.「ふふ、何を怒る?それとももう一度、ぶつか?私に体罰なんて意味はないけどな」
ナナリー(お兄様はC.C.さんと話しているとき、いつも怒っていますね……。もしかして……)
ルルーシュ「昨日は散々だったな……」
ミレイ「ルルーシュ。大丈夫?」
ルルーシュ「え?」
シャーリー「ごめん。ルル……。私たちが悪いの。ナナちゃんは全然悪くないの……だから……」
ルルーシュ「分かっている」
カレン「ごめんね、ルルーシュくん」
リヴァル「悪かったな。まさか、あそこまで取り乱すなんて思ってなくてさ」
ルルーシュ「もういいって」
スザク「ルルーシュ……」
ルルーシュ「……」
スザク「すまなかった!!」
ルルーシュ「スザク、昨日のは悪い夢だったんだよ……。それでいいだろ?」
スザク「ルルーシュ……!!」
ニーナ「ルルーシュ、優しいんだ」
ルルーシュ「初めから仲違いなんてしていませんがね」
シャーリー「もうっ、ルルったらぁ」
ルルーシュ「はははは」
ナナリー「……」ウィィィン
ルルーシュ「ナナリー」
シャーリー「あ、ナナちゃん」
ナナリー「……」
ルルーシュ「どうした?」
ナナリー「……ど……」
リヴァル「ど?」
ミレイ「なに?」
ルルーシュ「ナナリー?」
ナナリー「童貞兄様、昨日は申し訳ありませんでした」
ルルーシュ「……」
スザク「ルルーシュ……」
ルルーシュ「ははははは……ナナリー、何を……」
ナナリー「お詫びに私のためにピザを注文することを許します。童貞兄様、早くしてください」
リヴァル「……」
ミレイ「ま、まだ……喧嘩中?」
シャーリー「そ、そっか……そっか……」
ルルーシュ「待て!!」
ニーナ「ふふ……かわいい……」
ルルーシュ「ニーナァァ!!!」
ニーナ「あ、ごめん」
スザク「ルルーシュ……すまない……これもきっと……僕のせいだ……」
ルルーシュ「下らん罪の意識は余計に腹が立つからやめろぉ!!!」
ナナリー「それとも私のお尻を定規でぶちますか?」
ルルーシュ「なんだこれはぁぁぁぁぁ!!!!!」
お仕置きするしかないな
天才か…
カレン「……」スタスタ
カレン(また同じミスしてみたけど。そろそろゼロに愛想尽かされるかもしれない……)
カレン「今回でやめないと」
スパーン!!!スパーン!!!!
カレン「え?」
スパーン!!!スパーン!!!
カレン「な、何、この音……。格納庫から……?」
カレン「今は整備も終わっているから……誰も……いないはず……」ソーッ
カレン「……!?」
ゼロ「お前だろ!!お前しかいない!!!!」スパーン!!!
C.C.「かはっ!?!定規は……鉄の定規は……だめぇ……!!!お尻が割れる……!!」
ゼロ「黙れ!!!」スパーン!!!
C.C.「ぁはっ?!」
カレン「あぁぁ……」ガクガク
C.C.「気をつけ……る……」
ゼロ「全く……。ナナリーを誑かせるなど、言語道断だ。お前は踏み越えてはいけない一線を軽々と越えた。それがこの結果だ。わかったな?!」
C.C.「……」コクッ
ゼロ「はぁ……はぁ……疲れた……。私は休む」
C.C.「ゆっくりやすめよ……」モジモジ
ゼロ「ふんっ!!」
C.C.「……」
カレン「ゼ、ゼロ!!」
ゼロ「カレンか。どうした?」
カレン「……また、間違えました」
ゼロ「そうか。これからは藤堂に指導を頼もう。どうやら私の教え方が悪いらしい」
カレン「え……」
ゼロ「……疲れた。怒るのはもうやめだ……」
カレン「ゼロ!!あの!!私にも定規を!!」
咲世子「そうですか」
ナナリー「C.C.さんの口調ならお兄様も気持ちよく怒ることができると思ったのですが」
咲世子「気持ちよく怒るのは難しいですね」
ナナリー「やはりお兄様に叱ってもらうのは無理なのですね」
咲世子「もう拷問具を傍に置いておいて、四つん這いになっているというのはどうですか?」
ナナリー「それは……」
咲世子「ルルーシュ様もナナリー様の意図するところが分かるはずです」
ナナリー「そうですね。やってみます」
咲世子「定規と鞭、どちらもおいておきましょうか?」
ナナリー「お願いします」
咲世子「畏まりました」
ナナリー「四つん這いになるので、手伝ってもらえますか?」
咲世子「はい」
ナナリー(これでお兄様は……)
ルルーシュ「ただい―――」
ナナリー「……」ドキドキ
ルルーシュ「……」
咲世子「どうぞ。ルルーシュ様。気の向くままに強鞭をふるってください」
ルルーシュ「咲世子さん、少しお話が」
咲世子「はい」
ルルーシュ「あとそこの定規も持ってきてください」
咲世子「畏まりました」
ルルーシュ「……ナナリー、あとでご飯にしような」
ナナリー「はいっ。お兄様」
ナナリー(早く……お兄様……私を叱ってください……力の限り……時間の許す限り……)
ナナリー「……」ドキドキ
スパーン!!!!
おしまい。
変態しかいなかったw
Entry ⇒ 2012.10.04 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
ルルーシュ「マオはHなC.C.を妄想していれば余裕で勝てる」C.C.「」
C.C.「ほう?どうするんだ?ロープウェイでは完敗だったくせに」
ルルーシュ「奴はお前にかなり心酔しているようだな?」
C.C.「そうだろうな。……私の所為だ」
ルルーシュ「なら簡単だ」
C.C.「しかし、あいつのギアスは心を読む。お前では……いや、お前だからこそマオには勝てない」
ルルーシュ「奴の所為で俺はシャーリーを失った……!!許すわけにはいかない……!!」ギリッ
C.C.「お前……どうするつもりだ?」
ルルーシュ「ふははは……!!!」
ルルーシュ「C.C.!!お前でエッチなことを妄想していれば奴は確実に取り乱す!!そこを突けば余裕だ!!!あははははは!!!!」
C.C.「お前、結構バカだな」
C.C.「いや、なんでそういう考えに至ったのか理解できない」
ルルーシュ「奴の挙動、顔つきを見て俺は直感した。―――こいつは童貞だ、とな」
C.C.「……」
ルルーシュ「あのときはシャーリーがいたから上手く考えが纏まらなかったが、童貞には童貞の弱点がある」
C.C.「それは?」
ルルーシュ「女の体を神格化し、エッチな行為そのものを神秘的なものだと思い込んでいる」
ルルーシュ「そんな神聖なものを他人が、しかも自身の惚れている女で妄想していれば誰だって動揺する」
C.C.「お前もか?」
ルルーシュ「答える義理はない!!!」
C.C.「……」
ルルーシュ「俺の大切な人を奪ったあいつに同じような苦しみを味合わせてやる……」
C.C.「ルルーシュ、誰が一番傷つくか考えているか?」
C.C.「なぁ、一番の被害者は誰かきちんと分かっているんだろうな?」
ルルーシュ「シャーリーだ」
C.C.「……もういい。好きにしろ」
ルルーシュ「好きにさせてもらおう」
C.C.「……」
ルルーシュ「ふふふ……まずは資料が必要だな」
C.C.「はぁ……」
ルルーシュ「ネットでその類の情報を閲覧するか」カタカタ
C.C.(どうしよう。妄想の中とは私は犯されるのか……)
C.C.(あまりいい気分ではないな)
ルルーシュ「……」ハァハァ
C.C.「……」
C.C.(そもそもキスすら無理やりされたこの童貞坊やにそんな卑猥な妄想ができるのか?)
ルルーシュ「まずはスクール水着を着せて……それから……胸の部分を切って……」
C.C.(だめだ。童貞だからこそ妄想が無駄にゲスい)
C.C.「……おい」
ルルーシュ「なんだ?」
C.C.「恐らくだがお前の妄想ではマオを動揺させることは難しい」
ルルーシュ「黙れ、魔女。俺の計略に穴はない」
C.C.「いや……どうせするならもっと純愛に満ちた―――」
ルルーシュ「よし、これでプランはできた」
C.C.「まて!!」
ルルーシュ「奴は遊園地にいるんだな?」
C.C.「こら!!」
ルルーシュ「お前もこい。本人が隣にいたほうがより確実だ」
C.C.「なんでお前はそう……!!」
マオ「C.C.まだかな~」ワクワク
C.C.「マオ」
マオ「しーつー!!!会いたかったよ!!しーつー!!!」タタタッ
C.C.「……」
マオ「さあ、遊ぼう?ここは僕たちのネバーランドなんだ!!」
ルルーシュ「待て」
マオ「……ルルーシュ」
ルルーシュ「マオ。シャーリーを奪い、C.C.まで得るつもりか」
マオ「何を言っているんだい?C.C.は―――は?」
ルルーシュ(C.C.がスクール水着を着た。俺はそこで局部だけを露出させるように水着を切る)
マオ「……」
ルルーシュ(そしてそこからいきり立った俺のチン―――)
マオ「あははははははは!!!!なんだいそれはぁ!!!!」
ルルーシュ「なに……!?」
ルルーシュ(バカな……動揺するどころか、勝ち誇っている……だと……?)
マオ「そんな妄想!!!僕はいつだってしてきたんだ!!!」
ルルーシュ「なんだと?!」
C.C.「え?」
マオ「残念だったね、ルルーシュ。僕を動揺させるつもりならもっと洗練された脚本にしないとだめだよ」
ルルーシュ「ぐぅぅ……!!」
マオ「僕はね、ルルーシュ!!C.C.で可能な限りの妄想をし尽くしたんだよ!!」
ルルーシュ「?!」
マオ「他人の声が聞こえない場所で一人でいるとそういう妄想で遊ぶしかなかったからねぇ」
ルルーシュ(そういうことか……!!俺は確かに女には恵まれていたから、そういう妄想をすることも少なかった……)
マオ「黙れ!!ルルーシュ!!!!リアルが充実しているのがそんなに偉いのかぁぁぁぁ!!!!!!」
ルルーシュ(ちっ……失敗だな……)
C.C.「なんかマオが動揺しているが、何を妄想したんだ?」
ルルーシュ「一時退却だ。帰るぞ、C.C.」
ルルーシュ「まさか、奴があれほどとはな」
C.C.「なあ、どんな妄想をしたんだ?教えろ」
ルルーシュ「奴に勝つためには、奴の妄想力を上回る必要があるか……」
C.C.「おいってば」
ルルーシュ(いや……培ってきた時間が違いすぎる。付け焼刃で勝てる相手ではない)
C.C.「……」
ルルーシュ「となれば……」チラッ
C.C.「な、なんだ?」
ルルーシュ「C.C.、少し協力してもらおうか」
C.C.「なにをするつもりだ?やめろ」
ルルーシュ「お前は共犯者なんだろ?」
C.C.「心までお前のものになるつもりはない」
ルルーシュ「くくく……」
C.C.(覚悟を決めるか……)
マオ「C.C.まだかな~」ドキドキ
C.C.「マオ」
マオ「しーつー!!!また来てくれたんだね!!!うれしいよ!!しーつー!!!」
C.C.「……」
リヴァル「……」
マオ「C.C.?誰だい、そのガキは」
C.C.「えっと……」
リヴァル「……」
マオ「……!?」
C.C.(マオ……)
マオ「嘘だ……!!言うな!!!やめろぉぉ!!!C.C.はそんなことしない!!!」
リヴァル「……」
マオ「やめろぉ!!!C.C.はゆるくないんだ!!!ゆるくなんてぇぇぇ!!!!」
C.C.(ルルーシュめ、どんなギアスをかけたんだ……)
ルルーシュ「見知らぬ男から唐突に告げられるC.C.の淫らな行為……」
ルルーシュ「お前の妄想力も範疇の外から攻撃されては意味はないようだな……ふふふ……」
マオ「うおぉぉ!!!!」
リヴァル(C.C.は簡単にやらせてくれた。少しエロいことを耳元で言ったらすぐに濡れた)
リヴァル(乳首を少し摘んだら、自分から喘ぎ始めたぐらいだ)
マオ「ちくしょぉぉ!!!C.C.は……!!簡単に体を許してくれない!!!ゆるしてくれないんだぁぁ!!!」
C.C.「……」
ルルーシュ「そろそろいくか」
マオ「やめろ!!ちがう!!ちがうんだ!!!C.C.は一緒にお風呂すらはいってくれないんだぁぁ!!!」
C.C.「マオ……」
マオ「部屋ではいつも下着のくせに!!!一緒のベッドで寝てくれるくせに!!!一切!!!そんなことはないんだぁぁ!!!」
ルルーシュ「魔女だな。お前」
C.C.「いや……だって……」
ルルーシュ「分かっている。童貞は常に必死だからな。引いてしまうんだろ?マオも無様だな。まさに絵に描いたような童貞っぷりだ」
なるほど
リヴァル(C.C.の髪の毛をあそこに巻きつけて抜いてやった。最高に気持ちよかった)
マオ「……いうなぁぁ!!!!」ドゴォ!!
リヴァル「ぐえ?!」
ルルーシュ「リヴァル?!」
リヴァル「いってぇ……!!ど、どこだここ?!」
マオ「許さない……!!C.C.を玩具にして……!!殺してやる……!!」ギュィィィン
C.C.「チェーンソー!?」
ルルーシュ「ちっ……!!行き過ぎた童貞は感情すらもコントロールできなくなるのか!!」
リヴァル「うわぁぁぁ!!!」
マオ「しーつーはぁぁ!!!!そんなことしないんだぁぁ!!!!」
C.C.「マオ!!やめろ!!」
マオ「しー……つー……違うよね?C.C.はそんなエロくないよね?処女だもんね?」
C.C.「……」
ルルーシュ「今だ!!リヴァルを回収してこの場を離脱する!!」
ルルーシュ「はぁ……手ごわいな」
C.C.「ルルーシュ、もうやめよう」
ルルーシュ「それはできない。奴はシャーリーを俺から奪った。絶対に許すことは出来ない」
C.C.「……」
ルルーシュ「しかし、下手な妄想は奴を逆撫でするのか」
C.C.「もうやめてくれ」
ルルーシュ「こればかりはやめるわけにはいかない」
C.C.「しかしな。私にもイメージってものが」
ルルーシュ「その外見から滲み出ているエッチなオーラを振りまきながらイメージだと?笑わせるな」
C.C.「なっ……」
ルルーシュ「他になにかないか……」カタカタ
ルルーシュ「ん……?」
ルルーシュ「ふははははは!!!これだ!!これなら!!!」
C.C.「次はなんだ?」
マオ「C.C.……」
C.C.「マオ」
マオ「しーつー!!!しーつーなんだね!!!」
C.C.「ああ」
マオ「嬉しいよ!!C.C.!!!僕のしーつー!!」
ミレイ「……」
マオ「ん?誰なの?」
C.C.「こいつは……」
ミレイ(C.C.はいつも私と裸になって一緒のベッドで寝ているわ)
マオ「……!?」
ミレイ(いつも可愛い声で鳴いてくれるのよ)
マオ「……ルルーシュ!!でてこい!!!いるんだろ!?」
ルルーシュ(なに?!バレた?!)
マオ「これは流石に大嘘だ!!!ふざけるなぁ!!!」
ルルーシュ「よくわかったな、マオ」
マオ「いいか?C.C.は……女性と一緒に寝るのは疲れるって言ってたんだよぉ」
C.C.「ばっ?!」
ルルーシュ「ほう?」
マオ「女性は果てがないから、多くの場合朝まで寝ることができないって言ってた。そうだよね、C.C.?」
ルルーシュ「そうなのか、C.C.?」
C.C.「ちがう!!マオ!!嘘をいうな!!」
マオ「嘘じゃないよ!!忘れちゃったの?あのとき、僕に話してくれたじゃないか。で、どうして寝れないの?」
C.C.「あれは……その……失言だったと翌日に訂正しただろ……」
ルルーシュ「面白いな。続けろ」
C.C.「やめろ!!私は帰るからな!!」
マオ「あぁ!!待ってよ!!C.C.!!」
ルルーシュ「仕方ない。会長を回収して帰路につく」
ミレイ「……あれ?ここはどこ?」
ルルーシュ「埒が明かないな……」
C.C.「……」
ルルーシュ「いつまで部屋の隅で膝を抱えている?」
C.C.「私はノーマルだからな。マオの言っていたことは……あれだ……一夜限りの間違いでだな……」
ルルーシュ「さて……次の作戦に移るか……。今日中に奴を……マオをしとめる……!!」
C.C.「はぁ……」
ルルーシュ(だが……生半可な妄想では奴を揺らすことはできない)
ルルーシュ(かといって、他人に妄想させるのは危険だった)
ルルーシュ(ここは俺がなんとかするしか……しかし……どうする……)
ルルーシュ「くそ……!!どうすれば……!!」
C.C.「はぁ……私はノーマルだ……普通なんだ……」
ルルーシュ「普通……?」
ルルーシュ「そうか……ふはははは!!!!それだ!!C.C.!!!」
C.C.「なにがだ?」
マオ「しーつー……おそいなぁ……」
C.C.「マオ」
マオ「あー!!しーつ―――え?」
ルルーシュ「どうした、マオ?顔が引きつっているぞ」ギュッ
C.C.「……」ギュッ
マオ「なんで……手を繋いでいるんだよ……ルルーシュ……!!離れろ!!!」
ルルーシュ(馬鹿か?恋人なんだから手ぐらい繋ぐ。勿論、こんな風に指を絡めてな)
マオ「C.C.!!違うよね!?こんなガキを好きになったりなんか……!!」
C.C.「……」モジモジ
マオ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
ルルーシュ(初めにここへ来たときの妄想だが。あれは妄想じゃないんだよ)
マオ「な、なんだと……!?」
ルルーシュ(あれは俺とC.C.の赤裸々な夜の営みだ)
マオ「だまれぇぇぇ!!!ルルーシュ!!言うな!!!いうなぁぁぁ!!!」
マオ「やめろっていってるだろぉ!!」
ルルーシュ(だから遠まわしに諦めてくれるように策を練ったんだが……。お前はあまりにも強情すぎた)
マオ「C.C.!!!違うんだろぉ!?こんな童貞のクソガキに惚れるなんて嘘なんだよね?!ねえ!!」
C.C.「……」モジモジ
マオ「モジモジしてないでなんとかいってよぉ!!C.C.!!!!しぃぃつぅぅぅ!!!!」
ルルーシュ(ふははははは。無様だな。マオ!!童貞がこの俺を童貞を罵る姿は実に滑稽だったぞ?)
マオ「おのれぇ!!ルルーシュ!!!どうせC.C.にギアスをかけたんだろ!?」
ルルーシュ(C.C.にギアスは通じない。知っているだろ?)
マオ「うぁ……!?」
ルルーシュ(そう……これはC.C.の意思!!想いだ!!)
マオ「ちがぁぁう!!!C.C.は僕しかないんだ!!僕だけがC.C.を愛しているんだ!!」
ルルーシュ(それにC.C.と俺は婚約も交わした。お前の敗北は決定事項だ)
マオ「え……」
C.C.(な、なんだ……マオの顔つきが変わった……)
マオ「……そこまでいうならして見せてよ」
C.C.「え?」
ルルーシュ「何をだ?」
マオ「キスぐらいできるんだろうなぁ?」
C.C.「キ……!?」
ルルーシュ(お前、他人のキスを間近で見て興奮するのか?変態め!!)
マオ「うるさい!!お前には僕に証明する義務がある!!!」
ルルーシュ「きさま……」
マオ「キスしてみせろよ!!できれば僕は諦めて田舎に帰るよ!!!」
C.C.「おい!ルルーシュ!!なんて言ったんだ!!」
ルルーシュ(お前……そんな場面を見て正気でいることができる自信があるのか?惚れた相手だろうが!!)
マオ「黙れ!!このまま何も見ずに帰るのだけはできない!!」
ルルーシュ(仮に俺がキスをしたとして、お前はその後どうするつもりだ!!)
マオ「いいからやれよ!!御託はいらないんだ!!キスをしろよ!!はやくぅ!!!」
マオ「できないっていうなら……C.C.を渡せ。君の中途半端な覚悟じゃC.C.とは一緒に暮らせない!!」
ルルーシュ(馬鹿が。既に一緒に住んでいる!!)
マオ「何十年も連れ添えるわけがないんだ!!キスもできないようじゃ!!!」
ルルーシュ「マオ……!!」
C.C.「おい!どうしてキスをするしないの話になった!?答えろ!ルルーシュ!!」
ルルーシュ(好きな女が目の前で嫌いな男に奪われるのをそんなに見たいのか?俺はそんなの絶対に見たくないがな)
マオ「僕だってみたくないさ!!ああ!!見たくない!!だけどね……C.C.の心が聞こえない以上、君の片思いである可能性だってある!!」
ルルーシュ(片思いだと?はっ、何を言っている)
マオ「C.C.はただ、君にギアスを渡したからそういっているだけかもしれない!!そうだ!!そう違いない!!!」
マオ「だから……お前がキスしようとすれば、きっとC.C.は嫌がる!!」
C.C.「マオ……」
ルルーシュ(それを知ってどうする?)
マオ「C.C.は僕が救い出す!!僕はC.C.の王子様になるんだぁ!!!」
C.C.「……」
ルルーシュ(お前は……底なしの変態か)
マオ「ああ!!C.C.の王子様になれるになら僕はピエロにだって変態にだってなってやる!!!」
C.C.「ルルーシュ……おい……どうしてこんなことになったんだ?」
ルルーシュ「……」
マオ「……嘘か」
ルルーシュ(しまった……!!つい先のことを思考してしまった……!!)
マオ「ふ……ふはは……あははは!!!そうかぁ!!!やっぱりねえ!!!そうだと思ってたんだよ!!!」
マオ「お前がぁ!!お前みたいなガキがぁ!!C.C.をモノにできるわけないだろうが!!!」
ルルーシュ「くっ……マオめ……!!」
マオ「さあ、行こうよ、C.C.。こんな童貞の傍に居たってなんの得もないよ?」
C.C.「……」
マオ「どうしたの?C.C.?こんな男、気持ち悪いだろ?」
C.C.「いや……あの……」
ルルーシュ「ここまでだな。この作戦だけは使いたくなかったが……仕方ないか……」
ルルーシュ(一番最初に思いついた作戦だったが、あまりに残酷だろうから思いとどまっていたのだが……)
マオ「なんだって……?」
警察「……」ダダダッ
マオ「な……」
ルルーシュ(俺との問答で近くまで来ていることに気がつけなかったお前のミスだ、マオ)
マオ「ルルゥゥゥシュ!!!」
C.C.「おい!!ルルーシュ!!やめろ!!この作戦は……!!」
ルルーシュ「流石の奴もこの数では手に負えない」
C.C.「だが……」
ルルーシュ(じゃあな、マオ)
C.C.「さよならだ」
マオ「C.C.!!まってよ!!どこにいくの!!」
警察(C.C.のお尻ってエロいな。噛み付きたい)
マオ「……!?」
こりゃキツイ
警察(きっとガバガバなんだろうなぁ)
マオ「うるさい!!やめろぉ!!やめろよ!!黙れお前ら!!!」
警察(そそるわ。とくにあの尻。顔に擦りつけほしいな)
マオ「黙れっていってるだろぉ!!!」
警察(あんな女でもウンチするんだよな……)
マオ「C.C.はそんなことしない!!!しない!!!!もう何も喋るなぁ!!!」
警察(ああいう女は意地悪して泣かせたいな)
マオ「C.C.が可哀相だろう!!」
警察(散々惚れさせて簡単に振ったら、泣いてすがり付いてきそうだな)
マオ「C.C.はそんな心が弱くなぁぁい!!!」
警察(濃厚なキスしてぇ)
マオ「僕だってしたいのにぃぃぃ!!!!!しぃぃぃつぅぅぅぅ!!!!!」
ルルーシュ「苦しめ、マオ!!俺の受けた苦痛はこれ以上だったのだからなぁ!!!!ふはははははは!!!!!!」
C.C.「……」
ルルーシュ「―――ああ、その件は扇に任せてある。扇に聞いてくれ」
ルルーシュ(黒の騎士団も順調だな……このまま行けば……くくく……)
ピリリリ
ルルーシュ「ん?」
ルルーシュ「―――これは?!ナナリー……!?」
ピリリリ
ルルーシュ「誰だ!?」
マオ『僕だよ……ルルーシュ……』
ルルーシュ「マオ……貴様!!ナナリーになにをした?!」
マオ『画像……見てくれたんだ……。どうだい?大事なものを奪われた心境は?苦しいだろ?辛いだろ?』
ルルーシュ「ナナリーは関係ないだろうが!!」
マオ『それを君が言うんだ。へえ……』
ルルーシュ(俺の思考が読めていない……?近くにはいないのか)
マオ『ルルーシュ……僕はね……相当、怒っているんだ。だから、何をするか分からないよ?』
マオ『僕のC.C.を取ったくせに何を抜けぬけと……』
ルルーシュ「おのれ……マオ……!!」
マオ『今、声を聞かせてあげるよ』
ナナリー『お兄様!?助けてください!!』
ルルーシュ「ナナリー!?わ、わかった!!すぐに助け出す!!」
マオ『そう簡単に見つけられるかな?猶予は3時間でいいかな?』
ルルーシュ「上等だ……!!」
マオ『そうそう……5分おきに電話をするから必ず5コール以内に出てね』
ルルーシュ「なに?」
マオ『出ないと……可愛い妹の飛び散った肉片動画を送りつけてやるから』
ルルーシュ「やめろ!!マオ!!!」
マオ『それじゃあ、がんばってね』
ルルーシュ「マオォォ!!!!」
ルルーシュ「くそ……シャーリーだけではなく……ナナリーまで……マオ……ただで済むと思うな……!!」
ルルーシュ「スザク!!」
スザク「え?なに?」
ミレイ「どうかしたの?」
ルルーシュ「こい!!」
スザク「どうしたんだ?」
ルルーシュ「いいから!!」
スザク「……わかった」
リヴァル「おーい!ルルーシュ、どうしたんだよ」
ニーナ「ルルーシュ……なにか焦っていたみたい……」
シャーリー「……?」
ルルーシュ「スザク……ナナリーが攫われた」
スザク「なんだって……?」
ルルーシュ「お前の力を借りたい」
スザク「ああ、僕でいいならいくらで使ってくれ。で、相手の要求は?」
スザク「わからないって……まさか、ブリタニアが……」
ルルーシュ「いや、それはないと―――」
ピリリリ
ルルーシュ「俺だ」
マオ『はい。5分たったよ、ルルーシュ。妹の居場所はわかったかな?』
ルルーシュ「警察に通報する手段を考えていた」
マオ『それでもいいよ?分かった瞬間、バーンだけど』
ルルーシュ「だろうな」
スザク(やはり警察はダメか)
ルルーシュ「それで要求はなんだ?」
マオ『まぁまぁ……じゃあ、ナナリーに一つ目の質問をしようかな』
ルルーシュ「質問……?」
マオ『ナナリーに好きな人はいるかい?』
ルルーシュ「やめろぉぉぉ!!マオ!!!!ふざけるんじゃない!!!!」
マオ『―――いるって』
ルルーシュ「うえあぁあああああ?!?!」
マオ『はい。じゃあ、また5分後にかけるからね』
ルルーシュ「マオ……まさか……!!」
マオ『ナナリーに対する質問はどんどん過激になるよ?早く見つけないとねえ……ルルーシュ、大変だよ』
ルルーシュ「貴様……は……!!」
マオ『いいねえ!!その悲痛な声!!あははははは!!!』
ルルーシュ「必ず見つけ出す……!!!」
マオ『がんばってね』
スザク「ルルーシュ、何があった?」
ルルーシュ「ナナリーの秘密を開示していくと言って来た」
スザク「なんだって?!はやくナナリーを助けよう!!このままじゃナナリーが学校に通えなくなる!!」
ルルーシュ「いくぞ、スザク!!」
スザク「ああ!」
ルルーシュ「はぁ……はぁ……くそ……」
スザク「ルルーシュ!!」
ルルーシュ「どうだった?」
スザク「ダメだ」
ルルーシュ(くそ……どうすれば……!!)
ピリリリ
ルルーシュ「……なんだ」
マオ『ナナリーに質問。お兄様の嫌いなところってどこ?』
ルルーシュ「マオ!!!!マオォォォォォ!!!!」
マオ『……そんな……バカな……』
ルルーシュ「え……?」
マオ『う、嘘だ!!一つもないなんて!!!嘘だぁ!!!』
ルルーシュ「ふ……ふはは……あーっはっはっはっはっはっは!!!!!」
マオ『くそ!!また5分後にかけるからなぁ!!!調子になるな!!ルルーシュ!!!』
ルルーシュ「いや……大丈夫だ」
スザク「そうか。それじゃあ僕は向こうを探してくるよ」
ルルーシュ「ああ、頼む」
ルルーシュ(ありがとう……ナナリー……)
ルルーシュ(おかげで少し冷静になれた)
ルルーシュ(少なくとも奴は近くにはいない。俺が奴のギアス効果範囲外にいるからそれは確実だ)
ルルーシュ(そして……僅かに水の音が聞こえていたな……)
ルルーシュ(地下水道か……!!)
ルルーシュ(よし……居場所さえ分かれば……スザクに―――)
ルルーシュ(いや……そう簡単に終わらせてたまるか……)
ルルーシュ「……」トゥルルル
C.C.『なんだ?今、空港に―――』
ルルーシュ「それはキャンセルしろ。緊急事態だ」
C.C.『なんだと?』
ルルーシュ「よし、第一条件はクリアだ」
ルルーシュ「あとは……」
スザク「ルルーシュ!!ダメだ!!こっちにもいなかった」
ルルーシュ「そうか」
スザク「ルルーシュ?どうしたんだ?妙に落ち着いているというか……」
ルルーシュ「スザク、奴の居場所が判明した」
スザク「なに?」
ルルーシュ「今からその場所に向かいたい。だが、俺は行けない」
スザク「どうして?」
ルルーシュ「奴を油断させたい」
スザク「ルルーシュ……何を考えている?」
ルルーシュ「いいか?俺が合図をしたら今から伝える場所に直行してくれ。途中、電子ロックされた扉もあるだろうから、その解除方法も教えておく」
スザク「……わかったよ」
ルルーシュ「俺とお前ならどんなことでもできる……確実にな」
ルルーシュ「俺だ」
マオ『まだ分からないの?大変だねえ』
ルルーシュ「まだ30分ほどしか経っていないだろうが!!それで探し出せるほうが無茶なんだよ!!!」
マオ『なら……次の質問にいってみようか』
ルルーシュ「やめろ!!」
マオ『ナナリー?自分で一番いやらしいと思う言葉ってなんだい?』
ルルーシュ「お前……俺に苦痛を与えるだけではないのか!!!」
マオ『当然じゃないか。ナナリーにも辱めを受けてもらう』
ルルーシュ「マオ……外道め……!!」
マオ『ナナリー……君は……』
ルルーシュ「なんだ?どうした?」
マオ『また5分後にかける……』
ルルーシュ「まて!!ナナリーはなんと言った!!答えろ!!」
マオ『黙れ!!ナナリー、殺すよ!!!お前は僕の言うことを聞いていればいいんだ!!!』
ルルーシュ(だが、今は待つしかない……時間には余裕がある……)
ルルーシュ(C.C.……頼むぞ……)
スザク「ルルーシュ、まだなのか」
ルルーシュ「ああ……まだだ」
スザク「わかった……」
ルルーシュ(ちっ……そろそろ5分か……)
ピリリリ
ルルーシュ「もうやめてくれ!!!」
マオ『ふん……どの口が言うんだい?僕はね……君をすっごく苦しめてから殺すって決めたんだ!!』
ルルーシュ「……ナナリーは関係ないだろ……」
マオ『じゃあ、質問だよ、ナナリー?お兄様の恥ずかしい秘密を言ってみてよ』
ルルーシュ「マオ!!!」
マオ『……え?ナナリー……それ……え……?』
ルルーシュ「どうした?次はなんだ?!」
ルルーシュ(なんだ……?マオが動揺している……?)
マオ『1日罰ゲームで自分の言いなりになったから、お姫様抱っこをさせた!?そのときの表情!?』
ルルーシュ「ナナリー……」
マオ『そんなのあいつにとっては恥ずかしくともなんともないんだよ!!!もっと変態的なことだ!!』
マオ『ぐ……!!!一緒にお風呂に入らなくなったこと?!なんだそれ!?』
マオ『え?私のことを意識し始めたからだろうから、きっとそんな自分を恥ずかしいと思っている……!?』
ルルーシュ「ふっ……」
マオ『なんだよぉ!!これじゃあただの仲のいい兄妹じゃないかぁ!!!!』
ルルーシュ「マオ。どうやら誘拐する相手を間違えたようだな」
マオ『くそ……じゃあ、ナナリー!!好きな人の名前をいえ!!!』
ルルーシュ「やめろ!!」
マオ『ルルーシュ……!?おまえもぉぉ……ルルーシュだってぇぇ……!!!!』
マオ『ちくしょぉぉぉ!!!!』
ルルーシュ「ふははははは!!!!マオ!!!お前の負けなんだよ!!!」
>マオ『1日罰ゲームで自分の言いなりになったから、お姫様抱っこをさせた!?そのときの表情!?』
・・・・・・表・・・情?
目が見えてた頃と考えるんだー
ルルーシュ「まだだ」
マオ『くそ……!!くそ……!!こうなったら……!!!木っ端微塵にしてやる!!』
ルルーシュ「まて。貴様、そんなことをしていいのか?」
マオ『いいに決まっているだろ?僕にとって必要なのはC.C.だけで、他の人間なんていらないんだ!!』
ルルーシュ「そのC.C.は今、どこにいるのか理解できていないようだな」
マオ『なに……?』
ルルーシュ「もう少ししたら画像を添付して送ってやる」
マオ『ま、まて……C.C.は不死なんだ。変な脅しは……』
ルルーシュ「バカが。凶器をちらつかせるだけが脅しだと思っているのか?」
マオ『ルルーシュ!!何をした!!』
ルルーシュ「まあ、待っていろ。大事な交渉の道具だ」
マオ『ルルーシュ!!なんだ!!いえよ!!おい―――』
ルルーシュ「ふん。これで第二条件もクリアだ」
スザク「ルルーシュ。すごく悪い顔になっているけど、大丈夫なのか?」
マオ「くそ……なんだ……ルルーシュのやつ……僕のC.C.に一体なにを……」
ナナリー「あの……」
マオ「なんだ!?」
ナナリー「こんなことをしても意味はありません。きっと貴方が後悔するだけです」
マオ「黙れよ。本当に殺しちゃうよ?」
ナナリー「貴方が今、どのような表情をしているのかわかりませんが……声で分かります」
マオ「……」
ナナリー「貴方は今、お兄様を恐れている」
マオ「黙れ……黙れ……!!!クソガキぃ!!心と全く同じ声を口からだすなぁ!!!」
マオ「もういい……。君を殺すよ」
ナナリー「……っ」
マオ「さよな―――」
ピリリリ
マオ「……?なんだ?メール……?」
ピリリリ
マオ「ルルーシュ!?」
ルルーシュ『ふははは……届いたか?』
マオ「なんだ……これ……!!C.C.を縄で縛ってぇ!!!」
ルルーシュ『亀甲縛りにして天井から吊るし、声が出ないように猿轡もする。そして目隠し。監禁するならこれぐらいしないとな』
マオ「やめろぉ!!こんなことするなぁ!!!」
ルルーシュ『どの口が言う?』
マオ「いいのか?ナナリーを殺すよ?」
ルルーシュ『やるならやれ。その代わり、数日後には動画でC.C.が男の股間ナシでは生きられなくなった様子を送りつけてやる』
マオ「な、なんだと……!?」
ルルーシュ『奴は不老不死。困ったなぁ、マオ?早く王子様が現れないと、C.C.が涎をだらしなく垂れ流し続けることになる』
マオ「きさまぁ……!!!」
ルルーシュ『まぁ、童貞では救えないだろうけどな』
マオ「うぁぁぁぁ!!!!いい加減にしろ!!C.C.を玩具にするなぁ!!!』
マオ「……C.C.の声を聞かせろ」
ルルーシュ『いいだろう』
C.C.『あぉ!うぉ!!』
マオ「僕だよ!C.C.!!」
C.C.『あぉ!んお!!』
マオ「C.C.!!すぐに助けてあげるからね!!」
C.C.『んへぇ!?』
ルルーシュ『さぁ、マオ?取引だ』
マオ「分かったよ……ナナリーは返す……」
ルルーシュ『よし……』
マオ「だから、C.C.を―――」
スザク「―――そこまでだ!!!」
マオ「え?」
スザク「自分はブリタニア軍所属、枢木スザク准尉である!!お前を拘束する!!!」
ルルーシュ『遊園地と同じだな。学習しないな、お前』
マオ「気を逸らして……ルルーシュ!!」
ルルーシュ『ふはははは……。では、約束通りナナリーは返してもらおうか』
マオ「くそ……」
スザク「ふっ!!」ドガァ
マオ「ふごぁ!?」
スザク「少し大人しくしているんだ」
マオ「くそぅ……しーつー……しーつー……」
スザク「ナナリー、大丈夫かい?」
ナナリー「スザクさん。ありがとうございます」
スザク「爆弾は……?」
ナナリー「爆弾?」
スザク「あれ……爆弾はないのか?」
ナナリー「爆弾なんてあるのですか?」
マオ「……爆弾なんてないよ」
スザク「え……」
マオ「そう……爆弾はただの脅し……だ……」
スザク「君は……」
ナナリー「スザクさん、この人はお兄様に大切なものを奪われる気持ちを教えたいと言っていました」
スザク「ナナリーを殺すつもりはなかったのか」
マオ「途中、何度も殺そうとした……だけど……できなかった……」
スザク「なぜだ」
マオ「……心と同じことしか言わないんだ……こいつ……」
スザク「心?」
マオ「お前だって今、考えているのは別のことなのに!!!今のナナリーは本気で僕の心配をしている!!」
スザク「……」
マオ「もし、お前が僕を殴ればナナリーは止めようとしている……それがわかるんだよ、僕にはぁ!!」
スザク「何を言っているんだ……」
スザク「何のことなんだ……?」
ナナリー「あのスザクさん。なんとか見逃してあげれないでしょうか?」
スザク「それはできないよ。理由はどうあれ、彼は罪を犯したんだ。然るべき場所で裁かれないとならない」
ナナリー「そうです……よね……」
マオ「くそ……あいつの妹なんて……殺したいのに……こんな心を持った人間を僕は……殺せないじゃないかぁ……」
スザク「とりあえず君を拘束する。いいね?」
マオ「……さわるなぁ!!!」
スザク「?!」
マオ「この偽善者め!!」
スザク「な……!?」
マオ「僕はお前みたいな奴が一番嫌いだ……」
マオ「自分の父親を殺したくせに……」
スザク「ど、どうして……」
ナナリー「スザクさん……?」
ナナリー「お兄様!!」
ルルーシュ「な……!?」
マオ「お前が父親を殺したんだ!!!」
スザク「うあぁぁぁ……!!!」
ルルーシュ「なんだこれは……」
ナナリー「お兄様!!スザクさんの様子が!!」
ルルーシュ「マオ!!」
マオ「ルルーシュ……やっと来たね……」
ルルーシュ(貴様、スザクになにをした!?ギアスで何を聞いた?!)
マオ「ふん……君には関係ないよ。さあ、ナナリーは解放したんだ。C.C.を返してよ」
ルルーシュ(スザクに何をしたのか言え。でなければその要求には応じられない)
マオ「ふーん……。これでも?」グイッ
ナナリー「あぁ!!」
ルルーシュ「貴様!!ナナリーから離れろ!!」
ナナリー「C.C.さん……?」
ルルーシュ(マオ、もう見苦しいことはやめろ)
マオ「黙れ……僕が……C.C.を救い出すんだ!!」
ルルーシュ(やめろ!!ナナリーには―――)
ナナリー「えっと……C.C.さんはいつも幸せそうにしていますよ?」
マオ「え……」
ルルーシュ「ナナリー?」
ナナリー「どうして貴方がそのような言い方をするのかは分かりませんが、少なくともC.C.さんはお兄様といるとき楽しそうです」
マオ「やめろ……!!うそだ……!!!」
ナナリー「嘘ではありません。お兄様は少し、C.C.さんに強い言葉を言うときもありますが、それもC.C.さんは快く受け取っています」
ナナリー「きっと、見えない信頼関係があるのでしょうね」
マオ「やめてくれぇ……もう聞きたくない……やめろぉ……なんで心からそんなことをいうんだぁ……!!」
ナナリー「お兄様も普段はあまり感情を表に出しませんが、C.C.さんの前だとうろたえることも多くて、新鮮です」
マオ「うわぁぁぁぁ!!!!!しぃぃぃつぅぅぅぅ!!!!」
マオ「うそだぁ……しーつーがぁ……うそだぁ……」
ナナリー「あ、あの……」オロオロ
マオ「僕の心配なんてするなぁ!!!やめろぉ!!!やめてくれぇぇ……うっく……ぐすっ……」
ナナリー「はい……ごめんなさい……」
ルルーシュ「スザク、立てるか?」
スザク「あ……ルルーシュ……すまない」
ルルーシュ「行こう」
スザク「え……でも……」
ルルーシュ「アイツはもういい」
スザク「しかし」
ルルーシュ「いいんだ」
スザク「……」
ナナリー「お兄様……」
ルルーシュ(C.C.に事後処理を任せるか)
C.C.「マオ」
マオ「あ……C.C.……」
C.C.「すまなかったな」
マオ「C.C.……」
C.C.「……」
マオ「……殺すの?」
C.C.「このまま大人しく帰るなら……何もしないさ」
マオ「うん……分かったよ……」
C.C.「マオ……」
マオ「バイバイ……C.C.……」
C.C.「ああ。もう会うことはない」
マオ「……」
C.C.(マオ……本当に悪かったよ)
C.C.(せめて……穏やかに生きてくれ……)
マオ「……」
ルルーシュ「マオ」
マオ「ルルーシュ……」
ルルーシュ「C.C.のことは忘れろ」キュィィィン
マオ「……」
ルルーシュ(これがC.C.の願いだ……マオ……)
マオ「ルルーシュ……なんでかな、僕は君を恨んでいるんだろう……」
ルルーシュ「よくあることだ。理由無き憎悪なんてな」
マオ「そう……でも、殺す気にはなれないんだ」
ルルーシュ「なぜだ?」
マオ「君を殺せば……大切なものを失う気がするから……」
ルルーシュ「そうか」
マオ「またね……ルルーシュ」
ルルーシュ「ああ」
ルルーシュ「スザクは?」
マオ「……」チラッ
ナナリー「お仕事に向かわれました」
ルルーシュ「そうか」
ナナリー「えっと……そこにいるのは……」
マオ「ナナリー……」
ナナリー「先ほどの……?」
マオ「マオって言うんだ」
ナナリー「マオさんですか」
マオ「うん」
ナナリー「もう行かれるのですか?」
マオ「え?」
ナナリー「それではまた。お元気で」
マオ「……うん」
ルルーシュ「今日は天気がいいな」
ナナリー「はい。とってもいい匂いがしますね」
C.C.「本当だな」
ルルーシュ「おまえ!!部屋にいろとあれほど!!!」
C.C.「小さいことは気にするな。今日は休日。生徒も疎らだ」
ルルーシュ「そういう意味じゃないんだよ!!!」
ナナリー「お兄様、落ち着いてください」
マオ「そうだよ。全く、ナナリーのお兄様にしては器が小さいねえ」
C.C.「な……?!」
ルルーシュ「マオ!?」
ナナリー「え?マオさん?」
マオ「会いたかったよ!!ナナリー!!!」
ナナリー「どうも」
C.C.「マオ!?どうしてここに!?」
C.C.「おば……?!」
ルルーシュ「(マオはお前のことを忘れている)」
C.C.「あ、ああ……そうだったな」
マオ「でも、不思議だ……。おばさんからは心の声が聞こえない」
C.C.「おばさんはやめろ……」
ルルーシュ「マオ、なんの用だ?」
マオ「お兄様に用はないよ。用があるのは……ナナリー!!」
ナナリー「なんですか?」
マオ「ああ!!最高だ!!僕のエンジェル!!!君は心を言葉にしている!!最高だぁ!!!」
ナナリー「あの……」
マオ「ナナリー。僕は君のことならなんでも分かるよ。君の好きなものから君が一番いやらしいと思う言葉まで!!」
ナナリー「マオさん、お兄様がいるので……そういうことは……」オロオロ
マオ「さぁ!!ナナリー!!デートでもしようか!!!君にぴったりの服も用意したんだぁ!!」
ルルーシュ「マオ!!その汚い手でナナリーに触れようとするな!!!」
ルルーシュ「誰が貴様などにくれてやるかぁ!!!」
マオ「今のナナリーはルルーシュのことしか頭にないみたいだけど、そのうち……僕も……ふふふ」
ルルーシュ「きさまぁぁ!!!!また繰り返す気かぁ!!!」
マオ「さぁ!!ナナリー!!!一緒に―――」
ナナリー「……」
マオ「え……そんなぁ!?ナナリー?!どうしてだい?!どうして気持ち悪いなんて!!!」
ナナリー「お兄様……」ギュッ
マオ「ナナリー!!!」
ルルーシュ「去れ、マオ」
マオ「ふふふ……なら……いいよ!!ナナリー!!君が僕と付き合ってくれないというなら!!公表しちゃうよ!!」
C.C.「マオ!やめろ!!」
マオ「ナナリーが一番いやらしいと思う言葉を!!!」
ナナリー「……構いません。どうぞ、公表してください。それで気が済むのでしたら」
マオ「……」
マオ「ルルーシュ……!!」
ルルーシュ(お前を幸せにすることはできない。お前のその性格は誰かを不幸にするからな)
マオ「なに……!!」
ルルーシュ(だから田舎に帰って、一人孤独に生きろ。それがお前のためだ!!)
マオ「無理だよ!!僕はナナリーが大好きなんだ!!愛している!!」
マオ「ほら、盗聴してナナリーの声を録音したんだ。それを毎日、こうして聞いているぐらい好きだ!!」
C.C.「うわぁ……」
ナナリー「……」
マオ「ナナリー……どうして……帰ってなんていうんだい?おかしいよぉ!!おかしいよぉ!!!」
ルルーシュ(いい加減にしろ!!マオ!!!)
マオ「ふふふ……なら、お望みどおり!!!公表してあげるよぉぉ!!!」
ルルーシュ「マオ!!」
マオ「ナナリーが一番いやらしいと思っている言葉は……オマーン湖なんだよぉ!!!あっはっはっはっは!!!」パチパチ
ナナリー「……」
ナナリー「お兄様……はしたない妹でごめんなさい……」
ルルーシュ「いいんだ。今日はもう帰ろう」
ナナリー「はい」
マオ「あれ……ナナリー?どうして……心の声が聞こえない……」
C.C.「ナナリーはお前に対して心を閉ざした」
マオ「すごい!!益々理想の女の子になったんだねぇ!!ナナリー!!!」
C.C.「マオ……」チャカ
マオ「え―――」
バァン!!
C.C.「……やっぱり、初めからこうしておくべきだったよ」
C.C.「じゃあな」
END
乙
楽しかった
そうだったこれどうなんだよ
この真偽はよ
咲世子ががんばって縛ったと思う
ちょっとそこ詳しくお願いします
Entry ⇒ 2012.10.01 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
C.C.「今日は学校サボって私とデートしろ」 ルルーシュ「…は?」
C.C.「不服か?」
ルル「不服だ」
C.C.「理解に苦しむ童貞坊やだな。私のような絶世の美人にデートを求められて断る男がどこにいる?」
ルル「自画自賛もいいところだろう、お前」
C.C.「それとも何だ、私をこの屋敷に置いたままで世間の目に晒すのが怖いのか」
ルル「……俺は今学校に向かう準備で忙しいんだが」
C.C.「全く、童貞のくせに女を囲うことを覚えてしまったモヤシっ子はこれだから困る」
ルル「朝一番からワケの分からない事を聞かされるという時点で、
現状で一番困っているのは間違いなく俺だというのが根底にないのか、お前は……」
C.C.「それはな、ルルーシュ。 お前のためを思っての事だ」
ルル「……は?」
C.C.「激化するブリタニアとの戦い、黒の騎士団の長として奔走する立場、
それを隠しながら学生という二足の草鞋を履き続ける生活…心労は相当なものだろう」
ルル「……俺が自ら望んでその場に立ったんだ、その程度の辛さは覚悟の上さ」
C.C.「しかし、いずれはガタが来る。張り詰めた糸がプツンと脆く切れるように」
ルル「……」
C.C.「そんなお前を見るのは忍びない。何せ私とお前は『共犯者』だからな」
ルル「C.C.…お前、そこまで考えていてくれて……」
C.C.「それにな」
ルル「?」
C.C.「屋敷にずっと籠っているのは存外暇だから、外の空気くらいたまには思いっきり吸いたいんだ」
ルル「それが本音か貴様」
ルル「ええぃ! 俺は俺でやらねばならんことが多々あるんだ!
お前の思いつきで今日計画していたプランを台無しにつもりは毛頭無い!」
C.C.「ちなみに、そのプランというのはどういう内容になっているんだ」
ルル「午前中は授業を受けつつ、株の売買で騎士団の資金繰り。
午後は生徒会に顔を出して怪しまれないよう振舞いつつ、ヴィレッタと今後の連携について提示報告。
夜はそのまま騎士団に直行して、扇やカレンに指示をして2週間後を目安にブリタニアの第四部隊撃破を目論んでいる」
C.C.「なんだ、それくらいなら明日にでも回せるな。では早速私とデートの準備を始めるとするか」
ルル「お前絶対さっきの話聞いていなかっただろう…」
ルル「なんだ、しつこいぞC.C.。俺は今日忙しいと…」
C.C.「お前はいつもそうやって忙しい忙しいと言う。
いつでも作れる休みを二の次にして、身を粉にして戦い続けている」
ルル「ああ。そうでもしないとブリタニアを潰すことなぞ夢のまた夢だからな」
C.C.「さっきも言った。そのままではいずれか倒れてしまう。
…お前が自分を大切に出来ないなら、それはそれでいい」
ルル「……」
C.C.「だがな、自分を大切に出来ない分だけ私に目を向けることくらい容易いだろう?」
ルル「……」
C.C.「倒れられたら困る、などという大前提の元に
お前の為を思って言うほど私は優しくないぞ。私は私の為に言おう」
ルル「……」
C.C.「……たまには、構ってくれてもいいじゃないか」
ルル「……ふん」
C.C.「?」
ルル「…………今日だけだからな」
C.C.「ふん、最初からそう言えば事は早かったんだ。
妙にモタモタして間遅れするのは相変わらず童貞坊やらしい行動だな」
ルル「お前という奴は本当に傲岸不遜だな…」
C.C.「当然だろう? 私はC.C.だからな」
C.C.「おい、貧弱モヤシっ子」
ルル「なんだ。言っておくが出かけるのはAM9:00以降だ。それまでに支度を済ませておけ」
C.C.「まぁ何だ。その、本当に聞いてくれるとは思わなかったからな」
ルル「どうした? お前らしくもない歯切れの悪さだな」
C.C.「……少しくらいは感謝してやらんことも無い」
ルル「……そういう素直さをいつも出してくれたら、俺は助かるんだがな」
C.C.「馬鹿を言うな。貴様のような捻じれに捻じれた捻くれ者に素直になるのは愚者の挙行だ。調子に乗るなよ」
ルル「……ほんの数秒前に抱いた俺の気持ちが台無しだぞ」
ルル「おい、C.C.。準備は出来たか?」
C.C.「女性を急かすのは男として落第点だぞ、ルルーシュ」
ルル「時間にルーズなのは人として落第点と思っているから問題ないな」
C.C.「減らず口を」
ルル「こういうのは無駄口と言うんだ。 それよりまだか、もう予定の時間だぞ」
C.C.「後は上着を着るだけなんだが、こう、なんだ、くっ…な、かなか苦戦しているんだ」
ルル「どうした? サイズでも合わなくなったのか」
C.C.「ま、前は…入ったんだが……どうやら、私の豊満な胸が、またサイズアップしてるようでな……
な、なんとか着て見せるから少しだけ待ってろ」
ルル「ピザ食っては寝てばかりの生活だったからな、お前は」
C.C.「……」
ルル「こう言っては何だが、ひょっとして太ったのではないか?」
C.C.「お前後で絶対に殺すからな、待っていろ」
C.C.「待たせたな」
ルル「ああ、待ったぞ」
C.C.「お前が急かすから、思ったよりも服の品定めが出来なかったじゃないか」
ルル「それに関しては少しくらい悪いと思っているさ」
ルル「おい、C.C.」
C.C.「なんだ、さっさと行くのだろう? キリキリ歩いてロスした時間を短縮するぞ」
ルル「その服装、悪くないな」
C.C.「……もっとストレートに褒めろ」
ルル「似合っているぞ」
C.C.「なんだ、恥ずかしい奴め。口説くにせよ、褒めるにせよ、中途半端極まりないな。
悪いが私はちょっと先を歩くぞ。そういう男にリードされるのは心外だからな」
ルル「……はいはい」
ルル(なんとなく言ってはみたが、どんだけ顔赤くしているんだアイツ……)
C.C.(不意打ちか……、童貞坊やのくせに生意気な……!)
C.C.「そんなの私が決める事では無いだろう。適当に街にでも出るぞ」
ルル「なんだ、計画無しか」
C.C.「そういうお前は何かプランでもあるのか?」
ルル「一応考えては見たんだが、お前の好きなものって何なのか存外分からなくてな」
C.C.「ふふん、では私の趣味嗜好を知るために午前中はぶらついてみるか?」
ルル「なんで偉そうなんだお前…まぁいい、それで行くとしよう」
ルル「ああ、そうだな」
C.C.「マオと対峙したとき以来か」
ルル「そういう事になる」
C.C.「……」
ルル「……あの時の」
C.C.「?」
ルル「あの時のお前のゴスロリ姿は衝撃だった」
C.C.「なんだ、似合っていたとでも言いたいのか?
ふふん、そう思うのも致し方が無い。絶世の美女は何を着ても映えるからな」
ルル「ああ、まぁ、…そうだな」
C.C.「何故そこで茶を濁した!?」
C.C.「普段が普段の服装なだけに、様々な服を着るのは楽しいからな。
必然的に服の種類も増えていくというワケだ」
ルル「後はその服を脱ぎ散らかさずに、ちゃんとタンスに収納するのを覚えれば完璧だな」
C.C.「どこぞの顔だけはいい家政婦が後始末してくれるから問題ない」
ルル「誰が家政婦だ」
C.C.「別にお前の事を指しているワケじゃないぞ。咲世子だって顔がいいだろう。
これだから自意識過剰な坊ちゃんは困る」
ルル「俺以外がお前の服を収納することなぞ今まで一度も無かったろうが!」
C.C.「ふふ、これからも精々励んでくれよ」
ルル「……全く」
ルル「なんだ?」
C.C.「さっきの服の話だがな」
ルル「まだ掘り下げるか」
C.C.「お前が今まで見てきた私の服装で、一番良かったのは何だ?」
ルル「……は?」
C.C.「今後の参考がてらに聞いておこうと思ってな」
ルル「なんだその『今後』というのは。俺が言った服をこれから着てくれるとでもいうのか」
C.C.「気持ちの悪いことを言うなこの変態が。ただの参考だと言っているだろうが」
ルル「冗談に決まっているだろうが」
C.C.「……お前が望むなら、考えてやらんことも無いがな」
ルル「何をボソボソ言ってるんだお前」
C.C.「黙っていろ包○。お前的に良かった服はあるのか、無いのか、どっちなんだ」
C.C.「!」
ルル「とは言ってもシンプルだがな」
C.C.「ま、まぁ一応聞くだけ聞いてやる」
ルル「拘束服だ」
C.C.「……は?」
ルル「だから、お前が着ている白の拘束服だ」
C.C.「……ルルーシュ」
ルル「?」
C.C.「お前は、本当に変態さんだな…母の愛を充分に注がれなかったのが原因か…。
済まなかったな、今まで散々辛く当たってしまって……」
ルル「おい、なんで慈愛の目で俺を見つめてくるんだ。言っておくが絶対誤解しているからな!」
インパクトが強くて脳裏に焼きついてるというか、あの服が一番お前にしっくりくる」
C.C.「……拘束服が一番しっくり来るというのも考え物な発言だがな」
ルル「他意はない」
C.C.(……帰ったら久々に拘束服、着てみるか)
ルル「ようやく着いたか」
C.C.「意外と遠かったな」
ルル「お前は兎も角、俺は学校を無断で休んでいるからな。
アッシュフォードから少し離れた郊外の地になるのは仕方ないだろう」
C.C.「別に近場でもそうそう見つかるもんじゃないだろう。
相変わらず随所で器の小ささが計り知れる男だな、ルルーシュ」
ルル「喧しい。さっさと降りるぞ」
C.C.「了解した」
ルル「時間を潰すのに最適ではあるな」
C.C.「では、本格的にデートの開始だな」
ルル「……ふん」
C.C.「手でも繋いでみるか? 周りからは存外お似合いのカップルと思われるかも知れんぞ?」
ルル「遠慮する。お前と手を繋いだら、それだけでからかわれるタネになりそうだからな」
C.C.「つまらん男め、そこは『畏まりましたC.C.様。不肖このルルーシュめがエスコートさせて頂きます』と言って
優しく手を差し伸べるのが当然だろうが」
ルル「……お前は一体どんな本に感化されたんだ」
C.C.「ん?」
ルル「C.C.、お前はどこか行ってみたい場所はあるか?」
C.C.「そうだな…まず最初に向かうとすれば……」
1. C.C.「まずはカフェで落ち着きたいな」
2. C.C.「服や小物でも見てまわるか」
3. C.C.「ゲームショップとか面白そうだな」
>>35
C.C.「服や小物でも見てまわるか」
ルル「随分としおらしいな。本当にそんな一般的なものでいいのか?」
C.C.「やかましい、私だって女の子だぞ」
ルル「歳相応の発言を願いたいんだが」
C.C.「お前も怖いもの知らずだな。血を見るだけが地獄ではないんだぞ?」
ルル「……さて、真向かいに見えるファンシーショップにでも入ってみるか」
ルル「これはまた、何とも……」
C.C.「チ、チーズ君が、沢山いるじゃないか……」
店員「いらっしゃいませー。本日より、ピザ○ットと提携してチーズくんフェアを行なっておりまーす!」
C.C.「おい! 見ろ、ルルーシュ! チーズ君スリッパなんてあるぞ!」
ルル「あ、ああ…」
C.C.「こ、これは幻の『押したら鳴く等身大チーズ君ぬいぐるみ』じゃないか!」
ルル「これが等身大か。思ったより大きいんだな」
C.C.「ルルーシュ! ここは凄いな、いや、凄いぞ! なんかもう、凄い!」
ルル「ええぃ、少しは落ち着け!」
ルル(あんなに楽しそうにはしゃぐC.C.は稀有だな。そんなに嬉しいか…)
店員「あら、彼氏さんですかー?」
ルル「断じて違う」
店員「彼女さん、可愛いらしいですね。
あんなに綺麗な人があそこまで喜んでくださると、私たち一同としても喜ばしい限りです」
ルル「だから彼女ではないと…」
店員「どうですか、ここはお一つプレゼントとか如何でしょう?」
ルル「……」
C.C.「むぅ、まだ堪能したりないが…まぁいい。流石にここで一日を潰すわけにはいかないからな」
ルル「正気に戻ってくれたようで何よりだ」
C.C.「馬鹿を言うな、元々正気だというに」
ルル「信頼できるような発言ではないな、さっきの様子から考えると…」
C.C.「…少し舞い上がっていただけだ、さっさと出るぞ」
<オカイアゲ アリガトウゴザイマシター
C.C.「ん? 何か買い物したのか?」
ルル「さぁな、どうせ客でも見間違えたんだろう」
ルル「もう昼食の時間に差し掛かっているな」
C.C.「ここに着くのに時間がかかったのと、さっきの店で思いのほか足止めをくらったのが原因か」
ルル「後者は完全にお前が原因だろうが」
C.C.「煩いぞ、ルルーシュ。そもそもアレは相対性理論の所為だ」
ルル「いきなり何を言い出すかと思えば」
C.C.「楽しい時間は早く過ぎる、さっきの店で私はそれを実感したよ」
ルル「それは重畳だな」
C.C.「…今日一日も、なかなか過ぎる時間は早く感じるがな」
ルル「…少しだけ同意してやろう」
C.C.「素直じゃない奴め」
ルル「それはお互い様だ」
ルル「ああ、カレーうどんだろう」
C.C.「阿呆か貴様は。ピザの美味い店一択だろうが」
ルル「俺だってたまには好物を心置きなく食べたいんだ!」
C.C.「えぇい! そもそもデートの昼食でカレーうどんとか童貞こじらせすぎだぞお前!」
ルル「お前相手にデリカシーなぞ知ったことではない!」
C.C.「くうっ、何という水掛け論の予感だ…!」
ルル「な、なら妥協案を提示しよう」
C.C.「…ほぅ?」
C.C.「私はピザが食べたい」
ルル「この意見から同案できる部分をピックアップすると…」
C.C.「カレー、うどん」
ルル「ピザ、チーズ だな」
C.C.「相違ない」
ルル「つまり挙げるとなれば…」
・カレーライス(チーズトッピング)
・ピザ
・力うどん
ルル「上記の三つになるか」
C.C.「いくらなんでも偏りすぎだろう……」
C.C.「で、結局は……」
ルル「カレー味のピザ、になったな。この組み合わせは盲点だった」
C.C.「そうか? 今ではかなり一般的なメニューだと思うぞ」
ルル「そもそも俺はあまりピザを食べないからな。
そういった意味では新しいメニューを知れて色々と新鮮ではある」
C.C.「ふふん、私が毎度ピザを頼んでいて良かっただろう?」
ルル「それとこれとは別問題だ」
C.C.「……ノリの悪い奴め」
ルル「ああ。一人で4枚も食べたら、さぞ腹も苦しいだろう」
C.C.「もう2枚はいけたが、腹八分で抑えるのが美容の秘訣だ」
ルル「あれだけ食べてまだ入ったのか…底なしだな」
C.C.「褒めるな褒めるな、少し照れるだろうが」
ルル「俺の言葉のどこに褒める要素を見出したかは知らんが、それは勘違いだとだけ伝えておこう」
ルル「お前はどこか行きたい場所など無いのか?」
C.C.「思ったよりもモールが広いからな。行き場所で迷うのは仕方ないことだ」
ルル「確かにこれだけ広大だと、一日では周りきらないな」
C.C.「……場所でも変えるか?」
ルル「ほぅ、その場所にもよるが良い提案だな。
どこか目星でもついているのか?」
C.C.「そうだな……」
1. C.C.「広い草原でゆっくりするのも、結構いいな」
2. C.C.「自宅に帰ってゴロゴロするか」
3. C.C.「適当に郊外でもぶらついてみよう」
>>60
C.C.「広い草原でゆっくりするのも、結構いいな」
ルル「確かに、交通機関を使用して少し移動したら草原はあるが…」
C.C.「不服か?」
ルル「…いや、むしろ賛成だ」
C.C.「では早速移動することにするか」
ルル「ああ、そうしよう」
C.C.「ちなみに移動手段は?」
ルル「そうだな…バスが一番手っ取り早いだろう」
―― 小高い丘に大木が1本だけそびえる 緑の草原――
C.C.「ルルーシュ」
ルル「……」
C.C.「いい眺めだな」
ルル「ああ」
C.C.「ルルーシュ」
ルル「……」
C.C.「帰りのバスが一本も無いというのはどういう了見だ?」
ルル「田舎を侮っていた、としか返せないな……」
ルル「……」
C.C.「それとも何だ、私と二人きりになりたかったとでもいうのか」
ルル「……」
C.C.「……お、おい。冗談にくらい返事をしろ」
ルル「……俺だって、ゆっくりしたい時がある。お前もそう言ってたろう?」
C.C.「……そ、それは確かにそうだが」
ルル「よっ、と」
C.C.「いきなり寝転ぶとははしたないぞ、ルルーシュ」
ルル「ふん、別に今くらいは構わんだろう」
ルル「なんだかんだでお前も寝転がっているじゃないか」
C.C.「勘違いするな。お前が寝転がっていて私が立っていたら、スカートの中を覗かれるだろうが」
ルル「そういう恥じらいがあるなら、下着一枚で部屋をうろつくのは勘弁願いたいものだ」
C.C.「それとこれとは別物だ」
ルル「……お前の判断基準は相変わらず分からん」
C.C.「当然だろう? 私はC.C.だからな」
C.C.「なんだ?」
ルル「いい天気だな」
C.C.「まぁまぁだな」
ルル「……こんな穏やかな時間は、久しぶりだ」
C.C.「感謝しろ」
ルル「少しくらいならな」
C.C.「なんだ、やけに素直じゃないか」
ルル「ふん、勝手に言っていろ」
C.C.「それは人間が生まれ持った気質だ。お前だけじゃないさ」
ルル「……少し、寝る」
C.C.「最近のお前は激務で寝ることすらままならんかったからな。
……たまにはゆっくり眠れ。膝枕のサービス付きだぞ?」
ルル「ふん、やけに優しいじゃないか」
C.C.「いつもの事だ」
ルル「ああ、そう…だったな……」
C.C.「…おやすみ、ルルーシュ」
ルル「…おやすみ、○○」
~ppppp ppppp~
ルル「……休む暇もない、か」
C.C.「騎士団からの呼び出しだな。しかも緊急コールときた」
ルル「もう少しゆっくりしたかったが、仕方ない。
ここにはロロにでも迎えに来てもらうか」
C.C.「全く…余韻も何もあったもんじゃないな」
ルル「残念か?」
C.C.「……少しだけ」
ルル「俺は結構残念だ」
C.C.「……変に素直だと調子が狂うからやめろ」
C.C.「なんだ、ルルーシュ」
ルル「まぁ色々あったが、今日の事は感謝してやる」
C.C.「ふん、童貞坊やなぞついでだ。私は私で羽を伸ばせたから感謝される覚えなどない」
< 兄さん、あと1分足らずでそっちに着くから準備しといて!
ルル「…では、行くぞ」
C.C.「了解した、ゼロ」
【エピローグ】
―屋敷にて―
C.C.(緊急コールだから急いで向かってみたものの、歯ごたえのない任務だったな)
C.C.(実際ロロとカレンだけれで絶対どうにか出来たろうに…)
C.C.(無理にゼロを戦線に向かわせるから、アイツの疲労が取れないというのが分からんのか)
C.C.(ふふん、まぁその辺りを理解してやれるのは『共犯者』である私だけ、という事か)
C.C.(……内助の功、というのか。これは?)
C.C.「くふふ………」
咲世子「あら、ニヤニヤしちゃってどうかされましたか~。何かいい事でもありました?」
C.C.「ふぉぉう!? い、いきなり現れて驚かせるな!」
咲世子「あら? ルルーシュ様でしたら先ほどバタバタして帰ってきて、すぐ出ていきましたけれど」
C.C.「ん? さっき帰ってきていたのかアイツ?」
咲世子「はい、何か大きな荷物運んでらっしゃいましたよ」
C.C.「ふぅん。 まぁ、私には関係ないな。
部屋に戻るんで風呂の準備が出来たら呼んでくれ」
咲世子「はい、かしこまりました」
C.C.「こ、これは………」
C.C.「等身大、チーズ君の…ぬいぐるみ……」
C.C.「それに、メッセージカード…?」
気まぐれで買ってしまったからお前にやる。
せいぜい大切にしろ。
今日は有難う。 ルルーシュ
C.C.「梱包までしておいて気まぐれも何もあったもんじゃないだろうに……」
C.C.「ふふ…本当に、愛しいくらい不器用なヤツめ」
C.C.「私も気まぐれに、今日は拘束服でも着てアイツの帰りでも待ってやるか…!」
~END~
少しでも時間つぶしのお供になれたのなら幸いです
素敵なスレタイを考えた>>1に全力で敬意を表しつつ、この辺りで失礼を
ニヤニヤできてよかった
乙だ
Entry ⇒ 2012.09.29 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
シャーリー「ルルは女の子の気持ちを理解してない!」ルルーシュ「」
シャーリー「これでよし。会長の誕生日プレゼントはばっちり」
ルルーシュ「じゃあ、帰ろうか。シャーリー」
シャーリー「え……?」
ルルーシュ「どうした?」
シャーリー「いや、まだお昼前だけど?」
ルルーシュ「目的は達成できただろ。他に何かあるのか?」
シャーリー「……あ、そう」
ルルーシュ「シャーリー?」
シャーリー「ルルは女の子の気持ちをちっとも理解してない!!」タタタッ
ルルーシュ「シャーリー!!おい!!帰るなら送っていく!!」
ルルーシュ「……ただいま」
咲世子「ルルーシュ様、お帰りなさいませ。随分とお早いですね」
ルルーシュ「え?」
咲世子「今日はシャーリーさんとお買い物だと聞いていたので、帰宅は夜になるものとばかり」
ルルーシュ「会長のプレゼント買いに行っただけですよ。買うものも事前にリサーチしていましたし、時間なんてかかりません」
咲世子「では、購入してそのまま帰ってきたのですか?」
ルルーシュ「ええ。それがなにか?」
咲世子「シャーリーさん、怒ってませんでしたか?」
ルルーシュ「ああ。怒られました。よく分かりましたね」
咲世子「ルルーシュ様」
ルルーシュ「なんですか?」
咲世子「ミレイ様を選ばれるつもりなのですか?」
ルルーシュ「何の話かわかりません」
ルルーシュ「ただいま、ナナリー」
ナナリー「よかった、想像以上に帰ってくるのが早くて。私、嬉しいです」
ルルーシュ「そうか」
ナナリー「ふふ……」
咲世子「ルルーシュ様。少しよろしいでしょうか?」
ルルーシュ「はい?」
咲世子「ナナリー様と買い物に行かれた場合、買うものを買ってしまえばそのまま直帰しますか?」
ルルーシュ「時間に余裕があるなら食事をして、他のショップにも見て回って、ナナリーに似合いそうな服かアクセサリーでも探します」
ナナリー「うれしいです」
ルルーシュ「当然だろ、ナナリー」
咲世子「シャーリーさんもそれをしてほしかったのでは?」
ルルーシュ「それはありません。以前、そのように誘って断られましたからね」
咲世子「そうでしたか」
ルルーシュ「あのときもシャーリーは怒っていたな……。そういうことは先に言ってよとか心の準備がとか訳のわからないことを言いながら」
ルルーシュ「ああ、行かないよ。ナナリー」
ナナリー「では、是非聞いて欲しいことがあるのですが」
ルルーシュ「よし。いくらでも聞いてやる」
ナナリー「ありがとうございます」
咲世子「シャーリーさんもミレイ様も今一歩、ルルーシュ様には踏み込めていないのですね」
咲世子(使用人としてこれ以上の口出しは憚られますし……)
ナナリー「あのですね、お兄様、実は昨日とっても面白いことがあったんです」
ルルーシュ「それは楽しみだな。着替えてくるから少し待っていてくれ」
ナナリー「はいっ」
咲世子(ルルーシュ様がシャーリーさんかミレイ様のお気持ちに少しでも気づいてくれたのなら……きっと……)
ミレイ『ルルーシュ……』
ルルーシュ『会長……いえ、ミレイ。もう帰るのか?ネオン街が俺たちを待っているのに?』
ミレイ『ルルーシュ……今日は朝帰りしちゃうっ』ギュッ
咲世子(―――というように、ルルーシュ様の未来は安泰ですのに……)
ルルーシュ「シャーリー、この書類だけど」
シャーリー「ふん」プイッ
ルルーシュ「……」
スザク「どうしたんだい?シャーリー、機嫌が悪いみたいだけど」
リヴァル「昨日の買い物デート、ルルのやつがさっさと帰っちまったんだと」
スザク「そうなのか……」
ミレイ「あちゃー。二人の距離が縮むと思ったのになぁ」
リヴァル「現状維持っすね、あれは」
ミレイ「ま、ルルーシュだから仕方ないか」
スザク「……ルルーシュ!!」
ルルーシュ「なんだ?」
スザク「シャーリーは君の事が―――」
ミレイ「ストーップ!!!」
スザク「なんですか?」
スザク「でも、こういうことはきちんと伝えたほうが」
リヴァル「そんな単純なもんじゃないって」
スザク「そうかな。問題の所在を明らかにしたほうがいいと思うけど」
ミレイ「ルルーシュの場合は一理あるけどねぇ」
ルルーシュ「なんだ、スザク。シャーリーがどうかしたのか」
スザク「ああ。シャーリーはルルーシュのことが―――」
ミレイ「シャラーップ!!―――スザクくん、こういうのは生暖かく見守るに限るのよ」
スザク「しかし」
ミレイ「スザクくんの一言で関係に亀裂ができたら、責任とれるの?」
スザク「え……」
リヴァル「必ずしもルルーシュがシャーリーを選ぶとは限らないだろ?」
スザク「それもそうか……」
ルルーシュ「なんだ、リヴァル?言いたいことがあるなら言ってくれ」
リヴァル「ああ、なにもない。ルルーシュ君は業務を続けたまえ」
カレン「あ?」
ルルーシュ「(……ここでは猫を被ったほうがいいんじゃないのか?)」
カレン「(ああ、そうね)」
ルルーシュ「(機嫌が悪いな。何かあったのか?)」
カレン「(寝不足なだけよ)」
ルルーシュ「じゃあ、この書類。コピーしてきてくれ」
カレン「はいはい」
ルルーシュ(カレンも随分と疲労が溜まっているようだな。二重生活に慣れるまではもう少し時間が必要のようだ)
カレン「ふわぁぁ……ねむぃ……」
ミレイ「なーんか、いい方法はないかしらねぇ」
リヴァル「ルルーシュはナナリー一筋だからなぁ」
スザク「うん。ナナリー以外は眼中にないだろうし」
ミレイ「それってさぁ、問題じゃない?」
リヴァル「というか、もしかして……ルルーシュって……」
リヴァル「ナナリーのこと、好きなんじゃないのか?」
ミレイ「えー?!ありえるー」
スザク「好きに決まっているじゃないか。何を今更……」
リヴァル「スザク君。ここでいう好きっていうのは、家族愛や兄妹愛じゃなくて……」
ミレイ「恋愛のことよ」
スザク「え……」
ミレイ「でも、ナナリーとルルーシュは本当に仲いいからねー。疑われても致し方ないぐらいに」
スザク「それは流石に無いと思います」
ミレイ「どぉして?」
スザク「ルルーシュはナナリーを本当に大切に思っているからです」
リヴァル「そこから禁断の愛に発展することもあるかもしれないだろ?」
スザク「兄が実の妹に対してそんな邪な感情を抱くなんてありえないよ」
リヴァル「わかった。こっちこい」
スザク「なにをするんだい?」
ニーナ「うん。いいけど、何するの?」
リヴァル「スザクに世界を見せる」
ニーナ「世界?」
スザク「一体何を……?」
リヴァル「まぁ見てろ……」カタカタ
ニーナ「いもうと……もえ……?」
リヴァル「これだ」
スザク「これは?」
リヴァル「妹関連の商品だ。世の男たちは飢えている。可愛い妹というものにな」
スザク「ど、どういうことだ!?」
リヴァル「簡単に言えばな、実の妹と男女の関係になりたいと考える奴は多いってことだ」
スザク「そ、そんな……」
リヴァル「だから、ルルーシュも実のところはわからない。かもしれない」
スザク「……」
カレン「はい、コピー」
ルルーシュ「ありがとう」
カレン「どういたしまして」
シャーリー「……」
ルルーシュ「どうした?」
シャーリー「別に」
ルルーシュ「そうか」
カレン「……そうじゃないでしょ」
ルルーシュ「何か言ったか、カレン?」
カレン「何も」
ルルーシュ「……?」
ミレイ「ルルーシュー、あいしてるー」
ルルーシュ「はいはい。仕事してください」
ミレイ「これだもんねー」
咲世子「どうも」
ミレイ「お、きたきた」
ルルーシュ「ナナリー、気にすることはない。特に何もしていなかったからな」
カレン「そうねー」
スザク「ルルーシュ、聞きたいことがあるんだけど。いいかな」
ルルーシュ「どうした、改まって」
シャーリー「スザクくん……?」
スザク「今から一人を連れて出かけるとしたら、誰を連れて行く?」
ルルーシュ「なんだそれは?」
スザク「答えてくれ」
ルルーシュ「……ナナリーだな」
スザク「……ルルーシュ。君は妹萌えなのか」
ルルーシュ「何がいいたい?」
スザク「やはりナナリーが好きなのか?」
スザク「付き合ってもいいほどにか?」
リヴァル「お、おい。スザク……」
ルルーシュ「当然だろう」
ナナリー「お兄様……そんな……」モジモジ
ミレイ「だめだ……かちめが……」
シャーリー「……じゃあ、兄妹で結婚でもなんでもしなさいよ」
カレン「引くわね」
ルルーシュ「待て!!何だ、その反応は?!普通だろうが!!」
ナナリー「はい。お兄様は何も間違ってはいませんっ」
ニーナ「そうかな?」
咲世子「ルルーシュ様……」
ルルーシュ「スザク!!」
スザク「ルルーシュ……君はどこかズレているんだ……。僕はそれを正したい……」
ルルーシュ「妹が好きで何が悪いんだ!!言ってみろ!!」
ゼロ「……」
カレン「んー……。はぁ……つかれたぁ……」
扇「寝不足か?やはり二重生活は辛いか、カレン?」
カレン「ええまぁ、最近はそれだけじゃないんですけど……」
扇「そうなのか?」
カレン「ええ。ちょっと」
ゼロ(くそっ。結局、生徒会のみんなからは白い目で見られ続けた。優しく微笑んでくれたのはナナリーだけ)
ゼロ(妹を愛して何が罪なんだ……。さっぱりわからん)
扇「へえ……。そうなのか」
カレン「はい。もう嵌っちゃって」
扇「趣味に没頭するのはいいけど体調管理はしっかりな」
カレン「はい。気をつけます」
扇「で、どういうところが面白いんだ、それ」
カレン「えっと、女の子の横に爆弾が表示されたときとか結構スリリングで……」
カレン「大丈夫ですよ。携帯ゲームなんで」スッ
扇「これが……」
カレン「今、この子を口説いているんですけど」
扇「む……」
カレン「どうしました?」
扇「いや。知り合いの女性に似ているなと思って」
カレン「へぇ」
扇「千草……」
カレン「女の子との駆け引きがリアルでいいんですよね。押しすぎると引いちゃうところとか」
扇「最近のゲームは難しいんだな。まるで本物の恋愛じゃないか」
カレン「そうなんですよね。だからこそ攻略できたときの達成感が―――」
ゼロ「何を遊んでいる?」
カレン「ゼロ!?すいません!!すぐにセーブして片付けます!!」ピコピコ
ゼロ「なんだ、ゲームか。カレンも普通の趣味を持っているんだな」
ゼロ「すまない。口が滑ったな」
カレン「もう……ゼロ……」
ゼロ「で、どのようなゲームなんだ?」
カレン「恋愛シミュレーションです」
ゼロ「……ほう?」
カレン「今、この子を狙ってるんですけど」
ゼロ「何が面白いんだ?実際に付き合えるわけじゃないだろ」
カレン「そういうんじゃないですけど」
ゼロ「他にも少女がいるようだが?」
カレン「狙える子は全部で7人もいますからね。その中から気に入ったキャラと恋人になるのを目指すゲームなんで」
ゼロ「私はこの親友の妹が可愛いと思うがな」
カレン「その子はもう攻略しました。結構、簡単に落ちちゃって」
ゼロ「そうなのか……。カレンはオオカミだな」
扇「ゼロもそういうゲームに興味あるのか?」
神楽耶「私とデートしますものね!!」ギュッ
カレン「……」
ゼロ「神楽耶様、部屋に居てください」
神楽耶「今日こそは一緒に寝てくださいまし」
ゼロ「それはできません」
神楽耶「えー?」
カレン「ゼロは確かにこのゲームの主人公並に女の人にモテますもんね……」
ゼロ「何を言っている?実際のところ、神楽耶様以外に私を好いてくれている者など……」
神楽耶「あら?カレンさんとC.C.さんは違うんですか?」
カレン「なっ!?」
ゼロ「C.C.もカレンもそういう関係ではないですよ、神楽耶様」
カレン「ゼロ……」
神楽耶「ゼロ様……」
ゼロ「な、なんだ?!どうして哀れむような目を私に向けるんだ?!」
ゼロ「カレン、どういうことだ?」
カレン「知りません」
ゼロ「むぅ……。さっぱりわからん」
扇「さてと、仕事に戻るか」
ゼロ「扇。この状況を理解できているなら、解説してくれるとありがたい」
扇「黒の騎士団には影響ないし……。自分で考えてくれ」
ゼロ「ま、まて!」
神楽耶「これではカレンさんの爆弾もいつか、バァーンってなってしまいますわね」
カレン「そんなことは……」
ゼロ「ええい!!言葉を濁さず、はっきり言ってもらえませんか!?」
神楽耶「ゼロ様には私がいます。それで十分ですわ」
ゼロ「そういうことですか。最初からそう言って下さい」
神楽耶「もうしわけありません」
カレン「……」
C.C.「……」ピコピコ
ルルーシュ「今日は疲れたな……」
C.C.「なにかあったのかぁ?」ピコピコ
ルルーシュ「少しな。スザクたちには責められ、騎士団でも何故か落胆されてしまった」
C.C.「ふぅん」ピコピコ
ルルーシュ「何をしている?」
C.C.「ファミコンだ」
ルルーシュ「ファミ……!?」
C.C.「面白いぞ」
ルルーシュ「誰が買ったんだ、その携帯ゲーム機とソフトを」
C.C.「お前のカードで」
ルルーシュ「何をしている……」
C.C.「暇つぶしだ。お、ついに難攻不落だった女まで落ちたか。ふふ。まぁ、この恋愛魔術師のC.C.に落とせない女などいないがな」
ルルーシュ「……」
C.C.「違う、そうじゃない」
ルルーシュ「なんだと。ここでこの回答はもっとも論理的だろう」
C.C.「時と場合による。ここは素直に褒めるんじゃなくて、遠まわしに褒めるんだ」
ルルーシュ「訳がわからないな」
C.C.「このキャラはそういう恥ずかしい台詞を嫌うんだ。説明しただろ」
ルルーシュ「この女の思考回路が分からんな。こんな女いるのか?」
C.C.「いきなり誘うと動揺して断ってしまうやつとかいるだろ」
ルルーシュ「そんなバカな女、是非お目にかかりたいな」
C.C.「まぁ、そういう女は次に同じ機会があれば誘われると思って、勝手な期待を持ってしまうんだろうな。で、誘われないと怒る」
ルルーシュ「はははは、現実にいるものか」
C.C.「あ、こら。次は親友の妹に手を出すのか?」
ルルーシュ「この子が最も惹かれるんだよ」
C.C.「なら、そいつに集中していればいいだろ。どうしてこっちの赤毛ともデートをしたんだ」
ルルーシュ「俺の勝手だ」
『ごめんなさい……私……ほかに好きな人がいるの……。だから……ごめんなさい!!』
ルルーシュ「なにぃ?!」
C.C.「ふられたな」
ルルーシュ「この数時間の努力は……?」
C.C.「浮気するからだ、バカめ」
ルルーシュ「おのれぇ……!!」
C.C.「あと興味のない女を蔑ろにしすぎた罰だな。これだから童貞坊やは……」
ルルーシュ「何が……何がいけなかった……!!親友の妹に告白した以上、親友とも今後気まずくなるというのに……!!」
C.C.「お前は女の気持ちを何一つ、理解していない。ということだな」
ルルーシュ「そんなこと……そんなこと……!!!」
C.C.「無様だな。顔はよくてもこれではなぁ……。付き合ったとしても5回目ぐらいのデートでこっぴどく振られる未来がお前を待っているぞ」
ルルーシュ「この妹がナナリーなら!!ナナリーなら結婚までできていた!!」
C.C.「……」
ルルーシュ「ナナリーならぁ……!!」
ルルーシュ(くそ……くそ……。あんなゲームで恥をかくとは思ってもみなかった……!!)
ミレイ「なんか、ルルーシュのやつ、イライラしてない?」
リヴァル「またシャーリーとなんかあったんですかねぇ」
カレン「こんにちはー」
ミレイ「カレン、やっほー」
カレン「ふわぁぁ……ねむい……」
ルルーシュ(カレン……。カレンに聞いてみるか?―――いや、俺にも矜持はある!!)
ルルーシュ(妹ぐらい我が手で落としてみせる……!!)
カレン「ルルーシュ君、なんかあったの?」
シャーリー「さぁ……。朝かなんかイラついてるみたい」
カレン「ふぅん」
ルルーシュ(あの妹をナナリーと思うこと事態がダメだったんだな……。となれば……)
スザク「ルルーシュ……どうしたんだろう……」
ナナリー「お兄様……」
ゼロ「……」ピコピコ
ゼロ「む……。ここは……『君のほうが綺麗だよ』っと」ピッ
『なにそれ……。きもちわる……』
ゼロ「ふざけるなぁ!!!」
玉城「ゼロのやつ、荒れてるな」
朝比奈「もう1時間ぐらい携帯端末と喧嘩してるよね」
千葉「何か新しい戦術でも作っているのか」
仙波「流石はゼロだ」
卜部「でも時々『早く起きてよね』という可愛い声が漏れてくるぞ」
南「あれは釘―――」
藤堂「何をしている。各員の作業はまだ残っているだろう」
千葉「はっ!申し訳ありません!!持ち場に戻ります!!」
玉城「ゼロはなにしてるんだよ、全く」
藤堂「ゼロ……?」
『ごめん。噂になると恥ずかしいから……』
ゼロ「なんだこの女ぁ!!付け上がるんじゃない!!!私はお前にも優しくしてやっているだけだ!!!」
藤堂「ゼロ、どうした?」
ゼロ「む?―――藤堂か。なんだ?」
藤堂「随分と大きな声を出しているようだったから、少々気になった」
ゼロ「ああ。気にするな」
藤堂「そうか」
ゼロ「作業に戻ってくれ」
藤堂「ああ……」
『ほらほら、早く起きないと遅刻するよ!』
ゼロ「……む。そうか」ピコピコ
藤堂「……その声は……」
ゼロ「どうした?知り合いの声か?」
藤堂「奈々様だな。素晴らしい」
『ごめん。君とは付き合えない。友達でいよう。それでいいじゃん』
ルルーシュ「……!!」
C.C.「お前、何敗目だ?」
ルルーシュ「ええい!!なんだこのクソゲーは!!!」ポイッ
C.C.「おいおい。私のファミコンだぞ。ぞんざいに扱うな」パシッ
ルルーシュ「くそ……。所詮はゲームだ。現実では尻を拭くこともできないほど役には立たないなっ!!」
C.C.「負け犬の遠吠えか」
ルルーシュ「赤毛の女も他に好きな奴がいるというし……。緑の髪の女なんて大嫌いだぞ?!大きな決心をした少年の心をなんだと思っている!?ええ?!」
C.C.「お前……」
ルルーシュ「まぁ、データ上の女なんて落としても意味などないから、どうでもいいがな」
C.C.「データ上の女も落とせないようでは現実の女なんてとても無理だな」
ルルーシュ「……なんだと?」
C.C.「お前は色恋に関しては無能なんだよ」
ルルーシュ「無能だと?バレンタインでは三桁のチョコをもらう俺が?ありえない話だな」
ルルーシュ「付き合ったことが無いのではない。付き合わないだけだ」
C.C.「童貞はみんなそういう」
ルルーシュ「……」
C.C.「ふふん」
ルルーシュ「ふざけるなよ……。俺は何事においても完璧だ。知略を尽くし、全てを成し遂げるだけの能力がある!!」
ルルーシュ「そうだ!!この7人の女どもも、ギアスさえあれば!!!フフフハハハハハ!!!!!」
ルルーシュ「俺のことを愛せ!!」キュィィィン
ルルーシュ「これで攻略できる!!!できるじゃないか!!!簡単だ!!!」
C.C.「ルルーシュ……こっちにこい」
ルルーシュ「……」
C.C.「お前、辛かったのか……」ナデナデ
ルルーシュ「うぅぅ……」
C.C.「契約したろ、お前の傍にいると。私だけは」ギュッ
ルルーシュ「くそぉ……なぜだぁ……」
ルルーシュ(あのゲームは俺をどんどん駄目にし、惨めにさせるな……)
ルルーシュ(このままやめてしまうのが正解か……。だが……ここで逃げては明日を掴むことなどできない……!!)
ルルーシュ(矜持などいらない。明日を得るためならば!!)
ミレイ「ルルーシュ、なんか躁鬱状態ね」
リヴァル「情緒不安定な時期なんじゃないですか?」
ミレイ「思春期じゃあるまいし」
シャーリー「……」
ミレイ「シャーリー?ルルを慰めるチャンスじゃない?」
シャーリー「わ、私は別に!!」
スザク「自分が行きます。親友ですし」
ミレイ「だめだめ!!スザクくんが行ったら何も面白く、じゃなくて進展しないじゃない」
リヴァル「言い直す必要ないですね、それ」
カレン「どうもー」
ミレイ「あ、カレン。やっほーい」
カレン「え?」
シャーリー「え?」
ミレイ「おっとー、ルルーシュ選手動いたー」
ルルーシュ「話したいことがある。時間、あるか?」
カレン「う、うん。あるけど」
ルルーシュ「いくぞ」
カレン「あ、ちょっと」
シャーリー「……」
リヴァル「な、なんだ?」
スザク「ルルーシュはカレンのことが……?」
ミレイ「スザクくん!!」
スザク「え?」
シャーリー「わ、わたしはべつに……るるのことなんて……どど、どうでもいいし……」
ミレイ「よし。あとをつけるわよ、シャーリー。自分の目で確認しないと納得なんてできないでしょ?」
ルルーシュ「実は俺、とあるゲームに嵌っている」
カレン「ゲーム?」
スザク「いました」
ミレイ「スザクくん、二人の会話は聞こえる?」
スザク「微かにですけど」
シャーリー「なんて言ってるの?!」
スザク「―――最近好きになった」
リヴァル「え?!」
スザク「―――そうなんだ。で、私にどうしろって?」
スザク「―――教えてくれ。女の気持ちが一つも理解できなくて困っている」
ミレイ「うーん……。内容からしてカレンに告白しているわけじゃないようね」
リヴァル「恋愛の相談って感じか」
ミレイ「よかったわね、シャーリー?」
シャーリー「わわわ!!私は別に嬉しくなんてありませんし、安心もしてませんけど!!」
ルルーシュ「バ、バカ!!大声を出すな!!」
シャーリー「妹!?」
ミレイ「あぁぁ……」
リヴァル「会長!!しっかり!!」
スザク「ルルーシュ……やっぱり……」ギリッ
ミレイ「はぁ、この場にナナリーがいなくてよかった……」
シャーリー「本当ですよ」
リヴァル「ルルーシュはナナリー狙いだったのか」
スザク「……」
カレン「あのキャラを攻略できないなら、ほかのヒロインなんて無理よ」
ルルーシュ「だから、攻略方法を聞きたいんだ。風の噂でカレンがあのゲームに没頭していることは知っている」
カレン(誰がそんな噂を……)
ルルーシュ「頼む、カレン。この通りだ。俺に女の全てを教えてくれ」
カレン「じゃあ、今度各キャラの攻略ポイントを書いて持ってくるから」
ルルーシュ「助かる」
カレン「でも、人に聞いたらお終いよね」
ルルーシュ「しかし、このままでは俺の気がすまない」
カレン「はいはい」
ナナリー「お兄様、おかえりなさい」
ルルーシュ「ただいま―――どうした、みんなしてナナリーの壁になって」
リヴァル「ルルーシュ、ナナリーのこと好きなんだよな」
ルルーシュ「ああ」
ミレイ「恋人にしてもいいと思うぐらい?」
ルルーシュ「妹でなければ」
ニーナ「でも、妹でも……いいんでしょ?」
ルルーシュ「それは……」
スザク「ルルーシュ!!君は間違っている!!!兄として!!!いや、人間として!!!」
カレン「またバカなことをしてるんですね」
ミレイ「カレンはなんと思わないの?」
カレン「何がですか?」
シャーリー「い、妹を攻略とか……!!」
ルルーシュ「話を聞いていたのか?!」
スザク「答えろ!!カレン!!」
カレン「それ、ゲームの話なんですけど」
ミレイ「ゲーム?」
リヴァル「どういうことだ?」
ルルーシュ「おい、カレン」
カレン「誤解されたままだとナナリーに近づけないけど、いいの?」
ルルーシュ「それは困るが……」
ナナリー「おにいさまー」
ルルーシュ「ナナリー!!今、助ける!!」
リヴァル「それ知ってる。結構人気なんだよな」
スザク「そうなのか。すまない、ルルーシュ。僕の早とちりだった。それにしてもこのピンクの髪の女の子可愛いね」ピコピコ
シャーリー「どうしてこんなゲームをカレンとルルが?」
カレン「私は知人に薦められて始めただけ。ルルーシュくんは……」
ルルーシュ「俺も同じ理由だ」
ミレイ「分かった。このゲームで女心を学んでこーい!って言われたんでしょ?」
ルルーシュ「……証言を拒否します」
リヴァル「図星かよ」
カレン「このゲームが面白いのは本当ですよ?」
ミレイ「はいけーん」
カレン「どうぞ」
ミレイ「ふむふむ……」ピコピコ
ナナリー「あの、どのようなゲームなのですか?」オロオロ
ニーナ「主人公……女の子じゃないんだ……。残念……」
ルルーシュ「何か言ったか?」
シャーリー「べっつにぃ」
ミレイ「この子は『こっちの青が似合うな』ね」ピッ
ルルーシュ「……」
『やっぱり?私もそう思ってたの。私たち、好みが合うねっ』
ミレイ「やったぁ!!ハート鷲掴みぃ!!」
ルルーシュ「会長、どうしてわかったんですか?」
ミレイ「この子のプロフィールに青色が好きって書いてあるから」
ルルーシュ「そ、そんなことが……?!」
カレン「それすら知らなかったの……。ある意味、すごいわね」
ルルーシュ「違う。俺は新たな可能性として黄色も似合うのでないかと提案をしたんだ。なのに……!!」
リヴァル「ルルーシュ、お前、こういうゲームに向いてないんじゃねーの?」
ルルーシュ「なんだと?!」
ナナリー「あの……一体、どんな……」オロオロ
ルルーシュ「スザク……」
スザク「あ、キスした」
ルルーシュ「なんだと!?こんな短時間でか?!」
スザク「ピンクの髪の女の子、キス魔らしいから」
ルルーシュ「どういうことだ?」
スザク「積極的にスキンシップしてたら勝手にキスしたんだ」
ルルーシュ「馬鹿な?!出会って間もない男に触れられるなんて気持ち悪いだろ?!」
スザク「この子は例外みたいだ」
ルルーシュ「わからん……女の気持ちが……欠片も……!!!」
リヴァル「お、おい……ルルーシュ……」
カレン「そんなに深刻にならなくても、ゲームだし」
ルルーシュ「されどゲームだろうが!!」
ニーナ「たまにいるのよね、恋愛ゲームに感情移入しすぎちゃう人って」
ミレイ「ニーナもだもんね」
ゼロ(結局、何も進まなかったな……。この妹をなんとかしたいだけなのに……)
カレン「お……これは……おお……」
ゼロ「ん?」
カレン「やったぁ、ついにメインヒロイン攻略した」
藤堂「なに?」ダダダッ
南「すごい!!高難易度なのに!!」
カレン「ほらほら、見てください」
藤堂「紅月、すばらしいな」
南「このエンドって中々見れないんだよな」
神楽耶「へぇー」
扇「感動的じゃないか」
ラクシャータ「でも、なんかここまで難しくするほどの女にはみえないけどねぇ」
カレン「そうですか?理想的なお嫁さんだと思いますけど」
ゼロ(カレン……。女だから攻略も容易いのだろうな……)
藤堂「ゼロはどうだ?」
ゼロ「な、なにがだ?!」
藤堂「ゼロもプレイしているのだろう?」
カレン「そうなんですか?!」
神楽耶「ゼロ様ぁ!!―――見せてくださいまし」
藤堂「む……。ゼロ、期日直前なのに好感度が低いぞ」
ゼロ「……」
藤堂「バッドエンドを回収しているところか。なるほどな。ならば、鮮血の結末というエンドが一番惨たらしいからオススメする」
南「ゼロ……目の付け所がちがうなぁ……」
カレン「バッドエンドなんてどうやってみるんですか?」
藤堂「期日までに全員の好感度を最低値にし、尚且つ満遍なくデートを重ねなくてはならない」
南「メインヒロイン攻略よりも難易度が高いんだ」
カレン「そんなものが……」
神楽耶「さすがはゼロ様。ではその結末を見ましょう」
ゼロ「そうか……」
神楽耶「あ、7人の女性が出てきましたわ」
カレン「なんか険悪ですね」
ラクシャータ「一人だけナイトメアに乗ってるじゃないか」
南「主人公、にげてくれー!!」
ゼロ「……藤堂、どうなるんだ?」
藤堂「3人の女に殴られ、2人の女に刺され、1人の女に首を切られ、最後の女にはナイトメアで握りつぶされる……」
ゼロ「な……に……?!」
神楽耶「うわ……うわ……」
カレン「神楽耶様!!直視しないほうが!!」
藤堂「何度見ても……目を覆いたくなるな……」
ラクシャータ「女をわかっていない男の末路……悲惨だねぇ……」
神楽耶「ゆ、ゆめにでそうですわ……」ガタガタ
ゼロ(俺もいつかこうなってしまうのか……)ガタガタ
ゼロ「分からないな。この他にも7つは見た気がする」
藤堂「個別バッドエンドも見たのか?」
南「親友の妹なんて振られるほうが難しいぐらいなのに!!」
藤堂「何を選んでも基本的に賛同してくれるからな」
カレン「ゼロはやっぱり私たちのように一般的な目線で物事をみないのですね」
藤堂「でなければブリタニアとは戦えないだろうしな」
扇「そうだな」
神楽耶「ゼロさまぁ……今日は夜、一人で厠へ行けそうにありませんわ……」ガタガタ
ゼロ「そ、そうですか……」
神楽耶「ゼロ様?どうしたのですか?」
ゼロ「い、いえ……別に……」
藤堂「無駄に高クオリティのアニメーションだからな。気分を害するのも分かる」
ゼロ「……」
カレン「休みますか、ゼロ?」
ルルーシュ「はぁ……」
C.C.「どうした?元気がないな」
ルルーシュ「俺はいつか死ぬ」
C.C.「人間だからな」
ルルーシュ「違う。殺されるんだ……。きっと……」
C.C.「殺される?」
ルルーシュ「女が……怖い……」ガタガタ
C.C.「お、おい……」
ルルーシュ「ギアスで出会った女全員に俺を殺すなと命令しておくべきか……!!」
ルルーシュ「いや……どこから刃がくるか……」
ルルーシュ「女と関わらなければ……いいのか……?」
ルルーシュ「わからない……どうすればいいんだ……」
C.C.「重症だな……おい……」
ルルーシュ「ナナリー以外の女に……俺は……」
玉城「ゼロが人間不信になっただぁ?!」
C.C.「原因を知りたい。心当たりのある者はいないか」
藤堂「……」
C.C.「誰かいないか」
カレン「急にそんなこと言われても」
神楽耶「そうですわよね」
C.C.「では、様子がおかしくなったと感じた者はいないか」
神楽耶「それでしたら、ゲームをしている最中にゼロ様は気分を悪くされたようで」
C.C.「ゲームだと?」
カレン「うん。ゲームのバッドエンドを見たときから、様子は少し変だったけど」
C.C.「どのようなバッドエンドだ」
藤堂「7人の女に嬲り殺される終わり方だ」
C.C.「それだな」
玉城「おいおい!!ゲームぐらいで折れちまうもやしメンタルなのかよぉ、ゼロは!!」
C.C.「どちらにしてもゼロにとっては想像を絶するものだったんだろ」
藤堂「そうか……」
C.C.「しかし、あのゲームにそんなハードなものが用意されているとは、迂闊だった」
カレン「ねえ、C.C.。ゼロは大丈夫なの?」
C.C.「もうずっとふるえている。子犬のようにな」
藤堂「まずいな」
千葉「どうにかしたいが……」
扇「ゼロ……」
玉城「んだよ、じゃあ、そのゲームのハッピーエンドでも見せてやれば解決だろ!!」
C.C.「もう一度ファミコンを手に取ると思うのか?」
藤堂「そうだな……」
カレン「ゼロ……そんな……私のせい……」
神楽耶「私があのような結末を渇望してしまったばかりに……ゼロ様……」
C.C.「割と深刻な事態だな。どうするつもりだ、お前ら。このままゼロの復活を信じるか?」
千葉「藤堂さん!!そんなことは!!」
藤堂「C.C.」
C.C.「なんだ?」
藤堂「紅月」
カレン「はい」
藤堂「ラクシャータ」
ラクシャータ「はいよ」
藤堂「千葉」
千葉「は、はい」
藤堂「井上」
井上「私もですか?」
藤堂「そして……神楽耶様」
神楽耶「はい」
藤堂「力を貸して頂きたい」
ルルーシュ「怖い……女なんて……もう信じられるか……!!」ガタガタ
C.C.『はいるぞ』
ルルーシュ「……」
C.C.「……仮面をつけろ」
ルルーシュ「何故だ?」
C.C.「いいから」
ゼロ「―――これでいいのか」
C.C.「では、外に出てみろ」
ゼロ「どういうことだ?」
C.C.「ほら、いいから出ろ」トンッ
ゼロ「と、とと……。なんだ、一体―――」
千葉「きゃ、きゃー、ぶつかるー!!」ダダダダッ
ゼロ「なに?!」
ドンッ!!
ゼロ「千葉……廊下を走るなと―――なっ?!」
千葉「あ……!!」バッ
ゼロ「……」
千葉「見たな……?」
ゼロ「千葉!!年齢を考えろ!!」
千葉「なんだと?!お、乙女のパンツを見ておいてなんたる言い草だ!!!」
ゼロ「?!」
玉城「台詞ちげーぞ」
千葉「あ、ごほん……。わ、私は先を急ぐから……それじゃあね、変態!!」ダダダッ
ゼロ「な、なんだ……?」
玉城「よー、マブダチのゼロじゃねーか。一緒に登校しよーぜ」
ゼロ「登校?どういうことだ?」
玉城「いいから合わせろよ。すぐに元気になれるって」
ゼロ「……?」
カレン「い、いやです……。どいてください……」
扇「いいから、こいよ。いい夢見させてやるって」
カレン「いやぁー!!」
ゼロ「カレンか?!」
玉城「お、助けるんだな?」
ゼロ「当然だろ!!―――扇!!何をやっている!!」
扇「なんだ、お前は?この街の番長である扇様に喧嘩を売るつもりか?」
ゼロ「番長だと……?」
カレン「た、たすけてー!!」
扇「痛い目にあわせてやるー!!」
ゼロ「……」
扇「ぐわ?!こ、こいつは強すぎる……お、覚えてろよ!!」
カレン「助けてくれてありがとうございます!!」
ゼロ「……何をしている。恥ずかしくないのか」
ゼロ「あ、ああ……」
カレン「危ないところをありがとうございます。なんとお礼を言ったらいいか……」
玉城「その制服はあの有名お嬢様学校の生徒かよ!!すっげー!!かわいいな!!な?!ゼロ!!」
ゼロ「あ、ああ……そうだな……」
カレン「あの、お名前だけでも」
ゼロ「知っているだろう」
カレン「え?そんな……どこかでお会いしたことありましたか?」
ゼロ「私は知っている。紅月カレンだろ」
カレン「ど、どうして……!!」
ゼロ「どうしても何も……」
カレン「も、もしかして、昔、隣に住んでたゼロくんですか?!」
ゼロ「ゼロくん?」
カレン「こんなところで幼馴染に会えるなんて……嬉しい……」
玉城「これって運命なんじゃねーの?!」
ゼロ「お、おい」
カレン「それじゃあ!!」タタタッ
ゼロ「……」
玉城「いいなー!!ゼロ!!お嬢様と付き合えるんじゃねーの?!」
ゼロ「恋愛はそんなに単純ではない。私はそのことを痛いほど知った」
玉城「ゼロ……まだ、井上のことを忘れられないのか……」
ゼロ「は?」
玉城「もう忘れようぜ。あいつは……もう……」
ゼロ「井上はどういう役なんだ?!おい!!」
玉城「井上……去年の夏に遠くにいったんだ……」
ゼロ「そうか。故人か」
玉城「お、やべーな。チャイムなっちまった!!いそぐぞ!!」
ゼロ「鳴っていないが」
玉城「鳴ってんだよ!!俺たちの中ではな!!」
仙波「席につけ」
ゼロ「……」
玉城「ふー、ギリギリセーフだな」
仙波「今日は転校生を紹介する。入れ」
千葉「初めまして。千葉凪沙です」
ゼロ「……」
千葉「あー!!今朝の変態仮面!!」
ゼロ「誰が変態仮面だ!!!」
仙波「なんだ、お前たち知り合いか。なら、ゼロ。お前が転校生の面倒をみてやれ」
ゼロ「何故私が?!」
仙波「千葉、あのゼロの隣の席にいけ」
千葉「ふん」
ゼロ「……」
玉城「態度悪いやつだなー。俺の嫌いなタイプだぜ」
ゼロ「……」
C.C.「先生。ゼロの顔色が悪いみたいだが」
仙波「またか。保健室に行って来い」
ゼロ「……」
玉城「ほら、立てよ。行くぞ」
ゼロ「あ、ああ……」
C.C.「……」
ゼロ「あの女……」
玉城「委員長のC.C.だな。傲慢な態度を取るけど、間違ったことはしない。いい奴だ」
ゼロ「そうなのか。誰の設定だそれは」
玉城「ほら、肩につかまれ」
ゼロ「自分で歩ける!!」
玉城「そうか?」
ゼロ(全く……この茶番はいつまで続くんだ……)
ラクシャータ「また、ゼロぉ?よく来るねぇ」
ゼロ「良く来ているのか」
玉城「おう。ラクシャータ先生とは校内でも一番仲がいいんだぜ」
ゼロ「……」
ラクシャータ「じゃあ、いつも通り……上から脱いじゃおうか……」
ゼロ「なに?!」
玉城「いつ見てもラクシャータ先生はエロいよなぁ」
ラクシャータ「どうせゼロも、私の体が目当てなんだろ……?」
ゼロ「そんなわけあるか!!」
ラクシャータ「そう言ってくれると嬉しいよ」
ゼロ「なに……?」
玉城「先生は時々悲しそうな目をするんだよなぁ……。一体、過去に何があるのか」
ゼロ「どうやら、キャラ設定はしっかりしているようだな」
ラクシャータ「ちなみに私は処女だってさ」
ゼロ「屋上だと?」
玉城「ゼロは基本的にマブダチの俺以外に友達いねーしよぉ」
ゼロ「不愉快だな!!」
玉城「いいじゃねーかよ。その代わり女に囲まれてるんだから」
ゼロ「囲まれている……?」
神楽耶「ゼロ様!!ではなく、ゼロ先輩!!こんにちはですわ!!」
ゼロ「神楽耶様まで……」
玉城「おー、一年後輩の神楽耶ちゃんじゃねーか。ゼロのことを兄のように慕っているんだよな」
ゼロ「ほう……?」
神楽耶「昼食、今からですか?よろしければ私と……」
ゼロ「そういうことでしたら―――」
玉城「ゼロ、待て待て。神楽耶ちゃんの誘いを断って屋上に行くこともできるぜ?」
ゼロ「断ってどうする?神楽耶様が悲しむだけだろう」
玉城「じゃあC.C.が悲しんでもいいのかよ?」
玉城「おうよ。今日は何故か屋上にいるぜ」
ゼロ「……」
神楽耶「ゼロ先輩……?」
玉城「どうするんだよ、ゼロ?」
ゼロ「神楽耶様、屋上で食べませんか?」
神楽耶「え……」
玉城「ゼロ……お前……」
ゼロ「なんだ、駄目なのか?」
玉城「いや、最高の選択だぜ」
ゼロ「……そ、そうか」
神楽耶「よろこんでご一緒しますわ!!」
ゼロ「では行きましょうか」
神楽耶「はいっ!!」
玉城「神楽耶ちゃんの好感度がばっちり上がったな!!」
玉城「ここが屋上だな」
ゼロ「教室だけではないのか」
C.C.「あ……。珍しいな。お前とここで会うなんて」
玉城「いつも図書室にいるC.C.がどうして今日に限って屋上にいるんだよ?」
C.C.「偶にはいるさ。私は高いところが好きだからな」
玉城「そうなのか。一緒に飯でもどうだ?」
C.C.「そうだな。悪くない」
ゼロ「素直に喜んだらどうだ」
C.C.「嬉しくなんてないよ」
玉城「それでも好感度は確実に上がってるけどな」
神楽耶「いただきます」
C.C.「ピザ弁当は無いのか」
ゼロ「あるわけ―――」
玉城「あるぜ。ゼロのやつ、ピザを作りすぎたみてーだから、食ってくれ」
ゼロ「場所の選択か?」
玉城「グラウンド、教室、保健室、図書室、そのまま街へ行くこともできるな。ゼロ次第だ」
ゼロ「……」
玉城「誰に会いたいか言ってくれたら、ヒントはやるぜ?」
ゼロ「そうだな……。保健室はラクシャータ。図書室はC.C.。街ならカレンだろう。残り二つはどちらが千葉で神楽耶様なんだ?」
玉城「神楽耶様は陸上部に所属してるぜ」
ゼロ「では、グラウンドに行く」
玉城「ここがグラウンドだ」
ゼロ「食堂は万能だな」
神楽耶「あ、ゼロ先輩!!練習を見に来てくれたんですのね?!」
ゼロ「ああ……」
神楽耶「先輩が見てくれているだけで、早く走れそうな気がしますわ!!」
玉城「このまま練習が終わるまで見ているか?」
ゼロ「そうだな。そのほうが……いいのだろうな……。なんとなくだが」
ゼロ「そうか」
玉城「あとは寝るだけだな。じゃあ、今日の成果はこんな感じだ」
C.C. ■■□□□
神楽耶 ■■■■□
ラクシャータ ■□□□□
カレン ■■■■□
千葉 □□□□□
ゼロ「……」
玉城「がんばれよ」
ゼロ「何をだ?」
玉城「何をって、これで女の子の心の揺らぎをチェックして、エンディングを迎えるんだよ」
ゼロ「私は女性の気持ちなど……わからない……」
玉城「おいおい。この心の揺らぎ表を見ろって。神楽耶様とカレンのところが高いだろ。つまり、ゼロ、お前の行動は神楽耶様とカレンにとって正解だったってことじゃねえか」
ゼロ「しかし、私は何も考えてなどいない……」
玉城「この表は嘘をつかねえ。悪ければ真っ白になる。正しいなら真っ黒になる。それが全てなんだよ」
ゼロ「わかった……」
ゼロ「そうなのか」
千葉「あ、変態仮面」
ゼロ「変態仮面って言うな!!」
千葉「ふん」
ゼロ「……」
玉城「ゼロ、このまま黙っているつもりかよ?なんとかいわねーと、いつまで経っても変態仮面のままだぜ?」
ゼロ「何を言えば……」
玉城「なんか言っちまえよ」
ゼロ「……千葉」
千葉「なんだ?」
ゼロ「昨日は事故とはいえ、すまなかったな。不快な思いをさせたことを謝罪する」
千葉「……ふんっ」
ゼロ「違ったか……」
玉城「いや……わるくねえぞ……」
ゼロ「早いな。……では、教室に行くか」
玉城「千葉がいるみたいだな」
千葉「なんだ、お前か」
ゼロ「……」
玉城「なにしてんだよ、千葉」
千葉「見ての通り、掃除だ」
ゼロ「……手伝おうか」
千葉「結構だ」
ゼロ「そうか……」
千葉「変態仮面の手助けなどいらない」
玉城「ゼロ、あそこに大きなゴミ袋があるぜ」
ゼロ「捨ててこよう」
千葉「いいと言っている!!」
玉城「じゃあ、ゴミは指定の場所に捨てて、帰宅するか」
C.C. ■■□□□
神楽耶 ■■■■□
ラクシャータ ■□□□□
カレン ■■■□□
千葉 ■■■■□
ゼロ「千葉の好感度が馬鹿みたいに上がったな」
玉城「それだけゼロの行動が千葉の心をうったんだよ」
ゼロ「そう……なのか?」
玉城「おうよ」
ゼロ「俺の行動は間違っていない……ということなのか……」
玉城「ああ。間違いねえよ」
ゼロ「フフフ……そうか……」
玉城「じゃあ、次の日だな」
ゼロ「ああ」
玉城「今日もいい天気だし、屋上で昼飯にするか」
ゼロ「わかった」
C.C.「またお前か」
ゼロ「貴様も食べる相手がいないのか?」
C.C.「いや。いるぞ。目の前にな」
ゼロ「……」
玉城「ゼロの中でC.C.の評価があがったな」
ゼロ「そんなパターンもあるのか」
玉城「違うのか?」
ゼロ「……違わないが」
C.C.「今日もピザ弁当か?」
ゼロ「ああ」
C.C.「気が利くな。私は嬉しいぞ」
ゼロ「お前が腹を空かせているといけないからな」
C.C.「……」
ゼロ(台詞を間違えたか……!?)
ゼロ「図書室に向かう」
玉城「いいぜ」
C.C.「またお前か。もううんざりだな」
ゼロ「すまない……」
C.C.「何か用でもあるのか?」
ゼロ「弁当だが……作ってこないのか?」
C.C.「面倒だからな」
玉城「C.C.は独り暮らしなんだよなぁ。親は海外に出張してるんだぜ」
ゼロ「大変だろう。私が作ってきてやろうか?」
C.C.「余計なお世話だ」
ゼロ「そうか……」
C.C.「だが、作りすぎたというなら食べてやる。ピザを捨てるなんてもったないからな」
玉城「C.C.の顔が少し赤くなったな」
ゼロ「そうは見えないが……。これでいいのか……?」
神楽耶 ■■■■□
ラクシャータ ■□□□□
カレン ■■□□□
千葉 ■■■■□
ゼロ「これは……?!」
玉城「すげーな!!ゼロ!!もうC.C.はゼロにフォーリンラブじゃねえか!!」
ゼロ「なんだ……フハハハハ……やれる……やれるじゃないか……!!!」
ゼロ「やはりあれは、あのゲームに問題があっただけで……普通にやれば私はどんな女性も口説き落とせる!!!」
玉城「さっすが、ゼロだな!!」
ゼロ「よし!!次はラクシャータだ!!!」
玉城「昼休みも保健室に行くのか?」
ゼロ「当然だ!!」
玉城「わかった。いくぜ!!」
ラクシャータ「いらっしゃい。待ちくたびれたよ」
ゼロ「ラクシャータ先生。今日も相変わらずの美貌ですね」
ラクシャータ「嬉しいこといってくれるじゃないか。でも、下心が丸見えで私は好かないねぇ」
ラクシャータ「なんだい?」
ゼロ「ナイトメアフレームのプラモデルです」
ラクシャータ「物で釣れるほど、安くないつもりなんだけどねえ……」
ゼロ「なに……!?」
玉城「過去に何かある女性は手厳しいな……」
ゼロ「先生。ずっと気になっていたのですが。どうして時々悲しそうな目をするんですか?」
ラクシャータ「……聞きたいのかい?」
ゼロ「私はもっと先生のことを知りたいんです」
ラクシャータ「いいよ。聞かせてあげる。―――私はね、一度死んだ女なのさ」
ゼロ「死んだ……?」
ラクシャータ「そう。子どもの頃に父親からあらゆる虐待を受け、施設へ行き、名前を変えた」
ゼロ「……」
ラクシャータ「だから、あんたたちみたいな若くて生き生きとした姿を見ると、自分の青春はどこにあったんだろうって……いつも考えちゃうんだよ……」
ゼロ「そんな過去が……」
ゼロ「私と青春を取り戻しましょう」
ラクシャータ「何をいっているんだい?」
ゼロ「私が先生の失った時間を埋めてみせます」
ラクシャータ「無理に決まってるだろ……」
ゼロ「駄目かもしれない。それでも私にかけてくれませんか?!」
ラクシャータ「ゼロ……信じて……いいんだね?」
ゼロ「ええ」
ラクシャータ「ふふ……まさか、年下にこんなこと言われるなんて……。また、保健室にきなよ……必ず」
ゼロ「はい」
玉城「ラクシャータ先生の目に涙が浮かんでやがる……。でも、ゼロはそれを見ないように退室するんだよなぁ……」
ゼロ「放課後はグラウンドに行く!!」
玉城「神楽耶ちゃんはいるかな……?お。あそこにいるぜ!!」
神楽耶「ゼロ先輩ー!!」タタタッ
玉城「部活で汚れたのか、ユニホームが土塗れになっているな。お尻のところとこよ」
神楽耶「ありがとうございます!!」
玉城「その日は仲良く神楽耶ちゃんと帰ったとさ。よし、結果発表だ」
C.C. ■■■■■
神楽耶 ■■■■■
ラクシャータ ■■■■■
カレン ■□□□□
千葉 ■■■■□
ゼロ「フフフハハハハハ!!!!!真っ黒だな!!黒の騎士団のように!!!」
玉城「こりゃあ、すげえ。短期間に三人も落としちまったな」
ゼロ「さてと……。次は千葉だな」
玉城「じゃあ、昼休みは教室か」
ゼロ「いや、神楽耶様とC.C.を誘って教室で昼食をとる」
玉城「もう落ちてる奴も巻き込むのよ?!ゼロ……」
ゼロ「なんだ?」
玉城「最高じゃねーか!!」
ゼロ「私は完璧だからな!!!!」
井上「はい」
藤堂「……よし。今だ」
玉城「ゼロ!!あ、あれ……!!」
ゼロ「なんだ?」
井上「ゼロ……久しぶりね……」
ゼロ「井上……?!」
玉城「井上……留学から帰ってきたのよ……?!」
ゼロ「死んだんじゃないのか?!」
井上「一年前の答えを……出しにきたわ」
ゼロ「答えだと……?」
玉城「ゼロは井上に告白してふられたからなぁ……」
ゼロ「なんだと?!」
井上「ゼロ……離れて気がついたの……。私もゼロが好きってことに……」
ゼロ「なっ……?!」
井上「付き合うことになったあとが怖かったの。私だけが海外で離れて暮らすことになるのに……。辛くなるぐらいなら、断ろうって思っただけ」
玉城「なんだと……?!」
ゼロ「井上……」
井上「でも、離れてみてもっとゼロのことが好きになったわ。どんなときもゼロのことを考えているの。だから、今日、帰ってきた」
玉城「すぐに帰るのか……?」
井上「明日の便でね。だから、ゼロ。もし私のことをまだ好きでいてくれたなら、今日の放課後、公園まで来て」
ゼロ「な……に……」
井上「お願いっ」タタタッ
ゼロ「まさか……井上が……」
玉城「突然の告白に戸惑うのも分かるぜ。でもよ、これが恋愛ってもんだ。いつでもどこでも起こるんだよ」
ゼロ「……」
玉城「だから面白いんだけどな。―――で、どうする?今日の放課後の行き先で、全てが決まるぜ?」
ゼロ「こんな唐突な展開など……想定外だ……!!」
玉城「ビシっと決めろ、ゼロ。俺のマブダチなんだからよ!!」
ゼロ「カットか……」
玉城「さて。じゃあ、最後の放課後に向かう前に最終確認しておくかぁ!!」
C.C. ■■■■■
神楽耶 ■■■■■
ラクシャータ ■■■■■
カレン □□□□□
千葉 ■■■■■
井上 ■■■■■
ゼロ「……」
玉城「ほぼパーフェクトだな。ゼロ。誰のところに行っても、一人を除いて確実に結ばれるぜ」
ゼロ「そうなのか」
玉城「で、どこに行くんだ?ゆっくり考えてくれていいけどな」
ゼロ「……」
玉城「全てはこの瞬間のためにあったんだよ」
ゼロ「分かっている」
玉城「ゼロ……どうするんだよ?!」
ゼロ「―――よし!!決めたぞ!!」
ゼロ「……」
C.C.「なんだ?」
ゼロ「時間、あるか?」
C.C.「ああ……」
ゼロ「では、教室に向かうぞ」
C.C.「……」
玉城「教室には千葉の姿が……」
千葉「ゼロか」
ゼロ「千葉。時間があるなら保健室に行くぞ」
千葉「……」
玉城「保健室ではラクシャータが半裸でベッドに寝ていた」
ラクシャータ「遅かったじゃないか」
ゼロ「グラウンドに行くぞ、ラクシャータ」
玉城「ゼロは三人の女性を連れ、神楽耶ちゃんのいるグラウンドを目指す……」
ゼロ「公園に向かいます」
玉城「そして……井上の待つ公園に辿り着く……」
ゼロ「井上、待たせたな」
井上「ゼロ……」
C.C.「何の真似かな。ゼロ?」
千葉「私たちをここに集めてどうする?」
ゼロ「みんなに伝えることがある」
神楽耶「なんでしょうか……?」
ゼロ「私は気づいてしまったんだ」
C.C.「何にだ?」
ゼロ「やっと女の子の気持ちにな」
井上「気持ち……?」
ゼロ「気がつけば何ていうことはない。極々当たり前のことだったんだ……。ありがとう、みんな。感謝するぞ、藤堂」
藤堂「ゼロ……」
ゼロ「今、この瞬間に、誰が主人公であるゼロの告白を望んでいるのか」
神楽耶「……ゼロ様っ」
ゼロ「そう。私が離れれば離れるほど……そいつの想いは肥大化していくのだろう……」
ゼロ「だからこそ、私は目の前の幸福を手にするのではなく、遠くの困難に挑まなければならない……」
千葉「誰を選ぶというんだ?」
井上「まさか……」
ゼロ「大切だからこそ遠ざけておこうと意識していた。だから、常に境界を越えないようにしていた」
ゼロ「だが、それは相手にとって苦痛でしかないんだろう……」
ゼロ「分かっていたのに……気がついていたのにな……」
C.C.「誰を選ぶんだ。その口ぶりから察するに……」
カレン「……あの……出番、ありますか?」
ゼロ「藤堂!!間違っていたのは私のほうだった!!勝手に他人を恐れ、危うく閉じこもってしまうところだった!!」
藤堂「ゼロ……誰を選ぶんだ……?」
カレン「あの……ゼロ……?私、ここにいますけど……」
ルルーシュ「シャーリー……」
シャーリー「ルル……?」
ルルーシュ「随分、待たせたな」
シャーリー「な、何を言ってるのよ……」
ルルーシュ「今度、ゆっくり買い物しないか?」
シャーリー「ルルがしたいなら、別にいいけど……?」
ルルーシュ「ああ。シャーリーとしたいな。今までできなかったことを……」
シャーリー「ルル……」
ルルーシュ「シャーリーの気持ちにやっと気が付けたんだ」
シャーリー「ルル!!」
ルルーシュ「シャーリー!!」
ミレイ「このゲームのおかげ?」
リヴァル「マジか……」
スザク「よかった……本当によかった……。ルルーシュが人の道を外さなくて……本当に……」
ルルーシュ「そうだな……。ナナリー」
シャーリー「え?」
ナナリー「はい?」
ルルーシュ「ナナリーも行くだろ?買い物」
ナナリー「はいっ」
シャーリー「え……ナナちゃんも……?」
ルルーシュ「ああ」
ナナリー「なにか?」
シャーリー「ううん……別に……」
ミレイ「ちょっと、ちょっと!!ルルーシュ!!どういうこと?!」
スザク「ルルーシュ!!このゲームから何かを学び取ったんだじゃないのか?!」
ルルーシュ「ああ。学んだ。正確にはまた違う教典からだがな」
リヴァル「何を学んだんだよ?」
ルルーシュ「俺は今まで双方を守る為に、一方を遠ざけていた。しかし、それでは互いに苦しいだけと言うことにな……」
ルルーシュ「同時に知った。―――俺の場合、双方と常に行動を共にしていれば誰も不幸にはならないことに!!!」
ミレイ「どういうこと?」
ルルーシュ「ふふふ。会長も一緒にどうですか?」
ミレイ「なにが?」
ルルーシュ「俺なら……同時に5人まで幸せにできることがわかったんです」
リヴァル「何いってんだよ?!」
ルルーシュ「このゲームでは対象が7人。だから、俺では無理だった。それもそのはず。俺のキャパシティは5人分だったからだ」
スザク「……」
シャーリー「それで?」
ルルーシュ「5人までなら俺は同時に幸せにできる。一人が限界だと思っていたが、それは違っていたんだ」
ルルーシュ「これからは守りたいものを遠ざけず、ずっと懐の中に入れておくことにした。離れてしまうと苦しくなるんだろ、女の子というのは」
シャーリー「それを学んだんだ……ルル……」
ニーナ「ユーフェミア様……さいこー……」
ナナリー「お兄様、かっこいいです」パチパチパチ
スザク「ルルーシュゥゥゥゥゥ!!!!!!」
ルルーシュ「なんだ?!」
スザク「この外道がぁ!!!!」
ルルーシュ「なんだと?!」
リヴァル「女の敵!!」
ルルーシュ「何を言っている!!可能なことは検証済みだ!!」
シャーリー「……」
ミレイ「……」
ルルーシュ「信じてくれ!!シャーリー!!会長も!!」
シャーリー「会長、どうします?」
ミレイ「うーん……」
カレン「どうも……こんにちはー……」
ミレイ「カレン、ちょっと」
カレン「なんですかぁ……?」フラフラ
ミレイ「そう。生徒会の女たちは全員ね」
ルルーシュ「え?」
カレン「なんでまた……」
シャーリー「ルルが5人までなら全員幸せにできるって力説するから、なら幸せにしてもらおうと思って」
カレン「幸せ……幸せってなんだっけ……?」
ルルーシュ「カレン……やつれてないか?」
カレン「幸せにしてもらおうかな……よろしく……」
ルルーシュ「お前……?!」
ミレイ「これで四人かぁ……あと一人は……」
シャーリー「咲世子さんでいいんじゃないですか?」
ミレイ「そうね。そうしましょう。はい、決定!」
リヴァル「会長!!本気ですかぁ?!」
ミレイ「モチのロン!!―――では、ただいまより、ルルーシュ・ランペルージのハーレム祭りを始めます!!!」
シャーリー「イエーイ!!」
ミレイ「とりあえず、来月の1日からの予定を組みましょうか」
ルルーシュ「予定?」
ミレイ「5人もいるんだから、毎日1人とデートするとしても5日は埋まるでしょ?」
ナナリー「ローテーションを組むのですか?」
ミレイ「そうそう。とりあえず、ルルーシュと一緒に居たい日と時間を好き勝手に書き込んでみましょうか」
シャーリー「はぁーい」
カレン「どうしようかなぁ……」
ナナリー「私は毎日お兄様とデートしたいのですけど」
ミレイ「いいよー。書いちゃえ」
シャーリー「じゃあ、私もー」
咲世子「私は週末だけでいいですので」
カレン「私は……夜、傍に居てくれるだけでいいかな……」
ミレイ「私もとりあえず毎日デートしましょうか」
ルルーシュ「……」
スザク「羨ましいとは思えないな……」
ニーナ「大変そう……」
ミレイ「できた」
シャーリー「うわー、ルルの睡眠時間、2時間ぐらいしかないね」
ナナリー「でも、カレンさんの時間は眠ることできそうです」
ミレイ「じゃあ、週の平均睡眠時間は……4.5時間ってところか……」
ルルーシュ「……ここから削るのでしょう?」
ミレイ「自分の予定を減らしたい人ー」
カレン「……」
ナナリー「できれば理想の形のままで」
シャーリー「幸せにしてくれるなら、ねえ?」
咲世子「はい」
ルルーシュ「ま、待ってくれ!!流石にこれは……死んでしまう……!!!」
シャーリー「幸せにしてくれるんでしょ、ルル?」
ミレイ「降参?」
ナナリー「お兄様?」
咲世子「……」
ルルーシュ「ぐっ……!!」
シャーリー「ルルは女の子の気持ちを理解してない!」
ルルーシュ「馬鹿な?!」
シャーリー「できるだけ好きな人とは一緒にいたいのっ」
ルルーシュ「……」
ミレイ「そうそう。無理に手を広げても、全員を抱きしめることなんてできないでしょ?」
ルルーシュ「だが、それでは必ず誰かを切り捨てなければならないことに」
シャーリー「だから、ルルがみんなを本当に幸せにできるならそんなことしなくていいけど」
ミレイ「ルルーシュってそんなに器用だっけ?ゲームみたいに選択しなければ現状を維持できる女なんていないわよ?」
シャーリー「そっちが私を選択しなくたって、こっちから選んじゃうときもあるんだからね、ルル!!」
ルルーシュ「俺は……どうしたら……?」
スザク「最後の選択肢は屑が選ぶものだな」
リヴァル「同感」
ニーナ「ルルーシュは一人を選ぶのが無難だと思うな」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ(こんな選択肢……なかった……!!)
ルルーシュ(何が正解なんだ……なにが……!!)
シャーリー「ルルー?」
ミレイ「早くしてね」
カレン「幸せにしてよ」
咲世子「ルルーシュ様」
ナナリー「お兄様……」
スザク「ルルーシュ、君の選択肢は3つだ。どれかを選べ」
ルルーシュ「スザク……!!」
ルルーシュ「俺は―――」
C.C.「……」ピコピコ
ルルーシュ「……」
C.C.「それで、お前は逃げたのか」
ルルーシュ「全員を幸せにすることはまだできそうになかったからな。かといって、一人を選ぶことも俺にはできない」
C.C.「ド屑だな。お前」
ルルーシュ「まだまだ俺は女性の気持ちを理解してないからな。理解さえすれば、5人でも10人でも……やれるはずだ」
ルルーシュ「好き勝手に主張する者を完膚なきまでに押さえつけるには、理解が足りないんだ!!理解が!!」
C.C.「ふぅん」ピコピコ
ルルーシュ「10人になれば、お前も幸せにしてやれるしな」
C.C.「ぜんっぜん、嬉しくないが」
ルルーシュ「藤堂が作ったこの心の揺らぎ表は今後も活用していこうと思う」
C.C.「どうするんだ。そんなもの」
ルルーシュ「俺の行動がシャーリーたちにどれだけの影響を与えているのか、知りたいんだよ。理解するためにな」
C.C.「自分を評価させるのか。度胸あるな、お前」
ミレイ「―――はい、本日は終了~」
カレン「おわったぁ」
ルルーシュ「では、今日の評価を頼む」
シャーリー「ああ、そうだった。そうだった」
ミレイ「ルルーシュってマゾね」
ニーナ「ほんとに」
ルルーシュ「理解するためですから、協力してください」
ナナリー「では……」
シャーリー「えっと……あれは減点として……」
スザク「……」
ルルーシュ「スザク、お前も俺を評価したければしてもいいぞ」
スザク「本当かい?!」
リヴァル「俺もいいか?!」
ルルーシュ「構わないが」
ミレイ ■■■■□
シャーリー ■■■■■■□
ナナリー ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
カレン ■□□□□
スザク ■□□□□
リヴァル ■■□□□
咲世子 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
ニーナ □
ルルーシュ「なるほど……」
シャーリー「さぁ、かえろー」
ミレイ「ナナリーと咲世子さんの上限ってどこかしら……」
ナナリー「咲世子さん、私が一番高いようにしてくれましたよね?」
咲世子「ええ。勿論です」
ナナリー「お兄様……♪」
スザク「それじゃあ、また明日」
リヴァル「じゃあなー」
カレン「バイバイ」
ルルーシュ「割とショックだな……これは……」
C.C.「どうだ、成果はあったのか?」
ルルーシュ「これが結果だ」
C.C.「よかったな。ナナリーと咲世子の評価が群を抜いているじゃないか」
ルルーシュ「だが、満点ではない」
C.C.「完璧主義者の辛いところだな」
ルルーシュ「だが、まだ始まったばかりだ。落ち込むことなど……ない……」
C.C.「まぁ、ゲーム感覚でやれば大怪我は免れないな」
ルルーシュ「分かっている……そんなことは……」
C.C.「なら、いいけどな。どれ……私も……」
ルルーシュ「この程度の人心掌握も出来ずしてブリタニアは壊せない……」
ルルーシュ「俺はやり遂げてみせる!!!必ず!!!」
C.C.「できた。私の評価だ」
C.C. □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
ルルーシュ「……」
ルルーシュ「ふん……」
C.C.「私も幸せにしてくれるんだろ?期待しないで待っている」
ルルーシュ「―――」
C.C.「なっ?!」
ルルーシュ「本当の名前でこれから呼んでやるから、もっと評価をあげろ。白いのは見るに耐えない」
C.C.「そんな見え透いた下心で呼ぶな!!」
ルルーシュ「悪かった」
C.C.「やはりお前は何も分かっていないな。もう一度、ゲームからやり直せ」
ルルーシュ「ゲームはもういい。今の俺では手も足もでない」
C.C.「全く……」
ルルーシュ「……いい名前であることは間違いないがな」
C.C.「……」
ルルーシュ「C.C.も可愛いがな」
C.C.「早く寝ろっ!!」
ルルーシュ「ん……?」
ルルーシュ「ふっ……。どうやら、少しだけ分かった気がするな」
ルルーシュ「案外、真正面から褒めてやるのがいいのか」
ルルーシュ「フフフ……フハハハハ……」
ルルーシュ「やれる……俺なら……!!」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ「だが、満点までは……ほど遠いな……」
ルルーシュ「女の気持ちなんて……もしかしたら、一生理解の外なのかもな……」
ミレイ ■■■■□
シャーリー ■■■■■■□
ナナリー ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
カレン ■□□□□
スザク ■□□□□
リヴァル ■■□□□
咲世子 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
ニーナ □
C.C. ■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
おしまい。
後日談(チラッ
さよ子さんは天然だからな
Entry ⇒ 2012.09.26 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
カレン「あなたにとって、私は何?」ゼロ「……!」
ルルーシュ(どうする!? KMFが邪魔だが扇達は無防備だ……バレないようにギアスを使えば、しかし……!!)
南「みんなお前を信じていたのに!!」
杉山「井上も吉田も、お前の為に死んだんだ!!」
カレン「待ってッ!! 一方的過ぎるわ、こんなの!!」
カレン「ゼロのおかげで私達、ここまで来られたんじゃない!! 彼の言い分も!!」
玉城「どけっ! カレン!!」
杉山「ゼロと一緒に死にたいのか!?」
南「まさかギアスにかかってるんじゃないよな!?」
カレン「……ッ……」
カレン「……答えて、ルルーシュ……あなたにとって、私は何……?」
ゼロ「……!」
ルルーシュ(…………な……何だろう……?)タラリ
ルルーシュ(まずいぞ……何だと訊かれても具体的に何かなど考えた事がない!)※聞いてない
ルルーシュ(だがナナリーとシャーリーを喪い、C.C.も記憶喪失の今、俺にとって唯一残った大事な存在なのは間違いない)
ルルーシュ(だが『大事な存在』とは何だ? 具体性に欠ける……)
ルルーシュ(落ち着け、冷静に考えろ……間に合わせの答えではカレンの信頼を損ねる、それは避けねばならない)
ルルーシュ(この状況からして考える時間はあまりない……急ぎ検証せねばならない!)
ルルーシュ(鍵となるのはやはり先ほどのカレンの発言だ)※聞こえてない
ルルーシュ(『何?』と訊かれた以上は、抽象的なものではなく固有名詞としての答えだな……)
ルルーシュ(対人関係に置いて使われる固有名詞ともなれば膨大な数となる)
ルルーシュ(だがさっきカレンはゼロではなくルルーシュとしての俺に聞いてきたな)
ルルーシュ(加えてカレンは女性だ、これらを考慮すると150パターンほどに絞り込める! それならいける!!)
※現在ルルーシュはシュナイゼルの姿が目に入ってない
ルルーシュ(なんとかするには、なんとか……!!)
扇「何とか言ったらどうだ、ゼロ!!」
玉城「ゼロォ~ッ!! 間違いだって言ってくれよぉ~っ!!」
千葉「いい加減離れろ紅月!! お前まで巻き込むぞ!!」
カレン「……ねぇお願い、答えて!!」
ゼロ「……タイム!!」
カレン「え? あ、あの……タイムって、何?」
ゼロ「タイムはタイムだ、ちょっと待て!!」
藤堂「タイムなどといえる状況と思うのか!!」
ゼロ「ちぃ、頭でっかちどもめ……カレン、ちょっと耳貸せ!!」
カレン「えぇ? あ、はい……」
カレン「で、ホントに何?」
ゼロ「カレン、君はさっき俺に訊いたな? 『あなたにとって、私は何?』と。今それを考えてる」
カレン「はぁ!? ……じゃ、じゃあ……」
ゼロ「だから考える時間が欲しいんだ、そのためのタイムだ!!」
カレン「……そう、今になって考えるって事は……」
ゼロ「ん? ……なんだ?」
カレン「……私はあなたにとって、何でもなかったのね……」ウルッ
ゼロ「ほぁ!? 違う、間違っているぞカレン!!」ヒヤアセ
ゼロ「えぇい聞け!! いいか、大事か嫌いかどうでもいいかの3択なら、間違いなく大事だ!! これはホントだ、本心だ!!」
カレン「……!!!!」
ゼロ「だがここで疑問なのが、大事な物といっても何だという事だ」
カレン「えぇ?」
ゼロ「例えば幼馴染という間柄があるだろう」
ゼロ「アレはあまりに距離が近すぎるために、いるのが当たり前になってしまう。だからどんな存在かという事を意識することも少ない」
ゼロ「俺が君に感じている想いはそんな感じだ、いるのが当たり前だけに何かと訊かれるとわからない!!」
カレン「いや、大事なものってだけで充分嬉しいんだけど」
ゼロ「ダメだ、君が納得しても俺は納得しない!! 俺にとって君は何か、自分でもその解が欲しい!!」
ゼロ「ダメだダメだ!! 納得は全てにおいて優先する!!」
カレン「うわぁめんどくさ……」
ゼロ「というわけだからカレン、考えるだけの時間が欲しい。少し待ってくれないか」
カレン「この状況で待てってのも……」
ゼロ「仕方ないだろう、色々あって思考もまとまらないんだ!!」
カレン「あ……そうか、そうだよね……C.C.とナナリーの事、それにシャーリーも亡くなったって聞いたし……」
ゼロ「……!! そうか、知っていたか……」
カレン「……わかった、待つわ……でも、少しだけだよ?」
ゼロ「ありがとう、カレン!!」
ゼロ「そうだな……5分、いや3分くらいでなんとか」
カレン「そう、それじゃ一旦気を落ち着けましょう! はい、深呼吸!! 吸って~」
ゼロ「(スウゥ~~~~~~ッ)」
カレン「吐いて~」
ゼロ「(ハアァ~~~~~~ッ)」
カレン「どう? 少しは落ち着いた?」
ゼロ「ああ、思考がクリアになった気がする!!」
カレン「あと、あまり難しく考えなくていいからね? イメージ的な答えでも十分だから」
ゼロ「何!? それではせっかく150程度に減ってたパターンがまた5000以上に増えてしまう!!」
カレン「(そうだ、こーいうやつだった)……好きに考えなさい!! んじゃそろそろOK!?」
カレン「落ち着いて考えれば大丈夫だから、あなたは出来る子だから!!」
ゼロ「わかった、では俺は検証に入る!!」
千葉「何をやってるんだあの二人は? この状況でヒソヒソ話こんだりして」
藤堂「突然深呼吸など、意味が……」
カレン「みんな!!!!」
一同「「「!?」」」
カレン「チャージドタイムアウト、ゼロ!!」シュピッ
一同「「「」」」
カレン「だから正式にタイムの申し入れをしたんです!!」
千葉「言ってられる状況か!! 囲まれてるの判るだろう!?」
カレン「だって彼にも考える時間ぐらいあったっていいでしょ!? 言う事ないのか~とかいいながら銃突きつけて、言わせる気すらないじゃない!!」
玉城「いやそうだけどさぁ、少しは読もうぜ空気?」
カレン「あんたに言われるのだけは心外ねぇ!!」
藤堂「落ち着け紅月君。君がそこを離れれば済む話だぞ?」
カレン「ダ~メ~で~す!! 彼は今すっっっごく大事な事考えてるんだからぁ!!」
ゼロ「……」ブツブツ(うつむきながら思案中)
カレン「違います~!! その……プライベートな事だから、ここで言うわけには……」モジモジ
藤堂「ますます判らん。それがハッキリしないなら我々だって納得せんぞ?」
千葉「そうだ、また私達を騙す事考えてるとしか思えない!!」
カレン「違いますってば!! あ~もう……ホントに言わなきゃダメェ?」
南「いくらカレンの言う事でも、ダメなもんはダメ!!」
カレン「南さん……!! ロリコンだって言いふらすわよ!?」
南「なっ、皆の前だろ!! 言うなぁ~っ!!」
一同「「「いや、もう知ってるし」」」
南「」
ゼロ「……」ブツブツ
カレン「藤堂さん……!!」
藤堂「だが納得が欲しいのも事実だ。紅月君、今ゼロは何を考えている?」
カレン「うぇ!? や、やっぱり言うのぉ!?」
千葉「どくか話すか、二つに一つだ!!」
扇「どくんだカレン!! その方がいいんだぞ!!」
カレン「う、うぅ……」モジモジ
ゼロ「……」ブツブツ
シュナイゼル「(ルルーシュが長考とは珍しいねぇ)」ヒソヒソ
カノン「(いやここ長考する場面じゃないと思いますわ、失礼ですが弟君って意外とバカですか?)」ヒソヒソ
シュナイゼル「(まぁ見ていようじゃないか。私の弟だ、驚くべき逆転の一手を繰り出すかもね)」ヒソヒソ
千葉「ほら紅月、はっきりしろ!!」
カレン「か、彼にとって、その……私は何かって……///」モジモジ
一同「「「「「「」」」」」」
藤堂「……ほぅ?」
ディートハルト「これはこれは……当初の予定より番組内容が変わるかもしれませんねぇ」
千葉「紅月……そういうのは二人だけの時に訊くべきだと思うぞ」
カレン「しょ、しょうがないじゃないですかぁ!! 命張るつもりで、後押しほしくて訊いたんだからぁ!!///」
ゼロ「……」ブツブツ
ルルーシュ(さて改めて考えるとだ。役職という考え方は消え去るな)
ルルーシュ(なぜなら出すべき解は『ゼロ』としてではなく『ルルーシュ』としての答えだ、よって部下とか同僚はもってのほかだ)
ルルーシュ(ではクラスメイト……だめだ、これはその他大勢と同義だ。第一今現在カレンは学生の立場ではない)
ルルーシュ(では友達……大事だが軽いな。それにただの友達ではない気がする)
ルルーシュ(それなら親友……は違う。俺はスザクが最初で最後の親友だと認識しているからな)
ルルーシュ(……くっ、予想以上に困難な問題だ!!)
ルルーシュ(他に俺達の関係に近い言葉……となるとまさか男女関係になるのか!?)
ルルーシュ(すると恋仲!?……ち、違うな……異性として意識した事もあるかもしれなくもないかもしれないが付き合ってるわけじゃない、告白した・されたもないだろうが!!)ドキドキ
ルルーシュ(ならば愛人……ってバカか俺は!! 俺達はそんなふしだらな関係では断じてない!!)ドキドキ
ルルーシュ(えぇい、何かヒント、ヒントはないか!?)
ルルーシュ(だが今は『ルルーシュ』としての答えだ!! あ~何かヒントヒント……)
ルルーシュ(!! そうだ、俺に対しカレンがかけた言葉!!)
ルルーシュ(それに対し俺自身が抱いた感情、これを検証すればヒントにはなる!!)
ルルーシュ(よぉ~し思い出せ!! カレンがかけた言葉の一言一句!! それに対し抱いた感情!! その全てを!!)
ルルーシュ(大丈夫だ、俺はやれば出来る子だ!! さっきカレンもそう言ったじゃないかぁぁぁっ!!)
(カレン『ふざけないで!!……一度失敗したくらいで何よ!』)
(カレン『しっかりしろルルーシュ!!』)
(カレン『何やってたのよあんた達は!?私が捕まってる間に!!』)
(カレン『待って!! 一方的すぎるわ、こんなの!!……彼の言い分も!!』)
(カレン『……共に進みます。私は、あなたと共に』)
ルルーシュ(!!!!)ピキーン!
ゼロ「フ、フフフハハハハハハハ……!!」
藤堂「!?」
カレン「!? 素顔を……!?」
千葉「本当に……ブリタニア人の子供……!?」
ルルーシュ「自分自身の気持ちに……カレンが俺にとってどんな存在であったかと言うことに!!」
扇「くっ! 早くどくんだカレン!! ギアスをかけられてしまうぞ!!」
ルルーシュ「ギアス? そんなものを使いはしない!!……カレン!!」
カレン「は……はいっ!!」
ルルーシュ「日本ではこんな時、こう言うんだろう? 『ととのいました』ッ!!」
ルルーシュ「ああ。ずいぶんと時間がかかってしまって、すまなかったな」
ルルーシュ「判ってしまえば簡単な事だった。なぜ判らなかったんだろうな、俺は」
カレン「じゃあ、その……聞かせて……」ドキドキ
藤堂「待て。ディートハルトよ!! ちゃんとカメラは回っているか!?」
ディートハルト「当然です。メモリー、バッテリー残量ともバッチリです」
千葉「いや藤堂さん、ここは自重された方が……」
藤堂「千葉ァ!! 一世一代の告白シーンだ、最期かも知れないし撮っておくのが筋だろう!!」
千葉「す、すみません!!」
ルルーシュ「あの、もう言ってもいいのか?」
藤堂「ああ、存分に言うがいい!!」
カレン「はい……」
ルルーシュ「俺は今まで何度も君を騙し、傷つけてきた。しかし、それでも君は俺を信じてついて来てくれた」
カレン「う、うん……」ドキドキ
ルルーシュ「君の言葉に、行動に、何度救われたかなど……もう数え切れない」
ルルーシュ「ゼロの仮面を被り続ける騎士団生活の中でも、君の近くでだけは素の俺でいられたんだ」
カレン「も、もったいつけないでよ……早くその、言って……」モジモジ
ルルーシュ「……そうだな。では、今ここに宣言する!!」バッ!!
藤堂「よし、全員注目!!」バッ!!
ディートハルト「よし、ここは二人をアップで!!」ガシャッ!!
カレン「……!」ドキドキ
ルルーシュ「言葉で表すなら!!」
カレン「…………っ!!!!」ドキドキドキ!!
一同「「「表すなら!?」」」キキミミッ
ルルーシュ「俺のッ!!」
カレン「………………ッ!!!!!!」ドキドキドキドキ!!
ルルーシュ「お母さんですッ!!!」
一同「「「「「「「」」」」」」」
カレン「……はい?」
ルルーシュ「カレン。C.C.から聞いていると思うが、俺は幼少の頃に母上を喪っている」
ルルーシュ「それからはナナリーをただ一人の家族として生きてきた」
ルルーシュ「だが9歳ともなればまだまだ母親が恋しい頃だ」
ルルーシュ「そんな時期に母上を喪った俺は無意識に母性愛を求めていたのだと思う」
ルルーシュ「そこへ現れたのが君だよ、カレン!!」ズバッ!!
カレン「全く意味がわからないんだけど!?」
千葉「……誰かわかるか?」
杉山「全然」
玉城「わかる方がすげーよ」
藤堂「……ふむ」
ルルーシュ「そしてその時抱いた感情を繋ぎ合わせたとき、パズルは解けた!」
ルルーシュ「落ち込んだ時に思いやりある言葉をかけ励ましてくれる優しさ!」
ルルーシュ「へたれて自暴自棄になった時に本気で叱ってくれる厳しさ!」
ルルーシュ「窮地に陥った時は我が身を省みず助けようとする度胸!」
ルルーシュ「性的トラブルを予感させる状況を逸早く察知する洞察力!」
ルルーシュ「信じた相手にはどこまでも尽くそうとしてくれる深き情!」
ルルーシュ「それらを象徴する、母性愛が詰まったかのような大きな胸!!」
ルルーシュ「どこをとっても!まさに!日本の良きお母さんそのものじゃないか!!」
カレン「」
ルルーシュ「そばにいてくれると安らぐのも当然だ……俺が求めていた母性は、こんなすぐそばにあったのだから!!」ダキシメッ
カレン「ちょ! るる、ルルーシュ!?///」ドキドキ
ルルーシュ「そうさ、母上もこんな暖かさを持っていた……!! あぁ、暖かいよカレン!!」
カレン「あの、人の話を聞いt
ルルーシュ「思い返せば母上もKMF操縦の達人だった!! そんなところも共通するなんて、まさに完璧だ!!」
カレン「」
千葉「まぁ確かに紅月なら意外といいお母さんになるかもしれないが、それとこれとは」
藤堂「むぅ……」
カノン「(殿下、アレはさすがに冗談ですよね?)」ヒソヒソ
シュナイゼル「(いや、本気かもしれないね。彼はマリアンヌ様の事大好きだったから)」ヒソヒソ
ルルーシュ「大丈夫だ、もう心配要らない!! 君の事は、この俺が必ず守るから!! また母の絆を失ってたまるものか!!」
カレン(い、いい台詞かもしれないけど……話の流れがこんなんじゃ喜べないじゃないのぉ!!)
ディートハルト「えーっと、今のは編集ミスとか聞き間違いじゃありませんよね?」
ルルーシュ「いつも言っているだろう!! 俺はいつでも大真面目だ!!」
一同「「「「「」」」」」
カノン「(本気、みたいですね……」)ヒソヒソ
シュナイゼル「(ルルーシュ……まさか、新たな扉を開けてしまうとは……」)ヒソヒソ
ルルーシュ「なんだ?」
藤堂「今の言を聞く限り、少なくとも紅月君の事は駒と思ってはいないようだな?」
ルルーシュ「当たり前だ!! この人は俺にとって第二の母さんだ!!」キッ!
扇「カレン! こんなバカに付き合う必要はないぞ!?」
ルルーシュ「俺はいたって真剣だ!! 彼女はこの俺が、命に代えても守る!!」
千葉「いやカッコいい台詞かもしれんが、この流れじゃ台無しだぞお前!」
藤堂「ならば問う!! 君にとって我々は……黒の騎士団とは何だ!!」
ルルーシュ(やはり、そうくるか!!)
ルルーシュ(この答えとてその場しのぎの物は許されない……チャンスは一度のみ!)
ルルーシュ(だがカレンの問いに解を導き出したとき、ここで出すべき答えも見えた! あとはやるだけ……!!)
藤堂「応えてもらおう、ゼロ!! 我らは君にとって、駒か、否か!!」
ルルーシュ「もちろん、答えは出ているさ!! だがその前に一つ、質問に答えてもらいたい!!」
千葉「何だと!?」
扇「お前に質問する権利なんt
藤堂「待て!! ……答えよう。何だ?」
ルルーシュ(感謝するぞ藤堂!! これならいける!!)
ルルーシュ「だが元々はブリタニアに対抗する一レジスタンス組織、謂わば無頼の輩だ!! わかるか!?」
藤堂「……重々承知している。だがそれが今何の関係がある?」
ルルーシュ「そう、元々は社会に疎まれ、弾き出された存在……いわばギャングや、日本の……ヤクザ、といったか? それと同じ!!」
ルルーシュ「そんな彼らの様な組織に共通する呼称は知っているか!?」
藤堂「待て……ッ!! まさか!?」
ルルーシュ「一家、ファミリー……言語による表現の差異こそあるが、その意味は同じ!!」
ルルーシュ「そう……『家族』だよ!!」
ルルーシュ「だが黒の騎士団を立ち上げて以来、皆が俺を頼ってくれる、必要としてくれる!」
ルルーシュ「そうしているうちにここは俺が存在していられるもうひとつの場所になっていたんだ」
ルルーシュ「そう、自分が存在していい、そしているのが当たり前の集団……運命共同体!!」
ルルーシュ「例え血の繋がりがなくとも、それはつまり家族といえないだろうか!?」
玉城「ゼ、ゼロォ~ッ!」ウルッ
藤堂「待て」
ルルーシュ(く……さすがに、苦しいか!?)
藤堂「我々を家族というのなら……」
ルルーシュ「……素顔をさらさなかった理由、か?」
千葉「そ、そうだ!!」
ルルーシュ「いわば俺は日本人の敵。素性をさらして、受け入れてもらえるとは思えなかった」
ルルーシュ「だから俺は仮面で素顔を隠すしかなかった。皆が必要としてくれたのは『ゼロ』であって―――俺じゃ、ないから」
千葉「そんな、それじゃ……」
ルルーシュ「怖かったんだよ、手にした家族を失うのが。そして結果は見ての通りだ」
ルルーシュ「そういう事だ、藤堂。納得してもらえただろうか?」
藤堂「いや……折角説明してもらって悪いが、そうじゃない」
ルルーシュ「何……?」
藤堂「……お父さんポジは、誰だ?」
藤堂「だからお父さんといえるポジションの人間だ。紅月君がお母さんポジなら、対となる存在が必要だろう」
ルルーシュ(そんな……!! 予想外だ!! 父親にブリタニア皇帝であるシャルルを持つ俺にとって、父親など最も忌むべき存在!!)
ルルーシュ(そんな父親のポジションに収まる人物だと!? そんなもの考えすらしないぞ!!)
ルルーシュ「……っ」
扇「藤堂将軍、出るわけないですよ答えなんて!! さっきのだって所詮でまかせだろうし!!」
ルルーシュ「違う、俺は本当に!!」
玉城「どうなんだよゼロォ!!」
ルルーシュ(くっ、どうする!? 答えが見出せない、このままでは……カレン!!!!)
ルルーシュ(そう、全てを受け止めるような大きな背中……俺の持っていない力強さを感じさせる背中!!)
ルルーシュ(そして言動の端々から感じさせる男らしさ……それを持ち得るのは!?)
玉城「な、なぁゼロ……俺今まで親友と思ってたけど、お前もしかして俺を親父代わりに……」
ルルーシュ「いや、それはない」
玉城「」
藤堂「ン、ンンッ!!」
千葉「……藤堂さん?」
藤堂「そ、そういえば……私ももし若い頃ヤンチゃをしていれば、君くらいの年の子供がいてもおかしくないんだがな……」チラッ
ルルーシュ「!?」
ルルーシュ「藤堂……あなたは……」
藤堂「わ、私も家庭を持つのも吝かではないというか、だな……その」チラッ
ルルーシュ「い、いいのか……? 俺が、あなたを父と呼んでも……!!」フルフル
藤堂「わ、私は別にその……構わん、ぞ?」ドキドキ
ルルーシュ「と、藤堂……! いや違う!!」
ルルーシュ「お藤さんッ!!!!」ブワッ
藤堂「ゼロ……いや、ルル坊!!」ニッ
千葉「藤堂さぁん!! 正気に戻ってぇ!!」
千葉「嘘ぉっ!! だって、だってぇっ!!」
扇「藤堂将軍がこんな事をいうなんて、まさか! これがギアスか!?」
ルルーシュ「違う!! 言っただろう、この場でギアスは使わないとさっき言っただろう!!」
ルルーシュ「言っておく!! 皆が今いるその場所は、俺のギアスの有効射程外だ!! だから大丈夫だ、問題ない!!」
ルルーシュ「お藤さん! そして皆! あなた達の心は、あなた達自身のものだ!!」
藤堂「ルル坊……!!」
千葉「私が言ってるのはそこじゃない!!」
千葉「藤堂さんがお前の父親になったら、その奥さんは紅月ということになるのかぁっ!?」ナミダメ
藤堂・ルル「!!!!」
千葉「だってそうだろう!? お前が紅月を母親と思ってるって事は!!」
藤堂「そうだな、母の対は父だ!! 父と母の組み合わせは夫婦だ!! すなわち!!」
ルルーシュ「カレンと……お藤さんが、夫婦……!?」
玉城「けどよぉ? シングルマザーって言葉だってあるだろぉ?」
ルルーシュ(確かにその言葉なら解決する……だが俺はカレンにもっと幸せでいて欲しい!! 認めるべきか、どうなんだ!?)
藤堂「落ち着け、千葉よ」
千葉「ムリですぅ! ダメなんですか!? 私みたいな三十路の行き遅れはぁ!!」グスグスッ
藤堂「弱ったな……正直言うと私も男である以上、幼妻という言葉にはロマンを感じる」
南「お、俺も若い方がいいです!!」
千葉「」
ルルーシュ(まずいぞ……これではそのうち千葉がヒステリーを起こして全てが終わってしまう!! どうする!? どうすればいい!?)
カレン「あのぉーーーーーっ!!!!」
一同((((ビクッ!!))))
ディートハルト「っと、そういえばさっきから彼女、何も喋ってませんでしたね」
ルルーシュ「カレン……いや、カーさん?」
カレン「誰がカーさんよ!? さっきから聞いてりゃぁ皆好き放題いってくれちゃってぇ!!」プンスカ
カレン「皆一旦銃下げて!! 静かにして、そんで私の話を聞くっ!!!!」
一同「「「「は、はいっ!!!!」」」」
カレン「ルルーシュ。折角告白してもらってなんだけど、私……あなたのお母さんになんてなれない!!」
ルルーシュ「のぁっ!!??」ガビーン
カレン「そして藤堂さん!! あなたの奥さんにだってなれません!!」ズバッ!!
藤堂「な……に……!?」
千葉(ちょ、ちょっと安心……)
ルルーシュ「そんなカレン、どうして!?」
カレン「どうしても何も! そんなもん考えなくてもわかるでしょ!?」
カレン「ったりまえでしょ!! いい、あんたと私は同い年なのよ!?」
カレン「同い年で母子なんて成立するわけ!?」
ルルーシュ「はぅっ……!?」
藤堂「待て紅月君、ルル坊が私の連れ子で君が再婚相手と言うなら成り立つぞ!!」
カレン「藤堂さん、あなたは立派な戦士だし、日本人の誇りも忘れない素晴らしい方です」
カレン「でも、あなたは私のタイプじゃありません!! だから妻になんてなれません!!」
藤堂「そっ……ん、な……」
カレン「大体千葉さんがいるでしょーに!! 千葉さんの好意なんて皆知ってんですから!!」プンスカ
千葉「こ、紅月ぃ……///」ブワッ
カレン「だったら千葉さんが藤堂さんの奥さんになれば万事解決でしょ!?」
カレン「千葉さん料理上手いし、ちょっとぶっきらぼうだけど思いやりあるし、その……む、胸だっておっきいし」
千葉「紅月……お前……」ウルウル
ルルーシュ「だけど、俺は君こそが!!」
カレン「ストップ!! いいから話聞く!!」
ルルーシュ「!?」
カレン「『全てが終わったら、一緒にアッシュフォード学園に帰ろう』って。……あのときは言えなかったけど、私すっごく嬉しかった」
ルルーシュ「カレン……」
カレン「あの言葉に、捕縛されたときに叫んでくれた事がホントに嬉しくて―――その言葉があったから、捕虜になってるときも、腐らずにいられたの」
ルルーシュ「あ、ああ……」
カレン「戻ってきて、大事な人を3人も失って、そんなあなたを心から支えたいと思った。一緒に歩んでいきたいと思った」
ルルーシュ「俺だって、俺だってそうだ、だから―――」
カレン「そう思ってたのに……いきなりお母さんって何よぉ!!」
ルルーシュ「」
ルルーシュ「えぇ!? 普通に言えばいいんじゃないのか!?」
カレン「いえるかぁっ!! 想像してみなさいよ!!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
リヴァル『なぁ、最近ルルーシュとカレンの関係って変わった? 付き合ってるってワケでもなさそうだけど」
ルルーシュ『あぁ、伝えてなかったな。実は……母です』
カレン『息子です』
ルルーシュ『母さん、今日は確か卵が安くなってるはずだ』
カレン『じゃあ帰りに買い忘れないようにしないといけないわね~』
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ルルーシュ「リヴァルならきっとわかっt
カレン「くれるかぁっ!! 変な事やってるとしか映らないわよ!!」
カレン「絶対イヤ!! ムリ!! 受け入れられるわけないでしょう!!」
藤堂「しかし紅月君、この黒の騎士団という大家族の中で君のポジショニングは極めて重要だ!!」
藤堂「ルル坊が君を極めて近い位置に求めているなら、母親以外に何がある!?」
ルルーシュ「そうだカレン、何ならいいんだ!? 頼む、教えてくれ!!」
カレン「……っ」
カレン「……め……さん……」ポソッ
ルルーシュ「ん? 何だ? よく聴こえないぞ?」
カレン「およめさんが、いいです///」
カレン「……うん///」コクリ
ルルーシュ「なら別に問題ないじゃないか、お藤さんのお嫁さんで、俺の母さんで」
カレン「話聞いてた? ……あなたのお嫁さんになりたいって、そう……言ってるんだけど」
ルルーシュ「……へ?」
ディートハルト「これは……想像以上の画が撮れそうな気がしますねぇ!!」
扇「カレン、何を言っt(ガスッ!!)
千葉「紅月……!! がんばれ、紅月!!」
カレン「悪かったわね不器用で!! けど、あなただって鈍感が過ぎるわよ!!」
カレン「そうよ、私はあなたが好きよ! 愛してるわよ!! ナナリーにだって、シャーリーにだって負けないくらい!!」
カレン「あのバベルタワーでまた逢えた時―――うぅん、きっと初めて学園であった日から気になってたわよ!!」
カレン「全くバッカじゃないの!? よりによってこんな、皆の見てる前で言わせるなんて!! ばかぁ!!!!////」
ルルーシュ「お……俺は……」
ルルーシュ「君が愛してくれても、俺はパートナーとして守る事なんて……」
藤堂「―――喝ッ!!」
ルルーシュ「!! お藤さん!?」
藤堂「ルル坊……紅月は皆の面前で、勇気を振り絞ってお前に告白したのだ」
藤堂「お前はその想いを無下にする気か? それでもお前は私の息子、日本人か!?」
ルルーシュ「だが俺は、ブリタニア人で……」
藤堂「心さえあれば、それは日本人。……お前が自分で言った言葉だ。忘れたか?」
ルルーシュ「!!」
藤堂「守る自信がない? フ、甘ったれるなよ。さっき紅月を守りたいと言ったのはお前自身だ」
藤堂「その意思に偽りなくば、全てを賭して護り抜く覚悟を決めろ。女子にああまで言わせたのだ、腹を括れ!!」
ルルーシュ「俺は……俺は……!!」
藤堂「(? アナタ?)なんだ千葉よ、この期に及んで!!」
千葉「すみません、ですが一つ問題が残っています!!」
藤堂「……言え」
千葉「はい……その、例え本人同志がいいと言っても、渡された資料によれば彼はまだ17歳!!」
千葉「紅月を娶るには法律上年齢がわずか、ほんのわずか足りません!!」
ルルーシュ「っ……そうだ……俺にはまだ、カレンをお嫁さんにするなんて……!!」
藤堂「フ、そんな事か。下らんな」
千葉「えぇ!?」
藤堂「覆す手が……私にはある!!」キュピーン!
藤堂「ルル坊、お前は『元服』というものを知っているか?」
ルルーシュ「ゲン、プク? ……いや」
藤堂「さすがに知らんか。かつて日本がまだ戦国の世だった頃に存在した制度でな」ニヤリ
藤堂「その制度の元では、男子は齢十五にして大人である事を認められる」
ルルーシュ「……!!」
藤堂「ルル坊、お前は以前我らに言ったな? 我々の合衆国日本は、かつて敗れた日本とは違う、新しい日本だと」
藤堂「ならば婚姻に関する法律に、新たにそれを取り入れればいい。さすれば―――」
ルルーシュ「まさに全ての条件はクリアされる!!……お藤さんッ!!」
藤堂「フフ……若人よ、幸せになるがいい」キラーン!
千葉「ああ、藤堂さん……なんて奇跡の人!!」シンスイ
千葉「は、はい!! アナタ!!」
藤堂「こんな私だが、ついてくる覚悟はあるか? 常に奇跡を求められる我が道に……そして、黒の騎士団という大家族の長の妻として、ルル坊の母親としての道に」
千葉「あぁ……あなたが望んでくれるのなら、どんな道でも!!」
藤堂「フ……ではついて来い!!」
千葉「喜んで!! ……おい、ゼロ!! いや、ルルーシュ!!」
ルルーシュ「!! はい!!」
千葉「(コホン)仕方ないから私もお前を認めてやる。だから早く、紅月に応えてやれ!!」
ルルーシュ「……はい!! 俺の心にもう、迷いはない!!―――カレン!!」
カレン「……はいっ!!」
カレン「うぅん……いいの」
ルルーシュ「ご覧の通り、俺は頭しか取り柄がないような……心も体も弱い男だ」
ルルーシュ「今まで支えとした者達も失って、正直何で今立てているのか不思議なくらいだ」
ルルーシュ「だから隣で支えてくれる人が欲しいんだ、俺は、だから―――」
カレン「うん……///」
ルルーシュ「その……これからも俺を、支え続けていてくれないか? 俺の、一番近くで……」
カレン「―――っ」
カレン「共に進みます……私は、あなたと共に……いつまでも……!!」ウルッ
ルルーシュ「ありがとう、カレン……!!」ギュッ
南「藤堂さんも、ようやく前に進めたようで!」
藤堂「フ……よせ。息子の前で恥はさらせん」
千葉「あの、あなた……子作りはいつ始めます?///」
玉城「あのカレンがなぁ……うおぉ~ん!! 見てるかナオトォ~~~ッ!!」ゴウキュウ
ディートハルト「もうこれ完全に別の番組として編集しなおした方がよさそうですねぇ……ちょっと、若いお二人」
ルル・カレン「「は、はい!?」」
ディートハルト「折角ですし、番組の締めとして皆の前でキスして頂けますか?」ジィーッ
ルル・カレン「「うぇっ!?」」
扇「ちょ、ちょっと待ってくれ!!」
一同「「「……あ゛?」」」
杉山「そうだそうだー!!」
扇「あ、ああ……すまない―――じゃなくって!!」
扇「みんな、忘れたのか!? ゼロを、ルルーシュを引き渡せば、俺達の日本は還ってくるんだぞ!?」
ルルーシュ「何っ!?」
カレン「何それ……どういう事!?」
扇「カレン、黙っていてすまないな。俺達は約束したんだ、彼を引き渡す事と引き換えに日本を還してもらうと! そう、そこにいる―――シュナイゼル特使と!!」
シュナイゼル「そういう事だよルルーシュ。幸せそうなところ申し訳ないが、ね」
ルルーシュ「いたのですか兄上」
シュナイゼル「……まさか本気で気付いてなかったのかい?」
ルルーシュ「えぇ」
シュナイゼル・カノン「」
シュナイゼル「まぁ、そういう事になるね。だが正直君が放った手は予想外だったよ。ここは兄として誇るべきかな?」
扇「彼は俺の要求に―――君の身柄と日本の交換にイエスと答えてくれた!!」
扇「ゼロ!! カレンの、俺達の幸せを想うなら!! 俺達のために人柱となれ!!」
ルルーシュ「俺は……俺はまた、政治の道具に……!? そん、な……」
カレン「ルルーシュ……!! 扇さん、あなたはっ!!」
扇「この約束は会談の場にいたものなら皆知っている!! そうでしょう、藤堂将軍!!」
藤堂「……知らんな」シレッ
扇「えっ……!?」
藤堂「確かにいた。そしてルル坊が我々を駒として扱っていたという言葉に酷くショックを受けたのも事実だ」
扇「だったら!!」
藤堂「だが実際はどうだ? 彼は我々を家族として見ていてくれた。お前とて今、彼の心からの告白も聴いただろう」
藤堂「これまでの作戦に犠牲が出たのも否定は出来ん。しかしそれで我々がここまで来られたのも事実だ」
藤堂「今冷静になって思えば、敵国の宰相に言に誑かされ、子供一人に全ての罪を着せようとしたのもおかしな話だ」
扇「でも、それはギアスが……!!」
藤堂「喝ッ!!」
扇「!!!!」ビクッ
藤堂「扇……いや、要ッ!! そこに座れ!!」
藤堂「す・わ・れ・と言った。ほれ、正座ァ!!」
扇「は、はいっ!!」
ルルーシュ「お藤さん!?」
藤堂「ルル坊、ここはこの父に任せておけ。……要よ」
扇「は、はい……」ビクビク
藤堂「今一度確認するが、お前がシュナイゼルに持ちかけた取引。あの言葉に、我々は首を縦に振った憶えはないのだが?」
扇「」
藤堂「いきなり現れたお前がいきなり捲し立て、いきなりシュナイゼルに取引を持ちかけた。我らの了解も取らず独断でだ。誤りはあるか?」
扇「い、いえ、でも……」
藤堂「どうなんだ、あ゛?」ギロリ
扇(ビクゥッ!!)い、いえ……その……ありま、せん……」
藤堂「話を終えた憶えはない!! フ、だが……ルル坊、何か言ってやる事はあるか?」
ルルーシュ「あぁ、戦場にいる以上はそこにいる兵士は駒と割り切って指揮したのは確かだ」
扇「ほらやっぱり―――」
ルルーシュ「だがそれは俺自身とて変わらない。でなければ、KMFで前線になんて出ないし」
扇「」
藤堂「わかったか? ルル坊は公私を使い分けてただけだ。に、対して……要よ」ヌゥッ
扇「と、藤堂将軍……近いです……」
藤堂「あの時聞けなかったが、お前と一緒に現れた褐色肌に銀髪の女子……アレは誰だ? 日本人ではなさそうだが」
藤堂「ひとっことも紹介なかったよなぁ? 彼女は何だ、お前のコレか?」(※小指立てて)
扇「えっ、あの、その何ていうか……彼女はその、千草といっt
ルルーシュ「違うな!! 間違っているぞ」
藤堂「ほぅ、知ってるのかルル坊?」
ルルーシュ「もちろんだよお藤さん。褐色肌に銀髪など、俺には一人しか思い当たらない」
ルルーシュ「彼女の名はヴィレッタ・ヌゥ。アッシュフォード学園の体育教師にして、その真の姿はブリタニア軍機密情報局の一員、同時にブリタニアの男爵」
ルルーシュ「学園での俺の監視役にして、さらにいうと扇の想い人ですよ」
藤堂「ほぅ? 自分の連れにブリタニア人を選ぶくせにルル坊はダメなのか、おまけに紹介も無しか!! いいご身分だなぁ要よ!!」
扇「」
藤堂「喝ッ!!」
扇「」
藤堂「彼女が出来ても紹介無し、それでいて人様の幸せはぶち壊す。お前は王にでもなったつもりか?」ゴゴゴゴゴ
扇「いやだって、ゼロは皇族d
藤堂「黙らんかっ!! もう一つ訊くが、お前は彼女に手は出したのか!?」
扇「えっ!?」
藤堂「キズモノにしたのか、と訊いている!!」
玉城「そういや扇よぉ、黒の騎士団旗揚げしてちょ~っとした辺りから付き合い悪くなった事あるよなぁ?」
扇「玉城!? だ、黙っててくれ!!」
藤堂「ほぉ~う?」ピキピキ
ルルーシュ「それについても知っていますよお藤さん。彼女はかつて俺の素顔を知ったのですが、その後撃たれて記憶喪失になった」
ルルーシュ「扇はそんな彼女を匿っている内に情が移ったようです。そして深い仲になったと―――」
扇「うわぁぁ!! うわぁぁぁぁぁっ!!」アセアセ
カレン「記憶を失ってるのいいことに? 扇さん……サイッテー」
藤堂「要よ、事実か?」
扇「え、あ、その……間違いではないですけど……」
南「あぁ、アレで俺ゼロに不信感抱いたんだ」
ルルーシュ「あのときは俺もトラブルで対応できず、犯人も判らなかった」
ルルーシュ「だが調査の結果、扇を撃ったのはヴィレッタだとわかっている……やはり記憶喪失中に好き放題されたのがイヤだったのかな」
南「じゃあお前自業自得じゃないか!!」
扇「南ぃ!!」ナミダメ
藤堂「ほほぉーう……我々はずいぶんお前に信用されてなかったのかなぁ? えぇ要よ」
扇「だって好きなんだ、しょうがないだろぉ!?」
千葉「さすがにフォローできん!! まるっきり獅子身中の虫じゃないか!!」
扇「」
ルルーシュ「いや、俺にだって責任はあるから……」
扇「そ、そうだ!! お前が責任を取r
藤堂「その前にお前が果たすべき責任があるだろうが!!」ゴツン!!
扇「ひっ!?」
藤堂「あのお嬢さんをキズモノにしたのなら、責任を取るのが男というものだ!! 時に、彼女の家にご挨拶には行ったのか!?」
扇「いやだって、敵国同士ですs
藤堂「誤魔化しなど聴く気はない!! 先のルル坊と紅月の精一杯の告白を忘れたか!!」
藤堂「きちんと正装して、ご挨拶の品を用意して!! ヴィレッタ嬢のご両親に詫びを入れて来い!! 貴様とて責任の取れる歳だろう!!」
藤堂「それを成し遂げてくるまで、この斑鳩の敷居を跨ぐ事はこの父・藤堂鏡志朗が許さん!! 勘当だ!!」
扇「そ、そんなぁ……」
カノン「いやアナタ家長って、ママゴトみたいなものでしょ?」
藤堂「我らは運命共同体だ。それに気付かせてくれた愛息子を差し出すつもりはない」
ルル・カレン「お藤さん……!!」
シュナイゼル「ですが彼は我々にとっても弟です。それも血の繋がった実の、ね」
コーネリア「そうだ、今更反故にするなど許されない!!」
ルルーシュ「姉上、いつの間にか独房から出ていたのですね。気付きませんでしたよ」
コーネリア「酷いなお前!! さぁルルーシュ、母国で裁きが待っているぞ!!」
ルルーシュ「俺を棄てた国が今更!! 今一度いう、俺の家族はこの黒の騎士団だ!!」
藤堂「ルル坊もこう言っている。……代わりといっては何だが、この放蕩息子……扇要をくれてやる。責任を取らせてやってくれ」
シュナイゼル「いえ、いりません」
扇「」
ルルーシュ「おかげで俺は血ではなく絆で繋がった家族を手にし、そして愛する者をこの手に得た。感謝すべきなのかな、シュナイゼル?」
シュナイゼル「その必要はないよ。なかなか楽しめたしね……しかしだ」
シュナイゼル「家長殿、私が乗ってきた艦に先のフレイヤが搭載されているのは知っているね?」
藤堂「何!? 貴様、まさか!!」
シュナイゼル「戻って来ないなら消すもやむなしです。……残念だよルルーシュ。君は私を超える事はできない」
ルルーシュ「フレイヤだと!? ……おのれ……おのれシュナイゼル!!」
カレン「でも、そんな事したらあんた達だって!!」
シュナイゼル「そうかもしれないね。だが黒の騎士団と超合集国はゼロと柱を失い、今度こそ瓦解する」
カノン「尤も、そうなる前に私達は脱出させてもらうけど。 ここで私達を殺して心中するか、見逃して消えるか、二つに一つよ」
コーネリア「兄上、まさかそんな……」
コツン、コツン、コツン
ラクシャータ「な~んかさっきから騒がしいけどぉ、一体全体何の騒ぎなわけぇ?」
カレン「ラクシャータさん!?」
ラクシャータ「紅蓮のチェックとか色々終わって暇だったから来てみたんだけどぉ、誰か説明してくれるぅ?」
ラクシャータ「ちょ~っとストップ! そのボーヤはだぁれ? 服はゼロっぽいけどぉ」
ルルーシュ「ああ、俺がゼロ……本当の名はルルーシュだ」
ラクシャータ「ふぅ~ん、結構かぁわいいじゃな~い? イタズラしたくなっちゃうわぁ♪」
ルルーシュ「!!」ゾクッ!!
カレン「ダメです!! ……実は―――」
・ ・ ・ ・ ・ ・
ラクシャータ「フレイヤねぇ……おっかしいわねぇ?」
ルルーシュ「? どうした?」
ラクシャータ「いやね、暇だからうろついてたら特使用の船があったからぁ、それも散策しちゃったのぉ」
ラクシャータ「んでも爆発物らしきものもな~んもなかったわよぉ? 武装は機銃とリニア砲だけ、格納庫ももぬけの空だしぃ」
一同「「「」」」
シュナイゼル「おやおや、ブラフだとバレてしまったようだねぇ?」
ルルーシュ「シュナイゼルゥゥゥゥゥゥッ!!!」
カノン「殿下、さすがに旗色悪いですわよ! どうします!?」
シュナイゼル「ここは退いた方がいいだろうねぇ。だが負けたつもりはないよ? いわば痛み分けだよこれは」
コーネリア(こんなカッコ悪い兄上見た事ない!!)
シュナイゼル「ではルルーシュ、カレン嬢、それに黒の騎士団諸君。またいつかお逢いしましょう」
藤堂「待て。おまけを忘れるな」ポイッ
扇「」
シュナイゼル「まぁ、ペナルティと見れば仕方がないね。営倉にでも放り込んでおいて……そうそう、ヴィレッタ君も忘れずにね」
カノン「了解ですわ殿下~」
コーネリア「ルルーシュ!! 私は絶対諦めないからなぁ!! 待ってるがいい愚弟よ!!」スタコラサッサー
騎士団一同「「「「」」」」
千葉「そうですね、やつらの駒と化してしまうところでした」
南「扇のヤツ、俺達にまで隠し事して……」
玉城「もういいじゃねぇかよ、んなこたぁ!! それよりさぁ」
杉山「そうだな、一度に2つも夫婦が成立したんだ! 宴会の準備でもしないとな!」
藤堂「昇悟が誤解を抱いたまま逝ってしまったのは心残りだが……あいつなら、きっと我らを向こうから祝福してくれるだろう」
千葉「……そうですね」
カレン「これで、よかったのかな……?」
ルルーシュ「わからない。だが俺達は、再び歩き出す事ができる。……それで充分じゃないか?」
カレン「……うん」
ルルーシュ「? どうした?」
カレン「C.C.の事、どうしよう……それに、神楽耶様も」
ルルーシュ「C.C.なら問題ない。今の無垢な人格なら、妹や娘として収まる事が出来る」
ルルーシュ「もし記憶が戻ったなら、そのときは―――」
カレン「そのときは?」
ルルーシュ「お姑さんなり、お婆ちゃんなり。どっちでもイケるだろう?」
カレン「ずいぶんマルチなポジションね」
ルルーシュ「あいつは元々常識が通じないからな」
ルルーシュ「カレンが俺の奥さんになってくれた以上、どうするべきか……」
藤堂「フ、甘いなルル坊」
ルル・カレン「「お藤さん!?」」
藤堂「お前は言ったな、ゼロは記号にすぎないと。ならば状況に応じて、ゼロを演じるものが替わればいい」
ルルーシュ「!! それは!?」
藤堂「作戦指揮を取る、治世をするなどの時はお前が演じる。部隊を鼓舞するときは私。プライベートの時は……」
南「俺やりたいです!!」シュバッ!!
藤堂「だそうだが……どうする?」
藤堂「我々は家族だろう? 今までお前に何もかも頼り過ぎた。今度は大人が子供のために体を張るばんだ」
玉城「そうだぜ親友、いやブラザー!! 頼ってくれていいからよぉ!!」
ルルーシュ(いや、お前は頼れない)
南「神楽耶様は俺が幸せにする!!」
千葉「わ、私も、いい母親になれるよう努力する……」
ルル・カレン「「みんな……!!」」
ディートハルト「あーっと皆さん、ちょっとよろしいですか?」
ディートハルト「お忘れですか? 私はお二人のキスシーンが撮りたいと言ったのですよ」
ルル・カレン「「!!///」」
ディートハルト「番組は打ち切りと先に言いましたが、とんでもない。これからもこの黒の騎士団という大家族のホームドラマ、バッチリ撮らせてもらいますよ」
ディートハルト「その団欒の象徴たるシーンとして、さぁ! さぁ!!」ワクワク
カレン「……ルルーシュ……」
ルルーシュ「カレン……」
カレン「……いいよ?///」
ルルーシュ「……ああ、それじゃ、いくぞ?///」
カレン(お母さん、私初めてキスします……誰よりも大切な人と……)
ルルーシュ「カレン……」
カレン「ルルーシュ……!」
ルル・カレン「……」アトスコシ
一同「「「「あとちょい、あとちょい!!」」」」
ガシャアアアアァァァン!!!
ルルーシュ「なんだ!?」
藤堂「蜃気楼!? 誰だ!!」
ロロ「兄さんの家族は、僕だけでいいっ!!!」キュイィィィン!!
千葉「消えた!? 一体何が起こった!?」
藤堂「くぅっ……KMFは出せるか!!」
ラクシャータ「全機整備完了済み、いつでもオッケーよぉ♪」
藤堂「よし!! 出られるものは全員出るぞ!! 全力で我らが息子を取り戻せぇ!!」
カレン「これってバベルタワーの時の……!? ルルーシュ……!!」
シュナイゼル「ん? あのKMFは……これは運が巡ったかもしれないねぇ」
シュナイゼル「アーニャ、ずっと待たせて悪かったね。あのKMFを捕らえられるかい?」
アーニャ「破壊、なら……」グッ
ズギュウゥゥゥゥン!!
アーニャ「!! えっ!?」
ブゥン! ブゥン! ブゥン!
アーニャ「……何? あの、動き……」
シュナイゼル「どうにも捉えられないか……まぁ、これ以上はこちらが危ない。アーニャ、帰っておいで」
アーニャ「了解……残念」
シュナイゼル「アーニャを収容次第全速で本国に帰還しよう。次の手を考えなきゃね」
カノン「営倉に入れたアレはどうします? 結構あそこ揺れますけど、ましてや全速出すと」
シュナイゼル「はて、アレ? なんのことだったかなぁ?」
ルルーシュ「何をしているロロぉ!! 俺は帰るんだ、操縦席からどけぇ!!」ゲシゲシッ
ロロ「血の繫がりがなくても絆で結ばれた家族……!! 兄さん、僕キュンときたよ!!」
ロロ「安心してね兄さん! 僕一人でお父さんでもお母さんでもお嫁さんでも、何でもこなしてあげるから!!」
ルルーシュ「ふざけるな!! 俺の話w―――
キュイィィィン!!
ロロ「そうさ……今までだってそうだった! 僕は兄さんの、たった一人の弟で!!」
ロロ「ずっと僕を……! 僕だけを家族として見てくれたんだ!」ググッ
ロロ「あんなとってつけたような、紛い…物の、付け焼刃の家族、なん…か!!」ハァハァ
ロロ「僕の想いに!! 敵うものかぁーーーーっ!!」
ルルーシュ「―――を聴け!! お前、何しているのかわかt―――
キュイィィィン!!
ロロ「兄さんの、たった一人の……家族で!!」ハァハァ
ロロ「僕が兄さんの!! 支えになるんだっ!! ロロ・ランペルージと、してっ!!」
ルルーシュ「―――っているのか!! いい加減怒るぞ!!」
ロロ「兄さんが僕のために怒ってくれる!? ぼ、僕はちゃんと、人間として……!!」
ピピピッ(通信)
藤堂『ルル坊!! 無事かぁーっ!!』
カレン『ルルーシューーー!!!』
藤堂『待ってろ息子ぉ!! 今助けてやる!!』
カレン『言ったでしょ、あなたと一緒にいるって!!』
ルルーシュ「だめだ、来ちゃいけない!!」
ロロ「兄さんが父と、お嫁さんと認めた人!! 僕はそんな人要らない!!」
キュイィィィン!!
ルルーシュ「やめろロロ!! 俺の大事な―――
藤堂『喝ッ!!!』
パキィィィン!!
ロロ「嘘!? 何で!!?」
藤堂『どこのどいつか知らんが、一家の大黒柱を甘く見るな!!』
ルルーシュ「二人とも聴いてくれ!! コイツの事は俺が自分で決着をつける!!」
藤堂『何!?』
カレン『でも、私……!!』
ルルーシュ「心配するな、必ず戻る! 戻ったら全て話す、だから俺を信じて待っていてくれ! 俺達の家、斑鳩で!!」
藤堂『ルル坊……!!』
カレン『……約束だからね! 嘘ついたら許さないんだから!!』テッシュウー
ルルーシュ(よし……これで、あとはこのバカを!!)
ロロ「退いた!? ……よし、あとは出来る限り遠くへ……!!」
キュイィィィン!!
――――――――――――――――――――――――
―――――――――――
ルルーシュ「ロロ……どうして俺を連れ出した?」
ロロ「兄さんは……嘘つき、だから……」ムシノイキ
ルルーシュ「え?」
ロロ「嘘、だよね? 僕の事、嫌いになったなんて……」ゼェゼェ
ルルーシュ「フッ、そうか、見抜かれていたか。―――ああ、お前の兄は、嘘つきなんだ」
ロロ「もち、ろんだよ……僕は、兄さんの事なら…なん、でも」スゥ
ルルーシュ「だがちゃんと本当の事だって言うぞ?」
ロロ「……え゛」
ロロ「兄、さん……? だって、僕h
ルルーシュ「確かに血の繫がりがなくとも絆があれば家族となる。それは立証された」
ロロ「そうだ、よ兄さん……それは僕、が最初n
ルルーシュ「だがお前には絆を一片たりとて感じない」
ロロ「う、そだ……!」プルプル
ルルーシュ「残念ながら現実だ。シャーリーを殺め、ナナリーまで亡き者にしようとしたお前に、弟たる資格があると想うのか?」
ルルーシュ「自分の世界だけで完結して、新たに家族ができる事すら否定するお前に、我が弟たる資格はない!!」
ロロ「!!!!」ガァーン!
ルルーシュ「お前はやりすぎたんだよロロ。もっと視野を拡げていれば、こうもならなかったものを」
ロロ「あ、あアァ……」プルプル
ルルーシュ「せめてもの手向けだ。お前に最もふさわしいギアスをかけてやる」スッ
ロロ「に、イ、さn
ルルーシュ「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア……いや、ルルーシュ藤堂が命じる―――」
ルルーシュ「ボロ雑巾のように地面を這い蹲っていろ!!」
キュイィィィィン!
ロロ「!!!!」キィィィィン……パァン!!
ロロ「イエス、マイ…ブラザ……」シュタッ
ガッサガッサ(地面でうつ伏せになって金魚運動してるとお考え下さい)
ルルーシュ「さらばだ偽りの弟ロロ、我が人生最大の汚点よ……」
ルルーシュ「貴様が大事にしていたストラップは、もうあげたかった相手もいない……冥土の土産にくれてやる」ポイッ
藤堂「むぅ……息子の危機に手を拱いているしかできんとは!!」
千葉「あなた、落ち着いて下さい……帰ってくると言ったんでしょう?」
カレン「ルルーシュ……お願い、無事でいて……」
ピピピッ
オペ子ズ「! レーダーに反応、蜃気楼です!!」
キィィィィィィン!!
藤堂「おぉ……帰ってきたか!!」
千葉「本当に……心配ばかりかけて!!」
ルルーシュ「――ただいま、みんな。ケリはつけてきたよ」
カレン「―――ルルーシュッ!!」
ルルーシュ「格納庫に下りたら、全員を集めてくれないか。伏せていた事も、ギアスの事も、何もかも全て話すよ……」
ギアスの力の事、ゼロとして立ち上がった理由、虐殺皇女の真実。
足掻き続けた果てに、妹ナナリーを始め、様々な物を失い続けた事。そして―――
―――斑鳩 ゼロ改め、ルルーシュの私室―――
カレン「みんなが理解してくれてよかったわね~。あのロロとかいう子の事は、私も驚いたわ」
ルルーシュ「だからって、あの仕打ちはないんじゃないか? みんなから一発ずつ殴られるなんて……イッテテテ!!」
カレン「それで済めば安いものでしょ? もしみんなが家族と認めてくれなかったら、こうして生きてさえいないんだから。はい、おしまい!」ペシッ
ルルーシュ「カレンのビンタが一番痛かったんだが?」
カレン「うっさいわねぇ、愛の鞭よ!! 愛の鞭!!」
ルルーシュ「そんなトコ隠れてないで出て来いよ。誰も虐めたりしないから。それと、ご主人様じゃないっていっただろ?」
C.C.「じゃあその、なんとおよびすれば……」
ルルーシュ「そうだな、お兄ちゃんでいいぞ?」
カレン「それじゃ私がお姉ちゃん、か……なぁんかフクザツ」
ルルーシュ「じゃあいっそ、パパとママのがいいか?」
カレン「ちょ! 何バカいってんのよ!!」
ルルーシュ「フッ……フフハハハハハハハッ!!」
カレン「……ったく、もぅ」
C.C.(ぱぱ、まま……なんだろう、なんだかあったかい……)
カレン「ラクシャータさん! どうしたんです?」
ラクシャータ「いや若いお二人にねぇ? 今後の子作りの予定とか訊いとこうなんて思ったり♪」
ルルーシュ「!?」
カレン「そっ……そういうのは、せめて学校出るまでお預けってお藤さん達も!!」
ラクシャータ「へぇえ~? だったらぁ……若旦那はアタシが毒見しておこうかしらぁ?」ペロォリ
ルルーシュ「!!」ゾクリッ!!
カレン「だめぇ!! 絶対だめですってばぁ!!」
ラクシャータ「あっはは~♪ 冗談冗談♪ まぁ精々ガンバッてねぇ~♪」スタコラサー
神楽耶「ねぇゼロ様?」
ゼロ「なんでしょうか神楽耶様?」
神楽耶「何だか最近のゼロ様、見るたびに体格や背の高さなど変わってるような気がするのですが、私の見間違いじゃございませんよねぇ? 今日もずいぶんパツンパツンな……」
ゼロ「め、滅相もない! 私はゼロ、世界を壊し創造する男! その根底たる思想さえあれば、多少の見た目など!」
神楽耶「まぁもともと何でもありの方というのは存じてますが……」
ゼロ「そうです、私は自分の体にさえ奇跡を起こすのです!!」
神楽耶(何だか加齢臭? とかいうのを感じますわ……これやっぱりニセモノですよねぇ?)
ゼロ(バレてないよな、バレてないよな!? 男・南! 折角得た幸せの時を手放してたまるものかぁーっ!!)
神楽耶「う~~……ホントのゼロ様にはいつお逢いできるのでしょうか……」ハフゥ
星刻「最近ずいぶんと斑鳩部隊の結束が固くなったようだな」
香凛「以前と関係が変わったようです。なんでも、血ではなく絆で結ばれた家族、とか―――」
星刻「絆、家族……か。ならば私も、天子様と……ぐっ、ガハァ!!」
香凛「星刻様!! 大丈夫ですか!?」
星刻「だ、大丈夫だ……私に甘え摺り寄って くる幼妻な天子様を想像し悶えただけだ……!!」
香凛(……この人総司令でほんとに大丈夫なのかしら?)
シャルル「……」
シャルル「……C.C.がぁ、来ぉないなぁ……」
シャルル「これでぇは、ラグナレクの接続が行えぇんではぬぁいかぁ……」
シャルル「……だぁが、ルルゥーシュは息災なよぉうだなぁ……」
シャルル「今のあやつなぁら、このシステム無ぁしでも世界を変えられるやもしれんなぁ……」
シャルル「なぁらばワシは見届けようぞ我ぁが愚息よぉ……なぁに、時間はいくらでぇもあぁる!!」
シャルル「フフフフフ、フフフフハハハハハハハ……」
シャルル「フブフハァッハァッハァッハッハァッ!! オォールハィルブリタァァァ~ニアァ~ッ!!」
シャルル「……んだぁができるなら……孫は見たい、な……」
藤堂「あれが天空要塞ダモクレスか……これまでのようにはいかなさそうだな」
ルルーシュ「あそこにナナリーが……俺は……」
千葉「案ずるなルルーシュ。お前は一人ではないのだ、そうだろ?」
藤堂「そうだ、今や支配に抗う全ての人々がお前の味方だ。そしてお前の側には我々がいる」
玉城「そうそう! それにお前の妹ってんなら、俺達にとってもそうだろ!?」
ジェレミア「ならば助け出すのみです! そう、我ら全員の全力を挙げて!」
ルルーシュ「みんな……!!」
カレン「だから、ナナリーも取り返して、帰りましょう! あの日常へ!」
ルルーシュ「カレン……そうだな、いつでも頼らせてもらう」
ディートハルト「さぁ、いよいよ番組も大詰めといった所でしょうか!!」
藤堂「ルル坊!! 最後の戦いだ、皆に喝を入れてやれ!!」
カレン「ルルーシュ! 行こう!!」
ルルーシュ「ああ、行こう! 俺達の望む明日のために!! ―――黒の騎士団、出撃!!」
こうして一人の少年を中心とし、世界を二分する壮大な最後の家族喧嘩が始まった。
血で繋がれた家族と、絆で繋がれた家族。
どちらの家族が勝ったのかは、また別のお話。
だが、黒髪の少年と赤髪の少女は、いかなる時も常に共に在ったそうな――――――
おしまい。
なんという王道臭い最終決戦エンド
Entry ⇒ 2012.09.25 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
ゼロ「新たなKMFを造ってくれ」ラクシャータ「はぁ?」
ラクシャータ「いつもながらいきなりね~、虎の子の蜃気楼まで出したのにまだご不満?」
ゼロ「確かに蜃気楼の力を見せつける事は出来た。だがカレンが捕われた今、戦力の大幅低下は否めない」
ゼロ「対してブリタニア側はと言えば、まだラウンズもギルフォードらも健在だ。こちらも更なる戦力が求められる」
ラクシャータ「まぁ星刻は中華から離れられないようなもんだしぃ、神虎に期待ともいかないわねぇ」
ラクシャータ「んじゃどんなコが入用か教えてくれなぁい?」
ゼロ「ズバリ!! 変形合体するKMFだ!!」
ラクシャータ「……ごっめぇん、よく聴こえなかったわぁ」
ゼロ「冗談はやめにしてくれ。私はいつでも本気の事しか言わん」
ラクシャータ「確かに今までもそうだったわよねぇ、んじゃもう一回言ってくれるぅ?」
ゼロ「フッ、理解してくれるまで何度でも言ってやるさ」
ゼロ「私が望むのは、変形・合体を可能とするKMFだ!!」
ラクシャータ「……ゼロさぁ、ちょっと疲れてるんじゃなぁい? ちったぁ寝た方がいいよぉ?」
ラクシャータ「ホンットに脳味噌まともなんなら、少ぉ~し考えればわかるでしょぉ?」
ラクシャータ「第一、アンタ専用の蜃気楼はウチ唯一の可変機でしょうに」
ゼロ「わからんやつだな。変形するだけならブリタニアにもナイトオブスリーのトリスタンがある」
ゼロ「今更変形するだけの機体なんて二番煎じにしかならん、だから合体する機体がいるのだよ!!」
ラクシャータ「……なぁ~んでそこまで合体にこだわるかねぇ」
ゼロ「違うな、間違っているぞ。アレは装備を変えただけだ、合体ではない」
ゼロ「合体というからには、2機以上の組み合わせで新たな1機となる必要がある。私が言っているのはそれだ」
ラクシャータ「そんなんムリだってばさぁ。は~い、この話は終わり~」
ゼロ「バカをいうな! やりもしないうちから全否定するんじゃない!!」
ラクシャータ「あんたさぁ、KMFがどんな機体かぐらいわかるわよねぇ?」
ゼロ「今更だな。全長4~5m前後、ランドスピナーとスラッシュハーケンを基本武装とし、腹部から背中にかけて脱出機構をかねたコクピットブロックが存在する。大まかにこんなところだろう」
ラクシャータ「今自分で気づかなかったぁ? コクピットブロックの占有領域ってかなりでかいのよぉ」
ラクシャータ「合体なんて言ったら、そのときコクピットブロックどうなっちゃうわけぇ?」
ゼロ「それを考えるのがお前達の仕事だろう!」
ラクシャータ「うっふふ~、アタシ珍しくゼロの事殴りた~くなっちゃたわぁ♪」
ゼロ「それは当然だな。既存の機体とはフレーム構造からして異なるのだから」
ラクシャータ「なぁんだ、ちゃんとわかってんじゃないさ。その通り、規格外れだから開発も整備も面倒なのよぉ」
ラクシャータ「そこに合体なんてま~た面倒な事入れちゃったらぁ、はいどうなるでしょう?」
ゼロ「面倒かどうかは問題じゃない。やれるのかやれないのか訊いている」
ラクシャータ「」
ゼロ「当然だ。カレンがいない以上、戦力増強のためなら面倒などという言い訳を聞く気はない」
ラクシャータ「そりゃアタシだってカレンちゃんがいないってのは淋しいし、ツラいけどさぁ」
ゼロ「なら答えは簡単だ。カレン抜きでもブリタニアを叩くなら更なる力が要る、そのためには合体だ!!」
ラクシャータ「そこでなんで合体に行きつくのか、アタシにはわかんないのよねぇ」
ゼロ「1+1はなんだ。答えは2だ。そういう事だ、さぁ造れ!!」
ラクシャータ「や~よ。技術屋の手間も考えな。んじゃアタシそろそろ寝るから、んじゃねぇ~」
ゼロ「クッ……これ以上は水掛け論にしかならないか!!」
カッケーじゃねぇかちくしょう
ゼロ「というわけで、今回はラクシャータと検討中の新たなKMFについて議論する」
ラクシャータ「だぁから造るつもりないってば」
藤堂「新型機か。確かに我らの機体を見返せば、星刻の神虎を除けば3タイプしかないな」
朝比奈「一般団員や僕らの暁。藤堂さんの斬月。それとゼロの蜃気楼だね」
千葉「たまに見かける金色のもいるだろう? 確か、ヴィンセントとかいう」
ゼロ「その通りだ。対してブリタニアはラウンズ専用機をはじめ、さらにバリエーション豊富な品揃えだ」
扇「あ、ああ、確かにそうだ。これではこちらのとれる戦略も限られてしまうよな」
ゼロ「その通りだ、扇。それ故に私は新たな機体案を提示したのだが、ラクシャータには受け入れられないようでな」
玉城「んだよラクシャータもケチだなぁ!」
藤堂「してゼロよ、その案とはどんなものだ?」
ゼロ「もうラクシャータに飽きるほど言ったがまぁいい。ズバリ! 変形・合体するKMFだ!!」
ディートハルト「ふむ……その他のオーダーは?」
ゼロ「それだけだ」
一同「「「「「「」」」」」」
ゼロ「2機以上のKMFが合体して新たな一つとなる。これ以上にどんなオーダーが要るというのだ!」
玉城「だよなぁ! 合体変形は男のロマンだもんなぁ!」
ゼロ「ほぅ、玉城は賛成か」
玉城「ったりめぇよ親友!! そんなん造るんなら俺も乗せて欲しいぜぇ!!」
ラクシャータ「造んないっつってしょぉ? それに玉城乗っても壊すだけ~」
千葉「だがラクシャータの言う事も尤もだ。第一、整備の方が大変になる」
ラクシャータ「やっぱ千葉ちゃん常識人で助かるわぁ。ほ~ら皆ももっと言ってやってぇ」
朝比奈「確かにねぇ、僕と千葉だって藤堂さんほどじゃないけど戦果は挙げてるよ?」
ディートハルト「規格外の機体となれば破損した際の修復なども大変ですしね」
南「暁は量産性高いし、パーツの換装だってすぐだ。コイツを元に斬月みたいなの造った方が……」
C.C.「おやおや、さすがに無茶振りが過ぎたようだなぁ、ゼロ?」
ゼロ「くっ……お前達、なぜこの必要性がわからん!!」
C.C.「カレンが捕われた事で気が気でないのはわかるが、頭に血が昇り過ぎだ。少し休んで頭冷やせ」
ラクシャータ「どーやら結論出たみたいねぇ? んじゃこの話はお流れってことで~」
藤堂「……」
千葉「私達だって紅月の事は心配だ。だがだからって合体など……」
朝比奈「いくら何でも話がおかしいとこ行きすぎだって」
ディートハルト「ゼロ、申し訳ありませんが私はこの件はノータッチとさせていただきます」
扇「せめてパーツのバージョンアップとかでいいじゃないか。手は回しておくさ」
ゼロ「くっ……なぜだ、なぜこんな結果に……!」
C.C.「ほら、わかったら休め。いつまでも合体なんて夢見てんじゃない」
藤堂「……待て」
一同「「「!?」」」
藤堂「合体が夢みたいだと? さすがに聞き捨てならんな」
玉城「旦那ぁ! 旦那はわかってくれるのかぁ!?」
ラクシャータ「ちょ~っと藤堂? ま~た話ややこしくしないでくれるぅ?」
藤堂「諸君らは合体というものがどういうものか、判っているのか?」
玉城「そりゃアレよぉ、でっけぇスーパーロボットになってバッタバッタとなぎ倒すんだよなぁ?」
藤堂「玉城は少し黙ってくれ。否定派の意見を聞きたい」
玉城「」
ラクシャータ「技術屋の意見だとぉ、開発も整備も維持もメンド~」
ディートハルト「ノーコメントとさせていただきたいですが……手間しか掛からないと思います」
扇「もし誰か一人でも欠けてしまったら、その瞬間成り立たなくなってしまうし……」
藤堂「……甘いな。誰も合体の素晴らしさを何一つ判っていない」
ラクシャータ「アタシインド人だけど」
ディートハルト「私ブリタニア人ですが」
藤堂「心さえあれば我らは日本人。ゼロがそう言っただろう」
ゼロ「藤堂……!!」
藤堂「……話を戻そう。諸君は合体ロボットをテレビで見たとき、どんな印象を抱いた?」
玉城「そりゃでっかくて超強くt
藤堂「玉城は黙っていてくれ」
玉城「」
扇「あ……すごく、強そうだなぁと」
南「ピンチをひっくり返すヒーローだよな」
杉山「チームワークのなせる業、っていうか」
朝比奈「出てきた瞬間みんな歓喜ですよ、まるで藤堂さんのようだ」
藤堂「フ……なんだ、諸君もちゃんとわかってるんじゃないか」
藤堂「民衆のピンチに颯爽と現れ、悪を討つ為に戦い抜く。そして一人一人の力は小さくとも、チームの絆を一つに束ねる事で圧倒的な力を発揮する」
藤堂「逆境にあろうともそれすらひっくり返し、敵を倒し、民衆の心に勇気と希望を齎す」
藤堂「どうだ、我々黒の騎士団にも通じる物があると思わないか?」
男達(((((ゴクリ・・・!!))))
千葉「そ、そう言われれば確かに……!」
ラクシャータ「千葉ちゃんさぁ、藤堂が言ったからそう感じてるだけでしょぉ?」
千葉「なっ!!??」
藤堂「何……?」
ラクシャータ「現実考えて欲しいんだけどさぁ、色々問題ありまくりなわけぇ」
ラクシャータ「まず合体するために余計な変形機構つけなきゃいけないしぃ」
ラクシャータ「それに連結する部分の強度だって確保しなきゃいけないでしょぉ?」
ラクシャータ「それにこれゼロにもいったんだけどぉ、KMF合体させたらコクピットブロックどーするわけよぉ?」
扇「じゃ、じゃあ、合体する前にコクピット先に脱出させて、機体だけ合体するってどうかな?」
ゼロ「バカモノ! そんなもの合体ではない!!」
藤堂「そうだ、チーム全員が一つの機体に乗り込んでこそ合体だ!! 全く、わかってないな」
扇「」
ラクシャータ「ほ~ら全然条件クリアされてないじゃない? それに合体してる最中隙だらけでしょぉ?」
藤堂「フ……甘いな、ラクシャータ」
ラクシャータ「はぁ?」
藤堂「合体の瞬間というのはな、敵も待ってくれるものなのだ」
藤堂「ロボットの合体シーンやヒーローの変身シーンは敵は待ってくれる。常識だ」
ラクシャータ「テレビの中の常識でしょぉ? 現実にそれやって、ブリタニアが待ってくれるわけぇ?」
藤堂「確かに全てのブリタニア兵がそうではないかもしれん。だが我々は、待つであろう将官を知っている」
ゼロ「フフハハハハ、そうだ、ヤツなら必ず待つ!!」
玉城「って、誰よ?」
藤堂「フ、知らないとは言わせないぞ」
ゼロ「ああそうだ。我々も幾度となく刃を交えたあの男!」
藤堂「そう、ヤツの名は!」
ゼロ・藤堂「「柩木スザクッ!!!」」
――――――――――――――――――――――
スザク「へっくしっ!!」
スザク「う~ん、風邪ひいたかなぁ?」
ゼロ「そう、あの特区日本の式典での発言からその事実は明白だ」
藤堂「そして彼は帝国最強のラウンズの一人」
ゼロ「その特権地位にいるヤツなら、我々の合体中に攻撃しようとする兵士を制止するのも容易い!!」
藤堂「ゼロ……!!」
ゼロ「藤堂……!!」
ガシィッ!!(握手)
藤堂「……そういう事だ、ラクシャータ」
ゼロ「わかってもらえたかな、合体の素晴らしさを」
ゼロ・藤堂「なら答えは自ずと出るはずッ!!!」
ラクシャータ「」
南「こうまで熱く語られては、俺達の魂も燃え滾るってもんだ!!」
杉山「そうだ! 黒の騎士団全員の絆を一つにすれば!」
ゼロ「そう! 倒せぬ敵など!!」
男衆一同「「「「「何もないッッッ!!!」」」」」
千葉「藤堂さん……かっこいいです……!!!」
ラクシャータ「」
男衆一同「「「「「頼む!! ラクシャータ!!!」」」」」
ラクシャータ「あ~はいはい、暑苦しいからやめやめぇ!!」
ラクシャータ「わ~かったわよぉ、やりゃいーんでしょぉ? やりゃ~さぁ(溜息)」
男衆一同「「「「「……ヒャッホォ~~~~~~イッ!!!」」」」」
藤堂「当然だ! 協力は惜しまん!」
ゼロ「システム周りはまかせてもらおう。蜃気楼のドルイドシステムもサポートに回せばかなり楽になるだろう」
ラクシャータ「正直アタシ合体なんて夜以外サッパリだからさぁ、資料の調達よろしく~」
玉城「よっしゃ! 杉山ぁ! レンタル屋でかたっぱし合体ロボアニメ借りまくるぜぇ!!」
杉山「任せとけ! よぉ~っし、久々の特務隊の出番だ!!」
ディートハルト「なんだか凄い盛り上がりようですね……こないだの中華開放以上じゃないでしょうか」
ゼロ「フ……当然だ」
藤堂「ああ、合体変形は男のロマンだからな」
藤堂「ディートハルト、玉城達が資料を調達したらお前も一緒に観るといい。……観れば判るさ」
ディートハルト「はぁ……」
C.C.「やれやれ……やっぱり男達ってバカだな」
ゼロ(待っていろ、ナナリー! カレン!!)
ゼロ(俺達はこの合体KMFプロジェクトを成功させ、必ずお前達を取り戻す!!)
ゼロ(そのときはあまりのカッコよさに失神させてやるぞ!! フフフフハハハハハ……ッ!!)
何でトリスタンだけあんなダサいんだよ…
変形すれば結構いけるけど
一番かっこいいのはモルドレッド異論は認める
ナナリー「――で、そのときお兄様ったら……」
カレン「ふふ、そうなんだ。意外とかわいいトコもあるのね……」
カレン(やっぱりナナリーは私の知らないルルーシュをたくさん知ってるのね)
カレン(いつか、私にもそんな姿見せてくれたらいいな……)
スザク「ナナリー総督。少々席を外していただいてよろしいですか?」
ナナリー「あ、はい―――ではカレンさん、また後で……」
カレン「うん、またね……(フゥ)で? 何の用かしら」
スザク「カレン。エリア11の多くのレンタル屋に黒の騎士団員と思われる者が出入りした事が確認された」
カレン「は?」
スザク「そして特定ジャンルの映像作品が片っ端借りられたそうだ。レンタル先は蓬莱島……合衆国日本だ」
スザク「僕はこれをゼロの……ルルーシュの企みと考えている。知ってる事を話して欲しい」
カレン「……あんたの頭がどうかしたって事ぐらいしか言えないわね」
カレン「わかるわけないでしょ。ってかアンタ何でもかんでもルルーシュに結び付けすぎ」
スザク「だが僕にはそうとしか思えない! さぁ言うんだ、ゼロはルルーシュなんだろ!? ヤツは何故ロボットアニメを借り占めさせたんだ!!」
カレン「ゼロの正体は知らな……って何? ロボットアニメぇ!?」
スザク「そうだ! エリア11の多くのレンタル屋からロボットアニメが姿を消したんだ!!」
カレン「それを陰謀だと思えるアンタ、やっぱ頭どうかしてるわ……」
ラクシャータ「や~っぱジョイントんとこ負荷かかりすぎるわねぇ~」
ゼロ「やはりそこか。だが資料を観てある程度は合体プロセスは理解出来ただろう?」
ラクシャータ「作品ごとにまちまちだからなんともね~、物理法則無視したのもあるし。さすがにアレはムリ」
ゼロ「できる範囲でいい。最低でも2機、理想は5機合体だ」
ラクシャータ「ふぅん……ちなみに誰にメイン張らせる気ぃ?」
ゼロ「私と言いたいところだが、私は火器管制などのほうがいいだろう」
ゼロ「メインは藤堂、またはカレンだ……取り戻したら、だがな」
ゼロ「安全性を求めるなら一箇所まとめか……できそうか?」
ラクシャータ「2機だったらなんとかねぇ~」
ゼロ「そうか……」
C.C.「なぁラクシャータ、なんなら紅蓮と蜃気楼の合体機構でも考えてやったらどうだ? もちろんコクピットはまとめでな♪」
ゼロ「おいC.C.! ドサクサに何を言っている!!」
ラクシャータ「あっはは~♪ 考えとくわぁ~」
ゼロ「おいそこ! 変なトコだけ乗るんじゃない!!」
ゼロ「おい!!」
ラクシャータ「あ~らやだ、ちょっと大変な事になりそうね~」
C.C.「ほぅ? どこがどう大変なんだ?」ニヤニヤ
ラクシャータ「そうねぇ~、ゼロのコクピットの前部分にカレンちゃんがいる形なんだけどぉ」
ラクシャータ「今考えてる案だとぉ、ゼロの腰か胸の前にカレンちゃんのお尻がきちゃうのよねぇ」
C.C.「だ、そうだぞ?」
ゼロ「……」
ゼロ(ま、まずい……想像してしまった……)
ゼロ(その想像通りなら、いくら俺でも理性を保てる自信がない……!!)
ラクシャータ「あっはは~、りょうか~い♪」
C.C.「ふふっ、からかい甲斐があるヤツだな全く」
ゼロ「いいからさっさとだ!! あと1週間で試作機を仕上げるぞ!!」
―――その頃、談話室―――
『ファイナルフュージョン! 承認!!』
『ファイナルッ!! フュゥゥゥゥジョォォォォォンッッッ!!!』
ディートハルト「おぉ、これが……これが日本の、愛と勇気と魂の結晶……!!」
藤堂「どうだ、ブリタニア人のお前にもわかるか? これがそう!」
ディート&藤堂「「合体だ!!!」」
マニュアルモードなら4人でファイナルフュージョンしたぜ!
ラクシャータ「一応形にはなったわよぉ」
ゼロ「おぉ、ついに!!」
藤堂「完成したのか、我らの新たなる希望が!!」
ラクシャータ「ゼロのオーダー通り、5機合体にしてみたわよぉ。メインは藤堂、ア・ン・タ」
朝比奈「さすが藤堂さん! 僕も全力でサポートします!!」
ラクシャータ「あぁごっめ~ん、朝比奈君の席はないんだわぁ」
朝比奈「」
千葉「案ずるな朝比奈、お前の分まで私が!!」
ラクシャータ「千葉ちゃんもざんね~ん」
千葉「」
ラクシャータ「そりゃアンタ達、これには藤堂とゼロも乗るのよぉ?」
ラクシャータ「エース級がみぃ~んな乗っちゃったら他どうすんのさぁ」
千葉・朝比奈「」
藤堂「して、残る3人は?」
ゼロ「焦るな。ちゃんと決めてある」
C.C.「やっぱりか。まぁ、こうなるとは思ってたよ」
ゼロ「紅一点は必要だからな。そして次、杉山!!」
杉山「俺!? やった~!! 出番が来たぁ~っ!!」
ゼロ「そして残る一人……それは!」
一同(ゴクリ……)
ゼロ「玉城真一郎! お前だッ!!!」
一同「「「「「「」」」」」」
玉城「ぃよっしゃあぁ~~~っ!! 遂に俺の時代がキターーーーーッ!!!」
ゼロ「私はいつでも大真面目だ」
扇「でも玉城じゃ!!」
ゼロ「違うな、間違っているぞ。お前達、思い出してみろ」
ゼロ「この手のチームには大抵一人トラブルメーカー的な者がいる。そしてそういう者の存在が逆にチームの連携を生み、時には運を呼び込む」
ゼロ「私が玉城に期待しているのはそこだ。わかるな?」
玉城「ゼ、ゼロォ~ッ!! やっぱりお前は親友だぜぇ!!」
ゼロ「玉城、お前は私がこの計画を立ち上げた時真っ先に賛同してくれた」
ゼロ「お前の掛け値なしの忠義に感謝する!」
玉城「よっしゃあ! 俺はやる! やぁってやるぜぇ!!」
C.C.「(ちなみに、玉城の合体後の配置はどこなんだ?)」ヒソヒソ
ゼロ「(背中の目立たない小さな部分だ、実はなくても構わんがカッコだけついてればいい)」ヒソヒソ
藤堂「遂に……遂に夢を実現するときが……!!」
C.C.「やれやれ、面倒だがつきあってやるか」
杉山「あっちから見ててくれ、吉田、井上! 俺達は本当のヒーローになる!」
玉城「よっしゃ行こうぜ!! ……あ、そういやよぉ」
ゼロ「なんだ?」
玉城「合体した時の名前ってどんなんよ?」
ゼロ「フフフハハハ、まさか何も考えてないと思ったか? 教えてやろう、その名はッ!!」
一同「「「「「その名は!?」」」」」
ゼロ「黒の騎士団最強の守護神! 名づけて黒乃王(クロノオー)!!!」ババン!
一同「「「「「」」」」」
C.C.「……ダッサ」
ゼロ「」
ジノ「なぁスザクぅ。日本ってアニメとか特撮とかすっげー盛んだったらしいけどさ」
スザク「あぁ、僕も好きだよ。再放送とかもよく見てたし。ルルーシュが必死に変身ポーズの真似とかしてたっけ……」
ジノ「へぇ~、あの学園の貴公子がねぇ。あ、それでちょっと観てみたんだけどさ」
ジノ「あのロボットの合体とか、ヒーローの変身とかってモロ無防備じゃん? なんで敵さん放置してんのかな~って」
スザク「よくは判らないけど、一種の『お約束』みたいなものらしいよ。そこで攻撃するのは邪道なんだって」
ジノ「ふ~ん、日本のサブカルってのも面白いもんだな~」
ビーッ、ビーッ、ビーッ
アーニャ「スザク、ジノ、敵襲」
ジノ「みたいだな! んじゃ行っかぁ♪」
スザク「黒の騎士団か!! 彼らの好きにはさせない!!」
スザク「やはり現れたか、ゼロ!!」
ゼロ「御機嫌ようブリタニアの諸君。今回もいつものラウンズ3人組でのお出ましか、仲がいい事だ」
ジノ「いんや~それほどでも」
アーニャ「褒めてない」
ゼロ「今日の我々を中華の時と同じと思ってもらっては困る。我々の新たな力を御見せしよう」
スザク「何をしようと同じだ! お前達は自分が止めてみせる!!」
ゼロ「では行くぞ! 精鋭部隊、前へ!!」
藤堂・C.C.・杉山・玉城「「「「応!!!!」」」」
スザク「ゼロの機体も以前と違う部分が……?」
アーニャ「でも一機だけ、なんか小さい」
玉城「誰がちっさいだってぇコラァーッ!!」
ゼロ「藤堂! アレはすぐには行わない。敵兵力を減らしてからやるぞ!!」
藤堂「任せておけ。玉城のサポートは私とC.C.がやる」
C.C.「あのバカの子守とは癪だがな。杉山は地味だがそこそこやるし、大丈夫だろう」
ゼロ「結構だ。朝比奈、千葉、援護は頼むぞ!!」
千葉・朝比奈「「承知!!」」
ゼロ「では戦闘開始!!」
ゼロ「相転移砲、発射!!」ドッコォーン
千葉「藤堂さんの邪魔はさせない!!」ズガァッ
ジノ「やるねぇ、でもおイタはいけないよっと!!」ザンッ
朝比奈「くっ!! すみません、藤堂さん!!」ダッシュツー
アーニャ「以前より、強い……」
ゼロ「そろそろか……藤堂! アレをやるぞ!!」
藤堂「フ、待ちかねたぞ……! 号令を頼む!!」
ゼロ「よしきたぁっ!! 総員!! 合体フォーメーション、発令ェーッ!!!」
ジノ「は? 合…」
アーニャ「体…?」
スザク「だと!!? 何を言っている!?」
扇「あ、ああ!!」ポチッ (※適当に合体BGM脳内再生してくれ)
藤堂「よし、往くぞ皆ぁ!!」
ゼロ「我らの力、今こそ一つに!!!」
C.C.「ふふっ、やってやろうじゃないか!」
杉山「よぉ~し、見ていろブリタニアぁ!!」
玉城「おぉ~っし、いくぜぇーっ!!!」
スザク「やらせるものか!! ブラスター、いけぇ!!!」ズギュゥゥゥゥン
ドゴォォォォォン……
玉城「畜生ォーッ!! 何で俺はいつもぉ!!」
一同「「「「「「」」」」」」
ゼロ「なん……だと……」
藤堂「スザク君……バカな……!!」
スザク「今は戦闘中だ! 隙を見せるほうが悪い!」
ジノ「おいおいスザクぅ、お約束破っちゃっていいのかぁ?」
藤堂「スザク君、君は日本人の誇りを忘れてしまったのか!!?」
スザク「藤堂さん、現実はアニメじゃありません!!」
ゼロ・藤堂「スザアアアァァァァァクッッッ!!!」
アーニャ「……何? 今の」
C.C.「残念なお知らせだ。エナジーがそろそろレッドゾーンになる」
杉山「こっちもだ!」
藤堂「いかんゼロ! 玉城がやられた影響で誘導信号に狂いが生じたようだ!!」
ゼロ「なんだと!? えぇいおのれぇぇぇっ!」
C.C.「さすがにまずいな。どうするんだ坊や?」
ゼロ「くっそぉっ! だが敵戦力はだいぶ削った! まことに遺憾ながら撤退する!!!」
―――黒の騎士団、撤退―――
ジノ「帰ったか~……にしてもスザク、やっぱり合体妨害はひどいと思うぜぇ?」
スザク「戦場だし仕方ないよ。でも、ちょっと見てみたかったかな」
アーニャ「記録、失敗……残念」
ゼロ「えぇい、くそ!! スザクのヤツめ!!」
ラクシャータ「だぁから言ったでしょぉ? KMFで合体なんて現実的じゃなかったのよぉ」
ゼロ「うるさい! 何が、何が原因だ!!」
C.C.「何がもくそも全てだろう。致命的なのは人選ミスだな」
藤堂「ゼロ、すまんが同感だ。玉城には荷が重かったんだろう」
玉城「んなことねぇって! なぁゼロォ?」
ゼロ「シャラァップ! くそ、もう一度プランの練り直しだ!!」
C.C.「おい、まさかまだ合体にこだわるつもりか?」
ゼロ「当然だ!!」
藤堂「次は失敗しないよう、慎重にいこう! ゼロ!」
ゼロ「というわけでラクシャータ! お前も機体プランから練り直しておけ!!」プンスカ スタスタ
ラクシャータ「はぁ~あぁ、まぁたお仕事増えちゃったぁ」ポリポリ
ラクシャータ「ロマンがどーとかイマイチわかんないんだっけどぉ~……どうしよっかねぇ」
ラクシャータ「…」
ラクシャータ「……」プスプスプス
ラクシャータ「あーっ! も~やだストレス溜まるぅ!!」
ラクシャータ「そんなに合体好きなんなら夜の合体でもしてろってのよぉ!」
ラクシャータ「アタシだってず~っとご無沙汰だしぃ!」
C.C.「おやおや、さすがに荒れてるようだな? ラクシャータ」
ラクシャータ「ん~? 何よぉCちゃ~ん?」
C.C.「なに、だったら変にこだわるバカにお灸を据えてやろうと思ってな?」
ゴニョゴニョゴニョ
ラクシャータ「……へぇ?」ペロリ
ゼロ「全く……玉城のヤツさえ落とされなければこんな事には!」カポッ
C.C.「そもそも計画が根本的におかしいだろう。KMFは一人一騎が基本の兵器だぞ?」
ルルーシュ「わかっているさ、そんな事は!!」
C.C.「そんなに悔しかったか? カレンを奪われた事が」
C.C.「もっと近くに、手の届く場所においていれば奪われないと思ったか?」
ルルーシュ「黙れ!!」
C.C.「だったらとっとと取り戻してやれ。それでいつか言ったように、紅蓮と蜃気楼に合体機構でもつけてもらやいい」
C.C.「あぁ、理性保つのが大変だったか?」
ルルーシュ「黙れと言っているだろうが!!」
C.C.「はいはい……ところで明日はエリア11に戻らなきゃいけないんだろ? だったらさっさと着替えて寝ろ」
ルルーシュ「言われなくても……」
クローゼットガチャっと
ラクシャータ「ばぁ☆」
ルルーシュ「ほわぁっ!?」ガタタッ
ラクシャータ「んっふふ~♪ ナイショ☆」
ラクシャータ「それにしてもぉ……ゼロの素顔がこんなボーヤだったとはちょっと驚きねぇ?」
ルルーシュ「!! しまった、仮面が!!?」
ルルーシュ「くっ、今見た事を忘r
C.C.「せぃっ」ドゴッ
ルルーシュ「ぐふぅっ!?」
C.C.「焦るなよ。ラクシャータはお前の正体などバラさないさ。その方が面白いらしくてな?」
ラクシャータ「ふふふ~、だぁから安心してオッケ~よぉ♪」
ルルーシュ「くっ……な、何が目的だ!?」
ラクシャータ「んでも今回のはちょっと理不尽すぎるのよねぇ、我侭言いすぎ」
ルルーシュ「わ、悪かったとは思ってる……で、今は何がしたいんだ!?」
ラクシャータ「おかげでアタシもかんなりストレス溜まっちゃってさぁ……アイデア煮詰まっちゃったのよぉ」
ラクシャータ「アンタが何でそんなに合体に拘るのか、ちゃ~んと理解するために……」
ルルーシュ「し、C.C.!! たすk
ガチャッ(ドアLOCK)
C.C.「ふふっ」ビデオジィーッ
ラクシャータ「アタシに合体の素晴らしさ、体感させてもらうわよぉっ!!」ガバッ
ルルーシュ「」
ルルーシュ「ほぅゎあぁああッー――――――――」
―――しばらくお待ちください―――
ラクシャータ「んっふふ~♪」ツヤッツヤ
ルルーシュ「うぅっ……」グスッ
ラクシャータ「いや~久しぶりに堪能したわぁ♪」
ラクシャータ「初めて奪っちゃってごめんねぇ、まさかまだ納品前だったなんて知らなくってさぁ♪」
ルルーシュ「うぅっ……こんなにも簡単に……本当に大事な時のために守ってきた純潔がぁ……」グスッグスッ
C.C.「はっ、以前カレンに迫った事あるくせによく言う」
ラクシャータ「あ~ら、んじゃ本命ってカレンちゃん?」
C.C.「どうだかな、妹かもよ? こいつシスコンだから」
ルルーシュ「黙れぇっ! もういいだろうそんなことぉっ!!」
ラクシャータ「早速これは形にしたいわねぇ、んじゃアタシラボに戻るから~♪」
ラクシャータ「あぁそうそう、煮詰まっちゃったらまた来るから、覚悟してねぇ~ん♪」テッテッテッ
C.C.「だ、そうだ。よかったな?」
ルルーシュ「ちっとも、よくない……!」グスグス
C.C.「まぁかける言葉も見当たらないが……」ポムッ
C.C.「ようこそ、大人の世界へ」
ルルーシュ「」
ロイド「はぃ? 合体KMF?」
スザク「ええ、こないだの戦闘で、黒の騎士団がそんなものを実現したとか」
ロイド「ま~たラクシャータが無茶やらかしたのかなぁ……でもなんか悔しいぃ~っ!」
スザク「それで、モノは相談なんですけど、僕らの方でもそれ出来ないかな~って」
ロイド「……へぇ?」
セシル「スザクくん、今の話って」
スザク「事実です。まぁ、色々あって見れませんでしたけど」
ロイド「セシル君」
セシル「えぇ」
ラクシャータ「お待たせしちゃったわねぇゼロォ♪ 新しい合体機構、できちゃったわよぉ☆」
ゼロ「そ、そうか……」アトズサリッ
ラクシャータ「なぁによぉ、とって食おうってんじゃないから安心しなさいってぇ」
ゼロ「あぁ……で、今度はどんなだ?」
ラクシャータ「こんなんだ♪」ペラリッ
ゼロ「!! これは……まさかこんな答えがあったとは!!」
ラクシャータ「ど~ぉ?」
ゼロ「よぉし……今度こそやるぞ!!」
ラクシャータ「おっけ~、んじゃ景気づけにアッチの方もやりましょっかぁ♪」
ゼロ「」
ゼロ「御機嫌ようブリタニアの諸君。挑戦を受けてくれた事、感謝する」
スザク「お前を相手に退く気はない!」
ジノ「なぁなぁ、今度は例の合体ちゃんと見せてくれるのか?」
藤堂「邪魔したのはそちらだろうが! 折角の見せ場を!」
アーニャ「知らない。悪いのはスザク」
スザク「安心しろゼロ。君達がまた合体するというなら、今度は止めない」
ゼロ「ほぅ?」
スザク「なぜなら……自分達も同じ力を身につけたからだ!!」
ゼロ・藤堂「何!?」
ナナリー「カレンさん、一体何が始まるんですか? モニターも用意されてるようですが……」
カレン「スザクが置いてったのよ。何か、私がいない間に黒の騎士団が合体ロボ作ったとかで」
ナナリー「合体……ですか?」
カレン「それでなんか自分達も合体できるようにとか何とかで、頂上決戦を見届けろ~とか言っててさ」
ナナリー「お兄様がいたら喜ぶのに……」
カレン「アイツ、こういうの好きなの?」
ナナリー「ハイ♪」
カレン(ルルーシュ……まさか、本気でそんなバカなもの造ってないわよね……?)
ゼロ「柩木スザク! 我々の合体を邪魔しながらパクリと来るか! 著作権というものを知らんのか!!」
スザク「我々は合法、君達は非合法の組織だ! KMF法にも抵触してないから問題ない!」
藤堂「柩木スザク……そこまで堕ちたか!!」
ゼロ「おのれ……おのれぇ、スザァァァァァクッ!!」
ジノ「まぁそういうわけだからさ、早いとこそっちの合体見せてよぉ~」
アーニャ「記録、早く」
ゼロ「いいや、ここは諸君らに先手を譲ろう。どうぞ我らに稚拙なパクリ合体を見せてみるがいい」
スザク「……そうか。よし、アーニャ! ジノ! 合体だ!!」ポチッ
ジノ・アーニャ「OK!!」ポチッ
ゼロ「フフフハハハハ!! 相転移砲、スタンバイ!!」ピピッ ガシュゥーッ
藤堂「! ゼロ、まさか!?」
ゼロ「目には目を、歯には歯をだ!! 合体を妨害される悔しさを思い知るがいいっ!!」
ゼロ「相転移砲、発射ぁっ!!」ポチッ
ズギュゥーーーン!!
ラウンズ3人「(つ特大ブレイズ・ルミナス)」
キキキキキンッ
スザク「そんな卑劣な真似、対策済みだ!!」
ゼロ「」
ガシィーン、ガシィーン
藤堂「何と……変形どころか分離も伴った合体とは!!」
C.C.「あんだけパーツ分割してしかもそれが個別に変形とは、やるなぁ」
千葉「あの状態で攻撃できれば一撃なのに、障壁が邪魔だ!!」
ゼロ「これではまるっきりヒーローロボの合体ではないか! おのれぇぇぇぇっ!!」
ガシン! ガシン!! キュピーン!!
スザク「円卓合体!」
ラウンズ3人「キィィィィング!! アーサァァァァァァァッ!!!」シュキィーン
朝比奈「モルドレッドのボディをベースに、残り2機が分割・変形して合体なんて!」
千葉「肩のハドロン砲はそのままに、トリスタンとランスロットの得物まで合体して巨大な剣に!」
C.C.「コクピットブロックまでキチンと統合された位置に……おや?」
ゼロ「む? トリスタンのボディが……」
玉城「なぁ、左手のあの楯って、トリスタンとかいう可変機のボディだよなぁ?」
ジノ「いや~驚いた? 他にうまく配置できる場所がなくってさぁ~ハハハッ!」
アーニャ「防御したらジノ、ヤバい」
騎士団一同「「「「「「」」」」」」
スザク「どうだ! これが王道の力だ!!」
カレン「!! すごい……ほんとに3機のKMFが合体して!!」
ナナリー「そんなに凄いんですか?」オロオロ
カレン「そっか、ナナリー視えないもんね……じゃあ、私が今起きてる事教えてあげるね?」
ナナリー「すみませんカレンさん、ありがとうございます」
カレン「今はこっちに来てるラウンズ3人の機体が合体して、まるでおっきな騎士に……」
カレン(負けないでよルルーシュ……私、最後まで見届ける! 今自分にできる事をする!)
カレン(そう、ナナリーへの……実況を!!)
スザク「さぁゼロ、こちらは合体した。今度はそちらの番だ!!」ジャキッ
藤堂「フ、敵ながら天晴れな完成度だ」
朝比奈「でも今回はこっちだって!」
千葉「ああ、以前とは違うんだ!!」
C.C.『そうだな坊や、大人になったしな? くくっ』(※プライベート通信)
ゼロ「う、五月蠅い! ……では見せてやろう、こちらの新たな合体を!!」
ゼロ「ラクシャータ! 扇! 準備はいいか!?」
ラクシャータ「いつでもオッケ~よぉ~ん♪」
扇「BGMの準備もバッチリだ!」
ゼロ「ぃよぉし!! では真・合体フォーメーション、始動!!」ポチッ
ゼロ「いくぞ! 来い、藤堂!! C.C.!!」
藤堂「承知!!」
C.C.「ふふっ!!」
ゼロ「斑鳩! 艦首ユニット射出!!」
ラクシャータ「すっ飛んできなぁ、艦首飛燕衝角ぅ♪」ポチッ
バシュッ! ズヒュゥーン
スザク「アレは!?」
ジノ「あの艦の先端のアレ(紋章ついた黒い部分)が外れたぁ!?」
アーニャ「すごく、おっきい……記録」パシャ
ルルーシュ(そう、騎士団全員の想いがこもったこの斑鳩! これとて十分、合体の対象だ!!)
ルルーシュ(KMFよりも遥に大きいこのユニットなら、変形するよう改造する事も容易! ならば!!)
ゼロ「いくぞ! 合体ッッッ!!」ポチッ
藤堂・C.C.「「合体ッッ!!」」ポチッ
ガシィィン!!
ジノ「おぉう!? 何だぁ!? 3機のKMFがあのユニットにつっこんでったぞ!?」
スザク「まさか……戦艦(の一部)と合体なんて……!!」
アーニャ「変形、してる……あのユニット」パシャ
ガキン! ガキン!!
ゼロ「とくと見よ!! これぞ我らの切り札!」
藤堂「力あるものへの反抗の象徴!」
C.C.「(言わなきゃならんのか?)じ…自由を求め、抗う翼!」
ゼロ「その名も! 反逆合体!!」
3人「真! 黒乃王ォォォォォッ!!」ズドォォォォン!!
スザク「いや、あの……」
ジノ「なんかこう、木人?ってやつみたいで、正直……」
アーニャ「手足短か……ダッサ」
―――ブリタニア政庁 特別虜囚室―――
カレン(る、ルルーシュ……これはないわぁ……)ガックシ
ナナリー「どうかされましたか、カレンさん?」
カレン「う、うぅん……なんでも、ないから……」
藤堂「聞き捨てならんな。この一見シンプルな姿に秘められた力強さが判らんとは」
C.C.(いや、フツーにダサいだろ)
南「いやぁ、ないわぁ」
杉山「ないない」
千葉「藤堂さぁぁん……うぅっ」ナミダメ
朝比奈「どうして、こうなっちゃったんだろうね……」
ゼロ「」
スザク「ゼロ、正直その黒い木人には全くセンスを感じない」
ジノ「う~ん、その腹の騎士団マークもダサさを加速してるってか……」
アーニャ「……記録に値しない」
ゼロ「」ブチッ
ゼロ「大体アレだ! 見た目が強さに直結するのか!? そうじゃないだろ!!」
スザク「だがロボットというものはカッコよさだって必要だ!!」
藤堂「この悪魔の羽に見立てた艦首飛燕爪牙の美しさが判らんか柩木!」
スザク「でも肝心の本体が黒木人じゃどうしようもない!!」
C.C.(もうやだこいつら)
ゼロ「木人木人言うな! そんな台詞は戦って勝ってから言えぇ!!」ガシィン
スザク「望むところだ黒木人!!」ジャキッ
男4人「「「「いくぞぉぉぉぉっ!!!」」」」
C.C.・アーニャ(早く帰りたい)
ゼロ「クッ、回避だ! C.C.!!」
C.C.「やってるよ」グイィッ!
ギュン!(回避成功)
ゼロ「こちらのターンだ、藤堂!!」
藤堂「任せておけ。翼状飛燕爪牙、発射!!」ズキュッ!!
アーニャ「どうする?」
スザク「決まってる、回避だ!!」ギュン!!
ジノ「おぉ~、防御じゃなくてよかったぜ~」
―――ブリタニア政庁(ry)―――
カレン「すごい、こんな特大サイズの戦い見た事無い……」
ナナリー「どんな感じなんですか?」
カレン「例えるなら、そうね……荒ぶる騎士と、え~……か、怪獣の戦いってとこかしら」
カレン(言えない、言えないよぉ、木人だなんて……私なんて説明したらいいのルルーシュ!?)ナミダメ
ゼロ「こちらに残された手もわずか……!」
アーニャ「スザク、そろそろエナジーヤバい」
C.C.「残り時間わずかといったところか……どうするんだ?」
ジノ「どうもこうも! 次の一撃が」
藤堂「お互い最後の一撃となるか……!!」
スザク「ならば!!」
ゼロ「とるべき手はひとつ!!」
ゼロ・スザク「「突撃あるのみ!!!」」ズゴゴゴゴォォーッ!!!
ゼロ「(ニヤリ)バカめ、予想通り突っ込んできたな……! 藤堂! C.C.!!」
藤堂「む!」
C.C.「ほぅ? 例のアレか!」
ゼロ「ククク……貴様らがダサいと蔑んだこの腹の紋章の力を見るがいい! 極大相転移砲展開!!」ポチッ
ガシャン!
ゼロ「蜃気楼を内包したからこそ使えるこの武装の威力! その身で味わえぇ!!」ズギュゥゥゥゥン!!
スザク「!! この距離、このスピードではかわせない……!!」
キュィィィィン!
スザク「生きるためにも、ここはシールドだッ!!!」ガシャッ!!
ジノ「え」
ズガガガッ! ドゴォォォン!!
騎士団一同+カレン「「「「「」」」」」
ジノ「あれぇ~~~~ッ!!」ダッシュツー
スザク「ジノォォォォォッ!! おのれっ、ゼロォッ!!」
ゼロ「待て、今のはお前g
スザク「黙れこの人殺しがァァァァァッ!」
ジノ「いや生きてるって」
ゼロ「お前! 自分のやった事すらわからんのかぁ!!」
ピピィィィィッ!!
C.C.「残念なお知らせだ……」
アーニャ「もう、エナジーがない」
スザク「くっ! こんなところで!!」
ゼロ「ここまでか……藤堂、C.C.! 引き揚げるぞ!!」テッシュゥーッ
スザク「くそっ……くそぉ! ジノの仇は必ず! 黒の騎士団の黒木人めぇ!!」
ジノ「お~い、聞いてる? そろそろ回収してくんねぇ?」
ラクシャータ「おやぁ、ゼロ達が帰ってきたようだねぇ?」
ディートハルト「計算ではユニットがドッキングするとき丁度エナジー残量がゼロになる頃でしょう」
扇「ともあれ、ラウンズ専用機を1機落としたんだ! これはいけるぞ!!」
玉城「やっぱ合体ロボってすげぇなぁ! 俺興奮しちまったぜぇ!!」
南「みんな! 木人が帰ってくるぞ! 迎えに行こう!!」
騎士団一同「うおぉぉぉっ! 木人! 木人! 木人! 木人! 木人!……」
ゼロ「だから……木人じゃないのに……」ワナワナワナ
ジノ「うぅ~っ痛っててて……ったくひでぇよスザクぅ~っ」
スザク「すまないジノ、僕が不甲斐ないばっかりに……」
アーニャ「スザクが悪い、全部」
ジノ「あ~あ、トリスタンも修理にしばらくかかるっつーし……しばらく動けないかァ~ッ」
アーニャ「あんな合体機構、邪魔。いらない」
セシル「ごめんなさいね。今度はもっとマシな改造にしておくから」
ロイド「いや~それでもアールストレイム卿とヴァインベルグ卿の機体まで弄れてゾックゾクしたよぉ♪」
ジノ「いや~でも面白かったっすよ? 日本人が好むのもわかる気がするなぁ!」
スザク(ゼロがルルーシュなら……あの趣味の悪さは治させないといけない)
スザク(見ていろルルーシュ! 僕が正しいロボットのあり方を教えてやる!!)グッ
ナナリー「先日の戦い、誰も犠牲が出なくてよかったですね」
カレン「ふふ……ナナリーは優しいね」
ナナリー「でもあのときのカレンさんの実況、お見事でした! お兄様達が観てたアニメのナレーションみたいで!」
カレン「よ、喜んでもらえたなら……解説冥利に尽きる?のかなぁ」
ナナリー「昔お兄様にいろんなお話聞かせていただいたのを思い出しました……また、聞けたらいいなぁ」
カレン「ナナリー……っ、大丈夫、きっとまたルルーシュと一緒に暮らせるわよ! そしたら、いくらでも……」
ナナリー「はいっ! その日を楽しみにしてます! そのときはまた、カレンさんも一緒ですよ?」
カレン「え?……ふえぇっ!?」
千葉・朝比奈「「藤堂さん!!」」
藤堂「戻ったぞ。今回は痛み分けに近い形だったが……」
ディートハルト「お見事です。合体というものの素晴らしさ、骨の髄まで味わいました」
杉山「まぁ、見た目はアレだけど」
藤堂「ああ、今後の研究課題だな」
扇「って、やっぱり今後も合体路線でいくのか?」
ラクシャータ「もっと研究すればぁ、機構の見直しとか色々できそうだしねぇ? ねぇ~ゼロォ?」
ゼロ「」ビクッ!!
C.C.「ふふっ、まぁ頑張れよ、元坊や?」
ゼロ「念願叶って合体KMFは実現した。想像以上に大変だったがな」カポッ
C.C.「おまけに襲われる形だが夜の合体も実現した。万々歳じゃないか」ニヤニヤ
C.C.「お次は誰と合体だ? カレンか? シャーリーか? それともやはりナナリーか? くくっ」
ルルーシュ「下劣な事を言うな! 今考えるようなものでは……」
クローゼットガチャッと
ラクシャータ「やほぉ~☆」
ルルーシュ「ほゎあぁっ!?」
ラクシャータ「お疲れだったわね~ゼロ? いぃえルルーシュ君と呼んだ方がいいかしらぁ?」
ルルーシュ「ラクシャータ!! 何故またクローゼットにいるぅ!?」
ルルーシュ「ちょ、ちょっと待て……その妙に艶かしく俺の顎に当てた手は何だ!?」
ラクシャータ「言ったでしょぉ? 労いと今後のためってぇ。つまりさ? カレンちゃんが戻ってきたときのためとかぁ、新しいアイデア出したりのためにぃ……」ペロリ
ルルーシュ「!!」ゾクッ!!
ラクシャータ「色々教え込んだげるわよぉ! それじゃ! いっただっきまぁ~すぅ♪」ガバッ!!
ルルーシュ「ひぃゃあああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ルルーシュ(ナナリー、カレン……お前達を助け出すまで、俺は生きてないかもしれない……)
C.C.「やれやれ。どこまでいってもハートは童貞坊やってか?」
おしまい。
予定より遥かに長くなってしまったがどうにか書ききれた……
支援してくれた方々サンクス、それじゃ俺は寝ま~す(ガクリ)
Entry ⇒ 2012.09.24 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
C.C.「童貞坊やめ」ルルーシュ「…………は?」
ルルーシュ「…………なんだと?」
C.C.「女が迫ってくると断れないのが童貞の特徴だもんなぁ」
ルルーシュ「……」
C.C.「図星をつかれて何も言えないのか、童貞」
ルルーシュ「……違うな。間違っているぞ」
C.C.「なんだと?」
ルルーシュ「あのあと済ませたからな。シャーリーと」
C.C.「なに!?」ガタッ
ルルーシュ「フハハハ」
ルルーシュ「強がりだと?俺から溢れ出る自信が見て取れないというのか?」
C.C.「童貞はな、童貞と言われると否定するものだ」
ルルーシュ「おやおや。これは異なことを。俺は童貞ではないから否定しただけだが?」
C.C.「証拠でもあるのか?ないだろ?」
ルルーシュ「証拠だと?」
C.C.「ほら、見ろ。何も出てこないじゃないか。お前は童貞で決まりだな」
ルルーシュ「ならば、シャーリーに確認を取るか?」
C.C.「その小娘と口裏を合わせているんだろ。そんなものなんの証拠にもならん」
ルルーシュ「何故、認めようとしない!!」
C.C.「お前からは童貞の臭いしかしないからだ」
ルルーシュ「違う!!もう俺は!!!」
C.C.「しつこい奴だ。現実を見ろ」
C.C.「私はもう寝る。おやすみ、童貞坊や」
ルルーシュ「いいだろう。そのときの写真がある」
C.C.「写真……?」
ルルーシュ「シャーリーが思い出にと携帯電話のカメラで撮ったんだ。事後だがな」
C.C.「捏造写真か。見る価値はないな」
ルルーシュ「ほら、見てみろ」
C.C.「見ない」
ルルーシュ「これを見ろ!!」
C.C.「うるさいっ!!」
ルルーシュ「貴様ぁ……!!」
C.C.「そんなもの、なんの証拠にもならない。お前は童貞。チェリーボーイだ。私が言うのだから間違いない」
ルルーシュ「ちぃ……強情な女め……」
C.C.「ふん」
C.C.「……」
ルルーシュ「さぁ、言え」
C.C.「……じゃあ、どこで済ませた?」
ルルーシュ「待ち合わせ場所の近くにあったホテルだ。最初はシャーリーの服を乾かす目的で入った」
C.C.「それで?」
ルルーシュ「そこで……。まぁ、そこは言う必要はないか」
C.C.「童貞だから言えないんだろ。嘘じゃないか」
ルルーシュ「……そういう雰囲気になってしまったんだ」
C.C.「雰囲気?雰囲気だと?笑わせる」
ルルーシュ「なに?」
C.C.「それなりに勇気が必要な行為なのに、雰囲気で済ませる?バカを言うな。そんなことあるわけないだろ。これだから童貞は……」
ルルーシュ「お前、処女か」
C.C.「違うぞ?失礼な奴だな、お前」
C.C.「いい機会だから教えてやろう。私も元はギアス能力者だったんだよ」
ルルーシュ「そうなのか」
C.C.「誰からも愛される力を私は持っていた。いいか?愛されるギアスだ。この意味が分かるな?」
ルルーシュ「相手の心を操るのか」
C.C.「そうとも。愛されるということはだ、それなりのことも済ませている。歴戦の女戦士だぞ、私はな。数多の男が私の体の上を風のように過ぎ去っていったんだよ」
ルルーシュ「……」
C.C.「坊やでは絶対に手が届かない位置に私はいる。人生の大先輩だ。その私に向かって……清き乙女だと?侮蔑するにしてももう少しマシなことをいえないのか?」
ルルーシュ「……」
C.C.「これだから、童貞坊やは困る。私は寝る」
ルルーシュ「愛されるギアスか……。それはどのように愛されるんだ?」
C.C.「……」
ルルーシュ「愛され方も色々だと思うがな」
C.C.「何がいいたい?」
C.C.「そうだな」
ルルーシュ「となれば、愛されるギアスは心酔、いや崇拝に近い形で愛されていたんじゃないのか?」
C.C.「……!」
ルルーシュ「深く愛しすぎると行き着く先は、リリジョンだ」
C.C.「いうな」
ルルーシュ「お前、愛されすぎてそういう行為など誰にもしてもらえなかったんじゃないか?」
C.C.「ちがう……」
ルルーシュ「ただ供物を与えられ、崇められ、傍に居てもらえるだけで幸せと言われていたんじゃないのか?」
C.C.「違う!!結婚も迫られたことだってある!!憶測で語るな!!童貞め!!」
ルルーシュ「証拠はあるのか。貴様が幾多の男を受け入れたという確固たる証が!!!」
C.C.「……」
ルルーシュ「ふん。どうやら、無いようだな」
C.C.「ちがう……わたしは……」
ルルーシュ「魔女ではなく処女だったとはな。フハハハハハ!!!」
ルルーシュ「では、提示してくれ。お前が魅力あふれる女だったということモノを!!」
C.C.「あるわけないだろ」
ルルーシュ「フハハハハ。ならば、俺の勝ちだな」
C.C.「勝ちってなんだ?」
ルルーシュ「経験の差だ」
C.C.「うぐっ……」
ルルーシュ「人生の先輩が色々と教えてやろうか?」
C.C.「……」
ルルーシュ「あーっはっはっはっはっはっは!!!」
C.C.「分かった。呼べ」
ルルーシュ「……なに?」
C.C.「シャーリーとかいう小娘を呼べ。確かめる」
ルルーシュ「……おいおい、勝負はついただろ」
C.C.「いいから呼べ。早く」
C.C.「知るか。早くしろ、ほら」
ルルーシュ「ふざけるな!!貴様の我侭にシャーリーを巻き込むんじゃない!!!」
C.C.「なんだと?」
ルルーシュ「未経験者は部屋の片隅で丸くなっていればいいんだよ」
C.C.「ああ。丸くなってやる。だから、シャーリーをここに呼べ」
ルルーシュ「認めるんだな?」
C.C.「ああ、そうとも。私はC.C.、処女だ。誰からも愛され過ぎた女だ。これで満足か?」
ルルーシュ「あ、ああ……」
C.C.「さぁ、シャーリーを呼べ。女同士じゃないと聞きづらいこともあるからなぁ」
ルルーシュ「長年生きてきて、何を今更恥じることがある」
C.C.「生娘が相手を童貞と罵っていた。そして生娘であることが発覚した。本人の気持ちになれないのか?」
ルルーシュ「お前……今、恥ずかしがっているのか?」
C.C.「かなりな」
C.C.「黙れ。早くしろ。あとピザもな」
ルルーシュ「……もう寝るぞ」
C.C.「聞こえないのか。私はシャーリーを呼べと言っているんだぞ?」
ルルーシュ「だから、迷惑だろ」
C.C.「電話だけでもいい。かけろ」
ルルーシュ「貴様のことをどう説明するつもりだ!!」
C.C.「妹ってことにしておく」
ルルーシュ「ナナリーに扮する気か?!ふざけるな!!」
C.C.「バレない自信はある。根拠はない」
ルルーシュ「できない。この話は終わりだ」
C.C.「貴様、私に赤っ恥をかかせて終わりにするのか?」
ルルーシュ「貴様が悪いんだろ」
C.C.「分かった。もうお前には頼まない」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ「おい。いつまで部屋の隅にいるつもりだ。ベッドを使え」
C.C.「丸くなれとお前はいった」
ルルーシュ「何を拗ねている」
C.C.「考え事をしているだけだ」
ルルーシュ「……もういい。勝手にしろ」
C.C.「するとも。私はC.C.だからな」
ルルーシュ「ちっ……」
C.C.「……」
ルルーシュ「灯り、消すぞ」
C.C.「好きにしろ」
ルルーシュ「全く……」パチンッ
C.C.(こうなったら……)
シャーリー「……」スタスタ
C.C.「……とまれ」
シャーリー「わぁ?!誰ですか?!」
C.C.「私のことはどうでもいい」
シャーリー(見たことないなぁ……。うちの制服着てるし、アッシュフォードの生徒なんだろうけど……)
C.C.「単刀直入に訊く。お前、最近、経験したか」
シャーリー「はい?」
C.C.「いいから答えろ」
シャーリー「なんの経験ですか?」
C.C.「女が経験すると言ったらアレしかないだろ」
シャーリー「……」
C.C.「どうなんだ」
シャーリー「ど、どうしてそんなこと初対面の貴方にいわないとダメなの?」
C.C.「ということは、経験済みか?」
C.C.「待て。逃がさん」
シャーリー「ちょっと……なに?」
C.C.「答えろ」
シャーリー「ああもう!!貴方には関係ないでしょ!!いきなりなによ!?」
C.C.「貴様の所為でこっちは大恥をかいたんだ!!それぐらい言え!!」
シャーリー「大恥ってなに?!私は関係ないでしょ?!」
C.C.「あるな!!大いにある!!お前が諸悪の根源だ!!」
シャーリー「なんでよ?!」
C.C.「このアバズレ!!」
シャーリー「はぁ!?」
カレン「シャーリー?なにやってるの?」
リヴァル「授業始まるぜ」
シャーリー「あ、二人ともたすけてー」
C.C.「話は終わっていないぞ」
C.C.(カレンか……!!)
カレン(C.C.じゃない……!!なにやってるのよ?!)
C.C.(黙っていろ)
カレン(どうしよう……ゼロに言ったほうがいいかな……)
リヴァル「その子、誰?」
シャーリー「知らない人なの」
C.C.「私はお前をとても知っている」
シャーリー「どういう意味?」
C.C.「で、どうなんだ。したのか、してないのか」
シャーリー「何でも知らないじゃない」
C.C.「揚げ足をとるな。質問に答えればいいんだ、小娘」
シャーリー「小娘って同い年ぐらいでしょ」
C.C.「一緒にするな。積み上げてきた経験には雲泥の差がある」
シャーリー「わけわかんないんですけど」
リヴァル「二人とも落ち着けよ。何の話なんだ?」
C.C.「シャーリーが経験者がどうかって話だ」
シャーリー「だから、なんの経験なんですか?!」
リヴァル「経験って……ズバリ、男でしょ」
シャーリー「おとこぉ?!」
C.C.「そうだ。お前、中々見所があるな。今度、可愛がってやってもいいぞ?」
リヴァル「マジで?!」
C.C.「さあ、シャーリー。答えろ」
シャーリー「尚更、言えません!!」
C.C.「人数もか?」
シャーリー「あなたはどうなんですか?!」
C.C.「……ざっと、1000人かな」
リヴァル「すげー……」
シャーリー「同じ女として……ひく……」
シャーリー「……ひ、ひとりです」
リヴァル「えぇ!?」
C.C.「ひ、ひとり……だと……?」
シャーリー「それが普通でしょ?!」
リヴァル「まぁ、うん……。で、ルルーシュとはどこで?」
シャーリー「なんでルルが出てくるの?!」
C.C.「ルルーシュ以外に一人いるのか?!」
シャーリー「はぇ?!」
リヴァル「シャーリー……ルルーシュが聞いたらショック受けるぞ……」
シャーリー「いや……あの……」
C.C.「ふふ……なんだ……ただの浮気性な女だったのか」
シャーリー「1000人も相手にした貴方がいうことじゃないでしょ?!」
C.C.「一人の男も愛せないお前がいうな」
カレン「それで……ええ……そうなんです。え?はい、それはもう……私はゼロのこと……その……す、好きですけど……」モジモジ
シャーリー「なっ……!?」
C.C.「お前なんか地獄に落ちろー」タタタッ
シャーリー「あ!ちょっと!!待ちなさいよ!!」
リヴァル「行っちゃったな」
シャーリー「……」
カレン「あれ?さっきの子は?」
リヴァル「向こうに行ったけど」
カレン「そう……」
シャーリー「カレンの知り合い?なら、失礼なこと言わないでって言っておいてほしいんだけど……」
カレン「ああ、うん。言っておいてあげる」
シャーリー「何が目的だったんだろう」
リヴァル「ルルーシュのこと狙ってる子じゃねーの?」
シャーリー「それはありえるけど……」
カレン(ゼロに一番信頼しているって言われた……今日はよく眠れそう……)
シャーリー「あ、ルル……」
リヴァル「ルルーシュさんよぉ、すげー可愛い子が今、いたんだけどぉ」
ルルーシュ「何か言っていたのか?」
シャーリー「経験がどうのこうのって……。よくわかんないけど」
ルルーシュ「なんて答えた?」
シャーリー「そんなの言えるわけないでしょ?!」
ルルーシュ「そうか」
シャーリー「そうかって……」
リヴァル「いいよなー、ルルーシュは。色んな女から想いを寄せられて」
ルルーシュ「気苦労しかないって」
リヴァル「ちくしょう……強者の余裕かよ……」
シャーリー「あ、それよりも早く教室にいこ。授業始まるし」
ルルーシュ「ああ、そうだな」
カレン「ふふ……ぜろぉ……」
C.C.「くそ……あんな小娘に……小娘にすら……私は負けるのか……経験で……」
C.C.「ふざけるな……。こっちはなぁ……多くの王族や政治家にだって傍にいてほしいって言われたんだぞ……」
C.C.「私以外にそんな女がどこにいるというんだ……まったく……小娘は何もわかっていない……」
C.C.「これだからすぐに体を許すような……やつは……」
C.C.「うぅぅ……」
咲世子「C.C.さん?」
C.C.「ん?」
咲世子「ここに居られましたか。ルルーシュ様から探して欲しいと言われまして」
C.C.「そうか」
咲世子「何かあったのですか?」
C.C.「……お前は経験があるのか?」
咲世子「はい?」
C.C.「男に抱かれたことはあるのか?」
咲世子「男性にですか……」
咲世子「ありませんね。恥ずかしながら。仕事一筋だったもので」
C.C.「そうなのか?」
咲世子「はい。それが何か?」
C.C.「現状から脱したいと思ったことはないか?」
咲世子「いえ。特に私はルルーシュ様のお傍に居られたらそれで幸せですので」
C.C.「……そうなのか。お前にとってルルーシュはそれだけの存在なのか」
咲世子「ええ」
C.C.「私は脱したい」
咲世子「そうなのですか」
C.C.「時々、色々なものが頭を巡る。想像もする。五感を働かせることもある」
咲世子「C.C.さん……」
C.C.「どうしたらいいかな……」
咲世子「襲ってしまっては如何ですか?」
C.C.「無理やりは好かない。合意の上でないとなんか、気持ち悪いだろ」
C.C.「……一人だけな。条件付きだが」
咲世子「では、そのかたに言ってしまえばいいじゃないですか」
C.C.「何をだ?」
咲世子「私を抱いてくれー!!!と」
C.C.「言えるか!!」
咲世子「それほどの仲ではないと?」
C.C.「私のプライドの問題だ」
咲世子「では、その気にさせれば問題はないわけですね」
C.C.「その気?」
咲世子「ええ。相手から求めてくるなら、C.C.さんもそれを受け入れるわけですから」
C.C.「まあ、そうだな」
咲世子「では、その方法を伝授してさしあげます」
C.C.「お前も未経験者だろ?偉そうになにを……」
咲世子「誘惑の心得はあります。ベッドに入る前に事は済むので男性に抱かれたことはないだけです」
ナナリー「お兄様、お帰りなさい」
ルルーシュ「ただいま、ナナリー」
ナナリー「お兄様、ちょっといいですか」
ルルーシュ「どうした?」
ナナリー「少し服が乱れているような気がして……」
ルルーシュ「どれどれ……」
ナナリー「どうですか?」
ルルーシュ「いや、大丈夫だ」
ナナリー「そうですか。ありがとうございます、お兄様」
ルルーシュ「気にするな」
C.C.「帰ってきたのか、坊や」
ルルーシュ「なんだ、居たのか」
ナナリー「……」
C.C.「それにしてもこの部屋は暑いな……。服でも脱ごうかな……」チラッ
C.C.「……」
ナナリー「お兄様?」
ルルーシュ「俺とシャーリーの関係を探っていたのか?」
C.C.「上着から脱ぐか」チラッ
ルルーシュ「質問には答えないか。まぁいい。お前の自由だからな」
ナナリー「何かあったのですか?」
ルルーシュ「ナナリーの気にすることじゃない」
ナナリー「はぁ……」
C.C.「下も脱ぐかな。これは出血大サービスだなぁ、まったく」チラッ
ルルーシュ「ナナリー、夕食はなにがいい?」
ナナリー「お兄様のお作りになるものでしたら、なんでも」
ルルーシュ「それが一番困るんだけどな」
ナナリー「ふふっ」
C.C.「ぬぐぞー、本気だからなー」
咲世子「どうでしたか?」
C.C.「まるで効果がなかった。そればかりか他の女のことばかりだ」
咲世子「そうですか……」
C.C.「このままでは終われない。どうにかしろ」
咲世子「そうですね。あからさまな誘惑には屈しない人物には、さりげないスキンシップなんてどうでしょうか?」
C.C.「さりげないスキンシップだと?」
咲世子「ええ。何気なく手に触れたり、肩に触れたりするのです」
C.C.「……」メモメモ
咲世子「そうすることで相手は自然と好意を持ってくれるものですから」
C.C.「本当か。それで向こうから来るのか」
咲世子「来ます」
C.C.「分かった」
咲世子「ご武運を」
C.C.「さりげないスキンシップ……さりげない……」
ナナリー「ありがとうございます」
ルルーシュ「熱いから気をつけてな」
ナナリー「えっと……」オロオロ
ルルーシュ「ここだよ」ギュッ
ナナリー「あ……。ありがとうございます」
ルルーシュ「全く」
ナナリー「私にはお兄様がいないとダメですね」
ルルーシュ「そうだな」
ナナリー「もう、お兄様ったら。ふふっ」
ルルーシュ「ははは」
C.C.「ルルーシュ」
ルルーシュ「なんだ?」
C.C.「手を握ってやろうか」
ルルーシュ「気持ち悪いことをするな」
ルルーシュ「必要ない」
ナナリー「お兄様、フォークは……」
ルルーシュ「ここにある」ギュッ
ナナリー「ありがとうございます」
C.C.「……」ススッ
ルルーシュ「なんだ?」
C.C.「私はこう見えて手相占いが得意なんだ」
ルルーシュ「手相だと?」
C.C.「見てやろう」
ルルーシュ「結構だ」
ナナリー「お兄様、見てもらえばいいではありませんか」
ルルーシュ「いいんだよ。どうせ嘘だからな」
C.C.「ええい!!触らせろ!!!」ギュッ
ルルーシュ「離れろ!!!」
咲世子「ダメだったのですか?」
C.C.「ああ……」
咲世子「……」
C.C.「もうどうしていいのかわからない……」
咲世子「C.C.さん、元気を出してください」
C.C.「このまま一生……花弁を散らすことの無い可憐な花のままでいるんだろうな……」
咲世子「そう悲観しないほうが」
C.C.「はぁ……」
咲世子「分かりました。では、最終手段です」
C.C.「最終手段だと?」
咲世子「ええ。これで篭絡されなかった殿方はおりません」
C.C.「聞かせろ」
咲世子「紙とペンをご用意ください」
C.C.「よし」
C.C.「ああ」
咲世子「では、日本の言葉を紙に書きます」
C.C.「日本の?」
咲世子「はい。それでどのような男も……確実に落ちます」
C.C.「それは本当か?妖しいモノだな」
咲世子「効果は絶大ですよ」
C.C.「で、なんと書けばいい?」
咲世子「貴方の」
C.C.「あな、たの……」カキカキ
咲世子「肉」
C.C.「に、く……」
咲世子「便器です」
C.C.「便器、です……これでいいのか?」
咲世子「その紙を胸に貼り付けて意中の男性の前に言ってみてください。言葉を理解してもらえば、間違いなく向こうから迫ってきますから」
ルルーシュ「ナナリー?何をしているんだ?」
ナナリー「えっと……秘密です」
ルルーシュ「俺に秘密か。寂しいな」
ナナリー「ごめんなさい。でも、もう終わりましたから。あとはプリントアウトするだけです」
ルルーシュ「そうか」
ナナリー「はい」
C.C.「ルルーシュ」
ルルーシュ「なんだ。さっきから落ち着きのない奴だな。―――何を貼り付けている?」
C.C.「読めるか?」
ルルーシュ「貴方の……にく……便器……です?」
C.C.「そうだ」
ルルーシュ「どういう意味だ」
C.C.「調べてみろ」
ルルーシュ「ちっ……。はいはい」
C.C.「ナナリー?」
ナナリー「お兄様ぁ」
ルルーシュ「なんだナナリーまで同じものを貼り付けて……。なんだそれは?」
ナナリー「咲世子さんから教えてもらったおまじないです」
ルルーシュ「咲世子さんから?」
C.C.「ナナリー?!お前も……?!」
ナナリー「なにか?」
ルルーシュ「なんのおまじないなんだ?」
ナナリー「秘密です」
ルルーシュ「また秘密か」
ナナリー「ふふっ。調べたら分かりますから」
ルルーシュ「そうか。なら調べてみるか」
C.C.(まずい……。言葉の意味だけでなく、もし男性を振り向かせる方法なんてことがバレたら……!!)
C.C.(またルルーシュに弱みを握られる……!!)
C.C.「ま、まて!!」ガシッ
ルルーシュ「なんだ、離せ」
C.C.「いや、離すわけにはいかなくなった」
ルルーシュ「なんだと?お前が言葉の意味を調べろと言ったんだろうが」
C.C.「そうだが、状況が変わった。調べるな」
ルルーシュ「いいから離せ」
C.C.「できないな」
ルルーシュ「C.C.……!!」
C.C.「……」
ナナリー「お兄様……」
ルルーシュ「分かった。調べないから、腕を離してくれ」
C.C.「分かってくれたか、坊や」パッ
ルルーシュ「―――フハハハハ!!!今だ!!!」カタカタカタカタカタ
C.C.「ルルーシュ!!!」
C.C.(終わったな……。もうここには居られない……)
ナナリー「お兄様、分かったのですね」
ルルーシュ「ナナリー。その紙は貼り付けるものではない。取れ」
ナナリー「でも……」
ルルーシュ「取るんだ!!」バッ!!!
ナナリー「あ……」
C.C.(さようなら、ルルーシュ)コソコソ
ルルーシュ「C.C.。お前はこっちだ」グイッ
C.C.「なんだ?何を怒っている?」
ルルーシュ「こい」
C.C.「私は悪く無いぞ。全部、咲世子だ。咲世子の入れ知恵だ」
ルルーシュ「いいからこい」
C.C.「やめろ。怒られるのは嫌だ」
ナナリー「……」
ルルーシュ「この紙に書いてある文字。どういう意味なのか、分かっているのか?」
C.C.「意味は知らない」
ルルーシュ「……やはり処女だな。お前は」
C.C.「お前だって知らなかったのだろ」
ルルーシュ「……知らないこともある。生きていくうえでは必要のない言葉だ」
C.C.「ふん」
ルルーシュ「これ、簡単に言えば「私を抱いてください」ってことだぞ」
C.C.「……」
ルルーシュ「……」
C.C.「……」ビリビリ
ルルーシュ「今更破いても遅い。どういうつもりで胸に貼り付けた?」
C.C.「深い意味はない。気にするな」キリッ
ルルーシュ「……」
C.C.「分かったよ。部屋の隅で丸くなる。それでいいな?」
C.C.「なるだろ。私が口を噤んでいればな」
ルルーシュ「ならないな」
C.C.「いーや、なるな」
ルルーシュ「……」
C.C.「部屋の隅で丸くなった。もう私に構うな。触れるな」
ルルーシュ「お前、何を拗ねている?」
C.C.「拗ねてなどない。私はC.C.だぞ?」
ルルーシュ「今日のお前の行動を考えればすぐに分かるがな」
C.C.「ほう?シスコン坊やが?言ってみろ。大ハズレに決まっている」
ルルーシュ「シャーリーのことだろ」
C.C.「……」
ルルーシュ「当たりか」
C.C.「いや、ハズレだ。間抜け。顔を洗って出直して来い」
ルルーシュ「こいつ……」
C.C.「違うな。ぜんっぜん、違う。まるで関係がない。どうしてそこに行き着いたのか理解できない」
ルルーシュ「そんな事実などないと言ったら?」
C.C.「……え?」
ルルーシュ「お前に童貞と言われて、つい口から出た嘘だったと言ったらお前はどうする?」
C.C.「嘘……なのか……?」
ルルーシュ「仮の話だ」
C.C.「どっちだ?嘘なのか?嘘なんだな?」
ルルーシュ「……」
C.C.「だろうと思ったよ。私は初めから分かっていた」
ルルーシュ「待て」
C.C.「何かな、万年チェリー坊や?」
ルルーシュ「急に態度がでかくなったな。貴様、自分の立場がわかっているのか?」
C.C.「どういう意味かな?」
ルルーシュ「お前は俺に向かって抱いてくださいと願ったんだぞ?」
ルルーシュ「バカか」グイッ
C.C.「なっ?!」
ルルーシュ「それがお前の願いなんだろ?」
C.C.「やめろ……」
ルルーシュ「怖気づいたか?」
C.C.「……無理やりは……嫌だ……」
ルルーシュ「くっ……」
C.C.「……」
ルルーシュ「もういい。寝る」
C.C.「なんだ、やめるのか」
ルルーシュ「ふん……」
C.C.「童貞の限界か。つまらんな」
ルルーシュ「貴様っ!!」
C.C.「な、なんだ。やるか?!」
スザク「膣内から変えていけばいいのに」
スザァク!
ルルーシュゥ!
C.C.「ふぅー……」
ルルーシュ「するつもりも無いくせに、粋がるな」
C.C.「何をいう。その言葉、そのままお前に返す」
ルルーシュ「やはりシャーリーのほうが可愛げがあっていいな」
C.C.「なら、あの小娘とやることやればいいだろ」
ルルーシュ「それもそうだな。今から呼び出すか」
C.C.「ああ、でもあいつ、ルルーシュ以外の男とすることしているらしいけどな」
ルルーシュ「シャーリーの交友関係は熟知している。特定の男性などいない」
C.C.「……」
ルルーシュ「残念だったな」
C.C.「だが、奴は男と経験をしたと言っていたが」
ルルーシュ「俺とキスしたことを言ったんだろ」
C.C.「じゃあ、シャーリーは呼ぶな。危険だぞ」
ルルーシュ「お前よりは何倍も安全だ」
ルルーシュ「さて……」
ピリリリ
C.C.「誰からだ」
ルルーシュ「カレンだな……。―――私だ」
カレン『あ、ゼロ。今日はこちらにこないのですか?』
ルルーシュ「ああ。色々あったからな……」
カレン『そうですか』
C.C.「……」
ルルーシュ「何か緊急の用でもあるのか?」
カレン『い、いえ……あの……ゼロ?』
ルルーシュ「どうした?」
カレン『あの……私は……ゼロのこと……す、好きですから』
ルルーシュ「私もカレンのことは信頼している。できることなら、ずっと傍にいてほしい」
カレン『ゼロぉ……はいっ!!紅月カレンはこの身を色んな意味でゼロに捧げます!!』
カレン『でへへ……』
C.C.「ぜろぉ、まだぁ?C.C.、がまんできなぁい」
ルルーシュ「!?」
カレン『え……ゼロ……?』
ルルーシュ「おい!!」
C.C.「もうこんなになってるのにぃ」
カレン『あ、ごめんなさい……。それじゃあ……』
ルルーシュ「まて!!カレン!!」
C.C.「ふふっ……あはははは」
ルルーシュ「貴様!!何の真似だ!!」
C.C.「ただの悪戯だ」
ルルーシュ「ふざけるな!!カレンに何らかの悪影響が出たらどうする?!」
C.C.「この程度で動揺してしまうなら遅かれ早かれ戦死する」
ルルーシュ「おまえはぁ……」
ルルーシュ「その根拠はなんだ……。全く」
C.C.「さてと、そろそろ寝ようかな」
ルルーシュ「お前!!」
C.C.「男は床で寝ろ」
ルルーシュ「どこまで身勝手なんだ……お前は……」
C.C.「求められて唇を重ねるような軟派な男が言うと滑稽だな」
ルルーシュ「お前はどうなんだ?」
C.C.「私は求められたからと言って、それに応じたりはしない。見た目ほど尻は軽くないからな」
ルルーシュ「ほう……?」
C.C.「私はC.C.だからな。特に小僧の頼みなんて―――」
ルルーシュ「C.C.……」
C.C.「お……」
ルルーシュ「……」
C.C.「まて……歯を磨いてからだ……」
C.C.「なに……?」
ルルーシュ「そのような奴にとやかく言われる筋合いはないな」
C.C.「この……」
ルルーシュ「こんな女に罵声を浴びせられたであろうシャーリーが不憫でならない」
C.C.「歯を磨けばいいと言っている」
ルルーシュ「磨いているうちに断る理由を考えるんだろ?」
C.C.「そ、そこまで嫌じゃないが」
ルルーシュ「そ、そうか」
C.C.「……やはり、今日は部屋の隅で丸くなっておく」
ルルーシュ「もういいから、ベッドで寝ろ。お前みたいな女が部屋の隅にいると怖いからな」
C.C.「じゃあ、男は床で寝ろ」
ルルーシュ「はいはい」
C.C.「おやすみ」
ルルーシュ「ああ」
C.C.「……」コソコソ
ルルーシュ「なんだ?」
C.C.「私は寝相が悪いからな」
ルルーシュ「わざわざ床にいる俺の隣まで来るほどか。とんでもないな」
C.C.「今日は特別寝相が悪くてな。私も困っている」
ルルーシュ「お前の傍で寝ることになる男は大変だな」
C.C.「だろうな。同情するよ」
ルルーシュ「貴様に同情されても何一つ嬉しく無いな」
C.C.「お前に同情したわけじゃないがな」
ルルーシュ「俺以外の誰がお前の傍に居られるというんだ?」
C.C.「それはこっちに台詞だな」
ルルーシュ「寝言も多いし。最低の女だ」
C.C.「お前こそ歯軋りが酷いな。最悪の男だ」
ルルーシュ「魔女が……」
ルルーシュ「ん……」
C.C.「すぅ……すぅ……」
ルルーシュ「顔を洗うか……」
咲世子「おはようございます、ルルーシュ様」
ルルーシュ「おはよう」
咲世子「おや?」
ルルーシュ「あ、これは……」
咲世子「どうやら、おまじないの効果が出たようですね」
ルルーシュ「おまじないって……」
ナナリー「咲世子さん!!私は効果が出ませんでした!!」
咲世子「そんなことは……。では、この藁人形を使ったお呪いを試してましょうか」
ナナリー「はい」
ルルーシュ「咲世子さん。ナナリーにおかしなことを吹き込むのはやめてください」
咲世子「も、申し訳ありませんでした……」
カレン「はぁ……」
シャーリー「カレン?どうしたの?元気ないみたいだけど」
カレン「べつにぃ……」
リヴァル「ふられたのかぁ?」
カレン「あ?」
リヴァル「うわ……マジで?」
カレン「そんなじゃないわ……」
ミレイ「そんなんじゃないって顔じゃないわねー」
カレン「放っておいて下さい……」
スザク「カレン……」
ルルーシュ(昨日の電話の影響か……)
ナナリー「カレンさん、あの……」
カレン「なぁに?」
ナナリー「何があったのか聞かせてください。お力になれなくても、お話しを聞くことはできますから」
ルルーシュ「いや。会えていないな」
シャーリー「もう、なんだったのかな。あの子!!」
リヴァル「でも、シャーリーさ。ルルーシュ以外に思いを寄せている男なんているのか?」
シャーリー「え?!いや、いないよ……って、何いってるのかな?!」
スザク「ルルーシュ、シャーリーはルルーシュのことが好きらしいよ」
ルルーシュ「そ、そうだったのか……」
シャーリー「わぁぁああああ!!!!!」
ミレイ「間接的こくはくぅ」
シャーリー「なんでそんなこというのぉ!!!」
スザク「こういうことは早いほうが」
シャーリー「自分で言うから!!!」
スザク「じゃあ、今言ったらどうかな」
ルルーシュ「……」
シャーリー「いえるわけないでしょぉ!!!」
ミレイ「よしよし」
スザク「あれ……泣かせてしまった……」
リヴァル「よくやったよ。スザク」
スザク「そうかな?シャーリーが前進できたなら、僕も嬉しいよ」
ルルーシュ「全く……」
ニーナ「ふふっ」
カレン「へー、そうなんだ」
ナナリー「是非、試してください」
カレン「ありがとう、ナナリー。元気でてきたよ」
ナナリー「いえ」
シャーリー「うぅぅぅ……」
ナナリー「シャーリーさん」
シャーリー「なに……?」
ナナリー「元気の出るおまじない、教えてあげますから。涙を拭いてください」
ゼロ「色々すまなかったな」
扇「いや。ゼロの用事は済んだのか?」
ゼロ「ああ、問題はない」
扇「ならいいんだ」
ゼロ「さてと」
カレン「ゼロー!!」タタタッ
ゼロ「カレ―――」
扇「カ、カレン?!何を貼り付けて!?」
カレン「魔法の言葉だって聞いて……。ゼロ……ドキドキしますか?」
ゼロ「あ、ああ……」
カレン「よかった……」
玉城「なんだ、カレン!?ゼロ専用の便器になったのか?!」
カレン「うん」
ゼロ「肯定するな!!お前はその言葉の意味がわかっていないのか?!」
ゼロ「それは……抱かれてもいいという合図なんだぞ……」
カレン「そうみたいですね」
ゼロ「なに?」
カレン「ゼロ。C.C.のようにはいかないかもしれませんが、私も精一杯がんばりますから」
ゼロ「カレン!!私は!!」
カレン「ゼロの親衛隊ですから!!私!!」
ゼロ「が……!?」
扇「ゼロ」
ゼロ「なんだ?」
扇「カレンを幸せにしてやってくれ」
ゼロ「何を言っている?!」
カレン「ゼロ……リードしてくれると嬉しいです」
ゼロ(そんなことできるわけがない……!!ここは……戦術的撤退だ!!)ダダダッ
カレン「あ!!ゼロー!!!」
ルルーシュ(昨日は酷い目にあったな……。カレンめ。わかってやるなんて、なんと性質の悪い……。今後も注意しておかなくては……)
シャーリー「あ、ルルー」
ルルーシュ「シャーリー。おは―――」
シャーリー「この胸に貼った紙?これ、ナナちゃんから教えてもらったの。元気の出るおまじない」
ルルーシュ「シャーリー……」
シャーリー「どうしたの?」
スザク「シャーリー!?」
シャーリー「スザクくん、どうかした?」
スザク「……君は男なら誰でもいいっていうのか!!!」
シャーリー「え?」
ルルーシュ「スザク!!よせ!!」
スザク「一途だと思っていたのに!!君は最低だ!!まるっきり痴女じゃないか!!!」
シャーリー「ち……」
ルルーシュ「スザク!!もういい!!やめろ!!」
シャーリー「ごめっ……なさい……私……しらなくて……」
スザク「知らなかったじゃ済まされない!!僕は君のことを思っていっているんだ!!!」
シャーリー「はい……」
ルルーシュ「スザク、もういいだろ。シャーリーも反省している」
スザク「でも……」
ルルーシュ「今後は気をつければいいだけだ、シャーリー」
シャーリー「ルル……」
スザク「シャーリー、もうこんなことしちゃいけない」
シャーリー「うん……もうしない……こんなこと……恥ずかしいもん……」
スザク「よし。なら、いいんだ」
ナナリー「……」
ナナリー「次のおまじないを試しましょうか……」
ナナリー「ふふっ」ウィィン
ルルーシュ「酷い一日だった。カレンもシャーリーも……。困ったものだ」
C.C.「満更でもなかったんだろ?童貞坊やめ」
ルルーシュ「……は?」
C.C.「なんだ?」
ルルーシュ「魔処女がよく言う」
C.C.「お前……!!」
ルルーシュ「なんだ?」
C.C.「……な、なら、お前が私を魔女にすればいいだろ?」
ルルーシュ「ごめんだな」
C.C.「なに!?」
ルルーシュ「お前は図に乗って、今以上に可愛くなくなりそうだからな。暫くは様子をみる」
C.C.「ふざけるな!!もうお前以外にいないんだからな!!」
ルルーシュ「……そうか。なら、考えてみてもいい」
C.C.「……部屋の隅で丸くなるから……契約する覚悟ができたら、こい……」
おしまい
CCが可愛い
CCが可愛い
Entry ⇒ 2012.09.22 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ルルーシュ「貴様ぁ!!童貞ではなかったのか?!」スザク「違う!」
ルルーシュ「ほら、また同じところで間違えているぞ」
スザク「あ、ほんとだ」
ルルーシュ「全く。ま、そのほうが教え甲斐があるけどな」
スザク「そうかな?ありがとう」
ルルーシュ「皮肉だ」
スザク「……なぁ、ルルーシュ」
ルルーシュ「どうした?」
スザク「こんなこといきなり訊くのはおかしいって分かってるんだけど……」
ルルーシュ「どうした?なんでも言ってくれ」
スザク「じゃあ、その……女性とするときって……どうしてる?」
ルルーシュ「……え?」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ(なんだ。この質問は。どういう意図がある……?)
ルルーシュ(いや、まだ答えをだすには早計だ。じっくりと話を聞こう)
ルルーシュ「スザク、それはどういう意味だ?」
スザク「えっと、実はこの前……ユーフェミア様に―――」
ルルーシュ「……!!」ガタッ
ルルーシュ(ユフィ!?ユフィだと?!)
ルルーシュ(ど、どういうことだ……!?)
ルルーシュ「……」
スザク「つ、続けていいかな?」
ルルーシュ「あ、ああ……」
ルルーシュ(こ、こいつ……!!俺よりも先に大人の階段を上ったというのか……!!スザク……!!)ギリッ
ユフィ『スザク。私のことが好きならできますね?』
ルルーシュ「そういわれたのか……?ユフィに……?」
スザク「……うん」
ルルーシュ「そ、それで?」
スザク「僕、そんな経験が一切なかったから……どうしていいかわからなかったんだ」
ルルーシュ「そうなのか」
ルルーシュ(ふっ。なんだ。驚かせて。まだスザクはチェリーボーイのままか)
スザク「そういうと、ユーフェミア様が―――」
ユフィ『ふふ。だろうと思った。じゃあ、私がスザクをリードしてあげますね』
スザク「そ、それで……全てを委ねてしまっ―――」
ルルーシュ「ふざけるなぁ!!!!」
スザク「……!?」ビクッ
スザク「ルルーシュ、待ってくれ。初めは僕もちゃんといった。身分が違いすぎますって」
ルルーシュ「それで……?」
スザク「でも……」
ユフィ『この部屋にはユフィとスザクという男女しかおりません』
スザク「そういったんだ」
ルルーシュ「それだけの……それだけの理由か……!?」
スザク「仕方なかったんだ!!そうじゃないとユフィは騎士を剥奪するって」
ルルーシュ「ええい!!!見損なったぞスザク!!」
スザク「……どうしてそこまで必死になるんだ?」
ルルーシュ「え」
スザク「友達にあまりこういうことはいいたくないけど……」
ルルーシュ「な、なんだ?」
スザク「ルルーシュは経験したことがないのか?」
ルルーシュ「……!?」ガタッ
ルルーシュ「……」ギリッ
ルルーシュ(落ち着け……!!こんなことでスザクに失望されては……!!)
ルルーシュ「あっはっはっはっは!!!!」
スザク「どうした?」
ルルーシュ「待て待て。スザク、間違っているぞ」
スザク「なに……?」
ルルーシュ「お前、ここに編入してきてから何を見てきた?」
スザク「どういうことだ?」
ルルーシュ「俺は……モテる!!!」
スザク「……確かに」
ルルーシュ「365日、女に困ることなどない。そんな俺を捕まえて経験がないだと……?」
ルルーシュ「そんなことがあるわけないだろ!!!」
スザク「そうか。流石はルルーシュ。そうでないと」
ルルーシュ「ふっ。女の扱いなんてチェスよりも簡単だ」
ルルーシュ「なんだ……?」
ルルーシュ(この話の流れなら、恐らく情事のときのテクニックかなにかだろう)
ルルーシュ(くっくっく……ネットや本で得た知識ならある。これなら……勝てる!!)
スザク「……実は下手だって言われた」
ルルーシュ「……下手?」
スザク「もっと勉強してきてほしいって言われたんだ。どうしたらいい?」
ルルーシュ(なんだ。最も愚かな質問を選んだな、スザク)
ルルーシュ「そんなものネットで―――」
スザク「ちなみにもうネットでは調べたし、本もみた。だけど、いまいち分からなくて」
ルルーシュ「なんだと?」
スザク「僕ってほら、体で覚えるほうが得意だから」
ルルーシュ(なんだ……なにを言ってる……?)
スザク「だから、ルルーシュが実演してくれると助かるんだけど」
ルルーシュ「じつ……えん……?」
ルルーシュ「まてまて!!!貴様!!何を言っている!?」
スザク「え?ニーナや生徒会長のほうがよかったかい?」
ルルーシュ「そうじゃない!!」
スザク「ナナリーはちょっと……」
ルルーシュ「きさまぁ!!」
スザク「も、もしかして……僕か……それは……あの……いくら友達でも……」ポッ
ルルーシュ「照れるな!!気持ち悪い!!!」
スザク「とにかく、僕に実際しているところを見せてほしいんだ」
ルルーシュ「……見せるって……」
スザク「慣れているんだろ?」
ルルーシュ「いや……」
ルルーシュ(まずい……まずいことになった……!!)
ルルーシュ(どうする……どうすれば……!!!)
スザク「……」ワクワク
スザク「見ることはできるけど、どうにも激しすぎる。あれではきっとユフィは痛がってしまいそうで」
ルルーシュ(確かに。スザクに加減などできるわけがない)
ルルーシュ(考えろ……考えるんだ。この場を上手く切り抜けるためには……!!)
ルルーシュ「―――まて。そもそも、人に見せるようなものではないだろう」
スザク「ちゃんと気配を消して隠れてるから」
ルルーシュ「だから、いくら親友でもそんなところを見られたくは無いんだ」
スザク「相手がシャーリーでもかい?」
ルルーシュ「当然だ!!というか、相手どうこうの話ではないぞ」
スザク「そうなのか」
ルルーシュ「お前がユフィと経験を重ねていけば言いだけの話だろう」
スザク「勿論、それも考えた。だけど……」
ルルーシュ「なにか問題でもあるのか?」
スザク「その日の帰り……コーネリア総督に呼び出されたんだ」
ルルーシュ(コーネリアに……?)
スザク「そう涙目で言われて」
ルルーシュ(今度、ユフィに会ったとき、自室に隠しカメラがないか調べておくように言っておくか)
ルルーシュ「分かった。つまり、ユフィとはもう練習ができないってことか」
スザク「そうなんだ。ユフィがコーネリア総督に僕としたことを話さないとも限らないし」
ルルーシュ「……」
スザク「頼む、ルルーシュ。僕とユフィのために見せてくれないか」
ルルーシュ「しかしな……」
スザク「ダメか?」
ルルーシュ「だから、人に見せるものじゃ―――」
スザク「そうか。やっぱりルルーシュも経験が……」
ルルーシュ「あると言っているだろ!!見せることじゃないってだけだ!!」
スザク「でも、そこまで強く拒絶するってことは教えられないってことじゃないのか?」
ルルーシュ「ちがう!!!俺はどんな女でも満足させられる技量をもっている!!」
スザク「すごい!じゃあ、見せてくれないか!?」
スザク「……♪」ワクワク
ルルーシュ(ダメだ。こいつ、俺が実演するまで諦める気配がない……!!)
スザク「……ルルーシュ?」
ルルーシュ(……まてよ?そうか。見せれば、それで満足するというなら……!!!)
ルルーシュ「よし、わかった。だが、自室ならまだしもここで実演するとなると、女を誘うのが手間だ」
スザク「じゃあ、すぐにはできないっていうのか」
ルルーシュ「ああ」
スザク「いつなら?」
ルルーシュ「明日なら」
スザク「明日か。分かった」
ルルーシュ「じゃあ、明日の放課後にここにこい。お前はそうだな……段ボールを用意しておくから、その中から観察でもしていろ」
スザク「ルルーシュ。でも、見ているだけじゃ……」
ルルーシュ「手順の全てを紙に書いておいてやる。それを見ながら、俺の実演を鑑賞していろ」
スザク「助かるよ、ルルーシュ。ありがとう」
ルルーシュ(さて……明日の茶番に付き合ってくれそうな女を見つけるか)
ルルーシュ(生徒会長は……却下。恐らく、面白おかしく噂を流すだろうし、それ以前に門前払いだ)
ルルーシュ(ニーナ……。いや、ニーナはどこか潔癖症のようなところもある。誘ってものってはこないだろう)
ルルーシュ(シャーリー……もダメだ。嫌われてしまう)
ルルーシュ(となると……カレン……。ダメだ。奴は黒の騎士団。俺が今後、奴を変に意識してしまうかもしれない)
ルルーシュ「……」
C.C.「何をしているんだ?」
ルルーシュ「……ふっ。なんだ。いい人材が―――」
C.C.「ん?」
ルルーシュ(C.C.なんて論外だ!!くそ!!)
C.C.「変なやつ……」
ルルーシュ「ダメだ……。相手が……」
ナナリー「お兄様、どうかされましたか?」
ルルーシュ「ナナリー……」
ルルーシュ(ナナリーか……。ナナリーなら快諾してくれる可能性が高い)
ルルーシュ(だが……しかし……)
ナナリー「お兄様?」
ルルーシュ「え?」
ナナリー「あの……何か困っているのですか?」
ルルーシュ「いや、なんでも……」
ナナリー「もし私にできることなら、なんでも言ってくださいね」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ(ナナリーか……。スザクからはナナリーの顔が見えないようにすれば……)
ルルーシュ「ナナリー、ちょっといいかな」
ナナリー「はい、なんでしょう?」
ルルーシュ「明日の放課後、生徒会室に来てくれないか?」
ナナリー「はい。なにかあるのですか?」
ルルーシュ「……そこでナナリーを抱きたい」
ナナリー「抱く……?」
ルルーシュ「ああ。だめかな?」
C.C.「……」
ナナリー「ここでもいいですよ?ぎゅってしてください」
ルルーシュ「いや、明日の生徒会室で抱きたいんだ」
ナナリー「そうなのですか……」
C.C.「おい!!!」
ルルーシュ「黙っていろ」
C.C.「貴様……何を言っている……!!」
ナナリー「分かりました。じゃあ、明日の放課後に生徒会室で」
ルルーシュ「ああ。待っていてくれ」
ナナリー「お兄様に抱いて貰えるなんて楽しみです」
ルルーシュ「ふふ……そうか」
C.C.「ルルーシュ……お前……」
C.C.「おい。犯罪者」
ルルーシュ「お前に言われたくないな」
C.C.「ナナリーを抱くとはどういう了見だ」
ルルーシュ「そのままの意味だよ」
C.C.「目が不自由な妹によくもまぁ、そんな卑劣なことができるな」
ルルーシュ「俺は女に不自由していない」
C.C.「は?」
ルルーシュ「それを証明する必要があるんだ」
C.C.「ふーん。そこで妹を選出する貴様の思考回路は理解できないな」
ルルーシュ「適任者がナナリーしかいなかった。それだけだ」
C.C.「お前、かなり女に不自由しているんだな」
ルルーシュ「あとはプレイの手順を紙に記し、それをスザクに読ませつつ、俺が事に及べば……ふふふ……」
ルルーシュ「あーっはっはっはっは!!!勝てる……!!勝てるぞ!!!」
C.C.「……お前の負けだよ。坊や」
C.C.「お前の鬼畜プランか?」
ルルーシュ「ああ。これをナナリーに読ませる」
C.C.「読ませる?」
ルルーシュ「俺の台本は完璧だ」
C.C.「台本とはなんだ?ナナリーを嬲るシナリオか?」
ルルーシュ「何をいう。俺はナナリーに手を出すことなく、抱いてやるんだよ」
C.C.「……意味がわからないな」
ルルーシュ「このボイスレコーダーに録音するのさ」
C.C.「ナナリーの喘ぎ声か」
ルルーシュ「それだけじゃない。情事中の会話もだ」
C.C.「……」
ルルーシュ「既に俺の肉声は録音してある。聞くか?」
C.C.「100%気持ち悪いだろうから遠慮しておく」
ルルーシュ「そうか。自信作なんだがな」
ナナリー「……お兄様?」
ルルーシュ「起こしちゃったか」
ナナリー「いいえ。なんだか今日は寝付けなくて」
ルルーシュ「どうかしたのか?」
ナナリー「明日、お兄様に抱いてもらえると思うと……少しドキドキしてしまって」
ルルーシュ「そうか……。ところでナナリーに読んでほしいものがあるんだけど」
ナナリー「なんでしょうか?」
ルルーシュ「できるだけ感情を込めて読んでくれ。点字処理はしてあるから」
ナナリー「はい。分かりました」
ルルーシュ(レコーダー、オン)カチッ
ナナリー「―――お兄様……今日はここでなにをするんですか?」
ナナリー「え?服を?どうしてですか?」
ナナリー「だ、だからって……少し恥ずかしいです……お兄様……」
ルルーシュ「……」
ナナリー「わ、たしたち……兄妹なの、に……ぃ……んっ……」
ナナリー「そこは……きた、ない……です……」
ルルーシュ「……」
ナナリー「ひっ……んっ……もう……あ……おにいさま……いく、のです、か……?」
ルルーシュ「……」ギリッ
ナナリー「わ、わたしも……もぅ……ふぁ……」
ルルーシュ「やめろぉ!!!!」
ナナリー「え?」
ルルーシュ「もうやめてくれ……こんなナナリー……見たくない……」
ナナリー「あ、あの……お兄様……?」オロオロ
ルルーシュ「悪い。今夜のことは忘れてくれ、ナナリー」
ナナリー「あの、このお話は……」
ルルーシュ「俺が考えた演劇の台本だったんだけど。ちょっと、失敗した。ごめん、ナナリー」
ナナリー「いいえ。お兄様の脚本、素晴らしかったです。まるで登場人物が私とお兄様みたいでしたし、二人はすごく愛し合っているようでしたから」
ルルーシュ「はぁ……」
C.C.「どうした?妹の陵辱は諦めたのか?」
ルルーシュ「初めからナナリーを抱くなんて無理だったんだ……」
C.C.「……よかったよ。まだ良心が残っているようで」
ルルーシュ「だが、まずい。このままでは……俺は……」
C.C.「シャーリーに電話してみろ。喜んで食いついてくれると思うが」
ルルーシュ「……」
C.C.「カレンでもいいんじゃないか」
ルルーシュ「……」ジーッ
C.C.「なんだ?」
ルルーシュ「……」
C.C.「読まないぞ?私は読まないからな」
ルルーシュ「台本はここにある」
C.C.「読まないと言っている!!聞こえないのか!?」
ルルーシュ「ん……朝か」
ルルーシュ「C.C.?できたか?」
C.C.「……ほ、ほら」ポイッ
ルルーシュ「どれどれ?」カチッ
『あっ……あっ……ルル……シュ……そうだ……いいぞ……奥を……犯してくれ……あっ……』
ルルーシュ「……上出来だ」
C.C.「全く。つまらないことに使うな……」
ルルーシュ「よし。これで前提条件は全てクリアだ」
C.C.「……」
ルルーシュ「あとは放課後を待つばかりか……くくくく……」
C.C.「で、何時ごろに生徒会室にいけばいいんだ……?」
ルルーシュ「何を言っている。スザクがいるのに出歩こうとするな。部屋にいろ」
C.C.「な……!?」
ルルーシュ「あとは……スザクが入れるだけの段ボールを用意しておけば……完璧だ」
ミレイ「え?ここを貸切にしてほしい?」
ルルーシュ「はい、30分ほどでいいんで」
ミレイ「それはいいけど、なんでまた?」
ルルーシュ「少し……」
ミレイ「ふーん」
シャーリー「ルル、何かあるの?」
ルルーシュ「別にいいだろ」
リヴァル「おいおい、ちゃんと言ってくれなきゃ、貸せるわけないだろー?」
ミレイ「……もしかして……誰かと二人っきりになりたいとか?」
シャーリー「……!!!」
カレン「……」ピクッ
ルルーシュ「……まぁ、そんなところです」
ミレイ「そういうことなら貸しましょう!!ええ、貸してあげる!!」
ルルーシュ「変な噂を流したり、詮索は無しでお願いしますよ?」
ミレイ「さぁ、ルルーシュくんのお相手はだーれだ?」
リヴァル「やっぱ、気になりますよねー」
シャーリー「……だれ……だれなの……」ソワソワ
カレン「……」ジーッ
リヴァル「あっれ?てっきりシャーリーかカレンだと思ってたんだけど」
カレン「な、なんであたしが!!」
ミレイ「しっ。誰かきた」
リヴァル「え……?」
スザク「……」スタスタ
スザク「……」ガラッ
ミレイ「おーっと!!!まさかのダークホース!!!」
カレン「なにぃぃ!?!?」
シャーリー「……う……そ……」
スザク「ルルーシュ」
ルルーシュ「来たか。そこの中に入っていろ。もうすぐ、俺の相手も来る」
スザク「分かった。期待させてもらう」
ルルーシュ「ふ。その中を汚すなよ?」
スザク「うん」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ(よし。あとはナナリーを待ち、このボイスレコーダーを再生させるだけだな)
ルルーシュ(イレギュラーさえなければ……予定通りに終わるはずだ)
ルルーシュ「……」
ルルーシュ(しかし、ナナリーが来たときどうするか)
ルルーシュ(事情とか説明できないしな……)
ルルーシュ(ま、ナナリーなら下手な言い訳をする必要もないな。くくく……)
ミレイ「さぁ、同志諸君。これは由々しき事態である」
リヴァル「あの二人、妙に仲がいいと思ったら……マジかぁ……俺も狙われてたのかなぁ……」
シャーリー「だから……だから……私の気持ちにも……!!!」
カレン「……なんとか、見れないかな……?」モジモジ
ミレイ「やっぱり、乙女としては美男子の秘め事って気になるわよねー?」
リヴァル「マジですか?」
シャーリー「そんな……そんなこと……ルルが……ルルがぁ……」
カレン「……」コソコソ
ミレイ「ドアの隙間から見れる?」
カレン「この位置だと……よく……」
ナナリー「あの」
シャーリー「きゃぁ?!」
ナナリー「なにをされているのですか?」
ミレイ「なんでもない!!なんでもなわよー?!」
ミレイ「ニーナまで!?」
ニーナ「ちょっと中に」
ミレイ「今はだめ!!」
ナナリー「え?どうしてですか?」
シャーリー「今はダメなの!ほんとに!!」
リヴァル「ああ。きっと大変なことになってる」
カレン「……」コソコソ
ナナリー「でも、お兄様に来るように言われてて」
ミレイ「え?!」
カレン「……それって」
ミレイ「……なるほど。私たちは勘違いをしていたのかも」
シャーリー「どういうことですか?」
ミレイ「これはきっと三人プレイなのよ」
カレン「……え?」
ミレイ「それがどうしたっていうの?」
シャーリー「え?いや……」
リヴァル「それはないですって!!」
カレン「スザク……!!」
ニーナ「え?え?」
ミレイ「……どうする?通す?」
シャーリー「そんなことできませんよ!!!」
ミレイ「そうよね」
ナナリー「あの……通してもらえませんか?」
ミレイ「だめだめ。流石の私も看過できないから」
ナナリー「でも、お兄様との約束が……」
カレン「あたしがいってきます」
ミレイ「そう?ちゃんと叱ってこれる?」
カレン「やってみます」
ガラッ
ルルーシュ「来たか」
スザク(来た……)
カレン「ルルーシュ!!」
ルルーシュ「……!!」
スザク(カレンか。なるほど)
ルルーシュ(な、何故……カレンが……入って来る……?)
カレン「話があるんだけど」
ルルーシュ(ここでカレンを追い出せば、スザクに悪い方向で誤解される……)
ルルーシュ(仕方ない。カレンで乗り切るか……!!)
カレン「あれ?スザクは?」
ルルーシュ「カレン。そこに座ってくれ」
カレン「なんで?」
ルルーシュ「いいから」
ルルーシュ「カレン。じっとしていろ」
カレン「な、なんで……?」
ルルーシュ「いいから……」
カレン「ちょっと……」
ルルーシュ(まずは抱きしめないとな。スザクの位置からはそれぐらいのことは見えているだろうし)
カレン「ルルーシュ、あのさ。流石に妹に手を出すってないと思うんだけど―――」
ルルーシュ「……」ギュッ
カレン「なっ?!」
スザク(おぉ……)
カレン「こ、こらぁ!!なにを―――」
ルルーシュ「(黙れ。静かにしていろ)」
カレン「(な、なに?何がしたいの……?)」
ルルーシュ「(いいから黙っていろ。頼む。あとでなんでも奢ってやる)」
カレン「(い、いやあの……離して……くれると……あの……)」
カレン「あ……あの……」
ルルーシュ(よし。再生だ)カチッ
『さぁ、服を脱ごうか』
カレン「ふ―――」
ルルーシュ「(静かにしろ)」グッ
カレン「むぐ……?!」
『ああ、よし。服を―――』
ルルーシュ「……!!」ピッ
スザク(あれ?別の女性の声……?)
ルルーシュ(しまった!!C.C.の声は特徴的すぎる!!)
ルルーシュ(やつめ。声色ぐらい変えろ……!!)
カレン「(あの……いつまで……抱きしめてるの……?)」
ルルーシュ(くっ……なんとかして……カレンに台詞を……そうだ)
ルルーシュ「(カレン、このイヤホンをつけろ)」
ルルーシュ「(ダメだ。いいから、つけろ)」
カレン「(はいはい……)」
ルルーシュ「(よし。そこから聞こえてくる台詞を声に出せ)」
カレン「え……?」
ルルーシュ「聞こえなかったのか?服を脱げといったんだ」
カレン「えっと……ああ、よし……服を脱げばいいのね……?」
ルルーシュ「ああ。そうだ」
カレン「で、でも……恥ずかしいんだけど……」
ルルーシュ「構うことはない。ここには俺とお前しかいないのだからな」
カレン「そ、それも……そうね。わ、わかった脱ぐよ……」
ルルーシュ「ああ。早くしろ」
カレン「……」スルッ
ルルーシュ「本当に脱ぐな!!!!」
カレン「え?」
ルルーシュ(しまった……!!つい……!!)
カレン「え?脱ぐんじゃないの?」
ルルーシュ「あ、いや、脱げ。上着だけでいいからな」
カレン「そのつもりだったけど」
ルルーシュ「そうか」
ルルーシュ(ふー……俺もまだまだだな。これぐらいのアクシデントで動揺してしまうとは)
カレン「……脱いだよ」
ルルーシュ「ふふ。いい胸じゃないか」
カレン「どこみてるのよ!!」
ルルーシュ「おい!!そんな台詞はない!!」
カレン「はぁ!?」
ルルーシュ「(聞こえてくる台詞を言えばいいんだ!!)」
カレン「(私のち、ち、く……び……はいい色でしょ、とか……言えないからっ)」
ルルーシュ「(それでも言うんだ!!俺を助けると思って!!)」
カレン「あ、あた、し……のちくび……いい、色でしょ……」
ルルーシュ「ああ。素晴らしいな。吸い付きたいぐらいだ」
カレン「……」プルプル
ルルーシュ「(どうした。早く続きを―――)」
カレン「……っ!!」
パシンッ!
ルルーシュ「……え」
カレン「こんなこといえるかー!!!!!」ダダダッ
ルルーシュ「まて!!カレン!!」
ルルーシュ(ぐぅぅ……!!くそ、カレンでは荷が重かったか……!!)
ルルーシュ(スザクは……!!)
ルルーシュ(出てこないな。まだ、静観しているのか)
ルルーシュ(ならば、今すぐ追いかければ……!!)
ルルーシュ「カレン!!待ってくれ!!」
ミレイ「あ、出てきた」
カレン「うぅ……ぐすっ……」ポロポロ
リヴァル「泣いてるじゃん!?」
シャーリー「カレン、何かあったの!?」
カレン「クリ……とか……もう……いやぁ……」ポロポロ
ニーナ「な、なにが……」
ナナリー「えっと……」
ルルーシュ「カレン!!―――はっ?!」
ミレイ「はぁい」
ルルーシュ「会長……ここでなにを?」
ミレイ「それよりどうしてカレンがないてるのかなぁ?」
ルルーシュ「そ、それは……」
ナナリー「お兄様、何かお話があるのでは?」
ルルーシュ「ナナリー!!来ていたのか!!助かる!!」
ルルーシュ「な、なんですか?」
ミレイ「女の子を泣かせるようなことしておいて、妹を連れ込むとか流石にないかなー?」
ルルーシュ「しかし、時間がないんです!!」
ミレイ「でも」
ナナリー「あの、私は別に―――」
シャーリー「ルル!!ダメでしょ!!なにしてたか知らないけど、こんなこと……ダメ!!」
ルルーシュ「シャーリー……」
ルルーシュ(ちっ……。どうする……。この状況でナナリーを連れ込むにはリスクが高すぎる)
ルルーシュ(ならば―――選択肢は3つ)
ルルーシュ(その中で無難なのは……!!!)
ルルーシュ「こい、シャーリー!!」ガシッ
シャーリー「え?!」
ルルーシュ「お前にしか頼めないかもしれないんだ!!」
シャーリー「わ、わたし……?」
リヴァル「うん。願ったり叶ったりってやつだな」
シャーリー「で、でも……一体……なにを……?」
ルルーシュ「中で説明する。とにかくきてくれ」
シャーリー「う、うん……」
ルルーシュ(シャーリーなら、合わせてくれるかもしれない)
ルルーシュ(シャーリーに賭ける……!!)
シャーリー(なんだろう……もしかして……カレンでも泣いちゃうような……恥ずかしいことを……?)
シャーリー(そんな……そんなこと……どうして……)
シャーリー(で、でも……それがいけないことってルルに分かってもらわないと!!)
シャーリー(私が……体を張って……!!)
ガラッ
ルルーシュ「よし、シャーリー、実は―――」
スザク「ルルーシュ。ちょっといいかな」
ルルーシュ「……スザク!?」
スザク「あれ?カレンはどうしたの?」
ルルーシュ「お前……なんで……!!」
スザク「気になることがあるんだ」
ルルーシュ「気になることだと……?」
スザク「ああ。えっと……」
シャーリー「え?え?」
ルルーシュ(なんだ……なにをするつもりだ、スザク!!)
スザク「ルルーシュ、初めに抱きしめただろ?」
ルルーシュ「ああ」
スザク「それって、こういう風にかい?」ギュッ
シャーリー「!??!!?!」
ルルーシュ「ばか!!そうじゃない!!こう、優しくだ!!」ギュッ
スザク「そうか。やっぱり、加減が難しいな」
シャーリ「ひっ……」ウルウル
シャーリー「ルル……違うよね……」
ルルーシュ「どうした?」
シャーリー「ルル……わたし……信じてるから……」
ルルーシュ「おい!シャーリー!!」
シャーリー「だれにもいわないからっ!!」ダダッ
ルルーシュ「シャーリー!!」
スザク「あれ?」
ルルーシュ「バカか!!どうしてでてきた!!」
スザク「いや、どうしても確認したくて」
ルルーシュ「見られたくはない行為といっただろうが!!」
スザク「ごめん」
ルルーシュ「いいから、隠れていろ!!質問は終わったあとに聞いてやる!!」
スザク「わかったよ」
ルルーシュ(ええい。スザクが天然であったことを計算にいれていなかった……!!まずい、まずいぞ……!!)
シャーリー「うぅ……ルルが……ルルがぁ……」ポロポロ
カレン「ひどい……ひどいよぉ……」ポロポロ
ミレイ「な、なにがあったの?」
シャーリー「……いえません」
カレン「いえない……です……」
リヴァル「な、なんだ……?」
ルルーシュ「シャーリー!!」
ミレイ「ちょっと!!本当になにしたの!?」
ルルーシュ「え?いや、何も……」
リヴァル「ルルーシュ……お前……」
ナナリー「お兄様?」
ルルーシュ(くそ……やはり、当初の予定通り……)
ルルーシュ「ナナリー!!」ガシッ
ナナリー「は、はい」ビクッ
リヴァル「まてよ!!ルルーシュ!!友達やめるぞ!!」
ニーナ「それだけはだめぇ!!」
ルルーシュ「しかし、もう15分もないんです!!」
ミレイ「……いいわ。私がいく」
ルルーシュ「なに……?」
ニーナ「ミレイちゃん!!」
ナナリー「ですから、私は別に……むしろ、二人きりになりた―――」
ミレイ「ダメよ。ナナリーちゃん。ここは私に任せて」
ナナリー「いえ……」
ミレイ「さ、行きましょう」
ルルーシュ「は、はい……」
ルルーシュ(予想外だが会長ならなんとかなるかもしれない)
ルルーシュ(終わったあとが大変そうだが……火消しとかが)
ルルーシュ「スザク?」
ミレイ「ええ」
ルルーシュ(まさか、シャーリーが喋ったのか?)
ルルーシュ「スザクならさっきのどさくさに紛れて出て行きましたけど」
ミレイ「そう、なの?」
ルルーシュ「はい」
ミレイ「全然、気がつかなかった……」
ルルーシュ「じゃあ……」
ミレイ「え……」
ルルーシュ「……」ギュッ
ミレイ「……」
ルルーシュ「(会長、このイヤホンをつけてください)」
ミレイ(なるほど……。あの二人が泣くわけね……)
ミレイ「(イヤホンね。はいはい)」
ミレイ「(どうしてそんな―――)」
『あっ……!!いいっ!!もっとだ!!もっと、つけ……くっ!!んっ……!!』
ミレイ「……!!!」
ルルーシュ「(さぁ……感情をこめて)」
ミレイ「(え……いや……これって……)」
ルルーシュ「(早く)」
ミレイ「……」
ルルーシュ「(会長?)」
ミレイ「おち……ん……ぽ…………」プルプル
ルルーシュ「え?まずは服をって台詞から―――」
ミレイ「なかにだしてぇ!!!」
ルルーシュ「何をいっているんだ!!あなたはぁ!!!」
ミレイ「貴方が言えっていったんでしょ!!」ウルウル
ルルーシュ「その台詞はもっと先ですよ!!」
ルルーシュ「会長……!!」
ミレイ「うわぁぁん」ダダダッ
ルルーシュ「どういうことだ……」
ルルーシュ(そうか!!再生しっぱなしだったからか……!!)
ルルーシュ(止めておかないと……)ピッ
ルルーシュ(くそ……もうタイムリミットが迫っている……)
ルルーシュ(このままでは俺のプライドが……!!)
スザク「―――ルルーシュ、あのさ」
ルルーシュ「お前は黙っていろ、スザク!!」
スザク「いや……少しおかしくないか?」
ルルーシュ「おかしくない!!」
スザク「そうか」
ルルーシュ(時間的に次が最後だ……)
ルルーシュ(慎重に選ばなくては……!!)
カレン「うっく……ぐすっ……」
シャーリー「ルル……ルル……」
ミレイ「こんな汚れた女じゃ……はぁ……」
リヴァル「どうしたんですかぁ?!ねぇ!?」
ニーナ「ミレイちゃんまで……」
ナナリー「……」
ガラッ
ルルーシュ「……」
リヴァル「おい!!ルルーシュ!!おまえ、なにしたんだよぉ!!!」
ルルーシュ「説明している時間はない。―――ナナリー!!」
ナナリー「はい」
ルルーシュ「こい」
ナナリー「今、行きます。お兄様」
リヴァル「ふざけんな!!もうお前は友達でもなんでもないからなぁ!!!」
ナナリー「お兄様……」
スザク(え……この声……)
ルルーシュ「じゃあ、いくよ」
ナナリー「はい……優しくだいてください」
ルルーシュ「ああ……」ギュッ
ナナリー「お兄様の優しさが……伝わってきます……」ギュッ
ルルーシュ「(ナナリー、イヤホンをつけて)」
ナナリー「(はい)」
ルルーシュ「(聞こえてくる台詞を声に出してくれ)」
ナナリー「(わかりました)」
スザク(間違いない……ナナリーだ……!!)
スザク(ルルーシュ……君は……!!)
スザク「……」ギリッ
ナナリー「わかりました」
ルルーシュ「いい乳首だな。吸い付きたくなる」
ナナリー「やだ……恥ずかしいです……」
ルルーシュ「ふん。隠すな。今からそのピンクを黒くそめてやる」
ナナリー「そ、そんな……」
ルルーシュ「だが、まずは……その唇から……」
ナナリー「あ……だめ……」
ルルーシュ(よし。第一条件はクリア―――)
スザク「―――やめろぉぉぉぉ!!!!!」
ルルーシュ「?!」
ナナリー「え?スザクさん?」
スザク「ルルーシュ!!!見下げ果てたぞ!!!」
ルルーシュ「スザク……!!何故、邪魔をする!!!」
スザク「君がモテるのはわかった!!だけど……ナナリーにまで手をだすなんて!!君は、屑だ!!」
スザク「どうしてだ……どうしてそんなことができるんだ!!君は間違っている!!」
ルルーシュ「なんだと?」
スザク「君はナナリーを大事にしてきたんだろ?どうしてそんな性の捌け口にできるんだ!!」
ナナリー「せいの……?」
ルルーシュ「何を言い出すかと思えば……。これはお前のためにやっていることだ」
スザク「ナナリーを巻き込むな」
ルルーシュ「ナナリーは快諾してくれた。教えられる立場であるお前が口出しするな!!」
スザク「嘘だ!!ナナリーは騙されている!!」
ナナリー「え?え?」
ルルーシュ「スザク、いい加減にしろよ……。それもこれもお前のためだろうが……!!!」
スザク「僕はそこまで頼んでいない」
ルルーシュ「おのれ……一度、経験したからと調子にのるなよ……!!」
スザク「なんだ、それ。まるで自分は経験していないような言い草だな」
ルルーシュ「なっ……!!」
ルルーシュ(まずい……口がすべった……)
ルルーシュ(ナナリーの前で俺が童貞だとバレたら……!!)
スザク「やっぱり。初めからおかしいと思っていたんだ。この資料もよくわからないし」
ルルーシュ「やめろ……言うな……」
スザク「ルルーシュ、君は……」
ルルーシュ「スザァァク!!!!」
スザク「……!!」
ルルーシュ「いいだろう。俺は妹に手を出した。それは認めてやる」
ナナリー「お兄様、手を出していたのですか?」
ルルーシュ「だが、お前もこともあろうにユーフェミア副総督の純潔を奪ったのだぞ?」
スザク「そ、それは……」
ルルーシュ「俺は身内に手を出したにすぎない!!だが、貴様はどうだ!!」
ルルーシュ「騎士に任命され、浮かれ、求められるままにお前はユフィを穢したんだぞ!!」
スザク「ルルゥゥゥシュ!!!」
ちょっと待て
ナナリー「あの……お兄様……」オロオロ
ルルーシュ「俺の勝ちは目に見えているがな」
スザク「ぐっ……」
ルルーシュ「ふ……ふふふ……スザク、その一回が仇になったな」
スザク「ああ、そうだ。僕は罪を犯した。だけど、僕はその責任を取る」
ルルーシュ「な、なに……!?」
スザク「将来、ナイトオブラウンズになって、僕はユフィと結婚できるぐらいまで上り詰めてみせる!!」
ルルーシュ「くっ……」
スザク「ルルーシュ、君は妹を穢した責任、どう取るつもりだ?」
ルルーシュ「!?」
スザク「いつかナナリーにも想い人ができるだろう。だが、そのときこそ兄という存在が疎ましくなる!!」
ルルーシュ「やめろ……」
スザク「君とナナリーは結婚できない。それでもナナリーは想い人の前で重い十字架を背負いながら、隠しながら、生きていくしか無いんだぞ!!!」
ルルーシュ「だまれぇぇ!!!」
ルルーシュ「ふふふ……スザク……立派な心がけだな……」
スザク「それが騎士の務めだから」
ルルーシュ「はは……そうか……お前は……いいな……」
ルルーシュ「なら、どうすればいい!!俺は……俺は……ナナリーを愛しているんだぞ!!!」
ナナリー「あ、あの……そんなはっきりと……」
スザク「……ルルーシュ。君なら、責任の取り方がわかるはずだ」
ルルーシュ「なに……?」
スザク「……」
ルルーシュ「……だめだ!!だめだ!!そんなこと……!!」
スザク「ルルーシュ」
ルルーシュ(俺が……この俺が……憎み続けた皇帝になれというのか……スザク……!!)
スザク「……」
ルルーシュ「……」ギリッ
ナナリー「お兄様……私も大好きです……愛してます」オロオロ
スザク「ルルーシュ」
ルルーシュ「そうだな……なるほど……それもいい」
スザク「どうする?」
ルルーシュ「ナナリー?」
ナナリー「は、はい」
ルルーシュ「俺は……ナナリーと結婚したい」
ナナリー「え……」
ルルーシュ「そのために俺は修羅の道を選ぶ」
ナナリー「お、お兄様……やめてください……あの、私、どこかの養子になりますから、そうすれば結婚も穏便に……」
ルルーシュ「ナナリー、時間はかかるけど……必ず……」
ナナリー「えっと……あの、結婚しなくても一緒に住んでいるだけで……」オロオロ
スザク「心は決まったんだな」
ルルーシュ「ああ」
ナナリー「お兄様、今夜から一緒のベッドで寝てください……それぐらいで私は満足ですから……」
本気で暴君になって世界を征服する
ルルーシュ「俺もようやく決心がついた」
スザク「そうか」
ナナリー「あの……」
スザク「だけど……いいのか、ルルーシュ?」
ルルーシュ「なにがだ?」
スザク「経験がないまま、ナナリーとしたらきっと―――」
ルルーシュ「スザク!!きさまぁ!!!!」
スザク「あ、ごめん」
ナナリー「え?」
ルルーシュ「ナ、ナナリー!!違うんだ!!俺はもうスゴイ慣れている!!きっと、ナナリーも喜んでくれると思う!!」
ナナリー「お兄様……?そんなに……?」
スザク「でも、ダメだよ。ルルーシュ。キスぐらいは済ませておかないと」
ルルーシュ「……なに?」
スザク「まだなんだろ。キス」
ルルーシュ(ふざけるな。いくらなんでもキスは……!!)
スザク「ああ。この資料、キス以外のことがすごく多かったし、ルルーシュはキスもしたことないんだろうなって」
ルルーシュ「ま、まて……お前……ユフィとは何をした……?」
スザク「え?何ってキスだけど」
ルルーシュ「……」
ナナリー「え?スザクさんユフィ姉さまとキスしたんですか?」
スザク「あ、う、うん……」
ナナリー「すごいすごい。お兄様なんて週に1回しかしてくれなくて」
スザク「え……?」
ルルーシュ「スザク……」
スザク「な、なんだい?」
ルルーシュ「ふははははは!!!!!お前……まだ童貞だったのかぁ!!」
スザク「何を言っている。きちんとした。へたくそといわれたけど」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ(そうだ……。そもそも監視カメラまで置いている部屋で、事に及ぼうとすれば……)
ルルーシュ(あのコーネリアが座視しているわけがない……!!)
ルルーシュ(自慢のナイトメアで愚息と共に串刺しにするはずだ)
ルルーシュ「スザク……もう一度、聞こう。お前、ユフィと何をした?」
スザク「キスだ」
ルルーシュ「……つまり童貞だな」
スザク「童貞じゃない。きちんと済ませた」
ルルーシュ「貴様ぁ!!童貞ではなかったのか?!」
スザク「違う!僕はユフィとキスをした!!」
ナナリー「……っ」
ルルーシュ「ふふふふ……あーっはっはっはっは!!!」
スザク「ど、どうした?」
ルルーシュ「お前……それで童貞を卒業できるなら、俺は7年前にナナリーで卒業していることになる!!」
スザク「ルルーシュ……何を言っているのかわかっているのか?!」
ルルーシュ「当たり前だろう」
ナナリー「お兄様……」
スザク「ルルーシュ……僕は……」
ルルーシュ「お前、ずっとブリタニア軍にいて殆ど勉強はできてなかったそうだな」
スザク「基礎ぐらいは」
ルルーシュ「保健体育は必須じゃなかったのか」
スザク「そうだ」
ルルーシュ「スザク。童貞の意味をきちんとユフィに聞いて来い。話はそれからだ」
スザク「え?」
ルルーシュ「お前には色々と早かったようだ。俺が悪かったよ」
スザク「そ、そうか……うん……よくわからないけど、ユフィに聞いてみる」
ルルーシュ「それがいい」
スザク「あ……もうこんな時間か。そろそろ仕事だ。それじゃあ」
ルルーシュ「ああ。がんばってこい」
ルルーシュ「全く。はた迷惑な奴だよ」
ナナリー「それよりお兄様?」
ルルーシュ「なんだい?」
ナナリー「お兄様って―――」
ガラッ
ルルーシュ「ん?」
カレン「ルルーシュ……」
シャーリー「……」
ミレイ「そっか……ルルーシュくんって……ふーん……」ニヤニヤ
リヴァル「ルルーシュ。お前は親友だよ……うんうん……」
ルルーシュ「なんだ……!!なんのことだ……!!」
ニーナ「ふふ……ちょっとかわいいかも」
シャーリー「じゃあ、あの……私のバージンって……ルルに……?」
ルルーシュ「は?」
※
※
※
・イケメン
・秀才
・理事長と懇意な一家の御曹司(学園上の立場)
・生徒会副会長
・話してみると情に厚い
学生としてのルルはありえないぐらいのハイスペック
スザク「失礼いたします!!」
ユフィ「スザク!どうしたのですか?今日も来てくれるなんて」テテテッ
スザク「あの……ユーフェミア様」
ユフィ「この部屋ではユフィでいいっていってるのに」
スザク「あ、ごめん。ユフィ」
ユフィ「それでなんですか?あ、もしかして……キスの……」モジモジ
スザク「あの……僕は恥ずかしいことにキスをすれば童貞ではなくなるものだと思っていたんだ」
ユフィ「まぁ」
スザク「でも、今日、友人にそれは違うと窘められて」
ユフィ「そうなのですか」
スザク「では、どうしたら……いいのかと……」
ユフィ「しりたい?」
スザク「で、できれば」
ユフィ「ふふ、わかりました。では、こちらに」
ユフィ「私もこういうことは初めてなんですけど―――」
ガンガンガン!!!!
スザク「!?」
ユフィ「だ、だれですか!?」
スザク「まさか……下がってユフィ」
ユフィ「でも……!!」
スザク「僕が確認するよ」
ユフィ「気をつけてね」
スザク「……」ピッ
ウィィィン……
コーネリア「……おのれ……イレヴン……!!」
スザク「コーネリア総督……!?」
ユフィ「えっ!!」
コーネリア「……ユフィのかたきぃぃぃ!!!!スザァァク!!!」
+涙目
ルルーシュ「全く。今日は酷い1日だった」
C.C.「お疲れ、坊や」
ルルーシュ「スザクはキスで童貞を捨てられたと思っていたようだ」
C.C.「ちゃんと説明したのか?」
ルルーシュ「ユフィに聞いておけといっておいた」
C.C.「そうか。では、今日ぐらい童貞くんから非童貞に格上げだな」
ルルーシュ「まさか。それは無理だ」
C.C.「何故だ?」
ルルーシュ「ユフィにはコーネリアという守護者がいるからな」
C.C.「そうだったな」
ルルーシュ「スザクがユフィを愛する限り、あいつは童貞など捨てられない」
C.C.「そういう坊やは童貞を誰に捧げるんだ?」
ルルーシュ「俺は童貞じゃない!!」
C.C.「嘘はいいよ。私に読ませたえっちぃ台詞で貴様が童貞であることは明白だ」
C.C.「エッチな本やゲームから抜粋したような喘ぎ声しかないのだから、すぐにわかるさ」
ルルーシュ「そ、そんなハッタリに……!!」
C.C.「もうナナリーにも筒抜けだぞ?」
ルルーシュ「そ、そんなわけ……!!」
C.C.「聞いてきたらどうだ?まぁ、生徒会の連中も気を遣って言わないようにしていたんだろうけど」
ルルーシュ「そんな……ナナリーが……?」
ルルーシュ「まて、そもそもナナリーは童貞とかそんな言葉を知らないはず……」
C.C.「女っていうのはな、男の知らないところで成長する生き物なんだよ」
ルルーシュ「くっ……」
ルルーシュ「ナナリー!!」ダダダッ
C.C.「アホめ」
C.C.「……童貞ぐらい……私が奪ってやるのに……」
ルルーシュ「ナナリー!!」
ナナリー「あ、お兄様」
ルルーシュ「ナナリー……あの……」
ナナリー「なんでしょう?」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ(聞けるわけ無い……そんなこと……)
ナナリー「……お兄様?」
ルルーシュ「なんだい?」
ナナリー「私、お兄様のこと愛しています」
ルルーシュ「ナナリー……」
ナナリー「私の身も心もお兄様と共にあります」
ルルーシュ「……」
ナナリー「だから……お兄様はずっと私の傍にいてください……お願いします……」
ルルーシュ「勿論だ。どこにもいくものか」
ルルーシュ「ん?」
ナナリー「お兄様って童貞なのですか?」
ルルーシュ「!?」
ナナリー「お兄様?お兄様?」
ルルーシュ(まずい……俺は……ナナリーにだけは嘘をつけない……!!)
ルルーシュ(どうしたら……どうしたら……!!!)
ナナリー「ありがとうございます」
ルルーシュ「え……」
ナナリー「お兄様、私とのために大切にしてくれていたのでしょう?」
ルルーシュ「……」
ナナリー「私はそれがとても嬉しいです。お兄様にそこまで愛されて……幸せ……」
ルルーシュ「ナナリー……」ギュッ
ナナリー「お兄様……」ギュッ
ルルーシュ「ナナリー……愛している……俺はお前を絶対に守る……そして……結婚する……!!」
咲世子「ナナリーさ―――え!?」
ナナリー「すぅ……すぅ……」
ルルーシュ「ん……ナナリー……」
咲世子「なぜ……一緒に寝て……」
C.C.「大丈夫だ。一線はこえていない」
咲世子「そうですか。残念です」
C.C.「……え?」
咲世子「それではもう少し幸せな時間を……」
C.C.「……」
C.C.「ルルーシュめ……お前が一緒じゃないと、ベッドが冷たいんだからな……まったく」
ナナリー「おに……さまぁ……」
ルルーシュ「ななりぃ……だいすきぃ……だ……」
C.C.「……」イラッ
C.C.「いいかげんにおっきろー!!」
ナナリー「お兄様、お茶を入れました」
ルルーシュ「ありがとう」ナデナデ
ナナリー「えへへ」
リヴァル「あの……ご兄妹の様子、おかしくありません?」
ミレイ「まぁ、どうだろうね。これは思わぬ方向からライバル登場ってやつね」
シャーリー「ね、ねえルル、今度の日よう―――」
ナナリー「……」ジーッ
ルルーシュ「なに?」
シャーリー「……ううん、なんでもない」
ナナリー「……」ニコッ
カレン「ルルーシュ、あのね―――」
ナナリー「……」ジーッ
カレン「やっぱり、なんでもない……」
ルルーシュ「なんだ、変なやつらだな」
ルルーシュ「そんなこと言ってませんでしたけど」
リヴァル「じゃあ、あれだ……腰でも砕けて……」
ミレイ「ふけつー」
リヴァル「あ、いや、すいません……」
ルルーシュ「でも、確かにどうしたんだろう」
ナナリー「電話とかできないんですか?」
ルルーシュ「かけてみたけど、繋がらないんだ」
ナナリー「そうですか。心配ですね」
シャーリー(も、もう一度……!!)
シャーリー「あのっ―――」
ナナリー「……」キッ
シャーリー「……っ」ビクッ
ルルーシュ「なんだよ?」
シャーリー「と、といれ……」
コーネリア「ユフィはなぁ!!!ユフィはなぁ!!!」ドゴォ
スザク「ごほっ?!」
コーネリア「ユフィはわたしだけの可愛いいもうとなんだぁぁ!!!!」ドゴォ
スザク「がはっ?!」
コーネリア「それを……それをお前は!!おまえはぁぁぁぁぁ!!!!!」ウルウル
ギルバート「おやめください!!死んでしまいます!!」
コーネリア「うるさい!!!ユフィの騎士はわたしがする!!!こんなイレヴンにまかせておけるかぁぁぁ!!!」ポロポロ
ギルバート「お気を確かに!!」
コーネリア「ユフィの純潔をかえせぇぇぇ!!!!」ポロポロ
スザク「……」
スザク(ごめん……ユフィ……)
スザク(ぼくじゃ……むり……だ……)
コーネリア「かえせぇ!!ユフィをぁぁぁおおお!!!!」
ギルバートなんちゃらギルフォードじゃなかったっけ
良く覚えてないや
ギルバート・G・P・ギル フォードだった
ちょっとROMってる
ルルーシュ「……ダメだ。スザクと連絡がつかないな」
ナナリー「お兄様っ」
ルルーシュ「どうした?」
ナナリー「ぎゅってしてくれませんか……?」
ルルーシュ「なんだ。急に甘えん坊になったな」
ナナリー「ご、ごめんなさい……。そんなつもりは……」
ルルーシュ「いいよ」ギュッ
ナナリー「あ……」
ルルーシュ「ナナリー……愛してる……」
ナナリー「私もです……お兄様……」
ナナリー(お兄様の純潔は誰にも渡しません……誰にも……)
ルルーシュ「ナナリー……」スリスリ
ナナリー「ふふ……お兄様……♪」
C.C.「……魔女め」
おしまい
ナナリー小悪魔
腹筋が破壊された
乙だ
Entry ⇒ 2012.09.20 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ルルーシュ「どうして日本人はムダ毛を処理しないんだ?」
ルルーシュ「ムダ毛というか、まあ…いわゆる下の毛のことだが」
スザク「あぁ…確かに日本人は下の毛を剃る人は少ないと思う」
ルルーシュ「どうしてなんだ?」
スザク「文化的なことだから僕に聞かれても困るけど…
じゃあ、逆に聞くけど、どうして剃る必要があるのさ?」
ルルーシュ「衛生的な面が強いだろうな。
言ってしまえば、不潔なイメージがある」
スザク「なるほどね」
ルルーシュ「言われてみればそうだな…食品の衛生管理はもちろん、
入浴文化も古来から一般市民に浸透していたと聞いている」
スザク「うん。下の毛を処理しないことで心配されるインキンや毛じらみの類は
普段から清潔にしておけば問題は無いだろうし、衛生的な理由で毛を剃る必要は無かったんだよ」
ルルーシュ「なるほどな…しかし、だからこその疑問も生じる」
スザク「どういうこと?」
ルルーシュ「日本人の綺麗好きなイメージと、下の毛の不潔なイメージのギャップだ。
こんなに綺麗好きな日本人が、なぜ下の毛は処理しないのだろう?と」
スザク「そういうことか…」
ルルーシュ「ブリタニアを含む、下の毛を処理する文化があるような先進諸国から見ると
ある種異様な光景だろうな」
ルルーシュ「あぁもちろん、つるんつるんだ。こっちのほうが涼しいしな」
スザク「そっかぁ…そういうメリットもあるんだ?」
ルルーシュ「夏場は過ごしやすいぞ。
スザク、お前はまったくの未処理なのか?」
スザク「うん。ジャングルだよ」
スザク「うーん、考えてみるよ…リヴァルはどうなの?」
リヴァル「もっちろん剃ってるさ!男の身だしなみだろ?」
スザク「身だしなみ…そうか、ブリタニアではそのレベルで浸透しているのか…」
ルルーシュ「そうだな。そもそも生やしておく理由がない」
スザク「あ、シャーリーはどうなの?」
シャーリー「!?」
ルルーシュ「スザアアァァク!!」ガタッ
ルルーシュ「スザク!考えて物を言え!!」
スザク「え?」
シャーリ「い、いいよルル…」
ルルーシュ「シャーリーは水泳部だぞ!!」
スザク「あっ」
シャーリー「!?」
ルルーシュ「未処理だとはみ出るだろうが!!」
シャーリー「ルル!?」
ルルーシュ「なぁ?シャーリー?」ポン
シャーリー「や、やめてよルル!やめてよぉ!!」
スザク「そ、そうだね…ごめん、シャーリー」ペコ
シャーリー「あ、あやまられても困るんだけど!」
ルルーシュ「あぁ、こういう場合は国籍など関係ないだろうな」
シャーリー「うぅ…」
ルルーシュ「なぁ?シャーリー?」ポン
シャーリー「なんで私に振るの!?」
スザク「ごめんね、シャーリー」
シャーリー「うぅ…もういい…もういいです…」
スザク「あ、会長はどうですか?」
ミレイ「!?」
ルルーシュ「スザアアァァク!!」ガタッ
リヴァル「スザアアァァク!!」グッ
ルルーシュ「会長は落ちぶれたアッシュフォード家とはいえセレブだぞ!
剃っていないわけがないだろうが!!」
スザク「そっ…そうだね、すいません、会長」
ミレイ「さっきから聞いてたけど…コレって答えなきゃ駄目なの…?」
シャーリー「私も恥かいたんですから!会長も答えてください!」
ミレイ「え、えぇー…シャーリーは自動的に答えが出ちゃってたじゃない…」
ルルーシュ「どうなんですか会長!答えられないんですか!?」
スザク「答えられないって事は…まさかジャングル!?」
ルルーシュ「何!?まさか、下の毛まで落ちぶれてしまったんですか会長!!」
スザク「僕と同じジャングルなんですか会長!!」
リヴァル「お、俺は…!例えジャングルでもッ…会長!!」
ミレイ「じ、ジャングルじゃないわよぉ!!少し残してあるだけよ!!」
リヴァル「残す!!」グッ
スザク「…どういうことだいルルーシュ!?」
ルルーシュ「それは恐らくファッション的な意味があるんだ、スザク」
スザク「ファッション…!?そうなんですか会長!!」
ミレイ「う、うん…すこーし残しておいたほうが、オシャレかなって…」
シャーリー「流石かいちょー!かわいいです!」
ミレイ(男子の前で何言ってるんだろう私…)
ルルーシュ「そうとも。例え見せる相手が居なくとも、
隅々まで気を使うのが身だしなみというものだ」
スザク「あ、ニーナ!」
ニーナ「ひっ!ジャングル!近寄らないでください!!」
スザク「ひどい!!」
ミレイ「ニーナもちゃんと剃ってるわよ!!」
ニーナ「ミレイちゃああぁぁん!?」
ミレイ「死なばもろともよ!!」
スザク「あ、カレンはどうなの?」
カレン「!?」
ルルーシュ「…ほう?」
カレン「え!?」
ルルーシュ「いや…諸々の事情で個人的に興味があるだけだ、カレンお嬢様?」
シャーリー「!?」
カレン「えっ!?こ、個人的って…い、いやっ…ちょ…」
スザク「どうなんだいカレン?」
カレン「うえぇっ!?」
ミレイ「?…そりゃお嬢様だもの、ちゃーんと処理してるわよね?」
シャーリー「い、いやわかんないかも!病弱だからジャングルかも!!」
カレン「ちょ…シャーリー!?」
ルルーシュ「なるほどな…病弱ならジャングルなのも仕方がないか」
スザク「そういうものかもね」
カレン「う、うわぁぁ!!ちゃ、ちゃんとしてる!してるわよ!!」
カレン「アハハ…も、もちろんよ…」
ルルーシュ「まぁ、そういうことにしておくか…」
カレン「…」
ガチャ
ナナリー「こんにちは、みなさん」
シャーリー「あ、ナナちゃん」
スザク「ナナリー」ガタッ
ルルーシュ「スザアアアアアアァァァック!!」ガッシャアァ
スザク「ぐっ!?」ガターン
ナナリー「!?」
スザク「うん」
ルルーシュ「まだ生えてないに決まってるだろうが!!」
スザク「うん、そうだね。ごめん、ルルーシュ…」
ルルーシュ「分かればいいんだ…いきなり殴ったりしてすまなかった…」
スザク「いや、僕こそ咄嗟に殴り返してごめん…」
ナナリー「…け、喧嘩はだめですよお兄様…!いったい何のお話を…?」
スザク「下の毛の話だよ」
ナナリー「!?」
ルルーシュ「あぁ、ナナリーにはまだちょっと早いかなハハハ」
ナナリー「えっ」
ルルーシュ「えっ」
ナナリー「…」
ルルーシュ「…」
ルルーシュ「咲世子さん!」
咲世子「はい」
ナナリー「!?」
咲世子「はい」
ナナリー「お、お兄様!咲世子さん!!」
ルルーシュ「…」
咲世子「はい」
ルルーシュ「…ッ!!」ガクッ
ナナリー「お兄様!?」
ルルーシュ「咲世子さん…夕飯はお赤飯でお願いします」
咲世子「かしこまりました」
ナナリー「咲世子さん!?」
ルルーシュ「ちなみに咲世子さんは?」
咲世子「整えております」
スザク「そっかー」
ルルーシュ「流石は咲世子さん、抜かりないですね」
ナナリー「咲世子さん!?咲世子さん!!」
ルルーシュ(だが…いくつか疑問は残る)
ルルーシュ(カレン…紅月カレン…本当に剃っているのか?)
ルルーシュ(あれほどブリタニアに憎悪を抱く奴のことだ…
周囲に会話をあわせただけの可能性がある)
ルルーシュ(それに、なぜ日本人は処理しないのかという部分は解決していない)
ルルーシュ(これは、もっと多くのサンプルから情報を集める必要があるな…)
C.C.「なんださっきから難しい顔をして…辛気臭い。ピザがまずくなる」
ルルーシュ「…」
C.C.「どうした人の顔をじっと見て…さては私に惚れたか?」
ルルーシュ「…お前はジャングルだろうな」
C.C.「!?」
ゼロ「…というわけで、今日の議題は下の毛についてだ」
ディートハルト「ほほう…ブリタニア人の私から見ても、なかなか興味深い問題ですな?」
ラクシャータ「ちなみに私はちゃんと処理してるわよぉ?」
藤堂「ふむ…流石は月下の開発者といったところか…」
千葉「…藤堂さん!?」
扇「…」
扇(そういえば千草も不思議がってたな…)
カレン「…」ブルブルブル
カレン(まさか…ルルーシュ…?い、いやでも…)
C.C.「…」スッ
C.C.「くだらん…私は帰るぞ」
カレン「ちょ、ちょっとC.C.…」
ゼロ「放っておけカレン。C.C.はジャングルだ。髪も緑だし」
C.C.「!?」
カレン「そ、そうですか…」チラッ
C.C.「ち、違う!!」
扇「だがゼロが言うんだ。間違いはないだろう」
ディートハルト「実際にジャングルを散策したであろうゼロの証言です。信憑性は高いでしょうね」
C.C.「散策などされてない!ちゃんと伐採している!!」
藤堂「…」
ゼロ「聞こう」
藤堂「先ほどから聞いていると、ゼロはジャングルに否定的ようだが」
ゼロ「あぁ、事実、私は下の毛に関してはその存在自体が不要と考えている」
藤堂「…聞き捨てならんな」
ゼロ「…ほう?」
千葉「と、藤堂さん…」
笑っちまったわ
が、実際は自身が清潔にしていれば問題は無い。これは理解できるはずだ」
ゼロ「あぁそうだ。だがイメージへ反抗するのであれば、
元を断ってしまえば済む話ではないのか?
いつ爆発するか分からないものを、わざわざ未処理のまま残す必要は無いはずだ」
ディートハルト「確かに。もともと不要なものですし、いっそのこと剃ってしまえばメリットも多い。
そうまでしてジャングルを残すのは…やはりブリタニアに属するつもりは無いという
意思の表れでしょうか?」
藤堂「…それもある」
カレン「えぇ…あるんだ…」
ゼロ「どういうことだ?」
藤堂「…神楽耶様」
神楽耶「はい?」
藤堂「失礼ながら、神楽耶様は既に生えておられますね?」
扇「!?」
ディートハルト「!!」
ゼロ「藤堂!!貴様!!」
藤堂「…神楽耶様」
ゼロ「愚かな…神楽耶様が生えているなど」
神楽耶「もちろん生えてますわ」
ゼロ「かっ…!?」ガターン
団員の事をもっと知るのも、重要な戦略の一つだろうが!!
むしろ生えていないほうがおかしいのだ」
神楽耶「えぇ、わたくしはもう子供も生める年齢ですもの」
ゼロ「し、しかし…いや、だからといって…そうだ、処理のほうは…!」
神楽耶「しておりません。原生林です」
藤堂「だそうだ」
ゼロ「うおおおぉぉう!?」ガタッガッシャアァァ
カレン「ゼロ!?」
藤堂「無論、下の毛の重要性について貴殿に理解してもらう。ゼロ、想像してみてくれ。
この、一見幼げで発育の遅い神楽耶様が、その衣の下…
下半身は十分過ぎるほどの発育を遂げている黒い茂みが広がっている、その様を…」
ゼロ「…」
ゼロ「……」
ゼロ「………ふむ」
神楽耶「…ゼロ様がお嫌でしたら、すぐにでも処理いたしますけれど…///」
ゼロ「いえ………アリかもしれないな」
藤堂「さすがはゼロ。理解が早くて助かる」
ゼロ「うむ」
カレン「私!?」
藤堂「紅月といえば、その紅蓮にも似た燃える様な赤毛を生やしている…」
ゼロ「ふむ…」
カレン「い、いや!剃ってます!剃ってます私!!」
藤堂「と思いがちだが、実際のところは同年齢の女子よりもいささか毛が薄いことを気にしている」
ゼロ「…!!」
カレン「は!?」
その実、下の毛が薄いことが悩みなのだ。
ゼロ「そうか…そういうことかカレン!!」
カレン「い、いや…なんで…そんなっ…こと、な、悩んでないですよははは…!?」
藤堂「そのコンプレックスのおかげで、学園では級友達との着替えも満足にままならぬ…
自分の身体は、どこかおかしいのだろうか?と…」
ゼロ「なるほど…誰かに相談しようにも、デリケートな話だ。
一人で抱え込んで悩んでしまっているわけだな?」
藤堂「そういうことだ」
カレン「なっ…え、え!?」
ゼロ「うむ…どうやら、この黒の騎士団…いや日本においては下の毛は必要不可欠だと感じる」
藤堂「ゼロ…」
ゼロ「感謝するぞ藤堂!」バサァ
藤堂「フ…例には及ばぬさ…」
ガッシ
カレン(い、いやああぁぁ!いやあああぁぁぁぁ!!)ガタガタガタ
井上「え!?あ、えー…いや、生やしっ放しじゃ無いけど…」
ゼロ「うむ、整える程度にしておけ。ミニスカで色気たっぷりお姉さんタイプのお前は少し濃い目が望ましい」
井上「りょ、りょうかい…」
ラクシャータ「えぇ~?じゃあ私も生やさなきゃ駄目?」
ゼロ「いや…インド系エロ女医の貴様は現状維持で構わない」
ラクシャータ「うふ。りょうか~い」
ゼロ「千葉!!」
千葉「は、う、え…!」
ゼロ「千葉、お前はどうなのだ」
千葉「え、えぇ…もちろん私m
藤堂「千葉は私が命じて剃らせている」
ゼロ「…なんだと!?」
千葉「とうどうさあああぁぁん!?」
藤堂「何が別だというのだ。すべては下の毛という存在があっての事だ」
ゼロ「何…!?」
千葉「と、藤堂さん!い、いやあn」
藤堂「年齢的に、存在すべきものが存在しない。そのギャップ、違和感、羞恥。
それを見据えての私の決断だ」
ゼロ「なん…なんという…藤堂!奇跡の藤堂!!」
藤堂「フ…奇跡、か…私にはもったいない言葉だ」
カレン「千葉さん…///」チラ
千葉「い、いや違うんだ紅月、これは違うんだ紅月!」
藤堂「まぁ、流石に本人は嫌がったが初回は私自らg
千葉「っ!?わああああああぁぁ!!わああああああああああああぁぁ!!!」
ディートハルト「えぇ、良い情報が集まりましたよフフフ」
扇「ゼロ、男連中は…」
ゼロ「男の下の毛の話など知らん。好き放題に生やしておけ」
扇「あ、あぁ…」
玉城「あ、俺ついこないだ剃ったぜ?」
ゼロ「玉城…私の話を聞いていなかったのか…?」
玉城「まぁ聞けって!!ゲットーの行きつけの店の嬢ちゃんから聞いたんだけどよ!!」
カレン「さいってー…」
玉城「剃っちまった方がでっかく見えるんだってよ!いやーそれ聞いてから俺はよう…」
扇「…」
藤堂「…」
仙波「…」
卜部「…」
朝比奈「…」
藤堂「私もだ」ガタ
ゼロ「うむ、分かっている。では、本日はこれにて解散とする」
C.C.「まったく…かわいいな男というのは…」
ガタガタガタ
千葉「藤堂さん」
藤堂「千葉か、すまないが急用が」
千葉「藤堂さんは、私が」ガッシ
藤堂「…!?」
カレン「…」
ゼロ「カレンか、どうした?」
カレン「あの…私、剃っちゃったんですけど…昨日…無くても変わんないと思って…」
ゼロ「そうか…そうだったか…」
カレン「で、でも!ゼロが望むのであれば…また生やします!!必要があれば濃くします!!」
ゼロ「ふ…どうだろうな?」
カレン「…え!?」
ゼロ「カレン…君の下の毛の有無には、私はこだわるつもりは無い…」
カレン「あ、あの…それはどういう…?」
ゼロ「下の毛…その存在が大元にある限り、な…
話はここまでだ!カレン!今後も私のために悩み、尽くせ!」
カレン「え、え!?い、いやあのっ!は、はいぃ!!///」
C.C.「まったく…馬鹿ばかりだな」
ゼロ「黙れ密林」
カレン「熱帯雨林は黙ってて」
C.C.「あまぞんじゃない!!湿度もそんなに高くないぞ!!」
・
・
スザク「…」
ユフィ「…?どうしたのですかスザク?」
スザク「ユーフェミア皇女殿下…」
ユフィ「ふふ、今は二人きりです。友人として接してくれて構いません」
スザク「う、うん…ユフィ…」
ユフィ「それで、なんだか暗い顔をしてますけど…?」
スザク「うん…下の毛の話なんだけど」
ユフィ「!?」
スザク「うん…ですから皇女殿下、やはり私のようなジャングルが騎士になるなど…」
ユフィ「それは違います、スザク」
スザク「…え?」
ユフィ「あなたのジャングルは、日本人の証、誇りなのでしょう?」
スザク「え?いえ…別n
ユフィ「そうであるならば、そのジャングルに恥ずべきことなど何も無いではありませんか。
そして、自身が日本人であることを誇ってください。
そんなあなたに、私のジャングル騎士になってもらいたいのですから!」
スザク「え、あ、はい…イエス、ユアハイネス…」
カレン「おう!!」
扇「出た!コーネリアだ!白兜も側面からそっちに行った!」
ゼロ「出たなジャングル!コーネリアもジャングルに決まっている!!」
カレン「ゼロ!ジャングルは私が抑えます!!」
ゼロ「どっちのジャングルだ!?」
カレン「白ジャングルです!!」
ゼロ「任せるぞ!!」
カレン「はい!!!!」
扇「俺らは自信がついたんだよ!」
玉城「おう!これならブリキの連中にも負けるわけがねえんだよ!!」
扇「千草も大喜びだ!!」
スザク「どういう…ッ!?」
カレン「死ね!ジャングルウウウゥゥ!!」ガッシャアァ
スザク「…ぐっ!?赤い機体…目に見えて動きが違う!?」
カレン「私はもう悩まない!このうっすら草原が私だ!!」
カレン「縮れろおおぉぉ!!」
スザク「も、もう縮れて…うわあああぁぁッ!!」ドゴー
ゼロ「来たかコーネリア!!いや、ジャングル!!」
コーネリア「ジャングル!?」
ゼロ「コーネリア!!女としてあるよりもまずよりも軍人然とした貴様のことだ…下の毛の処理など怠っているのだろう!?」
コーネリア「なんだいきなり!?」
ダールトン「殿下!?」
ギルフォード「こ、コーネリア殿下!?ジャングルなのですか!?」ガクガクガク
コーネリア「ギルフォード!?機体がひどく揺れているぞ!?」
ダールトン「すごい縦揺れだ…!!」
ギルフォード「ダールトン将軍…!!いやしかし…しかし想像が、想像が容易でそれが逆にぐあああぁぁ!!」ドゴー
コーネリア「自爆!?というかジャングルではない!!失礼なぁ!!」
ゼロ「ふはは!ジャングルではないと?では今ここで証拠を見せてもらおうか?」
コーネリア「できるわけあるか!!」
ギルフォード「ひ、姫さ…ザザッまっ…ザァッ…モニターザッ…越しでザー
かまザッザー…いませんからザザー…か、確認ザザザ…」
コーネリア「通信がまったく途切れていないぞギルフォード!?」
ギルフォード「そんなザーことないでザザーすザー」
ゼロ「ふはははは!!!ふはははははは!!!!」
コーネリア「お、おのおぉれええぇゼロオオオォォ!!」
『馬鹿な…!!ジャングルだろうが無かろうが貴様なんぞに見せるか!!』
『ではザーわたしがザーザー姫様のザージャングルフィーバーを確認しますのでザッザー』
『ジャングル!!では!!ない!!!!』
『はじけろジャングル!!』
『くそ…!!まさかコーネリア総督もジャングル…いったっ!いたたたた毛が!巻きこんでる!?』
『いまだぁ!!』ドゴー
『いたたたたいたたたいいぃ!やめてぇ!』ブチブチ
オペ「総督のジャングル疑惑に全軍に混乱が生じております!!」
ユフィ「そんな…こんな根も葉もない話で…!!」
ユフィ「…仕方ありません!」
ユフィ「全軍に…いえ、黒の騎士団にも繋がるようにオープンチャンネルを開いてください!!」
・
・
・
スザク「ユーフェミ…いた、いたた」
カレン「なんだ…?」
・
・
・
ゼロ「ユーフェミアか?フ、今更どんな言葉を吐いたところで…」
コーネリア「…ユフィ、ま、まさか…」
ゼロ「…?」
ユフィ『ユーフェミア・リ・ブリタニアが宣言致します!!
エリア11総督、コーネリア・リ・ブリタニアは…』
コーネリア「!?…ユフィ!!ユーフェミア!!や、やめろおおぉぉ!!!」
ゼロ「…!?まずい!!ディートハルト!聞こえるか!今すぐ全配信を…」
ユフィ『下の毛は一切生えておりません!!天然無毛です!!』
カレン「…!?」
スザク「…!?…いっ!?いたっ!いたったったったぁ!!」ブチブチブチ
ディートハルト「…!?…しまったぁッ!!その手があったか!!」
ゼロ「なんっ…だと…!?くそっ…やられたっ!…おのれコーネリアアァァ!!」
コーネリア「あああああああ!!ゆふいいぃぃぃ!!いやああぁぁぁ!!」
ギルフォード「オール!ハイル!ブリタァーニア!!」ガクガクガクガク
ユフィ『あと行政特区日本の設立を宣言致します!!』
ユフィ「…ゼロは、来て下さるでしょうか?ねぇ、お姉さま?」
コーネリア「うん…そうだね…」
ユフィ「お姉さま…申し訳ありません、私が…あの時…」
コーネリア「うん…もういいよユフィ…うん…」
ユフィ「お姉さま…」
ギルフォード「オール!ハイル!ブリタァーニア!!」
スザク「オール!ハイル!ブリタァーニア!!」
キィーン
ユフィ「あ!あのナイトメアは!!」
ゼロ「…ガウェインでの来場、ご無礼お許しください。皇女殿下」
コーネリア「うん…べつにいいし…」
ゼロ「…」スポ
スザク「…やはり」
ユフィ「ルルーシュ!」
ルルーシュ「…久しぶり、ユフィ」
コーネリア「…」
ルルーシュ「姉上…お久しぶりです」
コーネリア「あぁ…ルル…久しぶり…」
ルルーシュ「はい。ですが、私が演じるゼロも今日限りです」
コーネリア「…?」
ルルーシュ「この仮面は、私よりあなたこそがふさわしい…」スポ
ゼロ「え…?」
ルルーシュ「下の毛ゼロの…コーネリア、あなたこそが!!」
ゼロ「え…」
ルルーシュ「これが!ブリタニアと日本の新しい形であると!!」
ユフィ「そう…下の毛ゼロ…いえ、ムダ毛ゼロのエリア11総督、コーネリア・リ・ブリタニアの元!」
ユフィ「本日、行政特区日本の設立が、今このとき誕生いたします!!」
うおおおおおおおおおおおおおおおぉぉ!!
ゼロ「…う、うっ…やめて…」グスッ
ギルフォード「オール!ハイル!コーネリア!!」
スザク「オール!ハイル!コーネリア!!」
オール!ハイル!コーネリア!!
オール!ハイル!コーネリア!!
オール!ハイル!コーネリア!!
スザク「ルルーシュ…いや、これからが始まりだよ」
ルルーシュ「フ…そうだな…」
スザク「ルルーシュ、僕、剃ったよ」
ルルーシュ「そうか…俺は少し生やした」
スザク「そっか…ふふ、毛の巻き込みには気をつけてね?」
ルルーシュ「そうだな、ハハハ…」
スザク「下の毛は違うけど…僕たちは」
ルルーシュ「あぁ…スザク、俺たちは、親友だ」
スザク「…あぁ!」
ガッシ
ゼロ「…うぅ、ひっく…ぐすっ」
コードギアス~無毛皇女コーネリア・リ・ブリタニアの軌跡~
おわり
深夜になんて酷いものを見せてくれたのだ
少し、剃ってみるか
Entry ⇒ 2012.09.18 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ルルーシュ「俺を慰めろ」カレン「よしよし、良く頑張ったね」
カレン「満足した?もう一度ゼロを演じてよ。ナナリーを取り戻すんでしょ?!リフレインなんかに逃げないで!」
ルルーシュ「違うな。間違っているぞ」
カレン「何が?」
ルルーシュ「女ならできることがあるだろ?」
カレン「……わかった。なら、アジトに戻ってきてよ。私の自室でするから」
ルルーシュ「え?」
カレン「え?」
カレン「ここでって、できるわけないでしょ」
ルルーシュ「何を言っている」
カレン「ルルーシュこそ」
ルルーシュ「いいから、ここでするんだ」
カレン「そんな無理だって。外なのに」
ルルーシュ「関係ない」
カレン「どうしても外じゃないとダメ?」
ルルーシュ「いや……。今、アジトに戻りたくないだけだ。ナナリーのことでどうしていいかわからないからな」
カレン「ルルーシュ……。じゃあ、こうしよう」
ルルーシュ「なんだ?」
カレン「近くのホテルに行きましょう。そこでするから」
ルルーシュ「ホテルだと……?」
ルルーシュ「いや……。そこまでは求めてない」
カレン「えー?」
ルルーシュ「お前は恥ずかしくないのか?」
カレン「慰めて欲しいんでしょ?」
ルルーシュ「……別に」
カレン「どっちなの?」
ルルーシュ「いや、冗談で言っただけで……」
カレン「なら、ゼロとして戻ってきてくれるわけね?」
ルルーシュ「それも……まだ、決心がつかない……」
カレン「ルルーシュ……」
ルルーシュ「悪いがカレン。一人にしてくれ……」
カレン「なによ!!いつもみたいに作戦練ればいいだけじゃない!!私を駒として使えばいいでしょ?!スパイでもなんでもするから!!」
ルルーシュ「……」
カレン「最後までゼロを演じきってみせなさいよ!!」
カレン「そうね……。これ以上、期待するのは馬鹿みたいだもんね」
ルルーシュ「……」
カレン「さようなら」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ(俺は……)
ロロ「兄さん」
ルルーシュ「ロロか。そういえばお前は俺の監視役だったな。忘れていたよ」
ロロ「やめればいい」
ルルーシュ「……」
ロロ「辛いなら、ゼロの仮面を脱げばいい。僕は……僕だけはずっと兄さんの傍にいるから……」
ルルーシュ「ロロ……」
カレン「待て!!」バッ!!
ルルーシュ「え?」
カレン「私の名はゼロ!!世界を壊し、創造する男だ!!ふははは!!―――どう、思い出した?どれだけ自分がかっこよかったのかを」
カレン「アンタは……ロロだっけ」
ロロ「兄さんは今、辛い思いをしているんです。よくそんな非道なことができますね」
カレン「私はルルーシュにどれだけゼロってキャラが素晴らしかったのか客観的に見て欲しくて……」
ロロ「ただ迷惑なだけです!!」
カレン「そんな……」
ルルーシュ「カレン」
カレン「ルルーシュ。ゼロはかっこよかったよ」
ルルーシュ「お前にとっては……だろう?」
カレン「違う!!」
ルルーシュ「下手な慰めはよせ」
ロロ「さ、行こう。兄さん」
カレン「待って!!ルルーシュ!!戻ってきてよ!!」
カレン「どういうこと?」
ロロ「兄さんを慰めるのは僕の役目です」
カレン「あんたにできるわけないでしょ」
ロロ「できます。僕は弟ですから」
ルルーシュ「……」
カレン「ルルーシュ!!ゼロの仮面は誰がつけるのよ!?あんた以外にあれは付けられないのに!!」
ルルーシュ「ゼロは……もう……」
カレン「ルルーシュ……本気なの……?」
ロロ「もういいじゃない。ゼロが死ねばエリア11は平和になる僕たちも幸せに暮らせるんだ」
カレン「そんなの……」
ルルーシュ「じゃあ……」
カレン「ルルーシュ!!ホテルに行きましょう!!そこで慰めてあげるから!!もう一度、ゼロに!!」
ロロ「何を言っているんだ!?僕がそんなこと許すわけないでしょう?!」
カレン「あんたは黙っててよ!!」
ロロ「兄さんを慰めるのは僕の役目です。女の貴方には何もできない」
カレン「は?」
ロロ「僕が優しく……兄さんを慰めるから……ね?兄さん?」
ルルーシュ「……」
カレン「ルルーシュ……妹より弟がいいの?」
ルルーシュ「いや……そういうことは……」
ロロ「兄さん!!女のほうがいいの!?」
カレン「ルルーシュ!!そうなの?!」
ルルーシュ「いいから、一人にしてくれ……」
ロロ「じゃあ、僕が兄さんの傍にいるよ」
カレン「ゼロの側近は私なの。邪魔しないで」
ロロ「あなたは……」
ルルーシュ「片方に絞れということじゃなくてだな……」
カレン「できないって言ってるでしょ?」
ロロ「女々しい人ですね」
カレン「なっ……!!」
ルルーシュ(ナナリーは今頃、どうしているのか……)
ロロ「そもそも貴方、どうやって兄さんを慰めるつもりなんですか?」
カレン「どうって、勿論手料理を振舞ったり、お風呂で背中を流したり、マッサージをしてあげたりするんだけど」
ルルーシュ「……」
ロロ「あははは」
カレン「何がおかしいのよ?!」
ロロ「発想が幼稚ですね」
カレン「なんだって?!」
ロロ「そんなことで兄さんが癒されるとでも思っているの!?」
カレン「うんっ!!!」
ルルーシュ(カレン……)
ルルーシュ「え……」
カレン「そうなの?」
ルルーシュ「俺が思っていたのとは……違うな……」
カレン「ああ、そっか。大丈夫だから、安心して」
ルルーシュ「何がだ?」
カレン「ご飯のときは食べさせてあげるから。ちょっと……恥ずかしいけど……」
ルルーシュ「……」
ロロ「女々しいのに加えて卑しいとは……。救いがありませんね」
カレン「そういうアンタはどう慰めるつもりなの?」
ロロ「僕ですか?僕は貴方の違って、兄さんが喜ぶことをしてあげるつもりです」
カレン「喜ぶこと?」
ロロ「一緒に寝ます。勿論、僕は全裸になって」
ルルーシュ「……」
カレン「一緒に寝る……それも裸で……?」
ルルーシュ「どうして……そうなる……」
カレン「裸で寝ると……癒されるの……?」
ロロ「少なくとも兄さんは悦びます」
ルルーシュ「おい」
ロロ「兄さん。さあ、帰ろう。僕が何でもしてあげるから」
ルルーシュ「……」
カレン「ま、待って!!」
ルルーシュ「カレン?」
ロロ「しつこいですよ」
カレン「水着までならいいから!!」
ルルーシュ「……」
カレン「水着で一緒に寝る!!それでどう!?」
ロロ「話になりませんね」
カレン「アッシュフォード学園指定の水着しか手元にないけど、それじゃあダメ?」
カレン「水着で料理も作るし、マッサージもしてあげる!!」
ルルーシュ「……」
ロロ「いい加減にしてください。まだ、分からないのですか?」
カレン「何が……」
ロロ「兄さんは別に裸が見たいわけじゃないんです」
カレン「え……」
ロロ「僕の裸だから、癒されるんです」
カレン「どういうこと?!」
ロロ「女性の醜い体なんて目の毒です」
カレン「これでも……スタイルには少し……自信あるけど……」
ロロ「関係ありませんよ。ね?兄さん?」
ルルーシュ「……」
カレン「何がダメ?胸が足りないとか……?」
ルルーシュ「いや……」
カレン「そんなことやってみないとわからないでしょ!?」
ロロ「分かりますよ」
カレン「どうして……」
ロロ「僕は兄さんと何度も一緒にお風呂に入っています」
カレン「そ、それが……?」
ロロ「そのとき、兄さんはいつも僕の体を凝視していますから」
カレン「どうして凝視するの?」
ロロ「少し考えれば分かるでしょう?―――兄さんは僕の体を狙っているということが」
カレン「それって……」
ロロ「兄さんは僕が好きなんです。好きな人と一緒に寝る。それ以上の癒しはないと思いますけどね。しかも、全裸ですし」
カレン「ルルーシュ……そうなの……?」
ルルーシュ「いや、ロロの勘違いだ」
ロロ「兄さん、照れなくてもいいのに」
カレン「このままじゃ……負ける……。私が負けたら……ゼロは戻ってこなくなる……」
ルルーシュ「待て。俺にそんな趣味はない」
ロロ「気にしなくてもいいんだ。僕たちは本当の兄弟じゃないし……」
ルルーシュ「あのな……」
カレン「わ、わかった!!」
ロロ「もう、なんですか?」
カレン「し、下着姿でご飯作る!それなら!!癒されるでしょ?!」
ルルーシュ「……」
ロロ「ただの痴女に成り下がりましたね」
カレン「そ、そんなつもりは……!!」
ロロ「兄さん。相手にするだけ無駄だから、行こう」
カレン「なら、体操服!!」
ロロ「黙れ」
カレン「水着の上から体操服を着るっていうのはダメ!?」
ロロ「この雌犬……!!兄さんを誑かすな……!!」
ルルーシュ「……」
ロロ「無理ですってば。女の貴方では」
カレン「女だからって甘く見るな。私にだって出来ることはあるって、ルルーシュは言ったんだ」
ロロ「兄さん、そうなの?」
ルルーシュ「あ、ああ……」
カレン「女ならできることがあるだろって言ったから……私は、できることを探すだけだ」
ロロ「……でも、僕には逆立ちしたって敵いませんよ?」
カレン「ど、どうして……」
ロロ「何度も言っているでしょう?僕は男の子で貴方は女。差は歴然としています」
カレン「でも、慰めるのに男も女も関係ないと思うけど」
ロロ「じゃあ、貴方は子猫や子犬が傍に来て慰めてくれるのと、ゴキブリが傍に来て慰めてくれるのに差は無いというのですか?」
カレン「そんなの極端すぎる!!」
ロロ「兄さんにとってみれば、それぐらいの差だと言っているんです」
ルルーシュ「ロロ……やめろ……」
ロロ「あれって?」
カレン「耳」
ルルーシュ「耳だと?」
カレン「猫の耳。ほら、前ミレイ会長にもらったやつがあるから」
ルルーシュ「……」
ロロ「ここまで浅ましいと尊敬すらしますよ」
カレン「え?じゃあ、犬のほうがいい?」
ロロ「何を言っているんですか?」
カレン「だって、このままの私が害虫っていうなら、子犬や子猫に近づくしかない」
カレン「近づくためには……まずは形からがいいと思うし……」
ロロ「安直な考えですね……。兄さん、もう行こう。今日こそは僕の貞操を―――」
ルルーシュ「カレン」
カレン「な、なに?」
ルルーシュ「尻尾はあるのか?」
ルルーシュ「犬の尻尾だ」
カレン「えっと……用意しないとダメだけど」
ルルーシュ「そうか。ミレイ会長に頼んでみよう。犬のアクセサリー一式ぐらい持っているだろう」
ロロ「兄さん!!何を言っているの?!」
ルルーシュ「なんだ、ロロ。まだ居たのか」
ロロ「兄さん、この女に騙されているんだよ?!わからないの?!」
ルルーシュ「カレン」
カレン「は、はい」
ルルーシュ「犬の耳と尻尾をつけて、水着の上から体操服の上着だけを着用する。間違いないか?」
カレン「う、うん……」
ルルーシュ「そして手料理を作り、食べさせてくれる。そのあとは風呂で背中を流し、マッサージもする。そうだな?」
カレン「うんっ」
ルルーシュ「よし」
ロロ「兄さん!!よし、じゃないよ!!何言ってるの!?」
ルルーシュ「ああ。なる。最高の癒しだ」
カレン「もう一度……ゼロになってくれるの?」
ルルーシュ「そこまでの忠義を見せられては、やらないわけにはいかないな」
カレン「やった!!」
ルルーシュ「ただし!!カレンの対応次第では俺は機嫌を損ねるかもしれない。そうなったときは俺はゼロに戻れないだろうな」
カレン「そんな……!!」
ルルーシュ「お前の奉仕に全てが掛かっている。期待している」
カレン「わかった。可愛い犬になってみせる」
ルルーシュ「よし」
ロロ「兄さん!!」
ルルーシュ「消えろ」
ロロ「僕ならもっと犬になれるよ」
ルルーシュ「……」
ロロ「耳は勿論、尻尾はあそこに直接差し込むから。リアリティを出す為にね」
ロロ「こんな万年発情している雌犬なんかより、僕のほうがいいと思うけど?」
カレン「だ、だれが発情してるって?!変なこといわないで!!」
ロロ「それに僕は今からでも犬になれるよ?」
ルルーシュ「どういうことだ?」
ロロ「くぅ~ん」
ルルーシュ「……」
ロロ「わんっ!わんっ!」
カレン「わ、私だって!!」
ルルーシュ「待て、カレン」
カレン「え……」
ロロ(ふっ……勝った……)
ルルーシュ「ロロ。中々の犬っぷりだな。気に入ったぞ」
ロロ「ありがとう、兄さん」
カレン「待ってよ!!ルルーシュ!!私も犬になるから!!私の犬っぷりを見てから判断して!!お願い!!」
ロロ「くぅ~ん」
カレン「わんわんわんわんわんわん!!!!」
ロロ「うるさい雌犬だね、兄さん?」
ルルーシュ「さて、ロロ。お前がどこまで犬なのかテストをしたい」
ロロ「いいよ。なんでも言って」
ルルーシュ「このコインを遠くに投げる。それを拾って来い」
ロロ「簡単だよ」
ルルーシュ「じゃあ行くぞ。―――さぁ!!探して来い!!!」
ロロ「うんっ!!」ダダダッ
カレン「わ、私もぉ!!!」
ルルーシュ「カレン!!」
カレン「私も犬になるからぁ!!」
ルルーシュ「行くぞ」
カレン「え……どこに?」
カレン「お邪魔します」
ルルーシュ「今はゆっくりしていろ。咲世子さん」
咲世子「はい。なんでしょうか?」
ルルーシュ「用意してほしいものがあるんですが」
咲世子「なんなりと」
ルルーシュ「このメモに書かれているものを揃えてきてもらえますか。ミレイ会長に言えばすぐに手に入るはずなんで」
咲世子「犬耳、犬の尻尾、首輪、肉球グローブ……」
ルルーシュ「頼みました」
咲世子「これは2セット必要ですか?」
ルルーシュ「いいや。1セットでいいです」
咲世子「そうですか」
ルルーシュ「なるべく早く頼みます」
カレン「……」
ルルーシュ「今、飲み物でも出そう」
ルルーシュ「どうした?」
カレン「え……あ……なんか、緊張してきて……」
ルルーシュ「お前から言い出したことだろうが」
カレン「そ、そうだけど」
ルルーシュ「早く着替えてこい」
カレン「うん……あ、ルルーシュ?」
ルルーシュ「なんだ?」
カレン「お風呂借りてもいい?」
ルルーシュ「なぜだ?」
カレン「ほら……えっと……水着になるからには……色々……」
ルルーシュ「色々なんだ?」
カレン「だから……処理……とか……」
ルルーシュ「なんの処理だ?」
カレン「ああ!!もう!!なんで察してくれないのよ!?」
カレン「うん……じゃあ、行って来ます」
ルルーシュ「行ってらっしゃい」
ルルーシュ「……」
ピリリリ
ルルーシュ「はい?」
ロロ『兄さん!!今、どこにいるの?!』
ルルーシュ「……」
ロロ『コインみつけたよ!!わんわ―――』
ルルーシュ「……」ピッ
咲世子「ルルーシュ様」
ルルーシュ「早かったですね、咲世―――」
咲世子「ワン」
ルルーシュ「何をしている……?」
咲世子「こういうプレイではないのですか?首輪が少し息苦しいですが、我慢できないほとではありません」
咲世子「はい?私では犬になれませんか?」
ルルーシュ「俺は咲世子さんにそういうことを求めてない」
咲世子「くぅん」
ルルーシュ「外してください」
咲世子「しかし」
ルルーシュ「なんですか?」
咲世子「私の忠誠心を示すいい機会だと思ったのですが」
ルルーシュ「わかった。分かりました。咲世子さんは猫のほうでお願いします」
咲世子「猫ですか」
ルルーシュ「ええ」
咲世子「わかりました」
ルルーシュ(咲世子め……どこまで天然なんだ……!!)
咲世子「では、猫セットを拝借してきます」
ルルーシュ「お願いします」
ルルーシュ「そうか。では、これを付けろ」
カレン「うん」
ルルーシュ「……」
カレン「どうだワン?なんちゃって……」
ルルーシュ「こっちにこい」
カレン「なに?」
ルルーシュ「……」ナデナデ
カレン「あの……ルルーシュ?」
ルルーシュ「では、まずは料理を作ってもらおうか」
カレン「わかった」
ルルーシュ「違うだろ?」
カレン「え?」
ルルーシュ「語尾にワンをつけろ」
カレン「わ、わかった、ワン……」
ルルーシュ「……違うな」
カレン「え?」
ルルーシュ「ご主人様だろ」
カレン「……ご、ご主人様。タマゴはどこだワン?」
ルルーシュ「左のほうにないか?」
カレン「あ。あった」
ルルーシュ「で、何をつくる?」
カレン「日本食。ごはんと焼き魚とお味噌汁と卵焼き」
ルルーシュ「……」
カレン「それしかできなくて……ごめん、ワン」
ルルーシュ「いや……構わない」
カレン「ありがとう」
ルルーシュ「ふははは」
咲世子「ルルーシュ様、ただいま戻りましたニャァ」
咲世子「ルルーシュ様のご奉仕するニャン」
ルルーシュ「咲世子さん」
咲世子「ニャン?」
ルルーシュ「楽しいですか?」
咲世子「ええ、とっても」
ルルーシュ「なら、いいんですが。俺は強要していませんからね?」
咲世子「勿論ですニャア」
カレン「ルルーシュ……じゃなくて、ご主人様。ごはんはすこし固いほうがいい?それとも柔らかいほうがいい?」
ルルーシュ「そういうのはよくわからない。お前に任せる」
カレン「文句言わないでよ?」
カレン「ワ、ワン」
ルルーシュ「とにかく作れ」
カレン「うんっ」
ルルーシュ(味付けなどどうでもいい。問題は食べるときなんだよ、カレン……!!)
ルルーシュ「ええ」
咲世子「では、私も作りますニャァ」
ルルーシュ「いい。座っていてください」
咲世子「どうしてですかニャ?」
ルルーシュ「咲世子さんは今回、関係ないからです」
咲世子「ニャァ……ルルーシュ様、ニャンでそんなことをいうのですか?」
ルルーシュ「……」
咲世子「私の仕事を奪わないでくださいニャ」
ルルーシュ(ちぃ……面倒だな……咲世子め……)
ルルーシュ(そうだ)
ルルーシュ「……」ゴソゴソ
咲世子「ルルーシュさま?」
ルルーシュ「ほーら、ねこじゃらしだ」
咲世子「おぉ……」
咲世子「ニャニャニャニャ!!」
ルルーシュ(これで時間を潰すか)
ピリリリ
ルルーシュ「はい?」
ヴィレッタ『ルルーシュ……か?』
ルルーシュ「どうしました?」
ヴィレッタ『今、どこにいる?』
ルルーシュ「……」
ヴィレッタ『答えろ』
ルルーシュ(ロロが居るな……ならば……)
ルルーシュ「自分の部屋ですよ」
ヴィレッタ『そうか、わかった』
ルルーシュ「……」
カレン「ご主人様、できたワン」
カレン「なに?」
ルルーシュ「この場を離れるぞ」
カレン「ど、どうして?折角、作ったのに」
ルルーシュ「弁当箱につめろ」
カレン「そんなの見た目が悪くなるよ!」
ルルーシュ「いいから」
カレン「わ、わかったワン……」
ルルーシュ(少し予定よりは早いが、このタイミングで実行するか……くくく……)
咲世子「ルルーシュ様、どうかされたのですかニャ?」
ルルーシュ「ええ。ちょっとしたトラブルです。ところで咲世子さん」
咲世子「なんでしょうかニャ」
ルルーシュ「お願い事があります」
咲世子「なんなりと」
カレン「ちょっと、ルルーシュ!?」
ルルーシュ「ご主人様、だろ?」
カレン「いやいや!!それより、外はダメだって!!」
ルルーシュ「散歩が嫌いな犬とは珍しいな」
カレン「いや。だって私は……!!」
ルルーシュ「早く四つん這いになって歩け!!」
カレン「待って!!みんな見てるし!!」
ルルーシュ「誰もお前を紅月カレンとは思わない。安心しろ」
カレン「でも!!」
ルルーシュ「お前が犬になると言ったんだろうが!!」
カレン「家の中だけだと思ってたのに!!」
ルルーシュ「俺は箱入り娘として育てるつもりはない!!」
カレン「くぅ~ん……」
ルルーシュ「泣いても無駄だ」
「新しい部活じゃない?」
カレン(死にたい……)
ルルーシュ「さてと、カレン」
カレン「ワ、ワン」
ルルーシュ「食事にするか」
カレン「ワン」
ルルーシュ「……」
カレン「どうぞ」
ルルーシュ「食べさせてくれるのだろう?」
カレン「は、はい、あーん」
ルルーシュ「あー……」
シャーリー「カレン?」
カレン「げ……」
ルルーシュ「シャーリー?!どうしてここにいる?!」
どうして居ないと思ったw
ルルーシュ(くそ……この時間帯なら遭遇する可能性は低いと思ったのに……!!やはりロロの所為で予定が繰り上がったからか!!)
カレン「シャーリー……やばっ」
シャーリー「カレンでしょ?」
カレン「ワンワン?」
シャーリー「ワンワンじゃなくて」
カレン「ワォーン?」
シャーリー「ルル、どういうこと?!」
ルルーシュ「可愛いだろ?シュタットフェルトっていう犬種だ。とても頭がよく、人間以上の筋力を有している」
カレン「ワン!」
シャーリー「……」
カレン「ハッハッハッ」
シャーリー「ふざけないで!!」
カレン「キャンッ!?」
カレン「……くぅん」
シャーリー「こんなとこで犬の真似なんてして……」
ルルーシュ「まて、シャーリー。これは……」
シャーリー「ルルも!カレンのこと知ってるなら教えてくれてもいいじゃない!!」
ルルーシュ(ちぃ……ならば……)
ルルーシュ「言えるわけないだろう」
シャーリー「え?」
ルルーシュ「カレンはブラックリベリオンのときに、頭を強く打ってな、人間であることを忘れたんだ」
シャーリー「また、そういう嘘を吐く」
ルルーシュ「本当だ」
シャーリー「はいはい」
ルルーシュ「本当だからな」
シャーリー「……嘘だよね?カレン?
カレン「ワンワンワンワン」
カレン「ワン」
シャーリー「……嘘でしょ?」
カレン「ワンワン」
ルルーシュ「おて」
カレン「ワンッ」ポンッ
ルルーシュ「よしよし」
カレン「くぅ~ん」
シャーリー「……」
ルルーシュ「シャーリー、悲しいことだが……事実だ」
カレン(ごめん……シャーリー……そういうことにしておいて)
シャーリー「カレン……ちょっと待ってて!!」ダダダッ
ルルーシュ「シャーリー!!」
カレン「どうしたんだろう?」
ルルーシュ「まあ、いい。ランチの続きと行こうか、カレン」
ルルーシュ「……」モグモグ
カレン「どう?」
ルルーシュ「美味しいよ、カレン」
カレン「よかった……」
ルルーシュ「ふははは」
カレン「で、あの……ルルーシュ……ご主人様を慰めること、できた?」
ルルーシュ「まだまだだ」
カレン「そうなの?」
ルルーシュ「膝枕でもしてもらおうか」
カレン「どうしてよ?!」
ルルーシュ「お前は犬だろ?やれ」
カレン「……」
ルルーシュ「なら、ゼロには戻らない。次のゼロは誰になるのか、楽しみだな」
カレン「そんなこと言わないで……。はい、どうぞ」
カレン「……」
「なにあれ~」
「ルルーシュくんの恋人かな?すごいコスプレしてるけど」
「でも、膝枕してあげてる。いいな~。私もルルーシュくんに膝枕してあげたーい」
カレン(誰か私を輻射波動で殺して……)
ルルーシュ「カレン」
カレン「な、なに?」
ルルーシュ「お前の足。意外と柔らかいな。もうすこし筋肉質で寝心地が悪いと思っていたが」
カレン「そりゃどーも」
ルルーシュ「……」
カレン「変なところ触らないでよ?」
ルルーシュ「上を見上げれば、視界の半分はお前の胸だな」
カレン「変なとこを見るなぁ!!」
シャーリー「カレーン!!!おまたせー!!!」タタタッ
シャーリー「って、ルル!!何してるの!?」
ルルーシュ「大型犬を枕がわりにすること、あるだろ?」
シャーリー「ああ、うん。あるある!!ゴールデンレトリバーの大人しい子とかに体預けたくなるもんね!!」
ルルーシュ「それと一緒だ」
シャーリー「そっか」
カレン「ワンワン」
ルルーシュ「それより、どうした?」
シャーリー「あ、これこれ。カレンにつけてあげようと思って」
ルルーシュ「なんだそれは?」
シャーリー「知らない?バウリンガルってやつ」
ルルーシュ「犬の鳴き声を感知して文章を表示されるやつか」
シャーリー「きっとカレンも何か言いたいことがあると思うの」
カレン(えー……どうしよう……)
シャーリー「よし、できた。カレン、私のこと覚えてる?」
カレン「ワ、ワワンワン!!」
シャーリー「……」
『息、くせーんだよ』
シャーリー「カレン……そんな……私、ちゃんと食後に歯磨きしてるのに……」
カレン「ワンワン!!」
『しゃべりかけんな、ハゲ』
ルルーシュ「随分と口が悪いな」
カレン「ワンワン!!!ワンワン!!」
『もっと遊んで~♪』
シャーリー「やっぱり……ルルは特別なんだ……」
ルルーシュ「シャーリー……」
シャーリー「私のことは……覚えてないんだ……」
カレン「ワ、ワンワンワンワン!!」
『さようなら』
ロロ「兄さん!!コイン持ってきたよ!!」
ロロ「兄さん……?兄さんどこ?」
ルルーシュ「ロロ、おかえり」
ロロ「兄さん……」
ルルーシュ「これでお前は立派な忠犬だ」
ロロ「わんわんっ」
ルルーシュ「おいで。可愛がってやろう」
ロロ「兄さん、その頭のネコミミはなに?」
ルルーシュ「これか?これはお前の声が良く聞こえるようにするためだ」
ロロ「その尻尾は?」
ルルーシュ「尻尾でバランスを取っている」
ロロ「……首輪は?」
ルルーシュ「知らないのか?首輪がトレンドなんだぞ?」
ロロ(こいつ……咲世子だ!!)
ルルーシュ「どこに行くんだ、ロロ」
ロロ「咲世子だろ?」
ルルーシュ「何を言っている?」
ロロ「バレてるから」
ルルーシュ「一体なんの―――」
ロロ「……」キュィィィン
ルルーシュ「―――」
ロロ「変装しているんだろ……!!」バッ
咲世子「―――は?!」
ロロ「やっぱり」
咲世子「ばれてしまったニャ」
ロロ「もう少しで僕の純潔を咲世子に捧げるところだったよ」
咲世子「私の純潔はルルーシュ様のために取ってありますので、どう足掻いてもそれは実現しません」
ロロ「咲世子のくせに……!!」
咲世子「さぁ……それは私の口からは言えません」
ロロ「探しにいくか。きっと遠くには行ってないだろうし」
咲世子「させません」
ロロ「咲世子。どいて」
咲世子「できません」
ロロ「なら強引に―――」
咲世子「待ってください!!」
ロロ「……」キュィィィン
咲世子「―――」
ロロ「急ごう。あの雌犬が兄さんを襲ってしまう前に……」タタタッ
咲世子「―――しまった。追わないと!!」
咲世子「ルルーシュ様に叱られてしまう……!!」タタタッ
咲世子(それも悪くないですけど……)
『ファックユー』
シャーリー「カレン……」ウルウル
ルルーシュ「シャーリー、カレンはもう過去のことを忘れているだけじゃない。人間であることも忘れている」
シャーリー「そうだね……」
カレン「ワンワン!!ワンワン!!」
『アハハハハハハ!!!無様!!!』
シャーリー「……」
ルルーシュ「カレン……」
カレン「……違う!!こんなの嘘!!!」
シャーリー「え!?」
ルルーシュ「カレン!!」
カレン「しまった……つい……」
シャーリー「やっぱり……カレン、嘘だった―――」
ロロ「兄さん!!無事だったんだね!!」
シャーリー「あ、ロロくんだ」
ロロ「早くその雌豚から離れて、兄さん。そいつは危険だよ」
ルルーシュ(咲世子め……何をしている!!)
シャーリー「ロロくん、どうしたの?」
ロロ(兄さんを誘惑する者がもう一人……兄さんのために……消しておかないと)
ルルーシュ(ロロめ……何をする気だ……!!)
ロロ「……」
シャーリー「……ルル?」
ルルーシュ「なんだ?」
シャーリー「もしかして喧嘩?」
ルルーシュ「まあ、そんなところだ」
シャーリー「なら、ここは私に任せて。ルルはカレンを連れて生徒会室にでも行ってて」
ルルーシュ「シャーリー、なにを……」
シャーリー「今はロロくんと顔を合わせたくないんでしょ?なら、今は逃げるべきだよ」
シャーリー「あとでちゃんと聞かせてね、カレンのこと。約束だからね」
ルルーシュ「シャーリー……」
カレン「シャーリー!!待って!!!」
シャーリー「ロロくん。丁度よかった。あのね、手伝って欲しいことがあるんだけど、お願いしてもいいかな?」
ロロ「……」
ルルーシュ(どうする……このまま……だが、ロロが何を考えているかわからない以上、シャーリーを一人にさせるのは……!!)
カレン「ご主人様、どうするの?」
ルルーシュ「……」
シャーリー「ロロくん、もう聞いてるの?」
ロロ「……あなたも、兄さんを狙っているんでしょ?」
シャーリー「え?」
ロロ「……」キュィィィン
シャーリー「―――」
ロロ「まずは一人目」
ロロ「……はい?」
ヴェレッタ『やめろ。無闇に殺すな』
ロロ「この女は危険です。だから、消す。なんの問題があるんですか?」
ヴィレッタ『やめろ!!』
ロロ「ここで消しておくべきだ……!!!」
シャーリー「―――」
「―――まちニャさい!!」
ロロ「誰だ!?」
咲世子「篠崎流37代目、篠崎咲世子だニャ!!」
ロロ「屋根のところに。でも、あそこからじゃ何も―――」
咲世子「はっ!!」シュッ
ロロ「!!」バッ
咲世子「避けましたか」
ロロ「これは……ナイフ?」
ルルーシュ「―――はっ!」
ロロ「しまった……ギアスが……」
咲世子「とうっ!」
ロロ「咲世子……邪魔ばかりして……!!」
咲世子「ルルーシュ様!!カレンさんとシャーリーさんを連れて逃げてくださいニャ!!」
カレン「え?何が起こったの!?」
シャーリー「なに?え?咲世子さん?どうしたんですか、そのネコミミと尻尾」
ルルーシュ(ちぃ!!やはり、ロロがシャーリーに何か危害を加えようとしたのか……!!)
ルルーシュ「咲世子さん、ここは任せます!!」
咲世子「がってん承知しました!」
ロロ「兄さん!!」
咲世子「貴方の相手は私ですよ?」
ロロ「咲世子ぉ……!!」
咲世子「猫のように舞い、猫のように刺す」キリッ
咲世子「あなたのギアスはルルーシュ様から聞いています」
ロロ「……」
咲世子「近接戦闘になれば不利でしょうね」
ロロ「なら、諦めるんだ」
咲世子「そうはいきません。―――それでは失礼します!!」ボォン
ロロ「煙幕!?くそ!!咲世子!!どこだ!!」
咲世子「ここです」
ロロ「!?」
咲世子「ふっ!!」ドゴォ!!!
ロロ「ごっ?!」
咲世子「よし」
ロロ「くっ……そ……にい……さ……」
咲世子「さてと、粗大ゴミの日はいつでしたでしょうか……」
シャーリー「―――じゃあ、カレンが犬になってたのって……変装のつもりだったの?」
ルルーシュ「そう。どうしてももう一度、学園を見たいと言ってきてな。でも、今カレンは指名手配中だろ?」
カレン「犬の格好をすればきっとバレないって言うから……演じてみたワン」
シャーリー「なんで犬……?」
ルルーシュ「遊び心だ」
シャーリー「もう。別にそんなコソコソしなくていいじゃない」
カレン「え……?」
シャーリー「指名手配になってもいつでも学園にきてよ、カレン。勿論、難しいことだってわかってるけど……それでも……カレンにはここに居てほしいの」
カレン「どうして……」
シャーリー「だって友達じゃない」
カレン「シャーリー……」
シャーリー「下手な嘘はやめてよ……悲しくなるじゃない……」
カレン「うん……ごめんね……シャーリー……」
シャーリー「ううん。元気なカレンを見れてよかった……」
カレン「そうね」
シャーリー「もう行っちゃうの!?」
カレン「のんびりしているわけにもいかないから」
シャーリー「……ねえ」
カレン「なに?」
シャーリー「その格好可愛いね。ルルの趣味?」
ルルーシュ「違う」
シャーリー「カレン?」
カレン「まー……えーと……そう、なるかな……」
シャーリー「そうなんだ……。カレンはまだ黒の騎士団で活動を続けるの?」
カレン「うん」
シャーリー「やめてって言っても……ダメなんだよね?」
カレン「ごめん。こればっかりは無理」
ルルーシュ「シャーリー……」
ルルーシュ「どうした?」
咲世子「このゴミはどうしますか?」
ルルーシュ「そうだな……」
シャーリー「ねえ、カレン。私のお願いを聞いてくれない?」
カレン「なに?なんでも言って」
シャーリー「その格好のまま黒の騎士団として活動して」
カレン「……は?」
シャーリー「いつもね、思ってたの。黒の騎士団にいるカレンは別人なんじゃないかって。私たちのことなんてとっくに忘れたんじゃないかって」
カレン「そんなわけ―――」
シャーリー「でも、カレンはいつものカレンだった。だから、これからは遠くに居ても私の知っているカレンってことを確認する方法が欲しいの」
カレン「それとこの犬のままでいることがどう繋がるの?」
シャーリー「その姿を見れば私のことをきちんと覚えてるんだって、一発で分かるし」
カレン「電話してよ!!」
シャーリー「しても出ないじゃない!!」
ルルーシュ「頼んだ」
咲世子「はい」
シャーリー「耳と尻尾はしておいてね」
カレン「いやよ!!」
シャーリー「してったらして!!」
カレン「絶対にいや!!」
ルルーシュ「どうした?」
シャーリー「ルル!聞いてよ。カレンにこの格好のまま黒の騎士団で活躍して欲しいってお願いしてるんだけど」
ルルーシュ「なに?」
カレン「ダメでしょ!?こんなふざけた格好じゃあ!!」
ルルーシュ「……やればいい。可愛い指名手配書が出来上がるぞ?」
カレン「はぁ?!」
ルルーシュ「じゃあ、そろそろ行くか」
カレン「待って!!ねえ、どうして?!」
ルルーシュ「お前、何の為にその格好になった?」
カレン「え……それはルルーシュを慰めるため……に……だけど?」
ルルーシュ「俺はこれからナナリーと戦わなければならない。その精神的ストレスを鑑みれば、カレンはずっとその格好で俺に仕えるべきじゃないか?」
カレン「いや……」
ルルーシュ「まさか、お前。一回慰めて終わりにしようとしていたわけじゃないだろうな?」
カレン「え……それは……あの……」
ルルーシュ「なら、ゼロには戻らない。俺は普通の学生に戻ろう」
カレン「それ、困るんだけど」
ルルーシュ「なら、お前に残された選択肢は2つ」
ルルーシュ「俺を諦め、新たなゼロを探すか。犬のコスプレをしたまま紅蓮で戦場を駆けるか」
カレン「……」
ルルーシュ「あと、戦闘後のマッサージ等の奉仕もお前に一任する」
カレン「くぅ~ん……」
ルルーシュ「甘えるな!!」
ゼロ「私は帰ってきた!!!」
扇「ゼロ!!」
玉城「俺は信じてたぜ!!ゼロ!!」
ゼロ「ふははは」
藤堂「ところでゼロ」
ゼロ「なんだ?」
藤堂「隣にいる紅月くんは……?」
ゼロ「ああ。紹介しよう。私のカレンだ」
カレン「ワン」
扇「……」
玉城「……」
藤堂「……」
カレン「……くぅ~ん」
ゼロ「恥ずかしいか?だろうな。ふははははは」
C.C.「よく出来ているな」
カレン「触らないで」
扇「いいのか、カレン。そんな交換条件」
カレン「ゼロのためだもの」
C.C.「忠義か」
カレン「……」
玉城「でもよぉ、びっくりしたぜ。ゼロが「私のカレンだ」とか言っちまうからなぁ!!神楽耶様はどうなるんだってんだよ。だはははは」
カレン「あのねえ!!」フリフリ
C.C.「照れるな、照れるな。言葉で隠しても尻尾は嬉しそうに動いているぞ?」
カレン「これは勝手に動くようになってるの!!」
玉城「だははははは!!!神楽耶様はふられちまったなぁ!!」
神楽耶「……」
扇「玉城!!」
玉城「え……あ……」
神楽耶「カレンさん」
カレン「違います!!誤解です!!これは……あのー……そう!!私がえっと……黒の騎士団の犬隊長に任命されて……!!」
C.C.「なんだそれは?」
神楽耶「その犬の耳と尾はゼロ様にご寵愛を受けたという証なのですか?」
カレン「いえ!!犬畜生ってことです!!侮蔑ですよ!!ホント!!」
C.C.「神楽耶、どうした?」
神楽耶「ゼロさまー!!私も犬にしてください!!」タタタッ
カレン「……」
扇「おいおい……」
玉城「あれか?もしかしてゼロって女をペットみたいに扱ってるのか?」
C.C.「そんなに器用な男じゃないさ。なぁ?」
カレン「私に聞かないで!!」
C.C.「さてと……。私も席を外そうかな」
カレン「C.C.まで……」
藤堂「ああ」
神楽耶「ゼロさまー!!」
ゼロ「これは神楽耶様、どうされました?」
神楽耶「私にも耳を!!尾を!!ゼロ様の愛の証をくださいな!!」
ゼロ「お戯れを」
神楽耶「カレンさんには与えて新妻には渡さないのは不公平ですわ。平等な愛を配ってくださらないと」
ゼロ「……」
藤堂「ゼロ」
ゼロ「いや……あの……」
藤堂「私の部屋に来い」
ゼロ「なに?」
藤堂「神楽耶様もご一緒に」
神楽耶「はい」
ゼロ「藤堂。何を考えている?」
千葉「ふんふーん」
藤堂「―――千葉」
千葉「あ、藤堂さん。今日はこのウサギの耳をお借りしま―――」
ゼロ「ほう……藤堂。色々なグッズで溢れているな」
神楽耶「ネコ耳ですわ」
千葉「ゼロ!!なに用か?!」バッ
ゼロ「千葉。既に話は聞いている。藤堂好みのアニマルコスプレをしているらしいな。こっそりと」
千葉「藤堂さぁん!!どうして言っちゃうんですかぁ!!!」
藤堂「ゼロもアニマルコスプレの同志だ。何も恥じることはない」
ゼロ「して、私をここに呼んだわけは?」
藤堂「紅月くんはゼロにとって大切な側近だ。その証としてあの犬耳を与えたのだろう?忠犬という称号として」
ゼロ「……」
藤堂「しかし、それでは紅月くんだけが組織内で浮いてしまう。もう少し同じ人種を増やすべきだろう」
ゼロ「それで神楽耶様にコスプレをさせるというのか?」
藤堂「……そうだ」
ゼロ「いいのか?」
藤堂「ゼロ……日本は古くから『可愛いは正義』という信念がある」
ゼロ「なんだと?!」
藤堂「可愛いに越したことはない、ということだ」
ゼロ「……神楽耶様」
神楽耶「なんですかブヒー」
藤堂「豚の鼻と耳……意外といける」
ゼロ「可愛いは正義か……。なるほどな。黒の騎士団は正義の味方。言い換えれば可愛いモノの味方か」
藤堂「そういうことだ」
ゼロ「ならば、神楽耶様を可愛くしなければな。神楽耶様は象徴となる存在だ」
藤堂「ああ、無論だ」
神楽耶「次は……」
ゼロ「神楽耶様!!このペンギンスーツを着るべきだ!!いや、きてください!!」
神楽耶「よっ、ほっ」ヨチヨチ
カレン「神楽耶さまぁ?!どうしたんですか!?」
神楽耶「カレンさんっ。どうですか、ペンギンですよ」
カレン「え!?」
神楽耶「ゼロ様から賜りましたの。これでカレンさんと一緒ですね」
カレン「いや……暑くないですか?」
神楽耶「ラクシャータさんが改良してくれて、エナジーフィラーで稼動するクーラーが内蔵されていますので。若干寒いくらいです」
神楽耶「でも、ペンギンですからいいですよね」
カレン「はぁ……」
神楽耶「それではこれから会議がありますので、失礼します」ヨチヨチ
カレン「……」
C.C.「カレン、カレン。私はトラになってみたぞ」
カレン「え……」
C.C.「がぉー。なんてな」
ワロタ
カレン「ゼロ!!」
ゼロ「どうした。騒々しいな」
カレン「どういうこと……?」
ゼロ「え?」
カレン「私が犬になって貴方を慰める役じゃなかったの?!」
ゼロ「そうだが?」
カレン「でも、みんな動物になっちゃってるし!!ラクシャータさんなんてシャチホコになってたし!!」
ゼロ「いつも寝ているから、ああいうタイプのコスプレがよかったそうだ」
カレン「私だけの特権じゃ……」
ゼロ「カレン……違うな。間違っているぞ」
カレン「え?」
ゼロ「ただのカモフラージュだ。お前だけが特別な格好をしていては、エースだということを敵に知らせてしまうだろ?」
カレン「ああ……なるほど」
ゼロ「納得できたか?」
カレン「くぅ~ん……♪」
ゼロ「おて」
カレン「ワン」
ゼロ「おかわり」
カレン「ワンワン」
ゼロ「伏せ」
カレン「わふっ」バッ
ゼロ「ふははははは」
カレン「癒された!?」
ゼロ「ああ」
カレン「やった」
ピリリリ
ゼロ「私だ」
咲世子『ルルーシュ様、申し訳ありません。不燃ごみが消えてしまいました』
咲世子『今、必死に行方を追っているのですが……』
ゼロ「シャーリーは?!」
咲世子『ヴィレッタ様が監視をしています。今のところ、特に……』
ゼロ「どうして逃がした?」
咲世子『一瞬の隙を突かれてしまいまして……』
ゼロ「分かった。今からそちらに戻る」
咲世子『私も全力で捜索を続けます』
ゼロ「頼むぞ」
咲世子『お任せくださいニャリン』
ゼロ「……ロロめ……執念深い奴……!!」
カレン「学園に戻るなら私も」
ゼロ「ダメだ。もしものときがあったらどうする?」
カレン「シャーリーを……友達を助けたいって思うのはダメなのこと?」
ゼロ「……いいだろう、こい!!」
藤堂「ゼロはまだかパオン?」
扇「そうだな……少し遅いな」
ラクシャータ「はやくはじめたらいいじゃないシャチホコ」
神楽耶「まあまあ。多忙なお方ですからペンペン」
玉城「ペンギンってペンペンって鳴くのかよウッキー」
ラクシャータ「じゃあ、シャチホコはなんて鳴くのさ?」
ディートハルト「正直、私がカバなのは如何なものですカバ?」
扇「……」
ゼロ『皆のもの』
扇「ゼロ!!早くきてくれ!!頭がおかしくなりそうだ!!」
ゼロ『急用ができた。すぐに戻るが、会議は先に始めておいてくれ』
藤堂「了解パオン」
ゼロ『すまない』
神楽耶「ゼロさまーご武運をペンペン」
C.C.「全く、こんな下らないことに借り出されるとはな」
ルルーシュ「お前の力は必要だ。ロロのギアスは白兵戦においては無類の強さだからな」
カレン「シャーリーが危ないなら、早く身柄を」
ピリリリ
ルルーシュ「ヴィレッタか?」
ヴィレッタ『ロロはまだ見つからない』
ルルーシュ「学園を出た形跡は?」
ヴィレッタ『確証はないがまだ学園内に潜伏しているはずだ』
ルルーシュ「そうか……」
ルルーシュ(ロロの狙いはシャーリーだ……それは間違いない……では、どこに……)
カレン「手分けして探す?」
ルルーシュ「よし、カレンとC.C.は常に一緒にいろ」
C.C.「わかったよ」
カレン「うん」
C.C.「匂いで追えるのか」
カレン「くんくん……くんくん……」
C.C.「……」
カレン「ダメだ……他の匂いと混じってて探せないよ」
C.C.「余裕なのはいいことだ―――」
パァン!!
C.C.「ぐぁっ?!」
カレン「C.C.?!」
ロロ「油断しましたね?」
カレン「ロロ?!」
ロロ「安心してください。まだ殺しはしませんから」
カレン「ちょっと……何する気……?」
C.C.「逃げろ……カレン……こいつの狙いは……」
ロロ「無駄です」キュィィィン
ルルーシュ「ヴィレッタ、監視は―――な!?」
ヴィレッタ「ぐぅ……」
ルルーシュ「どうした!?」
ヴィレッタ「はぁ……はぁ……すまない……ロロが……急に襲ってきて……」
ルルーシュ「傷は浅い。喋るな」
ヴィレッタ「私のことはいい……あいつはカレンを……」
ルルーシュ「なに?」
ヴィレッタ「あいつはカレンとシャーリーを狙っている……」
ルルーシュ「バカな……どうして……!!」
ヴィレッタ「早く……いけ……」
ルルーシュ「ちぃ!!C.C.!!応答しろ!!」
C.C.『ルルーシュか……』
ルルーシュ「カレンは無事か?!」
C.C.『すまない……守れなかったよ……』
咲世子『こちら篠崎咲世子ニャ』
ルルーシュ「状況を報告しろ!!」
咲世子『ただいま、教室の天井に張り付いてシャーリーさんを監視しております』
ルルーシュ「バカ!!それでは近すぎる!!!ロロのギアスに巻き込まれるぞ!!!」
『―――』
ルルーシュ「咲世子!!おい!!咲世子!!」
『―――兄さん?』
ルルーシュ「ロロ……!!」
『今から兄さんを惑わせる危険人物を殺すけど……見に来る?』
ルルーシュ「ロロ。やめろ」
『個人的には見に来て欲しいんだ、兄さんに。だって……この二人に兄さんが僕を選ぶ瞬間を見せ付けたいんだよ』
ルルーシュ「……」
『屋上で待ってるね、にいさんっ』
ルルーシュ「くそぉ……!!」
C.C.「ルルーシュか」
ルルーシュ「大丈夫か?」
C.C.「誰に言ってる?」
ルルーシュ「そうだったな……。動けるか?」
C.C.「すぐには無理だな」
ルルーシュ「わかった……」
C.C.「気をつけろ……」
ルルーシュ「誰に言ってる?」
C.C.「ふふっ……そうだったな……」
ルルーシュ「ロロ……まっていろ!!」
C.C.「……首尾は?」
ヴィレッタ『要請はしておいたが……大丈夫なのか?』
C.C.「保険は大事だろ」
ヴィレッタ『どうなってもしらないからな』
シャーリー「なんで……こんなことするの……?」
カレン「シャーリーは関係ないでしょ!!」
ロロ「関係あるから……こうして捕まえたんですよ」
シャーリー「ロロくん!!やめよ……こんなこと……」
ロロ「では、シャーリーさんから落ちてもらいましょうか?」
シャーリー「ひっ……」
ルルーシュ「やめろ」
ロロ「兄さん……」
シャーリー「ルル!!」
カレン「ワンワン!!」
ロロ「兄さん。聞かせてよ。そしてこの二人に僕たちがどれだけ仲がいいか、教えてあげよう。そして絶望の中で二人を殺すから」
ルルーシュ「……そうだな」
カレン「ルルーシュ!!」
シャーリー「なんのこと?!わけがわかないよ!!!」
ロロ「……」キュィィィン
咲世子「―――」
ロロ「何度も同じ手は通じませんよ」パァン!!
咲世子「―――ぐっ?!」
ルルーシュ「―――咲世子!!」
ロロ「兄さん……ほら……僕は兄さんのこと大好きだよ」
ルルーシュ「シャーリー!!!」
シャーリー「は、はい!!」
ルルーシュ「自分を動物に例えるとなんだ?」
シャーリー「え……え……えーと……シマリス」
ルルーシュ「カレン。お前は?」
カレン「犬」
ルルーシュ「犬種は?」
カレン「パピヨン」
ルルーシュ「咲世子さん、自分を動物に例えると?」
咲世子「猫です」
ルルーシュ「種類は?」
咲世子「ハバナです」
ルルーシュ「いいな。実に癒される」
ロロ「……」
ルルーシュ「ロロ、お前は?」
ロロ「犬だよ。見て分かるでしょ?」
ルルーシュ「犬種は?」
ロロ「チワワかな」
ルルーシュ「違うな。間違っているぞ」
ロロ「え……?」
ルルーシュ「目的のためには手段を選ばない獰猛さ。残忍さ。そのように愛らしい動物など連想できはしない」
ルルーシュ「お前は……醜い雑種だ」
ルルーシュ「お前の後ろには可愛いリスと犬と猫がいる。俺はその三匹を選ぶ」
ロロ「雑種だって可愛いよ!!兄さん!!」
ルルーシュ「お前という雑種は醜悪だ」
ロロ「……!!」
ルルーシュ「もう我慢の限界なんだよ……ロロ」
ロロ「なにを……」
ルルーシュ「兄弟ごっこはもううんざりだといったんだよ!!」
ロロ「にいさん……!!!」
ルルーシュ「終わりにしよう……ロロ……」
ロロ「なら……この二人には……死んでもらうしかないね……」
シャーリー「ロロくん!?やめて!!」
ロロ「この三人がいるから兄さんは僕を選んでくれない……なら……消すしかない……」
カレン「ちょっと!!」
咲世子「……このっ!!」ダダッ
咲世子「はっ!!」ボゥン!
ロロ「また煙幕……そんなもの!!」キュィィン!!!
ロロ「煙幕が晴れたところを狙えば……あれ……いない?!」
ロロ「そんな、どこに!?」
咲世子「王手です、ロロさま」シュッ
ロロ「はっ!?いつの間に、あんなところに―――」
ロロ「うあぁああ!?」
ルルーシュ「―――咲世子の投擲が当たったか」
咲世子「貴方とルルーシュ様が話している間に距離を取っていました。先ほどのは身代わりです」
ロロ「そんな……」
ルルーシュ「教室で咲世子の息の根を止めておくべきだったな」
ロロ「くっ……うぅ……」
咲世子「ルルーシュ様!!下がってください!!」
ルルーシュ「ロロ!!もう諦めろ!!!」
モルドレッド『そこまで』ゴォォ
ロロ「ナイトメア!?」
ルルーシュ「なんだと!?」
咲世子「あれは……」
スザク「ロロ!!何をしている!!」
ジノ「これは……」
ルルーシュ「スザク……」
スザク「ルルーシュ、怪我は?」
ルルーシュ「大丈夫だ」
ロロ「この人数でも……!!」
スザク「アーニャ!!」
アーニャ『オールレンジ・ボマー』バシュ
スザク「違う!!そうじゃない!!!それだと学園にも被害が!!!」
アーニャ『ごめんなさい、間違えた。逃げて、みなさん』
カレン「ワンワン!!」
スザク「くそぉ!!」ダダダッ!!!
咲世子「助太刀しますニャリン!!」ダダダッ
ジノ「ランペルージ卿!!こっちだ!!」
ルルーシュ「カレン!!シャーリー!!!」
ロロ「兄さん!!」
ドォォォン!!!!
アーニャ『スザク、生きてる?』
スザク「な、なんとかね……。カレン、大丈夫か?」
カレン「無事なのが……不思議……だワン」
スザク「ワン?」
カレン「って、なに?!捕まえにきたの!?」
スザク「そうしたいところだけど、今回は違うんだ」
カレン「え……」
シャーリー「なんとか……」
ジノ「アーニャ、誰が砲撃しろといった。不審な行動をとれば威嚇射撃をしろといっただろ」
アーニャ『反省はしてる。後悔はしてない。ルルーシュは無事?』
ルルーシュ「あ、ああ……」
アーニャ『そう』
ロロ「くっ……」
スザク「ロロ、立つんだ」
ロロ「……!」
スザク「何をしたか分かっているのか?」
ロロ「……」
ルルーシュ「スザク、どういうことだ?」
スザク「悪いが連行する」
ルルーシュ「まて」
スザク「……」
スザク「……」
ルルーシュ「少し喧嘩をしていただけだ。なのになんだ、この騒ぎは。説明してもらおうか」
スザク「それは……」
ルルーシュ「少し言い合いになっていただけだんだぞ?」
スザク「ルルーシュ……」
ロロ「兄さん……僕を庇ってくれるの……?」
ルルーシュ「どうしても連れて行くのか?」
スザク「ああ」
ルルーシュ「なら、仕方ないな」
ロロ「え!?」
ルルーシュ「連れて行ってくれ」
スザク「協力感謝する」
ロロ「兄さん!!どうして?!」
ルルーシュ「いや、当然だろう。何を甘えたことを言ってる」
ヴィレッタ『ありがとうございます。ロロはこちらで引き取ります』
スザク「今回の一件は明らかに越権行為です。再教育をお願いします」
ヴィレッタ『了解』
スザク「こっちだ」
ロロ「……」
ジノ「でも、こいつ本当にあの二人を恫喝したのか?そうは見えないけど」
スザク「確かな情報だよ」
アーニャ『ルルーシュ、バイバイ』
ルルーシュ「ああ」
カレン「どうして捕まえないの……?」
スザク「色々と事情があってね」
カレン「ここで捕まえなかったこと、後悔させてあげる」
スザク「後悔はしないよ」
ルルーシュ(ヴィレッタの差し金か。これでシャーリーに危害が及ぶ可能性は低くなったか……)
シャーリー「うん……平気……」
咲世子「ルルーシュ様、そろそろ」
ルルーシュ「そうだな」
カレン「それじゃあね、シャーリー」
シャーリー「う、うん」
ルルーシュ「シャーリー、念のため保健室まで行こう」
シャーリー「い、いいよぉ」
ルルーシュ「いいから」
シャーリー「うん……」
咲世子(さて、私は引き続き諜報活動を)
ルルーシュ「咲世子さん」
咲世子「ニャんでしょうか?」
ルルーシュ「あとでまた連絡します」
咲世子「かしこまりました」
ロロ「……」
スザク「もう二度とこういうことがないように」
ヴィレッタ「はっ」
ロロ「くそ……兄さん……」
スザク「それから……カレン・シュタットフェルトの件ですが、間違いないのですか?」
ヴィレッタ「ええ……今、黒の騎士団では改革が行われているようです」
スザク「それが……」
ヴィレッタ「アニマル化です」
スザク「……なんの意味が?」
ヴィレッタ「さぁ……。ナナリー総督が随分、そのことを気にしていると聞きましたが」
スザク「ええ。先日、カレンが犬になったと報告をしたら『全力で泳がしてください』って」
ヴィレッタ「何かお考えがあるのでしょうか?」
スザク「きっとあると思う。でも、黒の騎士団の狙いは一体……」
ヴィレッタ「……」
ゼロ(とりあえずロロの件は片付いた……あとは……)
神楽耶「ゼロさまー」ヨチヨチ
ゼロ「どうしました。神楽耶様?」
神楽耶「中華連邦との話も済みましたわ」
ゼロ「そうですか」
神楽耶「この格好だと外交もすんなりいけますわ」ヨチヨチ
ゼロ「……」
C.C.「がぉー」タタタッ
千葉「きゃー!!」
ゼロ「さてと……」ピッ
カレン「ゼロ!扇さんがまだ動物を決めかねているようなのですけど」
ゼロ「ゴリラでいい」
カレン「はいっ」
ゼロ「さぁ……そろそろ仕掛けるか……ナナリー……」
ナナリー「カレンはやはり犬になっていたのですか?」
スザク「はい。ワンと言っていましたから。間違いないです。尻尾も耳もありました」
ナナリー「確かですね?」
スザク「はい。自分が直接確認したので」
ナナリー「わかりました」
スザク「……あの、これにはなにか意味が?」
ナナリー「黒の騎士団に向けて放送を行います」
スザク「え?」
ナナリー「特区日本の参加を要請します」
スザク「総督……」
ナナリー「お願いします」
スザク「イエス、ユア・ハイネス」
ナナリー「……」
ナナリー「……犬……猫もいるかしら……」
モニター『ゼロ。そして黒の騎士団へお願いがあります。特区日本へ参加してください』
藤堂「ゼロ。どうするパオン」
ゼロ「藤ゾウはどうみる?」
藤堂「罠だろうな」
玉城「ああ!!俺もそう思う!!ウッキャー」
ゼロ「……」
ゼロ(まさかナナリーから仕掛けてくるとはな。だが、好都合だ)
カレン「ゼロ……」
ゼロ「私に考えがある」
C.C.「どうするがぉ?」
ゼロ「奇跡を起こす」
神楽耶「では、中華連邦と連絡をとりましょう」ヨチヨチ
ゼロ「ええ、お願いします」
ゼロ(ふははははは!!!ナナリー……俺たちを甘く見るなよ……!!以前の黒の騎士団とは思うな……!!)
ナナリー「参加を表明するのですね?!」
ゼロ『ええ。ただし、条件があります。私を見逃してほしい』
スザク「国外追放ということか」
ゼロ『ああ』
アーニャ「卑怯」
ジノ「そんなことが許されると思っているのか!?」
ゼロ『だが、決して悪い話ではない』
ナナリー「……」
ゼロ『私を追放するだけで、恒久の平和が約束される』
スザク「しかし、またお前がテロを起こす危険性も!!」
ナナリー「わかりました。その条件を呑みましょう」
スザク「総督!!しかし!!」
ナナリー「私の言うことを聞いてください」
スザク「は、はい……」
ナナリー「きっと、ゼロは……特区日本に集まった者たちをゼロにしてしまうつもりでしょう」
ジノ「ど、どういうことですか?」
ナナリー「私達はゼロを国外追放するという条件を呑みました。なら、日本人のみなさんをゼロに扮装させてしまえば」
アーニャ「全員、国外追放」
スザク「総督!!それに気づきながらどうして条件を呑んだのですか!?」
ナナリー「私が掴んだ情報によると、蓬莱島と呼ばれる場所に新たな国が誕生するようです」
ジノ「え……」
ナナリー「そこに何ができるのか……見てみたくありませんか?」
スザク「ナナリー……」
アーニャ「何ができるの?」
ナナリー「わかりません。できたら、是非教えてくださいね。私では見ることができませんから」
アーニャ「うん」
ジノ「おいおい、いいのか?」
スザク「総督が決めたことだから……」
ゼロ『ありがとう!ブリタニアの諸君。寛大なるご処置、痛み入る!』
ナナリー「……」
スザク「ゼロ……」
ゼロ『枢木スザクよ。日本人とは、民族とはなんだ?』
スザク「何?」
ゼロ『言語か?土地か?血のつながりか?』
スザク「違う!それは心だ!!」
ゼロ『私もそう思う』
スザク(ゼロ……何が言いたい……何が狙いだ……!!)
ナナリー「ゼロ」
ゼロ『なんですか?』
ナナリー「100万人をゼロにするのですね?」
ゼロ『な……!?』
ナナリー「どうぞ。スモークなどの目くらましは不要です。着替えるなら着替えて、新天地へ向かってください」
ナナリー「もうすぐ中華連邦の船も来るのでしょう?」
ゼロ『分かっていながら……条件を呑んだのか……?』
ナナリー「はい」
ゼロ『何故……』
ナナリー「蓬莱島で始めるものに興味があるからです」
ゼロ『貴方は……』
カレン「バレてるよ。どうする?」
扇「着替えるか?」
藤堂「こうなると気恥ずかしいな」
ナナリー「一応、着替えていただかないと、こちらとしても捕まえないといけなくなるで……」
ゼロ『よ、よし……皆の者、ゼロになれ』
ジノ「本当に着替え始めた」
ナナリー「100万人分の衣装はどうやって作ったのですか?大変だったと思いますけど」
ゼロ『黙れ』
スザク「行ってしまった」
ジノ「総督、これでよかったのですか?」
ナナリー「猫はいましたか?」
アーニャ「迎えにきた船に猫っぽいのがいた」
ナナリー「よかったぁ」
スザク「あの……一体、なにが……?」
ナナリー「私の掴んだ情報だと、蓬莱島は夢の島になるそうです」
アーニャ「なにそれ」
ナナリー「ワクワクしますね、アーニャさん」
アーニャ「ワクワクする」
ナナリー「一緒に行きましょうね」
アーニャ「うん。行く」
ジノ「スザクぅ……」
スザク「……」
ゼロ「遂にきたな。少々恥をかいたが、まあ結果的には成功したわけだから……よしとしよう」
C.C.「ゼロ。早速、作業に取り掛かるのか?」
ゼロ「当然だ。二ヵ月後のオープン。それが中華連邦の天子様との約束だからな」
神楽耶「私もお手伝いしますわ」ヨチヨチ
カレン「ラクシャータさん。紅蓮に犬耳と尻尾つけてください」
ラクシャータ「今やってるよ」
藤堂「よし、千葉。フードコートの設営だ」
千葉「分かりましたピョン」
ゼロ「……」
C.C.「落ち込んでいるのか?」
ゼロ「ナナリーに……作戦を全て読まれていたからな……」
カレン「ゼロ!!私が癒します!!」
カレン「ワンワンワンワンワン!!!!」
ゼロ「……」
ルルーシュ「はぁ……」
咲世子「お疲れのようですね」
ルルーシュ「咲世子さん……」
咲世子「嫌です、ルルーシュ様。二人のときは……」
ルルーシュ「咲世子」
咲世子「ふふ……」
ルルーシュ「咲世子……これからも俺のために尽くしてくれるか?」
咲世子「勿論です……ルルーシュ様」
ルルーシュ「ありがとう」
咲世子「いえ」
ルルーシュ「ところで、可燃ゴミはどうした?」
咲世子「きちんと持ってきました」
ルルーシュ「そうか。奴にもこの夢の島ではキリキリ働いてもらわないとなぁ……」
咲世子「オープンが楽しみですね」
天子「えー、本日はいいお天気に恵まれて、うれしいです」
星刻「……」カシャカシャ
天子「蓬莱島『わくわく動物ランド』が無事にオープンしたことを……」
星刻「嬉しく思います」
天子「嬉しく思います」
天子「私は真っ先にパンダを見に行きたいです。そのあとは星刻と一緒に観覧車に乗ったりしたいです」
星刻「ぐはっ?!」
天子「では、オープン!!」
パチパチパチ
ゼロ「見事な挨拶でした」
天子「いや、そんな」
ゼロ「ゆっくりお楽しみください」
天子「はい」
星刻「行きましょう、天子様」
星刻「ゼロ」
ゼロ「何かな?」
星刻「この島の作った目的だが……」
ゼロ「初めは軍事拠点にするつもりだったが、まあ、ある出来事がきっかけて考えかたが変わった」
ゼロ「ここでは皆が動物と化し、夢を売る。そうすることでここを観光地にする」
ゼロ「我々は経済力で世界を掌握することにした」
星刻「できるのか?」
ゼロ「可愛いは正義だからな。武力で正義を翳すより健全だろう?」
星刻「まあ……な」
天子「しんくー!!ペンギンさん!!」
星刻「本当ですね」
神楽耶「天子さまー」ヨチヨチ
天子「かぐやー!!」
ゼロ「黒の騎士団は数ヶ月間、動物のきぐるみをきてマスコット特有の愛らしい動きもマスターしている。数千体規模のマスコットが闊歩する夢の国だ」
C.C.「がぉーん」
ナナリー「……」
アーニャ「すごい」カシャカシャ
スザク「ここが可愛いモノならなんでも合法化する国か」
ジノ「なんか異様だな……」
咲世子「にゃんにゃーん」
ナナリー「にゃー」
咲世子「む」
ナナリー「にゃー……」
咲世子「なー」
ナナリー「わぁ……握手してください」
咲世子「いいですよ」ギュッ
ナナリー「あ、咲世子さん。咲世子さんが猫なのですか?」
咲世子「ええ。そうです。篠崎・キャット・咲世子とは私のことです」
ルルーシュ「カレン」
カレン「なに?」
ルルーシュ「お前には感謝している。お前がいなければここまで来ることはできなかっただろう」
カレン「そんなことないとおもうけど……」
ルルーシュ「これからも俺の犬でいてくれるか?」
カレン「……うん」
ルルーシュ「ありがとう。―――おい、ここ汚れているぞ?」
ロロ「はい」ゴシゴシ
ルルーシュ「しっかりな。お前には期待しているからこそ、ここに呼んだのだから」
ロロ「うんっ!!」
ルルーシュ(お前は一生、ここで拭き掃除をしてもらうぞ!!)
ルルーシュ(ボロ雑巾になるまで酷使してやる!!ロロ!!!)
ロロ(兄さんのために頑張らないと!!)ゴシゴシ
おわり
カレンかわいかったよ
Entry ⇒ 2012.09.18 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ルルーシュ「ナナリーの望む世界には俺が邪魔だ」カレン「はい」
ルルーシュ「もう、いらないんだ。ゼロも、俺の戦いも―――」
ルルーシュ「俺は今までナナリーのためにやってきたというのに……」
カレン「やっぱりここに居たのね、ルルーシュ。私、あなたに―――。あっ!それ!」
ルルーシュ「リフレイン。カレンも知ってるだろ?懐かしい昔に返れる」
カレン「ふざけないで!!一度失敗したくらいで何よ!また作戦考えて、取り返せばいいじゃない!!いつもみたいに命令しなさいよ!ナイトメアに乗る?!それとも囮捜査!?なんだって聞いてやるわよ!!」
ルルーシュ「だったら、俺を慰めろ。女ならできることがあるだろ?」
カレン「……何をやればいいの?」
ルルーシュ「ゼロが……俺が実の妹のナナリーに否定されたんだぞ。わかるだろ?」
カレン「ごめん。全然、わからないんだけど。私がルルーシュの妹になればいいの?」
ルルーシュ「なんだ。わかっているじゃないか」
カレン「しっかりしろ!!ルルーシュ!!」パシンッ!!
カレン「今のあんたはゼロなのよ!?私たちに夢を見せた責任があるでしょ!?だったら、最後の最後まで騙してよ!今度こそ完璧にゼロを演じきってみせなさいよ!!」
ルルーシュ「……」
カレン「……」
ルルーシュ「……ナナリーは俺をぶったことはないし、そんな現実を突きつけるようなことも言わない」
カレン「そうなの?」
ルルーシュ「それに俺を呼ぶときはお兄様だった」
カレン「……ごめん」
ルルーシュ「もう一度だ」
カレン「しっかりしろ!!お兄様!!」パシンッ!!!
ルルーシュ「なんでぶつんだ!!!痛いだろうが!!」
カレン「あ、ごめん……つい……」
ルルーシュ「出来損ないの妹め……!!」
カレン「ちょっと!!私なりに頑張ってるんですけど!!」
カレン「そうだけど……」
ルルーシュ「なら、もっと妹らしく振舞ったらどうだ?ええ?」
カレン「いや、だって、私はお兄ちゃんって呼んでたし……相手はルルーシュだし……」
ルルーシュ「なら、カレンのやりやすいようにやってくれ」
カレン「じゃあ……」スッ
ルルーシュ「もうぶつなよ」
カレン「あ……。そっか」
ルルーシュ「全く」
カレン「しっかりして!!お兄ちゃん!!私がいるじゃない!!」
ルルーシュ「……」
カレン「……どう?」
ルルーシュ「いいから続けろ」
ルルーシュ「……」
カレン「私は……がんばっているお兄ちゃんが好き……」
ルルーシュ「そうだったのか」
カレン「だから、いつものお兄ちゃんに戻ってよ……お願い……」
ルルーシュ「……」
カレン「どう?」
ルルーシュ「一押し足りないな。そんなことで兄は奮起しない」
カレン「お兄ちゃん!!肩もんであげるよ!!」
ルルーシュ「別にこってない」
カレン「じゃあ、どうしろっていうのよ!!」
ルルーシュ「貴様!!兄に対して肩もみしかしなかったのか!!?」
カレン「うん」
ルルーシュ「これは呆れる。お前、本当に妹だったのか?」
ルルーシュ「もっとあるだろ。兄を喜ばすためにやっていたことを俺にやればいい」
カレン「肩揉みぐらいなんですけど」
ルルーシュ「いいや。もっとあったはずだ」
カレン「えー……?」
ルルーシュ「本当に思いつかないのか?」
カレン「バレンタインにチョコレートは手作りであげたことあるけど」
ルルーシュ「……ほう?」
カレン(反応した!)
ルルーシュ「では、チョコレートが手元にあるとして、俺に渡してくれ」
カレン「わかった」
カレン「―――お兄ちゃん、今日バレンタインだよね」
ルルーシュ「そういえばそうだったな」
カレン「はい。お兄ちゃん、ハッピーバレンタイン。―――こんな感じね」
ルルーシュ「……おい。本気で言っているのか?」
ルルーシュ「ナナリーはもっと恥ずかしそうに渡してくれていた」
カレン(知らないわよ)
ルルーシュ「お前のはお世話になった人に義理チョコを渡したようにしか見えない」
カレン「実際、義理だけど」
ルルーシュ「馬鹿者!!」
カレン「は、はい!すいません!!」
ルルーシュ「限りなく本命に近い義理だろうが」
カレン「なんで?」
ルルーシュ「なっ……?!」
カレン「妹って別にそこまでお兄ちゃんのこと想ってないっていうか……。勿論、家族としては好きだけど……」
ルルーシュ「もういい。リフレインを使う」
カレン「ダメダメ!!何言ってるのよ!!」
ルルーシュ「もう……俺には……これしかないんだ……放っておいてくれ……」
カレン(どうにかしないと……。でも、どうしたら……!!)
カレン「……!!」
ルルーシュ「そうなると……ゼロには戻れないな……」
カレン「お、お兄ちゃん!!」
ルルーシュ「どうした?」
カレン「私の……食べて……ほしい、な……なんて……えへへ」
ルルーシュ「カレン……」
カレン「お兄ちゃん、大好きだからね」
ルルーシュ「俺もだ」
カレン「……」
ルルーシュ「やればできるじゃないか、カレン。それが妹だ」
カレン「こんな妹いないって」
ルルーシュ「いるんだよ」
カレン「どこに?」
ルルーシュ「俺の近くにいたんだ……今はエリア11の総督だがな……」
ルルーシュ「カレン、もっと妹成分を俺にくれ」
カレン「どうやって?」
ルルーシュ「実の兄にしてきた妹的行動を俺に示せ。それで俺はゼロに戻ることができる」
カレン「ホントに?」
ルルーシュ「ああ」
カレン「んー……何かあったかなぁ……」
ルルーシュ「……」
カレン「あ、思い出した。じゃあ、向こうから始めましょうか」
ルルーシュ「何をするつもりだ?」
カレン「―――おにいちゃーん!!みてみて、テストで100点とったのー!!」テテテッ
ルルーシュ「……!」
カレン「ほめてっほめてっ」
ルルーシュ「お前、それ何歳の時の話だ」
カレン「9歳ぐらい」
カレン「お兄ちゃん、どうどう?すごいでしょー」
ルルーシュ「流石はカレンだな。偉いぞ」ナデナデ
カレン「えへへ」
ルルーシュ「……」ナデナデ
カレン「えへへ」
ルルーシュ「おい」
カレン「なに?」
ルルーシュ「俺がお前を癒してどうする?俺はお前に癒されたいんだぞ」
カレン「なんでよ?今ので癒されなかったの?」
ルルーシュ「……ナナリーはそういうこと言ってきたことがあまりなかったからな……扱いに困る」ナデナデ
カレン「大体、あってるけど」
ルルーシュ「そうか」
カレン「うん」
ロロ「兄さん!!僕の頭も撫でてよ!!」
カレン「そうなの?もう限界なんですけど」
ロロ「全然、ダメじゃないか。これじゃあ僕のほうが妹だよ。ね、兄さん?」
ルルーシュ「カレン、貴様ではやはり妹になれなかったな……。残念だが、俺は過去の妹に縋る他ない」
カレン「だから、リフレインはだめ!!やめて!!」
ルルーシュ「止めるな!!貴様に分かるのか!!最愛の妹に拒絶された兄の気持ちが!!!」
カレン「分からないけど」
ルルーシュ「妹失格だな!!」
カレン「だって、あとお兄ちゃんとの思い出って言ったら宿題みてもらったり、風邪引いたとき看病してくれたり、一緒にお風呂入ったり……」
ルルーシュ「おいおい。カレン……」
ロロ「はは。全然ダメじゃないか」
カレン「妹だもん。そんなのしか……
ルルーシュ「後半はゼロを目覚めさせるための大きな一歩になるだろ」
カレン「え?お風呂?それはちょっと、恥ずかしいし……」
カレン「何が?」
ルルーシュ「風呂なんて俺も気恥ずかしくて、たとえ誘われても俺から断る」
カレン「へー。そうなの?」
ルルーシュ「兄として当然のことだ」
カレン(なんだ。ちゃんとお兄ちゃんしてるんだ)
ロロ「流石は兄さん!!だから、僕と一緒にお風呂入ってくれないんだね!!納得したよ!!」
ルルーシュ「だが、風邪の看病は違う」
カレン「風邪?」
ルルーシュ「妹が病に倒れ、心配する兄。二人きりの寝室で兄は妹の安らかな寝顔を見る。兄が傍にいることで安心しているその顔に妹は愛しいと強く感じる」
カレン「そう……。まぁ、分からなくもないけど」
ルルーシュ「それだけではない。風邪を引けば汗をかく。しかし、シャワーは浴びないほうがいいから、タオルで汗をふく。着替えもさせないといけない。それは兄の役目だ」
カレン「それで?」
ルルーシュ「赤面しながらも兄に身を任せるしかない妹。……どうだ?」
カレン「だから、お兄ちゃんだから任せるんであって、そんな恋人に任せるみたいな気持ちにはならないんだけど」
カレン「すいません!!」
ルルーシュ「妹にとって兄とは最も近い異性だろうが!!意識しないわけがない!!!」
カレン「確かに意識はするけど、家族の裸なんて普通みたくないでしょ?ましてや妹のなんて……」
ロロ「違います!!普通は興奮します!!妹でも弟でも!!」
ルルーシュ「黙れ!!!」キュィィィン
ロロ「ァ……ぁ……」
ルルーシュ「いいか、カレン。妹だからこそ、兄に裸をみられたくない。そう思うはずだ!!!」
カレン「お兄ちゃんだって妹の裸は見たくないでしょ」
ルルーシュ「何故だ?」
カレン「見たいの?」
ルルーシュ「……いや。見たいとかそういうことではない。論点をすりかえるな」
カレン「変えてないけど」
ルルーシュ「とにかくカレン。看病をさせてくれ。兄としてな」
カレン「いいけど。脱がないわよ?」
ルルーシュ「カレン、大丈夫か?」
カレン「お兄ちゃん……。うん、もう平気……ごほっ……」
カレン(私、何やってるんだろう……。ゼロに戻ってきてもらうためとはいえ……)
ルルーシュ「ほら、無理はするな。カレン」
カレン「うん……」
ルルーシュ「汗、かいただろ?今、俺がふいて―――」
カレン「じ、自分でできるから!!もう私、高校生よ!?」
ルルーシュ「関係あるか。なんだ、俺に裸を見られるのが恥ずかしいのか?」
カレン「あ、当たり前でしょ」
ルルーシュ「おかしいな。昔は一緒にお風呂にだって入っていたじゃないか」
カレン「も、もう!いつの話してるの?!お兄ちゃん!!」
ルルーシュ「ははは」
カレン「……もういい?」
ルルーシュ「バカか。ここからだろう」
カレン「いいってば」
ルルーシュ「たまにはお兄ちゃんをさせてくれよ」
カレン「……じゃあ、いいけど……。変なところ触らないでね」
ルルーシュ「触ったら怒るか?」
カレン「当たり前!!このスケベ!!」
ルルーシュ「昔はよくお医者さんごっこもしたじゃないか」
カレン「ナナリーと?」
ルルーシュ「しなかったか?産婦人科とか」
カレン「しない!というかあんたナナリーになにさせてるのよ?!」
ルルーシュ「児戯だ。何を怒っている?」
カレン「あんたはお兄ちゃんじゃない!!」
ルルーシュ「なんだと?そうか義妹のほうが燃え上がるといいたいのか?」
カレン「そういう意味じゃないから!!兄としてはあんたはサイテーってこと!!ナナリーだってそういうあんたのことが嫌いだったんじゃないの!!」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ「うっ……うぅぅ……」
カレン「え?」
ルルーシュ「もう……ぃぃ……リフレイン……を……使う……俺は……使ってやる……!!」
カレン「あ……えっと……」
ルルーシュ「妹に二度も……うらぎら……れた……うぅぅ……」
カレン「え……あの……そんなつもりは……」
ロロ「ァ……!!ァァ……!!!」
ルルーシュ「俺にはもう信じられる妹がいない……いないんだぁ……」
カレン「ご、ごめん!!お兄ちゃん!!私が悪かったから!!」
ルルーシュ「もういいんだ……俺は最低の兄だ……ああ、そうだ……自覚だってしていたさ……」
カレン「お兄ちゃん……ごめんね……酷いこといって……。本当は大好きだから……」
ルルーシュ「嘘をつくなぁ!!」
カレン「嘘じゃないってば!!」
ルルーシュ「もういい……もういいんだ……」
ルルーシュ「……っ」
カレン「そんな泣き言ばっかりなお兄ちゃんなんて本当に嫌いになるわよ!!いいの?!」
ルルーシュ「……ああ。兄を三度もぶつ妹なんて、俺はいらない」
カレン「そんな?!」
ルルーシュ「俺には妹が……いない……」
カレン「ここにいるでしょ。ほ、ほら、自慢の妹、カレン・ランペルージだよ、お兄ちゃんっ」
ルルーシュ「……」
カレン「えへっ」
ルルーシュ「ただの異性にしか見えない……うぅぅ……」
カレン「さっきまで妹だったのに……」
ルルーシュ「リフレインだな。これでゼロはいなくなる……終わりだ……ははっ……」
カレン「ちょっとまって!!まだ使わないで!!お願い!!私に考えがあるから!!だから、少しだけ時間をちょうだい!!」
ルルーシュ「……いいだろう」
カレン「はぁ……よかった……」
カレン「―――ってわけなの!!」
C.C.「大変だな」
カレン「協力してよ!あんたはルルーシュの共犯者でしょ?!」
C.C.「だからってなぁ……」
カレン「私だけじゃ限界なの。C.C.、あんたの力が必要なの!!」
C.C.「私に妹をやれと?笑わせるな」
カレン「C.C.!!」
C.C.「神楽耶に頼め」
カレン「無理に決まってるでしょ?!ルルーシュは今、仮面を外してるんだから!!」
C.C.「……」
カレン「C.C.……」
C.C.「いいのか?私ではあいつの求める妹にはなれないぞ、きっと」
カレン「二人の妹に挟まれたらきっとルルーシュは元気になると思う」
C.C.「そうかな……」
ルルーシュ「……」
カレン「お兄ちゃん。ただいま」
ルルーシュ「……おかえり」
C.C.「……よう」
ルルーシュ「C.C.か。なんだ?」
C.C.「にーにー。一緒にお家にかえろぉ」
ルルーシュ「……」
カレン「……」
ロロ「ぁぁぁ……」
C.C.「にぃにぃ、ねえってばぁ」
ルルーシュ「……寄るな、気持ち悪い」
C.C.「帰る」
カレン「ま、待って!!私はいいとおもった!!ホントホント!!」
C.C.「離せ。私は穴を掘ってそこに入る」
C.C.「じゃあ私にあった呼び方なんてあるのかな?あるなら言え。最初から言ってくれないと困るな」
カレン「そんな顔を真っ赤にされても……」
C.C.「黙れ」
カレン「C.C.は呼び捨てのほうが似合ってるかも」
C.C.「兄を呼び捨てにするのか?」
カレン「そうそう」
C.C.「アイツにとってそれは理想の妹か?」
カレン「わかんないけど。にーにーよりはいいと思う」
C.C.「……ルルーシュ」
ルルーシュ「なんだ?」
C.C.「早く立て。帰るぞ」
ルルーシュ「黙れ」
C.C.「分かった……。今日は私が手料理を振舞ってやる。美人の妹に作ってもらえるんだ、嬉しいだろ?」
ルルーシュ「……C.C.。妹のつもりか?」
ルルーシュ「ほう?」
カレン(反応した?!)
C.C.「ほら、美人で可愛い妹の料理にありつけるんだぞ?こんなところで油を売るな」
ルルーシュ「悪いが今は妹欠乏症でな。立ち上がれそうに無い」
C.C.「重病だな……」
カレン「ホントに」
ルルーシュ「リフレインという劇薬を投与しなくてはならないんだ……だから……」
C.C.「ルルーシュ……。昔のお前はそんなんじゃなかったよ」
ルルーシュ「C.C.……」
C.C.「いつも私のことを庇ってくれたルルーシュはどこにいったんだ?」
C.C.「クラスの男の子からいじめられているときに、助けにきてくれたあのヒーローはどこにいったんだ?!」
カレン(いじめられてたんだ)
ルルーシュ「お前……」
C.C.「ルルーシュ……お兄ちゃん……戻ってきてよ……」
C.C.「お兄ちゃん!!」
ルルーシュ「カレン!!」
カレン「はい!」
ルルーシュ「少しだけやる気が沸いてきた」
C.C.「まぁ、当然だな」
カレン「やった」
ルルーシュ「だが、まだ俺の心は空虚なままだ」
C.C.「一緒に風呂か」
カレン「それ、ダメだって」
C.C.「じゃあ……」
ロロ「ァァ……ィイ……!!」
ルルーシュ「ナナリー……」
カレン「C.C.!!ルルーシュとナナリーは日頃、どんなことしてたの?!」
C.C.「兄妹に注視したことなんてなかったからな。そういわれても……」
ルルーシュ『ナナリー』
ナナリー『愛しています』
ルルーシュ『俺もだよ』
ナナリー『では、おやすみのキスを……してもらえますか?』
ルルーシュ『構わないよ。ほら……』
ナナリー『ふふっ……』
C.C.「―――のようなことは何度か見たが」
カレン「キ、キス……?!」
C.C.「大変だなぁ。カレン?」
カレン「C.C.もするんでしょ?!」
C.C.「私は遠慮する。お前に譲るよ。役得だな」
カレン「そんな!?」
ルルーシュ「やはりリフレインしか……ないのかもな……」
C.C.「早くしないとあいつ、打ってしまうぞ?」
C.C.「ゼロに帰ってきて欲しくないのか?」
カレン「欲しいけど」
C.C.「なら、言って来い」
カレン「でも……!!」
C.C.「愛していると言ってから、おやすみのキスをしてって言うんだぞ?」
カレン「そんなこと!!」
C.C.「ほら、言って来い」
カレン「ちょっと?!」
ルルーシュ「打つか……」
C.C.「急げ。間に合わなくなるぞ」
カレン「あぁぁ!!もう!!―――お兄ちゃん!!」
ルルーシュ「ん?」
カレン「あ、愛してるー!!!!キスしておやすみなさいして!!!」
ルルーシュ「……どういうことだ?」
カレン「どういうこともなにも!!キスよ!!キス!!」
ルルーシュ「キスをせがむ妹か……」
C.C.「お前好みだろ?」
ルルーシュ「ふふ……ふふはは……ハハハハハ!!!!」
C.C.「何がおかしい?」
ルルーシュ「あれはナナリーだからこそだ」
C.C.「何?」
ルルーシュ「お前たちでは無理だな」
カレン「どういうことよ?」
C.C.「ナナリーのキスはそれほどのものだったということだろ」
カレン「はぁ?!」
ルルーシュ「ナナリーのキスに勝るキスなど真似できるわけがない。やめてくれ」
カレン「私のよりナナリーのほうが上手いってこと?」
ルルーシュ「そうだ」
ルルーシュ「なんだと?」
カレン「私のあなた、キスしたことある?」
ルルーシュ「いいや」
カレン「なら、分からないじゃない」
ルルーシュ「そうだな」
C.C.「ルルーシュ、次女がここまで言うんだ。比較のためにもキスさせてやれ」
ルルーシュ「そうだな。では、カレン」
カレン「……」
ルルーシュ「おやすみのキス……するか?」
カレン「上等」
C.C.「……」
ルルーシュ「じゃあ……」
カレン「……っ」
ロロ「アァァ……エ……ロ……!!」
カレン「お、にいちゃん……」
ルルーシュ「んー……」
カレン「―――しっかりしろ!!ルルーシュ!!!」パシンッ!!!
ルルーシュ「……?!」
C.C.「あーあ」
カレン「はぁ……はぁ……」
ルルーシュ「貴様……」
カレン「あ……。で、でも、私はナナリーより、キスは上手いから。それは、うん。絶対」
ルルーシュ「もういいよ。俺にはリフレイン・ランペルージという末の妹がいるからな」
カレン「ちょっと!?」
C.C.「余計なことをするからお兄ちゃんが殻に閉じこもったぞ。どう責任をとる?」
カレン「だって!!あんなのでキスしてもうれしくないでしょ?!」
C.C.「お前、唇も処女か」
カレン「違う!!お兄ちゃんとしたことあるから!!!」
ルルーシュ「勿論です、お兄様」
ルルーシュ「それは嬉しいな……頼むぞ……」
C.C.「なんだ、カレンの兄もルルーシュと同じシスコン坊やだったのか」
カレン「ちょっと!!変なこといわないで!!」
C.C.「したことあるんだろ?どっちからしたんだ?ん?」
カレン「そ、そんなの……言う必要ないでしょ……」
C.C.「なぁんだ。ブラコンとシスコンかぁ」
カレン「違うってば!!」
C.C.「キスしたくてしたんだろ?」
カレン「別にいいでしょ!!兄妹だし!!」
C.C.「兄妹だからキスしてもいいのか?」
カレン「そうよ」
C.C.「それで、お兄ちゃんに調教されたと?おやすみのキスぐらい挨拶みたいなものだもんな」
カレン「そ、そうね……」
ルルーシュ「ああ」
カレン「なに?」
ルルーシュ「カレン・ランペルージよ」
カレン「私は紅月カレンよ!!」
ルルーシュ「今は違うだろうが!!!」
カレン「は、はい!すいませんでした!!」
ルルーシュ「キスは挨拶という概念の持ち主だったのか?」
カレン「そ、そうですけど」
ルルーシュ「じゃあ、俺にもできるな。おやすみのキスという挨拶が」
カレン「いや……寝る前じゃないと……キスする意味がないから」
ルルーシュ「分かった。C.C.」
C.C.「なんだ?」
ルルーシュ「俺の枕になれ」
C.C.「寝るためか。いいだろう」
チラッ
どうぞどうぞ
C.C.「これでいいか?さあ、抱き枕にでもしろ」
ルルーシュ「カレンのキスを貰ったらな」
カレン「ルルーシュ……!!」
ルルーシュ「カレン、キスをしよう」
カレン「……」
ルルーシュ「これは兄妹愛だよ。カレン?何を怖がることがある?」
カレン「でも……」
ルルーシュ「さぁ……」
カレン「うぅ……」
ルルーシュ「ゼロに戻ってきて欲しいんだろ……?」
カレン「……っ」
ルルーシュ「カレン……」
カレン(ゼロのため……ゼロのため……ゼロのため……ゼロの……)
ロロ「……!!」キュィィン
ロロ「ァァ!!ゥゥ!!」
C.C.「なんだ?」
ロロ「ゥゥ!!ァァ!!!」
C.C.「なんだと?どうせなら私のほうがマシだと?しかし……」
ロロ「ィィ」
C.C.「断る」
ロロ「ァァ?」
C.C.「なんでもだ」
ロロ「ぁぁ……」
C.C.「貴様……!!この私を捕まえて生娘だと?呆れすぎて怒りの火が灯ったぞ」
ロロ「ぁぁ?」
C.C.「いいか?私は既にルルーシュとはキスを済ませている。何でもない。だからこそ、カレンに譲ったんだ」
ロロ「ハっ」
C.C.「ふっ……いいだろう。嘘じゃないことを証明してやる。ギアスを解け」
カレン(お母さん……私……今から……キスします……)
カレン(ナオトお兄ちゃんのほっぺにしかしたことないけど……ナナリーにだけは、なんか負けたくないの……だって……年下だし……)
カレン(なにより……あんな大人しそうな子よりも下手なんて設定は、カレン・シュタットフェルトにはないから……!!)
C.C.「おっそいな」
カレン「え?」
C.C.「もういいよ。私がする」
カレン「なんでよ?!」
C.C.「唇バージンは大事にとっておけ。生憎、私は売り切れた」
カレン「売り切れ?!」
C.C.「おやすみ、ルルーシュ」
ルルーシュ「C.C.……」
C.C.「目を閉じろ……」
カレン「まった!!妹はお姉ちゃんのあとでしょ?!」
C.C.「誰が妹だ誰が。お前が妹だろ」
C.C.「おま……!?」
カレン「だから、私のあと」
C.C.「残念だが、お前は永遠に私の後だ」
カレン「は?」
C.C.「なぁ?ルルーシュお兄ちゃん?」
ルルーシュ「え……あ……」
カレン「ちょっと、ルルーシュ。C.C.とキスしたことでもあるの?」
ルルーシュ「……妹だからな」
カレン「ああ、妹だから。兄妹じゃあ仕方ないわね」
ルルーシュ「そうだろう?フハハハ……」
カレン「ふざけるな!!いつしたんだ?!ルルーシュ!!!」
ルルーシュ「……っ」ビクッ
カレン「こっちの気もしらないで……!!」
ロロ(よし。揉め始めた。これで全部有耶無耶になる……)
ルルーシュ「まて、カレン。お前では荷が重い」
カレン「ふんっ。黒の騎士団なんて弾けさせてやるー」
ルルーシュ「カレン!!落ち着け!!」
カレン「これが落ち着いていられるか!!」
C.C.「カレン、女の嫉妬は醜いぞ?」
カレン「うるさい!!」
C.C.「って、どうしてお前と喧嘩しなければならない。胸部の脂肪以外は私の圧勝だというのに」
カレン「この言わせておけばぁ……!!」
ルルーシュ「まて、俺のファーストキスはそもそもナナリー……」
カレン「いつ?」
ルルーシュ「俺が10歳ぐらいのときか」
カレン「ノーカンね」
C.C.「同感だ」
ルルーシュ「まて、ではいつからカウントする?」
カレン「あらあら、C.C.さん?女の嫉妬は醜いでしょう」
C.C.「嫉妬ではない。客観的な意見だ」
カレン「嫉妬でしょう?妹に」
C.C.「ふん。万年、銅メダリストめ。いや、5位入賞かな?」
カレン「……ねえ、ルルーシュ?」
ルルーシュ「なんだ?」
カレン「C.C.とは何回、キスしたのよ?」
ルルーシュ「一回だけだが、それが?」
カレン「余裕ね!!」
ルルーシュ「何がだ?!」
カレン「今から3回連続でキスするから」
C.C.「そう来たか。まあ、お前にはそんな度胸なんてないだろうがな」
カレン「そうかしら?キスは挨拶だし」
C.C.(ちっ……こいつ、本当に慣れているのか……)
ルルーシュ「おい……カレン……」
カレン「今更、怖気づかないでよね」
ルルーシュ「違う。お前……手が振るえているぞ」
カレン「黙ってろ」
ルルーシュ「はい」
カレン(何よ。キスぐらい。お兄ちゃんに何回もしたんだから、なんともないわ)
カレン「いい、ルルーシュ?おはよう、ただいま、おやすみ。の三種類だからね。これぐらい妹だったらするでしょ?」
ルルーシュ「そこまでは……」
カレン「する」
ルルーシュ「ああ、するな」
カレン「よし」
C.C.「おいおい、ルルーシュ。私と一回しかしていないと言ったか?」
ルルーシュ「バカか。話をややこしくするな」
C.C.「お前とは……5回以上しているだろ?」
ルルーシュ「いっ?!」
C.C.「なぁ?」
ルルーシュ「いつだ……!!お前とは……!!」
C.C.「出会ったときに一回。行政特区日本のときに一回。ブラックリベリオンで一回。再会したときに勢いで3回。あ、6回だったな」
ルルーシュ「待て!!何故、そんな水増しをする!!」
カレン「全部、私が裏で大変な目にあっているときじゃない……!!」
C.C.「6回だろ?ルルーシュ?」
ルルーシュ「そんなにしていないだろ!!」
C.C.「少なくとも3回はした」
ルルーシュ「記憶違いだ!!」
C.C.「じゃあ、2回にまけておいてやる。とりあえず1回ではない」
ルルーシュ「何を言っている?」
C.C.「どうだ?場所も日も違うところで私は2回もキスをしてやった。お前はただ1回のうちに3度唇をくっつける作業をするだけろ?お前の負けだな」
カレン「このぉ……!!!」
カレン「ふっ……C.C.?舌は入れた?」
C.C.「なに?」
カレン「どーせ、小学生がするようなしょぼいキスでしょ?」
C.C.「遠吠えが心地いいな」
カレン「ルルーシュ?」
ルルーシュ「額から吹き出ている汗をどうにかしたらどうだ、カレン?」
カレン「そんなことより。妹なんだから、舌とか絡ませてキスしても不思議じゃないでしょ?」
ルルーシュ「なに?」
カレン「そうよね?」
ルルーシュ「そうだな」
カレン「そうなの?!」
ルルーシュ「何を驚いている?」
カレン「あ、ううん。別に。じゃあ、今からおはよう、いってっきます、ただいま、おやすみ、いただきます。のキスするから。あと、それぞれで場所を変えましょう」
C.C.(小娘が……小生意気な……。今のカレンならやりかねない……。どうする……)
カレン(まだなんかあるの……?!いい加減にしなさいよ!!これ以上は……!!)
ルルーシュ「確かにな……」
C.C.「えーと……そうそう、唇以外にもキスしたもんな」
カレン「はい?!」
ルルーシュ「おい」
C.C.「まぁ、妹だもんな。それぐらいはする」
カレン「どこにしたのよ?」
C.C.「あ、足の裏とか」
カレン「……どっちが?」
C.C.「もちろん、私がルルーシュにだよ。濃厚な足裏キスしてやった。気持ちよかったな?」
ルルーシュ「お前……」
カレン「ナナリーにそこまでさせたってこと?!」
ルルーシュ「させるわけないだろ!!」
C.C.「義妹に妹だからな。義兄の足の裏ぐらい口付けして当然だ」
C.C.(さあ、これ以上ハードルの上げようがない。これでカレンが私を舐めることもない。私はこういう小娘に舐められるのが嫌いだ)
ロロ(どうしてみんな、帰らないんだ!!)
カレン「わかった……。ルルーシュ」
ルルーシュ「カレン?!目の焦点があっていないぞ!!大丈夫か?!」
カレン「わ、私……お兄ちゃんの……胸にキスする……から……」
ルルーシュ「流石にナナリーもそこまではしないぞ!!」
カレン「私はするんだ!!義妹だから!!」
C.C.「お、おい。無茶するなよ」
カレン「足の裏?はっ。ダッサ」
C.C.「ふ、ふふふ……私はなぁ、カレン?太ももにキスしたこともある。というか、ほぼ股間だったな」
カレン「ぶふっ?!」
C.C.「どうだ?もう張り合うのはよせ、よせ。こっちも限界だ」
ルルーシュ「C.C.、お前……泣いているのか?」
C.C.「泣いてないぞ。何を言っている」
C.C.「バカか?そんなことできるわけ―――」
カレン「ほら、お兄ちゃん。脱いでよ。キスするから」
ルルーシュ「カレン!!いい加減に正気に戻れ!!何故、意地の張り合いになっている?!」
カレン「だって!!C.C.が2回もキスして、しかも足の裏とかこ、股間とか言うからぁ!!」
ルルーシュ「C.C.もだ!!あることないこというな!!」
C.C.「全部ある!!キスは2回、いや2.5回はした!!」
ルルーシュ「いつの話だ?!」
C.C.「神根島とバベルタワー、あと、今」
ルルーシュ「タワーのあれはカウントするのか?」
C.C.「おい」
ルルーシュ「だが、バベルタワーのこそノーカウントだろ?記憶を戻すための儀式だったのだろ、あれは」
C.C.「違うぞ」
ルルーシュ「じゃあ、どうしてキスをした」
C.C.「したかったからだ」
C.C.「ふふーん」ドヤッ
ルルーシュ「……そうか」
カレン「やっぱり2回はしたの?!」
ルルーシュ「そうなるな……」
カレン「しっかりしろ!!ルルーシュ!!!!」ドゴォ!!!!
ルルーシュ「ぐふぅ?!」
カレン「はぁ……はぁ……」
ロロ「……!!」
C.C.「ほら、どっちにしろお前は私に勝てない。全てにおいて出遅れている」
カレン「お兄ちゃん」
ルルーシュ「な、なんだ……?」
カレン「どうしたらゼロに戻ってくれるんだっけ?」
ルルーシュ「妹エネルギーが満タンになったらだ……」
カレン「じゃあ、今から満タンにするから。息とめて、目を瞑って」
カレン「いくわよ」
C.C.「おい!」
カレン「私の唇で上書きしてやるー」
C.C.「そんな言い方するな!!」
カレン「もう遅い!!」
ルルーシュ「カレン、震えているぞ。やめておけ」
カレン「ここまで来て、やめられるか!!」
ルルーシュ「そうだな。では、妹らしく。頼むぞ」
カレン(C.C.の2回分より濃厚で長いキスしたらいいんでしょ……。5秒……いや、10秒はしてやる!!)
C.C.(まずいな。カレン、目が据わっている……)
ルルーシュ(この妹たち……怖い……)
ロロ(兄さんの唇……もう……傷物だったのか……)ガクッ
カレン「おにいちゃん!!キスだぁ!!」
C.C.「残念なお知らせだ、私がキスすることに決まった。たった今なっ!」
C.C.「キスしていない歴0年の私に歯向かうのか?これだから唇処女は」
カレン「お兄ちゃんとしたっていったでしょうがぁ!!」
C.C.「あー、そうか。ブラコンだもんなぁ」
カレン「ブラコンじゃない!!」
C.C.「臆面も無くお兄ちゃんと言えるわけだ」
カレン「あんたのにぃにぃ~ってどこ産よ。気持ち悪っ」
C.C.「分かっていないなぁ。現実にいなさそうな妹のほうが男は喜ぶんだよ」
カレン「あーはいはい。どうせ妄想でしょ?」
C.C.「ふふふ……おいおい、お前、なんだその言い草は?」
カレン「あんたみたいな傲慢な女に靡く男なんていないでしょ?!あー、そうかぁ、お兄ちゃんはこの可愛くない妹に強引に不意打ちキスされたんでしょ?したくてしたんじゃないんでしょ?」
C.C.「強引じゃない合意の上だ!!失敬な!!」
ルルーシュ「……」
C.C.「否定しろ!!お兄ちゃん!!」
カレン「ほーら。強引なキスなんてしてないのと一緒。そんなのただの変態ね。何がキスしていない歴0年よ。あんたはただの唇素人じゃない」
C.C.「侮辱もここまでくると清清しいなぁ……!!」
カレン「この色魔」
C.C.「強引にキスの一つもできない小娘に言われたくないな!!」
カレン「無理やりに唇を奪いような賊が偉そうなこと言わないで!!」
C.C.「この……!!」
カレン「C.C.……!!」
ルルーシュ「―――もういい!!!!」
C.C.「ふん……」
カレン「す、すいません」ビクッ
ルルーシュ「ストレスで妹欠乏症が加速する」
C.C.「ハゲるのかな?」
ルルーシュ「ああ。その通りだ」
カレン「あの……」
ルルーシュ「見苦しいことはするな。俺の妹なんだろう、お前ら。ただお兄ちゃんと呼べばいいものでもないぞ」
カレン「あんたもでしょ」
ルルーシュ「そこまでいうなら、白黒つけろ。己が持つ妹の力でな」
C.C.「どうするのかな?」
ルルーシュ「俺が守ってあげたくなる妹を演じろ。そしてどちらがより妹らしいのか俺が審判を下す」
C.C.「面白い」
カレン「いいよ」
ルルーシュ「よし……。一発勝負だ。いいな?」
C.C.「望むところだ」
カレン「何をしたらいい?」
ルルーシュ「俺と過ごす休日を考えろ。より妹らしい考えだったほうを正妹にする」
C.C.(もらったな)
カレン(本当の妹だった私にとってはラッキー問題ね)
ロロ(声がでない!!僕にも参加資格はあるはずなのに!!!)
ルルーシュ(落ち着いたか。よかった)
カレン「ちょっと!!」
ルルーシュ「いいだろう」
カレン「なんで?!」
C.C.(これはアイディア勝負。先に仕掛けたほうが勝つ)
C.C.「おい、ルルーシュにぃ。明日は……暇か?」
ルルーシュ「ああ。特に予定は入っていないな」
カレン(寸劇にしないとダメだったのね……あぶなぁ)
C.C.「そ、そうか……。じゃあ、あの……映画でもどうだ?」
ルルーシュ「映画?見たいものでもあるのか?」
C.C.「ああ。悪いか?」
ルルーシュ「俺といって楽しいか?友達でも誘えばいいだろ?」
C.C.「いいだろ。私の勝手だ。映画のあとは喫茶店で映画の感想言い合って、それから、服を買う。もちろん、ルルーシュにぃのお金でな」
ルルーシュ「目的はそれか。困った妹だな全く」
C.C.「うるさいっ。―――とまあ、照れ隠しで最後に余計なことを言って断られたらどうしようと内心焦った妹を演出してみた。ルルーシュ好みだろ?」
ルルーシュ「悪くないな」
C.C.「だろ?」
ロロ(そんな?!)
カレン「……」
C.C.「お前では私を越えられない」
カレン「お兄ちゃーん」
ルルーシュ「どうした?」
カレン「今日、休日でしょ?暇なの?」
ルルーシュ「別に予定はないな」
カレン「ふーん。彼女いないもんね」
ルルーシュ「黙れ」
カレン「じゃあ、今日も私が1日恋人になってあげる。だから、テレビゲームでもしようか?」
ルルーシュ「こんな可愛くない恋人なんていらないな」
カレン「モテないお兄ちゃんのために恋人になってあげてるのに、文句いうな。―――はい。一時でもお兄ちゃんの恋人でいたい妹を演じてみた。どう?自信はあるけど」
カレン「それほどでも」
ロロ「ァァ!!」
ルルーシュ「どうした、ロロ?まだいたのか?」
ロロ「ゥゥゥ!!ゥゥ!!」
ルルーシュ「何を言っているのかさっぱり分からない」
ロロ「ァァ!!」
C.C.「人語で話せ」
ロロ「……ェ」
ルルーシュ「では、発表する」
カレン「……」
C.C.「……」
ルルーシュ「より妹らしく、そして妹エネルギーを補給してくれたのは―――」
ルルーシュ「カレン!!C.C.!!!両名だ!!!」バッ!!
カレン・C.C.「「え?」」
カレン「ちょっと!!白黒つけろって言っておいて引き分けって納得できないんですけど!!」
C.C.「そうだ。お前に相応しい妹を演じてやったんだぞ?まさか、この期に及んでまだナナリーが一等賞とか言わないだろうな?」
ルルーシュ「言わない。というより、ナナリーは実の妹だ。別格なんだよ」
カレン「じゃあ、尚更しっかりとジャッジしてよ!!」
ルルーシュ「そんなに妹になりたいのか?」
カレン「え?」
ルルーシュ「俺の妹になりたいのか?」
カレン「あれ、そういえばゼロに戻る決心してくれたらそれでいいんだっけ?」
ルルーシュ「そのはずだっただろ」
カレン「そうよね……」
C.C.「私としたことが目的を見失うとはな……」
ルルーシュ「嬉しかったよ、二人とも。可愛い妹を演じてくれて。まぁ、ナナリーには及ばないがな」
カレン「やっぱり比較するんじゃない!!」
C.C.「デリカシーのない男だな」
ルルーシュ「それに何より……」
カレン「ちょっと、C.C.!!なんでルルーシュと2回もキスしたの?」
C.C.「したかったからだ。何度も言わせるな。あと2.5回だからな」
カレン「じゃあ、私もしたくなったらしてもいいのね?」
C.C.「ああ。いいぞ。やれるならヤレ。そのかわり、私もやる」
カレン「みてないよね。いつか25回ぐらいやってやる」
C.C.「それはいい。楽しみにしておくか。結局0回で蹲って泣くお前の姿をな」
カレン「ふんっ!!」
ルルーシュ「守りたい義妹が傍に2人もできたからな……」
カレン「ねえ、ルルーシュ。とりあえず、復帰祝いにキスしてあげる」
ルルーシュ「カレン、唇が乾燥しているぞ?」
C.C.「はははははは」
カレン「笑うな!!」
ロロ(兄さん!!まってよ!!にぃぃさぁぁん!!!)
ゼロ「待たせたな!!諸君!!」
神楽耶「ゼロさまー!!おかえりなさいませー!!」
ゼロ「留守にして申し訳ない」
神楽耶「そんなことありませんわ」
藤堂「ゼロ。総督が何か会見を始めるようだ」
ゼロ「なんだと?」
ナナリー『―――行政特区日本を設立します。黒の騎士団……ゼロも参加してください。お願いします』
ゼロ「……!!」
カレン「ナナリーが行政特区を……」
C.C.「……」
玉城「どうせまた罠に決まってるぜ!!」
神楽耶「ゼロ様、どうされますか?」
ゼロ「すこし、休む……」
カレン「ゼロ!?」
神楽耶「ゼロ様?」テテテッ
ゼロ「神楽耶様……」
神楽耶「お元気ないようですわね。いつもの呪文、おかけしましょうか?」
ゼロ「お願いします」
神楽耶「がんばれっ、おにぃたまぁー!ふぁいっ、おー!!」
ゼロ「フハハハハハ!!!!よし!!行政特区日本に参加しよう!!奇跡を見せてやろう……百万の奇跡を!!!」
神楽耶「おにぃたまぁ!すてきぃー!!」ギュッ
ゼロ「ハーッハッハッハッハッハッハッハ!!!!!流石は神楽耶様!!私の妹エネルギーはすぐに充填されました!!」
神楽耶「よくわかりませんが、ゼロ様が元気になるのでしたら嬉しいですわ」
ゼロ「できれば、二人の時は……」
神楽耶「ごめんなさぃ、おにぃたまぁ……」
ゼロ「これが……妹……だ……!!」
カレン「フーン」
C.C.「そうか。あれだけ苦労しても神楽耶だと一言でいいのか。この差はなんだ?見た目かな、ルルーシュ?」
ゼロ「あ、こら!!C.C.!!何を言っている!!バカか!!」
カレン「ルルーシュ、どういうこと?何時間も妹演じた私たちはなんだったの?ねえ?」
C.C.「お前、私たちが恥も外聞も捨てて妹を演じていたのに気がつかなかったのか?」
ゼロ「まて……落ち着け……」
カレン「ねえ、神楽耶様なら一言で回復する理由……教えてくれない?」
C.C.「是非、知りたいな」
ゼロ「……」
神楽耶「ゼロ様……?あの、これは一体……?」
ゼロ「神楽耶様、私に戦う力を……ください……」
神楽耶「はいっ。―――おにぃたまぁ!まけないでぇー」
ゼロ「よぉーし!!!これで私は無て―――」
カレン「弾けろ!!!ブリタニアァァ!!!!」バキィ!!!!
ゼロ「がぁ?!」
神楽耶「ゼロ様の仮面が割れた……?!」
カレン「ロリコン」
C.C.「シスコン」
ゼロ「待て……誤解だ……。今のはそれほどショックではなくて……だな……」
神楽耶「ゼロ様ぁ!!」テテテッ
ゼロ「待て!!カレン!!C.C.!!」
神楽耶「あ……」
ゼロ「しまった……!!仮面が……!!」
神楽耶「ゼロ様。お怪我はありませんか?」
ルルーシュ「神楽耶様……。何も言われないのですか」
神楽耶「だって、ゼロ様はゼロ様ですもの。中身なんてどうでもいいですわ」
ルルーシュ「……」
神楽耶「あ、今は……私の兄ですわね。こんなにもかっこいい兄がいるなんて、私は幸せですわ。しかも、兄と夫婦なんて妹としては至れり尽くせりですし」
ルルーシュ「神楽耶様……あなたと言う人は……。好きです」
神楽耶「私もですわ」
ルルーシュ「カレン?!」
神楽耶「ルルーシュ様というのですか?」
ルルーシュ「ええ、そうです」
神楽耶「ルルにぃっておよびしても?」
ルルーシュ「神楽耶様の好きに呼んでください」
神楽耶「やったぁ」
C.C.「追ってきてくれるかと期待をしていたら、この有様だ。立て、ルルーシュ」グイッ
ルルーシュ「まて!円卓につこう。冷静になるんだ!武力では何も解決しない」
カレン「至って冷静ですけど」
ルルーシュ「嘘だ。青筋を立てているぞ」
C.C.「久々に血管が切れそうだよ。ルルーシュ?」
カレン「ゼロ。貴方のことは尊敬しているし、これから先もついていくつもりですが……。ルルーシュ、あんただけは許さない」
ルルーシュ「なに?!」
C.C.「行政特区に参加するんだってな。そこでやるか、おしおきを。なぁ、ゼロリコン?」
ナナリー「ゼロは来てくれるでしょうか」
スザク「来ます。必ず。わざわざゼロだけの国外追放という条件を出してきたのですから」
ナナリー「そうですね」
ざわざわ……
ナナリー「どうしたのですか?」
ローマイヤ「あれは?!」
ヴィンセント「……」ゴォォ
アーニャ「ナイトメア」
ジノ「まさか、攻撃する気じゃないだろうな?」
スザク「いや、それはないよ。ナイトメアのアームにゼロが乗っている」
ゼロ「……」
ナナリー「ゼロ……」
ゼロ「こんにちは」
ナナリー「は、はい。こんにちは」
スザク「おりてこい!!ゼロ!!」
ゼロ「……日本人とは、民族とは何だ?」
スザク「何?」
ゼロ「言語か、土地か、血の繋がりか」
スザク「違う。それは……心だ!」
ゼロ「私もそう思う。自覚、規範、矜持。つまり!!文化の根底たる心さえあれば、住む場所が異なろうと、それは日本人なのだ!!!」
スザク「……」
ゼロ「では、ナナリー総督。妹とは何でしょうか?」
ナナリー「はい?」
ゼロ「家族か、記号か、血の繋がりか」
ナナリー「違います。それは……愛です」
ゼロ「私もそう思う。愛情、矜持、禁断。つまり!!兄妹の根底たる愛さえあれば、血の繋がりが濃いくとも、それは妹なのだ!!!または兄!!!」
ナナリー「……はい」
スザク「何が言いたい?!」
スザク「ロリコンだ」
ゼロ「私はそうは思わない!!!」バッ!!!
スザク「……」
ゼロ「これも愛だ!!!愛情、矜持、禁断。つまり!!心の中に確固たる意志と自覚があれば少女を愛しても問題はない!!!」
ナナリー「それで?」
ゼロ「そう言う者たちもまた民族であることは変わりがない。どこに行こうとも生きていける!!!」
スザク「だが、迫害される!!」
ゼロ「そうだ!!少女を深く愛するが故に蔑まれる!!同じ民族から!!!まるでお前だけが異なる場所の住人だと言わんばかりに!!」
スザク「ゼロ……?」
ゼロ「しかし!!誰も知らぬ土地へ行けば、その者でも受け入れてくれる!!!何故なら自覚、規範、矜持があれば!!その土地でまた新たな民族になれるからだ!!!」
ナナリー「まさか……ゼロ……あなたは……」
ゼロ「そう!!私は!!!総督!!そしてアーニャ!!!」
アーニャ「なに?」
ゼロ「私は君たちのような少女しか愛せないのですよ!!!―――そう!!私の名はゼロリコン!!!!」バッ!!!
ジノ「別人か?!」
ゼロ「違うな。間違っているぞ。ゼロは記号に過ぎなかったが、ゼロリコンは私個人を表す名。固有の存在であることを示す名!!」
アーニャ「ゼロリコン……記憶にする価値なし」
ナナリー「ゼロリコンさん。貴方はここでそれを告白し、どうされるおつもりなのですか。今まで築きあげてきた全てが無くなってしまうほどの独白ですよ」
ゼロ「その通り。だから、条件を出したでしょう?」
スザク「え……。ま、まさか!!お前!!」
ゼロ「そう!!この発表!!私の正体を晒した以上、この場所には居られない!!!仮面をつけていても恥ずかしいからな!!!!」
ナナリー「国外追放にしてくれというのは、あなたを誰も知らない土地へ……行くと……?」
ゼロ「そうです」
スザク「なんで……どうして……」
ゼロ「悪魔を二匹、怒らせてしまった。どうやら私は禁忌に触れすぎたようだ」
ナナリー「どこへいくのですか?!」
ゼロ「分かりません。どこか遠くへ行きます。そう……心穏やかになれる場所を……」
スザク「ゼロォォ!!!お前は!!逃げるのか?!ゼロリコン!!!!」
スザク「じゃあ、逃げるな!!ロリコンであることに胸を張れ!!少女しか愛せない、だから逃げる?そんなことでユフィを殺した責任から逃れるな!!!!」
ゼロ「うるさい!!」
ナナリー「ゼロ……」
ゼロ「ナナリー総督」
ナナリー「早く、行ってください」
ゼロ「……」
アーニャ「少女の敵、ゼロリコン」
ゼロ「……」
ジノ「それだけの覚悟があるなら確かにどこに行っても生きて行けるな」
スザク「僕は必ず、お前を追い詰める……!!」
ゼロ「さらばだ。―――いくぞ」
ヴィンセント「……」
ナナリー「……ゼロリコン。さようなら。二度と顔を見せないでください」
ゼロ「―――ンナナリィィィ!!!!」
スザク「煙幕?!」
ジノ「なんだ、なんだ?!」
ゼロ「……」
ゼロ「……」
ゼロ「……」
スザク「これは……!?」
ナナリー「どうしたのですか?」
ゼロ「我々は!!ゼロリコン!!!」
ジノ「待て!!それは固有の名前なんだろ?!記号じゃないって言ってたぞ!!!」
ゼロ「よっしゃ!!国外追放されたぜー。いくぞー!!!」
ゼロ「「「おー!!!」」」
アーニャ「百万のゼロリコン……こわっ」パシャ
ナナリー「射殺しますか?」
スザク「それは……ダメです……総督……」
ゼロ「……」
玉城「おーい、ゼロリコーン。整備おわったぜー」
ゼロ「ああ」
扇「ロリコン。物資の補給だけど」
ゼロ「私が引き継ぐ」
藤堂「ゼロ」
ゼロ「藤堂」
藤堂「今度、天子様を見に行こう」
ゼロ「……」
カレン「いい演説だったわよ、ルルーシュ?」
ゼロ「そ、そうか」
C.C.「痺れたぞ?ゼロリコン」
ゼロ「……ああ」
カレン「少しは懲りた?反省しているなら、私はもうあなたを許しても……」
ゼロ「神楽耶さまぁ!」
神楽耶「お待ちしておりましたわっ♪」ギュッ
ゼロ「フハハハハハ!!!いやぁ、お待たせしてすいません」
神楽耶「しばらくはゆっくりできるのでしょう?」
ゼロ「ええ。神楽耶様とご一緒できます」
神楽耶「では、明日朱禁城に行きませんか?天子様がゼロ様に会いたいと」
ゼロ「天子様が?!」
藤堂「……!!」ガタッ!!!
南「やったぁ!!!」
ディートハルト「ふむ。明日の予定は全てキャンセルにしておきましょう……」
ラクシャータ「天子様かぁ。唾でもつけておこうかなぁ」
神楽耶「あの……そんなに大勢は……」
ゼロ「そうだぞ!!迷惑だろ!!!私と神楽耶様だけで謁見する!!!」
ディートハルト「ゼロ!!そんな!!どうかご慈悲を!!ゼロォ!!!」
ゼロ「そんなことあるわけがない」
カレン「もう一回、仮面粉砕してあげましょうか?」
ゼロ「ナナリーは一人で歩いている……。自らの理想に……」
C.C.「……」
ゼロ「ナナリーの望む世界には俺が邪魔だ」
カレン「はい」
C.C.「異議なし」
ゼロ「だが、それでも俺は―――」
神楽耶「ゼロ様ぁ。いえ、ルルにぃ。行きましょう?」
ゼロ「理想に生きるっ!!!」
カレン「―――弾けろ!!!ブリタニアァ!!!」バキィ
C.C.「―――私を失望させるなっ!!!」バキィ
神楽耶「ゼロ様ぁ!!!」
END
おまわりさんこいつら全員です
しかしギアスの世界ってロリとはっきり言えるロリは天子様だけなんだよな…
他の3人は全員15歳だし
世界はロリコンに優しくないのだよ
Entry ⇒ 2012.09.12 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
C.C.「ルルーシュ。 お前、死んだらしいぞ」
C.C.「ルルーシュ! 起きろ、大ニュースだ!」
ルル「朝から騒々しいぞ…。 もう少し眠らせろ」
C.C.「二度寝する前に話を聞いておけ、損はさせないつもりだ」
ルル「どうせお前の事だから『ピザ激安』とかいうCMでも見たんだろう…」
C.C.「違う。 全く、お前は私を何と思っているんだ?」
ルル「ピザ食いNEET魔女」
C.C.「ほぅ、お前のカードを破産させるくらいピザを食ってやろうか?」
ルル「一体どんな脅しだ……」
ルル(……そして、俺はいつの間に見知らぬ部屋のベッドで眠っていたんだ)
ルル「そこまでお前が執着するニュースとは珍しいな。
いいだろう、話してみろ」
C.C.「ルルーシュ。 お前、死んだみたいだぞ」
ルル「何……だと……!?」
C.C.「先日の昼過ぎとの事らしい」
ルル「いったい誰が殺した?」
C.C.「先の大戦で死んだと思われていたゼロに、だ」
ルル「死因は?」
C.C.「胸を剣で一突き。 出血多量によるショック死だと報道されていた」
ルル「ほぅ…一突きで仕留めたのか。 ゼロは相当の腕利きだな」
C.C.「ああ、それはもう色々な奴からお墨付きな程度にはな」
C.C.「解放軍と市民により即救助された」
ルル「黒の騎士団の面々は?」
C.C.「同上だ」
ルル「今日の朝食は?」
C.C.「フレンチトースト。私が作ったんだぞ」
ルル「味の方は?」
C.C.「味見などするか。目分量に決まっているだろう」
ルル「…ちなみにシュナイゼルはどうなった?」
C.C.「助けられた恩義が云々で、ゼロに忠義を誓う声明を昨晩のうちに発表した」
ルル「それで、俺は誰だ」
C.C.「ルルーシュだ」
ルル「そうか…殺されたのは誰だったか?」
C.C.「ルルーシュだな」
ルル「とんでもない事件が起こったものだな」
C.C.「ああ、お前が寝ていた間に世間はとんでもない事態になっているぞ」
C.C.「ああ。予想以上にお前が乗ってくれて大満足だ」
ルル「いつの間にかゼロ・レクイエムを俺はやり遂げていたのか」
C.C.「お見事だったぞ」
ルル「お前から賞賛を貰えたとなれば、相当なものだったのだろう」
C.C.「……ん?」
C.C.「ルルーシュ、お前」
ルル「なんだ」
C.C.「ゼロ・レクイエムの事を覚えていないのか?」
ルル「……」
C.C.「一応確認しておくが、どういった理由でここにいるのか理解しているか?」
ルル「…大体の予想はつくが確証が持てない」
C.C.「覚えてないのか? お前、刺されてからずっと眠っていたんだぞ」
ルル「言われてみれば先日の記憶が曖昧だな」
C.C.「ちなみに、どの辺りまで覚えている?」
ルル「ほとんど覚えていない。
うろ覚えながら、ナナリーと少しだけ喋った…気がするだけだ」
C.C.「そうか。 会話は出来たか?」
ルル「…ああ。 記憶や感覚は曖昧だが、何かしら会話を交わせたと思う」
しかしてゼロ・レクイエムを含めた全ての事象が
本当にあったことならば、一つ大きな問題があるのだが」
C.C.「お前が抱える問題なぞお見通しだ」
ルル「ほぅ、やけに自信ありげだな」
C.C.「当たり前だろう? 私はC.C.だからな」
C.C.「ズバリ空腹だな。待ってろ、今すぐ朝食持ってきてやる」
ルル「……大ハズレもいいところだ」
C.C.「私にかかれば簡単な事だ」
ルル「ところで、C.C.。キッチンに置いてある失敗作の山だが」
C.C.「それは後で私が食べる分だからな。 決して失敗作なワケじゃないぞ」
ルル「よく言ったものだな…」
C.C.「ふん」
ルル「お前には勿体無いくらいの量だ。俺が全部食うから後で持ってこい」
C.C.「だ、だからアレは私が食べる分だと…!」
ルル「いいから持ってこい」
C.C.「あ、アレは本来私の分だが、お前がそういうなら持ってきてやろう」
ルル「そういう事にしておいてやろう」
C.C.「…美味しくなくても知らないからな」
ルル「お前が作ったんだろう? 不味いのか?」
C.C.「そんなワケないだろう。 しっかり味わって食えよ」
ルル「せいぜい期待させてもらおう」
C.C.「……腹、壊すなよ」
ルル「おい、C.C.」
C.C.「なんだ」
ルル「昼はいらん」
C.C.「…完食したのか」
落ち着いた頃にでも俺の質問に答えてもらうぞ」
C.C.「却下だ。私は忙しい」
ルル「ゲーム機をTVへ繋ぐ作業を忙しいというのか、お前は」
C.C.「重労働だぞ?」
ルル「こんな事が重労働なら、数千万人単位で過労死する輩が出るぞ」
C.C.「いいじゃないか。
どうだ、折角の機会だから一緒にゲームでもするか?」
ルル「馬鹿を言え。俺にそんな時間が…」
C.C.「時間が?」
ルル「……時間が、あるのか?」
C.C.「ああ、あるんだぞ。 心からゆっくり休める時間が」
こういうのには慣れていないが、お前がそう言うなら付き合おう」
C.C.「ふん、今日の童貞ボーヤは素直だな」
ルル「ただ、何事も慢性的に遊ぶのでは面白くない」
C.C.「私は楽しいぞ?」
ルル「俺が面白くないんだ。
…ちょっとした賭けでもしながら遊んでみるか」
C.C.「内容次第だな」
ルル「なに、簡単なことだ。
俺が勝てばお前に質問、お前が勝てば俺に命令。
シンプル故に分かりやすいだろう?」
C.C.「おい、ルルーシュ」
ルル「なんだ?」
C.C.「お前に対する命令は何でもいいのか?」
ルル「内容次第だな」
C.C.「おやおや、いきなり保守的とはらしくないな。
要するにお前は負けなければいいんだ。
最初から『内容次第』と逃げているようでは男がすたるぞ?」
ルル「自分の事を棚に上げておいてよく言えるな…」
C.C.「私はか弱い女だからな。 よって先ほどの理屈は私にはまかり通らん」
ルル「…まぁいい。言い出したのは俺からだからな、その条件で受けてたとう」
ルル「C.C.、俺にチェスで敵うと思っているのか?」
C.C.「聞きたい事があるのだろう?」
ルル「……ふん」
Win:ルルーシュ
ルル「当然ながら俺の勝ちだ」
C.C.「…ここまでコテンパンにされると若干腹が立つな」
ルル「…拗ねるな」
ルル「まずは一つ。俺の疑問の基盤となる質問だ」
C.C.「言ってみろ」
ルル「『ゼロ・レクイエムは予定の通り成功したのか?』」
C.C.「その質問にはYesと答えよう。
完璧だった。本当に、一部の狂いもなく、完璧に達成された」
ルル「……そうか」
ルル「まだ題目はチェスでいいのか?」
C.C.「ああ、それでいい」
Win:ルルーシュ
C.C.「………」
ルル「不貞腐れるな、さっきよりも10分長く対局出来たじゃないか」
C.C.「…バレバレだ。もっと分かりにくい手の抜き方をしろ」
ルル「…善処する」
C.C.「いいだろう」
ルル「『今俺たちが居る場所、ココはどこだ?』」
C.C.「確かに記憶の曖昧なお前にとっては重要な質問だな。
ここはジェレミアの隠遁地となる予定のミカン畑。そこの宿舎だ」
ルル「また随分と立派な宿舎だな」
C.C.「皇帝時代のお前から貰った給与の半分で土地と家を買ったそうだ。
随分と優遇してくれて感謝がうんたら、とアイツは言っていたぞ」
ルル「…そうか」
C.C.「外を見てみろ。見事なオレンジ農園だろう。
アレは全部ジェレミアが栽培しているらしい」
ルル「今さらながら自分の業の深さを噛み締めているよ」
C.C.「気にするな、アイツは忠義の名とかで結構受け入れているぞ」
ルル「俺の勝ちは揺るがないが良いのか?」
C.C.「その鼻をへし折ることに快感を覚えるのが私だ」
ルル「面白い、やってみろ」
Win:ルルーシュ
C.C.「………!」
ルル「大人気なかったのは謝罪するから涙ぐむな」
C.C.「ふん、上等だ。何でもこい」
ルル「『何故ここには俺とお前しかいない?』」
C.C.「簡単な事だ。ジェレミアとアーニャが農作業に出て留守にしているからだ」
ルル「…ナイトオブラウンズが何故ここにいるんだ」
C.C.「色々あってジェレミアが養うことになったようでな。
この話は長くなるから、次の機会にでもゆっくり話してやる」
ルル「ふん、何でも来い。負けるつもりは毛頭無いがな」
C.C.「では、このゲームで高得点を取った方が勝ちとしよう」
ルル「次に選んだジャンルは『ガンシューティング』か。
この程度の題目なら楽勝だろう」
C.C.(…負けっぱなしは性に合わんからな。目にもの見せてやる)
ルル「今から始めるゲームのタイトルは何なんだ?」
C.C.「デスクリムゾン、だ」
Win:C.C.
ルル「おい、何だこれは」
C.C.「何がだ?」
ルル「何が? なにもかもに決まっているだろう!?
だいたい何だ、このコンバット越前とやらは!
コードネームに本名の一部を使う馬鹿がいるか!!」
C.C.「落ち着け、そんな熱くなるな」
ルル「他にも設定やらゲームの当たり判定やら、不満な部分を上げたらキリが無い…!」
C.C.「クソゲーたる所以がそこだからな」
ルル「それに、何よりも」
C.C.「ん?」
ルル「なんでお前は平然とエンディングまで辿り着いてるんだ!?」
C.C.「ふふん。当たり前だ、私を誰だと思っている?」
ルル「くそぅ…無駄に勝ち誇るその顔が腹立たしい……!」
ルル「仕方ない。ルールはルールだからな」
C.C.「『コーヒー淹れてこい』」
ルル「人を小間使いと思っていないか、お前」
C.C.「黙れ敗者。とっとと私のために精魂込めてコーヒー作れ」
ルル「くっ、い、淹れてくるから待っていろ! すぐに再戦だ!」
C.C.「おい、ルルーシュ」
ルル「何だ!?」
C.C.「間違っても睡眠薬入れて、私に変なことしようとするなよ?」
ルル「…手が滑って下剤が投与されたら悪かったと先に謝っておくよ」
C.C.「ほぅ、やるじゃないか。及第点を与えれる程度には美味いぞ」
ルル「褒められても嬉しくないのが不思議だな」
C.C.「変なものは入れてないだろうな?」
ルル「お前はまず俺に対する猜疑心を脱ぎ払うことを善処しろ」
C.C.「ゲームは先ほどと一緒で構わないな?」
ルル「構わないわけないだろう。さっさと別のゲームに切り替えろ」
C.C.「ふん、文句ばかりは一丁前だな」
ルル「その台詞はどの口が言うんだ」
C.C.「じゃあ、シューティングでのスコアアタックはどうだ?」
ルル「ほぅ、パターン構築が主となるタイプか。俺は構わんぞ」
C.C.「ジャンルは縦スクロールSTGでいいな」
ルル「いいだろう。
ところで、何というタイトルのゲームなんだ?」
C.C.「怒首領蜂・大往生だ」
Win:C.C.
ルル「ス、スコア差が圧倒的すぎるぞ…」
C.C.「なんだ、張り合いの無い奴め」
ルル「C.C.、貴様…このゲーム、やり込んでいるなっ!」
C.C.「答える必要は無い」
ルル「年寄りは大変だな」
C.C.「喧しい。 私はまだピチピチだ」
ルル「その表現がすでに…いや、なんでもない」
C.C.「うむ、今から横になるんで黙って手を動かせ」
ルル「はいはい…」
ルル「ん?」
C.C.「変なところ触るなよ」
ルル「触らん」
C.C.「絶対だぞ」
ルル「触らん」
C.C.「手がすべったとか無しだからな」
ルル「触らんと言っているだろう」
C.C.「…真顔で返答されると、それはそれで腹が立つな」
ルル「…一体なんなんだ」
ルル「パズル系ならば有り難いんだが」
C.C.「却下。 お前に分がありすぎてアンフェアだ」
ルル「だとすればお前に何か案はあるのか?」
C.C.「そうだな、日本を列車で徘徊しながらモノを買い続けるゲームはどうだ?」
ルル「その言い回しだとモノポリーを連想するな」
C.C.「大体あっている。 桃太郎電鉄というタイトルのようだ」
ルル「またしても初めてプレイするゲームか。
C.C.、ちなみにお前これをどの程度やりこんでいるんだ?」
C.C「一人で閻魔を3人相手どって余裕で勝てる程度だ」
ルル(基準がいまいちよく分からんが、大したことはなさそうだな…)
C.C.「さて、これはプレイ年数が選べるが何年くらいで戦ってみるか?」
ルル「適度に遊べる程度で頼む」
C.C.「了解した。 では10年くらいで遊ぶか」
Win:C.C.
ルル「くっ……惜敗か…!」
C.C.「ルルーシュ、お前の敗因は一つ。
機動力を疎かにして農林物件ばかりを買い漁ってしまったことだ」
ルル「ふん、次の機会には見返してやるからな」
C.C.「せいぜい楽しみにしておこう」
罰ゲームの題目が浮かんでこないな」
ルル「ではいいじゃないか、パス1で」
C.C.「却下だ。 せっかくならこの権限を十二分に使わせてもらおう」
ルル「ん?」
C.C.「二度も繰り返さんぞ」
ルル「いや、しっかり聞こえてはいたんだが」
C.C.「だったら早くしろ」
ルル「そんな事でいいのか?」
C.C.「充分だ」
ルル「手の内側に画鋲とか仕込んでいないだろうな」
C.C.「なんだその絶妙に陰険な手法の嫌がらせは」
ルル「…欲の少ない奴だな」
C.C.「…いや、私にとっては欲張りなくらいだよ」
ルル「C.C.、ちょっと待て。
こんなに長時間ゲームをやったことが無い身としては、流石に疲れたぞ」
C.C.「なんだ、もうへばったのか。 だらしない奴め。
私なんて某RPGでは天鱗を求めて丸二日ポータブルを手放さなかったぞ」
ルル「見事なまでに廃人じゃないか」
C.C.「そのくらい私の持つ気概を見習ってみろ」
ルル「ああ、反面教師としてな…」
ルル「ちょっと待て、まだあと一つだけ聞きたいことがある。
最後に一戦だけやるぞ」
C.C.「ほう? 題目は?」
ルル「シンプル・イズ・ベスト。 ジャンケンだ」
ルル「奇遇だな。 俺もグーを出すつもりだ」
C.C.「それでは引き分けてしまうだろう」
ルル「だったらお前が変えればいい」
C.C.「却下だ。 お前に言われてホイホイ意見を変えるのはプライドが許さん」
ルル「じゃあ俺がパーを出せば万事解決だな」
C.C.「ま、まぁそういう事になるな」
ルル「もういいな? それではいくぞ」
ルル「ジャンケン!」
ルル&C.C.「ポン!」
ルル:グー
C.C.:チョキ
Win:ルルーシュ
C.C.「ふ、不覚……」
ルル「C.C.、一つだけコツを教えておいてやる。
この手のゲームで心理戦に勝つには、まず引き分けを狙っていくことだ」
で、お前が私に聞いておきたいことは何だ?」
ルル「最後に一つ、大事な質問をする。正直に答えてくれ」
C.C.「いいだろう」
本当にゼロ・レクイエムは終わったんだろう」
C.C.「ああ、お前達は見事にやり遂げている」
ルル「そうなると、大きな矛盾が一つだけ生じるんだ」
C.C.「…言ってみろ」
ルル「C.C.、『俺は何故こうして生きている?』」
C.C.「……」
C.C.「…どこかの物好きがコードを与えたからだ。
お前に死んでほしくないと願った愚か者が、そうしたんだ」
ルル「Cの世界だったか」
C.C.「ああ、そこでは過去に死した人と会話も出来る」
ルル「その為には自分も死人になっているのが条件だがな」
C.C.「お前、そこで会いたい人や謝りたい人がいるんだろう?」
ルル「……ああ」
C.C.「私がコードを与えたことにより、しばらくそこへ行けなくなったわけだ」
ルル「……」
ルル「なんだ?」
C.C.「…私を恨んでくれて構わないんだぞ」
ルル「……」
C.C.「お前は全ての罪を抱える覚悟でスザクに殺されることを望んだ。
しかして、私の勝手なエゴでお前はこうして生きている」
ルル「……」
C.C.「言うなれば、お前の誇りに泥を塗ったようなものだ」
ルル「……」
ルル「……」
C.C.「だから一向に恨んでくれて構わない。
そうされるだけの理由が私にはあるし、お前にはそうする権利がある」
ルル「……」
C.C.「お前が望むのならば、何でもしよう。
私はただ…お前に死とは別の救いを見つけてほしかったんだ」
ルル「…なんでもする、だと」
C.C.「…そこだけを抜粋するか貴様」
C.C.「あ、ああ! なんでも聞いてやろう」
ルル「C.C.、それでは…」
C.C.(な、何をこいつは願うのだろうか…)
ルル「ならば、C.C.」
ルル「俺と一緒に来い」
C.C.「……は?」
だからこそ、自由な時間が出来たら俺は旅がしてみたくてな」
C.C.「まるで仕事に疲れたOLの発想じゃないか」
ルル「五月蝿いぞ。
で、だ。 やはり旅をしようにも一人だと退屈しそうでな。
お供のような奴が一人は欲しかったんだ」
C.C.「…そこで私に白羽の矢が立ったわけだ」
ルル「感謝はすれど恨むことなど何も無い」
C.C.「いいのか?」
ルル「Cの世界にはいつでも行ける。 この現状も縁と受け取ろう」
C.C.「確かに言った」
ルル「二言は?」
C.C.「無い」
ルル「だとすれば話は早い。
俺をこういった現状においたお前への責任は、それが一番ベストな形だろう」
ルル「この後に及んで質問か。 まぁいい、何だ?」
C.C.「そ、その…私なんかで、いいのか?」
ルル「愚問だな。 お前がいいんだ」
C.C.「そうか。 そこまではっきり言うのは清々しいな」
ルル「ふん、今さら体裁を取り繕ってどうする。
忘れたか? 俺とお前は…」
C.C.「共犯者だから、か…」
C.C.「ふふん、それなら確かに遠慮は要らんな」
C.C.「ああ、シャルルの王位を継承したその瞬間にな」
ルル「そして、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアも死んだ」
C.C.「ああ、華奢な男が持つには重過ぎる大罪を背負ってな」
ルル「だが、俺は生きている」
C.C.「ああ、…生きている。 お前は、こうして生きている」
ルル「とりあえずは、この優しい世界で余生を楽しむとしよう」
~とあるのどかな農道にて~
女「……」
男「……」
女「ギアスという名の王の力は、人を孤独にする」
男「……」
女「ふふっ。 少しだけ違っていたな」
男「……」
女「なぁ、ルルーシュ」
男「……ふん」
―END―
C.C.かわいかった
Entry ⇒ 2012.09.12 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
ルルーシュ「時間を持て余すのに理由が必要か?」
かといってネタがあるわけでもないので
適当にお題をください
C.C.「ルルーシュ、お前最近疲れているのか?」
ルル「何を言うかと思えば…一体何を根拠にそんな事をのたまった?」
C.C.「先日の夜更け過ぎの事だが、私が所用でお前の部屋の前を通ったときの事なんだが」
ルル「何故お前はそんな時間に俺の部屋の前を通ったんだ」
C.C.「野暮なことは気にするな。器の小さい男だな」
ルル「事と次第によっては、俺の貞操にも心配が及ぶからな。念のために聞いただけだ」
C.C.「ふん。私が童貞坊やに色欲を抱くとでも考えていたのか? 全く以って浅はかな思考だ」
ルル「ほぅ、では改めて聞こう。 なぜお前は俺の部屋の前を通ったんだ?」
C.C.「…そ、それはだな」
ルル「口ごもるのは疚しさがお前の中に潜んでいるからではないのか?」
C.C.「そ、その……せ、生理現象だ。 …あまり言わせるな」
ルル「…俺の配慮が足りなかったな。すまない」
C.C.「こ、この事はまた後々謝罪してもらうからな。
それで本題に戻るぞ。 私がお前の部屋の前を通った際に、部屋の中から音が漏れてきていた。
その音に耳を澄まして聞いてみたら…」
肥後「じゃあ俺が」
寺門「じゃあ俺が」
ルル「それでは俺も!」
上島「じゃ、じゃあ俺が!」
肥後「どうぞどうぞ!」
寺門「どうぞどうぞ!」
ルル「どうぞどうぞ!」
C.C.「テレビのバラエティ番組に向かって、楽しそうにツッコミをしているお前の声が聞こえてきたんだ」
C.C.「……なぁ、ルルーシュ。 もし疲れているのなら、少しくらい胸を貸すぞ?」
ルル「……哀れんだ目で俺を見つめてくるな」
C.C.(今日も今日とて、私はルルーシュの代理か)
C.C.(あいつからは「あまり喋らず、堂々としていればいい」とだけ聞いたが…)
C.C.(…思った以上に暇だな)
カレン「あ、ルルーシュ! いい所にいるじゃない!」
C.C.「!?」
C.C.「おい、カレン。私は…」
C.C.(いや待てよ、これはひょっとしたら最高の暇つぶしが出来るんじゃないか…!?)
C.C.「その意見は却下する」
カレン「え!? ちょ、なんで」
C.C.「カレン。お前は確かに私の正体を知っている。
しかして周りに多数の人がいるなかで、部下が組織のトップに敬語を使っていないのは少々問題ではないのか?」
C.C.(まぁ、玉木の阿呆の事はこの際置いておこう…)
カレン「そ、そうでした。申し訳ありません!」
C.C.「さて、カレン。お前は私に何か聞きたい事があって来たのではないか?」
C.C.「そういう事ではないだろう、お前が私に聞きたいというのは」
カレン「へ?」
C.C.「例えば…そうだな。
『休日は一体何をして過ごしているのか』、『好きな女のタイプは何なのか』
もしくは…『今現在、意中の相手はいるのか』」
カレン「な、え、ちょ、え、ええ!?」
C.C.「お前が真に聞きたいのは、そういう事ではないのか?」
カレン「ル、ルルーシュ!
アンタさっき自分で公私混同はダメみたいな風に言っておきながら、それってモロ私情みたいな感じじゃない!」
C.C.「声を荒げるな。 そしてここは騎士団内だ。私に同じ事を反芻させたいのか?」
カレン「グッ…も、申し訳ありません……」
ゼロ「…さて、私に聞きたい事とはなんだ?」
カレン「ですから、先ほども申し上げたとおりに次回の作戦についての事を」
ゼロ「カレン…こうして私が機会をあげているんだ。
お前の様子を見ていて分かる。作戦などという公的なもの以外で聞いてみたいことがあったのだろう?」
カレン「そ、それは…その……」
ゼロ「私はいつもお前を見ている。 お前のことはよく知っているつもりだ」
カレン「ルルーシュが…私を、ずっと見てくれている……?」
ゼロ「ああ、私はお前をずっと見ている。 見守っている」
カレン「そ、それじゃあ一つだけ聞かせてください、ゼロ…」
ゼロ「ぶっふぅwwwwwwwwwww」
カレン「ゼ、ゼロ!?」
ゼロ「…すまない。 少々咳き込んでしまっただけだ、気にするな」
C.C.(いかん、これは面白い。 面白すぎるぞカレン…。
ここまでウブな反応を見せてくれるとは流石の私も想定の範囲外だった…!)
ゼロ「ああ、大事無い」
カレン「さっきから肩が震えているんだけれど、そんなに体調が悪いの?」
ゼロ「持病みたいなものだ、気にするな」
カレン「声まで震えちゃって…」
ゼロ「笑いを、いや、お前が素直になってくれた事への喜びを噛み締めているだけだ」
カレン「は、はい!」
ゼロ「私が恋仲となりたい人間がいるのか、という話だったな」
カレン「……はい」
ゼロ「それはだな」
ゼロ「カレン、君自身だ」
カレン「…………へ?」
ゼロ「君だ。私はそう言っているんだ」
カレン「………!?」
ゼロ「ほら、こんなに顔を真っ赤にして」
カレン「て、照れているからに決まってるじゃない!」
ゼロ「目まで涙ぐんでしまって、一体どうしたというんだ?」
カレン「…嬉しいからに決まっているじゃない。 …馬鹿」
C.C.(ダメだwwwww腹筋がwwwwwよじれそうだwwwww)
ゼロ「カレン、大事な話がある。 あとで俺の部屋に来い」
カレン「えっ…部屋って、もしかして…」
ゼロ「少々の覚悟はしてくるんだな。 多少は荒いかも知れないが、優しくしてやる」
カレン「は、はい!! …ちょっとくらい荒っぽくても、私は一向に構いません」
ゼロ「ぶっふぅwwwwwww」
カレン「ゼ、ゼロ!?」
ゼロ「いや、すまない。またしても咳き込んでしまった。 どうにも体調が芳しくないようだ。
先に部屋へ戻ることにしよう」
ゼロ「また後で、カレン」
カレン「うん…ルルーシュ……」
ルル「ご苦労だ、C.C.」
C.C.「そっちの方こそご苦労な事だ。
学生とゼロを両立する二足の草鞋は大変だろう」
ルル「お前の口から労いの言葉が出るとは珍しいな」
C.C.「なに、非常に面白いものが見れたしな。
今日の私はご機嫌なんだ」
ルル「どんなことがあったのかは知らないが、それは良かったな」
C.C.「それに、これからもっと面白そうなことが起こりそうだからな」
ルル「何の事だ?」
C.C.「こちらの話だ、気にするな。
私は一足早くアッシュフォードへと戻っておく」
ルル「ああ、分かった」
C.C.「なぁ、ルルーシュ」
ルル「どうした?」
C.C.「私たちは、共犯者だよな?」
ルル「今更分かりきったことを。 当たり前だろう」
C.C.「そうか……w」
ルル「おい、なんだその含み笑いは」
C.C.「気にするな」
ルル「全く、変な女だ」
ゼロ(真)「さて、着替えも終わって作戦プランの準備も万端だ」
ゼロ「今日も絶好の騎士団日和になりそうだな」
コンコン
ゼロ「誰だ?」
カレン「ゼロ、私です。 紅月カレンです」
ゼロ「カレンか。 構わない、入れ」
カレン「…失礼します」
カレン「何が、ですか?」
ゼロ「少々胸元が開きすぎている。
騎士団の規律の面もあるから、あまり着崩すような真似はするな」
カレン「そ、それはだって、アンタが部屋に呼ぶから…ちょっとくらい、大胆になっても…」
ゼロ「俺がお前をいつ部屋に呼んだというんだ?」
カレン「!?」
ゼロ「何を言う、俺はついさっき着いたばかりだぞ」
カレン「だ、だってアンタ私にこ、こく、こくこくは…!」
ゼロ「刻刻破?中華連邦の新しいKMFの名前なのか、それは」
カレン「し、しらばっくれて…! アンタ、男として最低よ!!」
ゼロ「カレン、深呼吸をして少し待て。未だに状況がつかめていないんだが」
カレン「わ、私に好きって言ったじゃない!!」
ゼロ「落ち着け、カレン」
カレン「優しくしてやるっていうから…凄く、恥ずかしかったのに…」
ゼロ(一体どうなっているんだ、コレは…!?)
ルル(俺が騎士団本部に来る前までに何らかのトラブルがあったと見て間違いない)
ルル(ならば俺に出来ることは)
ルル(『つい今しがた到着したばかり』で、『先刻までゼロの代理をC.C.に任せていた』ことを
カレンに説明し、この妙なちぐはぐ感を取り払うことが先決!)
ルル(この問題を解決するための条件提示はクリア…!)
ゼロ「カレン、まず落ち着いて俺の話を聞くんd……」
カレン「馬鹿ああああああああああああああああああああああ!!」
グシャ
ゼロ「」
~その頃、アッシュフォード~
C.C.「全く、今日は本当に面白かった…これならば、ゼロを演じるというのも悪いものではないな」
-end-
C.C.「なぁ、ルルーシュ。ピザが食べたい。出前を取ってくれ」
ルル「……」
C.C.「おい、聞いてるのか」
ルル「……」
C.C.「おい、ルルーシュ」
ルル「……そういえば読みかけの本があったな」
C.C.「おい、無視するな」
C.C.「なんだ、つれないじゃないか」
ルル「……」
C.C.「いつもは『ピザを取る余力があるならば、そのカロリーを別の事に消費しろ』と
口やかましく言っているじゃないか」
ルル「……」
C.C.「『合衆国ニッポン!』というネーミングとポージングを考えてやった恩義をお前は忘れたのか?」
ルル「存外早く読み終えてしまったな。音楽でも聴くか」
C.C.「ルルーシュ、馬耳東風というやつか。 こうなったら意地でもお前に相手させてやる」
ルル「~~♪」
C.C.「そこの音程外れているぞ、音痴」
ルル「……」
C.C.「ほら、そうして人に突っ込まれたらすぐ歌うのを止める。
男らしく初志貫徹で最後まで歌いきれ」
ルル「……」
C.C.「ボリュームを上げて対抗か。 だが私はその分だけ声を荒げて喋るぞ」
ルル「……」
C.C.「全く、ボリュームを上げるなら上げるで最大まで上げてみろ。
どうせ自分の耳が持たなくなったから妥協をして中途半端な大きさで留めているんだろう?」
ルル「……」
ルル「……」
C.C.「ほら、そうやって露骨に飛ばす。
いくら私が美声だからと言って、そこまで照れることないじゃないか」
ルル「……」
C.C.「なぁ、ルルーシュ」
ルル「……」
C.C.「相手をしろ」
ルル「……」
C.C.「…淋しいじゃないか」
C.C.「…!」
ルル「…どうかと聞いている」
C.C.「分かった、善処しよう」
ルル「…ふん、まぁお前の口からその言葉が聞けただけでも及第点と言ったところか」
C.C.「私だって伊達に長生きしていない。 妥協くらいは知っているさ」
C.C.「ただな、あんなそっけない態度だけはとってくれるな。 …私は存外、傷つきやすいんだぞ」
ルル「…すまなかった」
そんなに私はお前にかまけず、ピザばかり食べていたか?」
ルル「なに、簡単な理由だ。 C.C.、これを読んでみろ」
C.C.「ん? これはお前が途中で読んでいた本じゃないか」
C.C.「なになに…『人を追い詰める51の方法』?」
ルル「ゼロとして行動するなら、交渉術や行動心理学に詳しくなくてはいけないからな。
その実験として少々試してみただけだ」
C.C.「……」
ルル「ん?」
C.C.「……」
ルル「おい、C.C.。なぜ急にそっぽを向く」
C.C.「……」
ルル「C.C.、聞いているのか?」
C.C.「……」
ルル「…これが、因果応報というやつか」
-end-
ジェレミア「私ですか?」
C.C.「お前しかいないこの空間で、私はお前以外の誰に話しかければいいんだ?」
ジェレミア「それは失礼いたしました」
C.C.「で、さっきの質問の回答は?」
ジェレミア「そうですね…ルルーシュ様のお傍で働けるのであれば、それ以外で思う事は特に…」
C.C.「なんだ、ごくごくつまらない忠義だな」
ジェレミア「どのように捉えられようとも、私にはそれだけが己が全てですから」
ジェレミア「ですが…もしも本当に成すべき事が終わったのであれば…」
C.C.「…本当に欲が無いんだな」
ジェレミア「現状で精一杯なだけですよ」
C.C.「オレンジ農園でもやってみるか?」
ジェレミア「それも良いですね、我が忠義の農園とは素晴らしい」
ジェレミア「そこで馬や牛など放牧して、ちょっとした牧場を経営するのも…いいですね」
C.C.「ふん、せいぜい夢想を楽しんでいろ。 そういうのどかな夢は、嫌いじゃない」
ジェレミア「…ありがとうございます。 おかげで、私のやりたいことが少しだけ見えたような気がします」
ジェレミア・ゴットバルト
後の牧場王(マキバオー)と呼ばれる男の起源は、このような些細な会話から成るのであった
C.C.「おい、ルルーシュ」
ルル「…今何時だと思っている?」
C.C.「知ったことか。 そんな事よりも頼みがある」
ルル「俺の睡眠時間をたった一言で片付けるとはいい度胸じゃないか」
C.C.「あまり気にするな」
ルル「まぁ、目が覚めてしまったのはもう過ぎた話だ。 一体なんの用だ?」
C.C.「私の下着がどこかへ行った」
ルル「それは一般的に『無くした』というんだ」
C.C.「お前、どこにあるのか知らないか?」
ルル「俺が知るわけないだろう」
ルル「お前が俺にどんな意見を求めているのか理解しかねるんだが」
C.C.「さぁ、出せ」
ルル「何をだ」
C.C.「ここまで言っても分からないか」
ルル「正確には『分かりたくない』という心情をお前は汲み取ってくれないのか」
C.C.「ルルーシュ、お前…私のパンツ盗んだだろう」
C.C.「白羽の矢が立つとしたらお前しかいないだろう」
ルル「……根拠はどうなる?」
C.C.「なに、簡単な事だ」
C.C.「考えても見たら、情欲の盛んな坊やとずっと同じ部屋で過ごしているんだ」
ルル「お前が勝手にここに住み着いただけだろう」
C.C.「若い力に任せて押し倒されていても何ら不思議も無かった」
C.C.「いわば私は日頃から己が身の危険と隣り合わせだったわけだ」
ルル「ついに痴呆が始まったのか。長生きの弊害は怖いな」
C.C.「だがお前はそうしなかった、何故か分かるな?」
ルル「同意を求めるな。 分からん、知らん」
C.C.「お前は私の使用品で己の欲を発散していたからだ。 …違うか!?」
ルル「勝ち誇った顔でこっちを見るな。 違うに決まっているだろう」
ルル「…夜遅くに起こされて、何を言われるかと思えばいきなり犯罪者扱いか。
もしも俺が犯人ではなかったら、それなりの責任は取ってもらえるんだろうな?」
C.C.「責任もクソもあるか。 お前が犯人、事件解決。 あとは尋問を残すだけじゃないか」
ルル「どれだけ傍若無人なんだお前」
C.C.「で、被告。 どこに私のパンツを隠した?」
ルル「…全ての事柄に俺が異論を唱える前に、一つだけ」
C.C.「意見を許そう」
ルル「もしも俺が犯人ではなかったら、お前は一体どうやって責任を取るつもりだ?」
C.C.「有りえない事を大前提に置くんだな、お前」
ルル「言っておくが俺はこの容疑を全力で晴らしに行くからな…」
C.C.「ふん、その時は私の豊満な乳房をお前の好きにさせようじゃないか」
この程度だったらいくらでも許可しよう」
ルル「…さも俺がその事柄を望んでいる風に語るな」
C.C.「で、どうする?」
ルル「ふん、最初からお前に報酬などといったものは何も期待はしていない。
お前が屈服するのにはこういった責任払いが必要だと思っただけだ」
ルル「いいだろう、結ぶぞ! その契約!」
C.C.「ふん、そんなに強気でいいのか?
私はお前の行動を随時監視するから、少しでも証拠を隠滅するような素振りを見せたら
その時点でアウトだからな」
ルル「一向に構わない。 俺はシロだからな」
C.C.「ほぅ…強気だな」
コンコン
C.C.「ん? こんな時間に一体誰だ?」
C.C.「なんだ、咲世子か。 一体どうしたというのだ?」
咲世子「いえいえ、こんな夜更けに外まで聞こえるような声で話されていたから何事かと思いまして…。
あ、そういえばC.C.様。 ちょうどいい所に!」
C.C.「ん?」
咲世子「C.C.様のお着替え一式、誠に勝手ながら洗濯しておきました。
私めの部屋に置いてあるので、また後ほど持って参ります」
C.C.「……」
ルル「……」
C.C.「…一つ聞きたい。 そこに淡いピンクの下着はあるか?」
咲世子「ええ、ありますとも。 大胆な下着を持っていて、正直洗っていてドキドキものでした」
C.C.「……そうか、ありがとう」
ルル「…弁明は?」
C.C.「…ない」
ルル「…何か言うべきことは?」
C.C.「…み、見つかって一安心だな」
ルル「……」
C.C.「…悪かった。 今回の件に関しては全面的に非を認めよう」
ルル「全く…まぁ、見つかって良かったな。 俺はもう眠いから寝るぞ」
C.C.「…ルルーシュ」
ルル「なんだ? まだ何か言い足りない部分でもあるのか?」
C.C.「…責任払いの件、覚えているか?」
C.C.「ほ、ほら! もしもお前が犯人じゃなかったら」
ルル「覚えていない。 そしてこれ以上は聞く気にならん」
C.C.「わ、私はその要求を呑んでも一向に構わないぞ?」
ルル「俺自身がその願いを叶える気がない」
C.C.「…童貞坊や」
ルル「勝手に言っていろ」
C.C.「今回ばかりは流石に反省しなくてはならないからな。
今日くらいは一緒に眠ってやるぞ。 お坊ちゃんは人肌淋しいんだろ?」
ルル「…勝手にしろ」
ルル「勝手にしろ、とは言ったが」
C.C.「…zzz…zzz」
ルル「本当に勝手に人のベッドに入ってくるとは」
C.C.「…zzz…zzz」
ルル「そのくせ俺よりも早く眠りに就くとは…まるで猫だな」
C.C.「…zzz…zzz」
ルル「まぁ、眠っているなら仕方ない。起こして怒鳴るほどの元気も俺にはもう無い」
C.C.「…zzz…zzz」
ルル「…おやすみ、C.C.」
C.C.「…おやすみ、ルルーシュ」
C.C.「さて、被告人」
ルル「……」
C.C.「『目が覚めたら、おっぱいを枕代わりにしていた』。反論は?」
ルル「…ない」
C.C.「あまつさえ、谷間に涎を零して熟睡していた。 異論は?」
ルル「…ない」
C.C.「全く、人がほんの少々気を許して一緒に眠った結果がコレだ。
やはり貴様は色欲まみれの童貞坊やだな」
ルル「…お前の寝相の悪さが主な原因だろうが」
ルル「…反論の余地は、ない」
C.C.「ふふん、お前、今後一週間は廊下で寝ろ。
このままじゃあ次は本当に下着を盗まれるどころじゃないかも知れんからなぁ」
ルル「…今朝の件は不可抗力だと何度言ったらいいんだ?」
C.C.「異論は許さんぞ、ルルーシュ」
ルル「…魔女め」
-end-
ナナリー「私は、目が見えません」
C.C.「ああ、知っている」
ナナリー「私にとっては音こそが世界の色のようなものです」
C.C.「なるほどな」
ナナリー「ですから、C.C.さん。私を罵倒してください」
C.C.「…なんともまぁ吹っ飛んだ発想だな、愚かしいにも程があるぞ」
ナナリー「ああ…貴方の声でなじられるとこんなにもゾクゾクするだなんて…」
C.C.「おい、一体どういうつもりでそっちの気質に目覚めたんだ」
ナナリー「なんて冷酷な声…まるで家畜を哀れむような声のようです…」
C.C.「お前に数多の言葉を浴びせたいのは山々だが、その前に質問をいくつかさせろ」
ナナリー「はい、C.C.様」
C.C.「様をつけるな」
ナナリー「では、お姉さま」
C.C.「…この際だ。 多少の妥協は止むを得まい」
お前をそういう風にさせたのは、一体誰が原因なんだ?」
ナナリー「…事の発端はお兄様の部屋から聞こえてくる声でした」
C.C.「あいつの部屋から?」
ナナリー「その声の主は、お兄様をスラング寸前の数多の言葉でねじ伏せておりました。
それはそれはもう、ひどい言葉で」
C.C.「……」
ナナリー「それを聞いているうちに、なんというかこう胸がキュンキュンしてしまって。
気がついたら私はずっとその声の主に耳をすませていました」
C.C.「その声の主というのは…?」
ナナリー「お姉さま、貴方です」
C.C.「可愛いお前が愚かしいマゾに目覚めてしまったのは、私が原因だったというわけか…」
ナナリー「ああっ…!!」
C.C.「ええぃ、いちいち反応するな!」
ナナリー「ずっとお兄様の部屋に聞き耳を立てて、今まで過ごしてきました。
ですが、それももう限界です」
ナナリー「お姉さまに弄ってもらいたい…言葉攻めというのを体感したい…」
ナナリー「そんな私の気持ち、お姉さまに分かりますか?」
C.C.「分からない。 分かりたくない。 その気持ちを私は分かっちゃいけない」
ナナリー「そう! そんな冷たい声をもっと聞きたいから!
私は貴方にこうやって告白したんです!!」
C.C.「落ち着け、ナナリー。 そんなお前をどう扱うべきなのか私には分からないよ」
ナナリー「分からなくていいんです! 貴方の感じるまま、赴くままに私をなじればいいんです!」
ナナリー「さぁ! さぁ! さぁ! お姉さま!!」
C.C.「やめろ…車椅子なのにそんな勢いで迫ってくるな…!」
ガバッ
C.C.「はぁっ…はぁっ…!」
C.C.「夢、だったのか…」
ルル「おい、C.C.。 うなされていたぞ、大丈夫か?」
C.C.「あ、ああ。ルルーシュか。
いや、存外ひどい夢を見ただけだ」
ルル「ほぅ、お前がうなされるとは相当の悪夢だったのか」
C.C.「ああ、それはもうひどい夢だった」
ルル「寝汗まで掻いているじゃないか」
C.C.「そこまでうなされていたのか、私は…」
ルル「興味本位で訪ねるが、一体どんな夢だったんだ?」
C.C.「…お前に教えるには少々酷すぎる内容だったよ」
-end-
見初めたのは、入学式。
困ったように微笑む彼を遠目から見て、私は一目で恋に落ちた。
整った顔立ち、気品すら感じる佇まい、そして誰にでも優しい平等な態度。
瞬く間に彼は学園の人気者となっていた。
ライバルも当然ながら多かったけれど、皆に好かれる彼を私は少しだけ誇らしくも感じていた。
おかしいよね、そんなに見知った仲ってわけじゃないのに。
生徒会の副会長という事で何かと多忙な彼を手伝いたい。
そして何よりも、もっと彼の身近にいたい。
そんな率直な気持ちが私を動かす。
気がつけば、私は生徒会の一員として働くようになっていた。
ルル、と呼べるような仲になれた。
向こうも私を下の名前で呼んでくれるようになった。
そんな些細な事が凄く嬉しくて、知らず知らずに涙ぐんでいる私に気づく。
すぐに涙腺が緩んでしまうのは情けないけれど、嬉しさだけは隠せない。
本当に幸せな日々だった。
そんな日々が大好きで。
そんな彼が大好きだった。
でも、心のどこかで私は思っていた。
この恋は実らない、と。
彼に引け目を感じているわけでもない。
ただ、漠然とそう感じていた。
諦めればいい。
彼は素敵だけれど、世間を見ればきっともっと素敵な人がいるだろう。
諦めれば、きっと楽になる。
でも、それでも。
私は彼が好きだった。
私は静かに彼を思うことにした。
数多の女の子から告白をされても、一向に付き合う素振りを見せない彼。
思い切って訪ねたことがある。
「ねぇ、ルルってばなんで付き合わないの? 告白されたのに勿体ないよー!」
そう言った私の心は、少しだけギチリと痛む。
そんな彼は困ったように私に返事を返してくれる。
「好きな人が、いるから」
やっぱり、叶わない。
どこの誰に彼が恋をしているのか分からない。
ただ、それが自分じゃないのが凄く切なかった。
ふと、私の体が温かさに包まれるのを感じた。
「泣かないでくれ、シャーリー」
次に紡がれた言葉は
「好きなのは、君なんだ」
彼は本当に困ったような顔をして、私に告げる。
「君が泣いているのを見るのは、少し困る」
まるで、陳腐な三文小説のようだった。
粗末で些事な夢を…私は見ていた。
死ぬな、死ぬなと声を枯らして私に訴えている。
もしかして、夢で見たような彼の困った顔。
今の私がしている表情なのかな。
結局、この恋は実らなかった。
でも、こうして大好きな人の傍で終わるのも、少しだけロマンチックなのかもね。
幸いの名残に。
貴方と共に過ごせた思い出を。
ほんの少しだけ、書き換えて。
私の幸せな物語は幕を閉じる。
-end-
ルル「今日の任務もなんとか無事に終えることが出来た、か」
C.C.「ルルーシュ、おかえり」
ルル「ああ、ただいま…。 おい、C.C.」
C.C.「ん? どうした?」
ルル「いつの間にワインを持ち込んだ?」
C.C.「ついさっきだ。 ラクシャータが余ったんでお裾分けだとさ」
ルル「あまり飲みすぎるなよ。 明日の任務に差し支えない程度にしておけ」
C.C.「いちいち口やかましい奴だ。 美味しい酒もお前の小言で不味くなる」
ルル「好きに言っていろ。
俺はもう眠るから、遅くまで飲みすぎるなよ」
C.C.「おいおい、ルルーシュ。もう眠るのか?」
ルル「ああ。 それがどうかしたか?」
C.C.「つれない奴だな。 こうして折角の美酒があるんだ。一杯付き合え」
C.C.「貴様の脳細胞なぞ私の知ったことか。
それとも何か? 私の酒など飲めないとでも言うつもりか?」
ルル「まるで性質の悪い酔っ払いの絡み酒だな」
C.C.「ふん…やはりお坊ちゃまには酒の味覚など分からないだろうな」
ルル「なんだと?」
C.C.「ブリタニアの軍事圧力や中華連邦との交渉には飲まれない男も
たかだか酒程度のものに飲まれてしまうのが怖いのか、と言ったんだ」
ルル「つまらない冗談を言うじゃないか、C.C.」
C.C.「ほぅ、これを冗談と捉えることの出来るお前の脳はさぞ幸せなんだろうなぁ」
ルル「面白い。 俺が酒ごときに飲まれるわけがないだろう。
C.C.、余ったグラスを貸せ。 少しくらいなら付き合ってやる」
C.C.(本当に乗りやすい男だな、こいつは…)
C.C.「上質な白ワインだからな。 喉にすぅっと入ってくるのが分かるだろう」
ルル「風味だけではなく、澄んだ高原を彷彿とさせるような味わい深さも素晴らしい」
C.C.「あまり語るな。 ボロが出るぞ」
ルル「…少し黙っていろ」
C.C.「しかしまぁ、なんだ。 お前の飲みっぷりから見ると、本当にイケる口っぽいな」
ルル「…俺を誰だと思っているんだ?」
C.C.「まぁ、あまり飲みすぎるなよ。 明日の任務に差し支えない程度にしておけ」
ルル「また随分と遅く返答する鸚鵡返しだな。 俺が先ほど言った台詞と同じじゃないか」
C.C.「お前は皮肉だったんだろうが、私はお前の身を案じて言ったまでだ」
ルル「心配は無用だ。 己のセーブを俺が欠かすわけないだろう」
C.C.「どうした?」
ルル「お前、よく見たら…綺麗だな」
C.C.「ふん、何を言うかと思えば…何?」
ルル「綺麗だ。 そう言ったんだ」
C.C.「お、おいルルーシュ。 いきなり顔を近づけるな」
ルル「琥珀色の瞳、切れ長な目、整った鼻筋…綺麗だ…」
C.C.「目が据わった状態で褒められても、そ、そんなに嬉しくないぞ」
ルル「深緑の髪もよく似合っている…このまま、お前を抱きしめたい…」
C.C.「ルルーシュ。 もう寝たほうがいい。それも早急に」
ルル「なぁ…C.C.。お前は俺のことを一体どう思っているんだ?」
C.C.「共犯者。 それ以上でも以下でもない」
ルル「…本当は?」
C.C.「そ、それは…」
C.C.(そ、そんなに真面目な顔で見つめられると…)
ルル「お前は、俺を、どう…思って……」
C.C.「ほ、本当はだな! 私は結構お前の事を…」
ルル「い…るん……だ……zzz……」
C.C.「ルルーシュ?」
ルル「…zzz…zzz」
C.C.「酔いつぶれて…眠ってしまったのか?」
C.C.「電光石火で酔っ払って、光の速さで混乱を招いて、何も知らない無垢な顔で眠るとは。
なんともまぁ酒癖の悪いやつだ」
C.C.「私は、けっこうお前の事が」
C.C.「――――」
C.C.「…私も少し酔っているな。 もう眠るとするか」
C.C.「おい、ルルーシュ」
ルル「今の俺に話しかけるな」
C.C.「もうすぐ出かける時間だぞ」
ルル「揺さぶるな。 頼む、今回ばかりは切に頼む」
C.C.「『明日の任務に差し支えない程度にしておけ』」
ルル「アゴをしゃくれさせて言うな。その件に関しては不問にしておく」
C.C.「私が問いただしたいくらいだぞ」
ルル「…頭が、割れるように痛む」
C.C.「良かったな。 それが世間一般で言うところの二日酔いだ」
ルル「…俺は金輪際、アルコールは摂取しない。 絶対に」
C.C.「固い決意をしているところですまんが、本格的に出かける時間だぞ」
ルル「…今日のゼロはお前に任せる」
C.C.「ダメだ。 中華連邦で大事な会議だろう。 お前が行かずに誰が行く」
ルル「…昨日の記憶も無い。 今日の気分は最悪。
…全く以って厄日だ」
C.C.「よほど参っているな」
ルル「ナナリー…今、そっちに行くからな…」
C.C.「自分の妹を勝手に故人にするな」
C.C.「まったく、今回だけだぞ…。
ルルーシュ、こっちへ来い」
ルル「何をする気だ? 迎え酒という拷問は受け付けんぞ」
C.C.「膝枕だ」
ルル「は?」
C.C.「…私の気が変わらないうちに来い」
C.C.「それは重畳だ。意外と頭重いなお前、治ったら早くどいてくれ」
ルル「言われずとも、すぐ、どいてやるさ」
C.C.「それは良かった」
C.C.(しかして、昨日の勢いがあった男らしさはどこへやら、だな)
C.C.(こうしているとまるで、…いや、柄にも無いことを考えてしまった)
C.C.(まぁ…もう少しだけこのままでも、罰は当たらんだろう)
ルル「おい、C.C.」
C.C.「なんだ?」
ルル「お前、なんで頬が赤いんだ?」
C.C.「…私もきっと二日酔いだからさ」
-end-
ルル(これは一体、どうなっているんだ)
C.C.「…zzz…zzz」
ルル(俺が、C.C.に抱きしめられながら眠っている、だと?)
C.C.「…zzz…zzz」
ルル(しかも頭にむにゅむにゅした感触を感じる)
ルル(何故かは分からんが、由々しき事態だ)
ルル(腕を振りほどいてこいつを地面に蹴り倒す。
その拍子でC.C.は飛び起きて、寝惚けながら自分の床に帰っていく)
ルル(これで条件はクリア。完璧なプランじゃないか)
ルル(では早速、思考から行動へシフトを切り替えよう)
ルル「ふんっ!」
C.C.「…zzz…zzz」
ルル「ふんんっ!」
C.C.「…zzz…zzz」
ルル「こ、この馬鹿力め…一寸たりともほどけないとは……!」
ルル(プランB『北風と太陽』を考察するまでだ)
ルル(とは言ったものの…まったく身動きできないのは困ったな)
ルル(とりあえず、ずっと固定されて辛くなってきたから
頭の位置だけでもずらしてみよう)
ゴソゴソ
ルル(どうにももにゅもにゅした感覚があるな。
もう少し上に軸をずらしてみるか…)
ゴソゴソ
C.C.「んっ…ふぅ、ん……」
ルル(おい、妙な声を出すな)
ルル(このままではC.C.が目覚めるよりも早く、俺が永久の眠りに就いてしまう)
ルル(だが、この状態で起こされたらコイツに何を言われるか分かったものではない)
ルル(考えろ、こういった土壇場でこそ思考を止めてはいけない)
C.C.「…んうぅん、チーズ君…んふふ…」
ルル(こいつまさか、チーズ君と俺を勘違いしているのか!?
というか今までこんな馬鹿力でぬいぐるみを抱きしめていたのか…)
ルル(こうなったら、強硬手段に出るしかない)
ルル(死に物狂いでもがいて脱出。たった一つの冴えたやり方とはよく言ったものだ)
ルル「ふんぬぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
モゾモゾ
ルル「ぷはぁ!!」
ルル「ようやく脱出、できた…か…」
C.C.「…おい、ルルーシュ」
ルル「…おはよう、C.C.」
C.C.「これは一体、どういう状況だ? 理解可能な説明を私は求めるぞ?」
C.C.「お前が息を荒げて私に馬乗りになっている。 これで充分か」
ルル「及第点だ。では、どういった状況でこうなっているか、これも理解できるな?」
C.C.「……変態め」
ルル「やはり誤解を解くのが最優先事項のようだな」
C.C.「そんなのは私のベッドの中に決まっているだろう」
ルル「では、お前は今どこにいる?」
C.C.「…何故に私はお前のベッドで組み伏せられたようになっている?」
ルル「そこまでは合格だ。 お前はもしかして、昨晩トイレか何かで部屋を出なかったか?」
C.C.「喉が渇いたから、水を飲みに起きたのはうっすらと覚えている」
ルル「そこからの記憶は?」
C.C.「…曖昧だ」
ルル「なるほど、ではそこからは俺が説明しよう」
C.C.「…お前まさか、私の飲んだ水に睡眠薬でも投入したんじゃないだろうな」
ルル「…お前はまず俺への懐疑心を捨てることから始めよう」
C.C.「この私がか? そんなこと有り得るはずが無いだろう」
ルル「前科持ちが何を言う。 続けるぞ。
そして俺の眠っているベッドへと間違って潜り込み、俺をチーズ君と勘違いする」
C.C.「お前とチーズ君を? 馬鹿を言うな。可愛さに雲泥の違いがありすぎるだろう」
ルル「…あくまで俺のは予測だ。
そしてお前は俺が寝ているのをいいことに、抱き枕代わりに俺を抱きしめた」
C.C.「…道理で妙に寝苦しいと思ったら、私はお前を抱きしめていたのか」
ルル「熟睡していた奴が寝苦しいとのたまうとは戯言にも程があるぞ…」
C.C.「…それで、いつまでお前は私に馬乗りになっているつもりなんだ」
ルル「…すまない」
C.C.「まぁ、大方理解はした。
お前の推理も一理あるだろう。これは両者痛み分けといったところだな」
ルル「…俺は危うく本当に死に掛けていたんだが」
C.C.「細かいことは気にするな」
ルル「どうした? まだ何か問題点でもあったのか?」
C.C.「お前は私に抱き枕代わりにされていたのだろう?」
ルル「…まぁ、一概にそう言えなくは無い立場にはあった」
C.C.「という事は、だ。
お前また私の胸を勝手にまさぐったな?」
ルル「天地神明に誓おう。 断じて無いと」
C.C.「しかしてお前くらいの歳が持ちうる腕力があれば、私の腕くらいすぐに振りほどけるだろう」
ルル「……」
C.C.「それなのに、あえてそれを行なわなかった。
お前、私の胸に埋もれている感触を甘んじて受けていたのか?」
ルル「ただの誤解だ。 それで証明終了でいいだろう」
C.C.「あやしいぞ、お前…」
ルル「胸を両手で隠すのはやめろ」
C.C.「……変態」
ルル「誤解だと言っているだろう!」
C.C.「それでは納得のいく説明をしてもらおうじゃないか。
『なぜお前は私の胸に抱かれたままだったのか?』」
ルル「……答えは簡単だ」
C.C.「是非とも聞かせてもらおう」
ルル「……振りほどけなかった。 それだけだ」
ルル「なんだ」
C.C.「私はこれでも一応女だぞ?」
ルル「ああ、分かっている」
C.C.「自慢じゃないが、非力だぞ」
ルル「……」
C.C.「お前、何気に物凄く格好悪いことをカミングアウトしていないか」
ルル「それで俺の疑いが晴れるならばそれでいい」
C.C.「さもやり遂げた風な体裁を取り繕っているところ申し訳ないが、未だに信じられんぞ」
ルル「…事実なのは仕方ない」
C.C.「まぁ、いい。こんな事であまり言い合うのも疲れる。 今日の所は私が折れてやろう」
ルル「折れるも何も、お前が元凶であり原因だろうが…」
ルル「…なんだ」
C.C.「もう少し雰囲気とムードというのを覚えて来い。
状況と場合によっては、考えてやらないこともないぞ」
ルル「…寝言は眠りながら言うものだ」
~後日~
咲世子「レディー、ゴッ!」
パタン
ルル「くっ、また…負けた。 これで12連敗、だと!?」
C.C.「…腕相撲で男性に勝ったのは、長い間生きているが初めての経験だぞ。
本当に貧弱だったのか、お前」
ルル「今日はたまたま調子が悪いだけだ」
C.C.「…まずは筋肉をつけることから始めてみような」
-end-
ニーナ「一人えっち、一人でやれば、怖くない」
ニーナ「…ちょっと語呂が悪すぎるかな」
ニーナ「一人でも えっちと呼ぶのが たまらない」
ニーナ「…うん、今日の一句はコレね」
ニーナ「何とはなしに感じる言葉だけれど、『えっち』を平仮名で表記することや
最後の結びに『たまらない』と付けることで
背徳感がグッと深まっている気がするわ!」
ニーナのオナニー(を題目とした川柳の)講座
ルル(今日も良き騎士団日和だ。 皆は活動に勤しんでいるだろうか?)
玉城「でよ~、ゼロの奴ってさ!」
ルル(食堂から話し声が聞こえてくるな。
どんな話をしているのだろう?
趣味が悪いのは承知しているが、少々聞き耳を立ててみるか)
玉城「『黒の騎士団』ってーの? このネーミングセンスどうにかなんねぇかなwww」
ルル「!?」
玉城「だってよ、皆も内心ではそう思ってるんじゃね?
今までゼロに対してツッコミを入れる奴がいなかったから、暗黙の了解みたいになってっけどよ」」
朝比奈「いやまぁ、実は俺もゼロのセンスはどうかと思っていたんだが」
玉城「だろ!? しかもこのご時勢にマスク被ってポージング決めるんだぜ!
ゼロを初めてみたときなんかさ、俺が厨房の頃に脳内で思い描いた姿が現実になっちまったかと思って
内心では結構慌てちまったよ」
千葉「なにアンタ、あんなの妄想してたわけ?」
玉城「うっせ! 今はもう過ぎた話だからぶっちゃけてんだよ!」
ルル「……」
玉城「ちょ、待てって。 そんなに熱くなるなよぅ」
カレン「一種の不敬罪よ。 そういう軽率な発言が士気に関わっているのを忘れないで!」
ルル(おお、カレン…やはりお前は俺の右腕だ……)
藤堂「では紅月くん。 一つ問うが、君はゼロのセンスについてどう思っている?」
カレン「…えっ!?」
ルル(…えっ!?)
玉城(まさかの藤堂サマからの発言だよ)
千葉(戦闘にしか関心がないと思っていたけれど、藤堂さんも思う節が多少なりともあったのね)
扇 (予想だにしない所からの突っ込みだったな。
見てみろ、意見を求められた本人はしどろもどろになっているぞ)
藤堂「日和見な意見は今この場で求められることではない。
君が、君の本心が、一体どういう風に思っているのか私は訊ねたいんだ」
朝比奈(藤堂さん、目が真剣そのものだ…)
千葉(よっぽど突っ込みたかったのね、ゼロのセンスに関して)
カレン「わ、私はその」
藤堂「簡単な話だ。 『君が』、『どう』、『思っているか』。
それをこの場で言うだけだ」
カレン「しょ、正直…あのセンスは無いかな~、なんて」
玉城「ほれ見ろ。 やっぱりカレンも俺たちと同じ気持ちじゃねぇか!」
カレン「わ、私はKMF用のスーツがちょっとセクハラみたいって思っただけで…!」
ルル(……四面楚歌、とはきっとこのような状況の事なんだな)
扇 「あれはラクシャータ博士が名付けたんじゃないのか?」
千葉「なんでも、ゼロ直々のデザインと名前だったって機工関連の人から聞いたけれど?
まぁそれをノリノリで作っちゃうあの人もあの人ね」
藤堂「巷で聞いた話だか、ゼロは自分のKMFにチェス盤を持ち込んでいるらしいが」
カレン「また随分と狭い巷ですね…」
玉城「それじゃあアレか、ゼロは『俺がこの戦場を支配してますよ~』って感じでKMFの中でチェス動かしてるのか!?」
朝比奈「…噂に聞く『邪気眼』というのを患ってそうだな、俺たちのリーダーは」
ルル(…今日はもう帰ろう。…しばらく外にも出ないでおこう)
ルル「……」
C.C.「帰ってきたと同時に何を言うかと思えば、『しばらく騎士団には顔を出さない』だと?
お前はどこの駄々っ子だ」
ルル「……」
C.C.「どうした? いつもの覇気が全然ないじゃないか。
なにか騎士団で嫌なことでもあったのか?」
ルル「…母さんみたいなことを聞いてくるんだな」
C.C.「喧しい。 ただでさえモヤシっ子極まりないお前が陰鬱になったら、この部屋にキノコが生えるかと心配してしまう。
お前がそんな風に落ち込んでいる原因をさっさと話してみろ」
ルル「なぁ、C.C.…」
C.C.「なんだ?」
ルル「俺のセンスは、どこかおかしいのか…?」
ルル「……」
C.C.「変じゃないに決まっているだろう」
ルル「…本当か?」
C.C.「お前と私の関係性はなんだ? 共犯者だろう。
もしも万が一お前が辱めを受けても、私とお前で半分こだ」
ルル「C.C.…」
C.C.「恥ずべきことなど何も無い。 堂々としていろ。
その方がお前らしい」
ルル「…つまらないことで迷惑かけたな、礼を言う」
C.C.「なに、構わない」
C.C.「だから早く部屋から出てこいよ。 騎士団がお前を待っているんだからな」
ルル「…ああ!」
C.C.「さて、と」
トゥルルル…トゥルルル…ガチャ
カレン「はい、こちら紅月」
C.C.「私だ」
カレン「電話先でのその傲岸不遜さ…もしかして、C.C.?」
C.C.「この美声を聞いて私以外に何を連想するんだ、お前は」
カレン「はいはい。で、用件は?」
C.C.「ルルーシュが引きこもった」
カレン「はぁ!?」
C.C.「どうにも騎士団本部に行ってから様子がおかしい。 お前、何か心当たりは無いか?」
カレン「心当たり、と言われてもねぇ…」
C.C.「どんな些細な事でも構わん、教えろ」
カレン「今日ルルーシュのやつ何故か顔見せなくてさ。
あいつに出す分のお茶菓子を私が食べちゃったくらい、かな」
C.C.「些細な事すぎる。死ね」
カレン「そ、そんな事を言われても思い当たる節が無いから仕方ないでしょう!」
カレン「あ、そうだ。強いて言うなら、今日はゼロのセンスについて少しだけ喋った事があったわ」
C.C.「…聞かせろ」
C.C.「肯定的な意見はその場で出たか?」
カレン「…残念だけど、否定派で満場一致だったわね」
C.C.「ドアはどうだ? 開いていたか?」
カレン「さぁ、そこまでは流石に気にしていなかったから」
C.C.「そうか…」
カレン「でもあそこの扉って薄いから、声だけ聞こえていたかもね……あっ!」
C.C.「気づいたか。 ルルーシュはどうやらそれを聞いていた可能性が高い。
明日の騎士団本部には私が何としてでも行かせるから、お前は根回しをして随所でゼロを褒めちぎれ」
カレン「で、でもまだ確定と言ったわけじゃないでしょ?」
C.C.「不確定でも構わん。 やれることをやるだけだ」
カレン「…了解。 私にも責任はあるからね、今回はアンタのプランに乗ってあげる」
C.C.「戦果を期待するぞ、じゃあな」
プツッ…ツー…ツー…
C.C.「これじゃあ、まるで保護者の気分だな」
C.C.「おい、ルルーシュ。今日は大事な定例議会だろう」
ルル「案ずるな、今日はしっかりと騎士団に顔を出してくる」
C.C.「そうか、それは良かった」
ルル「…? なにか良かったことでもあったのか?」
C.C.「いいや、こっちの話だ」
ゼロ「諸君、おはよう」
玉城「よぅ、ゼロ! 今日も頑張ろうぜ!」
扇 「おはよう。 お前ありきの騎士団だ、今日も一つ気合を入れてやろう」
カレン「ゼロ! おはようございます!!」
ゼロ「なんだ、今日はやたらと張り切っているな」
玉城「そりゃお前ぇ、昨日休んでたろ?
どうにも気合が乗んなかったから、その分のフラストレーションを今日ぶつけてるだけよ!」
ゼロ「フラストレーションの使い方はさておき、感心だな。 その調子で頑張れ」
ルル(なんだ…やはり俺の考えすぎだったのか…)
玉城(おい、カレン! 本当にこんな感じでいいのかよ!?)
扇 (ゼロが疲れているみたいだから、皆で励ましてみよう、か。 なかなか良い案だと俺は思うぞ)
カレン(あ、ありがとうございます!)
カレン(ルルーシュ、これで以前のように元気になってくれるかな?)
ゼロ「む? どうした、言ってみろ」
藤堂「常日頃から思っていたのだが、昨日の事もあったので良い機会だから伝えておこうと思う」
ゼロ「ほぅ、それはなんだ」
藤堂「貴殿のセンスは少々妙ちくりんではなかろうか」
ゼロ「…えっ!?」
カレン「…えっ!?」
カレン(空気読みなさいよ奇跡のM字ハゲぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!)
~その頃~
C.C.「ふふ、これでルルーシュも多少は騎士団で過ごしやすくなるだろう。
内助の功、というやつか? やるじゃないか、私…!」
-end-
カレン(もしかして、と思ってたけどやっぱり…)
カレン(また、サイズが一つ上がっちゃってる…)
カレン(もうこんなに大きくならなくてもいいのになぁ…)
カレン(どうしようかな、またKMFのスーツがピチピチになっちゃうのかな…)
C.C.「そっと耳をすま~して~♪ 遠いとおい音楽~~♪」
カレン(あれは、C.C.? i-Podなんていつの間に持ってたんだろう?)
カレン(…駄目で元々、当たって砕けろ! イチかバチか、相談してみようかな)
C.C.「~♪ ~~♪」
カレン「ねぇっつってるでしょ! 聞こえないの!!」
C.C.「…喧しい女だ。 がさつな声はレディに程遠いぞ」
カレン「はいはい、申し訳ありませんでした」
C.C.「で、用件はなんだ? 見てのとおり私は忙しい身でな」
カレン「ただ音楽聴いてるだけで忙しかったら、音楽家なんて過労死するわよ…」
C.C.「断る」
カレン「…せめて内容くらい聞いてくれてもいいんじゃない?」
C.C.「なんとなく面倒そうな気がしたからな。
こういう時の私のカンは頼りになるから信用しているんだ」
カレン「そんなに難しい話じゃないからさ、お願い! この通り!」
C.C.「ほぅ、お前がゼロ以外に頭を下げるとは珍しいな。
とりあえず話だけでも聞いてやる」
カレン「ほ、ホント!?」
C.C.「私の気が変わらないうち、というのが条件だ。ほら、とっとと話せ」
カレン「こ、ここじゃアレだから場所を移さない?」
C.C.「…仕方ない、ゼロの個室でも借りておくか」
C.C.「胸を…小さくしたい?」
カレン「う、うん」
C.C.「顔を真っ赤してまで悩むことなのか?
確かに肩は凝るが、女として生まれたからには立派な武器になるじゃないか」
カレン「アンタにとってはいいかも知れないけれどね、KMFに乗るときや走る際に凄く邪魔なの。
そ、それに男の人からどことなくエッチな目で見られている気がして…」
C.C.「まぁ十中八九、やましさ満載の目で見られているだろうな」
カレン「真顔でそういう事を言うな!」
カレン「うん、そんな感じ」
C.C.「お前はきっと無意識のうちに多くの敵を作るタイプかも知れんな」
カレン「…なんの話?」
C.C.「こっちの話だ」
C.C.「さて、本題に入ろう」
カレン「う、うん」
C.C.「まず最初に結論から言おう。 胸を小さくする方法はある」
カレン「ほ、本当に!?」
C.C.「嫌味だったら殺す。 嫌味じゃなければ数万歩譲って許してやる」
カレン「えっ、何が!?」
C.C.「無自覚でアレか…お前本当に長生きできるか心配になってきたぞ」
カレン「私の今後はいいのよ、それよりも胸を小さくする方法って何?」
C.C.「予想以上に刹那主義だな、お前」
カレン「過去は振り返らず、未来は省みずよ」
C.C.「名言風に言わなくてもいい。
さて、カレン。 この方法を教える前に一つだけ訊ねておきたいことがある」
カレン「え、ええ…民間療法的なことくらいなら、学友との話でちょっとだけ耳にしたような…」
C.C.「その方法は一体どのような事柄だった」
カレン「い、異性から、胸を…さ、触ってもらうことって聞いた…けれど…」
C.C.「ふむ、正解だ」
カレン「で、でもそれがどうかしたの?」
C.C.「いいか、カレン。 逆転の発想だ」
カレン「逆転の発想?」
では一体どのようにすれば胸は小さくなるか」
カレン「……そ、それは!?」
C.C.「その答えは非常に簡単、シンプルなものだ。
すなわち、『大きくなる事と全くの逆説的なことを行なえば小さくなる』」
カレン「そ、それってつまり…」
C.C.「そう、『同姓から胸を揉んでもらう』こと。 それが胸を小さくする秘訣だ」
C.C.「理解できたか?」
カレン「ええ、バッチリよ…でも」
C.C.「どうした?」
カレン「C.C.、アンタなんで妙に笑いを堪えているの?」
C.C.「持病だ、気にするな」
C.C.「で、どうする?
このまま帰って一人で胸について悶々と悩んでおくのか?
それとも私に揉んでもらって、胸を小さくしようと努力してみるのか?」
カレン「わ、私は…」
カレン「お、お願い、します……」
C.C.「ぶっふぅwwwwwwwwwwww」
C.C.「すまない、盛大にくしゃみをしてしまっただけだ。気にするな」
カレン「な、ならいいんだけど…」
C.C.(おいおい…あんな出鱈目、本当に信じてしまったぞコイツ…)
C.C.(溺れる者は藁をも掴むというのを私は今この目で見ているんだな)
C.C.(暇つぶしを兼ねて簡単に請け負ってみたら、存外面白いことになってきた…)
C.C.(よし、乗りかかった船だ。
ここは一つ盛大に揉んでやって、さらにサイズを一つ上げてやろうじゃないか)
カレン「わ、分かった…」
C.C.「前から優しく揉んでほしいか?
それとも、後ろから激しく揉んでほしいか?」
カレン「そ、そんなこと聞かないでよ…馬鹿……」
C.C.(いかん、楽しくなってきた)
C.C.「じゃあ、揉むぞ。今度こそ、しっかりと」
カレン「は…はい……」
ガチャ
ルル「おい、C.C.。
あれほど俺の部屋の施錠はしっかりしておけ…と……」
C.C.「………」
カレン「………」
ルル「………」
C.C.「おい、ルルーシュ。 そんな気の使い方など私は求めていないぞ」
カレン「C.C.……まだ、なの?」
C.C.「カレン、目を開けろ。 いいから目蓋を開けて私と共に弁明しろ」
カレン「で、でも…揉んでもらうの初めてだから、目を開けたままだと恥ずかしいし…」
C.C.「やめろカレン、そんな奇跡の一言なぞ私は聞きたくない」
ルル「お前たちがそういう関係というのは重々理解した」
C.C.「いや待てルルーシュ、お前はまだ何一つとして理解していない」
C.C.「強いて言うなら、お前の右腕的なポジションにいる阿呆を咎めてもらいたいのだが」
ルル「だがな、流石に公私混同はあまり感心しないな。
メリハリをつければ、好きなタイミングで逢瀬を重ねてくれ」
カレン「C.C.…じらさないで、早く……」
C.C.「カレン、お前は目と共に耳まで閉じているのか?
絶妙なテノールボイスが聞こえてきているだろう」
ガチャ
C.C.「……一人で勘違いしたまま出ていってしまった」
カレン「……」
C.C.「災禍の中心は我関せずで目を閉じたままだし…これはまた面倒なことになった…」
C.C.「ひとまずこの場を治めるためには…」
C.C.「現実逃避の意味合いを兼ねて、カレンの乳房でも揉んでおくか」
-end-
真相は闇の中
ルル「なぁ、C.C.」
C.C.「どうした、ルルーシュ」
ルル「最近お前の嗜好は変わったのか?」
C.C.「私は別に普段どおりと思うのだがな。どうしてまたそんな事を聞く?」
ルル「まず、ピザを過剰摂取しなくなった」
C.C.「お前が前々から注意していた事だろう。改善されて良かったじゃないか」
ルル「…その代わりに、やたらと果汁や柑橘系、梅干などの酸っぱいものを食すようになったな」
C.C.「最近やたらと食べたくなるんだ、放っておけ」
ルル「…C.C.、お前妙に洗面所へ行く機会も増えたよな?」
C.C.「美容と健康に気をつけるため、まず鏡で自分をチェックするのは常識だろう」
ルル(「お前、妊娠しているのか」という、僅か数秒で言い終わるフレーズが切り出せない…!)
ルル(こんなときに相談できそうなのはヤツしかいない…)
ルル「C.C.。少しスザクと話したいことが出来たんで、家を留守にする」
C.C.「おぉ、いってらっしゃいだ。旦那様」
ルル「旦那…様…?」
C.C.「どうした? いつもの冗談を真剣なリアクションで返されると流石に戸惑うぞ」
ルル「あ、ああ。もちろん冗談というのは分かっていたよ…行ってくるぞ」
ルル「ちょっと考え事をしていただけだ」
スザク「ふーん、あまり無理しないようにね」
ルル「なぁ、スザク。一つ訊ねたいことがある」
スザク「なに?」
ルル「C.C.の事なんだが、最近あいつ変わったと思わないか?」
スザク「C.C.が? うーん、別に変わった兆候とか無かったけれど」
ルル「そうか、だとすれば俺の気のせいだったな」
スザク「なに?妊娠でもしたの?」
ルル「お前は何故そんな風にサラリと聞きづらい事を口に出せるんだ…」
なんか妙に酸っぱいもの食べまくってるし…」
ルル「そういう兆候があったのを分かっていて、何故一度俺を泳がせたんだ…?」
スザク「いやだって、ルルーシュならそのくらいの変化に気づいているだろうと思って」
ルル「そうか…お前もやはりそう思うのか…」
スザク「ねぇ、ルルーシュ」
ルル「…なんだ?」
スザク「心当たりとかあるの?」
スザク「さすがは童帝だね」
ルル「…いや、もう何も言うまい」
スザク「だとすればおかしいね。
C.C.は君の部屋で寝泊りしているんだろう?
ここ数ヶ月で彼女が一人で外泊したことや、見知らぬ男性と一緒にいたことは?」
ルル「四六時中ずっとあいつは傍にいるが、そういった素振りは全く無かった」
スザク「…ほら、もう君が原因としか考えられないじゃないか」
スザク「言い切れる?」
ルル「…前に一度、酒で酔って記憶を無くしたことがある」
スザク「わぁ、そりゃまた意外だ。君でもそんなことがあるんだね」
ルル「だがあの時は膝枕だけだったし、互いに衣類に乱れは無かった」
スザク「…衣類に乱れが無いから、事を致していない。
発想的には間違いなくサクランボのそれだね」
ルル「…五月蝿いぞ」
そろそろ覚悟を決めるべきだ」
ルル「……」
スザク「皇帝になるのが先か、父親になるのが先か。
たったそれだけの些事じゃないか」
ルル「それを些事と言い切るお前の器こそが皇帝に相応しい気がしてきたぞ」
スザク「思い切って聞いてみてごらん。
C.C.に『俺がお前の父親なのか』って」
ルル「だから何で俺が父親ということ前提で話を進めているんだ」
ルル(やはりここは聞くべきだろう。 『妊娠しているのか』、と)
ルル「ただいま」
C.C.「おかりなさい」
ルル「…何故ニヤニヤしている」
C.C.「ふん、なんでもない」
C.C.「ただ…」
ルル「ただ?」
C.C.「家庭を持つのはこんな気分か、と妄想していただけだ」
ルル「!?」
C.C.「どうした?」
ルル「お、お前…もしかして、赤ちゃんが」
C.C.「赤ちゃんが?」
ルル「…いるのか?」
C.C.「…みんなには秘密だぞ、パパ」
ルル「ほぅわああああああああああああああああああああああああ!!」
ぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあああああああああ………!!
ルル「…ハッ!」
C.C.「…また随分とうなされていたな、ルルーシュ」
C.C.「全く失礼なやつだ。寝言で『C.C.が…C.C.が…』とやたら私の名を連呼していたが
そんなにも素敵な夢を見ていたのか?」
ルル「いや、今世紀の歴史に刻まれていてもおかしくはない程度の悪夢だった」
C.C.「いったいどんな夢を見たんだ、お前」
C.C.「ところでな、ルルーシュ」
ルル「ん? なんだ?」
C.C.「なんか突然、酸っぱいものが食べたくなったぞ」
-end-
C.C.「ルルーシュ、この『あいぽっど』にまた何か曲を入れてくれ」
ルル「この前色々と曲を入れてやっただろうに…」
C.C.「私は変化を常に求めているんだ」
ルル「お前の都合など俺の知る由では無いんだが」
C.C.「もう一つ意味を含めるならば、こう何というんだろうか。
眠気を吹き飛ばす意味合いを兼ねて音楽でも聴きたい気分だからだな」
ルル「…眠いのなら休んだらどうだ?」
C.C.「ごちゃごちゃ五月蝿い男だ。 いいからとっとと適当なお薦め楽曲でも提示しろ」
C.C.「あまりにも疾走感が強すぎるのは却下だぞ」
ルル「全く、ワガママな注文ばかりを…」
ルル「それじゃあこういうのはどうだ?」
http://www.youtube.com/watch?v=vS6wzjpCvec&feature=channel
C.C.「ほぅ、なかなかどうして良い曲調じゃないか。
何よりもPVが凝っていて面白いな」
ルル「お気に召したのなら重畳だ。
どうだ、目は覚めたか?」
C.C.「ああ、しばらくはこれを永続的にリピートしてみるよ
楽曲の提供感謝だ、ルルーシュ」
ルル「…どういたしまして」
C.C.「おい、ルルーシュ」
ルル「悪いが今少々手が離せない。用件なら後に…」
C.C.「お前はまた珍しい風船を持っているんだな」
ルル「…それが何か分かって言っているのか?」
C.C.「避妊具だろう。知っている」
ルル「どこでそれを手に入れた?」
C.C.「お前の机の一番下の引き出しだ。
こんなもの、コソコソとせずに堂々と置いておけばいいものを」
ルル「生憎だが俺にも最低限の羞恥心くらいある」
C.C.「なんだ? お前まさか童貞なのに『万が一』を思って常備しているのか?
だとすればとんだお笑い種だな。 無用の長物じゃないか」
ルル「…そんなリアクションをされるのが分かりきっていたから隠しておいたというのに」
C.C.「なに、ちょっと黙って見ていろ。 これをこうして、こうやってだな」
キュッキュッ…キュッキュッ……
C.C.「出来た。 見ろ、プードルだ」
ルル「…これはまた無駄に見事だな」
C.C.「さらにココをこういう風に捻って、こうやって形を整えると…」
キュッキュッ…キュッキュッ……
C.C.「ほら、ヒトデ」
ルル「実に見事な一芸じゃないか。
…よりにもよって避妊具で作るのもお前らしいというか、何と言うか」
ルル「それは?」
C.C.「この一連の話、なんとオチが無い」
ルル「……付き合った俺の時間を返してくれ」
-end-
な話を待ってる
C.C.「秘儀ぃ! 雪崩式フランケンシュタイナー」
ルル「…最近お前はプロレスにハマっているんだな。それはすぐさま理解できた。
…だが、人様に向かって出会い頭に技をかけるのは理解しかねるんだが」
C.C.「あ、あの、ご主人様?」
ルル「…おい、C.C.」
C.C.「ひっ!? は、はい!」
ルル「自分で捨てたバナナの皮に引っかかって、自分で踏んで、勝手に転んで、
見事に頭を強打して、尚且つ綺麗に記憶を無くす。
いったいどんなギアスを使えば、そんな奇跡の芸当が可能なんだ?」
C.C.「も、申し訳ありません…。
わ、私は気がついたらこちらの素敵なお屋敷で横になっていたことくらいしか覚えていないので…」
ルル「…どうにも弱気なお前を見ると調子が狂うな」
記憶が戻ってくるまでゆっくりくつろいでいろ」
C.C.「は、はい! ありがとうございます、ルルーシュ様」
~ルルの部屋にて~
C.C.「……」
ルル「……」
C.C.「……」
ルル「……」
ルル(なんだ、この妙な気まずさは…)
C.C.「は、はい! お呼びでしょうか、ご主人様!」
ルル「…まずはそのご主人様、というのを止めてもらえたら有り難い」
C.C.「ぜ、善処します」
ルル「…何をそんなにソワソワしているんだ? 落ち着かないか?」
C.C.「い、いえ! 決してそういうわけではありません」
ルル「そうは言っても、現にこうして忙しなくお前は体を揺すっているんだが…」
そ、その、今こうしておきながらも後でひどい事をされるんじゃないかって、こ、怖くて…」
ルル「…C.C.」
C.C.「は、はい!」
ルル「…今日は俺の部屋でゆっくり休め。 俺は別の部屋で眠るから気にするな。
鍵の施錠もしっかりしておくんだぞ」
C.C.「……?」
ルル「そうだったな、過去のお前はひどく脆弱な…ただの女性だった」
C.C.「ご主人様…?」
ルル「お前が過去に受けてきたようなひどい目に合わせるつもりはない。誓おう。
…お前が俺を怖いというなら、せめて眠るときくらいお前の前から姿を消してやる」
ルル「俺とお前は共犯者だ。
記憶を忘れているお前に言うことではないかも知れないが、
上も下もない関係性なんだ」
C.C.「…意味合いは理解しかねますが、ご主人様のお心遣い、痛み入ります」
ルル「気にするな。ただの気まぐれだ。
…それより、なにか食べてみたいものはあるか?」
C.C.「わ、私はその食べかけのバナナで宜しければ…頂きたいです…」
ルル「もっと良いものを頼んでもいいんだぞ」
C.C.「い、いいえ! 私にとっては非常に高価なものです、バナナ…」
ルル「そうか、まぁお前がそれでいいというのなら別段構わないんだが」
ルル「ふふ、そこまで嬉しそうにバナナを食べる人は初めてみたぞ」
C.C.「も、申し訳ありません!
ルル「謝ることではない、気にするな」
C.C.「は、はい!」
C.C.「ご、ご主人様! この皮は一体どこへ捨てれば良いのでしょうか?」
ルル「ああ、それはそっちのゴミ箱にでも…」
C.C.「は、はい!」
ルル「…つくづく奇跡の女だな、お前」
C.C.「なんだ、お前のその奇抜なものを見る目は?
…それよりやたらと後頭部が痛い。 ルルーシュ、氷嚢を作って来い」
ルル(自分で捨てに行ったバナナの皮に引っかかって、自分で踏んで、勝手に転んで、
見事に頭を強打して、狙い済ましたかのように記憶を取り戻すとは…)
ルル「なぁ、C.C.。老婆心だと分かってはいるが、一つだけ伝えさせてくれ」
C.C.「喧しい、私は今たんこぶを治すのに必死なんだ。あっちに行ってろ」
ルル 「…お前、しばらく氷の上や滑りやすい床の上は歩かないほうがいいぞ」
-end-
シャーリー「あ、ロロくーん!」
ロロ「ああ、シャーリーさん」
シャーリー「なに? ロロくんも買い物?」
ロロ「はい。 兄さんが今日夕食を作るんですが、その材料が足りなくて買出しに…」
シャーリー「ふーん…ねぇ、そのお買い物、私も手伝ってあげる!」
ロロ「え、ええ!? 大丈夫ですよ、ご迷惑もかけちゃうでしょうし…」
シャーリー「ほら、可愛い後輩に先輩風を吹かせちゃいたい気持ちも分かってよ~」
ロロ「あ、は、はぁ…」
シャーリー「それで、ルルって今日は何を作る予定なの?」
ロロ「えっと、確か『ビーフストロガノフ』って言ってたような」
シャーリー「ロ、ロシア料理を休日に作ってるの?」
ロロ「兄さんはああいった家事全般を好きでこなしている節がありますから…」
シャーリー「やっぱりロロ君のお兄さんは凄いなぁ。
私も料理には自信あるけれど、ルルほど上手に作れるのは到底無理っぽいもん」
ロロ「そ、そうですか? へへ…」
ロロ「シャーリーさん?」
シャーリー「好きな人に気持ち一つ伝えるどころか、自分の事で手一杯。
器用な人が周りに沢山いるから、つい私と照らし合わせちゃって…。
不器用な自分がちょっとだけ嫌になっちゃう…」
ロロ「シャーリーさん…」
シャーリー「っ、なんてね! せっかく私たちが二人で何かしてるのって珍しいのに、なんか湿っぽくしちゃってゴメンね!」
ロロ「そ、そういうのは、気にしなくてもいいと思います」
シャーリー「えっ?」
シャーリーさんは優しいです。 それだけで、僕は充分にいいと、思い、ます…」
ロロ「ご、ごめんなさい。 なんか偉そうなことを言っちゃって」
シャーリー「ロロ君……」
シャーリー「ううん、教えてくれてありがとう。
最近そういうので悩んでいたけど、ちょっぴり元気になっちゃった」
ロロ「よ、良かった…です」
ロロ「ぼ、僕は別にそんなんじゃ…」
シャーリー「私もロロ君みたいな弟、欲しかったなぁ。 なんてね!」
ロロ「え、ええっ!?」
シャーリー「ほら、ロロ君。 買い物の続きに回ろう!」
ロロ「あ、ちょ、いきなり手を引っ張らないでください…」
ロロ「今日は付き合ってもらってありがとうございました」
シャーリー「全然気にしないで。今日はロロ君とゆっくり話せて楽しかった」
ロロ「ぼ、僕も、です…」
シャーリー「気づいたらもう結構な時間帯かぁ。
私はそろそろ家に帰るね」
ロロ「はい、お気をつけて」
シャーリー「じゃあね、ロロ君」
ロロ「はい、失礼します」
ロロ「…楽しかったなぁ。 兄さん以外の人と喋るのも、楽しいんだな」
ロロ「…僕に姉なんていないし、別にこれからも必要じゃないけど」
ロロ「…あの人みたいな姉さんだったら、ちょっとだけ欲しかったりする、かな」
-end-
実況者
打ったぁ!大きな放物線を描いて、打球はそのまま…ホームラン! サヨナラホームランです!!
『シンジュクブラックナイツ』今期悲願の優勝、優勝です!
『ブリテンラウンドテーブルス』を相手に見事な勝利を飾ったこのチーム…その立役者である人、
ルルーシュ・ランペルージさんにヒーローインタビューを!
レポーター「優勝おめでとうございます、ルルーシュ選手」
ルル「ありがとうございます」
レポ「最後のサヨナラホームラン、あれを打ったときの感想を宜しければお聞かせください」
ルル「球の縫い目まで見えるほどの極限の集中力、羽のように軽々と触れた理想的なスウィングフォーム。
どれも全てが噛みあっていたからこそ打てたホームランだと思います」
ルル「応援してくださったファン、関係者の皆々様、チームメイト、そして何よりも妻と妹に伝えたいです」
レポ「ありがとうございました! 以上、ルルーシュ選手へのヒーローインタビューでした!」
玉城「やったぜ、(背番号)ゼロー!」
カレン「ルルーシュ、よくやってくれたわね…最高よ!」
藤堂「奇跡の藤堂と呼ばれている私だが、今日のホームランこそ真の奇跡だった」
扇 「よし、みんなで(背番号)ゼロを胴上げだ!」
わーっしょい! ワーッショイ! わーっしょい! ワーッショイ!
わーっしょい! …ッショイ! ……ょい!
わー…い! ワー…ョ…イ! ……
……
ルル「…zzz…ワーッショイ…ふふ、そんなに褒めるな…ワーッショイ……」
ルル「…ショイ。 わーっしょい、フフ、わーっしょい…」
C.C.「なんて幸せそうな顔で寝ているんだ、こいつ」
C.C.「おい、起きろ。 お前の寝言が五月蝿くてこっちは目が覚めてしまったぞ」
ルル「…ん。 んん?
…途中で明晰夢と気づいてはいたが、やはり夢だったか」
C.C.「また随分と楽しそうな夢を見ていたようだな」
ルル「ああ、内容は言えないが最高の夢だった」
C.C.「『球の縫い目まで見えるほどの極限の集中力、羽のように軽々と触れた理想的なスウィングフォーム』」
ルル「……!?」
あろうことか実況者っぽい内容の事まで全部寝言で喋ってたぞ」
ルル「お前、まさか…俺がなんの夢を見たのか気づいているのか?」
C.C.「先日一緒に行ったバッティングセンターで、一球もボールに触れることすら出来なかったのがそんなに悔しかったのか?」
ルル「……」
C.C.「最遅の80㌔のピッチングマシーンで空振り三振を取られるのは滑稽な光景だったぞ」
ルル「…俺が見た夢はハドロン砲をブリタニアに叩き込む夢だ。
ホームランというのは見事に命中したという意味、フォームに関してはブレのないガウェインの機体を表していただけだ」
C.C.「…寝起きにも関わらず、よくそんな屁理屈が口からぽんぽん生まれてくるものだ」
ルル「ふん、実に清々しい夢だった。 往年の夢であるブリタニアを壊すことが出来たのだからな」
C.C.「ところでルルーシュ」
ルル「なんだ?」
C.C.「夢の途中で言っていた、『誰に喜びを伝えたいのか』の件だが」
ルル「知らん、俺はもう忘れた」
C.C.「妹、というのはナナリーの事で間違いないだろう。
しかして『妻』というのは一体誰を指していたんだ? んんぅ?」
ルル「夢というのは徐々に曖昧になっていくものだからな
いちいち全ての夢を覚えていては脳のキャパシティの無駄遣いだ」
C.C.「あれは誰だったんだ? ん、正直に言ってみろ?」
ルル「違う、いや、知らん」
C.C.「シャーリーとかいう女か?」
ルル「覚えてない」
C.C.「ユフィ皇女か?」
ルル「忘れた」
C.C.「スザクか?」
ルル「断じて無い」
C.C.「もしや、私か?」
ルル「……」
C.C.「なぁ、どうなんだ?」
ルル「……」
C.C.「おい…何故そこで閉口する」
ルル「……」
C.C.「ふ、ふん! どうせ図星なんだろう?
すぐに近くの女にほだされおって…全く、これだから童貞坊やは」
ルル「……」
C.C.「恋慕している女が夢に出るなぞ女々しい事この上ない。
どうせ夢だから、みたいな感じで淫らなことでも私にやってしまっているんじゃないのか?」
ルル「……もう一回俺は寝る」
C.C.「せめて何か言い返してこい。
張り合いの無い奴だな、肩透かしも甚だしい」
ルル「……おやすみ、もう俺は何も知らん、分からん」
C.C.「…私だけ妙に気恥ずかしくなってきたじゃないか」
-end-
少々出かけてくることになってしまった件
落とすも良し、残すも良しの判断は皆々様に任せます
消化できなかった多くのリクエストは悔やまれますが
またこのような機会があった際は宜しくお願い致します
お付き合い頂き、誠にありがとうございました
表情が緩みっぱなしだった
面白かった
(米474 訂正しました)
Entry ⇒ 2012.09.10 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
ルルーシュ「さて、床で寝るか」
ルル「床で寝る、と言ったんだ」
C.C.「今まではソファで寝ていたじゃないか」
ルル「『男は床で寝ろ』と言ったのはお前だろう」
C.C.「確かにそうだが……」
ルル「……俺はようやく手に入れた」
ルル「この――布団という名の寝具をな!」
ルル「お前には関係ないだろう」
C.C.「……ふん、それもそうだな」
ルル「ククク……太陽の光を浴びてふかふかになっているな……!」
C.C.「ほう? 少し触らs」
ルル「断る」
C.C.「……」
C.C.「私にそんな趣味は無い」
ルル「俺にもそんな趣味は無い。だから、触らせるわけにはいかない」
C.C.「……まあいい」
ルル「フハハハッ……これが太陽の香りというやつか……!」
C.C.「太陽の? どれ、少しだk」
ルル「断る」
C.C.「……」
C.C.「させるわけがないだろう」
ルル「俺も同じだ」
C.C.「……まあ、いい」
ルル「お前はベッドで、俺は床で布団で」
ルル「――これこそ、お前の望んでいたものだろう?」
C.C.「……さあな」
C.C.「ふむ、前にも使ったことがあるのか」
ルル「まあな。その時の素晴らしい寝心地は今でも鮮明に思い出せる」
C.C.「……そんなに布団とは良いものなのか?」
ルル「ベッドも素晴らしい。だが、布団はそれとは違った良さがあるのは確かだ」
C.C.「……なあ」
ルル「断る」
C.C.「……」
いそいそ
ルル「……ククク、我ながら完璧なレイアウトだ」
ルル「この地点は、周辺にテーブルも配置されている」
ルル「さらに、トイレへ至る経路には障害物が無いのも良い」
C.C.「……」
ルル「――作戦の第一ステージはクリアー」
いそいそ
ルル「第二ステージは敷布団にシーツをかける作業……」
ルル「……だが、この作業は慎重にやらなければならない」
C.C.「ほう、何故だ?」
ルル「シーツがピシッとかけられていないと、
寝返りをうった時にシーツがめくれていってしまう恐れがある……!」
C.C.「ふむ」
C.C.「足側から? 頭側からではダメなのか?」
ルル「愚問だな」
ルル「最初に布団に寝転がった時、
布団と完全に密着していなかったシーツがフワリとする感触が楽しめん」
C.C.「……よくわからないな」
ルル「わからないならそれで良い。お前はベッドで寝るんだからな」
C.C.「……」
ルル「これより、シーツの足側を固定する作業にうつる」
いそいそ
ルル「……!」
C.C.「……なあ、ルr」
ルル「っ! 話しかけるな!」
C.C.「……」
ルル「……!」
いそいそ
ルル「――続いてフェーズ2へ」
C.C.「次はどうするんだ?」
ルル「フェーズ2では、頭側のシーツを固定する」
C.C.「……なんだ、またチマチマした作業か」
ルル「違うなC.C.。その考えは間違っているぞ」
C.C.「何?」
ルル「頭側のシーツをかけるのに求められるのは、慎重さでなく――大胆さだ」
ルル「見ていればわかる」
すっ…
C.C.「? シーツの端を握って何を――」
ルル「ふんっ!」
フワアッ……!
C.C.「おおっ……!」
ルル「空気を取り込むように、シーツを大きく展開させ左翼、右翼から一気に攻める」
ルル「フェーズ2終了……第二ステージもクリアーされた」
C.C.「? 何かあったのか」
ルル「……この作業は、俺の手に負えるものではない」
ルル「掛け布団は柔らかく繊細だ」
ルル「俺自身が手を下せば、取り込んだ太陽の匂いを逃がしてしまう」
C.C.「ふふっ、それで?」
ルル「――掛け布団にシーツを被せるのは、咲世子にやって貰った」
C.C.「……」
C.C.「あと必要なのは……枕か」
ルル「その通り。さすがC.C.、俺の共犯者だ」
C.C.「まあな」
C.C.「それで? 枕はどこにある?」
ルル「慌てるな。この日のために特注のものを取り寄せてある」
C.C.「……本気、らしいな」
C.C.「届くとは……この斑鳩にか?」
ルル「それ以外のどこに届けるというんだ」
C.C.「しかし、ここは……」
ルル「ジェレミアの俺への忠誠は本物だからな」
C.C.「……」
C.C.「オレンジ便、か」
C.C.「待ちきれないのか」
ルル「当然だ」
C.C.「……」
ルル「C.C.、言っておくが……勝手に布団に入るなよ?」
C.C.「……」
C.C.「ふん……私はC.C.だぞ? 床なんぞで寝られるか」
C.C.「……太陽の匂い、か」
C.C.「……」
C.C.「ふかふかの敷布団……フワリとするシーツ……」
C.C.「……」
もそもそっ…
C.C.「――おや? 私の進路に邪魔な寝具が置かれているなぁ」
C.C.「この私の邪魔になるような敷き方をするとは……」
C.C.「やれやれ、これは躾が必要なようだな」
C.C.「しかし、どうやって今回のお仕置きをしたものか」
C.C.「……」
C.C.「――あぁ、この布団で一番に眠れないというのは良いお仕置きになるなぁ」
C.C.「私が、そんなお前に罰を与えるのは当然――」
コンコン
C.C.「!?」
C.C.「まさか……もう戻ってきたというのか……?」
『……紅月カレン、偵察任務より戻りました』
C.C.「……なんだ、カレンか」
パシュン!
C.C.「偵察任務、ご苦労だったな」
カレン「なんでアンタが偉そうなのよ」
C.C.「なに、アイツが居ないからその分の労いの言葉を代弁したんだ」
カレン「誰もそんなの頼んでないわよ!」
カレン「――って、何やってたの……?」
C.C.「ん?……ああ」
C.C.「まあ、な」
カレン「へー! それが布団なんだ! 本当に床に敷くのねぇ!」
C.C.「? お前は布団を見た事が無いのか?」
カレン「ええ」
カレン「私の家……住んでた所は、全部ベッドだったし」
C.C.「ふむ」
C.C.「……何?」
カレン「ちょっとだけ! ねっ、良いでしょ?」
C.C.「……」
C.C.「駄目だな」
カレン「? どうしてよ」
C.C.「この布団には――最初に私が寝転がるからだ」
カレン「……はぁっ?」
C.C.「この布団は私の行く手を阻むように敷かれている」
カレン「それがどうしたってのよ?」
C.C.「やれやれ……ルルーシュは、この布団に最初に寝転がるのを楽しみにしているんだ」
カレン「……それで?」
C.C.「私の邪魔をしたルルーシュにお仕置きするため、私が最初に寝転がる」
カレン「……悪いけど、話を聞いて余計訳がわからなくなったわ」
C.C.「そうだ」
カレン「もしかして、C.C.も布団に寝転がってみたかったりするの?」
C.C.「ああ」
C.C.「……」
C.C.「い、いや、違う! あくまでもお仕置きのためだ!」
カレン「……ふーん」
C.C.「!? どうしてそうなる……!?」
カレン「だって、ルルーシュが一番最初に寝られなければ良いんでしょ?」
C.C.「それは……」
カレン「――って事で、お邪魔しま~す……っと」
C.C.「まっ、待――」
パシュン
C.C.・カレン「……」
ルル「ククク……! これで存分に楽しめ――」
ルル「――おい、何をしているんだお前達!?」
C.C.「その、だな……」
ルル「……とりあえず、カレンは偵察任務ご苦労だった」
カレン「え、えぇ……」
ルル「――そしてC.C.」
C.C.「……」
ルル「お前は、俺が敷いた布団に何をするつもりだった?」
ルル「……」
カレン「――ちょっと! なんか物凄く怒ってるわよ!?」ヒソヒソッ
C.C.「敷き方にも相当こだわっていたからな……」ヒソヒソッ
ルル「C.C.」
C.C.「なっ、なんだ」
ルル「『男は床で寝ろ』……お前は、そう言ったはずだ」
ルル「だが、まさかとは思うが――その布団で寝ようとしていたのか?」
C.C.・カレン「……」
ルル「本当か?」
C.C.「勿論だ」
ルル「ならば、何故布団の近くに居た」
C.C.「それは……」
C.C.「……」
C.C.「カレンが、お前の敷いた布団に寝転がろうとしていたからな」
カレン「へっ?」
C.C.「私は、それを止めようとしていたんだ」
カレン「……はあっ!?」
C.C.「事実だろう?」
カレン「それはそうだけど、でm」
ルル「――カレン」
カレン「!? なっ、何……?」
ルル「お前は、俺が敷いた布団に、寝転がろうとしたのか?」
カレン「う……あ……」
カレン「……」
カレン「……はい……」
カレン「……」
ルル「やはり、お前にも日本人の血が流れているという事か」
カレン「……えっ?」
ルル「日本人は布団を使用してきた民族だ」
ルル「その血を引くお前が、布団で寝たいと思っても不思議じゃあない」
カレン「許して……くれるの……?」
ルル「当たり前だろう」
カレン「! 良かったぁ……!」
カレン「うん、仕方無いわよね」
ルル「だが――代わりを用意する事を約束しよう」
C.C.「代わり? どういう事だ?」
ルル「お前には関係ないだろう」
C.C.「……」
ルル「カレン、お前の分の布団も斑鳩に取り寄せよう」
カレン「やった! ルルーシュ、アンタも気が利くじゃない!」
C.C.「……」
斑鳩に居る騎士団の人数分布団を取り寄せるべきか……?」
カレン「それ、本気?」
C.C.「……ふん! とんだ無駄遣いだな」
ルル「本気だとも。布団一組で騎士団の人間が
精神的に落ち着けるのなら安いものだ」
カレン「……へー、色々考えてるのね」
C.C.「おい、今私を無視しなかったか?」
ルル「まあな」
C.C.「っ!……おやおや、いい度胸じゃないか」
C.C.「……まさか、今も無視したのか……!?」
ルル「格納庫を使って催しをするのも良いかもしれないな」
カレン「催しって……何が出来るの? 布団があるだけで」
ルル「カレン。俺が今手に持っているものが何かわかるか?」
カレン「それは……枕?」
ルル「そうだ」
ルル「――枕投げだよ、カレン」
ルル「ああ」
ルル「枕投げとは……敷き詰められた布団の上で、
枕を投げ合って戯れるというお遊びみたいなものだ」
カレン「結構面白そうじゃない! 枕なら、当たっても痛くないだろうし」
ルル「ふざけあうのが目的だからな」
カレン「これなら、全員参加で楽しめそうよね」
ルル「床で寝ない人間は参加出来ないが、な」
C.C.「……」
ルル「そうだな」
ルル「……さて、そろそろ寝る時間だ」
カレン「そうね。それじゃ、今日は存分にその布団を楽しんで!」
ルル「ありがとう……って、なんだかお礼を言うのは変だな」
カレン「あはは、本当にね」
カレン「――それでは、失礼します!」
―パシュン
C.C.「……」
ルル「C.C.、もう電気を消すからベッドに戻ったほうが良いぞ」
C.C.「……ふふっ、本当にひどい奴だな、お前は」
ルル「いきなり何を……」
C.C.「ルルーシュ」
C.C.「――ここまでされて、私が素直にお前を布団で寝かせると思うか?」
ルル「!?」
C.C.「私も布団というものに興味が沸いた」
ルル「!? おい、まさか……!?」
C.C.「丁寧に布団を敷いてくれてありがとうとでも言っておこうか」
ルル「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる!」
ルル「――布団に近寄るなッ!」キュィィン!
C.C.「ふふっ、私にギアスは効かんぞ」
C.C.「どれ、掛け布団のさわり心地は、と」
…ふわっ
C.C.「おおっ、さすが咲世子だな。フワフワだ」
ルル「お願いだ……やめてくれ……!」キュィィン!
C.C.「んー……これが太陽の香り、か」
ルル「ぐ、おおおっ……!」
ルル(C.C.……! この魔女めええっ……!)
C.C.「チーズくんを置いて……あとは――」
ルル「まさか……」
C.C.「――ルルーシュ、布団で寝るために取り寄せた、
その枕をこっちに寄越せ」
ルル「断るっ! これは、選びに選んで決めt」
C.C.「何? 聞こえんな」
ルル「……受け取れ」
C.C.「ふふっ! 素直が一番だぞ、ルルーシュ」
ルル「……お前が言うな」
C.C.「ルルーシュ、私は確かに『男は床で寝ろ』と言った」
C.C.「だが、私は好きな所で寝る」
C.C.「だから、床――この布団では私が寝る」
C.C.「依存は無いな?」
ルル「だったら……俺はどこで寝ろと言うんだ……!」
C.C.「私は布団で寝るから、ベッドを使っても構わないぞ」
ルル「……」
ルル「何?」
C.C.「当たり前だろう。元々お前のベッドだぞ?」
ルル「……」
C.C.「ベッドを余らせておくのも無駄だからな」
ルル「……」
ルル(俺が……ベッドで寝る? 寝られる、のか……?)
ありがたく思えよ、ルルーシュ」
ルル「ベッドで……寝て……良い……」
C.C.「……ルルーシュ?」
ルル「……ハハ……ハ」
C.C.「おい、何を笑っt」
ルル「ハハハハハッ! やった! やったぞ!」
ルル「ベッドでッ! 他のどこでもない、ベッドで寝られるんだ!」
C.C.「……」
C.C.「……喜びすぎだろう」
C.C.「あ、ああ……」
ルル「っ……!」
ルル「長かった……! お前に『男は床で寝ろ』と言われて以来、
一度もベッドでは寝ていなかった……!」
ルル「寝転がっても、目をつぶるだけ……!
安らぎなど当然無い、睡魔との闘いの場所だったベッドが!」
ルル「――安らぎの場所、ベッド!」
ルル「今ここに、ベッドが俺にとって安らげる場所に戻った事を宣言する!」
C.C.「……」
C.C.「……そこまで喜ばれると、逆にベッドで寝かせたくなくなるな」
ルル「!? もう寝るぞ、C.C.!」キュィィン!
C.C.「私にギアスは効かないと言ってるだろう」
ルル「ベッドで寝かせてくれ……お願いだ……お願いします……!」
C.C.「……ふん」
C.C.「なら、電気を消せ。布団からではスイッチが遠い」
ルル「!」
C.C.「待て、布団に入る」
ルル「ええい、グズグズするな!」
C.C.「はいはい」
もそもそっ!
C.C.「……おお、シーツがフワリとなった」
C.C.「ふふっ、布団は中々快適じゃないか」
カチッ
C.C.「おい、電気を消す前に一言くらいh」
ルル「はあっ!」
―ボフンッ!
C.C.「? 何だ、今の音は……?」
ルル「特に、このゼロのために用意されたベッドは格別だ!」
ルル「この寝心地の良さは、他のどんな寝具でも出せないだろう!」
ルル「愛しているよ……ベッド……!」
C.C.「……」
C.C.「……確かに、そのベッドの方が寝心地が良いな」
ルル「……う~ん……ナナリー……むにゃむにゃ……」
C.C.「もう寝たのか……!?」
布団がやけに冷たくなってきたな」
C.C.「……それに、枕投げとやらも冷静になってみれば面倒そうだ」
C.C.「……」
もそもそっ…
C.C.「……」
もぞもぞっ…
C.C.「……ああ、やっぱりこっちのベッドの方が良いな」
C.C.「……寝言がうるさい」
ぐいぐいっ!
…ボトッ!
ルル「おぐうっ!?」
ルル「ぐおお……何故……ベッドは簡単には落ちない大きさのはず……!?」
C.C.「悪いが、このベッドは一人用だ」
C.C.「男は床で寝ろ」
おわり
おやすみ
乙
Entry ⇒ 2012.09.10 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
神楽耶「日本人女性は下着なんて身につけませんわ」ゼロ「ほう?」
神楽耶「ゼロ様、お一人ですか?」
ゼロ「ええ。他の者は所用で出払っています」
神楽耶「では、私と二人きりですわね」
ゼロ「そうなりますね」
神楽耶「ゼロさまー♪」ギュッ
ゼロ「神楽耶様、お戯れを……」
神楽耶「いいではありませんか。夫婦水入らずでゆっくりできる時間は貴重ですもの」
ゼロ「……神楽耶様。あまりそのような格好ではしゃぐのは遠慮してください。その……見えそうで……」
神楽耶「見える?見えるって何がですの?」
ゼロ「下着です。そのような短いスカートでは……」
神楽耶「ゼロ様、知りませんの?日本人女性は下着なんて身につけませんわ」
ゼロ「ほう?」
ゼロ「ですが、最も守らなければならないものが露出してしまうことになってしまいますが」
神楽耶「無論、見せてもいいものではありません。醜く汚らわしい部位ですから」
ゼロ「神楽耶様のソレは宝玉のように輝いていると思いますが」
神楽耶「まぁ、お上手ですのね。でも、見せるものではありませんわね」
ゼロ「確かにそうですが、ならもっと布地の多いものを着るべきではないのですか」
神楽耶「暑いですから、長時間の着用はちょっと……」
ゼロ「しかし」
神楽耶「それにスカートって割と中が見えませんのよ?―――このように回っても」クルッ
ゼロ「……」
神楽耶「ほら、汚らわしい部分は見えませんでしょ?」
ゼロ「そのようですね。スカートとは中々に罪深い衣類であることを私は知りました」
神楽耶「もしや、ゼロ様は妻の素肌を他の殿方に見せたくないという考えでしたか?」
神楽耶「古風な考えのゼロ様も素敵ですわ」
ゼロ「古風ですか?」
神楽耶「でも、そうですわね。夫の身からすれば当然のこと。私の配慮が欠けていましたわ」
ゼロ「いえ。そんなことは」
神楽耶「では、早速着替えて―――」
ゼロ「待ってください」
神楽耶「はい?」
ゼロ「私と二人っきりのときはそのままでも構いません。神楽耶様に窮屈な服を着せるつもりは毛頭ありませんから」
神楽耶「ゼロ様ぁ……」
ゼロ「それにしても日本人女性は下着を身に付けないなどという文化があることを初めて知りました。何か理由でもあるのですか?」
神楽耶「さぁ?物心ついたときから、何もつけるなって言われて育てられましたから」
ゼロ「なるほど。それが常識になっているのですね。では、胸も?」
神楽耶「胸はスポーツブラをつけていますわ」
神楽耶「ほらほら」ヌギヌギ
ゼロ「脱がなくて結構です!!」
神楽耶「あら、そうですの?」
ゼロ「しかし、何故上だけ……?」
神楽耶「こすれる痛みに耐え切れなくて……。あ、これは内密にしておいてくださいね」
ゼロ「こすれる?何がですか?」
神楽耶「え……それは……」
ゼロ「なんですか?」
神楽耶「乳頭が……」
ゼロ「あ、ああ……なるほど……。申し訳ありません……神楽耶様……」
神楽耶「い、いえ……」
ゼロ「……」
神楽耶「……」
神楽耶「そのほうがいいですか?」
ゼロ「いらぬ危険を回避できますし」
神楽耶「それはつまり、殿方に見せてしまう危険性ですか?」
ゼロ「神楽耶様も嫌でしょう」
神楽耶「勿論ですわ。夫以外に見せるなんて考えただけでも虫唾が走りますわ」
ゼロ「そうでしょう。なら、ショーツを身に付けてください」
神楽耶「ですが、持っていませんわ」
ゼロ「女性団員から一枚ずつ拝借するのは?」
神楽耶「そんな。ダメですわ。下着も立派な衣類ですもの。嫌がる人もいるはずです」
ゼロ「そうですか……」
神楽耶「そうだっ。ゼロ様のそのマントで私を包んでくださればいいのでは?」
ゼロ「包む?どういうことでしょうか?」
ゼロ「ええ」
神楽耶「で……私がゼロ様の前に立って……」
ゼロ「なるほど。マントで神楽耶様を……隠すわけですね」バッ!!!
神楽耶『これで私はゼロ様に守られていて、露出はゼロです。あ、私もゼロになりましたね!!』
ゼロ「神楽耶様が発言する場合はどうするおつもりですか?」
神楽耶『それは……』
神楽耶「―――こうやって、顔だけ出して発言しますわ」ヒョコッ
ゼロ「それで?」
神楽耶「発言が終われば―――」バッ
神楽耶『再びゼロ様の中へ』
ゼロ「……」
神楽耶『私もゼロになれましたー』
ゼロ(意外と神楽耶様って頭悪いのか……。特に問題はないが)
神楽耶『ゼロ様と心身一体となれるなら、多少の暑さは我慢できますわ』
ゼロ「そうですか」
神楽耶「これからはできるだけこうしていてもいいでしょうか?」ヒョコッ
ゼロ「二人の時はいいでしょう?」
神楽耶「そうですわね。とてもいいアイディアですわー。これでいきましょう。ゼロ様!!」
ゼロ「それは構いませんが、私は常に貴方といることはできませんよ?」
神楽耶「そうですね」
ゼロ「やはり下着を……」
神楽耶「買いに行くしかありませんわね」
ゼロ「神楽耶様が出歩くのは危険です。誰かに買いに行かせましょう」
神楽耶「ちょっと待ってください、ゼロ様。できれば、自分で選びたいのですが……」
ゼロ「自分で……?」
神楽耶「ダメですか?」
神楽耶「ゼロ様に下着を選んで欲しいです」
ゼロ「なっ……?!」
神楽耶「ゼロ様の好みに合わせたものでないと、私は下着を身に付けたくありませんわ」
ゼロ「神楽耶様、ご冗談もほどほどに」
神楽耶「冗談ではありません」
ゼロ「……!」
神楽耶「お願いします」
ゼロ「ですが、私が堂々と街中を歩くわけにはいきませんし」
神楽耶「では、私は目隠しをします。それならゼロ様も安心して……」
ゼロ「目隠ししては下着選びが出来ないでしょう」
神楽耶「あ……」
ゼロ「神楽耶様。我侭は……」
神楽耶「そうですわ。ゼロ様が私のために下着を―――」
ゼロ「そこまでしなければいけないのなら、下着は穿かなくても結構です」
ゼロ「そもそも下着を身に付ける文化がないのに、無理に穿くのも可笑しな話だ。郷に従えとはいえ、全くの異文化を取り入れるのにはそれなりに時間もいるでしょう」
神楽耶「どういうことですか?」
ゼロ「下着を購入したとしても、穿き忘れたり、脱いだことを忘れたりされては却って危険ですからね」
ゼロ「新しい下着を手にした神楽耶様は恐らく、嬉々として私に着用した姿を見せてくれるでしょう」
神楽耶「当然ですわ」
ゼロ「ですが、習慣がなかった神楽耶様がショーツを穿き忘れる場合もあるかと思います。スカートを捲った先に桃源郷の光景があれば、大問題になる」
神楽耶「大問題ですか?」
ゼロ「ええ」
神楽耶「吐き気を催すとか?」
ゼロ「理性を保っていられるか、わかりません」
神楽耶「……」
ゼロ「……」
神楽耶「ゼロ様、私のソレは決していいものでは……」
ゼロ「その判断は私がしますよ」
ゼロ「ええ」
神楽耶「うーん……」
ゼロ「じゃあ、早速……」
神楽耶「でも、ゼロ様。下着は殿方にとって注目する衣類であることは違いないのでしょう?」
ゼロ「まぁ、そうですね」
神楽耶「ならば、ゼロ様も私が着衣した姿を望んでおられると?」
ゼロ「望んでいないといえば嘘になります」
神楽耶「でしたら、尚のこと私は下着を着ませんと」
ゼロ「神楽耶様。その場合、下着があることをいいことに他者への謁見を容易に許すのですか?」
神楽耶「衣類は別に見えてしまっても問題はないのでは?」
ゼロ「……神楽耶様。何を言っているのですか?」
神楽耶「え……」
ゼロ「なるほど。だから、先ほど恥じることなくプラを見せたわけですね。乳頭を言うのは恥ずかしそうにしていたのに……」
神楽耶「下着とは見せてはいけないものだったのですか?」
神楽耶「そんな……。身に付ければつけるほど、守るものが多くなるなんて……」
ゼロ「やはり、神楽耶様にショーツは少し早いのかもしれませんね……」
神楽耶「そのようですね」
ゼロ「神楽耶様、今でも私にならばそのスカートを捲り上げることができるのですよね?」
神楽耶「ゼロ様が望むのであれば、できますわ」
ゼロ「……では……」
神楽耶「ゼロ様、ではどのような訓練をこなせば私でも下着を利用できるようになるのでしょうか?」
ゼロ「そうですね……。やはり一度は着用してみないことには……」
神楽耶「堂々巡りになってしまいますわ……」
ゼロ「今からカレンを呼びましょうか?」
神楽耶「いえ、借りるのは気が引けますわ」
ゼロ「なら、包帯を使ってみますか?」
神楽耶「包帯?」
ゼロ「包帯を巻き、簡易ショーツを作るのですよ」
ゼロ「お手伝いしましょう」
神楽耶「大丈夫ですわ」
ゼロ「いえいえ。手伝いますよ」
神楽耶「旦那様に汚穢を触らせるようなこと、妻としてさせるわけにはいきませんから」
ゼロ「神楽耶様のは清浄なるものでしょう。聖水の香りすらするほどの」
神楽耶「ゼロ様の賛美は嬉しいですが、そんなことありませんわ」
ゼロ「だから、それは私が決めると……」
神楽耶「とりあえず、包帯は……」
ゼロ「ここにあります」
神楽耶「ありがとうございます」
ゼロ「……」
神楽耶「では、お手洗いに行ってきますわね」
ゼロ「ここで巻けばいいでしょう」
神楽耶「それだとゼロ様の目を穢してしまうことになります」
神楽耶「え……」
ゼロ「そう……人には引き返せないほどに……だから……何も問題はない!!」
神楽耶「ゼロ様……そこまで私のことを……?」
ゼロ「当然です」
神楽耶「ゼロ様……私、嬉しいですわ……」
ゼロ「では、包帯を巻きましょうか……フフフ……」
神楽耶「では……」スッ
ゼロ(来たか!!目の部分をあけておく!!!)
ゼロ「……」カシャッ!!!
カレン「―――ゼロ、ただいま戻り……」
神楽耶「あら?」
ゼロ「カレン……?!」
カレン「……な、なにやってるんですか……?ゼ、ゼロ……?神楽耶様に何を……?」
ゼロ「こ、これは……日本の文化を知るために協力してもらっていただけだ……」
神楽耶「そうですわ。ゼロ様は私が下着を着用しないのを憂いてくださって」
カレン「……」
ゼロ「そうだ。この場面だけみれば、私が神楽耶様のスカートの中を見ようとしているようにしか見えないだろう。だが、その背景には様々な要因が絡み合った結果だったのだ」
ゼロ「カレン、分かるな?」
カレン「分かりません」
ゼロ「ええい!!分かれ!!」
カレン「というか、神楽耶様って下着穿いてないんですか?!」
神楽耶「ええ。日本人ですもの」
カレン「え……?」
ゼロ「日本人女性はショーツをつけないのだろう?」
カレン「いや、何を言っているんですか?」
ゼロ「なんだと?」
カレン「江戸時代じゃないんですから、下着は普通に身に付けます」
ゼロ「なにぃ!?」
カレン「神楽耶様が特殊な環境で育った所為じゃないんですか?」
ゼロ「ならば、証拠を提示してもらおう」
カレン「証拠?」
ゼロ「そうだ。どのような下着をみにつけている?」
カレン「言えません……」
ゼロ「つまり、穿いていないということか」
カレン「ち、違います!!」
ゼロ「では、頼むぞ?」
カレン「あ、赤い……ショーツです……」
ゼロ「違うな。間違っているぞ。カレン。私は提示しろといった。証拠を出してもらわないと困る」
カレン「え!?」
神楽耶「この場で脱いでみせろってことですわね」
ゼロ「ええ。その通りです」
カレン「そ、そんなことできません!!!」
カレン「この場で脱ぐっていうのができないだけです!!」
ゼロ「なら、脱いで持ってくることはできるのか」
カレン「え」
ゼロ「頼むぞ」
神楽耶「お願いしますね」
カレン「……は、はい……少し、待っていてください……」
ゼロ「さて、神楽耶様。先ほどの続きとまいりましょうか」
神楽耶「ええ」スッ
ゼロ「……」カシャッ!!!!
神楽耶「よいしょ……よいしょ……」
ゼロ(ちぃ……!!肝心なところが見えない……!!おのれスカートめ!!その分厚い装甲が恨めしい!!)
神楽耶「―――できましたわ!!」チラッ
ゼロ「……気分は如何ですか?」ホッコリ
神楽耶「そうですわね……。少し落ち着きませんわ」
神楽耶「これが下着の感覚。下腹部が締め付けられているようであまり気分のいいものではありませんわね」
ゼロ「なるほど。まあ、慣れない内は仕方ないでしょう」
神楽耶「そうですね」
ゼロ「しかし……ただの包帯でも、こうもショーツになるとは」ピラッ
神楽耶「私に似合うでしょうか?」
ゼロ「そうですね……」ジーッ
神楽耶「それとも自重したほうが……」
ゼロ「……」ジーッ
神楽耶「ゼロ様……」モジモジ
ゼロ「恥ずかしいですか?」
神楽耶「割と……」
ゼロ「それは下着を装着した自分を恥じているのですか?それとも見られているから?」
神楽耶「わかりませんが……。きっとゼロ様に凝視されているからだと思いますわ」
ゼロ「そうですか。それは喜ばしい限り」ジーッ
ゼロ「そうですね」
神楽耶「うーん……それはそれで嫌ですわ」
ゼロ「何故?」
神楽耶「だって、ゼロ様と密着できるのですからぁ……」
ゼロ「ならば、私が傍にいられないときはショーツを着用し、私がいるときは神楽耶様もゼロになればいい」
神楽耶「はい!そうしますわ!」
ゼロ「では、今はその武装も必要はないということですね。取りますか?」
神楽耶「はい。そうします」
ゼロ「……」カシャッ!!!
神楽耶「あ、あら……?えーと……?」モゾモゾ
ゼロ「どうしましたか?」
神楽耶「申し訳ありません、ゼロ様。固く結びすぎてしまったようで、できれば解いてもらいますか?結び目は後ろにありますから」
ゼロ「わかりました。その任、引き受けます」
神楽耶「お願いしますわ」ピラッ
神楽耶「ダメですか?」
ゼロ「少し待ってください……」
神楽耶「はい。では、その間に……」バッ!!!
ゼロ「神楽耶様。私の懐に隠れるのはいいですが、息苦しくありませんか?」
神楽耶『平気ですわ。ゼロ様の匂いが……癖になりそうなほどですし……』
ゼロ「そうですか」
神楽耶『私の名はゼロー』
神楽耶「なんて、似合いませんか?」ヒョコッ
ゼロ「それはともかく、神楽耶様。懐に入られていては包帯を解くことができないのですが」
神楽耶「気合でなんとかしてください」
ゼロ「気合ですが。ふふ、わかりました」ググッ
神楽耶「あん……。もう、ゼロ様?どこをおさわりに―――」
カレン「ゼロ……」
ゼロ「カレンか。持ってきたのか?」
ゼロ「は?」
神楽耶「なんのことでしょう?」
カレン「……」
ゼロ「何故、神楽耶様がマントに包まり顔だけをだしているのか、か?」
カレン「ええ。そうですけど」
ゼロ「……それは」
神楽耶「露出をゼロにするためですわ」
カレン「別に二人羽織みたくする必要はありませんよね?!」
神楽耶「二人羽織とは違いますわ。私が顔を出しているだけですから」
カレン「はい?」
ゼロ「それより、下着を―――」
カレン「そのマントの中で神楽耶様に何をしているのですか!?ゼロ!!!」
ゼロ「何って……あ」
神楽耶「あ……ゼロ様、ありがとうございました……」
ゼロ「ふぅ……少し手こずりましたが」
カレン「て、てこずり……?」
神楽耶「いえ。流石はゼロ様ですわ。手際がよろしいこと」
カレン「て、てぎわ……?」
ゼロ「どうした、カレン?」
神楽耶「カレンさん?」
カレン「ああ、いや……そうですよね……お二人は夫婦ですから……それぐらいは……」
ゼロ「では、カレン。証拠の下着を」
カレン「これです!!」ポイッ!!
ゼロ「む」ペチョ
カレン「記念にあげます!!それでは!!」
神楽耶「カレンさん……?」
ゼロ「確かに赤いショーツだな」
神楽耶「ゼロ様、カレンさんの様子がおかしくありませんでしたか?」
カレン「だからって、あんなところで盛らないでほしいけど……」
ゼロ「誰が盛っているだと?」
カレン「ゼロ?!」
ゼロ「どうした、カレン?」
カレン「神楽耶様はいいんですか?」
神楽耶『「―――呼びましたか?」ヒョコッ
カレン「うわぁ?!」
神楽耶「何か?」
カレン「何をしているんですか……」
神楽耶「露出は厳禁だとゼロ様に言われたので。こうしてゼロ様に包まれています」
カレン「ああ、そうですか……」
神楽耶「カレンさん?」
カレン「神楽耶様、その……文句じゃないんですけど……そういうことはあまりしないほうが……」
神楽耶「でも、こうしていないと露出が多くなってしまうので……」
神楽耶「私とゼロ様は将来を誓った関係ですし、別に時も場所も場合も考慮するべきときはありませんわ」
カレン「なっ……」
ゼロ「ところでカレン。先ほどのショーツだが」
カレン「なんですか?」
ゼロ「本当に穿いていたのだな」
カレン「当たり前です」
神楽耶「日本人なのに?」
カレン「関係ないですから。なんなら千葉さんや井上さんにも訊いてみてくださいよ!!」
ゼロ「ふむ……。神楽耶様、どうしますか?」
神楽耶「そうですわね……。カレンさんのショーツを穿いてみましたが、やはり下半身がムズムズしてしまって……」
ゼロ「長時間は穿けないと?」
神楽耶「ええ」
カレン「恥ずかしくないんですか!?」
神楽耶「見せることはありませんわ。私は痴女ではありませんし」
神楽耶「あら、確かに」
カレン「いや、あんな場所で情事を行っている二人のほうが……」
ゼロ「何を言っている」
カレン「今だって、そのマントの中で何をしているか……」
神楽耶「別に何もしていませんが」バッ!!
カレン「きゃぁ!?!」
神楽耶「ほら」
カレン「うぅ……」チラッ
神楽耶「信じてもらえたでしょうか?」
カレン「え、ええ……」
ゼロ「一体、どうしてそのような勘違いができるのか」
カレン「だって、神楽耶様は穿いてないし、ゼロもなんだか挙動不審でしたし」
神楽耶「ゼロ様が挙動不審なのはいつものことですわ」
カレン「あ、そういえば」
カレン「とにかく、神楽耶様は下着をつけてください」
神楽耶「でも、涼しいですのよ?」
神楽耶「ほら」ピラッ
カレン「わぁ!?」
ゼロ「……!」カシャッ!!!
神楽耶「どうすですか?」
カレン「いや、神楽耶様。女性の前なら問題ないと思ってませんか?」
神楽耶『でも、こうしてゼロ様の中に居れば問題なんてありませんわ!!!』
カレン「何の解決にもなってないですって」
ゼロ(見えなかった……!!)
カレン「神楽耶様、穿きましょう?ね?」
神楽耶『ムズムズするのでやめておきますわ』
カレン「ゼロから出てきてください!!」
神楽耶「はい」ヒョコッ
ゼロ「別に問題点は見当たらないが」
カレン「今のうちに下着を癖付けておかないと、神楽耶様が何かの拍子に露出させてしまったらどうするんですか?!」
ゼロ「万全の対策を練る」
カレン「公の場で事故があってからではおそいんですよ?」
ゼロ「そもそも公の場でスカートが捲りあがる事故など起こるはずがないだろう」
神楽耶『ゼロ様の言うとおりですわね。それにゼロ様に包まれて私もゼロになっていれば……」
カレン「その姿で演説とかするつもりですか?!」
神楽耶「いけませんか?」
カレン「ゼロが可笑しな人に見えちゃいますよ!!」
神楽耶「可笑しな人とは?」
カレン「えっと……幼い人に興味があるみたいな……」
神楽耶「これでも私は14歳ですわ。もう立派な大人の女ですわ。ね?ゼロ様?」
ゼロ「それはみてみないことには、なんとも言えませんね」
カレン「みるってなにを?!」
ゼロ「神楽耶様?」
神楽耶『みてください……ゼロ様……』
ゼロ「なに……?」
カレン「なにやってるんですかぁ!!!」バッ!!!
神楽耶「勝手に開けないでください!」
カレン「もう!!神楽耶様はダメ!!ゼロ禁止!!」
神楽耶「どうして?!」
ゼロ「おい、カレン」
カレン「神楽耶様は下着を克服するまでゼロ化するのはやめてください。困るのは神楽耶様なんですよ?!」バッ
神楽耶「そうはいっても……」
カレン『それまで私が神楽耶様の居場所を守ります!!』
ゼロ「おい、カレン。苦しくないのか?」
カレン「いえ。全く」ヒョコッ
神楽耶「でも、どうすれば克服できるのですか?穿けばムズムズして脱ぎたくなりますし……。我慢など難しいですわ」
ゼロ「無理をさせて神楽耶様の玉の肌が荒れてしまったとき、責任をとれるのか?」
カレン「え……」
ゼロ「真っ赤になった神楽耶様のお尻を想像してみろ。藤堂あたりがみたら発狂するぞ」
カレン「別の意味で発狂しそうですね」
神楽耶「どうしたらいいでしょう」
ゼロ「カレン。神楽耶様は特別な人だ。別に穿かなくても……」
カレン「ダメです」
神楽耶「でも……」
カレン「神楽耶様は間違っていますから」
ゼロ「カレンは露出することを危惧しているのだろう?」
カレン「そうです」
ゼロ「それは私も同じだ。如何なるときも晒されてしまう可能性は一般人より高い」
カレン「ええ」
ゼロ「穿かなくても隠す方法はないのか?」
ゼロ「貼る?」
神楽耶「シールか何かをですか?」
カレン「え、ええ。でも、オススメは……」
ゼロ「よし、ではこのガムテープを使ってください」サッ
神楽耶「分かりましたわ!!」
カレン「本気でやるんですか?!」
神楽耶「はい」ペタッ
カレン「私は止めましたから」
神楽耶「―――これでよし」
カレン「あーあ……」
ゼロ「違和感はありますか?」
神楽耶「いえ、それほど……」
ゼロ「解決ですか」
神楽耶「ですね」
神楽耶「剥がせばいいだけですわ」
カレン「じゃあ、剥がしてみてください」
神楽耶「ええ」ベリッ
神楽耶「……?!!?」
ゼロ「神楽耶様?!」
神楽耶「ぃぁぃ……」プルプル
カレン「言ったのに」
神楽耶「こういう危険性は先に言ってくれないと困りますわ!!」
カレン「だから止めたんです!!」
ゼロ「ガムテープでもダメか……」
神楽耶「では、もう演説を行う際は私のこの辺にモザイクをかけてください」
ゼロ「ディートハルトに頼んでおきましょう」
カレン「余計卑猥になりますよ!?」
神楽耶「これもダメ、あれもダメ。では、一体どうしろというのですか?!」
神楽耶「ですから、それができないからこうして悩んでいるのですわ。どうして布を穿かなければならないのか、疑問ですわね」
カレン「あの……」
ゼロ「そうか。確かにそうですね。神楽耶様」
神楽耶「え?」
ゼロ「布に拘る必要などどこにもありませんよ」
神楽耶「どういうことですか?」
ゼロ「少しお時間をいただけますか?」
神楽耶「はい。勿論ですわ」
ゼロ「行くぞ」
カレン『はいっ!』
ゼロ「……歩きにくいな」
カレン「私じゃ、ダメですか?」ヒョコッ
ゼロ「別に構わないが」
カレン『私はゼロと共に進みます』
ゼロ「神楽耶様、できました」
神楽耶「なにがですか?」
カレン「―――ゼロの仮面パンツです」ヒョコッ
神楽耶「まぁ!!素敵っ!!」
ゼロ「穿き方はオムツ形式を採用しています。このスイッチを押すと」ピッ
神楽耶「面の一部が開きましたわ」
ゼロ「用を足すときに利用してください」
神楽耶「ゼロ様……私のためにこんなものを……嬉しいですわ」
ゼロ「素材は私の仮面と全く同じです。私が貴方の股間にいると思ってくれて構いません」
神楽耶「これほど心強いものはありませんわ」カチャカチャ
カレン「でも、これ。不意に見えたときとか驚きますね」
ゼロ「見えることなどない。大丈夫だ」
神楽耶「穿けましたわ」
カレン「スカートの上からでもわかるほど、仮面パンツが主張している……」
ゼロ「気に入ってくれたようで嬉しいですよ」
神楽耶「いえ」
藤堂「今、帰った」
扇「ゼロ。例の件は予定通りに行えるぞ」
ゼロ「そうか。ご苦労だったな」
玉城「いやー、出張も楽じゃねえなぁ」
井上「ずっと寝ていたくせに」
千葉「玉城は本当に使えないな」
玉城「なんだとぉ?!」
神楽耶「みなさん、おかえりなさい」
藤堂「神楽耶様……?」
神楽耶「はい?」
扇「あの……。失礼ですけど、その、スカートの下はどうなって……?」
神楽耶「これですか?―――こうなっていますわ」バッ!!
扇「な……」
千葉「……」
井上「……」
玉城「ゼロだ!!ゼロが神楽耶様に寄生してやがる!!」
神楽耶「どうですか?この素晴らしい仮面パンツは」
カレン「どーですかね?」
ゼロ「ふっ。この神楽耶様専用の下着は―――」
藤堂「ゼロよ」
ゼロ「なんだ?」
藤堂「あのな」
神楽耶「あ、ご心配なく。ここを押すと……面が開くんですのよ……」ピッ
千葉「井上!!神楽耶様を保護しろ!!!」
井上「了解!!」
神楽耶「え?何をするんですの!?離して下さい!!!」
井上「分かっています!!」
神楽耶「やめてください!!ゼロさまぁー!!!」
ゼロ「何をしている!!やめろ!!」
藤堂「ゼロ。聞け」
ゼロ「なんだ……」
カレン「やっぱり、ダメでしたか?あれは……」
藤堂「……」
カレン「ゼロ、お邪魔します!!」バッ
ゼロ「カレン!!おい!!」
カレン『応援してます!!』
ゼロ「ちぃ……」
藤堂「ゼロよ」
ゼロ「なんだ。神楽耶様には仮面が必要だと思った。だから、あれを与えた。それだけのことだ。文句でもあるのか?」
藤堂「お前は根本的に間違っている。何も分かっていない」
藤堂「そうだ」
ゼロ「聞かせてもらおうか、藤堂。私は何を違えたのか」
藤堂「―――日本人は下着などはかん!!!」
ゼロ「?!」
カレン「えぇぇ!?」ヒョコッ
藤堂「厳密には締める」
ゼロ「しめる……?」
千葉「神楽耶様にはまだ早いんだ」
井上「男性は小さなときから、女性は成人してから締めるんです」
扇「ゼロ。すまない。日本人じゃないから、説明しておくべきだったな」
ゼロ「締めるとはなんだ……?穿くのではないのか?」
藤堂「ああ」
ゼロ「では、何を締めると言うんだ?」
藤堂「日本人なら褌に決まっている」
玉城「しらねーのか?ああ、無理もねーか」
ゼロ「どういうのだ?」
藤堂「こういうのだ!!」バッ!!!
カレン「きゃぁ!!」ササッ!!
ゼロ「藤堂!!」
藤堂「これが、日本人の生き様だ」
カレン『藤堂さん!!急に脱がないでください!!』
ゼロ「その白い布を成人したら神楽耶様もつけると?」
藤堂「そうだ」
ゼロ「そうだったのか。やはり、日本人に下着を穿くという文化はなかったのか……。私はいらぬことをしてしまったな」
扇「いや。説明できなかった俺たちも悪い」
ゼロ「だが、どうして下着をつけないのだ?」
藤堂「知らない」
ゼロ「そうか」
千葉「これは不要です。神楽耶様」
神楽耶「ですが、私の召し物ではゼロ様が不安になると」
千葉「正装では足を全て隠すほど裾の長いものが選ばれています」
神楽耶「しかし、いつも正装でいるわけにもいきませんし」
千葉「だからといって、キョウト六家の盟主自らが伝統を排斥するような行為は……」
神楽耶「……」
井上「とりあえず。この仮面パンツは顔に付けておくべきです。間違っても下半身につけてはいけません」
神楽耶「はい」カチャカチャ
千葉「紅月。どうして教えてやらなかった」
カレン「えっと……それは……」ヒョコッ
扇「そういえばナオトは褌じゃなくてボクサーパンツだったな」
カレン「え、ええ……」
ゼロ「そうか……カレンはハーフだからか?母親がその伝統を伝えなかったのではないか?シュタットフェルト家に行くなら、そちらの流儀に合わせなくてはならないからな」
カレン「お母さん……」
千葉「スイッチを押さなくては」
神楽耶「ああ、そうですわね」カチッ
神楽耶「あ、ちょっと見えました」カシャ
井上「にしても、この下着。高性能ですね」
千葉「脱がなくてもいいのは素晴らしいとおもうが、褌もずらすだけでいいからな」
井上「たしかに。甲乙付けがたいですね」
神楽耶「今、私はゼロ様に包まれているのですわ……」
ゼロ「結局のところ、神楽耶様が何も身に付けていないことはお前たちは承知していたのか」
藤堂「そうなるな」
ゼロ「私が空回りしただけだったか……」
藤堂「ゼロ。だからといって、安易な考えで神楽耶様の秘境へは足を踏み入れるな。二度と朝日が拝めなくなるぞ」
ゼロ「十分に留意しておく」
カレン「じゃあ、私も今日から脱ぎます」
扇「カレン。無理をすることはないぞ」
玉城「そうか……」
カレン「やらしい目でみないでよね」
玉城「んだとぉ?!」
神楽耶「ゼロ様ー」
ゼロ「神楽耶様。申し訳ありませんでした」
神楽耶「いえ。このような素敵な仮面を私のために作ってくださったことがなによりも嬉しいですわ」
ゼロ「そうですか」
神楽耶「でも、これ。息苦しいですわね」
ゼロ「仮面ではなくて下着ですからね」
神楽耶「蒸れますわ」
ゼロ「取った方がいいですよ」
神楽耶「でも、ゼロ様に包まれていたいのですが……」
ゼロ「どうぞ、こちらへ。カレンとの約束ももう意味はありませんし」
神楽耶「ゼロさま……。今、行きますわ!」
神楽耶『ありますわー』
ゼロ「これからが大事だ。共に進もう」
扇「ああ」
玉城「まかせてくれ!!」
藤堂「褌を締めなおして望む次第だ」
千葉「任せてくれ」
井上「がんばります」
カレン「紅月カレン!!今日から真・日本人としてがんばります!!」
ゼロ「よし!!」
神楽耶「みなさんー、はりきっていきましょー」ヒョコッ
玉城「扇ー、メシいこうぜー」
扇「そうだな」
カレン「ちょっとスースーするけど、やれる!ゼロと紅蓮弐式が居れば!!」
ゼロ「……頼むぞ」
ゼロ「なんですか」
神楽耶「あのとき見れていませんよね?」
ゼロ「何をでしょうか?」
神楽耶「私がどれだけ大人なのかを」
ゼロ「確かに」
神楽耶「見ますか?」
ゼロ「……」
神楽耶「ゼロ様になら……」
ゼロ「いえ。遠慮しておきます」
神楽耶「ゼロ様……」
ゼロ「自分の意志で垣間見るからこそ、価値があると思うのです」
神楽耶「分かりましたわ。では、ゼロ様が見たくなったらいつでも声を……」
ゼロ「では、早速」ペラッ
神楽耶「あ……」
神楽耶「……」
ゼロ「なるほど」
神楽耶「ゼロ様……あの……」
ゼロ「神楽耶様。はっきりと言いましょう」
神楽耶「はい」
ゼロ「まだまだですね。安心しました」
神楽耶「えぇ?!そんなはずは……!!」ペラッ
神楽耶「……どうして……」
ゼロ「さあ、神楽耶様。こちらへ」
神楽耶「ゼロ様。うっすらとはあったのです」
ゼロ「……」ナデナデ
神楽耶「信じてください!!本当に少しだけあったのです!!何故か綺麗になくなって……」
ゼロ「……」ナデナデ
神楽耶「はぁ……どうして……これでは。恥をかいただけ……」
神楽耶「そうですか?」
ゼロ「ええ。少なくとも私にはとても魅力的に見える」
神楽耶「ですが。肉体的に劣っている限り、私としては絶対的な自信が持てませんわ」
ゼロ「私が言っているのに?」
神楽耶「……え」
ゼロ「少しショックですね。まさか神楽耶様に私の言の葉が届かないとは」
神楽耶「あ、いえ……そういうわけでは……!!」
ゼロ「褌を締めるまで大人ではないからと諦観する貴方でもないはず。外見的、儀式的なことでそのような線引きをなさるおつもりですか」
神楽耶「……いいえ。違いますわ。私はゼロ様に認められたときこそ、大人になったと実感するのです」
ゼロ「そのほうが貴方らしい」
神楽耶「ゼロ様。まだ私には至らないところはごまんとあります」
ゼロ「……」ペラッ
神楽耶「ですが、できることをして行きますわ。自分で決めた愛する貴方のために」
ゼロ「ええ。頑張ってください」
ゼロ「これは失礼しました」
神楽耶「もう……」
ゼロ「表面的な成長はまだまだのようですが、その強く大きな心をもっているのは神楽耶様ぐらいですよ」ペラッ
神楽耶「では、ゼロ様公認の妻でよろしいのですね?!」
ゼロ「……そうですね。それはまた別です」
神楽耶「ゼロ様ー!!ひどいですわー!!」
ゼロ「フフフ……」
神楽耶「じゃあ、もっと見ていいですから」
ゼロ「迫ってくる者になど興味はない!!」ペラッ
神楽耶「そんな……!!」
C.C.「……」
C.C.「とりあえず剃ってくるかな」トコトコ
END
良い意味で酷かったYO!
Entry ⇒ 2012.09.08 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
C.C.「ルルーシュに200の質問?」
ルルーシュ・ランペルージをもっと知りたい!
クイズ、『ルルーシュの200の事!』
眉目秀麗で才色兼備、生徒会副会長、しかしてちょっとキツめのシスコンでもある。
その程度しか分からないルルーシュの事。
今日は彼について様々な事柄を学んでみる素敵な機会でございます。
C.C. 「いや、それだけ分かっていれば充分だろう」
カレン「今さらって感じは確かに否めないわね」
C.C. 「そもそもMCはアイツを褒めすぎだ。
童貞モヤシのグラスハート中二患者にどれだけ気を使っているんだか」
カレン「アンタはもっと相手に気を使うことくらい覚えなさいよ」
スザク「まぁまぁ、二人共。
まだ始まったばかりなのにいがみ合わなくてもいいんじゃないかな?」
正解数を競ってもらおうという趣旨で御座います。
正解数が一番多い人は、このクイズ終了後にルルーシュと握手できる特典が!
C.C.「いらん」
…とにかく!
彼に200の質問を問いかけますので、皆さんはその回答を予想して当ててください。
回答者にこちら側の声や姿は一切見えておりませんので、吹っ掛けは無意味です。
※本来のプロフィールとは異なる点も出てくるとは思いますが悪しからず
僕がルルーシュについて一番詳しい時期って幼少期くらいだし」
カレン「私なんてまだ知り合って一年も経ってないからね」
C.C. 「知り合った期間はカレンと変わらないが、一緒に住んでいる点で私は少し有利か」
カレン「まぁアイツの事は私生活以外なら答えれそうな気がするけれど」
スザク「え!? カレンってそんなにルルーシュのこと調べてるの!?」
カレン「いや、そういう意味じゃないんだけど」
スザク「いつもは従順なフリをして、そんな強かさを隠していたとは…。
案外この企画のダークホースは君かも知れないね…」
カレン「誤解よ、誤解!」
C.C. 「…何を言ってるんだ、お前らは」
準備は宜しいですか?
C.C. 「さっさとしろ。私は早く帰って撮り溜めしていたアニメを見たいんだ」
カレン「アンタいい歳こいてまだアニメとか見ているの?」
C.C. 「む、お前はアニメを馬鹿にするのか?」
カレン「いや、馬鹿にしているワケじゃないけれどさぁ…もっと何か無いの?
体動かしなさいよ、体。アニメなんかよりずっと健康にいいわよ」
C.C. 「ふん、胸が脂肪ではなく筋肉で出来ている輩はこれだから…。
貴様も今私が撮り溜めている『あずきちゃん』を見れば考えも変わるだろう。
見に来るときはピザの差し入れを忘れるなよ」
カレン「ふ~ん、まぁ気が向いたら伺わせてもらうわ」
スザク「…いつ始めても大丈夫です」
ルルーシュの好きな食べ物は?
スザク「ベタな所から始まったね」
カレン「小手調べってヤツ?」
C.C.「スタートラインとしては無難だな。こんなの即答してやろう」
C.C. :ピザ
カレン:パスタ
スザク:白米
スザク「ああ、言えてるね。極端に偏食、もしくは好き嫌い皆無かって感じ」
C.C. 「フン、この問題は簡単だな。一択だ。」
カレン「えらく自信満々な態度だけれど、それ単純にアンタの好物なだけじゃないの」
C.C. 「失礼な奴だな。私の好きなモノはルルーシュも好きに決まっているだろう」
カレン「そんな言い分初めて聞いたわ…」
スザク「この問題は当たっている自信があるよ」
C.C. 「ほぅ?」
スザク「ルルーシュが小さい頃によく食べてたからね!」
C.C. 「それは居候先の食生活が日本食だっただけだろう…」
【回答】
ルル「……カレーうどん」
C.C. :×
カレン:×
スザク:×
スザク「さすがにコレは予想できないね」
カレン「ゼロの仮面を被ってるとき、急に食べたくなったらどうするのかしら?」
スザク「そりゃあ…我慢するんじゃない?」
カレン「なるほどね」
スザク「もしくは…ホラ、あの仮面って目の部分がスライドする仕組みじゃん?
実はアレを秘かに口の部分にも搭載しててさ……」
C.C. 「なるほど、皆の目を盗みつつあの格好でカレーうどんを啜っているのか」
三人「…………」
カレン「今の間は何よwwwwwwwwwwwww」
スザク「だってwwwwwカレンも想像したんでしょwwwwww」
カレン「ルルーシュがwwwwあの格好でうどんとかwwwwもうやめてよwwwwwww」
C.C. 「全く……お前らは本当に、馬鹿だな……w」
ルルーシュの好きな映画は?
C.C. 「アイツの趣味嗜好よりも、ピザ○ットの新作ピザを教えろ」
カレン「んなこと教えられても誰が得するのよ」
C.C. 「お前、その発言は全国4300万人のピ○ハッターを敵に回したも同然だぞ」
スザク「それだけの人数がいたら100万のキセキどころの騒ぎじゃないね」
C.C. :ぼくらのウォーゲーム
カレン:ショーシャンクの空に
スザク:VERSUS
C.C.「おいスザク、なんだその映画は」
スザク「え、知らないの?」
カレン「私も初めて聞いたわよ」
スザク「B級映画の最高傑作だよ。
前にルルーシュと二人でDVD見た時、彼にバカ受けでさ」
C.C. 「ふむ、ルルーシュを唸らせる映画か。少しだけ興味深いな」
カレン「レンタルショップでタイトル見かけたら借りてみるわ」
ルル 「……サマーウォーズ」
C.C. :×
カレン:×
スザク:×
スザク「まさかのサブカル路線だった」
カレン「アイツの性格なら『アマデウスに決まっているだろう』とか
妙にカッコつけて言いそうと思ったんだけれど」
C.C. 「ほぅ、私の発想自体は良かったのか、少し掴めて来たな」
スザク「掴んだところで得るものは握手くらいだけどね」
ルルーシュは何フェチ?
C.C. 「これは予想がつく。この問題はボーナスだな」
カレン「私にはサッパリ……」
スザク「う~ん、ルルーシュならこう答えそうな気が」
C.C. :尻
カレン:髪
スザク:足
スザク「また見事にバラバラだね」
カレン「こんなの統一する方が難しいわよ」
C.C. 「ふん、お前らまだまだだな。私の一人勝ちじゃないか」
スザク「とりあえず答えを見てみようか。
もしかしたら思いもよらないフェチだったりするかも知れないね」
ルル「今まで考えた事も無かったな。
ナナリー、はフェチには入らないか…強いて言うなら、髪だ」
C.C. :×
カレン:○
スザク:×
カレン「あれ、当たっちゃった」
スザク「C.C.。君の回答が自信満々だった理由を訊ねてもいいかい?」
C.C. 「な、何となくアイツが私の尻をちょくちょく眺めてくるから…」
スザク「へぇ、ルルーシュもしっかり男の子だったんだね」
カレン「ルルーシュはむっつりすけべ、か。…覚えておこう」
回答者の部屋
ルル「……なんか謂れのないことを話されているような気がするぞ」
C.C. 「ここまで正解はカレンの1つだけ。そろそろ正解しておきたいところだが」
カレン「まだイマイチ彼の中身が把握できないのよねぇ」
スザク「う~ん、次の問題で傾向を探る必要ありそうだなぁ」
C.C. 「内面にメスを入れる質問ならいいが、
今の様子だとありふれた質問の確率の方が高そうだぞ」
カレン「とりあえず今は無難に答えていくのが得策ね」
最近もっともストレスを感じた瞬間は?
C.C. :冷蔵庫に置いていたプリンを食べられた
カレン:同居人が言うことを聞かない
スザク:ナナリー用に取っておいたプリンをC.C.から食べられた
C.C. 「おい、なんでお前がその事を知っている?」
スザク「学食で僕とリヴァルに愚痴ってたよ。
『ナナリーに食べさせるはずだったプリンを食われた。
《プリンとヨーグルトとお前のハートは頂いた》と
ご丁寧にキャッツカードらしきものを冷蔵庫に貼ってな』って。」
カレン「C.C.、アンタ…」
C.C. 「仕方ないだろう。あいつが私に構ってくれないのが原因だ」
ルル「……些細なことで申し訳ないが、ナナリーの為に取っていたプリンを
どこぞのNEET魔女に勝手に食されたときだ。
ナナリーの喜ぶ顔を思い浮かべて丹念に作っていたはずなのに、
そこで待っていたのはこの仕打ち。
…ピザの香りを纏う女のどや顔が思い浮かんで仕方ない瞬間だった」
C.C. :○
カレン:×
スザク:○
カレン「うわぁ、苦虫を噛み潰す表情ってあんな感じなのかもね」
C.C. 「……」
スザク「C.C.、これは多分あとで謝ったほうがいい」
C.C. 「…善処する」
ルルーシュの初恋は何歳?
C.C. :8歳
カレン:7歳
スザク:10歳
C.C.「これは正直、勘で答えるしかないな」
カレン「なんとなくこの答えにしちゃったけれど、マセガキっぽいからもっと早かったりして」
スザク「ぶっちゃけルルーシュの初恋って結構興味あるんだよね。どんな回答だろう?」
ルル「……7歳だ。」
Q:ちなみに、相手は?
ルル「黙秘権を行使する。絶対に喋らんぞ」
C.C. :×
カレン:○
スザク:×
スザク「思っていた以上に早かったなぁ」
C.C.「ほぅ、そのくらいの年齢で初恋とは早いな」
カレン「え、けっこう妥当な年頃じゃない?」
C.C.「そんなものか」
スザク「…そうなると、C.C.の初恋ってルルーシュより遅かったみたいだね。
ぶっちゃけ初恋って何歳なの?」
カレン「ていうか何世紀前?」
C.C.「カレン、それは宣戦布告と捉えてもいいんだな?」
最近「ああ、やっちゃった」と後悔したことは?
C.C. 「『ああ、やっちゃった』が服を着て歩いているような男が
小さな後悔をするのだろうか?」
カレン「本人が『ああ、やっちゃった』と思っていない辺りが無自覚の悪意よね」
スザク「これはまた難しい問題だなぁ…」
C.C. :冷蔵庫にプリンを置いてしまった
カレン:寝坊
スザク:仮面のはずし方を忘れてテンパった
スザク「C.C.…君のその正当化は良くないと思う」
C.C. 「煩い、食べられたくなかったら名前でも書いておくべきだ」
カレン「あんたどんだけジャイアン気質なのよ…」
ルル「……冷蔵庫に自信作のプリンを入れていた事だ。
次からは強固な金庫にでもしまっておくべきだと猛省した」
C.C. :○
カレン:×
スザク:×
C.C. 「まさかの正解と来た」
スザク「金庫にプリン入れたら冷やせないよね」
カレン「論点ちょっとズレてるわよ。
ていうか、プリン食われたのをアイツどんだけ根に持ってるのよ」
ルルーシュの嫌いな味は?
C.C. :アボガド
カレン:苦いもの
スザク:ねっとりした味、納豆とか
C.C.「味覚の好みは分からん」
カレン「まぁ世間一般で不味いと思われるもの書くのが定石でしょ」
スザク「ちなみに答えはどんな感じなんだろう?」
ルル「土の味だな。アレを忘れる事は到底無いだろう」
C.C. :×
カレン:×
スザク:×
スザク「へぇ、変な味を嫌うんだね」
C.C. 「………即答だったな」
カレン「………ええ、即答だったわね」
スザク「土を舐めるほど飢えていたのか、それとも転んだ拍子に口に入っちゃったのかな?」
C.C. 「………」
カレン「………」
スザク「あ、もしかして! 小さい頃にナナリーが作った泥ダンゴ食べちゃったとか!?
ルルーシュも肝心なところが少し足りてないなぁwwww」
カレン「………」
C.C. 「……お前に少し足りないのは空気を読むスキルというのは分かったよ」
もっともリラックスできる瞬間は?
C.C. :私と一緒にいるとき
カレン:森林浴
スザク:紅茶を飲みつつ音楽鑑賞
カレン「C.C.、アンタ自分の回答反芻できる?」
C.C. 「余裕だが?」
スザク「いや、ホント大したものだと思うよ」
ルル「ナナr……紅茶でも飲みながら、好きな音楽を聴いているときだな。
そうすることで心休まる平穏な時間を満喫できる」
C.C. :×
カレン:×
スザク:○
カレン「凄いわね。紅茶だけじゃなく音楽鑑賞まで当てるなんて」
スザク「まぁ、友達だからね。ナナリーとの時間かって二択ではあったけれど」
C.C. 「どうせ飲んでいる紅茶はリプトンで、聞いてる曲は『およげタイ焼きくん』だろ」
カレン「あんた何でちょっと不貞腐れているのよ」
C.C. 「……」
もしも次に生まれ変わるなら何になりたい?
C.C. 「久々にサービス問題か」
カレン「まぁ、この答えなら外さないんじゃない」
C.C. :自分
カレン:もう一回自分
スザク:また自分に生まれ変わる
スザク「これは簡単だったね」
カレン「この答え以外に思い浮かばないわ」
C.C. 「アイツが自分大好きっ子というのは皆分かっていたのか」
ルル「再び俺に生まれ変わりたいな」
C.C. :○
カレン:○
スザク:○
C.C. 「なんで『してやったり』な顔で答えてるんだあの馬鹿は」
スザク「うわぁ…なんか当たっても達成感が全く感じられないなぁ」
カレン「今まで一度だって達成感のある回答なんてあった?」
スザク「………。」
スザク「そういえば立て続けに200問とか疲れるよね。休憩とか無いのかな?」
C.C. 「…おいそこ、上手く誤魔化せたとでも思ってるのか」
『ミャンマー』を噛まずに早口で何回言える?
C.C.「……なんだこの質問は」
カレン「不毛なのは今に始まった事じゃないでしょ?」
スザク「あ、これ結構難しい。ちょっと二人とも目標10回くらいで実際にやってみて」
C.C.「フン、くだらん…。
ミャンマー、ミャンマー、ミャンマー、ミャンマー、ミャンマー、
ミャンマー、ミャンマー、ミャンミャー、ニャンミャー……!?」
カレン「後半ネコみたいになってたわよ」
C.C.「そういうなら、試しにお前もやってみろ」
カレン「こんなの楽勝よ。
ミャンマー、ミャンマー、ミャンマー、ミャンマー、ミャンマー、
ミャンミャー、ミャンミャー……!?」
スザク「ね、ちょっと難しいでしょ!」
C.C.「そこで何故お前が勝ち誇るんだ」
C.C. :7回
カレン:6回
スザク:11回
カレン「これは5回からが鬼門だと思うわ」
C.C.「同感だ。粘って7回くらいが妥当だろう」
スザク「僕はルルーシュって意外と早口得意そうだから賭けてみたよ」
ルル「ミャンマー、ミャンマー、ミャンマー、ミャンマー、ミャンマー、
ミャンマー、ミャンマー、ミャンマー、ミャンマー、ミャンマー、
ミャンマー、ミャンマー、ミャンマー、ミャンマー、ミャンみゃー………」
C.C. :×
カレン:×
スザク:×
C.C.「ルルーシュの癖に意外と粘ったな」
カレン「まさかあそこまで口が廻るのは想定外だったわ」
スザク「う~ん、結構頑張ってたねぇ」
カレン「指揮官ってやっぱりあれくらいスラスラ喋れるものなのかな?」
C.C. 「さぁな。そんなの私の与り知るところではない」
スザク「うわぁ、会話までなんか不毛になってきてる…」
カレン「深夜のファミレスで喋っている若者の話くらい身の無い話ね……」
中間結果の発表です。
C.C. :14問正解
カレン:9問正解
スザク:12問正解
このようになっております。
カレン「意外ね、アンタ結構いいペースで当ててるじゃない」
C.C. 「ふん、当然だ」
スザク「ようやく折り返しかぁ…
まだまだ逆転の芽は皆にあるみたいだし、この点差でも油断できないな」
カレン「でもスザク…もし仮に優勝しても賞品って握手だけなのよ?」
スザク「それ思い出して、今自分でも驚くほどモチベーション下がったよ」
C.C. 「とりあえず休憩させろ、休憩。
心身共にこんなに疲労するとは思わなかったから、せめて主催者は茶くらい出せ」
カレン「私も休憩に一票。 インターバルくらい挟んでみましょうよ」
カレン「……なんか腹立つなぁ」
C.C. 「ふん、まぁいい。
ようやく半分だ、さっさと終わらせて私にアニメを見させろ」
腕立て伏せ、何回できる?
C.C. :0回
カレン:0回
スザク:0回
C.C.「お前らという奴は…いくらなんでも0回は無いだろう」
カレン「そんな事言ってるアンタも同じ答えじゃない」
C.C.「私のは博打だ」
カレン「私も正直コレは無いと思うけれど、まぁギャンブルもたまにはね」
スザク「え、僕ホントにこの答えだと思って書いたけど?」
実際にやってもらった。
ルル「ふっ、くっ………ふんっ………! ふぅ、ふううううううう!」
スザク「うわぁ…」
カレン「これは、なんというか……」
C.C. 「骨粗鬆症でも患っているのか、こいつは」
ルル「きょ、今日はどうにも体調不良でな。今日のところだけは0回だ!」
C.C. :○
カレン:○
スザク:○
C.C.「なぁ」
スザク「どうしたの?」
C.C.「なんでアイツ、最後にどや顔で〆たんだ?」
ナナリーに彼氏ができたと報告されました。
そのとき、どんな返答をする?
C.C. 「あのシスコンには酷な質問だな」
カレン「でもいつかナナリーにも彼氏とか出来るんだろうし…どんな返答するんだろう」
スザク「過激じゃなければいいんだけどね」
C.C. :名前を聞いて身辺調査
カレン:「おめでとう」とかで素直に祝福
スザク:心筋梗塞で死ぬ
カレン「これ意外とスザクの答えが一番近いような気がして怖いわね…」
ルル「名前と住所、そして外見の特徴を聞く。
あとは二度と日の光が当たらない場所まで俺が導いてやるだけだ」
C.C. :×
カレン:×
スザク:×
C.C. 「おい、私のは正解じゃないのか?」
MC :完全一致で正解ですので、残念ながら不正解でございます
カレン「いやでも、結構イイ線いってたじゃない」
スザク「さすがにショック死は無いか…それを聞いて安心したよ」
C.C. 「まぁ正直、実際一番ありえそうなのがスザクの回答だと思うわけだが」
カレンの好きなところは?
カレン「……ふぇっっ!?」
C.C. 「これはまた斬新な切り口の質問だな」
カレン「え、ちょっと、何これ」
スザク「普段ルルーシュが君をどう見ているのか分かる質問でもあるね」
カレン「こ、これちょっと答えづらいんだけど…」
C.C. :従順、犬っぽい
カレン:気配り上手
スザク:胸
カレン「おいそこの天然パーマ表に出ろ」
ルル「むn……ゼ、ゼロに従順なところだな。犬っぽいのも良い」
C.C. :○
カレン:×
スザク:×
C.C. 「ほら、正解だ。流石は私といった所か」
カレン「べ、別にアンタじゃなくて従順なのはゼロにだけなんだから!」
スザク「うわ、とってつけたようなツンデレの台詞」
カレン「うっさい!」
スザク「次は僕か」
カレン「簡単そうに見せかけて、なかなか悩むわね」
C.C. 「どうせ筋肉とか上腕二等筋とか乳酸的なとこだろう」
カレン「あとは背筋とか腹筋とかのたくましさじゃない?」
スザク「なんで筋肉のみを抜粋してくるかな」
C.C. 「スザク、人は自分に無いものを欲しがる業深き生き物だ。
あいつに無くてお前にあるもの、それは何か分かるか?」
スザク「き……筋肉……!」
C.C. 「そういうことだ」
カレン「どういうことよ」
では、回答の方をオープン!
C.C. :友達でいてくれる
カレン:友達なところ
スザク:筋肉
C.C. 「まさか真っ正直に受け止めるとは思わなかったぞ」
カレン「本当に筋肉って書いちゃうなんて…」
スザク「は、嵌められたのか、僕は……」
ルル「友達だ、それだけで充分だ」
C.C. :○
カレン:○
スザク:×
C.C. 「スザク、何か言うことはあるか?」
スザク「乳デカお化けに尻垂れババァ」
C.C.&カレン(小学生の悪口か……)
C.C.の嫌いなところは?
C.C.「おい、この問題だけ他と毛並みが違うんだが?」
カレン「これはまた答えるのが難しいなぁ」
スザク「僕らの答案=普段C.C.に対して思ってる事 みたいになりそうだからね」
カレン「勘ぐられない程度に上手に答える必要があるわね」
C.C.「…お前らの回答を見るのが少々怖くなってきたんだが」
C.C. :ちょっと寝すぎるところ
カレン:自分のカードで勝手にピザを買うところ
スザク:尻丸出しの格好でベッドに転がってるところ
ルル「………アイツには小言をよく言うが、嫌いな点など無いな。」
C.C. :×
カレン:×
スザク:×
C.C.「………」
カレン「ねぇ、C.C.」
C.C.「…なんだ」
カレン「そのはにかんだ顔、なんか可愛くてムカつくんだけど」
C.C.「別にはにかんでなんかいないぞ」
スザク「素直じゃないなぁ。予想外の回答で嬉しかったんでしょ?」
C.C.「……五月蝿いぞ」
ルルーシュが最近ハマっている事は?
C.C. :半身浴
カレン:書庫の整理
スザク:筋トレ
カレン「うわぁ、もう心底どうでもいいわねこの質問」
スザク「まぁまぁ。ようやく終わりも少しだけ見えてきたから頑張ろうよ」
C.C.「ほらMC、さっさと回答を発表しろ」
ルル「……半身浴。 エッセンシャルオイルを何滴が浴槽に入れるのがいい」
C.C. :○
カレン:×
スザク:×
C.C.「寝たら忘れる知識が一つ蓄えられたな」
カレン「それって蓄えたって言えるの?」
スザク「知っても損得の無い知識か、まぁいいんじゃない。
僕も今日寝たら多分忘れていると思うけれど」
ルルーシュの一番得意な真似は?
C.C.「これは正解の自信があるぞ」
カレン「アイツの物真似とか想像できないんだけど…」
スザク「う~ん、多分これかなぁ?」
C.C. :ナナリーの声っぽく「お兄様」
カレン:寝起きのC.C.
スザク:ナナリーの声真似
カレン「なんか二人とも答えが似通ってるように見えるんだけど」
スザク「いや、なんか学校の空き教室でこっそり真似してるの見た事あるし」
C.C.「私は部屋の自室でポージングしながら真似してるのを見たぞ」
カレン「それはまた壮絶なものを見てしまったのね」
ルル「ナナリーの声を真似るのは結構得意だ」
Q:では、実際にやってもらいましょう。
ルル「……ウォ、ウォニイサマー!!」
C.C. :○
カレン:×
スザク:○
カレン「ちょっとwwwwww何アレwwwwwwwwいかつい声wwwwww」
スザク「クオリティが前に見たときよりも下がっていたね」
C.C. 「おそらく若干の照れが入ってしまったんだろう。声にキレが無い」
スザク「それは言えてるね。前はもっとこう、語尾の声の伸びが良かった気がする」
C.C. 「それに顔も似せようとしていなかった。
次に見るときはもっと万全の状態で見せてほしいものだ」
スザク「うん、次に期待だね」
カレン「やめてよwwwww 真面目に論議しないでwwwwwwwwwwww」
ついつい見てしまうテレビ番組は?
スザク「ルルーシュがテレビ見ている印象ってあんまりないなぁ」
C.C.「これは何となく予想はつくな」
カレン「まぁ無難にこの辺りでしょ」
C.C. :ニュース
カレン:ニュース
スザク:水曜どうでしょう?
ルル「つい、か。それならsakusakuだな。
ニュース見ながらよくザッピングしている」
C.C. :×
カレン:×
スザク:×
C.C.「言われてみれば、アイツはよくニュース中にザッピングしていたな。
そうか、sakusakuか。一緒にテレビ見ているのにすっかり失念していた」
カレン「また絶妙にローカルなところをついてくるわね」
スザク「…初めて聞いた番組なんだけど」
カレン「そう? 私は残り50問すら多いと思うんだけれど」
スザク「ここまで来れば後は気力だね」
C.C. 「ほら、MC。さっさと問題を出せ」
50メートル走を計測するとゴールまで何秒かかる?
C.C.「流石に足まで遅くはないだろう」
スザク「いやぁ、さっきの様子だと分からないよ?」
カレン「運動音痴は足も遅い、これって結構鉄則よね」
C.C. :6秒
カレン:8秒
スザク:7秒
カレン「結構バラバラの答えになってるわね」
C.C.「これだと三人のうち誰かは当たっているだろう」
スザク「そうだね~。みんな無難なラインを攻めてる感じだし」
実際にやってもらった
C.C. 「しかし、ルルーシュも不平不満を漏らさずよく頑張るものだ。
ナナリーの命でも開催者に握られてるのか?」
カレン「確かにここまで素直なアイツって気味悪さすら感じるわね」
MC:位置について、よーい、ドン!
ルル「!?」 ズベシャッ
カレン「ちょwwwwww顔面からこけてるわよアイツwwwwwwwwww」
C.C.「また思いっきり体を張ったネタを仕込んできたな…」
スザク「いや見てよ、涙ぐんでる。あれきっと本気だよ」
カレン「あははははははははwwwwwwwww ・・・・・えっ?」
C.C.「…………」
計測時間:12秒48
C.C. :×
カレン:×
スザク:×
C.C.「………」
スザク「………この記録ってドラえもんより遅いんじゃないのかな」
カレン「………つ、次! 次に行きましょう!!」
C.C.・カレン・スザクの中で
一晩みっちり抱いてもいいと思うのは?
C.C.「おい、なんだこの質問は」
カレン「何よこれ! セ、セクハラじゃない!!」
スザク「驚くほど分かりやすい本命・対抗馬・大穴の図になってるね」
C.C. :C.C.様
カレン:C.C.
スザク:カレン
カレン「アンタ…その自信はホントに一体どこから湧いてくるのよ?
頭沸いてんの? フットーしちゃいそうなの?」
C.C.「失敬なヤツだ。これは私以外に考えられないだろう?」
ルル「…………………………カレン」
C.C. :×
カレン:×
スザク:○
カレン「ちょっとおおおおおおおおおおおお!!」
スザク「うわぁ…これきっと苦渋の決断だったろうね」
C.C.「……」
スザク「笑えばいいと思うよ」
カレン「苦笑いが精一杯よ」
C.C.「……」
カレン「まぁ、横で頭を突っ伏している人がいるんだけれどさ。
触らぬ神に祟り無しの扱いでいいの?」
スザク「アレは相当恥ずかしいだろうね。
抱かれたい人で自分を指した上に回答を外すなんて常人じゃ出来ないよ。
僕なら片眉を剃ってしばらく山に篭るね」
C.C.「……」
カレン「……! ちょっと、C.C.! その手に持ってる剃刀はどっから持ってきたの!!」
C.C.「………もう私に残された選択肢はコレしかないんだ」
スザク「早まっちゃ駄目だよ! 片眉を剃るなんて恐ろしい発想は止めるんだ!」
カレン「アンタどの口がそんな事ほざいてんのよ!
いいから早くC.C.を止めるの手伝ってってば!!」
ルル「その…なんというか、初々しさがあるような気がしてだな」
カレン「いやああああああああああああ!!」
スザク「おっと、さすがの僕も真顔でこんなの言われたらフォローできないよ」
カレン「ちょっと、どうすんの! ホントにあいつの顔見れなくなってきたじゃない!」
C.C. 「…おい、MC.『C.C.を選ばなかった理由』を聞け」
MC :残念ながら回答者の方々の個人的質問にはお答えできません
C.C. 「くっ…!」
C.C.・カレン・スザクの中で
抱かれてもいいと思うのは?
カレン「え、なにこれきもちわるい」
スザク「嫌な予感しかしないんだけどなぁ…」
C.C.「流石にこれはサービス問題だろう」
C.C. :スザク
カレン:スザク
スザク:僕だったら嫌だなぁ
ルル「……………………………C.C.」
C.C. :×
カレン:×
スザク:×
C.C. 「……ん?」
スザク「いや、流石にこれは僕も予想外だったよ」
カレン「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
C.C.「おいカレン、笑いすぎだ」
カレン「だって・・・だって、アンタ!女の子でコレに選ばれるとかwwwwww」
C.C.「…おい、MC! 選んだ理由を貧弱シスコン坊やに聞いてみろ!」
Q:ちなみに、なぜ彼女を選んだのですか?
ルル「……優しくしてくれそうだから、だな」
カレン「きwwwwwもwwちwwっわるいwwwwwwwwwwwwwww」
スザク「ねぇ、C.C.」
C.C.「慰めの言葉以外で頼む」
スザク「それを封じられたら、僕にはかける言葉が見つからないや」
C.C.「…そっとしておいてくれ」
ルルーシュが女性を見て最初にチェックする部分は?
C.C. :髪
カレン:髪
スザク:目
C.C.「まぁ、初めの方で答えたフェチ回答から推測するにコレだろう」
スザク「なるほどなぁ。前の答えを参考にするアイデアは失念していたよ」
ルル「……体全体だな。スタイルの良し悪しは否が応にも目に入るだろう」
C.C. :×
カレン:×
スザク:×
C.C.「そう来たか」
カレン「普通の回答すぎるわね」
スザク「確かに妙な肩透かし感を覚えたのは否定できないね」
C.C.・カレン・スザクの中で
一番エッチだと思うのは?
C.C.「おいやめろ、この手の質問は傷しか負わないぞ」
スザク「正確には答えに選ばれた人しか傷負わないけれどね」
C.C. :カレン
カレン:C.C.
スザク:C.C.
C.C.「…まぁ、いいだろう。問題はあの馬鹿の回答の方だ」
ルル「何となくだが、カレンだな。耳年増っぽい印象がある」
C.C. :○
カレン:×
スザク:×
カレン「むっつりスケベに言われたくは無いわね」
C.C.「おお、なんか久々に正解したような気がするぞ」
スザク「何気にひどい事言われてるけど、どうなの?」
カレン「まぁいいかって許容してるわ」
C.C.・カレン・スザクの中で
一緒にいて一番疲れるのは?
C.C. :カレン
カレン:スザク
スザク:C.C.
スザク「これはまた綺麗に分かれたね」
C.C. 「スザク、私とあいつは一緒に住んでいるんだぞ?
そんなワケあるはずないだろう」
スザク「いやぁ、分からないよ?
どこの家庭でも何かしらの我慢とかしてると思うし、
そう考えるとルルーシュも例外じゃないんじゃない?」
C.C. 「な、なんだその妙な説得力は!」
ルル「…スザク、かな。活発さと空気を壊すあの勢いに稀についていけなくなる」
C.C. :×
カレン:○
スザク:×
スザク「やっぱりね」
C.C. 「あれだけ語っておいて何が『やっぱりね』だ」
カレン「何気に正解しちゃったけれど、まぁ妥当な答えじゃないの」
C.C. 「空気の読めない男は確かに一緒にいて面倒なところもあるからな」
スザク「え、僕いつも空気凄く読んでいるつもりだよ?」
カレン「その発言がすでにエアーリーディング出来ていないんだけれど…」
C.C.・カレン・スザクの中で
一番世話になっているなぁと思うのは?
カレン「ようやくあと20問ね…」
スザク「ねぇ、これ終わったら皆で適当にご飯食べようよ」
C.C. 「悪くない案だな。当然、発案者である男のお前が奢ってくれるんだろう?」
スザク「え、折半に決まってるじゃん」
カレン「アンタ……」
C.C. 「この企画が終わったら直帰する事が今決まったな」
答えの方を出してくれると非常にありがたいんですが…
C.C. 「今すぐ出すつもりだから、そう焦るな」
C.C. :カレン
カレン:スザク
スザク:カレン
スザク「ここは鉄板だろうね」
C.C. 「本来なら私と答えるつもりだが、まぁ順当に当てにいった結果がこれだな」
カレン「な、なんかそう言われると照れちゃうわね…」
ルル「C.C.だ。世話も確かにしているが、それ以上に支えてもらっているからな」
C.C. :×
カレン:×
スザク:×
C.C. 「そ、即答か」
カレン「うわ。 C.C.、アンタ顔真っ赤」
スザク「見ているこっちが恥ずかしくなるね」
ルル「それと、お前にも随分世話になっているな」
MC:あらあら、何の話でございましょうか?
ルル「いつも感謝しているよ、咲世子」
MC:今日の私は謎のMCでございます、いったい何の事やら?
ですが、有り難きお言葉です。今宵の夕飯は期待しておいてください。
C.C. 「ああ、このMCの声はどこかで聞いたことあると思っていたら」
カレン「ルルーシュの家の使用人だったのね」
スザク「なんというか、こう、聞いててクセになりそうな声質してるね。このMCの人」
カレンに一度だけ何でも言うことを聞かせられるなら、何と願う?
C.C. 「これは十中八九、エッチな事だな」
スザク「C.C.もそう思う?」
C.C. 「当たり前だ。
抱きたい女に選んだ奴にこのシチュ、男ならエロいことしないワケないだろう」
スザク「さすがはC.C.。男心を分かっているね、伊達に歳くってないわけだ!」
C.C. 「やはりお前は一言多すぎる」
カレン「あのねぇ、そんなの言われたら当事者はどうすりゃいいのよ!」
C.C. 「黙ってエロいことしてやれ」
スザク「笑いながら乳を見せればいいと思うよ」
カレン「アンタらって奴は…」
C.C. :セ【自主規制】
カレン:マッサージ
スザク:バ【自主規制】
カレン「あんたら何とんでもないこと書いてんのよ!」
スザク「ああ、C.C.そっちかぁ。」
C.C. 「お前もいい線いってると思うぞ。
私も正直コレかお前の答えの二択だったからな」
カレン「お願い…ルルーシュだけはまともであって頂戴……」
ルル「もっと、こう、淑やかになってほしいと願うだろう」
C.C. :×
カレン:×
スザク:×
スザク「なんだ」
C.C. 「つまらん奴め」
カレン「アンタら、もうすぐ終わるからってはっちゃけて来たわね…」
スザクに一度だけ何でも言うことを聞かせられるなら、何と願う?
C.C. :空気読め
カレン:空気読め
スザク:重い荷物を運べ
スザク「えっ」
C.C. 「一択だな」
カレン「ええ、一択しかなかったわ」
ルル「もっと落ち着いた行動をとるように、だな」
Q:理由は?
ルル「空気を読むようにとも思ったが、そもそも最初から無いスキルに期待は出来ない。
だとすれば空気の読まなさを緩和する事が可能な行動をさせるのが一番だ」
C.C. :×
カレン:×
スザク:×
C.C. 「ほぅ、至極真っ当な回答だな」
カレン「なんか今日初めてルルーシュらしいところを見たような気がする」
スザク「何気にひどい扱いだなぁ…」
C.C.に一度だけ何でも言うことを聞かせられるなら、何と願う?
C.C. :膝枕してくれ
カレン:働け
スザク:膝枕しろ
C.C. 「なんか無駄なシンクロを垣間見た気がしたんだが」
カレン「凄いわね、こんな答えが被ることもあるの」
スザク「カレン、君の意見もなかなか辛辣だね」
カレン「私の意見は一般論よ」
C.C. 「まぁ、あいつは何気に甘えたがりだからな。
体裁を取り繕わない場であれば、こんな事を頼みそうなものだが」
ルル「h…いや、働け。コレだな。
食っちゃ寝の生活でピザばかり食べて太らないのが不思議で仕方ない」
C.C. :×
カレン:○
スザク:×
C.C. 「ふふん、私は魔女っ子だからな。
食べた分の脂肪は愛に変わって皆に降り注ぐに決まっているだろう」
スザク「またパンチ効いたきっつい台詞を誇らしげに言うねぇ」
ルルーシュは童貞?
スザク「簡単だね」
カレン「こんなの楽勝じゃない」
C.C.「ふん、この質問はどうせなら序盤に持ってこい」
C.C. :ノーコメント
カレン:童貞
スザク:童貞
ルル「それは、その……ノーコメントだ」
C.C. :○
カレン:×
スザク:×
スザク「ほら、童貞だ」
カレン「コメント無いのになんで決め付けてるのよ、まぁ童貞だろうけれど」
C.C.「体裁を気にする実にアイツらしい回答だった」
最後に、ルルーシュから回答者の一人にメッセージがあるようです。
いったい誰が選抜されたのかを答えてください。
C.C. 「ようやくラスト、か」
カレン「早く帰ってお風呂に入りたいなぁ」
スザク「僕はゆっくり寝転がりたいな。同じ姿勢だったから腰が痛くてさ」
では、ファイナル回答! オープン!
C.C. :「私」
カレン:「私」
スザク:「僕」
カレン「やっぱり自分を選ぶわよね」
スザク「最後くらい何か労いの一言あるかも知れないからね」
C.C. 「さて、最後は一体誰に声がかかるのかな?」
ルル「C.C.。お前を選ぶことにしよう」
C.C. :○
カレン:×
スザク:×
C.C. 「わ、私か…」
カレン「いざって時になんで照れてんのよ」
スザク「さぁ、ルルーシュはどんなメッセージを送るのかな」
C.C. 「ラ、ラブコールとかだったら、ちょっと…困るぞ……」
カレン「万が一にもないだろうから安心しなさい」
ルル 「C.C.…」
C.C. 「な、なんだ! よ、用事があるならさっさと話せ」
ルル 「しっかり聞いてくれ」
C.C. 「改めて話すようなこと、なのか?」
ルル 「伝えたいことがあるんだ…」
C.C. 「は、はぃ……」
ルル 「プリンの恨み、俺はしばらく忘れないからな…」
C.C. 「は、はい! ・・・・・・ん?」
以上を持ちまして、200の質問を終わります!
C.C. 「え、おい、ちょっと待て。さっきの歯切れ悪すぎるだろう」
カレン「もういいわよ、別に歯切れの良し悪しはさぁ。
帰ってのんびりできるならそれでいいわ」
スザク「いやぁ、ホント長丁場だったねぇ。
予想以上に拘束時間が長くて驚いたよ」
では、全200問のうちに御三方は一体どれだけ正解できたのか!
結果発表です!!
【1位】C.C. :31問正解
【2位】スザク:26問正解
【3位】カレン:23問正解
カレン「まぁ、納得の正解率だったからね」
スザク「う~ん、悔しいなぁ」
C.C. 「ちなみにお前ら。 これで1位になったら何が貰えるのか覚えているか?」
カレン「何だっけ? もう後半あたりから記憶も曖昧よ」
スザク「僕も覚えてないなぁ。
あんまり頑張ろうとは思えない賞品だったのは間違いないと思うんだけれど」
『ルルーシュ様との握手権』を差し上げちゃいますー!
おめでとー! おめでとーございまーす!!
スザク「……お疲れ様」
カレン「……あ、お疲れ。私も先に上がるわね」
C.C. 「おいお前ら。ここまで一緒に戦った仲間だろう?
せっかくなら最後まで付き合え」
スザク「また別の企画があったら呼んでね、お先に失礼」
カレン「今度ピザ持ってアンタの部屋行くわ。
その時にでも詳細聞かせてね。私がそれを覚えてたらの話だけれど」
C.C. 「本当に帰ってしまった…薄情者ばかりだな……」
MC :では、C.C.様が同じ立場だったらどうされてました?
C.C. 「直帰に決まっているだろう。愚問だな」
C.C. 「そうか……うん、愚問だったな。」
C.C.「入るぞ」
ルル「開いている、勝手に入れ」
ガチャッ
ルル「ほぅ、お前だったか」
C.C.「意外か?」
ルル「いや、別に。お前かスザクのどちらかとは思っていたが、お前の方だったか」
C.C.「ふん、簡単な質問ばかりで飽き飽きしていたぞ」
ルル「そこまで言うなら正解率も相当なものだろう?
どの程度まで答えることができたんだ?」
C.C.「145問正解だ。余裕の楽勝だ」
ルル「…いや、流石にもっとバレない嘘をつくことくらい頑張ってほしいぞ」
C.C.「ああ」
ルル「あえて聞こう。 …本当に欲しいか?」
C.C.「いらん」
ルル「即答か」
C.C.「まぁ、お前も長時間ご苦労だったな」
ルル「大した事は無い。普段の騎士団に関する業務に比べればバカンスみたいなものだ」
…なんだ? 労ってくれているのか?」
C.C.「そんなワケあるか。ただの気まぐれで聞いただけだ」
今日の私はたまたまギアスにかかり易い体質になっていてだな」
ルル「一回しか効かないギアスにかかり易いも難いも無いと思うが」
C.C.「そういう体裁、というやつだ。
もしかしたら、今日頑張ったお前に何か一つだけ言うことを聞いてやるやも知れんぞ?」
ルル「……ふん」
C.C.「またとない機会だ、『働け』以外なら請け負ってやってもいいぞ?」
ルル「……それだったら、そうだな。俺は」
ルル「五月蝿いぞC.C.!ギアスが効いているのなら黙って現状を維持しろ!」
C.C.「…はいはい」
C.C.「なぁ、ルルーシュ」
ルル「なんだ?」
C.C.「プリン食べたこと、すまなかったな。今度弁償するよ」
ルル「…俺も言いすぎた。つまらない事で怒ってすまない」
C.C.「そうか、これでおあいこだな。私は謝り、お前は許した。万々歳だ」
ルル「お前…なんて奴だ」
C.C.「当然だろう? 私はC.C.だからな」
ルル「…なんだ?」
C.C.「201番目の質問だ」
ルル「…答えてやろう」
C.C.「私の膝枕、どんな感想だ?」
ルル「…ふん」
ルル「お前の膝枕の感想はな、―――――」
C.C.「……恥ずかしい奴め」
―終―
以前二月の半ばにスレを立て、そこで番外編として書いたものなので
季節外れのネタは広い心で受け取っていただけると幸いです。
ルル「おい、C.C.」
C.C.「なんだルルーシュ。深刻な顔をして」
ルル「俺にチョコレートをくれないか」
C.C.「……は?」
ルル「ついに耳まで遠くなったか。
繰り返す。 俺にチョコレートをくれないか」
C.C.「私の鼓膜は変わらず好調だ。
ただ幻聴が聞こえたかと思って呆気に取られていただけだ」
ルル「ほぅ、一体どのような幻聴が聞こえたというのだ?」
C.C.「お前がチョコがどうこう言っていたんだが、
流石に私も日頃の激務で疲れているのかな」
ルル「まさにそういう事をお前に頼んだんだが。
それとお前の生活を激務というのなら、
ナマケモノだってまともに木にぶら下がるだろうに」
C.C.「その問いに答える前に、こちらから一つ聞いてもいいか?」
ルル「質問を質問で返すのは愚か者の所業だぞ、C.C.」
C.C.「じゃあやらん」
ルル「……いいだろう、何が聞きたい?」
C.C.「なぜお前は突然チョコを欲しがったのだ?」
ルル「ふん、簡単なことだ」
ルル「バレンタインにチョコを貰えなかったからに決まっているだろう!」
ルル「ああ、知っているとも。 Feb.19 だ」
C.C.「…バレンタイン・デイ・アフター・トゥモローとか言って
冗談交じりにチョコを催促できる期日すら過ぎているんだが」
ルル「そんなのは些事だ。
俺がチョコを貰っていない2月14日など、ただの製菓会社の祭りの日なだけだ」
C.C.「世間一般ではそれをバレンタインと呼んでいるワケなんだが」
ルル「五月蝿いぞ、C.C.!
返答を聞こう…くれるのか、くれないのか!? どっちなんだ!」
C.C.「…お前、今年のバレンタインは何をして過ごしていたんだっけか?」
ルル「生憎今年は休日だったんでな。学校へと行く機会も無かったので、女学生からのチョコは無かった。
しかもゼロとしての仕事がその日に限って激務で、ほぼ丸一日仮面を被って過ごしていた」
C.C.「…カレンからのチョコは?」
ルル「中華連邦で紅蓮のパイロット訓練がどうこうとの事で、イレブンには居なかったぞ」
ルル「…普段の俺なら、バレンタインなどに気を取られている場合ではないと律するさ。
…だが、毎年のこの時期を思い出してみると、いつもナナリーからのチョコが貰えたんだ。
…今年はナナリーからチョコが貰えない。」
ルル「そう思うと無償にチョコが欲しくなったんだ」
C.C.「お前がそう感じたのはいつの日だ?」
ルル「2月15日だ」
C.C.「後の祭りじゃないか」
ルル「そうして悶々と過ごしていると、もうバレンタインから一週間が経過しそうになっているじゃないか」
C.C.「まぁ今日の段階で既に5日も過ぎているからな」
ルル「だが、こんな話を今更他のヤツに話すことは出来ない!
ましてや性別が♀に分類される者に話すことが出来ようか!?」
C.C.「……私も一応、生物学上では女に分類されるわけなんだが」
ルル「そこは俺とお前の仲だろう、C.C.?」
C.C.「私とお前の仲、だと?」
C.C.(馬鹿者、こんな言葉でドキドキさせるんじゃない…!)
ルル「俺とお前は共犯者だろう?」
C.C.「…ん?」
C.C.「ま、まぁそういう事になるのか」
ルル「その片割れがこんなにもチョコの事で心が張り裂けそうになっている」
C.C.「見ていて非常に見苦しくもあるが」
ルル「そんな時、お前は俺に何が出来る!?
最善の策はチョコを渡すというたった一つの冴えた方法に凝縮されているだろう!?」
C.C.「もうバレンタインから5日も過ぎているが、貰っても嬉しいものなのか?」
ルル「ああ、俺にとってはチョコを貰うまでがバレンタインだからな」
C.C.「家に帰るまでが遠足、みたいに言うな」
ルル「なんだ?」
C.C.「今は黒の騎士団本部にいるから仕方ないとして。
お前、ちゃんと家に帰って机の中とかチェックしたのか?」
ルル「何を馬鹿な事を。
そもそも机の中なんて、小物を確認するときくらいしか見る事はないからな」
C.C.「…確かにお前の机の中は整理されていて綺麗なものだったな」
ルル「…どうしてお前が俺の机の中の有様を知っている」
C.C.「わ、私はC.C.だからな。 共犯者であるお前の事など知っていて当然だろう?」
ルル「お前…覗いたな?」
C.C.「いいや、覗いていないぞ」
ルル「おい、露骨に目を逸らすな!」
ルルーシュ、家に帰ったら机の中身くらい確認してみろ。何かいいことあるかも知れないぞ」
ルル「……何の話か分かりらないぞ。
そんな事よりもC.C.。再度問おう!
くれるのか、くれないのか。 さぁ、どっちを選ぶんだ?」
C.C.「わ、私はだな」
ルル「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命ずる! チョコをくれ!!」 キィン! ひ
C.C.「私にギアスは効かんと言っているだろう。
…ん?」
C.C.「…なぁ、ルルーシュ」
ルル「どうした?」
C.C.「お前、ギアスで誰かにチョコを貰えば良かったんじゃないか?」
一人に一度しか効かないギアスだぞ?
そんな要求ごときで使うのは愚の骨頂ではないか」
C.C.「…私には躊躇いなくギアスを使った奴がよく言うものだ」
ルル「C.C.。もうこれ以上は繰り返さない。
チョコをくれるのか、くれないのか!!
はっきりしてもらおうか!」
C.C.「今日のお前が醸し出す元気の動力源を知りたいよ…」
ルル「どうしてもチョコが欲しい。 それだけが俺のアンビリカルケーブルだ」
C.C.「ハァ…あのなぁ、ルルーシュ。 私はもうお前にチョコを渡していr…」
C.C.(ん、待てよ…?)
C.C.(中身は虚弱貧弱シスコンもやしっ子だが、生憎外見はそこら辺の男に比べて良い方だ)
C.C.(チョコを貰っていないわけがない…)
C.C.(なのに、何故こうも執拗にチョコレートをねだるのか?)
C.C.(しかも、時期を完全に外したこのタイミングで)
C.C.(もしかすると…)
C.C.「る、ルルーシュ」
ルル「なんだ?」
C.C.「お、お前はそんなに私からチョコを手渡ししてほしかったのか…?」
ルル「別にそういうわけでは…」
C.C.「ふふん、私のような才色兼備の女性が近くにいてチョコを貰えなかったのがショックだったか?
全く、これだから色づいたお坊ちゃんは対処に困る」
ルル「いきなりモジモジし始めたお前の方が、どう見ても対処に困ると思うんだが」
C.C.「誰からも貰えなかったからと言って一番手頃な相手に頼るとは嘆かわしいなぁ。
まぁ、寛容な私だからこそ聞いてやった頼みだと思え」
ルル「いや、だから別にそこまでお前に求めているワケでは…」
C.C.「じ、時期は外してしまったのは仕方ない。 お前も何かと忙しい身なのは重々承知している。
今回…だけ、だぞ」
ルル「はぁ・・・もういい…って、何!?」
C.C.「こ、今回だけチョコをあげてもいいと言ったんだ」
ルル「本当か、C.C.!」
C.C.「ああ」
ルル「『冗談だ』とかは無しだぞ?」
C.C.「ああ」
ルル「チロルチョコとかではなく、ちゃんとラッピングされているものだぞ?」
C.C.「ああ」
ルル「『実はすでに私の胃袋に入っているから、息だけでも嗅いでおけ』とかもだぞ?」
C.C.「そこまでサディストではない」
ルル「本当の本当なんだな!?」
C.C.「ええい、そんなに反芻されたら恥ずかしくなるだろうが!」
C.C.「え?」
ルル「まさか今持ち合わせていないとでもいうのか?」
C.C.「そ、それはそうだ。
そもそもバレンタインを過ぎてからチョコを催促されるなんて思ってもなかったからな」
ルル「では、今すぐには渡すことは出来ない、と」
C.C.「まぁそういう事になる」
ルル「……チッ」
C.C.「おい、舌打ちはやめろ。 …地味に傷つくから」
この胸に宿るモヤモヤとした何かを晴らす為には、現状で早急に甘味を食す必要がある」
ルル「それなのにチョコを持ち合わせていないなんて…お前は本当に共犯者として失格だ!
もう姿や形は問わん! お前の年齢から考えて羊羹とかでも構わないから!」
C.C.「あぁもう、駄々っ子か貴様!
しかもなんで私の年齢から羊羹を想像した! レディに対して失礼すぎるだろ!」
ルル「喧しいぞ年齢不詳!」
C.C.「兎に角…家まで待っていろ、私が送る最高級のチョコが用意してあるから」
ルル「待てん!」
C.C.「くそぅ、なんでこういう時に限って押しが強いんだ、お前!」
C.C.「…そんなに元気の有り余るお前を見るのは久しぶりだな
こんな形で見る羽目になるとは予想だにしなかったが」
カレン「ちょっと、五月蝿いわよアンタたち!
外までしっかり音漏れるくらい何をしてんのよ!!」
ルル&C.C「!?」
ルル「なんだ、カレンか」
カレン「なんだとは随分な言い方ね。私じゃ何か問題でもあったの?」
ルル「まぁいい。とりあえず何も言わずチョコをくれ」
カレン「………は?」
C.C.「実はだな、カレン。この馬鹿は今頃バレンタインを…」
ルル「ああ、大好きだ。
俺の大好きな甘味類をお前から貰うと、今日はより美味しく感じるだろう」
カレン「え、ちょ、何!? ど、どうしちゃったの!?」
ルル「俺たち黒の騎士団に穏やかに流るる日々など、今は有り得ない。
だからこそ、味覚から心を幸せにする甘味が俺は恋しいんだ。
その形で一番求めているのがチョコレートなだけだ」
カレン「へ、へぇ…」
ルル「そこに、信頼と信愛を兼ねる者からの贈り物でチョコレートを貰ってみろ。
その幸せはミカン畑3ha分は容易いだろう」
カレン「その幸せの計算法はイマイチ理解しかねるけど……って、信愛!?」
ルル「カレン…お前(からチョコ)が欲しい…」
カレン「ふ、ふえぇぇぇぇえ!?」
C.C.「ルルーシュ、一番大事な部分をなぜ省略した?」
今更「バレンタインだからチョコくれ」なんて頼みごとが出来るわけないだろう!!)
C.C.(お前…あれほど私に食いついて頼んだ癖に、今頃体裁を取り繕うとかどういう事だ)
ルル(頼めたのはお前だからに決まっているだろう、常識的に考えて)
C.C.(私はお前の常識が汲み取れないよ…)
ルル(いいか、ここで正直に言ってみろ!
「え~、ルルーシュってバレンタインにチョコ一つも貰ってないんだ」とか
「結局顔ばかりじゃ男のステータスには足り得ないのね」とか言われて、
俺の鉄の心はボロボロになってしまうだろうが!)
C.C.(それはまた随分と錆び付いた鉄の心だな。
…お前のカレンに対する信頼性とやらは、あまり高くは無いことだけは分かったよ)
カレン(…何をヒソヒソと話してるんだろう?)
…ルルーシュから?)
カレン「ルルーシュから告白ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」
ルル「突然どうした? そんな大声を上げて」
…ルルーシュから?)
カレン「ルルーシュから告白ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」
ルル「突然どうした? そんな大声を上げて」
ルル「彼女…何の話だ?」
カレン「ふぇっ?」
ルル「それよりも、顔の赤さと動悸の荒さがとんでもない事になっているぞ」
カレン「こ、これはアンタが!!」
ルル「俺が?」
カレン「…もういい! 知らない、馬鹿!」
ルル(よく分からないが罵倒されてしまった…)
C.C.(自業自得というものだよ、坊や)
カレン…お前は私にチョコを渡せるほどの逸材か?」
C.C.「また随分と大層な言い方だな」
カレン「チョコ? あ、ああ…そういう話をしてたわね。
丁度良いタイミングだったし、そこで待ってなさい、ルルーシュ」
C.C.(何っ!? アイツ、いつの間にチョコを用意していたんだ!?)
ルル「おお! 本当かカレン!
流石は俺の右腕だ、信じていたぞ!!」 ガバッ
カレン「キャッ! きゅ、急に抱きつくな変態!!」 ガスッ!!
カレン「す、すぐ戻ってくるから待ってて」
ルル「………」
C.C.「…戻ってくるまでに息を吹き返すかどうかが問題だな」
カレン「はい、アンタの求めてる物ってコレでいいの?」
ルル「お、おお…これはゴ○ィバの高級チョコじゃないか!」
カレン「紅蓮の修繕が終わって、さっきまで開発陣の慣らし運転に付き合っていてね。
ラクシャータさんから『今日の報酬よ』って貰ってたの。
封を開けずに部屋の冷蔵庫で保存してて良かったわ」
ルル「おお……おおぅ……おおおぅ……」
カレン(…まさかチョコ一つで泣かれるとは思わなかったわ)
カレン「それじゃあ、私はこの辺で失礼するわね。 まだ用事が残っているし。
アンタ達もくだらない事でいちいち大声出さないように」
ルル「ああ、善処する」
ルル「ありがとう、カレン」
カレン「…どういたしまして」
ルル(部屋を出る際、あいつの顔が林檎みたいに真っ赤だったな。
流石に日頃の訓練とかで疲れているのか? …今度休みでも取ってやるか)
C.C.「……」
ルル「流石はカレン。 俺の要望には完璧な形で答えてくれる」
C.C.「……」
ルル「それに比べて…」
C.C.「わ、私はちゃんとお前の机にだな…」
ルル「ハァ…やはりピザしか脳の無い人間は、スイーツにもタバスコをかけたりするんだろうな…」
C.C.「そんなワケあるか。 ピザはピザでしっかり楽しんで食べてる…って、そうではなくてだな、ルルーシュ」
ルル「なんだ?」
C.C.「おいやめろ、その哀れみすら含んだ目で私を見つめるのは」
ルル「ん? 一体何がだ?」 モクモグ
C.C.「もう食べてるとか手が早いな」
ルル「いやぁ…愛の篭ったチョコは美味しいな。
『チョコやるやる詐欺』でエアチョコを食べる必要性もないからな」
C.C.「エアチョコならまさにフンワリ軽い味がするだろうな」
ルル「やかましい。座布団取るぞ」
C.C.「だからだな、ルルーシュ。
ほら、屋敷に行ったら美味しいチョコがお前の部屋で待っているぞ」
ルル「もう俺はこのゴディ○で充分満足なんだが?」
C.C.「…私からのチョコはもう必要ないのか?」
ルル「ああ、もう俺は胃も心もしっかり満たされたからな」
身の翻しは見事なものだ」
ルル「馬耳東風だ。俺にとっては目の前のチョコこそ全て」
C.C.「そ、それなら…!」
C.C.「わ、私とカレンのどちらから貰った方が嬉しかったんだ?」
ルル「お前…一体何を聞いているんだ?」
C.C.「…なんでもない。
もう眠る。 お前の任務が終わったら起こせ」
ルル「おい、C.C.」
C.C.「ふん」
ルル(…不貞寝か)
C.C.「……zzz」
ルル「まぁ、チョコはこうして手に入ったわけだ」
C.C.「……zzz」
ルル「でも、強いて言えば」
C.C.「……zzz」
ルル「…お前から貰えたら嬉しかったのかも知れない」
C.C.「……」
ルル「…ふん、冗談だ。 さて、任務に戻るとするか」
C.C.「……zzz」
C.C.「…む、いかん。本当に眠っていた」
ルル「今しがた全てのデスクワークも片付いた。 屋敷に帰るぞ」
C.C.「…ああ、分かった」
ルル「あんまり寝起きに目を掻くな。 近視になるぞ」
C.C.「…お母さんか、お前は」
ルル「むしろ介護士の心境なんだがな」
C.C.「………」ゲシッ
ルル「……なぜ内モモを狙って蹴ってくる?」
C.C.「ふん、ダメージ蓄積で疲労骨折しろ」
ルル「全く…さぁ、久しぶりに屋敷へ帰るとするか」
ルル「何故だ?」
C.C.「気分だ」
ルル「そうか…あまり散らかすなよ」
C.C.「分かっている」
ルル「それじゃあ、また明日迎えにくる」
C.C.「ああ、分かった」
ルル「…おやすみ、C.C.」
C.C.「…おやすみ、ルルーシュ」
ルル「なんだ?」
C.C.「屋敷に帰ったら、お前の机の中を調べておけ。損は無い」
ルル「…? まぁ分かった。眠る前に調べておこう」
C.C.「さて、今度こそ用無しだ。 さっさとドア閉めて帰れ」
ルル「本当に傍若無人だな、お前」
C.C.「当然だろう? 私はC.C.だからな」
ルル「さて、自室に帰ってきたのはいいが」
ルル「俺の机には一体何があるんだろうか」
ルル「…流石にびっくり箱みたいなイタズラは仕込まれていないだろう」
ルル「一応、気だけは張っておこう」
ガタンッ
ルル「ん…? 仄かに甘い香りがする」
ルル「それに、箱?」
ルル「メッセージカードまで付いているじゃないか」
ルル「どれどれ、何と書いてあるんだ?」
どうせ誰からもチョコ貰えていないんだろう?
美人からのチョコだ。有り難く思え。
C.C.
ルル「あいつ…」
C.C.「全く…こういうところには非常に鈍感だな、あの童貞坊や」
―終―
支援や感想など非常に励みになりました。感謝感謝。
またの機会に会いましょう
強いていうならなんかあっさり終わりすぎな気もしたがw
~エピローグ~
ラクシャータ「ねぇ、カレ~ン」
カレン「あ、はい」
ラク 「以前あげたチョコ、食べた?」
カレン「いえ、まだ食べていません」
カレン(本当はあげちゃったんだけど…)
ラク 「あら、良かった~。 どうやら間に合ったようね」
カレン「へ? 何の話ですか?」
ラク 「アレね~、消費期限を大幅に過ぎちゃってるから絶対食べちゃダメよ」
カレン「…どのくらい期限を過ぎてるんですか?」
ラク 「そうね~、少なくとも一年近く前の物らしいから…」
カレン「そんな危なっかしいものを人に渡さないでください!」
C.C.「生チョコってどの程度までなら賞味期限が持つんだ?」
C.C.「まぁチョコだし、少なくとも一週間くらい大丈夫だろ」
C.C.「フフ…ルルーシュのやつ、きっと今頃飛び跳ねて喜んでいるんだろうな…」
C.C.「明日の朝には『C.C.…お前はやはり俺にとって必要な女だ…!』なんて言ったりしてな」
C.C.「…おっといかん、顔がニヤけてしまうな」
C.C.「…さぁ、早く迎えに来い。ルルーシュ」
ルル 「ほわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
咲世子「ルルーシュ様、おトイレからそろそろ出て貰えると有り難いんですが。
もうかれこれ一時間は篭りっぱなしですよ~。 お掃除させてくださ~い」
ルル(チョコなんて……金輪際、絶対に口にしないからな!!)
―劇終―
やっぱC.C.だな
>>1乙
Entry ⇒ 2012.09.08 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ルルーシュ「黒の騎士団は財政難に陥った」
CC「情け容赦ないな」
ルルーシュ「しかたない、人数過多で斑鳩もちょうど狭くなってきたところだ」
ルルーシュ「俺の権限で>>5をリストラする」
ルルーシュ「扇!」ポンッ
扇「え?」
ルルーシュ「できれば辞表をかいてほしい、いますぐに」
扇「は・・・? いまなんて」
ルルーシュ「ここに置いておく」
扇「ぜ、ゼロ!?」
玉城「おいゼロ! どういうことだ! 扇は副司令だぞ!」
ルルーシュ「そうだ、副司令『扇要』 その給料はお前たち平の騎士団を遥かに超える高額」
扇「……」
カレン「えっ?」
南「たのむ! 扇は俺たちがただのテロリストだった時からの付き合いなんだ!」
ルルーシュ「付き合い? では南、お前がやめるか? お前にも相当額の給料を払っていると思うのだが」
南「……扇、すまん」
扇「南ぃ……」
カレン「扇さんをやめさせるなんてひどいゼロ! なんとかならないの」
ルルーシュ「モニターをみろ。これが今月の黒の騎士団の収支だ」
カレン「うわっ! さよなら扇さん」
カレン「だって扇さんって斑鳩の艦長席であたふたしてるだけだし…」
カレン「KMFの操縦もへただし」
カレン「ハチマキ天パだし口臭いし」
扇「ま、まってくれカレン。俺たち長い付き合いだろっ、ナオトの親友だぞ!」
カレン「そう、お兄ちゃんの友達だからいままでしかたなく付き合ってただけ。それだけ」
カレン「いまの私にはゼロがいるから…」
ゼロ「ほかに異論を唱えるものはいないか」
藤堂「……むぅ、ゼロよ」
藤堂「扇は彼なりにいままで一生懸命がんばってきた」
扇「……」グスッ
藤堂「ゼロと比べれば求心力があるとは決して言えないが、彼の存在を心の支えにしてきた団員もおおい」
藤堂「その点はどう考えている」
ゼロ「黒の騎士団は軍隊ではない、無能が上に居座ることは許されない」
ゼロ「実力のあるものが上に立つ、お前にもわかるだろう藤堂」
藤堂「……そうだな」
扇「!」
古参ってだけで
玉城「でもよぉ!」
ゼロ「仮に人柄が組織にとって大切な要因であるというのなら」
ゼロ「私は便所掃除でもしていなければならないな」
ゼロ「それに玉城、お前は扇よりも自分の身を案じたほうがいいぞ」
玉城「げっ、まじかよぉ」
ゼロ「では満場一致で扇をリストラということで」
扇「……」
ゼロ「まぁ、どれだけ反対されても私の意向はかわらないがな」
扇「……いままでありがとう、みんな」
カレン「扇さん……」
ゼロ「心配するな扇、いままでの活躍に免じて、せめて退職金は出す。気持ちだけの額になりそうだがな」
扇「いや、いいんだゼロ。黒の騎士団が財政的にやばいのは俺にも十分わかってる」
扇「妥当な判断だとおもう」
扇「だいたい元は俺がわがままで続けた組織なんだ」
扇「いまここにゼロのおかげで存続してるだけでも奇跡さ……ハハ」
扇「……ありがとうゼロ。俺にいままでこんな近くで奇跡をたくさん見させてくれて」
扇「そしてこれからも、応援しているよ。なんなら外部協力員だってやってやるよ」
扇「カレン、シロカブトにまけるなよ」
扇「玉城、俺のかわりに下の奴らを頼んだ」
扇「南……なんどお前に助けられたか、本当に助かったありがとう」
扇「藤堂さん、黒の騎士団に参加してくれてありがとうございます」
扇「うう……みんなぁ、元気でな」
扇「死ぬんじゃないぞ……絶対にだ。もうナオトの時みたいな悲しい思いをするのはごめんだ」
扇「俺に……もうすこし力があったら……みんなを守れるくらいの力があったら……」
ゼロ「甘えるな!」
扇「!」
ゼロ「黒の騎士団は部活動ではない、テロリストだ!」
ゼロ「お涙ちょうだいでレギュラーになれる世界ではない!」
ゼロ「……扇、お前には残された道がふたつある」
扇「……!」
ゼロ「ひとつは、すべてを過去の思い出にし、貝のように閉じこもる毎日へ舞い戻ること」
ゼロ「そしてもうひとつは己の心身を鍛え、再度入団テストをうけることだ」
扇「ゼロ……」
ゼロ「……また会える日を楽しみにしているぞ」
・・・
扇「これで無職か」
扇「まぁ、テロリストなんて元から無職だよなぁ」
扇「でもいいんだ」
扇「俺には千草がいるからな……」
千草「///」
扇「ごめんな、いままで心配かけて」
扇「これからは一緒にいられそうだよ」
扇「俺、がんばって仕事さがすよ」
扇「黒の騎士団より割のいい仕事はそんなにないだろうけど」
扇「いままで蓄えた分が結構あるからしばらくは大丈夫そうだ」
千草「がんばってくださいね」ニコッ
扇「お、おう……///」
・・・
カレン「扇さん、行っちゃったね」
ゼロ「だがまだだ……財政難を切り抜けたとはいえない。このままでは来期分のKMFを新調するのは難しい」
カレン「え」
ゼロ「この調子でどんどんリストラしていく」
カレン「ゼロ……本気なんですか」
ゼロ「この顔が冗談を言ってるように見えるか!」
カレン「顔わかりません…」
ゼロ「ゼロが命じる。>>47よ、いますぐ荷物をまとめて斑鳩からでていけ!」
新調しなきゃいけないのは機体の総数が減ってるわけなんだし
玉城「お、おれ……?」
ゼロ「……聞こえなかったのか、玉城」
玉城「おい、冗談だろぉ!?」
ゼロ「私はいままで一度も冗談をいったことがない人間でね」
玉城「俺たち親友だろぉおお!!」
ゼロ「親友なら私のことはよくわかっているはずだが…」
玉城「は……は……」
カレン「確かに、最近お金つかいこみすぎよ」
カレン「どれだけ新人の歓迎会ひらけば気が済むの」
玉城「それは早く仲間意識を高めようとしてだなぁ!」
玉城「だれかなんとか言ってくれよぉ!!」
藤堂「ゼロ、この判断には私は異論はない」
ゼロ「そうか、助かる」
ゼロ「いい大人にだだをこねられるほど見苦しいものはない」
ゼロ「では満場一致ということで」
玉城「俺は納得してねぇっっての!」
ゼロ「つばを飛ばすな。玉城、はっきりいっておく」
ゼロ「お前はお荷物なんだよ。毎回毎回お前のKMFの修理にどれだけ費やしてると思う」
玉城「そ、それは俺が最前線で勇敢に戦ってるから」
カレン「私は無傷ですけど?」
玉城「性能が違うだろうがぁ!」
ゼロ「ではお前はグレンに乗ればシロカブトと同等に戦える実力があると?」
玉城「うぐ……」
カレン「え、グレンは私のですけど」
ゼロ「わかっている、もしもの話だ」
玉城「……左遷じゃ、だめなのか?」
ゼロ「……いいのか玉城。いままで上の立場ででかい面してきたお前が」
玉城「!」
ゼロ「便所掃除からやりなおすのでは、いままで散々こき使ってきた新人達に一体どういう扱いをうけるか」
ゼロ「想像つかないわけでもあるまい?」
玉城「……」
ゼロ「見渡してみろ、お前の部下たちはこの決定に満足気なようだが」
新人達「……」ニヤニヤ
玉城「ち、チクショおおお!!」
ゼロ「不要なんだよ。お前や扇のような風見鶏を身内においておけば」
ゼロ「よからぬハプニングにもつながるおそれがある」
ゼロ「組織とは絶対でなければならない」
ゼロ「上に立つものには上に立つものなりの品位と実力が必要なのだ」
ゼロ「そのどちらも満たしていないお前が」
ゼロ「お前より遥かに有能な若者たちの前で横行闊歩することは許されない!」
玉城「……」
ゼロ「さらばだ玉城宴会太政大臣。君は黒の騎士団でもっとも不要な存在だった」
玉城「……」グスッ
ゼロ「扇と同じことを言わせるつもりか」
ゼロ「男なら実力を手にここへ戻って来い。常に門戸は開放されている」
ゼロ「だが次はお前の育てた部下がお前をテストすることになるがな…!」
カレン「さよなら。お元気で」
藤堂「日本男児たるもの、いつ何時たりとも覚悟は必要だ」
藤堂「血反吐を吐いてでも戦いぬく覚悟がな、お前にはそれが足りなかった、それだけのこと」
玉城「…」トボトボ
ゼロ「がん細胞は取り除いた!」
ゼロ「これで組織も正常化するだろう」
カレン「やった! 嫌いな人が一気に二人もいなくなった!」
ゼロ「……だが、これだけではまだまだ足りんな」
カレン「えっ」
ゼロ「……>>76、みんなに別れのあいさつを告げろ」
ゼロ「お前は今日限りで黒の騎士団をクビとする」
藤堂「……ゼロ、いまなんと?」
カレン「……」
ゼロ「……カレン、お前はクビだ」
カレン「ぜ、ぜろぉ!?」
ゼロ「いい機会だ。お前は黒の騎士団を抜けろ」
カレン「そ、そそそんなぁあ!」
ゼロ「…以前から私はずっと気に病んでいた。女子高生のお前にやはりテロリストはふさわしくない」
カレン「そんなことありません!」
カレン「日本解放のためなら、青春なんて惜しくない!」
ゼロ「……」
藤堂「紅月の実力はお前も認めているだろうゼロ!」
朝比奈「そうですよ、カレンがいなくなったら誰がグレンにのるんです。もしかして俺か藤堂さん?」
千葉「この決定には納得がいかないな」
ラクシャータ「そぉねぇ、この子より優秀なデバイサーなんてそう簡単にはみつからないしぃ」
ラクシャータ「それで私の研究が滞るのは論外」
ゼロ「……では問おう」
ゼロ「お前たちは子供を戦わせることになんの後ろめたさも感じていないのか」
藤堂「……」
ゼロ「戦争の責め苦は大人の負うものだ」
ゼロ「私たちはブリタニア皇帝と同じく、子供を戦争の道具につかう汚い人間に成り下がっていいのだろうか」
ゼロ「それが正義か?」
ラクシャータ「あんたが正義を語るなんてねぇ」
カレン「私はかまいません! 高校生はもう大人です!」
ゼロ「カレン、お前は女の子だ。人殺しを肯定してはいけない」
ゼロ「学校に通い、勉強し、友達をつくり、時には恋に溺れる」
ゼロ「そんな歳なんだよ……」
カレン「でも……私が戦わないと黒の騎士団が!」
ゼロ「自惚れるな!」
ゼロ「女子供ひとりいなくなっても黒の騎士団は戦える!」
ゼロ「カレン! お前はいままで私達の何を見てきた!」
カレン「……うっ」
藤堂「紅月の分は私が闘ってみせる」
カレン「藤堂さん……でもシロカブトは私が……」
千葉「紅月。先輩としていっておきたいことがある」
朝比奈「俺たち後輩だって」
千葉「黒の騎士団としては紅月のほうが先輩だが、人生の先輩は私だ」
千葉「青春は満喫しておけ。特に女の子はな」
千葉「若さとは一瞬の内に散りゆくもの」
千葉「私はこの歳でようやく気付いた」
カレン「千葉さん……」
千葉「できなかった私の代わりに、紅月にはたくさん青春してほしいんだ……」
千葉「頼む! 紅月! 女の子に戻ってくれ」
千葉「もうお前は……戦わなくてもいいんだ……」
カレン「そうですか…………じゃあ私、青春します」
ゼロ「それでいい!」
カレン「ゼロと、この黒の騎士団で!」
ゼロ「なにっ」
千葉「なんだ、そうか、そういうことか」
朝比奈「へぇ、ゼロも隅に置けないね」
ゼロ「な、なにをいっているお前たち……」
藤堂「ゼロ、どうやら紅月の青春の舞台はここのようだ」
カレン「はい! アシュフォード学園にはろくな男がいないんで! てかブリキばっかりだし!」
ゼロ「ふざけるな! カレン! お前はクビだ! 出て行けェ!」
カレン「はい! 黒の騎士団はやめてもゼロのお側にはいます!」
カレン「私はゼロの親衛隊(追っかけストーカー)ですので!!」
ゼロ「!!」
CC「良かったじゃないか、ただ働きが増えて」
ラクシャータ「これで私も一安心」
ゼロ「……ええい、見誤ったか」
ディートハルト「これはとんだスクープですね」
ディートハルト「黒の騎士団内で熱愛発覚、それも司令と戦闘隊長とくれば、視聴率はとれそうです」
ゼロ「だまれ!」
ディートハルト「失敬」
カレン「ゼロのお側にいられるならお給料はいりません」
ゼロ「ええい! むやみにくっつくな!」
藤堂「大人の見栄をきったところで悪いが、これからもアテにさせてもらっていいのか」
カレン「もちろんですよ藤堂さん!」
朝比奈「戦力の低下は免れそうだね」
ゼロ「だめだだめだだめだ! 私の決定は覆らん、カレンはしばらくKMF搭乗を禁止する」
カレン「え~~、そんなぁ」
CC「その分空いた時間でゼロに尽くせばいい。よかったなカレン」
ゼロ「くそっ、ええいついでにお前はクビだ>>121!」
ゼロ「そうか! そうだったのか」
カレン「どうしたんですかゼロ」
ゼロ「この状況を脱するには私が黒の騎士団をやめればいい」
藤堂「気が触れたかゼロ!」
CC「なんという逆転の発送、童貞をこじらせるとこうなる良い見本だ」
カレン「そんなに私、迷惑ですか」
ゼロ「……いや、さっきお前に言っていたことがすべて跳ね返ってきているんだ」
ゼロ「(俺の青春とは……)」
ゼロ「(もういいんじゃないか、いままでがんばった。努力賞でいいじゃないか……)」
ゼロ「(17そこらの小僧が世界を動かすだなんて、いい気になりすぎだ)」
ゼロ「(俺には俺の青春が、アシュフォードがあるというのに…)」
ゼロ「帰る!!」
藤堂「あぁわかっている、共に世界を変えようではないか」
ゼロ「もう私、俺は学園に帰るぞ~ー!!」
藤堂「が、学園!?」
朝比奈「いま学園っていった?」
ゼロ「あぁ、俺は俺の人生を満喫する」
ゼロ「こんなところでテロリストとして泥臭い戦いに身を投じるのはごめんだ」
ゼロ「学園に帰れば温かい家庭、仲の良い友人や先輩達が待っている」
カレン「じゃあ私も帰ります」
千葉「ゼロは学生だったのか……」
藤堂「待てゼロ! ならばお前が抜けた穴はどうする! 組織のトップが気まぐれで場を離れてどうする!」
ゼロ「もういいだろう!」バサッ
ルルーシュ「俺はもういやなんだ」
藤堂「ぶ、ブリタニア人!? 子供だと……!」
ルルーシュ「これ以上だれも手に掛けたくない、引き金をしぼるあのおぞましい感覚はこりごりだ」
ルルーシュ「優しい世界へ帰りたい……」
藤堂「……私たちは子供にここまでの責を押し付けていたのか…」
朝比奈「でも、ゼロがいなかったら日本は」
ルルーシュ「藤堂、あとはすべてお前とシンクーにまかせた」
ルルーシュ「奴は俺と同等に頭が切れる、戦術眼も備わっている。きっとうまくやってくれる」
ルルーシュ「うすうす感じていたんだ、俺はあまりに場違いな人間なのではないかと」
ルルーシュ「ここは日本人の集う部隊だ、ブリタニア人の俺には相容れない部分がある」
ルルーシュ「文化の違い、感性の違いに日々とまどっていた……」
ラクシャータ「ちょっとなぁにそれ、私へのあてつけ?」
ルルーシュ「ラクシャータ、研究は続けてくれ。陰ながらできる限りのバックサポートはさせてもらう」
CC「ぶっちゃけたことで精神が完全に折れている……」
ルルーシュ「俺は戦いたくないんだ、自分を偽って友達を裏切って、人を傷つけて」
ルルーシュ「それで本当の平和がくるのだろうか……日々考えていた」
ルルーシュ「確かに俺には力がある」
ルルーシュ「だが力の向け方は、なにも戦争だけではない」
ルルーシュ「俺は俺なりのやりかたで自由のためにたたかってみようと思う」
ルルーシュ「もとより、俺はただの学生。チェスが強いただの、子供」
ルルーシュ「手に入れた力におぼれているだけの虚しいピエロだ……」
藤堂「すまなかった……私達がお前にいつまでもすがりついたせいで」
千葉「確かに私たちはずっとおんぶにだっこをせがんでいた」
朝比奈「戦争は子供の出る幕じゃない。そんなのわかってるよ」
ルルーシュ「みんな、いままで利用するだけして悪かった」
藤堂「気にするな若人よ、若さゆえの過ちなら誰にでもある」
ルルーシュ「これで俺のゼロとしての戦いも終わりか……」
藤堂「しかしだな、お前を解任するとして、やはりゼロの記号はいまのわれらにとっては大切だ」
藤堂「一体だれがゼロの役目を引き継ぐ?」
藤堂「シンクーは作戦指揮はできても、基本的に中華連邦を離れることができない」
ルルーシュ「そうだな……では最後に新ゼロを決めてから俺は脱退することにしよう」
朝比奈「この中じゃ藤堂さんしかいないでしょ」
千葉「同感だな、ゼロをこなすにはリーダーシップが必要だ」
カレン「さっさと決めて学校もどろうよルルーシュ!」
ルルーシュ「あぁわかっている。よし……ゼロの役目は>>171! お前に託す」
神楽耶「えっ!? わたしですか?」
ルルーシュ「すっかり存在を忘れていたが神楽耶さま、お願いできますか」
ルルーシュ「やはり日本といえば京都六家、あなた様の存在は日本人の心の拠り所となるのです」
ルルーシュ「お飾りでもいい、内政と戦闘はシンクーにまかせて」
ルルーシュ「あなたにはこれをかぶっていてほしいのです」
神楽耶「でも…ゼロ様がいない黒の騎士団なんて……」
ルルーシュ「だからゼロになるのですよ、あなたが最も寵愛したゼロに……」
神楽耶「そんな……」
ルルーシュ「大丈夫、艦長座でふんぞりかえっているだけでいいですから」
神楽耶「……わかりましたやってみます、それがゼロ様の最後の願いなのですね?」
ルルーシュ「はい、誠に勝手ながら本日をもって黒の騎士団を脱退させてもらいます」
神楽耶「いままで御役目おつかれ様でした」
神楽耶「でもこれだけは覚えておいてくださいね」
神楽耶「私はいつまでもゼロ様のお帰りを待っています」
ルルーシュ「俺にはたくさん帰る場所がある……こんなに嬉しいことはない」
藤堂「私も君の帰りを待っている。それまで決してブリタニアに屈したりはしない」ので」
ディートハルト「ふむ、ゼロの華麗なるショーが見れなくなると思えば実に惜しいですが」
ディートハルト「私は子供が人殺しをしているところをカメラに収める趣味はありません」
ラクシャータ「ふぅんあんたは絶対ゼロ脱退には反対だとおもったにねぇ」
ディートハルト「堕ちた報道屋としての最後のプライドです」
ルルーシュ「ありがとうディートハルト。お前は実に優秀な部下だったよ」
ディートハルト「とんでもございません、これからも親交は深めさせてもらいますよあなたは個人的におもしろい逸材ですので」
ルルーシュ「かまわない。必要があればお前を通して黒の騎士団に助言をほどこそう」
南「だがこれで組織は大きくかわる、ポジションの再編も大変だぞ」
ルルーシュ「やれますか、神楽耶様」
神楽耶「おまかせください! 黒の騎士団のみなのことは良く存じております」
ルルーシュ「さすがだ、ゼロの妻を自称するだけはある」
カレン「……」
神楽耶「あたりまえです! ご心配なさらずにゆるりと青春を満喫してください」
ルルーシュ「お心遣い、感謝いたします」
神楽耶「少し……口惜しい気はしますけどね、いえなんでもございません……」
ルルーシュ「ではいこうか、カレン」
カレン「はい!」
CC「おい私は」
ルルーシュ「お前は放っておいても大丈夫だ」
CC「ひどいヤツだ」
ルルーシュ「あぁ、俺はわがままで勝手なひどいやつだ」
ルルーシュ「そんな俺にいままでついてきてくれて、本当にありがとうみんな」
ルルーシュ「体にはくれぐれも気をつけて……日本は気候の変化が厳しいから」
藤堂「そんな国が私たちは好きなんだ」
ルルーシュ「あぁ、しっているとも。俺もだよ。俺はほとんど日本育ちだからな……」
ラクシャータ「まぁあとは大人にまかせな」
朝比奈「そうそう、あんたは人生をエンジョイすべきだ」
千葉「大人になって、思うところがあれば戻って来い」
藤堂「来る者は拒まず、去る者は追わず。それが黒の騎士団だ」
ルルーシュ「あぁ……また会おう」
カレン「みんな元気でねー」
CC(私は最後まで蚊帳の外か……まぁ正式なメンバーじゃないしな別に)
・・・・
ルルーシュ「こうして俺はアシュフォード学園に舞戻ってきたのである」
スザク「やぁ、ルルーシュ! 今日はサボらず来たんだね」
ルルーシュ「スザク!」
スザク「うん? どうしたんだい?」
ルルーシュ「どうしたとは?」
スザク「いや、いつもはしかめっ面してるのに、今日のルルーシュはやけに晴れ晴れした顔をしているなって」
ルルーシュ「べ、べつにそんなことはない」
スザク「悪巧みはやめたのかい?」
ルルーシュ「……」
スザク「なにかあった? なんでも聞くよ、場合によっては協力する」
スザク「僕達、悪友だろ?」
ルルーシュ「…まぁ、そうだな。スザク、お前にだからこそ話せる話もあるか」
ルルーシュ「あのな、スザク……」
ルルーシュ「実は俺、今日……――
終わり
Entry ⇒ 2012.09.04 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (3) | Trackbacks (0)
カレン「私知ってんだからね!どんなとこ行ってんのか」ゼロ「……」
扇「ゼロ、黒の騎士団の財政も……」
ゼロ「何?私の指示通りにしていれば予算で困ることはないはずだが」
扇「そ、それは……」
ゼロ「予算管理は玉城だったな」
玉城「お、俺の所為じゃねえぞ!!後輩も増えたから色々と出費が増えるのは仕方ねえだろ!!」
カレン「私、知ってんだからね!どんなとこ行ってんのか」
玉城「そ、そうなの……?」
ゼロ「カレン。玉城たちはどんなところへ行っているんだ?」
カレン「え……」
ゼロ「教えてくれ」
カレン「そ、それは……あの……えー……」モジモジ
ゼロ「どうした。早く言え」
ゼロ「男が行く店だと?……それだけでは分からんな。具体的に言ってくれ」
カレン「具体的にですか?」
ゼロ「予算がどこに消えているのか知りたい」
カレン「……扇さん」
扇「あー、そうだ。ナイトメアの点検があったな」
カレン「たまきぃ」
玉城「トイレいこっと」
カレン「……」
ゼロ「カレン。早く言え」
カレン「で、ですから……えっと……大人の男の人が行く店です……」
ゼロ「全然わからん。もっとはっきり明確に伝えてくれないと困る」
カレン「なんで私に聞くんですか?」
ゼロ「知っている者に訊ねてなんの問題がある?」
カレン「いや……そうですけど……」
カレン「……ソ、ソープ……ン……です……」
ゼロ「よく聞こえない」
カレン「もう他の人に聞いてくれませんか?!」
ゼロ「カレンが答えてくれれば何も問題はないし、時間の無駄にもならない」
カレン「……」
ゼロ「何故いえない。これは業務連絡のようなものだろう」
カレン「そ、それもそうですね……。申し訳ありません」
ゼロ「分かってくれればいい。では、言ってくれ。玉城はどんな店に我々の予算を使い込んだのかを」
カレン「ソープランド……です」
ゼロ「ソープランド?」
カレン「は、はい」
ゼロ「……」
カレン「……」ドキドキ
ゼロ「……レジャープールみたいなものか?」
カレン「え?」
ゼロ「ん?どうした?」
カレン「あの……もしかして……知らないんですか?」
ゼロ「遊ぶ場所ではないのか?」
カレン「いえ。遊ぶ場所と言えば遊ぶ場所なんですが……」
ゼロ「どうした?」
カレン「わざとですか?」
ゼロ「意味が分からないな。どのようなことをする場所なんだ?」
カレン「え?!」
ゼロ「どうした?」
カレン「それ質問ですか?!」
ゼロ「他にどのような捉えかたがある?」
カレン「……」
ゼロ「カレン。そのソープランドとは一体どのような遊び場なんだ?」
ゼロ「言えないだと?何故だ?」
カレン「ゼロ!!からかうのもいい加減にしてください!!」
ゼロ「私は大真面目に訊ねている」
カレン「ぐっ……」
ゼロ「答えろ」
カレン「えっと……あの……えー……?」
ゼロ「えー、ではない。予算がどこに消えているのか調査するのはトップとしての責務だ」
カレン「わ、分かっていますが……」
ゼロ「ならば答えてもらおうか。ソープランドとはどのような場所だ!!!」
カレン「大声出さないでください!!」
ゼロ「これはすまない。少し力が入りすぎた」
カレン「あの……本当に聞いたこともないですか?」
ゼロ「無いな。なんとかランドといえば、巨大テーマパークぐらいしか思いつかない」
カレン「……」
カレン「それは違います。安心してください」
ゼロ「そうか。大人の男が行く遊び場と言えば……他に考えられるのは……」
カレン「あ、あの。ゼロ」
ゼロ「なんだ?」
カレン「本当に申し訳ないんですが……ゼロは何歳ですか?」
ゼロ「質問には答えられないな。その質問の意図も―――」
ゼロ(そうか。成人男性にとってソープランドなる遊戯場は常識なのか。俺が知らないとなれば年齢の推測ができてしまう……!!)
ゼロ(ここから修正していくしかないな)
カレン「あのー」
ゼロ「まて。カレン。すまなかった」
カレン「え?」
ゼロ「そうか。ソープランドか。思い出した」
カレン「お、思い出したんですか?」
ゼロ「ああ。私もよく通っていた。昔のことだがな」
ゼロ「余りにも懐かしい単語なのですっかり忘れていた」
カレン「そ、そうなんですか……ちょっとショックです……」
ゼロ「?!」
ゼロ(ショックだと?くそっ!!益々わからん!!!どのような場所なんだ!!ソープランドとは!!!)
ゼロ(もしや威厳を失うような場所なのか……!?これはかえって失言になってしまったか!!)
カレン「ゼロも経験があるなんて……」
ゼロ「まて、カレン。違うな。間違っているぞ」
カレン「どういうことですか?」
ゼロ「現在のソープランドと私が通っていた時期のソープランドは別物だ」
カレン「別物?」
ゼロ「そうだ。勝手に失望されては困るな」
カレン「も、申し訳ありません」
ゼロ(よし。なんとか誤魔化せたな)
カレン「あの、興味本位の質問なんですが。どのように違うんですか?」
カレン「別物なら聞ける話かなって思うんですが……」
ゼロ「……せ、石鹸が買える」
カレン「はい?」
ゼロ「と、当時のソープランドでは石鹸が買えた」
カレン「へー。それって薬局とは別の石鹸が買えるということですか?」
ゼロ「まあ、そうだな」
カレン「どんな石鹸が売っていたんですか?」
ゼロ「桃の香りがするやつとかだ」
カレン「今とは全然違いますね」
ゼロ「そうだろう」
カレン「でも、どうしてそんな石鹸屋から現在の形態に変化してしまったんでしょうか?」
ゼロ「……」
カレン「ゼロは変わっていく様子を目の当たりにしていたんですよね?」
ゼロ「あ……ああ。勿論だ」
ゼロ「そうだな。少し長くなるからまた今度にしよう」
カレン「え。でも、もう今やることは特にないですよね?」
ゼロ「……」チッ
カレン「ゼロ?」
ゼロ「そうだな。確かに何もなかったな」
カレン「では、教えてください」
ゼロ「……現在のソープランドはどのような感じになっている?」
カレン「え?」
ゼロ「最新の営業スタイルを私は知らないからな。変化の途中までしか語ることができないために、カレンと私の知識に齟齬をきたすことになる」
カレン「あ、ああ……なるほど」
ゼロ「今の営業形態を知らなくてはこちらもソープランドの変革を語ることは難しい」
カレン「確かに」
ゼロ「答えてくれるな?」
カレン「でも、昔から変わっていないと思いますけど……」
カレン「それはないんじゃ……」
ゼロ「いいから答えろ!!!」
カレン「は、はい……」
ゼロ(よーし。これで主導権は我が手の内。くくく……ソープランドの実態さえ掴めれば、いくらでも自身の失言失態の修繕は可能!!)
カレン「えっと……私はお店自体には行ったことがないんですけど……」
ゼロ「なんだと?」
カレン「だって。あの、女ですし……」
ゼロ「そういえば、今は男しか行けないのか」
カレン「ゼロの時代では女性が普通に出入りしていたんですか?!」
ゼロ「勿論だ!!!」バッ
カレン「す、すごい時代ですね……」
ゼロ「続けてくれ」
カレン「はい。えっと……お店に入って複数の女性から一人を指名するか……お店の人が女性を用意してくれるんです」
ゼロ「女性を用意する……?なんのために……」
ゼロ「そこでなんだ?」
カレン「一緒にお風呂に入るんです」
ゼロ「見知らぬ男とか?バカな……」
カレン「そういうサービスですから」
ゼロ(なるほど。分かったぞ。ソープランドとはつまり、女性に背中を流してもらうというサービスが受けられる公共のお風呂場か)
ゼロ(そういえば日本に銭湯という共同風呂の店があると聞いたことがあったな。そういうことか。それでソープランド……ふふははは。知ってしまえばなんということはなかったな)
カレン「今のでえっと……いいですか?」
ゼロ「ああ。問題ない。これで分かった。どうやらあまり変化していないようだな」
カレン「やっぱり」
ゼロ「私の時代は先も述べたように世界中の石鹸を売っている店に過ぎなかった」
カレン「はい」
ゼロ「そんなある日、とある銭湯とソープランドが業務提携を結んだ」
カレン「おお」
ゼロ「あれが現在の営業形態の祖となるものだな」
カレン「実演販売?」
ゼロ「そうだ。石鹸の効果を文字通り肌で感じてもらうために考え出されたセールス方法だ」
カレン「ふむふむ」
ゼロ「そのとき若い女性が実演販売のために男性の背中を流した。世の男どもはそのサービスに大変喜び、その銭湯には連日長蛇の列が出来上がっていた」
カレン「まだ女性もいたんですよね?」
ゼロ「ああ。しかし、男性の人気が高く、いつしかソープランドは男性のためだけに営業しているような状態になった」
ゼロ「また他店も真似をし始め、サービス競争が激化し、現在に至るわけだ」
カレン「え?!じゃあ、今でも石鹸の販売が主な目的なんですか?!」
ゼロ「勿論だ。コンセプトは変わらない。サービスが過剰になっただけだな」
カレン「でも、玉城は石鹸を買ってきたところを一度も見たことないですけど」
ゼロ「買わないこともできる。サービスを受けて帰る客もいるだろう」
カレン「ああ。そうですよね。ただお風呂に入りに来ただけって人もいますもんね」
ゼロ「その通りだ」
カレン「じゃあ、私は勘違いしてました。もっと卑猥なお店とばかり……。そっか、ただ石鹸を売るお風呂屋さんなんだ……」
カレン「は、はい。えっと……その……」
ゼロ「おいおい、カレン。どんな想像をしていた?」
カレン「あの……聞いた話なんですけど……」モジモジ
ゼロ「うむ」
カレン「お風呂場で女性と……エ、エッチなことを……するとか……しないとか……」
ゼロ「フハハハ。カレン。我が右腕ともあろうお前がそのようなまやかしに踊らされてどうする?」
カレン「は、はい!申し訳ありません!!」
ゼロ「まあ、多少は卑猥とも思える過剰サービスをする店員がいるのだろう」
カレン「そうですよね。きっと無駄に胸を押し付けてきたりとかその程度ですよね」
ゼロ「そうだ」
カレン「あははは」
ゼロ「フハハハハ」
藤堂「楽しそうだな。ゼロ、紅月」
ゼロ「藤堂か」
ゼロ「ご苦労だったな」
藤堂「で、どのような話をしていた?」
カレン「ソープランドの歴史をゼロから学んでいました」
藤堂「ソープランド……?」
ゼロ「ああ」
藤堂「そ、そうか……。紅月はそこに興味があるのか?」
カレン「いえ。玉城が新団員をつれてそこによく行っているってことから話が膨らんで……」
藤堂「なるほどな。ゼロも店には行ったことがあるのか?」
ゼロ「当然だ。行きまくりだ」
藤堂「……どの程度の頻度で行っていた?」
ゼロ「そうだな。週に3度は行っていたな」
藤堂「そうか。ベテランの域だな」
ゼロ「フハハハ」
カレン「流石はゼロですね」
ゼロ「どれくらい、とは?」
藤堂「店のランクだ」
ゼロ「ランク……?」
ゼロ(ランクってなんだ?!ここに来て新要素が発覚するとは!!まさか店によって下級中級上級とランク付けされているのか?!)
藤堂「どうした?」
ゼロ「……」
カレン「藤堂さん。ランクってなんですか?」
ゼロ(素晴らしいアシストだ!!カレン!!そういうところが好きだ!!)
藤堂「ああ。紅月は知らなくても当然だな」
藤堂「ソープランドでは「入浴料+サービス料金=総額料金」となる。この総額料金が高いものが高級店となる。その下には中級店。時間が短い店を大衆店と呼称する」
カレン「高級店だとどれぐらいになるんですか?」
藤堂「そうだな……。日本円で5万ぐらいはするだろうな」
ゼロ「……!!」
カレン「結構いきますね……。あ、そうか。それだけ高級な石鹸を使うからですね?」
ゼロ(つまりプリタニアポンドで計算すると約400ブリタニアポンド。かなりの大金だ。玉城たちが予算を横領しようとするのもよくわかる)
カレン「へー、高級とそれ以下だとかなり違うんですか?」
藤堂「ああ。まず時間が違うからな。高級店だと180分ぐらいはある」
ゼロ(時間制限があるのか……。風呂屋で?俺はまさか何か勘違いをしているのではないか……?)
カレン「180分?入浴だけでですか?結構入りますね」
藤堂「……ゼロ」
ゼロ「な、なんだ?」
藤堂「紅月は未成年の少女だ。確かに実態を語るのは少々忍びないとは思うが、間違った知識を教えるのも先達の身としてはどうかと思う」
ゼロ「む……」
カレン「嘘だったんですか?」
藤堂「紅月。ゼロの気持ちを察してやれ。恐らくは言葉を選びすぎて上手く伝えられなかったのだろう」
カレン「え……」
藤堂「少女に語るには些か配慮に欠ける事柄だ」
カレン「それって……やっぱり……エ、エッチ……な……お店……?」
ゼロ「藤堂。流石だな。カレンの言動から違和感をすぐさま感知するとは」
藤堂「いや。誰でも気づく」
ゼロ「確かに私ではソープランドの真実をカレンに伝えることは難しい。サブカルチャーな講釈は不得手でね」
藤堂「しかし」
ゼロ「カレンに正しい知識を教えてやってくれないだろうか。後学のために」
藤堂「……」
カレン「……」モジモジ
藤堂「辛い現実を見ることになるかもしれんがいいのか?」
カレン「は、はい……。ゼロの説明だけでは自分だけで入店するところでしたから」
藤堂「なんだと?!それはいかん!!!ゼロ!!どのような説明をした?!」
ゼロ「……」
カレン「ゼロは石鹸を売る場所だと」
藤堂「ゼロ!!それは言葉を選びすぎだ!!間違った知識は無知よりも罪が重いぞ!!!」
ゼロ「す、すまない……」
カレン「なんだか……緊張してきたぁ……」ドキドキ
ゼロ「ああ……」ドキドキ
藤堂「―――よし、始めようか」
カレン「お願いします」
ゼロ「頼むぞ」
藤堂「しかし、何から語ればよいのやら……」
カレン「とりあえず、何をする場所なんですか?」
藤堂「いきなり核心に迫る質問だな」
カレン「ごめんなさい」
藤堂「いや、いい。ここで隠しても仕方あるまい。今日は私が紅月の親となり、社会のルールを伝えることにしよう」
ゼロ「……」パチパチパチ
藤堂「ソープランドの中で何が行われているのか……それは……」
カレン「それは……?」
藤堂「春の売買だ」
ゼロ「……?」
藤堂「そうだな。ゼロよ?」
ゼロ「あ、ああ!!そうだ!!」
カレン「春って買えるんですか?」
藤堂「紅月、春を買うのだ」
ゼロ(意味がわからない。どういうことだ……?!)
カレン「あ!!そ、そうか……!そういうことですか!!―――はっ!そういえばゼロは桃の香りの石鹸を買えるって……そういうことだったのですね……!!」
藤堂「そういうことだ」
ゼロ「……」
ゼロ(まずい。カレンは何かを理解したぞ……)
カレン「じゃあ、やっぱり……」
藤堂「そういうことだな。紅月、どうする?まだ何か訊きたいことはあるか?」
カレン「じゃあ、折角ですから……えっと……具体的にはどんなことを?」
藤堂「難しいな……。マット運動と言えば分かるか?」
藤堂「通じないか。まぁいい。ともかく、浴槽、マット、ベッドでサービスが行われる。サービスの内容については……言わずもがなだ」
カレン「なんか気になりますね……」
ゼロ「藤堂」
藤堂「なんだ?」
ゼロ「お前がもっとも好きなサービスはなんだ?」
藤堂「ゼ、ゼロ……!?それを訊ねるか……。紅月の前で……!!」
ゼロ「何もおかしくはあるまい。カレンにも正しい知識を身につけようと始めたことだ」
藤堂「そうだが……」
ゼロ(とりあえず情報収集をしなくては。予期せぬところで矢を向けられては困る!!)
藤堂「……どういえばいい?」
ゼロ「カレンにやってもらえばいい」
藤堂「?!」
カレン「わ、わたしですか?!」
ゼロ「ダメなのか?」
ゼロ「真似だけでもいい」
藤堂「ダメだ!!ゼロよ!!紅月はまだ花散らす前の乙女だ!!そのような少女になんと卑劣な……!!!」
ゼロ「……カレン。できるな?」
カレン「え……えーと……」
ゼロ「で、藤堂。お前はどのようなサービスが好みなんだ?」
藤堂「……潜望鏡」
ゼロ「潜望鏡?」
カレン「なんですかそれ?」
藤堂「知らなくてもいい」
カレン「でも、気になります」
ゼロ「カレンにやってもらえ」
藤堂「無茶だ!!できるわけがない!!!」
ゼロ「ならばカレン。俺に潜望鏡を行え」
カレン「どうやるんですか……?」オロオロ
ゼロ「なんだ?私が実験体では不服か!?」
藤堂「そういう問題ではない!!」
カレン「ゼロ……潜望鏡なるものはどうやれば……?」
ゼロ「藤堂。この何も知らないカレンにレクチャーしてやってくれ」
藤堂「なんだと……!?」
ゼロ「正しい知識を伝えるのが先達の役目なのだろう?」
藤堂「ゼロ……私に修羅の道を歩かせるつもりか……!!」
ゼロ「恐れては何も成し遂げることはできない!!!藤堂よ!!奇跡の藤堂と呼ばれたその手腕、ここで見せてみろ!!!」
藤堂「ぐぐ……奇跡とはなんら関係が……」
ゼロ「違うな!!間違っているぞ!!お前は奇跡を起こしてしまった!!!ならばいつ如何なるときでも奇跡を求められるのだ!!!」
藤堂「……!!」
ゼロ「カレンに悪影響を与えないように伝えればいいだけの話だ。まさか、出来ないとは言うまいな?」
藤堂「……いいだろう」
カレン「いいんですか?!」
カレン「えっと、潜水艦に搭載されている海上を偵察するための光学装置です」
藤堂「その通り。潜望鏡と名があるということは……。そのサービスを受けられるのは、どこだと思う?」
カレン「水辺ですか?あ、浴槽!」
藤堂「正解だ。潜望鏡とは浴槽で受けられるサービスだ」
ゼロ(なるほど)メモメモ
藤堂「では、このテーブルが浴槽だということにするか。まずはゼロ、湯船につかるようにテーブルの上へ乗ってくれ」
ゼロ「分かった」
藤堂「そして紅月。向かい合うように湯船へ」
カレン「は、はい……」
ゼロ「……」
カレン「こ、このとき……お店ではどんな格好なんですか?」
藤堂「無論。何も着衣していない」
ゼロ「……っ」
ゼロ(ダメだ……少し想像してしまった……)
ゼロ「え?」
藤堂「腰を浮かせてくれないと困る」
ゼロ「あ、ああ……そうか、そうだな」クイッ
カレン「え……」
ゼロ「どうした?」
カレン「あの……藤堂さん。お互いに裸、なんですよね……?」
藤堂「そうだ」
カレン「じゃあ……ゼロと向かい合って、それで……腰を浮かせたら……え?」
ゼロ「なんだ?」
藤堂「……そういうことだ」
カレン「潜望鏡って……!!!」
藤堂「そうだ。見た目が潜望鏡のようだろう?」
カレン「いやぁ……」ブルブル
ゼロ「どうした、カレン。はやく潜望鏡を行え」クイックイッ
藤堂「……まぁ……紅月の想像に任せる……」
カレン「そ、そんな……私……あの……」
ゼロ「早くしろ」
カレン「ゼロ?!本気で言っているんですか?!」
ゼロ「カレン。潜望鏡の意味が分かったのなら、証明して見せろ」クイッ
ゼロ(俺のためにな)クイックイッ
カレン「……っ」
ゼロ「カレン。私では不服か?」
カレン「そ、そんなことは決してありません!!わ、私はゼロのなら喜んで……あの……えっと……」モジモジ
ゼロ「ならば、頼む」ドーン
カレン「……!!」
藤堂(今、私は少女が大人になるところを目撃しているのかもしれない……)
カレン「では……いきます」
ゼロ「よし。こい」
ゼロ「リラックスだ、カレン」
カレン「は、はい……」
カレン「ゼロ!!!紅月カレン!!女になります!!!」
ゼロ「苦しゅうない」
カレン「うわぁぁぁ!!!!弾けろぉぉ!!!ブリタニアァ!!!!」ギュッ!!
ゼロ「ぬおぉぉ!?!?!」
カレン「ぬぐぐぐぐぐぅぅぅ!!!!」グググッ
ゼロ「カ、カレェン!!!どこに顔をうずめて……ひゃぁ……!!」ビクッ
カレン「むぐぐぐ……!!!!!」ググググッ
ゼロ「やめ、ろぉ!!微妙な振動がつた、わるぅ……!!!」ビクッビクッ
藤堂(いかん……いかんぞ……これはぁ……!!!しかし、私に二人の行為を止める勇気はない!!!)
カレン「あぶぶぶぶ……」
ゼロ「ふわぁぁ……!!!だめぇ……!!」
藤堂「……」ホッコリ
ゼロ「……ひ、ひどい……どうして……こんなことを……」グスッ
カレン「あ、あれ?!ゼロ?!どうしたんですか?!」
ゼロ「……」モジモジ
藤堂「ゼロ、どうした?プロのテクニックに遠く及ばないことは百も承知だが、紅月もかなり頑張ったほうだ。ここは素直に賞賛を送るべきだ」
ゼロ(今、全てを理解した。潜望鏡の意味を、ソープランドの真実を……!!)
ゼロ(ソープランドは俺が最も唾棄すべき場所のようだな……!!!全く、下らん!!!)
カレン「ゼロ……。ごめんなさい。至らないところしかなかったと思いますけど、私も自分なりに考えて……!!」
ゼロ「分かっている。カレン、お前はよくやった。だが、絶対にソープランドでは働くなよ」
カレン「も、勿論です!!」
ゼロ「潜望鏡もお前が見初めた相手にしてやれ」
カレン「は、はい!!」
藤堂「いきなりそんなことをする恋人なんて普通の学生なら引くぞ」
ゼロ(玉城め。こんなことに黒の騎士団の予算を横領していたとは。許せないな。予算管理は別の者にさせなければ)
カレン(いつかゼロに本当の潜望鏡を……。だめだめ!!私ったら何を考えて……!!!だめぇ……顔があつい……)
玉城「よう、ゼロ。呼び出しなんてどうしたんだよ」
ゼロ「予算管理はこれから扇にしてもらう」
玉城「はぁ!?なんでだよ!!予算の管理は昔から俺がしてきたんだよ!!」
カレン「変な店に行って黒の騎士団の予算がなくなったら意味ないでしょ?!」
玉城「ちゃんと考えてるよぉ!!!」
ゼロ「くだらん!!ソープランドに行っては潜望鏡を受け、鼻の下を伸ばしているだけだろうが!!!」バンッ!!!
玉城「おぉ……?!」
カレン「変態玉城ぃ」
玉城「ち、ちげぇよ!!!俺はなぁ泡踊りからの花時計が一番好きなんだよぉ!!!」
ゼロ「……」
カレン「え?」
扇「玉城!!」
玉城「潜望鏡なんてやんねーよ!!」
ゼロ(くそ……玉城の分際で……俺を見下すのか……!!!)
玉城「んだよ」
藤堂「同志よ」
玉城「なんだ。藤堂もか。やっぱ、一番いいよな」
藤堂「花時計は素晴らしいな」
扇「おい!!カレンも居るんだぞ!!そういう話はやめろ!!!」
藤堂「心配はない。紅月にはゼロと私で正しい知識を伝達したからな」
扇「何を言っているんだ?!」
カレン「ゼロ……あの……玉城が言ったのってなんですか?」
ゼロ「……」
藤堂「やはりゼロも花時計がいいか?」
玉城「なんだゼロも行くのか?」
藤堂「玉城、口を慎め。ゼロは大ベテランだぞ。一時期は週に三回も通っていたらしいからな」
玉城「マジかよ?!じゃあ当然、鶴の恩返しとかもしたことあるよな?!あれどんな感じだった?まだ、やったことなくてさぁ」
ゼロ「つ、鶴……だと……?」
ゼロ「……」
カレン「ゼロ?」
藤堂「ゼロほどになれば即即だろう」
玉城「マジで?!いや、でも、最終形態はそうなるかな」
扇「お前ら!!もうやめろって!!!カレンがいるんだぞ!?カレンはまだ未成年だぞ!!」
ゼロ「……」プルプル
藤堂「ゼロクラスになれば二輪車も経験しているはず」
玉城「それすっげえききてぇ!!!」
扇「……本当かゼロ?」
ゼロ「……れ……」
カレン「ゼロ……?」
ゼロ「黙れぇぇぇ!!!!おまえらぁぁぁぁ!!!!!わけのわからない言葉で私を見下して楽しいのかぁぁぁ!!!!!」
玉城「お、おい……」
カレン「ゼ、ゼロ……」
せんせー 男子がゼロ君泣かしましたー
扇「ゼロ……すまない……あの……」
ゼロ「ふぅー……ふぅー……はっ?!」
ゼロ(しまった……!!我を忘れてしまった……)
カレン「ゼロ……もしかして……」
玉城「おめえ……へへ……」
ゼロ「……!!」
ゼロ(終わったか……。だが、ギアスを使えば……まだ、俺の尊厳は……!!)
藤堂「待て。玉城」
玉城「あ?」
ゼロ(藤堂……?)
藤堂「ゼロはかなり昔に通っていたと言っていた」
玉城「それがなんだよ?」
藤堂「故にまだサービスの専門用語が確立してないな時期だったかもしれない。二輪車も花時計も別名称はあるからな」
ゼロ「藤堂……」
藤堂「ゼロよ。気を悪くしないでくれ。どの専門用語も比較的新しいものだからな。馬鹿にされたと思っても致し方ない」
ゼロ「……」
藤堂「ゼロの経歴を疑うような発言をしてしまったことは謝罪する」
扇「俺も少しだけ思ってしまった。すまない」
玉城「わ、わるかったよ」
ゼロ「わ、分かればいい」
玉城「じゃあ、予算管理の件は……」
ゼロ「扇にやってもらう」
玉城「なんだとぉ!?」
ゼロ「下らない店に行くからだ」
玉城「ゼロも週3で通ってたんだろ!?俺たちと同じじゃねーか!!!」
ゼロ「私は!!!一回400ブリタニアポンドの店に通っていた!!!」
玉城「超高級ソープだとぉ……?!」
ゼロ「紳士の嗜みと声高に言うなら自腹で最高級のサービスを受けて来い。世界が変わる」
扇「ゼロ。じゃあ、今日はこれでいいか?」
ゼロ「ああ。ご苦労だった」
藤堂「私もこれで失礼する」
ゼロ「藤堂」
藤堂「……」
ゼロ「お前の忠義に感謝する」
藤堂「何のことかわからんな」
ゼロ「ふっ……」
カレン「ゼロ」
ゼロ「なんだ?」
カレン「もしかして……経験、ないんですか?」
ゼロ「……!!!!」
カレン「……」
ゼロ「ち、ちがうな……わたし……は……経験しか、してこなかった、といっても過言、ではない……!!」
ゼロ「私のことが信じられないのか?!」
カレン「こればっかりは」
ゼロ「……!!」
ゼロ(馬鹿な……俺は完璧に演じていたはずだ……!!完璧な人間であるために……!!カリスマで人を動かすために……!!!)
カレン(よかった。顔は見えないけど、この反応ならきっとソープランドの経験なんて無いんだ。ゼロが穢れてなくてよかった……)
ゼロ「……」
カレン「ゼロ……」
ゼロ「カレン!!」ガシッ
カレン「は、はい?!」
ゼロ「……」
カレン「な、なんですか……」ドキドキ
ゼロ(いや、ここで何をしても俺が無経験であることを露呈させるだけ。無様に鼻で笑われて終わりだ……!!カレンにギアスはもう通じない!!!こうなれば……!!)
カレン「あの……」
ゼロ「ええい!!!そうだ!!!俺は経験したことがない!!!だからなんだ!?カレンよ!!それで人の価値が変わるのか?!違うだろう?!」
ゼロ「なんだと?価値を……下げる?」
カレン「はい」
ゼロ「守り抜いたほうがいいといのか?」
カレン「当然です。ゼロのような人は特に」
ゼロ「……それ、他の女性も思っているのか?」
カレン「はい。大半はそう思ってると思いますけど」
ゼロ「……」
カレン「ゼロ?」
ゼロ「フフフ……フハハハハハ……なんだ、そうだったのか」
カレン「……?」
ゼロ「ありがとう、カレン。私はこのまま勘違いをしたまま、道を踏み外すところだった」
カレン「ゼロ……よかった……。そうです。経験なんてしなくてもいいんですよ」
ゼロ「分かった。ここに誓おう。私は経験なんてしないと」
カレン「わー」パチパチパチ
カレン「ゼロぉ……素敵です……」
ゼロ「カレン、こんな私についてきてくれるか?」
カレン「はい」
ゼロ「守るために修羅にならねばならないが、強制はしない、引き返すなら今だ」
カレン「共に進みます。私は、あなたと共に」
ゼロ「カレン……」
カレン「ゼロ……」
ディートハルト「―――聞かせていただきました。ゼロよ」
ゼロ「ディートハルト!?」
カレン「わっ?!」
ディートハルト「ゼロは経験ゼロ。これはいい。親近感を抱く者もいるでしょう」
ゼロ「そうか?」
ディートハルト「ええ。経験ゼロでも立派なリーダーを務められる!!そんな勇気をもらう若人もいるはずです」
ゼロ「なるほどな……」
ゼロ「任せる」
ディートハルト「では、早速準備を始めます」
ゼロ「ああ」
カレン「ゼロの男らしさが日本中に伝わりますね。私も嬉しいです」
ゼロ「ふっ……カレンよ。お前のおかげで私は大きな一歩を踏み出せた気がする」
カレン「ゼロ……」ギュッ
ゼロ「カ、カレン……」
カレン「……」
ゼロ「やめろ」
カレン「あ……」
ゼロ「カレン。私は貫くつもりだ」
カレン「いつでも貫いてください」
ゼロ「ああ。見ていろ」
カレン(やったぁ♪念願のゼロに……♪お風呂はいってこよ)テテテッ
千葉「どうした、紅月?」
カレン「ゼロは?」
千葉「見てないな。自室じゃないのか?」
カレン「いなくて……」
千葉「そうか。何か用事でもあったのか?」
カレン「いえ……別に……」
千葉「なら日を改めろ。お前も明日は学校に行くんだろ」
カレン「え、ええ」
千葉「なら、早く帰れ」
カレン「はぁーい」
千葉「ああ、そうそう」
カレン「なんですか?」
千葉「藤堂さんにはきつく言っておいたから。それで勘弁してほしい」
カレン「は、はい……わかりました……」
カレン「こんにちはー」
ミレイ「これ本当だとおもうー?」
リヴァル「あのゼロがでしょ?信じられませんよね」
シャーリー「でもでも、わざわざ言うってことは本当なんじゃないですか?」
ニーナ「そうかもね。案外、ああいうタイプってモテないのかも」
スザク「ゼロが……経験ゼロ……ふふっ」
ナナリー「スザクさん。笑うなんて失礼ですよ」
スザク「ごめん。でも……ふふふっ」
リヴァル「実際、笑っちまうよなー。あれだけ偉そうなこと言ってるのにー」
ミレイ「リヴァルー、じゃあ、あんたはゼロより経験豊富なのかなー?」
リヴァル「……」
スザク「もう17歳だし、当然じゃないですか」
リヴァル「え?」
カレン(なにしてるのかなぁ……?)
カレン「何してるんですか?」
シャーリー「この広告みた?ネットでも大々的に書かれてるの」
カレン「え?」
スザク「我が名はゼロ!!経験もゼロ!!!―――くくっ」プルプル
カレン「……」
ニーナ「ふふっ。わざわざこんなこと言わなくてもいいのにね」
ミレイ「まーでも、ちょっと怖かったイメージもこれでかなり緩和されちゃうから、いいんじゃない?」
シャーリー「確かに。経験ゼロって可愛いですね」
カレン「あの……え……?」
スザク「守り抜いて価値があるのは女性で、男の価値は経験の差だと思うよ」
リヴァル「くぞぉ……!!!スザクめぇ……!!!」
スザク「ルルーシュもそう思うだろ?」
ルルーシュ「ふふふ……フフハハハ……アーッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!!!!」
カレン(ゼロ……ごめんなさい……私の勘違いだったみたいです……)
ギルフォード『黒の騎士団だ!!!迎え討て!!!』
ゼロ『よし!!コーネリアを討て!!!』
コーネリア『ゼロをとめろ!!こちらに近づけさせるなぁ!!』
ランスロット『経験ゼロか!?僕が相手だ!!経験ゼロ!!!』
ゼロ『フフフフ……フハハハハハハ!!!!!!!!ヒャーッハッハッハッハッハ!!!!』
紅蓮『ゼロを侮辱するなぁぁぁぁ!!!!!』
ランスロット『経験ゼロ!!!君は間違っている!!!!―――ふふっ』
紅蓮『やめろぉぉ!!!』ガキィィン
ランスロット『経験ゼロ!!こんなことしていないで経験をイチにするべきだ!!』
ゼロ『カレェェン!!!!』
紅蓮『は、はい!!』
ゼロ『そいつを殺せぇぇ!!!』
紅蓮『ゼロ……うぅぅ……。―――はいっ!!ゼロは私が守ります!!!』
コーネリア(ゼロめ。そんなことで私に親近感を覚えさせようとも無駄だ。私は鉄の女だからな)キリッ
カレンかわいいよカレン
ダールトン『経験ゼロ!!この場でし止めてくれる!!』
ゼロ『……』
藤堂『貴様らぁ!!!ゼロを経験ゼロを侮蔑するのはよせぇ!!!』
玉城『経験ゼロでもよぉ!!俺たちにとっては最高のリーダーなんだよ!!!』
ゼロ『やめ……ろ……』
カレン『経験がゼロだからってなんだ!!!ゼロはゼロだ!!!』
スザク『間違った結果(経験ゼロ)に価値なんてない!!!』
ゼロ『もう……やめ……て……』
コーネリア『私はゼロを支持する!!がんばれ!!』
千葉『まけないでー。私がついているぞー』
ゼロ『うおぉぉぉ!!!!!!皆殺しだぁぁ!!!』ドドドドド!!!!!
スザク『経験ゼロが乱心した!!』
カレン『ゼロー!!!私がイチにしてあげますからー!!』
ゼロ『ゼロの何がわるいぃぃぃ!!!!!』ドドドドド!!!!!
藤堂「ゼロは?」
扇「自室に閉じこもっている。今、カレンとC.C.が傍にいるみたいだが……」
玉城「ゼロ……どうしちまったんだ……」
千葉「みんなでイジメすぎです」
玉城「いや。俺はちゃんとフォローしたぜ?」
藤堂「私もでき得る限りのことはしたつもりだ」
扇「全部ブリタニアだ……!!あいつらがゼロを追い込んだんだ!!!」
藤堂「おのれ、ブリタニアめ……!!」
朝比奈「許せませんね」
仙波「今度の戦場で借りを……!!」
卜部「ああ。ゼロの仇を取る」
千葉「次はゼロの弔い合戦になる!!」
藤堂「許すまじ!!ブリタニア!!!」
扇「やるぞ!!俺たちだけでもやるんだ!!ゼロのために!!!」
C.C.「よしよし。お前はよく耐えたよ」ナデナデ
カレン「ゼロ……」
ゼロ「俺をその名で呼ぶなぁ!!!」
カレン「え……」
C.C.「もうゼロがトラウマになったようだな」
カレン「そんな……ゼ……いえ、じゃあ……なんと呼べば……」
ゼロ「……」プイッ
C.C.「今はそっとしておこう」
カレン「そうね……」
C.C.「またいつか、いつものリーダーに戻ってくれるはずだ。少なくとも私はそう信じている。なぁ?そうだろ?」
ゼロ「……」コクッ
カレン(ゼロ……いつか私が貴方をイチにしますから……!!だから戻ってきてください!!!)
C.C.(そろそろルルーシュの初めて、奪っておいてやるか。やる気もでるだろうし。そうだな、今晩あたりでも―――)
おしまい。
Entry ⇒ 2012.08.31 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
ナナリー「ずるいです。私はお兄様だけで良かったのに……」キュィィン
ルルーシュ「うぅ……ナ、ナリー……」
ナナリー「そんな……お兄様は、今まで……!!―――お兄様、愛しています!」
ルルーシュ「あぁ………俺は、世界を、壊し、世界を……つくる―――」ガクッ
ナナリー「お兄様!いや!目を開けてください!お兄様!お兄様ぁぁぁ!!」キュィィン
ゼロ「……」
ナナリー「ずるいです。私はお兄様だけでよかったのに。お兄様のいない明日なんて……そんなの……!!」
ゼロ「……」バッ!!!
ナナリー「今、人工呼吸を!!」チュッ
ルルーシュ「うぐっ!?」
ゼロ「なに?!」
ルルーシュ「んー?!んんー?!!?」
ゼロ「やめるんだ!!ナナリー!!!」
ナナリー「離して下さい!!」
ゼロ「皇帝ルルーシュはもう……」
ナナリー「そんなことありません!!私のキスで!!」
ゼロ「人工呼吸じゃないのか?!」
ルルーシュ「ん……?」
ゼロ「え……?」
ルルーシュ「な、なんだ……傷が癒えている……?」
ナナリー「お兄様!!」
ゼロ「……」
ルルーシュ「……」
ナナリー「よかった……本当に……」
ゼロ「悪の皇帝ルルーシュ!!覚悟ぉ!!!」
ルルーシュ「……!!」
ゼロ「はぁぁぁ!!!」グサッ
ルルーシュ「うご……!?」
ナナリー「いやぁぁぁ!!!!」
ゼロ「……」バッ!!!
ルルーシュ「はぁ……はぁ……」ガクッ
ナナリー「いやです!!お兄様!!私はお兄様がいてくれればそれでいいのです!!」キュィィン
ルルーシュ「ナ、ナナリ……」
ナナリー「今、キスを!!」チュッ
ルルーシュ「?!」
ゼロ「いい加減に―――」
ルルーシュ「傷が……癒えた……。これは……一体……」
ナナリー「お兄様!!」ギュッ
ゼロ「悪の皇帝ルルーシュ!!覚悟ぉ!!!」
ルルーシュ「……!!」
ゼロ「はぁぁぁ!!!」グサッ
ルルーシュ「うご……!?」
ナナリー「いやぁぁぁ!!!!」
ゼロ「……」バッ!!!
ルルーシュ「はぁ……はぁ……」ガクッ
ナナリー「いやです!!お兄様!!私はお兄様がいてくれればそれでいいのです!!」キュィィン
ルルーシュ「ナ、ナナリ……」
ナナリー「今、キスを!!」チュッ
ルルーシュ「?!」
ゼロ「いい加減に―――」
ルルーシュ「傷が……癒えた……。これは……一体……」
ナナリー「お兄様!!」ギュッ
ジェレミア「いかん!!全軍撤退だ!!捕虜はそのままで解放しても構わん!!」
ルルーシュ「ナナリー……お前は……」
ナナリー「お兄様……」スリスリ
ゼロ「ギアスか……」
ルルーシュ「なんだと?!ナナリー!!目を見せろ!!」
ナナリー「はい?」キュィィン
ルルーシュ「が……?!紋章が……!?」
ナナリー「なんでしょうか?」
ゼロ「どうする?!」
ルルーシュ「ゼロレクイエムは延期だ!!」
ゼロ「わ、わかった」
ルルーシュ「ナナリー、話したいことがある。いいな?」
ナナリー「はい」
コーネリア「捕虜をすくえー」ダダダッ
ルルーシュ「―――くそ!!知れ者め!!」
ゼロ「悪の皇帝ルルーシュ!!覚悟ぉ!!!」
ルルーシュ「……!!」
ゼロ「はぁぁぁ!!!」グサッ
ルルーシュ「うご……!?」
ナナリー「いやぁぁぁ!!!!」
ゼロ「……」バッ!!!
ルルーシュ「はぁ……はぁ……」ガクッ
ナナリー「いやです!!お兄様!!私はお兄様がいてくれればそれでいいのです!!」キュィィン
ルルーシュ「ナ、ナナリ……」
ナナリー「今、キスを!!」チュッ
ルルーシュ「?!」
ゼロ「いい加減に―――」
ルルーシュ「傷が……癒えた……。これは……一体……」
ナナリー「お兄様!!」ギュッ
ルルーシュ「C.C.!!!」
C.C.「お前……。死んだんじゃないのか」
ルルーシュ「それは俺の台詞だ」
C.C.「意味がわからないな」
ルルーシュ「ナナリーを見ろ」
C.C.「んー?」
ナナリー「あ、C.C.さん。お久しぶりです」キュィィン
C.C.「ギアス……」
ルルーシュ「お前……」
C.C.「おいおい。私がそんなことするわけないだろ」
ルルーシュ「じゃあ、誰が……!!」
C.C.「V.V.じゃないのか。あいつは一度、ナナリーと出会っているからな。ギアスを譲渡するチャンスはあったはずだ」
ルルーシュ「くっ……」
ナナリー「あの……。お兄様?」キュィィン
ルルーシュ「ええい!!」
ゼロ「悪の皇帝ルルーシュ!!覚悟ぉ!!!」
ルルーシュ「……!!」
ゼロ「はぁぁぁ!!!」グサッ
ルルーシュ「うご……!?」
ナナリー「てややぁぁぁ!!!!」
ゼロ「……」バッ!!!
ルルーシュ「はぁ……はぁ……」ガクッ
ナナリー「いやです!!お兄様!!私はお兄様がいてくれればそれでいいのです!!」トエエエエイ
ルルーシュ「ナ、ナナリ……」
ナナリー「今、キスを!!」チュッ
ルルーシュ「?!」
ゼロ「やめたまえ!」
ルルーシュ「傷が……癒えた……。これは……一体……」
ナナリー「お兄様!!」ギュッ
ルルーシュ「人体の治癒能力を高めることができるものだと俺は判断した。勿論、物を直すこともできるかもしれないがな」
C.C.「なるほど」
ナナリー「あの……」
C.C.「ナナリー。お前、自分がギアス能力者だという自覚はあるんだろうな?」
ナナリー「はい」
ルルーシュ「……」
C.C.「……V.V.と契約したのか?」
ナナリー「優しい世界を目指すなら必要だって。そのときはまだギアスのことなんて知りませんでしたが」
C.C.「誰に対しても優しくありたいという想いが生んだギアスだな」
ルルーシュ「それにしても。両目に浮かび上がっているが……」
C.C.「既に暴走しているな」
ルルーシュ「……どうする?」
C.C.「私に訊くな」
ナナリー「あの……」キュィィン
ルルーシュ「―――くそ!!!!」
ゼロ「悪の皇帝ルルーシュ!!覚悟ぉ!!!」
ルルーシュ「……!!」
ゼロ「はぁぁぁ!!!」グサッ
ルルーシュ「うご……!?」
ナナリー「いやぁぁぁ!!!!」
ゼロ「……」バッ!!!
ルルーシュ「はぁ……はぁ……」ガクッ
ナナリー「いやです!!お兄様!!私はお兄様がいてくれればそれでいいのです!!」キュィィン
ルルーシュ「ナ、ナナリ……」
ナナリー「今、キスを!!」チュッ
ルルーシュ「?!」
ゼロ「いい加減に―――」
ルルーシュ「傷が……癒えた……。これは……一体……」
ナナリー「お兄様!!」ギュッ
ナナリー「お兄様が初めてです」
ルルーシュ「……」
ナナリー「私のギアスは相手にギアスをかけて、さらに私の体の一部を飲ませないと効果を発揮しないようで……」
C.C.「どうしてそれを知ることができた?」
ナナリー「お兄様の傷が癒えたときにそう理解しました」
ルルーシュ「つまり、俺の傷を癒すまでは自分でもどんなギアス能力か知らなかった。ということか」
ナナリー「そうなりますね」
C.C.「まあ、つい2ヶ月前まで目は開かなかったわけだしな」
ルルーシュ「そうだな。ギアスを試すこともできなかったはずだ」
ナナリー「でも、これでお兄様と私はこれからも一緒にいられますね」キュィィン
C.C.「ゼロレクイエムはどうする?」
ルルーシュ「……ナナリー抜きでやるしかないな」
ナナリー「お兄様!?何故ですか?!」
ルルーシュ「俺は死ななければならないからだ!!」
ルルーシュ「これが俺の罰だ」
ナナリー「お兄様……」キュィィン
スザク「ルルーシュ。もう一度、やろう」
ルルーシュ「わかっている」
ナナリー「お兄様!!せめて!!せめて!!私も傍に居させてください!!」
ルルーシュ「ナナリー……」
ナナリー「お兄様の最後を看取るのも……ダメですか?」キュィィン
ルルーシュ「しかし……」
C.C.「ナナリーがルルーシュに近づかなければいいだけの話だろ?妹の我侭ぐらい聞いてやれ」
ルルーシュ「そうだな……」
スザク「ルルーシュ。じゃあ、僕は逃げ出した捕虜をもう一度捕まえにいくよ」
ルルーシュ「何故だ?」
スザク「ナナリーだけじゃ見栄えが悪いだろ?ジェレミア卿も一緒だから問題ないよ」
ルルーシュ「ああ。そちらは任せた。どうせ、俺がどんなに理不尽なことをしても「ルルーシュだから」で片付くしな」
ルルーシュ「当然だ」
C.C.「察してやれ」
ナナリー「……はい」キュィィン
ルルーシュ「パレードは捕虜が捕まり次第、再度行う!!」
C.C.「がんばれよ」
ルルーシュ「死ぬのにがんばれもないだろ」
C.C.「ああ、そうだったな」
ナナリー「……」
ルルーシュ「ナナリー。悪いが独房に居てもらうぞ」
ナナリー「分かりました」キュィィン
ルルーシュ(やはり常時ギアスが発動されていては落ち着かないな)
ナナリー「……」キュィィン
ルルーシュ「ナナリー、あまりこちらを見ないでくれ……」
ナナリー「……」キュィィン
カレン「くっ……なによ!!逃がしたくせに!!」
玉城「ぬか喜びさせんじゃねえ!!!」
藤堂「……にしても、どうしてまた同じことを」
千葉「まあ、ルルーシュですし」
星刻「そうだな」
天子「うぅ……かぐやー」
神楽耶「天子さま……」
ルルーシュ(よし……問題はないな……)
ナナリー「……」キュィィン
ルルーシュ(ナナリーが下から熱視線を送ってくる以外は前回と同じ条件!!あとは俺がナナリーの傍に行かなければいいだけの話!!)
ジェレミア「誰だ!!!」
ゼロ「……」バッ!!!
ジェレミア「賊めが!!」
ゼロ「……」ダダダダッ!!!
ナナリー「……」ガシッ!!!
ゼロ「うわぁ?!」バタッ!!
ルルーシュ「なに?!」
ゼロ「足を離してくれ、ナナリー!!」
ナナリー「いかせません……」キュィィン
ゼロ「こうなったら……。―――すまない!!ナナリー!!!気絶してもらう!!」
ナナリー「いやぁ!!」
ルルーシュ「やめろぉ!!!」ダダダッ
ゼロ「ルルーシュ?!」
ルルーシュ「(バカか!!お前が捕虜を殴れば英雄ゼロになれなくなるぞ!!)」
ゼロ「(そ、そうか……)」
ルルーシュ「(もういいから。ここで俺を殺せ!!)」
ゼロ「わかったぁ!!!」グサッ!!!
ルルーシュ「そ、そんない、いきな……り……!?」
ルルーシュ「―――くそ!!知れ者め!!」
ゼロ「悪の皇帝ルルーシュ!!覚悟ぉ!!!」
ルルーシュ「……!!」
ゼロ「はぁぁぁ!!!」グサッ
ルルーシュ「うご……!?」
ナナリー「いやぁぁぁ!!!!」
ゼロ「……」バッ!!!
ルルーシュ「はぁ……はぁ……」ガクッ
ナナリー「いやです!!お兄様!!私はお兄様がいてくれればそれでいいのです!!」キュィィン
ルルーシュ「ナ、ナナリ……」
ナナリー「今、キスを!!」チュッ
ルルーシュ「?!」
ゼロ「いい加減に―――」
ルルーシュ「傷が……癒えた……。これは……一体……」
ナナリー「お兄様!!」ギュッ
ゼロ「ナナリー!!近づくな!!」
ナナリー「いやぁ!!!いやぁぁぁ!!!」
ルルーシュ(これでいい……これで……俺は……死ねる……)
ゼロ(さようなら……ルルーシュ……)
ナナリー「お兄様ぁ!!!お兄様ぁ!!いやです!!私はぁ!!お兄様のいない明日なんて!!いりません!!!」
ルルーシュ(ナナリー……強く……いき……て……)
ナナリー「えい」ポイッ
ゼロ「?!」
ルルーシュ「……!?」パクッ
ルルーシュ「な、なんだ!?何かが……口に……?!」
ナナリー「私の体液を入れたカプセルです」
ルルーシュ「ナナリー……?!―――しまった、傷が癒える!!!」
ナナリー「お兄様。どうしてすぐに死のうとするのですか?」
ゼロ「そんなものを用意していたのか……!!」
ナナリー「お兄様……」
ルルーシュ「もう一度だ!!諦めるな!!」
ゼロ「おぉぉ!!!」
藤堂「なんだ。何が起こっている?」
カレン(何、グダグダやってんの……?)
扇「あれ、やはり枢木スザ―――」
カレン「ゼロです!!」
星刻「しかし……」
カレン「あれはゼロです!!!」
ゼロ「皇帝ルルーシュ!!覚悟ぉ!!!」グサッ
ルルーシュ「うがぁ……いたい……!!」
ゼロ「これだけ深く突き刺せば……流石に死ぬだろ!!」
ルルーシュ「うぅ……う……」
ナナリー「……」キュィィン
ルルーシュ(うつ伏せに倒れなければ……また繰り返す……)
ルルーシュ「ぐはっ……」バタッ
ゼロ「ルルーシュ……」
ルルーシュ「ごふっ……もう……これで……死なせて……く―――」
ナナリー「……そろそろ時間ですね」
ゼロ「え?」
ナナリー「カプセルが溶ける頃です」
ゼロ「なんだって?!」
ルルーシュ「はっ!?」ガバッ
ナナリー「ふふ……」
ルルーシュ「どうして……?!先ほどカプセルの効果は……」
ナナリー「カプセルを投げる前に唾液で濡らしておいたのです。これなら一度で二度美味しいですよね?お兄様?」
ルルーシュ「……」
ゼロ「ナナ、リー……」
ナナリー「嫌です」
ルルーシュ「?!」
ナナリー「私はお兄様さえ居てくれれば何もいりませんから」
ルルーシュ「スザク!!」
ゼロ「もう一度!!」
ナナリー「やめてください」ギュッ
ルルーシュ「ナナリー!?」
ゼロ「どくんだ、ナナリー!!」
ナナリー「お兄様をどうしても殺すというなら。私も一緒に貫いてください!!」
ルルーシュ「馬鹿なことをいうなナナリー!!お前は生きろ!!」
ナナリー「嫌です!!お兄様と一緒に生きて、一緒に死にます!だって、私はお兄様を愛しているから!!」
ルルーシュ「俺も愛している!!しかし!!俺は死ななければならない!!そしてお前は優しくなった世界で生きろ!!!」キュィィン
ナナリー「お兄様も居てくれないと生きる意味なんてありません!!」キュィィン
ゼロ「あの……刺してもいいのか?」
ゼロ「じゃあ!!どうすればいいんだ?!」
ナナリー「殺さないでください!!!」
ルルーシュ「いや、俺だけを殺せ!!」
ゼロ「うぅぅ……!!!」
藤堂「やはり、あのゼロは枢木―――」
カレン「ゼロです!!」
玉城「いや。もう―――」
カレン「ゼロだ!!!」
神楽耶「でも、ルルーシュ様もスザクと」
カレン「ゼロだって言ってるでしょ?!」
天子「ひっ。ご、ごめんなさい」
カレン「ゼロ!!!さっさとルルーシュをやっちゃいなさいよ!!!」
ゼロ「そうだ!!頭の頂点から串刺しにすれば……!!」
ルルーシュ「やめろ!!そんな死に方はしたくない!!」
ルルーシュ「ナナリー!?!」
ナナリー「私の頭も一緒に貫いてください」
ゼロ「そんな……串団子みたいな死に方……」
ナナリー「だんご兄妹で死なせてください」
ゼロ「くそ……!!」
ルルーシュ「スザク!!」
ナナリー「スザクさん!!」
ゼロ「こうなったら……ナナリーごと……!!」
ルルーシュ「やめろぉ!!」
ナナリー「ありがとうございます……」
ゼロ「うわぁぁぁぁ!!!」
ルルーシュ「本気か……!!―――ジェレミア!!」
ジェレミア「―――仮面の騎士よ。ナナリー様は殺させない」ギィィン
ゼロ「ジェレミア卿?!あなたまで邪魔をするのですか?!」
ゼロ「は、はい……」
ルルーシュ「ふぅー……危なかった」
ナナリー「死ぬ覚悟をしていただけに、今は生きていることがすごく幸せなことだと実感できますね」
ルルーシュ「ああ、そうだな。―――って、違うぞ。俺は死にたい!!」
ナナリー「お兄様は嘘つきですね。ふふっ」
ゼロ「僕はどうしたらいいのですか」
ジェレミア「選択肢は様々ある。まずはナナリー様をルルーシュ様から引き剥がす」
ゼロ「それは……」
ナナリー「お兄様……ふふ……」ギュゥゥ
ルルーシュ「ナナリー!!民衆が見ている!!」
ナナリー「見せ付けてあげましょう」
ゼロ「無理です」
ジェレミア「だろうな。では、ギアスを使うという手もある」
ルルーシュ「そうか!!ギアスか!!」
ナナリー「お兄様、どこですか?私は目が……」オロオロ
ルルーシュ「なんだと?!」
ナナリー「お父様のギアスが再発しました」
ルルーシュ「おのれシャルル……!!どこまで俺の邪魔をする……!!」
ジェレミア「ならば私のギアスで……!!」キュィィン
ナナリー「……!!」
ジェレミア「これで目は開くはず。それだけではありません。足も……」
ナナリー「んっ……ダメです。上手く立てません」
ルルーシュ「リハビリが必要だな」
ナナリー「お兄様。手伝ってくださいますか?」
ルルーシュ「当然だろ?」
ナナリー「まぁ、うれしい」
ゼロ「ルルーシュ!!!君は今日、死ぬんじゃないのか?!」
ルルーシュ「そうだった……。すまない、ナナリー。その約束は果たせそうにない」
ルルーシュ「ナナリー……」
ナナリー「私がどれだけお兄様とのリハビリを楽しみにしていたと思っているのですか?!」
ルルーシュ「だが、俺はもう……」
ナナリー「お兄様……共に生きてください……。私を助けると思って」
ゼロ「ナナリー!!ルルーシュがどれだけのことをしてきたのか知っているだろう?!それでも尚、君は許すというのか?!」
ナナリー「はい」
ゼロ「……迷いの無い瞳……。ナナリー……君はいつだって真っ直ぐだ……だから、僕は……」
ジェレミア「ルルーシュ様……」
ルルーシュ「ナナリー。死なせてくれ……頼む……。どうしたら俺は罪を償える……?」
ナナリー「私と生きてください」
ルルーシュ「それではユーフェミアを殺してしまった俺への罰は?!」
ナナリー「お兄様、めっ」
ルルーシュ「……」
ナナリー「これで私は許しました。さあ、二人だけのエデンに向かいましょう」
ルルーシュ「そうだ!!俺を殺せ!!!スザァァク!!!!」
ナナリー「そもそも。スザクさんがゼロになってどうするのですか?!」
ゼロ「え……」
ジェレミア「ナナリー様……」
ナナリー「スザクさん、政治とかできるんですか?」
ゼロ「それは……」
ナナリー「その点、お兄様はできますよね」
ルルーシュ「あ、ああ……」
ナナリー「どうしてもお兄様が死なないとダメだというなら、スザクさんのように公には死亡させたことにして、お兄様がゼロになればいいだけの話ではないでしょうか」
ゼロ「だから、それでは僕が納得しない」
ナナリー「あくまでもお兄様を殺すと?」
ゼロ「そうだ」
ナナリー「では、お兄様とユフィ姉様はCの世界で仲良くなってしまうでしょうね。それでもいいのですか?」
ゼロ「?!」
ナナリー「スザクさん。貴方が年老い、Cの世界へ旅立ち、そして目の当たりにするのは仲良く寄り添うお兄様とユフィ姉様の姿ですよ?」
ゼロ「……」
ルルーシュ「ま、惑わされるな!!俺がそんな不誠実な男に見えるのか?!」
ゼロ「……見えるから困っている」
ルルーシュ「スザァク……!!」
ナナリー「ユフィ姉様も老いたスザクさんより、若々しいお兄様を選ぶでしょう」
ゼロ「だが、ルルーシュはユフィを殺した!!なのにユフィがルルーシュを選ぶなんてことはありえない!!!」
ナナリー「ユフィ姉様はお優しいですから、もう許しているのではないでしょうか?」
ゼロ「……!!」
ルルーシュ「スザク!!目を覚ませ!!」
ナナリー「スザクさん。お兄様を殺すほうがデメリットは多い。あとは分かりますよね?」
ゼロ「しかし……僕は……ルルーシュ……を……ユフィのためにも……」ブルブル
ナナリー「ユフィ姉様がスザクさんに親友殺しを望んでいるとお思いですか?」
ゼロ「……!!!」
これを本編でナナリーからスザクへ言えれば、もう少し優しい結末があったはず
ルルーシュ「スザク!!もういい!!今だ!!やれぇ!!!俺の心臓を貫け!!!」
ゼロ「……」ブルブル
ナナリー「スザクさん」
ルルーシュ「スザァク!!!」
ゼロ「うわぁぁぁぁ!!!!!」バッ!!!
スザク「―――俺にはできない!!ルルーシュ!!!もう君を殺す勇気が萎えた!!!」
ルルーシュ「スザァァァク!!!!」
藤堂「やはり枢木スザクだったか」
カレン「あれはゼロです!!!枢木スザクの仮面を被ったゼロです!!!」
扇「しかし、いつになったら俺たちは解放されるんだ」
星刻「早くしてもらえないだろうか」
天子「しんくー、おしっこ……」
星刻「なんと?!」
カレン「あれはゼロだ!!!ゼロなんだ!!!」
ルルーシュ「こんなことで……今まで積み上げてきたものは……一体……」
ジェレミア「むむむ……!!ルルーシュ様、撤退なさいますか?」
ルルーシュ「そ、そうだな……」
ジェレミア「では、一時撤退を―――」
コーネリア「―――ええい!!役立たずのゼロめ!!!」ダダダッ
ジェレミア「む?!」
ルルーシュ「姉上か?!」
ナナリー「え……コーネリア姉様」
コーネリア「悪虐皇帝ルルーシュ!!!覚悟ぉ!!!」
ルルーシュ(よし!!願っても無い好機!!!)
コーネリア「死ね!!ユフィの仇ぃ!!!」バァァン
ルルーシュ「ぐっ?!」
ナナリー「お兄様!!!」チュッ
ジェレミア「ギアス解除!!!」キュィィン
ナナリー「んっ……っ……」キュィィン
ルルーシュ「ん……」
ナナリー「おにい……さまぁ……んっ……」
ルルーシュ「んんっ……っ……」
ルルーシュ(ナナリー……そんなに体液を送り込んでも……もう遅い……お前が俺にかけたギアスはもう……消えている……)
ナナリー「お兄様……おにいさま……んっ……」ジュルル
ルルーシュ「ふぐっ……ぅ……」
ナナリー「目を開けてください」グイッ
ルルーシュ「ナナリー……?!」
ナナリー「お兄様……」キュィィン
ナナリー「んっ……」
ルルーシュ「うぐぅ……?!」
ジェレミア「……すごい。これがルルーシュ様とナナリー様の兄妹愛!!」
コーネリア「ふ……ふざけ……るな……!!」
ルルーシュ「はぁっ……はぁ……はぁ……」
ナナリー「どうですか、お兄様?痛みはありますか?」
ルルーシュ「おかげさまでない」
ナナリー「お兄様ぁ」ギュッ
コーネリア「ルルーシュ!!!貴様だけはぁ!!!」
ルルーシュ「姉上!?これは!!」
コーネリア「民に対しあれだけの圧政、悪政を強いて!!!貴様はなんだ!!実の妹と……キ、キ……キス……を……公衆の面前で……!!!」
ナナリー「お兄様、お部屋に戻ってキスの続きを……」
ルルーシュ「ナナリー!!」
コーネリア「ルルーシュ!!もう許さん!!お前だけは我が手で!!!裁く!!!」
ナナリー「コーネリア姉様!!撃たないでくださ―――」
バァァァン!!!!
ナナリー「あ―――」
ルルーシュ「ナナリー……?」
ジェレミア「ナナリーさまぁぁぁ!!!」
ナナリー「……あ……はぁ……」
ルルーシュ「ナナリィィ!!!ナナリィィ!!!」
コーネリア「ルルーシュ……!!」
ジェレミア「銃をおさめてください!!!」キィィン
コーネリア「ジェレミア……きさまぁ……!!」
ジェレミア「ルルーシュ様!!!」
ルルーシュ「ナナリー……しっかりしろ……ナナリー……!!」
ナナリー「お兄様……」
ルルーシュ「ナナリー……すぐに止血をする!!少し待っていろ!!手で圧迫していろ!!いいな?!」
ナナリー「お兄様……最後に……もういちど……だけ……キスを……」
ルルーシュ「わかった!!―――んっ」
ナナリー「んっ……」
コーネリア「この期に及んでも……おまえたちはぁぁ!!!」
コーネリア「おのれぇ……私だって……私だってぇ……!!」
ナナリー「ふふ……お兄様……嬉しい……」
ルルーシュ「ナナリー!!!」
ナナリー「……もう……私は……」
ルルーシュ「……そうだ!!ジェレミア!!!」
ジェレミア「はっ!」
ルルーシュ「鏡だ!!鏡を!!」
ジェレミア「―――どうぞ」
ルルーシュ「ナナリー!!」サッ
ナナリー「お兄様……」キュィィン
ルルーシュ「どうだ?」
ナナリー「……あ……痛みが引いていきます……」
ジェレミア「まさか……ギアスをナナリー様ご自身に……」
ルルーシュ「よかった……本当によかった……ナナリー……」
ルルーシュ「残念でしたね。姉上」
ナナリー「お兄様、私はとても痛かったです」
ルルーシュ「そうだろうな。可哀相に」ナデナデ
コーネリア「……」
ルルーシュ「俺を狙わず、何故ナナリーを?」
コーネリア「それは……ナナリーがお前を庇ったからで……」
ルルーシュ「言い訳などするなぁ!!!」
コーネリア「なんだと?!」
ルルーシュ「姉上。あなたはなんの罪もないナナリーを撃った。それなりの覚悟はありますね?」
コーネリア「何を言っている!?お前がさっさと死なないからこうなったのだろうが!!」
カレン「そーだ!!そーだ!!」
ルルーシュ「外野は黙っていろ!!!」
カレン「……ぁぃ」
ナナリー「お兄様……。やっといつものお兄様に戻られたのですね……」
ルルーシュ「姉上……。ナナリーへの暴力だけは絶対に許せません」
コーネリア「お、おまえたち!!加勢しろ!!!」
ヴィレッタ「……」フルフル
コーネリア「ヴィレッタァァ!!」
ヴィレッタ(お腹に子どもも居るのに……無茶はできない……)
コーネリア「くそぉ……!!」
ルルーシュ「孤立無援ですか……姉上……」
コーネリア「ひっ……」
ルルーシュ「総督から随分と落ちぶれたものですね」スタスタ
コーネリア「こっちにくるなぁ……」
ルルーシュ「ふふふ……ふふははは……姉上……」
コーネリア「ルルーシュ……!!」
ルルーシュ「……」スッ
コーネリア「え……?」
コーネリア「……!」
ルルーシュ「(無責任かもしれませんが、世界を見守ってください……あなたも……)」
コーネリア「ま―――」
バァァン……
ルルーシュ「ぐっ……」
ナナリー「え……?!」
ジェレミア(ルルーシュ様……失敗すれば自決する覚悟だったのですね……誰かに英雄の肩書きを託して……)
コーネリア「ルルーシュ……おい……」
ルルーシュ「あね……うえ……あなたが……きて……くれて……よかっ―――」ドサッ
コーネリア「あ……あぁ……」
ナナリー「お兄様ぁ!?お兄様ぁぁ!!!いますぐそちらに……!!!」ズリズリ
スザク「ナナリー!!よすんだ!!!」
ナナリー「はなしてぇ!!おにいさまぁぁぁ!!!!」
コーネリア「ルルーシュ……ルルーシュ……?」
カレン「あれはゼロです」
千葉「は?」
カレン「あれはコーネリアの仮面を被ったゼロです!!!」
玉城「どーせ生きてんだろ?」
扇「俺もそう思う」
神楽耶「すぐに脈の確認をしたほうがよろしいですわ」
星刻「天子様!!もう少しの辛抱です!!」
天子「うぅぅ……!!!」モジモジ
カレン「悪虐皇帝ルルーシュは死んだぁ!!!コーネリアの仮面を被ったゼロが殺したんだぁ!!!」
スザク「……」
ナナリー「いやぁぁ……おにいさまぁぁ……!!」
ジェレミア「まずい!!この場は退却する!!退けー!!!」
リヴァル「ルルーシュ!!!おい!!!起きろ!!!もう騙されねえぞ!!!」
ミレイ「誰か!!皇帝陛下が本当に死んだのか確認して!!出来れば全然関係のない第三者でお願いします!!!」
ルルーシュ「……」ピクッ
コーネリア「……」
ルルーシュ「……」
コーネリア「……お前、生きているな?」
ルルーシュ「(しーっ)」
コーネリア「(この痴れ者め!!何度生き恥を晒せば気が済む?!)」
ルルーシュ「(俺にもよくわかりません。確実に心臓を打ち抜いたはず……)」
コーネリア「(では、何故……)」
ナナリー「おにいさまぁぁ……うぅぅ……ぅぅ……ふふふふ……」
コーネリア「(私はどうしたらいい?)」
ルルーシュ「(とにかくこれ以上の茶番劇は避けたいので、姉上が合図を)」
コーネリア「……こほん」
コーネリア「悪虐皇帝ルルーシュは倒れたぁ!!!確実に死んだ!!火を見るより明らかに確定的に死んだ!!!捕虜を解放しろ!!!」
ヴィレッタ「おうぎぃぃ」テテテッ
コーネリア「死んだ!!」
扇「俺たちにも確認させてくれ」
コーネリア「ならん!!」
藤堂「何故だ」
コーネリア「私の言葉が信じられないのか?!」
神楽耶「はい」
コーネリア「ぐっ……」
星刻「どけー!!もう天子様は限界だ!!ぐほっ?!がはっ……こんなときに……!!」
天子「星刻……もういいです……」
星刻「え……」
ナナリー「おにいさまぁぁ!!おにいさまぁぁ!!!」
ジェレミア「ルルーシュ様のご遺体を回収しろ!!速やかにだ!!」
スザク「はい!!」
カレン「ちょっと待って!!」
カレン「扇さん!私が確認します」
扇「あ、ああ」
カレン「……」
コーネリア「まて!!触るな!!私の弟にぃ!!」
千葉「いかせないぞ!!」ギュッ
コーネリア「おのれぇ!!」
ルルーシュ「……」
カレン「ルルーシュ……」ギュッ
ルルーシュ「……っ」ピクッ
カレン「(おはよう)」
ルルーシュ「(お、おは……よう……)」
カレン「(いっぱい見せ付けてくれたわねぇ?ルルーシュ?私がどれだけ苦労したか知ってる?聞いてた?私、もう喉を潰すぐらい叫んでたのよ?)」
ルルーシュ「(あ、ああ……届いていた……お前の声は……)」
カレン「(なのにあんたはナナリーと……なにしてんの?死んでアンタが世界の悪意を背負うんじゃないの?あ?)」
カレン「(この……!!!)」グッ
ルルーシュ「?!」
カレン「バカぁぁぁぁ!!!!」ドゴォッ!!!!
ルルーシュ「ごほぉ?!」
玉城「なんだぁ?!」
スザク「カレン!?君はなんてことを?!」
カレン「なんで死んじゃうのよぉ!!この!!この!!」バキィ!!!ドカッ!!
ナナリー「カレンさん!!!やめてください!!!お兄様が大変なことになってしまいます!!」
扇「カレン!!おい!!もういい!!わかったからやめろ!!やめるんだ!!」
カレン「私だってキスぐらいしたかったのに!!この!!この!!!」ドゴォ!!!ベキィ!!!
ルルーシュ「(おまえとは……もう……)」
カレン「もっと濃厚な奴よ!!!」ボキィ!!!
ルルーシュ「はっ……!?!?」
ジェレミア「もうやめたまえ!!ご遺体を傷つけるな!!!」
ルルーシュ「ぅぅ……ぅぅ……」
カレン「んっ……」チュッ
ルルーシュ「……」
カレン「……血の味がする」
ルルーシュ「……」ガクッ
コーネリア「ルルーシュ……」
カレン「悪虐皇帝は倒れた!!もう悪政は終わり!!!」
「ウオォォォ!!!!!」
「カレン!!カレン!!!カレン!!!カレン!!!」
カレン「私の名はゼロ!!!」バッ!!!
ジェレミア「とにかくルルーシュ様をお運びしないと」
ナナリー「おにいさまぁ!!目をあけてください!!おにいさまぁ!!!」
スザク「こんなに瞼が腫れあがっていては目を開けることはできないよ。ナナリー」
ナナリー「いやぁぁ……!!―――んっ」チュッ
カレン「ナナリーのギアスで死に損なったのね」
ルルーシュ「そう……だ……」
ナナリー「お兄様、あまりご無理をされないでください」
C.C.「よくもまあ、顔面が倍になるまで殴れるな」
カレン「だって……」
コーネリア「しかし、ナナリーまでもがギアス能力者だったとはな……」
スザク「これからどうするべきか……」
ルルーシュ「そうだな……。政治のできないスザクのために兄上も折角用意したのに」
シュナイゼル「ゼロはどこだい?」キョロキョロ
ナナリー「お兄様ぁ……」
C.C.「ゼロレクイエムはナナリーが居る限り、失敗で終わるな」
カレン「ナナリーを監禁していればいいだけの話じゃないの?」
ルルーシュ「どちらにしても……もうゼロレクイエムはもう実行できない……これ以上は本当に茶番だ……いや、既に茶番に成り果てたが」
C.C.「では、どうする?お前はこのまま生き延びて、妻と妹と共に幸せな家庭を築くのかな?」
コーネリア「ルルーシュ……」
スザク「それにしても最後はどうやってギアスを発動させたんだ、ナナリー?」
ナナリー「カプセルの中にカプセルを入れただけです」
C.C.「つまり、一度目は外側を唾液でコーティングして、あとはマトリューシカの要領か」
ナナリー「はい。保険は大事ですから。一粒で3度美味しいです」
カレン「はぁ……。ナナリー……どうして、ルルーシュを……?」
ナナリー「お兄様は生きるべきですから」
ルルーシュ「え……」
ナナリー「望んでもいない敵討ちをスザクさんにさせて、死んで逃げるなんて私は許しません」
ルルーシュ「だったら……俺はどうすれば……!!!」
ナナリー「私とともに優しい世界を目指しませんか?」
ルルーシュ「ナナリー……だが、俺は血を流しすぎた……!!その責任はどうやってとる!!」
ナナリー「お兄様は世界の行く末を見守る義務があると思います。世界を壊したのですから」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ「スザク……」
スザク「これを……」
ルルーシュ「お前……」
スザク「ルルーシュは死んだ。これからはゼロとして生きるんだ」
ルルーシュ「いいのか?」
スザク「僕は許したよ。ううん、もう許していた」
ルルーシュ「スザク……お前……」
スザク「でも、それでも君が死にたいと望むなら今度こそ僕が息の根をとめる。ナナリーにも邪魔はさせない」
ルルーシュ「……」
ナナリー「お兄様……」
C.C.「お前次第だな」
カレン「ルルーシュ……ごめん。思いっきり殴って」
コーネリア「さっさと決めろ」
ルルーシュ「俺は―――」
カレン「ねぇ、ルルーシュ。あれから世界は随分とマシになったわ」
カレン「戦争に向いていたエネルギーは今、飢餓や貧困に振り向けられている。色んな憎しみや悪事はほとんどあなた一人に押し付けられて」
カレン「皆、ダモクレスというシステムより、名前のある一人の方が分かりやすかったってことかしら?」
カレン「調子のいい話よね。でも、だからこそ、皆は過去にとらわれず先に進めるのかもしれない。計算通りだってあなたは笑うのかしら?」
カレン「もちろん、色んな問題は残っているけど。それでも――」
ゼロ「そんなことは知っている!!カレン!!そろそろ学校に行け!!」
カレン「はいはい。じゃあ、いってきまーす」
ゼロ「全く……」
カレン母「……」
ゼロ「あ、これが朝食です」
カレン母「いつもありがとうございます」
ゼロ「いえ。では、私もこれから仕事がありますので」
カレン母「はい。いつも娘を起こしに来てくれて……ありがとうございます……」
ゼロ「これはカレンとの約束ですからね。それでは」
ゼロ「失礼する」
玉城「おー!!きたきた」
ゼロ「納品はこれで全部だな?」
玉城「いつも悪いねー。格安で食材を送ってもらってよぉ」
ゼロ「これが私の仕事だ。藤堂は?」
玉城「奥にいるぜ」
ゼロ「藤堂」
藤堂「ゼロか……」
ゼロ「話はつけておいた。この職場ならお前の能力を活かせるはずだ」
藤堂「ゼロ……!!」
ゼロ「また私に奇跡を見せてくれ」
藤堂「ああ!!」
玉城「ゼロよぉ。色んなことしてんなぁ。つかれーの?」
ゼロ「これが私の罰だからな」
シュナイゼル「ではナナリー様?」
ナナリー「はい。扇首相、ご無沙汰しております」
扇「こちらこそ」
ゼロ「……」
扇「ゼロもおかわりないようで」
ナナリー「ええ」
ゼロ「……あ」
ゼロ「……」タタタッ
(ルルーシュ)「よし、交代だ」
(スザク)「おかえり。じゃあ、あとは任せたよ」
ゼロ「扇首相、ごきげんよう!!」バッ!!!
扇「今、ゼロが二人いませんでしたか?」
ナナリー「気のせいです」
扇「はぁ……」
ナナリー「ふぅー……ふぅー……」ヨロヨロ
ゼロ「そうだ……そのままゆっくり……」
ナナリー「あぁ……だめ……」ヨロッ
ゼロ「ナナリー?!」ギュッ
ナナリー「お兄様……ごめんなさい……」
ゼロ「気にするなゆっくりやろう」
ナナリー「はい」
ゼロ「あとお兄様ではない」
ナナリー「ふふ……そうでしたね」
コーネリア「ゼロ!!ちょっとこい!!!」
ゼロ「はい。またあとでなナナリー?」
ナナリー「あ……」
ゼロ「どうしましたか?」
コーネリア「この件だがな……」
C.C.「ルルーシュは死んだ。そしてゼロは善意の限りを尽くし、ご奉仕活動か。笑えるな」
ゼロ「黙れ、魔女」
ナナリー「おに……ゼロ様……」ヨロヨロ
ゼロ「ナナリー。歩いてきたのか」
ナナリー「はい」
ゼロ「よくがんばったな」
ナナリー「ふふ……」
C.C.「これがナナリーの望んだ優しい世界なのかな」
ナナリー「はいっ」
ゼロ「ナナリー……」
ナナリー「私は……」
ゼロ「ルルーシュは死んだ。ここにいるのは中身のない亡霊だ。だから、極力こうしてプライベートでは会わないようにしよう。ナナリー」
ナナリー「ずるいです。私はお兄様だけで良かったのに……。どうして……みなさんとともに歩もうと?」
ゼロ「ゼロはナナリーのためだけに生きることは許されない。親友は許したと言っていたが、やはり私がナナリーと話しているのは奴にとって思うところがあるはずだ」
ゼロ「いい子だ。さあ、もう部屋に戻れ。車椅子に乗っていけよ」
ナナリー「はい……おやすみなさい」ウィィィン
ゼロ「ああ」
C.C.「真面目な奴だな」
ゼロ「……俺は酷い男だな。数多くの命を奪い、親友も傷つけ、大事な人にも嘘を吐いてきたのに、のうのうと生きている……」
ゼロ「C.C.……許されるのか。俺は」
C.C.「ナナリーのギアスが貴様を生かした」
C.C.「ナナリーの優しいギアスがそうさせた。ならお前はその優しさに応えろ。ゼロとして一生を捧げろ。ナナリーの優しさを無駄にするな」
ゼロ「ああ……そうだな……そうしよう……」
C.C.「そうそう。最近分かったことだがな」
ゼロ「なんだ?」
C.C.「ナナリーのギアス。あれ、別にキスする必要はないようだぞ。ギアスをかけたら治癒するようだ。この前、聞いた」
ゼロ「なに……」
C.C.「しかも無制限に重ね掛けができるようだ。お前が何度も死に損なったのは、ナナリーが前日からお前にギアスを掛け捲っていたからだな。カプセルはただのハッタリだ。お前とキスするためのな」
ナナリー「スザクさん。どうされましたか?」
スザク「ちょっと紙で指を切っただけみたいだ」
ナナリー「では」キュィィン
スザク「そんな!!ナナリー!!僕とキスなんて?!!ダメだ!!!」
ナナリー「は?何言っているんですか?」
スザク「え?」
ナナリー「私はお兄様としかキスはしません。―――だって……私はお兄様のことを愛しているのですから」
スザク「ナナリー……」
ナナリー「今は無理でもそのうちお兄様と二人だけで誰も知らない土地へ逃避行します。そして私のギアスを利用して小さな外科病院を経営し、お兄様と私は幸せに暮らすのです」
スザク「でも、体液が……いるんじゃ……」
ナナリー「ああでも言わないとお兄様は中々私と濃厚なキスをしてくれませんから。そもそもギアスを一回使っただけで暴走するはずないじゃないですか。何度も使ったから暴走するんですよ?」
スザク「な……」
ナナリー「きっとお兄様はそろそろ私の唇が恋しくなって仮面を外す頃ですね……。ふふふ……おにいさまぁ……私はお兄様だけで良いのですよ……ふふふ……」
スザク(どうやら僕たちは敵を見誤っていたようだ……ルルーシュ……)
END
乙乙
ナナリーだろ?
妹誰になるのよ
そりゃナナリーだろ
Entry ⇒ 2012.08.31 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
シャルル「ルルーシュ!!家族でピクニックに行くぞぉぉ!!!」
ルルーシュ「はい。もしもし?」
シャルル『……ルルーシュか?』
ルルーシュ「……!!」
ルルーシュ(シャルル……!!なんだ……なぜ……電話を……!!)
シャルル『ルルーシュよ。休みは謳歌しているか?』
ルルーシュ(何が目的だ。また俺とナナリーを政治の道具に使うつもりか……?)
シャルル『なに?!どこも出ずにナナリーと家に篭っているだとぉ!?なぁんとも愚かぁ!!ルルーシュ!!』
ルルーシュ(どうする……。まだシャルルを殺す手段など……!!)
シャルル『よぉし!!そういうことならピクニックだぁ!!家族でピクニックにいくぞ!!ルルッーシュ!!』
シャルル『オール・ハイル・ブリタァァニア!!!』
ルルーシュ「……」
―――ルルーシュは受話器をそっと元に戻した。
ルルーシュ「間違い電話みたいだ」
ナナリー「そうですか」
ルルーシュ(俺はともかくナナリーの身の安全は確保しなければ)
リリリリリン!!!
ナナリー「あ、また電話ですね」
ルルーシュ「……はい?」
シャルル『おい。何故、切った?まだ場所の説明もしていなというに』
ルルーシュ「何が目的だ」
シャルル『ぬあっはっは!!何を言っている、ルルーシュ。ピクニックに行くと行ったであろうが』
ルルーシュ「黙れ!!何がピクニックだ!!馬鹿馬鹿しい!!!」
シャルル『なに?景色のいい場所でシートを広げて、サンドウィッチを食べるのは好かんというか?』
ルルーシュ「俺はお前が好きじゃない!!」
シャルル『ぬぁに!?それはワシが皇帝であると知ったうえ―――』
ルルーシュ「うるさい!もうかけてくるな!!」ガチャン
ルルーシュ「ああ、ごめん。ナナリー。なんでもないんだ……なんでも……」
ナナリー「……」
ルルーシュ(これ以上、ナナリーに心配をかけるわけにもいかない……!電話線を抜いておくか)
ルルーシュ(よしこれで―――)
ピリリリ
ルルーシュ(携帯が……知らない番号だな……)
ルルーシュ「はい?」
シャルル『電話線を抜きおったな、ルルーシュよ?』
ルルーシュ「いい加減にしろ!!」
シャルル『どうした?何故怒っている?ワシには理解できん』
ルルーシュ「あのなぁ……」
シャルル『そうか。ぬぁっはっはっは!!恥ずかしいのか!!ならば、友達も許可する!!』
ルルーシュ「黙れ……!!」
ナナリー「お兄様……」
ルルーシュ「聞いてない」
シャルル『ナナリーを人質にしてもいいのだぞ?』
ルルーシュ「貴様……!!やはり目的はナナリーか!?」
シャルル『聞いておるではないか、ルルーシュ』
ルルーシュ「ぐっ……」
シャルル『場所は―――』
ルルーシュ「……」ピッ
ナナリー「お兄様、一体……」
ルルーシュ「気にするな。ただの間違いだ」
ナナリー「そうですか……」
ルルーシュ(ナナリーだけは守る……)
ルルーシュ(携帯の電源は切っておくか)
ナナリー「……」
テレビ『―――番組の途中ですが、シャルル皇帝の臨時会見をお送りします』
ルルーシュ「なんだ?」
ナナリー「お父様……?」
ルルーシュ「どこのチャンネルも一緒か……」
ルルーシュ(何を言うつもりだ……シャルル……)
シャルル『マイクは?入っておるか?え?よし』
シャルル『うぉっほん!!!』
シャルル『我が息子ルルーシュよ!!!!そして我が娘ナナリーよぉ!!時は来た!!!』
シャルル『ピィックニックゥに行くぞぉぉぉ!!!!!!!』
シャルル『オール・ハイル・ブリタァァァニア!!!!!』
ルルーシュ「な……!?」
ナナリー「まぁ……」
ルルーシュ(俺たちが生きていることを平然と公表しただと……!!!)
ナナリー「お兄様……これは……」
ルルーシュ「シャルルめ……!!」
シャルル『待っておるぞ、ルルーシュ!!ワシは逃げも隠れもせん!!』
シャルル『駅前広場で待っているからなぁ!!ルルーシュ!!!』
ルルーシュ「先手を打たれた……!!」
ナナリー「お兄様……どうされるのですか……?」
ルルーシュ(全国のテレビ中継までしたんだ。電話番号もばれているから住所も把握しているだろう)
ルルーシュ(待ち合わせに俺とナナリーが現れなければ、恐らく奴はここで、この部屋でピクニックを始める!!)
ルルーシュ(俺とナナリーの空間にあいつを入れることなんて、我慢できない)
ナナリー「お兄様?ピクニック、行くのですか?」
ルルーシュ「ナナリーは行きたいか?」
ナナリー「お兄様が行くなら、私も行きます」
ルルーシュ「そうか……。ちょっと考えてみるよ」
ルルーシュ(まずは仲間だ。奴と会えば戦争になる。頼れる仲間がいる……!!)
ルルーシュ「悪い、いきなり呼び出して」
スザク「ルルーシュ」
カレン「突然、呼び出してどうかした?」
ルルーシュ「さっきの臨時放送みたか?」
スザク「……ああ」
カレン「あれって……やっぱり、ルルーシュのことなの?」
ルルーシュ「そうだ」
スザク「どうするんだ?ピクニックに行くのか?」
ルルーシュ「行かなければならないだろうな」
カレン「大丈夫なの?」
ルルーシュ「大丈夫ではないから二人を呼んだんだ」
スザク「それって」
カレン「あたしたちもピクニックに参加しろってこと?」
ルルーシュ「そうだ」
ルルーシュ「迷惑なのは重々承知している!!だけど、俺一人じゃ……」
カレン「家族のピクニックでしょ?あたしたちがいていいわけ?」
ルルーシュ「むしろ居てほしい」
カレン「家族……嫌いなのね」
ルルーシュ「シャルルが嫌いなだけだ」
カレン「皇帝のほうが気をつかうんじゃ……」
ルルーシュ「あいつがそんな繊細なものか」
カレン「そうなの?」
スザク「ルルーシュ」
ルルーシュ「どうした?やはり……軍関係者としては……気が引けるか?」
スザク「いや。おやつは500円までかい?」
ルルーシュ「……ああ」
スザク「そうか」
カレン「そんな決まりあったの?じゃあ、考えて買わないと……」
スザク「ルルーシュの頼みを断るわけないだろ?それにこれは軍は関係ない」
カレン「ま、家族との付き合い……よね。多分」
ルルーシュ「助かる……。ありがとう……」
カレン「ちょっと。たのピクニックでしょ?なんでそんな深刻に……」
ルルーシュ「ただのピクニックじゃないから深刻なんだ!!」
カレン「そ、そう……」
スザク「色々あるんだよ、カレン」
カレン「まぁ……いいけど」
スザク「じゃあ、日時は会見で言っていた通りでいいんだね?」
カレン「えっと、明日の朝8時に駅前広場集合だったわね」
ルルーシュ「ああ。じゃあ、悪いけど必ず来てくれ」
カレン「あ、ちょっと」
ルルーシュ「どうした?」
カレン「お弁当……もって行ったほうがいいの?」
スザク「カレン、作れるのか?」
カレン「サンドウィッチぐらいなら……」
スザク「僕もおにぎりぐらいなら」
ルルーシュ「……」
カレン「……た、たこさんウインナーはちょっと……」
ルルーシュ「いや。そこまでしなくてもいいと思うが」
スザク「でも、ルルーシュ側にだけ負担をかけるわけにも」
カレン「参加するならそういう役割分担は必要だと思うし」
ルルーシュ「……」
スザク「ところでバナナはおやつか?」
カレン「果物ってデザートでしょ?」
スザク「じゃあ、お弁当箱に入っていればセーフか」
カレン「多分ね。房のままだとアウトだけど」
スザク「なるほどね。気をつけるよ」
スザク「ルルーシュ、いいのか?」
ルルーシュ「俺から誘ったんだ。それぐらいはな」
カレン「へー、ルルーシュってお弁当作ることできるの?」
ルルーシュ「ナナリーによく作っていたからな」
カレン「……うらやましい」
スザク「カレン、今からおやつでも買いに行こうか」
カレン「500円でしょ?結構、色々なもの買えるかな」
スザク「駄菓子ならかなり」
カレン「じゃ、いこっか」
スザク「ルルーシュ、また連絡するよ」
ルルーシュ「ああ。ありがとう」
カレン「また明日ね」
ルルーシュ「よし……。スザクとカレンという戦力は得た……」
ルルーシュ「あとは……」
コーネリア「……」
ピーピー
コーネリア「私だ」
『あの……ルルーシュと名乗る学生から―――』
コーネリア「繋げ!!」
『はい!!』
ルルーシュ『……姉上』
コーネリア「そろそろだと思っていた」
ルルーシュ『流石ですね』
コーネリア「どうする?」
ルルーシュ『姉上とユーフェミアを傍に置いておきたい』
コーネリア「……残念だが。私はいけない」
ルルーシュ『なに……』
コーネリア「行きたいのは山々だが、仕事だ。社会人は辛い」
コーネリア「無茶をいうな」
ルルーシュ『姉上とユーフェミアがいれば……シャルルが俺に絡んでくる比率を大幅に減らせると思ったのに』
コーネリア「ユフィだけでも幾分マシだと思うが」
ルルーシュ『ユフィだとシャルルの威圧に押されて何も言えなくなるだろ』
コーネリア「むぅ……それもそうか」
ルルーシュ『だから、姉上の存在感が必要なんだ』
コーネリア「……だが」
ルルーシュ『ダメですか』
コーネリア「総督は椅子に踏ん反り返るだけではないのでな」
ルルーシュ『仕方ない……少し可哀相だが、ユフィだけでも』
コーネリア「ユフィは喜んでついていくだろう。伝えておく」
ルルーシュ『お願いします、姉上』
ピッ
コーネリア「……はぁ……ピクニック……いいな……」
コーネリア「ユフィ、私だ」
ユフィ「どうぞ」
コーネリア「先ほどの放送は見たな?」
ユフィ「はい。皇帝のピクニック会見ですね」
コーネリア「ルルーシュがお前に来て欲しいと行って来―――」
ユフィ「おやつは買ってきました!!」バーン
コーネリア「……こうなることを分かっていたのか」
ユフィ「きっとルルーシュは困っていると思っていたので。私でも力になれるならと」
コーネリア「そうか。駅前広場までは護衛をつけるから」
ユフィ「あの。護衛は既にスカウトしたのですけど……」
コーネリア「なに?だれだ?」
ユフィ「えっと……枢木スザクを」
コーネリア「枢木スザクだと……?」
ユフィ「ご、ごめんなさい。スザクもちょうど一緒に行くとのことだったので……」
ルルーシュ「咲世子にも頼んでおいたし……これでいいか」
C.C.「……」ソワソワ
ルルーシュ「スザクにカレン、あとシャルルの絡みが俺とナナリーに集中しないようにユフィも同行する」
C.C.「……なぁ」
ルルーシュ「カードは揃った。これで布陣を敷けば……まだ戦いにはなるはず」
C.C.「ルルーシュ?」
ルルーシュ「ピクニックはおよそ5時間として……」
C.C.「おい」
ルルーシュ「なんだ!?」
C.C.「こっちとこっち、どちらの服がピクニックに向いていると思う?」
ルルーシュ「……」
C.C.「私自身としてはこのワンピースタイプの―――」
ルルーシュ「お前は留守番だ」
C.C.「な、なぜだ!?」
C.C.「ポニーテールにする」
ルルーシュ「だめだ」
C.C.「帽子もかぶる。目深にかぶる」
ルルーシュ「バレる」
C.C.「仮面をしていく」
ルルーシュ「怪しまれるだろ」
C.C.「プチ整形する」
ルルーシュ「そこまでするなら家にいろ!!!バカか貴様!!!」
C.C.「お前と私は共犯者だ!!ピクニックだって一緒だろ!!」
ルルーシュ「……」
C.C.「……」
ルルーシュ「そんなに行きたいのか?」
C.C.「……ああ」
ルルーシュ「……」
C.C.「そんなこというやつはだいっきらいだ」
ルルーシュ「まて。偶然を装えということだ」
C.C.「ほう」
ルルーシュ「お前は俺たちのあとをつけるようにしてこい。現地で偶然居合わせたように振舞え」
C.C.「はじめましてといえばいいかな?」
ルルーシュ「それでいい」
C.C.「わかったよ。それで妥協してやる」
ルルーシュ「おまえな……!!」
C.C.「一緒に電車に乗って、景色を見ながらワイワイいうのだってピクニックの楽しさなんだぞ?知らないのか?」
ルルーシュ「もういい!!早く寝ろ!!!寝坊したらおいていくからな!!」
C.C.「そんなことしたら契約破棄だ。ギアスを返してもらうからな。必死で起こせよ?」
ルルーシュ「くそ……!!魔女がぁ……!!!」
C.C.「それじゃあ、おやすみ」
ルルーシュ「はぁ……」
V.V.「シャルル、ついに明日だね」
シャルル「ええ、兄さん」
V.V.「楽しみかい?」
シャルル「夜も眠れぬほどに」
V.V.「寝坊はダメだよ?」
シャルル「分かっています」
V.V.「……本当に来るかな?」
シャルル「来ますとも。必ず」
V.V.「……そのときはどうするの?」
シャルル「マリアンヌ」
アーニャ「なぁに?」
シャルル「頼むぞ?」
アーニャ「任せておいて」
シャルル「ぬぁっはっはっは!!!!ルルーシュ!!!明日が楽しみだな!!ルルーシュ!!!!」
ルルーシュ「ナナリー、準備はできたか?」
ナナリー「はい、お兄様」
ルルーシュ「……大丈夫か?」
ナナリー「お兄様が一緒なら……私は大丈夫です」
ルルーシュ「そうか……」
ナナリー「お兄様のほうこそ……手が震えています」ギュッ
ルルーシュ「心配しなくていい。俺がナナリーを守る」ギュッ
咲世子「ルルーシュ様……お気をつけて」
ルルーシュ「ああ。行こうか、ナナリー」
ナナリー「はい、お兄様」
咲世子「行ってらっしゃいませ」
C.C.「……」コソコソ
咲世子「あの、あまり接近するとナナリー様に気づかれてしまいますよ?」
C.C.「わかった」コソコソ
カレン「病弱キャラは封印でいいよね」
カレン「服はこれにしてっと……」
カレン「んー……まぁ、別にお洒落する意味はないかな」
カレン「にしても、お父さんが怖いだなんて……意外とかわいいかも……」
カレン「って、ルルーシュの場合は話が違うか」
カレン「ブリタニアの皇帝だしね……」
カレン「……隙があれば……殺す」シャキン
カレン「……」
カレン「……それは無理か」
カレン「ナイフは置いていこ」
カレン「財布よし!服よし!おやつよし!」
カレン「リュックも新調したし、大丈夫!!」
カレン「よっと。さ、いこっと」
カレン「ルルーシュ待ってるし……」
ユフィ「スザーク」テテテッ
スザク「ユフィ、そんなに慌てなくても」
ユフィ「はぁ……ご、ごめんなさい。すこし遅れちゃった」
スザク「気にしてないよ。それより僕が護衛でよかったの?」
ユフィ「いいえ。スザク以外に護衛は考えられないから」
スザク「……ありがとう。嬉しいよ」
ユフィ「でも、今日は覚悟しておいてね。相手は……」
スザク「わかっている。僕らからすれば雲の上……いや、神といってもいい人だ」
ユフィ「ええ」
スザク「……ポテリッチを2袋用意した。これでなんとか」
ユフィ「……」
スザク「ユフィ?どうかした?」
ユフィ「ううん。その様子なら大丈夫かなって」
スザク「え?」
ルルーシュ「まだ誰も来ていないな」
ナナリー「そうですか」
ルルーシュ(そもそも奴がどこから来るのか……)
カレン「ルルーシュ、おまたせ」
ルルーシュ「カレ―――え?」
ナナリー「おはようございます、カレンさん」
カレン「おはようナナリー」
ルルーシュ「おい、カレン……登山にいくんじゃないんだぞ?」
カレン「え?ピクニックでしょ?」
ルルーシュ「もういい……」
カレン「なによ……?」
ルルーシュ(カレンは貴重な戦力だ。下手をことをいって気分を害されたら困る……)
カレン「なによー?これそんなに変?ちゃんと雑誌みて買ったんだけど……」
ルルーシュ「そのまま富士にでも登ればいいんじゃないか?」
ルルーシュ「ユフィ」
ナナリー「ユフィ姉さま!!」
ユフィ「ナナリー、久しぶり!」
ナナリー「ユフィ姉さまもお変わりなく」
ユフィ「えへへ」
スザク「おはよう、ルルーシュ。カレン」
カレン「おはよ」
ルルーシュ「スザク……お前、なんで軍服なんだ?」
スザク「シャルル皇帝に会うんだ。私服はまずい」
ルルーシュ「軍は関係ないって自分で言ってたじゃないか」
スザク「それでも礼儀は大事だから」
ルルーシュ「ユフィ……?」
ユフィ「スザクの軍服姿、かっこいいよね」
ルルーシュ「もういい……。だが、あとは奴の到着を待つだけか……」
ナナリー「お兄様、落ち着いてください」
スザク「そうだ。まだ20分しか経っていないじゃないか」
ルルーシュ「約束の時間から20分もたっている!!こんなことしていたら日が暮れる!!!」
ユフィ「まぁまぁ」
ルルーシュ「まぁまぁじゃない!!」
カレン「ルルーシュ、冷静に。相手の作戦かもしれないし」
ルルーシュ「そうか。わざと約束の時間に遅れて、相手の冷静さを失わせる作戦か」
カレン「そうそう」
ルルーシュ「ちぃ……やってくれる……!!」
―――バババババババ!!!!!!
スザク「ん?ヘリだ」
ユフィ「しかもあれは皇族専用ヘリ……」
ルルーシュ「まさか……!!」
シャルル『ルルーシュ!!!!またせたなぁ!!!!!寝坊してしまぁった!!!ぬぁっはっはっはっは!!!!』
カレン「あいつが……ブリタニアの皇帝……」
スザク「……」
ルルーシュ「あの……バカ……!!」ギリッ
シャルル「よっと。―――よく集まってくれた。皆のものよ」
スザク「い、いえ!!お招きいただき、光栄です!!」
シャルル「ん?おまえは……枢木スザクか?」
スザク「え?じ、自分の名前をご存知なのですか?!」
シャルル「上に立つもの、部下の顔と名前ぐらいは把握している」
スザク「なっ……」
シャルル「ルルーシュの親友だそうだな?これからもよろしく、たのむ」
スザク「イエス!!ユアマジェスティ!!」
ルルーシュ(早い!!もうスザクを懐柔するとは……シャルルめ……!!!)
ユフィ「あ、あの……お父様……」
シャルル「んー?ユーフェミアか……。久しいな」
シャルル「コーネリアはどうした?」
ユフィ「お、お仕事が……お忙しいみたいで……」
シャルル「なぁに!?」
ユフィ「ひゃ」ビクッ
シャルル「それは……残念だ……」
ユフィ「は、はぁ……」
シャルル「……ん?おまえは?」
カレン「ど、どうも……。えっと……」
シャルル「そうか、ルルーシュのガァールフレンドか」
カレン「ち、ちがいます!!!」
シャルル「照れることはない。ルルーシュは頭がいい。浮気されたと感じたら、いつでも、ワシのところに来るがよい。助言はしてやる」
カレン「いや……そういう……関係じゃ……」
ルルーシュ「いい加減にしろ!!貴様!!!」
シャルル「おー!!ルルーシュよ!!久しいなぁ!!!しばらく会わぬうちに、マリアンヌそっくりになりおって!!ぬぁっはっはっは!!」
シャルル「ピクニックだ」
ルルーシュ「何故、俺に会いに来た……」
シャルル「父親が息子に会うのには理由が……いるのか?初耳だな……」
ルルーシュ「捨てたくせにぃ!!」
スザク「よせ。ルルーシュ」
ルルーシュ「スザァク!!」
スザク「今日は全てを水に流そうとして来てくれたんだろう。そういう発言はよくない」
ルルーシュ「おま……!!」
シャルル「良く出来た友人をもったな、ルルーシュ。よかったではないか」
スザク「いえ!自分はそれほどできた人間ではありません!!」
ルルーシュ「ちぃ……!!!」
ナナリー「あぁ……あの……」オロオロ
シャルル「ナナリーか……。今日はよくきてくれたな」
ナナリー「は、はい……お、おひさし……ぶりです……」オロオロ
ナナリー「え?」
シャルル「目が見えぬこと……辛いか?」
ナナリー「いえ……私にはお兄様がいますから」
シャルル「そうか。―――ナナァリー!!!安心するがいい!!!」
ナナリー「な、なんですか……?」
ルルーシュ「おい!何をするつもりだ!!」
シャルル「今日はナナリーのために……アメをもってきた」
ナナリー「……アメ?」
シャルル「なめて……みよ」
ナナリー「はい……はむっ」
シャルル「どうだ?甘いか?」
ナナリー「とても」
シャルル「ぬぁっはっはっはっはっは!!!!!」
ナナリー「え?」
ナナリー「このアメは……?」オロオロ
スザク「イエス!!ユアマジェスティ!!!」
ルルーシュ(おのれ……既にスザクは寝返ったか……!!)
ユフィ「ルルーシュ、大丈夫?顔色悪いけど」
カレン「都合つけて帰る?」
ルルーシュ「それは無理だ……そんなことを言えば、俺の部屋でどんちゃん騒ぎになる」
ナナリー「それは嫌ですね」
ユフィ「確かに。お父様を部屋には入れたくないかも」
カレン「嫌われてるのね」
ルルーシュ「ああいう父親だからな」
ナナリー「お兄様、大丈夫でしょうか?」
ルルーシュ「無視するという手もあるが……」
カレン「それはちょっと、あとが怖いし」
ルルーシュ(なんとかこの地獄を切り抜ける策を……。だが、やつのことだ。既に全てにおいて先手をうっているだろう……)
シャルル「皆に切符をくばぁる!!」
スザク「はっ!!」
ルルーシュ(C.C.は大丈夫か……?)
C.C.「うーん……切符か……いくらのを買えば……」
V.V.「これだよ」ピッ
C.C.「な……」
V.V.「久しぶり、C.C.」
C.C.「お前は……」
アーニャ「私も居るわよ」
C.C.「なんのつもりかな?」
アーニャ「ふふふ」
C.C.(まさか……狙いは私か……!!)
V.V.「じゃあ、行こうか。僕たちは僕たちで楽しもうよ、C.C.」
C.C.(悪い……ルルーシュ……やっぱりお留守番しておくべきだったよ……)
シャルル「いいか。車内ではあまり騒がないように」
スザク「イエス!!ユアマジェ―――」
シャルル「だまれぇい!!!」
スザク「……」
ルルーシュ「うるさいのはこの二人だ」
カレン「えっと、ユーフェミア……様……」
ユフィ「ふふ。カレンさん。ユフィで結構ですよ」
カレン「あ、そう?」
ユフィ「ルルーシュの恋人なんでしょ?いっぱい話を聞かせてほしいな」
カレン「ちがうちがう!!何言ってるの!?」
ユフィ「でもお父様が」
カレン「あれはあの人の勘違いだからっ!!!」
ルルーシュ「全く……何故こうも緊張感がないんだ……シャルルがいるというのに……」
ナナリー(お兄様……すごく辛そう……)
シャルル「きたか……」
スザク「はい」
ルルーシュ「おい、スザク」
スザク「どうした?」
ルルーシュ「俺の味方じゃなかったのか?」
スザク「味方だよ。でも、ルルーシュの親友である前に僕は軍人だから」
ルルーシュ「お前……」
スザク「ごめん」
ルルーシュ(こんなことならシャーリーでも連れてくるべきだったか……!!)
ナナリー「お兄様、大丈夫ですか?飲み物です、どうぞ」
ルルーシュ「あ、ああ。ありがとう、ナナリー」
カレン「だからね、ルルーシュとはただの友達なの」
ユフィ「兼、恋人なのよね?」
カレン「ちっがうから!!」
ざわざわ……
「あ、あれ……シャルル皇帝じゃないか……」
「すげ……!!なんで電車にのってるんだ?!」
「あれだよ、ピクニックだろ?」
「写メとろ」パシャ
シャルル「よいか!!皆のもの!!!」
ルルーシュ「うるさい!!車内では静かにしろ!!!」
シャルル「ぬぅ……では、静かに伝える!!!!」
ナナリー「あの、乗客のみなさん。もうしわけありません」オロオロ
ユフィ「あの。すぐに黙らせますから」ペコペコ
カレン「ごめんなさい、ごめんなさい」ペコペコ
シャルル「よいかぁ!!!人は平等ではなぁい!!!!」
ルルーシュ「しるか!!!」
スザク「ルルーシュ!みてくれ!向こうにアッシュフォード学園が見える!」
ルルーシュ(お前が入ってきたから乗客が他の車両に移動しただけだ……)
シャルル「ふー。やっと落ち着けるな」
スザク「シャルル皇て―――」
シャルル「スザクよ……」
スザク「は、はい」
シャルル「今日は無礼講だ。堅苦しい肩書きなど……今は持ち合わせておらぬ」
スザク「といいますと……?」
シャルル「今日は……シャルルおじさん、でよい」
スザク「そ、そんなこと!!自分には無理です!!」
シャルル「なんという愚かしさかぁぁ!!!軍人ならば!!ワシの命令を素直に、きけぇい!!」
スザク「イ、イエス!!ユアマジェスティ!!」
シャルル「うむ。ナナリー、ルルーシュ、ユーフェミアも……今日はワシのことを、パパと呼ぶことを許す」
ルルーシュ・ナナリー・ユフィ「「お断りします」」
シャルル「そうか……。流石に泣いてしまいそうだな……」
ユフィ「カレン、どうかした?」
カレン「え?いや……ちょっと輪に入りにくくて」
ユフィ「どうして?」
カレン「どうしてって。私以外はほら、皇帝陛下と繋がりがあるじゃない?」
ユフィ「あ、そういえば、そうね」
カレン「だから、距離が違うのよ。微々たるものでしょうけど」
ユフィ「でも、そんなことないと思う」
カレン「なんでよ?」
ユフィ「だって、カレンはルルーシュの恋人なのでしょう?」
カレン「だから―――」
ユフィ「恋人なら将来のお嫁様。お嫁になればルルーシュとも家族。ほら、お父様とも繋がりが生まれる」
カレン「あんたねえ……」
ユフィ「私とも姉妹になれる。それってすごく素敵なことじゃないかしら?」
カレン「……はいはい」
ルルーシュ「だまれ!!」
ナナリー「お兄様、大丈夫ですか?」
ルルーシュ「今にも貧血を起こしそうだ……」
ナナリー「飲み物は如何ですか?」
ルルーシュ「ありがとう……貰おうかな」
スザク「ナナリー、僕もほしいな」
ナナリー「はい。いいですよ」
シャルル「カレンよ」
カレン「は、はい?!」
シャルル「下世話なことではあるが……。ルルーシュと交際してから月日はどの程度だ?」
カレン「で、ですから!!あたしとルルーシュはそういう関係ではないんです!!」
シャルル「なに?ルルーシュでは物足りぬのか?」
カレン「そういうことでもないんですけど……」
シャルル「では、よいではないか。シャルル・ジ・ブリタニアが命じる!!ルルーシュを、喰え!!」
ルルーシュ「ぶー!!!」
ナナリー「きゃ?!」
スザク「ルルーシュ、飲み物をそんな霧吹きみたいにしちゃダメだよ」
シャルル「どうした?」
ルルーシュ「おまえ!!何を言い出すんだ!!!」
カレン「そ、そうよ!!」
シャルル「おー、怖いな。最近のキレる若者は」
ナナリー「うぅ……」
ユフィ「今、拭いてあげるからね」ゴシゴシ
ナナリー「ごめんなさい、ユフィ姉さま。このハンカチは洗って返しますから」
ユフィ「いいから。でも、カレンにルルーシュを喰えってどういうことかな?」
ナナリー「さぁ……」
スザク「ルルーシュ。ルルーシュはカレンにとってのおやつみたいなものか?」
ルルーシュ「お前も黙れ!!もうこれ以上、俺を責めるな!!」
シャルル「よし、無事についたな……。番号!!!」
スザク「いちっ!!!」
ルルーシュ「悪かったな、ナナリー」
ナナリー「いえ、気にしないでください。大丈夫ですから」
ユフィ「ルルーシュは下品よねー?」
ナナリー「ふふ、そうですね」
ルルーシュ「あのなぁ……」
カレン「ルルーシュ、ちょっと」
ルルーシュ「どうした?やはり、帰るか?無理に付き合うことは……」
カレン「いや、むしろ居てあげる。このままじゃルルーシュが脳内出血起こしそうで不安だし」
ルルーシュ「そうか……助かる」
カレン「でも、ちゃんと私とあんたがそういう関係じゃないことは説明しておいて」
ルルーシュ「あ、ああ。わかった」
ルルーシュ(あいつが俺の話をまともに聞くとは思えないがな……)
スザク「そこでピクニックを行うのですね」
シャルル「うむ!!楽しみよなぁ!!」
スザク「全くです」
ルルーシュ(せめてコーネリア……コーネリアがいれば……)
ユフィ「ところで先ほどはどんな内緒話を?」
カレン「え?な、なにが?」
ユフィ「ほら、駅のホームでルルーシュと」
カレン「ああ、あれね。いや、別に」
ユフィ「お父様のお許しが出たから、もう……?」
カレン「か、勘違いしないでったら!!」
ナナリー「お兄様、草花の匂いが強くなってきましたね。ここはもう目的地なのですか?」
ルルーシュ「ああ。国立公園だな。緑がいっぱいあるよ」
ナナリー「そうですか」
ルルーシュ(なんとかして……早く帰路に……どうする……)
シャルル「ここだぁ!!!ここが!!!我らの目的地であぁぁぁる!!!!!」
スザク「オール・ハイル・ブリタニア!!」
シャルル「枢木スザクよ!!シートを敷くのだ!!!」
スザク「イエス!!ユアマジェスティ!!」
シャルル「ルルーシュよ。この男は成長する。手放すな?」
ルルーシュ「ふん……言われなくても」
カレン「で、どうするの?お昼には早すぎるし」
ユフィ「そうですね。まだ10時……」
シャルル「ぬぁっはっはっはっは!!!ワシが!!このワシがぁ!!!何も持ってきていないと思うのかぁ!!!」
スザク「シャルルおじさん、何か遊具を?」
シャルル「うむ!!トランプ、オセロ、チェス、人生ゲームがあぁる!!」
ルルーシュ「ナナリーは遊ばせない気か?」
シャルル「ぬぅ……?!」
ナナリー「お、お兄様!!わ、私のことは気になさらず!!」オロオロ
ルルーシュ「何がピクニックだ。所詮はその程度なんだよ、貴様は」
シャルル「……」
ナナリー「お兄様!!」
スザク「やめろ、ルルーシュ!!ちょっとした手違いだ!!」
ルルーシュ「お前は俺とナナリーを捨てた!!今更、父親面しようとするからだ!!」
カレン「ちょっと……」
ユフィ「ルルーシュ……」
シャルル「これは……あれだ……ケアレスミス……」
ルルーシュ「だまれ!!」
ナナリー「お兄様!!」
ルルーシュ「俺とナナリーは別行動をとる。昼になればここに戻ってくる」
スザク「ルルーシュ!!待つんだ!!」
カレン「ルルーシュ!!」
シャルル「……」
ルルーシュだって些細なことでキレたくもなるわ
C.C.「おぉ。来たか」
アーニャ「ここいいわね。涼しくて」
V.V.「残念だったね、C.C.。ルルーシュと一緒にいれなくて」
C.C.「まぁ、たまにはいいさ。でも……」
V.V.「分かってるよ。今日は手を出さない。シャルルにも言われているからね」
アーニャ「いただきまぁーす」
C.C.「あ、こら。そこは私が食べようと」
V.V.「どこも一緒じゃないか」
C.C.「違う!」
アーニャ「あれ?あそこにいるの、ルルーシュとナナリーじゃない?」
C.C.「なに?確かシャルルと一緒なんじゃなかったか?」
V.V.「どうせ、シャルルがルルーシュを怒らせたんでしょ?シャルル、トランプとかリュックに入れていたからね」
アーニャ「ああ、それはナナリーが遊べないわね」
C.C.「全く……シャルルめ」
ルルーシュ「……分かっている。だけど、俺は……あいつを許すことはできない」
ナナリー「お兄様……」
ルルーシュ「母さんを救えたはずなのに……あいつは……」
ナナリー「……」
カレン「ルルーシュ!!」
ルルーシュ「カレンか」
カレン「ちょっと、戻ってきてよ。シャルル皇帝―――じゃなかった、シャルルおじさん、膝抱えちゃったんだけど」
ルルーシュ「しらん」
カレン「そういうわけにも……」
ナナリー「あの私はお兄様たちが遊んでいる声を聞いているだけでも十分に楽しいですから」
ルルーシュ「……」
カレン「ルルーシュ……」
ルルーシュ「悪い……すぐには戻れそうにない……」
カレン「じゃあ、仕方ないね。あたしも一緒にいていい?ルルーシュがいないと、あたしも緊張しちゃうし」
カレン「ナナリー、お花の髪飾りとか作ってみない?」
ナナリー「カレンさん、そういうことできるんですか?」
カレン「えーと……多少は……ね」
ルルーシュ「意外だな。お前にそんな少女趣味があったなんて」
カレン「どういう意味よ!!」
ナナリー「お兄様、そういう言い方は酷いです」
ルルーシュ「あ、悪い……」
カレン「ふふ、ルルーシュってホントにナナリーには弱いね」
ルルーシュ「うるさいな」
カレン「さ、ナナリー。作ってみよっか」
ナナリー「あの……私でも上手くできるでしょうか?」
カレン「大丈夫。結構簡単だから」
ナナリー「よろしくお願いします、カレンさん」
ルルーシュ「……涼しくて、気持ちいいな……ここは……」
スザク「(ユフィ、どうしたらいい?)」
ユフィ「(どうしたらいいと言われても……。私もお父様とはそれほどお会いしたことないし)」
スザク「(……ここは僕が……いくしか……)」
ユフィ「(が、がんばって)」
スザク「皇帝陛―――いえ、シャルルおじさん」
シャルル「なんだ……?」
スザク「えっと……その……じ、自分は良いと思います!!」
シャルル「あー……?」
スザク「トランプもチェスもどれも素敵な遊戯ですし」
シャルル「愚かなり、枢木ぃぃぃ!!!!」
スザク「なっ……!?」
シャルル「ナナリーが遊べないものなど!!下の下ぇ!!!愚の最前線!!!」
スザク「あ、あの……」
シャルル「この様なもなど、いらぁぁん!!!」ポーイ
努力は認める
ユフィ「スザク、だめじゃない」
スザク「ごめん……」
ユフィ「はぁ……こんなときお姉様がいてくれれば……」
スザク「コーネリア総督か……」
ユフィ「……こ、ここは……私が行ってみる」
スザク「ユフィ……気をつけて」
ユフィ「お、お父様……?」
シャルル「なんだ……ユーフェミア?」
ユフィ「えっと……物を捨てるなんてダメです。ちゃんと持って帰りましょう」
シャルル「そうだな……。拾っておいてくれ」
ユフィ「はい」
ユフィ「……よっと。拾いました」
シャルル「下がってよい」
ユフィ「はい……失礼しました……」
ユフィ「ごめんなさい……」
スザク「万事休すか……」
ユフィ「こうなったら……」サッ
スザク「ユフィ?どこに連絡を?」
ユフィ「……」トゥルルル
コーネリア『ユフィか?どうした?』
ユフィ「お姉様!!助けて!!」
コーネリア『なにがあった?』
ユフィ「そ、それが……ルルーシュとお父様が喧嘩してしまって」
コーネリア『なに……?』
ユフィ「もうどうしていいか……」
コーネリア『おい!!ギルフォード!!この業務はお前に任せていいか?え?ダメ?わかった』
コーネリア『すまない、ユフィ。仕事が終わり次第、すぐに向かうから、なんとか耐えてくれ』
ユフィ「そ、そんなぁ……お姉様……」
ナナリー「本当ですか?触らせてください」
カレン「はい」
ナナリー「わぁ……素敵ですね」
カレン「ありがとう」
ルルーシュ「……」
C.C.「なんだ、浮かない顔をしているな」
ルルーシュ「なっ?!」
C.C.「初めまして。かな?」
ルルーシュ「……道にでも迷いましたか?」
C.C.「いいや。ちょっとした散歩をしていた」
ルルーシュ「そうか」
C.C.「シャルルと喧嘩でもしたのか?」
ルルーシュ「他人が家庭内事情に首を突っ込むのは感心しないな」
C.C.「それは失敬。でも、まぁ、仕方ないな。お前とシャルルは相性が悪いから」
C.C.「事実だろ?」
ルルーシュ「そうだな。俺は奴を決して許すことはない」
C.C.「だが、話すことはできるはずだ」
ルルーシュ「……」
C.C.「怖いのか?坊や?」
ルルーシュ「黙れ」
C.C.「ふふ……本心を探られるとそれしか言わないな。お前は」
ルルーシュ「ちぃ……」
C.C.「もうすぐ昼だろ?戻ってやれ。膝を抱えているシャルルが面白すぎる」
ルルーシュ「……そうだな」
ナナリー「あれ?お兄様、今誰かが……」
ルルーシュ「誰もいないよ。ナナリー、カレン。もうすぐ昼だ。戻るか」
カレン「大丈夫なの?あんた」
ルルーシュ「どんなときでも腹は減るからな」
シャルル「なに……?」
ルルーシュ「昼だから戻ってきた」
ユフィ「ルルーシュ、お父様と仲直りを」
ルルーシュ「……」
ユフィ「……そうですか」
シャルル「おー!!ルルーシュ!!ナナリー!!そうか!!昼か!!!」
ナナリー「お父様?」
シャルル「なんだ?」
ナナリー「これ……お花の髪飾りなんです」
シャルル「え……?」
ナナリー「アメのお礼にしては不出来な物ですけど……どうぞ」
シャルル「これを……ワシに……?」
ナナリー「お、お気に召しませんでしたか……?」
シャルル「おぉぉ……ぉぉぉ……なんだ……なんだこれはぁぁぁぁぁ!!!!!!うひょぉぉ!!!!」
シャルル「否!!ナナリー、ダメではない!!むしろ!!!!!―――よい」
ナナリー「よかったぁ……」
シャルル「頭に乗せておけばいいのか?」
ナナリー「是非」
シャルル「……これでよし」
カレン「……」プルプル
ルルーシュ「(カレン、笑うなよ)」
カレン「(わ、わかってる……)」
スザク「よくお似合いです!!シャルルおじさん!!」
シャルル「ぬぁっはっはっはっはっは!!!そうか!!いや、そうでなければ、おかしぃ!!」
ユフィ「とっても素敵です、お父様」
C.C.「あはははははは!!!!なんだあれは!!!あはははは!!!」
V.V.「C.C.、笑いすぎだよ。でも、確かに面白いから写真は撮っておくけど」パシャ
アーニャ「これはいいものを見たわ。私も写真とっておこっと」パシャ
はえーよww
仕事早すぎワロタwwwww
すげぇwww
ユフィ「はい……。えっと、ルルーシュが用意しているって言っていたけど」
ルルーシュ「ああ。早起きして作った。まぁ、大したものじゃないけどな」
スザク「いや、すごいよ。これ一人で?」
ルルーシュ「咲世子も手伝った」
カレン「いただき―――」
シャルル「まてぇ!!」
カレン「は、はい!!すいません!!」
ルルーシュ「なんだ?」
シャルル「おしぼりを配る」
スザク「あ、ありがとうございます」
ユフィ「はぁ……」
シャルル「さぁ、手を合わせろ!!!」パンッ
ナナリー「は、はい」パンッ
シャルル「ルルーシュと咲世子という者に感謝し!!いただぁきます!!!」
ユフィ「えっと……そのサンドと……おにぎり。あとは……卵焼きを」
カレン「ナナリー、取ってあげるよ」
ナナリー「ありがとうございます」
シャルル「……」チラッチラッ
ルルーシュ「……」モグモグ
シャルル「ぬぅ……ウインナーが遠いなぁ……」
ルルーシュ「―――どれがいいんだ?」
シャルル「ルルー……シュ……?」
ルルーシュ「一度に言え。何回も取るつもりはないからな」
シャルル「ほほぉ……では!!ルルーシュが作ったものを全てこの皿に載せろぉ!!」
ルルーシュ「いちいち叫ぶな!!唾が飛ぶだろう!!」
ナナリー「お兄様もですよ?」
ルルーシュ「ちっ……」
カレン「ふふ……」
ルルーシュ「よかったな」
シャルル「どこでこのような技術を手に入れた?」
ルルーシュ「……お前に捨てられてから、苦労したな」
スザク「ルルーシュ!!」
ルルーシュ「なんだ!!」
スザク「(皇帝陛下を拗ねさせるような発言は控えろ!!)」
ルルーシュ「(お前はどっちの味方だ!!)」
ユフィ「ルルーシュ……」
カレン「仕方ないって。単純な親子喧嘩じゃないんだし」
ユフィ「そうだけど……。あ、その赤いのなに?」
カレン「梅干だけど……いる?」
ユフィ「うんっ。―――はむっ」
ユフィ「ひゃぅ!?」
カレン「まぁ、そうなるわね」
ルルーシュ「ゴミはこれでよし。ナナリー、行くか」
ナナリー「え?」
シャルル「おい……ルルーシュよ。いずこへ向かうというか?」
ルルーシュ「お前の顔が見えないところだ」
シャルル「……」
スザク「ルルーシュ。いい加減に……」
ルルーシュ「……」
スザク「……」
シャルル「わかった。ルルーシュよ。そこまでいうなら……良い遊びがある」
カレン「なんですか?」
シャルル「Hide and seekだ」
スザク「それって……」
カレン「かくれんぼ?」
ルルーシュ「バカか、貴様?」
「もう帰ったんじゃない?」
「きっとそうだね、帰ろっか」
「うん、ばいばーい」
やめろ
ユフィ「もしかし膝を抱えてどんな遊びがいいか考えていたのですか?」
シャルル「……」コクッ
ルルーシュ「この歳でかくれんぼだと……」
スザク「いいじゃないか、ルルーシュ、やろう。かくれんぼ。昔はよく遊んだじゃないか」
ルルーシュ「あのなぁ……!!」
カレン「(ルルーシュ。いいじゃない。シャルルおじさんと近くにいることなく、皆が遊べるんだし)」
ルルーシュ「くぅぅ……」
シャルル「だめか?」
ナナリー「い、いいと思います!!」
ルルーシュ「ナナリー?!」
ナナリー「ね?お兄様?」
ルルーシュ「……わかった。やってやる。ただし、鬼はお前だ、シャルル」
シャルル「よかろう」
ルルーシュ(考えてみればこれは好機だ。シャルルに見つからなければ、このまま帰宅時間になる)
ルルーシュ「100だ」
シャルル「長いな……」
ルルーシュ「数えろ」
シャルル「仕方ないか……いーち、にー、さーん―――」
ルルーシュ「全く……」
スザク「ルルーシュ、どこに隠れる?」
ルルーシュ「一人で隠れろ。俺はナナリーと一緒に隠れる」
ユフィ「スザクは私と隠れましょうか」
スザク「え、は、はい」
カレン「……あたしはどうしよう……」
シャルル「じゅーいち、じゅーに、じゅーさん―――」
ナナリー「お兄様?もしかして、このまま隠れきるおつもりですか?」
ルルーシュ「それがいいだろ」
ナナリー「……」
ルルーシュ「―――シャルルが俺の半径100メートル以内に来たら伝えろ」キィィン
通行人「わかりました」
ルルーシュ(これでよし)
ナナリー「お兄様?ここでいいのですか?隠れているような感じではないですけど」
ルルーシュ「俺が見張っておくから。それに草むらに身を潜めるなんて、ナナリーには出来ないだろ?」
ナナリー「そうですけど」
ルルーシュ「ここでゆっくりしておけばいい」
ナナリー「はい」
ルルーシュ「……酷い兄だと思うか?」
ナナリー「いいえ。お兄様の態度は仕方ないと思っています」
ルルーシュ「……」
ナナリー「でも……折角歩み寄ってくれたお父様を無碍にするのは……」
ルルーシュ「分かっている……。分かっているが……どうしても……心が邪魔をする」
ナナリー「お兄様……」
V.V.「はい。ジョーカーだね」
C.C.「またか……」
アーニャ「C.C.はジョーカーに好かれてるのね」
C.C.「そういう女なのかもな」
V.V.「お似合いだと思うよ」
C.C.「なんだと?」
シャルル「どーこだー?ルルーシュ!!ナナリー!!ユーフェミアー!!スザーク!!カレーン!!」
アーニャ「あら?」
V.V.「かくれんぼを始めたみたいだ」
C.C.「となると……坊やは逃げ切る算段を立てているな」
V.V.「途中で帰る選択肢は?」
C.C.「ナナリーが止めるから選ばないだろう」
V.V.「そっか」
C.C.「けれど……さすがにこのままっていうのも、シャルルが不憫だな。あんな探し方では永久に見つけられない」
スザク「ここに隠れましょう」
ユフィ「ええ」ガサガサ
スザク「ああ、ユフィ。あまり奥にいくと服が汚れるから」
ユフィ「へーきへーき」
スザク「だめだって。君は皇女なんだから」
ユフィ「今はただのユフィだから、いーの」
スザク「全く……」
ユフィ「それに……お父様……もう一緒に遊ぶのこ諦めてるみたいだから」
スザク「え?」
ユフィ「わざとゆっくり数えていたし、それに……あんなに大声だして自分の居場所を教えているし」
スザク「まさか……皇帝陛下は……」
ユフィ「きっと、ルルーシュとナナリーに気を遣って……」
スザク「そんなの間違っている!!」
ユフィ「でも、どうしようもないってルルーシュもお父様も分かってるんだと思う。心の問題だし……」
シャルル「どこだー?」
カレン「シャルル皇帝……殆ど、動かない……」
カレン「探す気がないみたいな……」
シャルル「おらんか……」
カレン「……」
カレン「そういうこと……」
カレン「……シャルルおじさん!!」
シャルル「ぬぅ!?みつけたぞぉ!!!」
カレン「ルルーシュを探しにいかないんですか?」
シャルル「……いま、探している」
カレン「ルルーシュはかなり遠くまで移動しましたよ?」
シャルル「そうか」
カレン「……」
シャルル「なんだ?」
シャルル「なにを言う?ワシは皇帝シャルル・ジ・ブリタァニア!!誰から逃げるという!!」
カレン「自分からです」
シャルル「……」
カレン「ルルーシュもそう。自分から逃げています。そういうところは親子ですね」
シャルル「小娘が……楯突くか」
カレン「今のアンタは怖くないから」
シャルル「ぬぅ……」
カレン「あたしも母親から目を背けていましたから」
シャルル「なに?」
カレン「その所為であたしのお母さんは……潰れて……壊れて……。あの人はずっとあたしのことを見ていたのに……」
シャルル「そうか……」
カレン「だから、ルルーシュにも逃げないで欲しい。貴方にも逃げないで欲しいんです」
シャルル「耳にとどめておこう。―――いけ。ワシはもう一度、数を数えなおす!!」
カレン「はい。分かりました」
ナナリー「お兄様。できました」
ルルーシュ「え?また作ったのか」
ナナリー「貰っていただけますか?花飾りを」
ルルーシュ「ああ、ありがとう」
ナナリー「残念です。私の花飾りをつけているお兄様をこの目でみたかった……」
ルルーシュ「ナナリー……」
ナナリー「あ、ご、ごめんなさい」
ルルーシュ「……」
カレン「はぁ……はぁ……ここにいたんだ……」
ルルーシュ「カレン。なんだ?」
カレン「ちょっと休憩……」
ナナリー「カレンさん。カレンさんに習った花飾り、もう一度作ってみたんです」
カレン「え?ああ、ルルーシュ、良く似合ってるよ。なんか花嫁みたい」
ルルーシュ「な、なんだと?!」
その花冠でその顔止めろwwwwww
シャルルより破壊力控えめだけどワロタwww
アーニャ「どこに?」
シャルル「……マリアンヌか」
C.C.「中々、楽しませてもらったよ、シャルル?」
V.V.「うん。そんなに子煩悩だとは思わなかったけど」
シャルル「どけ。今は忙しいのでな」
アーニャ「ルルーシュ、ナナリー、カレンは池のほう。スザク、ユフィは向こうの草むらでイチャイチャしてたわよ」
シャルル「そうか」
C.C.「じゃあ、私たちは向こうで花札をしておくから。暇があれば覗いてくれ」
シャルル「それはできぬ……相談よ」
V.V.「息子娘と遊ぶので精一杯だからね、シャルルは」
アーニャ「がんばってね」
シャルル「うむ……」
C.C.「どうやら、余計な世話だったようだな」
V.V.「そうだね。さ、花札しようか。こいこいって知ってる?」
ルルーシュ「なんだ?」
カレン「許すとか許さないとかじゃなくてさ……。今は楽しめばいいんじゃない?」
ルルーシュ「何も知らないくせに……」
カレン「知らないけど、あんたがただ逃げてるのはわかるよ。前のあたしと同じだから」
ルルーシュ「過去のことを水に流すのが逃げないことなのか?」
カレン「そうじゃない。―――向き合うのが逃げないことだ」
ルルーシュ「向き合うだと?奴とか?あいつは救えるはずだった俺の母さんを見殺しにしたんだぞ!!!」
ナナリー「お兄様……」
ルルーシュ「そんなやつと向き合う?ふざけたこというな!!!」
カレン「でも、向き合わないと解決しない」
ルルーシュ「……」
カレン「どうして見殺しにしたのか知るには、あの人と向き合うしかないと思うよ?」
ルルーシュ「分かっている……。お前たちがいなければ……殴ってでも……訊ねていた……のに……」
カレン「それならあたしたちを誘わず、一人で行けばよかったのに。……あんたは訊くのが怖かったんでしょ?あの人に直接訊くのが」
カレン「……ごめん」
ナナリー「お兄様……」
ルルーシュ「……そうだ。怖かった。ずっと知りたかったことなのに……突然降って沸いたチャンスに動揺した」
ルルーシュ「そうしたら……色々と怖くなった……真実を知るのが……」
カレン「だから、訊ねられない理由をあたしたちに押し付けた。他人が居ればそういうことをいうほうが空気読めてないから」
ルルーシュ「……」
カレン「今日は逃げちゃったから、もう次の機会しかない。でも……楽しむことはまだできるはず」
ルルーシュ「悪かったな……。気を遣わせて」
カレン「別にいいよ。どうする?逃げる?」
ルルーシュ「……」
通行人「あの。シャルル皇帝陛下がお見えになりました」
ルルーシュ「そうか」
カレン「え?誰?」
ルルーシュ「気にするな。向こうから来るなら、動かなくてもいいな」
ルルーシュ「そうだな……」
ナナリー「外すのですか?」
ルルーシュ「え……いや……」
ナナリー「お兄様……外すのですか……?」
カレン「……無理だね」
ルルーシュ「いや、これはカレンにつけたほうがいい!!」
カレン「ちょ!?なんであたしなのよ!?」
ルルーシュ「いいから……」ググッ
カレン「ちょっと……やめて……!!」ググッ
ルルーシュ「おま……えが……つければ……」
カレン「いや……ルルーシュも……似合ってるし……」
シャルル「なんだルルーシュよ。やはり、その女にしたのか?お前にはぴったりだな」
ルルーシュ「シャルル?!」
カレン「あ、いや!?これは違うんです!!」
ルルーシュ「お前は……!!」
シャルル「ナナリーよ。二人の時間を邪魔しないように向こうにいこう。スザクとユーフェミアを探しにいく」
ナナリー「そうですね」
カレン「ちょっと待ってください!!!」
ルルーシュ「俺たちは見つかった!!一緒にいく!!」
シャルル「よい!!シャルル・ジ・ブリタニアが命じる!!!キィィスしろぉぉ!!」
カレン「なっ!?」
ルルーシュ「バカだな?!お前、やはりバカだ!!!」
シャルル「こういう気遣いもできぬようでは……皇帝、失格よ」
ナナリー「そうですね、お父様」
ルルーシュ「余計なお世話だ!!!」
カレン「あの!!だからぁ!!!」
シャルル「30分後にはおやつタぁぁぁイムだから、戻って来い」
ルルーシュ「シャルルぅぅ……!!!」ギリッ
スザク「あの……ユフィ?」
ユフィ「なに?」
スザク「そろそろ足が痺れてきたんだけど……」
ユフィ「だーめ」
スザク「それに僕で膝枕なんて、筋肉で硬いだけじゃ……」
ユフィ「これがいいんです」
スザク「ユフィ……」
ユフィ「こういこと……普段はできないから……」
スザク「確かに」
ガサガサガサ……
スザク「シャルルおじさんか」
ユフィ「おとうさ―――」
コーネリア「なにをしている?枢木ぃぃぃぃ!!!!!!」
スザク「な、んで……!?」
シャルル「なんだ?」
ナナリー「スザクさんの声ですね」
シャルル「よし……行ってみるか」
コーネリア「こちらにこい!!!貴様ぁぁぁ!!!!」
スザク「も、申し訳ありません!!!」
ユフィ「やめてください!!お姉様!!!」
コーネリア「よくも!!私の居ないところでユフィを!!!!」
スザク「あの……」
コーネリア「せっかくギルフォードの目を盗んで抜け出してきたというのに!!!なんだこれはぁぁぁ!!!!」
スザク「申し訳ありません!!!」
ユフィ「お姉様!!スザクは悪くないんです!!!」
コーネリア「ユフィは黙って―――」
シャルル「なんたる愚かしさぁ!!!なんたる醜態かぁぁ!!!!コォォネリアァァ!!!!」
コーネリア「ひっ」ビクッ
ユフィ「お父様……」
シャルル「この憩いの公園で罵声を飛ばすとは、ブリタニア皇族としての自覚がないと見えるな」
コーネリア「あ……これは……だって……その……」ガタガタ
シャルル「コーネリアよ……衆目にその身を晒しながらの蛮行……許しがたし!!!」
コーネリア「も、申し訳ありま―――」
シャルル「否ぁぁ!!!謝罪などここには不要!!!」
コーネリア「あぁ……そ、そんな……」
シャルル「妹の恋路に口出す権利などない!!」
コーネリア「で、でも……枢木スザクは身分も……」
シャルル「スザクほど出来た人間はおらん!!口を慎めぇ!!!」
コーネリア「は、はいぃ!!」
シャルル「スザク、悪かったな。我が娘がお前の時間を穢したようで」
スザク「い、いえ!!気にしておりません!!!」
シャルル「器のでかい男よ。ぬぁっはっはっはっは!!!」
ルルーシュ「何を言えっていうんだ?」
カレン「いや……もうなんか……あたしたちの勘違い……といてくれそうにないし」
ルルーシュ「そうだな。帰りにもう一度、説明しておくか」
カレン「え?」
ルルーシュ「嫌なんだろ?俺とお前がそういう関係と思われるの」
カレン「あ、いや。もう勘違いさせとこうよ。いちいち説明するのも疲れるし」
ルルーシュ「いいのか?」
カレン「いいの!!」
ルルーシュ「しかし……」
カレン「なによ……ルルーシュは迷惑だっていうの?」
ルルーシュ「迷惑というか、結婚の話が持ち上がったとき、カレンが第一候補になるんだぞ?」
カレン「えっ……?」
ルルーシュ「本当にいいのか?」
カレン「まぁ……そのときは……そのときで……いいような……悪いような……」
カレン「と、とにかく!!もういいじゃない!!この話は!!うん!!」
ルルーシュ「お前がそういうなら。俺もあいつと話すのは、もういい」
カレン「逃げるんだ」
ルルーシュ「ああ。俺は卑怯でずるい人間なんだよ」
カレン「さいてーね」
ルルーシュ「そうだな」
カレン「そんな自分に酔ってるところなんて、本当にクズって感じ」
ルルーシュ「そこまで言うか!!」
カレン「そんな花飾りつけたままで言われても、怖くない」
ルルーシュ「ぬぅぅ……!!こんなもの―――」
カレン「外せるの?妹思いのルルーシュが?」
ルルーシュ「ぐぅぅ……!!!くそぉ!!!」
カレン「ほら、いこうよ。もう30分経ってるし」
ルルーシュ「シャルルにあげたのと同じものを作るナナリーもナナリーだな……全く……」
C.C.「猪鹿蝶ができた。でも、ここはこいこいだな」
V.V.「ずいぶん強気だね、C.C.」
C.C.「三光が完成するのにここで終わらせるのは勿体無いだろ?」
V.V.「そうかな?―――はい、くず」
C.C.「な!?」
V.V.「役は役だからね。僕の勝ちだよ、C.C.」
C.C.「そんな勝ち方で楽しいのか?!」
アーニャ「C.C.、ワイン空になったわー。新しいのとって」
C.C.「お前な?その体は未成年なんだぞ?」
アーニャ「いいからいいから」
C.C.「ほら」
アーニャ「ありがとう。―――向こうはおやつタイムに入ったみたいね」
C.C.「ルルーシュ……戻ってきたか。よかった」
V.V.「次は野球盤でもしよっか。僕、先攻ね」
ルルーシュ「おやつの時間だからな」
スザク「シャルルおじさん、ポテリッチを献上いたします」
シャルル「ポテリッチとな?」
スザク「ポテトチップスよりも高級なポテトチップスです」
シャルル「ほう?それは面白い」
ルルーシュ「ん?コーネリア、来ていたのか」
コーネリア「ついさっきな」
ユフィ「お姉様ったら、仕事をさぼってまで来たのよ?」
コーネリア「こら!それを言うな!!」
ルルーシュ「社会人が聞いて呆れるな」
コーネリア「すぐに戻ると置手紙もおいてきた。心配はない」
カレン(こんなやつが総督だなんて……)
ナナリー「お兄様、オレンジジュースは如何ですか?」
ルルーシュ「ああ、貰おうかな」
コーネリア「なんだと!?ユフィの手作りか!?」
ユフィ「はい」
スザク「へえ、おいしそうだね」
ユフィ「みなさんもどうぞ」
カレン「いただきまーす」
ルルーシュ「うん……美味しいな」
ユフィ「ありがとう」
コーネリア「ユフィ……いつもの……してくれるか?」
ユフィ「もうお姉様ったら……はい、あーん」
コーネリア「あー……」
ギルフォード「見つけましたよ、姫様」
コーネリア「ギ、ギルフォード?!」
ギルフォード「さぁ!!まだ山のように書類がのこっているのです!!帰りましょう!!!」グイッ
コーネリア「やめろぉ!!!ユフィのクッキー!!!クッキィィィ!!!!」
ルルーシュ「自業自得だ」
シャルル「うまい!!うまいな!!!」バリバリ
スザク「お口に合ったようで嬉しいです」
シャルル「偶には庶民の駄菓子も悪くない」
ルルーシュ「汚い食べ方をするな」
シャルル「しかし、フォークで刺そうにも砕けてしまうからなぁ」
ルルーシュ「もういい」
カレン「あのシャルルおじさん、おしぼりを」
シャルル「気が利くな。勝気な女だと思わせておいて、この気配り。ルルーシュが惚れるものやむなしか」
ルルーシュ「おい!!!」
カレン「……」モジモジ
ルルーシュ「カレン!!否定しろ!!」
ナナリー「お兄様こそ、肯定してあげればいいですのに」
ルルーシュ「ナナリーまで……!!くそ……!!半日たらずで俺が孤立無援に陥るとは……シャルルめ……!!」
ユフィ「そうですね……」
スザク「では、自分が片づけを」
カレン「あたしも手伝うよ」
ナナリー「お兄様、ゴミはこの袋の中にお願いしますね」
ルルーシュ「ああ。おい、シャルル」
シャルル「なんだ?」
ルルーシュ「少しは手伝え」
シャルル「そうだな」
ルルーシュ「……楽しかった」
シャルル「……え?なんかいったかぁ?」
ルルーシュ「聞こえただろうが!!!」
シャルル「一度、言ってみたかっただけだ」
ルルーシュ「この……!!!」
シャルル「楽しめたのならよい。ここに来た価値は十分にあった」
ナナリー「すぅ……すぅ……」
カレン「すぅ……」
ユフィ「スザクぅ……むにゃ……」
スザク「みんな寝ちゃったね」
ルルーシュ「……ふん。あいつもな」
シャルル「ぐぉー……ぐぉー……」
スザク「多分、陛下が一番疲れたんだと思うよ」
ルルーシュ「どうして?」
スザク「ルルーシュとナナリーと遊ぶなんてもうないかもしれないから、一生分楽しんだんじゃないかな?」
ルルーシュ「自分の野望のために奔走していて、子どもにまで時間が割けないだけだ」
スザク「そうかもしれないけど……。僕、よくわかったよ。皇帝陛下はすごい人だってことは」
ルルーシュ「すごくなければ、俺の父親ではない」
スザク「実は大好きなんだろ?シャルルおじさんのこと」
ルルーシュ「黙れ。虫唾が走る」
シャルル「では!!!ここで各自解散とするぅ!!!おつかれさまだ!!!!」
スザク「お疲れ様でした!!!」
ユフィ「たのしかったぁ!また行こうね、ナナリー?」
ナナリー「はい!」
ユフィ「カレンも今日は楽しかった」
カレン「うん。あたしも。また一緒に遊びにいけるならいきたいかな」
ユフィ「絶対、行こうね」
―――バババババ……!!!
シャルル「ヘリが来たか」
ルルーシュ「お前……」
シャルル「分刻みのスケジュールなのでなぁ!!!ワシはこれで去る!!!何か言い残したことはあるかぁ!?」
ルルーシュ「ない!!消えうせろ!!!」
シャルル「ぬぁっはっはっはっはっはっは!!!!ワシはある!!!―――ルルーシュ、ナナリー、愛しておるぞぉぉ!!!!」
ルルーシュ「早く帰れ!!!」
ユフィ「いいなぁ……ルルーシュばっかり」
ルルーシュ「やめろ!!本当に虫唾が走る!!」
ナナリー「うふふ」
スザク「ユフィ、護衛していくよ」
ユフィ「お願い、スザク。―――ルルーシュ、ナナリー、カレン!また会いましょう!!必ず!!」
スザク「みんな!また連休明けに学校で!」
ルルーシュ「ああ」
ナナリー「さようなら!!ユフィ姉さま!!スザクさん!!」
カレン「またね」
ルルーシュ「カレン、家まで送っていこうか?」
カレン「え?いいの?」
ルルーシュ「ついでだ」
カレン「ふーん。ま、いいけど」
ナナリー「カレンさんも素直じゃないんですね」
カレン「ここでいいよ」
ルルーシュ「そうか。じゃあ、またな」
カレン「うん」
ナナリー「それでは、カレンさん」
カレン「あ。ルルーシュ!!」
ルルーシュ「なんだ?」
カレン「その……花飾り、もらってもいい?」
ルルーシュ「ナナリー?」
ナナリー「私に訊ねなくてもいいですよ?お兄様?」
ルルーシュ「じゃあ……」スッ
カレン「……あ、ありがとう……」
ルルーシュ「またな。カレン。生徒会もあるからすぐに会うだろうけど」
カレン「うん。またね」
ナナリー「カレンさん、さようなら」
ギルフォード「さあ、まだまだありますからね!!」
コーネリア「いや……ちょっとは手伝ってくれても……」
ユフィ「お姉様、ただい―――わぁ。すごいですね。これ全部お姉様の書類ですか?」
コーネリア「おかえり、ユフィ。ああ。もう目が回りそうで……」
ユフィ「ふふ……お姉様っ。はい、あーんしてください」
コーネリア「そ、それはユフィのクッキーか!?」
ユフィ「きちんとおいておきました」
コーネリア「ユフィィィ……」ウルウル
ユフィ「はい、あーん」
コーネリア「はむっ……うん……うまい……うまいぞ……」ポロポロ
ユフィ「もう、大げさなんですから」
コーネリア「ようし!!もう怖いものなんてない!!うおぉぉぉぉ!!!!」シュババババ
ギルフォード「(ありがとうございます。仕事をしなくて困っていたので)」
ユフィ「(これでも私は副総督ですからっ)」エッヘン
セシル「おかえり、スザクくん」
スザク「申し訳ありません。急に予定を入れてしまって」
ロイド「ほんとだよ。こっちも忙しいっていうのに。一人だけたのしんじゃってさぁ」
スザク「本当に申し訳ありません」
セシル「気にしなくていいわよ。ロイドさん、スザクくんに妬いてるだけだから」
スザク「え?」
セシル「ロイドさんもスザクくんとピクニック行きたかったんだって」
スザク「そうなんですか?!」
ロイド「それ、セシルくんも、でしょ?」
セシル「ま、そうなんだけどね」
スザク「じゃあ、今度行きましょうか。三人で」
ロイド「ほんと?!いやぁ!!やったぁ!!これで広い場所でランスロットをうごかせる!!おめでと~」
セシル「結局、そっちですか!?」
スザク「あははは」
カレン「花の冠……」
カレン「……」
ルルーシュ『カレン……良く似合ってるよ?』
カレン『そ、そう?』
ルルーシュ『俺の花嫁に相応しい』
カレン『あ、ありがとう……』
ルルーシュ『さぁ。誓いのキスを……』
シャルル『シャルル・ジ・ブリタニアが命じる!!!キィィスしろぉい!!!』
カレン『ルルーシュ……』
ルルーシュ『カレン……』
カレン「―――って、なんて妄想!?わぁー!!!」
カレン「落ち着けカレン……お義父さんに認めてもらっただけ……ってちがーう!!!」
カレン「……やばい……これじゃあシャーリーと一緒じゃないの……!!」
カレン「でも……まぁ……はぁ……いいか……今だけは……す、好きっぽいし……あいつのこと……」
咲世子「おかえりなさいませ」
ルルーシュ「ああ、ただいま」
ナナリー「ただいま戻りました」
咲世子「楽しかったですか?」
ナナリー「はい。とっても」
咲世子「ルルーシュ様も?」
ルルーシュ「まぁ……普通かな」
ナナリー「ウソばっかりですね、お兄様」
咲世子「本当ですね」
ルルーシュ「な……!!」
ナナリー「咲世子さん、今日の夕飯はなんでしょうか」
咲世子「今日はですね―――」
ルルーシュ「まて!!俺は本当にそんなに楽しんでない!!!」
ルルーシュ「ないぞぉ!!!」
V.V.「シャルル、楽しかった?」
シャルル「ええ。兄さんも充実した1日だったようですね」
V.V.「そうでもないよ。あの子が酔いつぶれたからね」
シャルル「ん?」
アーニャ「ぅごー……んごー……」
シャルル「それは災難でしたね、兄さん」
V.V.「でも、こんな戯れはもう終わりでしょ?」
シャルル「勿論ですよ。時間が……あまりないですから」
V.V.「……寂しい?」
シャルル「そんなわけ……ある」
V.V.「嘘のない世界……時には恥ずかしい思いをしなきゃいけないね」
シャルル「考えものか……」
V.V.「今更、それはないよ?シャルル?」
シャルル「わかって……いますよ。約束、ですからね。兄さんとの」
C.C.「楽しかったようだな、坊や」
ルルーシュ「黙れ魔女」
C.C.「図星をつかれると黙れしかいえないのか?」
ルルーシュ「黙れ!!」
C.C.「またいった」
ルルーシュ「シャラップ!!」
C.C.「はいはい」
ルルーシュ「全く……」
C.C.「でも、楽しかったんだろ?よかったじゃないか」
ルルーシュ「これっきりにしてほしいな」
C.C.「もうないよ。こんな奇跡は」
ルルーシュ「そうだな。シャルルとはいずれ……」
C.C.「お前が修羅の道を歩む限り……どこかで倒さなくてはならない相手だ」
ルルーシュ「覚悟はできている。―――俺はゼロ。世界を壊し、創造する男だからな」
ルルーシュ「はい?」
シャルル『ルルーシュか?』
ルルーシュ「……なんだ?」
シャルル『なに?!夏季休暇に入ったにも関わらず、部屋から一歩もでていなぁいだと!?』
ルルーシュ「……」
シャルル『何たる愚かしさ!!!ルルゥゥゥシュよ!!!!いくぞ!!海か?!山かぁぁぁ!?』
ルルーシュ「……」
ガチャン
ナナリー「お兄様?どなたからでした?」
ルルーシュ「ナナリー?海と山ならどっちがいい?」
ナナリー「んー……海です!」
ルルーシュ「……わかった。伝えておく」
―――もう一度、電話が鳴り響く。ルルーシュは受話器をそっと手に取り、「海だ」と告げた。
おしまい。
皇帝陛下の水着姿か・・・
次は潜水艦で来そうだな陛下
Entry ⇒ 2012.08.30 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
シャーリー「何度生まれ変わっても、きっとまたルルを好きになる…」
シャーリー「ルル……」
ルルーシュ「大丈夫だ!!今、助ける!!」
シャーリー「私、ルルが好き。お父さんを巻き込んだって分かっても、嫌いには、なれなかった……。
シャーリー「ルルが全部忘れさせてくれたのに……それでも、また、ルルを好きになった。記憶を弄られても、また好きになった……」
ルルーシュ「喋るな!!シャーリー!!」
シャーリー「何度生まれ変わっても、きっとまた、ルルを好きになる……。これって、運命なんだよね」
ルルーシュ「死ぬな!!シャーリー!!!」キュィィン
シャーリー「だから、いいよね、ルル……。生まれ変わっても、また、ルルを好きになっても……。何度も、何度も、好きに、なる……から―――」
ルルーシュ「目を閉じるな!!!シャーリー!!!シャーリィィ!!!!」
ジェレミア「ルルーシュ様、どうされましたか
ジェレミア「むむ。これはいけない。すぐに治療を開始せねば」
ルルーシュ「できるのか?!」
ジェレミア「お任せください」
ルルーシュ「頼むぞ!!」
ジェレミア「まずが服を脱がせないと」
ルルーシュ「待て!!こんな場所で何を考えている?!」
ジェレミア「しかし!!服を脱がせなければ治療が行えません!!!」
ルルーシュ「そうか……シャーリー!!服を脱がせるぞ!?いいな?!」
シャーリー「い、いいけど……目を、瞑って……くだ……さ……」
ジェレミア「わかりました。善処します」
ルルーシュ「しっかりしろ!!シャーリー!!」
シャーリー「ふぐっ?!」
ルルーシュ「おい!!」
ジェレミア「今からオペを始めます」
シャーリー「うぅ……」
ルルーシュ「シャーリー!!」
シャーリー「えへへ……まだ……ルルと話せる……うれし、い……」
ルルーシュ「俺もだ!!」
ジェレミア「やや」
ルルーシュ「どうした?」
ジェレミア「傷は浅いですね。これなら消毒してしまえば問題ありません」
ルルーシュ「そうなのか!?よかったな!!シャーリー!!!」
シャーリー「え……わたし……たすかるの……?」
ジェレミア「はい。傷も残りません」
ルルーシュ「しかし誰がシャーリーを……!!」
ジェレミア「ルルーシュ様、私が犯人の捜索しましょう」
ルルーシュ「いいのか」
ジェレミア「我が君の女房となる者を撃った罪は重いですので」
ルルーシュ「ありがとう、ジェレミア卿」
ジェレミア「では。あと、これ消毒液とガーゼと包帯です。お使いになってください」
ルルーシュ「助かる」
シャーリー「……」
ルルーシュ「シャーリー……本当によかった……本当に……」
シャーリー「あの」
ルルーシュ「どうした?」
シャーリー「殺して……」
ルルーシュ「どうしてだ!?」
ルルーシュ「恥ずかしいこと?」
シャーリー「もうルルの顔とか見れないよ!!!」
ルルーシュ「シャーリー……何を言っている?」
シャーリー「え……?」
ルルーシュ「恥ずかしいことなんて言ってなかったぞ、全く」
シャーリー「そ、そう?」
ルルーシュ「ルルが全部忘れさせてくれたのに……それでも、また、ルルを好きになった。記憶を弄られても、また好きになった……。なんて、どこが恥ずかしいんだ?」
シャーリー「うわぁぁぁあぁ!!!!!いわないでぇぇ!!!!―――あたたた」
ルルーシュ「シャーリー!!大声を出すな!!」
シャーリー「うぅ……もう死ぬと思ったからそういう告白してみたのに……こんなの生き恥を晒すだけじゃないかな?!」
ルルーシュ「どうしてそんなことを言うんだ?恋はパワーなんだろ?」
シャーリー「ちょっと!!もうやめて!!」
ルルーシュ「今、消毒する」
シャーリー「うん……」
ルルーシュ「しみるぞ」
シャーリー「ひゃっ!?ルル!!もっと優しく!!」
ルルーシュ「我慢しろ。拳銃で撃たれたんだぞ」
シャーリー「そうだけど……」
ルルーシュ「よし。あとはガーゼと包帯で……」
シャーリー「はぁ……」
ルルーシュ「それにしてもシャーリーは凄いな。思い返せばいつも驚かされてばかりだったかもしれない」
シャーリー「え……なにが?」
ルルーシュ「死を悟った奴が「何度生まれ変わっても、きっとまた、ルルを好きになる……。これって、運命なんだよね」なんて台詞を自然と出せるなんてな」
シャーリー「いやぁぁ!!!もうやめて!!ルル!!おねがいぃ!!!」
ルルーシュ「シャーリー……でも、俺にとっては感動的だったんだが……」
シャーリー「私にとっては恥ずかしいの!!!そん台詞!!死ぬって分かってるから言えたの!!!」
シャーリー「な、なりた?」
ルルーシュ「記憶を失くし、俺のことなど忘れたシャーリーは俺を励まそうと……」
シャーリー(なんて言ったっけ……?)
ルルーシュ「私、さっきまで何しにここまで来たのか分かんなくなっていたんですけど、もしかしたら、何か区切りをつけたかったのかもしれません」
ルルーシュ「そりゃあ、忘れることなんてできっこないし、悲しい事っていっぱいあるけど、でも、朝は来るじゃないですか。だから、無理して押さえ込んでも。と言ってくれた」
シャーリー「ルル?!」
ルルーシュ「どうした?」
シャーリー「わ、私……そんなこと言ったの……?」
ルルーシュ「朝は来ますよって台詞は今でも俺の心に刻まれている」
シャーリー「死ぬ!!死んでやる!!!」
ルルーシュ「シャーリー!!やめろ!!」
シャーリー「あ……」キュィィン
シャーリー「ダメ!!死んだらダメ!!!―――あぁ!!!死にたいのに死ねない!!!」
ルルーシュ「大丈夫か?!シャーリー!!落ち着け!!」
シャーリー「違うよ。撃たれたことじゃなくて、私自身に興奮してるよ」
ルルーシュ「もう少ししたら救助の人も来てくれるはずだ」
シャーリー「うん」
ルルーシュ「事情聴取はあるかもしれないが……」
シャーリー「そっか。私、撃たれたんだもんね」
ルルーシュ「誰にやられたんだ?」
シャーリー「……えっと……分からない。気づいたら撃たれてて」
ルルーシュ「おいおい」
シャーリー「ご、ごめんね」
ルルーシュ「まぁ、いいさ。シャーリーが無事なら」
シャーリー「ルル……」
ルルーシュ「ところでシャーリー?」
シャーリー「なに?」
ルルーシュ「……あの……だな……。いいぞ?」
ルルーシュ「だから……別に好きになっても」
シャーリー「……?」ゴクゴク
ルルーシュ「シャーリーが言ったんだろ。「だから、いいよね、ルル……。生まれ変わっても、また、ルルを好きになっても……。何度も、何度も、好きに、なる……から―――」って」
シャーリー「ぶふっ?!」
ルルーシュ「シャーリー!!大丈夫か!?」
シャーリー「げほっ……!!ごほっ……!!」
ルルーシュ「ハンカチを使え」
シャーリー「あ、ありがとう……」
ルルーシュ「どうしたんだ?」
シャーリー「ルルが変なこというからでしょ?!」
ルルーシュ「これはシャーリーの台詞だろ?」
シャーリー「そうだった?!あぁぁ!!!!私、羞恥心で死ねる!!!ダメ!!!死ねない!!死んだらだめぇ!!」
ルルーシュ「お、おい。まだ、傷が痛むのか?」
シャーリー「私自身が痛いよ!!ルル!!どうにかして!!こんなの耐えられない!!」
シャーリー「またナリタのときみたいに記憶を弄ってよぉ……」ウルウル
ルルーシュ「いや、できればよかったが、もうシャーリーには……できない」
シャーリー「そんなぁ……私、今日の日記はどう書けばいいのぉ……」
ルルーシュ「ありのままを書けば……」
シャーリー「そんなことしたら見返すたびにベッドの上でバタバタするじゃない!!!」
ルルーシュ「バタバタ?」
シャーリー「ルルだって恥ずかしい過去がフラッシュバックしたら叫んだり、顔を埋めたくなるでしょ?!」
ルルーシュ「ああ」
シャーリー「でも、まだ忘れていられるだけマシだよね!!私なんて記憶を改竄してくれないともう一生引き摺っちゃうよ!!いいの!?」
ルルーシュ「いいんじゃないか?」
シャーリー「穴があった閉じこもりたい……」
ルルーシュ「ここは落ち着けないか。寮に戻るか」
シャーリー「でも……事情聴取とかあるんでしょ?」
ルルーシュ「シャーリーが苦しむだけなら、この場から離れたほうがいいだろう。行くぞ」
ルルーシュ「はいはい」
警官「あ、君たち。ここで何をしている?」
シャーリー「あ……」
警官「少し話を―――」
ルルーシュ「俺たちを見逃してもらえますか?」キュィィン
警官「―――分かった」
シャーリー「え……」
ルルーシュ「シャーリーには話しておかないといけないな」
シャーリー「今、何したの?」
ルルーシュ「これがギアスの力だ」
シャーリー「ギ、ギアス……?もしかして記憶を弄ったときに使った……?」
ルルーシュ「お前の心理を巧みに利用した男もいただろ。あいつもギアスという力により、お前の心を読んでいた」
シャーリー「今流行ってる催眠術ってそんな名称なの?」
ルルーシュ「え?」
ルルーシュ「……まぁ、そうだな」
シャーリー「だよね。そういうことでもないと記憶を失くさせるとかできないよね」
ルルーシュ「俺のギアスは絶対遵守。どんなに理不尽な命令でも、相手に従わせることができる」
シャーリー「へー。犬にも?」
ルルーシュ「犬?」
シャーリー「うん」
ルルーシュ「できるんじゃないかな。試したことはないが」
シャーリー「じゃあ、実家にね、私にすっごく吠える犬がいるの。全然懐いてくれなくてさ」
ルルーシュ「シャーリーに懐かせろと?」
シャーリー「うん」
ルルーシュ「……」
シャーリー「だめ?」
ルルーシュ「考えておこう」
シャーリー「わーい」
シャーリー「何が?」
ルルーシュ「それって、俺がシャーリーの実家に行くということになるが」
シャーリー「へ、変な勘違いしないで!!別に深い理由なんてないもん!!」
ルルーシュ「そうか」
シャーリー「そう!!別にルルを将来の旦那様的な扱いで招待するわけじゃないし!!」
ルルーシュ「分かった。分かった。そんなに騒ぐとまた出血するぞ」
シャーリー「大丈夫です!」
ポタッ……
シャーリー「え……?」
ルルーシュ「シャーリー!!血が!!」
シャーリー「あぁ……もう……私……ルル……あのね……」
ルルーシュ「大丈夫だ!!傷は浅い!!死ぬような出血でもない!!」
シャーリー「あぶな……また、恥を上塗りするところだった……」
ルルーシュ「とにかく学園に戻るぞ。いいな?」
シャーリー「お腹いたい……」
アーニャ「生理?」
シャーリー「アーニャ!!それセクハラ!!」
アーニャ「心配してあげたのに」
リヴァル「トイレいけよ」
シャーリー「そういう腹痛でもないの!!」
ルルーシュ「おいおい、お前ら。あまりシャーリーを興奮させないでやってくれ」
リヴァル「なんかあったのか?」
ルルーシュ「色々とな」
アーニャ「わかった」
シャーリー「何が?」
アーニャ「ルルーシュ、シャーリーに無茶な体位を要求した?」
シャーリー「アーニャ!?なにいってんの?!」
ルルーシュ「体位?なんのことだ?」
シャーリー「アーニャ!!実演しなくていいから!!!そもそもそんなことしてません!!!」
アーニャ「そうなの?」
ルルーシュ「アーニャ。下着が丸見えだぞ」
アーニャ「エッチ」
シャーリー「自分でやっておいてなに言ってるの?!」
ルルーシュ「シャーリー、あまり無茶はするなよ?」
シャーリー「うん」
ルルーシュ「じゃあ、俺は先に失礼する」
シャーリー「バイバーイ、ルルー」
リヴァル「……なんか、距離が縮まった気がしませんか、アーニャさん」
アーニャ「シャーリーもお年頃。ルルーシュもお年頃」
リヴァル「と、いうことは?!」
アーニャ「シャーリーの落とし頃を過ぎたかもしれない」
リヴァル「シャーリーは元々そんな時期なかった気がするけどな」
シャーリー(ルルってば、私の文字通り命をかけた告白については何も言ってくれないけど、どう思ってるんだろ……)
ソフィ「シャーリー、お風呂いく?」
シャーリー「あ、ごめん。先に行ってて」
ソフィ「また日記?」
シャーリー「う、うん」
ソフィ「ほどほどにねー」
シャーリー「別にいいでしょ!!」
シャーリー「さてと……何を書こうかな……」
シャーリー「……」
シャーリー「そういえば、あのロープウェイのとき……ルル、私の秘蔵写真持ってたっけ……」
シャーリー「……」
シャーリー「……まさか!!!」ガタッ
シャーリー「でも……いくら、ルルでも……部屋に忍び込むとか……うーん……」
シャーリー「よし。電話しよ」
ルルーシュ『どうした?』
シャーリー「ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
ルルーシュ『ああ、構わない』
シャーリー「ルルさ、ロープウェイのとき……あ、私がルルを撃っちゃおうとしたときね」
シャーリー「あのとき私の持っていた写真、ルルが持ってたよね?もしかして私の部屋に入った?」
ルルーシュ『……ああ』
シャーリー「やっぱり?!」
ルルーシュ『ギアス漏洩を防ぐためだったんだ……。すまない』
シャーリー「日記は読んだ?!」
ルルーシュ『……ああ』
シャーリー「おぉ……?!」
ルルーシュ『本当に悪いと―――』
シャーリー「ど、どこまで読んだの?!」
ルルーシュ『どこまでって全部だが……』
ルルーシュ『勿論、シャーリーの日記の内容を公表するつもりなんてない』
シャーリー「あ、当たり前でしょ!?」
ルルーシュ『時々、ポエムみたいになるのが俺は好きだったな』
シャーリー「ポエ!?」
ルルーシュ『―――今日もあいつを見ていた。誰に言われるでもなく、ただぼんやりと背中を眺めていた。ああ、これが恋か。とか』
シャーリー「いやぁぁ!!!!それ日記をどう書くか迷走しだしたときのやつじゃない!?」
ルルーシュ『あとは……。―――今日は冷たいソフトクリームをペロペロ。とっても甘い。冷たいアイツもペロペロしたら甘いのだろうか。とかな』
シャーリー「うわぁー!!!うわー!!!!」
ルルーシュ『どうした?!シャーリー?!』
シャーリー「いやぁぁ!!!やめてぇぇ!!!」バタバタ
ルルーシュ『シャーリー?!暴漢でも現れたのか?!』
シャーリー「心の暴漢が耳元にいるよ!!」
ルルーシュ『なんだと?!分かった!!すぐにそっちへ行く!!』
シャーリー「こないでぇ!!ルルはだめぇ!!」
シャーリー「いや……もう……ダメかも……」
ルルーシュ『シャーリー!!しっかりしろ!!』
シャーリー「もう……表に出られない……死のう……」キュィィン
シャーリー「ダメ……死ねない……よぉ……」
ルルーシュ『シャーリー……。俺でよければ相談に乗るが……』
シャーリー「ほ、他には……?」
ルルーシュ『え?』
シャーリー「もう……それだけしか……覚えてない……?」
ルルーシュ『いや、一番強烈だったのが一つだけあるな』
シャーリー(なんだろう……!!もしかして初めてルルに会ったときのやつ?それともルルって呼び始めた日のこと……?!)
ルルーシュ『今日の妄想シリーズはとても記憶に残っている』
シャーリー「だめ……!!それは……言わないで……!!おね……がい……!!」
ルルーシュ『しかし、デートプランはかなりしっかりしていた。相手のLって奴が羨ましいぐらいだ』
シャーリー「……もう……ころしてよぉ……」
シャーリー「あー!!あー!!」
ルルーシュ『シャーリー?!!やはり今から……!!』
シャーリー「ルル!!お願い!!忘れて!!」
ルルーシュ『忘れたくても……』
シャーリー「忘れろー!!」
ルルーシュ『だが……』
シャーリー「忘れないなら舌噛み千切って、丸めて、窓から投げ捨ててやる!!」
ルルーシュ『俺のか?』
シャーリー「私のに決まってるでしょ?!」
ルルーシュ『シャーリー!!死ぬぞ!!やめろ!!』
シャーリー「なら忘れて!!」
ルルーシュ『ポエムは忘れなくてもいいか?』
シャーリー「全部!!恥ずかしい内容の日のやつは全部お願いします!!!」
ルルーシュ『どれが恥ずかしい日のものなんだ?LとSのいけない日記シリーズか?あれは確かに女の子が書いていい内容ではなかったが……」
ルルーシュ『でも、日記と書かれたフォルダに……』
シャーリー「私小説を隠すためのフォルダなの!!」
ルルーシュ『なんだ。そうだったのか』
シャーリー「よ、読んだの……?」
ルルーシュ『1ページ400字で800ページ以上あったからな。全て読むのに少し時間がかかった』
シャーリー「読んだんだ……」
ルルーシュ『初めは文章も荒かったが、中盤から洗練されてきて、とても読み応えがあった』
シャーリー「……」
ルルーシュ『特にLがSを自室に招いてから濡れ場に向かう心理描写なんて秀逸だったな』
シャーリー「ルル……あの……それは……」
ルルーシュ『LはSの瞳を見るたびに鼓動を大きくさせた。もうこの感情を抑えることはできない。Lの心に灯る。劣情と言う名の青い火が。とかな』
シャーリー「うぅぅ……うぅぅ……」
ルルーシュ『シャーリー?具合でも悪いのか?』
シャーリー「舌が噛み切れません……」
シャーリー「言えるわけないでしょ」
ルルーシュ『その機会はいずれ』
シャーリー「言わないってば!!」
ルルーシュ『ん?ジェレ……ロロ……だと……!!!』
シャーリー「え?ルル?どうしたの?」
ルルーシュ『ああ、悪い。急用が入った。また明日な』
シャーリー「ルル!!日記と小説のこと忘れてね!!お願いだから!!」
ルルーシュ『分かっている』
シャーリー「あ、あと!!」
ルルーシュ『なんだ?』
シャーリー「ルルのこと手伝いたい……。もし困っているなら何でも言って」
ルルーシュ『シャーリー……』
シャーリー「……」
ルルーシュ『シャーリーは俺の帰る場所になってくれたらそれでいい。お前が生きている限り、俺は死ねない』
ルルーシュ『嬉しいよ』
シャーリー「嬉しいの?!ありがとう!」
ルルーシュ『それじゃあ、おやすみ』
シャーリー「ルル!!忘れてね!!ルルー!!!」
シャーリー「切れちゃった……」
シャーリー「……」
シャーリー(さっき、ロロって……)
シャーリー「……!」ガタッ
シャーリー「もしかして私を撃ったのがロロくんだって分かったの……」
シャーリー「大変。ロロくんを探さないと……」
シャーリー「今のルル、何をするかよくわかんないし……」
シャーリー「催眠術でロロくんに意地悪するかもしれないし……!!」
シャーリー「よしっ」ダダダッ
シャーリー「ごめんくださーい」ドンドン
咲世子「なんでしょうか?」
シャーリー「咲世子さん。ルルは?」
咲世子「生憎と」
シャーリー「ロロは?」
咲世子「ロロ様もいまは……」
シャーリー「ロロもルルもいない……。やっぱり!!」
咲世子「シャーリーさん!?どちらへ?」
シャーリー「二人を探します!!」
咲世子「あ……!!」
シャーリー「ロロー!!!」ダダダッ
咲世子「……はぁ……」
咲世子「―――ヴィレッタ様」
ヴェレッタ『分かっている。ルルーシュからも言われているからな。こちらで保護しよう』
ヴィレッタ「入れ」
シャーリー「あの……ここは……?」
ヴィレッタ「私の仕事場だ」
シャーリー「ヴィレッタ先生ってここに住んでいるんですか?」
ヴィレッタ「まぁな」
シャーリー「わぁ。モニターがいっぱいありますね。今、面白いドラマとかやってますよ。一緒に見ます?」
ヴィレッタ「それはテレビではない。とにかく座れ」
シャーリー「は、はい」
ヴィレッタ「ルルーシュからどこまで聞いた?」
シャーリー「……私が恥ずかしい小説を書いているところまで……」
ヴィレッタ「何のことだ。ギアスについて聞いたのだろ?」
シャーリー「ああ。そっちですか。はい」
ヴィレッタ「どう思った?」
シャーリー「ルルはすごいなーって思いました」
シャーリー「はい」
ヴィレッタ「もっとあるだろ。お前の父親はルルーシュに殺され、更に記憶まで奪い、偽りの日常をお前に与えたのだぞ」
シャーリー「今の催眠術ってそんなことまで出来るんですよね。凄いです」
ヴィレッタ「シャーリー……」
シャーリー「あの。今はロロを助けにいかないといけないんで……」
ヴィレッタ「その必要はない。ルルーシュはロロに手を出すことはない。まだまだ利用価値があるからな」
シャーリー「利用価値?」
ヴィレッタ「ロロのギアスは相手の体感時間を奪うものだ。それを利用してナナリーを救出するのだろう」
シャーリー「ナナちゃんを……」
ヴィレッタ「ああ。それまでは手出しなどしないはずだ」
シャーリー「そんなのナナちゃんを救っても手なんて出したらダメですよ!!」
ヴィレッタ「……お前な……」
シャーリー「はい」
ヴィレッタ「やはりお前だけは好きにはなれない」
ヴィレッタ「嫌なことを思い出させるな」
シャーリー「あれは……あの……ごめんなさい。アルバイトして治療費払います」
ヴィレッタ「もういい。治療費はタダだったしな。それ以前に父親を殺されて平然としていられるお前に腹が立つ」
シャーリー「平然としているように見えますか?」
ヴィレッタ「見える」
シャーリー「……よかった」
ヴィレッタ「……」
シャーリー「なら、きっとルルにもそう見えてますよね」
ヴィレッタ「何を言っている?」
シャーリー「だって。お父さんが死んだことを気にしているように見えちゃったら、ルルは私に今よりももっともーっと優しくなると思うんです」
ヴィレッタ「それでいいじゃないか」
シャーリー「ダメですよ。それはただ罪の意識から私の頭を撫でてくれているだけじゃないですか」
ヴィレッタ「なに?」
シャーリー「私はルルのことを許しました。だから、いつものルルと私でいいんです。ルルは少しだけ遠くにいるような気がするけど、それでもいつものように接してくれるだけで嬉しくて……」
シャーリー「あの……理由になってないですか?それとも撃ったことを気にしてますか?」
ヴィレッタ「お前も撃たれたのだったな?」
シャーリー「あ、はい。ここです」
ヴィレッタ「ふんっ」ツンッ
シャーリー「がっ……?!!?」
ヴィレッタ「どうだ?ちょっと突いただけでも痛いだろ?私も同じ苦しみを味わった」
シャーリー「あ……ご、ごめ……」
ヴィレッタ「そのように思考ができれば……私も扇と……」
シャーリー「先生?」
ヴィレッタ「何でもない。ともかく、お前はロロに命を狙われている。我々が保護を―――」
シャーリー「先生?せんせー。もしもーし」
ロロ「―――シャーリーさん」
シャーリー「あ、ロロ。みてよ、先生ったら固まっちゃって」
ロロ「今度こそ……貴方を……」
ロロ「死んでもらいますよ」チャカ
シャーリー「ロロ……」
ロロ「貴方は兄さんにとって危険な存在だ……」
シャーリー「どうして……」
ロロ「貴方が!!兄さんを惑わせるから!!!死んでください!!!」
シャーリー「ロロ、私は―――」キュィィン
シャーリー「死ねない!!」ダダッ
ロロ「なに!?―――くそ!!」バァァン!!!
シャーリー「うっ?!」
ロロ「もう一発……!!」
シャーリー「ふっ!!」ドゴォ
ロロ「ぐ?!」
シャーリー「はぁ……はぁ……ロロ、やめようよ……どうして……」
ヴィレッタ「―――は?!シャーリー?!ロロ!!」
シャーリー「……」
ヴィレッタ「ロロ、どうして……。シャーリーの時も奪えばよかっただろに」
ロロ「それは……」
シャーリー「ロロ、私もルルのこと大好きなの」
ロロ「それがなんですか?」
シャーリー「ロロも好きなんでしょ?」
ロロ「ええ。そうですよ……。兄さんは僕だけの……」
シャーリー「うん。わかった」
ヴィレッタ「え……」
ロロ「シャーリー……さん……?」
シャーリー「ロロ、じゃあ競争しよ」
ロロ「競争……?」
シャーリー「私だってルルが好きだもん。でも、ルルを独り占めにするつもりもないから。だから、競争。恋敵の時を奪うんじゃなくて、好きな人の心を奪おうよ。そのほうが良いと思うよ?」
ロロ「……」
ヴィレッタ「おい!!お前は二度も殺されかけたんだぞ?!」
シャーリー「でも、私は死んでいません。この前も今も、ロロなら簡単に殺せるのに」
ロロ「……」
シャーリー「頭とか心臓を撃っちゃえばいいのに、ロロはそうしなかった。今も足を撃っただけですし」
ヴィレッタ「お前!!大丈夫か!?」
シャーリー「痛いですよ!!」
ロロ「シャーリーさん……」
シャーリー「ロロはきっとちょっと興奮しただけなんです。ほら、良くあるじゃないですか。好きな人の隣に知らない誰かがいて、それを見た恋敵がハンカチを噛むとか」
シャーリー「むきー!誰よあの女はぁ!!みたいな」
ヴィレッタ「あるかもしれんが……」
シャーリー「私もカレンとルルが一時期怪しかったので、いつもむきーってなってました。ロロのことを責めるなんてできません」
ヴィレッタ「あのな……。いいのか?ロロはまたお前を狙うぞ?」
シャーリー「ロロは私じゃなくてルルのハート狙うべきだよ」
ロロ「新手の命乞いですか?」
ロロ「兄さんも貴方のそんなところに惹かれたのでしょうね……」
シャーリー「え?」
ロロ「兄さんが写った写真をかき集めたり、変なポエムを書いたり、LとSの官能小説書き溜めたり……」
シャーリー「うわぁぁぁっぁ!!!!!」
ロロ「変態の癖に!!」
シャーリー「女の子はみんなしてるよ!!」
ヴィレッタ「してないが」
ロロ「ヴィレッタさん、見てください」
ヴィレッタ「これは?」
ロロ「シャーリーさんのポエム集です」
ヴィレッタ「ポエム集」
シャーリー「なにそれ?!」
ロロ「あなたが日記の残した恥ずかしいポエムを一覧にしたものですよ」
シャーリー「なんでそんなことするの!?そんなことするなら撃ってよ!!」
ホモが何言ってるんだ
シャーリー「いやぁぁぁぁ!!!声に出さないでぇぇぇ!!!」
ロロ「ふふふ……」
ヴィレッタ「シャーリー、こういうのが趣味なのか」
シャーリー「それはだから、日記の余白を埋めようとして……!!!」
ヴィレッタ「良い匂いがした。自分を深い場所まで潜らせる。そして包まれる。それが好きということ」
シャーリー「せんせぇぇ!!もうやめて!!音読はやめてください!!!黙読で!!黙読でお願いします!!」
ヴィレッタ「意外と面白いじゃないか。本でも出せばいいのに」
シャーリー「悶死しますよ!!」
ロロ「兄さんが写っている写真もこれだけあります。千枚以上はありますね」バサッ
シャーリー「ロロ!?私の部屋からもってきたの?!」
ロロ「それに画像データは1テラバイト弱もありましたよ。なんですか、これは?」
シャーリー「それは一つの画像に保存用、鑑賞用、実用に分けてあるのと、大きさも普通のと壁紙に分けてあるから、自然と要領が肥大化しちゃって……」
ロロ「ド変態ですね」
シャーリー「みんなやってるよ!!きっと!!」
ロロ「あなたの異常性を兄さんが知ればどうなるでしょうね……」
シャーリー「ロロ……!!」
ロロ「きっと気持ち悪がりますね」
シャーリー「それだけはやめて!!お願い!!!」
ロロ「なら兄さんに近づくな。半径100メートル以内に入らないでください!!」
シャーリー「そんな!?」
ヴィレッタ「おい、ロロ。無茶を言うな。シャーリーとルルーシュは同じクラスだ」
シャーリー「そ、そうだよ!!」
ロロ「なら、学園を去るしかないでしょうね」
シャーリー「そ、それは……!!」
ロロ「どうするんですか?」
シャーリー「うぅぅ……!!」
ヴィレッタ「シャーリー。どうでもいいが、足の怪我はどうする?応急処置ぐらいしたほうがいいぞ。化膿したら大変だ」
シャーリー「うぅぅ……出血多量で死にます……私はもう生きているのが辛いんです……」
シャーリー「やっぱり……私は死ねないんですね……」
シャーリー「ルルにも恥ずかしい秘密をいっぱい知られたし……もういやぁ……」
ヴィレッタ「はぁ……」
ロロ「シャーリーさん、いや、シャーリー!!早く兄さんの傍から離れろ!!この魔女め!!」
ヴィレッタ「そこまでいうなら何故、一思いに殺さない?」
ロロ「……!」
ヴィレッタ「お前、実はシャーリーを生かして何かを得ようとしているのか?」
ロロ「そ、それは……」
シャーリー「え?なに?」
ロロ「……ち、違う!!僕は本当にシャーリーに死んで欲しいんです!!」
シャーリー「早く殺して!!だめ!!やっぱり殺さないで!!!」
ヴィレッタ「……」
ロロ「僕は……本当に……!!」
ルルーシュ「―――そこまでだ。ロロ」
ヴィレッタ「ルルーシュ……」
シャーリー「ルルがきたー!!!もうお終いだー!!!」バタバタ
ルルーシュ「シャーリー。落ち着け」
シャーリー「え……?」
ルルーシュ「俺はお前の秘密を全部知っているだろ。どうしてロロの脅しに屈しようとする」
シャーリー「あ、そうだった。全部、見ちゃってるもんね。ルル」
ルルーシュ「そうだ」
シャーリー「じゃあ、私のこと嫌い?!キモいとか思った?!」
ルルーシュ「何度生まれ変わっても、きっとまた、ルルを好きになる……。とか、新しいポエムだろ?」
シャーリー「ちがっ!?」
ヴィレッタ「そんなポエムは見当たらないが」
ルルーシュ「シャーリーの新作なんですよ、きっと」
シャーリー「ルル!!違うってば!!!それは死ぬ間際だから……!!」
ルルーシュ「だからこそ最高傑作が出来上がったんだろ?分かっている」
ロロ「何しにきたの?」
ルルーシュ「シャーリーを撃ち、こんな卑劣な脅しまで……。ロロ、もう言い逃れはできないぞ」
ロロ「兄さん!!目を覚ましてよ!!シャーリーさんはただの変態ストーカーだよ!!きっと兄さんの上履きとか縦笛とかもクンカクンカ、ペロペロしてるよ!!」
シャーリー「まだ踏み込んだことのない領域です!!」
ヴィレッタ「普通するだろ」
ルルーシュ「ロロ……。ならば、貴様のパソコン内のあのフォルダはなんだ?」
ロロ「え……な、なんのこと……?」
ルルーシュ「容量は2TB超。しかも外付けHDDにまで同じフォルダがある」
ロロ「それはあれだよ。バックアップで……」
ルルーシュ「俺の画像がか?」
ロロ「僕は兄さんを監視する役目があったんだよ。盗撮したような画像が多くなるのは仕方のないことだよ!!」
ルルーシュ「風呂、トイレまでもか?」
ロロ「ひ、一人になる場所は一番警戒しなきゃダメでしょ?全く、素人なんだから、兄さんは」
ルルーシュ「ああ。俺も最初はそう思った。―――まるで便器の中から撮ったような動画が見つかるまではな」
シャーリー「な、なにそれ……」
ヴィレッタ「おいおい。どんな動画だ?資料として持って帰る」
ルルーシュ「これだ」ピッ
シャーリー「……モニターが……」
ヴィレッタ「……」
ロロ「やめてよ……兄さん……」
シャーリー「あ、ルルだ」
ヴィレッタ「おい、シャーリー。目を逸らせ」
シャーリー「わわわ……ルルが……ルルが……」
ロロ「兄さん!!!」キュィィン
ルルーシュ「―――ふっ」
シャーリー「あ、あれ?!決定的瞬間が終わってる?!」
ロロ「兄さん……自分の恥ずかしい映像を見せて……何が楽しいの……?」
ルルーシュ「出演者は俺。そして視聴者はシャーリーだ。別に問題はないな」
ルルーシュ「いつかは自分の裸も見られるときが来る。今から恥ずかしがっていてどうする?」
ロロ「に、兄さん……それって……!!!」
シャーリー「え?どういうこと?ルル、私の前で裸になるの?なんで?ヌードデッサンなんて私、興味ないけど」
ヴィレッタ「シャーリー……」
ルルーシュ「悪いな、ロロ。お前には見せない。しかし、シャーリーには見せる。それが答えだ」
ロロ「ぐっ……!!どうして!!僕だってこんなに愛しているのに……!!兄さん!!!」
ルルーシュ「それはシャーリーも同じだな」
シャーリー「わ、私は別にルルのことなんて、そこまで愛してないもん!!」
ヴィレッタ「今更それは通じないだろ」
シャーリー「ホントです!!ルルが私を好きなだけです!!」
ルルーシュ「ロロ。貴様の持つ画像と動画データを消去されたくなければ、この俺に従い続けろ。その無償の愛を持ったままな!!!」
ロロ「くそ……!!くそぉ……」ガクッ
シャーリー「ロロ?大丈夫?」
ヴィレッタ「シャーリーの勝ちか」
シャーリー「どこへ?」
ルルーシュ「また新しいポエムでも聞かせてくれ」
シャーリー「い、いや!!」
ルルーシュ「あの小説の続きは出来たのか?」
シャーリー「よ、よみたいの!?」
ルルーシュ「当然だ。教室でLとSが盛っているのをクラスメイトに見られたあと、一体どうなるのか。気になって夜も眠れない」
シャーリー「あ、あのあとは……後ろから抱きしめているだけってSが言い訳しながら、実は繋が―――って、女の子に何を言わせるの?!おかしいよ!!」
ルルーシュ「はいはい」
シャーリー「もう……」
ロロ「負けた……あんな魔女に……僕は……」
ヴィレッタ「ロロ……」
ロロ「うぅぅ……」
ヴィレッタ「あの動画、コピーさせてくれないか?」
ロロ「いやです!!」
ざまあああああああああああああwwwwwwwwwwww
ルルーシュ「シャーリー。あまり一人で出歩くな。怪我だってしているし」
シャーリー「ごめん。だって、ルルがロロに何かしちゃうって思って」
ルルーシュ「するわけないだろ」
シャーリー「うん……」
ルルーシュ「足の応急処置はこれでいいな」
咲世子「ルルーシュ様。では、私は……」
ルルーシュ「連絡してくれて助かった」
咲世子「とんでもありません」
シャーリー「咲世子さん。さようなら」
咲世子「はい。では、失礼しますね」
シャーリー「……」
ルルーシュ「今日はどうする?泊まっていくか?」
シャーリー「え?ううん。ルルに悪いし、寮に戻るよ」
ルルーシュ「そうか」
ルルーシュ「送っていく」
シャーリー「ね、ねえ!!ルル!!」
ルルーシュ「ん?」
シャーリー「あの……嘘を吐かないで欲しいんだけど」
ルルーシュ「ああ」
シャーリー「ルルの写った写真をかき集めたり、ポエム書いたり、変な小説書いたり、気づいたらいつもルルのことばかり見ているような女の子ってやっぱり変……?」
ルルーシュ「変だな」
シャーリー「やっぱりぃ……?」
ルルーシュ「冷静に考えたらそんな女は気持ち悪い」
シャーリー「うぐっ……?!」
ルルーシュ「ルームメイトも白い目で見ているんじゃないか?」
シャーリー「生暖かいです」
ルルーシュ「だろうな」
シャーリー「じゃあ……ルルは……私のこと……嫌い……だよね」
シャーリー「は、はい」
ルルーシュ「嘘を吐かないで欲しいんだが」
シャーリー「う、うん?」
ルルーシュ「俺の写った写真をかき集めたり、ポエム書いたり、変な小説書いたり、気づいたらいつも俺のことばかり見ているような女の子を好きになるって変か?」
シャーリー「……変かな」
ルルーシュ「やはり……」
シャーリー「そんな子、絶対ストーカーだよ!!ルル!!目を覚まして!!」
ルルーシュ「目を覚ましたらシャーリーのことを好きでいられなくなる。それはゴメンだ」
シャーリー「なによぉ!!私はそんなこと……してる!!それ、私のことだった!!」
ルルーシュ「恋はパワーだからな。それぐらいの押しがあってもいいとは思うが……」
シャーリー「ルルぅぅ……もう画像も保存用だけにするし、ポエムも書かないし、小説もやめるぅ……だから……」ウルウル
ルルーシュ「そうだな。写真を撮る必要も、小説を書く必要もこれからはないからな」
シャーリー「え……?」
ルルーシュ「シャーリー。ゲームで決まっただけの恋人は終わりにするぞ。―――シャーリー、俺の恋人になってくれないか。ずっと傍にいてくれる恋人にな」
ルルーシュ「やはりダメか?」
シャーリー「……」
ルルーシュ「悪い。虫のいい話だったな。忘れてくれ」
シャーリー「ねえ!!」
ルルーシュ「どうした?」
シャーリー「……私はルルのこと許してるから!!」
ルルーシュ「……」
シャーリー「だから、気にしないで!!」
ルルーシュ「シャーリー……」
シャーリー「生まれ変わってルルがまた自分を見失って、酷いことしても……きっと私はルルを許しちゃうと思う」
ルルーシュ「どうして?」
シャーリー「それが好きってことでしょ。きっと、そうだと思うの。ルルが好きだから……。許しちゃうの……多分……」
ルルーシュ「馬鹿な女だな」
シャーリー「思うところがないわけじゃない。それでも、ルルが好きだから仕方ないでしょ?!」
シャーリー「だから……えっと……画像捨てる!小説も書かない!!ポエムも捨てる!!」
ルルーシュ「よせ」
シャーリー「え?」
ルルーシュ「ポエムは書け。いや、書いて欲しい」
シャーリー「なんで?!もうあんなの忘れたい過去の上位なんだけど?!」
ルルーシュ「あのポエムはいい。本も出そう」
シャーリー「えぇ!?」
ルルーシュ「出版社にも話は通してある。ギアスを使った」
シャーリー「どうして!?」
ルルーシュ「ナナリーにも見せてあげたいんだ。あんなに読んでいる側までも綻んでしまうような文章、中々書けない」
シャーリー「それ苦笑いでしょ!?私、知ってるよ?!」
ルルーシュ「シャーリー。今の気持ちをポエムにしてくれ」
シャーリー「え?えーと……見上げると夜空があった。視線を合わせても星が見えた。彼の瞳の中にそれはある。こっちのほうが綺麗だし、なにより近くていいね―――って、ルル!!」
ルルーシュ「今のもいいな。メモしておくか」カキカキ
ルルーシュ「都合よくロロがシャーリーもポエムを纏めてくれているし、これでスムーズに事が進むな」
シャーリー「すすめないで……ルルぅ……」
ルルーシュ「あとシャーリーの声を録音してポエム集の付録にCDを付けたい。ポエムの音読CDだ」
シャーリー「はぁ?!」
ルルーシュ「これでナナリーにも安心してシャーリーのポエムを届けることができる」
シャーリー「ルル!!ナナちゃんを取り戻そう?!そうすれば本を出版しなくてもいいじゃないかな?!」
ルルーシュ「ナナリーを助けるための手は打っている。だが、まだまだ時間はかかる」
シャーリー「出版とか寄り道してるからじゃないの?!」
ルルーシュ「そんなことはない。俺はシャーリーが大好きだからな」
シャーリー「うん……私も……って、そんな言葉では騙されない!!」
ルルーシュ「シャーリー……俺のことが嫌いなのか……」
シャーリー「ううん!!大好き!!」
ルルーシュ「よかった……シャーリー。録音、頑張ろうな」
シャーリー「うん……え?本当に?」
シャーリー(はぁ……結局、朝帰り……。ソフィ、心配してるかなぁ……)
シャーリー「ただい―――」
ロロ「お帰りなさい。シャーリーさん」
シャーリー「ロロ?!なんで?!」
ソフィ「あ、シャーリー。たすけてよぉ」
シャーリー「どうしたの?!」
ソフィ「この子がね、シャーリーに新作小説を書くようにお願いしろって。じゃないと、シャーリーの恥ずかしいポエムをばら撒くって」
シャーリー「小説……?」
ロロ「貴方を殺せなかったのは、この小説を読んでしまったからなんです」
シャーリー「それは!?」
ロロ「LとSのキャラが生々しくて素晴らしいですね。僕も大ファンになってしまいました。なので殺してしまっては続きが読めない……。そこで僕に迷いが生じた」
シャーリー「そ、それで……?」
ロロ「本来なら殺さない代わりに、あるいは学園を去りたくなければ小説を書けと脅すつもりでした。昨日はそれができませんでしたから」
シャーリー「わ、私の小説……どうして、みんな読むの……。ただのストレス解消なのにぃ……」
シャーリー「やめて!!―――と、思ったけど。別にいいか」
ロロ「な……?!どうして?!僕は本気ですよ?!」
シャーリー「だって、そのポエム集、本にして売るから」
ロロ「正気ですか?!」
シャーリー「ルルにいってよぉ!!私だって今すぐに誰かに殺して欲しいぐらい……。でも、殺されたくない」キュィィン
ロロ「兄さんめ……。分かりました。では、この未完成の小説は新人賞にでも出してみましょうか」
シャーリー「完成してないしダメぇ!!」
ロロ「ネットにばら撒いてもいい!!勿論、名前も顔もつけてね!!」
シャーリー「ひどいよ!!」
ロロ「なら書くんです。まずはこのLとSのいけない日記を完結させて、次はLとRの秘め事ってタイトルのBL小説を書いて下さい!!!」
シャーリー「えぇ……そんなの……」
ロロ「いいんですか?バラ撒きますよ?」
ソフィ「いいじゃん。書いちゃえば」
シャーリー「もう!!書く!!かきますぅ!!」
シャーリー「できた……!!できちゃった……!!」
ルルーシュ「シャーリー。何が出来たんだ?」
シャーリー「うおぉ?!なんでもありません!!」
アーニャ「ルルーシュのシャーリーの子ども?」
ルルーシュ「なに?本当か?」
シャーリー「そんなわけないでしょ?!」
アーニャ「お腹に手を当ててみる。何も聞こえない。何も感じない。だけど、貴方の温もりだけが残っている。―――これって、どういうこと?」
シャーリー「なんで買ってるの!?」
リヴァル「生徒会メンバーはみんな買ってるって」
シャーリー「こっそり出したのに……!!」
ルルーシュ「これは小説か」
シャーリー「あ?!みちゃだめぇ!!」
ルルーシュ「これも出版してみるか?」
シャーリー「ルルー!!これ以上、私の恥部を配り歩かないで!!」
ナナリー「カレンさん、見てください」ウィィィン
カレン「どうしたの?嬉しそうに」
ナナリー「シャーリーさんのポエム集です」
カレン「どういうこと?」
ナナリー「私は付属のCDでシャーリーさんの声と共に、美しい詩を聞きました」
カレン「ふーん……」ペラッ
ナナリー「水の音が聞こえる。それは命の息吹。それを受け止め、私はまた未来を望む。ああ、このときだけが私の全て……。これが一番好きですね」
カレン「何を思って書いてるんだろ……」
ナナリー「もうすぐ小説も出るみたいですよ。私、楽しみです」
カレン「できたら私にも貸してよ」
ナナリー「はいっ」
カレン(シャーリー……人生を楽しんでるわね……ん?このポエムは……CD未収録集?)
『何度生まれ変わっても、きっとまたルルを好きになる……これって、運命なんだよね』
カレン「……シャーリー……本当に人生、楽しんでるなぁ……!!」
シャーリー「うわぁぁぁ!!!私の知らないポエムまでのってるぅ!!!」
ルルーシュ「俺に向けたポエムだろ?」
シャーリー「違うよ!!あれは一世一代の告白だったのぉ!!」
ルルーシュ「そうだったのか?」
シャーリー「分かってて載せたんでしょ?もうー!!」
ルルーシュ「悪い。あまりにも嬉しくて」
シャーリー「……ホントに?」
ルルーシュ「もう一回、言ってみてくれないか?」
シャーリー「……な、何度生まれ変わっても、きっとまたルルを好きになる……」
ルルーシュ「俺もだ、シャーリー」
シャーリー「そんなことで、この出版は許さない!!」
ルルーシュ「シャーリー……好きだ……」
シャーリー「私も、ルルのこと大好き……。でも、恥ずかしいよぉ!!!もっと普通に告白したらよかったぁ!!!」ジタバタ
ルルーシュ「シャーリーは見ていて飽きないな。これなら一生一緒でも大丈夫だろう」
おしまい
何か平和だなと思ったら、ウザクがいなかった
Entry ⇒ 2012.08.28 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
シャーリー「合コンあるけど、参加しない?」ルルーシュ「しない」
シャーリー「だ、だよねー。ルル、そういうの興味ないもんねー」
ルルーシュ「シャーリー、その合コンに参加するのか?」
シャーリー「ううん!!別に!!しないよー!!私も興味ないし!!」
ルルーシュ「じゃあ、どうしてそんなことを訊ねた?」
シャーリー「それは……」
ミレイ「水泳部のメンバーにまた合コン誘われたの。でもね、いつも断ってばかりだから今回は流石に参加しないと悪いかなって思ったのよ。でも、ルルがいないと意味ないしなー」
ミレイ「あ、そうだ!ルルを誘っちゃおう!!!ってことじゃないの」
シャーリー「会長?!なんでそのことを?!」
ミレイ「これだけ想われたルルーシュが一言!」
ルルーシュ「じゃあ、断ればいいじゃないか」
シャーリー「だって、もう散々断ってるから、断り辛くて……」
シャーリー「だからー。興味無いんだってば!」
ルルーシュ「じゃあ、行かなければいいだろ」
シャーリー「断りにくいから困ってるの!!」
ルルーシュ「面倒な性格だな」
ミレイ「ルルーシュ、たまにはシャーリーに付き合ってあげればぁ?」
ルルーシュ「どうして俺が合コンなんて」
リヴァル「ルルーシュは合コンなんてしなくても立ってるだけで女の子が寄って来るもんな」
ルルーシュ「変な言い方はやめろ。別にそんなことはない」
リヴァル「それはお前がナナリーとよく一緒にいるから近寄ろうって女の子が少ないだけだよ」
ミレイ「というか、ルルーシュが合コンなんて参加したら他の男の子が可哀相よね。シャーリーはいい子だからそんな凄惨な男子に同情して、夜のネオン街に消えていく……」
ミレイ「ああ、お父さん、お母さん。ごめんなさい。シャーリーは悪い子です」
シャーリー「何言ってるんですか?」
ルルーシュ「俺はそういうのに呼ばれたこともないし、参加したこともない。恐らく場に馴染めず、空気を悪くするだけだろう」
シャーリー「そうかなぁ……私はルルがいてくれるだけで心強いけど……」
シャーリー「え……あ、いや……」
ミレイ「顔も知らない男を前にするよりは、知っている憎いあいつがいたほうがいい。そういうことよ」
ルルーシュ「おいおい。合コンの意味がないんじゃないか?合同お見合いみたいなものだろ?」
ミレイ「そうよねー。新しい出会いを求めて合コンは開かれるわけだし」
リヴァル「うんうん」
ミレイ「二人は意気投合。みんなと別れたあとも何故か家には帰りたくない。そしてホテル街へと消えていく……」
シャーリー「もういいです。断りますから」
ルルーシュ「待て。シャーリー、俺が行けば解決するのか?」
シャーリー「え……?」
ルルーシュ「友人との付き合いも大事だ。俺で解決できるなら参加してやろう」
シャーリー「いいの?!ホントぉ?!」
ルルーシュ「ただし、居るだけだ。何もしない。空気が悪くなっても文句は言うなよ?」
シャーリー「うんうん!!ありがとう!!ルルー!!これで―――」
ミレイ「ストーップ!!!そんなに簡単に決めていいのかね、若人たちよぉ!!合コンとは戦争だぞー!!」
ミレイ「言ったけどね、やっぱりど素人のルルーシュとシャーリーが参加するのは危険だと思うのよ」
シャーリー「危険……ですか?」
ルルーシュ「合コン自体が駄目になると?」
ミレイ「シャーリー、何対何でやるの?」
シャーリー「えーと、4対4です」
ミレイ「なるほど。ド素人の二人を含めて8人。これは全員がご破算になるわ」
ルルーシュ「未経験者が二人いるだけでですか?」
ミレイ「そうよ。だって、テーブル席はまさに戦場と言う名のフィールド!!話術とは兵器!!飲食物は兵糧!!」
ルルーシュ「なるほど。確かに新兵が混じればどうなるかわかりませんね」
ミレイ「そう!敵味方の足を引っ張り合って、誰も生きては帰らない結末だってあり得てしまう!!」
シャーリー「そうなの?」
リヴァル「まぁ、カップルが成立しないっていうのは珍しくないな」
ミレイ「と、いうわけで、ルルーシュ。今から生徒会で合コンをしまーす!!ルルーシュとシャーリーを合コンマスターにするために!!」
ルルーシュ「会長が合コンをしたいだけでしょう?」
リヴァル「え?!マジ?!今からこの4人で合コンするの?!」
シャーリー「でも、人数足りないし……」
ミレイ「そうねー。ニーナ!!こっちおいでー」
ニーナ「わ、私はいいよぉ」
ミレイ「何事も経験だってば。ほれほれ」
ニーナ「うぅ……」
ルルーシュ「それでも男は2、女は3ですね」
リヴァル「スザクを呼んでも、あと二人足りないな……」
シャーリー「じゃあ、カレンも呼ぼう!」
ミレイ「それじゃあ、ナナリーも呼ぼう!」
ルルーシュ「会長!!ナナリーは関係ない!!」
ミレイ「人数合わせで急遽誰かを呼ぶのは合コンじゃありきたりな風景でしょ?」
シャーリー「そうなの?」
リヴァル「会長……合コンしたことあるのか……?」
リヴァル「あ、会長!!俺も一緒に!!」
ルルーシュ「全く……」
シャーリー「ごめんね、ルル?」
ルルーシュ「気にしてない。シャーリーの所為でもなんでもないからな」
シャーリー「うん……」
ニーナ「シャーリー、合コンしたことあるんですか?」
シャーリー「えっと、2回ぐらい」
ルルーシュ「なんだ。やることやってるんだな」
シャーリー「無理やり誘われただけ!!自発的に行ったことなんてないもん!!」
ルルーシュ「ふぅん。で、合コンはどのように始めるんだ?」
シャーリー「えーと……まずは自己紹介からなんだけど」
ルルーシュ「自己紹介か……。会長が来る前に流れだけでも掴んでおくか。ニーナ」
ニーナ「は、はい」
ルルーシュ「お前から自己紹介をしてみてくれ」
シャーリー「さぁ……」
ルルーシュ「立った方が良くないか?」
ニーナ「じゃあ……」
ルルーシュ「……」パチパチパチ
ニーナ「わ、私はニーナ・アインシュタインです……」
シャーリー「誕生日とか言って」
ニーナ「8月27日……です……乙女座です……」
ルルーシュ「……それだけでいいのか?」
シャーリー「趣味とかあれば」
ニーナ「趣味は物理学の研究ですけど」
ルルーシュ「やめろ。ニーナにその類のことを語らせると長くなる」
シャーリー「そっか。男の子ひいちゃうよね」
ニーナ「ごめんなさい……根暗な趣味で……」
ルルーシュ「いや、そこまで言っていないが……」
ルルーシュ「いいだろう」
ニーナ「はぁ……」
ルルーシュ「俺の名前はルルーシュ・ランペルージ。誕生日は12月5日の射手座だ。趣味はチェス」
シャーリー「……」
ニーナ「……」
ルルーシュ「拍手はないのか?」
シャーリー「あ、ごめん」パチパチ
ニーナ「他にはないの?」
ルルーシュ「他……身長は178センチ。血液型はA型だ」
シャーリー「へぇ」
ニーナ「……」
ルルーシュ「おい。これ、楽しいのか?」
シャーリー「まだ、自己紹介だし」
ルルーシュ「イメージと違うな。自己紹介だけでもかなり盛り上がっているような気がしたんだが……」
ルルーシュ「俺が?」
シャーリー「そうだよ。人に任せちゃダメだよ」
ルルーシュ「そうか。確かにな。キングから動かなくてはな。いいだろう。少し待ってくれ」
ニーナ「(ルルーシュって変に真面目ですよね)」
シャーリー「(だねー)」
ルルーシュ「―――よし。改めて自己紹介をしよう!!二人も精一杯盛り上げてくれ!!」
シャーリー「ウォォォ!!!!」
ニーナ「イエーイ!!!ルルーシュぅ!!!」
ルルーシュ「フハハハハハ!!!!!皆の者!!!満を持して私の出番がやってきた!!!」
ルルーシュ「私の名はルルーシュ・ランペルージ!!!よろしく」
シャーリー「きゃー!!かっこいい!!!」
ニーナ「すてきー!!!」
ルルーシュ「趣味はチェス。今すぐ、君のハートにチェックメイト」
シャーリー「おぉ……」
ニーナ「ごめんなさい。私、こういうのはダメ……」
シャーリー「私も……」
ルルーシュ「お前ら!!他人にやらせておいてそれはないだろ!!」
シャーリー「ルルーシュ、がんばったね。あれならきっと合コンも大丈夫だと思うよ?」
ルルーシュ「シャーリーもやれ!!ニーナもだ!!」
シャーリー「えぇ……」
ニーナ「できないよぉ」
ルルーシュ「俺だけ恥をかくのは御免だ!!」
シャーリー「器ちっさ」
ルルーシュ「なんだと?!」
ミレイ「はぁーい!たっだいまー!!連れてきたわよー!!」
スザク「あの……一体、何を?」
カレン「また下らないことですか?」
ナナリー「お兄様との合コンと聞いて飛んできました」
ミレイ「男性陣はこっちの席。女性陣は反対側の席ね」
シャーリー「あぁ、緊張してきたー」
ニーナ「はぁ……」
カレン「もう……合コンって……」
ミレイ「あー、カレンはこっちじゃなくていいから」
カレン「はい?でも、女性陣はって……」
ミレイ「男が一人足りないのよ」
カレン「あたしに男役をやれってことですか?」
ミレイ「お願い!カレンしかいないのよぉ」
カレン「なんで……」
ニーナ「……」
カレン「なに?」
ニーナ「ううん……」
ルルーシュ「まあ、カレンの男役は適任だな」
ルルーシュ「そのままだ」
スザク「ルルーシュ、合コンってどんなことをするんだい?」
ルルーシュ「顔の知らない数人の男女と会食をするだけだ」
スザク「へえ……。それって何が目的なんだ?」
ルルーシュ「まあ、簡単に言えば出会いだな」
スザク「そうか。友達を増やすためなのか」
ルルーシュ「ああ」
スザク「でも、もう友達ばかりだけど」
ルルーシュ「これは練習だ。初対面という設定でやるんだろ」
スザク「そうか。つまり、ルルーシュとも今日が初めての出会いってことでいいのか」
ルルーシュ「その辺は自由でいいんじゃないか?」
リヴァル「それ面白そうだな。じゃあ、今はみんな初顔合わせってことで」
カレン「はぁ……」
ナナリー「では、今日はお兄様と私は兄妹ではない。ということですね。ふふ」
ナナリー「それじゃあ、お兄様のこと、ルルーシュさんって呼んでもよろしいですか?」
ルルーシュ「な……」
ナナリー「ダメですか?」
ルルーシュ「いや。構わない。ナナリーの好きにするといい」
ナナリー「はいっ」
ミレイ「ではー、合コン幹事のリヴァルさん!!」
リヴァル「俺?!」
ミレイ「早速、初めてください」
リヴァル「そこは会長でしょう」
ミレイ「私、合コンなんてしたことないもーん」
リヴァル「はぁ?!」
ミレイ「だから、お、ね、が、い」
リヴァル「ああ、もう!!分かりました!!じゃあ、俺が仕切らせてもらいます!!」
シャーリー「がんばれー」
ミレイ「いえーい!盛り上がっていこーぜー!!」
シャーリー「あの、会長。酔ってるんですか?」
ミレイ「まだ、自己紹介が済んでないでしょー?私とあなたは初対面っ」
シャーリー「は、はぁ……」
リヴァル「では、僭越ながらこの俺から自己紹介をさせていただきます!!」
リヴァル「名前はリヴァル・カルデモンドです!!好きなタイプの女性は年上の人です!!」
ミレイ「やったー!!」
ニーナ「え?」
シャーリー「そんなこと言うの?!」
ルルーシュ(不覚……!!!誕生日や趣味以外のことを言わないとだめだと?!)
リヴァル「次は君だ!!」
スザク「はい。自分はブリタニア軍所属枢木スザク准尉です!!女性のタイプでいうなら元気で笑顔の似合う人がいいです」
ミレイ「やったー!!私、モッテモテー!!!」
シャーリー「会長、それ盛り上げようとしてるんですか?」
カレン「え、ええ……」
ニーナ「あ……」
カレン「えーと……カレン・シュタットフェルトです。好きなタイプの人は……自分の意思をしっかりと思ってる人かな?」
ミレイ「また私のことだー!!」
シャーリー「会長、違いますよ!!」
カレン「はい」
ルルーシュ「……いいだろう。練習の成果をみせてやる」
カレン「練習?」
ルルーシュ「フフフハハハハハ!!!!私の名はルルーシュ・ランペルージ!!!趣味はチェス!!今日はみなさんのハートと言う名のキングにチェックメイトしてみせます」キリッ
ミレイ「……」
シャーリー「……」
ニーナ「……」
ナナリー「はいっ!お願いします!!」
ルルーシュ「ありがとう」
ミレイ「はぁーい。えーと、ミレイ・アッシュフォードです。ニックネームは会長!結構なお金持ちです。よろしくー」
シャーリー「うわっ。性格、わる」
ミレイ「はい。次は貴方ね」
シャーリー「え、えーと……シャーリー・フェネットです。す、好きなタイプは……何を考えているのかよく分からない……人……」
スザク「変な人がいいってことか」
シャーリー「ち、ちがいます!!」
スザク「あれ?そうなの?」
リヴァル「どんどん行きましょう」
ニーナ「……えっと……ニーナ・アインシュタイン……です……。す、好きなタイプは……優しい人……」
カレン「ふーん」
ニーナ「……」モジモジ
カレン「ん?」
ナナリー「ナナリー・ランペルージです。好きな男性のタイプは背が高くて家事全般ができて優しくていつも私のことを気遣ってくれるお兄様……じゃ、なくてそんな人がいいです」
リヴァル「はぁーい、ありがとう!では、質問タイムといきましょー!!」
リヴァル「男性陣から女性陣に、あるいはその逆。全体に投げかける質問だよ」
スザク「じゃあ、はい」
リヴァル「はい、スザクくん」
スザク「みなさんとても魅力的ですが、今まで付き合ってきた男性はいるのでしょうか?」
ミレイ「いませーん。新品です」
リヴァル「マジで?!」
ミレイ「なんであんたが食いつくのよ」
シャーリー「わ、私も……いません」
ニーナ「ないです」
ナナリー「私もありません。生涯においてこの身を捧げるのはお一人しかいないと思っていますから」
スザク「なるほど、ありがとうございます」
ミレイ「じゃあ、男性陣の女性遍歴をおしえてくださーい」
ルルーシュ「……!!」
カレン「……あたしはないけど」
ミレイ「なーんだ。そうなの?」
ルルーシュ「まぁ、この中でそんな特異な経歴を持っている奴なんて―――」
スザク「僕は昔、付き合っていた女性が一人います」
ルルーシュ「なにぃ?!」
ミレイ「うっそ!?ほんとぉ?!」
シャーリー「えー?!だれだれ?!」
カレン「意外ね」
スザク「そうかな。17歳だし、別に不思議はないと思うけど」
ルルーシュ「き、貴様……!!どこの誰とだぁ!?」
スザク「とある任務で大怪我を負ったときに、その場にいた女性に介抱されてね。その流れで……色々……ありました」
ミレイ「わお」
シャーリー「いやぁ……スザクくん……そうだったのぉ……」
スザク「でも、ルルーシュもそれぐらいあるだろ?」
ルルーシュ「あ、ああ……当然じゃないか……ふふ……」
ルルーシュ「スザク……おのれぇ……!!」ギリッ
シャーリー「あの!!じゃあ、経験のある二人に訊きたいんですけど……」
スザク「なんだい?」
ルルーシュ「……」
シャーリー「キ、キスしたこともありますか?!」
スザク「あるよ」
シャーリー「?!」
ミレイ「スザクくん……余裕があるわね」
ルルーシュ「俺も……ある」
シャーリー「えぇぇぇ?!」
リヴァル「ルルーシュぅ!!嘘吐くなよぉ!!!」
ルルーシュ「ある!!嘘ではない!!キスぐらいある!!」
カレン「ナナリーとは無しよ?」
ルルーシュ「ち……違うな!!間違っているぞ!!!」
ミレイ「そうね。反省、反省」
スザク「というか、キスぐらい普通じゃないのか?」
リヴァル「……」
ルルーシュ「そ、そうだな……普通だな……」
カレン「キスぐらい、なんぼのもんじゃい」
シャーリー「カレンもあるの?!」
ニーナ「だ、誰と?」
カレン「え……えーと……年上の男性」
ミレイ「……この生徒会……経験豊富な奴がこんなにもいたなんて……不覚……!!」
シャーリー「はは……は……ルル……そうなんだ……」
リヴァル「どこのどいつとキスしたんだよぉ!!」
ルルーシュ「誰でもいいだろ!!この場でいう必要はない!!!!」
ナナリー「うふふふ……ふふふふ……あははは……」
ミレイ「ねー、惨めになるから次いこ、次」
シャーリー「席替え?」
リヴァル「そう。気になる人の隣にいくチャーンス!!」
ミレイ「なるほど!!」ガタッ
シャーリー「おりゃぁぁぁ!!!!」ダダダッ
ルルーシュ「さてと。俺は勿論……ナナリーの隣に……」
ナナリー「ルルーシュさーん♪」
ルルーシュ「ナナリー」
スザク「―――ナナリー。僕と話さないかい?」
ナナリー「え……」
スザク「ダメかな?」
ルルーシュ「スザァァァク!!!貴様は何故邪魔ばかりする!!!」
スザク「ルルーシュゥゥゥ!!僕だってナナリーの隣がいいんだ!!!」
ルルーシュ「貴様さえいなければ!!!」
スザク「お前がいるから!!!」
スザク「ナナリーは譲らない!!」
ナナリー「や、やめてください……」オロオロ
カレン「なにやってんだが……」
ニーナ「あの」
カレン「ん?ニーナ、どうしたの?」
ニーナ「話さない?」
カレン「いいわよ。余りモノ同士、仲良くしましょ?」
ニーナ「うん……する……」
ミレイ「あちゃー……こりゃ、ルルーシュの隣は無理そうね……」
リヴァル「会長。隣、いいでしょうか?」
ミレイ「いいけど、何も出ないわよ?」
ルルーシュ「じゃんけん、ポン!!!」
スザク「よし!!勝った!!!」
ルルーシュ「くっそぉぉ!!!ナナリィィィ!!!!」
スザク「ナナリー、こっちに来るんだ!!」
ナナリー「いやです!!私は!!私はぁ!!」
ルルーシュ「ナナリィィ!!!」
シャーリー「あのぉ……ルルー?」
ルルーシュ「シャーリー、俺でよければ話さないか?」
シャーリー「うんうん」
ルルーシュ「とは言っても、普段から会っているしな。今更なにを話せばいいのか」
シャーリー「……ルルーシュさん」
ルルーシュ「な……?!」
シャーリー「ほ、ほら、今日は初めての出会いだし……」
ルルーシュ「そうだったな。俺のことはルルって呼んでくれても構わないよ、シャーリーさん」
シャーリー「わ、わたしも……シャーリーでいいよ?」
ルルーシュ「そうか。じゃあ、シャーリーと呼ぶよ」
シャーリー「うん」
シャーリー「あ、えと……私、水泳部に所属しているんです。だから、水泳を……少し」
ルルーシュ「なるほど。だから体が整っているのか」
シャーリー「え?!」
ルルーシュ「どうした?」
シャーリー「変なところみないで!!」
ルルーシュ「ああ、そんなつもりはなかったんだが。すまない」
シャーリー「……」
ルルーシュ「いや、でも。君が魅力的に見えるのはきっと水泳部で鍛えているからなんだろうな」
シャーリー「あ、ありがとう!!」
ルルーシュ「どういたしまして」
ミレイ「シャーリー、可愛いじゃない」
リヴァル「会長、俺とも話を……」
ミレイ「だから、何も出ないって言ったでしょ?」
リヴァル「言葉もでないんすか……?!」
スザク「ナナリー、何か飲む?」
ナナリー「結構です」
スザク「ナナリー、君を一目見たときからいいなって思ってたんだ」
ナナリー「……」
スザク「君を大事にしたい」
ナナリー「どうせ、他の女性にも同じ事を言っているのでしょう?」
スザク「そんなことない!!君だけだ!!」
ナナリー「過去の女性のことは清算されたのですか?!」
スザク「した!!もう君だけだ!!」
ナナリー「信じられません!!いつも、いつも……スザクさんはそうやって嘘を吐くんです……」
スザク「ナナリー!!僕は本気だ!!」
カレン「何、あの昼ドラマ……」
ニーナ「カレンさん……♪」ギュッ
カレン「ちょっと、ニーナ。抱きつかないでよ……」
ミレイ「おわったー」
カレン「肩こるわー」
ナナリー「ルルーシュさん、次はご一緒しましょうね?」
ルルーシュ「ああ。こちらからもお願いしたい」
スザク「ナナリー……やっぱり、素敵だ……」
カレン「何が?」
ニーナ「また、カレンさんの隣、いいですか?」
カレン「え、ええ。どうせ、私の隣はいつでも空いてるから」
ニーナ「やった」
シャーリー「で、次はなにするのー?」
リヴァル「ふっふっふっふ……やっぱり、合コンといえば……」
ミレイ「いえばー?」
リヴァル「ゲームでしょー!!!ひゃっほー!!!」
ルルーシュ「ゲーム?何をするんだ?チェスか?」
ニーナ「ツイスターゲームがいいな」
カレン「なんでもいいわー」
ナナリー「私もできるゲームでお願いしますね」
リヴァル「その辺はご心配なく……。まずは……」
ミレイ「定番の王様ゲーム!!」
ルルーシュ「王様ゲーム?」
スザク「なんですか?」
ナナリー「皆さんが一本ずつ籤を引いて、王様を選定するんです。そして、王様の命令は絶対です」
ルルーシュ「なんだ。それだけか」
シャーリー「でも、結構無茶な命令もできたりするから……」
スザク「恐ろしいゲームだね」
ルルーシュ(絶対遵守というわけか……)
リヴァル「はいはい。籤を引いてね。それぞれ番号が書いてあるから。王様って書いてある籤を引いた人は番号を指定して命令をしてくださーい」
ミレイ「これよ、これこれ。合コンはこうでなくっちゃ」
ナナリー「はいっ」
リヴァル「え?」
シャーリー「ホントに?!」
ナナリー「確認してもらえますか。きっと王様です。あ、私の場合は女王様でしょうか?」
シャーリー「ホントだ……ナナちゃんが王様……」
ルルーシュ(なんだ、ナナリーか……ならば無茶な命令が下されるわけがないな)
ナナリー「では、1番と4番の人」
ルルーシュ「俺だな」
カレン「あたしだ」
ナナリー「リヴァルさん」
リヴァル「はい?」
ナナリー「ジュースをコップに注いでください。お二人には恋人飲みをしてもらいます」
ルルーシュ「なんだそれは?」
カレン「恋人飲み?なにそれ?」
ミレイ「うわー」
スザク「へえ、そんな飲み方があるんだ」
リヴァル「はい、どうぞ」
ルルーシュ「……これを……二人で……?」
カレン「いや、おかしくない?だって、あたしは……」
ナナリー「王様の命令は絶対ですよ?」
ルルーシュ「……」
カレン「でも……」
ナナリー「あ、ごめんなさい。無理なら結構です」
カレン「え?本当に?」
ナナリー「その代わり、私はしますから」
ルルーシュ「そのほうがいいな。俺もカレンも幸せだ」
ナナリー「ふふふふ……あはははは……」
ミレイ「ストーップ!!!それは面白くないっ!!!」
ミレイ「それってつまり、無茶な命令は聞かなくてもいいってことでしょ?しかもナナリーが請け負うなんてなんの面白みもなーい」
ナナリー「でも、無理なら女王様の私が責任をもって代わりに……」
ミレイ「それだと根本的な王様ゲームのルールが覆っちゃうでしょ?」
ナナリー「……」
ミレイ「ほらほら、ルルーシュとカレンは恋人のように顔を近づけて飲む飲む」
ルルーシュ「ちぃ……一度吹きかけた神風が……」
カレン「じゃあ……」
ルルーシュ「いくぞ」
カレン「息、しないでよね」
ルルーシュ「無茶を言うな」
カレン「なら、せめて目を瞑って」
ルルーシュ「分かっている……」
カレン「んっ……ぅ……」
ルルーシュ「んっ……」
カレン「はぁ……疲れた……」
シャーリー「いいなぁ……」
ミレイ「じゃあ、次いってみよー」
リヴァル「はーい」
ニーナ「カレン、大丈夫?」
カレン「え?あ、ああ、うん……」
スザク「ルルーシュ、顔が赤いけど、どうしたんだ?熱でもあるのか?」
ルルーシュ「黙れ!!」
ナナリー「……」
リヴァル「じゃあ、引いてくれ」
ミレイ「今度こそー」
リヴァル「はい、ナナリー」
ナナリー「どうも……」
ナナリー(王様と書かれた籤は……あ、これですね)
ナナリー「はい」
ミレイ「また?!」
ルルーシュ「ナナリーか……」
スザク「ナナリー、すごい籤運だね」
ナナリー「手触りで分かりますから」
ニーナ「手触り?」
ナナリー「では、2番と3番のかた」
ルルーシュ「俺か」
スザク「僕だ」
ナナリー「……!!」
シャーリー「うわー、どんなことするんだろう……」
ミレイ「清き乙女としては健全な命令を期待するわね」
スザク「なんでも言ってくれ、ナナリー」
ナナリー「え……えーと……そうですね……」
ミレイ「それいい」
シャーリー「けってーい」
ルルーシュ「おい!!決めるのはナナリーだろうが!!」
ナナリー「では、お二人が……」
リヴァル「二人が……?」
ニーナ「……」
ナナリー「アドリブでお芝居してください」
スザク「芝居?」
ルルーシュ「内容は?」
ナナリー「スザクさんがルルーシュさんの最愛の人(ナナリー)を殺してしまう。でも、それには理由があったのです。二人は亡くした愛する人に想いの丈を叫びながら、大喧嘩します」
ナナリー「最後はお互いを認め合って、抱き合って終わりです」
ルルーシュ「なんだそれは……」
スザク「いやに具体的だ」
ミレイ「はいはい。王様の言うとおりにする!!」
スザク「ここで僕が……」
ミレイ「やってるやってる」
ナナリー「どんなものになるのか楽しみですね」
リヴァル「長くなりそうだし、先に次の王様決めときましょうか」
カレン「そうねー」
シャーリー「うん。ルルとスザクくんの分は私が引くから」
リヴァル「―――じゃあ、王様だーれだ」
ナナリー「はい」
シャーリー「また、ナナちゃん?!」
ミレイ「なんかズルしてない?」
ナナリー「いえ。何もしていません」
ミレイ「なら、いいけど。で、何をするの?」
ナナリー「今度は好きな人に愛の告白してもらいます。5番の人が」
シャーリー「……」
スザク「あれ、みんなどうしたの?」
リヴァル「いや、なんでもない」
ミレイ「クオリティの低いもの見せたらただじゃおかないわよ」
ルルーシュ「タダで見ているくせに……」
カレン「はやくー」
ナナリー「楽しみですね」
シャーリー「ルルー、スザクくーんがんばってー」
スザク「できる限りのことはする」
ルルーシュ「まあ、見ていろ」
ニーナ「二人とも舞台映えするから、何をやっても見れそう」
ミレイ「そうね。リヴァルー、飲み物とポップコーン」
リヴァル「ポップコーンはありませんよ」
ルルーシュ「では、ルルーシュとスザクの愛の劇場を始めよう」
ナナリー「……」パチパチパチ
スザク「ああ。僕が殺した」
ルルーシュ「何故だ!!何故!!!スザァァク!!!!」
スザク「ナナリーは君を愛しすぎた!!君とは絶対に結ばれることはないとわかっていたのに!!!」
ルルーシュ「ならば、貴様がナナリーを幸せにすればよかっただけだろうが!!!殺す必要などなかったはず!!!」
スザク「君と一緒にいられないなら死んだほうがマシだと言った……だから、僕は……僕は……!!」
ルルーシュ「スザァク!!!俺がどれだけナナリーを愛していたのか知っているはずだぁ!!!」
スザク「ルルーシュゥゥ!!僕がどれほどナナリーを好きだったのか教えただろ!!」
ルルーシュ「貴様ぁ!!!」
スザク「僕はもう……ダメだ……僕は……この手を血で染めた……愛した人の血で……」
ルルーシュ「スザク……俺はお前を許すことはできない……。だが!!死ぬな!!お前はナナリーを殺した分だけ生きなければならない!!死ぬことは罪滅ぼしにはならない!!!」
スザク「この僕に生きろといってくれるのか……?どうして?!僕はナナリーを殺したんだぞ!!」
ルルーシュ「生きろ!!!生きて俺に尽くせ!!それがナナリーを手にかけた貴様への罰だ!!!」
スザク「ルルーシュ!!!これからは君のために生きよう!!!好きだ!!」ギュッ
ルルーシュ「スザァァク!!!これからは俺のために生きろ!!!愛している!!」ギュッ
ナナリー「素敵です。表情までも伝わってきます」
ミレイ「拍手しにくい」
カレン「うんうん」パチパチ
ニーナ「素晴らしい」パチパチ
リヴァル「……」
スザク「ルルーシュ……」
ルルーシュ「スザァク……」
リヴァル「おい!!もういいだろ!!」
ルルーシュ「そうか。如何だったかな?」
スザク「即興にしては良く出来ていたと思うけど」
ミレイ「まあ、真に迫るものはあったかな」
ルルーシュ「まぁ、この程度は容易い」
スザク「途中から本当にルルーシュが襲い掛かってきそうで怖かったよ」
ルルーシュ「最愛の人を殺されたとなればあれぐらいにはなる」
ルルーシュ「こら、ナナリー?違うだろ?」
ナナリー「あ、そうでしたね。ルルーシュさん」
スザク「えっと、もう次はどうするんだ?」
ナナリー「もう決まっています。五番の人が好きな人に愛の告白をしていただきます」
ルルーシュ「五番って誰だ?」
ミレイ「……ルルーシュ」
ルルーシュ「……え?」
シャーリー「ごめん、ルル。ルルが五番なの……」
ルルーシュ「なんで俺ばかりが……!!」
スザク「ルルーシュもナナリーもすごい籤運だね」
ナナリー「では、ルルーシュさん。お願いしますね」
ルルーシュ「……」
カレン「ナナリーは無しね」
ナナリー「なんでですか?私は今は赤の他人のはずです。告白されるチャンスは平等でなくてはいけません」
ナナリー「わ、私に告白するほうがむしろ難しいはずです!!」
カレン「そう?」
ニーナ「……」
シャーリー「どうする?」
ルルーシュ「……しかし……」
リヴァル「(おい、ルルーシュ。まさか妹に逃げるなんてセコい真似しないよな?)」
ルルーシュ「(ナナリー以外に誰がいる!!)」
スザク「(ルルーシュ、いくら赤の他人を演じているといっても妹であることは間違いないんだ!!ナナリーに愛の告白なんてあってはならない!!)」
ルルーシュ「ぐっ……」
ナナリー「さあ、ルルーシュさん」
ミレイ「わ、私でもいいけどねー」
カレン「あたしは男役だからなし」
ニーナ「私も……困るから、なしで」
シャーリー「ルル……」
リヴァル(会長以外なら誰でもいい!!)
スザク「ルルーシュ……」
ナナリー「ふふふ……」
ミレイ「……」ソワソワ
シャーリー「怖い……怖いよ……」
ルルーシュ「スザク!!」
スザク「え?!」
ミレイ「にゃー?!」
ナナリー「お兄様!?」
シャーリー「予想外すぎる!!!」
カレン「おっ」
ニーナ「素敵」
スザク「ルルーシュ……分かっているのか?!僕は……僕は……!!」
ルルーシュ「……電話を貸せ」
ルルーシュ「ああ」
スザク「誰にかけるんだい?」
ルルーシュ「……だ」
スザク「そんな!!ルルーシュ!!」
リヴァル「どうした?」
カレン「何をもめてるのよ?」
ルルーシュ「この場を乗り切るためだ」
スザク「そこまで……」
ルルーシュ「早く」
スザク「ちょっと待ってくれ……」
ルルーシュ「……」
ナナリー「ルルーシュさん?さぁ、どうぞ?」
ルルーシュ(悪いな、ナナリー。ここでお前を選べば……全てが終わる……気がする。あとでゆっくりとお前とは愛と説こう)
スザク「―――ルルーシュ、繋がったよ」
シャーリー「ルル……誰に……?」
ルルーシュ「……私です」
ナナリー「お兄様……」
ルルーシュ「ずっと好きでした。貴方のことが」
カレン「ちょっと!誰にかけたの?クラスメイト?」
ルルーシュ「嘘ではない。これは本当の告白……ええ、そうです」
リヴァル「スザク、ルルーシュの奴、誰と話してるんだ?」
スザク「それは……」
ニーナ「……ユーフェミア様の声」
ミレイ「え?」
ニーナ「電話からユーフェミア様の声がした!!」
シャーリー「ルル!!それって!!」
ナナリー「ユーフェミア……姉様……?」
スザク(ルルーシュ、それはなんの解決にもならないよ。その場しのぎで乗り越えられるほど、甘い状況じゃないんだ!!)
ルルーシュ「はい」
ユフィ『お気持ちは嬉しいですけど……』
ルルーシュ「なに。気にしなくてもいい。どうしても告白をしなければならない状況になって、それで貴方を選んだだけですからね」
ユフィ『いえ。そうではなくて……』
ルルーシュ「なんですか?」
ユフィ『嘘つきの声ですね』
ルルーシュ「……!」
ユフィ『あなたが私のことを好きであるはずがない。だって、恨んでいるのでしょう?……スザクに代わって下さい』
ルルーシュ「待ってくれ!!俺は……!!」
ユフィ『ルルーシュ。私、嘘つきは嫌いです。それに合コンに参加していない私に逃げるのは卑怯です』
ルルーシュ「な……」
スザク「―――ユーフェミア様?あの……」
ユフィ『スザク?お友達に言ってあげてください。貴方にはきちんと好きだと言える相手がいるはずだ、と』
スザク「……イエス、ユア・ハイネス」
ユフィ『うるさっ』
ブツッ
ニーナ「ユーフェミア様!!?ユーフェミアさまぁぁ?!もしもしぃぃ?!」
スザク「ルルーシュ……」
ルルーシュ「俺は見透かされていたのか……ふふふ……滑稽だな……」
スザク「いや、君に代わる前に僕が全部伝えただけだ。この状況を。だから、ユーフェミア様は察してくれたんだろう」
ルルーシュ「スザァク……!!」
ミレイ「んー……ルルーシュ?そこまで告白する相手に困窮しているの?」
シャーリー「も、もういいじゃないですか!!ルルは告白したんですから!!」
ナナリー「まだ終わってません。そもそも今のはルール違反です。ルルーシュさんは告白をするべきです。私に。ここで。全員に見せ付けるが如く」
リヴァル「そうだよな……。いくらなんでも皇女様はないな」
カレン「ニーナ?大丈夫?」
ニーナ「カレぇぇン……ぐすっ……」ギュッ
カレン「よしよし」ナデナデ
ルルーシュ「逃げる……?」
スザク「ナナリーもユーフェミア様も君にとってはただの逃げ場所だ。嫌なことを全て飲み込んでくれる、心地の良い場所だ」
ルルーシュ「それの何が悪い!!そこに安心を求めるのは人間の性だ!!」
スザク「君は卑怯だ!!」
ルルーシュ「なんだと?!」
スザク「そうやって今を求めている!!今を捨てようとしない!!今を保身している!!」
ルルーシュ「違うな!!間違っているぞ!!俺は明日を守る為に今を犠牲にした!!」
スザク「そんなことはない!!明日に生きるなら、今を変えないでどうする?!」
ルルーシュ「変える事で明日を迎えられないかもしれない!!」
スザク「それが逃げているというんだ!!今を勝ち取れ!!でなければ明日なんてこない!!今日を繰り返すだけだ!!!」
ルルーシュ「スザク……!!ならば、問う!!俺はどの明日を選べばいいんだ!?どの未来も俺にとっても相手にとっても破滅しかまっていない!!」
スザク「そんなことはない!!少なくとも君の全てを受け入れてくれる人がいるじゃないか!!!」
ルルーシュ「誰だというつもりだ!!ナナリーか?!」
スザク「僕の話を聞いていたか!?ルルーシュぅぅぅ!!!!」
ミレイ「そうよ!!落ち着いて!!」
シャーリー「あぁ……」
ナナリー「ルルーシュさん。いつでも準備はできていますよ」
ニーナ「怖い……」ギュッ
カレン「そうね」ナデナデ
ルルーシュ「スザク……誰だ……言ってみろ……。俺の全てを受け止めてくれるのは……誰だ!?」
スザク「君だって分かっているはずだ……。その相手が誰なのかは」
ルルーシュ「分からないから訊いている」
スザク「素直になるんだ。ルルーシュ。心を落ち着かせて、一番最初に浮かんだ顔がその相手だ」
ルルーシュ「……」
ナナリー(ナナリー、ナナリー、ナナリー)
ルルーシュ「やはり、ナナリーの顔しか……」
スザク「そんなことはないはずだ!!真面目にやるんだ!!」
ルルーシュ(ナナリーのあとは……C.C.と咲世子が真っ先に浮かぶぞ……しかし、雰囲気的に今、この場にいる誰かではないと行けないんだよな……)
ルルーシュ「?!」
ミレイ「そこまで悩まれるとねえ……。強引に選んでもらっても気分よくないし」
カレン「もういいじゃない。ユーフェミア様が好きってことで」
ニーナ「ルルーシュもなんだ……でも、もういいかも……」ギュッ
カレン「は?」
ニーナ「遠くのユーフェミア様より近くのカレン……」
カレン「ニーナ!?」
ルルーシュ「……そうか……そうだったのか……」
スザク「ルルーシュ、やっと気づいたんだね?!」
リヴァル「俺じゃ、ねえよな?」
ルルーシュ「お前だったんだな……シャーリー?」
シャーリー「うぇ?!」
スザク「違う!!そうじゃないだろ!!!ルルーシュ!!!」
ルルーシュ「だが、4番目に浮かんだ顔はシャーリーだった!!これをどう説明する?!」
スザク「ルルーシュ!!間違った方法で得た結果に価値なんてない!!!」
ルルーシュ「いや。誰がなんと言おうと、この場ではシャーリーを選ぶ!!」
シャーリー「えぇぇ?!なんでぇぇ?!」
ナナリー「……っ!!!」ウィィィン!!!!
シャーリー「きゃぁ?!ナナちゃん!!車椅子で突っ込んでこないで!!危ない!!」
スザク「ルルーシュ……どうして……どうして気がつかないんだ!!」
ルルーシュ「何にだ!!」
スザク「君のことをこんなにも想っているのに!!」
ルルーシュ「……会長か?!」
ミレイ「え……」
スザク「違う!!」
ルルーシュ「カレンか?!」
カレン「いやいや。ありえないから」
ルルーシュ「じゃあ……誰だ!?シャーリーでも会長でもカレンでもないなら!!誰だ?!」
ニーナ「カレン……え?」
ルルーシュ「ニーナ……だと?」
ニーナ「……なんで?」
ミレイ「ニーナが?!」
ナナリー「ニーナさん……?」グリグリ
シャーリー「いたい!いたいよ!!ナナちゃん!!私の足、車輪の下敷きだよぉ!!」
スザク「思い返してみるんだ!!ニーナはずっと影で君のことを見ていたはずだ!!」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ(そういえばニーナ、普段は騒いだりする性格ではないのに。俺と合コンの練習をしたとき、すごくはしゃいでくれた)
ルルーシュ(あんなニーナは見たことが無い)
ルルーシュ(あれは全て……俺のためだったのか……。俺のことが……)
ニーナ「あの……」
スザク「僕は知っている!!ニーナがルルーシュを見るとき、いつも顔を赤らめていたことを!!!」
リヴァル「それ、すべての男性に対してニーナはそういう反応するってだけでさぁ……」
ルルーシュ「……ニーナ……」
ニーナ「違う……」
スザク「ルルーシュ……素直になるんだ。君にはニーナしかいない」
ルルーシュ「そうだったのか」
ニーナ「……」
ルルーシュ「ニーナ……」
ニーナ「は、はい……」
ルルーシュ「すまない」
ニーナ「……はい?」
ルルーシュ「どうしても俺の心にはシャーリーの顔が4番目なんだ。だから、ニーナの想いには応えることはできない」
ニーナ「よかった……。私もごめんなさいするつもりだったから」
シャーリー「ルル……」
ナナリー「……」グリグリ
シャーリー「あぎぃ……?!」
ルルーシュ「悪いな、スザク!!」
スザク「君という男は……!!」
ルルーシュ「この合コンで俺は自分の気持ちを知った。俺の心にあるのはニーナではなく、シャーリーであることにな!!」
スザク「勝手にしろ!!どうなってもしらないぞ!!」
ルルーシュ「そのつもりだ。シャーリー」
シャーリー「いたた……なに?」
ルルーシュ「お前をテイクアウトする」
シャーリー「へぇぇ!?」
ミレイ「合コンってそんなことできるの?!」
リヴァル「おい、ルルーシュ。それは解散してからだろ」
ルルーシュ「カップルが成立してしまえば後のことなど、二人にとっては不毛な時間だろう?」
リヴァル「そうかもしれないけど。一応、最後まで参加してくれないとダメなんだって。お前、合コンのこと何もわかって無さすぎ」
ルルーシュ「そうだったのか。悪かった。では、その流儀に則ろう」
ナナリー「……」
シャーリー「ルルぅ……本当に私でいいの?」
ルルーシュ「いいに決まっているだろ?」
シャーリー「ありがとう……」
スザク「くっ……ルルーシュ……!!」
カレン「もしかして、シャーリー狙ってたの?」
スザク「そ、そんなことはない!!」
カレン「ふーん」
ニーナ「カレン……私をお持ち帰りして……くれない?」
カレン「ゴメン。あたし、そっちの趣味ないから」
ニーナ「……」
リヴァル「えー、では、もう消化試合だけど。最後のゲームをして締めたいと思います」
ミレイ「最後のゲーム?何するの?」
リヴァル「まあ、これも恒例なんだけど。ポッキーゲームを」
スザク「なんだい、それ?」
ルルーシュ「ナナリーがスティック菓子を咥えているな」
リヴァル「要するに二人が両端を咥えて食べていけばいいだけ」
ルルーシュ「ナナリーがするのか」
ナナリー「おにいふぁま~」
リヴァル「どうする?ご指名みたいだけど」
ルルーシュ「籤でいいだろ。何を言っている。ナナリーにそのような下劣な行為をさせることはできない」
ニーナ「ルルーシュ、ちょっと」
ルルーシュ「どうした?」
ニーナ「(ナナリー、手触りで籤に何が書いてあるのかわかるみたい。だから、籤にしてもきっとナナリーが自分のいいようにしちゃうと思う)」
ルルーシュ「(では、俺が選ばれ続けたり、ナナリーがずっと王様だったのは……)」
ニーナ「(うん。ナナリーが操作した結果のはず)」
ルルーシュ「(いくらナナリーといえどもそれはフェアじゃないから看過はできないな。よし……)」
ルルーシュ「スザク、籤を」
スザク「いいよ」
ルルーシュ「これでいい。―――ナナリー。籤を引くぞ」
ナナリー「ふぁーい」
スザク「どれが当たりなんだい?」
ルルーシュ「籤に名前が書いてある。書かれた名前の者とゲームを行う」
カレン「自分のを引いたら?」
ルルーシュ「黙って菓子を食えば良い」
ミレイ「なんか寂しいわね」
ナナリー(うーん……これはスザク……こっちはシャーリー……じゃあ……ルルーシュ!!あった!)グイッ
ナナリー(ん?)
シャーリー「……これにしよっと」
ナナリー「シャーリーさん、この籤は私が手にしたものです」
シャーリー「あ、うん……ごめん」
ナナリー(これで……お兄様との濃厚なキスが……)
リヴァル「じゃあ、見てみましょう!!せい!!」
ルルーシュ「ナナリー、良く触ってみろ。今回の籤は二枚重ねになっている」
ナナリー「?!」
カレン「これ捲ったら本当の相手が出てくるのね」
ルルーシュ「そういうことだ」
ナナリー「……」ペラッ
ナナリー(ナ、ナナリー……?!)
ミレイ「あー、自分の名前だ」
リヴァル「うわ?!俺、スザクとかよ?!」
カレン「げ?!シャーリーと!?」
シャーリー「私はルルとだけど」
ルルーシュ「俺はカレンとだな」
スザク「僕はニーナとだ」
ニーナ「私は……リヴァル……?!」
ルルーシュ「三人以上でする場合は一人が二本咥えろ。それでいける」
ルルーシュ「何か不都合でもあるのか?」
リヴァル「いや……これはどっちが多く食べられたかを競うもので……」
ルルーシュ「二本咥えたものは受身となれ。残りの二人でどこまで食べられたか競えばいい」
リヴァル「マジかよ……」
ルルーシュ「できるだけ口の端で咥えるようにしろ」
シャーリー「誰が咥えるの?」
ルルーシュ「俺が咥える。止めたくなったらいつでもやめていいからな」
シャーリー「ルル……ありがとう」
カレン「早くしてよね」
スザク「じゃあ、ニーナが咥えて」
ニーナ「私に二人が迫ってくるの?!」
リヴァル「ちゃんと寸止めするって」
スザク「信じてくれ」
ニーナ「いぃぃ……!!!」
ナナリー「おにいふぁまぁ……」
ミレイ「……」ポリポリポリ
シャーリー「じゃあ、行くね」
ルルーシュ「ああ」
カレン「……よーい……ドン」
シャーリー「んー……」ポリポリポリ
カレン「んんっ」ポリポリポリポリポリポリ
ルルーシュ(おい?!カレン!?)
シャーリー「なっ……!!このぉ……!!」ポリポリポリポリ
ルルーシュ(まて!!ここで加速してどうする?!)
カレン「んんっーー!!」ポリポリポリ
シャーリー「ふんーー!!」ポリポリ
ルルーシュ「やめ―――」
ミレイ「……いいよねえ、恋って」
スザク「いくよ」
リヴァル「おう」
ニーナ「あぁぁぁぁ……」ガクガク
スザク「はっ!!」バクッ
ニーナ「ぎゃぁ!?」
リヴァル「あ、こら?!いっぺんに食べてどうするんだよ!?」
スザク「あ―――」
ニーナ「いやぁ!!」
スザク「……!!」チュッ
ニーナ「ふぐぅ……?!!?」
リヴァル「うわぁ?!ニーナァァァ!?」
スザク「んっ……っ……」ギュッ
ニーナ「んーーーー!?!?!?」
ミレイ「スザクくん!!ストーップ!!!」
リヴァル「ニーナ!?おい!!大丈夫か?!」
ミレイ「ちょっと!!何すごいキスしてくれてるの?!」
スザク「すいません。昔を思い出してしまって」
ミレイ「あ、あんな激しいことしてたの?」
スザク「はい」
ミレイ「そうなんだ……」
ニーナ「あぁ……いやぁ……また……私……イレヴンに……」ガクガク
ミレイ「ニーナ……」
ニーナ「もう男なんて嫌い!!」
スザク「そんな自信あったんだけど」
リヴァル「そういう問題じゃねえよ!!合コンで傷口抉るやつがあるかぁ!!」
スザク「ニーナ、すまない」
ニーナ「こっちにこないでぇぇ!!!!」
ミレイ「あーあ……」
シャーリー「ねえ、ルル?」
ルルーシュ「なんだ?」
シャーリー「4番目って……どういうこと?」
ルルーシュ「大事な人の順番だ」
シャーリー「好きとかそういうのじゃなくて?」
ルルーシュ「恋愛感情はまた別だ」
シャーリー「そうなんだ……よかった……」
ルルーシュ「ふふ……」
カレン「……」ギュッ
ナナリー「ルルーシュさん!!私はどうなるのですか?!!」ウィィィン!!!!
カレン「ぎゃぁ?!踏んでる!!足、踏んでるから!!!ナナリー!!」
ルルーシュ「ナナリーが1番に決まっているだろ?」
ナナリー「お兄様……」グリグリ
シャーリー「いだぁい?!」
ニーナ「うぅぅ……ぐすっ……うぅぅ……」
ミレイ「ニーナ、よしよし。今日は一緒に寝てあげるから」
ニーナ「おトイレも……」
ミレイ「うんうん。一緒に行ってあげる」
スザク「ニーナ……」
リヴァル「本当に大変でした。まあ、これで親睦が深められたら幸いです。では、解散」
シャーリー「ルル、このあとどっかいく?」
ルルーシュ「悪い。用事があるんだ」
シャーリー「じゃあ、しょうがないね」
カレン「ナナリー。なんてことするの!?」
ナナリー「……」
カレン「あたしは別にルルーシュのことなんて―――」
ナナリー「嘘つき」
カレン「!?」
ルルーシュ「今日は疲れた……。まぁ、シャーリーをテイクアウトできたし、十分だろう」
C.C.「チョコがあるぞ。いるか?」
ルルーシュ「いらない」
C.C.「ほら、口をあけろ」
ルルーシュ「あのなぁ……そういう疲れじゃ……」
C.C.「はい」
ルルーシュ「……うまいな」
C.C.「だろ?」
ルルーシュ「それより、何か着ろ」
C.C.「お前が着せてくれ」
ルルーシュ「俺に甘えるな」
C.C.「きーせーてーくーれー」バタバタ
ルルーシュ「はいはい……両腕をあげろ」
C.C.「私の脇で興奮するなよ?」
ルルーシュ「ありがとう」
咲世子「いえ」
ルルーシュ「……」
咲世子「なんでしょうか?」
ルルーシュ「いや……。咲世子さんもあの魔女も……違うなと思って」
咲世子「違う?何がでしょうか?」
ルルーシュ「……今度、確認してみないと」
咲世子「そうですか」
ルルーシュ「ナナリーとも少し違う……」
咲世子「ルルーシュ様。明日の夕食はご用意しなくてもよろしいようですね」
ルルーシュ「……そうだな。遅くなるかもしれない」
咲世子「では、そのように」
ルルーシュ「ああ。お願いします」
咲世子「畏まりました」
シャーリー「ルルー!!」
ルルーシュ「どうした?」
シャーリー「合コンのことすっかり忘れてたよぉ!!参加する?!」
ルルーシュ「しない」
シャーリー「やっぱりぃ?昨日の練習で嫌になっちゃった?」
ルルーシュ「違うな。間違っているぞ」
シャーリー「え?」
ルルーシュ「もう合コンをする必要がないんだよ」
シャーリー「どういうこと?」
ルルーシュ「新しい出会いなんて不要だ。今の俺にはな」
シャーリー「よくわかんないけど……」
ルルーシュ「……シャーリー」
シャーリー「なに?」
ルルーシュ「今日は二人きりで食事会をしよう。確かめたいことがあるからな」
ルルーシュ「俺と二人で食事をするのは構わないのか?」
シャーリー「なっ?!いや、構うけど!!今日はたまたま暇だったか、いいよって言うとしたの!!」
ルルーシュ「はいはい」
シャーリー「もうー!!ルルー!!!」
ルルーシュ「今晩、約束だ」
シャーリー「あ……はい……」
ルルーシュ「シャーリー?」
シャーリー「は、はい!なんでしょう?!」
ルルーシュ「―――今、わかった。俺の1番は、シャーリーだ」
シャーリー「え……?!なんの1番!?」
ルルーシュ「待っているからな」
シャーリー「ルルー!!―――ルル……もしかして……そうなのかなぁ……あはは……ルル、私も大好き……♪」
ナナリー「……!!!」ウィィィィン!!!
―――ドガッ!!!
END
ナナリーェ…
乙乙
乙
Entry ⇒ 2012.08.26 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
シャルル「ルルーシュの恋人ってだぁれだぁ!?」
シャルル「ふむ……枢木よ……」
スザク「はい」
シャルル「ルルーシュに変わりは、ないかぁ……?」
スザク「今のところは。皇帝陛下のギアスによる記憶の書き換えはまだ継続しています」
シャルル「とぉころでぇ……枢木よ。ルルーッシュの周りには、女子ぉが多いな……」
スザク「そうですね。ルルーシュはモテますから」
シャルル「……恋人はいるの、か?」
スザク「居ないと思います」
シャルル「ぬぁんたるおろかしさぁぁぁぁ!!!!!!アレだけいてぇ!!!!誰ともこぉうさいしていなぁいだとぉ?!」
スザク「そうですね。少し不思議です」
スザク「恋人の有無は需要なのですか?」
シャルル「当然だ。ワシがルルーシュぐらいの歳の頃は既にぃ!!両手足の指では数え切れないほどの女が……いたぁ……」
スザク「流石です」
シャルル「お前にも……ユーフェミアという存在がいた……そうであろう?」
スザク「ええ……」
シャルル「なのに……なのにぃ!!!我が息子のルルーッシュには、いなぁぁい!!!これはどういうことだぁ?!枢木ぃ!!!」
スザク「……ルルーシュも決めかねているのでは?」
シャルル「どういうことだ?」
スザク「選択肢が多すぎて、きっと決められないのでしょう」
シャルル「決められない?……ふふ……ふははは……ぬぁっはっはっはっはっは!!!!」
スザク「皇帝陛下?」
シャルル「一人に絞る必要がどぉこにある……言ってみせよぉ!!!!」
スザク「ど、どういうことですか?」
シャルル「全員娶ってしまえばいいだけのことよ……。ルルーシュはそんな簡単なことも、わからないのかぁ!!」
シャルル「とぉうぜんだ……」
スザク「何故?」
シャルル「シュナイゼルは何故かぁ婚姻を先延ばしにするぅ……」
シャルル「オデュッセウスは幼子以外に興味を示さん……!!」
シャルル「コォネリアァは浮いた話がぁひとぉつもなぁし!!!」
シャルル「ナナリーは……禁断のあぁいに酔っておるぅぁ!!!」
スザク「あの……」
シャルル「他の者たちも同様だ……。将来の相手にめぐまれておらぁん!!!」
シャルル「ならばこそぉ!!!ルルーシュに期待をよせるしかあるまぁい!!!」
スザク「何をですか?」
シャルル「―――枢木!!!」
スザク「は、はい」
シャルル「シャルル・ジ・ブリタニアが命じる!!!ルルーシュの恋人を見つけてこぉぉいぃやぁ!!!!」
スザク「イ、イエス、ユアマジェスティ!!」
スザク(―――と、皇帝陛下に言われたものの)
ルルーシュ「シャーリー。この資料を先生に渡しておいてくれないか?」
シャーリー「うん」
ルルーシュ「会長。いい加減、予算分配表の作成を急いでくれませんか?」
ミレイ「はいはーい」
ルルーシュ「アーニャ!勝手にピザを注文するな!」
アーニャ「お腹すいたから」
ルルーシュ「あのなぁ……ピザを注文するのはいい。生徒会の金を使うなといっている」
スザク「……」
ルルーシュ「スザク?どうした?」
スザク「ルルーシュ、後で話があるんだけど、いいかな?」
ルルーシュ「ああ。構わないが?」
スザク(とにかくルルーシュの気持ちを探ってみようか)
ルルーシュ「どうした?」
スザク「……ルルーシュって好きな人とかいるのかい?」
ルルーシュ「お、お前……」
スザク「どうなんだ?」
ルルーシュ「居なかったらどうする?」
スザク「早急に作ってくれ。好きな人を」
ルルーシュ「どうして?」
スザク「……」
ルルーシュ「人の心の問題だ。作れと言われてはいそうですかと作れるものじゃない」
スザク「そうだな……」
ルルーシュ「どうした?」
スザク「じゃあ、気になる人とかは?」
ルルーシュ「別に」
スザク「……ルルーシュって女の子に興味がないのか?」
スザク「……恋人にするならどんな相手がいい?」
ルルーシュ「スザク。様子がおかしいぞ?」
スザク「そうかな?」
ルルーシュ(こいつ……)
ルルーシュ「スザク……。俺はお前とは付き合えないぞ?」
スザク「え?」
ルルーシュ「悪いな。お前とは親友のままでいたいんだ」
スザク「……そうか。僕は振られたんだね」
ルルーシュ「……」
スザク「違う!!そうじゃない!!ルルーシュ!!君は思い違いをしている!!」
ルルーシュ「なに?俺に告白したいんじゃないのか?」
スザク「どうして君に僕が好きですって言わないとダメなんだ?!」
ルルーシュ「スザク!!俺のことが嫌いなのか?!」
スザク「嫌いじゃない!!でも、今は関係ないよ!!」
スザク「……難しい話なんだけど。君にはそろそろ将来の相手を決めて欲しい」
ルルーシュ(シャルルの差し金か……?)
ルルーシュ「悪いがまだまだそんなことを考える暇はない」
スザク「ルルーシュ!」
ルルーシュ「じゃあ、仕事が残っているから俺は戻るよ」
スザク「……」
ルルーシュ(シャルルめ……スザクを使ってまで……。まあ、奴の思い通りに動くつもりは更々ないがな)
ルルーシュ(ふふふはははは!!!)
スザク「……」ピッ
シャルル『どぉうだった?』
スザク「今は特定の相手はいないと言っていました」
シャルル『そうか……』
スザク「どうしますか?」
シャルル『枢木ぃ……もう少し、ワシのために動いてもらうぞぉ……?』
ルルーシュ「スザクに困ったものだな……」
ヴィレッタ「何かあったのか?」
ルルーシュ「恋人を作れといってきた」
ヴィレッタ「シャーリーでいいじゃないか」
ルルーシュ「そんなに簡単な話じゃない」
咲世子「ちなみにルルーシュ様の交際経歴は……なしです」
ヴィレッタ「……ふっ」
ルルーシュ「ヴィレッタ先生?扇との赤裸々な日々を公表されたいということですか?」
ヴィレッタ「やめろぉ!!」
ロロ「でも、兄さんに恋人なんて必要ないと思うけど」
ルルーシュ「どうして?」
ロロ「なんか、似合わないし」
ルルーシュ「どういう意味だ?」
ロロ「ひみつ」
ルルーシュ「あれ?誰もいないのか」
ルルーシュ「まあ、静かでいい……」
咲世子「ルルーシュ様!」
ルルーシュ「咲世子。どうした?」
咲世子「シャーリーさんとミレイ様とアーニャさんが何者かに拉致されたとの情報が」
ルルーシュ「ヴィレッタの監視の目を掻い潜ってそんなことをした奴がいるのか?」
咲世子「犯人はわかっておりませんが、三人の居場所は既に特定できています。皆様は別々の場所にいます」
ルルーシュ「そうか……ならば咲世子が助けに行ってくれ。俺は犯人の特定に―――」
咲世子「いえ。私が犯人を追います。なのでルルーシュ様は三人を救出しに向かってください」
ルルーシュ「……わかった。しかし、手分けしたほうがいいな。ロロの協力を―――」
咲世子「ロロ様も犯人を追っている最中です」
ルルーシュ「俺一人で救出か」
咲世子「お願いします」
ルルーシュ「ええい……仕方あるまい!!場所を教えろ!!今すぐ向かう!!」
ルルーシュ「ここか……」ガチャ
シャーリー「あ!!ルルー!!」
ルルーシュ「シャーリー!!大丈夫か!?誰に閉じ込められたんだ?!」
シャーリー「それが良くわかんない。いきなり目隠しされて、ここに居てくれって」
ルルーシュ「はぁ?まあ、怪我は無いようだし、よかったよ」
シャーリー「ありがとう、ルル……」
ルルーシュ「当然のことをしただけだ。立てるか?」
シャーリー「うん……」
ルルーシュ「教室まで送る」
シャーリー「ごめんね」
ルルーシュ「礼なんていい。いくぞ」
シャーリー「うん」
スザク「……」
スザク「最初はシャーリーか……」
ルルーシュ「会長!!」
ミレイ「ルルーシュ!!助けにきてくれたの?!」
ルルーシュ「ええ。すぐにここを離れましょう」
ミレイ「うん」
ルルーシュ「誰にやられたのですか?」
ミレイ「わからないわ。急に後ろから目隠しされたから」
ルルーシュ(状況が似ている……組織的な犯行ではなく、おそらく単独犯……)
ルルーシュ(何の目的で……)
ミレイ「でも、嬉しかった。ルルーシュが来てくれるなんて。誰に私が誘拐されたって聞いたの?」
ルルーシュ「咲世子さんですよ」
ミレイ「あ、なるほど。後でお礼いっておかないと」
ルルーシュ「そうですね」
スザク「二番目は会長」
スザク「アーニャは最後か。予想通りだ」
シャルル『結果はぁ?』
スザク「シャーリーを一番に助けました。次にミレイ会長。三番目がアーニャです」
シャルル『オデュッセウスとは違うということか……ふむ……ルルーシュめ、やりおるわ』
スザク「……」
シャルル『で?』
スザク「え?」
シャルル『次はだれだったのだぁ?篠崎咲世子か?ヴィィレッタァかぁ?ニィィナかぁ?かぁぐやぁか?ナァナリィーかぁ?!』
スザク「ちょっと、待ってください!!あの、皇帝陛下!!自分はシャーリーと会長とアーニャだけだと……!!」
シャルル『はぁぁぁぁ?!枢木ぃ!!!お前はなぁにをいっているぅ?!』
スザク「え……?」
シャルル『ワシの調べではぁ……ルルーシュを取り巻く女子ぉは多いと聞いているぅ。さぁんにんだけではなかろう!!』
スザク「あの……そんな一度に狂言誘拐に付き合ってくれる人はいません……」
シャルル『使えぬやつよ……枢木ぃ……もうよい』
スザク「皇帝陛下?!あの!!―――通信が切られてしまった。三人だけじゃないのか」
アーニャ「ルルーシュ、ありがとう」
ルルーシュ「気にするな」
シャーリー「でも、あれって誰だったのかなぁ……」
ミレイ「あんなすばやく人一人を持ち上げることができるなんて、スザクくんぐらいじゃない?」
ルルーシュ「持ち上げた?」
シャーリー「そうなの。目隠しされたけど、あれは肩に担がれた気がする」
ルルーシュ「アーニャもか?」
アーニャ「うん」
ルルーシュ「会長、もしかして会長の新しいイベントですか?」
ミレイ「違う違う!!今回は白よ白。シャーリーのショーツぐらい白」
シャーリー「もう!!会長!!」
アーニャ「ちなみに私は、黒」
ルルーシュ「ほう?」
シャーリー「アーニャちゃんも余計なこと言わない!!」
シャルル「……」
シュナイゼル『皇帝陛下。頼まれていたものをご用意しました』
シャルル「リストを」
シュナイゼル『はい』
シャルル「紅月カレン、ナナリー・ランペルージ、シャーリー・フェネット、ミレイ・アッシュフォード、千葉凪沙、ラクシャータ・チャウラー……」
シュナイゼル『他には、皇神楽耶、篠崎咲世子、コーネリア・リ・ブリタニア、ヴィレッタ・ヌゥ、アーニャ・アールストレイム、天子こと蒋麗華……」
シャルル「そして……C.C.か……」
シュナイゼル『ルルーシュがゼロであった時期も合わせるとこれだけの婦女子と深い関係にあったことになりますね』
シャルル「大いに結構。ワシの子どもとしては、少ないぐらいだがな……」
シュナイゼル『各人の携帯アドレスも入手しています。ただ、C.C.だけは……』
シャルル「よぉい。C.C.にならワシから伝えることができる……」
シュナイゼル『では……始めるのですね』
シャルル「うむ……ワシの目指す世界には……!!!必要なのだぁ!!!!」
シャルル「行くぞぉぉ!!!―――メール一斉送信んんん!!!」ピッ
シャルル「よぉい。これが最初の振るい落としだ」
シュナイゼル『では、礼の場所に集まらなかった場合は資格なしとするわけですね?』
シャルル「向こうに興味がないのであれば、仕方なしよ。ただ、ワシの予想では……」
シュナイゼル『はい』
シャルル「最低でも5人は来る……」
シュナイゼル『では、その中からルルーシュの妻となるものを?』
シャルル「違うな。間違っておるぞ。脈があるもの全員だ!!!」
シュナイゼル『……!』
シャルル「脈がある者、全員を娶らせる!!!全員だぁ!!!」
シュナイゼル『そこまでルルーシュのことを……』
シャルル「お前が妻を持ってこないからだ……痴れ者がぁ……」
シュナイゼル『それは申し訳ありません』
シャルル「では……ルルーシュにもメールを送っておくか……」
シャルル「ぬぁっはっはっはっはっはっは!!!!ルルーッシュよぉ!!!貴様は逃げられんぞぉ!!!己の運命からはぁなぁ!!!!」
ルルーシュ(結局、あの一件は何だったんだ……)
ルルーシュ(咲世子の話ではスザクの仕業であることと、会長が一枚噛んでいることは確かのようだが……)
ルルーシュ(何かが水面下で動いている。それも俺の想像を超える何かが)
ポーン
ルルーシュ(ん?PCのほうにメールが来たか。黒の騎士団からか……?)
ルルーシュ「……こ、これは?!」
『五日後の1900時。枢木神社にて話がある。シャルル。PS、小細工などは無意味なのでしないように』
ルルーシュ「シャルルからの呼び出しだと……?しかも、場所はあの枢木神社……?!」
ルルーシュ(罠だ……。こんなもの無視だな)
ポーン
ルルーシュ「また、メール……」
『そうそう。来ない場合はナナリーが酷い目にあるので絶対にくるように。シャルル』
ルルーシュ「おのれ……シャルル……!!ふざけるなぁぁぁ!!!!!」
ルルーシュ(でき得る限りの対策はさせてもらうぞ!!シャルル!!!)
ロロ「分かったよ、兄さん」
ルルーシュ「あとは……」
ピリリリ
ルルーシュ「C.C.か」
C.C.『ルルーシュ。どういうつもりだ?』
ルルーシュ「なんの話だ?」
C.C.『シャルルから伝言をもらった』
ルルーシュ「伝言?」
C.C.『ルルーシュがお前に言いたいことがあるそうだから、五日後枢木神社に来いとな』
ルルーシュ「なに?」
C.C.『お前、いつシャルルと連絡をとった?』
ルルーシュ「まて。俺は何もしらない」
C.C.『では、悪戯か?』
ルルーシュ「いや、俺も似たようなことをメールで伝えられた。五日後に枢木神社にこい、とな」
ルルーシュ「……」
C.C.『まあ、シャルルはお見通しなんだろ。気にするな』
ルルーシュ「奴は……」
C.C.『アイツに嘘は通じないよ。そして、お前が来ないと決断した段階で事に及ぶだろう』
ルルーシュ「ちぃ……まだ俺はシャルルを見縊っていたわけか」
C.C.『で、行くのだろう?私も行ったほうがいいか?』
ルルーシュ「出来れば」
C.C.『シャルルも来るか?』
ルルーシュ「お前と俺を呼び出したとなれば……きっとな」
C.C.『殺すのか?』
ルルーシュ「向こうから来てくれるのなら、好都合だろ?」
C.C.『いいだろう。私もいくつかシャルルには言いたいことがあった。付き合おう」
ルルーシュ「頼む」
C.C.『珍しく低姿勢だな。怖いのか?』
C.C.『どういうのだ?』
ルルーシュ「シャーリーとミレイ会長、そしてアーニャを拉致監禁した。もちろん、三人にある程度の事情は話していたようだが」
C.C.『それだけか?』
ルルーシュ「あと恋人は作らないのかと聞かれたな」
C.C.『……なるほどな』
ルルーシュ「どうした?」
C.C.『ちょっと燃えてきたよ、ルルーシュ』
ルルーシュ「おい、どうした?」
C.C.『また連絡する。いいか?五日後、お前は必ず来い。絶対だ』
ルルーシュ「行くに決まっている。ナナリーがどうなるか分かったものじゃないからな」
C.C.『ふふ……じゃあ、もう寝ろ。おやすみ』
ルルーシュ「あ、ああ……」
ルルーシュ(最後で妙に口調が柔らかくなったな)
ルルーシュ(ともかく、戦力と戦術がいる……タイムリミットは五日間。至急準備を進めなくては!!)
シュナイゼル『途中経過の報告をさせていただきます』
シャルル「うむ」
シュナイゼル『好意的な返信があったのは、紅月カレン、ナナリー・ランペルージ、シャーリー・フェネット、ミレイ・アッシュフォード、皇神楽耶、篠崎咲世子、コーネリア・リ・ブリタニア』
シュナイゼル『困惑している様子の返事を送ってきたのは、ニーナ・アインシュタイン、ヴィレッタ・ヌゥ、アーニャ・アールストレイム』
シュナイゼル『他は返信がありません』
シャルル「好意的の返信者はどのように言ってきておった?」
シュナイゼル『絶対に行く。何があっても必ず行きます。首を洗って待っていろ。等です』
シャルル「困惑しておる者へのフォローは?」
シュナイゼル『本当に大事な話があるから来て欲しいという旨を伝えておきました』
シャルル「わかった」
シュナイゼル『肝心のルルーシュは来るのですか?』
シャルル「来ない理由がない……」
シャルル「ルルーッシュよ……もう逃げられんぞ……そして、約束の地でお前は英雄となぁぁる!!!」
シュナイゼル『……』
シュナイゼル『ルルーシュはゼロとして現れるのですか?』
シャルル「それは奴次第だなぁ」
シュナイゼル『皇神楽耶のみゼロを語っていますから、ルルーシュが出てきたら大変なことになるのでは?』
シャルル「将来の妻となる者ならば、そのような瑣末事受け流せるはずだぁ」
シュナイゼル『そうですか』
シャルル「ナナリーは?」
シュナイゼル『ナナリーの返信は早かったです。送信してから30秒で返信がきたぐらいですから。一応、総督なのですけどね』
シャルル「ふん……ナナリーは今、ナナリー・ヴィ・ブリタニアだ。だが、呼び出すのはナナリー・ランペルージである」
シュナイゼル『どういうことですか?』
シャルル「ナナリーには自覚してもらう。自身が妹であることをな。皇族として呼び出せば、ルルーシュ・ランペルージとは結ばれると言い出しかねなぁい」
シュナイゼル『十分、自覚していると思いますが』
シャルル「ならぁば!!なぜ、返信が30秒でできようかぁ!!!」
シュナイゼル『貴方は……』
シャルル「コォネリアはまだしも、ナナリーでは血が濃すぎる……いい加減、ナナリーの目を覚まさしてやらねば……」
ルルーシュ「咲世子」
咲世子「はい」
ルルーシュ「枢木神社の件はロロから聞いているな?」
咲世子「無論です」
ルルーシュ「そうか。なら、いいんだ」
咲世子「あの……」
ルルーシュ「ん?」
咲世子「あ、いえ。メールのことは絶対に口にしないとのことでしたね。申し訳ありません」
ルルーシュ「何を言っている?」
咲世子「では、これで……」
ルルーシュ「……?」
ルルーシュ(まあいい。ロロと咲世子。ヴィレッタにも協力は求めた。これで最悪の事態にはならない)
ルルーシュ(あとはシャルルの出方次第か……)
シュナイゼル『最終報告を行います』
シャルル「……」
シュナイゼル『明日、枢木神社に来るものは紅月カレン、ナナリー・ランペルージ、シャーリー・フェネット、ミレイ・アッシュフォード、皇神楽耶、篠崎咲世子、コーネリア・リ・ブリタニア』
シュナイゼル『そして、ヴィレッタ・ヌゥ、アーニャ・アールストレイムです。ニーナは残念ながら、辞退するとのことでした』
シャルル「そぉか……」
シュナゼル『皇帝陛下も行かれるのですか?』
シャルル「うむ。だが、ルルーシュの前に姿を出すことはない。興味があるのはルルーシュの出す答えだけだ」
シャルル「奴がワシの息子なら必ず、全員を娶る……必ずぅぅ!!!」
シュナイゼル『……しかし、ルルーシュに交際の経験はないと聞きましたが?』
シャルル「ぬぁんにも問題はなぁい」
シュナイゼル『果たしてそうでしょうか?』
シャルル「ワシの息子だからな」
シュナイゼル『……』
シャルル「ぬぁっはっはっはっはっはっは!!!ルルーッシュ!!!期待しておるぞぉ!!!!そして明日は側室どもと寝屋でにゃーんにゃん!!!だぁ!!!」
ヴィレッタ「報告は以上です」
スザク「じゃあ、明日も引き続き―――」
ヴィレッタ「あの、枢木卿。明日は少しお暇を頂きます」
スザク「どちらへ?」
ヴィレッタ「私用で枢木神社のほうに」
スザク「何故?」
ヴィレッタ「……プライベートです」
スザク「……」
ロロ「プライベートなら仕方ないですね」
ヴィレッタ「ああ」
スザク「……分かりました。ですが、すぐに戻ってきてください」
ヴィレッタ「わ、分かっています」
スザク(枢木神社……)
ルルーシュ「よし……」
ロロ「兄さん、じゃあ僕は先に行ってるね」
ルルーシュ「悪いな」
ロロ「気にしないで」
ルルーシュ「……」ピッ
C.C.『―――どうした?』
ルルーシュ「シャルルから連絡は?」
C.C.『あるわけないだろ。私は既に行くと行ったのだからな』
ルルーシュ「そうか……」
C.C.『不安なのか?』
ルルーシュ「……奴は常に俺の斜め上を行く。最低限の対策は打っているが、どうなるかわからない」
C.C.『ルルーシュ、まだ時間はある。今からこっちにこい』
ルルーシュ「アジトにか?」
C.C.『少し話そう。今後のことをな』
ゼロ「……」
千葉「ゼロ。少しいいか?」
ゼロ「どうした?」
千葉「ゼロから可笑しなメールが来たが、なんの真似だ?」
ゼロ「みせてくれ」
千葉「これだ」
ゼロ「……」
『美しき姫君よ。可憐な貴方に伝えたいことがある。五日後の2100時に枢木神社に来て欲しい。ゼロより』
ゼロ「……」
千葉「消してもいいのか?」
ゼロ「ああ」
千葉「全く……誰の悪戯なのだろうか」
ゼロ「探っておこう」
ゼロ(どうやらC.C.と話す前にカレンや神楽耶様と話しておいたほうが良さそうだな)
カレン「は、はい?!」
ゼロ「私からメールが来ただろう?」
カレン「いえ!!ゼロからは何も来てません!!」
ゼロ(そういえば咲世子が言っていたな。メールの内容は口外しないと)
ゼロ(千葉のような文章が送られてきて、それに返信をしたら相手から何らかのアクションがあったと考えるべきか)
ゼロ「そうか。分かった」
カレン「あの!!」
ゼロ「どうした?」
カレン「ちゃんとお洒落します!!!」
ゼロ「……ほどほどでいい」
カレン「はい!!紅月カレン!!ほどほどに可愛くしていきます!!」
ゼロ(ええい。メールの内容を探ろうにも、忠誠心の高いカレン相手では聞きだせないだろう)
ゼロ(俺からの命令を素直に聞きいれている。俺が訊ねても約束を守るかどうかのテストだと思ってしまうだけだ)
ゼロ(神楽耶様はいないし……くそ……)
C.C.「カレンや千葉に?」
ルルーシュ「同様のメールが送られているはずだ。神楽耶様にもな」
C.C.「だろうな。千葉は驚きだが」
ルルーシュ「C.C.、やはり何か知っているのか?!」
C.C.「お前……前兆はあったのだろう?」
ルルーシュ「前兆?虚言誘拐のことか?」
C.C.「そうだ。そして今日の出来事。これらは繋がっている」
ルルーシュ「分かっているなら言え」
C.C.「そうだな。私も確証があるわけではない。ただ言えるのは……」
ルルーシュ「言えるのは?」
C.C.「枢木神社に来る者は全員女ということだ」
ルルーシュ「女?なぜだ?」
C.C.「分からないならいいよ」
ルルーシュ「ま、まて!!教えろ!!今、何が起ころうとしている?!」
ルルーシュ(C.C.め結局、はぐらかした。だが、命の危険はないようだな)
ルルーシュ(もし死ぬ可能性があるとすれば、共犯者であるC.C.が明言を避けるわけがない)
ルルーシュ「ふぅー……」
ルルーシュ「一体、何が待ち受けている……」
ルルーシュ「……」スタスタ
ルルーシュ「ん?」
ヴィレッタ「……来たか」
ルルーシュ「ヴィレッタ?」
ヴィレッタ「……で、話とはなんだ?」
ルルーシュ「……え?」
ヴィレッタ「大事な話があるのだろ?」
ルルーシュ「……いや、ないが」
ヴィレッタ「……ふっ。そうだろうと思った」
ルルーシュ「どういうことだ?おい」
ルルーシュ「説明をしろ、ヴィレッ―――まさか。俺からメールが来たのか?」
ヴィレッタ「正解だ」
ルルーシュ(おのれ、誰の仕業だ……)
ヴィレッタ「だが、良かった。これでお前の頼みごとに専念できる」
ルルーシュ「……」
ヴィレッタ「ではな」
ルルーシュ「あ、ああ―――」
ピリリリ
ルルーシュ「……はい?」
『ルルーシュ、違うね。間違っているよ』
ルルーシュ「誰だ!?」
『私の正体はどうでもいい。それよりも彼女を引き止めるべきだ』
ルルーシュ「何故!?」
『いいから。彼女が階段を下りてしまうまえに。早く』
ルルーシュ「ま、まて!!」ガシッ
ヴィレッタ「……!?」
ルルーシュ「……」
ヴィレッタ「な、なんだ?
ルルーシュ「このあとは?」
『それでいい。手を離し、一言謝ればね』
ルルーシュ「……わ、悪い」
ヴィレッタ「……」
ルルーシュ(これでどうなるっていうんだ……)
ヴィレッタ「あの……」
ルルーシュ「なんだ?」
ヴィレッタ「わ、私はここにいたほうがいいのか?」
『肯定するんだ』
ルルーシュ「あ、ああ……そうしてくれ」
ルルーシュ「おい。貴様は……」
『その調子で来る女の子をみんな足止めするんだ、いいね?』
ルルーシュ「まて!!お前は誰だ!!」
ルルーシュ「切れた……」
ヴィレッタ「ルルーシュ?今のは?」
ルルーシュ「分からない。ヴィレッタ」
ヴィレッタ「は、はい」
ルルーシュ「俺から来たメール、見せてもらえるか?」
ヴィレッタ「構わないが」
ルルーシュ「悪いな」
ヴィレッタ「えーと……これだ」
ルルーシュ「どれどれ?」
ヴィレッタ「……」
ルルーシュ(内容は千葉のものと同様。やはり、次のメールで公表しないようにとの一文があるな……。誰が何の目的で……)
ヴィレッタ「それでルルーシュ?話とは?」
ルルーシュ「それが―――」
咲世子「ルルーシュ様!!」
ルルーシュ「咲世子!?」
咲世子「お待たせしました」ギュッ
ルルーシュ「な、なんの真似だ!?」
咲世子「え?」
ルルーシュ「は、離れろ!!咲世子!!」
咲世子「も、申し訳ありません」
ヴィレッタ「咲世子か。お前にも仕事があったはずだが?」
咲世子「ええ。しかし、その前にルルーシュ様から愛の告白を受けることになっていますから」
ヴィレッタ「……ほう?」
ルルーシュ「咲世子!?何を言っている!?」
咲世子「違うのですか?メールの文面からはそう読み取れたのですが……」
咲世子「どうぞ」
ルルーシュ(文面は全く同じだ……。おいおい……)
咲世子「……あの。ルルーシュ様?」
ヴィレッタ「私は帰るぞ?」
ルルーシュ(なんだこの状況は……どうしたらいい……どうしたら……!!!)
ピリリ
ルルーシュ「はい」
『ヴィレッタを引き止めないと』
ルルーシュ「その前に貴様は誰か答えろ!!でないと、貴様の言うことなど誰がきくものか!!」
『それは困ったね。でも、ヴィレッタを帰らせると……大変なことになるよ?』
ルルーシュ「大変なこと?」
『そう……』
ルルーシュ(まさか……ナナリーか!!)
『ふふ……ルルーシュ。もう君は罠にかかっているんだ。君も彼女も蜘蛛の巣にかかった蝶なんだよ』
ルルーシュ「まて!!」ガシッ
ヴィレッタ「なんだ?」
ルルーシュ「ヴィレッタ!!ここにいろ!!」
ヴィレッタ「何故だ?咲世子が来てくれたではないか」
ルルーシュ「お前も咲世子もここから離れることは許さん」
ヴィレッタ「なんだと?」
咲世子「私はルルーシュ様から離れません」
ルルーシュ「ヴィレッタ。とにかく、この場に留まれ」
ヴィレッタ「……」
ルルーシュ「―――これでいいのか?」
『重畳だよ。さて、そろそろ本題に入ったほうがいいだろうね。後続が来ると面倒になるから』
ルルーシュ「後続?」
『咲世子はいいとして、ヴィレッタは早めに手を打たないとね。さぁ、ルルーシュ?ヴィレッタを口説こうか』
ルルーシュ「口説くだと!?意味が分からないぞ!!貴様の目的はなんだ?!」
ルルーシュ「……シャルルの側近か、貴様?」
『さあ、どうかな』
ルルーシュ(俺に届いたメールはシャルルから……。そしてC.C.もシャルルに……。各人に送られた同一文章のメール……)
ルルーシュ(スザクが先日起こした不可解な行動もシャルル……)
ルルーシュ(やはり、この状況はシャルルが求めたものか)
『さあ、ルルーシュ?始めようか』
ルルーシュ(ここで従わなければナナリーが……ナナリーが……)
『ふふ……』
ルルーシュ「ヴィレッタ……」
ヴィレッタ「なんだ?」
ルルーシュ「今まで色々とすまなかったな」
ヴィレッタ「え?」
ルルーシュ「ギアスをかけたり、脅したりして……」
ヴィレッタ「急になんだ。気持ち悪い」
ルルーシュ「ああ……」
咲世子「では、私は待ちます」
ヴィレッタ「伝える?何をだ?」
ルルーシュ「今までよく付き従ってくれたな。今後はもう自由にしても構わない」
ヴィレッタ「ルルーシュ?」
ルルーシュ「実は……ずっと言えなかったが……」
ヴィレッタ「……」
ルルーシュ「お前という先生がいて、俺は毎日が楽しかった」
ヴィレッタ「は?お前は心底嫌がっていただろ?」
ルルーシュ「違うな。間違っているぞ。そもそも何故、危険を冒してまでお前に近づいたと思っている?」
ヴィレッタ「それは私を利用するためで、しかも脅せるだけの材料があったから……」
ルルーシュ「この数ヶ月でヴィレッタ先生という存在が俺の中で大きくなったからだ」
ヴィレッタ「……私がそんな言葉を素直に信じるとでも思っているのか」
ルルーシュ「まあ、そうだな」
ルルーシュ「だが、本当だ」
ヴィレッタ「……」
ルルーシュ「お前には扇がいる。だから、一歩退いて見ていた。君の気持ちもあるからな」
ヴィレッタ「なんだと……?」
ルルーシュ「だが、地下司令室で、そして学園で先生と生徒として付き合っているうちに……どうしても自分の中でヴィレッタという女性が大きくなるのを抑えることができなかった」
ヴィレッタ「……!」
ルルーシュ「過去のこともある。扇のこともある。この想いは仕舞っておこうと思った。ただ、ヴィレッタ傍にいてくれればいいと自分を誤魔化した」
ヴィレッタ「お、おい……」
ルルーシュ「しかし、もう無理だと悟った。だから、今日、こうしてお前を呼び出したのだ!!」
ヴィレッタ「い、いや……誰が信じるか……」
ルルーシュ「信じてくれとはいわない。ただ、知って欲しかっただけだ。俺のあふれ出した感情を」
ヴィレッタ「しかしだな……えっと……」モジモジ
『では、止めの一言だよ。ルルーシュ?』
ルルーシュ「とどめだと?」
ヴィレッタ「なんだ!?」
ルルーシュ「俺の傍にいてくれないか。扇ではなく」
ヴィレッタ「扇は関係ない!!」
ルルーシュ「愛も地位も約束しよう。ヴィレッタ、俺の気持ちに応えてくれないか」
ヴィレッタ「なっ……」
ルルーシュ「……」
『よし。次は咲世子だ』
ルルーシュ「いいのか?」
『彼女の心にルルーシュという人間を滑り込ませた。それだけで十分だよ』
ルルーシュ「そうなのか」
ヴィレッタ「わ、私には扇が……でも……うーん……」
ルルーシュ「さてと、咲世子」
咲世子「はい」
『咲世子は簡単だね。一言で済むはずだ』
咲世子「喜んでっ」ギュッ
『条件は全てクリアだね』
ルルーシュ「貴様は誰なんだ」
『私のことはどうでもいいんだよ。その調子で頼むよ?』
ルルーシュ「くそ……」
ルルーシュ(俺がいつまでもマリオネットになっていると思うなよ……!!)
咲世子「ルルーシュさまぁ……」スリスリ
ヴィレッタ「はぁ……しかし、一応、教師と生徒だし……しかもテロリスト……いや、それは扇も一緒か……」
ルルーシュ「……ヴィレッタ、咲世子。持ち場に戻ってくれ」
咲世子「分かりました」
ヴィレッタ「あ、ああ……ルルーシュ?」
ルルーシュ「なんだ?」
ヴィレッタ「また……ゆっくり話そう。すぐには結論を出せない」
ルルーシュ「そうだな。答えはまた今度、聞こう。ただ、期待はさせてもらうけどな」
ルルーシュ(俺の手札はロロと咲世子とヴィレッタ……そしてギアスとC.C.……)
ルルーシュ(逃走経路は25パターンある。念のためナイトメアも引っ張ってきているから、万が一戦闘になっても問題はない)
ルルーシュ「しかし……」
シャーリー「ルルー、おまたせ!!」タタタッ
ルルーシュ「シャーリー?!」
シャーリー「話したいことって……なに?」
ルルーシュ(シャーリーまで……?)
『シャーリーもそこまで難しくないだろう?』
ルルーシュ「……」
シャーリー「ルル?」
ルルーシュ「……シャーリー、帰るんだ」
シャーリー「え?」
『ルルーシュ?ナナリーがどうなってもいいのかい?』
ルルーシュ「……だが……しかし……シャーリー……!!!」
ルルーシュ(もうシャーリーを俺の事情に巻き込みたくは……!!)
カレン「ルルーシュー!!」テテテッ
ルルーシュ「カレン?!」
シャーリー「カレンだ!!」
カレン「シャーリー!?どうして貴方がここにいるの?!」
シャーリー「カレンこそ!みんなすっごく心配してたんだよ?!」
カレン「それは……」
シャーリー「で、ルル!!どういうことなの?!」
ルルーシュ「これは……だから……」
カレン「ルルーシュ?話ってなに?」モジモジ
シャーリー「カレンにも話があるの!?どうして!?」
カレン「カレンにもって……シャーリーも!?」
シャーリー「う、うん……大事な話があるからって……」
ルルーシュ(この二人も口説かなければならないのか……?そんなこと……不可能ではないが……シャーリーは……シャーリーだけは……)
ルルーシュ「……っ」
シャーリー「ルル?どういうことなの?」
カレン「説明してよ」
ルルーシュ(待てよ……)
ルルーシュ「確認したいことがある」
『なんだい?』
ルルーシュ「振られる場合も考えられるが、そのときは?」
『ルルーシュには全力を出して欲しいが、それでも振られた場合は仕方ないね。強要するわけにもいかないから』
ルルーシュ「なるほど」
カレン「ねえ、ルルーシュどうし―――」
ルルーシュ「カレン」ギュッ
カレン「ぎゃわぁああ?!」
シャーリー「ルル!?どうしてカレンを抱きしめて……!?」
ルルーシュ「カレン……ずっと、ずっと伝えたかったことがある。聞いてくれるか?」
ルルーシュ「俺のお嫁さんになってくれ」
カレン「……」
ルルーシュ「……」
シャーリー「え……え……?ルル……どういうこと……?」
ルルーシュ「ダメか?」
カレン「こんなガサツな女でいいの……?」
ルルーシュ「そんなカレンがいいんだよ」
カレン「……じゃあ、いいよ?」
ルルーシュ「ありがとう」
カレン「……」ギュッ
ルルーシュ「次はシャーリーだな」
シャーリー「あはは……そういうことなんだ……うん……わかった……」
ルルーシュ「シャーリー?」
シャーリー「でも、こんな振りかたってないよぉ!!酷い!酷いよ!!ルル!!!」
シャーリー「ばかー!!!!」ダダダッ
ルルーシュ「……」
カレン「ルルーシュ……よかったの?」
ルルーシュ「ああ。これでいい」
『ルルーシュ……』
ルルーシュ「シャーリーは思い込みが激しい。ああなっては修復不能だ。そもそも、シャーリーを含めた時点で同時に口説くのは不可能だったんだよ」
『いくらでも手はあったんじゃないのかい?』
ルルーシュ「先にシャーリーを口説いていたら、カレンがシャーリーと同じような行動をしていたはずだ」
『なるほど。これは私の采配ミスかな』
ルルーシュ(これでシャーリーは完全に部外者となった。これでいい……これで……)
カレン「ルルーシュ、泣いてるの?」
ルルーシュ「うぅ……」
カレン「ルルーシュ……」ギュッ
ルルーシュ(さよなら……シャーリー……)
ルルーシュ「そうだな……。やはり……」
カレン「アタミにする?」
ルルーシュ「アタミ?」
神楽耶「あれ……カレンさん?」
カレン「神楽耶さま。どうしたんですか?」
神楽耶「いえ。ここにゼロ様が……」
ルルーシュ(やはり来たか)
神楽耶「……貴方は?」
『さあ、こちらはもう告白する手間もいらないだろう?君が正体を明かせばいいだけの話だ』
ルルーシュ「……」
神楽耶「まさか……貴方が……?」
ルルーシュ「ええ……そうです。私がゼロです」
神楽耶「……」
ルルーシュ(って、ブリタニア人だって知ったら流石に幻滅するか……?いや、そのほうが都合がいい。これ以上、シャルルの好きにさせて堪るか)
ルルーシュ「ええ」
神楽耶「お話とはこのことだったのですね、ゼロ様」
ルルーシュ「……」
カレン「ちょっと!!ルルーシュ!!いいの!?」
ルルーシュ「問題はない」
カレン「でも……」
神楽耶「―――分かりました」
ルルーシュ「神楽耶様?」
神楽耶「それだけですか?」
カレン「それだけって……」
ルルーシュ「ブリタニア人だったのですよ?」
神楽耶「ゼロ様?私はずっと言ってきたはずです。仮面の下がどのような人でも、鬼でも悪魔でも、私は貴方を選んだのですわ」
神楽耶「誰であっても私の気持ちは揺るぎません。残念でしたっ」
ルルーシュ「貴方は本当に器が大きいお人だ……」
神楽耶「王に側室がいるのは珍しいことではありませんわ、カレンさん?」
カレン「側室……!?」
ルルーシュ「神楽耶様が側室かも知れませんよ?」
神楽耶「ふふ、構いませんわ。いつでも貴方のための褥をご用意して待っていますわ……」
ルルーシュ「うぐっ……?!」
神楽耶「ふふふ……これでも、色々と勉強しましたのよ?」
カレン「べ、勉強!?」
ルルーシュ「お戯れを」
神楽耶「いいえ。大真面目ですわ。こんな為りではありますが、子どもだって産めますのよ?」
カレン「わー!!神楽耶さまなにを!!」
神楽耶「カレンさんこそ、これぐらいで赤面しているようでは、ゼロ様のような男性と添い遂げることは難しいとい思いますけど」
カレン「ど、どうしてですか?!」
神楽耶「だって、ゼロ様ほどの殿方ですのよ?きっと、もう足腰が壊れてしまうほどの遊戯を……」
カレン「ゆ、遊戯……」
神楽耶「はい?」
ルルーシュ「貴方の広い心には感服するばかりです」
神楽耶「そうですか?妻として当然のことですけど」
ルルーシュ「では、神楽耶様。私の帰りをアジトのほうで待っていてもらえますか?」
神楽耶「わかりました!また、いっぱい可愛がってくださいねっ!」
ルルーシュ「ええ。ところでお一人でここまで?」
神楽耶「いいえ。藤堂さんに護衛をお願いしました」
ルルーシュ「そうですか。カレン」
カレン「はい」
ルルーシュ「神楽耶様の護衛、任せてもいいか?藤堂を信用していないわけではないが、やはり護衛が一人では少々不安だ」
カレン「うん。わかった。いこ、神楽耶様」
神楽耶「ゼロ様!!またあとでー♪」
カレン「ルルーシュ!!温泉いこうね!!混浴しよ!!混浴!!」
ルルーシュ「はいはい」
ルルーシュ「もういいだろう。ナナリーを解放しろ」
『まだまだだよ?あと5人ほど残っている』
ルルーシュ(C.C.を除けばあと4人か……)
ルルーシュ(この傾向なら、次は……)
ミレイ「足下、注意してね」
アーニャ「うん」
ルルーシュ(シャーリーが来た時点でこの二人が来るのはと必然か)
ミレイ「あ、ルルーシュ!待った?」
ルルーシュ「いえ。今、来たところです」
ミレイ「かっこいい~」
アーニャ「さっき、道の脇でシャーリーが膝抱えて泣いてたけど、何かしたの?」
ルルーシュ「……いや、何も」
ミレイ「ふーん……。てっきり、シャーリーを振ったのか思ったけど」
アーニャ「それで、話ってなに?」
ミレイ「勿論あるわよ?留年して結婚は延期だけどね」
ルルーシュ「聞いたか?」
『関係ないよ。ビバ、略奪愛』
ルルーシュ「な、なんだと……?」
『シャーリーのような失敗は許されないのだよ』
ルルーシュ「会長は婚約者なんだぞ!!」
『ロイド伯爵の件なら私に任せてくれればいい』
ルルーシュ「貴様、あのロイドと関係があるのか!?」
『早くしてくれないかな?』
ルルーシュ(あのロイドに命令できるとしたら……)
ルルーシュ「……!!」
アーニャ「ルルーシュ?」
ルルーシュ(シュ……シュナイゼルか……!!この声の主は……!!!)
ルルーシュ(お、おのれ……シュナイゼル……!!)
アーニャ「なんか怖い顔。記録」ピピッ
ルルーシュ(相手はシュナイゼルとシャルルか……)
ルルーシュ(俺は知らない間にとんでもない奴を相手にしていたのか)
ルルーシュ「ふふふ……ははは……」
ミレイ「ちょっと……どうしたの?」
ルルーシュ(正体さえわかれば、いくらでも対処はできる)
ルルーシュ(兄上……これ以上、好きにはさせませんよ)
アーニャ「ルルーシュ、変。元からだけど」
ルルーシュ「―――二人に聞きたいことがある」
ミレイ「え?」
ルルーシュ「好きな人はいますか?」
アーニャ「別に」
ミレイ「……ノーコメントで」
ルルーシュ「では、気になる人は?」
アーニャ「私はルルーシュ」
ミレイ「え?!」
ルルーシュ「そうか。アーニャ?」
アーニャ「なに?」
ルルーシュ「俺が恋人になってくれと言ったら、どうする?」
アーニャ「恋人?」
ルルーシュ(兄上は勘違いしている。ヴィレッタもそうだが、この二人はこちらが本気に落としにかかなければ絶対に落ちない)
ルルーシュ(ならば、悟られないように手を抜けば簡単に俺は振られる)
ルルーシュ(奴らの玩具にされるのは俺だけで十分だ)
ミレイ「ルルーシュ……恋人って……」
ルルーシュ「どうだ?アーニャ?」
アーニャ「……」
ルルーシュ(ふっ。アーニャが靡くことはまずない。適当な積極性を見せてご破算とさせてもらうぞ、シュナイゼル)
アーニャ「いいけど」
ミレイ「アーニャ!?」
アーニャ「いいよ。恋人になっても」
ルルーシュ「アーニャ……?」
アーニャ「携帯電話奢って」
ルルーシュ「待て!!アーニャ!!恋人だぞ!?意味、わかっているのか?!」
アーニャ「うん」
ミレイ「……」
ルルーシュ(何でこんなにも簡単に……!?)
アーニャ「どうするの?」
ルルーシュ「……俺の恋人になるということは結婚するってことだぞ?!」
アーニャ「いいけど」
ルルーシュ「な……!?」
アーニャ「結婚。憧れだった。ルルーシュとなら別に結婚してもいいし」
ルルーシュ「ち、違う……間違っているぞ……そんな簡単に決めていいことじゃない……!!」
アーニャ「嫌になったら別れたらいいだけ」
ミレイ「そ、それは……そうかもしれないけど……」
ルルーシュ「バカか!?」
アーニャ「失礼」
ルルーシュ「アーニャ!!嫌になれば別れたいいだと!?そんな考えで交際なんてできない!!」
アーニャ「そんなに考えなきゃダメ?」
ルルーシュ「当然だろうが!!」
アーニャ「だって、私はいいと思った。ルルーシュも私をいいと思った。だから恋人になる。違う?」
ルルーシュ「あ、ああ……」
アーニャ「一緒にいる時間が長くなれば嫌な部分も見えてくる。そこを受け止められるなら結婚。ダメなら別れる。ただそれだけの話」
ミレイ「ア、アーニャ……」
ルルーシュ(こんな恋愛観を持っていたのか……)
アーニャ「だから、とりあえず恋人になることは別に間違ってないと思うけど」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ「え?!」
ミレイ「私もルルーシュと恋人になってもいいかなって思ってます!!」
ルルーシュ「会長、何を言っているんですか?!」
ミレイ「だ、だって……」
アーニャ「ルルーシュ、二股?バレないようにしてね」
ルルーシュ「お、おい!!」
ミレイ「ルルーシュ……結婚する前に、普通の恋愛もしてみたいって考えはダメかな?」
ルルーシュ「会長……」
ミレイ「ずっとガマンしてた。だけど……最後のモラトリアムってことで、ダメ?」
ルルーシュ「……」
ミレイ「ルルーシュ……」
アーニャ「ルルーシュ、どっちが好き?」
ルルーシュ(ど、どうして……こんなことに……!!)
『あははは。いいね。ルルーシュ。最高だよ』
コーネリア「本当にいるとはな」
スザク「コーネリア……皇女殿下!?」
コーネリア「久しいな枢木」
スザク「どうして……」
コーネリア「ルルーシュから呼び出しを受けたのだ。大事な話があるとな」
スザク「大事な話?」
コーネリア「ああ。反省し謝罪の言葉でも聞けるかと期待したが、どうやらそうではないらしいな」
スザク「ええ。何人もの女性を口説いています」
コーネリア「つまりあれか……私も口説かれるということか」
スザク「呼び出されたのなら、そうでしょうね」
コーネリア「おのれ、ルルーシュ!!剣の錆にしてくれる!!」
スザク「待ってください!!やるのはルルーシュが一人になったときでお願いします!!」
コーネリア「分かっている。その前に、枢木。一つ頼みがある」
スザク「た、頼みですか?」
ミレイ「う、うん」
アーニャ「ルルーシュ、私は今日から彼女でいいの?」
ルルーシュ「え……あー……」
『肯定だろ?』
ルルーシュ「黙っていろ!!―――そうだな、アーニャ。俺たちは恋人だ」
アーニャ「じゃあ、ブログに書いてもいい?」
ルルーシュ「名前は書くなよ?」
アーニャ「うん。自慢の恋人ができましたって書くだけ」
ルルーシュ「……」
ミレイ「ルルーシュ!!私は!?」
ルルーシュ「ええ……会長も恋人ですよ」
ミレイ「よかったぁ」
アーニャ「ルルーシュ。二股は私にバレないようにして。分かるとむかつく」
ルルーシュ「わ、悪い!今後、気をつける!!」
『いいよ。ルルーシュ。最高じゃないか』
ルルーシュ(くそ。このままでは……シャーリー以外が玩具にされてしまう!!)
ルルーシュ(いや。今日と言う日を乗り切り、明日以降、対策を練れば……)
ルルーシュ(このままシャルルとシュナイゼルの好きには―――)
コーネリア「ルルーシュ」
ルルーシュ「!!」
コーネリア「呼び出してくれてありがとう」
ルルーシュ「コ、コーネリア……」
『遂に真打の登場だね』
ルルーシュ「何をいう!!コーネリアは血が繋がった姉だぞ!!」
『心配は知らない。近親での交際は皇族の特権だよ』
ルルーシュ「なんだと!?」
『常に同じところで暮らしていたわけではないし、一人の女性として見ることはできるはずだけど?』
ルルーシュ「いや……そうだが……」
ルルーシュ「あ、姉上……お久しぶりです……」
コーネリア「……」
ルルーシュ「あの……」
コーネリア「ルルーシュ」
ルルーシュ(殺される……)
コーネリア「会いたかったぞ、ルルーシュ?」
ルルーシュ「え……」
コーネリア「ああ、ルルーシュ……可愛いルルーシュ」ギュッ
ルルーシュ「あ、姉上!!何を!?」
コーネリア「好きだ……ルルーシュ」
ルルーシュ「姉上……!?」
コーネリア「……ユフィのことは水に流す。私はお前の傍にいたい」
ルルーシュ「は……?」
コーネリア「ダメか?」
コーネリア「ふふ……。そんなに慌てて、可愛いやつだな」チュッ
ルルーシュ「ひゃぁ!?」
コーネリア「ルルーシュ?姉ではやはり、ダメか?」
ルルーシュ「だ、だめというか」
コーネリア「私はお前のことを一人の男として愛している」
ルルーシュ(罠だ……根っからの軍人であるコーネリアがこんなに艶っぽくなるはずが……!!)
コーネリア「ずっと抑圧された生活を送ってきたせいで……欲求にブレーキが効かなくて困るな」ギュゥゥ
ルルーシュ「あね……うえ……」
コーネリア「ルルーシュ?もうすっかり日も落ちた。誰もこない境内で二人っきり。気温も適温」
ルルーシュ「何を……」
コーネリア「さあ……脱げ……」
ルルーシュ「姉上!?」
コーネリア「お前を更に男前にしてやるよ……」
ルルーシュ(ぬぅぅ……罠だ!トラップだ!!計略だ!!!しかし!!俺は!!!)
ルルーシュ「……!!」
スザク「―――そこまでだ!!!」
バンッ!!
ルルーシュ「うっ?!」
コーネリア(来たか)
コーネリア「やめろ!!ルルーシュ!!実の姉になんということをする!!」
ルルーシュ「なんだと!?」
スザク「ルルーシュ!!君は最低だ!!みんなもそう思うだろ!?」
シャーリー「ルル……」
ミレイ「……」
アーニャ「記録」パシャ
神楽耶「ゼロ様」
カレン「ルルーシュ……」
ルルーシュ「スザァァク!!!何の真似だぁ!!」
咲世子「ルルーシュ様。そのような性癖が……?」
ルルーシュ「コーネリア!!」
コーネリア「戦場において、女の肉体は兵器に勝る武器だ。覚えておくといい」
ルルーシュ「ぐっ……!!」
スザク「ルルーシュ。これだけの女性を口説き、さらにはコーネリア皇女殿下にまで……これは許されることじゃない!!」
ルルーシュ「……!」
スザク「そしてやはり記憶は戻っていたようだな……」
ルルーシュ(しまった……。つい興奮して……!!姉上と言ってしまっていた!!)
ミレイ「……」
アーニャ「……」パシャ
ルルーシュ「違う!!これは罠だ!!」
スザク「関係ない!!君が屑であることは間違いないんだ!!」
ルルーシュ「……!!」
カレン「ルルーシュ、スザクから全部聞いた。みんなに同じメールを送ってたんだね……」
シャルル「よいぞぉ!!実によぉぉい!!!」
シュナイゼル「どうしてですか?」
シャルル「まだナナリーとC.C.は場におらんが……あの二人の答えは既に見えておるから、問題はない」
シャルル「肝心なのはぁ!!あの連中がルルーシュのことをどう思っているかであぁぁる!!!!」
シュナイゼル「つまり、枢木スザクとコーネリアは謀らずも最後の振るいをかけたと?」
シャルル「そのとぉうりだぁ。枢木ぃ……!!あやつめ、やりおったわぁ!!!!ぬぁっはっはっはっはっはっは!!!!」
シュナイゼル「なるほど」
シャルル「ここでルルーシュに幻滅する女はそれまでのこと」
シャルル「ここでルルーシュを選ぶのなら、それはぁ!!!―――最高の嫁ぇ!!!ルルーシュの恋人ぉ!!!」
シュナイゼル「確かに浮気も異常な性癖にも寛容な女性なら」
シャルル「安心して息子を任せられるぅ……」
シュナイゼル「しかし、全員がルルーシュに背を向けたら?」
シャルル「そのときは……ナナリーとC.C.に頼むしか……ないなぁ……。ナナリーは……最終兵器だ。できればぁ、避けたいが」
シュナイゼル「ルルーシュのカリスマと彼女たちの器に期待しましょう」
ルルーシュ「……!」
ミレイ「私……やっぱり、想いは隠してたほうがよかった?ルルーシュを困らせただけ?」
シャーリー「ルル……サイテーだよ!!ルル!!」
カレン「神楽耶様だけじゃなかったのね」
ルルーシュ「ふふ……」
神楽耶「ゼロ様?」
ルルーシュ「ふふふはははははは!!!!!」
スザク「何がおかしい!!」
ルルーシュ「ああ、そうだ。俺は近親者に欲情する下衆にも劣る人間だ!!」
咲世子「なんと……」
アーニャ「ふーん」
ルルーシュ「だが、そんな俺に騙されて顔を綻ばせたのはお前たちだ!!心の中で笑っていたよ。見る目のないバカな女どもだとな!!」
神楽耶「……」
ルルーシュ(これでいい。よくやってくれたな、スザク。これで彼女たちはシャルルとシュナイゼルの玩具にならずに済む……!!)
ヴィレッタ「そうだな。幻滅したよ、ルルーシュ」
ミレイ「ルルーシュ……」
カレン「……」
シャーリー「ルル……私……私……」
神楽耶「ゼロ様……いえ。ルルーシュ様」
ルルーシュ「はい?」
神楽耶「私はバカです」
ルルーシュ「え……」
神楽耶「愚昧で蒙昧で一度決めたことは絶対に譲りませんわ」
スザク「何を……」
神楽耶「私はそんなルルーシュ様のことが大好きですわ!!」
ルルーシュ「なっ……!?」
コーネリア「貴様!!正気か!?」
神楽耶「ええ……正気ではないのかもしれません。なぜなら、恋は盲目ですものっ」
神楽耶「お黙りなさい。何人口説こうとも、私へ投げかけてくれた愛は本物ですわ。枢木スザク」
スザク「……!」
神楽耶「殿方ですもの。麗人を見れば湧き上がる感情もありましょう」
ルルーシュ「神楽耶……様……」
神楽耶「それにみなさん、ここにいる女性陣たちを見比べてくださいまし」
カレン「え……?」キョロキョロ
神楽耶「ルルーシュ様は相当な美人が好き。それはここにいる人たちを見れば一目瞭然」
神楽耶「恋人の選考基準は厳しいと思います。容姿だけはないでしょう。中身も見ているはず」
神楽耶「そんなルルーシュ様に選ばれた。それだけで私は世の人たちへ自慢ができますわー!」
アーニャ「ポジティブ」
神楽耶「愛してくれないのは問題ですけど、愛してくれるなら別に構いませんわ。むしろどんな問題があるというのですか?」
ルルーシュ「神楽耶様……俺は……」
神楽耶「ルルーシュ様?どうされたのですか?どこか具合でも悪いのですか?」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ「……というわけだ。中にはこのようにどうしようもない馬鹿な女もいる」
スザク「君は!!彼女の気持ちも考えろ!!」
ルルーシュ「だが、馬鹿なほど愛くるしく、愛おしい」ナデナデ
神楽耶「ルルーシュ様、大事にしてくださいね?」
ルルーシュ「しますよ。勿論」
神楽耶「嬉しいですわっ」
コーネリア「狂っている……!!」
神楽耶「恋に本気になれない女に価値なんてありませんもの」
シャーリー「……!!」
ルルーシュ「神楽耶様」
シャーリー「ルル!!」
ルルーシュ「え……」
シャーリー「わ、私もルルのこと大好き!!……なんだけど……」
ルルーシュ「シャ……シャーリー……」
神楽耶「……」
シャーリー「い、今更ルルにいっぱい恋人がいても、その気持ちは消えないもん!!」
ルルーシュ「シャーリー……いいのか……?」
シャーリー「むしろ、私でいいの!?」
ルルーシュ「……」
シャーリー「……」
神楽耶「ルルーシュ様、シャーリーさんのお気持ちは本物だと思いますわ」
ルルーシュ「そんなことはずっと前から知っています」
シャーリー「ルルー!!」テテテッ
アーニャ「ちょっと待って」ガッ
シャーリー「きゃぁ?!」ズデーン
アーニャ「ルルーシュ?あなたは好きだって言ってくれた相手を全員、恋人にするの?」
ルルーシュ「え……」
アーニャ「あなたはそれだけ器用なの?」
ルルーシュ「何が言いたい?」
アーニャ「例えば、ここにいる全員が貴方の恋人になったとして、平等な愛を振り分けてくれるの?」
ルルーシュ「……」
アーニャ「私、クリスマスとか恋人と一緒に居たい」
ルルーシュ「なるほど、そういうことか。アーニャ、残念だが俺は器用ではない」
アーニャ「……」
ルルーシュ「恐らく特別な日は誰とも過ごさないだろう」
シャーリー「聖夜は一人なの?!」
ルルーシュ「もし誰かを選んでしまったら、俺はその一人を愛したほうがいいし、周りの者もそう思うはずだ」
神楽耶「ですね。私でも「ああ、愛されてないんですわね、よよよ」と枕とシーツを濡らすかもしれません」
アーニャ「甲斐性なし」
ルルーシュ「何とでも言うがいい。それにアーニャ、俺とは付き合う必要はない。神楽耶様やシャーリーのように全てを了承できないのなら、このまま踵を返すがいい」
スザク「どこまで上から目線なんだ!!」
ルルーシュ「俺は全部を曝け出した!!それでも尚!!好きだと言ってくれる者を受け入れるだけだ!!!それの何がおかしい!!スザァク!!!」
シャーリー「ルルー!!クリスマスは一人って結構きついよ!!」
神楽耶「私は全くもって問題ないですわ。前後日で帳尻を合わせてくれるのでしたら」
ルルーシュ「ええ……それぐらいの償いなら喜んで」
咲世子「嬉しいです」ギュッ
神楽耶「ルルーシュ様ぁ」ギュッ
シャーリー「むー……じゃあ、私もガマンするー!!」
ヴィレッタ「馬鹿しかいないのか」
コーネリア「……っ」ギリッ
スザク「ルルーシュ!!君は……!!」
ミレイ「どうしよう……私は……」オロオロ
カレン「ルルーシュ!!!あんたは最低だぁ!!!」
ルルーシュ「カレン」
カレン「どうしてそんなことを臆面もなく言えるのよ?!」
ルルーシュ「悪いが俺はもう開き直っている。俺は逃げも隠れもしない!!罵るなら罵れ!!カレン!!」
シャルル「うむぅ……イレヴンのほうが多いのは問題だな……」
シュナイゼル「そうですね。もう一人ぐらいブリタニア人が靡いてくれれば……」
シャルル「ここでアーニャがルルーシュに―――」
ナナリー「……」ウィィィン
シュナイゼル「あれは!?」
シャルル「ナァナリー?!遂に……きてしまったのかぁ……!!」
ナナリー「お兄様……お兄様……お兄様……」ウィィィン
シャルル「まずぅぅい!!!今、ナナァリーがいけばぁ!!皇以外の女子ぉがぁひいてしまうぅわぁぁ!!!」
シュナイゼル「止めます」
ロロ「―――させません」
シャルル「ぬぅ!?ロォロォ!?いつのまぁに!?」
ロロ「この計画は完全に潰します。そのためにナナリーを利用させてもらいますよ」
シャルル「おのれ!!!ぬぁんたるおろかしさぁぁぁ!!!!ロォォロォォ!!!!」
ロロ(ナナリー、いけ。そして全てをぶち壊してくれ)
ルルーシュ(俺だってそうしたい。だが、もう引き返せないんだよ……カレン……)
神楽耶「カレンさんはルルーシュ様の愛を独り占めにしたいってことですわね?」
カレン「それは……」
神楽耶「なら、カレンさん。それはルルーシュ様に求めては行けませんわ」
カレン「どういうことですか?」
神楽耶「愛を独り占めにしたいのなら、ルルーシュ様を振り向かせればいいだけのお話ですわ」
カレン「え……」
神楽耶「ルルーシュ様が私たちのことを眼中の外にしてしまうぐらい、貴方がルルーシュ様を魅了してしまえばいいだけです」
カレン「そんなこと」
神楽耶「ただ遠くで吠えているだけでは、誰も振り向いてくれませんわ」
カレン「くっ……」
ルルーシュ「……」
カレン「すきになれ~すきになれ~」
ルルーシュ「何をしている、カレン?」
ナナリー「階段があってあがれませんね……」
C.C.「ナナリー、奇遇だな」
ナナリー「その声はC.C.さん?」
C.C.「総督の仕事はどうした?」
ナナリー「そんなことお兄様からの呼び出しに比べれば児戯です」
C.C.「ほう?お前も本気か」
ナナリー「お兄様が私に何を話したいのかは分かりませんが、きっと何か重要なことのはずです」
C.C.「愛の告白だったらどうする?」
ナナリー「お受けします」
C.C.「いい答えだ。では、私が抱き上げてルルーシュのところまで連れて行ってやろう」
ナナリー「いいのですか?」
C.C.「行くぞ……よっと」
ナナリー「C.C.さん……では、お願いします」
C.C.「ああ。行こうか。さあ、ルルーシュ、正妻の到着だぞ?どんな答えを出してくれるか、楽しみだよ」
ルルーシュ「催眠術で得た愛で満足なのか?」
カレン「ギアス能力者にそんなこと言われたくないんですけど!!」
ヴィレッタ「もう帰っていいか?」
アーニャ「……」
ミレイ「この空気なら混じりにいっても……いや……でも……」
スザク「……ルルーシュ……」
コーネリア「ええい!!お前たち!!気でも触れたのかぁ!!!」
シャーリー「え?」
咲世子「何か問題でも?」
コーネリア「こいつは近親者に欲情するといったのだぞ!!?」
神楽耶「それが?」
コーネリア「近親者に欲情するなんて異常者だろうが!!よくもそんな奴のことを好けるな、お前たち!!!」
ナナリー「コーネリア姉様、その話は本当ですか?」
スザク「……!?」
シャルル「いかぁぁぁん!!!このままでぇはぁぁ!!!」
シュナイゼル「もう取り返しが……」
ルルーシュ「ナナリー!?……と、C.C.……?!」
C.C.「ここが祭り会場でいいのかな?」
スザク「まさか……C.C.とナナリーまで……呼ばれていたのか?」
ナナリー「はい」
シャーリー「ナナリー!?ナナリー総督?!」
ミレイ「ど、どうして総督まで……。って、コーネリア皇女殿下もいるし、驚くのもおかしいか」
コーネリア「ナナリー……お前まで……」
ナナリー「それでコーネリア姉様、先ほどの話は本当ですか?」
コーネリア「あ、ああ。そうだ!!ルルーシュは高らかに宣言した!!近親者に欲情すると!!!最低な人間だ!!!」
ルルーシュ「コーネリアァァァ!!!!!きさまぁぁぁ!!!!余計なことをぉ!!!」
スザク「ルルーシュ!!これが君に対する罰だ!!愛される者に嫌われろ!!」
ルルーシュ「だまれ!!スザァク!!」
ナナリーにとって最高のご褒美ですね
アーニャ「ナナリー様、どうやってここまで……この女に運んでもらったの?」
ナナリー「はい」
C.C.「ちょっと手が疲れてきたな」
ナナリー「もう少しだけ我慢してください」
C.C.「はいはい」
ナナリー「お兄様?」
ルルーシュ「ナナリー……姉上の話は……」
コーネリア「ふふん。言ってやれ、ナナリー。ルルーシュに。強烈な一言を」
ナナリー「……」
ルルーシュ「ナ、ナナリー……」
ナナリー「お兄様は……」
ルルーシュ「ぐっ……」
ナナリー「私でもその……変な気分になるんですか……?」
ルルーシュ「い、いや……俺は……」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ(シャルルめ……ナナリーまでこの場によこしたということは……)
ルルーシュ(ナナリーまで利用するつもりかぁ!!ならばここが最終防衛ライン!!ナナリーだけでもこの場から離脱させる!!)
ルルーシュ「ふふ……ふふふ……あーっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!」
スザク「ルルーシュ!?」
ルルーシュ「ナナリー!!そうだ!!俺は何度、お前を襲おうと考えたことか!!」
ナナリー「!!」
C.C.「ほう?シスコンをこじらせたか」
ルルーシュ「お前を寝室に運ぶとき、着替えを手伝うとき……成長していくお前を見て俺の心中では邪な感情が渦巻いていた!!」
ナナリー「……」
ルルーシュ「俺はな、ナナリー。実の姉にも妹にも欲情する欠陥品なんだよぉ!!!」
ナナリー「……ふふ……ふふふ……」
カレン「ナナリー……あんた……」
神楽耶「まぁ……」
ルルーシュ「C.C.!!貴様!!よってくるな!!ナナリーを連れて去れ!!」
C.C.「言われているぞ?」
ナナリー「そうですね……ふふふ……うふふふ……」
スザク「ルルーシュ!!お前!!ナナリーになんてことを言うんだ!?貴様、それでも兄か?!」
ルルーシュ「馬鹿がぁ!!兄弟である前に男と女だ!!」
スザク「ルルーシュゥゥゥ!!!!」
コーネリア「最低の屑だな。このような男が皇族とは虫唾が走る」
咲世子「しかし、兄弟愛ともいえます」
ヴィレッタ「とんでもない愛だな」
シャーリー「ですね」
ミレイ「ああ……このカオスな状況なら……私一人が入っていっても……!!」
スザク「ルルーシュ!!君は屑だ!!人間じゃない!!」
ナナリー「スザクさん!!黙ってください!!」
スザク「ナ、ナナリー……!?」
ルルーシュ「ああ。俺はナナリーでも抱ける。最低は兄なんだよ」
ナナリー「お兄様、実の兄に抱かれてもいいと考える妹もいるのですよ?」
ルルーシュ「は……?」
C.C.「ほら、ナナリーを抱け」
ルルーシュ「あ、ああ……」
ナナリー「うふ。久しぶりにお兄様にだっこしてもらいました」ギュッ
神楽耶「羨ましいですわー。ルルーシュ様、次は私を抱っこしてください!!」
ルルーシュ「ナナリー……?」
ナナリー「お兄様はきっと普通なんだって思っていました。おかしいのは私だけなんだって」
ルルーシュ「え?」
ナナリー「だから、私はスザクさんが好きなんだと自分に言い聞かせていたときもあります」
ルルーシュ「ナ、ナナリー?」
スザク「どういうことだ?」
ナナリー「私もお兄様のことが大好きです。愛しています。家族としてもお一人の男性としても。私はお兄様が大好きな駄目な妹なのです」
ロロ「よし!!いいぞ!!これで兄さんはナナリー以外は目に映らなくなったはず!!異常な兄妹の雰囲気でみんなは兄さんから距離を取る!!」
ロロ「そして最後にナナリーを殺せば……!!兄さんは僕のもの……!!」
シュナイゼル「まずいね……」
ルルーシュ「ナナリー……」
ナナリー「お兄様……」
スザク「ナナリー!!待ってくれ!!」
ナナリー「なんですか?」
スザク「ルルーシュは色んな女性を口説き、追い詰められたら開き直る最低の―――」
ナナリー「お兄様が私のことを好きであること。それ以外に望みません」
スザク「な……に……」
ナナリー「お兄様に将来を誓った相手がいようが、お嫁さんがいようが、私のことを一人の女性として愛してくれる。それだけでいいのです」
C.C.「いい答えだぞ、ナナリー」
ナナリー「お兄様?私と結婚なんてしなくてもいいです、恋人にしてくれなくてもいい。ただ愛してください。私はそれだけで満足です」
神楽耶「ナナリーさん……ブリタニアにもこのような心の持ち主がいたのですね……」
咲世子「ナナリー様、素敵です」
カレン「ナナリー?!それでいいの?!」
ナナリー「勿論です」
神楽耶「ナナリーさん……いえ、ナナリー様。貴方とは仲良くできそうですわ」
ナナリー「えっと……」
神楽耶「神楽耶ですわ。皇神楽耶」
ナナリー「貴方が、神楽耶様?初めまして」
ヴィレッタ「ルルーシュ!!お前は妹をどうするつもりだ!?」
ルルーシュ(何を言ってもいい訳にしかならない……。まてよ……。ナナリーの発言を逆手にとれば、シャルルの計画を完全に潰せる!!)
ルルーシュ「そうか……ナナリー……嬉しいよ」
ナナリー「本当ですか?」
ルルーシュ「ああ。もうナナリーがさえいれば、何もいらないな」
カレン「なんでよ!!ルルーシュ!!」
ナナリー「お兄様……嘘はいけませんよ?」
ナナリー「お兄様は皆さんが好きなのですよね?」
ルルーシュ「……!!」
C.C.「ほう?それは嬉しいな。では、相手にしてもらおうかな?」
神楽耶「よかったぁ。ちょっと心配しました」
咲世子「ルルーシュさま……一生お傍に……」スリスリ
シャーリー「私もー!!スリスリしたい!!」
ルルーシュ「ナナリー!!どうして!!」
ナナリー「……みなさん、お兄様のことが本当に好きなのですよ?私だけなんて言わないであげてください」
ルルーシュ「ナナリー……」
カレン「ルルーシュ!!全員が好きってなによぉ!!」
ナナリー「カレンさんもミレイさんもアーニャさんもヴィレッタさんもコーネリア姉様もスザクさんも、お兄様は皆大好きですよ?」
スザク「ルルーシュ……」
コーネリア「……」
アーニャ「二股は許せない。でも、もうここまできたら、どうでもいいかも」
アーニャ「もういい。呆れを通り越して尊敬した。ルルーシュ、恋人にして。好きなんでしょ?」
ルルーシュ「お、い!!」
カレン「ルルーシュ!!本当に私のことも好きなの?!」
ルルーシュ「あ、ああ……」
カレン「……なら、いつか私だけを見てくれるように傍にいる!!いるからぁ!!」
ルルーシュ「カレン!!」
ミレイ「ああ!!じゃあ、私だって!!ルルーシュのことが大好きだったのー!!!結婚してー!!!」
ルルーシュ「会長まで何を言って―――」
ヴィレッタ「ああ……もう。コーネリア皇女殿下、これは私たちが彼女たちの目を覚まさせるために乗っておくべきではないでしょうか?」
コーネリア「そうだな……。ルルーシュの捻じ曲がった根性を正してやらねば……な」
シャルル「―――ぬぁっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!ゆかぁい、つぅかぁいぃ!!!」
ルルーシュ「誰だ!!」
シャルル「本当は姿を見せる予定ではなかったがぁ……これほどまでのものを見せられては賛辞の一つも送らねばならぁんかぁ!!!」
ルルーシュ「シャルル!!貴様!!!姿を現したか!!」
シャルル「ぬぅ……。ロロ……篠崎ぃ……」
咲世子「動かないでください」
ヴィレッタ「申し訳ありません……皇帝陛下」
ルルーシュ「ここで終わりだ。シャルル」
シャルル「枢木ぃ!!」
スザク「やめろ!!!」バキィッ
ロロ「うわ?!」
咲世子「くっ……!?」
スザク「皇帝陛下に刃を向けるとは……!!」
ルルーシュ「スザァク!!」
シャルル「多少の無礼はよぉい……下がれ、枢木」
スザク「は、はい」
ルルーシュ「シャルル……」
シャルル「まずは全員攻略おめでとう……というべきだな、ルルーッシュよぉ」パチパチパチ
シャルル「玩具ぅ?!何をいっておるかぁ!!!我が息子、娘たちが一向に結婚せんからワシはぁぁぁ!!!ルルーシュに賭けたのだぁ!!!」
ルルーシュ「は、はい?」
C.C.「ルルーシュためか?それとも自分のためか?」
シャルル「ルルーシュのためでもあり、ワシのことでもあぁる」
C.C.「ほう?」
シャルル「C.C.ぅ!!おまえがぁ!!もう少し積極的になっておればぁ!!!こんなことはしなくてよかったぁ!!!」
C.C.「な……なにを!?」
シャルル「何百年も生きておるくせに、童貞を口説くことに照れたか?」
C.C.「ば、ばかをいうな!!私はそんなこと考えたことなんてない!!」
シャルル「ルルーシュに体を許したのかぁ?!あぁん?!」
C.C.「な、ない……!!」
シャルル「迂闊ぅ!!!C.C.ぅ!!貴様がまだ乙女心を持っていたのが迂闊だったわぁ!!」
C.C.「シャルル!!黙れ!!」
シャルル「C.C.のヘタレっぷりを見かねてこうしてワシが出張ってきたというわけだ、ルルーッシュよぉ」
シャルル「……」
ルルーシュ「おい!答えろ、シャルル!!」
シャルル「……そろそろ……ベイビィ……が見たい……」
ナナリー「赤ちゃんですか?」
シャルル「そうだぁ……ベェイビィが見たい……ワシもいい年だぁ……なのにぃ!!なのにぃ!!!」
シャルル「シュナイゼルは何故かぁ美人な男の側近を傍に置きぃ……」
シャルル「オデュッセウスは12歳以下の女にしか興味を示さん……!!」
シャルル「コォネリアァはブラコォォンでシスコォォン!!!」
シャルル「ナナリーはもう色々超越してしまったぁ!!!」
シャルル「まともなのはぁ、ルルーシュしかおらぁぁん!!!のだぁ……」
カレン「あの……孫が見たいってことですか?」
シャルル「そぉだ……。紅月……お前は10人ぐらい産んでくれそうだなぁ……」
カレン「ど、どこみてるの!?」
シャルル「ぬぁっはっはっはっはっは!!生娘ばかりでルルーシュも幸せものよなぁ!!」
シャルル「ぬぅ?なんだぁ?」
ルルーシュ「ふざけるな!!貴様の私利私欲で彼女たちを産む機械として扱うなぁ!!!」
シャルル「違う!!ワシは!!ただ純粋にぃぃ!!」
ルルーシュ「黙れ!!シャルル!!彼女たちの気持ちも考えろ!!まだ学生の身だ!!出産など考えられるわけがない!!」
神楽耶「シャーリーさん、ご出産の経験は?」
シャーリー「あ、あるわけないでしょ!!……やっぱり、辛いのかなぁ……」
咲世子「ひっひっふーで大丈夫です」
ミレイ「初めてはやっぱり男の子よねー」
アーニャ「私は女の子がいい」
コーネリア「女の子2人がちょうどいいだろう」
スザク「男でも産めるのだろうか」
シャルル「ルルーッシュよぉ!!貴様!!これだけ思われても、それを踏み躙るかぁぁ!!!ぬぁんたるおろかしさぁぁ!!!!」
ルルーシュ「当然だ!!仕組まれた愛など、俺はいらない!!俺が欲しいのは俺が自分で手に入れたものだけだぁ!!」
ナナリー「お兄様、大好きですっ」ギュッ
おい
ルルーシュ「俺に恋人はまだいらない!!」
シャルル「おのれぇ!!おのれぇぇ!!!ルルーッシュぅぅぅ!!!!ここまで!!ここまでしてもぉぉぉ!!!!」
ルルーシュ「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる!!!シャルル!!貴様が自分で子作りに励め!!!」キュィィィン
シャルル「ルルーシュゥゥゥゥ!!!!!」
ルルーシュ「……自分で作って、赤ん坊を拝んでいろ」
シャルル「わぁかったぁ……シュナイゼルゥ!!」
シュナイゼル「はい」
シャルル「今から本国に帰って子作りに励むことにするぅ!!」
シュナイゼル「これ以上、増やすのですか?」
シャルル「だまれぇぇぇい!!」
シュナイゼル「ルルーシュ……」
ルルーシュ「兄上……誰かと結婚しろ!!!」キュィィィン
シュナイゼル「……そうだね。そろそろ、私も腰を落ち着けよう。カノンはOKしてくれるだろうか」
ルルーシュ「はぁ……はぁ……これでいい……これで……」
ルルーシュ「……何も言うな」
ナナリー「お兄様……本当に恋人はいらないのですか?」
ルルーシュ「俺には分不相応だからな」
ナナリー「では……お兄様?」
ルルーシュ「なんだ?」
ナナリー「私は傍にいてもいいいですよね」ギュッ
ルルーシュ「お前は総督の仕事が……」
ナナリー「私のことを女としてみてくれるお兄様の傍を離れたくなんてないのです。ランペルージに戻ります」
ロロ「……」キュィィィン
C.C.「ふっ!!」ドゴォ
ロロ「がはぁ?!」
ルルーシュ「あのなぁ……総督はどうするんだ?」
ナナリー「コーネリア姉様がいますし、大丈夫です」
ルルーシュ「全く、困った妹だな……」
ルルーシュ「なんだ、魔女?」
C.C.「恋人を作らないというのは少し勿体ないだろ?」
ルルーシュ「そうか?」
C.C.「ほら……同性愛者と勘違いされるかもしれないし、近親者にだけにしか興味がない人間に思われるかもしれない」
ルルーシュ「そうだな」
C.C.「だから、カモフラージュで一人ぐらいは恋人がいるんじゃないかな?」
ルルーシュ「言われて見ればそうだな。そういう相棒はいるかもしれないな」
ナナリー「まぁ、じゃあ、どなたにするんですか?」
ルルーシュ「……そうだな」
C.C.「そ、そういう相手は私ぐらいだろ?仕方ないから、恋人のふりを―――」
カレン「ルルーシュ!!それ私が立候補!!」
C.C.「カレン!?」
シャーリー「一般人のほうがいいと思うけど!!」
咲世子「私ならいつでもお隣にいれますよ?」
神楽耶「もう皆さん、ルルーシュ様が選ぶのを黙って待てないのですか?」
ヴィレッタ「お前たちではダメだ。ここは先生としてしっかりと指導をだな」
アーニャ「私、オススメ。学校では後輩」
コーネリア「いーや、私だ。こうなったら、四六時中ルルーシュに張り付いて、捻じ曲がった性格を叩きなおす」
スザク「……俺だ!!ルルーシュの毒牙から俺がみんなを守るんだ!!」
ルルーシュ「お前らな……」
ナナリー「大変ですね。お兄様?」
ルルーシュ「全員、ナナリーのような性格ならよかったのに」ナデナデ
ナナリー「ふふ……キスしてください、お兄様」
ルルーシュ(カモフラージュの恋人か……誰にすれば一番安全なのか……)
C.C.「……」モジモジ
ルルーシュ「……よし、決めた」
ナナリー「誰ですか?」
ロロ「僕だ!!」
咲世子「ルルーシュ様、おはようございます」
ルルーシュ「ああ」
ナナリー「お兄様、おはようございます」
C.C.「寝坊はしないんだな」
ルルーシュ「当然だろ?」
ロロ「―――ナナリー!!」キュィィィン
C.C.「はっ!!!」バキィ
ロロ「ぐはぁ?!」
ルルーシュ「―――ロロ。もう諦めろ。ナナリーの護衛にC.C.と咲世子が居る限り、貴様は何もできない」
ロロ「僕の居場所が……居場所がぁ……」
ナナリー「ふん」
ロロ「!?」
ナナリー「お兄様、行きましょう?」
ルルーシュ「ああ」
ナナリー「ふふ……お兄様、今日は暖かいですね」
ルルーシュ「そうだな」
シャーリー「ルル!」
ルルーシュ「どうした?シャーリー?」
シャーリー「えっと……来週なんだけどぉ……」
ルルーシュ「ああ……約束通り映画に行こう」
シャーリー「ありがとう!!楽しみにしてるね!!」
ルルーシュ「ふっ」
ナナリー「あれ……来週はヴィレッタ先生では?」
ルルーシュ「ヴィレッタ先生の都合で変わったらしい」
ナナリー「恋人を週替えなんて大変ですね」
ルルーシュ「毎日変わるよりマシだがな」
ナナリー「そういえばカレンさんが文句を漏らしていましたよ?2ヶ月待ちはいやだーって」
ルルーシュ「そういう規則だからな。我慢してもらうさ」
ルルーシュ「アーニャ。おはよう」
アーニャ「今からデート」
ルルーシュ「分かってるって」
ナナリー「お兄様、では後ほど」
ルルーシュ「ああ。咲世子に来させるから。少しここで待っていてくれ」
ナナリー「はい」
アーニャ「はやく」ギュッ
ルルーシュ「はいはい」
ナナリー「アーニャさん!ごゆっくりしてくださいねー」
アーニャ「言われなくてもする」
ルルーシュ「どこに行くんだ?」
アーニャ「どこでもいい」ピピッ
ルルーシュ「お前、俺の写真どれだけ撮るつもりだ?」
アーニャ「ブログ更新のためだから」ピピッ
C.C.「ルルーシュ?」
ルルーシュ「なんだ?」
C.C.「何をしている?」
ルルーシュ「予定表の制作だ。こうして書いておかないとどの予定が誰との約束だったのか分からなくなる」
C.C.「ふーん……」ギュッ
ルルーシュ「なんだ?」
C.C.「私とナナリーの予定がないな……」
ルルーシュ「当然だ。ナナリーとお前は……」
C.C.「ん?」
ルルーシュ「なんでもない。邪魔をするなら出て行け」
C.C.「いくじなし」
ルルーシュ「出て行け」
C.C.「はいはい。来週の日曜日だけは空けておけよ」
ルルーシュ「埋めるわけないだろ」
シュナイゼル「皇帝陛下は暫く公には出ることはできない。必要なことは私が……ああ。頼むよ」
カノン「また演説を行うのですか?」
シュナイゼル「仕方ないさ。シャルル皇帝は今……」
カノン「ほぼ休むことなく子作りに励んでいるそうですね」
シュナイゼル「ああ。どれだけの皇位後継者が誕生するのか……末恐ろしいよ」
カノン「お元気ですねぇ」
シュナイゼル「ところでカノン?」
カノン「はい?」
シュナイゼル「体は大丈夫かい?昨晩は少し無茶をしたからね」
カノン「もう、大丈夫です」
シュナイゼル「カノン……結婚を受けてくれてありがとう」
カノン「いいえ……殿下の……いえ、あなたのためなら」
シュナイゼル「ふふ……素敵だ……」
カノン「もう……やめてください……」
C.C.「ルルーシュ!!そろそろピザを!!」
ルルーシュ「分かっている。落ち着け」
ナナリー「こうしてお兄様とC.C.さんと一緒にお出かけできる日がくるなんて思いませんでした」
C.C.「ナナリーはいい子だな」ナデナデ
ナナリー「いえ。お兄様もC.C.さんを恋人にして差し上げればいいですのに」
ルルーシュ「ナナリー!!」
C.C.「妹の許可が出たな」ギュッ
ルルーシュ「魔女が!!よせ!!」
ナナリー「ふふ、お兄様照れてますね」
カレン「……私も混ぜてくれない?」
ナナリー「……カレンさん?決まりは守ってくださいね」
カレン「はい……」
C.C.「ルルーシュ。ほら、あーん」
ルルーシュ「やめろ!!チーズが垂れる!!」
ルルーシュ「全く……行儀が悪いんだよ」
ナナリー「お兄様とC.C.さんって本当の恋人みたいですよ?」
C.C.「だってさ」
ルルーシュ「虫唾が走るな」
C.C.「なんだと?」
ナナリー「お兄様、C.C.さんを恋人にしても、私のことはずっと愛してくださいね?」
ルルーシュ「ナナリーは特別だからな」
ナナリー「ふふ……」
C.C.「私は?」
ルルーシュ「……」
C.C.「私はどうなんだ?ルルーシュ?」
ルルーシュ「……特別だ」
C.C.「ルルーシュ、ピザだ。アーンしろっ」
ルルーシュ「やめろ!!俺に恋人はいない!!恋人面をするなぁ!!」
END
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Entry ⇒ 2012.08.19 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
ジェレミア「アーニャを養うことが我が大黒柱の務めである!!!」
ジェレミア「よし、これぐらいでいいだろう。アーニャ」
アーニャ「ふぁに?」モグモグ
ジェレミア「アーニャ、つまみ食いをするなら私にバレないようにしろといつも言っているだろう?」
アーニャ「美味しくて」
ジェレミア「当然だ。このジェレミア・ゴットバルトの手掛けるものに欠陥品は一つとして無し。品質管理は勿論のこと、糖度にも気を遣っている!!」
アーニャ「うん」
ジェレミア「しかし、最近は売れ行きが好調すぎて些か忙しいな。ナナリー様やアッシュフォード学園に贔屓してもらっているためか注文が多い」
アーニャ「嬉しい悲鳴」
ジェレミア「私はともかくアーニャに無理をさせるわけにはいかない。この辺りで手を打っておくべきだろう。働き手を募集しようと思う」
アーニャ「……なんで?」
アーニャ「私、別にこのままでもいいけど」
ジェレミア「アーニャは学校もある。ここで働きながら通学するもの辛いだろう」
アーニャ「大丈夫だけど」
ジェレミア「まぁまぁ、私に対しての忠義が痛み入る。しかし、こちらにも君を立派なレディするという責務がある!!」
ジェレミア「こんな農場で身を窶し、世間をズレた感覚、嗜好を持ってもらっては困る」
アーニャ「どうして?」
ジェレミア「言っただろう。私の手掛けるものに欠陥品は一つとしてないと!!それはアーニャ!!君とて同じ事!!」
ジェレミア「私と一緒に生活していく以上、どこに出しても恥ずかしくない女性になってもらう。そういうことだ」
アーニャ「出て行く気ないけど」
ジェレミア「早速、募集チラシの作成に移るか」
アーニャ「話を聞いて」
ジェレミア「こういう広告はシンプルイズベストに限るか」カキカキ
アーニャ「ねえ、出て行く気、ないけど」
ジェレミア「よし。アーニャ、これでどうだ?」
ジェレミア「来たれ若人!!みかん畑で己が忠義を果たすとき!!!」
ジェレミア我ながら惚れ惚れする煽り文句だ」
アーニャ「こんなのいらない」
ジェレミア「このまま出荷数が多くなれば、君への負担も大きくなる」
アーニャ「そのときはモルドレッドを使う」
ジェレミア「この農場を消し炭にする気か。そもそもあれは廃棄処分されたはず」
アーニャ「作る」
ジェレミア「その覚悟やよし。ならばこそ、こちらも相応の覚悟で人員の募集をしよう」
アーニャ「その理屈はおかしい」
ジェレミア「いざ!!ジェレミア・ゴットバルト!!まいる!!チラシを貼りに!!」
アーニャ「……」
ジェレミア「アーニャ、これを運んでくれ」
アーニャ「うん」
「すいません」
ジェレミア「ん?曲者か」
アーニャ「誰?」
咲世子「チラシを見てやってきました」
ジェレミア「咲世子!!咲世子か!!」
咲世子「ご無沙汰しております」
ジェレミア「どうした?君はナナリー様の傍でルルーシュ様への忠誠を示し続けるものだとばかり……」
咲世子「ナナリー様のお傍にいることも私の幸せでしたけれど、どうしてもルルーシュ様を思い出してしまって……うぅ……ぐすっ……」
ジェレミア「女性に涙は似合わない。このハンカチで拭うがいい」
咲世子「すびばぜん……チーン!!」
ジェレミア「ところで、働きにきたのか?」
咲世子「はい。何分、無職でして」
咲世子「そんなことはありません。私が子を授かれば、その子に私の全てを叩き込みます」
ジェレミア「頼もしい。では、採用」
咲世子「ありがとうございます」
アーニャ「待って」
ジェレミア「どうした?」
アーニャ「ちゃんと面接したほうがいい」
ジェレミア「面接の必要などない。彼女は騎士道に殉じた人物。それだけで信頼に値する」
アーニャ「でも……」
ジェレミア「それに咲世子の身体能力は力仕事にも向いている。多大なる助けになることはまず、間違いない」
咲世子「頑張ります」
アーニャ「……」
ジェレミア「不満か?」
アーニャ「……別に」
ジェレミア「では、咲世子。作業着等を授与しよう。こちらへ」
咲世子「はい」
アーニャ「……」
ジェレミア「アーニャ、そろそろ登校の時間ではないか?」
咲世子「行ってらっしゃいませ、アーニャさん」
アーニャ「……行ってきます」タタタッ
咲世子「私、嫌われているのでしょうか?殺意をもった眼差しを向けられていました」
ジェレミア「警戒しているだけだろう。人見知りをするようなタイプではないが、やはり年頃の娘。自身の領域に踏み込んできた者を気もするはず」
咲世子「なるほど。無言で年功序列ではなく、ここは実力社会だと私に訴えているわけですね」
ジェレミア「……イメージとしてはそうかもしれない」
咲世子「では、私の実力をアーニャさんに見てもらい、認めてもらうしかありませんね」
ジェレミア「そうだな」
咲世子「篠崎咲世子。不束ながら、ご助力いたします。ジェレミア様」
ジェレミア「私に忠誠を誓う必要はどこにもない。君の心はまだルルーシュ様と共にあるのだろう」
咲世子「……はい」
アーニャ「……」
カレン「おはっよ」
アーニャ「……」
カレン「ちょっと、無視?」
アーニャ「なに?」
カレン「なに?じゃなくて、挨拶したんだから返事ぐらいしてよね。過去にも色々あったけど、私は別にアーニャのこと嫌いってわけじゃないし」
アーニャ「おはよう」
カレン「うん。おはよう。で、なに見てたの?」
アーニャ「これ」
カレン「なに、これ?アルバイトの情報誌じゃない。アーニャ、バイトするの?」
アーニャ「わからない」
カレン「確か、みかん畑で働いてるんじゃなかった?」
アーニャ「そうだけど。あまり居たくない」
カレン「なんでよ?喧嘩?」
カレン「別にって顔してないでしょ」
アーニャ「……」
カレン「聞いている?」
アーニャ「咲世子って知ってる?」
カレン「咲世子?篠崎咲世子さんのこと?うん、面識あるけど?」
アーニャ「その人が来た」
カレン「へえ、良かったじゃない。あの人、肉体労働のプロって感じだからねぇ」
アーニャ「……それだと困る」
カレン「どうして?」
アーニャ「……」
カレン「あー、わかった。そうよねぇ、咲世子さんがいれば仕事しなくていいもんね。そうなると、アーニャは……クビ?」
アーニャ「……っ」
カレン「あー。ごめん、ごめん。冗談だから」
アーニャ「だから、アルバイトしたほうがいいかもって思って……探してた」
アーニャ「……」
カレン「……ねえ」
アーニャ「なに?」
カレン「まだ、バイト募集してる?」
アーニャ「あげる。いいバイトなかったけど、貴方ならキャバクラでもいけばいい」
カレン「もうバニーは嫌!!っていうか、あんたどこでそんな言葉を!?」
アーニャ「冗談。さっきのお返し」
カレン「……アーニャのところのバイト、まだ募集してるかってこと」
アーニャ「してるけど?」
カレン「なら、雇ってくれない?」
アーニャ「いや」
カレン「こっちもお母さんのこととかあるし、アルバイトぐらいしたいなって思ってたところなの」
アーニャ「……」
カレン「面接だけでもいいからしてよ」
咲世子「ジェレミア様!!収穫終了しました!!」ダダダダッ!!!
ジェレミア「1日の作業をわずか2時間で終わらせるとは……流石だな」
咲世子「次は何をすればいいでしょうか?」
ジェレミア「そうだな。次は……」
アーニャ「ただいま」
ジェレミア「アーニャか。おかえりなさいました」
咲世子「お帰りなさいませ。―――あら?カレンさん?」
カレン「咲世子さん!!久しぶり!!」
咲世子「はい。お久しぶりです。どうしたのですか?」
カレン「紅月カレン!18歳!!バイト募集の情報を聞いてやってきました!!」
アーニャ「面接を……」
ジェレミア「いいだろう。採用」
カレン「わーい」
アーニャ「あの……それはなし……」
ジェレミア「なるほど、母君の治療費のために……」
カレン「性格にはお母さんが働けないので、生活費を色々と工面しないといけなくて」
ジェレミア「君も大変だな」
カレン「そんなことありません。ナナリーやゼロのほうが……」
ジェレミア「その二人と自分を比べるか。ふふふ、君は健気だな」
カレン「いえ……そんなことは……」
ジェレミア「よし。正式に採用しよう。こちらが作業着一式だ。君に贈呈するので、仕事を辞めても返却する必要はない」
カレン「本当ですか?」
ジェレミア「ああ。無論、洗濯は自分でしてもらうがな」
カレン「はい。それぐらいでしたら」
ジェレミア「いつから働ける?あとシフトの曜日指定はあるか?」
カレン「いつでも大丈夫です」
ジェレミア「頼もしい。紅月カレン、君の忠義に期待しよう」
カレン「任せてください」
ジェレミア「では、仕事の説明を―――」
カレン「あの!いいですか?!」
ジェレミア「なんだ?」
カレン「私、アーニャに教わりたいです」
アーニャ「私……?」
ジェレミア「何故だ?」
カレン「ここではジェレミアさんの次にえらいんですよね?」
ジェレミア「まあ、農園を始めた当初からいるからな」
カレン「なら、アーニャはチーフみたいなものですよね。アーニャから仕事を教わっても問題ないと思います」
ジェレミア「まあ、確かに」
アーニャ「あの……どうして?」
カレン「私、アーニャと仕事がしたくて来たところもありますから」
ジェレミア「それならば仕方ないな。では、アーニャ。紅月カレンの指導は君に一任する」
アーニャ「めんどう……」
アーニャ「うん……」
ジェレミア「年下からの指導というのは時として自尊心を傷つけるときもあるのだが、彼女の場合は当てはまらないのか」
ジェレミア「先輩を敬うことに長けている。ということか。素晴らしい」
咲世子「糖度チェック完了しました」
ジェレミア「もうか。早いな」
咲世子「漏れがあるかもしれませんから、ジェレミア様自身でチェックされるのがよろしいかと」
ジェレミア「その必要はないだろう。君が失敗することが想像できない」
咲世子「そこまで期待されると緊張します。このような仕事は初めてですから」
ジェレミア「ふふ。謙虚だな。流石は日本人。よろしい、このジェレミア・ゴットバルトが自らミスがないかチェックしよう」
咲世子「お願いします」
ジェレミア「任せよ!!」
アーニャ「どうして?」
カレン「これでアーニャはこの農園には必要不可欠な存在でしょ?私の教育係として」
アーニャ「……別にそんなことしなくてもいいのに」
ジェレミア「今日はこの辺でいいだろう。―――では、給与を渡す」
ジェレミア「咲世子!!ご苦労だった」
咲世子「いえ」
ジェレミア「カレン!!」
カレン「え!?」
ジェレミア「どうした?」
カレン「いや、だって。私、全然働いてませんよ?来て3時間しか経ってませんし、それにアーニャに仕事の説明を受けただけで……」
ジェレミア「それも労働だ。きちんとした対価を払わねばならない。君が受け取りを拒否するのなら、私は強硬手段に打って出る」
カレン「えー?」
ジェレミア「手渡しはやめて、振込みにする。いいのか?」
カレン「そのほうが助かります」
ジェレミア「よかろう。では、そうする。今月の預金額を見て腰を抜かすがいい」
カレン「待ってください!!手渡しで!!手渡しでお願いします!!なんか訳のわかんない大金が振り込まれてそうで怖い!!」
ジェレミア「いい判断だ。それでいい」
アーニャ「続ける?」
カレン「うん。あの、明日は……?」
ジェレミア「午前5時には来てくれ」
カレン「朝のですか?!」
ジェレミア「午前といった」
カレン「……」
ジェレミア「不服か?」
カレン「えーと……」
アーニャ「……」
カレン「いえ!がんばります!!」
ジェレミア「うむ。咲世子はどうする?」
咲世子「できれば、住み込みをお願いしたいのですが。夜の警備もできますし」
ジェレミア「では、君の寝屋を作る必要があるな」
アーニャ「……住むの?」
ジェレミア「どうした?」
カレン「住み込みで働けるなら私も……」
アーニャ「……!」
ジェレミア「そうだな。そのほうが―――」
アーニャ「やめて」
カレン「え……」
アーニャ「……おねがいだから」
カレン「あ……」
ジェレミア「アーニャ。朝は早い。ここに居てくれたほうが彼女の体の負担も―――」
カレン「やっぱりいいです!私は自宅から通いますから!!」
ジェレミア「いいのか?」
カレン「はい!朝の3時におきればなんとかなります」
アーニャ「ごめんなさい」
カレン「いいのいいの。じゃあね、アーニャ」
咲世子「では、私の寝室はどこになるでしょうか」
ジェレミア「案内しよう。都合よく、空き部屋は3部屋ほどある」
咲世子「助かります」
ジェレミア「気に入った部屋を使ってくれて構わない」
咲世子「はい」
ジェレミア「どの部屋にも冷暖房は完備している。クローゼットもある」
ジェレミア「風呂とトイレだけは共同になってしまうがな」
咲世子「問題ありません」
ジェレミア「ふっ」
アーニャ「……」
ジェレミア「アーニャ、中に入ろう」
アーニャ「うん……」
咲世子「ご気分が優れないのですか?」
アーニャ「大丈夫」
ジェレミア「アーニャ、夕食ができた。食すがいい」
アーニャ「いただきます」
ジェレミア「それにしても驚いたな。君がカレンの入居を拒否するとは。そこまでの軋轢があるのか?」
アーニャ「……」モグモグ
ジェレミア「溝は深いようだな」
アーニャ「……」
咲世子「ジェレミア様、夜の見回りに行ってきます」
ジェレミア「無理だけはしないように」
咲世子「はい」
アーニャ「……」
ジェレミア「咲世子にもあまりいい顔をしないのは、やはり戦の所為か?」
アーニャ「違う」
ジェレミア「そうか。何か不満があるならいつでもいってくれ。私が力になる」
アーニャ「うん……」
カレン「ふわぁぁ……」
アーニャ「そこ、サボらない」
カレン「ごめん……でも、どうしてこんなに朝早いの……?」
アーニャ「品質管理は徹底してるから。小まめなチェックをしているだけ。はっきり言ってやりすぎだと思うけど、害虫が出ることも確か」
カレン「ふーん」
アーニャ「……こっちは終わり」
カレン「アーニャ、もしかして迷惑だった?私が来たこと」
アーニャ「別に」
カレン「そう?」
アーニャ「あなたが居なかったら、私はきっと本当に必要がなくなっていたと思うし」
カレン「なら、いいんだけど」
アーニャ「……」
咲世子「よし!!こちらは全て終わりました!!」
カレン「はや?!私たちまだ1/5も終わってないのに?!」
咲世子「はい」
カレン「やっと終わったぁ……。というか、アーニャ、いつもこんな生活してるの?」
アーニャ「そうだけど?」
カレン「すごいわね……」
アーニャ「慣れれば平気」
カレン「慣れかぁ……」
ジェレミア「そうそう。また、ナナリー様が我々のみかんを欲している。大型の注文が入った」
カレン「ナナリーですか?」
ジェレミア「ああ。政府関係者全員にポケットマネーで配っているらしい。ここの収入の2割ほどはナナリー様からのご注文で賄われている」
カレン「今のナナリー、指の先が黄色になってんじゃない?」
ジェレミア「ナナリー様には敬服せざるを得ない!!故に私は!!みかん一個といえど全力を尽くす所存!!!」
アーニャ「じゃあ、私が配達にいく」
カレン「そう言うのって業者に頼むんじゃ……」
ジェレミア「何をいう。アーニャはスペシャリストであろう。操縦に関してはな」
ジェレミア「これだ」
カレン「ナイトメア?!しかも、無頼……?」
ジェレミア「独自に配達販売ができるように取り寄せた。ルルーシュ様がご愛用されていたナイトメアフレームを再現したものである」
カレン「まだ、こんなの残ってたんだ……」
ジェレミア「では、アーニャ。学校が始まる前に配達をお願いできるか?」
アーニャ「任せて」
カレン「アーニャ!私も一緒に行っていい?」
アーニャ「ナイトメアで登校する気?」
カレン「それもあるけど、ナナリーに会いたいなーなんて」
ジェレミア「残念だが会うことはできないだろう」
カレン「そうなんですか?」
ジェレミア「当然だ。配達物の受け取りに本人が出てくるわけがない」
カレン「それもそうですね……。でも、一緒に行きたい。乗せて」
アーニャ「……いいけど。運転の邪魔だけはしないで」
アーニャ「着いた」
カレン「なんだ。飛行機で空輸するだけ……。そりゃ本人は―――」
ゼロ「待っていた!!!」バッ!!!
アーニャ「おはよう、ゼロ」
ゼロ「おはよう!!」
カレン「ぶふっ?!」
ゼロ「カレン?!どうして、君が!?」
カレン「あんたこそ?!なにしてるのよ?!ナナリーの護衛は?!」
ゼロ「ナナリー様にみかんの受け取りと空輸を命じられている。これは僕の仕事だからね」
カレン「アンタ、受け取って運ぶだけなの……?つかえねえ」
ゼロ「そんなことない!!これはナナリーがみかんが傷まないようにと考えて!!」
カレン「地が出てるけど、いいの?」
ゼロ「いや。これはナナリー様の勅命だからな。私はそれに従うまで!!!」バッ!!!
アーニャ「じゃあ、これにサインして」
カレン「こら!!故人の名前を書くな!!」
ゼロ「しまった!いつもの癖で!!」
アーニャ「学校あるから早くしてほしい」
ゼロ「ああ、ごめんごめん。すぐに書き直すよ、アーニャ」
カレン「ゼロにしては迂闊すぎない?」
ゼロ「まだ慣れていないだけだよ。これから頑張るつもりだ」
カレン「最初から全力でやりなさいよ」
ゼロ「カレン、学校は楽しいかい?」
カレン「え……。まぁ、うん」
ゼロ「それはよかった。アーニャ、ジェレミア卿はどうしている?」
アーニャ「元気。問題ない」
ゼロ「それならいいんだ。ナナリー様にいい報告ができる。―――ふはははは!!みかんは頂いていく!!さらばだ!!」
アーニャ「バイバイ」
カレン「ちょっと待って!!」
ホントにルルーシュゼロの真似してそうだな
カレン「ナナリーはどうなの?こっちも心配してるんだけど」
ゼロ「大丈夫だよ。ナナリーは元気だ。最近、指の先が黄ばんできたけど」
カレン「やっぱり……?」
ゼロ「関係者も最近みかんに飽きはじめているようだしね、独りで大量のみかんを食べているときもあるよ。この前は一個のみかんを丸ごと口に押し込んでいた」
カレン「批判とかされてるわけ?」
ゼロ「批判というか受け取らない人は徐々に目立ち始めている」
カレン「大丈夫なの?」
ゼロ「分からない。でも、ナナリーはジェレミア卿のみかんだからってだけで購入していないし、購入費はポケットマネーだから誰も文句は言えないはずだ」
カレン「このことアーニャには?」
ゼロ「勿論、伝えていない」
カレン「ゼロ、ナナリーを泣かせようにしなさいよね」
ゼロ「分かっている!!私はゼロ!!世界を壊し、創造する男だった!!!」
カレン「早く行きなさいよ」
アーニャ「……内緒話、終わった?」
ジェレミア「ふむ……」
咲世子「ジェレミア様、どうかされましたか?」
ジェレミア「いや、売れ行きが好調すぎて少しばかり不安の種が蒔かれた」
咲世子「不安の種ですか?バブルが弾けるとか?」
ジェレミア「主な出荷先はナナリー様、アッシュフォード学園、そして各青果店。しかし、これだけでは立ち行かなくなるだろう」
咲世子「そうなのですか?」
ジェレミア「特にナナリー様はそのうち、ご購入をやめてしまうだろう」
咲世子「何故ですか?ナナリー様はそんなことを……」
ジェレミア「個人で購入するにはあまりにも大量大金。我が忠義に果てはなくとも、ナナリー様の献身には限界もある」
ジェレミア「もっと画期的にこのジェレミア・ゴットバルトのみかんを広めなくてはならない」
咲世子「どうしてそこまで」
ジェレミア「愚問だな、咲世子。全てはアーニャのため」
ジェレミア「アーニャを養うことこそ、我が務め!!今はそう思っている」
咲世子「差し出された手をとった責任ですか?」
咲世子「左様ですか」
ジェレミア「とはえ、農園だけではアーニャに将来の旦那が見つかるまで養えるかどうか……」
咲世子「そうですね。みかん農園なんて各地域にありますし」
ジェレミア「ああ、困った。どうすればいいのか!!」
ジェレミア「このジェレミア・ゴットバルト!!混乱の極み!!!みかんの嵐!!!」
咲世子「新しいモノを栽培するのはどうですか?」
ジェレミア「二兎追うもの一兎も追えずだ」
咲世子「そうですねえ……」
ジェレミア「……」
ジェレミア「ここは、誰かに知恵を借りるしかないか」
咲世子「知恵ですか」
ジェレミア「咲世子。誰か適任者を知らないか?」
咲世子「急に言われましても……」
ジェレミア「誰でもいい。誰か、このみかん畑に奇跡の種を植えてくれる人物を!!」
リリリン!
玉城「はーい」
咲世子『玉城さんですか?私です、咲世子です』
玉城「あー、咲世子。久しぶりだなぁ。何してんだよぉ。偶には俺の店にも顔だせっての」
咲世子『あの、実はご相談がございまして』
玉城「相談だぁ?」
咲世子『実は今、みかん畑で労働をしているのですが、今後の経営に不安がございまして』
咲世子『そこで同じ経営者である玉城さんの知恵を拝借したいと思いまして』
玉城「おー!!いい考えだ!!よし!!俺に任せろ!!で、状況は?」
咲世子『はい。実は―――』
―――ガチャン
玉城「ふふ、俺の経営力の見せ所だな!!だーっはっはっはっはっは!!!」
千葉「下品なマスターだな、全く」
藤堂「静かに茶も飲めん」
玉城「それがよぉ。ジェレミア・ゴットバルトの経営するみかん農場をもっと大きくしたいって相談されたんだよ。で、どうしたらいいかって」
藤堂「国内生産だったか」
玉城「そうそう」
藤堂「厳しいだろうな。ライバルが多すぎるだろうし」
千葉「そうなんですか?」
藤堂「ああ。みかんに限らず他の農園の勢力を覆すのは並大抵のことではない」
千葉「なるほど。でも、ジェレミアのみかんは美味しいです。味では負けていないはず」
藤堂「それは同感だ」
玉城「やっぱりよぉ。目新しいことをしないと農園なんか盛り上がらないだろ?」
藤堂「どうするつもりだ?」
玉城「最近、流行ってるだろ?萌えなんとかって奴。あれをやればいいんだよ」
藤堂「……下らん」
玉城「なんだとぉ!?」
藤堂「何十番煎じかも分からない方法を用いて成功した事例など、私は聞いたことがない」
藤堂「ふん、それも多くの者がやっていることだ。飽きられれば終わる」
玉城「そんなもんなんだってあるだろうが!!」
藤堂「大きくしたいのならば、そのように小さなことを重ねていってもジリ貧にしかならん。待っているのは痩せ細ったオーナーと農地のみ」
玉城「てめえ!!俺の考えに文句ばっかりじゃねえかよぉ!!」
千葉「貴様、死ぬか?」
玉城「や、やめろよ!!じゃあ、藤堂!!てめえには名案があるんだろうなぁ?!」
藤堂「ない」
玉城「なんだとぉ?!」
藤堂「現状の把握もできないうちに経営方針等を決めるなど、無責任の極みだ。お前も電話で状況を確認しただけ、詳しいデータも従業員も私たちは知らない」
玉城「ぐっ……」
千葉「藤堂さん、どうするのですか?」
藤堂「……」
玉城「俺だってよぉ!!咲世子に頼まれた手前、やるしかねえんだよ!!」
藤堂「……ならば、引き受けた責務を果たせ。私もできる限りの協力をしよう」
カレン「アーニャ、これはどうするー?」
アーニャ「向こう」
カレン「うんっ」
ジェレミア「カレンも仕事に慣れてきたようだ。これは喜ばしいこと」
咲世子「元々、飲み込みが早いかたですからね」
ジェレミア「ところで、咲世子の友人から連絡は?」
咲世子「それがまだ……」
ジェレミア「ふむ……できるだけ早め早めの対策を練っておきたいのだが……」
咲世子「今もいい打開案を考えてくれていると思いますよ」
ジェレミア「他人にばかり任せるのも我が道に反する。自力での開拓も目指さなければ」
カレン「アーニャ……ずっと気になってたことがあるんだけど」
アーニャ「みかんは無農薬」
カレン「そうじゃなくて。アーニャってさ、ジェレミアさんのことどう思ってるの?」
アーニャ「……別に」
アーニャ「ジェレミアとは雇い主と従業員の関係だから」
カレン「でも、私がここに住むこと反対したよね?咲世子さんが住むって言ったときも嫌そうな顔してたし」
アーニャ「してない」
カレン「強情ね」
アーニャ「本当になんでもない」
カレン「……好きじゃないの?」
アーニャ「好きってなに?」
カレン「恋人にしたいとかあるんじゃないの?」
アーニャ「全然、そんなこと、ない、けど」
カレン「動揺してるじゃん」
アーニャ「仕事して」
カレン「はいはい」
アーニャ「……別になんともない」
カレン「わかったから」
咲世子「はい」
カレン「あー、やっと休憩かぁ。疲れたー」
ジェレミア「カレン、随分と慣れてきたようだな。これからも君の活躍に期待する」
カレン「あ、そうですか?」
アーニャ「……」
カレン「ジェ、ジェレミアさん、アーニャは私よりもよっぽど頑張ってるとおもいますけど!!」
ジェレミア「アーニャが誰よりも働いていることは百も承知だ。今更、アーニャにはいつも感服している次第だ」
カレン「だったら……」
ジェレミア「咲世子、飲み物の準備をしてくれるか?」
咲世子「はい」
アーニャ「いい、それ私がやる」
咲世子「え……」
ジェレミア「しかし、アーニャ。疲れただろう?」
アーニャ「平気。疲れてない」
アーニャ「……」スタスタ
カレン「アーニャ……」
咲世子「あの……」オロオロ
ジェレミア「まあ、アーニャに任せようか」
咲世子「そうですか」
カレン「あの、ジェレミアさん?アーニャは―――」
「失礼する」
ジェレミア「ん?曲者か」
咲世子「どちら様ですか?」
藤堂「ここがジェレミアみかん農園で合っているのか?」
ジェレミア「お前は……藤堂鏡志朗……」
玉城「さーよこ!!きてやったぜぇ!!」
咲世子「玉城さん!お待ちしていました!!」
ジェレミア「なるほど、奇跡の手土産でもあるのか。どうぞこちらへ、お茶でも出そう」
藤堂「紅月も働いているのか」
カレン「ええ、アルバイトで」
ジェレミア「彼女は黒の騎士団での活躍を彷彿とさせる働きをみせてくれている」
藤堂「なるほど」
玉城「カレーン!!元気だったかぁ!!」
カレン「先週も行ってやったでしょ!?あのクソまずいコーヒーを飲みにね!」
玉城「てめぇ!!まずいってなんだよ!!普通っていえ!!」
千葉「普通で満足なのか。謙虚かそれは?」
カレン「千葉さんまで。お久しぶりです。藤堂さんとは?」
千葉「結婚はまだ。藤堂さん、自分探しをしている最中で」
カレン「はぁ……」
アーニャ「もってき……増えてる」
ジェレミア「ありがとう、アーニャ。それは頂こう。残りの分は咲世子に用意させる」
アーニャ「わかった……」
ジェレミア「紅月カレン、アーニャ・アールストレイム、篠崎咲世子。そしてこの私!!忠義に生き!!忠義のために死ぬ男!!ジェレミア・ゴットバルト!!である!!」
ジェレミア「それがどうかしたかな?」
藤堂「……なるほど。これなら既に前提条件はクリアしているようなものだな」
ジェレミア「前提条件?」
藤堂「この農園を大きくしたい。そのように聞いた」
ジェレミア「ああ。その通りだ」
藤堂「では、まずは大々的な宣伝をしたほうがいい」
ジェレミア「コマーシャルでも流すつもりか?」
藤堂「いや、話題を作る。そうすることでこの農園のみかんの知名度を全国区にまで広げる」
ジェレミア「なるほど。しかし、話題作りのためになにをするつもりだろうか。びんちょうタンなるものを作るか?」
藤堂「違う。ここに今、様々な武器を持つ者が揃っていることに気がつかないか?」
ジェレミア「武器?」
藤堂「そう。喫茶店経営者の玉城。料理人顔負けの千葉。天才的な女中の篠崎。活発な美少女の紅月。寡黙な美少女のアーニャ。ここから導き出せる答えはただ一つ」
ジェレミア「……まさか。メイド喫茶か?」
ジェレミア「ほう?まだ私の想像の斜め上を行くのか?」
藤堂「最終目標はここのみかんを様々な商品に変え、世界で唯一のみかんで世界を席巻する企業にすることだろう?」
ジェレミア「うむ」
アーニャ「そうなの?」
藤堂「では、その先駆けとして店を出す。農園の喫茶店だ」
ジェレミア「メイド喫茶ではないのか?」
藤堂「可憐な店員は必須だ。ただし、そこを強調し、話題を得るようでは水物な商売と同じ」
藤堂「みかん専門の喫茶店と称し、店を出す。出す料理、飲み物はすべてみかん尽くし」
ジェレミア「ほう。みかんのみの料理など手ごわいのではないか?」
藤堂「千葉ならばそれができる」
千葉「がんばります」
藤堂「喫茶店で人気が出た料理をコンビニなどに卸す。それでまたこのジェレミア農園のみかんは有名になる」
ジェレミア「上手くいくだろうか」
藤堂「無論、保障はない。しかし、こういうことでもしないと農園そのものを大きくするのは難しい」
ジェレミア「世界を席巻するみかん農園。考えはすばらしいが……」
藤堂「どうする?」
カレン「なんで藤堂さん、あんなに協力的なんですか?」
千葉「自分探しの最中だからな」
玉城「カレンはあれだよな、バニーのウェイトレスだよな!!やっぱよぉ!!」
カレン「だれがするかぁ!!」
藤堂「ジェレミア、お前がオーナーだ。好きにするといい。私は提案に来ただけなのだからな」
咲世子「お飲み物、お持ちしました」
藤堂「すまない」
ジェレミア「……よし。やろうではないか!!」
アーニャ「え……本当に?」
藤堂「おぉ!!ありがたい!!」
ジェレミア「このジェレミア・ゴットバルト!!全力で我がみかんを世界に広めてくれる!!!」
アーニャ「また、人が増える?」
ジェレミア「ああ。中で腰を落ち着かせて今後の経営方針を決めよう」
藤堂「玉城、いくぞ」
玉城「あいよ」
千葉「藤堂さん……ついに……うぅ……」
アーニャ「……」
カレン「アーニャ、いいの?」
アーニャ「ジェレミア、嬉しそう」
カレン「え……」
アーニャ「ジェレミアが嬉しいなら、何もいえない」
カレン「そう……」
千葉「どうした?何か問題でもあるのか?」
アーニャ「別に。少し、散歩してくる」
カレン「あ、ちょっと。私も散歩する!!」
千葉「どうしたんだ……?」
アーニャ「よっと」
カレン「アーニャ!!無頼で散歩するの?!」
アーニャ「そうだけど」
咲世子「カレンさん。アーニャさんは時々、ああしてストレスと発散させているとジェレミア様が」
カレン「アーニャ!!私もいくって!!」
アーニャ「勝手にすればいい」
カレン「はいはい。咲世子さん、ジェレミアさんには今日は早退するって行っておいてください!!」
咲世子「分かりました」
アーニャ『発進』ギュルルル
カレン「まって!!いきなりはだめぇ!!」
咲世子「行ってらっしゃいませー」
千葉「あれは無頼か……」
咲世子「配達用のナイトメアです」
千葉「ジェレミア・ゴットバルトの忠義は本物か」
アーニャ『到着』
カレン「死ぬかとおもった……。って、空港?」
アーニャ「……いた」
カレン「え?」
ゼロ「……」
カレン「ゼ、ゼロ?」
アーニャ「ゼロ、こんにちは」
ゼロ「アーニャ。こんにちは。今日はどうしたんだい?」
アーニャ「実は……」
カレン「ゼロ!!あんたぁ!!なにやってんのよぉ!!!」
ゼロ「カレン!?どうしてここに?!」
カレン「私の台詞よ!!ナナリーの護衛は!?」
ゼロ「ふはははは!!今日はナナリー様の勅命を受け、配達物の受け取りに来ているだけだ!!」
カレン「……あんた、もしかして必要とされてないの?」
アーニャ「ゼロの仕事は空港で荷物を受け取って終わり」
ゼロ「アーニャ?!」
カレン「情けな……」
ゼロ「ま、待ってくれ、カレン!!これには海よりも深い事情があるんだ!!」
カレン「何よ?」
ゼロ「ナナリーはゼロのことを嫌っているんだ」
カレン「ナナリーが?」
アーニャ「ナナリー、ルルーシュを刺したゼロのこと大嫌いみたい。このまえゼロから聞いた」
カレン「なるほど……」
ゼロ「本当はSPとしてナナリーの傍に居たいんだけど、ナナリーはそれを絶対に許してくれなくて」
カレン「そうなんだ」
ゼロ「たまに護衛任務に就くこともあるけど、大半はこうしている」
カレン「英雄ゼロも地に落ちたわね」
ゼロ「これが僕の罪なら甘んじて受けるよ。でも、少し辛い」
ゼロ「うん、まだ時間もあるし大丈夫だよ」
アーニャ「実はジェレミア、今度喫茶店をすることにした」
ゼロ「そうなんだ。でも、そうなると従業員が増えちゃうね」
アーニャ「そう」
カレン「……」
ゼロ「アーニャはどうしたい?」
アーニャ「分からない」
ゼロ「応援したいか?それとも反対か?」
アーニャ「……どっちもある」
ゼロ「難しいね。でも、今のアーニャは応援したいんじゃないかい?」
アーニャ「どうして?」
ゼロ「邪魔したいって思っているなら、こんな相談はできないと思うから」
アーニャ「……そう?」
ゼロ「一度、応援してみるのもいいと思うよ。ジェレミア卿もアーニャのことを思っての決断のはずだから」
ゼロ「うん。完成したら教えてくれ。ナナリーと一緒に行くから」
アーニャ「分かった」
カレン「ゼロ。あんた、いつもアーニャの愚痴を聞いてやってるの?」
ゼロ「愚痴じゃないよ。アーニャはジェレミア卿に話せないことを抱えているだけだ」
カレン「それを愚痴って言うんじゃ」
ゼロ「カレンも喫茶店、手伝うのかい?」
カレン「まあ、一応従業員だしね」
ゼロ「余計、見に行きたいな」
カレン「来なくていいわよ。ナナリーだけ連れてきて」
ゼロ「本当にそうなるかもしれないから、そんなこと言わないでくれ!!」
カレン「地が出てるって」
ゼロ「カレン!!本当にそうなる可能性を考えないのか!!愚か者め!!!」バッ!!
アーニャ「ゼロ、ありがとう。バイバイ」
ゼロ「ああ。さらばだ!!!ふはははははは!!!!」
アーニャ「ただいま」
ジェレミア「おかえりなさいました」
アーニャ「話は終わったの?」
ジェレミア「ああ。オープン予定は半年後、それまでに様々な料理の開発、各小売店への根回し等も済ませる」
咲世子「それから、アーニャさん」
アーニャ「なに?」
咲世子「接客を覚えてもらいます」
アーニャ「なんで?」
咲世子「接客業務をアーニャさん、カレンさん、そして私でやるからです」
アーニャ「あの……」
ジェレミア「アーニャ、やってはくれないだろうか。アーニャのメイド服姿を私は堪能したいと思っている!!!」
アーニャ「……ロリコン?」
ジェレミア「アーニャは15歳!!ギリギリ、ロリ回避といったところ」
アーニャ「……」
アーニャ「断ったらどうなるの?」
ジェレミア「今まで通りの業務をしてもらえればいい」
アーニャ「……」
咲世子「どうされますか?」
アーニャ「……やる」
ジェレミア「おお!!そうか。アーニャがウェイトレスを買って出てくれたら安心だ!!」
アーニャ「……」
咲世子「では、採寸をいたしましょう」
アーニャ「うん」
ジェレミア「うむ。これで全ての準備は整った」
ジェレミア「あとは伸るか反るかの大勝負」
ジェレミア「しかし、我が忠義の炎を絶やすことなく、この身が朽ちるそのときまでルルーシュ様とナナリー様に捧げる!!!」
ジェレミア「ナナリー様に最高のみかんとみかん料理をご提供できるように死力を尽くします!!!」
ジェレミア「これぞ!!みかんの嵐!!!」
カレン「あの……スカート短いし、胸がすごく主張してくる服ですね……これ……」
咲世子「藤堂さんのデザインですから」
アーニャ「スースーする」パタパタ
咲世子「アーニャさん!!スカートで扇がないでください!!すぐに見せてしまいます!!」
アーニャ「見せちゃダメ?」
カレン「ダメだって。変なお客さんが増えちゃうし」
アーニャ「どんな?」
カレン「なんか太ってて脂ぎってて、カメラ持ってるような奴よ」
アーニャ「ふーん」
咲世子「では、基本的なマナーから学んでいきましょうか」
カレン「はい」
アーニャ「わかった」
千葉「喫茶店であることを考慮して、手の込んだ料理ではなく軽食を中心にしたほうがいいか?」
ジェレミア「無論だ。でなければ、大量生産するときのコストが大きくなる。とはいえ、メニューは豊富にあったほうがいいだろうし、いくつかそうのような料理は開発しておいたほうがいい」
カレン「お帰りなさいませ、ご主人様」
アーニャ「お帰りなさい、ご主人様」
咲世子「いいですね」
藤堂「待ってくれ、篠崎」
咲世子「は、はい?」
藤堂「紅月はそのままでもいいだろう。だがアーニャ」
アーニャ「なに?」
藤堂「君は違う口調にしておこう」
アーニャ「違う口調?」
藤堂「ああ。君は普段の口調で構わない」
咲世子「しかし、それでは接客に支障が」
藤堂「まぁまぁ。では、少し実践的な練習をしてみようか。私が客の役をしよう」
藤堂「まずは紅月から」
カレン「は、はい」
カレン「お帰りなさいませ、ご主人様。お疲れになったでしょう?こちらでお寛ぎくださいませ」
藤堂「ああ」
カレン「何か私にできることがあったら言ってくださいね?」
藤堂「―――ちょっといいか」
カレン「はぁーい」テテテッ
藤堂「このみかんジュースとみかんゼリーを」
カレン「畏まりました」
カレン「―――お待たせしました、ご主人様。どうぞ」
藤堂「食べさせてくれるか?」
カレン「はい。では、あーん」
藤堂「ふむ……うまいっ」
カレン「嬉しいです」
藤堂「―――紅月。経験でもあるのか?」
カレン「ないですよ!!」
アーニャ「おかえり」
藤堂「席はあるか?」
アーニャ「ああ、こっち」
藤堂「ふむ。注文いいか?」
アーニャ「注文、いいですかじゃないの?」
藤堂「注文……いいですか?」
アーニャ「口、くっさ」
藤堂「……」
アーニャ「で、なに?みかん丸ごとでいい?あんたのために料理つくるとか面倒だし」
藤堂「い、いや……」
アーニャ「ほら、あーん」ググッ
藤堂「うぐぅ?!」
アーニャ「無様」
藤堂「―――やり過ぎだが、悪くない」
藤堂「アーニャはまだ15歳。許される年齢だ。あと2年したら駄目だろうがな」
アーニャ「手がベトベトになった」ペロペロ
カレン「舐めないで洗ってこないと」
アーニャ「そうする」
咲世子「クレームの元ではないですか?」
藤堂「週に一度だけああいう店員が現れると謳っておけば問題はない」
咲世子「はぁ……藤堂さんがそういうのでしたら」
玉城「おーい、コーヒー入れたぜ」
藤堂「ああ、すまない」
玉城「月に一度はカレンのバニーちゃんを拝めるんだろうなぁ?」
カレン「しないって言ってるでしょ?!」
藤堂「そのような低俗な店にするつもりはない」
玉城「ぜってぇ受けると思うんだけどなぁ。アーニャのバニーちゃんでもいいぜ?」
カレン「変態!!消えろ!!」
咲世子「喫茶店のほうも出来上がりつつありますね」
ジェレミア「ああ。もうすぐだ。もうすぐ、我が忠義が形となる」
アーニャ「……」
カレン「はぁ……はっきり言って不安で一杯だけど……」
千葉「時期的にみかんが旬となる。タイミングはばっちりだ」
藤堂「うむ。問題はない」
玉城「ワクワクするなぁ!!」
カレン「玉城、自分の店は?」
ジェレミア「そうだった。玉城よ。これまでの協力に感謝する」
玉城「え?」
藤堂「当然だろう。君には君の店があるのだからな」
玉城「ちょっとまてよぉ!!」
ジェレミア「藤堂、貴方もこれまでありがとう。もう十分だ」
藤堂「なに……」
ナナリー「では、こちらの案件はお願いしますね。あと、みかんもどうぞ」
「それは結構です。では」
ナナリー「……」
ゼロ「ナナリー様」
ナナリー「勝手に入ってこないでください」
ゼロ「申し訳ありません。ええと、このチラシをお見せしたかったのです」
ナナリー「チラシですか?」
ゼロ「こちらです」
ナナリー「紙飛行機にして、そこからこちらに飛ばしてください」
ゼロ「……どうぞ」フワッ
ナナリー「……」パシッ
ナナリー「ジェレミア農園喫茶……近日オープン……。まぁ、アーニャさんが広告に写ってます!これは行かないと」
ゼロ「よければ私と二人で行きませんか?」
ナナリー「寝言は寝ていってください。私は一人で行きますから」
ジェレミア「では、現時刻をもってオープンしましたでございます」
カレン「やったー」
咲世子「感無量ですね」
千葉「ここはスタートラインに過ぎないのだろう?」
ジェレミア「その通り!!我々の伝説はここから刻まれる!!ここが終わりではなく、始まりなのだ!!!」
カレン「とはいっても、お客さんがゼロじゃあ」
アーニャ「うん」
ジェレミア「それでも結構。ナナリー様や関係者各所から無数の花も頂いた!!尽力するしかないのである!!!」
カレン「まぁ、そうですけど」
千葉「では、私は厨房に戻る」
カレン「お願いします」
アーニャ「接客開始」
咲世子「がんばりませんと」
ゼロ「注文、いいですかー?」
リヴァル「行こうぜ」
ニーナ「楽しみ」
カランカラーン
カレン「おかえりなさいま―――げ?!」
ジノ「おー!!カレン!!すごく可愛いじゃないか!!カメラを持ってくるべきだったか!!」
カレン「なんで……」
リヴァル「俺が誘ったんだよ」
カレン「余計なことを……」
アーニャ「ジノ。おかえりなさい」
ジノ「アーニャ!!こっちも可愛いなぁ!ただいまぁ、あははは」
咲世子「どうぞ、こちらのテーブル席へ」
ニーナ「メイドさんかわいい……」
ジェレミア「うむ。徐々に客が入り始めたか。この調子が続いてくれれば初日は成功といえるか……」
ゼロ「あのー注文いいですかー?」
ニーナ「みかんだぁ。おいしそう」
アーニャ「みかんジュース。どうぞ」
リヴァル「あ、はいはい。本当にみかんだけなんだなぁ。すげー。いくら旬の果物でもここまで徹底している店ってないぜ」
咲世子「そこが当店の売りですから」
ジノ「ははっ。こんなに美人の店員がいるなら、これからも贔屓にさせてもらおうかな」
カレン「毎回全品頼んでくれるなら来てもいいけど?」
ジノ「それを1ヵ月続けたら、カレンをテイクアウトできるのかな?」
カレン「で、できるかぁ!!」
ニーナ「あ、おいしい。酸味が少し効いてて、さっぱりしてる」
カレン「でしょ?それ、オリジナルだから」
ニーナ「持って帰ろうかな。ミレイちゃんも喜ぶだろうし」
カレン「どーぞどーぞ」
ゼロ「あのー注文したいんですけどー」
アーニャ「ゼロ、もう3時間以上いるけど仕事は平気なの?」
ゼロ「ナナリー。来なかった……どうして……」
カレン「ありがとうございましたー」
アーニャ「閉店、ガラガラ」
ジェレミア「お客様の人数は150名。予想を遥かに上回る結果だったな!!」
咲世子「この規模のお店で、立地条件も良いとはいえない場所だと考慮すれば成功でしょうか」
ジェレミア「悪くはない。だが、まだまだこれからだ」
カレン「でも、そんなに宣伝もしてないのに、どうして……」
千葉「それがネット上で誰かがこの店を大絶賛してくれているようだ」
アーニャ「なんのために?」
千葉「分からないが。紅月のボーイフレンドとかじゃないのか?」
カレン「そんなのいないし」
ジェレミア「まぁまぁ、その電子の妖精が我々に味方している以上、その波に乗らせてもらうほうがいい」
咲世子「これでお客様も増え、お店も農園も大きくできますね」
アーニャ「……」
カレン「千葉さーん!!みかんゼリー追加でー!!」
千葉「紅月!!こっちはフルーツサンドの用意で手がいっぱいだ!!」
カレン「じゃあ、アーニャ!!キッチンのアシストして!!」
アーニャ「うん」タタタッ
「すいませーん」
カレン「は、はーい!!」
ジェレミア「これは大変だ。予想以上の客入り。ここまで来ると、嬉しい悲鳴を通り越し、阿鼻叫喚!!!」
カレン「はぁ……はぁ……なんで……こんなに……」
アーニャ「疲れた」
カレン「アーニャ!!その場でしゃがむな!!」
咲世子「注文追加です」
千葉「篠崎!!もうお前は自分で作って自分で配膳しろ!!」
咲世子「分かりました」ダダダッ
ゼロ「すいませーん。みかんジュース、おかわり」
ジェレミア「皆の者、ご苦労様」
咲世子「連日、お客様が増えていますね」
カレン「あの……すいません……」
ジェレミア「アルバイトの募集は既にかけている」
カレン「あ、そうですか……」
アーニャ「……みかんは?」
ジェレミア「注文の電話が鳴り止まない。たった数日で世界が変わった」
千葉「喜ばしいことだが、やはり人手が圧倒的にたりないな」
咲世子「そうですね……」
ゼロ「……あの、手伝いましょうか?」
カレン「もう閉店ですけど?」
ゼロ「あ、うん……それじゃあ……」
アーニャ「バイバイ」
ゼロ「また、明日」
ジェレミア「今日も頑張らなければ。しかし、このままではカレンとアーニャが疲労で倒れてしまう」
ジェレミア「従業員の増員は急務か」
カランカラーン
ジェレミア「申し訳ない、まだ開店してないのです。お引取りを」
「ほう?ジェレミア、少し見ない間に大きな口が聞けるようになったものだな」
ジェレミア「その声は?!」
コーネリア「……久しいな」
ジェレミア「コーネリア様!!!ど、どうして!!?」
コーネリア「これを見てやってきた」
ジェレミア「アルバイト情報誌……まさか?!」
コーネリア「お前がオーナーなら雇ってくれると思ってな」
ジェレミア「しかし、何故?コーネリア様がアルバイトなどと……」
コーネリア「……色々あるのだ。訊くな」
ジェレミア「あぁ、コーネリア様。身分を捨て、この世で生きる辛さは身をもって痛感しております!!共にがんばりましょう!!!」
咲世子「はい」
ジェレミア「では、コーネリア様。詳しい仕事の内容はこちらの咲世子から説明させますので」
コーネリア「よろしく頼む」
咲世子「キッチンとホール。どちらをご希望でしょうか?」
コーネリア「メ……メイドになれるほう……が、いい、かな」
咲世子「では、キッチンですね。こちらへ」
コーネリア「よし」
ジェレミア「まさか、コーネリア様が……これは頼もしい……」
カランカラーン
ジェレミア「申し訳ない、まだ開店―――」
星刻「分かっている」
ジェレミア「あ、あなたは……中華連邦の……生きていたのですか?」
星刻「それよりも、まだアルバイトの募集はしているのか?」
ジェレミア「え、ええ……それがなにか?」
自由とはそういう事だ。
天子「は、はい……あの……」
ジェレミア「天子様、ご無沙汰しております。先の戦争では、多大なる無礼を……いくら謝罪の言葉を並べても我が罪は消えないでしょう」
天子「いえ、それはもう気にしていませんから」
星刻「今日は折り入って話がある」
ジェレミア「なんでしょうか?」
星刻「天子様と私を期間限定で雇ってはもらえないだろうか?」
ジェレミア「お二人を?!ですが、中華連邦のほうは?」
天子「私がお願いしたことなのです。日本の様子を知るために長期間の滞在を決めました。そして、日本のみなさんがどのような生活をしているのかを知りたいと」
ジェレミア「日本の?」
星刻「ああ。中華連邦も見習うべきところが今の日本にあると天子様が仰ってな。そのときここの存在を知った」
ジェレミア「いいのですか?飲食業は見た目よりもハードですが」
天子「構いません!!お願いします!!」
星刻「天子様にメイド服を!!!」
ジェレミア「分かりました。では、期間限定で雇いましょう。こちらも人手不足で困っていたところですから」
ジェレミア「カレン!!」
カレン「はい。って、天子様と星刻!?」
ジェレミア「二人に仕事の説明を」
カレン「は、はい。じゃあ、えっと……ホールとキッチン。どちらがご希望ですか?」
天子「私はホールでお願いします。色々な人と接したいので」
星刻「私はキッチンでいい。天子様の姿をいつでも監視できるのでな」
カレン「分かりました。じゃあ、天子様は制服のサイズを測らないとだめですね」
天子「お願いします」
カレン「咲世子さん!!キッチンのほうもう一人、お願いします!!」
咲世子「承知しました。千葉さんにやってもらいます」
千葉「なんだと!?こっちも開店準備で忙しいのに!!」
コーネリア「おい!!メイド服の授与はまだか?!」
咲世子「キッチンでメイド服なんて着るんですか?汚れますよ?」
コーネリア「貴様!!私を謀ったな?!」
アーニャ「おはよう。何の騒ぎ?」
ジェレミア「アーニャ!!聞いてくれ!!嬉しい知らせばかりだ!!」
アーニャ「どういうこと?」
ジェレミア「これで君は学校から帰ってきていきなりホールを駆け回るような苦行をせずにすむ!!」
アーニャ「……」
カランカラーン
ジェレミア「申し訳―――ん?!」
C.C.「美味しいみかんピザが食えるのはこの店でいいのかな?」
ジェレミア「C.C.……何故……」
C.C.「聞いてくれ、ジェレミア。ピザを食べるのにお金がいるんだ。なので楽して食べられるところを探していたら、ここに行き着いた」
ジェレミア「……」
C.C.「メイド服を着て立っていてやるから、賄いはみかんピザで頼むぞ?」
ジェレミア「あ、ああ……」
アーニャ「また、増えた……」
天子「は、はい」
カレン「そんな固くならないで、リラックス、リラックス」
天子「は、はい……」
C.C.「なんだ、この服は。胸が少し緩いな」
カレン「それ、私にピッタリの制服だからねー」
C.C.「今のはむかついた。お前、先輩だからと調子に乗るなよ?」
カレン「あーら、随分態度のでかい後輩ね。あんた、最後までルルーシュと何してたのよ?!」
C.C.「お前が聞いたら卒倒するぐらい大人なことだよ、小娘」
カレン「なっ……!!」
C.C.「生娘には刺激が強い話だったかなぁ?」
カレン「おのれ……」
アーニャ「カレン、学校遅れるけど」
カレン「あ、うん!C.C.!!帰ってきたらイジメてやるからね!!!」
C.C.「できるものならやってみろ」
カレン「あー、新人に説明するのに時間食っちゃった」
アーニャ「無頼なら間に合う」
カレン「よっと。今日は私が運転するから」
アーニャ「よろしく」
カレン「アーニャ、本当にいいの?」
アーニャ「……」
カレン「このままここが大きくなるのはみんなが望んでることだとは思うけど」
アーニャ「……カレン、呼ばれた」
カレン「え?」
アーニャ「咲世子も呼ばれた」
カレン「アーニャ……?」
アーニャ「私はもう……ジェレミアにとって、必要ないかもしれない」
カレン「そ、そんなことあるわけないでしょ!?」
アーニャ「私より仕事ができる人ばかり入ってくる……もう……私は……」
ゼロ「特盛みかんパフェとみかんジュース」
天子「は、はい。と、特盛みかんとジュースパフェ……ですね?」
ゼロ「いや、全然違います」
天子「あ、ご、ごめんなさい!!ごめんなさい!!」
ゼロ「特盛みかんパフェとみかんジュースで」
天子「みかん盛りのジューシュ?」
ゼロ「そんなのあるんですか?」
天子「な、ないです……」
ゼロ「……他の人は?」
天子「ごめん……なさい……ごめっ……なさい……」
ゼロ「そんな泣かれても困るのは私のほうだ!!ふざけるな!!!」バッ
星刻「お客様?」
ゼロ「え……」
星刻「表に出てもらいましょうか?」
ミレイ「すいませーん」
ジェレミア「なんでしょうか?」
ミレイ「今、突撃取材してるんですけど、カメラ入ってもよろしいですか?」
C.C.「いいんじゃないか。別に。いい宣伝になるじゃないか」
ジェレミア「ここには様々な人種が集まりすぎている」
C.C.「だからこそだろ。こんなに面白い店員がいる喫茶店なんて私は知らない」
咲世子「オーダー入ります!!みかんソースのステーキ!!」
コーネリア「よろこんで」
千葉「それは居酒屋だ!!お前、どこでバイトをしていた?!」
コーネリア「か、畏まりました!!ご主人様!!」
咲世子「低音すぎます。もっと声を高くしてもらいませんと」
コーネリア「む、難しいことを言うな!!」
ジェレミア「分かりました。取材してください。このジェレミア・ゴットバルトの名を刻むために!!!」
ミレイ「ありがとうございまーす」
ミレイ「今日、ご紹介するのはここ!ジェレミア農園喫茶!!もぎ立てフレッシュなみかんを使って様々な料理を提供することで今、注目を浴びつつあるお店です」
ミレイ「では、中に入ってみましょうかー♪」
ゼロ「うぅぅ……ぅぅ……」
ミレイ「入り口の前に大きな黒いゴミ袋がありますね。これは少し不衛生かもしれません。横に置いておきましょう」
ゼロ「ぅぅ……ぅぅうぅ……」
ミレイ「では、気を取り直して、お邪魔しまーす」
天子「おお、おかわりなさいませ、ごしゅじんしゃま!!」
ミレイ「いきなり違法な感じがします」
C.C.「お帰りなさいませ、ご主人様。お疲れになったでしょう?どうぞこちらへ」
ミレイ「可愛い子も居れば美人のメイドさんも居る。この喫茶店は一味違うようです」
咲世子「ご注文をどうぞ。ご主人様」
ミレイ「どれどれ。おー、見てください。どれもみかんが入っているようです。このみかんは表にある農園で取れたものですか?」
咲世子「はい。オーナーはみかん一個を栽培するのでも全力を出しています」
ミレイ「それは素晴らしい。かなり期待ができそうです。では、この大人気と書かれたみかんゼリーをお願いできますか?」
ミレイ「みなさんも是非、このみかんの味を堪能してみては如何でしょうか?それでは、また明日ー!!」
スタッフ「カット!!お疲れ様でした!!」
ミレイ「ふー……」
咲世子「ミレイ様、ご立派です」
ミレイ「ありがとう。それにしても、咲世子さんはこういうの本当に似合うわね」
咲世子「ありがとうございます」
ミレイ「本当はずっと来たかったの。ニーナがお土産でくれたみかんプリンがとっても美味しかったから」
千葉「その言葉が何よりの励みだ」
ミレイ「じゃあ、咲世子さん。またくるわ。今度はプライベートで」
咲世子「行ってらっしゃいませ、ご主人様」
C.C.「もういっちゃうんですかぁ?ご主人さまぁ」
天子「い、いってらっしゃいませ!!ごしゅじんしゃま!!」
コーネリア「またのご来店を!!」
千葉「だから、それ違うぞ。間違ってはいないが」
カレン「あー今日も忙しくなりそー」
アーニャ「……」
カレン「アーニャ、考えすぎだって」
アーニャ「……でも……ジェレミアは私のこと褒めてくれない」
カレン「……!」
アーニャ「褒めているのはいつもカレンと咲世子と……えーと……」
カレン「千葉さんね。千葉凪沙」
アーニャ「そのナギサのことばかり」
カレン「それは、ほら、もうアーニャはジェレミアにとっていて当然の存在になっていて……」
アーニャ「きっと消えても何も思わないと思うけど」
カレン「そんなこと―――」
C.C.「お前たち、早くこい」
カレン「C.C.?どうしたの?」
C.C.「どうしたもこうしたもあるか。店がバーストするぞ。早く働け」
千葉「みかんたっぷりフルーツサンドできたぞ!!」
カレン「はーい!!」
コーネリア「特盛みかんパフェもできた、持っていけ」
天子「は、はい……」
アーニャ「大丈夫?」
天子「は、はぃ……」ヨロヨロ
アーニャ「不安」
星刻「みかんピザができたぞ」
C.C.「ありがとう」
星刻「……」
C.C.「はむっ」パクッ
アーニャ「それ賄いじゃないけど」
C.C.「……ごめんなさぁい、ごしゅじんたまぁ」
星刻「狙いすぎていて腹が立つな」
C.C.「おかえりなさいませ―――」
ナナリー「C.C.さん」
C.C.「……カレン、接客は任せる」
カレン「ちょっと!C.C.?!」
ナナリー「カレンさん、お久しぶりです」
カレン「ナナリー?!どうして……」
ナナリー「やっと来ることができました。でも、座れそうにないですね」
カレン「えーと……えーと……」
ジェレミア「ナナリー様!!ようこそお越しくださいございました」
ナナリー「ジェレミアさん」
ジェレミア「今すぐ席をご用意いたします」
ナナリー「いえ、特別扱いは結構です。普通のお客さんとしてきましたから」
ジェレミア「ナナリー様……」
カレン「じゃあ、席があくまで暫くお待ちくださいね、お嬢様」
ナナリー「アーニャさん、お久しぶりです」
アーニャ「うん。案内する」
ナナリー「ありがとうございます」
アーニャ「ここでいい?」
ナナリー「はい」
アーニャ「どれにする?」
ナナリー「そうですねー……えーと……えーと……」
ゼロ「―――私は帰ってきた!!!」バンッ!!!!
アーニャ「ゼロ、おかえりなさい」
ゼロ「ナナリー様!!相席、よろしいですか?」
ナナリー「良く聞こえません。あなた、誰ですか?」
ゼロ「これは異なことを!!私の名はゼロ!!世界を壊し、創造した男だ!!!」バッ
ナナリー「なんですか。この大きなゴキ―――」
アーニャ「ナナリー、待って。私に任せて」
アーニャ「おかえり、ご主人。まずはやることがあると思うけど?」
ゼロ「なんだと?」
アーニャ「まずは跪いて「今日も生き恥を晒して帰ってきてしまいましたワンワン」でしょ?」
ゼロ「な、何故そのようなことを私がいわなければならない!!」
アーニャ「言ってくれないと相席は認められないけど?」
ゼロ「できるか!!そんなこと!!私はナナリー様と相席をするために待っていたのだ!!」
アーニャ「随分と態度の大きなご主人。それだとこの社会をうまく生きていけないと思うけど?もっと賢くならないと」
ゼロ「おのれ!!こちらは客だぞ!!ふざけるな!!!」
アーニャ「お客様は神様だ。なんて思うほうがどうかしていると思う。そんな屑の頭を開けたら、きっと何も詰まってないんでしょ?笑える」
ゼロ「それ以上、侮辱するならこちらにも考えがある!!」
アーニャ「口、くっさ」
ゼロ「臭うわけないだろう!!」
アーニャ「そんな仮面つけてマントまでして、存在そのものも、くっさ」
ゼロ「……っ」
ゼロ「ナ、ナナリー……!!」
C.C.「言いたい放題だな。何かのイベントか?」
カレン「そういえば、今日はアーニャの毒舌キャラの日だ」
ジェレミア「アーニャ!!それぐらいにしておくのだ!!仮面の騎士が人目につかぬ場所で泣いている!!」
アーニャ「そうなの?」
ゼロ「うぅぅ……ぅぅ……」
アーニャ「―――よっわ」
ゼロ「おわぁぁぁああああああ!!!!!!」ダダダダダッ
ナナリー「……アーニャさん、ありがとうございます」
アーニャ「あれ、男性限定のサービスだから。ナナリー、注文は?」
ナナリー「では、このみかんのショートケーキとみかんジュースを」
アーニャ「わかった。待ってて」
ジェレミア「アーニャ、あのキレ、あの毒舌。素晴らしい。私も罵られたい!!」
カレン「ジェレミアさん……」
ナナリー「どうも」
アーニャ「食べさせてあげる」
ナナリー「いいんですか?では、あーん……」
アーニャ「あーん……どう?」
ナナリー「……」
アーニャ「ナナリー?美味しくない?」
ナナリー「い、言え。とても美味しいです」
アーニャ「もう一口、いる?」
ナナリー「はいっ」
アーニャ「あーん」
ナナリー「あーん……おいしい」
アーニャ「よかった」
ナナリー「……」
コーネリア「メイド服はまだかー!!!」
ナナリー「……」
カレン「ナナリー?まだ、帰らなくてもいいの?」
ナナリー「あ、ごめんなさい。お邪魔でしたら……」
カレン「そんなことないよ。お客さんも落ち着いたしね」
ナナリー「夕方にこうなるのですか?」
カレン「喫茶店で夕食を済ませるって人はそんなにいないから」
ナナリー「なるほど」
アーニャ「みかんピザ、追加」
千葉「承知!!」
C.C.「疲れた」
咲世子「C.C.さん!!接客を!!」
C.C.「もう空いたし、私の今日の労働は終わりだ」
天子「あわ……わ……おさらが……たおれる……」ヨロヨロ
星刻「天子さま……最高だな……」
ジェレミア「皆の者、お疲れ様でございました」
コーネリア「おい、貴様。メイド服はどうなっている」
咲世子「頑張り次第で、私のようにキッチン兼ホールを任せられるようになれば良いだけの話です。貴方ならできる」
コーネリア「そ、そうか……よし」
天子「すぅ……すぅ……」
星刻「天子さま……あぁ……我慢だ……寝込みを襲うなど……武人ではない」
ナナリー「……」
カレン「ナナリー、今日はどうするの?泊まっていくの?」
ナナリー「あの、アーニャさん」
アーニャ「何?」
ナナリー「部外者の私がこんなことを言うのは、差し出がましいことであると十分に承知しています。けれど、私のように悲しい思いだけはしてほしくありません」
アーニャ「……」
C.C.「ナナリー……」
ナナリー「アーニャさん。素直な気持ちを言えるときに言っておかなければ、後悔します。私のように」
ナナリー「相手のためだと自分を偽り、何も言わなかった。もしもっと早く告白していれば結末は違っていたかもしれない」
カレン「それって……」
ナナリー「最近の私はそのことばかりを考えています」
星刻「ルルーシュのことか?」
ナナリー「はい。私はお兄様と一緒にいれるだけでよかった。お兄様の居ない明日なんて苦しいだけです。今も、今日で世界が終わるならどんなに楽だろうって考えています」
アーニャ「そう」
ナナリー「アーニャさん。確かに自分の気持ちを押し込め、ただ笑っていれば全てが解決するときもあります。でも、それでも誰かが傷つきます」
C.C.「その誰かは自分自身か」
ナナリー「お兄様を止める事はできなかったかもしれません。けれど、後悔はしないで済みました」
ナナリー「それだけでも全く違う想いで結末を見届けることができかもしれません」
アーニャ「……」
ナナリー「だから、アーニャさん。お節介なのは分かっています。大きなお世話であること。でも、知ってしまった以上は放っておくことは私にはできません」
アーニャ「うん……」
ナナリー「アーニャさん……」
千葉「そうだな。藤堂さんもお腹を空かせているころだろうし」
星刻「天子さま、行きましょう」
天子「あぁい……」
星刻「ぐはっ?!」
咲世子「ナナリー様、今晩は私の部屋でおやすみになられてはどうでしょうか?」
ナナリー「はい。お世話になります」
ゼロ「ナナリー!!迎えに来たぞ!!」
ナナリー「消えろ」
C.C.「ほら、空気を読め」
ゼロ「どうしてだ!!ナナリー!!」
コーネリア「メイドになるまで……ふふふ……」
アーニャ「……」
ジェレミア「座ろうか」
アーニャ「うん」
アーニャ「うん」
ジェレミア「何故、言ってくれなかった」
アーニャ「……ジェレミア、とても嬉しそうだったから」
ジェレミア「当然だ。君を養う目処がついたのだからな。農園だけでは君が自立するまで些か心許なかった」
アーニャ「……」
ジェレミア「君を守ることができる。そう思うと歓喜の念も内側から溢れてくるというもの」
アーニャ「……私は、違う」
ジェレミア「何が違う?」
アーニャ「私はジェレミアと一緒に居られたらそれでいい」
ジェレミア「アーニャ……」
アーニャ「二人でみかんをとって、いっぱい運んで、ジェレミアによくやってくれたって頭を撫でてほしいだけ」
ジェレミア「しかし、私は大黒柱。君を養う義務がある!!」
アーニャ「養わなくていい。ここまでしないとダメなら、学校いかない。ご飯はみかんだけでいい」
ジェレミア「だが……それでは……君の幸せが……」
ジェレミア「アーニャ……それで幸せなのか?」
アーニャ「うん……幸せ」
ジェレミア「あとで我侭を言うことは許さないぞ?」
アーニャ「……」
ジェレミア「好きな服もアクセサリーも自由には買えなくなるかもしれない!!それでもいいというのか?!」
アーニャ「うんっ」
ジェレミア「分かった。アーニャの覚悟、ここで見たり!!その熱意、意思、矜持を我が心に刻み込もう!!」
ジェレミア「そして!!私もそれに応えなくてはならない!!それが紳士!!騎士!!!」
アーニャ「……うるさい」
ジェレミア「ああ、すまない。少し熱が入ったな」
アーニャ「で、どうするの?」
ジェレミア「喫茶店は残す。既に従業員もいるし、その中には皇族もおられる。潰すことは私にはできない。だが、私がオーナーから退くことはできる」
アーニャ「ジェレミア……」
ジェレミア「大黒柱を他の者に譲るというのは癪ではあるが、アーニャの頼みであるのなら迷いはない」
ジェレミア「私も君の気持ちを蔑ろにし過ぎていたな。反省しよう」
アーニャ「私も我侭言って……ごめんなさい」
ジェレミア「アーニャ、女性の我侭をどれだけ許容できるかで男の価値は決まる」
アーニャ「……」
ジェレミア「君のように美しい女性の初めての我侭で立腹するほど、私は狭小な器は持っていないと自負している」
アーニャ「ごめんなさい」
ジェレミア「ふふ……アーニャ、よく話してくれたな」ナデナデ
アーニャ「……♪」
ジェレミア「君を知らず不幸の沼に落とそうとしていたとは。私もまだまだ修行が足りないといったところか」
アーニャ「喫茶店、どうする?」
ジェレミア「オーナー候補は既にいる。あいつ以外に任せられないだろう」
アーニャ「……ジェレミア、これからは?」
ジェレミア「また以前の生活に逆戻りだな。君と私だけでみかんを栽培するだけの生活に」
アーニャ「幸せ……それが、一番……」
ジェレミア「君に全権を譲ろうと思う」
咲世子「しかし、私に経営の才はないのですが」
ジェレミア「問題はない。星刻もいるし、私も放任するわけではない」
咲世子「おかざりのオーナーですか」
ジェレミア「それでもオーナーという肩書きはまさに無敵だ。誰も君には逆らえない」
咲世子「人事も一任させてくれると?」
ジェレミア「勿論だ。経理は……君のほうがいいかもしれないな」
咲世子「お任せください」
ジェレミア「あと、ここからは秘密の話だが」
咲世子「はい」
ジェレミア「喫茶店を切り捨ててはアーニャを養うことができなくなるかもしれない。既にこの農園は喫茶店に頼っているようなものだからな」
咲世子「なるほど。もしものときは喫茶店の売り上げの一部を譲渡しろと?そのような心配は不要だと思いますが……」
ジェレミア「恥ずかしい話だが君は我が大黒柱となった。アーニャを養うのは我が大黒柱の務めである!!!私の務めはアーニャの笑顔を守ることにある!!!」
咲世子「承知いたしました。元々、あの店は貴方のもの。おかざりのオーナーに拒否権はありません」
カレン「あー!!もう!!なんでこんなに忙しいのよ!!」
C.C.「働けー、メイドども」
カレン「あんたが働きなさいよ!!」
C.C.「私はピザが食えればそれでいい」
天子「おぉ……ぉ……」フラフラ
星刻「天子様!!3番テーブルまでもう少しです!!」
天子「しんくー!!きらいー!!!」
星刻「がはっ?!なぜ……?!」
千葉「手が遅いぞ!!何をやっている!!!」
コーネリア「これでも全力だ!!おい、新オーナー!!私の働きをみておけ!!」
咲世子「……それ以上、仕事が遅くなればクビです」
コーネリア「バ、バカな……!!」
ゼロ「アーニャの罵りフルコースはないんですか?」
カレン「冷やかしなら帰って!!というか、ゼロ!!あんた見たさで来る客も多いんだから出て行け!!仕事が増えるでしょ!!」
ジェレミア「アーニャ、これを運んだら休憩をしよう」
アーニャ「うん」
ジェレミア「今日は本当によく働いてくれたな。いや、アーニャはずっと良くやってくれている」
アーニャ「……」
ジェレミア「いつしか君が傍にいることが当たり前になり、感謝の言葉も私の口から消えていた」
アーニャ「私も当たり前になってたから、言えなかったことがある」
ジェレミア「聞こうか」
アーニャ「―――ありがとう。ジェレミア。大好き」
ジェレミア「ふふふ。そうか。君の口からその言葉が聞けるとは思わなかった。親愛なる者へは中々口にできないメッセージだな。特に身内ともなると尚更だ」
アーニャ「うん」
ジェレミア「では、私も言葉にしておこう。私もアーニャのことは好きだ。これからも果実を育んでいこうではないか、君と私の絆も一緒にな」
アーニャ「ジェレミア……」ギュッ
ジェレミア「さぁ、咲世子特製のお茶を飲んだら、作業を再開しよう。アーニャ、君の忠義と活躍に期待する!!」
アーニャ「うん、がんばる。貴方といるために」
おしまい。
何人か変態だったけどいい話だった
アーニャかわいい
Entry ⇒ 2012.08.18 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (4) | Trackbacks (0)
ゼロ「ユフィとカレン、どっちが好みだ?」スザク「うーん……」
ゼロ「枢木スザク!!」
スザク「ゼロ!!」
ユフィ「あ、スザーク。無事だったのですね」
カレン「ゼロ!無事だったのですね!!」
ゼロ「枢木スザク。貴様、カレンと一緒に居たのか?」
スザク「ゼロ!!お前はユーフェミア様と一緒に居たのか?!」
ゼロ・スザク「「羨ましいやつ!!」」
カレン「ゼ、ゼロ……そんな……うれしい……ですけど……」
ユフィ「スザク……あ、いや、ゼロ!羨ましいとはどういうことですか!?」
スザク「お前こそ!!ユーフェミア様を襲ったりしていないだろうな!?」
カレン「……ゼロ!!」
ゼロ「どうした?」
カレン「あたし、こいつに押し倒されました!!」
ゼロ「なに?」
スザク「カレン!!なんてことを言うんだ!!」
カレン「しかも、裸のあたしを」
ゼロ「ほう?枢木よ。貴様、軍人のくせに捕虜の扱い方も知らないようだな」
スザク「違う!!あれは事故だ!!」
ゼロ「犯罪者は皆そう言う!!」
ユフィ「スザク……本当なのですか……?」
スザク「ち、違います!!誤解です!!」
スザク「君が刃物を持って襲ってきたからだろ!!あくまでも自衛のためだ!!」
カレン「証拠でもあるの?あるなら見せてよ」
スザク「それは……」
ゼロ「カレン、こっちにこい。そいつは危険だ」
カレン「はーい」テテテッ
スザク「カ、カレン!!待て!!」
ゼロ「さてと、これで3対1。分が悪いな、枢木スザク」
スザク「ユーフェミア様!!ゼロは本当に何もしていないのですか?!自分には信じられません!!」
ユフィ「えーと……」
ゼロ「私はお前のような野蛮人とは違う。常に紳士的な―――」
ユフィ「……服を脱げって言われました」
ゼロ「?!」
スザク「ゼロ!!!お前!!!ユーフェミア様になにをしたぁぁ!!!!」
ユフィ「でも、本当ですよね」
ゼロ「あれは貴方の服が濡れていたから乾かす為に……」
スザク「そんな詭弁が通用するか!!」
ゼロ「黙れ!!性犯罪者め!!」
スザク「それはお前だ!!ゼロ!!お前は皇族に対し脱衣を強要した!!これは立派なテロだ!!」
ゼロ「ぬぅぅ……!!」
スザク「ユフィ!!こっちへ!!」
ユフィ「はーい」テテテッ
スザク「これで互角だな」
ゼロ「待て。これでは元の鞘に納まっただけだろ。なんで丸く収まっている。それでいいのか」
スザク「確かに。カレンを返すかわりにお前の素顔を晒させることができない」
ゼロ「私もユーフェミアを材料に貴様を仲間に引き込むことができない」
カレン「あの、ゼロ?もう行きましょう?」
ユフィ「スザク?」
カレン「え?!」
ゼロ「枢木。ユーフェミアを渡せ」
ユフィ「ど、どうしてですか!?」
スザク「……分かった。ユーフェミア様を渡す代わりにその仮面を取れ!」
ゼロ「カレンを渡す代わりに仲間になれ!!」
ゼロ・スザク「「断る!!」」
カレン「それがしたかったんですか?」
ゼロ「ああ」
ユフィ「……」
ゼロ「おのれ……枢木スザァク……!!」
スザク「ゼロ、やはりお前は卑怯者だ!!」
カレン「……ねえ、ゼロは本当に脱ぐように強要したの?」
ユフィ「あなたこそ、スザクは本当に押し倒したのですか?」
スザク「大人しくカレンを渡せばいいものを……!!」
カレン「あたしは本当に押し倒されたの。先に襲ったのはあたしだけど……」
ユフィ「じゃあ、貴方が悪いではないですか」
カレン「でも、女の子を押し倒す必要なんてあると思う?しかも裸なのに」
ユフィ「それは……」
カレン「でしょ?ほら、ゼロのところに行こうよ」
ユフィ「そうですね」
ゼロ「ん?どうした?」
カレン「やはりゼロのほうが信頼できるみたいなので」
ユフィ「はい」
ゼロ「ああ、それこそが正しい判断だ」
スザク「ユフィ!!!どうして……!!」
ユフィ「スザク!ごめんなさい!!やっぱり、女の子を押し倒すのはいけないと思うのです!!」
ゼロ「ふははははは、貴様の負けだな」
スザク「ユフィ!ゼロは君に脱衣を強要したんだろ!?」
ユフィ「でも、ゼロは私の裸を直接見てはいませんから」
スザク「な……」
カレン「ゼロ、あいつはあたしの裸体をマジマジと見てました」
ゼロ「最低だな」
ユフィ「ええ……」
スザク「カレン!!言っていいことと悪いことがあるぞ!!」
カレン「本当でしょ?!このスケベ!!」
スザク「……」
ゼロ「どうやら何も言い返せないらしいな。では、ユーフェミア様、カレン。行きましょうか」
カレン「はい」
ユフィ「どちらへ?」
スザク「待ってくれ!!カレン!!―――わかった。認めるよ。確かに僕はカレンを押し倒した。だけど、それには訳があるんだ!!」
カレン「何よ?押し倒す理由なんて―――」
スザク「カレン、君が本当に美しかったからだ」
カレン「はぁ?!」
ユフィ「スザク?!どういうことですか?!」
スザク「あの時、水浴びをしていた君は本当に綺麗だった。まるで水の妖精がそこにいるみたいだった」
カレン「ちょっと!!何いってんのよ?!」
スザク「そんな存在がいきなり僕に近づいてきた。しかも刃物を持って。僕は自衛のためだと自分に言い訳して君を押し倒した」
ゼロ「貴様……!!」
カレン「あの……」
スザク「それだけ魅惑的なカレンが悪いんじゃないか!!僕は男して間違った行動をしたつもりはない!!」
ユフィ「……」
ゼロ「枢木スザァク!!貴様!!!自分がどれだけ下劣な発言をしているのか自覚しているのか?!」
スザク「では、ゼロに問う!!カレンが裸で水浴びをしていて、急に近づいてきたらどうする?!何もせずにその場から立ち去れるのか?!」
ゼロ「それは……!!しかし……!!」
ゼロ「カレンが……裸で……」
カレン「ゼ、ゼロ?!こっちを見ないでください!!」
スザク「どうなんだ、ゼロ。何もしない自信はあるのか?」
ゼロ「ない!!!」
スザク「だろ?!」
カレン「ゼロ?!あの……あたしは……そんなに……」
ゼロ「残念ながら、カレンの肉体は素晴らしく整っている。容姿も同年代ならば間違いなくトップクラスだ」
スザク「そんな彼女が無防備なら、男としては放っておくことなどできない」
ゼロ「枢木、貴様……カレンにそれ以上のことしたのか?」
スザク「……してないよ。押し倒したのは咄嗟の行動だ。僕はそこまで本能で生きていないからね」
ゼロ「カレン、本当か?」
カレン「は、はい……」
ゼロ「よかった……」
カレン「ど、どういう意味ですか?」
スザク「は、はい!」
ユフィ「どうしてですか?!私のことはどうでもいいのですか?!」
スザク「えっと……。ゼロ!!どうなんだ?!」
ゼロ「なにがだ!?」
スザク「ユーフェミア様は裸を直接見られてはいないと言っていた。だけど、それは本当か?」
ゼロ「……!!」
スザク「お前はバレないように……見ていたのではないのか?!」
ユフィ「え?!」
ゼロ「……よくわかったな」
ユフィ「えぇ!?」
スザク「近くでユーフェミア様が着替えれば、誰でも覗きたくなるからね。逆の立場でもきっとそうしていたと思う」
ゼロ「当然だな。ユーフェミアも皇族だけあって、その美貌は全世界が嫉妬するほどだ。隠された部分に興味を持つのは致し方の無いこと」
ユフィ「え?!あの……え……?」
カレン「ゼロ……」
スザク「そうだ」
ユフィ「よかった……いえ。何か腑に落ちません」
スザク「ゼロ、お前はやはりカレンか」
ゼロ「当然だ」
カレン「はぁ……安心……」
スザク「でも、カレンも良い」
ゼロ「しかし、ユーフェミアも捨てがたい」
スザク「ゼロ……やはり、こうなるのか……」
ゼロ「そうだな。この島には男2人女2人だ。余ることはない」
スザク「救助が来るまでの間、どちらの女性と過ごすのか」
ゼロ「ここで白黒はっきりさせよう」
スザク「望むところだ」
カレン「望まれても困るけど……」
ユフィ「そんなのはっきりしているのではないですか?」
ユフィ「だって、スザクは私がいいと言ってくれました。ゼロもこちらの……ええと……」
カレン「カレンよ。紅月カレン」
ユフィ「あ、はい。カレンさんがいいと言っていました。なら、ペアは成立しているようなものですよね?」
ゼロ「違うな。間違っているぞ」
ユフィ「どうしてですか?」
スザク「自分とゼロはカレンにもユーフェミア様にも気になっています」
カレン「え?!」
ゼロ「つまり。本音で言えばどちらも欲しい」
ユフィ「そ、そんなこと?!」
スザク「ああ、それは許されない。一人がハーレムを作るなんて、絶対に」
ゼロ「ならばこそ!!ここで英断しなければならない!!カレンか!!ユーフェミアかを!!!」
カレン「ゼロ?!あたしじゃダメなんですか?!」
ゼロ「無論カレンで十分だ!!だが、ユーフェミアが隣に行くと思うと何故か悔しい!!」
スザク「隣の芝はいつでも青く見えるものだからね。僕もそうだよ」
スザク「ここは彼女たちに決めてもらうのが一番だと思う」
ゼロ「馬鹿か。そんなものカレンは私を選び、ユーフェミアは貴様を選ぶ!!」
スザク「それでいいと思う。彼女たちが自分の意思で選んだのだから」
ゼロ「それでお前は得心が行くのか?―――敷かれたレールの上を歩くだけの未来に!!!」
スザク「僕はいつでもそうやって生きてきた!!」
ゼロ「そのほうが楽だからな!!誰でもそうする!!しかし!!私はそれで満足しない!!自分の掴んだ未来でなければ意味がない!!」
スザク「お前……」
ゼロ「だから、ここは自分の意思で決めたほうがいいのだよ」
スザク「選んだ人が被ったらどうする?」
ゼロ「そのときこそ、その人に選んでもらえばいい。突き出した手を握ってもらえばいいだけだ!!」
スザク「なるほど、分かった」
ゼロ「よし。カレン、ユーフェミア。少し離れて並んで立っていてくれ。そして私たちがどちらか目の前まで移動し、一緒に居てほしいと告白して手を差し出す。承諾するなら手を握ってくれ」
カレン「は、はい」
ユフィ「わ、わかりました」
ゼロ「いいぞー!!そこでしばし待て!!」
カレン「はぁーい」
ユフィ「スザーク!!信じてますから!!私!!貴方のことをー!!!」
スザク「は、はい!!ご期待に応えられるよう善処します!!」
ユフィ「お願いしますねー!!」
ゼロ「さて……ここからが問題だな」
スザク「ゼロ、君の狙いは?」
ゼロ「それを喋ってどうする?」
スザク「僕は……カレンにする」
ゼロ「貴様!!今、善処すると言ったばかりだろうが!!」
スザク「だが、お前は言った!!自分で未来を掴めと!!」
ゼロ「ぐぅぅ……!!」
スザク「そうか。ゼロ、お前はまだ決めかねているのか。なら、僕が先に行く」
ゼロ「ちょっと待て!!私が決めるまで勝手なことをするな!!」
ユフィ「……」ソワソワ
スザク「だけど、二人を待たせることもできない。食料の調達だってある」
ゼロ「食料……!!」
スザク「どうした?」
ゼロ「なるほどな……。私もまだまだだ」
スザク「何がいいたい?」
ゼロ「貴様がカレンに固執する理由がやっと分かった。何故、主君であるユーフェミアを選ばず、カレンを選ぼうとするのか……」
スザク「……」
ゼロ「今、私たちは遭難している。サバイバルをしなければならない。そのとき、どちらの女性が役に立つか……それは、身体能力の高いほうだ」
スザク「ち、違う!!僕はそんなことで決めたわけじゃない!!」
ゼロ「カレン!!!」
カレン「はい!」
ゼロ「枢木はお前のことを狩りの道具としてしか見ていないぞ!!!」
カレン「スザァク!!あんたはぁ!!!」
ゼロ「既に戦いは始まっている。これを卑怯と呼ぶなら言うがいい。結果は全てにおいて優先する」
スザク「間違った得た結果に価値なんてない!!」
ゼロ「ふん。貴様の美学など、この場では何の意味も持たない。今の一言でカレンは勿論、ユーフェミアも貴様を見る目が変わる」
スザク「はっ!?」
ユフィ「スザク……やはり……カレンさんなのですか……?」
スザク「ち、違う!!ユフィ!!まだ結論は出していない!!」
ゼロ「ふはははは!!!」
スザク「やめろ!!そもそも僕は一人でも狩りはできる!!」
ゼロ「なんだと……」
スザク「ゼロ、君はどうなんだ?狩りができるのか?もしかして君もカレンを狩りに利用しようなんて考えていたんじゃないのか?」
ゼロ「やめろ!!」
スザク「カレン!!ゼロも同じことを言っている!!」
カレン「ゼロ?!そんな?!うそですよね?!」
ゼロ「スザァァァク!!!カレンの純粋さに付け入るような真似をするな!!!」
ゼロ「はっ?!」
ユフィ「ゼロ……カレンですか……」
ゼロ「まて!!ユーフェミア!!違う!!間違っているぞ!!」
ユフィ「はぁ……」
カレン「あれ……考えてみたら、あたしってモテモテ……?困ったなぁ……えへへ……」
ユフィ「はぁ……いいですね……」
カレン「ごめんねー、お姫様」
ユフィ「うぅ……」
ゼロ「くそ……これで分からなくなったか……」
スザク「どうする、ゼロ。どちらを選んでも確率は五分と五分」
ゼロ「これ以上、結論を先延ばしにすれば益々心象を悪くさせる。そうなれば……」
スザク「なれば?」
ゼロ「カレンとユーフェミアが結託してしまうかもしれない」
スザク「それって……カレンとユフィが一緒になるってことか?!それはまずい……僕はゼロとなんて協力できないのに……」
スザク「ゼロ……」
ゼロ「私からでいいか?」
スザク「いや、同時だ」
ゼロ「同時か……。それでいいだろう」
スザク「ふー……よし……」
ゼロ「行くぞ」
スザク「ああ。カレン!!ユーフェミア!!目を瞑れ!!」
カレン「は、はい!!……あぁ、緊張してきた……」
ユフィ「……もう……どちらもカレンさん……に……」
ゼロ「枢木……」
スザク「ゼロ……」
カレン「うぅ……足音が近づいてくる……」
ユフィ「はぁ……何がいけないのですかぁ……」
カレン「ゼロ……お願い……あたしのほうへ……」
カレン「は、はい……」
ユフィ「ん……?」
ゼロ・スザク「「カレン!!一緒に居てほしい!!」」
カレン「おぉ……」
ユフィ「……」
ゼロ「頼む!!」
スザク「大事にする!!」
カレン「えーと……どうしよっかなぁ……なんて……」
ユフィ「……うぅ……ぐすっ……」ウルウル
カレン「え?」
ユフィ「うえぇぇん……スザク……も……ルルーシュも嫌いぃ……」ポロポロ
スザク「え?ルルーシュ?」
ゼロ「っと!!ユーフェミア!!何を口走っている!!!」グッ!!
ユフィ「むぐぅ……?!」
ゼロ「違うな。間違っているぞ!!スザクをカレーのルーにしてやるーしゅって言ったのだ」
スザク「なんだ。カレーのルーに……それはまずいな」
ゼロ「(ユフィ!!お前!!)」
ユフィ「(だって、いくらなんでもこれは酷いです)」
ゼロ「(しかし、選ばなかった代償が俺の正体では釣り合いがとれないだろうが!!)」
ユフィ「(じゃあ、せめてルルーシュが私を選んでください)」
ゼロ「(それは……)」
ユフィ「ゼロの正体ですけ―――」
ゼロ「(ユフィ!!そんなことで手に入れた結果で満足なのか?!)」
ユフィ「(結果は全てにおいて優先します)」
ゼロ「ぐっ……!!」
スザク「ゼロ、いつまでユーフェミア様に抱きついている。いい加減、殴るぞ」
ゼロ「ああ、これは失礼した。枢木、仕切り直しだ。つまらない横槍が入ったからな」
スザク「……わかった。だけど、僕の答えは変わらないぞ、ゼロ」
スザク「ああ、準備はできている」
ゼロ「ふっ……。二人とも!!目を瞑れ!!」
カレン「はい!」
ユフィ「はいっ」
ゼロ「枢木。これで決めさせてもらう」
スザク「いいだろう。受けて立つ」
カレン「きた……」
ユフィ「……」
ゼロ「―――目をあけろ!!ゆっくりと!!」
カレン「はい」
ユフィ「はい」
ゼロ・スザク「「ユフィ!!一緒に居てくれ!!!」」
ユフィ「まぁ……嬉しい……」
カレン「ちょっと!!なんでぇ!?」
スザァァァァァク!!
スザク「カレーのルーにはされたくない!!」
ゼロ「この浮気者が!!」
スザク「この甲斐性なしめ!!」
ユフィ「あの、二人とも私のために争わないでください」ニヤニヤ
カレン「そ、それ!!あたしが言いたかった台詞ぅ!!!」
ユフィ「ごめんなさい。私も言ってみたかったんです」
カレン「くやしぃ!!」
ゼロ「まぁ、いい。よし、ユーフェミア!!好きなほうの手を握ってくれ!!」
スザク「やはり自分にはユーフェミア様しかいないと思いました!!!」
カレン「そんなぁ……こんな世間知らずのお姫様なんかに……」
ユフィ「では……はいっ。二人とも私と一緒に居ましょう」ギュッ
ゼロ・スザク「「え?」」
カレン「何よそれ?!」
ユフィ「二人選んではいけないという規定はなかったはずですけど、私の勘違いですか?」
ユフィ「カレンさんは強い人ですから、きっとお独りでも立派に生きていけると思いますよ?」
カレン「な……!!」
ユフィ「ね、ゼロ?スザク?」
ゼロ「あ、ああ……」
スザク「カレンならきっといいシングルマザーになれるよ」
カレン「スザァク!!一言多いのよ!!あんたはぁ!!」
ゼロ「だが、ユーフェミア。規定にないとはいえ、倫理的に許される行為ではない」
ユフィ「でも……私にはどちらかを選ぶなんてできませんし……」
スザク「なら、ユフィの言うとおりにしよう。選べないなら仕方が無い」
ゼロ「ふむ……」
カレン「ゼロ!!待ってください!!こんな無人島で一人は嫌です!!他に人がいるって知っていたら尚更です!!」
ゼロ「カ、カレン……」
カレン「やめてぇ……おねがいですからぁ……」
ゼロ「しかし……ぐぅぅ……どうすれば……!!」
ゼロ「カレン……そんなに……」
ユフィ「カレンさん、お見苦しいことはされないほうが……」
カレン「あんた……!!」
スザク「待ってくれ!!分かった。こうしよう」
ゼロ「なんだ?」
スザク「くじ引きでいいじゃないか」
ゼロ「くじ引きだと?!」
スザク「このままじゃ誰も幸せになれないから」
ゼロ「結末を天に任せるというのか。愚の骨頂だな!!」
スザク「ゼロ、お前だってまだ迷っているんだろ?」
ゼロ「……!」
スザク「僕だって同じだ。本当にユーフェミア様でいいのかどうか、迷っている」
ユフィ「え……」
スザク「なら、もう運命に託してみるしかないと思う。赤い糸で結ばれているのはどちらなのかはっきりするだろ」
スザク「こうなることは分かっていた。だから、もう用意している」
ゼロ「なんだと!?」
スザク「さあ、僕が持っている棒を一本選んでくれ。端に色がついたものが2本ある。色つきを選んだ二人がペアだ」
ゼロ「待て。それだと貴様と私がペアになる可能性もあるぞ」
スザク「そのときは……そのときだ」
ゼロ「それだけはダメだ!!」
スザク「何故だ!!」
ゼロ「男同士で何が楽しい!!」
スザク「でも、他に方法がないだろ?!」
ゼロ「……落ち着け、枢木スザク。お前は先を急ぎすぎている。いや、私もか」
スザク「ゼロ?」
ゼロ「一度、じっくり話し合おう。カレンとユーフェミアも一緒に」
カレン「な、何を話すのですか?」
ゼロ「一体、誰が誰のことを一番思っているのか、納得するまで話し合うべきだったんだ……。将来の相手になるかもしれないのに安易な方法で決断を下すなどできない」
スザク「ああ、なら腰を下ろして話し合おう」
カレン「あたしはゼロがいれば……」
ゼロ「―――では、枢木よ。お前はユーフェミアとカレン、どっちが好みだ?または、理想に近い相手はどちらだ?」
スザク「うーん……」
カレン「……」ドキドキ
ユフィ「スザク……」
スザク「理想は……ユフィだ」
ユフィ「まぁ」
カレン「なんか、悔しい」
ゼロ「ほう?何故だ」
スザク「外見でいえば、僕はユフィのほうがいい。でも性格で言えばカレンのほうが好みだ」
ユフィ「そんな……」
カレン「……ふんっ。別に嬉しくないけど」
スザク「さっきも言ったけど、カレンは本当にいいお母さんになる気がする。それは円満な家庭を目指すには必要なことだって思うから」
カレン「ゼロとだったら……あたし……」
ユフィ「セクハラじゃぁ……」
スザク「ゼロも同じ意見なのか?」
ゼロ「そうだな。恋人にするならユフィ。結婚するならカレンというところか」
ユフィ「よろこんでいいのかわかりません……」
カレン「つまり、ユーフェミアは都合のいい、お、ん、なってことですよね?」
ユフィ「な!スザク!!それは本当ですか?!」
スザク「ゼロ、でもユフィと結婚してもいい未来は待っているんじゃないのか?」
ゼロ「確かにユフィは優しく、思いやりもある。そして、言動も愛らしい」
ユフィ「ふふーん」
カレン「ぐっ……」
ゼロ「だが、少々我が強く、思い込みも激しい。一度こうだと決めたらなんとしてもやり遂げようとする」
スザク「いいことじゃないか」
ゼロ「恋人の関係である内は可愛いの一言で済ませることもできる。しかし、夫婦になれば別だ。ユフィの性格は喧嘩の種に成りかねない」
ゼロ(しまった……喋りすぎたか……!!)
スザク「……ファンか?」
ゼロ「そうだ」
スザク「そうか。なら仕方ないな」
ユフィ「あの、ちょっとよろしいでしょうか?」
ゼロ「なんですか?」
ユフィ「私も意見を言っても?」
ゼロ「どうぞ。今は互いの気持ちを確認する場ですから」
ユフィ「では、遠慮なく。―――私はスザクが大好きです」
ゼロ「……!」
スザク「わーい」
ゼロ「ええい!!ならば結婚してしまえ!!私はカレンを選ぶ!!」
カレン「やったー」
ユフィ「でも……ゼロのことも大好きです。この場合、どうしたらいいですか?」
ユフィ「いいえ……。一人の男性として好きです」
ゼロ「お前……!!」
ユフィ「でも、ダメですよね。こんな浮ついた考えでは……」
スザク「ユフィ……」
ゼロ「どちらと結婚したいかも選べない状況か?」
ユフィ「そうですね。ゼロもスザクもきっと私のことを大事にしてくれると思いますし」
カレン「何よ。優柔不断ね。あたしはゼロ以外、眼中にないけど」
ゼロ「それは嬉しいな」
スザク「カレン、君はゼロの記号に惚れているだけじゃないか?」
カレン「は?」
スザク「そもそも、ゼロが女性だったらどうする?」
カレン「はっ。そんなわけ……」
スザク「君はゼロの正体を知らない。ゼロは男のフリをしているだけかもしれない。女好きの女の子かもしれない。そう考えると素性が分かっている僕のほうがマシのはずだ」
カレン「そ……そういう言い方……卑怯……」
スザク「なら、仮面をとって証明してくれ!!」
ゼロ「それはできない!!」
スザク「もし君が女の子なら、僕に第三の選択肢が生まれる!!」
ゼロ「スザァァク!!!」
カレン「あ、あたしは!!ゼロが女性でも愛せます!!」
ゼロ「なに?!カレン!!お前……バイか?!」
カレン「ち、違います!!惚れた相手がたまたま女の子だっただけです!!」
ゼロ「ふむ……」
ユフィ「ゼロが女性だったら……?うーん……私も、大丈夫そうです」
スザク「ユフィ?!本気で言っているのか!?」
ユフィ「愛に性別は関係ないはずです。でも、ゼロは男性だと思っていますけど」
カレン「あたしもです!」
ゼロ「まあ、私は完璧な紳士だ。淑女ではない」
スザク「残念だよ、ゼロ。信じたかったのに、少しだけ」
ふざけるなよスザァァク!!
カレン「え?」
ゼロ「例えば私が女の子だったとしよう」
カレン「……そんな……」
ゼロ「違う。たとえ話だ。もし私が女の子なら結婚などできないし、子どもを作ることもできない。それでもいいのか?」
カレン「ゼロ……女の子なんですか……」ペタペタ
ゼロ「カレン?!」
カレン「胸は……無いですね」
ゼロ「触るな!!」バッ
スザク「女の子の反応だ!」
カレン「ゼロ……」
ゼロ「ち、違う!!胸を触られたら誰でも驚くだろうが!!」
ユフィ「ゼロって女の子だったのですか?」
ゼロ「ユーフェミア!!あなたは……!!」
ユフィ「私はあなたの正体なんて知りませんから、可能性の話をしただけです」
スザク「カレン。しかし、世間体の問題もあるよ。結婚するという条件なら普通の男性を選んだほうがいい」
カレン「うっ……!」
ゼロ「決まったな。カレンは結婚するならスザク、恋人にするなら私ということになる」
カレン「ゼロ……」
スザク「ユフィはまだ決められないかい?」
ユフィ「そうですねぇ……。強いて言うなら……私も恋人ならゼロ、結婚ならスザクです」
ゼロ「それは何故?」
ユフィ「ゼロと私が結婚は……少し、問題が……」
ゼロ「ぐっ……?!」
ユフィ「きっと……お姉様も大反対しますし……」
スザク「当然だ。ゼロはテロリストなんだから、総督は許すはずがない」
ユフィ「いえ。テロリストでなくてもきっとダメです。親戚中から猛抗議を受けます」
スザク「やはり、ゼロは女の子なのか?!」
ゼロ「ユフィ!!語弊のある言い方はやめろぉ!!」
ゼロ「そう……だけど……」
カレン「あ、たしは……女の子でも……きっと……イケます……」
ゼロ「カレン!!私は男だ!!安心しろ!!」
スザク「必死になるところが怪しい!!」
ゼロ「おのれ……!!」
ユフィ「そうですね。まるで図星をつかれて慌てているようです」
ゼロ「違う!!」
スザク「なら、僕も考えを改める必要がある」
ゼロ「なに?」
スザク「僕とゼロは言わばロミオとジュリエットだ」
ユフィ「まぁ……もしかして……」
スザク「禁断の愛。そういうのに惹かれる僕もいる」
ゼロ「私は惹かれない!!」
スザク「一人称も私だし、なんとなく女の子に見えてきたよ。ゼロ、もう君を女の子としてカウントしてもいいだろうか?」
スザク「ごめん。もう手遅れだ」
ゼロ「スザク……!!」
ユフィ「スザクって気が多いのですね」
スザク「将来の相手の選択肢が多いだけです」
カレン「ゼロ……」
ゼロ「分かった。この場で訂正は不可能だろう。私が男である場合と女である場合も含めて話し合おう」
スザク「恋人にするならユフィ、結婚するならカレン、でも一番燃え上がる恋愛ができるのはゼロだと思う」
ゼロ「敵同士だからか」
スザク「恋人と戦場で刃を交えるなんて、悲恋の物語でよくあるじゃないか」
ゼロ「なるほどな」
スザク「ゼロはどうだ?僕とそういう関係になるのは?」
ゼロ「お前と……?仮にだ、貴様が異性だとするなら……まぁ、無くはない」
スザク「うれしいよ!!ゼロ!!」
ゼロ「近づくな!!気持ち悪い!!」
ゼロ「ユフィ!!徐々に離れるな!!」
カレン「ゼロ!!もう決心しました!!女の子同士、がんばりましょう!!世間の風は冷たくても、紅月カレン!!負けません!!」
ゼロ「ええい!!私が女性であることを前提に話を進めるな!!私は男だ!!いい加減にしろ!!」
カレン「ゼロ……では、せめてあそこをパンパンして確認させてください……」
ゼロ「馬鹿か!?やめろ!!」
ユフィ「スザクが三人を恋愛の対象にするなら、私もそうしないとだめですね」
ゼロ「どういうことだ?」
ユフィ「私は恋人ならゼロ、結婚するならスザク、そして二人に振られた場合の逃げ道としてカレンさんの胸にしておきます」
カレン「あ、あたし?!」
ユフィ「この無人島では結局そういう結論になってしまいます。ゼロとスザクが結ばれたとき、私とカレンさんが結ばれないと……」
カレン「な、なんであんたなんかと!!」
ユフィ「私だってあまり嬉しくありません!でも、協力していくうちに、互いの心は惹かれあい「ああ、この人になら体を許してもいいかも」なんて思ったり思わなかったり」
カレン「やめてよ!!気持ち悪い!!あたしにそんな趣味はないんだから!!」
スザク「カレン、嘘はいけない。君はゼロが女の子でも受け入れると言ったばかりじゃないか」
ユフィ「それでも女の子を受け入れるだけの素養はあるってことですよね?」
カレン「そ、それは……」
ユフィ「カレンさん、私ではダメですか?」
カレン「うっ……」
ユフィ「飽く迄も最終兵器。最後の拠り所でも、ダメですか?」
ゼロ「カレン。想像してみるといい」
カレン「そ、想像ですか?」
ゼロ「そうだ。確かにカレンにとっては憎い相手だろう。だが、この無人島では協力して生きていかなければならないし、カレンも孤独は嫌っていた」
カレン「は、はい」
ゼロ「カレンが食料を探しにいき、ヘトヘトになって寝屋に戻るとユーフェミアが笑顔で……」
ユフィ「おかえりなさい、カレンさん。今日も一杯ありますね。ありがとうございます。疲れたましたよね?私が一生懸命、マッサージをしますからっ!」
カレン「うぐっ……」
ゼロ「どうだ?悪くはないだろ?」
カレン「いや……あの……でも……その……はい、ちょっといいと思いました」
カレン「いや……しない!!あたしはゼロだけ!!ゼロ一筋だから!!」
ユフィ「カレンさん!!私を好きになりなさい!!私も貴方を好きになります!!」
カレン「冗談でもやめて!!お願いだから!!」
スザク「よし。これは面白くなった」
ゼロ「なんだと?」
スザク「これでこの四人は誰が誰を選んでもおかしくない」
ユフィ「確かにそうですね」
ゼロ「ま、待て!!本当にいいのか?!」
スザク「ゼロも僕が異性ならいいと言った。それはつまり、心のどこかでは僕を受け入れているということじゃないのか?」
ゼロ「ち、違うな!!間違っているぞ!!」
カレン「それで、どうするっていうのよ?」
スザク「今から再度、救助されるまでこの無人島で一緒にいたい人をそれぞれが同時に選べばいい」
ユフィ「なるほど。いいですね」
ゼロ「つまり、もう私とスザク、ユフィとカレンという組み合わせが成立しても問題がない、ということか……」
ゼロ「貴様の選ぶ相手が目に浮かぶようだ」
カレン「で、どうやって選ぶの?」
ユフィ「せーのっ、で一緒に居たい相手の名前を叫ぶってどうですか?で、名前を呼ばれた者同士がペアになるということで」
ゼロ「フィーリング方式か」
スザク「それはいい考えだ。誰も不幸にならないね」
カレン「う、うん……」
ユフィ「では、みなさん。ペアになりたい方を決めましょう」
ゼロ「……」
スザク「……」
カレン「……」
ユフィ「……どうですか?」
ゼロ「私は問題ない」
スザク「決めたよ。後悔はしない」
カレン「あ、あたしも……決めたっ」
ゼロ「ユフィ!!」
スザク「ゼロ!!」
カレン「ゼロ!!」
ユフィ「スザク!!」
ゼロ「……なに?」
スザク「ゼロ!!どうして僕じゃないんだ?!」
カレン「ゼロ!!どうしてこっちのお姫様を?!」
ユフィ「スザク!!私ではないのですか?!」
スザク「い、いえ……ユーフェミア様はてっきりカレンを選ぶものとばかり……」
ゼロ「枢木スザク!!何故私だ!!」
スザク「どうせ救助されるまでの恋なら、燃え上がるほうがいいからだ!!」
ゼロ「私は男だ!!!」
スザク「そんなの知ったことか!!君はもう女の子にしか見えないんだ!!」
カレン「ゼロ!!あたしじゃダメなんですか?!あたし、ゼロしかいないんですけど!!」
ゼロ「いや……それは……」
ユフィ「(正体は黙っておきますから、本当に好きな人を選んでください)」
ゼロ「(ユフィ……)」
ユフィ「(私も貴方が誰を選ぶのか興味がありますから。あ、勿論、私でもいいですよ?)」
ゼロ「(わかった……)」
スザク「もう一度だね」
カレン「ゼロ……よし、あたし……決めました……!」
ゼロ「今度こそ決めるぞ」
ユフィ「はいっ。―――せーのっ」
ゼロ「カレン!!」
スザク「ゼロ!!!」
カレン「ユーフェミア!!」
ユフィ「スザク!!」
ゼロ「お前らぁ!!意見をコロコロ変えるな!!!」
ユフィ「そうです」
ゼロ「ああ、そうだな、すまなかった!!だが、カレェン!!お前、どういうことだ!?」
カレン「だって!ゼロはあたしのこと……」
ゼロ「一巡目はやんごとなき理由があったからだ!!」
カレン「じゃあ、私を選んでくれるんですか?」
ゼロ「それは―――」
スザク「ゼロ、その答えは三巡目で言うんだ」
ゼロ「あ、ああ……そうだな」
ユフィ「では、気を取り直して。―――せーのっ」
ゼロ「カレン!!」
スザク「ゼロ!!」
カレン「ゼロ!!」
ユフィ「ゼロ!!」
ゼロ「よし!!!いや!!まて!!どういうことだ?!」
ユフィ「もうスザクには愛想が尽きました。ゼロのほうがいいです」
スザク「ユフィ……ごめん……でも……僕は……ゼロがいいんだ!!」
ゼロ「……全員が私を選んだのは驚いたが。ともかく、これでペアは成立したな」
カレン「ゼロ……」
ゼロ「カレン、こっちにこい」
カレン「ゼロー!!あたし、信じてました!!」テテテッ
スザク「待ってくれ!!」
カレン「邪魔するな!!」
ゼロ「なんだ?!もういいだろ?!」
スザク「みんなはゼロを選んだ……ということは……これはもう、みんながゼロのペアでいいんじゃないだろうか?」
ゼロ「は?」
ユフィ「あ、それいいですね」
カレン「ちょっと、それって……」
スザク「ゼロ、君はこの無人島でハーレムを作ったんだ。誇っていいと思う。産めや増やせだ」
スザク「僕の子を産んでくれ、ゼロ」
ゼロ「俺は男だ!!」
スザク「それは今晩わかる!!」
ゼロ「よせ!!こっちにくるな!!」
カレン「スザクにゼロは渡さない!!!ゼロが男でも女でもぉ!!」
ユフィ「みなさん!!私にもゼロを分けてください!」
ゼロ「貴様ら!!頭を冷やせ!!とくにスザク!!」
スザク「僕は冷静だ!!」
ゼロ「ならば問う!!俺が男だったらお前はどうするつもりだ?!」
スザク「……カレンはユフィを受け入れるといった」
ゼロ「……」
スザク「ゼロ!!この無人島では敵も味方もない!!僕は君が何者でも受け入れる!!その覚悟も今、した!!」
ゼロ「そんなインスタントの覚悟で抱かれる俺の身にもなれ!!!」
スザク「ゼロ!!僕は必死だ!!」
カレン「ゼロ!!こっちへ!!」
スザク「どうして僕の想いを受け取ってくれないんだ。この無人島では協力しないと生きていけないのに」
ユフィ「ちょっと!みなさん!!ゼロのお相手は日替わりでお願いしますね!」
ゼロ「ユフィ!!お前も少し落ち着け!!」
カレン「ゼロ!!とにかく人気のない場所にいきましょう!」
ゼロ「どこにも人気などないぞ、カレン!!」
カレン「でも、見られると……」
ゼロ「何の話だ!?」
スザク「ゼロ……もう僕の中では君の素顔が浮かび上がっている。ロングヘアの黒髪で……」
ゼロ「聞いてない!!」
ユフィ「ゼロ、ここでなら誰の反対も受けなくて済みますね」
ゼロ「黙れ!!」
シュナイゼル「こちらから声がするね」
ロイド「あは~スザクくぅん。それからユーフェミア副総督まで。これはついてるぅ」
また邪魔をしに来たか!
シュナイゼル「君は……ゼロ?」
スザク「ロイドさん!?」
ロイド「よかった。大事なパーツがなくなって心配したんだからね」
ユフィ「シュナイゼル兄様……」
シュナイゼル「無事だったか。偶然ではあるけど、見つかってよかった。さあ、帰ろう」
ゼロ「よかった……地獄にならずにすんだが……カレン!!行くぞ!!!向こうにあるナイトメアを奪うぞ!!」
カレン「は、はい!!」
ユフィ「もう……終わりですか……」
シュナイゼル「何かしていたのかな?」
ユフィ「ええ……ちょっと……」
スザク「ゼロ……」
バトレー「ああ!!ガウェインがぁ!!何をする?!」
ゼロ「黙れ!!」ゲシッ
バトレー「あぁん」
カレン『副座?!このナイトメア二人乗り!?ゼロ!!あたし、これからこれに乗ります!!』
ゼロ『カレンには紅蓮があるだろう』
カレン『これがいいです!!独り乗りなんて寂しいから!!』
ゼロ『ええい!!ダメだ!!』
カレン『どうして……あ、今なら、調べられる……』
ゼロ『カレン!!どこを触っている?!やめろぉ!!!』
バトレー「あぁ……」
シュナイゼル「気にすることはない。所詮はテスト機。実用化はできないよ」
スザク「ゼロ……」
ユフィ「……もう少し、遊びたかったのに」
シュナイゼル「どんな遊びをしていたのかな?」
スザク「遊びではありません!!少なくとも自分はゼロと懇ろになりたいと思いました!!本気で!!」
シュナイゼル「ゼロは……女性なのかい?」
スザク「イエス、ユア・ハイネス!!」
ロイド「じゃあ、殿下。僕はスザクくんを連れて戻りますね」
シュナイゼル「ああ、そうしてくれ」
ロイド「じゃ、いこうか」
スザク「はい……」
ユフィ「はぁ……また、会えるでしょうか……」
スザク「ゼロ……今度出会うとしたら戦場か……」
スザク「僕は……迷わないよ、ゼロ。君が長く美しい黒髪の美少女でも……」
シュナイゼル「ゼロは女性……少し、見てみたいね」
スザク「眼鏡で……すこしそばかすがあって……笑窪もあって……」
シュナイゼル「なるほど……ゼロの素顔は随分特徴があるんだね」
スザク「胸は控えめで……」
シュナイゼル「ふむ……ちょっと、似顔絵を描いてもらえるかな?」
スザク「分かりました」
バトレー「これはすごい。ゼロを一気に追い詰められますね」
ニーナじゃね?
C.C.「おかえり。楽しかったか?」
ゼロ「楽しいわけがあるか。こっちは色々と大変だった」
C.C.「にしては、犬娘がかなり懐いているようだが?」
ゼロ「……」
カレン「ぜろぉ……性別なんて問題じゃない……あたしはあなたが好きなんです……」スリスリ
C.C.「説明があると、私は嬉しい」
ゼロ「なんでもない」
C.C.「お前……」
カレン「ゼロぉ……一生、ついていきます……」
ゼロ「分かった、わかった」
C.C.「おい、離れろ、犬」
カレン「はっ」
C.C.「貴様ぁ!!」
ゼロ「もうやめてくれ!!こういうのはたくさんだ!!」
スザク「できました、シュナイゼル殿下」
シュナイゼル「ほう……これがゼロの素顔か。コーネリア?」
コーネリア『はい』
シュナイゼル「今、似顔絵のデータを送る。各メディアで大々的に報じてくれ」
コーネリア『分かりました。―――枢木よ』
スザク「はい」
コーネリア『よくやったな。流石にこの功績は大きく、無視できるものではない。期待していろ』
シュナイゼル「その似顔絵に合致する者を探してみるといい」
コーネリア『元よりそのつもりです』
スザク「ゼロ……君に会える日が待ち遠しい……」
シュナイゼル「すぐに会えるよ」
スザク「……ゼロ……」
ユフィ(ルルーシュ、これで貴方が疑われることはありません)
ユフィ(ですから、もう一度ゆっくりと考えてみましょう。みんなで幸せになれる方法を……)
コーネリア「ゼロを捕らえることに成功した!!」
ニーナ「違う!!私じゃありません!!」
コーネリア「言い訳無用!!テロリスト風情が!!」
ニーナ「いやぁぁ!!!」
ユフィ「あなたが……捕まったの?」
ニーナ「ユーフェミアさま!?た、助けてください!!あのときみたいに!!」
ユフィ「……」
ニーナ「ユーフェミア……さ……ま……?」
ユフィ「ごめんなさい。私じゃどうにも……」
ニーナ「いやぁ!!」
コーネリア「こやつの裁判は3日後に執り行う!!極刑だがな!!!」
ニーナ「どうして!!私、何も悪いことしてないのにぃ!!!」
ユフィ「今は無理でも、刑を軽くする努力はしてみるから!!」
ニーナ「ユーフェミアさまぁぁぁ!!!」
スザク「ええ。ゼロが捕まったらしいですね」
セシル「まさか、アッシュフォードの学生だったなんて……」
スザク「いえ。ニーナはゼロじゃありません」
セシル「え……?」
スザク「ゼロはもっと……」
セシル「あ、ちょっと待って。―――はい?」
ギルフォード『ある作戦に参加してほしい。黒の騎士団も出てくるはずだ』
セシル「ええ。分かりました」
ロイド「あは~。がんばりまぁす」
スザク「ゼロ!!ようやく君にあえるんだね!!ゼロ!!」
ロイド「じゃ、はりきって行ってみようか」
スザク「ゼロ!!待っていろ!!」
スザク「君はニーナじゃない!!もっと国宝級に可愛いはずだ!!」
セシル「スザクくん!!興奮しないで!!」
ルルーシュ『ブリタニアめ。ゼロを捕まえたと浮かれていればいい。本物のゼロがこうして―――』
C.C.『ルルーシュ。何かくるぞ』
ルルーシュ『なに?』
ランスロット「ゼロ!!!やっと会えた!!!」
ルルーシュ『枢木か?!』
スザク『僕は今日!!君に伝えることがある!!』
ルルーシュ『なんだ!?』
スザク『僕は君に恋をしたぁ!!!!』
ルルーシュ『な……?!』
スザク『許されない恋であることは承知している!!だから、せめて!!僕の手で君も君も心も捕まえてみせる!!!』
ルルーシュ『馬鹿か!!いい加減にしろ!!私は男だ!!』
紅蓮「ゼロに手を出すなー」ピョンピョン
C.C.『カレン、フロートユニットがないのだから、地上で大人しくしていろ』
紅蓮「あたしも混ぜろー!!」ピョンピョン
ルルーシュ『黙れ魔女!!ハドロン砲を使う!!』
スザク『ゼロぉぉぉ!!!!好きだぁぁぁ!!!!』
ルルーシュ『こっちに来るな!!』
スザク『そっちに行くよ!!』
ルルーシュ『貴様さえいなければ!!!』
スザク『君が居てくれるから!!!』
ルルーシュ『もう諦めろ!!!』
スザク『諦められない!!』
ルルーシュ『私はお前を選ばない!!』
スザク『俺は君しか選べない!!!』
C.C.『どうでもいいが、私も選択肢にあるんだろうな、坊や?』
紅蓮「ゼロー!!あたしも忘れないでー!!」ピョンピョン
ルルーシュ『もういい!!俺はもう!!誰も選ばない!!!選ばないぞぉぉぉ!!!』
C.C.『なんだ、一生童貞か。それもいいな。お前らしくて』
おしまい。
Entry ⇒ 2012.08.17 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
コーネリア「私はブリタニア公認、魔法皇女コーネリアだ!!!」
コーネリア「……抜けている。惚けている。堕落している」
ギルフォード「姫様」
コーネリア「これで何度目だ。我々がゼロに泥を塗られたのは」
ギルフォード「二度目です」
コーネリア「二度だぞ!!二度も辛酸を舐めさせられるとは……!!」
ダールトン「姫様、大変です」
コーネリア「どうした」
ダールトン「我々の敗北という情報がネットを通じて広まっているようで、総督の支持率が低下傾向にあります」
コーネリア「なんだと?!おのれ!!おのれ、ゼロめ!!」
ギルフォード(なんとかせねば……)
ギルフォード「ダールトン卿、このままでは民衆はゼロを支持し続けてしまいますね」
ダールトン「名誉ブリタニア人の兵士から離反者もできるやもしれんな」
ギルフォード「なんとか姫様に関心を向けさせないといけませんね」
ダールトン「我らは勝鬨を上げて得てきた。戦以外に方法などあるか」
ギルフォード「しかし、戦争ばかりでは兵も疲弊してしまいますし、それこそ支持の低下を加速させてしまう」
ダールトン「ふむ……」
ギルフォード「……ダールトン卿、ここは文化的な面を押し出してみるのは如何でしょうか?」
ダールトン「姫様に絵でも描かせるのか?」
ギルフォード「ええ。いい考えだと思うのですが」
ダールトン「前総督、クロヴィス殿下と同じ方法か。やってみる価値はあるかもしれないな」
ギルフォード「はい。クロヴィス殿下と同じ方法で民衆の心を掴もうと思うのですが」
コーネリア「……」
ギルフォード「姫様?何か問題でも?」
コーネリア「いや。いいだろう。で、何を書けばいい?」
ギルフォード「やはりここは皇帝陛下の絵がよろしいかと」
コーネリア「シャルル皇帝陛下か……」
ギルフォード「どうぞ、画材道具にございます」
コーネリア「ああ」
ギルフォード「では、後ほど」
コーネリア「……」ピッ
コーネリア「……ユフィ?」
ユフィ『はい、お姉様。なんですか?』
コーネリア「そうだったか?」
ユフィ「確か、十五段ぐらいカールさせていたような」
コーネリア「そうか」カキカキ
ユフィ「にしても、お姉様の人物画って目が大きいですよね」
コーネリア「う、うるさい」
ユフィ「昔から日本のコミックだけはお好きでしたものね」
コーネリア「うるさいといっている!!怒るぞ!!」
ユフィ「ごめんなさい」
コーネリア「全く」
ユフィ「最近はどんなものを集めているのですか?」
コーネリア「言う必要はない」
ユフィ「知りたいのに……」
ユフィ「わー、お上手です。目は大きいですけど」
コーネリア「……ダメだな」ビリビリ
ユフィ「ああ、勿体無い」
コーネリア「こんな少女マンガチックな絵柄では、駄目だ。クロヴィスとギャップがありすぎる」
ユフィ「まぁ、そうですけど」
コーネリア「はぁ……」
ユフィ「文化的な一面を見せて、親近感を出そうという試みは面白いと思いますけど」
コーネリア「私にはそちらの才能がないのだよ」
ユフィ「……そうだ!」
コーネリア「どうした?」
ユフィ「なら、お姉様のご趣味を全面に押し出せばいいのではありませんか?」
コーネリア「私の趣味だと?」
コーネリア「お、おい、ユフィ。私は別に……」
ユフィ「まぁ、まぁ、見てください」
コーネリア「もう……」
モニター『受けてみて、ディバインバスターのバリエーション!』
モニター『Starlight Breaker』
モニター『これがわたしの全力全開!!スターライトッ!ブレイカァァッ!!』
コーネリア「……ほう?」
ユフィ「どうですか?」
コーネリア「面白い作品だが、これをどうする?」
ユフィ「お姉様が成りきるのです」
コーネリア「なに?いや、どうやって……」
ユフィ「まずは発声練習からしましょう」
コーネリア「あ、ああ……。―――スターライト!ブレイカー!!」
ユフィ「……」
ギルフォード「姫様。絵は―――」
コーネリア「ジュエルシードを封印!」
ユフィ「えーと……Sealing mode set up. Stand by ready. Sealing. 」
コーネリア「リリカル、マジカル、ジュエルシード、シリアル―――」
ギルフォード「姫様!!何をされているのですか?!」
コーネリア「ギルフォード?!ぶ、無礼者!!勝手に入ってくるやつがあるか!!」
ギルフォード「絵のほうはどうなったのですか?!」
ユフィ「それが絵は上手くできなかったので、お姉様自身で芸術を表現できればと思いまして」
ギルフォード「はぁ……姫様が納得されているのでしたらいいのですが」
コーネリア「好きでやっているわけではない!!私は武人だぞ、ギルフォードよ」
ギルフォード「心得ております」
ユフィ「さあ、お姉様、続きを」
コーネリア「雪広あやか流合気柔術!!雪中花!!」
ギルフォード「……」
ダールトン「姫さ―――」
コーネリア「リリカル、トカレフ、キルゼムオール!!」
ギルフォード「魔法は封じましたぞ!!魔法皇女!!」
コーネリア「ならば……肉体言語にて語るまで!!」
ユフィ「パヤ」
コーネリア「プリンセス、チョークスリーパー!」ググッ
ギルフォード「おぉぉ……!!」
ダールトン「何をしている!!ギル!!貴様ぁ!!代われ!!!」
コーネリア「ダールトン、どうした?」
ダールトン「どうしたもありません。これは一体なんの騒ぎです!?」
コーネリア「これは……その……」ググッ
ユフィ「お姉様!!緩めないと!!」
コーネリア「あ、ああ!ギルフォードよ、すまない!!」
ギルフォード「い、いえ……私は幸せです」
コーネリア「そういう流れになった」
ユフィ「絵画等ではクロヴィス兄様がお披露目していましたから」
ダールトン「確かに新たしいブリタニア皇族の一面を出さなければ新鮮味に欠けますな」
ユフィ「そこでコーネリア姉様にブリタニア皇族も伊達ではないところを見せてほしいなと思いまして」
ダールトン「分かりました。そこまでの決意と熱意があるのでしたら協力いたしましょう」
コーネリア「私は別に……」
ギルフォード「しかし、ジャンルは魔法少女モノですか」
ユフィ「そうです。凛々しいお姉様とキュートな魔法少女の組み合わせはいいと思うのですけど」
ダールトン「姫様は確かにお美しい。だが、少女というには些か失礼では?」
ユフィ「そんなことありません。女性の心はいつでも乙女なのです。ね?お姉様?」
コーネリア「私はもう27歳だから、表立ってこういうことは恥ずかしいのだが」
ギルフォード「魔法少女となると、やはり空を飛んだり、とてつもない火力の銃器を持つべきでしょうね」
ダールトン「空を飛ぶか……。姫様、私にいい考えがあります」
コーネリア「なんだ?」
ロイド「はい~?」
ダールトン「特派は既にフロートユニットによるナイトメアの単独飛行を成功させているな?」
ロイド「ええ。一押しの技術ですけど」
ギルフォード「では、姫様をランスロットの背中に乗せて飛ぶこともできるな?」
ロイド「死んじゃってもいいならできますけど」
ギルフォード「死なないようにするのがお前の仕事だろう!!」
ロイド「無茶苦茶なぁ」
セシル「あの、コーネリア総督にお考えがあることはわかりましたが、非常に危険ですよ?」
ダールトン「なんとかシミュレーションしてみてくれ」
ロイド「まぁ、やるだけやってみますけどぉ」
ギルフォード「これは特派にとっても悪い話ではない。今後の作戦において優遇されることになる」
ロイド「え~!ホントですかぁ~?!じゃあ、がんばりま~す!!」
セシル「はぁ……どうするんですか?」
ロイド「ランスロットの背中に椅子でも付けて乗っけとけばいいでしょ」
ロイド「あは~、スザクくん。これは昇進のチャンスだよぉ?」
スザク「しかし、危険では?」
ロイド「残念でした~、どうしても乗せろって言ってるんだよ」
セシル「総督のお考えもあるのよ。最近、黒の騎士団に負け続けているから」
スザク「僕の力が及ばないばかりに……」
ロイド「とにかくぅ。今からランスロットの背中に椅子をつけるから」
スザク「椅子ですか?!」
ロイド「うん。もちろんシートベルトもつけちゃうよ~」
スザク「一緒に乗ればいいのでは?」
セシル「違うの。外に出ていることが大事らしいわ」
スザク「意味がわかりませんが」
ロイド「ともかく、やってみようか。セシルくん」
セシル「は、はい」
スザク「……」
コーネリア「―――というわけなのですが」
シャルル『……』
コーネリア「そのような催しを行っても問題はないかと」
シャルル『うむ……よぉし、コーネリアよ』
コーネリア「はい」
シャルル『ブリタニアの名誉を守るために、身を削るというのだなぁ?』
コーネリア「勿論です」
シャルル『わかぁったぁ!!!その生き様ぁ!!!見届けてくぅれるぅわぁぁ!!!』
コーネリア「感謝します」
シャルル『ぬぁっはっはっはっは!!!オール・ハイル・ブリタァァ―――』
コーネリア「……」ピッ
ユフィ「お姉様、お父様の許可は出たのですか?」
コーネリア「好きにやれと言ってきた。あまり、関心がないのだろう」
ユフィ「そうですか。きっとカッコイイ魔法皇女が見ることができると思いますのに」
ロイド「おめでとぉ~!!できたよ~!!」
スザク「本当に座席を取り付けただけなんですね」
セシル「でも、風除けもあるし、気圧の変化にも耐えられるようになっているから」
ロイド「うん。これでまず死ぬことはないね」
スザク「しかしGは……」
セシル「そこは……我慢してもらうしか」
スザク「あとで責任問題になりませんか?」
ロイド「ならないよ~。クライアントが無茶なこと言ってきたんだし」
セシル「いざとなったらシュナイゼル殿下に守ってもらえるから」
スザク「はぁ……」
ロイド「じゃあ、早速皇女殿下を呼んでみよっか」
セシル「はい」
スザク「大丈夫なんだろうか……」
ロイド「はぁい。お願いしま~す」
コーネリア「これで魔法少―――いや、民衆の心は掴めるのだな?」
ユフィ「もうばっちりです。決め台詞、ちゃんと覚えましたか?」
コーネリア「ああ」
ユフィ「では、行ってみましょう」
スザク『総督、準備ができましたら発進します』
コーネリア「分かっている」
ギルフォード「シートベルトは忘れずに」
コーネリア「……よし、枢木。いつでもいいぞ」
ダールトン「姫様の晴れ姿、地上からみていますから!!」
コーネリア「ああ!!」
セシル「枢木准尉。いつでもどうぞ」
スザク『ランスロット・エアキャヴァルリー!!発進!!!』ゴォォ
コーネリア「ひゃ―――」
ゼロ「ブリタニアに動きは?」
藤堂「今のところは何もないようだな」
カレン「やはり、二回連続で勝利したのが効いているんですよ」
ゼロ「カレン。敵は世界だ。たった二度の勝利で浮かれ、油断しては死ぬだけだぞ」
カレン「も、申し訳ありません」
藤堂「ゼロの言うとおりだな。勝って兜の緒を締めよというやつだ」
ゼロ「それにこのままコーネリアが何も手を打たないとか考えにくいからな」
藤堂「ああ。今後の動向が気になる」
ディートハルト「ゼロ、エリア11上空にランスロットが単機で現れました」
ゼロ「ん?どういうことだ?」
藤堂「戦か?」
ディートハルト「いえ、コーネリアの演説を空中で行うそうです」
ゼロ「空中演説?何の為に……」
藤堂「モニターに出せ」
スザク『総督、この当たりでよろしいですか?』
コーネリア「ああ」
コーネリア「―――皆の者!!よくきけ!!!」
コーネリア「私はコーネリア・リ・ブリタニアである!!」
コーネリア「しかし!!これは仮初の名!!本日はエリア11に住む者たちに私の正体を告げる!!」
コーネリア「私はブリタニア公認、魔法皇女コーネリア!!」
コーネリア「本当の名は、コーネリア・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタニアだ!!!」
コーネリア「もう一度言う!!コーネリア・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタニアだ!!!」
コーネリア「だが、急に言っても信じてもらえないだろう。そこで、魔法をお披露目する」
コーネリア「さぁ、私のマジックナイトメア!!起動しろ!!」
スザク『イエス、ユア・ハイネス!!』
コーネリア「いっけー!!リリカルぅぅ……ヴァリース!!!」
スザク『発射!!』バキュゥゥン
コーネリア「どうだ!!これが、コーネリア・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタニアの魔力だ!!」
ゼロ「なんだ……あれは……」
ラクシャータ「プリン伯爵も無駄なことするねぇ」
藤堂「魔法皇女だと……ふざけているのか!!あのれ、ブリタニアめ!!我々日本人をどこまで馬鹿にする!!」ダンッ!!
カレン「コーネリア、スザク……日本の空でなにしてんだぁ……!!」
ゼロ「ランスロット単機なのだな?」
扇「ああ、それは間違いない。どうする?」
ゼロ「ああして総督が無防備に出てきてくれたのだ。我々への挑発も兼ねているのだろう」
カレン「撃ちますか」
ゼロ「そうだな。カレン、紅蓮で出撃しろ。C.C.!!」
C.C.「ガウェインはいつでもいけるぞ」
ゼロ「私が先行し、地上へ逃げたところをカレンが仕留めろ」
カレン「はいっ!!」
ゼロ「敵機の位置情報は逐一送ってくれ」
扇「分かった」
コーネリア「こんなものか」
スザク『民衆に総督の覚悟は十分伝わったはずです』
コーネリア「ならば、満足だ。帰還するぞ」
スザク『イエス、ユア・ハイネス』
セシル『枢木准尉!!5時の方向から熱源接近中!!ナイトメアだと思われます!!注意して!!』
スザク『ナイトメア?!』
コーネリア「まさか―――」
ゼロ『ふはははは!!!コーネリア総督。民衆の支持票集めですか?涙ぐましい努力をする』
スザク『ゼロ!!』
コーネリア「これはいい。コーネリア・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタニアの初陣には持って来いの相手だな」
ゼロ『一騎討ちはあまり得意じゃないのですけどね』
コーネリア「黒の魔王!!ゼロよ!!エリア11の平和はこの魔法皇女コーネリア・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタニアが守る!!」
ゼロ『やってみろ!!』
スザク『いっくぞぉぉぉ!!!』
スザク『くっ!!ゼロ!!どうして―――』
コーネリア「枢木。お前はマスコットだ。勝手に喋るな」
スザク『も、申し訳ありません』
コーネリア「お前は私が技名を叫んだときだけ、喋れといっただろ」
スザク『は、はい』
ゼロ『コーネリア。本当に単機で来たようだな』
コーネリア「当然だ。正義の魔法少女―――いや、魔法皇女は正々堂々と戦う」
ゼロ『いい心がけだ。武人だな』
コーネリア「違うな。間違っているぞ。ゼロよ」
ゼロ『なに?』
コーネリア「今の私は魔法皇女コーネリア・フランソワーズ・ル・ブラン・ド―――」
ゼロ『ハドロン砲、発射!!』ゴォォ
スザク『うわぁ!?』
コーネリア「おのれ、魔王ゼロ!!卑怯な!!」
コーネリア「これは聖戦である。戦争ではない!!」
ゼロ『何を―――』
コーネリア「リリカルゥ……マジカルぅ……」
スザク『ヴァリスセット』
コーネリア「ヴェリース!!!」
ゼロ『ええい!!いちいち、使用兵器を叫ぶとは!!恥ずかしくないのか?!』
C.C.『私たちもだな』
ゼロ『……』
コーネリア「技名は叫んでこそだ!!何も恥じることは―――」
セシル『枢木准尉!!真後ろから高速接近する機影が!!』
スザク『なに?!あれは、カレンか?!』
カレン『―――もらったぁ!!!スラッシュハーケン!!!』バシュッ
スザク『しまった!!受けるしかない!!』
コーネリア「しまった!!触手か?!」
ゼロ『カレン!!よくやった!!C.C.、ハドロン砲を使え』
C.C.『言われずとも』ゴォォォ
スザク『くそ!!』
コーネリア「魔法剣マジカルソードだ!!枢木!!」
スザク『イエス、ユア・ハイネス!!』シャキン
コーネリア「リリカル・サイキック・ざぁぁぁん!!!」
スザク『うおぉぉぉ!!!』
ゼロ『撃て!!』
C.C.『ハドロン砲、発射』ゴォォォ
スザク『つっ!!』
カレン『もう一撃!!!』
コーネリア「触手か!!このままでは魔法少女の貞操が死んでしまう!!」
スザク『死ぬ……』キュィィン
スザク『僕は生きる!!!』
C.C.『坊やのかけたギアスだろ?』
スザク『俺は生きなければならないんだぁぁぁぁ!!!!』
コーネリア「こら!枢木!!どうした?!」
スザク『うおぉぉぉぉ!!!!』ガキィィン
カレン『うわぁぁぁ!!!』
スザク『俺は生きる!!死ねないんだぁぁぁぁ!!!』
ゼロ『まずい!!』
コーネリア「これが覚醒か……」
C.C.『退却するぞ。単機だからと甘くみてしまったな』
ゼロ『まあいい。この勝ち星でコーネリアがどうなるものでもない』
C.C.『よし』
スザク『うわぁぁぁぁぁ!!!!』
コーネリア「魔王を退けたか」
コーネリア「見たか!!民衆よ!!これがコーネリア・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタニアの力だぁ!!」
ギルフォード「姫様!!ご無事ですか!?」
コーネリア「ああ。何とも無い」
ユフィ「まさか、ゼロが現れるとは思ってもみませんでしたね」
コーネリア「そうだな。枢木はよくやってくれたよ」
ダールトン「姫様ぁ!!」
コーネリア「どうした?」
ダールトン「既にネット界隈は姫様の話題で持ちきりです」
コーネリア「ほう?」
ギルフォード「マジ萌え~。総督タンキタコレ。コーネリア様に踏まれたい。魔法の国のお姫様は実在したんや。などなど、様々な賛美が飛び交っていますね」
ユフィ「やりましたね、お姉様!!」
ダールトン「無論、全ての人間がいいと思っているわけではないようですが」
コーネリア「そういう輩はどこにでも沸く。好きに言わせておけ」
ギルフォード「ユーフェミア様にさせろカス。という意見もありますね」
ユフィ「わ、私ですか?!そんな恐れ多い……」
ゼロ「あれで民衆の支持を得たのか?」
ディートハルト「ネットを見る限り、ではありますがね。あの武人コーネリアがしたということが大きいでしょう。人は意外な一面に弱いものですから」
ゼロ「くそ……折角、黒の騎士団に傾きかけていた風が……!!」
カレン「ゼロ、早く手を打ったほうが」
ゼロ「分かっている」
ディートハルト「コーネリアは恐らく、我々との戦いと全てショーにしてしまうつもりなのでしょう」
ゼロ「ショー?」
ディートハルト「ええ。ゼロのことを魔王と呼称し、さらには民衆に対し何度も呼びかけていましたから」
ゼロ「つまり、黒の騎士団が悪だと明確に印象付けたいということか」
ディートハルト「はい。戦えば戦うほど、黒の騎士団に対する民の心象は悪くなるでしょうね」
ゼロ「ちぃ……やってくれる……コーネリア……」
藤堂「ゼロよ。どうする?」
ゼロ「藤堂……」
藤堂「このままでいいのか?!私は許せない!!日本を……日本人を……侮辱するあの行為には!!!」
ゼロ「そうだな……。しかし、どうする。コーネリアが戦いをショーにする限り、我々は常に悪役を演じなければならない」
ゼロ「恐らく、この戦いにどんな論理も通用しない。コーネリアに歯向かうもの全てが悪となる」
ディートハルト「ですが、コーネリアは結局武力での解決しか行っておりません。そこを理論的に説明すれば……」
藤堂「無駄だな」
ディートハルト「なんですって?」
ゼロ「どういうことだ?」
藤堂「既にコーネリアは正義の魔法皇女として認知されている。しかも、ネット掲示板でもスレが乱立するほどに」
ゼロ「それがどうした」
藤堂「植え付けられた種子は既に根を生やしている。それらを取り除くことなどどんな言葉を持ってしてもできん」
ゼロ「なるほどな。人は奇跡に弱いものだからな」
藤堂「魔法もまた然り」
ディートハルト「ですが、あれは魔法ではない。科学力だ」
藤堂「人が理解できない力は魔法と同じだ!!!何も知らぬブリタニア人め!!口を挟むな!!!」
ディートハルト「は、はい」
藤堂「ああ。同じことをする」
ゼロ「目には目をか」
藤堂「その通り。こちらも魔法少女を輩出するべきだ」
ゼロ「魔法少女か。こちらにもガウェインがあるし、やれないことは―――」
藤堂「まて、ゼロ。それではダメだ。二番煎じといわれ叩かれるに決まっている」
ゼロ「だが、それしか……」
藤堂「元来、魔法少女は大きく分けて3種類ある。変身ヒロイン、戦闘美少女、邪道魔法少女だ」
ゼロ「ふむ」
藤堂「コーネリアはどう見ても邪道魔法少女として正義を語っている。ならばこそ、こちらは正統派戦闘系魔法少女として立ち向かうべきだろう」
ゼロ「それで我々が正義だと思わせることができる?」
藤堂「無理だな。我々は後から出てきた。それに攻撃もしてしまっている。何をどう取り繕っても悪役から抜けだせん」
ゼロ「なんだと?」
藤堂「だが、正統派魔法少女が悪役を演じる。そのギャップは人心掌握を可能にする!!」
ゼロ「それは本当か!!藤堂?!」
ゼロ「なるほどな。だが、ガウェインに乗せないことには活動圏も狭まるぞ?そもそもランスロットに対抗できない」
藤堂「それは心配しなくてもいい。ゼロが出撃している間にラクシャータに頼んでおいた」
ゼロ「ラクシャータに?」
藤堂「小型フロートユニットだ」
ゼロ「小型……?」
藤堂「背中に付けるタイプが理想的だが、それではインパクトがなく、また可愛くも無い」
ゼロ「どこに装着するというのだ?」
藤堂「足だ」
ゼロ「足?」
藤堂「両足にフロートユニットを付けて、空を自由に飛ぶ。安全性が極まれば玩具として商品化もできる」
ゼロ「お前、もうそんなことまで」
藤堂「黒の騎士団は資金難だからな」
ゼロ「奇跡の藤堂……流石だな」
藤堂「日本人の常識だ」
モニター『見てください!!魔法皇女コーネリアのグッズ専門店ができました!!すごい行列です!!』
ディートハルト「広報活動の賜物ですね。コーネリアの支持率は78%。イレヴンの中でも支持する声は増えつつあります」
ゼロ「小型フロートユニットの完成は急務か」
ラクシャータ「ゼロォ。いいかい?」
ゼロ「……できたのか?」
ラクシャータ「できたよぉ。ラクシャータ特製小型フロートユニット『ストライカーユニット』だ」
ゼロ「これが」
ラクシャータ「まだ、実験はしてないけどね」
ゼロ「テストパイロットなら適任者がいる」
ラクシャータ「誰だい?」
ゼロ「……」
C.C.「なんだ?」
ゼロ「付けろ」
C.C.「断る」
C.C.「空中で爆発なんて考えるだけでも恐ろしいことをこの私にさせるのか?お前、外道すぎるぞ」
ゼロ「しかし……」
ラクシャータ「小型輻射波動機構も作ったんだけど」
ゼロ「それは……」
ラクシャータ「右腕に装着して使う。マジカルウェポンも必要だろぉ?」
ゼロ「尚更、C.C.だな。つけろ、魔女」
C.C.「断る!!そんなのはもう卒業したんだ!!」
ゼロ「ええい!!取り押さえろ!!」
藤堂「すまん!!」
カレン「みんなのためだから!!」
千葉「協力しろ!!」
玉城「やっほー」
C.C.「こ、こら!!どこを触っている?!玉城ぃ!!」ゲシッ
ゼロ(よし。この実験が成功すれば……くっくっくっく……コーネリア、お前の最後だ……!!!)
C.C.「……」ブゥゥン
ゼロ『調子はどうだ?』
C.C.「快適なのが腹立つな」
ゼロ『ふははは……さて、主賓が着たぞ』
C.C.「なに?」
コーネリア「民よ!!私はコーネリア・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタニアである!!今日もエリア11の平和は私が守る!!」
スザク『ヴァリヴァリ』
コーネリア「よしよし、今日もいい子だな、ランスロット?」ナデナデ
スザク(除隊したい)
C.C.「お、おい!!こんな話、聞いてないぞ!!」
ゼロ『前回と同じシチュエーション。ここで勝てば我々は魔法皇女コーネリアの正統なライバルとして認知させることができる』
C.C.「あのなぁ?!」
ゼロ『台詞は頭に入っているな?お前は正統派戦闘美少女だ。ぬかるな』
C.C.「くそ……この状況では逃げることも……ルルーシュめ……あとでお尻パンチだ」
コーネリア「なんだ?」
スザク『あれはC.C.……なんで空中にいるんだ?あの足に装着しているのは……』
ロイド『あれは!!小型のフロートユニットォ?!ラクシャータぁぁ……!!』
セシル『黒の騎士団はもうそんなものを……!?』
コーネリア「貴様ぁ!!何者だ!!」
C.C.「わ、私は光の国からやってきた、ギアスの姫!!プリンセスC.C.!!」
コーネリア「光のの国だと?そのような場所からなんの用だ?観光かな?」
C.C.「違う。コーネリア、お前……じゃない、あなたを魔法の世界に連れ戻しに来た……のよ」
コーネリア「なに?!刺客か?!」
C.C.「魔法の世界の姫が人間界に居続けることはできないことは知っているはず!!」
コーネリア「私には民を守る義務がある」
C.C.「それでも魔法の世界の秩序を乱していることには変わりがないだろう……ないわ」
コーネリア「ふふふ。面白い!!プリンセスC.C.!!そこまで言うなら魔法で勝負だ!!お前が勝てば大人しく魔法の世界に帰ってやろう」
C.C.「よ、よーし。負けないんだからぁ。―――ルルーシュ、絶対にあとでお尻キックだからな……」
スザク『イエス、ユア・ハイネス!!』
C.C.「くっ……!!」
コーネリア「そのような小さな体ではこのランスロットに敵うまい!!」
C.C.「きゃ、きゃあ……やだぁ……こわいぃ……」
コーネリア「私の魔法のすごさを見せてやろう。―――リリカルぅ……マジカルゥ……」
スザク『ヴァリス、セット』
C.C.「……!」
コーネリア「ヴェィリース!!!」
スザク『発射!!』バキュゥゥン
C.C.「ストライカーユニット、ターボ!!」ギュゥゥゥン!!!
コーネリア「なんだと!?」
スザク『なんて早さだ!!』
C.C.「甘いな、コーネリア。見かけに騙されてはお終いだぞ?次はこちらの番だ」
C.C.「―――とっておきぃ、ギアスマジック!!輻射波動……じゃなかったか……。もういい。面倒だ。輻射波動でいいか」
コーネリア「おのれ……C.C.……」
C.C.「コーネリア、どうしても魔法の国に戻ってきてほしいの」
コーネリア「だが、私には愛すべき人たちが……!!」
ゼロ『C.C.、技名は『マーブルスクリュー』だからな』
C.C.「ああ、思い出したよ。ありがとう。―――ひっさつ!!マーブルスク―――」
ゼロ『C.C.!!気をつけろ!!何かが接近してくる!!』
C.C.「なに?!」
ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~♪ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~♪
スザク『この歌は!?』
セシル『回線をジャックされているわ。強制的に流れてくるみたい』
スザク『この声……どこかで……』
C.C.「誰だ!?」
『お姉様、助けに来ました!!』
コーネリア「その声は……!」
スザク『ユフィ?!』
コーネリア「おまえ……その姿は……!!」
ユフィ「背中の翼は小型フロートユニットです」
C.C.「なんだと……もう一人……?」
ゼロ『ブリタニアも開発に成功していたのか?!』
ラクシャータ『プリン伯爵……』
ロイド『ラクシャータ、君のほうが若干小さい。僕は悔しいよ……』
C.C.「おい、どうする!?このままでは……」
ゼロ『くそ……』
スザク『ユフィ?!その頭の猫の耳は?!』
ユフィ「妹だから耳がいるらしいです」
スザク『はぁ……』
コーネリア「よし、ユフィ!!今こそ、私たち姉妹の力をみせるときだ」
ユフィ「はいっ!お姉様!!」
C.C.「この!!邪道にもほどがあるだろう!!」
コーネリア「ランスロット、仕掛けるぞ!」
スザク『イエス、ユア・ハイネス!!』
C.C.「ええい、このままでは!!」
コーネリア「マジカルぅ……リリカルぅ……」
ゼロ『後退だ!!C.C.!!』
C.C.「言われなくてもそうする、よ!!」ギュィィィン
コーネリア「ヴァェィス!!!」
スザク『ヴァリス、発射!!』
ユフィ「マジカル・RPG!」
C.C.「な―――」
ドォォォォン!!!!
コーネリア「よし。危機は去った」
ユフィ「やりましたね、お姉様」
藤堂「C.C.は?」
ゼロ「心配するな。重症ではあるが命に別状はない」
藤堂「不覚だった。ピンチになれば颯爽と現れる妹……。向こうにも軍師がいる」
ゼロ「これでは我らの存在意義が」
ディートハルト「ゼロ。そうでもありません」
ゼロ「どうした?」
ディートハルト「プリンセスC.C.は圧倒的な人気を得ています」
ゼロ「なんだと?」
ディートハルト「恐らく、小動物的な仕草をしたのが良かったのでしょう。嗜虐欲を刺激されたと思います」
ゼロ「そうか……。あれだけでも民衆の心を惹くことはできるのか」
藤堂「ゼロ、こちらも対抗手段を用意したほうがいい。また後手に回る可能性もある」
ゼロ「……そうだな。対抗手段と切り札を用意しておくべくか」
藤堂「では、紅月カレンで早速テストしてみよう」
ゼロ「ああ……頼むぞ……」
スザク「ユーフェミア様!!危ないではないですか?!」
ユフィ「ごめんなさい。でも、どうしてもお姉様をお助けしたくて」
スザク「ユフィ……」
コーネリア「本当に助かった。まさか、ここで登場するとは思わなかったがな」
ギルフォード「黒の騎士団が同様の方法で戦場に来ることは想定していましたから」
コーネリア「ありがとう、ギルフォード」
ロイド「でも、まだ小型フロートユニットは一つしかできてないんだよね」
セシル「ええ。急いで量産しないと。次に戦うときは恐らく、向こうも……」
ロイド「ラクシャータぁ……」
セシル「ロイドさん……」
コーネリア「ふむ。こちらももう一人ぐらい魔法戦士が欲しいところだな」
スザク「誰かいるでしょうか……」
コーネリア「枢木。できれば年下がいい。私とユフィだけでは平均年齢がすこしだけ高いからな」
スザク「年下……ですか……」
ルルーシュ(急いで戦力を補強しなくては……)
ナナリー「お兄様、お帰りなさい」
ルルーシュ「ただいま。ナナリー」
咲世子「ルルーシュ様、では私はこれで失礼させていただきます」
ルルーシュ「ありがとうございます。また、明日もお願いしますね」
咲世子「はい」
ナナリー「お兄様、聞きましたか?ユフィ姉様のご活躍を」
ルルーシュ「虐殺天使だろ?どうしてあんなネーミングにしたのかわからないな」
ナナリー「でも、いいと思いますよ?天使のように優しいユフィ姉様と不釣合いな虐殺という単語をつけることによってそこから生まれる懸隔は人の耳に残りますしインパクトだって―――」
ルルーシュ「ナナリー、ご飯にするか」
ナナリー「あ、ごめんなさい。私ばかり話してしまって」
ルルーシュ「気にするな。今日はゆっくりできる」
ナナリー「本当ですか?やったぁ。嬉しいです」
ルルーシュ(ナナリーのためにも……コーネリア……!!)
ニーナ「ぴぴるぴるぴるぴぴるぴー」
シャーリー「会長、ニーナは何をやってるんですか?」
ミレイ「ああ。虐殺天使ユーフィミアのテーマソングの別バージョン作ってるって」
シャーリー「あのときの歌ってニーナが?!」
ミレイ「そうそう。テーマソングを公募してたからね、ユーフェミア様」
シャーリー「知らなかった……」
ニーナ「ふふふ……ユーフェミアさまぁ……魔法の擬音で~……」
スザク「シャーリー、よかった」
シャーリー「どうしたの?」
スザク「魔法少女に興味はないかな?」
シャーリー「ない」
スザク「そうか……」
ミレイ「どうしたの?魔法少女なんて」
スザク「それが魔法少女になってくれる人材を探しているんです。でも、中々見つからなくて」
スザク「そうなる」
シャーリー「それって一般人でもいいの?」
スザク「武装を身に着けてこちらの指示通りに動いてくれればいいからね。特別な訓練はいらない。魔法少女だし」
ミレイ「私じゃだめ?楽しそう」
スザク「すいません。年齢制限が……」
ミレイ「えー?」
シャーリー「私ならいいの?」
スザク「17歳以下らしいから」
ミレイ「じゃあ……」
シャーリー「ですねえ……」
スザク「え?」
ナナリー「マジカル・ダーッシュ」ウィィィン
スザク「ナナリー……」
ナナリー「スザクさん?どうかしたのですか?」
ルルーシュ「……」
C.C.「よし。完全回復だ」
ルルーシュ「魔法少女も驚きの回復力だな。お前、悲惨な状態だったのに」
C.C.「悲惨な飛散をしたか?」
ルルーシュ「魔法少女失格だな」
C.C.「それは嬉しい。もうあんなことは御免だ。千葉あたりにやらせればいい」
ルルーシュ「お前でなければならない。既にお前は民衆にとっての偶像だからな」
C.C.「また、あんな恥ずかしい格好をしろというのか?!」
ルルーシュ「今度はセーラー服にスクール水着だ。衣装チェンジはパワーアップしたことを一目でわかるようするためだ。文句は言うな」
C.C.「なんのパワーアップだ……」
ルルーシュ「それにカレンにも同じ格好をさせる。問題はないだろ?」
C.C.「そういう問題じゃない!!」
ルルーシュ「切り札……あと一人……誰かいないか……」
C.C.「話をきけ」
カレン「爪弾くは荒ぶる調べ!!紅月カレンっ!!」
藤堂「違うな、却下だ」
カレン「はぁ……」
ゼロ「藤堂、調子はどうだ?」
藤堂「まずまずと言ったところだな。しかし、紅月くんの名乗りと決め台詞が中々決まらなくてな」
ゼロ「本名のままでいくのか?」
藤堂「迷っている」
ゼロ「折角月という言葉があるのだから、それを利用してみればいいだろう」
藤堂「そうか。では、プリンセスムーンメイクアップで頼む」
カレン「……プリンセスムーン!!メイクッ!!アップ!!!」
ゼロ「……違うな」
藤堂「何故かしっくり来ない」
カレン「それって私が可愛くないってことですか?」
ゼロ「そうだな。カレンはどちらかと言うと美人だ」
ゼロ「藤堂、任せたぞ」
藤堂「ゼロよ。見つかったのか?」
ゼロ「いや。まだだ」
藤堂「早くしたほうがいい。胸騒ぎがする」
ゼロ「藤堂……」
藤堂「……忘れてくれ」
ゼロ「……」
藤堂「ゼロ。これは独り言だ」
ゼロ「……」
藤堂「三人目は……神楽耶様を推す」
ゼロ「……!!」
藤堂「独り言だ」
ゼロ「分かっている」
カレン「フルアーマー・カレン!!!けん、ざんっ!!」
スザク(とてもじゃないがナナリーに協力を頼むなんてできない……)
スザク「でも、三人目は……」
コーネリア「枢木」
スザク「総督?!あの、すいません。まだ、三人目は……」
コーネリア「いや、よい。三人目は見つかった」
スザク「誰なのですか?」
コーネリア「中華連邦は日頃からブリタニアに媚を売ってきていたからな、利用してやろうと思う。やつらも自国の発展とパイプ作りに余念がないのだろう」
スザク「中華連邦に年下の女の子がいるのですか?」
コーネリア「お飾りのトップだよ。いい政治の玩具にされている」
スザク「それって……」
コーネリア「天子だ。知っているだろ」
スザク「ええ……ですが……」
コーネリア「これは聖戦。マジカルでリリカルの奴だけが参加できる。お前は……違う。お前はランスロットというマスコットの動力にすぎない。いいな?」
スザク「イエス……ユア・ハイネス……」
シャルル「ほう……。その情報に嘘偽りはあるまいなぁ……?」
側近「はい」
シャルル「そうか。下がってよい」
シャルル「……」
アーニャ「どうするの?やるなら、やるけど」
シャルル「ふふ……ふはははははは……ぬぁっはっはっはっはっはっは!!!!」
シャルル「よぉい!!よぉい催しだぁ、コォォネリアァ。ワシはいまぁ!!!心の底から打ち震えておぉぉぉるぅ!!!」
アーニャ「……」
シャルル「魔法皇女!!魔法少女!!これこそ正義!!!その肩書きは嘘などつかなぁぁぁい!!!!」
アーニャ「行くの?」
シャルル「この余興に参加せずしてどぉぉぉするぅ!!!」
アーニャ「じゃあ、行きましょう」
シャルル「魔法皇女コォォォネリアァァ!!!時はきたぁぁぁ!!!!」
シャルル「オール・ハイル・ブリタァァァニア!!!!」
ナナリー「ユフィ姉様、また演説を行うようですね」
咲世子「ナナリー様。折角ですし、現地に行ってみませんか?」
ナナリー「いいのですか?」
咲世子「はい」
ナナリー「でも、お兄様に……出るなって」
咲世子「このことは内緒ですよ」
ナナリー「咲世子さん……」
咲世子「では、お出かけの準備をいたしましょう」
ナナリー「はい」
咲世子「ふふ……よかったです」
ナナリー「え?」
咲世子「最近、少し元気がないようでしたので」
ナナリー「いえ。これは、あの……コーネリア姉様がどうしていつまでもマスコットと称してナイトメアに乗っているのかを思考していたのですそもそも魔法少女は自力ないし小物を用いて空を飛翔するべきで―――」
咲世子「わかりました。そのお話はあとでゆっくりと聞きます」
ゼロ「時は来た。憎きブリタニアは挑発ともとれるイベントを行う」
藤堂「コーネリア姉妹による演説か」
ゼロ「その通り。またランスロット単機。護衛はなし。これは我々に対する挑戦状を受け取った」
C.C.「で、また擬似魔法合戦をやるのか?勘弁してくれ」
カレン「戦いに代わりないでしょ?」
神楽耶「あのぉ……私なんかでよろしいのですか?」
ゼロ「神楽耶様に期待しているのはその魅力溢れるカリスマ性です。比較的安全圏で戦えるように配慮します」
神楽耶「はい」
C.C.「で、この服はなんだ?」
ゼロ「下着じゃないから恥ずかしくないだろ?」
C.C.「下着のほうが恥ずかしくないな。そもそも、カレンの衣装がまるで違うじゃないか。どうして体操着に犬の耳と尻尾なんだ?」
藤堂「私の趣味だ!!」
C.C.「……」
カレン「わんわんカレン!!いつでもいけます!!」
コーネリア「よし。ユフィ、準備はいいか?」
ユフィ「本当にゼロはくるのでしょうか?」
コーネリア「ここまで挑発してやったのだ。来ないわけがない」
ロイド「じゃあ、動かし方覚えた?」
天子「は、はい……でも……あの……私、戦いなんて……」
星刻「天子様。大丈夫。私の指示を信じてください」
天子「しんくぅ……」
星刻「そのミニスカート、最高です」
天子「しんくー!!」ギュッ
星刻「がはっ?!くそ……こんなときにぃ……!!」
スザク「総督、自分は反対です!!あのような小さな女の子を……」
コーネリア「ゼロも同年代以下を用意している。何も問題はない」
スザク「しかし!!」
コーネリア「くどいぞ。枢木、お前は黙って動力になっていればいいのだよ」
コーネリア「よし。このあたりでいい」
スザク『イエス、ユア・ハイネス』
コーネリア「ユフィ」
ユフィ「はーい」ブゥゥゥン
コーネリア「民よ!!私は魔法皇女コーネリア・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタニアである!!」
ユフィ「虐殺天使、ユーフェミア・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタニアです!!」
コーネリア「今日はいい天気だ。実はこれも私の魔法のおかげだったりする」
ユフィ「素敵です。お姉様」
コーネリア「でも、お前の花を咲かせる魔法には劣るよ」
ユフィ「お姉様……」
セシル『枢木准尉!!熱源反応を確認!!このサイズは……人間よ!!』
スザク『来たか……カレン!!C.C.!!』
C.C.「……」ブゥゥゥン
カレン「わんわんわんわんわんわん!!!!」ブゥゥゥン
C.C.「ああ。またきてった」
ゼロ『やる気を出さなければピザ抜きだ』
C.C.「ぐっ……。―――いつまで、人間界にいるつもりなの?私だってパパに怒られちゃうんだよ!?」
ユフィ「そちらのかたは……?」
カレン「あたし?あたしは―――ワンワン王国の姫君、わんわんカレン!!」
ユフィ「どこの国ですか?」
カレン「犬の妖精がいっぱいいる国よ。名前でわかるでしょ」
ユフィ「ごめんなさい」
カレン「プリンセスC.C.の頼みで貴方達を魔法の世界に連れて帰るお手伝いにきたの。覚悟してよね」
ゼロ『カレン。語尾にワンだ』
カレン「ワン!」
ゼロ『よし』
コーネリア「面白い。だがな、こちらにも帰る訳にはいかない。人間たちを守りたいから」
ユフィ「そうです。魔法の国だけが平和じゃだめなんです。この争いの絶えない人間界を救ってこその魔法だと思いませんか?!」
カレン「よっしゃぁ!!やってやるわよ!!ワン!!」
ユフィ「そんなどうしてわかってくれないのですか……私は……私は……戦いたくありません!!」
カレン「綺麗事で戦場に立つなぁぁ!!!」
ユフィ「―――リリカル・ショットガン!!」
カレン「え?!」
ユフィ「くだけてください♪」バァァン
カレン「あぶなっ!?」ギュィィン
ユフィ「おしい」
コーネリア「わんわんはユフィに任せる」
ユフィ「わかりました」
カレン「わんわんじゃない!!わんわんカレンだ!!」
ユフィ「マジカル・マグナム!!」バァァン
カレン「やめてぇ!?」
C.C.「大丈夫か、カレンの奴」
C.C.「それをしちゃうとパパに怒られちゃうもん。コーネリアこそ、早く帰ってきてよぉ。また一緒にケーキとかつくろ?ね?」
コーネリア「悪いが……それだけはできない!!マジック・ハーケン!!!」
スザク『イエス、ユア・ハイネス!!スラッシュハーケン!!』バシュッ
C.C.「触手、やだぁぁー!うぇぇぇん……!!」ブゥゥン
C.C.(ルルーシュ……末代まで祟ってやる……!!)
スザク『やはり、機動力は向こうが上か』
コーネリア「小回りが利くだけだ。魔法剣ヴァルキュリアソード!!」
スザク『イエス、ユア・ハイネス!!』シャキン
コーネリア「超・重・ざぁぁん!!」
スザク『うおぉぉ!!』
C.C.「くっ……」ギュィィィン
C.C.「―――掴まえたっ!」ガキィィン
コーネリア「しまった!」
C.C.「マーブル・スクリュぅぅぅ!!」
C.C.「なに?!お前……正気か!?ユニットもなしにシートから動くなんて!?」
コーネリア「接近戦ならば肉体言語で語るまでだ!!」
C.C.「くそ!!させるかぁ!」
コーネリア「遅いぞ!!―――プリンセス・アルゼンチンバックブリーカー!!!」グイッ
C.C.「あぁぁ!??!?」
コーネリア「どうだ……皇の必殺技は?」ググッ
C.C.「あぁぁぅぅう……ひゃぁ……!!」バンバン
コーネリア「降参か?」
C.C.「……!!」コクコク
コーネリア「ならば、その足のフロートユニットをよこしてもらおうか」
C.C.「それは……でき……」
コーネリア「……ふんっ」ゴキッ
C.C.「あがぁ?!」
コーネリア「早く渡せ。私も辛いのだからな」
ゼロ『カレン!C.C.の援護に回れ!!』
カレン「わんわん!!」ギュィィン
ユフィ「待ってください。あなたの相手はこの私です」
カレン「この……温室育ちの皇女がぁ!!」
ユフィ「カチーンです!今の言葉、撤回してください。でないと……マジカル・RPGですよ!!」バシュ!!!
カレン「ふん。いつまでも逃げてると思ったら、大間違いよ!!」
カレン「わんわんマジックぅぅ……わんわんハドロン!!!」ゴォォォォ
ユフィ「きゃぁ?!な、なんですか?!」
カレン「ハドロンバズーカ砲。どう?びっくりした?」
ユフィ「リリカル・手榴弾!!」ポイッ
カレン「空中で投げるな!!」バシッ
ユフィ「そう、優しい貴方は掴むしかない……」
カレン「ちっ!!こんなもの!!ランスロットぶつければぁ!!わんわんカウンター!!」ポイッ
ユフィ「ああ!!なんてことを?!」
コーネリア「なんだと?」
カンッ……コロコロ……
C.C.「これ、手榴弾か……」
コーネリア「なに―――」
ドォォォォン!!!!
スザク『総督!!!』
セシル『枢木准尉!!報告を!!』
スザク『ランスロットのダメージは軽微です』
セシル『違う!!そうじゃなくて!!総督が落ちたんじゃないの?!』
神楽耶「―――心配はいりませんわ」ブゥゥン
C.C.「おお……神楽耶……きてくれたか」
天子「ふーん……ふーん……」ブゥゥゥン
コーネリア「がんばれ……天子……」
天子「お、おもい……」
ユフィ「中華連邦の天子様です」
カレン「天子……様……」
天子「うー……よいしょっと。だ、大丈夫、ですか?」
コーネリア「ああ。すまなかったな」
スザク『お怪我はありませんか?』
コーネリア「掠り傷だ」
ゼロ『やはり向こうも切り札を用意していたか。だが、見るからに後方支援タイプだな。問題はなさそうだ』
コーネリア「予定よりも少しばかり早い投入となったが、構わない。天子よ。己が力、見せてみよ!!」
天子「は、はい」
神楽耶「天子様、何を……」
天子「ごめんね、かぐやぁ……。―――愛よ!勇気よ!希望よ!!愛と勇気と希望の名のもとに!!マジカルエンジェル、テーンシ!!」
天子「スカートだから……見えてしまいます……」モジモジ
C.C.「神楽耶、気をつけろ」
神楽耶「わ、分かっていますわ」
神楽耶「は、はい!」
神楽耶「ファンファン、ファイン。ランラン、レイン。プロミネンス ドレスアップ!!かーぐやっ☆」
コーネリア「ほう……。天子、奴はお前に任せるぞ」
天子「は、はい」
神楽耶「天子様……」
天子「かぐやぁ……ごめんなさい。ビューティーセレインアロー……」ガシャン
カレン「なにあれ?!」
ユフィ「開発途中の4連ハドロン砲。シュタルケハドロン砲です」
カレン「はぁ?!あんな小さな子になんてものを……!?」
天子「マジカルシュー!!」カチッ
C.C.「神楽耶!!逃げろ!!」
神楽耶「そうはいきませんわ」
神楽耶「―――絶対守護領域!!乙女の心!!」キュィィン
天子「え……効かない……のですか……?」
ロイド『またラクシャータ……』
天子「そんな……練習したのに……」
スザク『いまだ!!』
コーネリア「枢木!?」
スザク『やはり間違っています!!こんな子を戦場に出すなんて!!』
コーネリア「まて?!何をするつもりだ?!」
スザク『天子様!!申し訳ありませんが、落とさせてもらいます!!』
天子「え?!」
星刻『なにをしているぅぅぅ!!!やめさせろぉ!!!!』
神楽耶「C.C.さん!!」
C.C.「巻き込まれる。逃げるぞ」ブゥゥン
神楽耶「はい」ブゥゥン
スザク『ヴァリスを使う!!』
天子「ひっ……」
天子「で、でも……」
カレン「させるかぁ!!」
ユフィ「相転移エンジン。出力安定。いつでもいけます」
カレン「まだ、そんなものを……!?」
ユフィ「グラビティ・ブラスト、発射」
カレン「ただのRPGじゃ―――」
ドォォォン!!!
ゼロ『カレン!!応答しろ!!わんわんカレン!!』
カレン「わぁぁん……」
ゼロ『C.C.!!神楽耶様!!カレンの救出を!!』
C.C.「分かっている!!」
ユフィ「ふふ……させませんよ」
C.C.「……!!」
ユフィ「マジカル・ナパーム弾」ポイッ
天子「やだぁー!!しんくー!!」ブゥゥン
スザク『くそ!!』
セシル『枢木准尉!!うしろ!!』
スザク『え?』
コーネリア「どうし―――」
ユフィ「えーい」バラバラ
セシル『ナパーム弾を受け止めて!!』
スザク『イエス、マイロード!!!』
コーネリア「ユフィ!!やめろ!!何をしている!!」
ユフィ「あれ?お姉様?」
スザク『くそぉぉ!!!』
ドォォォン!!!
ゼロ『ランスロットは落ちたか!!天子様も離脱!!ふはははは!!あとはユーフェミアを残すのみか!!』
C.C.「何もしてないが、いいのか……」
C.C.「神楽耶、カレンを!!」
神楽耶「はい!カレンさーん!!」ブゥゥゥン
ゼロ『ちぃ……C.C.、カレンと神楽耶様が戻ってくるまで、時間を稼げるか?』
C.C.「そう容易い相手じゃないと思うがな」
ユフィ「ひどい……お姉様とスザクを……私は……私は……許しません!!」
C.C.「そっちが酷いことしてるんでしょ?ぷんぷん」
ユフィ「リリカル・LRAD」ドンッ
C.C.「は?」
ゼロ『それは音響兵器だ!!逃げろ!!』
ユフィ「マジカルスイッチ、オン」カチッ
C.C.「がぁ……ぁ……!!」
ユフィ「ふふふ……」
C.C.「こんな……ものまでぇ……」
ユフィ「では、魔法のスタンロッドで最後にします」
藤堂『時も止められぬ輩が現代兵器を用いて魔法少女を語るとは……!!!』
ユフィ「さぁ……いきます!!」ブゥゥゥン
C.C.「……私の右腕は電子レンジだぞっ」ガシッ
ユフィ「その輻射波動とこの魔法のスタンロッド『ドゥリンダルテ』はどっちが強いのでしょうか」バチバチバチ
C.C.「このぉ……!!」
ユフィ「ふふふ……出力最大です!」
C.C.「うっ!?」
『そぉこまでにしてもらおうかぁ、ユゥフェミアァ……』
ユフィ「え……」
C.C.「だ、誰だ……」
シャルル「ワシが!!!魔法皇帝!!シャルル・ジ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタァァニア!!!」ブゥゥゥゥン!!!!
アーニャ「……」ブゥゥゥン
ゼロ『あれはシャルル!!』
藤堂『しかも、あれは……ストライカーユニット!!』
やめろ・・・
ズゥゥゥン!!!
咲世子「な、なんの音でしょうか」
ナナリー「咲世子さん行きましょう」
ナナリー(今、とても大変なことが起こっている……私にもできることを……)
咲世子「これは……」
ナナリー「なんですか?」
咲世子「ランスロットですね。怪我人もいるようですね。―――スザクさん!!コーネリア皇女殿下!!」
ナナリー「え?!」
咲世子「大丈夫ですか?!」
スザク「あ……ぅ……」
ナナリー「スザクさん!!コーネリア姉様!!しっかりしてください!!」
スザク「ナナリー……僕は……もう……だ……め……」
ナナリー「スザクさん!!スザクさん!!」
コーネリア「ナ、ナナリーか……ふふ……因果なものだな……再会の場所がこんな戦場とは……」
シャルル「ぬぁっはっはっはっはっはっは!!!!!ユーフェミア、随分とやりおってぇ……!!」
ユフィ「お、お父様……」
シャルル「これはぁ……躾が必要かぁ……」
ユフィ「い、いや……」
アーニャ「逃がさない」ブゥゥン
ユフィ「なっ?!何をするのですか?!無礼者!!」
C.C.「シャルル……何が目的だ……」
シャルル「コーネリアが考案したイベントに実のぉ父親がぁ参加せずしてどぉぉするぅ」
C.C.「お前……まさか……」
ゼロ『C.C.!!シャルルを殺せ!!』
C.C.「無理だ。先ほどのスタンロッドの所為で輻射波動機構が死んだ」
ゼロ『なんだと』
C.C.「もう一つ、残念なお知らせだ。フロートユニットのエナジーフィラーがもう尽きる」
ゼロ『なに……!!カレンと神楽耶様はどうなっている?!』
ユフィ「な、なにを……」
シャルル「遊ぶぞぉぉ!!!ユーフェミアァァ!!!!」
ユフィ「ひっ?!」
アーニャ「だめ、逃げないで」
ユフィ「な、なんで?!」
アーニャ「たまには遊んであげて」
ユフィ「い、いやです!!」
シャルル「魔法皇帝!!シャルル・ジ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタァァニア!!!が相手になってやるぅぅ!!!」
ユフィ「お父様!!これはあくまでも支持集めの一環で皇帝陛下が来ても―――」
シャルル「もぉんどう!!むよぉぉう!!!」ブゥゥゥン!!!!
ユフィ「いやぁ!!―――スザクー!!」
ランスロット「……」ゴォォォ!!!!
シャルル「ぬぁった?!」
C.C.「あれはランスロット……。こんなときに……!!」
コーネリア「無事か!!ユフィ!!」
ユフィ「お姉様ぁ!!」
シャルル「ほう……中々、しぶといやぁぁつぁあ!!」
コーネリア「……」
シャルル「でぇはぁ……さっそくぅ……」
ランスロット「お父様!!」
シャルル「なんだ!?貴様のようなデカ物を産ませたおぼえはぬぁぁい!!」
ランスロット「私です。ナナリーです」
シャルル「なに……」
ゼロ『ナナリーだと……?!』
C.C.「何をするつもりだ?」
シャルル「ふふふ……はははは……ぬぁっはっはっはっはっはっは!!!貴様かぁ!!!ナァァナリィィ!!!」
ナナリー『お父様……今年でおいくつになられたのですか?』
シャルル「へぇ?」
ユフィ「ナナリー?」
ナナリー『答えてください』
シャルル「62歳だが?」
ナナリー『もう少し落ち着いてください。魔法皇帝なんて恥ずかしくないのですか?!』
シャルル「ぬ……!!ぬぁんたるおろかしさぁぁぁ!!!ナナリィィィ!!!!ワシは!!ワシはぁぁぁ!!!!」
ナナリー『皇帝としての威厳も何もあったものではありませんね』
シャルル「ぬぁ?!」
ナナリー『あなたのような人が私の父親なんて、恥ずかしいです!!もう学校に行けません!!!』
シャルル「そこまでいうのかぁぁ!!!」
ナナリー『咲世子さん!!ヴァリスを!』
咲世子『了解』
シャルル「おのれぇぇぇ!!!!」ブゥゥゥン
ナナリー『お父様はもう少し立場というものを考えてください!!』
シャルル「ヌァナリィィィ!!!!」
というかみんな悶死
コーネリア「魔法皇帝……滅びたり……」
ナナリー『コーネリア姉様?』
コーネリア「な、なんだ……」
ナナリー『今年でおいくつになられたのですか?』
コーネリア「……」
ナナリー『魔法皇女だの虐殺天使だの……どうしてそんなことが臆面もなくできるのですか?』
ナナリー『それも魔法少女のまの字もわかっていらっしゃらないし』
コーネリア「あの……」
ナナリー『名乗りも振舞いも咲世子さんから聞き及ぶ限りでは、ただの痛い大人ではないですか!!』
コーネリア「ぐっ……」
ナナリー『とくに長い名前を作っているあたりが……もう……ダメ……です……』
コーネリア「な、ナナリー……」
ナナリー『もっと真面目に生きてもらえませんか?』
コーネリア「……ああ……すまなかった……」
ナナリー『ユーフェミア姉様?』
ユフィ「は、はいぃ」
ナナリー『なんでもマジカルとかリリカルとか付ければ可愛くなるとでも思っているのですか?それで何をやっても許されると?』
ユフィ「だってぇ……ダールトン将軍が色々と渡してくれるから、使いたくなって……」
ナナリー『その所為で地上の人たちに被害がでるとは思わなかったのですか?!』
ユフィ「お、思ったけど!!命の危険を感じたら使うようにってギルフォード―――」
ナナリー『いいわけは結構です!!』
ユフィ「ご、ごめんなさい……」
ナナリー『ユフィ姉様の年齢ではまだギリギリセーフだと思いますけど、今後は自重してください』
ユフィ「善処します」
ナナリー『私のお兄様なんて、そんな恥ずかしいこと一切していませんよ?!』
ユフィ「え……」
ナナリー『大勢の人たちの前で高笑いしたり、必死になって考えたような煽りをさもかっこよく言ったりしていません!!』
ユフィ「あ、うん……そう、だね……」
ゼロ『……』
C.C.「おい」
ユフィ「ナナリー、わかったから、とりあえず落ち着こう、ね?」
ナナリー『お兄様はいつも私の見本になろうとしてくれています』
カレン「あー……つかれた……」
神楽耶「大丈夫ですか?」
カレン「で、何事?途中でゼロと通信できなくなるし、エナジーフィラーは尽きるし……」
神楽耶「あれは……」
ナナリー『挑発されてわざわざ戦地に赴くような自意識過剰な人でもないですし、可笑しなキメポースをして呪文を唱えたりもしません!!』
ユフィ「ええ……そうね……そうよね……ルルーシュ、かっこいいもんね」
ナナリー『はい。だから、ユフィ姉様も目を覚ましてください。もうこんな恥ずかしいことはやめてください』
ユフィ「うん。やめる。目が覚めたわ」
ナナリー『よかったぁ……』
セシル『あの、今乗っているは……?』
咲世子『緊急事態だったため、拝借しました』
ロイド『君!!どこのだぁれ?!』
咲世子『篠崎咲世子ですけど』
ロイド『すばらしぃ~!!スザクくん並にランスロットを扱える人がいるなんて~!!』
咲世子『よくわかりませんが、すぐにお返しします』
ロイド『残念でした~。君、すぐには返さないよぉ』
咲世子『何故でしょうか?』
ロイド『僕は欲しいから。君のことを』
咲世子『嬉しいお誘いですが、お断りさせていただきます。私には……既に……』
ロイド『あ、いや、そんな話じゃなくて~』
咲世子『ナナリー様、そろそろ降りましょう。エナジーフィラーも限界ですし』
ナナリー『わかりました』
ロイド『あ、ちょっと!!まってよ!!!』
咲世子『知りません』
スザク「ナナリー……戦いは……?」
ナナリー「終わりました」
咲世子「さあ、スザクさん。病院に行きましょう」
スザク「僕は大丈夫ですから」
ナナリー「でも……」
スザク「ナナリー、ありがとう。僕では言葉の解決なんてできなかったと思う」
ナナリー「そんなことありません。ここだって思うところを撃てばいいだけですから」
アーニャ「ちょっと」
ナナリー「はい?」
アーニャ「……あなた、名前は?」
ナナリー「ナナリー……ですけど」
アーニャ「私はアーニャ。よろしく。そして、ありがとう」
ナナリー「え?」
アーニャ「これで私、皇帝陛下のごっこ遊びに付き合わなくて済む」
アーニャ「ありがとう。もう衝撃のなんとかって喰らわなくて済むかと思うと、嬉しい」
ナナリー「よかったです。貴方を助けることができて」
アーニャ「何かお礼を……そうだ」
ナナリー「そんないいですから」
アーニャ「これあげる」
ナナリー「これは……?」
アーニャ「皇帝陛下からもらったフロートユニット。足に装着したら、空を飛べるようになる」
ナナリー「ほ、本当ですか!?」
アーニャ「ばいばい」
ナナリー「ありがとうございます!!」
咲世子「よかったですね、ナナリー様」
ナナリー「よいしょ……よいしょ……」
咲世子「な、ナナリー様……あの……」
ナナリー「咲世子さん、ごめんなさい。装着するの手伝ってもらえませんか?」
藤堂「……千葉」
千葉「は、はい」
藤堂「私の私物を全て処分する。手伝ってくれるか……?」
千葉「でも……あれは藤堂さんが13歳のときから集めに集めたコレクションだって……」
藤堂「もう……私も……いい大人だ……卒業……しないとな……」
千葉「と、藤堂さぁん……うぅぅ……お、お手伝い……します……」
藤堂「すまない……すまない……」
ゼロ「……」
C.C.『指示をくれー』
ゼロ「撤退しろ……」
神楽耶『分かりましたわ』
ゼロ「フロートユニットは好きにしろ。廃棄するもよし、飾っておくもよし。もうそれが使われることなどないだろう。以上」
カレン『ゼロ?』
ゼロ「くっ……うぅぅ……」
カレン「C.C.、何があったの?ゼロ、涙声だった気がするけど」
C.C.「気にするな。やっと魔法少女とはおさらばだな」ポイッ
神楽耶「ちょっと残念ですわね」
カレン「折角、作ったのに……」
C.C.「なら、お前はソレをつけて戦場を駆ければいいさ。目立つぞ?」
カレン「死ぬでしょ!?」
神楽耶「……勿体無いですわ」
天子「しんくー!!!」ブゥゥゥン!!
星刻「天子さまぁ!!!お怪我はありませんか?!」
天子「うん……」
星刻「おのれブリタニアめ……天子さまを泣かせるなどとは……。いつか必ず、この恨み……我が剣を持って晴らす!!!」
天子「しんくぅ」ギュッ
星刻「がはっ?!もう少し……もう少しだけもってくれ……少しでも長く、この時間を……!!」
天子「しんくー」スリスリ
ルルーシュ「ただいま……」
ナナリー「あ、お兄様。おかえりなさい」
ルルーシュ「……ナナリー……」
ナナリー「なんでしょうか?」
ルルーシュ「ナナリー……あれは全部理由があるんだ……」
ナナリー「え?」
ルルーシュ「ああすることで……相手に……反論させないように……」
ナナリー「お兄様?何を言っているのですか?」
ルルーシュ「……」
ナナリー「お兄様……辛いことがあったのですね……私でよければ……」ギュッ
ルルーシュ「ナナリー……わざとなのか……?」
ナナリー「違います」
ルルーシュ「……ナナリー!!」ギュッ
ナナリー「お兄様ぁ!」ギュッ
ギルフォード「え?魔法皇女コーネリアは引退ですか?!」
コーネリア「ああ……。やはりそんな歳じゃなかったんだのだ……私は……」
ユフィ「私も……反省しています……」
ダールトン「しかし、もうグッズ販売も市場が拡大し過ぎていて……」
コーネリア「これ以上、私に恥をかかせる気か!!!」バンッ!!
ユフィ「ひっ」
ギルフォード「わ、分かりました。魔法皇女関連のものは全て撤退させます」
コーネリア「頼むぞ……。ああ、それから」
ギルフォード「はい」
コーネリア「私の部屋にある魔法少女関連のモノを全部処分しておいてくれ」
ギルフォード「いいのですか?あれは姫様が将来の夢は魔法少女になることと言っていた6歳から集めて―――」
コーネリア「もう言うな!!」バンッ!!!
ユフィ「ひっ」
ダールトン「姫様……うぅぅ……」
セシル「仕方ありませんね」
ロイド「まーねえ。いいパーツも逃しちゃったし……今回は骨折り損だねぇ」
セシル「あはは……」
スザク「ロイドさん、セシルさん」
ロイド「んー?どうしたの?」
スザク「暇のときでいいので、小型フロートユニットの開発続けてもらえませんか?」
ロイド「でも……」
セシル「予算のこともあるし。中々進まないと思うけど、いいの?」
スザク「ええ」
ロイド「何かあるの~?」
スザク「プレゼントしたい相手がいるんです」
セシル「そう……」
ロイド「じゃあ、暇なときに少しずつやってみるよ。期待しないでね」
スザク「ありがとうございます」
ニーナ「あぁ!!どうしてぇ?!ユーフェミア様?!何故虐殺天使を引退されるのですかぁ?!新しい虐殺音頭って曲もつくったのにぃぃ……!!」
ナナリー「ガシーン!ガシーン!―――ジャジャーン!!」
ミレイ「ナナリー、それどうしたの?」
ナナリー「これですか?マジカルアイテムです!」
シャーリー「それって……ユーフェミア様が付けてたのと一緒なの?」
ナナリー「これで……シャーリーさん。右足の側面にあるスイッチ押してください」
シャーリー「うん」カチッ
ナナリー「マジカル・フロート!!」ブゥゥゥン
ミレイ「すごいすごい」
ナナリー「これで自由にどこにでもいけます」ブゥゥゥン
リヴァル「ナナリー!!あんまり無茶するなよ!!」
ナナリー「マジカル・ターボォ」ブゥゥゥン!!!
ミレイ「おーい!!ナナリー!!!危ないから遠くにいかないでー!!」
ナナリー「はーい」
ナナリー「ああ……気持ちいい……。これが魔法少女なのですね……」
ナナリー「この世に魔法少女は私だけで―――」
ブゥゥゥゥン
ナナリー(この音は……フロートユニット……)
神楽耶「あら、ごめんなさい。ちょっと通りますわ」
ナナリー「貴方は……」
神楽耶「通りすがりの魔法少女ですわ」
ナナリー「私も魔法少女です」
神楽耶「そうですか。お友達ですわね」
ナナリー「いえ。ライバルです」
神楽耶「え……」
天子「かぐやー!!まってー!!」ブゥゥゥン!!!
ナナリー「そんなまだ……」
カレン「神楽耶様!!一人で行ったらダメですってば!!」ブゥゥゥン!!!
カレン「やば……」
神楽耶「お知り合いですか?」
カレン「いえ……しらない人です……。早く、行きましょう」
神楽耶「では、またごきげんよう」
天子「かぐやぁー」
ナナリー「……」
ナナリー「まだ完全にフロートユニットは廃棄されていなかったのですね……」
ナナリー「でも……魔法少女は私一人で……」
カレン「あーびっくりした」
神楽耶「ふふ。あの方、魔法少女だって言ってましたわ」
カレン「へー。そうですか」
神楽耶「この世に魔法少女なんておりませんに、ねー?」
天子「う、うん……いないと思う」
カレン「とにかくテスト飛行はこれぐらいにして、帰りましょう」
スザク「ナナリー!!」
ナナリー「はーい」ブゥゥゥン
スザク「やっと完成したんだ!!ナナリー専用の小型フロートユニット!!エンジェルウィングだ!!」
ナナリー「素敵ですね」
スザク「飛ぶたびに天使の羽が空中を舞うんだ。きっとナナリーにぴったりだと思う」
ナナリー「付けてくださいますか?」
スザク「ああ。これは本当にすごいよ。時速は最高で400キロ。目の見えないナナリーのために障害物を感知したら自動的に目標を破壊するスラッシュハーケンもついているんだ!!」
ナナリー「そんなものを……いいのですか?!」
スザク「もちろんだよ。飛んでみてくれ」
ナナリー「はい!!」
スザク「いってらっしゃい、ナナリー」カチッ
ナナリー「これで私は誰にも負けない魔法少女にまた一歩近づい―――」
ビュゥゥゥン!!!!
スザク「すごい……もう見えなくなった……」
カレン「この小型フロートユニット商品化しませんか?移動とかすごく便利ですけど」ブゥゥン
神楽耶「ですわ」ブゥゥン
C.C.「おいおい。もう魔法少女はやめてくれ」
カレン「いやいや、次世代の乗り物としてはいいと思うんだけど」
神楽耶「ええ。これさえあれば、海も個人で越えられますのよ?」
C.C.「遭難したらどうする?海は広いぞ?それにエナジーフィラーの消費も激しい。燃費が悪い。個人が持つには高価な玩具だよ」
カレン「そっか……難しいのね……」
神楽耶「でも、これをもっているのは世界で4人だけですから、自慢できますわね」
ゼロ「4人?」
カレン「ええ。あたしと神楽耶様、天子様。あとはあたしの知り合いの妹が」
ゼロ(そうかナナリーか。確かにあれを手に入れてから、ナナリーはすごく明るくなったな)
ゼロ(だが、ナナリーの幸せのためにはまだ俺は戦わねばならない……。たとえ、ナナリーに蔑まされる未来が待っていたにしても……!!!俺は戦い続ける!!!)
モニター『次のニュースです。エリア11上空を航行中だった皇族専用ヘリが墜落しました。シュナイゼル殿下も乗っていたとみられ、現在安否の確認を急いでいるとのことです』
モニター『墜落の原因は不明。目撃情報によりますと、天使が触手を伸ばしたという不可解な証言が―――』
FIN
シュナイゼルざまぁ
乙乙
Entry ⇒ 2012.08.16 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)