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斉木楠雄「学園都市……?」
斉木(外部の人間は)
『学園都市はイカレちゃってるよ、アイツら未来に生きてんな』
斉木(と言う者も多いらしい……)
斉木(ここで僕は目立たないように何の能力もない、いわゆるレベル0であるという設定にしてある)
斉木(どうもここにいる超能力者とは一人につき一つの能力しか使えないらしい、そんな中で惜しげもなく力を使えば)
『えっ、あなたって瞬間移動が出来て心が読めて火とか氷とかも操れて物を動かしたりも出来るんですか?』
斉木(これがどういうことか例えると)
『えっ、あなたってイケメンで高身長で高学歴で高収入で運動が出来て性格までいいんですか?』
斉木(こんな目立つ存在になるのは絶対に嫌だ)
斉木(問題だったのはその途中で)
美琴「勝負しなさいって言ってんでしょうが!」
上条「だから嫌だって言ってんだろうが!このビリビリ中学生!」
斉木「…………」
斉木(あそこにいるのは上条当麻……僕が体験入学するにあたってルームシェアをしてくれる同級生だが……)
美琴「だから!あたしには御坂美琴って名前があんのよ!」
斉木(なぜ下校途中で恋愛ゲームよろしく素敵なイベントを発生させているんだ)
斉木(勝手に彼の部屋に入って中でスタンバってることも不可能じゃないが……)
上条「ああもう分かったから、御坂な。はい、じゃあ今日はもうこれで終わりな」
斉木(よし、そうだ。面倒事は早々に切り上げるに限る)
美琴「まだよ!あんたとの決着がついてないじゃない!」
斉木(……ずいぶん食い下がるな、何か特別な事情でも…)
美琴(馬鹿!もうちょっとあたしの相手をしてよ!)
斉木(神聖かまってちゃんか)
美琴(これくらいの電撃、アイツならどうとでも出来るわよね)
斉木(いやその理屈はおかしい。当たったら怪我じゃすまないだろ、その電圧)
上条「うおっ!?」
美琴(よ、避けた!?打ち消すんじゃなくて!?)
斉木(…………)
美琴(ヤバい!アイツの後ろにいる人に当たっちゃう!)
斉木(防ぐくらいはわけないが……僕がレベル0という設定である以上、目立つようなことは出来ないな)
斉木(考えられるパターンとしては)
パターン1……自然に防ぐ
美琴『どうしよう!あの人に当たっちゃう!』
ビュウ!
上条『あ、突然の突風で看板が飛ばされてきて電撃を防いだ!』
斉木(不自然だろどう考えても)
パターン2……回避
美琴『どうしよう!あの人に当たっちゃう!』
斉木「…………」サッ
美琴『えっ!?』
上条『電撃見てからのマトリックス余裕でした!?』
斉木(これもないな……なら、手は一つしかなさそうだ)
美琴「どうしよう!あの人に当たっちゃう!」
上条「避けろ!」
斉木(この速さの電撃を避けたら逆に不自然……なら)
斉木「っ……」
美琴「あっ……!」
上条「お、オイ大丈夫か!」
斉木(避けない以外にないだろう)
斉木「…………」
上条「しっかりしろ……って……お前、斉木じゃないか!」
美琴「あ、あんたの知り合い?」
上条「ああ、体験入学で学園都市に来てる……俺とルームシェアする予定の同級生だ」
美琴「外部の人ってことは……れ、レベル0ってことじゃない……!」
美琴(ど、どうしよう……あたし、レベル0の人に大変なことを……)
斉木(いや本当に。気絶した振りをするのって大変だからね)
斉木「!」
美琴「わ、分かってるわよ!」
斉木(しまった……救急なんて呼ばれたら大事になって余計に目立つ……起きるしかない!)
斉木「っ……」
上条「さ、斉木!良かった、意識が戻ったか!」
斉木(よし……このままならなんとか奇跡の生還をした雰囲気でこの場を乗り切れるか)
美琴「……意識が戻った?」
美琴(あの電撃をモロにくらって……そんな一般人、いるわけが……)
斉木(ちょっといい加減にしようかお嬢さん)
斉木「…………」
美琴「おかしいわ、何の治療もなしにこんな早く意識が戻るわけがないのに……」
斉木(そんな危ない電撃をホイホイ撃ってる君も十分おかしい)
美琴「よくよく見れば髪とかピンクだし……何か角みたいなサムシングもあるし」
斉木「!」
斉木(何故だ、そういう意識は確かに逸らしたはず……どういうわけか効果が打ち消されたとでも?)
斉木(……何にしても)
美琴「なーんか……怪しいのよね、あんた」
斉木(……困ったことになったんじゃないか、これは)
斉木「!」
美琴「それは……そうなんだけど……」
上条「だったらまず……ほら、言うことがあるだろ」
美琴「……あの、ごめんなさい……本当に」
斉木「…………」
斉木(やれやれ、今度こそターン終了か……君は少し1ターンが長すぎるぞ)
上条「まあ御坂も色々聞きたいだろうけども今日はここまでな、もうちょっとお前は我慢ってものを覚えろ」
美琴「わ、分かってるわよ……反省してるんだから」
上条「そうそう、胸とか体が小さくても心くらいは大きく……」
美琴「…………」バチッ
上条「あ」
美琴「喧嘩売ってんのかあんたはぁぁぁ!」
上条「ふ、不幸だぁぁぁ!」
斉木(基本的に馬鹿しかいないのかこの学園は)
エレベーター
上条「え、えらい目にあった……」
斉木(八割は君の自業自得と言って差し支えないだろ)
上条「っと……この上にあるのが俺の部屋だからな、覚えといてくれよ?」
斉木「…………」
斉木(……透視で他階の部屋を見る限り、そこまで広いわけじゃなさそうだ)
斉木(まああくまで体験入学だ、長居するわけでもない。数日過ごす程度なら問題ないな)
上条「で、この階にあるあそこが俺の部屋……っ!?」
斉木(……の前で誰か倒れてる、けど多分気のせいだろう)
斉木(だったら僕はそれを全部回避するだけだ……!)
上条「こ、こんなに血が……しっかりしろインデックス!傷はどこだ!?」
斉木(まずは傷か……どうやら背中を斬られてるようだが……)
上条「服は破れてるのに……どこにも傷がない?」
斉木(あの程度の傷、遠隔で治療するくらいなら簡単だ)
上条「けど血だまりが出来るくらいに出血してるのに、怪我がないはずが……」
斉木(まき散らされた血か……サスペンスには付き物だが……)
上条「あれ、これ……トマトの匂い?」
斉木(トマトジュースに変えてしまえば問題はない)
上条「……何だ、服の背中側をどっかに引っ掛けて切って、飲んでたトマトジュースを零しただけか」
斉木(単純って素晴らしいと思うよ、本当に)
上条「いや、でもおかしくないか……?」
斉木(……さすがに無理矢理変えすぎたか、やはりもう少し工夫を…)
上条「このトマトジュース……濃縮還元じゃない?」
斉木(そこじゃないだろ)
ステイル「何か騒がしいようだが……それ、回収させてもらえるかな?」
上条「!」
斉木「…………」
斉木(すいません、もういいですこういうの。こっちとしては二秒で切り返す勢いなんで)
ステイル「聞こえなかったかい、それを回収すると言ったんだが」
上条「……そんなにトマトジュースが好きなのか」
斉木(ごめん、ちょっと黙ってて)
ステイル「あーあ、派手にやりすぎちゃって……辺りが血だら……」
ステイル「…………」
ステイル(ちょっと待て、これ血じゃないんだが……え?これトマトジュー……え?ちょ、え?)
斉木(気付いたか、『血だらけで困ったものだ』とかカッコ良く決めたかったんだろうに……)
斉木(ニヒルな感じで言葉を切り出したんだ、もう戻れないぞ……どうする?)
ステイル「…………」
ステイル「あーあ、派手にこぼしすぎちゃって……トマトだらけだ」
斉木(何か色々とすいません)
上条「ふざけんな!インデックスをお前らの好き勝手にさせてたまるかよ!」
斉木(え、そういう感じ?今の流れから急に戦いになる感じなのか?)
ステイル「巨人に苦痛の贈り物を!」
上条「…………!」
上条(コイツが『異能の力』なら……俺の右手で打ち消せる……!)
キィン
ステイル「なっ……!」
斉木(バトル展開……まあ、ジャンプ漫画ならよくあることか)
斉木(僕はそんな柄じゃない、離れたところで見守っているとしよう)
上条「うおおっ!!」
ステイル「くっ……『イノケンティウス』!」
上条「なっ……コイツ、打ち消しても再生しやがる……!」
ステイル「これが僕のとっておきだ……いくらその右手でもどうにもならないだろう!」
斉木「…………」
斉木(不謹慎だが結構見てて面白いな、あのイノケンティウスっていうのは一体どうやって攻略するか……)
ステイル(フッ……この下の階に貼ってあるルーンがある限り、イノケンティウスは無敵だ)
斉木(分かった剥がしてくる)
・・・
ステイル「い、イノケンティウス?どうしたイノケンティウス!」
上条「事情はよく分からねえけど……そのイノケンティウスってのはもう出せないみたいだな」
上条「なら……こっち仕掛けて終わらせる!」
斉木(よし、ちょうどいい場面で戻ってこれたな)
ステイル「くっ……巨人に苦痛の贈り……」
上条「食らえ!DUVS(ダウン・アッパー・ブイ・ストーム)!!」
ステイル「ぐあっ!!」
斉木(どうみてもただのアッパーカットだろ)
上条「魔術師は……いなくなったか、なんだったんだあいつは」
斉木(むしろここまで立て続けに面倒を呼び込む君がなんなんだ)
上条「何はともあれインデックスが無事で良かったよ……悪かったな斉木、巻きこんじまって」
斉木「…………」
上条「とりあえず一旦部屋の中に入ろう、気絶してるインデックスをほっとくわけには……」
上条「……あれ、そういえばなんでインデックスは俺の部屋の前で気を失ってたんだ?」
斉木(……まあ当然の疑問か、やはりさっきの改変は少し無理矢理だったな。さて、これはどうやって…)
上条「よっぽどトマトジュース零したのがショックだったんだな」
斉木(どうやってもお花畑にしか見えない、君の頭が)
上条「い、インデックス……?」
斉木「…………」
斉木(千年アイテム?いや違う、二重人格というわけじゃないか)
禁書『出血多量に伴い、生命力が流出しています』
斉木(あ)
禁書『私の言う術式を組ん……』
禁書『…………』
禁書(ちょっと待ってください、これ血じゃないんですけど……え?これトマトジュー……え?ちょ、え?)
斉木(『術式を組んで治療してください』とでも言うつもりだったろうが……もう治療は終わってる)
斉木(撒き散らされていた血も今となってはトマトジュースだ……これ以上何を望む)
禁書『…………』
禁書『……すいません、間違えました』
斉木(台無しだよ)
禁書「二人とも、どうもありがとう!」
上条「礼なんか言うなよ……で、あいつは一体なんなんだ?」
禁書「……多分、私が持ってる十万三千冊の魔術書を狙ってるんだと思う」
斉木「…………」
斉木(大体の事情は把握したが、ずいぶん厄介なことになった……おそらくあの魔術師はまたやってくるだろう)
斉木(僕が撃退でもしようものなら……目立つどころの騒ぎじゃない、確実に僕も狙われる)
斉木(……なら)
上条「インデックス……心配するな」
斉木(この上条をヒーローにしてしまえば問題はない……!)
斉木(僕はあれだ、ドラゴンボールで出てきた戦いを見守る犬の国王くらいのポジションでいればいいだろう)
上条「お前は俺たちが必ず護ってやる!」
斉木(『俺たち』じゃない『俺』だからな、正しくは)
翌日、某所
斉木(……どうやら上条当麻には妙な力があるらしい)
斉木(どういうわけか彼の思考は僕に流れて来ないし、体が透けて見えることもない……)
斉木(魔術を打ち消していたことからも彼には何か特別な力があると考えていいだろうな)
斉木(ただ……上条一人ですべてを解決させるのはさすがに不自然だと思う)
斉木(……相棒が必要だろう、水谷豊には寺脇康文が必要なように。やはり神戸くんより亀山くんだ)
斉木(ちなみに最近は午後3時から相棒祭りをやっているから是非見てほしい)
斉木(ここにはレベル5と呼ばれる超能力者が7人いるらしい……あの御坂美琴とかいう中学生もその一人だそうだ)
斉木(彼女を味方に引き込むのもありだが……どうにも彼女は僕が一般ピープルであることに疑いを持っているらしい)
斉木(その辺は彼女の意識を変えたりすれば解決なのだが……)
美琴『無視すんなって言ってんでしょ!』
斉木(正直、なんていうか、絡みにくい。というか上条と一緒にしとくと心の声がうるさい)
斉木(彼女を除いて味方につけるべき人物を考えると、必然的に一番強いとされる人物になるだろう……)
斉木(彼なら多少の無茶をしても色々と何とかなるだろう、そっちに目が向けられれば僕も動きやすい)
斉木(今日からの目的が決まった……『一方通行を味方に引き入れる』……あと相棒を見る)
斉木(この能力がどこまで応用出来るかは分からないが……何にせよ一位には変わらない)
斉木(とりあえずは彼がどんな人物か、実際に見て確かめて見るとしよう……)
・・・
斉木(と言うわけで来てみたが……)
一方通行「へェ、オマエ本当に面白ェわ……」
上条「くっ……」
斉木(お前たちは何をやっているんだ)
一方通行「あン……誰かいやがるのか……?」
斉木(この状況で彼に見つかるのも面倒だ、ミスディレクションを使って影に……)
上条「さ、斉木!」
斉木(なぜオーバーフローさせた)
斉木(右腕に秘密があるようだが……今はそれどころじゃない)
一方通行「なンだ……オマエの知り合いか」
上条「止めろ!俺と斉木は関係もない、同じ部屋で暮らしてるただのルームメイトだ!」
斉木(同じ部屋で暮らしてるって時点で関係があるだろ)
上条「これは俺とお前の勝負だ!あいつを巻き込むんじゃねえ!」
斉木(だから極的に巻き込みに来てるのはお前だろ)
斉木「…………」
斉木(……大体のことは読めたな。つまり、このお嬢さんがあの一方通行に狙われていたと)
斉木(それを知った上条が助け舟を出してると……この女性はあの御坂美琴の妹か)
斉木(まったく、ずいぶんとお人好しだな……当然、僕だって好き好んで誰かが死ぬ場面をみたい訳じゃないが……)
斉木(その人物を助けに入ったことで自分が死ぬリスクを負うのなら関わりたくない、僕は死ぬことはないけども)
斉木(まあ上条の信条に僕が口出ししても仕方ない……前のように眺めているとしよう)
斉木(ですよね先輩、もう大人の余裕見せて軽く受け流す感じで頼みますよ)
一方通行(久々に退屈しなさそうな玩具が来たじゃねェの……少し遊んでからブッ壊すか)
斉木(いや先輩、それはおかしい。え?ちょっと何ですか?先輩あれですか?全てをぶっ壊したい病ですか?)
御坂妹(このままだと間違いなくあの人は殺される……しかしミサカの体ではもう……)
斉木「…………」
斉木(マズい、あの第一位……ガチで殺りに来ているのか)
斉木(まあ……昨日今日会ったばかりの上条は危険を冒してまで間柄じゃない、これで死んでも自己責任だ)
斉木(僕はそこまでお人好しじゃない)
斉木(……いや待てよ。万が一、上条が本当に殺されてしまったら……!)
マスコミ『今、殺された上条当麻さんの同居人が姿を現しました!』
『斉木さーん、何か一言をー!』
『ギロチンのまさゆきについて一言ー!』
斉木(それはマズい!!)
斉木(ガチで殺し合いをするつもりの第一位、一方通行……その相手をする上条当麻)
一方通行「行くぜェ……せいぜい頑張って避けるンだなァ」
斉木(二人の戦いに色々と水を差すことで……このガチな殺し合いの空気を……)
上条「くっ……オオオオッ!」
ナレーター『一斉に相手を打ちのめすべき飛び出した二人……』
斉木(ガチンコファイトクラブレベルにまで変えてやる)
『次の瞬間、信じられない出来事が引き起こされる!!』
一方通行「ぐっ……は……!」
一方通行(なン……だと……反射が効いてねェのか……?)
一方通行「テメェ……一体……!」
上条「ウオオオォォォッ!!」バキッ!!
一方通行「がっ……クッソがァァァ!」
御坂妹「どういうことですか……第一位と真正面から戦って勝負になるなんて有り得るはずが……」
斉木「…………」
斉木(やれやれ……まったく面倒を掛けられるな……)
斉木(皆は僕が手を貸していないと思うだろうが……いつから僕が何もしていないと錯覚していた?)
斉木(ヒントはさっきそこの妹さんが口にした言葉だ)
『第一位と真正面からやり合って勝負になるなんて』
斉木(……疑問に思わなかっただろうか、なぜあの一方通行はわざわざ『真正面からやり合って』いるのかと)
斉木(上条の右手が自分の能力を無効にしていることくらいすぐに気が付くだろう)
斉木(だったら話は簡単で……離れて戦えばそれですむはずだ)
斉木(例えば)
上条『掛かって来やがれ!一方通行!』
一方通行『オッケェ、じゃあ今からこの小石、音速でオマエにぶつけるわ』
上条『…………』
斉木(ぶっちゃけこれで決着がつくだろう)
斉木(僕がそうなるよう、彼の意識を誘導しているのだ……)
斉木(彼は色々と能力を反射してしまうようだが上条のような問答無用で無効化、というわけでもないらしい)
斉木(だったら意識をそらす程度、いくらでも方法はある……)
斉木(とりあえず、これで理不尽な形で勝負に幕が下ろされることはないだろう)
斉木(さて……次の問題は……)
一方通行「いくらその右手が妙な力を持ってよォと……捕まらなきゃ問題はねェ」
上条「くっ……!」
斉木(……近接戦闘に限定させても、やはりあの速さにはついていけないか)
一方通行「終わりだ……」
ブンッ
一方通行「!?」
一方通行(は、外しただと……?)
上条「らあっ!」バキッ
一方通行「がっ……て、テメェ……一体何を……!」
上条「喧嘩慣れはしてないみたいだな一方通行、早く動けても目測を誤ってちゃ世話ないな」
一方通行「…………!」
一方通行(どォなってンだ……今のをアイツはかわしてねェ、そんな動きすら見せなかったはず……)
斉木(ああ、上条自身はかわしてなんかないよ……動いたのは上条じゃない、上条が乗ってる地面だ)
一方通行(ここまでのことを全てあの無能力者一人でやったとは思えねェ……まさか)
斉木(しまったな、さすがに露骨な乱数調整をしすぎたか……)
一方通行「なァるほどな……そォいうカラクリってわけか」
上条「何言ってんだ……お前……」
一方通行「面倒で愉快なことしてくれてンじゃねェの……俺の敵は一人じゃなかったってワケだ……なあ」
「そうね」
一方通行「!」
上条「おっ、お前……なんで……!」
美琴「アンタの相手はそいつ一人じゃないわ!」
一方通行(第三位……まさか、さっきまでの妙な小細工をしてやがったのはあの斉木って奴じゃなく……)
一方通行「やってくれンじゃねェの……オマエ……!」
斉木「…………」
斉木(計 画 通 り)
斉木(通常ならば起こり得るはずのない苦戦を強いられ、なおかつ目の前にいる敵は右手以外に何の能力もない…)
斉木(この御坂妹さんは上条がやって来るまで戦っていただけあり、手の内は全て割れている)
斉木(だとすれば……一連の不可思議な現象を起こしていると考えられるのはこの場では僕しかいない)
斉木(だが……そのタイミングで……)
美琴「アンタに勝てるとは思ってない、けど……戦わないで逃げる訳にはいかないのよ!」
斉木(御坂美琴が現れれば必ずそちらに目が向くだろう……何しろ、彼女は自分と同じレベル5なのだから)
斉木(そして)
『第三位は自分より格下だ、自分より遥かに弱い、だがそれでもレベル5……戦闘を攪乱することくらいなら……』
斉木(そう考え、僕に対して向けていた疑いを彼女にぶつける……そして僕への注意が逸らされる、と)
斉木(全ては僕の思い通り……目立ってない、僕は今!完全にこの戦闘において空気と化した!)
一方通行「うざってェ……まとめて吹き飛ばされてェのか!!」
一方通行「こきかくかかくかきかここ……」
美琴「そ、そんな……空気を圧縮して……そんなことが……あんなのどうにも……!」
斉木(いや、あの、うん。もうちょっと頑張れない?)
上条「みんな手を挙げるな!元気を吸収されるぞ!!」
斉木(お前どれだけ頭の中が光る雲を突き抜けてFly awayすれば気が済むんだ)
斉木(しかしなるほど、相当なエネルギーが蓄積されているな。色々と物理法則を無視してる気がするけれども)
斉木(あれが炸裂すれば……まあ一般人なら生きてはいられないだろうな)
斉木(これはさすがに僕一人で目立たずにどうにかするのは無理だな、どこかへ逃げるべきか……)
御坂妹「はっ……はっ……」
御坂妹(助けなければ……ミサカのために戦うあの人を……私を妹と呼んでくれたあの姉を…)
斉木「…………」
斉木(いや……一人で逃げても、重傷者や死人が出てしまってはその場にいた僕も結局は目立ってしまうか)
斉木(やれやれ……まったく)
斉木(どこまでも手間のかかる)
一方通行(----!----!)
斉木(しかしすごいな……彼の思考が流れ込んでくるが凄まじく複雑な演算だ……)
斉木(ただ……これなら……)
美琴「くっ……」
美琴(ダメだ……これだけのエネルギー、私一人の力じゃどうにも……!)
--空気の流れを変化
美琴(えっ……?)
--まものAは、なかまをよんだ!
美琴(な、なに……テレパシー?一体誰が……!)
美琴「でも待って……あいつが演算してる空気の流れが自然のそれだけだとすれば……!」
美琴「お願い!アンタの力を貸して!」
御坂妹「えっ……?」
斉木「…………」
一方通行(なンだ……この空気の流れ、明らかに自然なものじゃ……!)
一方通行「あの風車……まさかテメェ……!」
美琴「気が付いたみたいね……そう、あの子たちよ」
一方通行「…………!」
上条「終わりだな……幕を引こうぜ、一方通行!」
一方通行「オマエみてェな最弱のレベル0に……最強の俺が……」
斉木「…………」
斉木(やれやれ……まったく、本当に出来過ぎなストーリーだったな……)
上条「行くぜ最強(さいじゃく)……俺の最弱(最強)はちっとばかしひ」
斉木(いいから早く殴れ)
一方通行「っ…………」
上条「はっ……はっ……」
御坂妹「終わった……のですか?」
上条「ああ、お前のおかげだよ……ありがとな、御坂妹……それに、御坂も来てくれて助かった」
美琴「…………」
上条「……御坂?」
美琴「えっ……ああ、ごめん……何?」
上条「いや……ありがとうなって、最後の風車を回すのだってお前が思い付いてくれたから……」
美琴「う、うん……」
美琴(あの声って……一体……)
斉木(さあ……気のせいだったんじゃないかな)
斉木「…………」
一方通行「…………」
斉木(……ちょっと待て、僕は何をしにここへ来たんだ?)
斉木「…………」
斉木(一段落……着くっていうか……段落そのものがなくなったな)
早く殴れ
・・・
斉木(しかし困ったな……まさか仲間に引き入れようとしたらその仲間を打ち倒す感じになるとは……)
斉木(まあ、あの様子なら御坂姉妹はいざという時は協力してくれそうだが……)
斉木(さながら、更木剣八を仲間にしようと思ったら朽木兄妹辺りが仲間なった感じか)
斉木(悪くはないが……さて……どうしたものか……)
一方通行「…………」
斉木「…………」
一方通行「……顔貸せ」
斉木(おっふっ……け、剣八……さん……)
斉木(マズいマズい、非常にマズい。学園都市の第一位と二人でお洒落なキャフェでコーヒーだなんてこの上なく目立つ)
一方通行「ビクついてンじゃねェよ……こンな人目に付くところで派手なことなンざしねェ」
斉木(むしろ僕はその人目そのものが怖い)
一方通行「……まあいい、話は単純だ」
斉木「…………」
一方通行「オマエだろ……あン時、色々と小細工仕掛けてやがったのは」
斉木「…………」
斉木(戦いが終わった後だったとしても、そこに気が付くとは……やはり天才か)
斉木(どこかのお花畑とはやはり違うな)
どっかのアホ中学生とはわけが違うぜ
斉木(それは僕がそういう風に意識を誘導したからな)
一方通行「何故か目標を誤って外すはずのねェ攻撃を外したり」
斉木(ああ、それも僕が外したからな)
一方通行「妙に都合のいいタイミングで現れた第三位……」
斉木(ああ、彼女がこっちに向かってると察知してから合流までの時間調節には大分苦労したな)
一方通行「三下が的外れなことを抜かして油断させにかかってきたのも……」
斉木(あ、それ僕じゃないです)
斉木(……大したやつだ)
一方通行「一つの能力じゃ……これだけのことは対応しきれねェ……」
斉木(こいつ……かなりの切れ者……)
一方通行「加えて、三下に頭が抜けてるよう振る舞うことまで指示してやがったと来た……」
斉木(もう僕が指示したってことでいいよ、もう)
一方通行「……オマエ、一体何なンだ?」
斉木「…………」
一方通行「……ハッ、言いたくねェンなら聞きやしねェがな」
斉木(どうする……この第一位なら何か話しても問題はないのかもしれないが……)
一方通行(チッ、話しやがらねェか……今度コイツがコンビニで並んでたら前に横入りして宅急便申し込ンでやる)
斉木(色んな意味でとんでもない嫌がらせだな)
某所
一方通行「オマエには少し興味があってな……仮にオマエがマルチスキルの能力者だとすれば……俺も色々と知りてェことがある」
斉木(少なくともコンビニの宅急便とかセコい復讐を考えてる奴に話すことは何もない)
斉木(さて……とりあえずは上条家に一旦帰宅……)
上条「…………!」
一方通行「あそこにいンの……三下じゃねェか?」
斉木(魔術師フラグだ)
上条「テメェは……!」
神裂「神裂火織、と申します。インデックスを……彼女を保護しに来ました」
斉木(うん知ってた)
斉木(チッ……バレていたか、これだから魔術師は……)
一方通行「オイオイオイ、なンだなンですかなンなンですかァ?随分な面白イベントが炸裂してるンじゃねェか?」
斉木(なんでお前はそんなに嬉しそうなんだ)
一方通行(あの三下守ることに漕ぎ着けて憂さ晴らしする絶好の機会が来たじゃねェか)
斉木(ああ、そう)
上条「それはつまり……インデックスを大人しく渡せってことかよ」
神裂「そういうことになりますね」
上条「ふざけんな!あの炎の魔術師みたいにいきなり襲ってくるような連中に渡せるか!」
神裂「以前は……歩く教会が破壊されているとは思わなかったので、私も少々やり過ぎてしまいましたね」
上条「以前って……まさかお前、前にもインデックスを……!」
神裂「あなたの家の前にあの子が倒れていたことがあったでしょう……あれは私がやったことです」
斉木(ああ、血だらけであのシスターが倒れていた件か)
上条「ふざけんなよ……なんで……」
神裂「私も……あそこまでするつもりはな」
上条「なんでテメェはトマトジュースを零しやがった!」
神裂「…………」
斉木(ごめん、そうだった。何かそんな感じにしてたね)
斉木(そのリアクションをしたのは君で三人目だよ)
上条「インデックスの奴は気絶してたんだぞ……お前が派手にぶちまけるから!」
斉木(もうそろそろ止めろ、見てるこっちが恥ずかしくなるから。いやホントに)
神裂「…………」
神裂(あの子はそんなにトマトジュースが……覚えておきましょう)
斉木(君も大概な馬鹿だな)
斉木(戦いは避けられない雰囲気だな……というか何だあの刀、どうやって鞘から抜くつもりなんだ?)
上条「ああ……ならねェな!」ダッ
一方通行(なンで能力の分からねェ相手に真っ直ぐ突っ込むンだあの馬鹿は)
斉木(君も似たようなことしてたけどね)
神裂「七閃……」
上条「ぐっ……!?」
上条(なんだ……右手の能力が効かない……?)
斉木「…………」
斉木(なるほど……レベルを上げて物理で殴ってきたか)
一方通行「チッ、馬鹿が……何やってンだ、あの三下は」
斉木(こっちには剣八がいる、一瞬でザラキを掛けてくれるだろうさ)
斉木(だから……上条……)
バキッ
上条「ぐっ……あ……!」
斉木(心置きなくメガンテでもなんでもするがいい)
気がつかなかった…
神裂「?」
上条「あの魔術師にしろアンタにしろ……それだけの力があるのになんで……なんでそんなことしかできねェんだよ」
上条「弱い俺とは違うだろ!それだけの力があれば誰だって守れるのに!誰だって救えるのに!」
上条「なのになんで……そんなことしかできねェんだよ……」
斉木(始まったか……メガンテが)
一方通行(前から思ってたけど話が長ェ)
上条「…………?」
神裂「十万三千冊の魔導書を持つあの子は……私の親友なんですから……」
上条「なん……だと……?」
一方通行(いや……そォいうお涙頂戴はいいンで、とっとと本筋を話せ本筋を)
斉木(気が短いな……お前とはサスペンスを見られないな、自供シーンはこんなモンじゃない)
斉木(今日の相棒なんか特に長かった……しかしまさか病院の医師のうち三人がグルだったとは……)
録画見るのを楽しみに待ってる子もいるんですよ!ここに!
上条「それが十万三千冊の正体だろ……見たものを全て残さず覚える能力……」
斉木「…………」
斉木(完全記憶能力……あのシスター、そんな能力を持ってたのか)
神裂「彼女の脳の八五%以上は禁書目録の十万三千冊に埋め尽くされてしまっている……」
斉木(……What?)
神裂「彼女は残りの十五%しか脳を使えない……常人と同じように生活していれば脳がパンクしてしまうんですよ」
斉木(……Pardon?)
斉木(いや、その理屈はおかしい)
上条「そんな……そんなわけ……」
斉木(なんでお前は狼狽えているんだ、こんな話に騙さ……)
神裂(上条当麻……この少年はあの子を思いやってくれている……でも、それでも記憶を消さなければあの子は……)
斉木「…………」
斉木(『真性』か、この魔術師は)
斉木(うわぁ)
神裂「--あなただって、一週間前の晩御飯なんて覚えていないでしょう?」
斉木(いやそんなドヤァって感じで言われても)
神裂「忘れることのできない彼女が生きていくには、誰かの力を借りて忘れる以外に道はないんです」
斉木(……これ、一方通行はどう思ってるんだ?完全に呆れかえってるんじゃないか)
一方通行(Zzz……Zzz……)
斉木(ゲッ、ゲェーッ!こ、こいつ……立ったままKOされてる!?)
「何だよそりゃ…立ったふざけんな!俺はインデックスの味方だ、どんな時でもな!」
神裂「…………」
斉木(あ、マジで切れる五秒前)
「何で説明して誤解を解いてやらない!何で敵として追い回してんだ!アイツの気持ちをなんだと思っ」
神裂「うるっせえんだよ、ド素人が!!」
斉木(君も大概なド素人だがな)
上条「ぐっ……あっ……」
斉木「…………」
神裂「あなたなんかに……何が……」
斉木「!」
斉木(あの太刀でフルスイングは……マズい)
神裂「あなたなんかに何がわかるって言うんですか!!」
ブンッ
上条「くっ……」
ガシッ
上条「……え?」
斉木「…………」
神裂「私の七天七刀を受け止め……あなたは……?」
斉木(……やってしまった)
神裂「あなたは……上条当麻の知り合いですか?」
上条「俺の友達だ……インデックスの話とは関係ない」
神裂「……部外者であるなら手を出さないでくれますか、これは私たちの問題です」
斉木「…………」
斉木(まったく、たちが悪いな……自分が言った話が本当だと信じ込んでいるから余計に扱いにくい……)
ステイル「……時間が掛かりすぎだよ、神裂」
斉木(そして、なんで面倒な奴が増えるんだ)
斉木(どこで覚えたか知らない知識を口走るよりかはここで一発、恥をかいておいたほうが幸せだろう……)
神裂「……何か、言いたいことでも?」
斉木(察しがいいな……じゃあなるべくオブラートに、外角低めを変化球で攻めるレベルで……)
一方通行「あン?そこの馬鹿が曰ってた馬鹿みてェなクソ脳科学の御高説はもう終わったのか?」
神裂「!?」
斉木(ジャイロ回転掛かったストレートで真ん中投げてきたよ)
神裂「そんな……私たちは真面目な話をして……!!」
一方通行「脳の構造についてクソみてェな知識しかない奴がほざいてンじゃねェよ」
一方通行「この--ド素人が」
神裂「…………っ!」
斉木(なんて美しいブーメランの軌道だ)
ステイル「何がおかしい……!」
一方通行「例えばだ……」
キィン
ステイル「うっ!」
一方通行「今オマエを吹っ飛ばしたのはベクトル操作によるものだが……能力を使うには演算が必要なンだよ」
神裂「演算……?」
斉木(えんざんと聞いてロックマンのライバルを思い浮かべた人と僕は仲良くなれる気がする、ちなみに僕は3派だ)
一方通行「演算において今まで俺は凄まじい量の情報を処理してきたンだがなァ……」
一方通行「どういうわけだ?パンクどころかむしろスッキリしてやがる」
斉木(それはさっき寝てたからだろ)
『十五%しか脳を使えない、完全記憶能力者のインデックスは一年も立てば脳がパンクする』
斉木(確かに完全記憶能力者っていうのは珍しい体質だが……世界に一人しかいないレベルの稀少価値じゃない)
斉木(完全記憶能力者が仮に脳の十五%も使って一年分の記憶しか溜められないなら……)
斉木(彼らは六歳か7歳までには死ぬって結論でファイナルアンサーだ……)
斉木(だからそこまで脳医学に詳しくない僕でも直感で分かった……)
斉木(嘘だろ、常識的に考えて……なのに)
一方通行「っつーわけでだ、オマエらの刷り込まれた知識は全部ゴミなンだよ」
神裂「そんな……」
ステイル「まったく……気が付かなかった……」
斉木(どいつもこいつも馬鹿ばかり……)
ステイル「だが……それなら一年周期であの子がうなされる原因は……一体……」
神裂「それを調べるのは私たちの仕事です……あなた達には迷惑を掛けました」
一方通行「…………」
斉木「…………!」
斉木(ちょっと待て、重大なことに気が付いてしまった……まさか……今の僕は……)
斉木(上条よりも目立ってしまっているんじゃないか?)
斉木(お)
上条「俺たちに謝ってどうするんだ……テメェらが謝らなきゃならない相手は他にいるだろうが!」
斉木(リーチ)
神裂「!」
一方通行「珍しく意見が合うなァ三下……オマエら、真実を知ったことが今までの贖罪になるとでも思ってンのか?」
斉木(味方が現れる演出のスーパーリーチ)
上条「お前らが記憶を消したインデックスは……この世から消えちまったインデックスはもう戻らない!」
上条「そいつらに対して何の言葉もないのかテメェらは!」
斉木(ボーナスステージ突入……勝ったな)
一方通行「体に付いた汚れってのはもう一生落ちることはねェよ……一生な」
ステイル「…………」
上条「だからそいつを忘れちゃダメなんだ……お前たちが記憶を消した今までのインデックスのことも!全部だ!」
上条「それを魂に刻み込んで……これからどうするかを考えろ!」
神裂「…………」
神裂「あの子に……謝ります、ちゃんと向き合って……心から」
ステイル「……ああ、そうだな」
斉木(……目立っていない。完璧だ)
数日が経ち
禁書「はぁ……はぁ……」
上条「くそっ……何なんだよ、コイツを苦しめてる物の正体は!」
神裂「あなたが分からなくても仕方ありません……専門家の私たちですら突き止めることが出来なかったのですから」
ステイル「だが……今回は大きな収穫があった、癪だがちゃんと礼は言わせてもらうよ」
御坂妹「科学の観点からも手を尽くして調べましたが、条件に一致する病名は発見出来ませんでした。と、ミサカは報告します」
上条「ありがとうな御坂……いきなり面倒かけて」
美琴「いいわよ……人の命が掛かってることなんだから……」
一方通行「チッ……」
斉木(不謹慎極まりないのを承知で言うが、こういう種の分からない謎解きは嫌いじゃない)
斉木(科学技術においては最高レベルのこの街で該当する事例がないということは……やはり魔術による物だろう)
斉木(しかし……どうやら彼女は『歩く教会』と呼ばれる防護壁に身を守られていたらしいが……)
斉木(ということは……どういう……)
禁書「はぁ……はぁ……」
斉木「…………」
斉木(透視してみたら……何か見えたぞ、喉の奥に)
御坂妹「お姉さまもやはりそう思われますか、とミサカは姉の考察に賛同します」
美琴「それも普段、他人に触られたり見られたりしないような……そういう……」
斉木(ナイスアシストだ御坂姉妹、あとでハッピーターンまでなら奢ろう)
神裂「そんな場所ていえば……口の中……とか、でしょうか」
上条「悪い……少し見せてくれ……」
上条(……なんだこれ、喉の奥に何かが)
キィン!
美琴「ちょっとアンタ!何やってんの!?」
上条「喉の奥に何かあったんだ……それに右手の人差し指で触れた途端……弾き飛ばされた!」
ステイル「これは……まさか……」
神裂「あの子が……魔術を……?」
御坂妹「なんにしても……戦闘準備をすべきですね、とミサカは慌てつつも状況を冷静に判断して進言します」
一方通行「ハッ……面白ェ仕掛けじゃねェか」
斉木「…………」
斉木(異能の力を打ち消す能力者に……学園都市の第一位……第三位とその妹、加えて魔術師が二人か……)
斉木(…………)
斉木(楽勝じゃないか)
上条「インデックス……今助けてやるからな、行くぞ斉木!」
斉木(なぜ僕に振る)
斉木「…………」
斉木(いや待て、おそらく今からこの操られた?インデックスと戦うんだろうが)
斉木(これだけの駒が揃っているんだ。はっきり言って、僕は必要ないだろう)
禁書「--『竜王の殺息』」
神裂「ドラゴン・ブレ……よ、避けてください!」
上条「くそ……この野郎が!」キィン
神裂(そんな……あの一撃すら打ち消してみせるなんて……)
一方通行「三下ァ!」
上条「この攻撃は俺が抑える!あとは頼んだぞ!みんな」
美琴「手荒になるけど……やるしかないわね」バチバチ
御坂妹「了解です」バチッ
斉木「…………」
斉木(僕は目立つことをなるべく避けて生きてきた)
上条「ぐっ……うっ……!」
斉木(そうするのが正しい選択だと思っていたし、それが間違いだったとも思わない)
美琴「何なのよあれ……電撃が弾かれてる!」
御坂妹「こちらの攻撃に対する防御障壁を展開しているのでしょう、とミサカは推測します」
斉木(だけれど)
一方通行「耐えろ三下ァ!!こっちは必ず何とかする!!」
斉木(自分以外の全員が命を懸けて動いているこの状況で何もしないのは)
ステイル「神裂!竜王の殺息に対抗する魔術結界は!」
神裂「術式を組み上げるのに時間が掛かりすぎます!」
斉木「尚更、目立つことになるじゃないか」
斉木(単に勝つだけならば無理やりに押し込んでごり押ししてもいいが……)
斉木(それによってインデックスやその他の誰かが傷付いてしまっては元も子もない)
斉木(なら……)
禁書「第一標的である上条当麻の位置が上空へ移動……攻撃の軌道を修正します」
上条「上空へ移動……?」
斉木(あの攻撃そのものをどうにかするのが難しいなら……攻撃される標的の認識をずらせばいい)
斉木(……衛星とか打ち落とさなければいいが)
美琴「急いで一方通行!」
一方通行「黙ってろ!もォ少しで障壁の解析が終わる!!」
斉木(一方通行がやってるが……さすがに魔術の解析なんてのはやったことがないらしいな)
斉木(もうしばらく時間がかかるとして……次にすべきは、インデックスに新たな動きをさせないことか)
禁書「竜王の殺息を継続使用、かつ他の侵入者に対しても同時攻撃を加えます」
ステイル「来るぞ……イノケンティウス!」
神裂「Salvare000!」
ステイル「これは……イノケンティウス!?」
美琴「違う……あたしが今までに放った電撃も……!」
斉木「…………」
斉木(なるほど……今までに自分が受けた攻撃と同等のものを相手に向けさせる食らわせる術式か)
斉木(面白いじゃないか、やってみるといい……僕がなんとでもしてやろうじゃないか)
バチバチ
斉木(電撃か……確かにこれだけの電撃、当たれば少しは堪えるが……)
斉木(当たらなければどうということはない)
ステイル「面白いじゃないか……あの子を護るための僕がいつも使ってきた術式だ……」
ステイル「僕のイノケンティウスがどれほどの力を持っているか……試させてもらうよ」
斉木(そして……神裂火織による七閃、これはどうするか……ちょっと時間を止めて考えよう)
斉木(さて、と……七つの線が一度に襲いかかってくるわけか……難しい)
斉木(…………)
斉木(……普通に時間が止まっている間に攻撃が届かないところまで退避すればいいのか)
斉木(もう終わったのか、さすがに早い。ちょっと奮発してブラックサンダーを奢ってやろう)
神裂「上条当麻……障壁が消えたら一気に駆け抜けてください、私たちがサポートします」
ステイル「その右手で魔術に支配されたあの子に触れれば……それで、僕たちの勝利だ」
御坂妹「失敗したらかっこ悪いですね、とミサカはある程度のプレッシャーを掛けつつ鼓舞します」
美琴「大丈夫、あんたなら出来るわ」
斉木(僕から言いたいのはただ一つ、余計な言葉の前にとりあえず手を出せ)
上条「うおおおっ!」
美琴「あいつへの魔術攻撃、全部撃ち落とすわよ!」
御坂妹「はい」
斉木「…………」
斉木(まったく、本当に慣れないことをした。まさかちょっとした戦闘までするとは……)
斉木(目立つのを極端に嫌がる僕がここまでやったんだ、何が何でもやり遂げてくれよ)
上条「この物語が神様の創造したシステムの通りに動いてるってんなら……」
まずはその幻想をぶち殺す!
キィン!
禁書「…………」
美琴「こ、これで……終わったの?」
斉木(あ、ちょ、それはフラ)
ステイル「いや、まだだ!」
斉木(フラグですよね)
御坂妹「あれは……羽、でしょうか。とミサカは見たままの感想をそのまま言葉にします」
神裂「ダメです!この羽に触っては!」
美琴「あんた!早くその子を連れてこっちに!」
上条「ああ、今行く……っ!」
上条(足が……動かねえ!)
神裂「ここにきて……上条当麻の体にダメージが……!」
斉木「…………」
一方通行「オマエ……待て!斉木!」
美琴「ちょ……ちょっとあんた何やって!」
御坂妹「!」
やはり、普段目立たないよう努めている人間は
ステイル「よせ!死にたいのか!」
神裂「危険です!あなたの命が!」
やはり、どんな局面であっても
上条「さ、斉木……っ?」
斉木(テキサス・コンドル・キーック!)バキッ!
上条「うあっ!」
神裂「け、蹴り飛ばされた上条当麻はこちらへ回帰しましたが……代わりに……!」
上条「さ、斉木ィィィ!!」
馴れないことをするものじゃない
全員が安全確保のためにその場を一度離れることとなる。
そして羽が降り止んだとき、再び決戦の場に足を運ぶと
そこに斉木楠雄の姿はどこにもなかった。
忽然として、最後に仲間を守り姿を消した斉木楠雄。
彼は今---生きているのだろうか。
斉木「生きているに決まってるだろ」
斉木(しかし僕も流石に慌てたか……移動した先がまさか)
つちの なかに いる
斉木(まあ、それでもこうしてちゃんと脱出できたんだ……とりあえずは良しとしよう)
斉木(果たして学園都市内で僕はどんな扱いになっている?とりあえず多少なりとも注目されてる可能性が高いな)
斉木(ちょうどいい、体験入学もこれで終わりだ……このまま僕の住んでいる街まで帰るとしよう)
斉木「!」
美琴「……悪かったわね、初対面のときは」
斉木(本当にな、あれは是非深く反省してほしい)
御坂妹「お元気で……とミサカは無難な別れの言葉を粛々と伝えます」
斉木(言うことないなら無理はしなくていい)
ステイル「……フッ、やってくれたね」
斉木(いや何を?)
斉木(……どうも)
神裂「聞き忘れてました……高校生のあなたから見て、私は一体何歳に見えているのでしょうか」
斉木「……18歳で」
神裂「斉木楠雄!必ず!また!会いましょうね!」
斉木(喜びすぎだろ、実年齢をそのまま口にしただけだぞ僕は)
神裂(初対面の方に十代に見られたのは生まれて初めてです!今日は赤飯ですね!)
(なんかすいませんでした)
一方通行「マルチスキルを持つレベルmの軌跡が見えたんだ……そンだけでもう言うことはねェ」
斉木(頭が切れたり、時には寝ていたり僕は君が最後までよく分からなかったよ)
上条「本当に……ありがとうな、最後は助けてくれて」
禁書「私ととうまのために命懸けで助けに来てくれて……ホントにありがとう!」
斉木「…………」
斉木(やはり、馴れないことをはするものじゃないな)
斉木(この僕が他人から感謝されるなんて……よほど目立つことをしたらしい)
斉木(まったく、とんだψ難だったな)
fin
燃堂とかとの後日談とか書こうかと思ったけど勘弁して
面白かった!
麻生先生毎週楽しみにしてます
すげー良いまとめ方したな
麻生先生の次回作にご期待ください!
機会があったらまた斉木SS書いてくれよな
期待してる
後日談でも違う話でもいいからまた書いてください
楽しかったぞ先生!
Entry ⇒ 2012.08.24 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
上条「行こうぜ!マンソン!」マンソン「ああ!!」
上条「不幸だー!」
インデックス「とうまのばか!あぐあぐ」
マンソン「おいおいどうしたんだこんなところで」
インデックス「あ、マンソン、とうまがタイムセールを勘違いしてお肉が買えなかったんだよ!!」
上条「明日になったら食べられるって言ってるじゃねーか」
インデックス「今日たべたいんだよ!!もう私のお腹はお肉って決まってしまったんだよ!」
マンソン「なんだそんなことか、それなら俺の部屋にこないか?」
上条「肉があるのか?」
マンソン「ああ、この間の公演で名産の牛肉をいただいてな、その塊がごろんと冷蔵庫に入ってて一人じゃ食べきれないんだ」
インデックス「おにく!!!」
マンソン「だから好きなだけ食べていいぞ」
シドニー・マンソン(ニコニコ大百科)
上条「ありがてえ・・・」
マンソン「それじゃあ三人で焼肉といこうぜ!」
インデックス「うん!!」
土御門「いよーうカミやん、マンソン」
上条「げっ」
マンソン「嫌な予感しかしねーな」
インデックス「え?何?」
土御門「まあ二人の予想は大体合ってるぜい」
マンソン「フランスでのことを思い出すな・・・・」
上条「ああ」
上条「ああ、あの高速ジェットに乗せられた・・・」
マンソン「そして・・・」
だいぶ前 フランス
上条「ぶはっ! げほっげほっ」
マンソン「大丈夫か上条」
上条「ああ、なんとか・・・・」
マンソン「とりあえず向こうの岸まで泳ごうぜ」
上条「そうだな、このままだと流されて海までいっちまう・・・」
マンソン「いきなり飛行機に乗せられて川にドボンか・・・やってくれるぜ土御門のやつ・・」
五和「あの!上条さん、マンソンさん!大丈夫ですか!?」
上条「あ、おまえは・・」
マンソン「五和じゃないか、久しぶりだな」
五和「お久しぶりです、お二人とも」
上条「イタリア以来だな」
マンソン「あの時は世話になったな」
五和「いえ、こちらこそお二人の協力がなければビアージオを倒すことはできませんでした」
上条「ところで五和はなんでここに?」
五和「私たち天草式がイギリス清教の先兵としてこのフランスで活動しているんですよ」
マンソン「そういうことだったのか」
五和「ひとまずここにいては目立ちます、行きましょう」
マンソン「大丈夫だ、今から買いに行こう」
五和「今からですか?」
上条「マンソン、金あるのか?」
マンソン「ああ、ヨーロッパで公演をすることもあるからユーロの口座はいくらか持っている」
五和「さすがマンソンさんですね」
マンソン「この辺も来たことがあるからな、ただ・・・」
上条「ただ?」
マンソン「いくらなんでもここまで緊迫した雰囲気は初めてだな」
五和「ええ、世界各地で大規模なデモが行われていることはご存知だと思われますけどここも例外ではありません」
マンソン「そういうことか、とりあえず急ごう、こんな雰囲気の中で空から人が降ってきたんだ」
上条「余計に刺激させちまったってことか?」
マンソン「ああ」
上条「いよいよ敵地に乗り込むか」
五和「ですが住民が暴徒と化してデモ行進をくりひろげています・・」
上条「つまり?」
五和「怪我ひとつ負わずに潜り抜けるには不可能と言っていいでしょう」
マンソン「なんだ、そんなことか」
五和「え?」
上条「五和、マンソンはメロディで人の感情をコントロールすることができるんだ」
マンソン「ああ、俺に任せてくれれ」
五和「そんなことができるなんて、さすがマンソンさんですね」
マンソン「左方のテッラ・・・」
テッラ「おやおや、こんなところに迷い込む観光客がいるとは思えませんねー」
五和「あなたは・・・左方のテッラ!!」
上条「こいつが・・・」
マンソン「あのヴェントと同じ・・・・神の右席の一員」
テッラ「ん?あなたがたはどう見ても異教徒にしか見えませんねー、なら・・・死んでもらうしかありませんねー」
五和「させません!!」
上条「五和!」
五和「チャージ三回、フリーエントリー、ノーオプションバトル!!!」
テッラ「チャージ三回、フリーエントリー、ノーオプションバトル!!!」
五和「うおおおおおおおおおおおお!!!!!」
テッラ「うおおおおおおおおおおおおお!!!!」
チャアアアアアアアジインンンンンン!!!!!!!
マンソン「それよりも個人的にきつかったのは、学園都市が送り込んだパワードスーツだ」
上条「あれはマンソン一人に押し付けちまってなんか悪かったな」
マンソン「気にするな、上条には五和を守りながらテッラと戦ってもらったんだからな」
土御門「マンソン一人に壊滅させられたパワードスーツは今学園都市総力をあげてグレードアップされてるぜい」
上条「あんなもん使うなんて・・・本当に戦争を起こすつもりなのか?」
マンソン「さあな、そうならないことを祈るだけだ」
インデックス「とりあえずニコニコしてるもとはるは何をたくらんでいるのかな?」
土御門「三人にはイギリスへ行ってもらう」
インデックス「イギリス?」
土御門「ああ、イギリスに重大な危機が迫っている、これはイギリスの女王陛下直々の命でもあるんだぜい」
マンソン「あのババアか・・・・」
上条「知っているのかマンソン」
土御門「クライアントの悪口を言っている時間はないぜい?三人にはいつもの飛行機を用意してある」
上条「いつもの・・・」
インデックス「うげえ・・・」
土御門「すぐにイギリスへ飛んでもらうぜい、空港までのタクシーも呼んである」
マンソン「ってことだ、すまんなインデックス、焼肉はまた今度だ」
インデックス「うぅ・・・ひどいかも・・・」
上条「ま、しょうがねーさ、イギリスで腹いっぱい飯を食うしかねーな」
マンソン「覚悟しとけよ、本当にまずいものしかないからな?」
インデックス「不幸かも・・」
上条「なあマンソン、インデックス」
マンソン「言いたいことはわかるぞ」
インデックス「あのジェットはいやなんだよ」
上条「今確認したら時間はかかるけどこのチケットでも普通の旅客機に乗せてもらえるみたいなんだ」
インデックス「本当!?」
マンソン「なら、選択肢は一つだな」
上条「ああ」
インデックス「おなかへったおなかへった・・・・・」グルル
上条「すまんインデックス、この機内食は有料みたいなんだ」
マンソン「と、いってこのままにしておくわけにはいかないだろ、味はとんでもないが少し食べたほうがいい」
マンソン「お姉さん、この子にビーフセットを、オレンジジュースもな」
上条「おいマンソン」
マンソン「気にするな、俺のおごりだ」
上条「すまねえ」
インデックス「ありがとうマンソン!」
マンソン「いや、礼を言われても困るな」
上条「ん?どういうことだ?」
マンソン「言っただろ?味がとんでもないって」
上条「すげえ・・・インデックスの箸が全然進んでない・・・」
マンソン「日本でうまいもの食べ慣れたらこれはもうしょうがないからな」
インデックス「もぐもぐ・・・」
上条「空腹は最高のスパイスって言うのは嘘だったのか?」
マンソン「まずいものはスパイスかけたくらいじゃどうにもならないってことだ」
インデックス「うなぎ・・・・ゼリーより蒲焼がいいんだよ・・・・」モグモグ
インデックス「肝吸いとおしんこ・・・」
上条「すっかり日本人になっちまってるな」
マンソン「まあこれでイギリスに着くまで我慢することができるだろう」
インデックス「もぐもぐ・・・・・」
上条「ん?」
マンソン「何だ?」
スチュワーデス「お客様の中にボーグバトラーの方はいらっしゃいますか?」
上条「どういうことだ?」
マンソン「おかしなことを言うな、何が起こってるっていうんだ?」
スチュワーデス「・・・・お客様中に、最強のボーグバトラーの方はいらっしゃいますか?」
上条「!!」スッ
マンソン「!!」スッ
インデックス「おいしくないんだよ・・・もぐもぐ」
上条「あれ?」
御坂「え?何であんたがここに!?」
黒子「またあなたですの・・・」
アックア「久しぶり、というわけでもないのであるが・・・」
ヴェント「あなたたちもいるなんてね・・・」
マンソン「アックアにヴェント・・・」
インデックス「オレンジジュースだけがおいしいんだよ」ゴクゴク
アックア「それで」
ヴェント「一体何がおこっているの?」
黒子「ずいぶん奇抜なメイクをされる方ですのね」
御坂「うん、なんか損してるだけにしか見えない」
ヴェント「うるさいわね!じゃあこれ全部はずしてやるわよ!」
ヴェント「これでどう?」
上条「あれ?かわいい・・ /////////」ドキッ
御坂「おいこら」
黒子「まあいいではありませんのお姉さま」
黒子(くっついてしまえばいいんですの!)
マンソン「何だって!」
アックア「ありえない話ではないのである」
機長「テロリストは倉庫に立てこもりつつもこの機内に無数のボーグを放ちこの機のコントロールを奪おうとしている」
御坂「最悪ね」
黒子「それで、被害はどのくらいでていますの?」
機長「既にコントロールの一部は奪われてしまった、今はサブのシステムでなんとか制御できているが・・・」
上条「それも時間の問題ってわけか・・・」
ヴェント「もっと早く気がつくことはできなかったの!?」
機長「すまない、すべては我々の不手際だ」
副長「私のもなんですよ」
スチュワーデス「私のはなんかバランスがおかしくなったみたいで」
テロリスト「おや、ボーグについてお困りですかな?」
機長「あなたは?」
テロリスト「ボーグ技師ですよ」
副長「と、いうことは」
テロリスト「ええ、あなたたちのボーグ、私がメンテナンスしてあげますよ」
スチュワーデス「まあ!願ってもないことだわ!」
機長「しかし我々はこれからイギリスへのフライトがあるんだよ」
テロリスト「奇遇ですね、わたしもあの飛行機でイギリスへ向かうんですよ」
副長「おお、私たちの飛行機だ」
テロリスト「ではフライトの間にあなた方のボーグをメンテナンスしておきますよ」
スチュワーデス「これは願ってもない話ね!」
御坂「なんて卑怯なことを・・・」
黒子「仕事で忙しくてメンテナンスもままならない多忙ボーガーの心理を巧みに・・・」
アックア「ゆるせんのである」
ヴェント「叩きのめしてやるわ」
上条「みんなの力をあわせればできるはずだ!!」
マンソン「ああ!」
アックア「とにもかくにもコントロールを完全に奪われてしまっては話にならんのである」
ヴェント「素早く性格なボーグが適任ね」
機長「そうだ、コントロールのシステムを攻撃しているボーグを撃退できるボーグは・・」
御坂「それならあたしと黒子が適任ね」
黒子「ですわね、私のテレポーティング・ベッドイン・ラバーとお姉さまのエレクトリカル・ツンデレールガンがあれば」
黒子「このくらい確実に成し遂げてみせますわ!」
マンソン「頼もしいな」
上条「そして次は・・・」
機長「エンジンルームの出力を下げさせようと攻撃しているボーグがある、ここはなんとしても死守しなくてならない」
ヴェント「私のジェットストリーム・ナイトメア・ジェットコースターの出番ね」
機長「テロリストが立てこもっているのはこのブロックだ」
マンソン「ならここは俺のハウリング・ロデオ・ドライブと」
上条「俺のプリーチング・パンチング・デストロイヤーの出番だな」
機長「頼むぞ、この機と乗員乗客の命は君たちにゆだねられた」
上条「やってやろうぜ!」
マンソン「おう!」
御坂「あんたに言われなくてもやってやるわ」
黒子「ですわ」
アックア「信じろ、とは言わぬが」
ヴェント「やってみせるわ」
テロリスト「この計画は何があろうと完璧にやりとげてみせる・・・・」
ビー!!ビー!!
テロリスト「何!!これは・・・」
御坂「いけええええ!!!エレクトリカル・ツンデレールガン!!!!」
黒子「お姉さまのサポートですわ!テレポーティング・ベッドイン・ラバー!!」
テロリスト「コントロールが・・・逆に奪い返されている・・・・どういうことなんだ!!」
テロリスト「ええい!!コントロールがだめでもエンジンを押さえてしまえば・・・」
テロリスト「やつらと取引をすることはできる・・・」
ビー!!ビー!!
テロリスト「なに!エンジンへ向かわせたボーグたちがやられている・・・」
テロリスト「馬鹿な!!精鋭中の精鋭だぞ!!」
アックア「叩き潰せ!!ゴッドハンド・バック・キーパー!!!!」
ヴェント「徹底的にやりなさい!!ジェットストリーム・ナイトメア・ジェットコースター!!!」
テロリスト「馬鹿な・・・・おのれ・・・・」
上条「そこまでだ!!」
マンソン「お前のたくらみもここまでだ!!」
テロリスト「なんてことだ・・・この機にボーガーが乗っているなんて・・・・」
上条「みんなを不幸にするような結末しか待っていねえようなことをやろうっていうんなら!!」
上条「まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!!!」
テロリスト「こざかしい・・・返り討ちにしてくれる!!」
テロリスト「いくらなんでもこの数にはかなうまい!!いけ!リモートボーグ!!」
マンソン「そんな寄せ集めのボーグが俺たちにかなうとでも思っているのか!!」
マンソン「グランピアノ・ヒーリング・フォルテッシモ!!!!」
テロリスト「なにっ!!馬鹿な!!」
上条「てめえの相手は俺がしてやる!!」
テロリスト「思い上がるなよ小僧!!」
テロリスト「チャージ四回、ハイジャックエントリー、エアーオプションバトル!!!」
マンソン「ハイジャックエントリーだと、相手のボーグを破壊する残虐ファイト・・・」
マンソン「テロリストを徹底的に叩きのめそうっていうんだな、上条」
上条「うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
テロリスト「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
上条「チャアアアアアアアアアアジインンンンンンンンン!!!!!」
テロリスト「チャアアアアアアアアアアジインンンンンンンンン!!!!!」
マンソン「おっと、このリモートボーグも後から後から沸いて来る・・・」
マンソン「だが上条の邪魔だけはさせないぜ!!」
テロリスト「来るがいい!!エアフォース・パイレーツコーストの餌食にしてやる!!」
マンソン「上条!いつものリズムを忘れるなよ!?」
上条「ああ!!」
御坂「ったく、後から後から沸いてくるんだから・・・」
黒子「たいした強さではありませんがこう数が多いと・・・」
御坂「あら、弱音?」
黒子「まさか、いいトレーニングになりますわ!!」
御坂「それでこそよ!!」
黒子「さあかかってきなさい!!」
上条「うおおおおお!!!負けるか!! プリーチング・ライトハンド・ストレートおおおお!!!」
マンソン「互角か・・・・・負けるな上条・・・」
カサカサカサカサカサカサカサカサ
マンソン「しつこいやつらだ、だが俺のハウリング・ロデオ・ドライブはこの程度でやられはしない!!」
アックア「敵の数が減ってきているのである!!」
ヴェント「って言っても気は抜けないんだけどね」
アックア「それにしては余裕があるのであるな」
ヴェント「そうね、あなたは休んでいてもいいわよ?」
アックア「これが終わったらな!!」
ヴェント「何よ、気合十分じゃないのよ!!」
上条「あたりまえだろうが・・・・」
テロリスト「俺の得意なハイジャックエントリー、エアーオプションバトルでなぜこうも・・・」
上条「いかにお前がこのバトルが得意でも俺にあってお前に無い者がある!!」
テロリスト「なんだそれは・・・」
上条「それは・・・とにかく言いたいことを全部相手にぶちまける熱い心だあああ!!!!」
テロリスト「何!!何いいいいいいい!!!!や、やつのボーグが大きくなっている・・・目の錯覚か!?」
上条「熱膨張って知ってるか!?」
テロリスト「熱膨張!?」
上条「ボーグはボーガーの心に応えてくれる!!なら、ボーガーの熱いこころを受けたボーグが大きくなるのは自然なことだろうがああ!!!」
テロリスト「馬鹿な・・・・馬鹿なああああ!!!!!」
上条「くらええええ!!!! ブレイキング・イマジン・ドリイイイイイイイム!!!!!!」
テロリスト「うわあああああああああああ!!!!!!!」
上条「マンソンも、リモートボーグを全滅させてるじゃねーか!」
テロリスト「ぐっ・・・・かくなるうえは・・・・・」ポチッ
上条「こいつ、何を!?」
ドオオオオオオオオオオオオン!!!!!!
マンソン「な、何事だ!!」
御坂「うそ・・・」
黒子「これは・・・自爆!!」
御坂「冗談じゃないわよ!これじゃあこの飛行機どうなっちゃうの!?」
黒子「・・・考えても仕方ありませんわ!一旦みなさんと合流しましょう!!」
アックア「エンジンが!!」
ヴェント「くっそ!!」
アックア「何か手はないのであるか?」
ヴェント「完全に爆発したわけじゃないから・・・とにかく機長に確認しなきゃ!」
御坂「まさかリモートボーグが自爆するなんて・・・」
黒子「システムに異常はありませんの?」
機長「システムはなんとか飛行するだけなら大丈夫だ、だがエンジンの出力が・・・」
アックア「くっ・・・」
ヴェント「私たちの責任ね」
マンソン「いや、エンジンの爆発を阻止しただけでももうけものだ」
上条「ああ、エンジンが爆発してりゃ今頃みんな仲良く墜落しちまってる」
機長「そのためこの機は一度で着陸を成功させなくてはならない」
御坂「なんてこと・・・・」
黒子「いちかばちかですわね・・・」
機長「何、私たちスタッフを信じてくれ」
機長「どうしたのかね」
スチュワーデス「先ほどの爆発の影響で着陸用の車輪を出すハッチが開かなくなっています!!」
アックア「なんということであるか・・・」
ヴェント「最悪ね・・・」
御坂「ってことは・・・」
黒子「胴体着陸しかありませんのね・・・」
機長「エンジンにダメージを負った状態で胴体着陸だと!!」
機長「そんなことをすればこの機が爆発する可能性が圧倒的に高い・・・」
上条「何か・・・何か手はないのか・・・」
マンソン「なに、手はある」
マンソン「車輪のかわりになるものがあるだろ?」
御坂「それってまさか・・」
マンソン「ああ、俺たちのボーグだ」
黒子「むちゃくちゃですわ」
アックア「いや、やってみる価値はあるのである」
ヴェント「そうね、どのみちこのままじゃ爆発してしまうんだもの」
上条「いちかばちか、だな」
マンソン「違うな、絶対にだ」
黒子「お姉さま・・・・黒子も覚悟を決めましたの!!」
上条「だけどバラバラにやっちまったら意味がないんじゃねーか?」
マンソン「ああ、だからみんなのリズムをひとつにするんだ!!」
アックア「なるほど」
ヴェント「あんたの得意なリズムね」
機長「君たち・・・やれるというのか!?」
上条「ああ、俺たちのリズムを合わせたボーグバトルは無敵だからな!!」
上条「ああ!!」
御坂「信じてるわ!!」
マンソン「いくぞ!! 俺の指先に集中しろ!!」
黒子「アン!!」
アックア「ドゥ!!」
ヴェント「トロワ!!」
マンソン「アン・ドゥ・トロワ!!」
上条「「アン・ドゥ・トロワ!!」」
御坂「アン・ドゥ・トロワ!!」
黒子「アン・ドゥ・トロワ!!」
アックア「アン・ドゥ・トロワ!!」
ヴェント「アン・ドゥ・トロワ!!」
というか原作丸写ししてるだけじゃん
こんなの許されると思ってんの?
マンソン「うおおおおおおおおおお!!!!」
上条「うおおおおおおおおお!!!!」
御坂「うおおおおおおおお!!!!!」
黒子「うおおおおおおおおお!!!!」
アックア「うおおおおおおおお!!!!!」
ヴェント「うおおおおおおおおおおお!!!!!」
機長「これは・・・なんて息のぴったりあったチャージなんだ・・・」
スチュワーデス「胴体着陸ギリギリまでチャージを溜めるなんて・・・」
機長「ああ、彼らとボーグならできるかもしれん・・・」
機長「わかった!!!みんな、あと10秒だ!!」
スチュワーデス「おねがい!!がんばって!!!」
マンソン「うおおおおおおおおおお!!!!」
上条「うおおおおおおおおお!!!!」
御坂「うおおおおおおおお!!!!!」
黒子「うおおおおおおおおお!!!!」
アックア「うおおおおおおおお!!!!!」
ヴェント「うおおおおおおおおおおお!!!!!」
機長「二!!」
スチュワーデス「一!!」 マンソン「今だ!!」
マンソン「チャアアアアアアアアアアジインンンンンンンンン!!!!!」
上条「チャアアアアアアアアアアジインンンンンンンンン!!!!!」
御坂「チャアアアアアアアアアアジインンンンンンンンン!!!!!」
黒子「チャアアアアアアアアアアジインンンンンンンンン!!!!!」
アックア「チャアアアアアアアアアアジインンンンンンンンン!!!!!」
ヴェント「チャアアアアアアアアアアジインンンンンンンンン!!!!!」
機長「信じられん・・・奇跡だ・・・」
スチュワーデス「これが・・・ボーグバトラー達の魂・・・・」
マンソン「うおおおおおおおおおお!!!!」
上条「うおおおおおおおおお!!!!」
御坂「うおおおおおおおお!!!!!」
黒子「うおおおおおおおおお!!!!」
アックア「うおおおおおおおお!!!!!」
ヴェント「うおおおおおおおおおおお!!!!!」
上条「幻想だ!!プリーチング・パンチング・デストロイヤー!!!!」
御坂「雷鳴よ!!!エレクトリカル・ツンデレールガン!!!!」
黒子「愛ですの!!テレポーティング・ベッドイン・ラバー!!!」
アックア「神よ!!ゴッドハンド・バック・キーパー!!!」
ヴェント「生きる力を!!!ジェットストリーム・ナイトメア・ジェットコースター!!!」
マンソン「みんな!!いいリズムだ!!!」
マンソン「旋律だ! ハウリング・ロデオ・ドライブ!!!」
副長「スピードが!!!スピードが落ちています!!」
機長「頼むぞ・・・・」
スチュワーデス「みんな・・・・」
副長「着陸・・・・完了しました・・・」
機長「エンジンはどうかね?」
スチュワーデス「なんとか安全に停止しました・・・」
機長「ボーグバトラー・・・彼らが奇跡を起こすとはな・・・・」
副長「ええ、ですが彼らはもっと大きなことをやってくれそうな気がします」
スチュワーデス「そうですね・・・私たちには想像もできないようなことを・・・」
インデックス「おなかすいたんだよ・・・イギリスに着いたのにマンソンもとうまもいないんだよ・・・」
インデックス「どこに行っちゃったの・・・?」
上条「ああ、イギリスで起こっているこの混乱の原因をつきとめてみせるぜ」
御坂「へえ、あんたたちもなの?」
黒子「まさかあなた方も?」
アックア「イギリスには昔いろいろとあったのである」
ヴェント「私は付き添いよ」
マンソン「ここまできたんだ、みんなの力を、そしてリズムを!」
上条「絆を!すべてをひとつに!」
御坂「ええ!」
黒子「やりますの!」
アックア「この英国に再び平穏を!!」
ヴェント「取り戻しましょう!!!」
土御門「悪の陰謀、それに呼応するかのように起こる英国の内紛、それを阻止するべく立ち上がる人々!」
土御門「だがそんな人たちの熱意もむなしく一人・・・また一人・・・仲間が倒れていく」
土御門「がんばれカミやん!負けるなマンソン!おなかいっぱいご飯を食べようインデックス!」
土御門「英国での戦いの火蓋が今切って落とされる!」
土御門「次回!!加齢なる女王、クイーン!エリザード!ババァスメル!!」
土御門「絶対見てくれよな!!」
土御門「熱き闘志にチャージ・イン!」
アンジェレネ「うぅ・・・見たこともないものがいっぱいです」
掃除ロボット「ウィーン」
アンジェレネ「あれが勝手にお掃除をしてくれるという便利アイテムですか・・・・」
アンジェレネ「それにしてもなんでこんなことに・・・」
神裂「はい、私がですか?ええ、わかりました」ピッ
神裂「ふう、困りましたね」
シェリー「どうかしたのかい極東宗派」
神裂「学園都市のインデックスに鑑定してもらいたいものがあったのですが、急遽私のほうに仕事がまわってきまして」
シェリー「そう、じゃあ仕事の後に行けばいいじゃない」
神裂「どちらも急ぎのものなのですよ」
シェリー「ってことは誰かに行ってもらうしかないってことかい?」
神裂「ええ、そういうことになりますね」
シェリー「なら私はだめだな、あそこで一暴れしているわけだし」
神裂「ですね、ほかの方に頼むことにします」
神裂「・・・・・」
シェリー「・・・・・」
神裂「誰かいませんかね?」
シェリー「あんたのとこの連中は?日本人いっぱいいたじゃない」
オルソラ「日本の美しい着物は私も一度着てみたいのでございますよ」
神裂「その天草式と一緒に行かなきゃいけないんですよ」
シェリー「と、なると、この中で日本に行ったことのあるやつで迷わずに学園都市にいけそうなのは・・・」
ルチア「何で私たちなんですか」
アンジェレネ「何か陰謀を感じます」
神裂「いえ、陰謀とかではなくてですね、単におつかいのようなものなのですが」
シェリー「おつかいねえ・・・・」ジー
アニェーゼ「ほう?その口からうかつなことをしゃべるとこの杖がうなりをあげますよ?」
ルチア「シスター・アニェーゼ、そういきり立たないでください」
神裂「アニェーゼは彼と一騒動あったみたいですし・・・」
シェリー「裸も見られてんだろ?」
アニェーゼ「この・・・・ /////////」プルプル
ルチア「そうやって彼女の心を乱すのはやめてください!!」
神裂「いえ、私にはそのつもりはないんですけど」
アンジェレネ「日本ですか・・・ウーメボシは怖いですけどかの国には世界より集めたお菓子をリスペクトする技術が・・・」ブツブツ
シェリー「なあ・・・」
神裂「私も同じことを考えました」
ルチア「しかしシスター・アンジェレネでは寄り道をしてしまい路銀が底をつく可能性のほうが」
シェリー「はじめてのおつかいってやつだろ?やらせてみればいいじゃない」
アンジェレネ「ちょ、ちょっとみなさん何かすごく失礼なことを言ってませんか!?」
神裂「いいえ、私はあなたならこの任務を成し遂げてくれると信じていますよ」ニコッ
アンジェレネ「当然です!!ただ学園都市に行って帰ってくるだけじゃないですか!!」
ルチア「ですが・・・心配です」
シェリー「あんたは母親かい?ただ行って帰ってくるだけじゃないか」
ルチア「・・・・・」
アニェーゼ「じゃあ決まりですね、シスターアンジェレネ、あなたもできるってところをみせやがってください」
アンジェレネ「はい!任せてください!」
アンジェレネ「お菓子もたくさん買っちゃいました!!」ゴッチャリ
アンジェレネ「ですが・・・」
アンジェレネ「なんでみなさん私にお土産を頼むんですか!!」
アンジェレネ「まあ日程に余裕はありますからまずはインデックスさんのところに行きましょう」
アンジェレネ「えーっと・・・えーっと・・・」
青ピ「なんや!!シスターさんやないか!!」
アンジェレネ「はい?」
青ピ「しかも金髪ロリっ子のシスターさんなんてめっちゃかわいいやんか!!」
アンジェレネ「あの・・あの・・・」
青ピ「この出会いは運命や!!ボクとお茶せえへんか!!」
青ピ「恥ずかしがることはあらへんで!この紳士のボクがやさしく教えてあ」マンソン「お前はやっぱりぶれないんだな」
青ピ「マンソン!」
アンジェレネ「あなたは!」
上条「小さい女の子にまでってお前引くぞ?」
アンジェレネ「あなたも!」
青ピ「何を言うとるんや二人とも、ボクの愛はまだまだこんなもんじゃあらへんでえ!!」
マンソン「そうか、じゃああの美人なお姉さんを口説いてきたらどうだ?」
青ピ「ん?」
麦野「だるー、なんでお風呂が壊れるのよ・・・・」テクテク
青ピ「ときめいたでええええ!!!これは恋やああああ!!!!」
青ピ「おねえええさあああああん!!!」
上条「さすがだな・・・」
マンソン「ああ・・・・」
アンジェレネ「はい」
マンソン「こんなところで一人でどうしたんだ?」
アンジェレネ「あの、その、インデックスさんに鑑定してほしいものがあるということで私が持ってきたんです」
上条「俺には日本に観光に来て駄菓子を買い漁っているだけにしか見えないんだが」
アンジェレネ「こ、これはお土産です!!イギリスのみんなにお土産を頼まれたんです!!」
マンソン「神裂やシェリーが駄菓子なんてもらって喜ぶなんて信じられないな」
アンジェレネ「ほ、ほんとうなんです、これは決して私が食べたくて買ったわけじゃないんですよ」
アンジェレネ「お小遣いをたくさん使ってここに来るまで食べ歩いたなんてことはないんですよ!」
上条「・・・・・」
マンソン「・・・・・」
アンジェレネ「そんな!!ちゃんと拭いたのに!!」バッ
マンソン「ほら、鏡だ」
アンジェレネ「ん・・・・」チラッ
アンジェレネ「どこにもついてないじゃないですか!!」
上条「嘘だからな」ニヤニヤ
アンジェレネ「ひ、ひどいです!!これは神罰ものです!!」
マンソン「悪い悪い、で、ソフトクリームはどうだった?」
アンジェレネ「おいしかったです ////////」
上条「そうだったな」
マンソン「まあ話は食事をしながらでもいいんじゃないか?」
アンジェレネ「食事ですか?」
上条「今日は焼肉だぞ」
アンジェレネ「ヤキニク?」
マンソン「ジャパニーズ、バーベキューだ」
アンジェレネ「是非参加させてください!!」キラキラ
上条「ちょろいな・・・」
マンソン「怖いくらいにな・・・」
上条「こいつも出会った時は敵だったんだよな・・・」
マンソン「俺はルチアの顔芸の方が思い出深いな」
上条「ああ、あれはひどかった」
マンソン「アンジェレネ、嫌いなものってあるか?」
アンジェレネ「ウーメボシは絶対に嫌です」
上条「食べたことあるのか?」
アンジェレネ「はい、神裂さんの手作りをいただきましたが・・・倒れてしまいました」
マンソン「海外の人にはたしかにきつそうだな」
マンソン「あれは確か法の書をめぐる一件・・・」
結構前
上条「は?」
マンソン「インデックスがさらわれた!?」
舞夏「そうなんだぞー」
上条「で、どんなやつだった?」
舞夏「背が高くて青い髪で神父のような格好をしてくわえタバコを・・」
マンソン「ステイルだな」
上条「ああ、あいつ何考えてるんだ?」
マンソン「かなり準備がいいな」
上条「それにしても学園都市の外に出るのなんてかなり久しぶりだな」
マンソン「俺はたまに公演で外に出ることはあるけどこんなにのんびりしたのは久しぶりだ」
上条「ステイルとインデックスが一緒にいることは間違いないからインデックスの身に何かあることはないだろうけど」
マンソン「また魔術絡みだろうな」
オルソラ「えっと・・・・・うーんと・・・・」
上条「・・・・・」
マンソン「・・・・・・・」
上条「なあ?」
マンソン「言いたいことはよくわかる」
上条「ああ、そうだよ」ハァハァ
マンソン「乗るのか乗らないのかはっきりさせないとバスの運転手も困るんだぞ?」
オルソラ「そうでございましたか、学園都市の技術はすごいのでございますね」
上条「だーかーら!ここは学園都市じゃないんだってば!!」
オルソラ「え?それでは私は学園都市へむかいますので」
マンソン「いや、学園都市に向かわなくても目的は遂げられるんだぞ?」
オルソラ「そうでございましたか、私は学園都市へ行かなければならないのでございますよ」ニコニコ
上条「っだあああああ!!!」
マンソン「落ち着け上条」
オルソラ「まあ、そんなに興奮しては汗をかいてしまいます」フキフキ
上条「お、おお・・・・」チラッ
上条(で、でかい・・・・・)
マンソン「顔がやらしいぞ?」
上条「そ、そんなことねーって!!」
インデックス「あ、とうまだ、マンソンもいる」
マンソン「よう、久しぶりだな」
ステイル「相変わらずのようだねマンソン」
アニェーゼ「あれ?横にいるのは・・・」
オルソラ「おや、あの方々がイギリスの・・・」
上条「ああ、そうだ」
マンソン「なあステイル、今回は何が起こったんだ?」
ステイル「うん、それなんだけどね、そのオルソラを探すのを手伝ってほしかっただけなんだ」
上条「は?」
マンソン「なんてことだ・・・」
インデックス「うん、だから三人でおいしいもの食べに行きたいんだよ!」
マンソン「ま、たまに外に出られたんだ、それでいいんじゃないか?」
上条「そうだな、そう思わないとなんかやってられねえ」
ステイル「こっちも拍子抜けするくらいあっさり解決して驚いてるんだよ?」
マンソン「こういうこともあっていいんじゃないか?」
ステイル「そうだね」
そうはいかないのよな シスター・オルソラは我ら天草式がもらいうける
上条「誰だ!!」
ステイル「天草式か!!」
ガコン
オルソラ「きゃあ!!!」
インデックス「地面が!!」
マンソン「しまった!!」
マンソン「味方だと思ったローマ正教・・・」
上条「それがあっさりひっくりかえるなんてな」
マンソン「あの時は混乱したけどなあ・・・」
上条「でもルチアの顔芸ではっきりしたんだよな」
マンソン「今思い出しても笑いがこみ上げてくるな」
上条「な、なあおい、今オルソラの悲鳴が聞こえなかったか?」
ルチア「あなた方に話すことは何もありません!!」
マンソン「なんだと・・・」
アンジェレネ「えと・・えと・・そういうことなので・・・」
上条「なあ、待てよ」ガシッ
ルチア「!!!!」
マンソン「ああ」
上条「もう一回やってくれねえかな」
マンソン「殴られるだけですめばいいけどな」
建宮「これでわかったのよな?」
上条「ああ・・・」
マンソン「きれいな顔したまじめ系のお姉さんキャラが顔芸をすると・・・」
上条「すごく笑えるってことだ・・・」
建宮「そういうことじゃないのよな?」
インデックス「オリアナが大変なんだよ!」
マンソン「ああ、なんて破壊力なんだ」
建宮「いや、それはもう考えることじゃないのよな?」
インデックス「オルソラが大変なんだよ!!」
ステイル「落ち着くんだインデックス」
インデックス「ステイル!!」
ステイル「写真に収めておいた、君もこの顔芸を見るといい」
ピラッ
インデックス「!!!!!」ブフッ
ステイル「落ちたか・・・」
上条「ああ」
マンソン「さすがルチアだよな」
建宮「だからそれどころじゃないのよな?」
マンソン「まさかあれだけの数を相手することになるとはな」
上条「ああ、あの時はもうだめかと思ったぜ」
マンソン「そうだな」
アニェーゼ「これは私たちローマ正教の問題なんですからねえ!!!」
上条「いまいちだな・・・」
マンソン「ああ」
アニェーゼ「はあ?」
轟!!
ステイル「その程度の顔芸では笑いをとることはできないぞ!!」
アニェーゼ「イギリス清教が何を!!」
ステイル「シスター・オルソラの胸から下げたその十字架はイギリス清教からかごを受けた証!!」
アニェーゼ「何を詭弁を!!」
ステイル「詭弁で結構、その程度の顔芸しかできないやつの意見に耳を傾ける必要などない!!」
アニェーゼ「はあ?」
アニェーゼ「な、なにをわけのわからないことを・・・」
上条「オルソラ、大丈夫か!?」
オルソラ「はい」
マンソン「顔芸すらロクにできないくせになんてやつだ・・・」
ステイル「ロリコンしか飛びつかないようなおっぱいをしていてそんなことで誰かが手を差し伸べてくれるとでも思っているのか!!」
建宮「その通りなのよな!!天草式一同アニェーゼには顔芸以外の別のネタを覚えてもらうのよな!!」
アニェーゼ「どいつもこいつも顔芸顔芸・・・・そんなに顔芸が大事ですか!!」
上条「あたりまえだ!!」
マンソン「お前は何もわかっちゃいない!!」
ステイル「パンツしか魅力しかないっていうのなら」
インデックス「つねにパンツ丸出しでいるといいんだよ!!」
建宮「お前のせりふだけローアングルでなああ!!!」
上条「やってみろ!!」
マンソン「俺たちの絆!!俺たちのリズムはお前の顔芸くらいでは揺るがすことすらできない!!」
ステイル「いくぞ!!」
建宮「おう!」
アニェーゼ「いいでしょう、なら私たち全員であんたたちを叩き潰してあげます!!」
アニェーゼ「チャージ三回、フリーエントリー、ノーオプション無制限チームバトル!!」
上条「チャージ三回、フリーエントリー、ノーオプション無制限チームバトル!!」
マンソン「チャージ三回、フリーエントリー、ノーオプション無制限チームバトル!!」
ステイル「チャージ三回、フリーエントリー、ノーオプション無制限チームバトル!!」
建宮「チャージ三回、フリーエントリー、ノーオプション無制限チームバトル!!」
上条「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
マンソン「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
ステイル「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
建宮「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
アニェーゼ隊「「「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」」」
アニェーゼ(こんなわけのわからないことを言う連中に負けるわけにはいきません!!)
アニェーゼ「チャアアアアアアアアアアアアジインンンンンンンンンンンン!!!!!」
上条「チャアアアアアアアアアアアアジインンンンンンンンンンンン!!!!!」
マンソン「チャアアアアアアアアアアアアジインンンンンンンンンンンン!!!!!」
ステイル「チャアアアアアアアアアアアアジインンンンンンンンンンンン!!!!!」
建宮「チャアアアアアアアアアアアアジインンンンンンンンンンンン!!!!!」
マンソン「数が多すぎて何が起こってるのかさっぱりだったな」
上条「だがそこは天草式」
マンソン「チームバトルに長けてるだけはあったよな」
上条「こっちも無傷ってわけにはいかなかったけどな」
マンソン「ああ、ステイルなんて必殺技を出すまえにやられてたからな」
上条「あいつ強いんだけどなあ・・・・」
マンソン「まあああいう流れだとしょうがないんじゃないか」
上条「わかっただろ!!戦いは数じゃねえんだ!!」
マンソン「そう、戦いは絆の強さ、そしてリズムだ!!」
アニェーゼ「なんですって・・・・この・・・やっちまいやがれ!!」
シスター「はい!!」
上条「マンソン!!」
マンソン「おう!」
上条「アン!!!」
マンソン「ドゥ!!!」
上条 マンソン「トロワ!!!」
シスター「きゃああああああ!!!!」
アニェーゼ「そんな・・・・私の精鋭部隊がこうも簡単に・・・」
アニェーゼ「そんな・・・そんな・・・・」
マンソン「仲間の絆!!仲間の力を信じて戦う俺たちにはお前たちの攻撃は通用しない!!」
上条「それ以前に、数に頼って観ているものを惹きつけるもののないお前たちに」
マンソン「ボーグはお前の持つ力以上のものを発揮することはない!!」
アニェーゼ「だからなんだっていうんですか!!たとえ私のボーグがやられたとしても」
上条「まだわからねえのか!!」
アニェーゼ「何っ!?」
マンソン「お前の部下はもう戦うことをやめちまっている!!」
アニェーゼ「そ、そんな!?」
アニェーゼ「何をしている!!まだ戦える者も何を手を止めている!?」
上条「お前と一緒に戦うことに戸惑いを感じているからだ!!」
アニェーゼ「そんな・・・・なんで・・・・」
マンソン「それは・・・それは・・・」
上条「お前に魅力がないからだああああああ!!!!」
アニェーゼ「そんな・・・・」
マンソン「顔芸がすべてとはいわない、だがな!!」
上条「顔芸においてもパンツにおいても中途半端なお前に俺たちがまけるわけがないだろうがあああ!!!」
アニェーゼ「そんな・・・ことで・・・・」
マンソン「ああ、そんなことだ、だがそれがどれだけ重要な要素を占めていることをしらないやつは!!」
上条「一生かかっても俺たちに勝つことはできない!!」
アニェーゼ「あ・・・あ・・・・・」ヘタッ
マンソン「いくぞ上条!ハウリング・ロデオ・ドライブ!!」
上条「ああ!プリーチング・パンチング・デストロイヤー!!!!」
上条「その幻想そぶちころす!!ブレイキング・イマジン・ドリイイイイイイイム!!!!!!」
アニェーゼ「うわあああああああああああ!!!!!!!」
アニェーゼ(こんなことなら・・・・もっと・・・・)
アニェーゼ(顔芸に・・・・磨きを・・・・)
アニェーゼ「うっ・・・・・・」パタッ
マンソン「やったな!上条!!」
上条「ああ!!」
インデックス「なんだかものすごく理不尽かも・・・」
ステイル「なあに、髪型が気にいらないくらいでボーグバトルを拒否する人間もいるくらいだ」
建宮「それにくらべれば・・・・まあ同じくらい理不尽なのよな・・・・」
マンソン「ああ」
アンジェレネ「ヤキニク♪ヤキニク♪」
上条「あれからいろいろあったけど」
マンソン「案外うまくやれてるよな」
上条「おーいアンジェレネー」
アンジェレネ「はい」
マンソン「野菜もちゃんと食べるんだぞ?」
アンジェレネ「もちろんですよ」
上条「インデックスも待ってるからな?」
アンジェレネ「あ、そうでした!」
アンジェレネ「そ、そんなことはありませんよ?」オドオド
上条「まあいいさ、とりあえず早くいこうぜ?」
アンジェレネ「は、はい!!」
マンソン「好きなだけ食べていいからな?」
アンジェレネ「本当ですか!?」
上条「インデックスがもう一人増えたみたいだな・・・」
マンソン「それはそれで楽しいからいいんじゃないか?」
上条「だな」
アンジェレネ「な、何か失礼なことを言ってませんか?」
マンソン「いや」
上条「全然」
マンソン「わかってるって」
上条「そのついでの焼き肉だよな?」
アンジェレネ「そ、そうです!!ヤキニクがメインではないのです!!」
マンソン「ちょろいな?」
上条「ああ、ちょろい」
アンジェレネ「本当ですからね!?」
マンソン「そうだな」
アンジェレネ「本当に本当ですったら!!」
上条「わかってるって」
アンジェレネ「こうなったらお肉全部食べつくしてやります!!」
マンソン「って言って」
上条「丸いシスターが二人もできあがるなんてな」
アンジェレネ「うぷ・・・」
インデックス「苦しいんだよ・・・」
マンソン「確かに肉も野菜も全部食べつくしたけど」
上条「張り合う必要があったのか?」
アンジェレネ「ぷ、ぷらいどのもんだいです・・・・」
インデックス「お肉がおいしいのがいけないんだよ・・・・」
上条「やれやれ」
マンソン「まあいいじゃないか」
インデックス「水もはいりそうにないかも・・・・」
上条「まあ今夜はここに転がしておくしかないか」
マンソン「そうだな」
土御門「おっと、その心配はいらないぜい」
上条「土御門!!」
マンソン「ってことは・・・」
土御門「ああ、二人にはこれから空港へ向かってもらう」
上条「二人はどうするんだ?」
土御門「安心しろ、舞夏に頼んである」
マンソン「で?今度はどこへ飛べばいいんだ?」
土御門「それは着いてからのお楽しみだぜい」
上条「不幸だ・・・」
マンソン「まったくだ・・・・」
おわり
他の作品のキャラをクロスさせるとかできたらよかったんですけど自分にはこれが限界です
マンソンのリズムを利用した攻撃が禁書の中で一番輝いていますよね
おもしろかった
で、マンソンって誰だよ
マンソンの活躍が多いだけで普通すぎる禁書だったな
Entry ⇒ 2012.08.16 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
一方通行「これが打ち止めのパンツですかああああ!!!」
一方通行「染みがついたら大変だからなあああ!!!」
一方通行「漂白剤でえええええ!!!」
一方通行「まっしろおおおお!!!まっしろォ!!!」
一方通行「苺ましまろおおおおおお!!!」
ジャブジャブ
一方通行「もちろンゴム手袋を装備してェ!!!」
一方通行「やさしく手洗いイィィィ!!!!!」
一方通行「そしてベクトルで脱水したらァァァァ!!!」
一方通行「陰干し当然ンンンン!!!!」
ビシッ
一方通行「チッ面倒くせェ・・・・」
一方通行「豆腐を圧縮ゥ!!!」ギュー
一方通行「余分な水分を搾り出してェ!!!!」
一方通行「ヘルシーなハンバーグゥゥゥゥゥ!!!!!」
一方通行「苦手なにんじんとピーマンもォォォォ!!!!!」
一方通行「わからないくらいに細かく刻むゥゥゥゥゥゥ!!!」トントン
一方通行「こねて形を整えたらァァァァァ!!!」
一方通行「まずは強火で焼き色をつけるうゥゥゥゥゥ!!!!」
ジュウッ
一方通行「俺は炎を支配してるゥゥゥゥゥゥ!!!!!!」
ゴウッ
一方通行「その後はもちろん中火ィィィィィイ!!!!」
一方通行「火加減命イィィィィィィィ!!!!」
一方通行「もちろンお花の形ィィィィィ!!!!」
一方通行「巧の業でええええ!!!!」
一方通行「黄身が中央にィィィ!!!!」
一方通行「色とりどりの野菜といっしょにィィィィィ!!!!」
一方通行「美しく飾る!!!」
一方通行「ビュウウウウウティフォオオォォォォォォォ!!!!!」
一方通行「チッ、できたぞクソガキィ」
打ち止め「わーい!!」カチャカチャ
打ち止め「あむっ あちゅっ!!」ベッ
一方通行「!!!!!」クワッ
一方通行「あせンじゃねェェェェ!!!!」
一方通行「フゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!フゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!」
一方通行「こォやるンだよクソガキがァァァァ!!!!」
打ち止め「うん、ふー、ふー」
一方通行「まァまァだな」
打ち止め「あむっ・・・」
打ち止め「もぐもぐ」
一方通行「よく噛みやがれ」
打ち止め「ん」コク
打ち止め「おいひぃ!」ホワー
一方通行「チッ残さず食えよ」
打ち止め「うん!」
番外固体「ふぁ・・・」
一方通行「カカカカカカカ!!!!」
番外固体「えっ、何?」
一方通行「夜更かししてると大きくなれねェぞおおおおお!!!!」
番外固体「はいはいもやしにいわれたくありませんよー」ゴロゴロ
一方通行「夜更かししてこんな大人になりてェかああああ!!!!」ビシッ
番外固体「え?」チラッ
芳川「私って甘いのよね、自分に・・・」ダラー
番外固体「うわぁ・・・ヨシカワの周りにビールの空き缶のタワーが・・・」
一方通行「ダメ人間は誰でもなれンだぞォォォォォ!!!!」
番外固体「はい、わかりました」
一方通行「素直が一番ンンンンン!!!!!」
芳川「ねえ、冷蔵庫からビール取ってくれない?」
一方通行「オラァ!!!プレミアムモルツだァ!!!」
芳川「ありがと」プシュッ
番外固体「揺らさないように丁寧に取り出すんだね」
一方通行「そしてつまみはァァァァ!!!!」
一方通行「ゆでた枝豆ェェェェェ!!!」
一方通行「もっちろンンンン!!!!」
一方通行「塩抜きダァァァァァァ!!!」
一方通行「おらよ」
吉川「ん」モグモグ
番外固体「うん、こんな大人にはなりたくない
一方通行「もちろンゴミは分別ゥゥゥゥゥ!!!!」」ゴソゴソ
一方通行「混ぜるヤツは自分でゴミ処理場まで持って行きやがれェェェェ!!!!」
一方通行「業者がその収集所すべてのゴミを回収しないことだってあるンだからなァァァァァ!!!!」
番外固体「ゴミを捨てる時はちゃんとルールを守ろうね、ご近所さんを敵に回すよ」
一方通行「洗濯ゥ!!洗濯ゥ!!」
一方通行「シーツを洗濯ゥ!!!」
一方通行「最低一週間に一度は洗濯しやがれェェェェェェ!!!!」
一方通行「シーツがべたつくと感じるやつは今すぐ洗濯だァァァァァ!!!」
黄泉川「何か悪いじゃん、一方通行」
一方通行「こンのおっぱいィィィィィ!!!」
黄泉川「いきなり喧嘩売ってるじゃん?」イラッ
一方通行「いつまでもそのおっぱいが美しいままだと思ってるンですかあァァァァァ!!??」
黄泉川「は?」
一方通行「きちんと働いて面倒見が良い、オマエはそれだけで人生を終えるつもりですかァァァァ!!!」
黄泉川「ちょ、どういうことじゃんよ」
一方通行「ちったあ身を固めることを考えろってンですよォォォォォ!!!!」
黄泉川「お、おい///// お前が心配することじゃないじゃんよ」
一方通行「俺だけじゃねェってンですよォォォォ!!!」
打ち止め「うん、ヨミカワにはヨミカワの幸せがあるべきだと思うってミサカはミサカははっきりと伝えてみる」
黄泉川「お、お前ら・・・・」
打ち止め「ミサカネットワークをほしがるところは意外に多かったり」
一方通行「俺が許可しねェがなァ」
芳川「ねー、誰か暑いからガリガリ君買ってきてー」
一方通行「台無しですよォォォォォォォ!!!!」
打ち止め「でもこれもしかたないかもってミサカはミサカはため息をついてみる・・・」
番外固体「冷蔵庫に一本のこってたはず・・・・あった」
芳川「ねー、食べさせてー」
番外固体「はいはい あーん」
芳川「あーん」
一方通行「とりあえず浮いた話のひとつくらい聞かせやがれってンだ」
黄泉川「ま、考えとくじゃんよ ////////」
一方通行「チッ、心配かけさせンじゃねェ」
一方通行「日光の力で殺菌ンンンン!!!!」
打ち止め「おお、ぽかぽか陽気でお布団があたためられていくね!」
番外固体「干した布団ってあったかくて気持ちいいよね」
打ち止め「でも熱帯夜だとちょっと拷問かも」
一方通行「万全のォォォォォ!!!ベクトル操作でェェェ!!!!」カチッ
一方通行「布団に篭る熱を調節ゥゥゥゥゥ!!!!」
一方通行「ふっかふかになった布団から程よくぬくもりをのこしつつ熱を逃がすうゥゥゥゥゥ!!!!!」
夜
一方通行「一日天日で干した布団にィィィィィィィ!!!!」
一方通行「ふっかふかのタオルケットォォォォォ!!!!」
一方通行「さらに!!!暑苦しい室内の湿気をベクトルで調節ゥゥゥゥゥゥ!!!!」
打ち止め「ふかふかできもちいー」
番外固体「ほんと、ほどよいぬくもり・・・・」
一方通行「チッ、肩冷やすンじゃねェよ・・・」バサッ
一方通行「オオオオオォォォォリジナルウウウゥゥゥゥゥ!!!!」
御坂「一方通行!!」
一方通行「カカカカカカ!!!!」
御坂「何か用?」キッ
一方通行「一緒に来てもらうぜェ?」
御坂「何であたしがあんたに付き合わないといけないのよ、ふざけてるの?」
一方通行「何がふざけてるってンですかァァァァ!!!!」
御坂「へ?」
一方通行「打ち止めと番外固体がお姉さまと遊びたいってつぶやいたンですよォォォォォ!!!!」
御坂「えっあの二人が?」
一方通行「それはもうさびしそうな瞳でつぶやいたンですよォォォォォォォ!!!」
御坂「えっと・・・えっと?」
一方通行「遊ンでやってくれませンかねェェェェェェェ!!!!!」
御坂「え、うん、いいけど」
御坂「う、うん・・・」
御坂(なんか緊張する・・・)
ガチャッ
御坂「こ、こんにちわー」
打ち止め「お姉さま!?」
番外固体「マジで!?」
打ち止め「お姉さまだああああ!!!」ギュッ
御坂「こ、こら!!」
番外個体「よ、ようこそおこしやすくださいましたでごわすです」コチコチ
御坂「こらこら、何か言葉がおかしいわよ?」
一方通行「ケッ、やかましィ・・・」
芳川「ねー、のどかわいたー」
一方通行「水でも飲んでろォ」トクトク
芳川「あ、カルピスね、少し薄めでお願い」
一方通行「バターァ!!」
一方通行「砂糖ォ!!」
一方通行「卵ォ!!」
一方通行「お好みでチョコチップとかラムレーズンとかァ!!」
1:やわらかくしたバターと砂糖を白っぽくなるまで混ぜる。溶いた卵を少しずつ加えて更によく混ぜる
2:ふるいにかけた薄力粉を2回に分けて入れて、ヘラでサックリと混ぜる。粉っぽくなくなったら、ひとまとめにする
3:ラップで包んで冷蔵庫で30分以上ねかせる
4:ラップとラップの間に生地をはさんで、めん棒で5mmの厚さにのばす
5:好みの型で抜く。(一度型で抜いた生地は、まとめて→のばして→型抜きを繰り返す。)
6:190℃(予熱なし)で約15分焼けば完成
一方通行「だがァ!!!」
一方通行「あっつあっつなもンを食べさせて火傷したらどォするゥゥゥゥゥゥ!!!!!」
一方通行「ここでお待ちかねのベクトルゥゥゥゥゥゥ!!!!!」
一方通行「出来立てのサクっとした歯ごたえそのままに温もりが残る感じでェェェェ!!!」
一方通行「熱を放出ゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!」
御坂「ってことがあったののよねー」
打ち止め「へー、ヒーローさんとそんなことが!」
番外個体「で、お姉さまってヒーローさんのことどう思ってるの?」
御坂「ふえっ!? べ、べつになんとも・・・・ /////////」
打ち止め「へー」ニヤニヤ
番外個体「へー」ニヤニヤ
コンコン
打ち止め「はーい」
一方通行「ほらよォ」
御坂「あ、おいしそうじゃない」
打ち止め「これどうしたの?」
一方通行「黄泉川が買ってきたやつだろ、お前らで食え」
打ち止め「はーい」
番外個体「はーい」
バタン
御坂「・・・・、何か手作りっぽいわね?」
打ち止め「うん、もちろんあの人の手作りなんだけど」
番外個体「手作りってことを絶対に認めないからね」
御坂「えっ、何で?」
打ち止め「照れ隠しだと思う」
番外個体「ミサカ達のためにがんばってるところを意地でも見せたくないんじゃないかな」
御坂「そうなの?」
番外個体「カメラにハッキングして肝心なところだけが見事に映ってなかったからねえ・・・」
御坂「何それすごい」
打ち止め「全力で否定したがってるけどがんばって色々やってくれてるわけだから」
番外個体「これはもう気づかないフリしてあげたほうがいいよねってことになったんだよね」
御坂「あー、無理につきつめて変な方向にいったら台無しだもんね」
打ち止め「そう、一緒に暮らしてものすごく照れ屋さんなのがわかってほんわかしてるの」
番外個体「拍子抜けっていえば拍子抜けなんだけどさ、でもまあいい生活させてもらってるわけだし」
御坂「そうなんだ、なんかイメージがわかないんだけどね」
打ち止め「それはしょうがないかも」
番外個体「うん、まああの人がしてきたことは消えないわけだし・・・」
御坂「まあその辺は私も複雑ね・・・・」
御坂(目の前で妹達の一人を殺されちゃったもんね・・・・)
打ち止め「うん・・・」
番外個体「悲しい宿命ってやつなんだろうけど・・・あんなのはもういや・・・」
御坂「あー、しめっぽい話になっちゃったわね、クッキー食べましょ?」
打ち止め「うん!」
番外個体「ミサカチョコチップ!!」ヒョイ
打ち止め「じゃあミサカはレーズン!!ヒョイ」
御坂「私も」ヒョイ
おいしー!!!!
御坂「なにこれあったかくてさくさくしてて・・・」
打ち止め「でしょ?」
番外個体「お店でもこういうの中々食べられないもんね」
御坂「なんかくやしいわね・・・女の子として・・・」
打ち止め「それはいえるかも・・・」
番外個体「いつかまいったといわせるやつをつくってみたい・・・意地でも言わないと思うけど」
一方通行「フルゥゥゥゥゥゥゥツゥゥゥゥゥ!!!!」
一方通行「ミックス!!!」
一方通行「クッキーの甘さを邪魔しない程度にィィィィ!!!!」
一方通行「そしてェ!!もちろン添加物はベクトルで粉砕ィィィィ!!!」
一方通行「後味さっぱりのォォォォォォォォ!!!」
一方通行「フルゥゥゥゥゥツミックスゥゥゥゥジュゥゥゥゥゥス!!!!」
芳川「ねー、私にもクッキーとジュースちょうだーい」ダラッ
一方通行「・・・・お前には別メニューだ」
芳川「あら、これは・・・・」
一方通行「働かねェ!運動しねェ!外に出ねェ!そンなヤツにはカロリーを抑えたものを出すに決まってるじゃないですかァァァァァ!!!」
芳川「あなたって他人に甘いのね・・・」
一方通行「・・・・さァな・・・・」
芳川「うん、おいしいわ」
一方通行「黙って食え」
一方通行「ほらよォ、ジュースだ」
御坂「ありがと、一方通行」
一方通行「・・・お前に礼を言われるなンてなァ・・・」
御坂「そう?おもてなしされたらこんなもんよ?」
一方通行「・・・・・・チッあのことを忘れたわけじゃねェだろうが・・・」
御坂「そうね、でも今あたしは楽しいし、あんたの作ったクッキーはすごくおいしいわよ?」
一方通行「ケッ・・・」
バタン
打ち止め「ほうほう、うっすら顔が赤くなってたのをミサカは見逃さなかったよ!!」
番外個体「ミサカも見た」
御坂「なんか変なやつね・・・」チュー
御坂「あ、おいしい」
打ち止め「ほんとだ、さっぱりしてる」
番外個体「クッキーに合わせたんだろうね」
一方通行「これだからガキのお守りは面倒なんだよなァ・・・・」
芳川「ねー、一方通行、暴れん坊将軍の再放送録画できてる?」
一方通行「これだろうがァ」ピッ
芳川「ありがと」
一方通行「チッ」
ガチャッ
御坂「じゃあ今度買い物に行きましょうね?」
打ち止め「うん!ミサカはミサカは楽しみにしてるねってお姉さまにアピール!!」
番外個体「ミサカも楽しみにしてるね」
一方通行「ほゥ?」
打ち止め「ばいばーい」
番外個体「またねー」
一方通行「カカカカカカカ!!!!」
芳川「ねー、今日のご飯何ー?」
打ち止め「え?うん」
番外個体「牛筋煮込み丼の予定だったような」
一方通行「牛筋煮込みカレー丼に変更だァァァァァァァァ!!!!」
打ち止め「わーい、カレー!!」
番外個体「え?カレーになるの?やったー!」
芳川「わーい」
一方通行「てめェだけはおかわり無しだ」
芳川「えー」
一方通行「誰のおかげで体重が増えねェと思ってンだ」
御坂「お待たせー」
打ち止め「お姉さまー!こっちこっちー!!」
番外個体「あー、ドキドキが止まらない」
一方通行「カカカカカカカカカ!!!!」
御坂「あれ?」
打ち止め「偶然こっちのほうに用があったんだって」
番外個体「だからお姉さまが来るまでミサカ達の話し相手になってもらってたっていうか・・・」
一方通行「じゃあな、せいぜい楽しンでこいや」
御坂「えっと・・・うん」
打ち止め「じゃあ行ってくるね!」
番外個体「気が向いたらお土産買ってくるね」
一方通行「そォかよ・・」
御坂「このゲコ太かわいー!」
打ち止め「うぅ・・・これかわいいけど・・・」
番外個体「うん、ちょっと値段がね、こっちにしなよ」
御坂「そのへんはしょうがないわね、身の丈に合ったのにしなさい」
打ち止め「うぅ・・・・このゲコ太とはまたの機会に・・・」
一方通行「カカカカカカカ!!!!!」
店員「えっ?あの、ここ関係者以外立ち入り」一方通行「すこーし静かにしておらおうかァ!!」
店員「は、はい・・・」
一方通行「あのゲコ太をよこせェ!」
店員「い、いのちばかりは・・・はい?」
一方通行「二度も言わせるンじゃねェよ、あのゲコ太をよこせェ」
店員「あ、はい、カラーがろくしょk」一方通行「全部だァ!!」
店員「え?」
一方通行「二つずつだ・・・早くしろォ・・・」
御坂「わぁ・・・・・・」
御坂(これすっごくかわいい・・・・・)
打ち止め「ねえねえお姉さま!ミサカこれがいい!!」
御坂「あ、それもいいじゃない!それもう少し大きいのないの?」
番外個体「うぅ・・・・ミサカだけサイズ無いよぉ・・・・」
御坂「イヤミか・・・・」チラッ
御坂(あたしが母親に近づくのは当分先かぁ・・・・)
一方通行「おィィィィ!!オーダーメイドだァァァァ!!!」
職人「はい?」
一方通行「この柄の水着をこのサイズで作ってもらおうかァァァァァァ!!!」
職人「・・・・おい」
一方通行「なンだァ?」
職人「女物を作ってほしかったら本人を連れてきな」一方通行「ふっざけンなってンですよォォォォォォ!!!」
一方通行「パパがサンタクロースだからおもちゃ何がいい?って子供に聞くのと同じことだろうがァァァァ!!!」
一方通行「それで喜ンだとしても夢を壊された気持ちのほうが何倍も大きいだろうがァァァァ!!!」
職人「な、なるほど・・・・」
一方通行「純粋な心を叩き潰してまで現実を突きつけたいってンですかてめェはァァァァァ!!!!」
職人「・・・・」
一方通行「てめェはいつからそンなになっちまったァァァァァァァ!!!!!!」
一方通行「思い出せェェェェ!!!」
一方通行「お前が作った水着を着て喜ンでプールや海ではしゃぐ子供たちの笑顔をおおおおお!!!」
職人「そうだな・・・・俺が間違っていたよ・・・・」
職人「俺に・・・作らせてくれないか?」
一方通行「あァ、任せたぜェ、最ッ高ゥのやつをなァ!!」
職人「ふっ、腕がなるぜ・・・」
御坂「いやー、結構色々買えたわね」ホクホク
打ち止め「うん!」
打ち止め(でもあのぬいぐるみ・・・・)
番外個体「そうだね」
番外個体(やっぱりミサカあの水着・・・・)
向かいの建物
海原「ハァハァ・・・・」
海原「ハァハァ御坂さんとちっちゃい御坂さんとおっきい御坂さん・・・」
一方通行「おイィ」
海原「はい? 一方通行!!なぜここが!!」
一方通行「わかりやすいンだよ・・・」
海原「わかりやすい?」
一方通行「あいつらを見守るのにこれほどベストなスポットはねェだろうがァ!!」
海原「くっ・・・」
海原「愚問ですね、自分も御坂さんを見守っているに決まっているじゃありませんか」
一方通行「その手に持っているのは何なンですかァァァァ?」
海原「・・・思い出に決まっているじゃあないですか」
一方通行「おイィ・・・」
海原「いやです」
一方通行「まだ何も言って無ェぞ?」
海原「あなたの考えてることなんてお見通しですよ」
一方通行「ほゥ、じゃあこれから俺が何を言うかわかってンだろうなァ?」
海原「ええ・・・・無駄だと思いますが一応聞かせてもらいましょうか」
一方通行「命が惜しかったらお前が持っているものを全部よこせ」
海原「愚問ですね・・・・」
一方通行「なら・・・」
殺してでも奪い取る!!!
打ち止め「学生さんが多いところだからしょうがないかもってミサカはジュースを飲みながらどうでもよかったり」
番外個体「それにしても趣味が合う買い物って楽しいね」
御坂「そうね、普段だと周りの目もあって手にとるのも少しためらうやつも合わせてみられたし」
打ち止め「やっぱり自分が好きなのを買うのが一番だね」
番外個体「そうそう、欲しくもないもの買っても公開するだけだしね」
御坂「そうよねー、やっぱり買いたいもの買うのが一番だわー」ホワー
海原「アステカの名誉にかけてええええええええ!!!!!」
一方通行「学園都市第一位をなめンじゃねェってンですよおおおおおお!!!!」
海原「はっ!!!」
一方通行「無駄ァ!!!」
一方通行「さァて、回収回収」
一方通行「ほォ、色ンな媒体で保存してあンじゃねェか」
一方通行「画像に動画に音声・・・」
一方通行「こりゃ家宅捜索も必須だなァ・・・」
一方通行「さァて、こいつはもちろン・・・」
一方通行「木っ端微塵だァァァァァァァ!!!!」
轟!!!!!!
一方通行「こンだけ粉々にすりゃもう復元なンぞできねェだろ」
一方通行「さァて、こいつを起こして案内してもらうとすっか」
打ち止め「はいはいはい!映画みたいよってミサカは提案してみる!」
番外個体「あ、いいね」
御坂「そうね、せっかくこの面子でいるんだし見ちゃおうか」
打ち止め「やったー!」
番外個体「映画館ってあっちでいいんだっけ?」
御坂「うん、あっち・・・って」
上条「よう、御坂じゃねーか」
打ち止め「ヒーローさん・・・」
番外個体「お姉さまは平静を保てるのか・・・」チラッ
御坂「あ、あんたこんなところで何してんのよ!! ////////」
上条「いや、買い物だけど」
打ち止め「やっぱり・・・」
番外個体「お姉さまがんばれー」
上条「そっか、お前ら三人そろうと本当に姉妹みたいだよな」
御坂「そりゃそうよ、妹だもん!」
上条「番外個体が一番年下ってのがアンバランスだよな」
御坂「まあそのへんはしょうがないわよ」
上条「結構買い物楽しんでるんだな、何買ったんだ?」
御坂「べ、別にあんたに関係ないじゃない!!」
上条「いや、そんなに怒らなくても」
打ち止め「見てられない・・・」
番外個体「ここはミサカ達がお姉さまを助けないと・・・」
上条「え?」
打ち止め「ミサカの買った水着みてみたいの?ってミサカは小悪魔な瞳でヒーローさんを見つめてみたり」
上条「あ、そうか、悪い御坂」
御坂「え?うん、わかればいいのよ・・・」モジモジ
打ち止め「それでヒーローさんは何も買ってないみたいだけど」
番外個体「ひょっとして女の子には言えない買い物ってやつ?」
御坂「それって・・・ //////」
上条「ち、ちがうって、俺はただ単にシャンプーを買いにだな」
打ち止め「えー」
番外個体「つまんなーい」
上条「いや、何だったらよかったんだよ」
上条「ああ、なんか邪魔して悪かったな・・・」
打ち止め「ちょっと待ってヒーローさん!」
番外個体(このまま帰してたまるかっての)
上条「え?まだ何か?」
打ち止め「ミサカ達はこれから映画を見にいくんだよ」
番外個体「よかったらヒーローさんも一緒にどう?」
御坂「こ、こいつもいっしょに!!」
上条「えっと、悪い、この後学校のやつと用事があるんだよな」
御坂「ソウヨネー」
打ち止め「なんてタイミングが悪いの・・・」
番外個体「お姉さまどんまい・・・・」
御坂「ジャアネー」
打ち止め「お姉さま息してる?」
番外個体「かろうじてかな」
土御門「カミやんおそいぜよ」
青ピ「これで女の子つれてきたらもう死刑やで」
一方通行「つうううううちみいいいいかどくうううううん?」ユラァ
土御門「なっ!!なんでこんなところにお前が!!」
青ピ「つっちー、この人すっごく怖いけど知り合いなん?」
一方通行「おはなししませンかアァァァァ?」
土御門「落ち着け、話すから殺意を抑えてくれ!!」
青ピ「トラウマになりそうやあああ!!!!!」
上条「あれ?メール・・・・土御門か」
上条「・・・・なんだよそれ」
上条「あいつら急に来れなくなるなんて・・・」
一方通行「かあああああみじょおおおおおくううううううんんんん!!!!!」
上条「一方通行!!」
一方通行「きィぐううううですねェェェェェェ!!!!」
上条「あ、ああ、何でお前そんなにテンションが高いんだよ・・・」
一方通行「くくくききかきくこくくけくかきくこけくけくきくきくきこきかかか――――――!!」
一方通行「いつも通りだろォが」
上条「そうだっけ?」
一方通行「あァ」
一方通行「いや、暇してンだ、付き合えよ」
上条「え?」
一方通行「暇なンだろ?顔に書いてあンぞ?」
上条「まあ暇は暇だけどさ・・」
一方通行「じゃあついてこい」
上条「え?あ、ああ」
一方通行「こっちだ」
上条(来た道戻る形か・・・)
打ち止め「あぁ・・・お姉さまからどんよりとした空気が・・・」
番外個体「タイミングの問題とはいえ・・・・」
一方通行「よォ」
番外個体「あれ?」
一方通行「奇遇じゃねェか」
打ち止め「あなたと・・・」
上条「またあっちまったな」
御坂「えっ!!!」シャキッ
打ち止め(さすがおねえさま)
番外個体(わかりやすっ!)
こんなこと言ってた子がこんな立派に…
打ち止め「あのね、三人で映画に行こうって話してたの」
一方通行「そォか、しょうがねェ、つきあってやるか」
番外個体「じゃあヒーローさんも?」
上条「ああ、なんかヒマになっちまったからつき合わせてもらうよ」
御坂「うそ!?」
上条「あ、嫌だったか?」
御坂「いやいやいやいやそのいやどかなくてそのそういうことじゃないのよこれはね」
打ち止め「お姉さまはOKって言ってるよ!」
上条「そうなのか?」
番外個体「そうなの、さあ行くよヒーローさん」
一方通行「カカカカカカ」
上条「ゲコ太?」
御坂「うぅ・・・・」
御坂(やっぱり子供っぽいって思われちゃう・・・)
一方通行「そう言わずに見てみろってンだ」
打ち止め「すっごくおもしろいって評判なんだよ?」
番外個体「だまされたと思って観てみなよ」
上条「そうだな、せっかくみんなで来てるんだし俺もちゃんと観てみるよ」
一方通行「それでこそヒーローだ」
打ち止め(そしてもちろん)
番外個体(お姉さまの隣に座ってもらう)
上条「へー、ゲコ太ってこんな設定だったのか、奥が深いんだな」
御坂「もちろんよ、ただのかわいいキャラクターってわけじゃないのよ?」
上条「見た目と声にかなりギャップがないか?」
御坂「でしょ?一度聞いたら耳から離れない声なのよ」
上条「記憶に残りやすいってことか」
御坂「そうそう、それもゲコ太の魅力のひとつね」
一方通行(楽しそうじゃないですかァ)
一方通行(好きなものを語る時人は饒舌になるからなァ)
一方通行(それに・・・)チラゥ
打ち止め「わぁ・・・」キラキラ
番外個体「ゲコ太・・・」キラキラ
一方通行(結構じゃねェか)
御坂「うぅ・・・・ゲコ太ぁ・・・・」グスッ
打ち止め「ぐすっ・・・がんばれぇ・・・・」グスッ
番外個体「立って・・・たってよぉ・・・・」グスッ
一方通行(感覚を共有する・・・)
一方通行(順調じゃねェか・・・・)
一方通行(これで上条と穏やかな共通の話題ができるわけか・・・)
一方通行(この調子でいきゃァうまくやっていけるンじゃねェのか?)
一方通行(ま、そううまくいかねェだろうができる限りの助けはしてやるか)
上条「まさか俺泣くとは思わなかったわ・・・なあ御坂」
御坂「あ、ちょっとまだこっち見ないで!」グシグシ
上条「ん?」
打ち止め「女の子の泣き顔なんてそう見せられるものじゃないんだよってミサカは大人ぶってみたり」
一方通行「ほら、鼻垂れてンだろうが」グシグシ
打ち止め「ん」チーン
番外個体「デリカシーは大切だからね」グシグシ
一方通行「上条、ちょっと飲み物買ってこようぜ」
上条「そうだな、ちょっと時間おくか」
一方通行「そォか、あいつらにも言ってやれ」
上条「ああ」
一方通行「超電磁砲だけどよォ」
上条「ん?」
一方通行「送っていってやれ」
上条「大丈夫じゃねーか?」
一方通行「感情が不安定な時ってのは一人にしないほうがいいンだよ」
上条「それもそうか、じゃあ俺御坂を送っていくよ」
一方通行「そォしろ」
御坂「またね」
一方通行「あァ」
打ち止め「ヒーローさんもお姉さまも」
番外個体「また遊ぼうね」
一方通行「さっさと帰ンぞ」
打ち止め「うん!」
番外個体「ヨシカワが飢え死にしちゃってたりして」
一方通行「笑えねェかもしれねェな」
打ち止め「お風呂とトイレしか立ち上がってるところを見てないかも」
番外個体「清潔にしてるだけ救いようがあるのかな」
御坂「・・・・・」
上条(何かふたりっきりになると気まずいな・・・何かはなさねーと・・えっと・・・)
御坂(あたしあいつと隣同士で・・・映画見て・・・泣き顔見られて・・・あいつも泣いてて・・・・)
御坂(うわあああああ!!!!意識するなっていうのが無理よおおおお!!!)ドキドキ
上条「な、なあ御坂!!」
御坂「はいいいいい!!!!」
上条「うわっ!」ビクッ
御坂「うわっ、ごめん、大きな声出しちゃった!!」
上条「いやいやいいっていいって!!」
御坂「えっと、何?」
上条「え?」
御坂「何か言おうとしたでしょ今」
上条「ああ、えっと・・・その・・・・御坂・・・・」
御坂「うん・・・・・」
黄泉川「おかえり」
番外個体「ヨミカワ今日は早かったんだね」
黄泉川「ああ、たまたま早く帰れたじゃんよ」
一方通行「そりゃよかったなァ?」
芳川「ええ、おなかがすいて倒れちゃうところだったわ」グテー
黄泉川「そういえば打ち止めと番外個体宛てに荷物が届いたじゃんよ」
打ち止め「荷物?」
番外個体「何だろうね」
黄泉川「差出人はサンタクロースになってるじゃん」
芳川「今夏なのにね」
一方通行「南半球は冬だろォが」
御坂「何・・・・?」
上条「御坂ってシャンプー何使ってる?」
御坂「・・・・・は?」
上条「いや、えっとだなほら、俺シャンプー買いにきたんだけど買えなくってさ、それでこの機会にシャンプーを変えようかと」
上条(ってこのタイミングで言うことじゃねーだろうがあああ!!!)
御坂「あ、シャンプーね、シャンプー・・・あ、今日買ったやつよかったら使う?」
上条「え?いいのか?」
御坂「かわいいからふたつ買ったのよ、だから一本あげるわ」
上条「あ、ゲコ太のやつか」
御坂「嫌ならいいけど・・・」
上条「いや、喜んで使わせてもらうよ」
御坂「うん、大事に使いなさいよ」
御坂「え?」
御坂(ゲコ太でこいつとここまで・・・・ありがとうゲコ太!!)
御坂(それに同じシャンプー使うのよね!おそろいってやつよね!!)
御坂(うわああああああ!!!!なんかすっごくはずかしいいいい!!!)ドキドキ
上条「御坂?」
御坂「ふぇっ!? /////////」
上条「だからさ、今度何かおごらせてくれよ。な?」
御坂「うん、期待してる・・・ ///////」
番外個体「これも!!」
黄泉川「よかったじゃん」
芳川「私は昨日のカレーがほしいんだけど」
一方通行「今あっためてンだろうが」
打ち止め「えへへ」ニコニコ
番外個体「やった」ニコニコ
黄泉川「それで、サンタさんは私には何もくれないじゃん?」
一方通行「ジャージ」
黄泉川「え?」
打ち止め「ヨミカワー、おっきいジャージが入ってたよ」
番外個体「これはヨミカワ専用だね」
芳川「でもツノもないし赤くもないのね」
一方通行「ンなもンあっても邪魔で目立つだけだろォが」
黄泉川「あはは、ありがたく使わせてもらうじゃん」
打ち止め「何か難しそうな本がいっぱいあるけど」
番外個体「これ哲学書?」
芳川「ブックオフに行けってことかしら、立ち読みって結構疲れるのよね」
黄泉川「こらこら」
一方通行「この調子で悟りでも開いてくれませンかねェ」
番外個体「悟り?」
打ち止め「宗教?」
黄泉川「そこまでは行ってほくないじゃんよ」
芳川「私教祖とか似合わないのよね、自分に甘いから」
一方通行「あァ、痛いほどわかってらァ」
御坂「うん ///////」
上条「だから御坂も何か考えててくれよ?」
御坂「うん ////////」
上条「じゃあな」
御坂「またね ///////」
ガチャッ
御坂「/////////」
黒子「まあお姉さま、どうなさいましたのそんなに顔を赤くされて」
御坂「えへへへへへへやったやった!!!きゃああああ!!!!もうすっごい幸せええええ!!!」
黒子「お姉さま・・・・もしや・・・・」
御坂「え?なんでもないわよなんでもないったらいや本当になんでもないわよもうさいこうよ!!!」
黒子「あの・・・・・類人猿めぇ・・・・・」ギリギリ
御坂「はぁ /////////」
番外個体「今日も手がこんでるじゃん」モグモグ
黄泉川「おかげで助かってるじゃんよ」モグモグ
芳川「私のだけおかず少なくない?」モグモグ
一方通行「何度も言わせンじゃねェ、動いてないやつにゃ毒だ」モグモグ
打ち止め「絶妙なカロリーコントロールだね」モグモグ
番外個体「職業にしちゃえば?」モグモグ
黄泉川「シェフとしてデビューするのも有りじゃんよ」モグモグ
芳川「それはそれで見てみたいわね」モグモグ
一方通行「めンどくせェ」モグモグ
一方通行「お前らの世話より面倒なことはしねェ主義なンだよ」
打ち止め「ふーん」ニヤニヤ
番外個体「へえ」ニヤニヤ
黄泉川「今日はやけに素直じゃん?」ニヤニヤ
芳川「おかわりしてもいい?」
打ち止め「ミサカ何もみてなーい」
番外個体「ミサカも何も聞いてなーい」
黄泉川「そうじゃん、ご飯がおいしいってはなしだけじゃんよ」
芳川「ねー、おかわり」
一方通行「・・・・一杯だけだぞ?」
おわり
面白かった乙!
Entry ⇒ 2012.08.10 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
上条「マンソン、テストどうだった?」マンソン「まあまあだな」
土御門「マンソンは努力してるからにゃー」
青ピ「ピアノの練習に加えて勉強もきちんとやるなんてさすがやで」
マンソン「おいおい、お前たちにもできることじゃないか」
吹寄「そうよ、とくに上条当麻は赤点だらけなんだからマンソンに教えてもらいなさいよ」
上条「うっ・・・ぐうの音もでねえ」
マンソン「上条、授業料は高いぞ?」
上条「安くしといてくれよな」
マンソン「冗談だ、ただにしといてやるよ」
小萌「はいはーい、みんな席につくのですよー」
シドニー・マンソン(ニコニコ大百科)
マンソン「ああ、あんなにかわいい先生はほかにはいないからな」
小萌「はーい、二人ともそれ以上しゃべりやがると強制的にすけすけみるみるなのですよー?」
青ピ「はーい」
マンソン「はーい」
小萌「マンソンちゃんはできる子なんですから少しは三人をひっぱってほしんですよ?」
マンソン「そういわれても」
吹寄「先生、マンソンにそこまでさせるとピアノがおろそかになってしまいます」
小萌「それも困り者ですね、あなたたち三人がきちんとお勉強すれば先生もこんなこと言わなくてもすむんですよ?」
上条「はーい」
土御門「はーい」
青ピ「怒った顔も素敵やでこもえせんせ~」ハァハァ
小萌「はー、青ピちゃんは放課後強制すけすけみるみるなのでーす」
青ピ「やったでえ!!ヒミツの放課後やでえ!!」
マンソン「ゆがみないな」
マンソン「ああ、くたくただぜ」
御坂「あ!いたいた!!見つけたわよ!!」
上条「この声は・・・」
マンソン「ああ・・・」
御坂「あんたたち!!今日こそあたしと勝負しなさい!!」
上条「やっぱり・・・」
マンソン「御坂・・・」
御坂「なんでそんなに呆れてるのよ!ちょっとはまじめにやんなさいよ!」
上条「やだ」
マンソン「俺もだ」
御坂「なんでよ!!まだ決着ついてないじゃないの!!」
禁書アンチ?マンソンに叩きどころがないからって存在を無視するなよ
御坂「よくないわよ!!あたし殴られてもいないじゃない!」
マンソン「女の子を殴るなんて俺たちにできるわけないじゃないか」
御坂「うぅ・・・!!なんかその余裕たっぷりなところが頭にくるのよ!!」
ビリビリビリビリ!!!!
上条「うわっ!!」パキーン
マンソン「危ないじゃないか!」
御坂「あ、あんたたちが真剣に勝負しないのがいけないのよ」
マンソン「ふう、しょうがないな・・・」
御坂「あっ・・・また・・・・」
マンソン「心を落ち着けるメロディーだ、どうだ?心が安らいでくるだろ?」
御坂「・・・・うん・・・いい音・・・・・」
上条「音楽で相手の感情をコントロールすることができるなんてさすがマンソンだぜ」
マンソン「なあ、俺たちは争う必要はないんだ、仲良くお茶でも飲もうじゃないか」
御坂「そうね・・・うん、なんであんなにイライラしちゃったんだろ」
上条「それじゃあ俺そこでクレープ買ってくる」
マンソン「おっと、俺が行くよ。上条だと転んじゃうかもしれないだろ?」
上条「あ、それもそうだな」
上条「はぐ」
マンソン「もぐもぐ」
御坂「なんかおいしいのが余計にくやしい」
上条「やめてくれよ、せっかくクレープ食べてるのにさ」
マンソン「そうだ、おいしいクレープが台無しになるだろ?」
御坂「うん・・・」モグモグ
黒子「はぁ・・・またあなた方ですの・・」
上条「白井!」
マンソン「よう、白井もクレープ食べるか?」
御坂「あー、そっか、なんかわるいわね」
黒子「ええ、ですから次の機会に・・・あなた方も少しはお姉さまの心を乱さないようにしてくださいまし、では」
御坂「こらっ!」
上条「どういうことだ?」
マンソン「さあな」
御坂「別に気にしなくていいわよ、あの子が勝手に言ってるだけだから」
マンソン「そうだ、ひとつテイクアウトしてくるからあとで白井に食べさせてやってくれよ」
御坂「え?なんか悪いわよ」
上条「気にするなよ、俺たちなぜか白井に嫌われてるっぽいし」
マンソン「できることなら仲良くやりたいからな」
マンソン「ん?」
上条「えっ?」
御坂「!!!!!」
マンソン「御坂そっくり・・・・双子か?」
上条「見ればみるほど瓜二つだな」
御坂妹「妹です」
マンソン「へー、初耳だな」
上条「ああ、なあ御坂、紹介してくれねーか?」
御坂「おい妹、ちょろっとこっちで話しましょうか」ガシッ
御坂妹「ミサカにもスケジュールがあるのですが」
御坂「い・い・か・ら! 来なさい・・・・」
マンソン「え?」
上条「おい」
御坂「あたし妹と話することができたからこれで失礼させてもらうわー、じゃあねー」
上条「まあ複雑な家庭環境ってやつじゃないのか?」
マンソン「頭にゴーグルつけてなかったら見分けがつかねーな」
上条「俺たちに勝負挑んでくるのがいつもの御坂ってくらいかな」
マンソン「そうだな」
上条(あとは短パン・・・妹も短パンはいてんのかな・・・)
マンソン「おい上条、顔がやらしいぞ?」
上条「えっ?いや、そんなことねーって!!」
マンソン「本当か?」
上条「本当だって!」
上条「おや、あれは・・・」
猫「・・・・・」
御坂妹「・・・・」
マンソン「よう、何してんだ?」
上条「猫にエサやろうとしてんのか?」
御坂妹「そうです」
マンソン「って言っても菓子パンをあげるのはどうかと思うけどな」
上条「人間の食べ物って猫にはあまりよくないんだっけ?」
御坂妹「では、どうすればいいのでしょうか」
上条「あ、そうか、それじゃあ古本で100円のやつでいいか」
マンソン「それで十分だろう」
御坂妹「ですがミサカにはこの猫に触ることができないのです」
マンソン「そうか?ほら」スッ
上条「ほら、そっと抱いてみろって」
御坂妹「・・・・はい」ギュッ
猫「にゃー」
マンソン「ほら、大丈夫じゃないか」
マンソン「それじゃあ名前考えるか?」
上条「何かいいのあるか?」
御坂妹「いぬ」
マンソン「は?」
上条「犬?」
御坂妹「この猫の名前です、猫なのに いぬ」ニヤッ
マンソン「いや、もうちょっとだな」
上条「威厳のある名前っていうか」
御坂妹「では、徳川家康」
マンソン「やりすぎだ」
上条「偉人の名前をつけるなよ・・・」
上条「店の中に猫をつれて入るわけにはいかねーからな」
御坂妹「はい、それではここで二人を待っています」
マンソン「けっこうわかりやすいのが買えたな」
上条「ああ、これでばっちりだぜ」
マンソン「あれ?あいつはどこに行ったんだ?」
上条「へんだな・・・」キョロキョロ
いぬ「にゃー」
マンソン「お前の飼い主はどこにいっちまったんだ?」
いぬ「にゃー」トコトコ
上条「そっちにいるのか?」
上条「うげぇ・・・・・」
マンソン「なんだって・・・・なんだってこんなことに・・・・」
上条「御坂の妹が・・・・」
御坂妹「すみません、予定があるのをすっかり忘れていました」
マンソン「え?」
上条「御坂妹!!えっ?それじゃあこれは・・・」
御坂妹「これも間違いなくミサカです」
マンソン「どういうことなんだ・・・」
御坂妹「ミサカたちは――――」
上条「学園都市の中でこんなことが行われているなんて・・・・」
マンソン「上条、御坂はこのことを知っているんじゃないか?」
上条「そういえば・・・御坂妹を見る目が尋常じゃなかったし・・・」
マンソン「ああ、知らなかったとしたらいきなり目の前にクローンが現れてあんな反応ですむわけがない」
上条「マンンソン!御坂のところに行ってみようぜ」
マンソン「ああ」
マンソン「なあ、御坂がどこに出かけているか知らないか?」
上条「一刻を争うんだ、何か知っているなら教えてくれ!」
黒子「私も知らないのですわ、このところ毎日お出かけになられて戻ってきてもすぐに・・・」
マンソン「そうか・・・」
上条「くそっ・・・御坂はどこに・・・・」
コツッコツッコツッコツッ
黒子「はっ!!いけませんわ!寮監の巡回ですの!!」
マンソン「お、おう、上条、早く!!」
上条「って言われてもせまくて・・・・」
ガチャッ
マンソン「危機一髪ってやつか・・・」ヒソヒソ
上条「ああ、危なかったぜ・・・ん?」ヒソヒソ
マンソン「どうした?」
上条「!?マンソン・・・これ・・・」
マンソン「こ、これは・・・・・」
マンソン「見つけたぞ・・・」
上条「御坂・・・・」
御坂「あんたたち・・・・」
マンソン「御坂、お前何をしようとしてるんだ?」
上条「悪いことは言わない、こんなことはやめるんだ」
御坂「やめる?何を?自販機にケリいれてジュースとってるみことちゃんに夜遊びくらいで説教しようっていうの?」
マンソン「絶対能力進化実験・・・・」
御坂「!!??」
上条「悪いが、白井に部屋にあげてもらった時にみつけちまったんだ、後で気の済むまで殴れ」
マンソン「やめさせてみせるさ」
上条「どんな手を使ってでもな!!」
御坂「ふざけないで・・・あんたたちに一方通行は絶対に倒せない・・・」
マンソン「御坂にできなかったからか?」
御坂「!!」
上条「お前の性格だ、この実験を知った段階ですぐに一方通行のところへ殴りこみに行くだろうな・・・」
御坂「・・・・でも・・・他に方法がないのよ?」
マンソン「だからって御坂が死んでいいわけないだろうが!!」
上条「きっと何かあるはずだ!!御坂が命を投げ出さなくても実験を中止させる方法が!」
マンソン「どかない」
上条「俺もだ」
御坂「はあ?だったら力ずくでとめてみなさいよ、いつもみたいにあたしをこてんぱんにしてみなさいよ」
マンソン「戦わない」
上条「絶対に」
御坂「ふざけないで!!戦う気があるのなら、拳を握れ!戦う気がないのなら、立ち塞がるな!ハンパな気持ちで人の願いを踏みにじってんじゃないわよ!」
マンソン「・・・・」
上条「・・・・・」
御坂「この・・・・このおおおおおおおおおお!!!!!!」
上条「ああ、だけど休んでる時間はない」
マンソン「早くしないと実験が始まっちまうからな・・・・」
上条「急ごうぜ!!」
御坂妹「うぅ・・・・・・」ボロッ
一方通行「もォ終わりかよ・・・もっと楽しませてくンねェか?」
御坂妹「・・・・・・」
一方通行「反応無しか、まァ人形にしちゃよく持ったほうだ・・・じゃあな」
マンソン「待て!!!」
上条「御坂妹から離れろ!!」
マンソン「知ったことか!!お前の相手は俺たちがやってやる!!」
一方通行「あァ?笑えねえ冗談だなァ?」
上条「だから御坂妹から離れろって言ってんだろうが!!!」
一方通行「なら、ちゃンとキャッチしろよ」ポーン
マンソン「くっ」
ズサアアアアアアアアアア
上条「マンソン!!」
マンソン「大丈夫だ、御坂妹は無事だ」
御坂妹「うっ・・・・・・あなたたちは・・・・」
上条「!!!」ブチッ
上条「てめえええええ!!!!」
一方通行「あン」トン
轟!!!
マンソン「砂利が柱のように!!!」
上条「くっ・・・・この!!」
一方通行「おいおい何がしたいンですかァ?」トン
メキメキメキメキ ビュンッ!!
御坂妹「レールがうねりをあげて・・・・」
上条「うわっ!!!くっそっ・・・・・・」ハァハァ
上条「はっ」
マンソン「熱くなるのはいいことだがリズムを忘れたら戦いには勝てないぞ!!」
上条「そうだ・・・そうだったなマンソン」
マンソン「思い出せ!俺たちはいつもリズムを合わせて戦ってきたはずだ!!」
上条「ああ!」
マンソン「ステイルと戦った時も、神裂と戦ったときも、自動書記を抑えたときも・・・」
マンソン「俺たちはリズムを失わなかったはずだ!!」
上条「すまねえマンソン、おかげで冷静になることができたぜ!!」
マンソン「いくぞ上条!!」
上条「ああ、俺たちのリズムで」
マンソン「一方通行を倒す!!!」
轟!!!
上条「アン!!!」
マンソン「ドゥ!!!」
上条 マンソン「「トロワ!!!」」
御坂妹「あの攻撃をかわしている・・・・」
一方通行「ハッハァ!!かわしたところで攻撃できなきゃ意味ねェだろうがァ!!」
マンソン「旋律だ!!! ハウリング・ロデオ・ドライブ!!!」
一方通行「なンだァ?このメロディー・・・っ 体の力が・・・・」
上条「うおおおおおおおお!!!」
バキィィイィ!!!!!!!
御坂妹「一方通行がノーバウンドで・・・・」
御坂「うそ・・・・」
御坂妹「お姉さま・・・・」
上条「はぁ・・・・はぁ・・・・」
マンソン「いいコンビネーションだったな上条!!」
上条「ああ、マンソンのハウリング・ロデオ・ドライブは最高だぜ!!」
一方通行「くかかかか・・・そォか、いてェってのはこンな感覚だったンだなァ!!」ヨロヨロ
上条「まだやるつもりか・・・」
マンソン「上条、気を抜かないでもう一度だ、もう一度リズムで行くぞ!!」
上条「どういうことだ?」
一方通行「そこのヒゲめがねの能力はメロディーを聴かせることで相手の感情から自在に操作する能力だろ?」
マンソン「くっ・・・・・」
御坂「さすが一方通行ね・・・・」
御坂妹「マンソンの能力を一度で見破るとは・・・」
一方通行「なら話は簡単だ!!俺のベクトル操作で音を遮断すればもう俺に攻撃できる隙をつくることはできねェ!!」
マンソン「なんてことだ・・・」
上条「これじゃあ俺たち4人のリズムを合わせた攻撃が展開できない!!」
御坂「なにか・・・・何か方法はないの?」
御坂妹「あきらめてはいけません!!」
御坂「そうよ!あたしたちはずっと4人で戦ってきたわ!!」
マンソン「ああ!4人の仲間、4人の絆さえあればどんなことでも乗り越えられる!!」
御坂妹「私たちの友情は何者にも引き裂かれることはないのです!!!」
一方通行「ほゥ?じゃあ見せてもらおうじゃねェか・・・お前らの友情ってやつをよォ!!!!」
マンソン「みんな、耳をふさいでくれ」
御坂妹「えっ?」
御坂「でも・・・」
上条「言い争っている暇はない、マンソンを信じるんだ!」
御坂妹「わかりました!!」
御坂「やってやるわ!!」
上条「ああ!!」
マンソン(信じるんだ・・・・そしてこの瞬間に俺のすべてをかける・・・)
マンソン「いくぞお!!!」
マンソン「アン・ドゥ・トロワ!!!アン・ドゥ・トロワ!!!アン・ドゥ・トロワ!!!」
上条 御坂妹 御坂「「「アン・ドゥ・トロワ!!!アン・ドゥ・トロワ!!!アン・ドゥ・トロワ!!!」」」
一方通行「何ィ!!四人の心がひとつになって同じリズムを刻ンでいるだとォ!!!」
で、マンソンってだれ?
上条「アン・ドゥ・トロワ!!!アン・ドゥ・トロワ!!!アン・ドゥ・トロワ!!!」
御坂「アン・ドゥ・トロワ!!!アン・ドゥ・トロワ!!!アン・ドゥ・トロワ!!!」
御坂妹「アン・ドゥ・トロワ!!!アン・ドゥ・トロワ!!!アン・ドゥ・トロワ!!!」
一方通行「な、なンだこれはァ・・・・」
上条「今だ!!!」
御坂「マンソン!!」
御坂妹「あの技を!!」
マンソン「グランピアノ・ヒーリング・フォルテッシモオオオオオオオオ!!!!!」
一方通行「うわあああああああああああああああ!!!!!!!」
マンソン「ああ、あの時はこうして一緒にいることは想像することもできなかったぜ」
打ち止め「へー、こんなに仲良しな二人でも出会いはガチバトルだったんだね」
一方通行「あァ、手加減なンて考えてなかったからなァ」
マンソン「俺もだ」
一方通行「こいつを助ける時にも世話になったからなァ」
マンソン「俺は何もしちゃいないぜ」
一方通行「いや、お前が俺にブラックホール・デス・シックルを預けてなければ俺の頭はヤツの拳銃で撃ち抜かれてただろうなァ」
打ち止め「偶然ボーグが額に張り付いているなんて・・・すごい奇跡だよね」
一方通行「・・・・」
マンソン「だから、大事にするんだな」
打ち止め「この人は毎日メンテナンスを欠かさないよってもがもが」一方通行「このガキィ・・・」
マンソン「まあ気に入ってもらえたんなら俺もうれしいけどな」
一方通行「チッ・・・」
打ち止め「ぷはっ、それでこの後はどうするの?」
マンソン「映画を観に行く約束をしてるんだ」
打ち止め「ちぇーっ、じゃあ今度はミサカのボーグ選ぶのについてきてくれる?」
マンソン「ああ、もちろんだ」
打ち止め「やったー!!楽しみにしてるね!!」
マンソン「よう」
絹旗「女の子を待たせるなんてマンソンは超マンソンですね」
マンソン「はは、悪い悪い、ポップコーンおごるから許してくれよ」
フレンダ「さすがマンソン」
絹旗「ついでにコーラも!」
マンソン「ああ、いいぞ」
絹旗「やったー」
フレンダ「ちょっとずうずうしくない?」
絹旗「むっ」
マンソン「気にするな気にするな、車買ってって言われてるわけじゃないんだから」
絹旗「ですね・・・・」
絹旗「あれはピンセットをめぐる一連の事件の時・・・・」
麦野「浜面、早く車調達してくれない?」
浜面「そういうなよ、五人乗れるのがなかなかみあたらなくて・・・・あ、あれにするか」
絹旗「超はやくしてください」
浜面「へいへい・・・」
浜面「よし、これなら空けられそうだな」マンソン「おい!」
浜面「げっ!」
マンソン「俺の車に何しようとしてんだ!!」
麦野「面倒なことになったわね」
絹旗「もう置いていきませんか?」
滝壺「そうは言っても足がないわけだし」
フレンダ「結局、浜面なわけよ」
浜面「え?ああ、そうなんだ、どうにかしてこいつらを送り届けないといけないんだよ!!」
マンソン「そうか、なら乗っていけよ!」
フレンダ「え?」
マンソン「どうみてもただ事じゃなさそうだからな」
絹旗「いいんですか?」
マンソン「ああ、悪いことされるよりよっぽどマシだ、さあ早く乗った乗った」
滝壺「むぎの、どうする?」
麦野「・・・あんたが何も聞かないってなら乗せてもらうわ」
マンソン「いいだろう」
マンソン「楽器を演奏することが好きなんだ、荷物を積むことができる車があると便利なんだよな」
滝壺「楽器は何を演奏するの?」
マンソン「ピアノを含めて何でもやるぞ?」
麦野「へー、すごいのね」
マンソン「好きでやってるだけだからな」
フレンダ「あ、そこ左」
マンソン「おう」
浜面「和みすぎじゃねーの?」
麦野「別にいいわよこのくらい」
麦野「ええ、迎えはいらないわ」
絹旗「帰りはちゃんと自分たちで帰りますんで」
マンソン「車盗むんじゃないぞ?」
浜面「ああ、もうやんねーよ」
滝壺「それじゃあねまんそん」
フレンダ「ありがと!」
マンソン「ああ」
フレンダ「ほんと、ビックリしたわけよ」
絹旗「超壮絶バトルでしたね」
フレンダ「くっ・・・・」
絹旗「なんて強さですか・・・」
垣根「おいおいその程度なのか?」
フレンダ「たった一人に・・・私のサンタルチア・ポマドーロ・ルネッサンスと・・・」
絹旗「私のパンプアップ・クインビーが手も足も出ないなんて・・・・」
垣根「俺のボーグに常識は通用しねえ!!!」
フレンダ「このままじゃ・・・・」
絹旗「ここで負けるわけにはいきません・・・」
マンソン「あきらめるな二人とも!!」
フレンダ「マンソン!!」
絹旗「どうしてここに!!」
マンソン「俺は”ピンセット”と呼ばれる極秘ボーグを守るためにここにきた!どうやらお前たちと目的は同じようだな!」
垣根「あ?なんだテメェも俺の敵か、まとめて相手してやるからさっさとかかってこいよ」
マンソン「なら、チームバトルだ!!!」
垣根「おいおい、俺は一人で相手してやるって言ってるんだぜ?」
マンソン「それじゃあただのいじめになっちまうって言ってるんだ」
垣根「なんだと?」
垣根「上等だ、お前ら全員皆殺しにしてやる!!」
マンソン「やってみろ!!絹旗、フレンダ、やれるか?」
フレンダ「もちろん!!」
絹旗「負けるもんですか!!」
マンソン フレンダ 絹旗「「「チャージ三回、フリーエントリー、ノーオプションチームバトル!!!」」」
垣根 心理定規 砂皿「「「チャージ三回、フリーエントリー、ノーオプションチームバトル!!!」」」
マンソン「うおおおおおおおおおお!!!!」
フレンダ「うおおおおおおおおおお!!!!」
絹旗「うおおおおおおおおおお!!!!」
垣根「うおおおおおおおおおお!!!!」
心理定規「うおおおおおおおおおお!!!!」
砂皿「うおおおおおおおおおお!!!!」
チャアアアアアアアアジインンンンンンンンンン!!!!!!
マンソン「あせるなフレンダ!!」
フレンダ「えっ?」
垣根「そんなもんが俺に通用するか!! ウェスタン・バッファロー・シューティング!!!!」
絹旗「危ないフレンダ!!!」
フレンダ「くっ、絹旗とマンソンがクッションになってくれなかったら・・・一撃でやられてたわけよ・・・」
垣根「おいどうした?やっぱり俺一人で充分じゃねーか」
フレンダ「うぅ・・・・どうしたら・・・」
マンソン「リズムだ!!」
絹旗「リズム!?」
フレンダ「そんなこといわれても・・・」
絹旗「どうやれば・・・・」
マンソン「俺がリズムを作る、二人はそれに身を、ボーグをゆだねてくれ!!」
マンソン「旋律だ! ハウリング・ロデオ・ドライブ!!!」
フレンダ「これは・・・なんてきれいなメロディー・・・・」
絹旗「これなら・・・これならいけそうな気がします・・・・」
フレンダ「魅了しろ! サンタルチア・ポマドーロ・ルネッサンス!!!」
絹旗「力強く! パンプアップ・クインビー!!!!」
垣根「くっ!なんだこいつら、急に動きがよくなってきた・・・・」
マンソン「今だ!! グランピアノ・ヒーリング・フォルテッシモ!!!!」
フレンダ「ベネチアン・パスタ・クラッシュ!!!」
絹旗「ベンチプレス・プルオーバー・デッドリフト!!!!!」
垣根「こ、これは、これはあああああ」
うわあああああああああああああああああああああ!!!!!
フレンダ「マンソンがこなかったらどうなってたかわからないってわけよ」
マンソン「まあ俺は俺の仕事ができたから結果はオーライだな」
絹旗「麦野が超うれしそうにしてたの今でも覚えてますよ」
マンソン「そうなのか?」
フレンダ「もちろん本人の前で話せないわけだけどね」
マンソン「なるほどな」
絹旗「さ、そろそろ映画が始まりますよ」
フレンダ「今日のはおもしろいやつなの?」
絹旗「もちろんです、この私がおすすめするんですからおもしろくないわけがありません」
マンソン「楽しみだな」
マンソン「ああ、少し短いやつだったけど最高だったな」
フレンダ「正直期待してなかったからびっくりってわけよ」
絹旗「何か超失礼な事言ってませんか?」
フレンダ「だっていつもがいつもじゃない」
マンソン「数多く見てるなかで吟味してもらったんだ、おもしろくないわけがないだろ?」
フレンダ「あ、そうか」
絹旗「ふふん、超感謝してください」
フレンダ「えー、なんかえらそう」
絹旗「素直じゃない子は大きくなれませんよ?」
フレンダ「絹旗が言う?」
絹旗「むっ」
マンソン「こらこら、そんなこと言ってると喧嘩になるぞ」
フレンダ「今度は麦野と滝壺もつれてくるわけよ」
マンソン「ああ、またな」
マンソン「さーて、帰ってピアノのレッスンだ」
上条「不幸だー!」
インデックス「とうまのばか!あぐあぐ」
マンソン「おいおいどうしたんだこんなところで」
インデックス「あ、マンソン、とうまがタイムセールを勘違いしてお肉が買えなかったんだよ!!」
上条「明日になったら食べられるって言ってるじゃねーか」
インデックス「今日たべたいんだよ!!もう私のお腹はお肉って決まってしまったんだよ!」
マンソン「なんだそんなことか、それなら俺の部屋にこないか?」
上条「肉があるのか?」
マンソン「ああ、この間の公演で名産の牛肉をいただいてな、その塊がごろんと冷蔵庫に入ってて一人じゃ食べきれないんだ」
インデックス「おにく!!!」
マンソン「だから好きなだけ食べていいぞ」
上条「ありがてえ・・・」
マンソン「それじゃあ三人で焼肉といこうぜ!」
インデックス「うん!!」
おわり
もっといろいろやりたいことあったけど時間切れ
俺が一番好きな禁書のシーンはマンソンがアレイスターと宇宙でボーグバトルしたところだな
ってことで以下禁書のキャラについて語るスレってことで
じゃあ反省会だ
誰だよマンソンって
で、誰だよマンソンって?
Entry ⇒ 2012.07.28 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (6) | Trackbacks (0)
佐天「物をくっつけて塊にして転がす能力かぁ……」
初春「あれ? 佐天さんの声がしたような……ええっ!?」
佐天「よいしょー!」ゴロゴロ
初春「きゃー!!」
佐天「あっ、ごめんごめーん。初春も巻き込んじゃったよー」ゴロゴロ
路地裏をーぶらぶら散歩ーしませんかー
初春「さ、佐天さん……助けてください」
佐天「あー、ごめん。あたし、くっつけて転がす事はできても自由に外せないんだよねー」
初春「えー!? じゃあ、どうすればいいんですか!?」
佐天「まあ、やり方はあるんだけどね。いっくよー!」ゴロゴロ
初春「えっ? 佐天さん! このままだとビルにぶつかりますよ!?」
佐天「えーい!」ドゴオン
初春「きゃー!! ……あっ、離れた……ううっ」
佐天「ぶつかったら取れるんだよ」
佐天「五メートルくらいはあるかもね」
初春「よく見たら、机とかもくっついてますね」
佐天「いやー、暇だったから教室で消しかすをこねて遊んでたんだけどさ」
初春「はあ」
佐天「そうしたらどんどんくっついて、気付いたらこうなってんだよ」
初春「すごいですねー……」
佐天「ねえ、初春? これ、どこまで大きくなると思う?」
初春「うーん……分からないです」
佐天「実はあたしも分かんないんだ。だから、どこまで大きくできるかやってみよっか」
初春「さ、佐天さん……ビルと同じくらいの大きさになっちゃいましたね」
佐天「いやー、まさかこんなに大きくなるとはねー」
「うわああ!!」 「助けてくれえええ!!」 「どうなってるのよおお!!」
初春「これ以上は、さすがに……たくさん人も巻き込んじゃいましたし」
佐天「初春、あたし思うんだけどさ。学園都市って、物が多すぎるよね」
初春「うーん、それはあるかもしれませんね」
佐天「だからさ、一回……全部、くっつけちゃおっか」
初春「ええっ!?」
佐天「行くぞー初春! まずは第七学区からだー!」ゴロゴロ
初春「さ、佐天さーん! 待ってくださいよー!」
初春「うわあ……車、街路樹、信号機、本当になんでもくっついちゃうんですね」
佐天「あたしもびっくりしちゃった。そろそろ小さいお店くらいなら巻き込めるかな?」
初春「うーん、いけそうですね」
佐天「よーし! おっじゃっましまーす!」ゴロゴロ
「わああああ!? み、店があああ!?」
佐天「おっ、いけたよ初春」
初春「やりましたね、佐天さん」
佐天「この調子でどんどん行くぞー!」
初春「おー!」
現在の大きさ 40m50cm8mm
佐天「いやー、すっきりしたねー」
初春「周りに何も残ってませんね……あるのはこの塊だけ」
佐天「でも、そろそろ騒ぎになってもおかしくないよね」
初春「そうですね。もう既に、あそこに警備員の方々が集まってますよ」
佐天「本当だ……どうしよっか?」
初春「うーん、巻き込んじゃいますか」
佐天「そうだね、巻き込んじゃおっか。よーし!」ゴロゴロ
黄泉川「そこの女子生徒! 大人しくするじゃん……って、わあああああ!?」
佐天「よいしょー!」ゴロゴロ
初春「警備員があっという間に……すごいですね、佐天さん」
佐天「あたしもびっくりだよ」
佐天「なに、初春?」ゴロゴロ
初春「一人で軍隊と戦えたら、超能力者級の力を持ってるって事みたいですよ」
佐天「本当に? じゃあ、御坂さんは軍隊とドンパチできるんだね」ゴロゴロ
初春「佐天さんもいけるんじゃないですか?」
佐天「あたしは無理だよ。だって、銃とか怖いし」ゴロゴロ
初春「それもそうですね。でも、私としては表情変えずに人を巻き込んでいく佐天さんの方が怖いですよ」
佐天「初春は冗談がキツイなー」ゴロゴロ
「うわああああ!!」 「たすけてえええ!!」 「じゃんよおおお!!」
☆「なにやら外が騒がしいな……」
ぐらいか
初春「そうですね。あっ、常盤台中学が近くにありますよ」
佐天「本当に? 御坂さん、いるかな?」
初春「きっといますよ。あれ? あそこにいるの、御坂さんじゃないですか?」
佐天「本当だ、おーい、御坂さーん!」
美琴「佐天さん! 今すぐやめなさい! あなた、何をしてるか分かってるの!?」
佐天「だって、どうするよ初春?」
初春「うーん、やっちゃいますか」
佐天「そうだね。よいしょー!」ゴロゴロ
美琴「ちょ、ちょっと!? 止まりなさいってば! ええい、こうなったら電撃で……」
初春「御坂さん、塊の中には人がいるから電撃は駄目だと思いますよー」
美琴「えっ!? じゃ、じゃあどうすれば 佐天「よいしょー!!」ゴロゴロ
美琴「きゃあああ!!」
佐天「やったね、初春」
初春「やりましたね、佐天さん」
初春「そうですねー。あれ、あそこのビル、なんか変じゃありませんか?」
佐天「本当だ、窓が無いね。巻き込んでみよっか」ゴロゴロ
初春「お願いします」
佐天「よいしょー!!」ゴロゴロ
初春「あっ、いけましたね」
佐天「変なビルだったね。次行こっか」
初春「そうですね」
アレイスター「まさか、この建物が巻き込まれるとは」ビシャ
土御門「ずいぶん冷静だな」
アレイスター「なに、動じる事では無い」ビシャ
土御門「そうか。回転するたびにビーカーの中身がこぼれているけどな」
アレイスター「なに、動じる事では……へぶっ!? 無い……」
土御門「中身だけこぼれて、ビーカーの中でぶつけまくってるが大丈夫か?」
アレイスター「なに、ぐはっ、どうじ、がぼっ、る、げふっ」ゴン ガコン
土御門「キチンと蓋はすべきだったな」
佐天「第七学区はこれで全部かー。いやー、意外と大変だったね」
初春「そうですね。でも、固めたこれはどうしますか?」
佐天「うーん、まあ、置いとけばいいよ」
初春「それもそうですね」
佐天「ところで初春、見てごらんよ。何も無いってのはこういう事なんだね」
初春「さっぱりしましたねー」
佐天「あたし達って、便利な生活に慣れてるけど、それって物に囲まれて生活してるって事だよね」
初春「そうですね」
佐天「だから、一度こうしてリセットしてみるのもいいと思うんだよ」
初春「佐天さん、カッコいい事言いますね」
佐天「もっと褒めていいよ、初春」
初春「でも、やっぱりそろそろ戻しましょうか」
佐天「それもそうだね、戻そうか。……あっ」
佐天「今気付いたんだけど、あたしが知ってる戻し方って、ぶつける方法しかないじゃん?」
初春「そういえばそうですね。……あっ」
佐天「これだけ大きいと、ぶつけるものが無いよね」
初春「うーん、今どれくらいですか?」
佐天「八百メートルくらいはあるよ」
初春「スカイツリーもびっくりですね」
佐天「でも、困ったね。ぶつけるなら後は、山とか?」
初春「近くて大きな山と言えば……」
佐天「……富士山?」
初春「ですね」
佐天「……よっしゃー!」ゴロゴロ
初春「佐天さん、ファイトー!」
初春「そうですね。第八、九学区を通過した後に言うのもアレですけどね」
佐天「困ったなー……誰か、何とかしてくれないかな」
初春「塊を解除する能力があればいいんですけどねー」
佐天「やっぱり、あたしは落ちこぼれなのかな……」
初春「元気出してくださいよ。でも、いったいどうしたら……」
??「おっ、いたいた。おーい」
佐天「あれ? 誰かこっちに来てるよ」
初春「本当だ、誰でしょうか?」
佐天「そうなんですよねー……あたし達も困ってたんですよ」
初春「何かいい方法知りませんか?」
??「あぁ、俺に任せてくれよ。そのために来たんだからさ」
佐天「おー! その発言、カッコいいですね!」
初春「佐天さんもカッコいいですよ」
佐天「ありがと、初春」
??「よーし。危ねえから、ちょっと離れてくれ」
佐天「どうするんですか?」
??「まあ、見てろって。……いいぜ、テメェが何でもかんでもくっつけて転がるって言うんなら――」
初春「誰に向かって言ってるんですかね?」
佐天「うーん、誰だろうね?」
ドガッ ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ ガゴーン
佐天「うわっ!? 塊が崩れる!?」
初春「佐天さん、危ない!」ドンッ
佐天「初春!?」
初春「ぐはっ……」
佐天「初春……飛んできたペコちゃん人形から、あたしをかばって……」
初春「さ、佐天さん……私達、ずっと……ともだち、ですよ、ね……」
佐天「初春……だめだよ、死んじゃだめだよ!」
初春「なかな、いで、佐天、さん……わた、し、さてんさんのこと……っ」バタッ
佐天「初春……? 初春……ういはるー!!」
佐天「この世はもので溢れてる。でも、それ以上に人の心が溢れてる」
佐天「だから、謝ろうと思うんです。あたしの勝手な思い込みで、多くの人に迷惑をかけた事を」
佐天「……そうしないと、きっと初春は許してくれないから」
佐天「初春、あたし……もう、消しゴムのかすで遊ばないから。だから……」
佐天「あたしの事、見守っててね。初春」
初春「佐天さん、せっかくカラオケに来たのに何も歌わないんですか?」
佐天「あっ、ごめんごめーん。よーし、歌うぞー!」ピッ
カモーン! エブリバディ!
初春「あー、この曲いいですよねー」
佐天「さすがしげるだよね。じゃあ、いくよ!」
佐天「OK、ミスターサンシャーイン!」
初春「今、始まりますね。佐天さんの未体験アドベンチャー」
佐天「そうだね、初春」
劇終
ひだまり、さんさんって始まりの曲が個人的にベスト。久しぶりに転がすか
PSPのやつ持ってるけどプレイしてたら指が攣る
この曲すき
Entry ⇒ 2012.05.04 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
初春「私、レベル7になったんですよ」一方「何ィ!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333962075/
佐天「まだレベル7なの?私なんかレベル10だよ?」
一方「」
一方「あばばばば」
一方「に、逃げよう……」
初春「あの人なんだろう?私達の話でビクビクしながら逃げていく」
佐天「それよりさ、骨董屋にこんな面白いゲームがあるなんてね」
初春「そうですね。ドラゴンクエストなんてありきたりなタイトルと思ったんですがやってみたら結構ハマリましたね」
初春「あれ?そのレベルなら楽勝で倒してるはずですが?」
佐天「いやぁー。色々歩いてる内にメタルスライムが連続で十匹でたから」
初春「凄いですね。じゃあ私の部屋で続きやりましょうよ」
佐天「そうだね。復活の呪文があるからわざわざ自分のソフト持ってかなくて済むし」
初春「それじゃ!お菓子やジュースをたんまり買っていきましょうー」
佐天「あいあいさー」
一方「ありえねェだろォがァ!俺の倍じゃねェか!」
一方「何がどうなってるだ………」
御坂「あら?一方じゃない」
一方「おわっ!なんだ……第三位か……」
御坂「何よ。そんなに驚いてビクビクしちゃって……」
一方「さっき俺より餓鬼共が恐ろしい話してたもんで……」
御坂「どんな?」
一方「自分はレベル7とかレベル10とか言ってたァ……」
御坂「レベル10!?」
一方「第三位ィ……怖いよゥ……俺……ゴミクズにされちゃうよゥ……」
御坂「何弱気になってるのよ!レベル10なんてありえないわよ!」
一方「でもこの耳でちゃんと聞きましたァ……」
一方「なんかァ……二人の女の子で……ある一人は頭に花乗っけてましたァ……」
御坂「!(それって初春さんじゃ……初春さんがレベル10?)」
一方「俺も頭に花乗っけたらレベル上がるのかなァ……」
御坂「んなわけないでしょ!ああっ!花乗っけちゃったし!」
一方「似合いますねェ……」
御坂「似合わないわよ!」
一方「傷ついたァ……」グス
御坂「泣かないの!に、似合ってる!似合ってるから!」
一方「本当かァ!」パア
御坂(なにこれかわいい)
一方「もう一人の女はセーラー服来てたなァ……」
御坂(やっぱり佐天さんか……)プルルル
一方「俺もセーラー服……着ないと駄目なのかなあ……」
御坂(もう突っ込まないでおこう……)
一方「すいませェん……セーラー服一つ下さい……試着しまァす……」
初春「私はリカントが怖いです」
プルルル
初春「電話だ。はい、もしもし」
御坂「あ、初春さん?」
初春「御坂さん?どうしました?」
御坂「ちょっと聞きたい事があるんだけど、初春さんってレベルいくつだっけ?」
初春(御坂さんもドラクエやってるのかな?)
初春「さっきレベル7でしたけどやっとレベル9になりましたね」
御坂「」
初春「ちなみに佐天さんはレベル12になりましたよ」
佐天「よし!上がったー!」
初春「あ、今またレベルあがったみたいですね………って御坂………切れてる……なんだったのでしょう……」
佐天「うーいーはーるっ!交代だよ!」
初春「はーい!」
御坂「あがががが」
一方「どうしたァ?」
御坂「さっきの二人って私の友達なんだけどさ……」
一方「そうなのか?」
御坂「今、レベルいくつって聞いたらレベル9になってた……」
一方「」
御坂「もう一人はレベル12になってた……」
一方「」
御坂「でも私が電話してる間にまたレベル上がったって」
一方「」
御坂「………」
御坂「立ったまま気絶を……」
御坂「ただいまー」
黒子「お帰りなさい。お姉様」ピコピコ
御坂「あれ?今日はジャッチメント非番?」
黒子「いえ、早退してきたんですの」ピコピコ
御坂「ええっ!ジャッチメント一筋のあんたがっ!?」
黒子「はい。このゲームにハマってしまいまして」ピコピコ
御坂「何それ?」
黒子「ポケモンですの」ピコピコ
御坂「うわー白黒じゃない!あんたにピッタリね」
黒子「それって褒めてるんですの?」
御坂「なんで私はハブられてるの!?」
黒子「その日お姉様は猿人類とデートしてたではありませんか」ピコピコ
御坂「あ、そういえば……」
黒子「初春と佐天さんも私と同じようなゲーム買って、今もどっぷりハマってるんですの」ピコピコ
御坂「へー。そのゲームってどういうゲームなの?」
黒子「RPGですわ」
御坂「あーるぴーじー?」
御坂「へー。面白そうじゃないの!私にもやらせてよ!」
黒子「お姉様にはちょっと合わないと思いますの……」
御坂「なんでよ!悪い奴は私の電撃でやっつけてやるんだから!」
黒子「お姉様……これはゲームですよ……それに電撃を使うためにはレベルを上げないと……」
御坂「レベル?」
御坂「へー………………あっ!成る程!」
黒子「どうしました?」
御坂「あのさ……初春さんと佐天さんが買った奴もRPGって奴なの?」
黒子「そうですわね。たしかRPGの元祖と言われてるドラゴンクエストですの」ピコピコ
御坂「そのドラゴンクエストもレベルとかあるの?」
黒子「良く知ってますね。はい、ありますの」
御坂「そっか………そうかあ………………良かったあ………」
黒子「お姉様……もしかして本来のレベルと勘違いしてるんじゃ……」
御坂「そそそんな事ななないあいじゃんじゃん!」
黒子(ツンデレって分かりやすいですの)
黒子「成る程。お姉様……普通に考えればレベル10はありえませんの……」
御坂「私も思ったわよ!でも一方が……」
黒子「一方って?あの第一位ですの?」
御坂「ああああ!!一方!!教えあげないと!!」
黒子「その一方さんもお姉様と同じ勘違いを?」
御坂「そうなのよ!あ……」
黒子「どうしましたの?」
御坂「なんか急にめんどくさくなってたわ………まあ、いいや………」
黒子「いや、言った方が……」
御坂「あっ!このピカチュウって名前のモンスター可愛いわね!なんか親近感沸く!」
黒子(そりゃあ……)
一方「はァ………はァ………」
ねー私レベル20になったよ
私なんかレベル25だよ
早いねーいいなあー
一方「ここも駄目だァ………に、逃げないと………」
学園都市は空前絶後のRPGブームとなった
一方はゲーム自体を知らない為
こそこそ逃げる努力を続けていた
一方「なんでェ………グス………こんな事に………」
御坂「やっほー」
御坂「まだ頭に乗っけてセーラー服着てるの?」
一方「うるせェ!!」
御坂「それより聞いてよ。私、やっとレベルあがったよ」
一方「え?」
御坂「レベル99に」
一方「」
終わり
ディスガイアやらせたら恐ろしいことになるな
Entry ⇒ 2012.04.10 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
御坂妹「私がモテないのはどう考えても一方通行が悪い」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333793255/
間違いない
2 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13563
はい
3 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17522
せやな
4 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka15555
>>1
なんで?
5 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
>>4
あのモヤシ野郎が保護者面してたら男なんか寄り付かねーから
6 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10841
一理あるな
7 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
普通の男なら泣きながら逃げるレベェル
8 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka16582
でもさーぶっちゃけkjさんとセロリ以外に興味ある奴っておれらの中ではあんまり居ないから関係なくね?
9 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12446
>>8
倍率高杉ワロエナイ
10 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
>>8
そもそもそのkjさんがこんな事言ってたからスレ立てたんよ
御坂妹「こんにちは。とミサカはばったり遭遇した貴方にごく一般的な挨拶をします」
上条「おー御坂妹か、元気そうだな」
御坂妹「はいミサカは至って健康に日々をエンジョイしています。とミサカは笑顔でハニカミます」
上条「相変わらず真顔だが…まあ普段通りって事かな」
御坂妹「一方通行からですか? …そういえば最近は彼と貴方が共に行動する事が多いとの情報もありましたね。とミサカはスネークの定期報告を思い出します」
上条「うん、だからお前らの事はなんだかんだで安心してんだ」
上条「あいつが守ってるなら俺の出る幕は無いだろな、ってな」
…って
12 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17543
いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
13 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka16880
うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
14 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
ちんこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
15 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
んな事言われたのか
16 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
マジかよ一方通行派ふえちゃうじゃんざけんな
17 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10395
kj派涙目w
18 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17552
これはどげんかせんとあかん
19 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
マジでどうしよう上条さんにしなだれかかるフラグがヘシ折れた
20 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11524
>>19
抜け駆けすんなと言いたいがそれどころじゃないのは把握した
21 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
別にいいじゃんwwもうさwwそんなフラグとか関係なしに押したおして既成事実作ろうずww
逆wwwwレwwwwイwwwwプwwwwwwwwww
22 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka16992
>>21
黙ってろ変態
23 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka?????
うwwはwwwwwwwwおまいら大ピンチwwwwww
涙ふけよwwwwwwww
24 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka15408
>>23
お前はいいよなセロリとイチャラブしてんもんなkjさんとか関係ないもんな
25 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13525
相手がロリコンじゃないのにセロリとはこれいかに
26 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka?????
あんなモヤシこっちからお断りだし
27 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10081
>>26
芝忘れてんぞツンデレ
28 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14223
>>26
もう好きって言っちゃえよツンデレ
29 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
>>26
んでもって惨たらしく玉砕しろよ糞女
30 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
話が進まねぇぞ、とにかくどうすりゃいいのか相談しる
31 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka?????
>>30
だからww簡単だってwwwwあのモヤシがいるからkjは大丈夫だと思ってんでしょwwww
ならおれらから手を引かせりゃ良いじゃんwwww
32 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
犯して殺して埋めるんですねわかります
33 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka15555
>>32
返り討ちだろ変態
34 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10033
>>33
望む所だ
35 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
でも手を引かせるって具体的にどうすんの、真面目な話無理ゲじゃね
36 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka?????
>>35
ミサカの内の一人を襲わせたら罪悪感で引っ込むとおもふwwwwうwwはwwww名案wwww
37 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
そう簡単に行くか?
38 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
>>37
挿入前にイッちゃうんじゃね
39 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka15429
>>38
帰れ
40 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
襲わせるねぇ……誰がやるのそんな役
Misaka14510さんがログアウトしました
もしあれならどっかから引っ張ってくるんだがどうだろう
番外個体「…ww」
一方「……なにニヤニヤしてんだお前」
番外個体「んーなんでもないけど?ちょっと暴走した子が居るからwwギャハww」
一方「……あァン?」
番外個体(NO.14510…通称アクセラレーコ、アナタを大好き過ぎて暴走しがちなのがこっちにくるかも…ww)ニヤニヤ
一方「……なァンか嫌な予感がすンな」
あー行っちゃったか
42 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
14510号を目視で確認、追跡する
43 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12522
>>42
Gj
44 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19639
スネークキター(・∀・)ーーーー!!
45 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
まあとりあえずスネークの実況待ち
46 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10087
失敗するに10000ジンバブエドル
一方「……ン?なンだアレ」
番外個体(…とりあえずミサカは物陰で様子見てよww)ソソクサ
一方「……なンか妹達の一人がこっちに全速力で向かって来てンぞ」
一方「おい番外個体、なンか聞いてねェのか……って何処に行ったアイツ」
14510号「あああァア一方通行さんこここんにににちはは!!ととミサカはミサカは気軽に軽やかに挨拶をします!!?!」
一方「全然軽やかじゃねェぞおい」
一方「………」
14510号「あの!!一方通行さん!!とミサカはゴーグルを引っ張りながら名前を呼びます!!」
一方「……あ、あァ…なンだよ」
14510号「みみみミサカを///あの、だだだ抱いてくだ 17600号「ふんッ!!」バキィ!! へけぶっ!?」ゴロゴロゴロ!!
17600号「…ふぅ、名目の違いにより緊急で黙らせました。とミサカは14510号にドロップキックをかまして呟きます」ムクリ
17600号「気にしないで下さい一方通行、ちょっと春の陽気に当てられた個体を大人しくさせただけですから。とミサカは14510号を縛り上げつつ返答します」
14510号「んー!!んーっ!?」ジタバタ
一方「…なンか妙な事言ってなかったかコイツ?」
17600号「さあ?とミサカはてきとうにしらばっくれます」シレッ
一方「……まあいいか、春だからってあンまはしゃいでンなよお前ら」
17600号「このバカによく言っておきましょう。とミサカは縛り上げたバカを引きずりながら別れの会釈をします、ではごきげんよう」ペコリ、ズルズル…
14510号「んー!!!!」ビッタンビッタン
一方「……なンだアレ」
62 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
バカの連行を終了、とりあえず待機する
64 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
>>62
ご苦労様
やっぱりバカじゃ無理だったか
66 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10777
襲わせるって言ってたのに抱いてとかなに言おうとしてんの
67 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17224
同意の上とか余計ダメだろjk
68 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka?????
14510号さんにはがっかりだっはwwww流石レーコwwww
69 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
つか言い出しっぺがいけよ
70 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11528
>>69
それだ
71 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19096
確かにツンデレならそれなりに上手くいきそう
72 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
>>71
きっと乳首だけでイッちゃうな
73 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka?????
は?意味わかんないなんでミサカがやんなきゃいけないの
74 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka15890
>>73
だって嫌いなんでしょ?適任じゃん
75 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka?????
嫌いだけどなんでミサカなのさわけわかんない
76 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
番外個体の位置座標確認、同時に一方通行の周辺に居る個体の数も把握
現在直ちに行動可能な個体は番外個体のみの模様
77 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
>>76
決まりだな
78 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
>>76
決定
79 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka?????
やだからねミサカやらないもん
80 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19777
>>79
はよ
81 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11188
>>79
いけよ
82 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12110
>>79
観念しる
83 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
>>79
ぱんつ脱いだ
84 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19999
>>83
めずらしく履いてたのか
85 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka16593
お も し ろ く な っ て ま い り ま し た
ID:Misaka?????さんがログアウトしました
86 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka15890
行ったのか?
87 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
……いや、目標とは逆方向にダッシュしてる
88 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka18907
エェェ(´д`)ェェエ
89 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka15490
つまんね
90 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
マジかよ使えねぇ…
番外個体「…ふざけんな絶対やだかんねミサカは!!」タタタ…
番外個体「なんでミサカがあの人に襲われなきゃなんないのさ!!」タタタ…
番外個体「…………そもそもあの人ミサカが何しても反応なんか絶対しないし」
番外個体「………ばっかみたいじゃんまったく」
打ち止め「あれ?ワースト何してるのこんな所で?ってミサカはミサカはばったり遭遇した末っ子に話しかけてみたり!」
打ち止め「ミサカは遊んで来た帰りだよ?ってミサカはミサカは説明してみる!」
番外個体(……あれ?そういえばMNWにこのちびいなかったか、だから事情知らないのね?)
打ち止め「ワースト?」
番外個体「ん…なんでもないよ?………ところでさ、あの人が最終信号の事心配してたよ?」
打ち止め「へ?でも門限はまだ過ぎてないよってミサカはミサカはまだ心配されるほど時間が経っない事をアピール!!」
打ち止め「ふぇっ!?す、好き過ぎて!?ってミサカはミサカは…!////」
番外個体「ホントだよ、今もウンウン唸ってるかもよ?」
打ち止め「大変!!早く帰らなきゃ!!ってミサカはミサカは全力で駆け足しなきゃ!!」タタタ!!
番外個体(……ww、身代わりにこの子をあてがえばみんな納得するんじゃにゃいかな♪)
打ち止め「………」タタタ…ピタ
番外個体「ん?」
番外個体「ミサカ?…ミサカ今はちょっと帰りたくないんだよね(ミサカがいたら余計だし)」
打ち止め「…そっか、わかった。ってミサカはミサカはとりあえず納得して帰路を急ぐかも」タタタ…
番外個体「…ふぅ、後は様子見てよっとww」
ただいまwwwwとりあえずちびけしかけといてやったからなwwww
104 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14691
>>103
そういえば運営来てなかったか
105 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
運営は先程まで上条家に居る白シスターと遊んでた
106 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
>>105
百合ですねわかります
107 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11042
>>106
誰得
109 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
とりあえずその後に番外個体と接触してたのは本当だ、現在は自宅となる爆乳教師のマンションまで戻ってきた
110 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka?????
よく見とけおまいらwwwwセロリのセロリたる由縁を見れんぞwwww
111 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
マジかよ
………
打ち止め「ただいまってミサカはミサカはアナタにお帰りなさいの返答を要求してみる!!」ヒシッ
一方「あァハイハイお帰りなさいませクソガキ」デコピン
打ち止め「あぅ!?…う~別にいつも通りだしたいして心配してなさげかもってミサカはミサカはがっかりしてみる…!!」
一方「別に上条ォン所に遊び行ったンなら心配も糞もねェからな」
一方「ン?…そォいやいつの間にか居なくなってから姿見てねェな」
打ち止め「ちょっと様子が変だったんだよね、なにか心辺りはないかな?ってミサカはミサカはアナタに尋ねてみる」
一方「…なンもねェぞ、アイツなンか言ってたのか?」
打ち止め「うん、帰りたくないって…ちょっと心配かもってミサカはミサカはアナタに迎えに行って欲しいかも」
一方「……チッ」ムクリ
あれ?
あれ?
126 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
運営いい子過ぎワロタ
127 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11853
そして幼女の願いなら必ず動くセロリ
128 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
ぱんつはすでに脱いでるからマン毛剃ってくる
129 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17004
>>128
生えてたのかよ
番外個体「……ど、どうしよう」オロオロ
番外個体「なんでミサカの所来る事になるのさ!?」オロオロ
番外個体「…………………………よし、逃げよう」
番外個体「全力で逃げよう」
17600号「こんな事もあろうかとぉ!!とミサカはなんの前触れもなく姿を見せます」ヒョコ
一方「うォ!?なンだオマエはいきなりよォ!?」ビクッ
17600号「はい、番外個体の逃走ルートの予測データです。とミサカはこれ見よがしにポッケから取り出します」つメモ
一方「…あてになンのかそれ?」
17600号「伊達にスネークとは言われていませんよ。とミサカはニヒルに含み笑いをします」( ̄ー+ ̄)フッ
一方「口曲げてるだけだろそれだと」
一方「…すげェな3分で追い詰められたぞ、一発的中かよ」
番外個体(´・ω・`)
一方「…あー、なンだ…さっさと帰ンぞ」
番外個体「………やだ」プイッ
一方「……………」
番外個体「……………」
一方「………………………………………」
番外個体「…………………………………」
番外個体「………そんなのミサカには関係ないし」
一方「せめて理由くらい言え」
番外個体「………アナタが嫌いだから」
一方「…………そォか」
番外個体「そうだよ」
一方「ンな事は前から知ってンだよ、オレが聞きてェのはなンで今日いきなりって事だ」
番外個体「ミサカは帰らないって言ったんだけど、電波障害でも起きてんの?記憶力悪いんだけど」
一方「減らず口ばっかだなテメェは…下らねェ問答するつもりなンかこっちはねェぞ」
番外個体「だったらミサカの事ほっとけば良いとおもうけど?」
一方(……めンどくせェなくそ)
番外個体(……なんでこんなにこの人の事突っぱねてるんだろ、今さらだけど)ダラダラ
一方「………どォすりゃ帰る気になンだよ」
番外個体(とにかく気まずい…逃げたい)
一方「………話す気もねェのかよ、ったくめンどくせェ)
番外個体(でも逃げらんないよねこれ、この人音速で飛ぶし)
一方「…………まともに顔も見たくねェ…か、顔逸らしたままとかよ」
一方「………そォかよ、もう良い」スタスタ
番外個体「…へ?」
一方「そこまで拒絶されてどうこう言っても意味ねェだろ……じゃあな」
番外個体「…え?へ?」
一方「打ち止めにはオレから説明しておく、オレと関わりたくなくなったらしいってな」
番外個体「………あれ?」
一方「……じゃあな」スタスタ
つまりどういうことだってばよ
157 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19851
ホームレス乙
158 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12999
ある意味作戦成功
159 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
お前だけ手を引かれてドースンダヨ
160 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
ざまああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああwwwwwwww
プギャああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああwwwwwwww
161 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
現在一方通行はガチで帰宅中、ちょっと悲しそうな眼してる
163 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka?????
ねぇどうすんのこれ
164 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
>>163
今すぐ仲直りしてこい、マジでホームレスになんぞ
165 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
ちなみに病院に来ても部屋余ってないから無駄だお
166 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
間違ってもkjさんとこは行くなよな、んな事したら全力でおれらの敵だかんな
167 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka15555
さっさと素直になってればイチャラブだったのになツンデレ
168 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
泣いて謝って抱いてって頼んだら丸く収まるとおもわれ
169 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17668
>>168
抱いての部分以外は正論なのがムカつく
170 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
おまいらなにしとん
171 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka18003
運営様キター(・∀・)ーーーー!!!!
172 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka16441
終了
173 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10523
あーあ終わりか
174 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
時間をかけすぎたか、番外個体が涙目になっただけでなんも出来なかったな
175 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka?????
泣いてねーし!!!!
176 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
>>175
今あの人帰ってきたよ、ちょっと落ち込んでるけど
177 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
あーあ
178 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13147
泣ーかーしーたー!!
いーけないんだーいけないんだー!!
179 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
とりあえず帰ってきて
今 す ぐ に
180 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
運営マジギレ
番外お尻スパンキングコース
181 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10033
>>180
一方通行様からのお尻ぺんぺんなら是非とも感覚共有キボンヌ
182 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka?????
(´・ω・`)
打ち止め「…ていう訳でみんなのイタズラだったみたい。ってミサカはミサカはアナタに方向してみる」
一方「………そォか」
打ち止め「あれ?怒らないの?ってミサカはミサカはちょっと意外かも」
一方「別に腹立てるような事でもねェだろ」
打ち止め「…だってさワースト、もう変な事しちゃダメだからね!?ってミサカはミサカはこの人の代わりにお説教してみる!!」プンスカ
番外個体「……すいませんでした~」プイッ
一方「……もォいいだろオレはどうでもいいっての」
番外個体「ちゃんと反省してるよ、さすがにホームレスになりかけたのはちょっと焦ったし」
一方「そォなったら上条んとこでも厄介になりゃ良いだろ」
番外個体「………上条当麻ってミサカ苦手だもん」
番外個体「自分でもなんとなくだからよくわかんないけどね」
一方「ンなもん個体ごとの差異だろ」
一方「それくらいは誰も文句は言わねェし言わせねェ、好きに生きろよ」
番外個体「………クサい事言うよねアナタって」
一方「……うるせェ」
番外個体「まあいいか…………ありがと」
おわれ!!
じゃーな
久々のMNWネタだったな
楽しませてもらった
Entry ⇒ 2012.04.08 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
御坂「ウサギさん、知らない?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333191872/
ここはどこ?
どうしてこんなところに?
記憶が混乱しているのか、うまく思い出せない。
私が混乱していると、部屋にノックの音が響いた。
「失礼するよ。」
一人の研究者が部屋に入ってきた。
「お目覚めかね、御坂美琴。」
「君は昨日の実験中に倒れてしまったのだよ。
あれから急いで医務室に運んだのだが、今まで目が覚めなかったのだよ。」
「そう……」
「体調はどうだ?」
「問題ないわ。さっきまで少し記憶が混乱してたけど。」
「それはよかった。では実験は続行できそうか?」
「……おそらくね。でももう少し休ませてもらえる?」
「いいだろう。では実験は明日から再開だ。今日はゆっくり休むといい。」
そういうと研究者は部屋から出て行った。
私は何故、こんな薄暗い研究所にいるのか。
私は、ここで何をしているのか。
数か月前。
私は職員室に呼ばれ、数人の研究者を紹介された。
なんでも、彼らが私の今後の能力開発における専属のスタッフとなるらしい。
しかも、皆学園都市の研究員としては一線級の者ばかりとのことだった。
いくら常盤台の生徒とはいえ、大して珍しくもない電撃使いの、
しかも強能力者にすぎない私に、その様な待遇が与えられたかは分からなかったが、
より良い条件で能力を鍛えられるということで、私は大いに喜んだ。
彼らの研究所に住み込みで開発を受けるようになった。
能力開発のカリキュラムは、過酷なものであった。
来る日も来る日も実験室にこもらされ、開発のための実験。
食事や睡眠など、生活に必要な行為以外の時間は、ほぼ全て開発にあてられた。
学校でクラスメイトと他愛もない会話をしたり、
放課後に買い物に出かけたり、
そんな学生らしい生活などとは無縁の毎日だった。
辛い、苦しい、寂しい。
こんなに辛いなら、もう超能力者になんてなれなくていい。
こんなに苦しいなら、もう開発なんて受けたくない。
こんなに寂しいなら、学園都市になんて来たくなかった。
いつかは超能力者になってやるというその思いすら、すでに薄れかけていた。
「私、なんでこんなところにいるんだろ……」
あの研究所に身を寄せて以来、こうして外出するのも久しぶりだ。
今日は普段の鬱憤を晴らすため、思い切り遊んでやる!
さて、意気込んで街に出たはいいが、まずはどうしたものか。
行きたいところはいろいろある。
久しぶりにショッピングもしたいし、ゲームセンターにも行きたい。
屋台でお菓子を買い食いするのも悪くない。
まあいい。その辺は歩きながらでも考えよう。
そう思った私は、まずは適当に朝食を済ませるべく、コンビニに向かった。
私は陳列棚からサンドイッチを掴み、籠に放り込んだ。
飲み物は……缶コーヒーにでもしようか。
そう思って飲み物のコーナーに向かうと、
一人の少年が、ふと目についた。
肌も、髪も、新雪のように白い。
しかしその瞳は鮮血のように紅く、見る者に鮮烈な印象を与えるものだった。
まるでウサギみたい。
それが彼の第一印象であった。
少年は缶コーヒーのコーナーを見つめていた。どれを買うか迷っているのか。
私も思わず少年の行動を凝視してしまっていた。
少年は少し考えるような仕草をすると、次の瞬間、
同じ銘柄の缶コーヒーを、何本も籠に放り込んだ。
「ええええええええええぇぇぇぇぇ!!!!!!」
あまりにも予想外の事態に、私は思わず大声をあげて驚いていた。
少年は驚いたようにこちらを見ている。
「……何か文句あンのか、テメェ?」
少年は私を睨み、威圧するように問いかけてきた。
正直、非常に気まずい。
「あ、あのう、えっと……」
まさかアンタの馬鹿みたいな買い方に驚いて声をあげてしまった。などとは言えず、
「あ、アンタが今買い占めた銘柄、私も買いたかったなー…なんて……」
取り繕うように苦しい言い訳を返した。
自分の籠の中から缶コーヒーを一本取り出し、私に差し出した。
「あ、ありがとう……」
私がおずおずと手を出して缶コーヒーを受け取ると、
「フン……」
少年はこれで満足かと言わんばかりに、そっぽを向いた。
見たところ歳は私と同じか、少し年上だろう。ということは学生か。
その割には制服を着ておらず、黒いシャツとジーパンというラフな格好だ。
今日は平日で、しかも登校時間はとうに過ぎている。
学生ならば大遅刻は確定だ。
「…ねえ、アンタ学校は?」
「あァン?コーヒーは譲ってやったろォ?とっとと失せろ。」
少年は面倒そうに私を追い払おうとする。
「いいじゃない、そのくらい教えてくれても。」
私は少しムッとして返す。
初対面の人間に対してそんな邪険にしなくてもいいのに。
「チッ…行ってねェよそンなモン。」
少年は面倒そうに答えた。
いや、それはなさそうだ。
基本的に能力を使えない(使えても取るに足らない程脆弱な)スキルアウトは、
身体一つで生きていかなくてはならない。
少年は痩せぎすの身体で、背も大して大きくは無い。
とてもこの身体でスキルアウトなどは務まらないだろう。
ということは、私と同じで実験協力や能力開発の特別メニューを受けているのだろうか。
だとすればそれなりに高位の能力者ということになるが……。
何故だか私は、少年に対して少しばかり興味がわいてきた。
「人に名前を聞くときは、まず自分から名乗れって習わなかったンですかァ?」
「う…それもそうね。
私は御坂美琴。
常盤台中学の1年生。
能力は強能力者の発電能力者。」
「ふゥン。」
少年は生返事を返す。自分から名乗るよう促したくせになんなのだろう。
「……鈴科健太郎。
学校は書類上通っているンだろうが、どこかは知らねェ。
能力は教えねェ。」
「え、能力くらい教えてくれたっていいじゃん。」
「何で今日会ったばかりの奴にそこまで教えなきゃならねェンだ?
ンなことしたらいつかテメェと殺し合いになった時、俺が不利じゃねェか。」
「アンタ随分捻くれた考えするのね。そんなんじゃ友達できないわよ。
ていうかこれじゃあアンタのこと名前しか分からないじゃないの。」
「余計なお世話だ。あと、鈴科健太郎ってのも偽名だからよォ。」
「じゃあ結局何一つ教えてもらってないじゃない!!!」
仕方ないのでそう呼ぶことにする。
「何だ?」
「アンタこの後暇?」
「あァ?だったら何だってンだ?」
「暇なのね?……なら、これから私と一緒に遊びに行かない?」
「……ハァ?」。
これから遊びに行こうにも、一人でいくのは少々寂しいと思っていたところだ。
かといって、友達を誘おうにも、今日は平日だ。
そんな中出会った、私と同じく学校に行っていない少年。
白い肌と髪に、紅い瞳を持つ、鮮烈な印象を持った少年。
彼に少しばかりの興味を持った私は、だめで元々と思い、遊びに誘ってみた。
彼が怪訝な顔つきでこちらを見てきた。
「あはは…やっぱり駄目?」
当然か。初対面の相手にいきなり誘われたら、普通は怪しむだろうし。
そう思っていたら、
「……別に構わねェ。」
意外にも、彼は私の誘いを受けた。
「二度は言わねェ。つーか自分から誘っておいて何言ってやがる。」
そう言われても、本当に意外だったのだから仕方ない。
「いや、だって、アンタどう見ても人付き合い悪そうだし、
コミュニケーション不全っぽいし。」
しまった、つい本音を漏らしてしまった。怒らせてしまったかな。
「いきなり人を誘った挙句そいつを罵倒するとか本当何なンですか?
つーかテメェこそ初対面の男をいきなり遊びに誘うビッチじゃねェか。」
「び、ビッチじゃないわよ!!!失礼ねアンタは!!!!!」
私は顔を真っ赤にして反論した。女の子に向かってなんてことを言うのだろう。
それほど怒っている様子は無いので安心はしたが。
「あァハイハイ。何でもいいから早く行くぞ。」
「むぅーーー!!!」
そうして、奇妙な縁から私達は一緒に遊ぶこととなった。
ここのところずっと実験漬けで友達と遊ぶことがほとんど無かったからということもあったが、
何より同年代の男の子と遊ぶという経験がほぼ無かった私にとっては、
非常に新鮮な体験であったためだろう。
それに、彼は意外なほど優しかった。
私がゲコ太グッズを買いあさっていた時は、文句を言いつつも付き合ってくれたし、
ゲームセンターでは、私に合わせて一緒に遊んでくれた。
屋台でクレープやアイスクリームを買い食いした時は、何も言わずに私に奢ってくれた。
言動は実にぶっきらぼうだったし、憎まれ口も叩くが、
彼が私を気遣ってくれているのは随所に見て取れた。
だが、それを彼に指摘すると、彼は
「くっだらねェ。」
と、またそっぽを向く。
それがなんだかおかしくて、でも、どこか嬉しかった。
気が付けばもうそろそろ下校時刻だった。
「んー、今日はよく遊んだわー。」
「ったく、朝からテメェみてェなガキのお守りをさせられるとは思わなかったぜ。
おかげで折角の休みが潰れちまった。」
また彼が憎まれ口を叩いてくる。
それでも言葉とは裏腹に表情はどこか穏やかだった。
「女の子に向かってガキとか、アンタはホント失礼ね。
そういうアンタはモヤシのくせに。」
だから私も、軽口で返す。
「なっ、テメェ……!……ククク…」
「フフフ…」
「「アハハハハハッッッッッ!!!!!」」
そして、二人でしばし、大声で笑いあった。
「フン。まあ、たまにはこォいうのも悪くはねェか。」
「アンタホントに素直じゃないわね。正直に楽しかったって言えばいいのに。」
「ほざけ。」
まったく、どこまでも素直じゃない。
「ねえ、携帯の番号教えてよ。また二人で遊びたいし。」
「…あァ。」
私たちは携帯の番号を交換した。
私が研究所に行ってから、初めての交換だ。
「じゃあ、元気でね、鈴科。」
「あァ、テメェもな、御坂。」
そう言って、その日私達は別れた。
あれ以来、私は生活に張り合いが出てきたように思う。
一時はあれほど嫌になっていた能力開発にも、やる気がわいてきた。
おそらく、彼のおかげなのだろう。
お互い忙しく、なかなか会う機会は得られないが、私達はよく連絡を取り合っていた。
彼とは他愛ない話もする時もあれば、能力開発についての相談をすることもあった。
彼はやはり高位の能力者らしく、相談すれば非常に頼りになった。
もっとも、相変わらず自身の能力については教えてくれなかったが。
部屋に戻ってきたところで、電話の着信音が鳴る。
表示を見ると、彼からの連絡だった。
『おォ。御坂か。俺だ。』
「鈴科。今日もお疲れ。」
私達はいつもの様に軽く挨拶を交わす。
『今日は身体検査だったンだろォ。どうだったンだ?』
「んー、まだ結果は強能力者だったわ。
でもこないだよりは手ごたえはあったかな。」
『そォか。まァそう思えるのなら前進はしてンのかもなァ。』
「そうだといいけどね。」
その後、しばらく私達は、雑談に興じていた。
ふと、彼の口調が変わった。どうやら真面目な話らしい。
「ん、何よ改まって。」
『お前はやっぱ、もっと能力を鍛えたいと思うか?』
何を聞いてくるかと思えば、そんな決まりきったことを。
「決まってるじゃない。こうして研究所で日々頑張ってるんだし。
そりゃあ、今はまだ私は強能力者だけどさ、
もっともっと頑張って、いずれは大能力者、いえ、
超能力者にだってなってやるわよ!」
超能力者。
能力者の最高評価。
学園都市230万人の頂点。
全ての能力者たちの羨望の的。
そこに至る道は並大抵のものではないだろう。
そんな無謀なと、笑う者もいるだろう。
それでも、私はそれを目指したい。
その思いは、今の私に強く根ざしていた。
「何よ?私には無理だって言いたいの?」
彼の笑いに、私はちょっと拗ねたように答えた。
確かに、少し前まで弱音を吐いていた自分では、考えられないなと、自分でも思ったが。
『いや、そンなつもりじゃねェけど。
だが……もう一つ聞くぞ。』
彼の口調が、再び真面目なものとなった。
『もし超能力者になれたとしたら、お前はその後どォしたい?』
なれるかどうかではなく、なったら…か。
だが、それも私の中で答えは決まっていた。
「……少し前置きが長くなるけど、いい?」
『構わねェ。』
「……私ね、昔筋ジストロフィーの治療研究所に呼ばれたことがあったの。
そこでは病気に苦しむ子供達が必死になって治療に励んでいた。
でも研究者が言うには、現在の医療技術ではどうしようもないって。
どんなに頑張っても、遠からず病に侵されて死んでしまうって。」
『…………』
彼は黙って私の話に耳を傾けていた。
でも、私にできるのはその程度のことだけだった。
当時の私には力が無かったから。いいえ、今もね。」
「だから、その時思ったの。
私がもっと優れた能力者になれば、もっといろいろなことができる。
そうすれば、私の力が沢山の人の役に立つ。
筋ジストロフィーに侵されていた彼らのような、
理不尽な運命に曝された人たちを救う一助になれるかもしれない。ってね。
それが、私が超能力者になりたい理由、なったらしたいこと。」
それは私の、本心からの思いであった。
まるで漫画やアニメのヒーローだな。』
「茶化さないでよ、もう。
……でもね、もう一度そう思えるようになったのは、アンタのおかげなのよ。」
『あァン、急に何言ってやがンだ。』
「あの日アンタに会うまで、私は相当参ってたの。
もう能力開発なんてやりたくない。パパとママのところへ帰りたいって位に。
でも、アンタと思いっきり遊べば、そんな暗い気持ちは吹っ飛んじゃう。
アンタに相談に乗ってもらったら、勇気が不思議と湧いてくる。
今だってそう。」
『…それはお前が強ェだけだ。俺は関係ねェ。』
「それでも、お礼くらいは言わせてよ。」
『勝手にしろ。』
「フフッ…ありがとう。」
『超能力者共が皆お前みたいな奴だったら、
このクソッタレな街も少しはマシになるのかもな……』
彼が何か小声で言った気がしたが、私には聞き取れなかった。
『何でもねェよ。
……長々と話しちまったな。今日はこの辺にしとくか。』
「そうね。じゃあ、お休みなさい、鈴科。」
『おォ。』
そういって、その日は彼との会話を終えた。
その日の夜。
薄暗い研究室で、数人の研究者が話し合っていた。
「どうなんだ、被験者の開発状況は?」
「はい、本日の身体検査の結果、総合評価は依然として3。
個々の項目においては若干の進歩は見られますが……」
「大能力者への進化は依然として遠い……か。」
「はい。」
「ふむ……おかしいな。
素養格付の結果、『御坂美琴は超能力者に至る』とのことだったが、
その割には開発が遅々として進まない。」
「彼女の能力開発に当てる予算は、現段階で当初の予定を大幅に上回っております。
このままでは、いずれ採算が取れなくなります。そうすれば、我々の首も…」
「やむを得ん。開発の方針を一部見直す。
樹形図の設計者にお伺いを立てろ。」
「はい。ただちに。」
残念ながら彼とは都合が合わなかったため、一人だが。
仕方が無いとはいえ、なかなか互いの都合が合わないのはもどかしい。
その日は私一人で遊んで回った。
しかし、彼がいないとどこか物足りなかった。
そろそろ下校時刻に差し掛かる時間帯になった頃、
私は久しぶりに学校に行ってみることにした。
研究所に身を寄せるようになってからずいぶん経つ。
久しぶりにクラスメイトにも会いたいとも思った。
研究所からは下校時刻には帰って来いなどと、
過保護な親のようなことを言われていたが、少しくらいなら遅くなっても大丈夫だろう。
ちょうど下校時刻ということもあって、辺りには学生達がごった返していた。
ふと、校舎から見知った顔が出てきたのを見つけた。
私は彼女に声をかけようと中に入ろうとした時、
校門から出てきた人物を見て、心臓が止まりそうになった。
一人の女子生徒だった。
見覚えのある顔だった。
よく見知った顔だった。
毎朝鏡で見る顔だった。
あれは、「私」だった。
何故私がもう一人いる?
何故もう一人の「私」は、何食わぬ顔で学校に通っている?
そもそもあの「私」は誰だ?
頭が混乱している。
目の前の現実が処理できない。
そして、混乱が治まらない私に、
「あらぁ、御坂さん。貴女さっき私とすれ違わなかったっけぇ?」
一人の女生徒が、話しかけてきた。
背にかかるほどの長い金髪、
中学生とは思えないほどのグラマラスな体型、
少女の様なあどけなさと、大人の妖艶さを兼ね揃えた端正な顔立ち、
そして何より、その顔に浮かべた底の読めない薄気味悪い笑顔。
精神系能力者の頂点にして、常盤台の最大派閥を率いる女。
学園都市第四位の超能力者、『心理掌握』。
「食蜂操祈……!!!!!」
「そんな怖い顔しちゃ駄目よぉ。
折角の可愛い顔が台無しだゾ☆」
私に一人で話しかけてくるなんて珍しいわね。」
「あらぁ、御坂さん、もしかして私の心配してくれているのぉ?やっさしーい。
でも大丈夫よぉ。私だってたまには一人になりたいしぃ、
こう見えてお猿さん達の躾けはちゃんとしてるしぃ。」
気味の悪い笑顔のまま私の嫌味を受け流す食蜂。相変わらず鼻に付く。
「それで用件は?
あんたのことだから、何の用もなく一人で私に話しかけはしないでしょう?」
「まあねぇ。でもぉ、私に何かを聞きたいのは、貴女の方じゃなくて?
例えばぁ、『貴女にそっくりな女の子』のこととかぁ。」
私は食蜂に食って掛かった。
この女は、何かを知っている。ならば、それを問い詰めなければ。
「焦らないでぇ。話してあげるからぁ。ゆっくり、二人っきりで。ね。」
そう言って食蜂は、笑顔を浮かべた。
その笑顔は見る人が見れば天使のように愛らしかっただろうが、
私にはそれがどうしようもなく不気味なものに思えて仕方なかった。
「大丈夫よぉ。ここの防音力は完璧だしぃ、内緒話にはもってこいよぉ。
チェックインの記録は私がフロントを洗脳したから残らないしぃ、
万が一誰かに見られても、私がそいつの記憶を改竄しちゃうからぁ。」
笑顔のままサラリと問題発言をしたが、今はそんな場合ではなかった。
「なら、さっさと本題に移らせてもらうわ。
こんな密室であんたと二人っきりなんて、本来一秒だって我慢ならないんだから。」
「んもう、せっかちねぇ。そんなことじゃ、男の子にはモテないゾ☆」
「……あの女は誰?どうして私に成り変わって生活しているの?」
「……ねえ御坂さん。『量産型能力者計画』ってご存知?」
「質問を質問で返さないで。私の質問に端的に答えなさい。」
「ごめんなさい。でも貴女の質問にも関係力があるのよぉ。
だから答えてもらわないと。」
「……知らないわ。聞いたことも無い。」
一先ず私は正直に答えることにした。
「ふうん。やっぱりぃ。」
食蜂は相変わらず笑顔を浮かべたままだ。
「で、その計画が私の質問とどう関係があるわけ?」
偶発的にしか生まれない超能力者のクローンを大量生産して、
軍事に役立てようっていう、とびっきりイカレた計画。
その第一弾が『量産型能力者計画』。その素体となったのが……」
「私ってわけ……!!!」
「そういうこと。」
ってことは、さっき見たのは、私のクローン……!!!
でも、クローンを作るならDNAマップが必要になるはず。
そんなものどこから……???
!!!あの時の研究者。
ということは、すでにあの頃、計画は始まっていた?
「でも、それは超能力者を人工的に作る計画なんでしょう!?
DNAマップを提供した当時の私はまだ低能力者だったし、
今だって強能力者止まりなのよ!!!
それなのに、何故その私が素体になったの!!!???」
「……御坂さん。また質問を質問で返して悪いんだけど、
『素養格付』ってご存知?」
また、聞いたこともない言葉が出てきた。
「……知らないわ。」
「そうよねぇ。知ってるわけないわよねぇ。」
食蜂はくすくすと不快に笑っていた。
「教えなさい。どうせそれも関係があるんでしょ。」
「ふふ。いいわよぉ。」
『その人に能力開発を行った場合、最大でどれだけの強度に到達できるか』
っていうのを調べてリストにしたものなの。
それを見れば、その子が将来的にどれだけの能力者になれるかが一目瞭然ってわけ。
勿論、存在自体が極秘事項だから、調査も極秘に行っているけど。」
「つまり、私はその『素養格付』の結果、
『超能力者になれる低能力者』であることが分かったため、
前もってDNAマップを回収した……!!!」
「そういうことになるわぁ。まあ一種の青田買いよねぇ。」
そんなものまであったなんて……。
そのゲームでは各キャラクター毎に上げられるレベルの限界力が決まってるの。
例えば、主人公には限界力が無いからどこまでも上げられるんだけどぉ、
他のキャラクターはせいぜい50以下、高くても70がいいとこ。
そういうのが分かっていると便利よねぇ。
だって、たくさん経験値をあげればそれだけ成長できる子と、
たくさんあげても無駄な子が一目で分かるんだもの。」
食蜂の言いたいことは明白だった。
それはつまり、学園都市は事前に素養格付を見て、
才能のある学生には充実したカリキュラムを組むが、
逆に才能の乏しい学生には、いい加減なカリキュラムしか組んでくれないということだった。
残酷な話だった。
もしかしたら、スキルアウトに堕ちた学生の中にも、超能力者とは言わずとも、
そんな生活をしなくていい位の能力者に成れたものが居たかもしれないのに。
クローンを作る理論は確立済み、
試験個体となる検体番号00000号の試作、試験運用も既に進行中。
あとは量産体制さえ構築できれば、完璧ねぇ。」
あのクローンが学校に通っていたのは、試験運用の一環か!
「ふふふ……」
「?何がおかしいのよ……!!!」
含み笑いをする食蜂を、私は怒りを隠さず睨みつけた。
笑いごとではない。人のDNAマップを使って勝手なことをして……。
しかし食蜂は、私の怒りなど意にも介していなのか、笑いを止めようとしない。
「へ?」
どういうことだ。
それだけ進んでいた計画が、この期に及んで中止?
何が何だか分からない。
「実はねぇ、ついこの間、
研究者が樹形図の設計者にお伺いを立てたらしいんだけどぉ、
絶望的なことが分かったらしいのよぉ。
研究者にとっても、貴女にとっても。」
「……何よ?」
何だろう、とてつもなく、嫌な予感がする。
樹形図の設計者の演算結果の写しよぉ。」
そう言って食蜂は、一束の資料を取り出し、私に手渡した。
資料の記載内容は、要約すれば概ね以下の通りだった。
『製造したクローン体の性能は、素体であるオリジナルの1%にも満たない。
強度にしてせいぜい異能力者、強力なものでも強能力者程度である。
遺伝操作、後天的教育等の如何なる手段をもってしても超能力者の人工的製造は不可能である。』
確かにこれなら計画は間違いなく頓挫するだろう。
いや、そんなことよりも。
「……何で、
『すでに御坂美琴は超能力者である』かのような文面なのよ……!!!???」
「当たり前じゃなぁい。だって、そもそも『量産型能力者計画』は、
『学園都市第三位の超能力者「超電磁砲」御坂美琴の量産計画』なんだもの。
ねぇ御坂さん、いいえ、
検体番号00000号『試験個体(フルチューニング)』さん?」
私がクローン?ではさっき見たのは私のクローンではなく、本物の私?
なら、私の方が偽物???
いや、私は私だ。
誰の本物でも、偽物でもない。私個人の人格と私固有の記憶を持つ、私という一人の人間だ。
でも私は御坂美琴じゃない。
でも私の記憶を辿れば、出てくる答えは『私が御坂美琴である』ということ。
つまり私は『御坂美琴であって御坂美琴ではない誰か』ということか。
なんだそれは。矛盾している。意味が分からない。
では、私は一体誰なんだ???????????????????????????
『本物の御坂美琴』だとでも思っていたのかしらぁ???」
食蜂が嗤いながらこちらを見る。
その表情には侮蔑の感情がありありと浮かんでいた。
「あ、あ……私は……私は……」
言葉が出ない。自分でも何を言っているのか分からない。
簡単よぉ。だって私が
『00000号(貴女)の脳に御坂さんの脳内情報を複製した』んだもの。
記憶だけじゃないわぁ。感情、意志、人格、その他諸々。全てよぉ。
『00000号のコンセプトは超能力者の完全体。
故に精神面においても可能な限り御坂美琴(オリジナル)に近づけて欲しい。』
って言うのがクライアントの要求力だったからねぇ。」
もう止めて。
「大体貴女、私に会った時、私を心の中で『第四位』って呼んでたわよねぇ。
古いわよぉその情報。だって今の私は『第五位』なんだもの。
まあ超能力者になる前の御坂さん(オリジナル)の脳をそのままコピーしたんだから当然だけどぉ。」
もう、止めて。
「いいわぁ、貴女の表情力。御坂さんと同じ、勝気で強い意志を宿した表情力が、
私の言葉を聞くたび、絶望に彩られていく様は、見ていて愉しいわぁ。
特に今の表情力。それなんて最高。」
「もう。止めて。」
「出来損ないのお人形さんにしては面白い見世物だったわぁ。
わざわざ個室サロンまで借りて機密事項を教えてあげた甲斐があったわぁ。」
「もう止めてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
私は堪らず大声で叫んだ。
食蜂はそれすらも愉快なのか、満面の笑みでこちらを見ていた。
「………………」
もう、何も言い返す気力も無かった。
「ここの料金は私が出しておいてあげるわぁ。
面白いものを見せてもらったお礼よぉ。」
「………………」
「あとぉ、今日のことは他言無用よぉ。
ばれたら貴女だけじゃなく私までヤバイかもしれないしぃ。
どうせ誰も信じないでしょうけどぉ。」
「………………」
「あ、そうそう。も一つお礼にいいこと教えてあげるわぁ。」
「………………」
「貴女多分、近いうちに殺されるわよ。」
「殺される???私が?????」
勝手に私を作ったくせに、今度は勝手に殺される?????
「だってそうでしょう?
さっきの資料にもあったけど、どうやっても超能力者は人工的に作れない。
『量産型能力者計画』は頓挫よぉ。
そしたら次にやることはなあに?」
そんなもの、想像もしたくない。
当然、計画に関する証拠品は全て闇から闇に葬られるでしょうねぇ。
そうなれば貴女も間違いなく『廃棄』される。
貴女みたいな人間の人格力を持ったお人形さんなんて生きた不良債権、
とっておいても何にもいいこと無いでしょうしねぇ。」
吐き気のするような話を食蜂は平然と捲し立てていく。
研究者達の身勝手な計画のせいで勝手に作られて、
今度は勝手に殺されちゃう。
なぁんて理不尽で、なぁんて悲しい運命力なのぉ。」
食蜂は顔に掌を当てて泣くような仕草を見せた。
無論、涙など零れていなかった。
「ふふふふふ……
あはははははははははははははははははは!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
そのうち泣き真似にも飽きたのか、その端正な顔を侮蔑で醜く歪め、
この上なく愉快そうに、声を上げて嗤い出した。
私は、怒ることも泣くこともできず、
食蜂のひたすら不愉快な嗤い声を、呆然としたまま聞いていた。
気が付いたら研究所に帰ってきていた。
研究者が何やら私に小言を言っていたようだが、耳に入らなかった。
私には何も無かった。
私の能力も、人格も、記憶も、全ては模造品に過ぎなかった。
私の中にあった夢も、全ては借り物の絵空事だった。
名前と呼べるものすらない。あるのは事務的な検体番号だけだった。
私だけのものなど何も持っていなかった。
身勝手な欲望に作られた命。
借り物の人格に、偽物の記憶を持った、
出来損ないのがらくた人形。
それが私だった。
そして、そう遠くない未来、私(それ)は不良債権として「廃棄」される。
もう、それでも構わないと思った。
涙も出ない。
笑いすら出ない。
私はただベッドに座り、呆然としていた。
薄暗い部屋に、携帯電話の着信音が鳴り響く。おそらく鈴科だろう。
そうと分かっていても、私は電話を取る気にはなれなかった。
やがて、着信音は途絶えた。
ふと携帯を見ると、留守電が入っていた。やはり彼からだった。
私は無意識に、留守録を再生した。
部屋の中に、彼の声が響き渡った。
『あァー、俺だ。お前は今忙しいみてェだから伝言だけ残しとくわ。
実は、ついさっき新しい実験の話が俺のとこに入り込ンで来てな。
どォもその説明やら準備やらで、これから俺も忙しくなりそォだわ。
そンなわけで、悪ィが暫く連絡できそうにねェ。
研究者共の話じゃ一週間もすれば一段落着くらしィし、そン時にはまた連絡する。
互いの都合が着いたら、また二人して馬鹿みてェに遊びまわろォぜ。
じゃあ、元気でやってろよ。』
メッセージはそこまでだった。
もう彼に会えないのは残念だけど、仕方な…い……。
あれ?
何かが私の頬を伝っていた。
私は頬を触る。
それは、私の涙だった。
食蜂に出来損ないの人形と嘲られても、
自分がもうじき廃棄されると知っても、
涙なんて流れなかったのに。
何故、彼にもう会えないと思っただけで、こんなにも涙が溢れてくる?
……そんなこと、とっくに分かりきっていた。
私は、彼が好きなんだ。
ぶっきらぼうで、口を開けば憎まれ口ばかりの彼。
一見冷たいようで、でも誰よりも優しい彼。
彼と遊べば嫌なことなんてみんな吹き飛んでいく。
彼と話せば不思議なくらい勇気が湧いてくる。
いつの間にか私は、そんな彼が、彼のことが、
どうしようもないくらい、大好きになっていた。
恋愛感情なのかもしれないし、友情なのかもしれない。
でも、この気持ちは、誰の借り物でもない。偽者でもない。
私の、私だけの、本物の気持ちだ。
ああ、なんだ。
私にもあったじゃないか。私だけの持ち物が。
その純粋な願いが、私にもう一度、生きる気力を取り戻させる。
私は死ねない。彼にもう一度会うまでは。
その生への執着が、私が次にどうするべきかを考えさせる。
私は生きる。たとえ何をしてでも。彼にもう一度会うために!
そのわがままな思いが、私が一人の「人間」であることを思い出させる。
私は、またしても、彼に救われたのだ。
私も、自分の身辺整理や雑務の手伝いに駆り出され、それなりに忙しくなった。
何でも、現研究チームを解散し、
研究員たちは他の能力者の能力開発チームに移籍するそうだ。
表向きはそんな説明であったが、
実際は食蜂の言っていた計画中止の事務処理と、証拠品の廃棄作業であろう。
私は能力開発を他の研究チームに委託するとの事であったが、
大方移籍先と見せかけて処刑場(ゴミ処理施設)にでも移送する腹積もりだろう。
そんなものの手伝いを私にもさせるとは、何とも図太い連中だと思った。
自身が磔にされるための十字架を運んだ時の神の子も、同じ気持ちだったのだろうか。
研究員達も私も、一段落したという顔をしていた。
もっとも、お互い最後の大仕事が残ってはいるが。
「お疲れ様だ、御坂。」
研究員の一人が私に労いの言葉を向けてくる。
「ええ、アンタもね。」
私も汗を拭いながら答える。
「しかし、すまなかったな。御坂。
我々の力が足りないばかりに、
君の開発が進まぬまま他所に委託することとなって。」
「いいのよ。アンタ達は精一杯やったんでしょ。
それに、新しい研究所ではもっと頑張って、きっと超能力者になって見せるわ。
その時には、何か奢りなさいよ。」
「ははは、期待しているよ。」
何とも空々しい会話だ。自分でも呆れてしまう。
「え?目に付くものは粗方片付いたと思ったけど……」
「いいえ。まだ残っているわ……」
「研究員(アンタ)達っていう粗大ゴミがねぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
言うよりも早く、私は全力の電撃を研究員に浴びせた。
いかな強能力者といっても、私の電撃は2万Vは下らない。
私の電撃をまともに受けた研究員が黒焦げになって倒れた。
私は研究員の生死も確認せず、全力で廊下を駆け出した。
「何事だ!!!???」
「大変だ!!!試験固体が暴走した!!!!!」
「くっ!!!まずい、すぐに取り押さえろ!!!!!」
研究所が一気に騒がしくなった。
勿論、私もただ手伝いをしていたわけではない。
研究所の監視カメラの位置、
複数の逃走経路の確保、
武器にできそうなものの仕込みと見繕い等は、抜かりなく行っていた。
私は走りながら逃走経路を吟味し、一番勝率が高いと思われる道に入り込んだ。
別の研究員がこちらに銃を構え、威嚇してきた。
もはやこの場で取り繕う必要は無いとみたか、私を御坂とは呼んでいない。
私は走りながら後ろを向き、研究員の手元に雷撃の槍を投げつけた。
「うあああああっっっ!!!」
研究員はたまらず銃を落とす。
その隙を逃さず、私は更に雷撃をぶつけた。研究員はその場に倒れこむ。
「逃がすな!!!捕獲が不可能なら射殺も許可する!!!」
更に追っ手が来る。
今度は研究員ではなく、武装した集団だった。
いつも警備をしてた奴等だ。確か猟犬部隊とかいったか。
警備員に比べれば武装が過剰だし、態度も粗暴な連中だった。
まあこんなイカレた計画に関わっている時点で、後ろ暗い連中なのは想像に難くない。
手心は無用だ。
缶の中の液体がそこら中に散乱する。
「うわっ!!!何だこれ!!!???」
「水か……???」
「いや、この臭い…まさかアルコールか……!!!!!」
「せいか~~~い。より正しくはメタノールね。」
奴等の足元に雷撃の槍を投げ、私は再び走り出した。
火花が飛び散り、床に撒かれたメタノールに引火し、辺りが火の海に包まれた。
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
猟犬部隊の阿鼻叫喚の悲鳴が遠くに聞こえる。
次いで缶の中に残っていたメタノールにも引火したのか、
凄まじい爆発音が響き、連中の悲鳴はそこで途絶えた。
あれからも私は、時に追っ手を能力で迎え撃ち、時に隠しておいた武器で迎撃し、
逃走を続けていた。
ここを抜ければ、もうすぐ出口だ。
そう、あと少しであった。それなのに、
「そこまでだ、試験固体。」
先回りされていたのだろう、猟犬部隊が数人、出口の前に立ちはだかっていた。
嘘をつけ。大体、銃を構えられながらそんなことを言われても説得力が無い。
さっき射殺も許可するとか叫んでいたくせに。
いつの間にか、ここへ来た出口も猟犬部隊が固めていた。
私は奴らに囲まれたような形になっていた。
これは非常にまずい。というよりもはや…
「……チェックメイト、と言うところかしら?」
私は諸手を挙げつつ、皮肉交じりに答えた。
これだけの数が集まっては、強能力者のお前程度ではどうしようもあるまい。」
猟犬部隊の一人が銃を構えつつ、手錠を持ってこちらに近づいてくる。
ここで捕まれば確実に処刑場に直行だろう。
敵は銃で武装した連中が十数人。しかも逃げ道は全て塞がれている。
まさに回避不能のデッドエンド。
しかし、これだけの絶体絶命の状況にも関わらず、
私は不思議なほど落ち着いていた。
死の運命を受け入れたわけではなかった。
ただ、この状況を打破できる自信があったからだ。
根拠なんて無い。ただ、「そんな気がしている」だけ。
だが、そう思うと、頭の中が驚くほど冴えてくる。
ここまで来るのに随分体力を消費したはずなのに、呼吸は落ち着いている。
私に近づいてきた男が手錠をかけようと手を伸ばした瞬間、
「撃てええええええええええ!!!!!!!!!!」
銃を構えていた連中が一斉に引き金に手をかけた。
だが、それより早く、私は電撃で作り上げた磁場で床の鉄材を持ち上げ、盾を作り上げていた。
あれだけ躊躇無く私を殺そうとしていた連中だ。
構成員の一人くらい平気で犠牲にできるだろう。
そんな私の勘は、見事に当たったらしい。
私に手錠をかけようとした男がへなへなとその場に座り込む。
どうやら仲間が自分諸共撃とうとしていたとは思わなかったらしい。
床に液体が水溜りを作り、近くに異臭が漂う。
この臭い……どうやらこの男、小便どころか糞まで漏らしたらしい。
同情はするが、密室に近いこの状態でこれは勘弁して欲しかった。
やがて銃声が鳴り止んだ。弾切れだ。
私はすかさず盾にしていた鉄材を、磁力で八方に飛ばして攻撃した。
「ぐぎゃっ!」「ひでぶ!」「たわば!」
短い断末魔の悲鳴と、トマトの潰れるような鈍い音が辺りに響き渡った。
五体満足なのはお漏らし男を含め2人しか残っていなかった。
まともに動ける1人も、弾が切れた銃を持ったまま小刻みに震えていた。
その銃で殴りかかってくるという最低限の発想すら、もはや出て来ないらしい。
「ば、馬鹿な……何なんだその力は……?
聞いてないぜ…強能力者程度だって聞いたから楽なもんだって思ってたのに……
こりゃあどう見ても大能力者クラス、いや、それ以上……???」
震える声で猟犬部隊の一人が呟いた。
言われてみれば、確かに私にこれ程の力は無かったはず……
だが、もはや私にはどうでもいいことだった。
「悪いわね。私はこんなところで死ぬわけにはいかないの。
どうしてももう一度、会いたい人がいるのよ。だから……」
私は静かに彼らに呟き、そして、
「アンタ達は、私の為にここで死んで。」
その場にいた全員を、雷撃で焼き払い、出口に向かって駆け出した。
検体番号00000号、通称フルチューニングはその行方をくらました。
学園都市上層部は計画漏洩の可能性を危惧し、
猟犬部隊、アイテム、メンバー等複数の暗部組織に試験個体の捜索、及び抹殺命令を通達。
しかし、試験個体の捜索は困難を極め、
存在の痕跡どころか、その生死すら掴むことはままならなかった。
すっかり日も暮れ、真っ暗になった街を、2人の少女が歩いていた。
「いやー、すっかり遅くなっちゃったね。初春。」
「ごめんなさい佐天さん。風紀委員の仕事が長引いてしまったせいで……」
花飾りの少女が、申し訳なさそうに長い黒髪の少女に謝罪をした。
「気にしない気にしない。
初春を待ってたのは、私が好きでやったことだし。」
黒髪の少女は、本当に気にしていないといった様に笑顔で返す。
「でも……それでもこんな時間まで待ってもらって……」
花飾りの少女は、それでも気が済まないのか、表情は完全には晴れていない。
「全く初春は真面目っ子なんだからぁ。
……それにしてもすっかり暗くなっちゃったなあ。
もしかしたら、『零(ゼロ)』に会っちゃったりして……」
それまで明るかった黒髪の少女から、笑顔が消えた。
「あれ、知らないの?じゃあ私が教えてあげようか?」
花飾りの少女の問いに、黒髪の少女は、突如目を輝かせていた。
「じゃあ聞きますよ。どうせ断っても教えてくるんですし……」
花飾りの少女は、また始まったと言わんばかりに、呆れたような、諦めたような顔をした。
「連れないなー初春ったら。まあいいけど。」
黒髪の少女はそんなことは大して気にしていないのか、軽く受け流して話し始めた。
今みたいに暗い道を歩いていると、突然声をかけられるの。
『ねえ、ウサギさん知らない?』
『真っ白な肌に、紅い目をした』
『ウサギさんみたいな男の子、知らない?』
ってね……」
「そ……それで、どうなるんですか?」
花飾りの少女は、ビクビクしながら黒髪の少女の話を聞いていた。
「『知ってる』って答えると、焼き殺される。
『知らない』って答えると、全身を切り裂かれて殺される。
逃げたり無視したりすると、追いかけられて後ろから縊り殺される。
って言われているわ。」
「それって、会った時点で終わりじゃないですか!!!」
花飾りの少女は、思わず叫んだ。
それに会った時点で殺されるなら、目撃者はいないことになるじゃん。
なら最初からこんな噂なんて流れないって。
話としてはミステリアスで面白いけどね。」
「そ、そうですよね……まったく、脅かさないでくださいよ……」
黒髪の少女の説明に、花飾りの少女の方も、安堵したように胸をなでおろした。
「あはは、ごめんごめん……」
「ねえ、アンタたち…………」
突如、二人の後ろから誰かが声をかけてきた。
二人の少女は、一瞬で顔を真っ青にした。
「(ま、まさか……)」
「(これって……)」
二人は恐る恐る後ろを振り向く。
そこには一人の少女が立っていた。
顔面蒼白の二人に、少女は問いかけてきた。
「ウサギさん、知らない?」
おわり
正直書きたかったのは最後の都市伝説の件だけだったんだ。後悔はしていない。
ちなみにエピローグもこれから投下するので、そっちも暇ならお付き合い頼む。
別に望まれてなくても投下だけはするけどな!
「第三次世界大戦、終結。講和条約の話し合いも着々と進行中か……」
どこかの学区の路地裏で、私は新聞を読みながら軽食を摂っていた。
つい先日、ロシアと学園都市との間に勃発した戦争、第三次世界大戦。
巨大な浮遊戦艦が現れただの、天使が光臨しただの、
眉唾もののオカルト話が飛び交っていたが、
結局は最先端の科学技術にものを言わせた圧倒的な軍事力を誇る学園都市が勝利したらしい。
「ま、私にはどうでもいいことだけど。」
そう一人呟き、私は缶コーヒーを咽喉に流し込んだ。
あれから私は、学園都市の追っ手から身を隠し、その中で鈴科の情報を聞いて回った。
しかし、結果は芳しくなかった。
やはり能力も学校も本名も分からないのは痛手であり、
彼に繋がるらしい有力な情報は得られなかった。
情報網に期待して一度とあるスキルアウトのグループを訪ねたことがあったが、
ろくな情報を持っていなかった上に私に変なことをしようとしたので、
そいつらを残らず叩きのめしてやった。
おかげで私の変な噂が広まったらしく、私に質問されると怯えて逃げる人が増えた。
そのせいで情報集めが一層やりにくくなってしまった。
妙な感じだ。
ここのところ、学園都市からの追っ手の気配をまるで感じない。
これまでは四六時中、追っ手の気配があちこちに感じられた。
だが、私は電磁レーダーで気配を感知し、彼らに先んじて逃げ、攻撃し、難を逃れてきた。
それでも、緊張を絶やすことはできなかったというのに。
学園都市が私の追跡を諦めたとは思えないし…………
そんなことを考えていたら……
「あーーー!!!ようやく見つけたーーーーー!!!!!
って、ミサカはミサカは探し人を見つけたことに歓喜してみたり!!!!!」
「へえ。こいつがミサカ達姉妹の『次女』なんだ。」
私に良く似た顔立ちをした、
小学生くらいの活発そうな少女と、
高校生くらいの目つきの悪い少女が、
こちらに歩み寄ってきていた。
「そう邪険にするなよ。同じ遺伝子を分け合った姉妹じゃないか。
なあ、試験固体(フルチューニング)。」
「!!!!!学園都市の追っ手か!!!???」
来ないなどと思った矢先にこれか。まったく休む暇も無い。
しかし、この少女達の顔立ち、今の『姉妹』という発言。
どうやら彼女達も、御坂美琴のクローンと見て間違いなさそうだ。
クローン同士で殺し合いをさせようっての。
学園都市の上層部は、相も変わらず趣味のいいことね。」
私は電撃を展開し、戦闘の意志を示した。
「あれえ。もしかして戦うつもり?まあミサカはそれでも構わないけど。」
同じくでかいほうのクローンも、戦闘の意思を見せてきた。
先手必勝。私は攻撃を仕掛けようとして、
「喧嘩しちゃダメーーーーー!!!!!
って、ミサカはミサカは好戦的な二人の仲裁に入ってみたり!!!!!」
小さいほうのクローンに、勝負を預かられた。
って、ミサカはミサカは血の気の多い二人に憤ってみる!!!」
「悪い悪い。こいつが敵意むき出しにするもんだから、ついやる気が出ちゃってさ。」
よく分からないが、少なくとも刺客ではなかったらしい。
って、あれ?
「『迎えに来た』って、どういうことよ?」
「あなたをミサカ達のおうちに迎え入れるっていうことだよ。
って、ミサカはミサカは満面の笑みで説明してみたり。」
彼女達のことについて聞いていた。
「量産型能力者計画」から技術が流用された「絶対能力進化」とその顛末について。
被験者であった学園都市第一位、一方通行の暴虐と、彼が抱えていたであろう苦悩について。
一方通行と妹達の、奇妙な共生関係について。
0930事件や第三次世界大戦の裏で起こっていた、彼らの命がけの戦いについて。
そして、彼らの今の平穏な生活について。
話の中には、私が逃亡生活の中で集めた情報もいくつかあった。
しかし、それらの話をころころと表情を変えながら話す打ち止めは、
とても愛らしく、聞いていて飽きなかった。
番外固体も、口先では一方通行に憎まれ口を叩きながら話していたが、
彼女なりに彼を信頼しての行為のように思えた。
それがどこか彼を思い出させ、私は自然と笑みが浮かんだ。
「へー、打ち止めは、本当に一方通行が好きなのね。」
「うん、大好き!って、ミサカはミサカは淀みなく答えてみたり!」
「ミサカは嫌いだけどね。あんなカフェイン中毒者。」
自分達の同胞を1万人以上殺した相手を好き。
というのは、傍から聞けば奇妙にも思えるが、私はそれに疑問を持たなかった。
打ち止めの話の随所に感じられる、一方通行の不器用な優しさ。
私はそこに「彼」を重ねてしまった。
打ち止めもまた、私と同じ遺伝子を分けた人間だ。
私が「彼」に惹かれたように、
「彼」を思わせる一方通行に打ち止めが惹かれることに、何の不思議があろうか。
「着いたよー。ここがミサカ達のおうち。
って、ミサカはミサカはミサカ達の自宅を紹介してみる。」
「へー……ここがそうなの。」
「ただいまー!って、ミサカはミサカは元気良く帰宅宣言!」
「今帰ったよ。新たな居候を一人連れてね。」
「お、お邪魔します。」
私はおずおずと中に入り込んだ。
「おー、お帰りじゃん。」
「あら、お帰りなさい。打ち止め、番外固体。」
奥から緑のジャージを着た巨乳の女性と、穏やかな笑みを浮かべた女性が出てきた。
私は黄泉川愛穂。よろしくじゃん。」
「芳川桔梗よ。よろしくね。」
「こ、こんにちは……
検体番号00000号、試験固体(フルチューニング)です。」
私は少々緊張気味に挨拶をする。
「ハハハ、そう畏まらなくてもいいじゃん。
お前も今日から私達の家族になるんだから。」
「あ、ありがとうございます。これからお世話になります。」
何とも気さくな人だ。
居候させてもらうということで少々気まずい気持ちだったのだが、
おかげで私も幾分か肩の力が抜けた。
おーい一方通行、新しい家族が来たじゃん。お前もこっち来て挨拶しろ。」
黄泉川が大声を上げて同居人を呼んだ。
「チッ……ンな大声出さなくても聞こえてるっての。」
奥から一人の少年が姿を現した。
その少年は、
新雪の様に白い肌と髪に、
鮮血の様に紅い瞳をした、
いつか見た、白い、白い
ウサギの様な少年だった。
まるで、夢を見ているようだった。
色々な思いが渦巻いて、うまく言葉が出せなかった。
いつの間にか目からは、とめどなく涙が溢れていた。
そんな私を見て、彼はいつか見た時と同じ、優しい笑みを浮かべて、
「よォ、久しぶりだな。『ミサカ』。」
そう言って、私に微笑みかけてきた。
私は、溢れる涙を拭うのも忘れ、でも心からの笑みを浮かべ、
「……久しぶり、鈴科。」
そう言って、彼に微笑み返した。
今度こそ本当に、おわり
エピローグに関しては後付けなので、矛盾があっても勘弁してくれい。
フルチューニングについては前々から妄想が爆発してたので、
今回堪えられず妄想を垂れ流したが、正直すまんかった。勿論反省はしていないが。
あと、誤解の無いように言っておくが、俺はみさきちは大好きだ。
ここでは最高に下衆い娘を想定して書いたけど、正直御坂より好きだ。
今後彼女の薄い本が増えることを願ってやまないよ。
それでは、ここまで俺の妄想に付き合ってくれた奴ら、本当にありがとう。そしてお疲れ。
Entry ⇒ 2012.04.02 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
御坂「ただいまー」 黒子「お姉様おかえりな……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332850879/
御坂「ああ重かった」フウ
黒子「……」
御坂「どうしたのよ黒子」
黒子「お姉様……それ……なんですの?」
御坂「え、これ?」ポン
上条「」
御坂「ゴミ捨て場で拾ってきたのよ、いい椅子でしょ?」
御坂「この部屋に置こうと思って」
黒子「い、椅子ぅ?」
黒子「(どうみても類人猿ですの……)」
黒子「(わたくしの目がおかしいのでしょうか……)」ゴシゴシ
黒子「……」チラッ
上条「」
黒子「……」
御坂「どう?」
黒子「どうと言われましても……」
御坂「いいデザインでしょ?」
黒子「はぁ……」
黒子「(人型ですの)」
黒子「むむむ……」ジー
上条「」
黒子「(微動だにしませんわ……)」
御坂「黒子にもこの良さがわかるかしら?」
御坂「まだきれいだしさ……」
御坂「なんか引き付けられるものがあるというか……」
御坂「一目見て惚れ込んじゃったのよね~」
黒子「……」
黒子「(お姉様……本気でこれを椅子と……?)」
黒子「(正直に疑問をぶつけたほうがいいのでしょうか……)」
御坂「座り心地もいいし……」ヒョイ……ポスッ……
上条「」
御坂「ただで拾えたなんてラッキーよね」
黒子「お、お姉様……」
黒子「(やはりわたくしにはどうみても類人猿が空気椅子をしているようにしか見えませんの……)」
黒子「(その上にお姉様が座って……)」
御坂「柔らか~い」スリスリ
ムクムク
御坂「?」
御坂「なんか私の股下ぐらいに硬い棒がでてきたわ……落下防止の安全バーかしら?」
黒子「!!!」
黒子「お姉様! すぐに離れてくださいまし!」
黒子「(もう我慢できませんの!)」
御坂「え?」
黒子「お姉様は騙されておりますの!」
御坂「騙されてる? 誰に?」
黒子「その椅子……いえ類人猿にですの!」
上条「」
御坂「はあ? 意味がわからないんだけど……」
御坂「類人猿ってあいつのことよね?」
黒子「そうですの! 類人猿も所詮は獣で変態だったということですの! 」
御坂「どういうこと?」
黒子「大方、お姉様の純粋なお心に付け込んで……」
黒子「ここに侵入し卑猥なことをしようとでも考えているに違いありませんの!」
黒子「変態類人猿の浅はかな考えなどわたくしには通じませんわ」
上条「」
御坂「……」
黒子「まだふりを続けて……いいですの……言ってやりますの……」
黒子「それは椅子などではありませんわ! れっきとした人間……」
パンッ
黒子「……え?」ヒリヒリ
御坂「あいつのことあんまり悪く言うんじゃないわ。いくら黒子でも許さないわよ」イライラ
御坂「もう今日は寝るわ」
御坂「黒子も一日頭を冷やしなさい」
黒子「……」
黒子「……わかりましたの」シュン
御坂「はあ、お風呂は明日の朝入ればいっか」
御坂「とにかくこの椅子はこの部屋に置くからね」ポン
上条「」ウイーン
御坂「あっ!」
御坂「すごいわ、変形した! 直立型になったわ!」
御坂「これなら抱き枕にも使えるわね」
黒子「やっぱりおかしいですのー!!!」
上条「」
黒子「お姉様……くれぐれもお気をつけて……」
御坂「もう心配性ね黒子は……」
御坂「とにかくもう寝るから、お休み」ガバッ
御坂「えへへ」ギュウ
上条「」
黒子「(わたくしも寝るとしますの……)」スッ
黒子「(今のお姉様には何を言っても無駄な気がしますし……)」
黒子「……」ジー
黒子「……」スウスウ
黒子「……」スウスウ
だ、だめだって……
黒子「……ん?」パチッ
黒子「(今……お姉様の声が?)」
隣に黒子が……
黒子「……」
もう……しょうがないんだから……
黒子「(これは……まさか!)」
……静かにね?
黒子「(止めませんと!)」
黒子「類人猿! ついに本性を……」ガバッ
御坂「……」スウスウ
上条「」
黒子「ってあら?」
御坂「そ、そこは……駄目……」ムニャムニャ
黒子「……」
黒子「……寝言……ですの?」
上条「」
黒子「お姉様……どんな夢を……」
黒子「……」ハア
黒子「寝ますの……」ゴロン
黒子「……」スウスウ
黒子「……んん」ピクッ
黒子「ふあ~……もう朝ですの……」ムクリ
黒子「(これで昨日のが夢だったらどんなに幸せか……)」
御坂「あら、おはよう黒子」
黒子「おはようごさいますのお姉様」チラッ
上条「」
黒子「……」
黒子「(そう都合よくはいきませんの……)」
御坂「そろそろご飯食べさせたほうがいいわよね」
黒子「……」
黒子「え!?」
御坂「椅子だってご飯ぐらい食べるわよ」ヒョイ
御坂「はい、あ~ん」スッ
上条「」パクッ
御坂「ほらほら食べたわよ!」
黒子「……」
黒子「(ここまでくると……)」
黒子「(お姉様……もしかして……)」
黒子「(というよりはわたくしを騙そうとしている?)」
黒子「(類人猿をこの部屋に住ませるために?)」
御坂「じゃあ、私お風呂入ってくるわ」スタスタ
黒子「……」
黒子「よし、この間に……」
上条「」
黒子「類人猿、そろそろしゃべってはどうですの?」
上条「」
黒子「……何を企んでいるかはわかりませんがお姉様に手を出すことは私が許しませんの」
上条「」
黒子「……このっ!」ゲシッ
上条「」ドサッ
御坂「やっぱり朝風呂は最高よね~」
御坂「黒子も入って……」チラッ
黒子「このっこのっ!」ゲシゲシ
上条「」ゴロン
御坂「!」
御坂「黒子!!」
黒子「!」ビクッ
黒子「あっ……お姉様……」
上条「」デローン
御坂「……」
黒子「い、いえ……その……これは……」
御坂「説明しなさい!」
黒子「……」
上条「」
黒子「お姉様……どうかお許しを……」
御坂「……」ムカッ
御坂「出ていきなさい! 二度と顔も見たくないわ!」
黒子「う……」グスッ
黒子「うう……」ポロポロ
黒子「……」ヒュン
御坂「……」
御坂「やったわ! これで二人きりよ!」
御坂「ほら、あんたもいつまでも椅子のふりしてないで」ポンポン
上条「」
御坂「それにしても昨日ゴミ捨て場であんたを見つけた時はびっくりしたわ」
御坂「あれだけ言えば黒子も数日は帰ってこないかも……」
御坂「ふふふ」ニコニコ
御坂「楽しみね……どうやってすごそうかしら……」
御坂「ねえ?」
上条「」
御坂「……」
御坂「あれ?」
上条「」
御坂「どうしたのよ?」
上条「」
御坂「……」
御坂「えっと……」
御坂「これってもしかして……」
御坂「本当に椅子?」
御坂「……」
御坂「そっ、そんなわけないわよね……」
上条「」
黒子「……」グスン
黒子「お姉様に嫌われてしまいましたの……」シュン
黒子「もうおしまいですの」ポロポロ
上条「お、白井じゃねーか」
上条「なにやってんだ? こんなところで一人で……」
黒子「え!?」
黒子「……」
黒子「あなたのせいですのー!」ガバッ
上条「うおっ!? な、なんだ!?」
黒子「どうしてここにいるのか知りませんがようやくしゃべる気になったようですの!」
黒子「覚悟するんですの!」
上条「お、おい……どこ連れて行くんだよ?」
黒子「わたくしの部屋ですの」
上条「なんで?」
黒子「お姉様に証拠を突きつけるんですの」
上条「?」
上条「さっきから話が見え……」
黒子「しらばっくれるのも今のうちですわ」
上条「はあ……」
上条「(まあでも、なんか怒ってるみたいだし……一応付き合うか)」
上条「」
御坂「違うわよね……だってほら」カチャカチャ
ボロン
御坂「ここだって……」ツンツン……ムニムニ……
ムクムク
御坂「こんなに大きくなるし……」
上条「」
御坂「ってあんたもなにか反応しなさいよ!」
上条「」
御坂「ふ~ん、だったらいいわ。意地でも声出させてやるわよ」ハム
御坂「……んっ」ペロペロ
御坂「……どう?」
上条「」
黒子「お姉様! 申し上げたいことがありますの!」
上条「ういーす」ヒョイ
御坂「あっ……あっ……もうっだめぇ……」ズッチュズッチュ
黒子「」
上条「」
御坂「んん!」ビクビク
御坂「……」
御坂「もう……あんたいつになったら射精するのよ……」ハアハア
上条「」
御坂「あいかわらず声も出さないしさ」
黒子「お、お、お姉様……」ワナワナ
御坂「え!?」ドキッ
御坂「!?」
御坂「え……え……なんで……?」
御坂「なんであんたが……? だってここに……」
黒子「なんでここに類人猿がいるのにまだ椅子があるんですの……?」
上条「なんだ!? あれ俺にそっくりだぞ!?」
上条「」
御坂「え……ってことは……これはまさか……」
黒子「本当に……椅子だったんですの?」
上条「いやもはや椅子ではないような……」
上条「元気だせって御坂」
御坂「だ、だって……私……椅子相手に……初めて……を……」ヒックヒック
上条「それは……まあ……」
御坂「うえーん……」シクシク
上条「(どうやって励ましたものか……)」
上条「(そうだ!)」
上条「なんてな」
御坂「……ふぇ?」グスッ
上条「冗談だよ、あの椅子は本当は俺だったんだ。だから御坂としたのも……」
御坂「それはさすがに無理よ」
上条「ですよね」
御坂「お疲れ」
上条「これで一応解決か?」
上条「まぎわらしい椅子もあったもんだ。それにしても一体誰があんなものを……」
御坂「んー……なんか今日は疲れちゃったわね……」
黒子「お姉様早く寮に戻りましょう」
上条「じゃあな御坂、気にするなとは言えないけど元気だせよ」
御坂「……努力するわ」
上条「またなにかあったら俺を頼るんだぞ、わかったな?」
御坂「……うん」キュン
黒子「(ムキーですの!)」
う~ん、じゃあもうちょいで終わらせるわ……ペースあげる
御坂「俺を頼れ……か。ふふ」ニコニコ
黒子「むう……」
御坂「部屋に着いたわ」ガチャ
黒子「もうあの椅子を見ないですむと思うと清々しますの」ヒョイ
上条「」
御坂「……」
黒子「……」
御坂「黒子」
黒子「はいですの」
御坂「燃やしたのよね?」
黒子「間違いなく」
御坂「……あいつを呼ばないと」
御坂「どうしよう……」
上条「よし、俺に任せておけ」スタスタ
上条「(多分……右手で触れば消えるだろう)」スッ……ピト
ピュキーン
御坂「あっ!」
黒子「消えましたの……」
上条「これで大丈夫だ、もう安……」
上条「!」
上条「うおおおおおおおっ!!!」ガクガクガク
黒子「え!?」
御坂「ちょっとどうしたの!?」
黒子「なんかヤバい気がしますの……」
上条「ああっ! ああっ!」ビクンビクン
シュウウウウウウ……
黒子「おさまったみたいですの……」
上条「……」ハアハア
上条「……」
上条「……そうか……そうだったのか……」ムクリ
御坂「?」
黒子「?」
勃ちあがったんだろう
だれがうまいこと言えと
黒子「さっきのはなんだったんですの?」
上条「今話す……」
上条「……あれはいわば俺の性欲が具現化したものだったらしい……」
上条「爆発した性欲が作り出した分身……」
上条「俺が性欲処理を怠った結果か……」
上条「そしてたった今……放出されていた性欲は俺の体に戻った!」
上条「あんな種無しのまがいものではない! 性欲と精子を備えた完全態だ!」
上条「さあ! 俺を止めてみろ!!」
黒子「……」ポカーン
黒子「お姉様!? いっては駄目ですの!」
御坂「ち、違うのよ黒子……足が……勝手に……」フラー
上条「そうだ御坂……自分に正直になるんだ……」
御坂「……」ゴクリ
黒子「行かせませんのー!」ガシッ……グイグイ……
黒子「あんなのに近づいては絶対孕まされますの!」
御坂「で、でも……」
上条「ならばこちらから行くぞ!」
上条「ふんっ!」ダッ
黒子「ひいっ! 来ましたわ!」
ピュキーン
御坂「……?」
黒子「? お姉様に右手で……」
ドクン
御坂「!」
黒子「お姉様?」
御坂「え……これって……もしかして……」
黒子「どうしたんですの!?」
御坂「私……あいつの子供……妊娠したみたい」ポー
黒子「……」
黒子「いやあああああっ! 嘘ですのおおおお!」
上条「これが俺の新しい力……悪くない……」
黒子「惚けている場合じゃありませんの! 早く逃げましょう!」
御坂「どうして?」
御坂「そうだ、黒子も妊娠させてもらったら?」
御坂「すごく幸せな気持ちになるのよ」
黒子「死んでもごめんですの!」
上条「うっ……」ゴホッゴホッ
上条「吐血か……これは……想像以上に消耗が激しいな……」タラー
上条「あと……一発が限界といったところか……」
御坂「ちょっと、大丈夫!?」タタタッ
上条「俺に構うなぁっ! 腹の子にさわる……」
黒子「逃げるが勝ちですの!」ヒュン
外
黒子「ふう」
ガシャーン
シュタッ
上条「俺からは逃げ切れんぞ」
黒子「え!? 窓を破って飛び降りたんですの!?」
上条「フィナーレだ!」バッ
黒子「拳を天高く掲げ……」
上条「母なる大地よ……」
上条「俺の子を産めえええええええぇぇぇ!!!!!」ダン
ドゴオオオオオン
ピュキーン
地球「孕んじゃった」
上条「ぐふっ……」
上条「……」フラー
上条「……」ドサッ
黒子「力尽きたようですわ……」
御坂「あなた~!」ダッ
黒子「もうなにもいいませんの」
御坂「目を覚ましてよ! ねえ!」ユサユサ
上条「……」
上条「う……」ピクッ
上条「あれ……どこだここ……なんで俺こんなところで寝て……」
御坂「気がついた!?」
上条「……御坂?」
上条「あ、そうか……」
上条「たしか……御坂たちの部屋で……椅子を……右手で触って」
上条「それから……あれ……どうなったんだ?」
御坂「よかった……」ギュウ
御坂「……」ポロポロ
上条「御坂……」
上条「勝ったんだよな……俺……」
御坂「すごくかっこよかったんだから!」
上条「そっか……」
上条「それならいいさ……御坂も無事みたいだし……」
御坂「もう!」カアア
上条「よいしょ……ッゥ!」ズキッ
上条「駄目だ……足が動かん……粉々だ……」
御坂「攻撃をくらいすぎたのよ……」
黒子「飛び降りたからですの」
上条「体中にも切り傷が……」
御坂「痛そう……大丈夫?」
上条「命に関わるほどじゃないだろ、心配すんな」
御坂「うん……」
御坂「これからは……あんまり無茶しすぎちゃ駄目よ……」
御坂「もう……あんただけの体じゃないんだからね!」ニコッ
黒子「……」
黒子「いい加減にしろですの!」バキッ
上条「いてっ」
黒子「なに綺麗にまとめようとしてるんですの!?」
上条「どういうことだ?」
黒子「あなたは先ほどまで性の化身になって好き勝手暴れまわっておりましたの!」
上条「はあ?」
黒子「挙句の果てに地球を孕ませましたわ!」
上条「意味がわからん」
御坂「黒子頭おかしくなったの?」
黒子「……」
黒子「はあ……もういいですの……」
wwwwwww
理解できねぇwwww
上条「……」
上条「……え」
上条「はあ!?」
上条「え、え、そんな馬鹿な!? どういうことだ!?」
御坂「責任とってもらうんだから」ニコッ
上条「嘘だ! 上条さんの宝刀はまだ未使用のはず……」ゴソゴソ
黒子「うわ……目の前で……最低ですの……」
上条「……」ピタッ
上条「あれ?」ゴソゴソ
黒子「?」
上条「……」ゴソゴソ
上条「あ~……なるほどね」
上条「無いわ」
上条「無いんです、あれが」
黒子「……」
上条「通りでな~……なんかさっきからこう……」
上条「清々しいもん」
御坂「……」
上条「なんか邪念が湧いてこない」
黒子「恐らく力を使い果たして消滅してしまったのでしょう」
上条「まあ別に女になったわけじゃないからな」
上条「今まで通り精一杯生きるよ」
御坂「え……でも……おしっことか……どうするの?」
上条「もともとあれがあったところにパイの実ぐらいの突起があるんだ。そこからできると思う」
御坂「そう……」
黒子「ですの」
上条「でもこれが俺の選択だ。悔いはないさ」
御坂「強いのね……あんた」
黒子「ですの」
上条「はは、でも御坂からしたら浮気防止ぐらいになっていいじゃないか」
御坂「もう!」カアア
上条「こんな竿無しの俺でもいいかな、美琴?」
御坂「……」
御坂「当たり前じゃない……」グスッ
御坂「幸せにしてもらうわよ馬鹿……」ポロポロ
上条「ああ!」
黒子「……」
黒子「なんですのこれ?」
完
ダメだろ
乙
Entry ⇒ 2012.03.28 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
上条「この口がなぁ…黙ってりゃ可愛いのに」ムギュ 御坂「ふぐー!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330342676/
上条「黙ってりゃ可愛いのになー」
美琴「え?今なんて?」
上条「んー、静かにしてたらかわいいのになーって。でもお前そんなキャラじゃないもんなー」
美琴「ッ//私だって静かにできるわよ!こうおしとやかにしとけばいいんでしょ?」
美琴「できるわよ!!じゃ、じゃあ今日一日大人しくしてあげるから付き合いなさいよ」
美琴「い、今のは今日一日ってことであって!その変な意味じゃないからね!!」
上条「えー、どうせ無理だしいいですよー」
美琴「できるって言ってんでしょ!!さっきから無理無理ってうるさいわね!!」ビリビリ
美琴「ちょっ///あんたねぇ……」
上条「お、静かになった。これいいかもなー」
美琴「早く手どけなさいよ……」
上条「おいおい、ほんとにおとなしいな。お前こういうの弱いのか?」ナデナデ
美琴「ふにゃー……ボンッ!」
美琴「だだだ、大丈夫よ!!だから早く手どけなさいって言ってんでしょうが」
上条「おー、わりーわりー。で、どこ行くよ」
美琴「行くって何よ」
上条「えーっと御坂さんが一日付き合えって言ってきたんじゃなかったでしょうか?」
美琴「あんたさっき嫌だって言ったじゃない」
もっと甘々な方向にすればよかった
上条「いやー、もしものときの必殺技も見つけたしなー。」
美琴「あっそう、じゃあとりあえずセブンスミストにでも付き合いなさいよ」
上条「ちょっと待った。上条さんとのお約束第一条今日一日敬語でできるだけお嬢様っぽく過ごすこと」
上条「第二条ビリビリ禁止。もちろん暴力も」
美琴「何よそれ」
上条「あとはそうだなどうせなら服もそんな感じにしたいなお前そんなの持ってないの?なんて言うか深窓の令嬢っぽいやつ」
上条「敬語」
美琴「ぐっ、えー、そんなのないですよー」
上条「じゃあ、しょうがないかセブンスミストだっけ?行くか」
美琴「えぇ、そうしましょうか」ヒクヒク
続けてください
上条「でも、セブンスミストで何するんだ?」
美琴「えーと、ゴホン少しお洋服を見ようかと」
上条「おー、ちょうど良いじゃん。可愛いの探して着れば良いじゃん」
美琴「はあ?!さっき言ってたようなやつ?いやよ」
上条「敬語な。似合うと思うんだけどなー。金余ってんだろ?」
美琴「あんた今最低なこと言ってるわよ。あっと、では少しなら(これでこいつを落とせると思えば……)」
美琴(落とせるなんて何考えてんのよ!!でもかわいいって言ってくれるかも…)モジモジ
美琴「違うわよ!ち、ちがいますわよ。オホホ」
上条「んー、なんか違うな」
美琴「なにがですの?」
上条「なんかオホホとかは違うわ。御坂は元気系だしもっとこう後輩らしくというか妹っぽく?」
美琴「はあ?!あんたがお嬢様っぽくとか言ったんでしょうが!!」
美琴「なんでそうなるのよ!」
上条「じゃあ、もう帰ろうかなー」
美琴「わかったわよ。やりゃあいいんでしょ」
上条「呼び方は上条先輩な」
美琴「はあ?!」
上条「いいじゃねえか。ほんとに先輩なんだし。ほら練習。上条先輩こんにちわ。はいどうぞ」
美琴「か、上条先輩こんにちわ」
上条「よろしい」
美琴「ち、ちょっとなんで下の名前なんですか?」
上条「いや、先輩後輩ですしそっちのほうがいいかと。ほら早く行かないと着く前に日がくれちまいますよー」
美琴「わかりましたよ。ほら先輩急ぎますよ!」
上条「おー、いいんじゃないか?でも上条さん的にはやっぱり上条先輩がいいんですが」
美琴「しつこいと嫌われますよ先輩」
上条「ついたな。何から見るんだ?」
美琴「もう、さっき言ったじゃないですかー。服ですよ服!ホラホラ早く!」
上条「おう。(やべー、ドキッとしちまった)」
洋服売場
美琴「先輩こんなのどうですか?」
上条「さすがにそれは子供っぽすぎるんじゃないでしょうか?そこまでしなくてもいいんだぜー?ハハハ」
美琴「巣の趣味が子供っぽくって悪かったわねえ!!」ビリビリ
上条「ちょっとこんな所でビリビリしたら服が!!」ニギッ手をつかむ
美琴「ふなっ!!///」
美琴ヴィジョン
上条「手を握っていればビリビリしないで済むし安心だろ?(キリッ」
美琴「うん……」
上条(いつもなら怒るのになんで?)
上条「いいんじゃないですか?上条さんのイメージにぴったりですよ」
美琴「ホントですか?じゃあ試着して見ますね!」
上条「あのー、美琴。手を離してくれないと試着できないんじゃないんですか?さすがに入るわけにはいけないんで」
美琴「ッナ!!///わかってますよ!!うるさいなー」
上条「はいはい。じゃあいってらっしゃーい」
上条「じゃーんって……」
美琴「いいじゃないですか!//それより感想!!!」
上条「んー、似合うと思うぞ」
美琴「……ありがとう」
美琴「店員さんこれください。あ、このまま来て帰りますんで」
上条「校則なんじゃないのか?いいのか?」
美琴「たまにはいいんですよ」
上条「えーっとそのすいませんがおごりでしょうか?上条さん財布が……」
美琴「アイスぐらいおごりますよ。付き合ってくれたお礼です」
上条「それはありがたいです」
上条「しかしもう夕方になってたなんてなー」ペロペロ
美琴「楽しい時はすぐ過ぎちゃいますね」
上条「あのさー、今日思ったんですけどやっぱ美琴はいつもの美琴が一番だな」
上条「そりゃ素直だったりビリビリしないのはいいけどさ。なんかいつもの美琴が一番可愛いよ。それにビリビリはいつも手をつないでればいいことだしな……」ポリポリ
美琴「ななな、何言ってんのよ////頭打ったの?」
上条「頭も打ってないし、まじですよ。その……明日とかこれからもずっと手をつないでいいか?」
美琴「べ、べつに私は嫌じゃないけど……むしろ嬉しいし」
上条「え?いまなんと?」
美琴「手をつないでくれると嬉しいって言ったの!!何度も言わせんなバカ」
上条「ありがとう美琴!!」ダキッ
美琴「にゃっ///ちょ、ちょっと!」
上条「これからもよろしくな」
美琴「……うん」
おわれ
まあ乙
Entry ⇒ 2012.03.10 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
一方通行「過去に戻れる、だとォ…?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328012983/
一方通行「知らねェ」
芳川「ねえねえ一方通行。一緒に晩酌しない?」
一方通行「しねェ」
番外個体「ちょっとアナタ、ミサカ片腕使えないんだから一緒にお風呂入って背中流しなよ」
一方通行「死ね」
黄泉川「あー! ちょっと一方通行! そっちのジャーの蓋開けるじゃん!! そのままだと蒸し過ぎに…」
一方通行「ああァァァァアアああああ鬱陶ォしィィィィイイいいいいいいい!!!!」
一方通行「あァハイハイハイこれでいンですかァ!?」カパッ
一方通行「なァンで炊飯ジャーからかに玉が出てくンだコラァァアアア!!!!」
黄泉川「ってゆーか桔梗! 未成年に酒進めちゃだめじゃん!!」
芳川「はいはい、愛穂は相変わらず固いわねえ…」
黄泉川「こちとら一応教師じゃん」
番外個体「なになに? ミサカのこの魅力的なボディを前に理性を保つ自信が無いのかにゃー?」
一方通行「そォいうセリフはせめて二桁の年になってから言え」
番外個体「ぶー。ミサカもうとっくに大人の体だっての。生理来てるし」
一方通行「黙れ」
打ち止め「ミサカのプリンーーー!!!!」ポカポカポカポカ!
一方通行「知らねェっつってンだろまとわりつくなクソガキッ!!」
一方通行「……寝不足なンだよ」
芳川「あら、珍しい。どうして?」
番外個体「そりゃーミサカ達みたいな魅力的な女に囲まれてちゃ、ねえ?」
一方通行「そンな事情は欠片もねェから安心しろクソガキ」
番外個体「ミサカとしては多少の情事はどんとこいなんだけどね」
黄泉川「イチ教育者としてそれは許すわけにはいかないじゃん。で、ホントのとこはどうなんだ?」
黄泉川「環境に問題があるなら改善するから言ってみるじゃん?」
打ち止め「プリン……」ションボリ…
一方通行「……別にそんな大層な理由なンぞねェよ」
一方通行「……ただ、最近ちょっと嫌な夢を見るだけだ」
一方通行「お前はマジで一回喋れなくすンぞ物理的に」
芳川「学園都市第一位の頭脳が見る夢、ねえ……」
黄泉川「どんな夢なんじゃん?」
一方通行「言うかボケ」
番外個体「あ、やっぱやらしい夢だ。それで第一位様は夜な夜な汚れたパンツを洗っていたために睡眠不足と」
打ち止め「そういえば夜中に洗面所でバシャバシャやってたあなたを見たことあるよ、ってミサカはミサカは報告してみる!!」
番外個体「えっ」
芳川「……」
黄泉川「……」
一方通行「いらンこと言うなクソガキそりゃ本当に手を洗ってただけだテメエらその生温い目をやめろコラァァアアアアアア!!!!」
黄泉川「あ、一方通行どこ行くじゃん!? もうご飯出来るじゃんよ!」
一方通行「……すぐそこのコンビニ。5分で戻る」
番外個体「夢の追求を恐れて逃げたねあれは」
芳川「隠せば隠すほどこういうのは誤解されちゃうのにねぇ……」
芳川(……或いは、誤解されてでも話すわけにはいかない内容なのか)
打ち止め「あー!!」
芳川「ど、どうしたの?」
打ち止め「プリンお願いしとけばよかったー!! ってミサカはミサカは自身の不手際にうぎぎぎぎぎーーー!!」
一方通行の手に提げられたビニールがガラガラと音を鳴らす。
その中身は、大量の缶コーヒーと、三個入りのプリンが二パック。
一方通行「……ったく、気ィ抜きすぎだっつの。何で本音語っちまうかねェ……」
夢。悪夢。
打ち止めの言葉に、一方通行は手を洗っていただけだと反論した。
事実、その通りだったから。
彼はただただ手を洗っていたのだ。
夢の中でこびりついた血を洗い流すように。
たったひとつの理由のために。
ただ自分のためだけに。
夢。悪夢。
少女の腕をもぎ取って、少女の腹を貫いて、少女の頭を踏み砕く。
凄惨な、直視できない、血にまみれた真っ赤な悪夢。
―――違う。それは過去。紛れも無くかつて存在した現実。
一方通行の脳裏に刻まれた、記憶に過ぎない。
一方通行(……俺ァ、どうして)
夢を見て、思い出して、当然また眠りに落ちることなど出来なくて。
つらつらと考えた末に出てくるのは、いつも自分への疑問。
あんなことをして―――どうして自分は今こうして『彼女たち』と過ごすことが出来るのか。
どのツラをさげて―――
一方通行「―――ッ!!!!」
ダン、と思い切り地面を踏みつけていた。
思考の末にたどり着くのはいつもこの結論で、そのたびに一方通行は耐え難い衝動に襲われる。
「ここは恩人の家だから」、彼がそんな良識を獲得していなかったなら、黄泉川の洗面所のガラスはもう何枚目になっていただろう。
第一位の能力を発揮できない今の一方通行は、当然地面を砕くこともできず、ただ足の裏にジンとした痛みを感じていた。
足元に色濃く落ちた影に気づき、空を見上げた。
満月。
一方通行は。
一方通行(そういや、あの馬鹿が俺を止めてくれたのも……)
こんな夜だったな。と、そんなことを思い出していた。
??『くだらねぇ実験なんざやめろ。どうせてめえは無敵なんかにゃ届かねぇ』
一方通行「…?」
思い出したのは、夢の中でいつも聞こえてくる言葉。
??『なんでもすぐに投げ出しちまうてめえは実験だって途中で投げ出すさ。それで、その後に残るのは――』
一方通行(……これは、アイツの言葉じゃねェ。これは、一体何だ?)
一方通行(俺が物事を忘れるなンて有り得ねェ。だからこれは俺の脳みそが勝手に作り出した幻想に過ぎねェ)
一方通行(だが、もし、あの馬鹿より前に俺をこうやって止めてくれた奴がいたとしら―――)
―――俺はどうしてそこで止まれなかった?
「こんばんは。学園都市第一位、一方通行<アクセラレータ>。お目にかかれて光栄の至りだ」
満月を背にして、電柱の上に誰かが立っていた。
長いブロンドの髪が月明かりを反射する。
ひらひらしたワンピースが夜風に揺れている。
一方通行「……女? しかも、ガキか……」
少女「ガキとは心外だな。これでも私は同年代の子達に比べれば成熟しているつもりだが」
一方通行「ンなこたァ心底どォでもいいンだよ。質問はひとつだ」
一方通行「テメエは、何モンだ?」
少女「ふむ、故あって名前を教えるわけにはいかないんだが、これだけは誓おう。私はあなたの敵ではない」
少女「いや、むしろ、私は私こそがあなたを真に救うことができる救世主だと信じている」
一方通行「……あァ? 何言ってやがンだクソガキ」
少女「私が救おう。一方通行、あなたを、『絶対能力進化計画』の亡霊から」
バチン、と一方通行はチョーカーのスイッチを入れる。
学園都市第一位の能力を開放した、完全戦闘モード。
対する少女は飄々としたまま続ける。
少女「勘違いはしないで欲しいな。それに、その力を私に向けるのをやめて欲しい」
少女「私はしがないただの少女だよ。そんな殺意をぶつけられては怯えて足が震えてしまう」
一方通行「『絶対能力進化計画』なンてモンにたどり着けりゃ立派なレディだ。認めてやるよ。テメエは極刑に値すンぜ」
少女「おしっこ漏らしちゃう」
一方通行「………」
少女「やあ、ありがとう。そうやって殺意を解いたまま私の言葉に耳を傾けてくれ」
少女「でも、私の能力をあなたに教えることは出来る。そうしなければ、あなたの信頼を勝ち取ることは出来ないだろうから」
少女「それでは開陳しよう。私の能力名、それは『時間跳躍(タイムジャンパー)』」
少女「『現在』と『過去』を自由に行き来できる能力だ」
一方通行「なっ……!?」
一方通行「……ありえねェ」
少女「しかし事実だ」
一方通行「もしそンな能力の持ち主がいたら学園都市が―――いや、世界がそいつを自由にするわけがねェ」
少女「そうだよ。だから私も完全に自由という訳ではない。学園都市の秘蔵も秘蔵っ子、それが私というわけだ」
少女「まああなた達にならって『時間跳躍』なんて名乗ってみたけど、実のところ私のこれは君たちの言う『超能力』とはまた別種の力さ」
少女「だから、レベルなんて括りで私を表すことはできない」
少女「……信じられないって顔だね」
一方通行「信じる方が馬鹿だろォが……」
少女「一方通行。君の家に誰もいなかった時間はなかったかい?」
一方通行「……5時」
少女「了解」シュンッ
少女「ただいま」パッ
少女「これなーんだ?」
少女の右手には「打ち止めの」とマジックで書かれたプリンが握られている。
一方通行「それは…ガキが無くなったって騒いでやがった……!!」
少女「これで信じてもらえたかな?」
一方通行「……」
少女「もちろん、これは私が前もってあなたの家に入って盗んだもので、私は今テレポートで隠していたこれを取りに行っただけかもしれない」
少女「信じるか信じないかは結局のところあなた次第。でも、信じてもらえたなら、私は、この力をあなたのために使うことを約束する」
少女「ねえ、一方通行」
少女「『絶対能力進化計画』を無かったことにしたくない?」
少女「あなたは苦しんでいる。一万人を殺した罪悪感で。あなたは許せずにいる。それでものうのうと幸せを享受している自分を」
少女「私があなたについて、『絶対能力進化計画』について知っているのはこの能力の力」
少女「過去と現在を自由に行き来できるということは全ての歴史を検閲出来ることに等しい」
少女「私はたくさんの人間の物語を追ってきた。その中でも、あなたは格別」
少女「初めて私が、自分の能力を誰かのために使いたいと思った」
少女「私なら、あなたを幸せにしてあげられると思った」
少女「幸せにしてあげたいと思った」
少女「もし、あなたが絶対能力進化計画を無かったことにするというのなら。かつて殺した一万人が笑顔で生きている未来を望むなら」
少女「今、この場で私の手を取ってほしい」
少女「先にあなたの懸念をいくつか消しておいてあげる」
少女「もし仮に、計画が初期の段階で止まったとしても、『妹達』はちゃんと二万体まで生産される」
一方通行「何ィ…?」
少女「『妹達』があなたの『絶対能力進化計画』に流用されたのはあくまでおまけ。アレイスターにはどうしても規定数の『妹達』を生産しなきゃならない理由があるのよ」
一方通行「……テメエは本当に一体何モンだ」
少女「名乗るべき時が来れば名乗るわ。今はただの少女よ」
少女「私の『時間跳躍』は完全な過去改変を可能にする。過去の改変による、現在の変革を可能にする」
少女「つまり、もしあなたが『絶対能力進化計画』を無かったことにすることに成功したなら」
少女「あなたが『現在』に戻ってきたとき―――『絶対能力進化計画』が存在した先である『今』は消えて、変わってしまっている」
少女「あなたのそばに『打ち止め』はいない」
少女「その代わりに、死んだはずの一万人が生きて―――笑っている」
少女が手を差し出す。
一方通行は―――
番外個体「……からかいすぎたかな?」
芳川「……」
黄泉川「……ったく、もうすっかり冷めちゃったじゃんよ」
一方通行「がァふ…!」ドシャァ!
少女「あ」
一方通行「……」ピクピク…
少女「しまった忘れてた。そりゃこの時はまだミサカネットワークなんて確立されてないんだから一方通行は活動出来なくなっちゃうよね」
一方通行「……」ピクピク…
少女「あ、やばい。早くしないと『この時代』のあの人が来ちゃう」
少女「ふぅ、これでよし。勝手にだけど、あなたのチョーカーをこの時代使用に変えさせてもらったよ」
一方通行「どうやって…!」
少女「未来では一万人の脳の補助によってあなたの脳の機能を賄っていた。その補助の役割を、この時代のコンピューターに切り替えただけ」
一方通行「オマエは本当に何モンなんだよ…」
少女「『時間跳躍<タイムジャンパー>』に不可能は無いのだ」
少女「あ、でも能力使用時の膨大な演算処理までは賄えないよ。そんなことしたら一瞬でコンピューター焼き切れちゃうから」
一方通行「うォォ!? そこ一番可能にしとかなきゃならンとこだろ!! ンなモンどうやって実験止めンだァ!?」
少女「成せば成る! 行きましょー!!」
一方通行「あと何かオマエキャラ変わってねェ!?」
少女「少しずつ慣れてきたんですよ!!」
一方通行「シレッと呼び捨てにしてンじゃねェよ」
少女「見てください、あそこ」
一方通行「……ッ!!」
スキルアウトA「ひ、ひぃぃぃ!!」
スキルアウトB「ぎゃばぁ!!!!」
一方通行(過去)「あぎゃァっはっはっはァァーーーーッ!!!!」
少女「この時代のあなたです」
一方通行「……調子乗ってやがンな、あのクソガキ」
少女「クソガキって、あれはあなた自身ですよ」
一方通行「まさしく自己嫌悪って奴だ、反吐が出る。蟻ンコいたぶって喜ンでンじゃねェよ……」
一方通行「今すぐ出ていってシバキ回してやりたいトコだがなァ……」
少女「逆にあなたがシバキ回されるでしょうね」
一方通行「今は何月何日だ」
少女「○月×日ですね」
一方通行「ちっ、時間はねェな。確か実験の声がかかンのがその辺だったはずだ」
少女「改めて聞きますが、どうします?」
一方通行「取り敢えず止めるしかねェだろ」
一方通行「直接。オイ! そこの最強気取りのクソ坊っちゃンよォッ!!」
一方通行(過去)「あァ?」
少女「ほわぁーーーー!!!!」ガバァッ!
一方通行「うごッ!!」ドタン!
過去通行「ン~? この俺に向かって随分愉快なクチ聞きやがるヤロォが居たと思ったが、気のせいか……」
一方通行「何しやがる!!」
少女「シー!! 何考えてるんですか!! 過去の自分との直接接触なんて禁止に決まってるでしょ!!!!」
一方通行「は、はァァ!!?」
少女「この時代のあなたが今ここにいるあなたを認識してしまった場合、二人とも爆裂して死にます」
一方通行「はァァァァァァアアアあああああああああああああああああああ!!!!!!!!??????」
少女「それが世界の理です」
一方通行「俺がどンな決意でこの時代に戻ってきたと思ってンの!?」
少女「それでも私は、あなたはやり遂げることができると、そう信じています」
一方通行「何その綺麗な瞳ッ!! そォいうのマジいらねェンだよォォおおおおおお!!!!!」
少女「とにかく、何か方法を考えましょうよ」
一方通行「つっても、時間はねェ。まず、今ここで、奴に接触するしか第一次実験を止める手立てはねェ」
少女「では、あれを使ってはいかかでしょう?」
一方通行「……マジかよ」
過去通行「……」ピタッ
過去通行「……カカッ、いいねェ。やっぱ聞き違いじゃ無かったンかよ。最強気取りってこたァ、俺のことを知ってるってことだよなァ」
過去通行「それでも俺にそンなクチ聞きやがる愉快野郎は今までちょっと会ったことねェぞォ!!」クルッ
一方通行「……」
過去通行「……」
一方通行「……」←ゲコ太の被り物してる
過去通行「イヤ、マジでこンな愉快な奴会ったことねェわァ……」
過去通行「ンで? テメエは何なのよ? 俺を笑い死にさせようって魂胆かァ?」
一方通行(ゲコ太)「いいか、一つだけ教えてやるよ。利口な利口な第一位ちゃン」
過去通行「あァ?」
一方通行(ゲコ太)「今日、あと数時間もしねェ内にオマエに声をかけてくる奴らが現れる」
一方通行(ゲコ太)「そいつらの口車に乗るな。乗せられて、安い幻想を抱くな。誓え」
一方通行(ゲコ太)「オマエは、誰も殺すンじゃねェ」
過去通行「………」
過去通行「ウゼェよ。何様だテメエは」
少女「目が覚めました?」
一方通行「……ッ!? 夜!?」
少女「はい。あなたは過去のあなたに吹き飛ばされ、今まで気を失っていました」
一方通行「じ、実験は……!」
少女「その結果が、今出るようです」
一方通行「………」
一方通行「……ッ!!」
過去通行「………」フラ…
一方通行「何て顔……してやがる……」
過去通行「コーヒー買って……サッサと寝るとすっかァ……」
過去通行「……」
過去通行「……またテメエかよ」
一方通行「……この、馬鹿野郎が」
過去通行「はァ?」
一方通行「殺すなって、言っただろォがァ!!」
過去通行「……何か色々知ってるみてェだけどよォ。人聞きの悪ィこと言ってンじゃねェよ」
過去通行「俺は人殺しなンてしてねェ……俺がしたのは、ただの『処理』だ」
一方通行「そォやって割り切ることが出来ねェのは、テメエが一番わかってるだろォが」
過去通行「……あァ?」ピクッ
一方通行「オマエはまず大量に買ってきたコーヒーをかっくらう。ケッ、酒飲ンで酔って誤魔化すことも出来ねェのさ。ホントにただのクソガキだ」
一方通行「好物飲ンで、多少落ち着きを取り戻して、オマエはそのままウトウト眠るのさ」
一方通行「そして、起きる。夢を見て、起きる」
一方通行「そしてオマエは手を洗うのさ。落ちないことなんて分かってンのに、いつまでもいつまでも洗ってンだ」
一方通行「そして、最悪なことにオマエは泣く。ポロポロ泣いて、もう嫌だと―――」
一方通行「――――??」
一方通行(もう、嫌だと―――?)
過去通行「ウルッセェエエえええええええええええええ!!!!!!」
一方通行「!!」ハッ
一方通行「オマエ……!」
過去通行「もォいい喋ンな口を開くな、テメエの声はどこまでも癇に触るンだよォォオオオおおおおおお!!!!」
一方通行「く……!!」
ズズ……ン……!!
一方通行「チ…またかよ……」ムクリ…
一方通行(能力が無きゃァ、ホントにただのクソガキだな俺ァ…『アイツ等』みてェに、体一つで何かを為すことなンて出来やしねェ)
少女「…彼は、あなたは、止まるでしょうか?」
一方通行「さァな」
少女「あなた自身のことなのに?」
一方通行「この時の俺がどンな精神状態だったかなンて覚えてねェよ」
一方通行「覚えてりゃもう少し……」
一方通行(待て…何で俺はこの時期の俺の気持ちを思い出せねェンだ?)
一方通行(俺は一方通行だぞ? 『俺が物事を忘れるなンて有り得ねェ』…!)
少女「思索に耽っているところ申し訳ないですが」
一方通行「!!」
少女「彼が、いえ、あなたがやって来ましたよ。二度目の実験を行うために」
一方通行「……オイ、俺は何時間寝てた……?」
少女「丸一日ほど。起こそうとはしましたが、起きませんでしたので」
一方通行「く……!」
少女への怒りも、先ほど頭を渦巻いた疑問も、今は置いておく。
目の前を歩む過去の自分は、これから二度目の実験へ向かう。
それだけは止めなければ。
ここで止めなければ、彼はもう戻れなくなる。
それだけは、覚えているから。
初めて自分の意思で『彼女』を殺した瞬間のことだけは、絶対に忘れないから。
一方通行「止まれ」
過去通行「よォ…生きてたンかよ。そりゃ何よりだったなァ」
過去通行「イヤァ…悪ィが通してもらうぜゲコ太君。俺にはやらなきゃなンねェコトがあるンでな」
一方通行「テメエ……!」
過去通行「問答もしてやンねェよ。教えてやるケド、俺ァ忙しいの。被りモンして遊ンでるテメエとは違ェンだよ」
一方通行「何故…何故わからねェ…」
過去通行「あ?」
一方通行「くだらねェ実験なンざやめろ。どォせテメエは無敵なンかにゃ届かねェ」
一方通行「なンでもすぐに投げ出しちまうテメエは実験だって途中で投げ出すさ。それで、その後に残るのは――」
一方通行「――――ッ!!!!????」
一方通行(今の――言葉は―――!!!!)
少女「………」
過去通行「俺は誰の指図も受けねェ。俺の行動を決定出来るのは、俺だけだ」
過去の一方通行が、今の一方通行の傍を通り抜ける――その刹那。
過去の一方通行の手が、今の一方通行の体にふれ――その自由を、一瞬で奪った。
一方通行「か…は…!」
過去通行「だがまァ……多少参考にはなった。礼だきゃ言っといてやるぜ」
少女「……!」タタタッ!
過去通行「……連れがいたンかよ。だったらさっさとそのゲコ太を病院に連れて行ってやれ」
一方通行「か…ふ…」
少女「……立って」
少女「立って!!!!」
少女「変えてください…過去を…未来を!!」
一方通行「お…まえ……」
少女「変えられなかったんです! 今まで、私の『時間跳躍』で過去を変えることなんて出来なかった……」
少女「あなたが今まで失敗し続けたように、過去を変えようとしても必ず世界からの修正を受ける」
少女「でも、あなたならって思った! あなたなら、出来るって……」
少女「人生は、やり直すことが出来ると証明してくれるって!!」
一方通行「が…ぐ…!」
少女「立って…『一方通行<アクセラレータ>』!! 立って、あなたの過去を塗り替えて!!」
過去通行「何ッ!?」
能力使用モード、ON。
コンピューターが焼き切れるのは一瞬。
能力が使えるのは、一瞬。
だが、それで十分。
一方通行「闇なンぞに行かせやしねェぞ、三下がァァァアアああああああああああ!!!!」
過去通行「……馬鹿が! デフォじゃ」
一方通行「『反射』だよなァ!! 知ってるよ、誰よりもよォ!!!!」
『今』の一方通行の手が、過去を掴む。
過去通行「……テメエ!! 俺の能力に干渉を…」
一方通行「演算の上書き対決だ。ケド、悪ィなァ……」
一方通行「これでもこちとら、成長してんだよォ!!」ゴォッ!
一人は渾身の一撃をその身に受けて。
一人は、その身を支える術を失って。
過去通行「が…か…!」
一方通行「く…か…!」
すたすたと、二人の一方通行に少女が歩み寄る。
少女「おめでとうございます、一方通行。といっても、もう人語を理解することは出来ないでしょうが」
少女「さて、忘れないうちにこの時代の一方通行の記憶をいじっておきましょうか」
少女「記憶は消えても、無意識に深く刻まれた敗北感は消え去らない」
少女「その敗北感は、『無敵』への更なる渇望を生み――その渇望がどういった結果を招くのか、それはあなたがよく知っている通り」
少女「これにてあなたの『今』は確定しました。プラン5032完了です」
一方通行「……オイ」
少女「状況を説明しましょうか? あなたは見事過去の自分を討ち果たし、『現在』へと帰還したところです」
一方通行「……オイ…!!」
一方通行の手が己の首元に伸びる。
その指が、演算補助のチョーカーに触れる。
一方通行「何でコレがまだ俺についてる…! 過去は変わったはずだ。なら今も変わったンじゃねェのか!?」
少女「つまり変わってないってことですね。簡単なことです」
一方通行「な…! ふざけ…!! ……!! なら、もォ一度だ!! もォ一度…」
少女「いい加減気づいても良さそうなものだけど」
少女「過去を変えることなんて出来るわけないじゃない。馬鹿じゃないの?」
少女「過去というのはあなたが過去を変えようと過去に戻ることまで含めて過去なんですよ」
少女「つまり、今この時のあなたが過去に戻って行動を起こす……それを今のあなたは過去で経験しているんです」
少女「あなたは、今ここにいるあなたは、過去にゲコ太の被り物をしたおかしな奴に出会っていた」
少女「おわかりですか?」
一方通行「だが……俺にその記憶はねェ……」
少女「あ、それは私が細工しました。ごめんなさい」
少女「もちろん、あなたを無敵にしたかったわけじゃないですよー。そんなん無理だとわかっていますし」
少女「肝要なのは『妹達』を大量生産するための口実をでっち上げることです」
少女「彼女たちが――ミサカネットワークがどれほど重要なものかは、『ドラゴン』にたどり着いたあなたなら薄々勘づいているとは思いますが」
少女「やっぱ『妹達』だけ一万規模で生産したら勘のいい奴は感づきますからねー」
少女「言うまでもなくあなたです。一方通行」
少女「あなたは笑えることに、本当に笑えることに、とてもとても優しかった」
少女「一体目の『妹達』を過失で殺してしまってあなた、本当は泣いてたんでしょう?」
少女「そして、本当は二体目の実験にかかる前に研究所を潰すつもりだった。本当なら『最強』である自分で満足しようと、妥協することが出来ていた」
少女「本当なら―――ね」
少女「あとはもう説明しなくてもわかるでしょうし、実のところ思い出してきてもいるのでしょう? あなたの記憶にロックをかける意味はもうありませんしね」
一方通行「肉片になれコラァ!!」ドゥッ!
少女「ふふっ」スカッ
一方通行「な…触れねェ…だと……?」
少女「お別れだよ、一方通行。だけど、その前に――最後に私の名前を教えようか」
そう言って、少女は―――いや、もう一方通行には『ソイツ』が少女だとは思えない。
かといって、男なのか、女なのか、はたまた少女か、老人か―――一方通行にはもうまるきりわからない。
そして少女は、いや、男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える『ソイツ』は笑ってその名を告げた。
「面と向かって名乗るのは初めてだな。私は、アレイスター。アレイスター=クロウリー」
アレイスター「君は自覚しなくてはならない」
アレイスター「打ち止めと、それを取り巻く今の環境を、君は一度捨てたのだ。それも、自分のために」
一方通行「黙れ!! 黙れェェェえええええええ!!!!」
アレイスター「彼女たちのため? 違う。殺された一万人のため? 断じて違う」
アレイスター「君は君のために、ただ罪悪感に耐えられず、悪夢から逃げ出すために、そんな綺麗事を言って彼女たちを捨てたのだ」
一方通行「違う! 俺は…! 俺は……!!」
アレイスター「私はいつでも君を見ている。本当に見ものだよ。これから君が彼女たちとどう接していくのか」
一方通行「おァァァァアアアアあああああああ!!!!」
エイワス『彼には少々かわいそうなことになったな』
アレイスター『現在は全ての過去の積み重ねだ。過去を否定するということは、今の自分を否定することにほかならない』
アレイスター『私がこの術式を身に付けたのは既に200年ほど前になるが、これまで一度として自身の過去を変えようとしたことはない』
アレイスター『彼はそれがわかっていなかった。当然の報いと言えるだろう』
エイワス『そう仕向けたのは君ではないか。人でなしめ』
アレイスター『心外だなエイワス。私は誰よりも”人間”のつもりだよ』
アレイスター『そうしなかった理由は三つある。ひとつは当時の彼に”もうひとつの法則”に触れさせる訳にはいかなかったこと』
アレイスター『もうひとつは今現在の彼に、私に対して苛烈な敵愾心を抱かせる必要があったこと。彼はまだ規定のレベルに達していない。今のようなぬるま湯に浸っていたままでは困る』
アレイスター『最後の理由だが―――これがもっとも大きな理由なのだが』
アレイスター『それでは、私がつまらないだろう?』
エイワス『やれやれ、やはり君は”人でなし”だよ。アレイスター』
終わり
はっきりいって大失敗
寝ます
でも一方さんなら過去に戻れるって言われても罪から逃げるつもりはねェとかなんとか言って断りそう
Entry ⇒ 2012.02.10 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
御坂美琴(21)「はぁ……暇だなぁ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327887250/
御坂「昔は忙しかったわね」ボー
御坂「平和になったのはいいけど、私の能力は弱くなって今じゃただの一研究者……独身」
御坂「……寂しいなぁ」シュン
御坂「アイツなんて国際結婚……くっ」ゴツン
御坂「……あー、昨日の実験の報告書まとめなきゃ……」イソイソ
御坂「……はぁ」
御坂「……はぅ」ムクリ
御坂「ヤバ……今日は早朝会議が……面倒臭いなぁ」
御坂「……」イソイソ
御坂「……ご飯食べる時間ない……」
御坂「いってきまーす」ガチャ
研究者A「おい、御坂先生はまだ来てないのか?」
研究者B「まだだな。あの人朝弱いんだよ」
研究者A「マジかよ……いくら実績あっても、やっぱガキじゃ」
研究者B「おい」
布束「……」
研究者A「あ、あはは。どうも布束さん……」
布束「……会議は御坂さんの報告からよ。彼女が来るまでコーヒーでも飲んでなさい」スタスタ
布束「……あのバカ」ボソッ
布束「20分遅れよ。寝坊かしら?」
御坂「い、いや朝ちゃんと起きはしたんだけど、その……電車内で寝ちゃって……」
布束「寝坊ね」
御坂「……うん」
布束「敬語」
御坂「……はい」
研究者A「まずは御坂先生から、先日行った『実験用マウスに対する筋ジストロフィー治療実験』の報告を」
御坂「は、はい!」
御坂「それでは──」
昼休み
御坂「……あぁ疲れた」
婚后「──あら、美琴さん?」
御坂「……ん。光子? 久しぶりー」フリフリ
御坂「最近忙しかったからねー。一応一段落はしたけど、明後日からまた実験三昧よ」
婚后「……」
御坂「光子も大変そうね」
婚后「えっ?」
御坂「目の隈がヤバいわ」
婚后「えぇっ? マジですの!? いやですわ私ったら、美琴さんの前で」アセアセ
御坂「いーよー、気にしないでよそんなの。私らの仲じゃないの」
婚后「は、はいぃ」カァ
婚后「?」
御坂「今の立場だから思うけど、学園都市って案外住みにくいよね」
婚后「……あぁ、まぁ……そうですわね」
婚后「子供のうちは居心地がいい──良かったのですけれど……」
御坂「能力消えたらスキルアウト達も結構危ないしね」
婚后「はい。私いつも自宅まで送ってもらっていますわ」
御坂「……なに?」
婚后「夜道を一人で歩くのが怖いの何の……何ですか?」
婚后「は、はい」
御坂「誰に?」
婚后「ど、同僚の研究員の方ですわ……」
御坂「……あーあー、光子も結局そっち側ですかー」
婚后「な、何ですのそっち側って!?」
御坂「黒子もそうだったわ。気付いたら男作って、まるで私が──」ブツブツ
婚后「美琴さんっ!」
ごくり…
御坂「そうよ。佐天さんもそんなこと言ってたのよ。『やだなー御坂さんってば。そんな人私にはいませんよー』って」
御坂「その影で何故か偽海原とよろしくヤってたみたいですけどねっ!」ダン!
婚后「大丈夫ですから! 私美琴さんが一番ですから!」
御坂「ハイハイそうやって──え?」
婚后「失礼しますわ!」バタバタ
御坂「…………え?」
御坂「大変な1日だった……」
御坂「明日は休み貰えたんだっけ? 明後日からのこと考えたら憂鬱だけど、寝て過ごそ」テクテク
御坂「……あら?」
打ち止め「……」ボー
御坂「……ラストオーダー?」
打ち止め「──ぁ、お姉様?」キョトン
打ち止め「お姉様……あの人は、あの人はどこ?」
御坂「…………」
打ち止め「分からないの、ミサカじゃあの人の居場所が分からないの」
打ち止め「お姉様は、何か聞いてない?」
御坂「……いや」
御坂「知らないわ」
打ち止め「…………」
ガチャ
御坂「ただーいま、っと。誰もいないけどね」
御坂「あー疲れた。本当に、最後の最後に一番会いたくない子に……はぁ」バタン
御坂「……はぁ」
プシュ
グビグビ
御坂「あーおいし。やっぱ仕事終わりのお酒はおいしーわね」
御坂「そりゃ改心したのは分かるし、理不尽だったけどさぁ……」
御坂「……もう、仕方ないじゃない……」
御坂「一方通行……あの、馬鹿野郎」グビ
御坂(二年前、能力を失った一方通行は、かつて再起不能にしたスキルアウトの集団にリンチを受けて……)
御坂「……私、何やってんだろ」コツン
御坂「はぁ……暇だなぁ」
御坂「……はうっ!」ビクッ
御坂「あ、朝か……いや昼だ」
御坂「貴重な休日の時間が無駄に……まぁ予定もないからいいんだけど」
御坂「…………」
御坂「……やな夢見たわ……」
御坂「やっぱ出掛けよう」
御坂「あ、あの自販機まだあるんだ」タッタッ
御坂「懐かしー、相変わらず凹んでるし。また誰かのお札呑んだんだろー?」ツンツン
御坂「あはは」
女子中学生A「あの人自販機と話してる」
女子中学生B「怖いねー」
御坂「……おっと。ほほほ」
御坂「元々予定立ててたわけじゃないから当然なんだけどね」
御坂「明日も早いし、帰ろっかな」
御坂「それに……」
ガサゴソ
スキルアウト「ヒャッハー!」
御坂「そろそろこういうのも出てくる時間だもんね──っ」
御坂(一方通行と食蜂操析は完全に失い、私と麦野沈利は劣化)
御坂(第二位と第六位は行方不明の生死不明)
御坂(例外はただ一人──)
御坂「……ふぅ、こんなもんかしら」パンパン
スキルアウトA「つ、強ぇ」ピクピク
スキルアウトB「何の能力だチクショー」グッタリ
スキルアウトA「ざけんなババァ、これが」
ゲシゲシ
スキルアウト「ざ、ざけんなお姉さん、これがレベル二の力かよ……」
御坂「そうでもないわ。操作できる電圧は5000vまで、ちょっと強い静電気程度だけど──」ブン
バキィッ!
スキルアウトA「なっ! コンクリートの壁が一撃で!?」キョウガク!
スキルアウトB「あの女何て怪力だ!」キョウガク!
スキルアウトAB「「能力関係ねぇっ!?」」
御坂「煩いわね。そら、ジャッジメントやアンチスキルが来る前に行きなさい。きっと誰か通報しちゃってるわ」
スキルアウトA「い、いいのかよ? 今俺たち見逃したら、仲間たちが黙ってないかもだぜ?」
御坂「……そうね。じゃあ、それまでにあなたたちはこんなことするのを止めなさい」
御坂「……アイツをやった奴らも、捕まったあとどうなったか分からないし……」
スキルアウトAB「……?」
御坂「ほら行く」シッ
スキルアウトAB「「はいぃ!?」」スタコラサッサ
御坂「暗部はまだ存在する……なのに私は……っ!」
??「そこの根性なし!」
御坂「!?」ビクッ
削板「通報を受けて来たアンチスキルだ! 根性入れてそこを動くんじゃ──何でぃ、第三位じゃねーか!」
御坂「……アンタ……っ!?」
御坂(唯一の例外……第七位)
御坂(そして黒子の──)
御坂「そうよ。まぁそれなりに私が根性入れといたから、再犯はないと思うけど」
削板「そうか。お前が言うならそうなんだろう! 信じるぜ! 第三位」
御坂「相変わらず適当ねぇ。っていうか、もう私第三位じゃないわよ」
削板「ん? いやいや、お前は昔から根性あるやつだったからな! 俺にとってはずっと第三位だ!」
御坂「言うほど付き合いないでしょう……黒子は元気?」
削板「おう! 毎日根性あるぞ! 今度ウチ来るか? アイツも喜ぶ」
御坂「……まぁ、そのうちね。最近立て込んでてさ──」
ガチャ
御坂「誰もいないけど、ただーいまっと」
御坂「……はぁ、黒子は毎日元気ですか。いいことですね……」
御坂「……っ!」カァ
御坂「あーもーお酒! 仕事はしてないけどお酒飲む!」バタバタ
御坂「──ふぅ……男なんて……っ!」グビグビ
御坂「あ゛? メール?」
御坂「どちら様で──げっ!」
御坂「アイツだ……」
御坂「…………」ブルブル
ピッ
当麻『よっ、久しぶりー。元気だったかー?』
一緒に酒飲みたい
つか21でこれってことは大学行ってねーのか?
高校生の時筋ジストロフィーのレポート書いて研究所にスカウトされた、って妄想
当麻『研究所で働いてるんだよな。やっぱ御坂はエリートだよなぁ。こっちは一年経った今も職場に慣れずにどやされる日々だぜ』
当麻『で、来週辺りそっち行けそうだから、会ったらよろしくなー』
御坂「来週……来る?」
パチッ
テレビ『──続いてのニュースです。イギリス王室の第二夫妻が来週、来日する予定が──』
テレビ『──イギリスに帰化し、昨年第二王妃と結婚した上条当麻様が──』
御坂「……王子様……はぁ」
すごい展開www
御坂「……寝よ」バタリ
御坂「…………」
御坂「…………」
御坂「…………」
御坂「……当麻」ギュ
御坂「あー、ついに明日……あいつが来る……」ガクッ
婚后「美琴さん? 何かお悩みですの?」
御坂「んー、いやまぁ……明日、昔好きだった人に会うかもしんないんだけどねー」
婚后「」ガタッ
婚后「……そ、そうですか……」
御坂「……まぁ、多分会えないと思うんだけどね」
まぁいいじゃん。
御坂「でももしあったら、何か色々恥ずかしくてさー」
御坂「能力弱くなって立場変わって……でも私自身は昔と何も変わってない気がするの」
婚后「……」
御坂「駄目で、弱くて、流されてばっか……」シュン
御坂「……研究所のみんなも私のこと馬鹿にして……」
婚后「美琴さん……」
御坂「……うん、ありがとう」
婚后「昔から、好きでしたのよ?」カァ
御坂「……何よ、そんなの──」
婚后「その私が言うのですから間違いありませんわ」
婚后「美琴さんは昔より、ずっと魅力的ですわよ」クスッ
御坂「光子……酔ってる?」
婚后「ふふ、本当に──綺麗ですわ……」ギュ
御坂「あっ──」
御坂「昨日はえらいはしゃいじゃったわ……」
御坂「……っ」カァ
御坂「……ん。それにしても静かね。仮にも王族が来るんだから、町中パレードでも起きそうだけど──」
御坂「怖くて最近ニュース見てなかったけど、やっぱ学園都市には来れなかったのかな?」
当麻「おーい、ビリビリー」フリフリ
御坂「普通に街中にいたーっ!?」
当麻「え? 何言ってんだよ。こんなとこで正装してたら逆に目立つじゃん」
御坂「目立ってよ! 遠くからチラッとアンタの顔覗いて帰るつもりだったのに!」
当麻「おいおい、そりゃないぜ。こっちは久しぶりに故郷の空気吸いに来てんだからよ」
当麻「まずは白井のとこ行こうぜ、今は削板か」
御坂「マジで?」
当麻「あの時期は俺も学園都市出たり帰化だりでバタバタしててさー。まぁアイツは俺からの祝辞なんかいらないかも知れないけど、とりあえずな」
御坂「そういうつもりなら事前に言いなさいよ。……もう」ピッポッパ
御坂「──もしもし? 黒子?」
当麻「お供って、漫画じゃないんだから。や、キャーリサの奴が、せっかくの生まれ故郷何だから今日くらい一人で羽を伸ばせってよ」
御坂「はぁ、呑気な奥さんだこと。あんた一人にしたらそこらじゅうに妾腹の子が出来ちゃうじゃないの」
当麻「人聞きの悪いことを言うな! あいつにも同じこと言われたけど」
当麻「っていうか、そうは言っても隠れて護衛はついてるみたいだぜ。俺が浮気したらもろとも撃ち殺す気らしい」
御坂「どこが護衛よ! 私今危ないじゃん!」キョロキョロ
黒子「まぁお姉様! いらっしゃいませ! お久しぶりですの」
黒子「結婚してからあまりお会い出来なくて、黒子寂しかったですの」
御坂「いやーその……最初は新婚さんの邪魔しちゃ悪いかなって思っただけなんだけど、それから間空いて何となく気まずくてさ」
黒子「そんな私たちの間で気を遣わなくても……それにしても」チラッ
当麻「結婚してんだよな。かなり遅れたけど、おめでとうな」
黒子「どうもですの。そちらもまぁ──ふふ、王子様になられたそうで……プッ」
黒子「お、おめでとうごさいますわ……プフフフフッ!」
当麻「わ、笑いすぎだろ!」
黒子「いやだって! 王子様ですの! 王子様ですのよ!?」
当麻「ちくしょー! ステイルと同じ反応しやがって……」
当麻「──いいぜ、お前が王子様に妙な期待を込めていたってんなら、まずはそのふざけた幻想をぶち壊す!」
黒子「アハハハハハハハ!?」
当麻「」
御坂(楽しそうだなー)
御坂「まぁ知り合いがいきなり王族になったらねー」スタスタ
当麻「にしたって一応礼儀ってやつが……まぁいいけどよ」ブツブツ
御坂「次はどうする? また誰かに挨拶?」
当麻「……そうだな。一応そのつもりだけど、御坂」
御坂「?」
当麻「終わったら一緒に行こうぜ」
当麻「あいつの……一方通行の墓参りにさ」
御坂「…………うん」
カチャン
御坂「……」ジー
当麻「いくつか燃え尽きた線香があるな。やっぱ誰かしら来てくれてんだよな」
御坂「まぁ……命日だしね」
当麻「命日でも、来ない人には来ないだろ」ガサガサ
御坂「……そうね」
御坂「……打ち止めは来たことないはずよ。……あの子は、あの日あったことを忘れているから……」
当麻「…………」
御坂「本当……変な関係よね、あの子達」
御坂「──ねぇ、私はどうしたらいい?」
当麻「えっ?」
御坂「高校時代、私が論文を書いたのには、やっぱりあのことがあったからだと思う」
御坂「贖罪のつもりも少しはあったけど、一番は多分、私が一方通行を許すため」
御坂「その自己満足のために、私は筋ジストロフィーの治療法に関する研究を始めたの」
当麻「……」
御坂「……死んじゃったら、許すも何もないじゃない……」
御坂「もう……私が研究を続ける意味が分からないのよ」
当麻「御坂、それは……」
??「──foolish。そんなことで悩んでいたの?」
御坂「!?」
御坂「布束……さん」
当麻(誰? 目怖っ)
布束「どうも最近腑抜けていると思ったら、そういうことだったのね」
御坂「……」
布束「」チラッ
当麻「?」
布束「……そう、あなたが上条当麻」
当麻「え、と。ど、どうも……?」
御坂「……何しに、来たの?」
布束「決まっているでしょう。お墓参りよ」スッ
御坂「……」
当麻「……」
布束「……」カチャン
御坂「……」
布束「あなたたちとはどういう風に付き合っていたのかしら?」
当麻「えーと。色々、一緒に戦ったり、居候の面倒見てもらったり?」
御坂「……妹達が世話になったわ」
布束「そう。友人だったのね」
当麻(ちょっと違う)
御坂(全然違う)
御坂「何よ?」
布束「計画の初期段階にいた私は、あなたのDNAマップを手に入れるのに加担したわけだけど」
当麻「!」
布束「というかむしろ首謀者だったわけだけど」
布束「あの時、あなたはリハビリに励む患者を見て、彼らを助ける為にDNAマップを提供したんじゃないのかしら?」
御坂「そうだとしても、まんまと口車に乗せたあんたたちが言うことじゃないわ」
布束「そうかしら。そうね、それが言い訳や言い逃れでないのなら、そうでしょうね」
御坂「……何ですって?」
布束「自分の研究テーマにも自信を持てない人に、誰がついて行こうと思うのかしら?」
御坂「!?」
御坂「っ!」
布束「彼の死があなたの研究から意味をなくしたのなら、新しい理由を探してやればいいじゃない」
布束「研究なんてそんなものよ。途中で意味を変え理念を変え、それでも最終的には結果を出すの」
御坂「……」
布束「……少なくとも、あなたが今全部やめたら、ここ数年のあなたの努力は無駄になるわよ」
布束「そうなれば彼も、犬死にだわ」
布束「……失礼するわ」スタスタ
御坂「──っ!」ギリッ
当麻(全く会話に入れなかったぜ)
ガチャ
御坂「……ただいまー」
婚后「お帰りなさい美琴さん!」
御坂「光子……」
婚后「美琴さん……? 何かあったんですの?」
御坂「うん、私──もう分かんないや」ギュ
婚后「!? み、美琴さん! 私そんな──ぁんっ!」
御坂「私は──」
御坂(私は何のためにここにいるんだろう……?)
御坂(好きな人も、許せない奴も、もういないのに……)
御坂「……はぁ。最近私、ため息多いなぁ」
御坂「……どうでもいいけどね」
布束「」ガチャ
御坂「……」
布束「隣、いいかしら?」
御坂「どーぞー」
布束「ありがとう」ガタガタ
御坂(もう放っといてよ……)
御坂「……何?」
布束「私はこの研究に、あなたに対する謝罪も兼ねて参加しているわ」
御坂「…………えっ?」
布束「あなたが、無意味な研究がどうしても辛いと思うのなら」
布束「どうか私の贖罪のために、研究を続けてはくれないかしら?」
御坂「──な、何よ会って早々」
御坂「昨日は散々罵倒してくれたくせに」
布束「そっちの謝罪をするつもりはないわ」
御坂「ああ、そうですか」
布束「ただ、せっかくの才能を溝に捨てるのは勿体ないと、そう思うのよ」
布束「あなたならきっと、この研究を最後までやり通せるわ」
御坂「……何か、また上手く乗せられてる気がするけど……」
布束「」プイッ
御坂「まぁ、どうせやるなら、気持ちよくやりたいもんね」
御坂「──いいわ」
御坂「別にもう気にしてなかったけど、そこまで言うならあなたのこと許してあげる」
御坂「だから私に力を貸して? 布束さん」スッ
布束「──ええ、喜んで」ガシッ
浜面「結局、長くは生きられなかったな……」
麦野「滝壺……ごめん! 浜面もごめんなぁっ!」グスッ
浜面「麦野……謝んないでくれよ」
麦野「だって、私がこいつに無茶させてなきゃ、もう少しくらい生きられただろ?」
麦野「お前と一緒にさぁ……」グスッグスッ
浜面「いいんだよ……。短くても、俺たちは幸せだったよ。ごめんな」ギュ
麦野「うぅ、ああぁぁぁっ!」ギュー
おい……
でも婚后さんと御坂の絡みを妄想するのが一番好きです
保守支援ありがとうごさいました
Entry ⇒ 2012.02.06 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
一方通行「バイトだとォ…!?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327408069/
芳川「くだらないとは聞き捨てならないわね…。あなたがもう少し社会性を身につける上で体験しておいて損はないんじゃない?」
打ち止め「私もバイトやってみたいな~、ってミサカはミサカは求人情報誌をペラペラめくってみたり」ペラペラ
黄泉川「まあ、アンタは無理じゃん。年齢制限的に」ペラペラ
芳川「どれにしようかしら、愛穂?」ペラペラ
一方「オイコラ勝手に話を進めンな」
打ち止め「それは止めた方がいいかも…ってミサカはミサカは率直な感想を述べてみる」
芳川「そうよ。初日からお客さんとトラブルを起こして店内で暴れて始末書オチが目に見えているわ」
黄泉川「確かに…高確率で有り得そうじゃん」ナットク
一方「オメェらなァ……」イライラ
黄泉川「ん、どれどれ…、ほう~パン工場での単純作業じゃんか…!」
芳川「工場での作業なら、接客もないし黙々と作業をこなせばいいんだろうから…案外向いてるかもね」
黄泉川「人員随時募集中とも書いてあるじゃん。きっと採用面接も比較的緩い感じじゃんよ」
芳川「これなら…面接落ちも回避できそうね。とりあえずここにしましょう…ええと、電話番号は…」ピポパポ
一方「不幸だァ…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
一方「…ここがバイト先の工場だな」ザッ
「お前…まさかこの工場でバイトするつもりなのか…!?」
一方「あ?…誰だテメェは…?」クルッ
カイジ「悪いことは言わない…止めておけ。ここは…まともな人間が働く場所じゃ…ない…」
カイジ「忠告はしたからな。…どうするかは、自分で決めればいい。――じゃあな」ザッ
一方(オイオイ…さすがに大袈裟過ぎンだろ…)ハイルゼ
一方(たかだかパン作ってるだけだってのに…随分と大きな工場じゃねェか…)
一方「すいませン…バイトの者なンですが…今日初日で…」
警備員「ああ、でしたらここから直進して突き当たりを右に曲がってもらった所にアルバイトさん用の出入り口がありますので、そちらからお入りください」
一方「…分かりましたァ」
―工場内
一方「ええっと、入ったはいいがドコいきゃいンだ…?」
「おやおや、もしかして新人バイトの方ですかねー?」
テッラ「どうも初めまして。人事課で神の右席の一人の者です。どうぞついて来てもらえませんかー」スタスタ
一方「わ、分かりましたァ」スタスタ
一方(人事の奴か…。その後の肩書が少し気になるが…まあいいか)
―受付場所前
テッラ「こちらがアルバイトさん専用の受付場所になります。ここの奥に更衣室があります」
テッラ「ちなみに今日はあなた以外にももう一人新人バイトさんがいらっしゃいますよ」
一方(…他にも新人が居るのか!少し心強えェじゃねェか…)
テッラ「ええ、今日は初日なんで、前もって一通り仕事の説明や休憩室等の案内をさせてもらうからですよー」ガラッ
一方「なるほど、そういうことか」スタスタ
―受付場所内
テッラ「お待たせしてすいませんねー」 一方「ン?」
垣根「オイコラ遅ぇぞ!さっさと俺に業務内容を説明(ry」クルッ
垣根「」
一方「…ここの工場の業務用冷蔵庫は人工知能搭載型ですかァ~!?」ゲラゲラ
テッラ「はあ?」
垣根「テメェ…コロすぞ」ガタッ
―5分後・更衣室内
一方「で、何でオメェがこんなとこに居ンだよ…」
垣根「それはこっちのセリフだろうが…」
垣根「奇遇だな…俺もソイツに社会復帰の第一歩とかで無理やり(ry」
一方「ところでよォ…これ、マジで着ないといけないンですかァ…」ゴクリ
垣根「仕方ねェだろ…工場だと衛生管理とか厳しいだろうから、な」ゴクリ
―受付場所内
アックア「――人事課長で神の右席かつ聖人の者である。簡潔に業務内容を説明させてもらうのである」
一方・垣根「「はいはい」」
アックア「業務内容に関しては就業場所の社員に聞いて欲しい。場所は先刻配布した工場内見取図を参考にするように。以上である」
一方・垣根「「簡潔過ぎだろッ!!?」」
アックア「――私は大変多忙なのだよ。あとは任せた」スタスタ
テッラ「まあ、課長は長話は好きじゃない方なんですよー」
垣根「俺達がVIP待遇されてるってことだぜ、きっと…!」
テッラ「もう8時25分ですねー。とりあえず手早く食堂等の位置確認のため案内させてもらいます」スタスタ
一方「行くぞ冷蔵庫くゥン」スタスタ
垣根「黙れ」スタスタ
ヴェント「え~と、○○さんは今日食パン課ね。あ、△△さん~来週月曜シフト入れる?□□さん、悪いけど明日はお休みでお願いね、生産少ないから」
ざわ・・・ ざわ・・・
垣根「おい、他のバイト共がぞろぞろ出勤してきたようだな」
一方「…見りゃ分かるっての」ケッ
テッラ「お二人は今日は、“菓子パン課”というところで働いてもらいますねー」チェック
垣根「今日は…って毎回働く場所が変わるのか…?」
一方「さっき人事課長さンが変動制のバイトだって言ってただろーがよ」
テッラ「あとはその場にいる社員さん達の指示に従い、現場へ行って働いてもらいます」
垣根「残業はあるのか?」
テッラ「まあ、課によりますし…繁忙期かどうかでも変わるので、一概には言えませんねー。勿論、頼まれても断ればそれなりの対応はしてもらえるでしょうし」
テッラ「残業代はちゃんと出ますのでご安心を」
一方「休憩はちゃんと貰えるンだろうな」
テッラ「ご心配なく。その辺は厳しく指導を徹底していますので、ちゃんともらえますよ(少なくともバイトの方は)」
テッラ「ただ、課によっては1時間まとめてでなく、昼食用の休憩45分と残りのトイレ休憩15分にわけて与えるところもありますが」
一方「他のバイト共はもうそれぞれの課の事務所に行ったみてェだな」
垣根「俺達もそろそろ行くか…え~と菓子パン課の事務所は…」ミトリズ
テッラ「ああ、ご心配なく。菓子パン課の専属バイトさんと3人で行ってもらうんで、案内してもらえますよ」
一方「変動だけでなく専属のヤツもいンのか」
垣根「でも、俺達以外もうこの部屋には人いねぇぞ」
テッラ「いや、まだ来ていないだけなんですよねー…」ウ~ム
ガラッ
「超おはようございま~す」タタ
ヴェント「もう少し余裕を持って出勤して欲しいものね」
一方「ン?」チラッ 垣根「あ?」チラッ
絹旗「」
テッラ「おや、どうかしましたか?」
絹旗「ゲホゲホ…き、急に心臓発作が…!超早退させてもらえませんか…!」
一方「嘘つけ」
垣根「ピンピンしてるじゃねーか(つかコイツ中学生じゃなかったっけ?)」
ヴェント「困るわねぇ。ドタキャンされると現場から文句言われるのは私達なのよ」
アックア「もう9時前である。早急に準備をして新人を案内するように」ザッ
(手洗い、ローラー掛けをし、いざ菓子パン課の事務所へ出発)
絹旗(今日は超厄日でしたか…?超生きてる心地がしないです…)
一方「おい、このガキ…フツーに下着が透けて見えてンだが…」ヒソ
垣根「だな。…どーせ経費削減とかで作業着の布生地が安物だからじゃね?」ヒソ
一方「…まあ、中学生以上には興味ねェンだがな」ヒソ
垣根「…ブレねぇな、お前」ヒソ
絹旗(何だか超品定めされている気がします……)ゾクッ
絹旗「も、勿論そっちの仕事もやってますよ。これは超兼業です。シフト自由に入れられるし後から変更もしやすいんで超便利なんですよ」
垣根「ところでお前中学s」
絹旗「ここでは超17歳の高校2年生という設定になっていますッ」キリッ
垣根「オイ無茶すんな」
一方「つーかよォ、専属ってェのは変動と何か違うのか?時給とか」
絹旗「同じですよ。別になろうと思えば誰でもなれますよ、違うのは帽子の色が超白なだけで」
一方「そういや白の奴も何人かいたな…あいつらは全員どっかの専属なンだな」
絹旗「全員…ってわけでもないっぽいです。期間限定の超短期の人はだいたい青・ピンクで、超長期の人は白だったような…」
絹旗「…正直超どーでもいいことなんですけど」ココデス ガラッ
一方「中に誰も居なくねェか…?」チラッ
垣根「奥の方に居るんじゃね?」
社員「まったく、もっと早く来てくれないとコッチも段取りってのがあるんだからね~?気を付けてもらえんかな」ッタク
絹旗「超すいませんでした」ペコリ
一方「すいませンでしたァ(あァン!?ミンチにしてパンに挟ンでもいいンだぜェこの野郎ォ…!!)」イライラ
垣根「ワリィワリィ(あ?何だテメェ死にてぇのか…?)」イライラ
社員「おい絹旗、さっさとその2人連れて現場行けよ」シッシッ
絹旗「まったくあなた達のせいで超イビられちゃったじゃないですか…!」ムッ
垣根「もとはと言えばテメェが出勤するのが遅かったからだろ?」
一方「とりあえずあの社員は帰りがけにスクラップしようぜ、なァ…ていとくン」ニヤリ
垣根「当然だろ。俺達の世界の常識を体に叩き込んでやるか」ケッ
絹旗「超やめてください…なんとなく私まで退職するハメになりそうなので」
ガコンガコンガコンガコン プシュー ウィーンウィーンウィーンウィーンウィーン ガガガガガガ ドロドロ
木原「おはよーお絹ちゃん、と新人バイト君達ィ…!」ニヤリ
絹旗「超おはようございます」
垣根「よぅ」
一方「」
絹旗「あ、こちらが班長の木原さんです。白帽子に超黒のラインが付いているのが目印です」ヒソッ
垣根「どうした一方通行、挨拶もできねぇのか?」
絹旗「って何いきなり超絶叫しちゃってるんですか…!?」
垣根「これだからマジキチは困るよな」
木原「―――とりあえずテメェらは人間のクズだ。人権なんてものはねぇ」ギョロリ
木原「―――テメェらの代わりはいくらでもいるんだ。せいぜいYパンの奴隷としてあくせくこき使われることだ、な」ニヤリ
木原「 わ か っ て 、く れ た か な ぁ 」
絹旗「超ラジャです」ボー 垣根「わかりました」ボー
木原「それじゃ、お絹ちゃんはいつも通り成形入ってね。あと五分くらいでイチゴ(ジャムパン)流れるから機械周り布巾で拭いといて」
絹旗「はい」スタスタ
木原「そっちの冷蔵庫くんはあっちで原料開封してもらおうかな。オイ、やり方教えてやれ!」
オーソン「は、はい…」 垣根「お願いします」
木原「おっと、どうしたのかな~新人くん?」
木原「分かっているとは思うが、お前はここにバイトをしに来たんだよなぁ…?」
木原「社員である俺に対して、ナめた口を聞ける立場じゃないことは、分かっているだろ…?」
一方(この野郎…!だが、コイツの言っていることは…あながち間違っては…いねェ)ギリ
木原「ここでバックレて帰っちまっても別にいいがよ、…お前を快く送り出してくれた連中は、さぞかしがっかりするんだろうなぁ~オイ」
一方「……………」
木原「ようし、それでいいんだよ。―――バイトくん」ニッ
木原「――それじゃ、お前は包装に行ってくれ。機械で袋詰めした商品を検品してもらう」
木原「この先をまっすぐ進んだところにいる社員に聞けば分かる。走るなよ」
一方「…分かり、ました」チッ スタスタ
―包装
一方「班長サンにこっちに行けって言われて来たンですが…ちなみに新人でェす」
木山「ああ、君が噂の…いやいや、ただの新人君か」
一方「で、何をすればいいンですかァ?」
木山「そうだな…正直言うと今日は人手が足りてるから…特にこれと言ってやってもらいたい仕事はないのだが」ウ~ン
一方「はァ!?」
木山「ということで、掃除でもやっといてくれ」ハイモップ
一方「…」
木山「ついでに、溜まったゴミを随時ゴミ置き場に持って行ってくれ。場所は後で教えるから」
木山「他には、…中身が減った霧吹きの補充や、アルコールバケツの交換などなど…」
木山「まあ、雑務全般をやってもらおうか」
一方「まさか…ンなことを一日中やれっていうのか…?」ゴクリ
木山「ああ。休憩は正午のベルが鳴ったら行ってくれ。で、1時にまたここに戻って来ること。質問は…?」
一方(マジ…かよ…)
ガヤガヤ
一方「…」ゴクゴク
一方(全員一斉に休憩なンかと思ったら…違うらしいな)
一方(どうやら各人時間をずらすことで製造ラインを止めないようにしているようだ)
一方(…まあ、俺は製造ラインにすら関われそうにないらしいがな)
ガラッ
垣根「おう、一方通行じゃねェか」 絹旗「もうお昼ごはんは超済ませちゃったんですか?」
一方「つか…木原に対するオメェらのあの従順ぶりはなンだったンだよ…?」
垣根「あ?…ああ、さっきのアレか。俺にもよくわからねぇが…何かあのおっさんの雰囲気に飲まれちまってよ…」
絹旗「工場という閉鎖的な空間の中だと、慣れない人間は超委縮してしまったりするものなんですよ」
一方「オメェは専属だろーがよ」
絹旗「第2位さん、食堂は超逆方向ですよ~?」ガラッ
一方(…午後も同じ作業の繰り返し…か)カッタリー
一方(食堂に置いてあるパンは無料で食えるらしいが…さっき行った時は食パンしか置いてなかったぞ)
木山「あ、おかえり。ちょっと製品の番重を配分場へ運ぶのを手伝ってくれ。結構重いんだ」
一方「ハイハイ」ベクトル~
―14時過ぎ
木山「ちょっとビニール手袋の替えを事務所に取りに行ってくれないか。走らずにね」
一方「あいよ」テクテク
―15時過ぎ
木山「この余った原料を冷凍庫にしまっといてくれ。場所は(ry」
一方「ああ、分かってるぜェ」
―原料倉庫
一方「…」カパッ 垣根「…ムカついた」
一方「ほい、ローラー」コロコロ
絹旗「超手際良くなりましたね」
一方「つか、今思ったンだが…現場でマスクしないでいいのか?」
絹旗「マスク必須の課もあれば、しなくていい課もあって…超統一されてないんですよ」
絹旗「ゲホッゲホッ」
一方「おい、あんパンの表面にオメェの唾液が…」
絹旗「まあ、この後焼成されるから…たぶん雑菌は超死滅しますよ…!」
一方「何だかなァ…」
最愛ちゃん成分の入ったあんぱん、だと?
絹旗「あ」コローン
一方「オイ、何かのパンの型が地面に落ちたぞ」ホイ
絹旗「どうも」パサパサ
一方「って、ちょっと払ってそのまま使うのかよ…」
絹旗「超3秒ルールですよ。私の場合は窒素的に除菌しているので完全セーフですッ」
一方「何だかなァ…」
ヤマザキ経験者?
―17時15分過ぎ
―冷凍庫内
一方「冷蔵庫くゥン生きてるかァ~」
垣根「見ろ、一方通行」
一方「あ?何だこれは…?」
垣根「この原料Aとこっちの原料Bを俺の未元物質で合成することによって(ry」
木原「おいこら」ガラッ
一方「洗い物とか楽ちンでェす」シュパパパパパパパパパ
垣根「つーか、原料開封数おかしかったんじゃねぇか?何でこんなに余ってんだよ」ベトベト
一方「オメェのせいだろ明らかに」
絹旗「第2位さん、超廃棄するのも他の奴と混ぜないでください。一応分別処理なんで」
一方「分別ゥ?さっき捨てに入ったゴミ袋には製品不良も紙も原料もごちゃ混ぜ(ry」
絹旗「…まあ、社員さんでもちゃんと分別しない人超いますからねぇ」
木原「あと1クォーターだぜ、頑張りな」
垣根(普通に15分でよくないか…)
絹旗「今日は全体に生産少ないんで超定時で上がれそうですよ」
一方「…全然疲れてねェンだけどよォ」
木山「一方通行くん、ちょっと台車を回収してきてくれ。全力で…!」
一方「ハイハイ」
木山「少し早いけど、もう上がっても構わない。――ありがとう、お疲れ様」
木原「一方通行、お前も…やればできるじゃないか…!!お疲れさん、帰っていいぜ」ニッ
一方「そんじゃ、お言葉に甘えてェ…」ペコリ
一方(あれ、…何かいい話っぽく纏めようとしてねェか…?)スタスタ
垣根「やっと終わったな~!まったく…時計の針との熾烈な戦いだったぜ」スタスタ
絹旗「一旦菓子パン課の事務所に戻って、超退勤時刻を記入したら今日のお仕事は完了ですよ」スタスタ
上条「一方通行…まさかお前がここでバイトを始めたとはな」ゴクリ
一方「三下ァ…ここで会ったが100年目(ry」
絹旗「超夜勤の人ですか?この時間からだと…18時から朝の5時までですね。休憩1時間のみで計10時間労働ですか」
上条「………上条さんは火の車な家計を支えるために影で頑張っているんですよ。まあ、慣れると結構何とかなったり」アハハ…ハァ
垣根「とりあえずカローシには気をつけろよ」
アックア「―――初日の感想はいかがであるか?」
一方「まあ、こういうバイトもあるンだなってェ感じだな」
垣根「まあ、多少のヒマつぶしには…なったかもな」
アックア「ところで諸君、シフト予定表を提出したということは…ここでのバイトを継続する意思があると見て良いのであるな?」
一方「…月に一度来るだけでもいいンなら…ちょっと顔出してやってもいいかと思ってよ」
垣根「俺もだ…まだあのクソ社員をボコ…粛清してねぇからな」
アックア「よろしい。―――お疲れ様なのである」
絹旗「超帰りましょうか、…二人とも」チョコン
一方「十年ぶりに外気に触れたような気分だぜ…」
垣根「就業中は休憩時間含めて一切工場内から出られないことになってたしな」
絹旗「さて、私はこれから近所の映画館で超マイナーな映画でも見に行きますんで、それではノシ」
垣根「映画か、奇遇だが俺も何か見たいと思ってたところだ」
一方「俺もだぜ、ていとくン。この近くの映画館にでも寄っていこうかなァ」
絹旗「え」
ヴェント「何だかんだであの2人、大きな問題を起こすこともなく――」
テッラ「――無事に仕事をこなしてくれましたねー」
アックア「…想定外の結末であったな」
プルルルルルルルプルルルルルルルルルルル ガチャ
ヴェント「あ、もしもし~工場長?何か用?」
『怠惰で性格の悪い社員1名を粛清したんだよ。直ちに新たな人員の補充を頼めるか?』
ヴェント「了解♪」ガチャ
木原「お前がここのラインに入った途端、急に機械の調子が悪くなってな」コンコン
木原「整備班が修理し終えるのに時間がかかりそうなんで…」
木原「とりあえず人事課の方に行って聞いてくれ…確か加工ラインが人足りてないと思うから」
上条「すいません…」
木山「君が誤ることではないだろう…?」
上条「いえ、なんとなく…」
テッラ「パンは好きなんですかねー?」
駒場「―――特段好きというわけでは…」
ヴェント「採用決定」
駒場「え」
アックア「とりあえず准社員(人件費格安)として頑張ってもらうのである」
一方「何だったンだよ、この映画は…」
垣根「タイトル見なかったのか…『実録!B級グルメの真実』…」
絹旗「これぞB級映画の金字塔だと超推薦したい出来でしたね!」
一方「ハシゴしようぜ」ヨッコラセ
垣根「これ見たくねぇか?」ホレヨンデミロ
絹旗「…『超超堕天使エロメイd」
ウィーンウィーンウィーンウィーンウィーンウィーンウィーンウィーンウィーンウィーンウィーンウィーンウィーンウィーンウィーンウィーン
上条「ランチパックの製造現場に来たのは初めてだな~」
駒場「―――即決採用された上、(作業着を着て)即現場に投入されるとは…」
上条「…ところで」
駒場「…何をすれば」
社員「ちょっと兄ちゃんたち…!ボーと突っ立ってないで自分で仕事さがさなあかんよォ~」アクセク
社員「そですよ。そなとこ、立てたら邪魔」アクセク
絹旗パンだけ売ってくれ
みんながみんなこういう人たちってわけではないです
ただこういう感じの人も実際にいるということは事実
>とうまさん、すべてをわたしにゆだねていいんですよ~
>だ、だめだ・・・カオリ・・・お、おいどこさわって(ry
>きゃっきゃうふふふ(ry
垣根「このAV男優どっかで見たような」
一方「つーかどう見ても…」
絹旗(…結局見入っている自分に気がついて超怖いです…)ジー
上条(とりあえず裁断機に食パン(直方体のでっかいの)を置く作業…時間経たねえ…)
ビービービー
上条「え?赤いランプが!?」
社員「ちょっと!並べる方向間違えてない!?」
駒場「ジー」
駒場(“目視”―――ランチパックの合わせが行われる機械の横で待機し、不良品を排除する作業と聞いたが…)
駒場(ラインの高さが低いので…腰が…)ボーダチ
垣根「なんかムラムラしねぇか…」
一方「なんかムラムラするなァ…」
絹旗「!?」
絹旗(こ、これはもしかして…!!超貞操の…ピンチッ!?)ヒャア
垣根「一方通行…」クルッ
一方「ていとくン…」クルッ
垣根・一方「「キャバクラ行こうぜ」」
絹旗「え」
ヴェント「それじゃあお先に~」
テッラ「後方さんは大丈夫ですかー?」
アックア「私は人事課長であると同時に神の右席で聖人でもあるのだよ」
アックア「睡眠をとらずとも…24時間体制で残業が可能なのである」デスクワーク
ヴェント「無理しないようにね」スタスタ
テッラ「私の自家製のコッぺパンを机上に置いておきましたで、空腹時に食べてくださいねー」ガチャ
アックア(既に食べてしまったのであるが…)
一方「と、思ったが…俺は帰るぜ」ザッ
垣根(…そろそろ禁断症状でも出てきたのか?)
垣根「さてと…」チラッ
絹旗「ひッ!?」ビクッ
絹旗「超未成年者略取ですね!?お巡りさん、こっちです!!」
垣根「ったく違ぇよ。――夜道は危ないだろ、送ってやるよ」フッ
絹旗「は、はあ…、超…ありがとうございます」
打ち止め「お帰りなさいってミサカはミサカはホップステップジャ~ンプを決め込んでみたり~」ピョンピョン
一方(ふう…ようやく心が洗われるぜェ…)ナデナデ
芳川「で、どうだったの?例の工場のバイトの方は?」
黄泉川「無事トラブルを起こすことなくこなせたじゃんか?」
一方「当ったりめェだろうがよォ…!」
完
…そろそろ寝ないと明日がきつい。中途半端ですまんノシ
何かほのぼのして終わったな
カイジは結局何で出たのか気になる…
恐ろしい面々とは裏腹にきちんと働いてたなw
登場人物が多くてよかったよ
Entry ⇒ 2012.01.25 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
上条「不幸だ…」一夏「禿げ上がるほど同意」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327204688/
上条「美人のヒロイン達に囲まれてるのがそんなにいいことかー!!」
一夏「いいことかー!!」
上条「こっちはこれでも大変な思いしてんだよー!!」
一夏「してんだよー!!」
上条「女なんてクソ食らえー!!」
一夏「おおー!!」
店員「お客様、うるさいですよ」ジロッ
上条「ごめんなさい…」
一夏「すみませんでした…」
上条「それでは気を取り直して… 第1回『美人ヒロイン達に囲まれているけど、ちっとも嬉しくない主人公同盟』のオフ会を始めます」
一夏「HN:ワンサマーの織斑一夏です、此方こそよろしくお願いします。あっ、俺も一般的には高1です」
上条「お互い敬語とかは無しってことにしないか?」
一夏「そうだな」
上条「よし、まずは乾杯しようぜ。」
一夏「おう」
上条、一夏「「かんぱーい」」カチン!
上条「いやー まさかオフ会が出来るとな~」
一夏「いつも思ってたんだよ。この人とで実際に会って話をしたら面白いだろうな、ってさ」
上条「俺も俺も、なんだか苦労話が他人事に思えなくてさ」
一夏「こんな事なかなか周りは理解してくれないんだよな」
上条「終いにはホモ扱いとかされたりな…」
上条、一夏「「…」」
上条、一夏「「…同士よ!」」ガシッ!<握手
上条「まずは俺からいこうか?」
一夏「そうだな、いつも聞いてる限りだと上条の方が人数多いし」
上条「わかった、手始めに誰からいく?」
一夏「そうだな~ それじゃあビリビリ中学生から頼む」
上条「オーケー、ビリビリは…と、あった。ほらこんな奴、本名は御坂美琴」スッ・・・
一夏「どれどれ… おーカワイイ子だな~」
上条「外見は… な」
一夏「この子が電撃で追い回してくるんだよな?」
上条「さすがに今はそこまでしないけど、最初なんか酷いもんだぜ? 会うたびに勝負とか言って電撃を浴びせてきたり、あ~そうだ。砂鉄の剣で斬られそうになった事もある」
一夏「話に聞いていた通りだな…」
上条「最近でも会う度に突っかかって来るしさ… おかげで特売に間に合わなかった事が度々… 不幸だ……」
一夏「それは辛いな…」
上条「家に居候が1人が居るおかげで上条さんの家計は火の車だってのに… あっ、コレがそのシスタ-」スッ…
一夏「コレが上条がよく話していたインデックスとかいう暴飲暴食シスターか…」
一夏「前から聞きたかったんだけどさ、このインデックスが所属してる… え~と…」
上条「ネセサリウス?」
一夏「そう、ネセサリウスから養育費とか生活費なんてのは支給されてないのか?」
上条「それが無いんだよ、なんか上条さんインデックスの保護者みたいな扱いでさ… 親が子供を養うのは当たり前。みたいな空気なんだよな…」
一夏「なんだよそれ! そんなの一方的過ぎるじゃねーか!」
上条「そんな感じだから今更こっちからは言い出せないんだよ…」
一夏「でもそれは1度きちんと言った方が良いと思うぞ?」
上条「やっぱそうだよな… よし!今度言ってみるよ!」
一夏「おう!当然の権利だからな!」
上条「…こんな風に誰かに相談するって良いよな」
一夏「俺でよければいつでも話を聞くぜ?」
上条「ありがとう…」グスッ…
一夏「お、おい、上条。泣くなって、大袈裟だな///」
一夏「よし、誰からが良い?」
上条「そうだな… ファースト幼馴染って奴から頼む」
一夏「わかった… 箒は… と。 これだ、この真ん中に写ってるのが箒」スッ…
上条「ん… 黒髪で背の高い方か?」
一夏「そうそう」
上条「ふ~ん、こうして見てる限りではお淑やかな和風美人だけど…」
一夏「スタイルも良いんだけどな…」
上条「して問題は?」
一夏「こと有るごとに竹刀で叩かれます…」
上条「俺たちの周りってこの手の残念なパターンが多いよな…」
一夏「だからこそお互いに共感できるんだけどな…」
上条、一夏「「はあ…」」
一夏「えっ、マジかよ?」
上条「…ほら、これ。神裂火織っていうんだけどな」
一夏「ホントだ、確かに似てるな」
上条「俺的には外見だけなら結構好みなんだけどさ…」
一夏「例の如く問題があるのか?」
上条「初対面のときに半殺しにされました…」
一夏「うわぁ…」
上条「それ以来なんか恐怖が先にたっちゃって恋愛の対称に見えないんだよ」
一夏「そうだろうな…箒なんかもさ、お前の為だ!とか言って殴り掛かって来るんだぜ?」
上条「お前の為、って理由が凄いな…」
一夏「だろ? 正直訳が分からん」
上条「仮にこの子と結婚なんかしたら逆DVとかになりそうだよな」
一夏「でもさ、箒はまだマシかも知れない… ISで攻撃してくる奴とかもいるんだよ…」
一夏「それで殴られたり撃たれたり、正直毎回かなり怖いんだよ…」
上条「ちなみにそんな事するのは誰だよ?」
一夏「ほら、この写真に写ってるこの子以外みんなそうなんだ…」
上条「3人も居るのか…」
一夏「このツインテールの子、鈴っていって俺のセカンド幼馴染なんだけど… 」
一夏「よくISを使って殴ってくるんだよ。教室の壁を壊して乗り込んで来た時もあったしさ」
上条「おいおい、やば過ぎじゃねーか…」
一夏「で、こっちの子がセシリア、初対面のときスッゲー高飛車な態度でさ。あとなんか変ってるって言うか…」
上条「うん?」
一夏「俺とクラスの代表権を掛けて試合をしたんだよ、そしたら自分が勝ったのになぜか俺に代表権を譲るって言い出したんだ」
上条「…ひょっとして、頭がちょっとアレな人なんじゃないか?」
一夏「…かも知れないな、それからはやけに馴れ馴れしいし…」
一夏「思い出した… 俺セシリアに毒殺されかけた事がある」
上条「毒殺!?」
一夏「まあ、さすがに毒殺は言いすぎかな…」
上条「ビックリさせんなよ…」
一夏「セシリアって某メシマズ大国の出身でさ、ご多聞にもれず彼女がつくる料理もまた…」
上条「そ、そんなにすごいのか?」
一夏「思い出したら気持ち悪くなってきた… やっぱりアレだな、あの国の人達は遺伝子レベルでメシマズなんだと思う…」
上条(う~ん、オルソラが食事当番の日は食堂が満員になって、逆に他の人が作るときは閑散としてるって聞いたけど、もしやソレが理由なのか?)
一夏「あとは… ラウラがまだだっけ、この銀髪で眼帯をしてる子がそうなんだけど」
上条「なんだかカワイイって感じの子だな」
一夏「ドイツ軍の軍人なんだよ… 前に全裸で関節技を決められた事がある」
上条「全裸って織斑が?」
一夏「もちろんラウラの方が、言っとくけど激痛で感触を感じる余裕なんて無かったからな?」
上条「ですよね…」
学生の一人暮らしなんだし・・・
上条「それは、悲惨だな…」
一夏「ラウラの話に戻るけど、根は良い子なんだよ。軍に居たから浮世離れしてるだけで…」
上条「なるほど、でも…」
一夏「そうなんだ、ラウラの場合は最初の失点が痛い。アイツ最初、俺の事が嫌いだったらしくてさ… 自己紹介のときに挨拶代わりにビンタだぜ?」
上条「oh…」
一夏「訓練場でいきなり実弾を撃ってくるし、完全に殺しに掛かってたぞアレは…」
上条「印象は最悪だな…」
一夏「だから今更、恋愛対象として見るのは無理…」
上条「すげーよくわかる…」
上条「…」
一夏「…」
上条、一夏「「心の友よ!」」ガシッ!
一夏「上条の周りにも居るのか?」
上条「いや、メシマズとは違うんだけどな、友人経由の話なんだけど、俺の通ってる学校の先生で… あったあった、この人だよ」スッ…
一夏「うおっ! 胸でかっ!?」
上条「黄泉川って先生なんだけど、この人… 炊飯器で料理をするんだよ」
一夏「…飯を炊くとかそんなのじゃなくて?」
上条「こないだは煮込みハンバ-グとか作ってたらしい…」
一夏「…冗談だろう?」
上条「友人も最初に見たときは我が目を疑ったらしい」
一夏「なんつーかすごいな… 俺も家事とかするけど炊飯器でそんな事が出来るなんて初めて知ったぞ」
上条「とにかく台所に炊飯器が何台も並んでいるのは異様な光景だってよ、そっちの印象が強すぎて料理の味は分からなくなるらしい」
一夏「不味いのかな?」
上条「一回調理したのを食べたことがあるけど普通に旨いんだよ…」
一夏「想像できねー…」
上条「だよな…」
上条「すげえ…」ゴクリ…
一夏「だろ? 山田真耶って先生なんだけど」
上条「ヤマダマヤ?」
一夏「うん」
上条「w笑っちゃ失礼wwだよなw」
一夏「期待どおりの反応でうれしいよw」
上条「ネタwとかじゃない?」
一夏「正真正銘の本名、最初黒板に名前が書かれたときはピンとこなかったんだけど、後でジワジワきたんだ…」
上条「ふー! 何とか耐え切った… 名前ネタは正直笑えない立場なんだよな」
一夏「そうなのか?」
上条「俺の右手とか幻想殺し、だぜ?」
一夏「ちょw中2病全開ww」
上条「…」
上条「その幻想をブチ殺す」ボソッ…
一夏「マジ…やめ……ろwって…」プルプル…
上条「…」
一夏「…w・・・w」プルプル…
上条「こっから先は一方通行だ!」キリッ!
一夏「ブフォォォォwwwwwwwwwwwwwwwwwww!!!!!」
一夏「笑いすぎて死ぬかと思った…」ゼーゼー
上条「もう一発、いっとく?」
一夏「勘弁してくれ」orz
上条「いやー今度から上条さん、このネタを定番にしよう」
一夏「あそこで、変えるのは卑怯だってw」
上条「せっかくこうして集まったんだし、いいぜ、なんだよ?」
一夏「下世話な話で申し訳ないんだけどさ、俺達ってラッキースケベとかその手のイベントが多いじゃん?」
上条「確かに多いな…」
一夏「んでもって、俺達は青春真っ盛りの健康な男子だ…… ぶっちゃけ溜りやすい…」
上条「そうだな…」
一夏「俺はまだ寮の個室が与えられてるからなんとか処理も出来る、でも上条はあのシスターと同居状態だ」
上条「…」
一夏「一体どうやって処理しているんだ? あれだけの数のラッキースケベを一切抜く事も無く乗り切るなんて俺には想像できないんだが…」
上条「…そうだな、確かに最初は苦労したよ、インデックスが寝静まるのを待って風呂場で抜くのをまずは試みた。当然オカズなんて持ち込めないから妄想でするしかない」
一夏「…」
上条「幸い1日に最低1回はラッキースケベがあるから材料には事欠かない」
一夏「それは言えるな」
一夏「想像しただけで萎えるな…」
上条「一番キツイのはもうすぐって時に同居人が起きてトイレに行くって時だ、あの生殺し感は半端ねーぞ?」
一夏「俺も箒と同室だったころに似たような経験があるよ、あとちょっとって時にトイレの扉がノックされるとか…」
上条「それは詰んだ感がすごいな…」
一夏「話の腰を折っちまったな、わりい上条、続けてくれ」
上条「まあ、そんなこんなでどうにかは成るんだが、如何せん匂いだけはどうにもならない… だがそんなときに隣の部屋の友人が良い物を紹介してくれたんだ」
一夏「良い物?」
上条「これだよ」コト…
一夏「なんだコレ?俺の小指くらいの太さで長さは2センチ程度の大きさだけど…」
上条「これは学園都市の最新技術の結晶、一般の店にはまだ流通していない超小型消臭スプレーなんだ」
上条「この一本で東京ドーム1杯分のスペースが消臭可能、効果のほどは例え血の匂いが充満した6畳間の殺人現場もたった1吹きで無臭に… って友人が言ってた」
一夏「なんだかテレビショッピングのCMみたいだな… 東京ドーム1杯分とかなんかピンとこねーし」
上条「でも実際凄いんだって、おかげで匂いを気にせず励めるようになったし」
一夏「良かったな、日々過酷な試練が待ち受けている俺達にとっては死活問題だからな」
上条「そうだな、とにかくコイツのおかげで助かったよ。友人のそいつも…」
友人T『本当はコレ1本で20万の代物なんだけどカミやんには特別に半額で売ってやるぜよ、金が無い?そんならローンでも良いぜ』
友人T『ほら早くココにサインを… えっ?金利? 気にするなカミやん、友人の俺を信用するにゃー』
上条「って言ってくれたし」
一夏「…」(最後のはさすがにネタだよな…?)
一夏「じゃあさ、せっかくだし最後は俺達の数少ない本命を暴露するってのはどうだ?」
上条「いいなそれ、それでいこう」
上条「…」
一夏「…」
上条「実はさ… 上条さん、本命が2人いるんだよ…」
一夏「上条もか・・・ 実は俺もそうなんだよ…」
上条「…」
一夏「…」
上条、一夏「「マイベストフレンド!!」」ダキッ!!
一夏「最初は俺から言うよ」
上条「ああ、任せた」
一夏「一人目はさっきの写真に写っていた最後の一人で名前はシャルロット・デュノアっていうんだ」
上条「ふむ…」
一夏「俺はアイツのことシャルって呼んでるんだけど… シャルは写真に写っている5人の中で唯一理不尽な暴力を振るわないんだよ」
上条「それは最高だな」
一夏「おまけに気立ても良いしさ、アイツとなら幸せな家庭が築けそうな気がする」
上条「美人で気立ても良くて暴力も無し、完璧じゃねーか」
一夏「ああ、ただ一つ難点を挙げるとすればアイツ事情が会って親父さんと断絶ちゃってるんだよ…」
上条「相手の家庭事情に若干の難ありか…」
一夏「つっても最後は俺達の気持ちしだいで何とでも成るんじゃないかって思ってるけどな」
上条「そうだな、織斑がついてるんだから大丈夫か」
一夏「ハハ、なんだよそれ」
上条「あれだよ… 何かこう、主人公的なアレで…」
一夏「…そんなもんかな?」
一夏「おう」
上条「写真は、と…… あった」
一夏「どれどれ? うお!? スッゲー美人でスタイルも抜群じゃん」
上条「オルソラ=アクィナスって名前でさ、織斑の選んだ子と同じで数少ない理不尽な暴力を振るわない女子なんだよ」
一夏「やっぱりそこは外せないよな」
上条「料理も上手いし、やさしいし、スタイルも良いし」
一夏「パーフェクトだな」
上条「いや… 問題が1つあるんだよ」
一夏「なんだ…?」
上条「彼女はシスターなんだ…」
一夏「宗教か… 手ごわいな」
上条「ああ、難敵だ… でも手が無いわけじゃない」
一夏「策があるのか?」
上条「インデックスや神裂達の協力を得てイギリス清教に掛け合えば何とか成るんじゃないかと思うんだ…ぶっちゃけインデックスを養ってるのもその為だし」
上条「そうなんだよ、そっちの方が自信無いけどな」
一夏「それこそ上条は主人公なんだから何とか成るんじゃないか?」
上条「そんなもんかな?」
一夏「多分な」
一夏「さて2人目の発表といくか」
上条「いよっ、待ってました」
一夏「…なあ、上条」
上条「?」
一夏「ドン引きしたらごめんな。俺が好きなもう一人っていうのは千冬姉… つまり実の姉なんだ」
上条「…」
上条「…」
一夏「ハハ… 気持ち悪いよな俺って…」
上条「…そんな事ねーよ」
一夏「…」
上条「相手がどんな身分だろうが関係無い…ソレが例え実の姉だったとしても織斑一夏が抱いた気持ちは本物なんだろう?」
上条「だったら迷うことなんて無いじゃねーか、自分の気持ちに正直になって何が悪い」
上条「世間体が何だ? 法律が何だ? そんなくだらない現実は俺がこの右手でブチ殺してやるぜ!」
一夏「ありがとうな、上条…」
上条「まあ、こんな風に言ってるけどさ… 俺のもう1人の好きな人も織斑と似たようなもんなんだよ」
一夏「!?」
上条「俺は実の母親が… 上条詩菜が異性として好きなんだ」
えっ
ただのキレイな人だし
一夏「…」
上条「周りからはヒーロー扱いされてるけどさ… 実際にはこんな変態ヤローなんだよ、俺は…」
一夏「…そうか、上条も世間に認めてもらえない相手が好きなんだな」
上条「織斑… お前こんな俺を軽蔑したりしないのか?」
一夏「なにバカなこと言ってんだよヒーロー… お互い頑張ろうぜ?」
上条「織斑…」
一夏「上条…」
上条、一夏「「同士よ!!」」ダキッ!!
店員「お前ら他の客に迷惑だから出てけよ」
上条「どのみちお開きにする予定だったからちょうど良かったよ」
一夏「それもそうだな、げっ、あれからさらに時間が経ってる…」
上条「やばい… インデックスの奴が腹を空かせている…」
一夏「そういえば俺もみんなと夕食の約束が… 」
上条「…」
一夏「…」
上条「やっぱりこれも…」
一夏「お約束って事かよ…」
上条「不幸だ…」
一夏「禿げ上がるほど同意」
おわり
少しでも暇つぶしになっていれば幸いです、見てくれてありがとう
できればいつか他作品でもやってくれ
面白かったぜ
Entry ⇒ 2012.01.24 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
一方通行「……漏れた」上条「うぅー不幸だー!」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1308563094/
『―――とある便所の一方通行―――』
一方通行「なンで……なンでこんな……!」
一方通行「あった!……だが、まだ距離がありやがる……」カチッ
一方通行「なンで……なンで電極のスイッチが入らねェ!!」カチッカチッ
一方通行「ゥ……まだだ!こんな所で、終われるかァ!!」
一方通行「ハ、ハハァ!間に合った!間に合ったぜェ!」
一方通行「ン?……ッな!?紙が……紙がねェ!?」ギューグルルル!!!
一方通行「ッぐゥ!?……漏れ……」
―――とある便所の一方通行―――
一方通行「……漏れた」
一方通行「……俺は、学園都市最強の第一位……一方通行」
一方通行「……」
一方通行「……どォする?」
一方通行(クソがァ!くせェ……ズボンの中がグチャグチャだ……)
一方「……誰に?」
‐‐--―――――――――――――--‐‐
‐‐--―――――――――--‐‐
‐‐--―――――--‐‐
黄泉川「一方通行……お、お前……」
芳川「貴方……」
打ち止め「……ちょっとこれはありえないよ、
ってミサカはミサカはあなたを拒絶してみる」
一方通行「おいッ!待て!話を聞いt」
芳川「正しくね」
打ち止め「……もう触らないでね、
ってミサカはミサカはあなたとの距離を取ってみる」
一方通行「ち、ちが……これは、これはァ!!!」
土御門「にゃー・・・これはもう近寄らないでほしいにゃー」
海原「えんがちょ(笑)」
結標「化物から汚物に変わるとはね?」
一方通行「ァ……ゥあ……あァ……」
妹達「こんな汚物にミサカ達は……」ミサカミサカミサミサ......
番外固体「 し ね 」
‐‐--―――――--‐‐
‐‐--―――――――――--‐‐
‐‐--―――――――――――――--‐‐
一方通行「ハァ……ハァ……ゴクリッハァ……」
一方通行「どォする!?どォすりゃいい!?」
一方通行「考えろッ!
集中して考えれば、打開策が必ずあるはずだ……」
一方通行「まずは、状況の把握をして……」
‐‐--―――――――――――――--‐‐
打ち止め「グチャグチャのズボンと下着、手や足に付着するry、充満する臭い」
番外個体「手ぶらwwトイレットペーパーの芯ww使えない電極ww無能力ww」
‐‐--―――――――――――――--‐‐
一方通行「」
一方通行「」ガタガタガタガタッ
一方通行「俺は……一方通行……学園都市最強の超能力者……」ブツブツ
一方通行「俺は……学園都市最強の……」ブツブツ
‐‐--―――――――――――――--‐‐
打ち止め「腸能力者だね(笑)、ってミサカはミサカh」
番外個体「ちょwww腸能力者wwwギャハハハハwww」
‐‐--―――――――――――――--‐‐
一方通行「うァァァァァァァあああああおおおおひァァァァァ!!!」
上条「うぅー不幸だー!……学校帰りの、この腹痛っ」
上条「早くしねぇと漏れちまうっ!」
上条「くそー……公園のトイレって、
何でか嫌だけど、そうも言ってられねぇ!」ダダダッ
上条(うおっ!あぶなっ!人が入ってた……)
上条(しかし隣の個室は空いている!これで漏らすことはないな・・・)バタンッ
上条(流石にこんなとこで漏らすほど、上条さんは不幸じゃないですよーっと・・・)
上条「ふぅ……さて紙を――って紙がねぇえええ!不幸だぁあああああ!!」
一方通行「!?」
一方通行(なンだァ!?人が入ってきやがった……だとォ!?)
上条「ちくしょうっ!神も仏もいないのか!?紙だけに」
上条「……」
上条「ポケットティッシュは……っ~~~ない……」
上条「ついてねぇなぁ……本当についてないぜ……俺」
一方通行(この声……聞き覚えがあるよォな?)
一方通行(いや、今は現状をどォするか考えるのが先だ)
フコウダァアアアアアア!!!!
美琴「ん?今の声……」
美琴「あっ!誰か走って行った!」
美琴「あそこにあるのはトイレ?トイレに入っていったの?」
美琴「……あの声はどう考えてもあいつよね……」
美琴「……出てこない……」
美琴「……よし、なら仕方ないわよね……うん」スッ
美琴「……べ、別にあいつが心配だからってわけじゃないんだからね!?」バッ
美琴「……ただちょっと、気になるから近づいてみるだけなんだから!」トットット
美琴(いるとしたらやっぱり男子便所の方よね///)ヒョコッ
美琴「……」キョロキョロ
美琴「個室のドアが……閉まってる……?」
美琴「……よし(臭い……)」
美琴「あ、あのぉー!すみません、どうかしましたかー!?」
上条「どうしよう……このまま拭かずに帰るか?」
上条「でも……いや、しかし……上条さんにも人としてのプライドというものが……」
上条「だがそれしか方法は……う~ん……困ったなぁ……」
上条「……携帯!そうだ携帯だ!!」ピッ
上条「……電池切れてる」
アノー!スミマセン、ドウカシマシタカー!?
上条「……!?この声はっ!!」
上条「おーいビリビリー!?俺だー!!上条当麻だー!!!」
美琴「ビリビリ言うなぁ!
……ってやっぱり、あんただったのね!?」ビリビリ
上条「あ、わ、悪いビリb……御坂。頼む!助けてくれー!」
美琴「は?助けてって何してんのよあんた?」
上条「……その、ですね?……か、紙が無いんだよ!
紙が無くて出られねぇんだ!」
美琴「……ぇ……はぁ?」
なんとかしてくれないか御坂?」
美琴「ちょ……ぇえ~……なんとかって……」オロロ
美琴「……ハァ……仕方ないわね……ちょっと待ってなさいよ……」
上条「すまない御坂!恩にきる!」パンッ
一方通行(ミサカ……?今、ミサカっつったよなァ?)
一方通行(妹達?だが聞こえてくる声……いや、あの喋り方は、
どう考えてもオリジナルの方だ)
一方通行(とォいうことは、隣りにいる男の声……まさか……!?)
上条(そういえば、隣りの人に分けてもらうって手もあったのか?)
上条(……お隣りも、紙がなくて困ってたりして……)
上条(……いやー上条さん上条さん。
それは流石にお節介というものですよ)
上条(……)
一方通行(とにかくだ、隣りが誰であろォと、
今はこのまま居なくなるのを待つしかねェ)
一方通行(もし、オリジナルにこの事態がバレてみろ、
……その時は……)
一方通行「」ガタガタガタガタッ
打ち止め「……あの人、今頃どうしてるかな?」
打ち止め「……あの人が、悪いんだよ?」
打ち止め「……ミサカを……怒らせたんだから……」
打ち止め「……ってミサカはミサカは、過去を思い出してみる」
‐‐--―――――――――――――--‐‐
‐‐--―――――――――--‐‐
‐‐--―――――--‐‐
一方通行「ハ?……知るかァそんなもン。冷蔵庫テキトーに漁っとけ」
番外個体「えー?ミサカ今すぐ甘いもの食べたいんだけど、んー」ガサゴソ
番外個体「……おっ!ねー?このプリン食べてもいいかなー?」
一方通行「勝手にしろッ!俺の知ったことじゃねェ!!」
‐‐--―――――――――――――--‐‐
打ち止め「……ない」
番外個体「どうしたの?最終信号」
打ち止め「……ないっ!ないよ!?
ってミサカのミサカのプリンがないことを――」
番外個体「え?……あれ、最終信号のだったの?」
打ち止め「まさか、あなたが食べちゃったの!?
ってミサカはミサカは確認を取ってみる」
番外個体「いやー……?あ、そうそう!
――そこの白いのがミサカにくれたんだよ」
一方通行「ァア!?うるせェぞお前ら!!騒いでないで静かにしてろッたく!」
打ち止め「プリンあげたのあなたなの!?ってミサカはミサカ――」
一方通行「プリンだァ!?そんなもンで騒いでんのか、お前らは?」
打ち止め「そ、そんなもん~っ!?
あれはね、一年に百個しか生産されないって言う、
超レアスイーツのひとつなんだよ!?
ってミサカはミサカは物の価値を提示してみたり!!」
わかったら静かにしてろ。プリンくらい今度買ってきてやる」
打ち止め「……あれは……もう今年は販売終わってるの。
……お姉様と一緒に買いに行った、
……大事なものだったのに……」ブツブツ
一方通行「これだから女ってのはめんどくせェ。
……たかがスイーツ如きでどンだけだってンだ……」
打ち止め「……サナイ……ゼッタイ……ユ……サナイ」
番外個体「あー、……ミサカもう知ーらないっと♪」
打ち止め「ミサカはミサカは……許さないよ?」
<●> <●>
‐‐--―――――――――--‐‐
‐‐--―――――――――――――--‐‐
打ち止め「あの人が朝飲むコーヒーに、
ヨシカワから貰った下剤を仕込む」
打ち止め「あの人であってもその場では気付けない、学園都市製の下剤」
打ち止め「強力だけど、効果は一定時間立たないと発揮されない」
打ち止め「念のため、怪しまれないようにミサカがあの人のとこまで運ぶ」
打ち止め「そして、ある程度したら、
ミサカはあの人にプリンを買ってきて?と言う」
打ち止め「きっとあの時の罪悪感から、あの人は拒まざるを得ない」
打ち止め「あの人は、そういう人だから」
打ち止め「これで後は、
ミサカネットワークからあの人を制限的に切り離す……」
打ち止め「……あなたが悪いんだよ?
ミサカのミサカの大事なモノを奪ったから……」
打ち止め「食べ物の恨みは怖いんだよ?
ってミサカはミサカはつぶやいてみる」
一方通行「なンで……こンなことになったンだ……」
一方通行(俺はただ……打ち止めに対して……)
一方通行「いや……過ぎたことを考えても、しょうがねェ」
一方通行「この状況を、今はどォするか、だ」
一方通行(夜になるまで待つか?
人気の居ない時間に出て、こっそり処理する)
一方通行(いざとなれば、
通行人の服をかっぱらって何とかすればいいだろォ)
一方通行(……よし、これは行ける。
とにかく夜になるまでじっと待―――)
上条「あのぉ~?」コンコン
一方通行「!?」
一方通行(なァ!?こ、こいつ……話しかけてきてンのか!?俺に!?)
上条「いやぁ~お節介だったらいいんですけどね?
困ってるのは見過ごせないっていうかなんていうか……?」
一方通行(クソがァ!ここで返事をしなけりゃ不信極まりなくなるってかァ?)
上条「それにしても、公園の便所って臭いですよねぇ?
あはは(何言ってんだ俺……)」
一方通行(なンだよ、なンだよ、なンなンですかァ!?苛めですかァ!?)
上条(っていうか本当に臭い……意識すると耐えられなくなるぞ……)
一方通行(このまま無視して待つか?
そォすりゃその内、どっか行くだろォ……)
美琴「おーい!トイレットペーパー買ってきたわよー!」
上条「……っ!ナイスだ、御坂!この恩は一生忘れない!!」
美琴「たかが紙ひとつで一生って……」
美琴(い、一生かけて恩を返してくれるってこと?///)
上条「何言ってるんだよ御坂。
お前は、紙だけに、神ってね!……なんつって」
美琴「……」
一方通行「……」
上条「……ゴホンッ、
とにかく助かったよ御坂。これでここから出られる」
美琴「……いいわよ別に、これくらい……」
一方通行(早くどっか行けよ……)
美琴「って言うかここ、酷い臭いね……早く出てよ」
上条「いや、お前もうそこにいる必要ないだろ、
……ってバカ御坂!黙れ!」
美琴「はぁ!?そそそそんなの私の勝手でしょ!?
それより黙れとか、私はあんたの一生の恩人なんじゃなかったの?
……いいご身分ね」
上条「違うんだよ!まだ隣りに人が入ってるんだって!!」
美琴「……え?」
一方通行「」
美琴「そ、そうなの?
……どうしよう……私、あの、ごめんなさい……?」
上条「す、すすすいません!こいつバカで!
どうか許してもらえませんか?」
一方通行(わかったから早く消えろ、クソ野郎共)ビキビキッ
上条(どうしよう……お隣めちゃくちゃ怒ってる?)
上条(これで強面の人とかが入ってたら……不幸だ……)
美琴(それにしてもこの臭いは酷過ぎる。
……まるで残り香っていうよりも……)
一方通行(素数でも数えるか……2、3、5、7、11)
美琴(隣りの人、何も言ってこないわね?
本当に人が入ってるのかしら)
美琴「……ん?ドアの隙間からはみ出てるのは、ズボン?」
美琴(やっぱり居るんだ……どうしよう?
……ってゆーか私なにしてるんだろ……)
美琴「……あれ、あのズボン、何か変……――!?」
上条「ふぅースッキリスッキリ!ありがとな、御坂」
美琴「え?あ、……うん」
上条「?……どうした?元気なくないか?」
美琴「いや、あの……」
上条「何だ、また何か悩みごとか?
今日の上条さんは機嫌がいいから、
何でも言うこときいちゃいますよ?」
美琴(何でも///……って今はそんなこと考えられない……)
美琴「悩み、っていうか……アレっていうか」スッ
上条「は?何だ指さして……っておい、あそこは……――」
一方通行(出てったかァ?声が遠くなった……後は夜まで)
美琴「ドアノ……シタ……ズボン……ハミデテ……チャイロ……」ボソボソ
上条「何?ドアの下?ズボン?何言って……――!?」
一方通行(シミュレーションしとくか。まず、夜になったら―――)
上条「――……あ、あのー、すみません」
一方通行「ビクッ」
一方通行(なぜだァ!?こいつは、今どっかに行ったンじゃァ……)
上条「……漏れたん、でせうか?」
美琴「……」
一方通行「」
―――とある便所の一方通行―――
また上位個体はバカなことをしているようですね、
とミサカは呆れはてます」
御坂妹「下剤を仕込んで嫌がらせとか、
ガキのいたずらですか、いやあってるのか、
とミサカは自己解答します」
御坂妹「一方通行も災難ですね、ガキのいたずらの標的にされるとは。
かつての宿敵も形なしということですか、
とミサカは過去の出来事に哀愁を覚えます」
御坂妹「能力も規制して、これで、
一方通行が漏らしてる(笑)とかなっていたらどうする気でしょう?
まったく、とミサカはいらぬ心配事をします。どうでもいいですけど」
御坂妹「……ん?あそこにいるのは?お姉様と―――」
御坂妹「あなたとお姉様は、何をしているんですか?
と、ミサカは質問を投げかけます」
上条「うおっ!?御坂妹!?」
美琴「わっ!?何であんたがここにいるの!?」
御坂妹「いたら迷惑なんですか?と、ミサカは確認をとります」
上条「いや、そんなことはないんだが……今取り込み中でな……」
美琴「もういいわよ……ほっといて行きましょ……?」
美琴「だって、もしアレが本当にそうなら、
……人生でバレたら死ぬレベルの出来事よ?」
上条「でも、もしあの中にいるのが小さな子供だったら?
怖くて、いや恥ずかしくて、外に出れなくなっちゃってるとか……」
美琴「ぅ……確かに、それは可哀想よね。
……もう警備員でも読んだら?この場合は、風紀委員?」
上条「……呼ばれる方はキツイだろうな……。
しかし、公けにされるほど、過去のトラウマ物になるんじゃないのか?
出来れば、それは避けてあげたい」
美琴「じゃ、どうすんのよ?」
上条「……俺たちで、何とかしよう」グッ
上条「当たり前だろ!
それとも、上条さんを一人にする気ですか!?
この状況で!?」
美琴「知らないわよっ!
完全に私はとばっちりじゃない!!
何とかするなら、あんた一人で何とかしなさい!!」
上条「アッー!あーあーあー!酷いんだっ!
そうやってお前は人の不幸を馬鹿にするんだー!
見損なったぞビリビリ!!」
美琴「ビリビリ言うなっ!何が人の不幸よ?
巻き込まれた私のが不幸じゃない!?」
上条「あーあー聞こえない聞こえない。
……御坂、手伝ってくれよ?俺だって一人は心細いんだ」キリッ
上条「ああ!お前じゃないと駄目なんだ!!
(いざとなれば、色々仕切ってくれそうだし)」
美琴「わ、私じゃないと?///
……し、仕方ないわねぇ……手伝ってやるわよ!」デレッ
御坂妹「なんですか?この茶番、とミサカは突っ込みをいれます」
美琴「何が茶番かっ!……それがね、実は――」
上条「いやまて御坂、俺から話す。……聞いてくれ、御坂妹。
今、俺たちは重大な事件に巻き込まれてるんだ」
御坂妹「そんな空気には見えませんが?とミサカはあたりを見回します」
上条「実は、さっき俺が公園のトイレに入っててな……――」
上条「――……と言うわけなんだよ」
美琴「アレが、問題の個室ね」ビシッ
御坂妹「」
上条「……ほら、ドアの隙間から、ズボンが見えるだろ?
あの付近とズボンあたりを、よく見て見ろ……」ボソボソ
御坂妹「」
美琴「まあ当然の反応よね?……女の子が見る光景じゃ、絶対ないわ」
御坂妹「……」
―――……これで、
一方通行が漏らしてる(笑)とかなっていたらどうする気でしょう?
御坂妹(ちょっとタイムリーですね……とミサカの背筋に悪寒が走ります)
上条「それで、俺は、俺たちは何か出来ることはないかと、
今から聞きにいくわけだ」
美琴「一回目は無視されたしね。いや、ずっとか」
御坂妹(本当に一方通行だったら面白いだろうな、
――……とミサカは妄想してみます)
―――とある便所の一方通行―――
一方通行(あの野郎……何故、気づいた?
漏らした痕跡はない……はず)
一方通行(それよりも、気付いていながら、
何故話しかけてきたのかだァ……?)
一方通行(まさか、俺だと言うことまでは、バレてないよなァ?)
一方通行(もゥ、ほォっておいてくれ……頼む……)
一方通行(学園都市最強も落ちたもンだ……なァ……)
上条「あの~……すみません」
一方通行(またきた……だと……?)
上条「落ち着いて、聞いてくださいね?」
一方通行(ふざけンじゃねェ……俺はいつでも冷静――)
‐‐--―――――――――――――--‐‐
打ち止め「これからは~、アクセラレータじゃなくてぇ」
番外個体「腸能力者wwwウンコモレータwwwギャプギャププwww」
‐‐--―――――――――――――--‐‐
一方通行(大丈夫だ……頭を働かせろ……思考停止するな……)ガクガク
上条「その、……漏れてしまったんですよね?」
一方通行「」
上条「それであの、……力を貸しましょうか?」
一方通行「ッ!?」
上条「……不幸の、不幸のお気持ちは、
――……上条さんはよぉぉぉく知っているんでせう」
上条「だからその、俺で良かったら……何か手伝いますよ?」
一方通行(なン……だと?
テメェからは見ず知らずのクソ野郎相手に、手伝う……だと?)
一方通行(いくらなンでも、これはァ……罠か?)
一方通行(手伝うと見せかけて……俺の正体を探ろォとしている?)
一方通行(その手には、のらねェぞ三下ァ!
俺の警戒心を甘く見るなよ)
上条「……」シーン
上条「どうしよう、御坂」
美琴「知るか」
御坂妹「……この場合、今もっとも必要な物は、
着替えだ、
とミサカは推測します」
御坂妹「そのままの姿では出てこられませんし、
着替えさえあれば、
最悪独りでもなんとかすることが可能です。
出てこられないということは、それなりの理由があると予測しても、
公園のトイレでということは相当緊急のことだったはず。
……ということは着替えを持っているはずがありません、
とミサカは指摘します」
流石、御坂妹だ!
姉の方とは比べものにならないほど頼りになるな!」
美琴「……おい、
あんた助けてもらっておいてその態度はどういうこと?」
御坂妹「あたり前です。
あなたを想う気持ちもお姉様とは比べものになりません、
とミサカは優越感に浸ります」
上条「よし!そうと決まれば、早速もう一度コンタクトを取ってみる!」
美琴「話し聞けよ、おい」ビリビリ
一方通行(クソッたれがァ……なンなンだよ……この緊張感はァ?)
上条「あの!……お困りでしたら、俺が着替えをお貸ししますよ!」
一方通行「!?」
上条「こうして、同じ便所で頭を悩ませたのも何かの運命、
俺は貴方を助けますよ!」
上条「……それが嫌だったら、
着替えだけ持ってきますんで、
そしたら後は独りで何とかするってことでもいいっす。
着替えを持ってきたら、俺は消えるんで……」
一方通行(そンな……見返りも求めねェっていうのか?)
一方通行(大体それじゃァ……借りた服はどォ返す?考えてねェのか?)
一方通行(こいつは……こいつは、
やっぱり俺なンかが辿り着けないとこにいる、
ヒーローなンだっていうことかァ……?)
上条「……着替えを持って着てほしかったら、
ドアをノックしてください」
一方通行(なンで……なンでこいつは、こォも簡単に手を差し伸べる?)
一方通行(いいのか?俺が、俺なンかがこいつの手を取っても?)
―――……それとも俺の手を借りて協力して欲しいのか!!
一方通行(こいつはどンな時でも、どンな状況でも、どンな立場でも)
―――……胸を張れるものを自分で選んでみろよ!!
一方通行(俺も……テメェみたいな……)
上条「……自分の不幸を、恥じることはねーよ」
上条「人が困っていたら、手を差し伸べる。
そうやって人は繋がっていくんだ!」
上条「あんたは、あんたはどうするんだ!?
このままでいいのか!?」
上条「……あんたが、自分の不幸に絶望してるんだとしたら……」
上条「まずは、そのふざけた幻想をぶち殺せ!!」
一方通行「!!」
上条「……俺は、着替えを持ってくる!それで、いいですよね?」
一方通行「……」コンコン
上条「っ!!……よし、ちょっと待っててくれ!」ダダダッ
美琴「っあ、ちょっとー!私はどうすんのよー!?」
上条「御坂はそこで様子を見ててクレー…………」ダーッ
美琴「はぁああ!?普通、女の子にそんなことさせる!?
バカじゃないのー!?」
御坂妹「……女として、見られてませんね、とミサカは毒づきます」ボソッ
美琴「今何か言った?」
御坂妹「いえ、何も」
一方通行(これで良かったンだろォか……?)
―――とある便所の一方通行―――
ここでずっとあいつを待ってろと?」
御坂妹「お姉様が待たないなら、ミサカがあの人を待ちますよ?
とミサカは意思表示します」
美琴「……それは親切心でのことなの?」
御坂妹「……その後、ミサカと彼で、仲良くデートをする方向に」
美琴「バリバリ私利私欲のためかっ!
……普通にあんたの思考を察した私が言うのもアレだけど……」
御坂妹「つまり、お姉様もミサカと同じ考えだと?
とミサカはお姉様も彼とデートをしたいのか?
という意思を遠回しに聞いてみます」
美琴「ストレートじゃない!って違うから!!
そんなんじゃないから!!///」アセアセッ
とミサカはお姉様を諭します」
美琴「うるさいっ!///」
一方通行(外が騒がしい……)
一方通行(オリジナルの方が、まだいるのか?)
一方通行(会話のよォだが……まだ別の誰かが、いやがるのか?)
一方通行(それとも通話か?
……どちらにしても、奴がいる限りはなンにもできねェ)
御坂妹「それにしても暇ですね、とミサカはだんだん飽きてきます」
美琴「飽きるの早いな!……まあ、確かに暇なんだけどね」
御坂妹「……面白い話しをしましょうか?
とミサカは暇つぶしの会話を要求します」
美琴「ふってきた、ということは何か面白いネタがあるわけね?」
御坂妹「実はですね、今日うちの上位個体が……――」ゴニョゴニョ
一方通行(静かになったな……ついに居なくなったのかァ?)
御坂妹「――……ということをしたそうなんですよ、
とミサカは公けにします」
美琴「……何それ?面白い以前にドン引きするわよ。
それより、相変わらず最低野郎なんじゃないの?
人のもの勝手に渡しちゃうとか」
御坂妹「でも、本当に一方通行がそんなことになってたら、
面白くないですか?とミサカは同意を求めます」
美琴「……うーん?そんな想像したくないけど、
無敵の一位様がそんなことになってるって状態は面白いかもね。
いや、ホント想像したくないけど」
御坂妹「そんなこと考えてたら、今の状況ですよ?
タイムリー過ぎて、あの個室怪しくないですか、
とミサカは悪魔の囁きをします」ニヤ
……流石にそれは、
……全然違う人だったら取り返しつかないことになるわよ?」
御坂妹「一方通行だったらいいんですか、
とミサカは彼を憐れみます」
美琴「当たり前でしょ?あいつが何やったか忘れたの?
……私は、あのことは絶対許さない。
そんなことになってるって言うなら、いい気味よ」
御坂妹「まあそれは置いといて、ちょっとワクワクしてきました、
とミサカは行動する気満々で暇つぶしをしたいと願います」
美琴「作戦はあるの?」
御坂妹「直接聞いてみるのはどうでしょうか?」
美琴「答えるわけないだろ……」
美琴「それで何をするの?」
御坂妹「ムービーを撮ります、とミサカは提案します……―――」
一方通行(ヒーローはまだか……)
一方通行(……何他人に頼り切ろうとしてるンだァ?
いつから俺は、こんな弱くなっちまったンだ……)
一方通行(だとしても……今俺には何もできねェ……)カチカチカチッ
御坂妹「―――……ということをするわけです」
美琴「ほ、本当にやるの?それ、盗撮になるんじゃないの?」
御坂妹「バレなきゃいいんですよ。バレなきゃ、
とミサカは行動に踏み切ろうとします」
美琴「携帯で、
トイレのドアの上からムービー撮って確かめるとか、
……完全に犯罪じゃない」
御坂妹「……でも、もし入っているのが一方通行なら?
とミサカは再度、悪魔の囁きをします」ニヤ
美琴「……やってみる価値は、あるわね」ニヤ
御坂妹「そうこなくちゃ、とミサカは意気込みます!」
美琴「……そうと決まったら、早く撮影モードにして。……行くわよ」グッ
御坂妹「イエス、マム、とミサカは敬礼します」ビシィ
―――とある便所の一方通行―――
一方通行(今頃打ち止めは……プリンを待ってるンだろォか)
一方通行(……俺ァまだ、お前のもとには行けそうにねェ……)
ヌッ
一方通行(幸せを、掴ンだはずだったンだがなァ……)
ジー
一方通行(まさかこンなことになる、なンて誰が予想出来る?)
ジー
一方通行(第三次世界大戦を生き残っても、この様じゃァな……)
ジー
一方通行(今はヒーローが帰ってくるのを待つしかねェとは、情けねェ)
スッ
御坂妹「撮り終わりましたよ、とミサカは作戦完了報告をします」
美琴「……覚悟は出来てる?」
御坂妹「……やっといてあれですけど、ミサカは正直少し躊躇います」
美琴「……なら私が見るわ。あんたの行動を犠牲にはしない」
御坂妹「流石はお姉様です、とミサカは賛辞の言葉を贈ります」
美琴「今まで散々ハッキングだなんだってやってきたからね。
秘密を探るのなんてわけないわ」
美琴「……いい?じゃあ……見るわよ?――」
美琴「えいっ!」ピッ
美琴「……」
御坂妹「……どうですか?とミサカは恐る恐る尋ねます」
美琴「……」
美琴「」
美琴「ブフォッwwwwwwwwwwwwwww」
御坂妹「」
御坂妹「……その……反応は……まさか……?」
美琴「wwこwwwwこれwwwwwこれぇwwwwwwwwww」
御坂妹「どれどれ、とミサカは覗きこみ――」
御坂妹「……」
御坂妹「」
御坂妹「ブフォッwwwwwwwwwwwwwww」
御坂妹「wwwww便所だけにwwwwwお腹wwww」
美琴「wwwwwwやかましいわwwwwwwwwww」
「「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」」
一方通行(打ち止め……俺は必ず、無事にお前のもとに帰る)
―――とある便所の一方通行―――
美琴「――……さて?」
御坂妹「……これどうしましょうか?とミサカは困惑します」
美琴「……まずは状況の整理をするわ」
御坂妹「トイレの個室、漏れた人」
美琴「項垂れる一方通行、人生でバレたら死ぬレベル」
御坂妹「その証拠になる携帯ムービー」
美琴「現在、着替えの服待ち中」
「「……ブッwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」」
御坂妹「wwwちょwww息がwwwとミサカwwwはwww」
美琴「ハーハーハー……少し落ち着いたわ」
御坂妹「何だかとんでもないことになってきましたね、
とミサカは事の重大さをアピールします」
美琴「……まあ、ぶっちゃけあいつだから笑えるわけで、
ドン引きレベルの事件なだけ、なんだけどね」
御坂妹「話しを戻して、どうしますか?
これ、とミサカは携帯のムービーを再々生します」ピッ
美琴「wwwやwめwろwwwwww死ぬwwwwwwww」
美琴「――……ふぅ……そうね、これは使えるわ!」
御坂妹「……何に?とミサカは実は察していながらも聞き返します」
美琴「……復讐に、よ」
一方通行(……暇だァ)
一方通行(何してるンだろォなァ……俺は……)
美琴「……あーあ!あいつったらおっそいなーっ!!」
一方通行「ビクッ」
美琴「こーんな、く、さ、い、所に女の子を待たせるなんてーっ!」
一方通行(なン、なンだ?なンなンですかァ!?)
美琴「あー!もうホント最低よーっ!」
一方通行(何故まだ奴が、ここにいる?どォいうことだ?)
美琴「……まさか、漏、ら、し、た、奴の見張りを頼むとはねーっ!」
一方通行(なン……だと?喋ったっていうのか!?あのヒーローがッ)
美琴「あーヤバーい!声が聞こえちゃうかなー!」
一方通行(見張りを頼む、とか言ったか?
……そォか、騒がしかったのは奴と相談?してたから……か)
美琴「暇ねー!何かしたくなっちゃう気分―!!」
一方通行(クソッ!それにしたってこいつは、
デリカシーってもンがねェのか?
こっちにまる聞こえだぞッ!?)
美琴「どーしよっかなー!な、に、しよっかなー!!」
一方通行(いや待て、まさかこいつワザと聞かせてンのか……?)
美琴「な、に、か、し、て!遊びたくなっちゃう……なーっ!!」
一方通行(……いいねェいいねェ最っ高だねェ!
最高のクソ野郎ってわけだァ!!)
一方通行(つまりこいつは、暇つぶしに、
俺で遊んでおちょくろうって腹なわけだァ!)
一方通行(オリジナルの野郎ォ、最高に、最低な女だぜェ!!)
美琴「……この個室に入ってるのが、
一方通行だったら面白いのになー!」
一方通行「」
美琴「この個室に入ってるのが、
一方通行だったら、
面白いのに、
なぁーっ!」
一方通行「な……に……?」
美琴「そ、ん、な、わ、け、ないかー!
学園都市最強の第一位様が、
漏らしてトイレから出られないとか、
そんなバカみたいな行為、するわけないもんねー!?」
一方通行「な……なンで、こいつ?」
美琴「あーそうだー!暇だから、打ち止め、呼んでみようかなーっ!!」
一方通行「ッ!!」
御坂妹(鬼ですね、とミサカは心の中でつぶやきます)
美琴「せっかくだからー!他の子も呼んでみようかなー!」
一方通行(なンだ……こいつ?常識ってもンがねェのか?)
美琴「アハハー、何て言って呼ぼーかしらー?」
美琴「呼ぶんだったら、
面白いこと言わないと、
来てくれないかもしんないわねー?」
美琴「そうだっ!
とある便所に一方通行が、
漏らして出てこれなくなってる、
とか言ったらみんな来てくれるかなぁーっ!?」
一方通行「ァ……ァ……ァ」
美琴「物事にはインパクトが必要だしねー!よーし、それでいこうー!!」
一方通行(こ、こいつ……こいつまさか……俺に気付いて?)
美琴「それでいいわよねーっ!?
――……ね、一方通行さん?」
一方通行「」
―――とある便所の一方通行―――
一方通行「いつから……いつから気付いていた?」
美琴「……やっぱり、アンタだったのね?」
一方通行「カマをかけたよォに、見せかけても無駄だ。
テメェは最初から知ってやがったな?」
美琴「……ねえ?あんたこの状況……わかってる?」
一方通行「……なに?」
美琴「……態度、デカすぎるんじゃないの?」
一方通行「……どォいう意味だ?」
美琴「こういう意味よ」ヌッ
一方通行「?……な!?それは携帯……ッ!?」
美琴「……アンタの知られたくない秘密は、
私の手にあるってわけ。
これが、どういう意味か、わかるわよね?」
一方通行「……なにが、目的だ?」
美琴「言葉使いがなってないんじゃないの?」
一方通行「どォいうつもりだって聞いてンだ、
さっさと答えろクソ野郎」
美琴「本当のクソ野郎がどの口開いてんの?わかってる?
この映像、あの子の元にムービーメールで送ってもいいのよ?」
一方通行「グ……か、勝手にしろ。……可哀想になァ?
そンなことでもしなけりゃ、
俺にたてつこうだなンてできねェもンなァ?」
美琴「あーそう。つまらない終わりね、一方通行?
――じゃ、送るわよー?」
一方通行「勝手に、勝手にし……――」
‐‐--―――――――――――――--‐‐
打ち止め「ずっと一緒にいたくないよ、ってミサカはミサカはお願いしてみる」
番外個体「涙拭けよwwwwwwゲハギャハwwwww」
‐‐--―――――――――――――--‐‐
一方通行「――……フーハー」
美琴「……送ぉーっし――」
一方通行「……待てェ!!」
美琴「……」ニヤァ
一方通行「……目的を、言え……」
美琴「言葉使い」
一方通行「チッ……目的をォ、言って下さァい!!」
美琴「……まあいいわ。目的?
そうね、しいて言うなら復讐、かしら?」
一方通行「……」
美琴「ねえ、わかるでしょ?
あんたが私に、あの子たちに何してきたか。
それが何?学園都市最強の人間が、
こんな公園のトイレで項垂れて、
バカな行為で頭抱えて絶望してる?怪物が汚物に?
いい気味よ、そのまま一生そこに居ればいいわ」
一方通行「……グ」
早くこのゴミ女そげぶしてぇぇぇぇぇぇ
ねえ、そうでしょ?こんな人間以下の、動物みたいに、
いいえ動物に失礼ね。
こ、ん、な!
糞を垂れ流すようなゲロ以下の奴に、
モルモット扱いされてきた子たちの気持ちがわかる?
それを止めようと必死になった私の気持ち理解できる?
……あんたは、そう思われるぐらいの責任を負ってたの。
復讐されて当然でしょ?」
一方通行「……第三位、
テメェの言いたいことは理解出来た……もォ好きにしろ」
美琴「おい、言葉使い。それと態度を改めろ」
一方通行「ッ!……貴方様の仰りたいことはァ、
理解出来たのでェ、お好きに罵って下さァい!」
美琴「罵って下さいとか、ドMかよ。
ねえ、そんな態度でいいの?私をバカにしてない?
――これ、送っちゃってもいいのよ?」スチャッ
一方通行「クソがッ!ならどうす
美琴「言葉使い」
れば、よろしいで御座いますでしょうかァ!」
美琴「……じゃあそうね?まず全世界の妹達に謝りなさい。
全力で、ボクはクソを垂れ流してしまう実験動物以下の最低なクソ野郎です、
って言いながらね」
一方通行「……過去は振り返らねェと 美琴「謝れ」 ……」
一方通行「……」
一方通行「……を垂れ流し……しまう、実験動物以下……クソ野郎……ですゥ。
だから、俺が、悪かった……」
美琴「声が小さい、言葉使いがなってない、態度もデカい、何より心がこもってない」
情報共有で打ち止めにも記憶流れちゃってるし
一方通行「ボクはァ!
クソを垂れ流してしまう実験動物以下の最低なクソ野郎ですゥ!!
本当にすみませンでしたァ!!!」
美琴「うるさいぞクソ野郎。
あと、まだ態度がデカい。誰に、謝ってるのかもわからない」
一方通行「て、テメェ 美琴「スチャッ」 ……、
ボクはクソを垂れ流してしまう実験動物以下の最低なクソ野郎です。
本当に妹達の皆様方、申し訳御座いませンでした」
美琴「……録音完了っと♪まあ、及第点ってとこかしらね?
じゃあ次は私に謝ってもらおうか?」
一方通行「ま、まだ続けンのかァ!
第三位、テメェは最悪の悪党だなァ!!
こンなことして惨めにならねェのかァ!?」
美琴「……フー」ポチッ
『ボクはクソを垂れ流してしまう実験動物以下の最低なクソ野郎です。
本当に妹達の皆様方、申し訳御座いませンでした』
一方通行「」
美琴「謝れ?」
一方通行「……オリジナル様にも迷惑をかけて、申し訳御座いませン次第です」
美琴「そこじゃない、まず今さっき言った暴言の所から全て謝れ」
一方通行「調子に、
『ボクはクソを垂れ流してしまう実験動物以下の最低なクソ野郎です。
本当に妹達の皆様方、申し訳御座いませンでした』
……先ほどは、言葉使い態度共に失礼を重ねてすみませンでした」
美琴「……んー?いまいちねー。……ねぇ、次はどうしようか?」
御坂妹「……え?
あ、ミサカに話しかけてるんですか、
とミサカは先ほどから呆然と事態を眺め続けています」
一方通行「な!?まだ、誰かそこに居やがるのか?」
『先ほどは、言葉使い態度共に失礼を重ねてすみませンでした』
一方通行「まだそこに誰かいらっしゃるンでしょうか?」
美琴「……あんたの事態はこの子が教えてくれたのよ」
御坂妹「どうも、ミサカです。とミサカは今更名乗り出ます」
一方通行「……ちょ、妹達の個体だと!?
……それならもォネットワークで……」
御坂妹「それは心配要りません。
ミサカはミサカネットワークの情報から逆算してこの事態に巡り合いました、
とミサカは説明します。現在、ミサカネットワークはオフにしてます。
良かったですね?ミサカにそういう調整がされていて」
一方通行「……情報?逆算、だとォ?どォいうこ
美琴「言葉使い」
とォで御座いますかァ?」
御坂妹「貴方に起きている事態は、
全ては貴方が上位個体に行った出来事が全ての原因です、
とミサカは暴露します」
一方通行「上位個体、打ち止めのことかァ?
……俺は別に、何もしてねェはずだ……」
御坂妹「いえ、貴方は上位個体に復讐されたんです、
とミサカは追い打ちをかけます」
一方通行「なン……だと?……俺は、打ち止めに頼まれてプリンを――」
御坂妹「そのプリンが原因なんですよ、とミサカは全てを打ち明けます――」
上条「……ふぅー、思ったより時間がかかったな!」
上条「中の人はきっと俺を待っている、早く持って行ってあげないと……」
上条「自分の不幸に絶望してなきゃいいけど……御坂、頼むぞ」ダダダッ
―――――――――――――――――
御坂妹「――……ということが、
ミサカネットワーク内で、
上位個体により情報開示されているんですよ、
とミサカは説明を終わります」
一方通行「……プリン、如きで、下剤、だとォ?
……あ、あ、あ゛あ゛あ゛あのクソガキィィィィィイイイイ!
俺を怒らせちまったよォだなァ!!帰ったら覚えてろよォ!?」
『ボクはクソを垂れ流してしまう実験動物以下の最低なクソ野郎です。
本当に妹達の皆様方、申し訳御座いませンでした』
『先ほどは、言葉使い態度共に失礼を重ねてすみませンでした』
美琴「……」
一方通行「」
美琴「その打ち止めちゃんに、バレてもいいの?
もう一度言うけど、あんたこの状況……わかってる?」
一方通行「……まだ、俺に何かさせる
美琴「言葉」
気でしょうか……」
美琴「私としては、もっとあんたに、
絶望のどん底へ落ちてもらいたいんだけどね?
……ちょっといざこうして色々やってみると、
事態にドン引き過ぎて気分が萎えてきちゃってるのよねー?
だから、次は何したいかこの子に聞いてるわけ」
御坂妹「とりあえず涙拭けよwww、とミサカはちょっぴり憐れんであげます」
一方通行(もォ、俺はここまでのよォだァ。
……やっぱり平和ってのはァ……儚いもンだったよォだぜェ……)
―――とある便所の一方通行―――
上条「ハッハッハッ……」ダッダッダッ
上条「何とか着替えも手に入れられた!
これで中の人も安心できるだろう……」
上条「……ははっこれも不幸?
いいや、違うね。俺が頑張れば、みんなが笑っていられるんだ!
中の人も、身近な人にバレなければ、
まだ苦痛を和らげることが出来る!」
上条「もうすぐだ!……よし、公園が見えてきた」ダダダッ
上条「……あれは御坂っ!ちゃんと見ててくれたのか!」
上条「おーい御坂ぁーっ!……ん?御……坂?」
―――――――――――――――――
美琴「――……えーっと?次はー、
学園都市最強の怪物改め、汚物です、
はい!」
一方通行「学園都市最強ノ怪物改メ、汚物デス……」
美琴「声が小さいっ!」
御坂妹「ナニも小さい(笑)」
一方通行「学園都市最強の怪物改めェ!?汚物ですゥゥゥ!!」
美琴「よし、次!そうねぇ?
……今度はあんたの能力名を変えてみる?」
御坂妹「……〝一方通行〟を、ですか?」
美琴「そうそう♪……何がいいかしら?」
御坂妹「……ウンコモレータ」ボソッ
美琴「っ!!……wwwwwwwっうぇwwww」
ウンコモレータ
御坂妹「一本野糞、みたいな?w」
美琴「ブフォwwwwwwそれ採用wwwwww」
御坂妹「だそうですよ?
とミサカは一本野糞に言葉を……wwwかけますwww」
一方通行「……何が可笑しィ……なにが可笑しィィィイイイイイ」
美琴「ほい 『学園都市最強の怪物改めェ!?汚物ですゥゥゥ!!』」
一本野糞「」
美琴「えー?最強の能力はー、糞を垂れ流すことー?(笑)
マジウケルンデスケドーw」
御坂妹「お姉様がスイーツ(笑)っぽいですね、
とミサカも便乗してマジウケル―w」
「「ギャハハハハwwwwwwwwwwww」」
上条「」
上条「これは……?何が……起こって……」
美琴「ねえ?wwwあんた生きていて恥ずかしくないの?wwww」
美琴「その年で?wwww漏らすとかwwwねえ?wwwww」
御坂妹「今どんな気持ちwwww今どんな気持ちwwwww」トントンットントンッ
美琴「ほらwwww何か言いなさいよwwww」
一方通行「……俺は、一方通行だ……」
『ボクはクソを垂れ流してしまう実験動物以下の最低なクソ野郎です』
美琴「wwwwww糞wwwwwww」
上条「お、おい……御坂?」
美琴「ねえ、一本野糞でしょ?……バラしてもいいの?送るよ?」
一方通行「……俺は……俺はァ……」グスッ
上条「……おい」
美琴「ほらー、もっと大きな声でーっ!!」ケラケラ
一方通行(打ち止め……俺が悪かった。
……いつかまた、どこかで――)
美琴「おーい?聞いてんのー?……ほら、早くー!!」ダンダンッ
御坂妹「鬼畜wwww、とミサカは……えっ?あっ――」スッ
一本.........「……俺は……一本……――」
上条「――……おいッ!御坂ぁ!!」
一方通行「ッ!?」
美琴「え?」ビクッ
御坂妹「」
上条「……これは、どういうことなんだ?」
美琴「あ……えと……これは……」
上条「……テメェは、一体なにをしてるんだよ!?」
美琴「あ、あの……聞いて?これには深い訳が――」
上条「うるせぇ!
俺は言い訳を聞きたいんじゃないッ!!
テメェがなにをしてるのか聞いてるんだよ!!!え?」
美琴「……ゴ……ナサ……」
御坂妹「何と言う因果応報、と流石のミサカもこれには驚きます」
上条「……御坂妹もだ。これはどういうことなのか説明しろ」
御坂妹「あ、その……」
上条「わかってんだよな?お前らがしてることの意味をよ?」
美琴「……」
御坂妹「……すみません……ミサカたちは、
中の人をよってたかってバカにしていました、
とミサカは自白します……」
上条「ハァ……お前ら、それでも人間か?」
美琴「……ッ!な、何よ!何が悪いわけ!?
汚い奴に汚いって言って、何が悪いのよ!!」
上条「……そうだな、お前は汚い奴だよ、御坂」
美琴「え?」
上条「ゲロ以下の、糞以下の、最低最悪に心根の汚い存在だよッ!
御坂ぁ!!」
美琴「……そ、そんな」
上条「大体、お前は〝言ってただけ〟じゃねぇだろ?
少し見てたが、そこの携帯も使ってたよなぁ?」
美琴「……これは……」
上条「……お前は……そんなことしない奴だって思ってたのに……」
上条「……汚いっていったよな?
ああ、確かに汚いだろうな。それは仕方ねえよ、
そう思われても仕方ないことになってるんだしな。
……だがな、お前よりはマシだよ!!
人の不幸をバカにして、かつその不幸で遊んで、
それに飽きたらず、携帯使って脅しまでかけて、
お前は一体何様のつもりなんだ?
――えぇ!?御坂!!!」
美琴「……ぅ……」グスッ
別に御坂が嫌いなわけじゃないのにすごいスカッとする
上条「俺がお前にしてほしかったのはそんなことじゃねえ!
ただ、なにか起こらないか窺っててほしかっただけだ!
もしかしたら、中から出てきて、助けを求めるかもしれないんだ!
そんな時、お前ならきっと助けになるって、そう思って俺は頼んだんだ!!
それがなんだ?逆にバカにして、弄んで、一体お前は何様のつもりなんだよ!!
……御坂、お前笑ってたよな。……何が可笑しいんだ?
なあ、人の不幸の、なにが可笑しいんだよ?言ってみろよ!!
そうやって、人をバカにして何がそんなに笑えるんだよ?
お前は人の気持ちがわからねえのか?
想像してみろよ、
もし自分がまったく逆の立場だったら、お前はどんな気持ちになるんだ?
……わかるよな?わからねえなんて言わせないぞ?人間なんだよな?
人なんだよな?人間じゃねえって言った時、怒ったもんなぁ?
……だったら中の人間の気持ちだってわかるはずだ!!
どれだけ辛いか想像出来るはずだ!!
そんな時、手を差し伸べて貰いたい気持ちもっ!!
わからねえなら人間じゃねえ!!
……そうだ、テメェがわからねえって言うんだったら、
まずは俺が、その幻想をぶち殺す!!
そしてわからせてやる!不幸をバカにされる気持ちがどんなものかを、なぁ!!」
美琴「……ごめ……なさい……ごめん……」グスグス
御坂妹「そげぶ来ましたね、とミサカは他人事のように事を見守ります」
上条「御坂妹もだ!お前らは人として、
やっちゃいけないことをしていたんだよ!!
……それを今から俺がわからせてやる!!
反省しても、もう遅いぞ?中の人にとっては、
忘れられない心の傷を、お前らは作っちまったんだからな!!」
御坂妹「……ぅ……すみませんでした……」ウルッ
一方通行(なンて……なンて野郎なンだよ、テメェってヒーローは……)
上条「場所を変えようぜ?久々にキレちまったよ……っとその前に……」
上条「――……あの、これ、着替えを持ってきました。使って下さい」
上条「……もう貸す何て言いません。
それは差し上げます。……そしてどうか、落ち込まないで下さい」
上条「誰にでも、不幸な出来事ってもんは起こり得ることなんです。
――だけど、その不幸に負けたらダメなんだ!」
上条「こいつらに何を言われたのかはわからないけど!
自分の不幸を、自分自身を!恥だなんて思ったらそれは間違いだ!!
人は誰でも失敗して、自分の不幸と向き合って、
それを受け入れながら生きていくんだよ!!
だから、今の不幸も受け入れて、そしてまた前を向いて生き続けてほしい。
そうやって人間は成長していくんだ!!
……あんたが、
自分の不幸に絶望してるんだとしたら……まずは、そのふざけた幻想をぶち殺せ!!
それが出来ないなら、俺がその幻想をぶち殺す!!」
一方通行「ヒ、ヒーロー……!!」カチャッ
―――とある便所の一方通行―――
美琴「……何よ……何ナノよ……」ブツブツ
御坂妹「……おや、お姉様の様子が……?」
美琴「あんただって……あんただって……」
上条「……?おい、もう行くぞ御坂。俺たちはもうここにいちゃいけない」
美琴「あんただってぇえええ!!これを見たら笑うわよッ!!」バッ
上条「な……に?」
御坂妹「あ、お姉様それは……」
上条「まだテメェはそんなこと言うのかよ!見損なうってレベルじゃねーぞ!!」
美琴「いいからッ!見なさいよぉぉおおおお!!」ピッ
上条「御坂ぁ!テメェ……――」
上条「――……」ジー
美琴「えいっ」ピッピ
『ボクはクソを垂れ流してしまう実験動物以下の最低なクソ野郎です。
本当に妹達の皆様方、申し訳御座いませンでした』
『学園都市最強の怪物改めェ!?汚物ですゥゥゥ!!』
上条「」
美琴「まだまだ、もっかい最初から……――」ピッ
上条「……」
美琴「あの中に入ってるのはねぇ!?
学園都市最強の第一位、一方通行様なのよぉぉおおおお!?
これが笑わずにいられるかぁぁぁああああ!!!」
上条「……イヤ……コレハ……オレハ……」プルプル
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ー‐ァ.:::::::::{ 厶イ:::ハ/ `ニ ノ.:::jノ.::::::八/.:::'でうラヽ/.:::|:::::::::::::::::::\
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∠::::::::::::八 :. \:::::/ }::j\ /.::::::/ ∧ハ| ・・・・・・
厶イ:::::::::ーヘ ´/ノ.::::::\_/.::::::/イ }
ノイ::/i:::ハ {:::::::::::::::::::::::::::∧丿
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/ ∨′ \:::::: ̄::::::::::::::::'/////⌒ヽ、
/ >x:::.、 \::::::::::::::::::::{'/////////\
笑いこらえてる顔だと思うと吹くwww
上条「ブフォwwwwwwwwwwwwwww」
美琴「……」ニヤァ
御坂妹「あっけないオチでしたね、
とミサカはここまでの流れを、実は想定出来てましたと自白します」
上条「wwwwwッゲホガホ……いや、笑ってない。俺は笑って――」
美琴「ふーん?」バッ
御坂妹「学園都市最強の汚物、一本野糞」キリッ
上条「――……ブフォアwwwwwwブハァwwwwww」
美琴「……」ジー
御坂妹「これどう収束させたらいいんですかね?とミサカは誰かに問いかけます」
一方通行「ヒー……ロー……」
―――とあなる便所の一方通行―――
打ち止め「あの人遅いなー、ってミサカはミサカは暇してみたりー」
打ち止め「……下剤が効きすぎたのかなー、
ってミサカはミサカは思い返してみる」
打ち止め「そろそろ規制解除してあげようかな、
ってミサカはミサカはあの人に早く帰ってきてもらいたかったり」
打ち止め「……探しに行こうかな……」
―――――――――――――――――
上条「……」
美琴「……」
御坂妹「……」
美琴「……で、何か言うことは?」
上条「……そげぶ」
御坂妹「わけわかめですね、とミサカは状況を楽しみます」
美琴「……まず、謝るか?」
上条「……そげぶ」
美琴「おい、誤魔化せると思うなよ?」チラッ
御坂妹「はい(ピッ『ブフォwwwwwwwwww』」
上条「……」
美琴「なにが可笑しいの?ねえ、なにが可笑しいの?」
上条「……あ、そうだ。今日は特売の日だったんだー?
そろそろ上条さんはおいとましなきゃー?」クルッ
美琴「……逃がすわけねぇだろーがー!!」ビリビリビリビリッ
上条「ひぃっ!?」パキーン
美琴「ハァーハァー……」
上条「ま、待て御坂?話し合おう!話せばわかる!!」
御坂妹「これはひどい、
とミサカはもうミサカネットワークで実況したい衝動に駆られています」
美琴「あーんーたーのぉー!説教をそのまま返してやるよコラァー!!」ビリビリビリッ
上条「わぁぁああ!不幸だ、不幸だああああああ!!」パキーン
土御門「おーいカミやーん?何してるんだにゃー?」
一方通行(ッ!?今の声、まさか――)
上条「つ、土御門?それに――」
海原「おや、御坂さんもご一緒ですか。お久しぶりです」
結標「相変わらず騒々しいわね?」
美琴「な、あんたたちどうして……?」
御坂妹「これは意外な展開になってきました、とミサカは実況します」
土御門「いやー、俺たち卒業済みの〝グループ〟でにゃー?
同窓会をやろうって企画してるんだにゃー。
それで、今俺たちは一方通行を捜してるんだけど、
どっかで見なかったぜよ?」
上条「一方……」
美琴「通行を……?」
土御門「連絡を取りたくて、
あいつの携帯にかけても出てくれないんだにゃー……。
それでこうして街の中捜してたんだけど、
見つからなくてにゃー?どこにいるか知らんぜよ?」
上条「いや、あの、それは……」チラッ
美琴「……え?何よ、私を見ないでよ!」
土御門「お、どこに居るか知ってるのかにゃ?
是非教えてほしいぜよ!!」
海原「流石は御坂さん。
僕たちに出来ないことを平然とやってのける!
そこに痺れる憧れる!!」
結標「あんたキモい」
美琴「え?え?……それは、あの……」チラッ
土御門「ん?……便所?なんで便所を見るのかにゃ??」チラッ
一方通行「」
―――とある便所の一方通行―――
打ち止め「遅い遅いおーそーいー、
ってミサカはミサカは我慢できなくなってみたり!」
番外個体「……うっさいなー、そんなに気になるなら捜しにいけばー?」
打ち止め「そうだね、じゃあ早く行こう!
ってミサカはミサカはあなたも誘ってみる」
番外個体「えー?何でミサカも行かないといけないの?
意味わかんない」
打ち止め「もとはと言えば、
あなたがミサカのプリンを食べたのが原因なんだよ!?」
番外個体「だーかーらー、それはあの白もやしがー」
打ち止め「それでも!
ってミサカはミサカは食べた責任をとってもらいたかったり!!」
番外個体「めんどくさー」
打ち止め「一人より、二人で捜した方が早く見つかるもん、
ってミサカはミサカは理論づけてみる」
番外個体「下剤仕込んだんだっけ?
どうせさー、その辺の公園のトイレで項垂れてんじゃねぇのー?」
打ち止め「じゃああなたがその公園を見つけてね、
ってミサカはミサカは腕を引っ張ってみーたーりぃー!!」
番外個体「うーわー、ちょっとー、マジどんだけー(笑)」
―――――――――――――――――
土御門「便所?便所に何かあるんぜよ?」ヒョコッヒョコッ
上条「いや、それは……」バッバッ
美琴(どーすんのよ、これ!)
上条(うるせぇ!俺だってもうどうしたらいいのかわかんねーよ!!)
御坂妹(便所で修羅場、なう。っと……)
―――――――――――――――――
浜面「フンフンフーン♪……っお?あれは、上条?」
浜面「おーい!上条ー!上条当麻ー?」
上条「……!?」
美琴「今度は何!?」
浜面「……ってなんだなんだー?随分人が集まってんだなー?」
麦野「……あ?あれは、第三位……」
絹旗「なんか事件の香りがしますね?」
滝壺「……臭う」
上条「お、お前……何でここに?」
浜面「え?それはこっちが聞きたいんだけど?
便所に集まって何してんの?」
麦野「おい馬鹿面、なんかここ臭いから早く離れるわよ……」
美琴「……加齢臭」ボソッ
麦野「あ゛あ゛あ゛!?なんか言ったかにゃー?……幼児体型、主に胸」
美琴「誰が幼児だっ!?……お久しぶりね、おばさん?」ビリ
麦野「お久しぶり。……それと、今日で永遠にさよならだなぁ?」ギューン
上条「わー!やめろやめろー!!」
土御門「……〝アイテム〟の連中だったか?何故ここに揃って現れた?」
浜面「……あ、俺?いやー、普通にみんなで遊んでただけなんだけど?」
絹旗「……またの名を、サンマタデートと言います」
土御門「……ほう?###」
浜面「おい、ちょ、何言ってんだ!?違うから!そんなんじゃないから!」
滝壺「……浜面、不潔なのは応援できない……サイテー」
浜面「何で!?今普通にみんなで遊んでたでしょ!?
何これなんなの?この流れ!?」
御坂妹「だんだんカオスになってきましたね、
とミサカはさらなる新展開を望みます」
一方通行(外が騒がしい所じゃねェ、なにが起こってンだ?)
一方通行(グループ?アイテム?……奴らが全員外に居るってェのか?)
一方通行(間違いなく土御門の野郎は居る。俺を捜してる……)
一方通行(……もしも、ここで〝この事態〟がバレたら……?)
一方通行「」ガタガタガタガタ
上条(まずい、これはまずい)
上条(もしここで、一方通行が、ここに居るなんてことがバレたら……)
上条(……あいつは間違いなく、死ねるだろうな……)
上条(……後、間違いなく上条さんに、不幸が訪れる……直感でわかる)
上条(まあもう不幸だけど……)
上条「――……なあ、みんな?ちょっと場所を変えないか?
こんなトイレの近くから離れてさ!」ニコッ
土御門「……カミやん?どうして、便所を強調するのかにゃー?」
上条「へ?」
土御門「さっきから便所をチラチラ見てるし、……何か隠してるんじゃないか?」
上条(あ、こいつ鋭いわ。上条さんやっちまったわ)
土御門「……その便所に、誰か居るのかにゃ?」
一方通行「ビクッ」
上条「つ、土御門……それはその……」
美琴「……もうバラしちゃえば?」ボソッ
麦野「……は?何をバラすって?」
御坂妹「wktkwktk、とミサカはノリノリです」
打ち止め「あー!みんな揃ってなーにーしーてーるーのぉー!?」
一方通行(こ、この……声……は……?)
番外個体「何だ何だー?トイレに集まって何の騒ぎ……だ……」
上条「なん……だと?」
美琴「……もうどうにでもなーれ♪」
御坂妹「フィナーレも近いですね、とミサカには結果が見えてきました」
―――ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤ―――
一方通行(どォなってンだどォなってンだどォなってンだどォなってンだどォなってンだ)
一方通行(なンでなンで、なンで俺がこンな目にあわなきゃならねェンだ)
一方通行(いつもこォだ。幸せだと思ったら、絶望のどん底に叩き落される)
一方通行(今までは這い上がれた、全てを取り戻すことにも成功した)
一方通行(今度はどォだ?……もォ詰ンでないか?)
一方通行(ああああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛)
打ち止め「ねぇねぇ、あの人……じゃなくて、一方通行を知らないー?
ってミサカはミサカはあの人の居場所を誰か知らないか聞いてみたりー☆」
上条「……この展開は……」
美琴「あ、知ってるような?知らないようなー?」ヘラヘラ
土御門「どっちだにゃ。
……ってか何か俺は展開読めてきたぜよ」
浜面「は?なに?展開??どゆこと???」
麦野「っつーかここ臭いんだってば、早く行こう」
番外個体「……下剤……トイレ……みんな……集まる……」ブツブツ
打ち止め「お姉様知ってるの!?どこにいるのかミサカはミサカは知りたい!!」
打ち止め「あのねー、今日ミサカがあの人にねぇー……――」
御坂妹「ルート確定したな、とミサカはもうミサカネットワーク全開です」
―――とある便所の一方通行―――
打ち止め「――……ってことをしてね?
でももう飽きちゃったから、あの人を捜しにきたんだー、
ってミサカはミサカは事の顛末を解説してみたりー」
上条「……終わった」
美琴「ざまぁないわ」
土御門「へぇ……」クルッ
海原「つまりこれは、そういうことですか?」
結標「……もう私帰っていい?」
浜面「え?え?なに??これなにが起きてるの???」
麦野「流石に空気で読めたわ」
絹旗「え?これなんかのシナリオですか?
映画でも作ってるんですか?」
滝壺「……すぐ近くから電波を受信中」
番外個体「マジで?これ、マジで?そういう展開なの?え、マジで??」
打ち止め「……?どうしたのみんな??」
土御門「ふむ、便所ねえ……」
土御門「……」ヒョコッ
土御門「ジー……――!?おい、これは……?」
上条「先に言っとく、不幸だ」
美琴「もう聞き飽きたわよ」
一方通行(外が急に静かになった?)
一方通行(どォなったンだ?なァ、これは……)
一方通行(……まさか、
あいつが全員を、ここから追い払ってくれたとか?)
一方通行(ひ、ヒーロー……!!)
土御門「……アクセラレータ」ボソッ
一方通行「」ガタタッ
土御門「……おい、マジかよ……」
美琴「あー!手が滑ったぁー♪」ポチッ
『ボクはクソを垂れ流してしまう実験動物以下の最低なクソ野郎です。
本当に妹達の皆様方、申し訳御座いませンでした』
『先ほどは、言葉使い態度共に失礼を重ねてすみませンでした』
『学園都市最強の怪物改めェ!?汚物ですゥゥゥ!!』
一方通行「」
御坂妹「その時、この場所の空気が凍りついた。
そして、何かが砕け散る音が聞こえた、とミサカはナレーションを入れます」
上条「」
一同「……」
海原「……あ、喋ってもいいですか?つまりこれは――」
―――とある便所の一方通行―――
一同「……」
御坂妹「……ウンコモレータ!」
一同「……ブフォwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
一方通行「」ドバァアアアアアアアアアアン!!!!
一同「……え?」
御坂妹「……と一同がつぶやいた瞬間、
そこには黒い翼を生やしたナニかが、
トイレの建物全てを破壊し、
超然と君臨しているのを目撃するのであった、とミサカは解説します」
一方通行「かかかかかきくけかこきけこかききけけくこけくこかき」バアアアアン!!
上条「――……ッ!何だ!?一方通行?
の周りに茶色いナニかが……渦巻いてる!!」
美琴「……え、ちょ、あれ見て……?あいつの足元あたり……」
浜面「……なるほど、奴はさながら肥溜めからベクトル変換をして、
奴の周りに渦巻くように演算しているんだ!!
つまりあれはバリアー!!うん――」
麦野「こいつ小学生以下の発想持ってるわ」
絹旗「知ってました」
滝壺「……浜面サイテー」
浜面「え!?俺間違ってないよね!?
何で俺責められてるの!?出番くれてもいいでしょ!?」
土御門「……とんだ同窓会だにゃー……」
打ち止め「……あの人、何だよね?
……これって、
もしかしなくても……ミサカのミサカのせいだったり……?」
番外個体「ギャッハハハハハwwwwwwwwハハハwwwwww
死ぬwwwww殺されるwwwwwwなんだこれぇwwww
なぁんだこれwwwwゲホゲホwwwwwwブッハァwwwwwww
っうぇwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」ジタバタ
一方通行「カカァッ!!」ブンッ
番外個体「wwwwwwwえ?……――」ベチャアッ
上条「!?」ギョッ
一方通行「ギャハギャハギャハハハハハハ」ビュオオオッブンッブンッブンッ
美琴「え、ちょ!攻撃してきてる!?」
土御門「……総員退避ー!退避するんだ!!全員ここから離れろおおおお!!!」
一同「ウワッコッチキタ!!……イヤーフクニツイター!!ニゲロー!!ゼンソクゼンシンダッ!!タスケテー!!ママーアレナニー?ミチャイケマセン!!」
御坂妹「ハハッワロス、とミサカは逃げながら実況し続けます」
上条「くそっ!これはヤバいぞ!?一般人にも被害が出てる!!」
美琴「ちょっとどうすんのこれぇー!?」ビリッバチッバシューン
上条「……何とか説得するしかない……あいつの行動を止める説得を……」
美琴「どうやって!?」
上条「そ、それは……――」
打ち止め「……ごめんなさい……ミサカが……ミサカが……」
上条「――……いた!いるぞ!!
一方通行を説得できる奴が!!」
上条「うおおおお!一方通行ーーー!これを見ろぉぉぉおお!!」
一方通行「ハアアアアンハンハアアアアアアン……!?」ビュオオオオオ……
打ち止め「え?」
上条「打ち止め!お前が、お前があいつを説得するんだ!
――お前の言葉ならあいつに届く!!」
打ち止め「ミサカ……が?」
上条「そうだ!お前ならあいつを止められる!やるんだ打ち止め!!
――そして、もうこんな悲劇を終わらせよう?」キリッ
打ち止め「……うん、わかった!!ってミサカはミサカはやってみる!!」
打ち止め「……ッ!もうやめてー!!もとのあなたに戻ってー!!」ダッ
一方通行「……打ち……止め……」ビュウウ……
打ち止め「ごめんね?ごめんなさい……。
謝るから、全部謝るから、もうプリンのこと怒ってないから!
……だから、一緒に帰ろう?ってミサカはミサカはお願いしてみる」
―――……ずっと一緒にいたいよ、
ってミサカはミサカはお願いしてみる。
―――……俺も、ずっと一緒にいたかった。
御坂妹「と、次の瞬間!
バキバキバキ!!と氷に亀裂を入れるような音と共に、
怪物ならぬ汚物の翼の色が変わっていく。
墨のような漆黒から、雪のような純白に。
根元から先端まで、ものの一瞬で外見の色彩から内面の本質まで、
その全てが切り替わっていく。
その頭部のすぐ上に、同色の小さな輪が生じていた、
とミサカは原作から引用します」
一方通行「打ち……止め……打ち止め!」スタッ…トットットッ…バッ
打ち止め「……あ……」スッ
一方通行「打ち止め?」バッ
打ち止め「……か、帰ろう?」ススッ
一方通行「……」ンバッ!!
打ち止め「……イヤ……サワラ……」スススッ
一方通行「……」ピタッ
上条「……もう帰りたい」
御坂妹「次の瞬間!バキバキバキ!!と氷に亀裂ry」
一方通行「ぎゃはあははぎゃはぎゃyがぎゃgっやっが;glkじょいあhvh」
御坂妹「墨のような漆黒の翼が噴出すようにry」
一方通行「くぁwせdrftgyふじこlp;@:」ビュオオオオ!!
上条「打ち止めァァァアアア!?」
打ち止め「……だ、だってぇ!だってぇ!!」イヤイヤッ
上条「ちくしょおおおお!!こうなりゃ一か八か!!
――幻想殺しにかけるしかねぇ!!」
美琴「あんたなにする気!?」
上条「御坂は打ち止めを連れて逃げろ!俺は一方通行を何とかする!!」
美琴「何とかって、そんなの無茶よ!死にに行くだけよ!!」
上条「それでもっ!この状況を止められるのは、
――もう俺だけしかいないから!」
美琴「もう逃げよう?一緒に帰ろう?誰もあんたを恨まないから!!」
上条「……俺、お前と友達になれて、良かった。また、会おうな!!」ダッ
美琴「とぉぉぉまぁぁぁああああ!!!」
御坂妹「某人気アニメの演出オッケェー!
とミサカは監督みたいにOKサインをだします」グッ
一方通行「かくくかここかきくけここここここ」ビュオオオビュオオオオ!!
上条「一方通行ー!……俺は言ったよなぁ!!
……自分の不幸に絶望してるんだとしたら、
……まずは、そのふざけた幻想をぶち殺せ、って!!」
上条「そして、それが出来ないんだったら!!
俺がっ、まずは、その幻想をぶち殺す!!
――目を覚ませぇぇぇえええ一方通行ッ!!!」グオオオッ!!
御坂妹「繰り出される幻想殺し!彼がその手に掴むモノは……――」
一方通行「カカァッ!!」ブンッ
上条「うおおおおお……――!?」ベチャアッ
上条「……」ニギニギ
上条「……」クンクン
上条「」
上条「……」クルッ
美琴「……え?なに?なんで戻ってくんの?」
上条「……」ダッ
美琴「……は?ちょっとなんでこっち走って――」
上条「ぷああああああああはあああああああああ」ダダダダダッ
美琴「いやあああああああ来るなあああああああ」ダダダダダッ
御坂妹「幻想殺し(笑)」
打ち止め「もうこんなの嫌だよ……こんなの絶対おかしいよ、
ってミサカはミサカは嘆いてみる」
一方通行「エンダアアアアアアアアアアアイアアアアアアアアア」ギョーンギョーンッ!!
御坂妹「――さあ、ラスト行ってみますか、とミサカは盛り上げてみます」
―――I'm always running after you. You are my ideal. You are me.―――
黄泉川「……外が騒がしいじゃん?」
芳川「私たち出番これだけよ」
―――I'm always running after you. You are my ideal. You are me.―――
風斬「嫌な風……よくない空気……臭い」
黒子「――ッこの感じ!お姉様のピンチ!?おねええさまあああ!!!」
―――これ以上、遠くまで飛べない、鳥がいた―――
上条「ばああああああだあああああああ」ダダダダッ
美琴「くんなあああああくんなっていってんでしょーがコラァ!!」ビリビリ
―――傷もない、立派な羽で、青空をなじった―――
土御門「これは酷過ぎるオチだにゃー……」
海原「えんがちょ(笑)」
結標「海原、あんた歳いくつ?」
―――コノ場所モ悪クナイ、アノ空ハ高クナイ、コノ場所モ良クハナイ―――
番外個体「アヘェ」ピクッピクピク……
姫神「……完全に存在を忘れられてた……ここだけの出番」
―――体で、感じる速度を、恐れてる、恐レテル―――
浜面「すげぇ……これが一位の実力……」
麦野「……あれは敵わないわ」
―――誰にでも、チャンスは持てる、その先へ行けない―――
絹旗「これ映画化いつですか?絶対見にいくんですけど」
滝壺「それはちょっと、理解できないよ……」
―――本当ハ飛ビ立テナイ、本当ハ飛ビ立チタイ―――
一方通行「ミンナ消エロ!消エチマエエエエエエ!!」ビュオンビュオン
―――今叶えたい願いの向こうで、輝く、君がいる―――
御坂妹「やっとオチがつきましたね?とミサカは〆を……――
――……え?なに?20000号が学園都市に向かってる?
――……ちょ、おい、やめろ!!
誰か止めろ!!放送止めろ!!放送事故だよ!!」
―――瞳に映す―――
一方通行(今日も平和な学園都市)
―――未来に立って、いつも強くて、そんな君が僕さ―――
一方通行(ここまで来ンのに、色々あったな)
『実験』
『闇』
『世界大戦』
『とある魔術』
『便所』
―――君はまだ眩しいけど、同じ気持ちで、この手伸ばして―――
一方通行(この平和が、いつまでも続いて欲しい)
―――いつか掴む、現実の僕が―――
一方通行(俺が、犠牲になっても、ドタバタ騒げるこの平和が、平穏が)
―――君になるよ―――
一方通行「いつまでも、続いて欲しいから」ニコッ
―――〝君になるよ〟―――
一方通行「アアアァァァァァアアアアアアアアア!!!」
上条「あああああああああああああああああ!!!」
美琴「いやあああああああああああああああ!!!」
―――とある便所の一方通行―――
インデックス「あーあ、とうまおそいねー?スフィンクスー」
スフィンクス「ニャーン」
インデックス「……あれ?これで終わり?私これだけ?
私ヒロインなんだよ!?これだけって嫌だよ!!
ちょっ、とうま!!とーうまーーーー!!!」
スレ 一方通行「……漏れる、クソッたれがァ!」上条「うぅー不幸だー!」
トイレ アクセラレータ
『―――とある便所の一方通行―――』
┼ヽ -|r‐、. レ | 企画・製作
d⌒) ./| _ノ __ノ VIP
‐‐--―――――――――--‐‐
‐‐--―――――--‐‐
番外個体「……ねぇ、ミサカ、あなたに……お願いがあるんだけど?」
一方通行「ア?……なンだ?」
番外個体「あのさ……オムツ……穿いてみない?」
一方通行「」
おわれ
トイレ アクセラレータ
『―――とある便所の一方通行―――』
┼ヽ -|r‐、. レ | 企画・製作
d⌒) ./| _ノ __ノ VIP
Entry ⇒ 2012.01.18 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
上条「…おィ、なンで俺がいンだよ!」一方通行「不幸だああああ!」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1309934727/
一方「」
これが限界だってミサカはミサカは弱音をあげてみたり
上条「あァ?なンだよ三下ァ?」
一方「なんでこうなったか心当たりないのか?」
上条「あるわけねェだろォが、あったらそいつとっとと絞めてンよ」
一方「いや、変わったのは精神だけで能力そのまんまだぞ」
上条「」
一方「ちょ、落ち着けって」
上条「てめェ!さッさと俺の体をかえしやがれェェェーー!!」
一方「ちょ、まてっ!ベクトr(殴
一方通行「これが俺……?」
一方通行「その強い意志を体現したかのように立っている黒い髪……」
一方通行「一見締まりがねェように見えて熱い想いを宿した瞳……」
一方通行「そして無駄のない筋肉に勲章のように残った無数の傷……」
一方通行「……間違いねェ。三下の肉体だ」
一方通行「……」
一方通行「か、かっこいい……」
一方通行「腹筋もカッチカチで鉄板みてェだ!」サワサワ
一方通行「はっ!」グッ
一方通行「よっ!」ググッ
一方通行「ふんっ!」グググッ
一方通行「す、すげェ……。さすが三下の肉体だぜ」
一方通行「おい、俺の筋肉。おい、俺の筋肉」
インデックス「何してんのとうま……」
一方通行「ばあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!???????」
インデックス「『これが俺……?』辺りから」
一方通行「最初っからじゃねェか! 声ぐらいかけやがれ!」
インデックス「そんなことより学校はいいの? 遅刻しちゃうよ?」
一方通行「学校だァ? この俺が今更そンなとこ行って何になンだよ」
インデックス「『成績悪いから進級のために一日でも休めない』って言ってたの、とうまなんだよ」
一方通行「何!?」
一方通行(この状況がどういうことなのかはわかンねェが……そういう事情があるなら休む訳にはいかねェな)
一方通行「ちっ……行ってくンぜ」
インデックス「行ってらっしゃいなんだよー」
一方通行「杖なしで歩けるどころじゃねェ! スキップまで自由自在じゃねェか! さすが三下の(ry」
美琴「スキップで登校なんて……朝からずいぶんとご機嫌みたいね」
一方通行「あァ!? ……なンだ、超電磁砲かよ」
美琴「なんだとは何よ! ムカつくわね!」
一方通行「わりィがテメェの相手してる暇なンざコンマ一秒もねェンだよ。学校に遅刻しちまう」
美琴「……! そうやっていつまでも見下してられると思ってんじゃないわよ!」
ビリビリー
一方通行「はいはい反射反射ってぎゃああああああああああああああああああ!!!?????!」
美琴「え!?」
一方通行「ちっ……忘れてたぜ……この肉体は三下の……能力も……」
美琴「きゅ、救急車……」
一方通行「余計なマネすンじゃねェ!」バン!
美琴「ひ……!」ビクッ
一方通行「学校に行かなきゃなンねェンだよ……。病院なンぞで、寝てられっか……」ヨロヨロ
一方通行「……で、ここが三下の通ってる学校か。いかにもパンピーが通ってそうなしけたとこだなァ」
一方通行「ここがあいつのクラスか。どいつもこいつも頭悪そうな顔してやがる」
青髪ピアス「カミやーん! おっはよー!」バシッ
一方通行「いでっ!? テメェいきなり何しやがる! 死にたいンですかァ!?」
青髪「え? 普通に挨拶しただけやのに……。今日のカミやん怖いわぁ」
小萌「みなさーん、席についてくださーい。出席をとるですよー」
一方通行(! あのロリ、三下のセンセーだったのか!)
小萌「――上条当麻ちゃーん」
一方通行「……」
小萌「上条ちゃん?」
青髪ピアス「カミやん。呼んでるで」
一方通行「え? あ、はいィ!」
小萌「ふふ、元気いっぱいの返事で大変よろしいですよ」ニコッ
一方通行「!」キュン
土御門「はいだにゃー」
一方通行「!? うおおおおおおおおおお!!!??」ガタッ
小萌「か、上条ちゃんどうかしたんですか?」
一方通行「テ、テメェがなンでここに!?」
土御門「クラスメイトにそれは、ちょっと酷いんじゃないかにゃー」
一方通行(小テスト!? やべェ、三下の教科書なんて一つも読ンでねェぞ)
一方通行「……」
一方通行(……何だァこの問題。舐めてるンですかァ?)カキカキ
小萌「採点終わったです。上条ちゃん、なんと100点ですよ!」
青髪ピアス「!?」
土御門「!?」
一方通行「けっ、あれぐらいの問題なら当然だろォがよ」
青髪ピアス「カ、カミやん! この裏切り者ー!」
「すげーな」
「やればできるじゃん」
一方通行「お、おォ、まァな」
一方通行(こ、こういうのも悪くねェな……)
一方通行「……」
黄泉川「? 上条、私の顔に何かついてるのか?」
一方通行「な、なンでもねェよ」
黄泉川「そうか? まぁいいじゃん。今日はサッカーやるじゃんよ」
一方通行(サッカー? くだらねェ。球蹴って走ることの何が楽しいんですかァ?)
土御門「カミやん、パスだにゃー!」
一方通行「っしゃァ! 行くぜェーっ!」
青髪ピアス「なんやカミやん、楽しそうやなー」
一方通行「何慌ててンだ?」
青髪ピアス「何って……カミやんこそ何悠長にしてんねん! はよ購買行かな売り切れてまうで!?」
一方通行「購買? 売り切れ?」
「うおおおおおおおおおおお!!!」
「おばちゃん! カツサンドとホイップサンド!」
「テメェ割り込むんじゃねえ!」
一方通行「こ、これは一体……!?」
一方通行「何!?」
青髪ピアス「うおおおおおおおおおお!!!!!!」
一方通行「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
一方通行「ぐ! いでっ! ちィッ、前に進めねェ!」
一方通行(! 人の波に一瞬隙間が!)
一方通行「そこだあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
一方通行「お、おばちゃン。サンドイッチと焼きそばパン! あとチョココロネ!」
青髪ピアス「カミやん、見てたで。ナイスファイトや」グッ
一方通行「テメェら……毎日こンなことやってンのか……?」
青髪ピアス「? いつも参加しといて何ゆうてんの? 変なカミやん」
一方通行(パンピーの一日もなかなかハードなンだなァ……)
青髪ピアス「何ゆうてまんのん。むしろもっと広げるべき思いますよ。下は6歳、上は還暦まで」
土御門「還暦はさすがに引くにゃー。カミやんもなんか言ってやるぜよ」
一方通行「ン? あァそうだな。……中学生はな、ババァなンだよ」
青髪ピアス「……」
土御門「……」
一方通行「な、なンてな。冗談に決まってンだろ。本気にすンなよ」
「男子ー。でかい声で下ネタやめなさいよー」
「三バカ自重しろよ。男子って一括りにされちまったじゃねえかー」
「さようならー」
土御門「カミやん、またなー」
青髪ピアス「さいならー」
一方通行「お、おう。……ま……また、な」
一方通行「ちっ、最悪の一日だったぜ」
一方通行「簡単なことで褒められてうぜェ。体育は疲れてうぜェ。飯一つ買うのに苦労してうぜェ」
一方通行「おまけにクラスのやつらがうざくて仕方ねェしよォ!」
「ママー、あのお兄ちゃんスキップしてるー」
「こら、失礼でしょ」
一方通行「あー、早く元の生活に戻りてェわァ」
「……見つけたぞ」
一方通行「あァン!? ……!」
上条「見つけたぞ、俺……!」
一方通行「寂しいと死んじゃうウサギを彷彿とさせる真っ赤な目!」
一方通行「風に吹かれたらぽきんと折れちまいそうな貧相な体!」
一方通行「ま、間違いねェ……。俺だ……」
上条「正確には、一方通行の肉体を持った上条さんだ……」
一方通行「三下……? そうか、俺が三下の体になったンだから、三下が俺の体になっててもおかしくねェどころか
そっちのが自然だなァ」
一方通行「……俺とテメェが入れ替わってるってこと以外は何も」
上条「この現象はある装置の誤作動だ。人間の脳波を共有させる研究……それが人の精神を入れ替えるという結果を
起こした。俺とお前はたまたまそれに巻き込まれた」
一方通行「へェ……今朝から今の間にそこまでわかったのか。テメェそういうキャラだったか?」
上条「ミサカネットワークに手伝ってもらってな。既に装置も研究者も抑えてる。あとは俺とお前が解除装置に
かけられれば一件落着だ」
一方通行「……」
一方通行「……別に、戻ンなくてもいいンじゃねェか?」
上条「な! 何言ってんだお前!」
一方通行「そっちの方がテメェに得があると思うぜ? テメェの代わりに学校行ってやったけどな、あのレベルなら
学年一位の成績なンざ楽勝だ。テメェが単位だのなんだの気にする必要はなくなる」
上条「……」
一方通行「それにテメェの今のその肉体は、貧弱という唯一の欠点に目をつむれば、学園都市最強の肉体だぜ。
能力、使えんだろ?」
上条「……ああ」
テメェは存分に第一位の生活を……」
上条「……打ち止めはどうするんだ?」
一方通行「!」
上条「お前、あの子を傍で守ってやるんじゃねえのかよ」
一方通行「そ、それは……。……い、いいンだ。俺なンかが傍にいるより、テメェが傍にいた方が……」
上条「!?」
一方通行「その方が、あのガキも幸せに……」
上条「この馬鹿野郎っ!」
バキッ
上条「いてええええええええええええええええええええええ」
一方通行「だ、大丈夫か三下ァ!? 俺の脆弱な体で無理するから……」
俺はこの状況になってすぐにあの子に説明したんだ。俺は一方通行じゃないって。
そしたらこんな馬鹿話をあの子は信じてくれたんだよ」
『うん、あなたは一方通行じゃないね。ミサカにはわかるよ。だって、あの人とミサカはずっと一緒だったもん』
一方通行「!」
上条「その後はずっとお前の心配をしてたんだぞ。それなのにお前は……」
一方通行「お、俺は……。……くそ! いいじゃねェか! たまにはこンな生活したってよォ! 普通に学校行って、
普通に勉強して、普通に友だちがいて……。俺だって……」
上条「一方通行……」
一方通行「! ラ、打ち止め……」
打ち止め「やっと見つけた、ってミサカはミサカは寂しかったんだよ?」
一方通行「……」
打ち止め「大丈夫だよ。今日一日ちゃんとできたんでしょ? だったらきっと、今度はあなたのままで……」
一方通行「……三下じゃなく、俺のままで……」
打ち止め「帰ろう、一方通行」
一方通行「……あァ。そうすっか……」
青髪ピアス「カミやん、どうしたん? 自分の体抱きしめたりして……」
上条「いやぁ、やっぱり自分の体が一番だとつくづく思ってな」
青髪ピアス「え゛。カミやん、ナルシストなん? キモいわぁ……」
上条「違うわ! 色々と事情があるの! ……それにしても小萌先生遅いな。何やってんだ?」
青髪ピアス「あれ、カミやん知らんの? 今日、転入生が来るんやって」
小萌「はーい、みんな席に着くですよー。転入生を紹介するです。男の子ですよー。
おめでとう子猫ちゃんたち、残念でしたね野郎どもー」
上条「い!?」
土御門「な、なんでお前が……!?」
青髪ピアス「男の子って聞いてがっかりしたけど、なんやあれぐらい線が細ければ僕全然いけるわー」
「えー……初めまして。長点上機学園から来ました×××××だ……です。趣味は特にねェ……ありませンが、
リハビリがてらにサッカーを始めたいと思ってます。……よろしくお願いしやがれ……いや、お願いします」
おわり
続きを見終わるまで
Entry ⇒ 2012.01.15 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
一方通行「テメェのおかずはなンだ?」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1311397502/
一方通行「そォーじゃねェ…ったくオナニーのおかずに決まってンだろこの場合はよォ」
海原「常に御坂さんですね」
一方通行「あのショチトルとかってガキはどォーした」
海原「正直いって性の対象外ですよ」
土御門「俺も舞夏一筋!といいたいところだけど……最近はねーちんも中々だとおもってる」
一方通行「お前は?」
浜面「はぁ!?俺もかよ、てかなんで俺ここに呼ばれてんだよ」
一方通行「あの肉壺とかってやつか、ンじゃ次三下今度こそ意味が分かったな?」
浜面「テメェ、今なんつったぁ!」
一方通行「テメェの話はもう終わったからいいンだ」
上条「そうだな……最近インデックスでは勃たなくなってきたし…うーん偶然裸を除のぞくことに成功したオルソラ、あとキャーリサ辺りかな」
一方通行「オッ、意外と雑食だなァ」ニタァ
上条「そういうお前はどうなんだよ」
一方通行「……打ち止め とかいうとでも思ってンのか?」
土御門「全くだにゃ」
一方通行「馬鹿、お前らわかってねェ、わかってねェーよ……抜くだけだぞ?愛とか関係ねェーんだよ風俗でいちいち相手に恋でもするか?」
海原「なるほど、つまりあなたは、彼女は恋愛の対象であり性の対象ではないと仰りたいのですね」
一方通行「そォーいうことだよ」
上条「そんなもんか?俺はやっぱり好きな相手でした方が気持ちいいと思うけどな」
一方通行「これだから三下は」
土御門「まぁ、俺も舞夏好きだけど、実際別の子でも抜くしありがち間違ってる話でもないだろただかみやんの話も間違ってはいない」
―隣の部屋では―
麦野「それじゃ各自のおかず右から順にいってって」
結標「えっ、私!?」
麦野「アンタ以外にだれがいるっての?この露出狂」
結標「…っていうか言わなきゃだめ?……誰っていうよりも……空想なんだけど…」
麦野「ほぉ、どんな?」
結標「ほら、そこの超電磁砲のクローンに小さい子いるでしょ?その子みたいに一方通行が…ちっちゃくなったら…かわいいなっておもって…」
結標「…げ、現実に犯罪ちっくな事はしてないのよ!!セーフよ!!」
麦野「はい、次」
絹旗「私ですか?浜面で超たまにですけどします」
麦野「浜面は私のおかず、次から別の奴にしなさい。じゃないとオ・シ・オ・キ確定ね」
滝壺「…自慰はしない」
麦野「んじゃたまった欲求はどうしてるのよ」
滝壺「たまにはまづらがえっちなことしてくれるから」
麦野「はまづらぁぁぁあああああ」
滝壺「麦野、大丈夫はまづらはやさしくしてくれる」
麦野「…そんな事は関係ねェんだよ!!ったくはまづらの奴いつのまにそんなことをたまったら私に言えってさんざんいってあるのに…」ブツブツ
御坂「…私帰ってもいいかな、ここ場違いみたいだし…」
麦野「糞ジャリ、聞くだけ聞いて逃げようだなんて…」キュインキュイン
御坂「だ、だれにもいわないから、約束する……………はぁもぅ、わかったわよ…上条ていうつんつん頭の男…これでいいでしょ!」
麦野「あぁ、つまんねェーの普通すぎでしょあんた」
一方通行「そォーだな、月曜は黄泉川、火曜は芳川、水曜は番外個体、木曜は黄泉川、芳川のレズプレイ、で金曜は番外個体をSと仮定してで土日休みで一日3回ずつだな」
海原「…さすが学園都市第1位は違いますね」
土御門「ちゃんと休オナニー日を入れるなんて、しかも一日ごとにおかずを変えて飽きないようにしているとは恐れいったぜい」
上条「えっ、お前4人の女の人と一緒に生活しててそんなに抜く余裕あるの?俺なんかせいぜい週1くらいだぜ」
ザワザワッ
土御門「かみやん、ウソだろ…?」
上条「な、なにがだよ」
一方通行「週1でもつだと…?」
上条「だってばれないようにするのって結構難しいだろ?トイレとかでしたとしても匂いが残るし、そうなると結構かぎられてくるんだぜ?自分一人の時間って」
浜面「つか、あの禁書って子とエッチしてるんだろ?だから週1くらいで充分ってそんなオチじゃ?」
一方通行「オィオィ、誰だリア充をこの集まりに混ぜたのはよォ…」
海原「…自分ではありません」
土御門「右に同じ」
上条「浜面誘ったのは俺だけど、なんかまずかった?」
絹旗「そうです、麦野はいいとしても私の魅力に超気が付かないなんてありえません」
滝壺「……」ポケェー
結標「直接手を出すなんて犯罪よね…」
御坂「いやあんたの想像もかなりぎりっぎりのところだから」
結標「実際いない空想の人物なんだからセーフでしょ」
御坂「っていうかあのちょろっとした縞々のどこがいいわけ?」
結標「……モデルとしてしか使ってないけど…あえてあげるとしたら女の私にも容赦なくパンチをしてくるドSっぷりとかかしら?」
御坂「……」
結標「そんなドSの小さい子にめちゃくちゃにされる想像なんてしたら……ごめんなさい、ちょっとトイレいってくるわ」
ガチャッ、バタンッ
御坂「……どうしてこんなところに来ちゃったんだろ」
麦野「ところで、第3位あんた自分でするとき道具とか使うの?その能力生かせば3つや4つおもちゃ同時に使えるでしょ」
御坂「へっ?おもちゃって…」
麦野「こーいうの、もってんでしょ?カマトトぶるなよ」
麦野「ホントーか?ウソだろ?それじゃどうやってしてるの?」
絹旗「ちなみに私は浜面のあれのサイズを超しっかり計測しておいたものを手に集めた窒素で再現してそれで慰めてます」
麦野「やっぱり道具使うよな?」
絹旗「道具というか浜面そのものと寸分たがわぬ浜面コピーですけど」
麦野「こんどそれで私の事突いてみてよ」
絹旗「…えっ、超嫌ですよ」
麦野「一回くらいいいじゃないのよ」
絹旗「イヤですって、超これは私だけですから」
ガチャッ
結標「ただいまー」
麦野「話戻すけど、どうやってあんたはしてんの?」
御坂「…まだづづけるの?」
麦野「早くいいなさいよ」
御坂「………そ、そうね……はじめはこう胸を……やさしく触ってくれる想像をして自分で…」
御坂「想像だからいいじゃないのよ!!」
麦野「あー想像だったわね、続けて」
御坂「…それで、そのあとちょっと乱暴に下着をめくって…さきっぽを自分でいじって…気分が乗ってきたら下に…」
絹旗「そうなると超やっぱりこういうのほしくなりませんか?
御坂「…べ、別にそんなのなくたって」
麦野「あーこいつガキだから男のあれが想像できないんじゃないの?」
絹旗「…なるほど、超理解しました」
御坂「ば、馬鹿いわないでよ!私だって見たことくらいあるわよ!!」
麦野「ほほぉー、まさかパパのとかっいわないわよねぇ…」
御坂「……違うわよ」
麦野「じゃあどこで、誰の」
御坂「ネットで…知らない人のみたことあるもん……」
結標「あっ、その方法があったのね!えっと……これくらいの子の画像ってあるかしら?」
御坂「し、しらないわよ!!」
結標「大人男の人のっておっきくて怖いじゃないの!!」
絹旗「なれると超たまらないですよ?」
結標「でも……結構いたいんでしょ?」
麦野「うーんこれとかは慣れちゃそれほどでもないけど………」ブィィィン
絹旗「…初めは超いたかったですけど」
滝壺「はまづらはやさしいからあんまりいたくなかった」
御坂「し、しらないわよ!!道具とかもつかったことないし!!」
結標「あの人のは意外とちいさいとおもうんだけど…でもいざとなるとやっぱりねぇ…」
滝壺「…ところで、なんでみんな好きな人にしてもらわないの?」
「「「「!?」」」」
上条「へ?どっからそんな話になるんだよ」
浜面「いや、オナニーは別腹で普段はあの子して満足してるんだろ?でたまに巨乳系で抜きたくなるっていうかデザートみたいな感覚で」
上条「いや、俺童貞だけど?」
浜面「はぁぁぁああ!?でも付き合ってはいるんだよな?」
上条「だからどうやったらそういう話になるんだってさっきもいったばかりだろ」
浜面「え?でもあの子のためにロシアにもいったし魔術師とも戦ったんだろ?」
上条「そうだけど、だからって付き合うとは別だろ?まぁ好きだけど」
浜面「……」
海原「付き合うことだけがすべてではありませんよ、自分のように見守ることも1つの愛の形です」
一方通行「そォーいうことだ、性の対象と好きな人が別のようにな」
海原「あなたの場合は少々特殊だと思いますけど」
一方通行「ぶっ殺されてェーのか!!」
海原「いえ、一般論を述べただけです」
土御門「……(舞夏とさんざんやりまくってるとはこの流れじゃいえないな)」
絹旗「そりゃ超へた糞だろ浜面でも、ないよりかはましですよね」
麦野「………んで私じゃなくてこいつなのよ!!私の方が胸の大きいし、口でだってしてあげるのに絶対満足させてやるのに!!」
御坂「ねぇ、口でって…どういうこと?」
麦野「…こう」ジュポジュポ
御坂「指を舐めるの?」
麦野「実際は男のあれにきまってんでしょ?」
御坂「えっ?でも……汚くないの?それって」
麦野「そりゃ汚いわよ、でもね男はそういうなんだろ?俺の●●してるみたいなので満足してすごく気持ちよくなるのよ」
御坂「……私、そんなのできないかも……」
麦野「まぁお子様はちゅっちゅだけしてりゃいいのよ、こういうのは大人の話」
絹旗「とかいいながら麦野は超実際男性経験ありませんよね」
麦野「…そ、そんなわけ……!!」
滝壺「はまづらならたのめばむぎのとかきぬはたもしてもらえるとおもうけど…」
麦絹「「!!!」」
海原「では屋外で望遠鏡を使ってというのはどうでしょう?」
上条「さすがにそういう趣味はねーよ」
一方通行「俺だったら股間爆発しちまうな」
海原「ところで、なぜ御坂さんでは抜かないのですか?」
上条「御坂?どうして俺があいつで抜かなきゃいけないんだ」
海原「魅力的ですよね?彼女」
上条「???」
海原「あれ…?」
上条「上条さんはあんまりM属性ありませんよ?」
海原「まぁ普通の男性はそうですよね、ではなくて」
上条「じゃなかったら俺の事勝負よ!とかいってびりびりっってしてくる子にどうやってそういう欲求を?」
海原「顔とか……ほらあんな活発的なところとか、エリートなのエリートにぶらない気さくなところとか、あとスタイルとかソソリマセン?」
上条「いいえ」
海原「…ふぅ、理解できません」
麦野「今の話は本当なの!?」
滝壺「はまづらの事ならたぶん大丈夫」
絹旗「い、いまからでも……超お願いできますか?滝壺さん」
滝壺「電話……してみる?」
「「お願いします!!」」
滝壺「別に土下座とかしなくても…かけてみるね」
結標「浜面とかってやつたしか半端なやつだったわよね、あんたたちの下っ端のあんなさえないやつのどこがいいの?」
「「ショタコンは黙ってろ」」
結標「だから私は現実にはそんなの」
御坂「年上の方が私はいいとおもうけどな、リードしてくれそうだし…」
結標「あんたの憧れの人も童貞臭くない?」
御坂「そ、それでもよ!!」
滝壺「あれ、でない」
絹旗「でも近くから浜面の携帯の着信音が超かすかですけど聞こえてきますよ」
麦野「なーんだ近くにいるんじゃない」キュィィ
絹旗「麦野、それじゃ超早いもの勝ちということで」
御坂「ちょっと、あんた達なにしようとしてんのよ!!」
麦野「隣の部屋にいる生のおもちゃをもらいに」
絹旗「超いってきます」
バシュッ
浜面「ぬわぁぁぁ、な、なんだ!!」
一方通行「ンだこりゃ…?3位と4位か……あとは…その連れと、結標?ンでてめェーがここに」
海原「自分は隣にいることは知っていましたよ、だからこの部屋を予約しました」
麦野「はまづらぁぁ、肉奴隷確定ね」ニタァ
浜面「なんで俺、麦野にロックオンされてるわけ!?」
絹旗「浜面は馬鹿なんですから超おとなしく、素直に私の事を愛せばいいんです」
滝壺「はまづら、むぎのときぬはたがえっちしてほしいって」
浜面「はひぃぃ!?どうしてそんなことになってんだよ!!」
一方通行「…寒気が」ゾクッ
上条「って御坂?」
御坂「どうしてあんたまでこんなところにいるのよ!?べ、別に私はたまたまここを通りがかっただけなんだけど…」
上条「さては、もしかしてお前たちもオナニー談義でもしてたのか?」
御坂「どうしてあんたはそういうところだけ鋭いのよ!!!」
上条「うわっ、馬鹿こんなところで能力なんて」
御坂「わ、私はオナニー談義なんてしてない!!」
上条「いや冗談だったんだけど、まさか……本当にそんなことしてたなんてお前も意外とむっつりだな御坂」
御坂「……」プチッ
上条「意外と常盤台のお嬢様ってむっつりなのかもな~普段規律とか厳しくて抑圧されてるからありえないはなしじゃ…」
御坂「…あんたはぁぁぁあああ!!!」
上条「…あれ……これもしかしてピンチ…?」
一方通行「お前らまてェ!!!!!!」
「!?」ピタッ
一方通行「オナニーはな、夢なンだよ」
一方通行「オナニーはな――――――――!!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
一方通行「テメェらわかったな、わかったのなら座れ」
上条「え…、解散なんじゃ…?」
一方通行「馬鹿言え、こンだけのオナニストが男女問わず集まったンだ」
海原「まさか……僕に御坂さんの前で…」
一方通行「オホンッ、えーェー第一回男女合同オナニー談義ィィィ!!!」
一方通行「よし、そこの4位から男女交互に順番に今一番愛用してるおかずをいってけ」
麦野「……浜面」
浜面「…なんだよ?」
麦野「だから浜面よ」
浜面「だからなんだって、鮭弁か?」
麦野「だから浜面でいっつもオナニーしてるっていってんのよォォォォォ!!!」
海原「次は自分ですね、自分は御坂さん一筋です」
御坂「…はぃ?」
海原「ということで、ちょっとトイレいってきてもいいですか?あっ、別にみられても構いませんのでここではじめてもいいんですけど」
御坂「や、やめてよ…そんなのださないで!!!」
海原「いや~みられると興奮するな~」
一方通行「オイ、オナニーで他人に迷惑かけるな外道、するならトイレでして来い」
海原「そうですか、残念ですね…それでは御坂さんまたのちほど」
御坂「……」ブルブルッ
一方通行「次ィ」
絹旗「私も超浜面でします」
浜面「えっと…頭が痛くなってきたんだけど、お前ら冗談だよな…」
絹旗「こんなことで嘘ついて超何の得があるんです?全く」
一方通行「ハイハイリア充は黙ってろ、よし、次は三下」
上条「えっと、俺は…やっぱり女の人の前でいうのは恥ずかしいな…」
結標「あら、この子ちょっとそそられるものがあるわね」
御坂「あ、あんたねぇ…ひ、人の」
上条「…知らない人も多いと思うけど最近はオルソラって人とキャーリサって人だな」
御坂「」
結標「ざまぁぁぁぁぁwwwww」
御坂「……」
上条「あれ?やっぱり知らない人とかじゃダメだったのかな?」
一方通行「別に関係ねェだろ、次は超電磁砲だな」
御坂「……」
一方通行「オラどォーした、ここに集まっている以上は人に聞かれてはずかしいなンて事はいわせねェーぞ!!」
御坂「……ん」
一方通行「ンだ…?指さして…」
海原「…も、もしかして自分ですか!?」
御坂「……ん」
上条「えっ?どういうこと」
御坂「……これでいいでしょ?」
一方通行「いいやダメだなァ…ちゃんと口でいわねェーと」
御坂「…でも……」
一方通行「オナニーを舐めたら死ぬぞ……それになこのオナニー談義は一方通行なンだよ、後戻りなンてできねェーからな」
御坂「……そこの上条当麻…」
上条「…!?」
御坂「あんたでいつもしてるわよ!馬鹿っ!!」
上条「御坂さん…あなたは何をいっているのでせうか?」
御坂「あんたが好きだからあんたでオナニーしてるのよ?悪い!?何かあんたに迷惑かけた?」
一方通行「ンだこいつも好きな相手でスル派かよ……つまンねェな…」
一方通行「次は俺だな…俺はさっきもこいつらにいったけど―――――――――――」
結標「…ねぇそのなかに私をいれてみたいとか思わない?」
一方通行「おもわねェーな」
一方通行「大きいってもオマエ、黄泉川以下だろォ、SとMっぷりも番外個体以下だし、クールなところも芳川以下だし、どこをどォーすりゃ俺様のおかずリストにリストアップされる?」
結標「…でも…悪くないでしょ?」
一方通行「テメェは半端なンだよ、よし、次」
結標「やっぱり……こんな妄想の世界の一方通行しかだめね…もうちょっと若くないと…こういうSっぷりはいいのだけれど、やっぱり」
結標「ねェ、貴方のDNAマップを頂戴!私それでそれで!!あなたのクローンを!!!」
一方通行「結標ェェェエ!!!!!」
結標「……なによいいじゃないのよ」
一方通行「さっきこいつにもいったがな……オナニーは他人に迷惑かけたらダメなンだよ!!」
結標「…そんなすこしくらい」
一方通行「テメェは波紋だ糞ったれ!!」
おしまい
あわきん積極的かわいい
乙
Entry ⇒ 2012.01.15 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
木原 「愛してる」 一方通行 「なン……だと……?」
http://yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1271855174/
木原「いや、本気だぜ一方通行。俺も唐突に湧き上がる気持ちにわけが分からねぇが、この気持ちは本物だ」
木原「そもそもてめぇみたいなガキが、こんな暗部にいちゃいけねぇんだ。来い、子供は堅気の世界へ行くべきだ!!」
一方「…(誰だコイツ)」
初春「佐天さん、まだ能力分からないんですか?」
佐天「うん、何かしてる手応えはあるんだけどさー」
初春「それにしても、いきなりレベル2だなんて、びっくりしちゃいました」
佐天「あはは、今回のシステムスキャンでいきなりだもんね」
佐天「えへへへへ」
初春「でも枯葉一枚動かせないし、透視ができるわけでもないし」
佐天「ううう…」
初春「はわわ、げ、元気出して下さい佐天さん!きっとすぐに分かりますよ!先生も『興味深い例だ』って調べてくれてるじゃないですか!」
佐天「…本当にそう思う?システムスキャンが何か間違ってたってだけじゃないかなって、少し思うんだけど…」
初春「そんなことあり得ないですよ。ほら元気出して下さい佐天さん、レベル2能力者の佐天さん」
佐天「初春…」
初春「はい?」
佐天「もっと言って?」
初春「ふふ…レベル2、立派な能力者の、佐天さん」
初春「次のシステムスキャンじゃレベル3だ佐天さんー」
佐天「ふへへへ…」
初春「末は8人めですよ佐天さん」
佐天「いやぁーはっはっはっ」
初春「クスクス…」
佐天「はっはっは…。ふふ、ありがと、初春」
初春「いーえ、佐天さんが嬉しそうだと、私も嬉しいですから」
佐天「よーし!今日はお祝い!お茶行こ、初春。何でも奢っちゃうよ!」
初春「あ、じゃあ黒蜜堂行きましょう。こんど新メニューが…」
佐天「あ、容赦ないね初春…」
木原「俺は何であんなセリフを…?あのガキを堅気に戻す?出来るわけがねぇだろ。っつーか『愛してる』って…
疲れてんだな。今日は早めに休むか…
―同時刻、佐天の部屋―
佐天「机にティッシュを広げてー、えい!」キュピーン
佐天「……駄目だ、ふわりともしない…。なんなんだろ、私の能力…」
―木原ンち―
キュピーン
木原「アイツを堅気に戻すにはどうすりゃいい?
必ず救ってやるぜ一方通行ァーー!!」
一方「木原クゥゥン?今日は頭の調子はどォなンだよ?ちったァまともに戻ったか?」ニヤニヤ
木原「ああ、気分爽快だぜ、やっと愛するてめぇを救う計画ができたからな」
一方「」
一方「…ぐァ、あンまりイカれたネタなンで一瞬トンじまった。誰をどうするって?」
木原「一方通行、てめぇのデータを書き換えた。てめぇは今日、事故で死ぬ」
一方「あァ?」
木原「出してやるっつってんだよ、この闇の底からな」
一方「…昨日の今日で繰り返しだが、正気かオマエ」
もちろん、そう見せかけるだけだ」
一方「おい」
木原「そして俺はこう報告する…『一方通行の能力は、強力ではあったが完璧ではなかった。』
『被験者の死亡に伴い、一方通行開発計画を終了する』」
一方「おい、こら聞けェ!」
木原「あ?何だガキ」
一方「勝手に話進めてンじゃねェ!!いつ誰がオマエに助けなンざ求めたよ?
いいか?俺は最強、絶対になるンだ。気色悪ィオマエの正義なンざ、興味ねェンだよ!」
一方「はァ?」
木原「てめぇのそれは、光の世界に相手にされないから闇に浸る、逃げだ。
てめぇで積極的に闇を目指してるわけじゃねぇ。それじゃあ、闇の世界でも這い回るだけだ」
一方「……」
木原「いいから騙されたと思って行っとけ。明日からてめぇは髪を染めてカラコン入れて、
レベル0、ちっと顔色が悪ぃ、ただのガキとして生きるんだ。
その上で、てめぇで闇に生きようと決めたんなら…いつでも戻って来い」
一方「…オマエは大丈夫なのかよ?話が明るみに出ると、ただじゃ済まねェぞ?どうしてそンなリスクを犯してまで俺なンかに…」
木原「っは、何度も言ってんだろうが、頭の悪いガキだ。愛だよ、愛」
一方「やっぱ似合わねェ、っつうか、キモっ…」
それ以外あり得ないに決まってるじゃないですか
佐天「私の能力分かったんですか!?」
研究者「ああ、精神操作系の能力だったよ。分かりにくいはずだ。
現象が目に見える形で顕れるわけじゃないからね」
佐天「それで、私の能力って…」
研究者「このグラフをご覧。君が能力を使用する前と後で、対象の動物の脳内における、
伝達物質の分泌量の変化を見たものだ。見ての通り、セロトニンや、アセチルコリンといった
沈静系の伝達物質の分泌量が極端に増えている。知っての通りセロトニンは…」クドクド
佐天「すいません、分かりません」
研究者「いささか文学的に過ぎる表現だが、まぁ、その通りだ」
佐天「…具体的に、何が起こせるんです?誰かを私に都合よく動かせたり?」
研究者「何が起きるかはケースバイケースだが、それは無理だろうな」
佐天「誰にでも効くんですか?」
研究者「さぁ…?」
佐天「レベルが上がるとどうなるんですか?」
研究者「さっぱりわからんね」
佐天「……」
ステイル「追い詰めたよ、禁書目録…(ごめんよインデックス)」
禁書「くっ…」
神裂「大人しく来てもらいます。あなたの頭の中身は私たちが責任を持って守ります。
(いずれ消さねばならない記憶なら、せめて消えても惜しくないような記憶に)」
―同刻、別の場所―
佐天「はぁー…」
初春「ため息なんかついちゃって…。どんな能力か分かって良かったじゃないですか」
佐天「うー、でもさー。どうせなら、もっと分かりやすくてすごいのがよかった。わくわくしてたのになー」
初春「いいじゃないですか、『誰かをほんの少しだけ優しくする能力』。佐天さんらしくて素敵だと思いますよ?」
佐天「初春は優しいなぁ。…そうだ!」
初春「?」
佐天「初春、もっと私に優しくなーれ!」キュピーン
初春「ちょっと佐天さん!?」
キュピーン
ステイル「…神裂。やっぱり僕らは間違ってるんじゃないか?」
禁書「…?」
神裂「ステイル・マグヌス、その点については、一年前に議論は済んだはずでは?」
ステイル「しかし今さらだが…本当に今さらなんだが。僕は思うんだ。たとえ何度記憶を消すことになろうと、
どれほど失いたくない記憶であろうと、何度も消さなくてはならないとしても」
ステイル「次の一年はそれ以上に幸せな記憶を作れるなら、きっと恐ろしくはないんじゃないだろうか。なかったんじゃないだろうか
僕らは、そのように努力すべきだったんじゃないか?」
神裂「何を…何を今さら!」
禁書「…二人は何を言ってるのかな?まるで、二人が本当は私のともだちみたいに聞こえるんだよ…?」
ステイル「インデックス…。実は、その通りなんだ」
神裂「……」
ステイル「君の脳は103000冊の魔導書に、その容量の90%以上を使用してる。その上君には完全記憶能力がある。
君の脳は一年ごとに記憶を消去しないと、積み重なった記憶に押し潰されてしまうんだ」
禁書「だから私を追い回してたの…?」
ステイル「…そうだよ」
木原「ごほ、ごほん!」セキバライ
木原「あっあー…偶然居合わせた専門家として意見さしてもらうとだなぁ…」
神裂(誰?)
禁書(誰かな…?)
ステイル(誰…)
木原「記憶のし過ぎで脳がパンクするなんざありえねぇ」
ステイル「なん…だと…?」
木原「いいか?人間の脳には優に200年分は記憶を溜めるポテンシャルがあるし、そもそも知識とエピソードは記憶する場所が違う
思考能力、生存に関わる部分はもっと違う。まかり間違って記憶野が一杯になったとしても、それが命に関わるなんざ、絶対に、ねぇ」
神裂「そんな…じゃあ何故私たちはそう教えられて…」
つまりお前らはそいつにノせられた正真正銘の
\ ¦ /
\ ¦ /
/ ̄ ̄ ヽ,
/ ///', / _/\/\/\/|_
\ ノ//, {0} /¨`ヽ {0} ,ミヽ / \ /
\ / く l ヽ._.ノ ””', ゝ \ < バァーカ! >
/ /⌒ リ `ー'′ ' ⌒\ \ / \
(  ̄ ̄⌒ ⌒ ̄ _)  ̄|/\/\/\/ ̄
` ̄ ̄`ヽ /´ ̄
ってわけだな」
ステイル・神裂・禁書「「「……」」」イラッ
ステイル「と、とにかく。これはあのクソアm…最大主教様に問い合わせるべきだね」
神裂「ええ、その通りです。…インデックス、あれだけのことをした私たちを、今さら信用してとは言えない。けどここはどうか私たちについてきてくれませんか?」
禁書「……」
ステイル「何でも食べていいよ、ごちそうしよう」
禁書「し、仕方ないなぁ、罪人を信じてあげるのもシスターの勤めかも」
神裂(餌付けた…)
木原(餌付けだな…)
―4人の足元の学生寮の一室―
上条「布団が良く乾く。ああー、今日は平和だなぁ…」
初春「いきなりひとを実験台にしないで下さい…」
佐天「うーん、あんまり変わらないね」
初春「話を聞いてくださいよー、もう。でも、そうですね、何か変わった感じはしませんね」
佐天「まぁ、初春はもともと私に優しいからね。効かないのかも」
初春「…そうですか?」
佐天「うん、きっとそうだよ。…ねぇ」
初春「はい?」
佐天「大好きだよ、初春」
初春「はははははい!?どうしちゃったんですか佐天さん!?」ボンッ!
佐天「どうもしてないよ、ただちょっと言ってみたかっただけ。いつもそう思ってるんだからね」
初春「わ、私も佐天さんのことは、大事な親友だと思ってます」カァー
佐天「ふふふっ」
初春(素直な佐天さん…?もしかして、自分自身に能力の効果が出てる…?)
木原「おかしい。絶対におかしい。どう考えても俺の人格(ソフト)じゃねぇだろ、あれは。
一方通行を逃がしたのも、あんなクソ場違いな神父だのシスターだのの話に首つっこんだのも」
木原(…能力者か。俺を操ってやがるのか?一方通行の研究を止めさせたい何らかの陰謀…?)
木原(報告すべきか。『一方通行を逃がしました』ってか?馬鹿馬鹿しい。消されるか、今の仕事は出来なくなる。
ああ、クソ、八方塞がりかよ!)
―同時刻、とある通学路―
ニャー ニャー
佐天「あ、初春ー」
初春「佐天さんどうしたんです?…捨て猫?」
佐天「うん…。どうしよう、もうすぐ雨降りそうなのに、こんなところに放っといたら死んじゃうよ」
Pllll...
木原「(ピッ)誰だ」
テレスティーナ「はぁーい、数多」
木原「テレサか。なんの用だ」
テレスティーナ「そっちのLV6候補が死んじゃったって聞いて、一言お悔やみをね」
木原「ちっ、心にもねぇことを…」
テレスティーナ「くくく…いや、本当にお気の毒。どうやらLV6を最初に作り出すのはこっちのようね?」
木原「あァ?」
テレスティーナ「最近ポルターガイストって地震もどきが頻発してるでしょ?幻生の置き土産よ。
あのじじいの実験で意識不明になったガキどもが覚醒しようとして、地震を起こしているんだけど
それがちょーうどいい素材になりそうなのよ」
テレスティーナ「ほえ面かいてろ無能め。あぁ、無能と言えば、あの木山って女もケッサクだったなぁ
例のガキどもの元教師なんだがよぉ、『能力体結晶の1stサンプルがあれば子供達を助けられる』って必死こいてやがんの
立場上『我々でも探させますわ』って言っといたがよ、笑いをかみ殺すのが大変だったぜ」
木原「あぁ、目の前のお前が持ってるんだからな」
―通学路―
初春「でも、どうするんです?私のところも、佐天さんの部屋も、ペット禁止じゃないですか」
佐天「ううう…ジャッジメントの支部じゃ飼えない?」
初春「…難しいと思います。最悪、保健所に送るのを早めてしまうかも…」
佐天「そんなの駄目!…そうだ!」
初春「?」
???「カミやんカミやん、帰りどうする?どっかよってくかにゃー」
?「あの地下街のゲーセン、新しい筐体入ったんやてー」
??「おう、行く行く。…、おまえも行くだろ?」
????「あァ、付き合うぜ」
佐天(物陰)「私たちで飼えないなら、飼える人に拾ってもらおう」
初春(物陰)「それが出来るなら一番ですけど…。でもどうやって?」
佐天(物陰)「まぁ見てなって。えい!」キュピーン
?「ん?捨て猫やん」
???「本当だにゃー。まだ仔猫だぜい」
??「よーしよしよし」
????「撫でるだけなら止めとけよ、どォせ飼えねェだろ?余計な気を持たせるだけだぜ」
??「まぁ、な。かわいそうだが…」
?「ボクんとこの下宿先も、食品扱ってるし…」
キュピーン
???「…こっそりなら、飼えるんじゃないかにゃー?」
??「おいおい、」
????「あァ、別に管理人が見回りに来るわけでもねェしなァ」
??「えー、さっきと言ってることが真逆ですよ!」
?「名前はなんにする?」
佐天(物陰)「ほら、上手くいった」
初春(物陰)「…いいのかなぁ?」
―同刻、とある病院―
Plllll...ピッ
木山「…はい?」
??「木山春生か」
木山「(変声機)……誰だ」
??「能力体結晶の1stサンプルは、テレスティーナが持っている。テレスティーナ=木原=ライフラインが、だ」
木山「!!お前は誰だ、なぜそれを!?」
??「何でもいいだろうがよ。まぁ、強いて言うなら、ヤツに先を越されるのが気に食わない者だ。じゃあな」ブツッ
み○(TV)『次の話題はこちら。学園都市で治安維持組織の女ボスが暴力事件』
み○(TV)『「私のものを盗んだだろう」と言いがかりをつけて、白昼堂々、元教諭の女性をボッコボコ。
…人体実験に関わってるとの噂も…』
. .: : : : : : : : :: :::: :: :: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. . : : : :: : : :: : ::: :: : :::: :: ::: ::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
/:彡ミ゛ヽ;)ー、 . .木原「何をしてるんだ俺は…」:::::::::::::::::::::::::
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/;;: ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄
ただじゃあ済まさねぇからなぁぁ!!??』
―――
――
―
木原(んで、三日もしねぇうちに猟犬部隊へ配属か。分かりやすくて結構なことだ)
木原「自分がクズであることの最も嫌な点は、クズどもの中で仕事をしなきゃならねぇことだな…」
猟犬A「は?」
木原「何でもねぇよ、女の恨みはおっかねぇなって話だ」
猟犬A「はぁ…?…ああ、木原さん。ナンシーから通信です。標的を発見した、と」
木原「んなこといちいち報告すんな、殺せ。口を動かすのは『さっさと殺して』からだ」
猟犬A「了解、伝えます(…あんたの方がよほどおっかねーよ…)」
上条「…、じゃーなー!」
土御門「明日にゃー!」
一方「あァ、またな」
木原「よう、楽しんでるじゃねぇか」
一方「……オマエか。何の用だ」
木原「相っ変わらず無愛想なガキだ…。別に。ちっと様子を見に来ただけだ。割と上手くやってるじゃねぇか」
一方「言い出したのはオマエだろうが。止めようと思えば、別に俺はいつでもこンな茶番はお開きにできンだぜ?」
木原「おーおー、ガキが一丁前の口きくじゃねぇか。誰に向かって口きいてるか分かってんのかクソガキ」
一方「……」
木原「……」
一方「はっ。下らねェ」
木原「全くだ馬鹿馬鹿しい。ガキの意地っ張りに付き合っちゃいられねぇな」
申し訳ない
っていうかあはぎゃは状態じゃないときの木原くンのテンションとかよくわかんね
一方「……くねェよ」
木原「あぁ?」
一方「何度も言わせンじゃねェよ。悪くねェ、っつったンだよ、こういうのもなァ。満足か?」
木原「…あぁ。てめぇがミスれば、てめぇを逃がしたこっちにもとばっちりがくるからな。上手くやってんなら、それでいい」
一方「…それだけかよ、『愛してる』とか言ってたくせによォ…」ブツブツ
木原「なんか言ったか?」
一方「何でもねェよ、用は済ンだだろォが、俺ァもう行くぜ。貧乏なダチんとこで鍋パーリィなンでなァ」
木原「あいつ、結構本気で楽しんでんじゃねぇか」
上条「だぁあ不幸だー!」
美琴「何事よ、一体?」
上条「うぉうビリビリ!いつからそこに!」
美琴「私の名前は御坂美琴だって…まぁいいわ、話進まないもの…。どうしたの?」
上条「自販機に…飲まれた…」
美琴「…また?1000円?」
上条「……2000円」
美琴「よく持ってたわね…そんなレアなお札。…仕方ない、ちょっと見てなさい」
上条「え、おい、何する気だ、まさか…」
木原「作戦終了だ。撤収班、消臭剤撒いとけ。あと、おいマイク、ジョーを始末しろ。本番でビビるゴミは残しておけねぇ」
ジョー「そんな、嘘だろ!?」
マイク「了解」スッ
木原「待て」
マイク「?」
木原「マガジンを6個やる。一発も外すな、撃ち尽くすまで殺すな」
マイク「…了解」ガチャ
ジョー「ひぃぃぃ!!」
ガガガガガガ!!
ジョー「いぎゃあああああああああ!!!いだいいだいいでゃああああああ!!!!」
ナンシー「了解。…悪く思わないでね。あんたが悪いんだから」
ジョー「んうううん!!んんんん!!」モゴモゴ
ガガガガガガ!!
ジョー「んぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
木原「ああ、アレイスターか?弟4学区の『ゴミ処理』の件だが…。ああ?後ろが騒がしい?
こっちもこっちでゴミ処理中だ」
佐天「えい!」キュピーン
キュピーン
美琴「ちぇい…さー…」
上条「止めろー…って蹴らないのかよ!そしてスカートの裾押さえて恥らうのかよ!短パンだろ!?」
美琴「いや…。なんだか急に、蹴るのはさすがにまずいかなーって気がしてきて。あと短パン履いてるとはいえ、
スカートの下を見られるって何か、恥ずかしいっていうか…」
上条「ま、まぁ普通はな…」
美琴「……見えた?」モジモジ
上条「いや、寸止めだったしチラとしか…っていうか見えてません見てませんから!」
美琴「……」カァー
上条(いつもと反応が違う!?ってかなにこの空気…。どうしてこうなった!?)
ガガガガガガ!!
ウグンンンン!!ンンンンン!!
木原(電話中)「だからな、(キュピーン)…ちょっと待て」ピッ
マイク「…木原さん?」
木原「……」ダンダンダン!!
ジョー「――……」
マイク「…まだ撃ち尽くしてませんが」
木原「後ろでうるせぇんだよ」
ナンシー(さっきまで平気で会話してたのに、どうしたのかしら…?)
木原「恐縮です、とでも言えばいいのか?」
アレイスター『ふっ。休みなしで悪いが、新しい任務だ。量産能力者計画を知っているね?』
木原「確か…、LV5第三位の『超電磁砲』のクローンを作製し、オリジナルと同様の能力開発を行って、超能力者を量産する計画だったか。
スーパーコンピュータ、樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)の演算により、クローンの能力はオリジナルの1%程度と判明し、頓挫したと聞いてるが」
アレイスター『さすがだな、その量産能力者計画だ。計画は、本来の意図では君の言うとおり頓挫していた。
しかし、君が開発していた『一方通行』の絶対能力進化に寄与する形で、再起していたのだ』
幼女「……」ギュ
一方「面倒なもん拾っちまったな…(袖を離しやがらねェ)。ようチビ、どうした?迷子か」
幼女「……うん、ある意味そうかも、ってミサカはミサカは肯定してみる。ミサカは存在理由を見失ったの」
一方「重いな。ガキの癖に」
幼女「むっ。あなただって言うほど大人には見えないかもってミサカはミサカは反論してみたり!」
一方「俺が大人じゃねェことが、オマエがガキである事を否定する理由にはならねェだろ。ガキは普通に生きるだけでいいンだよ」
幼女「……ミサカには、それは許されないの。だって生まれたときから、ミサカは殺される為の存在だったもの、ってミサカはミサカは私たちの存在理由を明かしてみる」
一方「……どォいう意味だ?」
幼女「私たちを殺すはずだった実験の被験者が死んじゃったの、ってミサカはミサカは説明してみる。一方通行って人なんだけど…」
一方「!!」
木原「…どういうことだ?(なぜここでアイツの名前が出る…?気づいてやがるのか?やつが生きていることに)」
アレイスター『『2万通りの戦闘パターンで、量産能力者を2万回殺害すること』。一方通行の絶対能力進化計画の概要だ』
木原「……(さすがは学園都市のボス、俺たちなぞ目じゃないレベルでイカれてやがる!)」
アレイスター『そのために実は既に結構な数の量産能力者『妹達(シスターズ)』が作製されていたのだ。
しかし、君も知っての通り、一方通行がああいうことになってね。結局、『妹達』は破棄が決まった』
木原「なるほど、その『ゴミ処理』を我々にやれ、というわけか?」
アレイスター『察しが早くて助かる。『妹達』は軍用クローンで、自身の危機には抵抗する手段を選択するようプログラムされている。』
木原「おいおい、いくら相手がインスタントとはいえ、大人数同士でドンパチ撃ち合えっつーのは『猟犬部隊』には荷が重いぜ?」
アレイスター『彼女らには反乱防止のシステムが組み込まれている。『最終信号』という名前の個体だ。
とある病院に、その個体を含む『妹達』が終結している。『最終信号』さえ回収してくれればいい。それが任務だ』
木原「了解だ」
木原(どうやらアレイスターは、一方通行の死を疑ってねぇな)ホッ
木原(とにかくあいつに関わる実験とその関係者は早めに潰しちまうべきだ、俺の安全のために。ちょうどいい仕事じゃねぇか。くっく…)
一方「打ち止めっつったか。つまりオマエは一方通行の標的として『生産』されたクローンたちの一員で、
その一方通行がくたばりやがった為に、廃棄処分されそうになってる、と?」
打ち止め「おおむねそれで合ってるよ、ってミサカはミサカは歩きながら頷いてみる。ミサカたちはこれから、
調整を受けてた病院に立てこもって最後の抵抗をするつもり」
一方「……」
打ち止め「あ、病院が見えてきた、ってミサカはミサカははしゃいでみる!ここまででいいよ、送ってくれてありがとう、
ってミサカはミサカは名前も知らないあなたにお礼を言ってみたり。私たちのこと、最後に誰かに話せてよかった」
一方「…あァ」
打ち止め「さよなら、ってミサカはミサカは走りながら手を振ってみる。ばいばーい」タタタタ...
一方(…俺があいつらを助ける理由は無ェ)
一方(話から判断するに、実行すンのは学園都市の暗部だ。俺がしゃしゃって行けば、確実に『一方通行の生存』を知らせちまう)
一方(木原にも、危険が及ぶ。せっかくアイツがこっちに押し上げてくれたのに、無駄にしちまう)
一方「……」
木原「てめぇのそれは、光の世界に相手にされないから闇に浸る、逃げだ。
てめぇで積極的に闇を目指してるわけじゃねぇ。それじゃあ、闇の世界でも這い回るだけだ」
木原「いいから騙されたと思って行っとけ。明日からてめぇは髪を染めてカラコン入れて、
レベル0、ちっと顔色が悪ぃ、ただのガキとして生きるんだ。
その上で、てめぇで闇に生きようと決めたんなら…いつでも戻って来い」
―――
一方「どォやら、俺はこの決断をする為に、オマエに光の世界に押し上げて貰ってたんだ」
久々に、反射がオンになる。髪を染めていた染料がどんな漂白剤を使うより速やかに流れ落ち、瞼の下でカラーコンタクトが砕け散る。
赤く、白く。
学園都市第一位が復活する。
ナンシー「手間取ってますね。連中、病院のそこかしこにバリケードを設置して粘ってます」
木原「チッ」
木原(猟犬部隊は軍人じゃねぇ。襲撃してさっさと殺すのには慣れてても、正面きっての撃ち合いなんざ未経験だ)
(アンチスキルどもは理事会が抑えてるが、いつまでも時間かけるもんじゃねぇし……)
木原「最低限の本部要員を残して、突入部隊に回す。俺も出るぞ。着いて来い」
猟犬「了解」
『ミサカ00004号より、一階西口バリケード、状況イエロー。敵の攻撃は散発的。負傷者なし、弾薬にも精神状態にもまだ余裕があります、とミサカは報告します』
『ミサカ11443号より、正門エントランスバリケード。こちらは不気味なほど静かです。状況ブルーとミサカは報告します』
『ミサカ00356号より、一階東口バリケード、状況レッド。こちらが敵の主攻と思われます。負傷3名、死者なし、弾薬の損耗が激しいです。応援求む、とミサカは報告します』
『ミサカ00001号より11443号へ。東口バリケードへ予備戦力の一部を回して下さい、とミサカは指示します』
『ミサカ11443号より00001号、了解』
……あれ、シスターズの10032以前は全部一方通行に殺されてなかったっけ?
絶対能力進化実験が始まるより前に、この一方さんは死んだ(ことになっていた)わけさ。
ズズン!!
『ミサカ00001号より全ミサカへ。今の衝撃は何...ザザ...か?と...告を...ザザザ...す』
『ミサ...ザザ...がECMを使y...ザザ...通信は不可能...ザザ』
『正門...ザザ...奇襲...ザザ...!』
木原「ぎゃはははははは!!てめぇらのスペックは解析済みなんだよ、廃棄物どもめ!」
ガガガガ!!
11443号「退却!正門エントランスを放棄、退却!」
デニス「逃がすか、よ!」ドカ!
11443号「くぅっ」
デニス「やれやれ、ようやく血が見られる。じゃあな、お嬢ちゃ…」
って20001人が全員病院にいるのか?
入りきるのかwww
まぁ100人くらいってことで
打ち止めだって、使用用途からしたら最初に作られてなきゃおかしいのにシリアルナンバ20001だし、
多分あのシリアルナンバって適当だと思うんだ
シリアルナンバって通し番号のことだから色々おかしいけど
気にスンナ
デニス「!?」
11443号「!?」
木原「!?」
一方「血が見てェのか?…叶えてやるよ」
デニス「ぶぎゅ?」びしゃ
一方「ひゃははははははははは!!!」
一方・木原「「何で(オマエ/てめぇ)がここにいやがる!?」」
一方「暗部の仕事をしてるのァ知ってたが、アレイスターの犬までやってたかよ。…知りたくなかったぜ。
クソムカつく大人の代表格のオマエが、人にペコペコ媚売ってる姿はよォ」
木原「ムカつくガキだ、相変わらず。てめぇはどうした?責任でも感じちゃったのかこいつらに?いつからそんなおセンチな人間になったよ?」
一方「…オマエのせいだろうが…!」
木原「あぁ?」
ヴェーラ「一方通行、動くな!」ガチャ!
11443号「うう」
一方「くっ…」
木原「ああ、良くやったヴェーラ。ちょっと動くなよ…」ガシャ
ヴェーラ「?」
ダンダン!
11443号「ひっ…?」
ヴェーラ「何…故」バタ
木原「悪ぃな、俺、裏切るわ」
一方「木原?」
一方「……」
木原「愛だなんだなんざじゃねぇ。てめぇが生きてるのが知れちまった以上、猟犬としての役割を果たしても俺に先はねぇのさ。
いくらでも換えのきくクズどもよりは、学園都市第一位のてめぇとの抱き合わせの形に持ってった方が、俺の生存に有利だ」
一方「それだけの為に、部下を撃ったのかよ?」
木原「悪いか?」
一方「…いいや。っは、強かな野郎だ。大した悪党だな、オマエ」
木原「あぁ悪党といやぁ…」ツカツカツカ
一方「?」
ガツン!
木原「てめぇ、せっかく人が押し上げてやった光の世界から、何あっさり転げ落ちてやがる!!」
一方「!!??」
木原「…反射越しに殴られたのが納得いかねぇか?愛の力だ!」
(本当は拳の返しを利用した体術だが)
一方「…愛なンざじゃねェンじゃねェのかよ…」
一方「まァ、堅気の世の中も悪かなかったがよ。だが、こっちに身を置かねェと守れねェものもあンのさ。
俺があっちにいたのは、それを知るためだったンだと思ってる」
木原「半人前が知ったような口を…」
一方「それによ」
木原「あ?」
一方「オマエは闇の側だろ?」
木原「あぁ、さっきてめぇも言っただろう。俺は悪党だ、とびっきりのクソったれのな」
一方「だったら、俺もこっちでいい。オマエと同じ悪党がいい」
一方「……」
木原「気色悪いんだよ!」ガツン!
一方「ぐはっ!…オマエ…!」
木原「そらとっとと行け。まだ戦闘は続いてんぞ。猟犬どもは俺が無線で適当に混乱させとくから、適当にブッ潰してこい」
一方「オマエ…戻ったら覚えとけよ!」ダッ
木原「けっ、ガキめ。ちっと甘い顔すりゃ、すぐに懐きやがる」ニヤニヤ
木原(ま、あいつを味方につけときゃ、そうそう簡単に粛清はされねぇだ…)
ダァン!
木原「…チッ」ドサ
ナンシー「裏切り者は殺す。あなたがいつもしてきたことよね?」
木原「……」
ナンシー「でも残念だわ、あなたの事はいつも好きだったのに。じゃ、さよな…」
ガシャ!
ナンシー「!?」
ダンダン!!
木原「……」ヨロ
ダンダンダンダンダンダン!!
ナンシー「――……」
木原「…口を動かすのは殺してからだ、っていつも言っといたよな?」
木原「ごぶっ(ビシャビシャ)…。チッ、肺を抜いてやがる…。やっぱり、あいつなんざ、大…嫌い…」ドサ
木原(一方通行、てめぇなんざ大嫌いだ)
木原(てめぇみたいなクソ生意気なクソガキのために、俺はこんな下らない死に方をするハメになっちまった)
ズズン…!
木原(ったく、人が大変だってのも知らずに気分良さそうに暴れやがって…)
木原(だが、まぁ…)
木原(お前を作り上げたっつーのは、俺の人生の誇りってことにしてやらねぇこともねぇ)
木原(あぁ、悪くねぇ人生だった)
一方「よォ、ゴミ虫退治なんざあっという間だったぜ、さっきはよくもやってくれやがったなァ」
一方「何だよ俺を働かせておいて何座りこンでやがる。ひとりで楽しやがってよォ」
一方「おい、どうした、ムカつく口はお休みですか木原くン?」
一方「おい?…おい、起きろよ」
一方「……木原?」
(了)
でも知るかオナニーだし
オマケを後でちょっと書く
お付き合いありがとうございました
え?
本気で涙腺を破壊しに来てるじゃねェか畜生
佐天「うん、序列8位。びっくりだよね」
初春「はぁー」
佐天「ある意味1位だーなんて私を研究してる人は言ってたよ、手前味噌だろうけど」
初春「なんだか、佐天さん凄い人になっちゃいましたね…」
佐天「そんなことないよ、だって相変わらず何もできないもん」
初春「ふふっ。まぁ『何も起こらなくさせる』のが佐天さんの能力みたいなものですからね」
佐天「何か私に似合ってるかもね、そう考えると。えーい!」キュピーン
ーとある街角ー
不良「へいへーい彼女ー遊ぼうぜー」
女の子「困ります…」
不良「んだとごらぁぁぁ」
キュピーン
不良「怖がらせてごめんね、出直すわ」
女の子「あ、はい」
アウレオルス「敢然、あの子を救うべく吸血鬼の研究をしようと学園都市に来たが、ふと思いついてイギリスに連絡したらあの子はもう治療されていたそうなので、止めることにした」
キュピーン
神裂「攻撃がとまった…?」
ミーシャ「回答の一、エンゼルフォールされたのはムカつくが、人間が頑張っているそうなので術式解除を少しだけ待ってあげます」
神裂「」
海原(偽)「いきなり分解とかするわけないじゃないですか」
キュピーン
天井「ょぅι゛ょかわいいぺろぺろ」
キュピーン
シェリー「エリスはきっと復讐なんて望んでないから、学園都市襲うのやめるわ」
キュピーン
ヴェント「弟はきっと(ry」
「機械が能力を持つかどうかより、年下の男の子の方が重要よね」
キュピーン
キャーリサ・ヴィリアン「「私たち仲良し!」」
エリザード「善き哉善き哉」
ナイトリーダー「嬉しゅうございます!」
キュピーン
ショチトル「お兄ちゃん大好き!」
海原(偽)「はっはっは、ショチトルは甘えん坊さんですね」
キュピーン
美琴「当麻大好き!ちゅっちゅっ!」
上条「どうしたビリビリィィィィ!?」
駒場・半蔵・浜面
「「「俺たちゃ義賊・スキルアウト!堅気のもんには手は出さねぇぜ!」」」
キュピーン
滝壺「柵川中学の方から信号が来てる…」
麦野「最近暇ね…」
絹旗「私たちの仕事が超すくないのは超結構なことなんですよ。それよりこの映画…」
フレンダ(完全体)「結局、…なんだっけ?」
キュピーン
フィアンマ「リモコンで女の子を操るなんて小物臭い真似、俺様ができるか」
アレイスター「『あれ』を、排除せよ」
アレイスター「計画の遅延が、許容の範囲を遥かに超えている。原因は弟8位『物語殺し(ストーリーブレイカー)』だ」
アレイスター「彼女を排除せよ、可及的速やかに、いかなる手段を用いても」
暗部部隊員「しかし…」
アレイスター「どうした?」
暗部部隊員「子供に危害を加えるというのは、いかがなものかと」
アレイスター「ぐぐぐ、ここまで影響が出ているとは…。もういい、私が出撃する。『杖』の用意を…」
キュピーン
アレイスター「…普通の学園理事長というのも悪くはないか」
アレイスター「廊下を走るなと説教したり、長い挨拶で子供達をうんざりさせたり」
アレイスター「そういう生き方もいいかも知れん」
佐天「うわ!?落雷!?」
佐天「びっくりしたねー初春…初春?」
佐天「あれ…初春がいない…っていうか、ここ、どこ?」キョロキョロ
??「佐天涙子よ…」
佐天「誰?」
神「私は神だ」
佐天「へ?」
神「お前の能力は私の領域を侵し、物語を破壊している」
佐天「うっ!あ、頭が…割れる…!」
神「運命を捻じ曲げる力、この世界には不要だ」
神「全ては理想のため、物語のため…消えろイレギュラー」
佐天「うわぁぁぁぁぁぁ!!」バリバリ!
俺「私だ」
神「お前だったのか」
俺「また騙されたな」
神「全く気づかなかったぞ」
神「あまり世界を好き勝手に弄ぶな」
俺「ハッピーエンドとか…好きだから」
神「情熱を持て余した」
俺「作者様(笑)の」
俺・神「「手慰み」」
木原「…生き…てんのか?」
カエル顔の医者「当たり前だね?君はどこで負傷したと思っているのかな?」
木原「そういやぁ…病院だったなぁ…」
カエル顔「『私の』病院だね?…まぁ偉そうなことを言ったけど、彼の処置が無かったら危なかったかも知れないね?」
木原「…?」
一方「……」スースー
カエル顔「肺といくつかの大きな血管が破れていたんだけどね?ガス交換も血流も、あたかもそんな傷が無いかのように行われていたよ。
破れた血管を飛び出した血液が、まるで透明なチューブを通るようにまたもとの血管に戻っていくんだ」
木原「…ったくこのクソ生意気なガキめ…」
一方「……」スー
木原「愛してるぜ」
一方「なン……だとォ……?」ムニャムニャ
今度こそ
終わり
木原君殺さないでいてくれてありがとう( ;∀;)
佐天さんチートすぎだろwww
優しくなってもヤバいのが何人かいたなw
Entry ⇒ 2012.01.14 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
上条「…半額弁当?」
http://hayabusa2.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1325859626/l50
上条「…半額弁当?」
上条「んな物のために殴り合いとか…正気の沙汰かよ?」
黒子「ですが、最近この界隈でも流行っているらしいんですの」
初春「そういうわけで、風紀委員に通達が出て各区域のスーパーの見回りを強化してるんです」
上条「風紀委員も大変だな…」
黒子「もともとはスキルアウトはじめ無能力者が主に参加していたようなのですが…」
初春「最近では能力者の参加も増加しているようで…」
初春「単なるケンカどころでは済まない大惨事につながる事例が後を絶たないんです」
上条「…だろうな」ゴクリ
黒子(…何しろ昨日なんて、お姉さまと第四位らしき人物が某スーパーで乱闘していたという目撃情報が…)
黒子(まったく、もみ消しに苦労しましたわ…)ヤレヤレ
初春「勿論、乱闘参加者を以後出入り禁止にする店もありますが、少数派ですね」
上条「え? 何でなんだ」
黒子「この街は基本的に学生第一主義ですからね」
黒子「学生の行動に対して店の方は積極的に干渉しづらいのでしょう」
黒子「それに、なんだかんだで売上は上がるからって歓迎してる店もあるとか…」
上条「…命知らずな店だな」
黒子「というわけなので、半額弁当戦争に参加するのは大変危険ですのよ」
上条「いや、危険も何も、わざわざ命懸けて弁当買うより…」
上条「―どう考えても自炊した方がいいだろ…家計的に」キョトン
初春「狼の人たちは、弁当そのものよりも…」
初春「それを手に入れる過程、つまり争奪戦そのものを楽しんでるんじゃないでしょうか?」
上条「あ~なるほど」
上条「…殴り合ってストレス発散ってか?」
黒子「初春のくせに珍しくいい意見ですわね」
初春「どういう意味ですか~白井さん!?」
初春「あ、はい。はじめまして、いつも白井さんがお世話になってます」ペコリ
黒子「不愉快な表現はよしてくださいですの」キッ
上条「あー、えっと初春さん…」
初春「はい?」
上条「さっきからずっと気になってたんですけど…その頭の上のモノは一体…」
初春「私の頭の上に? 何かついてます?」ポカーン
黒子「…」
初春「?」
上条「か、可愛い頭ですね…!」
初春「かかかかかわいい…っ!?///」キュン
黒子(…さすがは一級フラグ建築士。お見事ですわ)ジトー
黒子「う・い・は・る~! とっとと次の店に行きますわよ」シュタッ
初春「あ、ちょ、待ってください白井さん!?」
初春「そ、それでは失礼します…! ショッピング、楽しんでくださいね」タタタ
上条「あ、ああ」
上条「って売り切れてるっ!? さっきまであったのに!?」ガーン
上条「あいつらと立ち話してる間に売り切れたのか!? 不幸だああああああああああ」
上条(弁当…ねえ)ウ~ン
上条(そうだな、たまには弁当でもいいか。今月は結構節約頑張ったしな)
上条「俺とインデックスのとで二つ分…」
上条「…そう考えると何となく半額で買いたくなるな…」
上条(一度、参戦してみるか…!)
上条(その半額弁当戦争というのに、な…!)グッ
上条(でもこの店は止めよう…)スタスタ
上条(家の近所の店だと…もし出禁食らったら死活問題だしな…)
―――路上
変態「ここが学園都市か~初めて来たなあ」テクテク
変態「グンマと違って都会って感じだな」
二階堂「言っておくが…逃げるのなら今のうちだ」
二階堂「学園都市に住む学生のうち、…実にその4割が二つ名持ちの狼と言われている…」ゴクリ
変態「な!? そ、そんなに実力者が多いのか!?」
二階堂「ああ、しかもその二つ名持ちの中でも、明確な序列があるらしい…」
変態「序列!?」
二階堂「レベル1からレベル5までのランク付けがなされているんだ」
二階堂「ちなみに学園都市の全狼の頂点に立つレベル5に属する7人が現れた店は―」
二階堂「―翌日には例外なく跡形もなくなっていると聞く…」
変態「ど、どんだけ強いんだ…レベル5…」ガクガク
二階堂「奴らの真の目的は…」ゴクリ
変態「…やはり、半額弁当なんだな」ゴクリ
二階堂「―そのようだ」
二階堂「俺が調べ上げて得た情報によれば…」
二階堂「『一方通行』と呼ばれる最強の狼を擁する“グループ”―」
二階堂「鮭弁当のみを狙って日夜活動を続ける“アイテム”―」
二階堂「―などなど、半額弁当を巡る暗部組織間の激しい抗争が日々繰り広げられているという…」
変態「す、すごい世界だな…」
二階堂「この都市(マチ)で半額弁当を手に入れたいというなら―」
変態「―命を懸けて闘うよりほかはない…ということか」
二階堂「さあ、どうする…?」
変態「半額弁当のためなら…!」グゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
変態「たとえ、命を失うことになっても…ッ!!」
変態「悔いはないよ…!!」キリッ
―――スーパーDにて
美琴「うりゃああああああああああああああああああああああ」ビババババ
麦野「はァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」ズガガガガガ
猟犬部隊他「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
二階堂「何と無粋な…ッ!!」ジー
黒妻「君ら、この辺じゃ見ないツラだな」ザッ
食蜂「早く逃げないとぉ、…死んじゃうよぉ☆」タッ
美琴「黙りなさいヘンタイッ!!」ビリビリビリビリビリビリビリビリビリ
変態「ぐああああああああああああああああッ!!?」
変態(で、電気攻め…!!? すごく、… イ イ ッ ! ! )ハアハア
麦野「邪魔ッ!」ガッ
二階堂「ぐほっ!?」バタッ
駒場「――そこまでだ、能力者」シュッ プシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
変態「あ、あんたは!?」
駒場「―ただの名も無き狼だ」
二階堂「」チーン
美琴「の、能力が…」
麦野「使えない…?」
美琴「ひッ!?」ビクッ
麦野「能力を封じたところで―」
麦野「―私は体術にも自信があるけどね」ニヤリ
駒場「―どうかな?」
美琴麦野・変態駒場「「「「 行くぞおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!! 」」」」
カラン
「何だァ? 今日はレベル5の半額セールですかァ!?」ザッ
ステイル「ここはボクの狩場だ。邪魔する者は全て排除させてもらうよッ!」ザッ
(※すでに囲まれていた)
フレンダ「…などと供述しており(ry」
絹旗「超ザコ臭が超ハンパないですね!!」
滝壺「……われわれに勝とうとは、いい度胸だな」
浜面「滝壺…なんかキャラが違うぞ…」
ステイル「ボ、ボクを甘く見ると痛い目に…! イノ(ry」バッ
浜面「あのカードなら店の人が撤去しちゃったみたいだぞ…」ボソリ
ステイル「え」
ステイル「ぐあっ!?」
浜面「余裕だぜ、ヘタレ魔術師ッ!!!」ドゴッ
ステイル「がッ!?」ドサッ
フレンダ「弱っ」
滝壺「……そろそろ、とどめを刺そうか」ニコッ
絹旗「超鮭弁当は超いただきです!!」グオン
ステイル「」
上条「ステイル…ッ!!」ダッ
垣根「待たせたな飢えた狼共ッ!!」ザッ
アイテム「」
パリーン
アックア「待つのである」ブォン
上条「」
アックア「―手土産にその右手も頂戴する次第である」ドゴッ
上条「 か は っ ! ? 」ガスッ
垣根「まずはそのふざけた常識(オヒトヨシ)をぶち殺すッ!!!」ドシューンッ
上条「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!?」
ドガッ ガガガガガガガガガガガガガガ バキ グシャ ミシミシ ズガシャーン
削板「根性――――――――――――ッ!!」ダッ
アックア「――(いづれにせよ邪魔なので)トドメである」バシュッ
佐天「とりゃああああああああああああッ!!」ブウォン
上条「み、皆…!! 行くぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」バッ
垣根「」オレカヨ
垣根「半額弁当を前にした俺には―」
垣根「―常識も何も通用しねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
ザシューンッ
上条・神裂・削板・アックア・佐天「「「「「ぐわあああああああああああああッ!!?」」」」」
ドガシャーン パリーンパリーン グシャ バキドコッ ガガガドッドーン
絹旗「第二位が、…超超本気ですッ!!」グォン
フレンダ「こっちも加勢するわよ!」ヒュン
滝壺(半額弁当なんて…所詮はのこりモノの、のこりカスだよね)
絹旗・フレンダ「「くぅっ!」」ドガシャッ
浜面「よくも2人を…!!」ダッ
垣根「ほざけ無能力者ッ!」ドシュッ
浜面「うぐあああああああああああああああああ!?」ドサッ ゴロゴロ ガシャーン
滝壺「はまづら…!!」タタタッ
店員「み、皆さん!? 大丈夫ですか!?」
店員「ど、どうぞ…っ!」つおしぼり
神裂「…かたじけない」
フレンダ「ありがと」
垣根(どうして俺にだけはくれないんだ…!?)
半額神(―今宵の闘いは普段にも増して刺激的で退屈しないのよな…!!)ウムウム
上条(クソッ…!)
上条(間合いさえ詰められれば…!)
上条(あの翼を幻想殺しで粉砕できるはずなのに…ッ!!)
上条(その間合いが…詰められねえ)グッ
削板(…第二位だな)ギリッ
佐天(『未元物質』の二つ名を持つ―)ゴクリ
フレンダ(―強力な狼ってわけよ…っ!)キッ
アックア(…手加減は無用であるな)サッ
浜面(帰りてえ…!!)ハアハア
垣根(あれ…?)
垣根(気のせいか俺一人が悪者みたいになってねぇか…?)
海原「僕達も協力しますよ」ニコッ
結標「―まったくしょうがないわね」シュタッ
結標(まあ、とっくの昔に目標物は入手したけど)ニヤッ
店員「わ、私達も回復魔術で皆さんを援護させてもらいます…!」キッ
滝壺「みんなで力を合わせて、悪い狼をやっつけよう…!」
一同「 お ー ッ ! ! ! 」
垣根「」
垣根「ん…?」
ステイル「がっ!?」ツルッ
ドテッ
ステイル(床冷てえ…)
垣根「~♪」ザッ
ステイル(く…そ…)
ステイル(ボクは…ここまでなのか…?)ギリッ
垣根「―」スッ
垣根「 死 ね 」
「もうやめてくださいっ!!!」
一方「こっから先は(出口へ)一方通行だ!」パリーン ドガグシャバキガガガガガガガガガガガ
猟犬部隊「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ」
黒妻「ちっ…!」タッ
第六位「くっ…!」サッ
一方「ったく手ごたえの…ぐぼァ!?」ガスッ
木原「余所見すんじゃねえぜ、一方通行!!」オリャア コンニャロコンニャロ
食蜂派閥「店内全域―」「―制圧完了!」ザザザザッ
食蜂「それじゃぁ~、月桂冠はぁ、いただきっ☆」タタタ
美琴・変態「「 さ せ る か あ あ あ あ あ あ あ ッ ! ! ! 」」バッ
食蜂「な」
ドガシャーン
変態「右手に…やわらかくて小さなものの感触がッ…?」モミ
変態「左手には…やわらかくて大きなものの感触がッ…?」モミ
美琴「アンタァ、どこ触ってんのよ」ギロッ
食蜂「きゃあ~、この人に犯されましたぁ☆」ジタバタ
変態(―幸せだぁああああッ!!!)
食蜂派閥「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!?」ワーワーキャーキャー
一方「あはぎゃはぐへあァッ!?」ボカッ
木原「だから余所見すんなよなぁ!!」バキッ ボコッ ドコッ ドコッドコッドコッドコッ
一方(俺としたことがァ…ナニかに目覚めそうだぜェ…)ヒーハー フーヘー
麦野「オラァッー!!」ガスッ
黒妻「―強いな、アンタ…」ユラリ ドサッ
麦野「(月桂冠・北海道産紅鮭弁当を)獲ったああああああああああああああああああああ」キャッホウ
駒場「――“原子崩し”、…たいした女だ」ガクッ
第六位「―“暗黒駕籠(ブラックホール)”」シュルン
姉「…月桂冠を確保することはままなりませんでしたが、とりあえず半額弁当は確保しましたわね」シュタッ
第六位「そろそろ警備員(アンチスキル)が来る頃です。早急に退散しましょう、…姉さん」
【暗黒駕籠】
・駕籠の中に発生させた異空間に、あらゆる物理攻撃及び特殊攻撃を吸収させて自己の攻撃力に転化する能力
・形成する異空間を応用して、四次元ポケットに近い性質の駕籠を作り出すこともできる
・なお姉は頭が弱いので(ry
初春「まったくあなたは…!」キッ
一同「 !? 」
上条「う、初春さん…!?」
佐天「ういはる!?」
垣根「か、かざりんッ!?」
一同「 かざりんッ!? 」
佐天「あはは…つい出来心で~」ゴメンゴメン
垣根「なんでココにいんだよテメェ…」ポリポリ
初春「風紀委員の仕事で近辺のスーパーを巡回してるんですよッ!!」
初春「それより!! もう弁当戦争には参加しないって約束したじゃないですか…!」
垣根「記憶にねえな」
上条(…死ねよリア充ども)
浜面(…死ねよバカップルども)
佐天(初春…彼氏いたんだ…)
黒子「風紀委員ですのッ!!」ザッ
黄泉川「この店で能力を使用して乱闘してたのはお前たちじゃん!?」ザッ
フレンダ「やばっ…!」
浜面「逃げるぞ滝壺ッ!!」ダダダダダダダダ
滝壺「はまづら、待って…!」タタタ
絹旗「超撤収ですっ!」タッ
神裂「解散!!」スタッ
アックア「…」シュタッ
番外個体「帰ろ」ザッ
海原「…昨日ここに御坂さんが現れたと聞いて張っていましたが…」ハアア
結標「とりあえず月桂冠は私が確保させてもらったわ。じゃあね白井さん」シュタッ
黒子「ま、待ちやがれですのッ!!」イラッ
黄泉川「ったく、なんて逃げ足の速い連中じゃん…」ボーゼン
黒子「…建造物侵入並びに騒乱及び破防法違反容疑であなたの身柄を拘束しますの」マッタク
上条「」
上条「不幸だああああああああああああああああああああああああああああああああ」
―――スーパーDの外
「ご来店ありがとうございましたー」「…二度と来ないでくださいね」
美琴「今夜のアンタの執念には…負けたわ」チラッ
食蜂「マジでぇ、怖かったぁ~☆」チラッ
麦野「う、うっさいっ!!///」
木原「悪いな~一方通行」ククク
木原「お前が来店したのを見て、…こりゃあ俺も動かねえとって思ってな」フッ
一方(…まァ、たまには敗北を味わうのも…悪くはねェかも、な…)ゴクゴク
変態「月桂冠は手に入らなかったけど…」ハアハア ヒイヒイ ゼエゼエ ガクガク
変態「何とか…半額弁当はゲットできた…!!」グッ
二階堂「変態よ…。お前の半額弁当に懸ける魂、恐れ入ったぞ…」ナニガアッタンダ…
食蜂「メアド交換するぅ?」
駒場「―お前とまた、共闘したいものだな」
黒妻「―今の一途な気持ちを、これからも忘れるなよ」
変態(学園都市、来て良かった…ッ!!)ニッ
シャガ「おーい佐藤~!」
変態「あ、シャガ! それに先輩も…!」
先輩「私は“空力使い”を倒して無事月桂冠を確保した。ちなみに(ry」
シャガ「あ、あ、あたしはそのほら今日は体調がすぐれな(ry」
先輩「…まあ、そういうことだ」
変態「先輩―」
変態「次にこの都市に来るときは、僕も月桂冠を必ず手に入れて見せます」
変態「これからも、頑張りますッ!!」
先輩「ああ、頑張れよ、―佐藤」
―グンマ県内
白粉「はぁ~浮かばないよぅ」スランプ
ローマ教皇「前方、左方に続き後方のアックアまでもが学園都市の半額弁当の回収に失敗するとは…」
ローマ教皇「くそ!!」
フィアンマ「連中もそこそこ成長してきたって訳か」ザッ
ローマ教皇「右方…。ま、さか、『奥(ダンジキノマ)』から出てきたのか……」
フィアンマ「なまじの半額弁当など眼中にはないんだよ」
フィアンマ「『聖なる月桂冠』と呼ばれる幻の半額弁当―」
フィアンマ「欲しいとは思わないか?」グゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
ローマ教皇「…」ゴクリ
ステイル「はッ!? こ、ここは…!?」パチッ
五和「ようやく気がつきましたか…」ホッ
ステイル(そうか、ボクは弁当戦争に敗れて…クソッ)ギリッ
建宮「ほらよ」つ半額弁当
ステイル「こ、これは…!?」
五和「結局、いろいろと混乱があって、…一つだけ売れ残ってしまったんです」
建宮「残ったやつは…処分することになっているのよ。だが」フッ
五和「もし良かったら、―どうぞ」ニコッ
舞夏「半額弁当をめぐる戦争が流行りらしいが―」コトコト
元春「らしいにゃ~」
舞夏「参加しないのか~?」グツグツ
元春「…どこに参加する必要がある?」
舞夏「よーし、夕飯ができたぞ~」アツアツ
元春「待ってました~!!」パチパチパチ
ステイル「――君の夕御飯だ」つ半額弁当
インデックス「わあ! とってもおいしそう…!!」
インデックス「とうまが帰ってこないから、もうおなかぺこぺこで息絶え絶えだったんだよ…」グゥ~
インデックス「ありがとうなんだよっ!!」ニコッ
ステイル(…生きてて、良かった)ウルッ
垣根「どうしてこうなった」
上条(やっぱり参加するんじゃなかった…)
佐天「金属バットはいつ返してもらえるの、初春?」
あせび「まいごになっちゃった」エヘヘ
黒子「カツ丼ですの」コトッ コトッ コトッ コトッ
初春「今夜も長くなりそうですね…」ハアッ
黒子「死んでくださいまし」
上条(…カツ丼うめえ)モグモグ
佐天(…ホントだ)パクパク
あせび「あ」ツルッ パリーン
初春「ご精読、ありがとうございました!」
お し ま い
…このまま続けたらガチな戦争になりそうな気がするんでこの辺で切り上げときますノシ
Entry ⇒ 2012.01.14 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
打ち止め「あなたはヒーローさんが好きなんでしょって(ry」一方「はァ?」
・一方通行さんは百合子(原作派生IF女子設定)
・一応 上条さん×百合子(予定)(たぶん)
・ほぼ通行止め
・ミサカネットワークネタ
・23巻後くらいのつもりだけど色々と細けぇことはいいんだよ
打ち止め「あなたはヒーローさんが好きなんでしょって(ry」一方「はァ?」
一方通行「……オマエ何言ってンの?」ゲンナリ
打ち止め「あなたはあのヒーローさんが好きなのよねってミサカはミサカは再度図星をズバリ!」
一方通行「もうのぼせたのか」チョップ
打ち止め「あいたぁ!?図星だからってあいた、あいたっ!もうー!ってミサカはミサカは反撃し
てみたり!」バッシャー
一方通行「うおっ!?なッにしやがンだコラァアアア!!」バシャバシャー
打ち止め「ぶふぉっ!あなたって本当に大人げないんだからってミサかはミサカは本気モード!」
バシャバシャ
コノクソガキィイイ マケナインダカラー バシャバシャバシャバシャ
(五分後)
一方通行「ッくしゅんっ」ブルッ
打ち止め「ハッ…!いつの間にかお湯が半分に!ってミサカはミサカは案外かわいいあなたのくし
ゃみで我に返ってみたり…」
一方通行「あーお湯足すぞ。寒ィなァ…」ジャードボドボ
打ち止め「もう冬なのね、ってミサカはミサカは寒さに弱いあなたが心配」
一方通行「うっせ。オマエはちゃんと肩までつかってろォ」グイグイ
打ち止め「うぶぁっ…頭急に押さないで、温まるならあなたの腕の中で!ってミサカはミサカは
飛び込んでみる!」
打ち止め「あなたはちゃんと受け止めてくれるって、ミサカは知ってるから」
一方通行「……バァカ」フイ
打ち止め「ところでヒーローさんのことだけど、あなたは顔に力入れなければ美人さんなんだから
大丈夫だよ!イケるイケる!って最近ちょっとだけ膨らんできた胸に頬擦り!」スリスリフニフニ
一方通行「はァ!?だから一体どっから来ンだよその発想…っ、く、ははっ、くすぐってェって、
やめろクソガキ!」
打ち止め「ぐぬぬ…ってミサカはミサカは頭を引き剥がそうとするあなたに全力で抗ってみたり
ぃいいい…」グググ
一方通行「だいだい、その発想、どっから、受信しやがった」ググググ
打ち止め「あなた、見てれば、わかる、ってミサカはミサカは、確信してるの!」ググググ
一方通行「なーにを見たンだっつーの」グター
打ち止め「ヒーロさんのこと話してる時、あなた見たことない顔してるもん、ってミサカはミサカ
は勝利の余韻に浸りながら頬擦りするの!」フニフニチョットヤワラカ
一方通行「どンな顔だよ」
打ち止め「かわいい顔!!!」フンス
一方通行「」イラッ
打ち止め「ミサカを猟犬部隊から助けてくれたのもあの人だよって教えたら、あなた『じゃああの
時の電話もあの三下かァ…?確かに聞き覚えがあるとは思ったけどよォ』とかぶつぶつ
言ってて、引き続きなんか眉毛下がっててかわいい顔でしたーってミサカはミサカはあ
いたぁ!?」
一方通行「………」チョップチョップチョップ
カはミサカはレトロゲームにも造詣の深い知的な女をアピールあいた!」
一方通行「オマエの知的レベル低すぎンだろォ…」
打ち止め「失礼な!?ミサカだけがあなたの密かな想いに気付いたというのに!」
一方通行「はァ?想いって何だアホ、あンな無能力者がお前を助けてくれたなンてちょっと意外だ
っただけですゥー」
一方通行(ロシアの時、何でこのガキ助けてくれねェンだ、とかアイツに口走っちまった気ィする
しよォ…)
打ち止め「そんで、こないだあの人が無事だってわかった後も、ちょっとポーッとした顔としてた
よ?ってミサカはミサカはあなたはヒーローさんのことを考えていたに違いないと思う
のだ!」
一方通行「別にそンな変な顔してませンークソガキの勘違いですゥー」
打ち止め「変じゃなくってかわいいって言ってるのに…。あなたって本当にトゥーシャイシャイな
んだから、でもそんなところもかわいいけど?ってミサカはミサカはアメリカンに肩を
竦めてみるゥー」HAHA~N
一方通行「打ち止め」
打ち止め「え?」
一方通行「オマエの方がずっとかわいいだろ」キリッ
打ち止め「えっ……!てキュンとしてみたり、あなた女の子なのにミサカはミサカはミサカは…」
一方通行(よし、話逸れたな…)ウン
一方通行「しつけェエエエエエエ!!!!」バッシャー
打ち止め「ぶふぁー!?人が真剣なアドバイスしてるのに何するの!ってミサカはミサカは
猛反撃ィイ!!」バシャバシャ
オラオラオラオラ- ムダムダムダムダーッテミサカハー
コラーイイカゲンニシナイト、アシタオフロヌキジャンヨーー!
一方通行「……風呂に入れないのは困る」ピタッ
打ち止め「ミサカはあなたとお風呂に入れないと一日が終わった気がしない!ってミサカはミサカ
は水を掛ける手をピタリと止めてみたり」
打ち止め「そして引き続き、ヒーローさんへの告白作戦を…」
一方通行「しつけェなもォ…どうせ番外固体にでも妙なこと吹き込まれたンだろ?」グター
打ち止め「えー?番外固体はミサカ達の中で唯一、ヒーローさんが嫌いだと思うな」
一方通行「なンで?」キョトン
打ち止め「あなたにとってヒーローさんが特別だから!ってミサカはミサカは本当のことを言って
みたり」
一方通行「イミわかンねェ。…あー、でもお前らアレか、俺があンな無能力者に気があるって思っ
てンなら、番外固体にとっては嫌いなヤツがスキなヤツ、イコール嫌いってことかァ?
徹底してねェアイツも」ククッ
打ち止め「そういうんじゃないのよ…。ってミサカはミサカはわかってないあなたに肩を竦めて
みる」ハァー
一方通行「……?そういや昨日から帰ってねェなあの不良娘…。ったくどこほっつき歩いてンだか」
一方通行「面倒くせェ…まーたおとなしく帰る代わりに買い物にでも付き合えとか言われる気ィする」
打ち止め「ミサカも!ミサカもお買い物行きたーい!って番外固体の企みを大人げなく邪魔するのだ!」
一方通行「誰が大人なンだっつーの」
打ち止め「ミサカは大人だから、番外固体と違ってあなたの恋を応援するの!っとミサカはミサカは」
一方通行「しっつけェなホントに!だから何でそうなるンだよ!」ウガー
打ち止め「あなたを見てればわかるんだから!それは恋なのよってミサカはミサカは再びあなたの胸にスリスリ」
一方通行「それってどれだっつーのォ…」ハァ
打ち止め「それにしてもAAサイズよねって、ミサカはミサカは貧乳なあなたを心配しながら意地悪く微笑んでみたり」
一方通行「そォだなァ。けどこれでも何もつけてないと痛えンだよったく面倒くせェ」ハァー
打ち止め「あなたは巨乳になりたい!とかないの?ってミサカはミサカはスイカップに憧れる自分と下位固体達を思い浮かべながら不思議になるんだけど…ていうかさっきのお姉様に言ったら超電磁砲飛んできたよ?」
一方通行「やめてやれよ…。デカくたって邪魔なだけだろォ、こンなもン。何の役にも立たねェし」
驚愕してみたり」
一方通行「はァ、ずーっと全部反射してたのがここ最近外部刺激が増えて、本来発揮されるべき
ホルモンが活性化してンのかね。あーうぜェ…」
打ち止め「あ、それ前にヨシカワが同じこと言ってたよ、ってミサカはミサカは思い出して報告!」
一方通行「マジか」
打ち止め「マジマジ、ってミサカはミサカはヨシカワも『まぁあの子せっかくかわいいんだから
いいことよね、顔に力入れなければ』って笑ってたよって重ねて報告してみたり」
一方通行「うっせェ、地顔なンだよ」ギン!
打ち止め「だからその顔に力入れるのやめてってミサカはミサカは!あっミサカは顔の力強い
あなたのことも大好きだけど、ヒーローさん的にとっつき辛いじゃん?あの人には
全然ツンデレが通用しないから要注意じゃん、ってミサカはミサカはお姉様を思い
出しながら効果的なアドバイス」
一方通行「だァから何で俺があンな三下を……」グッタリ
打ち止め「だから見てればわかるって言ってるでしょ、ってミサカはミサカは」
一方通行「だいたいこンな男か女かわかンねェようなのに好かれても、アイツも困るだろ…」
打ち止め「そんなことない!!!」プンスカ!
打ち止め「あなたは肌も髪も目もとってもきれいだし、すっごく優しいし、かっこいいし、強い
し、かわいいし、頼もしいし、優しいし、あなたのことを良く知れば誰だって大好き
になるよ!ってミサカはミサカは自信満々!」フンスッ
打ち止め「だから絶対大丈夫って…ふぇ?」
一方通行「…………」ナデナデ
打ち止め「ど、どうしたのって、いっつもねだってもなかなか撫でてくれないあなたが急に撫でて
くれてミサカはミサカは…」ホワンホワン
一方通行(……そンなこと思ってンの、世界中でオマエだけだっつーの)ナデナデナデ
一方通行「俺は…それだけでいいけどな」ボソリ
打ち止め「……?」
一方通行「何でもねェよ」ナデナデ
打ち止め「ね、ねぇ…今日は一緒に寝てもいいでしょ?ってミサカはミサカはおねだりしてみる」モジモジ
一方通行「…しょーがねェな、クソガキ」
ものだろう、と打ち止めは思っている。
勉強が得意な女の子が、学校でスポーツの一番出来る男の子に憧れるような、そういった類のひ
どくあどけないもの。
自分の持っていない、自分が持っていたかったものを持っているヒーローへの憧憬。
自分を変えるきっかけをくれた人。最強と謳われた自分が敵わなかった存在への苛立ちと尊敬。
あまりに孤独な半生をたったひとり歩んできたあの人にとって、きっと上条当麻はひどく鮮烈だ
ったに違いない。
けれど、その感情は人が一般的に恋情と呼ぶ不安定な熱量を孕んではいない。少なくとも、今は。
それどころじゃなかった。
一方通行はずっとずっと、恋なんてしてる場合じゃなかったのだから。
(……でも)
打ち止めは、無意識のうちに一方通行の胸元に頬を摺り寄せた。すでに寒々しい十一月。けれど
一つの毛布に包まって眠ればとても温かい。
ふわりと、涼しい花のような香りがする。実際の匂いと違うと知っていても、打ち止めはいつも
百合の花を思い出す。
額に微かに触れる寝息は安らかだ。
だが不意に、ばさりと小さな小さな羽音が響いた。
「……」
一方通行はただじっと息を潜めて様子を伺っていた。やがてパタパタと小さな羽音が再び響く。
その音源がただの鳩で、たまたまベランダの手摺に止まっただけだと悟ったらしく、一方通行は
音も立てず、ゆっくり息を吐き出す。
それから打ち止めの顔をそっと覗き込んだ。
(……っ)
打ち止めは決して息を詰めないように、ただひたすら目を閉じて、自然で安らかな寝息を繰り返
した。
深呼吸を五つ数えた時、ようやく注意深いような視線が外れる。緩んだ自分の頬を、一度だけ滑
らかな指の背が撫でた。
そして一方通行は、やっと再び眠りにつく。
その間打ち止めに出来ることは、ただ細心の注意を払って、寝たフリをすることだけ。
(一方通行…)
打ち止めを守ってくれる人は、あの日から…木原数多が現われた日から、一度たりとも熟睡して
いない。
要領がいいのか能力を使っているのか、疲労はきちんと回復しているようだ。
ただ、たった今のように、ほんの僅かな物音、気配で敏感に目を覚ます。寝起きの悪い一方通行
だが、例えば見知らぬ人間が玄関に近づいていれば、眠気のカケラもない顔で起きていたりする。
(悔しいよ…)
自分には、この大切な人を安心して眠らせることすら出来ない。
外見上はそう年も変わらぬ、自分と同じ性別の少女。折れそうなほど華奢な身体で、全身全霊を
掛けて守ってくれた。
ボロボロになって、血反吐に塗れながら。顔だろうが腹だろうが胸だろうが、傷だらけになりな
がら。
決して揺らがない細い背中はあまりに頼もしく頼りなく、いつも胸が潰れそうになる。
そもそも。一方通行は自らのことを泥と闇の中がふさわしく、逆に打ち止めのことを光だとか思
っているようなフシがある。
最近は多少変わったし、口に出しては言わないけれど、時々そういう、打ち止めとの間に深い溝
を引きたがる。
一方通行は想像したことがないのだろうか。
自分だって、打ち止めの光だということを。
最初から。一方通行は、比喩でもロマンでもなく、打ち止めの存在理由だ。
一方通行の存在と打ち止めの存在は、ごくシンプルな因果関係にある。
自分が何のためにいるのか残酷なまでに明確であること、それは他人から見れば不幸であり不条理
であるのかもしれない。
けれどだからこそ、打ち止めは培養器から逃げ出したあの時、一方通行のところに行こうと決める
ことが出来た。
そして今、ただ科学と論理だけが介していた打ち止めと一方通行の間には、経験と時間が少しず
つ積み重なっている。
笑い、怒り、泣き、拗ねて、笑って、ご飯を食べて、眠る。そういう人間ならば当たり前のこと
を一方通行と積み重ねてきて、それは打ち止めの身体の芯をひどく温かく照らした。
自分が一方通行のために作られたという事実。
例えそれが学園都市側の思惑の結果であったとしても、今やそれは誇りですらあるのにと、直接
言ったことはない。
言えばきっと、困ったような悲しげなしかめっ面をされてしまうから。
この感情を、どう表現すればいいのか。
例えば、打ち止めは一方通行のためなら死んだって構わない。
けれどそうしたら、それこそ一方通行は絶望して、自分の身をどことも知れぬ闇に投げ出してし
まうだろう。
そんなことになったら、まさに死んでも死に切れない。なので、打ち止めは絶対に死なないと、
そういう覚悟を決めている。
それなのにあの人に負担ばかりかけていて、泣きたくなる。でも、あの人の前では絶対に笑顔で
いたい。
この感情をどうすれば伝えられるのか。
大好きだと毎日伝えれば、少しはわかってもらえるだろうか。毎日言わないと、すぐに好かれて
いることを忘れてしまいそうなあの人に。
けれど聞いても、決して教えてはくれない。危険だから。打ち止めを危険な目に、合わせたくは
ないから。
(ミサカだって、あなたを守りたい)
せめてあのお姉様くらい強くなれば、あの華奢な背を守らせてくれるだろうか。
自分はまだレベル3で、学園都市最強の第一位は、夜空の月より手の届かない強さだ。
でも打ち止めにはミサカネットワークという武器がある。今は一方通行の演算補助に使っている
だけだが、自分が能力を使うための補助も可能だろう。きっと追いついてみせる。
だが、それは何年後のことなのか。遅い。
打ち止めは今すぐ、一分一秒でも早く、一方通行に安心して眠って欲しい。しっかりしたものに
背中を預けて、安堵してほしい。いつまでも安らかに微笑んでいてほしい。
(あのヒーローさんなら……)
上条当麻になら、それが出来るだろう。あのわけのわからない強さ、あの人の偽悪的な言動に引
き摺られない真摯な心、何よりもあの人自身が好意を抱いている。
正直、一方通行と上条当麻が上手く行けば「ミサカの一方通行に手を出すなんてブチコロシカク
テイネってミサカはミサカはミサカはァアアア!」と逆上したくなるし、万が一にも一方通行が
フラれようものなら、「ミサカの一方通行のどこが気に入らないって言うのォオ!?ってミサカ
はァアア!!」とブチ切れるだろう。
そんな自分が目の裏に浮かぶかのようだ。
だが、何よりもあの人の幸せが大事。
別に恋愛が人の幸せに必須な物とは思わない。というか、よくわからない。このミサカより一方
通行を好きになる人なんているわけないよね、とも思う。
ただ、あの人が少しでも好意を向けているのだから、それを大切にしたい。あの人自身にも、大
事にしてほしい。
人から気持ちを受け取るのも、人に気持ちを渡すのも、ひどく不得意な、臆病でいとおしいあの
人の心を。
打ち止め(…とはいえ、どうしたものですかなぁ、とミサカはミサカは考え込んでみたり……)テクテク
一方通行「ふァあ……」コツコツ
打ち止め(天気も良いし、結構散歩が好きなこの人を連れ出したはいいけど、どうすればヒーロー
さんといいかんじにしてあげられるのかな?とミサカはミサカは早速万策尽きた!?)ガビーン
一方通行「おいクソガキ、何か飲むか」
打ち止め「飲む~!ってミサカはミサカは自販機の側のあなたにご機嫌で駆け寄ってみたり!
アップルジュースがいいな!」
一方通行「ン」ピッピッ ガチャコンガチャコン
打ち止め「このベンチ座ろってミサカはミサカはあなたの手を引っ張ってみたり!」
一方通行「引っ張ンな」ヨイショ
打ち止め「いい天気ねってミサカはミサカはあなたと並んで青空を見上げてみる」
一方通行「まァ、そうだな」ズズー
打ち止め「……」ゴクゴクゴクゴク「ぷはー」
打ち止め(うーん下位固体達に相談してみようかな~ってミサカはミサカはネットワークにアク
セスしてみたり)
打ち止め「……」ゴクゴクゴクゴク「ぷはー」
一方通行「…………」
ピピピ… ポカポカ ソヨソヨ
打ち止め「ねぇねぇ、今日はちょっとあったかくって気持ちいいねって…あっ、寝てる」
一方通行「…………」スー…スー…
打ち止め「あなたって意外と急速潜行タイプよねって、ミサカはミサカは微笑んで寄り添ってみたり…」
打ち止め「えへへ、あったかいな…ミサカはミサカはそーっとあなたの腕にしがみ付いてご満悦なの」
打ち止め(本当に寝顔は天使みたいねって、ミサカはミサカはあなたの寝顔を飽きずに永久保存
アンドMNWにバックアップ!)
打ち止め(平日の昼間で誰も居ないし、この人も少しは安心できてるのかなぁ…。この距離に近
づいて目を覚まさないの、ミサカと妹達とヨミカワヨシカワくらいだもんね、って
ミサカはミサカは誰にともなく自慢してみたり)
打ち止め(はー…それにしてもこれからどうすればいいのかな、ってミサカはミサカは途方に暮
れる…。ヒーローさんのケータイの番号、10032号が知ってるかなぁ?いくらこの
人がみりょくに溢れていても、会えなかったら何の効果もないよって)
上条「あれ?打ち止めと……一方通行!?」
打ち止め「一級フラグ建築士パネェエエエエ!!!!!ってミサカはミサカは改めて驚愕してみ
たりぃいいいいい!!」
上条「えっ」ビクッ
打ち止め「あっ、えーと、こんにちはヒーローさん!」
上条「(ヒーロー?)ああ、こんにちは」
打ち止め「今日は平日だからお昼の公園で会ってちょっと意外だったんだよ、ってミサカはミサ
カはごく自然に誤魔化してみたり」
>>31
ありがとうすごく嬉しい
「あー、まだ学校は自主休校だよ。明日から行くんだ。…ていうかさ、聞いていいか?」
打ち止め「なあに?ってミサカはミサカは首を傾げてみたり」
上条「お前の言ってた『あの人』ってやっぱり…」オズオズ
打ち止め「うん!一方通行のことだよー!ってミサカはミサカは胸を張って自慢げ!」
上条「だよな……………」ポカーン
(…てことは、あの電話もコイツだったのか…。打ち止めのことすごく心配してて、スゲー
良いヤツだって思ってて)
打ち止め「マジだよ!」
上条(勝手に親近感とかちょっと感じちゃったりしてて……そしたらロシアで)
一方通行「………」スー…スー…
上条(って、コイツってこんな顔だったんだなぁ)シミジミ
打ち止め「意外?ってミサカはミサカはすべてを見透かした顔でほくそ笑んでみたり」
上条「……わざと黙ってたのか?」
打ち止め「うーん…半分正解かな、ってミサカはミサカは自らの思慮深さを披露してみる。この
人はミサカを助けて守ってくれて、ミサカはこの人が大好きだけど、ミサカ達10031
人を殺したのもこの人であるのは事実だから」
上条「…………」
『どういうつもりか確かめる!』とか言い出しそうだなってミサカはミサカは推測したの」
上条「俺とコイツを会わせたくなかったのか」
打ち止め「言ったでしょ?この人は弱いの。自分の罪を憎んで、自分を憎んで、すごく傷ついて
る。だからもう誰にも、この人の罪を責めてほしくなかった」
上条「俺は…多分責めたりしなかったと思うけどな」
打ち止め「うん、そうかもしれないね。でも、この人はそう感じてしまうの、ってミサカはミサカ
は寝顔を眺めてみたり。ミサカは一方通行を傷つけたくないから…。ごめんね、ミサ
カはあなたを信頼してないわけじゃないよ」
上条「謝らなくてもいいさ。よっぽど一方通行のことが大事なんだな…。お前のその顔だけで、コ
イツがどんな風に接して来たのかわかるよ」
打ち止め「さすがはヒーローさん!度量が広いねってミサカはミサカはお世辞を言ってみたり!」
上条「お世辞って口に出しちゃ意味ありませんよ…。けど、いいのか?俺とコイツを会わせたく
なかったんじゃ…。あ、寝てるからノーカンか?いやぁしかし、よく寝てるよなぁ」
打ち止め「まぁ、事情が変わったからね、ってミサカはミサカはこの人の変化を告げてみたり」
上条「変化?」
打ち止め「だいたい、この距離でこの人が起きないってだけで、ミサカとしてはちょっと悔しい
んだからね、ってミサカはミサカは頬を膨らませてみる!」プンプン
上条「……?」
一方通行「っせェなぁ…何騒いでンだクソガキ……、あ」
一方通行「…………………」ギロリ
上条(すごい睨まれてる……)
一方通行「………………」(なァんでこンなとこにこの無能力者がいやがる?)
打ち止め「こら、あなたったら!ヒーローさんに会ったら言いたいことがあるんでしょ!って
せっかくのチャンスなのに顔に力入れるあなたを叱り付けてみたり!」
一方通行「あァ?なんでオマエが………、……………」
上条「言いたいこと?」
一方通行「………………」
上条「………………」
打ち止め(頑張れあなたちょう頑張れ!ってミサカはミサカは心の中で声援を送ってみたり!)
一方通行「チッ………」スッ スタスタ
打ち止め「ちょ、どこに…、あれ?ってミサカはミサカはまたしても自販機の前で立ち止まった
あなたを不思議そうに見上げてみたり。さっき飲んだばっかりでミサカもあなたも喉
は渇いてないんじゃないかな?」
一方通行「黙ってろクソガキ。………何飲むんだよ、無能力者」ギロリ
上条「へ?」
一方通行「チッ、奢ってやるっつってンだよ。何がいい?」
一方通行「……ふン」ピッ ガチャコン
打ち止め(あっ、何かちょっと嬉しそう?同じ物がスキで嬉しい的な?そういう?ってミサカは
ミサカは珍しい表情をすかさずバックアップ!)
一方通行「ほらよ」ポイ
上条「っと…、あー、サンキュー?」
打ち止め「ナイスキャッチ!ってミサカはミサカは褒めつつさりげなくヒーローさんをベンチに
座らせるのだ!」
上条「いやいや、さりげなくねーですよ」ヨイショット
一方通行「……………」
打ち止め「ほーらー、あーなーたーもー!って一人でそっぽ向いてるあなたをヒーローさんの横
に座らせてみたり!」
一方通行「おい、やめろクソガキ」ストン
上条「と言いつつされるがままなんだなー、お前」ハハハ
一方通行「うるせェよ無能力者」ギロリ
上条「う、そんな睨まなくても……」
打ち止め「もーー!!!素直にならないとミサカが全部ゆっちゃうよ!?いいの!?ってミサカ
はミサカは怖い顔で睨んでみたり!」
打ち止め「一方通行…あまりミサカを怒らせない方がいい」ゴゴゴゴ
一方通行「はァ?頬っぺた風船みてェにしてどうしたクソガキ」ツンツン
打ち止め「ぷひゅっ、つつかないで!ってミサカはミサカは、下位固体に命令して近所のコンビニ
のコーヒー全部買い占めちゃうよ!?」
一方通行「それは…ヤメロ。つーかお前ら、コーヒー好きじゃねェだろ…。買ったモンどうすンだよ」
打ち止め「うーん…番外固体にでもあげよっかなー?よくあなたのコーヒー横から取り上げてるし」
一方通行「バーカ、アイツは俺に嫌がらせしたいだけで、コーヒー嫌いだろ。無理して飲み干し
た後、必ず菓子食ってるし」
打ち止め「あれ気付いてたの、ってミサカはミサカは構ってちゃんの妹に張り合ってあなたのお
腹にダイブ!」
一方通行「ぐふぅ!おま、さっきのコーヒー出て来ンだろクソガキィ!」ギュゥウウ
キャハハ イターイッテミサカハミサカハ クラエーー
上条「ぷ、はは、あはははっ」
一方通行「!!!」ハッ
上条「ホントに仲良いんだな、お前ら」
一方通行「……………チッ。見てンじゃねーよ」ギュムギュム
打ち止め「うむぅ、そんなに抱き締めちゃ苦しいよってミサカはミサカは解放を訴えてみたり!」
一方通行「…………………………」
上条「お、これけっこーうまいな」ズズー
一方通行「………………………………」(何でこンなにフツーなンだコイツ…)
上条「……………まぁ、アレだな。ロシアで会ったっきりだったから、お前らがどうなったか気
になってたんだ」ズズー
一方通行「……!」
上条「ちゃんと…守れたんだな。よかった」ニコ
一方通行「……………っ」ギュウウ
打ち止め(珍しい勢いでハグされながらも、一方通行の心拍がわずかに上昇したことを確認!
ってミサカはミサカはちょっといい雰囲気にワクワク!!)
一方通行「…オマエ………」
上条「上条だよ」
一方通行「は?」
上条「上条当麻だ。ちゃんと自己紹介したこと、なかったよな」
一方通行「……チッ。…………………………一方通行だ」ボソッ
打ち止め(おお!!自己紹介されたら自分もする、という常識的社交性が発揮されるなんて!
ってミサカはミサカはこの人の成長に目頭を熱くさせてみたり!)
一方通行「忘れた」
上条「……そうか」
一方通行「…………………………」
上条「……………」ズズー
打ち止め(早く早く!あなた早くしないとヒーローさんがコーヒー飲み終わっちゃうよ!って
催促するために服を掴んでユサユサ!)
一方通行「…チッ、うっせェよクソガキ、わかってンよ」
上条「ん?何か言ったか?」
一方通行「あー…、………………」
上条「?」
一方通行「……………………………………………世話ンなったな…上条」
PM2:18 ミサカネットワーク内
1.【協力求む】あの人とヒーローさんをいいかんじにさせたいんだが(1)NEW
2.【精神的ブラクラ】セロリの顔芸と寝顔の写真を交互に貼るスレ12【爆笑】(342)
3.今日の上条189(834)
4.ダイエット成功した固体が淡々と方法を書き込むスレ8(123)
・
・
・
・
【協力求む】あの人とヒーローさんをいいかんじにさせたいんだが(567)
1 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
一方通行は実は女の子だったんだよ!
そんであのヒーローさんが好きみたいだから協力してあげたい、って
ミサカはミサカは下位固体達に相談してみたり
どうすればいいと思う?>>2
えっ?
3:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10033
えっ?
4:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10034
おい
おい
5:以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10035
>>1
>>1
>>1
・
・
・
・
【協力求む】あの人とヒーローさんをいいかんじにさせたいんだが5(124)
1 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
もーみんな驚き過ぎ!サーバーが落ちそうになっちゃったよ!
ってミサカはミサカは まぁ落ち着け
2 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19090
いやだって運営
えっ?
4 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14889
おい春厨が息してないぞ
5 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20000
バカだなお前ら何騒いでんの?
セロリたんが男でも女でも関係ないだろ
俺はただ…ペロペロしたいだけだ
6 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka12556
やだ…変態カッコイイ
7 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka16456
>>6 落ち着けよwwwwwwwwww深呼吸しろwwww
8 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka15223
てかセロリが女とかwwwwwwwwwwwwwwww
あ あー?言われてみればどっちかわかんねーような見た目かなー
9 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
あの人はホントはかわいい顔してるのよ!
ってミサカはミサカはさっき撮ったばっかりの寝顔を証拠写真として提出
つhttp://www.misaloda/accela67824.jpg
10 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka16889
>>9
相wwwwwwww変わらwwwwwwずwwwwwwww寝顔だけはかわいいwwwwなwwwwwwww
ん…?あー うーん???そういや女にも見えるかも
12 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14510
>>9
ほ…保存をしnげうぐjg
13 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14889
>>12
いいからお前は息しろよ
14 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka13557
つかセロリは何で惚れたんだ?二回も殴られといてwwwwww
マゾなの?wwwwwwwwww
15 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
おい運営 冗談もたいがいにしとけよ
16 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
冗談じゃないよ!ってミサカはミサカは真顔で書き込んでみる(キリッ
あの人は自分をとても蔑んでいたから
自分を変えるきっかけをくれた、誰もが避けて通る自分に正面から向き合って
くれた人を好きになっても、何もおかしくなんかない
17 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka13557
あー……
18 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19090
そう言われるとミサカ達が上条を好きな理由とあんまり変わらんな
まだ気にしてんのかアイツ
20 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
>>19
あの人が実験のことを気にしなくなるなんてことは永遠にないよ
21 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka18998
そうだな それはミサカ達も同じだ
22 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20000
まぁそれはこのミサカも同意見だが
そんなことよりあんなに必死で戦ってきた一方通行が
実は女だったなんて萌えね?
すげ健気じゃね?超かわいくね?ますますペロペロしたくね?
セロリたんのちっぱいペロペロしたい
23 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka12211
何という歪みない変態
24 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka13577
>>22 お前がナンバーワンだ
25 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka17832
>>22 すげェ ビックリするほどきめェ
>>25 おいセロリの口調うつってんぞwwwwww
27 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka16725
つかアイツ、女なんだったらもっとこの変態に注意すべきじゃね
28 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19090
だな
番外固体への反応見る限り、一方通行はミサカ達に抵抗できなさげだし
初めてがこの変態とかワロエナイ
29 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
>>22 あの人が嫌がることしたら許さない 絶対にだ
ってミサカはミサカは上位固体の威厳を振りかざしてみたり!
30 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
お前ら何受け入れた雰囲気になってんの?
俺達の上条がセロリの毒牙にかかってもいいのか?
31 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka18998
>>30 受け入れたっつーか 実際女だっつーならしょうがねーじゃん
上条のことはまた別問題だろ
32 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14510
このミサカだって…!このミサカだtgrぐjhrr
33 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14889
もういい…っ!もういい、休め…っ!休め>>32…っ!!
・
・
・
134 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
あ、なんか今ヒーローさんが来た
135 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
>>134 ちょ、おい
136 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14287
>>134 ワロタwwwwさすが一級フラグ建築士wwwwwwwwwwww
137 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10801
>>134 kwsk
138 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka11345
>>134 kwsk
>>137-138
「……………………………………………世話ンなったな…上条」
一方通行は思い切りそっぽを向いたまま、それでも噛み締めるように静かに呟いた。
色の抜けた白い髪は陽に透けて、真っ白の肌は淡く輝くようだ。微かな光を含んだ目は赤い貴石
に似ている。
この人は自分を闇に沈んだとか何とか思っていそうだけれど、こういうところを見る度に、本当
は光が似合う人だと打ち止めは感じる。
自分を胸元に抱き締めたままの細い腕に縋るように力が込められ、大丈夫だよ、と精一杯腕を伸
ばして薄い背をポンポンと叩いた。
この人はとても強いけれど、弱い。人に好意を向けるのを、怖がっている。
ただ感謝を伝えるだけのささいな言葉でも、今までの一方通行の人生では、言う機会も、言う理
由も、ほとんどなかったものなのだろう。
たった一言口にするだけで、どれほどの勇気をかき集めたのか。
想像すると、いとおしさで胸が潰れそうになる。
「……………」
打ち止めのヒーローが憧れる人は、少しだけ驚いたように目を見開いた。この人と対照的な、ひ
どく健全な真っ黒い目だった。
そして、パッと弾けるような笑顔になる。
「お前…本当に変わったんだな、一方通行」
>>139 詳しすぎワロタ
141 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka17832
>>139 すげェ すげェ詳しいな
142 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka18998
なんつーか、運営はホント一方通行のこと好きなんだな
知ってたけど
143 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka13577
自分の脳内ポエムを躊躇なく披露するとは…
この幼女、やりおる
144 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka15223
>>139 その後のセロリの反応kwsk
145 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka17934
>>139 一方通行は今どういう顔してんの?
146 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
>>145
びっくりした猫みたいな顔になってるよ!ってミサカはミサカは写真をうp
つhttp://www.misaloda/accela-rare149.jpg
147 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka13945
>>146 誰wwwwwwww
148 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka18392
>>146 えっ
>>146 oh ……… ホントにコイツって表情で印象変わるよな
150 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20000
>>146 かわいいいいいい!!!!苺みたいな目おいしそうペロペロ
151 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka18998
>>150 おいそこの変態 自重しろ
152 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14510
>>146 保存sjぐ かっこいgjるg
153 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14889
>>152 お前実は元気なんじゃね?
154 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
いやーーさすがヒーローさん
あの人が一番言ってほしいことをさらりと言ってのける…
そこに痺れる憧れるゥ!ってミサカはミサカは感心してみたり!
155 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka15223
運営様!その後の一方通行さんの反応詳しくってば!!
>>155
目を見開いたまま固まってしまった一方通行を余所に、上条はポリポリと照れくさそうに頬を
掻いた。
「俺もさ…お前に礼を言わなきゃって思ってたんだ」
「は……?何でオマエが?」
ポカーンとしていたせいか、一方通行があどけないほど素直な顔で首を傾げる。
それを見てまた上条は少し驚いて、けれど今度は間を置かず笑った。
「お前に言った台詞は、全部俺自身にも当て嵌まることだったからさ。お前に言い切ったこと
で、俺自身も吹っ切れた」
「………………」
「ありがとな」
一方通行とは違い、躊躇なく力強い声で言って、日に焼けた手を差し出す。
「…………?」
しかし握手などほとんどしたことのないこの人は、不思議そうに上条と差し出された手を見比
べるだけで、打ち止めは慌てて小さな声で「握手!握手だよ!ってミサカはミサカは助け舟を
出してみたり!」と囁いた。
(もーーー!ロシアでは番外固体と握手したはずなのに!ってミサカはミサカは何か学習でき
てないこの人をもどかしく思うのだ!!だがそれがいい!)
「……………」
一方通行は、それでも惑うように上条の顔を見つめる。
「握手だよ。仲直り?っつーのもおかしいかな」
ハハハ、と上条は朗らかに笑って、辛抱強く手を差し出し続ける。
「…………変なヤツゥ」
ようやっと口から押し出したような憎まれ口を叩き、一方通行は白く細い手を伸ばした。
本人は否定するだろうけれど、その仕草はどう見ても「恐る恐る」と表現されるようなもどか
しさだ。
白い指先を五センチ伸ばしたところで、健康的な手がぐいと伸びて、ぎゅうっと握り締められる。
「うお、お前の手、冷てーな」
「………っ」
「あーでも、手が冷たい人は心が温かいって言うよな」
打ち止めが押し付けられたままの胸の奥で、確かに鼓動の跳ねた音が聞こえた。
>>156 甘ずwwwwっぺぇwwwwwwwwwwww
158 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14349
>>156 さすが上条wwwwwwこの恥ずかしげのなさwwwwww
159 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19090
>>156 つか番外固体の話って俺ら聞いてねーぞ
聞きたい!聞きたい!!
160 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka15223
>>156 セロリ、握手なんてしたことなさそうだもんな…
161 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka16728
握手は「武器を持ってない」って相手に示す、敵意のなさを表す仕草
だった気がする
162 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka12543
>>161 あー… 確かに、今までの一方通行には無縁だな
なんか泣けてきた
・
・
345 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
お前ら何、何なの?何盛り上がっちゃってんの?
346 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka18998
>>345 どうしたお前
347 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14889
>>345 さっきから刺々しいな
348 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
お前らこそ何だよ!
上条がセロリみたいなあんな凶暴で捻くれたヤツ好きになるわけねーじゃん
バッカみてぇ
349 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
>>348 そんなことない!ってミサカはミサカは本気で怒ってみたり!
みんなだって最初はちょっと怖がってたけど、ミサカがあの人のこと
一杯教えたから、今は怖くなくなったでしょ!?
350 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka16349
確かになー 見た目と中身にギャップあるタイプだよなアイツ
運営への態度見る限り、無駄に面倒見いいしな
こないだアイス奢ってくれた
352 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14889
>>351 おいwwww餌付けされてんなよwwwwwwww
いいな
353 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19090
俺もこないだ服買ってもらった
あと指輪見てたら指輪も買ってくれた
すごいしかめっ面で「………何か困ったことあったら言え」って言われた
354 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14510
>>353 ズルイ!俺も一方通行さんから指輪貰いたい!!!
355 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14889
>>354 おい 立ち直りはえーな
356 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19090
あんまり仏頂面だったからさー
俺ちょっとからかってやろうと思って
「セロリに頼むことなんてねーよpgr」とか言ったら超睨まれた
色々買ってもらっといてその態度wwwwwwww
358 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19090
>>357 だからちょっとした冗談のつもりだったんだってば
そんで「お?やるか?やるか?」てカバンから銃持ち出したら
「………………………俺は、もうオマエらに怪我させたりしねェよ」
って すごい悲しそうなしかめっ面で言われた
なんかごめんってなった
359 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14510
>>358 一方通行さんになんてことを!なんてことを!!
360 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14889
>>358 あーあー それ後で泣いちゃったんじゃね?
361 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19090
えっ やっぱり?そう思う??
しかめっ面なのになんかすげーーー悲しそうでさーー…
うぐぐ 思い出すと心臓が…
362 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka16245
>>361 やーい 泣かした泣かした いけないんだー
>>361 絶対に許さない 絶対にだ
364 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19889
>>363 今日のお前が言うなスレはここですか
365 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20000
俺はセロリたんを泣かしたりしないもん
性的な意味以外ではな(キリッ
356 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka13577
>>365 やだ…かっこい…くはないな(゚Д゚)
366 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14889
今度会ったら謝っとけよ >>361
367 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19090
うん >>366
368 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
だから何なんだよこの気持ち悪い流れ
いい加減にしろよ
369 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14889
>>368 いい加減にするのはお前だろ?
どうした 何かあったのか
>>368 話くらい聞くぞ
371 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
別に
372 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka12784
>>371 あ、お前アレだよな 上条に直接助けられた固体だよな
373 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
>>371 どうしたの?言いたいことがあるんなら言えばいいよって
ミサカはミサカは上位固体らしく優しく促してみたり
374 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
だって
俺も上条のこと好きだもん
375 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19090
俺達も好きだぞ 当然だろ
お前らにとってはアレじゃん!
なんかテレビのアイドルみたいなもんだろ!?
俺は違うもん!もっと仲良くなりたいし、か 彼女とかになりたいんだもん!!
377 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka16293
あー…
なんかゴメン
378 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10394
まぁなー
記憶を共有できるっつっても超リアルなテレビ見てるみたいなもんだしな
379 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14204
お前らとワイワイすんのが楽しいってのは認める
380 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka18234
俺はやっぱし会ってみたいなー
381 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
なんでセロリと上条を応援する流れなんだよ
俺だって上条と握手したい!!!!バーカ!!!
382 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14889
>>381 落ち着け
383 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
でもでも、上位固体は絶対セロリの味方じゃん!
俺と上条がもし仲良くなったら邪魔するに決まってる!!!
384 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
ミサカはそんなことしないよ ってミサカはミサカは断言してみたり
あの人のことは大切だけど、10032号だってミサカのお姉ちゃんだもん
385 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
>>384
…………………ホント?
386 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
>>385
ホントだよ ってミサカはミサカはしっかり頷くのだ
何なら10032号もあの人に「負けないぞー!」って宣戦布告しに来たら?
387 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
えっ
388 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19090
上条は渡さない!ってかwwwwww
389 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka11204
盛 り 上 が っ て 参 り ま し た
390 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka13110
オラなんかワクワクしてきたぞ!
あんま面白がるなよお前ら
無理すんな>>387
392 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
べっつに 無理じゃねーし
行ってやろーじゃん!首洗って待ってろよなこのセロリ バーカバーカ!
って伝えとけよ運営
393 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
うん!あの人も喜ぶよ!!
394 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
はぁ?何で喜ぶんだよ
395 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
あの人が10032号のこと、「アイツとは…顔合わせねェな」って気にしてたから
避けてられるって思ってるみたい
396 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
チッ 自意識過剰乙
・
・
・
>>742 これ買ってもらった指輪
つhttp://www.misaloda/accela-ring24.jpg
746 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka13577
>>745 おーかわいいな
このミサカも頼んだら買ってくれるかな
747 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14889
そういや運営
上条ってまだそこにいんの?何してる?
748 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
>>747
上条「しょうがねーな、やるか。腕相撲」
一方通行「かかってこいやゴルァ!」
749 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka12440
>>747 どうしてwwwwwwそうなったwwwwwwwwww
750 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka17211
>>747
>>747
>>747
751 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka18992
>>747 イミwwwwwwwwフwwwwwwwwwwwwwwwwww
752 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka15332
どういうことなの…
(握手した後)
上条「お前ってやっぱり細っせーな。力入れたら骨折れそう」
↓
一方通行「あァ!?ナメンじゃねーぞコラァ!」
↓
上条「いやいや、舐めてるとかじゃなくてさ。ちゃんと食べてるのか?」
↓
一方通行「(ムカッチーン)…いいぜェ。俺の腕力見せてやンよ」
↓
上条「どうやって?」
↓
一方通行「腕相撲で勝負しやがれこの三下がァアア!!」 ←今ココ
754 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka18889
セロリwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
755 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka12045
頭の出来も第一位じゃなかったのかよwwwwwwww
756 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka11299
アホwwwwwwwwwwww
757 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
いや待て よく考えるんだ
これでごく自然に手を繋ぎ続けられる…
そこに気付くとは やはり第一位か……
いいなー
758 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14889
>>757 その発想はなかった
759 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10356
>>757 天才あらわる
上条「………なぁ、ホントにするのか?腕相撲…」
打ち止め「しっかりテーブル付のベンチに移動してこの人と向かい合って座ってからその台詞!?
ってミサカはミサカは今更のツッコミに驚きを隠せない!」
上条「いやだってすげぇ睨んで来るんだもんコイツ…」ボソッ
打ち止め「座ったからにはホラやれすぐやれ!とミサカはミサカは準備万端のこの人のために容赦
なし!」
一方通行「おら、さっさとやるぞ」クイクイ
上条「つってもなぁ……」
一方通行「はーーやーーくゥーー!」クイクイクイ
上条「しょうがねぇなー」スッ
一方通行(クッ、かかったな三下がァ…こっちが左手出したら馬鹿正直に左手出しやがって、右手
さえなければこっちのモンなンだよォ!!)カチリ
打ち止め(能力使うの!?って大人気ないこの人にビックリ!しながらも口出しはせずに見守っ
てみたり)
上条「そうだ一方通行、ちょっとそっちの手貸して」
一方通行「ン?」ヒョイ
一方通行「」ハッ
上条「ズルはダメですよーって上条さんは上条さんは右手でお前の右手を封じてみたり」
打ち止め「あー真似しちゃダメー!」
一方通行「ちょ、待っ」
打ち止め「って怒りながらもレディー、ゴー!」
一方通行「チィッ……!」(仕方ねェ、こうなったら自力で…!)
ピピピ… ソヨソヨ
上条(あー…もう冬も近いのに今日ってあったかいなー)
一方通行「……ッ、う、…ッ!!」グググ
上条(今何時だっけ?あ、もうすぐ三時だ。インデックスにおやつあげなきゃ)
一方通行「く…!ッ、……!!」ググググ
上条(そういやコーヒー、まだ全部飲んでなかった。両手塞がってて飲めない)
一方通行「ふ、ぅく……ッ!」ブルブル
上条「……あのさぁ」
一方通行「あ゛あァ!?」ブルブルブル
上条(それ、力入れてんの?って聞くのはさすがに失礼だよなぁ…どう見ても必死だし)
打ち止め(どうみでもあの人が不利…あの人を勝たせる手段頼む、とスレに書き込むも、帰って
来るのは芝生ばかりなり!って)
打ち止め「ミサカはミサカはとりあえず全力フレーフレー!」
一方通行「っせェ、余裕、だ、クソガキィ!」ブブルブル
上条(しっかし、コイツってホントに白いなぁ……光ってるみてー)ボー
上条(睫毛なっげー…あ、睫毛も白いんだな。当たり前かぁ)ボー
上条(目、赤いな。昨日食べたトマトがこんな色だったな)ボー
上条(あ、なんかちょっと頬赤くなってきた。色白いからすぐわかるな)ボー
一方通行「ぅぐぐぐ…!!!」ブブブブルブル
上条「無駄に肌キレーだなー」ボー
一方通行「!?!?!?」
打ち止め「急に口説き出した!?ってミサカはミサカはさすがに驚愕してみたり!」
上条「あ、ゴメン声に出てた?」
一方通行「おま…な、な……っ!?」
上条「いや、暇だからずっと顔見ててさ」
上条「いやー、まぁ」ウン
一方通行「ッざっけンなこの三下がァアアアアアア!!!」
ガッツーン!
打ち止め「まさかの頭突き!?ってミサカはミサカはいくら至近距離だからってその選択肢は…!」
上条「あいたっ」
一方通行「ッ!?~~~~……ッ!!」ジンジンジンジン
打ち止め「大丈夫!?ってミサカはミサカはうな垂れたあなたのおでこを必死に撫でてみたり」
上条「だ、大丈夫か?」
一方通行「……ッせェよ石頭…!」ジンジンジン
上条「あー赤くなってるぞ」ナデ
一方通行「!?触ンじゃねェよクッソ野郎!!」ブワッ
が浮かんでいた。
「うお…っ?」
背中には羽のような竜巻を生やし、真っ白い髪が激しい風に掻き乱され、その隙間からこちらを
睥睨する赤い眼は物語のように禍々しい…と言っていいのだろうが。
「きゃっほー!飛んでるぅー!ってミサカはミサカは久々にお空飛んでてエキサイティングヒャ
ッハー!」
「暴れンなクソガキ!落っことしちまうだろォが!」
「あなたは絶対にミサカを落とさないって、ミサカはミサカは信じてみたり!」
頬と額を赤くし、小さな子に四苦八苦する姿はどう見ても微笑ましい、と上条は頭を掻く。
「一方通行!」
打ち止めを深く抱えなおして飛び去ろうとする細い背に、思わず声を掛けた。
「ンだよ……」
宙で静止する姿は全身で不本意だと告げていたが、それでも止まってくれたという事実に上条は
笑みを浮かべる。
「またな」
例えばクラスメートの土御門や青髪でピアスの友人にするように、軽く手を振った。
「……………っ」
再び真っ赤な眼が丸く見開かれる。近寄り難いような雰囲気が一辺し、まるで小動物のようだと
思う。
色合いがピッタリだ、と言ったらまた頭突きをされそうだ。全然痛くないけど。
「またな、一方通行」
確かめるように、もう一度口にする。
一方通行は何かを言いかけるように薄い唇を開き、だがすぐにキッと引き結んでそっぽを向いた。
その半瞬後に突風が吹き荒れ、反射的に閉じた目を開けた頃には、華奢な背中は既に遥か遠くま
で飛び去っている。
「……………」
上条は、さきほどまで真っ白い掌を握っていた両手を見下ろした。
(冷たい手だったなー)
男ではちょっと珍しいくらい、ひんやりと滑らかだった。
けれど打ち止めをしっかり抱えていた華奢な手は、あの少女にとってはこの上なく温かなものな
のだろう、と思う。
(よかった)
初めて出会った時は、楽しそうに人を傷つけるヤツだと激怒した。
次には打ち止めを通して話を聞いて、何だか共感した。
その次には電話で話をして、とてもあの子を心配しているんだな、と力になりたかった。
ロシアで出会った時には、ひどく、ひどく辛そうで、ああ自分もこんな顔をしているのかと思った。
そして今日は…今日は?
子供のようなあどけない寝顔。触れたら切れそうな目で睨む顔。少女をからかう楽しそうな顔。
そっぽを向いた、気まずそうな顔。驚いて固まった、小動物のような顔。悔しそうに眉を顰める顔。
まさか頭突きをかまされるとは思わなかった、と子供のような癇癪を思い出して、小さく吹き出す。
色んなヤツの幻想をぶち殺して来たけれど、こんな風に、接する度に違う印象を受ける人間は初め
てだった。
(世話になった、か……)
殴り飛ばしただけのことに、礼を言われたのも初めてだ。
上条は、奇跡的に倒れなかったコーヒーを、最後まで飲み干した。普段は一気に飲み干してしまう
性質なのだが、今日に限っては少し残していたのだった。
少し考えて、自分で「コーヒーを飲み終わるまでは、ここにいる」と宣言したせいだと思い当たる。
砂糖など入っていないはずのブラックコーヒーの後味は、どこか甘い気がした。
「おおー、いい眺めー!ってミサカはミサカはハシャいでみたり!」
「暴れンなって言ってンだろォ……」
何度言っても改めない天真爛漫な少女に呆れたように呟いて、それでも嬉しそうな笑い声は耳に
心地いい。
確かに、ここからは科学の粋を極めた学園都市の街並みが一望でき、なかなか壮観だ。初冬の青
空に、近代的な白の巨塔群が映える。
一方通行にとっては不愉快にも見慣れたものだが、打ち止めにはまだ珍しいのだろう。
「ねぇ、一方通行」
「ン?」
「ヒーローさんとお手て繋いで、どうだった?ときめいた?ってミサカはミサカはいったぁーい!?」
「………」
寝言を言い終わる前にデコピンをかますと、打ち止めは大きな栗色の目を潤ませて見上げて来る。
「感想くらい言ってくれたっていいでしょ!?ってミサカはミサカは」
「うるせェなァ………」
何を言ってもこの腕が外されることはないと知っている打ち止めは、それからも何やかんやとわ
けのわからないことを楽しそうに話し続ける。
(感想ねェ…)
一方通行の胸元をぎゅっと握る小さな手。その温もりは、自分の手すら見えない闇の中で、初め
て見つけた小さな光だ。
あまりに温かくて、痛みすら感じる光。例えば、極寒の吹雪に耐えた後に温かな部屋に入って、
ジンと痺れるような。
ただ、あの男は、その光に触れるためのきっかけだった。
上条当麻に殴られないまま、実験が続けられたまま、打ち止めに出会っていたらどうなっていだ
ろう。
小さな少女を、自分を頼ってきた小さな光を、殺してしまっただろうか。
そんなことはないと、否定出来ない自分を唾棄する。そして、そんなことにならなくてよかった
と祈るように感謝する。
善人とか悪人とか、自分で勝手に決めたカテゴリーに固執し、すべてを投げ出しそうになった時
にも、あの男が止めてくれた。
真っ直ぐな、力強い、……熱いほど温かいあの手が。
「…………」
一方通行は、掌にいつまでも残っているような感触に、小さく舌打ちをした。
温かいを通り越して、熱かった。打ち止めや番外固体とは違う、固い皮の掌は乾いていて、あの
男らしい無遠慮な熱さだった。
掌を通して、身体の中に染み入るような。
思い出せば、徐々に眉間に皺が寄るその感覚を、敢えて一言で表すならば。
「……気持ち悪ィ」
支援してくれた人ありがとう
またそのうち続きを書きに来ます
えーと一週間以内くらい・・・
よかったら読んでやってくれよな!
一方通行「お客様ァ、おかゆいところはございませンかァ?」シャカシャカ
打ち止め「うむ、くるしゅうないー、ってミサカはミサカはあなたに頭洗ってもらうの大好きだよ
って愛情表現してみたりアイタタ!」シャンプーシミルー
一方通行「おま、擦ンなってバカ!おらこっち向け」
打ち止め「うぅー痛いよー!ってミサカはミサカは素直にあなたを見上げてみたり…」
一方通行「あーもォ…だからシャンプーハット使えって言ってンだろォ?」ジャー
打ち止め「だってそれ子供みたいなんだもん…ってミサカはミサカは」
一方通行「オマエはどっからどう見ても子供だろうが」
打ち止め「違うもん!ミサカはもう酸いも甘いも噛み分けた立派なレディだもん!ってミサカは
ミサカはヨシカワの言い回しを真似してみる!」キィイイ
一方通行「ふゥん…じゃあ明日っから風呂は一人で入れよなァ」
打ち止め「えっ」
一方通行「大人の女は家族と風呂になンか入ンねェし」
打ち止め「えっ」
一方通行「俺は明日から番外個体と入るわ」
番外個体「ぎゃははは何言ってんの第一位!このミサカとお風呂なんて変態ヤローなのかな!?」
一方通行「……………」
打ち止め「……………」
番外個体「な、何黙っちゃってるのかにゃーん?」(やべぇ、ついツッコんじゃった!)
一方通行「……オマエ、ずっと脱衣所にいたのか?」
打ち止め「番外個体…一緒に入りたいなら言えばいいのにってミサカはミサカは呆れてハァー…」
番外個体「だ、誰が!このミサカの魅惑ボディに一方通行の股間が一方通行になっちゃったらどう
するの!?」
一方通行「何言ってンのオマエ。ゆすぐぞクソガキ、目ェつぶれ」
打ち止め「あー…番外個体はまだ知らないのよね、ってミサカはミサカはあなたの胸を後頭部で
フニフニしながら目をギューってしてみたり」フニフニ
一方通行「やめろクソガキ。ていうか番外個体、オマエは丸二日もどこほっつき歩いてたンです
かァ?」ジャーバシャバシャ
番外個体「べっつにあなたには関係ないでしょ?何か用事でもあったの?ないよね、あったんな
ら迎えに来ただろうしさ」ブツブツ
一方通行「あー、昨日迎えに行こうと思ってたンだった。忘れてた」
一方通行「っせェなァ、ドア叩くンじゃねェよ割れちまうだろ…っと、終わり」ジャー キュッ
打ち止め「もう目を開けてもいいの?ってミサカはミサカは用心のために目を閉じたまま念のため
に確認してみたり!さっきマジ痛かったのだ!」ギュー
一方通行「大丈夫」ワシワシ「さっさと上がるぞォ」ガタッ
打ち止め「はーい!ってミサカはミサカは元気良く立ち上がってあなたと一緒に脱衣所へゴー!」
番外個体「へ?上がっ…て、ミサカまだここにいるんですけど!?」
一方通行「そこいると邪魔だからどけ」
バタン
番外個体「ぎゃああああ!?何考えてんの何考えてんのバカバカバカバカ!」
打ち止め「番外個体ったら手で顔を覆いながらもしっかり隙間から見てるのねって、ミサカはミサ
カは年頃の妹に肩を竦めて見たり…いや0歳だけど…」ハァー
番外個体「……………………………えっ」
一方通行(全裸)「おら、邪魔だっつーの」オシノケ「クソガキ、タオル」
拭いてー」
番外個体「……………………………」
一方通行「大人の女じゃなかったのかよ……」フキフキ
キャッキャッ オラジットシテロー
番外個体「…………………小さいだろうとは思っていたけど、まさか見えないほどの短小包茎
だったなんて…」シロメ
一方通行「何言ってンだオマエは」
番外個体「胸がちょっと腫れてますよ?ああそういう病気あるっていうよね、病院病院、えーと
イチイチゼロー」
打ち止め「それじゃ警備員来ちゃうから!ってミサカはミサカはまぁ落ち着けよ、と大混乱中の
妹を諌めてみたり」
番外個体「ミサカは超冷静だよ、ってミサカはミサカはまるで女みたいな第一位をガン見しなが
ら、必死に何かに縋ってみたりみたり」
一方通行「口調移ってンぞ。あと俺ァ女だ」イッテナカッタナーソウイヤ
番外個体「」
打ち止め「女の子には色々あるのよ…ってミサカはミサカはありし日の自分を見る気持ちで番外
個体の背中を叩いてみたり」ポンポン
番外個体「」
打ち止め「気持ちはわかるが、まぁ元気だせよ」ポン
番外個体「」
一方通行「俺も一応女なンだが…」??
疼くような頭痛を抑えたくて、ベッドの中で丸くなって頭を抱えた。
性格の悪い研究者によって生み出された自分の脳ミソは、ミサカネットワークからそれは器用に
負の感情のみを拾う。
別に憎悪とかそういう強くてご大層なものだけじゃなく、「おなかすいたなー」とか「寒いなー」
とか「おでんの厚揚げが売り切れてるなんて」とか「明日の注射怖い」とか「ヤバイ太った」とか
「うー何て言って謝ろうかなー」とか「どうにかしてセロリたんのパンツを手に入れたい」とか。
負の感情に優劣などなく、どんなにくだらなくても事細かに流れ込んでくるのだった。
(一方通行が女………一方通行が女………)
どうやらネットワーク内でもこの恐るべき事実が発覚しているようだ。いつから続いているのか、
スレが乱立して祭り状態である。
(一方通行が女とか………)
昨日からついさっきまでネットワークには一度も接続していなかった。
元々第三次計画で特別に作られた身なので、他の妹達のように息を吸って吐くように接続すること
は出来ない。
少々面倒な過程を踏まねばならず、だからなんとなく繋いでいなかったのだが、おかげで驚愕の
事実をこの目で見る羽目になった。
ネットワーク全体の驚愕が余波となって押し寄せ、自分自身の衝撃も相まってもう何だか頭が痛い。
そもそも、自分は何故ショックらしきものを受けているのだろうか。
いや、別にショックなんて受けてないけど、と自問自答して、堂々巡りする思考に頭を抱える。
(うー…ズキズキする……)
「……っ!?」
不意に、涼やかな体温が額に触れた。
「あ、一方通行…!?」
冷たいのに心地よいそれに驚きのあまり飛び上がって目を開ければ、薄闇に浮かび上がるような
細く白い人影。
「しィー、静かにしろ。ガキが起きちまうだろ」
「何でここに…。っていうか最終信号抱えたまんまだし…」
「仕方ねェだろ、無理矢理離すと起きちまうンだからよォ」
片手で番外個体の額に触れ、片手で胸元にしがみ付いた打ち止めを抱いている一方通行は、ほとん
ど吐息だけで呟いた。
顔中を安堵に緩め、力一杯寝巻きを握り締めた小さな手。この場所は自分のだ、と全身で主張して
いるような寝顔を見ていると、何だか不快なものが湧き上がってくる。
「な、何の用なのかな?夜這いならこのミサカはこぶ付きとかお断り…」
「黙ってろクソガキ」
言下に切捨てられて思わず口を噤む。
「………、あ」
けれど滑らかで冷たい手が額に触れた途端、ふぅっと頭痛が遠のいて、思わず間の抜けた声が出た。
「あ、あれ……?」
思考の乱気流から抜け出た頭は、驚くほど心地よくて、そのせいか目の前の赤い瞳がひどく美し
く見える。
「何で頭痛が……」
「頭痛の原因は情報の過負荷だろうからな。オマエの生体電気を操作して、ミサカネットワーク
との間にノイズを作った。まァ意図的にジャミングしてるようなモンだ」
「何それ第一位チートすぎ、ていうか何で頭痛のこと…」
「毎日毎日隣の部屋でモゾモゾ寝返り打たれたらわかるっつゥの。おい、もっと奥行け」
一方通行が、打ち止めごと番外個体のベッドに入ってこようとしている。
「えェーー!?なな何してんの!?」
そう理解して思わず素っ頓狂な悲鳴が出たが、すぐに大きくて華奢な手で口を塞がれた。
(あ、何か良い匂い)
「静かにしろって言ってンだろこのクソガキィ!」
小声で怒鳴るという器用なことをして、これまた器用に手と足で番外個体の身体をベッドの奥に押
しやる。
「三十分しか持たねェから、その間に眠れよ」
「…………」
それは、バッテリーの続く限り、番外個体のために頭痛を和らげてくれるという宣言。
冷たい手が、火照った額を宥めるように撫でる。軽く汗を拭い、湿った髪を梳いて、まるで大事
なものを扱うような仕草で。
急に、息が詰まった気がした。今までの頭痛とは違う、熱くて潤んだものが喉の奥につかえている。
「言ったろ。隣の部屋でモゾモゾされると鬱陶しィンだよ」
理由になってない、と思う。別に大暴れしているわけでもあるまいし、睡眠に支障を来すわけが
ない。現に、黄泉川からも芳川からも文句を言われたことなどない。
けれどそう聞けば、最終的には「どうしてこのミサカをロシアから連れ帰ったのか?」というとこ
ろまで言及してしまいそうで、口に出せなかった。
「俺が起きてる限りもう頭痛はしねェ。だから眠れ」
眼前十センチに、白い、闇の中の光ように浮き上がる白い顔。
歪んだ哄笑も皮肉な笑みも貼り付けていない素顔は、あまりに整っていて、確かに性別不明に思
える。
(いや、不明じゃないんだけど。女なんだけど。…そうだ、女なんだった)
自分で心の中でツッコんで、ふと全身から力が抜けた。
なんだ。女なんだったら別に構える必要はない。じゃあ男だったら何故どうして構えるのか、と
いう辺りの思考は放棄した。
「………なンだ?」
「あなた良い匂いするね、第一位」
胸元には高い子供の体温。打ち止めを挟むように川の字になって、番外個体は自分の頭を一方通行
の首筋に摺り寄せた。
あの人白い花みたいな匂いがするのよ、と我がことのように自慢していた少女の言葉を思い出す。
「んーん…違うよ」
頭を撫でる冷たい手は、ひどく快い。あんなに手の届かなかった眠気が、温かな毛布のように番
外個体の身体を包んだ。
「ねぇ…何か歌ってよ」
ふと思い浮かんだのは、ロシアの雪原。白い白い中、一際白い人が、小さな少女を救おうと命を
掛けた歌声。
音程もクソもない、知らない者にはただの悲痛な怒鳴り声に聞こえたかもしれない。
けれど、朦朧とした意識の中、番外個体にはその歌声が愛情深い母親の祈りのように聞こえたこと
を、どうしてか今、思い出した。
「歌だァ?子守唄って柄かよ、ガキですかオマエは」
「今更何言ってるの?このミサカは最終信号より年下の0歳児だよ?」
「都合のいいときばっかりそれだなァ、オマエら…」
深々と呆れたような溜息をつかれて、怒らせたかな、と少し肩に力を入れる。
「……We pray for our fathers, pray for our mothers…Wishing our families well…」
すると、その力んだ肩を撫でるような、小さな歌声が響いた。
「……We sing songs for the wishing, of those who are kissing
But not for the missing……」
知らない曲。初めて聞いた一方通行の歌声は、普段の皮肉まみれの声からは想像もつかない穏やか
なものだ。
(この人、こんな声だったのか)
ゆったりした、切ないほど優しい声。
「…So this one's for all the lost children,This one's for all the lost children……」
どんな顔をしているのだろうと、そーっと薄めを開けてみる。
「……When you lay me down sleeping and my heart is weeping…」
一方通行は、しっかりへばりついて眠る打ち止めの顔を見下ろしていた。
「Because I'm keeping a place…」
伏せた睫毛は長くて、白い。血のように輝く赤い目を、桃色に煙らせている。
白い指の背が少女の顔にかかる柔らかな髪をそっと払い、その健やかな頬を撫でた。安心して寝
ているかと、恐る恐る確かめるような仕草だった。
「……For all the lost children,This is for all the lost children……」
父とか母とか子供とか、ミサカ達にも学園都市にも全然似合わない歌だと思う。
けれど、ただ健やかに眠ることも許されず、何度も命の危機に晒された少女のために、この祈りの
ような歌を選んだのだろうということは理解できた。
ふと、打ち止めの小さな手にきゅうっと力が込められるのを見た。
元々起きていたのか歌で起きたのか、下手な寝たフリだ。思わず一方通行の顔を見ると、白く長い
人差し指を口元に添えてこちらを見ていた。
黙っていろと言いたいのだろう。
普段だったら逆に大騒ぎをしてやるところだが、今日は頭痛を治して貰っているという借りがある
ので、番外個体はおとなしくしてやることにした。
(わかってるよー、第一位)
真似をして、同じように人差し指を口元に当てる。
子供の気遣いを尊重してやる大人になった気分で、少しくすぐったい。
「…This one's for all the lost children, wishing them well,And wishing them home……」
ふわふわと温かい。良い匂いがして涼しく心地よく、番外個体はとろりと目を閉じた。
(翌日)AM11:00 黄泉川家リビング
打ち止めの携帯電話<So this one's for all the lost children~♪
一方通行「!?!??!?」
芳川「あら、この声一方通行?上手いじゃない、良い歌ね」
打ち止め「でしょ~?ってミサカはミサカは自慢げに待ち受けも披露してみたり!」ジャジャーン
黄泉川「ぶはっ、何じゃんこの一方通行の『内緒だよ☆』ポーズ!かわいいじゃん!!」ギャハハハ
一方通行「」
一方通行「おま、このクソガキィ……」ブルブル
打ち止め「あなたが番外個体にだけ歌なんて歌ってあげちゃうからだよ!ってミサカはミサカは
すごい拗ねてるんだから!」ニッコニコ
番外個体「いやぁ、良かったよあの歌wwwwwwwwww洋楽wwww英語wwwwwwwwww」
一方通行「」
打ち止め「はああ、ちょうかわいい…ってミサカはミサカはヒーローさんにこの写真送っちゃお
うっと!」メルメル
番外個体「えェ~?ヒーローさんって上条当麻?いつメアドゲットしたのかなーこの幼女…別に
送らなくてもいいじゃん」イラッ
打ち止め「昨日『このミサカはフェアプレイ精神の持ち主です』とか言って10032号が教えてく
れたんだよ!ってミサカはミサカはこれでいつでもヒーローさんに連絡できてワクテカ!」
番外個体「別にそんな連絡する必要ないんじゃないかなー」イラッイラッ
一方通行「オラァアアアそこになおれクソガキどもォオオオ!!!」
黄泉川家は今日も平和です。
次は早ければ数日以内、遅かったら五月初めで。
よかったらまた読んでくれよな!
PM5:10 ミサカネットワーク内
1.今からセロリに宣戦布告してくる(1)NEW
2.【協力求む】あの人とヒーローさんをいいかんじにさせたいんだが12(375)
3.【ナ、ナンダッテー(゚Д゚)】一方通行が女だった件7(642)
4.今日の上条193(221)
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今からセロリに宣戦布告してくる(129)
1 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
おっすオラミサカ10032号
別に上位個体の言うこと聞くわけじゃないが
調子に乗ってるセロリにちょっとビシッと言ってやるぜ
野次馬共には感覚共有してやるぞ
2 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka16889
マジで行くのかよwwwwww
感覚共有希望ノシ
3 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka12498
俺も俺も!!ノシ
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ひょっとして一人じゃ心細いのか>>1
35 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
何言ってんのお前>>34
なんでセロリごときに心細くしなきゃなんねーんだよ
36 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka17600
なら早くその看板の影から出て声掛ければwwwwww>>1
37 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
スネェェーーーーク!貴様ッ!見ているな!!!
38 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka17600
こちらスネーク
コンビニに向かってる一方通行とコソコソ後をつける>>1を捕捉した
お前ら俺と感覚共有した方が面白いんじゃねwwwwwwwwwwww
39 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14392
>>38 君に決めた☆ミ
40 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka12034
>>38 俺もwwwwww
41 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19090
>>1
俺はお前と感覚共有しとく
でさー、一方通行に何て謝ればいいかなぁー
42 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14889
空気嫁>>41
一方通行「……で、オマエは何なの?何で昨日と連続して出くわすの?バカなの?死ぬの?」
上条「偶然会っただけでこの言われよう…さすがの上条さんも傷ついてしまいますよ?」
一方通行「うっせェなァ…オマエと会うとクソガキが鬱陶しィンだよ」ガリガリ
上条「打ち止めが?」
一方通行「フラグがどーとかこーとか」
上条「へぇ、打ち止めもゲームとかやるんだな。俺も友達がよく言ってるなー。アレだろ、
ギャルゲーとかの」
一方通行「言っとくけど何回俺に会ってもフラグ立たねェから。俺のシナリオオマエルート
ねェから」
上条「じゃあ誰のルートならあるんだ?打ち止めルートか?」
一方通行「…………………………まァ」ソレナライイカナー
上条「プッ、お前らってホントに仲良いよなぁ。やっぱりロリコ…」
一方通行「」ジャキ
上条「ごめんなさい、冗談です!冗談だから街中で銃出すのヤメテ!!」
一方通行「チッ……」シマイシマイ
上条「あービビった、お前って冗談通じねータイプなんだな。真面目さんか?」
一方通行「……くっだらねェ」スタスタスタ
に受け取っちゃうよ!ってミサカはミサカは注意しながらもあの人に構ってあ
げてねって頼み込んでみたり』ってメールが…」
一方通行「あンのクソガキィ…!」
上条「ホントに俺以外友達いねーの?」
一方通行「お…っ、オマエも友達じゃねェよ!」
上条「えー?冷たいこと言うなよ。腕相撲した仲じゃん。お前のボロ負けだったけど」
一方通行「オーケェ。死にたいンだな三下ァ」カチリ
上条「おわっ、すぐ能力使うのやめろよ!」ギュッ
一方通行「!は、離せ!」
上条「フフハハ、いつもいつもビリビリに追い掛け回されてる上条さんを舐めるんじゃ
ありませんよ。こうして手を握っていれば能力発動出来ないだろ?」
一方通行「フザけンなこのッ…!」
上条「あ!こうしているうちに特売の時間が…!そうだ一方通行、買い物手伝ってくれ
よ!今日は卵がお一人様一パック百円なんだ!」
一方通行「はァ!?なンで俺がそンなこと、ちょっ、引っ張ンな…!」ズールズール
上条「いいからいいから、お礼するから!」
ハナセコノサンシタガァー イイカライイカラー
今からセロリに宣戦布告してくる(429)
329 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
ぐぬぬ……
セロリのヤツ、またしても上条と手を…!!!!
330 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14210
さすが上条wwwwwwww
331 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19219
上位個体以外にこんなに振り回されてんの珍しいな
332 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
あの人は不器用だから、ストレートに好意を示されたらどうしていいか
わからないんだよ!ってミサカはミサカはそれがあの人のかわいいところ
ってアピールしてたり
333 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20000
愛情は反射できないんだな
334 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
その通りだね!>>333
でも劣情はあの人の代わりにミサカが反射っつか消滅させてやるから
調子に乗るんじゃねーぞってミサカはミサカは警告発令
http://www.misaloda/hentai-warning124.jpg
おい変態wwwwwwパンツ盗んでんじゃねぇwwwwwwwwwwwwww
何だそのほっかむりwwwwwwww
336 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19421
たまに良いこと言ってると思ったらこれだよwwwwww
337 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka15921
安心の変態クオリティ
338 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20000
スネェーーーク!貴様ッ 見ていたな!!!
ちょっもう、見逃してって言ったじゃん!プリン奢ったじゃばbbbbb
339 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka17600
ついプッとなってやった
今は爆笑している
アリガトウゴザイマシター
上条「いやー…勝った買った!卵どころか豚バラも緊急特売だったとは…ッ!幸福だー!」ニコニコ
一方通行「…………………」グター
上条「ちゃんと卵も二パック買えたし、おまえのおかげだ。ありがとな一方通行!」ニコッ
一方通行「卵ごときでそンな顔できるなンてたいしたやつだ…」グター
上条「何をォ!?卵さんは煮て良し焼いて良し栄養価も高くとってもおいしい万能食材
なんだぞ!卵さんをバカにするな!!」
一方通行(何こいつめんどくせェ……)
上条「何その『こいつめんどくせェ』って顔!?しょうがないだろ、上条さんは貧乏学
生なんですよ!」ガビーン
一方通行「表情読むな!……ったく、くっだらねェ」ハァ…
上条「そのくだらないものの積み重ねが、幸せな日常ってやつだぞ」
耳に引っかかる言い回しに、一方通行は顔を上げた。引っかかった場所が、どこかくす
ぐったく温かい。
「ん?どうした、不思議そうな顔して」
すぐに、上条が首を傾げる。
人の表情に敏感なヤツだと思った。それだけ、沢山の声なき声を拾い上げて、沢山の人
を助けてきたのだろう。
「……昔、似たようなことを言われた」
色気のない緑色のジャージを着た、無能力者の警備員。
学園都市の暗部を人の形にしたような自分の面倒を見るなどと、身の程知らずなことを
言い出した女の言葉に似ていた。
「へぇ。………大事な人か?」
「何でそう思う」
「そういう顔してるからさ」
そして上条はひどく嬉しそうな顔で笑った。
どこかで同じ顔を見たことがあると思い、またあの警備員の女を思い出した。
俺を抱え込むということは学園都市の暗部に関わることだと、考えなしに思えた女に
警告した時の表情を、手元に返す。
お人好しがよくする顔だ。自分とは違う種類の人間が、よく浮かべる表情だと思った。
気が付けば、勝手に口が開いていた。
「うん」
「お前も…ロシアにいたンだろ」
「ああ、いたよ」
「お前のことだ、どうせくだらない理由で命掛けて戦ったンじゃねェの」
「俺にとってはくだらなくねーよ。ま、死に掛けたってのはその通りだけどな」
こともなげに言って笑う顔は、誇らしそうに見えた。
きっとこの男の「くだらなくない」ものは、無事に腕の中に戻ったのだろう。
よかったと思った気がして、一方通行はらしくなさに眉を顰めた。
「……違和感ねェの?」
「違和感?」
「つい最近まで生きるか死ぬか、殺されるか殺されるかが当たり前だったのに、こんな
スーパーの特売に必死になってる自分に」
「あーー……」
「非日常と日常の乖離に、居心地が悪くならねェのか」
こいつは自分と違う種類の人間だと、思ったばかりなのに。
「……いい、なんでもない。忘れろ」
きっと参考にはならないし、他人に話を参考にするようなことでもないと、一方通行は
目を伏せた。
「…お前は、居心地悪いって思っちゃうんだな」
「…チッ……忘れろって言っただろ」
再度舌打ちしてから顔を上げ、少し瞠目する。
理解できない、という顔をされていると思ったのに、上条は穏やかに苦笑していた。
そこには明らかな共感があって、一方通行は戸惑いに目を眇める。
「ま、アレって思うことはあったよ。昨日死にかけたばっかなのに、何で今日のん気に
スーパーで買い物してんのかなって」
「…………」
「でもまぁ何つーか…慣れた」
「慣れた、だァ?」
思わず、呆れた声になる。上条は照れたように頭を掻いた。
「はは…カッコ悪ぃな。でも、戦って死に掛けてても、学校の補修でウゲーってなって
ても、特売のために全力で走ってても、俺は俺だからさ」
「…………」
「考えたって仕方ないだろ?人間って結構すぐ慣れるもんだぜ」
それを、一方通行がいた闇の中では、平和ボケと呼ぶ。
穏やかな日常に慣れれば、殺し合いに戻った時に勘が戻らずに命を落とす。当然の帰結だ。
「慣れるってのは、切り替えにもだ。年柄年中緊張してたら、疲れちまうよ。必要な時
に集中できればいいだけだ」
「切り替え、ねェ……」
暗部の人間には、そんな仕事とプライベートを分けるサラリーマンのよう、な常識的な
考えには及ばない。
「殺し合いとか魔術とか世界とかさ、らしくないって思う時はあるけどさ…。そんなご
大層な立場じゃないって」
「……ふゥん」
俺とは逆だな、と思った。一方通行にとっての日常が、上条当麻にとっての非日常なのだろう。
そして、上条当麻にとっての日常が、一方通行にとっての非日常だ。
「…俺と馬が合わねェはずだ」
呟いた声音は、意図せず自虐的な響きだった。
「そんなことないだろ」
だが上条が、握り締めっぱなしだった手に、ぎゅっと力を込める。
「お前にとっては『こっち』が非日常かもしれないけど、さっきも、昨日打ち止めとい
た時も、楽しそうな顔してたじゃないか」
「さっき…?」
ケンカ売るたァ良ィ度胸だ』とか言って、俺が効率的に買い物出来るように指示出し
してくれたじゃん」
「ぅぐ……っ」
一方通行は、苦虫を噛み潰したような顔になる。
「いやー、お前の言う通りに動いたらビックリするくらいスムーズでさ、おかげで三
日分の食料買えたし。助かったわ、ホント助かった!」
癖なのか、目の前で複雑な『流れ』が起きると、つい演算してしまうのだ。
例えば、入り口通路二メートル、広さ2400平方メートルの空間に平均時速8kmで
人が流れ込み、目的地(特売コーナー)を必ず経由する時、どんな風に人ゴミが形成さ
れて、どこにいつ混雑が出来るのか、とか。
計算の副産物として、どう動けば人に邪魔されずに移動出来るかということも判明する。
「べっつに、オマエのためじゃねェ。勘違いするな」
「いやでもすっげー助かったんだって。ホントありがとな」
握られた手は、とても熱い。真摯な表情をそのまま熱にして、伝えようとするかのように。
触れた掌から何か見えないものが流れ込んでくるみたいで、気持ちが悪いと一方通行は
眉を顰める。
「それに俺は…俺とお前、似てるとこあるなって思うけど」
「はァ……?」
あまりに訝しそうな顔をしてしまったのか、上条が照れた風に頬を掻いた。
「お前も打ち止めを守るためにずっと戦ってたんだろ?俺も…まぁ、そんな感じだったから」
「……………」
だが、自分で決めて進めよ、と叩き込まれた拳を手元に返す。悪党でも極悪人でも、
打ち止めを守ろうと歩いて来た道は、誰に強制されたものでもない。
「そんな顔すんなって」
どんな顔だと聞いたら、宥めるように手に力を入れられた。
「……うっせェな。おせっかい野郎」
「否定しないのか?」
「オマエみてェな三下と一緒にしないでくださァい」
「はは、ひどいな。なぁ、また買い物付き合ってくれよ」
「…………暇で暇で死にそうだったらなァ」
今からセロリに宣戦布告してくる(681)
612 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
ぐぬぬぬ…
いつまで手ェ握り合ってンだこいつらァアアアア
613 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka12819
落ち着けよwwwwwwセロリの口調移ってんぞwwwwwwww
614 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka17600
傍から見たら完全にホモのラブシーンな件
http://www.misaloda/kj-accela12.jpg
615 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10801
|┃ミ(´∀`)ガラッ!<ホモと聞いて
616 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka12934
ホモじゃねぇwwwwwwwwww帰れwwwwww>>615
617 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10801
あー一方通行と上条かー
ホモじゃないけど気になるから帰らないぞ!(キリッ
でも良い雰囲気じゃない?ってミサカはミサカはワクテカしてみる!
619 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10221
さりげに次の約束してるしな
620 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19090
公衆の面前であんな恥ずかしい台詞を堂々と言えるなんて…
さすがだぜ上条
その度胸を俺にも分けてくれ!
621 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
まだ気にしてるの?>>620
あの人は全然気にしてないよ
622 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19090
全然、だと…?>>621
それはそれで納得行かない件
623 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
あの人はミサカ達にはどんなに罵られてもそれが当然だと思ってるからね
ってミサカはミサカはちょっと寂しくなってみる
624 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
チッ セロリのそういうとこマジうぜーよな
625 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka17600
あっ
626 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14889
どうした>>625
627 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka17600
お姉様キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
・
・
・
PM6;55 第十学区 大通り
御坂「あ、あ、あ、アンタ達何してんのよぉおおお!!!」ビリビリ
上条「うわっ、ビリビリ!?」ソゲブ!
一方通行「………!」
御坂(なんでコイツと一方通行が…っ、ていうか何で手、手、手ェええ!!)ビリヒバババ
上条「ちょっ、落ち着けって!危ないだろ!」ソゲブ!ソゲブ!
一方通行「………………」スッ
御坂「何でアンタがコイツの後ろに隠れんのよぉおおおおお!!」ビリビリピシャーン
上条「うおおおお危ねぇええええ!?」ソゲブ!
一方通行「…………手ェ離せよ、上条」
上条「ん、あ?あーそうだな、ごめんごめん」パッ
一方通行「………」カチッ ブワッ
御坂「と、飛んだ!?」
上条「また飛んで帰るのか!?またなー!連絡するから!」フリフリ
一方通行「うっせェよ」ヒューン
御坂「……………………?」
御坂「………………………………逃げた?」
御坂(何でアイツが私から逃げるの…?逃げる必要なんか、全然)
御坂「っていうか何でアンタがアイツといるの!?何で手なんか繋いでるの?ま、ま、
まさかホ…ホモなんじゃないでしょうね!?」ビリビリビリ
上条「ホモじゃねぇよ。あいつ女だしな」
御坂「えっ」
上条「ん?」
今からセロリに宣戦布告してくる(883)
788 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka17600
こちらスネーク
一方通行を捕捉した
絶対座標送るぞ>>1
789 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
大丈夫
どうせ上位個体んとこ帰るだろうから先回りしてた
790 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka17600
おk
しかし何でわざわざマンションの玄関から入るんだろ
ベランダにでも降りればいいのに
791 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
こないだそれやってヨミカワに怒られたからだよって
ミサカはミサカは暴露してみたり!
792 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka12835
ヘタレな第一位だなオイwwwwww
まぁいいじゃんチャンスだろ
ちょうど自販機でコーヒー買ってるし今
794 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka16729
何しに外出たんだセロリwwww
795 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka12938
上条に引っ張られてって結局コンビニ行けなかったもんなwwwwww
よし行け>>1
796 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
わかってんよ
見てろお前ら
ミサカ達9971人の長女であるこの俺の生き様をな
何て声かければいいと思う?>>800
797 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka11999
安価かよwwwwwwwwwwwwwwww
上条(いやー弁当忘れて来るなんて久々にやらかしちゃったよなー。早いとこどっかで
食べて戻らねーと昼休み終わっちまう)スタスタ
「…まー…!とうまー!!とうま、見つけたんだよ!」タタタタタ
上条「インデックス…!?どうしたんだよ、こんなところで。何かあったのか?」
禁書「おなかすいたんだよー!お昼ごはん食べたいかも!」ニコー
上条「えええ…?昨日の残りの親子丼、今日のお昼にしろっつったろ?さては…」
禁書「そんなのもう食べちゃったんだよ」
上条「胸を張るな胸を!…ったくしょうがねぇな…。持ち合わせねーから大したもん
食えないぞ?」
禁書「私は何でも美味しくいただける博愛の精神の持ち主だから大丈夫!」
上条「その博愛精神を上条さんの懐具合にも向けてくれませんかねぇ…」
禁書「じゃあ今日のところは腹八分目で勘弁してあげるんだよ!」フンス
上条「そりゃありがたいことで……………」ハァー
上条「何やってんだよインデックス。置いてくぞー?」
禁書「待ってよとうまー!人が多くて歩き辛いんだよー」
上条「ったくもう…。ほら、手」スッ
禁書「………うん!」ギュッ
上条「お、今日は手ぇ冷たいな?もう冬だしなー…手袋した方がいいんじゃないのか。
こないだ買ってやったやつとかさ」
禁書「うん、ちゃんとしまってあるけど…。今日はとうまの手があったかいだけかも!」ニコニコ
上条「フーン?」
禁書「普通は女の子の方が体温低いからね」
上条「へぇ。そうなんだ」
上条(………そういえば、一方通行の手もすげー冷たかったなぁ)
上条(細いけどちょっと柔らかくて、…ん?なんかインデックスの手の感触に似てるかも)
上条(うーん…ちょうどこう、こういう手触りで…いやもちょっと細いかな)ギュムギュム
禁書「?どうしたの、とうま」
上条「いやー、こないだ腕相撲したヤツの手がさ、お前みたいな手触りで……」
上条「俺も説明しがたい…ていうか、相手男だって!」
禁書「お、男…!?この私の手が男の子みたいだって言うのかなとうまは!?」ギロリロリ
上条「い、いやいや!早まるなインデックス!むしろそいつの手が女みたいだったっていうか…」
上条(……あ、そうだ。そうだよな、一方通行の手が女みたいなんだ…)
上条(あんなに痩せてんのになー。……アレ?っていうかアイツってホントに男なのか?)
上条(格好とか口調とかは男みたいだけど、どっちにも見えるような…………)
上条携帯<ユーガッタメイル!
上条「お、メールだ。…ん?打ち止めから?メアドって教えたっけ…」
--------------------------------
件名:こんにちは!
差出人:last Order
日時:20**/12/** 12:13
---------------------------
本文:
10032号からメアド教えて
貰ったよ!って
ミサカはミサカはメアドの
入手経路を明かしてみたり!
これからミサカは毎日あなたに
「今日のあの人」を配信するね!
お楽しみに☆
今日は昨夜のあの人の写真を添付
するよ。とってもかわいいでしょ?
ってミサカはミサカは薄い胸を
張って自慢してみたり!
添付:
accela-rare167.jpg
----------------------------------
禁書「あの人って誰のこと?とうま、さっきから変な顔してるよ?」
上条「ああ、知り合いの子が写真送って来たみたいで……」
添付写真<一方通行の内緒だよ☆ポーズ
上条「プッ、ホントにかわい………、か、かわいい………?」
上条(アレ?かわいくね?もしかしてホントにひょっとするの?マジで?)
禁書「かわいい…?とうまったらまたどっかで女の子と出会ってきたのかな!?」ガルルル
上条「待て待て!女の子じゃな…いわけじゃないのか?アレ?やべ、混乱してきた…。
なぁインデックス、こいつって男と女、どっちに見える?」ヒョイ
禁書「……?あ!この人、前の親切な白い人!!」
上条「は?……ああ、前に言ってたハンバーガー奢ってくれて、ティッシュくれたっていう…」
上条(って、あれもアイツだったのかよ!やべ、またお礼言っとかないとなー)
禁書「……やっぱり女の子なんだよ!!とうま~~~!」ギラリ
上条「えええ!?いや落ち着けインデック………
………は?や、やっぱお前もコイツ女に見える?」
禁書「??何言ってるのとうま、どっからどう見ても女の子なんだよ!」
禁書「とうまは私が完全記憶能力者だってことすぐに忘れちゃうかも。骨格、肌質、体付き、
私はカンペキに覚えてるんだよ。間違いなく女の子なんだよ!」
上条「…………………………………マジで?」ゴクリ
禁書「それに、車に乗る時に抱っこされたし…。…ふ、あれはこの私といい勝負なんだよ…」ククク
上条「勝負?車?ハンバーガー以外にも何か世話になってたのか?何のことだよ、聞いてないぞ」
禁書「言ってなかったかな?ううん、あの時は氷華のことで頭が一杯だったから言い忘れてた
のかも」
カクカクシカジカオナカヘッタンダヨー モウソコノマックデイイカー?
禁書「………………というワケなんだよ!すごい大怪我してたから人を呼びに行ったのに、
戻ってきたらいなかったから心配してたんだよ…。元気そうでよかった」パクパクモグモグ
上条「…………………」
禁書「とうま?」パクパクモグモグモグ
上条「………いや、ホントッ世話になったりしたりなったりだったんだなーってさ…」
上条「っていうかお前、腹八分目はどうしたんだよ」
禁書「あと三個で勘弁してやるんだよ!」パクパパクモグズズーー
あの医者のところに連れて行ってくれたからいいようなものの、下手したら蜂の巣だった
んだぞ!?」
禁書「だって……あの人、困ってたから」
上条「困ってた?」
禁書「小さな女の子とまたはぐれて、困ってたんだよ。とうまだったら絶対ほっとかないでしょ?」ニコ
上条「……………」ハァ
禁書「何かなその溜息は!」
上条「……まったく、お前には敵わないよ…」ワシワシ
禁書「ふふ、もっと撫でてくれても苦しゅうないかも!」パクパクモグモグ
上条「いい加減食い終われよ!」
同日 PM 7:00 第十学区 大通り
御坂「あ…あいつが女ってどういうことよ!」
上条(やべ、つい言っちまったけど…本人が多分隠してること?勝手に言ったらダメだよな)
上条「悪い、なんでもないわ」
御坂「そんなんで誤魔化されるか!…ていうか、なんでアンタが、一方通行と……
だって一方通行は、一方通行は………」
上条「御坂」
御坂「………何よ」
上条「人は変わるものだろ。一方通行も…あの実験をしてた頃のアイツじゃない」
御坂「な…何なのよそれ。どういうこと、説明しなさいよ!」
上条「俺が言うことじゃないさ」
御坂「………っ、な、ど、どうして…っ」
上条「アイツに直接聞けばいい」
御坂「!!!!」ビクッ
上条「直接聞きに行けばいいよ。今、何を思って、どうしてるのか」
御坂「………だ、だって……」
上条「大丈夫だ」
御坂「…………………」
上条「言ったろ。一方通行は、変わったよ」
翌日 PM 4:50 ミサカネットワーク内
1.今からセロリに宣戦布告してくる2(134)
2.【協力求む】あの人とヒーローさんをいいかんじにさせたいんだが15(675)
3.一方通行って何で男みたいに振舞ってんの?(242)
4.今日の上条199(278)
・
・
・
今からセロリに宣戦布告してくる2(331)
241 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka17600
で、結局昨日は声を掛けられなかったヘタレな>>1へ
今日も一方通行はコンビニに出かけたぞ
また上条に遭遇しないうちにやるんなら早く声掛けろよ
242 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
ヘヘヘヘタレちゃうわ!!
変態が安価取りまくるのが悪いんじゃん!
何なのあいつ[<font color="red">ピーーー</font>]マジで[<font color="red">ピーーー</font>]
お前が安価するから悪いんだろwwwwww
せっかく俺が気さくな台詞考えてやったのにさー
244 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
「セロリたんペロペロさせて!」のどこが気さくだテメェエエ!!
それじゃこのミサカがまるっきり変態みたいだろ!
覚えてろよ!お前覚えてろよ!!
245 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14889
落ち着けよ>>1
無理しなくてもいいんじゃないか?
幸い俺らには時間があるし もっと気持ちが固まってからの方がいいよ
246 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
そうだねってミサカはミサカは同意してみる
調整も上手く行ってるし、今日言いに行かないとダメってことないし
247 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:MisakaXXXXX
ぎゃははは そうだねー無理しない方がいいんじゃない?
昨日は長女の生き様見てろ(笑)とか言ってたけど
長女(笑)
>>247
おいコラ末っ子のクセに調子こいてんじゃねーぞ
つかなんだみんなして別に無理してねーし!見てろよな!!!!!!
声掛けた
249 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka16889
うお!?何だコレ心臓がバクバクする!
……あ、>>1か
感覚共有しっぱなしだった忘れてた
250 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka12498
おい緊張しすぎだろ>>1
俺風呂入ってんのに冷や汗出てきてんですけどwwwwwwww
251 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19090
手汗パネェ
なんでこんな動揺してんの>>1は
一方通行はもう俺らを傷つけたりしないだろ
252 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka18682
ほら、怖くない…てかwwwwww
253 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14889
茶化すなよ>>252
どうしたんだ>>1 大丈夫か
254 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
大丈夫?
いい機会だから、みんなに気持ちを伝えた方がいいんじゃないかな>>1
ってミサカはミサカはkwsk説明することを提案してみたり
>>254
上位個体命令を受信した
「オマエらか…何だ、こないだの…19090号か?また何か買ってほしいもンでも
あるのか」
一方通行は振り返って、ポケットに入れていた白い手で白い細い髪をかき上げた。
その顔は上位個体の配信で見慣れたしかめっ面だ。
だが、直接見たのは初めてだった。
ミサカ10032号が自分の目で見たのは、引き裂いたような歪んだ笑みだけだ。
随分違うものだ、と思う。確かに同じ人間なのに、人というものは浮かべる表情
が違うだけで、こんなにも印象が違うのか。
だとすればミサカ達はやはりまだ、人未満なのだろう。
「…どうした?何か用があるンじゃねェのか。オマエの検体番号、19090じゃなか
ったか」
ただジッと見つめられて居心地が悪くなったのか、一方通行はしかめっ面を更に
しかめて目を眇める。
を緩和する効果があると知った。
「………このミサカの検体番号は、10032号です」
「!」
「久しぶりですね一方通行」
赤い目が、大きく見開かれた。息を呑んだのが、一メートルも離れたこちらまで
伝わって来る。
すう、と白い顔から血の気が引いていく。青白いを通り越して塩のように白い。
華奢な手が、ぎゅっと耐え忍ぶように握られた。良く見れば、細かく震えている。
「……………」
一方通行は何も言わない。
(怯えている)
ミサカ10032号は、予想通りの反応を確認した。
予想通りであるのに、予想よりも胸の奥がギリギリと締め付けられた気がした。
上条当麻と目が合った時とはまた異なる、生まれて初めての痛みだ。
(まぁこんなかんじだと思いました、とミサカは内心頷きます)
番外個体に一方通行と出会った時の反応を聞いた時から、このミサカと相対すれ
ばこうなるのではないかと思っていたのだった。
撃されようと、上位個体が危機に陥るまで一切反撃しなかったという。
ミサカ10032号にとって、それは意外なことだった。
上位個体であるミサカ20001号が一方通行に助けられたこと、結果として妹達全員
が助けられたこと、それは当然認識している。
ただ一方通行にとっては上位個体だけが特別で、妹達はついでのようなものなの
だろうと思っていた。ただこれは妹達の共通認識ではなく、ミサカ10032号の私見
であったが。
その考えが多少変わったのは、「残骸」事件の時のことだ。
ミサカ10032号は一方通行が上位個体の側にいることを知ってはいたが、重傷を
負っているようだったし、上位個体の危機に直接は関係しないので、一方通行が
動くことはないだろうと踏んでいた。
仮に実験が再開しても、樹形図の試算による「絶対能力進化」への条件ははミサ
カ達二万人を殺害すること。二万一人目の上位個体は除外されているのだから。
だから、上条当麻を頼ったのだ。
しかし結局は一方通行が、上位個体から情報を引き出し詳細を調べ上げ、「残骸」
を完全に破壊してしまった。
それで、アレ、と思った。もしかして、妹達にも上位個体へ抱いているようなもの
と似た気持ちを持っているのだろうか、と。
決定的になったのは、あのロシアでの出来事。
一方通行はもう、ミサカ達を傷つけることは出来ない。それを言葉ではなく行動で
示された。
そう知って、ミサカ10032号は、一方通行が自分をどう思っているか想像した。
自分が他人をどう思っているかではなく、他人が自分をどう思っているか。その考え
に至ったのは初めてのことだった。
ミサカ10032号は、実験中の一方通行に直接相対し、生き残った唯一の個体だ。
(一方通行は、このミサカが自分を恨んでいると思っているのではないか、とミサカ
は推測します)
推測が当たっているのは、目の前の一方通行を見れば明らかだ。
一方通行は、未だ沈黙を守りこちらを伺っている。顔は青ざめ、薄い唇は震え、『学
園都市最強』が見る影もない。このミサカが完全にいじめっ子ポジションのようだった。
率直に言えば、その推測は間違っている。
一方通行がどこまで理解しているのか把握できないが、ミサカ達は積極的に実験を遂
行しようとしていた。
やりたいとかやりたくないとか、死にたいとか死にたくないとか、そういう発想がな
かった。
だからこそ、一方通行が「本当は実験をやりたくない」ことになど、気付くことが出
来なかった。
上位個体が指摘した一方通行の本心を聞いて、まさに「その発想はなかった」と思った
ものだ。
元々、一方通行は殺人を好んでなどいなかった。ミサカ1号と実験を開始した時には、
弾丸を「反射」せず逸らした。
勝負がついた後も実験の続行を命じられたミサカ1号が背後から一方通行を撃ち、その
反射によってあのミサカは絶命したのだ。
それが、実験を続けるにつれて、どんどんどんどん殺し方が残虐なものになっていった。
だが妹達の認識は、一言で表すなら「?」という程度だった。ただ殺すだけでいいのに
手間を掛ける意味がわからない、と。ただ殺し続けるのにも飽いたのか、まぁそれで一
方通行が実験を続行してくれるのならばかまわないと。
嫌がってほしかったから。残酷な死に方を目の当たりにさせることで、死にたくないと、
抗ってほしかったから。
不器用にもほどがあるけれども、上位個体に指摘された時の反応からして、本人にも無
意識のものだったのだろう。
10031回繰り返してようやく意識されてしまった「本当はやりたくなかった」という気持
ちは、どれほど一方通行を打ちのめしただろうか。
ミサカ10032号には想像することもできない。自分達が傷だらけにしたも同然の、一方通
行の心の闇を。
上位個体が一方通行の罪と救いの象徴であるならば、このミサカは「罪」そのものだろう。
自分が犯してしまった後悔、それがそのまま目の前に現れるのだから、たまったものでは
ない。
「………………用は、ないのか」
一方通行は、ようやく押し出したような掠れた声で呟いた。
ミサカ10032号が今までの人生で聞いたこともないような、弱々しい声音だった。
何も答えないでいれば、一方通行がゆっくりと踵を返す。
その細い背は、ミサカ10032号を拒絶していると思った。そう思った途端、頭の中が燃える
ように熱くなる。
「逃げるのですか、とミサカは一方通行を引き止めます」
「………!」
ビクッ、と打たれたように背が震えて、白い顔がこちらを向く。
「そンなンじゃねェが…。オマエは俺の顔なンて見たくないだろ」
赤い目は、ミサカ10032号の隣にある植え込みを眺めていた。こちらを見ないつもりだと認
識し、また頭の芯が燃え盛る。
それでようやく、これが「怒り」というものだと気付いた。
「このミサカの顔を見たくないのはあなたの方でしょう、とミサカは容赦なく指摘します」
「何……?」
「このミサカは実験に参加したミサカ達の中で、唯一の生き残りですからね、とミサカは
自らの特殊性を強調します」
「………っ」
一方通行が息を呑む。ミサカ10032号は、少し溜飲を下げた。
自分がこのミサカの顔を見たくないだけのクセして、このミサカのせいにして立ち去ろうと
されたことに、怒りを感じたのだと今頃になった理解する。
「自分の過ちが目の前に現れたようで、いたたまれないでしょうね、とミサカは番外個体
が現れた時のあなたの反応を思い出してせせら笑います」
「…っ、あンの、おしゃべり女がァ…!」
PM 5:10 黄泉川家 リビング
番外個体「やっべ!ついおもしろおかしく言いふらしてんのバレた!!」
打ち止め「自業自得だよ~ってミサカはミサカは固唾を呑んで成り行きを見守りながら
呆れてみる」
番外個体「あの顔はすごい怒ってる、すごい怒ってるよ?チョップじゃ済まない予感が
ひしひし込み上げてきた…」アワワワ
打ち止め「デコピン来るかも?あの人のデコピン痛いのよね…ってミサカはミサカは
思い出して身震いしてみたり」
番外個体「今日は逃げよう」ウン
番外個体「…けどあの子ってこんな風に思ってんだね。このミサカにはあんまり理解で
きないなぁ~」ヒャハハハ
打ち止め「ミサカ達はMNWで繋がってるし感覚共有も出来るけど、別の個体だもの、
ってミサカはミサカは改めて確認してみたり。言わなきゃわからないよ」
番外個体「でも無理矢理言わせるのは職権乱用ってヤツじゃないの?横暴ー」
打ち止め「ミサカは上位個体命令なんて出してないよ?」
番外個体「へ?」
打ち止め「でもそういうことにしておいてあげるの、ってミサカはミサカは10032号を応援
しながら微笑んでみたり」
10032号にも頑張って欲しいと思ってしまうのが、複雑な気持ちだ。
「今日のあの人」には笑った
これから上条さんの携帯には、日に日に一方画像が増えてくわけな
「…あなたは、上位個体と番外個体にだけは態度が別なのですね」
「別……?」
ミサカ10032号は、苛立ちのまま続けた。自分でも聞いたことのないような声だ。
ミサカ達の声はすべて同じはずなのに、こんな声を出している個体は見たことがなかった。
「からかわれれば怒るし、悪戯されれば仕返しするし、…側に居ても、身構えない。と
ミサカは暗に今の一方通行との違いを指摘します」
「……………」
例えば、今のように、青白いような顔色で、赤い目を辛そうに眇めたりしない。
細い肩に力を入れたりしない。こちらの一挙手一投足を息を呑んで見守ったりしない。
「べ、別に今までずっと一緒だった上位個体と同じ扱いをしろとは言いませんが……」
言い淀んでしまって、自分で驚いた。
一方通行を見れば、ただ悲痛だった表情が、少し不思議そうに緩む。
このミサカが何を言いたいのかわからないのだろう。さもありなん、このミサカも自分
が何を言おうとしているのかわからなかった。
「……俺にどうしてほしい」
一方通行が、一歩だけこちらに歩み寄った。
あまりに急で驚いてしまい、ビクリと竦んでしまう。すると目の前の華奢な肩もビクリ
と揺れた。
寄せられた眉が露骨に「やっぱり」と語っていて、それを見て突如、ミサカ10032号の
中で何かが千切れた。
「ど、どうせお前はこのミサカのことが嫌なんだろ、とミサカは直球で表現します!」
「はぁ…?」
その勢いにか内容にか、一方通行の目が大きく見開かれる。
それが図星を突かれた反応のように思えて、ミサカ10032号の鼻の奥がツンと痛んだ。
「このミサカが目の前にいれば、お前は自分の過去を常に突きつけられるわけだからな、
そりゃ顔も見たくないよな、とミサカは自らの意見にな、なっとくっ…」
喉の奥も痛くなって、ズキリと目の奥が熱く痛んだと思ったら、その熱いものが目の端
から溢れる。
熱いものは液体で、ポロポロと頬を伝って落ちていく。
「お、おい………」
歪んだ視界の向こうでは、学園都市最強の能力者が成すすべもなく固まっており、次第
にオロオロとうろたえ出している。
「な、泣くな…」
白い白い手を出しかけては引っ込め、拳を握り締めるのを見て、ミサカ10032号はその
手を取って、白い掌で目元を拭った。
「ビビってんじゃねーよこのチキン野郎が、とミサカはこのミサカに触れもしない一方
通行に苛立ちます」
そのまま、ぎゅうっと白く細い手を握り締める。指は長いが、それほどこのミサカと変
わらない作りの手だった。
冷たい手だ。緊張からか、元々なのか。ミサカ10032号は自分の中で燃え盛るものを分け
与えるかのように握り続けた。
そして、右手の拳を固く握り締める。
(力を貸してください、とミサカは心の中のあの人に訴えかけます)
「いいぜ一方通行……お前が、このミサカに恨まれてるって思ってんなら」
「……っ!?」
一方通行は、ただ立ち尽くして、目の前のミサカ10032号を見つめている。
まっすぐに、瞬きもせずに。
「その幻想をぶち殺す!とミサカは右手を勢い良く振り上げます!!」
ペッチーン
PM 5:21 ミサカネットワーク内
582 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
あー 手が痛ぇー
583 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14889
よく頑張ったな
584 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka13577
10032号…(´;ω;`)
585 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka17401
乙 頑張ったな
586 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka16889
これが泣くって感覚か
不思議だな
587 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka12498
目と喉と鼻が熱くて痛いwwワロタwwwワロタ…
しょっぱいなー
これが涙か
あっ鼻水出てきた
10032号大丈夫か 乙女として
589 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka12049
上位個体除いたら、ミサカ達の中で泣いたのって10032号が初めてだな
さすが長女
590 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka11023
悩んでたんだなお前
何でもっと早く言わないんだよ(´;ω;`)ウッ…
591 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
あの人と10032号はお互いに同じ気持ちだったんだね、って
ミサカはミサカは切なくなってみたり
592 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:MisakaXXXXX
お互い相手に怯えられるって思って怖がってたってコト?
このミサカだったら一方通行が怯えてくれるとか大歓迎だけど ぎゃはっ
593 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14201
上位個体は10032号の気持ちに気付いてたのか?
594 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
確信があったわけじゃないけど、10032号があの人を恨んでるわけじゃ
ないことはわかってたから
なんとなく予想しただけだよってミサカはミサカは首を傾げてみたり
595 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19090
一方通行の本心に気付いたのも上位個体だったしな
まぁ腐っても…いや幼女でも上位個体ってことか
596 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
ミサカがあの人の気持ちに予想がついたのは、培養機の中でずーっと
あの人のこと考えてたからだよってミサカはミサカは教えてみたり
597 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka12048
単なる思い込みじゃね?とか思わなかったのかwww>>596
598 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
まぁあの人は否定しなかったけど、肯定もしてないからそうかもね
でもミサカを助けてくれたことも、ミサカ達をずっと守ってくれてる
ことも事実だから
予想が当たってても当たってなくてもどうでもいいよ
ミサカはあの人大好きなだけってミサカはミサカは誇らしげに宣言
してみたり!
恥ずかしいねこの幼女は…
あんなヤツが好きなんてこのミサカには理解できないなー
顔怖いし捻くれてるし凶暴だしデコピン痛いし
はっ(゚Д゚) 早く逃げなきゃ
600 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19090
いや俺も別に一方通行のこと嫌いじゃないよ
なんだかんだ面倒見いいし
俺のことミサカ19090号だって割とわかってくれるし
顔怖いけど
601 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka13577
あー わかるわ>>600
アイツなんかちょっと喋ると見分けつけて来るよな
さすがの第一位の記憶力ってか?
602 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14201
考えてみりゃ俺らのことわかってくれる人なんて実はスゲー少ないよな
お姉様と上条とあのカエル顔の医者と、あと一方通行くらいだ
あ、でも今の研究所の人は良くしてくれてるけど
603 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka15911
>>600-601
そういうのわかるなー 見分けつけてくれると嬉しい
なんだろなこれ
そういうの自我っていうんじゃね?>>603
605 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14201
SOREDA>>604
606 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka11034
わかるかも
こないだ俺の担当の研究員に「あなたはちょっと短気よね」って言われた
そしたら何かそうかもって思った
607 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka14889
他人に発見されてこその個性なのかもな
俺達に縁がある人間は少ない
その一人に嫌われてるってのは…辛いよな 10032号
608 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
お前らさっきから好き勝手言いやがって
別に辛くねーし
609 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
あ、10032号、あの人の幻想はぶち殺せた?
>>609 上位個体命令を受信した
「は…………?」
一方通行は、平手打ちされた頬もそのままに、口を半開きにしてこちらを見ている。
「間の抜けた顔ですね、とミサカは一方通行に指摘します」
握っていた拳は、結局開いてしまった。けれど込めた思いは、この最強の反射など
関係なく届いたはずだ。
あの変態の言葉を借りるのは癪だが、『想い』は反射できない。
「……だが、オマエは」
一方通行は、確かにそれを頬で受け止め、だが理解できないかのように言い淀んだ。
「まぁ確かにこのミサカはあなたが散々痛めつけてくれたお陰で未だリハビリ中ですが、
とミサカは外出もままならない不便さを愚痴ります」
「…………」
「けれどこのミサカにはあなたに借りがありますからね」
「借り、だと…?」
瞬きもしない赤い目は、頼りなく揺れている。
「このミサカは実験に参加した最後の個体です。直接あなたに接触し、戦った。けれど
このミサカはあなたの気持ちに気付くことができませんでした、とミサカは忸怩たる思
いを噛み締めます」
「そンなのは、オマエには」
「関係ないなんて言わないでください、とミサカは一方通行を制止します。ミサカ達と
あなたほど関係あるような人間関係なんてそうそうありません」
ミサカ10032号はキッパリと言い切って、一方通行を正面から見つめた。
先ほど生まれて初めて涙とやらを流して以来、頭に篭もっていた熱も一緒に流れ出たか
のようにスッキリしている。
嫌がられてると思って、怖かったと。ミサカ10032号は素直に認めて受け入れた。そう
して覚悟すれば、不思議なほど身体の強張りが解けた。
目の前の白いのなんてただの白もやしだ。緊張なんてしなくてもいい。
「だから…あなたもハッキリ言ってください。とミサカは容赦なく要求します」
「………何を」
「このミサカのことをどう思っているか、ということです。言っておきますが、あなたが
このミサカをどう思っているかであって、それ以外のことは興味ありません」
闇とか暗部とか資格とか罪とかどーとかこーとか、そういうのはいいから一言で答えろ、
とミサカ10032号はバッサリ切って捨てる。
すると一方通行はたっぷり十秒ほど固まって、ようやく口を開いてから、また閉じてし
まう。同じことを三度繰り返し、それでもミサカ10032号が黙って待っているのを見て、
拳を握り締めた。
白い手はこのミサカが握ったままで、それを忘れていたのか、ビクリと驚いたように指先
が揺れ、ミサカ10032号はもう一度力を入れて握り締めた。
「………守りたいと、思ってる」
掠れた声は、消え入りそうだ。
「このミサカは、あの上位個体でも末っ子でもありませんよ、とミサカは一方通行の言い
間違いを指摘します」
「間違ってなンかねェよ。…オマエにも、世話ンなったからな」
ずっと下がっていた眉に、ようやく少しだけ力が戻った。赤い目を眇めたしかめっ面。
「オマエが頑張ったから、あの実験は…………」
止められたと、言いかけたのだろう。
だがすぐに、自分で「どの口が言うのか」と思ったらしく、口を閉ざして唇を噛む。
考えていることが丸わかりだ。学園都市最強は、こんなに表情豊かだっただろうかと、ミ
サカ10032号は少し首を傾げた。
「あと……わ…」
一方通行は「ア」の音に口を開いて、また閉ざしてしまう。
ギリ、と歯を食い縛る音が聞こえた。ゆっくり逸らされてしまった横顔は、悲しそうで、
辛そうで、そして困ったような表情だった。
恐らく一方通行は、自分が「悪かった」と謝ってしまえば、このミサカがその謝罪を受け
入れることを理解したのだろう。
だから言わなかった。言えなかった。
ミサカ10032号は、いつかの上位個体の言葉を手元に返す。
あの人を一番許せないのは、あの人自身だと。
「……まぁ、今日のところはこれくらいで勘弁してやるよ、とミサカはチンピラのような
捨て台詞を吐きます」
「………え」
長々と溜息を吐き出して、目についた屋台の方に足を踏み出す。
「おい」
当然手を握ったままの一方通行も引っ張られて、だがミサカ10032号は振り返ってこれみよ
がしに舌打ちをした。
「あのクレープで勘弁してやるっつってんだよ、察しろこの白モヤシが」
611 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka18642
結局タカるのかよwwwwww
612 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
スペシャルイチゴチョコクレープうめぇ
これ一個1500円すんだぞ信じられるか
613 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19182
ホントに奢らせるとは…たいした奴だ……
614 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka13028
一方通行は?
615 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
今クレープ屋台があった公園のベンチなんだが
隣に座ってすっげーマズそうにコーヒー飲んでる
616 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19090
そこで先に帰らないのがセロリクオリティ
あコレ語呂良くねセロリクオリティ(ドヤ
617 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka13577
うまくねぇから全然うまくねぇから>>616
618 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
別に頼んでねーし>>616
まったく恩着せがましい白モヤシ いてっ!
619 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
どうしたの?
620 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
アクセラチョップされた
ウッゼェ ムカつく
621 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka19090
何でだよwwwつか何命名してんだよwww
622 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka10032
さっきの>>618うっかり口に出てたwww
アクセラチョップ顔激写してやった
http://www.misaloda/moyashi-1.jpg
623 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka17111
>>622
しかめっ面ここに極まれりwww
624 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka12847
>>622 ワロタww
あ、でも他でも見たなーこの顔
625 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りしますID:Misaka20001
>>622
ミサカと番外個体にチョップする時と、同じ顔してるよ
ってミサカはミサカは教えてみたり
PM 6:14 公園 クレープ屋台前ベンチ
一方通行(どうしてこうなった…………)
10032号「うーんもう一個食べたい、とミサカはセロリを横目で見ます」チラッチラッ
一方通行「オマエもう三個目だろ!腹壊したって知りませンよォ!?」
10032号「甘い物は別腹なのです、とミサカは自分も女のクセにわかってない一方通行に
嘆息します」ヤレヤレ
一方通行「俺は甘いもン嫌いなンだよ……」スッ スタスタ
サッキノモウイッコ… マイドアリー
10032号「人生損してますねあなた、ざまぁwwwとミサカは結局買いに行ってくれる
一方通行を見送りながら、何か忘れてる気がします……」??
一方通行(スタスタ)「ほらよ」
10032号「ん、とミサカは礼も言わずに受け取りながら早速パクつきます。うめー」モグモグ
一方通行「わかってンなら礼くらい言えや」ハァ…
10032号(……やっぱり何か忘れてる気がします)モグモグモグ
10032号「」ハッ
一方通行「お、おお?」
10032号「上条は渡さない!キリッ!とミサカは思い出したように宣戦布告します!」
一方通行「…何の話だ」ポカーン
10032号「い、いやだから上条は渡さないって言ってんだろ二回も言わせんな恥ずかしい!
とミサカは今更ながら何か照れてきました」パクパクモグモグ
一方通行「口にクリームつけて何言ってンのオマエ」スッ ペロ
10032号「」
一方通行(あ、しまった ついクソガキにするの同じクセで)
PM6:30 上条宅
上条携帯<オイメールダ …ハァ、コレデマンゾクカクソガキ
上条「お、おお!?……あ、メールか。打ち止めが送ってくれた一方通行の着ボイス的なの、
すげぇビビるわー」
禁書「とうまったら自分でやっといて自分でビックリしてるんだよ!」アハハハッ
上条「いやせっかく送ってくれたからさー?あ、『今日のあの人』来た」プッ「ホント来た」
禁書「それなぁに?」
上条「あー、何か打ち止めが一方通行の写真、毎日送ってくれるんだって」
禁書「アハハハ!何それ面白いんだよ!」
上条「一枚目は、っと…アレこれ御坂妹か…な、泣いてる!?」
上条(な、なんだこれ、何があったんだ!?一方通行が御坂妹に何かするとは思えないし…)
禁書「なになに?」
上条(インデックスに見られちゃマズイよな!?早く二枚目に…っ)
禁書「なんであくせられーたが短髪…?何このゴーグル…にビンタされてるの?」??
上条「」
上条(どういうことだってばよ………)
上条「さ、三枚目は…」
禁書「あ!このクレープ、1500円もするスペシャルイチゴチョコクレープなんだよ!!」
上条「何故この流れで二人でクレープ!?!?」ガビーン
禁書「なんか仲の良い兄弟みたいだね」ニコ
上条「……ああ、確かに」
上条(インデックスにそう見えるんなら…そうなのかもな。一方通行と御坂妹が、か……)
上条「……………よかったな」ニコ
打ち止めは、ふと何かの予感がして目を覚ました。
(……………いない)
隣に寝ていたはずの、あの人がいない。
いつも通り一方通行のベッドにもぐり込んで、あの人も何だかんだ文句を言いながら、
一緒に毛布に包まってくれたのに。
シーツを探れば、冷たかった。いつからいないのかわからない。
けれど、打ち止めは驚かなかった。
そうっ…と、精一杯静かに起き上がる。微かな衣擦れの音すら立てないように慎重に
床に足をつけた。
清潔なフローリングはひんやりとしている。また黄泉川が始末書を書くことでもあった
のだろう。現実逃避で掃除をする癖は相変わらずだ。
少しずつ足を忍ばせてドアに近づけば、幸いなことに閉まりきっておらず、打ち止めが
ようやく通り抜けられるほどの隙間があった。
多分あの人が、ドアの開閉する音で自分を起こさないよう、隙間を残しておいたのだ。
真っ暗な廊下に滑り出し、必死で足音を殺しながら居間に近づく。呼吸の音すらしない
よう細心の注意を払い、わずかでも軋む音がすれば飛び上がりそうになる。
いつもなら数秒で駆けて行ける距離に十分も掛けて、打ち止めはようやくそこまで辿り
着いた。
昼は温かかったのに、夜になって急に冷え込んだ。シンと静まり返ったリビングは、火
が消えたように寒々しい。
「………ッ、う、く……っ」
押し殺した、ひどく苦しげな呻き声。
(………やっぱり)
カーテンは開けっ放しだった。今夜は月夜だ。窓からの月明かりが、白い人を青白く
浮かび上がらせている。
一方通行はソファで丸くなって眠っていた。幼い子供が無意識に身体を守るかのように。
整っているはずの顔は苦悶に歪み、とてもとても辛い夢を見ているのだろうと、見てい
る者の胸まで締め付けるような。
(今日は、うなされると思った、とミサカはミサカは予想通りで……)
華奢な体躯は、驚くほど小さな影だ。普段威圧感や凄みを感じさせるからこそ、この印象
の違いが打ち止めの胸を突いた。
「ふ…、ぐ、ゥ…」
そうっとそうっと、世界で一番壊れやすいものに触るかのように、月のように白い頬に触
れる。
途端に、ビクンッと細い身体が跳ね上がった。
「う、ッ、あ…?ラスト、オー、ダー………?」
見開かれた血の色の目が、呆然と打ち止めを見つめる。
「うん、ミサカだよ。ってミサカはミサカは頷いてみる」
「……………」
次第に目の焦点が合って、目元がほんの少し安堵に緩む。色を失っていた薄い唇が微かに
動いた。
よかったと、吐息だけでそういう形を作る。
殺してなくて、よかった。そういう意味だと打ち止めは知っている。
「ミサカと一緒に寝てたのに、急にいなくならないで…ってミサカはミサカはお願いして
みる……」
ソファによじ登り、一方通行の胸元にしがみ付いた。二度とこんな寒い場所で一人で眠っ
てほしくなくて、だが、それは叶えられないと知っている。
一方通行はこうして時折、ひどくうなされる。
夢の内容は聞かなくてもわかる。あの実験の頃の夢。自分が殺した妹達の死を、何をどん
な風に殺して来たのかを、なぞるように見ているのだろう。
そしてうなされるのは、決まって一方通行が…何か温かさを感じた時。
忘れるな。お前にはそんなものを得られる資格などない。お前は悪であり、罰を受けるべ
き存在であり、救われるはずなどない。救われてはならないと。
(あなたは10032号と話せて、嬉しかったんだね)
一方通行が感じた幸いが大きいほど、ひどくうなされる。自分で自分を痛めつける。
ロシアから帰って、打ち止めを拒まなくなった。自分を取り巻く優しさを、切り捨てるこ
とはなくなった。
自分には似合わないと背を向けず、受け止める強さをこの人は手に入れたのだと思う。
けれどその分、うなされる回数は増える。
いつも、いつまで経っても。
「……………」
一方通行は、うなされた名残で浅く荒い息を吐き出し、胸元に全身でしがみつく打ち止め
を見下ろしている。
白い手を伸ばして肩に触れようとした。だがすぐに、躊躇うように指を握り込み、また触
れようと指を伸ばす。
打ち止めはその細い指先を握り締めたいのを必死で堪えた。
青白い指先は震えている。薄い胸に顔を押し付け、打ち止めは横目で白い白い指先を見つ
めた。
そうっ…と肩に触れてくれた時には、ツンと目の奥が痛くなる。
「………は……」
一方通行の唇から、細く長く、安堵の吐息が漏れた。
自分が触れても、打ち止めの肉が爆ぜたり血が噴き出したりしないことに、安堵したの
だと知っている。
「あなたの手は…っ」
冷たくて誰よりも温かい手に、思わず顔を上げた。我慢した想いを吐き出した拍子に、
どっと熱い涙が溢れる。
「あなたの手は、一度だってミサカを傷つけたことなんてないよ…!」
「…………」
「ずっと優しかった、ずっと守ってくれた、あなたはミサカのヒーローだもん…っ、
ってミサカはミサカはぁ……っ、ひくっ」
大粒の涙が溢れて、月のように白い頬にぼたぼたと落ちていく。
一方通行は黙って打ち止めを見上げていた。困ったような、悲しそうな顔だった。
打ち止めは渾身の力を込めて、一方通行のシャツを握り締める。
「ミサカとだけは一緒にいてくれなきゃヤだ!ヤだもん…っ!ってミサカはミサカ
は頼み込んでみる…っ」
ひくっ、としゃくり上げてしまい、堰を切ったように泣き声を上げてしまった。
この人の前では絶対笑顔でいたいと、誓っていたのに。
バカみたいなワガママを言って、きっと困らせている。仮に自分だけを連れてどこ
かに逃げてしまっても、一方通行は打ち止めを守って傷だらけになってしまう。
わかりきっている。だからこそ、一方通行には他にも大事な人を作ってほしかった。
でもこんな風にたった一人で苦しんでいるのを見たら、もう何でもいいから自分だ
けを連れて誰も自分達を知らないところに行ってもいいと思う。いや、ダメだ。
自分だけでは、この人に幸いを渡すことは出来ない。
「う…っ、く…ぅえ…っ、バカ…!どうしてわかってくれないのって、ミサカは
ミサカは駄々を捏ねてみる…!」
「………」
うぅえええん、とまさに子供そのものの泣き声を上げて、打ち止めは一方通行の胸
に顔を擦りつけた。変わらない涼しげな花のような匂い。
一方通行は恐る恐るというような仕草で、背を撫でてくれる。
(……まったく、うるさくて寝られないよ)
番外個体は、リビングの入り口で佇んだまま、一方通行と打ち止めを横目で眺めて
いた。
始末の悪い頭痛は、ズキズキと目の奥を痛ませる。痛みは目の奥をずっと沈んで、
どうしてか胸の辺りにまで落ちてきた。
「…………」
一方通行は、胸の上に打ち止めを乗せたまま、ゆっくりとその背を撫でている。
打ち止めは何度もしゃくり上げ、ただ泣き声は少しずつ小さくなっていく。
番外個体の佇む場所からだと、月明かりの差し込む窓を背にしてソファがある。
その眺めは、白と青で描かれた寂しい絵画のように見えた。
時々、この二人はこんな風に見える。たった二人で完結した、小さな絵のような。
チッ、と番外個体は舌打ちして足を踏み出した。
らしくないというものだ。この悪意の塊である最悪の個体が、まさか空気を読もう
とでもいうのか。
「こんなとこで何してんの、第一位」
嫌がらせのつもりで、声を掛けた。
「………クソガキが重い」
見下ろした一方通行は、薄い無表情でこちらを見上げる。月を写した赤い眼は、透
き通っているのに底が見えない。
「あーあ、泣き疲れて寝ちゃったの?子供だねー最終信号は」
「……ガキだろ、コイツは」
ゆっくり起き上がりながら、ずり落ちないようにか小さな丸い後頭部を支える。
打ち止めを見下ろす一方通行の白い横顔を見て、番外個体の胸の奥がズキリと震えた。
「あーあ…すっごい頭痛いんだけど」
「あァ?」
「頭痛いっつってんの。…早く治してよ、あなたにしか出来ないんだから」
何やら辛そうにしているところに、自分勝手な都合で声を掛ける。そういう個体だ、
このミサカは。
だが一方通行は、軽く溜息をついておとなしく立ち上がった。
文句の一つも言われると思ったのに、吐き出された吐息は、気のせいでなければ安堵
の色をしていた。
「…何してンだ。行くぞ」
眠っていても力一杯シャツを握り締めたままの打ち止めを抱えて、白い顔が振り返る。
「言われなくても」
踏み出した番外個体の足取りは、先ほどとは打って変わって軽かった。
三人の中では、背が高い一方通行のベッドが一番広い。と言っても、さすがに三人は
窮屈で、ベッタリくっついて寝る羽目になる。
打ち止めが一方通行の胸から離れないので、番外個体は細い肩口に頭を預けていた。
「…はぁ………」
触れた途端、すうっと呼吸が楽になる。息をついたら、花のような香りが鼻先をくす
ぐった。
もっとも、このミサカは生花の匂いなど嗅いだことはないので、単なるイメージだ。
「………いやー本当に意味わかんないくらい役に立つね、この能力」
「……役に、ね……」
頭の上から、ポツリと呟きが落ちた。低く掠れた声。
すぐ目の前にある打ち止めの頭に、華奢で大きな手が置かれる。小さな手は、相変
わらずシャツをしっかり握り締めている。皺になるのは決定だ、いい気味である。
「さっき子供だって言ってたじゃない。そりゃ泣くんじゃないの」
「確かにコイツはガキだが…泣くとこなンて、ほとンど見たことねェよ」
「へぇ…?そうなんだ」
それほど長くない付き合いだが、まぁ確かに納得できるところもある。
言動自体は子供らしいけれど、打ち止めはかなり思慮深い面を見せることも多い。
「俺は……どうすればいいンだろうな」
この小さな少女のために、何が出来るのだろうか、と。
微かな呟きは、ひとり言だったのだろう。
低い掠れた声音は、消え入りそうだった。シンと冷えた空気と同じ色をしていた。
このミサカに質問されたわけではないと悟って、番外個体はキツく眉を顰める。
「そんなの…このミサカにわかるわけないでしょ」
思わず見上げれば、予想外なことに赤い目がこちらを見ていて、心臓が跳ね上がる。
「こ…このミサカは、妹達の悪意を吸い上げる悪意の塊だよ?人のために何が出来
るかなんて、わかるわけないじゃない」
「そうだよっ…!このミサカが、人のために何か、なんて出来るわけ………」
他の誰も同じ色をしていない、赤い色。最初は濁った血みたいだと思ったのに、今は
稀な宝石に似ていると感じてしまい、イラついた。
「出来てるだろ…」
「え?」
小さな呟きに、ひどく驚いて目を見開く。すると途端に眼前の白い顔がしかめっ面に
なって、そっぽを向いた。
「妹達の負の感情に影響を受けるオマエが、ここにいるだけで俺は…」
救われているんだ、と。
途中で消えてしまった言葉の代わりにか、掌で目を覆われた。
消えたはずの言葉が、触れた肌から染み入ってきた気がした。
冷たい手は、何故か火照っていた目元にひどく心地よくて、じわりと何かが溢れる。
「バカじゃないの、あなた」
目尻に溢れた何かは温かくてすぐに冷たくなって、同じように滑らかで冷たい指に
拭われた。
あくまで頭痛の借りだが、華奢な身体に気を使って頭だけ乗せていたのを、胸元ま
で一方通行の上に乗り上げた。
打ち止めはほぼ身体全体を乗り上げて眠っているので、一方通行もたまったもので
はないだろう。
「……………」
さすがに文句を言われるかと思ったのに、一方通行は黙ったままだった。
何か言われたら言い返してやろうと色々考えているうちに、だんだん眠くなって
くる。
体温の低い細い身体は、不思議なことに柔らかな毛布より温かいのだった。
「…………重たいンだよ、クソガキどもが…」
ほとんど眠る寸前に聞こえた呟きは、少し潤んでいたような気がする。
AM 12:30 黄泉川家リビング
打ち止め「ねぇねぇヨミカワー、コレ見てみて!!」ピョンピョン
黄泉川「ん~?ケータイの写真じゃん?…ブッ、一方通行泣きべそかいてどうしたじゃん!」ギャハハ
芳川「あらあら、どうしたの一方通行ったら」
一方通行「」
番外個体「あはひゃははは!第一位って意外と学習しないよね~」
芳川「そうねぇ、学習しないわねぇ、ホホホホ」
一方通行「」ブルブル
打ち止め「あなたが悪いんだよ?プンプン!ってあなたはミサカが何で怒ってるのかもっと
考えるべき!ってミサカはミサカは反省を促してみたり!」
一方通行「」グイッ
打ち止め「あっ ミサカのケータイ!返してー返してー」ピョンピョン
一方通行「」バキーン
打ち止め「ああああ!!!!ミサカのケータイがぁあああ!!?って」
番外個体「ミサカはミサカはこのミサカのケータイにも入ってるよってヒラヒラさせてみたり?
あひゃひゃひゃひゃ!」ヒラヒラ ダッ
一方通行「ぅおらァあああああ待ちやがれこのクソガキがァアアアア……!!!」ダッ
打ち止め「あーー…行っちゃったー。なーんて、MNWに写真もメールもぜーんぶバックアップ
してあるのだ!ってミサカはミサカは勝利宣言!」フハハハ
芳川「やるわね最終信号」グッ
打ち止め「…あれ?ヨミカワ、どうしてそんなにニコニコしてるの?ってミサカはミサカは首を
傾げてみたり」??
黄泉川「ん…?あの子も泣けるようになったのか、ってね」ニコ
芳川「そうね………。とても…嬉しいことね」
打ち止め「……わかんない。ってミサカはミサカは不満に思ってみる。ミサカはあの人にだけは
泣いてほしくないよ」
黄泉川「そうだなぁ。今度あの子が泣いたら、打ち止めが拭いてあげればいいじゃん」
打ち止め「うん、そうする。ってミサカはミサカは誓ってみたり」ウンウン
黄泉川家は今日も平和です。
PM 3:45 ミサカネットワーク内
1.【何か末っ子が頭痛するらしいんで】日々をポジティブに過ごすスレ【鬱やめようぜ】(1)NEW
3.【学園都市】おいしかったクレープ屋晒して行け【甘味探索】(432)
3.【協力求む】あの人とヒーローさんをいいかんじにさせたいんだが16(72)
4.今日の上条201(451)
・
・
・
・
1 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
運営から聞いたんだが、末っ子は俺たちの負の感情に影響受けるせいで
頭痛がするらしい
なのでなるべく負の感情に振り回されないようにしてこうぜ
何か嬉しいことがあったら書いてけ 共有しよう そういうスレ
2 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
ちょっとミサカはそんなこと頼んでないよ
余計なお世話
だいたい末っ子って何?見た目ならこのミサカが長女じゃん
3 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
まぁそう言うなよヤンデレ(笑)
子守唄(笑)ねだるようなのは末っ子だろ(苦笑)
4 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
ぎゃはっ じゃああなたはツンデレ(笑)だよね
泣きながらビンタwwwwwww
5 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
上等だコラ 表出ろや
姉の威厳ってモンを教えてやる
6 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
あひゃひゃひゃ!いい度胸じゃないレベル2風情が
クレープ奢ってもらったくらいで調子こかないでよね
7 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
こらー!二人とも!せっかく14889号がスレ立ててくれたのに
荒らしみたいなことしてたらアク禁しちゃうぞ!
ってミサカはミサカは秩序を保つために声を上げてみたり!
8 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
したいならすればぁ?
最終信号の命令でもこのミサカにはあんま効かないし
9 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka17409
なんでこここんなギスギスしてんのwww
スレタイ詐欺wwww
10 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka10982
むしろこのスレが率先して負の感情振り撒いてるwww
11 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
まぁ末っ子はワガママなもんだ
12 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
だから末っ子扱いやめてって言ってるでしょ!
このミサカは悪意の塊なんだから当然だよ
でも第一位は「だがそれがいい」って言ってたけどね
13 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
あの人はそういう意味で言ったんじゃないと思うけどなぁ
ってミサカはミサカはあの人のシュミが誤解されるのを阻止して
みるんだけど……
勘違い乙>>12
15 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
勘違いしてるのはそっちの方じゃないの?
所詮あなたたちなんかこのミサカの劣化版でしょ
16 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
おい いい加減にしろよ
言いすぎってヤツだ
17 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
はっ 何だ何だよ何ですかァ?
実力行使に出るんならやればいいよ
どうせこのミサカは他の皆と違うし
18 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka12048
まぁまぁ 落ち着けよお前ら
19 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
そうだよってミサカはミサカは一生懸命同意してみたり!
____ / ̄ ̄ ̄\
/___ \ / ___ ヽ
/ |´・ω・`| \ / |´・ω・`| \ みんな~
/  ̄ ̄ ̄ \ / _,  ̄⊂二二)
| i ヽ、_ヽl | |
└二二⊃ l ∪ | |
| ,、___, ノ | ,、 |
ヽ_二コ/ / ヽ / \ /
_____/__/´ __ヽノ____`´
おおお こんなスレが!!
なーなー聞いて聞いて
デラックスキャラメルチョコミルクバニラクレープ ま じ う ま !
21 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka19218
>>20
>>20
>>20
22 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka10819
なんたるKYwww>>20
23 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka11192
今日のMVPは決定したな>>20
あ、あれ・・・???
ここ何か嬉しいことを報告するスレじゃないの?
25 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka16829
確かに>>1にはそう書いてあるんだがなwwww
つかクレープスレ他にあったろww
26 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
いや大丈夫、それで合ってる>>24
それお前が前から食べたいって言ってたやつだよな
確か高くて買えないって言ってなかったか?
27 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
一方通行が買ってくれた!3000円もするのに!!
えへへ おいしい
28 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
えっ
29 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
えっ
30 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
つまり・・・どういうことだってばよ?
ってミサカはミサカはkwsk話してほしいなってお願いしてみたり>>27
31 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
えーっと 今日頑張って一方通行に謝ろうかなって思ってて
謝ったらクレープ奢ってくれた
あと頭触らせてくれた ふわふわさらさらしてた
32 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
えっ
33 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
えっ
34 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
おお~謝ったんだね19090号!
よかったね、ずっと気にしてたもんね、ってミサカはミサカは
頑張った下位個体を労ってみたり!
35 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
な、なんでそれでクレープかな?
36 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
まぁ 言えたのはよかったよな>>31
けどなんでそれで頭触る流れになるんだワロタ
37 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
説明しよう!
それは>>31が
「こないだは悪かった
ちょっとした冗談のつもりで、一方通行が俺達を守ってくれてることは
ちゃんとわかってる
あと服と指輪ありがとう」
って言うだけの間に65回も噛んだからだ!!
最初は怪訝そうだった一方通行
http://www.misaloda/accela-6315.jpg
>>31が15回目に噛んだあたりの一方通行
http://www.misaloda/accela-6350.jpg
>>31が何回も言いなおして五分掛けてようやく言い終わった後の一方通行
http://www.misaloda/accela-6393.jpg
怪訝そうな顔がだんだん呆れ顔にwwwww
39 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka15345
最後www完全に親御さんの顔wwwwwwwwwwww
もっとkwsk報告するんだスネーク!
40 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
こちらスネーク
最終調査結果を報告する
--------------(19090号がやっと言い終えました)--------------------------
一方通行「………よくがンばりました」
19090号「う、ぅう……舌が痛い、とミサカは噛み過ぎて舌がヒリヒリすると
涙目で訴えます…」
一方通行「わざわざ謝らなくても、別に俺は気にしてなかったけどな」ハァ
19090号「あなたは気にしていなくてもミサカはすごく気になっていたのです…」
一方通行「………」
19090号「とミサカはちょっと寂しくなります…」ショボン…
一方通行「…………なァ、オマエらって皆甘いもン好きなのか?」
19090号「え?他の個体はわかりませんが、このミサカは大好きです。とミサカ
は質問の意味がわからず首を傾げます」
一方通行「ふゥん…。じゃあ、あれでも食うか?奢ってやるから」
19090号「!!!あれは!このミサカがずっと食べたかったクレープを売ってい
る屋台です!とミサカは期待に目を輝かせます!!」
一方通行「急に元気になりやがった……」
この後一方通行は19090号にスペシャル(ry)クレープを買い与え、
頭触ってもいい?って頼まれて渋々モフモフさせたのであった
------------------(おわり)--------------------------------------
41 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka12456
頑張ったお子さんにご褒美ですねわかりますwwww
42 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
お子様じゃないし!>>41
てか、なんだよスネーク見てたのか?
それなら一緒に来てくれてもいいのに…
43 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
それじゃ尾行にならないからヤダ
スネークだもん俺
44 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
そんなことどうでもいいっての
どうして19090号があの人の頭撫でる羽目になるの?
このミサカもやったことないのに
45 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
え 何か柔らかそうで前から触ってみたかったんだもん
実際柔らかいっつーか 何だろう あ、猫っ毛ってやつ?
ふわふわさらさらつるつる みたいな
いや猫触ったことないけど
46 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka13577
いいなーそれ>>45
ミサカ達は能力のせいで猫とかは逃げちゃうからなー
俺も今度会ったら頼んでみようかな
47 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
確かにミサカ達の髪の毛とは手触りが違うよね、ってミサカはミサカは
あの人の髪の触り心地をウットリ思い出してみたり
あ、でも前とちょっと髪質が変わった気がするのよね
48 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
そうなの?>>47
あーそういや一回髪の毛剃られた後にベクトル操作でムリヤリ
髪伸ばしたら、髪質変わったとか言ってたな
49 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka11938
相変わらずチートすぎるなwww
50 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka11204
何で剃られたんだよwwwつか剃ったヤツ何者だよwwwwww
51 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka10221
馬鹿 頭撃たれた後だろ>>50
手術で剃ったんだよ
52 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka11204
正直スマンかった>>51
53 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka12918
なんだか俺も触ってみたくなってきた
54 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka17491
俺も俺も
あんなのの髪触りたいなんてこのミサカには理解できないね
ぐぬぬ…
56 :以下、名無しに代わりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
おいお前 一文目と二文目矛盾してるぞwwww>>55
とpgrしてたら一方通行を発見した件
・
・
・
PM 5:20 第七学区 大通り
10032号「おや一方通行、これは奇遇ですね。頭撫でていい?とミサカはつい他の
個体につられて要請してみます」
一方通行「………はァ?」ポカーン
10032号「あとこのミサカにもデラックスキャラメルチョコミルクバニラクレープ奢って
ください。とミサカはすぐ側のクレープ屋台をこれ見よがしに眺めます」チラッチラッ
一方通行「顔見て五秒でタカってくるたァ良い度胸だな」
10032号「褒めても何も出ねーぞ、とミサカは頬を赤らめながら早く奢れよと催促
します」
一方通行「赤くなってねェから、全然なってねェから」
10032号「イタタタタ何かすごい腕痛い、あ~~誰かさんがやってくれちゃった腕
がすごい痛む。とミサカは腕を抑えて邪気眼的なポーズです」
一方通行「オマエ10032号だなァ!?」
10032号「イタタタタホント腕痛い、すごい痛い、クレープ食べないと治らない。
とミサカはこのミサカを見分けたモヤシからの愛を実感したいと主張し
ます」
一方通行「あァあああもォわかった、わかりましたよォ!」ダカラソレヤメロ!!
デラックス(ryイッコ… ニーチャンイツモアリガトナー イィエー…
10032号「やったー。とミサカは一方通行からクレープを受け取り勝利宣言をします」
一方通行「はァ…………なンなのオマエ…」グッタリ
10032号「ほら白モヤシもここに座りなさい。とミサカはベンチの隣をポンポンします。
奢ってもらったお礼に一口分けてあげます」
一方通行「いらねェ。コーヒーあるし」ストン ズズー
10032号「まぁそう言わずに。どうせ食わず嫌いでしょう?とミサカは一方通行の偏食
ぶりを指摘します」
一方通行(何で偏食バレてンだろう…)「いらねェっつーの」
10032号「一口食べてみてください。おいしいですよ。おいしいのです。とミサカはこの
感動を共有したい衝動を伝えます」グイグイ
一方通行「うぶっ…押し付けンなっ、あ」ベチョ
10032号「あっちょっとクリームがはみ出してしまいましたね。もったいないから舐め
とるべきです。とミサカは計画通りであることを押し隠しつつ指摘します」
一方通行「オマエなァ…………」ペロ「うッげ…甘ェ~……」ゴクゴクゴク
10032号「なんですかその嫌そうな顔は。とミサカは一方通行の盛大なしかめっ面を
非難します。おいしいのに…」パクパク
一方通行「ハイハイもォいいからオマエが全部食えって…」
10032号「わかりました。とミサカはデラックスキャラメルチョコミルクバニラクレープ
をおいしく食べ進めます…」モグモグ
一方通行「…………」ズズー
10032号「…………」モグモグ
一方通行「…………」ズズー
10032号「……あの。とミサカはキャラメルとバニラのハーモニーを最後の一口ま
で堪能しながら少々躊躇いがちに切り出します」モグ…
一方通行「なンだよ」
10032号「先ほど腕が痛いと言いましたが…現在治療も調整も問題なく進んでいま
すので、本当は痛くありません。とミサカは嘘をついたことを一方通行に
打ち明けます…」
一方通行「………バァカ。わかってンだよ」ベシッ
10032号「いてっ。とミサカは突然のチョップに驚きつつ何となく顔が緩みます」ニヘラ
一方通行「かっわいくねェ笑顔だなァ」
10032号「あなたにだけは言われたくありません。あなたにだけは言われたくあり
ません。とミサカは大事なことだから二回言いました」ムッ
一方通行「俺には笑顔なンて似合わねェからいいンだよ」
10032号「まぁ確かにこのミサカは見たことありませんが…。とミサカは確かに
さっきの笑顔がぎこちなかったかもしれないと思いつつ憮然とします」
10032号「あ、でも上位個体が見たことあるって言ってましたよ、ロシアで。とミサ
カは上位個体が騒がしく自慢していたことを思い出します」
一方通行「あのクソガキはもォ……」ガリガリ
10032号「じゃあちょっと今お前笑ってみろよ。とミサカは小馬鹿にされたのが悔
しいわけではありませんが、全然悔しくありませんが」
10032号「ちょっと愛想笑いでも覚えた方が人生円滑に進みますよ?とミサカは
的確なアドバイスをしてあげます」
一方通行「オマエにだけは言われたくねェ。オマエにだけは言われたくねェ」
10032号「おやこのミサカの真似ですか白モヤシ。あ、思い出したけど頭撫でさ
せろよ、とミサカは真似させてあげた御礼を要求して手を伸ばします」
一方通行「……は?」
10032号「おお…ほほぅ……なるほどなるほど…」モフモフモフモフ
一方通行「……………」
10032号「確かにさらさらふわふわつるつるですね。とミサカはされるがままの
一方通行の頭を撫で回しながら19090号の感想が的を射ていると
実感します」モフモフモフモフ
一方通行「…楽しいかァ……?」
10032号「それなりに。とミサカは仏頂面のモヤシの頭を撫で続けます。何で
こんなに髪きれいなの?ズルくね?」モフモフモフモ
一方通行「まァ…紫外線とか反射してっからな」
上条「おーい一方通行!お、御坂妹も一緒か?」タタタタ
10032号「!!」モフッ
一方通行「なンだオマエかよ…。何か用か三下ァ」
上条「ああ、そうそう。また付き合ってくれないか?買いも…」
10032号「付き合う…だと?どういうことですか?とミサカは露骨に話を遮って
問いただします。と同時に急いで身なりを整えます」ササッ
上条「ああ、こないだ一方通行に付き合って貰ったんだよ。助かったぜー俺一
人じゃ無理だったし」
10032号「付き合って… 一人じゃ無理なこと…だと…?とミサカは硬直します」
一方通行「何勘違いしてンだこの耳年増は」ビシッ
10032号「あてっ。とミサカは側頭部にチョップをかまされて我に返ります」
上条「ん…?何してたんだお前ら」
一方通行「子守り」
10032号「一方通行の髪の手触りを確認していました。とミサカはこの白髪が
なかなかの触り心地であったことを伝えます。猫ってこんなかんじ?」
一方通行「だァから気安く触ンなっつゥの」カチリ
上条「左手で触る…と見せかけて右手でそりゃー」キュイーン ナデナデ
一方通行「」
上条「だーからすぐ能力に頼るのやめろっつーの」ナデナデ
10032号「何だこの図…とミサカは一方通行の頭をなでなでするあなたの写真を
ネットワークに放流します。あ、早速祭りが開始されました」
上条「祭りとかあったっけ?大覇星祭はとっくに終わったぞ。……うーん、スゲー
気持ちいいな。俺の髪と全然違う」ナデナデ ハハハ
一方通行「やーめーろォ」ブンブン
10032号「あ、その頭ぶんぶん振って嫌がる仕草、ミサカが猫に触ろうとした時の
嫌がり方と同じです。とミサカはセロリなんかよりあなたの髪の手触りが
気になることを伝えたいです。そんなに違いますか?」ソワソワ
上条「ん?触ってみるか?」
10032号「いいのですか?とミサカは目を輝かせて確認します」
上条「別に構わないぜ。こんなサラサラしてないけどなー」
10032号「お気遣いなく。とミサカはあなたの気が変わらないうちに慌てて手を
伸ばします」ササッ
10032号「………」サクサク
手触りに驚愕します」サクサク
上条「あはは、だろ?もーいっつもウニとか針金とか散々な言われようでさー」
10032号「このミサカはウニに触れたことはありません。とミサカはウニの手触り
を学習します。ウニ=あなたですねわかります」サクサク ニヘラ
上条「さすがに本物よりも柔らかいと信じたい上条さんです…」ナデナデ
一方通行「いつまで触ってンだコラ。ぶっ殺されたいンですかァ?」ビキビキ
上条「じゃあ一方通行も俺の頭触っていいぞ?」ナデナデ
一方通行「はァ?寝言は寝て言え」
10032号「触ってみるといいではないですか一方通行。とミサカはこのレアな手
触りを堪能することを勧めます。だってサクサクするのですよ髪の毛
なのに。髪の毛なのにサクサクするのですよ?」サクサク
一方通行「…………」(サクサク…?)
10032号「サクサクする。すごいサクサクする」サクサク
上条「そんなうまい棒みたいな」
一方通行「……………」ウズッ
10032号「あーなんか掌が痛痒いかんじになってきました。とミサカはサクサク
が止まらないことをこれみよがしに伝えつつ、ベンチに座ったままの
一方通行の顔の前にあなたの頭を押し下げます」グイグイサクサク
上条「お?おお」ヒョイ
一方通行「……………」ソーッ
一方通行「……」サクッ
一方通行「……ふ、ホントに針金みてェ」クス
上条(!!!!笑った!!)
10032号(!!!笑いました!!!とミサカは)
10032号「チクショウ!撮り逃した!!!」
一方通行「」ビクッ
上条「え?な、何を?」ビクッ
10032号「いえ何でもありません。とミサカは一方通行の超レア顔をバックアップ
し損ねてこれは痛恨のミス…と思っていることを押し隠します」
一方通行「ハイ全然隠せてねェ。いちいち人の顔撮って後でからかうのやめろ
オマエら…」ピキピキ
上条「あー、でも写真に撮りたいのもわかるかもな。いつもさっきみたいな顔で笑
ってればかわいいのに」
一方通行「」
一方通行「……気ッ持ち悪ィこと言ってンじゃねェよォ…」ブルッ
10032号「かわいいですと?いや、確かに あれ?かわいかったかもしれません。
とミサカは…いや、このミサカの笑顔も負けていませんよ!」ニヘッ
上条「プッ、ああそうだな。お前の笑顔もいいかんじだぜ?」ニコッ
10032号(あなたの笑顔には全然かないません。とミサカは今度こそしっかり笑顔
をバックアップします。他のミサカ達にも良い土産が出来ました)ウフフ
上条「あ、レア顔と言えばさー…打ち止めからこんなメール来たんだけど」パカッ
--------------------------------
件名:今日のあの人 vol.12
差出人:last Order
日時:20**/12/** 14:20
---------------------------
本文:
こんにちは!
早速だけど『今日のあの人』は
スーパーレアレア写真だよ!
でもあれはミサカ達のための
泣き顔だから、あなたも見たい
んだったら自力で見てね!
でもあの人を悲しませたら
許さないんだからって
この写真と同じように悲し涙以外
を要求してみたり
明日はお昼寝中的一方通行を
お送りします
とミサカはミサカは最近『世界の
車窓から』ていうレトロ番組に
ハマってることを伝えてみる
添付:
accela-ultra-rare02.jpg
--------------------------------
上条「写真、モザイク掛かってるんだよなぁ…………」
一方通行「」
10032号「ほほう、『今日のあの人』ですか。ミサカ達の間でも似たようなものが
流行っていますよ。とモザイクてww上位個体意味わかんねぇwww
とあなたの携帯画面を覗き込みます」
上条「悲し涙以外ってことは、何か嬉しいことでもあったんだよな」
10032号「どうせなにか一人で考え込んで幼女に慰められたに違いありません。
とミサカは自虐癖のある一方通行の性格を指摘します」
一方通行「お、おま………」ブルブル
上条「ていうか泣いたのか?一方通行」ジッ
10032号「泣いたのですか?一方通行」ジッ
一方通行「…………っ」カァッ
上条(お?照れてるのか?)ジッ
10032号(照れとるwwwとミサカは耳まで赤い一方通行のレア顔をガン見します)ジッ
一方通行「っせェなァ…関係ねーだろ」スクッ カツカツ
上条「あ、待てよ。買い物付き合ってくれってば。もう特売始まるし」ガシッ
一方通行「離せこの三下がァ!」ブンブン
そうにありません。と客観的に判断しながら、ミサカは何かを訴えか
けるようにあなたを見つめます」
上条「ん?」
一方通行(………ああ、なンだ。そういうことか)ピーン
一方通行「おい、俺の代わりにコイツが買い物付き合ってくれるってよ」ダカラハナセ
上条「え、本当か?御坂妹」
10032号「!一方通行……お前もしかしていいやつ?とミサカは感謝の眼差しを
向けます」
一方通行「悪いヤツに決まってるだろォ。じゃーな…ってだから離せっつゥの!」
上条「え?お前も来るし、御坂妹も来てくれるって話だろ?」
10032号「ええその通りです。とミサカも一方通行の手を握って引っ張ります。ライ
バルの施しは受けない。キリッ」キリッ
上条「ライバルって何の?」ズルズル
10032号「こちらの話です。とミサカは頬を赤らめながらあなたと一緒に一方通行
を引っ張ります。ふっ、軽いなーさすがモヤシ。杖いらねーだろ支えて
やるから」ズルズル
ハーナーセー!! イイカライイカラー アキラメノワルイモヤシデスネートミサカハ
PM 5:40 第十学区 大型スーパー 店内青果売り場
上条「いやー今日の特売も大勝利だったな!玉ネギって日持ちするし何でも使える
から助かるんだよなー」カートガラガラ
10032号「ほうほうあれが特売というものなのですね。軍用に調整されたこのミサカ
にもなかなか厳しい戦場であったとミサカは感想を伝えます」テクテク
一方通行「いい加減離してくれませンかねェ…すっげー見られてるンだけど」ハァ
アラアラ ウフフ
カワイイワネー サンニンデ オテテツナイテジャッテ
キョウダイカシラ?
クスクス ナカヨシネー
10032号「離したら逃げるでしょう?とミサカはお一人様一本80円の牛乳を三本ゲット
するために手を離さないことを宣言します。あなたのために」キリッ
上条「ありがとなー御坂妹…!」キラキラ
10032号「うおっ眩しっ…とミサカはあなたの眩しい笑顔を直視できません」
上条「正面から見といて何言ってるんだよ」ハハハ
10032号「細かいこたぁいいんだよ。とミサカはあの仕草をしながらこれは何ですか?
とあなたに質問します」
上条「ああ、これは鍋のスープだ。これに野菜とか肉とか入れて寄せ鍋とかにするん
だぜ。そろそろ鍋のおいしい季節だよなー」
10032号「鍋…ですか?このミサカはその寄せ鍋とやらに興味を持ちました。聞いて
ますか一方通行?鍋だそうですよ?とミサカは左手を引っ張ります」クイクイ
一方通行「ハイハイ聞いてますゥー………」グッタリ
一方通行(…嬉しそうな顔してやがるなァ、こいつ……)
上条「…嬉しそうな顔してるな、一方通行」
一方通行「…っ!?」
上条「お前と…御坂妹がそんな顔して一緒にいるなんて、上条さんも嬉しいですよ」ニコ
一方通行「…………」フイ
一方通行(…何でコイツは…他人のことなンかでこンな顔出来るんだ………)
10032号「それがこの人がこの人である所以なのです。とミサカは一方通行の手を
強く握り締めます」ギュッ
一方通行「勝手に人の思考読むンじゃねェよ………くそったれ」チッ
PM 5:56 ミサカネットワーク内
1.【超速報】上条が一方通行の胸を鷲掴みにした件(1)NEW
2.【末っ子支援】日々をポジティブに過ごすスレ2【頭痛阻止】(183)
3.【協力求む】あの人とヒーローさんをいいかんじにさせたいんだが16(875)
4.今日の上条202(851)
・
・
・
・
1 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
(.___,,,... -ァァフ| あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
|i i| }! }} //|
|l、{ j} /,,ィ//| 『積み上がってた缶詰が一方通行の頭に崩れ
i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ 落ちてきて、上条が「危ねぇ!」とか言って
|リ u' } ,ノ _,!V,ハ | 一方通行を庇って引っ張った
/´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人 と思ったら、上条が一方通行に覆いかぶさって
/' ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ 胸にダイブしていた』
,゙ / )ヽ iLレ u' | | ヾlトハ〉
|/_/ ハ !ニ⊇ '/:} V:::::ヽ な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
// 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ おれも何がどうなったのかわからなかった
/'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐ \
/ // 广¨´ /' /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ 頭がどうにかなりそうだった…
ノ ' / ノ:::::`ー-、___/:::::// ヽ }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::... イ 超スピードだとか催眠術だとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
2 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10228
上wwww条wwwwwwwwwwwwwwwwww
3 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka18193
さすがのラッキースケベwwwwwwwww
クソワロタ
5 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14827
おいセロリ俺と代われよwwwうらやまww
・
・
・
183 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
もーみんなこのスレに殺到しすぎ!
鯖落ちしちゃうよ!!
って諌めつつもミサカはミサカは証拠写真の提出を求めてみたり!
+ +
∧_∧ +
(0゜・∀・) ワクワクテカテカ
(0゜∪ ∪ +
と__)__) +
184 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
ほらよ つhttp://www.misaloda/moyashi-5.jpg
185 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10812
思いっきり押し倒とるwwwww>>184
キィイイイイイ!!!俺の一方通行さんに何すんだ!!!
187 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
俺こういうの夢で見たことある
こんなかんじの 顔を顔に埋めつつ片手で掴むかんじの
ハァハァ上条うらやましす
188 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10385
これはモロwww>>184
つか、上条が一方通行を引っ張ったんだろ?
一方通行が上条の上に被さるんならともかく、
何で逆になってんだよwww
189 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
わけがわからないよ/人◕ ‿‿ ◕人\ >>188
190 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12847
これはブチギレだろwwww
一方通行の黒翼クル━━━━(゚∀゚)━━━━ !?
191 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
いやーそれがなぁ
>>184 の写真の三十秒後なんだが
http://www.misaloda/moyashi-6.jpg
何も変わってねぇwww>>191と>>184
間違い探しかよww
193 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
ペロッ…>>191 これは…ッ!
『何で手前に引っ張られたのにこの体勢になるンだ?
どんな演算式でシミュレートしても絶対にこうはならないンだが…
さすがヒーロー』
とか考えてむしろ感心している顔…っ!
194 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka18149
おいwwww
おいwwwwwww
195 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11948
ワロタwww>>193
この場面でマジボケかましてくる第一位さすが第一位
196 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13577
俺達が言うのもなんだが
そんな反応で大丈夫か 乙女として
大丈夫じゃない 大問題だ>>196
おい>>1 見てないで何とかしろよ
スーパーの人にも迷惑だろ
198 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11948
あ、それもそうだな>>197
ホントに世話が焼けるなーこの白モヤシは
上条はフラグ建築士だから仕方ない
・
・
・
PM 5:58 第十学区 大型スーパー 保存食品売り場
ザワザワ
ナーニ?ドウシタノ?
スゴイオトシタワネー
オキャクサマー オケガハアリマセンカ!
ダイジョウブデス トミサカハ チラバッタカンヅメヲ イッショニカタヅケマス
一方通行「…………………」
上条「…………………」
一方通行(あー、驚いて硬直してンのか?多分こいつ俺のこと男だと思ってたよなァ)
10032号「大丈夫ですか?とミサカは形式的な台詞を吐きつつ、いい加減あなたはモヤシの
胸から手と顔を離すべきではないでしょうか。と提案します」
上条「あっ…あ、ああ!ごめんな一方通行。怪我ないか?」ササッ
一方通行「………まァ、別にねェけど」
一方通行(…ん?普通だな。気付かなかったのか?)
上条「ほら、手」スッ
一方通行「いらねェよ…、っと」フラッ
上条「だから言ったろ、よっ」グイ
一方通行「ぅお…っ!?」
上条「あっ」ドサッ
10032号「…あなたはひょっとしてワザとやっているのですか?とミサカは強く腕を引かれ
過ぎて今度はあなたの胸に倒れ込んでしまった一方通行に軽く同情します」
上条「いやいやワザとじゃありませんよ!?ご、ごめんなー」
一方通行「別にィ」フイ
上条「あー…そうだ。あと、インデックス用の小麦粉大量に買わなきゃなんだった」
10032号「小麦粉…だと?まさかあのシスターはそれをそのまま…?」
上条「ブッ、そんなわけないだろ!水入れて練ってすいとん汁にしたり、ナンみたいなの
焼いたりするんだよ。安くて腹に溜まるからなー」
10032号「あなたは節約上手の主婦みたいですね。とミサカは褒めていいやら呆れていい
やらわかりません」
上条「俺ちょっと小麦粉取って来るから、このカート見ててくれるか?」
10032号「了解しました。とミサカは意気揚々と引き受けます」
上条「じゃ、後でなー」タッ
タッタッタッ
上条「…………」タッタッ
上条「…あ、あった。小麦粉」ピタッ
上条「とりあえず3kg入りでいいか…」
上条(小麦粉の袋って握るとムギュッてなって気持ちいいよな)
上条(いやでも気持ちいいと言えばさっきっ……)
上条「……………………………………」カァアアアアアアア
上条(や、や、柔らかった…!細っ、いい匂、軽っ…!!!)
上条(やべっ さっきは冷静さを保つのに精一杯だったけど、すっげーリアルに思い出し
てきた…!!し、心臓が…!)ドッドッドッ
上条「………あいつ、本当に女の子だったんだな…」ボソッ
上条(なんかホント、華奢っつーか、抱き締めたら折れそうな…アレ?俺何考えてんの?
やばいやばいコレなんかやばい俺の中の幻想がブチ殺されそう一方通行の感触
マジヤバイ どれぐらいヤバイかっつーとマジヤバイ)ドッドッドッ
上条(けど一方通行のヤツ、全っ然動揺してなかったなー)ドッドッドッ
上条(いや激怒されても俺の命がヤバイわけだが、普通もっとこう…怒ったりしてもいい
っつーかするべきだよな)ドッドッ…
上条(俺が言うのも何だけど)
上条「一方通行って危なっかしいっていうか…ほっとけないよなぁ…」
10032号「それにはこのミサカも同意しますが、どうにも聞き捨てなりませんね上条当麻」
上条「っ!?」ビックーン
10032号「ちょっと顔を貸してもらいましょうか?とミサカはどっちにイラついていいのか
わからずとりあえず顎をしゃくります」
PM 6:15 ミサカネットワーク内
1.【速報】おい上条は一方通行が女だって知ってたらしいぞ(1)NEW
2.【一級フラグ建築士】上条が一方通行の胸を鷲掴みにした件2(819)
3.【末っ子支援】日々をポジティブに過ごすスレ2【頭痛阻止】(205)
4.【協力求む】あの人とヒーローさんをいいかんじにさせたいんだが16(921)
・
・
・
・
【速報】おい上条は一方通行が女だって知ってたらしいぞ(184)
1 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
俺は確かに聞いたぜ!
上条「………あいつ、本当に女の子だったんだな…」ボソッ
これってさっき触る前から女だって知ってたってことだよな?
2 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12746
マジかよwww
3 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
ど う や っ て 知 っ た の
4 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka15492
それ謎すぎだよな>>3
だって一方通行って見た目っつーか
言動とか格好とか仕草とか明らかに男じゃん?
一見男にしか見えないだろ
女だって言われたら、ああーそういやそうも見える くらいじゃん?
5 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17183
だよな…
上位個体が教えたのか?
6 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
ううん、ミサカは教えてないよって表明してみたり>>5
まだそんなに慌てる時間じゃない って思ってたんだよね
ってミサカもミサカもビックリなんだけど!
7 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
まさか………
見 た の ?
このミサカを差し置いて 見 た の ?
触 っ た の ?
ガ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ン!!!
ウワァァ━━━━━。゚(゚´Д`゚)゚。━━━━━ン!!!!
9 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10039
なん…だと……?>>7
い、いつの間に上条がセロリの毒牙に…っ
10 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
えっ?
えっ?
11 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka18000
俺達の上条がぁあああああああああ!!!!
12 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
みんな落ちけつ!鯖落ち…落ちそうで落ちない 大丈夫(゚ー゚)(。_。)ウンウン
直接見たり触ったりはしてないと思うなー
そんなことになってたらあの人があんなフツーでいられるわけないし
多分何もないところで転んだり、宙を見続けたり、急に窓から飛び出したり
するんじゃないかな?
ってミサカはミサカは乙女なあの人を想像してみたり
上位個体の乙女イメージってどんなんだよwwwww
ただの奇行だろそれwwww
14 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12889
>>13
ヒント:お姉様
15 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12211
>>14
oh……
16 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
つかさー
いつどこで知ったのか知らねーけど、知ってたんだったら上条の
あの反応ありえなくね
女子の胸長々触りまくって一言「ごめん」だよ?
それで済ますか普通?
あの白モヤシのことだから、男に触られたのなんか絶対初めてだぞ?
17 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10039
…………えっ?
お前、もしかしてセロリにじゃなくて上条に怒ってるのか?>>1
18 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
えっ?
19 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
俺も>>1は上条と超接近した一方通行に怒ってて
そんで上条は一方通行が女だってこと知ってたことがわかって
焦りと怒りでスレ立てたのかと思ってた
20 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
あっ
うん そうそう そんなかんじ>>19
それが言いたかった
21 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
なんだそうかー
でも俺は一方通行のこと結構心配だな
急に触られたらビックリするじゃん
22 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
だよな!?>>21
それにあいつホントッモヤシだから肉薄いし
痛かったんじゃね!?
ねーよホントッねーよ上条
23 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
えっ?
24 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
いやホントねーよあのモヤシは
早く上条から離れるべきだったよ
25 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10039
おいwwwwwww
26 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12958
ホントはどっちに怒ってんだよwww
27 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
モヤシに決まってますけど?
28 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19571
説得力ねぇwwww
そもそも>>1は買い物も一方通行連れて来ちゃうしなー
上条と二人っきりのが良かったんじゃね?
29 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
ライバルの施しは受けない(キリッ
30 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11320
単に一方通行と上条と一緒に三人で買い物
行ってみたかっただけじゃねーの?
31 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
そんなんじゃないもん
32 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11938
上条とスーパーいいよなー
一方通行もなんだかんだ面倒見いいし
楽しそう
33 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
別に楽しくなかったし
上条と二人っきりのがよかったし
34 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17600
どう見ても楽しそうな件
http://www.misaloda/snake-10938.jpg
35 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka18199
>>34
手www繋いどるwww
36 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13104
>>34
仲いいなおいwww
37 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10111
>>34
どう見ても「お兄ちゃんこれ買ってー」の図
38 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
ちげーし
鍋のスープとやらのことを生活能力皆無っぽいモヤシに
教えてやってただけだし
39 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
プッwwww
あなたこないだまであの人のこと避けてたくせに
ちょっとクレープ奢ってもらったりしたくらいで
随分簡単な女なんだね ぎゃはっ
40 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
何だとコラ
誰がお手軽女だ
41 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
だってそうでしょ?
ミサカ達に比べたらあの人と一緒にいた時間なんて
ほんのちょっとじゃない
42 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
そんなの関係ないよってミサカはミサカは上から目線な番外個体を
諌めてみたり
あの人と10032号はお互いをずっと気にしてたんだから
一緒にいられて嬉しいのは当たり前だよ
43 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
別に嬉しくないし!
……けど、一方通行もホントに俺のこと気にしてた?>>42
44 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
ずっとしてたよってミサカはミサカは力強く頷いてみたり
だからこないだ10032号と話せて嬉しそうだったよ
45 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
ふーーーん
あっそー
46 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
ずいぶん嬉しそうだねwwwwお手軽女さんwww
47 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
上等だこの末っ子がァアアアアアアア!!!
48 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
年上ぶってンじゃねェよこの貧乳がァアアアアアア!!!!
49 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
まぁ落ち着けよ>>47-48
>>1はどうしたいんだ?
上条に一方通行が女だって知ってたのにどういうつもりか
聞きたいとかじゃないのか
50 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
あっそうだった
聞いてみるわ>>49
51 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
52 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14100
おいどうしたwww>>51
53 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
http://www.misatube.com/watch?v=KaMijo
こういう時どういう顔をすればいいかわからないんだ…
54 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12332
なんという流れるような土下座wwww>>53
55 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17003
滑らかすぎだろwwwww
56 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11002
上条wwwwww土下座慣れしとるwww
57 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
どういうことなの………
58 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
!!!!!!
上条に惚れなおした
59 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka18120
何でだよwwww
60 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
上条「俺も、もっとちゃんと謝ろうと思ったんだ。
けどさ、事情はわかんないけど、一方通行って女だってこと
隠してるんだろ?
だったら、俺が知ってるってわかったらショックじゃないか。
だから、知らないフリした方がいいって思って…。
あいつが女だってこと隠さなくなったら、その時に全力で
謝るよ」キリッ
61 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka18173
さすが上条!!!
62 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13103
さすが上条!!!!!!!
63 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11990
それでこそ上条!!!!!!!
63 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
やっぱ上条っていいやつだなー
・
・
・
・
PM 6:25 大型スーパー レジ前
一方通行「……………戻って来ねェ……」ポツーン
一方通行(10032号も行っちまうし…もォ先に帰るか……?)
「あー!あなた見つけたー!ってミサカはミサカはあなたにドーン!!」
一方通行「ぐっふァ…!だからタックルはやめろっつってンだろクソガキィ!」
打ち止め「あなたに会えた喜びを全身で表現するにはこれしかないの!ってミサカはミサカ
はあなたの腰にしがみついてみたり!」
一方通行「ったく……。オマエ一人で来たのかァ?あンまうろうろすンなって言ってンだろ」
打ち止め「大丈夫!ここにあなたがいるってわかってたんだから!ってミサカはミサカはネッ
トワークであなた達がここに居ることって知ってたことを教えてみたり」
一方通行「ここに来るまでは一人だろォが」
打ち止め「もー…あなたはちょっと過保護なんじゃないかな?ってミサカはミサカは肩を竦め
てみる」フゥー
一方通行「……すぐ攫われるからなァオマエは」
打ち止め「じゃああなたがずっと手を握ってくれてたらいいよ!ってミサカはミサカはあなたの
手を握ってみたり!」ギュッ
一方通行「……………」ギュッ
打ち止め「…あなたは最近、ミサカの手を握り返してくれるのね」
一方通行「…………何か文句でもあンのかよ」
打ち止め「とっても嬉しいよ。ってミサカはミサカは笑顔であなたを見上げてみたり」ニコッ
PM 6:32 大型スーパー お菓子売り場
打ち止め「ねーねーこれも買ってー!ってミサカはミサカはチョコボールを持ってあなたの
手を引っ張ってみたり」クイクイ
一方通行「お菓子は三個までって言ってンだろォ?」
打ち止め「えー、でもあと一枚で銀のエンゼルが五枚になるのよ」
一方通行「銀のエンゼルねェ………」
打ち止め「どうしてそんなに嫌そうな顔するの?ってミサカはミサカは首を傾げてみる」
一方通行「嫌なヤツ思いだした」
打ち止め「???」
ワカリマシタノデ イイカゲンタッテクダサイ トミサカハ アナタニウナガシマス
ア ウン …オット
ダイジョウブデスカ トミサカハ ヨロケタアナタニ テヲサシダシマス
一方通行「ン…?何だアイツら、こンなとこにいたのか」
打ち止め「10032号とヒーローさんの声だね!ってミサカはミサカはあなたと一緒に隣の
製粉売り場に移動してみたり!」テクテク
上条「あ」
10032号「おや上位個体。あなたも来ていたのですか。とミサカは目を瞬かせます」
打ち止め「ど、どうしてヒーローさんは10032号の胸を触ってるの!?ってミサカはミサカ
は衝撃の展開に驚愕してみる!!!」
一方通行「」
上条「ごごごごごめん!!!」バッ
10032号「ああ、これはこの人が立ち上がろうとして、足が痺れたららしくよろけ……」
一方通行「オマエ何やってンですかァ…?」カチッ
上条「ちょっ、一方通行さん!?どうしてフォークを五本も構えてるんでせう!?」ダラダラ
打ち止め「あっそれはヨミカワからおつかい頼まれててさっきカゴに入れてたの。って
ミサカはミサカは教えてみたり」
上条「いや違うんですよ!?誤解です!決してわざと触ったわけじゃ……!」ダラダラダラ
一方通行「黙れこの痴漢野郎がァ!!」シュカカカカカ
ウワーーフコウダーー
10032号「どうしてこんなに怒っているのでしょうかこのモヤシは…。とミサカはフォークで
床に貼り付けにされたあなたを見下ろします」●REC
上条「見てないで助けて!」
打ち止め「自分の時は怒らなかったのにね!ってミサカはミサカはフォークを抜いてあげ
ながら笑ってみたり」
上条「ありがとな打ち止め…!!」ウルウル
一方通行「もっと反省させとけよクソガキ」チッ
打ち止め「まぁまぁ。わざとじゃないことくらいあなただってわかってるでしょ?ってミサカは
ミサカはヒーローさんをフォローしてみる」
一方通行「わざとじゃなきゃ何でも許されるってのかよ」チッ チッ
10032号「あなたはどうしてそんなに怒っているのですか?とミサカは舌打ちしすぎな一方
通行を見上げます」
一方通行「はァ?そンなモン当たり前だろォが」
10032号「自分の時は怒らなかったじゃないですか」
一方通行「俺はいいンだよ。でもオマエは良くねェだろ」
10032号「どうしてですか?とミサカはこのミサカも特に気にしてないことを伝えます」
一方通行「気にしろよォ!女だろ!?」
10032号(その言葉そっくりそのままあなたにお返しします。とミサカは溜息をつきます)
打ち止め「この人が怒った理由なんて簡単でしょ?ってミサカはミサカは10032号を見上
げてみたり」
一方通行「うっせェなァ…どうでもいいだろそンなこと」
10032号(……一方通行が怒った理由?とミサカはやたら嬉しそうな上位個体を見下ろし
ながら、少し俯いて考えてみます)
10032号「このミサカを心配したからでしょうか。とミサカは一方通行を見つめます」
一方通行「…………………」チッ
10032号(図星…?とミサカはそっぽを向いたモヤシを見つめ続けます)
10032号(何でしょうこの気持ちは。とミサカは形容しがたい…何か…温かいような気が
するものを疑問に思います)
一方通行「何にやけてンだ」ベシッ
10032号「あたっ。とミサカはゴーグルの上からチョップされた頭を押さえます」ニヘ
10032号「」ハッ
番外個体『ずいぶん嬉しそうだねwwwwお手軽女さんwww』
10032号「………っ」イラァ
10032号「余計なお世話はやめてください。とミサカは苛立ちを込めて一方通行を睨み
つけます」
一方通行「!」
10032号「このミサカが誰と何をしようがお前なんかには口出し無用だっつーの!とミサ
カは兄貴面する白モヤシに言い放ちます!」
一方通行「………」
10032号「…………」ハァハァ
一方通行「……………わかった」
10032号「あっ…」
10032号(19090号が見たのはこの顔だったのでしょうか…。とミサカはゆっくり頷いた
一方通行に、胸が…痛…)ズキン
上条・打ち止め『こらーー!』
10032号「」ビクッ
上条「そんな言い方ないだろ御坂妹!一方通行のことだから本気にしたぞ!?」
打ち止め「その通りだよ!ってミサカはミサカは良く理解してるヒーローさんに力強く
同意する!!」
上条「普通ならただの照れ隠しだってわかるけどな、一方通行は友達少ないんだぞ!
そんなコミュニケーション能力絶対ないに決まってる!」
一方通行「おい」
打ち止め「まったくその通り!ってミサカはミサカは昔の苦労話を思い出してみたり!」
一方通行「おい」
打ち止め「ちょっと前にこの人が全然会ってくれなくなった時があってね、ってミサカは
ミサカは説明を始めたり」
打ち止め「何回『今度の日曜は会ってくれるでしょ?』って約束してもぜーーんぜん会って
くれないから、ミサカすごい悲しくなって腹が立って」
打ち止め「『もう嫌いになっちゃうんだから!』って拗ねて言ったみたら……」ハァ
打ち止め「この人ったら電話に出てくれなくなっちゃって、すごく焦ったのよ。ってミサカは
ミサカは本当に冗談の通じないこの人に溜息をついてみたり」
上条「大変だったんだな、打ち止め…」ポン
一方通行「おい」
打ち止め「それでも電源切ったり着信拒否したりしなかったこの人はとってもかわいい!
ってミサカはミサカは思い出し笑い」クスクス
上条「プッ、それで結局その時はどうしたんだ?」
打ち止め「30分くらいコールし続けたらやっと出てくれたの!ってミサカはミサカは回想
してみる。『何か用かよ…』って出てくれた声、びっくりするほど萎れてて、いくら
怒ってたとはいえミサカ大人げなかったー、って反省してみたりしたのだ」
一方通行「おいィ!いい加減にしろクソガキがァ!!」ペシッ
打ち止め「あいたっ!ってミサカはミサカは本当のことを言っただけなのにー」
10032号「」ブルブル
打ち止め「その後は百回くらい大好きって会話に混ぜながら話しました。とミサカはミサカ
はフォローが大変だったことも明かしてみたり」フゥー
10032号「ぶふぉっ!とミサカは堪えきれずに吹き出します…っ」
一方通行「お、オマエ…っ」
10032号「打たれ弱すぎだろ第一位…!とミサカは笑いが止まりません」ウヒャヒャヒャ
上条「打ち止めも大変だなぁ……」
打ち止め「それほどでもない」キリッ
10032号「心根までモヤシの一方通行のために、ここは大人なミサカが折れてあげます。
悪かったなさっきのは冗談だ。わかるか?イッツミサカジョーク。とミサカは軽
やかに肩を竦めます」HAHAHA
一方通行「調子ン乗ってんじゃねェぞこのクソガキィ!」
モウクレープオゴッテヤンネー!
ソンナセッショウナー トミサカハ
ワーワー
打ち止めは、高層ビルの屋上で、一方通行の膝の上に抱かれていた。
日はすっかり沈み、青白い光をぶちまけたような夜景が眼下に輝いている。
風が強く吹いて、髪を掻き乱す。
他に誰もいないこの高い高い空間は、一方通行の心のようだといつも打ち止めは思う。
一人だけの、誰の手も届かない、文字通りの『無敵』である場所。
自分だけは連れて来てくれることがどれほど嬉しいか、この人はきっと理解していない
だろう。
「寒くねェか」
「大丈夫!きれいだからもうちょっと見てたいなーってミサカはミサカはもう少し二人で
いたいってことを隠してねだってみたり」
「隠す気ねェだろオマエ……」
呆れたように呟くけれど、後ろから腹を抱くように回された腕が外れることはない。
一方通行は、白いファー付きのジャケットの前を開けて、胸の中に包み込んでくれる。
「ありがとう、すごくあったかい!ってミサカはミサカははしゃいでみたり」!
「暴れンなって…」
細くて筋肉の薄いこの人は、いつも打ち止めより体温が低い。でもどうしてか、こうして
触れ合っていればひどく温かいのだった。
それが自分の気持ちから来ている印象だとわかっていても、人という生き物の不可解
な作りを思う。自分が、クローンという人から少し外れた存在だからこそ。
「………オマエ、何か妙なこと考えてるだろ」
不意に低い声が落ちて、打ち止めは振り向いた。
一方通行はいつもの仏頂面でこちらを見下ろしている。白い肌と髪が、学園都市の青
い光を映してとてもきれいだと思った。
「…何かって?ってミサカはミサカはとぼけてみたり」
「上条に俺のことをメールで送ったり、10032号を俺に会うように唆したり…。バレバレ
なンだよクソガキ」
別に隠すつもりもなかったので、打ち止めは小さく笑った。
「あなたの周りで、もっとたくさんの人が笑ってればいいなって」
「余計なことすンな。……俺には、そンなもン似合わねェよ」
「確かに、これまでのあなたらしくはないかもね。ってミサカはミサカは頷いてみる」
打ち止めは夜景に視線を戻して、背中を一方通行の胸元に押し付けた。頭の後ろで、
優しい鼓動の音がする。
「でも、人がいつまでもその人らしくあるってことは…孤独とも言うんじゃないかな」
「………いいンだよ、それで」
「良くないよ。でも、あなたが変わっても変わらなくても、ミサカだけはずっと一緒だよ
って宣言してみたり!」
「…………」
打ち止めを包む腕に、少しだけ力が入った。恐る恐る、いつも抵抗されることを恐れる
ような遠慮がちな仕草で、もどかしく思う。
「俺は……オマエだけでいい」
掠れた小さな小さな呟きは、すぐに風に攫われて消えた。
でも打ち止めの耳にはしっかり届いていて、一方通行の白い手に自分の手を重ねる。
「ミサカもだよ」
「………」
「あなたが望むなら、二人だけでどっかに逃げちゃおうか?ってミサカはミサカは笑って
みたり」
打ち止めは弾むような声で言って、少しだけ息を詰めた人をしてやったりと見上げた。
「嘘だよ」
「俺は………」
「あなたは一度握った手を離せるほど冷たくないし 弱くもないもの。ってミサカはミサ
カはみんなの顔を思い浮かべてみたり」
黄泉川や芳川や番外個体。10032号や他の妹達や、上条当麻。
一人だけで生きてきた一方通行がようやく手にしようとしている繋がりを、打ち止めは
一方通行自身にも大事にしてほしい。
だから、わずかでも打ち止めの言葉に抵抗を示した気配を、とてもとても嬉しく思う。
「……これのどこが強さだ」
「前とは違うことが出来るっていうのは強さだよ。ってミサカはミサカは微笑んでみる」
自分の声音とは裏腹に、一方通行は苦々しげだ。きっと苦虫を噛み潰したような顔を
していることだろう。
「強くなれば、あなたは前より自分のことを好きになれるでしょ?」
「………」
一方通行は答えない。
否定しようとして、だが打ち止めの気持ちを考えて沈黙してくれたのだとわかっている。
ずっと強さを求めて一人で生きてきた人。確かに自分の言う『強さ』は、この人が求めて
来たものとは違うかもしれない。
けれど、強くなった、以前とは違う自分の姿を、この人は好きになってくれると思う。
そしてもっともっと好きになれば、いつか、いつか、自分のことを許せるようになるでしょう?
それはずっと遠い日。遠い遠い日のことだろう。
この人はそんな日など来ないと思っているかもしれない。
けれど打ち止めは信じている。
あなたが信じていなくても、ミサカだけは決して疑わない。
PM 23:24 黄泉川家 リビング
打ち止め「………今日は…これにしよーっと!ってミサカはミサカはメルメルしてみたり」メルメル
--------------------------------
件名:今日のあの人 vol.16
差出人:last Order
日時:20**/12/** 23:20
---------------------------
本文:
こんばんは!
最近めっきり寒くなってきたけど
いかがお過ごしですか?
ってミサカはミサカは10032号から
聞いた鍋っていうの食べたいなー
と暗にアピールしてみたり!
『今日のあの人』は珍しく青空
バックにした爽やか一方通行だよ!
髪の毛が銀色に光ってすっごく
きれいなのだーってミサカはミサカは
見所をアピールしてみる!
そういえば、何か見たい写真ってある?
ってミサカはミサカはリクエスト受付中~
添付:
accela-14902.jpg
--------------------------------
打ち止め「よし。やはり相手のニーズを汲み取ってサービスするのも大事よねって
ミサカはミサカはわかったようなことを言ってみたりして送信~」ピッ
芳川「あら最終信号、まだ起きていたの?一方通行はもう寝ちゃったわよ」
打ち止め「もうちょっとー」
黄泉川「ったくあの子、昼寝と夕寝の境目が曖昧じゃん……」
芳川「夕飯食ってるから境目ハッキリしてンだろ」キリッ
黄泉川「ブッ そっくりじゃん!!」ギャハハハ
打ち止め「うーん、今日はメールのお返事読んでから寝るのってミサカはミサカはアクビを
我慢してみたり」ファー
芳川「そう?あまり夜更かししないようにね。そのままソファで寝たりしちゃダメよ?明日あ
の子に怒られちゃうから、私が」クスクス
黄泉川「あんなに気にするなら毎日一緒に寝てあげればいいんじゃん…。じゃあおやすみ、
打ち止め」
芳川「おやすみなさい、最終信号」
打ち止め「おやすみなさーい!ってミサカはミサカは元気良く挨拶してみたり!」
打ち止め携帯<ラストオーダー?メールキテンゾ-
打ち止め「あっ返事来た。相変わらず返信早いなって、ミサカはミサカは感心するのだ」
--------------------------------
件名:Re:今日のあの人 vol.16
差出人:ヒーローさん
日時:20**/12/** 23:28
---------------------------
本文:
おー、確かにきれいな髪だなー。
こないだ触ったらサラサラだったし
どうしても髪がツンツンする上条さん
からしたら羨ましい限りですよ…
あ、今度鍋やってみるか?
打ち止めと一方通行の都合のいい日
教えてくれよ
御坂妹もやりたがってたかな?
リクエストなー
普通にピースとかしてるやつ、見て
みたいかも?
打ち止めの写真って全部隠し撮りっぽい
からな(笑)
--------------------------------
打ち止め「ピース…だと?無茶振りキタコレ…ってミサカはミサカはポカーンとしてみたり…」
打ち止め「あの人のピースなんて、誰かに目潰しでもしようとした瞬間を捕えるしかない気が
するけど」ウーンウーン
番外個体「何唸ってんの?最終信号」ヒョイ
打ち止め「あっ番外個体!ミサカのケータイ返してー返してー」ピョンピョン
番外個体(………………髪、触った?あの人の?)イラァ
番外個体「…………ねぇ、最終信号はさぁ」
打ち止め「ん?ってミサカはミサカは首を傾げてみたり」ケータイカエシテー
番外個体「何であの上条当麻ってヤツと一方通行をくっつけようとしてるの?」イヤ
打ち止め「それはー、あの人がヒーローさんのこと好きだからって…」ナンダト
番外個体「嘘だね」チッ
打ち止め「…………嘘じゃないよ?ってミサカはミサカは番外個体を見上げてみる」
番外個体「まぁ、確かに嫌っちゃいないだろうけど?好きなんてほど遠いでしょ。あなたが最初
に嘘つくから、皆一方通行が上条当麻のこと好きだって勘違いしちゃってるよ」
打ち止め「あの人がちょっとでも好意を持つなんて、滅多にないことだよ」
番外個体「だからってさぁ………」ブツブツ
打ち止め「番外個体は一方通行がヒーローさんと上手く行ったら嫌なの?ってミサカはミサカは
ストレートに聞いてみたり」
番外個体「べっつに!第一位が誰とくっつこうが離れようがこのミサカの知ったこっちゃないけど」
打ち止め「ないけど?」
番外個体「……………じゃん」ボソッ
打ち止め「ん?ってミサカはミサカは優しく番外個体を促してみたり。ねぇ、ここ座って?」ポン
番外個体「………………」ストン
打ち止め「どうして嫌?ってミサカはミサカはあなたの手を握ってみる」ギュッ
番外個体「…………だって」
打ち止め「…………」
番外個体「一方通行は………ミサカ達の一方通行じゃん」ボソリ
打ち止め「どうして?」
番外個体「だ、だって…ミサカ達も、このミサカも、あなたも、一方通行のために作られたんだよ?
そのミサカ達を差し置いて他のヤツとなんて、意味わかんないよ」
打ち止め「………気持ちはわかるけど、それは間違ってる。ってミサカはミサカは冷静に指摘して
みたり」
番外個体「……っ」
打ち止め「あの人はミサカ達のものでもなければ、誰のものでもない。ってミサカはミサカは番外
個体の手を強く握り締めてみる」ギュッ
番外個体「……………」キュ
打ち止め「ミサカはあの人が大好きだけど、あの人を縛りたいわけじゃない。あの人はあの人の
ものだし、…それに、ミサカ達だってミサカ達のものって」
打ち止め「…ミサカはミサカは自分に……言い聞かせるように…っ、うぐっ」
番外個体「え、え?最終信号?」
打ち止め「う、うぇっ…!」ポロッ
番外個体「」
打ち止め「ひっく…、やだよぉ………」ポロポロ
番外個体「自分で言っといて自分で泣いてるー!?」ガビーン
打ち止め「一方通行はミサカのだもん…!うぇええ……」ボロボロボロ
番外個体「さっきと言ってること違うよ!?」ガビーン
打ち止め「ふぇえええん……!あくせられーたぁーー…!」トテテテテ
番外個体「ちょっ!ズルイんだけど…!」タタタ
ドアノブがカチャリと音を立ててようやく、一方通行は目を覚ました。
小さな足音が近づいて来る。誰のものかなど、考えるまでもない。
不思議なものだと思う。この少女や、黄泉川、芳川、番外個体。彼女達だけは、ごく近くまで近づ
かれても目を覚まさない。
まぁ、睡眠中の無意識下でも、能力であらゆるものを反射出来た自分のことだ。生体電流を感知
して個体を判別し、害のない存在だと認識出来ているのだろう。
「………何泣いてンだ、クソガキ」
本当はもっと感傷的な理由だとわかっていて、小さく溜息をつく。
「ふぇ…っ、う、っく…っ」
そうでなければ、丸い頬を流れる雫に、こんな風に胸の奥が引き絞られるわけがない。
「あ、あなたはミサカのものでしょ…?ってミサカはミサカは泣きついてみる…!」
ふぇええん、と胸元にしがみついて来た温もりを、一方通行は注意深く抱き寄せた。
「何の話だよ……」
「ミサカはあなたとヒーローさんを応援してるけど、みさかのこと忘れちゃやだって…っ!ミサカ
はみしゃかはぁ……!」
「はァ…?」
意味がわからない。
怖い夢を見た子供か何かのような打ち止めに首を傾げながら、その背をゆっくりと撫でる。
密かに電極のスイッチを入れて周囲を探ってみるが、とりあえず不穏な気配はない。一方通行
はひっそり安堵の溜息をついた。
「そうじゃないの!ってミサカはミサカは見当外れなあなたにキィイイイ!!!」
「うぉ…!?」
即座に見破られたことと、今まで泣いていたのが急に怒り出したことと、それらにギョッとして
顔を上げた打ち止めを見る。
「…じゃあ、何だ?」
何泣いてやがる、と。
一方通行は赤くなってしまった痛々しい頬を拭った。温かい水だ。冷たい手には、痛いほどの。
「み、ミサカは…あなたに大事な人が増えるのは嬉しいの。ってミサカはミサカは、今まで言った
ことが嘘じゃないって主張してみる」
「…ああ、知ってる」
実のところ、打ち止めがどうして嬉しいのか、よくわからないのだが。
それでも、自分のことを必死で、こんな風に泣いてしまうほど必死で考えてくれていることは理解
している。
いつも辛い目にばかり合わされてきた少女。もっと自分のことだけ考えていればいいと、一方通
行は思う。
「で、でも…っ、他に好きな人が出来ても、み、ミサカのこと…忘れないでって…っ」
ぐす、と打ち止めに鼻をすすり上げられて、自然と眉間に皺が寄った。
(………何でそォいうことになるンだ?)
内心で真剣に悩む。そもそも、あんな無能力者を自分が好きなどと、この子供が言い張っている
だけのことであって。
『ねぇねぇ、こないだヨミカワがね、「あの子もようやく泣けるようになった」ってすごく喜んでたの!
どういうことかな?ってミサカはミサカは首を傾げてみたり』
ふと、先日の打ち止めの言葉が胸の奥に返った。
あんな感傷的過ぎる液体が自分の目から分泌されたなど消し去りたい記憶だが、今考えれば、
黄泉川の言いたいこともわからないではない。
打ち止めは我慢強い少女だ。天真爛漫で、いつも元気で、何度命の危機に晒されても、怯えた顔
も、ましてや泣き顔など見せたこともなかった。
もちろん、見せないからと言ってそのような感情がないわけがないことくらいわかっている。
けれど、ずっと上手く隠されていれば、クズのような自分では、見逃してしまうから。
誰かの前で泣くということは、気持ちを伝えること。それが出来るのは、気を許しているからという
こと。
辛い気持ちを、悲しい気持ちを、わかってほしいと。
「………忘れるって…何バカなこと言ってンだ、オマエは」
一方通行は、打ち止めの大きな目から溢れる涙を、何度も拭った。
自分がこの小さな光をどう思っているかなど、言わなくてもとっくに伝わっていると考えていた。
(甘えだな)
言わなくてもわかるだろう、などと。いや、ある程度は伝わっていたからこそ、今の今まで溜め
込んでしまったのか。
生まれて数ヶ月の小さな女の子に頼りきりで、情けないことだ。学園都市第一位が聞いて呆れ
ると、一方通行は嘆息した。
「…打ち止め」
ピシッ、と額を指先で軽く弾けば、潤んだ栗色の目が瞬く。長い睫毛がパチパチと音を立てる
ようで、ひどく無邪気な仕草だと思った。
「この先何があったとしても…俺の一番は、ずっとオマエだ」
「………!!!!」
その瞬間、萎れた子犬のようだった表情が、見たこともないほど嬉しげに輝いた。
ぱぁああ、っと、真夜中に太陽でも登ったのかと思ったくらいに、打ち止めは満面の笑顔で、
「ミサカの一番も、ずっとずっとあなただよ!ってミサカはミサカは誇らしげに宣言するのだー!」
一方通行の首元に抱きついた。
「……で、オマエはいつまでそこに突っ立ってンだ」
打ち止めが首にしがみ付いたまま眠ってしまってから、一方通行は声を掛けた。
「番外個体」
「…………」
開けっ放しのドアに、番外個体が寄りかかったままこちらを睨んでいる。
先ほど目にした笑顔とは正反対の、こちらも見たことのないようなしかめっ面だ。
「また頭痛か?」
それ以外に理由が思い当たらず、しかし空気を読んで黙っているなどこいつらしくもないと内心
首を傾げる。
「……最近は、他の妹達が余計な気を使って、ポジティブ運動とかなんとか、バカみたいなこと
やってて。そう酷くもないよ」
「へェ。面倒見のいいことで」
じゃあ何だ、と思ったのが顔に出たのだろう。番外個体の眉間に、ぎゅうっと皺が寄る。
「頭痛しなきゃ…来るなっての?」
「別にそンなこと言ってねェだろ」
「ど…どうせあなたは最終信号さえいればいいんでしょ。このミサカは邪魔?」
「はァ?」
打ち止めといい番外個体といい、今日は一体何だ。
不可解さをそのまま声にすれば、普段からやぶ睨み気味の目がギリギリと釣りあがった。
「最終信号が一番だって、さっき言ってたじゃない…っ!」
火を吐くような叫び声。
「静かにしろよ。夜中だぜ?」
何をそんなに怒っているのか。呆れて嘆息して、しかしどうやら自分に原因があるらしいと
悟り、打ち止めを右脇に退ける。
「いいから、部屋に戻らねェならこっち来い」
ちょいちょいと手招きすれば、瞬きもせずに睨み付けたまま、しかし大人しく歩み寄って来る。
「……………………」
「何怒ってンだ」
「あなたはさぁ…どうしてこのミサカをロシアから連れ帰ったの?」
搾り出すような声に、一方通行は目を瞬いた。
学園都市に戻ってから大分経っていて、今更聞かれるとは思わなかったのだ。
しかし番外個体はその反応を違う意味で受け取ったらしく、唇を噛み締める。
「た…たいした理由なんか無い?なりゆき?何となく?べ、べつにミサカは……」
身体中を緊張させて、ひどく憎々しげな表情で。けれど一方通行には、どうしてか今の番外
個体の顔が、大泣きした打ち止めの顔と重なって見えた。
「『俺のせいだ』」
「…え……」
「オマエが言ったんだろ。そンなに性格が歪ンじまったのは、俺のせいだってな」
「そ…そうだけど……」
それがどうした、と言いたげな反応に、一方通行は深々と溜息をつく。
本当に、言わなければ伝わらないものだ。
「『俺のせい』なんだろ。だから俺が責任取って一生面倒見る」
「えっ…………」
「そういうことだ。わかったか、クソガキ」
「えっ…………………」
ぎしりと硬直した番外個体は、先ほどまでの殺気はどこへやら、もじもじと寝巻きの裾を
弄っている。
数分待ってみたがいつまでも突っ立って寝巻きの裾を弄り続けるので、部屋に戻るか
こっちに来るかと促せば、「そこまで言うなら仕方ないね!ってミサカはミサカは高らか
に宣言してみたり!」とかなんとか言いながら、結局ベッドに入ってきた。
AM 10:00 黄泉川家 リビング
打ち止め携帯<オレノイチバンハ、ズットオマエダ
一方通行「ハイやると思ったァ!」ズビシ
打ち止め「ひらり!とミサカはミサカは軽やかにあなたのチョップを避けてみたり!」
一方通行「なン…だと……」
打ち止め「きゃはー!今日のミサカは一味違うのー!ってミサカはミサカは愛によって
目覚めたスーパーミサカであることを明かすのだ…!」ゴゴゴゴ
一方通行「何こいつテンション高っけェ……」
打ち止め「ミサカの戦闘能力は53万ですゥー!ってミサカはミサカは遊んであなたー!」
一方通行「ぐッ…!タックルやめ、あァもォ、うっぜェなァ!」
芳川「ホホホ最終信号ったらはしゃいじゃって、よっぽど嬉しかったのねぇ。その台詞」
黄泉川「っていうか今まで言ったことなかったことに驚きじゃん…熟年離婚されるタイプ
じゃん一方通行は」ヤレヤレ
番外個体「…………」ニヤニヤ
芳川「あら番外個体。携帯電話からイヤホン繋いで、音楽でも聴いているの?」スポッ
番外携帯<ダカラセキニントッテ オレガイッショウメンドウミル
一方通行「オマエもかミサカワーストォオオオ!!!」バキーン
番外個体「あっ」
一方通行「だから嫌がらせもいい加減に……」
番外個体「み、ミサカの…ミサカ、バックアップ取ってなかったのにィイイイ!!」
芳川「どうして?珍しいこともあるものね」
番外個体「だってネットワークにバックアップしたら、他のヤツに聞かれるし…っ」
一方通行「何で他のヤツに聞かれたらダメなンだよ」
番外個体「……っ!うるさいうるさい!!ケータイどうしてくれんの!?バカァアア!」
黄泉川家は今日も平和です。
AM 9:35 大型スーパー 生鮮売り場
上条「…でさー、開会式も学園都市中ですっげーたくさん同時開催するくらいでさ。学園都市内
でも一、二を争う大イベントなんだぜ!大覇星祭!」
10032号「ほうほう。とミサカは熱弁を振るうあなたに相槌を打ちます。あなたの高校も参加した
のですか?」
上条「当たり前だろ!…まぁ、入賞とかは圏外だったけどな……」
上条(だいたいあの時はそれどころじゃなかったし…)
10032号「それは残念でしたね。とミサカは親身になって残念がりつつ優しい女をアピールです」
上条「ま、ウチの学校じゃなー」ハハハ
10032号「なるほど、学校全体の戦力が大切なわけなのですね。とミサカは理解しました。昨年
はどうだったのですか?」
上条「え?」ギクッ
10032号「あなたは確か現在高校一年生。昨年は中学生だったのでしょう?とミサカは学校が
違ったのであればまた結果も異なったのではないかと予想します」
上条「あ、あー…えーと、どうだったっけなぁー…」
上条(ややややっべー…中学の頃なんてわかんねぇよ!?どうやって誤魔化す!?大した話
じゃない、ここは強引にでも…っ)
10032号「どうだったのですか?」ジッ
10032号(ここはMNWの上条データベースに新情報が追加されるチャンス!とミサカは答えを
聞き漏らさないよう張り切ります)
上条「えー…うーん…、と、だなぁ…」ダラダラ
10032号「はい」ジッ
上条(えっ…何この突然のピンチ…!!)ダラダラ
一方通行「おいお前ら。いつまでどうでもいいことくっちゃべってやがる。買い物すンだろォが」
上条「あくせられーたん!!!!」キラキラ
(助かったぁああああ!!!)
10032号「」
一方通行「突然何言ってンだオマエはァああああ!?」ゾワワワワ
10032号「あくせられーたん…だと…?とミサカは早速MNWにスレを立てます」ザワ…ザワ…
上条「ああゴメン、ちょっと口が回らなかったんだよ一方通行」キリッ
上条(安堵のあまり口が滑ったぜ!)キリッ
一方通行「言い間違いならもっと控えめな音量にしろ。そして舌噛み切って窒息して死ね」
上条「すごい滑らかに罵倒された!?」ガビーン
一方通行「あーうっせェなァ。さっさと買い物済ませンぞ、ホラ」
10032号「おや、見ないと思ったら先に持って来てくれたのですか?とミサカは一方通行の押す
カートを覗き込みます。ふむふむ、あの人が書いてくれたメモに書いてあった材料が
ほぼ全て揃っていますね」
上条「マジで?悪いな一方通行」ドレドレ
一方通行「別にィ。早く迎えに行かないとクソガキがうっせーンだよ」
10032号「上位個体は今日は調整日でしたか?とミサカは調整スケジュールを思い出します」
一方通行「ああ。家出る時、着いて来たがって大変だったぜ……」ハァ
10032号「今日は土曜日!朝から一日色々鍋ですからね!買い物からワクワクですからね!
とミサカは歓喜のポーズを決めます」ハイッ
一方通行「なンだその万歳は」ククッ
10032号(あっちょっと笑った!とミサカはすかさず激写します。レアショットゲーット!とミサカは
一方通行のレア顔は盛り上がるからなぁと内心頷きます。別にこのミサカはこんな白
もやしのビミョーな笑顔などどうでもいいけどな)
一方通行「じゃあレジ行くぞォ」
上条「………………ダメだ」
一方通行「は?」
上条「ダメだダメだ、全ッ然ダメだな!ああ全然だ!!」クワッ
10032号「な、何がですか?とミサカは突如テンションが噴火したあなたをポカンと眺めます」
上条「まずはこの牛乳だ!確かに俺はインデックス用に牛乳をメモに書いた…。だがな一方
通行………何故、どうして一本2000円の高級ジャージー乳を取るんだよ!」
一方通行「牛乳なンてどれも一緒だろ」
上条「黙らッしゃい!!!」カッ
一方通行「」ビクッ
上条「いいか…インデックスはなぁ…味なんかどうでもいいんだよ!一本80円だろうが一本
2000円だろうが『おいしかったんだよーケプ』で済ますんだ!」
一方通行「いやインデックスって誰だよ」
上条「ウチの居候だ!(カッ)特徴は、とにかく食べる、ホント食べる、泣きたくなるほど食べる!」ウッ…
一方通行「泣くなよ」
上条「白菜だってな、一番安い一つ200円のやつで十分うまいんだよ!何だこの…………ッ、
1300円ってぇえええええ!舐めてんのかァ!?」
一方通行「いや………」エート
上条「いいか一方通行、よく聞けよ!鍋ってのはなぁ、安い食材を美味しく食べるための知恵
なんだよ!元から高いモン買ってどうすんだよ!!」
一方通行「別にこの程度、高くもねェだろ」
上条「こんの…ブルジョワさんがぁああ!!お金は大切にしなさい!!!」
一方通行「えェーー…?」
上条「それにこの肉…ッ今日は寄せ鍋だって言ってるだろ!?何でグラム1700円の高級地鶏
なんだよ!骨付きのやつは出汁にしちゃうから肉は味しなくなるんだぞ!?もったいない
だろうが!!」
一方通行「いいだろ、肉好きなンだよ」
上条「良くありませんッッ!!」カッ
一方通行「」ビクッ
上条「おいしいものをおいしく食べないなど、食べ物への冒涜だ!!食べ物を粗末にしちゃいけ
ませんって小さい頃習わなかったのかお前は!!」
一方通行「………………習ってねェな」ボソリ
上条「え………」
一方通行「そンなまともな大人が俺の周りにいたンなら、俺がこンな風になるワケねェだろ」
上条「………………」
一方通行「ま、いい年こいて自分の人格の責任を他人に押し付けるつもりはねェがな」フン
上条「…………………」
一方通行(……チッ、何でこンな話しちまったンだか)
上条「……わかった」
一方通行「あ?」
上条「俺に任せろ!お前に必ず…っ!」
10032号「なんでしょうか?とミサカは間に入れなかったことを悔しがりつつ尋ねます」
上条「偏食っぽいお前に、おいしいものをおいしいままで食べさせてやる…ッ!!!」ドーン
一方通行「……何の話だ?」(何故また偏食がバレてる)
10032号「そっちかよ、とミサカはホントに主婦みたいなあなたにツッコミます。お前はモヤシ
のお母さんか」
上条「あ、この地鶏だけな?他は安いのに代えて来るぞー」ダッ
10032号「財布の紐堅ェなーマジで。とミサカは若干呆れます。あなたと結婚したら苦労しますね。
とミサカはしかしその苦労を厭わないと猛アピールします」
一方通行「別に俺が出すっつってンのに…」ハァ
上条「だからぁー!今日はお前への礼も兼ねてるって言ってるだろーー!」タタタタ
一方通行「礼って何だァ……?」
上条「後でぇーー!話すーーーー!!」タタタタ
10032号「おい聞けやコラ」
待つのが面倒になった一方通行は、上条当麻を待つという10032号を残して、隣接する公園に
足を運んでいた。
「……やっぱコレだな」
自販機のボタンを押して取り出し口から缶コーヒーを手にし、早速プルタブを空ける。
カシュッ、という聞きなれた心地よい音と共に、ふわりと独特の香りが鼻先を掠めた。
年末も近づいた、とある冬の晴れた朝だ。
このところ急に冷え込んだせいで、昼にも間があるこの時間はまだまだ寒々しく、公園内に人
はまばらだった。
色あせた芝生の中、放し飼いにされた犬が駆けて行く。飼い主らしき若い女が、ゆったりと
その後を追っていた。
平和な眺めだ。やはり居心地は悪く、しかしだからと言って立ち去ろうとは思わなかった。
(慣れる…ねェ……)
少し前に、ツンツン頭の無能力者が笑って口にしていた、日常と非日常の渡り方。
あの時はとても同意しかねると感じたものだが、例えば今この瞬間、一月前の自分だったら、
さっさと立ち去っていただろう。
一月前の自分と今の自分で、何が違うのか。考えていると、次第に眉間に皺が寄ってくる。
ふと気が付けば、手の中のコーヒーが冷めかけていた。
軽く舌打ちして口をつけようとした、その時。
「あーー!あくせられーた、なんだよ!!」
能天気という言葉を音に変換したような声が響き渡り、一方通行は早くも溜息をついて顔を
上げた。
「……オマエか………」
真っ白の修道服をなびかせ、銀髪をふわりと揺らした小柄な少女。
「オマエじゃないよ?私の名前はIndex-Librorum-Prohibitorumって言うんだよ、あくせられーた」
「………………」
白い二人はしばし見詰め合った。
一人は、日常的な不機嫌面で。一人は、日常的な無邪気な笑顔で。
「…インデックス…?」
「うん!」
「偽名でございます、って名前だな」
「あくせられーたにだけは言われたくないかも」
むぅ、と眉毛が八の字になる。くるくると変わる表情に、打ち止めを思い出した。
「っつゥか何でオマエ俺の名前知ってンだ」
以前の、すれ違いのような邂逅の際には、教えた記憶などない。もっとも、予想はついていたが。
「とうまに聞いたんだよ!」
「とうま?」
「かみじょうとうま。最近仲良くしてるんでしょ?とうまに聞いて、私も会いたいなーって思ってたん
だよ!」
「別に仲良くねェ」
やっぱりか、と。胸中で呟いて、プルタブを空けたまま一口も飲んでいないコーヒーに視線を落と
す。ついさっき、上条当麻から聞いたばかりだ。
居候の名前が、『インデックス』で、非常に大喰らいだと。
初対面の時の遠慮会釈もない食べっぷりを思い出し、軽く涙ぐんでいたツンツン頭にさすがに
同情した。
やはり今日の鍋代は少し持ってやるべきだろう。自分だけじゃなく、打ち止めや10032号も世話に
なるのだし。
「……元気そうでよかった。心配してたんだよ。あの女の子は元気?大丈夫だった?」
インデックスが首を傾げると、さらりと銀髪が揺れる。大きな碧眼が心配そうに細められ、一方通
行はあの時の少女の表情を手元に返した。
『だってあなた困ってるんでしょ?とうまならこんな時絶対放っておかないんだよ!』
(とうまなら、か……)
言われた時には「誰だソイツは」とすら思わなかったが、今ならば嫌になるほど納得できる言葉だ。
一方通行はインデックスの顔を見る。直接話したこともない打ち止めのことを、本気で心配してい
る表情だった。
「…ああ。問題ない。元気だ」
「そっか…!よかった!!」
ぱっと、花が咲くように笑う。
そう答えることが出来るのは、本当に僥倖で。その理由の一端が、目の前の白い少女にあると
いうことを、改めて意識した。
『禁書目録』『Index-Librorum-Prohibitorum』
エイワスと、上条当麻が残した紙片に記された単語。
何を、誰を指していたのか、考えるまでもなく。
「あなたは、今は大丈夫なの?」
「大丈夫じゃないように見えるか」
「今は見えないけど、でも……」
「なンだよ」
「あなたはとうまみたいにすぐに一人で突っ込んで行っちゃいそうなタイプに見えるんだよ。どうせ
残された人たちにすっごく心配掛けてるに違いないかも!」
「…………………」
苦虫を噛み潰したような顔になった自覚はある。
それを図星と受け取ったのか、インデックスは言うことを聞かない子供を見るような、妙に慈愛に
満ちた微笑みを浮かべた。
「きっとすっごく、すっごく心配掛けてるから、反省するべきなんだよ」
「……余計なお世話だ、クソッタレ」
そして自分がついた悪態は、まさに不貞腐れた子供のようだ。
「あー…………」
違う、そうではないだろう。こんな、打ち止めとそう変わらなさそうな年齢の少女相手に悪態をつ
いている場合ではない。大人気ないにもほどがある。
「インデックス」
「ん?」
名を呼べば、白い少女はきょとんと首を傾げる。いちいち仕草が大振りで、やはり天真爛漫な
小さな光を思い出した。
その光が攫われて自分の命も消えかけた時、光が消えてしまいそうになった時、このいかにも
か弱そうな女の子が、助けてくれた。
そしてそれは、ロシアで最後の希望を守る縁となった。
言わなければなるまい。それが人としての「常識」というものだ。
「……あー……、その…オマエにも、世話ンなった」
一方通行は視線を右にやり左にやり、また右にやってようやく言葉を絞り出したのだが、
「??何のことかな?」
全く伝わらず、学園都市第一位は愕然とした。
「あ、そういえば、私をあのカエルのお医者さんのところに連れて行ってくれたのって、私のため
なんだよね?ってとうまが言ってたんだよ。ありがとね、あくせられーた!」
「ぅぐ……っ」
あまつさえ、楽々と先を越されてしまった。
にっこりと曇りの無い笑顔は無邪気で眩しく、一方通行が定義する「光の世界の住人」そのもの。
自分とは正反対の、苦手なタイプだ。
ただ、ここに打ち止めがいれば「あなたは直球に弱いのよね!ってミサカはミサカは好意に戸惑
うあなたに微笑んでみたり」と言われるだろうとか、番外個体なら「あひゃあはっ!苦手なんじゃ
なくって、こういうタイプに弱いんでしょ?」などと爆笑するだろうとか、そう思いだった。
「………別に、オマエのおかげで、あの時は…」
「??私は何もしてないんだよ?」
インデックスはいかにも不思議そうに首を傾げた。
「………………」
伝わらない。どうしよう。
学園都市最高の頭脳は、頭を抱えた。
考えてみれば、打ち止めも、芳川も、黄泉川も、10032号も、上条当麻も、むやみやたらと、異常
なほど察しがいい。
打ち止めに至っては自分でも明確に意識していなかった部分まで言い当てて来るし、芳川は内心
の葛藤を察して手段を提示するし、黄泉川は心の奥の迷いと覚悟を見透かして手を伸ばすし、
10032号は言葉に出さずとも意図を読み取るし、上条当麻は表情を動かすだけで心の内を言い当
てる。
(……本当に、俺は)
人と接するのがヘタクソだと、認めなければなるまい。また、周囲に甘やかされていることも。
つい先日の夜、一番初めに自分を見つけてくれた光が教えてくれるまで、そんなことにすら気づけ
なかった。
(言わなきゃ、わかンねェ……か)
インデックスの察しが悪いわけではない。人の真意を読むとか、裏を察するとか、そういう発想が
ないのだろう。
ただ素直に、言葉を受け止めているだけ。
「…インデックス」
一方通行は、小動物のようにジッとこちらを見つめる丸い碧眼を、見つめ返した。
ひとつ深呼吸をすれば、心臓がいつもよりも少し早く脈打っていることに気付いてしまう。
「…あの時、オマエが来てくれたから、死なずにここに居られる。……それに何より、オマエはあの
ガキを…助けてくれただろう」
情けないことに、声は少し震えていた。
「そんなのは当たり前のことだよ」
インデックスはごく自然に微笑むが、それで引き下がったら負けだ。何に負けるかというと、自分の
脆弱な精神にだ。
「………だから、つまり、俺が言いたいのは」
「…うん?」
「……………ァりがとう、って…ことだ」
「どういたしまして、なんだよ!」
にっこりと。
恐る恐る、情けない有様で差し出したそれは、小さな温かい手が拾って、返してくれた。
打ち止め「おおー!頑張ったねあなたー!ってミサカはミサカは茂みの影からゾロゾロ出て行き
ながら、あなたの精一杯の頑張りをものすごく評価してみたり!!」パチパチパチ
上条「本当だよなー。一方通行、よく頑張った」パチパチパチ
10032号「ツンギレ白モヤシの割りには頑張りましたね。とミサカは今のやり取りが全MNWで実況
中継されていたことを伝えます」パチパチプークスクス
一方通行「」
禁書目録「「とうまー、買い物終わったの?待ちきれなくて迎えに来ちゃったんだよー」
上条「はいはい。終わりましたよー。…ったく、おやつあっただろ?」
禁書目録「そんなのもう食べちゃったんだよ」フンス
上条「そんなことだろうと思いました……」ハァ
10032号「それなら早くあなたの家に行って鍋をやりましょう。とミサカは催促します。ハリーハリー」
打ち止め「わーい!楽しみー!ってミサカはミサカは固まったまんまのあなたの手を引っ張って
みたり!」
一方通行「」
一方通行「」バッ
一方通行「」ダッ
打ち止め「10032号!!ってミサカはミサカは可及的速やかに」
10032号「上位個体命令を受信wwww」ダッ ガシッ
一方通行「ぅぐ……っ」
打ち止め「一方通行を捕獲せよ!って言う前に捕獲しちゃったね!」GJ
一方通行「はーなーせェえええーーー!!」ジタバタ
10032号「おや一方通行耳が赤いですね、どうかしましたか?とミサカはわかっていながらもわざ
とらしく問いかけます」ククク
一方通行「…こンのクソガキ……っ」ジタバタ
10032号「それで力を入れてるつもりか?ん?とミサカは本当にお前はモヤシだなと呆れます」ハッ
上条「まぁそんな照れるなよ。行こうぜー」ガシッ スタスタ
ハナセェーーー!
アクセラレータッテ シャイダヨナー
ミサカハラストオーダーダヨ!ッテミサカハミサカハ ジコショーカイ!
ワタシハインデックスナンダヨ!ヨロシクナンダヨ!
AM 10:45 第七学区 学生寮 上条当麻の部屋
ガチャ
上条「まぁどうぞどうぞ。狭いとこだが、くつろいでくれよな」
禁書目録「ただいまなんだよー」
打ち止め「お邪魔しまーす!ってミサカはミサカは礼儀正しく挨拶してみたり!」
10032号「ほほう、これがあなたの部屋…。とミサカは興味津々です」
一方通行「ホントに狭苦しィな……」
上条「そういうとこばっか素直だなお前」
一方通行「うっせェよ。あー…ねみィ」フアー
打ち止め「あなたにしては早起きだったものね、ってミサカはミサカはあなたが今日は頑張って
早起きしたことを暴露してみたり!」
一方通行「オマエが腹の上にダイブして来るからだろォが!ったく……」ポスン
一方通行「俺ァ寝てるから、出来たら起こせ」スー…
上条「もう寝た!?のび太くんかお前は」ガビーン
10032号「ぐぬぬ…とミサカは、あなたのベッドで丸くなるモヤシを見て悔しがります…」
上条「なんだ、御坂妹も眠いのか?ま、俺のベッドっつっても普段はインデックスしか使ってない
けどなー」ハハハ
10032号「なん…だと…?あなたとこの白シスターは一緒に暮らしているということですか!?と
ミサカは目を丸くします。そういえば先ほどただいま、と…」ブルブル
上条「ああ、まぁな。ちょっと色々あって」
禁書目録「そんなことより早く作ってよとうまー。お腹空いて死んじゃうかも」
上条「わかったわかった、死ぬなインデックス」ハァ
10032号(話が逸れてしまいました…とミサカは結局どういうわけやねん!?と超気になります。
この二人、どう見ても恋人関係ではなさそうですが…)
一方通行「……」スー…スー…
打ち止め(ホントに寝ちゃったのかな?ってミサカはミサカはこの人の寝顔をジッと観察してみ
たり……)
上条「おー、なんつーか…素直な寝顔だな」マジマジ
打ち止め「この人は普段顔に力入れすぎなのよってミサカはミサカは溜息をついてみる」フゥ
上条「確かに、きれいな顔してるよな。黙ってれば」ハハッ
一方通行「何見てンだ三下。殺すぞ」ギロリ
上条「うぉっ!?ビックリした、起きてたのかよ!」
一方通行「うるさくて寝てらンねェよ。壁も薄いしな……」フア…
キョウハオオソウジスルンダゾー ドタンバタン
キュウニドウシタンダニャー!?
上条「あー普段はここまででもないんだけど…。っとヤベ、買ったモン冷蔵庫入れなきゃな」ゴソゴソ
打ち止め(…やっぱり熟睡はしていなかったのね、ってミサカはミサカは残念に思ってみたり。
この人はいつになったら安心して眠れるのかな…?)
禁書目録「ねぇねぇ、らすとおーだーが持ってきてくれたゲーム、やってみたいかも!」
打ち止め「!うん!ってミサカはミサカは大きく頷いてみたり!シスターさんにならミサカ勝てる
かもってミサカはミサカはワクワク!」ピョン
10032号「ゲームですか?とミサカは興味を示します。戦術シミュレーション用ソフトウェアとは
異なるものでしょうか」
打ち止め「似てるかも?でもミサカは今マリカーがお気に入りなの、ってミサカはミサカはコント
ローラーを握りつつ、寝転んだままのこの人を背もたれにしてみる」ポスン
禁書目録「あ、私もー。(ポスン)ちょっと骨が当たるんだよ」
一方通行「重てェぞクソガキども…」
10032号「……………」ソワソワ
打ち止め「あなた、腕はミサカのお腹に回してね!ってミサカはミサカは安定感を求めてお願
いしてみたり」
禁書目録「私はもう少し角度がほしいかも」ユサユサ
一方通行「随分注文の多いガキどもですねェ?」
打ち止め「と文句を言いながらもその通りにしてくれるツンデレなあなたなのであった、とミサカ
はミサカはナレーションを付け加えてみたり」
10032号「…………」ソワソワ
打ち止め「ん?10032号も来る?ってミサカはミサカはちょっと場所を開けてみる」
10032号「べ、別にそんな堅そうな背もたれなんか羨ましくねーよ。とミサカはそっぽを向きます」
禁書目録「けっこう気持ちいいよ?とミサカは…あっ つられちゃったかも」エヘヘ
打ち止め「この人は華奢だけど、しなやか?っていうのかな、そんなかんじだからね!ってミサカ
はミサカは照れ笑いするシスターさんに自慢げに笑いかけてみたり」エヘヘ
禁書目録「うん、確かにそんなかんじなんだよー」ユサユサ
一方通行「動くな鬱陶しい…」ハァ
10032号「そんなに言うなら使ってやらないでもないですが?とミサカは渋々ベッドに近寄ります」
打ち止め「スイッチオーン!ミサカはテレサにするよ!って、ミサカはミサカは白いのに固執して
みたり」
禁書目録「じゃあ私はこのキノコみたいなの。おいしそうなんだよ…」ジュルリ
10032号「どう見ても毒キノコだぞ。とツッコミつつミサカはスタンダードにマリオです。ヒーローリス
ペクト的な意味で」
打ち止め「はい、10032号はここね」ポンポン
10032号「……………」
上条「おーい!誰か鍋の準備手伝ってくれよー!」
一方通行「あー、俺やるわ」ムクリ
禁書目録「あぅ」コテン
打ち止め「あれ!?ってミサカはミサカはベッドに引っくり返ってみる!もー急に起き上がらない
でよあなたったら!」
一方通行「重てェっつってンだろクソガキども。三人は無理」スタスタ
10032号「」
アレ アクセラレータガ テツダッテクレンノ !?
ガキドモノアイテヨリマシダ
10032号「…ぅおらこの白モヤシ、言うにことかいて重いだと!?ミサカの重さも知らないクセに!
とミサカは乙女心を逆撫でするモヤシと空気読まない上条当麻に激怒です!」
上条「何で俺まで!?」ガビーン
10032号「あ、でもそれはそれとして、お手伝いならこのミサカが…」モジモジ
上条「あーウチの台所狭いからなー、二人が限界だし大丈夫だ。インデックス達の面倒見てて
くれると助かる」
10032号「ぐ…っ、しかしまぁいいでしょう。とミサカは正直マリカーとやらに興味津々です」
打ち止め「下位個体には負けないぞー!!ってミサカはミサカはやる気まんまん!」
禁書目録「私だって負けないんだからー!」フンス
AM 11:00 上条の部屋 キッチン
上条「一方通行って料理出来るのか?」
一方通行「出来るように見えるか」フフン
上条「何で出来ないクセに偉そうなんだよ…」
一方通行「そンなモン出来なくても何の問題もねェし」
上条「そんなことないだろ?打ち止めだって成長期なんだし、栄養のバランス考えて料理作って
やるに越したことないと思うけど」
一方通行「」ピク
上条(お?反応アリ?)
上条「御坂妹に聞いたんだけど、クローンって結構繊細だし調整とかもしなきゃなんないって。
食事にも気を使ってやった方がいいんじゃねぇの?」
一方通行「……同居人が自炊出来るし」(調理法は変だが)
上条「その同居人さんは毎食作ってくれんの?」
一方通行「…いや……仕事があるし、たまにだな」
上条「じゃあやっぱりお前が出来た方がいいじゃん。ご飯は大事だぞー?」
一方通行「……………」
上条「別にそんな難しいことじゃないし。お前頭いいんだろ、だったらすぐ出来るようになるぜ。
打ち止めだって、お前がご飯作ってくれたら喜ぶと思うけどな」
一方通行「………」
上条「それにさ、自分が作ったご飯をおいしそうに食べてくれるのって嬉しいもんですよ?」
一方通行「……」チッ
上条「な、一方通行」
一方通行「……………ろよ」ボソッ
上条「え?」
一方通行「さっさと教えろっつってンだよこの三下がァ!」ギロリ
上条「!上条さんに任せなさい!」
上条(なんかだんだんどう接すればいいかわかってきたなー)
トントントン
上条「…で、にんじんはこう皮を剥いて、銀杏切りかな」スーッ トントントン
一方通行「……ふゥん」スーッ トントントン
上条「鶏モモは一口大に」スッスッスッ
一方通行「ン」スッスッスッ
上条「大根も皮剥いてー、同じように銀杏切りな」スルスル トントン
一方通行「わァったよ」スルスル トントン
上条「…………上手いなぁ、お前。ホントに料理したことなかったのか?」
一方通行「ねェよ。誰でも出来るだろ、こンくらい」
上条「お前……一回インデックスに料理教えようとして挫折した上条さんの苦労を何だと…。
いつ指切るか腹刺すかって、ホントッ!もうホントッ!!見てる方が心臓止まりそうな有様
だったんだぜ!?」
一方通行「……まァ、俺はやれば大概何でも出来るからな」
上条「なんという俺様発言!?悔しい、でも納得しちゃう!」ビクンビクン
一方通行「きめェ」
上条「容赦ねぇなー」ハハハ
上条「あ、そうだ米炊かなきゃ。一方通行、米洗って炊飯器にセットしてくれるか?」
一方通行「ン。米は?」
上条「そこの米びつから計量カップ五杯分で」
一方通行「わかった。洗剤は?」ザー
上条「洗剤…?流しにある緑色の……、って」
一方通行「これか」トポトポ
上条「ええええええええ!?ここでそのベタなボケぇえええ!?」ガビーン
一方通行「うっせェな。洗うっつったら洗剤だろォが」
上条「米は水洗いだけでいいの!洗剤で洗ったら食えないだろ!?あー…五合分の米がぁー…」シクシク
一方通行「泣くな鬱陶しい。なら食えるようにすりゃいンだろ」カチッ
一方通行「…成分を解析して、ン……よし」キュィーン
上条「えっ…?」
一方通行「ほらよ」オイシクタケマシター
上条「ええええ…?一瞬にしてホカホカご飯の完成…だと…?」ホカホカ
上条「……」ヒョイパクッ
上条「…しかも上手い……ウチの炊飯器のより…」ガーン
一方通行「当然だ」フフン
上条「…き、気を取り直して…。卵の賞味期限ヤバいし、味付き卵でもついでに作っておくか。
一方通行、ゆで卵作ってくれ」
一方通行「卵、冷蔵庫にあンのか?」スタスタ カパッ
上条「そうそう、扉の裏にあと三個くらい残ってただろ?」トントン
一方通行「これか」パタン カパッパタン ピッ ウィーン
上条(ウィーン……?)「っておい、まさかお前電子レンジにッ……!!!」
パーン
一方通行「うォ、なンか爆発した」
上条「マジかよォおおお!!!!え、何ですか、あくせられーたんドジっ子萌え的な!?」
一方通行「バカにしてンのはよくわかった」カチッ
上条「しょうがねぇだろ!!しょおがねぇええだろぉおおお!!!!」ガシッ
一方通行「っ!手ェ離せ!」
上条「嫌ですゥー死にたくありませんん!!あーー……すごい、電子レンジの中が月面みたい
になってる…」ズーン
一方通行「ふーン…そうか。電子レンジだと白身だろうが黄身だろうが均等に加熱されるから
な。黄身は白身と殻に包まれているために外気よりも高圧となり、沸点が上昇する。
黄身は熱膨張による体積の増加に伴い、白身と殻を押し破って外気に触れ、この
瞬間に急激な減圧が起こるわけだ。そして、沸点が下がることで黄身に含まれる
水分が一気に蒸発気化し、平衡破綻型の水蒸気爆発が発生するってこったな」
上条「何言ってんのかわかんねーけどわかってたんなら何でやっちゃうの!?」
一方通行「……つい?」
上条「何でそんなとこだけうっかりしてんだよ!ああ…掃除が、掃除がぁ………」ズーン
一方通行「うぜェな、わァったよ、使えるようにすりゃいいンだろ」カチッ シャシャシャ
上条「なっ…!?レンジ内にこびりついた卵(だったもの)があっという間にゴミ箱に…!!」
一方通行「はいよ」キレイニナリマシター
上条「便利すぎるだろ第一位…………」ハァー
グツグツ グツグツ
上条「あー、そろそろ沸いたかな。出汁パック入れてくれるか?そこの戸棚に入ってるから」
一方通行「ン」ヒョイ ポイ
グツグツ
一方通行「……何か茶色くなって来たぜェ?」ナベッテ コンナンダッケ
上条「!?こ、この匂い、まさか…、あああやっぱり!お前麦茶パック入れただろぉお!!」
一方通行「あー……」
上条「……まァ、いいか。いいよ、昆布まだあるし、出汁取り直せば」ハァ
一方通行(ムカチーン)
一方通行「いいぜ、やってやるよヒーロー。見てやがれェ!」カチッ キュイーン
上条「何ィ…!お湯がどんどん澄んで行く…だと…!?」
一方通行「麦茶の成分濃縮して捨てれば、ほら元通りですゥ」フン
上条「…………」
一方通行「……なンだよその顔」
上条「一方通行」
一方通行「………」
上条「そこに座んなさい」
一方通行「あ?何で俺が…」
上条「座れっつってんだよこの三下がぁああ!!」
一方通行「」ビクッ
上条「正座だ、正座しなさい!」
一方通行「……っ」ソーッ
上条「はぁー…。一方通行。お前の能力は確かにすごい。便利だ。誰もが納得する第一位だ。
けどな…何でもかんでも能力に頼ってちゃダメだろ」
一方通行「別に…何でもってワケじゃ…」ボソボソ
上条「嘘つけ。お前、俺に会ったら必ず一回は能力使おうとしてたぞ?」
一方通行「う………」
上条「いいか、俺は…心配なんだ。お前の能力はお前自身の特技なんだから、そりゃ使ってい
いに決まってるけど、さっきはお前が俺に料理教えてくれって頼んで来たんだぜ?それな
のに能力使うなんて、そんなことばっかりしてたら、信用されなくなっちまう」
一方通行「別に俺は……」
上条「信用されなくてもいいなんて言うなよ。俺も悲しいし、打ち止めだって悲しむ」
一方通行「………っ」
上条「それに…打ち止めに聞いたけどさ、お前今は能力の使用に制限があるんだろ。くだらな
いことに使って、いざって時にピンチになったらどうすんだ」
一方通行「!あのガキ、そンなことまで…」
上条「打ち止めを責めないでくれよ。俺を信頼してくれたんだろうし、俺は絶対にそれを裏切ら
ない。約束する」
一方通行「…………」
上条「口約束なんて信用できないか?でも俺は」
一方通行「いや…いい」
上条「え」
一方通行「………わかった」
上条「…ありがとな」ニコ
一方通行「……………別にィ」フイ
上条「はは。素直じゃないなー」
一方通行「ほっとけ、バカ。…おせっかい野郎が」
上条「しょうがねぇだろ。お前ってなんか…ほっとけねーもん」
一方通行「この俺を捕まえてそンなこと言いやがるのなんか、オマエくらいのモンだぜ」フン
上条「そぉかぁ?御坂妹も似たようなこと言ってたぜ」
一方通行「!あンのクソガキ……」
上条「あ、そろそろ鍋も出来たかな。準備の続きするか。ほら、手」スッ
一方通行「いいっつってンだろ、懲りねェヤツだなオマエは…」グッ
ドテッ
一方通行「…………あ?」キョトン
一方通行(足が、なンか…)
上条「ど、どうしたんだ!?もしかして正座の時、足変に捻ったりしてたのか!?」
一方通行「いや、………?」
一方通行(何だこの感覚、いや感覚がないっていうか、いや戻って、あ?何かビリビリ……)
上条「いいから、見せてみろ!」グッ
一方通行「ひャうッ!!」ビクンッ
上条「」
一方通行「」
上条(え 何今のかわいい声?一方通行の?マジで?)
一方通行(え 何だ今の気持ち悪ィ声?俺の?マジで?死にてェ)
AM 11:40 ミサカネットワーク内
1.上条が一方通行を襲ってgwくぇおtgふ(1)NEW
2.上条「あくせられーたん!」(839)
3.【協力求む】あの人とヒーローさんをいいかんじにさせたいんだが18(722)
4.今日の上条207(521)
・
・
・
・
上条が一方通行を襲ってgwくぇおtgふ(813)
1 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
一方通行「あッ、やめ、触ンな…ッ!」
上条「触らなきゃどうしようもねぇだろ」
一方通行「ひ、ッ…!ィ、バカ、こンの…!」
上条「だーから能力使うなっつってんじゃねぇか」
一方通行「ぅあああ!!」
上条「大丈夫大丈夫。上条さんを信じなさい」
一方通行「や、やめ、ッ、て…!ゥ、い…っ、あ…」
2 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
3 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
4 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
5 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
6 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
7 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10039
・
・
・
・
181 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
まままっま待て皆、おおおお落ち着け
182 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
これが落ち着いていられるかァアアアア!!!!!!
一方通行さんが俺の一方通行さんがぁあああああああああ
183 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17182
うわああああああ上条がぁああああ!!!!
184 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13710
俺達の上条がぁああああああ!!!!!!!!
185 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10777
うっ…やはり遠距離というハンデを拭い去ること出来ずか
せめて一回くらい会って話してみたかったぁあああ
186 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17619
えっ ちょ 上条手ェ早くね!?!?!?
187 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13577
やめろぉおおおおおおお
・
・
・
・
283 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
イマドコ?>>1
284 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
ああああわかったわかった、俺わかった
これはアレだ、マッサージだろ
そういうオチだろ
285 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
イマドコ?>>1
286 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
そそそそれだ!!!!さすが!!!!>>284
287 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
あ、なんだそうか ビックリしたー
てっきり上条と一方通行がセッ
288 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
言わせねぇよ!?!?!?>>287
マッサージだよなマッサージ うん
一方通行さんすぐ肩とか懲りそうだもんな 血行悪そうだもんな
289 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
警告する
これはマッサージではない
繰り返す これはマッサージではない
290 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
291 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17264
292 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
293 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
今どこだっつってンだよォオオ!!!!!
答えろこの三下がァアアアアアア!!!!!!
294 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
もう番外個体ったら、ここに来て何するつもり?
10032号も悪ノリしすぎだよってミサカはミサカは諌めてみる
一方通行「ゥあ、やめバカ、まだ痺れっ…!」
上条「大げさだなぁ一方通行は…。ちょっと足痺れただけだろ?
こうやってほぐした方がすぐ治るんだって」
一方通行「ゥ、ひぅ…!ちょ、もっとそっとやれよォ…」
上条「はいはい我慢我慢」
一方通行「ゥううううう………」
禁書目録「わかるんだよ…私も日本で暮らして初めて足が痺れた時
は死ぬかと思ったんだよ………」
打ち止め「頑張ってあなた!ってミサカはミサカはされるがままのあな
たを温かく見守ってみる」
ということですよ、ってミサカはミサカは肩を竦めてみたり
295 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
_,,:-ー''" ̄ ̄ ̄ `ヽ、
,r'" `ヽ.
__,,::r'7" ::. ヽ_
゙l | :: ゙) 7
| ヽ`l :: /ノ )
.| ヾミ,l _;;-==ェ;、 ,,,,,,,,,,,,,,,_ ヒ-彡|
〉"l,_l "-ー:ェェヮ;::) f';;_-ェェ-ニ ゙レr-{ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ヽ"::::''  ̄´.::;i, i `'' ̄ r';' } |
. ゙N l ::. ....:;イ;:' l 、 ,l,フ ノ | 屋上へ行こうぜ…
. |_i"ヽ;:...:::/ ゙'''=-='''´`ヽ. /i l" < 久しぶりに…
.| ::゙l ::´~===' '===''` ,il" .|'". | キレちまったよ…>>1
.{ ::| 、 :: `::=====::" , il | \________
/ト、 :|. ゙l;: ,i' ,l' ノト、
/ .| \ゝ、゙l;: ,,/;;,ノ;r'" :| \
'" | `''-、`'ー--─'";;-'''" ,| \_
296 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12192
ワロタ
仲良いなwwww>>294
297 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
屋上>>1
298 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
おい冗談が過ぎるぞ…>>1
299 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka16882
壁殴>>1
300 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
いいだろォオオオちょっとぐらいよォオオオオ
マリカーに必死になってたらふと台所から>>1が聞こえてきた時の
俺の衝撃に比べたらよォオオオオオ
これぐらいよォオオオオ
301 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka15128
確かにそれは驚くな……>>300
302 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
まぁ衝撃は身を持って味わったわ
303 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
いかにしてそこに混じるかまで真剣にシミュレートしたわ
304 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
だろ!?だろ!?!?>>301-302
しかもこの一方通行の顔
http://www.misaloda/moyashi-9.jpg
305 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10039
一方通行の怯えた顔…だと………(ゴクリ >>304
306 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
涙目のセロリたんペロペロペロペロ>>304
307 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13829
ああーこんな顔してると
か弱い女の子って言われても納得するな…
308 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
なんかズキンってなった>>304
いじめるのイクナイ
309 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
確かにあんな顔初めてみたかもってミサカはミサカは思い出し笑い
してみたり
あと20000号は自重してね
310 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
は、はい運営様!!!!
311 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14111
ホントにこのモヤシさん、表情で印象違うよな…
312 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
いっつもカッコつけてる白モヤシだと思うとめっちゃ笑えるよなwwww
313 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
ビックリしてヒーローさんを蹴り飛ばそうとした10032号の台詞とも
思えませんなぁ
ってミサカはミサカはニヤニヤしてみたり
ミサカが止めなかったら流血惨事だったよ?(・∀・)
314 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
いや、あれはちげーし
モヤシの魔の手から上条守ろうとしただけだし
315 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
わかるわ>>314
俺もビックリして上条突き飛ばしたと思う
いくら上条でも
316 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
だから違うっつってんだろこの天然ちゃんはァあああ!!>>315
317 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
___ ━┓
/ ―\ ┏┛
/ノ (●)\ ・
. | (●) ⌒)\
. | (__ノ ̄ |
\ /
\ _ノ
/´ `\
| |
| |
え ごめん 何怒ってんの?>>316
___ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ (●) \ヽ ・
/ (⌒ (●) /
/  ̄ヽ__) /
. /´ ___/
| \
| |
でもフクザツだなー だってやっぱり上条のこと好きだし
318 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
いや怒ってねーけど別に
あと言っとくけど俺の方が上条のこと好きですから>>317
319 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
まぁいいけど、ほどほどにしてくれよ>>1
あんま驚くとMNWに支障あるからな
320 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
う…まぁ、悪かったわ
なんかもうな、衝撃的過ぎてね……
321 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
うん 気持ちはわかるよ
けど>>316じゃないが、上条と二人じゃなくてよかったのか?
お前意外と溜め込むタイプだからな 無理するなよ
322 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17199
確かに
一方通行とも最近話すようになったばっかりだもんな>>1
323 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
別にあんなモヤシ恐るるに足らずだっつーの
……大丈夫だよ
なんかやたら兄貴風 いや姉貴風?吹かせてくんのうぜーけどなwwww
324 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
あー 一方通行、ホント面倒見いいよな
こないだうっかり転んだところに一方通行通りかかって
小言いいながら傷口塞いでくれたよー
でも怒られてちょっと怖かった
325 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12117
おいwwww何転んでんだwww>>324
一応軍用クローンだぞ俺らwwwwwww
326 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11987
>>324
>>324
>>324
327 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
誰にでもうっかりはあるだろ!!!!
328 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka16328
気をつけろよwwww>>327
あ、あ、あのさー>>1
確認だけど、今って上条の家にいんの?
329 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
うん>>328
今お昼の寄せ鍋食べてる うまー(゚Д゚)
上条って料理上手いんだな 上条ステキさすが上条ステキ
あとコタツってのに入ってる なんか変わってる
330 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka16328
じゃ、じゃあ上条に聞きたいことあるんだけどさ
代わりに聞いてくれね?>>1
331 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10837
あ、ズルイ!!!>>330
お 俺も聞きたいことある!!!
332 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
いいけど 順番な
333 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17160
イェーイ!!
そんなん俺だってあるに決まってんだろ!!!
・
・
・
・
PM 12:49 第七学区 学生寮 上条当麻の部屋
グツグツ グツグツ
10032号「なるほどなるほど…。一端覧祭、ですか。とミサカは胸を躍らせます。あなたは去年は
どういった催し物に参加されたのでしょうか?」モグモグ
上条「え、えーと…なんだったかなー……」モグモグ
上条(うおおや、やっべー…何で今日はこんなに質問攻めなんだ!?さっきから7月より前に関
する話全然答えられてねーよ…)
禁書目録「」パクパクモグモグズズー
打ち止め「あなた、ミサカはお肉が食べたい!ってミサカはミサカは暗に器によそってほしいと
お願いしてみたり!」
一方通行「はいはい。ほらよ」ヒョイ
打ち止め「むー…ネギはあまり好きじゃない。ってミサカはミサカはお肉と一緒にネギと白菜も
一杯なことに不満を漏らしてみる…」
一方通行「野菜もちゃンと食べねェと大きくなれねェぞ」モグモグ
打ち止め「お肉ばっかり食べてるあなたに言われても説得力ないよ!?ってミサカはミサカは
あなたのために白菜を差し出してみたり!」アーン
一方通行「………」アーン パク
打ち止め「あなた、生野菜の青臭いかんじが嫌いなんでしょ?なら煮込んで甘くなったやつな
ら大丈夫なんじゃないかな、ってミサカはミサカは鋭い意見を述べてみる」
一方通行「…まァ、悪くねェ。オマエもちゃんと食えよ、ほら」アーン
打ち止め「はーい!ってミサカはミサカは元気よくお口開けてみひゃりー」アーン パクモグモグ
打ち止め「おいひい!」ニコ-
一方通行「そりゃ良かったですねェ」モグモグ
上条「……微笑ましいというか、何というか」ハハハ
10032号「完全に親御さんの図だな。とミサカは呆れながらもあなたの答えをジッと待ちます。
昨年貰ったチョコレートの数はいくつですか?」
上条「え…えーとぉ…、ふ、二つかな…」(多分お袋と、あと一個くらいは誰かくれた といいな!)
10032号「……誰に貰いましたか?とミサカは質問を重ねます」
上条「!え、っと誰だったかなー…」(やべ、適当なこと言ったらその子に迷惑かかるよな!?)
10032号「…………」ジッ モグモグ
上条「えーと……」ダラダラ
一方通行「……おい上条」
上条「え!?何なに!?」
一方通行「肉は?」
上条「肉…?」
一方通行「さっき買った地鶏。この中入ってねェだろ。おいしく食わせてやるとか偉そォなこと
言ってたじゃねェか」
上条「あ、ああ…!そうだったそうだった、悪いな、すぐ作ってくるわ」スクッ スタスタスタ
上条(…助かった……)ホッ
10032号「ああ、まだ質問が途中なのに…とミサカは残された質問のストックが3501個もある
ことに先が思いやられます」モグモグ
一方通行「オマエよォ…」
10032号「何ですか。とミサカは呆れた顔の一方通行に視線を向けます。ロリコンは黙って幼
女の世話でもしてろや」モグモグ
一方通行「誰がロリコンだ。…あンま質問攻めにすンなよ。自分の言いたいことばっか言う
女は嫌われるぜェ?」
10032号「お、お前に男心がわかるわけあるか!と流しつつも、そういえばちょっと迷惑だった
かな…?とミサカは反省します」シュン
一方通行「どうせMNW介して質問攻めにでも合ってるんだろォが…」ハァ
10032号「ギク バレバレですか」
一方通行「バレねェわけあるか。ほどほどにしといた方が身のためだと思うぜ」
10032号「ぅぐ……。とミサカは少し俯きます。お前にしては的確なアドバイス…と認めざるを
えません」グヌヌ
上条「おー、お待たせー」スタスタ ストン
打ち止め「わー、ずいぶん早いんだね?ってミサカはミサカは驚いてみたり!」
上条「下味は付けてあったからな。でも基本的に味は塩コショウで焼いただけだぜ。高い肉は
シンプルに食うのが一番うまいし」
禁書目録「おいしそうなんだよぉーー!!!!!」キラキラキラ
上条「こぉらダメだぞインデックス(ビシッ)。これは一方通行用だからな」
一方通行「ふゥーン……」ヒョイ モグモグ 「!」
一方通行「………」ガツガツガツ
打ち止め「おいしそうだけど鍋には合わないかな…ってミサカはミサカは一心不乱に骨付き肉
にかぶりつくあなたを見守ってみたり!あなたって食い合わせとか気にしないよね…」
一方通行「何と食ったって味は変わンねェだろ」ガツガツ
10032号「おいおい手掴みて…油でベタベタになってるぞオイ。とミサカはその肉のカロリーに戦
慄を覚えます。ていうかお前は何故その調子で太らない?」
一方通行「体質だ」ガツガツ
10032号「ハッ そういえばこの鍋とやらのカロリーが正確に確認できません…。とミサカは重大な
過失に気付きます。これは早急に計算せねば!とミサカはネットワークに接続します」
上条「どうだ?うまい?」
一方通行「………マズくはねェ」ガツガツ
上条「!そうか!フフハハ上条さんは学んだぜ、お前の『悪くない』イコール『とっても気に入りま
した』だということをな!」
打ち止め「さすがヒーローさん!ってミサカはミサカはその通りだよと相槌を打ってみる!」
一方通行「うっせェなァ……」ガツガツ
禁書目録「ぅううう…………」ジィーーーー
一方通行「……」ガツガツ
禁書目録「………………」ジィーーーー タラリ
一方通行「……」ヒョイ
禁書目録「!?」バッ
一方通行「……」ヒョイ
禁書目録「!?」バッ
打ち止め「な、何してるの…?ってミサカはお肉で猫じゃらし状態のあなたとシスターさんを見守
ってみたり…」
上条「こ、こらインデックス!行儀悪いぞ!」
一方通行「……」ヒョイ
禁書目録「!?」バッ
一方通行「ほらよ」アーン
禁書目録「!!!!」バクッ!! モグモグボリボリモグ 「お、おいしいんだよ……」ジーーーン
一方通行「……」ヒョイ
禁書目録「!!!!」バクッ!! モグボリボリモグモグ 「お、おいしいんだよ……」ジーーーン
一方通行「………ピラニアみてェ」ボソッ
上条「うう、お、お恥ずかしい…って上条さんは赤面して俯いてみたり」
打ち止め「大丈夫だよ、この人はシスターさんを気に入りました!」キリッ
上条「え?そなの?」
一方通行「……」ヒョイ
禁書目録「!!!!」バクッ!! モグモグモグボリボリ 「お、おいしいんだよ……」ジーーーン
一方通行「…………」プッ (おもしれェこいつ)
上条「あ、ホントだ。なんか楽しそう?」
禁書目録「本当においしいんだよ…。私にはすべてを完全に記憶する完全記憶能力があるせい
で、食べたいものが食べられない切なさハンパないんだよ…」モグモグ
一方通行「あァ?どういうこった?」
禁書目録「味、匂い、見た目、食感、すべてをカンペキにイメージで再現できるってこと。つまり今
まで食べたおいしいお肉の味が完全な形で想像されてるのに食べれなくてもう…死に
たくなるかも」
一方通行「あー…そォいうことか。俺もあるな」
禁書目録「え?あるの?あなたも?」キョトン
一方通行「俺もだいたい一度見たもの触れたものは忘れないからな。昨日なんかたまたま気に
入ってるメーカーのコーヒーなくて、探しながら味の成分一個一個再現していっちま
って最高ォーにイラついたわ…」
禁書目録「!!わかるんだよ!他にも、三日前の占いカウントダウンを一位から十二位までつ
い頭の中で再生しちゃったりするんだよ!何の意味もなくて悲しくなるんだよ…」
一方通行「せめて答え合わせ出来るから意味あンだろ…。俺なんかこないだ風呂入ってる時、
同居人が見てたくっだらねェバラエティ一時間分再生しちまってよォ」
禁書目録「あはは、あるあるなんだよ!好きなテレビならともかく、すごい困っちゃうんだよ」
一方通行「一年くらい前に読んだ本、どんなんだっけかって思ったらつい最初から最後まで頭の
中で暗唱しちまったりな…」
禁書目録「それもよくあるかも…。全部隅々まで覚えてるから、好きな本を読み返す楽しみって
ものがないんだよ……」
一方通行「あァ、本を読み返す?その発想はなかったわ」
禁書目録「私もあいさに聞いて、そういう本の楽しみ方もあるんだって初めて知ったかも」
一方通行「ふゥン…。別に気に入ってようが気に入ってまいが全部覚えちまうからな俺は」
禁書目録「同じくなんだよ…。『あれ、この理論矛盾があるかな?』って思った本の内容までつ
い全部反芻しちゃったりするんだよ……疲れるんだよ…」
一方通行「あるな…。不快なのについ辿ろォとしちまうンだよな、何だろうなありゃ…」
禁書目録「なんだろうね?片付けしてたら、マンガが全巻揃ってるかつい確認したくなるような
ものかも!」アハハハ
キャッキャッ ウフフ
ホカニモヨー
ワカルンダヨー!!アトアトー
アーソレ アルワー
10032号「カロリー計算が完了したかと思ったら、白い二人が全く共感できない話題で盛り上が
っています。とミサカは現状を訝しみます」
打ち止め「完全記憶能力かー…。あの人もそういう能力があるって明確に言われてるわけじゃ
ないけど、近いものはあるんだろうね、ってミサカはミサカは分析してみたり」
10032号「まぁ、考えてみれば通常の人間一万人分の脳を使って、ようやく一方通行一人分の
演算能力になってるわけですからね。とミサカは頷きつつも、何故か嬉しそうなあな
たを不思議に思います」
上条「ん……?」ニコニコ
打ち止め「どうしてあの二人をそんなに嬉しそうに見てるの?ってミサカはミサカはごく率直に
質問してみたり」
上条「インデックスが笑ってると安心するし……。それに、あの能力のせいでアイツは色々と
大変な目に合ってるからさ。ああやって笑って話せてて、よかったなって」ニコ
10032号「……………」キュン
打ち止め「あなたはとっても優しいんだね。…確かに、あの人が自分の特徴と共感を示すな
んてとっても珍しいかも!ってミサカはミサカは同じく嬉しく思ってみたり」
上条「そっか。よかった」ニコ
打ち止め「うん!ってミサカはミサカはヒーローさんに満面の笑顔を向けてみる!」ニコッ
PM 5:30 上条当麻の部屋
ピロリロリー
ウィイイイン ピローン!
打ち止め「うぅううう!もう一回!もう一回!ってミサカはミサカは再戦を要求してみたり!」
10032号「またですか、とミサカは肩を竦めます。ていうか弱すぎですよ上位個体」
禁書目録「くくく…今のところ私が一番なんだよ!」
打ち止め「くっ…!あなたこういうの苦手そうなのに!ってミサカはミサカは当初の予想が外
れて悔しがってみる…!」
禁書目録「確かに操作は苦手だけど、全部のコースを覚えられる私に死角はなかった」フンス
打ち止め「ズルーイ!ってミサカはミサカはー!」
モウイッカイ-! ッテミサカハー!
ハイハイ トミサカハ シブシブウナヅキマス
フフン ナンドデモ アイテニナッテヤルカモ!
一方通行「…………」ゴロゴロ
上条「一方通行、コタツ気に入ったのか?」
一方通行「別にィ」ゴロゴロ ファー…
上条「そのまま寝るなよ。風邪ひいちまう」
一方通行「眠くねェ…」ファ…
上条「ブッ、何でそんな見え透いた嘘つくんだよ」ハハッ
一方通行「うるせェ」ゲシッ
上条「いてっ、ちょっ、蹴るなって」
一方通行「黙れ」ゲシゲシ
上条「いてて、もう、足癖悪ィなお前!」ガシッ
一方通行「!?離せ三下ァ!」バタバタ
上条「一方通行は上条さんのスペシャルマッサージをご希望のようですねー?」足裏グリグリ
一方通行「いだ!?イダダダダダ!!なッ、なンだそれ、あッ、おまっ…!」バタバタ
上条「足裏マッサージされて痛い人は不摂生してるんだぞー」グリグリ
一方通行「ひッう!イッ、た、や、や、やめ!」ビクッ
上条「…………」ジッ グリグリ
一方通行「アッ、い、イッ…、~~~!!」ジタバタ
上条(…さっきも思ったけど、こんな風にしてると普通の高校生にしか見えないなー)
一方通行「こ、この三下がァ…っ」ジタジタ
上条「涙目で言っても迫力ありませんよー。っていうかむしろかわいいぞー」ジッ グリグリ
一方通行「はァあああ!?寝言は寝て、いッ、いッ、ぅあ…!」
上条(…………何かだんだん変な気分になってきた)アレ?
打ち止め「はーいそこまでーってミサカはミサカはヒーローさんにタックルドーン!」ドーン!!
上条「うお…!?」ビクッ
10032号「オイオイお前らせっかくMNWが落ち着いたのに再燃量投下してんじゃねぇよ、と
ミサカはイラつきながらもモヤシをコタツから引き摺り出します」ズルズル
一方通行「…………はー、はー…」グッタリ
打ち止め「ちょっとヒーローさん!この人が無体された乙女みたいになってるでしょ!って
ミサカはミサカはYESラブラブNO無理矢理を掲げてみたり!」
上条「えっ、む、無体って!そそそそそんなつもりは決して!!」ブワッ
一方通行「はー…はー…殺す……」グター
上条「…た、確かに目が潤んでるし…頬っぺたピンク色になってるし…」ジッ
上条「っていうか一方通行…お前本当に色白いなぁ」マジマジ
一方通行「見ンな…殺す……」グター
禁書目録「……とうまぁあああああああ!!!」ギラリ
上条「ちょ、インデックスさん!?違うんです、誤解です!!」ダラダラ
フコウダーーーー!!!
思う存分ツンツン頭に噛み付いた白いシスターは、数分後にケロリと「おなかすいたんだ
よ」と呟いた。
じゃあ夕飯の分買出しに行くか、と噛み付きに慣れ切った無能力者もケロリと頷く。
何だコイツら、と思いつつ、騒いで暑くなっていたことやコーヒーが飲みたくなってきたこと
もあって、一方通行は一緒に買い物に出ることにした。
打ち止めや10032号も付いて来るなどと言っていたが、鬱陶しいので置いて来ている。
上条も特に反論しなかったところを見ると、まぁ同意見なのだろう。
年末も近づいた、午後六時。日は既に落ち、吐く息を街灯が白く照らした。紺の夜空に
星が瞬きつつあったが、学園都市の青白い光の方が明るい。
元々人通りの多い第七学区でも、学生の数は少なくなってきている。近所のスーパーへ
の短い道を、二人は並んで歩いている。
「いッ、てて…まだデコが痛いんですけど…」
上条が少々背を丸め、雑な仕草で額を撫でた。
「あァそォ。ぜってェ俺のが痛かった。間違いねェ」
二回も好きなように叫ばされた礼に、靴を履こうと屈んだ上条の背中を蹴飛ばしてやった
のだ。
身構える暇もなかった少年はそのまま正面のドアに激突して無様な悲鳴をあげ、一方通
行は少しだけ溜飲を下げた。
「いやぁ、ちょっと足が痺れたくらい、そんなに痛いモンでもないだろ?」
「痛いっつか気持ち悪ィンだよ!遠慮なくベタベタ触りやがってぶッ殺すぞクソ野郎がァ!」
「ぶぷ、思い出し怒りする一方通行とか」
何のツボにハマったのか、上条はケラケラ笑い出した。
「そ、そんなに足痺れたの辛かったのか?正座したことなかったのかよ、日本人だろ」
「イマドキそンな正座する機会なンかあるかよ。オマエこそそンな正座慣れなンかしてねェ
だろォが」
「…………、まぁ、そうだけどな」
上条が息を詰めたのは、二秒にすら満たなかっただろう。
しかし一方通行は気付いてしまった。左隣を見れば、上条もこちらを見ていた。
「…………」
気付いたことを気付かれたのだろう、と察する。頭の出来が良いとは思えない男だが、時
にひどく聡い。
冷たい風が吹いて、一方通行は目を細めた。
普段の自分ならば、このまま知らないフリをしていたかもしれない。知ったことか、俺には
関係ないと。
だが、目の前の真っ黒い、真っ直ぐな目をした少年は、本当に自分とは無関係なのだろ
うか。そして誰かにそう問われて、一方通行はYESと言いたいのか、NOと言いたいのか。
わからなかった。
「……上条」
けれど、唇を開いてしまった。
「オマエ、記憶喪失にでもなってンのか」
溢れた言葉は、二度と戻らない。
百合子たん凌辱しといて何が不幸だよ
確かにその通りだよな、この二人にとっては。
「一方通行………」
フッ、と表情が消えた。
一方通行が目にしたことのある、焼け付くような闘志を秘めた顔とも、明るい日中が似合
う笑顔とも、軽く文句を言ってやった時の困ったような顔とも、同居人の挙動に呆れた顔と
も、どれとも違っていた
「…やっぱり気付いてたか。今日、何度もフォローしてくれただろ?ありがとな」
上条は、見たことのない形に頬を緩めた。
「今年の七月の…後半あたりか。それ以前のオマエについての質問に、何も答えられてい
なかったな」
「はは…。今まであんなに質問責めにされたことって、意外になくてさ…」
あまり人の表情というものをきちんと見て来なかった一方通行には、それがどんな気持ち
を表したものなのかわからなかった。
ただ、例えば、予告した時間に帰らなかった時の、ぼんやりソファに座っている打ち止め
の表情に、少し似ていると思った。
こういう顔を、寂しそうと言えばいいのだろうか。
「…あのシスターは知ってンのか」
「ああ。…知ってる」
一方通行は浅い溜息をついた。それが安堵の色をしていると気づいたのは自分よりも上
条の方が先で、その口元が微笑む。
舌打ちをして、今のはなかったことにした。
「なら、隠すことねェだろ。俺も打ち止めも10032号も、オマエと知り合ったのは八月以降な
ンだから」
「でもさ。俺が記憶喪失って知ったら、皆スゲー気まずいだろ?隠し事に荷担させるのって、
申し訳ねぇよ」
「…そンだけかよ」
「そんだけ」
「バカだな」
「かもな」
上条は、今度こそはっきりと苦笑した。ゆっくり歩きながら正面に向き直った顔には、一
切の迷いがないよう見えた。
「……オマエは…」
「…うん」
胸の奥から、冷たいような熱いような衝動が沸き上がってきた。
上条は一方通行の言葉を待っている。いつもの騒がしくマイペースな雰囲気は消え失せ
た、静かな横顔だった。
先日再会した時、この男は何と言った?
『お前に言った台詞は、全部俺自身にも当てはまることだったからさ』
では、ロシアでは何と言っていた?
『目の前で泣いて欲しくない人が泣いてるんだ!それだけで十分だろ!!立ち上がったっ
たっていいだろ!特別なポジションも理由もいらねぇ!!それだけあれば、もう盾になるよ
うに立ち塞がったって構わねえだろうがよ!!』
特別なポジション。理由。この男が助けたかったのは、あのシスターだろう。確認したわ
けではないが、確信があった。
上条当麻にとってのインデックスは、きっと自分にとっての打ち止めに似たものだろうと。
「オマエは…。あのシスターを助ける『理由』と『ポジション』の記憶を失ったのか」
「………っ」
鋭く息を呑んだ気配に、一方通行も息を呑んだ。じわりと、不快な汗が髪の毛穴から滲
んだ気がする。
(何言ってンだ俺は……)
人の、しかも言ってしまうなら恩人の、明らかな傷口に塩を塗るような真似をしている。
「……………」
上条は沈黙を保ったまま、こちらを見つめている。眼差しは変わることなく真っ直ぐだ。
「……あ、……っ」
一方通行の喉の奥に、重苦しいような塊が支えた。手足の先が冷たく痺れ、心臓がガン
ガン鳴り響いてうるさい。頭の奥が焼けるようなのに、額を流れる汗は気持ちの悪い冷た
さだった。
自分がどういう状況にあるかわからず、一方通行は硬直する。
ただ、打ち止めが危機に陥った時の感覚に少しだけ似ていると思った。他には、黄泉
川が怪我をさせられた時。そこに吐き気と苛立ちを足せば、木原数多に能力が通用し
なかった時、垣根提督に能力の隙間を突かれた時、エイワスに打ちのめされた時。
要するに、緊張している。焦っているわけだ、と学園都市第一位の頭脳は結論を出した。
だが一体、何にそんなに焦燥を感じているというのか。今現在打ち止めは当然無事だ
し、特に命の危機に晒されているわけでもない。緊張する理由も焦る理由も、自分には
ないはずだと思った。
今まで緊張や焦燥を覚えたことなど片手を越える程度、しかも現状にはこれまでのケ
ースと何の共通点もない。
「………………」
「………………」
ただ、目の前の、それほど親しくもない、ただずっと心の奥に居座っていた少年が、少
し頼りない顔をしているだけだ。
「………、…」
それが嫌なのだと、一方通行は唐突に悟った。
例えば打ち止めが泣いた時、番外個体が喚いた時、それに似ているような、全然違う
ような。
しかし打ち止めや番外個体になら何を言うべきであるかわかっていた。言いたいこと
は自然と自らの内にあった。
けれど今、何を言うべきなのか。何を言いたいのかなんて、全く思いつかない。
ただ焦燥だけが馬鹿みたいに募って、一方通行はそれに急かされるように口を開いた。
「…その『理由』が、知っていて幸せなもンだとは限らねェだろ」
「知っていて…?」
「………忘れていた方がいいことだって、ある」
吐き出して、ギリリと奥歯を噛み締める。
(さっきから、何を言ってやがンだ俺は…!)
違うだろう。記憶とは、そういうものじゃない。
「忘れた方がいいこと、か。…お前にもあるのか、そんな風に思う記憶」
上条は特に不快そうな様子も見せず、少し好奇心にかられたような顔で首を傾げた。
「……ああ、あるな」
「…本当に?」
一瞬息が詰まった。
「……………ああ」
ようやく絞り出したような、格好悪い相槌だ。
「本当に?本当に忘れてしまいたいのか、お前は」
反射的に伏せていた目を上げれば、上条が相変わらずまっすぐにこちらを見ていた。
疑っているという風ではなく、むしろ不思議そうな声だった。うっかりミスを指摘
するような、気負いのないもの。
一方通行は力が抜けて、深々と溜息をついた。
「…いや。忘れちゃならねェし、忘れたくもない」
あの実験。一万三十一人を殺害した、一方通行を今の一方通行たらしめた記憶。
どれほど深く激しく後悔していたとしても、捨てていいものではなく、また捨てるつもりも
なかった。
一生抱えていくべきものだ。なくなってしまえば、真っ直ぐ立てなくなってしまうものだ。
「そうだろ?」
上条は頷く。期待通りの反応だったのか、満足げに笑った。
「……っ」
あまりに自然体の反応に、今までの自分の緊張は何だったのかと、急にものすごくアホ
らしくなった。
「………変なこと言って、悪かったな!!!」
焦燥はそのままムカつきに変わって、最高に的外れなことを口にした居たたまれなさも
手伝い、勢いよくそっぽを向く。
「さっさと忘れろ、この脳天気野郎がァ!!!」
「…………」
しかし上条は一方通行がそっぽを向いた方にわざわざ回り込んで来て、目を合わせた。
「……なンだよ」
観察するような眼差しが居心地悪く、反対側を向けば、またそちらに回り込む。
「…なあ、一方通行」
イラッとして声を荒げようとした絶妙のタイミングで、上条が口を開く。
「ひょっとして今の…慰めようとしてくれたのか?」
「!!!」
ぐ、と息が止まった。
そうなのか?自分はそんな、らしくないことを試みようとしたのか?
自問して答えを出す前に、目の前の顔がひどく嬉しそうに笑み崩れる。
「はは、不器用なヤツだな、お前。…でも、ありがとな」
「………………」
違うと言い張るのも余計に気まずくて、思い切り顔をしかめた。
「そんな顔しなくてもいいだろ」
「うっせェ、地顔だ」
悪態をつけば、上条が軽やかに笑う。
頼りなげだった気配はもうどこにもなくて、このツンツン頭にとってそれはもう乗り越えた
傷なのだろうと悟る。
(理由なンかなくても……か)
上条当麻とは、自分が縋るよすがを丸ごと失っていて、それなのにあれほど真っ直ぐに
走って行くことが出来るのか。
一方通行は、極寒の雪原で自分の幻想を壊した力強さを手元に返す。
「…………俺は…」
気がつけば、微かな声が漏れていた。
聞こえていなくても構わないと思ったのに、上条は「うん」と確かな相槌を打つ。
「…何かが少しでも違っていれば…。例えばお前が実験を止めていなかったなら、打ち止
めを殺していたかもしれないと、考えることがある」
「……!そんなこと、」
「今でも、例えばこの力が暴走したら。…ワケがわかンなくなっちまえば、あのガキを殺し
ちまうかもしれねェ」
自分で思った以上に昏い声音が溢れる。
「一方通行」
叱咤するような声と共に、肩を掴まれた。真冬用のジャケットを通しても、暑苦しい体温
を感じて、気持ちが悪い。
「触ンな」
一方通行は軽く鼻を鳴らして、その日に焼けた手を払った。
そうしたら、その払った手を握り締められる。
「お前はそんなことしない。絶対だ」
「……どうしてそンなこと言える」
「だってお前は戦って来たじゃないか。詳しいことは知らないけど、でもロシアで見たお前
は、あの子を助けたくて苦しんでた。戦ってた。あんなでっかく広げた羽でも、あの子には
掠りもしなかっただろ!」
「…わかったような口を」
「わかる!!!あの時のお前を見て……今のお前と打ち止めを見たら、誰にでもわかる
ことだ!!」
間近に迫った真っ黒の目は、本当に真っ直ぐだ。
握られた手が熱かった。合わさった手から、得体の知れないものが流れ込んで来るよ
うな気がして、目を眇める。
「…………」
一方通行は、忸怩たる思いを噛み締めた。
「……そォだな」
一体、この男に何歩先を行かれているのだろう。
「お前があンな風に…何も確かな理由なンかなくても、あンなに真っ直ぐ立ち向かえるの
なら」
「え……」
上条が、驚いたように目を見開く。
「人がそンな風に生きて行けるのなら、俺も…何もかも忘れちまったとしても、『俺』でいら
れるのかもしれないと思う」
目の前の真っ黒い瞳に、自分の顔が映っていた。自分でも、あまり見たことのない顔を
していた。
「お前と同じように。何を失っても、打ち止めと妹達を守って行くことが、出来るのかもしれ
ねェな」
「一方通行………」
上条は、呆然とした顔で一方通行を見つめた。
いつの間に立ち止まっていたのだったか。夜空にはとっくに星が瞬き、どこにでもあるよ
うな狭い道端で。
「……ああ、そうだな」
不意に、目の前の日に焼けた顔が微笑んだ。
「お前なら、そうだろうな」
いつもの明るい笑顔とは違う、何かを静かに噛み締めるような、深く微かなものだった。
「だから…お前と俺は似てるって、思うんだよ」
例え何も持っていなくても、大切のために盾になる。そういう魂を持っていると。
PM 9:16 黄泉川家 リビング
打ち止め「『今日のあの人』は、コーヒー飲んでる日常的一方通行で決まり!ってミサカ
はミサカはシャッターチャンスを逃さない!」カシャッ ピロリーン
一方通行「…………」ズズー
打ち止め「……あれ?怒らない?ってミサカはミサカはツッコミ待ちだったことを明かし
てみたり…」??
一方通行「…どォせそれ消したってどっかから持ってくンだろォが」ズズー
打ち止め「………」ジー
一方通行「…なンだよ」ズズー
打ち止め「何か今日、ヒーローさんの家から帰ってきた後、ちょっとボンヤリしてない?
ってミサカはミサカは指摘してみる」
一方通行「……気のせいだろ」ズズー
番外個体「いーや違うね!ボンヤリしてるね!」ヒョイ
一方通行「急に出て来ンな」ズズー
番外個体「してるったらしてる!間違いないっつーの。な、な、な、な、な、何か、あ、あ、
あ、あったのかな!?!!?」
一方通行「はァ?何て?」
打ち止め「………」ジーッ
番外個体「だからァ、今日上条当麻の家で鍋なんかやったんでしょ!?その時に…っ」
番外個体(あっ)ピキーン
番外個体(やべェ、MNWから何かスゲー受信してる!!!)ウズッ
番外個体(上位個体と一方通行ばっかりあの人の家で鍋とかズルイズルイズルすごい
楽しそうで結局質問も全部答えて貰ってないしズルイズルイいやミサカはそ
んなこと思ってないんだけどああああああすごい数、数の暴力であああああ
ああああああ)ウズウズウズ
番外個体「うあああああ!!!」モウダメー
番外個体「一方通行ばっかり上条当麻と話してズルイんじゃないのぉおお!?!?」
一方通行「」
打ち止め「えっ?」キョトン
打ち止め(あ、そっかー。下位個体達の嫉妬の気持ちが番外個体に行っちゃったんだ
ね、って突然の叫び声に理由を見つけて納得してみたり)ウン
番外個体「ズルイズルイズルイ!ミサカだって上条当麻に会いたいのにっていやいや
だからこのミサカはあんなウニ興味ねーって!!」ブンブン
一方通行「………」イラァ
一方通行「おい番外個体」
番外個体「へ、へっ?何かな!?勘違いしないでよね、ミサカは上条当麻なんてホント
興味ねーから!」ブンブン
一方通行「……まァ、オマエも妹達の一員だしなァ、アイツに興味持つのも自然かもし
ンねェが」
番外個体「だ、だからぁ!今のはMNWから…」
一方通行「……色気付くのはちょっと早いンじゃないですかァ?」ブゼン
番外個体「えっ………」
芳川「」ブフッ
黄泉川「」ブファッ
打ち止め「わ、笑っちゃダメだよヨシカワ、ヨミカワ!ってミサカはミサカはまるで思春期
の娘を持ったお父さんみたいなあなたをフォローしてみたり」
一方通行「誰がお父さンだァ!!」ギロリ
番外個体「…………ふゥ~ん…?」ニヤァ
一方通行「なンだそのニヤケ面は。下品だからやめろ」
番外個体「なぁに?第一位ってば焼きもち?上条当麻に焼きもち焼いてんのぉ?」ニヤニヤ
一方通行「はァ?寝言は寝て言え。オマエなンかに付き合わされるアイツが気の毒にな
っただけだっつゥの」チッ
番外個体「へぇ~~~?」ニヤニヤニヤ
打ち止め「oh……思ったよりも不機嫌そう…ってミサカはミサカは将来彼氏が出来た時
のことが心配になってきたり…」
一方通行「か、彼氏ィ!?!?」ガタガタガタッ
芳川「」ブフッ
黄泉川「」ブファッ
番外個体「必死wwwwすぎるだろwwwwwwwww」ゲラゲラゲラ
一方通行「」ハッ ストン
番外個体「今更www取り繕えませんよwwww」ゲヒャヒャヒャ
打ち止め「しょ、将来の話だよ!ってミサカはミサカは、彼氏が出来てもでもずっとあな
たが一番だよって胸を張って宣言してみたり!」アセアセ
一方通行「そンなもン必要ねェだろ………」チッ
打ち止め「えっ!?必要性の問題!?!?」
一方通行「………………最低でも俺より強くないと許さねェ」ボソッ
打ち止め「無茶振りキターーーー!!ってミサカはミサカは!!!!!!」
芳川「あらあら大変ねぇ」クスクスクス
黄泉川「打ち止め、頑張るじゃん!!」アハハハハ
打ち止め「い、いいもん!ミサカはあなたに彼女になってもらうもん!ってミサカはミサカ
は名案を思いついてみたり!」ピコーン
一方通行「何を言ってンだオマエは」ハァ…
番外個体「はぁああ!?何言ってんのこのチビガキは!!」ビキビキ
アクセラレータハ ミサカノダモンー!!
ウルセェチビガキーーー!!
ウルセェノハ オマエダーー!!
黄泉川家は今日も平和です。
次は金曜か土曜かな
また読んでもらえたら嬉しいです
20巻読み返してたらエリザリーナ独立帝国の兵士に最初タメ口で話しかけられてたのに
スパイ速攻全滅させてせいかすぐ敬語で話しかけられるようになる一方通行マジカッケー
と思いました(作文)
PM 3:40 ミサカネットワーク内
1.【実況】なんか白い二人が暗号言い合ってんだけど【上条の家から】(1)NEW
2.お前ら最近ハマってることって何?(239)
3.【協力求む】あの人とヒーローさんをいいかんじにさせたいんだが24(732)
4.今日の上条214(651)
・
・
・
・
【実況】なんか白い二人が暗号言い合ってんだけど【上条の家から】(68)
1 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
今上条んちに上位個体と来てるんだけどさー
白モヤシと白シスターが謎の言語で会話してんだけど何?(゚Д゚)
2 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
知らねぇーーよ!!
お前ばっかり一方通行さんと一緒に居てズルイ!!
3 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14819
スレ終わらすなwww>>2
上条んち?でも上条学校あるんじゃねーの?>>1
4 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
うん 今は上条いない>>3
留守番してる白シスターと遊んでるだけ
5 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17182
あー そういやよく遊びに行ってるって言ってたな
上条がいないんならツマんなくね?
6 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
そうでもない
シスター結構いいやつだよ アホみたいに大食いだけど
上位個体とかスゲー仲良くなってるし
7 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10718
へぇー
えーとさ…水差すみたいで悪いんだが、俺らのことって…
8 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
あークローンだってこと?
すげぇ無邪気に「らすとおーだーとくーるびゅーてぃーは短髪の兄弟
なの?ものすごくソックリなんだよ!」って言われたから話した
9 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11839
ま マジか
何だって?
10 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
「たいさいぼーくろーん?????????
えっと…つまりすっごく似てるけど別の人間ってことだよね?
わかったんだよ!」
だってさ
11 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13662
おいwwwwwわかってんのかそれwwwwwww
12 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka18020
間違っちゃいないけどwwwww
13 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12810
ワロタwwwww
14 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka16183
割と心配した気持ちを返せwwww
15 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
うん シスターいいやつだな!
心配といえば、その場に一方通行いたの?
一方通行のが心配しそうじゃね?
16 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
よくわかってんなお前>>15
上位個体と俺が白シスターに俺らのこと話してる時の一方通行
http://www.misaloda/moyashi-23.jpg
17 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12180
すwwげぇwwww見てるwwwwwww
18 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19981
おいwwwww
ぜってーテレビ見てねーだろセロリwww
潔く顔こっちに向けろよwwww
19 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
いやでもこれ、すっげーチラ見だったんだよww
これやっとのことでこっち見てるとこ撮ったんだぜwwwwww
20 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12211
ワロタwwww
過保護かwwwww
21 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11820
まぁ過保護なのは知ってたけどさぁwwww
22 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
このいかにも「俺には関係ねェ話だから気にしてませんけど何か?」
って顔がまた笑えるよなwww
http://www.misaloda/moyashi-19.jpg
23 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17100
必要以上に真顔だなオイwwwwイケメンwww女だけどwwww
24 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
きゃーー!!!一方通行さんカッコイーーー!!!!(n'∀')η
25 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13577
カッコイイカナー?(゚Д゚) まぁ顔は整ってるよな普通にしてれば
※普通にしてれば※
そういやお前、ちょっと前に一方通行が女だってわかってキョドってた
けど、もう気にしてないのか?ww>>24
26 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
あー 一方通行さんが女の人だったなんて!!俺と恋人になれる
確率0%になっちゃった!!!!
ってショックを受けたんだけど
よく考えてみたら元々恋人になれる可能性とか0%の俺に死角は
なかった(キリッ
27 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12199
(´;ω;`) ブワッ
28 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10039
14510号ェ……
29 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
あと俺は一方通行さんの生き方に惚れているので
あんなに必死になって上位個体や俺らを守ってくれた一方通行さんが
俺と同じ女だったんなんてますます尊敬する
一方通行さんマジかっこいい
30 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka18192
まぁな…………
31 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka16001
正面切って否定する気はねーけど
なんつーかwwww
32 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
上条の方がかっこいいもん!!!!!
俺のこと助けてくれたし優しいし!!!!
33 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17119
だよなー
上条のがなんつーか 正統派?
34 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19382
けどさ 上条って何考えてるかわかんなくね?
俺は今だったら困ったことあれば一方通行に言うわ
アイツはしかめっ面だけど結構わかりやすいし
35 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13003
上条ディスってんのかコラ!!!!俺らの大恩人だぞ!?!?
36 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19382
いやいやいやそんなつもりじゃないゴメン>>35
もちろん俺も上条には感謝してるよ
ただ今となっちゃ結構距離感あるくね?って言いたかった
一方通行のが安心感あるっていうか
37 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10098
言いたいことはわからんでもない>>36
38 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
距離なんか関係なく助けてくれるのが上条
39 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12011
全面的に同意>>38
40 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10519
確かにそうかもな
41 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka19090
上条優しいよな
でも一方通行も優しいと思う ちょっと怖いけど
兄弟いたらあんなかんじかなー
42 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11220
俺は上条がお兄ちゃんがいいな!!!
・
・
・
・
245 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
そういやなんか聞きたいことあるんじゃなかったのか?>>1
246 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
あ そうだった 完全に忘れてたわwwww
白モヤシと白シスターが暗号で会話してんだけど何コレ???
こないだからたまに言ってんだけど
247 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10382
本人に聞けよwwwww
248 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
わざわざ聞くなんてまるで俺がモヤシのこと気にしてるみたいじゃん
249 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka18211
みたいてwwwww
250 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12010
前から思ってたがもう素直になれよお前(・∀・)
251 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
アーアー(∩゚д゚)キコエナーイ
こんなのなんだけどさー
モヤシ「e4」
シスター「c5」
モヤシ「Nc3」
シスター「Nc6」
モヤシ「g3」
シスター「g6」
252 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12401
確かに暗号だなwww
253 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17812
ああ わかった
二人がやってんのはチェスだよ
とチェスの本場イギリス在住のミサカが答えます
254 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
何だその自己主張wwww>>253
教えてくれてありがとな!!
でもチェスってあれだろ?白黒の駒使ってやるやつ
二人とも何も持ってないんだけど
255 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17812
チェスに限らず、互いの対局者が行った手を順番に記入した記録を
棋譜って言うんだが
その棋譜の記録方法を利用して自分の駒の動きを表現することで
実際にチェス盤が無くても対戦することはできるよ
もちろん自分と相手の駒の配置と駒の動きを全部覚えられなきゃ
ダメだけどなwww無理ぽwwww
256 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
無理ゲーwwwww
しかし確かにモヤシとシスターにはそれぐらい朝飯前だろうな
257 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17812
棋譜の記入方法はこんなかんじ
・駒の動きは「駒」+「移動させる場所」で表現されてる
・場所の表現方法は、白を手前にして、チェスボードの左下のマス(a1)
を基点として
横方向(→)に a、b、c、d、e、f、g、h
縦方向(↑)に 1、2、3、4、5、6、7、8
・駒は K=キング Q=クイーン R=ルーク B=ビショップ N=ナイト
P=ポーン(通例、Pは省略される)
つまり二人の対戦はこんな様子
「e4=白(一方通行)はポーンをe4(盤の左から5番目、下から4番目)
へ移動させた」
「c5=黒(インデックス)はポーンをc5へ移動させた」
「Nc3=白(一方通行)はナイトをc3へ移動させた」
258 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
(mー_ー)m.。o○ zZZZ
259 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12900
(。-ω-)zzz. . . (。゚ω゚) ハッ!ネテタ
260 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17812
オイコラwwww人に解説させといてwwww
261 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
冗談冗談 イッツミサカジョークHAHAHA
ふーん チェスやってたのかー二人とも
どおりでなんか楽しそうな顔してると思った
http://www.misaloda/index-5.jpg
262 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17812
おお シスターの食事風景以外初めて見た
そういやシスターって英国人だったよな
チェス好きなのかな?ちょっと親近感!
263 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
一方通行さんは!?!?!
一方通行さんの楽しそうな顔見たい!!!!!!
264 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
えーとモヤシはなー…
いてぇえええ!!!!!チョップされた!!!
265 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13199
何でwwwwwwww
266 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
後ろにモヤシがいたから振り返ったらゴーグルがモヤシの側頭部を
直撃して怒られた
ああああ!!!!ゴーグル取り上げられた!!!分解された!!!
267 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka18391
分解てwwwつか何で振り返っただけで当たるんだよww
268 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
あー俺わかった
お前一方通行の背中を背もたれにして座ってたんだろ?>>266
こないだ上位個体がやってんの見て羨ましそうにしてたもんな
269 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
お前はスネークか 見てんのか>>268
別に羨ましそうになんてしてねーし!
270 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka16300
そういや運営は何してんの?
セロリの話題で出てこないなんて珍しいな
271 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
上位個体は今モヤシの膝枕で昼寝なう
http://www.misaloda/yojo-6.jpg
272 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
うらやましいいいいいい
俺も一方通行さんの白くて細い手でなでなでされたい!!!!
273 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12300
普段運営に撫でてってねだられても無視するクセに
こういう時だけ素直だなwwwww>>271
274 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka18100
運営の寝顔幸せそうすぎるだろ
275 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
ちょっとおおおお最終信号!!!!!
寝てんじゃねぇ!!起きろぉおおおおおお!!!!!!
276 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
おや末っ子 どうしたんだ?
277 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
末っ子言うな!!!!
変態が、変態があの人のパンツを盗もうと!!!!!!
ぐぬぬ レベル2のクセにミサカの鉄釘が当たらないってどういうこと!?
278 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13410
声出してワロタ
279 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11992
珍しく見かけねぇと思ったらwwwwwww
280 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12819
変態さすが変態
281 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13910
ミサカ達はネットワークで繋がってるからな~
末っ子の攻撃先読みしようと思えば出来るよなwww
頑張れ末っ子www
282 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:MisakaXXXXX
くっ 当たらな… パンツが!!あの人のパンツがぁあ!!!
おらぁああ!!!起きろチビガキィイイイイイ!!!!!
・
・
・
・
PM 5:40 第七学区 学生寮 上条当麻の部屋
一方通行「Kh1」
禁書目録「Rb8」
一方通行「……チッ」
禁書目録「降参かな?」
一方通行「…あァ。42手目にチェックされるな」
禁書目録「その手もあるけどそれは1985年Pavel Blatny VS Simen Agdesteinの棋譜かも。
私は34手目にチェックメイトするんだよ」
一方通行「チ、また既存の棋譜通りか。しかも読み違えるしよォ」ガリガリ
禁書目録「私は少なくとも400年分くらいのチェスプレイヤーの棋譜は読んだからね。いくら
あくせられーたでもチェスの歴史が相手じゃ分が悪いかも」フフン
一方通行「フン、言ってろ。…12手目のクイーンはデコイかァ?まだ引っかかっちまうな」
禁書目録「そうだよ!でももう五回に一回は負けちゃうかも。始めてまだ一ヶ月くらいなのに、
あくせられーたはすごいんだよ」ワクワク
一方通行「まァだ勝手掴んでねェよ。ボードゲームってのは今までやって来てねェジャンル
だからな」
禁書目録「初心者にしちゃあえりない強さなんだよ…。私ももっともっと色んな棋譜読んで
勉強するんだよ!」フンス
一方通行「ンだコラ負けねーぞ。今に俺の方が強くなるぜ」フン
禁書目録「私だってまだまだ負けないかも!……でも、あくせられーたが色んな人の棋譜
を読んで勉強したら、さすがに敵わないんだよ。どうしてそうしないの?」
一方通行「別に今すぐ勝たなきゃ死ぬってワケでもねェからな。自分で考えてェンだよ」
禁書目録「……………」
一方通行(負けてもいい勝負、か……。生まれて初めてだな、こンなの)
禁書目録「…あくせられーたは優しいんだね」ニコ
一方通行「………バカ言ってンじゃねェよ。そンなワケねェだろ」フイ
禁書目録「どうして?あくせられーたは優しいよ。私とチェスを楽しんでくれるもの」
一方通行「……俺は…………」
10032号「………」
打ち止め「…………」スゥスゥ
一方通行「……………」
10032号(ハラハラ…とミサカは成り行きを見守ります)
一方通行「……何でもねェよ」チッ
一方通行(何考えてる…。何を話そうとしたンだ、俺は……)
禁書目録「あくせられーた」
一方通行「…ンだよ」
禁書目録「私が知っているのは確かにあくせられーたの一部かもしれないけど、でもその
一部だって確かにあくせられーたなんだよ」
一方通行「……………」
禁書目録「私が知ってる優しいあくせられーたを、否定しないでほしいかも」
一方通行「……優しい、ね」フン
禁書目録「あなたは、あなたであればいい。ただあなたがあなたを抱えきれなくなったなら、
私があなたを支えましょう」
禁書目録「なんだよ!」ニコッ
一方通行「……はッ、そォいやオマエ、シスターなンだったな」
禁書目録「あくせられーたが話したくなったら、私はいつだって耳を傾けるんだよ」
一方通行「……余計な世話だ」
10032号「………」ホッ
10032号(とミサカは緊張が緩んだ雰囲気に胸を撫で下ろします。急にシリアスになるんじゃ
ねぇよこの白モヤシ……)
打ち止め「………」ホッ
一方通行「オマエもいつまで狸寝入りしてンだ」ビシッ
打ち止め「あぅ!バレてたの!?ってミサカはミサカはそれでもあなたの膝を譲らない!」ギュッ
一方通行「いい加減足が痺れて来たンですけどォ」
10032号「マジで?とミサカは指をワキワキします」ワキワキ
一方通行「ヤメロ外道が。ゴーグル直してやンねェぞ」
10032号「ちょっ!お前が分解したんだろ!とミサカは慌てます。ミサカのアイデンティティが!」
一方通行「じゃあせっかくだから改造してやるわ。俺のすべてをかけて」
10032号「やめてェえ!!何か羽とか十字架とかドクロとかのモチーフ入れるのやめてェええ!
とミサカはモヤシの中二センスを恐れます!!」
一方通行「ケンカ売ってンのかコラァ」
ガチャガチャ
禁書目録「あっ!とうまだー!」タタタタ
10032号「上条帰ってキタコレ!!とミサカは玄関まで出迎えます!!」タタタタ
打ち止め「おかえりなさーい!ってミサカはミサカはお出迎え!」トテテテ
上条「おー、ただいま。なんだ、上条さん家族総出で迎えられた気分だなー」ハハハ
10032号「ならばこのミサカは妻ですねキリッ。お邪魔してます。とミサカは礼儀正しく挨拶します」
打ち止め「あの人と一緒におじゃましてます!ってミサカはミサカはあの人の分まで挨拶してみ
たり!」
上条「おおいらっしゃい」
禁書目録「今日もみんなが遊びに来てくれたから、すごく楽しかったんだよ!」
上条「そっか、よかったな。前はスフィンクスしか遊び相手いなかったもんな」ナデナデ
スフィンクス「にゃーー」
打ち止め「『最近はお嬢さん達が遊びに来てくれるから俺は楽なもんだぜ』って言ってる気がする
ってミサカはミサカは的確に推測してみたり」
上条「一方通行、いつも悪いな」
一方通行「別にィ」
禁書目録「とうまとうまー、お腹すいたんだよ」
上条「はいはい。こないだジャガイモと牛肉安かったからな、今日は肉じゃがに…ってアレ!?
下ごしらえしてある!!!」
打ち止め「あっ、それはあの人がやってたよ!ってミサカはミサカはすかさず報告してみる!」
上条「お、マジか?ありがとな!助かったわー」キラキラ
一方通行「…まァ、材料からその辺だろって予想出来たからな」
禁書目録「とうま、早く早く!もう我慢できないかも!」グーキュルルッル
上条「はいはい!少しは我慢を覚えなさい!」
打ち止め「シスターさん、ミサカとマリカーして待ってよ?ってミサカはミサカは宥めてみたり」
禁書目録「!いいよ?らすとおーだーには負けないんだよ!」タタタ
打ち止め「ミサカだって負けないもんねー!ってミサカはミサカはテレサを極める!」キリッ
上条「なぁ一方通行、手伝ってくれよ」
一方通行「チッ、仕方ねェなァ」スタスタ
10032号(賑やかだなー。とミサカは狭い部屋で雑誌を読みます)ペラペラ
Be3。Nd4。Kh2。b5。Qd2。b5。
インデックスと一方通行が、交互に短い単語を繰り返す。
(…相変わらず何がどうなってんのか全然わかんねぇけど)
上条は、担任の先生からドッサリ出された課題を片付けながら、チラリを顔を上げた。
(楽しそうだな)
インデックスも一方通行も、座り込んで軽く目を閉じている。インデックスは膝を抱えて、一方
通行は胡坐をかいて頬杖をついて。細い膝の上には、夕飯を食べて眠くなってしまったらしい
打ち止めが寝息を漏らしていた。
時折、白く細い指が、手癖のように柔らかな茶色の髪を梳く。
ミサカ10032号は、持参したらしいファッション雑誌を捲りながら、時折スフィンクスにちょっか
いを出しては嫌がられていた。
(しっかし、インデックスがこんなにチェス好きだとは)
穏やかな横顔は知的にすら見えて、少しおかしい。いや、別に彼女の頭が悪いと思ったこと
はないのだけれど、いつも賑やかなので意外だ。
(一方通行も、ゲームなんてするんだなー…)
ちらりと目を向けても、いつもなら睨み返されるのに、一方通行は目蓋を下ろしたままだった。
長く白い睫毛は白い頬に柔らかな影を落とし、華奢過ぎる身体つきの印象もあって、ひどく
儚げに見える。
(いやいやいやいや)
何回か殺されかけましたけどね、うん。
Nd1。Bd7。Bf2。Nec6。Nh4。f5。
鈴を振るような可憐な声と、少し掠れた滑らかな声が、重なって連なっていく。きれいな和音
みたいだな、と上条は思った。いつまでも聞いていたい。
凄んでないで、普段からこんな風に話せばいいのになぁ、と考えて、ふと目を瞬く。
『お前と同じように。何を失っても、打ち止めと妹達を守って行くことが、出来るのかもしれ
ねェな』
一月ほど前の年の瀬の、ある夜の記憶。
あの時の声に、少し似ているかもしれない。どうしてか理由はわからないけれど、上条は
あの時の一方通行の顔を何度も手元に返してしまうのだった。
「……………」
ぼんやりと白く細い輪郭を眺めていると、不意に赤い目がこちらを見た。何の気なしに見た
のだろう眼差しはひどく素直で、ドキリと心臓が跳ねる。
「……ンだよ」
先日までは常にやぶ睨み状態だった目付きが、このところ少しだけ和らいだ気がするけれ
ども、どうだろう。
「あ、ああ。うん、そうそう、そうだ。あのさ」
インデックスも目を開けて不思議そうにこちらを見ていて、邪魔をしてしまったような、申し訳
ない気持ちになってきた。
(あー…どうだろ、やっぱり余計だったかも)
上条はカバンの中を漁って目的の物を取り出しながらも、やっぱり引っ込めたくなって来る。
「おや、それはチェスの…駒とボード?ですか?とミサカはあなたの手元を覗き込みます」
「!!」
ひょいとミサカ10032号が無邪気な仕草で手元を覗き込んでいて、引っ込めるに引っ込めな
くなってしまった。
「え、チェスセット!?!?」
インデックスが耳と尻尾を立てた子犬のように反応し、一方通行も瞬きをせずにこちらを見
詰める。
「あー……そんな期待されるようなもんじゃないんだけど」
ゲームを買うというクラスメートと一緒に寄った、玩具屋の隅で見つけたチェスセット。
本格的な物とは遠いプラスティック製の、オモチャに近い安物だった。口頭だけで対戦する
インデックスと一方通行が思い浮かんで、つい購入したけれど。
考えてみればインデックスはチェスに随分詳しいようだし、一方通行も学園都市第一位の
財力を持て余しているような状況。
こんなチャチな安物なんか、使わない方がマシなのではないか、と今更ながらに思い至って
恥ずかしくなってきた。
「えーと…これなんだけどさ。二人にどうかなって。でも元々二人とも必要ないみたいだし、
無理して使わなくったっていいんだぞ?すごい安いし、つい買っちゃっただけで」
包装すらしていないで剥きだしの箱のまま、言い訳がましくオズオズと差し出すと、気が付
けばすでにインデックスの小さな手に箱が掲げられていた。
「ふおおおお!!!ホントにチェスセットなんだよぉおおお!!!!」
天に差し出すように高々と掲げたあと胸に抱いてクルクルと三回転し、まるで好物に襲い掛
かるような勢いで包みを開けていく。
「ふぉおお、駒だ!ボードだ!白い!黒い!ねぇ、見て見てあくせられーた!!」
あっという間にテーブルの上へ白と黒の駒が散らばり、インデックスは大きな碧眼をキラキ
ラと輝かせて両手に駒を握り締める。
「………ふゥン…」
一方通行は、細い指で白のキングを手に取った。
掌に馴染ませるようにくるり、くるり、と回転させて弄び、マジマジと駒を眺める。安っぽく作り
の甘い駒は、やはり不似合いだったけれど、白のキングは居場所を見つけたかのように一方
通行の手の中に納まった。
「とうま、ありがとう!すっごく、すっごく嬉しいんだよ!!」
インデックスは喜色満面の、全開の笑顔で上条に飛びついて来る。
「ぅお、っと…。はは、お前が食べ物以外でそんなに喜んでるの、初めて見たよ」
「むっ、失礼かも!!」
暴れる少女をいなしながら、上条はおずおずと一方通行の顔を見る。
飽きずに安っぽい白い駒を眺めていた学園都市第一位は、視線に気付いて、数度目を瞬か
せた。
「……まァ、使ってやるよ。ありがたく思え、三下ァ」
薄く整った唇の端が、少しだけ緩んでいる。
上条は、ゆっくり笑み崩れた。
PM 11:00 黄泉川家 一方通行の部屋
一方通行の携帯<オーイアクセラレータ、デンワダゾー ッテラストオーダー、コレデイイノ?
一方通行「!?」ビクッ
一方通行(ったくあのクソガキ、何してやがる……)ピッ
一方通行「……何の用だ」
『久しぶりだな一方通行。元気にしてたか?』
一方通行「オマエの知ったことじゃねェよ。…土御門」
土御門『何だ、久しぶりなのに冷たいヤツだ。ちゃんと食べてるのか。偏食は感心しないぞ』
一方通行「だァから何で誰もかれも俺が偏食だって知ってンだよ」
土御門『そりゃお前、見ればわかるだろ』
一方通行「うるせェ、関係ねェだろ。……何の用だって聞いてンだよ」
土御門『だいたい検討はついてるだろう?だから俺の番号を着信拒否にしてなかったんだ
ろうし』
一方通行「…………」
土御門『安心しろ、俺は借りたモノは返す。褒美だろうが何だろうが…本当に舞夏に付いて
た監視の目は外れたからな』
一方通行「オマエみたいな小物に恩を売った覚えはねェな」
土御門『そう言うな。情報については、お前よりも色々な物を握ってるぜ』
一方通行「……何か動きがあったか」
土御門『多少な。第三次世界大戦以来、魔術サイドの三大宗派はある程度のバランスを
保って小康状態だったし、学園都市の上層部も様子見の段だったが…』
一方通行「動きがあるのはどっちだ」
土御門『…まだ確証は持てない。もう少し探ってみてからだ。今日は忠告だ。しばらくは気
を付けろ』
一方通行「忠告ねェ。ありがたいこって」ハッ
土御門『……ところで一方通行。お前最近、上条当麻と会っているだろう』
一方通行「それがどォした」
土御門『上条とお前じゃ、住む世界が違うと思うが』
一方通行「………あァ」
土御門『…一方通行?』
一方通行「…そォだな。俺もそォ思う」
土御門『………おい』
一方通行「あァ?」
土御門『…別に責めてるわけじゃない。何もそんなに落ち込まなくてもいいだろう』
一方通行「誰が落ち込ンでンだ、アホか」
土御門『えっ』
土御門(あんな声出しといて、自覚ない…だと?)
一方通行「?」
土御門『………いや…何でもない。また動きがあったら連絡する』ピッ
土御門(あるェ~~?今の一方通行の声…あるぇ~~~?どういうアレだにゃ~…??)
土御門(まさか上やん病は男にも効くのかにゃー!俺も油断出来んぜよ、舞夏ー!!)
この微妙な距離感いいねぇ
少しずつ進展していくのが楽しみだわ
PM 4:45 第七学区 学生寮 上条当麻の部屋
禁書目録「………」コトン
一方通行「………」コトン
打ち止め「ん~…」ムニャムニャ スゥスゥ
禁書目録「………」コトン
一方通行「………」コトン ナデナデ
打ち止め「…………」スゥスゥ ニヘー
禁書目録「チェックメイト」コトン
一方通行「あァ」
禁書目録「私の勝ちなんだよ」フンス
一方通行「だな」チッ
禁書目録「……途中でリザインしなかったんだね。30手目くらいで、結果は予想してたでしょ?」
一方通行「ン…ヒューマンエラーに期待したンだがよォ」
禁書目録「ふーん?」クスッ
一方通行「…なンだ」
禁書目録「あくせられーたは、私が棋譜の記憶違いするなんて無いってわかってるんだよ。実際に、
二週間前までは負けるってわかった時点でリザインしてたかも」
一方通行「だからァ?」ガリガリ
禁書目録「とうまがこのチェスセットくれてから、あくせられーたはあんまり早めにリザインしなくなった
んだよ」ニコ
一方通行「………たまたまだろ」
禁書目録「そんなことないんだよ。私もあくせられーたの気持ちわかるかも。…こうやってチェス盤に
駒を置いて、移動させて、局面が変わっていくを見るのはとても楽しいんだよ」
一方通行「勝手にわかった気にならないでくださァい」
禁書目録「もう。あくせられーたって素直じゃないかも!」
一方通行「よく言われますゥ」スクッ スタスタ
禁書目録「…ど、どうしたの?もう一回しないのかな?」アタフタ
一方通行「コーヒー」スタスタ
禁書目録「あ…そ、そっかー。私も紅茶飲もうかな?」ホッ
一方通行「勝手に飲め」ゴソゴソ
禁書目録「勝手にするんだよー」ゴソゴソ
一方通行「………あ、インスタントコーヒーがもうねェし。買い置きは?」
禁書目録「え?ここに…あ、ない。とうまがたまたま買い置きし忘れちゃってたみたいなんだよ」
一方通行「チッ。使えねェ三下さンですねェ」
禁書目録「確かに、気が利かないかも」ウン
PM 5:03 第七学区 小型スーパー
上条(………何か理不尽なことを言われている気がしますよ…)ハァ
上条(どうせインデックスと一方通行だろうなー。あいつら最近妙に仲良いからな)
上条(チェスやってると間に入れないし…いや、楽しそうですごく微笑ましいんだけど)ウン
上条(それにチェスしてる時の一方通行は…すごく、なんていうか…ちょっと無防備っていうか…)
上条(眺めてんのは嫌いじゃないかな、うん…)
上条(……………)ボー
上条(あ、豚バラ安い。今日は回鍋肉にしようかな)
PM 5:10 第七学区 学生寮 上条当麻の部屋 台所
禁書目録「…あ!そういえば、コーヒー豆ならあった気がするかも!」ポム ゴソゴソ
一方通行「豆ェ?ここンちコーヒーメーカーないだろ」
禁書目録「うん、だからせっかく福引で当たったのに飲めなくて『不幸だー!』ってとうまが言ってた
んだよ。……あ、あったあった」トン
一方通行「ホントに豆だなァ。一応、焙煎はしてあるのか」ギュムギュム
禁書目録「そうみたいだね。でもコーヒーミルもないし、フィルターもないし、封も開けてないよ。…
ごめんね、出したはいいけど結局飲めなかったら意味ないかも」シュン
一方通行「ふゥン………」ジッ
禁書目録「あくせられーた?」
一方通行「よォするに、豆を粉砕すりゃいいンだろ」カチッ
パーーン
打ち止め「ひゃうっ!?」ビクーン
打ち止め「な、なにごとなのかな!?ってミサカはミサカは跳ね起きて台所に突進してみたり!」
一方通行「……加減間違えた」パラパラ
禁書目録「台所がコーヒー塗れなんだよ……」パラパラ
打ち止め「な、何してるのぉおお!?ってミサカはミサカはコーヒーの粉塗れのあなた達にビックリ
仰天!!!」
一方通行「なンだ起きたのかクソガキ」トンッ サラサラサラ
打ち止め「おおおおこんなに散らばった粉があっという間に袋の中に戻ってる!!ってミサカはミ
サカは目を丸くしてみたり…!」
禁書目録「oh……so fantastic!」キラキラ
打ち止め「でも埃とか入ってないの?ってミサカはミサカはそのままコーヒーの粉をカップに注ぐあ
なたが心配になってみたり。あなたお腹弱いでしょ?」
一方通行「そンなモン除けたに決まってンだろ。…よし、後は湯を入れればいいワケだ」コポポポ
打ち止め「な、なんだってー!!蛇口からあなたの指を伝った水が、お湯になってカップの中に!
ってミサカはミサカは反則なあなたに今更ながら驚きを隠せない……」ポカーン
打ち止め「(ハッ)ちょっとあなた!何でも能力ばっかり使うのダメってこないだヒーローさんに言わ
れたばっかでしょ!?ってミサカはミサカは告げ口を匂わせてみる!」
一方通行「なンで知ってンだよ……」ゲンナリ
打ち止め「そんなの直接聞いたからに決まっています。『なぁ、打ち止めも一方通行が心配だよ
な?』ってあんな顔で言われたら協力するのもやぶさかではない」キリッ
一方通行(…あンな顔ってどンな顔だ……?)
一方通行「うっせェなァ…オマエ、前に家庭的な俺が見たいって言ってたじゃねェか」
打ち止め「ミサカが言ったのは、こんな一家に一台便利家電的なあなたのことじゃないよ!?
ってミサカはミサカは大いなる誤解を訂正してみたり!」ガビーン
一方通行「はいはい」スッ
禁書目録「ちょっ、ちょっとあくせられーた!コップの中にコーヒーの粉を直接入れたら、こなこな
して飲めないんだよ!インスタントコーヒーじゃないから溶けないよ!?」アワワワ
一方通行「大丈夫ですゥ」ズズー
禁書目録「ああああ!!粉っぽいんだよ!?!?」
一方通行「……ン、味が濃くてイイ」ズズー
禁書目録「………あれ????」コナッポクナイノ?
打ち止め「…能力使って、粉が口の中に入って来ないようにしてるんだよ、ってミサカはミサカは
さすがにちょっと呆れてみたり…」ハァ
禁書目録「おお、便利なんだよ」
打ち止め「でも女子としてこういうコーヒーの飲み方はどうよ!!!大雑把過ぎるってレベルじゃ
ねーぞ!!って妹達一同からツッコミ入ってるなう」アホゲピーン
一方通行「大きなお世話だ」ズズー
ガチャガチャ
上条「だたいまー!うーさむさむ!」
禁書目録「とうまー、おかえり!」タタタタ
打ち止め「おかえりなさーいお邪魔してまーす!ってミサカはミサカはもはや恒例の挨拶をして
みたり!」
上条「おー、いらっしゃい。あれ、今日は御坂妹は来てないのか?」
打ち止め「10032号は今日は調整日なの、ってミサカはミサカは10032号もすごく来たがってた
ことをお伝えしてみる」
上条「またいつでも来いって言っておいてくれよ」ニコ
打ち止め「うん!!」ニコッ
上条「…ん?コーヒーの匂い?……あ!そういやコーヒー切らしてなかった!?もしかして
新しいの買ってきたのか、一方通行!?」
一方通行「いや。ここンちにあった豆使った」
禁書目録「ほらとうま、一ヶ月くらい前に商店街の福引でコーヒー豆当たったでしょ?」
上条「ああ、あれ…。ってちょっと待てよ。ウチにはコーヒーメーカーなんてないんですけど、
お前どうやって……」
一方通行「…………」フイ ズズー
上条「……おい、一方通行」
一方通行「…オマエも飲むか?」ズイ
上条「えっ」
一方通行「寒かったンだろ、外」
禁書目録「そっか、さっき入れたばっかだからまだ熱いよね、そのコーヒー。…あ、そろ
そろお湯が沸くんだよ」タタタ
上条「えっ…」
打ち止め(そんなことより、自分の飲みかけを差し出すあなたにドキドキが止まらない!
ってミサカはミサカはちょっと戸惑ってるヒーローさんをガン見してみたり!)ジッ
上条「じゃ、じゃあ…貰おうかな」スッ
一方通行「あー、でもダメだわ。これコーヒーの粉に直接熱湯入れたからなァ…」
上条「はぁ!?何だその前衛的なコーヒーは!飲めないだろンなもん!!ってか、それ
飲むためにお前さては能力」
一方通行「あー大丈夫だわ。俺が操作したやつオマエが飲めばイイ」スッ ギュッ
上条「えっ…?と、突然なんですか一方通行さん!?」ビクッ
打ち止め(おおお!あの人がヒーローさんの後ろから抱きついた!ってミサカはミサカ
はMNWに報告してみたら阿鼻叫喚なう)ユンユン
一方通行「あ、オマエはカップに触ンなよ」
上条(近い近い近い耳に息かかる!!!!せっ…背中にぃいい背中がぁああああ)
一方通行「俺がこうやって…後ろからカップ持って…と、ンー…これでイイかァ?」グイ
上条(バシャ)「あっつァああああああ!?!?」ブフー!!
一方通行「うォ、きったねェ」サッ
上条「お前なぁ!こんな熱いの一気飲みとか出来ないからね!?そういう量だったから
ね今の!!!無理だからね!!つかお前さっきから能力使ったこと誤魔化そう
としてるだろ!?ちょっと背中が…ゴニョゴニョ……だったからって誤魔化されない
からな俺は!!!!」
一方通行「はァ?背中が何だってェ?」??
上条「なんでもねェよぉおお!!そこだけ拾うな!!!」
打ち止め「おーい雑巾持ってきたよー、ってミサカはミサカはヒーローさんが零したコー
ヒーをお掃除してみたり」フキフキ
上条「あ、こりゃどうもすみませんね……」
一方通行「はッ、仕方のない家主ですねェ。あーコーヒーもったいねェ」
上条「お前なぁ……、」ハァ
禁書目録「とうまー、あくせられーたー、らすとおーだー」タタタ
上条「んー?」
禁書目録「紅茶が入ったんだよ。ご飯の前に、皆でお茶にしよう?」ニコー
上条「あ、ああ…うん、そうだな」
一方通行(ナイスだインデックス。コイツの説教なっげェからな)グッ
禁書目録「???」グッ
PM 5:30 学生寮 上条当麻の部屋
禁書目録「おいしいんだよー…」コクリ
上条「だな。ホント、お前紅茶だけは入れるのうまいよなぁ」ズズ
禁書目録「だけ、は余計なんだよ!」コク
打ち止め「うぅ…あつい……紅茶は、音を立てたらダメなのよね?ってミサカはミサカは
イギリスのミサカに教えて貰ったルールを遵守してみる…」フーフー
上条「うっ…そ、そうなの?」ギクリ
禁書目録「うん、確かにそれがマナーではあるかも。でもマナーって、他の人を嫌な気
持ちにさせないためのものなんだよ」
打ち止め「いやな気持ち?」
禁書目録「うん。でも今はお家で、私達しかいないんだから、熱くて飲めないんなら啜って
もいいと思うんだよ。らすとおーだーが音を出しても、誰も不愉快になったりし
ないんだから」ニコ
打ち止め「……うん!!ってミサカはミサカは大きく頷いてみる!」ニコー
一方通行「……………」
上条「ああしてるとさ、姉妹みたいだよな。インデックスと打ち止め」コソ
一方通行「……あァ。そォだな」フ
上条「!」ドキ
打ち止め「あああーー!!今!今あなたが笑ったような気がしたりしなかったり!!」
一方通行「何だ急に…」
打ち止め「今!今の顔ワンスモア!ハリーハリー!ってミサカはミサカはあなた写真コレ
クション充実の瞬間を逃したことを全力後悔中なう!!!」キィー
一方通行「何言ってンのオマエ」ズズー
一方通行「」
一方通行「くっせェ…渋い…まずっ」カチャ
禁書目録「」ガーン
上条「え、えええ?そ、そうか?おいしいぞ?全然渋くないぞ!?」アセアセ
打ち止め「そうだよ!ミサカも全然渋くない、すっごくいい香りだよ!ってミサカはミサカは
渾身のフォローを試みたり!!」アセアセ
一方通行「午後ティーのがマシ。じゃあオマエ飲んでいいぞ、クソガキ」スッ
禁書目録「ペットボトルに負けた………」ガゴーン
打ち止め「ち、違うの!この人はいっつも缶とかペットボトルとかばっかりだから、直に入
れた香り豊かな飲み物に慣れてないだけなの!ってミサカはミサカはこの人の
チープな味覚を説明してみたり!!!」アセアセ
一方通行「誰がチープだコラ」
上条「ああ、そういう…確かにずっと豚と鳥ばっかり食べてると、たまに牛肉食べると何か
硬くて臭いみたいなのあるな」ウン
禁書目録「何か寂しい例えなんだよ……」ズーン
上条「でもな一方通行…、せっかくインデックスが俺達にって入れてくれたんだ。そんな言
い方ないだろ?」メッ
一方通行「はァ…?俺の口には合わねェ、それの何がダメなンだ」??
上条「おいおい…」(何この素直に不思議そうな顔…)
打ち止め「この人はちょっと情緒が未発達なとこあるの、ってミサカはミサカはヒーロー
さんにお伝えしてみたり。教えてあげてほしいな」ヒソヒソ
上条「な、なるほどな…(ヒソヒソ)。(コホン)じゃあ俺がさっきのコーヒー飲んだとして、マズイ
って言ったらお前はどう思う?」
一方通行「??別にィ。好みだしな。オマエがいらねェンだったら俺が飲むだけだ」
上条「oh…カッコイイなお前」
一方通行「??」(か、カッコイイって…)ドキ
打ち止め(そうか、ってミサカはミサカは納得してみたり)
打ち止め(あなたは今まで、何かが好きだっていう気持ちを、誰とも共有したことなんて
なかった。だから、自分が好きなものを否定された悲しさも、肯定された嬉
しさも、あなたの中には存在しないのね)
打ち止め(ってミサカはミサカは…でも、これからはきっと違うからって、信じてる)ジワッ
一方通行「!?!?ど、どォしたクソガキ!」ガタガタッ
打ち止め「な、なんでもないの。ちょっと紅茶が熱かっただけって、ミサカはミサカはあ
なたにしがみついてみる」ギュッ
一方通行「………????」
上条「……一方通行」
一方通行「何だよ…」
上条「インデックスはさ、紅茶が大好きなんだ。だからお前にも、自分の好きなものを
好きになってほしかったんだよ」
禁書目録「…………」
一方通行「…そンなことに何の意味がある?俺が好きだろうが好きじゃなかろうが、
味に変わりはねェだろ」
上条「変わるさ。お前だって、一人で食べるご飯より、打ち止めと食べるご飯の方が
おいしいだろ?」
一方通行「…………」チラッ
打ち止め「ミサカは、あなたと初めて会ったときに一緒に食べてくれたハンバーグが
大好き。だから、ミサカは今でもハンバーグが一番好きなの。ってミサカ
はミサカはヒーローさんの言葉に深く同意してみたり」ギュッ
一方通行「………そォか」
一方通行「俺には…正直わかんねェな、そォいうのは」
上条「そうか?」
一方通行「人間は感情で受ける印象が変化する生き物だ。それは知っている。自身
で脳細胞を走る電気刺激を制御するわけだな。……俺には無い経験だ」
上条「それは嘘だろ」
打ち止め「それは嘘!ってミサカはミサカは断言してみたり」
禁書目録「それは嘘なんだよ」
一方通行「………ンだよオマエら」チッ
上条「だってお前、ちょっとは味噌汁嫌いだっつってたけど、今は飲むじゃん?こな
いだとか作り忘れたら文句言ってたし」
打ち止め「あなた、こないだ10032号と一緒にクレープ食べてたでしょ?ってミサカは
ミサカは痛いところを突いてみる!」
禁書目録「あくせられーたって無駄なこと嫌いでしょ?さっきも言ったけど、とうまが
チェスボード買ってくれてから、リザインする回数が減ったんだよ」
一方通行「………………………………」
一方通行(……わかんねェ)
一方通行(確かにコイツらが言ったことは間違っちゃいない。だが俺は……)
上条「一方通行。そんな顔するなよ」スッ
一方通行「……触ンな」カチッ
上条「はいはい」キュイン ナデナデ
一方通行「触ンなっつってンだよ……」フイ
打ち止め「…………」ギュー
禁書目録「ねぇ、あくせられーた」
一方通行「……」
禁書目録「今度、香りがあんまりキツくない紅茶を入れるんだよ」
一方通行「………」
禁書目録「もっと渋みが薄いのとか、香ばしいフレーバーティーもいいかも。あくせら
れーたはどんな味が好きなの?」
一方通行「…何でそこまで」
禁書目録「知らないの?あくせられーた」
禁書目録「英国人にとって、好敵手とチェスをしながら一緒に飲む紅茶ほど、おいし
いものはないんだよ」ニッコリ
PM 2:40 第七学区 ファミリーレストラン
土御門「よし、揃ったな」
結標「久しぶりね。別に見たい顔でもなかったけど」
海原「そうですねぇ」
一方通行「…わざわざ呼び出して、何の用だ。土御門」
土御門「今後の方針確認だ」
結標「方針?でも『グループ』は……」
土御門「そうだな。確かに今は誰かさんのおかげで開店休業状態だ。だが、いつまで
も上層部の『温情』が続くと思ってるワケじゃないだろう?」
一方通行「……ハッ。まァ、俺が脅したくらいで大人しくなるような、生易しい腐り具合
じゃねェことは確かだな」
結標「そうね…今はあの子達を見張る目は消えているけれど、油断はしてないわ」
海原「今後とも。僕達の目的は変わりないでしょう」
土御門「それはそうだが……もう少し根本的なところだ。極端な話、お前達は学園都
市を潰したいと思っているか?」
結標「!!!」
海原「ちょっ…!土御門さん、こんなところで!」
土御門「どこで話そうがどうせ『滞空回線』からは逃れられない。同じことだ」
結標「だからって、心臓に悪いでしょうが!」
海原「そうですよ……」ハァ
一方通行「……俺は学園都市そのものを潰すつもりはねェ」
土御門「ほう」
一方通行「ここには世界最先端の技術が集まっている。必要な時に、必要な措置を
受けさせることが出来る環境。それが俺には不可欠なンだよ」
結標「…私も同じようなものね。結局、ここは能力者にとって一番生き易い場所だも
の。あの子達が外に出てきた時のことを考えても、学園都市自体を潰すのは
得策じゃないわ」
海原「僕も同じです。…つまり、要するに」
土御門「全員が現状維持を望んでいる、ということでいいな」
一方通行「今更だな。で、それがどォした」
土御門「現状、学園都市内上層部と学園都市を取り巻く環境はそれぞれ小康を保っ
ている。ただそれはいつ崩れるかわからないほど危ういものだ」
結標「そうでしょうね」
土御門「俺達には失えないものがある。そのためにはやはり、情報を先んじて持つ
ことが肝要だろう」
海原「それはまぁ…」
一方通行「チッ、まどろっこしい野郎だ。何が言いたい」
土御門「特別なことじゃない。お前達も情報収集に協力しろって話だ」
結標「……協力?」
土御門「偶然にも、俺達は全員が違うコミュニティに属している。俺は多重スパイと
して…まぁ、色々だし。一方通行は学園都市最先端の研究者達と。結標は
外部組織に。海原は……」チラッ
海原「…まぁ、仰りたいことはわかりますよ」
結標「外部組織ねぇ…まぁ、コネが無いこともないけど、あの時アンチスキルに大概
潰されちゃってるわよ」
一方通行「あのクソッタレの研究者どもとまた付き合えってのか」
海原(…探りを入れても、仲間達が協力してくれる望みは薄いですがねぇ)
土御門「手段を選んでいる余裕はない。一方通行には言ったが、多少の動きはある
んだよ。完全に動き出されてからじゃ遅いんだ。今は『上』からの指示なんて
全く無い状況だからな。イコール、情報もゼロ」
結標「………」
土御門「別に強要はしないが。…まぁ、元々俺がメインで集めるつもりだった。ただ、
何か他の情報源があれば、進捗が良いだろうと思ってな」
一方通行「…………」チッ
海原「断れそうにありませんね…。何より、自分のために」
・
・
・
・
土御門「…分担は以上だ。今後は週一程度で報告会でも開くか」
一方通行「面倒くせェ」
土御門「レポートにまとめて提出してくれるんなら、それでも構わないが?」
結標「そっちの方が面倒よ。…いいわ、それで」ハァ
海原「僕はどちらでも構いませんけどね」
一方通行「情報収集ねェ……」ハァ
土御門「苦手なんて言わせないぞ一方通行。お前はやらせればなんでも出来るタイプ
だからな」
結標「(ブフッ)何その、『この子はやれば出来る子』みたいな」アハハハ
海原「」プッ
土御門「くっ……」ブルブル
一方通行「ぶッ殺すぞ」ギロリ
一方通行携帯<オーイ アクセラレータ、デンワダゾー
一方通行「」
結標「!?!!?」
海原「!?!?!」
土御門(上やんの声だにゃああああああああ!!!!!!!!)ブワッ
一方通行(ガッ ガタガタッ)「(ピッ)なンか用かこの三下がァああああ!!」
一方通行(設定変えンの忘れてた…っ、く、聞かれたか、聞かれたのか!?)チラッ
結標「」バッ
海原「」ササッ
土御門「」ダラダラ
一方通行(ちくしょォおおおお!!!!)「…はァ!?夕飯って…ああ行くって!クソガキ
そっちに置いてってンだろ、いちいち確かめ…あァ?…いいってそれでェ…
……はいはィ…」スタスタスタスタスタ
土御門「…今更席外したって遅いってもンだぜい……」シロメ
結標「……………え、何今の…夕飯…?何その所帯染みた…」シロメ
海原「…ていうかさっきの声…あれ?電話の相手の声も……あれ???」シロメ
・
・
・
・
一方通行「………………」スタスタスタ ストン
土御門「…………」ジッ
結標「…………」ジッ
海原「…………」ジッ
一方通行「(コホン)……待たせたなァ」キリッ
土御門「キリッ じゃないぜよぉおお!!誤魔化せるわけあるかぁ!!!!」クワッ
結標「今の誰?奥さん?あなた結婚してたの??」ワクワク
海原「いやぁ、電話の相手男の人ですよね?」
一方通行「うるせェな。オマエらには関係ねェだろ」
土御門「いや、あるぜよ!?俺上やんのクラスメートだしね!?!?」
土御門(あっ しまった口が滑っ…)
一方通行「えっ………」
土御門(うお、こんな素直に驚いた顔初めて見たにゃー)
結標「あら、知り合いなの?ていうかあなた、そんな怪しいナリして高校生だったの?」
土御門「はぁ!?お前にだけは格好のこと言われたくないぜよぉおおお!!!」
結標「なんですってぇ!これはね、私のポリシーというかアイデンティティというか多分
そういう深淵な意味とかあるのよ!」
海原「いや正直、どっちもどっちですよねー」ハハハ
土御門「ンだこらァ!文字通り他人の皮かぶってるヤツには言われたくないぜい!!」
結標「そーよそーよ!その皮丸ごと座標移動させてやろうかしらぁ?」ヒュンヒュン
海原「ええええ!?!?助けてショチトルぅう……!!」
一方通行「チッ、くっだらねェ。話はもォ終わっただろ。俺は帰らせて貰うぜ」ガタッ
結標「あっ、ちょっと待ちなさいよ……!!」グイッ
一方通行「!?」グラッ
結標「(軽っ!!!)あ、ごめんなさ…」ガシッ
フニ
結標「!??qwrpふにgphw-1?!☆1!?!?!?!」
土御門「?」
海原「?」
一方通行「……離せ」グイ
結標「」
一方通行「次こンなバカ騒ぎすンなら二度と来ねェぞ」スタスタスタスタ
土御門「…誰のせいだと思ってるんだ」ハァ
海原「……結標さん?どうして一方通行さんを支えた姿勢のまま固まってるんです?」
結標「」
土御門「アイツの細さに女としてショック受けたんじゃないかにゃー」
結標「」
結標(………マジで……?)
結標(今、胸触ったら確かに、ふにっ って…いや、すごい小さかったけどあれは確実
に女の子の胸、つまりおっぱい)
結標(一方通行におっぱい)
結標(おっぱいが一方通行におっぱい)
結標(おっぱい( ゚∀゚)o彡゜おっぱい( ゚∀゚)o彡゜)
結標(ハッ)
結標「…はァああああ~~~~……」ガックリ
海原「固まってたと思ったら、今度はものすごいガッカリした顔で溜息ですか」
土御門「何だその黄昏た顔は」
結標「ふ…大切なものは、失ってから初めて気付くのね……いや別に特に大切という
こともなかったのだけれど」フフ…
土御門「羞恥心のことかにゃー?服装的な意味で」
結標「そのグラサン、向こうのキッチンのシチュー鍋にブチ込んでほしいのかしら」
土御門「ヤメテ!」ブルブル
結標「はぁ………」
結標(私って…一方通行のこと………)
結標(結構、守備範囲内に入れてたのね…。ギリギリで)
結標(ああ~~気付いてみれば、ホントギリギリいけたわー。あの絶妙な細さといい、
華奢な首筋といい、クッ…どうして今頃気付いたの…っ!!)ギリギリ
結標(まぁでも、あの凶悪な顔で台無しなのよね。寝顔とかかわいいんじゃないかしら)
結標(あいつ、人が近づくと起きちゃうからなぁ…)
結標(はぁ……ま、今となっちゃどうでもいいか)
結標(あっ…でも)
結標(一方通行とJKトークしてみたい!!!!今度トイレ誘おっかな!!!)ピカーン
第七学区、大通りに面したカフェ。
落ち着いた内装と高めに設定したメニューは学生達には少し敷居が高く、主には学園都市
内で働く大人がメインターゲットの店だ。
そこでアルバイトをし始めてもうすぐ一年になる彼女は、軽やかなドアベルと共に訪れた二人
連れの客に一瞬目を奪われた。
(うわ…すごい、真っ白…きれい)
だがすぐに我に返って「お二人様ですか?」と声を掛ける。
真っ白の髪と雪のような肌、ひどく印象的な赤い目の…おそらくは少年?が、ぞんざいに頷
いた。
大雑把な仕草なのに、迷いのない所作はどこか貴族的に思える。
「テラス席と店内のお席がありますが、どちらにいたしましょうか」
「天気いいし、外の席のがいいかも。ね、あくせられーた」
もう片方の、まるでテレビで見た修道女のような格好をした外国人の少女が隣を見上げると、
白い人は「あァ」と自分に対するより少し丁寧に頷いた。
あまりに目立つ二人組みで、周りの店員達や常連客も、少し驚いたような顔をしてから自分
の仕事や作業に戻る。見られるのには慣れているのか、二人とも無反応だ。
「では、こちらにどうぞ」
身体に染み付いたマニュアルのまま、メニューを手に通りに面したテラス席へ案内する。
時刻は午後三時。今日は良く晴れているけれど、日が傾き始めている今少し寒いのではな
いかと思い、テラス席用の暖房器具の近くの席を勧めた。
白いシスターはその気遣いに気付いてくれたらしく、にっこり微笑まれる。珍しい碧眼がとて
もきれいだなと思った。
「エスプレッソ」
「私はダージリンがいいかも」
「かしこまりました」
メニューすら見ないまま、二人とも迷いがない。きっと白い人はいつもコーヒーで、白いシス
ターはいつも紅茶なのだろう。
頷いて席を離れ、カップを二つトレイに載せて戻れば、二人はテーブルの上にチェス盤を広
げていた。
浮世離れした二人には不似合いな、玩具屋にでも置いてありそうな、安っぽいボードと駒。
けれど、白い二人にとってはとてもとても大切なものなのだろうと、彼女は気付かされる。
「ふんふふ、ふんふふ、ふっふっふ~ん」
白いシスターは、ご機嫌な様子で小さく鼻歌を歌いながら、小さな両手に大事そうに黒い駒
を握っている。
相対する白い人は細い足を高慢に組んで、繊細な形の顎を華奢な手で支えていた。
もう片方の白い手が、白い駒をくるり、くるり、と弄ぶ。駒を手に馴染ませるような仕草で、盤
を見下ろす赤い目が少し細められている。
寒々しい時期の昼下がり、テラス席に他の客はいない。
下校ラッシュも少々先の現在、人通りはまばらだった。控えめな雑踏が柔らかなBGMのよう
で、真冬の薄い陽光が白い二人を浮かび上がらせる。
(きれいだな……)
細く柔らかそうな白い髪と、淡く輝く銀色の髪が、それぞれの顔に儚い影を落とした。
可憐な顔立ちのシスターと、端正な雪細工のような白い人が、黒い駒と白い駒を交互に置い
ていく。ふと彼女は既視感を覚えた。
しばらく考え込んで、ああ、と思い出す。
(あれだ…こないだテレビに出てた、ヨーロッパの教会とかにある…宗教画?みたい)
そしてすぐに、宗教のことなんて何もわからないのにと内心苦笑する。
ただ何となく、目を伏せた静かな表情は、祈りを捧げているようにも思えた。
誰も入ることが出来ないような、二人だけの静謐と思考の世界。
自然と、二人の邪魔をしてはいけない、と思う。
彼女は、そっとテーブルの端にトレイを置いて、足音を忍ばせて立ち去った。
外から店の中に戻り皿を洗っていた彼女は、突如、ビクリと打たれたように動きを止める。
(帰らなきゃ)
その考えで急に頭が一杯になり、他のことを全て思考の外へ追いやってしまう。
(帰らなきゃ、今スグ、迅速に、ナルベク不自然じゃナイ行動ヲ)
彼女は皿を置き、制服を着替え、バッグを抱えて足早に店を後にする。
ほんの数分前まで店員や常連客で賑わっていたはずの店内は、無人の静寂て満たされ
ていたが、不自然に思うことはなかった。
「……紅茶来ましたけどォ?」
「んー?うん、そうだね」
当然ウェイトレスに気付いていた一方通行は、盤を眺めたままの白いシスターに声を掛
けた。
デミタスカップに指を伸ばし、少しだけ口に含んで香りを味わう。
「オマエが美味しい紅茶飲みたいとか駄々捏ねるから来たンだぜ。冷めたら台無しだろ」
ネットで適当に調べた、美味い紅茶を出す店だ。
チラリと時計を見れば、もうすぐ午後三時半。あのツンツン頭の下校時刻まであと少し。
あまり勝手に外には出るなと言われていると、インデックスが文句を漏らしていた。
それは自分が打ち止めに「勝手にウロつくな」と言い聞かせているのと、同じような心情と
理由のような気がする。
少女が「とうまには内緒ね!」と頼むものだから、上条には何の連絡もしていない。
しかしやはり、言っておくべきだったのではないか。今更遅いが、せめてあの男が帰って
来るまでには、寮に戻るべきだろう。
「んー…飲む、飲むんだよー」
現状、インデックスの黒が少々劣勢だ。頭の中でこの状況を引っくり返すための棋譜を
検索しているのか、瞬きもしないまま盤を凝視している。
しかしわざわざ来た目的を思い出したらしく、盤を見つめたまま小さな手をティーカップ
に伸ばした。
「…っ!あ、あつっ」
そのまま紅茶の中に指を突っ込んで、インデックスが飛び上がる。
「このバカ!」
一方通行は慌てて電極のスイッチを入れ、火傷の応急手当をするためにその小さな手を
取ろうとした。
「あっ!だ、ダメなんだよ!!」
が、伸ばした手を払われて、驚いて硬直する。
パシン、という乾いた音はどうしてか身体の芯まで響いて、一方通行は自分が何故ここま
で驚いたのか、理解出来ずに戸惑った。
「ち、違うんだよ…!」
「……?何が?」
「く、詳しくは言えないけど、私はイギリス清教『必要悪の教会』でとても重要な役割を任され
ているんだよ。だから、得体の知れない力が私に接触したら、魔術的な防御機能が起動し
てしまうかもしれなくて、だから…っ」
魔術。ここ最近ようやく知った、自分が生まれてから今まで世界の理だと信じていた『科学』
とは、異なる法則を持つ世界。
上条当麻がそこに深く関わっているらしいことは以前知ったが、この少女もそうだったのか。
ロシアで知り得た情報やインデックスの言葉から、『禁書目録』がひどく希少な役目を負って
いることは想像に難くなかったが、やはりと納得した。
「だから、そんな顔をしないでほしいんだよ、あくせられーた…」
だが納得する一方通行を余所に、白くて小さな手が伸びて、先ほど払ったばかりの、同じよ
うな色の手を、ぎゅうっと握り締める。
インデックスは悲しげな顔をしていて、お前の方こそそんな顔をするな、と一方通行は思う。
「あくせられーたはチョーノーリョクで私の火傷を治してくれようとしたんだよね?」
「……あァ」
「ありがとう、やっぱりあなたは優しいんだよ。でも、ダメなの。あくせられーたの力が私に干
渉したら、私はわたしでなくなってしまうかもしれないんだよ…。それが、すごく怖いの。……
ごめんね、あくせられーた」
「…別に、気にしてねェよ」
そもそも、ここまで必死で謝られるようなことをされた覚えもない。
そうさせたのは自分だとわかっていたけれど。
一方通行はこの戸惑いと、申し訳なさのようなものをどう返せばいいのかわからず、置かれ
ていたお絞りにお冷の氷を包み、インデックスの指先を包んだ。
異なる世界の理を話す彼女の言葉は理解し難い部分もあったが、つまり能力を使わず普通
に冷やす分には問題ないのだろう。
「痛むか」
「えへへ…。大丈夫なんだよ」
その予想は当たっていたらしく、インデックスは少し照れくさそうに笑う。
緩んだ丸い頬を見て、一方通行は浅く溜息をついた。
「………っ!!!」
だが、半瞬後に鋭く息を呑む。
ざらりと気持ちの悪い、胸を苛む圧迫感。ロシアで何度も味わった、危機を示すそれ。
一方通行は電極のスイッチを切ろうとしていた指先を止め、周囲を見回し警戒した。
「人払いの魔術…!」
インデックスが緊迫した表情で顔を上げる。
「魔術だと…?」
「そう、間違いなく狙われてるのは私!だからあくせられーた、逃げ…っ」
必死の形相が訴えたのと、ほぼ同時。
突如虚空に出現した白光が、一方通行の眉間に突き刺さる。当然反射膜を展開していた超
能力者は、とりあえず虚空に逸らそうとした。
「……っ!?」
だが、ぬるりとした嫌な感触と共に、向かって右側に逸れる。右側。インデックスの座ってい
た方へと。
「インデックス!!」
「きゃあっ…!!!」
白光は、二人の間にあったテーブルを粉々に破壊した。
その上に乗っていた、安っぽい作りの、チェスボードごと。
ボードの破片が少女の柔らかな頬を大きく裂いて、愛らしい顔がくしゃりと歪む。
「あ、と、とうまの、とうまがくれた……っ」
今にも泣き出しそうな碧眼に、一方通行の胸が突かれたように痛んだ。
気まずそうにチェスセットを渡してくれたツンツン頭の顔が、何時間も対戦し続ける自分達
を眺める嬉しげな顔が、目の裏に瞬く。
「……っ、俺が、また買ってやる!行くぞインデックス!」
そんなものじゃダメだ。例え数十万の高級品であっても、『これ』と代えることは出来ないと
わかっている。
初めて触れた娯楽としての勝負、その軽い感触も手に馴染んだ粗雑な作りの駒も、もう二
度と戻らない。
「クソが……ッ」
そんな感傷に浸っている場合ではないのに。
だが一方通行は生まれて初めてのそれを振り切ることが出来ないまま、インデックスを抱
えて地を蹴った。
「な、んだって、魔術師が…っ!?」
授業を終えて帰宅しようとしていた上条は、緊迫した表情のクラスメートに呼び止められ
て、焦燥の滲む声を上げる。
多重スパイの持つ情報網が、学園都市内への魔術師の潜入を確認したというのだ。
「クソッ、ステイルも神裂もいないってのに!」
「禁書目録の居場所は?学生寮にはいないようだが」
「はぁ!?どこ行ったんだよあいつは…!」
「連絡は取れるか?」
普段の軽い口調を改めた土御門が、インデックスと連絡を取るよう催促する。
言われる前に携帯電話を取り出して発信するが、何度コールしても繋がらない。
「そうだ、GPS機能…!」
なかなか携帯電話に慣れないインデックス用にと、以前GPS機能がついたものを渡して
おいたのだ。
家に置き忘れていることを恐れたが、上条の携帯電話にインデックスの現在位置と思わ
れる光点が表示される。車にでも乗っているのか、高速で移動していた。
「だ、第七学区内だ!ここから近い!」
「よし、行くぜ上やん!」
促されるより先に、全力で駆け出した。下手にバスやタクシーを使うより、走って行った方
が恐らくは早い。
(インデックス……!!!)
吐き気を催すような焦燥が、上条の喉奥からせり上がって来る。
あの小柄な少女が笑っていないと、上手く息が出来ない。落ち着いて空を見上げることも
出来ない。
インデックスは自分にとって、『平和な日常』そのもの。記憶を失う前の自分がどんな日常
を送っていたのか知らないが、そんなことはどうでもよかった。
気が付けば、当たり前のように側で笑っていてくれた。それだけのことが、どれだけ力強く
自分を支えてくれていたか。
不意に、打ち止めを眺める一方通行の横顔が浮かぶ。
(そうだ、一方通行に……!)
この気持ちは、一方通行があの少女に向ける気持ちに、よく似たものだと知っている。
打ち止めが昼寝しているのを見下ろす顔や、インデックスと遊ぶ打ち止めを横目で眺める
顔が、自分に似ていると感じる。
それに一方通行はインデックスと仲が良い。学園都市最強が協力してくれれば心強いこと
この上ない。
「……………」
今日は来訪の連絡は受けていないが、電話をすればきっと駆けつけてくれる。
だが上条は、走りながら一端開いた携帯電話の画面を数秒眺めて、元の通りに閉じてポケ
ットに捻じ込んだ。
「上やん、何やってんだ!」
走るスピードが落ちた上条を、先んじていた土御門が叱咤する。
「ああ、今行く…!!」
腹の底から答えて、力強く地を蹴った。
(アイツは巻き込めない。…巻き込んじゃダメだ)
ロシアで自分と相対した時の顔を、手元に返す。
辛そうな顔をしていた。泣きそうな顔をしていた。
一方通行はきっともう、戦うことなんて好きじゃない。
けれど今までずっと、自分と同じように、大切な人の盾になりたくて戦ってきた。
だからこそ、上条は、一方通行に二度とあんな顔をしてほしくなかった。ずっと、例えばイン
デックスとチェスをしている時のような、穏やかな表情でいてほしかった。
(大丈夫だ、俺一人で!!)
ずっと、今までだってそうだった。どんなに協力者がいてくれても、インデックスを助けること
が出来るのは、いつだって自分だけだった。
(無事で居てくれよ、インデックス…!!!)
一方通行は内心で歯噛みしながら、ビル群の上を移動していた。
「クソッ…!!」
何度弾いても尽きることのない白い光弾が、二秒の間も置かず、虚空を裂いて現れる。
白光は何度も一方通行の頭部を狙い、その度にあらぬ方向に逸れ、
「あぅ…!」
腕の中の白い少女を傷つけていく。肉の焼ける匂い。既に真っ白い修道服は血の色に
染められていた。
超能力と違い、魔術という『異なる法則』に則った力を、一方通行は正確に反射すること
が出来ない。
ロシアで『入力』し、自身で異なる法則の力を行使することによってある程度の理解はし
ていたつもりだったが、何故かこの光を反射することは敵わないのだ。
「だ、大丈夫なんだよあくせられーた!こんなの全然平気…!」
インデックスが一方通行の服を掴んで、場違いに明るく声を掛ける。
幾度も光が掠めた頬で笑えば痛むのか、その表情は少しいびつで、一方通行は奥歯が
砕けそうな力で噛み締めた。
「黙ってろ、舌噛むぞ!」
その気になれば一方通行は、音速を超える速度で移動出来る。
この攻撃が本当に光速であれば追いつかれるが、射程範囲外に脱出は可能。だが、何
の干渉も出来ない生身のインデックスの身体が、その衝撃に耐えることなど無理な話だ。
結果として、ごく常識的な、自動車程度の速度でしか移動できない。
(どうする…!どうやって敵の居場所を掴めばいい)
例えばライフルならばどんな遠距離からの狙撃でも反射出来るが、この光は何の前触
れもなく虚空から現れる。
学園都市第一位の能力でも知覚できないそれは、かろうじて視認できるだけだ。
白光は一方通行しか狙わないので、襲撃者はインデックスを傷つけるつもりはないのだ
ろう。
いっそのこと自分は離れた方がいいのかとも思ったが、この少女にまともな戦闘能力な
ど無いことは確認済みだった。
こんな方法で狙う輩に攫われて、五体満足のまま助け出せると思えるほど、一方通行は
楽観的ではない。
「………っ!!」
自分の左側頭部を狙った白光が逸れ、インデックスの肩口を裂く。どれだけ腕の中に深
く抱き込もうとも、何発かに一発は、白い少女を傷つけた。
だがインデックスは声を上げまいと、必死で唇を噛んでいる。
(…俺のためか、チクショウ…!)
何度自分を置いて逃げろと訴えても聞き入れられないから、せめて苦しむ様を見せまい
としているのだ。
「………っ」
噛み締めた唇から、血の味がした。
本当に、本当に、自分の力は、何かを守ることには向いていない。
守れるのは自分だけ。自分の身だけを守り、代わりに側にいる人を傷つける。たった今、
まさにそうだ。
資質がない。才能がない。
この身は『反射』の一方通行。
能力の特徴など関係ない、自分という人間の本質が、どこまでも他人を傷つける。
今まで幾度も幾度も突き付けられた事実は、一生変わらぬままだろう。
(だがそれがどうした、クソッタレ…!!!)
一方通行は、インデックスを抱き締める腕に力を込めた。
あの少年だって、上条当麻だって、自分を支える確かなものも、資格も持たないまま、
ただ湧き上がる気持ちを信じて行動しているのだ。
向いてないから何だ。才能がないから、一体なんだというのか。
もうそんな所に逃げないと決めた。とっくの昔に。
『だから…お前と俺は似てるって、思うんだよ』
何も持たないまま、あれほどまでに力強く拳を握ることが出来る男が、笑って手渡して
くれた言葉を、手元に返して握り締める。
この、希望に似た言葉を信じよう。
自分にもあんな風に、大切を侵す危機に、立ち向かえる強さがあると。
(法則、逆算、解析……)
一方通行は意識を極限まで研ぎ澄まし、未知の法則を掴もうとしていた。
ロシアで『入力』した法則と、共通点はあるはずだ。勘でしかなかったが、このぬめる
ような感触はあれと酷似している。
恐らくは、水道の蛇口とシャワーのような関係。元となるものは同じ水、起こる結果も
似通っていて、その出口が少し違うだけ。
幸いにも異なる攻撃が来ることはなく、馬鹿の一つ覚えのように虚空から白光が襲う。
サンプルはある。似通った『法則』も得ている。出来ないはずがない。ロシアの時に比
べれば児戯に等しい。
(光の内容は208メガワットの赤外線。直径5.6mm、波長は2.8μm。虚空から出て来
ンのは減衰防止か?いや、自分の常識に置き換えンな)
そもそも赤外線は可視光線ではない。攻撃手段としては不可視の方が良いに決まっ
ているので、この白い光には重要な役割があるはず。
(白色光はすべての波長の可視光線を対等的、均質的に含んだ光。コレの中身は赤
外線だ、見え方と中身が矛盾している)
先ほどテーブルに着弾した時も、通常の赤外線レーザーであれば穴が空くだけのは
ずが、小規模ながら爆発した。
常識ではありえないが、この白色光自体が強力な赤外線と破裂を生み出す光共振
器の役割を果たしているのかもしれない。
(あの白色光の役割が、光共振器とレーザー媒質のようなものだとすれば)
反転分布。誘導放出。結果としてそれに似た現象を起こすには、と一方通行は新た
に得た『法則』内を検索する。
0.5秒も掛からなかった。
同時に、一方通行の前方三メートルの虚空に、白光が瞬く。
眉間を正確に貫こうとしたそれは、キン、と今までに無かった澄んだ音を立てて、真
っ直ぐ正面に『反射』された。
「…はッ、数打ってりゃいつか当たるってか?そンなワケねェだろォが」
演算通りの現象に、一方通行は会心の笑みを漏らす。
解析するための時間とサンプルを与えておいてどうにかなると思われていたのなら、
随分と舐められたものだ。
「あくせられーた…!」
「…悪ィな、時間かかった」
一回のやり取りの間にも数回白光が襲うが、すべて綺麗に反射される。
もう、腕の中の少女を傷つけることはない。
「大丈夫!」
インデックスが、固く閉じていた碧眼を開いて明るく笑う。
「少し待ってて。魔術は私の世界だから」
一方通行とは異なる世界の中心に座する少女は、それまでとは異なる穏やかな表
情で目を閉じた。
時間にして15秒。白光が焦ったように降り注ぐが、二人を傷つけることは出来ない。
「遠隔狙撃用術式『ラッキヌフォ』」
インデックスが目を開く。澄んだ碧眼が、真っ直ぐに一方通行を見上げた。
「L'arc qui ne faut?」
「Oui」
音から予想して仏語で発音すれば、軽く頷かれる。
「日本語に直訳すれば『無駄なしの弓』。ケルト神話の英雄トリスタンがイゾルデと
森で暮らしている時に作ったと言われる、『人間でも獣でも狙った場所に必ず当たる
弓』の概念を利用した魔術だよ」
「ケルト神話…ねェ」
一方通行には寝言のように聞こえるが、インデックスは真剣そのものだ。郷に入り
ては郷に従えと、大人しく耳を傾ける。
「あ、馬鹿にしたでしょ!元になる神話や概念がわかれば、その対処法も明確にな
るのが魔術なんだよ!」
「そりゃ悪かった。で、対処法ってのは?」
「まず、射程距離はトリスタンが暮らしたという伝承の残る森の半径12342メートル」
頭の中にある本を読み上げるかのように、解説はスラスラと淀みない。
「使用するのは0.8メートルの弓型と竪琴型の霊装。対象の捕捉は術式内に組み込
まれているけど、対象との間に障害物があってはならないんだよ。『弓』だからね」
「ふゥン…」
一方通行は、相変わらず降り注ぎ続ける白光を無視して、周囲をぐるりと見渡した。
半径十キロ強では肉眼での目視は出来ないが。
「つまりねあくせられーた、こうやって飛んで逃げるんじゃなくて、建物の中に入れ
ばひとまずは…」
「必要ねェよ」
一方通行は、適当なビルの屋上に着地した。
持ち上げた指を、軽く打ち鳴らす。
パチン、という軽い音の振動数を一気に引き上げ、高振動数の超音波として周囲
に拡散させた。
動物が自分が発した音が何かにぶつかって返ってきたものを受信し、それによっ
て周囲にある物の形や距離を知る、反響定位。
用いる動物の中で有名なのはコウモリだが、一方通行はまさしく同じような能力を
有する。
間に障害物があれば使えないけれど、それが無いと判明し、敵の姿形がわかった
今、使わない手はない。
「弓、竪琴ねェ……」
呆れたような溜息を吐き出す学園都市最強は、普段の調子を取り戻していた。
軽く目を閉じて反響してくる超音波を解析し、数秒で静かに目を開く。
「………見ィつけた」
ニィ、と。
引き裂くような形に薄い唇を吊り上げ、軽く地を蹴って飛び上がる。
屋上の隅に設置されていたパラボラアンテナを蹴り飛ばせば、直径二メートルほど
の皿状の物体が、対空ミサイルのように空を切り裂いた。
「え、えっ……!?」
突然の行動と、遠くから響いた爆音に、インデックスが忙しなく瞬きをする。
ほぼ同時に、降り注いでいた白光がピタリと止んだ。
「あれ、魔術の気配が消えた…!?あくせられーた、何したの!?」
「アソコ」
一方通行はキツく抱き締めていた小柄な身体を解放して、向かって右前方を指差
した。
ここから北北東、4821メートル地点。
白い指の差す方には、遠く林立する白いビル群。その一つから煙が上がっている
のが何とか視認出来る。
日が傾きかけた真冬の薄い青空に、不吉な色の灰煙が溶けていき、インデックス
は瞠目した。
「まさか………」
「ン。オマエの言う『0.8メートルの弓型と竪琴型の何か』を持った奴がいやがった。
こンな街で、ビルの屋上にそンなのがいれば、100%『犯人』だろォよ」
位置さえわかるなら、例え未知の技で攻撃したとしても、一方通行の敵ではない。
「メチャクチャなんだよ……」
建物内に入った後、どうやって敵の位置を割り出すか、というとこまで考えてたん
だけどなぁ。
インデックスは呆れたように大きな目を瞬いた。
少し様子を見て追撃が来ないことを確認し、土御門に後始末をするよう連絡して、
第七学区のカフェに戻る。
一方通行が逸らした魔術の余波で、テラス席はひどい有様だった。
しかし幸いにも怪我人はいないようだ。というか、まったくの無人である。
怪訝そうな顔になる一方通行に、インデックスが魔術には有効範囲内の人間を遠
ざけるものもあると説明した。
「でも術者が意識を失ったんなら、そろそろ人が戻り始めるかも」
「ふン…。便利なもンですねェ」
軽口を叩きながら店内に入り、お絞りに冷水を掛けたものを持ってインデックスの
側に戻る。
傷だらけの、血だらけの、少女の側に。
「……………」
魔術師の攻撃は、肌の表面を削っただけで、命に別状はなさそうだが。
柔らかそうな白い頬や純白の修道服に引っ掻いたような傷が走り、血を滲ませて
いる様子は、あまりに痛々しかった。
冷やして血を拭うために布を持ってきたはいいが、触れていいのか、一方通行に
はわからない。きっととても痛いだろう。
早く病院に連れて行かなければ。
(守りきったとは…とても言えねェな)
最近は見慣れてしまったツンツン頭の無能力者が、この少女に向ける笑顔を思い
出す。
傷だらけのインデックスを見たら、怒るだろうか。悲しむだろうか。両方か。
当の本人は、先ほど座っていた場所に歩み寄って、粉々に砕けたチェスセットを見
下ろしている。
安っぽいプラスチックのボードは溶けて破損し、一目見て二度と使い物にならない
とわかる。
割れた駒の破片を見ると、一方通行の指先がキリキリと痛んだ。このところほとん
ど毎日、あの駒を触っていた指先が。
「え、えへへ……とうまに怒られちゃうね、あくせられーた!『せっかく買ってきたの
に、不幸だー!』、って…笑って…」
インデックスは、ハッと気付いたように、明らかな空元気でこちらを見上げた。
「とうまはきっと笑ってくれるから、…あ、あくせられーた…そんな顔しないでぇ…っ」
そして、大きな碧色の目から、堰を切ったように、大粒の涙を溢れさせる。
チェスが壊れようが、魔術でその身が危うくなろうが、決して見せなかった涙をポロ
ポロと零しながら、白い少女は小さくて白い手をこちらに伸ばした。
反射的に、一歩後ずさる。
どうしてなのか、理由はわからなかった。ただ、このきれいな柔らかそうな手で、自
分に触れるべきではないと思った。
「あくせられーた…?」
春の新緑に似た色の目が見開かれ、数瞬後に、ぶわっと更に涙を溢れさせる。
「あ、いや……、………っ」
焦燥と、戸惑いと、慙愧と、そんなものが喉に詰まって、上手く声が出ない。
「ごめんね、あくせられーた…!!」
だがインデックスは、一方通行の動揺などおかまいなしに勢い良く足を踏み出した。
「……っ」
どん、と温かな塊が胸の中に飛び込んで来て、少しよろけながら慌てて受け止める。
受け止められることを信じて疑わない、迷いの無い仕草。
「あくせられーただって女の子なのに、私のせいでこんな目に合わせちゃってごめ
んなさい!私はいつもそうなんだよ、とうまだって私のせいでいっつも…!!」
普段は明るく弾むような声が、悲痛な想いに引き攣れている。
背中に縋りつく細い腕。胸元がじんわりと温かく濡れていく。いつも天真爛漫な少女
だが、こんな風に気にしていたのか。
「オマエのせいじゃ、ねェだろ………」
例えこの白い少女が狙われているのが事実だとしても、『インデックスのせい』など
と思うわけがない。
「…アイツだって、そォ思ってる」
「う…うん…っ!うん…っ、っく」
鼻先にある丸くて白い頭を凝視して、一方通行は恐る恐る手を伸ばす。
例えば打ち止めやミサカ10032号のように、触れるのを躊躇すれば、傷つけること
もあるのだと、もう知っているのだから。
そうっと触れて撫でれば、インデックスが小さくしゃくり上げた。
「病院…行くか」
「こ、これくらい平気なんだよ」
「ダメだ。…………それに、アイツにも連絡…」
「インデックス!!!……あ、一方通行!?一緒だったのかお前ら!!!」
背中に叩きつけられた声に、ビクンッ、と全身が竦み上がる。
何だこの過剰反応は、と自分のことながら笑いたくなった。
目の前の白い頭に置かれた手が、細かく震えている。
振り返るのが、怖かった。
チェス盤吹っ飛んで悲しがってる二人が失礼ながらかわいいと思ってしまった…
でも一方さんやっぱ万能すぎるよ…
さすが第一位
やるじゃん
あと>>668のパンツ、一方さんのためのデザイン過ぎて吹いた
何これ学園都市第一位のためのオーダーメイドなの?
そして女子用ボクサーかわいいなオイ
そんじゃ投下します
空気読めてないシリアス展開でごめんなwwwwww
見慣れた修道服の少女に白い細い後姿が寄り添っているのを見た時、上条は安堵
のあまり膝から崩れ落ちそうになった。
(あれ、俺……)
一方通行がインデックスの側にいてくれた。よかった、大丈夫だと。
ほぼ反射で思ってしまい、そんな自分に少し驚く。
「あっ、とうまー!!!」
細い影から、活き活きした笑顔がひょいとのぞいて、ぶんぶん勢い良く手を振った。
少し涙ぐんでいるし怪我もしているのはかなり心配だったが、元気そうだ。
「ごめんな遅くなって、大丈夫だったか?」
小洒落たカフェの石畳は破壊され、テーブルは引っくり返って壊れているが、辺りに
敵の姿も攻撃の気配もない。もう終わったのだろう。
上条が割れた石の破片を踏みしだきながら二人に歩み寄れば、インデックスは大き
く頷いた。
「うん!あくせられーたが守ってくれたもん!!」
「そっか………」
長く息を吐き出す。やっぱりそうだったか。
心臓が、ようやく落ち着きを取り戻し始めている。
「一方通行?」
どうしてか反応しない細い背に再度声を掛けると、いつも大雑把な仕草の一方通行が、
見たこともないほど、ぎこちなく振り返る。
「……っ、あ、あァ…オマエか…」
叱られる寸前の、子供のような顔をしていた。
どうしてそんな顔をしているのか不思議に思うより前に、胸が締め付けられるようにな
って、一瞬言葉を失う。
「…………」
「…………」
それをどう取ったのか、白い顔が更にすうっと色を失って、赤い目が揺らいだ気がした。
「あ……」
自分でも何を言おうとしたのかわからないまま口を開くと、一方通行が唇を噛み締める。
「ったく、丸投げしてくれるな、一方通行。お前は学園都市側の切り札なんだ、あまり気
軽に外の連中に接触するんじゃない」
そこに、先ほどから方々に電話を掛けていて遅れていた土御門が、追いついて声を掛
けて来る。
すると、あまりに無防備だった白い顔が、カチリとスイッチを入れたように切り替わった。
「あァ?そンなら簡単に侵入されてンじゃねェよ。ここの警備はザルか何かか」
普段通りの不機嫌そうなしかめっ面に、上条は取り返しのつかない機会を逸したよう
な、ひどい焦燥に駆られる。
ただ何と言っていいのかわからず、目についたわかりやすい疑問だけを、ようやく口
にした。
「えっ…?知り合いなのか、二人とも!?」
「まぁ、少しな。…だいたい、禁書目録には防御機能が付いているだろう。わざわざお
前が戦う必要もなかったと思うが。アレに勝てる魔術師などほぼ存在しない」
『自動書記』のことを言っているのだと、上条はすぐに悟る。だが表情を強張らせたイ
ンデックスを見て、普段とは違う顔のクラスメートを睨んだ。
「土御門…!」
『自動書記』は、インデックスという個人とはまったく異なる、魔道図書館を守るためだ
けの魔術的な仮想人格。
ただ「敵性」と判断した者を容赦なく破壊する。「入れ物」の少女がその「敵性」にどん
な想いを抱いていたとしても、まったく無頓着に。
気が付けば、大事に想っていた人が傷ついている。しかもそうしたのは自分自身。
繰り返されるそれに、インデックスが一体どれだけ打ちのめされたのか。上条には想
像することしか出来ない。
そして、だからこそ、『自動書記』を使え、と簡単に口にする土御門を見過ごすことは
出来なかった。
「防御機能?なンのことだ、土御門」
だが一方通行が上条の言葉を遮り、先を促す。
「何だ、知らなかったのか。そこの禁書目録は、イギリス清教の最高機密。他の魔術
結社に奪われることを防ぐため、敵対者への防御機能が備わっている。ま、例えて
言うなら、お前と戦ってもそうそう引けを取らないレベルだ」
「……へェ。そりゃ無駄骨折っちまったなァ」
学園都市側の最高機密は、低く吐き捨てた。
「ちがう、あくせられーた!!」
インデックスが悲鳴のような声を上げるが、一方通行は優しく白い少女を押し退ける。
「帰るわ」
一言だけポツリと呟き、トンと地を蹴った。
「一方通行!!待てよ、一方通行…っ!!」
上条は思わず駆け出してその細い腕を掴もうとするが、掌は空を切る。
「一方通行!!!」
どうしてもこのまま行かせたくなくて声を張り上げるが、白い顔は二度と振り向かなか
った。
薄闇に染まりかけた空に、華奢な背が溶け入る。
「……………」
追いかけようとしたけれど、ビルの屋上に跳躍したらしい影は、目で追うことすら出来
なかった。
「ぅぅううううぅううう~~~!!こ、このっ、けーわいグラサン!!!!」
「えええ!?そんなん生まれて初めて言われたにゃーー!」
インデックスが土御門をポカポカ殴るのを横目に、上条は一方通行の消えた夕空を
見上げた。
一方通行は、どうしてあんな顔をしていたのか。自分は、何を言おうとしたのか。
右手を硬く握り締め。
PM 8:20 黄泉川家 リビング
芳川「………」カタカタカタカタ
一方通行「…………」
芳川「……んー、PC画面で読むの面倒ね。紙に出力しちゃおうかしら」ピッ ウィーン ウィーン
一方通行「…………」
芳川「一方通行、あなたもコーヒー飲む?」スクッ スタスタ
一方通行「………あァ…」コク
芳川「愛穂、最終信号と番外個体を病院に迎えに行くって言ってたじゃない?」
一方通行「ン……」
芳川「仕事で少し遅くなっちゃったから、帰りに夕飯三人で食べて来るって。私達はどう
しようかしら?」コポポポ
一方通行「……いらねェ」
芳川「そう。私もいいかな。お昼遅かったし。…はい、コーヒー」スタスタ ストン
一方通行「ン」
芳川「…………」ズズー ペラ
一方通行「…………」
芳川「…………」ズズー ペラ
一方通行「…………」
芳川「……あ、そうだ、これあなたも読む?この人の前の前の論文には目を通してたと
思うけれど」ペラ
一方通行「……あァ。コイツか。『外』の研究者の論文にしちゃ、見れたな」ペラ
芳川「そうね。一般的にクローン種が短命とされる理由、テロメアの短さを克服するため
の実証研究。テロメラーゼ無しにヘイフリック限界を超えることが可能か…」ペラ
一方通行「なかなか几帳面なヤツだ」ペラ
芳川「ええ、好感が持てるわね。ひとつひとつ、とても真面目に研究を続けてる。学園都
市で発見、実行されている方法とは、違う形のものを見つけるかも」ペラ
一方通行「違う形か………」ペラ
芳川「この人ね、元は考古学者だったらしいのよ」ペラ
一方通行「随分と畑違いなこって」ペラ
芳川「子供の頃から、古代遺跡世紀の発見…ってところを夢見ていたけれど、遺跡発掘
のため借金ばかりを抱えて破産寸前」ペラ
一方通行「アホだな」ペラ
芳川「ええ。それでたまたま友人の紹介で、今まで発掘した植物の化石の研究を手伝う
ことになったそうなのよ」
一方通行「ふゥン……」ペラ
芳川「元々真面目な性格だったんでしょうね。琥珀に閉じ込められた古代植物の遺伝子
についての研究で成果を出すまでに十年。けれどそこで実は考古学者としての経
験が役に立ったと聞くわ。そして、今では一角の遺伝子研究者というわけよ」ペラ
一方通行「………」ペラ
芳川「子供の頃からの夢を追うのが理想の人生、という風潮があるけれど、私はそれば
かりが真実だとは思わない。一度志した道を失敗したからこそ、今を真剣に考える
ことが出来る」
一方通行「…………」
芳川「そして道を違えていてこそ、大事なものを見つけ出せることもある。そういうものだ
と私は思うわ」
一方通行「……何が言いたい」
芳川「ただの世間話よ。個人的に好感を持ってる研究者についての一見識」クス
一方通行「………」チッ フイ
芳川「……コーヒー、冷めちゃうわよ」ペラ
一方通行「…………芳川…」
芳川「なぁに?」ペラ
一方通行「…例えばの話だが」
芳川「ええ」ペラ
一方通行「……やっぱりいい」フイ
芳川「そこまで来たら言わんかい」ペシッ
一方通行「!?!?」
芳川「それで?」ペラ
一方通行「………だから…」
芳川「ええ」ペラ
一方通行「例えば…俺と黄泉川が出かけたとして…」
芳川「ええ」ペラ
一方通行「黄泉川が怪我をして、俺が無傷で帰って来たら、お前…どう思う?」
芳川「愛穂が心配ね。でも、あなたが無事でよかった」ペラ
一方通行「……そンだけかよ」
芳川「ええ」ペラ
一方通行「…………」
芳川「不満かしら。じゃあ、そうね…。きっとあなた達は誰かに襲われて怪我をしたのでしょ
う?多分私のせいね。私がいたからそんなことになってしまったのね。私さえいなけ
ればあなた達は怪我をしたりしなかった。私には、こんなところでのうのうと幸せを
貪ってる資格なんかない。自分に甘いだけの私は、強くて優しいあなた達の前から
消えるべきなのでしょうね」
一方通行「芳川」
芳川「あら、怖い顔」クス
一方通行「…消えたりしたら、許さねェ」
芳川「その言葉、そっくりそのままお返しするわよ」ホホホ
一方通行「…………」チッ
芳川「一方通行」
一方通行「何だよ」
芳川「今度は何を怖がっているの?」
一方通行「誰に物言ってやがる」
芳川「強くて優しいけれど、とても臆病な女の子に」クスクス
一方通行「ぶっ殺すぞ」
芳川「ふふ、相変わらず強がりねぇ。…でも、私はあなたが本当に何かを…誰かを怖がって
いるのなら、嬉しいわよ」
一方通行「……何で」ムス
芳川「怖いのは、大切だから。失うことを恐怖しているから。あなたにまたそういう気持ちが
生まれたのなら、当然家族としては喜ぶべきことでしょう?」
一方通行「……アイツは、そォいうンじゃねェ」
芳川「アイツってどこのどちら様?」キラーン
一方通行「…最近出来たチェス仲間」
芳川「嘘ね。その子の話は聞いたことあるもの。素直に言ったってことは、あなたのことだか
ら、それはデコイでしょ。騙されないわよ」ウフフフ
一方通行「うっぜェババァだな」チッ
芳川「言ったわね小娘」
一方通行「小娘って………」ハァ
芳川「あなたなんて小娘よ。家族以外が怖くてプルプル震えてる子ウサギちゃん」クスクス
一方通行「言ってろ」
一方携帯< prrrr
一方通行「!!」ビクッ
一方携帯< prrrr prrrr prrrr prrrr prrrr prrrr prrrr …
一方通行「…………」
芳川「…………」
一方携帯< prrrr prrrr prrrr …プツッ
一方通行「…………」ホ
芳川「ウサギちゃんは物音に敏感ねぇ。さっきから鳴りっ放しでああうるさいうるさい」ホホホ
一方通行「うぜェ」
芳川「誰からの電話?」
一方通行「関係ねェだろ」
芳川「あるわよ。あなたは私の…私達の大事な家族だもの」
一方通行「…………」
芳川「嬉しいとは言ったけれど、あなたが本当に怖いのなら、ずっと家の中に居なさい。私
と愛穂が守ってあげるわ。一生ね」
一方通行「過保護なババァどもですねェ」
芳川「あなたほどじゃないわねぇ」ペラ
ピンポーン
芳川「あら、愛穂達が帰って来たみたい」スクッ スタスタ
ピンポーンピンポーンピンポーン
芳川「はいはい。せっかちねぇ」ガチャ
黄泉川「ただいまじゃーん」
芳川「おかえりなさい。………あら?」
「夜分遅くにすみません。一方通行居ますか?」
芳川「あなたは……?」
上条「あ、俺上条当麻っていいます。一方通行の友達で…」
芳川「友達。あの子の」パチクリ
上条「はい。電話しても出ないから、心配で…っていうか、俺どうしても会いたくて」
芳川「あら。熱烈ね」クス
上条「はい!?い、いやいやいやそういうんじゃなくて、俺はただ話が!!」アセアセ
芳川(あらあらこの反応……知ってるのね、あの子の性別のこと)マジマジ
打ち止め「あの人が電話無視するってこの人から相談があったから、じゃあ直接家に来
て会えばいいよって、ミサカがミサカが提案したのだ!」エヘン
芳川「電話?あなたが?へぇぇ~~……」マジマジ
上条「………?」
芳川「ふふ。あなたは随分、人の目を真っ直ぐに見るのね。居心地が悪いくらい」
上条「え!?す、すみません…」
芳川「いいのよ。目を見られて居心地が悪いのは、その人に後ろ暗いところがあるから
だもの」
上条「え、えーと……」
打ち止め「そんなことはいいからヒーローさん、早く早く!ってミサカはミサカは手を引い
て駆け出してみたり!」タタッ
上条「あ、ああ。お邪魔します!!」タタタ
黄泉川「はいよ。絡み辛い同居人で悪いじゃん……」ハァ
芳川「失礼ね愛穂ったら」クスクス
番外個体「………………」ブスー
黄泉川「ほら番外個体、いつまで拗ねてるじゃん。早く入っといで」
番外個体「……別に拗ねたりなんかしてないし」ムスー
芳川「どうしたの、番外個体」
番外個体「最終信号が、上条当麻を勝手に家に呼んでさぁ」
芳川「無断で入って来たわけじゃないでしょう」
黄泉川「当然じゃん。マンションの前で待ち合わせして、なんだか見たことないくらい格
式ばって挨拶されたよ」ハハハ
番外個体「でも!でも、この家はミサカ達の家じゃん…!!他人が土足で入って来るな
んてイヤだよ」
黄泉川「上条はちゃんと靴脱いで上がっていったじゃん?先にリビング行くよ?」スタスタ
番外個体「そういうことじゃなくてぇ!!」キィー
芳川「…あなたって仮にあの子が結婚したら、すごい小姑になりそうよねぇ」
番外個体「けけけけけケケケ!!?!?!?」ブワッ
芳川「変な笑い方みたいになってるわよ。あっ、普段通りだったわね」プッ
番外個体「ヨシカワぁああああ!!!!もうっ、聞いてよヨミカワ、ヨシカワがぁあ!!」タッ
黄泉川「はいはいはいはい。こら桔梗」ヨシヨシ
芳川「はいはい。冗談よ、冗談」
芳川(さて、上条くんだったかしら。あの子と全然違うタイプだけど、ちゃんと話せている
かしらね?番外個体と違って最終信号はすごく空気を読む子だけど…)スタスタ
上条「………」ポツーン
打ち止め「………」ポツーン
芳川「…あら?一方通行はどうしたの?」??
上条「いえ、あの、入って来た時には誰も……」
打ち止め「え!?やっぱりさっきまで居たのよね!?ってミサカはミサカは玄関にいた
時は間違いなくあの人の気配を感じていたことを明かしてみたり!」
芳川「え……?…あら、窓が………」
ヒュゥウウ……
芳川「さっきまで閉めていたのだけれど」カラカラ
打ち止め「…ハッ!まさか!ってミサカはミサカはベランダに走り出てみる!」タタタ
打ち止め「ああああ!やっぱり!ベランダに置いてあったあの人の靴がない!ってミ
サカはミサカは発見してみたり!!」
芳川「………逃げた?…あの子が?」ポカーン
番外個体「ぷ、はは、ひゃははは…逃げられてやんの、嫌われたもんだねぇ?」
打ち止め「妹よ、顔色が悪いぞ、ってミサカはミサカはツッコんでみる」ハァ
黄泉川「…上条。あの子に何したじゃん?」ギロリ
上条「な、何もしてませんよ!?い、いやしたかもしれないけど、わ、わかんなくて…
だから、話をしに、俺は……!」キッ
上条「………一方通行」
第十六学区。
学園都市内で最も発展した商業区画であり、屈指の高層ビルが立ち並ぶ。
この街特有の青白い光が、白いビル群を淡く浮かび上がらせていた。
「…………」
一方通行は、その中でも最も高いビルの、屋上の端に座り込んでいる。
真冬の夜だ。地上二百メートルのその場所には、強い寒風が吹き荒れていた。
白い髪を容赦なく掻き乱し、剥き出しの首筋や掌はどんどんかじかんでいく。
「……寒ィ」
ポツリと呟いた。
能力を失ってから初めて過ごした冬だった。それまで一定以上の熱気も冷気も反射し
て来た一方通行にとっては、生まれて初めての冬と言ってもいい。
寒いというのは、こういうことか。顔も首も耳も手もジンと痺れ、吹きっ晒しの身体全部
がどんどん冷えていく。
ここに一人で来たのは、久しぶりだった。
以前は、例えば実験の後なんかに、よく一人で夜景を見下ろしていた。打ち止めが見
れば歓声を上げるが、一方通行はこの眺めを美しいと思ったことなど一度もない。
一般的に言えば壮観なのだろうと想像出来ても、実際に心が動いたことはなかった。
景色だけではない。どんなものにも、どんな色にも形にも、感銘など受けない。それは
きっと、自分の心が『人間』ではないからだと思っていた。
腹の足しにもならないものを見て感動するのは、恐らく人間特有のものだろうから。
例えば、動物の視界はモノクロに近いという。
一方通行の視界には、打ち止めやあの家の温もりの側にいたなら、少し色が付く。し
かしきっと、それが自分の限界。
(……ツマんねェ眺めだ)
青白い、青緑、そんな光の無数の集まり。この悪意が凝り固まったような街を動かす
源の色だ。
いつもここに来ていた理由は特にないと。
そう思っていたけれど、今考えれば、この場所と自分がどこか似ていると思っていた
からだと気付かされる。
他に誰もいない、誰の手も届かない、高い高い空間。文字通りの『無敵』である場所。
誰からも、悪意からも善意からも、遠い場所。
誰もいない。誰もいらない。誰も、俺の側に近づくなと。
以前とは少しだけ違うところに立っているからこそ、そう気付かされた。
足音が聞こえる。
一方通行は、深く息をついた。
ふわりと白いもやが広がり、眺める間もなく闇に溶けて行く。
手の中にある黒い携帯電話が、着信を知らせて何度も明滅していた。
「何をやってるンだかなァ……」
玄関からあの少年の声が聞こえて、考えるよりも先に身体が動いた。電極のスイッチ
を入れ、ベランダから外に飛んだ。
逃げた。
それでいて、携帯電話は持って来ているという、みっともなさ。
一方通行は冷えすぎてほぼ感覚のない手で、明滅する光を握り締める。ただの金属
と樹脂の塊が、じわりと指先を溶かした気がした。
足音が聞こえる。忙しない。
少し目線を上げれば、月が出ていた。真っ暗の中浮かび上がる白いその色に、あの
シスターを思い出す。
怪我は、どうだったのだろう。今頃痛んでいないだろうか。
本人は大丈夫だと言っていたが、バイタルサインも確かめられなかったから、本当の
ところはわからない。
『インデックス!!!』
背中にぶつけられた声を、胸元に返す。ぐ、と上から押さえつけられたように息がし
にくい。
とても心配そうな声だった。理解できる。打ち止めを呼ぶ時の、自分の声音に似てい
たから。
だったら、だったら、あの少年は自分のことをどう思っただろうか。
足音が聞こえる。随分近くなった。
大切な少女の側にいたのに、学園都市最強などと呼ばれているクセに、守ることの
出来なかった自分を、どう思ったのだろう。
お前は俺に似ていると、渡してくれた言葉。それを撤回したくはならなかったか。
例えば一緒にいたのが一方通行じゃなく自分だったらと、あの少年は考えたのでは
ないか。
一度越えたはずのところを先ほども越えたはずで、今また同じところで蹲っている。
足音が聞こえる。もうすぐ、そこ。
一方通行は思わず立ち上がった。同時に舌打ちして、拳を強く握り締める。
普通の人間のような機微を持てない自分の心が、あの足音の主をどう思っているか
くらい、芳川に言われるまでもなくわかっていた。
あの少年が頭に触れた、手に触れた、温かさが勝手に蘇って、胸と腹の境目辺りに
モヤモヤと重苦しい塊が渦巻く。
(気持ち悪い)
強い風が吹く。風の音しか聞こえないはずの、静かな場所だった。
誰もいない、誰の手も届かない、そんな自分に似た場所のはずだった。
「一方通行!!!」
バンッ、と目の前の鉄扉を勢い良く押し開ければ、真っ先に白く細い後姿が目に飛び
込んで来る。
高層ビルの屋上は広く殺風景で、白い満月に浮かび上がる影が余計に印象的だった。
上条は驚かせないように気遣う余裕もないまま、掛け続けていた携帯電話のフリップを
閉じ、息を切らせて駆け寄る。
「は、はッ、はァ、ハァ、……ッ、やっと、見つけた…!」
「……よくここがわかったなァ」
平淡な声が返る。
「打ち止めに聞いて…、ハァ、はっ…、ネットワーク?に接続すれば、だいたい場所が
わかる、って……」
一方通行は振り向かない。
強い風が吹いていて、柔らかなことを知っている白い髪が、掻き乱されている。
「はァ…あのクソガキ」
小さな舌打ちは普段通り。けれど、普段通りなわけがない。
あの一方通行が、『普段通り』を装っているなんて。
「一方通行」
ようやく息が整い、上条は改めてその名を呼んだ。ピク、と細い肩が揺れる。
「一方通行、こっちを向いてくれよ」
「……………」
ゆっくりとぎこちなく振り向けば、白い顔はやはり、ひどく頼りなく、怯えたような。
「どうして、そんな顔すんだよ……?」
上条の胸が締め付けられて、思わず、言おうとしていたこととは違うことを口にしてし
まう。
「………アイツは…」
「え?」
「インデックスは……?」
いつものふてぶてしい口調とはまるで異なる、無理に搾り出したような掠れた声。
胸の奥が更に押し潰される。
「あ、ああ…今は土御門に一緒に居てもらってる。あの後医者に連れてってさ。あい
つは大丈夫だって言い張ってたけど、やっぱ心配だろ?」
「ン……」
「ちょっと血が出てたけど、掠っただけだって。一、二週間で治るし傷も残らない」
「そォか………」
一方通行が長い溜息をついた。深い安堵の色をしたそれに、上条の目の奥が熱く
なる。
「あ…ありがとな、一方通行…。あいつのことそんな風に大事に思ってくれて、あ、
ありがとう…っ!!」
身体の芯から溢れた声音は、少し掠れていた。
赤い目が、驚いたように見開かれる。
「この街で、俺以外にインデックスを守ってくれるヤツがいるなんて、思わなかった」
科学と超能力の最高峰、学園都市。
この街には一国の軍隊とも戦えるような能力者がたくさんいるけれど、どれだけ凄
まじい能力を有していようが、誰一人、あの小柄な女の子を守ってくれる人間など
いない。
「インデックスは、何も悪いことなんてしてない。ただたまたま少し記憶力が良かった
だけなのに、いつもいつも誰かに狙われて…っ」
無邪気で優しい、ただの少女なのに、魔道書図書館としての機能だけを守る『自動
書記』などという魔術で軍事機密のように使われ、色々な幸いを奪われてきた。
「だから、ありがとう一方通行。インデックスを守ってくれて、ありがとな…」
ようやくこちらを真っ直ぐ見てくれた視線を離すまいと、上条は瞬きもせずに透き通
った赤色を見つめる。
「………アイツは……」
しばらくして、一方通行がポツリと呟いた。
「俺が…どこの誰だか知らない」
「どこの…?」
「学園都市の第一位。『一方通行』だと知らないで、俺とチェスをする」
ふ、と一方通行が目を伏せた。月明かりを映す白い睫毛が、微かに震える。
「そンなヤツ、初めてなンだ……」
上条は、すぐには言葉が出て来なかった。
魔術の世界であまりに重要な立場のインデックス。科学の世界であまりに強大な能
力を有する一方通行。
二人の孤独はよく似ていたのかもしれないと、今更ながら気付かされる。
「一方通行……」
一方通行は確かに華奢な身体つきをしているけれど、普段は脆弱な雰囲気など欠
片もない。いつも指先にまで緊張感を漲らせ、常人ならば圧倒されるような凄味を
滲ませている。
なのに。
「…だから、オマエに礼を言われる筋合いなンかねェよ」
「そっか。…でも、インデックスは俺にとっても大事なヤツなんだ。あいつが無事じゃ
ないと、居ても立ってもいられないっつーかさ…。はは、情けねぇな」
「……俺も…」
「え?」
「俺も…俺は…打ち止めがいるから、化け物じゃなくて、人間でいられる」
俯いた一方通行は、ただ白く細く寂しい顔の…少女に見えた。
息が詰まる。ずっと胸を締め付けていた圧迫を食い破るように、激しい何かが込み
上げる。
熱すぎるそれを持て余し、上条は自分の胸元を掴んだ。
「だが俺は、オマエの大切を守れなかった」
「は、はぁ!?何言ってんだよお前!!」
急な言葉を理解しきれず、思わず素っ頓狂な声を上げる。
「…………」
しかし一方通行は少し沈黙し、自分の掌を見つめた。上条には華奢で真っ白い手
にしか見えないけれど、あの赤い目には違う色が見えたのかもしれない。
「あンなに傷だらけにしちまった。インデックスは言ってねェだろォが、魔術師とや
らの攻撃は全部俺を狙ってたンだぜ。俺が上手く反射出来なかったから、アイツ
は……」
「そんなの関係ねぇだろ!」
「関係あるに決まってンだろ!!結果としてたまたま掠り傷だったかもしンねェが、
あれが十センチずれていたらどうなってた!?」
「関係ねぇ、絶対だ!お前はインデックスを守ってくれた、それだけだろ!!」
「………っ」
赤い目が揺らいだ。雪のような色の手を握り締め、薄い唇を震わせる。
「俺は…オマエとは違う」
「一方通行!」
「オマエみたいな、不可能を可能にする『ヒーロー』なンかじゃねェンだよ…!!」
血を吐くような叫びと共に、氷のような烈風が吹いた。
華奢な身体がふわりと浮き上がる。
自分が誰かの救いになっていることなんて、全く信じない。上条の言葉を端から
受け入れない。
そんなあまりに頑なに凍り付いた顔を目にした瞬間、上条の腹の奥がカッと燃え
上がる。
「ふざけんじゃねぇ!!!!」
考えるより先に、思い切り手を伸ばし、細い腕を掴んで、地に引き摺り下ろした。
竜巻の形の翼が、澄んだ音を立てて砕け散る。
「ふざけんじゃねぇよ、勝手に人をヒーローにすんなって、言っただろ!!」
細く白い影は、夜の闇に溶けてしまうかと思った。そのまま、二度と会えないかと
思った。
ポカン、と子供のように無防備に口を開けたまま半端に浮いていた身体が、腕の
中に落ちてきて、受け止める。
「俺はヒーローなんかじゃねぇ!俺だって守りたいから守ってきただけだ、お前と
同じなんだよ!…そんな風に、俺との間に距離置くなよ…!!」
力の限り抱き締めたら、驚くほど冷たくて、か細かった。鼻先に触れた柔らかな白
い髪から、淡い香り。胸の奥で腹の奥で、重く密度のある熱が燃えている。
「俺から逃げるな、一方通行!」
腕に力を込める。力の抜けた一方通行の身体は柔らかい。
こんなにも頼りない少女の身で、今までたった一人戦ってきたのかと思うと、たま
らないものが込み上げる。
「……………」
なんだろうこの事態は、と一方通行は思った。
予想外過ぎて、指先一つ動かせない。
上条当麻は万力のような強さで自分を抱き締めたまま、動く気配すらなかった。
頬や耳に硬い髪が触れている。
痛いというか、苦しいというか、熱い。指先がビリビリする。
気持ち悪い。
穿つように真っ直ぐに見つめる真っ黒の目だった。こちらの『反射』などお構いなし
の言葉だった。
打ち止めのように無邪気にこちらの警戒をくぐるのでも、黄泉川や芳川のようにこ
ちらを気遣いながら包むのでもない。
ただ真っ向勝負でこんな風に正面からぶつかられたことなんてなくて、思考がフリ
ーズしている。
しかし考えてみれば、上条当麻とは最初からそんな男だった。すべてが真正面で、
真っ向勝負。
初めてのことだから、動くことが出来ないのだろうか、と自問する。
距離?離れるな?一体何を言っているのか。
自分の言ったことと、この少年が言ったことに、繋がりがないように思う、しかし。
(ヒーローなんかじゃない、か…)
本当はとっくに知っていたのかもしれない。
上条当麻は、勝つことを運命付けられたヒーローなんかじゃない。一方通行が言
い訳をするための曖昧な偶像でもない。
守りたいから立ち向かっているだけの、ただの、心優しい人間で。
ひとりの少年だと。
「なぁ、一方通行」
「………」
不意に、上条が口を開いた。先ほどの勢いはどこへやら、囁くような声音だった。
「お前の名前、教えてくれよ」
「……忘れたっつっただろ」
「嘘だろ?」
「………」
一方通行は返事をしなかったが、上条は追及しなかった。
代わりに、子供を宥めるような仕草で、髪を撫でられる。強風で絡んだ髪を解いて
いく指先が触れる度、何か違うものも解かれているような気がした。
上条の肩越しに、月が見えた。
きれいだと思った。
731:1:2011/07/09(土) 20:55:44.81 ID:kjsZhp9A0
PM 11:25 第七学区 学生寮付近 通学路
上条「…………」スタスタ
一方通行「…………」カツカツ
上条「…………」スタスタ
一方通行「……いい加減、手ェ離してくれませんかねェ」カツカツ
上条「イヤだ」ギュッ
一方通行「うぜェ」イラッ
上条「いつまた飛んで逃げるかわかんねぇし、お前」
一方通行「…逃げねェよ」チッ
上条「だから見え透いた嘘やめろって…。お前結構逃げグセあるじゃん」
一方通行「はァ?この俺に逃げグセだと?」
上条「インデックスと俺から逃げただろ。さっきも逃げようとしたし」
一方通行「アレは……」フイ
上条「…まぁ、いいけど。お前って嫌いなヤツからは逃げないだろうし」
一方通行「はァ…?」
上条「お前の中で何か勝手に思いつめて、居たたまれなくなって逃げるんだろ」
一方通行「わかった風なクチ聞いてくれるじゃねェか」
上条「違うの?」
732:1:2011/07/09(土) 20:56:25.23 ID:kjsZhp9A0
一方通行「掠りもしてねェな」
上条「ふぅん…ま、そういうことにしといてもいいけどな」
一方通行「調子乗ってンじゃねェぞこの三下がァ」
上条「お前って結構メンドクサイよなー」
一方通行「殺す」ジャキッ
上条「うぉ!!街中で銃出すなっつぅの!!!」
一方通行「オマエが掴ンでっから能力使えねェだろォが」
上条「あれ!?コレ離しても離さなくても死ぬコース!?」
一方通行「そォだなァ」フン
上条「じゃあ離しません!!!!」ギュー
一方通行「イッ…!離せこのクソボケカス!!」ブンブン
上条「一方通行が銃しまったら離してあげませう」ウン
一方通行「チッ…、覚えてろよ三下…」シマイシマイ
上条「はいはい」パッ
一方通行「………………」ホッ
一方通行(…なァンか、気持ち悪ィんだよなァ。コイツに触られンの)
上条「なぁ一方通行」
一方通行「なンだよ」
上条「その『三下』っての、そろそろやめねぇ?俺には上条当麻って名前があるんですよ?」
一方通行「知ってるけど?」キョトン
上条「」ドキ
上条「じゃなくて!いやいや!何でお前の方が『何言ってんの?』みたいな顔になるんだよ!
名前で呼んでくれって話ですよ!」
一方通行「寝言は寝て言えよォ?」
上条「よりヒドイ!?たまに名前呼んでくれるじゃん!それをデフォにしてくれって!」
一方通行「名前…?勘違いじゃね?」
上条「不思議そうな顔すんな!お前って意外にシラッと嘘つくよねぇええ!?!」
一方通行「チッ、うっせェなァ。どォでもイイだろ呼び方なンか」ガリガリ
上条「どうでもよくありません!」キリッ
一方通行「…………面倒くせェ」ハァ
上条「はいはいメンドくさくていいから。名前で呼んで!ハリーハリー!」
733:1:2011/07/09(土) 20:57:04.93 ID:kjsZhp9A0
一方通行「………当麻さン」ボソッ
上条「」
一方通行「はッ、なンてな。冗談だよ。そンな固まンなくたってイイだろ」フン
上条「」
一方通行「オイ…?そンなに不気味だったかァ?」ノゾキコミ
上条「………………ビビったァああああ……」ハァアアアア…
上条「今俺の中の何かのアレが外れそうになったわ。何か危なかったわぁー」
一方通行「はァ?何がなンだって?」??
上条「………………………」ジッ
上条(ちょっと目ぇ伏せてしおらしくするだけで、こいつ、こいつ……こいつちょっと反則な
んじゃね…?普段こんな目付き悪いクセに、目付き悪いクセに…)
上条(いや…まぁこれはこれで…普段通りで安心するっていうか…)
一方通行「………?」
上条「名前かぁ…名前ねぇ……」グルグル
一方通行「何の話だ」
上条「お前の冗談、全然笑えねぇって話」ハァ
一方通行「オーケェ。死にたいンだな三下ァ」カチッ
上条「ものすごくデジャブー!?」ギュッ
一方通行「! 離せェ!!」ブンブン
上条「無限ループって怖いよなぁ!!」ギュー
ギャーギャー
734:1:2011/07/09(土) 20:57:40.11 ID:kjsZhp9A0
PM11:45 第七学区 学生寮 上条当麻の部屋 玄関前
上条「ハイとうちゃーっく」スタスタ ピタ
一方通行「………」カツカツ ピタ
上条「そんな嫌そうな顔すんなよ。俺と手ぇ繋ぐの、そんなに嫌か?」
一方通行「嫌ですけどォ?」
上条「」ガーン
一方通行「今更ショック受けるンなら最初からすンな。気持ち悪ィだろ、常識的に考えて」
上条「…まぁ確かに、土御門とか青ピとは繋ぎたくないなぁ…」
一方通行「だろ」
上条「でもお前は別だろ?」
一方通行「何でだよ」
上条「別なもんは別なんだよ」
一方通行「俺だって嫌なもンは嫌なンだっつゥの」イラッ
一方通行(俺の手なンか……俺の手は)ジッ
一方通行(コイツが触っていいよォなもンじゃ………)
上条「一方通行。お前の手がお前にどう見えてるか知らねぇけど、俺にはただの白くて
きれいな手にしか見えないぜ」
735:1:2011/07/09(土) 20:58:07.71 ID:kjsZhp9A0
一方通行「眼球腐ってんじゃねェのかオマエ」
上条「そう見える?」ジッ
一方通行「……っ、うるせェなァもォ!」ブンブン
上条「はいはい。続きは部屋入ってから聞くわー」ガチャガチャ
上条「ただいまー」ガチャ
「あーっ!あなたぁああああ!!!!」トテテテ
「あっ!あくせられーたぁああ!!!」タタタタ
ドシーン
一方通行「ぐはッ…」フラリ
上条「おっと」ギュッ
禁書目録「あくせられーた!あくせられーた!!」グイグイ
打ち止め「もう!あなたったら、急にいなくなったら心配するでしょ!?ってミサカはミサカは
渾身の力であなたに抱きついてみたり!!」グイグイ
禁書目録「ほ、ほんとにそうなんだよ!私の話も聞かないであんな顔していなくなっちゃうな
んて、ひ、ひどいんだよ!!」グスッ
打ち止め「どうせあなたのことだから勝手に思いつめて勝手に居たたまれなくなっちゃったん
だろうけど、そ、そういうのもうやめてってミサカはミサカは…」グスッ
一方通行「…オマエら……」
禁書目録「………」ギュー
打ち止め「………」ギュー
一方通行「重てェ。苦しィ」ナデナデ
736:1:2011/07/09(土) 20:59:06.75 ID:kjsZhp9A0
上条「ぷっ、お前ってホントに素直じゃねぇよなぁ」ハハ
禁書目録「大丈夫だよ。私はあくせられーたがどんなに私を一生懸命守ろうとしてくれたか、
ちゃんとわかってる」フフ
打ち止め「ヒーローさんもシスターさんもわかってるぅ!ってミサカはミサカはあなたの理解者
が増えたことがとっても嬉しかったり!」
一方通行「チッ、好き勝手言いやがって…。……オマエ、怪我は?」ボソッ
禁書目録「全然平気だよ!ほら、バンソーコ貼ってもらって、それくらいで大丈夫だって」ニコ
一方通行「……痛くねェのか」ナデナデ
禁書目録「うん。…ありがとう、あくせられーた。あなたがどう思っていても、私はあなたにとて
もとても感謝してるんだよ」ギュ
一方通行「………ふゥン…とンだお人好しだな…」
打ち止め「なーんて憎まれ口を叩きながらちょっと口元の緩むあなたであった!ってミサカは
ミサカは激写!マジ激写!!」
一方通行「くォらこのクソガキィ!なーにこンな夜遅くに出歩いちゃってンですかァ!?」ビシッ
打ち止め「あいたぁ!ヨミカワに送ってもらったんだから大丈夫だよ、ってミサカはミサカは全
力で釈明してみたり!」グイグイ
一方通行「ぐッ…腹に頭押し付けンのやめろ!ただでさえオマエらとコイツに挟まれて苦しい
のによォ…」
打ち止め「きゃはは!あなたのお腹薄っぺらいもんね!ってミサカはミサカは更にぐいぐいし
てみたり!」グイグイ
上条「おーいお前らーそろそろ家の中入ろうぜ?よいしょっ」グイッ
一方通行「うォ!?」
禁書目録「わっ!」
打ち止め「きゃー!ってミサカはミサカはこの人ごとミサカ達を持ち上げるヒーローさんに驚
愕してみる!!」キラキラ
737:1:2011/07/09(土) 20:59:32.77 ID:kjsZhp9A0
禁書目録「とうまは結構力持ちだからね!」フンス
上条「なんでお前が威張るんだよ…。おらインデックス、一方通行の靴脱がせてー」ヒョイ
一方通行「何のつもりだゴルァアアア!!」ジタバタ
禁書目録「はーい」スタッ ポイポイ 「脱がせたんだよー」
上条「うむ、ごくろう」スタ
一方通行「調子乗ンなアホボケカス!」ガツン
上条「いてっ」
一方通行「~~~~~ッ…!!」ジンジン
打ち止め「あなた大丈夫ー?ってミサカはミサカは後頭部で頭突きしたら自分の方が痛かっ
たっぽいあなたを心配してみたり…」
一方通行「…ッせェな、全然何でもねェよ!」
上条「大丈夫かー?一方通行」ナデナデ
一方通行「触ンな、っつってンだよォ!」ウガー
禁書目録「あくせられーた!」タタタ
禁書目録「はい!寒かったでしょ?コーヒー入れてきたんだよ!」ニコ
一方通行「……ン…」スッ
一方通行「………」ズズー
一方通行(………何かいつもと味が違う気ィする)ズズー
禁書目録「私とらすとおーだーは紅茶で、とうまはコーヒーでいいよね?」
上条「ん、ありがとなインデックス」
打ち止め「ありがとうシスターさん!」
一方通行「……ァりが、と…な」ポソリ
禁書目録「え?なぁに?あくせられーた」キョトン
一方通行「……ッンでもねェよ!」フイ
打ち止め「大丈夫、ミサカはちゃーんと聞いてたよ!ってミサカはミサカは微笑んでニコニコ
頷いてみたり!」アノネーシスターサン
上条「大丈夫、俺も聞いてたぞ。と上条さんも頷いてみたり」ズズー
一方通行「オマエらさっきからうっぜェ…」ハァ
738:1:2011/07/09(土) 21:00:12.70 ID:kjsZhp9A0
禁書目録「あ、そうだ!あくせらーた、見てほしいものがあるんだよ!」タタタ
一方通行(…走り方にも違和感ねェな。ホントに怪我は軽いもので済ンでたか)ホッ
禁書目録「ね!これこれ!」ジャジャーン
一方通行「……白のキングとビショップ…?だが、アレは…」
禁書目録「うん…私達のチェスボードと駒は壊れちゃったけど…でも、でもね!この白の
キングとビショップだけ、無傷だったんだよ」
一方通行「…………」
禁書目録「とうまがね…見つけてくれたんだよ」
禁書目録「私とあくせられーたの……」ウルッ
禁書目録「えへへ…ぐすっ、白のキングとビショップって、あくせられーたと私に似てるかも!
あくせられーたがキングで、私がビショップなんだよ」ニコ
一方通行「……………」
打ち止め「じゃあミサカはクイーン!ってミサカはミサカは名乗りを上げてみたり!」ドシーン
一方通行「ぐッ…随分大きく出ましたねェクソガキ」
上条「じゃあ上条さんはナイトー。って上条さんも名乗りを上げてみたり」
一方通行「……オマエなンかポーンがお似合いだろ」チッ
上条「俺にだけ冷たいのヤメテ!」
禁書目録「クス、違うよとうま。確かにポーンは単体では最も弱い駒、価値の低い駒かも。
だけど、チェスの駒の半数はポーンが占めていて、欠かすことのできない駒でも
あるんだよ」
上条「…まぁ、確かにそうかも」
禁書目録「それに、敵陣の最終列に達したポーンは、クイーン、ビショップ、ナイト、ルークの
どれか好きな駒に昇格させる事ができる『プロモーション』っていうルールがあるの」
上条「へぇ。将棋の『成り』みたいなもんか」
739:1:2011/07/09(土) 21:01:03.00 ID:kjsZhp9A0
禁書目録「そうだね。でも、チェスの駒の中でプロモーションが出来るのはポーンだけ」
上条「そうなんだ?」
禁書目録「うん。ポーンはチェスを指すならば一番と言ってもいくらい重要な駒。チェスの名手と
しても、チェスの名著を残したことでも有名なフランソワ=アンドレ・ダニカン・フィリ
ドールも『ポーンこそがチェスの魂である』という格言を残してるんだよ」
上条「……つまり」チラッ
一方通行「………」
禁書目録「それくらいとうまがあくせられーたにとって重要ってことかも!」フンス
一方通行「オイオイ黙って聞いてれば好き勝手言いやがってよォ…」
禁書目録「The analysis of the Philidor」
一方通行「……」ピク
禁書目録「こないだ言ってたよね~?古典だけど読み物としても面白かったって。さっきの格言
だってこの本に載ってるんだよ。忘れたとは言わせないんだよ?」ニヒヒ
上条「一方通行……」ジーン
一方通行「勘違いすンじゃねェよ三下がァ。オマエもペラペラペラペラ、随分元気そォですねェ?」ビシッ
禁書目録「あいたっ!?」
打ち止め「大丈夫?シスターさん。この人のチョップ痛いのよね…ってミサカはミサカは身震い
してみたり」ブルブルギュー
一方通行「オマエもいい加減動き辛ェンだよ」ビシッ
打ち止め「いたぁい!ってミサカはミサカは涙目で見上げてみる…」ウルッ
上条「大丈夫か、打ち止め。まったく進歩のない照れ隠しだな」ナデナデ
一方通行「ウチの打ち止めに触ンじゃねェよォおおお!」ドゴッ
上条「ぐっほォ!?」
740:1:2011/07/09(土) 21:01:41.19 ID:kjsZhp9A0
打ち止め「ウチの打ち止め……。ジーン…ってミサカはミサカは特別な響きに浸ってみたり…」
一方通行「……うっせェなァホント…」ハァ
禁書目録「ねぇねぇあくせられーた。ボードは無いけど、一局指してかない?」ニッコリ
一方通行「…いいぜェ」ニヤ
禁書目録「えと…で、でね?いつもは私が白を譲ってるけど、あくせられーたもずいぶん強くなった
んだし、今日は私に先攻を譲って欲しいかも…」モジモジ ギュッ
一方通行「嫌だ」ヒョイ
禁書目録「即答!?おとなげないかも!ってキングとビショップ返してー返してー」ピョンピョン
一方通行「オマエこそ初心者相手に白とか恥ずかしくないンですかァ?」タカイタカイ
禁書目録「むー!この私相手に三回に一回勝てる人が初心者とか、片腹痛いんだよ!」ピョンピョン
一方通行「だいたいボードも駒もないンだから、コレだって必要ねェだろ。白とか黒とか関係ねェ」
禁書目録「じゃ、じゃあ私が黒でそれ持ってても構わないでしょ!?」ピョンピョン
一方通行「それはそれェ。これはこれェ」
禁書目録「どれなんだよ!?もうっ、あくせられーたって意外と意地悪かも!!」ピョンピョン
一方通行「今頃気付いたのかオマエ?」ククク
セメテビショップダケ-!!
イヤデスゥー
モー!!アクセラレータ!!
上条「平和だなぁ……」ゴロゴロ
打ち止め「えへへ…あんなにハシャいでるあの人はなかなか見られないんだよ、ってミサカはミサ
カは嬉しくなりながらコタツで寛いでみたり…」コロコロ
上条「やっぱあれハシャいでんのかー」ゴロゴロ
打ち止め「そうだよー?あ、そういえばあの人に殴られちゃったお腹は大丈夫?ってミサカはミサ
カはヒーローさんを心配してみる」コロリ
上条「ん?ああ全然。手加減してくれたんだろ」ニコ
打ち止め「そっかぁ……えへへへ」ニコ
741:1:2011/07/09(土) 21:03:15.82 ID:kjsZhp9A0
時計の針は深夜を過ぎ、辺りはシンと静まり返っていた。
吐く息は白く、二人分のもやが薄っすらと漂って消えていく。
「…寒くねェか」
カツ、カツ、と澄んだ杖の音。
「大丈夫!あなたの手があったかいもの、ってミサカはミサカは繋いだ手を握り締めてみる」
打ち止めは、手袋越しに一方通行の手を握り締めた。本当は手袋なんて外して、直接この人
の冷たい温かい手を握りたいのだけれど。
上条が散々送って行くと主張したが、一方通行は必要ないと言い張り、最終的には何かあれ
ば能力で飛んで帰ると約束して、ようやく二人で玄関を出ることを許された。
「それにしてもヒーローさん、すごい不満そうだったね?ってミサカはミサカは思い出し笑い」
「ったくアイツは俺のこと何だと思ってやがンだよ…」
はぁ、と一方通行は溜息をつく。呆れたような声音と裏腹に、眉間の皺は普段より浅い。
「あなたが強いのは知ってても、ただ心配なんだよ。ってミサカはミサカは教えてあげてみる」
「心配、ねェ……」
白い横顔が夜空を見上げる。
742:1:2011/07/09(土) 21:03:42.97 ID:kjsZhp9A0
繊細な輪郭を、白い月が照らしていた。白い髪が微かに光るようで、打ち止めは少しぼんやり
してしまう。
「どォした、ボーッとして」
気が付けば、赤い目が不思議そうに見下ろしている。打ち止めは我に返って、満面の笑みを
浮かべた。
「あなたに見惚れてたの!ってミサカはミサカは恥ずかしげもなく明かしてみる」
「はァ?」
「前から言ってるでしょ?ミサカのヒーローは誰より美人さんだもん!」
「アホなこと言ってンじゃねェよ」
「アホじゃない!ってミサカはミサカは心外な評価に憤慨してみたり!きれいなものをきれい
って思うのは、人間なら当たり前でしょ?」
「…………」
言ってから、打ち止めは、あ、と気が付いた。
(しまった!失言しちゃったぁああ!ってミサカはミサカは今更口を塞ぐわけにも行かなくて
冷や汗を流してみたり!!)
自分は、一方通行が、普通の人なら見て感動するものを見ても心を動かすことをしない…
いや、出来ない性質だと知っている。
そして、この人がそれをどこかで自嘲していることも。
単に、機会がなかっただけ。例えば、生まれたばかりの赤ん坊に夜景など見せても反応しな
いのと同じ。
幼い頃から実験ばかりで、芽吹くはずの情緒がまだ育っていないだけだと打ち止めは思って
いるけれど、この人はどうせ、『自分が人間じゃないから』とかなんとかお得意の自虐癖を発
揮しているだろう。
(うううここで変なフォロー入れたら、ミサカが気付いてることに気付かれちゃうだろうし…!
ってミサカはミサカは結構鋭いこの人が油断ならないことを懸念する…)
「なァに冷や汗かいてンだクソガキが」
チラリと様子を伺うのと同時、脳天に軽い痛みが炸裂する。
「あいたぁ!?ってミサカはミサカは……」
743:1:2011/07/09(土) 21:04:10.52 ID:kjsZhp9A0
「オマエなァ。言っとくけどオマエも隠し事下手な部類だからなァ?」
「ななな何のこと!?ってミサカはミサカは動揺を押し隠しながら尋ねてみたり!」
「だァから隠せてねェから……」
一方通行は再び長い溜息を吐き出して、打ち止めの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「ガキが余計な気ィ使ってンじゃねェよ」
「………」
華奢で大きな手。大好きな手が、乱暴に撫で続ける。
打ち止めが大人しく撫でられたままでいれば、一方通行がまた空を見上げた。
「月が出てる」
「…うん、そうだね。ってミサカもミサカも見上げてみたり」
学園都市の夜は明るい。青白い光が照らす夜空は、真の闇とは言い難い。けれど、濃紺の
空に浮かぶ月は、やはり澄んで美しい。
(きれいだなー、ってミサカはミサカは見惚れてみたり)
「……きれいだな」
ぼそりと、小さな囁きが落ちた。
「!!!!!」
打ち止めは弾かれたように顔を上げ、一方通行の横顔を凝視した。赤い目は、白い月を真
っ直ぐに見上げている。
きれいだと思っているのだろうか。自分と同じように、自分が一方通行を見上げた時と同じ
ように、胸の奥から溢れる、澄んだキラキラで満たされているのだろうか。
何かをきれいだと思える幸いを、この人も手に入れたのだろうか。
「一方通行……」
「何て顔してンだ、オマエ」
744:1:2011/07/09(土) 21:04:46.75 ID:kjsZhp9A0
赤い目が細められ、眉が顰められる。
「…抱っこ……」
「はいィ?」
「抱っこぉ!ってミサカはミサカは両手を上げて待ちわびてみるぅう!!!」
「…ったくしょォがねェなァ……このガキは」
一方通行は杖を器用に使って屈み、望みどおりに打ち止めを抱き上げてくれる。
細い首にしがみ付いて、柔らかな髪に顔を埋める。花のような淡い香りを、胸いっぱいに
吸い込んだ。
温かい。いい匂い。この温もりも感触も何もかも、打ち止めにとっての幸せと同じ意味だ。
「飛んで帰ろ?ってミサカはミサカはおねだりしてみる!」
「とンだワガママさンですねェ?」
呆れた声が耳元で揶揄をするが、軽い機械音と共に杖が縮む。
「打ち止め、電極」
「はーい!ってミサカはミサカは両手が塞がったあなたの代わりに電極のスイッチオン!」
目の前にあるスイッチを能力使用モードに切り替えれば、ふわりと風が吹いて、ゆるやか
に浮き上がる。
745:1:2011/07/09(土) 21:06:20.98 ID:kjsZhp9A0
あっと言う間に家々がミニチュアのような大きさになり、光の粒にしか見えなくなった。
二人だけの月夜の散歩。今は自分だけの一方通行。
(この人に、月をきれいだって思わせてくれたのは、やっぱりヒーローさんかなぁ)
真っ直ぐな目をした、力強い笑顔を手元に返す。
怪我をしていたインデックス。急に連絡が取れなくなった一方通行。そして、この白い手を
握って連れてきてくれた上条当麻。あの会話。何があったかは、想像に難くない。
自分には与えることの出来なかったものをこの人に渡してくれて、ありがとう。そんな感謝
と、少しの悔しさに、打ち止めはしがみ付く腕にますます力を込めた。
「なンだ、今日はどォした?」
肩口に額をぐりぐり擦り付けると、擽ったそうな声音が耳元に返る。いつもなら鬱陶しいと
怒られるのに、こんな風に許してくれるのは、自分のちょっと狭量な気持ちがバレている
からだろうか。
「仕方ないじゃん、ミサカ子供だもん…ってミサカはミサカはもっとギュッってしてってワガ
ママ全開なの!!」
「ホントーにオマエらは都合のイイ時ばっかそれだな」
文句を言いながら、細い腕が強く抱き締めてくれる。華奢すぎるほどの身体付きの一方
通行だが、こんな風にくっつけばしなやかで柔らかだ。
この感触をあの人にも知られる時が来るのだろうか。
746:1:2011/07/09(土) 21:08:48.06 ID:kjsZhp9A0
「基本的にめっちゃ応援してるけど、でもちょっとだけ邪魔しちゃおうかな~って、ミサカ
はミサカは小悪魔な気持ちが湧き上がってきたり!」
「はァ…?」
「なんでもないの!ってミサカはミサカは慌てて誤魔化してみたり!」
「あァそォかい」
耳元に強い風の音。頭上には星空と白い月。眼下には青白い光の海。
「きれいだねー。ってミサカはミサカは同意を求めてみる」
「ああ……そうだな」
小さな囁きが返る。今まで決して得られなかったものが。
(ありがとう、ヒーローさん)
打ち止めの視界に広がる光の粒が、少しだけ滲んだ。
763:1:2011/07/16(土) 11:54:52.82 ID:dNok6O3w0
AM 1:45 黄泉川家 リビング前廊下
コレデドォダ クソガキ
ンー ダイジョーブ ッテミサカハミサカハ
番外個体(……ん?よーーやく帰って来たんだ、第一位と最終信号…)
番外個体(今から帰るって連絡あったと思ったら黄泉川と芳川はさっさと寝ちゃうし、まったく
甘いって言うかさー)
番外個体(もっと色々言うべきでしょ?勝手に出てくなとか、家族以外を家に入れるなとか、
最近ちょっと外出多いんじゃね?とか)イラァ
番外個体「……ちょっとくらい、イジメとかないと気が済まないにゃーん?」ビキビキ
バターン
番外個体「やっほう第一位!!おっそいお帰りですねぇ、え、ええええええ?」
打ち止め「あ、番外個体!待っててくれたのー?ってミサカはミサカはこの人に抱っこされた
まま元気にたっだいまー!」ヤッホー
一方通行「なンだオマエ、まだ起きてたのか。さっさと寝ろよ」
番外個体「な、なんであなたはそこのおチビを抱っこしてコーヒー飲ませてるわけ?」
打ち止め「ミサカは練習台なんだよ。このコーヒー、粉に直接お湯入れてあってねー、粉が
口の中に入って来ないようにこの人が能力で調整してくれてるの、ってミサカはミ
サカは懇切丁寧に説明してみたり!」
番外個体「いや、意味わかんないし!!」???
打ち止め「うう、やっぱにがぁい!!ってミサカはミサカはお砂糖とミルクを要求してみる」
一方通行「しょーがねェなァ。ちっと待ってろ」スッ スタスタスタ パタン
番外個体「無視して台所行くなゴルァアアアア!!!」
764:1:2011/07/16(土) 11:56:04.79 ID:dNok6O3w0
打ち止め「まぁまぁ。きっとあなたの分もお砂糖とミルクたっぷりのカフェオレ入れてきてくれ
るから、ミサカと待ってよう?ってミサカはミサカはお姉さん風を吹かせてみたり」
番外個体「チッ…!覚えてろよな第一位!」ストン
打ち止め「ごめんね、心配してた?ってミサカはミサカは末っ子を覗き込んでみる」
番外個体「はぁ?誰が?」
打ち止め「番外個体が!ってミサカはミサカは顔に出てるよーって教えてあげてみるー!」
番外個体「何言ってんのかなこの幼女はぁ…。言っとくけどミサカは」
打ち止め「あの人のカフェオレ楽しみだな~♪」フンフン
番外個体「人の話聞きなよ!」キー!!
打ち止め「ねぇねぇ、今日は月がきれいだね?ってミサカはミサカは窓の外を指差してみたり」
番外個体「は、はぁ?月ぃ?…別に普通じゃないの?」
打ち止め「あの人が月を『きれい』って言ったから、今日はミサカ記念日!ってミサカはミサカ
はそう決めた!」
番外個体「さっきから話見えないんだけどぉ!!っていうかミサカ全体の話にしないでくれない
かな!?記念日って意味わかんない!」
打ち止め「あの人が、今日初めて月を見てきれいって言ったの。ってミサカはミサカは衝撃の
大ニュースを教えてあげてみる!」
番外個体「はい…?そんだけ?」
打ち止め「そうだよ?すごいでしょ!!」フンス
番外個体「……何がぁ??」ポカン
打ち止め「あなたは月を見て、きれいって思う?ってミサカはミサカは確認してみる」
番外個体「えぇー……?どうでもいいじゃんそんなの」
打ち止め「いいから教えてよぉ、ってミサカはミサカは駄々を捏ねてみたり!!」ネェネェ
番外個体「うざいなぁこのおチビはぁ」チッ
765:1:2011/07/16(土) 11:56:30.69 ID:dNok6O3w0
打ち止め「…………」ウルウル
番外個体「はぁ……まぁ、きれいなんじゃないの?」
打ち止め「…そっか!そうだよね!ミサカもそう思う!ってミサカはミサカは満面の笑顔で頷
いてみる!」
番外個体「あなた何でさっきからそんなにテンション高いの?ウザいんだけど」
打ち止め「うーん…そうだなぁ。一言で言うなら、あの人の側で笑ってくれる人が増えて嬉しい
な!ってとこかな?ってミサカはミサカは頑張ってまとめてみたり」
番外個体「………………」イラッ
打ち止め「どうしたの?しかめっ面ー」プニ
番外個体「だー!突っつくな!…最終信号はさぁ、何であの人の側に人が増えて嬉しいって
思うの?」
打ち止め「……?大事な人に大事な人が出来たら、嬉しいのは当たり前じゃないかな?って
ミサカはミサカは首を傾げてみる」
番外個体「あ、当たり前ぇ…?こないだも言ったけどさ、あの人はミサカ達のでしょ?あなた
だってあの時泣き出しちゃったじゃん!」
打ち止め「えへへ…ってミサカはミサカは思い出し照れしてみたり。確かにちょっと寂しいし、
ミサカに出来ないことをあの人にしてあげるヒーローさんがちょっと妬ましいけど」
番外個体「げっ、上条当麻があの人に何したってェえええ!??」ガタガタッ
打ち止め「落ち着け妹よ。具体的にはまだ特に何もしてないよ、ってミサカはミサカは捕捉説
明してみたり」
打ち止め(うーん…多分、してない、かな?ってミサカはミサカはちょっと疑問符!)
番外個体「まだって何さ!まだって!!」
打ち止め「気になるんだったら、今度一緒に来る?ってミサカはミサカはお誘いしてみる」
766:1:2011/07/16(土) 11:57:03.04 ID:dNok6O3w0
番外個体「………イヤだね」プイ
打ち止め「素直じゃないなー。まぁ気が向いたら一緒に行こ?ってミサカはミサカは言っておく」
番外個体「…………」
打ち止め「ミサカは…あの人に、世界はあの人が思ってるよりも優しいって、知ってほしいの」
番外個体「はッ、何言ってるの?世界なんて悪意に満ちてる。このミサカがその証拠だよ」
打ち止め「始まりが悪意であっても、今あなたはここでミサカとあの人のカフェオレを待ってる。
ってミサカはミサカは始まりなんて関係なことを断言してみる」
番外個体「………そんなの、だって」
打ち止め「そうだね。あの人がすっごく頑張ってくれたから。ってミサカはミサカは頷いてみたり」
番外個体「……」
打ち止め「あの人はとても臆病。人に自分の心の奥を見せるのがとても怖がっている。でも、気
持ちを渡したら、人は返してくれるものだって、もっと知ってほしいの」
番外個体「そうとは限らないんじゃないの?最終信号の言ってるの、キレイゴトでしょ」フン
打ち止め「ミサカがそのキレイゴトを信じられるのは、あの人のおかげだから。ってミサカはミサ
カはあの人との出会いを思い出してみる」
番外個体「ああ、あの路上で全裸にされたヤツ?」ケラケラ
打ち止め「もう、それは言わないで!ってミサカはミサカは赤くなってみたり!」プンスカ
767:1:2011/07/16(土) 11:57:53.12 ID:dNok6O3w0
打ち止め「…あの人は、その日会ったばかりのミサカを家に泊めてくれた。いただきますをさせ
てくれた。ただのクローンでしかないミサカの命を、自分の命を掛けて助けてくれた」
番外個体「…………」
打ち止め「あの人に見えている世界は、多分あなたに近いのかもしれない、ってミサカはミサカ
は予想してみる」
打ち止め「悪意の中で生き続けていたあの人が、ミサカを助けてくれた。自分が貰ったこともない
ものを、ミサカに渡してくれた」
打ち止め「どれだけ苦悩しただろう?どれだけ勇気を振り絞っただろう?ミサカはミサカは、それ
を考えると、涙が出そうになる」
打ち止め「人は優しい。人は温かい。世界は優しい。何か辛いことがあっても、きっと皆が笑顔
になれる。そんな風にミサカが人を信じられるのは、あの人がいたから」
打ち止め「あの人がミサカに渡してくれたものを、ミサカも渡してあげたいの。優しい世界の姿を」
打ち止め「……ってミサカはミサカは決意表明!」ニコッ
番外個体「…………。世間知らずの子供の寝言だね」
打ち止め「そう言われると反論できないなぁ、ってミサカはミサカはシュンとしてみるんだけど…」
番外個体「何ヘコんでんの」ビシッ
打ち止め「あいたぁ!?ってミサカはミサカはまさかの妹チョップに驚いてみたり!」
番外個体「あんな凶暴で捻くれた人殺しの極悪人にそんな夢見がちなこと言えるの、あなたくらい
のものでしょ」
打ち止め「む!!あの人は凶暴でも捻くれても極悪人でもないもん!!ってミサカはサカは前言
撤回を要求してみる!」
番外個体「人殺しってとこは否定しないんだね」
打ち止め「それは事実だからね、ってミサカはミサカは神妙に頷いてみたり。あの人がミサカ達を
10031回殺したことは事実。ミサカ達は決して忘れない」
768:1:2011/07/16(土) 11:59:01.58 ID:dNok6O3w0
打ち止め「……あの人のためにも。ってミサカはミサカはミサカ達の死に様を噛み締めてみる」
番外個体「あの人のため…?」
打ち止め「ミサカ達があの人の罪を忘れてしまったら、あの人はきっと命を投げ出してしまう気が
するの。ミサカの安全だけ確保して、いなくなってしまう気がするの…」
打ち止め「だから…。ってミサカはミサカは…ミサカは嫌な子かな?自分勝手な子かなぁ…」グス
番外個体「…そんなに難しいこと聞かないでよ、お姉チャン」
打ち止め「!!!!ねぇねぇ、今のもう一回言って!?ってミサカはミサカは今泣いた鴉が笑って
みたり!」
番外個体「えっ、何この子変わり身早い」ヒキギミ
一方通行「お話終わりましたかねェ」ゴスゴス
打ち止め「いたぁ!?」
番外個体「いだ!なんでミサカまでぇ!!」
769:1:2011/07/16(土) 11:59:31.63 ID:dNok6O3w0
打ち止め「あ、あれ!?もしかして聞いてたの!?ってミサカはミサカはちょっと照れてみたり」
一方通行「何にも聞いてませェン」ズズー「甘……」ウゲ
番外個体「あひゃひゃ!第一位ったら気まずくって誤魔化そうとしてるのかにゃ~?このタマなし
野郎…ってタマ無かったねそういや」ヒャヒャヒャ
一方通行「下品」ビシッ
番外個体「いだぁ!!」
一方通行「おらよ、オマエの分」スッ
番外個体「えっ…ほ、ホントに持ってきてくれたんだ…。ふ、ふーん。まぁ飲んであげるけど」コク
番外個体(…甘い)ニヘ
打ち止め「ねぇねぇ、早くミサカもー!ってミサカはミサカは催促してみたり!」
一方通行「はいはい」ストン
打ち止め「わーい!ってミサカはミサカはあなたの膝によじ登ってみる。後ろ向きのがいい?」
一方通行「ン」
打ち止め「じゃー後ろから抱っこして飲ませてくれる?ってミサカはミサカは要求してみる」
一方通行「わァったよ」
番外個体「」
打ち止め「んー…」コク
一方通行「カップの傾け方、こンくらいかァ?」
打ち止め「うん!あまい!おいひい!ってミサカはミサカはご満悦!」
番外個体「ななな何してんのかなぁ!?赤ちゃんじゃないんだからさぁ!!」
770:1:2011/07/16(土) 12:00:08.05 ID:dNok6O3w0
打ち止め「え?さっき言ったでしょ、このコーヒー、粉が入ってるからこうしないと飲めないん
だよ、ってミサカはミサカは繰り返し説明してみたり」
番外個体「いや!そういうことじゃなくて、フィルターかコーヒーメーカー使えばいいのに、何で
わざわざ抱っ…そこまでしてその方法で飲む必要があんの!?」
一方通行「バカオマエ、これうまいンだぜ?」
打ち止め「それでね、だからミサカ達にも勧めてくれたんだよ、ってミサカはミサカはこの人の
気持ちが嬉しくてたまらない!」キャッホー
番外個体「ミサカ…達?このミサカ、そんなん言われてませんけど!」
一方通行「あー、あとインデックスと…三下」
番外個体「三下?誰?」
一方通行「三下は三下だろ」
番外個体「あなた『俺以外全員三下』みたいなかんじじゃない。わかるわけないっての」
一方通行「……上条」
番外個体「」ガタガタッ
番外個体「なん、なななな」
一方通行「?どォした」
番外個体「(ハッ)………っっていうか、それならこのミサカの方が練習に適してるんじゃないの
かな!?体格的な意味で!このミサカはもちろん嫌だけど!!」
一方通行「別に無理強いするつもりはありませンけどォ?」
打ち止め「あらあらウフフ。ねぇあなた、番外個体もこれ飲ませてあげたらいいと思う!ってミ
サカはミサカは妹に助け舟を出してみたり!」
一方通行「あァ?」
チョッ!!ベツニミサカハ
マァ カマワネェガ
エ!!マジデ!!!
771:1:2011/07/16(土) 12:01:58.66 ID:dNok6O3w0
深夜二時半を回った。シンと冷えた冬の夜は、朝にはまだ遠い。
「…オマエら、そろそろ寝れば?」
一方通行は、ソファの両隣に座ってウツラウツラしている二人を交互に見やる。
「えー!?ってミサカはみしゃかは…不満を露にしてみるぅ…」
「ミサカ別に…眠くないもん……」
欠伸を必死に噛み殺す打ち止めと、目がほとんど閉じかけている番外個体。
「…………」
ミエミエのやせ我慢に、浅く溜息を付く。
(ったく情けねェなァ、この俺としたことが。ガキどもに気ィ使わせるとは)
呆れたように、それでも自分の服の袖を握った小さな手を華奢な手を引き剥がせず、ただ窓
の外を眺めた。
月は中天を過ぎている。
(今日は……寝ても多分、起きる)
確信があった。
(あの夢を見る)
自分でも、アレをどういうタイミングで見るのか、当然わかっている。
(アレを見ることが、怖いわけじゃない。アレは、俺という人間の確認作業)
人形だと、壊すのが楽しいと、思っていた。引き千切り、血液を逆流させ、壊し、抉り、殺した
自分という人間の軌跡。
打ち止めの言っていた『サイン』とやらを自分が本当に発していたのか、自分にはわからない。
ただ、殺した事実は違いなく、そして、…後悔していることも、紛れも無い真実だった。
だからあの夢は、浮かれそうになる自分を戒めるために必要なもの。
(……だと、思ってたンだがな)
『俺から逃げるな、一方通行!!』
何度も手元に返してしまう、真っ直ぐな目。夜の色をしているのに、どうしてか太陽を思い起こ
させる眼差し。
(……何でだろォな…。今日は、アレを見たら、アイツに……なんだ…?)
説明の付けられない、漠然とした浮き上がるような沈むような不可解なモヤがある。
(…悪い、というか…違うな、…………)
ただ、アレを見るのは今はダメだ、という結論だけが頭に渦巻く。キンと硬い想いが。
忘れることなど出来るわけはなく、忘れたいとも思わないが、今だけは。
772:1:2011/07/16(土) 12:02:30.15 ID:dNok6O3w0
(あ~~~~…気持ち悪ィ…)
一方通行はガリガリと頭を掻き毟った。不可解なものが自分の中にある、何かが。
(それに…)
チラリと目をやれば、段々とこちらに寄りかかってくる、温かな体温。
「だいじょおぶぅ…。今日はいっしょにずっと起きてるってぇ、ミサカはぁ…」
「うひひ…寝かせないぞーっていう嫌がらせ…」
「半分どころかほとンど寝てンじゃねェか……」
再度溜息を吐きながら。アレを見たくないなら、眠らなければいい、という己の結論が見抜か
れていることに気まずくなる。
「クソガキども………」
一方通行はポツリと毒づいて、両側の茶色い頭を軽く叩いた。
AM 8:40 黄泉川家 リビング
黄泉川「ふぁ…おっはよーじゃん…ってアレぇ?一方通行達、もう起きて…」ヒョイ
打ち止め「…んー…あくせられー…」スカースカー
番外個体「……むにゃ…」スゥスゥ
一方通行「………」スースー
黄泉川「」カワイスギルジャン
黄泉川「桔梗ォおおお!!カメラ!!早くカメラもって来るじゃぁああん!!」ダダダダ
黄泉川家は今日も平和です。
773:1:2011/07/16(土) 12:04:08.45 ID:dNok6O3w0
PM 3:12 第七学区 ファミリーレストラン
土御門「揃ったな。では俺から報告するが、いいな?」
海原「異議なしです」
一方通行「さっさとしろ」
結標「よろしく」
774:1:2011/07/16(土) 12:04:56.15 ID:dNok6O3w0
土御門「先日一方通行が接触した外部からの侵入者だが、同日他に五名が侵入に失敗
していることが判明した。全員が魔術師だ。目的は一様に禁書目録」
結標「魔術師ねぇ…前から海原には聞いてたけど、イマイチピンと来ないわ」
土御門「深く考えるな。発火能力者の炎も魔術師の炎も大差はない」
海原「まぁ、同じ言葉を英語で言うか日本語で言うかの違い程度ですよ。意味は同じです」
一方通行「ンなこたァどォでもいい。続きを報告しろ」
土御門「一方通行が倒した魔術師も入れた六人の素性は不明。ケルト系、ローマ系、ロシ
ア系等、魔術の系統がバラバラでな。通常、魔術結社は同系統の魔術師が集ま
るものだから、全員が同じ結社の所属ということは考え難いが…」
一方通行「偶然同じ日に同じ目的で侵入しよォとした、とでも言うつもりか?」
土御門「そう怖い顔をするな、わかっているさ。引き続き調査中だ。俺の報告は以上」
一方通行「何も掴ンでねェも同然だな」
海原「そう言われると自分も報告し辛いのですが…。やはり、組織は現状ほぼ瓦解してい
る状態ですので、あまり目立った情報は掴めませんでした」
土御門「中南米は広いし、十字教の影響も欧米に比べれば薄いからな。牛耳る者がいな
ければ情報も掴みにくいか」
海原「ええ。ただ、元々組織に属していた魔術師や能力者で、行方知れずの者が多いと
の話があります。どこかにヘッドハンティングされたのかもしれません」
結標「あー、似た話なら私も聞いたわ。私が関わってた組織の中でも、急に羽振りが良く
なって連絡が取れなくなった人がいるって」
土御門「新たな組織…?そういう話は聞いていないが…留意しておこう」
一方通行「じゃあ残りは俺だな。俺は昔関わっていた研究所の連中に当たってみた」
土御門「あ、あれ!?ホントにやったの!?予想外だにゃー。いい子だな一方通行」
一方通行「殺すぞクソメガネ。…ヤツらが言うには、学園都市の兵器開発が新たな局面
に入っているそうだ」
775:1:2011/07/16(土) 12:05:27.39 ID:dNok6O3w0
土御門「『ファイブオーバー』か…」
一方通行「それもその一つ。超能力を基にした工学技術の実用化だとよ。試行実験も終
えて、量産体勢にもだいたいの目処が立っているようだな」
結標「へぇ…あれだけ人を研究材料にして、兵器?馬鹿にしたものね」フン
土御門「元々、能力研究は工業利用への転用目的も兼ねているからな」
海原「しかし、よく素直に教えてくれましたねぇ」
一方通行「ま、アイツらはこの世で最も俺の力を理解している人種だからな。ちょっと『相
談』すれば洗いざらい教えてくれたぜ」
土御門「『相談』ね…。あまりえげつないことはやってくれるなよ。後始末は俺に回ってくる
んだ」
一方通行「黙れ役立たず。オマエはあンだけ偉そォに言っといて一番収穫ないじゃねェか
よ。タマついてンのかクソボケ」チッ
土御門「お前は本当に口が悪いな…」ハァ
結標「本当ね」
結標(女の子なのに。女子高生なのに)
結標「ブフッ」
土御門「と、突然どうしたのかにゃー?」
海原「何かおかしかったですか?」
一方通行「きめェ」
結標「い、いえちょっとこっちのことで…。報告もひと段落したし、休憩にしない?」
土御門「まぁ構わないが…」
海原「自分もです」
結標「うん。ねぇ、一方通行」
一方通行「ンだよ」
776:1:2011/07/16(土) 12:05:58.63 ID:dNok6O3w0
結標「一緒にトイレ行きましょ?」キリッ
土御門「」
海原「」
一方通行「はァ?何言ってンだオマエ」
結標「いいからいいから。ちょっと付き合いなさいよ」ガッ ズルズル
一方通行「オイ、引っ張ンな。…わァかったっつゥの、おい結標!」ズルズル
土御門「む、結標…………?」ブルブル
海原(ショチトル、大変です。結標さんがショタコンなだけじゃなく痴女でした…!)ブルブル
777:1:2011/07/16(土) 12:06:38.05 ID:dNok6O3w0
PM 3:35 ファミリーレストラン トイレ前
一方通行「一体何のつもりだ、結標」
結標「いいからいいから。あなたが女だってわかった以上、トイレくらい一緒に行かなくちゃ」
一方通行「あ?……どォしてわかった」
結標「こないだ私、あなたの胸触っちゃったじゃないの。そりゃ気付くわよ。悪かったわね、
その節は」
一方通行「……よくわかったなァ?俺の胸なンかあるよォなないよォなもンなのによ」
結標「わかるに決まってるでしょ!確かに小さかったけど、感触が男とは全然違うもの」
一方通行「…………」
結標「何その不満そうな顔」??
一方通行「俺の胸触って、気付かなかったヤツがいるンだが……」
結標「(プッ)え、ホント?それはよっぽど鈍感か、よっぽどあなたに興味ないかどちらかね」
一方通行「……ふゥン…」
結標(えっ…?これ、アレ?もしかしてヘコんでる?どこぞの誰かが自分に興味ないって思
ってこんな顔してるの?あの一方通行が?)
結標「………」マジマジ
一方通行「なンだ」ギロリ
結標「…それ、アレかしら?触られたの、あなたの好きな人ってヤツかしら?」キラキラ
一方通行「はァ?」
778:1:2011/07/16(土) 12:07:25.69 ID:dNok6O3w0
結標「ねぇちょっと!相談乗るわよ!!私、相談に乗るわよ!!!」キラキラ
一方通行「はいィ?」
結標「応援するから!相談に乗るから!早く話しなさいよ!!」キラキラキラ
結標(一方通行の恋バナ聞きてェえええええ!!!!!!!!!)ワクテカ!!
一方通行「何の話だよ…。てかオマエ何だそのテンション…」ドンビキ
結標「え?女子だったら恋バナに興味津々なのは当然でしょ?女の子は恋バナと甘いモノ
には目がないものよ!」フンス
一方通行「こいばな?」キョトン
結標「え、知らないの…?」
一方通行「どの分野の専門用語だ?俺は基本化学と物理と生物学くらいしか把握してねェ」
結標「えぇー……」ポカン
結標(…そっか。でも、考えてみたら当たり前か)
結標(学園都市第一位の話は昔から有名だった。昔から…つまり、一方通行はもっとずっと
小さい頃から実験漬けの生活しかしてなかったんだ)
結標(年頃の女の子みたいに、友達と恋バナなんて……)
結標(あるわけ、なかったのね)
結標「…恋バナっていうのはね、恋の話のこと。女の子同士で、好きな人について相談したり
時には愚痴ったり、ノロケたり悲しんだりするの」
一方通行「何が楽しいンだそれは」
結標「楽しいわよ?自分の好きな人のこと、誰かに聞いてもらうの」
一方通行「意味わかンね。つゥかオマエさっきっから何だその薄ッ気味悪いツラは」
結標「ひどくない!?慈愛の微笑みでしょ!?!?」ガビーン
一方通行「慈愛ィ?ハッ、その露出狂グセ改めてから出直しやがれこのイカレ女」
779:1:2011/07/16(土) 12:08:05.83 ID:dNok6O3w0
結標「あなたに服装のことは言われたくないわよ!!…っていうかそういえばあなた、その格
好で女子トイレ入って大丈夫なの?」
一方通行「あァ…誰か居合わせても、ちょっと二度見されるだけでスルーされるわ」
結標「あ、あ~~~~…確かにね、うん、一見男にしか見えない女の人、いるものね…。変に
騒ぎにして実際男じゃなかったら、すっごい罪悪感だし……」
一方通行「そォいうワケだ。ったくどいつもこいつも善人だよ」ハッ
結標「そんな決め顔で言われても困るわ」ハァ…
一方通行「まァ女子便が混ンでたら男子便行くこともあるけどな」
結標「うォおおおおい!?!?!?」ガタガタッ
一方通行「そンな驚くことかァ?つゥかオマエやったことないの?」
結標「あるわけあるかァああああ!!!!!ちょっとあなたどうかと思うわよ!どうかと思う
わよ私は!!!!色んなモン見ちゃうじゃないのよ!!!」
一方通行「別に他人の粗チン見ても何とも思わねェけど?」
結標「思えよ!!そこは思えよ女子高生として!!!!あと粗…ムグムグ、そういう言葉遣い
も感心しないわよ!!」
一方通行「黄泉川かオマエは。鬱陶しィ」スタスタ
結標「ヨミカワって誰…、ってちょっと、待ちなさいよ!」タタタ
パタン
780:1:2011/07/16(土) 12:10:36.25 ID:dNok6O3w0
PM 3:50 ファミリーレストラン トイレ横 パウダールーム
一方通行「まだかよ………」イライラ
結標「もうちょっとー。先行っちゃダメよ?まぁ行こうとしたら能力でここに戻すけど」パタパタ
一方通行「何でダメなンだ」イライラ
結標「普通待ってるものなのよ、こういう時は。ここ、パウダールームがトイレと別になって
るの、いいわねー。気に入ったわ」ヌリヌリ
一方通行「普通ねェ…わっかンねェなやっぱり」ハァ
結標「そんなご大層なことじゃないわ。友達がいれば、自然とわかるようになるわよ」
一方通行「トモダチィ…?」
結標「そ、友達。私と友達になりましょ?一方通行」ニコ
一方通行「はァ……?」ポカン
結標「そんなに驚くこと?」
一方通行「いや意味わかんねェよ。オマエ俺のこと同僚としか思ってないだろ」
結標「結構嫌いじゃないわよ?有能な同僚だもの。……あなたこそ私のこと、嫌いかしら?
最初が最初だったしね」
一方通行「別にィ。オマエみてェな三下が何企んでよォが、潰すだけだからな」
781:1:2011/07/16(土) 12:11:10.07 ID:dNok6O3w0
結標「ふふ、あなたのそういうとこが嫌いじゃないって言ってるのよ。あなたが女なら尚更」
一方通行「理解不能だ。俺が女だから何だってンだよ。俺は俺だ」ギロ
結標「潔癖症ね一方通行。男だと思ってた人が女だとわかって印象が変わるのは普通の
ことでしょ。それがイヤなんて、結構かわいいとこあるじゃないの」クス
一方通行「調子に乗ってンじゃねェぞ結標…」
結標「凄んでも無駄よ?伊達にあなたの側で一緒に仕事してたわけじゃないもの。あなた
は理由も無く自分より弱い者を傷つけることが出来ないって、もう知っているわ」
一方通行「ムカつく三下は例外ですけどォ?」
結標「顔面はもう勘弁してほしいわね。…ねぇ、今度一緒にショッピング行かない?」
一方通行「俺胸にサラシとかゴメンなンでェ、ちょっと……」ドンビキ
結標「普通の服に決まってるでしょ!!これは戦闘服なの!気合入れるためなのよ!!」キー
一方通行「意味わかンねェ。どォ見ても痴女」
結標「うるさいわねぇ、あなたこそ何でそんな格好してるのよ!!!」
一方通行「趣味」
結標「え、マジで?男装趣味?」ヒキギミ
一方通行「ンなワケねェだろ、アホか」
結標「え、えっ…?何、どういうこと??好きで男の格好してるワケじゃないってこと?」
一方通行「好きでしてンだよ、悪ィか」
結標「どっちよ!!!!」
一方通行「さァな」フン
782:1:2011/07/16(土) 12:12:02.92 ID:dNok6O3w0
結標「もう……。女だっての隠してるってことでいいの?」
一方通行「別に隠しちゃいねェけど」
結標「じゃあ土御門とか海原にも言っていい?」ワクワク
一方通行「それはヤメロ」
結標「何でよ」
一方通行「オマエみてェに鬱陶しィことになっからだよ…」ハァ
結標「否定できないわね」ウフフ
一方通行「」イラッ
結標「ねぇ、じゃあその口調は?」
一方通行「あァー…。昔俺の能力開発担当してたクソったれの研究者の影響だな。と思
うと死にたくなるなァ…」トオイメ
結標「なぁに、育ての親ってかんじなの?あなたにそんな人がいたなんて意外ね」
一方通行「育ての親ねェ…。俺には似合いのクソ野郎だってことは間違いねェが」
結標「またまたー。まだ反抗期なの?クソ野郎って言い方はどうなのよ」
一方通行「年端も行かねェクソガキを暗部に攫わせて、ウィルスぶち込む程度にはクソ
野郎だぜ?ま、俺がこの手でブチ殺してやったけどなァ」
結標「…………」
一方通行「…………」
783:1:2011/07/16(土) 12:12:53.19 ID:dNok6O3w0
結標「気まずいこと山の如し」
一方通行「鬱陶しィこと火の如し」イラッ
結標「で、ショッピングいつ行く?」
一方通行「オマエ意外とめげねェのな……」ハァ
結標「私、あなたはショートパンツとか似合うと思うの」キリッ
一方通行「何で俺の周りは人の話聞かねェ野郎ばっかなんですかねェ?」ビキビキ
結標「それはあなたが人の話を聞かないからよ!!」ババーン
一方通行「ぶち殺すぞ」
結標「ふ、やってみなさいよ。私にはあなたの服と自分の服を一瞬で交換することだって
出来るのよ?」ドヤァ
一方通行「反射したらどォなンのかなァ~?」カチッ
結標「あなたのズボンが私のミニスカになるに違いない。似合うと思う」キリッ
一方通行「うぜェええええ!!!見たことないくらいうぜェえええ!!!!!」ウガー
ツチミカドォオオ コイツクビニシロォオオ!!!
エッ!? ムムムスジメノヤツ ナニヤラカシタンダニャー!?(ビクッ
ナニモシテナイワヨー ウフフ
ショチトルゥウウウウ…
786:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/07/16(土) 12:21:07.52 ID:OD6Ol/Xj0
乙!
今回も良かったよー
あわきんホントぶれねぇなwwww
789:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2011/07/16(土) 14:48:11.67 ID:yR959CNDO
あわきんかわいいなああああ
海原と土御門にバレたときの反応も楽しみ
このスレの登場人物はみんな優しくてとてもいい
827:『その絆の名は』:2011/08/31(水) 20:43:21.58 ID:yCfBCBYz0
9月某日 PM 3:40 第七学区 病院
TV<『はーい!では今日はとある小学校に取材に来ましたー!イマドキッズの関心事は~?』
打ち止め「ふんふふんふんふふんふっふっふ~ん♪あっ見てみて一方通行!ミサカと同じくらいの
子達だよ!ってミサカはミサカは画面を指し示してみたり!」
一方通行「だから何だよ」
打ち止め「ミサカは十歳児くらいの設定なんだって!でもホントは0歳児だけどね?ってミサカはミサ
カは、ミサカが大人びて見えることを自慢してみる」フンス
一方通行「誰が大人びてンだチート」ビシッ
打ち止め「あいたァ!?ってミサカはミサカはビックリしてみたり!なに?今のなになに?」キョトン
一方通行「……………チョップだ」
打ち止め「へぇ~?痛いけど、あんまり痛くないのね、ってミサカはミサカはチョップが生まれて初め
てだったことを明かしてみたり」ニコ
一方通行「……そォかよ」
一方通行(…まァ、俺も初めてだけど)
一方通行(殺さないつもりで、触れるのなんて)ジッ
打ち止め「ジッと手を見て、どうしたの?ってミサカはミサカはあなたの手をぎゅってしてみたり」キュ
一方通行「!!!」ビクッ
打ち止め「えっ?ど、どうしたの?ってミサカはミサカは」
一方通行「離せクソガキ!!」バッ
打ち止め「ご…、ごめんね…。ってミサカはミサカは申し訳なく思ったり…」シュン
828:『その絆の名は』:2011/08/31(水) 20:44:19.03 ID:yCfBCBYz0
一方通行「……っ」ズキ
打ち止め「……お、怒ったの?ってミサカはミサカは悲しくなってみる」シューン
一方通行(なンだ…何だ?胸ンとこが……)ズキズキ
一方通行(痛ェ)ズキズキ
一方通行(このガキに触られた手も)ズキズキ
一方通行(温かくて)ズキズキ
打ち止め「…………」
一方通行「…………」
打ち止め「…………」
一方通行「…………」
打ち止め「…ま、まだ怒ってる?ってミサカはミサカは恐る恐る見上げてみたり」ウル…
一方通行「!!!……別に、怒っちゃいねェ」ズキズキ
打ち止め「ほんと?よかった!ってミサカはミサカは安心した!!」パァッ
一方通行(あ)
一方通行(痛くなくなった)ホッ
一方通行「………急に触ンな。俺は触られンの嫌いなンだよ」
打ち止め「そっか。急に触られてビックリしただけなんだ?ってミサカはミサカは納得してみる」ウン!
一方通行「人を小動物みたいに言うンじゃねェ」チッ
打ち止め「えへへ。でも、あなたってウサギさんみたいだよねぇ?ってミサカはミサカは発見してみ
たり!」
一方通行「誰がウサギだコラァ」ビシッ
打ち止め「あた!ええーでもでも真っ白で、目も真っ赤だし、髪の毛ふわふわしてる?ってミサカは
ミサカはナデナデしてみる!」フワフワ
829:『その絆の名は』:2011/08/31(水) 20:45:15.94 ID:yCfBCBYz0
一方通行「!!!」ビクッ「触ンなって言ってンだろォが!」バッ
打ち止め「あっ!ご、ごめんね、つい…ってミサカはミサカは反省してみる……」シューン
一方通行「……っ」ズキ
一方通行(まただ。痛い、何か、なンだこれ…このガキの泣きそォな顔見る、と)ズキズキ
一方通行(さっきガキが触れたとこ、が、温かくて)ズキズキ
一方通行「俺、は……」
打ち止め「?」
一方通行(何だ。何言おうとしてる?)ズキズキ
一方通行「ずっと、反射してた……から、……」
一方通行(だから何だ。何だよ、何だってンだ?)ズキズキ
打ち止め「そっか!慣れてないから、余計にビックリするんだね!ってミサカはミサカは再度納得
してみる!」ウンウン
打ち止め「じゃあ、急にじゃなかったら、ぎゅってしてもいい?ってミサカはミサカはしっかり確認!」
一方通行「ヤだ」フイ
打ち止め「ええ~!?ってミサカはミサカは抗議の悲鳴をあげてみたり!」
一方通行「………」ゴロリ ペラペラ
打ち止め「ねぇねぇ無視しないでよ!ってミサカはミサカは寝転がって本を読み出すあなたの横に
転がってみる」コロリ
一方通行「…ンだようっせェなァ……」ゴロリ
打ち止め「もっとお話したいな!ってミサカはミサカはあなたの背中に引っ付いてみる!」コロリ ピト
一方通行「!!!」ビクッ
打ち止め「あったかいなー……」
830:『その絆の名は』:2011/08/31(水) 20:46:01.08 ID:yCfBCBYz0
打ち止め「自分で自分の背中を触ってもあったかくないのに、なんであなたのはこんなにあったかい
のかな?さっきの検温だと、あなたはミサカよりも平熱低いのにってミサカはミサカは不思
議に思ってみる」スリスリ
一方通行(………温かい?俺が?………俺が…そんなのまるで)ズキ
一方通行(俺が普通の人間みたいだ)ズキズキ
一方通行(そンなわけねェのに)ズキズキ
一方通行(そンな、わけ…っ)ズキズキ
一方通行「っせェなァ!!オマエ頭おかしィンじゃねェの!?」ガバッ
打ち止め「あう?」コロリ
一方通行「俺がオマエ達に何やったか忘れたのか!?俺が…俺がオマエ達に何をしたか、オマエは
全部知ってンだろォが!俺に触るな!俺の手は、……ッ」
打ち止め「……………」
一方通行「…………」ハァハァ
一方通行(何キレてンだ俺は…。コイツに怒鳴ったって仕方ねェだろ)
一方通行「……っ、だから、触ンなっつってンだよクソガキ…」フイ
打ち止め「一方通行」ギュッ
一方通行「っ!!」ビクッ
打ち止め「あなたの手はあったかいよ。冷たいのに、ミサカにはあったかく感じるの。あったかいのって
気持ちいいんだね、ってミサカはミサカは今知ったよ」
打ち止め「人はひっつくとあったかいんだ、ってミサカはミサカは発見してみる」ニコ
一方通行「…………」
打ち止め「ねぇ一方通行。人間の体温が約36度前後だっていうのは、ミサカも知ってたよ。でも、
なんだかあなたにくっつくと、ミサカは胸の奥の方までほわってなるの」
一方通行「…あァそォかい」
打ち止め「うん、そぉなの!ってミサカはミサカは大きく頷いてみる!」ニコー
831:『その絆の名は』:2011/08/31(水) 20:46:47.01 ID:yCfBCBYz0
一方通行(………胸の奥の方、が……)
打ち止め「ん?胸に手を当ててどうかした?ってミサカはミサカは首を傾げてみたり」
一方通行「…別にィ。何でもイイから邪魔すンな。テレビでも見てろクソガキ」ゴロリ
打ち止め「はーい。ってミサカはミサカは大人しくテレビに視線を戻してみる」フンフン♪
TV<『引き続き、イマドキッズにインタビューを続けてまーす!ねぇみんな、将来の夢を教えてくれ
るかな~?「けーきやさん!」「公務員!」「野球選手!」』
打ち止め「将来の夢、かぁ…ってミサカはミサカは考えてみる」ウムム
一方通行(将来の……。クローンは短命だって言うが、このガキはいくつまで生きられンのかねェ…)
一方通行(………)ズキ
一方通行(……後であの医者に聞いてみるか)
打ち止め「よし!決めた!!ってミサカはミサカはベッドの上に立ち上がってみたり!」スック
一方通行「何だ鬱陶しい」ペラ
打ち止め「ミサカの将来の夢は、あなたのお嫁さん!!きゃっ!ってミサカはミサカは照れながら宣
言してみたりぃ!!」
一方通行「あァ?そりゃ無理だな」ペラ
打ち止め「ガーン!速攻即答大否定!?どうしてどうして!?!?」
832:『その絆の名は』:2011/08/31(水) 20:47:27.16 ID:yCfBCBYz0
一方通行「俺が女だから」ペラ
打ち止め「」
(十五分後)
一方通行「………」ペラ
打ち止め「」
一方通行「………」ペラ
打ち止め「はッ…!ってミサカは我に返ってみたり!!」
一方通行「あァ…?ンだ?」
打ち止め「あ、あなた女の人だったのね…ってミサカはミサカはショックを隠しきれなったり……」
一方通行「まァな」ペラ
打ち止め「……どうして男の人みたいな格好と話し方してるの?ってミサカはミサカは純粋に疑問
に思ってみたり。……うん、女の子だって思ってみたら、あなた美人さんなのにね?」??
一方通行「ガキのクセに世辞はヤメロ。口が曲がるぞ」ペラ
打ち止め「ホントだよ!ミサカ嘘ついてないよ!ってミサカはミサカは慌てて言い募ってみる!あな
たの真っ白い髪も真っ赤な目も、とってもきれいだよ?」
一方通行「こンな不自然な髪と目のどこが」ペラ
打ち止め「自然とか不自然とかどうでもいいの!きれいだもん!!ミサカのお嫁さんにしたいくらい
だもん!ってミサカはミサカは!!」
一方通行「何で俺がオマエの嫁なンだよ………」ハァ
打ち止め「だって…だって、だって」ウル
一方通行「」ギク
打ち止め「だって、結婚したらずっと一緒なんでしょ?ってミサカはミサカは一般常識を確認してみ
たり……」グス
833:『その絆の名は』:2011/08/31(水) 20:48:53.67 ID:yCfBCBYz0
一方通行「……………」ズキ
打ち止め「結婚したら、ここから退院しても、ミサカはどこかの研究所じゃなくて、あなたの側にいて
もいいんでしょ?ってミサカはミサカは…」グスッ
一方通行「……別に…」ズキズキ
打ち止め「………?」
一方通行「夫婦じゃなくても、そォいうのは…あるだろ……」
打ち止め「…夫婦じゃなくても………」キョトン
一方通行「………」
一方通行(……家族、とか……)ズキ
一方通行(チッ、何考えてやがンだ俺は、気持ち悪ィ)ブルブル
打ち止め「夫婦じゃなくても一緒……」ウーン
一方通行「もォいいから、アホなこと言ってねェで黙ってろ」ペラペラペラ
打ち止め「あ、わかった!ってミサカはミサカはすごい受信!!」ピコーン
打ち止め「家族!!家族だったら、ずっと一緒だよね!ってミサカはミサカは満面の笑顔を浮かべて
みたり!」ニコー
846:1:2011/09/03(土) 16:08:34.49 ID:3naz+GC30
一方通行が軽く腕を振れば、薄汚れた壁へ血色の三日月が描かれた。
「……ま、悪くねェか」
刃渡り二十センチほどの小ぶりのナイフ。ここ最近使っているが、銃に比べて予備動作が少なく
て済むこと、残弾を気にしなくていいことがメリットだ。
「ぐ、……ッ、化け物が……」
足元から掠れた声が響き、一方通行は無言で鳩尾を蹴り上げた。
潰れた小動物のような悲鳴を上げて気絶した輩に、赤い目を眇める。
先日は尋問しようとしたら自殺されてしまい、まったくの情報ゼロで終わってしまったので、さっさと
気絶させておくに限る。
「土御門か。今日は三人だ。場所はわかってンだろ。さっさと回収しろ」
携帯電話で短く指示を出し、一方通行は細く息を吐き出した。白いもやがふわりと舞う。
冬の夜、第八学区の路地。
表通りの明るい街灯が届かない場所は、闇に沈んでいる。そしてその闇の中がふさわしい者達も、
そこで蠢く。
847:1:2011/09/03(土) 16:11:27.47 ID:3naz+GC30
先日、インデックスを狙った魔術師と戦ってから三週間が過ぎていた。
その間、一方通行が襲撃されたのが三回。すべて魔術師と呼ばれる者達が刺客だった。
最初はインデックスの近くにいてたまたま出くわしたのかと思い、土御門経由で警備を強化させた。
だがすぐに気付いた。奴らの今の狙いはインデックスではない。一方通行だ。
(先に邪魔な俺を消そうって腹か…?)
しかしそれにしては生温い。だが、偶然にしては出来すぎている。嫌な感じがした。
杖を付き、路地をゆっくりと歩きながら、口元を拭う。袖に血が付いた。
「チッ……とンだ平和ボケだ」
一方通行は忌々しげに吐き捨て、切れた唇と鼻血を拭う。
魔術の『法則』は理解している。だが奴らが持つ魔術の『法則』にはかなりの種類が存在し、例えば
ケルト系かギリシャ系かで大きく異なる術式体系を持つ。
結果として系統が違えば毎度毎度解析を行う必要があり、今日は完了までの時間をショートカット
しようとして加減を間違った。
とはいえ、顔に殴打を数発食らった程度のダメージだ。どうということもない。
それなりには痛むが気になるほどでもなかった。元々痛みには鈍い方だ。染み入るような冷気が、
神経を凍らせているようにも思う。
二月末。春はすぐ側に来ているが、今夜は零下に達するという予報が出ていた。そのせいか、まだ
午後八時を過ぎたくらいなのに、街に人通りはほとんどない。
細く息を吐く。白いもやが流れる。
手も首も剥き出しだが、あまり寒いとは思わなかった。
(ああ……久しぶりだなァ)
少し前までは、慣れた感覚だった。闇と、血の匂い。自分の他には誰もいない。自分の他はすべて
闇で、だから自分も闇の一部だと知る感覚。
人を殺すことも傷つけることも、もう楽しくはない。ただ泥のような灰が、爪先から身体の中を埋めて
いく。
痛みも寒さも空腹も薄い膜でも通したように遠く、視界の赤と黒だけがやけにクリアで、呼吸が楽だ
った。
そう、楽だ。自分だけしかいない、自分の他はすべて死体の闇の中は、一方通行を傷つけない。
だが、顔を上げれば、表通りの明かりが見える。
その白い光に、一方通行は奥歯を噛み締めた。
(しっかりしろ。俺が死ンだらあのガキどもはどうなる)
一方通行の小さな光。見上げる無邪気な笑顔を手元に返す。
この頃はその光の数も増えた。
848:1:2011/09/03(土) 16:12:20.75 ID:3naz+GC30
闇の奥から見れば小さな光の集まりはあまりに眩しくて温かく、真っ直ぐに見ることは出来ない。
光に近付けば、自分の闇は深くなる。自らとの違いに絶望し、同時にひどく安堵する。
一歩一歩近づけば、明かりに触れる指先がジンと痛むのだ。寒さに麻痺した感覚が、急に戻るか
のように。
光に全身が晒されれば、激痛のようなものを感じる気していた。いつも、打ち止めの側に戻る時
には、いつも。
生身への痛みと違って、心の奥が感じる痛みには慣れることが出来ない。けれど痛いからといって
不幸なわけじゃない。痛くないからといって幸せなわけじゃないのと同じに。
ただ、少しインターバルを置きたかった。以前なら、こうしたコトの後には数日を置いて、連日念入り
に風呂に入り、血の匂いを完全に消してからから戻るのが常だ。
だから必然的に、このところ打ち止めや…あの男の顔を見る回数が減っている。
『俺から逃げるな、一方通行!』
(……誰が、逃げてるってンだ)
不意に耳の奥に熱い声が響いた気がして、一方通行は眉を顰めた。
再度携帯電話で時刻を確かめる。着信を知らせるランプが光っている。何度も何度も。
午後八時二十五分。
真っ黒いくせに太陽のような目を思い出せば、何故か息が詰まる。
それを無理矢理吐き出すと、闇に白いもやが溶けた。
真っ白い自分が吐き出すものも白く、このまま息を吐いていれば自分自身も白いもやになって、
闇に溶けて消えるのだろうかと思った。
849:1:2011/09/03(土) 16:12:56.07 ID:3naz+GC30
上条当麻は、チラリと自室の壁時計を見上げた。
「…………」
上条の傍らでは、賑やかな三人の少女が顔を付き合わせてレースゲームに夢中だ。
「とりゃああ!ってミサカはミサカは赤甲羅を発射してみたり!」
「ふ、甘い。とミサカはすかさずスターを発動します」
「ちょ、ちょっと!何も私に体当たりしなくてもいいんじゃないかな!?」
「戦いに情けは無用です。とミサカは華麗に単独トップを独走します」
「ず、ずるいよ10032号!!……ってあれ?ヒーローさん、さっきから時計ばっかり見てどうし
たの?ってミサカはミサカは首を傾げてみたり」
いつもなら微笑ましい三人に口元を綻ばせるはずの上条が、黙って時計を何度も見上げてい
ることに気付き、打ち止めが不思議そうな顔になる。
相変わらず、無邪気な見た目に反して人の気持ちに聡い子だな、と上条は思った。
だからこそ、あの一方通行の心を守ることが出来るのだろう。もう知っている、一方通行が打ち
止め守っているのと同じ、打ち止めがあの強くて脆い心を守っていると。
自分と同じだ。インデックスの笑顔が自分の心を守ってくれているのと同じ。
「ん…?あー、一方通行遅いなってさ」
「そういえばそうなんだよ。八時には迎えに来るって言ってたのに…っ、て、あああ!甲羅が!」
「そして今一位でゴオォオオオル!!ヒャッフー!とミサカはガッツポーズをとりつつ、そういえば
遅いですねあの白モヤシ、とあなたの振った話題に乗ります」
「……最近さぁ、あんま来ないよな。一方通行」
ポツリと呟けば、丸くて茶色い目がゆっくり瞬きをする。
850:1:2011/09/03(土) 16:13:59.48 ID:3naz+GC30
「………」
「そうなのですか?とミサカは上位個体に確認を取ります。一週間前は一緒に来ましたが」
「そういえば三週間くらい前まで、三日に一回くらいは来てくれたのに…。最近ご無沙汰かも。来て
もらすとおーだーとくーるびゅーてぃー連れてすぐ帰っちゃうし」
「な、なぬ?とミサカは思わぬ頻度に目を見開きます」
「そうなんだよな、そうだよ、週に二回は来て一緒に飯食ったりしてたのに、最近そういうの少ない
よな?」
何となく漠然とモヤモヤしていたものを口に出すと、改めてはっきりと思い知らされる。インデックス
が「少ないんだよ!」と頷いてくれて、自然と眉が寄った。
「人が調整に入っている間に一体何が…とミサカはウラシマ効果を体感しています」
何故だか細っこい身体をブルブルさせる10032号を不思議に思いつつ横目に見て、上条は打ち止
めに視線を止めた。
「打ち止め、何か知らないか?」
「……何も聞いてないよ?ってミサカはミサカは知らないことをアピールしてみる」
小さな手が、コントローラーをギュッと握り締める。
「あの人は、聞いても教えてくれないから」
真っ暗な窓の外を見上げる横顔は、寂しそうだった。
「打ち止め……」
「あの人はミサカにとても優しいけど、ミサカを危険に晒すって思ったら躊躇わずに嘘をつくの。
ミサカが嘘に気付いていてもお構いなし、ってミサカはミサカは思い出しムカッてしてみたり」
大きな茶色い目が上条を見て、言葉とは裏腹にいたずらっぽく笑う。
「……あなたが聞いてみたら、あの人は何て答えるかな?」
冗談めかしているけれど、打ち止めの目は真剣だった。
「あ……」
上条が口を開こうとした時、不意にドアベルが鳴り響く。
「一方通行!?」
反射的に立ち上がり、駆け寄った玄関のドアを開けて、息を呑んだ。
「……ガキどもは?」
冷たい風が吹き込む。普段なら首を竦めてさっさと部屋に招き入れるのに、目の前の白い顔
から目が離せない。白い髪、白い顔、赤い目。
「一方通行……そ、の顔……っ」
赤黒く色を変えた頬、切れて血の滲む唇、鼻血を拭いた跡。
心臓が掴まれたみたいに喉が詰まって、上条は思わず手を伸ばした。
「何だよ、どうしたんだよ!どうしたんだ、誰にやられた!?」
「触ンな。あー…転んだ」
パン、と手を払われ、痛々しく腫れた唇が、投げやりな口調で吐き捨てる。
851:1:2011/09/03(土) 16:14:34.02 ID:3naz+GC30
「バカ言うな!お前何でそう時々バレバレの嘘つくんだよ!」
「っせェな。関係ねェだろ、オマエには。…オイ、帰ンぞクソガキども」
一方通行が不機嫌な表情のまま顎をしゃくれば、いつもなんだかんだと残りたがる打ち止めと
10032号が大人しく歩み寄って来る。
自分と目の前の白い少女の間の不穏な空気を察しているのだろうと思い、だが引き下がること
は出来なかった。
「一方通行。お前がこないだからウチに来ないのは、その傷をつけた奴らのせいか?」
稀有な赤い目を真っ直ぐに見れば、細い眉が胡乱げに顰められる。不愉快そうな反応に、図星
だと確信した。
「なんで…ッ、何で助けを呼ばねぇんだよ!!今日だって、何度も電話しただろ!?」
「はァ……?助け…?」
白い小作りな顔が、理解不能だとでも言いたげに歪む。
一方通行が上条当麻に助けを求めるなど、夢にも思わない。そういう表情。
(なんで)
ぐつり、と腹の奥が煮えた。
ぐつぐつ煮えるマグマが、喉奥にせり上がる。
「意味わかんねェ。助けだと?寝言は寝て言えよ」
鬱陶しげな言い方は、普段とそれほど変わるものじゃない。もう慣れた、と思っていたのに、何故
だか今日は、上条の胸の奥にイラァッと赤いもやが湧き上がる。
「意味?わかるだろ、それくらい。そんな怪我して心配掛けて、ほっとけるわけねぇだろうが!呼ん
でくれりゃ助けに行ったのに!魔術師だろ!?俺の力が役に立つって!!」
「……そりゃ、この俺が一人じゃ魔術師には勝てねェって言ってンの?」
赤い目が眇められる。スゥと据わった双眸には、苛立ちと怒りが冷たく凝っていた。
「何でそうなるんだよ!お前が強いのは知ってるよ、でも二人で戦った方がいいに決まってんじゃ
ねぇか!!」
一方通行が学園都市最強だということくらい知っている。だがそうじゃない。そんなことは関係ない。
ただ、例えば自分が呑気に夕飯を作っている間に、一方通行が一人で戦っているなんて許せない。
こんな風に、白い顔に、こんな傷が。赤黒い痣を見ていると、腸が煮えくり返って吐きそうだ。
「俺だってずっと魔術師と戦ってきたんだ!お前一人で戦わなくっても、俺はお前を…っ!」
852:1:2011/09/03(土) 16:15:09.48 ID:3naz+GC30
「…調子乗ってンじゃねェぞ無能力者…………」
不意に部屋の空気が重く冷える。
ハッと瞠目すれば、一方通行は見たこともないほど冷たい目で上条を睥睨していた。ゆらりと揺れ
る白い髪が高温の炎のようだ。
「ハ、俺よりオマエのが強いって?だから守って差し上げますってかァ?あンまり俺を舐めンじゃねェ」
「そうじゃねぇよ!!そうじゃねぇ、どっちのが強いとかそんなんじゃなくて…!」
「黙れよ…!!!」
急に、一方通行が叩きつけるように怒鳴った。
半瞬後、我に返ったように目を眇め、フイと視線を外す。
「……結局、オマエは俺を…」
認めてねェってことだろ。
言葉の後半はごく小さな声で、ほとんど拾うことは出来なかった。けれど、その揺らいだような頼りな
い声に、上条は焦燥にかられる。
「一方通行!違うって、俺の話を聞けよ!!」
一歩踏み出し、その華奢な肩を掴もうとする。だが一方通行はその分後ずさり、顔を上げた。
先ほどの揺らいだ声音が幻だったかのような、苛立ちと怒りに眇められた硬質な眼差し。
「俺はこのクソガキどもを守る。オマエはインデックスを守る。それが領分ってヤツだ」
「……っ、そんなの関係ねぇよ!領分とか、だってお前だってインデックスを守ってくれたじゃねぇか!
俺だってお前を…!!」
「ふざけるなよ上条当麻。あンまりバカげたこと抜かしてるとブチ殺すぞ」
ズ、と殺気のような威圧感が増す。だが上条は一歩も引かなかった。
ロシアの時とは違う。あの時は、一方通行のことはよく知らなかったが、ただあの悲痛な言葉が放って
おけず、自分の苦悩とシンクロしていたから。
今は、一方通行のことを知っている。少なくとも、その強さと脆さを。柔らかな髪も身体も。
「一人で戦うなって言ってるだけだ!お前が一人で戦って傷ついて、そんなの俺は嫌なんだよ!!」
「……オマエには関係ねェことだ」
「関係ないって……悲しいこと言うなよ、一方通行…」
胸の奥が鈍く痛んだ。くしゃりと顔が歪んでしまい、けれど一方通行も一瞬戸惑ったような表情をする。
だがすぐにその白い顔は苛立ちと怒りに塗り潰され、カツ、と最終宣告のような杖の音が響いた。
「……話は仕舞だ、無能力者。くだらねェこと言ってねェで、しっかり足元を見るンだな」
上条に背が向けられる。まっすぐに伸びた力強い、けれどとても細い背中。
打ち止めは黙って一方通行の袖をきゅっと握り、その後に続く。10032号は無表情ながらも途方に暮
れたように何度も上条と一方通行の後姿を見比べ、だが打ち止めが一度振り返ったのを見て、白い
背に続いた。
853:1:2011/09/03(土) 16:16:10.44 ID:3naz+GC30
「一方通行……!!」
思わず後を追おうとしたら、くいと小さな、だが確かな力で袖を引かれる。
「とうま」
「インデックス!?何だよ、飯ならもう食っただろ!!」
「違うんだよ。……今追いかけても、きっとあくせられーたは逃げちゃうだけかも。あんな風にのんびり
迎えに来たんだから、きっと今危険はない。だから焦らないで」
それまでただジッと黙っていた白い少女が、大きな碧眼で見上げている。
「……けど、けどさぁ…」
上条はうな垂れた。
こんなに自分の気持ちが伝わらないとは思わなかった。
「…んで、わかってくれねぇんだよ……」
すると、そっと背中に温かな手が触れる。顔を上げれば、インデックスがにこっと笑う。
それだけで少しだけ肩から力が抜けて、上条はガリガリ頭を掻いた。急にさっきの自分のテンション
の高さが恥ずかしくなってくる。
「インデックス。俺…何か言い方マズかったかなぁ?」
「ううん、そんなことないんだよ。私もらすとおーだーもくーるびゅーてぃーも、とうまがただ心配だった
こと、わかったから」
「そ…うか?じゃあ、何でアイツは……」
「私には、あくせられーたの気持ち、少しだけわかるかも」
「え」
854:1:2011/09/03(土) 16:16:36.27 ID:3naz+GC30
驚いて小さな顔を見る。上条の視線を受け止めて、インデックスはまた笑った。優しい笑顔だ。普段
はただ無邪気なのに、この白い修道女は周りの人が弱っていると、とても頼もしくなる。
「私はずっと追われてたでしょ?事情はわからなかったけど、追って来るのが特殊な人達だってこと
は理解してたんだよ。毎日必死で逃げて……」
イギリス清教の魔道書図書館は、ゆっくりと瞬きをする。もう遠くなってしまった辛さや苦しさを、あえ
て手元に手繰り寄せるように。
「誰かに助けを求めるなんて、思いつかなかった」
「インデックス…」
「だって、それまで誰も、私を助けてくれなかったから」
静かに呟いて、そして上条を見上げて笑った。
「とうま以外、誰もね」
「………」
何も言えずに見下ろすと、インデックスはぽんぽんと宥めるように背を叩いて、悲しげに目を伏せる。
「きっとあくせられーたも……今まで誰も、助けてくれる人なんていなかったんじゃないかな」
ああ、そうなのだろうなと上条は思った。
「誰も…誰も助けてくれなかったから、ずっと自分一人でなんとかして来たのかも。だから、誰かに
頼る発想がないんだよ。……頼ることも、信じることも、あくせられーたの選択肢には入らない」
頑なな背が、まっすぐに伸びた細い背が目の裏に焼きついている。
上条は、ぐっと拳を握り締めた。手にも腕にも頬にも、三週間前の夜に触れた感触が残っている。
いつまでも消えない。
「けど…けどさ…、そうだとしても、俺のことだけは頼ってくれてもいいじゃねぇか」
「とうま」
インデックスが、何故だか驚いたように目を見開く。
「何でアイツは、俺のこと信じてくれねぇんだ……」
今までのことなんて関係ない、他の誰を信じなくてもいい、自分のことだけは信じて、頼ってほしい。
そうしたら、俺は。
(……俺は)
855:1:2011/09/03(土) 16:17:14.80 ID:3naz+GC30
土御門元春は、視線の先に見慣れたツンツン頭を見つけ、軽く手を上げた。
「おーい上や~ん。待たせて悪かったにゃ~」
第七学区、午後五時。下校から間もない大通りは、賑やかな学生達で溢れている。
待ち合わせ場所のファーストフード屋の前で、上条は「おう」と片手を挙げて応えた。
とりあえず店内に入って注文を済ませ、明るい窓際の席につく。
「で、話って何かにゃ?」
頬杖をついてポテトをつまみ、まぁあの禁書目録のことだろうなとわかっていた。
一ヶ月ほど前、魔術師に禁書目録が襲撃されている。その時は居合わせた一方通行が撃退したが、
直後に上条に「どういうことだ」と詰め寄られた際には「調査中だ」とだけしか答えなかった。
いい加減に痺れを切らしたということだろう。もっとも、渡せる情報はほとんど無いのだが。
ターゲットを変えたのか、ここ数度は一方通行を襲撃している。なるべく生かして捕えてはくれるけれ
ども、なかなか上手く情報が上がらなかった。
「ああ、悪かったな。急に呼び出して。でも、もうお前に聞くしかなくてさ」
上条はいつも明るい笑顔を、らしくなく強張らせている。焦れたような色はあまり見たことはなくて、
あれ?と少しだけ違和感を覚えるが、それだけ禁書目録のことを心配しているのだろうか。
とりあえず、禁書目録の側には配下をつけてあるから安心しろ、と言いかけて。
856:1:2011/09/03(土) 16:17:44.03 ID:3naz+GC30
「一方通行の居場所、知らないか」
一瞬何を聞かれたのか理解できず、「……は?」と間の抜けた声が出る。
「だから一方通行が今どこにいるか、知らないか?ここ一週間くらい、全然連絡つかねぇんだよ」
「一方通行の、居場所…?」
マジマジと目の前の、これ以上ないくらい真顔の友人を見詰める。
(何でコイツが一方通行の居場所を知りたがる?)
しかもこんな顔で。
「お前、一方通行の知り合いなんだろ?打ち止めと御坂妹以外で、共通の知り合いなんか他にい
ねぇし。……てかさ、土御門」
「へ?」
「お前、一方通行とどういう関係なんだ?」
睨まれている。
いつもは真っ直ぐで素直な黒い目が眇められ、鋭い視線が突き刺さる。
(ん、んんん…?)
「関係?っつっても、にゃー…。別に」
「……お前、学園都市側の奥深くにも関わってるって言ってたよな。何か、他に言えないようなこと
に関わってて…アイツも、そうなのか」
不意を打たれて、思わず息を呑んだ。これでは肯定したも同然だ。自分らしくもない失態に、土御
門は小さく舌打ちをする。
「一週間前、一方通行が怪我してた。魔術師と戦ったらしい。お前、何か知ってるんだろう?」
確信を得たらしき上条は、熱を押し込めたような低い声音で問い詰めるが、それよりも言葉の内容
に引っかかった。
「怪我?一方通行が?」
「そうだ、怪我してた。殴られたみたいに頬が腫れて、すっげぇ痛そうだった…!」
上条が、自分の方が痛そうに顔を顰める。
「らしくないミスだな。イレギュラーでもあったのか…?」
もはや取り繕う意味もないので、土御門は顎を撫でて首を傾げた。
そういう報告は受けていないが。一週間前も三日前も、首尾よく気絶させただけの魔術師を回収し
ただけだ。
「土御門!やっぱり何か知ってるんだな!?教えてくれよ!」
857:1:2011/09/03(土) 16:18:25.64 ID:3naz+GC30
上条が食いつくように身を乗り出すのに、サングラス越しに目を眇めた。
「ダメだ。一般人には教えられない事情ってのがある」
「一般人って…!そりゃ、確かに俺はただの高校生だけど、そんなの関係ねぇだろ!?インデックス
だって襲われてんだぞ!!」
「禁書目録には護衛をつけてある。勘違いするなよ上やん、今のところお前さんは狙われてないよう
だが、お前さんだって機密事項の一つなんだぜ。首を突っ込まれちゃ迷惑だ。俺も、一方通行もな」
「………っ、じゃ、じゃあ居場所だけでいい!知ってんだろ!?」
「ダメだ。部外者には教えられない」
一方通行は今『グループ』の隠れ家の一つを点々としているようだ。10032号は冥土返しに、打ち止め
は番外個体に任せ、自らの守る者とは距離を取っている。
それは土御門にも理解できることだ。目の前の正義感に悪気が無いのはわかっているが、巻き込む
わけには行かないだろう。
「部外者……?」
しかし、上条は常にはないような苛立たしげな表情で拳を握り締めた。
(あれぇ…?)
今日、ずっと土御門に付いて周っている違和感が強くなる。
ふと考えてみれば、一方通行はこのところ上条とよく顔を合わせていると聞いている。
だがあの一方通行と上条当麻だ。水と油のように反りが合わないだろうし、目の前の気のいい友人も、
普段のお人よしぶりを発揮しているだけだろう、と思っていた。
「俺は一方通行にとって部外者で、お前は違うっていうのか?」
「……まぁ、そうなるな」
『グループ』は仕事仲間で、現状を維持するために協力し合うという意思確認を行っている。そういう
意味で、当然部外者じゃない。一方通行が戦いやすいように、色々手配もしているし。
けれども上条は一体どういう意味に取ったのか、ギリギリと歯を食い縛っている。
(おいおい)
「……ッ、なら、お前はアイツをちゃんと手助けできてるってのかよ?」
「はぁ……?手助け?一方通行を?」
ひどく悔しげな表情に、ポカン、と。また間の抜けた声が出てしまう。あの学園都市最強、魔術師を相手
どっても引けを取るわけがない第一位と、『手助け』という単語は、そぐわないこと甚だしい。
「何言ってるんだにゃー、上やん。そんなもんあいつに必要ないぜい?」
思わず普段通りの口調で肩を竦めれば、真っ黒い目がギラリと光った。
「必要、ない……?」
賑やかなファーストフード店にそぐわない、低く押し殺した声。それで、ああ、このどこまでも人の好い
少年には気に障る言い方だったかと苦笑した。
「誤解するなよ。あいつの能力は強すぎる。俺らが側にいても邪魔になるだけだ。助けになんて行った
ら、ぶっ殺されちまうよ」
「そりゃ、確かにアイツは強いかもしれない。でも……」
858:1:2011/09/03(土) 16:19:47.93 ID:3naz+GC30
「俺が見てきた限り、あいつは油断とも驕りとも無縁だ。確実に相手を仕留めるし、躊躇いもない。覚悟
が違う。現に、指示したことが完遂されなかったことは一度もないしな」
一見柄が悪く大雑把な一方通行だが、現状を正しく認識する力、何が必要でどうすればよいか瞬時に
判断する力、そして実行力はズバ抜けている。その辺りはさすが第一位の面目躍如と言ったところだ。
以前『ドラゴン』と対峙し全員が気を失った後でさえ、一方通行は一人で無事に乗り切り、ロシアに渡り、
目的を達したと聞いている。
ひどく器用で、やらせれば何でも出来る。飲み込みも早く、必要なら行動は本当に早い。
『グループ』の主力、戦略兵器。一方通行。
あの男が助けを必要とする姿など、土御門には全く想像が付かない。
「お前の優しさはわかる。だが、よく考えろ。あの一方通行に助けなんか必要だと思うか?」
笑って肩を叩けば、何故か真っ黒い目が更にズシリと据わった。
「…………お前が」
「ん?」
「お前らがそんなだから、アイツは…っ!!」
ダン、と上条が激しくテーブルを叩く。
一瞬店内が静まり返り、しかし土御門が慌ててヘラヘラ「すいませぇーん、何でもないにゃ~」と笑顔を
振りまくと、すぐに喧騒が戻った。
「おい上やん、何……」
「一方通行は!!」
ジリジリと、こちらの肌が焼けるような焦燥と怒り。
「一方通行は怪我してたんだぞ!?能力なんて関係ない、あんなに華奢で細くて、……ッ、アイツは、
女の子なのに!!!」
「…………………は?」
学園都市とイギリス清教の二重スパイ、暗部や裏の事情に精通し、知らないことの方が少ないとよく
評価される土御門元春は、今度こそ完全に固まった。
871:1:2011/09/06(火) 23:24:38.86 ID:gKt+Mcga0
PM 4:32 第七学区 ファミリーレストラン
海原「……というかんじで、自分の魔術はイギリス清教などの十字教に根ざした魔術とは大きく異なり
ますね」
結標「へぇ~…。色々あるのねぇ」
一方通行「鬱陶しィ…」チッ
土御門「……………」ジーッ
一方通行「だが神話や伝承をベースにしているところは共通点だな」
海原「ええ、そうですね。自分が知っている限り、魔術とはそういうものです」
結標「あ、パフェ頼もうっと」ピンポーン
一方通行「俺もコーヒー」
土御門「……………」ジーッ
土御門(…こいつが女、ねぇ……)ジーッ
一方通行「後は、仕掛けや道具など事前準備をほぼ必ず必要とする。違うか?」
海原「ご明察」パチン
結標「指鳴らさないでよキモイ」
一方通行「ああ、きめェ」
海原「ひどくないですか?」
土御門(………うーん…確かに、体格は男だか女だかわからんし、顔は…まぁ…美人か…)ジー
店員「お待たせしました~。フルーツパフェと深煎りコーヒーのお客サマ~?」
結標「あ、私パフェ。こっちがコーヒー。はい、一方通行」カチャカチャ
一方通行「ン」ズズー
土御門(あー…指細いな。女にしては大きな手だが男にしちゃ小さい)ジー
土御門(言われて見れば女にも見える…気がする。ま、上やんが言うんなら本当なんだろうが)ジー
一方通行「……さっきから何見てやがるクソグラサン。愉快なオブジェにでもなりてェのか?」ギロ
土御門「しかし目付き悪すぎだにゃー。あと柄悪っ」ウン
結標「(プ)何あなた突然本当のこと」ウフフフ
一方通行「殺す」
土御門「はぁ…そう殺す殺す言うもんじゃないぞ一方通行」
872:1:2011/09/06(火) 23:25:10.10 ID:gKt+Mcga0
一方通行「何なンださっきからオマエは」ビキッ
土御門「女の子だろ?ちょっとはそれらしくした方がいいぜい?」
結標「」ブッッッ
海原「」
一方通行「あァ…?……………結標ェ」ギロリ
結標「わわわ私じゃないわよ!!私言ってないわよ!!!!」ブンブン
土御門「何だ結標も知ってたのか。道理で最近仲良いと思った」
一方通行「仲良くねェ」チッ
海原「」
土御門「ああ、結標に聞いたわけじゃない。誤解するな」
一方通行「じゃあどこで知った。胸か股でも触らねェとわかンねェだろ、普通」
結標「まッ!!!あなたなんてこと言うのよ!!!」ガタガタッ
土御門「…………是非とも恥じらいも持った方がいいにゃ~…」ハァア…
一方通行「うるせェ。質問に答えやがれ」
土御門(上やんは『お前知らなかったのか!?』ってすげぇ慌ててたし、ここは上やんから聞いたって
ことは言わない方が良さそうだぜい)ウン
土御門「こないだ別件で特力研のこと調べててな。警備員が始末し損ねた資料の中にお前のことが
あったぞ」
一方通行「……あそこか」チッ
土御門「資料はお前のも含めてもう始末したから安心しろ。それが指示だったからな」
一方通行「………ふン」
土御門(どうやら誤魔化せたにゃー)ウン
一方通行「で?」
土御門「ん?」
一方通行「俺が女だから、何だっつゥの?」ギロリ
土御門(あ、死ぬわコレ。上やんみたく『女なんだから身体大事にしろ』とか言おうもんなら殺される
わ~。間違いないわ~絶対だわ~)
土御門「いや、別に?資料の信憑性を確認しただけだ。特に何もない」キリッ
一方通行「……わかってりゃいいンだよ」ズズー
結標「ねぇ一方通行、パフェ食べる?食べる?」ホラホラ
一方通行「いらねェよ死ね」ズズー
海原「」
873:1:2011/09/06(火) 23:25:58.27 ID:gKt+Mcga0
海原「」
土御門(うーん。しかし俺らに性別バレても、特に動揺もしてないようだにゃー)マジマジ
土御門(…ま、そうだよな。男だろうが女だろうが一方通行は一方通行だ。ちょっと上やんの剣幕に
毒されちまったぜい)ヤレヤレ
土御門「ああそうだ一方通行、上条当麻が」
一方通行「っ」ガタッ ガチャン
土御門「………………」
結標「………………」
一方通行「………………」
海原「」
店員「あ、お客様大丈夫ですよ~。こちらで片付けます。今代わりをお持ちしますね~」フキフキサッサ
一方通行「……どォも」
店員「お待たせいたしました~ごゆっくり~」カチャ
一方通行「………で、何だ?」ズズー
土御門(……表情は普通だな。手が滑っただけか?)
土御門「上条当麻がお前のこと探してたから、第六学区と第八学区の隠れ家の場所教えたぞ」
一方通行「っ!?」ガタッ ガチャン
土御門「………………」
結標「………………」
一方通行「………………」
海原「」
店員「あ、お客様大丈夫ですよ~。こちらで片付けます。今代わりをお持ちしますね~」フキフキサッサ
一方通行「……どォも」
店員「お待たせいたしました~ごゆっくり~」カチャ
土御門「………………」
結標「………………」
一方通行「オマエ、何考えるんだアホか。一般人に暗部の隠れ家教えてどうするつもりだ死ね。その
グラサン目から後頭部に貫通して死ね」ズズー
874:1:2011/09/06(火) 23:26:32.61 ID:gKt+Mcga0
土御門(動揺してる?)
結標(動揺してるわね)
海原(自分も引き続き動揺してます)
結標「ねぇねぇ土御門、上条当麻って誰?男?男よね?何なに?一方通行の何?」ワクワクテカテカ
土御門「俺のクラスメートだにゃー。そんで一方通行の…何だろうにゃ~?」ニヤニヤ
一方通行「ただの知り合いだ。そのクソウゼェ面やめろクソども」イラッ
結標「あっ、わかった!!ねぇアレでしょ、あなたの胸触ったのに女だって気付かなかったのってその
人でしょ!?」ピーン!!
土御門「へぇえ~~~!!ほぉおおお…」マジマジ
土御門(いや気付いてるにゃ~って知ってるけど面白そうだから黙っとこう)ウン
一方通行「見ンな殺すぞ。つか結標オマエ何なンだテレパス?多重能力者?」
結標「ふ、女の勘よ」ウフフ
一方通行「意味わかンねェ……」ドンビキ
土御門「あ、上条当麻に隠れ家教えたってのは冗談だ。暗部の隠れ家を一般人に教えるわけないだろ」
一方通行「……。笑えねェぞクソッタレ」
結標「あら、ホッとした?ホッとしたでしょ?なぁに~何か揉めてるの?相談乗るわよ!!」ワクワク
一方通行「」イラッ
土御門「けどここの場所教えたから多分あと五分くらいで来るな」
一方通行「っ!?」ガタガタッ
土御門「というのは冗談だ」キリッ
一方通行「」
結標「あははははは!!!その顔!!!」ヒーヒー
一方通行「……………殺す」ビキビキ
ソウダンノルワヨーーウフフフ
イヤーカミヤンニセメラレマクッテ タイヘンダッタニャーハハハハ
イーカゲンダマレ クソッタレドモ
ジブン マジクウキ
877:1:2011/09/06(火) 23:29:01.43 ID:gKt+Mcga0
140 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
それがねぇ、ダメだったんだよ
ってミサカはミサカは以下詳細に説明してみたり
(とある昼下がり 一方通行の部屋)
20001「ねぇねぇ、あなた!今日はこの服にしてみようよ!」ピラリ
一方通行「あァ?……却下」ゴソゴソ
20001「えぇ~何で何で!?ってミサカはミサカはワンピを持ってウロウロしてみたり!!」
一方通行「気に入らねェから」アッサリ
20001「ガーン…!!!ミサカあなたに似合うと思って一生懸命選んだのに!!って大きな
ショックを受けてみたり!!」
一方通行「駄々捏ねても着ねェぞ」
20001「うっ…そんなに気に入らなかったの……」シューン
一方通行「………」
20001「………」シューン
一方通行「はァ…あのなァ、人には似合う服似合わない服ってモンがあンだよ」ピシッ
20001「あいたっ!で、でもミサカ、あなたのほっそーいプロポーションをカバー出来るように
ふわふわっとしたデザインにしたんだよ?ってミサカはミサカはちゃんと考えたことを
アピールしてみる!!」キリッ
一方通行「ン、まァそれはいい。けど色がな」
20001「青?あなた色が白いから、この海みたいな色似合うと思ったんだけど…」
一方通行「俺は確かに白いが、逆に白過ぎンだよ。白・黒以外のこういう原色に近い濃い色
のモン着ると、顔に影が出来てますます不健康で疲れて見えンだっつゥの」ハァ
20001「え!!そんなこと!!ってミサカはミサカはとりあえず当てがってみた…り…あぅ…」
一方通行「わかったかァ?あと普通にシュミじゃねェわコレ」
20001「うぅ~…似合うと思ったのになぁ…ってミサカはミサカは」
一方通行「オマエには似合うだろ、それ。髪と目の色に合ってるぜ」ポンポン
20001「……ミサカが何年かしてこれ着るの、きっと見てくれる?ってミサカはミサカは一生懸命
見上げてみたり」
一方通行「………………そォだな」
141 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
って目を逸らしたけど小さく頷いてくれて、ミサカと一緒の未来をちょっとでも考えてくれたことが
ミサカは本当に嬉しくてね、ミサカはミサカは
878:1:2011/09/06(火) 23:29:32.71 ID:gKt+Mcga0
142 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13577
zzzz
143 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka16221
ネムー ( ´ρ`)。o ○
144 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17112
こっくり(-_-)(_ _)(-_-)(_ _).。oOOこっくり
145 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
もおおお!!ちゃんと聞いてよみんな!!ってミサカはミサカは憤慨してみたり!
146 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10046
おい丸め込まれてんぞ運営www
147 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12317
だな
結局着てないし
148 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
ハッ(゚Д゚)
149 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11900
つか俺はあのモヤシの なんだ その 独特のセンスの服からして
こだわりはあると思ってたぜ
150 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka18110
まぁ 似合ってはいるよな……
151 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
「シュミじゃない」って言ってたからには、一方通行の趣味を聞き出せばいいんじゃないか?
152 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
えー ダメだよ!それじゃいつもの通りの細身のパンツとTシャツになっちゃうもん!
ってミサカはミサカはそれじゃカワイイ服でヒーローさん悩殺って目的が果たせないことを
危惧してみたり!!
153 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13577
………………あっ そういやそういう目的だったな
154 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10098
完全に忘れてたwwwww
155 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10046
カンペキに手段が目的化してたな俺ら
882:1:2011/09/06(火) 23:34:30.06 ID:gKt+Mcga0
194 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20001
ぶっちゃけミサカもその辺はよくわかんない>>恋愛感情かどうか
つかあの人はもちろんだけどヒーローさんもすごい鈍そうだし
ってミサカはミサカは、まぁあの人を大事にしてくれるんならそこはどうでもいいのだ
195 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
どうでもよくねぇえええ!!!!!!!!!!(゚Д゚)
196 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka20000
どうでもよくねぇえええ!!!!!!!!!!(゚Д゚)(゚Д゚)
197 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14510
どうでもよくねぇえええ!!!!!!!!!!(゚Д゚)(゚Д゚)(゚Д゚)
198 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11928
おい、何か不穏な噂聞いたんだが!!上条と一方通行がががgg
199 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17110
ちょ あれデマじゃなかったのかよ!?!?
俺達の上条がぁああ
200 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka17713
嘘だろおお!!!!!上条おおおおお
201 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka12100
一方通行が え?うそ
・
・
・
・
613 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10046
はーやれやれ 上条派と一方派の乱入でエラい目にあったぜ
614 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13120
運営が隔離しに行ってくれて助かったな
上条派のテンションの高さパネェwwww
615 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14870
隠れ一方派のウザさもなかなかのものである
女だってわかって減るどころか逆に増えてる感なのは何なのイミフ
616 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
さっきから10032号が喋ってないけど生きてるか?
617 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
生きてる…けど…
えー 何だろう 俺どうすればいいかな?
886:1:2011/09/06(火) 23:37:28.07 ID:gKt+Mcga0
650 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
うん
651 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
あの家から一方通行がいなくなるのは、やだな……
あー わかんね
俺、結局自分の気持ちもよくわかってねーや
652 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka14889
焦んなくていいだろ
整理ついてやっぱり上条のこと好きなんだったら、
改めて一方通行にまた宣戦布告してやれよ
653 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka13820
あの泣きながらビンタしてクレープたかりながらやったやつなwwww
654 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka11290
wwwwwww
655 :以下、名無しにかわりましてミサカがお送りします ID:Misaka10032
ちょwwwやめろよwwww
901:1:2011/09/18(日) 15:09:08.58 ID:Q3vQ7IW70
午後六時。第十九学区。
夕闇に、古臭く寂れた街並みが沈みかけている。
一方通行は杖を付き、カムフラージュを混ぜながら『グループ』の隠れ家へ向かっていた。
「………」
最後の日の欠片が、吐き出す息を微かに白く照らす。
魔術師の襲撃で不覚にも怪我をし、上条当麻と仲違いをしてから、二週間。あれを「仲違い」と言うもの
なのかわからなかったし、違えるような仲だったつもりもないが。
そもそも、一方通行は他人とケンカなどしたことがない。殺し合いしか、したことがない。
だいたい、学園都市最強の第一位と『敵対』したものなど数えるほどで、敵じゃなければ大概は一方通行
の言いなりだった。そこに多少の画策や交渉、駆け引きはあるにせよ、真っ向から一方通行の意に沿わ
ぬことをするものなどいなかった。
真っ向から、真正面から、「お前のそういうとこがダメだ」と叩きつけてくる者など。
ああ、苛々する。唇を噛み締める。
「一方通行…!!見つけたぞ!!!」
背を打つ熱い声に、杖を掴む手がピクリと震えた。
そろそろ来るかと思っていたし、驚きもしなかったのに震えた指先に、一方通行は懲りずに苛立ちを感じる。
902:1:2011/09/18(日) 15:09:49.83 ID:Q3vQ7IW70
「……何なンだよ、オマエは」
わざわざゆっくり振り返れば、脳裏に嫌でも思い浮かんでいた、真っ黒い目がこちらを見据えていた。黒だと
いうのに、夕闇には決して沈まない、逆に浮き上がるような。
上条当麻は、真っ直ぐに駆け寄ってくる。
「こないだから一体何の用だってンだ。俺はオマエの面なンて見たくねェンですけど?」
「お前、まだ魔術師と戦ってるんだってな?打ち止めに聞いた、ずっと家に帰ってないって」
苛立たしさを音にしたような声音にも怯まず、上条は一方通行の前に佇む。
「………」
「魔術師の狙いはインデックスなんだろ。何度でも言うぞ。俺もお前と一緒に戦う」
「うるせェ」
一言のもとに切り捨て、赤い目を眇めた。
「誰に向かってモノ言ってやがる。寝言は寝て言え、三下」
「一方通行!!」
「うるせェっつってンだよ…!」
伸ばされる日に焼けた手を、思い切りはねつける。
二週間で、十回。上条当麻が一方通行の前に現れた回数だ。頭の中から消し去ってしまいたくても、無駄
に克明な記憶が忘れさせてくれない。
『怪我はどうなんだ』『何で一人で戦うんだ』『お前が心配だ』『打ち止めもインデックスも心配してる』『それ
痛いだろ?』『ちゃんと手当てしたのか』『何で俺に連絡しないんだよ』『お前と一緒に戦いたい』『お前を』
『お前を助けたいんだ、一方通行』
何度も何度も何度も何度も、真摯な目で声で顔で、飽きずに繰り返す。追って来る。何度も。
(何なンだよコイツは、一体何なンだ)
わからない。飽きずに同じやり取りを繰り返す自分のことも。
学園都市最強。暗部『グループ』の主力、戦略兵器。第一位、『一方通行』。
怪物と同じ意味を持つこの身を、まるで一人で無茶をする普通の人間のように扱う無能力者。
上条当麻を、どう扱えばいいのかわからない。
苛々する。このところ、ずっと苛々して、ムカつきが消えない。
「なぁ…俺、何か変なこと言ってるか?一人で戦うより二人で戦った方が心強いだろ?」
当の無能力者も、少しだけ途方に暮れたような顔で首を傾げる。
その『当たり前のことを言っているような』表情が、一方通行を戸惑わせ、苛立たせた。
「バカじゃねェの。オマエなンか足手まといだ。俺は一人で戦うのが一番やりやすいンだよ」
「そんなの、やってみなきゃわかんねぇだろ!」
「やンなくてもわかンだよ、そンなことは!!」
903:1:2011/09/18(日) 15:10:35.88 ID:Q3vQ7IW70
真っ黒の目と、睨み合う。常にはないほど目元にも下腹にも力を入れ、そうしないと後退ってしまいそう
な自分に気付いて、ぐらりと頭の芯が揺れた。
自分の赤い色など、この黒に簡単に呑み込まれてしまいそうで。
「お前なンか必要ねェっつってンだ!おとなしく一般人は黙って家に帰ってろ…!!」
「一般人とか暗部とか、関係ねぇよ!!俺は…っ」
(暗部の、ことを)
土御門が話したのか、と思い至り、腸が煮えくり返りそうになった。この無能力者は一般人で、魔術や科学
の中心に関わっていたとしても、『グループ』とは違う。光の世界の住人なのに。
「…クソッタレ、土御門の野郎…!」
思わず吐き捨てると、ふと上条の表情が変わった。
「……一方通行は、土御門になら頼るのか?」
それまでのただひたすらに真摯でひたむきだったものが、やや険悪に歪む。
「はァ?」
「俺はいらないのに、土御門の手は借りるのかよ?」
押し殺した低い声に、一方通行は思わず間の抜けた反応をしてしまう。
「借りてねェよ、あンなクソグラサンの手なンか」
「でも土御門はお前の居場所知ってんだろ?俺にも打ち止めにも教えてくんねぇのに…っ」
「何言ってンだオマエは。オマエらとアイツは違うだろォが」
土御門は暗部で、目の前の男と打ち止めはそうじゃない。当然だ。
訝しげに眉を顰めると、上条が歯を食い縛った音が聞こえた。
「……確かに、違うかもしれねぇけど」
だったらさっさと帰れ、と吐き捨てようとして、その目の色にギシリと喉が詰まる。
「俺は!俺の方が、お前のことわかってる!!」
叩きつけるように叫ばれ、一方通行は瞠目した。
「土御門は『お前に助けなんか必要ない』って笑ってたんだぞ!?助けになんか行ったら自分が殺される、
なんてふざけたこと!!」
怒り心頭の上条の表情に、数瞬で我に返り、苛立ちが込み上げる。
また、この男は。一体どれだけ自分を舐めきっているのか。一国の軍と戦っても負けはしない自分への
評価として、土御門と上条と、どちらが正しいかなど明らかだ。
「……ッ、そォだ、それでいいンだよ!あいつはよくわかってる、それが正しいンだ!!」
「正しくなんかねぇだろ!たった一人で戦って、こないだみたいに怪我したらどうすんだ!?」
「アレはたまたまのイレギュラーだっつったろォが!」
「そのイレギュラーで次は致命傷を負わない保証なんかどこにもないだろ!」
「そン時は一人でどォにでもするし、今までもそォして来れたンだっつゥの!」
904:1:2011/09/18(日) 15:11:12.73 ID:Q3vQ7IW70
一方通行はずっと一人で戦ってきた。状況に応じて他人と手を結ぶことはあったが、頼りにしていたのは
自分の力だけ。それでよかった。何の問題もなかった。
「これまでそう出来たからって、これからも出来るとは限らないだろ!?何でそんなに頑なに一人になろう
とするんだよ、この意地っ張り!!」
「い……っ!?」
思わず絶句してしまう。
意地っ張り、とは。素直でなく、自分の考えなどに固執して、それを通そうとすること。
脳裏に国語辞書的なフレーズが流れて行き、その、まるで普通の友人にでも使うような平凡な言葉に、
カッと頭に血が昇った。
これほどに自分にふさわしくない表現があるだろうか。それを当然のように言い放つ無能力者が理解で
きない、心底理解できない。頭の芯が痛む。何かが破裂しそうだ。
「うるッせェんだよ…!!何なンだ、何なンだよオマエはァ!!!」
ドン、と地に足を打ちつけると、半瞬でアスファルトに細かな皹が入り、上条の足元で炸裂した。
静かな夕暮れに爆音が響き、もうもうと土煙が上がる。
「………っ」
一方通行はぜぇぜぇと荒い息をつき、土煙が晴れていくのを、成すすべもなく見詰めていた。
十秒も経たないうちに、土埃は辺りの空気に溶けて消える。後には、剥がれて割れたアスファルトと、
上条当麻が少しだけ驚いた顔で佇んでいた。
無傷で。元の場所からは、一歩も動いていない。
つまり、一方通行の攻撃は上条を傷つけるものではなかったと、誰の目にも明らかで。
奥歯を強く噛み締める。ごりり、という鈍い音がして不快だ。
イメージ、出来なかった。能力を行使するためには、『自分だけの現実』を明確に構築しなければなら
ない。今更確認するまでもない不文律。
(なンで)
けれど一方通行は、『目の前の男を血塗れにする』という『現実』を思い描くことが出来なかった。出来
なかった、どうしても。
(何でだ?どォして)
この無能力者が、能力を無効化することは知っている。だが確認するまでもなく、上条は右手の指一
本動かしていない。一方通行が、自分で勝手に衝撃を逸らしただけ。
自分が理解できなかった。耐えられない、何かがブチブチと千切れていく気がして、叫び出しそうだ。
壊れてしまう、と思った。きっと壊されるのは、今までの自分。
戦うのは自分だけ、頼れるのは自分だけ。そう信じる学園都市最強の化け物。
今までの『一方通行』が壊れてしまう。
例えば打ち止めを助けた時のように。
905:1:2011/09/18(日) 15:11:48.79 ID:Q3vQ7IW70
「一方通行」
呼ばれて目が合うと、上条は不意に笑顔になる。
「打ち止めに聞いたんだ。お前、俺にあの変なコーヒー飲まそうとしてくれたんだって?」
「は、ァ…?」
「淹れる方法は変だけど、おいしいんだってな。自分がおいしいと思ったから、俺にも飲ませてくれよう
としたんだろ?そういうのわかんないって、前言ってたのに。わかるようになったってことなんだろ」
嬉しそうに、真っ黒の目を細める。
ささいな出来事だった。インデックスが勧めた紅茶を一方通行がマズイと言って、上条と打ち止めに
咎められた。自分の好きなものを周りの大事な人にも認めてほしい、そういう気持ちがわからないと
思った。
そうだ、わからなかったのに。
ごく自然に、おいしかったから、このツンツン頭にも飲ませてやろうと思った。
どうして?理由なんてない。ただ、そうしたかった。
「お前は俺に、自分がおいしいと思ったものを飲ませてくれようとした。それって、……少しは俺のこと、
認めてくれてるってことだよな?」
ガン、と頭を殴りつけられたような衝撃が襲う。
(認める?俺が?コイツを?こンな、……コイツは)
コイツは、俺を認めていないのに?あンな雑魚の魔術師なンかに、俺がやられるって思ってるのに?
じわじわと、頭が締め付けられるような気がする。嫌な感触の汗が滲んで、短い息をついた。
「…一方通行?大丈夫か、顔色悪いぞ?」
上条はごく当たり前のように、心配そうな顔で手を差し伸べる。
「触ンな…っ!!」
再度、その手を思い切り払おうとした。だが、軽い音がして、受け止められてしまう。そのまま握り締め
る日に焼けた手は乾いていて、ひどく熱かった。
「うわ、お前手ぇ冷っ!何だ、具合悪いのか!?」
悪い。今まで経験したことがないほど、頭も痛いしグラグラするし、ここ最近ずっとそうだ。ホルモンバラ
ンスの崩れた身体は外部刺激に予想もつかない反応をしているようで、だがそんな弱みを他人に悟ら
れるはずがないのに。
普段通りの、学園都市最強だったなら。
「うるせェ、その哀れンだ顔をやめろ!たった二回俺に勝ったからって、図に乗ンじゃねェ!!」
「図に、って…心配してるだけだろ!」
目の前の黒い目が、いかにも心外そうに眇められる。どこまでもまっとうな反応で、掴まれた手が焼き
切れそうに熱い。痛い。頭が。
「それが図に乗ってるっつゥンだよ、この俺を心配、とかバカじゃねェの!?」
「心配するのに能力の強さなんか関係ねぇだろ、何でわかんねぇんだよ!!じゃあお前は打ち止めが
お前より強い能力持ってたら、怪我してても、怪我するかもしんなくても、心配しないってのか!?」
「………っ」
906:1:2011/09/18(日) 15:12:18.85 ID:Q3vQ7IW70
そんなわけがない。
頭で考えるよりも先に心が応えて、一方通行は言葉に詰まった。
反論せずにただ固まっている白い顔を見て、上条が少し安堵したように笑う。
「……だろ?心配するだろ?そうだよな」
畳み掛けるような声は、温かい。温もりを移したように、耳まで熱くなってくる。気持ちが悪い。
「俺だって、お前が俺より強いことくらいわかってる。でも、心配なんだ。お前が心配なんだよ、一方通行…」
手を握り締めたまま、日に焼けた健康的な顔が近づく。苦しそうな表情だった。
一方通行は瞬きもせずに、真っ黒の目を見詰める。
「もう一人で戦うな。俺も一緒に」
一緒に?
この『反射』の一方通行と一緒に戦う、などと言っているのだろうか、この無能力者は。
一方通行は唇を噛み締めた。喉の奥が痛い。
「本当に、バカじゃねェのか……」
「何でだよ」
「オマエも俺の能力を知ってるはずだ」
「ベクトル操作、だっけ?」
「そォだ。あらゆるもののベクトルを操作可能。基本的に攻撃はすべて反射する。反射すれば、能力だろ
うが魔術だろうが周囲に拡散する。戦闘中に俺の周りにいればどォなるか、わかるだろォが…」
そう、例えばインデックスのように。守ろうとしてすら、あれほど傷つけてしまうというのに。
一方通行が搾り出した声は罅割れて、歪んでいた。自分で聞いても、聞き苦しい声音だった。顔は引き攣
っていて、呼吸は浅く、冷や汗は滲んだまま。
「なんだ」
だが上条は、パッと弾けるように笑った。夕闇の中で、沈んだはずの太陽が昇ったような気がした。
「なんだよ、一方通行。お前も俺のこと、心配してくれてたのか?」
「………っ」
「上条さんは大丈夫!絶対だ、約束する!!」
半瞬の迷いもなく、やたらと力強く宣言する。何が嬉しいのか、満面の笑顔だ。
息が詰まる。
「………………」
そんな何の根拠もない言葉を、鵜呑みに出来るわけもないのに。ふざけるなと、一蹴すればいいのに、
言葉が出て来なかった。
一体こいつは何なのだろう。何度も繰り返した問いを、答えなど出ていないから、また繰り返さなければ
ならない。
上条当麻は、『敵』でも『暗部』でも、もはや『一般人』でも、しかし『守るべきもの』でもない。
一方通行の認識するカテゴリーに、分けて整理してしまうことが出来ない存在なのだと、今更ながらに気
付かされた。
何もかもがイレギュラー。学園都市最強の怪物に力技で勝てるのも、それでいて単なる平凡な人間と接
するような態度も、真っ直ぐで強靭な心も。
「何なンだよオマエは……」
907:1:2011/09/18(日) 15:12:44.26 ID:Q3vQ7IW70
俯いて同じ言葉をもう一度呟けば、途方に暮れたような頼りない声音になった。
目の前の男のことがわからない。
だがもっとわからないのは、自分のことだ。
能力を封じられていても、こんな無能力者、どうにでも出来るはずなのに。手を振り払うこともせず、突き
放すことも出来ず。
一方通行が棘だらけの目付き、表情、声音、何よりも最強の能力を剥き出しにすれば、相手は必ず敵意
を返すか、恐れた。どちらでもないこの男を、どうすればいいかわからない。
どうしたいかも、わからない。
どうすればいい?殺せばいい?それはダメだ、ならどうすれば?
「一方通行?」
上条が心配そうに顔を覗き込もうとする。顔を背け、一方通行はかろうじて震える指先に力を入れ、自分の
手首を掴む上条の指を引き剥がそうとした。
俯いたまま、一本一本、日に焼けた指を外していく。
「…………」
「…………」
なかなか力の入らない細い指先を振りほどくことは簡単だったろうに、上条はじっと一方通行の行動を見詰
めていた。
ようやくすべての指を外し終わったときには、数分は経っていたように思う。熱い掌が外れた手首は生白く、
自分で見てもひどく不健康そうだ。
「一方通行」
「うるせェ。俺に話しかけンな。俺の前にその面見せンじゃねェ」
顔を上げないまま、一方通行は低く声を絞り出した。
ぐらぐら、ぐらぐら。今まで頭の先から足の先まで通っていた芯が、揺れる音すら聞こえてきそうだ。
壊れてしまう。壊されてしまう。この一見、何の変哲もない無能力者に。
守るべきもののために、一人で戦い続ける決意が、『一方通行』として、ひとりで真っ直ぐ前を見据える力が。
何より、壊される、などという被害者ぶった意識に吐き気がした。
気持ちが悪い。目の前の男は完全なる善意で、悪気などないことはわかっている。一方通行が一人で勝手
に脅威を感じているだけだ。何という被害妄想。異常だ。なんて情けない。
下腹に力を入れ、奥歯を噛み締め、杖を握り締めて、顔を上げる。睫毛が震えた。
「二度と、俺に近づくな。上条当麻」
星のように輝く黒い目を見据え、ゆっくりと言葉を吐き出していく。
そして、何の前触れもなく地を蹴って飛び上がった。「一方通行!!」という声が遥か足元から響いたが、決
して振り返らなかった。
まるで必死に、逃げるかのように。
908:1:2011/09/18(日) 15:13:18.62 ID:Q3vQ7IW70
PM 6:48 第十九学区 路地裏
ピッ ピピ プルルル プルルル
上条「…あ、打ち止めか?うん、俺。えーと、ごめん。またダメだった……」
打ち止め『あららー、仕方ないなぁあの人は。ってミサカはミサカは肩を竦めてみたり!』フゥ
上条「一回手ぇ捕まえたんだけどさぁ……」
上条(あんな顔されたらなぁ)ズキ
上条(あんな、泣きそうな顔されたら、無理強いなんて出来ねぇよ…)ズキズキ
打ち止め『………』
909:1:2011/09/18(日) 15:13:45.26 ID:Q3vQ7IW70
上条「でも、次こそ説得する。俺は諦めねぇから」
打ち止め『うん、それでこそヒーローさん!…あの人、まだ十九学区内にいそうだよ?ってミサカはミサカ
は相変わらずふわっとした位置情報をお伝えしてみたり』
上条「そっかー。この辺にも隠れ家ってあんのかねぇ」テクテク
打ち止め『さぁ、どーだろ?こないだシスターさんと一緒にいた時にツチミカドっていう怪しいグラサンが来
たんだけど、何聞いても教えてくんなかった!ってミサカはミサカは大プンプン!』プンプン
上条「あれ土御門に会ったのか?珍しいな、お前らが来てる時には顔出さないのに」
打ち止め『ミサカが怪しい気配をキャッチしたのだ!ってミサカはミサカは自分の電磁レーダーを自慢
してみたり!…したかったのだけど、気付いたのは番外個体だよー』ショボーン
上条「番外個体か。話だけ聞いてたけど、俺はまだ会ったことないんだよな」
打ち止め『あの子があなたに会いたがらないんだよね、ってミサカはミサカは溜息をついてみたり。まっ
たくワガママな妹です』ヤレヤレ
上条「上条さんってば会ったこともないのに、何で嫌われているのでせうか!?」ガビーン
打ち止め『あなたが悪いんじゃないから気にしないで、ってミサカはミサカは気休めを口にしておく』
上条「気休めなのかよ!」
打ち止め『うーん、あなたは悪くないけどあの子があなたを嫌いなのはあなたのせいだからってミサカは
ミサカはお茶を濁してみたり』
上条「???……まぁいいか。打ち止めとインデックスは大丈夫ってことでいいんだよな?」
打ち止め『うん!ってミサカはミサカは力強く頷いてみる!あ、でもシスターさんから伝言あったんだ!』
上条「ん?インデックスが?何だろ、俺が帰って直接言えばいいのに」??
打ち止め『「これでいつも私がとうまのこと心配してる気持ちわかったでしょ?」だって!ってミサカはミサ
カはものすごく身につまされてみたり』ウンウン
上条「うっ……、すいませんでした……」
打ち止め『うむ、素直が一番。ってミサカはミサカは重々しく頷くのだ』ウム
上条(あー、心配してんのに連絡付かないのってこんな不安なんだな……確かにインデックスが怒るのも
わかるわ)
上条「よし、今日は奮発してインデックスに肉でも食わしてやるか」
打ち止め『食べ物で懐柔!?ってミサカはミサカはガビーンってなりつつも、それが一番喜ばれそうだな
って結局は同意してみたり…』
上条「だろ?けど今日はもうちょいだけ探そうかな。一方通行の居場所、わかるか?」
打ち止め『うん!あの人の位置情報、また頑張って検索してみる!!』キリッ
上条「頼むな。お前だけが頼りだから。アイツ、全ッ然ケータイ出ねーし」
打ち止め『まかせなさい!ってミサカはミサカは元気よく笑顔で頷いてみたり!』エヘヘ
上条「……なぁ、打ち止め」
打ち止め『なぁに?ってミサカはミサカは突然優しい声になるヒーローさんを不思議に思ってみる!』
上条「無理するな。一方通行にずっと会えてなくて寂しいんだろ?アイツに言ったりしないから、無理して
明るく振舞わなくってもいいんだぞ」
打ち止め『な…、何のこと?ってミサカはミサカは…』
910:1:2011/09/18(日) 15:14:14.68 ID:Q3vQ7IW70
上条「お前、一ヶ月前だったら、電話とかしてたらすぐ、『今日あの人が』とか『前にあの人が』とか一方通
行のこと話してただろ?最近、それ全然しないからさ」
打ち止め『そ、そんなの……だって…』
上条「ああ、しょうがないよな。もう二週間だ。そんなにアイツに会わないの、久しぶりだろ」
打ち止め『…………』
上条「御坂妹にも聞いたんだ。MNW内でもあくまで普段通りだって。……元気なさそうにしてて、それが
アイツに伝わったら心配かけるって思ったんだろ、打ち止め」
打ち止め『……っ、ミサカは…』
上条「大丈夫だ。二人だけの秘密にする」
打ち止め『う……っ、』
上条「大丈夫だ」
打ち止め『……っ!……ひ、っく…』グスッ
上条「寂しいか?」
打ち止め『う、うん…!寂しい…って、ミサカはミサカは正直に答えてみたり…』ヒック グスッ
上条「ああ、わかる。俺も寂しい。また早くお前らに遊びに来てほしいよ」
打ち止め『うぇえ…あの人に会いたいよぉ……夜中に起きた時、あの人にくっつくとすっごく安心する、
のに……今は起きても一人ぼっちなの…会いたいよ…」グス
上条「うん。アイツも同じだと思うぜ」
打ち止め『そうかなぁ…?ミサカのことがあの人の負担になってないかなぁ…?ってミサカはミサカは』
上条「アイツが選んで背負ったんだ。それがアイツの支えなんだよ。俺も同じだから、わかるんだ」
打ち止め『支え……』グスッ
上条「重いなんて思ってねぇよ。逆なんだ。それがなかったら、俺なんか風に吹かれて飛んでっちまう。
インデックスは、俺をこの世界に繋ぎとめてくれる絆なんだ。きっと一方通行にとってのそれが、
お前なんだろうさ」
打ち止め『……っ、ぅうう…あくせられーたぁ……』ヒック
上条「大丈夫。俺が必ずお前の絆を連れて帰るよ」
打ち止め『絶対…?約束してくれる?ってミサカはミサカは、すっごく期待してみたり』グス
上条「ああ、絶対。約束だ。お前の絆は、俺の絆でもあるんだからな」
打ち止め『……あの人、手強いよ?ってミサカはミサカは経験談から忠告してみるんだけど』
911:1:2011/09/18(日) 15:15:09.53 ID:Q3vQ7IW70
上条「だよなぁ…。って上条さんも肩を竦めてみる。意地っ張り過ぎだろ、アイツ」
打ち止め『い、意地っ張り…。それ直接言ったら、あの人のすごい顔しそうかも』
上条「言ったけど?」
打ち止め『ええ!?言ったの!?…見たかったなぁってミサカはミサカは想像してみたり!』クスッ
上条「すっげぇ怒られた」
打ち止め『ですよね~!ってミサカはミサカは超納得。能力でぼっこぼこにされてても驚かないよ?』
上条「あー、一回攻撃された」
打ち止め『えっ!?!?』ヤッパ オドロクヨ!
上条「あ、大丈夫大丈夫、全然当たんなかったから。無傷無傷!」
打ち止め『そ、そっか…。ってミサカはミサカはホッとしてみる…。でも、あの人の攻撃が当たらなかった
っていうのは変だよ、ってミサカはミサカは鋭く指摘してみたり』キリッ
上条「……変じゃないんじゃね?だって最初っから、当てるつもりなかったんだろうしさ」
打ち止め『なんだ、わかってるんだね。ってミサカはミサカはちょっと悔しがってみる』
上条「アイツの方がビックリした顔してたけどなー、はは。何でわかんねぇんだろうな。アイツが俺にそんな
ことするわけねぇのに」
打ち止め『うん、そうだよね!ってミサカはミサカはしたり顔で頷いてみたり!』ウンウン
上条「だよなぁ」ウン
打ち止め『……きっと自信がないんだよ。ってミサカはミサカは、ミサカの予想をお披露目してみる』
上条「自信?いやいやいや、俺アイツほど自信満々なヤツ見たことねぇけど!」
打ち止め『自分の能力には世界一自信持ってると思うよ?でも、自分の人間性…ていうのかなぁ。人として
の自分にきっと自信が持てないんだよ、ってミサカはミサカは考えてみたり』
上条「人としての…」
上条(……ああ、そうか。前にも言ってたな。アイツがインデックスを助けた時、アイツ自身は助けたんじゃ
なくて傷つけたって思ってるみたいだった)
打ち止め『ミサカとしても学習装置の受け売りなんだけど、人は経験を元に判断を重ねて、その判断の結
果を基準にして次の判断を行うものなんでしょ?』
打ち止め『あの人の判断の結果は、いつも誰かを傷つけるものだったから。…って、あの人自身は思って
るんじゃないかな』
上条「何言ってんだ、そんなことないだろ!」
打ち止め『ミサカはそう思ってないよ!でも、あの人はまだ経験の積み重ねが薄いから。インパクトが
強かったものが残ってしまってても仕方ないかな…ってミサカはミサカは思ってみる』
912:1:2011/09/18(日) 15:15:37.64 ID:Q3vQ7IW70
上条「インパクト?」
打ち止め『絶対能力進化実験』
上条「……っ、でも、アイツはもうあの頃とは違うじゃねぇか!!」
打ち止め『うん、違うよ。ミサカを助けることで、あの人はそれまでの自分を否定したんだと思う。きっとすご
く苦しかった。でも、否定しても自分は自分だから……』グスッ
上条「打ち止め。…大丈夫だ。一方通行は、例え何も持ってなくても、大事なものを守ることが出来るはずだ」
上条(お前自身が…俺が記憶喪失のまま戦ってるって聞いた時、自分で言ったんだぞ、一方通行)
上条(あれで俺がどれだけ励まされたか、お前にはわからないんだろうな)
上条「経験や根拠なんてなくても、自分を信じることは出来る。必ずだ」
打ち止め『うん、ってミサカはミサカは同意してみる。だってミサカを助けてくれた時のあの人は、そうだった
から……』
上条(……一方通行。お前が自分で言ったことも忘れたって言うんだったら)
上条(俺が思い出させてやる)
上条「アイツを俺達の元に取り戻す。身体も、心もな。約束だ、打ち止め」
913:1:2011/09/18(日) 15:16:10.74 ID:Q3vQ7IW70
一方通行は混乱していた。
目の前には二人の魔術師。相変わらずズルズルと動き辛そうな黒いローブを頭から被り、顔はよく
見えない。
(なン、だ…こりゃ……っ)
眼前に炎を放たれ、適当にかわして銃弾を打ち込む。予想はしていたが、鉛玉は炎の壁に阻まれた。
炎は魔術の発現の形としてはオーソドックスなものだ。
(意味、わかンね…)
ズグン、と目の奥と下腹が同時に痛む。足先がフラつき、慌てて地を踏みしめようとして爪先に力を
入れた。
胸の奥からは、容赦のない吐き気が込み上げる。酸味のある唾液を何度も飲み下した。
頭の天辺から足先までのすべてが重怠く、組み上げようとする演算が端から崩れていく。
(能力、が……ほとンど使えねェ…)
じわじわと、衝撃と驚愕が押し寄せた。
目の前の魔術師など何でもない、脅威でもない、……普段ならば。
原因不明の体調不良、そしてその程度のことで能力の発現が阻害されている事態に、一方通行は
混乱していたのだった。
914:1:2011/09/18(日) 15:16:40.65 ID:Q3vQ7IW70
第十九学区。日はすっかり暮れた。薄暗い街灯は、光の届かぬ闇を更に深くしている。
三人の魔術師からの襲撃があったのは、上条当麻と別れて約一時間後のことだった。
能力を使ってあの無能力者を振り切り、大通りから外れた路地で、どんどん色を濃くしていく夕空をボン
ヤリと眺めていた時だ。
闇から滲み出るように、三人の魔術師が現れた。すでに胸を圧迫する気配を感じていた一方通行は、
薄い唇を歪めて笑った。
「ったく切れの悪ィ小便みてェにダラダラダラダラ…。いい加減纏めて片付けさせてくれませンかねェ?」
一人目は何なく倒した。基本的に不意打ちに弱い魔術師の長は遠距離攻撃があるはずだが、彼らは初回
のインデックス襲撃以外であまりそういう手段を取らない。
好都合ではあるが、何らかの意図を感じて不快だ。しかし今日に限っては好都合だった。上条と対峙して
以来、このところの体調の悪さに拍車が掛かっている。とにかく早く蹴りを付けたかった。
最初は魔術の系統を計るために様子見をすることが多いけれど、今日はさっさと銃とナイフで行動を不能
にし、次の魔術師に狙いを定めた時だった。
人生最大級と言ってもいい頭痛と腹痛が、一方通行を襲ったのだ。
単純な怪我の深さであれば、例えば天井に頭を撃ち抜かれた時、またはエイワスに反射を切り裂かれた時
の方が重傷だっただろう。
だが、今の頭痛・腹痛は種類が全く異なっていた。更に込み上げる吐き気。手足の先が痺れ、貧血の症状
で視界がブレる。
見た目はひ弱で不健康そうな一方通行だが、実は全くの健康体である。風邪一つひいたこともなく、自分で
身体のメンテナンスが出来る第一位の辞書には、体調不良の文字などない。はずだったのに。
「……、は、…っ」
呼吸が浅い。滲んだ冷や汗が、顎を伝って落ちる。
演算を組む端から、ボロボロと崩れていく。痛みで、吐き気で、複数の事象を起こすような、複雑な演算が
出来ない。演算など、どんなものであったとしても、普段なら息を吸って吐くよりも容易いことなのに。
気が付けばこの有様で、体内変化を確認することすらままならないなど、考えられない事態だ。
魔術師の一人が軽く腕を振れば、出現した火炎弾が襲い来る。もう一人は奇妙な杖を振って雷撃を出現
させた。
何とか系統を解析し、反射を適用させれば、炎も雷も虹色の光になって消える。最低限の反射と、そこそこ
の身体移動。
可能なのはそれくらいで、信じられないほどの弱体化だ。普段の力を100とするなら5の出力も無いだろう。
一方通行は間違いなく、今までの人生で最弱の状態にあった。
915:1:2011/09/18(日) 15:17:34.02 ID:Q3vQ7IW70
路地裏を、魔術師達とある程度の距離を保って逃げる。
廃ビル群の隙間は暗く沈み、まばらな街灯がかろうじて足元を照らしていた。
弱体化した能力でも、全力で逃げに徹すれば振り切ることは可能かもしれないが、そうするわけには行か
ない。
何故ならば、彼らの本当の目的はインデックスなのだから。
ここで一方通行が逃げてしまえば今後脅威と見なされず、直接あのか弱い少女に矛先が向けられてしまう
だろう。それだけは避けなければならない。
「…はーっ、はー…っ、…っ、く」
浅い息が荒く、喉がヒリヒリと乾く。冷や汗は既に脂汗に変わり、眉間を流れるのを手で拭った。べちゃりと
手の甲に張り付く。
先ほどから、尻ポケットに入れている携帯電話の感触を強烈に意識してしまのが、我慢ならなかった。
『もう一人で戦うな。俺も一緒に』
耳の奥で響く熱い声を、必死で無視する。
(バカが…)
携帯電話に伸びそうになる指を握り締めた。これで、一体何をするつもりなのか。何を。
必要ない。そんなものは今も、これまでも、これからも必要ないはずだ。一方通行は唇を噛み締めた。
炎と雷は断続的に襲ってくる。同時に捌く度に頭の奥が締め付けられ、吐き気が込み上げた。
胃液の味がする生唾を吐き捨てる。走りながら震える腕を堪えて、無言で追い縋る魔術師の膝下に銃口を
向けて打つ。
銃弾は炎の壁には阻まれるが、雷の術師のローブには穴を空け、同じ歩幅だった彼らの足並みが乱れた。
(雷を操るが、発電能力者のように磁力までってワケじゃないようだな)
反応といい、恐らく炎の術師の方が腕は上なのだろう。
襲撃された場所から、直線で北に二百メートルほど移動しているが、彼らに焦りは見られない。淡々と追い
掛け、淡々と攻撃を繰り返す様はロボットのようだ。
距離にして約五メートル。遠距離から風や周囲の物で攻撃することが多い自分のことを知っているらしい、
絶妙な中距離だ。
916:1:2011/09/18(日) 15:18:04.47 ID:Q3vQ7IW70
それを確認し、一方通行は懐からもう一丁の拳銃を取り出して、強く地を蹴った。
宙返りの要領で魔術師達の後ろに回り込み、両手の拳銃で同時に二人へ連射しながら走り寄る。
「な……っ!?」
雷の術師が慌てて雷撃を乱射し、そのいくつかは銃弾を飲み込み、いくつかは地に突き刺さって弾けた。
一方、炎の術師は目の前に炎壁を出現させて銃弾を防いでいる。ダメージを与えることは出来ていないが、
土煙が舞う中、戸惑ったように軽く後ずさった。
(よし)
厄介な方の足止めに成功した一方通行は、そのまま雷の術師の懐に潜り込み、思い切り腹を蹴り上げる。
「ぐ、は…っ!?」
まさか急に近接戦で来られるとは思っていなかった、とローブの下から露になった男の顔が歪んでいた。
膝を折りかける魔術師の右手を、銃のグリップで強かに殴りつける。能力で強化された一撃は強烈で、骨
の砕けた音と悲鳴が響き、握られていた杖を取り落とした。
一方通行はすかさずそれを踏み付けて圧し折り、そのまま路地の奥へ蹴り飛ばす。
術師の表情が狼狽に歪んだのを確認すると同時に、鳩尾を殴って気絶させた。
(やっぱあの杖が媒介か)
魔術師は魔術を行使するのに、ほぼ必ず何らかの道具や仕掛けを必要とするという。例外もあるが、早い
話がその媒介さえ壊してしまえば魔術は使えない。
場所そのものに仕掛けがある可能性もあるが、逃げる一方通行を妨害しないのでそれはないだろうとアタ
リをつけた。そうなればあからさまに怪しい杖をどうにかすればいい。
「……はぁ…っ、は…」
一方通行は頭痛と吐き気を飲み下す。
一人は片付けた。もう片方の炎の術師は軽く舌打ちしたが、動揺した様子はない。しかし間を置かずに続
いていた攻撃が止んでおり、こちらの状況を伺っているようだ。
敵に一見した特長はなかった。武器も道具も持っていない。あのローブを剥げば何かわかるかもしれない。
風を起こそうとする。途端に視界が揺れて、下腹に力を入れて足を踏ん張った。
(イ…ッてェ……)
力を入れると、下腹もズグリと痛む。頭痛は頭の中でデカい鐘でも打ち鳴らされているかのようだし、何とも
不快な味の唾液が喉奥からせり上がる。
目の前に黒い斑点が明滅し、視界が狭まる。貧血の際の症状だという知識を探り当てるのに、らしくもなく数
分を要した。手足の先がぼんやりと痺れ、感覚が消えてていく。
気が付くと壁に背を預けていて、安いコンクリートの感触に寒気がした。
「は……、っ、かはっ?」
917:1:2011/09/18(日) 15:18:45.68 ID:Q3vQ7IW70
息を大きく吸おうとした瞬間、不意に妙な呼気が漏れる。
ぜひゅ、ぜひゅ、と出来損ないの笛のような音が自分の喉からしていることに気付くのに、数秒掛かった。
「…っ、か、ひゅ…っ、は…っ!」
息が出来ない。空気を吸おうとする度、胸を押されるような圧迫感が増し、目眩や手足の痺れが劇的に酷く
なる。
(過呼吸…?この、俺が)
一般には、過呼吸症候群と呼ばれる。何らかの原因で呼吸を必要以上に行うと、呼気からの二酸化炭素の
排出が必要量を超え、動脈血の二酸化炭素濃度が減少して血液がアルカリ性に傾く。
この状態では息苦しさを覚えることがあり、神経系や意識が酸欠状態として誤認した結果、さらに激しい呼吸
を行ってしまい、より症状が強くなるという悪循環から引き起こされる、というもの。
主な症状は、息苦しさ、呼吸が速くなる、胸部の圧迫感や痛み、動悸、目眩、手足や唇の痺れ。
原因は、精神的な不安、ストレス。
(不安、ストレス、か)
この学園都市第一位の、化け物が。まるで繊細な少女のような症状にあることに苛立つ。
その苛立ちがまたストレスに繋がるのをわかっていても、というか普段なら血中の二酸化炭素濃度くらいどう
にでも出来るというのに、今は無理だと思い知らされたのが腹立たしい。
「……、っ、ふ、ぅぐ…」
いよいよもって目の前が暗い。目は見開いているはずなのに、うぞうぞと黒い斑点が蠢いてほとんど何も見え
なかった。
銃のグリップを握る手が痺れる。指先の感覚はとうに失せている。
(マズいな)
この意地っ張り、という声が聞こえた気がした。
(うるせェよ)
どこもかしこも冷えきった身体の中、あの心配そうな表情だけがひどく熱く胸に返る。
919:1:2011/09/18(日) 15:20:07.76 ID:Q3vQ7IW70
魔術師が動く気配を感じた。こちらが何も仕掛けないのに痺れを切らしたのか、それともこちらの状況を把握
されたのか、それすらわからない。
だが、諦めるわけには行かなかった。
自分がやられれば、インデックスが危ない。打ち止めは誰が守る。
……あの少年は、どんな顔をする。
朦朧としたままの頭で、あまり悲しい表情をされたら嫌だなと思った。
何も見えないまま、魔術師の気配を睨み据えた。
幸いにも、と言おうか、魔術独特の圧迫感は身体的な不具合によるものとは全く性質を違えているので、位置
くらいは把握出来る。
肌に熱気を感じ、また炎が生み出されたと理解した。
(何とか避けるしかねェな)
反射膜は作用しないかもしれない。今までの攻撃パターンから、あの火炎放射器のような炎だろうとアタリをつ
けた。違ったらその時だ。
(……っ、来る!)
ぞわ、と嫌な気配を感じ、真横に飛ぶ。飛ぼうとした。
「っ!?」
がくっと膝から力が抜ける。慌てて能力で補強しようとするが、チリと産毛が焼けた気配がする。間に合わない。
目を見開いたまま、歯を食い縛る。
澄んだ音が、路地裏に響いた。
上条当麻が魔術師と対峙する一方通行を見つけた時、路地裏を炎が赤く照らしていた。
(一方通行!!!)
考えるより先に全力で駆け、何とか炎と細い白い身体との間に右手を押し込めば、魔術は跡形もなく砕け散る。
「な…っ、誰だ!?」
黒いローブの魔術師が狼狽した声をあげる。
上条は返答の代わりにギロリと睨み据え、思い切り地を蹴った。
「…っ!クソッ、こんなの聞いてないぞ!」
魔術師は次々と炎を生み出すが、異能を打ち消す右手の前には何の意味もない。
一歩、二歩、三歩、四歩目で右手を大きく振りかぶり、振り下ろした。
「が…っ!!」
中肉中背の身体は勢いよく吹っ飛び、壁に激突して地に崩れ落ちる。それを見届けるより先に、上条は一方通行
の元に駆け戻った。
それまでかろうじて立っていたのが、ズルズルと地に座り込む。
920:すいません、919前半コピペミスです…:2011/09/18(日) 15:22:15.52 ID:Q3vQ7IW70
「……、誰、だ…」
焦点の合っていない赤い目に、息を呑む。ひどい顔色。死人のようだ。だがそれでも殺気は失っていなかった。
(ったく、コイツは…!)
「見えてないのか、一方通行!?俺だ!」
「……っ!?か、みじょう…か……」
ふぅ、と張り詰めた覇気が緩む。そのまま華奢な身体がふらりと傾いで、上条は慌てて受け止める。あまりに軽い。
「魔術、師は…?アレ、は…インデックスを…」
ひどく苦しげな息の下から、それでも無力な少女を案じている一方通行に、胸が痛くなった。
「心配すんな、俺が倒した!!」
「…は、そ…かよ……」
頬はひどく青白い。真っ白い睫毛が震えている。
「それよりお前どうしたんだ!?だ、大丈夫か…っ!?」
聞いてから、舌打ちしそうになった。大丈夫か、と聞いて、この一方通行が素直に答えるわけがない。むしろ
意地を張って、更に無理をするに違いない。たまったものじゃなかった。
(今度こそ逃がさねぇからな!)
能力で逃げられないよう、右手でしっかり一方通行の手を掴もうとする。
921:1:2011/09/18(日) 15:23:53.21 ID:Q3vQ7IW70
「かみじょ……、無、理…っ」
922:1:2011/09/18(日) 15:24:21.82 ID:Q3vQ7IW70
だが、不意に耳元で消え入りそうな声が囁いて、上条は固まった。
抗うように学ランの胸に置かれていた白い細い指が、縋るように黒い布地を握り締める。
白い顔が、力なく肩口に埋められた。すり、と微かに頬が摺り寄せられる。
柔らかな白い髪が上条の頬に触れた。
「……後、任せ…、た……」
掠れた小さな声は、夜気に溶けて消えそうで。しかし、確かに上条の耳に届いた。
「……一方、通行…」
呆然としたまま見下ろせば、いつも鋭い眼差しは力なく閉じられている。睫毛も白い。
手だけが勝手に動いて、頼りない背を抱き締める。細い。冷たい。熱い。そして、柔らかい。
(一方通行が。俺に、)
上条が無理に捕まえたわけじゃない。一方通行が、自分の意思で、上条を選んで、身を任せた。
あの一方通行が。目の前にいるのが上条だと知って、警戒を解いた。身を任せた。
「一方通行…!!」
凄まじい全能感が全身を包んだ。世界のすべてを手に入れたような、指先まで求めていたものに満たされて
いる感覚。
ぎゅう、と力の限り華奢な身体を抱き締める。
爪先までが太陽になった気がした。今なら何でも出来る。何だってしてやる。何でもだ。
「俺に…、俺に任せろ、一方通行!!」
お前が望むなら、何だって。
923:1:2011/09/18(日) 15:24:54.88 ID:Q3vQ7IW70
「は…?しょ、初潮……?」
「うん、間違いないね」
上条は、ポカーン、と口を開けた。
第七学区の病院。普段から望んでも無いのによく世話になっている病院にとりあえず駆け込めば、馴染んだ
カエル顔の医者が対応してくれた。
血相を変えて飛び込んだ上条に最初は驚いていた医者だったが、「では預かろう」と一方通行を連れて行って、
数分もしないうちに戻ってきたのだった。
「い、いやだってアイツ…いくつだ?知らねぇけど、俺とそんな変わんないですよね?」
「そうだね。確かに本来なら何年も前に迎えているはずだけれど、彼女は少し特殊なんだよ」
「特殊って…。もしかして、能力の影響で?」
「よく知っているね?まぁ、その通りだ。彼女はつい最近まで紫外線や何やらの外部刺激をすべて反射していた。
それによってホルモンバランスが崩れて、性別的特徴が薄い身体になっていたんだね」
医者は頷き、手元のディスプレイにいくつかのカルテを呼び出した。
924:1:2011/09/18(日) 15:25:41.30 ID:Q3vQ7IW70
「けれどその反射が失われ、今は他の人とほとんど同じように外部刺激を受けている。それによって本来機能す
べき器官が役割を思い出している、といったところだね」
「そ、そうなんですか……」
上条は、滔々とした説明を口を開けたまま聞き入る。医者は少しだけ憂鬱そうに溜息をついた。
「以前検査したときに、少し心配していたんだよ。今後、身体が急に本来の成長を取り戻せば、負担がかかるか
もしれないとね?」
「え!?あ、アイツ大丈夫なんですか…っ!?」
椅子を蹴倒す勢いで立ち上がると、宥めるように片手を上げられる。
「ああ、大丈夫だ。月経は人によっては頭痛や腹痛、吐き気などの辛い症状をもたらす。初めてということもあって、
彼女の身体もビックリしただけだと思うね。いたって健康だよ」
「そうですか…。……………………」
一方通行の容態が心配ない、とようやく確信を得て、次にじわじわと頬が熱くなってくる。
女の子にそういうものがあるのは知っていたが、改めて一方通行が「今」「そうなんだ」と思うと、なんか。
「どうしたんだね上条くん。顔が真っ赤なんだね?」
「な、なんでもないです!!!」
925:1:2011/09/18(日) 15:28:14.98 ID:Q3vQ7IW70
夜も更けた。
個室に移された一方通行は、まだ眠っている。寝顔は安らかで、上条はひどく安堵した。
眩しいかと思って、部屋の明かりは消したままだ。今夜は月が明るいから、あどけない寝顔もよく見える。
「あくせられーた、怪我してないんだよね?とうま」
一足先に駆けつけたインデックスが、そうっと白い髪を梳く。打ち止めにも連絡したところだ。すぐに駆けつける
だろう。
「ああ。ちょっと衰弱してるけど心配ないって、先生が」
「よかったんだよ…」
白いシスターが、長い溜息をついた。月明かりが銀色の髪と、白い髪を照らしている。
「ああ、よかった。ほ、んとに…っ」
急に喉の奥が熱くなって、声が詰まる。
「とうま?」
インデックスが驚いたように見上げてきて、上条は慌てて瞬きを繰り返した。滲みかけていた視界が戻る。
「コイツ、さっきホント顔色悪くてさ…、でも、それでもお前のこと心配してて」
青白いを通り越しかけた頬、荒い息。今にも崩れ落ちて二度と目を覚まさない気がして、生きた心地がしなかった。
「俺はもう、コイツを一人で戦わせたくない」
今までこの強く脆い少女は、たった一人で戦ってきた。どんなに傷ついても、自らの背に庇ったもののために。
一人で、誰かに頼ることも思いつかないような。
そんなことはもう許すことが出来ないと思った。
一方通行の寝顔を見詰める。どうしてか、目が離せない。
「俺は…一方通行は、俺と同じ方向を向いてると思う。だからコイツとなら、同じ方向を見て、一緒に歩いて行ける
気がするんだ」
「とうま」
インデックスは驚いたように目を見開いた後、少しだけ寂しそうに微笑んだ。
「……そういう言葉を残した作家がいたかも」
「作家?」
「なんでもないんだよ。そうだね、とうま。あくせられーたなら、とうまと肩を並べていられると…思うんだよ」
銀髪の少女は銀色の睫毛を、祈るように静かに伏せた。
948:1:2011/09/27(火) 18:48:46.05 ID:9FB5Idr80
一方通行が目を覚ました時、最初に視界に入ったのは白い天井だった。
窓の外は青い空。明るい室内。
一瞬混乱しかけたが、0.1秒後に自分のことを思い出し、0.2秒後に自分がどこで何をしていたのか思い出し、
0.3秒後にここがどこで何故ベッドに寝かされているのか検討を付け、そして約一秒後には毛布の中で頭を
抱えていた。
(………………………………死にてェ)
意識を失う寸前、あの熱血バカに何を言って、どんな風に縋ったのか明確に記憶している。
勘弁してほしい。ああいうのは、後になったら覚えていないものだと相場が決まっているだろう、常識的に考えて。
「あなた、起きたの!?ってミサカはミサカは毛布に飛びついてみたり!」
「あくせられーた、大丈夫?」
甲高い声がステレオで聞こえて、被っていた毛布が引っ張られる。
949:1:2011/09/27(火) 18:49:38.13 ID:9FB5Idr80
「………………」
「あ、あれ!?あーなーたー!どうしたの!?ってミサカはミサカは渾身の力で毛布を引っ張ってみたりぃいい」
「あ、あくせられーた?どうしたのかな?」
左右からグイグイと引っ張る力はそれほど強くはない。
別に抵抗しようと思えば出来たが、その後のことを考えると果てしなく気まずいものがこみ上げたので、さりげなく、
小さな少女達が反動でひっくり返らないように力を抜いた。
「…なンだようっせェなァ……」
さも今起きました、という表情で毛布から顔を出せば、潤んだ大きな栗色の目と緑色の目が覗き込んでいた。
目が合えば、いかにもホッとしたように目元が緩む。
「ん、夜よりも顔色良くなってるんだよ。気分はどう?」
「別にィ」
「別に、じゃわかんないんだよ!あのね、あくせられーたはね…」
「わかってる。大丈夫だ」
「ホント?大丈夫、ならいいんだよ」
自分の状況は理解している。普通に頭痛と腹痛と吐き気があるが、たいしたことはない。鎮痛剤でも打たれている
のだろう。
「……上条は」
「え?とうま?」
「上条は知ってンのか、…俺の状況」
一方通行は、真っ白い天井の継ぎ目を目で辿りながら尋ねた。
「う、ううん、先生が気を使ってくれてね、私が聞いただけかも。とうまは貧血か何かだと思ってるみたい。今はあく
せられーたのご飯貰いに行ってくれてるんだよ」
「ふゥン…」
あのツンツン頭の無能力者は、自分が女だということをまだ知らないようだ。
何故だか、少しホッとしたような溜息が漏れた。
950:1:2011/09/27(火) 18:50:06.69 ID:9FB5Idr80
ふと、いつもなら一番うるさいだろう少女がおとなしいことに気づき、ベッドの向かって右側に視線をやる。
「どォした、打ち止め」
名を呼べば、勢い良く顔を上げる。
「えーとね……」
おずおずと毛布の中に小さな手を入れ、一方通行の手を握り締めた。
「久しぶりね、あなた。ってミサカはミサカは、あなたの顔が見れてすごく嬉しかったり」
「…………」
打ち止めははにかむように笑った。いつも天真爛漫な笑顔しか見せないこの子供には、珍しい表情だ。
「怪我とか…してなくて、よかった。あなたはいつもミサカに『俺は大丈夫』って、嘘を付くんだから」
「嘘なンかついてねェよ」
「それが嘘!ってミサカはミサカはふくれてみたり!あなた結構平気な顔でしれって嘘つくんだもん!ミサカだって」
打ち止めが、ぎゅうっと握りしめる指先に力を込めた。
「あなたがミサカを心配してくれるのと同じくらい、ミサカもあなたが心配なの。あなたはミサカを助けてくれるけど、
じゃあ誰があなたを助けてくれるの?ってミサカはミサカは、ずっと…」
一方通行は黙って手を握り返した。
それだけで、空から幸せが降ってきたような顔になる少女を、知っていた。
「あくせられーた」
左隣から優しい声が降ってくる。
見れば、白いシスターが一方通行の左手を握っていた。
「誰かを頼ることは、弱くなるってことじゃないと思うんだよ」
「……何の話だ」
951:1:2011/09/27(火) 18:50:39.09 ID:9FB5Idr80
「私の話なんだよ。私はずっと一人で逃げてて、誰かに頼ったらダメなんだって思ってた。でも、とうまが助けてくれ
て、守ってくれるから、私は自分が死にそうになっても『死んじゃダメなんだ!』って思えるようになったんだよ」
「わ、わかる!ってミサカはミサカは力強く同意してみたり!」
「一人だったら、すぐに諦めてたかも。でもとうまと二人だから。こういうの、強くなったとも言えるんじゃないのかな?」
「……………」
自分の話、と言われれば、否定するのも違うだろう。
一方通行は黙ってインデックスの顔を見上げた。普段は幼いシスターの表情は、誇らしげに大人びて見える。
「あくせられーただって、本当はわかってるんでしょ?」
インデックスは打ち止めの顔を見る。一方通行も、自分が生まれて初めて見つけた光に視線を向けた。
小さな少女は、二人分の視線を受けても臆すことなく、にっこり笑った。先ほどのインデックスと同じように、誇らしげに。
(このガキを助けて、俺は弱くなったのか)
自問して、部分的には「イエス」と回答する。けれど、ならば後悔しているかと更に自問すれば、迷い無く「ノー」と答える。
答えることが出来る、そんな自分を少しは誇らしく思う。
何度見ても、この子供の笑顔は見飽きない。
『そうしたらいつか、あなたは自分を好きになれるでしょう?』
いつだったか、何もかもわかったような顔の子供に言われた。
自分を好きに。なんともセンチメンタルで夢見がちで、現実感のない表現だと思った。
ただ、そうあってほしい、という打ち止めの気持ちは温かく感じたのだ。
しばらく、三人とも黙っていた。
握られた両手は温かく、差し込む冬日は明るく、茶色い髪と銀色の髪をキラキラと照らしていた。
952:1:2011/09/27(火) 18:51:12.55 ID:9FB5Idr80
「……あ、そうだ。あくせられーた。昨日は看護婦さんがつけてくれたみたいだけど、一晩経つし…そろそろ代えた方がいいかも
」
ふとインデックスは時計を見て、白い正方形のものを差し出した。
「あァ……」
一方通行は一度赤い目を瞬かせ、いわゆる生理用ナプキンというやつだ、と判断出来たようだ。
自分の状況は理解している。口にした言葉のまま、ややぎこちない手つきでそれを受け取った。
インデックスはその様子を見て一瞬(大丈夫かな?)と心配になったが、一方通行のことだ、大丈夫だろうとすぐに思い直す。
「じゃ私はその間、お薬とお水もらってくるんだよ」
そのまま踵を返し、部屋を出ようとした。ひらりと白い修道服が翻る。
急に、くい、と後ろから引っ張られ、「ん?」と振り返った。
「あ……」
白く細い手が、修道服の裾を掴んでいた。赤い目が、自分で自分に驚いたように丸く見開かれている。
「あくせられーた?」
「あ、あァ…」
パッ、と気まずげに離された手を、今度はインデックスが握る。
「どうしたの?」
953:1:2011/09/27(火) 18:52:08.75 ID:9FB5Idr80
「…………いや、…」
いつも迷いの無い眼差しが、戸惑ったように伏せられ、うろうろと布団の上をさまよう。
急かさずに待っていれば、やがて途方にくれたような顔がインデックスを見上げた。
「……これ…どうやって付けりゃいいンだ……?」
普段の不遜さが嘘のような不安げな表情に、インデックスの胸がきゅん、と締めつけられる。
次の瞬間、自分でもビックリするほどの猛烈な庇護欲が沸き上がった。
「わ、私に任せなさい!!」
やけに勢い込んで進み出ようとすると、ベッドを挟んで反対側では「ミサカが手伝ってあげる!ってミサカはミサカは自分もよく
わかんないけど手を上げてみたり!!はいはーい!」と打ち止めが万歳をしている。
「ら、らすとおーだーより私の方が…」
適任かも、と言いかけたところで、バターンと勢い良くドアが開け放たれた。
「そんなガキ共よりもこのミサカが!このミサカの方が適任だよね!!」
仁王立ちになっているのは、目の前の小さな少女を大きくして目つきを悪くしたような。
「いや、ミサカは第一位に教えるなんて面倒でイヤだけど、どうしてもって言うんなら考えてあげるよ!?ていうか今頃初潮とか
爆笑だね第一位!!ぎゃは!」
「もう、番外個体は!今になって入ってくるなんてズルい!ってミサカはミサカは暗にずっとドアの外に居たの知ってるよーって
指摘してみたり!」
「え、わーすと、どうして入って来なかったの?」
「そ、そんなことはどうでもいいよ。ミサカは別に一方通行のことなんて別に心配してないし別に!」
954:1:2011/09/27(火) 18:53:24.21 ID:9FB5Idr80
「じゃあやっぱり私が教えるんだよ!」
「いやいやミサカがやるって、しょうがないから!だいたいそーんな貧相な身体して、あなたちゃんと生理来てるの?」
「し、失礼かも!?毎月順調なんだよ!!」
小さな白い物体を求めて、大中小の三人の少女達がわいわいと言い争いを始める。
「……何でもいいから、早く教えてくれませンかねェ…」
一方通行は、頭の上を飛び交う賑やかさに閉口気味に呟いたが、三人の口ゲンカにすぐにかき消されてしまった。
978:1:2011/10/07(金) 21:59:39.61 ID:tqUwH5NY0
PM 1:40 第七学区 とある病院 402号室
禁書目録「とうま遅いね?もう30分くらい経ってるんだよ」
打ち止め「この人のご飯取りに行ってくれてたんだよね、ってミサカはミサカは確認してみたり」
禁書目録「うん。私ちょっと見て来ようかな」ガタッ
一方通行「おい。行くンなら飯はいらねェって伝えとけ」
打ち止め「え、ダメだよ!どうせ昨日も食べてないんでしょ!?ってミサカはミサカは断固阻止!!」
一方通行「いらねェ。食欲ねェ」フイ
番外個体「ご飯食べないで薬飲んだら胃を悪くするって黄泉川が言ってたよ?その年で胃痛とかウケるー」ギャハハ
一方通行「俺胃腸丈夫だから問題ねェ」フン
禁書目録「ほんとに!?人は見かけに寄らないんだよ!」
一方通行「どォいう意味かなァ~?」ムニー
禁書目録「ふえ、ひゃひふふんはー!」ジタジタ
一方通行「あ、ッテテ……」パタッ
979:1:2011/10/07(金) 22:00:23.72 ID:tqUwH5NY0
打ち止め「きゃー、あなた大丈夫!?てミサカはミサカはベッドに倒れ込んで丸くなったあなたの顔を覗き込んでみた
り!」
禁書目録「わ、私が暴れたせいであくせられーたが…」アワワ
番外個体「あなたのせいじゃないでしょ。この人がひ弱なだけだよ。鎮痛剤効きづらいタイプの子っているしね」フン
一方通行「……………」ズキズキ
一方通行「……………」カチッ
打ち止め「あ、能力使う気なのね、ってミサカはミサカは意外と我慢弱いこの人の一面を知ってみたり」ウン
禁書目録「でもでも、顔色悪いし冷や汗かいてるし、何とか出来るんならした方がいいかも」
番外個体「堪え性ないんだねぇ第一位!!」ギャハハハ
一方通行「うっせェなァ…。普通の怪我と違ってなンか気持ち悪ィンだよ…」
一方通行(………神経物質の操作でいいか?ン…よし)スーー
一方通行「………」ホッ
打ち止め「あ、痛くなくなった?ってミサカはミサカは心配そうにのぞき込んでみる」
一方通行「まァな…」
番外個体「んーでもそれってさ、ミサカの頭痛の時とおんなじで、バッテリー切れたらまた痛くなるんじゃないの?」
一方通行「あ」
打ち止め「……今気付いたの?ってミサカはミサカは珍しくうっかりさんなあなたにビックリ仰天」
禁書目録「らしくないんだよ…」
980:1:2011/10/07(金) 22:02:10.83 ID:tqUwH5NY0
番外個体「ちょっと股から血が出てるくらいで弱りすぎじゃないのー?」アヒャヒャ
一方通行「下品な言い方はやめろっつってンだろォが…」
番外個体「うるさいなぁ、最終信号だけじゃなくてミサカにも親御さんぶるのやめてよね!」
一方通行「はァ………」モゾモゾ
一方通行(あーヤバい、バッテリーあと22分か…)
番外個体「ちょっと聞いてるの第一位!?っていうかさぁ、そんなに痛いんだったら子宮取っちゃえばぁ?
どうせ男だか女だかわかんない見た目なんだし!ぎゃはっ☆」
一方通行「おー」ピコーン
一方通行「オマエ天才だわ」
番外個体「へ?」
一方通行「どォせ今まであるンだかないンだかわかンねェ臓器だったしな。取っちまえばいい」ウン
番外個体「」
打ち止め「」
禁書目録「」
一方通行(ンー、まず腹の辺り麻痺させて…あ、これか子宮か。やっぱ切開するのが早いか?)
一方通行「風呂がイイな、血ィ出るし」ムクリ
981:1:2011/10/07(金) 22:04:22.91 ID:tqUwH5NY0
打ち止め「うわぁあああ何考えてるのあなたァあああ!!!!」ガバーーー!!
番外個体「バカじゃないのあなたバカじゃないのぉおお!?」ガバーーー!!
禁書目録「ダメなんだよあくせられーたぁああ!!」ガバーーー!!
一方通行「うォ、なンだオマエら」ムギュッ
打ち止め「何だじゃないよ何だじゃ!ってミサカはミサカはあなたが本気だってわかってる分、半泣きになってみたりぃい!!」ウルル
番外個体「ば、ばばば、バカじゃないの!!本気にしないでよバカじゃないの!!!」アセアセ
禁書目録「女の子にとって大事なものなんだよ!?将来赤ちゃん生めなくなっちゃうんだよ!?!?」ウルウル
一方通行「えー…いいわ別に、子宮に用事ねェし。盲腸みてェなもンだな、俺にとって」
禁書目録「もう!虫垂に生理機能がないって考えられてたのは昔の話で、今は胃腸の免疫機能に大きく関与してるって見方もあるんだよ!?
どうせ知ってるクセにあくせられーたってば!」プンスカ
一方通行「例えですゥ」フン
打ち止め「やだよ、やめてよー、痛いよ、血がいっぱい出たら怖いよ…ってミサカはミサカは涙を堪えてみる…」ウルッウルッ
一方通行「何でオマエが泣くンだよ……」ハァ
番外個体「いきなり子宮取るとか言うからでしょ、常識が通用しないのは何の自慢にもならないんじゃなかったの?
まったくもう」ブツブツ
982:1:2011/10/07(金) 22:07:02.29 ID:tqUwH5NY0
禁書目録「わーすとの言う通りなんだよ!」
一方通行「はいはい、悪ゥござンしたァ」ゴロリ
一方通行「…………っ」ズキッ
一方通行(ってェなクソがァ…内蔵グッチャグチャにされてるみてェ)ズキズキズキ
打ち止め「………」スッ ナデナデ
一方通行「…何だよ、クソガキ」
打ち止め「あのね…。前ミサカが転んだ時、あなたが撫でてくれたでしょ?そしたらちょっと痛くなくなったの、
ってミサカはミサカはあなたのお腹をなでなでしてみる」ナデナデ
禁書目録「あ、それはいい考えかも!私もとうまに撫でてもらったらたんこぶ痛くなくなったことあるんだよ!」ナデナデ
番外個体「………。これで頭痛の時の借りは返したからね」ナデナデ
一方通行「………………」
一方通行(…こンなの、効くわけねェのに……)
一方通行(何だこれ………なンか…)
打ち止め(ねぇねぇ番外個体……)
番外個体(えぇ?やだよミサカ覚えてないもん)
打ち止め(うそつき、ってミサカはミサカは指摘してみたり。録音したの時々聞いてるの知ってるんだから!)
番外個体(……チッ、しょうがないなぁお姉ちゃんはぁ)
983:1:2011/10/07(金) 22:07:43.55 ID:tqUwH5NY0
打ち止め「…We pray for our fathers, pray for our mothers…Wishing our families well~♪」ポン ポン
番外個体「………We sing songs for the wishing, of those who are kissing But not for the missing…」
一方通行「おい…ガキか俺は」
一方通行(……この歌は、前に俺が子守唄に歌った…)
禁書目録「きれいな歌だね。おなかポン、ポン、てされるのってあったかいよね」ニコ
一方通行「…………」
打ち止め「So this one's for all the lost children,This one's for all the lost children~♪」ポン ポン
番外個体「When you lay me down sleeping and my heart is weeping…」ポン ポン
打ち止め「Because I'm keeping a place~♪♪」ポン ポン
番外個体「…For all the lost children,This is for all the lost children……」ポン ポン
打ち止め「This one's for all the lost children, wishing them well,And wishing them home~♪♪」ポン ポン
一方通行「…………」
一方通行(…なんだ…?……眠くなってきた…)ウトウト
一方通行「……ヘタクソども…」スゥ
984:1:2011/10/07(金) 22:09:40.24 ID:tqUwH5NY0
気配を感じて、一方通行は目を覚ました。
部屋の中には寝息と、低いヒーターの音。遠くから病院の雑踏。
時計を見る。まだ一時間と経っていない。
背中と腹がやけに温かくて見てみれば、腹に抱きつくようにして打ち止めが、背中から抱きかかえるようにして番外個体が眠っている。
いつの間にベッドに上がってきたのやら。狭苦しい、とついたはずの溜息は柔らかだった。
インデックスは、と探せば、枕元にメモがある。
『スフィンクスにご飯あげてないから一回帰るね!また来るんだよー。お大事に』
冬の日の昼下がり。窓からは薄い陽が入る。埃がキラキラと舞っていた。
外は寒いだろう。だがこのベッドの中は、温かい。
打ち止めと番外個体が落ちないように、少し寝返りを打って抱き寄せる。
いつの間にか、腹痛はだいぶ和らいでいた。
ドアの方に目をやる。
985:1:2011/10/07(金) 22:10:55.32 ID:tqUwH5NY0
二十センチだけ開いたドアの向こうに、上条が佇んでいた。
予想はしていたので驚かない。こちらが目を覚ますのを待っていたのだろう。
どれだけ気まずいだろうかと少しだけ危惧していたけれど、それほどでもないのが意外だ。
目が合うと、上条は笑った。
見慣れたはずの笑顔。
なのに、急に時間が止まった気がした。
二つの寝息も、ヒーターの音も、遠い病院の雑踏も、聞こえない。
瞬きさえ忘れているうちに、上条はヒラヒラと日に焼けた手を振った。
ぱくぱくと口だけ動かす。打ち止めと番外個体を起こさないためだろう。
またな、という上条の声が聞こえた気がした。
一方通行は数秒それを眺めてから、ゆっくりと小さく手を振った。
そして同じように、唇を動かした。
またな、と。
986:1:2011/10/07(金) 22:12:12.11 ID:tqUwH5NY0
今日はここまででー。
いやはや、長い間お付き合いありがとうございました。(まだ終わってねーけど)
次スレでもよろしくお願いします。
次スレ立てたらここに案内URLを貼りにきますね!
Entry ⇒ 2012.01.14 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
インデックス「カニさんなんだよ!」
http://hayabusa2.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1325859653/
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/ | \},/
,′ | ___ |!
j / ̄了´ /レj: / 「、¨T メ、 l|
l ∠/: ; :/厶匕_|:/|/ j从`ト|-!∨|
|/ レイV 斗テ圷 ィテ圷j∧}\
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/ /'´__|_:|\__ ∠゙ヽ`{ \ :│ ヽ
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/ / 、 j j_ノつ_:|\ ‘ヘ l_∨ } | │
/ x=/ー'7 ̄ | | :| ヽ/ j\ ∨ ヽ|│ |
. / 〃i/ ∧ j/ | :| ∧ ┼,∧ l ハ| |
| {{ i ,' /l /' | :| / 〉r'´| \/ / ∧ ,'
|\__/l| | !/'!|∨ / | :|_,/ / l| | / / / ハ__,/
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「とうまー、今日の晩御飯は何なのかな~?
もうお腹空いてきちゃったんだよ。」
当麻「お腹空いたって……今朝ごはん食べたばっかりだろ!」
「む!とうまのごはんがおいしすぎるのがいけないんだよ!」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
__,.>.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ.:.:.:.<__
_≧:.:.:.:./:.:.:.:.:.:./:.:.!:.:.:.:.:!.:.:.:.:.:.::\:.:.:く
/:.:.:/:.:.:.:.:.:./ |/ |:.:.:.,小:.:.:.:.ヽ:.:.:.:、:.:>
∠ イ:.:/:.!:.:.:.:Tト、_ |:.:/ ,.ィ代:!:..ト、_:.::>
厶イ|:/|:.:/ f 忖 Ⅳ 忖ヽ ト、!:..\
i人从.  ̄ !  ̄ ハハ`¨´
!込 j ム'
/:/ハ __ 人_
,. -<: : : :|.:! \ ´ '' ィ い: : >‐- 、
/: : : : : : : : :.ヾヽ ー ' /:/: : : : : : : ∧
/\: : : : : : : : : : :.>ミ ー--‐:ソ:: : : : : : : /: :ヽ、
/: : : ヽ: : : : : : : : /  ̄ ̄ ヽ: : : : : :./: : : :.∧
|: : : : : \: : : : / ∨: : :/: : : : : : :ヘ
|: : : : : : : :ヽ/ ヽ:/: : : : : : : : : 〉、
/: : : : : : ヽ:/ ∧: : : : : : : : /::入
/: : : : : : : : : { ┌─┐ f ̄ ̄} ( ) ! ∨: : : : :// \
厶: : : : : : : : : ::〉 `ーー'  ̄ ̄ /} V二ニ <, ヽ
ヽ::\____/ r ニニつ、_ / /〉/〉 〉 /\
Tヽ、:::::::_:⊥、____/ }/ (二./〃∠二二⊃ /::::::::ヽ
. |  ̄ ソ |`ー――――彳 /:::::::::::ヽ}
. | ___ノ―‐:V:ラーメン| ロ ロ /―┴─ - 、::::\
/^" ー―――‐ ' "´ ̄ 弋二二二フ \:::!
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「おいしすぎるじゃないだろ……ったく。まあ気分は悪くないが。
働けとは言わんが、少しくらい食材を提供するとかだな……。」
インデックス「食材?お金なんて持ってないんだよ……。」
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<:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:./∨ _.{:.:.:/ _ ヽjハ:.:.:.丶:.:.:.、>、
<:.:.:.:八:.:.:.:.N  ̄ ̄´レ' ` ̄ ̄´ レヽハ::く
∠:.:.:.:.:人∨ !} ' ノ人_::>'
 ̄ i:;从 i| , jハバ´
ノ:.人 ` 人{ ,斗勺匁`ヽ‐、
 ̄ ノ从、 ` ̄ ̄´ イ∨ rf´ .ノ、人人人ノ.、__
从:> _ <∧:|、―´ | }、`´`´`´`´'////}
/ i i リ 丶 弋  ̄ ̄ ̄`ヾ`ヽl/―――――
厂 、 〉 ハ 入 丶 `≧=- 、 ヽ_____
/ ト、 { / { / \ヽ ̄ ̄ ̄`\ \////////
-‐=≦ ハ |――――― レ'_ `ヘ、 ./ 丶 \/////,
/ / / 〉.{―――――/  ̄  ̄  ̄/ / ハ \///
. / ヽ― .ム'´ K ハ ハ / / /ヽ \
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「食材は金でしか手に入らない訳じゃない、俗世に縛られすぎだぞ
インデックス。」
インデックス「……?無料(ただ)の食べ物?」
「ああ、これだ!」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/ l l l l l l l l l l l !/ l l l l
/ ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! // ! ! ! !
∠__人___人_____人_____人___人__//
/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ / /
/ / __________/ / /
| .|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ /
ヽヽ _____ /
ヽヽ_____________________/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_ _ _ _
|| ̄|| | | | | _| |_| |_
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∥ \  ̄ . ̄ | | | .|| | | | | | ||
| |\|  ̄ / / . ̄  ̄ / /
|| | / / / /
 ̄  ̄  ̄
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
インデックス「『食べられる野草図鑑』……?」
当麻「そうだ、この本には様々な食用の野草や山菜が載っている。
つくしなんて天ぷらにして食べたら最高だぞ。
晩御飯にもよく出してただろ?」
インデックス「いつもばくって食べてるからあんまり覚えてないかも」
当麻「お前は食べられればなんでもいいのか……」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ ',
,′! | |
. j | _________.」 |
|<千 ̄_/|: :人: :|ヽ_,.斗<: : :\ |
| ∠:/ソ _≧ュ、 \| ´_.二、∨l: : :ト_>|
| /!:トイfてハ fてハV从 j |
| ./: :小弋_.ノ 弋_ソ´ ノ: ハ |
| l: : : | ' |: .|ノ! |
/ j: : l人 ┌ ─‐ 、 |: :|: ヘ. |
/ /: :/{ :lへ、 レ ノ イl: :|: :∧ |
| ,': :/: | :|: : > 、  ̄ _. イrヽ|: :| : : ハ \
〃: /: :_! :ト'´ト、 `チ _ノ |: :ト-、ハ \
/〈 /: /ミ|:..|ヘ \f⌒ヽ/ |リ ミl| |
! /: /l |:| \ \/ /仏 | ト、 ト、
. | {: /⌒Vヽー-へ、 ∧ / /´/ ̄ ヽ 「 \ / ヽ
. ト、〈 ⌒ヽ}\ /人V しl⌒ 〉 Y \
ノ ヘ ⌒l/\\∧Y∧// l⌒ ハ l \
. / //\_フ \ ∨ / 匸__ノ |\ | \)
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「食べられる野草なんて近くにあるの?
そんなの聞いた事ないんだよ。」
当麻「このあたりの野草は俺が刈りつくしたからなぁ……
そうだ、ちょっと離れた所に山があるだろ?
そこならかなりの数の野草や山菜があるはずだ。」
「そしたら山菜パーティだね!とうま!」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
| | -=: 7: : : :/ : :/` ー- _ | |
|ノ´: : /‐ト: :_/{ : :ハ __jヽ : `丶、| |
ー=≠ィ/´Ⅳx=ミV \{.ハ_ノ`|:メ} : ヽ| |
/ 八: /Y トi:ハ. ィテ=ミ∧ : ヽ\ |
| ト ゝ うソ トi.:::ノハjノリ:厂 │
| |: :i // ' ゞ.ン ノ|: : :| |
| |: :| __ /// |: : :| |
| |.:人 ∨ フ ィ:j : : | 、|
,' /i|: :/个 _ ー'´ イ∨ |: : .:| |
/ /´7 : !'^7´〈 〈`ト-‐ ´ |ノ/リ: :.:∧ }
/ /{∨: : | | |ヘ`ー-─一'´ / /: : /^入. |
/ 人K|: : :.| | | 、 / /: : /∨ ハ ヽ
. | 人ノ |: : :.| | │ ー=彡'′ /: : / / `.
lイ´ \|: : :.| |_,|__∠ /: : / / } l
|.| |: : :.l(匸))二∠匸),) /: : / / .ノ │
|.{ |: : :.| 「 ̄ ∨ ̄ ̄/| : : |./ ´ |
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
当麻「ああ、山菜天ぷらパーティだ。
っともうこんな時間か、遅刻しちまう!
インデックス、お願いしておいてなんだがあまり深い所へは
入るなよ。危ないからな。
山のふもとまででやめとくんだぞ。」
「了解なんだよ~。いってらっしゃいとうまー。」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
{ {>‐=ニ二 ̄ ̄ ̄二ニ=‐<} }
/ /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |
| | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | │
| { -―=ァ 7'' 卞i' T ァ- 、} |
|/, トi |/i i| | i /| ,|│i \│
∠ イ{ 从≧=ミ八 、斗=≦从リ i 八|
/ 厶i八{{. r':::ハ r':::ハ }}/ Ⅳ |
{ / |i i ゝ弋(ソ V(ソ 厶 | |
∨ |i i⊂⊃ ' ⊂⊃ | 人
/ /i| i∧ 、_,、__, /!i | 、
/ / | i|_,,ゝ . イ、|i小 ヽ
/ _ノイ^| i| |: {> _ <}: :〉|i |八 \
/ / _{ {| i|_│: :V二ニニ二ニV :/_,|i | /\ ヽ
/ /{ ((匸マ| i|,八: : :マニ= =ニマ : 八 |i 匸)) ⌒\ 〉
〈 / ー─ -=| i| ∨(匸二二匸):/ `|i | ̄ }\_/
. {厶 ___ 彡| i| \ : \/: . / |i | \ __ノ \
/ ,| i| ヽ/\/ :|i | \
/ /リ,リ /|\/' |八 \
〈 _____ ノ /;/| |│: : : | │i |\ _____ 〉
∨\ ー┴く. /;/│ |│: : : | │i | i i/` ー /
∨ 丶、_ ∨/| ∧ /: : : : : :| ∧i | i/ /
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「初めての大仕事を任されたんだよ!
山菜を見つけるなんて大変そうだけど、ちゃんと成功したら……」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
ノ_ イ::::::::::://: |::::::i:::::::::::::::::::::::_:::\
_____,. イ/|:::::/::::::://::::/|::::::|:::i:::::::::::::::::::\ ̄
__ マ¨¨¨ヽ>:::::::::/:::::|:::/.┼/':/:::八:: / .|::::::|:::|:::::::::::_::::__:\
 ̄ | i {/|!⌒ `¨¨フ::::::::|厶=ミ}/|/レ'|:/ー-!ハ::|:::|ー'´ ∨ i´ }ヽお前こんなに山菜取ってきてくれたのか~!
! ! ∨{ ∠:::ィ::::j! // `.} ィテ=ミ、 |ノ::j`¨´} i .| | /
. | | Ⅵ, i 厶イ,| :.{ // レ'レ⌒´ !' これだけあれば一か月はしのげるぞ!
`{ | \ i | ,,ハ / /⌒ヽ
} .| \ |ノ / ∧ }iァ---‐一イ / / /\ ちゅーしてやるぞインデックス!
L.}__ \ >' ____ ヽ. `¨ ー ´/ __/ / ⌒i
`¨ ー‐<¨´| `ヽ{ \ _,. <! ¨´ \ / }
\
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
ハ , / /,' / . ゚. 、 ∧
. ,《 ,' ハ i.| |:.│ : l:. l : !:. i ゚。 .:',
/; | :l.:.:i.l:| |:.:.| : lヾ:.| !l |:.:.| 、\ .:.!
__/ { { .:.ト、;山モ∧ :i.:. ムモ」」|リY:} 丈_`ニ=-
` ~ | !: .:∨|チ去弍ヽ ヾ.!:/y‐去弍ミx「ヾ ヽ !|
. 代:.t:.{゚{{ |::ミzi:|゙ '´ f"|::ミzf:|゙}}〔:.. X__ \
゚ Y^ヘ` つ少 つ少 ” !: l》∧゙丁`
. l i:. 〕 ¨¨´ 、 `¨¨´ l レ^i:} !゚. ……頑張るんだよ!
. l |:从 /// //// | :. !_, ゙<!∧
/! l ヽ. ` ‐‐' イ|:.:.:| _ッ¬¬、
〉、| .:}ヽ ≧n 、 ,. 彡 } j´ !
λ |.:.:ト、 `ーく ゙マニ ´ / リ゚ ,'__,.r‐----tj
/ ', 〔 ! \ `=ハ / ,.ツ:.:/ / }:゚.
,' 》.! | `ーf !、 / _,f !'´〃:.:/ ,′ リ.:.}
| / : : /: : / : : : : /: : : :/ : : : : ′ | : : |: : : ヽ } |
| ー‐=< :ノ: : /: : / : : ィ /: : / : : /: :/ | : : }: :i : : Ⅵ/
| .> / : : {i : -‐≠‐--‐―==≠ |: : ハ }: :i: : \
| ./|: :〃 i: : レ' ,.斗≦芹ミ、ノ ノ }≧=-ミ: :i} : : ヽ≧=‐
| / |:i:i :i{ |: : | 人{ rテ(__ ヾ x≠ミ、 i∨: : ii: :i
}, {从八{ハ| うし.ノ ィ示ハ }): |: : ハ |
.′ 八i i : i| `¨´ ぅし:.ノ Ⅳ{: / |レ
′ ' | : i : i| `¨´ ハ.X |
/ /込| : i : i| , ∧ `ヽ !
/: |: :| : i : i|、 . i: ヽ V
. /: :∧ | : i : i| 、 ,..::::::マ} イ.: | , .i
/: :/\ | : i : i| 〈:::::::::ノ ィ:i..| : | , .|
. /: :/ .ハ| : i : i| 丶 `¨´ .ィ : i| i | : | l .|
く :ノ .| : i : i|\ > r‐<: :/ : :i| i | : | l .|
/ ヽ .| : i : i| ー―'――' バ: : : i| i | : | l .|
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「まずは準備しないといけないよね。
山にあるんだし、スコップ持っていけばいいのかな?
あと山菜を入れる袋も必要だよね。
うーん……当麻のシャツを袋みたいにしばれば大丈夫かなぁ。」
──
────────
「──よし、準備完了なんだよ!」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
:.:.:\ ´ \
:.:.:.:.:.:ヽ / / -‐一…======-、ヽ_
:.:.:.:.:.:.:: '. / ! ' ' / / / /ハ |
::.:.:.:.ヾ、| ′ |/ / .′ / / / '’ !|
|:::::.:|:| i! | i | / _/__∠ _∠_∠___/_ !|
|::.:.:.|:| i! | i i丁 -ァ‐/、ハ. /、,.!‐|-| 'Y!
|:.:.:.:N i! | i レ| /V ≠ミ Ⅴ レ==从! ト一
‐‐‐′ | ! ! !' イ'fhハ 7rハ 从)ノ1
| ノ | | 込V 弋り | 、 |
|/ /! ! ''' ' ''' |ハ |
| .イ: ! ト、 、 , ハ丶
/ / |:||,.ゝ、 . イ: || \
、 ′ .′ム.|| |\ ` ーt<_:.:.:.i.::.|| 〉
′ / ノ || 、` ー ┴' |` ー‐! | ノ
/ / !∧ \ / | γ! ! 「´
.′ /ヽ イ ))| \ .=\.≠=、! V! ! |、
! ノ⌒ (( イ | (( __》∧ __)) ! ! | ))
! / \ ! r ri ∨::i:V ̄ り \
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「ちゃんと鍵は閉めて……行ってきまーす!
あ、とうまがわかるように鍵はドアの前に置いとくんだよ!」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
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/ .、 ::::::::ヽ :::::::::::^''゙\
_r'′ ,,/ :::::::::\ ::::::::::\
._/ .´ .゙''-、 .‐、_::::::::::\
./ ::::::::::::::::ヽ :::::::::.'ー.゙''\
_,/′ :::::::::::::::: ::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::
.,,,/ヽ ,/'
″ .,/:::::::::::::::: ′
.,,/
.
.
.
_ __
/´ r__,ヽ
{ ィ|irwnト|
. 丿 ,l| ゚ヮ゚ノi{ <やっと着いたんだよ!
ヽ、,ノリ.史リ、,〉
く_ノ 八ヽ〉
. く_,.ん_ソ_,>
''"''''""""''"""'''''"""''""''''""'''''"''''""""''"''''""'""""''"""'''''"""''""''''""''"''''"""'
'"´`''"´"''""''''""''"''''"""''"""'''''"''"'''""'''::::::::''"""''""''''''''""''"''''"""''"""'''''"""''""
''"''''""""''"""'''''"""''""''''""''"''''"""'''''"""::::::::::'''''"""''""''''''''""''"''''"""''"""'''''"""'"''"""'''''"""''"
/ f__, -‐ ' ´:.:.:.:.:.:.:.:.:|
/ !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}
| i::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:, <\
| |:.:.:.:.__ ,:: -‐: !「/`i:.!ヽ>
| √: : : ::ィ! ⌒iハ: :リ xぇv!:!: }
| イ: : : : :/レ斗z- V トリ /リV
| イイ: :.イ/ / んハ ヒ! {
∧ i |イ: | ヽ v少 ' !
/ ムヘ: : | 、、 __,. 人
/ / /: ハ !: |、 「 ノ, イ !
|_ / /: !: | |: :!、 > 、 ィ! :.| / ____
/ /: :/!: トヘ: '! ̄.ソ介トヽ: :|// / / \
/ /: //:ノ:::::|: !ニ ノ|::|C} |: :| (つ i / ,ノ
/ /:: 彡へ::::::|: |:::\イ::フ^|: :| `7'ー-イ ~ ♪
/ /:.∠ /〇}: |<:::>イ::! !: |.√〈 ,ハ
/ イ:.:∠二二.メ、 / |: |`''く:::::|\! |: |::| \/ ! /)
/ / |:// 厶ノ |: | ∨_ハ.|: !∧ \| //
/ ! |:/ む' |: | \_ソ|: |:::::\ |∠∠ 、
/ | 、 |:リ |:::!::::| :|\:::::\/ ー-- }
/ | \ 从 |::::!:::!从 >r' 、 ヽ.ノ
∧ ト、 ー―へ |::/リ /::| | rくソ
/::::\ | ヽ ヽ /:/ /::::::::| |ー‐' |
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「早速キノコ発見したんだよ!
わっ!ここにも!あっ!あそこにもあるんだよ!
もう今日の晩御飯の分はゲットしたかも!
えーっと……これはなんて名前のキノコなのかな。」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
. / { // // // _,. -‐ 、 ヽ\_'._
/ '. / /)) /しリ //_.ィヽ 、 ___ヽ_、 \ー<
,' './ /*// 〃// _,.. '´ | \´\ ヽ\ ト、 、ヽ '.
,' '. rヽ // し'/ イ「 ,. | ヽ、ィ´>=ミ、\ト、! '.
,' V/ // * / ,.イ | | jハ〃芹ミ、. Y. |. | i
{ '. // / i / ト、ト、 |\! {{fr㍉:}} ! |. ! |
'. V / ,イ ト、!,≦ミ、! '⌒ソり ,. ! ト、 |
'. V´| V ト、 レィ升ミ、` .::::::::::::::::....`ご´イ::. V|ハ !
'. V ト、レ''〃fじ、ハ :::ヽ:ヽ:ヽ:ヽ:::\:\:ヽ:: V|ハ '.
'. i i | イi{ {{:代::リh}} .:::::::::::::: ` ::::::::::::::::::::: .} |ヘ '.
'. / /| ト、| 乂 ゙(⌒ム彳,.::::::::::::: 从 |∧. '.
. '. /´ ヽ∧ V ,、≠'´:::::::\: ∧ | ヽ. !
、 、 、 ::::\:\:\:::: ,.-、 ,.仆ハ | ヽ.i―‐- 、
、 、 、 '´ ,.'二 _ヽ! | i.| \
、 、 ` 、. ,.イ | | | || ヽ
'. 、 V`> 、.___,.. -‐ '´「ヽ‐┐.__| | | リ i ヽ
∧ 、 v'´ ヽ レ' | !. | V | 、
/ ヽ 、 、ー┴―――――=彡 ! | .| | | i
| ∧ V / | | ! i | ト 、
>、___ ,ヘ ヽ、_ / ! '. ! ヽ | r‐ 、 | ヽ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「本忘れちゃったんだよ……。」
「今から本取りに戻ったら晩御飯に間に合わなくなっちゃうかも
……。
……私でもエリンギとかマイタケくらいならわかるんだよ!
待っててねとうま!」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
<´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::./ |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
`i:::::::::∠ヽ::::::::::::::.,イ::::/ :!::::/|::/::::::::::::::::八:::::::::ト、::::::::::::::::::::\
ノ::::::l´ /:::::::::::::/ .|:::/卜、__!/ !'::|:::::::::::ハ::| .,へ/ \::::::::::::::::::::::::::ア
/:::::::::入 !:::::::::::::::| :!/―≠土ミ=、 .!:::::::/ |ノ/,ィ≦ ̄ / :::〈 ̄ ̄ ̄
ーx――ァ::人!:::::::∧:::! /圦 代辷アヽ于.|::::/ /ィ仍ヾ} /::::::::::::∨__
./ / ルイ |::ハ/、.∨ ー― レ' ー‥‐' /∧ /\| \ /⌒ヽ
./ / .レ`ー〈 ∧ ∨ >――‐x' \__
} / il ∧ u |! / } _ ノ / __ / ヽ
| | /∧ i} / ! r'=―=' ィァ' /\ ./ ./ー 、
| | U ヽ ' u / | `ー――'フ/ 〉 ノ ∨ / ',
| | 、 r- __ _ ./ | {`ヽ'_/\ / / ハ ∨⌒ヽ
| | ∧ ´`ー=ー―'./ .|  ̄ 〉 ハー‐' / `ーァ' }
| / ̄ヽ | し个 ⌒ . イ | ト' ー ' / へ/
|/ .\ u >― ア ! /\ | ノ / / \
\ 〈 /| l/ .\__{ r=¨  ̄ ̄ ̄¨ =--'' 人 _/\_ 〉
\`ー―――''/ :|/ `人 /
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「な、なんだ今の悪寒は……。
インデックス……ちゃんとキノコは取れているだろうか。」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
| /:`7 /-lハ: :∧: : |\トヽ: `\ |
|,厶: :Ⅳx=ミ∨ \|x≠く|∧: :_> |
| {:人{ f'人ヽ f'人ヽ }八:}: 八
人 |: }弋Yソ 弋Yソ |: : | ヽ、
{ /|:(//) 、__, _, (//) : |\ \
/ こ}ヽ|:人 { } /_ス⌒\ |
/{ ⌒し'|: : |> 、 _ノ イ:/ ヽ丶 人 |
./ >、_フ :|: : | {{下-孑 }}/ 人_ イ| \. 〉
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「エリンギ!ここにもエリンギ!
エリンギ祭りなんだよ!
ここはきっとエリンギの山なんだよ!
本を持ってこなかったのは逆にラッキーかも!」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
, / / ) / ⌒ / /∧ ハ
, ,′/ 厶斗‐ ‐-ト -<. ( ∧ ハ
,′ {/イ:/: :、/: :/ V:ハ>-‐ : : : `ゝV ハ
-=イ: : : :ハ:/i/ヽ/ ゝく} 从: / V: : : : :>-‐ }
{i/イ : : i孑らぅ 孑らぅヽ V: : :ハ i}
{i:八:i : |弋:::ツ 弋:::ツ/ ル'}:リハ }
| 八: i " ̄ ′  ̄゛ |: :レ' i}
. | /: :| |: :|∧ {i
. | /: :∧ /ヽ !: :| ∧ i}
/レ | : : \ { / !: i|/ ∧ i}
/ |: :i}: : :>  ̄ ,. 〃:i|: :!::i| ./ ∧ ト
. / |: :i| : : : : : ≧ー≦ { : i|: :|: :!/ / ∧ }ハ
. ,′ |: :i}: : : : イ ̄}___ {>、 :|: :! / / /ヽj ハ
' ,' | : }: : / ト、 /} |: :|: :i} ∧
,′ .>|: :} ̄{ { ヽ / ∧ |: :ト-i ∧
,′ 〃/|: :} { V、 彡 / !: i} i| ∧
. ′ / i|: :{ V r‐〃 ⌒ ヽ‐┐ ! :i ∧ ∧
. , , / |: :} V Y ´` Y イ :} ∧ ∧
′ 〃 i|: :! V. 人 ノ /i| :} 彡ハ ハ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「ふぅー、もうかなりの数のエリンギ採ったんだよ。
暗くなってきたしそろそろ帰ってもいいよね……。」
「あれ?ここまでどうやって来たのかな?
…………う」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
′ { _ _____ _ | ‘,
{ .. : : ´: : :∧: : |: :} ` : : {
| }> ´/: : : :j|_;ノ/ : `トJ;_: : : }: :` <} 、
| _,ノ : : : :厶斗ヒ八.:/ ∨j/∟「以ト、: : : : \ }
ー=ャi : :}/xfヒF弌㍉ ,ィヒF弌㍉ : :|: :r‐一 |
} }| : :|代つ//:リ つ//ノリハ∨}: :| |
′ 八: :{とう‥ ''´ `'' …こつ'八ノ| }
{ }ハ ヽ/ヽ ' /ヽ/ヽ ハ : :| {
} |i小 _ ____ 小 : | ∧
〃{ 八ハ . ´ ヽ ハi| : } / 、
. / /: :| :i人 ( ,. -‐‐‐‐- ) .:' : :リ: :ハ }
, / : :| :|: :个: . ´ ` .イ: : : / :/∧ ′
{ / : : :| :|: : | : _;≧r ≦L_|,;_: :/ :/∧‘, ヽ
. ノ /.: : : :| :| : .イ{ ┴-------┴ } ∨ / : : Vハ
/ /⌒''¬|: |:/ V\ ノV /:/_;_;ノ¨⌒}
. / /⌒ヽ./|: { ∨ノ廴___ノ⌒}}/ / /⌒\ /} '
/ /\ /} |: | } :〉弌三三少イ { / /\ /〃 , j
/ / / { |: | ∨ `¨¨¨´ ∨ / / { \} }
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「う……うえぇぇぇぇ……
迷子……迷子になっちゃったんだよ……。」
「とうまー……うぅ……」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
//: :./ : : : / : : / ̄¨: 7'T: :.―‐- .____ |
-=彡://: ;' : : : /: : :.,'|: : : : / :|: : ' : : : : | |:ヽ: ̄:¨ :T: : ──ヘ|
|//|: :l: : : /|\:/ |: : : :,' |: :{: : : : :│ | : l: : : : : : :|: : : : : : : :ヽ
|/ :|: :l: : / :|: /\|: :/l:|__,、|: ハ: : : : | | : |: : : : : : :|: : : : : : : : : \
| i八:ハ :│ |/ィ≦i示坏、ヽ |/ \ ^'|\ ヽハ: :∧ : /: : : : : : : : : : : :
| ヽl: ∧ {{. {{//..:::ー'} \| ,x≧==∨ニ| /|: : :/: : : : .:ト、 : :
/ /|ヽ:ハ '⌒)しイリ ´ /爪...:::(心、│ /| : : ∧ 〈 \
|/ / :|: ;' : iとこゞ辷ン {{///..::jノ}ハ∨ |: : / ハ:∨|
/ / _|/: : ' ー─'' '⌒)_イトリ }} /:/ :j : |`ヽ!
/ /´ /: : :i //// , `''ー‐てつ |: : :.:i : | ノ|
. / / /: : : :{ ′ ` ー‐ |: : :.:i : |く /
/ / / : : : 八 ////// |: : :.:i : | \
. / / |: : : : i: :|\ ^ヽ__,. --、 イ|: : :.:i : | ヽ
│ { | : : : :i: :| |>,、 、 イ /│: : :i : |
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「暗いから今まで来た道がどこかわかんないかも……。
遭難した時はそこから動かない方がいいんだっけ……。」
ザッザッザッザ……
(足音……?!なんか光って……ライト持った人がこっち来てる
んだよ?!)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
r' {//⌒) 7 + /⌒)+ ,|
| |:x/) ん / __,∠:|
| |:/ 廴ムr :7l丁:「|ハ∧:|
} |:イ i ∧ レlハl斗z≦|
| ノ./|-从{≦{ ' fぅ:|
l/'{ i :ト:l,ィiぅ::ハ 込|
| 八トト.ヘ V:.ツ 、 ,(i)
} |∧ ´ ト、i) 木
,′ |:.小. , -―(ヽi)
i j:.:、!:.:> . (`i′
| ∧:. V:._l_レ≧,一彡ヘ|
! |_:l>、.ヽ_ヽ:ヽ. /,.|
| {iう厂\\ヽ:ヽミ.///}
| /` ===}ト、.゙〈:.:__V '/ {
| ./ ∧ ヽ(こ,| |
,.| / i ヽ }、ヽj {
/ } | ,.イ´...{ }
/ ノ l/ /.:.:.:ハ ノ
/ / ___,/ /:.:.:./ ヽ |
i /´ ̄ ´ / ノ:.:.:/ __,.ィ|
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
ピカッ
???「!……君は、こんな所で何をしている。」
「キノコ狩りなんだよ!……誰なの?」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/ / ′/ / /ハ ヽ | ヽ '
/ | | i | :// :| i | :|│ i |
. / / | | | // | ∧ i | :|│ | |
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| i| 八 .:ハ|-八―∨ j/ -‐ |/| /|/ リ :/ :|i八 ヽ
| i| │ \| ∨ -\八 :/ / 癶伐芥゙>/ / j小 \ \
l: 八 ヘ癶乏芥 ∨|/ ` ー=彡 / / 八 }\ ヽ \
|/{ ∧ \ ト-=彡 , イ :厶イ ,ノ \ \ \
∠/ :\ {\ \ ::} |/│:/トーr'´}  ̄` )
厶イ/ \ ∨∧ ̄ ヽ レ'八 | ヽ /
∨ 丶>ヘ /{ ∨/ :} /
〈 ハ }\ - ‐- ' |八 j/ ,′ /
\ / ′ 丶、 / 廴_∨ / ∧
∨ ∨ }> イ |// / / / ヽ
// / |─=个ー ´ / / / /{ ( \
_/ / / /| /! /〈. / / / / 丶. \ \
´ / / // │ / / / / 人:(>…───- 、 \
/ / / / 乂 } /__く / /{ { \ 〉 \ ヽ
( (. _/ / {/──--、 _ノ´ Y {ハ | ハ )
ヽ / / / | ヽ ∨ヘ. | / / ∨
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
???「私の名前は木山だが……」
インデックス「木山さん?はこんな所で何してるの?」
木山「君がそれを聞くか、そうだな……キノコ狩りだ。
さすがに暗くて何も見つからないがな。」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/ ̄ \
/ ヽ
/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ ',
,′! | |
. j | _________.」 |
|<千 ̄_/|: :人: :|ヽ_,.斗<: : :\ |
| ∠:/ソ _≧ュ、 \| ´_.二、∨l: : :ト_>|
| /!:トイfてハ fてハV从 j |
| ./: :小弋_.ノ 弋_ソ´ ノ: ハ |
| l: : : | ' |: .|ノ! |
/ j: : l人 ┌ ─‐ 、 |: :|: ヘ. |
/ /: :/{ :lへ、 レ ノ イl: :|: :∧ |
| ,': :/: | :|: : > 、  ̄ _. イrヽ|: :| : : ハ \
〃: /: :_! :ト'´ト、 `チ _ノ |: :ト-、ハ \
/〈 /: /ミ|:..|ヘ \f⌒ヽ/ |リ ミl| |
! /: /l |:| \ \/ /仏 | ト、 ト、
. | {: /⌒Vヽー-へ、 ∧ / /´/ ̄ ヽ 「 \ / ヽ
. ト、〈 ⌒ヽ}\ /人V しl⌒ 〉 Y \
ノ ヘ ⌒l/\\∧Y∧// l⌒ ハ l \
. / //\_フ \ ∨ / 匸__ノ |\ | \)
( / | 7 |\|/| \ | ∨| \
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「キノコ狩り?私もキノコ狩りに来たんだよ!ほら!」
木山「ほう、かなりの量だな。よく探したものだ。」
「これでしばらくは食いつなげるんだよ!」
グー……キュルルルル
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
l: : /:.:.i: : : : : :|:.| ヽ: :|:.: :l: /: : : :|:./ |: :|: : :小: ::|: : : :|: : : : : :|
|:./l:.:.:.l : : : : ::|:.| |: l:.:.:.l/: : : :.从_L:L:./:.|リi: :|: : : :|: : : l: : |
|:.l |:.:.:.|: : : : : :|:.| l:八:./::l: :/:/´ ̄^jノ|:/ ハ |: l: : : :|: : : l:.:.∧
|:.l |:.:.:.|: : : : : :}リ´ ̄ \:lV / ィテ示刋卞、|:,': : : 八: : :.V: : 丶
Ⅳ.|:.:.:.l: : ',: : : l ィfテ示圷 ゞ≠彡´ /: : :.// \: :\: : : \
∧:.:∧: :ヽ: : ヘ ゞ≠¨´ /:/: ://ー/:. \: :\: : : \
ノ ∧/l人: : :\:.ゝ i /ノ|:./r-..'l:.:.:.|: : : l>ー`: : : :ヽ
ノ/ リ:.:.:ヽ: : 圦` 丶 |//:.:.:.:|:.:.:}: : :.|:.:.:.:..: : : : : :}
/:.:.:.八\!:∧ イ: l.:.:.:.:|:.:/: : : :|:.:.:.l:.:.: : : : /
. /:.:.:.:.:.:.:.V:.:.:.l:.丶 r_、 /l:.:.:l:.:.:.:.l:/: : : : :!:.:.:.!:.:.: : :./
〈:.:.:.:.:./:.:.:.:V:.从:.:.:\ ‐ / .|:.:.:l:.:.:.:/: : : : : :|:.:.:.l:.:: : :/
V:.:/:.:.:.:.:.:}/: : : :.:.:.:.> イ !7ー/: : : : : : :八:.:l: : :∧
∨/:.:.:.:./: : : : : : :.:.i斗=≧r ´ //: :: : : : : : :/:.:.:〉': : :l: :.\
/:/:.:.:.:./: : : : : : : :.:.|. . . . .ハ / ./: : :/: : : : : :/:.:.:∧: : ::l: : : : \
/:.:/:.:.:.:.:/: : : : : : : : ::リ. . / l ,' /: : :/: : : : ∧:!ー 、:.:.:\:.j: : : : : : \
/: : :/:.:.:.:.:/: : : : :/ : : : / / | 〈/: : :/l: : : ::/ j:|  ̄ ̄ ̄`丶: : : : 丶
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{:.:.:.:.:.:/>'´/: : : : :/: : : :/'´ ̄ ` ー'´ }: : :| |: : : :| ヽ: :./:!
. |.:.:.:.:./ /: /: : :/l: : : / 人: : :|∧: : :| V: :|
}:.:.:/: }:.:l: : : | l: : :|' ヽ从 \:.丶__ /. . l: :|
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「食いつなぐ……ふむ。
まあついてきなさい、あまり長い時間こんな所にいると危ない。
家まで送って行ってあげよう。」
インデックス「え?!ありがとうなんだよ!」
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/:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.iヽ:.:.:.:i:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.i:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.i:.:
. /:.:.:.:.i:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.._:.斗┼:.∧:.:i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.i:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:i:.
i:.:.:.:.:.|i:.:.:.:._:i:.:.:.:.:.´:.:.:./_二/__∨:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:i:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.i:.
|:.:.:.:.:.|i:.:.:.:.| ヽ:.:.:.:.:.:彡´廴c彡i:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.i:.:.:.:.i:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:
∨:.:.:.:!:.:.:.:メハユヽ:.:./  ̄""´ i:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:∧:.:.:.i:.:.:./:.:.:.:.:.:.i:.
∨:.:.:.i:.:.:.:.:.t'7 ヽ' i:.:.:.:.:.:i:.:.:./ \:.i:.:/:.:.:.:.:.:.:.:i:
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ヽiヽ:.:.ヽ、 !:.:.:/ j:.//|`´ ::::/:.:.:.:.:.:.:.:/::::
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ヘ`´ ̄ //::::::::/:.:.:.:.:/::i:.:.i::::::
ヽ` イ /:::::::::::/:.:.:.:.:.:i::::i.:.:∨::
ヘ -‐コ -‐´:::::::::::::::/:.:.:.:.:.:.:.i:::::i:.:.:.ヽ
 ̄.<:.:.:.::::::::::::::::::::/:.:.:.:.:.:.:.:.:i:::∧:.::.:.
/:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i::::::::ヽ.:.
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i:./ i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨:::::::::
/-‐ ‐-、 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:::::::
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
ブロロロロ……
「君はさっき食いつなぐとか言っていたが、そんなに苦しい台所
事情なのか?」
インデックス「そうなんだよ!私がキノコを採ってこれるかこれ
ないかで、明日まで生きられるかどうかが決まるんだよ!」
「そうか…………今日は少し私の家にあがっていきなさい。
お腹も空いただろう。」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
' | :/ : :./: : :./: : : /: : : : : /: : :.Y ヽ
/' |: :..:/ : : /: : : / : : : : :/: : : : :/| |
′ |:/_ ..-‐──=┬=───- _ | |
| l/ | ∧ i! /:1 ∧ |、 \! |
|/ 丿 |十T丁/N V |/|丁弋|+| 、__ゝ !
| -=イ| | V =Ⅵ!ミ j/z==ヽト ゝ||! \ ¦
| |ヘ 从|'イ::::::0` h:::oハ ヾi从 トゝ !
| |从ハ ' 弋 炒 弋 炒 '’| |:Ⅴ |
| ∧:| |ヘ | |:.| |
/| !:.:.:| |: ヘ ′ ' | |:.| |
/ i!:.: | |:.:.:i _ _ ヘ .| |:.| ハ
/ i! i! .: | |:.:.:i!:.:へ .ィ:.:.:.:.:| |:.|:! / ヽ
.′:.:i! i! .: | |.:.:.i!:.:ir-:.> . __ .. <::| :.:.:. | |:.|:! 丶
/ .:.i! ∧:.:.| |:.:.:|レヘ::l^`ー------ ' ト\:.:.:| |:.: ! ヽ
.′ :.:i! /:. !:. | |:.:/::::: ヽ. /:|:ノ:::V ! !、:.! ヽ. !
/ /:.:.: !:. | |∧:::::::::: \ /:: |!::::/`'| |:::ヽ \ |
.' /:.:.: z==| | ヽ:.:.ィz::======:トz:′ | トヾ::ヽ \
! !イ イ | | 《__ぅ::::::ヽ.=/:: ===イ. | | :.:./\! ヽ.
! !| | | \:::::::::::/ ::::::::::/| | |: / |ヽ i
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「わぁ~……。」
木山「そこにシャワールームがある、料理を作っている間
体を洗ってきなさい。泥だらけだ。」
「はーい。」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/ / ′/ / /ハ ヽ | ヽ '
/ | | i | :// :| i | :|│ i |
. / / | | | // | ∧ i | :|│ | |
| :/ :| ! ∧│ |// │,' │i | :|│ | |
| / | i | | iハ i/ //―|‐|- | :∧| :| | '
| i| 八 .:ハ|-八―∨ j/ -‐ |/| /|/ リ :/ :|i八 ヽ
| i| │ \| ∨ -\八 :/ / 癶伐芥゙>/ / j小 \ \
l: 八 ヘ癶乏芥 ∨|/ ` ー=彡 / / 八 }\ ヽ \
|/{ ∧ \ ト-=彡 , イ :厶イ ,ノ \ \ \
∠/ :\ {\ \ ::} |/│:/トーr'´}  ̄` )
厶イ/ \ ∨∧ ̄ ヽ レ'八 | ヽ /
∨ 丶>ヘ /{ ∨/ :} /
〈 ハ }\ - ‐- ' |八 j/ ,′ /
\ / ′ 丶、 / 廴_∨ / ∧
∨ ∨ }> イ |// / / / ヽ
// / |─=个ー ´ / / / /{ ( \
_/ / / /| /! /〈. / / / / 丶. \ \
´ / / // │ / / / / 人:(>…───- 、 \
/ / / / 乂 } /__く / /{ { \ 〉 \ ヽ
( (. _/ / {/──--、 _ノ´ Y {ハ | ハ )
ヽ / / / | ヽ ∨ヘ. | / / ∨
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
(まったく……私は一体何をしているんだ。)トントントン……
(山に行ったのも研究の為だったというのに……)ジュー
インデックス「お風呂あがったんだよ~。」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
\ ヽ__ ..- ―…─- .._ ノ´ `
` V `ー… __ _ ..- '’
>←- / _____ ` __ノ´  ̄ ̄ ̄ ̄
/ /ィ ´ ̄ ¨ /  ̄`ヽ て´
/ / / \ \
/ / , / / ィ ヽ ヽ
/ /イ / / / .' ! ¦ | |
/ / 1 _ェ=テヽ ィ/ |//__ / | | |
’ (__ .イ, / |什/ |/ -! // //71¨メ、 人 | |
| -=彡イ レ! ィう:示ヾV イ/-|/_ | / へ__\.|__
¦ /⌒ 从!トz::::j 7z:::rヾ1 / / __ミ、__
/! ノ:| f´| | 込少 トz:::j リ/ / /´ |
/ j / : :ト ゝ | ` ´ /イ ハ |
l イ::::::::::::|.:.:`| | イ | |::::i ¦
| |::::::::::::ヘ: : | |.、 ル |::::| |
ヽ `ー-,____ヾ| |::i:\ ⌒ イ ,リ::::| ノ
`ー─┐ ̄| |--、._`_ .._ ___ ..7´.:.:.| /::::::ノ _/
,. -┴ | | ヽ |.:.:.:/=― | /―<´
i,.-- | | ` ーrぅ \|/ z ィ / !
i ヽ| | || ` イ|! i| i
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
木山「服は洗濯してある、帰る頃には乾くだろう。
それまでこれを着て過ごしてくれ。」
(……この服、流行ってるのかな?)
木山「料理もできたぞ。生憎女の一人暮らしのがさつな料理
だが、腹の足しにはなるだろう。」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
// , / ヽ ヽ
. ′/ ′ | iト、 ヽ Vハ
' {/} ′ ! _」_i| i|∧_iL 」_} !、i
i V i ィl〔 /! |「/ リ j/^V|,ハ | \_
| ノ i Ⅳノィ宀ミ/|/ ィ宀ミx1 i| ヾ´
<フノ人|/衍トy1 トy1》.! リ ノ)リ
<∠ノィ'「 弋ツ 、弋ツ ムヘ(
| ゝ| | wxv wv l /
| i| | |\ 、 , ハ
| i| | | > 、 イ| |
' リ | | _」 ` -= 〔_| l l | |
/ ><| |´‐'′ / ` i l| l l ト、′
. //⌒ヽl | ゝ--- 、 { -‐ァハl l | }
// },, '' '' '' '' '' '' ,,イ/,, '' '' '' '' '' '' ,,
. / i ,,'' '' '' '' '' '',,
. , | ,, '' ,,
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「わぁ~!凄くおいしそうなんだよ!ほんとに食べていいの?!」
木山「ああ、好きなだけ食べなさい。
少し多すぎたかもしれないが。」
「いっただっきま~~す!」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
| / | | |: : : :| |:|ヽノ | /|/ ヽハ/|: /|: : : : | |ヽ |: : :ヽ
| | |: : | |: : ハ|ー-ヽ、 ハl/リ ,イ弋夕フゞ// : : : : | | ヽ: : |: : \
| | |: : |: : : :| ,-i--iゝリ  ̄三三´ リ/: :/ : : / |: : ヽ: :|: : : :ヽ
レ /|: : | : : |弋彡イ .i /: /|: : / リヽ_: :ヽ |: : : : : :ヽ
∠ハ :|: : : |. ~~~. / /:/ .|: :/,、 ) ノヽ、l |: : : : : : : : ヽ、
/ヽ |: : : :ミ ヽ レ / / --イ/: : : : : :!: : : : : : : : : : )
レイヽ!: : :ヽ レ ,--イ|: : : : : : ヽ: : : : : : : : /
| : : ヽ ____ / .| : : \::: : : : : :ヽ: : : : : :/、
|: : : : \ ´ __ , ヽ: : : :ヽ: : : : : : ヽ、: : /: :ヽ
|: : : : : : \ , イ / .,ヘ、: : |: : : : : : : : |: ::|: : : : ヽ、
〉: : : : : : : _>ー-、ー、イ |/ ー-|: : : : : : : /: ::|: : : : : : : ヽ
/: : ,へ´ `ヽ、_ \ \ / //: : : : : / `' - 、: : : : : :
. , -イ / , \-,,, ヽ-、 \─- 、 / ̄: : : : : / ` - 、: :
/´: : / 、|、 ヽ \ ヽ 丶、__ヽ `' 、/ : : : : : : / / , --- ヽ: :
|: :/ | `| .i ヽ ヽ ヽ:: : : : : : :| / / ヽ
Y ヽ ヽ iヽ、___ヽ-` ,--、_ヽ_: : :|、 | / / i
_| \_____/ ヽ ヽ_|、__|-!`ー´`i /´~  ̄ヽ: :|\|/ / |
/\ /ヽイ / ヽリ | / |
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
インデックス「~~♪」
「…………」
インデックス「……?食べないの?」
「ん?ああ、私はお腹いっぱいだからな……」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
l: l l : |: : : : : : :l \:.、 : : : :_:_ : ', : : : : | : : : : : |: :\: : ヽ: : : : :|: : :.|: : : : : : /
|: | | : {: : : : : : :| ヽ> ´、: : : :lヽ: : : ! : : : : : !ヽ : :ヽ:、 :\ : : |: :l : |: : : : : :ハ
l:|、 : ヽ: : : : : ! / \_:_: \: :| l: : :| : : : : : ト、 \: :ヽ:ー:`: :.|: :| : |:: : : : :{ : :.
|: | ヽ : }: : : : :ィ ´ ィ´ \_:_ ヽ| |: : :| : : : : : K \ \: \ : : ; : :! : |:: :: : : | : : :、
|: | }:∧: : : :八 ,ィfマ}´j/ヽ: : } !: : :! : : : : /} ) ノ \:ヽ:、}: :/: : :| : |:: :: : : |: : : : \
、j // ヽ: :、 : :ヽ″ヒソノ; \! ハ: :l: :|: : :/!; {/ / ヽ}: : /: : : :|:: :!:: :: :: : : : : : : : :
' /' }: :ハ: :トハ 彡' // V /} : / j , - :' : : : : /: : : : : : :l:: :: :: :: : : : : : :
/ノ リノ j /´ /:/ |: / { | : : : : /: : : : : : :、{:: :: :: :: :: : : : : :
/´ / /:/ ,:/ V : : /: : : : : : : : ヽ :: :: :: :: :: : : : :
、 /´ /' ',: :/::: : : : : : : : : : \:: :: :: :: : : :
\ ∨ :: :: : : : : : : : : : : \:: :: :: : :
ヽ ィ{:: :: :: : : : : : : : : : : : : \:: :: ::
ーr―‐- / |:: :: :: :: : : : : : : : : : : : : :`ー
__ヽ、 , ⌒ヽ . ィ:ヽ / 人:: :: :: :: :: : : : : : : : : : : : : : :
/{ `ヽー< ̄`Y l´ ノ: : >´ / ゝ、:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::
, ヽ ', ', | ' /ヽ;〈、 / .. ´ ヽ、: :: :: :: :: :: ::_::_::_:: :: ::
|ヽ Y ハ l i!{ } ! / 小 / /  ̄ ̄ ̄ ̄ `ヽ
j 乂ゝイ .! ム了 | / / l 〉'
/ー ´ ,{ ハ!, 、j´ 〃 { !/
/ ノ 乂八ノ / l / /
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
インデックス「ぷはーっ!ごちそうさまでしたー!おいしかったんだよ!」
(おかしい……明らかに彼女の体積よりも食べた量の方が多い。)
「そうか、満足してもらえて何よりだ。
料理の代わりというのもなんだが、少しそのキノコを譲ってくれないか?」
半分ほどでいいんだ。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
. ! : /: : : :/: :|: : /: : : : : !: : : : : : : : : : : : : :\ : : : |: : : : |: : : : |
. /: :/: : : : |: : |: : |: : :i : : |: : : : : : : : !: : : : : : : |: : : :|: : : : |: : : : :|
/: :/: : : : : |: : |: : |: : :| : : |: : i: : : : : :|: : : : : : : :|: :!: :|: : : 八: : : : :!
. _/,.イ : !: : : : !: : |: : |: : :!: : ∧: :|: : : : : |: : : !: :!: : |: :!: :|: : :ヽ: \: : :|
| : |: : : : |: :_,レ∧‐ハ‐ト、|: :|: : : : 千ヘ┼┼‐ハ、|: ∧: : : :\ \:!
| : |: : : : ト、 :!_,.ィf芋ミメ、N : |: : : : : V芹芋ミメ、jV\:\: : : :\_\
| : |: : : : |: :V{{ 以_j }} ヽ!\ : !/ 以__j }} }}イ: : :\|\: : : \ `
. \|\: : |\癶 弋rzソ ヽ j/ 弋rzソ_ 癶: : : :レ' / ̄ ̄∧
ヽ \|: ハ ´^冖^ ^冖^`` !: : : : レ' . \: : |: |
|: : ∧:/:::/:::/ r /::/::/|: : : : :|_,. -. . .\!: !
. /| : : 八 |: : : :/_,. -=≦ ̄ ̄`ヽ
〈. |: : : |. .\ 、_ _,. !: : /'´: : : : : : : : : : : : |
| `|: : : |. . . . > ,. イ. . |: : |: : : : : : : : : : : : : : |
|. .|: : : |_. . . . . . ≧=- -=≦. . . . . . !: : !. . / ̄ ̄ ̄ ̄.V:\
/:|. .|: : : |. . . . \. . . . . ヽ /. . . . .____|: : |/. . . . . . . . . . . .|: : :|
/ ∧ !: : : !. . . . . . .\n. . . .V. . n./. . . . . /! : |. . . ._,. . .-―. . . . !: : |
/ /. .|. ! : : | . . . . . . . . ||\_/_,. イ!. . . . . . /: | :/. ./ . . . . . . . . . / : : !
|: |. . .!∧: : \. . . . . . . ||. . . . . . .||. . . . . /: : :j//. . . . . . . . . . . /.| : : |
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「そんなの全然構わないんだよ!」
木山「ありがとう、助かるよ。
山に行ったのも無駄ではなかった。」
「その……料理もおいしかったし、すごくあったかい気持ちになれたんだよ……
どうもありがとう!」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
l: : /:.:.i: : : : : :|:.| ヽ: :|:.: :l: /: : : :|:./ |: :|: : :小: ::|: : : :|: : : : : :|
|:./l:.:.:.l : : : : ::|:.| |: l:.:.:.l/: : : :.从_L:L:./:.|リi: :|: : : :|: : : l: : |
|:.l |:.:.:.|: : : : : :|:.| l:八:./::l: :/:/´ ̄^jノ|:/ ハ |: l: : : :|: : : l:.:.∧
|:.l |:.:.:.|: : : : : :}リ´ ̄ \:lV / ィテ示刋卞、|:,': : : 八: : :.V: : 丶
Ⅳ.|:.:.:.l: : ',: : : l ィfテ示圷 ゞ≠彡´ /: : :.// \: :\: : : \
∧:.:∧: :ヽ: : ヘ ゞ≠¨´ /:/: ://ー/:. \: :\: : : \
ノ ∧/l人: : :\:.ゝ i /ノ|:./r-..'l:.:.:.|: : : l>ー`: : : :ヽ
ノ/ リ:.:.:ヽ: : 圦` 丶 |//:.:.:.:|:.:.:}: : :.|:.:.:.:..: : : : : :}
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〈:.:.:.:.:./:.:.:.:V:.从:.:.:\ ‐ / .|:.:.:l:.:.:.:/: : : : : :|:.:.:.l:.:: : :/
V:.:/:.:.:.:.:.:}/: : : :.:.:.:.> イ !7ー/: : : : : : :八:.:l: : :∧
∨/:.:.:.:./: : : : : : :.:.i斗=≧r ´ //: :: : : : : : :/:.:.:〉': : :l: :.\
/:/:.:.:.:./: : : : : : : :.:.|. . . . .ハ / ./: : :/: : : : : :/:.:.:∧: : ::l: : : : \
/:.:/:.:.:.:.:/: : : : : : : : ::リ. . / l ,' /: : :/: : : : ∧:!ー 、:.:.:\:.j: : : : : : \
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{:.:.:.:.:.:/>'´/: : : : :/: : : :/'´ ̄ ` ー'´ }: : :| |: : : :| ヽ: :./:!
. |.:.:.:.:./ /: /: : :/l: : : / 人: : :|∧: : :| V: :|
}:.:.:/: }:.:l: : : | l: : :|' ヽ从 \:.丶__ /. . l: :|
\|:. . |:.∧: : :| l: : :| \ >ー` ./. . . , |::ノ
|:. . ∧j \:|八: ::!、 / ,-、j^~ォ\ \ /. . . / .|´
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「そ、そうか……私も買いすぎた材料を消費できて丁度よかった。
ゴホン……家まで送るよ」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
| } _ _____ | |
| 〈r'¨ ̄ /! / { ∧  ̄「ヽフ7ァ、 | |
、___」/ ァ7/ 「 /V | ',-―r-{// ヽ.┐ |
`ーr‐┐ / ィf芹ミ、 jノ Vjノ j/ヽ/ \ |
| l V〃{{::::::jl ,ィf芹ミxハ i「ヽ、_ァ !
| i\{ う"ツ {{::::::jリ Y リ.:l |
| : | `¨ ^ , う"シ 厶イ.: :|! |
| | li '""゙ `¨^ i.: :|i |
| /!:从 、_ '""" ,': : |.! |
i ,' |: : :}\  ̄ ,イi.: :l | |
,' |: : :| } }>. イ) 〕レ: : | | |
/ /|.: :|¨/ { ` r‐‐ ´ / /!: : |人 }
/ //ヽ.| . : | { i{`ー亠---‐‐ ´ / .: .: :.|`ヽヽ 〈
/ { | . :| | |ヽ , ´ ,': : : :i| ∧ 〉
V⌒) ! .:.| ! | 、___ / .: : : : :i| / ', {
}/'⌒ V´| .:| | | / / : : : /レ' :. ヽ
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木山「本当にここでいいのか?」
「うん!ここからなら歩いてすぐだから。」
木山「そうか……これからは一人でキノコ狩りはやめておきなさい。
山は暗くなると表情を変えるからな。」
「何から何までありがとうなんだよ!」
木山「ああ、また何かあったら連絡してきなさい。おやすみ……」
ブロロロロロロ……
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.---─‐───‐- .
..´ ______\
/ r_.. -一:/.: : : : : : : : : : :.ト
′ /: : : : : :/_ノ: :γ⌒: : 八 | |
| |: : '⌒.:/: : : : /_:_:_:_:/:_:__j'ーァ
| |_〃__/..-┬‐トト、 jト__ >
| 〉テ_|\弋ト | ヽ\!=ヽ ト、トヽ
| イ ハx = ゝ\ イうハV |
| V イ代ぅリ 弋ン l | |
| __| _ ー 、 、、、 ヽ \
人 f レ, - く``` ___ !:.:.、\ー<‐-- ._
{ | 下 「 V 人 .:.\ \ \  ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
V 人 ト \ ヽ__ノ イ:.:.:.:\:.:.:\ \ \ \
} ( ! |:\\ーイ⌒ヽ.:.:.:.:.:.:.\:.:.:\ \ \ \
) __ノ ト、:.: \\/ヽ. f⌒ト.:.:.:.:.:.:.\:.:.:\ \ \ /
γ γ' 「ヽ____ノ__)\:.:j\\| \|ノヽ.:.:.:.:.:.:\.:.:.:\ ヽ___ヽ.____ _/__
l ∧ノ ノ\ ニ 、\ ヽノ.:.:.:.:.:.:.:.:.:\.:.:.:\ー‐‐、ヽォ─…'⌒
| ∧ \,_ / ヽ \\|ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.ヽ:.:.:.! |ノ|レ′
|/ \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ }、 )ハ |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|::}:.:.レ'⌒.ノ
/ 'ー‐┬ォヘ イj∧ ´|:! !.::.:.:.:.::.:\:.:|ハ:.|
′ |/>' ̄/ | ! ノノ |:.:.: ト.:.::|ハ| !:!
| / |! | | ヘ:.:.:..| |:.:| | ノ
人 ..イ |ヽ\ 人 \ノ |:.:|
{_:\ / | |\\ \ \ノ
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「ただいまとうま~!遅くなっちゃったんだよ~。」
当麻「インデックス!!」
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ト、|:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::∠ _
__}:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.<¨
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<_:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:!:.:.:.:.小:.:.:.:.:.:|ヽ:.:.!:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:\
/:.:./:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.::./!:.:./ !:.:.:./ !ハ:.:.:.:.:.::.:.:.:.ト 、>
厶イ:.:.:.:.:.::.:.:|:.:.:.:.:.::/ V |:.:/ |/ \:.:.:.:|ヽ|
厶イ:.:.:.:.:.|.:.:.:.:.:/―- 、_ |/ ィ佗¨> |Tヽ\
/:.:.:.:.:/|:.:.:.:./ r ' 丐}ヾ’ ヾ''¨ ! トミ.ヾ}
,厶ィ:.:.:| 从:.:.| ` '" |ノ
ムィ人 V ! ノ}
|7>へ u /V
_|/ ヽ ,. -‐ァ /::: `ー-、
// ` 、 `' ´ ィ \_::::::::::::\
/::::い ` r- く/  ̄ ヽ:::::\
/::::::::::::\\ ヽ // !\:::ハ
. /::::::::::::::::/ \\ \ // ! Vハ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「インデックス!無事だったのか……良かった。
新手の魔術師に誘拐されたかと思ったぞ……。」
インデックス「心配させてごめんねとうま……ちょっとキノコ狩り
に夢中になっちゃって。」
「本当になんとも無いんだな?じゃあ魔術師とか関係なく
空き巣に入られたって事か……不幸だ。」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
. / { // // // _,. -‐ 、 ヽ\_'._
/ '. / /)) /しリ //_.ィヽ 、 ___ヽ_、 \ー<
,' './ /*// 〃// _,.. '´ | \´\ ヽ\ ト、 、ヽ '.
,' '. rヽ // し'/ イ「 ,. | ヽ、ィ´>=ミ、\ト、! '.
,' V/ // * / ,.イ | | jハ〃芹ミ、. Y. |. | i
{ '. // / i / ト、ト、 |\! {{fr㍉:}} ! |. ! |
'. V / ,イ ト、!,≦ミ、! '⌒ソり ,. ! ト、 |
'. V´| V ト、 レィ升ミ、` .::::::::::::::::....`ご´イ::. V|ハ !
'. V ト、レ''〃fじ、ハ :::ヽ:ヽ:ヽ:ヽ:::\:\:ヽ:: V|ハ '.
'. i i | イi{ {{:代::リh}} .:::::::::::::: ` ::::::::::::::::::::: .} |ヘ '.
'. / /| ト、| 乂 ゙(⌒ム彳,.::::::::::::: 从 |∧. '.
. '. /´ ヽ∧ V ,、≠'´:::::::\: ∧ | ヽ. !
、 、 、 ::::\:\:\:::: ,.-、 ,.仆ハ | ヽ.i―‐- 、
、 、 、 '´ ,.'二 _ヽ! | i.| \
、 、 ` 、. ,.イ | | | || ヽ
'. 、 V`> 、.___,.. -‐ '´「ヽ‐┐.__| | | リ i ヽ
∧ 、 v'´ ヽ レ' | !. | V | 、
/ ヽ 、 、ー┴―――――=彡 ! | .| | | i
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「空き巣?」
当麻「ああ、綺麗に鍵を開けられて部屋が荒らされてたんだ。
てっきりお前が誘拐されたのかと思ったよ……はぁ」
(あ……鍵)
当麻「まあお前が無事だったんならいいや。
そういやキノコは採れたのか?」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/ /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |
| | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | │
| { -―=ァ 7'' 卞i' T ァ- 、} |
|/, トi |/i i| | i /| ,|│i \│
∠ イ{ 从≧=ミ八 、斗=≦从リ i 八|
/ 厶i八{{. r':::ハ r':::ハ }}/ Ⅳ |
{ / |i i ゝ弋(ソ V(ソ 厶 | |
∨ |i i⊂⊃ ' ⊂⊃ | 人
/ /i| i∧ 、_,、__, /!i | 、
/ / | i|_,,ゝ . イ、|i小 ヽ
/ _ノイ^| i| |: {> _ <}: :〉|i |八 \
/ / _{ {| i|_│: :V二ニニ二ニV :/_,|i | /\ ヽ
/ /{ ((匸マ| i|,八: : :マニ= =ニマ : 八 |i 匸)) ⌒\ 〉
〈 / ー─ -=| i| ∨(匸二二匸):/ `|i | ̄ }\_/
. {厶 ___ 彡| i| \ : \/: . / |i | \ __ノ \
/ ,| i| ヽ/\/ :|i | \
/ /リ,リ /|\/' |八 \
〈 _____ ノ /;/| |│: : : | │i |\ _____ 〉
∨\ ー┴く. /;/│ |│: : : | │i | i i/` ー /
∨ 丶、_ ∨/| ∧ /: : : : : :| ∧i | i/ /
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「ばっちりなんだよ!見て!」
当麻「おお!大量だな!腹減ったろインデックス。早速キノコ料理作って
やるからな。」
「今日は私が作るんだよ!当麻はそこに座ってて!!」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
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>:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.‐-㍉、:.:.:.N 斗ト、‐-、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:>
<:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:./∨ _.{:.:.:/ _ ヽjハ:.:.:.丶:.:.:.、>、
<:.:.:.:八:.:.:.:.N  ̄ ̄´レ' ` ̄ ̄´ レヽハ::く
∠:.:.:.:.:人∨ !} ' ノ人_::>'
 ̄ i:;从 i| , jハバ´
ノ:.人 ` 人{ ,斗勺匁`ヽ‐、
 ̄ ノ从、 ` ̄ ̄´ イ∨ rf´ .ノ、人人人ノ.、__
从:> _ <∧:|、―´ | }、`´`´`´`´'////}
/ i i リ 丶 弋  ̄ ̄ ̄`ヾ`ヽl/―――――
厂 、 〉 ハ 入 丶 `≧=- 、 ヽ_____
/ ト、 { / { / \ヽ ̄ ̄ ̄`\ \////////
-‐=≦ ハ |――――― レ'_ `ヘ、 ./ 丶 \/////,
/ / / 〉.{―――――/  ̄  ̄  ̄/ / ハ \///
. / ヽ― .ム'´ K ハ ハ / / /ヽ \
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
(インデックスが自分から料理とはな……あいつも成長してるって
事か……ふふ)
インデックス「できたんだよ~!キノコの天ぷら盛り合わせ!」
当麻「おおっ!うまそう!いっただっきまーす!!」サクッ
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
. / !/) ノ⌒) (/ x 'フ'⌒)) '´フ∨ ヽ
∧ |/)x /'~' , く__ノ ./'⌒)).x /+ ! ヘ
,' |// (_/ / /⌒) 、_| ハ
. / |/ ̄i ̄!`Τ`| { ̄ 〕~ 「`}゚「~~\! │
│ _./ {ァ'爪¨゚}二V ] V !´丁Τ〕ヾ、.い |
| '⌒7 | / ! ∨ ヽ{ \{ ´` ∨│ iト、\_ |
| ! トl ,r===ミ ` `彡=ミ、 Y.リ|  ̄ |
小 人_∧ , ,ィ l| |
/.1 {ゞ| 7, ,'i !. !
. / l |:.:.l /八 r──‐v ∧ |i ト、
∧. }: :f │lrヽ、 ∨ ノ /i.:.| !゚, l ハ
,' /// ,レ:::::::{´> .`ー‐ ゜ <:::::ヾ.| !:ハ ∧
. / /ィ.;' ;::::::::::l \_ `二´/ :::::::::〕| !:.∧ ',
∧ ,ムィ゚! {:::::::::∧__ ,/::::::::::|f ト、:.:, ∧
. 〔 / │ !:::::::::::∧_`ー─ /,::::::::::::::}} | ゙ヾ }
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
(料理って楽しいかも♪)
「とうま、おいしい?」
当麻「…………」バタッ
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
!:::::\!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::へ∧:::::::::::::::::::::::::::/
___\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::レイ_
\: ̄::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!::::::::::\:::::::::::::::/
>:::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::\:::::<
<:::::::::::∠、::::::::::::::::::::i::::::/|:::::!:::::::::::::!::i:::::::::::::::,::::\::\
>:::::::/::::::i::::::i::::::!::::/ .i:::/i::::::::::∧::ト::::i:::::::::::,::::::::--ゝ
<:::::::::∠:::::::::/::::::|::::!|::/ヽ |/ .|::::::ハ:| ハ:iヽN:::::::::: :,__\
⌒>::::::::::::/::イ:::::/ィ==ミミ、ミ|::/´,.リ,ィ===ミ::::::|\i  ̄´
∠__::イ:::::/⌒ i::八 ノ彡汽|_i._... .》∧i―-\
/::_{ ( Ⅵ|=´三彡 ´!⌒ `ヾミ彡|i ハ `´
 ̄ `i\ イ ! ! _______ ! !i' \i
!:::::::::i /ヾ―-------ヽ !
__∧卅/i::::ゝ /r -- 、_:::::::::::::::|i/ 从
i \|/ 〉Yニ≡== -⌒ ヽ__jj〃i从ヘノ 弋
卅 (`(¨´ ̄ゝ二 イ¨)¨) ∥
/ i \\ :::::::::::::::// `i
从 ! / \\ ン / } i ⅱ
Ⅳ | i/ \` ̄_// \ | / I
| / /  ̄ / \ | / |
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「ぐぎぎぎぎぎ……」
インデックス「え!?とうま?とうま!大丈夫とうま?!」
インデックス「さっきとうまが食べたキノコって……」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
, ' ´ ` ヽ、_ て
/ 厶-―――――――、 \ ⌒
/ |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| /
/ |_, - :ァ: TT: :¨¨T: : ―'<
/ /: : :/: !:/ !ハ: : !Vい: !: ::>
/ 彳: : :/ T ナー匕 Vト、_レ:┌―――――――┐
! <:イ: :/ r ⌒` '⌒V: | |
| |: :| ヽ ヒリ ヒ} 〉| 食べられる |
', |: :! ` ー , ー‐ ! | 野草図鑑 |
! !: ', !: r―-、 r―ヘ
! |>:ヘ / ̄ ア’ 人/ 二ニ> (二 }
/ |rヘ:.ヽ 、 こ_ ノ ,∠.: :/ つ (二.,}
| / ̄ヽ: \` ーr< >' ノ・・・・・・・・・・ |
|/ ,/ \:.ヽ__/ヽ/ \___/ ・・・・・・・・・ |
/ / \ヘ ーiイ:::::::::::::::::\ |
/ / | V}V \:::::::::::::::::::\_______|
/ /: : ハ| ∨ \::::::::::::::::/ \:::::::::::::::/
/ 〃:: : : : : :ハ / ̄Y \::_/ \::/
/ //: : : : : : : : :! / / /
/| / /: : : : : : : : ::∧ /! /
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「毒キノコなんだよ!!!とうまー!とうまー!」
当麻「」ブクブク
「カニさんなんだよ!」
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乂_\ (_⊂⊃_) /_ノ
 ̄
,ィ /! ,イ ,.ィ
,、/!/::レ'::::/:::::':::/,.ィ'
ト、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::彡'
`ミ、::::::::::::::;ィ:::::::::::::::::::::::::::::ア
弋::::::::::,ィ‐卅ヘ:::::l::!:、::::::::::ミ=
∠::::ノイ/⌒ヽl|l|Vl/ミj/::::::::ミ、
ノイ´ュ `~" ⌒ヽN::::ミ、
ノ:ヽ、 `~゙/、::::ト、
彡イ:ヘ ⊂、ヽ /ツミヾ
ム从\ _`. イ:jヾ
/ヽ ̄| | ̄,ハ、
/‐' 〉{´ ゙}〈ヽ‐\
\.二二ノ /]
┼ヽ -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ __ノ
乙
Entry ⇒ 2012.01.08 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
一方通行「あったけェ……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1325160233/
注意書き
・ほのぼのキャラブレイク
・原作から誰も死なずにハッピーエンド迎えて数年後みたいな妄想
・キャラ相関とかは脳内で適当に補完してね☆
・短い
・ちょっと前に似たようなSS書いた気がするけどそんなの関係ねぇ!
こんな感じでよければダラダラ付き合ってくれ
一方通行「コタツってすげェなァ……」ホウ
垣根「全くだな、悪魔の暖房器具だぜコイツは」ヌクヌク
御坂「日本人に生まれてよかったって実感するわー」ホッコリ
麦野「コタツで食べる蜜柑はどうしてこんなに美味しいのかしら」ムギムギ
一方通行「暖房器具の頂点はコタツで間違いねェな、ストーブやエアコンじゃこの空気は作れねェ」
垣根「この包み込んでくれるような暖かさは一度体験すると抜け出せねぇよ」
御坂「コタツに対抗出来るのは人肌に暖められた布団くらいよねー」
麦野「あ、蜜柑なくなった」
一方通行「……ところで何でオマエらここ(俺ン家)にいンだ?」
垣根「え、何を今更」
御坂「だってうちコタツないしー」
麦野「蜜柑どっかに残ってないかしら……」キョロキョロ
一方通行「無ェなら買えよコタツくらい」
垣根「買いてぇのは山々なんだがな、俺ん家洋室だからコタツ合わねぇのよ」
御坂「うちもうちも」
一方通行「この部屋も洋室だろォが」
垣根「センス皆無のオマエと違って部屋の内装に気ぃ使ってるから置きたくねぇって事だよ」
御坂「うんうん」
一方通行「喧嘩売ってンのかオマエら」イラッ
麦野「第一位、蜜柑が無くなったわ」
一方通行「あァ?冷蔵庫の隣にダンボール置いてっから勝手に取って来いよ」
麦野「垣根の隣には何もないわよ?」
垣根「おいコラ誰が冷蔵庫だ」
一方通行「垣根じゃなくてキッチンにある本物の冷蔵庫の隣だ」
麦野「取ってきて第一位、私寒いからコタツから出たくないの」ニコッ
一方通行「ブン殴りたくなるような素敵な笑顔だなクソッタレが。
ほとンどオマエが食ったンだからオマエが取って来い」
麦野「だってよ垣根」
一方通行「マジで動く気ねェのなオマエ」
垣根「俺蜜柑の皮しか食ってねぇんだけど」
御坂「何で皮なんて食べるのよ……」
垣根「受けるかなって」
一方通行「ドン引きだよバァカ」
麦野「んなことどうでもいいからさっさと取ってこい垣根」ゲシゲシ
垣根「痛ッ!やめろ蹴るな、コタツの中の戦争は悲しみしか生まねぇぞ」
麦野「あぁ?蹴ってんのは私じゃねーよ」ゲシゲシ
垣根「いやいやオマエだよ、間違いなくオマエだ。身体が小刻みに震えてんじゃねぇか」イタイイタイ
麦野「たったそれだけの状況証拠で私を犯人に仕立て上げようってか?いい度胸してるわね」ゲシゲシ
垣根「確定レベルの状況証拠だろクソ、つーかさっきから『ゲシゲシ』って擬音が入ってるしな!」
麦野「何のことやらさっぱりわからないわ。ねぇ美琴?」ゲシゲシ
御坂「麦野さんは寒がりだから震えてるだけよ垣根さん」
垣根「どうしてオマエは麦野の味方すんの?被害者は明らかに俺なのに。
じゃあもうコタツ布団めくって誰が蹴ってるかハッキリさせようぜ」
麦野「女の子が二人も入ってるコタツの布団めくろうとか、お前どんだけ変態だよ。
死ねこの足フェチが」
一方通行「女の子ォ……?」
麦野「あぁ?何か文句あっか?」
一方通行「いや別に……お前がそォ思うンならそォなンだろう、お前ン中ではな」
麦野「あ?」
垣根「おい誰が足フェチだボケ、どっちかっつーと尻フェチだ」
御坂「その情報はいらない……て言うか凄く忘れたい……」
麦野「気持ち悪ぃ事言いやがって、死ね」ゲシゲシゲシ
垣根「ちょ、痛い痛い、割とマジで痛い!」
一方通行「オマエら暴れンな、追い出すぞ」チッ
麦野「あぁもうほら、垣根がさっさと蜜柑取りに行かないから第一位が怒ってるじゃない」ハァ
垣根「何この扱い……」
御坂「蜜柑はともかく、お腹は空いたわね。もう結構いい時間帯じゃない?」
一方通行「ン、あァもう20時回ってンのか、確かに晩飯時だなァ」
垣根「よっしゃ、なら材料買ってきて鍋でもしようぜ」
麦野「コタツで鍋か……魅力的ね、垣根にしちゃいい案出すじゃない」
垣根「俺にかかればこの程度ちょろいもんよ」ヘ
一方通行「オマエらここで飯食う気なのかよ……帰れよ……」
御坂「帰ったらコタツがないもん」
一方通行「どンだけコタツ中毒だよ」
垣根「オマエもな」
麦野「で、誰が材料買いに行くわけ?言っとくけど私は絶対嫌だからな?寒いし」
御坂「私もコタツから出たくない」
一方通行「家主である俺が家からいなくなるわけにはいかねェだろ、そォすっと……」
垣根「また俺かよ!俺だってコタツから出たくねぇよ!!」
麦野「大丈夫でしょ、あんたほら、羽毛みたいの出せるし」
垣根「言っとくけどあれ別に暖かくはねぇぞ?」
一方通行「意外と硬ェしな、あの羽」
御坂「え、そうなの?モフモフしてると思ってたのに……何かちょっとショックなんだけど」
麦野「期待外れね全く」フゥ
垣根「うっせぇボケ、とにかく俺も行かねぇからな!」
麦野「じゃぁもうダメね、私達全員飢えて死ぬしかないわ、この人殺し」
垣根「オマエとりあえず俺を罵っときゃ面白ぇと思ってんなら大間違いだぞ」
麦野「私は面白いからいいのよ」
垣根「マジでファックだなオマエ」
御坂「ねぇ、今から誰か呼んで来る途中に鍋の材料買ってきてもらうって言うのはどうかな?」
垣根「お、そりゃ名案だな。それなら誰も不幸にならずに済む」
麦野「流石美琴ね、どっかのメルヘンとはワケが違うわ」
一方通行「これ以上人増やす気かよ……」
御坂「ダメ?」
一方通行「いや、もォ好きにしろ」ハァ
垣根「御坂には優しいよな、オマエ」
麦野「負い目があるからね」クク
一方通行「黙ってろカスどもが」
垣根「しかし誰呼ぶんだ?第一位から第四位まで勢揃いしてる中に物怖じせずに入ってこれる奴なんざそう多くはねぇだろ」
麦野「第一位の家知ってて、パシリやってくれて、尚且つこの中に違和感なく混じれる奴か……」
一方通行「まず俺ン家知ってる奴があンまりいねェからなァ」
御坂「黒子……はちょっとこの中に混ぜるのはかわいそうだし、なんとなく同じ鍋つつきたくないし……
そうだ一方通行、打ち止めはどう?」
一方通行「あァー、無理だな無理。あのガキ、遅めの反抗期だか思春期だか知らねェが
最近は俺の言うこと何一つ聞きゃしねェ」
垣根「え、あんなにオマエに懐いてたのに?」
一方通行「今じゃ毛虫のごとく嫌われてンよ。挨拶しても無視されっし、目が合や逸らされるし、
アイツの学校行事に顔出した日にゃマジギレされっしな。
俺が一人暮らし始めた要因の一つはその辺だぜ?」ハァ
麦野「反抗期の娘を持った父親みたいね」
垣根「まぁオマエが学校行事の見学とかしてたら俺でもマジギレするけどな」
一方通行「何でだよ……」
御坂「それにしてもあの素直でいい子だった打ち止めがねぇ……
いくら反抗期だって言ってもちょっと信じられないわ。
一方通行、あんたあの子に何かやらかしたんじゃないの?」ジロ
一方通行「俺もそォ思って何度か自問自答したンだけどよォ、心当たりが全くねェンだわこれが」
垣根「むしろ何もしなかったからじゃねぇの?」
一方通行「あァ?」
御坂「どういうこと?」
垣根「ある所に可愛らしい女の子がいました。
んで、その子は物心ついた頃から一つ屋根の下で年上のお兄さんと一緒に暮らしています」
一方通行「はァ……?」
麦野「女の子は憧れとも恋心ともつかない淡い想いをお兄さんに抱いてるんだけど、
ところがどっこい、そのお兄さんは女の子の事を娘か妹程度にしか思ってなくて、
どんだけアピールしても子供扱いされて軽~くいなされてしまうのよ」
御坂「ふむふむ」
垣根「それもこれも自分が子供だからだ、と考えた女の子は必死に努力を重ね、
女を磨きながらじっとお兄さんが振り向いてくれるその時を待ち続けます」
麦野「何年か経って女の子もそこそこ成長してね、
常日頃の努力の甲斐もあって、まぁ胸も尻も出てきて女っぽい身体つきになるわけ」
垣根「まだまだ青い果実ではありますが、それでも自分の身体が女のそれに変わっていくことに少女は喜びを覚えます。
『もうそろそろあの人もミサカに振り向いてくれるはず!ってミサカはミサカは云々かんぬん』」
一方通行「オマエの表現何かきめェな……
あと裏声で打ち止めの声真似すンのやめろ、微妙に似てンのがすげェ腹立つ」
御坂「て言うか打ち止めの話だったんだ?てことは一緒に住んでるお兄さんは一方通行?」
麦野「とーこーろーがー、甲斐性なしのクソモヤシはそんな乙女心なんぞ露知らず
相変わらず女の子を異性として意識せずに娘のように扱いやがるのよ」
一方通行「おいそこ『お兄さン』で統一しとけよ、何でわざわざ俺の事罵倒してンだよ」
垣根「挙句の果てには『最近色気付いてンな、男でも出来たか?』とか聞く始末です」
一方通行「ンな事言った覚えはねェよ!!」
麦野「数年間我慢に我慢を重ねた上でのこの仕打ちに、ついに女の子はプッツン」
垣根「『このファッキンモヤシのクソインポ野郎が!テメェ二度とその小汚ぇ面見せんじゃねぇ!!
ってミサカはミサカは云々かんぬん』」
一方通行「オマエ喧嘩売ってンだろ?」
御坂「あんたそんな事言われたの……?」
一方通行「言われたわけねェだろアホ!」
麦野「こうして今までの不満が爆発し、かつ思春期特有の気恥ずかしさも手伝って
女の子は最悪なレベルの反抗期に突入しましたとさ」
垣根「オマケにお兄さんはキレた女の子にビビッて家から逃げ出して一人暮らしを始める始末。
そりゃぁ反抗期も更に悪化するよオマエ……ってな感じのストーリーでどうだ?」
一方通行「ねェわ」
麦野「あるって」
一方通行「いや、ねェよ」
御坂「でもでも打ち止めは間違いなくあんたに好意持ってたわよ?ずーっとべったりだったし」
一方通行「好意つってもラブじゃなくてライクだろォが。
身近に俺以外の男がいなかったから何か勘違いしたンだろォよ」
垣根「うわぁぁぁ一方通行がラブとライクの違いについて語ってるうぅぅぅ!!」
麦野「きめえぇぇぇ!!」
一方通行「何オマエらそンな死にてェの?」
垣根「ラブじゃなくてライクだろ(キリッ」
麦野「やめろ!私を笑い死にさせる気か!」プククク
一方通行「よォし表出ろやクソムシどもがァ!!!」ガタン
御坂「あーもう、とにかく打ち止めは無理なのね?それじゃ他の候補は……」
垣根「んー、上条はどうよ?どうせ暇してんだろアイツ。
暖房器具の無いボロアパートで凍えてるだろうし呼んでやったら喜ぶんじゃねぇ?」
一方通行「あの三下に鍋の材料買ってくるだけの財力があると思ってンのか?」チッ
御坂「……間違いなく無いでしょうね」
垣根「そんな貧乏なのかアイツ」
麦野「無能力者って不憫ね」
一方通行「それにアイツに任せると安ィモンばっか買って来そうだしよォ、
パッサパサの鶏胸肉とシナシナのモヤシがメインの鍋なンざ食いたくねェだろ」
垣根「そりゃ確かに御免だわ。それじゃ上条も無し、と……」
御坂「あいつの食生活は本気で同情したくなるわね……」
麦野「似たような理由で浜面も無しね、あいつも貧乏根性が染み付いてるし、つーか貧乏だし」
垣根「暗部にいたのにそんな貧乏なのか?いくら下っ端でも普通に仕事こなしてたら結構金貰えたはずだろ」
麦野「浜面には生きるのに必要な最低限の分け前しか渡してなかったわ」ニコッ
垣根「悪魔かオマエは」
一方通行「まァ浜面の生活レベルなンざどォでもいいンだよ、それより誰呼ぶかだ」
麦野「もう第七位とかでいいんじゃない?暑苦しいけど」
垣根「あー、アイツならここ知ってるし物怖じするようなタマでもねぇしな。暑苦しいけど」
御坂「基本はいい人だし、お願いすれば鍋の材料くらい買ってきてくれそうよね。暑苦しいけど」
一方通行「いや、アイツ確かこの時期は山篭りしてンだろ」
垣根「ん……そうか、もうそんな時期だったか」
麦野「そう言えばそんな事してたわね、あの根性馬鹿」
御坂「えっと、毎年恒例で冬山で修行してるんだっけ?」
一方通行「おォ、凍死しそうなくらいクッソ寒ィ山ン中で滝に打たれたりしてンだとよ」
御坂「うわぁ……」
垣根「想像しただけで凍えるわ。つかアイツ馬鹿じゃねぇの?」
麦野「根性とか修行とかじゃなくて、実はドMなだけなんじゃない?」
一方通行「かもなァ」
麦野「にしても、第七位も没となると後は……」
垣根「レベル5つながりで第五位はどうよ?食蜂だっけか」
御坂「あいつが買出しなんてしてきてくれるわけないでしょ。
ふんぞり返って取り巻きを好き勝手操りながら今日まで生きてきた奴なのよ?」
垣根「ですよねー」
麦野「性格悪いもんねぇあいつ」
一方通行「オマエが言うのか」
垣根「これ笑うところでいいのか?」
御坂「いやー麦野さんの比じゃないわよ、あいつの性格の悪さは」
垣根「それ食蜂ほどじゃないけど麦野も性格悪いって言ってるようなもんだよな」
麦野「へぇ?美琴ちゃんはそういう目で私を見てるわけ?」ギロ
御坂「こ、言葉の綾よ!」
一方通行「つかアイツそンな性格悪ィのか?結構普通ってかむしろ従順な感じだった気がすンだが」
御坂「あいつが従順って……あんた知らない間にあいつの精神操作でも反射して逆に操っちゃってるんじゃないの?」
麦野「それか、一切対抗出来ないほど力の差がある相手には大人しく尻尾振るタイプなのかもね」
垣根「ん、じゃぁ一方通行が頼めば買出しして来てくれるんじゃねぇの?」
御坂「いやいや止めときましょう、あいつだけはダメだってば」
一方通行「あァ?やけに毛嫌いするじゃねェか」
麦野「あんたらそんな仲悪かったかしら?」
垣根「常盤台時代の因縁でもあんのか?」
御坂「いや、昔はともかく今は別に仲悪くないわよ。
ただあいつと一緒に鍋するのはちょっと……」
一方通行「何か一緒にやりたくねェ理由があるわけか」
御坂「ん、ちょっと前あいつ含めた常盤台OB数人で焼肉食べに行ったんだけどさ、」
麦野「へぇ」
垣根「あ、何かもうオチ読めたぞ」
御坂「あいつ、能力で他人の頭の中読んで、他人が取ろうとしてる肉を優先的に取りやがるのよ……」ハァ
一方通行「あァー……うぜェなそりゃ……」
御坂「しかも肉横取りした後にこっち見てドヤ顔するのよ、危うく超電磁砲ぶっ放すところだったわ」
麦野「それは確かに同じ鍋は囲みたくないわ」
垣根「チッ、食蜂もダメか……んで他に候補は誰かいるか?」
御坂「番外個体は?」
麦野「ミサワかぁ、最近会ってないけど元気にしてんの?」
一方通行「元気は元気だけどよォ、アイツが他人の為、ましてや俺の為に動くと思うかァ?」
御坂「やっぱ無理?」
一方通行「断言してもいいぜ、絶対無理だ。
あの馬鹿、反抗期になった打ち止めの負の感情吸いまくって今えらい事になってっしよォ」
御坂「そうなんだ……」
垣根「妹達の負の感情かき集める仕様は結局治ってねぇのか」
一方通行「冥土帰しやらにも協力してもらって色々試してンだけど中々なァ……
アイツも気にしてっから早ェとこ何とかしてやりてェンだが」ハァ
御坂「でも実害受けるのは一方通行だけだし、気長に治せばいいわよ」グッ
一方通行「何親指立ててンだオマエ、フォローのつもりなのか今の」
麦野「ってかもう呼べそうな奴いないし、どうすんのよ第一位」
御坂「どうするつもりよ一方通行」
一方通行「帰ればいいンじゃねェか?」
垣根「オマエん家の冷蔵庫は何か鍋の具材になるもん入ってねぇの?
もう適当に有り合わせの食材で鍋作っちまおうぜ」
御坂「外には出たくないし、それでいっか」
麦野「垣根の口から冷蔵庫って単語が出ると妙に面白いわね」
垣根「ぶっ殺すぞ」
一方通行「なァンで勝手に居座ってるオマエらの為にうちの食料献上しなきゃならねェンだよ」
垣根「じゃあオマエが買出し行くか?あ?イヤだろ?だったら今この家にあるもん使うしかねぇだろうがよ!」
一方通行「え、何でこいつ逆ギレしてンの……」
麦野「腹減ってんでしょ、多分」
御坂「お腹が空くとわけもなくイラつくもんね」
垣根「そういうことだ一方通行、早く食料を出さなきゃ大変なことになるぜ?」
一方通行「うっぜェ……もォ好きに冷蔵庫漁りやがれ、一週間分くらいの食料は買い込ンであっから」ハァ
麦野「流石は第一位、太っ腹ね。遠慮なく頂くわ、えぇ、一切遠慮する気はないわ」
垣根「よっしゃ高級そうなもんから食い漁ってやろうぜ」
一方通行「オマエら二人ホントに死なねェかなァ……
今すぐオマエらの脳天にピンポイントで隕石でも振ってこねェかなァ……」
御坂「あのさ、食材の心配がなくなったのはいいけどもう一つ問題があるわよね?」
垣根「ん?」
麦野「何よ?食材さえあれば鍋なんて簡単に出来るでしょ?」
一方通行「出汁とって材料切って鍋に放り込むだけだしなァ」
御坂「それよそれ、誰が出汁とるの?誰が材料切るの?
その人は必然的にコタツから出なくちゃいけないのよ?」
垣根「なん……」
麦野「だと……」
御坂「蜜柑取りに行くのすら皆嫌がってたのに、誰が寒いキッチンで料理するのよ……」
一方通行「……盲点だったなァ、結局誰かがコタツから出なきゃならねェってのに変わりはねェわけか」
垣根「振り出しに戻っちまったってことか、クソッタレめ……」
麦野「……ここは第一位の家なんだし、勝手がわかってる第一位が料理するべきなんじゃないかしら?」
一方通行「食料提供させられた上に飯まで作れってか?ふざけンなボケが」
麦野「でもほら、他人の家の台所に立ったり冷蔵庫勝手に開けたりするのはお行儀が悪いじゃない?
私はその辺しっかり弁えるタイプだし?」ネ
一方通行「勝手に家に上がりこんで蜜柑貪り食ってた女が何寝言ぶっこいてンだコラ」
垣根「俺も他人の家の冷蔵庫漁るほど常識知らずじゃねぇから、悪ぃが料理すんのを手伝ってやるのは無理だな」ザンネン
一方通行「オマエこの前ウチの冷蔵庫勝手に開けてコーヒー飲ンでただろ!!」
御坂「んー、ちょっとかわいそうだけど話進まないし、
多数決の結果一方通行が鍋を作るってことでオッケー?」
垣根「異議なし」
麦野「頑張ってね第一位」ニコッ
一方通行「…………」カチッ
垣根「!!?こ、この野郎コタツの電源切りやがった!!」
麦野「おい何やってんだモヤシふざけんな!!」
一方通行「ふざけてンのはテメェらだろォがァァァァ!!!」
御坂「あぁ、温もりがどんどん失われていく……」
一方通行「オラ、コタツから出ろ馬鹿どもが!全員でサクッとやっちまうぞ!」
垣根「チッ、仕方ねぇな……電源握られてるんじゃお手上げだ」モゾモゾ
麦野「よし、垣根がコタツから出たわよ第一位」
一方通行「スイッチオン」カチ
御坂「あー温かーい」ホクホク
垣根「うおおぉぉい何やってんだテメェらぁぁぁ!!!」ガビーン
一方通行「ハッ、あっさりとコタツから出たオマエの負けってこった」ククク
麦野「てめぇのコタツ愛は所詮その程度だったってことよ」フ
御坂「折角コタツから出たんだし料理お願いね?」ニヤリ
垣根「ち、ちくしょう……」
一方通行「それじゃ任せたぜ負け犬くゥン」
垣根「クソ、貸しにしとくからな……」ギリリ
御坂「あ、そこは素直に料理してくれるんだ」
垣根「腹減ってんだよ、鍋食いてぇって言い出したのも俺だしな。
正直、薄々こんなことになるんじゃねぇかとは思ってたぜ……」ハァ
麦野「ついでに蜜柑とってもらえる?」
垣根「食前にそんなもん食べようとするんじゃありません」
麦野「何よその保護者みたいな態度?すっげぇうざいんだけど」
垣根「うっせぇバーカ!蜜柑食いたけりゃテメェもコタツから出ろってんだ!
おい一方通行、冷蔵庫の中身は好きに使わせてもらうぞ!」ガチャ
一方通行「勝手にしろ」
垣根「ふむ、鶏肉と白菜が大量にあるな……水炊きが出来そうだ」
麦野「水炊きね、アッサリしてていいんじゃないかしら」
御坂「何で鶏肉と白菜ばっか買い込んでんのよ?」
一方通行「冬だしなァ、クリーム煮でも作り置きしとこうと思ってたンだよ」
麦野「鶏肉と白菜のクリーム煮を作る第一位……想像すると限りなくキモいわ」ブルッ
垣根「クリーム煮みてぇな色しやがって」ハッ
一方通行「オマエらマジで蹴り出すぞ?」
御坂「抑えて抑えて、今垣根さんを蹴り出すと料理する人がいなくなるわよ」
垣根「腹黒いなぁこの子……麦野、オマエが悪影響与えてんじゃねぇか?」
麦野「はぁ?前からこんなもんだったでしょ、ねぇ第一位?」
一方通行「ノーコメントだ」
麦野「あら優しい」
御坂「べ、別に腹黒くなんてないわよ!何よ皆して!」
垣根「はいはいそうね腹黒くないね。
それじゃ御坂さんに騙されてコタツから出ちゃった垣根お兄さんは鍋を作り始めますよ」フゥ
御坂「ちょ、騙したの私じゃないし!!」
麦野「コタツから出る素振りも見せずに黙って垣根を見送った時点で同罪でしょ?」
一方通行「最年少なのに全く自分から動こうとしねェしなァ」
御坂「く……わ、悪かったわよ……」
麦野「と反省するフリをしながらやっぱり動かない美琴ちゃんです」
御坂「だって寒いし!」
一方通行「うン、やっぱ腹黒いわオマエ」
垣根「おい一方通行、包丁の切れ味が異常に悪ぃぞ、オマエちゃんと手入れしてんのか?」
一方通行「あン?……あァ、そォいやずっと能力使って料理してたから包丁は長いこと研いでねェわ」
御坂「能力使って料理って……それ料理って呼んでいいの?何かズルくない?
てか無駄遣いにも程があるでしょ」
一方通行「ズルくねェし無駄でもねェよ、わざわざ原始的な方法で料理する方がよっぽど時間の無駄だろォが」
麦野「やっぱ反則的に万能ね、そりゃ第一位だわ」
一方通行「本気出しゃァ生きた豚を5分で角煮に出来ンぞ。今度見せてやろォか?」
垣根「んな所で本気出すな!豚の解体ショーなんざみたくねぇよ!!
てか他に包丁ねぇのか?鶏肉が切れねぇぞこれ」
一方通行「ねェな、その一本だけだ。肉切るのも魚切るのも野菜に細工すンのも全部能力でやるからよォ」
御坂「どんだけ能力浪費してんのよあんた」
垣根「はぁ……仕方ねぇな、俺も能力で切るか」ファサ
麦野「え、その羽で切れんの?」
垣根「俺の未元物質に常識は通用しねぇんだよ」バサバサ
一方通行「オマエそれ言いてェだけだろ」
麦野「へぇ……羽が刃みたいになるわけね」
垣根「かっこいいだろ?」スパスパッ
一方通行「そォだな、使い所を間違わなけりゃかっこいいかもなァ」
御坂「背中から生えてる羽で鶏肉切ってる……シュールって言うかなんて言うか……」ウワァ
麦野「いいのよ?はっきり『キモい』って言ってやっても」
垣根「うるせぇ!!俺だって好き好んでこんな大袈裟な真似して鶏肉刻んでるわけじゃねぇよ!!
包丁が使い物にならねぇんだから仕方ねぇだろ!!!」
一方通行「まな板まで一緒に切るンじゃねェぞ」
垣根「いっそ台所全部切り刻んでやりてぇ気分だよクソッタレ」ザクザク
麦野「さて、垣根が料理してる間暇つぶしに本でも読もうかしらね」モゾモゾ
一方通行「何の断りもなく勝手に本棚いじるンじゃねェ」
麦野「固い事言わないの、減るもんじゃなし。
あーでもコタツから手の届く範囲に本棚があるっていいわ、わかってる配置ね」ゴソゴソ
御坂「麦野さん、私にも何か適当にとってもらえる?」
麦野「はいはい。んー、何か面白そうなものは……ん?」ゴソゴソ
【百合姫】
麦野「……」ゴシゴシ
御坂「どしたの?目なんてこすっちゃって」
麦野「いや、何か第一位の部屋にあっちゃいけないようなタイトルの本があった気がして……」ゴシゴシ
一方通行「あァ?………あっ」
御坂「?」
【百合姫】
【マリア様がみてる】
麦野「見間違いじゃねぇ!やっぱあるし!!しかももう一種類似たジャンルのが!!」バッ
御坂「え、何々?……うわぁ、何よこの本……」
一方通行「あァー……」
麦野「第一位!てめぇこんな趣味があったのかよ!!?」
一方通行「あるかボケ!!俺のじゃねェよ!!」
御坂「見苦しいわよ一方通行!あんたの部屋の本棚に並んでたのに自分のじゃないなんて、
そんな言い訳通ると思ってんの!?」
麦野「見た目と喋り方以外はマトモな方だと思ってたのに、まさかこんな性癖を隠してるなんてねぇ」
垣根「何々?何かあったのか?」チラッ
麦野「いいからてめぇは黙って料理してろ!」
御坂「白菜の芯は火が通りやすいようにちゃんと下処理してね!」
垣根「ちくしょう」
一方通行「いやマジで俺のじゃねェンだって」
御坂「仮にあんたの物じゃなかったとしても、
今この場にあるって事はあんたの意思で誰かから借りたってことなんじゃないの?どうなのよ?え?」
麦野「認めなよ第一位、別にてめぇがレズ物で抜いてようが周りに言い触らしたりはしないわよ。
ただちょっと距離は置かせてもらうけど」
一方通行「まァ待て、何でそンな本がここにあンのか、
キッチリ納得の行く説明してやっから聞いてくれ」
御坂「フフン、精々無駄な弁明をするといいわ」
麦野「楽しみね、どんな愚にもつかない言い訳をしてくれるのかしら?」
一方通行「何でオマエら二人してドヤ顔決めてンだよ、うざってェ……
いいか、先週の事なンだけどよォ、どっかの誰かの後輩の
ツインテールのジャッジメントがうちを訪ねて来てだなァ、」
御坂「………」
―――回想
白井「第一位様、こちらにお姉さまが訪ねて来ませんでしたか?」
一方通行「あァ?いや、来てねェけど」
白井「本当ですの?」ジロ
一方通行「嘘ついてどォすンだよ、何だっていきなり疑われなきゃならねェンだ」チッ
白井「そんな事を言って、実は奥の部屋にお姉さまを監禁していたり……」
一方通行「何だオマエ、喧嘩売りに来たンならもっと早く言えよ。いくらでも買ってやっからよォ」ニコッ
白井「じょ、冗談ですの冗談!そのトラウマ級に恐ろしい笑顔はやめてくださいまし!」ビクゥ
一方通行「つか携帯にでも電話するなり直接家に乗り込むなりすりゃいいじゃねェか」
白井「あ、いえ実は先日からお姉さま携帯がつながらず学校にもいらっしゃらず家にもおられないんですの。
また何処かで厄介ごとに首を突っ込んでいたり
事件に巻き込まれていたりするのではないかと思うと気が気でなくて……」ハァ
一方通行「ンでェ、俺に監禁されてるかも知れねェからここにきた、と」
白井「で、ですからそれはただの冗談で……」
一方通行「まァさっきも言った通り、ここにはいねェし俺は居場所なンざ知らねェよ。
そもそも俺ン所に来るのはお門違いだろ、俺とアイツはンなに仲良かねェぞ?」
白井「お姉さまと仲良くないだなんて、そんな事言わないでくださいまし!」
一方通行「はァ?」
白井「お姉さまは孤高なお方ですから、同年代のお友達が少ないんですの。
ですから、どうかレベル5同士仲良くしてあげてくださいまし」
一方通行「あァ、はい」
―――回想中断
御坂「少なくないわよ!!ちゃんと友達いるもん!!」
一方通行「あァうン、そォだな、わかってるわかってる」
麦野「ちょっと携帯の電話帳見せてみ?何人くらい登録してんの?マ行に私以外のアドレス入ってる?」
御坂「入ってるわよ失礼ね!」キー
一方通行「ほォ、誰のが入ってンだ?」
御坂「……番外個体、とか」
麦野「他には?」
御坂「………」
一方通行「……」
麦野「……」
御坂「一方通行、続き話してもらえる?」
一方通行「お、おォ……」
麦野「……まぁ深くは追求しないであげるわ、かわいそうだし」
―――回想再開
一方通行「つーかよォ、アイツの心配なンざする必要ねェだろ。
レベル5の第三位、泣く子も黙る超電磁砲だぜ?
仮に騒動に巻き込まれてよォがそうそう死にゃァしねェよ」
白井「それは重々承知しておりますの。しかぁし!理屈ではないんですの!
いかにお姉さまが強かろうと、やはり心配なものは心配なんですの!!」
一方通行「はァ」
白井「そう、この気持ち……まさしく愛ですの!」キリッ
一方通行「声高に宣言してンじゃねェよクソレズ女が」
白井「レズではありませんの、お姉さま一筋ですの。
仮にお姉さまが男だったとしても、きっと黒子はお姉さまを愛していたに違いありませんの」
一方通行「あァはいそォですか、とにかくここには超電磁砲いねェから、もう用はねェな?」
白井「時に、第一位様には思い浮かべるだけで心臓が停止しそうなほど愛しているお方はおられませんの?」
一方通行「用が済ンだンならさっさと帰れよ、何で会話続けようとすンだよ。
思い浮かべるだけで心臓が停止ってそれもう病気だろ、心筋梗塞の疑いがあンぞ」
白井「お姉さまを想いながら逝けるなら本望ですの」フ
一方通行「やっべェ会話が噛み合わねェ、何だコイツ」
白井「ジャッジメントですの(キリッ」
一方通行「いや、もうそういうのいいから、マジで」
白井「話を戻しますが、第一位様にはお慕いしている方はいらっしゃらないんですの?」
一方通行「何でそこに戻るンだよワケわかンねェよ超電磁砲が心配で探してたンじゃねェのかよさっさと探しに行けよ。
大体俺に愛だの恋だのそンな高尚なモンが理解出来るわけねェだろォが」
白井「ふむ、理解出来ない、ですか」
一方通行「あァ、普通の男女間の色恋すら理解出来ねェし、
ましてやオマエみてェに同性間でそォいう感情を持つなンざサッパリわかンねェ。
子孫も残せねェし、そンなモン非生産的にも程があンだろ」
白井「生産性で愛は語れないんですのよ。
そうだ、実はわたくし今とってもいい物を持っておりまして」ゴソゴソ
一方通行「イヤな予感しかしねェなオイ」
白井「これ、わたくしの愛読書ですの。これさえ読めばきっと第一位様も愛のなんたるかを理解出来るかと」ス
一方通行「何だコレ……【百合姫】?【マリア様がみてる】?」
白井「これで第一位様も立派な百合男子に!」
一方通行「ならねェよ!!オマエやっぱりただのレズじゃねェか!!
つーか持ち歩いてンのか!?この本常に持ち歩いてンのか!?」
白井「それではわたくしはお姉さまの捜索に戻りますので、これで」ヒュッ
一方通行「おい待て空間移動すンな!本置いて行くな!持って帰れェェェ!!!」
――回想終了
御坂「……」
一方通行「……とまァ、こンな感じで強制的にその本押し付けられたわけだ」
麦野「……」
一方通行「一応借りモンっつー事になるし、
あンまりぞんざいに扱うわけにもいかねェからとりあえず本棚に入れといたンだよ」ハァ
御坂「……何かごめんね?」
一方通行「いや、別にオマエが悪ィワケじゃねェだろ」
御坂「うん、そうなんだけど……でも何かごめん」
一方通行「とりあえずこの本オマエから白黒に返しといて貰えねェか?読む気ねェし読みたくもねェ」
御坂「えー、それはちょっと……黒子に取りに来させればいいんじゃないの?」
一方通行「俺から直接返すとなると感想とか求められそうでよォ……」ハァ
御坂「あー……」
麦野「んで結局あんたは何で携帯繋がらなかったわけ?」
御坂「先週の話よね?多分、映画見に行ってた時かな」
一方通行「映画ァ?」
御坂「今ね、第六学区の映画館でアニメ祭りやってて……」
麦野「あぁ……ケロヨンだかゲコ太だか、それ目当てに行ったわけね、高校生にもなって」
御坂「べ、別にいいでしょ!好きなものは好きなんだから!」
一方通行「ンで、アニメに熱中してたら学校行くのも忘れて白黒の電話にも気付かなかった、と」
御坂「電話に気付かなかったって言うか携帯の電源切ってたのよ、映画館では当然のマナーでしょ?」
麦野「あんた絹旗と仲良くなれそうだわ」
垣根「おい一方通行、カセットコンロあるか?」
一方通行「食器棚の一番下に置いてンよ」
垣根「おう、それじゃそろそろ鍋持ってくからコタツの上片付けといてくれ」
一方通行「だってよ。第四位、蜜柑の皮片付けろ」
麦野「えー……だってゴミ箱遠いじゃない?」
御坂「その位は動きなさいよ……」
麦野「でも面倒だし……そうだ、こうすればいっか」バシュン、ジュッ
御坂「の、能力使って……」
一方通行「蜜柑の皮消し飛ばしやがった……」
麦野「出力さえ抑えればこういう使い方もありか。今度からゴミはこうやって処理しようかね」
一方通行「便利なモン持つと人間堕落しちまうってのは本当だなァ」
御坂「いやいやあんたも人の事言えないでしょ……」
垣根「待たせたなボンクラども、垣根様の手料理だ、心して食えよ」グツグツ
一方通行「……そォか、たかが鍋とは言えオマエの手料理なのか」
麦野「物凄い勢いで食欲が失せて行ったわ……」
御坂「出来立ての鍋を前にして食欲が湧かないなんて初めてよ……
見た目は美味しそうなのに……」
垣根「ナチュラルに酷いなオマエら……俺にあったかく接してくれるのはコタツだけかよ……」ハァ
一方通行「まァ捨てるのは勿体ねェし食おうぜ」イタダキマス
麦野「そうね」イタダキマス
垣根「え、何?捨てるかどうか悩むレベル?オマエらマジで俺の事病原菌か何かかと思ってねぇ?」
御坂「まぁまぁ、この二人がこんななのは今に始まったことじゃないし」
垣根「言っとくけどオマエも相当だからな?」
麦野「ところでどうして鮭が入ってないのかにゃーん?てめぇは鍋一つマトモに作れねぇのか?」
垣根「普通水炊きに鮭は入れねぇよ!鮭中毒も大概にしろ!!」
一方通行「はァ……鍋も久々に食うといいモンだな、あったまるぜ……」フゥ
麦野「皆で食べるから美味しいのよ。私達がいる事に感謝しな第一位」フ
一方通行「オマエだけは本当に帰ってくれねェかなァ」モグモグ
御坂「今更だけど、あんた一人暮らしなのによくカセットコンロと土鍋なんて持ってたわね」ハフハフ
一方通行「引っ越す時に黄泉川がよこしやがったンだよ。
『お前くらいの年齢ならそのうちきっと使う日が来るじゃん』とか何とか言って」
垣根「ほう、随分先見が利くじゃねぇか、あの巨乳警備員」ムシャムシャ
一方通行「まさか本当に使う事があるとはなァ……」
御坂「私達のお陰ね」ニコッ
一方通行「あァ、オマエらのせいだ」ケッ
麦野「しっかしあれね、鍋が美味しいのはいいんだけどそれだけじゃちょっと物足りないわね」
垣根「うん?」
御坂「そう?」
麦野「具体的に言うと鍋に良く合う飲み物が欲しいのよ。アルコール的な……あんたら欲しくならない?」
御坂「私まだ高校生だし……」
一方通行「オマエは完全にババアの発想だな」
麦野「もう一回言ってみろ、この家が消し飛ぶわよ」
一方通行「何て酷ェ脅しだ……」
垣根「いらん挑発はやめろ一方通行、こいつはマジでやりかねねぇ」
麦野「あーそれにしても温かい鍋にお酒が組み合わさったらとっても幸せだと思うんだけどなー、
誰かお酒持ってきてくれないかしら」チラッ
御坂「どこまでも人任せね……」
垣根「安心しろ麦野、誰かがそう言い出すと思ってさっき冷蔵庫漁った時にビールの六缶パックを確保しといた」ドン
一方通行「おま、勝手に……」
垣根「固ぇ事言うなよ一方通行、冷蔵庫の中身好きに使っていいつったのはオマエだろ?
ほら、ビール回せ。っと、御坂にはコーヒーな」ハイ
御坂「鍋にコーヒーって……」
垣根「ノンアルコールの飲み物はそれしか見当たらなかったんだ、文句は一方通行に言え」
一方通行「勝手に飲み物ぶんどられた上に文句まで言われンのか俺は」
麦野「珍しく気が利くわね垣根、今私の中であんたのランキングがかなり上がったわよ」
垣根「ほう、どのくらいまで上がった?俺は今ランキング何位くらいだ?」
麦野「セロハンテープと同じくらいね。順位にすると……わかんねーわ」
垣根「セロハンテープレベル!?人間ですらねぇって言うか元はどんだけ低かったんだよ!?」
麦野「元はホッチキスくらいかしら」
垣根「違いがわからねぇ……」
一方通行「まァ実際オマエ人間かどうか怪しいだろ、冷蔵庫になったり工場になったりよォ」
垣根「お前のせいだよ!?」
御坂「ある意味凄いと思うけどね、人間がそんな風になるって……」
一方通行「つーか俺のせいってちょっとおかしいンじゃねェか?
俺はオマエから喧嘩売ってきたのを返り討ちにしただけだろ」
垣根「いやまぁそりゃそうなんだが……」
一方通行「そもそもあン時のオマエは打ち止めに手ェ出そうとするわ黄泉川に怪我させるわド外道だったじゃねェか。
そりゃァ俺だってブチギレるし、大体オマエ相手に手加減なンざ出来ねェっての」
垣根「……すまんかった、あん時は俺もちょっとテンパってたんだよ」
麦野「汚い手使おうとして逆に相手を怒らせてボコられるって、あんた三流悪役の鑑ね」
垣根「オマエが言うな」
御坂「ねぇちょっと、垣根さんが打ち止めに手を出そうとしたって初耳なんだけどどういう事?ロリコンだったの?」
垣根「そういう意味の手を出すじゃねぇよ!!」
一方通行「この馬鹿正面から俺とやり合うの怖ェからって打ち止め人質にしようとしやがったンだよ」
御坂「うわぁちょっと引くわよそれ……」
麦野(ちょっとなのか)
一方通行(ちょっとで済むのかよ)
垣根「その節はどうもすいませんでした。ただ名誉の為に言っとくけど別に怖かったわけじゃねぇよ?マジで」
麦野「幼女人質に取ろうとした時点で名誉もクソも……」
垣根「ですよね……」
一方通行「あー……あン頃の打ち止めは素直で純真な子だったンだがなァ……
ちょろちょろ動き回るから手もかかったけどよォ」
垣根「その純真さを奪ったのはオマエだオマエ」
一方通行「やっぱ俺のせいなンかな……」
御坂「ねぇ一方通行、正直な所あんたは打ち止めの事どう思ってるわけ?」
麦野「そうね、そこはっきりさせとくのは大事よ第一位」
垣根「ぶっちゃけ抱きたいとか思った事ねぇの?」
一方通行「あるかボケ!!何で俺があンなガキに欲情しなきゃならねェンだ!?」
麦野「あっれー、第一位ってロリコンじゃなかったの?」アレー
一方通行「どっから流れンだよそォいうデマは!?絶対に違ェからな!!」
御坂「デマって言うかさ、打ち止めはずっとあんたにベッタリだったし
あんたも満更でもなさそうだったから、多分皆そんな風に思ってるわよ?」
一方通行「……そりゃまァ、アレだ、あのガキは俺にとって世界で一番大切な存在だからよォ、
手はかかるが一緒にいてつまらねェって事はねェし、出来ればずっと一緒にいてェとは思ってたよ」
垣根「何だロリコンか」
一方通行「張り倒すぞオマエ!?ンな薄汚れた感情は一切ねェよ!!」
麦野「そんだけ大事なら何で一人暮らし始めたのよ?一緒に暮らしてりゃよかったじゃない」
一方通行「思春期のガキと血の繋がってねェ男がいつまでも一つ屋根の下で暮らしてちゃ不味ィだろ。
それにアイツはもう俺と一緒にいたくなかったみてェだしな。だったら俺が出て行くのがベストだろ?
アイツが幸せなら俺はそれでいいンだよ」
垣根(何か意外と重い話になってつまんねぇな……)モグモグ
御坂「えーっと、多分あんたが思ってるみたいに打ち止めはあんたの事嫌いになってないと思うわよ?
反抗期でちょっと素直になれないだけだってば」
一方通行「挨拶代わりとばかりに電撃が飛ンでくンのにか?」
御坂「そ、それは、えっと……」
垣根「何だ、昔御坂が上条にやってたのと同じじゃねぇか。構って欲しいだけだろそれ」
麦野「反抗期ってのは近しい相手にこそ反抗する傾向があるからねぇ。今度ゆっくり話し合ってみなさい?
て言うか今言った『世界で一番大切~』とか面と向かって言ってやったらコロッといくわよ多分」
垣根「む、麦野が……」
御坂「真面目にアドバイスをするだなんて……」
一方通行「何だ、この言い知れねェ不信感は……」ゴクリ
麦野「何よあんたら、私だって偶にはお姉さんっぽい事するわよ」
垣根「そんなの麦野じゃねぇよ……」
御坂「誰よあんた!?」
麦野「……まぁそれに、知り合いがロリコンの道に堕ちて行く姿を間近で観察してみたいしね。
第一位が犯罪を恐れずにあのガキンチョとくっつこうって言うんならいくらでも手を貸すわ」
垣根「良かった、いつもの麦野だ」
御坂「お帰り麦野さん」
麦野「てめぇらそろそろ表に出ろ。私は出ないけど」サムイカラ
一方通行「いや待てっての、俺とあのガキとくっつくとかあり得ねェからな?」
御坂「え?でも世界で一番大切でずっと一緒にいたい相手なんでしょ?」
垣根「それを愛と呼ばずして何と呼ぶよ」
一方通行「でも俺アイツに女性的な魅力は一切感じてねェし?」
御坂「ぶっ!!」
麦野「サラッと最低な事言いやがったわこいつ」
一方通行「大切な存在なのは間違いねェよ、アイツの為なら俺の薄汚ェ命なンざ喜ンで捨ててやる。
けど俺にとってアイツは浮ついた感情を向ける対象じゃねェンだよ。
つーかマジでそういう感情は一切湧かねェ。再三言うが俺ロリコンじゃねェし」
垣根「んー、愛は愛でも家族愛とかそっち方面みてぇだな」
御坂「何か打ち止めの事神聖視してる感もあるわね」
麦野「つまんないわ、これだから童貞は」ハァ
一方通行「いや童貞ではねェけどな」
御坂「……え?」
麦野「嘘、マジで?」
垣根「何だ素人童貞か」
一方通行「ちょっと表に出ようか垣根くン」クイ
垣根「寒いからイヤどす」
麦野「童貞でも素人童貞でもない?」
御坂「って事は……」
垣根「レイプか……」ウワァ
一方通行「やっぱ表出ようか垣根くン」クイクイ
垣根「だってオマエが恋愛してるところとか想像出来ねぇし!?」
御坂「うん、確かに……一方通行が誰かとデートしてるところなんて想像出来ないわよね」
麦野「てかさっき『愛だの恋だのは理解出来ない』とか言ってたのは嘘だったわけ?」
一方通行「嘘じゃねェよ、恋愛なンざ生まれてこの方した覚えがねェ」
垣根「だったらもうレイプしかねぇだろ、ん?嫌がる女を力ずくで無理矢理ヤったんだろ?こう、後ろから」
一方通行「ちゃンと合意の上だっての!!つーか何でバック限定なンだよ!?」
垣根「オマエはバックでヤりながら女の胸を揉みしだくのが好きそうな顔をしてる」
一方通行「どンな顔だ!?」
御坂「合意の上なのに恋愛じゃないの?どういう意味?」
麦野「ちょっとシチュエーション詳しく説明してもらえる?」
一方通行「あァ?何だってそンな事話さなきゃならねェンだよ……どォでもいいだろ……」
麦野「話したくないなら話さなくてもいいけど、このままだとレイプ犯認定されるわよ?垣根に」
垣根「言えないってことはやっぱ後ろめたい事があるんだろ?それとも童貞の妄想か?」ケケケ
一方通行「うっぜェ、マジうぜェ……あァークソ……
……まァ何だ、傷の舐め合いっつーかある種の契約っつーか、そンな感じで、
互いに合意の上で身体だけの関係結ンでたンだよ」チッ
御坂「な、何か大人な関係ね……」ドキドキ
垣根「爛れてるっつーんだよ。つーかそれじゃサッパリわかんねぇしもうちょっと詳しく頼むわ」
一方通行「これ以上は絶対話さねェ、絶対にだ」ギロ
垣根「そんな本気で殺気込めて睨むのやめてくれ怖ぇから。わかったよもう聞かねぇって」
麦野「今はどうなってんの?まだ続いてるわけ?」
一方通行「話さねェつってンだろ」
麦野「そん位別にいいでしょ、相手探ったりなんて野暮な真似はしないわよ」
一方通行「……チッ、とっくに切れたわ。互いに黒歴史みてェなモンだ」
御坂「うー、相手誰なんだろ、気になるなぁ……」ウズウズ
垣根「そこつっこむのはやめとこうな、冗談じゃ済まなくなりそうだから」
麦野「あーあ、でもこれで身近な所で『童貞』って馬鹿に出来るのは浜面くらいかー、つまんねーの」
一方通行「馬鹿にしてやンなよ、浜面だって生きて……ン?」
垣根「え?」
麦野「ん?」
御坂「?」
垣根「浜面童貞なの!?彼女いんのに!?」
麦野「あぁ、もうビックリするくらい童貞よ。近くにいるとイカ臭いわ」
一方通行「いやいやいや、もう三年くらいあの能力追跡の女と付き合ってンだろ?え?マジで童貞?」
垣根「十代後半のヤりたい盛りを童貞で過ごしてきたのアイツ?」
麦野「処女童貞同士のカップルってめんどくせえのよ、浜面はヘタレだし滝壺は初心だし」
一方通行「えェー……」
垣根「マジかよ浜面ェ……」
御坂(こういう話って私入り辛いわー……)パクパクモグモグ
一方通行「けどよォ、浜面ってあンま我慢強ェタイプじゃねェだろ?
いくらヘタレだつっても性欲に任せて襲い掛かったりしねェのか?」
垣根「彼女いるのにヤれねぇとか俺なら三日持たねぇぞ」
一方通行「オマエは猿過ぎンだよ」
麦野「あーうん、それが笑えるのよ。この前あいつら二人っきりにしてやったんだけどさ」
垣根「うんうん」
麦野「直前に酒飲ませてた甲斐もあって浜面がついに滝壺に襲い掛かったのよ、押し倒す感じでガバっと!」
一方通行「おォ!やるじゃねェか!」
麦野「でもね、焦った滝壺が咄嗟に巴投げ喰らわせちゃって、哀れ浜面はそのまま窓ガラスに特攻。
その後三日間病院で過ごす羽目になりましたとさ、めでたしめでたし」
一方通行「あァー、めでたくねェー……」
垣根「秋口にあいつがちょっと入院してたのはそれか……」
麦野「せっかくいい感じにお膳立てしてやったってのに、ホントめんどくさいわあいつら」ヤレヤレ
垣根「しかし、何だかんだで面倒見がいいんだなオマエ」
一方通行「あァ、てっきり二人の仲を引き裂こうと画策してンじゃねェかと思ってたが見直したぜ」
麦野「お前らの中で私はどんだけ外道なんだ?」
御坂「……あのさ、二人っきりにしてあげたはずなのにどうして麦野さんはその一部始終を知ってるの?」
麦野「え?そりゃぁ隠しカメラの一つや二つ設置してあるわよ?毎回愉快なネタを提供してくれてるわ」
一方通行「事も無げに言い放ちやがったなコイツ……」
垣根「ちょっと見直したと思った瞬間コレだよ……そんなだからオマエは独り身なんだっての」
麦野「うっせぇコラ、私は独りが好きで独りなんだ勘違いすんなボケ、
私に釣り合う男がいねぇのが悪ぃんだよクソが」チッ
垣根「図星突かれたからってそんなマジギレしなくても……あ、痛ッ!やめろ蹴るな!!痛い!おいやめろって!!」
御坂「そういえば聞いたことなかったけど、麦野さんってどういう人がタイプなの?」
麦野「タイプ?んー、そうね……強くて頭良くて顔良くて金持ってて……」
一方通行「天井知らずな理想の高さだなァオイ」
御坂「まぁ、そんな事だろうとは思ってたけど……」
垣根「おい麦野」
麦野「あぁ?」
垣根「オマエの理想を満たす男が、ここに二人もいるぜ」グッ
一方通行「あァ?」
御坂「あー……確かにあんたら二人とも条件満たしてると言えなくもないわね……
頭いいかどうかは意見の分かれるところだろうけど」
麦野「……優しくて器が大きくて常識があって逞しくて……」
御坂「あ、二人とも条件から外れた」
垣根「何てこった……別にいいけど」
一方通行「むしろこっちから願い下げだ」
麦野「ま、今挙げた条件に当てはまる男が出てきたら本気出すわよ」
垣根「……見つかるといいな」
一方通行「夢見ンのはタダだしなァ」
御坂「人の夢と書いて儚い……何か物悲しいわね……」
麦野「んじゃ次美琴の番ね、何かピンク色な話はないわけ?」
御坂「ふぇ!?そんな流れだっけ!?」
垣根「そうだな、上条とはどうなってんのか酒の肴に聞かせて貰おうか」ククク
御坂「酒の肴なら鍋があるでしょうに……」ク
一方通行「ぼちぼち告白の一つくらいしてやったか?
あの三下アホみてェに鈍いからストレートに行かねェと一生オトモダチのままだぜェ?
競争率高ェンだし急いだ方がいいンじゃねェか?」
麦野「実際、滅茶苦茶モテてるわよね。何であいつまだフリーなわけ?」
垣根「障害レベルで鈍い上にチキンだからだろ、あー勿体無ぇ勿体無ぇ」アーア
一方通行「加えて、アイツに好意持ってる女が全員まとめて告白する度胸もねェ雑魚だからだな」
麦野「なーんか誰か一人でも告白したら一気に修羅場になりそうねー。
面白そうだから先陣切りなさい美琴」ククク
御坂「あの、色々気にしてくれてるところ悪いんだけどさ」
垣根「お?」
御坂「ぶっちゃけ今私そこまであいつに夢中ってわけじゃないって言うか、冷却期間って言うか……」
一方通行「なン……」
麦野「だと……」
垣根「一時期ストーカーかって位追い掛け回してたのにか」
御坂「ストーカーって、そんなには酷くなかったでしょ……」
一方通行「自覚ねェのかよ……」
麦野「一体何があったのよ?バレンタインにハート型のチョコ手作りしたのに結局渡せず
『来年こそは』って泣きながら自分で食べてたようなあんたが……」
御坂「いやさ、夏休みにちょっとアイツの家に行く機会があってね?」
垣根「何だ?まさかそん時襲われたのか?」
一方通行「あの三下野郎……ッ」
御坂「違う違う違う!襲われてない!!」
垣根「じゃぁ合意の上か!?」
御坂「ワケわかんないわよ!!」
麦野「垣根うっせぇ、黙って続き聞くわよ」
御坂「コホン……えっとね、夏だってのにあいつはろくな物食べて無くてバテ気味だって言うから、
あいつの家まで食材買って手料理作りに行ったのよ」
垣根「おー通い妻みてぇだな、そいつはポイント高ぇぞ」
御坂「でしょでしょ?私もあの時はちょっと舞い上がっちゃって、かなり気合入れて行ったの覚えてるわ」
一方通行「つまりそン時はまだ三下に夢中だったってワケか」
麦野「そしてその日に何かあったって事ね」
御坂「出来る女アピールしてポイント稼いで他の女と差を付けるぞ!なんてその時は思ってたんだけど、
買って行った食材を一旦冷蔵庫に仕舞おうとした時に……」
垣根「した時に?」
御坂「冷蔵庫の中にね、パンツが入ってる事に気付いたの……」
一方通行「あァー……」
垣根「冷やしパンツ……」
麦野「え、何で冷蔵庫にパンツ入ってんのよ?意味わかんねーんだけど」
垣根「あー……クーラー使う金すらねぇ貧乏人が偶にやるんだよ、そういう事」
一方通行「冷蔵庫でキンキンに冷やしたパンツ履くと身体が冷えてしばらく涼しい、冷房いらず。
ってな感じらしいンだが、俺も詳しくは知らねェ」
垣根「浜面辺りに聞いてみたら詳しいんじゃねぇの?アイツは実際にやってそうだしよ」
麦野「ふーん、まぁとにかく貧乏人の涼み方なわけね」
御坂「冷蔵庫のど真ん中にパンツが鎮座してるの見た瞬間ね、『あ、何か違うな』って……」
一方通行「冷めちまったわけか」
御坂「冷めたって言うか醒めたって言うか……」
麦野「うん?どういう事よ」
御坂「あいつは世界を救った英雄で、私の事超能力者って言う色眼鏡で見ずに対等に接してくれて、
何度も私の事助けてくれて……でも私生活にはあんまり踏み込ませてくれなかったからさ、
私知らず知らずの内にあいつに凄い過度の幻想を抱いてたみたいなのよね」
一方通行「ところが現実は冷蔵庫の中にパンツ突っ込ンでるような貧乏学生でした、と」
御坂「うん……貧乏なのは知ってたけど、冷蔵庫の中にパンツ入ってるの見たときは正直ちょっと引いたわ」
垣根「100年の恋が冷める瞬間なんざ往々にして下らねぇもんだって事だな」
御坂「勿論嫌いになったわけじゃないし、今でも多分好きよ?
けどね、ずっとフィルター越しに自分勝手な幻想のあいつを見てたから、
本当に好きなのかどうかわからなくなっちゃって……」
麦野「んで、ちょっと一線引いて冷静になろうとしてるわけね」
御坂「まぁそんな所。身勝手な理想を持たれたまま告白されたんじゃあいつも迷惑だろうし、
仮に告白成功しても長続きしないだろうしね。
今は等身大のあいつをじっくり見定めてる最中って感じかな」
垣根「何か良さ気な感じにまとめてますが事の発端は冷やしパンツです」
一方通行「その日は結局その後どうしたンだ?」
御坂「パンツはスルーして普通に料理作ってあげたわよ?けどそれだけ」
麦野「ちなみにどんな料理作ったのよ?気合入れてたつってたけど」
御坂「鰻とすっぽんを……」
一方通行「他の女に差をつけるどころか既成事実作る気全開だったンじゃねェか!!」
垣根「怖いわこの子……」
御坂「ち、違うわよ!!バテ気味だって言うから元気出して貰おうと思っただけよ!」
麦野「その後襲われなかった?女の子がそんな料理出してきたら普通OKサインだと思うわよ?」
御坂「だーから襲われてないってば」
一方通行「鈍さに定評のある三下さンだからなァ……
ってかチョコ渡す度胸はねェのに鰻とすっぽんは平然と出せるのかよ」
垣根「そもそも鰻とすっぽんって調理すんのに免許必要だろ。気合入れたってレベルじゃねぇぞ……」
御坂「も、もういいじゃない!結局何事も無かったんだし!!
それよりも、あいつ猫飼ってるのよ猫、三毛猫。かわいかったわよー、私も猫飼いたいわー」
麦野「ちょっとその話題転換は強引過ぎじゃないかしら?」
垣根「乗っといてやろうぜここは。いいよな猫」
御坂「いいわよね猫!……はぁ、私も発電系能力者じゃなければもっと触れ合えるのに……
猫じゃなくてもいいから何か癒し系なペット飼いたいなぁ」
一方通行「あンまり迂闊にペット飼いてェとか言ってっと
『わたくしを飼ってくださいまし』とか言い出す馬鹿が出てくンぞ」
御坂「あー、頭の中で完全に黒子の声で再生されたわ今の……」
一方通行「それと『自分をペットにしてください』とか言い出す馬鹿も」
御坂「やめて、想像すると気持ち悪いから……」
麦野「大人気ね美琴」
垣根「とりあえず手頃な所でオマエの大好きな蛙でも飼ってみたらどうだ?
ゴム手袋でも付けてりゃ何とか世話出来るだろ」
御坂「触れ合えないし癒されないわよ!!ゲコ太が好きなだけでリアルな蛙はそんなに好きじゃないっての!!」
麦野「爬虫類とか両生類ってよく見ると結構かわいい顔してるわよ?」
御坂「あの、もっとこう毛がモフモフした系統の奴をね?わかんないかな……」
一方通行「わかってて言ってるに決まってンだろ」
垣根「しかしペットか……もし飼うんならやっぱ犬か猫の二択になるかな」
御坂「その二択なら私は断然猫派よ。あの大きな目が堪んないわ」
垣根「わかるぜ、猫の目には何か不思議な魅力があるからな」
一方通行「猫目石なンて宝石もあるくらいだしなァ」
麦野「ペットとして飼うなら私は犬派かな。触れ合うだけなら猫でもいいんだけど、
やっぱりペットは飼い主に忠実じゃないとね」
垣根(バターとか舐めさせたりすんのかな)
麦野「垣根、お前今物凄く失礼なこと考えただろう?」
垣根「バター犬」
一方通行「口に出しちまったよこの馬鹿!!」
御坂「バター犬って何?ゆるキャラか何か?」
一方通行「知らなくていい、忘れろ」
垣根「何でバター猫ってのは無いんだろうな?」
麦野「知るかボケ、もう黙れよ」
一方通行「『バター猫のパラドックス』が一瞬で卑猥な言葉になっちまったな……」
垣根「冗談は置いといて、犬もいいよな。レトリバーとかの大型犬と全力でじゃれ合うとマジで楽しい」
御坂「あ、それはちょっと魅力的かも……」
麦野「何より『イヌ』って響きが良いのよ、イヌ」
一方通行「そォか?」
麦野「だってそのまま罵倒語にもなるのよ?このイヌが!とか」
御坂「えー……」
垣根「そんな理由で犬が好きなのなんざ世界中でオマエくらいだ」
麦野「ところでイヌ……」
御坂「ん?」
一方通行「犬がどォかしたか?」
麦野「間違えたわ。ところで垣根、」
垣根「おい何をどう間違えやがった」
一方通行「まァ気にすンなよイヌ……垣根」
御坂「気を落とさないでイヌ……垣根さん」
垣根「ナメてやがるな。よほど愉快な死体になりてぇと見える」ビキビキ
麦野「そう怒んなっての。それよりビールもう一本取ってくれる?」
垣根「チッ……ほらよ」シャカシャカ、ヒョイ
麦野「おい今振っただろ、ふざけてんのか?」
垣根「気のせいだ」
麦野「目の前で振りやがっただろ!気のせいであって堪るか!!」
一方通行「飲食物で遊ぶンじゃねェ」
御坂「はい麦野さん、新しいビール」トン
麦野「お、ありがとね美琴」
垣根「チッ」
一方通行「振ったやつはオマエが責任持って飲めよ?」
垣根「ヤなこった。ほら御坂、オマエにやるよ、コーヒー全然飲んでねぇみてぇだし」コト
御坂「いやいらないわよ」
麦野「それより垣根、鍋の具が減ってきたから追加してきて」
垣根「また俺!?てかかなりの量あったはずなのにもうなくなりかけてんのか!?」
御坂「一方通行が肉ばっか食べてるからほとんど野菜だけになっちゃってるわね」
垣根「野菜も食えこの野郎」
一方通行「場所も食材も俺が提供してンだぞ?俺が肉食うのは当然の権利だろうが」
麦野「何で太んねーんだお前」
御坂「羨ましいわよねー」
垣根「確かに羨ましいけどよ、超偏食家だからその内身体壊して死ぬだろ」
一方通行「ずっとこンな生活してっけど病気なンざしたことねェぞ」
麦野「無駄に健やかね、モヤシの癖に……馬鹿は風引かないってのと似たようなもんなのかしら?」
垣根「まぁ、モヤシは意外と生命力高ぇからな、腐ったり枯れたりすんのも早ぇけど」
御坂「つまり今は元気な一方通行だけどそう遠くない内にくたばるって事?」
一方通行「あっれ、もしかして俺喧嘩売られてンのか?
オマエらこの寒ィのにコンクリ抱いて水泳でもしてェの?」
垣根「そうやってすぐ他人を脅して従わせようとすっから友達少ねぇんだよオマエ」
麦野「そんなに短気じゃ女の子にモテないぞ☆」
一方通行「よし、オマエらは殺す。近い内に絶対殺す」
御坂「それより私喉乾いたんだけど、コーヒーかビール以外に飲み物って無いの?」
一方通行「あァ?コーヒーの何が不満だってンだ」
御坂「苦いのはちょっと……鍋には合わないし、眠れなくなるし……ジュースとかお茶とかない?」
一方通行「悪ィがコーヒー以外には酒しか置いてねェよ。
甘ェモンは俺が得意じゃねェからな。茶ァ飲むくらいならコーヒー飲むしよォ」
御坂「えー本当に何もないんだ」
麦野「味覚障害者に多くを求めてはダメよ、美琴」
一方通行「オマエいい加減にしろよコラ」
垣根「ちょっと粘性の高いカルピスで良ければ一方通行から搾り取れるぞ」ククク
御坂「?」
一方通行「あァっと手が滑ったァー」ガッシャーン
垣根「ぎゃあああぁぁぁあっちいいいいぃぃぃ!!!!!」バッシャー
御坂「うわ、頭から煮立ってる鍋かぶった……」
一方通行「大丈夫か垣根ェー、つい手が滑ってオマエに鍋ブン投げちまったァー」
御坂「あーあ勿体無い……」
麦野「もうほとんど白菜しか残ってなかったし別にいいでしょ。
それに手が滑ったんなら仕方が無いわ」
垣根「ちったぁ俺の心配しろ!!俺じゃなかったら病院送りになってんぞこれ!?」アチチチチ
一方通行「暖かそうで何よりだなァ垣根くゥン、もォコタツに入っとく必要ねェだろ?
そこ片付けて鍋作り直してこいや」
垣根「オマエ流石に鬼畜すぎじゃねぇ?俺も冗談が過ぎたけどよぉ……」アツイアツイ
麦野「てか今ので鍋にヒビ入ってるわ、もう使えそうに無いわね」
御坂「え、じゃぁもう鍋終わり?まぁ結構食べたけどさ」
一方通行「あーあ垣根のせいだなァこりゃ」
垣根「ハイハイすいませんでしたぁ!」
麦野「それじゃ後はビールでもちびちびやりながら駄弁りましょうか」
一方通行「え、帰らねェの?」
御坂「こんな寒い中帰れないわよ、てかコタツから出たくないし」
麦野「そう言えば明日は雪が降るらしいわよ?寒いわけね全く」
垣根「マジかよ、日が暮れたらもう寒くて外出歩けねぇな」
御坂「こうも寒いと温泉でも入りに行きたいわねー」
垣根「お、いいな温泉。その内皆で行くか」
麦野「いや、お前は来るな」
一方通行「………おいオマエら、まさかとは思うが今日泊まる気じゃ……」
麦野「安心しな第一位、私はソファーでいいからベッドは美琴に使わせてあげなさい」
御坂「え、いいの?何か悪いわね……」
一方通行「おい」
垣根「俺はコタツで構わねぇよ。それとシャワー浴びさせてくれ、鍋でベタベタだから」
麦野「て事は第一位はその辺の床で寝るわけね」
御坂「そんなに気を使わなくてもいいのに……」
一方通行「おい何言ってンだ」
麦野「それじゃ夜はまだ長いし、今日は騒ぐわよー」
垣根「おう!の前に俺はシャワー行って来る」ガタン
麦野「戻ってくる時でいいから適当にツマミ探してきてもらえる?」
垣根「ったくしょうがねぇな……」
一方通行「おい」
御坂「わ、私もビール飲んでみようかな……」
麦野「おっとお酒初体験?いいわねー気合十分ねー」ククク
一方通行「帰れよオマエらァァァァァ!!!」
終わりだよ!
最近長編書く体力も時間もなくて困るわぁ
書きかけのSSが二本あるけど形として纏るのはいつになるのやら・・・
それじゃ読んでくれてありがとな!
乙でした。
面白かった
長編も期待してます!
他の作品が気になる。
Entry ⇒ 2012.01.04 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
一方通行「コンビニ、コンビニ」
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1325248819/l50
上条「……」
一方通行「アイツ、コンビニで何してンだ?」
一方通行「雑誌コーナーンとこをジッと見て」
一方通行「立ち読みする本を決めあぐねてンのか?」
一方通行「あ、離れていった」
一方通行「まァどォでもいいか、コーヒー」
一方通行「ン?」
一方通行「また戻ってきやがった」
一方通行「……」
一方通行「なにがしたいンだよ」
一方通行「頭抱えてやがる」
一方通行「周りを伺っていやがる」
一方通行「……まさか」
一方通行「その待ち合わせ場所が、あのコンビニの雑誌コーナー!」
一方通行「チィ、面倒臭ェ展開になりそうだな…」
一方通行「仕方ねェ、あの無能力者ごと取り押さえる」
一方通行「まさか、あそこで相手と話し合おうってワケはねェ」
一方通行「どこが場所を移動するはずだ」
一方通行「尾行して根城ごと破壊してやンよ…」
一方通行「……それにしても、あのクソ野郎…」
一方通行「人のこと言えねェが、闇に手を染めるなンて馬鹿なマネを」
一方通行「雑誌に手を伸ばしては、引っ込めるの繰り返し」
一方通行「そしてまた雑誌から距離をとる…かえって目立ってンぞ」
一方通行「……それより」
一方通行「無能力者は、闇に手を染めて何がしたいンだ?」
一方通行「まァ」
一方通行「なンにせよ、止めるがな」
一方通行「本を手にとった…!」
一方通行「……エロ本か」
一方通行「妙だな」
一方通行「アイツはまだ高校生」
一方通行「未成年お断りの雑誌なンざ手にとったら、店員に目ェつけられるぞ…」
一方通行「……素人が」
なんかワロタ
一方通行「だらしねェ顔だなァ、オイ」
一方通行「アイツ…潜む気あンのか?」
一方通行「あンなに目立ったら、交渉相手も近づきがたいだろォが」
一方通行「暗部だぞ…相手は」
一方通行「マズいな」
一方通行「このまま無能力者が近づきがたい態度を取り続けて」
一方通行「暗部のクソが交渉不可能と判断したら…」
一方通行「無能力者は、けされる…かもしれねェ」
一方通行「無能力者ァ!!」
上条「!?ってうわわ一方通行!?」
一方通行「来い!」
上条「うわわわ!すいませんでした!!」
一方通行「くだらねェこと抜かしてる暇があったら、急いでここから離れるぞ!」
上条「そ、そうですね!高一なのにエロ本立ち読みしてるのを警備員に見られたら…」
一方通行「ンなレベルじゃねェだろォが!」
一方通行「闇になンざ手を染めやがって…」
上条「エロ本読むのが闇って…大げさすぎません?」
一方通行「もォそれはいい!質問に答えやがれ!」
上条「はぃい!?」
一方通行「なンで暗部なンかと繋がった!」
上条「…………だから、」
上条「暗部ってなに?」
上条「ただエロ本、読んでただけです」
一方通行「……妙に挙動不審だったのは」
上条「恥ずかしいし、未成年お断りな本を読んだら怒られそうだから」
一方通行「……」
上条「ただそれだけなんだ」
一方通行「……ただそれだけだったンだ…」
上条「まあまあ…勘違いは誰にだってあるよ」
一方通行「……」
上条「なんなら、お前も読む?エロ本」
一方通行「誰がァ!」
一方通行「かえる」
上条「連れ立ち読みしようぜ?」
一方通行「ンな気分じゃねェ」
上条「ほら、これお前が好きそうじゃね?」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
一方通行「ふざけてンのか?」
上条「えー?」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
一方通行「話はそれだけか?帰ンぞ」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
『小学生のグラビア』ヒョイ
一方通行(あっ……)
『小学生のグラビア』
一方通行「」
上条「じゃあまたな」
一方通行「おォ」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
上条「そうだったのか」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
上条「どのコーヒーが好きなんだ?」
一方通行「別に、その時の気分で決める」
上条「そっか、俺はこのコーヒーが好き」
一方通行「あー」
上条「って!どんだけ買うの!?」
一方通行「ン?気分でアバウトに」ガバガバ
上条「さすがは第一位か、金持ちすぎる」
一方通行「お前の分も買ってやろォか?」
上条「お、そうか?悪いな」
一方通行「あの暴食シスターの分も買えってンじゃねェだろォな?」
上条「だめ?」
一方通行「……まァ、いいけどよォ」
一方通行「じゃあコンビニよりそこら辺にあるハンバーガーを買うか」
上条「え、そんなにいいの?」
一方通行「ついでだ」
上条「よっと、その間俺は雑誌立ち読みでもしてるか」
一方通行「おォ」
上条「ふふふー」
一方通行「……」
上条「このおっぱいは、なんてキレイなんだ」
一方通行「……」チラ
上条「ぐふふふ」
一方通行「……」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
アノ、オカイケイ
『小学生のグラビア』
一方通行「」
一方通行「金だ」パサ
イチマンエン オアズカリシマス
一方通行「よっと」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
一方通行「いくぞ、無能力者」
上条「キレイキレイおっぱい…あ、おぉ!」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
一方通行「早くしろ」
一方通行「フン」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
上条「おまたせ、いこうぜ」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
一方通行「おォ」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
マタオコシクダサイマセー
上条「ふぁー、外は寒いなー!」
一方通行「雪降らねェだけマシだろ」
上条「雪かー、それはそれで楽しそうでもあるなー」
一方通行「ついでた」
上条「マジてすまん、今度返す」
一方通行「それじゃおごりじゃねェだろ」
一方通行「いいよ、面倒臭ェ」
上条「そうか…?でも」
一方通行「何度も言わせンな」
一方通行「ここのあンまウマくねェよ」
上条「そうなの?」
一方通行「あァ、三下店だ」
上条「へーでもインデックスはそんなの気にせず食うからいいかと」
一方通行「駄目だ、俺のこだわりなンだよ」
上条「うおお」
学園都市ックワロタwww
一瞬でバーガーショップだと理解できるな
上条「あまり変わんなくない?同じ店だろ?」
一方通行「いいから早くこいよ」
上条「あ、はいはい」
上条「うん」
一方通行「すいませン、全メニューください」
上条「うん、ってえぇ!?」
上条「買いすぎ!」
一方通行「あァ?大量に買えばいいって…」
上条「全メニューって、度がすぎてるだろ!」
一方通行「前にあのシスターは、全メニュー食いたいと俺にせがンできた」
上条「大変ご迷惑をおかけしました」
一方通行「まァ、頑張れや」
上条「え!?持ってくれないんですか!?」
一方通行「あたり前だ、お前の荷物だろ」
上条「こんなに、一人では持ちきれないよー」
一方通行「がンばれや」
一方通行「俺は金をはらった」
上条「返すから、持ってくださいぃ!」
一方通行「悪ィけど、これからこのデパートで買いたいモンがあンだよ」
上条「なにを買うんだよ」
一方通行「本」
一方通行「言う義理はねェ」
上条「教えてくれよ」
タァン
上条「消えた!?」
上条「さすがは第一位…ベクトル変換の神秘を見たぜ……」
上条「さて」
上条「この大量の荷物はどうしよう」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「ねェな…」
一方通行(チッ、無駄足か)
一方通行(……ン?)
一方通行(奥にまだ調べてねェアダルトコーナーが…)
一方通行(いくか)
一方通行「……」
一方通行「……」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
浜面「いいなぁ、このお姉さん、たまんねぇ」
一方通行「…………」
一方通行「そろそろ打ち止めがうるせェ時間帯になるな」
一方通行「帰るか」
打ち止め「お帰りなさい!ってミサカはミサカはアナタを迎えてみたり!」
一方通行「はァ、久々に歩いたわ」
打ち止め「コンビニ行くだけでずいぶん遅かったね、ってミサカはミサカは疑問を浮かべてみる」
一方通行「どォでもいいだろ」
打ち止め「言えないの?」
一方通行「面倒臭ェから言わないの」
打ち止め「むむー、まさかの女のニオイがしますよー、ってミサカはミサカはレーダーを働かせてみたり」
一方通行「ニオイをレーダーで察知って意味わかンねェよ」
一方通行「……」
一方通行「……」
打ち止め「おふろー!」
一方通行「…」
打ち止め「?一緒に入りたいの?ってミサカはミサカは誘ってみる」
一方通行「さっさといけ」
一方通行「おォ」
一方通行「……」
―――
――
―
一方通行「サンタさン」
一方通行「僕にもプレゼントくれる?」
サンタ「むうう」
サンタ「ダメだ」
一方通行「!!」
サンタ「君は今年、悪いことをしすぎた」
一方通行「ッ!!」
サンタ「だから来年頑張りなさい。良い事をするんだ」
一方通行「あァあ、ああああァァァァァ!」
サンタ「そうすれば、あげるよ」
『小学生のグラビア』
一方通行「ああああああああああああああああああッッッッ!!!!」
――
―
一方通行「はっ!」
打ち止め「すぅ、すぅ…」
一方通行「……」
一方通行「なンつー夢だ」
一方通行「疲れてンだな」
一方通行「コーヒーでも、飲むか」
打ち止め「あの人は?」
打ち止め「あ、書き置きがあるってミサカはミサカは発見してみたり」
『コーヒーが無くなったからコンビニ行ってくる。すぐ帰る』
一方通行「もの足りねェから追加を買いに、コンビニへ」
一方通行「げふ」
一方通行「……朝早いと人も少ねェな」
一方通行「肌寒ィ…げふ」
一方通行「杖ついて歩くってのも、楽じゃねェな」
イラッシャイマセー
一方通行「……」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
一方通行「……」
美琴「なによ、今回のこの展開!」
一方通行「!?」
美琴「……あ」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
美琴「アンタ…」
一方通行「……第、三位……!」
美琴「……続きが待ちきれない漫画があったから、朝早くに抜け出してきた」
美琴「そしてやーっと一週間待った続きが見れて…」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
美琴「話の良い悪いは別として、気になっていたものが晴れて、スッキリしていたって時に…」
美琴「いやな顔と遭遇したわね」
一方通行「」
一方通行「ンだよ、そっちが気をつけていれば良い話だろォが」
美琴「なんですって!?」
一方通行「興醒めはこっちもなンだよ」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
一方通行「……」
美琴「でも!アンタが気にくわないのは変わんないのよ!!」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
一方通行「……そうか」
一方通行「」
一方通行「だったら、アバよ」
美琴「!」
一方通行「俺がお前の視界から消えれば満足なンだろ?」
一方通行「だからご要望におこたえして消えてやるってンだよ」
美琴「なめて、んの…?」
美琴「待て!」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
ガラン ガラン
美琴「……」
美琴「なんなのよ…!」
一方通行「」
↑これなんとかしろwww
一方通行「ったく…」
一方通行「……」
一方通行「ここらへんのコンビニは使えねェな…」
一方通行「確か、俺のブームと品揃えがなかなか会わなくて、敬遠してたとこだ」
一方通行「もォ選り好みしてられねェ状況だ」
一方通行「いくか」
ガラン ガラン
イラッシャイマセー
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「オイ店員」
店員「はい」
一方通行「ねェンだけど」
一方通行「ねェンだよ…!」
一方通行「いっっつもだ!」
一方通行「ここは無駄なモンだけボロボロベロベロ置いてあって…」
一方通行「俺の欲しいモンがいっつもねェ!ふざけてンのかァ!?」
店員「……えと」
一方通行「……」
一方通行「もォいい!」
ガランガラン
店員「ありがとうございました」
一方通行「……帰るか」
一方通行「もォ、疲れた」
一方通行「これが悪意ってヤツかよ」
一方通行「この展開も、上層部の野郎共の思惑どおりか」
一方通行「……疲れた」
一方通行「……」
一方通行「ン?」
一方通行「なンか落ちてンな…」
一方通行「なンだ?」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
一方通行「くっだらねェ」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
一方通行「学園都市の学生ってのは気楽で日和ってていいねェ」
『小学生のグラビア』
一方通行「」
『小学生のグラビア』
『小学生のグラビア』
『小学生のグラビア』
『小学生のグラビア』
『小学生のグラビア』
『小学生のグラビア』
『小学生のグラビア』
一方通行「……」キョロキョロ
一方通行「そォだよ」
一方通行「ずっと、見たいと思ってた」
インデックス「朝にランニングすると頭がよくなるってテレビで言ってたんだよ!」
浜面「朝デートもいいなあ」
滝壺「だね」
一方通行「ああああああああああああああああああああああああああァァァァァァァァァァァッッ!!」
一方通行(どォこの状況を切り抜ける…!)
一方通行(考えろォ!)
一方通行(なンのための…学園都市第一位の頭脳だ……ッ!!)
一方通行(あ……)
一方通行(もォこの選択しかねェらしい)
『小学生のグラビア』
一方通行(お前を、殺さなきゃいけねェ、らしい……)
『小学生のグラビア』ヒューン
一方通行(遥か彼方へ……!!)
一方通行「……終わった」
一方通行「……」
一方通行「開き直るか」
美琴「もう一回コンビニでもいって、飲み物でも買ってこよ」
美琴「ほっほっ」
美琴「ついた」
一方通行「ついた」
美琴「ッ……!アンタ!!」
一方通行「やあ第三位、コンビニに用事があるのかい?」
美琴「……!?」
一方通行「実は僕もなンだ」
美琴「は!?」
一方通行「いや、そンなことはないさ」
美琴(なにこいつ!?どうなってんの!?どういうこと!?)
一方通行「まァ、とりあえず中へ入ろう。入り口で止まっていては邪魔になる」
美琴(あっ、実はコイツは第一位の一方通行ではなく双子の弟とか!そうよ、そうなんだわ!!)
一方通行「あァ、実は恥ずかしながらアダルト雑誌の購入を…」
美琴「はいぃ!?」
一方通行「確か、『小学生のグラビア』だったかな?」
一方通行「小学生のギリギリの写真がおさめられているらしくて、我慢がきかなくてね」
一方通行「ロリータ・コンプレックスというやつなのかな?あははは」
美琴(ああ、これは夢なんだわ。そうよ。こんな朝早くから寮から出られるわけがないもの。そうよ夢夢…)
一方通行「あった」
一方通行「これをください」
ネンレイカクニンヲ
一方通行「それがですね」
一方通行「僕は名前がありませン…」
ハイ
一方通行「だから、年齢もありませン」
……………。
一方通行「制限ねェ…」
一方通行「小学生を愛でるのに、年齢なンかいらないと思うンだ」
一方通行「好き」
一方通行「資格なンてそれだけでいいと、僕は思います」
美琴「そう」
一方通行「さっそく見ます!」
一方通行「あァ!まずい×××&@☆$%#!!」
一方通行「いひゃひゃ」
美琴「これは夢…うそよ、こんなのに妹達は……………………」
―――
――
―
美琴「はっ!」
黒子「大丈夫ですの?お姉様」
美琴「……?」
黒子「ずいぶんとうなされてましたが…」
美琴「………………夢?」
黒子「は、はい?」
美琴「わたし、今日どこにも出かけてない!?」
黒子「ええ…おそらく」
美琴「本当に?」
黒子「まだ朝の七時ですし…私が目を覚ました時にはお姉様はまだ眠られていましたが…」
美琴「…………」
黒子「お姉様大丈夫ですの?」
美琴「あ、うん。大丈夫。ちょっと嫌な夢をみただけ」
黒子「よろしければ私の胸にとびこべし!!」
美琴「ちょーっとコンビニ行ってくる。目覚め悪いからさ。手伝って」
黒子「……寮内でなんとかなりませんの?」
美琴「コンビニだからいいのよ」
美琴「ダッシュダッシュー」
美琴「よしっ、ついた」
美琴「はー、つかれたー」
一方通行「」
美琴「」
おしまい
最初から美琴の夢だったのです
Entry ⇒ 2011.12.31 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
番外個体「そんなもんかもねぇ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324386154/
始まるよ!
上条さんのハーレム話だけど主人公は一方通行さんだよ!
お相手は番外個体さんだよ!たぶん一週間かからず終わるよ!気楽にみてってね!
~とある日、黄泉川家にて
番外個体「おいーっす、一方通行。やけに遅いお目覚めで」
一方通行「うっせー。何時に起きようが俺の勝手だ」
番外「あ、私知ってるよ。重役出勤って奴でしょ?」
一方「ぜんぜん違うけどな」
番外「うっわ、居候の癖に偉そうだねぇ。礼儀の欠片もありゃしない。死んだ方がいいんじゃない?」
一方「・・・・・・」がじがじ
番外「・・・何食ってんの?」
一方「カロリーメェト」
番外「いい加減飽きないの?」
一方「昨日はチョコ味だったしィ」
番外「栄養とか大丈夫なん?野菜食えよ」
一方「カロリーメェトはなァ、完璧なンだよ。パーフェクト食品なンだ」
番外「んな訳ないじゃん。まあ、栄養失調で倒れたらミサカがサクッと殺してあげるから安心してね」
一方「……」
番外「・・・何?どしたの?」
一方「いや、別にィ。それより黄泉川はどうしたんだ?」
番外「ん、なんかデートどか言って出てった」
一方「ふーん、あっそ。まあ、どうでもいい」
番外「あんたが聞いてきたんじゃん。はい、コーヒー」
一方「おォ、ありが・・・」
番外「・・・・・・」
一方「・・・・・・」
番外「・・・・・・」
一方「・・・すまん、今なんつった?」
番外「え?いや、だからコーヒーが」
一方「いや、その前」
番外「ん?ああ、黄泉川彼氏出来たらしいよ」
一方「ええええええええええええええええええええええええええええ!!!」
番外「しかも教え子らしいよ」
一方「あsdfghjkl;んdさlkfhじゃlf!!!!???」
番外「・・・・・・」
一方「・・・・・・」
番外「・・・・・・」
一方「よく考えたらどうでも良かったわ」ズズズ
番外「まあ、むしろよく今まで独身だったよね」
一方「もうギリギリの線まで来てたからな。いやはや喜ばしい」
番外「あんたがそこはかとなく上から目線なのが鼻につくね」
一方「で、どんな奴なンだ?」
番外「さあ?名前だけ聞いたんだけど、忘れちゃった」
一方「よく考えたらどうでもいいわ」ズズズ
番外「あ、思い出した」
番外「確か、カミジョーとかいう奴だった」
一方「ぶっふうううううううううううううううううう!!!」
番外「・・・・・・」ポヤポタ
一方「がっっ、つっ、はっ、がはっ」ゼェゼェ
番外「・・・人にコーヒーぶちまけて謝罪の一つも無し?」
一方「ちょ、ちょま、の、喉にカロリーメェトが詰まって・・・」
番外「んな奴見たことねーし!」
一方「まあ落ち着けよ。カロリーメェト食うか?チョコ味だぞ?」
番外「どうしよう。このまま殺しちゃおうかなこいつ」
一方「おいおい穏やかじゃねェな」
番外「人をコーヒー塗れにしておいてなんだその言い草は」
一方「しっかし、相手が三下とはな。嫌な予感がする」
番外「何?そんなエグイ奴だっけ?」
一方「身も蓋も無いことを言えばそうなんだが…まあ、黄泉川自身が納得して決めたんならいいンじゃねェか」
番外「おや、随分と素っ気ない言い草だね」
一方「あいつも大の大人だからなァ。向こうから求められたならまだしも、俺がグチグチ口出しすることじゃねェ」
番外「結構ドライなんだね。『愛する家族をそこらへんの青二才なんかにやれん!』とか言い出すかと思ったのに」
一方「俺はンな話し方しねェよ・・・ま、見守るのもまた愛、って奴だ」
番外「ふーん」
番外「そんなもんかねぇ」
―――――三日後。
芳川「…ただいま」
番外「ああ、おかえりー。朝帰り、とは結構な御身分で」ハグハグ
芳川「あら、あなただけ?」
番外「うん。一方通行は変な金髪のチンピラとどっか行っちゃった」ハグハグ
芳川「あら、朝早くから元気ね。どこに行ったの?」
番外「なんだっけかな。確か爽やかな男同士でタマを足でいじくりまわしてブチ込みに行くとかなんとか」ハグハグ
芳川「……」
番外「……」ハグハグ
芳川「…まあ、趣味は人それぞれだものね」
番外「そうだね」ハグハグ
芳川「私はちょっと寝るわ。なんか頭が痛くなってきたし」
番外「そりゃ大変だ。早く寝た方がいいよ。なんたって朝帰りなんだから」ハグハグ
芳川「……」
番外「どしたの?」ハグハグ
芳川「聞かないの?なんで朝帰りだったか」
番外「んーまあぶっちゃけそんなに興味は…」
芳川「実はね、私最近ある人と付き合い始めたの」
番外「あれ?私の話聞いてた?」
芳川「今日はその人の家に泊ってたのよ。だから今帰ってきたの」
番外「あーこれ完全に聞いてないね。自分語り始めちゃったね]
芳川「彼ったら、情熱的に私を愛してくれて・・・素敵な一夜だったわ」
番外「ほうほうお惚気ですか。おめでとう」
芳川「それほどでもないわ」
番外「褒めてないけどね。まあいいや。で、相手はどんな奴なん?」
芳川「上条当麻っていう子よ」
番外「ぶふううううううううううううううううううううう!!!!!」
芳川「うっわきたねぇ!」
番外「よ、よ、芳川、今なんて…」
芳川「…それより前に言うことがあるんじゃないかしら」ベットリ
番外「そんなことはどうでもいいんだよ!」
芳川「ぶっとばすわよ?」
番外「…因みにさ、そのこと黄泉川には話した?」
芳川「話したわ。お互い納得済みよ」
番外「…ってことは黄泉川は」
芳川「ええ、彼は平等に愛してくれるから大丈夫よ」
番外「はあああああああああああああ!?」
芳川「何を驚いてるのよ。一夫多妻制なんて、イスラム圏では当たり前のことよ」
番外「あばばばばばばば」
番外「…ってことがあったんだけど」
一方「何?最後の声」
番外「ミサカよく解んないけどさ、たぶんこれ二股って奴だよね?」
一方「……」
番外「だとしたらさ、これって止めた方がいいのかな?」
一方「いいことを教えてやる。『なになにした方がいいのかな』って人に聞くときは、だいたいお前がそれをしたい時だ」
番外「そうなの?それってミサカだけ?それともみんな?」
一方「大概の奴はそうだ」
番外「ふーん、じゃあ止めようかな」
一方「・・・まあ、個人的にはあんま手ェ出すべきじゃねェとは思うがな」
番外「そんなもんなん?」
一方「ああ・・・それに、たぶん言っても聞きやしねェ」
番外「・・・まあ別にいいんだけどね。可能なら、あんま面倒な事したくないし」
一方「気になンのか?」
番外「まあ、ぶっちゃけ少し」
一方「……」
一方「…面倒な目にあいたくねェってのは同感だ。二人はとりあえずほっとこうぜ」
番外「とりあえず、そうする理由が知りたいんだけど」
一方「…あいつらはもういい大人だ。本人が納得してンなら、俺が手を出すことじゃねェ」
番外「なんかこの前も同じようなこと言ってたよね。ホントに大丈夫なの?それで」
一方「・・・18にも届かねェガキに心配されなきゃデートも出来ねェようなタマでもねェよ」
番外「ふーん」
番外「…そんなもんかねぇ」
―――――そのまた二日後。
一方通行「・・・・・・」モグモグ
打ち止め「あ、一方通行おはよう!ってミサカはミサカは浮き立つ気持ちを抑えきれずに挨拶してみたり!」
一方通行「おォ。なンだ?やけにご機嫌じゃねェか」
打ち止め「へへっ!解っちゃう?実はねー」
一方通行「ちょっと待って。コーヒー淹れるから」
打ち止め「・・・カフェイン無きゃ会話も出来ないの?」
一方通行「かのサヴァランも言っている。『精神がコーヒーの鞭をくらうからこそ、有象無象までが大挙して、オリンポスの山や記憶の殿堂への道を押しすすむことがあたうのであろう』、と」
打ち止め「全然意味が解らないよ、ってミサカはミサカはなんだか頭痛がしてきたり・・・」
一方通行「コーヒーを飲めば解る。だから飲め。喉からあふれ出るまで」
打ち止め「イヤだよ。程度を知ってよ」
一方通行「ったく、ああ言えばこういう奴だ」
打ち止め「すっげー理不尽だよね。別にいいけど」
一方通行「で?話って何?」
打ち止め「え?ああ、えーとね・・・」
打ち止め「ミサカにも彼氏さんができたのだ!ってミサカはミサカは重大発表してみたり!!」
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・・・・」
打ち止め「・・・・・・・・・・・・・???」
一方通行「・・・・・・!・・・・・・・・・・・・!!!!」
打ち止め「・・・あれ?ノーリアクションは酷いんじゃない!?ってミサカはミサカは予想外の冷たい仕打ちに動揺してみたり・・・」
一方通行「・・・・・・・・・夢でも見てンだろ。顔洗って来い」ガタガタ
打ち止め「大丈夫?なんかものすごい勢いで震えてるみたいだけど」
一方通行「うるせェ。黙って向こうに行け。俺のカロリーメェトタイムを犯すことはなんびとたりとも許さん」
打ち止め「あ、それちょっと解る。ベジタブル味が最高だよね、ってミサカはミサカは・・・」
一方通行「打ち止めァ!!!!俺はお前をそんな子に育てた覚えはありませんっ!!!」
打ち止め「え?いやカロリーメイト如きでそんなに怒らなくても」
一方通行「そっちじゃねェよ!その前だよ!!」
打ち止め「解り難いなぁ・・・彼氏ができたこと?ってミサカはミサカは念のために確認してみたり」
一方通行「そうそうそれ・・・どういうことだァ?」
打ち止め「だからそのまんまだよ。彼氏が出来たの」
一方通行「ふーん、あっそう。お幸せに」
打ち止め「え?さっきと全然反応が違うよ?ってミサカはミサカは急激な変貌に驚きを覚えたり・・・」
一方通行「別にお前がそれでいいンなら、俺の意見なンかカスほどの価値もねェだろ」
打ち止め「一方通行・・・」
一方通行「好きにすればいいンじゃねェか?少なくとも、邪魔したりはしねェから安心しろ」
打ち止め「・・・・・・」
一方通行「どうした?」
打ち止め「ううん・・・ミサカ、絶対に幸せになるからね」
一方通行「おうおう、勝手にやれ・・・で、相手はどんなやつなンだ?」ゴクゴク
打ち止め「あなたも良く知ってる人だよ!」
一方通行「え?」
打ち止め「ヒーローさん!」
一方通行「ぶっふううううううううううううううううううううううううううう!!!!」
打ち止め「うっわきたね!」
一方通行「・・・ってことを、目をきらきらさせながら語られた」
番外個体「すっげーな。カミジョーさん」
一方通行「確か知り合いが二挺拳銃の殺し屋とツテがあったな。ちょっと連絡を取ってみよう」
番外個体「落ち着け」
一方通行「すまねェ、ちょっと動転してた」
番外個体「まあ、あんたにとっちゃ紫の上みたいなもんだからね」
一方通行「何言ってんだお前」
番外個体「で、どうする訳?」
一方通行「あァ?」
番外個体「気に入らないんでしょ?ふざけんなって叫んで引き剥がしちゃえば?」
一方通行「・・・あのなァ、本人が幸せになるかって所を、俺が気に入らねェとか言って邪魔できる訳がねェだろォが」
番外個体「あ、気に入らないのは認めるんだ」
一方通行「・・・まあな」
番外個体「うーん、よく解んないなぁ・・・それって何?”愛”って奴なの?」
一方通行「・・・・・・あァ、そうだ」
番外個体「それってさ、”正しい”の?」
一方通行「正しいさ。正しいに決まっている。間違ってないに決まってる」
一方通行「・・・そうに違いねェ」
番外個体「・・・・・・」
番外個体「そんなもんかねぇ」
―――――翌日。
番外個体「・・・ってことが最近あってさぁ」
美琴「・・・・・・それを何故、わたしに?」
番外個体「あ、お姉さまそういえばカミジョーさんにフラれたんだっけ。ごめんねこんな話して」
美琴「ふ、フラれてないし!どっちかといえば、こ、こっちからフッてやったようなもんだし!」
番外個体「告白しない間にいつの間にか彼女が出来ていて結局諦めたお姉さまと、それでも突っ込んだ打ち止め。どこで差がついたのか。慢心、環境の違い・・・」
美琴「うっさいわね!八股するような奴、こっちから願い下げよ!」
番外個体「え?今八人もいんの?」
美琴「え?う、うん。黄泉川って人と、芳川って人でしょ、インデックスでしょ?五和さんに神裂さんに、佐天さんと初春と黒子で八人」
番外個体「マジぱねぇ」
美琴「あと麦野さんが攻略中との情報が」
番外個体「うわぁ、結構えげつねぇ言葉使うんだね」
美琴「でも、なんかみんな受け入れてるっぽいのよね。それなりに秩序があって、お互い嫉妬したりしないっていうか」
番外個体「完璧なハーレムだね」
美琴「ただ部屋はめちゃくちゃ手狭だって佐天さんが言ってた」
番外個体「むしろあの部屋に住んでんのかよ」
美琴「なんか今度引っ越すって言ってたよ」
番外個体「・・・・・・」
美琴「何よ」
番外個体「お姉さまさ、もっかいアタックしてみれば?ハーレムの仲間入りできるんじゃない?」
美琴「絶っ対しない!」
番外個体「なんで?」
美琴「だっておかしいじゃない!好きな人が九人もいるなんて!」
番外個体「そういうこともあるんじゃない?受け入れてあげたら?」
美琴「わたしは無理ね」
番外個体「うーん、ミサカよく解んないけどさ、好きな人の決めたことを受け入れるってのも、”愛”なんでしょ?」
美琴「・・・・・・」
番外個体「ってことはさ、今の状況を受け入れたその九人ってのは、単純にお姉さまよりカミジョーさんを愛してたってことなんじゃない?」
美琴「・・・・・・そうかもしれないけど、仕方ないじゃない。だって私はあいつに”恋”してたんだもん」
番外個体「”恋”?それって”愛”とは違うの?同じようなもんなんじゃないの?」
美琴「同じ人もいるかもしんないけど、私は違ったの!」
番外個体「・・・・・・」
美琴「・・・何よ」
番外個体「いや、ね?ミサカさ、愛とか恋とか、よくわかんないんだよね」
美琴「はぁ?」
番外個体「ほら、ミサカってクローンじゃん?で、生まれてそんな経ってないからさ、そういう経験も特に無いわけよ」
美琴「・・・う、うん」
番外個体「今回のことってさ、ミサカが”愛”を知るにはいい機会じゃん?だから折角だから、いろいろ聞いてみたいわけ」
美琴「・・・なるほど」
番外個体「って訳で、もっと具体的に教えてよ。”恋”って何?」
美琴「えー?・・・うーん・・・えーと、その・・・」
番外個体「その?」
美琴「・・・・・・わ、わたしだけを見て欲しかった、っていうか・・・」
番外個体「うわぁ」
美琴「うっさいわね!」
番外個体「で、それがお姉さまの”恋”だったと」
美琴「うう・・・まあ、そうだけど・・・」
番外個体「それってさ、嬉しいの?」
美琴「え?」
番外個体「”愛”ってのを向けられたら、向けられた方が嬉しいのはなんとなく解るよ。自分のことを受け入れてくれるわけだから」
美琴「・・・うん」
番外個体「でもさ、”恋”ってどうなの?要するに、それって相手に対する要求なんでしょ?」
美琴「そうだけど・・・」
番外個体「そんなもん向けられて嬉しいの?鬱陶しいだけなんじゃないの?」
美琴「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
美琴「・・・でも、それを喜んでくれる人だったらいいなぁって、思ってたのよ」
番外個体「・・・・・・」
美琴「実際にはそうじゃなくて、あいつはもっといろんな人に愛を向けることを選んだわけ。その時点で私の恋は破れちゃった。だから私は、あいつのところに行くつもりは無いわ」
番外個体「・・・ふーん、人間って難しいねぇ。クローンの私には、やっぱよく解んないよ」
美琴「何言ってんのよ。あんただって人間じゃない」
番外個体「・・・・・・」
美琴「きっとあんたも、いつか”恋”をするわよ」
番外個体「・・・・・・」
番外個体「・・・・・・そんなもんかねぇ」
―――――さらに三日後。
番外個体「ただいまー」
一方通行「おォ」
番外個体「・・・・・・」
一方通行「・・・どうした?」
番外個体「・・・何?その荷物」
一方通行「ちょっとな」
番外個体「いや、ちょっとってレベルじゃないでしょ。夜逃げレベルじゃん。今更借金で首が回らなくなったの?」
一方通行「いや、そういう訳じゃねェンだが・・・」
黄泉川「一方通行・・・ホントに出て行くじゃん?」
番外個体「え?出てくの?」
一方通行「おォ」
番外個体「はぁ?なんでよ」
芳川「気をつけて暮らしなさいね」
番外個体「え?止めねーの?」
黄泉川「たまには帰ってくるじゃんよ」
一方通行「いや、ホントマジ無理なんで勘弁してください」
番外個体「ちょ、ちょっと待って!ホントに話が見えないんだけど!」
一方通行「あァ?あァ、そういやオマエまだ知らないんだったな。実は・・・」
上条「愛穂、トイレはどこだ?」
黄泉川「突き当りを右じゃん」
上条「あ、ここか。・・・・・・」
黄泉川「どうしたじゃん?」
上条「なんか悪いな。こんな家に住まわせてもらって」
黄泉川「なに言ってるじゃん!水臭いじゃん!私とオマエの仲じゃん!」
番外個体「・・・・・・」
一方通行「・・・ってことだ」
番外個体「全然わかんないんだけど」
佐天「あ、今日からお世話になる佐天涙子です」
初春「同じく初春飾利です」
黒子「ジャッジメントですの!」
番外個体「おい最後だけおかしいぞ」
インデックス「13人で暮らすには、とーまの家は狭すぎるんだよ!」
番外個体「え?また増えたの?」
五和「そこで黄泉川さんと芳川さんが自宅を提供してくれるということで、みんなで移ってきたんです」
神裂「この部屋から私たちの新しい生活が始まるのですね」
オルソラ「よいお天気なのです」
番外個体「あんたら誰だよ」
打ち止め「正直ミサカも把握しきれてないの」
番外個体「・・・なんだか頭痛くなってきた」
一方通行「そんな訳で一緒に暮らすのはちょっとキツいンじゃねェかな、と思った次第でして」
黄泉川「そんなの気にすることないじゃんよ」
一方通行「いや、気にしないとか無理なんで。もうすでに胃に穴が開きそうなンですけど」
番外個体「・・・金とかあんの?」
一方通行「今までだって払ってたしな。変わンねェよ」
番外個体「一人暮らしとかできんの?」
一方通行「バカにすンな」
番外個体「住むトコ無いでしょ。見つけてから行けば?」
一方通行「マンションいくつか持ってるからそのどっか行くわ」
番外個体「何も今すぐ出て行かなくてもいいんじゃない?もうちょっとゆっくりと・・・」
一方通行「住居も決まってんのに残る意味あンのか?」
番外個体「・・・まあそうなんだけど・・・うーん、なんか釈然としないな」
一方通行「あっそ・・・で、オマエはどォすンだ?」
番外個体「え?」
一方通行「え?じゃねェよ。年増女共の愛の巣に、部外者は邪魔だろ。俺のトコにでも来るか?」
番外個体「あはっ、酷い冗談。なんだってミサカがわざわざアンタに付いてかなくちゃいけないのさ。気持ち悪すぎて吐き気するよ。ひょっとしてロリコン?ミサカまだ10歳くらいなんだけど」
一方通行「別に手ェ出したりしねェよ。ただ、もし行くトコがねェなら泊めてやるぞって話だ」
番外個体「はぁ?頭沸いてんの?そんなことしたらストレスで血ぃ吐いて死んじゃうって。無理無理」
一方通行「だったら、ハーレムの仲間入りでもすンのか」
番外個体「・・・・・・」
芳川「ねぇ、別に私たち何もあなたたちを追い出そうとしたいわけじゃ無いのよ?むしろ、残ってくれるのならば大歓迎なのだけど」
黄泉川「そのとおりじゃん!」
打ち止め「異議なーし」
インデックス「勿論なんだよ!」
五和「当然です」
神裂「そもそもここはあなたの家なのですから、文句があろうはずもありません」
番外個体「・・・・・・」
一方通行「・・・・・・」
番外個体「・・・どうすればいいんだろう。よくわかんないや」
一方通行「そりゃあ…」
一方通行「………………。」
番外個体「…?どしたの?」
一方通行「…いや、お前が自分で考えて決めればいいンじゃねェか?」
番外個体「…そんなもんなの?」
一方通行「そんなもんも何も、てめェも一人の人間だろォが。自分のことくらい自分で決めろ」
番外個体「えー、めんどくせー・・・そうだ、一方通行はどうして欲しいわけ?」
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・何度も言った様に、俺は”オマエが納得して決めた”のなら、それを尊重する。俺の希望をねじ込むことはねェ」
番外個体「・・・あっそ」
番外個体「そんなもんかねぇ・・・・・・」
―――――翌日。
美琴「・・・・・・」
番外個体「・・・どしたの?なんか燃え尽きてるよ?」
美琴「…昨日門限破っちゃって…」
番外個体「またぁ?お姉さまもこりないねぇ」
美琴「そしたら…」
番外個体「うん」
美琴「・・・・・・ベレッタが・・・」
番外個体「うん?」
美琴「ケツマンコに」
番外個体「なんの話だよ」
美琴「私はまだ処女だ!!」
番外個体「ギリギリっぽいなぁ」
美琴「ギリギリじゃねーし!逃げ切ったし!よしんば入っててもまだ穴は一つ残ってるし!」
番外個体「その台詞がすでにギリギリだよね」
美琴「それはそうとして、なんかすごい話ね」
番外個体「何が?ケツが?」
美琴「違うわ!あんたの家・・・っていうか黄泉川さんの家」
番外個体「ああ、それ?ホントだよ。昨日とか何時までギシギシやってたと思う?朝の五時だよ!?十時になっても誰一人おきてこねーし。おかげで朝飯は今日もカロリーメイトだよ」
美琴「あら、あれ好きなの?」
番外個体「別に好きだから食ってるわけじゃないよ。昨日まで住んでいた真っ白けのロリコンがやたら買いこんであって、それしか無かったから仕方なく食ってるだけ」
美琴「なんだ、残念」
番外個体「いや、しかしあれだね。ベジタブル味ってのはひでーもんだね。やたらあればっか残ってたから何かと思ったら・・・」
美琴「おいちょっと表出ろ」
番外個体「え?」
美琴「・・・いや、なんでもないわ。ちょっと眩暈がして・・・」
番外個体「大丈夫?無理は禁物だよ」
美琴「うるさい!チョコ味チーズ味の尖兵にほどこしなんて受けないわ!」
番外個体「なんの話をしているの?そして何と戦っているの?」
美琴「ごめん、なんでもないわ・・・で、あんたは結局どうするの?一人暮らしでもする?」
番外個体「それもいい案なんだけど・・・まあ、とりあえず、もう少しあの家に残ってようかと思うんだ」
美琴「はぁ?あんだけ文句言っておいて?なんでよ」
番外個体「いや、なんていうかさ、あの人達”愛”って奴で繋がってるんでしょ?」
美琴「・・・・・・」
番外個体「ミサカもその”愛”ってのに興味あるからさ、あそこに残ればちょっと解るようになるかなーって思って」
美琴「・・・あんたのさ、その”愛”に対するあくなき執念ってどこから来てるわけ?」
番外個体「・・・さあ?解んないや。クローンだから、普通の人間に憧れてるとか、そういう感じじゃない?」
美琴「・・・・・・」
美琴「私は・・・・・・あんたのこと愛してるから」
番外個体「ごめんそういう趣味はないんだ」
美琴「あんたはちゃんと愛されてるから。愛されてるってことは、きっとあんたもその人に愛を向けてるってことだから」
番外個体「・・・・・・」
美琴「だからあせる必要は無いのよ。あんたはちゃんと”愛”を持ってるんだから。この御坂様が保証してやるわ。間違いない」
番外個体「・・・ごめん、お姉さま。やっぱりミサカにはよく解んないや」
美琴「それでもいいわ。何も難しく考えることはないのよ。”愛”は気が付けばそこにある物なんだから」
番外個体「気がつけばそこに、か」
番外個体「そんなもんかねぇ」
―――――同日、同時刻。
浜面「・・・ってそりゃミスチルだろうが!」
一方通行「いきなりなに言ってんだ?オマエ」
浜面「いや、なんか言わなきゃいけない気がした」
一方通行「・・・大丈夫・・・じゃあねェか、元から」
浜面「大丈夫だよ!問題ねえよ!でもさぁ、なんかやんなきゃいけない気がするときあるじゃん!そういうのを逃したくないの!俺は!」
一方通行「ねェよ。そンなン」
浜面「あるよ。俺は唯一、それを逃さなかったことだけを誇りに生きている」
一方通行「・・・・・・」
浜面「・・・てな冗談は置いといてよ、さっさと用件ってのを教えてくれよ。俺これから買い物行かなきゃなんないんだよ」
一方通行「・・・・・・」
浜面「聞いてる?」
一方通行「・・・おォ。あまりの寒さに意識が飛んじまった」
浜面「そこまで!?」
一方通行「自覚してねェのか・・・残念な奴だ」
浜面「うるせぇ!・・・で、なんで俺呼んだの?」
一方通行「暇つぶし」
浜面「はぁ!ふざけんなよ・・・ああ、ひょっとして番外個体ちゃんと喧嘩でもしたか?」
一方通行「あァ?」
浜面(あれ?ひょっとして当たりじゃね?)
一方通行「・・・ンなコトでテメェ引っ張り出すわけねェだろ」
浜面「じゃあ何があったんだよ」
一方通行「・・・・・・」
浜面(だんまりかよ・・・めんどくせー)
浜面「そういやよ、上条のハーレムの話知ってるか?最近全然会ってねーから噂でしかねーんだけどさ、あいつ今二桁の女の子と一緒に暮らしてるらしいぜ」
一方通行「・・・・・・」
浜面「なんでも人が増えすぎて部屋が手狭になってきたから引っ越すんだってよ。その引越し先も、ハーレムの女の家なんだってさ!麦野もなんだかんだアプローチかけられてたらしいけど、結局断ったみたいだぜ」
一方通行「・・・・・・」
浜面「いやーでも羨ましいよなぁ、かわいー女の子をとっかえひっかえだろ?男の夢だよな!」
一方通行「・・・オマエそんなこと言ってると愛想つかされるんじゃねェ?」
浜面「はっはっは、大丈夫俺らラブラブだし」
一方通行「そんなこと言ってる間に、どこぞのハーレムの仲間入りしてたりしてなァ」
浜面「いやいや、ありえねえって」
一方通行「どうだかなァ。なんてったって、稀代のフラグ建築士が相手だからなァ」
浜面「・・・あれ?なにこれすんごいやばい気がしてきた」
一方通行「いつの間にか『ごめんはまづら。もっと好きな人ができちゃった』とか言ってきたり」
浜面「いやだー!そんなのいやだー!」
一方通行「・・・ってなことがあったらどうすンだ?オマエ」
浜面「どうするっつったって、理后がそういうなら諦めるしかねーよ・・・」
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・だよなァ」
浜面「理后ー!行かないでくれー!」
一方通行「うるせェ。妄想で取り乱すな。つーか叫ぶな」
浜面「あーでも諦め切れねー」
一方通行「あァ?さっき諦めるっつってたじゃねェか」
浜面「うん、やっぱ無理だな。だって好きだし」
一方通行「・・・コロコロ意見変えやがって、このバカ面が」
浜面「ま、実際はその時になんねえと解んねーし」
一方通行「身も蓋もねェな」
浜面「とはいえそんな目にはあいたくねーしな。そうならねー為にも、俺は買い物に行かなければならないって訳だ」
一方通行「・・・前から言おうと思ってたンだが、オマエ完全にヒモだよな」
浜面「ヒモじゃねーよ!社長だって何度も言ったじゃん!」
一方通行「三ヶ月誰も客が来ない何でも屋の店主は社長とは呼べねェよ」
浜面「今は休暇なの!でっかい仕事終わったから余裕あるって何度も言っただろーが!」
一方通行「うるせェ叫ぶなニート」
浜面「いっつも思うけど、家事手伝いってニートに入るのかな」
一方通行「入るんじゃねェか?」
浜面「え、じゃあ俺今ニートじゃん」
一方通行「いや、そんなマジレスいらねェンだけど」
浜面「マジじゃねーよ!ジョークだよ!!解れよ!」
一方通行「無茶言うな・・・」
浜面「つーかよ、それ言ったらお前だってニートじゃねーか!働いてねーし、居候だし」
一方通行「生憎一人暮らしを始めたばっかでな。どこぞのスキルアウト崩れとは身分が違ェ」
浜面「え?お前あの家出たの?」
一方通行「あァ?文句あンのか?」
浜面「キレるポイントおかしいだろ・・・で、何で出たの?」
一方通行「どォでもいいだろ、ンなコトは」
浜面「まーそーだな。でもあれじゃないか、寂しがったんじゃねーか?番外個体ちゃんとか、打ち止めちゃんとか」
一方通行「別にィ、普通だった」
浜面「そんなことねーだろ。平気ぶってても、きっと影で寂しがってたりするぜ?」
一方通行「そんなタマじゃねェよ」
浜面「いーや、間違いないね。俺にはわかる!」
一方通行「・・・・・・」
一方通行「そンなもンかねェ」
―――――同日、夜。
番外個体「そんな訳でですね」
黄泉川「・・・・・・」
芳川「・・・・・・」
打ち止め「・・・・・・」
番外個体「きっと奪うでも与えるでもないものってのがどんなもんなのか知ってみたいわけです」
黄泉川「それミスチルじゃんね」
番外個体「みすちる?何それ、おいしいの?」
佐天「いや、食べるものじゃないですよ」
オルソラ「バター和えは美味しいのでございます」
インデックス「食べてみたいんだよ!」
佐天「話聞いてた?」
初春「有名なポップバンドの名前ですよね」
神裂「・・・訂正してください、彼らはロックバンドです」
初春「ロック(笑)ツェッペリンのセカンド100回聞いて出直せ(笑)」
神裂「この腐れお花畑がっ…!!」
初春「腐ってねーよ」
番外個体「あー・・・話戻していい?」
黒子「ジャッジメントですの!」
番外個体「こいつ一体何なの?」
初春「ジャッジメントです」
番外個体「いや、そーいう話じゃなくて」
佐天「私とタメです」
番外個体「いやそーいう話でもなくて」
黒子「レズです」
番外個体「そんなカミングアウトは聞きたくなかった」
芳川「で、愛がどんなものか知りたい、と」
番外個体「ああ、芳川は話を戻してくれるんだね。助かるよ」
神裂「愛ですか・・・言葉で説明するのは難しいですね」
五和「そうですねぇ・・・強いて言えば、ドキドキ、といいますか」
番外個体「ドキドキ」
オルソラ「愛を感じると胸がぽかぽかするのでございますよ」
番外個体「ぽかぽか」
打ち止め「好きな人に触ったり声を聞いたりすると、キュンってなるんだよ、ってミサカはミサカは自分の経験を話してみたり」
番外個体「胸キュン・・・とりあえず、こんな感じの要素を満たしていれば、それが”愛”ってこと?」
芳川「うん、まあ、そんな感じじゃない?」
番外個体「適当だなー。なんか実感湧かないや」
黄泉川「番外個体はそんなことを感じた記憶は無いじゃん?」
番外個体「うーん、正直記憶に無いねぇ。だから、やっぱ解んない」
オルソラ「それならば、愛を感じてみればいいのでございますよ」
番外個体「身も蓋もねー意見だなー」
芳川「あら、あの子がああいうのにはそれなりに根拠があるのよ?」
番外個体「根拠?」
芳川「ええ。だって私達は、ある人への愛で繋がっているんだから」
番外個体「・・・・・・はい?」
五和「そうですね、きっと彼なら、あなたに愛を与えてくれるはずです」
番外個体「え?」
神裂「すばらしい・・・あなたも私たちの愛の輪の中に加わるのですね」
番外個体「・・・つまりミサカもあんた達のハーレムランドに仲間入りしろ、と」
黄泉川「理解が早くて助かるじゃん」
番外個体「無理だね」
黄泉川「じゃん!?」
番外個体「だってさ、ミサカはカミジョーさんのこと全然好きじゃないからねぇ。まあ、悪い人だとは思わないけど」
芳川「それの何が問題なの?」
番外個体「いや、だって芳川たちはみんなカミジョーさんが好きだからそこに居るんでしょ?ミサカみたいなのがただ仲間入りしたって、あなた達が感じる愛なんて感じられるわけ無いじゃん」
芳川「あら、別に良いじゃない。これから好きになればいいのよ」
番外個体「はあ、まあそれはそうなんですけど・・・どうやって?」
佐天「まずはデートしてみたらどうですか?」
番外個体「でぇと?」
佐天「はい!一緒に一日過ごせば、二人の距離が急接近するかも!きゃっ!」
黒子「チョロいですの!」
番外個体「殴っていいかな」
五和「いやぁ、私に聞かれても」
番外個体「てかなんであのツインテールここにいんの?レズなんでしょ?」
五和「いやぁ、私に聞かれても」
番外個体「喧嘩売ってんのか」
黄泉川「冗談は抜きにしてもいい案だと思うじゃん。まず愛を感じるには、お互いのことを良く知ることが大切じゃん」
番外個体「はあ」
黄泉川「ここに居たらどうせみんなで取り合いになっちゃうし、どこか出かけて二人っきりの時間を作るのは、お互いを知る上でいい手段だと思うじゃん」
番外個体「えー・・・」
芳川「私もそれが一番だと思うわ」
神裂「同感です」
五和「仲間が増えるのは大歓迎です」
佐天「面白そう!」
オルソラ「明日はたらこスパゲッティでありますのよ」
インデックス「わーい、わーい」
打ち止め「わーい、わーい」
初春「みすちるwwwwwwww深海wwww」
黒子「ジャッジメントですの!」
芳川「・・・・・・」
芳川「ほら、みんなもこう言ってることだし」
番外個体「結構ばっさりスルーするんだね」
黄泉川「ま、何事もまずやってみることが肝心じゃん。あいつはすげーいい奴だから、きっと番外個体も好きになるじゃんよ」
番外個体「・・・・・・」
番外個体「・・・そんなもんかねぇ」
―――――翌日。
番外個体「・・・そんな感じでこれからカミジョーさんとでーとすることになったよ」
美琴「・・・なんかこう、秩序の無い世の中にドロップキックかましてやりたい気分になるね」
番外個体「お姉さまも誘ってみたら?なんかあの人、デートならEverybody goesらしいよ」
美琴「オイなんでミスチル被せた」
番外個体「へ?みすちるって何?それおいしいの?」
美琴「・・・ホントに知らない?」
番外個体「うん。食べ物じゃないのは知ってる」
美琴「・・・まあいいや。それで、あんたアイツとデートすれば、”愛”てのが解ると思ってるわけ?」
番外個体「ううん。そんなに簡単じゃ無いでしょ」
美琴「そうね。それにもっといい方法がありそうだし」
番外個体「でも考えすぎで行動に困る、自分の不器用さは嫌いなんだ」
美琴「お前絶対ミスチル知ってるだろ」
番外個体「だから知らないって」
美琴「微妙に改変して使いやがって」
番外個体「何のことだかわからないよお姉さま」
美琴「・・・っていうか、あんたもあのハーレムの仲間入りするつもりなわけ?」
番外個体「今のところは全く無いねぇ。何度も言うけど、ミサカは”愛”ってのに興味があるだけだよ。あそこに居るのは、あの人たちが”愛”ってのを持っているっぽいからで、そいつに興味があるだけだからね」
美琴「・・・・・・」
番外個体「じゃなかったら、あんな肩身の狭い桃色空間とっくに出てってるよ」
美琴「じゃあさ、もし。もしもその”愛”をアイツが与えてくれたら、あそこに居るわけ?」
番外個体「まあ、そんな可能性もあるんじゃない?」
美琴「!!」
美琴(ひょっとして・・・満更でも無い感じ!?)
番外個体「まあ、でも正直その可能性は無いんじゃないかな?同じ家に住んでるから何度か話したけど、それっぽいもの全然感じなかったし」
美琴「そんなの解らないじゃない!」
番外個体「うわっ」
美琴「どうせあんただって、壊れるほどの抱擁とキスで、胸の鐘の音を鳴らしちゃったりするんでしょ!?」
番外個体「何言ってるか解らないけど動揺していることは伝わった」
美琴「・・・でもさ、実際いいわけ?好きでもない奴とデートとかしても」
番外個体「別に」
美琴「もっと大事に考えなさいよ!あーんなことやこーんなことされちゃったりするかもしれないのよ!」
番外個体「まあ、別にいいんじゃない?そりゃ積極的にやりたいかって言われたら微妙だけどさ、一度経験してみないと、それがいいことか悪いことかなんて解りようが無いじゃん」
美琴「そりゃそうだけど・・・」
番外個体「それにさ、別にデートとかキスとか、別に順番とか関係ないじゃん。制限回数があるわけでも無いんだし」
美琴「そ、そうなんだけど・・・えーと、ほら、もうちょっといろんな人と相談してからでもいいんじゃない?」
番外個体「一方通行には話したよ」
美琴「あー・・・えー・・・えー?」
番外個体「あいつも『お前が決めたならそれでいい』って言ってたし、やっぱりこういうのはチャレンジしてみないと駄目かなーって」
美琴「・・・・・・あいつ、そんな事を」
番外個体「うん」
美琴「救いようがねぇ」
番外個体「うん?」
美琴「いや、なんでもないわ・・・どうしてもデートはするって訳ね?」
番外個体「・・・お姉さまはさ、何でミサカをでーとに行かせたくないの?」
美琴「それは・・・その、あんたに後悔して欲しくないから・・・」
番外個体「後悔なんかしないって」
美琴「そりゃあんたにとっては何でもないことかもしれないわよ!?でも、世間一般では好きでもない奴とキスしたりとかするのはおかしいでしょ!」
番外個体「だからさ、ミサカはその世間一般ってのがどんなもんか知りたいんだって。よっぽど大事なモノなんでしょ?それ」
美琴「・・・・・・」
番外個体「そんな大事なものならさ、なんとしてでも手に入れたいなって思うじゃん。その為の手段になるんだったら、別に構わない訳。実際何人もの人とキスしたりデートしたりする奴は居るんだから、それをしたからって”普通の人間”じゃあなくなるなんてことは無いでしょ?」
美琴「・・・・・・」
番外個体「お、もうこんな時間じゃん。待ち合わせに遅れるからミサカもう行くね。ばいばーい」
美琴「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
美琴「そんなもん・・・な訳あるかっ!!」
―――――同日、同時刻。とあるファミレスにて。
浜面「俺・・・思うんだけどよ」
一方通行「あァ?」
浜面「ミスチルじゃなくて、イエモンにすりゃ良かったわ」
一方通行「何の話だよ」
浜面「ミスチルの歌詞とかぶっちゃけ良く知らねーんだよ!イエモンだったら!もっとポンポン歌詞が出てくるのに!!」
一方通行「ぶっちゃけそンなでもねェだろ」
浜面「うん」
一方通行「つーか、お前暇人だな。なンかやることねェのかよ」
浜面「お前が呼び出しといてそれはねーだろ!それに別にいいじゃん暇だって!誰にも迷惑かけてねーし!」
一方通行「・・・お前のためを思って教えてやるよ。家でゴロゴロしてるだけの夫を疎ましく思わない妻が居るわけねェだろ」
浜面「やめろよ!そこはかとなくリアルじゃねーか!」
一方通行「俺はお前のためを思って外に呼び出してやってンだ。ありがたく思え。そして謝罪しろ」
浜面「そんなこと言って・・・あれだろ?ホントは寂しいんだろ」
一方通行「ほざけ。なンで、俺がテメェと会えないことを寂しがらなきゃならねェンだよ」
浜面「ちげーって。一人暮らし始めて、身近に誰も居なくなったのが、だよ」
一方通行「・・・ンな訳ねェだろ」
浜面「いやー、学園都市第一位なんて看板を背負った奴でも人恋しさに泣いてしまうって訳だな」
一方通行「・・・・・・」カチッ
浜面「痛いトコ突かれて逆ギレするくらいなら賢ぶってんなよ。バッカじゃねーの」
一方通行「・・・・・・」
浜面「せめて番外個体ちゃんくらい連れてっちゃえばよかったじゃん。なんなら無理やりでも攫って・・・」
一方通行「すいませン、アンチスキルですか?目の前に未成年誘拐を示唆するアホ顔の金髪がいるンすけど」
浜面「すいません調子乗りましたー!!・・・ん?」
一方通行「?どうした?」
浜面「あ、いや、なんか向こうから凄い勢いで見知った女の子が走って」
美琴「殺すオラっ!!」
一方通行「ごふっ」
浜面「背後からランニング稲妻レッグドロップを放とうとしていた」
一方通行「遅ェよ!!さっさと教えろ!」
浜面「えー・・・だってそんなバイオレンスな展開になるとは思わねーだろ?」
一方通行「俺だって思わねェよ!」
美琴「イナズマッ!!」
浜面「いや、それは放つ前に言うものだぞ」
一方通行「このネタ解る奴いねェだろ・・・」
美琴「んなことはどーでもいいのよ!あんたのせいで!番外個体がアイツとデートする羽目になっちゃったじゃない!どう責任取ってくれるのよ!」
浜面「は?デート?いや、そもそもあいつって誰?」
一方通行「・・・なんでオレのせいなンだ?そりゃあいつが自分で決めたことだろォが。オレはああしろこうしろと指図した覚えなンてねェ!」
美琴「はぁ!?あんたホントにそれでいいわけ!?あの子が好きでもねー男とキスしたりしてもいいの!?ていうかそういうの軽々しくするもんじゃないでしょ!ちゃんとそこらへん教えときなさいよ!」
一方通行「・・・あいつだってガキじゃねェンだ。自分で判断して、決めたンなら仕方ねェだろ」
浜面「あ、そのフレーズ聞き覚えあるぜ!打ち止めちゃんにも同じようなこと言っただろ?」
一方通行「うるせェ、お前は黙って・・・・・・」
美琴「・・・?」
一方通行「・・・おい、なンでオマエがそれを知ってる?」
浜面「え?ほら、三日前に打ち止めちゃんが、カミジョーのハーレムに加わったって嘘ついたろ?あの後滝壺に愚痴ってたんだよ」
一方通行「・・・・・・」
浜面「なんか前から相談に乗ってたみたいでさ。俺らはお前相手じゃ効き目ねーんじゃねーのって予想してたけど、なんかあたっちまったみたいだな。あっはっはっは・・・」
一方通行「・・・アレ嘘だったのかよ」
浜面「え?まだネタばらししてなかったの?」
美琴「つーかそれくらい気づきなさいよ」
一方通行「ンなの気づく訳ねェだろ」
浜面「・・・え?じゃあ、あれは本気で言ってたのか?『好きにすれば?』、って奴」
一方通行「・・・・・・」
浜面「そうなのか・・・てっきり冗談だと受け取ったから、あんなつれない反応したと思ってたぜ」
一方通行「・・・・・・」
浜面「・・・なんつーか、あれだな、お前妙に大人なんだな」
一方通行「あァ?当たり前だろ。バカ面とは違ェンだよ」
浜面「そうだな。ちょっと俺とは違いすぎて、やっぱお前とは合わねーわ」
一方通行「はァ?何言ってンだ?」
浜面「御坂、行こうぜ」
美琴「え、ちょ、ちょっと、まだ話は・・・」
浜面「何言ったって無駄だって。それに・・・」
一方通行「・・・・・・」
浜面「俺はもうお前と話してたくねーし」
一方通行「・・・はァ?」
浜面「おっと、これは俺が決めたことだぜ?自分で決めたことだったら尊重してくれるんだろ?お前の願望を捩じ込んだりはしねーんだろ?」
一方通行「・・・・・・」
浜面「・・・じゃあな、一方通行。もう呼び出すなよ。いこーぜ、御坂」
美琴「え、ちょ、ちょっと・・・」
浜面「いいからいいから」
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・クソっ。何だってンだ。俺は間違っちゃいねェ」
―――『うーん、よく解んないなぁ・・・それって何?”愛”って奴なの?』
一方通行「あいつらは一人の人間だ。ちゃんとした個を持ってンだ。それを俺が犯していいはずがねェ」
―――『それってさ、”正しい”の?』
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・・・・クソが」
―――『うーん・・・そうだ、一方通行はどうして欲しいわけ?』
一方通行「クソ、クソ、クソっ」
―――『はぁ!?あんたホントにそれでいいわけ!?あの子が好きでもねー男とキスしたりしてもいいの!?』
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・・・・良い訳ねェだろっ!!!!!!!!」
―――――同日、とある路上にて。
美琴「ちょ、ちょっと、そろそろ手を離してよ」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・浜面さん?」
浜面「・・・どうしよう」
美琴「はい?」
浜面「やべぇ!絶対殺される!どうしよう!!」
美琴「え?え?」
浜面「ああああああああ!!!なんかカッとなっちまったんだよ!しゃーねーじゃん!どうしてもいいたくなっちゃったんだって!!だってなんかムカついたんだもん!」
美琴「ちょ、ちょ、落ち着け」
浜面「やべぇよ・・・絶対ガチ切れしてたよ、一方通行の奴・・・絶対次あったら殺されるわ・・・」
美琴「・・・いや、たぶん大丈夫だと思うけど」
浜面「・・・・・・いっそ」チラッ
美琴「オイこっち見んな」
浜面「超電磁砲って即死できるのかな?」
美琴「物騒なこと言ってんじゃねーよ」
浜面「御坂、滝壺に伝えてくれ。俺はお前を世界で一番愛していたと」
美琴「知るか!・・・ってねェ!あれ見て!」
浜面「そうだ、せっかくだから500円玉使ってくれ。豪勢に死にたい」
美琴「知らないわよ!ってか安!あんたの豪勢安っ!」
浜面「だってお前札だったら燃えちゃうじゃねーか。バカだなー」
美琴「ほんとに当てるぞ超電磁砲」
浜面「御坂!俺は一体何を見ればいいんだ!?」
美琴「・・・・・・」
浜面「あれ・・・か・・・?」
美琴「え?」
10039号「パパ、ミサカあれがほし~い、ってミサカはパパにおねだりしてみたりしてぇ~」
冥土帰し「はっはっは、全く仕方の無い子だな。いいよ、買ってあげよう」
10039号「やったぁ~、ミサカ、パパのことマジ大好き~みたいな~、ってミサカはちょろいなって思ったり~」
冥土帰し「はっはっは、その代わり今日も帰ったらナースプレイだぞ?」
10039号「いや~ん、もうパパったらスッケベ~、ってミサカは爺を嘲り笑ってみたり~」
美琴「・・・・・・」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・なんちゅうもんを・・・なんちゅうもんを見つけてくれたんや・・・」ポロポロ
浜面「・・・なんつーか・・・すまん・・・」
美琴「見てはいけないものを見てしまった感が半端無い」
浜面「見なかったことにしよう」
美琴「そうしよう・・・」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・・・・あ、浜面さん!あれ見て!!」
浜面「え?・・・あ、あれは・・・!!」
上条「・・・本当にいいのか?」
番外個体「うん、まあ、別に問題ないんじゃない?」
美琴「デート中、みたいね・・・」
浜面「・・・本当だったのか」
美琴「嘘であんな騒ぐわけないでしょ!」
浜面「いや、あの子も一方通行の気を引きたいだけかと思ったんだ・・・でも違うんだな。本当にデートしてるのか・・・」
美琴「・・・たぶん、それ合ってるのよ」
浜面「はぁ?気を引きたいがために嘘をついて、で気をひけなかったら好きでもない奴とデートすんのか?それじゃあただのやけくそじゃねーか」
美琴「違うわよ。合ってるのは、『気をひきたい』ってとこだけ。あの子は何も嘘なんかついてないわ」
浜面「・・・意味解んねー」
美琴「浜面さんとか私が考えているよりも・・・たぶんずっと真摯で純粋なのよ。きっと」
浜面「ふーん・・・って、おい、なんか雰囲気やばくねーか?」
美琴「え?」
上条「・・・行くぞ」
番外個体「うん、いいよ」
浜面「・・・おい、あれラブホじゃねーか?」
美琴「嘘でしょ!?追いかけるわよ!」
浜面「ええ?俺も!?・・・解ったよ」
絹旗「あれ?誰かと思ったら超浜面じゃないですか?何やってるんですかこんなところで」
浜面「き、絹旗!?何故こんな場所に!?」
美琴「ほら、浜面さん、早く行かないと番外個体が・・・」
絹旗「・・・・・・」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
絹旗「・・・ほう、真昼間から女性とラブホテルですか。超お楽しみのようで」
浜面「絹旗さん!それ誤解だから!本当に全く持って誤解だから!!」
絹旗「安心してください。滝壺さんにはちゃんと話しておきますから。確実に、超詳細に」
浜面「やめてぇぇえええええええええ!!!」
美琴「ちょ、違うわよ!なんで私がこんな奴とラブホなんか行かなきゃなんないのよ!」
絹旗「そうですか・・・私の目にはあなたが浜面を超誘っていたように見えましたが・・・」
美琴「くっ・・・それは、その、のっぴきならない事情が・・・」
浜面「御坂の妹が変な奴に騙されてラブホに連れ込まれちまったから助けに行くんだよ」
絹旗「ほう・・・あのラブホに入っていった御坂さんのそっくりさんは妹だったんですか・・・その割には、御坂さんより成長していたように見えましたが」
浜面「なあ、お前本当は全部見てただろ」
美琴「真昼間からラブホを見つめる女とかマジ引くわ」
絹旗「妹のほうが超胸が大きいんですね、御坂さん(笑)」
美琴「てめぇえええええええええええ!!!」
浜面「おい落ち着け貧乳」
美琴「ぶっ殺すぞ」
絹旗「超貧乳というな。慎み深いといえ」
浜面「いや、超貧乳とか言った覚えがねぇよ・・・ん?おい!あれ・・・」
美琴「遺伝子のせいだと信じてたのに・・・あんなの酷いよ・・・」シクシク
絹旗「気持ちは解ります・・・」
浜面「おいなに慰めあってんだ貧乳同盟」
絹旗「浜面後で超ぶっとばす・・・うん?」
美琴「どうしたの?」
絹旗「・・・いや、なんだか、ラブホに一人で入っていく人が見えたもので」
美琴「・・・・・・」
浜面「・・・・・・」
絹旗「白い人でしたね。一方通行みたいな」
美琴&浜面『はぁ?』
―――――同時刻。ラブホ内のとある部屋で。
一方通行「よォ」
番外個体「・・・・・・」
一方通行「・・・楽しそうなコトしてンじゃねェか。もうヤったのかァ?」
番外個体「・・・・・・」
番外個体「・・・一方通行?」
一方通行「お前なンでバスローブなンか着てンだ?」
番外個体「え?カミジョーさんがここに来たらこれに着替えるのがマナーだって言ってたから…変だった?」
一方通行「いや、別にそういう訳じゃねェが…うン、まあいいや」
番外個体「・・・で、何しに来たの?因みにまだ何もしてないよ」
一方通行「……」
番外個体「…?」
一方通行「・・・・・・シンプルな話なンだ」
一方通行「俺も・・・」
――――『あるよ。俺は唯一、それを逃さなかったことだけを誇りに生きている』
一方通行「誇りって奴を、見てみたくなった」
番外個体「はぁ?」
一方通行「悪ィな番外個体」
一方通行「”攫う”ぞ」
上条(イヤー最近ついてるなー)
上条(俺って実はモテる奴だったんだなー。今日もハッスルしちゃうぞ!)
上条「お待たせー。出たぞー」
しーん。。。。。
上条「・・・・・・」
上条「あれ?誰もいない…」
上条「…????」
―――――10分後、一方通行の家にて。
一方通行「着いたぞ」
番外個体「・・・ここで暮らしてんの?」
一方通行「あァ」
番外個体「ふーん・・・思ったより手狭だ。一人暮らしの大学生みたい」
一方通行「狭ェ方が落ち着く」
番外個体「ぶひゃひゃ。なんだそれ、貧乏くせー」
一方通行「貧乏くせェ奴らと、貧乏くせェ所で暮らしてたからな」
番外個体「ふーん、まあ、確かにミサカはそうかも。少なくても高級品じゃあ無いね。なんてったって、欠陥品だ。普通の人間が普通に持ってるものとやらが、一切合財わかりゃしない」
一方通行「・・・・・・」
番外個体「でも、ミサカなりにそれを埋めようとしてるのは解って欲しいな。出来損ないに纏わりつかれてムカつくのは解るけどさ、人の努力って奴を邪魔するのは止めて欲しいんだけど」
一方通行「努力、ねェ。自分の欲しいもののために、男に股開くのが、努力ねェ」
番外個体「うーん、お姉さまにも言われたんだけどさ、それってそんな悪いことなの?なんかピンと来ないんだよね」
一方通行「・・・・・・」
番外個体「だってさ、自分の欲しいもののために何かを犠牲にするって普通じゃん。見ず知らずの人に触られるのが好きって訳じゃないけど、仕方ないんじゃないの?」
一方通行「・・・・・・」
番外個体「黄泉川とか、芳川とかも、セックスは愛を得る手段の一つだって言ってたし、ヤってそれが解るんなら、それもいいかなと思うんだけど」
一方通行「イヤなンだよ」
番外個体「へ?」
一方通行「俺がイヤなんだ。だからやるな」
番外個体「………」
一方通行「……」
番外個体「…はい?え?ちょっとよく意味が解んないんだけど」
一方通行「……だからだな、俺は、お前が、そこらへんの三下とイチャイチャするのが、酷く気に入らねェ」
番外個体「だから止めろと」
一方通行「あァ」
番外個体「え?ミサカ個人の意思って奴はどうなるわけ?」
一方通行「知らねェ。とにかくだな、あー、えーと…」
番外個体「……」
一方通行「なンつーか、ほかの奴なんかじゃなく、俺を見てて欲しいっつーか…」
番外個体「……はぁ?」
一方通行「…今のは忘れろ」
番外個体「……どういう意味?」
一方通行「すまン。俺もよく分からねェ」
番外個体「意味解んねーし…ん?」
一方通行「どした?」
番外個体「いや、今の台詞、どっかで聞いた覚えがあるような…」
番外個体(いつだったっけな…あ、そうだ、この前お姉さまと話した時だ)
『・・・・・・わ、わたしだけを見て欲しかった、っていうか・・・』
番外個体(おお、これだこれだ……ん?)
『で、それがお姉さまの”恋”だったと』
『うう・・・まあ、そうだけど・・・』
番外個体(……)
番外個体「……」
番外個体「ええええええええええええええええええ!!!!」
一方通行「うおっ、なンだよ」
番外個体「あ、あん、あん、なに、な、な、な…」
一方通行「え?何マジ何?」
番外個体(ま、ま、まさか…)
番外個体(一方通行はミサカに”恋”してるってこと!?)
番外個体(……ってことは、一方通行はミサカが好きってことなんだ!)
番外個体(こんな欠陥品で、愛も普通もわからないようなミサカが好きなんだ)
番外個体(だから、自分以外見て欲しくないんだ。それくらい、ミサカを求めてるっていうことなんだ…)ドキ・・・
番外個体「・・・・・・」ドキドキ
一方通行「…おい、何さっきから黙ってんだァ?」
番外個体(どうしよう、それって…)ドキドキドキ
番外個体(すっごい嬉しいかもしんない…)ドキドキドキドキ
番外個体「・・・・・・!」ドキドキ
一方通行「・・・どした?」
番外個体「な、なんでもないよばーか!ばーかばーか!!」ドキドキ
一方通行「え?なんでこんなに馬鹿にされなきゃなんないの?ちょっと傷つくんだけど」
番外個体「……!!」キュン!!
一方通行「…スルーかよ」
番外個体「…だ、だいたいさぁ!?何でアンタの言うとおりにしなきゃなんないのさ!」アセアセ
一方通行「いや、まあ確かにそうなンだが・・・」
番外個体「・・・・・・」ドキドキ
番外個体(やばいやばいやばい顔熱いマジ熱い…ぽかぽかってレベルじゃねぇ!!)ドキドキ
一方通行「…スマンちょっと錯乱してたな。やっぱ。忘れろ」
番外個体「嫌だっ!!」ドキドキ
一方通行「はい?」
番外個体「え?いや、その、あれだ!あの、えーと、あ、そうだ!これから散々馬鹿にしてやるんだから、忘れて何かやるもんか!」ドキドキ
一方通行「いや、『そうだ!』って言われても」
番外個体「うるさいばーかばーかばかばかばか!」
一方通行「お前そんなボキャブラリー無かったか?」
番外個体「うっ……」
番外個体(まずい、このままじゃどんどんボロが出る…話題変えなきゃ…)
番外個体「話題…話題…」
一方通行「…何ブツブツ言ってンだァ?」
番外個体「そういえばさ・・・」
一方通行「うン?」
番外個体「ずっとバスローブっつーのもアレだから着替えたいんだけど、なんかない?」
一方通行「・・・(そういえば着替えのことすっかり忘れてたわ)」
―――――同日、夜。
美琴「・・・・・・」
美琴(あの子大丈夫だったのかしら・・・結局あの後どうなったかよく解んなかったのよね)
コンコン。
美琴(・・・ノック?黒子は・・・)
黒子「お姉さま・・・むにゃむにゃ・・・」
美琴「寝てるわね」
黒子「うふふ・・・可愛がってあげますわぁ・・・」
美琴「・・・・・・」
コンコンコン。
美琴(こんな真夜中に訪問者・・・っておかしいだろ)
美琴(・・・・・・)
美琴(まあいいか)
美琴「はーい」ガチャ
一方通行「よォ」
美琴「なんでさも普通のように来てんだよ。ここ女子寮なんだけど」
一方通行「すぐ出る。とりあえずこいつを預かってくれ」
美琴「はぁ?こいつって・・・」
番外個体「」スヤスヤ
美琴「・・・・・・」
一方通行「じゃ、預けたから。それじゃ!」
美琴「おい、ちょっと待て」
一方通行「何だよ。オマエがすぐ出てけって言ったンじゃねェか」
美琴「いや言ってねーし。それよりまず説明しろ」
一方通行「あァ?番外個体を連れてきました。預かってください。以上」
美琴「簡単すぎだろ」
一方通行「別にいいだろ」
美琴「あんた一人暮らしなんでしょ?自分ち泊めればいいじゃない」
一方通行「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
一方通行「・・・今日のあの雰囲気で一緒に居たらヤバイ」
美琴「はぁ?」
一方通行「耐え切れない気がした。だからここに持ってきた」
美琴「うわぁ」
一方通行「つー訳だ、置いてくぞ」
美琴「ヘタレ」
一方通行「何とでも言え。まだ早ェ」
美琴「はいはい。解ったわ。預かってやるからさっさと帰りなさい」
一方通行「悪ィな」
美琴「…一方通行」
一方通行「なンだよ、まだ何かあンのか?」
美琴「気をつけて帰りなさい。誰にも見つからないように」
一方通行「???」
―――――二分後。
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・オイ、こりゃ何の真似だァ?」
寮監「何の真似だ、とはこちらの台詞だよ。ここは女子寮だ。勝手に入るのであれば、それなりの対処をしなければならない」
一方通行「そりゃ悪かったな。もう帰るから許してくれ」
寮監「そういう訳にもいかんのだよ。。。何せ、私は”これを楽しみに”しているのだからね」
一方通行「・・・あァ?」
寮監「学園都市、第一位、一方通行」
一方通行「・・・・・・」
寮監「ああ、なんて甘い響きだ。きっと強いのだろう。最強なのだろう。この学園都市という、下らない檻に囲い込まれたガキンチョの中で、並ぶものの居ない存在として己が春を甘受しているのだろう」
一方通行「回りくでェババアだな。行き送れて頭が狂ったか?」
寮監「素晴らしい・・・その長く細く、身の程を知らず伸びた鼻っ柱を叩き折るのはどれほどの愉悦であろう・・・少し前にも、とある女子を叩き潰してやったよ」
一方通行「ハッ、そこらへんのケツの青いガキ蹴飛ばして自慢話たァ、随分とスケールの小せェこった」
寮監「徹底的に叩き潰してやった。追い回し、引きずり回し、嬲り回して、請わせた。これ以上規則を破るのであれば・・・貴様のケツマンコにベレッタを突っ込んでやるぞ、と言ってやった」
一方通行「チープな銃を使ってやがる」
寮監「それが良いのだよ。中国の能無し共が金のためだけに量産した粗悪な鉄くずで、”レベル5を追い詰めるのがたまらない”」
一方通行「・・・・・・」
一方通行「…オイ、今なンて言った?」
寮監「ふふ、怖気づいたのかね。あの時は、そうだ、君の言う”ケツの青いレベル5の少女”が、あまりにも惨めに懇願するものだから、興が削がれてね。本意では無かったが、解放してやったよ・・・さて、少々話が長くなりすぎた」
寮監「・・・死刑を、執行しよう」コォォォォォォォ
一方通行「!!!」
一方通行(な、なンだこのオーラは・・・ヤバイ・・・)
寮監「逃がさんよ・・・…君は”最強”だからな、件の少女とは違い、それなりの装備を持って相手をしよう。感謝したまえ」
一方通行「・・・S&W M500とフェイファー・ツェリザカの二丁拳銃!?頭狂ってンじゃねェか!?」
寮監「くく・・・聞いたことくらいはあるんじゃないか?”二挺拳銃の殺し屋”の話・・・」
一方通行「・・・まさか!」
寮監「くくく、この街は素晴らしい。どこぞの何でも屋のフケ顔の金髪男に、第二学区の寂れたタバコ屋で、セブンスターを三カートン買ってきてもらえば、こんなモノも手に入る・・・」
―――『今は休暇なの!でっかい仕事終わったから余裕あるって何度も言っただろーが!』
一方通行「・・・あの野郎・・・仕事選べってンだ・・・」
寮監「彼を責めるのはお門違いだよ。なんと言っても、彼はこのことを知らないのだからね。勿論金払いの良さには、多少の不安を抱いたようだが」
一方通行「クソが・・・」
寮監「君は私の領地を侵した・・・故に、その咎の責を問わねばならない。なぁに、たいしたことは無い。貴様のケツに銃口を突っ込んで、引き金を引かせてくれればいい。それだけで君は解放される。簡単だろ?」
一方通行「・・・お断りだ」
寮監「そういきり立つな。ならば無理やりやるだけだ。どちらにしろ、結末は変わらない・・・」
寮監「私を楽しませてくれよ?第一位」ニタァ
一方通行「・・・・!!!・・(来るっ!!!)」
―――――翌日。
浜面「・・・・・・」
一方通行「・・・・・・」
浜面「・・・・・・」
一方通行「ケツに・・・」
浜面「・・・・・・」
一方通行「ケツにM500が・・・」
浜面「ねぇ、さっきから何の話してんの!?」
一方通行「入ってねェぞ!ギリギリ逃げ切った!」
浜面「何がドコ入るんだよ」
一方通行「ケツの穴に50口径のマグナムが、だ」
浜面「恐ろしすぎるだろ」
一方通行「くそっ・・・なんなんだあいつ。フェイファー・ツェリザカ片手でぶん回す奴なンか聞いたことねェぞ・・・」
浜面「第一位でも苦戦すンのかよ」
一方通行「苦戦どころか逃亡がやっとだった」
浜面「何それ怖い」
一方通行「人生で一番死に近づいたひと時だったな」
浜面「オマエ一体誰と戦ってきたんだよ」
一方通行「それは・・・」
番外個体「あ、ヘタレの一方通行さんじゃーん。こんなトコで何してんの?」
一方通行「・・・・・・」
浜面「あ、番外個体ちゃんじゃん。ちっす」
番外個体「あ、浜面さんじゃん。お姉さまと一緒にラブホ入ろうとしたんだって?」
浜面「誤解だから!それマジで誤解だから!!」
一方通行「オマエ・・・いつかやると思ってたよ」
浜面「だから誤解だっつってんだろ!人の話を聞けお前ら!!」
美琴「そうよ!なんで私がこんなフケ顔と一緒にラブホ行かなきゃなんないのよ!言われた方の気持ちを考えなさいよ!!」
一方通行「いや、お前も考えろよ」
浜面「俺の心はものすんごい勢いで砕かれたよ。粉々だよ」
一方通行「つーか、オマエ居たんだな」
美琴「ずっと居たわ」
一方通行「影も胸も薄いな」
美琴「おい誰かハンマー持って来い。こいつの頭かち割る」
浜面「そういや話は戻るけどさ、ヘタレって何?」
一方通行「!!」
番外個体「なんでも同じ家に二人っきりで泊まっていながら全然手を出さずにあまつさえ片方を寝ている間にお姉さまのところに運んじゃう人をへたれって言うってお姉さまが言ってた」
浜面「・・・・・・」
一方通行「・・・なンだよ」
浜面「いや、別に」
美琴「実際ヘタレだと思うわ」
一方通行「それはオマエが言っちゃうとこの一連の流れなンだったのって感じになっちゃうよね、たぶん」
番外個体「あ、ヘタレ、ミサカのドリンクバー取ってきて。コーヒー」
一方通行「あァ?なンで俺が・・・」
番外個体「あーあ、言っちゃおうかな。魔法の言葉があるんだけどな。なんか昨日言ってたな、俺はオマエに・・・とかなんとか」
一方通行「くそがァっ!」
美琴「あ、私オレンジジュース」
浜面「俺コーラ」
一方通行「オマエら便乗してンじゃねェぞ!!」
番外個体「はやくドリンク飲みたいなー」
一方通行「後で覚えてろよ!」
美琴「・・・すごいわね、確かに魔法の言葉だ」
浜面「全くだな。まさかあいつが俺のジュースを取りに行くなんてことがありえるとは」
番外個体「そだね、なんか面白いし、しばらくはこれで散々弄ってやろう」
美琴「詳しくはなんて言われたわけ?」
番外個体「…それは内緒」
美琴「・・・番外個体」
番外個体「ん?にゃに?」
美琴「また昨日みたいなこと、するつもりはあるの?」
番外個体「昨日みたいなことって・・・ああ、カミジョーさんとのデート?ないない」
浜面「やけにあっさりとしてんな」
番外個体「んー、やっぱあんま楽しくなかったしね。ラブホまで言ったのも、デート自体に思ったより収穫が無かったからなわけだし、そこまで行けば”愛”ってのが解るかなーって思ったんだよ」
美琴「もうデートする気が無いってことは、自分なりに解ったの?その、”愛”って奴」
番外個体「いんや、全然」
浜面「え?駄目じゃん。いや、駄目じゃないけど」
番外個体「どっちだよ」
美琴「じゃあ、何で?」
番外個体「んー、まあ、一方通行がやって欲しくなさそうだったからねぇ。あんなんでも、ミサカよりいろんなこと知ってるし、たぶんミサカのことを一番良く知ってる人だからね。あの人が言うんなら、まあやんないほうがいいんだろうなって思ったんだよ」
浜面「へー、信頼してんだな」
番外個体「まあ、ほどほどにね。あともう一つ理由があってさ」
美琴「もう一つ?」
番外個体「うん。まあ自分でもよく解んない感情なんだけどさ、なんか・・・」
番外個体「一方通行以外とは、そういうのしたくないなぁ、って思ったんだよね」
美琴「・・・・・・」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・ええ!?」
浜面「・・・はぁ!?」
番外個体「ま、そんな訳で、ああいう手段で”愛”ってのを理解しようとするのはとりあえず中止にしようかと思った訳。どっちかというと、”愛”どうこうよりこっちの感情を理解したいってのが先に着てる感じかな。だから、とりあえず一方通行を基準にして生活してみようかな、って思ったわけ」
浜面「え?これ実はすげぇ爆弾発言なんじゃねぇの?」
美琴「なんか事態が悪化している気がしないでもない」
一方通行「オイ、持ってきたぞオラ」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
一方通行「な、なンだよ」
浜面「オマエ・・・どこから聞いてた?」
一方通行「?どこからって・・・全然聞いてるわけねェだろ。俺ドリンクバー行ってたし」
浜面「だよな!あっはっは、ならいいんだ、うん」
一方通行「・・・オイ、テメェら一体何の話していやがった」
浜面「え?いやー、えーと・・・御坂、ほら、教えてやれよ」
美琴「え?あ、あたし!?えーと・・・えーと・・・」
一方通行「・・・・・・」
番外個体「・・・・・・」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・あ、愛について」
一方通行「・・・前からヤバイとは思ってたが、ついにオマエも頭の中が花畑に・・・」
浜面「惜しい人を亡くしたな」
美琴「ちょ!違うわよ!番外個体はずっと”愛”ってのを知りたかった訳でしょ!?だから、二人で教えてあげてたのよ!ね?浜面さん!」
浜面「え?お、おう、そうだ!そうだぜ!?」
一方通行「・・・・・・」
番外個体「・・・何?」
一方通行「・・・なァ、オマエら、本当に”愛”について話してたのか?」
番外個体「愛、ねぇ・・・・・・」
一方通行「・・・・・・」
番外個体「まあ、正直なところ、ミサカにもよくわかんない」
一方通行「はァ?」
番外個体「うん、でも、ひょっとしたら……」
番外個体「そんなもんかもねぇ」ニコッ
(終わり)
正直無理矢理過ぎないか?打ち切り作品みたいだよ。
一方通行からも番外個体からもいつそれらしい感情がにおわされたのかわからないんだけど…
番外通行は大好物な筈なのに…悶える結末のはずなのに、全然こなかった。
>>178
これ位が丁度いい。元々悪意の塊で出来てんだから、イチャラブとかじゃなくてプラトニックな関係になるだろうし
番外個体はあの時はじめて自覚したんだろうから、それまでに書いていないのは割と大丈夫だと思う。
一方通行は自分を抑えて器の大きい意見をあえて言おうとしてる描写入れたつもりだったけど、そこらへんが伝えられなかったのは申し訳ない。
Entry ⇒ 2011.12.25 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
一方通行「新訳・絶対能力進化計画……ふざけてンのか」芳川「いたってまじめよ」 後半
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306515187/
前→一方通行「新訳・絶対能力進化計画……ふざけてンのか」芳川「いたってまじめよ」 前半
佐天「(いやいや、ないない!!)」ブンブンブンブン
一方通行「最初からそうしてりゃいいンだよ……メスガキ、どうした」
初春「どうひたんでしょうねぇ……」ボー
佐天「(いくらかっこよくても!この服はない!!絶対にない!!!)」ブンブンブンブン
一方通行「そォか。まァいい、お前らもやっぱり常盤台に用があンだな」
ピタッ
佐天「あ、はい。も、ってことは白いお兄さんもそうなんですか?」
一方通行「……さらっとうたのお兄さん的なノリで言ってンなメスガキ」
初春「」ボーー
佐天「そっちこそメスガキって言ってるじゃないですか!私は佐天!涙子です!!」
一方通行「あァあァはいはいさてンねさてン。こっちゃァ一方通行ってンだ。それでェ?誰に用事なンだよ」
佐天「いや、男の一方通行さんの方こそ……まぁいいや。たぶん知ってると思うし」
一方通行「はァ?」
佐天「常盤台の超電磁砲、学園都市第三位の御坂美琴さんですよ。私達の友達は」フフン
一方通行「」
初春「」ボーー
御坂「……」
白井「……はぁ、困りましたわ」
白井「あの類人猿がつかまったと聞いてからずぅっとカリカリしてらっしゃったおねぇさま。黒子も捜査の関係で寮を留守にしがちでしたが、寮監によりますとおねぇさまもずぅっと戻っていらっしゃらなかったそうですの」
白井「……で、類人猿が無罪放免となった後、元に戻るかと思っていたら」
白井「今度は、布団にくるまってひきこもってしまうなんて」
白井「……」
白井「まだ、もう少~~~しだけ時間はありますの」
白井「……」
1白井「……癪ですが、あの類人猿も呼び出しておきますの。チッ。イタメ目的で登録したのをあろうことかお姉さまのために使うことになるとは……」
2白井「……いえ、あのタイミングも悪い甲斐性なしの類人猿のこと。むしろ絶対にお姉さまの前に顔を見せないほうがよろしんではなくて?……来るなとメールしますの!!」
このレスから先着5レスで多数決です><
白井「ッッハ!白井黒子を甘く見ては困りますわ!こういった話をした場合、あの類人猿はむしろどうにかして来ようとしますの!」
白井「……風紀委員ですの!!!」キリッ
白井「完膚なきまでにこきおろして、二度とおねえさまの前に顔を見せないようしてやりますわ!!!」
白井「ぐふふひひひひひ……そして甲斐甲斐しくおねぇさまに使え続ける黒子!すぐそばにあったぬくもりに気づいたおねぇさまはついに!あぁ!いけませんの!!まだ初春と佐天さんが……そ、それでもですの!?それでも黒子を求めますのおねぇさま!!黒子は!!黒子はぁぁぁぁぁ!!!!」
御坂「……」
白井「……」
白井「こんな時に電撃がないと、本当に寂しいんですのよ、おねぇさま」グスン
上条「……」
上条「って、誰もいねぇからそりゃそうなんだけどよ」
上条「インデックスは神裂と出かけちまったし、一方通行も忙しいらしいしよぉ」
上条「……あぁ、美食倶楽部の料理、美味かったなぁ」
上条「もう一週間も前の話なのに、こんなに味の記憶が残ってる」
上条「俺、この記憶があるならもう別に昔の記憶とかどうでも……」
ブゥゥゥゥゥ ブゥゥゥゥゥ
上条「お?メールだ」
上条「……白井か、珍しいな」
上条「確か、俺が補導の常習犯だから連絡先を交換しておくとかどうとか無茶苦茶言って交換させられたんだよな」
20××/ ○/○○ 12:28
From:i.love.railgun.desuno.171@○○○○
Sub:
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上条「ひ、ひでぇ。とにかくひでぇ。言葉に出来ないほど、文字におこすと捕まっちまうくらいひでぇあんまりだ」
上条「と、とにかく要約するとだな……ビリビリは俺の顔も見たくないようだから、絶対に姿をあらわさないよう。ってことか」
上条「……」
上条「ふふふ。分かった、分かったぜ、インデックス」
上条「こんな時に使うんだな……この……」
上条「インデックスさん著!『とうまでもわかる!!女心の本 第34295版』を!!!!」
上条「……女は稀に、強がって本心とは逆のことを言ってしまう、か」フムフム
上条「……ってことは、なにか」
上条「ビリビリは今目茶苦茶凹んでて、すぐに俺が顔を見せにいかないとやべぇってことかぁぁぁぁ!?!?」
上条「くっ!白井めどうしてこんなまわりくどい……いやまてよ」
上条「白井はビリビリのパートナーだ!ビリビリの性格を汲んで、あんな風に言ったに違いない!俺が気づけるように!!!」
上条「白井、お前なんていいやつなんだ!!!」
上条「っと、こうしちゃいられねぇ!!」
上条「詳しいことは書いてないからな!元気付けるための菓子やら料理やらは買いにいかなくてもいいだろ!!」
上条「待ってろぉぉぉぉ!ビリビリぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
ガチャ!バタン!!!
白井「さて、もうそろそろ二人も来るころでしょう。いい加減におねぇさまを本格的に起こしますの」
白井「おぉぉぉねぇぇぇさまぁぁぁぁぁぁ!!!!」
御坂「(……最悪。最悪よ)」ブツブツブツ
御坂「(あいつが捕まっちゃって……怪しい廃ビルじゃあんな写真見つけちゃうし)」
御坂「(やっと居場所をつきとめて、ゲコ太仮面で襲撃したら……もうあいつは誰かに助けられたあとだった)」
御坂「(……それだけならいいのよ)」ギリッ
御坂「(次の日、あいつの隣には…ヤツがいた!一方通行が!!)」
御坂「(どうして…どうして!?頭ん中ぐちゃぐちゃよ!)」
御坂「(あいつは、あいつは……もしかして、ヤツと……)」
白井「はぁぁぁ。もう、そこまで頑固におなりなら仕方がありませんわね」
ポン シュッ
御坂「え!?うわっ!!!まぶしい!!!!!????」
白井「布団を空間移動させましたの。さぁさ、おみぐし整えましょうおねぇさま」
白井「はい、よろしい(あぁぁぁぁ!!うん!!!うんですの!!!!!ちょっぴり弱ってて素直なおねぇさま可愛すぎますわぁぁぁぁぁぁ!!!)」
御坂「ははは、なんかお腹空いちゃったわ。黒子、あんたなんか持ってる?」
白井「もう、おねぇさまはろくに食事もとろうとしないんですもの!黒子は心配でしましたわ!(せっかく唾液を混入してましたのに!黒子ブレンドでしたのにぃぃぃ!!)」
白井「それに、もう何度も言ってますの。そろそろ初春と佐天さんが到着しますわ。大方、たっくさんの食べ物をこしらえてますのよ」
ピンポ~ン
白井「あら、噂をすれば……」
インターホン初春「白井さ~~ん来ましたよ~~~。奇遇ですよね~、御坂さんに用事だったなんて」
インターホン佐天「こんにちわ~~~。あ、もしかしてアクセラさんも高位能力者なんですか?」
白井「あら?誰か一緒……」
インターホン一方通行「おォ、まァな」
御坂「」ビクッ
白井「……失礼ですが、どなたですの?おねぇさまに用事でしょうか」
インターホン一方通行「おォ……あー、なんだ」
インターホン一方通行「クソッタレが顔見せに来た、って言えばわかる、のか」
初春「……」
佐天「……」
御坂「……」
一方通行「……よォ」
佐天「ちょっと白井さん!なんなんですかあの二人の空気!!」ヒソヒソ
白井「し、知りませんの!そもそも殿方を連れて来たのはあなたたちではなくって!?」ヒソヒソ
初春「み、みしゃかしゃん怖い顔してます……」ヒソヒソ
御坂「……」
一方通行「……今更、どの面下げて来やがった、そう言いてェンだろ。でも、まず聞いてくr」
ガンッッ!!!!!
白井「!」
佐天「!」
初春「!」
一方通行「……高ェンじゃねェか、そのテーブルは」
御坂「……」ギロリ
一方通行「……」
御坂「……」
御坂「
1御坂「三人とも、ちょっと席はずしてもらえる?」
2御坂「……」無言のまま、御坂は出て行ってしまった!
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白井「お、おねえさま……?」
初春「み、みさかさん!あの、あの!その人は、私達をですね……」
佐天「そ、そうなんです!御坂さんとは仲がよろしくないみたいですけど、アクセラさんは……」
一方通行「……やめとけェ。今のこいつにゃ焼け石に水、だ」
御坂「……そう、二人とも、騙されたのね。こいつに」
御坂「本当なら今すぐここで糾弾してやりたいとこだけど、この二人に免じて今は黙っててやるわ」
御坂「あんたからもいいなさい、席をはずせって」
白井「……」
初春「みさか、さん……」
佐天「……」
一方通行「そういうことだァ、ちっとばっか外で待っててくれっか?そこのお三人さんよォ」
白井「……分かりました」
初春「え!?」
佐天「ちょ、ちょっと白井さん!?」
白井「おねぇさま、感謝いたしますわ」
白井「そんなに拳を握って、ふんばって」
白井「この殿方、いえ、このクソッタレは。そこまでおねぇさまにとって憎い方なのですわね」
初春「!」
佐天「!」
白井「……どうか、出来れば穏便にすませてくださいまし」
白井「行きますよ、二人とも」
初春「……はい」
佐天「……」
ガチャ
パタン
御坂「……」
一方通行「……」
一方通行「……」
御坂「その通りよ……どの面下げて……ここまで……来てんのよ!!あんたは!!!!!」
ビリビリッ
バシッ
一方通行「……っ」
御坂「……なによ、あんた。反射しないの」
御坂「木片を放った電磁砲もどきなんか、あんたの前じゃいとも簡単にへたっちゃうはずでしょ」
御坂「そうよ……あんた……学園都市第一位、クソッタレの中のクソッタレ……」」
御坂「私の妹達を!!!一万三十一人も殺した!!!!!!あんたならさぁぁぁ!!!!!!!」
ビリビリビリビリビリ
一方通行「……」
一方通行「……」
御坂「謝りに来たから、筋を通しに来た。だから私には手をあげない?」
御坂「……馬鹿にしてんじゃないわよ!!!」
御坂「あんたは!あたしを壊した!!」
御坂「そんなあんたが!!私に甘さなんてみせてんじゃないわよ!!!!」
御坂「あたしの中で、あんたは極悪人の殺人鬼!クソッタレの外道野朗!!!!」
御坂「それ以外の顔を、あんたがわたしにみせていいと思ってんの!!!???」
スッ パサッ
一方通行「……?……!!!!」
御坂「ある廃屋……いや、アジトね。そこでみつけたわ」
御坂「あんたと、その隣に映ってる……小さい頃の私そっくりな子は、いったいなんなのよ」
御坂「ほら、崩れた」
御坂「全部謝ろうとしてたぁ?あの計画のこと全部?」
御坂「じゃぁ、この子はなんなわけ?」
御坂「私が、私だけが知らない場所で、私の遺伝子を使って、私の妹達を巻き込もうとしてる……」
御坂「そんなあんたをどうやって許すのよ……」
一方通行「……」
御坂「そう、あんたは私の大事なものを全部奪っていった」
御坂「プライドも、人としての尊厳も、妹も、なにも!かも!!!!」
御坂「あんたが謝ったところでさぁ!命をなげうったとして!!!あんたは返せるの!?私を!!あんたが奪った、あのわたしを!!!!!!」
御坂「その上……今度は……」ギリッ
一方通行「……」
御坂「……あんた、この間。あいつと…・・・上条当麻と、一緒にいたわね」
一方通行「!?……あァ」
御坂「やっぱり……」ギリギリッ
一方通行「おい、これだけは言っておく。俺は、あいつを殺そうとなンて……」
御坂「黙りなさい!!!殺そうとなんてしてない!!??えぇ、そうでしょうよ!!!そりゃそうよ!!!」
一方通行「……あァ?」
御坂「あんたは……あんたたちは……」ワナワナワナ
御坂「あんたたち!!!!付き合ってんでしょ!!!!!!!!!!!」
一方通行「………………」
一方通行「はァァァァァァァァァァァァァ!?!?!?!?!?!?!?」
一方通行「はァ、はァァァ!?おま、お前、バカか!!!」
御坂「そうよ、あんたきっと……あ!!私の妹孕ませてあの子を産ませたあげく、愛人のあいつに預けて……これよ!!!」
一方通行「これよ!じゃねェェェェェ!わかった!!わかった!!!もういいわかった!!!!お前はバカだ!!バカヤローだよちくしょォォォォ!!!」
御坂「おそらく、留置場であいつと出会って……あんた婦女暴行かなんかで捕まってたんでしょ大方。それで、柵の中で……ふけつ!!ふけつだわ!!!!」
一方通行「お前ェェェェ!!発言を読み返せェェェェ!!!時期が前後してンでしょ!?!?!?お前が打ち止めをみたのいつだこら!!!!そして三下が捕まったのはいつのことだこらァァァァァァ!!!!」
御坂「……時を、駆けた」ハッ
一方通行「誰かこいつどうにかしろォォォォォォォォォ!!!!!」
初春「だ、大丈夫でしょうか……」
佐天「なんかちょいちょい電撃も打ってるっぽいし、まずくないですか?」
白井「……えぇ。これは、そろそろ……!?」
上条「待たせちまったな、白井」ハァハァ
白井「か、上条当麻!?どうしてあなたがここへ!?」
上条「お前が書いたメール、しっかり俺の胸に届いたぜ!おかげで、迷わずここに来ることができた!!」
白井「……(この方、マゾヒストでしたの?)」
ギャーギャー
上条「くっ。苦しんでるんだな、ビリビリ」
上条「きっと誰も、お前の中の闇に気づいてやれないんだな!!」
上条「それでも、それでもよぉ!!お前は俺を呼んだんだろ!!」
上条「ほかの何物でもなく、他の何者でもねぇ!!!この俺を!!」
上条「だから!ここに来たんだ!!」
上条「ごみだしなんて関係ねぇ、そういや補修があったきがするがどうでもいい!!」
上条「俺は、お前を助けに来たんだ!!」
上条「きっと勇気のいることさ、自分の中に誰かを招き入れるってのは!」
上条「でも、俺を呼んだのはお前だ!!」
上条「ここを開けてくれ!!!ビリビリ!!!!!!!」
白井「…」
初春「…」
佐天「…」
上条「……」キリッ
白井「カギ、かかってませんの」
御坂「うっさいわねやめてよ飴と鞭とかやめてよそうやってあいつのことも篭絡したわけ!!!???」
一方通行「おま……もォォォォォ!!!なァァァンなンですかァァァァァこの人ォォォォォ!!!」
御坂「金剛さんが貸してくれた本にそういうこと一杯書いててくれたおかげだわ!!!お陰で、あんたがあたしからあいつを奪おうとしてることに気づけた!!!感謝しないとね!!!!」
一方通行「女性向けの薄い本ンンンンン!!そしてまだ見ぬ金剛さんとばっちりィィィィ!!!!お前!黙れ!!!もう黙れ!!!!」
御坂「いやぁぁぁぁそのうえ私を手篭めにしてあいつの前で犯す気ねぇぇぇ!!!!触れるなぁぁぁぁ!!!!」
一方通行「だァァァァもォォォォお前確実にあの性悪とか変態の遺伝子だわ納得だわ今分かったァァァァァ!!!助けてェェェェェ!!!ヒーーーーーーローーーーーー!!!!」
バァァァァン!
上条「ビリビリッ!大丈夫か!?」
一方通行「」
御坂「」
上条「あれ、一方通行?なんでここに……」
一方通行「ヒーーーーーローーーーーー!!!」ウワァァァァン
上条「え!?うわ、なんだよいきなり抱きつくな!!!」ダキトメッ
御坂「キャーーーー!!!きゃーーーーーーー!!!!決まり、決まりだわぁぁぁぁぁl!!!」カシャッピロリーン シャシンヲトッタゲコ!
上条「上条さんは、一方通行とは付き合ってないです。お友達d」
一方通行「親友」ボソッ
上条「そう、親友です。ですんで、いま俺の背中をこいつにかしているのは親友として至極当然のことであり……」
白井「意義あり!ですの!」
初春「はい、白井さん」
白井「そもそも、どうしてお二人ともそこまで否定するのでしょうか。とても仲の良い異性、むちゃくちゃ仲のよろしい同姓。その二つの愛情を比べる時、同姓だからといって異性におとる、そんな勝手な価値観、あってよろしいのでしょうか」
佐天「今、とてもいいこといいました。白井さん、とてもいいこといいましたよ」
御坂「じゃぁ、二人は付き合ってるってことで……」
一方通行「アホか。というかお前は黙れ。もう黙れマジで」
初春「はい、シスターちゃん」
禁書目録「二人は親友かも!っていうか、そうじゃないと困るんだよ!とうまはその……と、とうまにはたくさん女の子の知り合いいるもん!」
金剛「意義有。」
初春「は、はい。金剛……さん?」
一方通行「やつァなにものだ……一体どこの大物弁護人だってンだよ」ゴクリ
金剛「小生、金剛美津子に候。此度の混乱、詰り御坂美琴嬢の暴走は一重に己の不徳と成す所。二人に、所謂男性愛成る感情有か無しか知りもせ不、小生の所蔵する男性愛的漫画・小説・電子記憶媒体を貸しめん故。而して、ここは小生の切腹にてこの場を……」
御坂「ま、待って!!!金剛さん!!」
白井「そ、そうですの!!!どこぞの空力使いそっくりな名前の金剛さん!!」
初春「落ち着いてください。それではここでひとまず本日の公判を終了とします」
佐天「明後日の午後一時、必ず出席してください」
解散!
上条「くそっ、今日も無実を証明できなかったな!」
一方通行「先は長いぜ、上条なにせ……」
上条・一方通行「「俺達はこの長い長い裁判道を、上り始めたばっかりなんだからよ」」
ギィ
バタンッ
一方通行「マジ勘弁してくださいもう頼みごとなんて殆ど覚えてないんでホントお家返してください闇咲くンかかンざきに電話させてください切にマジで早急に」
上条「インデックス、お前いつ来た?」
禁書目録「かおりが抱えて送ってくれていたんだけど、『ここで降りてあなたがこの寮の中に入れば、きっとなにか面白いことがある。そう朝の占いで言ってました』って!」
一方通行「かァァァァァァンざきィィィィィィィ!!!!」
初春「金剛さんおっきかったですねぇ」ズズズ
佐天「確実に背筋伸ばしたらここの天井に届いてるよねあれ」ズズズ
白井「ですの」ズズズ
御坂「あんたたちはなぁにお茶始めてんのよぉ!!!まだ問題は解決してないわよぉ!!」
初春「いやぁ、飽きちゃいました」
佐天「お二人が言ってるじゃないですかぁ、親友だって」
白井「おねぇさま……すみません本当言うと私殿方同士というのはちょっと……」
御坂「え?え?」
一方通行「お前だけは!お前だけは信じてたのにィィィィ!かンざきィィィィィ!!!!!」
初春「強引な軌道修正ですねぇ御坂さん。そういう神経いいと思いますよ~」
御坂「……いつまでも過去を引きずるのはよくないしね」
佐天「いや一番ひきずってたのはあなたですからね」
御坂「それに、あんたもそのシスターも親友だってのなら!一方通行、あんたもしかしてかなり反省して、ひょっとして妹達のことを守ってくれてたりするんじゃない!?」
白井「第一位さんがさっきまで必死に訴えていたことを繰り返してるだけですの」
御坂「な、なんだったら!いままでのことぜぇんぶなしにしちゃってさ……一方通行、あんたわたしと……」
禁書目録「とうまにどうにかして近づこうとしてるね。みえみえだけど」
御坂「うぐっ。えぇいうるさい!一方通行!!あんた許す!!!!だから、私と!!!!!」
一方通行「ありがとなァ、ヒーロォ。お前が来なかったら俺もう血管切れて黒翼出てたわ」
上条「いや、俺がここに来れたのは白井のお陰だよ」
一方通行「白井ィ?あ、お前か」
白井「え!あ、そうですの。白井黒子と申します」ペコリ
一方通行「…白に、黒か。いい名前だなァ最っ高にいいセンスしてるぜ。どっちも俺の好きな色だしよォ」
白井「」キュンッ
一方通行「あ、よかったらダチになンねェか?アドレスと番号を……」
白井「はいですの、第一位さまぁ」ボーーー
初春「」イラッ
佐天「はっはっは、白井さんがライバルとは初春きっついね~」
禁書目録「よかったねあくせられーた!友達が増えたんだよ!」
一方通行「おォ、シスター。これで……」
御坂「シカトすんなゴルァァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!!!!」
バリバリッ ドーーーーーーーーーーーン
一方通行「……おォ」
御坂「周波数とかは分かるの?あれ?妹達って全員同じ?だったらちょっと難しいと思うんだけど……」
一方通行「いや、あいつァどうやら他のやつらとは一線を画してるらしい。そもそもそのせいで……はァ」
初春「なんだか難しい話をしてらっしゃいますねぇ」ズズズ
上条「あの、みなさん御坂の妹達のことは知ってらっしゃる、のかな?」
佐天「噂程度に。まさかそんなにいるとはしりませんでしたけど」ズズズ
白井「ですの(あぁぁ!麗しのおねぇさまが!窓辺で!額を付き合わせん程の距離で殿方とお喋りになっていらっしゃる!!)」
禁書目録「とうまぁ、まさか。お前らよく平気な顔してんなぁ、とか言わないよね?」
初春「舐めてやがりますね」ズズズ
佐天「よほど愉快なオブジェになりたいとみえますね」ズズズ
白井「ですの(本来なら!!!殿方に殺意が芽生えるところですわ!!ですが!!!ですがその殿方は……あぁぁぁ愛しの第一位さま!!!)」
初春「私達、友達ですから」
佐天「このぐらいのこと受け止めてああげなくてどうするんですか。それに、御坂さんは御坂さんですよ」
白井「ですの(この場合!!この場合は!!!どちらに嫉妬するべきですの!!??おねぇさまの露払いたる黒子!?それとも第一位さまに恋焦がれる黒子!?一体どちらが正しくて、どちらが間違ってますの!?!?)」
禁書目録「そうなんだよ!とうまはもし仮に私に二万体のクローンがいたとして、それだけで私を見る目が変わっちゃうのかな?気持ち悪い、とか。関わり合いにならないでおこう、とか!そういう風に思っちゃう、薄情者だったのかな?」
上条「……いや、お前が二万体もいたら流石に……食費的な話でほんと遠慮して欲しく思いますよ」ズズズ
白井「ですの(あぁぁぁぁ分かりません!分かりませんわ!!!運命はなんて残酷な選択をわたくしに突きつけなさるのか!!!)」
白井「ですの(ですが、あぁぁぁ!第一位さま!第一位さまは!!!)」
白井「ですの(初めて……生まれて初めて!!!黒子の名前を褒めてくださいました!!!)」
白井「ですの(やれホクロだの、パンダだの一人オセロだのマイケルだのと下げずまされ続けていた黒子の名前を!!!いい名だと!!!最高だと!!!!好きな色だと!!!!!!)」
白井「ですの(あぁぁぁ第一位さま!!!第一位さまぁぁぁぁ!!!)」
上条「……なんか白井はずっとこれだけどほっといていいのか」
佐天「あはははは、アクセラさんに骨抜きにされちゃいましたね」
初春「知りません。コーヒーでもぶっかければいいんじゃないですか?」ブッスー
禁書目録「分かったんだよ!!!」バッシャァァァァ
白井「でsあっつぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!(あぁ!この!身を焦がすほどのこの衝撃は!?天啓!?天啓ですの!?一生第一位さまに添い遂げろという天啓ですのぉぉぉ!?)」
上条「お、話はすんだか?」
一方通行「おォ。これから屋上いって、こいつにレーダーであいつの位置を探ってもらう」
佐天「へぇ、御坂さんってそういうことも出来たんですね!白井さんに電撃するとこが印象的すぎて、意外です!!」
御坂「うぐっ。わ、私は本来はね、そういう、攻撃的な能力だけじゃなくて、応用力の幅が評価されて第三位にいるわけであって……」
一方通行「まァ、俺の足元にもおよばねェけどなァ」カカカ
初春「一方通行さんは第一位だったんですね……ほんと、すごいです!」
一方通行「あァ?ンだよ花畑、お前知らンかったのか……」
一方通行「学園都市第一位の頭脳、舐めてんじゃねェ!」キリッ
初春「あ……」ボーー
上条「いや別に初春さんは舐めた上での発言ではないと思うのですが」
佐天「あっはははは!初春顔真っ赤!!」
白井「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
初春「え!?あ、はい!!なんでしょう!?でも、私にできることなんて……パソコンくらいしか」
一方通行「それだァ。お前、風紀委員のくせに監視モニターをジャックできるらしィなァ」カカカ
佐天「ほんっと凄いんですよぉうちの初春は!凄腕ハッカーです!」
初春「ちょ!佐天さんやめてください!!私がそういうことするのは、どうしてもって時だけなんですからね!!!」
御坂「それでね、大体の位置を私が掴んだら、初春さんが監視モニターで探して、そいつを映してほしいのよ」
初春「わ、分かりました!!わたし、がんばります!!やっと恩返しできます!!!」
一方通行「そンなに気負わなくていいのによォ」
白井「黒子は!?!?!?」ガバッ
一方通行「うォ!?な、なンだ!?」
白井「黒子は!なにかお手伝いできることはありませんの!?!?第一位さま!!!」
白井「大能力者の空間移動ですわ!」
一方通行「最大飛距離ィ」
白井「81.5mですの!」
一方通行「最大重量ォ」
白井「130.7kgですの!」
一方通行「精度の程ォ」
白井「限界置まで飛ばすと、1~2mほどのズレが出ますの!!」
一方通行「ふゥン、自分の能力をよォく把握してんじゃねェか。さすが風紀委員だなァ」
白井「は、ハイ!!!風紀委員ですの!!!」キリッ
佐天「白井さんめちゃくちゃうれしそうです」
御坂「そこであのポーズするのは意味不明だけどね」
初春「わたしのターンが!さっきまでわたしのターンだったのに!!」ギリギリギリ
上条「いいなぁ、一方通行は女の子にもててさぁ。はぁぁ上条さんも出会いがほs」
禁書目録「そぉい!」バッシャァァァァァ
上条「ああああっっっつぁぁぁぁぁぁ!?インデックスぅぅぅぅぅ!?!?」
白井「あ……そう、ですの」
一方通行「……お、チョイ待ていいこと思いついた」
ピッピッピッ
プルプルプルプル
一方通行「よォ、ちょっといいかァ?」
一方通行「いや、忙しいのは知ってンよ幼稚園の観察という名の盗撮だろ知ってンよそれは」
一方通行「ただ、ちょっとばっか聞きたいこと……バカかあの性悪にお前みたいな格好させられっか」
一方通行「いいから教えてくれ。あのよ、空間移動系の演算式って……」
御坂「どこにかけてるのかしら?」
白井「話しぶりからして、空間移動系能力者の方らしいですわね」
初春「ップー。白井さんしょぼいからお払い箱ってことですねー」ップークスクス
白井「初春あなた後で覚えておきなさい第一位さまがお帰りになられたら覚えておきなさい」
上条「(結標かぁ……こいつらの前では名前出さないほうがいいな)」ボタボタ
佐天「上条さんいつまでコーヒー滴らせてんですかちょっとウザイです」
上条「あ……すみません」
禁書目録「わさビーフ美味いんだよ!!」バリバリ
上条「インデックスは無邪気だなぁ。俺にコーヒーぶっかけるけど」フキフキ
一方通行「……アルバム?あァ、木原くン印のか。分かった、今度貸してやるよ。じゃな」
ピッ
白井「あの、お話は終わりましたの?それで、く、黒子は用済みなのでしょうか!?」
一方通行「いやちょっと待て。許可とンねェとな一応こういうことは」
ピッピッピ
プルプr
一方通行「取るの早いな変態ほどじゃねェけど。今いいか?」
一方通行「おォ、防水にしてよかったろ。なんせカッキーデザインだ!深海でもつながるってなァ」
一方通行「おう、本題なンだけど、今日一日だけあれ増やしちまってもいいか?」
一方通行「……今ので伝わるンだな、マジ便利だわお前」
一方通行「あンがとよ。おォ、あァ?ボルシチ?ロシア料理か……うちの性悪にいいとこ聞いとく。おォ。うィ~~~、おつかれェ~~~~」
ピッ
白井「ど、どうですか!?」
一方通行「待たせちまったな。許可はおり……あ、待てついでに……」
ピッピッピッ
ぷr
一方通行「はやっ!お前取ンのはやっ!おいこらかンざきさァァン……」
上条「いいからさっさとはなし進めろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!こっちゃコーヒー濡れでお前が乾かしてくれんの待ってんだよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
一方通行「え、うわなにお前コーヒーくさっ。いや、お前じゃなくてな、いま三下がマジ面白いことになっててよォ。お前もくr」
上条「切れってんだよ!!!!うっせぇよちくしょぉぉぉぉぉぉ!!」
一方通行「……悪かった。そらよ」
カチッ シュパッ
上条「一気に爽快!ありがとう学園都市第一位!」
御坂「背中に『三下ヒーローばかみじょう見参!』ってコーヒーのしみでかいてある……」ヒソヒソ プルプルプル
佐天「御坂さん、言っちゃだめですよ」ヒソヒソ プルプル
初春「……ッ!!……ッッ!!!!」声にならない笑い
一方通行「よし、スイッチいれたついでだ。一気にやるぞ……おい、後頭部向けてこっち座れ」
白井「は、はい!ですの!!」ストッ
一方通行「よォし……」
佐天「初春、あんたちょっと静かにしなさい。怒られる」
御坂「大丈夫かしら……」
一方通行「お前、いい髪してんなァ」サラサラ
白井「のぉぉ!?そ、そんなことありませんのぉぉぉ!だ、第一位さまにくらべれば……」
一方通行「……いくぞ」
白井「え、あの!はい!きてくださいまし!!!」
一方通行「……せやっ」
ズプッ
御坂「」
初春「」
佐天「」
禁書目録「」
上条「(右手を頭の中に突っ込んだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?)」
一方通行「三下ァ!超電磁砲の腕掴んでろ!!!今電撃飛ばされたらこいつの脳みそぶっ飛ぶぞ!!!」コネコネ
白井「あ……う……ふにゃ……」
佐天「み、見た目に反して気持ちよさそうな反応を……」
初春「……わたしの意見を聞いてくれたんですかね?」
上条「お、おちつけビリビリ」ガシッ
御坂「え!?あ、な、なによ!?いきな……ふにゃ~~~」ヘタッ
禁書目録「とうま!あくせられーたは腕でいいって言ったかも!なんで腰にしがみつくかな!!!」ガブッ
上条「だぁぁぁぁいってぇぇぇぇ!!一方通行さんはやく!!!はやくぅぅぅぅぅぅ!!!!」
一方通行「おォ……ちょいまて……えェっと……ここが……こう……電気信号を…………」
一方通行「……あ」
御坂「」
初春「」
佐天「」
禁書目録「」
上条「いまの あ はなんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
白井「え……あ!わ、わたくしなにを!?」
御坂「く、黒子……!平気!?なんともない!?!?」ガバッ
白井「うっひょぉぉぉ!!おねぇさまどういたしましたの!?なんのご褒美ですの!?!?黒子はいたって正常ですのうふふひひひひひひひひひひひぃぃぃぃぃぃ!!」クンカクンカ
初春「いや異常……あ、正常ですね」
佐天「うん、いつもの白井さんだ」
上条「すげぇ、血の一滴もでてねぇ。サ○ババかおまえ」
一方通行「サイ○バこういうことしたかァ?っと、おい。なんにも変わりねェことはねェだろ。ちょっと能力演算を意識してみろ」
白井「は、はい……えぇぇ!?な、なんですのこれ!?!?!?今まで到底能力の及ばなかった場所の演算まで、余裕綽々で行ってしまえますのなんですのこれ!!!!」
御坂「あ……あんたまさか」
一方通行「おう、さっき知り合いの……こいつよりちょっとばっか上位の空間移動系能力者に電話してなァ。そいつの演算式をもとに、俺独自の演算方式やら、11次元の縮小削除複製拡大の演算方法をたたきこんだ。まぁ、もって2時間程度で元に戻るが……」
一方通行「今、この瞬間。学園都市に8人目の超能力者(レベル5)誕生だァ!!」
御坂「」
初春「」
佐天「」
禁書目録「」
上条「」
白井「やっべぇぇぇぇぇですのぉぉぉぉぉぉ!!!!!おねぇさまの下着をいくらでも取り放題ですのぉぉぉぉぉぉぉぉぉうへへへへへへへへへ!!!!」ヒュンヒュンヒュンヒュン
上条「(やってることがショボすぎて……)」
御坂「この寮に屋上なんてあったのね~~」
白井「えぇ、ありましたわ。たぶん、きっと」
佐天「いや現に来てるんですからあったってことでいいじゃないですか」
禁書目録「高いんだよ……あ!焼き芋やさんが走ってる!!とうまとうま、あとで買おうね!!あくせられーたとかおりとたべようね!!」
上条「まだたべるのかお前は」
初春「私達は勘定にいれてもらえないんですね」ハハハ
禁書目録「とうまにこの人数におごる甲斐性はないかも!」
上条「いやあなたが控えてくれれば大丈夫なんですのことよインデックスさん」
一方通行「無駄話はいィからさっさと始めるぞォ。超電磁砲、頼む」
御坂「はいはい……っと」
パチッ……ジーーーーーーーー
御坂「……ここは」
1「セブンスミスト……の、前、あたりかな?」
2「ここは……まさか、第十七学区の……操車場!?」
このレスから先着5レスの多数決です><
上条「……なぁ」
一方通行「……」
御坂「あの子、何する気なの?あの、あの場所にいるなんて……」
佐天「?三人ともどうされたんです?」
白井「そうですの。街中で追いかけっこするよりはよろしいんではなくて?」ヒュンッヒュンッ
御坂「ちょっとね。それとあんたが今なにか布を被ったり消したりしていることについて後で詳しく聞くから。2時間後に」
禁書目録「ん~、確か、とうまがとっても怪我して帰ってきたところかな?私とあってすぐあたりに」
上条「……」
一方通行「……」
初春「よぉし、繋がりました!いま映し……ます……」
佐天「……あの、このコンテナの上にいる……」
禁書目録「仁王立ちしてるんだよ……」
上条「あぁ……」
上条「誰かの下着、頭に被って」
御坂「」
一方通行「」
白井「(二つの意味で被ってしまいましたの!)」ヒュンッ
白井「は、はいですの!彼女の……真上でよろしくて?速攻をしかけるなら……」
一方通行「いや。街中であんなことしてたらたしかに即刻ぶっ飛ばしてるとこだが、幸い人目はねェからな」
御坂「私達に見られてるけど」
一方通行「あれお前の妹さんなんですけど」
御坂「」
一方通行「(勝った)」
上条「一方通行、なんてか、落ち着けよ。いくら切れても、あれは妹達の一人だからな」
一方通行「あァ……」
上条「(遠い目をしてらっしゃるぅぅぅぅぅ!!)」
初春「あ、あの!あれが、一方通行さんのものだと、決まった……わけでは!!」アセアセ
佐天「そ、そうですよ!!あんな男物の下着、いくらでも……あります!!!」
一方通行「……」
一方通行「お前ら、俺の服とあれを見比べて。もう一度その台詞を言ってみろ」
初春・佐天「「……」」
20000ごう(ゼブラ柄装備)「……」フンス
20000号「ってかやっべほんとこれいいわなんで今までこれしてこなかったんミサカ、とミサカはこれまでセロリたんの下着なしに呼吸をしていた自分自身に疑問を提起します」スーーーハーーーー
20000号「超リアル・アクセラ人形作ってよかった。まさか上位個体がセロリツンパ1ダース分で買ってくれるとは、とミサカはあの闇の取引現場を思い起こします」
20000号「……っと」
カツッカツッ
20000号「来ましたね、セロリたん」
一方通行「……よォ、変態」
一方通行「……」
20000号「それにセロリたん!今、空間移動でここまで来ましたね!?とミサカは暗にこのあたりはミサカのセロリたんレーダーで覆われていることを暴露します」
一方通行「……」
20000号「どうして奇襲しなかったのかなセロリたん!あ!あれか!!!セロリたんひょっとして!!!漏れの熱いベーゼを受け入れて上位固体に権限を返してもらおうってくちですか!?とミサカは推理します」
一方通行「……」
20000号「うっひょぉぉぉぉぉ!!!まじかよぉぉぉぉぉ!!!セロリたん今日は寝かせないぜおぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!とミサカは栄養ドリンクをどこからか取り出します」サッ グビグビグビ
一方通行「……あァ、てめェがそうしたいなら、そうすればいい」
20000号「まじかぁぁっぁぁぁっぁあぁぁ!!!!!漏れの時代!!!!完っっ全に漏れの時代到!!!!来!!!!男に二言はねぇよなセロリたんうへへへへへh……」
一方通行「……あァ。もちろん二言はねェ。これは俺の本心だ」
一方通行「今度はてめェが語れ、20000号。てめェの本心を」
20000号「!?」
一方通行「俺はなァ、ここんとこ超能力以外にもちっとばっか勘ってやつが芽生えたんだよ。相手が言ってることが本心かどうか、上っ面だけで喋ってるかどうかってなァ」
一方通行「さっきからお前、目ェ泳ぎまくってンだよ。それに、オラ。今すぐ飛び掛ってきてもおかしくねェのに……最大のチャンスだろォが、無抵抗だって言ってんのによォ……なのにどうして、おめェ、手足震えてやがんだァ?」
20000号「!!!」ブルブル
20000号「や、やっだぁぁセロリたん漏れのこと見すぎだろぉぉぉ!!!これは、あれよ!!!!武者震いってぇやつだよ!!!!とミサカはとっさに浮かんできた言葉で返します」ブルブル
一方通行「嘘はやめろっつってンだろォォォがァァァァァ!!!!!」
20000号「!!」ビクッ
一方通行「俺はな、おめェら妹達を絶対に守るってェ決めた!!打ち止めも番外個体も、てめェだってそうだ!!!俺に取っちゃ守るべき一人なンだよ!!!」
一方通行「だから望むことはかなえてやる、そうさせてやる、それが、本心からくる本当の望みならよォ!事情が事情だ、ここにはお前のどんな変態な願望でも答えてやるつもりできたっての!!!」
一方通行「だけどよォ、なンだァお前のその目ェェェェ!!!!!カメラ越しでも分かンだよ今の俺ならよォォォォ!!!!!」
一方通行「なンでてめェはァァァァァ!!!!!いつまでも変態のフリをしてやがンだァァァァァ!!!!」
一方通行「……」
20000号「……なんで、って」
一方通行「……」
20000号「……」
20000号「なんで!?なんでなんデなンデナンデ!?!?!?!?ナンデがなんでだこのやろーーーーー!!!!!!!とミサカはセロリの胸倉を掴みます」
一方通行「……っ」
20000号「なんでミサカが本心を語らないか!?なんでミサカがあなたにばっかりちょっかいをかけるか!?なんで、なんでミサカがこうなっちまったか!??!?そんなの決まってんだろぉぉぉぉぉがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
20000号「ミサカはぁぁぁぁぁぁ!!!!!てめぇが大好きなんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!アクセラレェェェェタァァァァァァァ!!!!!」
一方通行「!?」
20000号「そうだよ大好きなんだよわりぃかよぉぉぉぉぉぉ!!!気が狂いそうなくらいてめぇぇが好きなんだよこのぼけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
一方通行「んな……じゃぁ、なんでもっと普通n」
20000号「なんでっていうなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!なんでがなんでっていってんだろぶっとばすぞてめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
ガツン!
一方通行「ぐっ(馬乗りに……)」
20000号「ミサカの顔をみろよぉぉぉぉぉ!!アクセラレェタァァァァァァ!!!!!」
グイッ
20000号「てめぇはこのかおに見覚えあんなぁぁぁ!?!?!?あったりめぇだろそうだよなぁぁぁぁぁ」
20000号「一万もおなじ顔がいるミサカみてぇなのが、ふつうの方法でてめぇにおぼえてもらえるわけねぇぇぇだろぉぉぉがよぉぉぉぉぉ!!!!!」
一方通行「!?」
20000号「絶望してんだよとっくにぃぃぃぃ!!!じぶんで嵌めちまった設定によぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
20000号「けどなぁぁもういいんだよぉぉぉ!!たとえ向けられるのがさげずみのしせんでも、てめぇにみてもらえるなら、ミサカはそれでいいつってんだろおがァァァァァァァァ!!!!!」
一方通行「(そうか……ずっと考えてた。番外個体のあのたまに出る下世話な言葉使い。学習装置はあんな無駄なもンいれねェはずだ)」
20000号「あは!!!どうですかアクセラレータ!!!ミサカみりょくてきですか!!!???今あなたにみてもらえてんのかこら!!!!」
一方通行「(自然にみにつくはずもねぇ……オリジナルがあァなるとも思えねェ……)」
20000号「ミサカなんでもしますよ!!!なんでもさせます死ねってんなら死んでやるよぉぉぉぉボロ雑巾みてぇぇにあつかわれてもミサカはそれでほんもうです!!!」
一方通行「(そうだ、あれは……)」
20000号「だから!!!ミサカは!!!!ミサカを!!!!!ミサカはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
フワッ ギュッ
20000号「!!!!!?????」
一方通行「(全部コイツの持ってた、強烈な負の感情だったンだ)」
一方通行「やめねェ」
20000号「やめろやめろやめろ!!!!ミサカは、このミサカはあなたにこんなことをされる資格はありません!!!」
20000号「このミサカは。このミサカは……てめぇに……あなたに、こんな風に優しく抱きしめられちゃだめなんです……だめなんだよ……」
20000号「ミサカは、ミサカは……変態で、いつもあなたをおちょくって、みんなからも後ろ指さされて、そういう存在なんです。そうじゃなきゃだめなんです。と、ミサカは……」
一方通行「……あァあ、そこまで考えてンなら十分変態だ、なンですかァ、お前マゾヒストだったンですかァ?」
20000号「んな!!ち、違います!!!ちがう!!!!ミサカは、ミサカは絶対無敵放送禁止即刻レッドカード退場クラスの……」
一方通行「おォおォ違いねェ。だけどなァ、てめェはちっとばっか勘違いしてる」
一方通行「そんな設定がなくてもなァ。そンな無理しなくても、俺はお前達のことちゃんと見てンだぞ?」
一方通行「この間三下とゲーセンにいた時にすれ違った。神裂と連れ歩いてた時はすっげェ睨まれた。ガキと散歩してるときは、あざ笑ってるのと悔しがってるのがいたなァ。それともちろん、俺の部屋に忍び込もうとする強烈すぎるバカもいたけどよォ」
20000号「……そうです、そうやって、ミサカはあなたに……覚えてもらおうと……」
ピシッ
20000号「いたっ」
一方通行「バカ言えこのバカ。てめェは今日から変態じゃねェバカに改名だバカやろー」
一方通行「ンなことしなくたって、俺はお前ら……9968人も、先に送っちまった10032人も含めて……」
一方通行「全員が全員、覚えてるっつゥの。忘れてたまっか」
20000号「ミサカは……ミサカはそれでは……」
一方通行「あァったくまどろっこしィことしやがって長いことよォ」
一方通行「学園都市第一位の頭脳、舐めてンじゃねェ」
20000号「……グスッ」
一方通行「……おォ、泣けェ」
20000号「失礼……します。と、ミサカはセロ……アクセラレータの胸に顔をうずめます。ウグッ……アァァァァァァ!!!!!!」
一方通行「おォおォよしよし。つらかったでちゅねェ」
20000号「アァァァァ……ウワァァァァン」ビーー
一方通行「あァ~あ」
一方通行「(結局、芳川達が正しかったわけか)」
一方通行「(こいつは、目をかけてもらえる妹達への嫉妬。俺への羨望。他の妹達を出し抜きたいという我執。完璧に変態を演じきる自己確立。その他もろもろ、妹達が一つももってねェ、持つ兆しも見えねェ感情を有してたわけだ)」
一方通行「(……その結果があの変態行為って)」ハァ
一方通行「(……まァいいか)」
一方通行「(またコイツがバカな考えに囚われたら……俺がこうしてやればいいだけだ)」
ギュッ
20000号「グスッ……グスッ」
20000号「(アクセラレータに、抱きしめられてます……)」
20000号「(夢にまでみた、アクセラレータの胸に……)」
20000号「(今まで本当に辛かった……でもやっと、報われたんですね、ミサカは)」
グスンッ
20000号「(あぁ……なんてあったかい)」
20000号「(それに……)」
20000号「(セロリたんの……いいにおい……)」スンスン
20000号「(あ、あれ!?とミサカは唐突に沸いてきた感情にあせります!!)」
20000号「(でも、ど、とうして!?アクセロリータの匂いをかぐのが止まらない!!やめられない!!)」スーハー
20000号「……」スーハーーーーーーーー
20000号「(……人間失格、という小説をご存知でしょうか)」
20000号「(狂人を演じているつもりだった男が、最後にはじつは本物の狂人になってしまっていた。というあれです)」
20000号「(み、み、ミサカは……恐ろしいことに……!!)」スーハスーハーーー
20000号「(いつのまにやら変態になってしまっていたようです!!!!)」スーーーーーーーーーーーーハーーーーーーーーーー
一方通行「……?(やけに息吸うな?)」
20000号「(いやいやもちろん以前ほどじゃないっすよ全然違うよとミサカはそのあたりを大否定します!!)」
20000号「(なぁんてよぉ……)」
20000号「このミサカ20000号がぁ!言うと思ったおまいらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」ガバッッ!!!
一方通行「のあ!!??ンだお前!!!!」
20000号「アクセラレータ!!いいえ!!!セロリたん!!!!ありがとうございます!!!!!」
20000号「ミサカ、あなたのお陰でふっきれました!!!」
20000号「このミサカはミサカじゃない!!最後の最後で徹し切れてないミサカが心にいたんです!!!!」
20000号「でも!!!!もう自信をもてます!!!!」
20000号「このミサカは!!!!!!!」
20000号「ミサカ20000号は!!!!!!!!」
20000号「絶対無敵!!!!!放送禁止慇懃無礼開始0分即刻退場レベルの!!!」
20000号「変態だァぁぁァァぁァァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
一方通行「まじありがとう白井さンマジありがとうキミ命の恩人一生ついてくあくせられえた一生ついてく」
白井「ほ、ほんとですのぉぉ第一位さまぁぁぁぁ!!!」
初春「はいは~~い白井さん馬鹿なこと言ってないでこちらの容疑者抑えるの手伝ってくださーい」イライラ
20000号「はなせぇぇぇぇぇぇ!!!ツインテェェェェェ!!!セロリたんに近づくなぁぁぁぁぁぁ!!!」
御坂「だぁまりなさい!!!もう!!!ほんとにあんたはどうなってんのよ!!!!途中までいい感じだったでしょどうなってんのよ!!!!」
20000号「おねぇさま、いくら譲れてもこれだけは引けない。そんなものが人には、あるんですよ」キリッ
御坂「」バリバリバリバリ
20000号「あbbbbbbbb」
佐天「いやぁこりゃひどい。アクセラさんが唾液まみれだ」
禁書目録「ふいてあげるね!!あくせられーた!!」
一方通行「ありがとうシスターマジありがとうシスター一生ついてく」
白井「わたくしは!?わたくしはどうなさいますの!?第一位さまぁぁぁ!?!?」
一方通行「……」モグモグ
白井「一心不乱に食べてますの……中々調子を取り戻せなそうですわ」
御坂「あんた一体なにしたのよ」
20000号「ふひひ!ちょび~~っとだけ、チョーカーに電流を送ってしまいました!!反省してます!!とミサカは花畑風紀委員に取り押さえられていることに若干の興奮を覚えてきます」
初春「花畑って呼ばないでください!!」
佐天「初春って強かったんだね~。そんな締め技知ってるなんて」
初春「一生かかってできるかわからない技です!!ぶっちゃけここからどうやって解けばいいのか私もわかりません!!!」
20000号「ちょ!!!!待って一生絡むのが花畑とか勘弁して!!!セロリ!!!セロリたんをよこしなさい!!!!」
上条「お~~~~~い!!!!待たせたな~~~~~!!!」
御坂「あれ、あいつ随分早かった……って!!!」
白井「誰だか知らない髪の長い空飛ぶ御仁に背負われてますのぉぉ!?」
アレイスターβ「ふふふ。友のピンチとあらばな(ボルシチ食べたい……)」
上条「いいぜ!!!」バババッ
上条「おまえがどうしても!!正気に戻れないってんなら!!!!」ババババッ
上条「まずは!!!」バッ
上条「その幻想を、ぶち殺す!!!」パシンッ
一方通行「……ハッ」
禁書目録「わ~いさすが主人公補正なんだよ!!!」
白井「普通に頭をはたいただけで、目に生気が戻りましたの」
一方通行「あ~、あァ?おォ。お前ら世話かけたなァ」
御坂「いいわよ。おとなしいあんたを目一杯写真に収めたし」ピピピッ メモリーガイッパイゲコ
一方通行「即刻消せ。ヒーローもありがとよ……ンでなンでお前がここに……」
アレイスターβ「ふふふ。携帯の日光充電機能を使ってみたくて外を散歩していたら、丁度上条当麻が走ってきてね。なにやらキミがピンチだというので、文字通り飛んできたわけさ」
佐天「外国の方ですか?っていうか、男?女?」
上条「あー、えっとこちらはアレイ……じゃなくて、その……」
一方通行「……星野さんだ」
アレイスターβ「」
一方通行「……ちなみに巨人ファンだ」
御坂「へぇ、ハーフ?なのかしら。一方通行の友達?」
白井「でしたら私たちとも仲良くしましょう!!星野さん!!!」
佐天「よろしくお願いします!!星野さん!!!!」
初春「楽天ではないんですね!!星野さんなのに!!!」
アレイスターβ「」
上条「(ま、まずい。アレイスターのやつ、流石に怒るんじゃ……)」
アレイスターβ「星野、か」フフフフフフフフ
上条「まんざらでもなかったぁぁぁぁぁ!!??」
一方通行「よォ、変態」シュルシュル
20000号「おっはよぉございまぁぁぁす!!セロリたん!!!ミサカの熱いベーゼに心奪われてたみたいだけどようやくおっきですね!!とミサカは花畑の拘束から開放してくれたセロリたんまじ天使!!そして縄プレイとかまじ歓喜!!!!!うっへぇぇぇたぎってきたぁぁぁぁ」
一方通行「……」
20000号「なんですかぁセロリたん漏れの瞳をのぉぞいちゃってぇぇぇ!!!ミサカたっちゃうぞ!!ついてないのに心の男根バッキバキだぞおい!責任とってくれるんですか!?とミサカは鼻息荒くセロリたんに少しでも近づこうと身をよじります!!!」
一方通行「……へっ」
一方通行「少しはましな目ェするようになったじゃねェかよ、20000号」
ワシワシ
20000号「あ……」
一方通行「でもまァ、もうちょいだな。さァてと」
一方通行「おいおめェら!くっちゃべってねェでコイツ運ぶぞ」
白井「あ、わたくしまだ超能力者モード継続中ですの!第一位さま!!」
一方通行「おォ、そんじゃァ俺が先に連絡すっからよォ。そしたら一緒に来てくれや」
白井「はい!!!ですの!!!」
上条「どこに運ぶんだ?一方通行」
ピッピッピッ
プルプルプル
一方通行「おォ。せっかくだ、お前らもくっか?第一位さまのダチになった記念恒例……」
打ち止め『はぁい!黄泉川です!!って!ミサカはミサカはいい結果を待ち望みながら受話器をとってみる!!!』
一方通行「作戦本部へ凱旋だ、やろーども」
御坂「お邪魔しま~す」
白井「お邪魔しますの」
初春「お、おじゃまします!!!」
佐天「こんにちは~~~」
上条「ど、どうもまた来ました~~」
禁書目録「お邪魔するんだよ!!」
20000号「ぐへへへへへ!!!セロリたんが日頃吸っている空気が!!ミサカの肺に!!!とミサカは……まぁ週2でセロリの部屋はいってるけど」
一方通行「ちょっとまて今挨拶にまぎれてぶん殴りたいやつがいた絶対いた」
打ち止め「おっかえりぃぃ!ってうわ!凄い大所帯だねってミサカはミサカはおねぇさまにむかってダ~イブ!!」
御坂「わっ、えっと、打ち止めね。話は聞いた。久しぶり」
打ち止め「覚えててくれたのねおねぇさま!!!ってミサカはミサカはあの短い出会いを大切にしていたミサカの思いは報われた!!!」
一方通行「最悪な覚え方でしたけどねェ……おォ、性悪」
番外個体「……」
一方通行「?」
番外個体「おかえり。おそかったな、一方通行。心配したよ」
一方通行「」
上条「」
禁書目録「」
打ち止め「」
御坂「ママ!?あ、いや若すぎるわね。あんたもひょっとして妹達の一人!?」
白井「可憐ですの!!やさしげな笑みがとてもお美しいですの!!!」
初春「わぁ、ステキですね」
佐天「さっすが御坂さんおっとな~~~!!」
一方通行「」ゾワァァァァァァ
一方通行「(ハッ!そうか、20000号の下ネタへの負の感情が消えたから!!)」
番外個体「顔色が悪いな……よっぽど変な目にあわされたのか?かわいそうに……」スッ
一方通行「!!!」ズサァァァァァ!!!
アレイスターβ「やれやれ挨拶にでおくれふぬぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
御坂「あ!一方通行が頭を撫でようとした大きい私の手を避けようとした結果!!!」
佐天「後方にヘッドスライディングして!」
初春「星野さんに激突してしまいました!!!!」
白井「ですの!!!!」
アレイスターβ「……一方通行よ、こういった友情も、その、私は未だ経験がないからかまわないのだが、なにもこんなところで」
一方通行「ちげェェェ!!!変な勘違いすンじゃねェェェェ!!!」
20000号「うっひょっぉぉぉぉ!!セロリたんとブロンド美形のからみ!!!あり!!!ありだろこれは!!!!」
御坂「キャー!!!きゃーーーーーー!!!!」カシャッ ピロリロリーン シャシンヲトッタゲコ
番外個体「……」
番外個体「……プッ」
御坂「!?」
白井「!?」
初春「!?」
佐天「!?」
番外個体「その変態が変態に負い目がなくなったからってミサカがおしとやかになるぅぅぅ!?」
番外個体「っぷぎゃははははは!!!」
番外個体「そんなの、あるわけなぁぁぁぁいじゃぁぁぁぁぁん!!!!!!」
一方通行「」イラッ
番外個体「考えすぎだよ白モヤシ!そりゃ人格形成時にそこの変態から漏れ取ったせいでこうなったけどさぁ!」
番外個体「いまさらそれがなくなったからっつって!!!ミサカが変わるわけなぁいでしょぉ!?第一位さま耄碌してんじゃね!!あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!」
一方通行「おまえh」
20000号「うっせぇぇぇアバズレェェェェェェェェェ!!!!!!セロリたんにはなしかけんなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ブチブチブチブチッ
全員「!?」
ゴロゴロゴロ
番外個体「はぁぁぁぁぁ!?さっきまでウジウジしてた陰険やろぉに言われたくないんですけどぉぉぉぉぉ!!こっちゃ一部始終みてんですけどぉぉぉぉ!!
ドタドタドタ
20000号「うっせぇぇぇぇ変態分返せこらぁぁぁぁぁミサカの変態成分返せぇぇぇぇぇ!!!」
一方通行「よし、ほっとこう」
上条「い、いいのかよあのままで」
一方通行「きりがねェ、それに人待たしてンだよ。おら行くぞお前らも」
佐天「うわすっごいみてみて初春。女同士のコブラツイスト生でみちゃったよ」
初春「キャットファイト……いや、ミサカファイトで……あぁ御坂さんすみません!!そんなつもりじゃ!!!」
御坂「いいのよ、あれは私、私の遺伝子。わたしは所詮残念遺伝子……」ズーーーーーン
一方通行「あァ?呼んだのはカエル医者だけだと思ったンだが?」
カエル「もちろん僕もいるよ。でも人手があれば憂いなしなんだね?」
黄泉川「お客さんたちには!!黄泉川特製炊飯器お好み焼きを披露しちゃうじゃん!!!」
打ち止め「わーい!!」
御坂「」
白井「」
初春「」
佐天「」
上条「あ、あはははは……」慣れた
禁書目録「楽しみなんだよ!!!」食べられればいい
布束「exactly キミが今回しようとしていることは、かなり前代未聞だ。私が先生の補助に回るのは適任といえるわ」
カエル「そう、キミの申し出にはびっくりしたさ……」
カエル「MNW(ミサカネットワーク)への外部アクセスを可能にしろ、なんてね?」
一方通行「……」
布束「あぁ、あなた、友達を増やしているらしいわね。おもしろい、私とも交換してくれる?」
一方通行「……おォ」
カエル「僕は機材の確認をしているよ。キミとはもう交換したはずだから」
布束「please なるべく若い番号で登録してくれる?緊急時に便利だし」
一方通行「ンな無理を言うな……あァ?」
一方通行「(……登録番号006が消えてやがる)」
一方通行「(……なンでだ?ここは確か……)」
一方通行「(……まァいい)」
布束「why どうしたの」
一方通行「なンでもねェ。そらよ」
編集
登録番号:006
分類:親友
布束
上書き完了!
黄泉川「っとここで!!蓋をあけて紅しょうが投入じゃん!!!!」
打ち止め「ワーーオ!!!ファンタスティーーーーック!!」
20000号「言われなくても行くしバーカとミサカは居間へ推参つかまつります」
打ち止め「あ!やっと終わったの!?ってミサカはミサカは二人の姿にちょっとお叱りモードにはいってみる!!」
白井「あら、あまり怪我はないようですわね」
番外個体「こいつ、関節技ばっかしてくるから……」
20000号「いつセロリたん襲える機会あっかわかんねぇだろノータリンとミサカは考えの至らない妹にプーップクスクス」クスクス
番外個体「んなもん至ってたまるかこの変態」
一方通行「おォ、20000号。打ち止めもちょっとこっち来い」
20000号「なんですかセロリたん!ミサカセロリたんのためならバミューダ海域横断してでもお会いに行ってペロペロしますよ!」
打ち止め「は~~い、なぁに?」
一方通行「権限を戻すための機械だそうだ」
キュィィィィィン
布束「even これは痛いと思うわ……」
打ち止め「」
20000号「セロリたんが!!!セロリたんがしてくれるならミサカどこまでもうけとめます!!!!」
番外個体「(ざまぁって言おうとしたのに……)」
禁書目録「おいしいんだよ!!!緑ジャージの作る炊飯器飯は最高かも!!!」ハグハグハグ
御坂「ほんと、一体全体どういう工程でこれができたのか意味が分からないわ」
黄泉川「ちゃんとそのつど教えたじゃん!常盤台のお嬢様は料理しないのか?」
白井「いやこれは料理と言っていいんですの?美味しいですけど」モグモグ
アレイスターβ「炊飯器の可能性……プランの進行に……」ブツブツ
佐天「プランって何ですか星野さん。オーダー表かなにかですか?」
初春「いやそれ結構無理やりですよ佐天さん」ハフハフ
一方通行「よし、準備できたな」
一方通行「ちょっと待てヒーローこっち結構精密機械あンだわ持ってくンな皿置け」
禁書目録「そうモグモグモグなんだよモグモグとうまモグモグモグモグ配慮にかkモグモグモグ」
一方通行「いや口に入れておけばいいってことでもねェよお前が配慮とか言ってんな暴食シスター」
御坂「……」ビリビリ 豚玉苦手だった
一方通行「ちょっとォそこの電撃使いさァァァン!?精密機械って言いませんでしたかァァァァ!?」
白井「そうですのおねぇさま!こんなときは一つのほこりもたたぬように……」シュルシュル
一方通行「だからって服脱ぐ必要ないですゥゥゥゥ!!!俺一瞬前までお前のこと常識人だと思ってのにィィィィィ!!!」
アレイスターβ「よぉしいまからここで三角ベースするか!!!」
初春・佐天「「はーーい!!!」」
一方通行「人の話きけェェェェェェェ!!!!さっきまで退屈な描写続いたからってここぞとばかいにボケてンじゃねェェェェェェェェ!!!!!」
上条「そんなことできるかよ!?」
カエル「可能なんだね?ぼくと彼女の作ったこのデバイスを彼のチョーカーにさす。あとは打ち止めの上位個体権限で彼がネットワークに入ることを許可すればいい」
佐天「ネットワーク!初春!!お手伝いしなよ!!」
初春「えぇぇ!?いやいや私はただの風紀委員ですから!!こんな専門機器扱えませんよぉ!!」
布束「……perhaps あなた、171支部の風紀委員さん?」
初春「え?あ、はい!そうです!」
布束「……コンピューターに詳しいのなら、少ししてほしいことがあるの。ちょっとこっちへ」
初春「え!?いいんですか!!??あの、がんばります!!!」
白井「キィィィィ!初春だけ第一位さまの力にぃぃぃぃ!!こうなったら、黒子もぉぉぉぉ!!!」
御坂「あんた超能力者モード終わったでしょ」
禁書目録「っていうか早く服をきるんだよ!ツインテ!!」
禁書目録「な、なんだからすとーだーの様子が変かも」
カエル「準備中なんだね。全個体への連絡が先だから」
一方通行「……」
上条「緊張してんのか?一方通行」
一方通行「……あァ。まァな」
20000号「緊張して無口なセロリたんかわゆす!!!あ!!!ほんとはそもそもセロリたんは無口!?!?ということは…… こ の セ ロ リ た ん は 現 実 じゃ n」
番外個体「茶化してまでルイズしようとすんな変態」バコッ
一方通行「……やっぱよォ。超電磁砲のときと同じくらい、その、緊張してるな」
御坂「はははっ!あんたのあの時の顔!!今思えば超おもしろかったわね!!」
一方通行「……るせェ」
御坂「……がんばってきなさいよ。あんた、あの子たち守んでしょ?嫌われてる子をそのままにしてるなんて、承知しないんだから」
一方通行「……おォ」
白井「第一位さま」
一方通行「おォ、なンだ服着たな」カカカ
白井「うぐっ。先ほどはおみぐるしいところを……正直、黒子には今からなそろうとしていることはよくわかりませんの」
白井「でも、おねぇさまと語らおうと決心した時と同じくらいということは、きっと妹さん方のことなのですね」
一方通行「……そォいうこった」
白井「……く、黒子は、第一位さまのことばに励まされましたの!!」
白井「第一位さまはクソッタレなんかじゃありませんの!!!ステキな殿方です!!」
白井「自分に自信をお持ちになって、いってらっしゃいまし」
一方通行「……おォ」
一方通行「あンだとよ」ニヘラ
20000号「ツインテメントあとでころs」
番外個体「水を指さない!」ゴッ
一方通行「おォ、どォも……なンだこれ俺死ぬのか死地へ旅立つのか!?」
佐天「あなたが私と初春に言ってくれたこと……絶対に、忘れませんよ」
一方通行「おいまてお前はなにか勘違いしている絶対にテンションがおかs」
佐天「先に逝った初春もきっとそう思ってるとおもいます」
一方通行「花畑死んでたァァァァ!先に死ンでたァァァァ!!!」
佐天「えっと、以上です!」
一方通行「投げっぱなしかお前」
アレイスターβ「……」
一方通行「……」
アレイスターβ「ボルシチ、約束したな。キミは」
一方通行「……おォ」
アレイスター「……1万人近く入る店、あるだろうか」クスクス
一方通行「……ケッ。そンときゃ学園都市のどっか貸しやがれ 統括理事長さんよォ」
一方通行「おォシスター。そうなったらいいンだけどよォ」
上条「ははは、自信持てよ、学園都市第一位」
上条「言ったろ、お前も誰かのヒーローだって」
上条「お前はずっと、妹達のために駆け回ってたヒーローじゃねぇか」
上条「……誠心誠意話せば、みんなきっとわかってくれる」
一方通行「おォ、あンがとなヒーロ……」
上条「」ムッ
一方通行「……あンがとよ。当麻」
上条「……へへっ」右手上へ
一方通行「……くかか」左手上へ
パシンッ
一方通行「おォ、黄泉川」
黄泉川「おまえ、かわったな。とっても変わった。くぅ!親なかせなやつじゃんよ!まったく」バシッバシッ
一方通行「いてェ!……芳川はどうした」
黄泉川「ちょっと急用じゃん。なんだ、わたしの見送りじゃ不服かぁ悲しいなぁ」
一方通行「そうじゃね……チッ。炊飯器料理で9千人分以上作る覚悟あンだろォなお前」
黄泉川「臨むところじゃん!さ!いってらっしゃい!」トンッ
一方通行「……行ってくる」
番外個体「ぎゃは!私らはあっちで待ってるね第一位!あなたの泣き顔を見られるの、楽しみにしてるよ!!」
20000号「マジですかそれどどどどうしよう漏れ最近アクセスしてねぇやパスあってっけな」アセアセ
一方通行「そォかお前らもいンのか……騒ぎおこすなよ頼むから」
番外個体「どぉだろね、わたしらじゃなくてもさわぐやつはさわぐかもよ」
20000号「うへへへへセロリたんそのときは漏れの背中に隠れちゃっていいぜ!そのまま強奪するけど」
一方通行「あァあァはいはい、またな、お前ら」
一方通行「よォチビガキ。たのむぞ」
打ち止め「はぁい!って、ミサカはミサカはミサカの目線にあわせてしゃがんでくれたあなたと目をあわす!」
打ち止め「今度はミサカが案内する番ね!嘘の番号なんて教えないから安心して!って、ミサカはミサカはあの時のことを思い出してちょっとあてつけに言ってみたり」
打ち止め「ミサカとっても嬉しいの!って、ミサカはミサカは得意満面!!」
打ち止め「ようやく!やっとあなたの役に立てる時がきたんだから!!って、ミサカはミサカはこれまでのミサカではなく頼れるミサカであることをアピールしてみる!!!」
一方通行「……カカカ、自分で言ってンじゃねェ」
一方通行「……打ち止め」
打ち止め「!」
一方通行「行ってくる。ンで、おめェの妹達とお手手つないでおどってやらァ」
一方通行「それで、お前のがンばりは報われるンだな?」
打ち止め「うん!!!一方通行!!」
一方通行「っと……おォおォ。なンですかここァ」
一方通行「ただっ広い空間……誰もいねェな。ホントにここMNWの中なンか?」
一方通行「……なんというか、あいつらの口ぶりからして掲示板みてェなもンかと勝手に思ってたンだが」
10032号「それは外部の視覚媒体によってここを閲覧した場合の話ですね、とミサカは一方通行に唐突に話しかけます」
一方通行「……ほンと唐突だな」
10238号「今来ましたから。あなたはここのみのアクセスしか許可されていませんから見えないでしょうが、妹達は各領域……あ~、分かりやすく言えば他のスレッドからすぐに集まりますよ、とミサカは一方通行の驚きをもっともだとなっとくします」
一方通行「おォ、言ってるそばから増えたな。なンかないのか扉とかそういうの」
14510号「ミサカ達には見えてるんですよ、あ、あ、一方通行さん、とミサカは緊張しまくりで声をかけます」
ミサカハミサカハミサカハミサカハ…………
一方通行「……」
一方通行「……(いっぺんに来ンのか)」個人面談だと思ってた
一方通行「……」
妹達「「「「「「「「と、ミサカは歓迎しま「やほォォォセロリたぁぁん「こ、こんにちは!「踏んでください!「白っ!ほんっと白!「っていうかホッそ!!「はんぱねぇなセロリ!「ぎゃっはあの顔なにうけんですけどぉぉ」」」」」」」」」」」」
一方通行「……グダグダじゃねェかよ第一声くらいあわせろよお前ら」
スッ
10032号「ゴホン。ここは、代表に選ばれたミサカ10032号があなたと受け答えするのが一番かと思われます、とミサカは提案します」
一方通行「……はァ?それでいいンかよお前ら」
10032号「かまいません。一方通行、あなたがわざわざここまで来たのは、ミサカたち妹達(シスターズ)全個体と友達になりたいから、そうですね?とミサカは何故だが少し気を落としているあなたに問いかけます」
一方通行「そォだ。だから……」
10032号「相手が、自分が10031人殺した相手と同じ遺伝子だと分かっていながら、ですか」
一方通行「……おォ」
10032号「……上位個体から聞いた、私達はあなたを憎んでいないという、ともすればただの慰めかもしれない言葉を信じて、ですか」
一方通行「……そうだ」
10032号「本当ですか?あなたは、この中にあなたのことを死ぬほど恨んでいる物がいると思いもせず、上位個体の言葉に安心してノコノコと」
10032号「ちょっとばっか友達が出来た、自信がもてた、自分は変われた、あの頃とはちがう」
10032号「そんな気持ちで、ここまで来たんですか一方通行」
一方通行「……」
10032号「ったく追い詰めるとすぐこれだよあんたすっかり話術サイドだな、とミサカはへたりこんだ一方通行に話しかけます」
一方通行「えェ……だって、オールオーケーって、その、後ろのお前らのなかにはさァ」
妹達「「「「「「「「恨んでないで~~~す、と、ミサカは返答します」」」」」」
一方通行「えェ……なにこれ、俺の決意とかあいつらの熱い見送りとかなンだっだの?フリ?フリなの?またなの?」
10032号「ぶっちゃけていえば、芳川女史の計画を受け入れた時点で、妹達はあなたと友達になることを決めていました、とミサカはだんだんズルズルと寝そべりだした一方通行にここでネタ晴らし」
一方通行「はァ?」
10032号「そして、20000号の感情決定権、あれもうそっぱちです」
一方通行「はァァァァァァァ!?」
20000号「え!?なにそれミサカ聞いてない!!とミサカはひな壇からセロリたんのもとへかけおります!!!」
20000号「ど、どういうことだよおまいらぁぁぁぁ!!!とミサカは声を張り上げます!!!」
10032号「一方通行、あなたも気づきましたよね。この子の悩み」
20000号「シカトすんなやぁぁぁ!!」
妹達「「「「「「ミサカ達は、20000号を助けてあげてほしかったんです。一方通行」」」」」」
一方通行「……」
20000号「……」
10032号「ミサカ達はとっくに気づいてました。この子が、自分は本当は変態などではない、本当のミサカはここにいない、そう思っていることを」
10032号「それとなく言ってやるミサカもいました。変態は変態でいいではないか、それもあなたの個性じゃないか、と」
10032号「その子はそのあと意地になって、上位個体からBANくらうはめになってましたが」
10032号「だから……あなたに気づかせてあげてほしかったんですよ、一方通行」
10032号「20000号が愛してやまない、狂ってしまうほど大好きな、あなたに」
一方通行「頭いてェ」
番外個体「ぎゃっは!!いい顔してるねェ第一位!!!」
20000号「妹達による胴上げ、セロリたん派ミサカの大ペロペロ大会、フィーリングカップル(男側はセロリのみ)、上条派一方派の大討論へゲスト参加、セロリの部屋、ミサカの部屋とイベントもじろおしでしたもんね、セロリたん!とミサカはゲッソリした顔もたまんねぇと思いつつ味噌汁をすすります」ズズズ
一方通行「お前はなんでここに……あ~まァいいや。ってかよォ、俺はてっきりあの中で何週間も過ごしてたもンかと思ったンだが」
打ち止め「チッチッチ、MNWの超高速通信を舐めちゃいけませんな~、って、ミサカはミサカは指をフリフリ!」
番外個体「そもそも現実時間と同じなら最初からMNW経由させるなんてリスキーなことさせないでしょカエル先生も。ミサカ、このこと知ってて提案したもんかとおもってたよ」
一方通行「……言ったろォが。何年かけても説得するって。……あァあ、なのにお前らは遊んでばっかだし……」
20000号「セロリたんの存在にテンション上がってたんすよ!!!漏れも含め!!!」
一方通行「だからってお前、最初から下着姿の野球拳ってなンなンですかァ?」
黄泉川「あっさりしたもんじゃん。和解した感慨とかないのかねあいつは」
芳川「それを感じる間もなくあの子たちに振り回されてたみたいね」
黄泉川「まったく、意気込んで送り出したこっちは肩透かしじゃん。そういえばあいつ、接続する前桔梗のこときにしてたじゃん」
芳川「そう、悪かったわね立ち会えなくて」
黄泉川「いやわたしは別に」
20000号「よぉぉぉしセロリたん!!!!んじゃぁいまから続きしますか学園都市固体全員あつめて!!!!」
アレイスターβ「場所はまかせろ」キリッ
一方通行「しねェよあhってお前いつきたァァァァァァァァァァ!?」
アレイスターβ「空間移動はワシが育てた」キリッ
一方通行「うぜェェェェそのキャラ超うぜェェェェェ」
芳川「……よかったわね、一方通行」
一方通行「おォ、当麻。また世話になったな。お前らいつ帰ったんだ?」
上条『ん~~~、そうだな』
上条『お前が○×ゲームで泥の中に突っ込んだあたr』
一方通行「見てンのかよお前らもォォォォォォォォ!!!!!!」
上条『あ、いや俺達はなんか、文字でしか。だから、お前と20000号が泥の中でつんぐはぐれずもつれあった感覚とかはちょっと……20000号の感覚でしか分からないです』
一方通行「それ全てェェェェ!!!全てだろォォ筒抜けだろォォォォォ!?」
上条「いやぁそれにしても一方通行さんは面白いツンパはいてらっしゃるのですね」ケタケタ
一方通行「決めた、今度のボルシチツアーにお前は連れて行かん。もう決めた」
一方通行「くそ、当麻のやつ散々こけにしたあげくおめでとう、だとよ。素直に喜べねェっての」
ガチャッ
アレイスターβ「一方通行、そろそろ私は失礼するよ」
一方通行「お前まだいたンかというか俺がいなくてもあいつらと話してるってなじみすぎだろお前」
アレイスターβ「ふふふ、芳川女史のコーヒーは絶品だ……皮膚で摂取するコーヒーとは興味深い」
一方通行「なじンでなかった。お前なにした。それあの女の最終手段だぞ。結構頻繁に出るけど」
アレイスターβ「妹達を学園都市に招きたい時はすぐに言いたまえ。便から場所から、私が手配しよう。理事長だからな。理事長だから」
一方通行「おォ、あンがとよ。そンときゃお前の本体ンとこにかンざきの梅干持って行くわ」
アレイスターβ「ふふふ、そうか。待っている。ところで、キミの携帯」
アレイスターβ「電話を切ってからずっと受信中みたいだが、充電は平気かね」
一方通行「……あいつら、登録完了のくだりは終わったっつったのに……」
一方通行「やっと返信まですんだ……」
一方通行「なんだよあいつら、途中の個体なンて前の個体にほぼ言われたいこと書かれてるせいで途中から『今日のミサカ』みたいな日々の観察記録送ってンじゃねェかこれ毎日かやめろ」
一方通行「そして当麻の連絡先を聞きたがる個体の多いことだよ。昨日の討論みてて思ったけど上条派怖ェわあいつのこと崇めてるレベルだわ」
一方通行「……ま、なんにせよ。成功したから言える贅沢な悩み、ってなァ」
一方通行「……15000番台のやつらめ斜め読みでセロリセロリ言ってやがった」
一方通行「どォりで変なところでロート製薬みたいですねとか言うはずだよちくしょォ」
一方通行「最初見たときはどンだけアホかと思ったけどよ……」
20××/ ○/○○ 7:28
From:uiharu-haiteruka.310@○○○○
Sub:
どうもアクセラさん!!佐天さんですよ!!
いやぁ昨日は超面白かったです!!アクセラさんの周りは凄い人ばっかりですね!!
わたしなんてただの無能力者ですから……
アクセラさんにふさわしいかはわからないですけど!!
仲良くしてやってくださいね!!
今なら初春もつけちゃいますから(笑)
それじゃ!
一方通行「……ダチになってみりゃ、いいヤツじゃねェかよ」
一方通行「……」
一方通行「あンなドーピングみたいな真似はもうやらねェけどよ」
一方通行「能力向上のトレーニングなら、いつでも付き合ってやるよ、さてンさンよォ」
カチカチ……カチ
登録番号:9982
分類:親友
さてンさン
登録完了!
一方通行「……って、布束は簡単に言ってたけどよ。あンな専門機器を普通一発で扱えるか素人が」
一方通行「なにもンだよ……花畑……」
一方通行「……まァ、いいや」
20××/ ○/○○ 7:45
From:flower-garden.nannokotodesuka.@○○○○
Sub:
初春です!おはようございます!
あ、花畑です!!これでわかりますかね(w)
前の時も、昨日もありがとうございました!
あの、こう言ってはなんですけど
一方通行さん随分お変わりになられましたよね
あの、なんていうか、たっくさんお友達ができて、怒ってるのに笑ってて
すっごく楽しそうです!
私もその一員になれたらな、なんて!
なにかトラブルがあったら、言ってくださいね
私だって、風紀委員ですから
それじゃ、また!
一方通行「これみりゃ分からァ。あいつは根っからのお人よし」
一方通行「俺の……ダチ、それ以外でもなンでもねェンだ、おれにとってはよォ」
登録番号:9983
分類:親友
花畑
登録完了!
一方通行「……結局、なンだかンだでうやむやになっちまったけどよォ」
一方通行「……もうちょい謝らせろ、弁解させろってンだ、お前らの遺伝子は……」
20××/ ○/○○ 8:19
From:only-my-railgun@○○○○
Sub:
超電磁砲です、ってアドレスみれば分かるか
妹達と上手くいったと、あのバカから聞きました
まったく、一番にあたしに報告するのが筋じゃないでしょうか
妹達が許したのならあたしはなにも言いません
あたしの気持ちは昨日言いました
あんたを許します
あんたがMNWに行っている間、家族の人に話聞きました
だから、あたしからはもうあんたを憎みません
あ、あたしの後輩に酷い事したら別です
っていうかなんなのよあんた!あのバカかっての!!
フラグ建てすぎでしょ!!あたしは絶対に巻き込まれないけどねあんたらのどっちにも!!!
また遊ぶんだからね!!あのバカも誘っときなさい!!!!
一方通行「……支離滅裂だな」
一方通行「あァあ、ホントどいつもこいつも俺の覚悟とか関係ねェのな」
一方通行「退屈しねェよ、おまえらは」
登録番号:9985
分類:親友
超電磁砲
登録完了!
一方通行「……」カチカチカチカチ
一方通行「……(あと、15人)」
-----登録番号:006
一方通行「……(いま、ここには布束の名前がある)」
一方通行「……(でも、あの時は)」
『please なるべく若い番号で登録してくれる?緊急時に便利だし』
『ンな無理をいうな……あァ?』
--------登録なし
一方通行「……」
カチカチッ パタッ
一方通行「……(いや)」
一方通行「……(てめェがなに考えてンのか知らねェが)」
一方通行「……(俺が外に行って作るダチの数は)」
一方通行「(あと14人だ)
次回 最終回
とある親友の登録削除(ロストメモリー)
一方通行「本当は、最終回まで出ることはねェ、最後にビシッと決める、そのつもりだったンだ」
一方通行「でも、こンな重大なミスは見逃せねェ。流石に駄目だ。ちょっとお腹痛くなってきた助けて闇咲くン」
一方通行「妹達登録の時、20000号が既に登録済みだっていうのを失念した」
一方通行「おかげで9981も登録なしじゃねェかバカか俺は」
一方通行「あの部分は」
登録番号:013~9980
分類:親友
ミサカ10032号~ミサカ19999号
登録完了!!!!!
編集
登録番号:006
分類:なし⇒親友
20000号
上書き完了!!
一方通行「これが正しい。いや、こうするつもりだったのに、布束で編集のくだりをしたせいで忘れてた」
一方通行「あと、9981だが……」
一方通行「……」
一方通行「実は、入る時に常盤台女子寮寮監と意気投合しちまってな」
一方通行「……」
登録番号:9981
分類:親友
メガネ寮監
登録完了!!!
一方通行「よォォォォォォォォし!!!!これだ、これだな!?!?!?!?!もう大丈夫だよなァ!?!?!?!?」
一方通行「ほンとすまねェ、>>1はほンと残念なヤツだ数字に弱すぎる」
一方通行「じゃ、そういうことだ」
一方通行「指摘あンがとよ。じゃァな」
一方通行「はァ?なンでだよ」
佐天「なんでって、そりゃあそこが女子寮だからに決まってるじゃないですかぁ、もう」
初春「しかもですね!寮監さんがすっごく厳しいって有名なんです!!常盤台女子寮は」
佐天「そうそ、しかも物凄いてだれ!!最低でもレベル3の常盤台生徒をちぎっては投げちぎっては投げ!!寮則を破る者には容赦ないんです!!」
一方通行「ンだそりゃ。俺を常盤台の雑魚どもと一緒にしてンじゃねェ」
佐天「ざ、雑魚って!レベル5が二人もいる学校ですよ!?」
初春「そうですよ!しかも噂では、御坂さんと第七位の抗争にも割って入ったらしいですし」
一方通行「……あの根性バカをどうにかできんのか。そりゃちっとあれだな」
ヒョコッ
一方通行「……あのメガネかけてる女か。スーツきた」
ヒョコッ
佐天「そうそう、あれです。ほら、出て行く生徒を厳しく見守ってるでしょ」
ヒョコッ
初春「……あれ?でもなんか変じゃないですか?」
佐天「へ?なにが」
初春「いや~、なんだか生徒よりも、手元の携帯の方に意識がいってるような……」
一方通行「……」カチッ 集音
女生徒「寮監さま~~~今日はおそくなるんですがかまわないですか~~~~?門限が過ぎてしまうと思うんですが~~~」
寮監「……うむ、大変だな。行って来い」カチカチカチカチ
女生徒「寮監さま~!掃除が面倒なのでサボって遊びにいってもよろしいですか~~」
寮監「……うむ、大変だな。行って来い」カチカチカチ
寮監「……」カチカtカチ
寮監「……ゆうくんからメールが返ってこないな。やはりまだ会おうというにははやs」
一方通行「出会い系にはまっているゥゥゥゥゥゥ!?!?!?」
女生徒「「!!」」ビクッ
佐天「わ、なんですか!?」
佐天「そ、そんな。私達が遊びに来た頃は、確かに厳格で、まじめで、白井さんをちぎっては投げてたのに!!!」
初春「佐天さん、言っておきますけど私がそういうこと言うと白井さん物凄く怒りますよ。佐天さんだから言わないんですよ」
???「あら、そこにおわすのはもしかして、佐天さんと初春さん……?」
佐天「え!?」
初春「……あ!?」
???「随分お久しぶり。わたくしもこの寮の学友に会いに来たのですが、お二人はやはり白井さんと……」
佐天「あぁ!!!あなたは!!!!!」
初春「自称常盤台筆頭!!!レベル4の空力使い、またの名をトンデモ発射場ガール!!!」
???「え?なんです?あぁ、そこの殿方はお初にお見えしますわ。自己紹介を、ということですのね」
???「わたくし、常盤台中学二年!!その名を知らぬものはいないともっぱら噂の超新星!!!」
婚后「婚后光子ですわ!!!!」
婚后「な!!なんですかその態度!!!わたくしせっかく自己紹介をいたしましたのに、即刻退場を命じるなんて!!!」
佐天「婚后さん、寮監さんについて何か知りませんか?」
婚后「寮監?あぁ、あのメガネをかけた、最近ふ抜けているというあのかたですわね」
初春「ふぬけ……?」
婚后「えぇ」
婚后「わたくしの学友によると、あの方は少し前に随分といたい失恋をして」
婚后「それからしばらく経った後。生徒の一人から取り上げた携帯電話に、迷惑メールがきたようで、出会いという言葉に即反応」
婚后「そこからは、もう」
婚后「あぁやって、かつての仕事の持ち場に立ちはするものの、ずぅっと携帯を見てばかり」
婚后「しかもいまだ出会い0。いわゆる、業者というのにつかまされているそうですわ」
佐天「それは……なんという」
初春「……(まさか、あすなろ園の時の)」ダラダラ
婚后「まったく、天下の常盤台の寮監が聞いてあきれますわ」
婚后「偽者の人間からのメールにいちいち一喜一憂するなんて、わたくし考えられませんわ」ハァ
一方通行「黙れこのふざけた苗字めわかりにきィンだよくそぼけが」
佐天「!?」
初春「!?」
婚后「は、はぁぁぁぁ!?」
一方通行「しらねェってンだよくそぼけェェェェェェ!!!!黙って聞いてりゃぺちゃくちゃぺちゃくちゃよォォォォォォォ!!!!」
婚后「な、寮監さまのことを知りたいと言ったのはあなた方のほうで……」
佐天「アクセラさん!?ど、どうしてんですか!?」
初春「お、落ち着いてください!!!」
一方通行「確かになァァァァァァ!!!!確かに!!!!!!俺は虚構の人間とメールしたたよそォだよわりィかァァァァ!!!」
一方通行「でもなァァァァァ!!!!!それが虚構だからって、あいつらの言ってたことが全部意味の無い、からっぽのものだって言うのかよォォォォォォ!!!!」
一方通行「俺とバカトークしていた闇咲くンは現実にはオッサンだった!!!俺を寝る前にもやもやさせて困らせたかおりさンはいつの時代の女だってくらいの清純なやつだった!!!!!」
一方通行「ひょっとすると俺に夜な夜な恋愛相談を持ちかけたヴェんトちゃンも、実際は顔のそこかしこにピアスを空けた黄色いイカれ女なのかもしれねェェェ!!」
一方通行「でもなァァァァァ!!!現実の姿を知っても、それでも、それでもよォォォォォォォォォォ!!!!」
一方通行「俺があいつらのことを都合よく忘れていいってことには、ならねェェェェェェだろォォォォォがァァァァァァァァァ!!!!!!」
佐天「」
初春「」
婚后「」
一方通行「……」
一方通行「今のなし。忘れろ」
寮監「買わないと。なぜだかコインが多いときは返信が多いから……」カチカチカチ
ザッ
一方通行「よォ、そこのメガネ」
寮監「……いらっしゃい、ゆっくりしていきなさい」カチカチカチカチ
一方通行「あれェ?いいンですかァ?常盤台女子寮の厳格な寮監様。素性のよくわからねェ男が入ろうとしてますよォ?」
寮監「……いらっしゃい、ゆっくりしていきなさい」カチカチカチカチ
一方通行「……もしかすっと、この寮をぶっつぶしにきたかもしンねェなァ?」
寮監「……いらっしゃい、ゆっくりしていきなさい」カチカチカチ
一方通行「あ~……」
一方通行「い、いいンかよォ?見るからに怪しくて、おい、細くて、ほら、白い男だぞォ」
寮監「……いらっしゃい、ゆっくりしていきん」
一方通行「誰が白モヤシだてめェェェェェ!!!!ぶっ潰すぞこらァァァァァァ!!!!」
ヒョコッ
佐天「あ、初春だめだ。アクセラさんスルースキルに弱い」
初春「御坂さんと似てますね」
婚后「わたくし帰っていいかしら」
佐天「あ、話を戻そうとしてるよ初春」
初春「ですねぇエド並みの短気さは私達に露見しちゃいましたけど」
婚后「……」
寮監「……いらっしゃい、ゆっくりしなさい」カチカチカチカチ
佐天「婚后さん、突っ込みがないなら帰ってくださいよ」
初春「そうですよ。三点リーダーの無駄ですよ」
婚后「……ウワァァァァン!!!!」シュバッ
一方通行「現実で、ちょっとばっかつまづいて。すこし他人に拒絶されて。それだけで、この世界から背を向けちまうのか?お前は、そンなに弱ェのか?」
寮監「……いらっしゃい。ゆっくりしていきなさい」カチカチカチカt
一方通行「聞いてンな。フリは無駄だぞおい、俺を舐めんな糞メガネ。打つ速度が0.0003秒落ちた。それまではありえねぇ程正確だったのによォ。話続けるぞこら」
寮監「……いらっしゃい…ゆっくりしていきなさい」カチカチカチカt
一方通行「お前が逃げ出した世界は、そンなにお前に無慈悲だったか?」
寮監「……いらっしゃい……ゆっくりしていきなさい」カチカチカチk
一方通行「お前を振った男以外に、お前のことを癒してくれるやつは本当にいなかったのか?」
寮監「……いらっしゃい……ゆっくり……していきなさい」カチカチカt
一方通行「……思い出せや、寮監。厳しいってことァよォ……人一倍、ここのやつらを心配してるってことだろォが」
寮監「……いらっ……しゃい……ゆっくり……していきなさい」カチカチk
一方通行「お前が!!!!それまで恋を捨ててまで守ってきたここのやつらは!!!!!たった一度の失恋で!!!!てめェの中から消えちまうくらい!!!!!本当にどうでもいいやつらだったのかよォォォォォ!!!!!くそメガネェェェェェェ!!!!」
寮監「……いらっ……しゃい、ゆっくり……して……」カチカt
寮監「…………」ピタッ
女子生徒『え~~、寮監さま!!たった一分すぎただけですわ~~~!!!』
寮監「(なにをバカな。わたしはただ、仕事でここにいるだけだ)」
女生徒『罰掃除!?か、厠を掃除しろというのですか!?この私に!?!?』
寮監「(それに、ここの生徒は。世間知らずで、傲慢で、自分勝手で)」
女生徒『ぐへへひひひひ!!!これでおねぇさまをいちころ!!k……』
寮監「(問題児も多く、目が離せず、疲れるばかりで)」
女生徒『寮監さま……その、少し、ご相談が』
寮監「(いつも就寝時間も守らず、私を、私を困らせて)」
女生徒『寮監さま、これ、受け取ってください』
女生徒『今日、母の日ですわよね……?』
女生徒『あの、寮監さまはお若いから、こんなこといわれたくはないかも知れませんが』
女生徒『置き去りの私達にとって……寮監さまは、母親のようなものなんです』
女生徒『それで、みんなでお金をだして。お花を……』
寮監「(私を……私の……)」
女生徒『寮監さま!』女生徒『寮監さま~』女生徒『おねさまぁぁぁぁ!!!』女生徒『寮監さま!』
回想終了
寮監「私の……!大事な……!!!大事な生徒達……!!!!!」ポロッ カシャーン
一方通行「……ヘッ、分かってンじゃねェか、クソメガネよォ」
佐天「初春、終わっちゃったよ」
初春「あっけなかったですね。はい、わたしの勝ちです」
佐天「はうぁぁ!!○×で15連敗したぁぁぁ?」
一方通行「いいってことよ。一歩間違えれば、俺もお前と同じだった。それだけだ」
佐天「わぁ、いつもの寮監さんだ!メガネが光ってる!」
初春「こんにちは!!遊びにきました!」
寮監「キミ達はいつかの、御坂と白井の友人か。……少年、ところでキミは?」
一方通行「友情の伝道師アクセラ仮m」
寮監「まじめに」
一方通行「……こういうもンだ。ちっとばっか研究協力を頼みに、御坂美琴に用事がある。こいつらとは、すぐそこでたまたま会ったンでな」
寮監「……ふむ。たしかに正規のものだな。いいだろう、ゆっくりしていきなさい」フッ
佐天「ありがとうございます!」
初春「お邪魔します!一方通行さん、こっちですよ」
一方通行「あァ、待て。寮監、おめェ俺とダチになれよ」
寮監「……なんの冗談だ」
一方通行「まじめだっての、おふざけはさっきので終いだ。おめェもよ、生徒のほかに一人くらい楔になるもンがありゃ踏みとどまれンだろ」
寮監「……ふふっ、変わったやつだ、きみは。わたしのような女に友達になれ、とは」
一方通行「おォ、よく言われる。送ったぞ。時間が無いから、明日にでもそっちからメールしろや」ピッ
寮監「明日だな、いいだろう」
一方通行「……それと、これ。くれてやる。どうしてもキツくて誰もいなかったら、その電話帳にあるアドレスにメールでも、電話でもしてみろ。そンなときのお勧めはアウレオルスくン」
寮監「これは……いいのか?」
一方通行「……あァ」
一方通行「俺にはもう、必要のねェもンだ」ボロボロボロ
寮監「(めっさ泣いてるーーーーーーーー!!!!!)」
一方通行「いらねェ混乱をまねいたことは深く詫びる!!!>>1はちょっとほンと今お腹痛い正露丸どこだ!?」
一方通行「色々残念なヤツが多い中で実は>>1が一番残念な子だったっていうのは内緒だァァ!!!」
一方通行「それじゃァな!!次会うのは最終回だ!!」
一方通行「今度こそ間違いはねェはずだァ!!!」
一方通行「あァ?なンでなンですかァって?ンなもンきまってンだろォがよォ!!」
一方通行「学園都市第一位の頭脳、舐めてんじゃねェ!!」キリッ
寮監編 終
カチカチカチ
垣根『はっはーーーーー!!!残念だったな第一位!!!!てめぇが心酔しているD・M・カッキーとは……俺のことだぁぁぁぁぁ!!!!』
登録番号:9986
垣根『ナンデ俺ハ生きteんだよぉォォぉぉぉォぉォooooo!!!!!第一位いぃぃぃィiいい!!!!てめェニ殺されちまったハズノレオレガ!!!どうshiていきチマッテンだよォォォォォぉぉぉぉぉおォオぉォォォォォォ!!!!!!!!!!』
一方通行「……」
カチカチカチ
麦野『それで、天下の第一位様が、わたしの料理処になんのようなのかにゃ~ん?』
登録番号:9987
麦野『関っっ係ねぇ!!!関っっっっ係ねぇぇぇんだよぉぉぉぉぉ!!!!あのバカと滝壺がどうなろうが、わたしにゃもう!!!関係ねぇんだよぉぉぉぉ!!!第一位ぃぃぃぃぃ!!!』
一方通行「……」
浜面『たしかにやっぱり俺の扱いはここでも雑用さ。それでも、俺にとってこの探偵公社は大事な居場所なんだ!!!アイテムと、同じくらいな!!!』
登録番号:9988
滝壺『大丈夫だよ、あくせら。私はそんなヘタレなあくせらを応援してる』
登録番号:9989
絹旗『あンたさえいなけりゃよォォォォ!!!私は……私達はァァァァァァァァ!!!!!』
登録番号;9990
フレ『結局、統括理事長の気まぐれで生かされてるの』
登録番号:9991
ンダ『プラナリア理論なんて絶対にでだらめな訳よ』
登録番号:9992
フレメア『大体、おねぇちゃんと友達が増えて嬉しい。にゃあ』
登録番号:9993
ヴェント『すんませぇぇんねぇぇぇぇ!!!!理想の女の子じゃなくってぇぇぇぇぇ!!!!!』
登録番号:9994
フィアンマ『元神の右席最強の俺様を、舐めてんじゃねぇ!!!!』
登録番号:9995
吹寄『き、貴様も!!あの上条と同じ人種のようね!!ふんっ!!』
登録番号:9996
オリアナ『……絶対の基準点、おねぇさんと一緒に作ってくれる?』
登録番号:9997
アニェーゼ『ひ、ひっちぎられてぇんですか!?この白ウサギ!!!』
登録番号:9998
オルソラ『神の前にはみな平等。わたくしとあなたとの間に、なにも隔たりなどないのでございますよ。一方通行さん』
登録番号:9999
一方通行「……」
カチカチカチ
打ち止め『あれ?あなたの携帯、電話帳になんにも入っていないのね!って、ミサカはミサカはものの見事にまっさらなあなたの携帯メモリーに唖然としてみる!!』
登録番号001
打ち止め『えへへ!それじゃぁ、ミサカがあなたの初めてのお友達ね!!って、ミサカはミサカは得意満面に登録した画面をあなたに見せてあげたり!!!』
一方通行「……」
カチカチカチ
黄泉川『ほら、今日から私達は一緒に住む家族じゃん。……なんだその嫌そうな顔!文句言ってないで登録登録!』
登録番号:002
黄泉川『よっしゃぁ、これで飲みすぎた時のお出迎えはお前にじゃんじゃん頼んじゃうじゃんよ!!』
一方通行「……」
カチカチカチ
カエル医者『キミの肉体は脆弱過ぎる。能力が日常で使えなくなっな今、いつどこで倒れるかも保障できないんだね?』
登録番号:003
カエル医者『これがぼくの番号とアドレス。なにかあればすぐかけるんだ。いいね?』
一方通行「……」
カチカチカチ
番外個体『ぎゃはっ!!!第一位さまぁミサカもあんたのこと登録したいんだけど!イタメしまくりたいからさぁ!!!』
登録番号:004
番外個体『……きひっ!これでミサカも一番上があの人……な、なんだよ白もやしこっちみんなぁぁぁ!!!』
一方通行「……」
カチカチカチ
登録数:9999
芳川「おはよう、今日は早いわね」
一方通行「……よォ」
芳川「コーヒー淹れる?」
ビクッ
一方通行「いや、おめェは座っとけ。俺がやっから」
芳川「なにビビッてるのよ、あなたが何もしなければぶっかけたりしないのに」
一方通行「それはこの間起き抜けの俺に目覚ましと称して豆とお湯をぶつけてきたお前が言っていい台詞じゃない絶対にない」
芳川「わたしも寝ぼけてたのよ」
一方通行「余計タチわりィわ……座っとけ」
一方通行「……ン」
芳川「……!!」
芳川「……そう、9999人。凄いわね」
一方通行「……まァな」
芳川「今日は、どうするの?HAMAZURA探偵公社のお手伝い?それとも、また大勢連れて海外にでも行くの?」
一方通行「……今日は」
芳川「あ、イギリスに行くなら神裂さんに梅干のお礼を言っておきなさい。あと、変なお土産買ってきちゃだめよ。まったく、この間上条家と旅行したときなんて特に酷かったわね……」
一方通行「……今日は、ダチを作ろうと思う」
芳川「!!」
芳川「……そう」
一方通行「……芳川」
芳川「なんせ、あと一人だものね。本部も気合入るっての、そうでしょう?」ガタッ
一方通行「芳川……黙れ。そこ座れ」
芳川「さぁて、こうしちゃいられないわ。私も……」スッ
一方通行「芳川!!!!!!」
一方通行「どうして、俺の携帯からてめェの名前を削除した?」
芳川「……」
一方通行「闇咲くンが007だったんだ、間違ってるはずがねェ」
芳川「……」
一方通行「9000人以上も登録したあとなら気づかれねェとでも思ったかァ?舐めるなよ、お前」
芳川「……」
一方通行「……チッ」
パサッ
芳川「!?!?」
一方通行「自分から言うなら俺はなにもしねェつもりだったが、暴露させてもらうぞ」
一方通行「お前の素性、経歴、ここンとこの学園都市内での動きを調べた」
一方通行「削除されてることに気づいて、始めに疑問を感じたのは、お前が俺のMNWへのアクセス時にここにいなかったことだ。てめェほどの適任、いねェだろォがよ」
一方通行「それに、そンなてめェほどの技術者が、なァンでろくに働かずただ飯ぐらいしてンのかってよォ。常々不思議だったンだ」
一方通行「そしたらなンだァ?」
一方通行「おめェ、ニートじゃないンじゃねェか」
芳川「……」
一方通行「……働けないンじゃねェかよ、ろくに。そンな体じゃ」
芳川「……」
一方通行「正気かァァァァァァ!?おい!!!!芳川ァァァァァァ!!!!!!」
一方通行「8月31日の時の傷跡悪化、腫瘍化ァァァァ!?」
一方通行「カエル医者のとこの治療も拒否して余命二ヶ月だァァァァ!?」
一方通行「陳腐すぎてよォォォォォ笑えねえぞこっちはァァァァァ!!!!」
一方通行「そうよ、じゃねェェェェェ!!!!達観してンじゃねェェよォォォォォ!!!」
一方通行「それじゃなにかァ!?てめェェェ!!!!」
一方通行「もう先が長くねェから!?!?」
一方通行「だから俺の携帯から登録を削除したってのかよ!!!おい!!!!!」
芳川「そう、その通り」
芳川「1万人の親友が出来たあと、その一員の私がすぐ死んじゃったらあなたがどうなるか分からないでしょ?間に合うかも、分からなかったし」
芳川「だから、抜けることにしたの」
一方通行「勝手に決めンなァァァァァ!!!」
一方通行「お前はなンだ!?おい!!!勝手に生きることを諦めて、勝手に俺のとこから一抜けただァ!?」
一方通行「どうして!!!誰にも言わず……」
芳川「……あなたの友人の一員になることも、生きることも」
芳川「私には、そのどちらの権利もないからよ。一方通行」
芳川「わたしは、あの子たちが殺されると分かっていて製造した」
芳川「わたしは、あなたが本心ではこんなことをやりたくないと知っていて妹達をけしかけた」
芳川「……それらを清算したくて、わたしはこの計画を始めたの」
芳川「……愛穂たちは、これがただのあなたにお友達を作らせるための作戦だと思っているけどね」
芳川「わたしの勝手で殺された一万三十一人の悲願を成すため」
芳川「わたしの勝手で殺人に手を染めたあなたを救うため」
芳川「そのために、わたしはこれまで生きていた。しぶとく、欲深くね」
芳川「……でも、もう十分」
芳川「気づいてる?一方通行。あなたはもう、あなた自身がそれと意識して動かなくても友達を作ってしまえるほど、成長しているの」
芳川「……もう一度言うわ」
芳川「自分にどこまでも甘いわたしにはもう、生きる権利も。優しいあなたと共にいる権利も。どこにもないの」
芳川「……わたしは、学園都市から出て行く」
一方通行「!?」
芳川「この間、統括理事長と話したの。あまりに茶化してくるから、思わずコーヒーぶっかけたけど」
芳川「……最期の刻は、生まれた街で過ごすことにするわ」ガタッ
一方通行「……」
芳川「……」
芳川「……右手、離してくれない?」
ヒッシ
一方通行「……離さねェ」
一方通行「俺を舐めるな。この学園都市に存在するあらゆる医学書、シスター共の持っていた科学外の医術知識、すべて叩き込ンでンだ。そンで、あのカエル医者のことも。もう話しつけて、手術室で待ってンだよ」
芳川「……何度も言わせないで、一方通行」
一方通行「……」
芳川「私には、その権利がない」
一方通行「……」シュンシュンシュン
芳川「わたしの代わりになる人なんていくらでもいるでしょう?ね?」
一方通行「……」コポコポコポコポ
芳川「……」
芳川「……え?」
一方通行「ごちゃごちゃうっせェェェェェェェェェェ!!!!!!!」バッシャァァァァァァ
芳川「あっつぁぁぁぁぁあああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
芳川「あっつぅぅ!!!待って、待ちなさいあなたこれ尋常じゃないし私病に……ど、どうしてまた淹れているの!?」
一方通行「良薬身体に熱しってなァァァァァァァァ!!!!!」バッシャァァァァ
芳川「あっつぃぃ!!!!なにが良薬なのよ毎日飲んでも白モヤシじゃないあなた!!」
一方通行「…………」コポコポコポコポコポコポ
芳川「まって、今のは失言だったわ。謝る。平和的に話し合いを」
一方通行「そぉい!」バッシャァァァァ
芳川「あああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
コーヒーをぶっ掛ける事により、力場・能力、ありとあらゆる流れを遮断させる能力
その効果は具体的な事象のみに留まらず、抽象的な事象をも遮断することが出来る
芳川「目の前の惨状は無視なのあなた」ボタボタ
一方通行「おォ、ガン無視だバカ野郎そのまま聞け」
一方通行「俺が成長したのは、てめェのおかげだろォが」
一方通行「俺を後押ししてくれた、前に進ませてくれた、向き合えと、受け入れろと、教えてくれたのはお前だろォが芳川」
一方通行「甘いだけでそンなことが出来るか。償いのつもりだけでそんなこと言えるか。死ぬつもりなンかで、そンなことされてたまるかよ」
一方通行「お前は甘くねェ。十分優しい。俺に最後のダチを作るすべを、自分を助けるチャンスを残してンだよ、芳川」
一方通行「生きる権利……あるに決まってンじゃねェか」
一方通行「お前はあえてこの言葉を使わなかったな。俺が使うと恐れたか?そンなもンヒントにしかならねェよ」
一方通行「……お前には」
一方通行「俺達の家族として、生きる権利があンだろォが、芳川」
一方通行「黄泉川と、打ち止めと、番外個体と、俺との家族だろォがお前は」
一方通行「家族として生きる権利が、意味が、義務が、お前にはもうあンだろ、芳川」
一方通行「……勝手に死ぬなンて言うンじゃねェ」
一方通行「俺達は……家族だろ!!!!芳川!!!!!」
芳川「……(コーヒーぶっかけといてよく言うわこの子)」ボタボタ
芳川「……」ボタボタ
一方通行「……」キリッ 黄泉川「」打ち止め「」番外個体「」
芳川「……」ボタボタ
一方通行「……」キr…… 黄泉川「」打ち止め「」番外個体「」
芳川「……」
一方通行「」クルッ 黄泉川「」ブワァァ 打ち止め「」ボロボロボロ 番外個体「ぎゃはっ☆」ウルウル
芳川「おはよう、三人とも」
一方通行「いつからきぃてたァァァァ……ぐっへェェェェ!!!!」
ガッシィィィィィィ!!!
打ち止め「あなだぁぁぁぁぁ!!!愛してるぅぅぅぅぅ!!!っで、ミザカは、ミサガはぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ボロボロボロボロ
番外個体「くっせぇぇぇぇぇ!!!超くっせぇぇぇぇんですけど第一位!!!ぎゃはっ!!!くさすぎてミサカ目にきちゃった!!ちょっち目にきちゃったよ!!!!」ウルウル
一方通行「待てよせやめろ締めンな黄泉川乗るな打ち止め叩くな番外個体……ぐ……お……」ガクッ
芳川「」クスクスクス
芳川「まったく、あなたって子は」
芳川「あなたの甘さには負けたわ。一方通行」
登録番号:10000
分類:親友 家族
芳川桔梗
登録完了!!!!
10000人!
達成!!!!!!!!
上条「えぇぇぇぇ!!!ただいまより!!!一方通行さん祝親友一万人達成パーティーならびにやっべぇよ絶対能力者になっちまったよあんた!!!祝賀会を始めます!!!!」
ワーーーーー!!!
上条「それでは!こころよく第十九学区をぶっ潰して世界最大規模の文化会館『アクセラホール made in D・M・カッキー』を建ててこの会場を確保してくれました!!星野さんより乾杯の挨拶を!!!!」
ワーーー! キャーーーー! 巨人ファンーーーー!!! 偽名ーーーーー!!!
アレイスター星野「一方通行はワシg」
20000号「おまいらぁぁぁぁぁぁ!!!!セロリたんにかんぱ~~~~い!!!!!」
かんぱ~~~~~~~~い!!!!!!!
アレイスター星野「……お約束、か」フフフフフ
上条「ま、まんざらでもなかった!?」
一方通行「よォ、当麻。司会どォもな」
上条「なァにお安いごようですよ」
禁書目録「すっごいんだよとうま!!びしょくくらぶに負けないくらいのお料理かも!!」
上条「なに!?そりゃ凄いなインデックス!!」
一方通行「あァ、なにせ部下にあそこのスパイさせた料理人が作ってっからなァ」
上条「それやばくないですかね」
禁書目録「美味しければそれでいいんだよ!!」
ンダ「……まぁ、フレメアがこれでいいっていうんなら、私達も気にしない訳よ」ハァ マグマグ
アレイスター星野「めんご」
一方通行「おめェは、そこかしこでやらかしてたンだなァ」
上条「垣根もだっけ?」
アレイスター星野「ふふふ。一人でも多く、一方通行、キミの友達になってほしくてね。キミの友達は私の友達だ。美味しいものがたべれるんだよ」
一方通行「暴食シスターがうつってるぞ」
上条「意外に気が合ってんだよなぁ」
禁書目録「ほしの!このお寿司超うまいんだよ!超おすすめかも!」モグモグモグ
アレイスター星野「……ほんとうだな。超美味い」ハグハグ
絹旗「ちょ、ちょっと!!私の超ポリシー奪わないでください!!」
結標「そうよそうよ、子役もりだくさんの探偵活劇やるって言ったじゃない!」
一方通行「ンな約束してねェよどういうことだよ少年探偵団の回でも流せばいいのかコナん君の」
白井「第一位さまぁぁぁぁぁぁ!!!!」ヒュンッ
一方通行「うお!?ンだ、白井か。それに、超電磁砲。さてン」
御坂「やっほぉ、呼んでくれてありがとね」
佐天「おっめでとうございます!アクセラさん!!」
白井「ほんとうですの!!でも、黒子を置いて先に進んでしまうのはあんまりですわ!!」
御坂「……あんた、この間の能力診断で最大飛距離と重量増えたんでしょ。あんだけ伸び悩んでたのに。あとちょっとじゃない」
佐天「ほんとですよ~ようやく私が低能力者になれたっていうのに……」
白井「まだまだですの!!おねぇさまや第一位さまどころか、あの結標に負けてるようでは!!」
結標「あの、とは失礼ね」モグモグ
絹旗「うちの居候もわたしに同じようなこといってきて超うざいですよ」マグマグ
妹達「「「「「「ふむふむ、と、ミサカは乙女の美容術を吹寄女史から授かります」
吹寄「よろしい、妹達はばっちりね。わかりましたか、オルソラさん!」
オルソラ「えぇ。このパスタとても美味しいのでございますよ、吹寄さん」
吹寄「聞いてないぃぃぃぃ!!!52回目の演説オール無視ぃぃぃぃ!!もうだめ助けなさいよ貴様!!」
一方通行「いや俺にふるな。知るかよンなもン」
オルソラ「あぁ、富士額というのはすばらしいのでございますね!!!!」
吹寄「いまぁぁぁぁ!?」
アニェーゼ「なぁにが富士額ですか。美人よりなにより、格好がダサダサじゃもてるもんももてなくなるってもんですよ。その点私は自分的おしゃれポイント極めてますから問題なしです。ね、白ウサギ」
一方通行「だから俺に振らないでくださァいそういうのはあの辺の人たちに言ってくださァい」
アリアナ「そうよ、そうよね。おねぇさんだってこんな男の子たちの視線を集める服装、ほんとはしたくないわぁ……濡れっちゃうもん」
神裂「そうですよね、そうで……ぬ、濡れ?脇とかですか?」
一方通行「こらオリアナてめェなァにかンざきにいらねェ知恵さずけてんだもォォォォ!!!」
ヴェント「うっせぇなぁ科学の結晶……フィアンマ、あんたの寿司ほんとヤバイ。おもわずすんませぇぇんって言いたくなるくらい美味いわほんと」マグマグ
フィアンマ「俺様の神の右手、舐めてンじゃねぇ!!!」キリッ ニギニギ
麦野「ちょうしのんな童貞。あたしの店ぶっ潰したつけはガンガン働いてかえしてもらうんだからにゃ~ん」
フレメア「にゃ~ん、にゃあ」
浜面「うぐっ、やばい、駒場の兄貴がこの子かくまってた理由がよくわかる」
垣根「たっきー、ほれ。カッキーデザインの超痛いけど跡にならない鞭」
滝壺「ありがとう。こんな浜面はよほど愉快な死体になりたいと見える」バッチィィィン
浜面「いってぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
一方通行「てめェら、どいつもこいつも変なとこで影響されンなァァァァァ!!!!!」
一方通行「あ~……あンまよくわかンねェ。というか、これまでとどう違うのか……」
上条「ハハハ、だろうな。ここじゃまだ」
一方通行「あ?何言って……」
上条「俺達やビリビリ達はもう、お前がMNWに入るときに大体言っちまったからよ。他のやつらにゆずるわ。そいじゃな、一方通行」
禁書目録「またね!あくせられーた!」
佐天「えぇ?もうですか?まだわたしお礼も言えてないのに……」
御坂「しかたないわよ、佐天さん。そいじゃね、またよろしく」
白井「またすぐ!わたくしからも飛んでいきますわ!」
一方通行「お、おい?当麻?シスターもお前らも、何を言って……」
一方通行「闇咲くゥゥン!!!よォ!!!!……あァ?当麻達どこ行った?」
闇咲「結婚式の時はすまなかったな、あんなに大きな花を」
一方通行「いや、こちらこそだ。親友の晴れ舞台に出席できなかったンだ。あれくらいさせろ」
闇咲「ふふ、キミらしい」
闇咲「……大事にしろよ、友を大切にする心、思いやる心を。それはキミの財産となる……それではな」
一方通行「はァ?ちょ、闇咲くン……?」
一方通行「おォ、よォ花畑。闇咲くン見なかったか?あと当麻と、お前の連れも」
初春「あ、きっとさきに行かれたんですね」
一方通行「あ?先って、どこにだよ」
初春「すぐに分かりますよ!」
初春「一方通行さん。あなたは随分変わったと思います」
初春「どこに行っても、どうなったとしても、もうあなたは前のようにはなりませんよね」
初春「また、仲良くしてくださいね!それじゃ」
一方通行「おい、おい!!花畑!!!!」
フッ……
一方通行「!?き、消え……?」
一方通行「一体全体、なにがどうなってやがンだ!!!!おい!!!!」
――――――
――――
――
フッ
アレイスター「また会おう、一方通行」
――――――
――――
――
フッ
結標「きっとあなた、忙しいわよこれからも」
――――――
――――
―――
フッ
一方通行「なンなンだ!?なンなンだこりゃ!?」
一方通行「みんながみんな、俺に声をかけた後!」
一方通行「どうしてどこかに消えやがる!?!?」
一方通行! ぼうや
一方通行さん 超能力者!
白ウサギ 超第一位!
第一位!! あくせら
第一位様
一方通行「何が、何が起こってンだよォォォォ!!!!」
一方通行「……」
ガバッ!
一方通行「!?」
打ち止め「へへ~。最初で最後はミサカなのでした~って、ミサカはミサカは後ろからあなたの腰に抱きついてみたり!!!」
一方通行「……なァ、打ち止め」
打ち止め「なぁに?」
一方通行「俺は、絶対能力者になったらしい」
一方通行「でも、でも俺はこれからどうしたらいいのか分からねェ」
一方通行「俺は、どうすればいいンだ?」
一方通行「どこで、なにを……どこから、始めればいいンだ?」
打ち止め「……怖がらなくても大丈夫よ、あなた」
打ち止め「今のあなたなら、きっと大丈夫。すぐに分かる」
打ち止め「一方通行!あなたなら、きっとみんなと、すぐに会えるよ!って、ミサカはミサカは少し泣いてるあなたの頭を、そっと撫でてあげてみる!!」
打ち止めが
世界が、消えた
「……あァ?」
意識を取り戻して目にしたのは、白い白い天井と、同じように白いカーテン
どうやらここは病室、カエル医者の病院の一室のようだ
そして頭にある暖かい感触は
一瞬前までと思っていた時間とは打って変わった表情、驚愕に目を見開いたような顔の、打ち止めの小さな手のひらだった
「……あなた!!!目!!覚めたのね!!!!ってミサカはミサカは感動の目覚めにあなたの胸にダ~~~イブ!!!」
そう言いつつイソイソとベッドによじ登る少女に、一方通行は抵抗できない
できようもない
酷く混乱していたのだ
「おいまて、打ち止め。どうなってやがンだ?なンで俺は病院にいる?パーティーはどうした?あいつらは?当麻達はどこだ?」
「……当麻って、上条当麻のこと?あなた、いつの間にあの人と仲良くなったの?それに、パーティーって?って、ミサカはミサカは首を傾げてみる」
言葉通り、打ち止めは枕元に座ると一方通行にむけて首をかしげた
その後、少しだけ笑う
「ねぼすけさんね!一方通行!」
「ロシアから学園都市に帰ってきた直後からずっと寝たきりだと、仕方ないのかもしれないけど!!って、ミサカはミサカはそんなことより今度こそダイブ敢行~~~!!」
あの後すぐ、一方通行が目を覚ましたらカエル医者を呼ばないといけないことを思い出したらしい
一方通行は、一人。現状を理解しようとしていた
実際のところ、さきほどの打ち止めの言葉でほとんど理解は追いついていたのだが
『あなた、ロシアで。その、なにか物凄く頭をつかうことをしたの?ってミサカはミサカは倒れた原因に心当たりがないのかそれとなく尋ねてみる!』
心当たり、存分にあった
ロシアでの、打ち止めを救うための最終手段として行使した『歌』
あれは、魔術的要素を多分に含んでいる危険なものだ
超能力者である自分の脳を、みごとに酷使していたらしい
その結果
自分は、あの大戦終結からいままでずっと、眠り続けていたのだ
傍らにポツンと置いてあった携帯を開く
そこにはやはり、本当の親友はたった三件の登録しかなかった
打ち止め、黄泉川、カエル医者
このたった三件の。番外個体さえ登録されていない
これが、全てだったのだ
「ってこたァよォ」
あれは全部、夢だったのか
長い長い、偽りの幻だったというのだろうか。
幾日も、幾月もかけて積み上げてきたものが、無に返したのだから
腹をくくり、おびえながら
涙し、怒りながら
あんなにも全力を出し切ったすべてが、虚構にすぎなかったのだから
「……」
だが
「……くかか」
一方通行は、その限りではなかった
「くかきけこかかきくけききこくけきこきかかかーーー!!!」
今の、一方通行は。もうそうは思わないのだ
「あァあ、しょうもなさ過ぎて笑っちまった」
「……夢だからどうしたってンだよ、それが」
自分で生み出した夢想にすぎなかったとしても
彼らが。一方通行の親友たる彼らが、あの世界で教えてくれたこと
それらはすべて、生きている
一方通行の中に、確かにいきて、語り、背中をおしてくれているのだ
「ふりだしに戻る、ってかァ?だがなァ!!!」
「俺の場合は強くてニューゲームってやつだァ!!」
「あはぎゃはっ!!!!最っっ高だねェェェ!!!」
エピローグとは本来話の終わりにくるものだ
それを捻じ曲げるのは、ほかでもないこの物語の主人公
一方通行はたったいまから始めるのだ
プ ロ ロ ー グ を
また友となれるのか、そういった疑問はもちろんある
もしかすると、現実ではみながみな、自分のことを拒絶するかもしれない
そう、まったく同じようで、すこしずつことなった物語となるのかもしれない
これは新たに訳(はな)される、一方通行の物語
「これがホントの新訳・絶対能力進化計画、ってかァ?……ふざけてンなァ!!」
天気は快晴。まさに五月晴れと呼ぶに相応しい空模様である
「だがよォ。それでも向き合わなきゃいけねェンだ」
「表の世界で生きるってきめた俺に……もう、関わっちゃいけねェ相手なんていねェ」
一方通行は、前を向いて歩き出す
少し前まで、自分には似合わないと避けていた。
光り射す、暖かな道を
「さァて、と。誰から会いにいきますかねェ。ちっとばっか候補でも挙げてみるかァ?」
「逃げられるなンて思うンじゃねェぞ、おい」
一方通行「学園都市第一位の頭脳がァァァァ!!!今すぐ会いに行ってやるよォォォォ!!」
いや、終いじゃないですね。これから一方さんは、みんなとまた会えるのか
はたまた拒絶されてしまうのか
どうなるかは分かりませんが、あれだけ強くなった一方さんなら乗り越えてくれると思います
やはり締めは一方、芳川と続けたくて最期まで出張っていただきました
最初のこの二人のノリがなかったら、きっとここまで続けることは出来なかったと思っています
残念美人好きだ。芳川さん養いたい
この続き、はたまた途中のエピソードに手をつけるかまだ分かりません
SSを書くのがおもった以上に大変だと言うこと
しかしそれ以上にみなさんの感想が直でくる楽しさも味わえました
ちょっとだけ様子をみてみようかと思います
1時以降戻った時に削除出すか決心しておこうかと
レスの数々、大変ありがとうございました
こんな残念な子を見守っていただき感謝感謝です
数字のことは言わないでください正露丸はもうつきました泣くしかないですたすけて闇咲くン
ここまでは、灰の舞う鹿児島から、淹れ立てコーヒーとともにお送りしました
それではまたいつかどこかで
よしなにしてやってください
Entry ⇒ 2011.12.24 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
一方通行「新訳・絶対能力進化計画……ふざけてンのか」芳川「いたってまじめよ」 前半
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306515187/
次→一方通行「新訳・絶対能力進化計画……ふざけてンのか」芳川「いたってまじめよ」 後半
地の文無し、会話形式です。ハートフルコメディを目指……したい
安価をたまに挟みます。というのも優柔不断なもので、展開につまると助けが欲しいのです
よしなにしてやってください
初SSなもので色々至らぬところが多いとはとは思いますがどうぞよろしく
それでは、先刻投下分までパパッと参ります。
とくに加筆はしていないので、既読の方は読み飛ばしてもいいかと
芳川「えぇ。理事会はどうしても諦め切れていなかったようね」
一方通行「・・・・・・ンで、どうしてお前がそれを知ってンだ?」
芳川「だって、実験の総責任者は私だもの」
一方通行「はァ!?」
芳川「あなたたちが働け働けってうるさいから・・・」
一方通行「他にいくらでもあったろォが!糞!糞!!糞!!!理事会どもめ舐めやがってェェ!!」カチッ
芳川「勘違いしないで頂戴。今回の実験は前のような内容ではないわ」
一方通行「・・・あァ?」
芳川「私が責任者だって言ったでしょう?妹達や、あまつさえ打ち止めに被害が及ぶようなこと、するわけないじゃない」
一方通行「そォか・・・芳川お前、前回のみてェにならねぇよう手を回すために、責任者になったンだな?」
芳川「・・・・・・」
一方通行「おい」
芳川「実験日以外は休みでいいって言うから・・・・・・」
一方通行「どこまでもニート思考かてめェはァァァ!!!」
一方通行「もォいい。説明を続けろ」
芳川「そう。それで、実験内容なんだけど……」
芳川「『被験体名一方通行が10000人と親友になる』それが今回の実験よ」
一方通行「……は?」
芳川「聞こえなかったかしら?『被験体名アク……」
一方通行「そうじゃねェ!!ンだそのふざけた実験は!?ってか実験なのかそれ!?」
芳川「私達『絶対能力進化計画を大いに成功させる団』略して『SOS団』は必死に考えたわ」
一方通行「まて、突っ込む所が増えやがった。なンでZじゃなくて『進化』のSを……」
芳川「まぁ聞きなさい。あなた、いまでもぶっちゃけた話ほとんど完璧じゃない?」
一方通行「……確かに、ベクトル操作で大概のことは可能だわな」
芳川「0930事件で発現した黒翼、第三次世界大戦時の白い翼と輪。あなたの能力は、もはや別次元のものと言って過言ではないわ」
一方通行「だからなんだァ?そこからどうしてあれにつながる……」
芳川「そんな完璧なあなたの欠陥、それを考えたとき思いついたのよ」
芳川「あなた、コミュ障じゃない?」
一方通行「ぶっ殺すぞ」
一方通行「あら怖い、じゃねェ!!おちょくってンのかお前!!!」
芳川「だって事実じゃないの。そりゃぁ、カフェイン中毒だとか厨二病全開なファッションセンスだとか、学園都市第一位のロリコンだっていう噂で持ちきりだとか。他にも挙げればキリはないけれど、一番重症なのはそれでしょう?」
一方通行「愉快なオブジェになりてェンだな?そうなンだな?……色々と反論したいことはあるが、まァいい。けどこれだけは言っとく!俺は別にコミュ障なンかじゃねェンだよ!!」
芳川「……自覚なし、か。やはりSOS団の読みは正解ね」
一方通行「なにコイツほンとうざい」
一方通行「……なンでだよ」
芳川「電話帳、人並みの登録数はあるの?私、愛穂、打ち止め、番外固体以外で」
一方通行「…ふン、ったりめェだろうが。ほらよ」スッ
芳川「これ仕事用のでしょ。あなたがこんな普通のデザインのものを選ぶはずないじゃない」
一方通行「チッ」
芳川「あの、黒基調に純白の翼と十字架デザインが全面に施されていて、物欲のない貴方が打ち止めの『この前ミサカ達と一緒の機種にしたばっかりでしょ!ってミサカはミサカはもう1時間も実機を手放そうとしないあなたの裾を引っ張りながら言ってみたりぃぃぃ!!』って言うのを無視して買った、あれよ」
一方通行「るせェ!ンなことどうだっていいだろうが!!」
芳川「カチッ『新鋭奇才デザイナー、D・M・カッキーとのコラボなんだぜェ……』カチッ こればっかりなんだもの。思わず愛穂と動画撮っちゃったわ」
一方通行「消せェェェェェ!!!……番外固体は?」
芳川「撮ってなかったわね」
一方通行「ホッ」
芳川「でも何故かあなたから目を離さずに、『MNW接続……プププッ……おまいらセロリの爆笑動画だぞ……っと』って」
一方通行「駄々漏れじゃねェかよ約一万人にィィィ!!」
芳川「さて、一方通行が落ち込んで机につっぷしてる間にポケットから携帯を拝借したわ」
一方通行「」
芳川「……これは」
芳川「」
一方通行「どォだよ、おら」
芳川「」
一方通行「いやァ、SOS団、だっけか?中身の無ェ頭振り絞って考えてくれたってのに、悪かったなァ」
芳川「」
一方通行「この通り、俺ぁダチなら腐るほどいるンだわ。分かったらこの計画は中止。いいな?」
芳川「」
一方通行「(くくく……くかきけこかかきくけききこくけきこきかかかーーー!!!)」
一方通行「(甘ェ!相変わらず甘すぎンだよ芳川よォ!!)」
一方通行「(俺はお前らの下に戻ると決めた以上、どうやってもこの手の話になると感づいてた!)」
一方通行「(お前、たまには外に出て知り合いでも作るじゃン?だの、あなたってお友達いるの?ってミサカはミサカは心配してみる、だの言われるだろう、ってなァ!)」
一方通行「(学園都市第一位の頭脳を舐めるンじゃねェ!)」
一方通行「(ロシアから帰る前に三下ンとこのシスターに……)」
一方通行「(誰でもいいから実在する知り合いの名前を、かったっぱしから教えてもらったンだよォォォ!!!)」
一方通行「(まァ、何人かは会社をハッキんグしたから本物だかな)」
一方通行「(魔術師携帯もってないやつ多すぎだろほンと)」
一方通行「(だがな、そこは学園都市第一位の頭脳!!)」
一方通行「(設定した性別、年齢、性格で俺が送ったメールにベストの返信が返ってくるAIプログラムを作ってやった!!)」
一方通行「(ギャハハ!コレが中々いい出来でよォ!!)」
一方通行「(最近、暇な時はもっぱらメールをするようになっちまった!!)」
一方通行「(闇咲くン良い奴すぎンだろォがァ!!)」
芳川「……(でたらめじゃないみたいね。メールも、きちんと会話がなりたっているし)」
一方通行「まァ、俺達も少し口やかましく言いすぎだったなァ。もうしばらく休んでみてもいいンじゃねェか?」
芳川「(にしても、意外だわ)」
一方通行「そうだ、お前もういい歳だろ。このまま家庭に入って主婦になっちまえ、な?働かなくていいし、余計なこともしなくてすむ。な?」
芳川「だれがいい歳なのよ……(この子、メールだとデレまくりじゃない)」
20××/ ○/○○ 1:25
TO:闇咲くン
Sub:ReReReReReReReReRe
今日の打ち止めかァ?
相変わらず天使みてェだったぜ
いや、ありゃァ天使、大天使に違ェねェ
ガチの大天使と殺りあった俺がいうンだ、そうに決まってる
打ち止めまじ大天使
芳川「(しかも随所にデコメ絵文字入り……)
芳川「(何時の間に……ん?)」
20××/ ○/○○ 1:28
From:闇咲くン
Sub:
あいわかわらずだなお前はwww
じゃぁ、俺あしたも学校だから寝るわ。おやすみ
芳川「(……)」
芳川「(……)」
芳川「(資料で見たけど、彼はたしか成人男性だったはず……よね?)」
一方通行「天井なンかどうだァ?地味だが、堅実で……あァ、あいつァお前が撃っちまったっけなァ」
芳川「(……確かめてみる必要があるわね)一方通行?」
一方通行「じゃァ、木ィ原くン……あ?」
芳川「ちょっとこの人に、電話してみてくれる?」
一方通行「……ンだァ?疑ってやがるのかよ?」
芳川「何言ってるのよ。他でもないあなたがお世話になっているんだから、少し挨拶をしてみたいの。ほら」
一方通行「チッ……」カチカチ
一方通行「(くくく。大方、メールはなンとかできても電話はどうしようもねェ、そう思ってのことだろうがなァ)」
一方通行「(三度言うぜ、そこは学園都市第一位の頭脳!!)」
一方通行「(声帯いじくって、ゆうに一万人分もの声のサンプリングをしてあンだよォ!!)」
一方通行「(元の声が分からなくなっちまって、止む無く木ィ原くン家にあった『クソガキ成長記録♯128』を観るはめになったがなァ)」
一方通行「(まァいい。えーっと……)」
一方通行「(エリザード、たしか俺と殴り合いの喧嘩の末にダチになった、ってェ設定だったな)」
芳川「……」
一方通行「(さすがに電話機能は試験運転の時にかけたっきりだァ。目立ちすぎるからな)」プルルルルル
芳川「……」
プツッ
一方通行「よォ、三下ァ!今時間あるか!?あるよなァ!?無ェとは言わせねェぜ」
芳川「………」
一方通行「あァ!?今彼女と一緒だァ!?ンなもンよりダチの方が優先だろォが!」
芳川「……………」
一方通行「用はなンだだと!?いつからてめェ俺にそンな口を……おい!おい!!」
ツー、ツー
一方通行「あ……糞が。悪ィな芳川。あいつァいま忙しいんだとよ」
芳川「構わないわ」
芳川「よく、わかったから」
芳川「えぇ、それにしてもあなた、いいお友達をもったのね」
一方通行「あ?ンなもンじゃねェよ。ただの腐れ縁だっての」
芳川「へぇ?」
一方通行「おォ、あいつがこの俺に喧嘩を吹っかけてきやがってなァ。その後まァ、なンやかンや、あったンだよ、うン」
芳川「そう、それは凄いわね。本当に凄い」
一方通行「そォかァ?ありがちな話で……」
芳川「だって、エリザードってあなた、英国王のあのエリザードでしょ?」
一方通行「……」
芳川「……」
一方通行「あの野郎がな、なンだ。学園都市の……視察……そう!学園都市の視察とやらに来た時によォ(マダイケル!イケル!!)」
芳川「……一方通行」
一方通行「お忍びだとかで、裏路地を走ってやがってなァ!!(シコウヲトメルナ!カンガエロカンガエロカンガエロォォォォ!!)」
芳川「一方通行!!!!」
一方通行「な!なンだよ!!」
芳川「もういいの、私が悪かった」
一方通行「はァ?意味分かン無ェ(よし!終わり!?この話もう終わりだな!乗り切った!さすが学園都市第一位のず……)」
芳川「私の言い方がだめだったわね」
芳川「エリザードは、英国の 女 王 よ」
一方通行「…………………」
芳川「コーヒー淹れたわ」
一方通行「おかしィだろ、エリザードって、どう聞いても男だろォがよ」ブツブツブツブツ
芳川「まだ言ってるの?」
一方通行「リザードだぞ?あのヒトカゲが進化したまじかっけェリザードが入ってんだzブクブクブクブク」
芳川「ぼやくか飲むかどちらかにしなさい汚いわね」
芳川「で、結局この電話帳に登録されてるほとんどが、あなたの手によるでたらめってことなのね?」
一方通行「……おォ」
芳川「まったく呆れるわ。ロシアから帰国してしばらくコンピューター関連の研究施設を借りてたのは、そのAIプログラムとやらを作るためだったのね?」
一方通行「まァな。その分野の研究を10世代は先に進めた自信はある」フフン
芳川「こんなとてつもなくしょうもない事に使われたら本も子もないわよ」
一方通行「るせェ」
芳川「その技術を生かして働いて、世の中の役に立とう、そうは思わないの?まったく……」ズズズズ
一方通行「待て、お前にだけは絶対に言われたくねェ」
一方通行「あ?」
芳川「登録数。実際に交換したのは何人なの?でたらめと分かってはいても、私から見たら区別がつかないのよ」
一方通行「……チッ、よこせ」カチカチカチカチ
芳川「あら、消しちゃうのね」
一方通行「あァ?ったりめェだろが。ばれちまった以上、もう必要のねェカモフラージュだからな」
芳川「そう……あなた、随分と楽しそうにみえたのだけれどね」
一方通行「馬鹿言え」カチカチカチ
一方通行「(……)」
一方通行「(SDの方にバックアップしておこう……ロックもかけて)」カチカチカチカチカチカチ
一方通行「(一応な、一応。何が必要になるかわかンねェ世の中じゃねェか……)」
一方通行「(ヴェんトちゃんの相談も……まだ途中だったしなァ)」カチカチカチ 本体データ削除シマスカ? YES
芳川「潔いわね」
一方通行「ふン、たしかに俺は知り合いは少ねェ方だ。それは認めてやる」
芳川「……」
一方通行「だけどな、それはコミュ障なンかじゃァねェ。断じて違う」
芳川「……」
一方通行「そもそも無理して人と馴れ合う必要がどこにあンだ、くだらねェ。俺達ァ自立した大人だろォが」
芳川「あなたが果たして大人と言えるかどうかはいいとして、たしかにその言い分も一理あるわ」
一方通行「おォ」
芳川「でもね……」
一方通行「……ンだよ」
芳川「愛穂、打ち止め、番外固体、病院……そして一番これが不可解なのだけれど……ミサカ20000号、これだけっていうのはちょっと……予想外というか……」
一方通行「……」
芳川「ひどすぎるわ」
一方通行「そうか……」
芳川「っていうか私はどこよ」
一方通行「お前はずっと家にいンだろが。メモリーの無駄だ」
レスありがとうございます。励みになります。
>>25
でたらめでもいいが念のため実在する人間の名前がいい
↓
それも、打ち止めたちに関わりがなさそうな人間を大量に
↓
ポクポクポクポク
↓
チーン 三下のとこのシスター(絶対記憶能力保持者+外人)だァァァァ!!!
と、帰りの機内でインさんに飛びついたのでした。
……ほんと言うと、インさんはもう学園都市での知り合いのほうが多い気はしますが、そこはご都合主義ということで……
>>28
そこんとこは決めかねてますね……まぁ追々ということで
頭も起きてきたのでぼちぼち始めようと思います。
一方通行「るせェ。勝手にコミュ障認定しておいて期待してンじゃねェよ」
芳川「色々と言いたいことはあるけれど、とりあえず」
芳川「20000号は……なんなの?」
一方通行「……」
芳川「……」
一方通行「……」
芳川「……」
一方通行「何度変えてもメールが来てェ……」
一方通行「着拒しても知らねェ番号からかけてきてェ……」
一方通行「『今すぐミサカのことを登録しないとセロリたんの脳裏にミサカの痴態を焼き付けにいっちゃうゾ☆ぐへへへへへあbbbbbbbbbb』ってェ……」グスッ
芳川「なにかしら、目から汗が」
芳川「仮説の証明が得られて実験の正しさの裏づけになったから、そりゃ満足よ」
一方通行「ってかよォ、いい加減聞こうと思うンだが」
一方通行「なァンでダチ作るってのが、絶対能力進化への条件になっちまうンですかァ?」
芳川「あ!それ聞いちゃう!?ついに聞いちゃう!?」
一方通行「な……なンだよその異様な食いつきは」
芳川「だって……」
芳川「ここに来るまでに、丸一日かかったような気がしたから」
一方通行「黙れ」
一方通行「なンだ?」
芳川「一方通行、あなた友達ができないんじゃなくて……そもそも、欲しいとも思っていない、そうなんでしょう?」
一方通行「……」
芳川「あなたは一番最初の能力診断からレベル5、常勝無敗の第一位。だからずっと実験ずくしで、知り合いなんてほとんどいなかった。作る必要も無かった。打算と利害のみの人間関係。それは理解してるわ。それで生きていけた、そういう世界だからね」
一方通行「……」
芳川「でもね、もうあなたはあちら側の人間ではないわ。表の世界で生きると決めた以上、いつまでもそんなつまらない言い訳は通用しないわよ?」
一方通行「……俺みてェな」
芳川「なに?」
一方通行「俺みてェなクソッタレが。表の人間と関わっていいはずねェだろうが」
一方通行「打ち止めも、番外固体も他の妹達も。あいつらは俺が守るって決めた。乗り掛かった船だ、お前と黄泉川も入れてやらァ」
芳川「……」
一方通行「それで、十分だ。これ以上は求めねェ、求めていい立場にねェんだよ俺は」
芳川「……」
一方通行「一万三十二人の殺害?ハッ、人類史上最悪の殺人鬼じゃねェかよ俺は」
芳川「……」
一方通行「本当ならなァ、お前達とこうしてるのだって俺は自分で自分が許せねェんだよ」
芳川「……」コポコポコポ
一方通行「分かったら、もういいか芳川……おォ、あんがとよ」
芳川「歯ぁくいしばりなさい最強(さいじゃく)」
一方通行「!?」
芳川「私のコーヒー(さいきょう)は、ちっとばっか熱いわよ」バッシャァァァァァ
一方通行「あっつァァァァァあああああああァァァァァァ!!!!!!!!」
一方通行「あっつゥゥ!!おま……!これ尋常じゃ……おいおいおいおいィ!何でまた淹れてンですかァァ!?」
芳川「やっぱりあなたは大人じゃないわ」バッシャァァァァア
一方通行「二杯目ェェェあああああァァァァ!!!!!」
芳川「私の考えていたとおりだったわね。あなたのそういう考え方g……聞いてるの?」
一方通行「あっちィィ!糞が!!どの口でいいやがるこの行き遅れ!!」
芳川「…………」コポコポコポコポ
一方通行「待て、今のは失言だった。謝る。平和的に話しいをs……」
芳川「そぉい!!」バッシャァァァァァ
一方通行「あああああァァァァァァァ!!!!!!」
芳川「で、あなたのそういう考え方自体があなたの能力進化の足かせになっている、そう言いたいのよ」
一方通行「目の前の惨状は無視かお前」
芳川「コーヒーカップの帽子というのは趣味が悪いわね」
一方通行「マジで黙れ」カチッ シュパッ カチッ
芳川「あら便利。ドライヤーいらず」
一方通行「るせェ。続けやがれってンだ」
芳川「能力には自分だけの現実が深く関わってる、それはよく理解しているわよね?」
一方通行「ったりめェだ。学園都市第一位舐めんな」
芳川「自分だけの現実、それすなわち人の内面とも言えるわ」
芳川「一万人ものクローンの殺害、己が極悪人だという自己評価、そこから来る他人への拒否反応」
芳川「そういった要因があなたの自分だけの現実の成長を阻害しているのよ」
一方通行「……そう、なのかァ?」
芳川「えぇ、そう、そうなのよ」
一方通行「なンてかこう……無理やりじゃねェか?本当に大丈夫か?」
芳川「……もちろんよ。みんなそう言っている」
一方通行「(みんなって誰だ……)」
一方通行「心読むな。ってかよおォ……その理屈があっていたとしても、俺はもう絶対能力者になろうとは思ってねェしなァ……」
芳川「いいの?」
一方通行「……無敵になることだけが、守る術じゃねェって分かってっからな」
芳川「そう。絶対能力者になることが、死んでいった妹達への一番の弔いだと思うのだけれどね」
一方通行「……あァ?」
芳川「あの子達は、あなたを絶対能力者へ進化させるという実験のせいで無理やり命を与えられ、それを無理やり奪われた」
芳川「じゃぁ、こう言えるんじゃない?」
芳川「あの子達の悲願は。散っていった命の分、あなたが絶対能力者になることなんじゃないか、って。死を無意味にしないで欲しいって」
一方通行「……」
芳川「それに今回の実験なら、あなたは人を殺すなんてはめにはならない。至極真っ当なそんな手段なら、あの子達も報われるんじゃない?どうかしら、一方通行」
一方通行「…………」
芳川「確かに。どんな理由を並べようと。それが妹達の意思だろうと。あなたが一万人以上のクローンを殺した事実、それは変わらないわ」
芳川「そう、その事実はあなたが背負って良い。でも、あなた自身が変わってはいけないなんてことはないのよ」
一方通行「……」
芳川「それに、あなたはもう十分に報いを受けたと思うわ。能力を失って、自力じゃ喋ることも、歩くこともできなくなって」
一方通行「……」
芳川「そう……あなたは罪を犯して、罰を受けた。今度は償いをしなさい。しっかり生きて、ね?」
一方通行「……芳川ああァ!」ダキッ
芳川「フフフ、いいわ、お泣きなさい」
芳川「(……)」
芳川「(……)」
芳川「(web漫画を読み漁ってたのがこんな所で役に立つとはね。ありがとう○道)」
芳川「(ぶっちゃけ打ち止めも番外も救ってんだから償いも終わってんだろってのは無しよ。せっかく上手くごまかされているんだから)」
芳川「(そう、私の有職ニート生活がかかってるんだから)」
芳川「お腹も膨れたしね」
一方通行「黙れ。とにかくその計画、受けてやンよ。ンで、必ず絶対能力者になってやる。妹達のためにもな」
芳川「ありがとう、SOS団もようやく本腰を入れることができるわ(私の役目はもう終わりだけど)」
一方通行「とにかく、ダチを作ればいいンだな?あー待て、基準は?いくらなンでも一年かけないと親友にならないってェ言われると、先が長すぎンだが……」
芳川「そうね……でも、あなたのいままでの交友関係を見る限りは……」
芳川「メアドと番号の交換、あとはまぁ握手でも出来れば親友と言っていいレベルじゃない?あなたにとっては」
一方通行「あく……握手だァ!?マジか…………」
芳川「……(オチだから、黙れ、って言う場面だったんだけれど)」ホロリ
芳川「なに?」
一方通行「ダチ作るって、何すりゃいいンだ?」
芳川「そうねぇ……とりあえず外に出て人と積極的に関わってみる、とか、手っ取り早く交友関係の広い人と会ってみる、とか……人助けとかどうかしら。あと、出会いも増やしたほうがいいわねあなたは。働きなさい」
一方通行「お前にだけは絶対言われ(ry 分かった。あンがとよ」
芳川「はいはい。ああ、これ一応、実験の概要説明書ね。もうほとんど口で説明してしまったけれど」
一方通行「おォ。…………おィ」
芳川「なぁに?いまさら引っかかるところがあった?」
一方通行「大有りだそれも見出しの部分から。ンだこの実験名はよォ!」
芳川「流行を取り入れてみたんじゃないの。厨二なあなたも納得すると思ったのに……」
一方通行「黙れ。ったっく……」
一方通行「新訳・絶対能力進化計画……ふざけてンのか」
芳川「いたってまじめよ」
一方通行「家の中で会議ってどういうこった……あァ、パソコン経由か。にしても今日は家に誰もいなかったな」
一方通行「打ち止めも番外固体も、調整の日はまだ先だったはずなンだが……まァいい」
一方通行「天気は快晴、五月晴れってなァ」
一方通行「もうすぐ梅雨に入っちまうけどよォ」
一方通行「とりあえず今のところは出歩くには丁度いい」
一方通行「さて、と。これからどうすっか……」
一方さんの行動
1「とりあえずブラブラするか……そういえばこの間、学園都市には珍しいデザイナーズマんショんが出来たって言ってたなァ」
2「少し遠出してみっか。外へのゲートあたりまで歩いてみることにしよォ」
3「相談……でもしてみるか、クソ。勝手が分からねェしな」
4「人助け…ハッ!ヒーローみてェな話か!そうと決まれば裏路地に突撃するっきゃねェ!!」
5「働くってなァ……めんどくせェけど探してみっか」
このレスから先着5レスの多数決で><
一方通行「少し遠出してみっか。外へのゲートあたりまで歩いてみることにしよォ」
一方通行「っとォ?ゲートがあんのは……」
その頃、学園都市出入ゲート内では
???「ふふふ、久しいな学園都市は」
???「あの少年に、今一度礼を言いたくて入場許可を申請してみたが……」
???「えらく簡単に降りるものだな。催し以外では滅多なことでは許可されないと聞いていたのだが」
???「どちらにせよ、その時はまた潜入するだけだったのだが……前以上に何か違和感が……」
係員「すみませ~ん、許可証提示願えますか~?」
???「む。すまんな、ホラ」
係員「はい、どうも~。えぇっと……」
係員「闇咲逢魔さん、ですね」
闇咲くン「うむ」
一方通行「いつだったか、迎電部隊とこのあたりのホテルで殺りあったっけな」
一方通行「……って、俺は別に感慨に浸りたくて来たわけじゃねェんだよ」
一方通行「というか俺はなにがしたくてこンなとこに……」ブツブツ テクテク カツカツ
闇咲「……道に迷ってしまった」
闇咲「しかし、前はそれどころではなかったせいでよく見ていられなかったが、本当に凄いな学園都市は」キョロキョロ
闇咲「外の科学力とは一線を画すというのも頷けるというものだ」キョロキョロ
闇咲「……銘菓ひよこなどでは、あの少年の手土産にならないかもしれぬ」ガサッ ピヨピヨ
闇咲「どうしたものか……いや、まずは道を聞くのが先、か?」ブツブツ テクテク
ドンッ!
一方通行「あァ?」
闇咲「む?」
グシャッ!!
一方通行「あ……」杖先貫通
闇咲「……!!!」哀れなヒヨコ
闇咲「」ワナワナワナ
一方通行「ちょっと余所見しちまって。この通り、杖突きなもんでよ」
闇咲「」ワナワナワナ
一方通行「あー……」
闇咲「」ワナワナワナ
一方通行「お気の毒ですが銘菓ひよこは潰れてしまいました~、ってか」
闇咲「」
闇咲「断魔の弦!!!!」
一方通行「はァァ!?(ンだこりゃ……魔術か!)」カチッ
闇咲「あの菓子は……」ブツブツ
一方通行「けっ、あいかわらず魔術ってのはよくわかンねェな。逸らすだけで一杯かよ(アスファルトがえぐれてやがる……)」
闇咲「土産などいらぬ、という私の言葉を無視して……」
一方通行「それよりもよォ、オッサン。覚悟はいいかこら」
闇咲「病み上がりのあの女が無理をして買ってきたものなんだああああああああ!!!!」
一方通行「いきなり逆切れしやがってよォォォォ!!!場を和ますようにフォローまでしたろォォがァァァ!!」
一方通行「!!(こいつの攻撃は目に見えねェ……)」ソラシソラシ
闇咲「衝打の弦!!衝打の弦!!!衝打の弦衝打の弦衝打の弦!!!!!!」
一方通行「クソがっ!(だからって、何時までも謎の力なんて定義じゃァこっちがジリ貧だな)」飛びのいて距離とる
闇咲「ちょこまかと……杖突きというのは偽りか!超能力者ぁ!!」
一方通行「半分本当だっての、余所見してていいンかよォ!!(砕けたアスファルトを俺への反発の分も含めて蹴り上げ、ついでに加速のおまけつきだァ!)」
闇咲「風魔の弦!!!」バキャァ
一方通行「……!?見えない壁を?」
一方通行「(駄目だ、どうしても見えないだのって考えに囚われちまう)」
一方通行「(考えろ。未現物質のクソメルヘンじゃあるめェし、今までみてきた魔術ってのも、結局は何かしらの物理法則にあったはずだ。水やら火やら……こいつのこれはなんだァ?)」
闇咲「透魔の弦!!!」
一方通行「(最初の現象。刃物で切り裂いたようにえぐれた地面。思い出せ、俺はあの現象を見たことが)」
一方通行「……あ?どこにいって……」
闇咲「余所見は禁物、ではなかったのか?」
一方通行「!?(こいつ、いつの間に後ろへ……)」
闇咲「断魔の弦!!!!!!」
ゴシャァ!!
一方通行「……」ポタ…ポタ…
闇咲「能力者の少年、実力の差が分かったろう。いまなら誠心誠意謝ればゆるしてやらぬこともない……」
一方通行「…くかか」
闇咲「む?」
一方通行「ンだよオッサンその台詞はよォ。知ってっかァそいうのって、死亡フラグってンだぜ」
闇咲「……ぬかせ。断魔の弦!!!!」
一方通行「(よォやく思い出した。ったく、平和ボケで頭が鈍っちまったかァ?)」
一方通行「(見えない斬撃?不可視の力?ほざいてろってェの)」
一方通行「(あの斬撃は、かまいたちのそれと全く同じ。つまり、こいつの撃ち出してンんは……)」
一方通行「大気の塊ごときで、この俺を任せると思ってンのかァァァァ?」キィィィィン
闇咲「!!なんだ!?た、竜巻!?!?!?ばかな!どうして突然、こんなに局所的に!!」
一方通行「あはぎゃは!どうしてかってェ?そンなに教えて欲しけりゃ答えてやるよ!」
闇咲「ひっ!」
一方通行「学園都市第一位の頭脳、舐めてんじゃねェ!!!」
ゴシャッ!!
一方通行「まだ原型をとどめていやがるたァなァ。そうこなくっちゃ」
闇咲「……透魔のt」
一方通行「おォっと、さっき俺の後ろをとった術なら、もう無駄だぜェ?」
闇咲「!?」
一方通行「もうてめェの底は知れるって言ってンだよ。大方、空気の屈折やらを利用して姿を見えなくしてるンだろォがなァ、実在していると分かってりゃァ、何のことはねェ。もう俺は、目ェつむってたっててめェの姿が割り出せるぜェ?足先から指先、粗末な中身が詰まった頭の位置までよォ!!」
闇咲「……それでも私は、屈するわけにはいかんのだ」
一方通行「あァ?いいからおとなしくやられとけェ」
闇咲「お断りだ。男、闇咲逢魔!魔術師の威信にかけても、貴様を……」
一方通行「……ちょっと待て」
闇咲「うるさい!梓弓、この身を糧とs……」
一方通行「黙れって言ってんだろォがァァァァァァァ!!!!!」
闇咲「あぁ!梓弓ぃぃぃ!!!!!」
一方通行「(……)」ジーッ
闇咲「(……もう十分も路肩で座らされているのだが)」
一方通行「(……)」ジーッ
闇咲「(霊装を破壊され、本格的に滅せられるものなのだと思ったら、この男、あれからずっと私を見下ろして固まっている)」
一方通行「(……)」ジーッ
闇咲「(いい加減に通行人の目が痛い。というかあの攻防中には影も形もなかったくせに、なぜいまはこんなにも人であふれているのだ学園都市よ)」
一方通行「(……)」ジーッ
闇咲「(……帰りたい。あの女のところ……いやいやそもそもあそこは私の実家であって正確にはあの女のところというか己の家に帰りたいと思うのは至極当然なことであってだな……)」
一方通行「(……)」ジーッ
一方通行「……くひっ」
1現実と向き合った一方さんの心「くかかかかか!!まァ、実際はこんなもンだァなァ!」
2妄想を捨て切れなかった一方さんの心「認めねェぞォ!!!てめェがあの闇咲くンだなんてよォォォォォォおおおおjijdfgdsgirkvijgba1!!!!!!」
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闇咲「な、なんだ?」
一方通行「そりゃァそうだ!俺がメールしていた闇咲くンは、あのシスターから適当に名前を聞いて、俺が勝手に性格を設定しただけの偽者なんだからなァ!」
闇咲「(……話がよめない)」
一方通行「べっつにィ!いつの間にか本当の親友になったつもりだったとか!ンなことぜんぜん思ってなかったしよォ!!」
闇咲「(……)」
一方通行「あァあほらしい!こンなSD、すぐに捨てっちまうかァ!!」
闇咲「(……)
一方通行「悪かったなァ、オッサン!あの菓子は弁償してやらァ!興ざめしちまったンでよォ!!その前に、清掃ロボ探してこいつを処理してもらってからで構わねェかァ!?」
闇咲「……なァ、能力者の少年よ」
一方通行「ンだァ!?この学園都市第一位の頭脳の持ち主にして、孤高すぎて誰もついていけねェ俺に何の質問だよオッサン!!今なら受講料はまけてやるぜェ!!」
闇咲「正直、菓子一つで私も大人気なかった。弁償すると言うならば、もちろんその意向を受けよう。だが、その前に……」
闇咲「そんなにも泣いている理由を、年長者に話してみてはどうだ?」
一方通行「……チクショォォォォォォォ!!!!!」ウワーン
一方通行「……おう」
闇咲「……あまりにもリアルすぎて、機械が送った偽者の人格からのメールにも関わらず、のめりこんでしまった」
一方通行「……そうだ」
闇咲「そして……ある計画のために友人を作ろうとしていたところ、たまたまプログラムの中に名前のあった私と、現実で出会ってしまい……」
一方通行「……」
闇咲「プログラムの……その、住人が、全否定されてしまったことにショックを受けた……と」
一方通行「……あァ」
闇咲「……」
一方通行「……笑えよ」
闇咲「……」
一方通行「……」
一方通行「(絶対引かれた絶対引かれた絶対引かれた…………)」
一方通行「(ゆとり怖ェって思われた思われた思われた………)」
一方通行「(オッサンだけど仮にも闇咲くンに……)」グスン
???『♯1 偽りを超えた友情、というわけですね』
???『予想を遥かに上回る実験の進行速度に驚きを隠せませんが、引き続き監視を行います、では』
17600号『と、スネークこと17600号はなにあいつら男同士で引っ付いてんだよきめぇと思いながら本部への報告を終わります』
番外固体「はぁぁぁぁぁ!?ありえないってぇぇぇ!!」
打ち止め「さっすがあの人ミサカは信じてた!って、ミサカはミサカは初日一人目GETという大穴に賭けたミサカを馬鹿にしていた下位固体達をMNW内で煽りながら悦に浸ってみたり!!」『おまいらざまぁwww m9(^Д^)プギャー』
芳川「……まさかの闇咲くン登場だったわね。冷や冷やしたわ」
黄泉川「っていうか暴れすぎ!私が警備員を説得していなかったら、今頃親友がどうこうどころじゃなかったじゃんよまったく!!」
番外固体「ほっとけばよかったのにさぁ……あ~あ、今月スッカラカンだよ第一位め」
打ち止め「あの人を信じられないのが悪いのよ♪ってミサカはミサカは末の妹の肩を叩きながら慰めてみる」
番外固体「……そこ背中なんだけどおチビさん」
黄泉川「しっかし桔梗も上手いこと話を作ったじゃん」
芳川「なんのこと?」
黄泉川「今朝の説得。『第28回 一方通行抜き黄泉川家家族会議』で議題に上った『残念な天才の一方通行が友達を作るにはどうするか考えるじゃん』を、あんなでたらめな実験計画で解消させるなんて」
芳川「あぁ、それね」
黄泉川「一方通行もあれで中々単純じゃん!友達を作るだけで、レベルが上がるなんてあるわけないじゃんね!!」ハッハッハ
芳川「……」コポコポコポ
黄泉川「……桔梗?」
芳川「……どうかしら、ね」ズズズ
黄泉川「(……もしかして、とんでもないことを始めちまった、じゃん?)
闇咲「うむ。すまないな、キミは杖なのに案内を頼んでしまって」
一方通行「いィってことよ。っつゥか俺もそこから歩いてきたし、なにより……」
一方通行「俺達ァ、親友だろォが」キリッ
闇咲「ははは、感謝するとしよう。ひよこも結局、キミが能力とやらで元に戻してくれたしな」
一方通行「俺のベクトル操作に常識は……あァまて今の無し。とりあえず不可能はねェから、何かトラブったら俺を頼れよなァ。しばらく学園都市にいンだろ?お礼参りで」
闇咲「参りはいらん参りは。今回は騒ぎをおこすつもりはない。少し前に世話になった少年がいてな……ところで、そのチョーカー……と言うのか?大丈夫か?」
一方通行「あァ?なにがだァ?」
闇咲「いや、さっきひよこを直した後あたりからか……」
一方通行「おォ」
闇咲「ライトの所が点滅しているように見える、のだが」(帰国後の改良で、残量がヤバイと点滅するようになりました)
一方通行「(……)」
一方通行「(闇咲くンとの戦闘時間……)」
一方通行「(ひよこを修復するのにかかった時間……)」
一方通行「(それに……)」
一方通行「(結局歩くのダルくなって飛んできちまったこともふまえjぎsjdvkdしvjdsvk)」ガクガクガク
闇咲「な……え!?ど、どうしたのだ!?」
17600号「(友達より先に体力を作ったほうがいいのではないでしょうか、とミサカ17600号は草陰でため息をつきます)」
翌朝!
一方通行「……情けねェ」
番外固体「よくわかってんじゃん。闇咲さんに背負われた第一位は無様すぎてミサピクランキング堂々一位だよ」ギャハ☆
一方通行「まァたお前らはそういうのを……ンでェ?粗相はなかったろォなァ?」
番外固体「黄泉川がジャージ以外の服を探し回ったせいで服の山があったり、おチビがまたまた嫁宣言しちゃったり、芳川がしつこく既婚かどうか問いただしてた程度には☆」
一方通行「最悪じゃねェかよォォォ!!!」
打ち止め「むぅ、番外固体だって闇咲さんが帰る時に電撃とばしちゃってたじゃない!って、ミサカはミサカは自分の粗相を隠蔽する番外固体に憤慨してみたり!」
一方通行「てめェはてめェでなにしてンだこらァァァ!!!」
番外固体「な……あれはだってさぁ!!泊まってけって言うのに、どうしても行くところがあるからってしぶとくって」
一方通行「ンで電撃ってかァ!?馬鹿かお前!」
番外固体「カッチーン、バッテリーの節約もできない早漏くんにそういうこと言われたくないんですけどぉぉぉぉ!!!」
一方通行「黙れやアバズレェェェ!スクラップになりてェのかァァァァ!?」
打ち止め「ちょっとやめてぇ!って、ミサカはミサカは朝食の席なのに取っ組み合い始めた二人の間で抗争阻止ぃぃぃぃ!!」
黄泉川「……やっぱり変に思われちまったじゃん?あぁそれとも……やっぱり炊飯器以外で作った料理はいまいちだったのか!?あんた達があんなもの見られたら引かれるって言うからいけないんじゃん!」
芳川「そこじゃないと思うのだけど……」
一方さん自室
一方通行「あァあ、ったく……闇咲くンに侘びをいれて……ン?」
20××/ ○/○○ 8:28
From:闇咲くン
Sub:
昨日はお邪魔した
私の用事は無事済ませることが出来たので心配なきよう。
帰るまでに、是非学園都市の美味いものでも食べようと思うのだが、また案内を頼めるだろうか
焦る事は無い、ゆっくり返信したまえ
p.s いい家族をもったな
一方通行「……ケッ」ニヨニヨ
番外固体「ちょぉっと第一位!今日の洗い物は……なにその顔気持ち悪」キュン
一方通行「るせェ。それよりお前……」
一方通行「こないだ持ってた学園都市グルメ特集の女性誌、よこしやがれ」
登録番号:007
分類:親友
闇咲くン
登録完了!
芳川「なに?」
一方通行「ダチ、できねェ」
芳川「……まだ五日目じゃないのよ」
一方通行「初日で闇咲くンっつゥソウルメイトが出来たンだぞ!?これだけ経ちゃァそりゃもう相手の方から俺の下に馳せ参じてもおかしくねェだろうがァァァ!」
芳川「だからあなたは……いいじゃない、ゆっくり作っていけば」
一方通行「……闇咲くンは一昨日帰っちまったしよォ」
芳川「一日中連れまわしてたわねあなた」
一方通行「コネをフル活用して学園の園のカフェやら美食倶楽部やら回ったかンな」
芳川「そう。それで、ここ二日はどうゆう活動をしてみたの?何かアドバイスできたら……」
一方通行「もちろん、ゲートの前にずゥゥっといたぜェ。何せ俺ァあそこで闇さk……」
芳川「……」バッシャァァァ
一方通行「無言でコーヒーかけるなどこから出したあっつァァァァァあああああァァァァ!!!!!」
一方通行「話し合いもせずにあっちィコーヒーをぶっかけてくる人間に言われたくないですゥ!」ボタボタホボタ
芳川「あんな出会い方は偶然中も偶然、一生に三回来るチャンスがたまたま初日に来ただけよ」
一方通行「ンなことねェよ!俺だってなァ!ゲートの前でぼうっとしてるわけじゃねェ」
芳川「へぇ、それは悪かったわ。積極的に、人と関わっているのね?」
一方通行「おうともよ。俺ァな、この二日間……」
一方通行「積極的に、肩ぶつけにいってンだぞ!!!」
芳川「そぉい!!」バッシャァァァ
一方通行「だからお前どこから出してンだァァっつああああああァァァァ!!!!」
一方通行「ンだァそのだっせェ呼び名はァ?『友情鉄拳(フレンドシップ)』と呼べェ!!」ボタボタボタ
芳川「……大概にしないと次は淹れたてにするわよ」
一方通行「……すまン(あれで時間経ってたのかよ)」カチッ シュバッ カチッ
芳川「とにかく、もうそんな乱暴なことはしないで頂戴。成功するわけがない上に、脅しで得た友情なんて欲しくないでしょう?」
一方通行「……あれァ脅したことになンのかァ?」
芳川「……」
ピッ
『……肩パン男は通行人の肩を殴り「ここから先は友情の一方通行だァ!返品は禁止ってなァ!!」「分かったら、さっさと愉快で素敵な俺のダチになりやがれェェェ!!」などと被害者に迫り、30分以上もの追跡を行いました。尚、周辺の被害状況から犯人はレベル4以上の能力者または武装したスキルアウトかと見られています。また、最初の事件発生の二日前に時期はずれの訪問者として外から学園都市を訪れていた男性と何らかの関連があったとみられ、この男性と接触したとある男子高校生を重要参考人として拘束していま……』
プツッ
芳川「……」
一方通行「……」
芳川「一方的だって自分で分かってるんじゃないの」
一方通行「……」ガクッ
一方通行「……おォ、分かった」
芳川「いい?あなたが作るのは親友なの。自分に都合の良い性格ばかりじゃない。例え真逆の人間性を持った相手だって、時には向き合う必要があるのよ。分かった?」
一方通行「だから言ってンだろ!分かったてェの!!闇咲くンのようにすんなりはいかねェ!そう言いてェンだろ!?」
芳川「それで良いわ。とっとと外に行って行動を始めなさい。みんな待ってるでしょう」
一方通行「……そりゃァ、誰達のことを言ってンだァ?」
芳川「SOS団のみんなに決まってるでしょう」
一方通行「まだそれ続けてたのかよ……」
芳川「いいからさっさと行動!まったく……」
芳川「平日のこんな時間に起きてきて朝昼兼用食なんて、どんなご身分なのやら」
一方通行「減らず口は打ち止めレベルのアホ毛直してから言え糞ニートが」
一方通行「樹形図の設計者が壊れてから天気予報もあてになンなくなっちまったからなァ。降らないといいンだが」
一方通行「……まァいい。今日はどうすっかな」
一方さんの行動
1「……そういやクソガキがこの間傘を壊したとか抜かしてやがったなァ」
2「……っと、マジで降ってきやがった。ここァ第十二学区だ。雨宿りするには教会に入るしかねェな」
3「……元アジトの一つに置き傘があったなァ。念のため取りにいくかァ」
4「……途中で芳川におん出されて腹が満たしきれてねェ。ファミレスでも行って、行動はその後だ」
5「……芳川は、あァいうチャンスは一生に三回ある、って言ってたよなァ。……可能性は0じゃねェ、つまりァ可能ってェことだ!」
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4
ファミリーレストラン D・M・キッチン
一方通行「ここァD・M・カッキーが外装から内装、メニュー、果ては調理器具の一つ一つに至るまで監修した、にも関わらず全品破格の値段で喰えるってェ店だ」
一方通行「この店構え……さっすがカッキーだぜェ」ゴクリ
一方通行「安い店っていうのは、態度のよろしくねェ、もちっと言えばスキルアウトやら無能力者どもの溜り場になるのがお約束だが」
ご注意『強能力者(レベル3)以下の人間は物理的にご来店出来ませんので とっとと他の店にいきやがれ』
一方通行「出入り口全てに施されてる俺にも謎の設備のおかげで、この店の秩序は守られてるってわけだ」
一方通行「さっすがカッキー、希代のデザイナー、まじクール」
一方通行「…・・・けどよォ」
一方通行「流石のカッキーも看板にかじりつく客がいるとは思いもしなかったろうぜ、三下ンちの暴食シスターよォ」
禁書目録「お腹空いた……ひもじぃんだよ……」ブツブツ カジカジ
一方通行「喰うかしゃべるかどっちかにしろォ。クソガキかてめェは」
ゴクリ
禁書目録「プハァ、やっと小腹が満たされたたかも!ありがとうあくせられーた!匂いに誘われてここまで来たのに店の中に入れなかった時は、流石の私も父の下へ還ることを覚悟しかけたんだよ!」
一方通行「この伝票の長さをみても小腹と言うのかこら。ここはアホみてェに安いからどうってことねェけどよ」
禁書目録「えへへ。それにしても流石はあくせられーただね!店員さんに話をつけてくれるなんて!」
一方通行「……まァ、レベル5ともなれば店側も無下にはできねェだろ。俺も、お前にゃ一応借りがあるからな」
禁書目録「あぁ、魔術師の名前のこと?あれ、本当に役に立ったのかな?私にはいまいち意味が分からなかったんだよ」
一方通行「あぁ、もう意味はねェンだが、お陰で俺は成長できた。かけがえの無ェものにも気づけたしな。感謝してるぜ」
禁書目録「……そう」ニコリ
禁書目録「名前を売るだけでこんなに奢ってもらえるなら魔術師と言わずいくらでも教えてあげるんだよ!とうまでしょ!あいさでしょ!」
一方通行「さっきまでのちょっとだけいい雰囲気返しやがれ煩悩シスターめ」
禁書目録「なにかな?あ!デラックスハンバーグマターおろし膳が食べたいんだよ!あと未現チョコ・キング・オブ・カキネパフェも!」
一方通行「好きにしろォ……俺が聞きてェのは、なァンでてめェがこんなところでのたれ死んでたのかってことだよ。三下なら、こないだヒョッコリ帰ってきたろうが」
禁書目録「……」
一方通行「?」
禁書目録「とうまは……」
禁書目録「とうまは捕まっちゃったんだよぅ、あくせられーたぁ!」
一方通行「な、なンだとォォォォォォォォ」
17600号「(お前が言うな、と、ミサカ17600号は彼が捕まった原因が自身にある事に気づけない一方通行にため息をつきます)」ハァ
一方通行「(な……)」
禁書目録「家にお金はないし、小萌は緊急職員会議とか、とうまのために色々してくれてるから家を空けてるし」
一方通行「(なンてこった……)」
禁書目録「もとはるもいないからまいかも来ない。残されたのはわずかな保存食と……」
一方通行「(俺が第三学区で友達づくりなンてことにいそしんでる間に……)」
禁書目録「スフィn…………あ~、スフレ……くらいしか無くて私は餓死寸前だったんだよ!!!」
一方通行「(その近くで!ヒーローのことを嵌めた野郎が、犯罪行為を行ってやがったってのかぁぁぁぁ!?!?)」
17600号「(あ、シスターも大概だけどセロリもこれなんかアホこと考えてるわ、と、ミサカ17600号は察して再びため息をつきます)」ハァ
御坂?「ヤッホウ、ミサカ ビコト デス」
上条「いやぁ、最近寒くなってきたよなぁ」
御坂?「アンタノ フトコログアイニハ マケルワヨ」
上条「うるせぇよ!ってかそこは、『なに言ってんの今は五月でこれから暑くなってくるんでしょうが』ってツッコムとこだろ!」
御坂?「アンタノ 頭の花畑ニハ マケルワヨ』
上条「うっせぇ!そしてやけに頭の花畑だけは発音よかったな!?あのな、上条さんが寒いのはですね……」
スキルアウト「うっせぇぞ新入り!!一人遊びなら黙ってやりやがれ!!!」
上条「留置所の独房にいるからなのです……不幸だ」
×御坂 ○配給された週刊レベル5の表紙「フコウネ……(上条さんの裏声)」
上条「インデックスは暴れてるだろうな。誰かにたかってないといいんですけどねぇ」
上条「神裂に送った手紙はどれくらいで英国に届くかなぁ。ペンデックスが発動するまでに補給物資を持っていってくれるといいんだが」
上条「っていうか、どうして上条さんは捕まってしまったんでせう」
上条「昨日と一昨日起きた傷害事件なんて、これっぽっちも身に覚えがねぇのに」
上条「確かに五日前、闇咲とは会ってるけどよ……あいつこそなんの関係もねぇだろ。一昨日の早朝には帰ってるはずなんだから」
上条「……ゲートから出た記録がないらしぃけどさあ」
※闇裂くンは帰りは一方さんが壁ごと飛び越えて送っていきました。友情っていいね!
上条「唯一の救いはご飯がでたことですね。というか、ここのご飯はすごい!箸が!立つんですよ!!」
上条「わたくし上条当麻は!!!久方ぶりに自分の食器から垂直に箸が立っているという事実に!!!えも言われぬ感動と涙を」
スキルアウト「うるせぇっていtt」
上条「そっちこそうるせぇぇぇ!!!!俺からこの幸せを奪うんじゃねぇぇぇぇぇぇ!!!!」
上条「こういう時はさっさと寝たいんだが……慣れない環境のせいか寝付けない」
上条「そこで暇つぶしに雑誌なんぞ広げてみて、ビリビリの写真を使って一人漫才してみたんだが、これがおもしれぇ」
上条「今度ビリビリに披露してみるか……コンビ名は上条美琴、これだな……」
上条「まぁ出られたらの話なんですけどねぇ~~」ハハハ
スキルアウト「(独り言多すぎだろこいつ。話術サイドか)」
上条「……一方通行だ。なんだあいつ、隠し撮りみたいな写真しかないな……変な構図の」
上条「そういえばいつかお前は、俺なんかのことを正義のヒーローって呼んでたっけなぁ」
上条「悪いなぁ一方通行。ヒーローも法の下には無意味なんだってよ」
上条「正義は法を覆せないけど、法は正義を覆せるんだってさ」
上条「俺、なにも言い返せなかったよ。屈してもねぇけどさ」
上条「俺は、戯言使いでさえなかったみたいだ。一方通行」
上条「小萌先生が言ってたじゃねぇか!どんなに苦しめられても、自分の主張は曲げちゃいけねぇって!」
上条「万年不幸体質の上条さんを舐めるんじゃありませんのことよ!!」
上条「三食・ベッド付、絶対にこれ以上のトラブルが舞い込まない環境のどこが不幸だっていうんだ!昨日の俺なら羨んでるところだぜ!!」
上条「こんなもん不幸でもなんでもねぇや……」
上条「この壁を突き破って化けモンでも出てくってのなら、流石に不幸だけどさぁ」ハッハッハ
上条「……へ?」
バキバキバキバキバキッ!!
上条「へ……えぇ!?」
バキャァァァァ!!!
上条「マジかよぉぉぉぉぉ!?!?」
ガラガラガラ……
???「かァァみじょォォうくゥゥゥン!?」ジャリッ
上条「!?!?」
???(カナミンのお面装備)「お出迎えの時間だぜェェェェェ!?」
上条「ふ、不幸だぁぁぁぁぁぁ!!!」
カナミン仮面「ンだァ?さすがのヒーローもとっつかまってちったァ凹ンでるかとおもってたンだが、元気そうじゃねェかよ」
上条「さっきまでそうだったけどな……って、その柄の悪い喋り方!?まさか一方r……」
カナミン仮面「みなまで言うなァ三下ァ。監視カメラはぶっ潰してきたがどこで誰が聞き耳立ててっかわかンねェだろ」
上条「お、おう……とにかく、驚いた。まさかお前が俺のことを……」
カナミン仮面「おォっとォ、早とちりはいけねェなァ三下ァ」
カナミン仮面「俺が地獄と天国、どっちからのお出迎えなのか。まだハッキリしてねェだろォがよォ」
上条「……えぇ!?」
上条「……まだそんな」
カナミン仮面「いいから聞け。だがなァ、お前がこンなつまンねェこと起こすはずがねェ、そう思ってンだが……生憎、身内に警備員がいるンでよォ。あいつらがなンの証拠もなしに動くはずがねェ、そうも思うンだ」
上条「……」
カナミン仮面「だから答えろ。ヒーローなのか、三下以下のど外道なのか、てめェの口から聞かせやがれ」
カナミン仮面「お前は本当に、今回の事件に関わってンのかァ?」(真犯人から冤罪被害者への言葉です)
上条「……俺は」
1弱気な上条さん「何もやってねぇ。けど確かに警備員の言うとおり、俺も何か関わっているのかもしれない。闇咲と会ってたってのは事実だし……」
2いつもの上条さん「何もやってねぇし、今回のことに闇咲が関わってるってのも何かの間違いだ!俺もあいつも、もう誰かを不幸になんかさせねぇと誓ったんだよ!!」
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ヒーローはこうでなくっちゃなァ
まあヒーローだし
カナミン仮面「……ハッ!くせぇこと言いやがる!それでこそヒーロー!!……おい、警備員のやつら闇咲くンまで疑ってやがンのか?」
上条「あぁ……ってどうしてお前が闇咲のことを知っているのでせう」
カナミン仮面「ダチだからなァ。……チッ、黄泉川の奴、どうして捜査でこいつと闇咲くンを擁護してねェンだよ」
上条「ダチって……あぁ、黄泉川先生はこの事件、担当してないらしいぜ。っていうか三日ほど病欠なんだと」
カナミン仮面「はァァァ!?この大事に何してンだあいつァァァ!!!」
上条「いや、なんだか普段は飲まない高級酒のせいで二日酔いをこじらせたとかなんとか……」
カナミン仮面「(……そういや闇咲くンも頭痛でやべェって言うから俺が送ったっけなァ)」
上条「……っていうかお前黄泉川先生と住んでるだろ何で知らないんだよ」
上条「細かくないし キリッ されてもお前女児向けキャラクターの顔だからな今」
カナミン仮面「黙れ。さっさと出るぞォ掴まりやがれ。そろそろ事態を把握してここに駆動鎧が殺到すっかもなァ」
上条「うわっ!それは困る!!お願いします最強様!!」ガシッ
カナミン仮面「やめろその呼び方。よしゃァ!舌ァ噛み切りたくなかったら口ァ閉じてンだなァ!!!」
上条「うぉっっっ!!!!!」
ゴウッッッ………
土御門「はぁ、はぁ」
青ピ「ふぃ~。なんとか無事ここまで来れましたなぁ、つっちー」
土御門「全くだ。誰だか知らないけど騒ぎを起こしてくれて助かったにゃー」
青ピ「駆動鎧の動きも止まっとったしねぇ。あれはなんだったんやろ」
土御門「おそらく電流操作系の誰かの仕業だろう(第三位か……?)」
土御門「それより青ピ……お前が協力してくれるとは思わんかったぜよ」
青ピ「っはぁ~~!!何言うてまんのぉ土御門くん!!!上やんは僕らの親友やないの~!それに……」
青ピ「もし上やんが小萌せんせを泣かすようなこと本当にしたんやったら、僕の手で一発殴ってやらんとね」
土御門「……はっは!違いないにゃー!!どっちにしろまいかの手料理が食えなかったから、俺は殴らせてもらうぜよ!!」
青ピ「あっはっはっは!そんなら行きますか!」
土御門「おう!か~~みや~~~ん!!!助けにきたにゃ……あれ?」
青ピ「……誰もおらんねぇ。ごっつぅでかい穴はあるけど」
土御門「(一体誰が……!?まさか、どこかの魔j)」
駆動鎧×50「動くなぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ガチャガチャガチャガチャ!
土御門「……」
青ピ「……」
土ピ「不幸にゃ(や)ーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
上条「インデックス!悪かったな、心配かけて」
禁書目録「本当なんだよ!……もう一人にしないって、約束してたのに」
上条「……すまん。でもな、今回のことは」
禁書目録「分かってるよ、とうまは何もしてないもん。けどね、とうまが連れて行かれちゃって……とっても、寂しかったかも」
上条「インデックス……」
禁書目録「とうま……」
一方通行「人の背中でラブコメはやめてもらえませンかねェェェェ!?」
禁書目録「あくせられーた、今からどこに行くの?突然戻ってきたと思ったら抱えられるし、とうまも一緒だし、私はわけがわからないんだよ!」
一方通行「俺が前に使ってたアジトの一つだ。三下が逃げたと知られたら、あの家でゆっくりしてる道理はねェからな」
上条「……ありがとよ。本当に、ありがとう。一方通行、聞いていいか?」
一方通行「手短にしろよォ。演算に集中しないとバッテリーがもったいねェ」
上条「どうして俺を助けてくれたんだ?今回のことは……打ち止めがどうとか、妹達に被害があるとかじゃない。お前からしたら、取るに足りない、関係もないことだったろうに」
一方通行「……」(当事者)
一方通行「チッ、つまンねェことききやがンなァ三下。……ちょっと前に、芳川ってェ女から言われたンだよ」
一方通行「昔の俺なら、てめェが捕まろうとどうなろうと確かにどうだってよかったろうよォ」
上条「……」
一方通行「三下も馬鹿なことォしやがったなァ、だの呟いて、シスターの頼みなンか聞くわけがねェ。もしかすると勝手に作った俺の中のてめェのイメージを崩されたっつって、勝手に失望しただけかもしンねェな」
禁書目録「……」
一方通行「でも、駄目なんだよなァ。それじゃァ全部俺の押し付けだろォが。真偽も確かめねェで俺の勝手な評価でてめェを位置づける、そンなンじゃ駄目だって言われたばっかりなンだよ」
一方通行「いくらクソッタレかもしれねェ相手でも、一度は向き合わないと何もわからねェ……っつゥわけで俺自身でもって、てめェの居場所を突き止めたわけだ」
上条「……そうか」
上条「俺は……俺は猛烈に感動しているぞぉぉぉぉぉ!!あくせられぇぇぇぇたぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」ガシッ
一方通行「ぬあっ!?ンの馬鹿!!暴れンなァァァァァ!!!!!手をどけろ前が見えねェェェ!!!」
禁書目録「きゃぁぁぁぁぁ!!!堕ちるんだよぉぉぉぉ!!!」ガブッ
一方通行「お前も噛むなァァァァァァ!!!!」
一方通行「いいから顔から手を退けろこの馬鹿!あァァァ!!頭触ンなァァァ!!!!」バタバタ
上条「ロシアでも言ったけど!ほら!やっぱりヒーローなんて必要なかったじゃねぇか!」ジタバタ
一方通行「訳わかンねェェェから早く頭から手を……離s…」バタ…バタ…
禁書目録「ふむーーー!!ほぉまぁーーー!!!」(何だか高度が下がっていくんだよ!とうまー!!)
上条「……お前ももう!誰かにとっての!!今は俺達の!!!最っっっ高のヒーローなんだからよぉぉぉぉ!!!」
一方通行「…………………」
一方通行「マジでェェェェェェェェェェェェェェェ!?!?!?!?!?!?」バッサァァァァァァァァァ!!!
上条「翼が生えた!?」
禁書目録「ふんもっ!!ふむーーー!」(真っ白なんだよ!!物凄い力を感じるかもっ!!)
上条「死ぬかと思いました。あれからもうでたらめな速度で上へ下えと飛び回り、上条さん一行はようやくここまでたどり着けたのです」
禁書目録「とうまが言っていい台詞じゃないかも!」
一方通行「悪かったなァ。何か俺、さっき無敵になれてたような気がするゥ」ニヨニヨ
上条「ご機嫌なとこ悪いけど、お前膝からめっさ血ぃ出てるぞ。歯型の傷跡と」
禁書目録「本当だ!どうしたのあくせられーた?」
上条「インデックスさんが言っていい台詞じゃありませんのことよ」
一方通行「大丈夫だってェのこれくらい……まァ消毒くらいはしとくかァ。バッテリーがもったいねェし、救急箱はどこだったっけな」ゴソゴソ
上条「何にせよ、無事にここまで来られてよかったぜ。……なんか、すっごい散らかってんのな」
禁書目録「そうだね。とうまが夏休みの課題ってやつをしていた時の部屋並にきっちゃないかも」
一方通行「あァ……暫く使ってねェし、ここまで散らす面子でもねェはずなンだが」
上条「本当にここ安全なのか!?」
一方通行「平気だっての。ひょっとすると……」
一方通行「超電磁砲あたりがお前の情報を探るために、早とちりして手当たり次第暗部のアジトを探ってンのかもなァ」
上条「……なんだそりゃ」
一方通行「薄情ったって、俺だって忙しいンだよ知ってンだろ」
一方通行「うるせェ……あァあァはいはい分かりました。黒蜜堂でスイーツですねェ買って帰りますよォ」
禁書目録「なんだか家庭地位の低いお父さんみたいかも」ヒソヒソ
上条「尻に敷かれてるんだなぁ。女四人に囲まれてるなんて、男冥利に尽きるけど……うっ」ヒソヒソ
一方通行「あァ?もうお前まで話が回ってンのかよ。ンで、三下の容疑は晴れたンだな?闇咲くンの退場カードが郵送されてきたのが決定打、と」
禁書目録「」ジトーッ
上条「ま、待てインデックス。今一方通行さんが大事な電話中……」ヒソヒソ
一方通行「そういやそンなもンあったンだなァ忘れてた……あァはいはい帰ってから存分に叱られますゥ。じゃァな」ピッ
禁書目録「待ってたんだよ!!!」ガブッ
上条「あぁぁぁ!不幸だぁぁぁぁぁぁ!!!」
禁書目録「ふぃしふぃです」(儀式です)
上条「生贄です」
一方通行「……あほらしい。さっさと止めろ、もォ帰れンぞ」
上条「ほんとか!?」
一方通行「おォ。俺が襲撃した時、他にも何組かあの施設にいたらしィなァ。被害がけっこう凄いことになって、第三学区にいた黄泉川の班も加勢に行くことになったンだと。で、一応指示を仰いでおこうと黄泉川に連絡が来て、よォやく起きれた黄泉川が自体を終結させた、と」
上条「はぁぁぁ、良かった」
禁書目録「ありがとうなんだよ!あくせられーた!!」
一方通行「べっつにィ。俺が何もしなくても、きっと解決してたろうぜェこの分なら」
禁書目録「ううん。確かにそうかもだけど、あくせられーたがとうまを必ず連れ戻す キリッ って言ってくれたとき、わたしはとっても嬉しかったんだよ!それに、お昼と夜のご飯のこともね!!」
一方通行「気まぐれだァ」
上条「おや、一方通行さん照れてらっしゃる」
一方通行「黙れ三下ァ」
上条「……ハハハ」
一方通行「……フンッ」
禁書目録「えへへ」
禁書目録「とうまは、とってもいいお友達をもったね!!!!」
一方通行「コーヒー臭ェ!!!!」
番外個体「なにその起き抜けの第一声。っていうかあなた顔にサンダルの模様がクッキリなんだけど!うっけるぅぅぅ!」ギャハッ☆
打ち止め「ミサカのだ!って、ミサカはミサカはごめんね見えるところに跡つけちゃって……」☆-(ゝω・)vキャピッ
一方通行「黙れ性悪。クソガキは昼ドラ禁止な」
番外個体「その顔で凄まれても面白いだけだっての!」ギャハハ
打ち止め「そんなぁ!って、ミサカはミサカはあまりの仕置きに猛抗議を表明してみる!!」
一方通行「うっせェ。……三下とシスターは泊まってったのかァ?」
黄泉川「あんたと違って上条の方は学校があるじゃん。先に寝ちまったシスター背負って、桔梗の運転で帰ったよ」
芳川「えぇ。あなたに最後までお礼を言ってたわよ、ヒーローさんは」
一方通行「そうかい。そンで芳川、俺になにか謝ることはねェのか?」
芳川「……どれ?」
一方通行「候補が複数ある時点でさっさと謝れやクソがァァァ!!」
一方通行「……性悪の言うところによると、あの二人には俺の例の事情を説明しそうだァ」
一方通行「……その上であいつらは、俺と番号を交換すること二つ返事で了解したんだと」
一方通行「……まァ、ありがてェよ。慣れない携帯で必死に打ったのがわかるから、目茶苦茶ありがてェンだけどよォ、シスター」
20××/ ○/○○ 7:28
From:index‐nandayo@○○○○
Sub:
めーるをうち のは ひささぶりかも
ちゃんととどいてるなかな?
きのうはありがとう!
わたしとも友ダチになってくれたらうれしいな!
それでこんどはとうまもいっしょに あのおみせいこうね!
いんでっくせより ゆうじょうをこめて
あくせろりーたへ
一方通行「わざとか!?わざとなのかシスタァァァァァ!!!!」
登録番号:008
分類:親友
暴食シスター
登録完了!
一方通行「しっかたねェよなァ、うん。何せ……」
20××/ ○/○○ 9:28
From:give-me-money.i.b.k.t@○○○○
Sub:
上条です!
昨日はどうもな!あれから、お前の家族から実験のこととか聞いたよ
お前が、妹達のためにも前に進もうとしてるってこともな
お父さん、とっても嬉しいぞ(笑)
俺達、今まで色々あったけどさ
親友ってのになるのもわるくないんじゃないかな
短い間だけど昨日お前といて、そう思ったぜ
また会おうな!絶対だぞ!
インデックスもとっても会いたがってっから!
頼むよ!な!
一方通行「……俺達ァ、親子レベルの親友らしいからよォ」
登録番号:009
分類:親友
ヒーロー
登録完了!
『吸血殺しの。能力者占い』
一方通行「……」ジーッ
『里芋の煮っ転がしを喉に詰まらせることで。能力者の。レベルごとに運勢を占っていく。いきます……ングッ」
芳川「珍しいわね、占いなんて。でも他のにしない?私は能力開発受けてないから、この占いだと運勢出ないみたいだし」
一方通行「これが今、樹形図の設計者が無ェ中での一番的中率が高い予報なンだよ……無能力者が低かったら、三下からいきなりヘルプのメールがくっかもしれねェからなァ。予防線だ予防線」
芳川「……彼は本当についてないのね」
『ンゲホっ!!!カハッ!!!!なんで今日はこんなにウェごほ!!!!』
芳川「絵柄最悪ね。どうして朝っぱらから女の子のえづいてる姿を見ないといけないのよ」
一方通行「幸薄そうな女が健気に占ってるってのがウケてンだと」
芳川「悪趣味過ぎでしょ学園都市……」
『お見苦しい映像をお見せしました しばらくお待ちください』
芳川「放送事故レベルならなんで最初から生中継にしちゃうのよ馬鹿じゃないの」
一方通行「このギリギリのライブ感がたまらないんだよ!ってシスターが」
芳川「あの子ほんとにシスター?」
『はぁ。はぁ。出ました』キリッ
一方通行「はぁぁ、またか。覚悟しとかねェとなァ」
芳川「かなりズバッと言うのね、おとなしそうな顔して」
『~~~~~。~~~~。~~~』
『~~~~。~~。~~~~~~~~~~~~~』
一方通行「三下とダチになってからもう三日経ったしよォ、そろそろまた本格的に動こうかと思ってたンだが……」
芳川「そうね、あの二人とはかなり仲良くなれたみたいだし」
『~~~~。~』
『~~~~~~~~~~~~~~。~~。~~~~~~~~~~~~~』
一方通行「今日はやめにすっかなァ」
芳川「頑張りなさいよせっかくなんだから」
『~~そして、レベル5のあなた。今日は。とんでもない一日。どういう幸運か。どういう不運が起こるか。分からない。どちらに転んでも。今日はあなたにとって。重大な局面かもしれない』
一方通行「よし、テンションあがった。行ってくらァ」
芳川「……意外に単純よねあなたって」
一方通行「……平日なのに、木陰なンかでカップルがいちゃついていやがる」
一方通行「お前ら、学校はどうしたァ?あァ?」
一方通行「……まァいい」
一方通行「今日はちっとばっか気合いれっか」
1「……窓の無いビル、ねェ」
2「……おい、なンなンですかァ向こうから近づいてくるやたら光った見覚えのある不快極まりない奴ァ」
3「……『山岳かくれんぼヒューマンドラマ 隠!』映画なァ。面白いのかちっとも分かンねェが、たまには観てみるかァ」
4「……なンか露出狂っかってェくらい布の少ねェ女が、目茶苦茶でかい荷物抱えて困ってるっぽいンだけどよォ。助けるべきかこれは」
5「……嫌な電磁波を感じる。俺の第六感が全力でここから逃げろ、そう言っている気がする」
このレスから先着5レスで多数決です><
一方通行「……人助けもまた出会い、ねェ」
一方通行「考えてみりゃァ三下はそうやって知り合いを増やしてるんだもンなァ」
一方通行「よし、最初は……えェっと、相手のことを褒めつつ……」
神裂「……困りました」
神裂「……とても困りました」
神裂「わたし、神裂香織は上条当麻からあの手紙が来てすぐに、この大量の食料を抱えて英国からこの地へとやってきました」
神裂「だのに……土御門と連絡がつきません」
神裂「わたし、案内がないと彼の家までの道が分からないんですよ」
神裂「それに、統括理事長へも挨拶をしておかねばならないんですが……とにかく土御門はどこにいるのでしょう」
神裂「あぁ!視線が痛い!蟻が飴玉を抱えているようなこの大荷物のせいですか!?それともやっぱりこの服装なんですか!?」
神裂「私だって頑張った!頑張ったんですよ!術式に影響のないよう、少しでも布を増やせるように!でもだめd」
一方通行「あのォ~~~」
神裂「あ!え!?な、なんでしょう!?」
一方通行「目茶苦茶面白い格好をしてやがりますねェ!センターマンの仮装ですかァ!?」
神裂「」
神裂「」ワナワナ
一方通行「あれですねェ!お姉さん…」
一方通行「いい歳してみえて!お茶目な方なんですねェ!!」
神裂「」
一方通行「なにか困ってるみてェでしたけど、よかtt」
神裂「七閃!!!」キンッ
一方通行「なんだぁぁぁ!?(また魔術かよォォ!距離をとらねェと!!)」カチッ
ズガァァァァン……
一方通行「……ハハハ、すっげェなあんた。ンな荷物抱えて、一度に七回の斬撃を走らせます、ってかァ?」
神裂「わたしだって!!流行のスカートとかワンピースとか着たい!着たいんですよ!!!」
一方通行「今度はどんなまやかしだァ?言っとくがなァ、露出狂」
神裂「でもだめなんですよ!春物を試し、夏物に期待し、秋物に期待し、冬物は半ばあきらめて!!そこまでしても、術式に影響の無い服装は見つからなかった!!!!」
一方通行「せっかく慣れねェおべっか使ってやったのによォォォ!!逆切れする年増に容赦はねェぞォォォォォォォ!!!!」
神裂「好きでこんな格好してるわけじゃねぇんだよぉぉぉぉ!!!ど素人がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ぶち切れ状態のねーちん相手に一方さんはどうなるでしょうか
小休止といううことで、ご飯を作って食べてまいります
>>181
オリアナさんは曇りの日行動安価での候補でした。またの機会に
つっちー青ピはたぶん絡んできますよー
それではまたあとで
一方通行「おらァァァァァ!!(竜巻を右拳に接続!闇咲くンみてェに空気の刃ならこれで……クソがっ!!)」
ズガァァァァン
一方通行「っはァ、あぶねェあぶねェ(はずれだな。それに、一瞬何かが目に映った……)」
神裂「七閃!!!!」
一方通行「くはは!いいねいいねェ!最っっ高だねェ!この俺相手に同じ技の応酬たァ、よっぽど自信があると見えるぜ!(竜巻を背中へ!!とにかくまずは動く!!)」
神裂「……ちょこまかと」
一方通行「そのイカサマが打ち破られちまった時の顔ォ想像するとたまンねェよ!!命乞いする準備はいいだろォなァ!!(何かを高速射出している?触れてみてェが、魔術とやらで制御されるならちとマズイか)」
神裂「……あなた程度に全てをお見せするつもりはありません。これで潰されなさい!七閃っ!!」
一方通行「!!??(なァンでこの速度について来られンですかァ!?)」
ズガァァァァァァン
神裂「……おしいですね。ですが、そろそろ終いです。私からは逃げ切れないと分かったでしょう?」
一方通行「……なァに冷静になってやがンですかァ?それに、てめェはまだ俺に傷一つつけてねェぜ?勝ち名乗りには、ちィっと早ェンじゃねェか?」
神裂「名乗り、ですか。それも必要ありません。私の七閃は……幻想殺しでさえ防げない、最強の斬撃ですよ」
一方通行「!?」
神裂「……その顔、上条当麻を知っていますね。吐いてもらいましょう……七閃!!!!」
ズガァァァァァァァァァ
一方「……くひっ」
神裂「な!?一歩も動かない……!?」
一方通行「くかきけこかかきくけききこくけきこきかかかーーー!!!」
ガッッッ……ギリギリギリギリギリ
神裂「七閃を……掴んだ!?」
一方通行「余計なことォ言っちまったなァ!魔術師改めペテン師さんよォ!!!!」
一方通行「お察しの通り、俺ァあのヒーローの力はよォく知ってんぜ!」
一方通行「右手で消せねェ……だったら話は簡単だァ!!」
一方通行「てめェのやってることは魔術でも何でもなく、そのバケモンみてェな身体能力で何かを操ってるだけだってなァ!!
一方通行「あはぎゃはっ!!案の定だァ!なんなんですかァこのワイヤーはよォ!!」
ブチブチブチブチブチブチィッ!
神裂「!!馬鹿な!!素手で……千切れるような強度ではないのに!!!あなたは……一体なにものですか!?」
一方通行「はァァ?お前、まだ分かってなかったンだなァ……さァァァみなさんご一緒にィィィィィ!!!」
神裂「ひっ!」
一方通行「学園都市第一位の頭脳、舐めてンじゃねェェェェ!!!!」
神裂「っっっっあああああぁぁぁぁぁぁ!!!(肩パン!?!?!?!?!?)」
バギャギャギャギャドーーーーーーン!!
神裂「」
一方通行「さァてと、どう料理してやりましょうかねェペテン師さンよォ」
神裂「」プルプルプル
一方通行「おォ、なんだァ?武器を失っても、まァだ殺りあう気ですかァ!?いいねいいねェ!」
神裂「」プルプルプル
一方通行「……あ?」
1神裂「ひぐっ……うぅっ……ななちゃぁぁん……」一方通行「マジ泣きしてらっしゃるゥゥゥゥ!?」
2神裂「救われぬ者に救いの手を(Salvere000)!!」一方通行「最っ高だねェ!第二ラウンド開始ってなァ!!」
このレスから先着5レスで多数決です><
一方通行「マジ泣きしてらっしゃるゥゥゥゥ!?」
神裂「うえぇぇぇぇぇ!ななちゃぁぁぁぁん!!!」ビー
一方通行「だァァァやめろ、悪かった、悪かったァァァ!だがら往来でいい大人が泣くなァァァ!!!」
神裂「火織は、火織はおとなじゃないです……じゅうはっさいですぅぅぅ!あぁぁぁななちゃんななちゃんんんんん!!!」
一方通行「マジかァァァァァ!?本当年増とかすいませんでしたァァァ!だから裾から手を離してェェェェ!!!」
神裂「ふぇぇぇぇ……うぐしゅっ!うぅ……」フキフキ
一方通行「拭くなァァァァァァァ!!!!」
一方通行「落ち着いたな?」
神裂「……ヒック」コクリ
一方通行「よし、じゃあこのベンチで待ってやがれ。急いで拾ってきてやっから」
神裂「……スンッ そんなこと、できっこないですぅ」
一方通行「学園都市第一位n(ry ちゃんとどこまで飛ばすか計算してあるっつゥの。待っとけよ」カチッ
神裂「あ……行ってしまいました」グスッ
神裂「……かなりの醜態をさらしてしまいましたね」
神裂「しかし……ななちゃんがいないと、わたし、わたしは……」グスッ
女の子「おねぇちゃん、大丈夫?」
神裂「ふぇ?」
女の子「悲しいの?どこかいたいいたーいなの?」
神裂「……怪我ではないですが、ヒクッ、悲しいですね」(脱臼は治しずみです)
女の子「そっかぁ、はい!飴玉あげる!!」
神裂「……ありがとうございます。あなた、お名前は?」
女の子「ななだよ!」
神裂「……」
神裂「ななちゃぁぁぁぁん!!!」ウェェェェェェェェン
女の子「えぇ!?どうしてぇ!?」
母親「ななちゃん!変な女の人にかまっちゃいけません!!!!!」
青ピ「そうやねぇ……結局三日間も捕まっとったから」
土御門「俺達は、なぁんにも壊さず穏便に忍び込んだのに……」
青ピ「どこぞのもんが、カメラは壊すわ電気系統焼き切るわ駆動鎧の制御装置を麻痺させるわ……その容疑全部、僕らにかかってしもうたんやったっけ?」
土御門「そうだぜい。あぁあ、俺達には実行不可能って理由で無罪放免なのは腹立つけど、レベル0でよかったかもにゃー」
土御門「(ゲッ、ねーちんからやばいくらいの着信とメールきてるぜよ)」
青ピ「……そう、やねぇ」
土御門「どうした?」
青ピ「いや、朝の占いで言うとったやん?レベル0の運勢は最悪、外を歩くなって」
土御門「ッハッハッハ、あんな事故映像まがいの占いでなにが分かるぜよ!」
土御門「(……本当はすさまじく高度な占術術式だけどな)」
青ピ「そうやね……よっしゃ!今からがっこ行くのもなんやし!ナンパでもしようやないの土御門くん!!」
土御門「おう!おともするぜy……」
ズガァァァァァン
青ピ「アオピッ!!!」
土御門「空から刀が降ってきたぁぁぁぁぁぁぁ!?!?(姫神やっべぇぇぇぇぇ!!!!)」
土御門「青ピ!?青ピーーー!?くそ、どこのどいつ……ってこれねーちんの七天七刀かにゃー!?!?」
土御門「うわ、すっげ。ねーちんがいつも身に着けてるから分からんかったけどこんなに重いのか」
土御門「いや!感想は後回しにゃー!!ねーちんの診にいったい何が……!?」
一方通行「あァ?土御門かァ?」
土御門「……一方通行。どうしてお前がこのタイミングで現れる?」
一方通行「それ拾いにきたンだよ。ちょっと絡まれて、仕置きのつもりでなァ。大泣きされてたなンねェから、早く持って帰りてェンだよ、よこせ」
土御門「な、泣き……!?嘘を言ってる顔ではないな……」
一方通行「おォ。見ろよこの涙と鼻水の跡。どォしてくれンだこの服高ェのに……」
土御門「……これを機に普通の格好してみればどうかにゃー。ほらっ」
一方通行「黙れ。……どォも。その分じゃお前も知り合いかァ?一緒に来るかよ」
土御門「いや、やめとく。青ピを介抱せにゃならんし……」
土御門「ねーちんのイメージを崩してあげたくないにゃー……」
一方通行「……そォか」
一方通行「悪かったなぁ、そんなに大事なもンだとは思わなくってよォ」
神裂「いえ!あの、こちらも醜態を!というかその、なんといいますか色々とご迷惑を……」
一方通行「あァ、いい、いい。どっちもちィっとばっか短気が過ぎてた、それてあいこだ」
神裂「そうですか……はぁぁぁ、よかったです。ななちゃんが無事で」
一方通行「凄い取り乱し方だったなもンんあァ」
一方通行「……俺はよ、あンまり物に固執するタイプでもねェンだわ」
一方通行「この服も杖も気に入ってるが、なくなりゃ替えがある、そのぐらいのもンなんだけどよォ」
一方通行「どォしてそこまでその刀が大事なンだ?あー、高価なもンだってのは理解できるが……」
神裂「それは……」
神裂「それは、この七天七刀が……わたしの最初の、そして一番の友達だからです」
一方通行「(…・・・分かってたけど、予想以上に痛い人でした)」
一方通行「おォ?ってことは暴食シスターとも知り合いか?」
神裂「えぇ、というか今回は彼女のために……話を続けます」
神裂「幼い頃から聖人といて、時期教皇としての才能を見出された私は、よく言えば特別扱い、悪く言えば隔離ともいえる幼少期を過ごしました」
神裂「6歳になる頃には既に女教皇ですからね。大人でさえ、私とは対等どころか見上げるような態度で接してきましたよ」
神裂「当然、友と呼べる関係が作れるはずもありません」
神裂「同年代のこどもは……ハッキリとは言いませんでしたが、正直わたしが怖かったようです」
神裂「フフフ、そりゃそうですよね……鞠を足先で破裂させてしまうような私と、遊びたいわけありません」
神裂「それで……教皇の重みや、修行の厳しさを相談できる相手、それが……」
神裂「物心ついた時から、常に私のそばにあった。この、七天七刀なんですよ……」
一方通行「……」
一方通行「(……そりゃ刀常備だったらガキは近づけんわ。俺だって怖ェよきっと)」
一方通行「……(はい)」
神裂「……おや、どうやら土御門から連絡のようです」
一方通行「……(正直ドン引きだァそりゃそうだろ。刀が友達って、どんだけバイオレンスだおまえ)」
神裂「……留置所にいたって、何をしたのですか彼は」
一方通行「……(だがよォ、それで引き下がっちまっていいのか、俺)」
神裂「ご迷惑をおかけしました。あの、このこと上条当麻にはくれぐれも……」
一方通行「(なんでこの女はこンな話を俺にした?)」
神裂「聞いてます?」
一方通行「(問われたたから?迷惑かけたから?ンなもンでここまで話すかよォ普通)」
一方通行「(っつゥか、こいつの生い立ち……ちょいちょいどこかで共感できやがる)」
一方通行「(きっと今まで、こンな話はしたことねェみてェだな。土御門の反応を見るに、日頃は随分強がってるみてェだし)」
一方通行「(泣き顔見られて、不意にきかれて、思わず本音が出ちまったってかァ?)」
一方通行「(そンで、お前は俺にどうして欲しいンだよ)」
一方通行「(……なァンて尋ねちまうほど、俺ァもう野暮じゃねェぜ)」
一方通行「別によ……」
神裂「はい?」
一方通行「気にすることねェんじゃねェか?構わねェだろ、刀が友達でも」
神裂「え……?」
一方通行「(てめェはもう十分本音を語った。向き合った)」
一方通行「(今度は、俺の番だな)」
神裂「えぇ」
一方通行「ンじゃァ、それが意味するところは?」
神裂「……レベル5。その中でも学園都市最高の、最強の能力者、ということですか?」
一方通行「そォだ。つまりよォ……俺も周りから、化け物だなンだつって、腫れ物扱いされてたンだわ。これが」
神裂「!!」
一方通行「おォ。俺の能力は見たな?実際はあんなしょっぺェもンじゃねェンだけどよ。ガキの頃からあんな感じだ」
神裂「……」
一方通行「研究所から研究所、クソッタレどもからクソッタレどもへのたらい回し。俺はモルモットだった。それはひょっとるすと今も変わらンねェのかもしれねェけどよ」
一方通行「もちろん、ダチなんていなかった。同年代と会うことはあっても、恐れられるか、死ね!だの言われるかだったからな」
神裂「……」
一方通行「だからよ……その(やべェ、一杯一杯だ)」
神裂「……」
一方通行「お前の、その、それもよ……(助けて闇咲くン!)」
神裂「……」
一方通行「……」ピコーン
一方通行「お前だけがなるような、気にすることでもねェ、異常なことじゃねェってことだ(…いや苦しすぎだろこれ)」
神裂「……」
一方通行「お、俺もよォ!もしお前みたいに手元にずっと持ってるもンがあったら、それを友達にしてたかもしンねェしな!!!(やけだちくしょう)」
一方通行「だから、恥じるんじゃねェ!!」
一方通行「そいつはお前の、立派なダチなンだろォが!!!!!!」
神裂「う、うるさいですよ、土御門!」
一方通行「」死ーン
土御門「一方通行がピラッピラぜよ。どんだけ締めたらそうなるんだ……馬鹿力だぜい」
神裂「黙りなさい!それよりも私の七天七刀!ちゃんと持っていてくださいよ!」
土御門「そんなに気になるなら、別に俺が一方通行を背負ってもよかったんだけどにゃー」
神裂「そ、それは……いえ、こうなったのは私のせいですから、責任はとります」
土御門「おやおや責任ときたにゃー。一方通行を娶るつもりですかい」ケタケタ
神裂「めと……!うっせぇんだよど素人が!!!」
土御門「いやぁねーちんの初心さには負けるにゃー」
シュンッ
結標「騒がしいわね。荷物、届けてきたわよ土御門」
土御門「おぉ、サンキューな結標。ちゃんと上条当麻の家にとどけたか?」
結標「……え?あなたさっきは、ただ上条当麻のところに、って言わなかった?」
土御門「……お前まさか」
とある高校
小萌「かみじょうちゃぁぁぁん!!!そのあふれんばかりの食べ物の山はなんなんですか!!またせんせーを泣かせたいんです!?」
上条「ち、違います先生!いきなり頭上から降ってきたんです!!本当ですって!!!!」
小萌「いいわけわ聞きたくないのです!ふきよせちゃん!やっちゃってください!!!」
吹寄「はい先生!!上条当麻ぁぁぁぁ!!お前というやつはぁぁぁ!!!!」
上条「あぁぁぁぁ!不幸だぁぁぁぁ!!!!!」ゴッ
神裂「わたしが必死に買い集めたあの子のための食料が……」
土御門「……まぁそれもとっくの昔に解決してるんだけどにゃー」
神裂「!?」
土御門「まぁいいぜよ。さっさとアレイスターんとこに顔見せにいくにゃー。結標、やってくれ」
結標「……いいの?土御門」
土御門「?なにがだ?」
結標「いえ……その」
結標「……あなたが気づいてないなら、それでいいわ」
土御門「?」
ヒュンッ
ヒュンッ
土御門「久しぶりに来たny……ってなんぜよこの通路に積まれた箱の数々は!?」
結標「早めのお歳暮みたいよ。世界各地から届くから、この時期から送るようアナウンスしてあるの」
神裂「……私もここに来るのは数度目ですが、なんだか一気に所帯じみてみえますね」
結標「運ぶ私の気にもなって欲しいわ」
土御門「……無駄話はよそう。早く……」
神裂「あ!梅干がある……どこのど素人ですか贈呈用にこんな容器を選ぶとは」ブツブツ
土御門「ねぇぇぇちぃぃん!?梅干職人の肩書きはこの際捨て置いてくれないかにゃー!!」
結標「(……発泡性入浴剤があるわ)」
神裂「ですが、土御門。こういった衝撃・日光にさらされる場合には一番適した素材で保存しないと大変なことに……」
土御門「どうせそれを食うのはねーちんじゃねぇぜよ!!早く進ませてくれ!!」
結標「(……小萌に持っていってあげよう)」ガサゴソ
土御門「そこも猫ばばすんのやめろぉぉぉぉ!!」
神裂「あ、ありなんですか?じゃあわたしも……」ゴソゴソ
土御門「あれだけ文句言っておきながら喰いたいのかにゃぁぁぁぁ!!」
神裂「やっぱりあなたもほひかったんじゃないrふか……」チュパチュパ
土御門「食うのがはやぁぁぁぁい!!仮にも今から会うのは学園都市のトップぜよぉぉぉぉ!!!」
神裂「……やばいこれちょーうまいんですけど」
土御門「キャラが違うぅぅぅぅ!ちょっとまって、ねーちん!あんたがぼけるとほっとけないから先に進めないぜよ!結標をみろ!おとなしく歩いて……」
結標「『おねぇちゃん!泡泡のお風呂楽しいね!』そう、フフフ。それじゃあ今度はおねえちゃんをあなt」
土御門「言わせねぇにゃぁぁぁぁ!!!さっきの同居人思いのお前はどこいったぜよ!!!もうやだなにこれ!!!俺もぼけ担当だったのになにこれ!!!」
神裂「適材適所です、土御門。先程まではほぼツッコミ…?だった彼が寝てますから」
一方通行「」スヤスヤ
土御門「おきてぇぇぇ!学園都市第一位の頭脳起きてぇぇぇ!お前のこと甘くみてたにゃぁぁ!俺にはもうむりぃぃぃぃ!!!」
アレイスター「……騒がしいな」ゴポゴポ
神裂「アレイスター、梅干好きですか?」
土御門「流れをぶった切るなねーちぃぃぃぃぃん!!」
アレイスター「いただこう。結標」
結標「はいはい」
ヒュンッ
アレイスター「……ちょーうまいなこれ」
神裂「ですよね」
土御門「仲良しかっ!というか結標も慣れてるな!?」
結標「アレイスター餌付け係りは他でもない私よ」フフン
アレイスター「介護とも言うな」
土御門「自分で言ってたら世話無いな……」
アレイスター「……ざれごとはいい。それで」
アレイスター「どういうつもりで一方通行を連れて来たのだ?土御門」
土御門「……それは」
1仕事モード土御門「こいつが俺の、友達だからだ!」
2つっちー「なぁに言ってるんだ、これは超リアル・アクセラ人形だにゃー!!」
このレスから先着5レスで多数決です><
アレイスター「……」ゴポゴポ
神裂「……」
結標「……」
土御門「っはっはっは、流石のアレイスターもだまされたみたいだぜよ!!!!」
アレイスター「……」ゴポゴポ
神裂「……?」
結標「……」
土御門「っすげぇできだろう?ホラ、見ろ!!ガリガリ体系を極限まで再現したこの造型!!!!!」
アレイスター「……」ゴポゴポ
神裂「……」
結標「……」
一方通行「……」
土御門「驚きの白さ!モヤシの名はだてじゃないにゃーー!!」
アレイスター「……」ゴポ
神裂「……」
結標「……」
一方通行「……」カチッ
土御門「それに見よ!体毛は天然ものを移殖してるにゃーー!こう、根元まで……」ガシッ
キュイーーン
土御門「あり?なんで反射がはたらいてるz……」
一方通行「……」
土御門「……」
一方通行「……」
土御門「……」
一方通行「……」
一方通行「スクラップの時間だぜェェェェェェ!!!つゥゥゥゥゥゥゥゥゥちみかどくゥゥゥゥゥゥン!!!!!!」
土御門「ま、待つにゃー俺はお前を守るために……ああああああぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!」
バッキャァァァァァァァ!!! キラーン
一方通行「馬鹿言えあほみかど。手加減してなかったらてめェが原型とどめてるわけねェだろが」
アレイスター「わたしも流石に寸前でちょっとだけ手を出したからな。土御門はまだ使える男だ、失うのは惜しい」
土御門「ぜんぜんうれしくねぇぜよ……そっちの二人は止めようともしてくれないし」
神裂「わたし、さっき彼にボロ負けしてるので」
結標「わたしも、軽くトラウマなので」
土御門「息があいすぎだぜい!?ホントになんなのお前達!!」
一方通行「黙れ三下ァ……でェ?」
一方通行「てめェがクソッタレの、学園都市統括理事長アレイスター=クロウリーかァ?」ギロリ
アレイスター「……いかにも。あいたかったよ、私のメインプラン」ゴポゴポゴポゴポ
土御門「(そういや修羅場だったことに替わりねぇんだったぜよ)」ダラー
神裂「(ジャクジーですかね?女子寮にほしい……)」ジーッ
結標「(……あわ菌ってなによ)」ムスー
アレイスター「ふふふ、20年も生きていない君に、百年越しの回合の瞬間の喜びなど、分かろうはずもないのだがな」
一方通行「あァ、分かりたくもねェなァ……俺が生きている間に百年も、てめェを野放しにするわきゃねェだろォが」
アレイスター「エイワスにこてんぱんにやられたことを忘れたか?きみでは、まだ。今の領域のキミでは私にはかなわんよ」
一方通行「確かになァ……それに、てめェにも俺を殺る意思はねェとみえる……今の領域の?俺は?ってかァ?」
一方通行「くかか、おもしれェ」
一方通行「……見下してンじゃねェぞォォォォォ!!!!」
土御門「(……あまりの展開に水を差さないよう、二人の口は俺がふさいどくにゃー)」
神裂「(……離せってんだよど素人が!)」
結標「(……なによ!離しなさいよ!それか十歳戻って抱きしめてよ!!!)」
アレイスター「……いたってまじめだ」
一方通行「……」
神裂「歴史的告白ですね……」
土御門「ちょ、ちょっと待つんだ!アレイスター!!!」
アレイスター「うるさいぞクソアロハ」
土御門「てめ……いいから待て!どういうつもりだ!?お前が、学園都市の住人全員を駒のようにしか思ってなかったお前が!?どういう風の吹き回しなんだ!!!」
アレイスター「……おかしなことを聞く。人が人に好意を持つことが、なにか問題があるか?」
結標「好意……ねぇ。あなたの口から聞かされても、まったく現実味がないわ」
一方通行「……」
土御門「同感だ!一体、なにをたくらんでいる!?」
アレイスター「……ゴチャゴチャとうるさいな。……何を考えている、か。ふふふ」
土御門「!!(やはりなにか!!……まさかプランの進行を!?)」
アレイスター「……」
アレイスター「あ~、昨日、夢で。一方通行と友になればその、いいって。エイワスが」
土御門「……」
土御門「うそっぱちじゃねぇかにゃぁぁぁぁ!!!今考えてんだろぉぉぉ!!」ガンッガンッ (七天七刀の鞘でビーカーを殴る)
神裂「シリアスな空気返しなさい!ど素人が!ど素人が!!!」 ガシッガシッ (蹴り)
結標「……」ヒュンッヒュンッ (ビーカーにバブ投入)
アレイスター「ふふふ、血気盛んだな。結標はあとで殺す。絶対に死なす」ブクブクブクブクブク
一方通行「……」
土御門「なに?」
神裂「正気ですか?」
結標「相手はあのアレイスターよ?」ヒュンッヒュンッ
一方通行「やめろっつってんだろあいつ死ぬぞマジで」
アレイスター「むすブクブクブクじブクブクブクkrブクブクブク」
一方通行「おィ、統括理事長よォ。俺ァここ何日かで成長したつもりだ。他人の気持ちをおもんぱかる、ってところがな」
アレイスター「……そのようだな」
土御門「……(絶対嘘にゃー俺は殺されかけたにゃー)」正座中
神裂「……(そうですね。彼の言葉に、私は救われました)」正座中
結標「……」正座中+目隠し中
一方通行「だからよォ、最初の……ダチになりてェのが本当ってのは分かる。だがなァ、その理由がでたらめだってのも、知ってンだぞ俺は」
アレイスター「……」
土御門「……(ちょっと待てじゃあなんで俺達正座させられてんだにゃー)」
神裂「……(梅干もっと食べたいんですかね)」
結標「……(目隠しプレイってつまんないわね)」
一方通行「本当の理由、俺に言ってみろ。この、学園都市第一位の頭脳によォ」
アレイスター「……実は、な」
1ちょっとしたお茶目のつもりでした「……すまなかったな。冗談だ、冗談」
2ビーカー漬けの☆さんは……「美食倶楽部の料理が……食べたいんだ」
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一方通行「」
土御門「」
神裂「」
結標「」
アレイスター「……言いたいことは分かる。ビーカーから出られなくてもお前同次元に複数出現とかチートできるだろ、とか。そういうことを言いたげな目をしている……ふふふ」
アレイスター「もちろん可能さ。この部屋を、アレイスター20000体で埋め尽くすことできる。やったことないけど」
アレイスター「……だが、な。あそこの店、完全会員制だろう?」
アレイスター「……統括理事長の名で通ると思ってたよ。あたりまえだろ理事長だぞ偽装IDなんて使ってたまるか理事長だぞ」
アレイスター「……そうしたら」
~回想~
アレイスターβ「初見だ」
店員「ご足労いただき大変ありがとうございます。ですが、当倶楽部は会員制。会員のお客様かそのお連れ様。または会員のお客様からの推薦状がありませんと……せっかくなのですが、お引取りください』
アレイスターβ「ふふふ、私の正体を知っても、そのような態度がとれるのかな」
店員「……は?」
アレイスターβ「IDだ。見たまえ。私こそこの学園都市統括理事長、アレイスター=クロウリーその人なのだよ」
店員「……」
アレイスターβ「驚いているようだな。なに、咎めはしない。ここで一番いい席を……」
店員「アッハハハハハハハハハハ!!!」
アレイスターβ「?」
店員「お客さんwww統括理事長とかいう超都市伝説wwwwwマジにしちゃってんですかwwwww」
アレイスターβ「……え」
店員「あんなもんでたらめにきまってんじゃないですかwwwww超ウケますwwwwww」
アレイスターβ「あ……あれ?」
店員「私もねwwwwちょっと前に超暗部いましたよwwwwwけどwwwwンな人マジで見たことないですよwwwwwww」
アレイスターβ「」ワナワナワナ
店員「ブッハwwwwwなにも噂通りの格好しなくてもwwwwwww写メっていいですかwwwww浜面に送るんでwwwwww」
アレイスターβ「うわぁぁぁぁん」ダッ
店員「くかきけこくかきかかかーーーーwwwww噂の統括理事長wwwww泣きながら夜空を舞うwwwwww超ウケるwwwww」ピロリーンピロリーン
~回想終了~
アレイスター「……さぁ」
一方通行「」
土御門「」
神裂「」
結標「」
アレイスター「笑えよ」
一方通行「」
土御門「」
神裂「」
結標「」
アレイスター「笑ってくれ、たのむから……」
17600号「……不覚でした。空間移動能力者と合流するとは思わず、彼の足取りを追うことができなくなりました。申し訳ありません、と、ミサカ17600号は作戦本部にて頭を下げます」
番外個体「……それで、あのクッソッタレの第一位様は」ビキビキ
打ち止め「……見失う前、超絶ボディの露出狂と一緒だった上、あまつさえ背負われてたのね?ってミサカはミサカはあまりの怒りに怒髪天!!」ビキビキ
芳川「落ち着きなさい。アレイスターのところ、確かにそう言ったの?」
17600号「はい。上条当麻の同級生の金髪アロハが、さらしを胸に巻いた女にそう言っていました」
番外個体「ちょっとぉぉ!なんで露出狂が増えてんのよぉぉぉ!!!」ビキビキビキ
打ち止め「……おまいなにしてんの?なんでそんなんでスネーク名乗ってんの?って、ミサカはm……とりあえず後でお仕置きな」ビキビキビキ
17600号「ひぃっ!」
黄泉川「も~いい加減にするじゃん!二人とも!一万人友達を作るってきめた以上、女友達はいつか出来るってわかってたじゃないか」
番外個体「それとこれとは話が違うぅぅ!なぁんでもっとまともなのと仲良くなれないかなぁぁあのモヤシは!!!」
芳川「それは……あの子自身まともじゃないからとしか……」
17600号「同居人からのあまりの評価にミサカ17600号は軽くセロリに同情を感じえません」
番外個体「鬼太郎かあんたは」
17600号「オイ、キタロウ!!」
番外個体「あんたも父じゃなくて妹だろ」
芳川「仲が良いのは分かったから。彼はどこにいるの?すぐ近く?」
打ち止め「ん~~っとね!割とちかいような……」
ピンポ~~~ン
打ち止め「大当たりぃぃぃぃぃ!!ってミサカは玄関に向かって猛ダッシュ!!」
番外個体「あ!待ちなよおちび!!ミサカもいくぅぅぅ!」
黄泉川「犬猫みたいじゃん」ハッハッハ
芳川「尻尾はないけどね」クスクス
17600号「なにこいつらマジアットホーム。ミサカもこんなお家がほしい」グスン
番外個体「……どういうこと?」
神裂「あ!!その、どうもはじめまして!!!わたくしイギリス正教必要悪の教会に所属しております……あ!元は天草式十時凄教で女教皇の任を……」
ヒョコッ ペシッ
神裂「いたっ」
一方通行「落ち着け。どォもォ学園都市第一位一方通行でェす」
番外個体「いや知ってるし。私らが言いたいのはあなたがどうして背負われてるのかっていう……」
ヒョコッ
結標「大能力者で座標移動の結標淡希で~す」
番外個体「服装については十分突っ込む余地ありなんだけどちょっと下がってて。あのね、バッテリーが切れてるわけでもないのにどうしてあなたは……」
ヒョコッ
アレイスターβ「統括理事長のアレイスター=クロウリーだ」
番外個体「うん、あなたを流しちゃいけないのは凄く良く分かる。でもマジ黙っててミサカストレスに弱いのちょっと黙ってて。スー、ハーーーーー。よし。で、第一位さまはなぁぁんで女の人に背負われて……」
ヒョコッ
土御門「呼ばれて飛び出て土御門元春だn」
番外個体「黙れって言ってんでしょぉぉぉぉぉぉ!!!」バリバリバリバリバリ
土御門「なんで俺だけあbbbbbbbbbb」
黄泉川「ごめんな土御門。あの子もそこまで悪気があったわけじゃないんじゃん」
芳川「ただ、心配していたところに帰ってきたと思ったら、知らない女の人と一緒だったことが凄く嫌だったのよね。同じ場にいた打ち止めのも拾うからストレス倍増だし」
黄泉川「二人ともまだ子供じゃん。一方通行が誰と仲良くなっても最後には帰ってくる場所を邪魔されたくないんじゃんよ」
土御門「……じゃあ尚のこと、あの会話に入っていこうとするのは子供には進められないと思いますにゃー」
アレイスター「……きみも苦労したな。虚構の友、か。ふふふ。私もエイワスが本当にきてくれるまでは似たようなものだった……エイワスが洋ロリじゃなかった時は絶望しかけたよ」
一方通行「おォ。闇咲くンを最初見たときゃァ、ホント一歩間違えれば学園都市半壊レベルで暴れる寸前だったしなァ。でも、あの時があるおかげで、今の俺達があンだよなァ」
打ち止め「ミサカは!?ミサカは!?ミサカもあなたの役に立ってるのかな!?ってミサカはミサ……ふにゃ~~!頭撫でないでぇぇってミサk……」
神裂「そうですね。つらい修行時代、天草式のみんなから別れを告げる時。ななちゃんがいたおかげで……わたしはわたしであり続けることができました」
結標「そうよね。私もお医者さんに『ひょっとしてあなたの言う弟というのはすべてあなたの思い込みなのではないですか?』って言われて……それでようやく現実の男の子たちに目が向くようn」
番外個体「ちょろっとぉぉぉぉぉぉ!!!あなただけ毛色が違くないぃぃぃぃ!?おちびに悪影響を与える話はやめてほしいんですけどぉぉぉぉぉ!!!」
黄泉川「……あれは、なんなんじゃん。っていうか誰だ酒もちこんだの」
土御門「……互いにちょっとずれちまったやつらの集まり……いや」
土御門「傷のなめあい、の方が正しいかにゃー……」ハァ
黄泉川「……」ハァ
芳川「……(コーヒーの準備はしておこうかしら)」コポコポ
土御門「いやぁ…・・・遠慮しときますにゃー」
芳川「そう……あの子には少しでも友達を増やして欲しかったんだけどね」
土御門「……すまんぜよ。あいつとは友達といえる段階に至るには、少しばかり闇で関わりすぎちまったぜい。あ、嫌いとかじゃ全然ないんですにゃー。元同僚ってぇ位置が、俺とあいつにはちょうどいいんですたい。きっと」
黄泉川「そうか、じゃん」
芳川「仕方ない、わね。元同僚として、これからも接してあげて」
土御門「当然だ」
土御門「……」
土御門「……(俺のまいかラブも相当だけど、さすがにあれと一緒にはされたくないからにゃー)」
アレイスター「エイワスが~~天使の~~プラン~~~理事長の存在感~~~」
一方通行「闇咲~~~闇咲~~~~~三下シスター~~~~ダチ~~~一万人~~~」
打ち止め「その梅干は黄泉川が炊飯器で作ったんだよ!ってミサカはミサカは興味津々なおねえさんに教えてあげる!」
神裂「!?」
結標「なにかないの、第一位の恥ずかしい写真とか。子供の頃の」
番外個体「恥ずかしい歴史は絶賛製造中じゃんあんたたち……ってか本当の理由は絶対に後者の方でしょ」
結標「」スヤスヤ
番外個体「ぎゃは!ミサカを褒めてよね~暴走入りそうなこの人に酒飲ませまくって潰したんだからさ~~」バシッバシッ
一方通行「お前こそ大概飲みすぎだァ性悪。頼むなァ俺はこっち送るからよォ。第三学区のホテルでいいンだな?」
神裂「えぇ!?そんな、かまいませんから!」
土御門「なに言ってるにゃーねーちん。ねーちんがここからホテルに行こうとしたら、結局どこかの公園で野宿するはめになるに決まってるぜよ」
神裂「だ、黙りなさい!そんな、私は……くっ!!いいじゃないですか野宿!それにわたしにはななちゃんがいます!!!」
アレイスター「(強がりっぽく聞こえるが結局は『刀があります!!』だから、『確かに!!』と言えてしまうな)」
一方通行「だァめだ。お前がなンと言おうが送ってくかンな」
神裂「そ……そうですか」
土御門「お……」ニヤニヤ
番外個体「……なぁんかその人に優しくない第一位。気持ち悪いんですけど」
一方通行「馬鹿言え」
番外個体「もしかしてぇぇ!送り狼ってぇやつかなぁぁぁ!!ぎゃっは!おねーさんこのもやしが襲ってきたら股間蹴り上げちゃっていいからね!どうせたいしたことないもんだしさぁぁ!」
神裂「こ、こかん!?そんな真似、いやいやいや受け入れるというわけでは決してですね……」
一方通行「なァに言ってやがる。お前ほんと飲みすぎだ。先寝てろよォ」
番外個体「……なにさ。噛み付く気もないって。俺は大人ですアピールですか」ブッスー
アレイスター「……」ニヤニヤ
土御門「……」ニヤニヤ
神裂「……」
一方通行「……」
一方通行「……(カッキーロイヤルホテルが拝めるぜェ!!!)」ワクワク
一方通行「おう。俺のほうこそな。今は替えの杖あるからこうしてっけど、今日の大半はお前に背負われてたらしいしよォ」スタスタ カツカツ
神裂「いえいえ、それは私が……その、あの時折ってしまったのが悪いですから」
一方通行「そうなァ……お、見ろよ。あそこだなァ俺達が殺りあったのは」
神裂「……警備員がいますね」
一方通行「かかか!さっさと消えて帰っちまったが、アレイスターとダチになってよかったよなァ。俺もお前もお咎めなし!だァ。こいつらは事件迷宮入りで始末書倍増、ご苦労なこって」
神裂「そうですね。私も、アレイスターとこうなれるとは……まぁ私達も半日前まで殺しあっていたわけで、ここはその現場なのですが」
一方通行「くかかかか!縁ってのはどう働くかわっかンねェなァ!結標があそこまで喋れるやつとは思わなかったしよォ……」
一方通行「なンか俺が持ってた木原くン印のアルバムばっか見てたけど」
神裂「……(あれは彼女じゃなくても見てしまいますよ。なんですかウサギの着ぐるみって)」
一方通行「あァ、そうかい」
神裂「ただ……あそこまで話したのは、あなたが初めてでしたから。ななちゃんと同じくらい私の弱気を知り、慰めていただいた。だから、そう思ったんですよ」
一方通行「……へっ、ななちゃんは喋りやがンのかよ」カカカ
神裂「考えてみたら、あれから私は……そこそこ女性の知り合いはできましたが、男の方とは、ここまで話す仲になったのも初めてです」
一方通行「おォ」
神裂「で、ですので……あ、一方通行!!」
一方通行「なんだァ?」
神裂「わたくし神裂火織と!!!と、友達になってください!!!!!」
一方通行「……」
神裂「あ……駄目、ですかね」
一方通行「……ハッ、なァにを今更(マジかァァァァァ!?)」
一方通行「そんなことわざわざ言わなくても、あの二人だって俺だって、理解してンぜ?(この見た目に反して清純な女が!?)」
一方通行「俺たちゃ、とっくの昔にダチだろうがよ!!(ちょいエロメールで俺を困らせてたかおりさん三十八歳だってのかよォォォォォォ!?)」
神裂「」パァァァァ
番外個体「言わずもがな、この白もやし=虚弱体質=糞ヘタレはその後あのおねえさんにまたまた抱きしめられ」ハァ
黄泉川「気絶して、送りに行ったのにまた背負われて連れてきてもらったあげく」ハァ
17600号「お酒が入ってしまって女史二人は運転できないため、このミサカがお見送りしたのでした、とミサカ17600号は功績を称えられお泊り&朝食同席の許可をいただいていることに感謝しつつ報告を終えます」
芳川「あなたワンパターン過ぎよいいかげんにしなさい」
一方通行「るせェ!おいクソガキ、もうちょい右だ右」
打ち止め「凄い痣だねぇ~ってミサカはミサカはあなたの背中にシップをはるお手伝い!」
番外個体「まったくあなたってさぁ、せっかくのラブコメでも全っ然締まらないよね。ユルユルガバガバだよ思考回路が……」
一方通行「口が悪いできそこないはちょっと黙っててくださァァい、二日酔いの頭シェイクされたいンですかァ?」
番外個体「上っ等だよ白モヤシ。ぎゃは!じつはおねーさん襲っただけじゃないのかその粗末なもんひん剥いて確かめてみましょぉかぁ!!!」
黄泉川「番外個体がかまってもらえて嬉しそうじゃん」ズズズ
17600号「キレデレというやつでしょうか」ハフハフ
番外個体「そこ二人も黙るぅ!」
一方通行「あァるせェな。ったく」
一方通行「昨日は、酷ェ一日だったぜ」ハァ
一方通行「美食倶楽部かァ?おい、店員の再教育しとけ。超超うるせェやつだとよ」
一方通行「おォ……いや悪かった。今日はそンなみみしいこと言いたくて電話したンじゃねェ」
一方通行「予約だ。3……いや、やっぱ5人。とにかく量用意しとけェ一人が化け物みたいに喰うからよォ」
一方通行「夜8時だ。おォ、頼むな」
一方通行「……よし、これで……がっ!!」
一方通行「なンだ!?目がチカチカする……頭の中になにか……映し出され……」
20××/ ○/○○ 6:50
From:do-not-for-get.i-am-toukatsu-rijicho.@under.Line
Sub:
携帯を持っていないのでな……君のチョーカーを介してこれを送る
昨日はステキな出会いに感謝しているよ
これほどのことは幾十年ぶりだろうか キミのおかげだ
学園都市外に行きたい時は気軽に声をかけるといい。すぐに許可を出そう
それでは 会食も大変楽しみにしている
統括理事長 アレイスター・クロウリー
一方通行「怖ェことしてンじゃねェェェ!!!そしてアドレスらしきものが長ェェェェ!!」
一方通行「明日は先に携帯選びにいくかンなァァァァ!!!」
登録番号:011
分類:親友
アレイ☆
登録完了!
一方通行「……よし、昨日の侘びもこめて今度はこっちからかンざきに……」
ピリリリリッ
一方通行「思った矢先かよ。あいつホント義理堅いな」
一方通行「……考えてみりゃ、あれは俺から喧嘩ふっかけてねェか?いや、闇咲くン時もか?あれ?」
一方通行「……なのによォ」
20××/ ○/○○ 7:10
From:Salvere000@○○○
Sub:
おはようございます。お体大丈夫ですか?
明日の夕餉も大変楽しみにしてます。お誘いありがとうございました
……メールというものはやっぱり慣れません。
筆で書いたものがもっと早く届く方法が、学園都市にあればいいのですが
あの、電話機能はばっちりなんです 必要を迫られましたから
なので……たまに電話をかけてもかまわないでしょうか!?
無理は言いません!あなたも、友達作りで忙しいでしょう
お返事、お待ちしています
それでは
p.s 今日はあの子の所へいくので、よろしく伝えておきますね
一方通行「……」
一方通行「……ケッ」
一方通行「ほンっとお人よしだぜ、どいつもこいつもよォ」
ピッ
ピッピッ
プルプルプルプル……
登録番号:012
分類:親友
かンざきかおり
登録完了!
芳川「なに?まさか結婚とかは勘弁してよね式で暴れてやるわよ」
一方通行「僻みすぎだろ。違ェよ。ってかどこにンな相手がいるってンだ」
芳川「いやいやいいから。あなたにそういうの誰も求めてないから。食飽気味だから」
一方通行「黙れ。話続けるぞ」
芳川「……今更そこに突っ込むのね」
一方通行「るせェ。でな、なァンで一万人かってことも考えたンだが……それって、妹達もありってことなンかァ?」
芳川「えぇ、もちろんよ。あなたが彼女達を個々として扱っているというなら、それはもちろんカウントするは」
一方通行「ったりめェだろ。よし、じゃァ打ち止めに……」
芳川「そう、その場合打ち止めの管理者権限を使って説得に入ればいい。世界中を回るのは大変だからね」
一方通行「まァアレイスターに頼めば音速旅客機貸してくれンだけどな。一昨日もジンギスカン食いてェっつゥから……」
芳川「でもね、ちょっと問題があって……今現在、妹達の感情決定権は打ち止めにないのよ、これが」
一方通行「はァ!?なンだそりゃ!?」
一方通行「……クソが。じゃァなにか?妹達には今、俺とはダチになるっていう感情の許可が出てねェ、そういうことか?無茶苦茶だな大丈夫か?」
芳川「……平気よ。みんなそう言っている」
一方通行「……深くは聞いてやンねェよ。でェ?今その権限とやらは誰が持ってんだァ?海外の個体なら色々と準備しねェとなァ」
芳川「……」
一方通行「あァ?どォしたよ」
芳川「……ごめんね」
一方通行「いや謝ンな怖ェよなンなンですかァ!?」
芳川「最も人格形成が進んでいて、最も自我があり、データ的には良識的、ある種の特殊個体と言えるような。そんな個体」
一方通行「ほォ。妹達もそこまで進ンのかよ。それで、誰だよ。何号だ」
芳川「……」
芳川「20000号」
一方通行「うそだァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」
芳川「いや私達だって絶対嘘だと思ったわよ。替え玉使ったとか、データ改ざんしたとか。最終的に強制自白剤まで使ったのよ」
一方通行「さすがに酷くね?」
芳川「でも本当なのよ……まぁ生粋の犯罪者には嘘発見器も意味が無いっていうらしいけど」
芳川「とにかく、妹達と友達になりたいのなら。20000号を説得しないとだめよ」
一方通行「マジかよ……おい!打ち止め!!」
打ち止め「え!?ミサカ入っていいの!?ってミサカはミサカは自室から居間への扉からヒョッコリ顔を覗かせてみる!」
一方通行「当たり前だろ、なに言ってンだ?」
打ち止め「いやぁ、こういう時の前フリはあなたと芳川だけのお仕事なのかなぁって思ってたから、って、ミサカはミサカは締め前に出られてとってもとっても満足気な顔をしてみたり!」ワーイ
打ち止め「うん!そうだよ!」
一方通行「……はァ。そンじゃァちょっと」
ピッピッピッ
プルp
ガチャッッ
20000号『セぇぇぇぇぇロリたぁぁぁぁぁん!?!?!?どどどどどういうことかなセロリたんの方からお電話なんて漏れまじ濡れちゃいそうだよ漏れだけに受け家けけけけけけけけけけケケケケケケケケケケけけけとミサカは大興奮のあまりセロリたんの生写真にあつい口付けをおとします』
打ち止め「」
芳川「」
一方通行「おい芳川これをふまえてさっきの台詞もっかい言ってみろ誰のどこが良識的なンだよこら芳川こら」
一方通行「おォ、その通りだ。てめェ今どこいンだよ。ちょっと会って話を……」
20000号『逢引!?逢引なのセロリたん!!マジかーーー!遂に漏れの時代がきたぜんにゃろぉぉぉ!!とミサカは超リアル・アクセラ人形(上下はだけ済み 裸にあらず)を抱きしめます』
一方通行「いつ作ったァァァァァ!?」
20000号『先々月かな~妹達にもかなりはけてミサカ一時ウハウハヌレヌレでした!とミサカは暗にもうその金使い切ったから返せねぇよとセロリたんにお伝えします』
一方通行「どいつだ畜生ォォォォォ!!てめ、ほンっっっとに無茶苦茶だなくそがァァァァァァァァ!!!!!」
打ち止め「……」(持ってる)
芳川「……」(流通担当)
芳川「おかしいわねぇ……いや、素行はもちろん分かってたけど」
打ち止め「MNWでもいつもあんな感じでBAN常連者だよ!って、ミサカはミサカは下位個体の性癖にため息をもらしてみたり」ハァ
一方通行「あいつの居場所は今分かンのかァ?」
打ち止め「……」フリフリ
芳川「ネットワークから切ったのね。あの子がいる研究所は第七学区よ」
一方通行「もう研究所にはいねェな……なンか手がかりはねェものか」
打ち止め「あ!ハーイハーイ!って、ミサカはミサカは手を挙げて名案が浮かんだことを誇示してみる!!!」
一方通行「はァい、そこのちびガキ」
打ち止め「あのねあのね!」
打ち止め「お姉さまに頼んでみようよ!って、ミサカはm」
一方通行「却下だバカやろう」
打ち止め「即答速攻大否定!?」
打ち止め「でも!でも!電磁波のレーダーにかけてならお姉さまはあなたより正確に……」
一方通行「黙れクソガキ。この話は終いだ」
打ち止め「うぅっ……だって、いつまでたってもあなたとお姉さまが……」
芳川「そもそも一方通行が避けてるんだけどね」
一方通行「……」
芳川「一方通行。私が言ったこと覚えているかしら?」
一方通行「……向き合うことがどう、とかか」
芳川「そうよ。この前言ったのは、自分と違う人とも、ってことだけど……」
芳川「相手が苦手だ、とか。嫌われるんじゃないか、とか。拒絶されるのを怖がっていたら、いつまでたっても前へ進めないわよ」
一方通行「……」
芳川「あなたはもちろんだけど……じつは、その相手だってね」
一方通行「……」
芳川「でも、あなたはもうそれに挑むだけの覚悟がある。私はそう信じていたのだけど」
一方通行「……」
芳川「甘かった……かな?」
一方通行「……」
一方通行「芳川ァァァァァ!」ダキッ
芳川「ふふ、お泣きなさ……あなたほんと細いわねむかつくわ」
打ち止め「ミサカも同じようなことが言いたかったんだけど!どうして!って、ミサカはミサカは不平等さに腹を立ててみたりぃぃぃぃ!!」キィィィィ!
ガチャッ
番外個体「ちょっとぉぉぉぉ!!何か知らないけどおちびがむかつくようなことしてんじゃ……って第一位が芳川にチョークスリーパーされてるぅぅぅぅぅぅぅ!?!?!?」
ギチギチギチ
芳川「なん……なのよこの細さ……同じもの食べてるでしょ」
ギチギチギチ
一方通行「運動量の……差だろ……糞ニート……グフッ」
一方通行「番外個体が止めに入ってなかったら折れてたぞこれ……あのガキはなんだ、のこったのこったって、それ相撲だろォがよ」
一方通行「お詫びにって、腕のいい探偵社紹介してくれたけどよォ……どうなンだこのネーミング」
一方通行「……腹ァくくっかァ」
1覚悟を決めて御坂美琴のところへ「常盤台女子寮、ここだな……ってェ、女子寮前にいるあの花畑は……」
2やっぱりあいたくねェ。探偵社へ「……世紀末探偵公社HAMAZURA!!……間違ってるし」
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佐天「うっへぇ、相変わらず立派だよねぇ常盤台の寮は。ね、初春!」
初春「ですね!佐天さん!私なんだかテンションが上がってきました!今日はあくまでも元気の無い御坂さんを励ますためのホームパーティーなのに!だめですよね!!だめですよね!!!」ワクワク
佐天「へぇ、テンションが上がってるの~どうりで私がさっきから初春のスカートの裾を持ち上げてることに気づかないわけだぁ」
初春「のっへぇぇぇ!?な、なにしてるんですかぁぁぁ佐天さん!佐天さん!」ポカポカ
佐天「あっはははははー!初春のくせにロングスカートとは生意気さ~」
初春「もう!こんなところ誰かに見られてたらどうす……」
一方通行「……」
佐天「どうしたの初h……あ、あはははは」
一方通行「……よう、花畑風紀委員」
初春「グスッ……こんにちは、アホ毛ちゃんの保護者さん……グスッ」
佐天「ごめん!ごめん初春!しかも知り合い!?ほんとごめん!!」
一方通行「……なにか弁明したほうがいいかァ?」
初春「いい……グシュ……です。惨めなだけです……」
佐天「ごめぇぇぇぇん!謝るからぁぁぁぁ!」
一方通行「随分前だが世話になったなァ。達者にしてたかよ」
初春「はい……グスッ。アホ毛ちゃんは元気ですか?」
佐天「う~いはる~。私をおいて話進めないでよ~こっち向いてよ~~」
初春「知りません!もう!グスッ」
佐天「怒った顔も可愛いけどさ~ごめんってば。あ!そうだティ……」
一方通行「おいこらメスガキ。この花畑が怒るのももっともだぞ……おら、ポケットティッシュだ。使いやがれ」
初春「あ……ありがとうございます」
佐天「(先を越された!!)」
一方通行「そちらこそなンなンですか往来でスカートめくりって。流行ってンですかァ?」
佐天「うぐっ……」
初春「……(キ○ィちゃんのティッシュだ)」チーン
佐天「そ、そうですよ!!!」
一方通行「はァ?」
初春「……(アホ毛ちゃんに持たされてるのかな。微笑ましいなぁ)」チーーン
佐天「今の女子中学生の間ではですねぇ!スカートめくりが大流行なんです!!」
一方通行「……はァ」
初春「……(あ、突っ込まれなかった。佐天さん後に引けないですね)」チーーーン
佐天「だから、えと、その、初春はまだ慣れていないので!流行に乗り遅れないよう、私が教えてあげていてですね!!!」
一方通行「……」
初春「……(これはひどい)」チーーーーン
佐天「なんて!……その……」
一方通行「……」
1一方通行「マジか」初春「ふぇぇ!?」佐天「!!」
2一方通行「頭沸いてンですかァこのクソ痴女」佐天「な…!!」初春「い、言いすぎですよ!」
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初春「ふぇぇ!?」
佐天「!!」
一方通行「そりゃァ悪かったな……どうも俺ァ流行に疎くてよォ。ンなこと全然知りもしねェで余計なことを……」
初春「ちょ!ちょっと待ってください!!」
佐天「わかってもらえました!?」
一方通行「おォ。侘びといっちゃなンだがよ、俺も協力してやらァ」
初春「な!なんでですか!?なんでそんな話に……」
佐天「あの、流石にそれはですね」アセアセ
一方通行「なァに、遠慮すンなよ」
一方通行「流行ってンだから自分がめくられても文句ァねェンだよなァ?メスガキ?」
佐天「……え」
流石打ち止めと番外個体の保護者だ
初春「びっくりしました……真剣な顔で言うんですもん、もう!」
一方通行「ケッ、ガキの穴なンて見たくねェっての……おい、メスガキ」
佐天「はいっ!なんですか!?」
一方通行「ダチってのはなァ、何でもしていい免罪符じゃねェンだよ」
佐天「……」
一方通行「そりゃァ、少しからかうくらいならかまいやしねェさ。そのくらいで壊れるようならはなっからダチになンてならねェものなァ」
初春「……」
一方通行「でもなァ、やりすぎは駄目だ。あまつさえ、お前は一度開き直っただろ。謝罪もおざなりなもンだった。こいつならそれくらいで許してくれるだろうなァってのが見え隠れする、最っっ低のな」
初春「あの、流石にそれは言いすぎじゃ……」
一方通行「黙ってろ花畑。お前、こいつとダチじゃなくなってもいいンかよ」
初春「……」
佐天「……」
一方通行「お前が今はそこまで気に触ってねェのも分かる。だけどなァ、ヘラヘラしてる相手を許してるつもりでも、積み重なって完全は消えねェンだよ」
一方通行「だからな、どンな些細なことでも相手を傷つけたら。キッパリ謝る。いいわけしない。それをするまでこっちも許さない」
一方通行「そうじゃねェとよォ……ダチがダチでなくなるなンて、悲しいこと、言うんじゃねェ」
初春「さてんさぁぁぁぁぁん!!!」
佐天「ういはるぅぅぅぅぅぅ!!!!」
ヒシッ
佐天「ごめんね、ごめんね初春!わたし、わたし…!」
初春「……いいんです。今度はちゃんと謝れましたね、佐天さん」
佐天「!!ういはるぅぅぅぅ!!!」ウワァァァァン
初春「ずっと友達ですよ、佐天さん」ヨシヨシ
佐天「うあぁぁぁぁん!!!!」ビーーーーーー
一方通行「……ヘッ」
一方通行「……」
一方通行「(あっぶねェ!!まじあっぶねェ!!!!!)」ドキドキドキ
一方通行「(なンか今、色んな人から総罵倒されるところだった!!そんな気がする!!!)」ドキドキドキ
一方通行「(あれで罵ってたらよォ……メスガキどころか花畑も怒って帰っちまうとこだったんじゃね!?)」ドキドキドキ
一方通行「(外出てこンだけで命狙われかねねェとこだったぜ)」ドキドキドキ
一方通行「(ありがとう!学園都市第一位の頭脳!まじありがとう!!)」ドキドキドキ
一方通行「いや、そォいうのいいンでマジで。こっちも一杯一杯なンで」
佐天「いえ、言わせてください!あなたがいなかったら、きっと私達いつか大変なことになってました!!」
初春「そうです!それに私!あなたに助けてもらったのは二度目で……あの時も含めてお礼くらいは!!なにか、ありませんか!したいこととか!!!されたこととか!!!」
一方通行「卑猥じゃないですかァァァ!?ちょっと女子中学生のイメージ壊すのやめてくださいただでさえギリギリなのにやめてくださァァい!!」
初春「え……あ!ち、違います!か、肩をもむとか!!そそそそ、そういうのであって!!!!」
佐天「……あれあれ~、初春顔が赤いぞ~~」ニヤニヤ
初春「佐天さんも!もう!まじめモードはもう終いですか!!??」
佐天「お兄さん、どうします?うちの初春なぁんでもしてくれるし、させてあげるらしいですよ~?」
一方通行「あァ……あのよォ」
佐天「なんです!なんです!?」
初春「あ、あ」
一方通行「できればでいいンが、メアドと番号を……」
佐天「そんなことでいいんですか?なぁんだ。でも、もちろんですよ!ね!初春!」
初春「え、あ、はい!!というか、こちらこそ是非とも連絡先を!!!風紀委員的にも!!!!」
一方通行「あンがとよ……あァ、それと」
佐天「はい?」
初春「……」ドキドキ
一方通行「凄っっげェ疲れたから、缶コーヒーを頼む」ハァァァァ
佐天「良かったねぇ、初春。あの人が前に言ってた命を救ってくれた人だったんだね」
初春「はい……印象的ですから、よく覚えてました」ガチャガチャ
一方通行「……」店の外で待機中
佐天「たしかに。おまけにイケメンじゃん!ちょっと細すぎだけど」
初春「でも、凄い能力者なんですよ。そうじゃなきゃ私もアホ毛ちゃんも今頃どうなってたか……」
佐天「ほんと!?く~、完璧じゃないの!初春もいい物件みつけたねぇ!」バシバシ
初春「そ、そんな。痛いです痛いです佐天さん!」
佐天「ほんとラッキーだよ……ただ」
佐天「あの服はない。絶対にない」
初春「……そう、ですかね」
一方通行「……」なぜかイラッ
佐天「あれとペアルックで初春がやってくるなんて日がきたら、私は初春と縁を切るかもしれん」
初春「そこまで!?」
一方通行「……」さらにイラッ
初春「そうですね、私達手ぶらですしなぜか」
佐天「なぜかって、初春がテンション上がっちゃって、バスから降りてすぐ常盤台寮に猛ダッシュしたんじゃん」
初春「うぐっ……あ、み、見てください佐天さん!今話題の『世紀末探偵公社HAMAZURA!!』が雑誌に載ってますよ!!」
佐天「あ、ほんとだ……あれ?これって、『HAMADURA』じゃないの?」
初春「え……あ、本当だ。こっちは『Z』ですね、どうなんでしょ」
佐天「どうって、日本語的には『つ』に濁点だから『D』じゃないのかなぁ?」
初春「う~ん、ちょっとまってください!インターネットの掲示板で調べます!!」
キュイーンカチャカチャ チーーーン
初春「分かりました。英語では『Z』と『D』の発音はかなり違いがあるので分けないといけませんけど、日本語の『づ』と『ず』は完全に一緒なので、ぶっちゃけどっちでもいいみたいです」
佐天「へぇ~」
初春「ただ、一般的な認識には依存します。浜面の面はおそらく『づら』。『つ』に濁音で『DU』というのが日本語の一般認識なので、おそらくですが浜面のローマ字表記は『HAMADURA』が正しいかもですね!新約でもおそらくそうでした!」
佐天「わかりにくいね!!こりゃみんな間違っちゃうよ!!」
初春「そうですね!みんなも気をつけてタイプしましょう!!確かめもせずにネタにすると、後からあっぱる嵌めになりますよ!!」
佐天「は~~~~~い!」
初春先生の日本語講座 完
Entry ⇒ 2011.12.24 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)