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士郎「セイバー……好きだ」ギュッ セイバー「!?」
TV<ヘヴィマシンガン!!
セイバー「あっ、凛! それは私のヘビーマシンガンです!!」
凛「いいじゃない協力プレイなんでしょ? 堅いこと言わないでよ
あっ、ほらアレとりなさいよ」
TV<ドゥロップショッ!!
セイバー「あっ!! クソ武器ではないですか!! いりませんよこんなもの!!」
ガラッ
士郎「セイバー」
セイバー「あ、士郎。すみません、うるさかったですか」
凛「ほっときなさいよ、ほらほらよそ見してると落とされ……」
士郎「セイバー……好きだ」ギュットダキシメル
セイバー「!?」
凛「えええええええ!!!!!」
TV<ア゙ッ-!!
凛「ちょっちょっちょっちょ、アンタなにやってんのよ離れなさいよ!」
セイバー「いや私ではなく士郎が! は、離れてくださ…」
士郎「セイバー……」ギュッ…
セイバー「ふわぁ……」
凛「ふわぁ……じゃないわよ!! えっ、なにどうなってるの!? ちょっと士郎!」
士郎「どうした、遠坂」キリッ
凛「えっ冷静?」
士郎「ああ、夕食か? そろそろ桜が買い物から帰ってくるはずだ」
凛「あ、ああ、そうなの……ところで」
士郎「セイバー、好きだよ」アタマナデナデ
セイバー「あっ……気持ちいいです、士郎……」
凛「あああああ駄目だったあばばばばばば」
士郎「なに慌ててんだよ、別に今日は何も無いよ。
強いて言うならさっき葛木先生と組み手やってきたくらいかな。やっぱ強いな、先生」
凛「そ、そうね……えーっと、士郎」
士郎「うん?」ホッペスリスリ
セイバー「あっ……あっ……」
凛「……とりあえずセイバーから離れない?」
士郎「なんでさ」
凛「えっ」
士郎「えっ」
セイバー「しろぉ…」トロ-ン...
士郎「そうかな」
セイバー「ハッ!そ、そうです士郎!離れてください!」
士郎「セイバー……嫌なのか?」シュン
セイバー「あっ、いや……そういうわけでは……」
士郎「そっか!!」パァァ
凛「いや止めなさいよセイバー!」
セイバー「あっ、えと、そもそもいきなりなぜこんな」
士郎「だって好きなんだ、仕方ないだろ」ホッペニチュッ
セイバー「えっ!?」カオマッカ
凛「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
桜「戻りましたー、どうしたんですか姉さん大きな声出して……
ってキャアアアアアアアアアア!!!!」
ガラッ
ライダー「どうしました桜!!ってのおおおおおおおおおお!!!!!!」
ガラッ
藤ねえ「士郎ー!おなかへっ……たあああああああああああ!!!!!」
4人「ぎゃああああああああああああああ!!!!!!!」
しばらくおまちください
凛「まずは状況を整理するわよ」
桜「そうですね」
士郎「ふふっ。セイバーの手、柔らかいな」
セイバー「そ、そんなこと……」
凛「なんとかハグはやめさせたものの」
桜「手は離しませんでしたね」
士郎「セイバーと離れるなんて、俺には考えられないよ」
セイバー「士郎‥‥」キュン
凛「キュンじゃないわよしっかりしなさいよ騎士王」
士郎「慌ててるセイバーも、かわいいな」テノコウニキス
セイバー「ひゃん!」
凛・桜「あああああああああ!!!!!!!」
しばらくおまちください
凛「はぁ、はぁ……何よコレ」
桜「ストレスで死んでしまいそうですね……」
凛「藤村先生もそりゃ壊れるわ……」
別室
藤ねえ「ねえおねえちゃんさっきのなーにー? えへへへ」
ライダー「幼児退行してしまった……」
桜「そうですね」
士郎「なにかあったのか?」
凛「アンタのことでしょうが!!」
士郎「な、なんだよ遠坂……あ、そうか腹減ってるんだな? よし、メシにしよう」
凛「いやいやいや」
士郎「セイバー、何が食べたい?」
凛「おい」
セイバー「し、士郎の作る料理なら……」
凛「止めろよ空腹王」
士郎「ははっ、そういわれると嬉しいな!よーし今日は気合い入れて作るぞ!」
セイバー「はいっ!!」
凛「話聞きなさいよ!!!」
凛「……なんで料理するときまでセイバーの手を離さないのよ」
桜「片手でやってますからなんだかやりづらそうですね」
凛「あっ」
桜「セイバーさんが後ろから抱きつく形に変わりましたね」
凛「セイバーが気を利かせたのね」
桜「そうでしょうね」
凛「よし、殺すわ」
桜「姉さん落ち着きましょう」
凛「じゃあアンタもその果物ナイフ置きなさいよ」
桜「積極的になったとかそんなレベルじゃないですからね。明らかに変です」
凛「誰か他のサーヴァントに何かされたのかしら」
桜「あり得ますね。ゴールデンボンバーとか怪しくありませんか?」
凛「それはないわね。アイツが好きなのはセイバーよ、わざわざこんな状況にしないでしょ」
桜「たしかに。むしろこの状況を見たら発狂しそうですね」
凛「フラグね」
桜「ですね」
ガラッ
ギル「セイバー!!我が愛する貴様に逢いにきてやっわああああああああ!!!」
凛「あらら」
凛「あいつ叫びながら泣いてるわよ」
ギル「うひゃああああああああああああ!!!」
桜「自分のほっぺをつねりはじめましたね」
凛「まあ夢ならよかったのにとは思うわよね」
ギル「うぅおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
桜「くずおれて膝をつきましたね」
凛「現実を知ったのね」
ギル「雑種めがああああああああ!!!!!」ダダダダ…
桜「この現状に耐えきれず帰っちゃいましたね、珍しい。てっきり宝具で先輩が串刺しになるかと」
凛「あいつ童貞くさいし多分こういうのだめなのよ」
桜「童貞王ですものね」
凛「そうね」
桜「そして姉さんは処女」
凛「黙れ」
凛「あっ」
桜「なにか?」
凛「そういや葛木先生と組み手したって言ってたわ」
桜「葛木先生と?」
凛「ええ」
桜「うーん、あの人が何かするとは思えないのですが……」
凛「そうよねぇ」
──そのころの柳洞寺では──
キャスター「あらー……? おかしいわね。どこにやったのかしら?」
葛木「ただいま」
キャスター「おかえりなさいませ、宗一郎さま。組み手はどうでした?」
葛木「ああ、やはりあいつは悪くない。中々に楽しい。……なにを探している」
キャスター「ああ、その、昔戯れに作った惚れ薬を……」
葛木「これか」
キャスター「えっ」
葛木「さきほど衛宮に飲ませた」
キャスター「!?」
葛木「スポーツドリンクに混ぜてな。うまいうまいと飲んでいたぞ」
キャスター「な、なぜそのようなことを……」
葛木「……キャスター。セイバーを監視、いや、盗撮しているな?」
キャスター「あう、そ、それはその……」
葛木「ならば、いつもと違うセイバーも見たくはないか?」
キャスター「……!! まさか、わたしのために……?」
葛木「私にできるのは、これぐらいしかない。すまない」
キャスター「宗一郎さま……嬉しい」
葛木「キャスター、いや、メディア……」
キャスター「宗一郎さまぁ……」
ここからは濃厚な大人の時間なのでカットされます。
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桜さんは純情可憐で素敵な乙女です
桜さんは純情可憐で素敵な乙女です
桜さんは純情可憐で素敵な乙女です
桜さんは純情可憐で素敵な乙女です
凛「ちょっと。よく考えたらキャスターがいるじゃない。アイツの仕業ね」
桜「間違いありませんね」
凛「どうせ惚れ薬とか媚薬とかそのへんでしょ」
桜「でしょうね。なんとか解毒しないと……」
凛「そうね、士郎のことだから、その……あ、アレなこと?にはならないと思うのだけど」
桜「でも、さっきはキスしてましたよね?」
凛「……で、でもほっぺと手の甲でしょ?ぎ、ギリギリセーフよ」
桜「セーフですか。じゃあ私も先輩のそこにキスしますね」
凛「今そういう話してるんじゃないわよ!ていうか駄目に決まってるでしょ!!」
桜「それでは姉さんもご一緒に」
凛「えっ……や、ややややらないわよ!!!!」
アーチャー「凛、良い魚が穫れたぞ。刺身にしよう」
凛「アーチャー、いいところに来たわね。緊急事態よ」
アーチャー「ほう、どういうことかな?」
凛「アレよ」
士郎「セイバー、味見してくれ」
セイバー「はい……うん、大変美味です」
士郎「良かった!あ、ほっぺについちゃったな」ペロ
セイバー「ひゃうん!!し、しろぉ……だめですよぅ……」
士郎「ははっ、いいじゃないか。それにセイバーがかわいいのが悪いんだぞ?」オデココツン
セイバー「むぅ……」
アーチャー「……なんだアレは」
アーチャー「そうだな……まずは2人ともテーブルから手を離さないか?限界が来ているぞ」
テーブル<メキメキメキャァヤメテェ
桜「あらあらまあまあ」
凛「こいつが貧弱すぎるのよ」
アーチャー「まあいい。しかし薬か……」
ドクンッ
アーチャー「!? んなっ……!!」
アーチャー「かはっ……く、くるな、凛……」
凛「何言ってんのよ!? 何よ、どうしたのよ!!」
桜「キャスターの魔術でしょうか!?」
凛「まずいわね……しっかりしなさい、アーチャー!!」
アーチャー「く、来るなっ……ぐああああああ!!!!」
凛「アーチャー!!!」
アーチャー「うわあああああ!!!」リンニダキツキッ
凛「」
桜「」
凛「ち、ちがう!!そんなんじゃない!!なにやってんのよあんた!離れなさい!!」
アーチャー「だ、駄目だ!! 抗いきれんっ!! 凛!! 好きだ、凛!!」ギュウウウ
凛「ちょっ、なんであんたまで……」カァァ
桜「……まさか」
凛「なに!? なんかわかったの!?」
桜「アーチャーさんって一応未来の先輩なんですよね?」
アーチャー「まあ……そうだな……。平行世界、ということにはなるが……んぎぎ」メッチャタエテル
桜「だから今の先輩の状態が作用しているんじゃないですか?
もしこのまま先輩が元に戻らなければ、一生このままになっちゃって、好きな人に気持ちを抑えられなくなる、と……」
凛「な、なるほど。ってアーチャーあんた私のこと……」
アーチャー「ち、違う!! これは断じて……違っ! ぬぁっ」アスナロダキッ
凛「きゃっ……うわぁすごくいいこれ……」トローン
桜「……家に帰ろうかなぁ……」
凛「あっ……」ショボン
桜「……姉さん?」
凛「あっ、いやその、これはちが」
アーチャー「と、とりあえず私は一度霊体化して、キャスターのところへ行ってみよう」スッ…
凛「えっ……」
桜「そうですね、お願いします」
凛「や、やれやれ!!しょうがない奴ね!!」
桜「姉さん、すごくツヤツヤしてますよ」
凛「……」
士郎「セイバー、あーん」
セイバー「あーん……うん、美味です! さすが士郎ですね!」
士郎「へへ」
セイバー「し、士郎!」
士郎「ん?」
セイバー「あ、あーん」
士郎「!!あ、あーん……うん、美味い。セイバーが食べさせてくれたから、もっと美味い」
セイバー「そ、そんな……」テレテレ
凛「‥‥」
テーブル<ヤメテーベキバキボキ
桜「あ、もしもし、壁殴り代行さんですか? はい、そうです、冬木の……」
士郎「セイバー、風呂に入ろう」
セイバー「い、一緒にですか」
士郎「嫌か?」シュン
セイバー「いえ、いきましょう!! お風呂に!! 2人で!!」
スパ-ン!
凛「行きましょうじゃないわよ!! 落ち着け!! あんたそれでも騎士王か!?」
セイバー「はっ!! あまりの快感に夢見心地でした」
桜「セイバーさん……」
セイバー「し、士郎。申し訳ありませんがお風呂は……また今度というこt」スパーン
凛「だから!そうじゃ!ないっ!!!」パーン!パーン!パーン!
セイバー「痛いっ!痛いっ!すみません出来心だったんです!!」
士郎「……だめか……うっ!!」
ドサッ
凛・セイバー「!?」
凛「あ、ありがとう」
セイバー「……で、では今度こそ解決策を……あっ」
凛「何よ……あっ」
桜「……気絶してるのに、セイバーさんの脚を掴んでますね」
凛「どんだけ離れたくないのよ……」ハァ
桜「ここまでくると、微笑ましささえ生まれますね」
凛「この瞬間だけね」
アーチャー「戻ったぞ」
凛「どうだった?」
アーチャー「やはりキャスターのモノだった。しかし今回のことは事故のようなものらしい。すでに解毒剤を用意していたよ」
凛「あらそうなの? 変なこともあるのね。まあいいわ。さっさと終わりにしましょう」
アーチャー「ああ、これが解毒剤だ」マッカナバラ
凛「えっ」
アーチャー「受け取って欲しい。これが私の気持ちだ」
凛「あ、アーチャー……」キュン
慎二「えんだああああああああああああああ!!!!!!いやあああああああああ!!!!」
桜「兄さんは帰って!!!!!姉さんも冷静になってください!!!」
セイバー「ていうかどっからわいたんですかこのワカメ!!」
凛「むしろ悪化してたわよ……」
桜「まんざらでもなかったくせに」
アーチャー「ちなみに先ほどの薔薇は、投影したものではない。君のために、買ってきたものだ」
凛「えっ……?」キュン
アーチャー「まがいものではない、私の……いや。俺の、本当の気持ちだよ、遠坂」
凛「……士郎……」
慎二「えんだあああああああああああああ!!!!!」
セイバー「エクス……カリバァァァァ!!!」ドカーン!!
慎二「僕の出番これだけだよおおおお!!!!」
桜「姉さん……」
桜「落ち着きましたか、お二人とも」
凛「はい……」
アーチャー「面目ない……」
桜「まったく、話が進まないじゃないですか」
アーチャー「これが、本当の解毒薬だ」
桜「ありがとうございます。あとはこれを先輩に飲ませるだけですね」トコトコ
セイバー「……桜」
桜「なんです?」
セイバー「それを飲ませれば、士郎は元に戻るのですか?」
桜「そのはずです。キャスターさんが嘘をついていなければ」
アーチャー「その可能性はないだろうな。奴、やたら満足げな顔をしていた」
セイバー「そうですか……」
セイバー「そ、そんなことは……」
桜「まあ、仕方ないですよね。朴念仁な先輩があれだけアプローチしてくれれば……」
セイバー「ですよね!!!」
桜「えっ」
セイバー「えっ」
凛「えっ」
セイバー「いや、だって、最高のひとときだったんですよ!?」
アーチャー「これはひどい」
セイバー「私は……私は!! この幸せを手放したくありません!!」
凛「いやいや何を」
ランスロット「血迷ったかアーサー!!」
凛「今の誰よ!?」
凛「違う、今してる話はそんなスケールの話じゃない」
桜「せ、セイバーさん落ち着いて……」
セイバー「何を言う。私はいたって冷静です。さあ桜、解毒剤をこちらに」
桜「い、嫌です……だ、だって私も先輩が……」
凛「そ、そうよ!! 第一惚れ薬なんてフェアじゃないわ!!」
セイバー「 勝 て ば 官 軍 !!!!」
アーチャー「駄目だな、目がイッている」
セイバー「それに凛、士郎がもしもこのままならばあなたはアーチャー、いえ、大人になった士郎といちゃいちゃし放題です!!」
凛「!!!!」
桜「姉さん『!!!!』じゃないですよ? 刺しますよ?」
凛「そうね、確かにそうかもしれないわ」
アーチャー「頼むから落ち着いてくれ、我がマスターよ」
セイバー「さあ、共に戦いましょう!!凛!!」
凛「分かったわ!! 契約成立よ!!さあ、2人で-約束された勝利の剣-エクスカリバーを!!」
セイバー「心得ました!!!凛、手を!!」
凛「ええ!!」
アーチャー「ちょ」
凛・セイバー「エクス……」
桜「ま」
凛・セイバー「カリバァァァァァ!!!!!」
桜・アーチャー「あああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
幸い、死傷者はたまたま付近を歩いていた全身青タイツの男だけで済んだらしい。
そして後日、解毒剤が改めて渡され、士郎はようやく元に戻ることが出来た。ついに、再び衛宮家に日常が戻ったのである。
士郎「セイバー」
セイバー「は、はいっ!なんですか、士郎」
士郎「なんかさ、こないだは悪かったな」
セイバー「い、いえ……」
士郎「だからさ、改めて言うよ」
セイバー「えっ?」
士郎「好きだ、セイバー」
セイバー「し、士郎……?」
士郎「抱きしめても、良いか?」
セイバー「……ずっとじゃなきゃ嫌ですよ?」
士郎「セイバー……好きだ」ギュッ
セイバー「……はい!」
おしまい
乙
乙
支援も助かりましたです。嬉しいですねこういうの。
5年ぶりに書いたのですが楽しかったのでまた書こうと思います。
次はもう少し早い時間に立てます!ありがとうございました!
士郎「はいはいここにいますよっと。どうした? メシならさっき食べたろ?」
藤ねえ「食べてないわよ!!」
士郎「嘘……だろ……?」
藤ねえ「何愕然としてるの!?」
士郎「一度やってみたくてさ」
藤ねえ「いやーちょっと確かめたいことがあってさー」
士郎「? なんだよ」
藤ねえ「士郎さ、最近いろんな女の子と仲良くなったわよね」
士郎「そうだなぁ。遠坂にセイバー、イリヤ、ライダー……あれ、なんか多いな」
藤ねえ「そうよ。あんた自覚なかったの?」
士郎「いや、なんとなく女の子多いなぁとは思ってたけど……まさかこんなにとは」
士郎「自分でもびっくりだよ」
藤ねえ「うんうん。で、誰にするのかな?」
士郎「えっ?」
藤ねえ「いやだから、恋人」
士郎「なんでさ」
藤ねえ「えっ」
士郎「えっ」
士郎「ええー……藤ねえまでそんなこというのかよ、慎二じゃあるまいし」
藤ねえ「うん? ワカメ君もなんか言ってたの?」
慎二『衛宮はどいつにするんだ? 桜とかどうだ? 桜は純情だしいいぞ!早くもってけ!!頼むから!!』
士郎「……って」
藤ねえ「あら、妹を推すだなんて良いお兄ちゃんじゃないの」
士郎「うーん……なんか目がヤバかった気もするんだけどなぁ」
士郎「うーん……どうって言われてもなぁ」
藤ねえ「何よー、家庭的だし気だても良くって最高じゃない! 何がダメなのよ」
士郎「いや、だって……桜は別に俺のこと好きじゃないだろう?」
藤ねえ「……はぁ?」
士郎「やっぱりそういうのはさ、両思いじゃないとって思うんだ。彼女いたことも無いくせに生意気だとは思うけどさ」
藤ねえ「……そーですねー」
士郎「遠坂!? ないないもっとないって!! 遠坂とは絶対無理だって!」
士郎「いつも俺につっかかってくるし、アーチャーもやたら俺にきっついし……」
藤ねえ「アーチャーはさておき……それは……ねえ?」
士郎「あれ? でもだったらなんでうちに居座ってるんだ? 家もあるんだし別に出て行ったっておかしくないよな……」
藤ねえ「!! そうよ、そうなのよ!! その理由を考えなさい!!」
士郎「うーん……」
藤ねえ「おっ! やっとわかったのね!!」
士郎「メシだ!! メシのためだ!!」
藤ねえ「」
士郎「桜のメシは言うまでもなく美味いし、俺の作る料理だって、自分で言うのもなんだけど美味いはずだし」
士郎「セイバーだって美味いっていってくれてるんだ。結構自慢できるはずだよな」
士郎「そんなメシを毎日喰えるんなら、そりゃ居候するよなぁ。うん、なるほど!」
藤ねえ「士郎、さすがねぇ」
士郎「なんだよ藤ねえ。照れるじゃないか」
藤ねえ「褒めてないわよ」
士郎「セイバーは……どうだろう」
藤ねえ「ん?」
士郎「ちょっと、自分でもわからないな。なんて言うんだろう……」
藤ねえ「何が?」
士郎「なんか、アイツといると……落ち着く気がする」
藤ねえ「……ふぅん」
藤ねえ「そうねぇ、私も歯が立たなかったし……あれは悔しかった……!!」
士郎「はは……しょうがいよ。藤ねえも強いけど、セイバーはもっと強い」
士郎「強く無きゃ、ダメだったんだ。だから出会った頃も、もっと堅くってさ」
藤ねえ「そうね、今みたいに『士郎、おかわりです!!』なんて言うようになるとは思えなかったわね」
士郎「うん、最初はおっかないとこもあった」
士郎「でも今はさ、いっぱい笑うようになった」
士郎「満面の笑みって訳じゃないんだけどさ、嬉しさが伝わってくる感じで」
士郎「……もっといっぱい、アイツのいろんな顔、見たいな」
藤ねえ「……そうね。そっかそっか」
士郎「うん?」
藤ねえ「やっぱりアンタは、セイバーちゃんが好きか!」
士郎「ええええ、なんでさ!!?」
士郎「藤ねえに言われたくないよ!!」
藤ねえ「何よー!! 私はまだ20代よ!?」
士郎「わわっ、冗談だってば! でも、そうなのかな」
藤ねえ「ええ、そうよ。誰がどう見てもそうなんです!」
藤ねえ「士郎が気づいてないみたいだから言っちゃうけどさ、セイバーちゃんもあんたのこと。好きよ」
士郎「……えっ?」
藤ねえ「このままあんたたち進みそうにないから言っちゃう!あんたたちは両思い!」
士郎「ええええ!!! いやでもそんな!! ……そうだったら、そりゃ嬉しいけどさ」
藤ねえ「でしょでしょ? あんた達さ、もうお似合いよ!」
士郎「そっか……」
藤ねえ「ねっ、だからさ、もうあんた達付き合いなさいな!セイバーちゃんなら私も許す!」
藤ねえ「何よ、もしかして不満なの!? お姉ちゃんはそんなわがままな子に育てた覚えはありません!!」
士郎「いやそうじゃなくって!! ……藤ねえさ、どうして泣いてるのさ」
藤ねえ「……えっ?」
士郎「ほら、涙が……」
藤ねえ「うそうそ、そんな……な、なんでかな? ははは……」
士郎「藤ねえ……」
「言わないで!!」
「お願いだから、言わないで……」
藤ねえはそう言って俺に体を預けてきた。しおらしくなった藤ねえ。
今までこんなことが、なかったわけではない。
なかったわけではないが、その姿は初めて見るものだった。
疲れた、とか。辛い、とか。そういったものではない。
もっと別の何か。
それは、やっぱり。
「……うん」
藤ねえが腕をそっと背中に回す。俺はそれを受け入れた。
自分の腕も、藤ねえの背中に回した。少し、力を込めた。
藤ねえも力を込めてきた。はじめは少し。そのまま少しずつ強く。
「私は、士郎のことが……好き」
そう言って、より力を込めてきた。
強く、強く。それでも、痛くはない。心地が良い。
ぬくもりが強く伝わる。それが、嬉しくて。
「……ありがとう」
口からこぼれたのはそんな言葉だった。素直な言葉。
ほんの少しの時間だった。きっと、数秒程度だろう。
でもそれが、長く感じられた。長い長いあいだ、そうしていた気がする。
それを終らせたのは自分の言葉だった。
「でも、ごめん」
それが彼女を傷つけることになるのはわかっていた。
わかっていたけれど、言わなきゃならなかった。
うやむやにしてはいけない。それぐらい、馬鹿な自分でもわかる。
だから、伝えた。彼女がそれに応える。
「……うん、わかってた」
短い言葉。彼女が言ったのはそれだけだった。
でもそれで良かった。お互いが交わすぬくもりで、全て伝わった。
──家族だって、思ってるからでしょ?
──うん。
──私は、好きだって言えた。それで満足だから。
──そっか。
──そうなのよ。
──藤ねえのこと、本当の家族だって思ってるよ。とてもとても、大事な人だ。
──うん……うん。ありがとう。私は、幸せだよ。
さっきとは違って、実際の時間すらも予想できない。
それぐらい抱き合っていた。とても充実した時間。
少し、彼女から離れた。
「あ……」
残念がる声が唇から漏れる。
俺はその唇に、自分の唇をそっと重ねた。
仕方が無い。自分だって驚いている。
そっと目を閉じ、彼女は自分に身を委ねてくれた。
そのまま唇を重ね続ける。舌を絡めることも無い、優しいキス。
やがて唇は離れ、再び強く抱きしめ合った。
「こんなこと、するようになったんだ」
藤ねえが少し照れた声で言う
「ふ、藤ねえが初めてだよ」
声がうわずった。恥ずかしい。
ここまでしておきながら今更、という感は拭えないが。
嬉しそうな顔で、彼女は笑った。
今まで見てきた表情の中でも、とびっきりの笑顔だった。
「ありがとう、士郎。……私、今日は帰るね」
そういって彼女は向こうを向いてしまった。
そのとき見えた最後の表情はとても魅力的だった。
いつか、あの表情をずっと見られる男がいるんだな、と思うとなんだか複雑な気持ちになった。
たった今フっておきながら何を身勝手な。我ながら情けない。
まあ、自分も男だったということか。
そう言い残し、走り出した彼女を俺は見送った。
少し先の角を曲がって、姿が見えなくなってしまうまで見送った。
胸の中に、切ない気持ちが残った。切ないけれど、あたたかい。
決して嫌な気分ではない、心地よい気分。
明日からも藤ねえとはいつも通りでいられる。そんな気がした。
そして、勇気ももらえた。
帰ったら、自分の気持ちを伝えよう。
きっと今言わなきゃいけない気がする。
そうじゃなきゃ、藤ねえに悪いもんな。
そう心に決めて、俺は強く歩き出した。
──藤ねえ、ありがとう。
終わり。
まだ見てくれてる人がいたので良かったです。
こっちは即興だったので時間かかって申し分けない。
みなさまよい週末になりますように。私は深夜に冷蔵庫を運ぶバイトへ行きます。
こんな時間までお疲れさまでした!ありがとう!
藤ねえマジ大人の女性
乙
Entry ⇒ 2012.10.13 | Category ⇒ FateSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
士郎「ストライクウィッチーズ?」
一成「ふむ、実は知り合いから譲り受けてな。 俺にはそう言う趣味は無いし・・・
とりあえず衛宮にこれの視聴を一任しようと言うわけだ」
士郎「なんで俺なんだ!しかもこれ・・・パンツ丸出しじゃないか」
一成「どうみてもズボンだが・・・」
士郎「え・・・」
士郎「まあ、そう言う成り行きで借りてしまったわけでさ・・・ 誤解するなよセイバー」
セイバー「士郎、私はあなたの趣味にとやかく言うつもりはありませんが」
士郎「?」
セイバー「あなたが私が鞘である事を見直そうと思います。」
士郎「えええーッ!?お前が最初に言ったんじゃないか!」
セイバー「ではごゆっくり」スーッ
士郎「なんでさ」
士郎「ふーん・・・、ネウロイって怪物と戦う女の子話か・・・」
士郎「俺はあんまり好きじゃないな・・・ 女の子が傷つくなんて」
凛「ただいまー」
士郎「あ」
凛「あら衛宮君、帰ってたの・・・・ね・・・」
士郎「や、やあおかえり遠坂。 これはなあ一成の奴から」
凛「ごゆっくり、ね」スーッ
士郎「うわぁーっ!! 待って!行かないで遠坂ー!」
アーチャー「衛宮士郎・・・ やはり私は、貴様を否定する」
士郎「くそぉ・・・・」
士郎「・・・・・・、でも続きが気になるかも」
二話視聴後
士郎「おお・・・芳佳って娘、初陣だったけど立派に戦えたじゃないか」
士郎「坂本少佐もたくましくて綺麗だよなあ、早く三話三話」
士郎「うおお、OPのキャラクターが全員登場か~」
士郎「リーネちゃんもよく頑張ってたし、次回も活躍して貰いたいな・・・、それにしても
あのサーニャを見ると、なんかイリヤを思い出すんだよなあ」
大河「士郎~!お腹すいたぁー!」スパーン!
桜「こんばんは先輩」
士郎「うげ! テレビを消さなきゃ!」ピッ
士郎「お帰り二人共!」
士郎「がぁー!止めろ藤ねえ!」
桜「ふ、藤村先生ちょっと」
士郎「わかった!事情は後で話すから・・・ とりあえず晩御飯にしよう」
一同「ごちそうさまでしたー」
セイバー「士郎、今日の晩御飯も中々美味でした」
凛「明日は煮込み料理でお願いね」
士郎「お前ら、いつの間に戻ってきたんだよ・・・」
イリヤ「そーよ! 隠し事は無しでしょ!」
アンリ「話してみなさいよ! ほら」
バゼット「気になって買い物にも行けません! さあ士郎くん!」
士郎「なんか増えてるー! わかった話すよ!」
士郎「これはなぁ・・・ カクカクシカジカ」
桜「先輩ったら・・・」ポッ
大河「うう・・・士郎・・・どうしてこんなの子に・・・」
凛「ちょっとほら見なさいよこの表紙の子・・・、スクール水着の上にセーラー服よセーラー服」
士郎「ああーッ!! とにかく続きが見たいんだ! 話せることは話しただろ! そっとしておいてくれ!」
翌日
ワカメ「よう衛宮、ちょっと来いよ」
士郎「なんだよ慎二・・・ 俺家に帰ってストライクウィッチーズを見なきゃいけないんだ」
ワカメ「そのストライクウィッチーズ関係の話しさ、まあ家に来いって」
士郎「わかったよ・・・」
士郎「う、うおーっ!! なんだよこれ! ウィッチのフィギュアが沢山あるぞ!」
ワカメ「僕ね、ちょうどネットサーフィンしてたら、ストライクウィッチーズの記事があったもんだから
気になって手を出したらもうこんな状態さ」
士郎「これは・・・、現在は入手が難しいねんどろいど芳佳ちゃんじゃないか・・・、こっちは抽選でしか手に入らない
限定トゥルーデフィギュア!」
ワカメ「ハッハッハ! どうだすごいだろう! ハイクオリティフィギュアの方もダブりが多くてさあ
好きなの持ってってもいいぜ?」
ワカメ「ほかにも第二次パンツの景品も揃えてあるぜ? まあ衛宮が好きなのを選んでくれてやってもいいんだよ」
ワカメ「さらにストライクウィッチーズ関係の情報やイベント、グッズまでお前に協力しよう」
ワカメ「そこで、だ」
士郎「なんだ?」
ワカメ「この、ルッキーニの服を遠坂に着させた写真をお前に撮ってきて欲しいんだ」
ワカメ「つまり交換条件だよ、衛宮」
士郎「な・・・・、とりあえず頼んでみるけど、その服どうしたんだよ」
ワカメ「徹夜して作ったよ」
士郎「」
ワカメ「ウィッチたちの頑張る姿を見ていたら心打たれちゃってさ・・・
特に魔力減退が始まっても、みんなのためにまだ飛ぼうとする坂本少佐を思うと・・・」
士郎「ああ、わかるぜその気持ち。」
ワカメ「衛宮・・・」
士郎「任せといてくれ! 絶対に成功させてみせるさ!」
士郎「遠坂!」ズイ
凛「な、なによ・・・」ドキ
士郎「一生のお願いがあるんだ・・・!」
凛「い、一生のお願い?(やだ・・・なんでドキドキしてるのよ私!)」
士郎「遠坂にしか出来ないことだ」ゴソゴソ
凛「ん・・・!」
士郎「こいつを・・・着てもらいたい」
凛「は?」
凛「そういう問題じゃなくて! これってルッキーニの服じゃないの!」
士郎「え? なんでそれを・・・?」
凛「悪いとは思うけど・・・、あんたの帰りが遅かったから、あのDVD見させてもらったわ」
アーチャー「私がいなかったら、DVDプレイヤーとディスクは塵になっていたところだがな」
凛「あんたは黙ってて!!」
士郎「遠坂・・・」ブワッ
凛「だから・・・ほら、着てあげるから貸しなさいよ!」
士郎「ありがとう遠坂! 俺が頑張って撮るよ! お圭さんみたいに!」
凛「着替えるんだから見ないでよ!」
士郎「慎二ー! 約束の品を」ガチャ
士郎「! な、なんだよこれ・・・・ 部屋がめちゃくちゃじゃないか!」
士郎「それに・・・ 庭で慎二がこの寒空のなか、パンツ一丁でバケツを持って立たされてるぞ!」
ワカメ「ビェー! ザムイヨォー!」
桜「兄さん、先輩に変な事しないでってあれほど言ったじゃないですか・・・」
ワカメ「俺が悪かったから・・・ お願いだから許してくれよぉ・・・」
桜「ふふふ、先輩がこっちに来ちゃうから、私は退散しますね・・・ライダー!」
ライダー「慎二、桜を悪く思わないでくださいね」シュバ
ワカメ「クルト・・・僕は・・・立派に・・・」
士郎「おいしっかりしろ慎二!」
ワカメ「この声、衛宮か・・・はは、写真持ってきてくれたんだな・・・」
士郎「今はそんな事よりもお前優先だ!」スッ
ワカメ「すまないねぇ・・・、これじゃあまるで、二巻付近のハルカ並にダメダメだね」
士郎「鍵?」
ワカメ「あの年増に作らせた特製の金庫さ・・・、あの中に、予備のグッズが全て入っている」
士郎「お前無茶しすぎだぞ本当!」
ワカメ「ははは、なんかさ、ストライクウィッチーズを見るたびに
昔の桜に対する真心を思い出してさ、あの頃に戻れればいいのに・・・」
ワカメ「うっ・・・、私のロマー・・・・ニャ・・・」
士郎「慎二ー!」
ワカメ「どうやら熱だったみたいだ」
士郎「蒸し芋出しておくよ」
士郎「いや、グッズを貰うのは止めておくよ」
ワカメ「え?」
士郎「自分で集めることにするよ、ああ写真ならやるからさ」
ワカメ「衛宮ぁ・・・!」
士郎「またな慎二、安静にしてろよ」
ワカメ「あ・・・」
ワカメ「ヒトリニシナイデ・・・」
セイバー「では凛、早速劇場版を観に行くとしましょう」
凛「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
士郎「ん? あいつらなにしてるんだ?」
士郎「お前も見たのか!」
凛「ごめん衛宮くん・・・、こっそり見てたらセイバーに感づかれちゃって・・・」
士郎「なるほど、まあセイバーがストライクウィッチーズの何に惹かれたのかは見当付くよ」
セイバー「劇場版では一体どのような料理が出るのでしょうか・・・」
士郎「俺も行く事になってるのね、一人で観に行きたかったんだけどな」
ランサー「ん? おっす、お前らー」
凛「ランサーじゃない、奇遇ね」
士郎「何だそのビニール袋の山は・・・」
ランサー「ああ、こいつか・・・」ゴソゴソ
士郎「あ!それは」
凛「ネムラ軍海ね!」
セイバー「食べ物ですか!」
士郎「まあな、でも意外だ・・・ランサーがストライクウィッチーズを知っているなんて」
ランサー「それがだな、俺はミーナしか知らねえんだよなあ、イイ女だしよ」
士郎「まあ確かにランサーらしいっちゃあらしいけど」
凛「まさかとは思うけど・・・金ピカの命令ね」
ランサー「うぐ・・・ご名答だぜ嬢ちゃん」
士郎「なんでこんな身内間で流行ってるんだ・・・」
凛「おっと、早くしないと間に合わなくなるわよ! またねランサー」
ランサー「おうよ! あ、ほらセイバー一つやるよ」
セイバー「助かります!」
士郎「餌付けみたいだな」
凛『そろそろよ・・・』
士郎『よぉし・・・待ちに待った劇場版だあ』
セイバー『モッサモッサ』
上映終了
士郎「良かったね・・・良かったね芳佳ちゃん・・・」
凛「マリー大活躍だったわね! マリーは可愛いわね!」
セイバー「士郎!チョコが食べたいです!」
士郎「後で買ってあげるよ・・・!」
セイバー「士郎、考えたのですが、風王結界でシュトゥルムの再現が出来るのではないでしょうか!」
士郎「いい案だ! 早速家に帰ってやってみるか!」
桜「あら、みなさんお揃いで」
士郎「おお桜、犬の散歩か? あれ、犬なんて飼ってたっけ」
ハッハッハッ
凛「な・・・」
セイバー「ゾゾゾ」
士郎「し、慎二!」
ワカメ「フシュルルルー・・・ウジュー・・・ウジュー・・・」
士郎「そ、そう言う解釈!?」
ワカメ「コノマメダヌキ!」
ライダー「事の経緯としては、桜の手によって慎二が蟲蔵に放り込まれてしまったわけです」
ライダー「そして数日間、刻印蟲にあんな事やこんな事をされた結果ああなりました」
桜「それじゃあまた」ニコ
凛「士郎・・・わかった? 女の子は時に残酷になれるのよ」
士郎「」
イリヤ「このサーニャって娘にコスプレすればいいのね!」
リズ「洋服作るの、大変」
イリヤ「いいから作るの! 早く早く!」
リズ「了解」
バーサーカー「■■■■■■■―――――ッ!!!!」
イリヤ「きっと士郎も喜んでくれるわよね、バーサーカー」
バーサーカー「■■■■■―――ッ!!」
士郎「プリズマイリヤドライ好評連載中じゃないか! アニメも楽しみナンダナ」
士郎「ん・・・? あれって・・・」
士郎「さ、サーニャ!サーニャじゃないか!」
サーニャ?「あれ? お兄さん・・・誰?どうして私のこと知ってるの?」
士郎「それはだねぇヘヘ」
サーニャ?「そうなの? 嬉しい・・・」ダキ
士郎「うおぉぉぉ!!」
サーニャ?「お兄さん・・・大好き・・・」ギュ
士郎「(はぁぁ・・・現実なのかこれは・・・幸せすぎる・・・)」
セイバー「士郎、何をしているのですか」
セイバー「・・・・、士郎、あなたはその子が本当にサーニャ・V・リトヴャクだと思うのですか?」
士郎「え? だってどこからどうみてもサーニャじゃないか」
セイバー「はぁ・・・鈍い、鈍すぎます士郎・・・
そこの泥棒猫、早く士郎から離れるのです、さもなければ・・・」スッ
士郎「ば、馬鹿セイバー!宝具取り出してどうするんだ!」
サーニャ?「ふふふ・・・流石はセイバー、人間は騙せてもサーヴァントは見破られるわけね」バサッ
士郎「えぇーっ!? イリヤァ!?」
士郎「サーニャにしか見えなかったぞ! すごいなあイリヤは~」ナデナデ
イリヤ「えへへ~もっとして~」
セイバー「ブチッ」
セイバー「これだから・・・これだから・・・」プルプル
士郎「あ、待てセイバー! 夕飯はとびっきりのハンバーガーにしてやるから!
シャーリーが食べてたみたいなの!」
セイバー「む・・・それでは仕方ありませんね・・・」スッ
士郎「よかった・・・ でもイリヤ、こんなイタズラしちゃ駄目だぞ? あとジャプニカ暗殺帳チラつかせるな」
バーサーカー「■■■■■■――――――ッ!!!!」シュバ
士郎「う・・・バーサーカーいたのか・・・・」
ネコアルク・E「デュフォ、サーニャいた!サーニャ!」
キャスター「はぁぁ・・・セイバー可愛いわぁ・・・」
ピンポーン
キャスター「む・・・誰よこんな時に!」
キャスター「はい! 葛 木 メ デ ィ ア です~!」ガラガラ
士郎「おはようキャスター! 実は折り入って頼みがあるんだ!」
キャスター「な、坊やじゃないの・・・で頼みって何よ」
キャスター「ええ? フィギュアを作って欲しい?」
士郎「頼むよ・・・知り合いでフィギュア造形師なんてキャスターしか居ないんだよ」
キャスター「私はウィッチ! なんで造形師なんてジョブがついてんのよ! まあセイバーのなら無数にあるけど・・・」
士郎「ウィッチに不可能はないッ!!!」
キャスター「わ、わかった!わかったわよ!作ればいいんでしょ作れば!」
士郎「ありがとう! 助かった―!」
キャスター「で、一体なんの?」
士郎「このキャラクターのフィギュアをだな・・・」
キャスター「ハインリーケ・プリンツェシン・・・・、やたら長いわね」
キャスター「言われてみればそうね・・・ってこの娘パンツ丸出しじゃないの・・・」
士郎「どう見てもズボンだよズボン! きっとセイバー慣れしてるだろうからさ」
キャスター「あーはいはい! とにかく時間が掛かるからしばらく待ってなさいよ!」
士郎「やったー! じゃあ交換条件で、このセイバーの秘蔵写真を」スッ
キャスター「き、気が効くじゃないの・・・」ヘラヘラ
キャスター「このメイドセイバーも良いし・・・巫女セイバーも中々
バ、バニーセイバー!?」ブフォ
士郎「慎二の金庫も作ったんだろ!? 期待してるからさ! んじゃ!」
桜「はい兄さん、お味噌汁ですよ?」
ワカメ「い、いい香りだよ桜」←治った
ズズズ
ワカメ「ぐふぉ!! ゲホッゲホッ しょっ、しょっぱい・・・!」
桜「あ! ごめんなさい兄さん!あんこと塩とマスタードとエビとカニの味噌と仔牛の脳みそと
アンチョビとニンジン、ジャガイモ、たまねぎ、エシャロット、トウモロコシ、グリーンピース、セロリ、ズッキーニ、
トマト、にんにく、ルバーブ、アーティチョーク、ブルーベリー、ローズマリー、ミント、シナモン
それに、ブルーチーズとワインを入れて煮込んだお味噌汁、お口に合いませんでしたか?」
ワカメ「い、いや・・・そんなことウェップないよ」
ワカメ「(ひどい胸焼けだ! ライダーなんとかしてくれよ!)」
ライダー「(慎二、申し訳ありませんが、私には何も出来ないのです)」
ワカメ「(助けて衛宮)」
士郎「せい!やぁ!」
大河「そのまま素振り100回だよー!」
セイバー「訓練だなんて珍しいですね、士郎」
士郎「芳佳ちゃんも坂本少佐とこうやって訓練していたんだよ!」ブンブン
凛「腰が入っていないぞ衛宮新兵!」
士郎「と、遠坂?」
凛「なんだだと?貴様!なんだその口の聞き方は! ガンド!」
士郎「ぐは!?」
セイバー「凛! 一体何の真似ですか!」
凛「愚問だな・・・、私はただ、このヘッポコ新兵を指導しているだけだが?」
大河「わ、わーお・・・」
カレン「それなら、私もお手伝いします」
士郎「カレン・・・?」
士郎「うわ! 正気かお前ら!」
カレン「聖骸布で動けなくし、ガンドの乱れ打ちで一方的に痛めつ・・・どんな攻撃にも耐える体を」
士郎「今なにか言いかけたよな!」
凛「ごちゃごちゃ騒ぐな!」
セイバー「カレン、ガンド撃ちは体調を悪化させてしまうだけでは・・・?」
カレン「楽しければそれでいいのですよ」
カレン「耐え切れた暁には、これを差し上げましょう」
士郎「それは! 劇場版のサイン入りアフレコ本!?」
カレン「裏ルートで手に入れました」
士郎「わかったよ! 耐えてみせる!」
ワカメ「へへへ・・・ルッキーニお前を妹にしてあげたいよ・・・」
ワカメ「ほらズッパだぞ~・・・」
ワカメ「・・・」
ライダー「慎二・・・」
ライダー「見ていてもわかりますよ、最近の桜はどこかおかしいですから」
ワカメ「まったくだよ! しかも時々黒桜になるの止めて欲しいんだよね!
外見ネウロイみたいだし!」
ライダー「ああなると逆らうのは無理です、そうだそろそろ買物の時間です、では」シュバ
ワカメ「ちょっとぉ!!」
シュン
ギル「よぉ元気にしていたか!」
ワカメ「ギルガメッシュ!」
ギル「見ろ! キャラクターソングCD2、そしていらん子中隊第四巻!」
ワカメ「はぁ!? ま、まさか!!」
ギル「信用できぬか! まあオークションで落としただけだがな!」
ワカメ「ほ、本当に落とせてるじゃないか・・・!」
ワカメ「でもキャラソンCD2の販売自体中止なったんじゃ・・・」
ギル「なに!? じゃあガセだと言うのか!」
ワカメ「それに、ノボルも執筆できる状況でもないし・・・」
ギル「そんな・・・我の2009年春が・・・」
ワカメ「何も情報が出ていないし・・・怪しすぎるだろ?」
ギル「言峰!」
ワカメ「あんたもいつの間に!」
言峰「そういえばギルガメッシュ、お前、前も応援画集で騙されていたな」
ギル「まさか、同じやつか!」
言峰「おそらくな」
ギル「おのれぇ・・・!!」
言峰「今は落ち着いて子ギルになっていろ、な」
言峰「邪魔したな」ガタガタ
ワカメ「何しに来たんだやつら」
カレン「飽きました」
士郎「あが・・・ががががが・・・」ビクビク
カレン「ほら!起き上がって私を捕まえてみろよー!」(裏声)
士郎「シャ、シャーリー・・・今行くからなぁ・・・」
カレン「ああ愉快愉快」
カレン「前言撤回です、やはり弄り甲斐があります」
凛「ふん、だらしのない奴だ」モグモグ
セイバー「凛、私にも蒸し芋をください」ヒョイ
凛「何をする! これは私の芋だ!」
セイバー「たくさんあるじゃないですか!」
カレン「聖骸布を切り裂いた・・・?」
士郎「も、もう限界だ・・・けど、スピードの向こう側が見えた気がする」
カレン「あ、そうですか」
セイバー「し、士郎・・・すごくすごいです」
凛「その芋は私のー・・・!」グイ
士郎「そうだよ・・・俺やっと気付いたよ」
セイバー「士郎?」
士郎「第一、魔術回路は通っているのだから・・・、俺やりますよ一郎さん」
カレン「本格的におかしくなったみたいですね、凛、この落とし前はどうつけるつもりですか?」
凛「私に聞かないでよ!」
セイバー「キャラ戻ってますよ」
キャスター「はぁ・・・ようやく完成ね・・・」
一成「げっ」
キャスター「あらあらお坊ちゃん、覗き見なんていい趣味してるじゃない?」
一成「くっ・・・、まさかストライクウィッチーズを知っているとはな」
キャスター「これはあの坊やからの頼みよ、それに、中々いい趣味してるじゃない?」チラッ
キャスター「さて私は行くわよ、留守番よろしくね」
一成「あの女豹め・・・」
アサシン「どこに行くのだ?」
キャスター「あなたには関係ないわ、黙って門番をしていればいいのよ」
キャスター「うわぁ!」ガク
メキャア
キャスター「あああああ!!!フィギュアがあああああ!!!!!」
アサシン「見事にバラバラだなぁ、あっはっはっはゲフゥ」
キャスター「あんたが話しかけなければこんな事にはならなかったのに!!」
アサシン「理不尽だ・・・ぞ・・・」
ザッ
葛木「どうした、キャスター」
キャスター「は! そ、宗一郎様!違うんですこれは・・・」
葛木「ふむ・・・、これは、ハインリーケ・プリンツェシン・ツー・ザイン・ウィトゲンシュタインか」
キャスター「え・・・? なぜそれを?」
同僚から聞いた作品なんだが、調べていたら随分と深いところまで来てしまった。
葛木「一人で作りなおすのは大変だろう、私で良ければ手伝いたいのだが、ダメか?」
キャスター「も、もちろん大歓迎ですわ!! これ以上に良い物を作りましょう!」
葛木「ああ、一成の奴にも声を掛けておこう」
ワカメ「衛宮・・・」
士郎「慎二・・・お前元に戻ったのか!」
ワカメ「まあね、爺さんのおかげでね。ところで何のようだい?」
士郎「ああ、散々カレンや遠坂に痛めつけられた結果、たどり着いた答えが
『俺がウィッチになる』ことだった」
ワカメ「な、何を言ってるんだかわからないが・・・とりあえずズボン履けよ」
士郎「え? ズボンなら最初から履いてるじゃないか」
ワカメ「」
ワカメ「そりゃあ魔術師にはなりたいけど・・・ウィッチは別に・・・」
士郎「そうか、なら俺だけでウィッチになって見せるよ」
ライダー「(士郎・・・、まさか根源に至ろうと考えているのでは・・・)」
士郎「芳佳ちゃんは言っていた、『私、守りたいんです!』ってな
だから俺も誰かを守りたいし救いたい!」
ワカメ「おぉっと!どうやら桜が呼んでるみたいだ!じゃあな衛宮!」
士郎「おい待て慎二!話はまだ」バタン
士郎「もう・・・なんだよー折角ストライカーユニットが出来たってのに」
ワカメ「あいつ完全に頭イッてるよ・・・、どうしてこうなった・・・」
黒桜「兄さん?」
ワカメ「ひぃ!」
ワカメ「はっ!」
ワカメ『まったくだよ! しかも時々黒桜になるの止めて欲しいんだよね!
外見ネウロイみたいだし!』
黒桜「じゃあ・・・本物のネウロイに・・・なって見ようかなあって・・・」ウゾゾゾ
ワカメ「ギャアアアアアアアア」
セイバー「士郎・・・変態になってしまわれたのですね・・・」
大河「あの歳の男は迷うものだけれど・・・、お姉さん対処の仕方わかんないよ」
凛「こうなったら、意地でも直すしか無いわ!」
セイバー「まあ凛のガンド撃ちのせいで、頭までおかしくなったんでしょうね」
凛「カレンだってノリノリだったもん!」
アーチャー「凛、まずい事になったぞ」
凛「どうしたのよ!」
凛「あれは・・・人型ネウロイ?」
セイバー「あれ・・・桜に酷似しているように見えませんか?」
凛「ええ・・・まさか、とは思っていたけど」
士郎「なんだこの騒ぎは!」
セイバー「士郎!」
士郎「タイツならあるぞ!」スッ
凛「漫才してる場合か!」
人型ネウロイ「先・・・輩・・・」
士郎「今の声、桜なのか!」
人型ネウロイ「先輩・・・?」
士郎「その前に倒すんだ!」スチャ
凛「ええー!? ストライカーユニットォ!」
士郎「俺の使い魔はセイバーライオンだ!」ヒョコ
セイバー「大分酷い絵面ですね」
士郎「そうか、セイバーなら真・烈風斬を撃てるな!」
セイバー「」
士郎「体は剣で~出来ていた・・・」ブワァ
士郎「行くぞ桜!お前を正気に戻してやる!」
セイバー「む、無限に烈風丸が刺さってますよ・・・」
セイバー「テストはしていないのですか!?」
士郎「ああ!一発勝負だ! 発進!」
士郎「発進!発進!」カラカラ
セイバー「士郎・・・もういいでしょう、あれはフィクションなんですから飛べるわけありません」
士郎「うわあああああああ!!!飛びたい!俺は飛びたいんだよぉ!!」
黒桜「(先輩・・・、私のあこがれの先輩像が・・・)」
セイバー「わかってます!」
士郎「ビームはアイアスで食い止める!」
セイバー「桜・・・、この戦いが終わったら・・・士郎を何とかしてくださいね」
セイバー「エクス・・・カリバ 士郎「真烈風ざあああああああああああああん!!!」
ドァア
凛「固有結界が解かれるわ!」
ドサ
凛「桜!」タタタ
士郎「ウィッチに不可能はないんだよ・・・」
凛「(アーチャー・・・、まさかあなた正気を装ってウィッチ狂なんじゃないでしょうね)」
アーチャー「(いやいやいや、悪い冗談だ)」
桜「う・・・、姉さん・・・?」
桜「はい、迷惑かけてごめんなさい、ほんの遊び心だったんです」
凛「桜は悪くないわよ、でも・・・士郎がおかしくなっちゃったのは私達が原因ね・・・」
士郎「坂本さん・・・俺、今度こそ飛んでみせるから・・・」
後日
とある町
志貴「琥珀さーん、これなに?」
琥珀「ああそれですか? ストライクウィッチーズって言うんですよ? 見てみてください!」
おわり
保守も嬉しかったです
こうして型月世界がズボンに侵されていくのか…
Entry ⇒ 2012.07.29 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
士郎「最近、遠坂がなんか咥えてるんだよな」
士郎「セイバー!!悪いんだけど、洗濯物取り込んでくれないかー!!」
セイバー「はい!!」ダダダッ
士郎「……うん。味付けは完璧だな」
凛「ふぃほー」
士郎「遠坂。また、それ咥えてんのか?」
凛「……」
士郎「その四角形のやつはなんだ?」
凛「……」タタタッ
士郎「最近の遠坂は変だな……」
士郎「ありがとう」
セイバー「いえ!」
士郎「なあ、セイバー?」
セイバー「なんでしょうか?」
士郎「最近、遠坂がいつもなにか咥えてるだろ?」
セイバー「リンがですか?いいえ、見ていませんが」
士郎「え?でも、さっきも……」
セイバー「何も咥えていません」
士郎「おかしいな……」
セイバー「そもそもリンがそのようなはしたない真似はしないでしょう」
士郎「でも、確かにいつも咥えてるんだけどな……」
士郎「あー、さっぱりした。あとは寝るだけ」
凛「……」
士郎「遠坂、何してんだ?」
凛「ふぃほー」
士郎「またそんなもん咥えて」
凛「……」
士郎「なんだ、それ?食べ物か?サイズ的にラムネか?」
凛「……」フルフル
士郎「じゃあ、その四角形のはなんだ?」
凛「……ふぉんふぉーむ」
士郎「え?」
凛「……」タタタッ
士郎「遠坂!!」
桜「いただきます」
セイバー「いただきます」
士郎「……」
凛「さくらー、お醤油とって」
桜「はい、姉さん」
凛「ありがと」
士郎「遠坂」
凛「なに?」
士郎「いつも咥えてるの、結局なんだ?」
凛「なんのこと?」
士郎「いや、昨日も咥えてただろ」
凛「知らないけど?夢でも見てたの?」
士郎「……」
桜「先輩?」
士郎「え?」
桜「(姉さん、何を咥えていたんですか?)」
士郎「(えっと……これぐらいの四角い奴)」
桜「(四角い?包装されている感じですか?)」
士郎「(そうそう)」
桜「(なんでしょうか?)」
士郎「(できれば桜からこっそり聞いてみてくれないか?)」
桜「(わかりましたっ)」
凛「セイバー、お茶おかわり」
セイバー「はい!!」
桜「姉さん」
凛「なに?」
桜「何を咥えていたんですか?」
凛「なんの話よ」
桜「……」
凛「士郎が寝ぼけてたんでしょ」
桜「……」
凛「本当よ!!私は何もしらないんだから!!」
桜「わかりました」
凛「な、なによ……?」
桜「それでは……」
凛「……」
セイバー「はいっ!!なんですか?!」ダダダッ
桜「姉さんの様子が少しおかしいので、監視をお願いしたいのですが」
セイバー「はいっ!」
桜「くれぐれも気取られないようにしてくださいね」
セイバー「わかりました!!」ダダダッ
桜「……」
士郎「桜ー」
桜「はぁーい」テテテッ
士郎「買出しに行くんだけど、一緒に行くか?」
桜「はいっ!よろこんで!」
士郎「じゃあ、10分後に集合な」
桜「わかりました♪」
セイバー「……」
凛「なに?」
セイバー「なんですか?」
凛「いや、やることないなら自室に戻れば?」
セイバー「私がどこにいようとも、リンには関係ありません」
凛「そう……」
セイバー「はい」
凛「ねえ、セイバー?」
セイバー「なんですか?」
凛「冷蔵庫の上段右奥にチーズケーキがあるわ。それで手を打ちましょう」
セイバー「わかりました」
凛「よし」
士郎「じゃあ、桜ー。悪いけど下拵え頼むな」
桜「はぁーい」
士郎「えっと……まずは洗濯物を入れて……風呂の掃除だな」
セイバー「シロウ」
士郎「セイバー、どうした?」
セイバー「サクラは?」
士郎「キッチンにいるけど?」
セイバー「……」
士郎「どうした?」
セイバー「いえ……サクラを裏切ってしまったので、合わせる顔がないのです」
士郎「そうなのか。大変だな。ほとぼりが冷めるまでは自室にいたほうがいいんじゃないか?」
セイバー「そうします」
士郎(最近のセイバーも何かと一生懸命なんだよな……なんでも手伝おうとするし……どうしたんだろう?)
士郎「……」ゴシゴシ
凛「ふぃほー」
士郎「ん?遠坂か?」
凛「……」
士郎「どうした?今は、風呂掃除で忙しいからあとでな」
凛「ふぃほー、ふぉっひみふぇ」
士郎「なんだよ……。って、またか」
凛「……」
士郎「行儀悪いからやめとけよ」
凛「……」
士郎「あと、たまには風呂掃除も手伝って―――」
凛「しふぉーふぉ、ふぁふぉー!!」ダダダッ
士郎「遠坂!!……なんでさ」
ライダー「リン」
凛「ふぁいふぁー!?」
ライダー「何を咥えているのですか?」
凛「……っ」バッ
ライダー「……?」
凛「じゃあ……これで……」
ライダー「待ちなさい」
凛「……」
ライダー「今、ポケットに入れたものを見せてください」
凛「ライダーには関係ないでしょ!?」
ライダー「いいから」
凛「……はい」
ライダー「なんですか?これは?」
凛「しらないわよ!!それあげるわ!!」ダダダッ
士郎「あ、ライダー」
ライダー「シロウ」
士郎「なにして……ライダー、何持ってるんだ?」
ライダー「リンに頂きました」
士郎「そうなのか。結構大事そうにしているような気もしたけど……」
ライダー「とりあえず開けてみます」ピリッ
桜「せんぱぁーい、すいませーん!!」
士郎「すぐいく!!」
ライダー「行って来て下さい、シロウ」
士郎「中身、あとで教えてくれ」
ライダー「わかりました」
ライダー「これは……?」
ライダー「……」クンクン
ライダー「なるほど……これはアレですね……」ビヨーン
ライダー「こういう形状なのですか……」
セイバー「はぁ……やはり張り切るだけではシロウたちの役には……」
ライダー「セイバー」
セイバー「ライダー、どうしたのですか?」
ライダー「これを」
セイバー「これは?」
ライダー「避妊具です」
セイバー「……」
ライダー「……」
セイバー「……は?」
セイバー「現代の知識はある。私が問いたいのは、どうして貴方がこれをもっていて、しかも中身を取り出し、私に差し出したのかということです」
ライダー「ああ、申し訳ありません」
セイバー「で、これはどうしたのですか?」ビヨーン
ライダー「リンから頂きました」
セイバー「避妊具を?」
ライダー「ええ」
セイバー「何故?」
ライダー「分かりません」
セイバー「もしかして、シロウが言っていたリンがいつも咥えているものとは」
ライダー「これだったのでしょう」
セイバー「はむっ」パクッ
ライダー「セイバー……」
セイバー「あふぁりおいふぃくありふぁふぇんふぇ」
ライダー「美味しくはないでしょうね」
ライダー「しかし、リンはどうしてこれを咥えていたのでしょうか……」
セイバー「わふぁりふぁふぇん」
ライダー「何か伝えたいことがあったのでしょうか」
セイバー「ふっふぉふぁんふぇふぃふぁら、おいふぃくなふとふぁ?」
ライダー「スルメじゃないんですから、そんなことはありえません」
セイバー「む」
ライダー「避妊具を口に咥える……これを使って……?」
セイバー「……」ハムハム
ライダー「まさか、リンは……」
士郎「セイバー、ライダー、ごはんの―――って、セイバー?!」
セイバー「ふぃほー」
士郎「何を咥えてるんだよ!?」
セイバー「ふぉんふぉーむでふ」
士郎「え?」
セイバー「む」
士郎「ライダー……それ……」
ライダー「なんですか?」
士郎「えっと……もしかして……」
ライダー「風船です」
士郎「え……?」
ライダー「風船ですよ。士郎」
士郎「風船なのか?」
ライダー「はい。セイバーは上手く膨らませられませんでしたが」
士郎「変わった風船もあるんだな」
ライダー「ええ」
セイバー「ライダー、それは」
ライダー「しっ」
セイバー「……」
士郎「遠坂も?」
ライダー「上手く膨らませることができないから、シロウを頼ろうとしたのでは?」
士郎「なんだー。そういうことだったのか」
ライダー「リンはあれでプライドが高いですからね」
士郎「そうか」
セイバー「シロウ、夕食は?」
士郎「ああ、もうすぐ出来上がるから居間に行こう」
セイバー「はい」
ライダー「今度リンがそれを咥えて現れたときは……」
士郎「分かってるよ。膨らませてやればいいんだろ?」
ライダー「誰にも内緒ですよ。リンはきっと怒ります」
士郎「ああ、任せといてくれ。肺活量には自信あるから」
ライダー「ふふっ……」
士郎「さー、寝るか」
凛「し、士郎……」
士郎「遠坂、どうした?」
凛「こ、これ……して……」スッ
士郎「……」
凛「こ、ここまで言ったらわかるでしょ!!いくらあんたでも!!」
士郎「ごめんな、遠坂」
凛「え……」
士郎「こんなことにも気づいて上げられないなんて、男としてダメだと思う」
凛「そ、そうよ……こ、ここまで露骨にアピールしてるのに……」
士郎「俺の部屋に来るか?」
凛「う、うん……お、おねがい……」モジモジ
士郎「よし、行こう」
凛「……」ドキドキ
凛「……うん」
士郎「……」ピリッ
凛「……」スルッ
士郎「遠坂?なんで脱ぐんだ?」
凛「え?」
士郎「暑いか?」
凛「着たままするの?」
士郎「俺はそのつもりだけど」
凛「……」
士郎「……」
凛「……じゃあ、着たままでもいいけど……よ、汚さないでよ?」
士郎「汚すわけないだろ」
凛「ふん……」
士郎「え?なんでさ?」
凛「は、恥ずかしいからよ!!」
士郎「膨らむところを見るのが?」
凛「ば、バカッ!!何言ってるのよ!!!そうだけど!!」
士郎「わかった。じゃあ、消してもいいぞ?」
凛「もう……」
パチンッ
士郎「じゃあ、始めるな」
凛「う、ん……」
士郎「すー……」
凛「士郎……?」
士郎「なんだ?」
凛「あの……や、優しく……してよ……?」
士郎「優しく?わ、わかった……できるだけ優しくする」
凛(よ、よし……脱いだわ……これで……)ドキドキ
士郎「ふぅー!!ふぅー!!!!」
凛「……!?」
凛(し、士郎がすごく興奮してる……?!)
士郎「ふぅー!!!ふぅぅぅー!!!」
凛(士郎のバカ……これじゃあ、絶対に滅茶苦茶にされるじゃない……)
士郎「ふぅぅぅぅー!!!!!ふぅぅぅー!!!!!」
凛(どうしよう……血とか……でるかしら……)
凛(そうだ……魔術で痛み止めを……)
士郎「ふぅぅぅー!!!!!」
凛(できた……これで多少の痛みなら……大丈夫……)ドキドキ
士郎「ふぅぅぅぅー!!!!!!」
凛(あー……もう、私……どうなるの……)ドキドキ
馬鹿だ
凛「え……?」
士郎「遠坂、見てくれ」
パチンッ
凛「きゃ?!」バッ
士郎「ほら、こんなに大きく風船が―――遠坂?どうして……脱いで……」
凛「……っ」ブルブル
士郎「あの……とりあえず、風船……」
凛「士郎なんて……」ウルウル
士郎「え?」
凛「だいっきらい!!!」ダダダッ
士郎「遠坂!!おい!!」
士郎「あいつ……」
士郎「下着、脱いだままだぞ……どうするんだ……」
士郎「おはよう」
セイバー「おはようございます」
桜「おはようございます、先ぱ―――先輩?!それなんですか?!」
士郎「え?風船。いるか?」
桜「そ、そんなものいりません!!新品でおねがいします!!」
士郎「そうか」
ライダー「おはようございます」
士郎「あ、ライダー」
ライダー「なんですか?」
士郎「遠坂、怒ったぞ?話が違うじゃないか」
ライダー「不出来な風船に立腹してしまったのではないですか?」
士郎「そんな……普通に膨らませただけなのに」
ライダー「捻って犬にしてみては?」
士郎「なるほどな」
桜「ライダー、どういうことなの?」
ライダー「サクラは何も心配することはありません」
桜「そうなの?」
ライダー「私はサクラの味方です」
桜「ライダー……」
セイバー「……」
士郎「ライダー、これでどうだ?」
ライダー「いいと思います」
士郎「そうか。これで遠坂も喜んでくれるな」
凛「おはよ……」
セイバー「リン、おはようございます」
士郎「遠坂!!みてくれ!!犬にしてみた!!」
凛「……」
凛「あんた……朝からなんてものを持ちこんでるのよ!!!」
士郎「え……?」
凛「最低!!死ね!!」
士郎「なんでさ!!俺は遠坂のために―――」
凛「……っ」ウルウル
士郎「遠坂……泣いてるのか……?」
凛「もう……いいっ!!でていくっ!!!こんなところいてやるもんですかっ!!!」ダダダッ
士郎「遠坂!!」
桜「姉さん!!」
ライダー「……」
セイバー「……」
士郎「ライダー!?どうしてこんなことになったんだよ?!」
ライダー「皆目検討がつきません」
セイバー「リン……」
凛「もう……絶対にわざとじゃないの……!!」
凛「士郎のバカ……アホ……」
凛「もう……だいっきらい……」ウルウル
トントン
士郎「遠坂……入っても……」
凛「あんただけはもう顔も見たくない!!!」
士郎「今度はウサギにしてみ―――」
凛「それ以上、口を開いたら……殺す」
士郎「わ、わかった……」
凛「昼には出て行くわ。もう私に構わないで」
士郎「遠坂……」
凛「おねがい……もういいから……どっかいって……」
士郎「わかった」
セイバー「シロウ、洗濯物を干しておきました!!」
士郎「ありがとう」
セイバー「……シロウ?」
士郎「ん?」
セイバー「リンは?」
士郎「もう荷造りしてる」
セイバー「このままでいいのですか?」
士郎「……」
セイバー「シロウ……」
士郎「だって、なんかいつもと怒りかたが違うから、どうしていいか……」
ピンポーン
士郎「ん?」
イリヤ「シロー!!!あそびにきたわよー!!!」
士郎「イリヤ!?」
イリヤ「いーのいーの」
士郎「リズも来てたのか。グーテンモルゲン」
リズ「グーテンモルゲン」
イリヤ「今日は何してあそぶー?」
士郎「ごめん、イリヤ。今はそれどころじゃ―――」
イリヤ「なにこれー?」
セイバー「それは!!」
イリヤ「風船でウサギをつくったの?」
士郎「ああ、そうだ」
イリヤ「へー……ん?」
士郎「どうした?」
イリヤ「シロウ、これ風船?」
士郎「そうだけど……?」
イリヤ「……」
イリヤ「……」ジーッ
リズ「イリヤ、固まった」
士郎「イリヤー?」
セラ「こ、こら!!リーゼリット!!!」
リズ「あ、セラきた」
セラ「どうしてそう先に行って―――お嬢様?」
イリヤ「……」ジーッ
セラ「あの……それは……」
イリヤ「これ……どうみても……コンド―――」
セラ「お嬢様!!!すぐにお捨てになってください!!!」バッ
イリヤ「いや、でも……それコンド―――」
セラ「このようなものは……こうして、こうして……ゴミ箱へ!!」ポイッ
リズ「シロウの傑作が」ゴソゴソ
セラ「拾わなくてよろしい!!!」
士郎「え?ああ、遠坂からもらったんだ」
イリヤ「リンから?!いつ?!」
士郎「昨日の晩」
イリヤ「で、どうしてあんなバルーンアートになってるの?」
士郎「いや……そうしたほうがいいって」
イリヤ「使ってないってことね……?」
士郎「何を?」
イリヤ「はぁ……まぁ、私としてもそれでいいけど、わざわざもらったその場で膨らませたの?」
士郎「いや、俺の部屋でだけど」
セラ「不潔」
リズ「むしろ健全」
セラ「どこが?!」
イリヤ「シロウ……そのときのリンの様子、変じゃなかったかしら?」
士郎「そうだな……電気を消してとか言われたし、下着も脱いでたな……」
リズ「シロウ」
士郎「なんだ?」
リズ「バカ」
士郎「?!」
イリヤ「リズに言われたらおしまいね」
士郎「じゃあ、どうしたらよかったって言うんだ?!」
イリヤ「セイバー」パンッパンッ
セイバー「はい?!」
イリヤ「愚鈍な貴方でも事態の把握はでているはずよ?」
セイバー「勿論です!!」
イリヤ「じゃあ、とりあえずリンのところに言って説得してきて」
セイバー「わかりました!!!」ダダダッ
士郎「セイバー、やけに素直だな」
イリヤ「まぁね」
セイバー「リン!!」
凛「なによ?」
セイバー「もう一度、シロウと話してみませんか?」
凛「もういいわ」
セイバー「シロウはきっと大きな思い違いをしていただけだと思います!!」
凛「……」
セイバー「ですから……!!」
凛「いいのよ、セイバー?」
セイバー「え?」
凛「どんなにアプローチしても暖簾に腕押し。脈がなかったってことよね」
セイバー「リン……」
凛「もう諦めるわ。それじゃあ」
セイバー「リン!!シロウの鈍さは知っているはずです!!」
凛「……」
凛「……」
セイバー「私も必死にお手伝いをしていますが、お礼以上のものをもらえたことはありません!!」
凛「セイバー……最近、やけに従順だと思ったら……」
セイバー「いい子にしていれば……シロウがその……愛でてくれるかと……思いまして……」
凛「そう」
セイバー「でも、結果は惨敗でした!!イリヤスフィールに言われた通りのことをしていたのに!!」
凛「あいつは本当にダメよね」
セイバー「はい!!我がマスターのことを悪く言うのは忍びないですが、シロウはダメです!!」
凛「……」
セイバー「一度や二度、気づいてもらえなかったぐらいでなんです。それならもっともっと繰り返せばいいだけです」
凛「セイバー……」
セイバー「さあ、リン。もう一度、シロウと話しましょう」
凛「そうね……そうしてみようかな……」
士郎「わかった」
セラ「まったく……」
凛「士郎?」
士郎「遠坂……」
凛「……」
士郎「ごめん……」
凛「なにが?」
士郎「俺……遠坂を傷つけてたんだよな……」
凛「イリヤ?」
イリヤ「私も同じ誘い方しようと思って」
セラ「……!!」ガタッ!!
リズ「セラ、めっ」
凛「あっそ……」
士郎「あの……なんて言ったらいいか……えっと……これから、するか?」
士郎「……!?」
凛「よくそんな台詞を臆面もなく吐けるわね?!」
士郎「遠坂……」
凛「本当に信じられないぐらいのデリカシーのなさね……」
士郎「悪い……」
凛「……」
士郎「ごめん……遠坂……」
凛「もういいわ」
士郎「え?」
凛「今回は許してあげる」
士郎「本当か?」
凛「でも、士郎?」
士郎「な、なんだ?」
凛「どうしてあれを風船だなんて勘違いできたのかは、すごく興味あるのよね。教えてくれる?勘違いできた理由を……」
桜「せんぱーい、ただいまー」
凛「おかえり。ライダー、桜」
ライダー「はい」
桜「姉さん、先輩は?」
凛「居間にいるわよ」
桜「そうですか」
ライダー「……」スタスタ
凛「ライダー?」
ライダー「はい?」
凛「士郎がライダーに話しがあるんですって」
ライダー「私にですか?」
凛「今晩、士郎の部屋にいってあげて」
ライダー「わかりました」
凛「……」
ライダー(そういえばシロウが呼んでいるとか……行きましょうか)
セイバー「ライダー!」タタタッ
ライダー「なんでしょう?」
セイバー「シロウがこれをライダーにと」
ライダー「こ、これは?!」
セイバー「女性用の避妊具だそうです」
ライダー「……」
セイバー「それでは」
ライダー「え……シロウが……?」
ライダー「いや……でも、私は妊娠なんて……」オロオロ
ライダー「シロウ……サーヴァントの私の体をも気遣ってくれるというのですか……」
ライダー「……」タタタッ
桜「……」
凛「……」
桜「ライダー?」
ライダー「ひっ?!」
凛「こんな夜遅くにどうしたの?」
ライダー「え……いや……シロウが私を呼んでいると……」
桜「そのこと私には一切、話してくれなかったわね、ライダー?」
ライダー「は?いや……そんな些細なことまで報告するなんて―――」
桜「先輩のことなのに?」
ライダー「……!?」
凛「言ったでしょ、桜?ライダーわね、こういう女なのよ」
桜「そうですね……姉さん。ライダーは先輩の血も吸ってるぐらいですからね」
ライダー「サクラ……違います……!!」
凛「シロウからと言われて、避妊具を受け取ったとき、本当に幸せそうだったわねえ……ライダー?」
桜「ライダー……残念です……本当に……」
ライダー「あの……これは……誤解……」ガタガタ
桜「ふふ……そうですね。遠慮なんていいのよ、ライダー?」
ライダー「や、やめて……」
凛「よくも私に大恥かかせてくれたわね?サーヴァントだろうと女神だろうと、容赦はしないわよ?」
ライダー「あ、いや……これはサクラのためで……」
桜「先輩を傷つけてまでそんなことしなくても……いいのよ?」
ライダー「ひぃぃ……!!」
凛「さぁ……開けるわよ」ガラッ
ライダー「……!!」
桜「素敵でしょ、ライダー?ライダーのために先輩の部屋を少し、模様替えしたの」
ライダー「な、なにも……み、みえませんが……?」
凛「そうねー、桜の影をできるだけ詰め込んだからね。黒一色になったの。もうこの部屋に上下左右の感覚はないわ。宇宙と一緒」
桜「実はね。ライダーには前から私が子どものころの思い出を味わって欲しかったの……ふふふ……」
ライダー「やめてください!!!申し訳ありません!!!私は!!わたしはぁぁぁ!!!サク、ラのためにぃぃ!!!!」
凛「ライダー……覚悟してね?」
士郎「イリヤ?!何を咥えてるんだ?!」
イリヤ「ふぉんふぉーむ」
士郎「だめだ!!」バッ
イリヤ「そうよね。別にいらないわよね」
士郎「そういうことじゃない!!」
セイバー「ふぃろー」テテテッ
士郎「セイバー?!」
セイバー「ふぇっふくふぃふぁふぉう」
士郎「なにを言っているんだ?!」
イリヤ「ふぃろー」ギュッ
セイバー「ふぃろー、ふぇっふくふぇす」
士郎「だから―――」
あぁぁあああああああ!!!!!!!
士郎「なんだ?」
士郎「おはよう」
凛「おはよう、士郎」
桜「おはようございます」
セイバー「ふぃろー」
士郎「ぶふっ?!いつまで咥えてるんだ!!セイバー!!」
イリヤ「シロウ……昨日は楽しかったわ」
桜「え?」
凛「え?」
士郎「イリヤ!!」
イリヤ「もう、シロウってば、中々出してくれないから……疲れちゃった」
桜「先輩……?」
凛「へえ……」
士郎「違う!!七並べの話だ!!」
セイバー「ふぃろー、ふぇっふく」
セラ「それでは」
リズ「またね、シロウ」
士郎「はぁ……」
桜「先輩?本当にイリヤさんとは何もないんですね?」
士郎「ないない!!」
凛「ああいうのが好みとかも?」
士郎「どういうのだよ!!」
セイバー「ふぃろー」
士郎「セイバーはもうそれを咥えるな!!」
桜「もう……ふぇんふぁい?」
士郎「桜まで?!」
凛「ふぃろー?ふぉんふぁんは……ふぁっふぇくふぇるんでほ?」
セイバー「ふぃろー、ふぁふぁふぃもふぇっふくふぃふぁふ」
士郎「ああ、もう!!!なんでさー!!!!」
士郎「?!」
ライダー「……」
士郎「ライダー?大丈夫か?」
ライダー「ふぃほー……ふぁふぁふぃふぁ……」ガクガク
士郎「ライダー!!しっかりしろ!!呂律が回ってないぞ!!」
ライダー「あぁぁ……あぁぁ……」ブルブル
士郎「ライダー……辛い目にあったんだな……。俺でよければなんでも言ってくれ。ライダーの恐怖を取り除くぐらいのことはできるかもしれない」
ライダー「え……士郎……?」
士郎「ライダー……なんでもするから」
ライダー「で、では……あの……わ、私を抱いて―――」
桜「―――反省してないのね」
ライダー「ひぃぃ!?」
桜「じゃあ……今度は10年分の思い出……味わってね……ライダー?」
ライダー「いやぁぁぁぁぁ!!!!!!」
END
次はメインヒロインの藤村でお願いします
藤村は後でお仕置きだな
Entry ⇒ 2012.07.21 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
キャスター「リュウノスケ、少し昔話をしましょう。」
キャスター「明日は最高のCOOLをお見せしましょう。」
キャスター「ですので、今日は二人で語らいましょうぞ」
龍之介「ん~。でも、たまにはこういうのもありかな。ずっと暗いとこにいたからね」
キャスター「あぁ!りゅうのすけぇぇ!今!見ましたか!?流れ星!」
キャスター「ふむ、我が聖処女の話です。」
龍之介「あぁ、ジャンヌ・ダルクだっけ?そういえば旦那はまだその話してくれてなかったけ」
キャスター「えぇ、是非お聞かせしましょう。」
――
キャスター『私にももちろん戦の火が飛んできました』
キャスター『我が祖父は私を富と権力の道具も同然に扱い…全く酷い仕打ちでした』
龍之介「ひでぇ!旦那を道具扱いするなんて!俺だったらゆるせぇ!」
キャスター「うぅ、龍之介!なんとありがたきお言葉!」
キャスター「それでは続けますよ」
――宮廷
シャルル「是非、君に会ってもらいたい人がいてね」
キャスター「私に?」
シャルル「噂は聞いているかもしれないけど、さぁ奥の部屋で君を待っているよ」
キャスター「は、はぁ…」
ジャンヌ「やぁ、初めまして。」
キャスター「じょ、女性!?私は一応…婚約しています!お見合いなど」アセアセ
ジャンヌ「ちょっと!落ち着いて!お見合いなんかじゃないよ」
キャスター「では…何のご用件で」
ジャンヌ「決まっているだろ!現在我々は危機に直面している」
キャスター「イングランド軍による包囲ですか…。」
ジャンヌ「あぁ!我々は今こそ立ち上がるべきなんだ!」
キャスター「っむ、無茶です!民は今餓えに苦しみ…戦いなんて…とても…」
ジャンヌ「神は言ったのです!今こそ国のために立ち上がるべきだと!」
キャスター「」ポカーン
ジャンヌ「な、なんだ!?私を信じてくれないのか?////」
キャスター「い、いやそういうわけでは…」
ジャンヌ「い、いいか!?神は我々に(ry」
キャスター『彼女はその後、無邪気な子供のように神の声について私にお話くださいました』
キャスター『その目は本当に美しく、希望に満ち溢れ輝いて見えました』
ジャンヌ「私と共に戦おう」
キャスター『希望を求めて立ち上がったのです!』
――オルレアン包囲戦
キャスター「やはり、貴方もご出陣なさるのですか」
ジャンヌ「当たり前だ!兵はみな私に期待している。私がみなの希望だから…」
ジャンヌ「それに!私がいなくては!みな不安がるだろう?」ニコッ
キャスター「/////////」
キャスター「ふふ。ですが、兜が傾いておられる。」カチャカチャ
ジャンヌ「あ、ありがとう///」
キャスター「うむ、立派ですぞ。ジャンヌ」
ジャンヌ「では参ろう!!!」
――戦場
ジャンヌ「こ、これが…戦場」
兵「しねぇぇ!!」
兵「我が祖国のためにぃぃ!!」
ジャンヌ「きゃっ!」
キャスター「危ない!」
キン! グサッ
キャスター「何故!?剣を御抜きにならないのです!?」
ジャンヌ「」ガタガタ
キャスター「気をしっかりお持ちください!ジャンヌ!ジャンヌ!!」
ジャンヌ「わ、私は…」ガタガタ ブルブル
キャスター『ジャンヌは酷く怯えていました。無理もありません。彼女はまだ10代少女…』
キャスター「ジャンヌ…今日のことは」
ジャンヌ「ごめんなさい…私…」
ジャンヌ「私にはできない…人殺しなんて」シクシク
キャスター「私が止めておくべきでした…。やはり貴方はご出陣なさるべきではありません」
ジャンヌ「それはだめだ!!同士は皆命がけで頑張っているんだ!」
ジャンヌ「私は希望だ!私が出向かなくては!」
キャスター『それでも彼女は必ず出陣した。ただ、旗を持ち、勇敢に戦場を駆けました』
キャスター『兵士達は彼女の鼓舞を見て勇気付けられました。もちろんこの私も』
キャスター『そして…我々は戦いに勝利したのです。』
ジャンヌ「これで!これでオルレアンは開放される!」
キャスター「えぇ、これも全て貴方のおかげですジャンヌ」
ジャンヌ「いえ、私はただ神の声に従ったまでです」
ジャンヌ「神はいつも我々を見守ってくださってる!」
ジャンヌ「どんなに絶望の淵へ追いやられても我々をお救いになるのです!」
キャスター「えぇ!もちろんですとも!」
キャスター「ジャンヌ!我が聖処女よ!貴方はその神にもっとも近いお方です!!」
ジャンヌ「それはちょっと言いすぎだよ///」
ジャンヌ「でも、君との出会いもきっと、神のおかげだとおもうな」ニコッ
キャスター『しかし、宮廷のものとジャンヌにすれ違いが生じ…それは次第に大きくなっていきました。』
キャスター『それでも、ジャンヌは独り祖国のため戦い続けました…』
キャスター『そして…』
キャスター『彼女はもう肉体すら残っていませんでした。』
キャスター『ジャンヌは…神はおろか、人として死ぬことも許されなかったのです…』
キャスター「ふざけるな!何故だ!何故彼女が死ななくてはならない!」
キャスター「祖国を救ったのだぞ!我らに希望の光を与えてくださったのですぞ!!」
キャスター「あぁ…神よ!どうしてこのような惨いことを…」シクシク
キャスター「じゃんぬ…ジャンヌ、ジャンヌジャンヌジャンヌ!!」
ジャンヌ『どんなに絶望の淵へ追いやられても我々をお救いになるのです!』
キャスター「そうか、神…貴方は…」
キャスター「どれだけ…どれだけの絶望が生まれようとも!貴方はただ見ているだけなのですね!」
キャスター「ふふ、それでは…それではこのジル・ド・レェが!最高の絶望と恐怖をご覧に入れましょう!!!」
龍之介「」グー カー
キャスター「あらら、寝ちゃっていましたか。」
キャスター(ジャンヌ…。明日には全てを思い出さしてあげましょう)
キャスター(そして、貴方を陥れた神に…最高の絶望を)
キャスター『あそこに小さい少年が…誰でしょう?どこかで見たような…』
キャスター『あれは…もしや…』
龍之介「あっち~。早く帰ろ」
キャスター『龍之介!?ではこの夢はリュウノスケの…』
キャスター『いや、違う…この夢は…』
姉「おかえり!龍ちゃん!」
龍之介「ただいま~!」
姉「どう?蝉はいっぱい獲れた?」
龍之介「すっげぇ捕まえた!ほら!」 ガサガサ
姉「うわ!すごいね~!龍ちゃん」ナデナデ
龍之介「えへへ~」
姉「それじゃ、逃がしてあげましょ」
姉「あのね、龍ちゃん。蝉は七日間しか生きられないのよ?」
姉「だから、死んじゃう前に逃がしてあげましょ」
龍之介「なんで?七日しか生きられないの?」
姉「え、えぇ…う~ん…わかんないなぁ」
龍之介「ふーん」
姉「えええ…」
龍之介「死ぬまで飼う!」
姉「なんでまた…」
龍之介「死ぬとこ見てみたい!」
姉「でも可哀想じゃない」
龍之介「何がー?気になるじゃんか!」
姉「その代わり、最後までちゃんと責任もって育てるのよ?」
龍之介「うん!」
数日後
龍之介「死んじゃった」
姉「そうね…埋めてあげよ?」
龍之介「うん!」
姉「ん?」
龍之介「死んだらどうなるの?」
姉「えぇ…」(またまた、難しい質問だ…)
姉「死んだら~?えぇ…」アセアセ
龍之介「俺たちも死んじゃうの?」
姉「」(悩む龍ちゃん、可愛い///)
姉「うん、いつかは死んじゃうかな」ギュッ
龍之介「ぐ、そっか姉ちゃんも?」
姉(龍ちゃんをこれ以上怖がらせるわけにはいかん!)
姉「うん、もちろん。でも、怖いことでもないと思うよ」
龍之介「そうなの?」
――数年後
龍之介(つまんねぇこの映画。どうせCGだしなぁ)
龍之介「あぁ、ゲームもどうせゲームだし!」
龍之介「俺はどうすりゃいいんだ~」バサッ
龍之介「はぁ…誰か殺してぇ」
龍之介「はいよ~。今行く」
姉「お父さんとお母さん、帰ってくる日もうちょっと延びるって」
龍之介「へぇ、そうなんだ」(チャンス!これってチャンスじゃん!)
姉「ふふ、昔は泣いて嫌がってたのに~♪もう親離れしちゃった?」
龍之介「まぁ、さすがに泣かねーよ」
姉「じゃぁ、お姉ちゃん。お風呂に入ってくるね!」(龍ちゃんも大人になったなぁ…うんうん)
龍之介「すっげぇわくわくする!どうやって殺そうかな!?」
龍之介「包丁でぶっさす?いやでも…ここは首絞めたほうが」
龍之介「あぁぁ悩む!!」
姉「龍ちゃんも明日早いんでしょ?って、あれ?龍ちゃんどこぉ?」
姉「寝ちゃったかなぁ…。う~ん…龍ちゃ~ん」
龍之介「」スッ
姉「あ、龍ちゃ、ぐ…ぐはっ」
ギュギュギュギュ
姉「ぎゃ、がはっ」ジタバタ
姉(龍ちゃん?どうして?)
ギュギュギュギュギュ
姉「やめ…ぐるじ」ジタバタ
姉(どうしてなの?龍ちゃん…)
姉「ど…し…て」
ギュギュギュギュギュ
姉「」バタリッ
姉「」
龍之介「何だよ…ちょっと首絞めただけだぜ?」
龍之介「なのになんだよ!この感覚…超COOLじゃん!」
龍之介「あぁ、もっと殺してぇ!」
龍之介「もっと色んな殺しかたをしよう!」
龍之介「こんなの飽きるわけないじゃん!!」
龍之介「ん?どうしたの旦那?俺、寝てた?」
キャスター「起こしてしまって申し訳ございません。」
龍之介「な~んか変な夢見たよ」
キャスター「夢?」
龍之介「超!熱い夢!マジで!火炙りってやつだよ!ありゃぁ!」
キャスター「リュウノスケェ…」
龍之介「なぁ、死ぬ間際って一体何考えるんだろう」
キャスター「そうですねぇ…こればっかりは死んでみないとわかりませんね」
龍之介「死人に口なしか~。」
キャスター「…」(少なくとも…彼女らは…)
ジャンヌ『熱い、熱い…どうして…こんな…――あぁ、ジル・ド・レェ。もう君に会うことは…』
姉『龍ちゃん…龍ちゃん…ごめんね…きっとあたしのせいだよね』
キャスター(最愛の人を想うのでしょう…)
おわり
ごめんね。最後までみてくれてありがとう
乙
綺麗に終わったな
なんだか複雑な心境
乙
Entry ⇒ 2012.07.11 | Category ⇒ FateSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
切嗣「イリヤが一緒にお風呂に入ってくれない」
士郎「そりゃあ…年頃だし」
切嗣「けど最近、つい最近まで僕と一緒に入ってくれてたんだ。それが急に拒むようになって…おかしい。理由も教えてくれないし絶対に何かあるはずだ」
士郎「いや、別に何もないと思うけどなぁ…寧ろ今までがなあ」
切嗣「イリヤ…どうして…イリヤ……」ポロポロ
士郎「そんな事で泣くなよ。しかもいい年した大人が鼻水まで垂らして」
切嗣「うえっ……うえっ……ズズッ…」
ライダー「はい。こちら冬木お悩み相談所です」
切嗣『娘が僕と一緒のお風呂を嫌がるんです。どうすれば良いんでしょうか?』
ライダー「お風呂をですか。失礼ですが、娘さんの御年齢は?」
切嗣『永遠の九歳です』
ライダー「九歳ですね。娘さんはいつからお父様とのお風呂を拒むように?」
切嗣『つい最近です。急に嫌がるようになったんです。理由も言わずに…』
切嗣『そ、それじゃあ僕はもう娘とは入れないのですか?』
ライダー「おそらく」
切嗣『い、嫌だ。そんなの嫌だ!』
ライダー「娘さんの成長を認めて下さい」
切嗣『な、何とか娘とまたお風呂に入る方法はないんですか?』
ライダー「お父様、無理に入れさせようとすると虐待に繋がる可能性があります。ですから――」
切嗣『ふざけるな! ふざけるな!! ばかやろー!!!』
切嗣『す、すみません…つい興奮してしまって』
ライダー「と、とにかく、今の現実を受け入れ、娘さんを見守って下さい」
切嗣『はい…ありがとうございました』ピッ
ライダー「……ハァ」
プルルルルッ!
ライダー「はい。こちら冬木お悩み相談所です」
『婚約相手が若い男と浮気してるのだが、どうすればいい? 最近髪も薄くなって辛いのだが』
ライダー「自分で力で何とかして下さい」
『き、貴様それでは相談の意味が――』ガチャ
ライダー「……ハァ」
プルルルルッ!
ライダー「はい。こちら冬木お悩み相談所です」
『あの俺…いや、僕、義理の親戚がいるんですけど…ちょっと相談に乗ってもらえないでしょうか? ……フヒッ』
『その子は家庭の事情で、十年前に養子として僕の家族の所に引き取られました。けど僕の家は決して良い環境とは言えなくて…だから、あの子は親の温もりを知りません』
ライダー(……ん?)
『でも…それでも彼女はいい子に育ちました。だから僕はそんな彼女の為にもフヒッ、あの子の父親代わりにエヘッなって、今まで味わえなかった親の温もりを感じさせてあげたいんだヒヒ』
ライダー「……」
『一緒にお風呂に入ったりヒヒッ頭撫でてあげたりしてフヒッ…パパやお父さんって呼ばせてあげたいなイヒッ』
ライダー「……雁夜ですか?」
『!! なっ、お前まさかライダー…!?』
ライダー「貴方一体何を…」
『違う! 俺じゃない!」
ライダー「義理の親戚って桜ですよね? 貴方、桜からどんな風に思われt」
『う、うわああああああああああああ!!!!!!!?』ガチャ、プッー、プッー、プッー、プッー
トッキーと雁夜?
ライダー「……ハァ」
プルルルルッ、ガチャ
ライダー「…はい。こちら冬木お悩み相談所です」
『貴様、我の相談に乗れ』
ライダー「はい…何なりと」
『好みの女がいるんだが、そいつが中々素直になってくれなくてな。まあそれはそれで退屈はしないのだが』
『だがたまには我に振り向いて欲しい。どうだ雑種、この我がわざわざ雑種ごときに案を求めたりしてるのだ。何か良い案は思い付かないか?』
ライダー「まずはその図々しい態度を改めるべきかと」
『ふざけるな! 図々しくなくて何が王か! 雑種、調子に――』ガチャ
ライダー「……ハァ」
ライダー「……もうお昼ですか」
アイリ「切嗣、元気出して」
切嗣「アイリ、僕はまだこの現実を受け入れる事は当分出来そうにない」
アイリ「今すぐじゃなくてもいいわ。ゆっくり、ゆっくりと前に進みましょう。私も手伝うから」
切嗣「ありがとう。でも、アイリとイリヤと僕、三人で一緒にお風呂に入る事はもうないんだね」
アイリ「あら? 士郎は仲間外れ?」
切嗣「ハハ、士郎は年頃の男の子だから仲間外れ以前の問題だよ。女の子の裸を見せる訳にはいかない」
切嗣「士郎はこれからも父子二人の、男同士の風呂付き合いさ」
切嗣「けどイリヤとはもう…いつかこういう日が来るのは分かってた筈だけど……辛いなぁ」
アイリ「そうね。でもお風呂だけじゃないわ。いつかイリヤにも大切な人が出来て、その人と幸せになるために私達の元を離れて…」
切嗣「」ポロポロポロポロポロポロポロポロポロポロポロポロポロポロポロポロ
アイリ「も、もしもの話よ。それに一緒に住む事だって出来るし」
切嗣「少し…散歩してくる……」
アイリ「い、いってらっしゃい」
舞弥(今日も行きつけのケーキ屋さんでケーキバイキング)
舞弥(お昼限定、今日まで好きなケーキ食べ放題。急がないと)ワクワク
ブーン、ブーン
舞弥「!……」ピッ
舞弥「はい」
切嗣『舞弥、すぐに来てほしい。話がある』
切嗣『会ってから話すよ。電話じゃ心が落ち着かない』
舞弥「そ、それなら、今ケーキ屋の近くにいますのでそこd」
切嗣『冬木の西街道のファミレスで話をしよう。そこで待ってる』ピッ
プッー、プッー、プッー、プッー
舞弥「……ケーキバイキングが」シュン
切嗣「どうしてイリヤは急に嫌がる様になったんだろう…」
舞弥「……(やっぱりケーキ屋さんのケーキの方が美味しいな…)」モグモグ
切嗣「舞弥、どうしてだと思う?」
舞弥「……どこか変な所触りましたか?」モグモグ
切嗣「いや、それはない。洗う場所は昔から変わってない。もし触ってたらイリヤが嫌がる筈だ」
舞弥「……何か嫌われる事は?」モグモグ
切嗣「分からない……全然分からない。オナラはイリヤの前では極力控えてる。もちろんアイリの前でもだ。煙草も外やトイレでするようにしてる」ブッ! スパッー…
舞弥「……あ、すみません。ケーキおかわり」モグモグ
舞弥「何か心当たりでも?」
切嗣「い、イリヤに好きな人が出来たのか?」
舞弥「……その可能性は否定出来ません」
切嗣「そ、そんな…イリヤに好きな人が……」プルプル
オマタセシマシター
舞弥「(あ、新しいケーキが来た。いただきます)切嗣、あくまでも可能性の話なのd」
切嗣「オエッ! オロロロロッ!!!!」ビチャビチャ
舞弥「ぶっ!?」
舞弥「落ち着きましたか? (ケーキが切嗣のゲロにまみれて食べれなかった…)」
切嗣「ああ、落ち着いたよ。それにしても、イリヤに好きな人か」
舞弥「可能性ですが…」
切嗣「もし好きな人が本当にいたら、イリヤはもうその男とイチャイチャしてるのだろうか?」
舞弥「……少なくとも片思いはありえるかと」
切嗣「よし、探して殺そう」
舞弥「落ち着いて」
舞弥「殺しはもうやめたでしょ?」
切嗣「娘を守る為ならパパは頑張るんだよ」
舞弥「駄目だよ。まだそうと決まった訳じゃないのに」
舞弥「本人に直接聞いてみた方が早いと思う」
切嗣「……」プルプル
舞弥「切嗣?」
切嗣「聞くのが怖いよ…」プルプル
舞弥「……マダムに代わりに聞いてもらうのは?」
切嗣「…そうしてみる」
舞弥「…会計、お願いします」
切嗣「ああ…」
切嗣「イリヤ…僕はまだ君に甘えて欲しい」トボトボ
切嗣「ん?」
クルッポー、クルッポー
時臣「ふっ、今日も優雅に公園の鳩に豆まき」パサッ、パサッ
優雅とはなんなのか
時臣「! ああ、お構いなく」スッ
切嗣「失礼」
時臣「君も豆まきどうかね?」スッ
切嗣「ああ、やらせてもらうよ」パサッ、パサッ
時臣「……何やら元気がないみたいだが、どうかしたのかね?」
切嗣「……実は、娘が僕と一緒に風呂に入ってくれないんだ。突然拒否するようになって」
時臣「ふむ…それは気の毒に」
切嗣「そっちは、自分の子供と今でも風呂に入ってるのか?」
時臣「ああ。今でも妻と娘の三人で背中を洗い合い、十数えたら風呂から出るのが日課だ」
切嗣「ハハ、羨ましいなあ。僕も最近まで背中をゴシゴシ洗い合ってたのになあ…」
時臣ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!
時臣「うーむ、さっぱり分からない……いや、あるとするならば、父親の威厳を損なうような過ちを犯した以外考えられないな」
切嗣「僕は威厳のある立派な父親とは言えないけど、嫌われるような事はしてないと思うんだ」
時臣「……もしや反抗期か?」
切嗣「は、反抗期!?」
切嗣「そ、それがあったか…」プルプル
切嗣「反抗期…親に逆らう…家庭内暴力…非行……手に負えるかどうか分からない……援交……家出……家庭崩壊……バーサーカー」
時臣「あくまでも可能性d」
切嗣「死のう」
時臣「ハハハ、落ち着くんだ」
アイリ「お帰りなさい」
切嗣「イリヤは?」
アイリ「まだ帰ってないわよ」
切嗣「あ、あああ……」
アイリ「ど、どうしたの?」
切嗣「アイリ、イリヤは最近君に反抗的じゃないかい?」
アイリ「いいえ。特にそんな事はないわ」
切嗣「そうか、良かった…」
アイリ「どうかしたの?」
切嗣「アイリ!」ギュ
アイリ「! え、切嗣?」
切嗣「これからも頑張ろう」ポロポロ
アイリ「え、ええ、そうね」
切嗣「何だ士郎、いたのか」グスン
士郎「いたのかって酷いな…」
切嗣「ごめんごめん。そうだ、久しぶりに僕と風呂に入ろう」
切嗣「ふっー…」
士郎「……」
切嗣「何日ぶりだろう、お前と二人で風呂に入ったのは?」
士郎「んー、二週間ちょっとだと思う」
切嗣「そうか。意外と入ってなかったんだな」
切嗣「そういえばそれから数日して、イリヤが僕とのお風呂を拒み始めたんだよなあ」
切嗣「しばらく一人での入浴が続いた。そして久々に誘おうとした三回目! 僕とアイリの三人での風呂すら断った! これは明らかに僕との入浴を嫌がっている。それを決定的にしたのが…」
『お母様とだけなら別にいいんだけどなー』ボソッ
切嗣「三回目を断った後にそう言ったんだ! イリヤ、僕が何をしたって言うんだ? 直すから、父さんちゃんと直すから!」
士郎「落ち着けよじいさん!」
切嗣「う、うえええ、イリヤ、父さんまたイリヤとアイリの三人で背中流しっこしたいよ」ポロポロ
士郎「泣くなよもう…」
切嗣「オエッ! オロロロロッ!!!!」ビチャビチャ
士郎「うわっ!? きたねえ!!」
士郎「じいさんが風呂で吐いた」ヨッコラセ
切嗣「」
アイリ「まあ大変! 救急車呼んだ方がいいかしら?」
切嗣「大丈夫…横になってれば回復するから……」
アイリ「そう? それならいいんだけど…」
切嗣「士郎……後は頼んだよ…………」
士郎「分かったから休んでろってじいさん」
切嗣「ああ……」
アイリ「なぁに?」
士郎「あのさ――」ゴニョゴニョ
アイリ「あらそんな事? いいわよ」
「ただいまー」
アイリ「ちょうど帰って来たわね。じゃあさっそく聞いてみるから」タタタッ
士郎「……」
士郎「まあ、普通の人から見たら娘が父親と一緒にお風呂だなんて変に見られるし、嫌になるのも当然だろうな」
士郎「だってイリヤ“姉さん”はもう(体も心も)十八歳なんだから」
そういえば時臣さん娘と妻と一緒に風呂に入ってるって…
ときおみいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
アイリ「そう、分かったわ」
イリヤ「どうしてそんな事聞いたの?」
アイリ「ふふ、なんでもなーい」
切嗣「おかえり…イリヤ」
イリヤ「キリツグどうしたのー!? 顔色悪いよ?」
士郎「風呂で吐いたんだよ(改めて見たらアイリさんそっくりだよなあ。顔も体も。性格は似てないけど)」
イリヤ「えっー!? 大丈夫なのキリツグー?」
切嗣「ああ、大丈夫だよ…」
イリヤ「でもそれじゃあ今日のお風呂は臭くて無理かぁ」
士郎「イリヤ姉さん」
切嗣「」ポロポロ
イリヤ「ご、ごめんキリツグー!」
イリヤ「そ、それは……」
士郎「もうズバッと言ってやりなよ姉さん」
イリヤ「う、だって…今でも親と、父親と一緒に風呂に入ってるって友達に言ったら、すごい驚いちゃって……それでキリツグと風呂に入るのが嫌になったの!」
士郎(ほら、当然の答えが返ってきた)
切嗣「よそはよそ、うちはうちでいいじゃないか…」
士郎「良くねえよ」
切嗣「イリヤ…」ウルウル
士郎「じいさん、諦めろ」
切嗣「後一回。後一回だけ一緒に、アイリとイリヤの三人で入りたい」
士郎「諦め悪いなじいさん」
イリヤ「うぅ…」
切嗣「お願いだイリヤ…」
イリヤ「わ、分かった。後一回だけだからね。次入ったら卒業してね?」
切嗣「! ありがとうイリヤ」パアア
士郎(卒業って普通逆だよな)
時臣『やはり友達に変な目で見られたくないと言う娘の意志を尊重するべきだろうか?』
ライダー「十七歳の少女が今でも父親と一緒に入る事自体、異常に近いので。例え仲が良くてもです。娘さんの意志を尊重するべきです」
時臣『助言に感謝する。これで私も娘と仲直り出来そうだ』ガチャ
ライダー「……ふぅ」
プルルルルッ!
ライダー「はい。こちら冬木お悩み相談所です」ガチャ
切嗣『あの、この前九歳の娘との風呂の事で相談した者ですが…』
切嗣『はい。あの時はすみません』
ライダー「また風呂の事で?」
切嗣『いえ、それはもう解決しました』
ライダー「良かったですね」
切嗣『はい。ただ、新しい問題が発生しまして…』
ライダー「はい」
切嗣『娘がお休み前のキスを急に嫌がるようになったんです。一体どうすればいいのでしょうか?』
ライダー「もう電話して来ないでくれませんか?」
終わり
一応このSSの設定ではセイバーも士郎達と一緒に住んでるんだけど、切嗣視点だとセイバーは空気と同じなので出ませんでした。ちなみに士郎は17歳。というか凜も桜も年齢はSNかプリズマの設定。先生は考えてない。
それと>>1で切嗣「死にたい」に画像も追加したかったんですけど、無断転載による通報が恐くて出来ませんでした。
画像はFate/Zeroの2クール目のEDにある、ベッドの上で切嗣がアイリに慰めてもらってる画像です。
ちなみにアメリカでは親が子供と風呂に入った時点で性的虐待だと疑われるらしいです。
もうやだこいつら
過ちは繰り返される…
セイバーェ…
Entry ⇒ 2012.07.10 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
凛「士郎がテクノブレイクしそう?」
アーチャー「・・・・・・それがどうした」
士郎「最近夜の相手がきつい・・・・・・」
アーチャー「・・・・・・あー」
士郎「アイツ、未来でお前と居た時どんな感じだったんだ?」
火曜 凛、ルヴィア
水曜 桜、ライダー
木曜 イリヤ、セラ、リズ
金曜 カレン、バゼット
土曜 美綴、穂群原三人娘
日曜 全員
アカン、士郎死んでまう
メインヒロインの冬木の虎がいないぞ
ssf
日曜に相手してもらってんじゃねーの
士郎「だってお前・・・・・・、これから先アイツがずっとああだったら、俺が持たない」
アーチャー「・・・・・・恐らく、大分長いことそんな感じだな」
士郎「」
アーチャー「落ち着きだすのは随分先の話だぞ、アレは、全く、飽きもせず毎日毎日・・・・・・」
士郎「え?」
アーチャー「ん?」
士郎「毎日?」
アーチャー「毎日だ」
アーチャー「何でと言われてもな・・・・・・」
士郎「今の俺は週一できついんだぞ?」
アーチャー「それはお前がセイバーやらライダーやら桜やらその他諸々とっかえひっかえしているからだろうが」
アーチャー「そうなのか?」
士郎(なに食いついてんだコイツ)
士郎「・・・・・・セイバーだとさ、お互い満足度が同じというか、理解があるというか、あまり疲れない」
アーチャー「まあ、そもそもお前の中にあったアヴァロンを媒介に限界したわけだからな、剣と鞘が逆な気もするが」
士郎(なに言っちゃってんのこの俺)
士郎「・・・・・・さっきからえらい食いつくな、お前」
アーチャー「ならばお前は過去の自分が別の未来を行く様が気にならないというか?それも異性との肉体関係だぞ?」
士郎「気持ちは分かるけどもうちょい大人でいて欲しかったよ」
士郎「まあ、そうなんだけど、桜は基本俺の気持ちを汲んでくれるよ、確かに姉妹だなと思う時はあるけど」
アーチャー「ふむ」
士郎「ライダーとペア組んでくる時はあれだけど、あの場合は夢みたいなもんだしな」
士郎「あとイリヤは基本さわりっこみたいなもんだしな」
アーチャー「貴様超えてはいけない一線を平然と超えて行くんじゃない!」
士郎「お姉ちゃんだから、年上だから、大丈夫」
アーチャー(コイツ今すぐにでも殺しておくべきなんじゃないか?)
アーチャー「バゼットはあの狂犬がいるだろうに・・・・・・」
士郎「アイツは基本遊び人だからな、だらしのない奴め」
アーチャー「今のお前も中々だぞ」
アーチャー「お前は一体何処まで手を広げて何処まで盛っているんだ?」
士郎「>>6」
アチャー「」
アーチャー「貴様!なんだこれは!」
士郎「やっぱりマズイよなあ・・・・・・」
アーチャー「お前セイバーはそこまでじゃないとか言ってなかったか?」
士郎「たまに黒化するんだよ・・・・・・」
アチャー「」
士郎「・・・・・・気の迷いで」
アーチャー(なんだコイツは、着いていけない・・・・・・)
アーチャー「しかし、お前・・・・・・、美綴はまずいだろう・・・・・・」
士郎「そうか?融通利いて助かるんだけど」
アーチャー「黒化してるのは貴様だろうがこの畜生が」
士郎「・・・・・・」
アーチャー「・・・・・・おい」
士郎「・・・・・・」
アーチャー「貴様、まさか・・・・・・」
士郎「聞きたい?」
アーチャー「!?」
士郎「子供の頃から保護者同然だった隣近所のお姉さんがお前じゃなくて俺という自分以外の人間にどんな濡れ場してるのか」
アーチャー「ヤメロォ!!」
士郎「今の俺はお前がほんとに英霊なのか疑問で仕方ない」
アーチャー「よりによって身内だぞ!イリヤもそうだ!」
士郎「イリヤは親父から色々教えて貰ってたって聞いたぞ」
アーチャー「切嗣ゥゥゥゥゥ!!」
士郎(大分キャラがぶれてるなあ)
士郎「分かった、もう止める、スマン、だからその愚痴はやめてくれ、お前に一瞬でも憧れてその言葉で命掛けてた俺がなんだか恥ずかしくなるから・・・・・・」
アーチャー「クソッ!クソッ!こんなことになるなら凛に色々調教する前に子種の一つでも注いでおくべきだったんだ・・・・・・っ!」
士郎「え?」
アーチャー「え?」
アーチャー「さて・・・・・・、なんだったかな」
士郎「そういうのいいから、え、なに、お前そういう奴だったの?ていうか俺そんな奴になるの?なんでさ?」
士郎「どんな理由だよ話せよ今すぐに俺はまだ今のところノーマルな行為しかしてないしそっち系にはこれといって興味がないはずなんだよどうしてそんな分岐しちゃったんだ俺はオイ」
アチャー「・・・・・・分かった、順を追って話す、話すから落ち着け」
士郎「なんだよ・・・・・・、オマエ人のこと言えないじゃないかよぉ・・・・・・」ポロポロ
アーチャー「泣くほど嫌がるな!私は一応お前でもあるんだぞ!」
士郎「何が『自分には負けられない(キリッ』だよ・・・・・・、もう俺の負けでいいよもう・・・・・・」ブツブツ
士郎「それは・・・・・・」
アーチャー「今聞いて置けばあんな未来を回避出来るかも知れんのだぞ?」
士郎「うぅ・・・・・・」
アーチャー「気がつけば夜のロンドンで首輪散歩プレイしてましたなんてことになってもいいのかァァァァァ!!」
士郎「何してんだ未来の俺はァァァァ!?」
どっちもはめたことがありそう
まあその辺持ちつ持たれつってうまくやりそうだよなあの二人
士郎「分かったよもう!話してくれよ!もう聞いとかなきゃこの先やってける気がしねえよ!!」
アーチャー「よし・・・・・・、では、さっきも言ったように順を追って話そう」
士郎「・・・・・・オテヤワラカニ」
士郎「あー、初めてだけど頑張るって感じで健気だった気がする、俺もアレだったけど」
アーチャー「男は仕方のないことだろう、気にする必要はない」
士郎「そうかな」
アーチャー「そうとも」
士郎「ああ、今その辺りになるのかな、なんでなんだろうな、アレ」
アーチャー「アレは元々何でも平気にこなしてるように見えて、中に溜め込んでいるモノは相当でな、大一番にやらかしてしまったりするのも恐らく準備の段階で神経を使いすぎて終わると気が緩んでしまうのだろうな」
士郎「それが当たってるかはさておき、確かに健気に頑張るけどやらかすな、遠坂は」
アーチャー「だがああいうものも良い物だろう?」
士郎「それは分かる」
士郎「・・・・・・あー」
アーチャー「そういうことだ、そして回数を重ねてストレスを発散させていくと同時にやればやるほど快楽に目覚めていく」
士郎「確かにこっちはゲッソリしてるのにあいつツヤツヤしてたりするもんな」
アーチャー「そういうことだ、で、今頃からしばらくはお前の言った通り、週に一回、または週二回辺りでなんとか満足していた」
士郎「・・・・・・なにがあったんだ?」
アーチャー「時計塔で新たな研鑽を求めロンドンへ旅立つことになった、・・・・・・オレを連れてな」
アーチャー「ああ、それだけストレスが溜まっていたのだろうな、時計塔内の派閥やら資金調達やら慣れない地での生活やら、とにかく、凛の溜めたであろうストレス分、その度私は絞り尽くされた」
士郎「お前結構大変だったのな」
士郎「アーチャー・・・・・・」
アーチャー「そんな時だ、私が身体を休めることの出来る転機が訪れた」
士郎「・・・・・・」
アーチャー「エーデルフェルト家へバイトに行くようになったわけだ」
士郎「おいもうなんか予想出来るぞその先」
士郎「エーデルフェルトってお前、ルヴィアさんだろ?」
アチャー「」
士郎「やっちゃったのか」
アーチャー「・・・・・・彼女はレスリングが得意でな」
士郎「それはわかる」
士郎「お前なにが『凛の助けになれれば(キリッ』だよ、俺と変わらないじゃないか」
アーチャー「流石に身内や幼女に手を出す奴と比べて欲しくはない」
士郎「なんでさ」
アーチャー「中身は凛と大差ないのだがね」
士郎「そこが良かったんだろ?」
アーチャー「わかっているじゃないか・・・・・・」
士郎「それはわかる」
士郎「ぜんぜん上手いこと言えてないからな」
アーチャー「今思うとあの日々が一番幸せだったような気がする・・・・・・」
士郎(やっぱりコイツ俺なんだなあ・・・・・・)
士郎「お、なんかあったんだな」
アチャー「凛にばれた」
士郎「 」
アーチャー「あれは何故ばれたのか未だに分からない・・・・・・」
士郎「女の人ってその辺りの勘が鋭いよな」
アーチャー「お前も失敗したクチか」
士郎「美綴辺りなら笑って許してくれるんだけどなあ・・・・・・」
アーチャー「私は過去に本当にこの衛宮士郎だったのか?世界線が大幅にずれているんじゃないのか?」
アーチャー「泣かれた」
士郎「え」
アーチャー「追求されて私が折れて白状した形になったわけだが、白状したその瞬間に直立不動で表情も変えずただポロポロと涙を流し続けた」
士郎「」(絶句)
アーチャー「・・・・・・今思うと当然だな、魔術師としても人間としても似たもの同士でライバルな上にそんな者の家に恋人にバイトへ行かれ会う機会も極端に減りさらに普段からのストレスもあり更に更にそのライバルにその恋人を寝取られてた訳だからな」
士郎「なんでそんなに冷静なんだよテメエ・・・・・・」
アーチャー「これが私の業だからな・・・・・・、いくら苦しくても、受け止める以外ないのさ」
士郎「だからお前良いこといったつもりでも全然そんなことないんだよその言葉の前辺りから既に」
悲しみの向こう
nice boat
士郎「そこで死んでサーヴァントになったのか」
アーチャー「何を言っているんだお前は」
士郎「そっくりそのまま返すよ・・・・・・」
士郎「おいちょっと待て、話が一気に吹っ飛んだ」
アーチャー「それくらい突然だったんだ・・・・・・、とにかく彼女を慰めようと一歩近づいた時には既に体の中心が弾けとんだような感覚になって気絶した・・・・・・発勁というのかな、アレは、とにかく、次に俺が目を覚ました時にはもうベッドに拘束されていた」
士郎「物理的に吹っ飛んだのか・・・・・・、それで?」
アーチャー「手足を拘束された俺はそこから彼女にひたすら犯され続けた」
士郎「今更だけどそいつ本当に遠坂だったのか?」
アーチャー「丸一日経った所までは覚えているが、そこから意識を失ってな、そして気がつくと夜のロンドンに首輪を付けられて犬のごとく散歩をさせられていた」
士郎「あの話繋がれてるのお前だったのかよ!」
アーチャー「誰も居なくて幸いだったが・・・・・・、とにかく、女というのは恐ろしいものだと思い知ったよ」
士郎「・・・・・・なにそれこわい」
アーチャー「だろう?しばらくは恐怖に怯えていた・・・・・・だが私も、やられっぱなしはまさしく性に合わないのでね、反撃の機会を探っていた」
士郎「お前それツッコミ入れて欲しいなら早々に諦めろよ」
アーチャー「まあ、簡単にいうと、大人のおもちゃというやつだな」
士郎「」
士郎「・・・・・・あー、調教云々って、それなんだ・・・・・・」
アーチャー「そうだ、幸いにも投影に成功してね、数には困らなかった」
士郎「え?」
アーチャー「ん?」
士郎「・・・・・・投影?」
アーチャー「まさしく投影だが?」
凛に対して特に効果を発揮するとか属性つけたりすんのかね
アーチャー「英霊に向かってその言葉はありえないだろう」
士郎「お前なんか英霊じゃねえよ、高貴さの欠片もないだろ」
アーチャー「まあアレも所謂一つの武器であり、剣だからな、さして難しいものでもなかったよ、こんな風にな」投影、開始(ブイィィィィン
士郎「ヤメロォ!!」
士郎「うわあああああああ!頭に流れ込んでくるううううううううう!嫌だああああああ!シリタクナーイ!ツカイタクナーイ!」
士郎「とりあえず正義の味方は諦めようと思った」
アーチャー「ふん、元より覚悟のない者が正義の味方だのと、笑わせる」
士郎「ねえよそんな覚悟」
士郎「溺死してんのお前じゃねえか、もう浮いてくんなよ」
アーチャー「そしてお前のことでもあるわけだ、気をつけて置けよ、この世界のお前はただでさえ複雑な肉体関係を形成しているのだからな―――」スゥ・・・
士郎「・・・・・・あの野朗、最後に言いたいことだけ言ってどっか行きやがった・・・・・・ていうか変なもん投影させやがって・・・・・・」
セイバー「・・・・・・シロウはアレを私に使おうというのですか?」
士郎「んー、まあ、一応手に入れたもんですかr―――!?」
セイバー「シロウが使いたいというのなら構わないのですが・・・・・・、流石にああいったものは経験がないので、最初はせめて優しくして頂きたいのですが・・・・・・」
士郎「・・・・・・セイバー?」
セイバー「はい」
士郎「・・・・・・いつからいたの?」
セイバー「割と最初の方からです」
士郎「具体的には?」
セイバー「私が黒化するとかなんとか」
士郎「・・・・・・何処に居たの?」
セイバー「実はそこの和室にずっといたのですが、あなたとアーチャーが珍しく仲睦まじく会話しているのを邪魔しては悪いと思ったのでずっと聞き耳立ててました」
士郎「・・・・・・優しいんだな、セイバーは」
セイバー「ありがとうございます」
セイバー「何でしょう、シロウ」
士郎「さっきの会話から分かってくれると思うんだけど、今のを遠坂に聞かれるとほんとにマズイ事になるんだ、だから、遠坂には言わないで、っていうか、セイバーも忘れてくれないかな」
セイバー「そうは言われましても、リンを含め女性陣おおむね最初からそこの和室にいたので・・・・・・」
士郎「ありがとう、黙ってくれると助かるよ、セイバー」
セイバー「え?」
士郎「え?」
セイバー「はい」
士郎「・・・・・・なんでさ」
セイバー「何故と言われましても―――
今日は、日曜日ではないですか
―――」
士郎「・・・・・・」
セイバー「そういうわけなので、今日も全員、お相手していただきます」
士郎「・・・・・・」
セイバー「最初はリンからお願いします、理由は勿論お分かりですね?」
士郎「・・・・・・」
そういえばもう七月だ、暑い夏が始まる筈なのに、何故か背筋が凍るような視線を浴びている。
ゆっくりと襖が開かれ、遠坂が現れる。
凛「・・・・・・」
・・・・・・仕方がない、覚悟を決めよう。
だがその前に、これから起こる理不尽に、一言だけ、文句を言わせて貰おうじゃないか。
凛「―――テクノブレイクとかで済ませると思ったら甘いから」
士郎「 な ん で さ 」
..‐ミメ、 :.:.:.:∨ .:. \ ,/
_彡':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ∨{_
_ア.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.‘,
`7 :.:.:.:.:.:i{ | :. | :. ト、:.:.ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.\
厶イ:ハ:.:.八{\{\{__\八:.:}:.:.:.:.:.:.ヽ
}八{-V‐ ´ V :.:.:.:.: ト、}
\{ ____ x===ミ }/.:.:.:.:.;
/}" ̄`} }/⌒V
ヽ. ′ ノ 丿
、 ー─一 __/
\ /Ⅳ
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|`¨¨´ |
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_ . -‐ ' } / /ニニ==ー
-=ニ/ /ニニニニニニニニ`ヽ
/ニニニニニヽ -=ニニニニニニニニニニニi
/ニニニニ/\ \ <ニ>'゙⌒\=ニニニニニニニニ|
. /ニニニニ/ .\ `´ニ> ´ \ニニニニニニ二二|
/=ニニ二/ `ー \ニニニニニニ二|
. {ニ二二/ ∨=ニニニニニ|
綺麗な顔してるだろ…?
死んでるんだぜ、これ
( ・ω・)
_| ⊃/(___
/ └-(____/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
<⌒/ヽ-、___
/<_/____/
おわり
「さてさて、今回バッドエンドを迎えた士郎、どこで選択肢を間違えたのか」
まわりを確認せずにアーチャーと会話したこと?
全員に手を出したこと?
藤村先生だけの日を作らなかったこと?
SSF
そこまでにしておけよ藤村
してもらえただけ有難いと思えよ藤村
弟子一号「私だけの日を作らなかったことだと思いまーす」
Entry ⇒ 2012.07.05 | Category ⇒ FateSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
切嗣「安価で世界を平和にする」
切嗣(世界の恒久的な平和・・・僕の望んだ世界・・・)
切嗣(どうしたらこの世界を平和に・・・できるんだ・・!)
切嗣「まぁいいやとりあえず安価で救うところ決めよう」
>>8
アイリ「あれじゃないの?切嗣、あのしゃべらない理由とか」
切嗣「・・・・・」
切嗣「よし次だ」
>>12
聖杯の呪いを解く方法を調べる
切嗣「なんだいアイリ?かしこまって?」
アイリ「この本、書庫の奥に隠すようにしまってあったのだけれど・・・どうも第3回聖杯戦争の資料らしいの」
切嗣「ふむ・・・ちょっと見せてくれるかな?」
アイリ「注意してね切嗣、この本・・・異様な感じがするわ・・・」
切嗣(アヴェン・・・復讐者........な・・・なんだこれは・・・)
切嗣「これは・・・僕たちは聖杯というものを・・・根本から誤解していたのかもしれない・・・」
アイリ「切嗣、私はどうすればいいの....こんなものが私のなかにッ!」
切嗣「アイリ、落ち着くんだ! 落ち着くんだ」
切嗣(とりあえずどうするか)
>>17
無理じゃねーの?器としての機能捨てられないなら入り込んだ時に自動的に変換されるような
切嗣「この本が正しければ・・・君はアンリマユという存在になり...」
アイリ「どうすれば・・・どうすればいいの!私はいいわ!でも、でも私がだめだったら次はイリヤが!」
切嗣「アイリ・・・君は・・・君は必ず僕が助ける もちろんイリヤもだ」
切嗣「こんな悲劇ともいえないような輪廻から・・君を助ける!」
アイリ「切・・・嗣....そうよね、わたしたちしかイリヤを救えるのはいないのだから・・・」
切嗣(しかし・・現状では情報が少なすぎるどうするか・・・)
>>22
切嗣「だが・・・召還したらもう後には戻れない」
アイリ「どうするの切嗣」
切嗣(召還してしまったらもう戦争に参加しつつすべてを解決しなければならない)
>>25
召還するかしないか
しないならどうするか
切嗣「現れない以上起源弾もつかえない・・・ほかの兵器ももちろんだ
切嗣「当主を暗殺するのは不可能」
アイリ「切嗣・・・」
切嗣(今は情報を集めつつ 召還した後のことを考えるしかないか)
切嗣「アイリ・・・僕は・・・」
アイリ「召還を・・・しましょう」
切嗣「!」
アイリ「現状逃げ出すことは不可能 暗殺も無理だわ なら召還して冬木で策を練るしかないわ」
切嗣「君は・・・君はそれでいいのか! 」
アイリ「私は作られたときから運命が決まっていたの・・・でもイリヤを助けるためには召還をした上で考えるしかないわ」
切嗣「わかった・・・今夜召還の儀を行おう」
>>31
召還されるサーヴァント
アイリ「ネコねかわいいわ」
切嗣(アイリのネコ耳・・・グッットくるな)
ごめんどれかわからないや
>>45
>>1が知らないってパターンはありそう
アイリ「ザパニーズティーね!」ゴクリ
アイリ「苦い・・・」ウルウル
切嗣(かわいい・・・)
ごめんなさいごめんなさいエクストラ あんまりわからないのです
ステイナイト ホロウ ZERO でおねがいします
>>62
結婚
モワモワモワモワモワ
エミヤ「君が私のマスターか」
切嗣「・・・・」
エミヤ「ふむ・・・無口というわけでもなさそうだが・・・」
アイリ「あなたは...セイバー?」
エミヤ「いや、私のクラスはアーチャー 弓兵だ」
アイリ(ア.....アーチャー? 私たちはセイバーのクラスの触媒を使ったはず・・)
切嗣(アーチャーだと?)
エミヤ「何か手違いがあったようだな しかし私はここに現界したそれは事実だ」
切嗣(どうする・・・これはある意味チャンスなのかもしれない)
>>74
会話をする
しない
アイリ「切嗣...!」
切嗣「いいんだアイリ どうもこいつはイレギュラーらしい」
アーチャー「やれやれ・・・いきなり真名を聞くとは不躾だな・・・」
切嗣「答えろ、お前はセイバー・・・アーサー王と関係のあるサーヴァントか?」
アーチャー「アーサー王・・・か、フッまさかここでその名を聞くとはな」
アーチャー「その答えはYESだ だがそれを説明するのは酷なので省かせてもらおう」
切嗣(アーサー王の関係者で弓兵・・・円卓の騎士の一員か?)
>>82
詳しく聞く
聞かない
切嗣「なら問おう お前が聖杯に掲げる願いとはなんだ!」
アーチャー「その前に 私からもひとつ質問をさせてもらおう」
切嗣「・・・・」
アーチャー「沈黙は肯定と受け取らしてもらおう 私のマスターはどちらだ?先ほどから気になっていたのだが」
アイリ「あなたのマスターはこの人・・・切嗣よ」
アーチャー「・・・・・・上の名前は?」
アイリ「衛宮 衛宮切嗣よ」
アーチャー「そうか・・・・・・アーッハッハッハ」
アーチャー「ハッハハ・・・・いや気を悪くしたらすまない」
アーチャー「だが私の願いは貴様自身に聞いたほうが早いのではないか?」
切嗣「どういうことだ」
アーチャー「じきわかるさ とりあえず契約は完了だ私は少し休ませてもらおうか」スゥ
切嗣(どういうことだ・・・世界の平和ということか?しかし・・なんだこの落ち着かない感じは・・)
アイリ「切嗣 召還は果たしたわ 次はどうするの?」
切嗣「そうだね・・」
>>91
アイリ「あなたは?あなたは会わないの?」
切嗣「・・・・いってくるんだ 僕にはやることがある」
しばらくアイリがイリヤをペロペロしているところをご想像ください
切嗣(とりあえずはステータスの確認だ・・・)
↓6 宝具は変わらず対魔力まで
切嗣(性能はいいようだ・・疑問は残るが悪くない選択ではあったか)
切嗣(あとは宝具だか・・・)
アーチャー「人が寝ているときに盗み見とは関心しないな」
切嗣「・・・おまえの宝具は何だ アーチャーといったが 弓か?」
アーチャー「・・・・フッ 私の宝具はこれだ」スゥ
切嗣「剣・・・だと? どういうことだ」
アーチャー「打つだけが能ではないということだよ」
切嗣(たしか・・こいつのスキルは・・・)
>>110
切嗣「ふざけているのか・・」
アーチャー「ふざけてなどいないさ ある程度のアーチャーとしての基本スキル以外はそんなものだ」
切嗣(何か嘘をついているのはわかるがしかしここで追求するほどのことでもないか)
切嗣(さて・・・こいつに事情を言うべきか否か)
>>118
切嗣「アーチャーよ ひとつ話がある 聖杯戦争についての話だ」
アーチャー「フム・・・詳しく聞こうか」
~~~~~~~~アーチャーに説明中~~~~~~~~~~
アーチャー「・・・・・・」
切嗣「僕言ったことはすべてアインツベルンの当主の直筆で書いてあったことだ」
アーチャー「それで貴様はどうするつもりだ これを知ってそのまま戦いに身を投じるわけではあるまい」
切嗣「そうだ 僕はこの聖杯戦争を・・・壊す」
アーチャー「・・・・算段は? 何かほかの情報はないのか?」
切嗣「疑わないのか? 自分が信じた願望機がそんなものだと信じるのか?」
アーチャー「そうだな・・・私にもいろいろあるのだ・・とでもいっておくか」
切嗣「・・・・・・」
切嗣(協力は得られそうだ しかしこの後どのように行動するか・・・)
>>126
. 、、 、
______ヾ‐-- ヽ\lヽ
> ` `z
ン ,,, |
> 「 ゛' v' '"" |
ゝ < ノ \ |
| ,.」 ● ●|
W(,; ⊂⊃ 、_,、_, ⊂
i⌒ヽ (_.ノ ノ__/⌒)
ヽ ヽ>、 __, イ,レヘ.,.- 、
く ⌒',
> __.ノ
ヽ.__,、 )
`ー ′
↓
切嗣「それはわかっている だがあまりにも情報が少ないのが現状だ」
切嗣「わかっていることといえば聖杯はアンリマユという絶対悪であるということ」
切嗣「そしてサーヴァントが倒れていくうちに器が満たされそれらすべてが満ちるとき大聖杯が起動するということだ」
アーチャー「ふむ・・・大聖杯というものの形態すらわかっていない状況か」
切嗣「僕は・・・ほかのマスターよりも先に日本に行き調査をするのが最善かと思っている」
アーチャー「ならばなぜ実行しない? 目的があるのではないか」
切嗣「早く動けばそれだけほかのサーヴァントに情報を与えることになる まず負けるというとは問題外だからな」
アーチャー「・・・・フゥ、、、、そこまでしかわかっていないならひとつだけ助言をしてやろう」
切嗣「助言?」
アーチャー「大聖杯はあの冬木の霊脈の元になっているものだ それだけ言えばある程度絞れるであろう」
切嗣「こんな大掛かりな儀式ができる霊脈があるものの元ということは・・・ある程度の大きさで霊脈の中心部にあるということか」
アーチャー「察しが早くて助かるな」
切嗣「・・・・・」(こいつがなぜ詳細を知っているか・・・それは疑問だが今はその助言に従うしかない)
アーチャー「私は弓兵だ 拠点を早く作れば作るほど安心して戦えるであろうよ」
切嗣「出発は明日だ その日のうちに拠点を作成 お前のスキルで霊脈の集まっている部分を探しだせ」
アーチャー「やれやれ・・・目がいいとはいえ霊脈を探し当たられるかどうかはわからんがな」
切嗣「いざとなったらレイジュを使えばいい 僕の目的は願望機を探すわけではない・・破壊するのだから」
アーチャー「クックック・・・まぁいい私は役目を終えたようだ 休ませてもらおう」スゥ
切嗣(それから僕は早急に支度を整えアイリとともに日本の地に降り立った)
アーチャー「・・・・」
切嗣「どうしたアーチャー」
アーチャー「いやなんでもないさ ただ少し居心地の悪さを感じてね」
切嗣「不都合があるならさっさと言え 戦いのときになって使えないではどうしようもないからな」
アーチャー「ならば拠点が完成するまで私を呼ばないでくれると助かるな ここでおきているのは少々な」
切嗣(アーサー王の関係者ならこの土地に由縁があるわけがない・・・まさか過去の聖杯戦争で? いや・・・)
切嗣「わかった 拠点ができるまでは霊体化していろ」
アーチャー「フンッ・・・」
切嗣(いつの間にかアーチャーは僕の元を離れて行動していたらしい 新しくできた拠点の一室で横になっていた)
アーチャー「なんだマスターよ」
切嗣「なにも手伝わずに一人横になっているとはいい身分だなアーチャー」
アーチャー「フッ・・・私は基本夜の行動が得意なのでな 昼はあまり行動したくないのだよ」
切嗣「・・・・・今日から霊脈の発見を急ぎでやってもらおうか」
アーチャー「人使いの荒いマスターだな」
切嗣「・・・・・」
アーチャー「いや・・・こういうのも新鮮だな まぁ従ってやろう」スゥ
アーチャー「・・・・・・」
アーチャー(まさかこの世に現界することになるとは)
アーチャー(再び大聖杯を壊すときがくるとは思いもしなかったが)
アーチャー「私は・・・これが終えることでどのような結末になるかしっかりと見定めることにしようではないか」
スゥ
切嗣「!・・・アーチャーか、収穫はなにかあったか」
アーチャー「あまり無茶を言わないでほしいな もともと私の目はただ相手を目視するのが得意なだけだ霊脈をみるなど専門外もいいところだ」
切嗣「・・・・引き続き捜索をつづけろ 大聖杯を確認しだい 破壊する」
アーチャー「破壊する算段はたったのか? あれは生半可なもので破壊できるものではないぞ?」
切嗣(・・・なぜこいつはここまで詳しく大聖杯のことを知っているのだ)
切嗣「ある程度はついている そのための武装も輸送中だ」
アーチャー「ククッ そうかならば私も万全の体制で探すとしよう」スゥ
切嗣(僕に協力してることは疑わなくていいだろう、しかし)
アイリ「疑問がなお残る・・・ってところかしら」
切嗣「アイリ・・・工房の設置はおわったのかい?」
アイリ「ええ あなたたちの話を盗み聞きできる程度には」
切嗣「フフッ・・・それは頼もしいな」
「調べてみたけれども 円卓騎士の中で彼に酷似した英霊はいなかったわ」
「そして冬木の聖杯についてもある程度詳しく知っている」
切嗣「・・・・君はどう思う」
アイリ「たぶん 昔の聖杯戦争で一回呼び出されたことがある・・・ってところかしら?」
切嗣「アイリ 大聖杯の調べと平行してあいつの調べも頼む」
アイリ「わかったわ切嗣」
切嗣(とりあえずのところの目標は定まった あとはほかのサーヴァントがいつ現界しこの戦争が始まるか・・だな)
アーチャー「!・・・サーヴァントが一体現界したか。 さてこの聖杯戦争で私は生き残れるものか」
アーチャー「マスターは優秀だ しかし 私は私の過去と戦えるのだろうか」
切嗣(マイヤが装備を持ってくるのがどれだけ早くとも1週間後)
(それまでに戦争が始まらず 聖杯を発見し 破壊するのが最もいいルートではあるが)
切嗣「フッー・・・そんなにうまくことが運べばいいがな」
アーチャー「マスターよ 弱音か? 貴様らしくもない」
切嗣「・・・・・捜索はどうなった」
アーチャー「ある程度のめぼしはついたが 確証もなく場所も複数だ あとはマスターが見極める必要も出てくるだろう」
切嗣「今の候補は何箇所ある」
アーチャー「誤差はあるとしてもこの霊脈の元となるものだ そんなものがあるとした地面の下しかなかろう」
切嗣「ならば捜索を続けろ 何か些細なことでも報告を欠かすな」
アーチャー「クックック・・・了解だよ」スゥ
切嗣「場所の特定の最終決定は僕がやることになるかな・・・」
「それにしても・・・なんだアイツと話しているときのこの感じは」
切嗣「・・・・そんなことを気にしている暇はない ほかのサーヴァントが現れるまでもう日数もすくない早くしなければ・・・」
しかし切嗣が思うほど現実はうまくいかず 絞込みはうまくいかなかった
その日ライダー キャスター のクラスが現界
次の日にアサシン バーサーカーが
そして
時臣「~~~~~~~サーヴァントよ現界せよ!」
???「あなたが 私のマスターか」
時臣「この聖杯戦争・・われわれの勝利だ!」
切嗣(先ほど協会から聖杯戦争が今日の12;00より開始との通達が来た)
(絞込みはまだ終わっていないが ある程度のめぼしはついた)
アーチャー「マスターよ これからはどうするのだ?戦争が始まったからには私もおいそれと偵察だけではいけないであろう」
切嗣「お前は明日から私のそばを離れないようにしろ」
アーチャー「貴様の伴侶はどうするのだ?無防備になってしまうが」
切嗣「そちらは問題ない 護衛を一人付けた」
アーチャー「あぁ・・・あの凛々しい女性か 確か・・マイヤ・・だったかな?」
切嗣「彼女に任せておけば後は結界もある 当分の間は大丈夫だ」
切嗣「まだ始まるまでには時間がある絞りきれなかった地点を見に行こう」
アーチャー「そうか・・・なら急いだほうがいい」
切嗣「いわれなくともわかっているよ 早急にしかし失敗は許されない」
アーチャー「フッ なら何もいうこともあるまい 地点は地図に記しておいた後は任せた」スゥ
切嗣(一箇所は市民会館の下・・・もう一箇所は・・・・!)
切嗣「アーチャー これは何の冗談だ」
アーチャー「私が冗談をついているとでも?」
遠坂邸と
アーチャー「ああ 想定していなかった最悪のパターンだな われわれが後願えるのはそれがハズレであってくれることだ」
切嗣「とりあえずいくしかない・・か」
アーチャー「まずは市民会館だ 遠坂のこともあるさっさと行動に移ろうか」
切嗣「ああ」
(市民会館前)
アーチャー「悪いことは続くものだな ここはハズレだ霊脈が小さすぎる」
切嗣「・・・・・」(遠坂邸の下にあるとするならばすべての計画は練り直しだ 武器も使えるかどうかわからない)
アーチャー「さてどうするのだ? もうここではないとわかったのだ あまり長居をすると危険だぞ」
切嗣「わかっている きょてんnライダー「まてえええい!」
切嗣「!!!! アーチャー!!」
アーチャー「敵か!」
ライダー「我こそはライダー マケドニアの王イスカンダルである!!1いざ尋常にしょうb
ウェイバー「らいだああああああああ戦争はまだ始まってないんだ!今はじめたらひどいことになるぞ!」
ライダー「む・・・そうだったか」 ウェイバー「そしてなんで敵に真名をおしえているんだ!ほらさっさと逃げるぞ!」
ライダー「ではまた合間見えるときこそ勝負であるぞ!」
切嗣「・・・・・」
アーチャー「クックック・・・まさか開始前に宣戦布告され真名まで教えられるとはな」
切嗣「拠点に戻り作戦を練るぞ 真名がわかったのも収穫だ」
アーチャー「了解だ」
エミヤ邸
アイリ(あのサーヴァント あれだけ特徴がありながら一切正体がわからない。)
(アーサー王の触媒で呼ばれたはずなのに一切かかわりがないってことはないだろうし・・・)
マイヤ「マダム・・・お疲れでしょう少しお休みを取られては?」
アイリ「ありがとうマイヤさん だけれどもあれだけ調べて一切何も出てこないとなると・・・ね」
マイヤ「!・・・ 切嗣が帰ってきたようです」
アイリ「わかったわ いま本宅のほうに行くと伝えて頂戴」
マイヤ「了解しました」
アーチャー「とりあえずは今日の開始の時刻を待ち行動をするのか」
切嗣「いや・・・僕らはこの戦いに勝ってはだめなんだ 無闇な戦闘は避けるべきだろう」
アーチャー「相手の出方待ち・・・・といったところか」
切嗣「・・・・・」
マイヤ「キリツグ マダムが本宅でお待ちです」
切嗣「わかった 今すぐ行こう」
アーチャー「私はこの家の見張りでもしておこう 積もる話もあるだろうしな クックック」
切嗣「やっぱり詳細は出てこないか」
アイリ「ごめんなさい切嗣 いくら調べてもアーサー王の関係者には彼に順ずる人はいなったわ」
切嗣「いや気にしないでくれ もともとあの言葉が本当かどうかもわからないのだから」
切嗣(しかし・・・そうなるとなぜあの触媒で彼が着たのかがわからなくなるな)
アイリ「・・・・・これは私の仮説でしかないんだけど.....」
切嗣「言ってみてくれ」
アイリ「彼は英霊ではないんじゃないかしら」
切嗣「それはまた・・・思い切った考えだね」
アイリ「彼は相当なイレギュラーよ 現世の記憶を持っているサーヴァントなんて」
「ならばそういうことも想定されるんじゃないかしら」
切嗣「だとすると彼は一体・・・」
切嗣「・・・・頼んだよアイリ」
そして聖杯戦争が始まった
〔海に近い場所で〕
エクス・・・・カリバアアアア グワアアアア
〔山合いのほうで〕
アイオニオンヘタイロイ! ギャワアアアア
切嗣「報告してくれ」
アーチャー「開始から5時間以内に2体のサーヴァントが殲滅された」
切嗣「・・・・・」
アーチャー「クラスは確証はないが・・・ランサーとアサシンだ」
アーチャー「思った以上に動きが早い 行動を待っていると伴侶が持たないぞ」
切嗣「わかっている・・・わかっているんだ」
アーチャー「また動きがあったら報告する」スゥ
切嗣(もうこれ以上サーヴァントが殲滅されればアイリにも影響が出てくる・・その前に手を打たなければ・・・)
だがサーヴァントが3体もいなくなるということでアイリは体に異常をきたしていた
マイヤ「切嗣 マダムがお呼びです」
切嗣「あぁ・・・いま・・・いくよ」
アーチャー「・・・・・」
切嗣「アイリ...入るよ」
アイリ「きりつぐ・・・きてくれたのね」
アイリ「ごめんな・・さい・・ね 手伝えなくて」
切嗣「いいんだ、僕がふがいないばかりに・・君を・・君を・・・!」
アイリ「きりつぐ、私はもともと助からない運命だったのよ・・・」
切嗣「いわないでくれ、まだ・・・まだ希望はある」
アイリ「きりつぐ私のいとしい人」
アーチャー「心は決まったか 何を捨て 何を選ぶか」
切嗣「僕はいつも迷ったりなんかしてないさ 必要なものを残して」
アーチャー「いらないものを切り捨てる....か」
アーチャー「貴様がそういうならば私も従おうではないか」
切嗣「大聖杯の破壊は、もはやためらうものもなくなった 全力でいくぞ」
アーチャー「ククッ やはり過去は変わらずか」ボソッ
切嗣(残りは4体強襲されればアーチャーでは籠城戦には向かない....むしろうってでるか)
切嗣「アーチャー 遠坂邸を監視して敵サーヴァンのクラス 出来るならば特徴などを調べてきてくれ」
アーチャー「直接の戦闘は避けたほうがいいか」
切嗣「いや、状況によっては戦闘も構わないだが少しでも特徴が見えたら即離脱しろ」
アーチャー「やれやれ 離脱というのもまた難しいものなのだがな」
アーチャー「了解....と言いたいところだが」
切嗣「.....なんだ」
アーチャー「監視には切嗣、お前も一緒にきてもらおうか」
切嗣「何故だ」
アーチャー「嫌な予感がするのでね、戦力はあったほうがいいだろう」
切嗣(そういえば直感スキルを持っていたな....)
切嗣「いいだろう 用意をするから監視は今夜からだ」
切嗣(.......彼の真意はわからないが今は従っておいても損はないだろう)
切嗣「とりあえず装備を整えようか」
<時臣邸>
???「マスターよ....今夜大きな動きがあるかもしれません」
時臣「それは予感かね?それとも予知か 我が王よ」
???「胸さわぎ....そうですね何故か嫌な胸騒ぎがするのです」
時臣「わかりました我が王よ 、防備を重ねて強固にしておきましょう」
???(.....)
周りは結界によって鳥や虫の音すらない静寂に包まれている
切嗣(何が起こるというのだろうか)
アーチャー「・・・・・・・なぁ、マスターよ」
切嗣「・・・・・・」
アーチャー「私は貴様にさまざまなことを隠している、それはわかっているのだろう?」
切嗣「あれだけ含みを持たせていれば言わずもがなだな」
アーチャー「今から起こることは、聖杯戦争というよりは私の個人的なことになるやもしれん。」
切嗣「・・・・」
アーチャー「先に言っておこう、これはただの私怨だ貴様が気負うことではないと・・・な」
切嗣「どういうことだ・・・」
アーチャー「! 来たぞ!」
???「どうやら予感は当たったようですね」
時臣「ライダーのサーヴァントのようだね 迎え撃ちましょう王よ」
???「言われずとも 行きますよ!マスター!」
林の中
切嗣「ライダーか・・・」
アーチャー「マスター!我々もでるぞ!」
切嗣「・・・・・」コクッ
玄関前の広いスペース
ライダー「結界が張ってあって中に入りにくいのぅ」
ウェイバー「入りにくいって・・・僕が入ろうとしたら木っ端微塵になるような結界だぞ・・」
ライダー「なんのこれしき しっかりと捕まってろよ!坊主!」
ライダーは難なくと結界を飛び越え そして破壊した
???「人の土地に土足で上がりこむとはどういう了見だ 名を名乗れ!」
ライダー「いやいや何もことを構えることはないぞ! 今回は戦いは無しだ」
???「ならなぜここにやってきた!答えろ!」
ライダー「酒を・・・酌み交わしにきた」ニヤァ
???「酒・・だと?」
アーチャー「それならば私も混ぜてもらおうか」
???「!!! 貴様は・・だれだ」
アーチャー「クックック・・アーッハッハッハッハ」
アーチャー「俺はアーチャー 弓兵のサーヴァントだ」
???「・・・何をしにきた」
アーチャー「酒を飲むというのだろう? ならば相伴に預かろうというだけのことだ」
???「・・・・」
アーチャー「日本酒とはまた変わった趣向だな」
ライダー「郷に入ればなんとやらってことだ」
〔しばらく無言で酒を酌み交わす3人〕
アーチャー「ひとつも貴様に話をしてやろうセイバー」
???「・・・・・言え」
アーチャー「貴様が聖杯に掛ける望みを私は知っている」
「もちろん貴様の真名もな」
「なぁ・・・アルトリア」
アーチャー「さて?なぜだろうね」
アルトリア「ふざけるな!」
アーチャー「落ち着きたまえ まだ話は終わっていないぞ」
アーチャー「これは切嗣お前にも隠していたことだ」
切嗣「なんだと?」
アーチャー「切嗣、お前は俺が聖杯戦争について詳しいことを疑問に思っていたな」
「セイバー、そこにいるアルトリアの触媒から生まれたアーチャー」
「そして大聖杯にも詳しい」
「ククッ・・・そうだな」
「だが・・・真相を話すには一人足らないな」
「そこにいるのだろう?バーサーカーとそのマスターよ」
雁夜「わかっていたのか ハァ・・・ハァ・・・」
バーサーカー「」
アーチャー「登場人物は全員そろったようだな では話そうではないか」
「私の人生を そしてアルトリア バーサーカー 君たちの話を」
「君と私は・・・パートナーとも言えるような仲であった」
アルトリア「私は,,,,貴様など知らない」
アーチャー「それは知らないはずだな」
「私が君と知り合うのはここから10年も後の話だからな」
アルトリア「どういうことだ,,,,」
切嗣「アーチャー・・・お前は」
アーチャー「切嗣よ 人の話に突っ込むのは後にしてもらおう」
切嗣「・・・・」
アーチャー「しかし・・・話を引っ張りすぎるのも無粋かもしれないな」
「ひとつだけ だが核心の部分を先に言おうではないか」
「私はすでに一度大聖杯を破壊したことがある人間だ」
アーチャー「なぜ? それはそうだ私は聖杯戦争を経験している」
「それはサーヴァントとしてではない、マスターとしてだ」
アルトリア「!・・・・まさか」
アーチャー「そうだ そのときの私のサーヴァントがセイバー・・君だ アルトリア」
ウェイバー「でも・・・それっておかしいじゃないか!何で未来で死ぬはずの英霊が過去のはずの今に現れているんだよ!」
ライダー「・・・・・坊主、あながちおかしい話ではあるまい」
ウェイバー「えっ?」
ライダー「別に未来で死んだからといって 現界するのがその後の世だけとは限らぬ」
「英霊となることが確定したそのときから、英霊としてどの時代にも呼ばれることはある」
「英霊は求められれば断ることはできないからな」
「ご拝聴願おうか、私の世界でこの聖杯戦争が終わった後何が起こったかを」
4次の後はステイナイトにつながるまですべて一緒なので省きます
切嗣「僕は・・その世界では救済に失敗したのか・・・」
アーチャー「あぁ 私を救った後は隠居をしてすぐ後に死んだよ 満足そうな顔でな」
「貴様の呪いは私を根深く蹂躙した」
「他を優先し自を後回しにする性格は病的とまで言われたよ・・・・ククッ」
切嗣「・・・・・」
アーチャー「だが気に病むことはない、それはお前ではない別世界でのお前なのだからな」
「話を続けさせてもらおう」
「この聖杯戦争が終結した10年後 第5次聖杯戦争が勃発した」
「私は貴様が埋め込んだ鞘を元に偶然ながらアルトリアを呼び出した」
「いや・・・偶然というよりは必然だったのかもしれないな」
切嗣「土蔵の魔術的な結界の誤作動ということか」
アーチャー「真相は今でも分からないさ」
「しかし私はアルトリアを現界させ 聖杯戦争へと身を投じて行った」
アーチャー「貴様の娘 遠坂凛だ」
時臣「・・・・・」
アーチャー「彼女は凛々しく勇敢であった」
「そのときの私も彼女にはだいぶ世話になった」
「話が逸れたな、では続けようか」
第5次戦争の話〔凜ルートの話として考えてください〕を継続
時臣「・・・・」
切嗣「イリヤが・・・そんなものにッ!」
雁屋「ウッ・・・ウッ・・・俺は・・・」
アーチャー「これが10年後起こった第5次戦争のあらましだ」
ウェイバー「本当かどうかは分からない・・・だがそのときは大聖杯?は破壊しなかったのか」
アーチャー「フッ・・・そこからが本題だ」
「その後私は凜とともに時計塔に行き魔術を履修した」
「そのときの後見人がお前だウェイバーベルベット・・・いやそのときはロードエルメロイだったかな?」
ウェイバー「はぁ?どういうことだよ」
アーチャー「別の世界での話しだ気にすることはない」
「その世界では君はアーチボルト家を継ぎ時計塔で優秀な講師として名を馳せていた」
ライダー「坊主ゥ・・・えらくなるのではないかよかったなぁ!」
ウェイバー「うっさい!ライダー!」
アーチャー「そのときの貴様にそれくらいの愛嬌があればもっとよかったのだがな」
「まぁいい」
「第5次聖杯戦争の終結の10年後 私と凜 そしてウェイバーの3人で大聖杯を破壊した」
「それが事件のあらましだ」
「その後私と凜は結婚した これは遠坂にはあまり言いたくはなかったが」
時臣「」ガタッ
こまけぇこたぁいいんだよ!
「だがハッピーエンドとは行かなかった」
アーチャー「私は正義の味方になるというものを伴侶を得ながら捨てることはできなかった」
「それからの私は今の貴様みたいに大を取り小を切り捨てることを生業とした」
「だが私は壊れることはなかった」
「それは横に愛するものがいたからだと今でも思う」
「だが だからこそ悲劇が起こった」
アーチャー「私と凜の間にはいつしか軋轢がうまれていた」
「それはそうだ 私は自己とうものが欠落してた そんな人物がうまくいくわけがない」
「いつしか軋轢は憎しみとなり憎しみは悲劇を生んだ」
「そして」
「凜は私を裏切った」
「もはや最後の時を待つだけになった」
「だが最後のときになっても 私は凜に対して恨みなどもっていなかった」
「彼女がいなければもっと早く壊れていた自分だ 彼女に救われた命 彼女に終わらせられるのは道理であろう」
「そして息絶えた」
「これで幕切れだ・・・いやここで幕切れならばもっと救われたのであろう」
「しかし私はそんなに恵まれた人間ではなかった」
「彼女は優しすぎたのだ」
「彼女は私の死後 狂気につつまれた 私を自らの手で殺してしまったという罪の念でな」
「そして封印指定を受け魔術協会によって殺害された」
「私の主観では・・・だがね」
切嗣「ならば・・・・私の結末をお前が背負ったというのか」
アーチャー「英霊になった私にはもう分からないがね」
「こうなったということは そうなのであろう」
時臣「この聖杯戦争は・・・なんだというのだ 狂気を生むだけのものではないか!」
アーチャー「だが未来を変えるかどうかなど厳かなことは言わない」
「私が行ったことは別の世界のことだ この世界では起こらないかもしれない」
「だが、起こるかもしれない」
「英霊となった私には今未来を変えたとしてももはや関係がない」
「ココからは貴様らこの世界の住人が決めることだ」
切嗣「遠坂当主よ 衛宮切嗣はこの聖杯戦争の根本を壊そうと思っている」
時臣「私は・・・・・」
アーチャー「さて最後だ 先ほど私は私怨といったな切嗣よ」
切嗣「あぁ」
アーチャー「ならば私の私怨を最後にやらせてもらおう」
「なぁバーサーカー・・・・・こういったほうがいいかな?」
「狂気に包まれたわが伴侶 トオサカリン」
スレタイからの雰囲気からはもはや想像出来ない展開やな…
「しかしこうまじまじと見せられるとは思いもしなかった」
「もう隠す必要はないのだろう 仮面をはずしたまえ」
バーサーカー「・・・・・・・」仮面をはずす
アーチャー「!!!・・・・・フッ まさか若いころの姿で現界しているとはな」
「久しいな凜よ 言葉が分かるとは思わないがな」
雁屋「凜ちゃんが俺のサーヴァントだと・・・それもバーサーカー・・・」
「俺は・・何のために聖杯戦争などにはいったのだ・・・桜ちゃんを助けても結末がこんなものとは」
アーチャー「さて切嗣よ 俺は俺がやることをする お前はお前がなすべきことをする」
切嗣「・・・・大聖杯は任せろ 必ず僕が破壊する・・・お前のような人物を輩出しないためにも」
アーチャー「そういわれると俺自身が否定された感じはするがな」
「この世界はお前たちが変えるべき世界だ 行ったことが正解とは限らない」
「だがな切嗣俺からの最後の忠告だ」
「お前のやってきたことは無駄ではなかった 後悔はするなよ」
「じーさん」
「まあアンコールの幕切れだ これくらい芝居がかっていてもいいだろう」
「なぁ凜」
リン「・・・・シ・・・ロウ」
アーチャー「今ココで抱擁でもかわすかね? わが伴侶よ」
「だがそういうわけには行かないだろう」
「終わりにしようか凛」
リン「ウワアアアアアアオオオオオオオ」
アーチャー「全力を持って答えよう 最後の夫婦喧嘩だ」
Steel is my body,and fire is my blood.
私を殺そうとしたときの君を覚えている
I have created over a thousand blades.
Unaware of loss.
私を殺すときでさえ 君は美しかった
Nor aware of gain.
Withstood pain to create weapons.
君に会えたことで 私の人生は救われたのだ
waiting for one's arrival.
I have no regrets.This is the only path.
だが救われるだけはこれで終わりだ
今私は君を救う
救うのだ
My whole life was
“unlimited blade works”
「私とお前 正真正銘の一対一」
「いざ・・・参る!」
リン「ラアアアアアアア!!!」ガンド
アーチャー「ッ・・・やはり君は狂化したとしても宝石魔術によって封印指定までもらった女性だ」
「一筋縄ではいかないとは分かってはいたが・・・これほどか!」
リン「シロオオオオオオオアアアアア」大量のガンド
アーチャー「だが私も男だ 伴侶が放った攻撃を受けきらずに逃げるわけには行かないのでな」
「全部受けきらせてもらおう!!!」
結界の外
切嗣(お前のやったことは無駄ではなかった・・・か)
(その言葉は・・君が自分に言いかけている言葉でもあったのだろう)
(しかし、言葉ひとつでココまで救われた気持ちになるとは)
(かれは本当に英雄だったのかもしれないな)
切嗣「遠坂 そして ライダーとそのマスター 二人に問おう」
「聖杯を求めるか それとも聖杯を壊すか 2つにひとつだ」
ライダー「ふむぅ・・・そうさなぁ 確かに我が覇道には受肉が必要不可欠だ」
「しかし民を危険にさらしてまでというわけではない」
ウェイバー「僕は・・・ウェイバーベルベットは今から衛宮切嗣お前のことに賛同しよう」
「ライダー 申し訳ないが僕に従ってくれ」
ライダー「坊主・・言うようになったではないか! もともと我は貴様のサーヴァントではないか」
ウェイバー「ありがとう ライダー」
時臣「私は遠坂家の当主だ 御三家で決められたことを破るわけには行かない」
切嗣「ならば押し通るまでだ」
時臣「だが娘がむざむざ不幸になる道を進むわけには行かないであろう」
「衛宮切嗣よ このばかげた戦いを終わりにしようではないか」
「一瞬の火力は凄まじいものがあるな」
リン「アアアアアアアア・・・・」
アーチャー「しかしやはり君はどこか抜けているようだな」
「大事なところで失敗してしまう」
「それを私が指摘して何度も喧嘩になったな」
リン「・・・・・・・」
アーチャー「君のガンド 量が減ってきているな」
「フフッ やはりガンドが切れ掛かっているようだな」
「だが私も君の攻撃でだいぶ消耗してしまった」
「すべて受けきれば私の 仕留めれば君の勝ちだ」
リン「」スゥ ガンドを構える
アーチャー「干将・莫耶」 スゥ
「最後の打ち合いと洒落込もうか」
おかしいな なぜだろうか
リン「ッ・・・」ドドドドドドゴォ
こんなに楽しい気分になったのは久しぶりだ いや前に楽しくなったときのことなど覚えてはいないがね
アーチャー「クッ・・・」ガッキン!キン!
愛する女性と殺し合いをしているのに楽しくなるとは 私もとうとう狂ってしまったのかもしれないな
リン「・・・・」ガンドに力を込める
だが
アーチャー「・・・・」剣を構える
君ともう一度会わせてくれたことを私は憎んだ世界に感謝をしたい
アーチャー「ハアアアアアアァ!」
リン「!!!!!」
リン「・・・・そのようね」
「・・・・・・私を・・・・恨んで・・・ない・・・の?」
アーチャー「だれが君を恨むものか」
リン「だって私は・・あなたのことを・・・・」
アーチャー「世界を憎んでいた私を一人だけ愛してくれた君だ」
「殺されたくらいでその気持ちが変わるわけではないさ」
「そうだよな遠坂」
リン「・・・・・・」涙を流す
アーチャー「さて 劇は終わったようだな」
「そろそろ私たちも劇場から去らなければ」
「英霊の世界で私たちがまた会えるかどうかは分からないが」
「次会えるときは仲間でいたいものだな・・・フッ」 スゥ
時臣「そこまで分かっているなら話は早い」
「だが衛宮よ あれは生半可な魔術で破壊できるものではないぞ」
「逸れこそ中途半端に壊せば 彼の言った大災害が起こるやもしれない」
切嗣「別に魔術で壊す必要なんてないさ」
「英雄たちの時代と違って僕らには兵器があるのだから」
電話を掛ける「マイヤ あの武装を遠坂邸まで届けてくれ・・・あぁセッティングまでしてだ」
時臣「現代兵器を使う魔術師とはな」
切嗣「使えるものは使うだけだよ」
(確証はない だが消えたとき一切の未練は感じられなかった)
(彼はなすべきことを成した ならば僕もそれに答えようではないか)
時臣「では私は先に大聖杯のところへ行っておこう」
ウェイバー「ぼくらもついt」
切嗣「いや ライダーとそのマスターには頼みたいことがある」
「今から頼むことは ライダー・・・イスカンダルたる君に死ねということでもある」
「拒絶されても仕方がないがどうかやってもらいたい」
ライダー「・・・・言ってみせい 言われなければ考えることもできぬであろう」
切嗣「いまからマイヤ・・助手が持ってくる物を持ってそれを大聖杯に撃ち込んでほしい」
ウェイバー「そうか・・・・人間が閉ざされた空間で武器を放てば生きては帰れないから・・ということか」
「最後に彼との約束を果たせるならば本望であるしな」
ライダー「・・・・ウェイバーよ 我がマスターであるお前が決めろ」
ウェイバー「・・・・ライダー・・・いやイスカンダル 世界のために死んでくれ」
ライダー「フフ・・・ワハハッハッハ この我に死ねというものが現れるとはこのイスカンダル 思いもしなかったな」
「いいだろう坊主 貴様の命に従ってやろう 我はお前のために死んでやろう」
ウェイバー「ありがとう・・・王よ」
切嗣「すまないな・・・」
マイヤ「切嗣 装備を持ってきました」
切嗣「イスカンダルよ これを持って大聖杯をはかいしてきてk」
ライダー「それを命じるのはお主ではないな」
ウェイバー「令呪をもって傀儡に命ず ライダー・・・必ず大聖杯は破壊してこい」
「お前の名声は僕が必ず後世に伝えよう」
ライダー「坊主・・・いや我が友よいってくるぞ」
ウェイバー「あぁ・・・またなイスカンダル」
大聖杯によって現界していたサーヴァンは消え去り ココに冬木の大聖杯をめぐる戦いは終結した
御三家による会談が行われ、聖杯戦争の永久的な廃止が決まった
彼がいた世界にあった第5次聖杯戦争防ぐことができた
「君は・・・この世界をどうおもう?アイリ」
アイリは大聖杯とつながりが深すぎたため破壊と同時に命を失った
アハト翁はイリヤを僕の元に預け一線から身を退くことを決めたと伝えに来た
切嗣「なぁイリヤ 日本はどうだい?」
イリヤ「すっごく楽しいよ!えーっとニホンチャにヨウカンにえーっと」
切嗣「食べ物ばかりじゃないか」
イリヤ「ほかのもあるもん!」
「えーっとえーーっと」
(イリヤには少し窮屈な暮らしをさせてしまったかもしれないが 失った時間をとり戻すように中睦まじく暮らしている)
イリヤ「あっ!そうだ 今日約束があるんだった!」
切嗣「約束?」
イリヤ「そうなの!公園で一緒にあそぼうって あと少しで迎えににくるんだった」
切嗣「イリヤは社交的だね もうお友達ができたんだ」
イリヤ「うん!」
ピンポーン
イリヤ「あ!きたー」
???「イリヤちゃーん遊びに行きましょう」
???「イリア 今日はどこに行こうか」
イリヤ「いまいくよー!」
玄関先では3人の子供が仲よさそうにしていた
一人は我が娘イリヤ
もう一人は・・・・そうだあれは遠坂の娘だったな
そしてもう一人は・・・・
END
どんなものでも文章書くのは楽しいものですね
またほかのSSも書いていきたいと思います
お粗末さまでした
面白かったわ
楽しかった
こまけぇこたぁいいんだよ
なんか仲良く遊ぶ3人を窓から琥珀さんみたいな目で見つめる桜を幻視した
Entry ⇒ 2012.07.01 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
大河「士郎は私のだーっ!」
士郎「何だ、蜂にでも刺されたかな?」
士郎「あれ、令呪がある・・」
セイバー「シロウ、これはあれです、聖杯戦争のフラグです」
士郎「もう解体したんじゃなかったっけ」
セイバー「だいぶ後の話ですよ、それは」
大河「あーあー、マスターたちに告ぐ・・・」
士郎「うおっ!?何だ何だっ!?」
大河「これは知っての通り聖杯戦争だ!」
士郎「ちょっと待てこれはどういうことだ」
セイバー「シロウ、なんだか街が変な雰囲気の頭悪そうな結界に包まれています」
士郎「あの変なほうの聖杯の話か・・・」
大河「ルールは簡単、最後までやられなかったチームの優勝!」
大河「ただし私も参加する!」
セイバー「えっ」
大河「覚悟しなさいセイバー!士郎は私が貰う!」
士郎「えーっ!?」
大河「では、聖杯戦争を開始する!」
アーチャー「せっかく鮎が解禁されたというのに、時期を選ばん奴だまったく」
凛「・・・貴方そういうキャラだったかしら」
アーチャー「多分結界の影響だろう。今なら釣竿工場を超えられそうな気もする」
凛「まあそんなことは後でいいわ。それより作戦を考えましょう」
アーチャー(真面目にやったところで、まともなオチが待っているとも思えんがなあ)
桜「先輩は自分のですって・・・!?」
ライダー「サクラ、色が変わってますよ」
桜「・・・それにあろうことか私の存在は完全スルー?」
桜「・・・いいでしょう、そちらがその気ならいい機会です」
桜「先輩は私が独占する!邪魔する奴らなんて皆飲み込んでやる!」
バゼット「放っておけばいいのではないですか」
ランサー「呼ばれた以上、仕事をしないのもどうかと思うのだが」
バゼット「どうせ話の内容的に我々はカマセですよ。真面目に付き合う必要もないでしょう」
ランサー「そうか、んじゃ釣りに行ってくる」
イリヤ「・・・でも、なんで私のところにはサーヴァントが来ないのかしら。バーサーカーが来るはずよね?」
切嗣「・・・残念だが、その期待には答えられそうにないな」
イリヤ「えっ!?キリツグ!?」
ギルガメッシュ「我にセイバーを手に入れる機会を準備するとは上出来だ」
ギルガメッシュ「・・・しかし、我のマスターはどこにいるのだ?」
大河「はーい!私でーす!」
ギルガメッシュ「・・・はぁ?」
ギルガメッシュ「なぜ貴様のような魔術師でもない人間に我が呼び出さなればらんのだ!?」
大河「えー、WINWINの関係じゃない」
大河「私はシロウを手に入れてハッピー、貴方はセイバーちゃんを手に入れてハッピー」
大河「これ以上ない関係だと思うんだけど?」
ギルガメッシュ「乗った」
ウェイバー(Zeroのヒロインのほう)「ちょっと待て!なんで僕達がいるんだよ!」
ライダー(ワイン盗んだほう)「ふむ、実は急遽一枠空きができてな」
ライダー(ひげの生えてる方)「なんでもキャスター(5次)の奴が旦那と愛を育むのに忙しいから代わりに出て欲しいと言われて」
ライダー(地図盗んだほう)「それで急遽余が参戦することになったのだ、付き合え、ウェイバー」
ウェイバー「・・・こんなんで大丈夫なんだろうか」
ギルガメッシュ「後は雑種共の潰し合いでも見るとs・・・」
大河「早速衛宮邸に突撃だーっ!」
ギルガメッシュ「貴様、我にわざわざ働かせようというのか」
大河「何ニートみたいなことを言ってるの!セイバーちゃんを手に入れるなら今でしょうが!」
ギルガメッシュ「・・・仕方がない、付き合うとしよう」
アーチャー「なんだ、作戦はどうした」
凛「作戦なんてどうでもいいでしょ!流れ的に先手必勝よ!」
凛(アイツひとりじゃ心配じゃない)
アーチャー「仕方ないな、それではさっさと向かうとしよう」
士郎「・・・まあ、迎え撃つってことでいいんじゃないか」
セイバー「珍しく消極的ですね。まあ私としてはご飯が食べれるのでそれで構いませんが」
士郎「なんか家を出るとバッドエンドな気がする」
セイバー「さすがタイガー道場に通いつめただけのことはありますね、シロウ」
士郎「やめて」
大河「たーのーもー!」 ドンドンドン
ギルガメッシュ「セイバー!我が迎えに来てやったぞ!素直に開けろ!」
大河「ちょっと士郎!居留守は良くないんだからねー!大人しく私のモノになりなさい!」
ギルガメッシュ「・・・セリフが被っているぞ」
(ヒュッ―)
ギルガメッシュ「――!! 退がれ、大河!」
大河「え、わっ!」
凛「仕損じたか・・・」
ギルガメッシュ「我とセイバーの逢瀬を阻むとは無粋な雑種め!」
凛「別に貴方がセイバーをどうしようが私はどうでもいいしむしろルート選択肢が減る分プラスだけど!」
凛「衛宮くんのことを取られるわけにはいかないのよ!」
アーチャー「・・・だそうだ、悪いな、英雄王」
ギルガメッシュ「―貴様、本人の癖に」
大河「えっ!?ちょっと!?どういうことなのそれ!?」
大河「えーっ!アーチャーってなんか色々間違って第五次聖杯戦争では黒歴史を消そうと思って参戦したけど結局性根は変わってなくて今の士郎のことを助けちゃったりしててツンデレキャラ扱いな未来の士郎なの!?」
アーチャー(グサッ)
ギルガメッシュ「そういうことだ」
アーチャー「・・・貴様、他人の黒歴史を暴くとはどういうつもりだ!」
ギルガメッシュ「フン、結局はセイバーも、そこの女もモノに出来ずに失い続けた雑種の黒歴史など隠してやる価値もないわ!」
凛(やっぱりどう見ても別人よねえ・・・)
ギルガメッシュ「黒歴史は黒歴史らしく大人しく消えろ!セイバーは我のモノだ!」
???「・・・おっと、そういうわけにはいかないんですよね」
大河「桜ちゃん!?」
桜「私だってセイバーさんが貴方のものになること自体はどうでもいいですが」
桜「やはり藤村先生に先輩を取られるわけには行きません!」
ギルガメッシュ「・・・だそうだ、アーチャー。生前の貴様は随分モテていたようだな」
アーチャー(・・・帰りたい)
ギルガメッシュ「・・・また増えたのか」
イリヤ「ロリっ娘ブルマは正義の証!イリヤスフィール・フォン・アインツベルン只今参上!」
イリヤ「シロウは誰にも渡さない!やっちゃえ、キリツグ!」
イリヤ「―って、あれ?」
イリヤ「ちょ、ちょっとキリツグ!どこ行ったの?」
セイバー「ハムッ!ハフハフッ!ハムッ!」
士郎「よく噛んで食べろよ、セイバー」
セイバー「無論です!」
士郎「さて、外は騒がしいけど今のうちちょっと洗濯でもするか。」
士郎「・・・結構溜まってるなあ」
―やあ、久し振りだね士郎
切嗣「そうだよ士郎。元気でやっているようだね。良かった」
士郎「死んだはずじゃないのか」
切嗣「なに、ちょっとばかり化けて出たのさ」
士郎「えー・・・」
士郎(―待てよ、聖杯戦争中に「化けて出た」ということは)
切嗣「・・・多分考えている通りだよ。士郎」
-衛宮邸、外
ギルガメッシュ「雑種共!そこをどけえ!我はセイバーをモノにするのだ!」
アーチャー「はいはい複製複製」
黒桜「先輩以外皆死ねばいいのにっ・・・」
大河「―体は竹刀で出来ている、血潮は竹で心は猛虎、幾度のソフトを越えてメインヒロイン無し、ただ一度のエンディングもなく・・・」
凛「宝石を全部使って破産してでもっ・・・」
イリヤ「キリツグー!どこー!?」
ライダー「・・・しばらく様子を見ているとしますか」
アーチャー(! この感じ・・・)
イリヤ「あーもー!こうなったら令呪を・・・!」
切嗣「・・・その必要はないよ、待たせたね、イリヤ」
イリヤ「え、わあっ!?」
ライダー「イリヤスフィールが離脱しました、か・・・」
ライダー「・・・しかしあれは、追いかける必要がありそうですね」
士郎「で、これはどういうことなんだよ」
切嗣「かいつまんで言えば僕はアサシンで、イリヤが士郎を手に入れたがった結果こうなったというわけさ」
士郎「いや、それにしても俺の意思とかはどうなったんだよ」
切嗣「まあいいじゃないか、結局イリヤ√はなかったんだ、一度くらい楽しんでおくといい」
士郎「・・・」
イリヤ「そうそう、だいじょーぶ!セイバー√のBADみたいにはしないから!キリツグに怒られちゃったし」
切嗣「僕としても一度は娘が幸せになるルートが見たい」
イリヤ「そーそ!このまま一緒にいようよシロウ!」
ライダー「・・・親子水入らずのところ申し訳ありませんが少々待って貰いましょうか」
士郎「ら、ライダー!?」
ライダー「百合ルートの作れそうなはずの私も!一ルートも無いんですよ!」
ライダー「他のルートで桜とイチャイチャしてもよかったのに!そういうのも無いんですよ!」
ライダー「私はライダー√を要求する!」
切嗣「・・・付けられていた、か」
切嗣「やむを得ないな、僕は親として子供のために譲る訳にはいかない」
士郎「お、おい、親父・・・」
アーチャー「・・・もらった!覚悟しろ英雄王!」
ギルガメッシュ「ぐっ・・・貴様っ・・・」
ギルガメッシュ(くそっ・・・エアが間に合わんっ)
大河「―士郎!そんなに、そんなに私が嫌なの!?」
アーチャー「なっ、藤ねえっ、なんでっ・・・」
大河「だって!そんなに凛ちゃんのために頑張って・・・私は・・・貴方のいた世界の私は・・・やっぱり・・・」
アーチャー「違うんだ藤ねえ!俺はただ俺の我儘に藤ねえを巻き込みたくなかっただけで!」
ギルガメッシュ「―弁解を邪魔させてもらうぞ、アーチャー」
ギルガメッシュ「アーチャー!女というものはな!常に自身を必要とする存在を求めているものなのだ!」
ギルガメッシュ「貴様はそれに気づいておきながら!結局!誰を選ぶ事もなかった!」
ギルガメッシュ「それは拒絶するのと同じ、―いや、それ以下だ!ハーレムヘタレの罪というのは重いのだぞ!アーチャー!」
ギルガメッシュ「その罪、王である我が裁いてくれる!」
ギルガメッシュ「―乖離剣、エア!」
アーチャー「くっそおおおおおおおおおおおおっ!」
大河「凛ちゃんと桜ちゃんも見当たらないし、一気に二人減ったと考えていいのかな」
ギルガメッシュ「・・・そう寂しそうな顔をするな虎。話のノリ的に別に死んだわけではなし、アーチャーの奴にとっては良い灸だったろう」
大河「・・・そうじゃない」
ギルガメッシュ「?」
大河「別の士郎がああなら、今の士郎も私のことは二の次なのかなって」
ギルガメッシュ「―フン、なら無理にでも手に入れれば良いだろう」
ギルガメッシュ「第一そのつもりでコレを行なっているのだろうよ、お前は」
ギルガメッシュ「そういうものだ。我を見ろ、二次創作でさんざんストーカー扱いされてもセイバーを手に入れる思いは決して変わらん」
大河「むー、手に入れたらヤッただけですぐ飽きたじゃない」
ギルガメッシュ(ギクッ)
ギルガメッシュ「・・・蒐集は過程を楽しむものだ。集めたら仕舞い込めば良い」
大河「ま、そうだね!」
大河「私らしくなかった!士郎がどう思っていようと士郎は私のもの!絶対手に入れる!」
ギルガメッシュ「フン、いい眼になったではないか、大河」
イリヤ「ちょっとキリツグ!戦うんじゃなかったの!」
切嗣「譲らないとは言ったが、戦うとは一言も言っていない」
切嗣「第一僕はアサシンのクラスである以上不利だ。ならここは体制を立て直すべきだろう」
切嗣「・・・あっちの家の方での戦闘も終わったみたいだしね」
ライダー「待ちなさい!いや、待たなくてもいいから士郎はおいていきなさい!」
士郎「あー、もうなるようになればいいや・・・」
セイバー「大変です、メインヒロインであるはずの私の出番がないし、シロウは見覚えのある悪人面のオッサンにさらわれて仕舞いました」
セイバー「どことなく昔の聖杯戦争とデジャブですが、きっと気のせいでしょう」
ライダー(征服王のほう)「ようセイバー!久しいな!」
セイバー「ライダー!?、い、今は少々待ってください!私の食卓の危機なのです!」
ウェイバー「あら、行っちゃたよ」
ライダー「なんだ、付き合いの悪いやつだな」
ウェイバー「追いかけないのか?」
ライダー「一応アレも女だ、食卓の危機なら仕方あるまい。それに現代大戦略を買った帰りに壊してもいられん」
セイバー(更にデジャブな気がしてきましたが、もう考えないようにしましょう)
大河「家の中は誰も居ないね」
ギルガメッシュ「照れて隠れているのか、可愛いやつめ」
ギルガメッシュ「ならば我が直々に見つけ出してやらんとな!」
大河(このポジティブさはどこから来るんだろう・・・)
ギルガメッシュ「ほら、何をグズグズしている、いくぞ大河」
セイバー「どこですかシロウ!メインヒロインの可愛いアルトリアちゃんが迎えに来ましたよ!」
ライダー「・・・また面倒なのが増えたわね」
セイバー「あの胸の無駄な脂肪!ライダーですね!」
ライダー「なんで胸で私なのかどうかを見分けるのですか」
セイバー「成長しなかった者の恨み!今晴らしてくれる!」
ライダー「待ちなさい!シロウがあそこにいます!」
セイバー「それは本当ですか、ライダー!」
セイバー「あれは・・・イリヤスフィール」
切嗣「・・・チッ」
セイバー「き、切嗣!?なぜここに」
セイバー「しかしそんなことはどうでもいい!今はまとめて吹き飛ばすのみ!」
エ ク ス
セイバー「約束された―――」
イリヤ「させない!シロウガーード!」
士郎「え、ちょっと!オイ!」
セイバー(しかし、今更発動は止められないっ・・・)
セイバー「ならば・・・」
セイバー「向きを変えるのみ!」
カ リ バ ー
セイバー「―勝利の剣!」
ライダー「え」
ギルガメッシュ「くく、嫌よ嫌よも好きのうち、ということか」
ギルガメッシュ「態々我に位置を知らせるとはな!待っていろセイバー!」
大河(絶対違うと思うけどなあ)
―冬木市内、小洒落た喫茶店―
バゼット「あ、あの」
ランサー「ほら、あーんしろバゼット」
バゼット「ッー!」
ランサー「どうだ、美味いかバゼット」
バゼット「――おいしい、です」
ランサー「そりゃ良かった」
ランサー(それにしてもここはいいデートスポットだな)
ランサー(洒落ているし、静かだし、言う事なし―)
ブオンブオンブオンブオンブオン!
ランサー「ん、なんだあの音は」
兵士「ヒャッハー!流石王様っす!」
兵士「オラオラ、道を開けろっー!」
兵士「ちわーっす!三河屋でーす!」
ウェイバー「それ明らかに間違ってるよね!」
ランサー「なんだ、暴走族か。どうでもいいな」
ライダー「続け野郎ども!オケアノスに浮かぶ夕日まで競争だ!」
ウェイバー「それもなにか間違ってるよね!絶対になにかおかしいよね!」
兵士「「「「「ヒャッハー!王様に続け-!」」」」」
ギルガメッシュ「態々露払いをしておくとは気が利いているなセイバー!益々気に入った!我のモノになれ!」
大河「たまには違うパターンの挨拶はないの?」
ギルガメッシュ「様式美だ」
セイバー「ええい、一難去ってまた一難ですか!ぶっちゃけありえません!」
切嗣「よし、今のうちに退こう」
イリヤ「ふふ、たーっぷり遊ぼうね、シロウ!」
ビュン!
セイバー「!!」
ギルガメッシュ「くく、相変わらず素直でないなセイバー」
ギルガメッシュ「わざわざ俺を呼んだにも関わらずいざ近づいたら雑種の話題か」
ギルガメッシュ「・・・だが、我も少しばかりその扱いには腹が立つ」
ギルガメッシュ「この俺のモノとして相応しくなるよう、直々に躾てくれるわ!」
セイバー「あぐっ!」
ギルガメッシュ「・・・躾けてやると言ったのが聞こえなかったか、セイバー」
大河「それに士郎は私のだ!あげない!」
ギルガメッシュ「・・・大河もそう言っている。人の恋路を邪魔する無粋な真似をセず、大人しく我の躾を受けるんだな!」
セイバー「くっ・・・」
セイバー「いいえ、シロウは私のもので、私はシロウのものです!」
セイバー「それは決して譲りません!」
セイバー「違う!大河がシロウに会う前からシロウは私の鞘だ!」
セイバー「だからシロウは私のものだ!」
大河「士郎は私のだーっ!」
ギルガメッシュ「ええい、好い加減にしろ貴様ら!」
ギルガメッシュ「なにはともあれセイバーは我のモノ!断じて他の雑種のモノではない!」
ギルガメッシュ「我のモノになると言うまで何度でも躾直してやる!」
ギルガメッシュ「我は我が宝物庫の鞘のみで貴様を倒してみせるわ!」
セイバー「・・・舐められたモノですね!」
セイバー「その慢心ごと、お前を切り伏せてみせる、英雄王!」
大河(わわ、なんだかまずい雰囲気に・・・)
ギルガメッシュ「往くぞセイバー!貴様の覇を示してみせろ!」
ギルガメッシュ「―我がそれを許すとでも思ったか、セイバー?」
セイバー「ぐふっ!」
ギルガメッシュ「刺さらぬと思うのは早計、鞘とて武器として捨てたものではない」
セイバー「くっ!」
ギルガメッシュ「・・・そして、な」
ギルガメッシュ「ただまっすぐにしか飛ばぬ訳でもないのだぞ?」
ギルガメッシュ「どうしたセイバー、先程迄の威勢はどこへ消えた?」
ギルガメッシュ「それとも理解したか、この我に逆らうことなど無意味だと」
セイバー「・・・まだまだあっ!」
ギルガメッシュ「―それで攻撃のつもりか?」
ギルガメッシュ「鞘というのは防具としても使えるのだぞ?」
ギルガメッシュ「諦めろセイバー、所詮貴様では我には勝てぬ」
セイバー「負ける・・・訳には・・・」
ギルガメッシュ「まだ強情を張るか、セイバー」
セイバー「私は・・・シロウに・・・」
大河「!」
ギルガメッシュ「この期に及んで、まだ奴の名を口にするか」
ギルガメッシュ「大した根性だ。だが―」
大河「待って」
大河「私が戦う」
ギルガメッシュ「―正気か、貴様」
大河「セイバーちゃんが士郎のために戦うなら、私は私の力でそれを打ち破る」
ギルガメッシュ「・・・我がセイバーを手に入れるのを邪魔する、と?」
ギルガメッシュ「そのつもりなら我のマスターであっても容赦はせぬぞ」
大河「・・・力ずくでも手に入れろって教えてくれたのは貴方じゃない」
大河「―令呪を以って命ず。英雄王ギルガメッシュ、私が士郎を手に入れるためセイバーを打ち破るのを邪魔するな」
ギルガメッシュ「やむを得ん、令呪を持ってまで我を諦めさせるのなら引っ込んでやるとしよう」
ギルガメッシュ「手段を教えてやったのは我だ。結果を見届けてやるのも悪くはない」
大河「―ありがと」
ギルガメッシュ「なに、すぐ死ぬ、時間に余裕のない雑種に気紛れに道を譲ってやっただけだ」
ギルガメッシュ「―そうさせた以上、我を興じさせて見せよ、大河」
セイバー「・・・大河」
大河「・・・長い竹刀?」
ギルガメッシュ「セイバーの剣とも打ち合える。我が保障しよう」
セイバー「タイガ、どうしても貴方がやるというのですか」
大河「腕の面なら心配ないよ、セイバーちゃん」
大河「虎聖杯の影響下・・・私に大きな勝機がある」
セイバー「わかりました。ならば私も全力で臨みます」
ギルガメッシュ(全力?我の時には手加減していたとでも言うつもりか、面白くない)
セイバー「シロウは・・・」
大河「士郎は・・・」
「「私のだーっ!」」
大河「血潮は竹で、心は猛虎」
大河「幾度のソフトを越えてメイン無し、ただ一度のエンディングもなく、ただ一つのラブシーンもない」
大河「一番可愛いはずのキャラはここに一人、たまに道場でロリブルマと説教に酔う」
大河「―ならば、我が生涯の意味は」
大河「この身を滅ぼしてでも、士郎を手に入れること!」
UNLIMITED BUSHIDO STICK
大河「無限の―――竹刀―――!!」
セイバー(だが竹刀一種であれば、弾き返せるはずだ)
セイバー(タイミングを作って、宝具で巻き返す!)
大河「いけええええええええええええ!」
セイバー「防いで―」
セイバー「!」
ズウゥウゥゥゥウウウウン!
セイバー
ギルガメッシュ「ほう、流石は俺の嫁、アレの見た目に惑わされんとはな」
セイバー「なんです、この威力は・・・」
セイバー「受けていたら剣と鎧ごと砕かれていた―」
大河「おらおらおらおらおらおらおらおら!!」
セイバー「くっ!」
ギルガメッシュ「ほほう、言うだけのことはあるな、大河」
ギルガメッシュ「我に割り込んだ無礼はそれで不問にしてやろう」
ギルガメッシュ「男の息子は親を助けるために日々農作業に励んだが、それが災いしてある時大敗を喫した」
ギルガメッシュ「それに発奮した息子は日々吊るした岩に突きを打ち続け」
ギルガメッシュ「ついには鉄面をも砕き、眼球を抉る突きを編み出すことに成功した」
ギルガメッシュ「気をつけろよセイバー、その美しい顔が台無しになっても知らんぞ?」
大河「あたれええええええええええ!」
セイバー(大河は熱くなってるように見えて、私の回避を読んで竹刀を打ち込んできている・・・)
セイバー(どうすれば、どうすればいい)
ギルガメッシュ(セイバーの眼がえぐられるのも多少心配ではある、素直に虎竹刀の原典を渡すべきだったか?)
ギルガメッシュ(いや待て、隻眼というのも悪くはないな)
ギルガメッシュ(身に余るモノを抱いたがゆえに失う、それを端的に示しているといえる)
ギルガメッシュ(これは、どう転んでも我が楽しめるような結末になりそうだな)
大河「面!突きぃ!胴!小手ぇ!」
大河「突き!突きぃ!突きぃぃぃ!」
セイバー「大河が・・・金色に輝いている!?」
大河「これが私の!スーパーモードだぁぁぁぁあああ!!!」
セイバー(まずい、このままでは)
セイバー(ええい、一か八かっ!)
セイバー「ならこれが、私のスーパーモードです!」
ブチッ!
ギルガメッシュ「・・・黒くなったか。我はその姿に興味は無いのだがな」
オルタ「―貴様の戯言を聞くために出てきてやったわけではない、金ぴか」
ギルガメッシュ「ふん、その姿の貴様など虫ケラほどの興味も沸かぬわ、さっさと破れて朽ちろ、帰れ」
オルタ「―生憎だが、そうもいかない」
オルタ「私はシロウを喰いたい。そのためにはここで散るわけにはいかん」
大河「―そんなこと、尚の事やらせはしない!」
ヴォーティ
オルタ「卑王――」
ガーン
オルタ「鉄槌――!」
大河「―竹刀が全部弾かれた!?」
オルタ「まだだ!」
オルタ「二連鉄槌―ー!」
大河「まだまだぁっ!」
オルタ「防いだかっ!」
オルタ「だが次は防がせん、これで終わる!」
オルタ「卑王―鉄槌―!」
大河「―行けるっ!」
大河「突きぃぃぃいいいっっ!」
ギルガメッシュ「―ほう」
ギルガメッシュ「真名も解放せずに、伝承通り面を砕き眼球を抉るか」
ギルガメッシュ「やはり面白いな、流石だ」
オルタ(刺突で私の視界を奪い、それで創りだした死角に入り込み、躱す)
オルタ(只の人間がここまで出来るもの、か・・・)
大河「消え、た・・・」
大河「―勝ったの?」
ギルガメッシュ「その通りだ、大したものではないか貴様」
大河「ありがと・・・」
大河「セイバー倒しちゃって、ごめんね。ギルガメッシュ」
ギルガメッシュ「―くく、くはははははは!」
ギルガメッシュ「変な奴だなお前は!我も納得ずくだ、何を気に病むことがある」
ギルガメッシュ「それに我は黒い方はどうでもいいのだ、手間を省かせたのみ」
大河「わ、ちょっと待って!」
ギルガメッシュ「我を待たせるんじゃない!さっさと往くぞ!」
―冬木市内―
警察「こらー!そこのバイク止まりなさい!」
兵士「ヒャッハー!俺たちを止めれるのはガソリン切れだけだぜぇ!」
ランサー「・・・まだやってるのかあいつら」
バゼット「ランサー、私は少し休みたい」
ランサー「ん、そうか、んじゃあ・・・」
バゼット「そ、そのっ・・・できれば・・ああいうところ・・で・・・」
ランサー「・・・ああいうところ?――っておい、アレは」
バゼット(ギュウウウウウウウ)
バゼット(コクコク)
~一方そのころ市内のどこか~
切嗣(セイバーの霊圧的な何かが消えた・・・)
イリヤ「シロウ・・・こっちに来て・・・」
士郎「い、いや、そのっ!ちょっと待って!イリヤ裸じゃ」
イリヤ「もう!何気にしてるのシロウ!姉弟なんだから一緒にお風呂に入るくらい普通じゃない!」
士郎(いやそれは絶対普通じゃないというかなんというかおかしいというか)
切嗣(・・・居づらい)
士郎「いやそのだからえっとオレの意思というかなんというか」
イリヤ「シロウ、私のこと嫌い・・・?」
士郎「いっ、いや、その、全然そんなことは!」
イリヤ「良かった!なら大丈夫だよね!」
士郎「大丈夫って、何が―!」
切嗣(ちょっと外に行ってこよう)
バゼット「えっとそのあのあのえとえと」
ランサー「ああもう!黙ってオレに任せとけ!」
バゼット「は、はいっ!」
切嗣(やっぱり屋上に行こう)
切嗣(怪しまれないためにはチャンスになるまで待ったほうが・・・)
切嗣(チャンスになるタイミングは、やはり近場にいたほうがわかりやすいな)
切嗣(覗くか)
ランサー「よっと・・・うん、いい感じで締まってるな・・・」
切嗣(・・・)
切嗣(しばらく続きそうだな、士郎の方もちょっと見てくるか―)
ドーン!!
バゼット「な、なんです!?」
ランサー「・・・落ち着け、隣だ!」
士郎「藤ねえ、なんでこんな所に・・・」
大河「しーろーうー!!!」
大河「ロリは犯罪だってちゃんと教えたでしょ!」
大河「私だって!私だってそんなシーンが欲しいのに!」
大河「独占しちゃってロリブルマのバカバカバカ!」
ギルガメッシュ(だからこいつらは後にしようと言ったのだが・・・)
イリヤ「弟を姉が独占して何が悪いの!」
イリヤ「まんねんばーじんのタイガと違って私はちゃんとイクところまでイッたんだから!」
大河「なんで・・・すって・・・」
士郎「えっ」
イリヤ「シロウだってイクところまでイッたしシロウはおねーちゃんのわたしがずーっとわたしのものにするんだから!」
大河「認めん!認めんぞおおおおおお! おねーちゃん認めません!」
イリヤ「私だっておねーちゃんだもん!としまのおねーちゃんよりピッチピチのほうがシロウだって嬉しいはずだもん!」
大河「あまつさえ士郎の初めてを奪った挙句ぅ!私をトシマ呼ばわりだとお!」
ギルガメッシュ(オバサンと言わないだけ親切だと思うがな)
士郎(それは言わないほうがいいと思うぞ)
大河「ええいやってしまえギルガメッシュ!あのロリブルマに年功序列というモノを全身全霊を持って叩きこめーっ!」
大河「誕生日の度にケーキにろうそくが増えて微妙な気持ちになる私の悲しさを思い知らせてやれ―っ!」
士郎(今度から20本で固定しよう)
イリヤ「ハタチすぎた女は皆オバサンって、この前、街でじょしこーせーがいってたもん!」
大河「おば・・・さん・・・?」
ギルガメッシュ「あ」
士郎(もう俺しーらね)
???「おばさん・・・?」
ドカーン!
士郎「なっ、いきなり壁が!」
バゼット「私にはあまり関係なさそうな話題だったのでやり過ごすつもりでしたが気が変わりました!」
バゼット「その生意気な口を二度と聞けないようにしてあげ―」
―ザシュッ!
バゼット「いったあああああ!?」
切嗣「令呪を以って命ずる。ランサー。僕に従え」
ランサー「っておい!またこのパターンかよ!」
切嗣「奇遇だね。僕にとってもこういうことは初めてではないよ」
イリヤ(キリツグは確かに似たようなことやってるけど微妙に違うような気が・・・)
切嗣「さらに令呪を以って命ずる。ランサー、命に変えてもその悪趣味なサーヴァントを倒し、僕達が引く時間を稼げ」
大河「え、切嗣さん!?」
切嗣「久しぶりだね、大河」
切嗣「積もる話もあることにはあるが、あいにく今は余裕がなくてね」
切嗣「また今度にすることにしよう、大河」
大河「あ!逃げられた!」
ギルガメッシュ「追うぞ大河!そこの青タイツは放っておけ!」
ギルガメッシュ「命拾いしたな青タイツ!我は急ぐから後回しにしてや―
ヒュン!
ギルガメッシュ「貴様・・・余程死にたいようだな」
ランサー「釣りの時の恨みぃ!調度良いから今ここで晴らしてくれる!」
ギルガメッシュ「フン!青タイツなど魚礁の代わりに沈めてくれるわ!我の釣果の足しになることを光栄に思うが良い!」
ランサー「はっ!そんなノーコンで投げたところで俺には当たらないね!」
ギルガメッシュ「回避スキル如きで勝った気になるか、青タイツ」
ランサー「そりゃごもっともな意見だが・・・」
ランサー「生憎、回避だけが能ってわけでもないんでね!」
ランサー「こちらもあの目付きの悪いオッサンをさっさと追いかけたいんだ!一撃で決めさせてもらうぞ!」
ランサー「刺し穿つ―」
ボルグ
ランサー「死棘の槍―!」
ギルガメッシュ「・・・フン」
ヒュン!
ランサー「何事も無かったかのように外れた!?」
ギルガメッシュ「生憎だったな、青タイツ」
ギルガメッシュ「我のマスターの幸運はEXだ、幸運Eの貴様の宝具など当たるはずがないだろう」
ギルガメッシュ「―天の鎖!」
ランサー「くうっ!」
ギルガメッシュ「ええと、貴様の宝具の原典は・・・と」
ギルガメッシュ「貴様が動かなければ、我も簡単に心臓を貫けるというもの」
ギルガメッシュ「ではな」
ランサー「ぐはあああああああっ・・・」
ギルガメッシュ「ん?どうした大河」
大河「さっきランサーが投げた槍はどこに行ったの?」
慎二「いてて・・・くそっ!なんで今日はこんなに無駄に暴走族がいるんだよ!」
兵士「イヤッホー!俺たち亜礼苦旭日怒露須は無敵だぜぇー!!」
慎二「まったく、喧しくて嫌になる―」
慎二「ん、なにか空から・・・」
グサッ!
ギルガメッシュ「青タイツと違って気の利くやつだ」
ウェイバー「ん、なんか後ろのほうで人に何か刺さってるような・・・」
ライダー「そのような小さいことを気にするなウェイバー!大音響の元爆走するのこそ王道!」
兵士「ヒャッハー!ワカメ野郎はどうでもいいぜーぇ!」
慎二「ひ、ひどい・・・」
大河「おーらい!私をオバサンとか言う失礼なロリブルマに天罰を下してやる!」
~某所~
切嗣「・・・なんだ、ランサーはもうやられたのか」
イリヤ「幸薄そうだったから出番も少なかったのよきっと」
士郎「非道い言われようだな」
イリヤ「だってろくに見せ場もないじゃない、アイツ」
イリヤ「ご自慢の宝具もまるで当たらないし、大体どのゲームでも最後死ぬし」
士郎(ランサーが聞いたら泣くな)
切嗣「僕の時の聖杯戦争に召喚されていたらまっ先に犬肉を奨めてやったのに」
イリヤ「さっすがキリツグ!げどーだね!」
士郎(そのゲッシュの設定あんまり生かされてないな)
イリヤ「ところで、さっきから何をしているの?キリツグ」
切嗣「ああ、ちょっとあの趣味の悪い英霊を叩けるよう、対策をね・・・」
イリヤ「シロウガードじゃだめなの?」
切嗣「・・・鞘で復活出来る程度の範囲攻撃でまとめて吹き飛ばされる危険性がある。有効ではあるが、あまり頼り切るべきではないね」
士郎「おい」
大河「うわーん!古代メソポタミアの道具でなんとかしてよギルえもん~!イリヤに士郎を取られちゃうよ~!」
ギルガメッシュ「仕方ないな」
ギルガメッシュ(例のボイスで)「ド○ゴンレーダーの原典~!」
ギルガメッシュ「ポチッとな」
大河「すごい!あっという間に表示された」
ギルガメッシュ「雑種共、この我に足を運ばせた車代は高く付くぞ!」
切嗣「来た、か」
切嗣「・・・いきなりエアを使って来なかったのは、幸運と考えるべきだろうな」
切嗣「イリヤ、準備はいいかい?」
イリヤ「もっちろん!ぱーぺきだよキリツグ!」
切嗣「1,2の・・・」
イリヤ「さん!」
大河「二手に分かれて、何を企んでいるのか・・・」
切嗣「行くよ、大河―」
大河「狙いは私の令呪か!」
大河「させるかー!突きーっ!」
切嗣「士郎ガード!」
大河「わ、士郎!?」
イリヤ「―悪いけど」
イリヤ「私が用があるのは、貴方じゃないの!」
大河「わっ、イリヤもこっち狙い!?」
ギルガメッシュ「チッ・・・」
ギルガメッシュ「無駄な策を弄しおって!まとめて吹き飛ばしてくれる!」
切嗣「――かかったね」
切嗣「その魔力、そのまま、いや倍以上にしてお返しさせてもらう!」
切嗣「――起源・・・切断!」
ギルガメッシュ「がああああああっ!」
大河「ギル―!!」
切嗣「悪いね大河、もらったよ!」
ズドォオオオオン!
切嗣「な・・・」
ギルガメッシュ「残念だったな」
ギルガメッシュ「我の魔力量を・・・過大評価・・・しすぎたな!」
ギルガメッシュ「我の・・・宝具は、ともかく!我の・・・魔力量は侮っ・・・ても・・・構わんの・・・だぞ!」
切嗣「まだ、動けるのかっ・・・」
ギルガメッシュ「バカ親は・・・大人しく・・・あの世にっ・・・帰れ!」
ギルガメッシュ「・・・がぁっ・・・」
大河「ギルガメッシュ!大丈夫!?」
ギルガメッシュ「宝具のほうからの・・・ダメージが・・・いささか強すぎた・・・」
ギルガメッシュ「あとは・・・貴様一人で・・・どうにかしろ・・・大河」
ギルガメッシュ「俺は一足先に帰って・・・セイバーと戯れることにする・・・」
大河「ここまで付き合ってくれてありがとう」
キィン―
大河「・・・あれは、虎聖杯!? もう出てきたの!?」
イリヤ「!!」
イリヤ「キリツグの死は無駄にしない!私が先に手に入れる!」
イリヤ「アレは私が手に入れる!」
イリヤ「手に入れて、シロウとイチャラブの専用ルートを手に入れる!」
大河「そうはいくかぁーっ!」
大河「士郎とのイチャラブ専用ルートはこの私のものだあーっ!」
大河「―足の速さなら私に分がある!」
ヒュンヒュンヒュン!!
大河「なんとぉー!!」
イリヤ「―躱した上に、反撃すらしてこない」
イリヤ「なんとしてでも先にたどり着く気!?」
大河「士郎は、私の、ものじゃぁああああああ!!」
イリヤ「―クッ!止まれ止まれ止まれ止まれーっ!!」
イリヤ「当たった!今のうち・・・」
大河「舐めんなぁあああああ!!」
イリヤ「きゃああっ!!」
大河「この竹刀・・・っ、なかなか投げやすいじゃないっ・・・」
大河「もらっ・・・た・・・」
大河「・・・やった・・・ついに」
???「さあ願いを言ってみろー!」
大河「士郎が欲しい!ついでに私の専用ルートも欲しい!」
???「よっしゃあー!まかせとけー!」
ウェイバー「聖杯、取られちゃったぞ!」
ライダー「・・・あーそうか、すまん坊主」
ウェイバー「すまんで済むかーっ!!」
ライダー「いや、言うのをすーっかり忘れとったわ」
ウェイバー「え?」
ライダー「この聖杯戦争はな・・・」
大河「・・・」
大河「あれっ」
大河「なんで私、布団の中にいるんだろう」
士郎「・・・なに叫んでんだよ、藤ねえ。日曜だからって寝ぼけてるのか?」
大河「え?え?」
士郎「朝ごはんできてるからな、早く着替えて来なよ」
大河「これってまさか・・・」
大河「夢オチー!?」
凛「おはようございます先生、オーラがいつもと違うようですが」
セイバー「おはようございます、(むしゃむしゃ)朝から随分浮かない顔をしていますねタイガ(むしゃむしゃ)」
大河「うー・・・おはよー」
士郎「なんだい、悪いもんでも食ったのか藤ねえ」
大河「うー、ちがうよー」
大河「恋の病だよー」
士郎「え」
セイバー「え」
凛「ええっ」
士郎「別に構わないよ?」
大河「えっ」
大河「やったー!!」
~了~
ギルガメッシュ「見ろライダー、セイバーのやつこの世が終わったかのような顔をしておるぞ」
ライダー「まったく、嬉しそうにしおって。貴様の趣味は理解できん」
ランサー「・・・もしかしたらコレを見るためだけに態々俺達を狩りだしたのか」
ギルガメッシュ「貴様の希望通りバゼットとやらと過ごさせてやったろう。文句を言うな青タイツ」
ライダー「まあたまには、臣下の顔を見に行くのも悪くはなかったがな」
アーチャー「・・・オイ」
ギルガメッシュ「どうした黒歴史」
ギルガメッシュ「夢オチには違いない。ただちょっと夢に影響されただけだ」
ランサー「むしろ貴様としては厨二病のまま人生を終えず本望だろう赤いの」
アーチャー「ぐっ・・・」
ランサー「しかし、なんでイリヤスフィールの親父が出てきたんだ」
ギルガメッシュ「アサシンにはちゃんと声をかけたはずなのだがな」
ライダー「ま、そんな細かいことはどうでも良いではないか」
ギルガメッシュ「一理あるな。よし、今日はセイバーの顔を肴に呑むとするか」
ライダー「おうよ!」
ランサー「おら、多めに注げよ英雄王」
アーチャー「黒歴史じゃないっての・・・ブツブツ」
~蛇足編、了~
保守してくれた人ありがとー
またねー
藤ねえ良かった良かった
乙
Entry ⇒ 2012.06.29 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
切嗣「僕の戦いも終わったし…安価で行動しよう」
切嗣「できた…我ながら可愛らしいマフラー…だな」フッ
切嗣「さて、このマフラーを誰にプレゼントしようかな」
>>16
大河「え?あたしですか?」
切嗣「これを…受け取ってほしいんだ」スッ
大河「あらっ、可愛らしいマフラー!」
大河「でも、なぜ?あたしに?それにあなたは」
切嗣「いずれは…君の世話になるからね」(僕にはこれくらいの事しかできないけど…)
大河「はぁ…」(やだ//凄くハンサム///)
切嗣「それじゃ、僕は行くよ」
次は何をしますか?>>28
誰得
絶対許さない
切嗣「やぁ、気分はどうだい?」
士郎「うぅ…」
切嗣「すまないね…君をこんな目に遭わせてしまって…」
士郎「助けてくれてありがとう…」
切嗣「礼を言われる義理はないよ…」
士郎「で、でも」
切嗣「僕は…君しか救えなかった…」
切嗣「」ウルウル
士郎「ねぇ、泣かないでよ」
切嗣「すまないね…」(僕は何としてでも…残りの生涯はこの子に捧げよう…)
士郎「もうこの話は掘り下げなくていいよ…」
切嗣「そうだね。これから…新しくやり直していこう」
堀りさげる→掘る はい!いただきました!!
次はなにしましょうか?
>>54
衛宮邸
切嗣「」(この子には僅かではあるが…魔術師としての素質がある)
切嗣「士郎、今から僕の言うとおりにするんだよ?いいね?」
士郎「わかった!」
切嗣「それから、少しでも身体に異変を感じたら中止するんだよ?」
切嗣「無理をする必要はないからね」
士郎「うん!わかった!」キラキラ
切嗣「ふふ、それじゃぁはじめるよ」(やはり、少年だな。魔術と言う言葉にこうも魅かれるとは)
士郎「うぅ…」ゼェハァゼェハァ
切嗣(投影、転換、それに宝石魔術。どれを見ても魔術師としては乏しい…)
切嗣(だが、強化に関しては何とかなりそうだな)
切嗣「落ち込むことはないよ。これからは毎日、この方法で練習に励みなさい」
士郎「最後にしたやつ?」
切嗣「そう、これはね。強化と言って魔力を使って物を強くすることが出来るんだ」
士郎「すげぇ!」
切嗣「ふふ。努力を怠らなければきっと士郎の役に立つはずだよ」
さて次は何をしますか?
>>70
切嗣「なに?戦い方?」
士郎「うん!魔術師なるんだったら!やっぱり戦ったりするんでしょ?」
切嗣「確かに魔術は他者を傷つけることだってある。」(この子には…もう…誰かを傷つけるようなことは…させたくない)
切嗣「でもね、士郎にはそういう使い方をして欲しくないんだ」
切嗣「誰かの、人のためになる使い方をして欲しい。」
切嗣「魔術にはそういう使い道もあるんだよ」ニコッ
士郎「すげー!ヒーローになれるの?」キラキラ
切嗣「まぁ、そういう解釈も間違いではないね」
切嗣(とはいえ、この子はまだ幼い…純粋に遊んで欲しいのだろう)
切嗣「それじゃぁ、今から僕は悪党だよ!」ガオー
士郎「よーし!ヒーロー登場だ!」テヤー
ちなみに次はなにしますか
>>84
切嗣「最近は士郎のこともあって家に篭りっぱなしだったし」
切嗣「おや?」
凛「…」
切嗣「」(遠坂時臣には確か娘が…)
切嗣「どうしたんだい?」
凛「!?」ハッ
凛「泣いてなんかないもん!」ゴシゴシ
切嗣「僕は別に泣いてるかなんて聞いてないけど」
凛「あっ…。うぅ…」
切嗣「君は遠坂の娘さんかな?」
凛「え?お父様をしっているの?」
凛「さぼちゃった…」
切嗣「そんな事をしたらご両親が心配するよ?」
凛「もう…誰もあたしを叱ってくれない…」
切嗣「君の父の事は聞いたよ…。でもお母さんは」(遠坂時臣は死んだ…だが、妻は)
凛「お母様も…病院で寝たきりなの」
切嗣「そうだったのか…すまない。余計なことを」(聖杯戦争の傷跡がこんなところにまで…)
凛「悲しくなんかないわ!」
切嗣「」
凛「常に余裕をもって優雅たれ!」
凛「これは遠坂家の家訓よ!お父様やお母様がいない今!あたしがしっかりしなくちゃいけないの!」
凛「えぇ!だから魔術の修行だって今までの倍は」
切嗣「でも」
凛「え?」
切嗣「でもね、無理はしちゃだめだよ。」
切嗣「君には君の人生。生き方があるからね」
凛「えっと…それは」
切嗣「辛いことを自分ひとりで塞ぎ込んじゃいけない」
切嗣「そのためにも、学校へ行きなさい。友達と話したり遊んだりすれば」
切嗣「少しは辛さが和らぐからね」
凛「うぅ…。気が変わったわ!学校へ行く!それじゃね!変なおじさん!」タッタッタ
切嗣(そう…聖杯戦争のせいで生き方を変えなくちゃならないことはないんだ)
切嗣(聖杯が破壊された今、彼女が幸せになる方法なんていくらでもあるはず…)
次は何しますか?
>>115
士郎「そういえばさ、じいさん」
切嗣「なんだい?」
士郎「その…じいさんには家族とかいたの?」
切嗣「家族は士郎だけだよ」
士郎「そういうのはいいからさー」
切嗣「ふふ、昔はね。」
士郎「え?今は?」
切嗣「娘が遠くにいるよ」
士郎「会いに行かなくていいの?」
切嗣「大丈夫。あの子はきっと幸せだからね」
士郎「そんなの嘘だよ!」
切嗣「士郎…」
士郎「でも!じいさんは違う!娘さんだって生きてる!」
士郎「親に会いたくない子なんていないよ!」
切嗣「僕はね。あの子に会わせる顔がないんだ…」(僕は一度でも…あの子に向かって引き金を引いた)
士郎「じいさんはそうでも!向こうは会いたがってる!」
士郎「じいさんは…自分の都合のために会わないの?」
切嗣「」スーハー
切嗣「それを言われてしまっては…もう、会いに行くしかないね」
士郎「待ってよ!俺も連れて行ってよ!」
切嗣「駄目だ。あまりに危険すぎる。」
士郎「俺だってじいさんのために何かしたいんだ!」
切嗣「士郎。お前を危険な目に遭わせるわけにはいかないんだ」
士郎「嫌だ!ここで恩返ししなきゃ…俺!ずっと後悔するから!」
士郎「俺はじいさんみたいな人になりたい!ヒーローになりたい!」
切嗣「士郎…」(ナタリア、君はあの時、僕を連れだしてくれたね…)
切嗣(やり方こそ違えど…僕の生き方を示してくれた。あの時から…)
切嗣「はぁ…どうやら僕に拒否権はないみたいだ」
士郎「うっ…」
切嗣「どうした?」
士郎「わからない!けど、何か変な感覚が」
切嗣「これは…結界の幹」(士郎は僕以上に魔力を感知する能力があるようだ)
切嗣「また、その感覚が襲ってきたからすぐ僕に伝えてくれ」
士郎「うん!わかった!」
切嗣(うまくいけば、結界の死角を突けるかもしれない)
イリヤ「きりつぐ!」
切嗣「話は後だ!さぁ行こう!」ガシッ
イリヤ「いや!離して!」
切嗣「な!?」
イリヤ「アハト爺が言ってた!きりつぐはあたしを見捨てたって!」
士郎「ちがう!じいさんはそんなやつじゃない!」
切嗣「僕が…イリヤを見捨てた…」(確かに…イリヤからすれば僕なんて…)
士郎「ほら!じいさんも!素直になれよ!」
士郎「ほら!二人とも行くよ!」タッタッタッタ
三人の新しい生活が始まっていた。
切嗣(さて、今日は少し早起きをしたし、なにしようか)
>>161
イリヤ「きりつぐ~むにゃむにゃ」
士郎「じいさん~ぐぅ」
切嗣「僕は今、幸せだ。紛れもない幸福を感じている」ナデナデ
切嗣「失ったものは大きかったけど…今は、お前達がいてくれればそれでいい…」
切嗣(だが…言峰綺礼…。僕はどうしてもお前が気になる…あいつはまだ…生きているのでは…)
言峰「やはり来たか…」
切嗣「お前が生きている。そんな気がしてね…」
言峰「正確には一度はお前に殺されているのだがな…どうするつもりだ?」
どうしましょうか?
>>180
言峰「なに?一度殺された人間と食事だと?」
切嗣「今は状況が違うだろ?」
言峰(まぁいい…この男はどうせ長くは持たない。死ぬまでにもう少しこいつを知ることができるというのなら)
言峰「いいだろう。お前とは一度ゆっくり話をしたかったからな」
言峰(なんだ!?これは 美味すぎる…)
言峰(これほどまでに美味い麻婆…今までに食べたことがない)
切嗣「気に入ったようだね」
言峰「出向いただけの甲斐があった」
さてこのままどうします?
>>191
お詫びのしるしに握手
切嗣「僕達が争う必要もないだろう」
言峰「この場に及んで和解を申し出るというのか?衛宮切嗣」
切嗣「これ以上も僕達がいがみあう事はないだろ?」
言峰「私は…まだ聖杯をあきらめてはいない」
切嗣「…。またアレが出現することがあるのか?」
さて雲行きが怪しくなってまいりました
どうやって仲直りしますか?
>>206
切嗣死んじゃう…
言峰(くっ…聖杯が再出現することを…口が滑ってしまった)
言峰「近接戦闘で私に勝てるとでも?」
切嗣「僕が勝てば仲直りだ。いいね?」
言峰「くだらん…」
結果、切嗣は負けました…
どうしまよう?>>221
切嗣「僕達が…分かり合えることは…」
言峰「仲直りだなんて他所他所しい。」
切嗣「…。やはりお前は…」
言峰「今からは私たちは親友(とも)だ」
切嗣「!?」
言峰「あの時、聖杯はお前の悲願を叶えなかった。そして、今、私はお前に勝利した。」
言峰「これ以上…私が求めるものは何もない。聖杯に固執することも」
切嗣「貶しているのか…慰めているのか…」
言峰「歪んだものにしか魅了されなくてね。だが、結論は出た。我々はもう争うことはない。」
言峰「さぁ、手を貸せ」
言峰「何をいきなり。私は昔からずっと私のままだ」
言峰「私のこの異端の心は変わらぬ。」
切嗣「いや、変わって行けるさ。お前だって僕と同じ…人だからね」
言峰(かつて…自分に信じがたい感情が芽生えたことがあった。)
言峰(可憐…。あの子が生まれた日…あの子をはじめて見た時…)
言峰「変わる機会はいくらでもあったのかもな」
言峰(最愛の人に出会い、最愛の人と別れ…)
切嗣「今日もまた、その機会かもしれない」
言峰「あぁ、そうなのかもな」
次は何しましょうか?>>257
よくやった!!
言峰「私もひっそりと暮らすとしよう。だが…」
言峰「選択肢すら与えられない者もいる。」
切嗣「なに?」
言峰「間桐桜…いや、遠坂桜。彼女は今、間桐家に捕らえられ、聖杯戦争の道具とされている。」
切嗣「聖杯戦争のせいでまた…犠牲が…」
言峰「お前ならどうする?衛宮切嗣。」
切嗣「答えるまでもないよ。彼女を救い出す。」
言峰「ふっ、お前らしい決断だ。私も力を貸そう」
切嗣「お前…」
言峰「何も言うな。これは私が自ら決定したことだ」ニヤリッ
切嗣「相手は交渉に応じてくれる相手だろうか?」
言峰「まさか…間桐臓硯に限って和解などありえない」
切嗣「間桐邸を偵察しよう…。念入りに調べれば打開策が見つかるはずだ」
言峰「よし、任せておけ」
言峰「二人がかりなら倒せる相手だろう。それに相手は魔術師だ」
切嗣「起源弾を仕様すれば一撃だろうね。」
言峰「だが、問題はあの娘自身にある。」
切嗣「何?」
言峰「数多の蟲どもがあの娘の体内に寄生している。」
言峰「真に彼女をあの間桐から開放するには」
言峰「あの老人と…交渉するしか…」
切嗣「僕に案がある」
切嗣「従えないというのならお前を殺す」
蔵硯「はっはっは!確かにお前さんら二人が相手ではわしも叶わないだろうな」
蔵硯「じゃが…わしが死ねば桜も死ぬ。こっちへ来い桜」
桜「う、うぅ…」
蔵硯「見ての通り…。この娘の中には蟲が何匹も寄生されている。」
蔵硯「わしが死ねば、こやつらは宿主を殺すように指示してある。」
蔵硯「あきらめるんじゃな!はっはっはっは!」
バンッ
蔵硯「貴様!驚きだな…まさか撃ち殺すとは…」
蔵硯「残念じゃのう。折角、わしが育ててきた言うのに」
言峰「この娘の死体はもらっていく」
蔵硯「…ふむ。抜け殻には興味ないわい」
切嗣「僕達の目的は次の聖杯戦争の確実な勝利。これで間桐家はもう…戦えないだろう」
蔵硯「どこまでも腐ったものじゃな!ははっはっは!」
言峰「行くぞ。衛宮切嗣」
蔵硯「あの二人が共闘するとは…次の聖杯戦争…わしらには手も足も出ないというわけか…」
衛宮「目が覚めたかい?」
桜「ここは…」
衛宮「君を仮死状態にして、あそこから救い出した」
言峰「一度は死んだと言った方が正しいだろう」
言峰「蔵硯はお前が子供でも容赦が無いことを知っていたのであろう。」
なんとかなったみたいですけど
どうしましょうか?
>>349
イリヤ「きりつぐー!」
士郎「お誕生日!」
全員<おめでとう!!!!!!!!!
切嗣「こ、これは…一体!?」
大河「もう!今日は衛宮さんの誕生日でしょ!」
凛「これはあたしたちから!」
桜「プレゼントです!」
イリヤ「きりつぐ!あたしたちからも!」
士郎「俺とイリヤで作ったんだ!」
切嗣「これは?」
イリヤ「くっきー!!」
切嗣(アイリ…見ているかい?僕が願った世界に少し近づいている気がする)
言峰「今宵は宴だ。涙は控えめにな」
可憐「これは言峰家からのプレゼントです」
言峰「私が若い頃に収集していたワインの一つだ。お前の口に会うと良いのだが」
切嗣「ありがとう。さっそく開けよう」
切嗣(人類の流血の根絶は叶わなかった…)
切嗣(だけど…今、今だけは幸せを感じても許してもらえるだろうか?)
士郎「じいさん!また、思いつめてる!」
切嗣「え?あぁ、すまないね」
士郎「じいさんだって!幸せになる権利はる!俺が保障する!」
切嗣「ふふ、ありがとう。士郎」
彼の悲願は達成できなかったが、
彼は確かに多くの命を救い、そして、幸福をもたらした。
切嗣「なぁ、士郎。僕は…正義の味方になれたかな?」
士郎「うぅ…」ゴシゴシ
士郎「あぁ!じいさんは俺たちのヒーローだ!」
桜「私を助けてくれました!衛宮さんは私の中でも正義の味方です!」
イリヤ「きりつぐ!死なないで!」ウェーン
言峰「私を変え…娘と再び向き合う選択を与えてくれたのも…全てお前のおかげだ」
切嗣「あぁ…僕は…」
切嗣「アイリ…もうすぐ君のところへ行く…よ」
おわり
死んだのは士郎でなく切嗣ですww
すまそ
パーティー後
何しますか?
>>423
凛「日ごろの感謝をこめまして!」
桜「えっと…踊りを…」
士郎「おどりま~す!」
大河「めちゃくちゃ!練習したんで!」エッヘン
可憐「うぅ…」
大河「曲はもちろ~ん!」
http://www.youtube.com/watch?v=uvbaM-URygs
いいぞ!
言峰「ふふ、今宵は酒の味がこんなにも化けるとはな」
士郎「じいさんのそんな笑顔初めてみたよ!」
イリヤ「きりつぐ~!ずっと一緒だからね!」ギュッ
さぁ、仕切り直しです
これがラスト安価
最後はどうなるの?
>>445
素晴らしく平和だww
遊園地
切嗣「さぁ、着いたよ。みんな思う存分に楽しんでね」
士郎「じいさん!ジェットコースター行こうぜ!」グイグイッ
イリヤ「だめ~!イリヤと観覧車乗るのが先~!」
凛「桜~メリーゴーランド行こ!」
桜「はい!」
言峰「こんな、やけに騒がしい場所初めてだな」
可憐「コーヒー…」
言峰「?どうした?」
可憐「コーヒーカップに乗りたい」><
言峰「ふむ、では行くか」
可憐「////」
子ギル「僕もいいですか?」
言峰「ふふ、付いて来なさい」
士郎「今日は本当に楽しかった!」
切嗣「僕もきてよかったよ。士郎とイリヤの喜ぶ顔が見れたしね。」ニコッ
イリヤ「それでねぇ…え~と」チラッ
士郎「俺達から…そのぉ…」チラッ
切嗣「どうしたんだい?」
イリヤ 士郎 「せ~の」
イリヤ 士郎 「今日はありがとう!!お父さん!」
切嗣「お、お前達…。父さんはうれしいよ!」ギュッ
おしまい
http://www.youtube.com/watch?v=IFw31MAgl28
最後は誤字がないか念入りにチェックしました
最後まで見てくれてありがとう!
乙
乙!
お父さんとか呼んだことなかったみたいなんで
この世界線くらいはと
思ってね
確かジジイって呼んでたよな
ジィさんな
みんな幸せそうでえがった
重ねて乙!!
更に重ねて乙 !!!
Entry ⇒ 2012.06.27 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
凛「私今日もギルガメッシュお兄様と遊ぶの!」 葵「あら」
ギル「さぁリンよ、今日は何をして我と戯れるのだ?」
凛「私、お姫様ごっこしたい!」
ギル「良かろう、許す……では我が宝物庫から、至高の衣服を持ってこよう」ゴソゴソ
桜「あ、あの……私、派手な服は……」
ギル「サクラ、お前はこのドレスを着ろ……これは王である我の決定だ」
桜「…あ、ありがとう……可愛い///」ポッ
葵「仲良いわね」
時臣「ぐぬぬ……」
ギル「―――さて、我が宝物庫から出した衣服を着たか?」
凛「わぁー…可愛いわね!桜!」
桜「うん……」
ギル「……ふむ、やはり王である我の目に狂いは無かったな」
ギル「中々に美しいではないか……サクラよ」ナデナデ
桜「あっ……///」
凛「あーっ!私は美しくないの!?」
ギル「くくッ、あっはっはっは!!そう案ずるな、リンも十分花を咲かしている」ナデナデ
凛「ほんと!?」
時臣「……英雄王よ、そろそろ聖杯戦争の準備を…」
ギル「たわけ!!」
時臣「―――ッ!」
ギル「王であるこの我に……時臣、意を述べるか?」
時臣「いえ……」
凛「ギルガメッシュお兄様!私、駄菓子屋行きたい!!」
桜「わ、私も行きたいです……」
ギル「なんだ、もうお姫様ごっこは飽きたのか?小腹が空いたのなら我が宝物庫から…」
凛「それじゃダメなの!桜と私とギルガメッシュお兄様で一緒に行くのー!」
ギル「……ふむ、まぁそれもいいだろう…さぁ、出掛ける準備をしてこい」
葵「……ごめんなさい、あの子達の我が儘を聞いてくれて」
ギル「なに…子供というのはあれくらいでないとな、張り合いが無いというものだ」
葵「……ふふっ、本当に王様なのね」
ギル「当然だ、天上天下にただ一人……人類最古の英雄王とは我の事だ」
葵「そうだったわね…それじゃ、いってらっしゃい」
凛「ギルガメッシュお兄様ー!早くー!」
ギル「ク、フハハハハッ!!そう急かすなリンよ、時間はまだまだある!!」
桜「お菓子……」
凛「桜!駄菓子屋まで競争よ!!」
桜「え?待っ……」
凛「よーい、ドン!!」
ギル「……まったく、子供というのは何時の時代も横溢よ」
凛「はぁ…はぁ……あともうちょっ―――!」タッタッタッ
ドテッ
DQN「ッ…おい!!てめえ誰に当たってんだよ!!」
DQN2「先輩wwwwwwww相手子供っスよwwwwwwwww」
DQN「ああん?女だろうが子供だろうが関係ねえだろ!詫び入れろや!!」
凛「なによ!!アンタなんてちっとも怖くないんだから!!」
桜「はぁっ……はぁっ……あ、お姉ちゃん……」
DQN「あぁ?今なら謝るだけで許してやるぞ?」
凛「だ、誰がアンタなんかに謝るのよ!!スゥー…遠坂家は如何なる時も余裕をもって優雅たれ、よ?」
凛「ふんっ」
DQN「こんの…糞ガキ……!」
桜「ど、どうしよう……悪い人達とお話してる……」オロオロ
桜「ギルガメッシュお兄様に知らせないと……!」タッタッタッ
DQN「あ……おい見ろよ、こいつ足が震えてやがるぞ」
凛「な、なに?早くどっか行きなさいよ」
DQN「うっせえっ!!」パチン!
凛「痛っ!!」
DQN2「ちょwwwwwwww子供に手を出すのはまずいっスよwwwwwwwwwww」
凛「う、うぅ……遠坂家は如何なる時も余裕をもって優雅たれ……グズッ」
DQN「こいつ、泣いてるぞwwwwwwwwwwwwww」
ギル「サクラが慌てて駆けつけてきたと思ったら……なるほど、こういう事か」
ギル「おい、そこの雑種」
DQN「……は?なんだよお前」
凛「あっ、ギルガメッシュお兄様!!」
ギル「まったく……大方、走っていたリンが貴様にぶつかったのであろう?」
凛「お兄様、やっちゃって!!」
ギル「―――凛、雑種らに謝罪をしろ」
凛「……え?」
ギル「リン……お前もぶつかった時に何か一言云うべきでは無かったか?」
凛「そ、それは……」
ギル「……」ギロッ
凛「あっ……その、ごめん…なさい」
DQN「あぁ!?土下座に決まってんだろ!!」
DQN2「wwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
ギル「……良く出来たな、その志を忘れるな」ナデナデ
凛「あっ…」
ギル「さて――――雑種共ッ!!リンの頬が赤く腫れあがっている…まさかとは思うが…」
バビローン
ギル「子供に手を出したわけじゃないだろうな……?」
ギル「貴様らのような雑種共がリンの顔に触れた事」
ギル「そして、このような無駄な時間を王であるこの我に使った罰……万死に値するぞ!雑種ッ!!」
凛「桜!どれ買う?」
桜「えっと……私は……」
ギル「まったく、道化師から薦められた練り飴という物は……なかなかどうして」
凛「お母様!ただいま!!」
桜「た、ただいまもどりました……」
葵「あら、おかえりなさい……ちゃんと良い子にしてた?」
凛「あっ…それは……」
ギル「なにを躊躇している?リン、お前はとても良い子だったぞ―――王である我が保障しよう」
葵「あら、偉いわね」ナデナデ
桜「わ、私も……」
凛「それでね、お父様!ギルガメッシュお兄様が剣とか槍とかをびゅーんって―――」
時臣「……そうか、凛、ちゃんと王に謝礼はできたか?」
凛「はいっ!」
時臣(……魔力の消費があったと思ったら……英雄王め)
桜「……」ネリネリ
桜「あ……」ボトッ
ギル「……ほら、そう涙目になるでない…我が練った練り飴を舐めて良いぞ」
桜「……いいの?」
ギル「王であるこの我の慈悲だ、心して練り飴を舐めるが良い」ナデナデ
桜「ありがと……///」
まさか金ピカ鎧でいってないよな・・・?
ギル「さて、そろそろ我は部屋に戻るとしよう」
時臣「―――英雄王、明日こそは聖杯戦争の準備を…」
ギル「たわけ!!」
時臣「ですが!!英雄王!!!」
ギル「口答えをするかァ!!時臣ィ!!!」
時臣「あぁ!!!英雄王!!!」
葵「あら、またやってるわね……ほんと、仲が良いわね」フフッ
完
とても面白かった
Entry ⇒ 2012.06.22 | Category ⇒ FateSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
セイバー「私が田舎の高校生!?」
切嗣「」
セイバー「同じ戦士であるなら!正々堂々と戦うべきです!」
切嗣「アイリ、僕はもう行くよ」
アイリ「切嗣…」
セイバー「私はもうあなたの指示には従えない!」
セイバー「もう…これ以上は」
切嗣「これは殺し合いだ。」
セイバー「わかっています!命の駆け引きであるからこそ我々も騎士の名に恥じぬように」
切嗣「やはり、あの騎士王殿は何もわかっていない」
セイバー「なに!」
アイリ「でもセイバーの言い分だって少しは…」
切嗣「そこにルールなんてものは存在しない。」
セイバー「貴様!戦士の戦いを愚弄するか!」
切嗣「これだから英雄というのは…。」
セイバー「我々は戦いの中でも己の騎士道は決して忘れない!それに従事て剣を交える!」
切嗣「聴いたかい?アイリ、英雄どもはこうやって、
戦場に騎士道だの栄誉だのを持ってきて殺しを肯定し続けてきた」
アイリ「切嗣…」
セイバー「貴様は…騎士道だけでなく我が生涯までも否定するか」
切嗣「今のあいつにいくら話をしたところで理解はできないだろうな」
アイリ「でも、セイバーはもう命令には従わないわ」
切嗣「僕の指示に従えないというのなら令呪を使う。」
セイバー「やはり、貴様は下郎だ…」
切嗣「どんな手段を使ってでも僕は聖杯を手に入れる。どれだけの犠牲を払ってでもね」
切嗣「無駄話はこれまでだ。僕はもう行くよ」
セイバー「待ってください!何故…そうまで英雄を否定する…」
アイリ「そうよ!セイバーだって頑張ってるじゃない!」
切嗣「英雄を否定しているわけじゃないよ。僕は殺し合いが、人の流血が許せない。」
切嗣「戦争があるから英雄が生まれる。そして、こいつも人類の争いの歴史の犠牲者だ」
セイバー「私が犠牲者…」
言峰「止まれ」
セイバー「!?」キキーッ
セイバー「貴様は!アサシンのマスター!」
言峰「私はもうアサシンのマスターではないよ。」
セイバー「サーバントを失ったマスターが出歩いては危険だ。何故、教会から…」
セイバー「何をいきなり…。盗聴していたのか!?」
言峰「まぁ待て、私はもうこの戦いから降りた身。心配は無い」
言峰「お前は衛宮切嗣がわからないのだろう?奴のいう事が何一つ理解できなかったのであろう?」
セイバー「」
言峰「教会へ来るといい。答えを導き出す手助けをしてやろう」
言峰「来たか…。セイバー」
セイバー「罠ではないだろうな」
言峰「まさか、私も単に衛宮切嗣という男に興味があるだけだよ」
言峰「さぁ、ついてきたまえ」
言峰「ふふ、我が協会が10年の歳月を費やし、やっと完成させた
究極の装置!その名も! 」
言峰「もしもこんな世界があったらいいな!装置! 」
セイバー「貴様…。やはり私を騙して…」
言峰「この装置が作り出す世界ならきっと答えが見つかるはずだ」
セイバー「答えが…みつかる…」
セイバー「う…、何も見えないぞ」
言峰「いいか?向こうの世界の君は高校生だ。それらしい生活を送れば答えが見つかるはずだ」
セイバー「さっきから何を言っているのかさっぱり…」
言峰「まぁいい。実際に体感したほうが早いだろう」
言峰「さぁ、思う存分に楽しんでくるがいい」ニヤリ
セイバー「貴様!」
ポチッ
セイバー「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
セイバー「暑い…。ここは一体…冬木では無さそうですが」
セイバー「それに…これは私の自転車でしょうか?」ジー
セイバー「でも、ここに現れたときからあったのですし…私ので…」
残念ながらそうです…
→ギルガメッシュ「苦しめ!セイバー!!」セイバー「う、うぅ…」
切嗣「おうはよう。」
セイバー「切嗣!何故あなたがここに!」
切嗣「おいおい、いつから僕達は下の名前で呼び合える仲になったんだ?」
セイバー「今更なにを言うのです!」
切嗣「こんなところで自転車から降りて何してるんだ?遅刻するぞ」
セイバー「遅刻?」
切嗣「それじゃぁ、HRにおくれるなよ~」
セイバー(そういえば、この世界の私は高校生でしたね…)
セイバー(とにかく学校へ急ぎましょう!)
アーチャー「今日は随分と遅かったな。アルトリアよ」
セイバー「アーチャー!何故、お前が!」
アーチャー「あーちゃー?プフフ、おいおい、この歳にもなって何かのごっこ遊びか?」ハッハッハ
セイバー(…。こちらの世界のアーチャーと混同してはならない…)
セイバー「い、いえ。今のは忘れてください…。だが…私はあなたの名前を…」
アーチャー「幼馴染の名を忘れた!?貴様…、暑さで頭でもやられてしまったのではないのか?」
ランサー「大丈夫か?アルトリア。具合が悪いのなら保健室に…」
セイバー「いえ!大丈夫です。」アセアセ
セイバー「申し訳ない…」
ランサー「そう、かっかするなギルガメッシュ。」
アーチャー「うるさい!朝から気分が悪い!」
セイバー(これはどういうことなのだ?サーバントが学校に…)
セイバー(いや、これは言峰の仕掛けた罠かも知れない…警戒せねば)
切嗣「さぁ、HRをはじめるよ」ガラガラ
セイバー(切嗣が教師なのか…。あのような下郎が人に何を教えることができるのか…)
全員 え~
切嗣「受験に向けて頑張るように。それじゃぁHRはこれで終わります。」
竜之介「俺、受験とか興味ないし~。休むわ~」
凛「そういう奴がクラスの雰囲気を悪くするのよ!」
竜之介「だって受験のない俺には関係ないじゃん」
凛「ふん、休んだら承知しないから」
竜之介「はぁ…。はやく卒業したいな~」
セイバー(…結局、サーバントは何も仕掛けてこなかった…。でも、油断は禁物です!)
セイバー(警戒を怠れば、隙を突かれてしまう)
竜之介「それじゃ!夏休み前夜祭行きますか~!」
セイバー「え?」
ランサー「やはり、今年もするのか…。全く変わらないな」
アーチャー「良いではないか。存分に遊べるのも今のうちだぞ?」
竜之介「そんなの決まってんじゃん!アイリさんとこだよ!」
凛「げっ…。また…」
アーチャー「まぁ、担任の家でもあるからなあの店は。また切嗣に奢らせることができるしな」
ランサー「アルトリアも来るよな?」
セイバー「うぅ…。どうしましょう」
アーチャー「どうしたもない!お前も来るんだよ!」
セイバー「は、はぁ…」(今度こそ…罠ではないのだろうか…)
アイリ「いらっしゃい!さぁ、準備はできてるわよ!」
竜之介「アイリさん!お久しぶりです!」
アーチャー「ふむ、いつになく美味そうな匂いがするな」
凛「すいません。また押しかけちゃって」
アイリ「いいのよ♪賑やかなの好きだし」
イリヤ「凛!凛!久しぶり~」エヘヘ
凛「イリヤちゃん久しぶり!」
アイリ「切嗣ももうすぐ帰ってくるわ♪」
ウェイバー「先輩達の打ち上げでしょ?」
ランサー「気を遣わなくていいさ、後輩がいてくれるほうが楽しいだろ?」
凛「ちょっと、うちの桜に手出すんじゃないわよ!」
ランサー「ま、まさか!誤解です!」
セイバー(なんです!?この異様な光景は…。うぅ…この空気には馴染めない…)
アイリ「切嗣、お帰りなさい♪」
切嗣「正直、嫌な予感はしてたけど…また来たのか…」
竜之介「お邪魔してま~す」
切嗣「やれやれ…」
セイバー(わからない…やはりここは皆と話すべきなのか?うぅ…)
ランサー「どうした?なんだか今日のお前は大人しいな」
セイバー「え?」
アーチャー「全くだ。料理の前では獣と化すお前が、こうも料理に手をつけないとは」
グゥゥゥ
セイバー(しまった…)
切嗣「去年の威勢はどうした?アルトリア。遠慮せずにどうぞ」
セイバー(切嗣が私を気遣うなんて…)
セイバー「で、では!いただきます!」ガツガツ
アーチャー「そうだ!それでこそお前だ!」ハッハッハッハ
ランサー「そう煽るなよギルガメッシュ…」
切嗣「美味しいかい?イリヤ」
イリヤ「すごく美味しい!」モグモグ
竜之介「くぅぅぅ!ビール飲みてぇぇ!」
アイリ「駄目よ♪未成年なんだから」
セイバー(何故だか…私だけよそ者みたいだな…いや、そもそも私はこの世界の者ではないか…)
アーチャー「また、そんなしょぼくれた顔をしおって」
セイバー「ギルガメッシュ…」
セイバー「は、はぁ…」
ランサー「まぁ、何処かの誰かさんも負けじとやせ我慢して大食いしてたけどな」
アーチャー「ディルムッド!あれはやせ我慢などではない!」
ランサー「お前たちは昔からそうやって競いあってたからな」
凛「そうそう、お互いに譲らないというか…」
竜之介「探検ごっこしたときなんか!どっちが先頭かとか、どっちが隊長に相応しいかとかね」
セイバー「わ、我ながら恥ずかしいです」
アイリ「あらら~、初めの勢いはどこへ行ったのかしら?」
桜「さすがに…おなかがいっぱいです…」グッタリ
アーチャー「我は…疲れた…」
セイバー「少し涼んで来ます」
セイバー(…。楽しかった…私にあんな思い出があったなんて…探検ごっこか…ふふ)
セイバー「きり、いや。先生」
切嗣「明日から、夏休みだけど気持ちを切り替えて頑張れよ」
セイバー「頑張る…何をですか?」
切嗣「おいおい…受験勉強に決まっているだろ?」
セイバー「は、はぁ…」
切嗣「そういえば、まだ進路の調査書出して無かったね」
切嗣「でも、君は優秀だからね。もちろん大学進学だろ?」
セイバー「…。まだ決めてなくて…」
セイバー「あの、先生…」
切嗣「どうした?」
セイバー「少し変な質問なんですが…」
セイバー「昨日、夢を見たんです。」
切嗣「夢?」
セイバー「はい、その夢の中ではクラスメイトや先生がお互いに争いあうんです。」
セイバー「どんな願い事も叶うものを求めて」
切嗣「それで?」
セイバー「でも、その夢の中のクラスメイトや先生はまるで別人でした…」
切嗣「う~ん…僕には想像がつかないね」
セイバー「先生も…その…」
切嗣「なにか強い願いがあれば人を殺すかって?」
セイバー「うぅ…」
切嗣「さぁ、どうだろうね。よほど願いだったんだろうね」
切嗣「でも、僕だったらそんな戦いなんてしなくていい世界を望むかな?」
セイバー「…」(世界平和…人類の流血の根絶)
切嗣「難しいね。それだと、どうしても犠牲が出てしまうし…」
切嗣「やっぱり、僕にはわからないな」
切嗣「いや、いいんだよ。それに」
セイバー「はい…」
切嗣「夢のことで、そこまで君が悩む必要はないだろう」
セイバー「そうですね…」
切嗣「今の僕達は争いなんてしてないしね。まぁアイリと少しは喧嘩はするけど」ハッハッハ
セイバー(…。でも、私はこの世界の人間ではない…)
放課後
ライダー「よいか!三年はプール掃除!全員居残りだ!」
竜之介「まじかよ!俺たちは受験勉強ってのに」
凛「あんた、受験しないって言ってたじゃん…」
ランサー「せっかく夏期講習ですぐ帰れると思ったんだがな…」
ライダー「毎年、三年生がプール掃除をすると決まっておるのだ!」
アーチャー「これだから田舎は…」
ライダー「よいか!後輩たちのためにも!心をこめて掃除するのだぞ!」
アーチャー「仕切るな雑種が…」ゴシゴシ
ランサー「暑い…。でも、二年間プール掃除しなかったわけだし…当然か…」
セイバー「ギルガメッシュ!さぼるな!我々がちゃんと掃除せねば後輩たちが迷惑するだろ!」
凛「あちぃ…。アルトリアはいっつもこういうの真面目よねぇ…」
セイバー「勤めはきちんと果たすべきです!」キリッ
アーチャー「はいは~い…」
ライダー「うんうん!青春!青春じゃのぉ!」
ライダー「よぉし!後は水を張るだけだ。お前さんたちご苦労であった!」
竜之介「や、やっと終わった…」
凛「すっかり日が暮れちゃったし…」
アーチャー「よおし!帰るぞ!」
ランサー「アルトリアも帰ろう。」
セイバー「ふぅ…。そうですね。私も早く帰って寛ぎたいです」
竜之介「ひゃっほう!!風がきもちいぃぃ超cool!」
アーチャー「貴様!我の前を走るな!どけ!」
凛「自転車で爆走とか…何歳なの?」
ランサー「アルトリアは参加しなくていいのか?」
セイバー「からかうのはよしてください!」プイッ
ランサー「ふふ、すまない。もうこうして一緒に帰ることもなくなるんだな」
セイバー「え?」
セイバー「そ、そうなのか…」
凛「あたしもここを離れるわ!やっぱ上京よね~」
セイバー「あそこの二人も…ですか?」
凛「さぁ、どうだろ?何だかかんだでここに居るんじゃないの~?」
ランサー「いずれにしても、みんなで集まることはもう無くなるんだろうな」
セイバー「…」(何でしょう?この気持ちは…寂しいような…孤独を感じるような…)
セイバー(両親はお互い仕事で遠くにいる設定ですか…)
セイバー(暑い…。ベランダにでましょう)
セイバー「私は何をしているのか…。祖国のために戦わなくてはならないのに…」
アーチャー「よう!アルトリア!」
セイバー「ギルガメッシュ!何をしているんだ?」
アーチャー「見てわからぬか?犬の散歩だ」
アーチャー「貴様!何がおかしい!」
セイバー「お前がプフフ、犬の散歩だなんて」ハッハッハハ
アーチャー「犬はいいぞ!我の言うことは何でも聞くからな」
セイバー「根本は変わっていなのだな…」
アーチャー「それにこいつは貴様より利口だ!」ヤーイヤーイ
セイバー「今の発言は許しがたいぞ!ギルガメッシュ!」
セイバー「…考え事です。」
アーチャー「悩みがあるのなら我に打ち明けるといいぞ」
セイバー「ギルガメシュ…、進路は決めたのですか?」
アーチャー「まぁな」
セイバー「では、ここをはなれるのですか?」
アーチャー「留まっても良かったのだが、ここは何もない田舎だし。都会へ移ることにしたのだ」
セイバー「もう皆と会うことは無いのですね…」
アーチャー「そうでもないぞ?」
セイバー「そうですね…」
アーチャー「故郷とは恐ろしいものだ。何かに憑かれた様に戻ってきてしまう」
アーチャー「我らが永遠にここから逃れることなど不可能なことだ」
セイバー「ギルガメッシュ…」
アーチャー「それにしてもらしくないな、アルトリア。我がいなくなるのがそんなにも寂しいか?」
セイバー「そ、そういうわけではない!」
アーチャー「顔にそう書いてある。我にはお見通しだ」ハッハッハ
セイバー「貴方という人は!」
アーチャー「でわな、アルトリア。こいつが退屈しているのでな。」
セイバー「あぁ、また明日」
アーチャー「心配するな。その気になれば我が皆をまたここに集めてやる」
セイバー「ギルガメッシュ…」
セイバー(ギルガメッシュ…。こちらの世界の貴方はとても優しくていい人だ…。)
セイバー(元の世界とはまるで別人…。うぅ…また混乱してしまう…)
キャスター「よいですか!みなさん!」
キャスター「貴方達は幸運にも、とても素晴らしい自然に恵まれた地に暮らしています!」
キャスター「ですが、残念なことに…卒業後、ここを去る人もいるでしょう…」
キャスター「ですので!今日の夜!皆で天体観測をします!」
キャスター「みなさんに素晴らしい景色をお見せしましょう!」
キャスター「7時に学校に集まるように!いいですね!」
ランサー「…。お前は行くのか?ギルガメッシュ」
アーチャー「星などいくらでも見れるだろう。わざわざ出向かなくても」
セイバー「行きましょう!是非!」
ランサー「どうしてまた」
セイバー「最後の思い出作りにちょうどいいじゃないですか!」
アーチャー「お前がそこまで言うのなら仕方ない」
ランサー「そうだな。こんな機会もう無いかもしれないし」
セイバー(私もこの世界に留まっていられるのも…もうあと少しそんな気がしてならない…だから…)
>>85
巣立つ生徒達に最後に故郷の美しさを再確認してほしいというキャスター先生の
超coolな方針なのです
セイバー(ランサーや凜は残って勉強…アーチャーは隣町のゲームセンター…竜之介は知らない…)
セイバー「一人で帰るのは寂しいものです」ボソッ
セイバー「ん、あれは…」
桜「あなたは今どこで何をしていますか~♪」
セイバー「桜、ここで何をしているのです?」
桜「え?せ、先輩//////////」
桜「恥ずかしい///」
セイバー「歌の練習ですか?」
セイバー「どうしてまた」
桜「カラオケは隣町にしかないし…遠いし…」
セイバー「良い歌でした。もう少し聞かせてくれませんか?」
桜「は、はい///」
桜「あなたは今どこで何をしていますか♪ この空の続く場所にいますか♪」
セイバー「凄くうまいです!」
桜「この曲、とても気に入ってるんです。先輩達はもう遠くにいっちゃいますけど」
桜「なんだか繋がってる気がして//」
セイバー「桜…」
桜「寂しいです…。昔からずっと一緒だったのに離れ離れになるなんて…」
セイバー「…。そうですね」
セイバー(羨ましい…。私も…この世界の記憶が欲しかった…)
セイバー「大丈夫です。きっとまた集まりますから」ニコッ
桜「はい!私!!楽しみにしてますから!」
竜之介「すげぇぇ!すげぇぇよ!改めてみると超coolじゃん!」
キャスター「でしょう!神はこんなにも素晴らしい世界を造ってくださったのですぞ!」
凛「オーバーすぎるわね…全く…のんきね竜之介は」
ランサー「そうでもないぞ?」
凛「え?」
ランサー「誰にも言ってないみたいだが、あいつは美大を目指しているらしい」
凛「竜之介が…?」
ランサー「放課後に美術室で篭りっ放しでずっと絵の練習をしてるんだそうだ」
セイバー「皆、夢があるのですね」
セイバー(私は…祖国を救うのが夢であり願い…だから聖杯を求め現界した…)
ランサー「どうした?アルトリア」
セイバー「もし…過去に過ちを犯したとして…それを修正できるものが手に入ったとすればどうしますか?」
ランサー「また変な質問をするな」
セイバー「過去を修正するこもできるし…何でも願いが叶うのです!貴方なら」
ランサー「少なくとも過去は変えないかな」
ランサー「俺はいつだって後悔しないように生きてきたし…それに」
セイバー「それに?」
ランサー「過去を変えたら今も変わってしまうだろ?」
セイバー「今が…変わる…」
ランサー「なんでも願いが叶うのなら、過去を変えるじゃなくて今、幸せになれる願いを考えるな」
セイバー「今が…幸せに…ですか…」
アーチャー「何を難しいことをほざいているのだ。貴様ら」
セイバー「ギルガメッシュ…」
アーチャー「これで夏のイベントはおしまいだ。明日から本格的に受験モード…だろ?ディルムッド」
ランサー「そうだな。これでも遊びすぎたくらいだし」
アーチャー「よぉし!だったら今日は思う存分に楽しむぞ!」ジャジャーン
セイバー「こ、これは…」
ランサー「手持ち花火か…。子供の頃を思い出すな」
凛「うんうん♪よくみんなでしたよね」
桜「こんばんわ!皆さん!」
ウェイバー「ギルガメッシュ先輩にに呼ばれまして」
イリヤ「花火~花火~♪」
アーチャー「さぁ!天体観測はお開きにして今宵は花火大会だ!」ハッハッハ
切嗣「夜遅くまで、お疲れ様です」
キャスター「これはこれは!衛宮先生!」
切嗣「娘が呼ばれたみたいでね。来て見たら…。よろしいんですか?花火なんて」
キャスター「ふふ、今日は多めに見てあげましょう!」
イリヤ「えへへ!や~いや~い!」
竜之介「超coolだよ!俺の手持ち花火!」
ランサー「頼むから隣で振り回さないでくれ!」
セイバー(何て…何て満ち足りた気分なんだ…。こんなにまで和んだことが嘗てあったであろうか?)
セイバー(あぁ…切嗣…。何故あなたがこれほどまでに平和を望んだのかやっと理解ができました…)
セイバー(争いの無い世界、誰も戦わなくていい世界がこれ程までに素晴らしいものとは)
アーチャー「おい!アルトリア!何をしている!貴様の分の花火もあるぞ!」
セイバー「今、行きます!」
セイバー(争いの犠牲者…。そうか…争いが無ければあの剣を抜くこともなかった…)
セイバー(そして、剣を抜かなかった私…争いとは無縁の私は…こんなにも幸せでいられるのでしょう)
ギル「よぉ、小娘」
言峰(あの世界を過ごした今のセイバーに戦いなどできまい…)
セイバー「ここは…それに…お前は…」
言峰「衛宮切嗣のことは理解できたかな?」
セイバー「えぇ…平和を望む…彼の気持ちを知りました。」
言峰(勝った…こいつにもう戦闘の意欲はないはずだ)
言峰「そうか、いかに争いが無意味かわかったであろう?」
ギル「くっく…哀れだな。かつての活気に溢れた瞳は何処へ行ってしまったのか」ハッハッハ
言峰「立てるかね?」
セイバー「エクス…」
言峰「何!?」
セイバー「カリバーァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!」
セイバー「もう一度!みんなに会いたい!」ポロポロ
ギル「がはっ…貴様ア…不意打ちとは…貴様の騎士道とやらは…グヘッ」
セイバー「心配するな。ギルガメッシュ…また会える」グサッ
セイバー(たとえあの世界が偽りの世界でも…)
セイバー「聖杯さえ、手に入れば…」
セイバー(切嗣の言う通り…。どんな手を使ってでも…あの世界を!争いのない世界を!)
セイバー「そのためなら、騎士道も王の誇りも捨てよう」
ギル「」バタリッ
しかし、聖杯の正体は…
切嗣「そんな…。聖杯は願望機ではないのか!」
セイバー「切嗣…これは一体」
切嗣「こいつを破壊しなくては…」
セイバー「何を言うのです!」
切嗣「この聖杯は…そんなものじゃない…」
切嗣「僕の戦いもこれまでか…令呪を持って命ずる…」
セイバー「お願いです!待ってください!私は…この日のために!」ポロポロ
セイバー「唯一つの願いのために王を捨て!騎士道を捨ててきたのです!」ポロポロ
切嗣「聖杯を破壊しろ…セイバー」
セイバー「か、身体が…うぐ…」
セイバー「いやだ…!もう戻れなくなってしまう!みんなに会えなくなってしまう!」
切嗣「…すまない」
セイバー「エクス、カリバァァァァァァ!」
魔力を消費し尽くしたセイバーの身体も消え始めた。
セイバー「私は…一人ぼっちだ…」
切嗣「」
セイバー「また…集まりたかったです…」
セイバー「また、花火を…」
…
葵「あら、今日は早起きなのね」
桜「だって、今日は姉さんと先輩達が帰ってくる日でしょ?」
葵「えぇ、何ヶ月ぶりかしら?」
桜「一年と…ちょっとかな」
葵「みんな元気にしてるかしら?」
桜「じゃぁ!行ってきます!」
葵「学校は無いんじゃないの?」
桜「花火を買ってくるの!手持ち花火!」
おわり
すいません(´;ω;`)
最後まで見てくれてありがとう
youいいよね
ハッピーエンドにすべきだったか…
保健室
セイバー「う、う~ん…」
アーチャー「おい!ディルムッド!目が覚めたぞ!」
ランサー「アルトリア!大丈夫か!」
セイバー「こ、ここは…」
アーチャー「何も覚えていないのか?」
ランサー「何のことだ?」
セイバー「え?ここって…」
凛「授業中にいきなり倒れて、本当にびっくりしたんだから!」
セイバー「…」(ま、まさか…この世界に帰ってこれたなんて…きっと夢をみているんだ)
アーチャー「貴様…ひどく魘されてた…」
セイバー「ギルガメッシュ…」
セイバー「そうでしたか…」
アーチャー「アルトリアがそこまで…我たちのことを…」ウルウル
アーチャー「やっぱり寂しかったんだな…」
セイバー「私は…」
アーチャー「我は…もっとお前の悩みを聞いてやるべきだった…」
ランサー「一人でずっと抱え込んでいたんだな…アルトリア…」
セイバー「みんな…」ウルウル
竜之介「受験頑張ろう!隣町のお祭りへ行こう!を予定したいと思います!」
凛「ネーミングセンス…皆無ね…」
セイバー「で、でも…。皆、受験勉強があるのでは?」
ランサー「大丈夫!この日までみっちり勉強はするし」
アーチャー「たまには骨休みも必要だからな」
セイバー「みんな…」ウルウル
セイバー「すいません!お待たせしました!」
凛「ごっめ~ん、遅くなっちゃった!」
ランサー(アルトリアの浴衣姿…)
アーチャー(なんたる美しさ…)
セイバー「あ、あまりジロジロみないで欲しい////」
アーチャー「あ、あぁじゃぁそろそろ行くか!」
桜「あっれ~先輩達ちょっと顔赤いですよ?」
アーチャー「うるさい!違うわ//」
ランサー「べつに赤くなんかないです//」
凛「ったく…お前ら…」
ウェイバー「先輩…綿雨、振り回さないでください…」
アーチャー「どれ、アルトリア。金魚すくいで我と勝負せぬか?」
セイバー「いいでしょう。ですが、手加減はしませんよ?」
アーチャー「ふん、自信満満だな?まぁ、それも今のうちだがな」ハッハッハハ
ランサー「また始まった…」
アーチャー「くそぉぉ!何故だ!何故一匹もすくえん!」
セイバー「私の圧勝でしたね?ギルガメッシュ殿」
アーチャー「貴様!もう一度だ!もう一度!」
凛「はいはい…。次行きましょ、次~」
セイバー(果たしてこれは夢なのでしょうか?)
セイバー(たとえ夢だとしても…幸せです…)
凛「それじゃね~」
ランサー「では、また明日!」
アーチャー「なぁアルトリア。」
セイバー「どうした?ギルガメッシュ。帰らないのか?」
アーチャー「家まで送ってやろう」
セイバー「心配は無用だ」
アーチャー「もう夜遅い、さすがに我も心配だ」
セイバー「…わかった」
アーチャー「礼などいらん。らしくないぞ」
セイバー「私が…皆と離れたくなかったのを…察してくれたのだろ?」
アーチャー「」
アーチャー「お前が倒れたとき…我は…怖かったんだ…」
セイバー「え?」
アーチャー「何故だかはわからない…。でもお前が見えない何かと戦っている気がして…」
アーチャー「我たちのために傷ずいていたような…そんな感覚が…」
セイバー「私は…ここに…いてはいけない気がするんだ…」
セイバー「私はもっと遠くの世界にいたんだ…でも…何故かここへ戻ってきた…」
セイバー「それは!許されてはならないこと!」ウルウル
セイバー「私は一度!お前やディルムッドを殺したのだ!」ポロポロ
セイバー「私がここで生きる権利なんて!」
アーチャー「もういい!」ギュッ
セイバー「え?」
アーチャー「もういい…やめよう」
セイバー「ギルガメッシュ…」
アーチャー「でも、お前はここに居ていいんだ!」
セイバー「私は…」
アーチャー「言ったであろう!ここはお前と我たちの故郷だ!」
アーチャー「ここから逃れることなんて永久に不可能なのだ!」
セイバー「ギルガメッシュ…」
アーチャー「だから、我がバラバラになることなんて決してない」ギュッ
アーチャー「お前は戻ってきた…悪夢から故郷に…」
セイバー「ありがとう。ギルガメッシュ」ギュッ
セイバー(故郷とは恐ろしいもの…何かに憑かれた様に戻ってきてしまう)
セイバー(たとえ、そこが全て遠き理想郷だとしても…)
おわり
本当に終わりました
俺もできるなら遠き理想郷で一生を過ごしたいお
エミヤもいるのかな・・・
今度こそ、乙!!
Entry ⇒ 2012.06.18 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ラオウ「うぬが俺のマスターか?」
ラオウ「如何にも。俺は拳の英霊、世紀末覇者拳王!」
凛「引き当てたわ……! 超強力なサーヴァントを!」
凛「え? 行くってどこへ?」
ラオウ「天を平定しに行くに決まっているだろう」
ラオウ「出よ黒王号!」クワッ
ピシャーン
バカラッバカラッバカラッバカラッ
黒王号「ヒヒーンッ!」
凛「ちょ!? 待ちなさいよ!」
凛「うわっ!? ちょっとやめなさい! レディにこんな恰好させるなんて」バタバタ
ラオウ「うるさい小娘だ……」ピキーンッ
凛「」ガクッ
ラオウ「行くぞ黒王号! 拳王恐怖の伝説は今より始まる!」
ラオウ「! どうどう」
黒王号「ブルル……」
ランサー「馬に乗って登場たぁ……騎兵の英霊とお見受けした」
ラオウ「その長物、ランサーか」
ランサー「如何にも。……あんたのマスターはおねんねかい?」
ラオウ「そう言ううぬも単身であろう。男の戦いに加勢など無用」
ランサー「……話のわかる奴だな」
ランサー「じゃあ、遠慮なく行くぜ!」ダンッ
ラオウ「……っ」グッ
ランサー「素手で受けただと!?」
ラオウ「ぬうぅぅん!」グオッ
ランサー「!」
ドガァァァッ
ラオウ「今のを避けるか。なかなかやるな」
ランサー「魔力放出……? 違うな」ザッ
ラオウ「我は拳王! 世紀末覇者拳王だ!」
ランサー「世紀末覇者……?」
ランサー「! ちっ、これからって時に……」
ランサー「拳王さんよ、この勝負預けたぜ」シュン…
ラオウ「……」
凛「……ん、朝?」
ラオウ「起きたか」クワッ
凛「きゃあああ!?」
ラオウ「なんだ、起きて早々やかましい」
凛「ご、ごめん。いきなり心臓によくない物をみたから……」
凛「じゃあ私はこれから学校だから」
ラオウ「うむ」クイッ
凛「……」
ラオウ「……うむ、いい酒だ」
凛「朝っぱらから酒煽ってないで、あんたも霊体化してついてきなさい」
ラオウ「……」クイッ
凛「……ちょっと! 聞いて」
ラオウ「小娘」ギロッ
凛「!」ビクッ
ラオウ「たとえ、神の命令でもな」
凛「」ビリビリッ
ラオウ「わかったらさっさと学校とやらに行け」トクトク…
凛「……っ」
「令呪をもって命ずる……」
ラオウ「! 馬鹿者! 何をしている!」
凛「拳王のクソバカヤロウに言う事聞かせろー!!」カッ
(この拳王に膝をつかせるとは……後で覚えておけよ)
凛「ふん!」
美綴「どうしたの遠坂、怖い顔して」
凛「え、いや何でもないわよ」
美綴「本当に? また柳洞と言い合いになったんじゃないの?」
凛「あー……そんな感じ」
しかし令呪ここで使っていいのかよww
凛「……」ピクッ
美綴「何て言うの? うまく立ち回ろうとして、全部の壁にぶつかる感じ」
凛「うっさい。私をどっかの正義の味方と一緒にしないで」
キンコンカンコン
凛「さ、行った行った」シッシッ
美綴「あんたと衛宮君、かなり似た者同士だよ」
凛「! 綾子!」
美綴「あっはっはっ」
凛「さて、もうみんな帰ったわね」
ラオウ「うむ。残りの生徒も皆外だ」スゥ…
凛「あんたは出て来ないで」
ラオウ「……」スゥ…
凛「私のテリトリーに結界なんて張ってくれて……」
凛「いいわ。その挑戦受けてやろうじゃない!」
凛「……やられた」
(何がだ)
凛「私の力じゃこの結界は消せない。せいぜい妨害するのが関の山だわ」
(勢い良く啖呵を切っておいて情けない)
凛「う、うるさいわね」
凛「……でも、学校の関係者にマスターが一人はいる。それだけは間違いないわ」
凛「嘘!? 初耳なんだけど!」
(うぬも居合わせだだろう。眠らせていだが)
凛「まさかあんた、あの馬鹿デカい馬で出歩いたんじゃ……」
(黒王号だ)
凛「今はどうでもいいわよ!」
(顔合わせ程度のつもりだったのだろう。あっさり退きおったわ)
凛「相手の獲物は?」
(赤い長槍だな。この拳王のオーラが見えないようでは、俺の敵ではないな)
凛「オーラ?」
(闘気の事だ。非情に徹する事で)
凛「あー、わかったわかった」
ラオウ「貴様俺を愚弄したな!?」スゥ…
凛「わ!? ごめんって! 家に帰ったら聞くから!」
凛「はぁ……疲れた」
ラオウ「あの程度の座学で疲れたなどと……修業が足りんな」スゥ…
凛「授業の事じゃないわよ! あんたの所為よあんたの!」
ラオウ「口を慎め!」クワッ
凛「ッ!?」ビクッ
ラオウ「令呪によって多少この俺を拘束した程度で粋がるな」
凛「……くっ」
凛「拳王」
ラオウ「様をつけろ小娘」
凛「あんたセイバーじゃないの?」
ラオウ「質問の意図がわからんな」
凛「昨日、馬を召喚してたでしょ。セイバーでもできなくはないと思うけど、どっちかって言うとライダーとかキャスターの能力かなって」
ラオウ「俺はライダーでもキャスターでもない。俺は拳の英霊、黒王号は友だ」
凛「友って……」
凛「ついて……って、またどっか行くつもり!?」
ラオウ「何処かとは愚かな。戦場に向かうに決まっているだろう」
凛「戦場?」
ラオウ「わからぬか? あれほどまでに巨大な闘気が!」
イリヤ「あら、遠坂家のマスターじゃない」
凛「! アインツベルン!?」
ラオウ「初戦にうってつけの相手だろう」
凛「なに考えてんのよ! わざわざ強敵にぶつかるなんて!」
ラオウ「凛」
凛「なによ!」
ラオウ「聖杯戦争の王道がどうかは知らんが、俺の生きていた時代では、自らの力で切り開く道こそが王道だった」
ラオウ「力こそ正義。戦いとはそういうものだろう」
バーサーカー「■■■■■■■■■■■!!」
凛「な、なにあれ……」ビリビリッ
ラオウ「さしずめ、鬼……といったところか」
バサァッ
ラオウ「鬼が相手ならば、俺も同じ地に降りる他あるまい!」ズウゥン
ラオウ「ふ、これほどの男はフドウ以来か。待ちかねたぞ」
イリヤ「む……バーサーカーを前にして笑うなんて生意気」
イリヤ「怖がらないならいいや、殺しちゃえ」
バーサーカー「■■■■■■■■■■■■■!!!!」グァァッ
ドガァァァッ
凛「拳王ー!」
バーサーカー「■■―……」
イリヤ「……え? 何?」
バーサーカー「■■■―」ググッ
ラオウ「ぬうぅ……ッ」ググッ
イリヤ「嘘!? バーサーカーとまともに組み合うなんて……」
バーサーカー「■■■■■■■■■■■■■!!」ゴゴゴ
ラオウ「ぬうぅぅああッ!!」ゴゴゴ
凛「!? これが……拳王のオーラ……?」
バーサーカー「■■■■■■■■■■■■■!!」ブンッ
ラオウ「ぬう!?」ドガァァァッ
凛「拳王!? 危ない!」
バーサーカー「■■■■■!!」グオッ
バキィッ
イリヤ「やった!」
北 斗 神 拳 奥 義
ラオウ「無想陰殺」
バーサーカー「■■――」ゴホッ
イリヤ「バーサーカー!?」
ラオウ「ぬうぅぅぁぁぁあ……!!」
ラオウ「北斗百裂拳んんんッッ!!!!」
バーサーカー「■―■■―――■―――」ドガガガガガガッ
バーサーカー「――■」ズズゥン…
ラオウ「俺は拳王! 拳での戦いでは一日の長がある」
イリヤ「うそ……イリヤのバーサーカーが宝具も使わない奴に…………」
凛「……あんな化け物に素手で勝っちゃった」
ラオウ「……ぬ」
バーサーカー「……―■■」ググッ
ラオウ「致命の拳を受けて立ち上がる……だと」
ラオウ「……」
バーサーカー「■■――」
イリヤ「……いい、今日は帰る。いこ、バーサーカー」
バーサーカー「…………」
ズズゥン
ズズゥン……
凛「……助かった」ヘタ
凛「いきなり優勝候補の一角とぶつかれば誰だって腰を抜かすわ!」
ラオウ「あれが優勝候補か。生ぬるい戦争だな」
凛「それは相性が良かったのよ。あんたみたいな肉弾戦特化タイプ、ライダーやアーチャー、キャスター相手の時はどうすんの?」
凛「それにセイバー――」
「遠坂……?」
士郎「何やってんだ、こんなところで」
ラオウ「次の相手はうぬか? 小僧」
「いえ、私が相手になります」
セイバー「徒手の使い手、アサシンのサーヴァントとお見受けしましたが」
ラオウ「暗殺者……そんな時代もあったな」
凛「衛宮君とサーヴァント!? まさか衛宮君もマスターなの?」
士郎「まさか遠坂が魔術師だなんて……」
ラオウ「うぬの主はああ言ってるぞ。俺も女に手を出すのは気が進まない」
セイバー「構えなさい。私は女である前に一人の騎士。私は、剣の英霊なのです……!」チャキッ
ラオウ「…………」
ラオウ「駄目だな。うぬは俺と戦うに値しない」
セイバー「な!?」
ラオウ「わからぬか、凛。あの小娘から先のバーサーカーのような闘気を感じるか?」
凛「オーラ……?」
セイバー「私を侮辱しているのですか!?」
ラオウ「ぬうぅぅぁ!!」ゴウッ
ドガァァァッ
セイバー「ッく!?」ビリビリビリッッ
ラオウ「牙の無い獅子に用など無いわ!」
ラオウ「今のうぬには強敵の見せる闘気がない。まだ俺と戦う運命にないのだ」バサッ
セイバー「……くっ」
凛「ちょっと! 要するに弱ってるって事なら、なんで今倒さないのよ!」
ラオウ「女子供に手を上げたとあれば、拳王の名が廃る」
凛「強敵には手を出して、格下は相手にしない……なんなのコイツ」
士郎「な、なんだよ」
ラオウ「我が拳王軍の傘下に入らぬか」
セイバー「な!?」
凛「え!?」
ラオウ「凛とは面識があるのだろう。万全でない状態で戦うよりはいいだろうが」
セイバー「シロウ騙されてはいけません!」
士郎「……」
「じゃあ、ここで死ぬ?」
士郎「! 遠坂……!」
凛「それか、教会に逃げ込むか。力の無いマスターの道は二つに一つ」
凛「それを、私達が第三の選択肢を出してあげてるのよ? 何が最良かなんて、少し考えればわかるでしょうに」
ラオウ(……ほう)
凛「へー、ここが士郎の家。立派に魔術師の家じゃない」キョロキョロ
士郎(今自然に呼び捨てにされた)
凛「で、セイバーの不調の理由ってなんなの?」
セイバー「その前に凛、私も確認したい事があります」
凛「なに?」
セイバー「あなたのサーヴァントのクラスです」
セイバー「見えない……?」
凛「本人は拳の英霊って言ってるけど」
セイバー「馬鹿な、剣の英霊は私だ」
凛「剣じゃなく拳、ね」
セイバー「こぶし? では宝具は」
凛「今のところ何も。まあ、宝具なんて弱点晒すようなものだし、仕方ないっちゃ仕方ないけど」
セイバー「……」
士郎「セイバーの不調は……その、俺の所為なんだ」
凛「士郎の?」
士郎「俺が魔術師として未熟だから、魔力を供給できなくて、セイバーの力をフルに使えないんだ」
凛「なによそれー。折角セイバー引いたのに、宝の持ち腐れじゃない」
セイバー「リン、私のマスターを悪く言うのは止めていただきたい」
凛「事実でしょ。自分だって苦労してるのに、騎士って難しいわね」
凛「慎二がマスター?」
士郎「ああ、ライダーのマスターだった」
凛「でも、どこでそんな事知ったのよ」
士郎「慎二に呼び出されたんだ。手を組もう、って。もちろん断ったけど」
凛「……」
凛「そう。隠さず話してくれてありがとう」
凛「……嫌に友好的ね。まぁ、つぶし合ってくれたら儲けって線もあるか」
凛「アインツベルンがバーサーカー、マキリがライダー、士郎がセイバー……残るはアーチャー、キャスター、ランサー、アサシンか」
ラオウ「待て、計算が合わぬぞ」
凛「あんたの所為でしょあんたの!」
凛「キャスターとも限らないわよ。単に有能なマスターが拠点を築いているのかも。ランサーやアーチャーの所在も割れてないし、迂闊に動きたくないわ」
セイバー「しかし、城が完成すれば落とすのは容易ではない。こちらには二人もサーヴァントがいるのですから――」
凛「その同盟がこっちの切り札なのよ。そう易々とバラしては意味ないの」
セイバー「…………」
士郎「……」
士郎「俺はセイバーを危険な目に合わせたくない」
セイバー「シロウ……」
凛「決まりね。しばらくは敵方の動向を見ましょう」
セイバー「……わかりました」
アサシン「こんな夜更けに来客か」
セイバー「……」ザッ
アサシン「マスターが見えぬが……単身この山城を落としに来たのか?」
セイバー「ええ……貴方がここの番人ですね」チャキッ
アサシン「如何にも。通るというのなら、主の命に従いお相手する他ない」
セイバー「望むところです……!」
ピィンッ
セイバー「……」ザッ
アサシン「可愛らしい少女と思っていたが……なかなかやる」
セイバー「賞賛と受けましょう」
セイバー「そちらも、その細身の剣であれほど打ち合うとは、素晴らしい腕前だ」
アサシン「ふ、これしか能がなくてな」
アサシン「血湧き肉踊る戦いをこのまま楽しむのも良いが……間合いも読めてきた事だ。我が妙技をお見せしよう」スッ
セイバー「……」グッ
―――――――――― 秘 剣
燕 返 し―――――――――――
セイバー「!」
バカラッバカラッバカラッバカラッ
アサシン「何!?」ピクッ
「ハイヨー! 黒王号ー!!」
そんなキャラかよwwwwwwwwwwwwwww
そりゃハイヨーぐらい言いたくなるよ
セイバー「拳王!?」
ドスンッ
バカラッバカラッ…
アサシン「……してやられたな」
セイバー「勝負に水を差すとは……どこまで私を侮辱するつもりなんだ!」ワナワナ
「約束を破った騎士さんも、十分侮辱してると思うけど?」
セイバー「!」ビクッ
ヌァーッハッハッハ…
ドガンッ
ラオウ「どうどう」
黒王号「ブル……」
「番兵を飛び越してくるなんて……なんて野蛮なのかしら」
ラオウ「ここに拳士がいるだろう。そいつを連れてこい」
キャスター「なんの事かしら?」
ラオウ「知らぬと言うなら俺自ら探すまで」
ドゴォォォオオンッ
「…………今のは攻撃か?」
キャスター「!? 馬鹿な! 直撃した筈……」
ラオウ「そんなやわな攻撃ではこの身体に傷ひとつつける事はできん」
キャスター「くっ」ポウッ
バシュウ―――――――
ドガンッ ドガガガガガガッ
ドゴォォォンッ
ドガァンッドゴォンッドォオンッ
ブワッ
ラオウ「ぬうあっはっはッ!!」グオッ
キャスター「!?」
ブウンッ
ラオウ「ぬ」
キャスター「なんなの! なんなのあの打たれ強さは!!」フワッ
キャスター「貴方みたいな化け物、初めてだわ。……特別にとっておきの魔術を練ってあげるから、光栄に思う事ね」パァァ
ラオウ「ほう、どこからでもかかってくるがいい」
キャスター「っ! 分かったら……とっとと死になさいッ!!」カッ
――――ドゴオォォォォォンッッ――――
凛「わかってる!」
士郎「わかってるならなんで令呪で呼び戻さないんだよ!」
凛「だってあと一個しかないんだもん!」
士郎「一個しかないってなんでさ!?」
凛「だってあの馬鹿」
――――ドゴオォォォォォンッッ――――
ラオウ「魔術とやら……相手にとって不足なし」
ラオウ「見ておれ小娘共。これぞ我が奥義が一つ」
約束された勝利の拳
北 斗 剛 掌 波
ラオウ「…………逃したか」
士郎「拳王! 今の光は!?」
ラオウ「様をつけろ小僧」
凛「ハァ…ハァ……今のあんたの宝具? 魔力消費半端じゃないんだけど……」
ラオウ「息が上がっているな、修行が足りぬぞ凛。今ので半分程度の威力だ」
凛「階段上ってきたからよ! てか、今ので半分?」
ラオウ「マスター? 俺がやりあっていたのはキャスターだぞ」
凛「という事は、柳洞寺にサーヴァントが二人いたという事?」
ラオウ「うむ、我らの他にも手を組んでいるマスターがいたのだな」
セイバー「……勝手な事をしてすみませんでした」シュン
士郎「さっき謝ったんだから、それはもういいって」
ラオウ「来たか」
葛木「衛宮に遠坂、誰がこんな時間に出歩いていいと教えた」
士郎「葛木先生……!」
凛「まさか柳洞寺のマスターは……先生なの?」
葛木「私は魔術師でもなんでもない。ただの朽ち果てた暗殺者だ」
凛「暗殺者……」
葛木「止められなかったお前が悪いのだぞ。仕損じれば、奴は寺の中まで追ってくる」
キャスター「ですから逃げましょうと言ってるではないですか!」
葛木「どこへ逃げる。城を失ったお前は恰好の的なのだろう。ここで押し返す他無い」
キャスター「しかし、しかし宗一郎をあの筋肉ダルマと戦わせるなど……」
士郎「あれがキャスター……?」
凛「なんか…………首が痒くなってきた」
キャスター「宗一郎様!」
葛木「葛木宗一郎」バッ
ラオウ「宗一郎よ、容赦はせぬぞ」
葛木「……」スッ
ラオウ「ぬうううぅぅん」ゴァッ
葛木「……」スッ
ザッ
ゴウッ
ラオウ「俺の剛拳いつまで受けきれるかな?」ゴゴッ
凛「キャスターが強化魔術を使っていたとしても、普通避けれないわ。暗殺者だったってのは本当の事なのね……」
ラオウ「ジョイヤッ!」ゴウッ
ススス…
葛木「……」スッ
ドゴォンッ
ラオウ「ぬうっ!?」
ザッ
葛木「……」ピタッ
セイバー「いえ、効いていません!」
ラオウ「はあぁぁ!!」ブォンッ
葛木「……」タッ
ドガァッ
バゴォッ
ラオウ「ぬああぁッ」ゴウッ
葛木「……」ザッ
ブンッ
士郎「先生はヒットアンドアウェイに徹してるし、ちょっと一方的じゃないか」
セイバー「いえ、一見一方的に見えますが、拳王もカウンターをもらわぬよう仕掛け方を気にしています」
セイバー「それに、拳王の反応も徐々に上がっています。敵の拳質を見切り始めているとしたら――」
ガシィッ
ラオウ「取ったァ!」
葛木「!」グッ
ラオウ「さらばだ現世の暗殺者よ!」グッ
葛木「ここまでか」
ラオウ「女、そんな事をしても無駄とわかっているだろう」
キャスター「宗一郎様を……宗一郎様を放しなさい!」ゴゴッ
ラオウ「何故それ程に勝利に、聖杯に固執する」
キャスター「聖杯なんてどうでもいいわ」
ラオウ「なに……?」
キャスター「私は宗一郎様を愛してるの!」
ラオウ「!」
キャスター「どうしても殺すというなら、私から殺しなさい」
ラオウ「……」
ラオウ「聞けぬな。俺はこの男の命が欲しい」グオッ
キャスター「やめてぇ!!」
「さらばだ」
キャスター「嫌ぁぁぁぁぁッ!」
士郎「っ!」サッ
凛「っ」
ラオウ「拳を封じた。これで宗一郎という名の暗殺者は死んだ」
ラオウ「ここにいるのは、教師として生きる男」
葛木「……拳王」
ラオウ「身体を愛えよ、宗一郎」
凛「キャスターはもう再起不能でしょうね」
セイバー「キャスター一人で戦い抜くのは無理でしょうしね」
士郎「セイバー、そういう話じゃないんだよ」
セイバー「そうなのですか……?」
凛「残された時間を愛した人と目一杯生きる。なんか聖杯戦争とは縁遠い話ね」
士郎「そういえば、キャスターって結局何者だったんだろう」
凛「案外、生前から一途な人だったのかもね」
セイバー「倒せる時に倒さないのはどうかと思いますが…………まぁ、あれはあれで良かったのでしょう」
士郎「素直に褒めろよセイバー」
凛「無茶苦茶やって結局今回も手柄なし。一体何がしたいんだか……」
士郎「さあ……」
士郎「案外、この特別な状況に混ざりたかっただけなんじゃないか?」
凛「協力しろ?」
慎二「ああ。衛宮みたいな三流マスターと組んでるより、余程いいと思うけど」
凛「……」
慎二「ほら、アイツはすぐ戦いたくないだの、誰も悲しませたくないだの、甘っちょろい事言うし、こういう戦いに向いてないだろ」
慎二「おまけにサーヴァントを女扱いして。サーヴァントなんてただの駒なのに」
凛「……」
慎二「な!? サーヴァントがマスターの会話に口出し」
ラオウ「……」ギロッ
慎二「……!」ビクッ
ラオウ「凛、この小僧、小物だが今殺さばうぬに必ず災いをもたらすぞ」
慎二「な、なんだ! 僕とやり合う気か!?」
凛「やめなさい拳王。……サーヴァントの不敬は謝るわ。でも知っての通り、私は衛宮君と組んでるの。先約を蔑ろにはできないわ」
慎二「ああ、そうかよ!」
慎二「ふん!」
ラオウ「……うぬは何に縛られている。何故あのような下郎を立てる」
ライダー「……」
ラオウ「今のうぬではつまらぬ。賭けるもののないうぬではな」
バタン
ライダー「……」
士郎「遠坂も勧誘されたのか」
凛「この場合引き抜きね。それより、今の話聞いてた? あんた慎二みたいな三流に三流呼ばわりされたのよ」
士郎「え、だって事実だし」
凛「あっさり認めてんじゃないの! 何の為に私が指導してると思ってんのよ!」パシンッ
セイバー「腕前は兎も角、仲間としての結束は固まってきていますね」モグモグ
士郎「朝からって、学校はどうするのさ」
凛「……あんたね」ハァ
凛「いい? 敵対関係のマスターがいる状況で、そのマスターと同じ学校に通おうなんて考えないで」
凛「ましてやセイバーは霊体化できないんだから、学校でサーヴァントに襲われたら勝ち目ないわよ」
士郎「……わかった」
プルル…プルル…
セイバー「シロウ、電話が」ガチャ
士郎「遠坂、いいか?」
遠坂「仕方ないわね……ちゃっちゃと行ってきて」
士郎「悪いな」
バタン
セイバー「……」
凛「……」
凛「何が?」
セイバー「同盟関係にあるとはいえ、サーヴァントを従えていないマスターが他人のサーヴァントと二人きりになるとは」
凛「あら、セイバーは隙あらば私を殺す気なの?」
セイバー「いえ、そのようなつもりは」
セイバー「しかし、私も聖杯にかける願いがある。いつかは、リン達と雌雄を決しなければならない」
セイバー「リン! 私は」
ガチャ
士郎「悪い、ちょっと出掛けてくる」
セイバー「……」
凛「……」
士郎「あ、悪い、邪魔した」
バタン
セイバー「……」
凛「……」
セイバー「! そうでした!」
凛「拳王、士郎を追って!」
凛「拳王!? 返事がない……既に追ってくれてればいいけど」
セイバー「私達も追いましょう。シロウの気配なら追跡可能です」
凛「全く、あんた達はどうして勝手な行動を取るかな」
セイバー「……面目ない」
士郎「これは!?」
ラオウ「結界だな。凛が破壊し損ねた結界が発動したのだろう」スゥ…
士郎「……居たのか。拳王、この結界の効果はなんだ?」
ラオウ「知らん」
士郎「知らんって」
ラオウ「俺は拳士であって魔術師ではない。サーヴァント化して魔力の感知はできるようになったものの、魔術の類には全く関わった事がないから、その質問には答えられん」
ラオウ「だが……中の人間が弱っていくのだけはわかる。どういう理屈かは知らんがな」
士郎「……く、駄目だ。意識がない」
ラオウ「覚悟を決めよ小僧。その者達を救いたくば、結界を破壊するか、仕掛けた者を倒す他あるまい」
士郎(慎二は保険代わりに結界を張ったと言っていた……)
士郎「慎二……」ギリッ
「そんなに大声出さなくても聞こえてるよ」
慎二「呼び出したのは僕の方だからね」ザッ
士郎「慎二! 今すぐ結界を解くんだ!」
慎二「いいけど、衛宮は何を提示してくれるんだ? 遠坂を裏切ってくれるんなら、今すぐ結界を解いてもいいけど」
士郎「何言ってんだ、みんなが衰弱してるんだぞ!」
慎二「知ってるよ。僕の張った結界なんだからね」
慎二「凡人の事なんか魔術師が気にするなよ。これだから三流は……」
士郎「テメェ――」ダッ
ジャララララララッ
士郎「! ぐぁ!?」ドサッ
ライダー「……」ザッ
慎二「おいライダー、何外してんだよ」
士郎「く……ライダーのサーヴァント……!」
ラオウ「ぬん!」バチッ
士郎「ばわっ!?」ズザーッ
ラオウ「拳王に指図をするとは身の程を知れ!」
士郎「」
慎二「なんだ? いきなり仲間割れか? いいねえ、もっとやれよ!」
ラオウ「頭に乗るな小僧!」クワッ
慎二「ひっ!? ら、ライダー!」ビクッ
ライダー「……」ジャラ…
士郎「拳王の弱点……?」
ラオウ「愚かな。この拳王の肉体に弱点などない」
慎二「フン、遊んでやれ、ライダー」
ライダー「……」タンッ
ザッ
バッ ダンッ ヒュンッ
――――タッ
ラオウ「!」ビッ
士郎「速い!」
慎二「いくらパワーがあっても圧倒的なスピードの前では意味がない! このまま切り刻んでやるよ!」
ズバッ
士郎「葛木先生の時より速い……!」
慎二「当たり前だ! 学校中の人間を生贄にしてるんだ。今のライダーに致命の拳を突き入れる事はできない!」
士郎「く……どうすれば」
「何かと思えば、とんだ期待はずれよ」
ラオウ「ぬんッ!」ゴウッ
ライダー「!!」ザッ
ライダー(今、無数の鋭い拳が……)ジャラ
ラオウ「ふ……見えたか。今貴様が見たのは、この俺が纏いしオーラよ」
慎二「オーラ……? わけわかんない事言いやがって! ライダー!」
ライダー「……っ」ジリッ
慎二「おい! 何逃げてんだよ!」
ラオウ「どうした? 来ないのならこちらからいくぞ!」ゴゴゴ
ライダー「……これまでですね」ザクッ
士郎「自分の首を!?」
慎二「ライダー! 何勝手な真似を!」
ライダー「現状、敵サーヴァントの撃破は困難です。宝具を用いて撤退します」ゴォォ
ラオウ「小僧、伏せていろ」
士郎「え」
ライダー「突破します」カッ
―――――ベルレフォーン―――――
騎 英 の 手 綱
――――ドオォォォオオオンッッ――――
士郎「……っ、一体何が……?」
士郎「!? 拳王!」
ラオウ「ぐぅぅ…………拳王の肉体をもってしても、あの疾走を止める事はできぬか……」シュウゥ…
士郎「……なんて無茶な」
凛「辞世の句ぐらいは聞いてあげる」
士郎「明日から藤ねえの世話、頼んだ」
パシンッ
凛「拳王も、何か言い訳ある?」
ラオウ「拳王の肉体は砕けぬ!」
バキッ
凛「はぁ……拳王まで要らないダメージもらってきて。頭痛いわ」
士郎「……慎二を倒そう。手遅れになる前に」
凛「覚悟はできてるわね」
士郎「ああ。次は迷わず倒す」
セイバー「それでこそ聖杯戦争を戦うマスターだ」
士郎「頼むセイバー、みんなを守る為に力を貸してくれ」
セイバー「はい、任せて下さい」
セイバー「シロウ」
士郎「ああ、明らかにこっちを見ているな」
セイバー「挑発と取っていいでしょう。受けますか?」
士郎「探す手間が省けたのは好都合だ。……ここで決着をつけよう」
セイバー「はい」
凛「今回は乱入しないの?」
ラオウ「女を手にかけるのは好かん」
凛「案外紳士的じゃない」
ラオウ「……」
凛「何が?」
ラオウ「小僧の事だ。戦う男の命は短い。後悔しても知らぬぞ」
凛「な、何で私が士郎の生き死にまで考えなきゃいけないのよ」
ラオウ「ふ……」
凛「笑うな!」
ラオウ「いや、この拳王も、死してようやく人間臭さが出てきたと思ってな」
凛「……そういえば、あんたの生前ってどんなだったの?」
核戦争で文明が後退した世界を、暴力と恐怖で支配しようとした男
北斗神拳という2000年を超える歴史を持つ、伝説の暗殺拳の使い手にして、究極奥義の体得まで辿り着いた数少ない拳士
その鮮烈過ぎる生き様は、多くの男達を惹き付け、今尚語り継がれている――
ラオウ「みたいだな」
凛「じゃあ、あなたは何者なの……?」
ラオウ「さあ……」
ラオウ「辿り着つかなかった未来の人間か、遥か未来の人間か……或いはその逆か」
凛「そんな……有り得ないわ」
ラオウ「事実ここに俺はいる。誰よりも数奇な体験をしている事を喜べ小娘」
エクスカリバーッ
凛「あんな切り札を隠してたなんて……」
凛「って、あんな大技使ったらセイバー消えちゃうんじゃ!?」
ラオウ「出よ黒王号!」ピシャーン
バカラッバカラッバカラッバカラッ
黒王号「ヒヒーン!」
ラオウ「さあ乗れ!」ザッ
凛「…………っええい!」
ラオウ「つぉーう!」
ドスゥゥン
凛「セイバー!」ザッ
セイバー「はぁ…はぁ……リンでしたか……一瞬、ライダーの再来かと…………」
凛「凄く消耗してる……士郎は?」
セイバー「マスターを追っていきました…………」
凛「拳王、お願い」
ラオウ「仕方ない」スゥ…
ラオウ「セイバーが現界している以上、死んではいないだろうが、気配が全くない」
凛「く……次から次へと」ギリッ
セイバー「リン、シロウは……」
凛「大丈夫。生きてるなら、何かしらの交渉が持ちかけられる筈……今は自分の心配だけしなさい」
セイバー「すぅ……すぅ……」
凛「……どうだった?」
ラオウ「キャスターが言うには、アインツベルンと教会以外を探った結果、どこにも見当たらないと」スゥ…
凛「という事は、士郎はアインツベルンに……」
ラオウ「行くか」
凛「嬉しそうね」
ラオウ「あれほどの男と、また戦えるのだ。自然とたぎってくるというものよ」
イリヤ「ねーシロウ、イリヤのものになってよー」
士郎「いや、それはできない」
イリヤ「どうしても?」
士郎「どうしても」
イリヤ「イリヤのお願いでも?」
士郎「駄目だ」
イリヤ「イリヤ、シロウがイリヤのものになってくれるなら、なんでもするよ?」
士郎「……それでも駄目だ」
イリヤ「えー」
士郎「いや、イリヤの事は嫌いじゃないぞ」
イリヤ「じゃあ好き!?」グッ
士郎「わ、割と」
イリヤ「えー、割と?」
士郎「け、結構」
イリヤ「えー……」
士郎「か、かなり……」
イリヤ「じーっ」
士郎「うう……」
イリヤ「ホント!?」
士郎「ホントホント」
イリヤ「わーい!」ギュー
士郎「うう……」
イリヤ「じゃあ、イリヤのものになってくれる?」
士郎「それは無理だ」
イリヤ「えー……」
バタンッ
士郎「ま、まて! あの女って……」
士郎(あの女って……セイバー? それとも遠坂)
ガチャ
凛「へー、衛宮君ってああいう子がいいんだ」
士郎「おわっ!?」ガタンッ
凛「あ、コケた」
凛「ホントはまんざらでもなかったんじゃない?」
士郎「しつこいな」
セイバー「リン、イリヤスフィールが戻る前に脱出を」
「誰が戻る前に……って?」
凛「まさか……」
イリヤ「ふふふ……今日は全員逃がさない」
士郎「イリヤ、殺し合いなんてやめるんだ!」
イリヤ「どうしてそんな事言うの? こうなったのはシロウの所為なんだよ?」
士郎「俺の……?」
イリヤ「シロウが私のものになってくれれば見逃してあげようと思ったけど」
イリヤ「けど、もう駄目。イリヤの言うこと聞いてくれないシロウもいらない」
バーサーカー「■■■■■■■■■■■■■■!!!!」
バーサーカー「■■―――!!」
イリヤ「今日は出し惜しみしないんだから……!」コォォ
凛「!? バーサーカーのステータスが……!」
バーサーカー「■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!」ゴゴゴッ
凛「ま、まだ跳ね上がってく!!」
ラオウ「ぬんッ!」ドゴォッ
凛「!? 天井なんか壊して何を……」
ラオウ「うぬら見よ。あの北斗七星の傍らに輝く星が見えるか?」
士郎「え……」
凛「……見えないけど」
イリヤ「ふん、見えたらなんだってのよ」
ラオウ「ふ、その星は死兆星。うぬを死へと誘う道標だ!」
★
★
★
★
☆ ★
★
バーサーカー「■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!」ゴァッッ
――――ドゴォォォオッッ
士郎「くっ!?」ビリビリッ
セイバー「なんという凄まじい衝撃!」
凛「拳王!」
ラオウ「ぬうぁぁぁッッ!!」ガキィンッ
バーサーカー「■■■■■■■■■■■■■!!!!」ガキャァン
ラオウ「ぬうっ!?」
セイバー「崩された!?」
凛「避けて!」
――――ドガァァァアッッ
ラオウ「ぬぐぅぅ……!」パラ…
バーサーカー「■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!」グァァッ
ラオウ「ぐあぁぁっはっはあああ!!!!」ゴォォ
――――ガシィィッッ――――
士郎「組み合った!」
イリヤ「押し潰せバーサーカー!」
ラオウ「ぐぬぅぅ……!」ブシュッ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………ッッ
セイバー「大気が震えています……!」
士郎「すごい……これが…………男の闘い!」
ラオウ「かぁーッッ!!」クワッ
――――ベコォンッッ
凛「今よ!」
ラオウ「かああぁぁッッ!!」
――――ゴオッッッ
ラオウ「北斗百裂拳んんッッ!!」ブアァァッ
――――ドガガガガガガガガガガッッッ――――
イリヤ「いいえ、まだよ!」
ガシッ
ラオウ「ぬぅ!?」グッ
バーサーカー「■■―――」ググッ
イリヤ「バーサーカーに同じ技は効かないわ!」
バーサーカー「■■■■■■■■■■■■■■■!!!!」ゴォォッ
ラオウ「がはぁ……ッ」ブシャァァ
凛「拳王!」
イリヤ「ふふ……バーサーカーをなめてもらっちゃ困るわね」
ラオウ「ふ…………ふはは……」
イリヤ「……な、何よ」
ラオウ「心地良き痛みと言うべきか……」グッ
ラオウ「うぬもそう思うだろう、バーサーカー」
バーサーカー「…………」
イリヤ「馬鹿ね、狂化したら言語能力は失われるのよ」
ラオウ「……」
ラオウ「拳こそ我らが言葉……か」
ラオウ「強敵の名に相応しき者よ、よく聞け! 我は世紀末覇者拳王! 誇り高き北斗の長兄ラオウなり!!」ゴォォッ
セイバー「拳王が真名を……!」
凛「! 拳王のステータスから靄消える!!」
ラオウ「見せようぞ、世紀末覇者ラオウの拳ッ!!」ゴォォッ
バーサーカー「■■■■■■■■■■■■■■!!!!」
約束された勝利の拳
北 斗 剛 掌 波
セイバー「! まだです!」
バーサーカー「■■■■■■■■■■■■■!!!!」グォッ
――――グシャァァァッ
ラオウ「ぐぁあ!?」ドガアッ
凛「あれを耐えるの!?」
セイバー「両腕を犠牲に無理やり突っ込んだんです!」
イリヤ「バーサーカー……」
バーサーカー「■■――」バクッ
ブシャァァ…
士郎「やった!?」
凛「いえ、まだよ!」
シュウゥ…
バーサーカー「■■■■■■■■■!!!!」ゴオオォッ
凛「! はい!」
ラオウ「魔力はまだ大丈夫か」
凛「……」
凛「そんな事、アンタは気にしなくていいから、思い切りやりなさい!」
ラオウ「……」
ラオウ「ふ、なかなか良い女になったな」
バーサーカー「■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!」
――――――ガギャアアァンッッ――――――
ラオウ「があああッッ!!」ブォンッ
バーサーカー「――――■■■!!」グラッ
士郎「がら空きだ!」
凛「ぶちかませ!!」
ラオウ「はぁぁああ……!!」ブァァ…
勝利すべき最強の拳
天 将 奔 烈
バーサーカー「■■■…………」
――――ドゴォォォオオンッッッッ――――
士郎「…………どうなった?」
セイバー「私の目でもどうなったかは……」
ラオウ「……む!」
バーサーカー「■■■―――――」シュウゥ…
凛「嘘……どんだけ硬いのよ」
凛「大丈夫……大丈夫よ」
バーサーカー「■■■■■■■■■■■■!!」ゴオオォッ
ラオウ「……」
凛「ラオウ!」
ラオウ「……」スッ
凛「え……」
バーサーカー「■■■■■■■!!」グッ
ラオウ「立ったまま逝くか」
バーサーカー「■■■■――――」
バーサーカー「――――」
バーサーカー「――――」
ラオウ「さらば、最強の英霊よ」ザッ
バーサーカー「――――」
イリヤ「馬鹿、バーサーカーのバカ!」
イリヤ「なんで、なんで負けたのに笑ってるのよ…………!」
ラオウ「……」
『魔力回復が終わるまで見張りよろしくね』
ラオウ「拳王を門番にするとはいい度胸だ」
\アンアン/
ラオウ「ぬぅ……」
ラオウ「うむ、身体中に力が漲る。ただちちくりあってた訳ではないのだな」
凛「なっ!?」
セイバー「っ!」
士郎「……」
ラオウ「何を赤くなっている。あれだけ声に出しておれば門外にも聞こえるわ」
凛「……」
セイバー「……」
凛「そう! 残りのサーヴァントは……えと、ランサー、アーチャー、キャスター、ライダー……は倒したし」
セイバー「私とラオウの5人ですね」
士郎「キャスターはいいとして、アーチャーに至ってはまだ姿すら見てないからな」
凛「ラオウがアーチャーだと思ってたけど……クラス:世紀末覇者とか笑えないわ」
セイバー「これはなんと読むのですか?」
セイバー「或いは、既に脱落しているか」
士郎「……」
凛「ランサーのマスターも黙っていない筈。激突は近いわ」
士郎「で、アインツベルンもマキリも倒した今、どこに目を付けてるんだ?」
凛「それは……」
ランサー→健在
世紀末覇者→アーチャー枠奪ってる
ライダー→消失
バーサーカー→消失
キャスター→生きてるけど事実上脱落
アサシン→キャスターと一蓮托生だから事実上脱落
残りはランサーとイレギュラーだけか
凛「うるさいわね。私一人で使い魔飛ばしまくるのは限度があるのよ」
凛「大体戦ってばっかりで、諜報活動なんかろくにやる暇なかったじゃない」
(またキャスターでも使えばいいだろう)
凛「……いや、それはちょっと」
(なんだ)
凛「ようやく掴んだ幸せぐらい、見守ってあげましょう」
(俺を門番として使っておいてよく言うわ)
凛「あんた、微妙に小さいわね」
「久しいな」
セイバー「――――なっ」
「先の聖杯戦争以来か」
黄金の騎士「セイバーよ」
士郎「アーチャー? あいつがか?」
黄金の騎士「賤しい目で我を見るな雑種、反吐が出る」
セイバー「アーチャー、何故貴方がここに!」
黄金の騎士「お前を迎えに来たのだ。セイバーよ、我のものになれ」
士郎「おいアーチャー、お前とセイバーが何の関係か」
黄金の騎士「誰が口を利いていいと言った雑種ッッ!!」
――――ドガガガガガガガガガガッッッッッ――――
セイバー「大丈夫ですか、シロウ」
士郎「ああ……」
黄金の騎士「よくぞ避けた。さすが王を名乗るだけはある」
黄金の騎士「だが、その雑種を庇いながらいつまで耐えられるかな?」スッ
セイバー「シロウ、走って!」
士郎「セイバー――」
――――ドガガガガガガガガガガッッッ――――
ラオウ「凛」スゥ…
凛「わかってる。黒王を呼んで!」
ラオウ「いいだろう。 黒王号!」ピシャーンッ
バカラッバカラッバカラッバカラッ
黒王号「ヒヒーンッ!!」ズズンッ
ラオウ「乗れい!」
凛「はっ!」
バカラッバカラッバカラッバカラッ……
セイバー「……シロウ」
ドサッ
セイバー「シロウ? シロウ、何故私を庇ったのです!」
士郎「――」
セイバー「シロウを守るのが私の使命なのに……何故」
黄金の騎士「……雑種風情が粋がりおって」チッ
「待ちなさい」
黄金の騎士「……まだ何か?」
セイバー「主君を斬られて黙っていたとあれば、騎士の名折れ」ザッ
セイバー「ギルガメッシュ、貴方を討ち取ってこの汚名を濯ぐ!」チャキッ
ギルガメッシュ「そこの身の程知らずの雑種に免じて、今宵は見逃すというのに、尚向かってくるか」
セイバー「それでも……私は」ゴオオォッ
ギルガメッシュ「……ふん。よい、ならば精々叫んでみよ!」ブォォッ
――――シロウ、私は……――――
セイバー「エクス―――――」コォォ…
―――――ッッッ ゴオオォォォォォッッッ―――――
凛「きゃああ!?」
黒王号「ヒヒーンッ!?」
ラオウ「ぬ!? 静まれ!」グッ
ラオウ「なんと猛々しい光…………まるで死兆星のようだ」
ドタッ ズザァァ…
ギルガメッシュ「呆気ない。聖剣を持ってしてそれか」
セイバー「」
ギルガメッシュ「今のお前に我を惹き付ける強さは無い。そのまま消えるがいい」
バカラッバカラッバカラッバカラッ
ギルガメッシュ「ん?」
黒王号「ヒヒーンッ!!」ズズンッ
ギルガメッシュ「王の前である、頭が高いぞ!」
ラオウ「我は世紀末覇者拳王! この世に王は一人でよい」
ギルガメッシュ「ほざけ雑種。王とは我、我こそが王。我の前に王はなく、我の後に王はいない」
ラオウ「ふ……」
ギルガメッシュ「何がおかしい」
ラオウ「なに、うぬのような人間を見たのは久しぶりでな」
ズズンッ
ラオウ「恐怖で支配してやりたくなる」バサッ
ラオウ「……」ピクッ
ギルガメッシュ「踊れ」パチンッ
――――ドガガガガガガガガガガッッッ
凛「!? ラオウ!!」
――――バチバチバチバチバチッッ――――
ギルガメッシュ「……ほう」
ラオウ「我が肉体は無類無敵……!」
ギルガメッシュ「ふふ……」
ギルガメッシュ「ふははははは!! これほどの大馬鹿者は久しぶりだ! 良い、良いぞ!」
ギルガメッシュ「加減をした詫びに、次は確実に殺してやる。ゆっくり寛ぐがいい」
ギルガメッシュ「英霊の座でなぁ!!」パチンッ
――――ザンザンザンザンザンザンザンッッッ――――
男達が最強を目指し、戦った夢
あるいは、愛する者の為に戦う夢
己の信念に殉じた夢
これは夢だ
哀しみを知り、優しくなった男達の夢――
ギルガメッシュ「消し飛んだか」
ピシッ
ギルガメッシュ「!? 我の鎧に傷が!」
――――ピキーンッ――――
ギルガメッシュ「あがっ!?」ビクッ
――されど無はまた無力――
――「無より転じて生を拾う」――
――それが
北斗神拳究極奥義――
背負いし哀しみの重み
無 想 転 生
ギルガメッシュ「み、見えなかった……この我の目にさえも」ビリビリッ
ラオウ「傲慢の鎧を脱ぎ捨てろ、英雄王。黄金で塗り固めた心では、この身体を掴む事はできん」
ギルガメッシュ「できぬ……! それだけは……傲慢こそ我が王道……!」
ギルガメッシュ「ぬああああぁぁぁぁぁッ!!!!」ゴウッッ
ラオウ「む!」
ラオウ「……」
ラオウ「ならば俺も全霊をもって応えよう! 偉大なる英雄の中の英雄よ!!」ゴオオォッ
ギルガメッシュ「星となれ――――ッッ!!」
エヌマ ・ エリシュ
天 地 乖 離 す 開 闢 の 星
―――――――――――――――――――
ドゴォォォォォォオオオンンンッッッッ
―――――――――――――――――――
凛「ッッッッ!!」ビリビリ
士郎「…………うっ」ビクッ
凛「! 士郎!」
士郎「遠坂…………」
凛「しゃべらないで! また傷口が……」
士郎「―――」
凛「……え」
士郎「……だって」
――この世の全てを手に入れた王でさえ、この一握りの想いを握る事はできない――
ラオウ「……」シュウゥ…
ギルガメッシュ「……」
ラオウ「さらばだ、強敵よ」グッ
ドゴォッ――――
凛「!」
士郎「勝った……!」
ラオウ「……」
ギルガメッシュ「ま、まだ……!」ググ…
ギルガメッシュ「――――ぁ」
ドサッ
ギルガメッシュ「――」
ギルガメッシュ
「その声は……エルキドゥか?」
ギルガメッシュ、迎えに来たよ
「おお、待ちわびたぞ。今日は何をしてやろうか」
「久しぶりに力比べでもするか」
ギルガメッシュ「なぁ、エルキドゥ――……」スゥ…
ラオウ「……」
ラオウ「凛、悪いが黒王号は用意できそうにない……」
凛「え……それって」
ドシャァッ
凛「ラオウ!?」
ラオウ「いささか疲れた……しばらく眠りにつく…………」スゥ…
凛「ちょ、ちょっと! 消えたりしたら許さないんだからね!」
ラオウ「はは……」
スゥ…
凛「……ばか」
士郎「ラオウの具合はどうなんだ?」
凛「……」
セイバー「凛?」
凛「それが、霊体化したきり返事がないのよ」
セイバー「ギルガメッシュと真正面からぶつかったのです、無理もない」
士郎「残るランサーは俺とセイバーがやるしかないな」
なんというGJ
この動き…トキ!
ワロタwwwwww
ありがとう!
凛「鳴子の音!?」
セイバー「サーヴァントの気配があります。ここは私が」
士郎「頼んだぞ」
セイバー「……」コクッ
ランサー「来たな、剣の英霊」
セイバー「強襲せず待ち構えるとは、余程腕に自信があるようだ」
ランサー「ようやくマスターからお許しが出たからな。今日は存分にやらせてもらうぜ!」
セイバー「! ラオウ!」
ラオウ「この大一番、譲って貰えぬか」スゥ…
ランサー「お前は……我が槍を素手で受け止めた男!」
ラオウ「うぬこそ俺の最後に相応しい」
セイバー「待ちなさい! 最後とはどういう事ですか! 私との戦いは」
ピキーンッ
セイバー「くぁ!?」ビクッ
ラオウ「俺は女は殺さん。俺の拳が女の血で汚れるなど恥辱」
セイバー「ラオウ! 貴様ぁぁ」
ランサー「おいおい、随分と余裕だな。俺がマスターを狙わないとも限らないのに」
ラオウ「うぬはそんなタマではないだろう。ただ一瞬、心躍る戦いこそが望み」
ランサー「……お見通し、か」
ラオウ「目がそう言っている」
ランサー「ならばこそ、アンタの首は俺が取るしかねぇな!」
士郎「セイバー、サーヴァントは……!?」
セイバー「申し訳ありません……ラオウの術で身体が……!」グッ
凛「ラオウ! あんたまだ戦える状態じゃ……!」
ランサー「おらおらおらおらッッ!! さっきまでの威勢はどうした!」ガガガガガッ
ラオウ「ぬ……くぅ」ビッ ザクッ
ランサー「身体縮めちまって……テメェはそんなタマかよ!!」ガガガガガッ
セイバー「ましてやランサーは凌ぎ合いに長けたサーヴァント! 長期戦では勝ち目がありません!」
ラオウ「黙れ小娘! だからうぬは俺と戦えぬのだ!」
セイバー「!」
ラオウ「うぬとて英雄王に牙を剥いたであろうが。俺の戦いを見て心躍ったろうが」
ラオウ「今うぬを突き動かすは何だ! 聖杯なんぞに縋りおって!」
ラオウ「聖杯で道は拓けるか! 否! 道とはこのラオウの後ろに在りッ!」
ドチャッ
グサッ
ラオウ「ぐうぁぁぁあああッッ」グオッ
ドガァァァッ………
ランサー「俺の槍を見切った技の冴えはどうした! それじゃあバーサーカーだぜ」ザッ
ラオウ「ぐうぅ……」ガラ…
凛「ラオウ……まさか目が……」
士郎「遠坂」
凛「士郎……」
――――ザクッ
ラオウ「がぁ!?」ドサァ…
凛「ラオウ!」
ラオウ「ぬ……」グッ
ランサー「……まだ立ち上がるか」
ラオウ「く……くはははは!!」
ラオウ「この目をえぐれ! この腕を砕け! されどお前には死あるのみ!」
ランサー「…………敵ながら天晴れだ」
ランサー「ならば、せめて惜しみない賞賛と共に、我が宝具で葬ろう……!」ゴッ
ランサー「ああ、これからセイバー戦を控えているのに使うんだ。誇っていいぜ」ゴゴゴ
ラオウ「さあ、こい!!」グワッ
ランサー「さらばだ、類い希なる拳の英霊よ――――」ダッ
ゲイ ・ ボルグ
刺 し 穿 つ 死 棘 の 槍
――――ドチャッッ――――
ラオウ「――――……」ブシュゥ…
ランサー「あのバーサーカーを倒した奴が……呆気ないもんだ」
グッ
ランサー「!?」
ガシッ
ランサー「な、馬鹿な!?」
ラオウ「今なら見えるぞ……うぬの姿が!」クワッ
凛「ラオウ!」
士郎「ラオウ!」
「さらばだ、戦友達よ」
ラオウ「天に滅せぇぇぇいッッ!!!!」カッ
天をも握る最強の拳
北 斗 滅 天 把
K O
――――ドゴォォォォォォオオオ…………
凛「ラオウ……」ペタン
士郎「消えちまったな」
セイバー「世紀末覇者拳王……その英雄譚、永久に語り継ぎましょう」
凛「……馬鹿、馬鹿っ、消えたら許さないって言ったのに……!」
士郎「遠坂、ラオウの最期って知ってるか?」
士郎「だから、誰にも看取ってほしくなかったんだと思う」
凛「なんで……グスッ、なんで士郎がそんな事知ってんのよ」
士郎「いや、夢で見たんだけど」
凛「夢の話でしょ!」
そう、これは夢
ある最強の男が見た、束の間の夢――――
士郎「ああ!」
凛「ええ!」
セイバー「ラオウ……私はもう一度、自らの力で――――」
世紀末覇者伝説 冬木の杯 完
次はジャギ様で頑張ります
絵師さんありがとうございました
ではお休みなさい
ラストバトル兄貴持ってきたのはナイスだった
いいもん見せてもらったぜ
ジャギwwwww
ジャギ様にも期待してる
滅茶苦茶面白かったよ
素晴らしかった
ジルドレみたいにジャギも幼少期から青年期はまともだったからな、楽しみだ
Entry ⇒ 2012.06.17 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
キャスター「焼肉というものには鮮度があります」
キャスター「真に美味しいタイミングとはお肉の表面から肉汁がでる、その瞬間のことをいいます」ヒックリカエス
キャスター「あっリュウノスケ、それ丁度いい具合ですよ」
龍之介「わかったよ旦那!」パクッ
キャスター「…いかがでしたか?瑞々しく新鮮なお肉の味は」
龍之介「最高だ!超COOLだよ旦那ッ!」
セイバー「」ジー
キャスター「おお、ジャンヌよ」
キャスター「このジル・ドレが焼いたお肉をお食べください」ペコリ
セイバー「ま、まあそこまで言うのであれば食べてあげましょう」パクパク
キャスター「おお!」
龍之介「よかったね!旦那ッ!」
セイバー「」ヒョイ
セイバー「む、これはまだですね」モドス
キャスター「っ!」
キャスター「…そうですね、今日は団欒の場ですし自重しましょう」
セイバー「あ、店員さんビビンバお願いします」
キャスター&龍之介「!!!」
ライダー「む?なんだ全然肉を焼いてないではないか」ドサドサ
キャスター「」
龍之介「ひでぇ…あんまりだっ……!」
ライダー「ぬ?どうした坊主」
ウェイバー「せっかくキャスターがきれいに焼いてたのに何をしてやがりますか!」
ウェイバー「これじゃすぐに肉が焼けてしまって美味しく食べれないだろ!」
ライダー「それに落ち着いて食べたいのであればあちらの席で食べればいいではないか」
―――
時臣「…」
切嗣「…」
綺礼「…」
雁夜「…」
アサシン「…」
時臣(…どんなときでも余裕をもって優雅たれ)
綺礼「」パクパク
切詞(誰よりも激しく食べているのに、この男はただの一度もご飯をたべていない)
切詞(こいつはきっと危険な奴だ…)
雁夜(蟲たちに食べさせたら店員に怒られるかな)
――――――
ウェイバー「じゃんじゃん焼いてがんがんたべよう!」
セイバー「む?まけませんよ!」
アーチャー「なんだこの安いお肉は?これで我をもてなそうと言うのかこの店は」
ライダー「そうかぁ?これらのお肉はなかなかの一品だぞ?」
アーチャー「それはお前が本当のお肉というものを知らぬからだ」
アーチャー「見るがいい!そして思い知れ、これが王の肉というものだ」
店員「すみません、お持込はご遠慮ねがいますか?」
アーチャー「あ、はい」
ライダー「んん?まあ次に持ち越しといったとこであろうな」
アーチャー「」パクパク
セイバー「しかしこの勝負負けませんよ?」
――――
ランサー「このままではお肉が…」
ランサー「我が主よ、ご決断を」
ケイネス「落ち着けランサー」
ケイネス「本編と同じミスは犯さないのが私だ」
バーサーカー「…ur…ar……ッ!!」
ライダー「むっ!狂化して理性がないくせに食べごろのお肉ばかりを!」
セイバー「クッ!!」クソコレハヤケテナイ
ウェイバー「なっ!セイバーのやつ煙をバーサーカーに…!」
バーサーカー「~~~~~~ッ」ゲホゲホ
セイバー「ふぅ、悪は去りましたね」
ケイネス「…ランサー、技の開帳を許可する」
ケイネス「そこのセイバーは危険だ、速やかに始末しろ」
ランサー「了解した。我が主よ」チャッ
セイバー「む、二膳の箸ですか」
セイバー(こいつ・・・なんと行儀の悪い…)
ランサー「…両手で箸使えたところで肉が焼ける速さは変わらずでして」
セイバー「」パクパク
ランサー「すみませんでした!!」
ケイネス「」
切嗣(…そろそろ頃合か)
切嗣(舞弥)
舞弥(はい)カタカタ
切嗣「む、すまない着信だ。失礼する」
切嗣「あ、店員さん、会計はあの人たちがしますので失礼します」
店員「ありがとうございました」
時臣「」
ライダー「なるほど」
おい
ウェイバー「な、なんだよ」
―――集えよ!我が同胞!
時臣「なっ!」ガタッ
時臣(綺礼は)チラッ
時臣(…流石は代行者、すでに居ないか)
―――店の外―――
綺礼「アサシン、食後は中華だ」ズリズリ
アサシン「」
バーサーカー「~~~~ッ」ビクンビクン
雁夜「~~~~ッ」ビクンビクン
時臣「なっ…これは一体…!」
セイバー「わ、わたしは知りませんっ」
セイバー「…たばすこと言うものをこの男の飲み物に入れただけで」
店員「あの?どうかしましたか?」
時臣(…あせるな時臣)
ケイネス「あせるな遠坂」
ケイネス「救急車を呼んでおいた…じきに来る」
雁夜「」ビクンビクン
救急隊員「うわぁ」
時臣「済みませんがよろしくお願いします」
救急隊員「あ、ご家族や親戚の方は?」
時臣(?!行ける!!!)
時臣「はい!私です、私が付き添いします」
救急隊員「え?はい、よろしくお願いします」
ケイネス「…行ったか」
ケイネス「…アインツベルンのサーバントよお金を持っているか」
セイバー「」ビクッ
ケイネス「だろうな」
ケイネス「令呪をもって命ずる…自腹を切れランサー」
灰燼―――
そう呼ぶにふさわしい惨状だった
その蹂躙ぶりは徹底的過ぎて、焼肉奉行の跡がうかがわせぬほどであった
龍之介「丹精込めて俺達が仕上げてきたお肉が…」
龍之介「酷すぎるっ!これが人間のやることかよ!」
キャスター「…リュウノスケ、貴方は他者と行く焼肉に潜む醜悪さについて、まだ理解がなかったのですね」
私達の創造は常に他人による破壊との相克という試練に晒されているのですよ
でも、旦那…それでも焼肉には行くんだろ?
…何故?
…奉行になって間もない貴方がなぜそのように思うのです?
だって世界には焼肉の美味しい食べ方をしらないやつが多すぎる
きっと神様が言ってんだよ、全世界50億人に焼肉を美味しく食べさせろって
…あぁリュウノスケ…まったく貴方という人は…
よろしい
ならばひときわ美味しく色鮮やかなお肉を世界に知らしめてやらねば!
また焼肉に行くんだね!?旦那!
そうと決まれば前祝です
今日の宴はとりわけ趣向をこらして味わうとしましょう
合点承知だ!食べられたやつのどれよりも美味しいお肉に仕上げるよ、俺!
終われ
ほのぼのおもしろかった
そんなにも食べたいか!そうまでしてロースが欲しいか!
この俺がたったひとつ願ったお肉さえ食べて…
貴様らは何一つ恥じることはないのか!
許さん…断じて貴様らを許さんッ!
…こんな感じの落ちだけは準備してたのにランサーさんには落ちすら与えられなかった
Entry ⇒ 2012.06.17 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
セイバー「食べ物が・・・ない・・・?」
アイリ「それがねー、財布をどこかに落としちゃったみたいなの。お屋敷の冷蔵庫も見たんだけど誰かが食べちゃったみたいで空になってしまっているし・・・」
セイバー(食べるんじゃなかったー!!)
セイバー「で、では明日から私たちの食べるものはないということですか・・・・・・」
アイリ「そうなっちゃうわね。困ったわ、切継と連絡が取れるというこの携帯も使い方は分からないし…」
アイリ「でも幸い私もセイバーも何も食べずとも生きてはいける体ですから、しばらくの間は辛抱してちょうだい。次に切継が帰ってきた時にまた頼んでおきますから」
セイバー「つ・・・次に切継と会うのは・・・?」
アイリ「状況によるでしょうけど二、三日は後のことじゃないかしら。それに、切継もいそがしいでしょうから些細なことであまり煩わせたくはないの」
セイバー「み、三日もご飯抜き・・・!!!」
セイバー「・・・」
セイバー「アイリスフィール」
セイバー「古来より戦場においてまず狙うのは兵糧でした。私たちも兵糧を奪われないよう必死に戦ったのもです」
セイバー「食糧とはすなわち戦の生命線。兵糧がきれることは戦いにおいて死を意味します」
セイバー「すなわち私たちは今この聖杯戦争において最大の危機を迎えているわけです」
アイリ「え?そんな大げさなことでm」セイバー「最大の危機を迎えているわけです!!!!」
アイリ「え、ええ・・・そうね・・・お願い・・・・・できるかしら・・・」
アイリ(セイバーが怖い・・・)
セイバー「任せてください!!!!」
セイバー「では行ってまいります!」
アイリ「まってセイバー」
アイリ「へそくりっていうのがしてみたくて、ポケットの裏に千円だけ隠しておいたんだったわ。これを使って」
所持金1000円
セイバー「1000円ですか・・・。私ひとりだけで使っても一食100円・・・」
セイバー「おにぎりだけですか、全然足りません・・・」
セイバー「やはりどうにかして金を稼ぐ必要がありますね」
セイバー「ん、あそこにみえるのは>>10」
アーチャー「ん?どうしたセイバー、いつもの威勢がないではないか」
セイバー「どいてください、私はお金を稼ぐのに忙しいのです」
アーチャー「・・・」
アーチャー「ハハハハハハハ、こいつは傑作だ。騎士王が金に困るとはな」
セイバー「ムッ、そんなあなたはお金を稼いだことはあるのですか」
アーチャー「無論だ。この世の金は全てオレのものだ、気が向けばオレの手の中にもどってくるさ」
セイバー「そういえば貴方は現代の服を持っていますが、そのお金はどこで手に入れたのです」
アーチャー「簡単なことよ、そこのパチンコ屋とか言うのの中に入れば金はいくらでも増える」
アーチャー「今も持ち金が少なくなってたので軽く10倍にしてきたところよ、なんなら特別に賜ってやってもいいぞ?」
セイバー「遠慮しておきます。しかし、パチンコとはいいことを聞きました。礼を言いましょう」
アーチャー「なに、構わんさ。ではオレはもう少し現世を見て回ることとしよう」
だが今のマスターのせいでセイバーの幸運は…!
セイバー「ひとまずアイリのへそくりの1000円を全て換金してしまいましょう。なに、どうせすぐに10倍になるのです」
・・・
・・・・・・・・・
セイバー「おお!何かよくわかりませんが、確変とかいうのがきました!!!」
セイバー「今がチャンスです。一気にたたみかけましょう!」
・・・・・・
セイバー「玉が最初の倍になりました!アーチャーもたまにはいいことを言いますね」
隣のおじいさん「嬢ちゃんいい台を選んだなぁ…。俺もその台にしておけばよかったよ」
隣のおじいさん「はぁ~今日はさっぱりだ、持ち金もなくなっちまった」
セイバー「・・・なんなら変わりましょうか?」
隣のおじいさん「え、えええ!いいのかいっ?!」
セイバー「困っている人を見捨てるのは騎士道に反します」
セイバー「それに、私の幸運があればどの台だろうと関係ありません」ドヤッ
持ち金 (2000円)
店員「ありがとうございましたぁ~」
セイバー「あと1000円・・・!あと、1000円さえあれば・・・っ!!」
セイバー「くぅっ、歯がゆいものですね・・・・・!!これはどうにかしてリベンジを果たさなければなりません」
セイバー「それはともあれ無一文になってしまいました」
セイバー「これではおにぎりどころかチロルチョコすらたべられません・・・」
セイバー「どうにかして金を手に入れなければなりませんね」
セイバー「おや、あそこにみえるのは>>30」
アーチャー「セイバーか。金は何倍になった?パチンコというのもたまには乙なものであったろう?」
セイバー「・・・アーチャー。英霊としてこのような頼みをするのは気が引けてなりませんが」
アーチャー「ん、どうした神妙な顔をして」
セイバー「少々ツキがわるかったようで軍資金がそこを尽きてしまったのです。そこで少々支援をいただけないでしょうか?」
セイバー「な、なに、今回はたまたま運が悪かっただけですから、次のパチンコで10倍勝ちした暁には倍にして返します」
アーチャー「ふむ・・・」
アーチャー「・・・いいだろうセイバー。特別に三万円ほど賜ろうではないか」
セイバー「本当ですか!?」
アーチャー「しかし、本当に倍にしてかえしてくれるのであろうな?」
セイバー「もちろんです、騎士の誓いにかけて」
アーチャー「だが、もしも・・・万が一だが、返さなかった場合はどうする?」
セイバー「・・・そんなことはありえませんが・・・そうですね、その時は何でもあなたの願いを一つ聞きましょう」
アーチャー「」ニヤッ
セイバー「かたじけない・・・!!」
セイバーの所持金 30000円(借金30000円)
・・・
セイバー「さて、リベンジです!!」
セイバー「騎士に撤退の二文字はありませんから、もちろん全額換金します」
セイバー「台ももちろん先ほどと同じ台にします!」
台「」
セイバー「待たせましたね、パチンコ台よ」
セイバー「今度こそ貴方には敗北の二文字を味わってもらいますよ」
店員「ありがとうございました~」
セイバー「こ、こんな馬鹿な話が・・・」
セイバー「一度の当たりを見ることすらなく、三万円が消し飛んでしまいました・・・」
セイバー「ふ、ふふふふふふふふふふふふふふふ」
セイバー「私の闘志に火をつけてしまいましたねパチンコよ」
セイバー「いいでしょう!今は笑いなさい!ですが、最後に笑うのは私です!!」ビシッ
凛「ママーあの人一人で笑ってるよー」
葵「しっ、見てはいけません」
セイバー「・・・・・・///」
セイバー「ごほん」
セイバー「それはさておきまた無一文になってしまいましたね」
セイバー「どうにかして・・・おやあれは>>50」
セイバーの所持金 0円(借金30000円)
セイバー「キャスタ・・・(会いたくない奴とあってしまった)」
セイバー「何か用ですか?あと街中でその単語を出すのはやめてもらいたい」
旦那「これは失敬、ジャンヌよ。用件はありませんが私は貴方の僕。あなたがお困りのことがあればなんなりとお呼びつけくださって結構ですよ」
セイバー「お困りのこと・・・?」
旦那「ええ、何でも構いません。なんなら敵のサーバントを撃破してその首を献上いたしましょうか?」
セイバー「いや、そんなことは今はどうでもいい」
セイバー「しかし、そうですね。キャスターあなた今いくらもっていますか?」
旦那「金・・・ですか?そうですね今はざっと10万ほどでしょうか?」
セイバー「じゅ・・・本当ですか!?」
旦那「ええ、いやなに龍之介の作品を高く買い取ってくれるいい理解者があらわれましてね。これから祝杯をあげようとしていたのですよ」
セイバー(龍之介・・・?それがキャスターのマスター?芸術でもたしなんでいるのでしょうか?)
セイバー(いや今必要なのはそんな情報ではありません。肝心なのはキャスターが大金を持っているということです)
セイバー(しかし、キャスターから借りていいものでしょうか?既にアーチャーにも借金をしていることですし・・・)
セイバー(もし借りるとしてもいくら借りましょうか・・・?>>65)
セイバー「やはりなにもありませんでしたキャスター。ひきとめてしまって申し訳ない」
旦那「そんなことはございません。ジャンヌと話せただけで私めにとっては至福のひとときでございました」
旦那「・・・」
旦那「あーそういえば昔ジャンヌに一万円借りてましたね?」
セイバー「え・・・いや、私はジャンヌでは・・・」
旦那「ここで返しておきましょう」
セイバー「・・・」
旦那「では私はこれで」
セイバー「キャスター、なかなかの人物だ」
セイバーの所持金 10000円(借金60000円)
セイバー「さて、人から金を借りないとなると稼がなくてはなりませんね」
セイバー「どうしましょう?>>85」
セイバー(しかし、仮にも王である私が靴磨きなどしていいものでしょうか・・・・)
セイバー「」ぐぅぅぅ
セイバー「今はなにより金を得ることが先決です」
セイバー「さっそく駅前にいきましょう!」
・・・・
セイバー「そこのお方、靴によごれがついています。これではせっかくいいスタイルなのに台無しですよ」ニコッ
男性「お、おお」
セイバー「私、靴磨きをしているものです。今では300円ですがいかがですか?」ニコニコ
男性「あ~~お嬢ちゃんみたいな綺麗な子にそんなこと言われたんじゃ断れないなぁ~」
セイバー「毎度ありです」ニコニコ
・・・・
セイバー「なんとか3000円稼ぎましたが、まだまだ足りませんね」
セイバー「あ、そこのお方靴もコートもボロボロですよ。せっかくだから磨いt」切継「セイバー、なにをしている・・・・・・・・・・・・・・」
5000円くらいなら払うわ
セイバーちゃん!
マスターに話しかけてもらえたよ!
セイバー(言えない・・・金に困って靴磨きをしていたなんて絶対に言えません・・・)
切継(思わずしゃべってしまった・・・)
切継(アイリはどこだ・・・というかこのサーバント今靴磨きとかしてなかったか・・・・・・?)
セイバー「・・・」
セイバー「なんでもありません!!私は私なりに聖杯戦争を戦っているだけです!!」
セイバー「では失礼します!!」ダッ
切継「なっ・・・」
切継(・・・・・・やっぱりあのサーバント駄目だ・・・)
・・・・・・・
セイバー「はぁはぁはぁ・・・」
セイバー「どうやら切継はうまくごまかせたようですね。流石私、ナイス機転です」
セイバー(考えてみればせっかく切継に出会えたのですから資金をもらえばよかったのでしょうか・・・?)
セイバー(いや、もし私がアーチャーに借金をしていると知られたらさらに切継との溝が深まることになる)
セイバー「まぁ過ぎたことを考えても仕方ありません。靴磨きはもう限界でしょうし、次は>>115をしましょう」
セイバーの所持金 13000円(借金60000円)
セイバー「そうなると、もう少しみずぼらしい格好に着替えないといけませんね」
・・・・・・・
セイバー「そこのお方・・・どうかお恵みを・・・」
通りすがりの男「あ?うるせえな、ばk・・・ほぉ、なかなかかわいいじゃねーか嬢ちゃん」
通りすがりの男「なんならお恵みと言わずおじさんが三万円ぐらいくれてやろうか・・・へへっ」
セイバー「ほ、本当ですか!?」
通りすがりの男「ただ何もせずに三万はくれてやれねぇなぁ・・・」
セイバー「交換条件ですか、一体何を?」
通りすがりの男「いわなくたって分かるだろ?ちょっとおじさんと遊んでほしいだけさ」
セイバー(私の体が目当てですね。こんなゲスの相手なんてまっぴらごめんです!)
セイバー「」ぐぅぅぅぅぅぅううううう
通りすがりの男「ははっ、お腹すかしてるのか?なんならおいしいご飯もごちそうしてやってもいいぞ」
セイバー「うぅっ」
セイバー(ちょっと突き合うぐらい構わない気がしてきました・・・。どうしましょう>>135)
通りすがりの男「ぎゃああああああああああああああああああ」
ウェイバー「ちょっ・・・ライダーやりすぎだって!死んだらどうするつもりだ!」
ウェイバー「というかなんでそっち轢いてるんだよ!せっかくセイバーを倒すチャンスだったのにぃ・・・」
ライダー「なに、しっかり加減はしてあるさ。まぁ静かにしておれ」
ウェイバー「もういいよ・・・好きにしろ・・・」ハァ
ライダー「まったく珍妙な格好をしていると思えば、乞食の真似事とは名に聞く騎士王が聞いてあきれるわい」
ライダー「貴様は王の器ではないとはいったが、まさかそこまで品がないとは思わなんだったぞ」
セイバー「ライダー・・・」
ライダー「大体な、セイバー。欲しいものがあるならわざわざくださいと頭を下げんでも奪えばいいではないか」
セイバー「奪う・・・」
ライダー「そう、略奪だ。略奪はいいぞぉ。胸がすかっとする」
ライダー「ほれ。こいつの財布だ。おお!なんと五万もはいっておる。」
ライダー「こいつもこれで少しは懲りるであろう」
セイバー「ライダー・・・かたじけない」
ウェイバー「セイバーを倒すんじゃないのかよぉ~僕たちなんのためにきたんだよぉ~~」
ライダー「闇討ちなどそんなちっぽけなことをしてどうする。ではな、セイバー」
セイバー「ライダー!!」
ライダー「なんだ?礼ならいらんぞ?」
セイバー「いや、それでも是非受け取ってほしい。これはせめてもの私の気持ちだ」
セイバー「エクス・・・」ピカアアアアア
セイバー「カリバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!」
ライダー「」
ウェイバー「」
セイバー「ふ、ふふふふふふふ」
セイバー「最初からこうしておけばよかったのですね」
セイバー「略奪とはいいことをききました。。。ふふふふ」
セイバーの所持金 63000円(借金60000円)
セイバー「ああああああああああああなんででないんですか!!!絶対この台はおかしいです!!このっ!このっ!!」
セイバーの所持金 160円(借金60000円)
台「ビービー」
店員「お、お客さま。台を殴るのはどうか勘弁してください」
セイバー「うるさい」シャキン
店員「ひっ」
セイバー「今すぐこの台を出るようにしなさい。さもなくば店が吹き飛びますよ?」
店員「ひいいいいいいいいい、わかりましたあああああああ」
・・・・
セイバーの所持金 80000円(借金60000円)
セイバー「八万ですか。途中で警察さえこなければもっと稼げたのでしょうが・・・」チッ
アーチャー「どうだセイバー?金は用意できたか?」
セイバー「アーチャー」
セイバー「いや、どうにも用意ができませんでした。覚悟はできています」
アーチャー「ハハハハハこれはいい!最高だ!」
セイバー「しかし、流石にここでは恥ずかしいので、あちらの丘で一時間後にまっていてもらえないでしょうか?」
アーチャー「本来ならばオレを待たすなど不敬極まりないが・・・今日のオレは機嫌がいいからな。特別に許してやろう」
一時間後
アーチャー「セイバーの奴、いつまで待たせるつもりだ」ソワソワ
セイバー「お待たせしましたアーチャー」
セイバー「エクス・・・」ピカアアアアア
セイバー「カリバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!」
アーチャー「」
セイバー「貴方にくれてやる金は1文たりともありません」
セイバー「さて、死体からゲートオブバビロンの鍵でも探しますか・・・」ゴソゴソ
切継「」ガタガタブルブル
セイバー「おや、みていたのですか切継。よろしければあなたも鍵探しを手伝ってほしいのですが・・・」
切継「ぜ、全力でお手伝いさせていただきます!!」
旦那「ジャンヌがまさかそんな・・・」
龍之介「だ、旦那。どうしたの?抜け殻みたいになって」
旦那「龍之介、我がマスターよ。もう私にこの聖杯戦争を戦う希望はありません」
旦那「すまない、龍之介」
龍之介「なにをいってんだよ旦n・・・あ、あれ?旦那どこに・・・行った・・・?」
・・・・・・・・。
雁夜「バーサーカー!!おい、バーサーカーどこいった!!」
雁夜「ぐっ虫があああああああああああああああああああああ」
雁夜「あ」
雁夜「」
・・・・・・・。
アサシン<<切継「ぜ、全力でお手伝いさせていただきます!!」>>
綺礼「どんな男かと思えば・・・ただのヘタレだったか」
綺礼「となれば、もはやこの戦争を戦う意味はないな」
---「令呪を持って命ずる。すべてのアサシンは今すぐに自害せよ」
おしまい
そこまでに(ry
SSF
Entry ⇒ 2012.06.16 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
雁夜「葵よりも桜の方が可愛くね」
桜「お、おじさん、何、してるの……」
雁夜「あ、違うんだ、これは、ちょっと、ね」
桜「わたしの名前、いってた?」
雁夜「ち、違うんだ。サフランって言っただけだよ」ニコ
桜「……」サササササッ
雁夜(行ったか。ふぅ、何とか誤魔化せた)
雁夜「しかし見れば見るほど桜の方が可愛い。大きくなったらこれはもう絶対美人だな」
雁夜「吸血鬼、盗み見とは関心しないな」
臓硯(え? バレとる?)
雁夜「俺と桜の仲を引き裂いたら、殺すぞ」ギロッ
臓硯(……今ここで殺さなければいけない気がするのう……)
臓硯「バレとったか。しかし雁夜よ、桜はもう生娘ではないぞい。それまだ子供ではないか」
雁夜「構わない。俺がありとあらゆる愛を注いでやるから」
臓硯(こんなんが子孫だと思いたくないのう……)
雁夜「吸血鬼、さっきのを見なかったのか?」
臓硯「?」
雁夜「おじさん素敵!って目だった。桜は確実に俺に惚れてる。フフフッ」
臓硯「」
雁夜「聖杯戦争に勝ったら、『桜と俺が永遠に結ばれる』と言う願いを叶えよう……」
臓硯「……」
雁夜「お前の願いは次の聖杯戦争で叶えてやるから、まぁ我慢しろ」
臓硯「フンッ、まぁ少しの間様子を見させて貰うとするかのう」
臓硯(心配じゃから後をつけるとするかのう)スゥ
雁夜「や、やぁ桜……」
桜「えっ」ビクゥ
雁夜「な、何か飲みたいものとかないかい? (俺の)ミルクとかそういうのさ」
桜「べ、べつに、いいです……」
雁夜「遠慮しなくて良いんだよ……」スゥ
桜「い、いいです」サッ
雁夜(チッ、頭をぽんぽんしてやろうと思ったら逃げやがった)
桜「……ごめんなさい」
雁夜「ど、どうして謝るんだい」
桜 タッタッタッタッ
臓硯(どうやら安心して良さそうじゃの。桜は確実に雁夜を嫌っておる)
雁夜「……まったく、桜は照れ屋さんだなぁ」
臓硯(……超度級のバカとはこいつの為にある言葉かもしれんのう)
雁夜「あともう少しだ」ブツブツ
ガリガリガリガリ
臓硯「何しとるんじゃ」
雁夜「ふんっ、見て分からんのか。結婚指輪を作ってる」
臓硯「は?」
雁夜「桜と俺の結婚指輪さ……」ガリガリガリ
雁夜「俺と桜は結ばれるのだから……フフフッ」
臓硯「……現実を教えてやろう。良いかえ雁夜、桜はお前を嫌っておる」
雁夜「……え、全然聞こえない何て言ったの?」
臓硯「だからのう、桜は」
雁夜「あっ、ダメだ全然聞こえない」
雁夜「……あぁ、好きにさせて貰うよ……桜ぁ……」
桜「……」チラッ チラッ
雁夜「さくらぁ……」ガリガリガリ
桜「あ、あの……よびました?」
雁夜「っ!? い、居たのかい、桜」ニパァ
桜「あ、いや」
雁夜「おいで桜。俺の膝の上にでも座ると良い」グイッ
桜「やっ……」パシッ
桜「あっ……ご、ごめんなさい……」
雁夜「いや……良いんだよ桜」
士郎「「さーくーらーちゃーん!あーそーぼ!」」
雁夜「外から、声が聞こえる……誰だ」
桜「し、士郎くんの声だ!」
雁夜「誰だい?」
桜「おさんぽしてるときに仲良くなったんです……行かなきゃ」
雁夜「ダメだ」グイッ
雁夜「あっ、」パッ
桜「……ご、ごめんなさい。やっぱり行かないです……」シュン
士郎「さーくーらーちゃーん! いないのー!」
雁夜(俺は……こんな桜は見たくない……笑顔の桜が良いんだ……)
桜「……」シュン
雁夜「いや、ごめん。行くと良い。大事な『友達』なんだろう」
桜「……良いん、ですか」
雁夜「あ、あぁ。行くと良い。『友達』の所に」
雁夜(俺も心の狭い恋人ではない。それぐらい許すさ)
桜「士郎くーん!今いくー!」ニパァ
雁夜(良い笑顔だ……俺はこの笑顔が見たかったんだ)
桜 タッタッタッタ
雁夜(どこの馬の骨かは知らんが、小僧、感謝する)
雁夜(まぁもっとも、桜は俺のものだがな)
士郎 オッ、桜 キョウ モ カワイイ ナ
桜 エッ、ホントウ ニ? アリガトウ////
雁夜「と、友達だからああいう表情を見せているに過ぎないはずさ……」チラッ
桜 エッ
士郎 オレ ハ シロウダ オマエハ
ワカメ 桜 ノ 兄サ
雁夜「ん? あのワカメ頭……確か甥っ子の、ワカメ」
ワカメ 桜 ノ 分際 デ 色気ヅキヤガッテ
ドガッ
桜 イタッ ビエエエエエン
雁夜「あんのわかめええええええええ」
ワカメ テメェ! ヤッタナ!
雁夜「待ってろ桜ァアアアアアアア」ドドドドドドドドドッ
バァアアアアアン
士郎「だ、誰だ!」
桜「びえええええん」
ワカメ「何だ我が家から逃げ出したウンコじゃないか」
雁夜「おいワカメてめぇ桜泣かせたなオイコラ」ドガッ
ワカメ「グエェエエ びえええええええん」ワンワン
雁夜「ふん、甥っ子の分際で生意気な事するからだボケ」
雁夜「さぁ、桜、もうあんし……」
士郎「だいじょうぶか桜!」サスサス
桜「ありがと士郎くん……」ヒックヒック
雁夜「」
雁夜「あっ、いや、良いんだ……ハハッ」
桜「……」ひっくひっく
士郎「あるけるか?桜」
桜「うん」
テクテクテク
雁夜(俺って一体……)
ワカメ「おじーちゃーん! ウンコがぼくの事いじめるよぉおおおお!」ビエエエエン
臓硯「……雁夜、ちょっと来なさい」
臓硯「ワカメをいじめるのは、許さんぞい」
雁夜「聞くが、桜とワカメ、どっちが大事だ?」
臓硯「そりゃ桜じゃろ。珍しい固体なんじゃから」
雁夜「なら別にワカメなどどうなっても良いだろう」
ワカメ「えっ」
臓硯「それもそうじゃな。ま、殺さん程度にな」
ワカメ「はえ」
雁夜「ふん、ガキをいたぶる趣味はない」
雁夜「桜ぁ……君の心は俺から離れていくばかりなのかい……」
コンコン
雁夜「吸血鬼……空気読めよ……」
桜「さ、さくらです……」
雁夜(何か、もう全部がどうでも良くなってきた……)
雁夜「桜かい……士郎くん、だっけ。彼は良いね、強い子だ」
雁夜(俺何言ってんだ)
雁夜「彼の様なボーイフレンドは大事にするんだよ」
雁夜(あーあ)
雁夜「……何がだい」
桜「た、たすけていただいて」ガチャ
雁夜「……入って良いと言っていないのに、勝手に入るのは礼儀に反するよ、桜」
桜「ご、ごめんなさい……」
桜「な、ないてるんですか……?」
雁夜「目に、ゴミが入っただけさ……今日ももう遅い、寝た方が良い」
桜「あっ、はい、お、おやすみなさい」
雁夜「あぁ、おやすみ、桜」
雁夜「……俺は、泣いていたのか……」
雁夜「……鏡で見てみるか」ヒョイ
雁夜「フフフフッ、フハハハハハ」
雁夜「……号泣してるじゃないか、俺……」
雁夜「クソッ! クソッ!」
桜(わるいおじさんじゃ、無いんだ……)タタタタッ
ワカメ「ひぃいい、さ、桜ァ」ビクゥ
桜「ひっ」ビクゥ
ワカメ「お、俺に近づくな、分かったか、ぜ、絶対だぞ……」スススススッ
ワカメ(こ、こいつと関わるとまた殴られるかも知れん……)
桜 コクコク ススススッ
臓硯(ワカメは左壁に、桜は右壁に背をくっ付けながらすれ違うとはこれまた珍妙な光景じゃのう……)
臓硯(ちと可愛そうかのう)
士郎「さーくーらーちゃーん!」
雁夜「フハハハハっ、ボーイホレンドのお出ましときたモンダミン」
雁夜「ブハッ、今のちょっと面白くなかった?」
臓硯(壊れるのは聖杯戦争が始まってからにして欲しいんじゃがのう……)
雁夜「ハヒッ、フヒ……」ヒックヒック
コンコンコン
桜「お、おじさん、あ、遊びに行ってきます……」
雁夜「……気をつけるんだよ……」ヒックヒグッ
桜(まだ泣いてる……どこかいたいのかな)
雁夜「もう聖杯戦争とかどーでもいーや」
臓硯「ちょっとちょっとそれは困るぞい」スゥ
雁夜「うおっ!!」
臓硯「折角色々用意してたと言うのに」
雁夜「……でも、もう桜の心に俺はいない……」
臓硯(最初からいなかったと思うんじゃが)
臓硯「気にするでない。女の心は秋の空とはわしが作った言葉じゃ」
雁夜「……そんなどうでも良いぷち情報とか誰得だよマジで」
桜「今日はね、お花のかんむり作りたいな」
士郎「良いけど、そんなのつくってどうするんだ?」
桜「おじさんね、元気ないから、あげたら喜ぶかなって」
士郎「おじさんって、昨日たすけてくれた人か?」
桜「うん」
士郎「そっか、きっと喜ぶよ! かわいい桜がつくるんだからさ」
桜「うん////」
雁夜「あーあーもうやーだー」
臓硯「ハァ……」
雁夜「部屋から出るの面倒くせぇ」
臓硯「良いから行くんじゃ」シッシッ
雁夜「はいはい俺は邪魔なんだろ知ってるよ出て行きますよハイハイ」
臓硯「ハイは一回じゃ。あ、それと夕飯までに帰ってくるんじゃぞ」
雁夜「ハーイハイ」スタスタスタ
雁夜「ったく、口るせぇな」テクテクテク
ドカッ
雁夜「何だ?」
凛「なにぼーってしてんのよ! 死ね!」
雁夜「ひぐぅうううう」
雁夜「き、金たまはやべぇ……」
凛「って、おじさん?や、やっばい、逃げないと……」タタタタタッ
雁夜「な、何だアイツ……赤服ツインテールのガキィイイ!」
雁夜(しかしどっかで見た事ある気がする……)
雁夜「し、しかし、ひぎぃい金たまぁああああ」
臓硯「何じゃ内股で歩きおって」
雁夜「ちょっとな……」
臓硯「女にでもなりたくなったかのう」
雁夜「ち、違う」
臓硯(聞かないでおいてやるかのう……)
雁夜「べ、ベッド……」ヒョコヒョコ
ドサッ
雁夜「ふ、ふぅ……ったく、酷い目にあった……」
雁夜「そうかっ、凛ちゃんか!」
雁夜(でもあんなに暴力的な子だったっけ?)
雁夜「うーむ謎は深まるばかりだ……」
雁夜「まぁ良いさ……きっと見間違いか何かさ……」
コンコン
雁夜「誰だい……俺はもう眠くて仕方ないんだ……」
桜「さ、さくらです」
雁夜「桜……もう寝なさい。夜も遅い」
桜「お、おじさんにこれ、ど、どあの前に置いておきます」
桜「お、おれいです。おやすみなさい」タッタッタッタッタ
雁夜「花の、かんむり?……」カサァッ
雁夜「手紙?」
おじさん、ありがとう!
雁夜「桜……」
しろうくんといっしょにつくりました。
雁夜「oh......」
雁夜「……被って、見るか」ヒョイスポ
雁夜「はははっ、何だか、途端に間抜け面になったなぁ」
チュンチュン
凛(昨日雁夜おじさんにしつれいなことしちゃった……謝らないとだよね)
凛 コソコソコソ
雁夜「いざーすーすーめーやーキッチン」
凛「へたくそ……」
雁夜「ん? 今、どこかで誰かが俺の歌をへたくそと言った様な気が……」
凛(えっ、聞こえちゃったの……出るに出れないよぉ)
雁夜「気のせいか」
雁夜「ハァ……」ギコギコ
凛(昨日蹴ったところがまだ痛むのかな……)
凛(謝らないと……よし!)
ヒョイ
凛「雁夜おじさ~ん!」
雁夜「ん?凛ちゃんかい……」
凛「お、お久しぶりです!」
雁夜(お久しぶりって事は、昨日のは凛ちゃんじゃなかったのか……)
凛(やっばー……お久しぶりって、昨日の謝りづらいよ)
凛「え、えーと」
凛(かくじつに疑われている……)
凛「ち、ちぇすしてました!」
雁夜「あ、そうなのかい。ごめんね。何か」
凛「い、いえ!」
雁夜「そうだ、凛ちゃん、お腹すいてないかい?」
凛「え?」
雁夜「何か甘いもの奢ってあげるよ」
凛「い、いいんですか?」ゴクリッ
凛「はい!」
雁夜「はははっ、凛ちゃんはいつも元気だね」
凛「でも、ほんとにいいんですか?」
雁夜「あぁ良いよ。特にお金使う用もないしね」
雁夜「凛ちゃんの笑顔が見れればそれで良いさ」
凛「えっ/////」
雁夜「どうかしたかい」
凛「いえ//////」
雁夜「はははっ、本当においしそうに食べるねぇ」
凛「あっ、食べ方、汚かったですか?」
雁夜「いやいや、そんな事ないよ。綺麗に食べれてるよ」
凛「あ、ありがとうございます////」パクパクパク
雁夜「ただちょっと早く食べ過ぎてる様な気もするけれどね。そんなに急いで食べると
お腹冷えちゃうよ」
凛「大丈夫です!多分」ゴロゴゴロ
凛「っ!?」
凛(でも大丈夫って言っちゃったし……)
雁夜「どうかしたかい?」
凛「……い、いえ」ヒョイ……パ……ク
雁夜(何か様子がおかしいな……お腹でも壊したかな)
凛(おなかいたいって恥ずかしくていえないよぉ……)
雁夜「な、何か冷や汗かいてるけど、本当に大丈夫かい?」
雁夜(どうにかしないとな……女の子だし、恥ずかしくて言い出せないんだろう)
雁夜(かくなる上はっ!)
雁夜 パクパクパクパク
凛「っ!?」
雁夜「あ、い、いたたたた、い、一気に食べたら、お腹痛くなっちゃった……」
雁夜「り、凛ちゃんは大丈夫かい?」
凛「……わ、私もちょっと、痛い、です……」
雁夜「あたたた、じ、じゃあ一緒だね、あっ、トイレ行かないと!ごめんね」タタタタッ
なんという紳士
雁夜(ふぅ……さて、今のうちに正○丸買ってくるか)タタタタッ
凛「うー、まだお腹痛い気がする……」テクテク
雁夜「お帰り、お腹大丈夫?」
凛「あっ、はい、一応……」
雁夜「これを飲むと良い。お薬だよ。苦いけどね」
凛「あ、ありがとうございます」ヒョイゴクン
雁夜「……何だか、ごめんね」
凛「か、勝手に食べちゃったの私ですし、あ、謝らないでください……」
凛「に、にがぁ……」
雁夜「はははっ、でも良薬口に苦しと言うからね。きっと効くよ」
凛「は、はい……」
雁夜「さぁ、乗って」スッ
凛「え?」
雁夜「歩いたら、もっと具合悪くなるかも知れないからね」
凛「で、でも、おんぶなんてもうそんな歳じゃ」
雁夜「ハハハハッ、大丈夫だよ。凛ちゃんは軽いからそんなに苦でもないしね」
凛「////」
凛「じ、じゃあちょっとだけ」ダキッ
凛「むにゃむにゃ」スヤスヤ
雁夜「しかし、何の不安も無さそうに眠るなぁ凛ちゃんは」
雁夜「俺がロリコンだったら大変なことになっちゃうぞ」
凛「雁夜おじさぁん……むにゃむにゃ」
雁夜「悪い気はしないな……」
葵「あっ、雁夜君。背中のは……凛?」
雁夜「葵さん……あっ、ちょっと静かに。凛ちゃんが起きちゃう」
葵「凛重かった?」
雁夜「いや、全然、凄く軽いよ。ただ、そのちょっとこれから行かなきゃいけない所があって」
雁夜(このまま遠坂家に行くと時臣と会ってしまうからなぁ)
葵「そう、じゃあ」モゾモゾ
雁夜「ごめんね凛ちゃん」ゴソゴソ
雁夜「それじゃあ」
葵「またね」
葵「……雁夜くんも好かれたものね……」
雁夜「ふぅ……」
臓硯「どうした雁夜。いつになく純真な瞳じゃな」
雁夜「少しだけ、心が洗われた気がした」キラキラ
臓硯「……」
臓硯(とうとうクルクルパーになってしもうたのかのう……)
桜「……」チラッチラッ
雁夜「あっ、桜。お花のかんむりありがとうね……」
桜「う、ううん」ブンブン
凛「雁夜おじさん無職になったから冬木市に戻ってきたってお母さんから聞いたわ」
凛「きっとすんごく落ち込んでるはず」
凛「私が何とかして慰めてあげないとっ!」グッ
士郎(ん? うわぁ、すんごい可愛い子だなぁ)
士郎「ね、ねぇ」
凛「?」
士郎「き、君、お名前何て言うの?」
凛「……知らない人とお話するなって言われてるの……」
凛(あっ、このへたくそな歌、雁夜おじさんだっ!)
雁夜「ん?」
雁夜(あそこに居るのは……凛ちゃんと……確か、桜と一緒にいた、士郎くんだな)
雁夜(プレイボーイだなぁ~俺とは天と地の差だ)
雁夜「まぁ良いか俺はどうせ死ぬまで童貞だ」
雁夜「士郎くんとやら、俺の分まで頑張ってくれ」
凛「か、雁夜おじさ~ん!」
凛「き、今日暇ですか!」
雁夜「う~ん」
雁夜(少年少女の間柄に割り込むのも気が引けるしなぁ)
雁夜「ごめんねぇ用事があるんだ」
凛「そうですか……」シュン
雁夜「ほら、ボーイフレンド待たせてないで、彼と遊んできなさい」
士郎////
雁夜「あっ、そっか。ほら、お金」サッ
雁夜「おじさん今無職だから、千円しかあげれないけどね」
雁夜「いやでも、子供だと、ほら、お小遣いとか使うのも一大事だろう?」
凛「こども……」シュン
雁夜「なぁに大丈夫さ! おじさんねぇ、すぐに職見つけるからね」
雁夜「お年玉とか、期待してて良いよ」
雁夜「じゃあ士郎、くん、だっけ?」
士郎「は、はい」
雁夜「凛をよろしくね」ニコッ
士郎「は、はいっ!」
雁夜「じゃあね」テクテク
凛「……」
士郎「り、凛、ちゃん?」
凛「雁夜おじさん……」シクシク テクテク
士郎「な、泣いてるの? な、なんで?どこか痛いの?」
凛「ついてこないで!」
士郎「っ!? 泣いてる女の子を放ってなんておけないよ!」
士郎「凛ちゃん……」
雁夜「あ~げ~た~ら~コロォッケだ~よ~」
雁夜「はぁ、コロッケ食いたい」
雁夜「しかし一番空腹なのは心の方だ」
雁夜「心の隙間を誰か埋めてはくれぬものだろうか」
雁夜「はぁ」
雁夜「思えば俺の人生、ロクなもんじゃなかったな」
雁夜「幼馴染にストーカーしたかと思えばその娘の桜を好きになってみたり」
雁夜「はぁ」
葵「どうしたの? 凛」
凛「雁夜おじさんがぁあああ」
葵「……雁夜君が、何かしたの?」
凛「わたしのことこどもだってぇえええ」
葵「へ?」
凛「うわああああん」
葵「えーと、つまり、凛は、雁夜君に子供扱いされたくないと」
凛「うん」ヒックヒック
葵「う~ん」
葵(それはちょっと無理なんじゃないかな~)
雁夜「はぁ、財布の中身も既に無くなりつつあるというのに」
クルッポー
雁夜「公園の鳩の為にエサを買ってしまった」
クルッポー
クルッポォオオオオオオ クルッポオオオオオ
用務員「アアン? お前さん、何やっとんじゃ!」
雁夜「え?何って、鳩にエサ」
用務員「勝手にやるんじゃないよ全く! 鳩がたむろしちまうと、羽は落ちるわ糞はたまるわで
わしらの仕事が増えるんじゃ!」
雁夜「は、はぁ、すいませんでした……」
用務員「フン!今回だけは大目に見ちゃる。とっとと鳩にエサやっちまいな」
雁夜「あ、ありがとうございます」
雁夜「ほら、お食べ」ポイポイ
士郎(でも、泣いてたし、何とかして元気にさせてあげたいなぁ)
士郎「ん? 何だろうあの鳩の群れ……って、あの人、確か桜ちゃんの所の……」
士郎「エサ、あげてるんだ……そっか、鳩!」
士郎「す、すいませ~ん!」
雁夜「ん? あぁ君かい。士郎くん」
士郎「い、いきなりですいませんけど、お、お願いがあって」
雁夜「……何だい、お金以外の相談なら乗るよ」
士郎「あの、その鳩のえさ、譲ってくれませんか?」
士郎「いえ、実は、あの、凄く好きな子が、泣いてて、何とか元気にしてあげたくて」
雁夜「……」
士郎「それで、鳩とか集まってきたの見せたら、元気出るんじゃないかなって」
雁夜「……なるほど」
雁夜「ほら、持って行きなさい」サッ
士郎「あっ、ありがとうございます!」ペコ
タッタッタッタ
雁夜「一生懸命な子だなぁ」
葵(雁夜君?子供に鳩のえさあげたりなんかして大丈夫なのかしら。無職なのに)
凛「ぶらんこで遊ぶの飽きちゃった……」ギィ ギィ
士郎「り、凛ちゃん!」 ハァハァ
凛「っ!?」
士郎「ちょっ、ちょっと来て!」グイッ
凛「ちょ、ちょっと!」
タッタッタッタッ
凛「何、何するの!」
ジョロロロロロロオ
雁夜「ふぅ、スッキリ。さて、と?」
士郎「はぁはぁ。見てて、凛ちゃん!」ポイポイ
クルッ、ポ クルッ、ポ パクパク
凛「鳩、さん」
士郎「可愛いでしょ!このエサあげると、近寄ってくるんだよ!凛ちゃんもあげてみなよ!」
凛「う、ん」
雁夜(……凛ちゃんたちが居なくなるまで、出ないでおこう。でもトイレくっさぁ……)
凛「た、食べたぁ!」
士郎「可愛いでしょ?」
凛「うん!」ニパァ
士郎「凛ちゃんはもっと可愛いよ!」
凛「え? あぁ、ありがと」
凛(いきなり可愛いとか言ってくるのは危険な男ってテレビでやってた……)
凛(危険な男の子ね、この男の子は……)
士郎(ゆ、勇気を出して言ったぞ!君の方が可愛いって!テレビだと女の子は
これでイチコロだって言ってた!)
雁夜「はぁ」
用務員「わけぇの。ため息ばっか付くと幸せが逃げるぞ」
雁夜「うぁお! な、何してるんですか!」
用務員「何って掃除だよ。見て分からんか」
雁夜「あっ、いや」
雁夜(掃除してるのにこの臭さとかヤバくないか……)
雁夜「ご苦労さまです」
用務員「おうよ」
雁夜「は、はぁ」
用務員「ガキの恋愛の助け舟出してやるとはな」
雁夜「は?」
用務員「見てたぞ。あの男の子に鳩のエサ、くれてやってただろ」
雁夜「え、えぇまぁ」
用務員「今時、そんな粋なこと出来るヤツぁいねぇ」
雁夜(何か良く分からん勘違いされてるなこれ)
凛「私、もう帰らなきゃ」
士郎「ま、待って!」
姉御系か…
凛「やっ、手、離して!」
士郎「お、俺は!君が好きなんだ!」
雁夜「……さぁて、お邪魔虫はそろそろ居なくならないと」ササササッ
凛「……えっ?」
士郎(い、言ったぞ……)
凛(今、おじさんが……ウソでしょ……)ボロボロ
士郎(う、うれし泣き!?成功!?)
凛(か、勘違いされちゃう! 私、違う!やだぁああ)ボロボロボロ
雁夜おじさんと藤ねえがくっつく展開を
出番が欲しいのは分かるけど少し落ち着こうか虎
雁夜「はぁ」
キリトゥグ「ん? アレは、確か間桐の……」
キリトゥグ「……ずいぶんと疲れきった顔をしているな……」
雁夜「何かなぁ……死にたい」
キリトゥグ(放っておいても害は無さそうだな)ササササッ
雁夜「ガンダムとか乗って見たいなぁ」
桜「……」
雁夜「ん? 桜かい?」
桜「」ビクゥ
桜「し、士郎くんが……」
雁夜「士郎くん?あ、あぁ、彼なら確か凛ちゃんと……」
桜 ピク
雁夜(……もしかしてヤバかった?)
雁夜「いや、気のせいだったかも知れない。彼なら、鳩にエサやってるよ」
桜「そ、そうですか」ニパァ
雁夜「ただ、エサやりに夢中な様だったからね、今日はそっとしておいてあげよう」
桜「は、はい」
雁夜「じゃあ帰ろうか」
タタタタタタッ
士郎「そ、そんなっ!」
士郎(これは……何かの間違いだよ……)ショボン
テクテクテク
桜「……あっ!」コケ
雁夜「大丈夫かい?」パシ
桜「あ、ありがとうございます」
雁夜「いやいや、気をつけないとね」
凛「おじさん、どこ行ったんだろ……」キョロキョロ
雁夜「危ないからね、手繋ごうか」
雁夜「嫌なら、そう言ってくれて構わないよ」
桜 フルフル
桜「ち、ちょっとだけ」ギュ
雁夜「さぁ、帰ろうか」ニコッ
雁夜(全てがどうでも良くなってきた……)
雁夜(桜と士郎くんの恋、応援するかな)
雁夜(いや、そういえば士郎くんは凛ちゃんが好きなんだよな?)
雁夜(俺は一体誰を応援すれば良いんだ?)
雁夜 ウーン ウーン
桜「ま、まだ具合悪いんですか?」
雁夜「あ、いや、そうじゃないんだ。ちょっとね、考え事を」
雁夜「大人になるとね、色々考えてしまうんだ」
凛「えっ、さく、ら?」
凛「……」
凛「桜は、おじさんの所に行ったから、」
凛「おじさんとは、何でもなくて」
凛「……家族だから、手繋いでるだけ、だよね」
凛「……」ヒックヒック
凛「きっとそうなんだぁ」ボロボロボロボロ
雁夜「むっ!」
雁夜「今、誰かの視線を感じた様な……」バッ
凛「ひっくひっく」
葵「凛、どうしたのこんな所で」
凛「おじさんとられちゃううう」ヒックヒック
葵「……大丈夫、雁夜君は、きっと凛の事大切に思ってると思うよ」
凛「一番じゃないとやらああああ」ヒックヒック
葵「あらら」
葵(雁夜君……何時の間に罪作りな男に……)
士郎「次だ、次! 男は、何回もアタックしないと」ヒック
士郎「だめだって……」ヒックヒック
臓硯(妙に達観しているというか、悟りを開いておる……)
臓硯(いきなりやっぱやーめーたとか言い出さないといいんじゃが)
臓硯(まぁ、ワシは5次に賭けるつもりじゃから、別に雁夜がやめてくれても構わんのだが)
臓硯(ふむ……)
雁夜「親父、ただいま」
臓硯「う、うむ」
臓硯(呼び方が急に……)
臓硯(一体どういう心境の変化なんじゃ……)
雁夜「ワカメ、あの時は殴って悪かったな」
ワカメ「や、やっと謝罪かよ」ビクビク
雁夜「でも女には暴力を振るうなよ」
ワカメ「う、ウンコが偉そうに説教たれるな!」ビクビクビクン
雁夜 スゥ
ワカメ「ワヒィイイ」ドザァアアア
雁夜「何もしないさ」ポンポン
ワカメ「はへ?」
桜(ざまぁ見ろクソワカメヘッド)
次の日
雁夜「さて、何をしようか」
雁夜「就職活動とか、やる気が起きないな」
雁夜「あぁ、おはようございます」
近くの爺さん「ん、おはよう」
雁夜「いやぁ、調子どうですか」
近くの爺さん「全然さ。息子は東京に行ったきり帰ってこんしな」
雁夜「おーバイクか」
近くの爺さん「あぁそうじゃった!」
雁夜「はい?」
近くの爺さん「東京に行った息子がのぅ、上京するのに持ってはいけんからとバイクを処分
しててくれと置いて行ったんじゃ」
近くの爺さん「雁夜くん、良かったら貰ってやってくれないか」
雁夜「い、いいんですか。そんな大切そうな」
近くの爺さん「何構わんさ」
雁夜「はい」テクテク
近くの爺さん「これじゃこれ。何ていうバイクなのかは知らんのじゃが、雁夜くん
知っとるかい?」
雁夜「ふうむ……cb400sfですか。悪くはないバイクですね」
近くの爺さん「おぉ、知っとるのか」
雁夜「え、えぇはいまぁ」
近くの爺さん「ならほれ、カギもあるし、書類もホレ」ポイ
雁夜「いやでも、頂いても本当に良いんですか?」
雁夜「それなら、ご好意に甘えさせて頂きます」
カチ クル
雁夜「まさかのバッテリー切れ」
雁夜「すんません、これどれくらい動かしてないですか?」
近くの爺さん「えーと、二年くらいかのう」
雁夜「……すんませんこれ運ぶの手伝っていただけますか」
近くの爺さん「軽トラに積んでも大丈夫かのう」
雁夜「大丈夫です。すいませんなんか」
雁夜「しかし、二年も放置してたとなると、これはもうキャブとかオーバーホールしなきゃ
いけないだろう」
雁夜「……」
雁夜「親父、工具買うから小遣いくれ」
臓硯「……いくらじゃ」
雁夜「5万くらい」
臓硯「……高っ」
臓硯「ほれ」ポイ
雁夜「すまないな」ピリリ
雁夜「っ!?親父、10万も、良いのか?」
臓硯「もってけ泥棒と言う言葉があってのう」
雁夜「……」
臓硯「ふん」
雁夜「さて、工具も買った事だし、直すとするか」
それともおじさんほしさに凛が始めちゃうか
雁夜「うげぇえええガソリン腐ってる……匂いがやばい」
雁夜「半端なくヤバイ」
桜(なにやってるんだろう……)
臓硯(もうコイツ放っておいたほうが良いのかもしれん)
雁夜「はぁ、意外と修理って大変なんだよなぁ」
カチャンカチャン
士郎 ジー
雁夜「ん?」
士郎「あっ、いや、機械とか」
雁夜「好きなのかい?」
士郎 コク
雁夜「……手伝うかい?」
雁夜(桜も喜ぶだろう)
士郎「いいの?」
雁夜「あぁ、良いよ」
士郎 パァアア
士郎「分かんない」
雁夜「これはね、キャブレターと言うんだ。ガソリンタンクから、ここを経由してエンジンに
ガソリンが行くんだ」
士郎 コクコク
雁夜「……説明するよりも、実際やった方が早いかもね」
雁夜「さぁ、やってみようか」
カチャカチャチャ
雁夜「このこいろいろとおかしい」
雁夜「これは将来は工学博士だね」
雁夜「君の将来はこれしかない」
士郎「そう、かな?」
雁夜(いやだってこれもう天才でしょう)
雁夜「取りあえず今日はここまでね」
士郎「続きは何時ですか!」
雁夜「士郎くんの都合の良い日に再開するよ」
士郎「じゃあ明日!」
雁夜「レストア作業が全部終わってしまった……」
雁夜「一週間はかかると思ってたんだが」
雁夜「まさかの士郎君の天才ぶりのおかげで助かったよ」
士郎「俺も色々勉強できて楽しかったです!」
桜 ジー
雁夜(桜も喜んでた様だし、バイクも早く治ったし、結果的に大成功かな)
雁夜「士郎君、君はプレゼントがある」
士郎「何ですか!」
バッ
士郎「これって……」
雁夜「モトクロッサーだよ」
雁夜「少年向けのだけどね」
士郎「い、いいんですか」
雁夜「うん。手伝ってもらったからね」
雁夜(親父の金だし)
士郎「うわぁー嬉しいなぁ!」
ブロロロロロ
士郎「いや、勉強までさせてもらった上に、何か頂いちゃって、本当ありがとうございます!」
雁夜「いやいや、良いんだよ」
雁夜(この子が有名になったら、俺雑誌とかに乗るのかな)
雁夜(この子を導いた男、とかって感じに)
雁夜(……そんな先の事考えても、意味ないか)
雁夜「じゃあね。暇な時にでもまた桜と遊んでやってくれ士郎くん」
士郎「あ、ハイ!」
ブロロロロロロ
雁夜「少し寄り道してこうかな」
雁夜「あっ、そこのファミレス」
雁夜「凛ちゃんがお腹壊しちゃった所だ」
葵「ん? あっ、雁夜くーん!」
雁夜「ん?葵さんだ。何だろう」キキィー
雁夜「葵さん、どうかしたのかい」
葵「あーその、凛とさ、遊んであげたりとか、したくない?」
雁夜「?」
雁夜「……それなら、士郎くんがいるさ」
葵「士郎?」
雁夜「あぁ、凛ちゃんと相思相愛の男の子だよ」
雁夜「大人が子供の大切な時間を奪っちゃ、ダメだろう」
葵(……何がなんだか分からないわ……)
雁夜「凛ちゃんに士郎くんと仲良くやる様に伝えておいてくれないか」
雁夜「おじさんは、余計な首突っ込まないからって」
葵(……童貞をこじらせるとこうなるのね……)
凛「え?」
葵「雁夜くんから、凛に宜しくって伝えてくれって言われたわ」
凛「ほ、本当に?」キラキラ
葵「あと、何か、士郎くん?が凛と相思相愛だから、おじさんは首突っ込まない、とかも言ってたけど」
葵「凛、何かあったの?」
凛「……やっぱり、雁夜おじさん勘違いしてるんだ……」ショボン
葵「勘違い?」
凛「……その男の子にね、好きだって言われたんだけど、その時におじさんもたまたま居て……」
葵(まさかの修羅場)
葵(そういえば、鳩のえさあげてたけど、あの子が士郎?くん?)
凛「私どうしたら良いのかな……」
葵「……」
葵「取りあえず雁夜君とお話してきたら」
凛「でも」
ピポパポ
葵「あ、雁夜くん?」
雁夜「あ、葵さん、何か用?」
雁夜「え」
雁夜(ナンバー貰ってきて保険もかけたから、本当は公道走りたいんだけど)
葵「無職でしょう?」
雁夜「えっ」グサッ
葵「空いてるよね?」
雁夜「……ハイ」
葵「じゃあ明日一時に○○に来てね」
雁夜「行って、何を」
葵「凛とデートしてきて」
凛「えっ/////」
葵「じゃあね」ブチ
葵「凛、頑張ってね」ニコ
凛「そんな急に……」
凛「明日何着てこう……」ニパァ
雁夜(行けなくなった事にして代わりに士郎くんでも呼んでおこうかな)
雁夜「デートと言うのは、愛し合っている二人が行うものだよ。それに相手はまだ子供だしなぁ」
葵(とか童貞くさいこと考えてそうね雁夜君)
雁夜「今思考を誰かに読まれた気がする……」
雁夜「ハァ」
雁夜「ため息の数だけ幸せが逃げる、か」
雁夜「ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ」
雁夜「さぁ、どれぐらい幸せが逃げたかな」
雁夜「はぁ……」
雁夜「もう朝か」
雁夜「結局士郎くんには連絡できなかった」
雁夜「だって俺士郎くんの家の電話番号分かんないだもん」
雁夜「家なら分かるけど、まさか夜中に行くわけにもいかないしなぁ」
雁夜「……凛ちゃん、俺見たいなおじさんと遊んでもなんも面白くもないと思うんだけどなぁ」
雁夜「俺に出来る事なんてなぁ」
雁夜「あっ、そうだ」
雁夜「凛ちゃん、こんにちは」
凛「か、雁夜おじさん!こ、こんにちは!」
雁夜「ごめんね、バイクなんかで来ちゃって」
凛「い、いえ!」
雁夜「……大丈夫かい?」
凛「は、はい!」
雁夜(ううむ、どうにも緊張している様だ……やっぱりおじんと一緒というのは精神的に
嫌なものなのだろう)
葵「陰から応援しているわ」
雁夜「どこか行きたい所とか、あるかな」
凛「お、おじさんと一緒なら、どこでも!」
雁夜(ううむ、地味に困るなこれは。童貞には荷が重い)
凛「……」
雁夜「……バイクがどうかしたかい」
凛「おじさん、バイク乗るんですね」
雁夜(えっ、今頃)
凛「……うしろ、乗って見たいです」
雁夜「えっ、ダメだよ」
凛「何でですか」
雁夜「……ほら、僕、こんなだからさ、後ろに人乗せたことなくて、危ないから」
凛「誰も、後ろに乗せたことないんですか?」
雁夜「え? うん」
凛「絶対乗せてください!」ニコッ
雁夜(いみがわからない)
凛「はい!」
雁夜「……ちょっとまっててね」
タッタッタッタ
タタタタッ
雁夜「はい、メット買ってきたから被って」
雁夜(安全運転すれば大丈夫だろう……)
凛「そっちがいいです」
雁夜「え? でもこっちは俺が被ってたのだから、匂いとか」
凛「そっちがいいです!」
雁夜「大きさとか」
凛「……」グス
凛 コクコク
雁夜「……はい」
凛 ニパァアア
雁夜(しっかし、この買ってきたメットえらくキツイ……まぁ小さめの買ったからなぁ)
雁夜「凛ちゃん、メットの大きさ大丈夫?」
凛「だ、だいじょうぶでぇす」スーハースーハー
雁夜(このメット外れなくなったらどうしよう)
凛「は、はい」ポン
雁夜「あっ、肩じゃなくて、腰の所に腕を回して」
凛「えっ、は、はい」ガシィ
雁夜(い、意外と力あるのね凛ちゃん)
凛(思いっ切り抱きついとこ)
雁夜「じゃあ発進するねー」
葵「えっ、バイクで移動するの? ち、ちょっと、後追えなくなっちゃう……」
お腹とか叩いてくれれば良いから」
凛「は、はい」
ブロロロロロ
葵「ち、ちょっとぉおおおおおお」
雁夜「……」
凛(風が、気持ち良いな……)
凛(そういえば、謝り損ねちゃったな。確か、ここ蹴っちゃったんだよね、私)さわさわ
雁夜(は?ちょ、ちょっと凛ちゃん、どこ触って)
凛(ん? 何か、ある? 蹴った所為で、腫れ物が出来ちゃった、とか……?)
凛「わっ」
雁夜「り、凛ちゃん、どうかした?」
凛「えっ、いや」
雁夜「調子悪いとか、無い?」
凛「いえ、全然!絶好調です!」
雁夜「あの、そのさ、なるべく、手は用がある時以外はこう、さわさわとか
しないでくれると助かるかなぁと」
雁夜(ちょっと勃っちゃったし……)
雁夜(オナニーとは別問題だよこれは)
雁夜(人としての尊厳の問題だ)
凛(やっぱり触れると痛むんだ……あ、謝らないと……でも、嫌われたくない……)
凛(……黙っとこ)
雁夜「大丈夫かな?」
凛「はい!」
雁夜「じゃあ行きまーす」
ブロロロロ
雁夜(おっ、いつぞや見かけた事のあるバイクライダーだな)
雁夜「女だったのか」
凛「女?」ピク
雁夜(しかし、バイクの二人乗りって会話が無いものなんだなぁ。走ってると声全然
拾えないし。何でバイク用のトランシーバーが売ってるのか分かった気がする)
セイバー(ん? フフフッ、小さなお姫さまを乗せたナイトと言った所でしょうか)
セイバー(今日は良いものが見れましたね)
凛「……」ギュ
雁夜(道路交通法的に)
雁夜「ま、いっか」
凛「まい?」
凛(誰?)
凛(気のせいかな)
凛(きっとそう)ギュギュ
雁夜(何だかさっきから凛ちゃんの抱きつき具合が強くなっていってる気がする……)
雁夜(怖いのかな? もう少し速度落とそうかな)
雁夜(子供の喜びそうな所……ダメだ分からない……)
雁夜(遊園地とかで良いのかな)
雁夜(そういや最近冬木市にも遊園地が出来たとか言ってたっけ)
雁夜(よし……行こう……)
ブロロロロロロ
凛(おじさんの匂い)スーハースーハー
雁夜(何か今寒気が……)ブルブル
凛(やっぱりこっちのヘルメットにして正解だった……)スーハースーハー
凛「えっ、ここって」
雁夜「いや、最近出来たって聞いたから、どうなのかなって思って」
凛(……遊園地って、そんなにこどもじゃないもん……)
雁夜(やばい、全然メットが外れない。これヤバイ)グイグイ
雁夜(うぉおおおおおおおお)スポッ
雁夜(取れた……)
雁夜「……ちょっと、来て見たくてね。ほら、全然そういうの俺わからないから、女の子とデート
するって言ったら、遊園地くらいしか思いつかなかったんだ」
凛(デート/////)
雁夜「凛ちゃんは嫌だったかな」
凛(おじさんと一緒ならどこでも/////)
雁夜「そっか、良かったよ」
雁夜(やっぱり子供は遊園地が嬉しいんだな)
雁夜(葵さんも何を考えているのだろうか。凛ちゃんの大切な時間を俺になぞ使わせるなんて)
雁夜(良く分からないな)
士郎「桜ちゃん! 早く早く!」
桜「士郎くんまって~」
士郎「仕方ないな桜は、ほら」ギュ
桜(士郎くんと手握っちゃった////)
士郎「今日は、遊園地だ!」
桜「お、おかねとか大丈夫なの?」
士郎「お父さんがチケットくれたんだ! 友達と一緒に行ってこいって」
士郎「いろいろ悩んだんだけど、桜と一緒に行こうかなって」
桜「……ほんとに?」
士郎(本当は凛ちゃんと行きたかったんだけど、探しても見つからなかったし)
桜「ありがとう!」ニパァ
桜(私と士郎くんって、もしかして、そうしそうあいってやつなのかな……)
桜 デレデレ
士郎(でも凛ちゃんどこに居るんだろ……)
士郎(お話したいなぁ)
士郎(……俺のファーストキスは凛ちゃんにあげようってきめたからな)
士郎(ぜったいに俺の事好きになってもらうんだ)
士郎(前のは、なにかの間違いだ。たぶん)
凛「えーっと、アレが良い!」
雁夜「んん? コーヒーカップね。良いよ」
雁夜「これを回すとね、カップも確か回るんだよね」
凛「うん!」グルグル
雁夜「はははっ、上手だねぇ」
雁夜「よーし、おじさん本気出しちゃうぞぉ」グルルルルルルルン
数分後
雁夜「おえっぷ」
凛「おじさん……大丈夫?」
雁夜(しかし凛ちゃん凄いな……具合悪くならなかったのか)
雁夜「ふぅ」ドサッ
雁夜「おじさんここで座って休んでるから、凛ちゃん好きなものに乗ってきて良いよ……」
凛 フルフル
雁夜「折角なんだし、遊ばないとさ……」
凛「おじさんと一緒に遊びたい……」ギュ
士郎「遊園地についたけど、桜何に乗りたい?」
桜「お馬さん!」
雁夜「でも、おじさんちょっとまだ休まないとかな」
凛「か、観覧車乗りたい……おじさんも休めると思うし」
雁夜(何だか、凛ちゃんに悪い事したなぁ。遊びたい盛りだと言うのに。せめて観覧車
くらいは一緒に乗ってあげるとしよう)
雁夜「そうだね、じゃあ、乗ろうか」
時臣「凛がおめかししているものだから、何事かと後をつけてみれば」
時臣「間桐の次男坊と一緒とは、これは一体……」
ギルガメッシュ「フッ、くだらん。生娘が色を知ったくらいで何を騒ぐ」
時臣「しかし王よ、娘が……」
ギルガメッシュ「ええいごちゃごちゃと煩い! 好きにさせておけ」
ギルガメッシュ「……ほう、あの娘、とんでもない病に伏しているな」
時臣「王よ、冗談が過ぎるのでは?」
ギルガメッシュ「見てみるが良い」
時臣 チラッ
凛 ウフフフ デレデレ
ギルガメッシュ「あの恍惚の表情、微かだが確かに掴んでいる男の裾を、ばたばたと動く足を」
ギルガメッシュ「恋の病の症状ではないか!」
時臣「なっ!」ガガーン
ギルガメッシュ「あやつらの恋慕の情さえもな」
ギルガメッシュ「邪魔立ては許さんぞ、時臣」
時臣「お、王がそう仰るのなら……」オロオロ
時臣(しかし、どうにかして邪魔したい……)
ギルガメッシュ「では我は勝手にさせて貰う」シュ
時臣(今この時ばかりは居なくなった事に感謝します王よ)
時臣「さて、どう邪魔したものか……」
雁夜「じゃあ観覧車に行こうか」
時臣「観覧車、だと」
時臣(もう二人の仲はそこまでに?)
時臣「見損なったぞ、間桐の次男よ。まさか幼子に手を出す変態だとはな」
時臣「まさか凛の方から好意を持ったなど、そんな事はあるまい」
時臣「お、王よ、勘違いです。ただ、見ていただけです」
ギルガメッシュ「ふむ……まぁ良い。今は信じてやろう」スゥ
時臣(ふぅ、危なかった)
時臣「とにかく、観覧車にのる前にどうにかして阻止しなければ……」
凛 デレデレ
時臣「しかし、もし邪魔が成功してしまったら、凛からあの笑顔が消えるかも知れない」
時臣「……難しい判断ではあるな」
時臣「……いや、というかおかしいだろう。小学生と三十路手前の男はダメだろう」
時臣「オファ!」
ギルガメッシュ「あれくらいの歳になれば、子供の一人も孕めるだろう」
時臣「えっ」
ギルガメッシュ「我の時代ではあれくらいのおなごになれば嫁となるなど当たり前であった」
ギルガメッシュ「何も問題はない」
ギルガメッシュ「見よ、美しいではないか。穢れ無きおなごの汚れ泣き恋」
時臣「王……」
桜(士郎くんと一緒にあそべてしあわせぇ……)
士郎「ハハッ、ん?」
雁夜 アシモト キ ヲ ツケテ ネ
凛 ウン!
士郎「凛、ちゃん」
桜「士郎くん! 次観覧車乗ろう!」
士郎「えっ、う、うん……」
士郎(これって、運命だよな。多分)
士郎(そうに決まっている)
士郎(神様が、俺にくれたチャンスなんだ!)
桜(士郎くんから誘ってくれるなんて、きっとわたしと士郎くんはうんめいの赤い糸で
むずばれてるんだ)
桜「/////」
士郎「ごめん、ちょっとトイレ行って来る」
タッタッタッタッタタタ
凛「えっ……」
雁夜「あぁ、士郎くん。こんにちは」
凛「……誰?」
士郎「えっ」
雁夜「えっ」
士郎「鳩の」
凛「……あ、あぁ、いきなり腕つかんできた痴漢さんね」
士郎「ちがっ」
雁夜(凛ちゃんにとっての痴漢の定義が何となく気になるな……)
桜は相変わらずかわいい
凛「私今日忙しいの」
士郎「そっか……」
雁夜「えっ、別に良いんじゃない」
凛「え、だって」
凛(おじさんとのでーと)
士郎「……」
士郎「ま、また今度誘うから! じゃあな!」タッタッタタタタタ
士郎(次だ次、次こそぜったいOKをもらうぞ!)
士郎「ごめん桜、お待たせ」
桜「ううん! ぜんぜんまってないよ!」
葵「運動、苦手なんだけど……」ゼェゼェ
葵「さて、どうなってるかな」チラッ
凛(おじさん、私と一緒にいるのいやなのかな)シュン
雁夜「どうしたの凛ちゃん、元気ないね」
雁夜「疲れちゃった?」
凛「……雁夜おじさんは、わたしの事、嫌いなんですか」
雁夜「そんな事ないよ。凛ちゃん見たいな可愛い子が嫌いな人なんて居ないよ」ニコ
凛「ほ、ほんとーですか!」ニパァ
雁夜「ははっ、本当だよ」
葵(どうやら良さそうな雰囲気ね)
切嗣「分かった。よいしょっと」
イリヤ「ヨイショとかおじんくさい」
切嗣「はははっ」
凛(いいなーだっこ)
イリヤ「むっ、そこのついんてーる! 切嗣はわたしのだからね!」
切嗣「いきなり何を言い出すんだい」
切嗣「すみませんどうも」
雁夜「い、いえ……」
凛(おじさん、だっこ……)チラッ
切嗣の願い叶ってないか
切嗣(どちらからも事を起こす気配は見られなかった)
イリヤ「はやく次ー!」
切嗣「はいはい」
切嗣(放っておいても良いだろう。特に間桐の方は、ガンダムに乗りたいとか言い出す
くらいには無害だ)
雁夜(親子かな……にしては、髪の色とか似てなかったけど)
凛 ジー
雁夜「……凛ちゃん、何か食べたいものでも、ある?」
キャスター「それはもう決まっているでしょうリュウノスケ」
龍之介「……本当に、やるのか?」
キャスター「穢れ無きようじょを犯さなければ、私のアソコは静まらないのです」
龍之介「旦那ってそこまで性癖広かったのか」
キャスター「はぁ、いまさらですよ。リュウノスケ」
龍之介「そんでそんで、俺は何をすれば良いんだ」
キャスター「うーんそうですねぇ、あ、あの子」
キャスター「あのツインテールの子をさらってきてください」
ギルガメッシュ「それもとびきりのな」
キャスター「……」ブルルルル
キャスター「リュウノスケ、帰りますよ」
龍之介「はぁ? どうしてだよ旦那」
キャスター(今、もの凄い殺気が……)
龍之介「ここまできたらやるっきゃねぇだろ旦那! 俺行ってくらぁ!」
タッタッタッタ
キャスター「り、リュウノスケェ!」
龍之介「ふべし!」ドグゥ
ギルガメッシュ「ふん、今日の所はこれぐらいにしておいてやるか」
龍之介「お、おで、今、な、なにがおこったの」
キャスター(だから帰りますよって言ったのに……)
凛「?」
雁夜「凛ちゃん、どうかした?」
凛「……ううん。それより、その、」
雁夜「なんだい?」
凛(だ、だっこって言えなかった……)
凛「は、はぐれちゃうと、大変だし」
凛「だめ、ですか?」
雁夜「……いいや、そんな事ないよ。じゃあ、はい」ギュ
凛「あっ」ニパァアアア
雁夜「じゃ、先に観覧車でいいかな?」
凛「はい!」
ギルガメッシュ「人の恋路を邪魔するヤツは我が一人残らず消し去ってやる」
龍之介「こ、こいじって何の事れすか……」
キャスター「はぁ、まったく。龍之介けっこう重いですねぇ……」ズルズルズル
雁夜(観覧車に入ったものの、二人きりの空間と言うのは、中々に緊張するなぁ)
凛(な、何とかして距離縮めないと!)
ギルガメッシュ「ふっ、せいぜい涙ぐましい努力でもしてあがけよ小娘」
ギルガメッシュ「きっとキサマには良い結果が出るだろう」
ギルガメッシュ「そろそろ我も行くとするか」スゥ
時臣(って言ってまたヌゥって出てくるんですね。英雄王ギルガメッシュよ)
イリヤ「あー観覧車ー!乗りたいー!いけーキリツグガーZ!」
切嗣「よーし、キリツグガーZ発進ー」トコトコトコ
やだ・・・微笑ましい///
凛(おじさんって言っちゃ、だめだ!)
凛「かり、雁夜さん」
雁夜「どうかした凛ちゃん」
凛「か、雁夜さんは」
雁夜「おじさん、で良いよ。おじさんな年齢だしね」
凛「そ、そんな事ないです」
雁夜「……ありがとう」ニコッ
凛(どうしよう……)
雁夜「凛ちゃん、学校の方は調子どう?」
凛「た、楽しいです」
凛(おじさんと一緒の方がもっと楽しいけど////)
雁夜「……それは良かった。凛ちゃん、君はね、これから色々なことを学んでいくと思う」
雁夜「そして、色々な人と出会うんだ。きっと良い恋人にもめぐり合うだろう」
雁夜「そうだ、今、好きな男の子とかいないのかい?」
凛「えっ……と……」
凛「……す、好きな男の人は、います」
雁夜(士郎くんの事かな?)
雁夜(凛ちゃんも士郎くんを好きとなると、他にも士郎くんを好いていそうな女子が居そうだな……)
雁夜(そういえば、俺が小学校の時もいたっけな。すごくモテてる男の子)
雁夜(羨ましいねぇ……)
雁夜「そっか。きっと、素敵な男の子なんだろうね」
雁夜「凛ちゃんが好きになったんだもの」ニコッ
凛「で、でも、その人は、私が好きだって、多分気づいていなくて」
雁夜「大丈夫! 凛ちゃんくらい可愛ければ、押せばすぐだし」
凛「で、でも、押しても、ぜんぜんだめで」
雁夜「凛ちゃんの気持ちに気づかないとは、そいつはとんだ極悪人だね……」
凛「はい、極悪人です……気づいてもらえないから、私苦しくて……」
雁夜(俺もあんな性格だったら、いまだに童貞なんて事態には陥ってなかったのかもな)
雁夜(あと少しで別の意味での魔法使いになれちゃうよ……)
雁夜「……それは大変だったね……何か、出来る事はないかな」
凛「あっ、あの、じゃあ、その、ぎゅっ、て、抱きしめてください……」
雁夜「え?」
凛「おねがい、します」
雁夜(凛ちゃん、きっと父親の温もりを求めているんだ……時臣め、こんな可愛い娘に
何という仕打ちを……)
雁夜「分かったよ……」ギュッ
時臣「そ、それは真ですか王よ!」
時臣「間桐のクソッタレめええええええ」
ギルガメッシュ「落ち着け時臣」
ギルガメッシュ「娘の恋慕を応援すると決めたのだろう?」
時臣(いや別に応援するとは言ってない)
葵(頑張ったのね、凛)
葵(結婚までまだ10年はかかるだろうけど、それまできちんと愛を育むのよ)
凛(おじさんの匂い……すごくいいぃ……)
雁夜「な、何か鼻息荒いけど、凛ちゃん具合大丈夫ぶ?」パッ
凛「やっ」ギュ
雁夜「おおっと」
雁夜(時臣め……娘をこんなに寂しらがせるとは、まさに鬼畜……)
ギルガメッシュ(壊れたか)
時臣 ゴソゴソ ピポパ
時臣「警察ですか、今三十路手前の男が女児を……」ヒョイ
時臣「えっ?」
ギルガメッシュ「ふんっ!」バキッ
時臣「お、王、どうしました」
ギルガメッシュ「時臣、キサマの方こそどうしただ。娘の思いを無碍にするつもりか?」
ギルガメッシュ「羽虫のごとく握りつぶされてもおかしくはない思いを、守り、育んでいる勇ある
小さき者から、その全てを奪い取ろうとしているのだぞ、キサマは」
時臣「……」
ギルガメッシュ「キサマの個人的な、醜き嫌悪の感情と、清らかな沢水のごとき娘の思い、どちら
にこそ価値があるのか、少しは考えて見るのだな」
時臣「英雄王……」
時臣(しかし、やはり小学生と三十路手前という組み合わせは間違っていると思う……)
桜「今日はいっぱい遊んだね!」
士郎「う、うん!」
士郎(凛ちゃん……)
凛「……」ギュ
雁夜「……おんぶしようか?」
凛「……だっこが良いです」
雁夜「……そっか」ヒョイ
凛「きゃっ」
雁夜「腕を、首に回して。落ちると危ないからね」
凛「は、はい」
雁夜(凛ちゃんまだ小さいせいかな。回す腕がいっぱいいっぱいで、顔近い)
時臣「くっ、……英雄王、私はもう耐えられません……先に帰ります……」ダダダダダッ
ギルガメッシュ「血涙とは……時臣……」
雁夜「やっぱり軽いね、凛ちゃんは」
凛「あ、ありがとうございます」ニコッ
雁夜「……凛ちゃんはさ、笑うと、もっと可愛くなるよね」
雁夜「その笑顔で世界中の人々を幸せにする為に生まれてきたのかもね」
凛「……私は、一人だけ、一人だけを幸せにできたら、それでいいです」ニパァアア
雁夜「ありがとう」
凛「あっ、いやっ、そんな」
ギルガメッシュ(……ふむ、どれ、一つ手助けしてやるとするか)ヒュン
雁夜「うわっと」コケッ
凛「キャッ!」ドデン
雁夜「っ!?」
凛「//////」チュ
ギルガメッシュ「我にかかれば、事故にみせかけた接吻など朝飯前だ」
凛「は、はい大丈夫です。お、おじさんが下になってくれたから……」
雁夜(まさか、こんなアクシデントががおきるなんて……)
雁夜(凛ちゃん、俺とキスなんてしたくなかっただろうな)
凛(は、はじめてキスした! し、しかも、おじさん相手に!)
凛「/////////」
雁夜「あの、何か、ごめんね。凛ちゃん」
凛「いえ、嬉しかったです////」
雁夜「え?」
凛「いえ、あの、」
雁夜(きっと混乱してるんだな……今日はもう帰った方が良いのかも……)
雁夜「怪我とかしてたら大変だし、今日はもう帰ろう」
葵(凛、やるじゃない)
凛「は、はい……」
雁夜(まだ遊んでたかったかな?)
凛(おじさんとキスまで出来ちゃった……/////)
雁夜「それで、悪いんだけど、やっぱりヘルメットこっちの小さいの被って貰っても良いかな」
凛「はい」
雁夜(何だか、大人しい……)
凛(さっきまでおじさんが被ってたから、こっちにもおじさんの匂いが……)
雁夜「さて、ここまでで大丈夫かな」
雁夜「今日は、その、何て言うか、ごめんね」
凛「いえ、全然。むしろ、嬉しかったです」
雁夜(やっぱりこけた時にどこか打ってしまったのだろうか……)
凛「また、でーとしてくださいね!」ニパァ
雁夜「何時でもどうぞ」
凛「ばいばいおじさーん」タッタッタッタタタタ
雁夜「元気だねぇ……」
雁夜「ん?」
凛(キスまでしたんだから、いけるよね……)ドキドキ
凛「おじさーん!」クルッ
凛「だーいすき!」
雁夜「へ?」
凛「すっごいすっごいだーいすき!」
凛「おっきくなったら結婚してくださーい!!!」クル タタタタタッ
葵(とうとう言ったわね……凛……)
雁夜「はははっ、冗談、かな」
雁夜「こけた時、凛ちゃんやっぱりどこかぶつけたのかな」
葵「雁夜くん、それは違うわ」
雁夜「うわおっ!」
雁夜「あ、葵さん……」
葵「凛はね、結構前から雁夜くんの事が好きだったの」
葵「私ずっと相談にのってたんですもの」
葵「歳の差なんてね、恋と愛の前では無力なのよ」
雁夜「……」
葵「それに、あんな凛、初めて見たわ」
葵「すごく一生懸命に悩んで、悩んで」
葵「雁夜くんはそういう凛を見ていないから不安になるのよ」
葵「私は見ていたから、本当に好きなんだって分かったわ。おままごとの恋じゃないって」
葵「まだ7歳なのに、大人の恋をしてしまったのよ、凛はね。責任取らなければいけないわよ、雁夜くん」
雁夜「……」
雁夜「嫌いではないです」
葵「なら、良いじゃない」
雁夜「でも」
葵(まったく、これだから童貞は)
葵「じゃあ、こうしましょう。凛が16になってもまだ雁夜くんの事が好きなら、即結婚」
葵「そうじゃなくなったら今まで通りで」
葵「これなら誰も不幸にはならないわ」
臓硯.「何じゃまだ誰も帰ってこんのかい……」
雁夜(度重なる特訓の所為で、もう俺はボロボロだ……)
雁夜(どうせ10年も生きる事は叶わないだろう)
雁夜「分かった。凛ちゃんが10年経っても俺の事を好きでいてくれるなら、その時は
俺もその気持ちに答えるよ。さすがに、それぐらいまで大きくなったのであれば、年齢差が
どうこうというのは、言い訳にしかならないから」
葵「そうっ、良かった! 凛に教えてこなくちゃ!」タタタタタッ
雁夜「……」
テクテクテクテク
雁夜「ただいま……」
雁夜「……親父、俺、あとどれぐらい生きていられるんだ」
臓硯.「どれぐらいって、そうじゃのう……分からんのう……」
雁夜「えっ」
臓硯.「殺すつもりで苛め抜いたハズなんじゃが、意外としぶとく生きとるし、白くなった
髪もいつの間にか黒く戻ってるし」
雁夜「……」
臓硯.「さぁ、分からんのう」
臓硯.「それで結局、聖杯戦争に参加はするんじゃな?」
雁夜「いや……考えさせてくれ……」
雁夜(俺は、どうすれば良いんだ……)
雁夜(そもそも何で俺聖杯戦争に参加するっつったんだっけ)
雁夜(あぁ、そうだ、桜を助けて、葵さんの高感度あげてって)
雁夜(でももうそんな二人もどうでも良い)
雁夜(聖杯戦争に参加する意味なんて、あるのか)
雁夜「zzzzz」
雁夜「そういえば親父の言った通りだな……すっかり白くなってた髪が、黒くなってる」
雁夜「顔の蚯蚓腫れの様なものもすっかり引いてるな……」
雁夜「そういや、桜の方を好きになってから、鍛錬さぼりまくってたからな……」
雁夜「桜を助けたら、もう二度と会えなくなる気がして、努力が嫌になったんだ……」
雁夜「……」
雁夜「しかし、いくら容姿が元に戻ろうと、何時死ぬか分からないのは変わらない、か」
雁夜「……少しだけ、自分の為に生きてみるか」
臓硯.「心は決まったかのう、雁夜」
雁夜「……すまない、親父。今回の聖杯戦争は、参加出来ない……」
臓硯.「ふぅむ。まぁよい。もともと期待はしとらん」
臓硯.「……どういう心境の変化かは知らんが、決めたのなら、拒む理由はない」
雁夜「本当に、すまないと思っている」
臓硯.「気にするでない……」
雁夜「……」
臓硯.「まずは基礎の基礎からかのう……」
臓硯.「なぁに、ゆっくり鍛えるさ……」
雁夜「……次また聖杯戦争があるならば、必ず参加して、勝ち残って見せる」
臓硯.(子を愛でる気持ち、ここ数百年も忘れておったわい……)
臓硯.「その時は期待しようかのう……」
雁夜「……出来れば、遠坂のサポートに回りたい」
臓硯「遠坂の、ふむ……」
臓硯「まぁ、良いじゃろ。聖杯戦争とはどういうものか、その目で見てくると良い」
臓硯「次の戦争への糧になるじゃろう」
臓硯「話はワシから時臣につけておこう」
雁夜「親父、すまない……」
時臣「それで君は私の所へ来たという事か雁夜くん」
雁夜「はい、どうぞ宜しくお願いします」
時臣「ふむ。礼儀は知っている様だね」
雁夜「……」
時臣「何故だか分かるかね」
ギルガメッシュ「愛娘がほれた男だからという低俗な理由だろう」ヌゥ
時臣「……王よ」
ギルガメッシュ「ではな」スゥ
雁夜「……」
時臣「しかしだ、協力してくれるというのであれば、やぶさかではない」」
時臣「間桐家の申し出、断る理由も無い」
雁夜「はい」
凛 ジー
時臣(り、凛、出てくるんじゃない)
凛(お、おじさんだ////)
凛(お話したいな)
雁夜「どうかされましたか」
時臣「いや、何でもない」
時臣「とかく、何かあればこちらから連絡しよう。まだサーヴァントも出揃ってはいない」
時臣はキレイに殺されてしまい、凛は大変落ち込んだが、雁夜の支えもあって
何とかなった。というかもっと惚れた
ちなみに士郎くんはやはりキリトゥグとキレイちゃんの争いに巻き込まれて孤児になって
キリトゥグに引き取られました
ただたびたび雁夜の所に遊びに来てはワカメと喧嘩してましたけど
桜ちゃんはやっぱり士郎にほれたままの様です
それから10年がたちました
凛「なにお母さん」
葵「もう17、だっけ」
凛「そうだけど」
葵「雁夜くんと凛がした約束、覚えてる?」
凛「/////」ボンッ
葵「凛ったらねぇ、『うん、10年後も絶対雁夜おじさんの事好きだよ!』ってね」
凛「お、覚えてない!」カァアアア
葵(分かりやすいわねぇ……)
葵「あらあら良い所に」
凛「な、何でもないです!////」
雁夜「はははっ、嫌われちゃったかな」
凛「き、嫌いになんてなりません!」
雁夜「ありがとう」ニコッ
凛「い、いえ/////」
士郎「凛! ガッコ送れちまうぞ!」
凛(げぇ、士郎……早く消えないかなアイツ……)
士郎(俺はぜって諦めねぇ!)
送っていかなくても良さそうだ」
凛「い、いえ、今日もおじさんのバイクで送って欲しいです」
雁夜「いやいや、でも士郎くんが」
凛「おじさんが良いです」
雁夜「……」
凛「お、覚えてますか。10年前の、約束」
雁夜「……」
凛「わ、私が、10年経ってもおじさんの事大好きだったらって、」
凛「えっと、あ……はい」シュン
雁夜「……凛ちゃん」ポイ
凛「わっと、ヘルメット……」パシ
雁夜「士郎くん、すまないね、凛はもう学校に行ってしまったんだ!」
士郎「あ、雁夜おじさん! それマジっすか!? 待ってくれー!凛!」ドタドタドタ
雁夜「では、送ろう」
凛「は、はい!」
慎二「お世辞を言っても何も出ないよ」
一成「いや、素晴らしい、礼儀正しさに加えて、気品まである」
慎二「そうかな」
慎二(クソー、あの出戻りウンコに無理やり仕込まされたからなぁ……)
慎二(誰かをいじめようとするとあいつの拳が脳裏を横切って、吐き気がしてしまう)
一成「ホント、体も良い感じだし」サワ
慎二「ヒッ!」ビクゥ
士郎「オハヨウ!」
士郎「っと、そういや、凛は」
一成「あの女狐ならどっか行ったぞ」
士郎「そっか……」
桜「せんぱ~い!」
士郎「桜! どうした?」
桜「お、お弁当作ってきたので、よ、良かったら食べてください!」
士郎「……良いのか、桜?」
桜「は、はい!先輩に食べて貰うために作りましたから!」
一成「慎二、お前の妹だろう。挨拶くらいしたらどうなんだ」
慎二「いや、いい……」
一成(ははーん、兄妹と言うのは、中々難しい間柄だからなぁ)
慎二(あいつにちょっかいかけると出戻りに怒られんだよなぁ……近づかないのが正解だ……)
桜「あっ、兄さん、いたんですね」ニヤリ
慎二「フヒッ……」ビクゥ
一成(どことなく、怯えてる様にも見える……)
士郎「ありがとうな、桜!」
桜「はい!」ニパァ
桜「それじゃあ、私教室に戻りますので」
一成「うむ、良い子じゃないかお前のガールフレンドは」
一成「ううむ、しかし、あの女狐だけはダメだ士郎」
士郎「だとしても、俺は惚れてしまったんだ!」
一成「素直に、桜ちゃんにしておけ」
ガララララララ
凛 テクテクテ
士郎「あっ、おーい凛!」
凛「何?」
士郎「ちょっと話しようぜ」
凛「え、嫌だ」
凛「ふーん」
士郎「……なぁ、俺の何がダメなんだ?」
凛「生理的に」
士郎「それはさすがにウソだって分かるぜ」
士郎「何かあるなら言ってくれ!治すから!」
凛「えーと、じゃあ老けてみて」
士郎「へ?」
キーンコーンカーンコーン
宗一郎「では授業を始める」
士郎(まだだ!まだチャンスはある!)
慎二(あー家に帰りたくないなぁ)
一成(慎二のケツぷにぷにしてたなぁ)
凛(早く帰っておじさんと話しないと……)
葵「あら雁夜くん、まだ掃除の途中でしょう。お手伝いしてくれるんじゃなかったの?」
雁夜「ごめんよ葵さん。ちょっと急用がね」
葵「……そう、なら仕方ないわね」
ブロロロロロロロロ
葵(多分指輪買いに行ったのね……憎いことをするわね雁夜くんも)
葵「『覚えてるよ。サッ』」
葵「とかやる気ね、アレは」
雁夜(まさか、この指輪を使う時がくるとは……)
雁夜(渡すことはないと思って、しまっていたが……)
雁夜(完全オーダーメイド、ピジョンブラッドの宝石を使った、婚約指輪)
雁夜(念のため、何て言っていたが、きっと私は心のどこかでそうあって欲しいと
思っていたのだろうな……)
雁夜「まったく、私ときたら……」
士郎「凛!一緒に帰ろうぜ!」
凛「アンタ弓道部行かなくて良いの?」
凛「桜が待ってるわよ」
士郎「なぁに桜はモテモテだから俺がいなくてもしっかりやれるさ」
凛「桜はアンタからだけモテモテでいたいのよ」
士郎「でも俺が好きなのはお前なんだよ、凛」
凛「へー」
士郎「……凛、どうしてだ。どうしてなんだ」
凛「……何回も言うけど、仕方ないでしょ。士郎見ても全然胸がドキドキしないし、何か
してあげたいとも思えないし、一緒に居て安心とかもしないし」
付き合って見ようぜ」
凛「好きでもないのに付き合うとか出来ないでしょ」
士郎「付き合ってみてから出来る恋愛もあるって、本に載ってたし」
凛「それで?」
士郎「だから、俺とさ」
凛「無理」
士郎 ガガーン
凛「と言うか、ちゃんと士郎を好きでいてくれる子がいるんだから、そっちを向くべきだと思うけど」
士郎「頼む」ドシャアアアア
凛「ち、ちょっと、土下座とかやめてよ……」
士郎「それだけ本気なんだ!10年間もずっと好きなんだ!」
凛「か、顔あげて」
士郎「じゃあ付き合ってくれ」
凛「それは、無理だけど……」
士郎「……ほかに、好きな男でも居るのか……?」
凛「……」
士郎「どうなんだよ!」
士郎「あへ?」
士郎「……だ、誰だよそいつ、10年も一緒の俺よりも、お前の事分かってるヤツなんているかよ」
凛「……ナイショ」
士郎「おい、せめて誰か言えよ!」
桜「せ~んぱ~い!」
士郎「さ、桜ぁ!?」
桜「練習行きましょう!」ズルズルズル
葵「お帰り、凛」
凛「あれっ、雁夜おじさんは?」
葵「なぁに、待てないくらい好きなの?」
凛「ちょ/////って、////いや、その、うん……」ボン
葵(やっと素直になったのね……)
葵「雁夜くんとちゅっちゅっしたいのね?」
凛「……はい」カァアアアア
慎二「せめてパパが生きててくれたなら……10年前の事故だか何だか知らないけど
勝手にくたばるなよっ!」
慎二「クソッ」ケリッ
慎二「って、捨て猫……」
ネコ「ミャーミャー」
慎二「……ふん、待っていろ」ダダダダッ
慎二「一成、お湯借りるぞ」
一成「あ、あぁいいけど、急にどうした」
慎二「あと牛乳もな」
慎二「じゃあな」ダダダダッ
一成「い、一体何だったんだ……」
ダダダダッ
慎二「ほら、飲め」
慎二「俺もお前と同じさ。帰る所がないんだ」
慎二「お前と俺は、一心同体さ……」ソッ
ネコ「ミギャー!」ダダダッ
慎二「まさかネコに嫌われるとは……」
葵「別に良いのよ、明日も来てくれるんでしょう?」
雁夜「ええ。全部手伝う、と言う約束でしたし」
葵「だってよ、凛。良かったわね、凛の大好きな雁夜くん明日もきてくれるって!」
凛「え、お、おじさん来てるの?」ドタドタドタ
雁夜「やぁどうも。今朝ぶりだね」
凛「あっ、朝は、送ってもらって、ありがとございました」
凛「……そ、それで今朝の続きなんですけど」
雁夜「……うん」
凛「すごいすごい大好きです!」
凛「だ、だから」
雁夜「……」
凛「そのっ……」
雁夜「……凛ちゃん、左手の薬指借りるよ」スッ
凛「えっ……」
スポッ
雁夜「これが、私の答えかな」
凛「……」ジー
雁夜「と言っても、もう四十手前の行き送れたおっさんじゃ、やっぱり嫌かな」
凛「としは、かんけー、ないです……」ヒックヒック
涙拭けよ時臣
子ギル「間桐の次男を殺す算段立ててましたからね」
キレイ(そのためだけに私は利用されたというのか……)
子ギル「この世の女性の幸せと笑顔は全て僕のものですから」
子ギル「十年越しの想いの叶った女性の涙交じりの笑顔は筆舌しがたいほどに美しいですね」
子ギル「それに比べて時臣ときたら、血涙流しながら殺人の計画とは……」
子ギル「まぁ一件落着と言う事で一つ」
fin
葵(良かったわね、凛)
面白かった
いいもん見たわー
面白かったよー乙!
Entry ⇒ 2012.06.12 | Category ⇒ FateSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
セイバー「き〜み〜と〜一緒がぁ一番♪」
士郎「」チラッ
セイバー「あぁあっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ!!!!!!!!」
士郎「え?あぁ、えっと大丈夫!大丈夫だから!ね!?」
セイバー「何が?大丈夫なのですか?どういう意味なのです!?」
士郎「何も聞いてないし!何も見てないよ!」
セイバー「もういいです!!」タッタッタッタッタッタ
士郎「え!?ちょっと待ってよ!なんで!?なんで!?すーぱー☆あふぇくしょんなのぉぉぉ!?」
凛「うぉうぉ!うぉうぉ!うぉうぉ!いぇい!いえぃ!うぉうぉ!うぉうぉ!うぉうぉ!いぇい!いえぃ!」
アーチャー「今日は随分機嫌がいいんだな、凛」
凛(ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!)
凛「はっ、あ、アーチャー!?…み、見てたの?」
アーチャー「見てたも何も外まで丸聞こえだったぞ?」
凛「う…、うぅ…もうお嫁に行けない!!」タッタッタッタッタ
アーチャー「おい!凛!何処へいくつもりだ!?待て!」
凛「うるさい!付いて来ないで!!」タッタッタッタッタ
慎二「あぁ〜腹が減ったなぁ…おい!桜〜」
シーン ゴトゴト
慎二「あれ?さくら〜飯つくれよぉ〜」
ガタガタ
慎二「ん?部屋で何してんだ?あいつ」チラッ
桜「き〜みと〜いっしょがっ…間違えた!もう一回もう一回…、き〜みっと〜あれ?おかしいなぁ…こうかな?」
慎二(え?何してんの?ダンス?これは邪魔しないほうがいいのか?)
慎二「」グゥ〜
慎二(は!?しまった!?)
桜「え?兄さんなんでここに?」
慎二「おなかが空いて…て、ていうかお前!何してんだ!」
桜「え?これは…これはその…」
慎二「なんだよ?気になるじゃないか!教えろ!」
桜「えっと…えっとごめんなさい!」タッタッタッタッタ
慎二「ちょっと!おい!桜!飯!」
竜之介「なに!?なにそれ!?超クールじゃん!ねぇ!俺にも教えてよ!」
ジル「く…竜之介…、見られてしまいましたか…」
竜之介「いいじゃん!いいじゃん!それより、俺にもそのクールなダンスを」
ジル「申し訳ございませぬ!!私はもうここにいることはできません!!」タッタッタッタッタ
竜之介「ちょっと!旦那ぁ!俺にも教えてくれよぉ!!」
アイリ「き〜みっと」 イリヤ「はいっ♪」
アイリ「一緒が一番!」 イリヤ「いぇい!」
切嗣「アイリ…イリヤ…」
アイリ「切嗣!?」 イリヤ「ぱぱ…」
切嗣「すまん…あまりにも楽しそうだったもので…その、」
アイリ「行きましょう!イリヤ!」 切嗣「おい!待ってくれ!何処へ行くつもりだ!?」
アイリ「何処へって? 切嗣には関係ない!」タッタッタッタ
切嗣(僕はどうすればいいんだ…舞弥…)
舞弥「さ、さぁ…。多分、文化祭か何かの練習なのでは?」
切嗣「…、それだとアイリの行動の説明がつかない…」
舞弥「そうねですね…、あ、練習のお手伝いとか」
舞弥の携帯<き〜みっと!一緒がぁ一番〜♪好きよって
舞弥「!?」
切嗣「…、舞弥…きみも…」
舞弥「す、すみません 切嗣!」タッタッタッタッタ
ケイネス「ソラウ!一体どうしたと言うのだ!」ガチャッ
ソラウ「しまった!つい感極まって…」
ケイネス「ソラウ…、やはり君に令呪を…」
ソラウ「っるさい!この車輪男!」タッタッタッタッタ
ケイネス「あぁ…、ソラウ」シクシク
ランサー「ケイネス殿」
言峰「これはこれは…皆さん揃って何のご用件かな?」
士郎「セイバーが家出して…帰ってこないんです!」
切嗣「僕の妻と娘も!」
アーチャー「凛だって!突然飛び出して!」
言峰「まぁまぁ、落ち着いて」
ケイネス「落ち着いていられるか!私のソラウが!そらうがぁぁぁぁぁぁ!」
藤村「みんな〜!ちゃんと練習してくてれた!?」
全員<ハーイ
藤村「それじゃぁ!合同練習はじめま〜す!!」
全員<ウォォォォォォォォ!!
凛「はぁ…ちょっとセイバー、踊りはいいんだけど音外しすぎよ」
セイバー「すみません。凛、こうですか?きぃぃみとぉぉぉぉ」
凛「ふざけないで!真面目にやって!」
セイバー「私は真面目です!あんまり…こういうことはしたことがなくて…」
凛「とりあえず!踊りは出来てるんだから!がんばりなさい」
セイバー「はい!」
藤村「ちょっと!動きが全然じゃない!ちゃんと練習してきたの?」
ウェイバー「ちゃんと練習してきたよ!」
イリヤ「練習してきてそれとか…ぷぷ」
ウェイバー「おい!笑うなぁぁ!」
ジル「」ニッコリ
勿体ないとか思ってしまう
言峰「またせたな…、原因がわかったよ」ポンッ
士郎「なにこれ?チラシ?」
切嗣「冬木市祭?」
慎二「ダンスカーニバル?」
ケイネス「どういうことなのだ?説明しろ!」
言峰「どうやら彼女らはこのダンスカーニバルの大人数枠にに出場するようだ」
士郎「なんでまた…」
言峰「優勝賞金は1000万円!市町村の行事では群を抜いた数字だ」
言峰「いたのか、ギルガメッシュ」
ギル「あの雑種共はお前達に黙って賞金を山分けしようとしているのだ!」
竜之介「旦那が…俺をだます…?」
士郎「違う!セイバーはそんなのことしない!」
慎二「桜…、きっと家出の資金にするつもりだ…」
ケイネス「あぁ…ソラウ…」
士郎「だから違うって!きっとサプライズで!」
ギル「サプライズ?笑わせるな雑種。では、必ず賞金を獲得できるという自信が彼女たちにあるというのだな?」
士郎「それは…」
慎二「ちくしょう!僕達はどうすればいいんだ?黙って知らないふりでもしろっていうのか?」
アーチャー「俺達が賞金を奪えばいい」
全員「!?」
アーチャー「なぁに…もともとは凛たちも賞金が目当てなのだろう?
だったら俺達が賞金を手に入れて…後は分けてやるのなり好きすればいいだろう?」
慎二「確かにそれだと主導権は僕達が握ることができる…」
切嗣「なるほど…、彼女たちに反省の意があったとするなら獲得した賞金を渡してやってもいいわけか」
士郎「う〜ん…」
言峰「そ、それでは君達…そろそろかえって」
ケイネス「きみ、もちろん協力はしてくるな?」
切嗣「練習するには持って来いの場所だ」
言峰「おい勝手に話をすすめるな!」
ギル「よいではないか言峰。貴様もたまには雑種共の馴れ合いに付き合え」ハッハッハッハ
言峰「くっ、ギルガメッシュ…余計なことを」
ライダー「はっはっはっは!!なにやら面白そうだ!」
全員「!?」
ライダー「いやな、内の坊主がどうも…隠れてなにやら躍りを練習していたようので気になっておったのだ」
士郎「やっぱり…みんな他の人には内緒にするのか…」
ライダー「全く…賞金が欲しいのであれば余が獲ってきてやるものを…」
言峰「私は!参加せんからな!そのような戯言!」
時臣「まぁ、そうな綺礼」
言峰「マ、マスター!?」
言峰「いえ、まだ私は未熟な弟子であります…」
時臣「なら、君も参加したまえ。私も参加する」
切嗣「遠坂、どういうつもりだ?」
時臣「私の妻もどうやら参加するみたいでね…私だって遠坂の立派な頭首であり
葵の夫だ。私が必ず賞金を手にする」
言峰「マスターの…命令であるならしかたあるまい…」
雁夜「ちょっと待て!!!」
シーン
雁夜「おい!待てよ!俺だってあの二人のために!」
慎二「誰だよ…、あの犯罪者予備軍を呼んだのは…」
時臣「困ったものだ…実に醜い…」
切嗣「悪いが君は関係のない話だ帰ってくれ」
士郎「そうだよ!この人は悪い人じゃない!」
雁夜「ありがとう!俺!桜ちゃんと葵さんのためにがんばるよ!」
時臣「…」
ギル「はっはっはっはっは!駒が揃ったようだな!我を存分に楽しませろよ!」ハハハハハハハ
ライダー「なにを言う?お前も参加するのだぞ?」
ライダー「我らのためではないぞ?」
ギル「なに?」
ライダー「世の万物は全て貴様のものなのであろう?なら、我らがそれを奪い合おうとしているのを
ただ黙って見物するというのか?まさか…英雄王が聞いて呆れる」
ギル「ほざくな雑種!いいだろう、貴様ら雑種共があの賞金を手に入れれるとは思えない…。我が
手に入れる!我についてこい!雑書共!」
切嗣(英霊はどいつもこいつも何でこんな…)
男どもの課題曲決まってないけど
案があれば!候補にいれたいです!
ランサー「ケイネス殿!何ですか!その足の動きは!」
ケイネス「す、すまない…ランサー、もう一度はじめから頼む」(いや…単純にまだ完治してないだけで…)
アーチャー「士郎!ステップが甘いな!もっとこう…」
切嗣「君も人に言えるほど出来ていないがな…」
アーチャー「ほう、俺より上手いというのか?」ジリジリ
士郎「ちょっと!二人とも!!喧嘩は!!」
ライダー「ほう!これはすごい!お主!見事だ!」
ギル「ふん、踊りなど!お安い御用だ!なんだ?ライダー。その動きは…」
ライダー「はて?こうではないのか?」
ギル「違う!!ちゃんと我が教えた通りにしろ!!」
言峰(教会がぶっ壊れる…)
セイバー「」ぐぅぅぅぅぅ
藤村「ふぅ…さすがに疲れちゃったわね〜。みんな!休憩しましょ!」
全員<ハーイ
葵「みなさん!おにぎりもって来ましたよ。さぁ!たべてください!」
セイバー「おぉぉ!葵殿!早速!いただきます!」
ウェイバー「はぁ…。辛い…、僕やっぱりみんなの足を引っ張ってるのかな?」
ジル「そんなことないですぞ!それに目的を履き違えてはいけませんよ!」
ウェイバー「え?」
私たちがカーニバルに参加するのは賞金が目当てというわけではない。
私達の周りの大切な人への日ごろの感謝を踊りで伝える!っていう
目的ではないですか!賞金なんて二の次です!」
ウェイバー「確かにそんなこと言ってたなぁ」
ジル「良いですか?ウェイバー殿は誰の足も引っ張っておりません!」
アイリ「そうよ?ウェイバーくんは一生懸命がんばってる!それでいいじゃない!」
ウェイバー「アイリスフィールさん…はい!僕もっとがんばります!ライダーに僕の全力をみてもらいたいし!」
それに比べて男どもときたら
士郎(セイバー…俺はセイバーを信じてる!けど…)
ケイネス(なんとしてでも…賞金を手に入れて…ソラウに振り向いてもらわなければ)
慎二(桜…家出なんて…絶対に許さないからな!!)
切嗣「思っていたより皆真剣ですね」
時臣「ふふ、青春ってこんな感じなのか?」
雁夜「魔術の道に進んだお前にはわからないか?このみんなで何か一つのために団結する楽しさを!」
時臣「なぁ、衛宮。君はどう思う?」
切嗣「いいんじゃないか?僕は嫌いじゃない」
時臣「そうか、さて練習に戻ろう」
雁夜「おい!無視するな!いいこと言ったぞ!俺!」
桜(兄さん…少しは優しくなってくれるかな?)
凛(アーチャーに日ごろの感謝を伝えるチャンスなんて滅多にないわ!頑張らなくっちゃ!)
ジル(竜之介!待っていてください!このジル・ド・レイ、最高のクールをお見せします!!)
ソラウ(らんさぁぁぁ!らんさぁぁ!!!!!!!!!らんさぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)
アイリ「いいわね〜みんな良い顔してる♪」
藤村「そもそも、このカーニバルにはプロも参加するわけだし…
賞金なんてねぇ…ふふ、無理無理」
葵「ふふ、そうね〜でも、楽しいです!」
藤村「よぉし!がんばるぞぉぉぉ!!!」
セイバー「あ、あの…士郎…」モジモシ
士郎「どうしたの?セイバー」
セイバー「これ、チケットです…明日、私が参加するんで!よければ…そのぉ…」モジモジ
士郎(え?どういうことだろう…やっぱり、ドッキリ?)
士郎「あ、ありがとう!セイバー!絶対見に行くよ!」ニコッ
セイバー「本当ですか!うれしいです!」
士郎(まずいな…なんかすごい嫌な予感が…)
士郎「というわけなんだけど…」
切嗣「僕もだ…」
言峰「これは…一体…ギルガメッシュ!我々に黙って賞金を山分けというのは!」
ギルガメッシュ「知らん!我は知らん!」プイッ
時臣「いまさら辞退するわけにも…」
ライダー「とにかく、明日になれば全ての真相がわかる!それに…今日はもう遅い
皆、明日に備えてこの辺にしておくとしよう」
司会「えぇ、それでは次のグループは藤村大河さん率いる…タイガー・ファンタズムのみなさんです!!」
http://www.youtube.com/watch?v=GI-AeHFJ_hE&feature=related
全員「きみ〜と!一緒が〜一番!好きよってもっとぎゅぅっとね♪」
セイバー(見てますか!?士郎?)
凛(アーチャーどこかな?)
切嗣「きっと初めから賞金なんて興味なかったんだな」
時臣「単純に私達に見て欲しかった…っか」
ケイネス「あぁ…!ソラウ!私はここだぞ!」
ソラウ(げ!あんたじゃなくて!ランサーに歌ってるのよ!)
竜之介「旦那ぁぁ!超クールだぜ!!!最高だよ!!」
ジル(おぉ…竜之介!)
ライダー「坊主!なかなかやるじゃないか!素晴らしい動きだ!」
ウェイバー(ライダー!僕の感謝の気持ち伝わってるかな!?)
ギル「はっはっはっは!セイバー!我もお前と一緒が一番だぁぁ!!」
雁夜「葵さん!桜ちゃん!秘密の場所って!?行きたい!つれてって!!!」
言峰(馬鹿か?こいつら…)
セイバー「士郎!どうでしたか!日ごろの感謝の気持ち伝わりましたか!?」
士郎「うんうん!最高だったよ!ありがとうセイバー!」ニコッ
セイバー「士郎///よかった//」
アーチャー「素晴らしかったぞ、凛。」
凛「アーチャー///」
切嗣「アイリ、イリヤ…そして舞弥。本当によかった」ウルウル
アイリ「切嗣ったら…もう!しっかりしてよ!ふふ」
舞弥「よろこんでいただけて嬉しいです。」
イリヤ「パパ!どこがよかった!?どこが可愛かった!?」
切嗣「そうだね、また後でゆっくり話そう」ニコッ
司会「それでは、続きましてギルガメッシュ率いる…AUOの皆さんです!」
士郎「えぇと…話はあとで…」
アイリ「ちょっと!なんで切嗣も出るの?説明して!」
切嗣「困った…これは困った」
ギル「雑種共!!我らの華麗なる踊りで!賞金をいただくぞ!」
アイリ「へ〜、そういうこと…」ジーッ
凛「あんた…サイテー」
アーチャー「まて!これは…違うんだ!凛!」
葵「踊りが終わったらお話があります」ニコッ
時臣「あ、あぁ…」アセアセ
桜「兄さん…」
慎二「な、なんだよ?桜…怖いよ…」
桜「兄さん…」
慎二「ひえぇぇ!!」
司会「あのぉ…そろそろよろしいでしょうか?」
ギル「構わん!いくぞ!雑種共!」
司会「それでは改めまして!AUOの皆さんで曲はFellowsです!」
http://www.youtube.com/watch?v=IFw31MAgl28
おしまい
本編では真面目に聞いてなかったけど
今聞き返したら
最高じゃねぇか!!
桜かわいい
今日のzeroの放送が終わった後の雁夜ファンの反応が楽しみでならんよ
はっはっはっ愉悦愉悦
Entry ⇒ 2012.06.04 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ギルガメッシュ「許さんぞぉ時臣…」時臣「どうか慈悲を…英雄王…」
時臣「どうか慈悲を……寛大な……お心で……どうか」
ギル「ゆる……ゆる……」
ドゥルルルルルルルルルル
時臣「ど、どこからともなくドラムロールが……」
ギル「ゆる……ゆる……」
時臣(神よ……っ)
ジャン!
ギル「許ーーーーーす!!!!!」テッテレー
時臣「ぃやったぁああああああ」ヒョーイ
龍之介「え、ええ!?」
時臣「王よ!デパートではこのようなことは多々起こりえます!彼に罪はない!どうか慈悲を!」
ギル「我に意見するか時臣!貴様はいつから我に意見できるほど偉くなった!?」
時臣「くっ……」
ギル「ゆる……ゆる……」
龍之介「え……え……?」
ドゥルルルルルルルルル
龍之介「ど、ドラムロールが……」
ギル「ゆる……ゆる……」
時臣(英雄王……っ)
ジャン!!
ギル「許ーーーーーーーす!!!!」テッテレー
時臣「ぃやったぁああああああ」ヒョーイ
龍之介「え?え?」
ライダー「おお、英雄王か。すまんすまん、ちっさくて見えなかったわ!」HAHAHA!
時臣(これは許されないぞ。許されないぞ)
ギル「ゆる……ゆる……」
ライダー「いやしかし遊園地というのはすごいところだな。あのように立派な城まである」
ギル「ゆる……ゆる……」
ライダー「ここであったのも何かの縁、どうだ?一緒に写真でも撮らんか?おーい坊主、シャッターを押してくれ」
ウェイバー「何だよさっきから。はしゃぎすぎなんだよお前は……ってアーチャー!?」
ドゥルルルルルルルルル
ウェイバー「ドラムロール!?」
時臣(英雄王……慈悲をっ……)
ジャン!
ギル「許ーーーーーーーーす!!!!!」テッテレー
ウェイバー「1+1はー?」
ギル時臣ライダー「にー」パシャ
時臣「お待ちください英雄王!彼は肩に付いた糸くずを取っただけです!」
バーサーカー「」コクコク
雁夜「時臣ぃ……ゆるさんぞぉ」
時臣(な、私が許されてない……っ?)
ギル「ゆる……ゆる……」
雁夜「許さん……時臣ぃ……お前を殺してこのライオンの餌にしてやる……」
バーサーカー「」オロオロ
時臣(何のことだかわからんが、とにかく慈悲をっ……英雄王……)
ドゥルルルルルルルルルルル ジャン!
ギル「許ーーーーーーーす!!」テッテレー
時臣「ぃやったぁあああああああああああ!」ヒョーイ
雁夜「許さんぞ時臣!行け!バーサーカー!!」
バーサーカー「ゴォァアアアアアアアアア」
時臣「ひっ」
そんなだからおっさんはだめなんだよ
セイバー「やめてください!人違いです!」
ギル「貴様!!我が未来の伴侶に無断で近づくとは愚劣の極み!!」
時臣(これは絶対確実に許されない絶対)
ギル「ゆる……ゆる……」
キャスター「聖処女よ!ビーチに咲く一輪の花よ!どうかオイルを塗る役目は私めに」
セイバー「やめてください!人を呼びますよ!」
ギル「ゆる……ゆる……」
時臣(祈るだけ無駄なのか……っ?慈悲を……)
ドゥルルルルルルルルルル ジャン!
ギル「許ーーーーーーーーーーーーす!!!!」テッテレー
時臣「逆転勝利!!!!」ヒョーイ
キャスター「ジャァアアアンヌゥウウ!!!」
セイバー「エッカリ!!!!」ドゴォオオオ
キャスター「光がっ!」ドカーン
セイバー「すいませんアイリスフィール」
アイリ「魔力消費がハンパなくて切嗣びっくりしてたわよ」
セイバー「申し訳ない」
時臣(許される問題が起きない……!どうする、英雄王……?)
アイリ「戻りましょセイバー。切嗣が海の家で焼きそばを買ってきてくれているわ」
セイバー「ほ、ほんとですかアイリスフィール!」
アイリ「ふふっ!こういうところで食べる焼きそばは別格だって切嗣は言ってたわ。早く行きましょ」
ギル「……ま、まて」
時臣(声が小さい……っ!)
セイバー「」タタタッ
ギル「……くっ」
時臣(案の定行ってしまった……)
ギル「……許していた。許していたんだからな……!」
時臣(英雄王……)
ギル「綺礼か。無駄な詮索をするとは、お前らしくもない」
ドゥルルルルルルルルルル
言峰「やめろ、まだ出番じゃない」
アサシン「すいませんマスター」シュン
言峰「あれほどタイミングには気をつけろと言ったはずだ」
ギル「よい、許す」
アサシン「あ」
言峰「タイミングには気をつけろと言ったはずだ!!」
アサシン「す、すいませんマスター!!」
言峰「今!!」
アサシン「は、はい!」
ドゥルルルルルルルルルル ジャン!
ギル「そう怒ってやるな綺麗。許す」テッテレー
アサシン「ぃやったああああああ!!」ヒョーイ
言峰「やったなお前ら!」
言峰「まだ元気がないのか」
ギル「……」
言峰「セイバーのサーヴァントのことだろう?」
ギル「……」
言峰「ふっ。こうして水族館のクラゲコーナーにいても解決せんぞ?」
ギル「……」
言峰「ここに映画『宇宙兄弟』のチケットが二枚ある」
ギル「……」
言峰「どうすればいいかわかるな?」
ドゥルルルルルルルルル
ギル「……ふん。我を誰だと思っている」
ジャン!
ギル「我は英雄王。このチケットでセイバーを逢い引きに誘うことくらい容易いことよ!」テッテレー
言峰「いつもの顔に戻ったな」フフフ
ギル「……あ、のだな」
セイバー「早く用件を言ってくれるとありがたいのですが」
ギル「……」
セイバー「……」
ギル「え、映画の」
ケイネス・エルメロイ・アーチボルト「まったく!何で私が映画なんて見に行かなきゃならんのだ!」
ランサー「しかし我が主よ。ソラウ様よりいただいたこのチケット、無駄にはできません」
ケイネス・エルメロイ・アーチボルト「ではなぜそのソラウが来ていない!」
ランサー「そ、それは……(言えない、我が主に喜んでもらいたくてこのチケットを自分が買っていたことは……)」
ケイネス・エルメロイ・アーチボルト「役立たずめ!!」
ギル「……」
アイリ「セイバー!もう時間よー、『宇宙兄弟』始まっちゃうわー」
セイバー「はーい、今行きますー。それでは英雄王、失礼します」タタタッ
ギル「ゆるさんぞぉ……」プルプル
先生だから敬ってんだよ
ギル「見ていたのか、時臣。我の無様な姿を」
時臣「お許しください。私は英雄王の身を思って……」
ギル「ゆるさんぞぉ……ゆるさんぞぉ……」
ギル「……いや……許せないのは……好きな女に勇気も出せない我の弱い心だ……」
時臣「英雄王……今からでも遅くありません。映画を見に行ってください」
ギル「我に意見するか……」
時臣「どのような処罰も覚悟の上、言わせていただきます」
セイバーのサーヴァントが見ている映画は、英雄王の見る映画と同じ。
なれば、上映終了後、彼女をカフェに誘い、感想などを議論し合うのがよろしいかと」
ギル「……」
時臣「英雄王……どうか英断を」
ドゥルルルルルルルルル ジャン!
ギル「忠臣の願いだ。聞き入れんわけにはいかんさ。では、行くぞ」テッテレー
時臣「……はっ!行ってらっしゃいませ、英雄王!」
ギル「何を言っている。お前も行くのだ。チケットは二枚ある」
時臣「は、はっ!すぐに!」タタタッ
ギル「せ、セイバー!」
セイバー「ああ、英雄王ですか。あなたもこの映画を?」
ギル「あ、ああ!そ、それでだな……!」
時臣(英雄王……!)
アイリ「ちょうど良かった。ならみんなでランチに行かない?映画の感想を言い合いながら」
ギル時臣「!」
セイバー「いいですね。どうですか英雄王。この後予定は?」
ギル「あ、あ」
時臣(英雄王……どうか、勇気を……!)
セイバー「英雄王?」
ドゥルルルルルルルルル ジャン!
ギル「い、いいだろう!さっそくランチとやらに行こうではないか!」テッテレー
時臣「ぃやったぁああああああ!!!!」ヒョーイ
アイリ「何!?」ビクッ
ギル「どうだ綺礼。我にかかればこの程度」フフン
言峰「しかし二人きりではなく四人とは……これではデートとは言えんな」ククク
ギル「……貴様、許さ……いや、その通りだ」ショボン
言峰「だが前進。これは大きな一歩だ、英雄王」
ギル「そ、そうだろう!?そうだよな!」
言峰「慢心するな、英雄王。お前の悪い癖だ」
ギル「ぐ……」
言峰「次に事を運ぶのだ。英雄王。次こそ二人きりのデートだ」
ギル「ふ、二人か……大丈夫なのか?いつ行くのだ?どこへ?」
言峰「落ち着け英雄王。今までお前はいくつものデートスポットを回ったはずだ」
ギル「ああ、デパートに遊園地、動物園に水族館。綺礼、お前が行けと言ったのだろうが」
言峰「全てはここまでの伏線。二人きりのデートのための布石」
英雄王……お前は色んなところへ赴き、色んなことを感じたはずだ。
何が楽しかったか。何が嫌だったか。よく考えろ。
英雄王……お前は彼女をどこへ誘いたい……?」
ギル「……我は……」
ギル「ああ、そうだろう、そうだろう」
セイバー「あっ!あっちはクラゲコーナーですよ!英雄王!」フンフン
ギル「ああ、その場所は我が一等気に入っている場所だ」
セイバー「そうですか、綺麗ですね」ポケー
ギル「……ああ、綺麗だ、セイバー」
セイバー「ええ、クラゲとは美しいものです。これも初めて知りました」
ギル「……セイバー、クラゲを見たままで良い、聞いてくれ」
セイバー「?」
ギル「我は、以前この場所に来たとき、貴様のことを考えていた」
セイバー「クラゲのことじゃなく?ここ、クラゲコーナーですよ、英雄王」
ギル「我と貴様は敵同士、本来相容れぬ関係にある、しかし我は英雄王ギルガメッシュ。
この世に持ち得ぬものはなく、叶えられぬこともない」
セイバー「?」
ギル「つ、つまりだ。聖杯戦争なんて関係ない。我が何とかしてやる。だから……」
セイバー「?」
ギル「黙って聞け!セイバー!我は……我は……!!」
ドゥルルルルルルルル
ギル「アサシン。いや、ハサンよ。今は、今だけはやめてくれないだろうか……?」
アサシン(……あの英雄王が、頼み事、だと……?)
セイバー「?」キョトン
ギル「今から我は、我の力だけで好いた女を口説くのだ……!」
セイバー「好いた……女……!?」ボンッ
ギル「セイバー、聞いてくれ」
セイバー「えっ?えっ?」アタフタ
ギル「……セイバー、キミが好きだ。キミを守りたい。
この世の全ての悪意から、キミを救い出したい。
この我の全ての財宝を投げ出してでも、キミの笑顔がほしい。
キミの涙の一滴を止めるために、我はこの身を削ったってかまわない。
我が聖杯に望むのは、キミへの愛だけだ。
キミが聖杯に望むことは知っているつもりだ。
だが、我はその願い以上の愛を持って、キミを幸せにして見せる!」
セイバー「あわ、あわわ///」プシュー
セイバー「……」カオマッカ
時臣(よくぞ勇気を……!さすが我が英雄王!!)
言峰(ふっ。やるじゃないか、英雄王)
アサシン(神よ、どうか英雄王に慈悲を……っ!)
セイバー「あの……まだ、よくわかりませんが、その」
言峰「アサシーーーーーン!!」
アサシン「はいっ!」
ドゥルルルルルルルルル
セイバー「あの、えーと」
ドゥルルルルルルルルル
ギル「……」
ジャン!
セイバー「お友達からで……」テッテレー
ギル「ぃやったぁあああああああ!!……のか!?」
ギル「我のことはギルガメッシュと呼べ、いや、呼んでほしい」
セイバー「は、はい……ギルガメッシュ。では、私のことはアルトリアと……」
ギル「ああ、アルトリア!」ギュッ
セイバー「……エヘヘ」カオマッカ
時臣「やりましたね!英雄王!」タタタッ
アサシン「立派でした!感動しました!」タタタッ
言峰「ふん。お前にしては上出来だ」テクテク
ギル「貴様たち……!」
セイバー「あの……ギルガメッシュ?」
ギル「ああ、紹介しようアルトリア。多少知っているかもしれんが、こいつらは、その……我の、『仲間』だ」
時臣「ヘヘッ」
言峰「フフ」
アサシン「ニヒヒ」
セイバー「そうですか。英雄王はいい友人をお持ちだ」
セイバー「そ、それは、その……」プシュー
言峰「慢心するな!英雄王!全てはこれから始まるのだ!」
ギル「これから……?」
言峰「そう!これからお前は自らの力を持ってして、かのアーサー王の愛をつかみ取るのだ!アサシーーーン!!」
アサシン「はいっ!!」
ドゥルルルルルルル
言峰「いいか英雄王。これよりお前の進む道は茨渦巻く魔境の道そのもの!
引き返すことはもとより、止まることさえ許されぬ地獄の行軍!
しかし、それを乗り越えることすなわち彼女の愛を手に入れることは、まさしく天上の愉悦すら凌駕しうる代物!最高の宝!!」
ドゥルルルルルルルル
言峰「これから先は二人の物語になる!英雄王ギルガメッシュと騎士王アルトリアとの恋物語にするんだ!
わかるかギルガメッシュ、もう私から言うことはただ一つの言葉だけだ!それはっ!!」
ジャン!!!
言峰「頑張れ、ギルガメッシュ」
ギル「綺礼……」
アサシン「ええ、この先に立ち入ることがいかに無粋か、赤子や暗殺者でもわかることですからね」
言峰「さあ行け!!英雄王よ!愛をつかむのだ!!」
ドゥルルルルルルルルル
セイバー「行きましょうギルガメッシュ!私、あっちの深海魚コーナーも見たいです」フンフン
ギル「ああ!行こう!アルトリア!」
ドゥルルルルルルルルル
時臣「英雄王!どうか最後に慈悲ある一言をっ!!」
ドゥルルルルルルルルル
ジャン!!!!!!!!
ギル「さらばだ、みんな!そしてセイバー!!好きだっ!!!」テッテレー
セイバー「さっき聞きましたよっ!ギルガメッシュ!」カオマッカ
オワリ
和んだ
面白かった
Entry ⇒ 2012.06.02 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ギル「貴様が我のマスターか」 両津「そうだ金ピカくん」
両津「何を言う!マスターの物はマスターの物、サーヴァントの物はマスターのものだろ」
両津「それより馬さんが負けちまったから、また二つ三つよこしなさい」
ギル「もはや許せぬ!雑種ゥ!!王の財宝!!」ドンッ
両津「ほいほいほいっと!」ヒュンヒュン
ギル「ば、バカな…」
両津「いやwwありがとう金ピカくんこれでまた競馬に行けるよwww」
両津「さらば明智君!」
ギル「我の宝物を返せ!!」
バサカ「グァァァアアアアア」
部長「今度という今度は許せんぞ!!!」
部長「行くぞバーサーカー!!両津にきついお灸据えてやらねばならん」
バサカ「…」コクコク
ランサー「あ、あのーマスター?聖杯戦争の説明聞きました?」
左近寺「俺は沙織さえいれば満足だ〜〜〜」
ランサー「ですが聖杯は万能の願望機。もし手にすることができれば」
ランサー「沙織殿をこの世に呼ぶことも可能で…」シュタ
左近寺「オッス!!!ランサー!!気合入れろ!!!」
本田「ひぇぇ〜〜〜そうです〜〜〜」
ライダー「何だ。おどおどしおって。男なら胸を張らんか!!」
本田「わ、分かりました〜〜〜」
ライダー「これが我がが宝具神威の車輪だ!!」
本田「す、すごいです〜〜」
ライダー「どうだマスターちょっと触ってみろ」
本田「は、はい〜」
ライダー「といってもワシ以外には動か…」ドゴンッ
ライダー「な、なにーーー」
本田「おっさん!!振り落とされんなよ!!うおりゃぁぁ!!」
ライダー「…スゲー」
ボルボ「うむ…悟られぬように」
アサシン「はっ!」
ボルボ「あ!そこは…」ドゴン
アサシン「グヘァァアア」
ボルボ「侵入者避けの地雷があるのに…」
切継「…舞弥」
舞弥「はい…判明しているサーヴァントは3人。アーチャー、バーサーカー、ランサーです」
舞弥「またマスターはどれも魔術に関しては素人のようです」
アイリ「まさか…聖杯戦争に3人も素人が選ばれるなんて」
切継「だが僕たちには好都合だ」
切継「舞弥。君は残るサーヴァントの情報を」
切継「アイリ。君は手筈通りセイバーを連れて亀有に向ってくれ」
アイリ「分かったわ、セイバー」
セイバー「分かりました」
ギル「我が宝具は一つが一国に値する」
ギル「それがすでに5つも質に入れられた…どういうことだ!カンキチ!!」
両津「それがなー質屋の親父足元を見やがって!!後プラモ屋の親父にも」
両津「借金の型に持っていかれてしまってww残ったのは馬さんに持って行かれた」
ギル「」
両津「まあいいじゃないか!!金は天下の回りものっていうだろ」
両津「そんなことより聖杯とか言うのを手に入れることを考えろ」
両津「金金金金金金」(ワシは警察官として亀有の平和を願う)
ギル「…ダダ漏れだ雑種」
両津「いっ!…まあまあそんなことはどうでもいいんだよ」
両津「やるからには勝たねば」
ギル「無論だ。我に敗北は無い」
アイリ「エスコートしてくださる?騎士様」
セイバー「ええ、もちろんですアイリスフィール」
海辺
アイリ「今日は楽しかったわ。セイバー」
セイバー「私もですアイリスフィール。ですが…」
アイリ「…ええ、敵ね」
セイバー「出てきなさい」
ランサー「お初お目にかかるセイバー」
セイバー「貴方はランサーですね」
ランサー「ああ。我が主の沙織三次元化計画の為に倒れてもらうぞ!!」
セイバー「こちらも参る(沙織って何でしょう?)」
ランサー「これが我がゲイ・ボウの力だ」
セイバー「不味いですね…」
???「うわぁぁあああ!1止めろマスターーーーーーー」
本田「ヒャッホーーーーーー」
ライダー「無茶し過ぎじゃマスター…」
セイバー「新手か…」
ライダー「はあはあ…我こそはマケドニアのイスカンダル!!!!」
本田「ひぇえええ!!怖いです〜〜帰りましょう〜〜」
ライダー「…ホントにさっきのマスター?」
ライダー「まあ、とにかくお前たちの武勇を見込んだワシに仕えろ」
セイバー「何を馬鹿な…」
ランサー「我が槍はマスターの為だけに…」
ライダー「残念じゃのー」
セイバー「黄金のサーヴァント…」
ランサー「また新手か」
ライダー「いや、もう一人いるな」
部長「いたぞ…両津のサーヴァントだ…イケ!!バーサーカー」
バサカ「グォオオオオオオオ」ドンッ
ギル「狂犬が…消え失せろ!!」
バサカ「グァアアアアア」カキンカキン
ギル「我が宝具を…カンキチのようにしおって!!」
ランサー・セイバー・ライダー『カンキチ?』
セイバー「クッ…こちらに向かってきた!!」
バサカ「グギャアアアアア」
セイバー「クッ…不味いですね」
バッッカモーーーーーン
バサカ「」ビクッ
セイバー「あれ?攻撃が止まった」
バーサーカー、ワシは両津のサーヴァントを狙えと言ったはずだ
後でお仕置きだ!!
バサカ「」プルプル ヒュッ
セイバー「帰りましたね…」
ランサー「帰ったね」
ライダー「うちのマスターと同じくらい怖そうじゃ」
ギル(両津…?カンキチの知り合いのようだな…)
左近寺「おう!」ピコピコ
ランサー「…あのーマスターいつまでゲームしているんですか?」
左近寺「もうすぐ告白イベントなんだよ!!さおりーーーー」
ランサー「…私はそこで見張りをしています」
ランサー(こんなことでいいのか…マスターと心を通じ合わせなくては)
ランサー(私もあのゲームやってみよう)
ランサー「マスターは留守か…ちょうどいい」
ランサー「えーっと名前を入れてくださいか…ディルムッドっと」
ランサー「この沙織とかいう女性と恋仲になればいいのだな」
ランサー「輝く貌の名に懸け必ず落として見せる!!」
ダイスキダヨ ディルムッドクン
左近寺「」パサ
ランサー「ふぅ…とうとうクリアか…」
ランサー「おやっ…マスターお戻りでしたか」
左近寺「…に」
ランサー「えっ?何ですかマスター」
左近寺「なに、してるって言ってるんだ!!ランサー!!!!!!」
ランサー「え、なにって…」
左近寺「やはり伝承どおり主人の女をNTRずにはいられないみたいだな」
ランサー「そ、そのようなことは…」
左近寺「自害せよ!!ランサー!!!!」
ランサー「何をするだー…グヘァア」ドシュッ
ランサー「貴様らに呪いあれ!!聖杯に呪いあれ!!!!」
ランサー脱落
ボルボ「左近寺…お前…」
ボルボ「…残りのキャスターについての情報を集めろ」
アサシン「はっ(あぶねーーあそこ確か地雷あったな…避けないと)」
ボルボ「あっ!」ドッゴーーーン
アサシン「グヘオラアアアア」
ボルボ「罠の場所変えてたんだ…」
ギル「…元手は?」
両津「部屋にあったお前の金ピカ鎧」
ギル「キッサマーーーーーーーーー」
ギル「…もういい寝る」
両津「グッドイブニーング金ピカくん。わしはこれからもうひと当てしてくる!」
ギル「はあ…エアと我が友エンキドゥはいつも持ってよう…」
両津「金ピカ!!!金貸してくれ!!!」
ギル「貴様。昨夜の金はどうした?」
両津「てやんでぇ江戸っ子は宵越しの銭は持たねえんだ!!」
ギル「…スッタな」
両津「そうというかもしれないしそうでないかもしれない」
両津「すぐにいくぞギルガメッシュキリッ」
両津「というわけで亀有にあるアインツベルンさんの城にきました」
ギル「誰に言っている…」
両津「気分気分ってデカイ城だな…ワシが貰ってしまうか」
両津「ん?あれはボルボ…」
ボルボ「まずは一番弱そうなセイバーを倒すぞ」
アサシン「…セイバーは三騎士のひとりですよ」
ボルボ「両津相手よりよっぽど楽だ」
アサシン「分かりました」
ボルボ「俺がマスターの相手をする。セイバーは頼む」
アサシン「はっ!」
セイバー「私がアサシンに後れをとるとでも」
アイリ「セイバーはアサシンを、私はマスターの相手を」
セイバー「心得ましたアイリスフィール」
ボルボ「来たな衛宮切継!」
アイリ「えっ!あなた何故切継の事を!」
ボルボ「お、女!!」
アイリ「切継の所へは行かせないわ」
ボルボ「うわわわ…来るな!!」
アイリ「切継から習った格闘技よ!!」ボインッ
ボルボ(む、、胸が…は、鼻血が…)
アイリ「隙ありよ!!」
ボルボ「し〜あ〜わ〜せ〜〜〜〜」ドタッ
アイリ「…案外弱いのね…」
セイバー「どうやらマスターがやられたみたいですね…」
アサシン「マジかよ―――良いとこなしーーー」
アサシン脱落
両津「まあ…ボルボの奴だったからな」
ギル「どうするカンキチ。乗り込むか?」
両津「もちろんだ!!」
両津「おい開けんか!!警察だ!!」ドンドン
城内部
切継「…」
アイリ「…普通にやってきたわね」
セイバー「…何なんでしょうか」
アイリ「どうしましょう?」
切継「僕が隠れて狙撃する…アイリは気を付けて奴を内部に」
アイリ「わかったわ…」
両津「がははは!!どうだ金ピカ頼めば何とかなるだろう」
ギル「どう考えても罠だ…カンキチ」
両津「失礼しますよ奥さん」
切継(もう少しだ…よし、今だ…)ドンッ
両津「ブエックショーーーン」ヒョオイ
切継「ば、バカな…くしゃみのせいで…」
両津「ん、そこのおっさんは何してんだ?」
切継「な、何でもない」
アイリ「貴方もマスターでしょう。何の用かしら」
両津「まあまあいいから」
???「この名門アーチボルト家の私が聖杯戦争に参加できないとは…」
???「くそう!!」
???「このせいでソラウにも振られてしまった」
???「あー名門の私がなぜこんなことに――」ヒュー
???「ん?何の音だ?」ドゴンッ
???「グヘァアア」
名門アーチボルト家のおっさん切継の流れ弾で脱落
アイリ「それでカンキチさん。あなたが聖杯を狙う理由は」
両津(警察官として亀有の平和を願う)「金に決まってる!!!」
ギル「…もう突っ込まんぞ…」
セイバー「…貴方も苦労してますね」
ギル「ああ…どうだ向こうで飲まんか…神代の美酒もあるぞ」
セイバー「付き合いましょう」
両津「んーーーそうといえばそうだな」
アイリ「…ではこの聖杯戦争で私たちに協力してくださればお金ならいくらでも差し上げます」
両津「協力しようキリッ」
アイリ「切継もそれでいい?」
切継「ああ…」
アイリ「後残っているサーヴァントは私たちを除けば」
アイリ「バーサーカー、ライダー、キャスターね」
アイリ「キャスターのマスターは分かっていないわ」
アイリ「ライダーは本田という一般人よ」
両津「本田ぁ?あいつならワシが何とかしよう」
アイリ「バーサーカーがブチョウと呼ばれる中年よ」
両津「ぶぶぶぶぶちょーーーー」
アイリ「知ってるの?」
両津「ワシの天敵だ」
キャスター「おおっ!!我がマスターよ今だ目覚めないのですか!」
キャスター「んん…どうすればいいのやら」
キャスター「すでに聖杯戦争が始まって1カ月」
キャスター「マスターは今だ目覚めない」
キャスター「しかたありません。もう少し待ちますか」
キャスター「しかしテレビというのは便利ですねー」
テレビ「オリンピックまで残り1週間となりました」
本田「せ、センパイー何ですかーびっくりしましたよ〜」
両津「お前マスターだろ。ワシに協力しろ!」
本田「ええっ!先輩もマスター何ですか〜」
両津「そうだ。良いから協力しろ」
本田「駄目ですよ〜聖杯で奈々ちゃんとデートに〜〜」
両津「それくらい自分でしろ!!」
本田「わ、分かりましたよ〜〜」
両津「という訳で快く協力してくれる本田君だ」
アイリ、切継、セイバー、ギル(絶対無理やりだろー)
両津「頼むぞ本田」
本田「はい〜〜泣」
ライダー「いや…マスターが決めたのならしょうがない」
セイバー「あのリョーツという男は何者なのでしょうか…」
ギル「英雄でないことは確かだな…」
1週間後
アイリ「切継、カンキチキャスターの魔力反応よ!!」
切継「場所は?」
アイリ「えーっと亀有商店街みたいだわ」
両津「ワシの家の近くじゃないか」
本田「急ぎましょう先輩〜」
プラモ屋「何だあいつは」
寮のおばちゃん「変な人だね〜」
キャスター「…コホン、まあいいです」
キャスター「目覚めよ我がマスター!!」
日暮「zzzzzz」
日暮「zzzzzはっ!」
キャスター「おおっ!ついについにお目覚め…グハッ」
キャスター「な、なにを…」
キャスター脱落
両津「作りかけのプラモが…」
両津グゥウウ…「誰がこんなことを」
ギル「…どうやらあれのせいらしい」
両津「日暮ィ!!どこの馬鹿が無理やり起こしたんだ!!」
本田「うわ〜〜〜日暮さんめっちゃ怒ってますよ〜〜」
アイリ「な、なんなのあれ」
両津「ワシの同僚の超能力者だ!無理に起こしたから暴走してるんだ」
アイリ「止めないと!セイバー」
セイバー「心得ました」
本田「両津のダンナぁ!!コイツに乗ってくれ」
両津「おう、助かったぜ本田!」
ライダー「ワシの宝具なのに…」
ギル「我が宝物を防ぐとは…亀有の人間は化け物揃いだな…」
日暮「グァアアアヨクモオコシタナ!!!」
両津「日暮ィーーー止めろ―――」
本田「やっぱ駄目みたいですね…旦那」
両津「気絶させるしかないか…」
両津「おーい金ピカアイツを何とか気絶させろーーー」
ギル「カンキチめ無茶を言いよる…」
ギル「だが手がないわけではないか…」
ギル「騎士王、征服王お前たちも何かあるか?」
セイバー「ええっ…我が宝剣の一撃であれば」
ライダー「我が固有結界の軍勢を使おう」
ギル「我がエアをここで抜けばこの町が消し飛んでしまう」
ギル「征服王貴様の固有結界で奴を閉じ込めろ」
ギル「そこを我とセイバーが叩く」
ギルが商店街の心配してるぞwwwwww
ライダー「無茶言いよるのー」
ギル「ではいくぞ!」
ライダー「くらえ我が王の軍勢!!!」
日暮「ナンダァアアアア」
ギル「いくぞセイバー!!」
セイバー「はいっ!!」
ギル「エヌマァ・エリッシュ!!!」ギャオン
セイバー「エクスカリバー―――――!!!」ドゴン
日暮「バ、バカナーーーーーーー」シュッ
両津「やったぞ!金ピカ!!」
本田「でも日暮さんのせいで町は滅茶苦茶ですぜ旦那」
両津「それはしょうがない」
日暮「うぅーーんよく寝たなーー」
日暮「あっ!両さん頼んでたゲーム手に入った?」
両津「そんなこといっとる場合か!!」
アイリ「生きてるわよ…」
切継「僕この仕事辞めるよ…自信無くした」
セイバー「人間スゲー」
ギル「我ももう少しまともになろう…」
ライダー「世界征服なんて言ってた頃がワシにもありました」
両津「何はともあれ一件落ちゃ…」
リョーーーツーーーーーーー
ギャオオオオオオオ
部長「両津ーーーー街を滅茶苦茶にしおってーーー」
バサカ「」ブルブル
両津「あわわわわ…誤解です!!!ぶちょーーーーーー!!」
部長「バッカモーーーーーーーーーーーーン」
両津「ひぇぇぇぇええええ聖杯戦争なんてコリゴリだ!!!!!!」
終わり
乙
ある意味平和だった・・・?
乙
Entry ⇒ 2012.05.22 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
切嗣「飛行機にぶちこむはずだった対空ミサイルはずしちゃった」
切嗣「すまないナタリア…」カチャッ
切嗣「ミサイル発射!」
ヒュ~~~~~ン……
切嗣「あれっ?」
切嗣「やっべはずした!」
ナタリア『おい坊や』
切嗣「あっナタリア」
ナタリア『お前私が着陸するまでちょっとそこ動くなよ』
切嗣「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ」
切嗣「…」
ナタリア「え?なにお前。え?」
切嗣「え?何が?」
ナタリア「いやいやいや。お前さっきさ…え?」
切嗣「なになになになに。なにいってるのか全然わかんない」
ナタリア「あれ?そうやってとぼけるの?あーそうそういう態度なんだ。ほぉ〜」
切嗣「え?なんで?なにそのカンジ」
ナタリア「いやいやいやとぼけるなよ。そのミサイルなんだよ」
切嗣「え?普通に射撃の練習してただけだけど?」
ナタリア「は?通らないだろそれは」
切嗣「は?ナタリア意味わかんね」
旅客機じゃ回避不能だろ
切嗣「え?え?何それ何それ。初耳なんですけど」
ナタリア「いや撃ったよね?普通に」
切嗣「え?撃ってないけど別に」
ナタリア「じゃあさっき私の方に飛んできたミサイル何さ」
切嗣「いやだから射撃の練習しただけだけど」
ナタリア「さっきまで私の通話してたよな?なんで急に射撃の練習始めるの?」
切嗣「…」
ナタリア「ほら黙った」
切嗣「え?黙るってなにが?呆れてただけだけど?」
切嗣「ナタリア全然僕の言い分聞いてくれないし?」
切嗣「会話しても無駄かなみたいな?」
ナタリア「お前普通に私のこと殺そうとしたべ?」
切嗣「え?え?何が何が?全然わかんないんだけど」
ナタリア「だから私のことゾンビごと殺そうとしたべって」
切嗣「え?なんで僕がそんなことすんの?ナタリアって僕の母親的な存在じゃん?」
切嗣「ナタリアを殺すメリットないよね僕に」
ナタリア「お前正義の味方目指してるよな?なんか」
ナタリア「私が着陸したらゾンビも一緒に来ちゃって被害が出るから」
ナタリア「私ごと殺そうとしたとかそんなカンジだろ?」
ナタリア「マジふざけんなや」
切嗣「え、なにその被害妄想」
切嗣「そんなん別に関係ないし」
ナタリア「あ?」
切嗣「なにそれ」
切嗣「なんで僕こんなナタリアに責められてんの?」
切嗣「マジ意味わかんないし」
ナタリア「意味わかんなくないだろ。人の命狙いやがって」
切嗣「だから誤解だって言ってんじゃん」
ナタリア「誤解も糞もないんだよ。普通に決定的だから」
ナタリア「もし私が魔術でミサイルの軌道そらさなかったら」
ナタリア「ふつうに木端微塵だったからな?私」
切嗣「…」
ナタリア「もういいわお前」
ナタリア「もうこっから別行動な?」
ナタリア「あ?」
切嗣「仮に僕がナタリアを殺そうとしたとしてもさ?」
ナタリア「はい認めたー。殺意があったって認めたー」
切嗣「話の腰おるなよ」
切嗣「仮に僕がナタリアを殺そうとしたとしてもさ」
切嗣「え、僕悪いの?」
ナタリア「は?」
ナタリア「お前ふざけんなよ誰にここまで育ててもらったと思ってんだ」
切嗣「だってナタリアが着陸したらさ」
切嗣「被害増えてたよね?実際」
切嗣「え、何それ、それこそエゴだよね?」
切嗣「あんた中のゾンビとか蜂どもどうした?」
切嗣「放置でしょ?放置だよね?てゆーかどうにもならないよね?」
ナタリア「それはお前…」
切嗣「ないわー…」
切嗣「…」
ナタリア「だからって親を殺していいのかい?」
切嗣「殺すさ」
ナタリア「それで沢山の人が救われるなら?」
切嗣「ああ、殺す」
ナタリア「でもそれで助かるのは結局見ず知らずの他人だろう?」
ナタリア「大切な人を失ってまで守るべきものかね」
切嗣「守る」
切嗣「正義の味方は平等でなければならない」
ナタリア「そうかい…だったらやっぱりここでお別れだ」
切嗣「さよならナタリア」
切嗣「はっ」
切嗣「夢か…」
アイリ「おはよう切嗣」
切嗣「おはよう」
アイリ「切嗣がうたたねなんて珍しい」
切嗣「そうだね…」
アイリ「さ、皆で約束の焼き肉に行きましょう」
セイバー「焼き肉FOOOOOOOOOOOOO!!」
切嗣「わかった…行こうか」
ジュージュー
イリヤ「焼き肉だー」
セイバー「よっしゃ喰うぞおおおおおおおおおおおおおおお」
切嗣「あ、店員さん肉適当にホルモン多めで」
アイリ「白いご飯食べる人ー」
セイバー「はいはいはいはいはいはいはああああああああい!」
セイバー「うひょひょ来ました来ました!」
アイリ「食べ放題だからいっぱい食べてね」
イリヤ「わーい」
セイバー「じゃあさっそく…」
切嗣「待てっ!」
セイバー「」ビクっ
切嗣「アイリ…この愚鈍な騎士王様に教えてやってくれないか」
切嗣「衛宮家の食事ってやつを…」
アイリ「あのねセイバー、うちでは焼き肉は切嗣が仕切ることになってるの」
セイバー「仕切る、とは」
アイリ「音楽でいう指揮者のようなものよ」
セイバー「鍋奉行のようなものですか」
切嗣「ほらこれだ(笑)」
切嗣「聞いたかいアイリ、イリヤ」
切嗣「この騎士王様は焼き肉を単なる食事だと思っている」
切嗣「焼き肉と言うものはね…一つのアート、芸術なんだよ」
切嗣「よって僕が指揮をとる!勝手な真似をするものは容赦なく叩きだす」
セイバー「…今ようやくわかった」
セイバー「貴様は外道だ!」
切嗣「なんか腹ペコ王がゴチャゴチャ言っているが」
切嗣「財布のひもを握っているのは僕だということをわすれないでほしいもんだ…」
セイバー「くっ……鬼畜め!」
アイリ(食べ放題で何を偉そうに)
切嗣「さっそく仕分けよう」
セイバー「くそう…私の胃はもはや胃酸で溶けそうだというのにっ…!」
切嗣(思い出すな…昔を)
切嗣(この焼き肉スキルもナタリアから教わったものだ…)
ナタリア「いいかい、私が合図するまで食べてはならん」
切嗣「いいじゃんどうでも。焼き肉なんて食べれればそれで」
ナタリア「焼き肉をなめるなあっ!」
切嗣「」ビクッ
切嗣(どっちだよ)
ナタリア「イメージとしては…そうだな、父親を殺した時を思い出せ。あの引き金を引く感覚だ」
切嗣「焼き肉ごときで嫌なこと思い出させるなよ!」
ナタリア「おまっ…焼き肉と父親どっちが大事なんだ!」
切嗣「今は焼き肉だ!」
ナタリア「そうだろうそうだろう」
切嗣「いいからとっとと教えてくれ。はやく食べたい」
ナタリア「よしきた。次は野菜だが、これはそうだな…初めて他人にナイフをつきたてた時を思い出せ」
切嗣「いちいち殺人に置き換えるのやめろ」
ナタリア「ごめん…」
ナタリア「今までずっと一人焼き肉だったから…はしゃぎすぎた…」
切嗣「いいけどさ…」
セイバー「切嗣」
切嗣「はっ」
セイバー「何をボーッとしているのですか、はやく焼いてください」
イリヤ「お腹すいたー」
切嗣「ああ、ごめんごめんイリヤ」
切嗣「タイムアルター…ダブルアクセル!」
バッバッバッバッバッ!
セイバー「うわっすさまじい手際です」
アイリ「出たわね切嗣の得意技が…倍速肉焼き」
切嗣「『焼いて』『ひっくり返す』…それが僕の魔術の起源だ」
セイバー「まじすか」
アイリ「切嗣それ絶対だまされてるわよ」
切嗣「え?なにが」
アイリ「それが事実ならランサーのマスターに起源弾ぶちこんだのは何だったのよ」
切嗣「だから…焼けた後ひっくり返ったんじゃない?魔術回路が」
アイリ(私の夫の起源焼き肉かよ)
セイバー「切嗣、焼けています!」
切嗣「おっいい感じだ」
切嗣「じゃあ…」
セイバー「わくわく」
切嗣「はい、イリヤ。熱いから気をつけるんだよ」
セイバー「!?」
イリヤ「わーい」
セイバー「…もう一度言う」
セイバー「貴様は外道だ!」
アイリ「良かったわねイリヤ」
セイバー「ぐやじいよおおおおおおおおおおおおお」
切嗣「アイリ、そこの英雄(笑)に言ってやってくれないか。お前が食べる順番は一番後だと」
アイリ(自分で言えよ)
セイバー「好きにに食べさせてくれてもいいではないですか!」
切嗣「駄目だって言ってやれアイリ」
アイリ(だから自分で言えよ)
セイバー「この頑固やろうと言ってやってくださいアイリスフィール」
アイリ(お前もかよ)
士郎「そうだったのか」
セイバー「ええ。結局私が食べれたのはナスとピーマンだけでした」
士郎「じーさんもひどいな」
セイバー「全くです。ですから、今夜の焼き肉は楽しみにしていました」
士郎「はは、じゃあいっぱい食べてくれよな」
凛「セイバー、白いご飯食べる?」
セイバー「食べますとも!」
桜「お肉持ってきましたー」
セイバー「きたきたあああああ」
士郎「待てっ!」
セイバー「」ビクッ
士郎「桜、教えてやってくれないかこの腹ペコ王に、衛宮家の食卓ってやつを…」
桜「セイバーさん、ウチでは(←本妻アピール)焼き肉は先輩が仕切ることになってるんです」
士郎「じーさん直伝の焼き肉マエストロの腕前を見せてやるぜ!」
セイバー「受け継がれてるうううううううううううううううう!?」
ナタリア「私の焼き肉テクは永遠に不滅だ…。坊や、アニメ頑張れよ」
完
議論に花をさかせやがって混ぜてくれよくそっ
乙
もっとアニメもナタリアさんと切嗣で続けて欲しかった
Entry ⇒ 2012.05.14 | Category ⇒ FateSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
ギルガメッシュ「苦しめ!セイバー!!」セイバー「う、うぅ…」
言峰「どうした?いつに無く上機嫌だな。ギルガメッシュ。」
ギル「もうすぐ、聖杯が手に入るのだからな!いてもたってもいられまい!」ハハハハ
言峰「まだ、手に入れたわけではない。そう気を早めるな。」
ギル「残るはセイバーとそのマスターだけであろう。
後は貴様が聖杯を召還し、そしてその泥をセイバーに飲ませれば…フフッ
アイツが苦しみ悶え、我に縋る姿が目に浮かぶ…ハッハッハッハ」
言峰「個人への執着は破滅を招くぞ?…。ギルガメッシュよ。」
ギル「愚問だな。我が負けるなどありえん。」
言峰「これは忠告ではなく、僅かながらもお前を心配してやっているのだ。」
ギル「くだらん。お前らしくないぞ言峰。」
言峰「まぁ、そう言わず付いてきたまえ。」
言峰「ふふ、我が協会が10年の歳月を費やし、やっと完成させた
究極の装置!その名も!
もしもこんな世界があったらいいな!装置!!」
…
ギル「くだらん。お前との戯言に付き合ってる暇はない。じゃぁな」
言峰「ま、待つのだ!ギルガメッシュ!」
ギル「なんだ?」
言峰「この装置はお前が思っている以上に素晴らしいものだ!」
ギル「ほぅ」
ギル「ふん、俺は実際にこの目でセイバーの苦しむ姿が見たいのだ。そんな紛い物などには興味ないわ!」
言峰「ふふ、この装置はほぼ完璧に五感を感じることができる。無論、現実のそれとは全く区別が付かない!
さぁ!ギルガメッシュよ!このヘルメットを!」
ギュッギュッ
ギル「こら、ま、まて!」
言峰「どうしたというのだ!?さぁ早く!」アセアセ
言峰「お前は何もする必要はない。ただ傍観していればいいのだ。
この装置が作りだす世界では、セイバー、やつの能力は無に等しい。
そして私が独自に不運A+のスキルを付加しておいた。」
ギル「それはすばらしいぞ!だが、万が一、我を退屈させるようなことがあれば…」
言峰「心配は無用だ。お前はあの世界で退屈など、ふふ…」ポチッ
ギル「うわぁぁぁぁぁぁ」
……
どうしようもない高校生ギルガメッシュである。
おっと、早速彼の目の前に飛び込んで来たのは
虚ろげな表情をして道端で立ち尽くす少女…
彼女の瞳に活気とうものは一つも感じられなかった…
タ タ タ
セイバー「えくす…」
ギル(は?)
セイバー「かりばー!」
ギル「何を言っているのだ?」
セイバー「はっ、あなたは…」
ギル「?」
セイバー「あなたはこの学園が好きですか?」
セイバー「私は好きだ。だが…、何もかも変わらずにはいられない…
楽しいこと、うれしいこと…。それでも」
ギル「ふん、くだらん。じゃぁな」
ギル(なんだ?今のは本当にあのセイバーなのか?まぁいい。楽しみはこれからだフフフ、ハハハ)
タッタッタッタッタ
ワイワイガヤガヤ
ギル(朝から雑種共め騒ぎ倒しおって!我の睡眠を邪魔するか!)
ガラッ
セイバー「お、おはよう!」
シーン…
ギル(なんだ?さっきまで騒がしかった教室が…)
士郎「おはよう!セイバー、さ、さぁ席につきなよ」
セイバー「」コクリッ
ヒソヒソ
(うわぁ…、アルトリアだよ…朝から馴れ馴れしく挨拶とか…)
(転校生の癖に生意気よねー)
(なんか口調も大人びてて気持ち悪いよな)
ヒソヒソ
孤立しているのだな、フフ、これは見物だ。)
士郎「心配するな。セイバー、きっと時間が解決してくれるはずだから。」
セイバー「士郎…。ありがとう…。私も皆に受け入れられよう努力する」
ギル(そうだ、足掻けセイバー。そしてもっと我を楽しませろ!)
ガラガラッ
切嗣「さて、みな席について朝のHRをはじめるよ」
シンジ「おい、竜之介」
竜之介「なに〜?超眠いんだけど」
シンジ「アイツ(セイバー)に紙くず当てて、誰が一番うまく当てれるか勝負しようぜ」
竜之介「いいね〜!よぉし!早速!」
ポカッ
セイバー「いたっ、だれ?」ジー
クスクス
セイバー「くっ…。」(ここは我慢だ)
ポカッ
セイバー「いたっ、おい!誰だ!今のは!」バンッ
切嗣「おいHR中だぞ。静かにしろ」
セイバー「す、すいません」スッ
クスクスクス
竜之介「俺のほうが絶対coolだったって!」
ギル「ハッハッハッハッハ!!これは愉快だ!」
切嗣「ギルガメッシュ、何がそんなにおもしろい。
HR中だぞ。」
ギル「チッ」
ギル(些細ではあるがこれもまた楽しみがいがって
良いものだぞセイバー、フフフ)
士郎「くそ、あいつら…」
生徒たちは皆賑やかに食事を楽しむ。
午前中、ずっと嫌がらせを受けていたセイバーにとっても
至福の時である。
美味しいお弁当を食べててストレスを発散しよう!
そう思い彼女は鞄に手を入れるのだが…
士郎「どうしたの?セイバー」
セイバー「ないんです!お弁当が!」
士郎「家に忘れてきたんじゃないの?」
セイバー「いえ!確かにもってきたんです!」
士郎「う〜ん。よし!じゃぁ一緒に探そう!きっと落としたんだと思う!」
セイバー「お弁当を落として気づかないはずがありません…」ショボーン
パチパチ
竜之介「さすが!旦那!あいつの弁当盗むなんてこと考えるのあんたしかいねーよ!!」
ジル「ふふふ、あの娘はお弁当を食べる時が至福の時だと私にはすぐわかりました!」
シンジ「だからって唯一の楽しみを奪っちゃうなんて!はっはっはっは」
ギル「雑種ども!さっさと開けて我に見せろ!」
シンジ「ではでは!改めまして…」
パカッ
ギル「おい、弁当から何かおちたぞ?」
ジル「どれどれ、これはお手紙のようですな」
シンジ「えぇ!誰から!?ラブレター!?」
ギル「興味深いな、我に読んで聞かせろ」
ジル「かしこまりました」コクリッ
セイバーちゃんへ
なんだか学校大変みたいね。転向してきたばっかりだし無理ないかな。
でもね、学校は本当におもしろくて楽しいことなのよ!
きっと、セイバーちゃんも学校が大好き!って思うはず!
だから、今は辛いと思うけど…がんばってね!
というわけで今日は唐揚げ大量サービス、笑
味わって食べてね!
大河より
竜之介「プハハハハハハッッ!!なんだこれ!?」
シンジ「こいつ毎日、手紙とか書いてもらってんの?あっはっはっは!」
ジル「こ、これは、さすがに本人に…」
ギル「くだらん、捨てておけ。」
シンジ「で、この弁当どうする?俺はおなかいっぱい」
竜之介「俺もパス」
ギル「我はこんな雑種のつくったものなど食さぬ。その紙切れと共に
捨てろ。」
ジル「かしこまりました…」
士郎「う〜ん、やっぱり見つからないな…」
セイバー「もう、探すのはやめましょう。」
士郎「で、でも…」
セイバー「早くしないと、士郎が食事をする時間がなくなっちゃいます。」
士郎「…。じゃぁ!今日は俺が食堂でセイバーの分もおごるよ!
ん?あれは?」
タッタッタッタッタ
士郎「…。誰だ…こんなことしたの…」
セイバ「どうしたのです?士郎!…、これは!?」
無残にもゴミ箱に放り込まれた
セイバーのお弁当であった。
ゴミ箱の中にぶちまけられたご飯や唐揚げらしきものの残骸が
痛々しい…
セイバー「う、うぅ…」ポロポロ
士郎「セイバー…」
セイバー「私は…、もう…学校には…」シクシク
士郎「だめだよセイバー!そんなの!あいつらに負けたようなものじゃないか!」
セイバー「ですが!士郎!私は…辛いのです…。」
士郎「でも!そんなの!」
セイバー「もうこんな目に遭いたくないんです!!」
タッタッタッタッタッタッタ
セイバー(はぁ、結局…何も食べてない)
士郎(絶対に!犯人を見つけてやる!!)
ギル(フフ、まだまだ楽しみはこれからだぞ…セイバー。
だが…なんだ?この胸にべたつく泥のような感覚は…)
ジル(うぅ…、聖処女よ…私は…)
言峰「それでは教科書の…」(何だ!?この無音の騒がしさは!!)
ギル「おい雑種、あの娘は何か部活とやらに所属しているのか?」
シンジ「ん?アイツは剣道部だが」
ギル「そうか、ならどこにいるのだ?」
シンジ「剣道場じゃない?じゃぁ俺も弓道がるんで」タッタッタッタ
ギル(セイバーが部活に励む姿などあちらの世界では願っても見れまい。
折角だ。見に行くとしよう)
学園内を彷徨うも一向に見つかることはなく…
途方にくれたギルガメッシュは
とりあえず、教室へと戻ったのであった。
教室の扉に手をかけたその時、
中から静かな泣き声が聞こえてくるのに気づいた…
セイバー「はぁ…、私は、この学園が好きだ…うぅ、士郎もいる…やりがいある部活動だってできる…
で、でも…私は…うぅ…」グスンッ
ギル「見損なったぞ、セイバー。」
セイバー「!?お、お前!いつから!?」アセアセ
ギル「我の知っているセイバーはそんな腰抜けではなかったぞ。」
セイバー「私の何がわかるというのだ!」
ギル「ふん、己の領分も越えた悲願に手を伸ばし、苦悩し、それでも尚、足掻くお前に我は惚れたのだ。」
セイバー「貴様…何が言いたい?」
ギル「たかが雑種共に心を折られるようなお前など我が寵愛には断じて値せぬ。」
セイバー「こんな…こんな私に説教か!」
標的にされるぞ」
ギル「我に命令するな。雑種共が我に手出しなど、笑わせるな」ハッハッハッハ
セイバー「…。強いのだな…お前は…。私に話しかけてくれる人なんて士郎しかいなかった…」
ギル「はぁ…。貴様、どこまで落ちるのだ?そんなもので騎士王を語るなど片腹痛いわ!」
セイバー「さっきからわけのわからないことを…お前は私を勇気付けようとしてるのか?」
ギル「勘違いするな。セイバー、我は正面からぶつかり足掻くお前を見たいだけだ。じゃぁな」ガラッ
セイバー「ギルガメッシュ…。」
帰り道、不適な笑い声を上げ、幾たびも人に指を指され
帰っていくギルガメッシュであった。
次の日
セイバーは休むことなく学校へ登校してきた。
しかし、今日の彼女は一味違う。
いじめに正面から向き合う覚悟できたのであろうか!?
そして、彼らの恩師でもある言峰先生は
このいじめ問題に早く気づくことができるのか!?
セイバー「士郎、えぇ、逃げていてばかりでも仕方ないですし。」
士郎「うん!そうだね!一緒にがんばろ!」
ガラッ
切嗣「みんなおはよう、早速HRをはじめます」
ヒソヒソ
シンジ「今日も勝負しようぜ!」
竜之介「今回はおあいこなしだぜ?」
ヒソヒソ
セイバー「いたっ…おい!だれだ今の!」ギロッ
切嗣「おい、HR中だぞ。どうして君は…」
セイバー「誰かが私に向かってこの紙切れをなげたのです!!」
切嗣「なに?おい、アルトリアにいたずらをしたのは誰だ?」
シンジ 竜之介 「」
切嗣「見たところノートの切れ端のようだが…何なら今すぐにでも
全員のノートをチェックしてもいいのだぞ?今のうちに申告すれば…」
シンジ「ひっ!はい、は〜い!俺がやりました!あ!こいつも!」
竜之介「あ!おい!」
切嗣「お前たち…、HR後すぐ職員室まで来なさい」
ギル(ふん、雑種共め!しくじりおって…)
士郎「すごいよ!セイバー!この調子でがんばろう!!」(俺も早く弁当の犯人を見つけないと…)
セイバー「えぇ、私は負けません!足掻きます!」
士郎「え?足掻く?」
セイバー「えぇ!足掻いて打ち勝ってみせます!」チラッ
ニコッ
ギル(なんだ?何故、我のほうをみて笑うのだ?)
ジル(あぁ…どうすれば…)
ギル(結局、あの雑種共はおとなしくしてたな…つまらん!帰るか)
セイバー「おい!」
ギル「はぁ…、何の用だ?」
セイバー「今日の私はどうだった!?強かったか!?」
ギル「はぁ?そんなこと知らん!」
セイバー「私はお前に言われて考えた…。そして、私は強くなろうって!」
ギル「そうか、まぁがんばれよ。我は帰る」
セイバー「お、おい!まだ言いたいことが!」
ギル(くだらん、変なこと言わなければよかった。我が見たいのはセイバーの苦しむ姿…
あんな、きらきらしたセイバーなど…見るに耐えん)
士郎「おい、シンジ!」
シンジ「なんだよ?衛宮、部活の邪魔しないでくれるかな?」
士郎「セイバーの弁当を捨てたのお前だろ!」
シンジ「!?お、おい衛宮。いくらなんでも俺がそんなことするわけないだろ?」
士郎「そ、そうだよな…疑ってわるかった…」トボトボ
ジル(うぅ…、アレは衛宮士郎…。やはり犯人探しを…)
セイバーにたいするいじめも次第に消滅していった。
なにもかもが丸く収まろうとしている中、
この青年、ギルガメッシュだけは違った。
日に日に彼の不満は苛立ちへと変わっていったのだ。
無理も無い
元をたどればセイバーを苦しめるためだけに作った世界。
セイバーの幸福など彼にとってあってはならないことなのだ。
言峰…、帰ったら八つ裂きにしてくれると何度思ったことか…
しかし、この装置、世界を作ったのは言峰綺礼…
それを忘れてはならない…
セイバー「おい、ギルガメッシュ。」
ギル「なんだ?」
セイバー「あの時、お前は私を勇気付けてくれたであろう?」
ギル「そんな覚えはない。」
セイバー「お前に自覚がないにしろ。私はお前にあのような事を言われ腹が立った。
お前を見返して、そして強くなろうって思ったのだ。」
ギル「くだらん。」
セイバー「だから、その、ありがとう!それじゃ!」タッタッタッタ
ギル(くそっ!なんのつもりだ!?セイバー、このままでは済まさないからな!!!)
ワイワイガヤガヤ
ジル「すみませんでした!!!!!!!!!!!」
シーン
セイバー「え?」
士郎「どうしたんだよ…急に」
ジル「この間、お弁当を盗んだのは私なのです!!」
士郎「おい!どういうことだ!」
信じてたぜ!!
ですが、いざ中身を見てみると…。大河殿やらの手紙が入っておりまして…
さすがに返してあげるべきだと…」
セイバー「それで!貴様は手紙もろとも捨てたというのか!!」
ジル「い、いえ!とんでもございません!私はこの通り…罪悪感でいっぱい
でありまして…ですが…」
士郎「なんだ!?」
ジル「ひっ!ですがあの男に!ギルガメッシュ殿に命令されまして!!!!ごめんなさいぃぃ!!!」シクシク
士郎「ギルガメッシュ…」
セイバー「え?え?え?」
士郎「おい!!ギルガメッシュ!お前!どういうことだ!?」
セイバー「下がってください…士郎。ギルガメッシュ…どういうことなのです?」
ギル「」
セイバー「答えてください!!」バンッ
ギル「」
セイバー「私は…、あなたに勇気づけ…」ポロポロ
ギル「ふふ」
セイバー「え?」
ギル「フフ、フハハハハハハハハハ!!!!!!!!」
セイバー「だが、あのとき…」
ギル「言ったであろう?我は苦悩し足掻くお前を見たかったのだ。
何を履き違えた?まぁ、いい。結果としてお前をこうして絶望へ突き落とせたのだからな
ハッハッハッハッハ!」
セイバー「…。」ポロポロ
士郎「お前!!」
ギル「どうした?セイバーよ。何か我に言いたいことでもあるか?」
セイバー「この下郎が!!」
タッタッタッタ
ギル「ふん」 バシッ
セイバー「あう!」バタッ
士郎「「セイバー!」
セイバー「貴様ぁ!」
士郎「俺がセイバーを守る!」
ギル「雑種が!お前は何も守れん!」ドカッ
士郎「うぐ!!」バタッ
セイバー「士郎!!」
ギル「ハッハッハッハッハ!」
セイバー「何故…。こんな酷いことを…」
ギル「これはお前に対する愛だ。セイバーよ」
ギル「ほう、戦いに生きたお前にわかるはずがなかろう!」
セイバー「お前は私を愛してなどいない!!」タッタッタッタ
ギル「ほざくな!」バシッ
セイバー「う…」
ギル「雑種には到底理解できまい、お前はそう這い蹲りもがいてこそ美しいのだ」バシッ
セイバー「あがっ」ドタッ
シンジ「お、おい…これはさすがに…」
ギル「おい、雑種共。この部屋から出れ我が制裁を下す。貴様らは黙ってろ!!」
ギル「フフ、ならお前にはわかるのか?祖国に見捨てられ滅んだ哀れな王よ!」
セイバー「私は…、この世界では…ただの女だ!」サッ
ドカッ
ギル「うぐ!なに!?」
セイバー「はぁ…はぁ…私はただの女子高生!普通の女の子だ!」
ギル「…。そうか、お前は騎士王ではないのか…」
セイバー「この世界の私には!恋をする権利だって!友達を作る権利だってある!」
ギル「はぁ、ただの小娘には興味がない…」
セイバー「なんだ?」
ギル「この世界の我はどんな者なのだ?」
セイバー「どういう意味だ?」
ギル「世界を背負ってなどいない、英雄王でない我…
ただの高校生の我だ。」
セイバー「礼儀正しい、好青年だととでも言おうか…」
ギル「そうか…、そいつは普通の恋愛とやらをして、友もいるのか?」
セイバー「もちろんだ」
ギル「」
何事もなかったかのように
教室を後にした。
教室に残された傷ついたセイバー、士郎は
恩師である言峰先生に無事保護された。
学園の門を出たところで
ギルガメッシュの体は消え始めた。
この世界から消えようとする中、
彼は一体何を思ったのであろうか…
ギル「…。」
言峰「どうした!?まさか、失敗でもしたのか!?なら、もう一回」
ギル「やかましい!!」
言峰「おい、一体何があったというのだ?」
ギル「なぁ、言峰」
言峰「どうした?」
ギル「我は今のままでいいのか?」
言峰「もちろんだ。ギルガメッシュ。」
ギル「そうか。我は少し休む」
言峰(?装置がサーヴァントの脳に支障をきたしたとでも言うのか?わからん…)
ワイワイガヤガヤ
ギル「失礼します!」ガラッ
ギル「みなさん、初めまして!これからよろしくお願いします!!!」ニコッ
おわり
あっちの世界のギルは
子ギルをイメージしました!
ありがとうございました!
乙!
でも、乙
Entry ⇒ 2012.05.13 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
士郎「誰だよ!!和式便所で誤爆したのは!?」凛「」ビクッ
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334751515/
士郎「ふんふーん」ガチャ
士郎「……!?」
士郎(おいおい……。誰だよ……)
士郎「……掃除しなきゃ」
士郎「……」ゴシゴシ
士郎(ここのトイレを使うのは、ライダーかセイバーだよな……)
士郎「……誤爆しておいてそのままにするなんて、考えにくいけど」
士郎「はぁ……」
凛「あ……士郎?」
士郎「遠坂」
凛「……」モジモジ
士郎「あ、悪い。離れのほうに行ってくれ」
凛「え?」
士郎「トイレ、使うんだろ?今、掃除中だから」
凛「え……あ、そ、そうなの……?」
士郎「なんだ?」
凛「な、なんでも、ないわ。ありがとう」
士郎「うん……?」
士郎「どうしたんだ?」
桜「離れのほうのおトイレ、しばらく使えません」
士郎「なんでさ?」
桜「ウォシュレットが出っ放しになっていて……」
士郎「なに?」
桜「ものすごい水浸しになってました」
士郎「誰だよ、そんな悪戯したやつ……」
凛「……」モジモジ
士郎「向こうは桜と遠坂、あとは……」
桜「藤村先生がたまに使いますね……」
士郎「藤ねえか……。ちょっと叱ってくる」
桜「私も行きます」
凛「あ……」
テレビ『なんでやねん!!』
大河「あははは~!!この人、バカだぁ!!」
セイバー「……」モグモグ
ガラッ!!
士郎「藤ねえ、ちょっといいか?」
大河「んえ?」
士郎「なんでウォシュレットを出っ放しさせてるんだよ」
桜「おかげでお掃除が大変なんですけど」
大河「なになに?何の話?」
士郎「離れのトイレだよ」
大河「知らない知らない。なんのこと?」
士郎「本当か?」
大河「しんじてよぉ!私、士郎に迷惑なんてかけたことないでしょ?!」
桜「今日、離れのトイレはお使いになられました?」
大河「今日はまだ一度もお手洗いにいってないけど」
士郎「そうなのか」
凛「……」コソコソ
セイバー「リン」
凛「な、なに!?」ビクッ
セイバー「この菓子は美味ですよ?どうぞ」
凛「うん……」
セイバー「どうやらタイガが悪戯をしたようですね」
凛「……」
セイバー「本人は否定していますが、シロウにばれるのも時間の問題でしょう」
凛「そ、そう……」
桜「わ、私じゃありませんよ!!」
士郎「……」チラッ
凛「……」モグモグ
士郎「遠坂?」
凛「……なに?」
士郎「ウォシュレット……」
凛「……」
士郎「……」
凛「違うから。私じゃないから」
士郎「だよな。じゃあ、故障でもしたんだろ」
桜「なら、しばらくは使わないほうがいいかもしれませんね」
士郎「掃除がてらちょっと見てくる」
桜「はい」
凛「……」
士郎「ちゃんと動くな」
士郎「故障じゃないのか?」
士郎「うーん」
ライダー「シロウ?よろしいでしょうか?」
士郎「ライダー?」
ライダー「えと……」
士郎「どうした?」
ライダー「お手洗いを……」
士郎「あ、悪い。でも、どうしてこっちに?」
ライダー「セイバーが使用していましたので」
士郎「そうか」
ライダー「……あの、出て行ってもらえると助かるのですが」
士郎「ご、ごめん!!」ダダッ
ライダー「ふふ……」
士郎「みんな、ちょっといいか?」
セイバー「なんでしょうか?」
凛「……」
桜「はい」
士郎「離れのほうのトイレだけど、念のためしばらく使わないようにしてくれ」
桜「わかりました」
セイバー「はい」
ライダー「ええ」
凛(使えないの……?)
士郎「どうしてもっていうときだけにしておいてくれるとありがたい。また故障したら大変だから」
桜「まぁ、今までに戻るだけですし」
セイバー「私は滅多に使いませんから」
凛(これから和式でしなきゃいけないの……?)
桜「はい?」
凛「和式に抵抗ないの?」
桜「……姉さんやセイバーさんがここに住むまでは、ずっとこちらのお手洗いを使ってましたから」
凛「そ、そう……」
桜「はい。ですので、別に抵抗はありません」
凛「ふーん」
桜「姉さんは抵抗があるんですか?」
凛「なんか疲れない?あとポジションがよくわからないっていうか」
桜「そうですか?私は姉さんやセイバーさんがここに住むまでは、ずっと使用していましたのでよくわかりません」
凛「そう」
桜「そんなに嫌なら姉さんは自宅のほうで済ませてきたらどうでしょうか?」
凛「だって、こっちにいるときのほうが多いし」
桜「そうですか」
凛「まぁ、慣れてないからね」
セイバー「私も初めてするときは困りましたから、仕方ありませんね」
凛「困ったの?どういうふうに?」
セイバー「不安になります。この位置で大丈夫なのかどうか」
凛「そ、そうよね」
ライダー「私も少々不便を感じるときがあります」
凛「そうなの?」
ライダー「そのまま屈んでしまうと、髪が床についてしまうので」
凛「やっぱり大変よね」
ライダー「はい。まぁ、慣れましたが」
凛「ここはあれよ。洋式にするべきね」
桜「姉さん?和式がそんなに苦手なんですか?」
凛「いや!!ほら、みんなの意見を聞いたらそうしたほうがいいかなって思っただけよ!!」
桜「……」
士郎「ん?」
凛「あのね……和式はやめて洋式にしない?」
士郎「なんでさ?」
凛「なんでって……ほら、ライダーとかセイバーも嫌だって言ってるし」
士郎「そんな話聞いたことないぞ?」
凛「言ってるの!!」
士郎「……」
凛「……」
士郎「ダメだ。いくらかかると思ってるんだ」
凛「なによ!!それぐらいの資産はあるでしょ!?」
士郎「遠坂?なにをそんなに必死になってるんだ?」
凛「そ、それは……」
士郎「……?」
凛「なんでもないわよ!!」
士郎「……トイレ」スタスタ
士郎「……」
ジャー
士郎(誰か入ってたのか)
ガチャ
セイバー「……おや、シロウ。どうぞ」
士郎「セイバー、もう寝るのか?」
セイバー「そうですね。そろそろ床につきます」
士郎「わかった。おやすみ」
セイバー「はい」
士郎「さてと……」ガチャ
士郎(セイバーはやっぱり綺麗に使ってくれてるな……)
士郎(あの誤爆……誰だ……?)
士郎「洗い物、終わり」
ライダー「シロウ?まだ寝ないのですか?」
士郎「ライダーか。何か飲む?」
ライダー「お茶で構いません」
士郎「よし」
ライダー「遅くまで家事をするとは……」
士郎「これが俺の仕事だからな。―――はい」
ライダー「ありがとうございます」
士郎「そうだ、ライダー。遠坂から聞いたんだけど、和式トイレに不満があるのか?」
ライダー「え?」
士郎「どうなんだ?」
ライダー「いえ。特にありません」
士郎「ほんとか?」
ライダー「まぁ……髪の毛が床につかないように気にするのは、少し煩わしいですが……」
ライダー「いえ。私の時代に比べれば大変快適です」
士郎「え?」
ライダー「なんですか?」
士郎「ライダーって女神みたいなもんだろ?トイレなんて……」
ライダー「デリカシーに欠けますよ、シロウ?」
士郎「わ、悪い」
ライダー「……私の時代では下水技術はそれなりに発達していました」
士郎「たしか。汚物処理場が川に直結してたんだっけ?」
ライダー「はい。まぁ、高層の建物に住んでいる者はそれを一階まで持っていかなくてはならなかったのですが」
ライダー「そのため、ずぼらな人間のせいで町中に糞便が撒き散らされていたこともあります」
士郎「うわぁ」
ライダー「そのときのことを思えば、現代の技術に注文をつけることなどできません」
士郎「じゃあ、ライダーも何かにしたあと、それを持って処理場まで行ってたのか?」
ライダー「……は、はい……そうで、すが……それを……聞いてどうするのですか……?」
ライダー「もう……知りませんっ」
士郎「ライダー?」
ライダー「おやすみなさい」
士郎「う、うん」
士郎「……ライダー、変だったな」
士郎(ともあれ、ライダーも別段不便に思ってるところはないみたいだ)
士郎(和式のままでいいか)
士郎「さて、俺も寝るか」
士郎(でも、トイレを汚したらちゃんと掃除してほしいな……)
士郎(次に使う人が困るし……)
ジャー
桜「……はぁ」
士郎「桜、おはよう」
桜「あ、先輩」
士郎「どうした?元気ないな」
桜「え?!い、いや、別に!!」
士郎「どうしたんだ?体の調子でも悪いのか?」
桜「せ、先輩が気にすることでは……」
士郎「桜!!なにいってるんだ!!なにかあるなら言ってくれ!!」
桜「え……いや……ですから……ん……」
士郎「桜……言ってくれなきゃ、わからないだろ」
桜「だ、だから……べ……ん……」
士郎「桜、なんでも言ってくれ。すぐに薬を持ってくるから。腹痛か?」
桜「べん、ぴ……なんで……先輩が気にしても……」カァァ
桜「失礼します!!」ダダッ
士郎「桜……」
セイバー「シロウ?」
士郎「おはよう、セイバー」
セイバー「手洗いを利用してもよろしいですか?」
士郎「あ、ああ」
セイバー「お先に失礼します」ガチャ
士郎「桜……言ってくれればよかったのに……」
セイバー『あの……シロウ?』
士郎「どうした?紙がなくなったのか?」
セイバー『できれば扉から離れていてくれると……』
士郎「あ、ごめん!!そうだよな!!どうかしてた!!」
セイバー『申し訳ありません』
士郎(はぁ……何やってんだ、俺。しっかりしないと、セイバーに嫌われる……)
凛「ねえ、士郎?」
士郎「ん?」
凛「洋式トイレの件はどうなったの?」
士郎「え?いや、しないぞ」
凛「どうしてよ?」
士郎「ライダーも特に不満はないっていってたぞ」
凛「それは士郎に気を遣ってるのよ」
士郎「そうなのか……?」
セイバー「シロウ、屋敷内の巡回が終わりました」
士郎「ごくろうさま、セイバー。ごはんにするか」
セイバー「はい」
凛「セイバー、いいところに!!ちょっと、セイバーからも言ってよ」
セイバー「何をですか?」
凛「洋式のほうがいいわよね?ね?」
凛「そんなぁ」
士郎「遠坂、ご飯の時間にそんな話をするな」
凛「でも、これは結構大事なことだと思うのよ!!」
士郎「ごはんを食べ終わってからにしような」
セイバー「リン。私が不便に思わないのは、現代の水洗技術がとても進歩しているからです」
凛「えー?」
セイバー「いいですか?私の時代では道に糞尿がそのまま放り投げられるなんて当然でした」
士郎「……」
セイバー「また、貴族であっても草むらで用を足すこともありましたし、貴婦人が着用していた傘のように広がるスカートはそのために開発されたような―――」
士郎「セイバー」
セイバー「はい」
士郎「ご飯抜きな」
セイバー「な、なんですか?!」
凛「そういえば、セイバーってその時代、どうやって処理してたの?」
セイバー「専用の容器に排泄していました」
凛「それはどうやって処理してたの?」
セイバー「きちんと処理場で処理されていたと思います」
凛「なんか窓から捨ててるイメージがあるんだけど」
セイバー「処理する者がいい加減だったのならば、その可能性もあるでしょうね」
凛「そっか……。それと比較したら、和式なんて苦じゃないのね」
セイバー「はい。私専用のものはそれなりに大きなモノでしたが、下人になると矮小なモノを使用していたようです」
凛「ふーん。はみ出たりしなかったの?」
セイバー「実は……なんどか……」
士郎「おい!!」
凛「な、なに!?」
士郎「ここでそんな話をするな!!」
セイバー「も、もうしわけ、ありません……」
凛「ごめんね、セイバー?朝ごはん、食べ損なっちゃったみたいで」
セイバー「一食ぐらい平気です」グゥ~
凛「フランスパンならあるけど」
セイバー「……頂きます」
凛(にしても、セイバーもライダーも自分の時代と比べてるから今のままでもいいんでしょうね……)
凛「このままじゃあ……」
セイバー「リン?どうしてそこまで洋式に拘るのですか?」
凛「だって、ほら……使いにくいの!!現代っ子としては!!」
セイバー「そうなのですか?」
凛「そうよ。なんか難しいのよ」
セイバー「でしたら、イリヤスフィールもここへ来るたびに不便に感じていたのかもしれませんね」
凛「イリヤ?」
セイバー「はい」
凛(そうだ!イリヤがいるじゃない!!士郎はイリヤに甘いから……味方にできれば……)
凛「……」トゥルルル
セラ『―――はい?』
凛「えっと、イリヤはいる?」
セラ『ご用件は?』
凛「話があるの」
セラ『少々お待ちください』
イリヤ『―――もっしもーし』
凛「イリヤ?ちょっと今から士郎のところにこれる?」
イリヤ『いいけど、なにかあるの?』
凛「話したい事があるのよ」
イリヤ『リンがこっちにきたらいいじゃない』
凛「あんたのところは居心地が悪いのよ!!」
イリヤ『ま、いいけどー。シロウにあえるしー』
凛「じゃあ、よろしくね」
イリヤ「きたよー」
凛「こっちこっち」
イリヤ「シロウは?」
凛「買い物。イリヤが来るって言ったらおやつ買ってくるって」
イリヤ「別にいいのに。私を抱きしめてくれるだけで」
凛「ところでイリヤ。この家で用を足すとき、和式のほう使ってるでしょ?」
イリヤ「リン?淑女としてそう言う話は慎んだほうがいいわよ?」
凛「大事なことなの!!」
イリヤ「……使ってるけど、それがなに?」
凛「不便に感じてるわよね?ね?」
イリヤ「そうね。すごく不安になるわ。寒いときは冷えちゃうし」
凛「そうよね?なんていうか、汚れる気がしない?服とか」
イリヤ「いいえ。そんな心配はないわ。和式で済ませるときは全部脱いじゃうから」
凛「え……」
凛「そうなの……。じゃあ、洋式なら全部脱いでないのね?」
イリヤ「服は脱ぐわ。下着はつけたままで大丈夫だけど」
凛「まぁいいわ。とにかく和式よりも洋式のほうがいいわよね?」
イリヤ「うーん……」
凛「いちいち、下着まで脱ぐとか面倒でしょ?」
イリヤ「でも、体勢でいえば和式のほうが事後処理しやすいとは思うけど」
凛「えー?!」
イリヤ「うん」
凛「でもでも、困らない?その……位置とか……」
イリヤ「あー、そうね。はみ出ちゃうかもって毎回―――ってリン!!私になんてこといわせるのよ!!」
凛「大事なことなのよぉ!!」
イリヤ「別に私は和式でも気にしないし。それともリンはなにか和式に苦い思い出でもあるの?」
凛「な、ないわよ!!!」
イリヤ「ならいいじゃない、現状維持で」
イリヤ「シロウはまだかな……」
ガラッ
桜「あれ?姉さん、イリヤさんも」
イリヤ「お邪魔してるわよ」
桜「どうも。そーだ。イリヤさん、おやついりますか?」
イリヤ「なになに?」
桜「先輩が作ってくれたヨーグルトなんですけど。そろそろ出来上がってると思いますので」
イリヤ「シロウの?!たべるたべる!!」
桜「姉さんもどうですか?」
凛「いいけど。なんでヨーグルトなんてあいつが作ってんの?」
桜「い、いいじゃないですか!!それは別に!!」
凛「あいつ、お腹の調子でも悪いのかしら……?」
桜「あはは……」
イリヤ「サクラ、早くもってきて」
桜「……美味しいですね」
凛「まぁまぁね」
ガラッ
士郎「ただいま」
イリヤ「しろー!!!」ギュッ
士郎「なんだ、イリヤ。もう来てたのか」
イリヤ「うん!」
桜「先輩。ヨーグルト頂いてます」
士郎「ちゃんとできてたか?」
桜「はい。おいしいです」
イリヤ「ほら、シロウ?あーん」
士郎「イリヤ……」
イリヤ「あーん!」
士郎「はいはい……」
士郎「ぶっ!?」
桜「先輩!!あーん!!」
士郎「ちょっと待て、桜!!」
凛「ほら、食べさせてあげるわよ」
士郎「そんなにいらないって!!」
イリヤ「私が舐めたスプーンでしか、シロウは食べないんだもんねー?」
士郎「変な言い方するな!!」
凛「……!!」
桜「……」ギリッ
士郎「イリヤ、今日は泊まっていくか?」
イリヤ「勿論よ。庭にバーサーカーもいるから」
士郎「そうなのか」
セイバー「―――シロウ!!!バーサーカーが庭で草むしりを!!!」ガラッ
凛「気づくの遅いわよ、セイバー?」
士郎「これは桜のために作ったんだけど……」
セイバー「サクラだけ贔屓ですか。そうですか」ムスッ
士郎「そういうことじゃ……」
桜「先輩、いいじゃないですか」
士郎「桜がいいなら」
桜「それじゃあ、私の為に先輩が作ってくれたヨーグルトを今、お持ちしますね?」
セイバー「お願いします」
桜「はい」
士郎「はぁ……」
イリヤ「ねえねえ、どうしてヨーグルトとサクラのために作ってあげたの?」
士郎「それは桜がべん―――」
桜「先輩!!」
士郎「え?」
凛「デリカシーのないやつ……」
士郎「桜、ちょっと」
桜「はい?晩御飯の下拵えですか?」
士郎「桜のために食物繊維が多めの食材を選んできた」
桜「先輩……」
士郎「結構辛いんだろ?」
桜「うれしいです……せんぱい……」
士郎「じゃあ、どうするか」
桜「そうですね。グアムとか……」
士郎「え?」
桜「フランスとか……」
凛「ごちそうさま」
セイバー「シロウ!!おかわり!!」
イリヤ「しろー!!おやつー!!」
士郎「おかわりはないぞ、セイバー。おやつはそれで終わりだ、イリヤ」
士郎「夜10時のおやつにしような」
イリヤ「ぶー」
セイバー「シロウ、私には?」
士郎「ちゃんとあるから」
凛「それじゃあ、部屋に戻ってるわ」
士郎「わかった」
桜「先輩、オーストラリアでもいいですけど……」
士郎「桜?なんの話だよ?」
セイバー「おやつが楽しみですね、イリヤ?」
イリヤ「うん」
士郎「桜、手伝ってくれ」
桜「はぁい」
大河「しろー?なんか豆類おおくね?」
士郎「文句があるなら食わなくていいぞ?」
桜「……」パクパク
イリヤ「むむ……」プルプル
セイバー「イリヤ?」
イリヤ「お箸で豆をつまむの難しい……」プルプル
セイバー「そうですか?」ヒョイヒョイ
イリヤ「くやしぃ……!!」ポロッ
ライダー「……」モグモグ
士郎「ライダー、美味しいか?」
ライダー「ええ。問題ありません」
イリヤ「しろー!!フォークとナイフ!!」
士郎「はいはい」
凛(無駄にお通じがよくなりそう……)
イリヤ「シロウ、お風呂」
士郎「もう準備できてるから、入ってきていいぞ」ゴシゴシ
イリヤ「シロウがいれてー?」
士郎「そうしたいのは山々だけど、洗い物が―――」
凛「……」ギロッ
桜「……」ギロッ
士郎「えっと、セイバーに入れてもらってくれ」
イリヤ「仕方ないわね……。セイバー!!」
セイバー「はい」
イリヤ「私とお風呂にいきましょう」
セイバー「わかりました」
ライダー「シロウ、洗い物お手伝いしましょうか?」
士郎「いいからいいから。ゆっくりしててくれ」
大河「ふわぁぁ」
士郎「藤ねえ、そろそろ帰らなくていいのか?」
大河「桜ちゃんは泊まっていくの?」
桜「はい」
大河「んじゃ、一人寂しくかえりますかぁ」
士郎「送っていこうか?」
大河「いいっていいって。―――あ」
士郎「どうした?」
大河「でも、ちょっと士郎と離れるのが恋しくなってきちゃった」
士郎「え……」
大河「だから、トイレに私の匂いを染み込ませてから帰る」トコトコ
士郎「普通にいけよ!!」
イリヤ「しろー。おやつー」
セイバー「おやつを」
士郎「はいはい」
桜「姉さん、お風呂空きましたよ?」
凛「おっけー」
士郎「はい、二人とも」
イリヤ「わーい」
セイバー「頂きます」
士郎(ちょっとトイレ……)スタスタ
桜「あ、先輩。今、ライダーが」
士郎「え?そうなのか?」
桜「はい」
士郎「ま、いいか」
士郎(そろそろいいか)スクッ
イリヤ「よっと」スクッ
士郎「ん?イリヤ、どこいくんだ?」
イリヤ「シロウ?レディに対して失礼よ?」
セイバー「イリヤは催したみたいです」
士郎「そうか」
イリヤ「もう!!セイバー!!」
セイバー「え?」
イリヤ「あ、シロウ……先に行きたい?」
士郎「ううん。イリヤが先でいいぞ」
イリヤ「ありがとう。―――私のすぐあとに入っていいからね、シロウ?」
士郎「わかった」
イリヤ「ちょっと!!そこは恥ずかしがってくれないと私が恥ずかしいんだけど!!」
士郎「え……?そうなのか、悪い」
セイバー「おかえりなさい」
イリヤ「ただいま」
士郎「じゃあ、俺も―――」
イリヤ「シロウ!!」
士郎「え?」
イリヤ「あと10分……いいえ、30分は待って」
士郎「なんで?」
イリヤ「なんでも!!」
士郎「いやでも……」
イリヤ「……」
士郎「はぁ……わかった」
イリヤ「よし」
士郎「どうして……」
桜「ふわぁぁ……ねむくなっちゃった……」
イリヤ「それじゃあ、そろそろ寝るわ」
セイバー「一緒に行きましょう」
イリヤ「うん」
士郎「おやすみ、イリヤ。セイバー」
セイバー「おやすみなさい」
士郎「さて……トイレにいくか。そろそろ限界だ」
士郎「……」スタスタ
士郎「……」ガチャッガチャッ
士郎(あれ?開かない)
桜『はいってます』
士郎「桜か」
桜『先輩!?きゃー!!!きゃー!!!』
ジャー!!!!
士郎「もう出るのか?」
桜『先輩!!あの!!もう少しかかります!!』
士郎「そうか」
桜『すいませ―――』
ジャー!!!
士郎(なんで何回も流すんだ……?)
士郎「仕方ないな……離れのトイレを使うか」
士郎(ついでにもう一度、トイレの様子も見ておくか)
士郎(桜も遠坂もこっちまでくるの大変だろうし)
士郎「……」スタスタ
士郎「……ふぅ」
ジャー
士郎「問題はないみたいだな……」
士郎「よし……明日から離れのトイレは解禁にしておくか」
士郎「……」スタスタ
士郎(寝る前に筋トレでもするか)
士郎(道場に……)
凛「うぅ……」
士郎「遠坂?どうした?」
凛「ちょっとお腹が……」
士郎「大丈夫か?」
凛「うん……」ヨロヨロ
士郎「……」
士郎(あ、言っとけばよかったな。もう離れのトイレ使ってもいいって)
士郎「ふっ!ふっ!!」
セイバー「士郎」
士郎「セイバー?どうした?」
セイバー「あの……手洗いに行こうと思ったのですが……」
士郎「え?」
セイバー「申し訳ありません。こちらにきてもらえますか?」
士郎「わかった」
セイバー「……」スタスタ
士郎(なんだ……?)
セイバー「中を」
士郎「……」ガチャッ
士郎「―――セイバー?」
セイバー「わ、私ではありません!!」
士郎「とりあえず掃除しないとな」
セイバー「お任せしてもよろしいでしょうか……」
士郎「ああ。手洗いなら離れのほうを使ってくれ」
セイバー「わかりました」
士郎(盛大に誤爆してるな……)
士郎(はぁ……どうして……)
凛「し、士郎……!!」
士郎「遠坂。悪い、ちょっと掃除するから」
凛「えっと……」
士郎「何だ、掃除用具もってきてくれたのか。ありがとう、遠坂」
凛「……」
士郎「こんなの見るほうも気持ち悪いのに」
凛「……」
士郎「遠坂?どうした?」
凛「え?なに?」
士郎「いや、黙ってるから」
凛「べ、べつに……いいでしょ……」
士郎「誰がこんなことを……」ゴシゴシ
凛「わ、わたしがやるわよ……士郎……」
士郎「いいよ。遠坂にこんな汚れ仕事させるわけにはいかないだろ?」
凛「だけど……」
士郎「今度から張り紙でも貼っとくか」
凛「うぅ……」
士郎「ライダー」
ライダー「このような夜更けに清掃なんて……」
士郎「それが―――」
凛「士郎!!」
士郎「な、なんだよ?」
凛「(あんた以外は女しかいないのよ?!それわかってる?!)」
士郎「(わかってるけど)」
凛「(なら、こんな惨状を広げられた恥ずかしいでしょ!?)」
士郎「(そうか……)」
ライダー「シロウ?」
士郎「いや、ちょっと汚れが気になって」
ライダー「確かに水回りは清潔にこしたことはありませんね」
凛「はぁ……」
凛(もういや……死にたい……)
桜「セイバーさん?」
セイバー「サクラ」
桜「どうしてそこのおトイレから……?」
セイバー「それが向こうのトイレは凄惨な事態に」
桜「ど、どういうことですか?」
セイバー「誰かが汚物を撒き散らしていました」
桜「え!?」
セイバー「今、シロウが清掃を行っています」
桜「そんな……」
セイバー「どうしたらあのようなことができるのか……」
桜「セイバーさんの前って誰が入ってました?」
セイバー「分かりません」
桜「そうですか……」
桜「私が使ったときは綺麗でした」
セイバー「ということは、タイガではありませんね」
桜「ライダーも違います」
セイバー「ちょっと待ってください。そうなるとイリヤスフィールも違うことになります」
桜「まさか……先輩……?」
セイバー「シロウは道場にいました」
桜「そんな……ということは……」
セイバー「一人しかいませんね」
桜「……」
セイバー「離れのトイレは使用できるようになりました。リンが間違いを犯すことはないでしょう」
桜「セイバーさん……」
セイバー「はい?」
桜「どうして、その掃除を先輩が……?普通は姉さんが……するべきですよね?」
セイバー「私がシロウを呼びにいってしまったのが悪いのです。リンだってそのまま逃走したわけではないでしょう」
凛「……」ソワソワ
士郎「なんだよ、遠坂?俺が掃除してるの、そんなに珍しいか?」
凛「そういうわけじゃ……。……ありがとう」
ジャー!!
士郎「これでいいな。遠坂、トイレ使うか?」
凛「いい……」
士郎「そうか。そうそう。離れのトイレだけど―――」
桜「姉さん」
凛「桜……!?」
桜「ちょっと」
凛「え……」
桜「お話があります」
凛「さくら……あの……」
桜「私の部屋でゆっくりと話しましょう」
桜「トイレを汚したの、姉さんなんですか?」
凛「……」
桜「姉さん?」
凛「ち、ちがう」
桜「……」
凛「私は汚してない」
桜「でも、おかしいですね。私が入ったときは綺麗でしたよ?」
凛「……っ」
桜「姉さん?」
凛(やばい……このままじゃ……私……)
桜「答えてください、姉さん」
凛「うぅ……」プルプル
セイバー「シロウ、サクラは?」
士郎「遠坂を連れて部屋に」
セイバー「むむ……」
イリヤ「ふわぁ……どうかしたの?」
士郎「イリヤ」
ライダー「何の騒ぎですか?」
士郎「それが桜が遠坂を連れていって。少し様子が変なんだ」
イリヤ「なにかあったの?」
セイバー(リンの尊厳を守るために何もいわないほうがいいのでしょうか……)
ライダー「トイレが汚れていた件に関係があるのですね?」
士郎「た、多分」
イリヤ「トイレが汚れてた?」
セイバー「はい」
イリヤ「ふーん……」
凛「だ、だから、私じゃないって……!!」
桜「最後にあのトイレを使用したのは姉さんです。姉さん以外に汚せる人なんて―――」
ガチャ
イリヤ「―――サクラ、ちょっとまって」
桜「イリヤさん!?」
凛「え……?」
イリヤ「セイバーから話は聞いたわ。確かに最後に入ったのはリンね」
セイバー「申し訳ありません」
桜「だから―――」
イリヤ「でも、サクラという可能性だってあるわ」
桜「え?!?」
凛「……!?」
ライダー「イリヤスフィール……一体なにを……?」
桜「ちょっと待ってください!!どうしてそうなるんですか!?」
桜「そのときは綺麗でした!!」
イリヤ「それを証明する映像でもある?」
桜「……な、ないですけど」
イリヤ「リンに罪を擦り付けるために、こういうことを……」
セイバー「サクラ……」
ライダー「サクラはそのようなことをしません!!」
凛「あの……」
桜「和式トイレは使い慣れてます!!そんなミスをすることなんてありえません!!」
イリヤ「今日、シロウが口を滑らせていたけど。貴女、便秘だったんでしょ?」
桜「そ、それがなにか……?」
イリヤ「急に便意を催して、慌てたんじゃないの?」
桜「何がいいたいんですか……!!」
イリヤ「離れからは遠い。慌てていた貴女だからこそ的を外してしまった。とも考えられる」
桜「なっ……!?」
桜「確かに少しびっくりしましたけど!!」
イリヤ「認めるのね?」
桜「そんなの憶測じゃないですか!!」
セイバー「そうです。それだけで犯人扱いには」
イリヤ「そう。もう一人、容疑者はいるわ」
ライダー「え?」
桜「もう一人……?」
イリヤ「ライダー」
ライダー「わ、わたしですか?!」
イリヤ「ライダーが事前にミスを犯していた。後続のサクラはライダーのミスを庇うために、リンに罪を……」
ライダー「ひどい!!ど、どうしてそのような考え方ができるのですか!?」
セイバー「そういえば、ライダーは不便を感じていたようですね」
ライダー「セイバー!!!あなたは……!!」
凛「あの……みんな……」オロオロ
イリヤ「それが?」
桜「ライダーがミスを犯しているならイリヤさんが目撃していないとおかしいじゃないですか!!」
イリヤ「私は離れのトイレを使ったの。それだけの話」
セイバー「そういえば時間がかかっていましたね」
イリヤ「でしょ?」
桜「それなら先輩に30分後に行けなんて言わないはずです」
イリヤ「シロウが離れのトイレを使うかもしれないからよ」
桜「先輩は離れのトイレの使用をまだ禁じていましたから、それはありえません!!」
イリヤ「……私もライダーの失敗を見逃していた。それならどう?」
桜「そんな証言をコロコロ変えて、信じるとでも……!!」
イリヤ「どちらにしても私には疑いが降りかからないから関係ないけどね」
セイバー「イリヤスフィールそうはいきません」
イリヤ「なんですって?!」
セイバー「イリヤスフィールが的を外し、そのあとに入ったサクラがリンに罪をなすりつけようと考えたかもしれませんから」
イリヤ「なるほど。そういう考え方もできるのね」
ライダー「……」
桜「……まって。結局、私が悪者になっちゃうじゃないですか?!」
イリヤ「そうよ?今頃、気がついたの?」
桜「え……?」
イリヤ「リンを犯人にするには、まず貴女がトイレに入った段階で綺麗だったことを証明しないといけない」
桜「な……?!」
イリヤ「だけど、それはもうできない」
桜「うっ……」
イリヤ「だから、トイレを汚したのは誰かなんて、永遠に分からないの」
桜「……」
イリヤ「シロウが掃除してくれたんだから、いいじゃない」
セイバー「それもそうですね。考えてみれば、こんなことで言い争うなど幼稚です」
凛「……えっと……」オロオロ
イリヤ「まだ、何か?」
ライダー「私まで疑われるのは……」
イリヤ「ならタイガの所為にしましょう。ライダー、私、サクラがみんなスルーして、サクラは何故かリンの所為にしようとしたでいいじゃない」
桜「もうやめてください!!」
イリヤ「それにサクラのあとにセイバーが入った可能性もあるし」
セイバー「……そこを突かれると反証できませんね」
イリヤ「でしょ?」
桜「でも、セイバーさんは離れのトイレに……」
イリヤ「サクラはセイバーが用を足すところを直に見たの?トイレに入ったところか、出てきたところを見たに過ぎないんでしょ?」
桜「確かに……」
イリヤ「ほら、リンだけを悪者にするのはだめよ」
桜「そうですね。ごめんなさい、姉さん」
凛「あ、いいのよ……別に……」
イリヤ「さ、もう寝ましょう。疲れたわ」
凛「イリヤ……?」ガチャ
イリヤ「なにかしら?」
凛「あの……」
イリヤ「ん?」
凛「ありが―――」
イリヤ「それ、リンが認めるってことになっちゃうけど、いいの?」
凛「え……」
イリヤ「私は誰の弁護もしてない。みんなに可能性があるって説明をしただけ」
凛「イリヤ……」
イリヤ「だから、貴女が私に言う台詞はお礼じゃなくて『よくも私を疑ったわね!死ね!』じゃないかしら?」
凛「……よくも疑ってくれたわね。絶対に許さないんだから!!明日、町中を引きずり回してあげる!!覚悟しなさい!!」
イリヤ「できるかしら?私、そんなにケーキみたいに甘くないけど?」
凛「うん!!胃袋破裂させてやるわよ!!―――おやすみ!!!」
イリヤ「おやすみ、リン」
凛「イリヤー、早くー」
イリヤ「はいはい」
士郎「どっかいくのか?」
イリヤ「ちょっと、ね」
凛「こいつを引き摺り回してくる」
士郎「おいおい」
イリヤ「ほら、行きましょう」
凛「はいはい」
士郎「……いってらっしゃい」
セイバー「シロウ」
士郎「どうした?」
セイバー「ライダーがトイレから出てこなくて困っているのですか」
士郎「何かあったのか?」
セイバー「分かりません」
凛「ケーキバイキングをやってるのは、ここだけね」
イリヤ「わーい!!」
凛「全くもう……」
カレン「おや?」
凛「カレンじゃない。どうかしたの?」
カレン「今日は慰安旅行に」
凛「慰安って」
ランサー「安上がりな慰安旅行だな、おい」
ギル「まぁまぁ、マスターの奢りですし」
凛「へー」
イリヤ「ちょっとー!!はやくしてよねー!!」
凛「はいはい!!」
カレン「ご一緒にどうですか?先輩?」
凛「別にいいけど?」
ギル「どれも安そうなケーキですねー」
ランサー「じゃあ、食うなよ」
カレン「それで、どうして貴女とアインツベルンがここに?」
凛「ま、家庭内事情ってやつよ」
カレン「そうですか。どのような珍事があったのか是非とも聞きたいですね」
凛「食事中に言うことじゃないわよ」
カレン「そうですか」
凛「……ちょっと化粧室に」
カレン「はい。」
凛「ふんふーん」
カレン「和式ですよ?」
凛「え?」
カレン「ここのレストラン、和式ですよ?」
凛「……」
士郎「ライダー!!どうしたんだ!!もう1時間も篭ってるじゃないか?!」ドンドン
ライダー『しろぉ……』
士郎「ライダー……」
ライダー『私はここから出ることができません……』
士郎「紙か!?紙が無いのか?!」
ライダー『シロウ……もう……だめです……』
士郎「どうしたんだ?!」
ライダー『あぁ……!!どうして!!どうして!!!』
ジャー!!!
士郎「ライダー……?」
ライダー『流れない……流れない……!!あぁぁ!!!』
士郎「……」
ライダー『何故……何故……何故……何故……』
士郎「ライダー……」
凛「……」バンッ!!
イリヤ「おかえり、凛」
凛「立って。イリヤ」
イリヤ「え?」
ランサー「どうしたんだ?」
カレン「どちらへ?」
凛「カレン……あんたが仕組んだんでしょ?!!」
ギル「トイレ~」
凛「なっ!?」
カレン「ふふ……」
凛「イリヤ!!逃げるわよ!!」
イリヤ「ちょっと、どうして?」
凛「だって―――」
ギル「うわー。トイレがすっごい、よごれてる~これはたいへんだー」
凛「……!!」
カレン「朝方、貴女が予約したのを英雄王から聞きまして。少し、細工を」
イリヤ「え?え?」
凛「あんたが和式だって言ったときに気づくべきだった……」
カレン「さて……流れないトイレってどうですか?」
凛「何が目的よ……」
カレン「ふふ……」
凛「何が目的なのよ!!」
カレン「そうですね。貴女の持つ財の10%でも私に譲っていただければ」
凛「ぐっ……!!殆どないっていうのに……!!」
カレン「こちらもなにかと財政難なので」
凛「……」ウルウル
イリヤ「リン……」
凛「もう……いや……」ポロポロ
凛「はぁ……」ヨロヨロ
イリヤ「あの……」
凛「ちょっとトイレに行ってくるわ」
イリヤ「うん……」
凛「……」ヨロヨロ
凛(なんでこんなことに……なんで……)
凛「……」ガチャ
ムワッ……
凛「……」
凛「……流しなさいよ」
凛「ちゃんと流しなさいよぉ!!!!」
凛「あぁぁぁぁ!!!!」
士郎「―――遠坂!!いま、そっちは使えないんだ!!」
凛「和式なんてもう見たくもない!!!ガンド!!ガンド!!ガンド!!!ガンド!!!!」ドンドンドン!!!
バシャ……
士郎「遠坂……」
凛「……」ビチャビチャ
士郎「………………くさっ」
凛「しろー!!!洋式にしてぇ!!!」ギュゥゥ
士郎「うわぁぁ!!!」
凛「もう和式はこりごりよぉ……」
士郎「わかった!!わかったから!!!」
凛「ほんと?ほんとにほんと?」ギュゥゥ
士郎「する!!洋式にする!!もうここはつぶれたし!!だから離れろ!!!」
凛「ありがとう!!!」ギュゥゥ
士郎「あぁぁ―――!!!」
凛「やったぁ……♪」
士郎「ようやく、トイレが復活したな」
セイバー「新しい場所はやはりいいですね」
ライダー「ええ」
凛「完成したのね」
桜「よかったです」
士郎「遠坂。初めては遠坂に譲ってやるよ」
凛「え?でも……」
士郎「遠坂が洋式にしろっていうからしたんだ。遠坂がまず使ってくれ」
凛「うん……」
ガチャン
凛「よっと」
凛「……んっ……」
凛「ふぅ……やっぱり新品はいいわね。隅々までピカピカじゃない」ピッ
凛「あれ?なんか押しちゃ―――ぎゃぁああああああああああああああ!!!!!」
凛「セイバー!!水が……!!水がぁ……!!」ビチャビチャ
ライダー「リン!!はやくウォシュレットを止めてください!!」
凛「とまってー!!とまってー!!」ビチャビチャ
桜「その前にちゃんとショーツを……」
凛「もういやぁー!!!」
セイバー「くっ!!」ピッ
凛「―――とまった」
セイバー「リン……」
凛「……あの」
桜「床が……水浸し……」
ライダー「シロウ?どうしますか?」
士郎「……遠坂。もう俺の家でトイレ使うな」
凛「……もうトイレ、使わない……」
おしまい。
乙
Entry ⇒ 2012.04.20 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
イリヤ「キリツグ、かたぐるまっ!」切嗣「ああ、分かったよ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334574975/
イリヤ「わーい!たかい、たかーい!!」キャッキャッ
切嗣「しっかり掴まっておくんだよ、イリヤ?」
イリヤ「うん!!」ギュゥゥ
切嗣「こらこら。前が見えない」
イリヤ「いけー!キリツグガーZ!!」
切嗣「ははは。よーし、発進だ」
イリヤ「いけいけー!!いっちゃえー!!」
セイバー「……」
セイバー「アイリスフィール」
アイリ「どうしたの?」
セイバー「かたぐるまをしてください」
アイリ「……無理無理」
アイリ「分かってて聞いたの?」
セイバー「いえ、あるいはと思ったのですが」
アイリ「そんなの無理よ。キリツグに頼んでみたら?」
セイバー「しかし、やってくれるでしょうか?」
アイリ「私から頼んでみましょうか?」
セイバー「お願いします」
アイリ「キリツグー、ちょっとー」トコトコ
切嗣「ん?どうしたんだい?」
イリヤ「あ、お母様。やっほー」
アイリ「あのね、セイバーが肩車をしてほしいって言ってるんだけど」
切嗣「どうして?」
アイリ「さぁ?」
セイバー「どうでした?」
アイリ「理由がないとダメだって」
セイバー「理由ですか……」
アイリ「どうして肩車をしてほしいの?」
セイバー「王になる前の話です……」
アイリ「長くなる?」
セイバー「いえ」
アイリ「じゃあ、どうぞ」
セイバー「私にも肩車をしてくれる人がいたのです。童心が擡げたといいますか」
アイリ「ホームシックなのね?」
セイバー「そういうことではありませんが」
アイリ「じゃ、伝えてくるわ」トコトコ
セイバー「お願いします」
切嗣「なんだった?」
アイリ「童心に戻りたいって」
切嗣「そんな理由じゃ無理だ」
アイリ「でも……」
切嗣「断っておいてくれ」
アイリ「あ、キリツグ」
イリヤ「つぎの目的地へ、いそげ!!キリツグガーZ!!」
切嗣「よし」
アイリ「……」
セイバー「アイリスフィール……?」トテトテ
アイリ「セイバー……。ごめんなさい」
セイバー「いえ。分かっていたことですから」
アイリ「セイバー……」
セイバー「……はぁ……」
アイリ「……セイバー!!」
セイバー「はい?」
アイリ「さぁ!!乗って!!」
セイバー「アイリスフィール?!」
アイリ「私だって、一児の母よ!!強いの!!」
セイバー「しかし、アイリスフィールでは危険が……!!」
アイリ「大丈夫よ、セイバー。私を信じて」
セイバー「アイリスフィール……」
アイリ「早く。アイリガーロボは待ってくれないわよ」
セイバー「私のために……」ウルウル
セイバー「―――では、失礼します」
アイリ「ふっ……!!」ググッ
セイバー「おぉ!!高いです!!」
アイリ「うっ……ぐぉ……!!」ヨロヨロ
セイバー「さー!!行くのです!!アイリガーロボ!!彼の聖地、アヴァロンへ!!」キャッキャッ
アイリ「きっ……ぁ……!!」ヨロヨロ
セイバー「アイリガーロボ!!全速前進!!」ペチペチ
アイリ「あ゛……!!」ヨロヨロ
セイバー「やはり高いというのはいいことです。視野が広がる!!」
アイリ「も……ぉ……だ……め―――」バタッ
セイバー「おぉ!?―――アイリスフィール!!」
アイリ「はぁ……はぁ……」
セイバー「だ、だいじょうぶですか!!アイリスフィール!!」オロオロ
アイリ「ご、ごめんなさい……セイバー……私では……あな、たの願い……を……」
セイバー「アイリスフィール!!しっかりしてください!!」
アイリ「ご、めん……ね……」
セイバー「アイリスフィール!!」
イリヤ「お母様……」ウルウル
アイリ「大丈夫よ……イリヤ。そんな顔しないで」
イリヤ「お母様……」
切嗣「アイリ……僕は……」
アイリ「キリツグ、セイバーを責めないで。私が全部悪いの」
切嗣「だけど……」
アイリ「キリツグ……お願い……。一度でいい。10秒でもいいから、セイバーを肩車してあげて」
切嗣「……」
アイリ「おねがい……」
切嗣「少し、考えるよ」
アイリ「うん……」
切嗣(アイリのことだ。僕が肩車をしなかったら、また自分でセイバーを担ごうとするだろう……)
切嗣(仕方ないか……)
切嗣(とはいえ、セイバーの体重がよくわからい)
切嗣(華奢な体とはいえ、アイリが無残な姿になるぐらいだ。大人が支えるには厳しいのかもしれない)
切嗣(セイバーの体重はどれぐらいなんだ……?)
舞弥「……」スタスタ
切嗣「ん?舞弥?」
舞弥「どうも。どうかされましたか?」
切嗣「その手に持っているのは?」
舞弥「握るだけで体重と体脂肪率が分かる機械です。通販で注文し、本日届きました」
切嗣「……」
舞弥「……あの、私の体重は……」ゴニョゴニョ
切嗣「貸してくれ」
舞弥「え?はい、構いませんが」
切嗣「助かる」
切嗣(あまりにも度が過ぎていれば事情を話して、諦めてもらうか)
セイバー「……」ポヤ~
切嗣(いた。暇そうだな)
切嗣(よし……)スタスタ
セイバー「……ん?」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「キリツグ、どうしたのですか?」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「……むぅ。もういいです。無視にはなれました」
切嗣(しまった……。今更、口を利くなんて……無理だ……)
切嗣(なんて声をかければ……)
切嗣(くっ……。ここにきて、自分の行いに後悔するとは……)
切嗣「……」チラッ
セイバー「……」ポヤ~
切嗣「……よし」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「……ん?」
切嗣(目が合った……)
セイバー「キリツグ?何か用ですか?」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「なんですか……もぅ……」
切嗣(僕はどうして通り過ぎてしまうんだ……!!)
切嗣(セイバー、体重を調べさせてくれ。これだけなのに!!)
切嗣「……」チラッ
セイバー「……ふぅ……」
切嗣(どうしたら……。舞弥に頼んでみるか……?)
切嗣(だが……大した理由でもないのに、舞弥に頼むのは……恥ずかしいな……)
切嗣(このままでは埒があかないな)
切嗣「……」
切嗣「そうだ。手紙だ」
切嗣(紙に書き、伝えればいいだけじゃないか)
切嗣「えっと……確か……」ゴソゴソ
切嗣「よし……」
切嗣「えっと……なんて書こうか……」
切嗣(セイバーへ。君の体が知りたいので、部屋まで来てください)
切嗣「……こんなものだろう」
切嗣(あとはこの紙を舞弥に託せば……)
切嗣(意外と簡単だったな)
セイバー「肩車……」
舞弥「セイバー」
セイバー「はい?なんでしょうか?」
舞弥「切嗣からです」スッ
セイバー「え?なんですか、これは?」
舞弥「手紙でしょう。伝えたいことが書かれているみたいです」
セイバー「……?」ペラッ
舞弥「……」ソーッ
セイバーへ。君の体が知りたいので、部屋まで来てください。 切嗣
セイバー「体……?」
舞弥「……!?!?」
セイバー「どうしたのですか?」
舞弥「あ、あの……それ……は……!!」
セイバー「体……?体重でも知りたいのでしょうか?」
セイバー「え?」
舞弥「い、いいですか?」ヒソヒソ
セイバー「はい、なんでしょうか?」
舞弥「切嗣は恐らく……貴女を側室にしようとしているのです」
セイバー「しかし、キリツグにはアイリスフィールが」
舞弥「きっと、マダムを裏切るための予行練習でしょう」
セイバー「なんですか、それは?」
舞弥「私ではその役を担えなった……」
セイバー「とりあえずキリツグに会いにいけば―――」
舞弥「ちょっと、まってください」ガシッ
セイバー「なんですか?」
舞弥「切嗣の愛人になる覚悟があるのですか?」
セイバー「キリツグはずっと私を無視していたのですよ?好意など欠片も持ち合わせていないはずです」
セイバー「おぉ……」
舞弥「いいですか?男性とは本当に好きな人の前では素直になれないものなのです」
セイバー「……」
舞弥「話したくても、話せない。見詰め合うだけで、言葉が喉に詰まってしまうものなのです」
セイバー「そうですか」
舞弥「貴女もそういう経験あるでしょう?」
セイバー「ありません」
舞弥「と、ともかく、良く考えたほうがいいでしょうね」
セイバー「確かにキリツグが私を側室に招こうとしているのなら、これは由々しき事態かもしれませんね」
舞弥「良く考えましょう。すぐに答えを出していい問題ではありません」
セイバー「分かりました。この聖杯戦争の行方を担う事態かもしれませんね」
舞弥「ええ。一歩間違えば内部崩壊してしまうかもしれません」
セイバー「むぅ……」
切嗣(いた……。様子を見に来てみれば、まだ窓辺で佇んでいたのか)ソーッ
切嗣(手紙、読んでいないのか?)
セイバー「……」ペラッ
切嗣(いや、持っているな)
セイバー(私に気がある……?あのキリツグが……?)
セイバー「……」
セイバー(ならば、私の答えは……)
セイバー「……」カキカキ
切嗣(何か書いているな……なんだろう……?)
セイバー「よし」
切嗣(まずい、こっちにくる)ササッ
セイバー(この手紙をキリツグに……)トテトテ
トントン
切嗣「……」
セイバー『キリツグ?私です』
切嗣(きたか……!!)ガタッ
切嗣(よし。この体重計を……)
セイバー『手紙を書きました。扉の隙間から渡します。一読してもらえますか?』
切嗣「え……?」
セイバー『それでは』
切嗣「……手紙だと?」
切嗣「……」ペラッ
切つぐへ。貴方の想いは大変嬉しく思いますが、お断りさせていただきます。 セイバーより。
切嗣「……」
切嗣(そんな……!!これでは、アイリとの約束が……!!なんとかしないと……!!)
セイバー「肩車……はぁ……」
舞弥「セイバー、あの件は?」
セイバー「お断りさせていただきました」
舞弥「え……?」
セイバー「私はサーヴァント。いつか消える身。キリツグは本妻と愛人を失うことになります」
舞弥「それは……」
セイバー「それにアイリスフィールを裏切るのだけは、嫌ですから」
舞弥「しかし、切嗣を裏切ることに」
セイバー「私はマスターを裏切るつもりなどありません。この度の不敬は、我が剣をもって償わせていただきます」
舞弥「そうですか……」
セイバー「……」
舞弥「それでは」
セイバー「はい」
セイバー「はぁ……肩車……アイリスフィール……もう一度、してくれないでしょうか……」
アイリ「ん……?」
アイリ「ふわぁ……良く寝た」
イリヤ「すぅ……すぅ……」
アイリ「ふふ……」
トントン
アイリ「はい?」
セイバー「アイリスフィール?お体は……?」ガチャ
アイリ「もう大丈夫よ。心配かけてごめんなさい」
セイバー「いえ。元はといえば私の……」
アイリ「いいえ。違うわ」
セイバー「アイリスフィール……」
アイリ「セイバー……」
セイバー「……あの、もう一度肩車していただけませんか?」
アイリ「……ごめんなさい。もうギックリ腰にはなりたいないの」
アイリ「あれ?キリツグは?」
セイバー「キリツグ、ですか?」
アイリ「うん。肩車してもらったんじゃないの?」
セイバー「いいえ」
アイリ「うそ……」
セイバー「キリツグからはこのような手紙をもらっただけです」スッ
アイリ「……なに?」ペラッ
セイバー「私の体を知りたいと」
アイリ「……」
セイバー「アイリスフィール?」
アイリ「……セイバー」
セイバー「はい」
アイリ「キリツグ、呼んできてきれない……?」
セイバー「分かりました」
切嗣「はぁ……もう少し、誠意を込めたほうがいいということか……?」
切嗣「……」カキカキ
切嗣「……これでいいか」
トントン
切嗣「……」
セイバー『キリツグ、私です』
切嗣(丁度よかった)スタスタ
切嗣(手紙を渡そう)スッ
セイバー『あの……この手紙は?』
切嗣「……」
セイバー『なるほど。わかりました』
切嗣(よし。体重計を……)
セイバー『……』スタスタ
切嗣(なに……?立ち去ったのか……?)
セイバー「アイリスフィール」
アイリ「セイバー?キリツグは?」
セイバー「これを」スッ
アイリ「手紙……?」ペラッ
セイバーへ。君の体を隈なく調べたい。僕の部屋に来てください。お願いします。 切嗣
セイバー「キリツグはなんと?」
アイリ「……うっ……うぅ……」ウルウル
セイバー「え……?」
アイリ「うぅ……そんな……どうしてぇ……」ポロポロ
セイバー「ア、アイリスフィール?その手紙にはなんと?キリツグはあなたに何を伝えようとしたのですか?」
アイリ「ひとりにして……」ポロポロ
セイバー「わ、わかりました。イリヤスフィールも連れて行きましょうか?」
イリヤ「すぅ……すぅ……」
アイリ「イリヤはいい。セイバーが出て行って……」
セイバー「はぁ……もう肩車は諦めるしかないのでしょうか……」
切嗣(また佇んでいるな……)
切嗣(このまま待っていてはいつまでたっても、話が進みそうにないな)
切嗣(仕方ない……ここは……)
舞弥「あ、切嗣。探しました」
切嗣「ん?」
舞弥「あの体重計なのですが……」
切嗣「舞弥、頼みたいことがあるんだ」
舞弥「えっ……?」
切嗣「こんなことを言うのは……本当に恥ずかしいんだけど……」
舞弥「なんでも聞きます、切嗣」
切嗣「これを……」スッ
舞弥「体重計……?」
切嗣「セイバーに握らせてくれ」
舞弥(まあ、いいですけど)
舞弥「セイバー」
セイバー「はい?」
舞弥「これを握ってください」
セイバー「なんですか、これは?」
舞弥「体重計です」
セイバー「ほう?」
舞弥「ここを握れば画面に貴方の体重が表示されます」
セイバー「わかりました」グッ
ピピッ
セイバー「出ました」
舞弥「えっと……42キロ……ですね」
セイバー「これがなにか?」
舞弥「いえ。意味は私もよくわかりません」
切嗣「どうだった?」
舞弥「42キロでした」
切嗣「42キロか……」
切嗣(くそ……なんとかなりそうな体重だな……)
舞弥「あのぉ……これは一体?」
切嗣「気にしなくていい」
舞弥「まさか……健康状態を……?」
切嗣(さて……体重が分かってしまえば、あとは肩車をするだけか)
切嗣(したくないな……。でも、アイリとの約束だ……やらないと……)
舞弥(切嗣……セイバーの身体情報を調べて、側室に相応しいか吟味を……)
舞弥(そんなにセイバーが……)
切嗣(また手紙を書くか……?いや、今度ばかりは直接言ったほうがいいな)
舞弥(私ではダメなのね……)ウルウル
切嗣「……」
切嗣『セイバー!肩車してあげよう!』
セイバー『わーい!ありがとうございますぅ!』
切嗣『10秒だけだからなー』
セイバー『了解しましたー』キャッキャッ
切嗣(―――と、なればいいが)
切嗣(とにかくまずは声をかけないとな)
切嗣「……よし」
切嗣「……」スタスタ
アイリ「キリツグ」
切嗣「アイリ……?体はもういいのかい?」
アイリ「話が……あるの……」
切嗣「あ、ああ……」
切嗣「アイリ?」
アイリ「ねえ……キリツグ?」
切嗣「なんだい?」
アイリ「私、とっても幸せ。貴方と出会えて、イリヤが生まれて……」
切嗣「僕だ」
アイリ「聖杯戦争という運命からは逃れられないけれど、それでも私はもう申し訳ないほどに幸福を与えてもらったと思ってたわ」
切嗣「アイリ……」
アイリ「―――これを見るまでは」バンッ!!
切嗣「え……?」
アイリ「……」
切嗣「何を言っているんだい?」
アイリ「セイバーのこと……好きになったの?」
切嗣「なにを……?」
アイリ「もしかして、セイバーを無視しているのって好きだから?そのことを私に気取られたくなかったからなの?!キリツグ!!?」
アイリ「体を調べたいってなに?!」
切嗣「文字通りだけど……」
アイリ「文字通り?!文字通りっていったぁ?!」
切嗣「アイリ、落ち着いてくれ……」オロオロ
アイリ「落ち着けないわ!!」
切嗣「体に障るから……」アセアセ
アイリ「貴方が他の女性に好かれているのは別にいいって思ってた」
切嗣「アイリ……」
アイリ「それは貴方が私を心から愛しているって感じてたから!!」
切嗣「その気持ちに偽りはないよ」
アイリ「こんなの書いてるくせに!!!」バンッ!!
切嗣「だから、これは……」
アイリ「ひどい……ひどいわ……キリツグ……」ポロポロ
切嗣「アイリ……泣かないでくれ……」オロオロ
切嗣「……」オロオロ
アイリ「きりつぐにすてられたぁー……おじいさまにいいつけるぅー……」ポロポロ
切嗣「それは困る……」
アイリ「うぅ……」
切嗣「誤解だ、アイリ」
アイリ「ぐすっ……ごかいぃ?」
切嗣「これはセイバーの体重が知りたかっただけなんだ」
アイリ「体重……?」
切嗣「今後のことを考えて、知っておいて損はなかったから」
アイリ「……それだけなの?」
切嗣「僕が信じられないのかい?」
アイリ「……」ジーッ
切嗣「……」
アイリ「…………わかったわ。キリツグを信じます」
アイリ「……でも、もうこんな紛らわしいことしないで。お願い」
切嗣「ああ。誓うよ」
アイリ「キリツグ……♪」ギュッ
切嗣(よかった……なんとか誤解はとけたな)
アイリ「キリツグ……愛してます」
切嗣「僕もだよ」
アイリ「……♪」ギュゥゥ
切嗣(そうだ。このままアイリとの約束を果たそう。そうすれば確固たる信頼も得られるだろう)
切嗣「アイリ、ちょっと協力してほしいことがあるんだ」
アイリ「なに?」
切嗣「こっちだ」
アイリ「うん」
セイバー「ふぅ……」
切嗣(いたいた)
アイリ「キリツグ?セイバーがどうかしたの?」
切嗣「アイリ、ちょっとセイバーと話をしてきてくれ」
アイリ「セイバーと?」
切嗣「ああ」
切嗣(僕が直接セイバーに「肩車をしてやる」とはいえない)
アイリ「いってくるわね」トコトコ
切嗣(セイバーも直接言われたら警戒してしまうだろうし。そうなればまた話が進まなくなる)
切嗣(やはり後ろから一気に畳み掛けるしかないな)グッ
アイリ「セイバー」トコトコ
セイバー「アイリスフィール、どうしました?」
アイリ「いい天気ねー」
セイバー「そうですね」
セイバー「いいえ。まだです」
アイリ「そうなの」
セイバー「はい」
アイリ「でも、きっとキリツグのことだからすぐにやってくれるはずよ」
セイバー「正直……キリツグにはあまり……」
アイリ「ねえ、セイバー?」
セイバー「はい?」
アイリ「さっきはごめんなさい。貴方に失礼なことを……」
セイバー「気にしていません」
アイリ「セイバー……」
セイバー「出て行けといわれたぐらいで、私はなんとも思いませんから」
アイリ「ほんとに?怒ってない?」
セイバー「怒っていません」
アイリ「ふふ……うそ。ちょっと怒ってるわ」
アイリ「ほら、怒ってる」
セイバー「アイリスフィール!」
アイリ「ふふ……」
セイバー「全く……」
切嗣(よし……今だ……)
切嗣「Time alter―――double accel!!」ババッ
切嗣(このまま一気にセイバーの股下に!!)
アイリ「もう。怒らないでよ」
セイバー「怒っていません」クルッ
ドガッ!!
セイバー「っ!?」ドタッ
アイリ「!?」
切嗣(しまった……勢いが強すぎたか……!!)
セイバー「いたた……。キリツグ?私の股間に顔をうずめて、なんのつもりですか?」
アイリ「……」
セイバー「キリツグ、廊下は走ってはいけません。危険です」
切嗣「……」
アイリ「……」ジーッ
切嗣「アイリ……」
アイリ「もうしらないっ!!」
切嗣「アイリ!!」
アイリ「怪我しても治癒なんてしてあげないっ!!」
切嗣「アイリ、誤解だ!!」
アイリ「うえぇーん!!!!」ダダダッ!!!
切嗣「あぁ……アイリ……どうして……僕は君との約束を……」
セイバー「キリツグ?何かあったのですか?」
切嗣「……アイリっ!!」ダダッ
セイバー「また無視ですか……全く……」
切嗣「アイリ!!」ドンドン
舞弥「切嗣?どうかしたのですか?」
切嗣「舞弥。ちょうどよかった。今、困っているんだ」
舞弥「まさか……敵?」キリッ
切嗣「アイリをこの部屋から出したいんだ」
舞弥「そのうち出てくるのでは?」
切嗣「今すぐ会いたいんだ」
舞弥「本当に仲がいいのですね……はぁ……」
切嗣「こういうときはどうしたら……」
舞弥「なにか怒らせるようなことでも?」
切嗣「すこし……」
舞弥「そういうときは、これです」スッ
切嗣「便箋?」
舞弥「ラブレターに限ります」
アイリ「もう……キリツグ、きらいっ」
イリヤ「お母様ー、どうして膝抱えてるの?」
アイリ「いい?イリヤ?」
イリヤ「ん?」
アイリ「将来、気になる人ができたら、ちゃんと貴方だけを愛してくれる人を選ぶのよ?」
イリヤ「うん」
アイリ「みんなを幸せにするだとか、周囲の女の子に優しくしようとする男だけは選んじゃダメだからね」
イリヤ「どうして?」
アイリ「愛情を私だけに注いでくれない……から……」ウルウル
イリヤ「お母様……」ナデナデ
アイリ「うぅ……ぐすっ……」
トントン
アイリ「……はぃ?」
舞弥『切嗣からの手紙です。読んでください。扉の隙間から通します』
イリヤ「はーい」トテトテ
アイリ(今更なに……?)
イリヤ「はい、お母様」
アイリ「ありがとう」
イリヤ「だれからー?」
アイリ「キリツグからね……」
イリヤ「しんあいなる、アイリへ。って読むの?」
アイリ「偉いわね」ナデナデ
イリヤ「えへへ」
アイリ(ラブレター……?)
アイリ「……」ペラッ
アイリへ。何を書いていいか僕にはわからない。でも、初めにこれだけは言っておきたい。
アイリ「……キリツグ……」
イリヤ「あいしてる、だって。お母様、よかったね」
切嗣(あれで誤解がとけるとは思えない……)
切嗣(はぁ……初めから……素直になっておけば……)
セイバー「……」ボケ~
切嗣「舞弥」
舞弥「はい?」
切嗣「セイバーにこれを渡してきてくれ」
舞弥「分かりました」
切嗣(これでいい……)
舞弥「セイバー、切嗣からの手紙です」
セイバー「え?なんでしょうか……?」ペラッ
舞弥「……」ソーッ
僕に乗りたいか?返事は舞弥に伝えてくれ。
セイバー「……?」
舞弥「のる……!?」
舞弥(乗る……?乗る……セイバーが切嗣に乗る?切嗣はセイバーに乗られる……。セイバーが切嗣にライドオン……?)
セイバー(アイリに言われて、ずっと気にしていたのでしょうか……)
舞弥(えー?やっぱり……切嗣は……セイバーのことを……?)オロオロ
セイバー「……」チラッ
切嗣「……!!」ササッ
切嗣(気づかれたか……?)
セイバー(ここは乗っておかないと、キリツグが不憫ですね)
舞弥(いいな……私も乗りたい……思うままに……)
セイバー「あの」
舞弥「は、はい」
セイバー「キリツグに伝えてください。乗ります、と」
舞弥「ほ、ほんとうですか……?」
セイバー「はい。このままではキリツグが少し可哀相なので」
舞弥(可哀相……?それって……ご無沙汰ってこと……?)
切嗣「どうだった?」
舞弥「イエス……だそうです」
切嗣「そうか。では……」
舞弥「い、今からですか?」
切嗣「10秒で済む」
舞弥「はやっ?!」
切嗣「え?」
舞弥「あ、いえ……切嗣はそんなに……その……早いのですか……?」
切嗣「セイバーは10秒でいい」
舞弥(セイバーはそんなすごいテクニックを……?)
切嗣「行って来るよ」スタスタ
舞弥「……」
舞弥(どうしよう……この角から少し覗き込めば見える……。もうすぐセイバーと切嗣が……始めてしまう……)ドキドキ
舞弥(覗いてはだめ……覗いては……)ドキドキ
セイバー「―――」
切嗣「―――」
舞弥(会話をしている感じではない……)
舞弥(10秒で済ませるなんて……どんなことに……?)
アイリ「わっ」
舞弥「きゃぁ!?」
アイリ「あ、あら。ごめんなさい。そんなに驚くなんて……」
舞弥「あ、いえ……」
アイリ「どうかしたの?」
舞弥(まずい……!!こんな現場を見たら……内部崩壊しかねない……!!)
アイリ「キリツグ、しらない?」
舞弥「知りません!!」オロオロ
アイリ「この先にいないの?」
舞弥「いません!!」
アイリ「セイバーの声」
舞弥(物を取り出したか……!!つまり、カウントダウンが始まった……!!)
アイリ「キリツグも一緒かしらー?」
舞弥(10秒で行為は完了する。事後処理にもそれほど時間をかけないはずだから……おおよそ20秒間、ここで食い止めれば、大丈夫!!)
アイリ「私もラブレター書いたの。キリツグに渡したくて」
舞弥(ラブレター!!チャンス!!)
舞弥「あの。私が推敲します。見せてください」
アイリ「推敲?」
舞弥(ふっ。推敲するなら余裕で5分は稼げる)
アイリ「そんな必要ないと思うけど……はい」スッ
舞弥「ありがとうございます」ペラッ
切つぐ。私もだーいすきっ! あいり
舞弥(隙がなかった……)
アイリ「どうかしら。ラブレターなんてあまり書いたことないから……」モジモジ
アイリ「もういい?」
舞弥「あ、えっと……もっと、こう、想いを込めてみてはどうでしょうか?」アセアセ
アイリ「でも、私は書いてみて思ったけど、書くより口で伝えたほうが得意みたいで」
舞弥「な、なるほど」
アイリ「だから、とりあえずこのラブレターを渡してから、私の想いを伝えようとおもって……ダメかしら?」
舞弥「い、いいんじゃないでしょうか……」
アイリ「よかったぁ」
舞弥(あと5秒が長い……!!)
アイリ「それじゃあキリツグに渡してくるわね」トコトコ
舞弥「まだ早いかもしれませ―――!!」
アイリ「キリツ―――」サッ
舞弥「……あの……」
アイリ「……やっぱり、あとにしましょう」
舞弥(あぁ……見てしまったんですね……!!!やっぱり、15秒じゃ無理だった……!!)ガクッ
舞弥(まだ……している……どこが10秒ですか……もう30秒以上になりますよ……)
アイリ「……」トコトコ
舞弥(ああ……もう聖杯戦争には勝てない……)
アイリ(セイバーもキリツグも楽しそうだった……邪魔しちゃ悪いわね……)トコトコ
舞弥「……」
セイバー『きりつぐー!!もっと!!』
舞弥(強請っている……!?)
セイバー『もう終わりですか?』
舞弥「……」ソーッ
セイバー「ありがとうございました。これで心の憂いを晴らすことができました」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「キリツグ、感謝します。貴方にも人の心があったのですね」
舞弥(約1分の情事……どんなことを……)
舞弥「あの……」
セイバー「どうかされましたか?」
舞弥「あの……どんなことを?」
セイバー「え?肩車です」
舞弥「肩車?!」
セイバー「はい。とても気持ちがよかったです」
舞弥(わざわざ肩車をして……切嗣はセイバーのを……?)
舞弥(なんという体位。初めてしたとは思えない)
セイバー「それがなにか?」
舞弥「切嗣とはいつも?」
セイバー「いえ。今回が初めてです。イリヤスフィールにはいつもしていましたが」
舞弥「えぇ!?ど、どこで……!?」
セイバー「中庭で、ですが」
舞弥「そんな……切嗣が……」フラッ
切嗣(機嫌は直っているだろうか……)
切嗣「……」スタスタ
切嗣「……」
切嗣「よし」
切嗣「アイリ?いるか?」トントン
アイリ『いるわよ』
切嗣「入ってもいいかい?」
アイリ『下、見て』
切嗣「え……?これは……手紙?」ペラッ
切嗣「ふっ……アイリ、僕も大好きだ」
ガチャ
アイリ「―――キリツグー!!私も大好きよ!!愛してるから!!」ギュゥゥ
切嗣「アイリ……」
アイリ「貴方のラブレター読んだわ。素敵だった。嬉しくて……すこーしだけ、泣いちゃった」
アイリ「セイバーとは肩車したかっただけなのね。さっき、見ちゃったの」
切嗣「ああ。アイリとの約束だったから」
アイリ「もう。最初から言ってくれればよかったのに」
切嗣「恥ずかしくて……」
アイリ「ふふ……そういうところ、可愛い」
切嗣「やめてくれ」
アイリ「キリツグ……今日は、ごめんなさい……」
切嗣「僕のほうこそ」
アイリ「あの……だから……今日は……」モジモジ
切嗣「まだ病み上がりなんだ、寝ていたほうがいい」
アイリ「キリツグぅ……」
切嗣「それじゃあ、おやすみ」
アイリ「はい……」
切嗣(部屋に戻って今後の行動予定を練るか……)
切嗣「……」カキカキ
トントン
切嗣「舞弥か?」
セイバー『私です』
切嗣「……」
セイバー『あの……手紙を……』
切嗣「……」カキカキ
セイバー『扉のところに置いておきます。読まずに捨ててもらってもかまいません。それでは』
切嗣「……」スクッ
切嗣(一体なんだ……?)ペラッ
切つぐへ。肩車をしていただき、本当に感謝しています。重くはなかったでしょうか?
切嗣「……」
今後の戦いに支障が出るようでしたら、言ってください。マッサージぐらいならできるかもしれません。
切嗣(アイリがいるからそのような事態にはならないけど……)
切嗣「……」ペラッ
また機会があれば肩車してください。貴方の肩車は良いものでした。
切嗣「ふっ……」
それと舞やが肩車をしてほしいと言っていました。そちらのほうもできればよろしくお願いします。セイバーより。
切嗣「舞弥が……?」
切嗣「……意外と可愛いところもあるんだな」
切嗣「……」
切嗣「よし」
切嗣「明日にでも聞いてみるか」
切嗣「……」カキカキ
切嗣(舞弥も童心に返りたいときがあるのかもしれないな……)
舞弥(切嗣の見る目が変わってしまう……)
舞弥「……子どものままがよかった」
切嗣「舞弥?」
舞弥「なっ!?」
切嗣「どうした?」
舞弥「い、いえ」
切嗣「それじゃあ、乗るかい?」
舞弥「え……?!」
切嗣「僕に乗りたいんだろ?」
舞弥「き、きりつぐ……」カァァ
切嗣「ここで、乗るか?」
舞弥「ここで?!」
切嗣「それとも外のほうがいいかい?」
舞弥(部屋じゃだめなのですかぁ……!?)
舞弥「なっ?!」
切嗣「おはよう、アイリ」
アイリ「内緒の話?」
舞弥「いや!!ちが―――!!」
切嗣「舞弥が僕に跨りたいらしい」
アイリ「まぁ……」
舞弥「き、きりつぐぅ!!」
アイリ「ふふ……キリツグ?」
舞弥「あの!!これは何かの間違いで―――」
アイリ「腰には気をつけてね?」
切嗣「ありがとう。ま、アイリがいるからそっちの心配はいらないけど」
アイリ「ほどほどにしてね」
舞弥(え……まさか……お許しが……?)
切嗣「舞弥?どうする?嫌なら無理にとはいわないけど」
切嗣「……」
舞弥「の、のせて……」
切嗣「よし。ここでするかい?」
舞弥「えっと……そ、外で……」
切嗣「外か」
舞弥「じ、実は興味は……あったんです……外でするの……」モジモジ
切嗣「それじゃあ行こう」
舞弥「は、はい……!!」
舞弥(まさか……外で……)
舞弥(ドキドキする……)
切嗣「……」
舞弥(でも、切嗣となら……恥ずかしくない……)
切嗣「晴れていてよかった」
舞弥「雨でも別に……」
アイリ「キリツグー」
舞弥「え?」
イリヤ「わーい」
セイバー「……」
舞弥「ど、どうして……!?」
アイリ「ごめんなさい。イリヤがどうしても混ぜてほしいって」
舞弥「なっ!?」
切嗣「イリヤ、あとででいいかい?」
イリヤ「うん!みてるー」
切嗣「いい子だ」ナデナデ
舞弥(まさか……そんな……!!夫人だけでなくご息女の前で……!!こんな羞恥プレイきいたことが……!!)ゾクゾク
切嗣「舞弥?震えてるな?どうしたんだい?」
切嗣「もしかして、初めてか?」
舞弥「は、はい……こんなの……経験したことが……」
切嗣「大丈夫。僕を信じて」
舞弥「切嗣……優しく……してください……ゆっくりと……」
切嗣「わかったよ」
舞弥「あの……目は閉じててもいいですか……?」
切嗣「いいよ」
舞弥(あぁ……切嗣……もう私は……)
切嗣「よっ……」
舞弥(普通の行為では満足できない体になって―――)
切嗣「ほっ」ググッ
舞弥「んっ……いきなりそんなところか―――えぇ!?」
切嗣「どうだい、舞弥?眺めはいいか?」
舞弥「き、きりつぐ!!これなんですか!?どういうことですかっ!?」オロオロ
舞弥「だ、だれが……!!」
切嗣「少しあるくか」
舞弥「あぁ!!切嗣!!待ってください!!揺れます!!」ギュゥゥ
切嗣「そうやって掴まっていれば大丈夫さ」
舞弥「おぉ……!?」
アイリ「ふふ……」
イリヤ「きりつぐー、はやくかわってよー!!」
切嗣「もう少しまってくれ」
舞弥「あぁ……」カァァ
舞弥(色んな意味ではずかしぃぃ……)ウルウル
切嗣「舞弥?楽しくないのか?」
舞弥「……うぅ……たのしぃ……ですぅ……」ポロポロ
切嗣「泣くほど楽しいのか。じゃあ、もう少しだけ」タタタッ
舞弥「とまって!!もういい!!もういいです!!これ以上醜態をさらすわけにはぁ!!」
イリヤ「いけー!!グレートキリツグガー!!」キャッキャッ
切嗣「よーし」
舞弥「……はぁ」
セイバー「元気ないですね?肩車、お気に召しませんでしたか?」
舞弥「そういうわけでは……」
アイリ「こうしていると聖杯のことなんて忘れたくなるわね」
セイバー「アイリスフィール」
舞弥「……」
アイリ「あ、ごめんなさい。今のは失言だったわ」
セイバー「いえ。私もキリツグに肩車してもらったときは騎士として恥ずべきことですか、自身の宿命を忘れることができました」
アイリ「ふふ……そう。いいことか悪いことかはわからないわね」
セイバー「本来なら誰かに罰を受けねばならないでしょうね」
アイリ「真面目ね、騎士王さんは」
セイバー「私はサーヴァント。戦うためにここにいます」
イリヤ「きゃー!!きゃー!!」
セイバー「……でも、悪くない。むしろ良い。そう思えました」
アイリ「貴女も?」
舞弥「え!?」
セイバー「どうでした?楽しかったでしょう?」
舞弥「ま、まぁ……はい」
アイリ「よーし!」
セイバー「アイリスフィール?」
アイリ「キリツグー!!私も肩車してー!!」テテテッ
切嗣「アイリ、走るとあぶな―――」
アイリ「きゃ!?」ズデンッ
切嗣「アイリ!?」
アイリ「いたた……。お鼻、ぶつけた……」
セイバー「大丈夫ですか?!」
アイリ「へーき、へーき。それより、肩車っ!」
切嗣「わかった。イリヤ、いいかい?」
イリヤ「うん!」
切嗣「じゃあ、ほら」
アイリ「よっと」
切嗣「じゃあ、いくよ?」
アイリ「ヨーソロー♪」
セイバー「ふっ……」
舞弥(また機会があれば肩車してもらおう……)
切嗣「よっ……」グッ
ゴキィ……
セイバー「ん?」
アイリ「キリツグ?」
切嗣「あ゛……ぁ……」プルプル
アイリ「アイアイ?」
セイバー「キリツグ、すごい油汗ですよ?」
舞弥「どうかしたのですか?」
切嗣「ぉ……ォ……ァ……ャ……」プルプル
アイリ「どうしたの?」ユサユサ
切嗣「ァ゛ァ゛ァァァァ―――!!!!」
セイバー「バーサーカー化してしまいましたね」
舞弥「もしや……マダムの体重が重くて……腰に異常が……?」
アイリ「わ、私は重くないわ!!ねえ!!キリツグ!!?」
切嗣「ほっ……ぉ……」
アイリ「そんな……!!私が……重かったから……そんなぁ……」ウルウル
切嗣(アイリ……早く……助けて……く……れ……も、ぅ……)
イリヤ「キリツグ、大丈夫?ここが痛いの?」ペチン
切嗣「ぽぅ!!!」
切嗣「……」
アイリ「し、しばらく安静にしていれば大丈夫だから」
舞弥(もう肩車は頼めそうにないですね……残念)
セイバー「申し訳ありません。元はといえば私が……」
アイリ「セイバーのせいじゃないわ。気にしないで」
切嗣「……」
セイバー「いえ。ここは私が責任を取ります」
アイリ「え?」
セイバー「キリツグ。マッサージならできるかもしれません」ワキワキ
切嗣「……やめ……!!!」
セイバー「それでは」グッ
ベキィ……!!!
切嗣「―――!!!!」
―――この日以降、僕に肩車を求める声は止んだ。
END
セイバーがトドメを刺したか
面白かった
乙でした
乙
Entry ⇒ 2012.04.20 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
セイバー「私のアホ毛を士郎のお尻にぶちこみたい…」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334752402/
士郎「道場にいたのかセイバー」
セイバー「士郎」
セイバー「少々精神統一を」
士郎「さすがはセイバーだな。晩飯だぞ」
セイバー「ぜひ行かせていただきます」
士郎「さあ行こう」
セイバー(士郎……いい尻してはる……)
セイバー(でもばれたら士郎に嫌われてしまう…)
士郎「どうしたセイバー」
セイバー「いえっ何でも」
士郎「そっか」
セイバー「そうです」
セイバー(ああああああああああああ挑発的にお尻フリフリしおってからにいいい)
士郎「はいっ!?」
セイバー「あっいえっその……早く士郎の作ってくれた料理に箸をぶちこみたいなあと!」
士郎「はは、食いしん坊だなあセイバーは」
セイバー「いやあ」
士郎「いただきまーす」
桜「やっぱり先輩の作った料理はおいしいです」
凛「そうねー、一家に一台士郎だわ」
凛「しょうゆしょうゆっと」
セイバー「ひゃわっ!?」
凛「ああごめん頭に触れちゃった?」
セイバー「いえ大丈夫です」
セイバー(あああやばいやばいやばい)
桜「手伝います」
士郎「サンキュー」
桜「……先輩」
士郎「なに」
桜「今日、セイバーさんずっと先輩のこと見てましたよね」
士郎「そうか?」
桜「そうです」
凛「それは……アレかもしれないわね」
士郎「あれって?」
凛「ホラ……なんていうか……魔力供給足りてないんじゃない?」
士郎「あっ……」
士郎(そういえば最近ご無沙汰だった……)
凛「そうね。女の子に恥かかせるものじゃないわ」
士郎「ちょっとセイバーの部屋行ってくる」
凛「がんばってきんさい」
士郎「セイバー、ちょっといいかな」
セイバー「えっ!?あっちょっと待ってください」
ドタンバタン
セイバー「ど、どうぞ」
士郎「おじゃまします」
セイバー「ど、どうしたのですか」
士郎「セイバー……あのさ」
セイバー「はい」
士郎「今晩……セイバーの部屋にまた来てもいいかな?」
セイバー「えっ!?」
セイバー(ばれてたあああああああ!)
セイバー「すみませんすみませんそうじゃないんですあの」
士郎「いや!いいんだ……気付かなかった俺が悪いんだ」
セイバー「えっ?」
士郎「こういうのって言い出しにくいしさ……俺が配慮すべきだったよ」
セイバー「嫌じゃ……ないのですか?」
士郎「嫌なんかじゃないよ。俺の方こそセイバーとしたかったんだ」
セイバー(アナル準備おっけええええええ!?)
士郎「趣味っていうか……セイバーの前だけさ」
セイバー「魅せられていたのですね(私のアホ毛に)…」
士郎「うん…魅せられてたのかもしれない(セイバーに)」
士郎「思えばあの瞬間からかもな……」
士郎「セイバーが召喚された瞬間からそうだった」
セイバー「ええええええ!?そんなに前から!?」
士郎「ああ」
セイバー(士郎のお尻もムズムズしていたのですね……)
セイバー「はい…待っています」
セイバー(いっぱいアホ毛洗っておこう)
凛「どうだった?」
士郎「なんとか」
凛「なら安心ね。にしてもセイバーもそうならそうと言えばいいのに」
士郎「遠坂だったら言えるか?」
凛「さあどうかしら」
士郎「しかし落ち着かないな」
凛「お風呂までテレビでも見てなさいよ」
士郎「そうする」
セイバー「はい……どうぞ」
士郎「し、失礼します」
セイバー「ふふ、緊張しているのですか?」
士郎「そりゃあそうだよ。セイバーはしてないのか?」
セイバー「してます、私も」
士郎「セイバー……」
セイバー「士郎……」
ドサッ
セイバー「では士郎…お尻を出してください」
士郎「え?」
セイバー「え?」
士郎「いやいやいやいや!それはさすがに恥ずかしすぎるよ!」
セイバー「な、何をいまさら!今宵はそのための儀ではないですか!」
士郎「まじで!?セイバーちょっとそれはアブノーマルすぎるぞ!」
セイバー「士郎も了承してくれたではないですか!」
士郎「いや俺はもっとノーマルなやつを」
セイバー「ノーマルだろうがアブノーマルだろうが、まずはお尻を出さなければ始まらないではないですか!」
士郎「そうなの!?」
士郎(セイバー、いつの間に覚えたんだそんな事)
セイバー(やっと入れられる……入れられるうううううう)
セイバー「いいも悪いも、望むところです」
士郎「でもその……お尻って何ていうか不浄な所だろ?それを」
セイバー「構いません!この瞬間のために私は生まれてきたのかもしれない」
士郎「そんなに!?」
士郎(セイバーどんだけアナル舐めがしたいんだよ!)
士郎「じゃあ……頼む。やってくれ」
セイバー(きたあああああああああああああああ)
セイバー(とうとうこの時が……)
セイバー(まずはお尻の穴を広げよう…)
ググッ
士郎「うっ……」
士郎(やばい……スースーする)
セイバー(今から入れるんだ……ここに!)
士郎(ああやばい……セイバーの視線を感じる……)
セイバー(アホ毛の照準をあわせなければ……)
サワサワッ
士郎(くっセイバーの髪の毛がお尻にあたってくすぐったい)
士郎(何やってるんだよセイバー)
セイバー「はあはあ」
士郎(すげえ息が荒い!)
セイバー(よし!照準があった!いきます!)
セイバー「エクス……!」
士郎「……めだ」
セイバー「カリ……え?」
士郎「だめだやっぱり恥ずかしすぎるううううう!」
バッ
セイバー「あっ士郎!どこに行くのです!?」
セイバー(寸止めえええええええええええ!?)
士郎「すまん」
凛「その着崩れから見て、セイバーとことにおよんでいたんじゃないの?」
士郎「その通りなんだが……」
士郎「途中で逃げてきた」
凛「はっ?」
士郎「逃げてきちゃったんだよ…」
凛「……士郎、最低よそれ」
士郎「ああ、最低だな俺は」
凛「何があったのよ」
凛「セイバーが」
士郎「開始早々お尻を出せっていいだしたんだよ」
凛「…お尻?前じゃなくてお尻?」
士郎「この時点ですでに嫌な予感はしてたんだよ。普通最初はキスからだろ」
凛「士郎の前戯理論はどうでもいいのよ。で?」
士郎「しぶしぶお尻を出したんだけど……セイバーがそのお尻に顔を近づけてきたんだよ」
凛「ええ?ずいぶんとなんというか…AVのみすぎって感じね」
士郎「そうなんだよ……めっちゃはあはあしてたし」
凛「それでなんで逃げてくるのよ」
士郎「お尻を異性に舐められそうになったんだぞ?恥ずかしくて逃げてきたよ…」
凛「あー…。まあ士郎はAV男優じゃないしね」
士郎「もっとこう……普通に生きたかったんだよ俺は」
凛「まあ…気持ちはわかるわ」
凛「私だって相手にしょっぱなからお尻なめられたらちょっとひくわ」
士郎「だろ?セイバーの部屋はもうソープランドだよ」
凛「でもさ、逆に考えてみて。それくらいセイバーは士郎のことが好きってことじゃない」
士郎「え…」
凛「そういうことをいきなりできるくらい士郎のこと愛してるのよ…多分」
士郎「そうかな…」
凛「士郎だってやろうと思えばセイバーのお尻くらいなめられるでしょ」
士郎「まあ…な」
凛「そういうことよ」
士郎「そういうこと…か」
士郎「言われてみれば、俺はセイバーに清廉なイメージを勝手に押し付けていたのかもしれない」
士郎「受け止めてやらなきゃな」
凛「その調子よ」
士郎「それにしてもらったら案外気持ちいいかもしれないしな」
凛「ばか」
士郎「はは」
士郎「セイバーに謝ってくるよ」
凛「うん。がんばれ」
セイバー「寸止めなんて……あんまりです士郎…」
シコシコ
セイバー「もうこの際自分で自分のアナルにぶちこむしか…」
セイバー「よっ…と…」
セイバー「あれ……ちょっとできそう」
セイバー「はっ……!」
士郎「セイバーちょっといいか」ガチャッ
セイバー「」
士郎「」
セイバー「よ……ヨガです」
士郎「…そうか…ヨガは健康にいいもんな…」
セイバー「はい…」
士郎「…」
セイバー「…」
士郎「ちょっと一回ヨガやめてもらっていいかな」
セイバー「固まってしまって動けないんです」
士郎「…助けてもいいか?」
セイバー「ぜひ…お願いします」
士郎「なんの」
セイバー「…」
士郎「…」
士郎「さっきのことだけど」
セイバー「いえ…もういいのです」
士郎「セイバー」
セイバー「士郎のお尻をお借りしようとした私が厚かましかったのです」
セイバー「この欲望は……自分自身で発散することにします」
士郎「ちがう!」
セイバー「え…」
士郎「俺はセイバーが嫌いだから逃げたんじゃない」
士郎「俺の器の狭さゆえに…だ」
セイバー「……」
士郎「気付いたんだ。どんな性癖だろうとセイバーはセイバーだって」
セイバー「気を使わないでください」
士郎「待ってくれ。この際だから言うが」
士郎「俺持ってるんだ実は……金髪外人さんが出てくるエロ本を」
セイバー「えっ…」
士郎「セイバーに嫌われてくないからだまってたけどさ」
セイバー「そんなことで嫌いになるはずありません」
士郎「ああ、サンキュー。でも俺もそれと同じことなんだ」
士郎「そのままのセイバーが好きなんだよ俺は」
セイバー「士郎…」
セイバー「いいのですか……こんな私で」
士郎「そういう言い方はもうなしにしよう」
セイバー「士郎……ありがとうございます」
士郎「礼もいらないよ」
士郎「さっ始めよう!パンツぬぐぞセイバー」
セイバー「はい……はい」
士郎「きてくれ、セイバー」
セイバー「はい」
セイバー(照準セット)
セイバー(全魔力解放……!)
セイバー「エクス……」
士郎「ちょっと待った!」
セイバー「士郎おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおいい加減にしてください頼みますからいい加減にしてくださいこちらはもうとっくに限界なんで
すよ魔力がはちきれんばかりにほとばしっているのですよしたくてしたくてうずうずしてるんですよですから」
士郎「わかった!落ち着いてくれセイバー!提案があるだけだ」
士郎「エクスカリバーで掛け声はやめよう」
セイバー「はい?」
士郎「カリバーンにしよう。そっちの方が俺たち二人の作業って感じがする」
セイバー(その無駄な乙女ちっくっぷりはやめていただきたい)
セイバー「わかりました。では」
士郎「待った!」
セイバー「何ですか!!!!!!!!!!!!」
士郎「優しくたのむ」
セイバー「了解!!!!!!!」
士郎「来い!」
セイバー(照準セット。魔力全開放)
セイバー「カリ……」
セイバー「バァァァァァァ
アーチャー「ローゥ……アイアス!」
バシィィィィィィィィィン
士郎「!?」
セイバー「士郎のアナルが障壁によって防がれた!?」
アーチャー「危ないところだったな衛宮士郎」
セイバー「アーチャー!?」
士郎「なんだって?」
アーチャー「凛に何か嫌な予感がするから様子を見てくるよう言われたのだ」
アーチャー「私はセイバーのモノがお前の尻の穴に入って来ぬよう防いでやったのだ」
セイバー「くっアーチャー!」
士郎「お前には関係ないだろう!これはセイバーの愛情表現であって」
アーチャー「勘違いしているようだな衛宮士郎」
アーチャー「よもや貴様のアナルに入ってくるのがセイバーの舌だなどと思ってはいまいな」
士郎「えっ」
アーチャー「今セイバーが入れようとしていたのは…」
士郎「……え」
士郎「じゃあ…」
アーチャー「理解したか。貴様は今後ろの貞操を奪われかけていたのだ」
アーチャー「やれやれ……凛は貴様を焚きつけたことを後悔するだろうな」
士郎「セイバー…」
セイバー「士郎、何をいまさら驚いているのです」
セイバー「私を受け入れてくれるといったのではありませんかっ」
士郎「……」
セイバー「知らなかったのですか…私がアホ毛をあなたのアナルに入れたがっていたことを」
士郎「すまん…セイバー。俺はてっきり」
セイバー「…私は愚かな女です」
セイバー「一人で浮かれたり沈んだり…」
セイバー「士郎は全く気付いていなかったというのに」
士郎「セイバー聞いてくれ」
セイバー「聞きたくありません!」
ダッ
士郎「セイバー待ってくれ!」
アーチャー(深夜に騒ぎすぎだろうこいつら…)
アーチャー「君の嫌な予感は的中したよ。完全にこじれてしまった」
凛「やっぱり……うわー私のせいかな」
アーチャー「衛宮士郎をその気にさせてのは君の責任だな」
凛「どうなったの二人」
アーチャー「セイバーが飛び出していった。それを小僧が追いかけて行ったよ」
凛「やっちゃったわね」
アーチャー「やってしまったな」
凛「そうね……入れられるよりはマシよね」
アーチャー「ましだとも。ずっとな」
凛「そういえば、どうなってたのこの後」
アーチャー「何がかな」
凛「士郎とセイバーよ。あんた知ってるはずでしょ」
アーチャー「それを私に言わせるのか君は」
凛「いいじゃない。教えてよ」
アーチャー「さあな。私の未来と奴の未来では違うかもしれないからな」
アーチャー「しかし奴は衛宮士郎だ」
凛「うん」
アーチャー「とだけ言っておこう」
凛「何よそれ」
セイバー(士郎に嫌われてしまった)
セイバー(私の性癖を知った士郎のあの顔)
セイバー(思い出したくもない…)
セイバー(もういられない……士郎と一緒には)
士郎「見つけたぞ」
セイバー「士郎!?なぜわかったのです?」
士郎「さあな。好きだからかもな」
セイバー「もういいんです。士郎わかっています」
セイバー「士郎は優しいからそうやって言うのです」
セイバー「もはや私は士郎に抱きしめてもらう資格はないのです」
士郎「セイバー」
ギュッ
セイバー「!?」
士郎「資格なんていらなかったな」
セイバー「離してください!私はけがらわしい存在です」
士郎「なあ」
セイバー「離してください!」
士郎「入れてもいいよ俺の穴に」
セイバー「えっ……」
士郎「俺は鈍感だからな」
士郎「セイバーがどうしたいか悟ったりはできないみたいだ」
士郎「だから言ってくれ。その性癖を発散させてもいいし、セイバーが治したいんなら一緒に治してもいいし」
士郎「セイバーが望むことをしたいんだ」
セイバー「……」
セイバー「ほ、ほんとは…」
セイバー「あ、アホ毛なんかじゃなく…ふ、普通の…」
セイバー「普通の…愛の営みがしたかったんです…でも…」
セイバー「アホ毛が……言うことを聞いてくれなくて…」
士郎「そうか…」
セイバー「はい……ってええええええええ!?ムリムリムリ無理です!」
士郎「きくんだセイバー」
セイバー「やめてくださいゾッとします!」
士郎「いいかセイバー。髪の毛ってのは切っても生えるんだ」
セイバー「私のアホ毛は生えないんです!」
士郎「痛みを感じないほど超再生させる」
士郎「これを見てくれ」
セイバー「それは…発毛剤」
士郎「ああ。生前切嗣が使っていたモノだ」
士郎「アホ毛を切った瞬間にこの発毛剤を強化してふりかける」
士郎「新しいまともなアホ毛が生えてくるって寸法さ」
士郎「限る。実はこの発毛剤は性欲を抑える効能があるんだ」
セイバー「そうなのですか?」
士郎「ああ。切嗣が『生え際がやばくなってきたのは男性ホルモンのせいかもしれない』とか言って
性欲を抑える効能を液体に付与したらしいんだ』
士郎「これを強化して振りかければいけるさ」
セイバー「でも……痛いのは?」
士郎「多分アヴァロンがあれば大丈夫だろう。手をつないていよう」
士郎「ああわかってる。俺だってもし自分のあそこを切るなんてことになったらゾッとするさ」
士郎「でも今だけ、今だけ勇気を出してくれセイバー。王様だろ、セイバーは」
セイバー「…」
セイバー「はい…わかりました」
セイバー「しかし、王としてではなく、あなたを愛する一人の女性として勇気を出します」
士郎「その意気だ」
セイバー「お願いします」
士郎「トレース、オン」
フィィィィィィィィィィィン
士郎「頼むぞ、干将・莫耶」
士郎「体は、剣でできている――」
士郎「ふっ!」
セイバー「っ!」
ガキィィィィィィィィン!!
士郎「はじかれただと!?」
士郎「干将・莫耶が粉々だ…」
セイバー「申し訳ありません士郎」
士郎「いや、いいんだ。今のは俺のイメージが脆かっただけだ。次は本気で行く」
士郎「トレース、オン」
士郎(イメージするのは、常に最強の自分)
士郎(髪を切るとなれば……これだ)
士郎「投影、完了」
セイバー「士郎、それはただの鋏では」
士郎「ああこの間行った床屋のおっさんが使ってた鋏だ」
士郎「おそらくそのアホ毛の守りは概念武装と見た。髪を切るにはやはり鋏だ」
セイバー「わかりました。士郎にお任せします」
セイバー「はい」
士郎「ハアッ!」
ジョキッ……
セイバー「切れた!?」
士郎「ここからだ!発毛剤を強化開始!」
士郎(切嗣……力を貸してくれ!)
士郎(魔術回路が焼き切れてもいい……ありったけ強化だ!)
士郎「うおおおおおおおおおおお!」
バシャアッ……
セイバー「ううっ……」
士郎「セイバーどうした!成功したのか?」
セイバー「ううううああああああああ」
士郎「セイバー!」
セイバー「うううあああああああああああああ!」
士郎「どうなったんだ、セイバー!」
セイバー「あああああああああrarararararararai」
士郎「寒いから早くしろ」
士郎「セイバー、腕をどけてみてくれ」
セイバー「…はい……」
士郎「…」
セイバー「…」
士郎「アホ毛は……」
士郎「生えてる……な」
士郎(問題はこの先だ)
士郎「どうだ…セイバー」
士郎「入れたいのか…まだ」
セイバー「…」
セイバー「はい…早く入りたいです」
士郎「!」
士郎(失敗…)
セイバー「士郎の…腕の中に」
士郎「!」
いいのかこれは?
セイバー「士郎!」
士郎「良かった!よかったなあ」
セイバー「はい、一瞬黒い何かに意識を持って行かれそうになりましたが…」
士郎「がんばったな、セイバー」
セイバー「士郎も」
士郎「さ、帰ろう。俺たちの家に」
セイバー「はい!」
士郎「心配掛けたな」
凛「いいのよ。私の責任もあるし。昨日はどたばたしちゃったけど」
士郎「今夜、今度こそやり直そうってセイバーと約束したんだ」
凛「あれ、昨日したんじゃないんだ」
士郎「もう夜が明けてたからな…」
凛「なんだ。ま、雨降って地固まるってところかしらね」
士郎「もうカチカチの固い毛は勘弁だけどな」
凛「やだ」
士郎「はは」
セイバー「士郎。どうぞ」
士郎「おじゃまします」
セイバー「はい」
士郎「何度目だセイバーの部屋に出たり入ったりするの」
セイバー「本当ですね」
士郎「はは」
セイバー「ふふ」
セイバー「士郎…」
セイバー「ではさっそくお尻を出してください」
士郎「オッケー、セイバー」
士郎「ってうおいっ!アホ毛の呪縛はなくなったんじゃないのか!」
セイバー「大丈夫です、アホ毛の支配からは解き放たれています」
士郎「じゃあなんで!?」
セイバー「自分の意思で目覚めました」
士郎「うそだうそだうそだうそだあああもう一回鋏をトレースオン」
セイバー「ちゅっ」
士郎「え?」
セイバー「冗談です」ニコッ
おしまいや
紆余曲折があれど綺麗に終わったな
乙
Entry ⇒ 2012.04.19 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
キャスター「あーッ!龍之介ェ!駄菓子屋さんに着きましたよぉ!!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333976164/
龍之介「旦那ぁー!今日はどこへ連れて行ってくれるのさー!?」
キャスター「ふふ……龍之介ェ、今日はとっておきの場所に龍之介を導きますよ」
龍之介「クゥ~~~~、楽しみだぜ旦那ぁ!!」
キャスター「ほらほら、解けてる靴紐を縛って……さぁ行きますよ!龍之介ェ!!」
龍之介「しゅっぱーつ!!」
―――――
―――
――
龍之介「旦那、ここが旦那のとっておきの場所か?」
キャスター「そうですよ龍之介ェ……ではさっそく……」
龍之介「?」
キャスター「ゴホン……」
ガララッ
キャスター「おばぢゃーん゙!!このジル・ド・レェ、再びやって参りましたァー!!」
お婆さん「……おやおや、いらっしゃい」
キャスター「お久しぶりです、駄菓子屋のおばちゃん…龍之介、挨拶を」
龍之介「あ、どうも……雨生龍之介っていいますー」
お婆さん「そうかい、若いねぇ」
キャスター「…では龍之介、早速ショッピングを開始しましょう」
龍之介「ショッピングゥ~?」
キャスター「えぇ……この100円玉で好きなだけ買いなさい」
龍之介「たったの100円!?そりゃ無いぜ旦那ぁ~……」
キャスター「お黙りなさい龍之介ぇ!!……龍之介、幼き頃を思い出してみなさい」
龍之介「うっ……そりゃあ小学校とかの遠足のおやつは100円までだったけどさぁ……」
キャスター「では龍之介、このワンコインを……」
龍之介「はいはい……さーてと、どれを買っおうっかなー♪」
お婆さん「ゆっくりしていってね……」
キャスター「ふふ、私は既に買う物を決めていますからね」
サッサッサッサッ!!
龍之介「……す、すげぇよ旦那ぁ!!駄菓子を取る手際の良さ…COOOOOL!超COOLだぜ!!」
キャスター「あーッ!駄菓子が私に食せと告げているのですよ龍之介ェ!!」
お婆さん「若い時を思い出すねぇ……」
キャスター「……ではおばちゃん、私のお会計を」
お婆さん「はいはい……あなたはほんとに練り飴が好きだねぇ」
キャスター「このジル・ド・レェは練り飴を気に入りました」
龍之介「んー、俺はどれにしようかなぁ……」
キャスター「悩む事は良い事です龍之介……存分に苦悩しなさい」
龍之介「100円だとこれじゃオーバーしちゃうし……」
龍之介「……よしっ!これで決めたぜ旦那ぁ!」
キャスター「あーッ!たらたらしてんじゃねえよですかァー!!」
龍之介「おばちゃーん、俺のも頼みまーす」
お婆さん「はいはい……」
― 帰り道 ―
キャスター「ふふふ、食べるのが楽しみですねぇ、龍之介ェ」
龍之介「たまにはこういう買い物も良いよなぁー」
「おぉー!キャスター組ではないか!」
キャスター「あなたは……ライダーですか」
イスカンダル「どうだ?これから話し合いと酒を飲みに行くんだが、キャスター組も来ないか?」
キャスター「どうします?龍之介」
龍之介「んー、俺はどっちでもいいぜ?」
キャスター「……では、付き合いましょう」
イスカンダル「んふふ、そうこなくっちゃな!!」
――――
――
―
ウェイバー「おい!どうしてこいつらも呼んだんだよ!!」
イスカンダル「どうしてって…人数が多い方が良かろうが」
キャスター「あーッ!聖処女もいらしたのですねェ!!」
セイバー「黙れ下郎!何回も言うが、私を聖処女と呼ぶな」
ギルガメッシュ「それで、王の格付けだったか?それなら…」
キャスター「……」ネリネリネリネリ
龍之介「……」クチャクチャクチャ
ギルガメッシュ「……道化師共、王の前で何を食している?」
キャスター「アーチャーよ……これは駄菓子という食べ物ですよ」ネリネリ
ギルガメッシュ「駄菓子だと…?ハッ、雑種共がそれを食べ喜ぶ姿が目に浮かぶぞ」
キャスター「ふふふ、一つ食べてみてはどうでしょう……」ガサガサ
キャスター「これをどうぞ」
ウェイバー「え?え?こんなキャラだっけ?」
アイリ「……さぁ、私も状況がいまいち掴めないわ」
龍之介「……くぅ~~~!!5円チョコうめえよ旦那ぁ!!」
セイバー「……」ゴクリ
イスカンダル「ほほう……実に興味深いな」
ギルガメッシュ「酢ダコさん……だと?」
なんかわからんがツボったwwww
あとなんだっけ?
キャスター「正式名は『酢ダコさん太朗』ですが……まぁ許容しましょう」ネリネリネリネリ
ギルガメッシュ「……」
ギルガメッシュ「こんな貧相な食べ物を、王であるこの我に食せと言うのか?」
キャスター「いかにも……ライダーにはこれを」ゴソゴソゴソ
キャスター「さぁ、これをお持ちなさい」
イスカンダル「んん?これは……?」
キャスター「蒲焼きさんです太朗です」ネリネリネリネリネリ
セイバー「あ、あの……私のは」
キャスター「あーッ!聖処女にはこれを差し上げましょお!!」
キャスター「私の二番目のお気に入り、にんじんポンです!」
イスカンダル「どれ、味見を……ん!こりゃあうまい!!」
セイバー「……」モグモグ
セイバー「……おいしい」モグモグ
キャスター「ふふ、そろそろ私の練り飴も食べ頃でしょう……」
キャスター「……」ペロッ
キャスター「あーッ!!これこそが私の求めていた練り飴です!!じぃつに素晴らしいィ!!」
ギルガメッシュ「……」ペリッ…
ギルガメッシュ「……」パクッ、モグモグ
ギルガメッシュ「……」
ギルガメッシュ「ク、―――――――クハハハハハ!!気に入ったぞ、酢だこさん!!」
キャスター「あーッ!!だから酢だこさん太朗って言ってるじゃないですかァ!!」
龍之介「……」モグモグ
アイリ「……」
ウェイバー「……」
龍之介「ん、アンタらも食べる?」
アイリ「え……?いいの?」
龍之介「それが青髭の旦那がさぁ、駄菓子屋に戻って結構買っちゃったんだよね」
龍之介「『駄菓子屋の素晴らしさを伝えたい』とか言ってさ」ゴソゴソ
龍之介「ほら、こっち来て座りなよ」
ウェイバー「ぐっ……もう聖杯戦争は始まっているんだぞ……」
ライダー「堅い事を言ってないで、お前さんも行って来い」
バシッ
ウェイバー「うわぁああ!!」ドテッ
ウェイバー「うまい……これはなんて食べ物なんだ?」
龍之介「ん?あぁ、それはキャベツ太朗って言うんだ」
ウェイバー「へぇー……」モグモグ
アイリ「おいしい!こっちはなんて言う食べ物なの?」
龍之介「あぁ、それはうまい棒って言って…」
アサシン達「……」シュウン
ザワ ザワ ザワ ザワ
ウェイバー「あ、あれは……アサシン!!」
ギルガメッシュ「時臣め……下衆なマネを」
イスカンダル「んん?あやつら全員、手に袋を持っているぞ……?」
アサシンA「……自分達も、寄っちゃったんです///」
アサシンB「あー!!こいつ110円お菓子を買って来てるぞ!!」
アサシンD「ま、待て!仕方ないだろ!?ひもあめの魅力に耐えきれなかったんだ!」
アサシンC「いーけないんだ、いけないんだ!!マースターにー言ーつけよ!!」
キャスター「あーッ!!どうですこの刺激!!」
ギルガメッシュ「フハハハハッ!わさびのり太朗と言ったか!?鼻にツーンと来るが実に美味だ!!」
セイバー「……」ネルネルネルネルネル
バサァ
セイバー「あぁ!!2番の粉が……!」
イスカンダル「騎士王……」
「苦戦しているようだな、セイバー」
セイバー「ラ、ランサー!!」
ディルムッド「はぁ……仕方ない、俺のねるねるの2番の粉をやろう」
セイバー「ら、ランサー……」ウルウル
ディルムッド「俺にねるねるを作らせてくれ、セイバーだと心配だ」
セイバー「た、食べられるなら是非!!」
ディルムッド「……2番の粉を取り出し」ビリリッ
ディルムッド「……」ペリッ
ディルムッド「このゲイ・ジャルグで掻き混ぜる――――――ッ!!!」
ネーリネリネリネリネリネリネリネリ!!!!
イスカンダル「ほぉ!器用な奴じゃのう……」
セイバー「これは……ネル・ネルネ……!」
つれてあるいてるもんな
ディルムッド「ふっ……どうだセイバー」
セイバー「か、完敗です……」
イスカンダル「なぁセイバーよ、わしにも一口くれんか?」
セイバー「あげませんっ!!」
ギルガメッシュ「……道化師よ、明日は暇か?」ペロペロ
キャスター「暇ですが……はて、なにか用でしょうか?」
ギルガメッシュ「この駄菓子という食べ物を売っている場所に案内しろ」
キャスター「えぇ、いいでしょう……」
ギルガメッシュ「我の財で駄菓子を買い尽くしてやろう、感謝するんだな!!」
キャスター「……アーチャーよ、いけませんよ…そんな事をしては」
ギルガメッシュ「なに……?」
キャスター「次に来る、駄菓子を楽しみにしている子供達が可哀想ではありませんか」
少ない予算で厳選するからいいんだよ
ギルガメッシュ「―――――貴様、我が雑種共の為に引けという事か?」
キャスター「違います……アーチャーよ」
キャスター「駄菓子屋さんというのは、言わば子供たちのコミュニケーションの場です」
キャスター「なにを買い、どれを我慢し、そして何を食べたかを友達同士で話し合う……」
キャスター「……ですが、アーチャー…あなたは今、その場所を壊そうとしているんですよ?」
ギルガメッシュ「……」
キャスター「もう一度良くお考えを……」
ギルガメッシュ「……ふん、王であるこの我に指図するなど100年早い」ペロペロ
キャスター「ご理解されたようですね」ニコッ
ライダー「では、明日1時にまたここに集合だ!!また会おう!!」
ウェイバー「おい!聖杯戦争はどうするんだよ!?」
ギルガメッシュ「許される富は100円までだ!わかったか、雑種共!!」
ランサー「明日は我が主も連れてこよう……ではな」
セイバー(ゲイ・ボウで食べてたら舌切ったなんて言えません……お願いだから直ってください…!)
アイリ「私達も戻りましょう?セイバー」
セイバー「はい゙……では」
アサシン「あ、自分達は庭のゴミ掃除したら帰りますんで後は任せてください」
キャスター「そうですか……では龍之介、行きますよ」
龍之介「ん、それじゃー帰ろうぜ、旦那!!」
キャスター「今日は皆さんに駄菓子の良さを理解してもらえて、良き日でしたね」
龍之介「COOOOOL!!食べ方を教える旦那、超COOLだったぜ!!」
キャスター「あーッ!!龍之介ぇ!言ってくれますねぇ!!」
龍之介「旦那、今日の晩飯はなににする?」
キャスター「そうですねぇ……今日は……」
― その頃 ―
ランスロット「■■■、■■■――――――!」
(自分も行きたかったぁ!!いいなぁあいつら!!)
雁夜「やめろバーサーカー……ゴフッ!」
おわり
駄菓子が物凄い食べたくなる話だった
駄菓子食べたくなったわ
乙
乙 面白かった
Entry ⇒ 2012.04.16 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
セイバー「アインツベルン城は少し広すぎませんか?」キョロキョロ
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334208053/
セイバー「ここは?」ガチャ
セイバー「物置……」
セイバー「こっちは?」ガチャ
セイバー「客間……」
セイバー「ふむ……」
セイバー「……」
セイバー「……」ウルッ
セイバー「アイリスフィール!!きりつぐー!!」
セイバー「助けてくださいー!!私はここでーす!!」オロオロ
セイバー「あ、アイリスフィール!!」トテトテ
アイリ「どうしたの?そんな大声だして」
セイバー「よかった」
アイリ「なにが?」
セイバー「自室がどこにあるか分からなくなってしまって」
アイリ「あら。そうなの?」
セイバー「はい。お恥ずかしい限りです」
アイリ「まあ、まだ日が浅いものね。こっちよ」
セイバー「申し訳ありません」
アイリ「いいわよ。そんなに畏まらなくても」
セイバー「……ここは客間ですね」
アイリ「あ、あら?あ、こっちだったかしら」ガチャ
セイバー「侍女の部屋ですね」
アイリ「……」オロオロ
セイバー「……」
アイリ「エントランスに行きましょう!」
セイバー「おぉ」
アイリ「そう。入り口に戻れば自ずと道は開けるわ」
セイバー「流石です!」
アイリ「さ、こっちよ」スタスタ
セイバー「はい」トテトテ
アイリ「えっと、セイバーの部屋はB-2だから……ここね」
セイバー「なるほど」
アイリ「ということは……えっと……」
切嗣「アイリ?何をしているんだい?」
アイリ「キリツグ。セイバーの部屋が良く分からなくて」
切嗣「セイバーの部屋はB-2だが」
アイリ「それは分かってるの。ほら、部屋がいっぱいあるから」
切嗣「そうか」
セイバー「キリツグ。部屋が多い上に、この城はすこし広すぎます。いいですか。私の城も確かに豪奢でしかが―――」
切嗣「それじゃあ少し出かけてくるよ」
アイリ「ええ、気をつけてね」
セイバー「キリツグ!!人の話は最後まで―――」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「むぅ」
セイバー「はぁ、まさかお手洗いに行っただけで自室に戻ってこれなくなるとは」
セイバー「そもそも、他の部屋は備え付けの厠があるのに、どうしてここにはないのでしょうか」
セイバー「埃っぽいですし、隙間風も……」
ヒュー……
セイバー「……」ブルブル
セイバー「まあ、ここには雑貨がそろっていますから便利ですが」
セイバー「えっと、ガムテープは……」ガサガサ
セイバー「ありました。よしこれで隙間を塞いでおきましょうか」
セイバー「これでいいでしょう」
セイバー「さて、就寝しておかなければマスターに負担をかけてしまう」
セイバー「おやすみなさい」
セイバー「……」
ヒュー……
セイバー「へっくしゅ」
セイバー「……」ポヤー
切嗣「今日は新都中心に偵察を行う」
舞弥「分かりました」
セイバー「切嗣、どちらへ?私もいきます」
切嗣「車で向かう」
舞弥「はい」
セイバー「きりつぐー、私もお供に」トテトテ
舞弥「(ついてきてますよ?)」
切嗣「(仕方ない……)」
切嗣「舞弥、部屋に忘れ物をしたから先に出発の準備を」
舞弥「え……」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「キリツグ、私もつれていってください」トテトテ
切嗣「……」スタスタ
セイバー「キリツグ、どうして何も言ってくれないのですか?」トテトテ
切嗣(この辺りでいいか……)
切嗣「……」シュン
セイバー「消えた!?キリツグ!?キリツグ!?」キョロキョロ
セイバー「……気配もなくなっている」
セイバー「そんな……」
セイバー「どうしてキリツグは私のことを……」
セイバー「はぁ……仕方ない。今日も自室に戻りましょう」
セイバー「……?」
セイバー「ここは……?」キョロキョロ
切嗣「待たせたな」
舞弥「セイバー?」
切嗣「……」
きりつぐー!!!きりつぐー!!!
切嗣「さ、いこうか」
舞弥「いいのですか?」
切嗣「構うことはない。こんな城で迷子になるサーヴァントを街につれていけるわけがないしね」
舞弥「まぁ……確かに」
切嗣「行こう」スタスタ
舞弥「はい」
きりつぐー!!!どこですかー!!!
舞弥「……」
舞弥「セイバー……」
セイバー「……」ガチャ
セイバー「客間……」
セイバー「ここも……違う」
セイバー「はぁ……」
セイバー「……」
セイバー「マスターは目も合わせてくれないし、お城は広いし……」
セイバー「私は仕えるマスターに恵まれなかったのでしょうか……」
イリヤ「あ、セイバー!!」テテテッ
セイバー「イリヤスフィール!!!」テテテッ
イリヤ「どうしたのー?こんなところで」ギュゥ
セイバー「イリヤスフィールこそ!!これは神の啓示ですね!!」ギュゥゥ
イリヤ「セイバー、お手洗いの場所わかるかしら?」
セイバー「私の自室はどこかしっていますか?!」
セイバー・イリヤ「……」
イリヤ「そうなの」
セイバー「お手洗いなら客間にあるのでは?」
イリヤ「そっか。ちょっと用を済ませてくるわ」
セイバー「はい。お気をつけて」
セイバー「……」
イリヤ「セイバー!!どうしよう!!お風呂しかない!!」
セイバー「え!?」
イリヤ「うぅ……」モジモジ
セイバー「では、隣の客間は……!!」ガチャ
イリヤ「はやくー」モジモジ
セイバー「なんの嫌がらせか、こちらも浴室しかありませんね……」
イリヤ「せいばぁ」ウルウル
セイバー「えっと……もう浴槽で済ませるというのは……?」
イリヤ「それ、お母様に怒られるからだめぇ!!」
イリヤ「だめだめー」モジモジ
セイバー「このままでは貴女の矜持に関わりますよ!?」
イリヤ「だけどぉ……」モジモジ
セイバー「ほら、いきましょう!!」
イリヤ「う、うん……」
セイバー「あの綺麗な衣服を汚すよりは何倍もいいはずです」
イリヤ「そ、そうね……」モジモジ
セイバー「他言はしませんから」
イリヤ「や、やくそくよ……?」
セイバー「勿論です」
イリヤ「ゆびきり……」モジモジ
セイバー「その前に済ませてきましょう」
イリヤ「ゆびきり!!」
セイバー「分かりました……。ゆびきりげんまん……」
セイバー「お気をつけて」
セイバー「イリヤスフィールが戻ってきたらなんとか自室に戻るための策を講じなければ」
セイバー「エントランスに戻れば光が見えるのですが……」
セイバー「……」
ガチャ……
セイバー「早かったです―――え?」
イリヤ「間に合わなかったわ」
セイバー「な、なぜ……!?」
イリヤ「服を脱ぐのに時間がかかったの」
セイバー「……」
イリヤ「……」
セイバー「服は?」
イリヤ「部屋にあるわ」
セイバー「では、まいりましょう」
イリヤ「それがわかればこんなことになってないから」トコトコ
セイバー「それもそうですね」
イリヤ「……」
セイバー「エントランスに行きましょう。そこからなら簡単に……」
イリヤ「だめよ」
セイバー「どうしてですか?」
イリヤ「お母様と鉢合わせるかもしれないでしょ?」
セイバー「瑣末な問題では?」
イリヤ「こんな無様な格好じゃあ、お母様に嫌われるじゃない!!」ウルウル
セイバー「イリヤスフィール……」
イリヤ「……」ポロポロ
セイバー「分かりました。エントランスは通らずになんとかイリヤスフィールの自室へ向かいましょう」
イリヤ「……ありがとう」
セイバー「いえ」
イリヤ「うん」
セイバー「……」キョロキョロ
イリヤ「どう?」
セイバー「よし、誰もいません。行きましょう」
イリヤ「うん」
セイバー「この辺りに見覚えはありますか?」
イリヤ「どこも似た景色だから」
セイバー「それもそうですね」
イリヤ「こっちにいってみましょう」トコトコ
セイバー「待ってください!!」ガシッ
イリヤ「え?なに?」
セイバー「その先は危険です」
イリヤ「どうして……?」
セイバー「勘です」
アイリ「もう意地悪したらだめじゃない」
切嗣『セイバーはしつこかったんだよ』
アイリ「わかりました。私が探しておきます」
切嗣『頼む』
ピッ
アイリ「もう……キリツグったら」
アイリ「さてと……」スタスタ
アイリ「ん?」
セイバー「向こうからアイリが来る予感がします」
イリヤ「そうなの?じゃあ、どうしたらいいの?」
セイバー「そうですね……」
アイリ(何をしているのかしら……?)
セイバー「というわけで、こちらに」
イリヤ「う、うん」
イリヤ「えっと……」
アイリ(二人で遊んでいるのかしら……?)
イリヤ「赤ね」
セイバー「赤ですか……」
イリヤ「あと角部屋だったわ」
セイバー「それはすごいヒントですね!角部屋を虱潰しに探しましょう」
イリヤ「うん!!」
アイリ「……」
アイリ(楽しそうだし……しばらくセイバーに任せようかな)
アイリ「さてと……私は……」
アイリ「……」キョロキョロ
アイリ「……エントランスにいこっと」
ランサー「……」ガサガサ
ケイネス「深い森だな」
ランサー「ええ。方位磁石も役に立ちません」
ケイネス「ふん。結界でも張っているのだろう。無駄なことを」ガサガサ
ランサー「……」
ケイネス「……どうした?」
ランサー「先ほどから同じところを回っているような」
ケイネス「そんなわけがないだろう」
ランサー「既にアインツベルンの術中に嵌っている可能性は……?」
ケイネス「それならこの私が違和感に気がつかないはずがない」
ランサー「といことは……」
ケイネス「……」
ランサー「……マスターここにいてください。周辺を探索してきます」
ケイネス「任せた」
ランサー「あった。城だ」
ランサー「よし……」
ランサー「……」ギィィ
ランサー「……」キョロキョロ
ランサー(随分と広いな)
ランサー「見取り図もあるのか……」
ランサー「……」
アイリ「ふんふーん」
アイリ「……?!」
ランサー「記号ばかりで敵マスターの自室はわからないか」
アイリ(敵サーヴァントが城内に……!!)
アイリ(大変……セイバーを呼ばなきゃ!!)
ランサー「……適当に歩いてみるか」
ケイネス「……」
ガサガサ!!
ケイネス「……!?」ビクッ
カラス「アー!!アー!!」
ケイネス「……ランサーめ……なにをしている……!!」ブルブル
ケイネス「令呪でも使うか……?」
ふははははははは!!!!!!
ケイネス「……!?」ビクッ
アーチャー「あははははは!!!!セイバー!!!!迎えにきてやったぞぉ!!!」
ケイネス「あれは……アーチャーか……?」
アーチャー「よし、挨拶はこれでいいだろう。いくぞぉ!!セイバァァァ!!!」ザッ!!
ケイネス「……」
ケイネス「よ、よし。アーチャーを追っていけば城に辿り付けるかもしれない」
ケイネス「いくぞ」ガサガサ
イリヤ「へっくち!」
セイバー「大丈夫ですか?」
イリヤ「うん……」ズズッ
セイバー「早く着替えないと風邪を引いてしまいますね」
イリヤ「でも、ここどこ?」
セイバー「わかりません」
イリヤ「はぁ……お家で迷子なんて……」
セイバー「気にすることはありません。私も自身の城でよく迷子になり兄によく叱責を受けたものです」
イリヤ「そうなんだ」
セイバー「……ん?」
イリヤ「どうかした?」
セイバー「サーヴァントの気配がします……!!」
イリヤ「え、やだ、こわい」
セイバー「そこだ!!」キリッ
セイバー「アイリスフィール!?」
イリヤ「……!?」ササッ
アイリ「よかった!!セイバー!!こっちにきて!!」
セイバー「え?何かあったのですか?」
アイリ「サーヴァントが侵入してきたの!!」
セイバー「なに……!!」
アイリ「行きましょう!!」
セイバー「分かりました!!」ダダッ
イリヤ「あ……行っちゃった……」
イリヤ「……」
イリヤ「どうしよう……」ウルウル
イリヤ「……」トボトボ
アーチャー「おい、人形」
イリヤ「え……?」
アイリ「ここにランサーが!!」
セイバー「……こいっ!!」
アイリ「……」
セイバー「いませんね」
アイリ「さっきはいたの」
セイバー「帰ったのでは?」
アイリ「偵察ってことかしら……?」
セイバー「どうでしょうか……」
アイリ「この見取り図を凝視してたから、もしかしたらキリツグのことを狙っていたのかもしれないわ」
セイバー「なるほど。では、キリツグの部屋に行ってましょう」
アイリ「ええ」
セイバー「直接乗り込んでくるとは……面白い……」
アイリ「急ぎましょう」
セイバー「はい」
ランサー「……部屋を見ただけで誰の部屋か分からないか」
ランサー「城内に数人の気配はあるが……さて……」
ランサー「……ん?」
アーチャー「きさまぁ!!いいかげんにしろぉ!!」
イリヤ「だ、だからぁ!!セイバーの部屋なんてわからないの!!」
アーチャー「おのれ、木偶人形がぁ!!シラを切るのもいいかげんにしろぉ!!」
イリヤ「本当だってば!!」
アーチャー「ションベンくさいガキがぁ!!」
イリヤ「……っ」
アーチャー「家人が部屋を把握していないわけがないであろうがぁ!!」
イリヤ「うぅ……おしっこくさくない……もん……」ウルウル
アーチャー「なっ……!?」
イリヤ「……」ポロポロ
アーチャー「お、おい……」
アーチャー「なんだ貴様?誰の許可を得て我に声をかけた?」
ランサー「女児が泣いているではないか。サーヴァントとして恥ずかしくないのか?」
アーチャー「しらん!!勝手に泣いただけだ!!」
ランサー「……大丈夫か?」
イリヤ「……」ポロポロ
ランサー「酷い男に出会っただけのこと。すぐに忘れることができるだろう」ナデナデ
アーチャー「おい、雑兵。我を愚弄するとは死ぬ覚悟ができているのか、それともただの白痴か?」
ランサー「そのどちらでもない。貴殿の行いは到底騎士として見過ごすことはできない」
アーチャー「言わせておけばぁ……!!!」
ランサー「それに……この子は早く着替えさせるべきだ」
イリヤ「……え」
ランサー「このままでは気持ちも悪いはず。さ、行こう」
イリヤ「う、うん……」
アーチャー「おのれぇ……いい気になるなよぉ……!!」
イリヤ「えっと……分からなくて」
ランサー「そうか。では、エントランスに行こう。そこに見取り図がある」
イリヤ「それはだめ!!お母様に見つかったら……」
ランサー「なるほど。淑女としては今の姿は誰にも見られたくはないか」
イリヤ「うん……」
ランサー「よし……では……」
アーチャー「おい小娘!!」
イリヤ「なに?」
アーチャー「服がほしいのならば我がいくらでもくれてやろう!!あはははは!!!
イリヤ「……」
アーチャー「さぁ!!セイバーの部屋を教えろ!!」
ランサー「無視しておけばいい」
イリヤ「うん」
アーチャー「ぐっ……!!」
アイリ「うん……」
セイバー「もう少し探索をしますか?」
アイリ「でも、下手に動いたら迷子になるわ」
セイバー「では、1フロアを見終わったらエントラスに戻りましょう。それなら私はともかく、貴女は迷わないはずです」
アイリ「そうね。その作戦でいきましょう!」
セイバー「そうと決まればエントランスへ向かいましょう」
アイリ「ええ」
セイバー「あ」
アイリ「どうかした?」
セイバー「いえ……」
セイバー(そういえばイリヤスフィールを置き去りにしてしまっている)
セイバー(まずはイリヤスフィールの安全を確認したほうがいいかもしれませんね……)
セイバー「アイリスフィール、イリヤスフィールの所在を確認しておきませんか?」
アイリ「私も同じことを思っていたわ。だからこそエントランスに急ぎましょう」
ランサー「ここか?」
イリヤ「そうそう」
アーチャー「おい。セイバーの部屋はどこになる?」
イリヤ「……ここ」
アーチャー「なるほど……」
ランサー「行こうか」
イリヤ「うん」
アーチャー「よし!!褒美を与えてやろう!!どのような服飾が望みだ、雑種ぅ!!」
ランサー「……」スタスタ
イリヤ「……」トコトコ
アーチャー「おのれぇ……おのれぇ……!!!」
アイリ「そうそう」
セイバー「部屋に戻っていればいいのですが……」
アイリ「そういえばセイバーはイリヤと一緒に遊んでいたわよね?あのあと、どうしたの?」
セイバー「知っていたのですか?!」
アイリ「たまたま見かけて」
セイバー「そ、そうですか……」
アイリ「何かまずかった?」
セイバー「……あまり、イリヤスフィールを責めるようなことはしないでください」
アイリ「責めるって……イリヤ、何かしたの?」
セイバー「え……」
セイバー(しまった……そこまでは知らなかったのか……!!)
アイリ「ねえ、セイバー。イリヤ……何か悪いことでも……?」
セイバー「今はとにかく部屋に行きましょう。イリヤスフィールの無事が確認できれば、お話します」
アイリ「イリヤ……」
イリヤ「やったー!!ついたー!!」ピョンピョン
ランサー「よかったですね、姫様」
イリヤ「そ、そんな……ありがとう。貴方のおかげよ、騎士様」
ランサー「もったいないお言葉です」
イリヤ「ふふ」
アーチャー「ふん。どれも粗製乱造されたような衣服ばかりではないか!!」
イリヤ「……」
アーチャー「お前に世に現存する最高級の服を提供することもできるぞぉ!!あはははは!!!」
ランサー「とりあえず着替えたほうがいい」
イリヤ「うん」
ランサー「外にでていよう」
イリヤ「まって、一人じゃ脱ぐのも着るのも難しいの」
ランサー「しかし……」
アーチャー「娘ぇ!!我の贈与を拒否するというかぁ!!いい加減にしろ!!」
ランサー「いいのか?」
イリヤ「光栄に思いなさい」
ランサー「では……」
アーチャー「ふんっ!!」シャキン
ランサー「……!!」ギィィン
アーチャー「手癖が悪いな、雑兵?」
ランサー「なんの真似だ?」
アーチャー「アインツベルンの娘?本当にそのような着まわした服で満足なのか?」
イリヤ「着まわしたって。まだ2回しか着てないけど」
アーチャー「あはははははははは!!!!!我を笑い死にさせる気かぁ!!!」
イリヤ「……」
アーチャー「いいか?身にまとう衣など、一度着衣してしまえば外界の汚物が紛れた空気が付着する!!」
アーチャー「それをまた身につけるなど、正気か貴様ぁ!!?」
イリヤ「……」イラッ
イリヤ「いらない」
アーチャー「ふははははは!!!!まっておけ!!!」バッ!!
ランサー「……英雄王の考えはよくわからないな」
イリヤ「本当ね。さてと、脱がせてくれる?」
ランサー「わかった」
イリヤ「……」
ランサー「では……」スッ
ガチャ
セイバー「イリヤスフィール!!ご無事で―――」
ランサー「……」
イリヤ「あ、セイバー」
アイリ「イ、イリヤ……!!!」
ランサー「これは……」
セイバー「ランサー……まさか、貴方にそのような趣味があったとは……残念です。そして死ね」
ランサーの幸運:Eは伊達じゃない
セイバー「誤解も何も今脱がせようとしていただろう?」
ランサー「これにはわけが……」
アイリ「イリヤ!!大丈夫?!」
イリヤ「お母様……」
アイリ「……!!イリヤ、この服のシミ……もしかして……」
イリヤ「あ、これは……あの……」
アイリ「……セイバー?」
セイバー「なんでしょうか?」
アイリ「その槍兵をここから生きて出さないで」
セイバー「承知しました」
ランサー「まて。これは何かの間違いだ」
セイバー「騎士らしく覚悟を決めてはどうだ?」ゴォォォ
ランサー「くっ!!おのれ……!!!」
アイリ「私の娘に乱暴を働くなんて……絶対に許しません……!!」
セイバー「私もです、ランサー。騎士と呼ぶにはあまりにも下劣な行いに走りましたね」
ランサー「……」
イリヤ「あの……これは……」
アイリ「大丈夫よ、イリヤ。もう大丈夫」
イリヤ「……」
ランサー「いいだろう……。こうなっては弁明する気もない」
セイバー「エクス―――」
ランサー「え」
セイバー「―――カリバァァァァ」ピカッ
ランサー「な―――!!!」
ドォォォォン!!!!
セイバー「……」
アイリ「……勝ったの?」
セイバー「あの位置では回避など不可能でしょう」キリッ
切嗣「ここも戦いには不向きか」
舞弥「……」
舞弥(あの服、かわいい……)
切嗣「舞弥?」
舞弥「あ、はい」
切嗣「なにか気になるものでもあったのか?」
舞弥「いえ……あの……」
切嗣「……あれか?」
舞弥「その!!たまにはスーツ以外も着てみたいとか、そんなことは全く考えてません!!」アセアセ
切嗣「しっ」
舞弥「え……?」
アーチャー「おい!!ここの店主をだせ!!言い値でこの店を買い取ってくれるわぁ!!服を全てよこせぇ!!!」
切嗣「アーチャーか……一体、なにを……?」
舞弥「……」
切嗣「……子供服ばかりだな」
舞弥「どうします?」
切嗣「舞弥はあとを追ってくれ。僕は周囲にマスターがいないかさがしてみる」
舞弥「分かりました」
アーチャー「ふははははは!!!!」
舞弥「……」コソコソ
アーチャー「次はここだ!!おい店主をだせぇ!!!」
舞弥(一体なにを……)
舞弥(私も店の中に入ってみるか)
アーチャー「ここに置いてある服、全てをよこせぇ!!!」
舞弥(あ、このチュニックかわいい……♪)
舞弥(こっちのスカートも……)
舞弥「……♪」
舞弥「あの」
アーチャー「なんだ?雑種?」
舞弥「子供服以外は破棄するのですか?」
アーチャー「ふん!!このような愚物などいらん!!ほしければくれてやる!!!」
舞弥「……!!!」
アーチャー「次だぁ!!!」
舞弥「……」
舞弥「……」ガバッ!!
舞弥「あとを追わないと……!!」ダダッ
アーチャー「ふははははは!!!!衣服は全て王の財宝の中に入れておいてっと」
アーチャー「この街の服を全て手にいれてやるわぁ!!!」
舞弥「……」ダダダッ
龍之介「どうしたんだ、旦那?」
キャスター「このドクロのTシャツ、500円ですよぉー?!」
龍之介「すっげぇ!!COOLだぁ!!かっちまおうぜ、だんなぁ!!」
キャスター「ええ、ええ。バーゲンには鮮度というものがあります。ここで買い逃すと二度と手には入らないでしょう」
龍之介「そっかぁ!!」
アーチャー「次はここだな」
キャスター「おや?」
龍之介「旦那の知り合い?」
キャスター「そういうわけではありませんが」
アーチャー「おい、店主をだせ」
舞弥「……」
龍之介「なんか変な奴がきちゃったなぁ、旦那」
キャスター「全く、無粋な人たちです」
舞弥「……」ガバッ!!
龍之介「なんだよ、あいつら。服をかっぱらっていってたぞ」
キャスター「しかも子供服ばかりですよ。お付きの女性は相応の服を持っていきましたけど」
龍之介「子供服ばかりって……もしかしてぇ……」ニヤニヤ」
キャスター「なるほど。あの御仁は龍之介好みのものを溜め込んでいる可能性もありますね」
龍之介「あとを追おうぜ旦那ぁ!!オレ、すっげえ興奮してきたぁ!!」
キャスター「ええ、ええ。そうしましょう、龍之介」
アーチャー「これぐらいでよいだろう。よし、そろそろ戻るか」
舞弥「……」コクッ
アーチャー「いくぞぉ!!!」シュバッ
舞弥「……」ダダダッ
龍之介「行こうぜ、旦那ぁ!!」
キャスター「わかりました」
ケイネス「ここはどこだ……」ガサガサ
ケイネス「くそぅ……ランサー!!ランサー!!!」ガサガサ
ケイネス「……」
ケイネス「……お腹すいた」
ふはははははは!!!!!
ケイネス「!!」
アーチャー「まっていろぉ!!雑種ぅ!!!」
ケイネス「……今度こそ見失わないようにしなければ!!!」
舞弥「……」ダダダッ
ケイネス「!?」
龍之介「むこうだ!!旦那!!走れ走れー!!」
キャスター「ふふふ……青髭タクシーの乗り心地はどうですか?」ダダダッ
龍之介「勿論COOLだ。旦那悪いな、おんぶなんて」
キャスター「龍之介の一人や二人、お安い御用ですよ」ニッコリ
アイリ「よし。これでイリヤの部屋は元に戻ったわ」
セイバー「アイリスフィール、イリヤスフィールの体を洗ってきました」
アイリ「ありがとう、セイバー」
イリヤ「……」ホカホカ
アイリ「気持ちよかった?」
イリヤ「セイバー、乱暴」
セイバー「ええ?!」
アイリ「セイバー?」
セイバー「申し訳ありません!!他人の体など洗いなれていなくて!!」
アイリ「まぁいいわ。それより服を―――」
ふははははは!!!!アインツベルンの娘ぇ!!!戻ってきてやったぞぉ!!!
セイバー「この声は……!?」
アイリ「エントランスからよ!!」
イリヤ「……」
アーチャー「さて、挨拶は済ませた。行くとするか」
舞弥「……♪」ルンルン
龍之介「ここかぁ」
キャスター「ここは聖処女の根城……!!」
龍之介「さ、どこにいるのかなぁ……」
キャスター「龍之介、ここに見取り図がありますよ」
龍之介「どれどれ?ふんふん……この広い部屋があやしいな」
キャスター「それは現在地ですよ、龍之介」
龍之介「あ、そうなの?」
キャスター「ふふ、ちゃんと見ればわかるでしょうに」
龍之介「ごめんごめん」
キャスター「さて、聖処女の寝屋は……」
セイバー「―――貴方たち、何をしているのですか?」
アイリ「キャスター……!!」
セイバー「まさか敵陣に堂々と乗り込んでくるとは、気が違ってしまいましたか?」
キャスター「いえいえ、そういうわけではありません」
龍之介「なぁ!!あんたたちさぁ、ここにいっぱい子供をためこんでるんじゃねえの!?」
セイバー「子供?」
アイリ「そんなことしていません」
龍之介「そんなばかなぁ!!だって、さっき大量に服を持ってきてたぜ!?」
アイリ「誰がそんなことを……」
舞弥「……♪」ルンルン
セイバー「アイリスフィール、あそこを」
アイリ「え?」
セイバー「舞弥が見慣れない服を着ています」
アイリ「なっ……!?」
龍之介「そうそう、あの人もいたいた」
アイリ「どういうこと……?」
イリヤ「どれ着ようかな……?」
ガチャ
イリヤ「!!」
アーチャー「……」
イリヤ「……」
アーチャー「ゲートオブ……バビロン!!!」パチン
ドンドンドンドン!!!!!
イリヤ「ひっ……!!!!」
バサバサバサバサ……!!!
イリヤ「うわっぷ!?」
アーチャー「ふははははは!!!どうだ!!これだけあれば貴様が生きているうちに同じ服を着ることは二度とあるまい!!!」
イリヤ「んー!!!!んー!!!!!」ジタバタ
アーチャー「ふはははは!!!!なんだ、嬉しすぎて声も出ないか!!!あはははは!!!!」
イリヤ「(苦しい!!苦しい!!!)」ジタバタ
アイリ「ちょっといい?」
舞弥「あ、マダム。見てください、このスカート。いいと思いませんか?」クルッ
アイリ「素敵だけど、それはどうしたの?」
舞弥「え?」
アイリ「ちゃんと買ったもの?」
舞弥「も、もちろんです……」
龍之介「うそだぁ。すっごい勢いでかっぱらってたぜ」
舞弥「それは……!!」
アイリ「……」
舞弥「違います!!英雄王が全てを……!!」
セイバー「アーチャーが?」
舞弥「はい。一緒に帰ってきましたけど」
アイリ「それって……!!」
セイバー「この城内にアーチャーがいるということですか!?」
アイリ「まずい……!!セイバー!!」
セイバー「分かりました!!すぐに探します!!」ダダッ
アイリ「貴方たちも一緒に探して!!」
舞弥「はい!!」
龍之介「オレも?!」
キャスター「(龍之介、この隙に子供を捜せば)」
龍之介「(なるほど!)」
キャスター「わかりました。一緒に探しましょう」
アイリ「ありがとう」
龍之介「旦那ぁ!!ライドオン!!」
キャスター「どうぞ、龍之介!!このときばかりは、私もライダーとなりましょう!!」
龍之介「いっけー!!だんなぁー!!」
キャスター「やぁー」ダダダッ
アイリ「イリヤが心配だわ。イリヤのところへ急がないと」
イリヤ「……」ピクッピクッ
アーチャー「……どうした?我の施しに感涙しすぎて果ててしまったか?」
アーチャー「まぁ、王の財に埋もれていては当然か。ふははははは!!!」
イリヤ「……」ピクッ
アーチャー「さてと……次はセイバーの部屋にいくとするか」
アーチャー「ふふふ……セイバー用の服も用意しておいた。これで……ふはははは!!!」
イリヤ「……」
アイリ「―――イリヤ!!!」
アイリ「いない!!どこに……!!!」ダダッ
イリヤ「……」ピクッ
龍之介「旦那ぁ!!ストップ!!」
キャスター「キキー」
龍之介「みろよ。すっげー、子供服の山だ」
キャスター「ここが子供部屋であることは間違いないようですね」
龍之介「どれどれ?」ゴソゴソ
龍之介「よっと」ズボッ
イリヤ「……」
キャスター「おぉ!!」
龍之介「いい……すっげー、いい!!」
キャスター「しかし、息をしていません」
龍之介「マジかよ!!それはだめだなぁ。オレは悲鳴が聞きたい!!泣き叫ぶ声がすきなのによぉ!!」
キャスター「……人工呼吸を試みましょう。このまま解剖しても確かに面白くありません」
龍之介「オレ、そういうのやったことないんだけど」
キャスター「簡単です。口と口を合わせて、龍之介の息吹で幼女の体内を穢し、犯せばいいのです」
龍之介「そうなの?」
キャスター「私が心臓マッサージを行いますから」
龍之介「わかった」
キャスター「では」
セイバー「はぁ……気配はするのに、正確な位置がわからない……!!」
セイバー「アーチャー!!!でてこい!!私と戦え!!!」
セイバー「……」
セイバー「アイリスフィール!!!どこですかー!!!」
セイバー「……」ウルッ
アーチャー「たしか……」キョロキョロ
セイバー「アーチャー?!」
アーチャー「おぉ!!セイバーではないか!!」
セイバー「よかった!!」テテテッ
アーチャー「この辺りに、お前の部屋があるようだな」
セイバー「そうなのですか!?」
アーチャー「ここだな」ガチャ
セイバー「本当だ!!」
アーチャー「なんだここは?物置小屋みたいな部屋ではないか」
アーチャー「なに?」
セイバー「確かに見てくれは悪いですが、ここはマスターが私のために用意してくれた部屋なのです」
アーチャー「……」
セイバー「その場所を侮蔑するようなことは私が許しません」
アーチャー「セイバー……お前、いつもどうやって寝ている?」
セイバー「ここでこの厚紙を下にして、無数の新聞紙をかぶっています」
アーチャー「……」
セイバー「時代が進み、紙の性能が上がっているのでしょう。私の時代にあった寝具とは比べ物にならないぐらい保温効果があります」
アーチャー「お前……」
セイバー「隙間風は気になりますが、大した問題ではありません」
アーチャー「……」
ヒュー……
セイバー「へっくしゅん」
アーチャー「……ゆるさん……ゆるさんぞ……雑種ども……」
龍之介「んー……」プルプル
キャスター「さぁ!龍之介ぇ!!最高の息吹をぉ!!!」
イリヤ「……」
龍之介「んー……」
舞弥「そこまで」
龍之介「おぉ!?」
舞弥「年端も行かぬ女児に対してなんてことを」
龍之介「これは人命救助だぁ!!」
キャスター「そうです!!一刻をあらそうのですよぉ!!」
舞弥「どいてください。私がします」
龍之介「ちぇ」
舞弥「んっ」ブチュ
イリヤ「ん!??!」ビクッ
龍之介「金持ちの考えることはよくわかんねーな」
舞弥「んっ……じゅる……んっ」
イリヤ「んー?!?!?」
龍之介「旦那、この城には子供はいないかも」
キャスター「どうしてですか?」
龍之介「この部屋にある衣類は全部、高級品。しかも寝室もかねてる」
キャスター「なるほど。ここは一人の子供に宛がわれた部屋であり、その他大勢のためにある部屋ではないと」
龍之介「衣裳部屋ならまた違ったけど、ここは完璧に子供部屋だからなぁ」
キャスター「見込み違いでしたか」
龍之介「旦那、引き上げだ」
キャスター「では、どうぞ」
龍之介「ライドオーン!!」
キャスター「ぶるるん」
アーチャー「まて、雑兵」
アーチャー「貴様は雑種の分際で、恥も感じずにセイバーを崇拝しているらしいな?」
キャスター「ジャンヌは私にとって全てですから」
セイバー「あの……アーチャー?何を怒っているのですか?」
アーチャー「だまっていろぉ!!!」
セイバー「……?!」ビクッ
アーチャー「見せたいものがある。こい」
キャスター「わかりました」
龍之介「なんかあったの?」
セイバー「わかりません。私の部屋を見た途端、様子が変わってしまって」
舞弥「ふぅ……」
イリヤ「おぉ……」ピクッピクッ
セイバー「それより、早く帰ってもらえませんか?戦うのなら、容赦しませんが」
龍之介「もう帰るつもりだったんだよ」
セイバー「全く。今日はどうしてこんなにも招かれざる客が多いのか……」
龍之介「旦那のシャウトだ!!くぅー!!COOLだぁ!!」
セイバー「……?」
キャスター「じゃんぬぅぅぅ!!!!!」ダダダッ
セイバー「な、なんですか!?」
キャスター「ああぁ!!なんてことだ!!まさか!!まさか!!この時代でも貴女は虐げられるというのですかぁ!!!」ギュゥゥ
セイバー「わけが分かりませんし、抱きつかないでください」
アーチャー「セイバー」
セイバー「はい?」
アーチャー「今から買い物にいくぞ、準備しろ」
セイバー「は?」
舞弥「買い物……」ピクッ
キャスター「いきましょう!!行きましょう!!ジャンヌ!!!」
セイバー「……わ、わかりました」
龍之介「じゃオレもいくー」
切嗣「結局、アーチャーのマスターらしき影は確認できなかったか」
切嗣「アーチャーの単独行動である可能性が高いか」スタスタ
切嗣「……ん?」
セイバー「何を買いに行くのですか?」
アーチャー「寝具に照明器具、あとはソファーも必要だろう」
セイバー「特にそのようなものは」
キャスター「遠慮なんてしなくてもいいのですよ、聖処女よ!!」
セイバー「その処女処女というのはやめてください」
舞弥「ここは人が多いですから手を握っていてください」
イリヤ「うん。お母様は呼ばなくてよかったの?」
舞弥「見つからなかったので、仕方ありません」
龍之介「なにかおっかなー」
切嗣「……」
切嗣「アイリが危ない……!!城に戻る……!!」ダダッ
セイバー「すごいフカフカですね」ボヨンボヨン
アーチャー「どうだ?これにするか?」
セイバー「確かに魅力的ではありますが」
キャスター「ジャンヌー!!」テテテッ
セイバー「なんですか?」
キャスター「マイナスイオンが出る枕がありましたよー!!」
セイバー「すごいですね」
龍之介「この抱き枕最高だなぁ。これに腸つめたら良い感じになりそう……」
舞弥「このパジャマが可愛いですね」
イリヤ「うーん……このぬいぐるみいいなぁ。魂の器にできそう」
アーチャー「セイバー!!店ごと買ってやってもいいぞぉ!!」
セイバー「あの、どうしてそこまで……私は敵ですよ?」
アーチャー「ふん!!我に消される者があのような下民以下の生活をしていることなど許せん!!それだけだぁ!!」
セイバー「はぁ……」
ケイネス「ランサー……ランサー……」ガサガサ
ケイネス「私が悪かった……もう嫉妬なんてしない……」ウルウル
ケイネス「ランサー……ランサー……」ガサガサ
ガサガサ
ケイネス「……!!」
ケイネス「ランサーか?!」
切嗣「……」
ケイネス「……」
切嗣「……先を急ぐ」
ケイネス「あ、ちょ―――」
切嗣「……」ガサガサ
ケイネス「……」
ケイネス「今日はここで寝るか……」
切嗣「アイリ!!」
アイリ「キリツグ!!」
切嗣「なにがあったんだい?」
アイリ「それが気がついたらお城に誰もいなくて」
切嗣「ともかく無事でよかった」
アイリ「イリヤも……イリヤもいないの!!」
切嗣「イリヤなら無事を確認しているから大丈夫だ」
アイリ「そうなの」
切嗣「だが、少し厄介なことになっている」
アイリ「どういうこと?」
切嗣「セイバーが寝返ったようだ」
アイリ「え……!?」
切嗣「舞弥とイリヤが人質にされている。セイバーはアーチャー、キャスターと手を組んで、何かをするつもりだかもしれない」
アイリ「そ、そんな……!!」
アーチャー「くどいぞ!」
舞弥「寝間着をありがとうございます」
イリヤ「このぬいぐるみもー」
アーチャー「ふんっ!!」
キャスター「さあ、あとは私の力でジャンヌの寝屋を相応の場所へと―――」
切嗣「……」
セイバー「キリツグ……?」
アイリ「セイバー……どういうこと?」
セイバー「え?」
切嗣「こちらにはそれなりの準備ができている。要求はなんだ?」
セイバー「あ、あのなんのことですか……?」
切嗣「舞弥とイリヤを返してもらう」
セイバー「え?!」
アーチャー「雑種風情がいきがるなよぉぉ!!!!」
セイバー「アーチャー……!?」
アーチャー「貴様がセイバーの正式なマスターか?」
切嗣「ああ」
アーチャー「では、我自らが問う!!光栄に思え!!」
切嗣「……」
アーチャー「貴様、何故これだけの部屋がありならがセイバーにまとな一室を与えんのだ!?」
切嗣「お前には関係がない」
アーチャー「あぁる!!!」
切嗣「な……!?」
龍之介「すっげぇ……マジCOOLだ……」
キャスター「……」
セイバー「アーチャー……あの……」オロオロ
切嗣「お前は敵だ。何故、そこまでいう?」
アーチャー「惚れた女が下らぬ男に蔑まされていて、だまっていられるかぁ!!!」
アイリ「まぁ……」
龍之介「かっこいい……!!COOLじゃない……もうかっこいい!!」
キャスター「ふふ……流石は英雄王、格が違う」
セイバー「あの……アーチャー……なんてことをいうのですか……」オロオロ
アーチャー「だまっていろぉ!!!」
セイバー「は、はい……」
切嗣「お前……何を言っているのか、分かっているのか?」
アーチャー「ふん!我は王ぞ?自身の言葉が世の摂理に変わるほどの力をもっている!!」
舞弥「意味が分かりませんが、迫力はありますね」
アーチャー「セイバーは我の嫁となる者だぁ!!!」グイッ
セイバー「やめてください!!」
アーチャー「雑種め、答えろ。何故、セイバーに対してこのような仕打ちをした?殺す前に聞いておいてやろう」
切嗣「……!!」
セイバー「アーチャー……まさか!!」
アーチャー「そのような豆鉄砲で貫けると思ってはいないよなぁ?」
アイリ「キリツグ……!」
切嗣「舞弥とイリヤを解放しろ」
アーチャー「解放だと……?」
切嗣「セイバーをどのようにして手篭めにしたかは知らないが―――」
アーチャー「ほれ」トンッ
イリヤ「わわ」
舞弥「あ……」
切嗣「?!」
アーチャー「我が人質など取るか。これは純粋な怒りを貴様にぶつけているだけだ、たわけがぁ!!」
セイバー「……!!」ザッ
アーチャー「どけ。セイバー。新しいマスターならすぐに用意してやる。心配するな」
セイバー「アーチャー……貴方の気持ちは分かりました。ですが、マスターを傷つけるというなら……私は……!!」
アーチャー「答えろ!!雑種ぅ!!ここまで忠義を尽くす女を何故虐げた!!!どのような理由があろうとも我は許さん!!!」
切嗣「……」
アーチャー「答えないか……。つくづく、見下げ果てたぞ!!!」
アイリ「キリツグ……」
キャスター「聖処女を棺桶にも等しい場所で寝起きをさせるなど、狂気!!!まさに狂気ですよぉぉ!!!」
龍之介「オレでもちゃんとした手作りのベッドで寝てもらうなぁ」
切嗣「セイバー、アーチャーを殺せ」
セイバー「……!!」
アーチャー「それが答えか……」
セイバー「くっ……!!」
アーチャー「起きろ、エア」
セイバー「……!!」
切嗣「なに……」
アーチャー「愛した女が顔を苦痛に歪めるこの場所を、天地創造の乖離剣で消してくれよう」
セイバー「アーチャー……」
アーチャー「セイバー……」
セイバー「私のマスターはキリツグです。それを守るのが私の……使命です」
アーチャー「……」
龍之介「旦那!!にげよう!!巻き添えくらっちゃうぜ!!」
キャスター「もうすこしだけ」
切嗣「くっ……」
アーチャー「……いくぞぉ!!!」
セイバー「……はぁぁぁ!!!」
アーチャー「ゲートオブ……バビロン!!!」パチン
ドンドンドン!!!!
セイバー「くっ!!―――カリバァァァ!!!!」ピカッ
アーチャー「ふっ―――」
キャスター「りゅうのすけぇ!!!にげますよぉ!!!」
龍之介「わぁぁぁぁ―――!!!!!」
切嗣「舞弥、あとを追うぞ」
舞弥「分かりました」
アイリ「セイバー……」
セイバー「アイリ……」
アイリ「英雄王……いっぱい、置いていったわよ」
セイバー「え……」
イリヤ「おっきーベッドだー!!これ、セイバーのでしょー?」ボヨンボヨン
セイバー「……」
アイリ「部屋まで運べる?」
セイバー「なんとか」
アイリ「部屋……かえる?」
セイバー「いえ。あの部屋で十分です」
アイリ「そう……」
セイバー「さ、このベッドを運びます。小物をお願いできますか、アイリスフィール?」
アイリ「ソファーとか置くと、一気に華やかになったわね」
セイバー「ええ」
アイリ「あの……セイバー?貴女にこの部屋を充てたのは」
セイバー「……わかっています」
アイリ「え……」
セイバー「これだけ広い城を守護するためには、その中心に守護者を置いておくほうがいいでしょう」
アイリ「セイバー……」
セイバー「この部屋はどの場所にも迅速にたどり着ける場所。だから、キリツグはこの部屋を私に与えてくれた」
アイリ「……」
セイバー「……そう思うようにしています」
アイリ「ありがとう……」
アイリ(本当はキリツグの部屋から一番遠い部屋ってだけ……なんだけど)
セイバー「今日から隙間風を気にせず眠ることができそうです」
アイリ「うん……」
ヒュー……
セイバー(やはり紙よりも羽毛のほうが遥かに暖かい……)
セイバー(アーチャー……ありがとうございます……)
セイバー「……」ウトウト
セイバー(アーチャー……)
ヒュー……
セイバー(このままでいいはずがない……)
セイバー「……」ガバッ
セイバー「……」
セイバー「……」トテトテ
セイバー「……」キョロキョロ
セイバー「よし、誰もいない……」
セイバー「……」コソコソ
アーチャー「……夜風を浴びるのも、悪くないな」
キャスター「では、そろそろ」
アーチャー「……礼は言わんぞ。貴様が勝手について来ただけだ」
キャスター「とんでもありません。では、次にあったときは」
アーチャー「ふん。我を拝むことなど許さず、その四肢を分断してくれよう」
キャスター「ふふ……」
龍之介「旦那ぁ!!いいオルガンの素材をみつけたー!!」
キャスター「わかりましたー」
龍之介「ライドおーん!!!」
キャスター「ぶるるるん」
アーチャー「……」
アーチャー「我も戻るか……」
アーチャー「最近、時臣も口うるさいからな……」スタスタ
セイバー「くっ……!!!ここは一体、どこだ……!!」ガサガサ
セイバー「夜にでるべきじゃなかった……!!」
セイバー「……」
シーン……
セイバー「……」ウルッ
セイバー「うおぉぉぉ!!!」ガサガサガサ!!
ケイネス「だ、だれだ!!!」
セイバー「なっ?!」ビクッ
ケイネス「お……おぉ……!!!」ウルウル
セイバー「貴方は……?」
ケイネス「セイバーか……!!!ここからだしてくれ!!!」ギュゥゥ
セイバー「それはこちらの台詞です!!!」
ケイネス「たのむ!!もう令呪をわたしても―――」
ランサー「マスター、何を口走っているのですか?」ガサガサ
ランサー「探しましたよ」
ケイネス「らんさぁぁ!!らんさぁぁ!!!」
セイバー「ランサー……」
ランサー「セイバーか」
セイバー「よかった」テテテッ
ランサー「魔力の出力を絞ってくれて助かった」
セイバー「全力だとイリヤスフィールの部屋が修復不能になりますから」
ランサー「それで、君はなにを?」
セイバー「道に迷いました。助けてください」
ランサー「……森を抜けるだけになるが?」
セイバー「構いません。明るくなったら城にも戻れるでしょうし」
ランサー「わかった。ついてこい」
ケイネス「らんさぁ……わるかったぁ……もう命令もしない……ソラウも半分こしよう……」
ランサー「何を言っているのですか。しっかりしてください」
ランサー「では、失礼する」
セイバー「はい」
ケイネス「ランサー……」ギュゥゥ
ランサー「あの、歩きにくいですから」
セイバー「さてと……朝までどうするべきか」キョロキョロ
セイバー「……」
セイバー「……とりあえず座れる場所を」トテトテ
アーチャー「また、迷子になるぞ」
セイバー「……!?」
アーチャー「何をしている?死にたいのか、セイバー?」
セイバー「既に強襲の好機を逃した貴方がいう台詞ではありませんね」
アーチャー「ついてこい」
セイバー「……はい」
セイバー「ここは……?」
グレン「おや?ウェイバーの知り合いですか?」
アーチャー「呼べ。二人だ」
グレン「はい。少しまってください」
ウェイバー「―――うわぁぁ!!!」
ライダー「英雄王か。どうした?」
アーチャー「こいつを任せる」
セイバー「え……?」
ライダー「ん?どういうことだ?」
アーチャー「貴様の駄馬で根城に送ってやれといっている」
ライダー「……それはかまわんが」
ウェイバー「ほほほ、ほんとうにそれだけかぁ!?」
セイバー「アーチャー、待ってください」
アーチャー「……なんだ?」
ライダー「この部屋か」
セイバー「はい。ありがとうございました」
ライダー「気にするな。杯を交わした仲だ。戦争以外に交錯させる視線もある」
セイバー「その心遣い感謝します」
ガチャ
セイバー「さ、いきましょう」
アーチャー「セイバー、殺されても文句はあるまいな?」
セイバー「そのつもりなら私も剣を抜くまでです」
アーチャー「……」
セイバー「今宵は王として……いえ、人として貴方を寝屋へと招待したいと思いました」
アーチャー「ふん。このような場所に呼ぶこと自体が、我に対する侮辱なるぞ」
セイバー「それは重々承知しています。この窓から先へ足を踏み入れるかどうかは、貴方が決めてください」
アーチャー「……」
ライダー「王の願いを無碍にする王は珍しくないが、騎士王は王を捨ててまでも言っておる。それに応えずして英雄王は名乗れんぞ?」
セイバー「どうぞこちらへ」
アーチャー「ふん。ちゃちいベッドだな。雑種には相応しい」
セイバー「貴方が購入したものでしょう」
アーチャー「ふん。一度手に入れたものはすぐに興味をなくす」
セイバー「なるほど。貴方の傍らで泣いた女性は多いのでしょう」
アーチャー「お前も泣くか?」
セイバー「私を妃にするのならば、そのような不埒な行為は一切許しませんが」
アーチャー「愛でるだけの花では収まらんか」
セイバー「当たり前でしょう」
アーチャー「……もういい。さらばだ」
セイバー「アーチャー……」
アーチャー「このような形で貴様を手に入れてもなんの感慨も沸かん。死に物狂いで抵抗されてこそ、我は燃える性質だ」
セイバー「わかりました。では、今後は貴方に対して全力をもって抵抗しましょう」
アーチャー「ふんっ……すぐに音をあげぬことを期待する」
切嗣「結局、取り逃がしたよ」
アイリ「そう……」
セイバー「……」
切嗣「今日から本格的に動こうと思う。アイリも覚悟してほしい」
アイリ「はい」
セイバー「……」
アイリ「セイバー?」
セイバー「はい」
アイリ「大丈夫?」
セイバー「勿論です」
アイリ「じゃあ、行きましょう」
セイバー「はい……」
アーチャー「ふははははは!!!!ついにこのときがきたかぁ!!セイバー!!!」
セイバー「アーチャー……!!」
切嗣「言峰……綺礼……」
綺礼「さぁ、答えをみせてくれ」
アーチャー「いくぞ!!セイバー!!!我のものになれぇぇ!!!!」
セイバー「お断りします!!!」
ギィィィン!!!!
アーチャー「ぬぅぅぅ!!!!」
セイバー「はっ!!!」
アーチャー「あははははは!!!!いいぞ!!そうだ!!抵抗しろ!!セイバー!!全力でなぁ!!!」
セイバー「アーチャー……」
アーチャー「我の嫁はお前だけだぁぁぁ!!!!!」
セイバー「……!!」
ドォォォン!!!
キャスター「ふふふ……」
士郎「あれは……!!」
セイバー「シロウ!!下がって!!」
雑種が……消えろ!!!
キャスター「え……!?」
ドンドンドンドン!!!!
キャスター「きゃぁぁぁあ―――!!!」
士郎「!?」
セイバー「この攻撃は……!!!」
ギルガメッシュ「セイバー!!迎えに来たぞぉ!!!」
セイバー「アーチャー!!アーチャー!!!」トコトコ
ギルガメッシュ「さぁ!!抵抗しろぉ!!」
セイバー「はいっ!!早く、私を倒してください!!!」キャッキャッ
士郎「……」
セイバー「やぁー!!」
士郎「……あの、セイバー?」
ギルガメッシュ「今度のマスターはどうなんだ、セイバー!?」
セイバー「いい人です!!割りと!!」
ギルガメッシュ「それはよかったなぁ!!!」
セイバー「はいっ!!」
士郎「……」
ギルガメッシュ「そのマスターのことは好きなのかぁ!!!」
セイバー「好きです!!!」
士郎「セイバー……♪」
セイバー「でも、私の心は……いつでも貴方の下に―――」
ギルガメッシュ「いうなぁ!!それは、我が貴様を負かしたときにきいてくれるわ!!!」
セイバー「うおぉぉぉ!!!アーチャー!!!!」
士郎「……」
ギルガメッシュ「ふん。今日は顔見せ程度だ。―――それではな」
セイバー「アーチャー!!またきてください!!」キャッキャッ
士郎「……」
セイバー「シロウ、脅威は去りました。ごはんにしましょう」
士郎「……」
セイバー「シロウ?」
士郎「先に行っててくれ」
セイバー「わかりました」スタスタ
士郎「……」
士郎「……」ウルウル
士郎「正義の味方とか……どうでもよくなってきたな……」ウルウル
士郎「……」ポロポロ
士郎「……っ」ゴシゴシ
士郎「……さ、ごはんにしなきゃな」
藤村先生とか
SSF
士郎「セイバー……どこにもいくな」
セイバー「はい……シロウ……」
ギルガメッシュ「ふはははははは!!!!!!」
セイバー「アーチャー!!!アーチャーですね!!!」キャッキャッ
士郎「……」
ギルガメッシュ「今日こそは必ず嫁にしてやるぞ!!セイバー!!!!」
セイバー「はやくしてください!!!」
ギィィィン!!!
ギルガメッシュ「これで最後だ!!エア!!!」
セイバー「全力で応えましょう!!エクス―――!!」
ギルガメッシュ「エヌマエリシュ!!!!愛してるぞぉぉぉ!!!!」ゴォォォォ!!!
セイバー「―――カリバァァァ!!!!私もです!!!!」ピカッ
ドォォォン!!!!
士郎「……なんでさ……なんでさぁぁぁ!!!!!」
END
乙
Entry ⇒ 2012.04.13 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
桜「セイバーさんと先輩が居間で大喧嘩してる…」ライダー「ほぅ?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332509754/
士郎「なんでそうなるんだよ!!」
セイバー「そういうことでしょう?」
士郎「どうしてそういう言い方しかできないんだ!!」
セイバー「しかし、それで全てが解決するのも確かです」
士郎「もういい!!勝手にしろ!!セイバーのわからずや!!」
セイバー「……はい。勝手にさせていただきます」
桜「あ、あの……」オロオロ
セイバー「お世話になりました」スタスタ
ライダー「……」
士郎「ふん……」
士郎「別に」
桜「先輩……」
ライダー「いいのですか?」
士郎「桜、夕飯の準備をしようか」
桜「え。でも……」
士郎「ほら」
桜「は、はい……」
ライダー「……」
ライダー(桜にとっては好機……)
ライダー(それに士郎のことですから、そのうちセイバーとも自然と寄りを戻すでしょう)
士郎「今日は何を作ろうか?」
桜「そ、そうですね……なににしますか?」
凛「ふわぁぁ~」
アーチャー「はしたないな、凛。淑女が聞いて呆れる」
凛「淑女っていうのは公の場で飾るものよ」
アーチャー「そういう普段の行いが仇となると思うが」
凛「はいはい。コーヒーいれて」
アーチャー「全く……」
ピンポーン
凛「ん?アーチャー、でてー」
アーチャー「自分で出るという選択肢はないのか……」スタスタ
アーチャー「―――誰かな?」ガチャ
セイバー「……」
アーチャー「な……セイバー?」
セイバー「家出してきました」
アーチャー「なに?」
アーチャー「いや……」
凛「どしたのー?」
セイバー「リン」
凛「ありゃ、セイバー?」
セイバー「私をリンのサーヴァントにしてください」
凛「ちょっと、突然どうしたの!?」
セイバー「……」
アーチャー「大方、衛宮士郎と喧嘩でもしたのだろう」
セイバー「……」コクッ
凛「あら、珍しいわね。なにかあったの?」
セイバー「……」
アーチャー「いえないのか?」
セイバー「そういうわけでは、ありませんが……」
凛「ま、立ち話もなんだし、あがって」
セイバー「ありがとうございます」
凛「で、衛宮くんと喧嘩して、ここまで家出したきたのはわかったわ」
セイバー「……」ズズッ
凛「でも、理由を聞かないとなんともね。ほら、あの朴念仁が9割非があるのは目に見えてるけど」
アーチャー「ふん……」
凛「セイバーに非があれば、私は衛宮くんの味方をしなきゃいけないし」
セイバー「そうですね。ここで世話になる身ですから、言っておいたほうがいいですね」
凛「おねがい」
セイバー「実は……今朝、シロウと買い物に出かけたのです」
凛「ふんふん」
セイバー「そこで意見の相違がありまして」
凛「相違?」
セイバー「はい」
士郎「今日のお昼ご飯は何にしようか?」
セイバー「しろー」テテテッ
士郎「どうした?」
セイバー「この新発売のポテトチップスを買ってもいいでしょうか?」
士郎「前にも買っただろ」
セイバー「あれは味が違います」
士郎「ダメだ。前、買った分が無くなってからって約束だろ?」
セイバー「ですが、ここでこれを食べないと明日には食物を口にできないかもしれません」
士郎「そんなわけないだろ。早く元の場所に戻してきてくれ」
セイバー「シロウ!どうしてそんなことを言うのですか!!これぐらい買ってください!!」
士郎「ダメだって。イリヤでもダメっていったら素直に諦めるぞ?」
セイバー「イリヤスフィールと一緒にしないでください!!」
士郎「なんでさ?セイバー、約束は守ってくれ」
セイバー「嫌です!!買ってください!!」
凛「ふーん」
アーチャー「ふっ……」
凛「士郎もダメねー。お菓子ぐらいで怒って」
セイバー「リンもそう思いますか!?」
凛「一袋ぐらいいいじゃない、ね?」
セイバー「流石はリン!!やはり私のマスターはリンだったのですね!!」ギュッ
凛「おぉ?!」
セイバー「リン……リン……」スリスリ
凛「よしよし」
アーチャー「少しいいかな?」
凛「どうしたの?」
アーチャー「衛宮士郎に1割も非はないように思えるのだが」
凛「珍しいわね。アンタが士郎の肩を持つなんて」
アーチャー「いや……流石にセイバーを擁護できないというか……」
アーチャー「凛。衣食住ばかりでなく娯楽も提供してる家主が、居候の我侭も律することができないのは問題だ」
凛「えー?そうかしら?」
アーチャー「セイバーもその辺り、自重したほうがいいと思うのだが?」
セイバー「でも、あれが食べたかったのです!!」
凛「なに?アーチャーったら、普段は恨んでるとか言いつつもやっぱり自分のことは庇っちゃうわけ?」
アーチャー「……」ピキッ
凛「ま、誰しも自分には甘くなるわよねー」
アーチャー「その言葉は聞き捨てならないな。取り消してもらおうか」
凛「なんでよ?そもそも、士郎が200円かそこらを払ってればこんなバカなことにならなかったんでしょ?」
アーチャー「セイバーがその200円を諦めればよかっただけの話だ」
凛「そんな甲斐性の無い言い訳なんて恥ずかしくないの?」
アーチャー「君は衛宮士郎にもセイバーにも甘すぎる!!」
凛「これは一般論でしょ?!」
セイバー「あの……」オロオロ
凛「どうかよ?これは正当な意見だと思うけど?」
アーチャー「君の正当性は狂っているとしか言いようが無い」
凛「なんですって?」
アーチャー「サーヴァントを執事のように扱い、いや、それどころか体の良い番犬だと思っているだろう?」
凛「思ってないわよ。というか、番犬はその通りでしょ?」
アーチャー「……っ」
凛「マスターの言うことを聞くのがサーヴァント。主の身を守るのもサーヴァント。番犬って表現はぴったりじゃない」
アーチャー「そうか……よくわかったよ」
セイバー「あの……アーチャー……?」
凛「どこいくのよ?」
アーチャー「こんな場所にはもういられない。出て行く。セイバーが新しいサーヴァントになってくいれて丁度よかったな」
凛「ちょっと!!何を拗ねてるのよ!!」
アーチャー「凛には愛想が尽きたよ」
凛「な……?!」
セイバー「あの……」
アーチャー「セイバー、凛を頼む」
セイバー「え……」
凛「アーチャー!!」
アーチャー「……」スタスタ
凛「ふんっ!!勝手にしたらいいのよ」
セイバー「よかったのですか?」
凛「べっつに。私としてはセイバーがいてくれたほうが嬉しいもーん」ギュゥゥ
セイバー「リン……」
凛「そうだ。お昼ご飯までしょ?」
セイバー「ええ」
凛「ちょっと待ってね。すぐに作るから」タタタッ
セイバー「ありがとうございます」
士郎「……」モグモグ
桜(空気が重い……)
ライダー「……ごちそうさまでした」
士郎「……おそまつさま」
ライダー「士郎、少し出かけてきます」
士郎「どこにいくんだ?」
ライダー「散歩を」
士郎「そっか。気をつけてな」
ライダー「……」スタスタ
桜「あ、ライダー、私は……?」
ライダー「桜は士郎の傍にいてください。モノにするチャンスですよ?」
桜「もうっ!ライダー!!」
ライダー「それでは」
士郎「いってらっしゃい」
桜「はい。お手伝いします、先輩」
士郎「ありがとう」
桜「あの……先輩?」
士郎「ん?」
桜「セイバーさんとなにがあったんですか?」
士郎「……」
桜「言えないなら、別に……」
士郎「……セイバーがどうしてもお菓子が欲しいっていってさ」
桜「へ?」
士郎「で、それはダメだっていったら、セイバーが怒って」
桜「それで喧嘩を?」
士郎「いや、家に帰ってきたあとさ……」
桜「……?」
セイバー「シロウはどうしてお菓子の一つも買ってくれないのですか!?」
士郎「だから、もう買い置きがいっぱいあるんだから、それでいいだろ?」
セイバー「魔力のストックはないくせに、そう言うものだけはきっちり置いているのですね」ムスッ
士郎「セイバー、それは関係ないだろ?俺が未熟なのは認めるけどさ」
セイバー「私のためにも魔力を高める努力をしてほしいものです」
士郎「セイバー……」
セイバー「……」プイッ
士郎「俺だってセイバーみたいに燃費が悪いサーヴァントじゃなきゃあ、もっと戦えるんだ!!」
セイバー「……っ」
士郎「セイバーが無駄に魔力を持っていくから、俺の魔力だけじゃ足りなくなるんだろ!?」
セイバー「シロウ、自身の未熟さを棚にあげてなんですか」
士郎「こっちの苦労もわかってくれっていってるんだよ!!」
セイバー「……分かりました。私がこの家から出て行けばいいのですね?」
士郎「なんでそうなるんだよ!!」
桜「なるほど。セイバーさんもプライドが高いですからね」
士郎「俺も言いすぎたと思う……」
桜「先輩……」
士郎「……」
桜「でも、セイバーさんが悪いです!!」
士郎「え?」
桜「そもそも、セイバーさんがお菓子を我慢したらいいだけの話だったわけですし」
桜「そ、それに先輩が少し強く言い過ぎたのもセイバーさんが煽ったからですし」
士郎「桜……」
桜「だから、セイバーさんが悪いんです。先輩が謝ることなんてありません」
士郎「そうかな?」
桜「そうですよ。ここで下手に出たらだめですからね、先輩っ!」
士郎「うん……そうだな」
桜「……」
ライダー「さてと……セイバーの行き先なんて一つぐらいしかないでしょう」スタスタ
アーチャー「……ん?」
ライダー「どうも」
アーチャー「どこにいく?」
ライダー「凛の邸宅へ。セイバーがいるでしょうから」
アーチャー「……いや。いないが?」
ライダー「え?」
アーチャー「セイバーはきていない」
ライダー「そんな馬鹿な……」
アーチャー「そもそも衛宮士郎にベッタリな彼女が凛のところに行く理由が無い」
ライダー「ですが……そこぐらいしか……」
アーチャー「それではな」
ライダー「は、はい」
ライダー「そんな……では……どこに……」オロオロ
ライダー「セイバー?せいばぁー?」キョロキョロ
ライダー「レストランにいるかとも思いましたが……。セイバーはお金を持っていませんでしたね……」
ライダー「はぁ……凛のところではないとしたら……」
キャスター「らんらーん♪」
ライダー「……」
キャスター「うふふ~今日は宗一郎様とお鍋をつつくの~♪」
ライダー「……」ジャラ
キャスター「え?」
ライダー「ふっ!!」ジャララララ
キャスター「ちょ……なによ!?早く鎖をときなさい!!」
ライダー「貴女ですね?」
キャスター「なにが?」
ライダー「セイバーをどうしたのですか?」
キャスター「セイバー?」
キャスター「セイバーなんて知らないけど?」
ライダー「嘘ですね。貴女はそうして呼吸するように嘘を吐く」
キャスター「酷いいいかた……」
ライダー「セイバーは?」ググッ
キャスター「いたたた……!!」
ライダー「答えなさい」
キャスター「本当にしらないわ!!」
ライダー「……」
キャスター「うぅ……」ウルウル
ライダー「……はぁ。申し訳ありません」
キャスター「ふぅ……どうしたの?セイバーがいなくなったのかしら?」
ライダー「その通りです。士郎のためにも連れ戻したいのですが」
キャスター「ふーん……そう。セイバー、家出したの……ふーん……」
ライダー「一体、どこにいったのか……」
アーチャー「……」スタスタ
ランサー「ん?」
アーチャー「……釣れてはいないようだな」
ランサー「消えろ」
アーチャー「そういうな。はぐれサーヴァントの身なんだ」
ランサー「なら、もっと相応しい場所がある。そこいけ」
アーチャー「参考までに聞いておこう。それはどこかな?」
ランサー「あるだろ。迷える子羊を優しく抱擁してくれるところがよ」
アーチャー「拘束の間違いではないかな?」
ランサー「なんだ?お嬢ちゃんから解雇通告でも受けたのか?」
アーチャー「辞表を叩きつけてきた」
ランサー「もったいねえ。あんなできたマスターは他にはいねえぜ?」
アーチャー「隣の芝は青くみえるだけだろうに」
ランサー「そうかねえ。なんなら俺が新しいサーヴァントに立候補してこよっかな?」
ランサー「誰だよ。その羨ましい野郎は」
アーチャー「セイバーだ」
ランサー「ちっ……」
アーチャー「残念だったな」
ランサー「つまんねえなぁ……」
アーチャー「だが、まだ正式に契約したわけではないようだから、今からすぐに売り込めばマスターになってくれるかもしれない」
ランサー「そうか。なら、いっちょセールスにでも行ってくるか」
アーチャー「まあ、君がセイバーに勝てるかは甚だ疑問だがね」
ランサー「うっせ」
アーチャー「ふっ……」
ランサー「ふんふーん……」スタスタ
アーチャー(どうせ行く気などないのだろうが……)
凛「どう?美味しい?」
セイバー「はい!」
凛「いっぱい食べてね」
セイバー「ありがとうございます」
凛「アーチャー?飲み物ー」
セイバー「リン、アーチャーは……」
凛「あ、そっかそっか」
セイバー「……」
凛「あとでお菓子買いに行きましょ、ね、セイバー?」
セイバー「いいのですか?!」
凛「もっちろん!」
セイバー「流石はリンですね」
凛「使うところには使う。そのかわり、使わなくてもいいところには一切使わない。それだけよ」
セイバー「素晴らしい。確かに出し惜しみをしては大局を越えるこなどできませんからね」
士郎「……」
桜「せーんぱい」
士郎「ん?」
桜「暇でしたら買い物にでもいきませんか?」
士郎「なにか買いたいものでもあるのか?」
桜「そうでねー、お洋服とか」
士郎「いいな。付き合う」
桜「やった」
士郎「じゃあ、支度するから。ちょっと待っててくれ」
桜「はーい」
士郎「はぁ……」
桜(先輩……やっぱり元気がありません……)
桜(私がなんとかしないと……)ムフー
ライダー「ここにいるとは思えませんが……」
ギルガメッシュ「……」
ライダー「……」コソコソ
ギルガメッシュ「まて」
ライダー「なんでしょう?」ドキッ
ギルガメッシュ「雑種風情が我に一瞥もないとはどういうことだ?」
ライダー「えと……おはようございます」
ギルガメッシュ「たわけ!!我に声をかけるな!!耳が腐るであろうが!!」
ライダー「……」
ギルガメッシュ「なんだその顔はぁ?!王を前にして晒すものではないなぁ……」
ライダー(めんどくさい……)
ギルガメッシュ「いいか。我は王の中の王。下民と対話するなど業腹もいいところだ」
ライダー「……」スタスタ
ギルガメッシュ「まて、どこにいく。我の話はおわっていなぁい!!」
ギルガメッシュ「セイバーだと?」
ライダー「はい」
ギルガメッシュ「どういうことだ?」
ライダー「セイバーが家出をしてしまって」
ギルガメッシュ「ほう……?」
ライダー「セイバーがいるかどうか確認できればすぐに消えます」
ギルガメッシュ「おらん」
ライダー「本当に?」
ギルガメッシュ「覗いてみるがよい」
ライダー「いえ、いいでしょう。貴方がそのような嘘をつくとは思えませんから」
ギルガメッシュ「ふふふ……」
ライダー「では、これで」スタスタ
ギルガメッシュ「そうか……セイバーはいま……」
ギルガメッシュ「あははははは!!!!!こうしておれん!!今すぐ準備をするぞ!!」
凛「さー、何を買いましょうか?」
セイバー「リン、ちょっとお菓子コーナーに行って来てもいいですか?!」
凛「いいわよ」
セイバー「ありがとうございます」テテッ
凛「ふふ……」
凛「……アーチャー……どこに行ったのかした……」
ランサー「おー、こんなところにいたか」
凛「ランサー?」
ランサー「あの弓兵と縁を切ったんだってな?」
凛「誰から聞いたの?」
ランサー「んなことはどうでもいいんだよ。次は俺と繋がろうぜ?な?勿論、ベッドの上でも繋がってやってもいいぜ?」
凛「残念だけど、もうセイバーがいるから」
ランサー「まだ正式に契約はしてないんだろ?」
凛「まあ……そうだけど……」
新手のナンパかお前は
凛「だから、私にはもうセイバーがいるの」
ランサー「つれないねえ」
凛「他を当たって。今なら衛宮くんがフリーよ?」
ランサー「あんな坊主じゃやる気がおきねえからな」
凛「あっそ」
ランサー「俺じゃあ嬢ちゃんの騎士は務まらないのかよ」
凛「いえ。セイバーがいなければ、貴方を選んでもいいぐらいよ」
ランサー「マジか?」
凛「いなければね」
ランサー「よし」
凛「ちょっと、どこいくのよ」
ランサー「出直すわ」
凛「なによ……もう……」
セイバー「リーン、これです!これこれ!」テテテッ
セイバー「はいっ!」
凛「ふーん。これぐらい士郎も買ってあげればいいのに」
セイバー「……」ギュッ
凛「だめよ、抱きしめたら。破裂しちゃうから」バッ
セイバー「あ……」
凛「さ、今日の夕食でも」
セイバー「リン……あの……」モジモジ
凛「なに?」
セイバー「も、もうひとつ、気になるものがあったのですが……」
凛「遠慮なんてしなくていいわよ。5つまでなら、オッケー」
セイバー「リン……」
凛「ほら、いってきなさい」
セイバー「ありがとうございます!!」テテテテッ
凛「士郎もケチケチせずに買ってあげればいいのに……」
ギルガメッシュ「ん?」
セイバー「これ……とどき……ません……」
ギルガメッシュ「……」
セイバー「んー……!!」
ギルガメッシュ「これか」ヒョイ
セイバー「あ……。英雄王?!!」
ギルガメッシュ「ほれ」
セイバー「ありがとうございます」
ギルガメッシュ「―――タダではやらん」
セイバー「な!?」
ギルガメッシュ「家出したらしいな、セイバー?」
セイバー「それをください!!」
ギルガメッシュ「セイバー、我の寝屋にくるか?」
セイバー「行きません!!それを早く渡してください……!!」ピョンピョン
セイバー「むぅ……」
セイバー「はぁ!!!」ドゴォ
ギルガメッシュ「ふごっ!?」
セイバー「全く……」バッ
ギルガメッシュ「お、おまえ……」
セイバー「これでよし」
ギルガメッシュ「まて、セイバー」
セイバー「なんですか?」
ギルガメッシュ「ここに駄菓子、全てをお前にくれてやろう」
セイバー「……」
ギルガメッシュ「悪い条件ではあるまい?」
セイバー「何を言っているのですか?私を物で釣ろうなどと、愚の骨頂」
ギルガメッシュ「この店にある食材全てをお前のものにでると言ってもか?」
セイバー「くどい。私はこの菓子さえあれば満足です」
ランサー「よっ」
凛「また来たの?」
ランサー「そんなこというなよー」
凛「別にいいけど」
ランサー「ところで、さっきの言葉覚えてんだろ?」
凛「なんのこと?」
ランサー「セイバーがいなければ、俺のマスターになるって話だよ」
凛「それが?」
ランサー「ん」
凛「え?」
セイバー「……」トコトコ
ギルガメッシュ「ふははははは!!!」
凛「セイバー!?ちょっと!!!まって!!どこいくの!!」
ランサー「おいおい。俺との契約は?」
凛「セイバー!!知らない人についていったらダメじゃない!!」
ギルガメッシュ「おい、雑種。我は天地創造の主、ギルガメッシュだぞ?知らぬとは唾を吐き捨てる行為だぞ?」
セイバー「あの……これは……」
凛「その両手一杯のお菓子……」
セイバー「……申し訳ありません」
ギルガメッシュ「あははははは!!!!どけ、雑種が。我とセイバーが進む大道に許可無く立つな、痴れ者め」
セイバー「あの……」
凛「セイバー、目を覚まして。こんなヤツのところに行ったら何をされるかわからないわよ?!」
セイバー「それはそうですが……」
凛「セイバー……おねがい……私を見捨てないで……」
セイバー「リン……」
ギルガメッシュ「さ、いくぞ、セイバー。劣悪種に貸す耳などなかろう?」
セイバー「……」
凛「セイバー……!!」
ランサー「心配しなくていいぜー」
セイバー「ランサー!?」
凛「え?」
ランサー「もう俺がいるからな」
凛「ちょ!?」
セイバー「……そうでしたか」
凛「違う!!セイバー!!」
セイバー「では、私は必要ありませんね」
凛「どうしてそんなこというのよ?!」
セイバー「それでは」
凛「セイバーってばぁ!!」
ギルガメッシュ「いくぞ、セイバー?」
セイバー「はい」
凛「セイバー!!せいばー!!」
凛「ふんっ!」ドゴォ
ランサー「おふぅ?!」
凛「余計なこといわないでよ!!」
ランサー「いいじゃねえか、セイバーはあれで幸せ。嬢ちゃんも俺がいて幸せ」
ランサー「俺もいいマスターをもらえて幸せ。ほら、みんなハッピーだろうが」
凛「いや……そういうことじゃ……」
ランサー「ほら、早く行こうぜ。あのいけ好かねえ弓兵にも報告したいしな」
凛「それはっ?!」
ランサー「なんだよ?」
凛「べ、べつに……言う必要なんて……」
ランサー「もう縁は切ったんだろ?いいじゃねーか」
凛「……」
ランサー「昔の男なんて俺が忘れさせてやるよ」
凛「……やめて」
桜「せーんぱーい!!こっちですこっち!!」
士郎「はいはい」
桜「これ!これなんてどうですか?!」
士郎「へえ。桜も赤い服とか着るんだな」
桜「どうですか?似合いますか?」
士郎「うん」
桜「じゃ、これとー♪これもー♪」
士郎「……」
桜「あとはー♪―――先輩?」
士郎「え?」
桜「やっぱり、セイバーさんのことを……?」
士郎「いや!!そんなことないぞ!!ほら、桜!!こっちのスカートもいいんじゃないか?!」
桜「先輩……」
桜「もう……」ムスッ
士郎「よかったのか?俺も多少なら出せるのに」
桜「そんないいですよ。これはあくまでも私的な買い物ですから」エッヘン
士郎「そっか」
桜「先輩……?」
士郎「ん?」
桜「手……繋いでもいいですか?」
士郎「さ、くら……あーいや……それは……」
桜「もう、我慢できませんっ。えいっ」ギュッ
士郎「お、おいお―――」
桜「えへへ……先輩の手……あったかい……」
士郎「……」プルプル
桜「先輩……?どうしたんですか?」
ギルガメッシュ「ふははははは!!!!」
セイバー「……」ムシャムシャ
士郎「……」
桜「先輩……?あの……」
士郎「行こう。桜」ギュッ
桜「あ……」
セイバー「ん?」
セイバー(あれはシロウ……)
セイバー(なるほど……もう私は忘れられているのですね……)
ギルガメッシュ「ん?どうした?」
セイバー「……いや、なんでもありません」ムシャムシャ
ギルガメッシュ「そうか。ではいくぞ」
セイバー「はい」ムシャムシャ
セイバー(シロウ……)
セイバー「さよなら……」ムシャムシャ
桜「先輩……」
士郎(なんでよりにもよって……あんなやつのところに……!!)
桜「先輩……」
士郎「……」ギュゥゥ
桜「いたっ……!!先輩、手!手が……!!」
士郎「あ、ごめん!!」
桜「いえ……」
士郎「あ、えっと……どこいく?」
桜「……」
士郎「き、喫茶店でもいくか?」
桜「はい」
士郎「よし、じゃあ、こっちだ」
桜「……」
桜(どうやったらセイバーさんのこと忘れてくれるんだろう……)
ライダー「くそ……!!」
ライダー「セイバーはどこに……!!」オロオロ
アーチャー「ん?」
ライダー「はぁ……このままでは……」
アーチャー「ライダー?何をしている?」
ライダー「アーチャー……。依然、セイバーが見当たらなくて……」
アーチャー「……」
ライダー「桜にかっこをつけてしまった手前……手ぶらでは……」
ライダー「どうしたら……」
アーチャー(ライダーは何も悪くないな。そろそろ凛も反省したかもしれない)
アーチャー(ネタばらしといくか)
アーチャー「ライダー、私に心当たりがある」
ライダー「え?!ど、どこでしょうか?!」
アーチャー「こっちだ」
アーチャー「悪かったよ」
アーチャー(セイバーをライダーに引き渡して、私が凛に説教をして終わりだ)
アーチャー(私も少し大人げなかったな)
ライダー「この辺りは探したのですが……」キョロキョロ
アーチャー「ここだよ」
ライダー「ここは……凛の屋敷ではありませんか?!」
アーチャー「ああ。ここにいる」
ライダー「しかし、初めはいないと……!!」
アーチャー「まさか鵜呑みにしているとは思わなかった」
ライダー「貴方がそのような嘘をつくとは思わなかったのです」
アーチャー「それはすまない。私だってたまには洒落をこぼすこともある」
ライダー「全く……こっちは困っているというのに……」
アーチャー「では、行くか」
ライダー「わかりました。お邪魔します」
ライダー「いませんね」
アーチャー「しかたない。少し待っていてくれ。すぐに帰ってくるだろう」
ライダー「はい」
アーチャー「紅茶でもいれよう」
ライダー「ありがとうございます」
ライダー「今頃、桜と士郎はうまくやっているのでしょうか……」
アーチャー「桜はデートの最中か?」
ライダー「はい」
アーチャー「ふっ。まあ、ギクシャクしているだろうな」
ライダー「それについては同意見です」
アーチャー「そうか。君と気が合うとはね」
ライダー「そういうこともあります」
アーチャー「どちらも保護者的な立場だからかな?―――ほら、飲んでくれ」
ライダー「ありがとうございます」
ライダー「……」ズズッ
ライダー「おいしい……」
アーチャー「そうだろう?」
ライダー「よろしければ、おかわりを」
アーチャー「ああ。構わないよ」
ライダー「……」
アーチャー「―――どうぞ」
ライダー「どうも申し訳ありません」スッ
ポロッ
アーチャー「あ―――」
ライダー「あ」
バシャ
ライダー「あぁ……ズボンが……」
アーチャー「拭くものを持ってくる。しばらく待っていろ」
ランサー「ホンキホンキ」
凛「全く……」ガチャ
ランサー「いい家だなぁ。やっぱり」
凛「あんまりジロジロ―――」
ライダー「あの……本当に申し訳ありません……」
アーチャー「気にするな」ゴシゴシ
凛「……」
ランサー「あらー……前戯中か……」
ライダー「凛!?」
アーチャー「むっ!?」
凛「な、なにやっての……?」
アーチャー「いや、これは……」
ランサー「すっげー、ライダーの股、濡れまくってんな」
ライダー「え?!あ、これは?!あの……!!」
アーチャー「まて、誤解だ」
ランサー「ハッハー!!最低なやつだなぁ!!アーチャー?!」
アーチャー「そういうお前はどうして凛の傍らにいる?」
ランサー「嬢ちゃんのサーヴァントになったからだよ!!」
アーチャー「なに……?」
凛「そんなつもりはなかったけど……。もういいわ!!アーチャーなんて顔もみたくないんだからぁ!!!」
アーチャー「ふん!こちらこそ、そのような気の多いマスターになど仕えるつもりはない!!」
ライダー「アーチャー……あの……セイバーは……」
ランサー「セイバーなら金ピカやろうがつれていったぜ?」
ライダー「えぇ!?」
凛「でていって!!」
アーチャー「言われなくても出て行く!!ライダー、いくぞ!!」ギュッ
ライダー「ちょっと、アーチャー!!手をひっぱらずとも……!!」
凛「もう……サイテー……」
ライダー「あの……誤解では?」
アーチャー「そうかな?凛ならやりかねない」
ライダー「これからどうされるのですか?」
アーチャー「……君はどうする?」
ライダー「私は……セイバーを探さないと……」
アーチャー「そうか。ではここまでだな」
ライダー「行くあてはあるのですか?」
アーチャー「ないさ」
ライダー「……」
アーチャー「ではな」
ライダー「待ってください」
アーチャー「なにかな?」
ライダー「あそこに行ってましょう。そこなら受け入れてくれるかもしれません」
アーチャー「……?」
アーチャー「おい、ここは!!」
ライダー「いいではないですか。私も用がありましたから」
イリヤ「どうかしたの?」
バーサーカー「……」ズンズン
アーチャー「あ……イリヤ……」
イリヤ「なによ?」
ライダー「すいません。少し手伝って欲しいことがありまして」
イリヤ「なにかしら?」
ライダー「セイバーの奪還に協力をしてほしいのです」
イリヤ「セイバーの?何かあったの?」
ライダー「では、順を追ってお話します」
イリヤ「おねがい」
バーサーカー「……」バナナ、イル?
アーチャー「遠慮しておく」
ライダー「そこで、貴女の力をと思いまして」
イリヤ「ふーん。まぁ、セイバーはいいとして凛はいいの?」
アーチャー「構うことはない」
イリヤ「貴方の行き先がないじゃない」
アーチャー「私のことは放っておいてくれ」
イリヤ「ま、いいけど。で、シロウは?」
ライダー「今頃、桜とデートをしているでしょう」
イリヤ「なにそれ?」ムッ
ライダー「え?」
イリヤ「シロウのためにやろうとしてるのに、シロウはサクラとデートなんだー。ふーん」
ライダー「あ、いや……それはですね……」オロオロ
イリヤ「まずはサクラのデートをぶっ壊しにいくわよ!!バーサーカー!!」
バーサーカー「■■■■■―――!!!!」
アーチャー「……」
士郎「……」ギリッ
桜「あの……先輩……。そんなにセイバーさんが……?」
士郎「……え?!」
桜「そこまで思い詰めるなら……今からセイバーさんのあとを……」
士郎「いいって……セイバーのことなんて……」
桜「先輩……」
桜(キャスターさんに頼んで記憶の操作をしてもらったほうがいいのかな……?)
ズン……ズン……ズン……ズン……!!!
士郎「なんだ……?」
桜「え?え?」
イリヤ「シロー!!!!」
士郎「イリヤか?」
イリヤ「早く出てこないと、お店が粘土みたいにぺっちゃんこになるよー!!!」
桜「えぇー!?」
イリヤ「やっほー、シロウ!」
バーサーカー「……」
桜「イリヤさん……バーサーカーさんまで……」
ライダー「士郎、セイバーを奪還しにいきますよ」
士郎「え?」
ライダー「さぁ」
士郎「いや……」
アーチャー「セイバーは英雄王に拉致されている可能性がある」
士郎「なに?!」
ライダー「ランサーが連れて行ったと言っていましたから」
士郎「でも、セイバーは両手いっぱいにお菓子をもって……」
イリヤ「セイバーのことだから餌に釣られただけじゃないの?」
バーサーカー「……」キャンディ、イル?
桜「あ、ありがとうございます……」
士郎「ああ。分かった」
アーチャー「どうせどこぞのスイートルームを独占しているだろう。調べればすぐに居場所は割り出せる」
イリヤ「よーし!!いくわよ!!バーサーカー!!」
バーサーカー「……」ペロペロ
桜「……」ペロペロ
イリヤ「……いくわよ!!バーサーカー!!」
バーサーカー「■■■■―――!!!」
桜「先輩……」
士郎「ごめん、桜。この埋め合わせは絶対にするから」
桜「……はい」
ライダー「では、虱潰しに探しましょう」
アーチャー「私は高台にいこう」
イリヤ「よろしくねー」
士郎(セイバー……)
ギルガメッシュ「どうだ、セイバー?絶景であろう?」
セイバー「……」ムシャムシャ
ギルガメッシュ「まぁ、王が見下すには若干高さが足りんがな」
セイバー「下々の民を眺め、愉悦に浸る趣味はありません」
ギルガメッシュ「王の威厳とはそういうところから生じるものだぞ?」
セイバー「そうでしょうか……?」
ギルガメッシュ「ああ……。ん?」
セイバー「……」ムシャムシャ
ギルガメッシュ(おのれ……雑種め。我とセイバーの営みを覗き見るとは……!!!)
シャッ!!
セイバー「何故、カーテンを?」
ギルガメッシュ「……」
セイバー「……!!」
セイバー(まさか……私の体を……?!)
セイバー「……」ビクッ!
ギルガメッシュ「ん?」
ギルガメッシュ(セイバーの口の周りに食べかすが……拭いてやるか……。ティッシュは……)
ギルガメッシュ「……」スタスタ
セイバー(ティッシュをもってきた……!間違いない……英雄王は私の体を狙っている……!!)
ギルガメッシュ「セイバー?」
セイバー「よるな!!」
ギルガメッシュ「……」
セイバー「見損ないましたよ、英雄王」
ギルガメッシュ「何がだ?」
セイバー「私が自身の貞操を駄菓子ごときで捧げるとでも思っているのですか?」
ギルガメッシュ「何を言ってる?それよりはやくこっちにこい」
セイバー「いやです!!」
ギルガメッシュ「貴様……我の言うことがきけんか?」
ギルガメッシュ「セイバー?ここには多くの雑種がいるのだぞ?」
セイバー「それがなんですか?」
ギルガメッシュ「ここで事を大きくしてみろ。貴様はこの地での居場所を失うことになる」
セイバー「なに……?」
ギルガメッシュ「ただでさえ秘匿に神経質な連中だ。お前が暴れたとなれば……」
セイバー「うっ……」
ギルガメッシュ「ほら、言うことを聞け」
セイバー(くっ……到底、英雄王から逃げられる状況ではない……。終わりか……。シロウ……)
ギルガメッシュ「こい、セイバー」
セイバー「あ、あの……」
ギルガメッシュ「なんだ?」
セイバー「わ、私は……魂までは売りません……」
ギルガメッシュ「……」
セイバー「わ、私のマスターは……マスターは……」
イリヤ「よし!!」
士郎「セイバー……!!」
アーチャー「急いだほうがいい。セイバーが襲われそうになっていた」
士郎「なっ!?」
ライダー「士郎、私が最上階まで案内します」
士郎「いいのか?!」
ライダー「ここまで来たのです。躊躇うことはありません」
士郎「よし!!」
イリヤ「バーサーカーも遅れたらだめよ!」
バーサーカー「■■■■―――!!」
桜「先輩……」
士郎「桜、いってくる」
桜「あの……」
ライダー「いきます!!!」ゴォォォ!!!
セイバー「……」
ギルガメッシュ「……」スッ
セイバー「うぅ……」ブルブル
バリィィィン!!!!
ギルガメッシュ「!?」
セイバー「え……」
ライダー「ふっ!!」ジャララララ
ギルガメッシュ「なに!?」ギィン!!
士郎「セイバー!!」
セイバー「シロウ!!」
士郎「大丈夫か?!」
セイバー「は、はい……!!」
ギルガメッシュ「おのれ!!雑種がぁぁ!!!」
ライダー「士郎!!はやく逃げて!!」
セイバー「え……?そ、そうですか……?」
士郎「あとで拭いてやる。今は逃げよう」
セイバー「はい」
ギルガメッシュ「まてぇ!!!」
ライダー「くっ!!」ジャラララ
ギルガメッシュ「おのれ!!このような玩具で我を拘束するとは!!」
バーサーカー「■■■■―――!!」
ギルガメッシュ「狂犬か!?」
アーチャー「―――投影、開始」
ギルガメッシュ「フェイカーまで……!!」
イリヤ「流石にこれだけの英霊を相手にまともには戦えないでしょ?」
ギルガメッシュ「木偶人形まで一緒か……!!」
ライダー「このまま見逃してくだされば、なにもしません」
ギルガメッシュ「ふざけるなぁぁぁ!!!我の営みを怪我したこと後悔させてや―――」
桜「あ……最上階で爆発が……」ペロペロ
カレン「……」
桜「きゃぁ?!」
カレン「どうも」
桜「ど、どうも」
カレン「なんの騒ぎですか?」
桜「そ、それが……」
カレン「全く。かませ犬も英雄王も好き勝手にして……。おしおきが必要ですね」
桜「カレンさん、どちらへ?」
カレン「ここは既に手配を終えていますので。犬を迎えに行ってきます」
桜「はぁ……」
士郎「はぁ……はぁ……」
桜「先輩!!大丈夫ですか!?」
士郎「なんとか」
士郎「ほら、口元拭かないと……」ゴシゴシ
セイバー「んぶぶ……」
士郎「よし。綺麗になったな」
セイバー「あの……シロウ……私は……」
士郎「桜、帰るか」
桜「他の皆さんは?」
士郎「今はこの場を離れるほうが先決だ」
セイバー「シロウ……あの……」
士郎「……」スタスタ
桜「……」チラッ
セイバー「……」ウルウル
桜(勝った……)
セイバー「……シロウ……」
セイバー「うぅ……」
イリヤ「あーたのしかった」
バーサーカー「……」コクコク
アーチャー「魔力が……」
ライダー「よかったですね?」
アーチャー「なんのことかな?」
ライダー「分かっているくせに……ふふ……」
アーチャー「ふん……」
セイバー「……」
ライダー「セイバー?士郎と桜は?」
セイバー「先に……帰りました」
イリヤ「えー?!シロー!!!バーサーカー!!追いかけて!!!」
バーサーカー「■■■■―――!!」ズンズン
セイバー「私は……もう……」
ライダー「セイバー……」
セイバー「え……?」
アーチャー「衛宮士郎はお前の謝罪を待っているはずだ」
ライダー「……」
セイバー「私の……」
ライダー「事情は知りませんが、仲違いの原因が貴女にあるのなら、意地を張るのはやめたほうがいいですよ?」
セイバー「……」
ライダー「……それはアーチャーにも言える事ですが」
アーチャー「私の場合は凛が悪い」
ライダー「ふふ……」
セイバー「そうでした。私が……悪かったのです」
セイバー「シロウのところに戻ります。アーチャー、リンに伝えておいてください」
アーチャー「何と?」
セイバー「私のマスターはシロウだけでした、と」
アーチャー「やれやれ。では、私も大変不本意ながら凛のところに戻らざるを得ないわけか……」
アーチャー「ふんっ」
セイバー「では、これで」
ライダー「……」
アーチャー「どうした?セイバーと一緒に帰らないのか?」
ライダー「いえ。セイバーはもう大丈夫でしょう。それよりも私は貴方が心配です」
アーチャー「なに?」
ライダー「さ、行きましょう」ギュッ
アーチャー「こ、こら!!」
ライダー「凛が貴方の帰りを待っているはずです」
アーチャー「そうだろうか。今頃、ランサーと……」
ライダー「大丈夫ですよ」
アーチャー「……」
ライダー「セイバーの伝言も伝えないと」
アーチャー「そうだな。仕方ないか」
ランサー「いやー!!マジかいてきだなー!!」
凛「あっそ」
ランサー「それで、いつ俺と魔術回路繋いでくれるんだ?」
凛「そ、それは……」
ランサー「手っ取り早く、ベッドで繋ぐか?」
凛「なっ!?」
ランサー「いいねー、その初心な反応。まだ男をしらねえらしい」
凛「そ、それ以上、近づいたら殺す!!」
ランサー「いいぜ。やってみな」
凛「うぅ……!!」
ランサー「ここでするか?」
凛「そんな……」
ランサー「まぁまぁ。絶対に満足させてやっから」
凛「ひっ……!」
バゴォォォォン!!!
凛「へ!?」
ランサー「な、なんだ!?」
カレン「発情期ですか?」
バゼット「……」
ランサー「な……!?」
凛「カレン!?バゼット?!」
カレン「手癖の悪い犬が迷惑をかけましたね。きちんと調教しますので」
バゼット「……」
ランサー「あ、あの……」
カレン「言葉はいりません。全てバゼットに一任してあります」
ランサー「なんだとぉ?!」
バゼット「……」ポキポキ
ランサー「やめろ……!!わるかった!!!どうしてもいいマスターがほし―――」
ライダー「壁が壊されていますね」
アーチャー「凛!!」
凛「……」
アーチャー「凛!!大丈夫か?!」ユサユサ
凛「……え?」
アーチャー「なにがあったんだ?まさか、ランサーに……」
凛「ううん!!なにもないわ!!なにもない!!」
ライダー「しかし、この壊されようは……」
凛「それはバゼットがやったの」
アーチャー「……なるほど。なんとなく理解した」
ライダー「では、この点々と落ちている血痕は……」
凛「アーチャー……」
アーチャー「凛……まだ、私との契約は続いているようだな」
凛「うん……」
凛「そーよ。アンタなんて顔もみたくないわ!!」
アーチャー「では、どうして魔力を供給し続けているのか?」
凛「それは……その……。ど、どうせ私以外にマスターになってくれる奴なんていないでしょ!!」
アーチャー「……」
凛「泣きつかれるのはわかってるんだし、泣きつかれたら……その……またどうせ契約するし……」
凛「二度手間でなるでしょ……だから、よ……」
アーチャー「そうか。実は私もマスターは凛以外にいないなと再認識したところだった」
凛「ほ、ほら!!みなさい!!」
アーチャー「口が過ぎたな。すまなったよ」
凛「アンタが素直だと気持ち悪いわね……」
アーチャー「君が素直な言葉を口にしないからだ」
凛「ふんっ。早く、壊れた壁を直してよね!」
アーチャー「はいはい」
ライダー(私はお邪魔のようですね……)
士郎「……」
イリヤ「ねーねー!!シロー!!おんぶー!!」
バーサーカー「……」モモ、タベル?
セイバー「シロウ!!!」
士郎「……」
桜「セイバーさん?」
セイバー「……もうしわけありませんでした!!!」
士郎「セイバー……」
セイバー「シロウの気持ちも考えず、ただ自身の私利私欲のみを求めてしまいました」
セイバー「これは騎士としても、王としても、サーヴァントとしても失格です」
セイバー「ですが、やはり私はシロウの下にいたいのです!!」
士郎「……」
桜(もう遅いですよ……ふふふ……)
セイバー「だめ、でしょうか……?」
イリヤ「シロウ?」
士郎「セイバー……」
セイバー「はい……」
士郎「俺も悪かったな」
セイバー「シロウ……」
士郎「一袋ぐらいならいつでも買ってやる」
セイバー「シロウ……シロウ……」
士郎「家に帰ろう。お腹すいただろ?」
セイバー「はい……ペコペコです」
士郎「うん」
イリヤ「シロー!!私もたべるー!!」
バーサーカー「……」オレモオレモ
桜「……」
桜「どうして……いつも……!」
士郎「じゃあ、夕飯の支度するか」
セイバー「はい」
イリヤ「ねえねえ、セイバー。このポテトチップたべてもいいの?」
セイバー「ええ。構いません」
イリヤ「やったー」
セイバー「ふふ……」
イリヤ「バーサーカーとたべてくるねー」
セイバー「はい」
士郎「よかったのか?」
セイバー「はい。駄菓子一つで愚痴をこぼしては騎士王の名折れです」
士郎「そっか」
セイバー「……」グゥ~
士郎「すぐ作るから」
セイバー「お、お願いします」
桜「……」
キャスター「あら、なにをしているのかしら?」
桜「キャスターさん……それが……」
キャスター「なにかあったの?」
桜「セイバーさんが……家出をやめてしまって」
キャスター「あら、そうなの?」
桜「はぁ……」
キャスター「実は私もセイバーに用事があったのよ」
桜「え?」
キャスター「お土産もあるし、ちょっとお邪魔するわね」
桜「は、はい……」
キャスター「ふふふ……。この犬耳メイドセイバーになってもらうわぁ……♪」
桜「……」
セイバー「え?」
キャスター「セイバー♪」
セイバー「どうかしたのですか?」
キャスター「これ、着て欲し―――」
セイバー「お断りします」
キャスター「ここにお土産のケーキがあるの」
セイバー「え……」グゥ~
キャスター「ほら、美味しそうでしょ?」
セイバー「た、たしかに……」タラーッ
桜「セイバーさん!!涎!!」
キャスター「はい、あーん」
セイバー「や、やめてください!!今からシロウの手料理が振舞われるのです!!」
キャスター「気にしなくていいじゃないの。ほーら」
セイバー「やめろ!!それ以上、その洋菓子を近づけるなら!!こちらにも考えがあります!!」グゥ~
セイバー「あんま、あま♪」モグモグ
キャスター「あとで犬耳メイドになってねー♪」
セイバー「わかりまふた」モグモグ
士郎「……」
セイバー「はっ!?」
士郎「そうか……セイバーは俺の料理より……キャスターのケーキのほうがいいのか……」
セイバー「シロウ?!これは誤解です!?」
士郎「もういいよ!!セイバーは結局、口に入ればなんでもいいんだろう!!」
セイバー「ち、ちがいます!!私は……その……」
士郎「夕飯前なのに……ケーキなんか食べて……!!」
セイバー「これはキャスターの計略です!!」
士郎「もういいよ!!キャスターの世話になればいいだろ!!」
セイバー「なっ!?シロウ、それは私に死ねと言っているのですね……!!」
キャスター「えー?もらっていいのー♪」ギュゥゥ
セイバー「シロウ!!」
キャスター「やったわぁ。等身大セイバーゲット♪」
桜「先輩、折角仲直りしたのに……」オロオロ
士郎「もういい……!!!」
キャスター「さ、セイバー。行きましょう?」
セイバー「うぅ……シロウ……」
キャスター「うふふふふ……」
士郎「……」
桜「あぁ……あぁ……」オロオロ
桜(やった……)グッ
ライダー「……おや?今、セイバーとキャスターが出て行きましたが?」
桜「それが……また喧嘩に」
ライダー「えぇ?!……はぁ、もう結構です。気が済むまでしてください」
士郎「ふん」
イリヤ「この明太味おいしいわね」ムシャムシャ
バーサーカー「……」ムシャムシャ
セイバー「シロウ!!もういやなんです!!!謝りますから!!もう一度、わたしをここに住まわせてくださぃ!!」ポロポロ
士郎「知らない。良く似合ってるぞ、その婦警姿」
セイバー「しろぉぉ……」ポロポロ
キャスター「こんなところにいたのねー?さ、かえりましょ?ご飯と新しいコスチュームを用意したから」
セイバー「うわぁぁ……しろー!!しろー!!!」
桜「せーんぱい。朝ごはん、できましたよ?」
士郎「さんきゅ。いくか」
桜「はぁい♪」ギュッ
ライダー(今回は長引きそうですね……。ま、その分、私にもチャンスが……)
イリヤ「おかし、おいしー♪」
バーサーカー「■■■■―――!!」ムシャムシャ
END
婦警姿のセイバー画像はよ
騎士王はほんとダメだな
Entry ⇒ 2012.03.29 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
アイリ(セイバーに悪戯しちゃえ)セイバー「……」トテトテ
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330678883/
セイバー「なんでしょうか?」
ぷにっ
アイリ「ふふっ」プニプニ
セイバー「にゃんのまにぇでしゅか?」
アイリ「肩を叩くと、叩かれたほうへ顔を向けるでしょ?」
セイバー「ええ」
アイリ「それを利用して、人差し指で頬を突くの。今、みたいにね」
セイバー「なんて程度の低い悪戯ですか、全く」
アイリ「でも、みんなひっかかるのよね」
セイバー「当たり前です。そんなことをされるとは誰も思いません」
セイバー「キリツグも……ですか?」
アイリ「ええ」
セイバー「そうですか」
アイリ「ごめんなさいね。でも、セイバーも可愛かったわ」
セイバー「別に嬉しくないですね」
アイリ「それじゃあ、またあとでね」
セイバー「はい」
アイリ「ふんふふーん♪」トコトコ
セイバー「……」
セイバー「……」キョロキョロ
切嗣「……」スタスタ
セイバー「……」トテトテ
切嗣(……ん?なんだ?)
セイバー(肩を叩いて人差し指を突き出すだけ……簡単ですね)
切嗣「……」バッ
セイバー「!?」
セイバー(よけられた……)
切嗣(何をするつもりだったんだ……?)
セイバー「……」ジリジリ
切嗣「……」ジリジリ
セイバー「あ、どうぞ。特に用事はありませんから」
切嗣「……」クルッ
セイバー(チャンスです!)クワッ
切嗣「―――ふっ!!」バッ
セイバー「な……!?」
切嗣(なんだ……何がしたいんだ……?)
セイバー(くそ……。流石はマスター……。隙がない……)
切嗣「……」スタスタ
セイバー「……」トテトテ
切嗣(ついてくる……。何が目的だ……?)
セイバー(んー……。どうしたらいいのでしょうか?)
切嗣(口をきかないことを気にしての行動か?いや、それにしてはあまりにも殺気立っている)
セイバー(アイリスフィールと話している隙を狙うとか……どうでしょうか?)
切嗣「……」チラッ
セイバー「むぅ……」トテトテ
切嗣(なるほど。わかった。―――僕を殺す気だな)
セイバー(こちらの様子を伺っている。しばらくは手出しができませんね)
切嗣(いや。殺すのであれば魔力を解放するだけでいいはず)
切嗣(腕ずくでも僕を喋らせようとでもいうのか……?)
セイバー「……」
セイバー(アイリスフィールに頼んでみましょうか……)
セイバー(こう……すっと、指を)スッスッ
切嗣(早速、僕を刺し殺すシミュレーションか……)
セイバー「……」スッ
切嗣(なんだ?あの手の動きは……?まるで指先だけで……殺すみたいじゃないか)
セイバー(きりつぐー。トントン。えいっ。そして、ぷにっと……うむ)
切嗣(人間ごとき人差し指だけでいいということか……)
セイバー(キリツグも照れるのでしょうか。非情に気になります)
イリヤ「キリツグー」テテテッ
切嗣「イリヤ。どうした?」
イリヤ「みてみて。雪ダルマつくったの」
切嗣「すごいな」ナデナデ
セイバー(好機!!)シュバッ
切嗣「―――っ!!」バッ
セイバー「あ―――!?」
イリヤ「きゃっ!!」
ぼとっ
セイバー「あ……」
イリヤ「あ……ゆきだるま……こわれた……」
セイバー「あ……あの……申し訳ありません……」
イリヤ「……」ウルウル
セイバー「あの……もう一度、作りましょう」オロオロ
切嗣「イリヤ……」
イリヤ「……」ポロポロ
セイバー「あぁ!!よし!!今すぐ、この城を越える雪ダルマを私が生成します!!」オロオロ
切嗣「行っておいで」
イリヤ「……うん」
セイバー「さぁ!!行きましょう!!」
切嗣(とりあえず、セイバーに任せてみよう)
セイバー「ふーん!!ふーん!!」ゴロゴロ
イリヤ「がんばってー」
セイバー「ふぅ……よし。これでいいでしょう」
イリヤ「わーい!!おっきー!!!」
セイバー「まぁ、私にかかればこんなものです」キリッ
イリヤ「でも、これだと雪ダルマが城に入らないわ」
セイバー「まぁ、そうですね」
イリヤ「セイバー、小さいのも作って」
セイバー「わかりました」
イリヤ「……」
セイバー「えーと……」コロコロ
イリヤ「セイバー?」トントン
セイバー「なんですか?」クルッ
イリヤ「えい」プニッ
イリヤ「あはは。ひっかかったー!!」
セイバー「全く。アイリスフィールと同じことをするのですね」
イリヤ「これは私がお母様に教えたの」
セイバー「そうなのですか?」
イリヤ「そうよ」ムフー
セイバー「キリツグにも試しましたか?」
イリヤ「ええ。見事にひっかかったわ」
セイバー「……」
イリヤ「あの時は面白かったなぁ」
セイバー「むむ……無性に悔しいのですが」
イリヤ「ゆだんたいてきってことよ」
セイバー「わかりました。以後、気をつけましょう」
イリヤ「うん」
セイバー(しかし、私が二度も引っかかったのです。恐らくキリツグなら三度引っかかってくれるはず)
切嗣「―――ああ、これが今後の行動予定だ」
舞弥「わかりました」
切嗣「それから―――」
セイバー「お……」
セイバー(なにやら作戦会議中ですね。今なら書類に気をとられている……)
セイバー(行きましょう)コソコソ
舞弥「ん?」
切嗣「どうした?」
舞弥「いえ」
セイバー「……」ジリジリ
舞弥(セイバー……何をする気……?)
セイバー(ふふ……あともう少し……)
切嗣「……」チラッ
セイバー「あ……ど、どうも。こんにちは」アセアセ
舞弥「はい」
セイバー「……」ソーッ
舞弥(まさか……)
切嗣「以上だ。頼んだ」スッ
セイバー「あ……」
切嗣「……」スタスタ
切嗣(危うく怪我をするところだったな。セイバー、所構わずか……)
セイバー「もうすこしだったのに……」
舞弥「……」
セイバー「はぁ……もう一度、作戦を考えなければ……うーむ……」
舞弥「セイバー?」トントン
セイバー「はい?」クルッ
舞弥「……」プニッ
セイバー「……にゃんてこりょりゃ。ましゃか、しゃんどもひゃきゃきゃりゅとりゃ」
セイバー「……はい」
舞弥「どうして、そんな幼稚なことを?」
セイバー「いえ。キリツグの反応が見てみたくて」
舞弥「……」
セイバー「それでは」
舞弥「待って」トントン
セイバー「え?」
舞弥「これが通じる相手ではないと思います」プニッ
セイバー「……みゃこりょでふふぁ?」
舞弥「はい。本当です。あの切嗣ですよ?」
セイバー「しかし。アイリスフィールもイリヤスフィールも成功しています」
舞弥「それは……」
セイバー「あの二人にできて私ができない道理はない」
舞弥「むきになってませんか?」
舞弥「なら、いいのですが」
セイバー「貴女もみたくはないですか?キリツグがひっかかるところを」
舞弥「……見たくないといえば嘘になります」
セイバー「では、徒党を」
舞弥「いや。あの人にそんなことをしては後が怖い」
セイバー「大丈夫です。私も謝ります」
舞弥「謝罪するなら初めから実行しないほうがいいのでは?」
セイバー「キリツグが罠に陥り、赤面するところを見たくはないのですか?」
舞弥「ですから、見たくないといえば嘘になります」
セイバー「それは見たいということですよね?」
舞弥「いえ。決して自分から進んで見ようとは思いません。何かの拍子に見ることができればいいなという程度です」
セイバー「誰かが実践しなくてはそのような奇跡は永遠に訪れません」
舞弥「そうですが」
セイバー「行きましょう。キリツグのほっぺたをぷにぷにしてするのです」
舞弥「いました」
切嗣「……?」
切嗣(舞弥がいる……)
セイバー「では、手筈通りに」
舞弥「……」コクッ
切嗣(まさか、舞弥が敵に……?)
舞弥「……あの」
切嗣「なんだ?」
舞弥「行動予定に関して少しばかり質問が」
セイバー「……」コソコソ
切嗣「珍しいな」
舞弥「実は―――」
セイバー「はっ!!!」
切嗣「……?!」バッ
切嗣(疑惑が確信に変わった。―――僕はセイバーに狙われている)
セイバー(今の一撃をかわすとは……流石、我がマスター)
舞弥「……」
切嗣「舞弥?」
舞弥「は、はい」ビクッ
切嗣「なんの真似だ?」
舞弥「え……」
切嗣「僕が憎いのならそう言えばいい」
舞弥「ち、違います……私は……セイバーに……その……」モジモジ
切嗣(やはり、そうか)
切嗣「……」ギロッ
セイバー「あ、みてくださいキリツグ。外の雪ダルマ、私が作ったのです!!」アセアセ
切嗣「……」
セイバー「いやー!!私は雪ダルマのスキルがあるのではないかとおもってしまいますねー!!」アセアセ
セイバー「みてください、キリツグ!!腕はイリヤスフィールと共同で……」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「キリツグ!!ほら!!頭の帽子は大木の切り株ですよ!私がエクスカリバーで切って―――」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「待ってください、きりつぐー」トテトテ
切嗣「……」ギロッ
セイバー「うっ……」
切嗣「……」クルッ
セイバー「きりつぐぅ……」シュン
舞弥「諦めましょう。あからさまに警戒されていますし」
セイバー「そうですね。では、しばらく時間をあけましょう。忘れた頃にしかければ、キリツグも……」
舞弥「がんばってください」
セイバー「はい、がんばりましょう」ガシッ
舞弥「私もですか……?」
セイバー「アイリスフィール」トントン
アイリ「なぁに?」クルッ
セイバー「な……!?ひ、ひきょうです!!叩かれた肩のほうへ顔を向けてください!!」
アイリ「ふふ。駄目よ。セイバーが肩を叩くときはその悪戯の合図みたいなものだもの」
セイバー「くっ……!!」
アイリ「ほら、行きましょう」
セイバー「わかりました」
アイリ「そういえばあれから切嗣とは?」
セイバー「もはや半径数メートル以内にすら近づけません」
アイリ「そう……。切嗣も悪気があるわけじゃないから。気にしないで」
セイバー「ええ……気には……してません……」
アイリ(分かりやすい子……)
セイバー「む……気をつけてください。サーヴァントの気配がします」
アイリ「……わかったわ。切嗣に連絡するから動くのはそのあとで」
セイバー「この辺りですね」
アイリ「どこにいるのかしら……?」キョロキョロ
セイバー「……しっ」
アイリ「え?」
セイバー「あそこに」
アイリ「あの人?」
ランサー「……」
セイバー「はい。間違いありません」
アイリ「どうする?」
セイバー「私に考えがあります」
アイリ「え?」
セイバー「……」コソコソ
アイリ「セイバー?なにする気なの?」
セイバー「……」ソーッ
ランサー「ん?」クルッ
ぷにっ
セイバー「……ふっ」
ランサー「にゃんのまにぇかな?」
セイバー「ひっかかりましたね」
ランサー「……」
セイバー「アイリスフィール、私の作戦勝ちです」
アイリ「……」
セイバー「ふふっ……やった……」グッ
アイリ(初対面の相手にする人……はじめて見たわ……)
ランサー「何の真似かときいた」
セイバー「引っかかるほうが悪い」ムフー
ランサー「会話になっていないが?」
セイバー「私は満足です。帰ります」
セイバー「はい」
ランサー「……」
アイリ「セイバー、何言ってるの?」
セイバー「私はこれがサーヴァントに通じるかどうか知りたかったのです」
アイリ「いや。でも、そう簡単に返してはくれないと思うわ」
セイバー「……む。それもそうですね」
ランサー「剣を抜け」
セイバー「いいでしょう。しかし、先ほどの人差し指が我が剣だったのなら、貴殿は既に死んでいる身」
ランサー「それは……」
セイバー「勝敗は決しているといっても過言ではありません」
ランサー「くっ……」
セイバー「ハンデとして私は右腕を使わずに戦いましょう」
ランサー「なんだと……?」
アイリ「セイバー!!油断はだめ!!」
舞弥「……」コソコソ
切嗣「……どこだ……?」
舞弥「……」ソーッ
切嗣「……うしろか!!」バッ
舞弥「!?」ビクッ
切嗣「舞弥?なにをしている?」
舞弥「あ、えと……どこに待機するか忘れて……」オロオロ
切嗣「無線でいいなさい」
舞弥「すいません……」
切嗣「ここだ。このポイント」
舞弥「思い出しました」
切嗣「頼むぞ」
舞弥「はい」タタタタッ
舞弥(こんなときでも隙がない……流石です)
ランサー「くっ……!!」
アーチャー「―――ふははははは!!!!」
セイバー「ん?」クルッ
ランサー「何者だ」クルッ
アーチャー「雑兵風情が心地の良い剣戟を響かせているとおもえば、この体たらくか!!」プニップニッ
セイバー「むにゅ……」
ランサー「ふきゃく……」
アーチャー「あはははは!!!!実に下らん!!下らんぞ!!やはり貴様ごときでは我に触れることもできんようだ!!」
アーチャー「まぁ、触れているのは我だがな。あははははは!!!!」
セイバー「おのれ……!!二人同時とは!!」
ランサー「貴公は?」
アーチャー「俗物に名乗る名などないわ!!そもそも我とこうして言葉を交わすことすらおこがましいというのに」
セイバー「その悪戯……だれに教わったのですか?」
アーチャー「ん?これは街を歩いていると童子にやられたのだ。腹が立ったからお前らにしてやっただけのことよ」
アイリ「うそ……そんなわけ……」
アーチャー「さて。気が変わったぞ。ここでお前たちを我が財宝で塵にしてやろう。光栄に思え」
ランサー「なに……?!」
アーチャー「さぁ……くらうがよい!!―――ゲート・オブ……」ゴォォォ
バーサーカー「……」ツンツン
アーチャー「ん?」
バーサーカー「……」プニッ
アーチャー「ばびゅりょん」
ドンドンドン!!!
セイバー「危ない!!!」バッ
アイリ「きゃぁ!!」
ランサー「これは……!?」
切嗣「まさかサーヴァントが4体も……予想外だ……!!」
舞弥「……」コソコソ
バーサーカー「……」ヤーイヤーイ
アーチャー「―――ころすっ!!!」ドンドンドン
バーサーカー「……」サッ
セイバー「ふぅ……標的が変わったようですね」
ランサー「まさか、このような展開になろうとは……。セイバー、この勝負あずけるぞ」
セイバー「分かりました」
アイリ「行きましょう。これ以上は危険だわ」
セイバー「そうですね」
切嗣「……退却を選んだか。各サーヴァントのマスターもどこにいるかわからないな」
舞弥「……」ソーッ
切嗣「舞弥」
舞弥「は、はい!!」ビクッ
切嗣「撤退だ」
舞弥「わ、わかりました……」
セイバー「ですが、自信がつきました」
アイリ「え?」
セイバー「あのランサーに通じたのです。キリツグに効かないわけがない」
アイリ「セイバー……」
セイバー「さあ、帰りましょう」トテトテ
アイリ「どれだけ切嗣の頬を突きたいのかしら……?」
セイバー(今度は必ずキリツグの頬をぷにぷにしてやります……!!)
アイリ「……」
切嗣「舞弥、どうして勝手に持ち場を離れた?」
舞弥「……申し訳ありません」
切嗣「これ以上、下手なことをするなら君とは縁を切るほかない」
舞弥「……!?」
切嗣「……」
舞弥「これからは真面目にやります」
セイバー「お疲れ様です」
舞弥「どうも」
セイバー「これからキリツグを―――」
舞弥「私はもういいです」
セイバー「え?」
舞弥「それでは」
セイバー「待ってください。どうしたのですか?」
舞弥「……私の居場所はここしかないのです」
セイバー「意味が分かりません」
舞弥「分からなくて結構」
セイバー「そんな……」
舞弥「さよなら」スタスタ
セイバー「まいやぁー!!」
セイバー「そんな……独りになってしまうとは……」ガックリ
イリヤ「らんらーん」スキップスキップ
セイバー「……」トコトコ
イリヤ「お母様はどこかな?」キョロキョロ
セイバー「イリヤスフィール」トントン
イリヤ「んー?」クルッ
セイバー「……」プニッ
イリヤ「ふにゃ」
セイバー「ふふ」
イリヤ「もうひどいー!!」
セイバー「申し訳ありません。つい」
イリヤ「セイバーなんてきらいっ!!キリツグとお母様にいいつけちゃうんだから!!!」
セイバー「そ、それは困ります……」オロオロ
イリヤ「じゃあ、今から中庭にいこ!また雪ダルマつくって!」
セイバー「分かりました。いきましょう」
イリヤ「よいしょ……よいしょ……」ゴロゴロ
セイバー「ふーん……!!」ゴロゴロ
イリヤ「ふぅ……おっきい雪玉ができたね」
セイバー「ええ」
イリヤ「じゃあ、これをのっけて」
セイバー「はい。―――ふんっ」ガシッ
イリヤ「おぉ!」
セイバー「とうっ!!」シュバッ
セイバー「はっ!!!」ドンッ
イリヤ「かんせー!!」
セイバー「ふふっ。我ながら恐ろしいスキルをもってしまったものです」キリッ
アイリ「楽しそうね」
切嗣「……あの二人、仲がいいな」
アイリ「ふふ、嫉妬?」
アイリ「切嗣?」
切嗣「……セイバーは僕を亡き者にして、僕の全てを奪うつもりなのか?」
アイリ「……へ?」
切嗣「……僕は……絶対に生き延びる……」
アイリ「切嗣……?ねえ……ちょっと……」
切嗣(令呪を使うときが来たのかもしれない……)
アイリ「まって!切嗣!!ねえってば!!」
イリヤ「いくわよ!!―――すのーきゃのん!!」シュッ
セイバー「うわっ?!」バサッ
イリヤ「あははは!!セイバー、まっしろー!!」
セイバー「―――くらえっ!!!」バッ
イリヤ「ぎゃぁ!?」ドンッ
セイバー「私を甘く見ないほうがいい」
イリヤ「ふぇ……いたぃ……よぉ……」ウルウル
イリヤ「おでこぉ……いたい……」ポロポロ
セイバー「も、もうしわけありません!!つい力が!!」オロオロ
イリヤ「うぅぅ……」ポロポロ
セイバー「こ、ここが痛むのですか……?」ナデナデ
イリヤ「……」
セイバー「それとも……こっちですか……?」ナデナデ
イリヤ「ふふ……」
セイバー「え……?」
イリヤ「うそ。いたくないよー」
セイバー「なっ……?!」
イリヤ「あはは。セイバーってすぐにひっかかるよねー」
セイバー「嘘泣きとは……!!イリヤスフィール!!!」
イリヤ「やーいやーい」
セイバー「まちなさい!!許しません!!!」
セイバー「全く。イリヤスフィールは悪戯が過ぎますね」
セイバー「……」
セイバー「……ふむ」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「あ。きりつぐー、おひさしぶりです」トテトテ
切嗣「……」ギロッ
セイバー「な……」
切嗣(ここで令呪を使う。これ以上、僕のものを奪わせない)
セイバー「キリツグ……?」
切嗣「……令呪をもって命じる」
セイバー「なにゆえ?!」
切嗣「……」ピカー
セイバー(キリツグのようすがおかしい……!!)
セイバー(まさか……悪戯しようとしていることがばれて……令呪を……?!)
セイバー(そ、そうです!!)
セイバー「うっく……どうして……ですかぁ……きりつぐぅ……」ウルウル
切嗣「?!」
セイバー「れいじゅ……なんて……わた、し……マスターのために……がんばってるのに……」ポロポロ
セイバー「ひどいです……きりつぐぅ……」ポロポロ
切嗣(セイバーが泣いた……!?令呪がそんなに嫌なのか……!?)オロオロ
セイバー(よし……動揺している……。これは効果アリですね)
切嗣(どうする……?い、いや……強行するまでだ。サーヴァントに情けなど―――)
セイバー「……」ポロポロ
切嗣「……」クルッ
セイバー「あ……」
切嗣「……」スタスタ
セイバー(すきありっ!!)バッ
切嗣「……?!」
切嗣「……」
セイバー「きりつぐー」ツンツン
切嗣(なんだ……しきりに肩を叩かれている……)
セイバー(おかしい……振り向いてくれませんね)
切嗣「……」スタスタ
セイバー「あ、まってください、キリツグ」トントン
切嗣(なんだ……どうしたらいい……?)
セイバー「きりつぐー?」ツンツン
切嗣(振り向いたらなにをされるからわからないな……無視しておこう)スタスタ
セイバー「キリツグ?キリツグ?どうしてこちらを振り向いてくれないのですか?」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「キリツグっ!!!」ドンッ!!
切嗣(ぐぁ……!!肩を思い切り殴打してくるとは……やはり僕に危害を……)
セイバー(むぅ……ここまでしても気がつかないとは、キリツグは鈍感なのですね)
アイリ「セイバー?まだ寝ていなかったの?」
セイバー「アイリスフィール」
アイリ「さっき切嗣が私のところにきて治療を受けたわ。何か知ってる?」
セイバー「え?」
アイリ「肩を脱臼してて……戦闘でもしたのって聞いても「いえない」の一点張りで」
セイバー「キリツグ……そうか……痛みで私が叩いたことに気がつかなかったのですね……」
アイリ「もしかして港の戦闘のときに……」
セイバー「え?キリツグは見かけませんでしたが……」
アイリ「いいえ。あの人はいつでも私たちを見守っているの」
セイバー「そうなのですか?」
アイリ「ええ」
セイバー「……そうですか」
セイバー(嫌われているというわけではないのですね)
セイバー(どうやら怒っているわけでもないようですし……また、機会があれば頬を……こう……ぷにっと……)
アイリ「セイバー!!」
セイバー「アイリスフィール、どうしたのですか?」
アイリ「敷地内に敵が……!!」
セイバー「……わかりました」シャラン
アイリ「切嗣によればキャスターのサーヴァントみたいだから気をつけて」
セイバー「キャスター……ふっ。なら安心してください。キャスターごときに遅れはとりません」キリッ
アイリ「私もできる限りのサポートはするわ」
セイバー「キリツグは?」
アイリ「マスターを捜すって」
セイバー「なるほど。ではこちらもうってでましょう。キャスターに時間を与えればどんな術式を展開してくるか……」
アイリ「そうね。セイバー、お願い。私を守って」
セイバー「はい。任せてください」
アイリ「行きましょう」
セイバー「ええ」トテトテ
キャスター「りゅうのすけぇ!!!!」
龍之介「旦那?」
キャスター「みてください!!!私のゆきだるまぁ!!!」
龍之介「すっげー!!COOLだぁ!!」
キャスター「触ってください!!龍之介ぇ!!」
龍之介「え……すっげー!!冷たい!!COOLだぁ!!」
キャスター「ええ、ええ。これは最高傑作ですよ」
龍之介「相変わらず旦那は芸術的だな」
キャスター「しかし……雪ダルマには鮮度があります。これはこの日限りの作品。明日になれば溶けてしまう」
龍之介「一日で溶けるもんなの?」
キャスター「いま、この瞬間の雪は!!もう二度と手にはいりませんっ!!!」
セイバー「居ました」
アイリ「邪魔しないほうがいいかしら……?」
セイバー「そういうわけにもいきません。敷地内で遊ばれては安心して寝ることもできませんから。いきます」コソコソ
キャスター「おぉぉ……!!これは……!!」
龍之介「雪のオルガンだ!!」
キャスター「うーん……流石は龍之介ですね。素晴らしい」ニッコリ
龍之介「いやいや。真球に近い……いや真球そのもので作った旦那の雪ダルマには敵わない」
キャスター「そう卑下にすることは―――」
セイバー「もしもし?」トントン
キャスター「え?」
セイバー「……」プニッ
キャスター「……」
龍之介「え?誰?」
セイバー「貴方は今、死んだも同然です。帰りなさい」
キャスター「お……おぉ……ジャンヌ……」ポロポロ
セイバー「……ん?だれのことですか?」プニップニッ
キャスター「こんにゃときょりょで……あえりゅとは……じゃんにゅぅ……」ポロポロ
セイバー「知りません」プニプニ
キャスター「そんにゃぁぁ……じゃんにゅぅぅ……」ポロポロ
セイバー「……」プニプニ
キャスター「しぇいしゅりょーじゃんにゅぅぅ……」
アイリ「ジャンヌ……?」
龍之介「誰?」
アイリ「この敷地を管理する者よ。即刻立ち去ってください」
龍之介「ちょっと待ってくれ。これからこの雪のオルガンに手を加えて音が出るようにするから」
アイリ「いや……」
キャスター「わすれたのですかぁー!!雪が積もったときは一緒に雪合戦をしたではありませんかぁー!!」
セイバー「記憶にありません」プニプニ
キャスター「むぐぐ……そんにゃばかにゃぁ……!!!」
セイバー「私はジャンヌではありません。ブリテンの王、アーサーペンドラゴンです」
キャスター「おぉ!!なんと嘆かわしい!!はっ!!まさか、あのとき私が投じた雪玉で記憶を……!?」
セイバー「独りで盛り上がらないでください」
キャスター「わかりました……では、もう一度……あの日の記憶を思い出してもらうために!!」ガバッ
セイバー「む……?!」
キャスター「この純白の雪のごとく清らかだった貴女にもどってくださいぃぃ!!!」シュッ
セイバー「わぷっ!?」バサッ
キャスター「ふふふふ……まだ、腕は衰えておりませんよ……?」
セイバー「―――えくすかりばぁー!!!」シュッ
キャスター「おぶっ?!」バンッ
セイバー「……雪玉の作りが甘いっ!!」
キャスター「うぐぐぐ……まさに……あのときの……雪合戦で必死に玉を作っていた……あのときの……貴女ですよー!!!」
龍之介「ふんふーん♪」ザッザッ
アイリ「……」ソーッ
龍之介「ん?安心しなって。できたら演奏させてやるよ」
アイリ「ほ、ほんとに……?」ドキドキ
セイバー「……」
キャスター「はっ!?」
セイバー「―――アヴァロン!!」シュッ
キャスター「ひゃぁぁ!!!」
ばんっ
キャスター「うぅ……まいりました……」
セイバー「ふん。雪玉は尽きないようにするのが基本です」
キャスター「―――かくしだまもありますよぉ!」シュッ
セイバー「ぐっ!?」バンッ
キャスター「ふふふー!!」
セイバー「―――覚悟してくださいっ!!!」ドンドンドン
アイリ「~♪」ポロンポロン
龍之介「すげぇ!!COOLだよぉ!!あんたぁ!!」
アイリ「そ、それほどでも……」テレッ
セイバー「なんですか?」
キャスター「あれは……!?」
ライダー「ようし!!ここがいい!!降りるぞ!!」ガバッ
ウェイバー「だから!!ここは敵の敷地内だっていってるだろ!!ばかぁ!!」
ライダー「なにをいう。ここにはこれだけの銀世界が広がっている。カマクラを作るにはもってこいではないかぁ」
ウェイバー「なんでカマクラをつくるんだよ?!意味を教えろ!!訳をいえ!!理由を述べろ!!!!」
ライダー「うるさいのぉ。余がしたいといえばしたくなるものだろ?」
ウェイバー「わっけわかんないな!!」
ライダー「とにかくいくぞ」ガシッ
ウェイバー「ばか!!こんなところから飛び降りたら死ぬ!!死ぬんじゃう!!!」
ライダー「下は雪だ。死にはせん」
ウェイバー「お前はなっ!!!」
セイバー「む!?人が落ちてきます!」
キャスター「りゅうのすけぇ!!にげてください!!」
セイバー「アイリスフィール!!危ない!!」ガバッ
アイリ「きゃ!!」
ウェイバー「あぁぁぁぁ!!!!!」
龍之介「なにぃ!?」
キャスター「りゅうのすけぇ!!」ガバッ
ドシーン!!!
ウェイバー「―――ぷはぁ!!!」
龍之介「うわぁぁぁ!!!!!ひでぇええ!!!!俺のさくひんがぁぁ!!!こんなのあんまりだぁぁぁ!!!!」
アイリ「雪のオルガンが……」
ウェイバー「え……あ。なんかあったのか?」
龍之介「なんかあったじゃねえよ!!ここには……ここには……俺の最高……けっさ……く……がぁ……」ウルウル
ウェイバー「な、なんかごめん……」
龍之介「うぅ……」
ライダー「なにかを壊してしまったようだ。すまなかった。詫びといってはなんだが、これからカマクラを作って鍋をするのだが、一緒にどうだ?ん?」
舞弥「そのようですね」
切嗣「……もうすこし様子をみるか」
舞弥「はい」
龍之介「……」プイッ
ライダー「むむ……すっかり臍を曲げたか」
キャスター「致し方ないでしょう。形あるものはいつか崩れるとはいいますが、これはいささか酷い結末……」
ウェイバー「あ、あの……また作れば……」
アイリ「あれはもう二度とできないのよ?!」
ウェイバー「ひっ!?」
ライダー「まてまて。こちらの非は認めているだろうに。―――これで許せ」スッ
セイバー「それは?」
ライダー「特上の酒だ。あと一人呼んでいるのだが……こんなぁ」
アイリ「もう一人……?」
ライダー「うむ。余も先日出会ったばかりだが、これが中々に気骨のある者でなぁ。酒の席を設けようという話になったのだ」
ライダー「おぉ!!これは余としたことが。―――余は征服王イスカンダル!!」
セイバー「私はアーサー・ペンドラゴンです」
ライダー「おぉ!!お前が世にきくアーサー王か!!ふははは!!これはいい!!」
キャスター「私はジル・ド・レェです」
ライダー「ふーん」
キャスター「!?」
セイバー「なにか?」
ライダー「うむ。お前も王ならこの酒の席は王の宴となろう!!」
セイバー「王の……?」
アーチャー「―――ふははははは!!!!!」
ライダー「おお!!きたか!!」クルッ
アーチャー「ああ。感謝せよ」プニッ
ライダー「ふはははは!!!余の頬は突き甲斐があろう!!ほれほれ!!!」ズイッ
アーチャー「むうぅぅ!!離れろ!!指が折れる!!」
ウェイバー「なんでこんなことをしなきゃいけないんだよぉ……!!」ザッザッ
アイリ「はぁ……はぁ……」ザッザッ
セイバー「すいません。そこ、補充してください。穴を埋めます」
アーチャー「貴様。我に指図するか?」ペタペタ
セイバー「いいではありませんか」
アーチャー「ぬかせぇ!!もう補充を済んでいる!!」
キャスター「ほーら、りゅうのすけぇ?新しい雪の像をつくりましたよぉ」
龍之介「……」
キャスター「りゅうのすけぇ……」
切嗣「なんだ……何が始まろうとしている……?」
舞弥「……」コソコソ
切嗣「全く予想が……ん?舞弥」
舞弥「は、はい!!」ビクッ
切嗣「あそこに何かいる……あれは……なんだ……?舞弥も確認してほしい」
アーチャー「よし。入るか」
セイバー「アイリスフィールたちはそちらのカマクラをご利用ください」
アイリ「ええ」
ウェイバー「つかれた……」
龍之介「……」
キャスター「さ、龍之介。ここは寒い。カマクラで暖をとりましょう」
セイバー「乾杯」
ライダー「うむ!!」
アーチャー「ふんっ」
ライダー「うむ!!英雄王!!これは旨い酒だな!!」
アーチャー「当たり前だ。我が手にするものは全て宝具のそれだ」
セイバー「ほう」
アーチャー「我を称えよ!!ふはははは!!!」
セイバー「わかりました」プニプニ
ライダー「アーチャーはすごいなぁ」プニプニ
アーチャー「にりょめりゃはゆるふふぁ、しゃんりょめはにゃいりょ?」
セイバー「ふふ……なんて言っているのか、わかりません」プニプニ
アーチャー「ぐにゅにゅ……!!」
ライダー「さてと……!!余はお前たちに聞きたいことがある!!」
セイバー「なんでしょうか?」
アーチャー「下らんことなら言わんぞ?」
ライダー「聖杯を手に入れたら……何を願う?」
セイバー「……」
ライダー「我らは王となり、願いは数多く手に入れた。それでも尚、手にしたい願いはなんだ?」
アーチャー「……」
ライダー「ん?ないのか?」プニプニ
アーチャー「やめりょ……」
セイバー「……私はあります」
セイバー「それは―――」
アサシン「さむ……さむ……」
ライダー「ん?」
アサシン「おーい。この辺でいいと思う」
アサシン「では、早速カマクラを」
アサシン「「御意」」
アーチャー「なんだ!!この雑兵の群れは!!!見ているだけで吐き気がする!!!」
セイバー「アサシン……?!」
アサシン「あ、どうも。すいません」
ライダー「わざわざ新たに作る必要などないわ。早くこっちにこい」
アサシン「いいのですか?」
ライダー「うむ!!」
アサシン「じゃあ、お邪魔します。みんなー、こっちだぁー。鍋もあるぞー」
アサシン「「わーい」」ワラワラ
アーチャー「ぐおぉ……?!」
セイバー「くるしぃ……!!!」
アサシン「あったかいですねー」
アサシン「ぎゅうぎゅうですねー」
アサシン「あ、肉もらいますね」
ピキッ……
セイバー「カマクラに亀裂が……!?」
アイリ「そちらは関係が良好そうで羨ましいわ」
キャスター「ふふ。そうですか?」
龍之介「……ふん」
ウェイバー「機嫌直してくれよ」
バコーン!!!!
アイリ「?!」
キャスター「なんの音でしょうか?」
舞弥「アサシンがカマクラから溢れてくる……」
切嗣「何をやっている……!!アイリは無事か……?」
舞弥「……」ソーッ
切嗣「……」
舞弥「……」トントン
切嗣「ん?」クルッ
舞弥「……」プニッ
切嗣「……」
舞弥「あ……すいません……」
切嗣「……帰っていいよ」
舞弥「!?」
切嗣(アイリ……無事でいてくれ)
舞弥「切嗣!!もうしません!!!ゆるしてください!!」ユサユサ
切嗣「……」
アサシン「意外と脆かったですね」
ライダー「……」
アーチャー「……」
セイバー「……」
アサシン「な!?ちょっと!!入っていいと言ったのは貴方たちですよ!!」
アサシン「「そーだ!そーだ!!」」
ライダー「余のマスターが必死に雪をかき集めたカマクラを侮蔑したであろうが……!!!」ゴォォォ
アーチャー「雑種の分際で我に密着したこと……万死に値するぞ!!!」ゴォォォォ
セイバー「お肉……あれは私が酒と共に味わおうとしていたもの……」ゴォォォ
アサシン「これはまずい!!逃げろ!!」
アサシン「「きゃー!!きゃー!!」」
ライダー「アイオニオン・ヘタイロイ!!!!」
アーチャー「エヌマ・エリシュ!!!!」
セイバー「エクスカリバァァァァ!!!!」
アイリ「きゃぁ?!」
キャスター「おぉぉぉ!!!!麗しのジャンヌー!!!」
ウェイバー「な、なんだこれぇ?!」
龍之介「……」
切嗣「なんて力だ……」
舞弥「きりつぐ!!きりつぐ!!」ユサユサ
切嗣「ライダーもアーチャーも……あの有名な征服王と英雄王か……」
舞弥「出来心!!できごころ!!」ユサユサ
切嗣「……要注意だな」
舞弥「魔が差したんです!!まぁやだけに」
切嗣「……」チラッ
舞弥「あ……♪」
切嗣「……もう顔を見せないでくれ」
舞弥「……」ガーン
アーチャー「……聞きそびれたな。セイバー?」
セイバー「え?」
アーチャー「お前の願いとはなんだ?」
セイバー「それは……ちょっとこちらへ」
アーチャー「なんだ?耳打ちか?」
セイバー「あのですね……」ゴニョゴニョ
アーチャー(セイバーの息が耳に……)ゾクゾク
セイバー「―――というわけです」
アーチャー「ふははははははは!!!!!」
セイバー「なにがおかしい?!」
アーチャー「愛いやつめ」ナデナデ
セイバー「むぅ」
アーチャー「応援してやろう。セイバー」
セイバー「え?いいのですかっ?!」
アーチャー「それはな」
セイバー「アーチャー!!」
アーチャー「……秘密だそうだ」
ライダー「なんだ意地悪だのぉ」
ウェイバー「おい!!派手にやらかしすぎだ!!」
ライダー「おぉ?そうか。では、今宵は幕をひくとしよう。乗れ!!」ガバッ
ウェイバー「うわぁ!?」
アイリ「セイバー!!大丈夫だった?!」
セイバー「はい」
キャスター「ジャンヌー!!大丈夫でしたかぁ!?」
セイバー「それ以上寄れば、斬る」
キャスター「!?」
アーチャー「セイバー。おって連絡する。予定を空けておけ」
セイバー「わかりました」
セイバー「キリツグ!!大変です!!」
切嗣(なんだ……?)
セイバー「アーチャーが中庭に現れました!!」
切嗣「?!」
セイバー「ついでにイリヤスフィールが人質に!!」
切嗣「……」ダダッ
セイバー「キリツグ!!私もいきます!!」テテテッ
切嗣(そんなことあるわけ……!!結界をすり抜けてきたのか……!!!)
切嗣「イリヤ……!!!」ダダダッ
アイリ「ふわぁぁ……ん?おはよう、切嗣、セイバー?」
切嗣「アイリ!!イリヤが大変だ!!すぐにパジャマからいつもの服に着替えて中庭に!!」
アイリ「え?え?」
セイバー「アイリスフィール、お早うございます。ゆっくりでいいですよ?」
アイリ「なに?なにがあったの?」
アーチャー「ふはははははは!!!!」
イリヤ「うわーん!!たすけてー!!」ポロポロ
アーチャー「ふはははは!!!あーっはっはっはっは……ごほっごほっ……あーっはっはっは!!!」
イリヤ「だいじょうぶ?」
アーチャー「黙っていろ」
イリヤ「うん」
アーチャー「ふははははは!!!!」
イリヤ「……」
アーチャー「助けを乞え」
イリヤ「おかあさまぁ!!たすけてぇ!!」ポロポロ
切嗣「イリヤ!!」
セイバー「大丈夫ですか!!」
アイリ「う、うそ……!?イリヤ……!?」
アーチャー「やっときたかぁ!!待ちくたびれて五分ほど居眠りしていたわぁ!!」
アーチャー「なんだぁ?きこえんなぁ?」
アイリ「イリヤー!!」
イリヤ「たすけてよぉ!!!おかあさまぁ!!」ポロポロ
アーチャー「ふはははは!!!」
切嗣「なにが目的だ!!」
アーチャー「すぐに分かる。それまでこの愛娘に注視していろ、雑種ぅ!!」
イリヤ「やだぁー!!」ポロポロ
切嗣「ぐっ……!!!」
アイリ「あぁ……イリヤ……イリヤ……」オロオロ
セイバー(今です)コソコソ
セイバー(今なら確実にキリツグのほっぺたを突ける……!!)
アーチャー(もう少しだセイバー)
イリヤ(がんばって、セイバー)
舞弥「―――そこまでだっ!!」
舞弥「はっ!!」ガバッ
イリヤ「きゃん!?」
セイバー「え?」
舞弥「切嗣。助け出しました」
切嗣「舞弥……」
舞弥「……これが私の最後の仕事です」
アイリ「え?どういう……」
イリヤ「……」
セイバー「……」
アーチャー「あれ……?」
切嗣「舞弥……やはり君は最高のパートナーだ」
舞弥「切嗣……」
アイリ「よかった……イリヤ……」ギュゥゥ
セイバー(今しかない!!!)ガバッ
セイバー「よけられた!?」
切嗣「……」
セイバー「……」
舞弥「あとはアーチャーだけです」
アイリ「セイバー!!お願い!!」
セイバー「え……」
アーチャー「ぬぅぅ……ばかなぁ……!!!」
アイリ「セイバー!!いまよ!!」
セイバー「エクス―――」ウルウル
アーチャー「セイバー!?」
セイバー(許してください!!アーチャー!!)
セイバー「カリバァァァ!!!!」ポロポロ
アーチャー「セイバァァァァァ―――!!!!」ドォォォン
セイバー「はぁ……はぁ……」ポロポロ
イリヤ「う、うん」
アイリ「怪我は?」
イリヤ「大丈夫……」
舞弥「それはよかった」
セイバー「うぅ……申し訳……ありません……アーチャー……あーちゃぁ……」
アーチャー「―――ふんっ!!」
セイバー「アーチャー!!」
アーチャー「我があの程度で死ぬものか!!」
セイバー「よかったぁ……」
アーチャー「しかし、失敗だな」ナデナデ
セイバー「申し訳ありません。英雄王の力まで借りたというのに……」
アーチャー「落ち込むな。まだ手はある」ナデナデ
セイバー「え?」
アーチャー「我は王ぞ?不可能などない!」
切嗣「……ん?」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「―――あのように常に警戒されているのですが」
アーチャー「問題はない」
セイバー「信じます」
アーチャー「ふんっ」
イリヤ「あ、ピカピカの人」
アーチャー「しっ!」
イリヤ「なに?またなにかするの?」
アーチャー「黙っていろ」
イリヤ「うん」
セイバー「どうするのですか?」
アーチャー「―――雑種ぅ!!我はまだ死んでおらんぞぉ!!」バッ
切嗣「……!?」
舞弥「……」ダダダッ
アーチャー「そこだ!!」シュッ
舞弥「うっ!?」
アーチャー「動くな。それ以上、我に近づいてみろ?両足を破断する」
切嗣「目的はなんだ?イリヤか?」
アーチャー「いいや。こいつだぁ!!」グッ
アイリ「うっ……!!」
切嗣「アイリ!?」
アーチャー「こいつさえいれば聖杯は手の内にあるようなものだ!!ふはははは!!!!」
切嗣「……」
セイバー「……」コソコソ
イリヤ「……おかあさまぁ!!」
アイリ「(なにが目的なの……?貴方ほどの英雄なら……こんなことしなくても……)」
アーチャー「(人形の分際で吼えるな。あの男の後ろに世界中の愛を一手に受けて尚、正当な評価には値しないセイバーがいるのだぞ?)」
アーチャー「ふんっ。日の高いうちから寝言か?」
切嗣「……」
セイバー(よぉし……)ソーッ
アーチャー「貴様の矮小な命では代えられんなぁ!!」
アイリ(セイバー!?なにしてるの?!)
切嗣「アイリ……ごめん」チャカ
アーチャー「ほう……妻を穿つか?」
切嗣「ああ……聖杯は渡せない」
アーチャー「……」
アーチャー(セイバー。はやくしろ。この男、本気だ)
セイバー「……きりつぐ」トントン
切嗣「アイリ……」
セイバー「あれ……?きりつぐ?きりつぐー?きりつぐっ!」トントン
切嗣「……」
切嗣「……」グッ
アーチャー「貴様……!?」
アイリ「……」
セイバー「キリツグ!!どうしてですかぁ!!キリツグ!!!」ユサユサ
切嗣「せめて……僕の手で……」
アーチャー「……!?」
アイリ「おねがい……」
アーチャー「ゲート・オブ・バビロン!!!」ドンドンドン
切嗣「くっ!?」
セイバー「きりつぐー」トントン
切嗣「いいかげんに―――!!!」
ぷにっ
セイバー「やりました!ついにひっかかりましたね!きりつぐー!!」
切嗣「……」
切嗣「……」
アイリ「え……?」
イリヤ「やったわね!セイバー!!」
セイバー「はい!」
アーチャー「よくやったぞ!!」
セイバー「はいっ。これもアーチャーのおかげですっ」
アーチャー「ふん。ただのきまぐれだ。もう二度とないと思え」
セイバー「アーチャー……ありがとうございます」
アーチャー「ふ……ふんっ!王が気安く頭を垂れるな!!威厳が落ちるぞっ!!」
セイバー「はいっ♪」
アーチャー「全く。世話のやけるやつだ」ナデナデ
セイバー「ふふっ」
舞弥「まさ、か……この悪戯のためだけに……?」
切嗣「……」ピキッ
切嗣「……」スタスタ
アイリ「あ……切嗣?」
切嗣「……」スタスタ
舞弥「……南無」
アーチャー「あははは―――あ?」
切嗣「……」スタスタ
イリヤ「え……?」
切嗣「……」ピタッ
セイバー「ん?お二人ともどうかしましたか?」
切嗣「……」トントン
セイバー(ふっ……キリツグですね。ここはアイリスフィールのように叩かれた肩とは反対の方向に……)
セイバー「なんです―――」
切嗣「……」プニッ
セイバー「……裏をかかれたぁー!!!」ガーン
セイバー「まって……きりつぐ……!!」
アイリ「切嗣……」
切嗣「下らない。僕は一休みする」
イリヤ「あー、キリツグは私とお母様から受けてるから学習したのかも」
舞弥(あと私です)
アーチャー「ほう……。あの男、中々やるではないか」
セイバー「くやしい……!!くやしい……!!まさか……逆とは……!!」
イリヤ「セイバー、またがんばろうね」
アーチャー「そうだ。まだまだ機会はある。王が下民に劣っていいはずがない」
セイバー「そ、そうです!!私は負けません!!」
イリヤ「がんばれー!!」
アーチャー「その意気だ」
セイバー「きりつぐー!!またリベンジしますからねー!!!」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「きりつぐー」トントン
切嗣「……」クルッ
セイバー「な……!?今日は逆ではなく正攻法……!?」
切嗣「ふっ……」スタスタ
セイバー「くそぉ!!キリツグにだけは勝てない……!!」
アイリ「セイバー、誰にも勝ってないわよ?」
イリヤ「ずっと負けてるよ?―――ほら、元気だして」ポンッ
セイバー「ありがとうございます、イリヤスフィ―――」クルッ
イリヤ「とう」プニッ
セイバー「はげましゅたんじゃにゃかったのでしゅね……」
イリヤ「あはは」
アイリ「ふふふ、セイバーには悪戯のし甲斐があって楽しいわ」
セイバー「次は!!次こそはぁ!!!私がぷにっとする番ですっ!!!」
おしまい。
癒されたわ
乙
乙
乙でした
Entry ⇒ 2012.03.16 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
セイバー「エクスカリバーをなくしました」切嗣「え?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330180430/
セイバー「だからインビジブルエアも使えません」チラッ
切嗣「・・・・・(どうしよう どうしよう)」オロオロ
セイバー(焦ってるwww焦ってるwww)
セイバー「剣がないとマスターを守り抜く自信がありません」
切嗣「・・・(探しに行こう)」ガタッ
セイバー「探しに行くんですか?私も同行しましょう」
切嗣「・・(無視)」スタスタ
セイバー「一つ言っておきますが、インビジブルエアが発動しているので探すのは非常に困難ですよ」
切嗣「・・・・・・・」
セイバー(これでかまってもらえるはず)チラッチラッ
切嗣「・・・(ヤバい どうする?)」オロオロ
セイバー「どうしました?切嗣」
切嗣「・・・・」レイジュキュイン
セイバー「!!・・・くっ」
切嗣「・・(ん? 令呪が効かない?)」
セイバー(なんとか対魔力で持ちこたえました・・)
切嗣「・・(くそっ、もう一個使うか?ああ でも)」
切嗣「・・探すぞセイバー(しかたないセイバーと二人で探すか)」orz
セイバー「はい」ニヤニヤ
セイバー「ニヤニヤ」ニヤニヤ
切嗣「・・・(セイバーの視線が気持ち悪いんだが)」スタスタ
セイバー「このあたりです切嗣、このあたりでなくしました」
セイバー(嘘ですけどwwwwwwww)ニヤニヤニヤ
セイバー(そもそもなくしたこと自体嘘なんだしww)ニヤニヤニヤニヤ
切嗣「探すぞセイバー(うぅ・・なんだセイバーの視線・・)」
セイバー「はい切嗣(焦っている切嗣かわいいよハアハア)」ニヤニヤニヤニヤ
切嗣「・・(早く見つけないと)」ガサガサ
セイバー(絶対焦ってるwww絶対焦ってるwww)ニヤニヤニヤニヤニヤニヤ
ランサー「そこで何をしているセイバー!!」
切嗣「な・・!?(しまった)」
ランサー「我が主に命じられセイバーのマスター、お前の命を奪いにきた」カチャ
セイバー「ちっ(せっかく切嗣を攻略しようとしてたのに)」
セイバー「ほ・・宝具をなくしまして・・(はよ帰れよks)」
切嗣(馬鹿!!なんでしゃべるんだよ)
ランサー「むっそうであったか」
ランサー(武器を持たぬ敵をどうして攻撃できようか・・)
ランサー「分かった私も探そう」
切嗣(え・・?)
セイバー「う、うむ」
切嗣「・・・(応援?)」ガサガサ
セイバー「早く探しましょう切嗣、イヤな予感がします」
切嗣「・・・(なんかもう早く帰りたい)」
ランサー「すまない待たせた」スタッ シュバ スト
切嗣「・・・・(ふぇ!?)」
キャスター「おぉジャンヌ 私めも手伝いしまする」
バーサーカー「■■■・・・(なんで俺も)」
アーチャー「べ・・別にセイバーの為に探しに来たんじゃないんだからな」
セイバー(・・・ランサーェ・・・)
ランサー「皆すまない、セイバーの宝具探しに協力してくれ」
切嗣「・・(聖杯・・戦争・・?)」
一番探索向きのやついねえぞ
ウェイバー「わああああ服が伸びる!!そこを掴むなライダー」バタバタ
ウェイバー「探せばいいんでしょ?探せば!!」
キャスター「言われるまでもなく わが身は性処女の為」
バーサーカー「■■■■」
アーチャー「ふんっ今日だけだからな」
切嗣「・・(まぁいいや)」
セイバー(どうしよう 今頃持ってるなんて言えない)アセッアセッ
ランサー「だってお前が最初に消したじゃん」
アーチャー「そ・・そうか・・(妄想心音は秘密だったな)」
ライダー「アーチャーよ何か探し物に便利な道具もっておらぬか?」
アーチャー「ほらよ」ガサッ
ライダー「おお。これは取り寄せバッグ」パシッ
切嗣「・・(あのアーチャーの真明はドラ○もんか・・・)」
セイバー「させるか!!!」シュバ
ライダー「ぬっ!?」
セイバー「はぁ!」バキッ
ライダー「取り寄せバッグが・・・」
セイバー「はぁ・・はぁ・・みんなで探した方が楽しいじゃないですか」グシャッグシャッ
ライダー「それもそうか」
セイバー(はぁ・・はぁ・・あと一秒遅れていたらバレてた)
セイバー「お・・おぅ・・」
キャスター「おまかせ下さい、螺湮城教本(マニフェスト)!!」
セイバー「・・・(オ、オエーAA略)」
キャスター「これで使い魔を数多く呼びました どうですジャンヌ?」
セイバー「い・・いいんじゃないかな?」
切嗣「・・(あれがキャスターの宝具か)」
切嗣「・・(な・・なんだ!?膨大な魔力がライダーに集まっている!?)」
ライダー「王の軍勢!!」ギュオオオオオオオオオオオオオオオ
ランサー「なに!?」
セイバー「な・・・」
切嗣「・・・(あれがライダーの宝具か)」
切嗣「・・(固有結界を使うなんてなんてサーヴァントだ・・)」
バーサーカー「■■■■(これからもアーサーをよろしく頼みます)」コレアゲル
切嗣「ラーメン一杯無料クーポン?」
ランサー「なかなか見つかりませんね」
ライダー「ああ、これだけ探してもないのなら別の場所に移動した可能性が高い」
ヘタイロイ「然り 然り 然り」
キャスター「龍之介が心配になってきました、失礼ですがこのあたりで。」バシュン
バーサーカー「■■■■■■(そろそろおじさんが心配してるかな)」バシュン
アーチャー「我はまだ探してもよいぞ」
セイバー「あ。。ありがとう(早く帰ってくれないかな)」アセアセ
セイバー(否っ騎士としてそんなことができるわけない)グウウウウ
ランサー「お腹がすいたのか?セイバー」
セイバー「そのようです(汗」
ライダー「無理もない、ずっとエクスカリバーを探していたんだからな」
切嗣「セイバー」
セイバー「なんですか?切嗣」
切嗣「・・・」コレヲツカエ
セイバー「麺無料券?宝具化されていて10人までならいけますよ」
切嗣「!?」
アーチャー「いやぁ・・なかなかこの中華そばという物は珍味だな」
ランサー「このチャーシュー・・いい味を出している」
セイバー「おいしいですね」
切嗣「・・・(うまい)」
ライダー「酒が飲みたくなってきたわい・・」
アーチャー「ほらよ」ポイッ
セイバー「私もいただいていいですか?」
アーチャー「残すなよ」
ウェイバー「お前ら戦争する気ないだろ」
セイバー「ヒック・・・」
セイバー「まずい・・もう一杯・・」グビッ
ランサー「まだ飲むのか?セイバー」
セイバー「これが飲まずにいられるか・・グビッ」
セイバー「切嗣には無視されるし、幸運ヒックいし・・・」
ライダー「なあアーチャー・・この小娘のどこが可愛いのだ?」
アーチャー「そうか?アレに罵倒されればなかなかいいと思わんか?」
セイバー「・・・ヒック・・・ランサーには親指斬られるし・・」ゴクゴク
ランサー「ご・・ごめんなさい」
切嗣「・・(帰っていいのかな?)」
セイバー「ああ。くそぉ!!切嗣の気を引くために宝具なくしたフリして・・ヒック」
セイバー「二人きりの時間を・・ヒック、過ごそうとおもっていたのに・・グビッ」
セイバー「あの・・糞ランサーが・・・グヒッ」
ランサーライダーアーチャーウェイバー「何!?」
切嗣「・・(そういうことか・・・)」
セイバー「うえーヒック」
アーチャー「まさかこんな下らんことの為に我を使役したのか!」
セイバー「・・・うーい」
アーチャー「いくらセイバーといえど生かしてはおけぬ・・」
セイバー「知らねえよ・・・・ペッ」ペチャ
切嗣「・・・(つば飛ばした)」
アーチャー「・・・・・・」
ライダー「どうした?アーチャー」
アーチャー(セイバーのつば・・・セイバーのつば・・・)ニヤニヤ
セイバー「ウリウリ・・何顔赤くしてんだ・・」ツンツン
アーチャー(くそっなんて可愛いんだ・・)ハアハア
セイバー「・・・ヒック」
アーチャー「ライダーあとは頼む、トイレをさ・・さっきまで我慢していたからな」シュン
ライダー「てっ・・おいトイレで帰るな」
切嗣「・・・(アーチャー・・・まさか!?)」
ライダー「さ・・さあな(お前分かってるだろ)」
セイバー「糞ランサーここに・・ヒック星座しろ」ビッ
ランサー「は・・はぁ・・」スタッ
切嗣「ライダー」クルッ
ライダー「なんだ?セイバーのマスター?」
切嗣「アーチャーの後を追わないか?」
ライダー「お・・おう」
切嗣「でもさ性格がツンデレじゃん?」
ライダー「う・・うむ」
切嗣「絶対告白できねーじゃん・・ヒック」
ライダー(お前もかwwww)
切嗣「だから俺達がフォローしてやるんだよ」
ライダー「うむ」
切嗣「俺のセレナじゃ追い付けないからお前のチャリオットが必要なんだよ」
ライダー「しかたないか・・(割とおもしろそうだけどな)」
切嗣「・・・zZzZZ」バタン
ライダー「寝てしまったか」
ライダー「ここまで来たら性服王として引き下がれんな」
ライダー「余一人でもアーチャーを助けてやるぞ」
ライダー「お、アーチャーめ海辺に戻っていたか」
アーチャー「ん?ライダーか」ザッ
アーチャー「何用だ?何もないなら早々と去れ」
ライダー「単刀直入に言う」
ライダー「アーチャー・・おぬしセイバーのことが好きだろ?」
アーチャー「!・・いや、あんな奴のどこが・・・」
ライダー「でも好きなんだろ?」ニカッ
アーチャー「・・・・」
ライダー「たまには素直になれよ」サスッ
アーチャー「・・・・」
ライダー「いつも強がってるけど、それは本当の自分を見せたくなかったからだろ?」
アーチャー「!」スクッ
アーチャー「そんなこと」
ライダー「誰よりも孤高で誰よりも王らしくあらねばならぬと」
ライダー「適当な理由を付け自分を正当化し、誰よりも性格が悪い己を隠した」
アーチャー「ちが・・う・・・」
ライダー「本当にか?」
ライダー「そんなことはあるまい、余もそんな時があったのだからな」
ライダー「アーチャーよおまえは昔の余に似ている」
ライダー「素直になれ・・と・・」
アーチャー「ライダー?」
ライダー「いくら性格が悪かったってツンデレだって」
ライダー「あのセイバーが素直な者の心を拒むはずがないだろ?」
アーチャー「・・・しかし」
ライダー「あまったれるなァ―――!」バシン
アーチャー「ぐっ・・」ドサッ
ライダー「何が孤高だ?何が法だ?」
ライダー「全て自分を隠すためではないか!!」
ライダー「なあ英雄王・・・一度でもいい・・」
ライダー「セイバーに気持ちを伝えたらどうだ?」
アーチャー「・・俺に・・俺にできるかな?」
ライダー「ああ・・殴られてすっきりしただろ・・」
アーチャー「うあ・・ライダー・・うわああああああああああああああん」
ライダー「泣くな英雄王・・昔の余を思い出してしまう・・」
ケイネス「このたびはランサーがご迷惑をかけて申し上げません・・・」
ランサー「すいません」
セイバー「いやっ、酔ってしまった私も悪いんだ」
ランサー「騎士として、このようなことはもうしません」
セイバー「そ・・そうか・・では達者でな」シュパ
セイバー(麺屋でランサーに説教をしてしまった気がするのだが・・・)
セイバー(まったく覚えていない)
セイバー「・・・説教?」
セイバー「マスターがいない!?探さなくては!?」シュタン
セイバー「切嗣!!」
切嗣「zzzzzz・・・」
セイバー「良かった無事で」
切嗣「ん・・・ふあ、セイバー?」
セイバー「目をさましましたか切嗣」
セイバー「私がランサーを説教している間何があったのですか?」
切嗣「ん・・んあ・・・・え・・と(言えるわけない 言えるわけない)」
セイバー「さあアインツベン城に帰りましょう」
切嗣「・・・・(話した方がいいのかな)」
切嗣「・・(いやっその前に・・)」
セイバー「へ・・」
切嗣「エクスカリバーをなくしたなどと嘘をついて」
セイバー「それは・・」
切嗣「令呪を持って命ずる 契約を破棄しろセイバー」
セイバー「キ・・切嗣ううううううう」
セイバー「アーチャー・・ですか・・」
セイバー「私はもうダメです。契約を切られ現界していられるのも残り数分・・」
アーチャー「・・聞いてくれセイバー」
アーチャー「我はお前が・・お前が好きだ」
セイバー「ふぇ?」
アーチャー「聖杯戦争を勝ち抜き受肉をすれば問題ない」
セイバー「え・・?」
アーチャー「よく見ておけセイバー・・これから見せるのが一生に一度の本気だ」グゴゴゴゴ
ブゥゥゥン
アーチャー「はぁああああああああああ!!」
ランサー「ぐほっうええええげええええええええ」ズバッシュパッバシュウ
ライダー「があっああああああああああうあああああああああ」ズッシュサックズバッガシュッ
キャスター「ひえええええええ」ズバンバシュ
アサシン「うあああああああああああああああああ」スザッシュグシャズゴッ
アーチャー「エヌマ・エリシュ!!」
バーサーカー「■■■■■・・・・・・・・!!!」シュンンンンンン
アーチャー「さあセイバー聖杯だ・・・」
聖杯(アイリ)「ちょwwwwおまwwww」
アーチャー「セイバーに受肉させてやってくれ」
聖杯「あいよっ」
セイバー「なんだこの黒い泥は・・うわああ・・ああああああああああ」ゴクゴク
アーチャー「ど・・どうなってるんだ!?」
聖杯「願いはかなえたわ」
アーチャー「セイバー・・?」
オルタ「誰に口を聞いていると思っている」
オルタ「だが中々かっこよかったぞギルガメッシュ」
アーチャー「は・・はい」
オルタ「貴様・・私を好きだと言ったな?」
アーチャー「・・そうだ我はお前が好きだ、その気持ちは揺るがない」
オルタ「そうか・・・覚悟はできているな?」
オルタ「私に罵倒される日々をな!」
アーチャー「喜んで・・」
オルタ「ギルガメッシュ・・そこのマヨネーズを持て」
ギル「は・・はい」ササッ
オルタ「ふふ・・褒美だ四つんばいになれ」スタッ
ギル「はい!」シュバ
オルタ「ウリッ、ウリリリ気持ちいいか?ギルガメッシュ」ドスッドスッ
ギル「あ・・ありがとうございます!!!!!」ハアハア
オルタ「フフフ・・」
ギル「ハハハ・・・」
オルタ「ギルガメッシュ・・」
ギル「なんだ?セイバー?」
オルタ「たまには・・私も・・罵倒してくれないか///」
ギル「まかせるがいい、我の罵倒はお前の比じゃないからな」
オルタ「楽しみにしてるぞ AUO」
-完ー
速攻で作ったからクオリティ低くてすいません
今度は第五回の方でヨロ
Entry ⇒ 2012.02.29 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
凛「携帯電話なんて通話できればいいでしょ?」セイバー「ですね」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328925082/
凛「……」
凛(携帯電話、買ったはいいけど……使い道がないのよね……)
三枝「蒔ちゃん、昨日のメールどういう意味なの?」
蒔寺「え?面白くなかった?」
三枝「いや、だって……『( ゚Д゚)y─┛ゆきっちぃ、フォォ』だもん。意味、分からないよ?」
蒔寺「駄目だな。分かったないなぁ、ゆきっちはよぉ」
三枝「ご、ごめんね?」
氷室「お前のメールほど金の無駄遣いはないな」
蒔寺「へっへーん。しらないのかぁ?メールはただなんだぜ?」
氷室「……まぁいい」
凛(メールか……できれば楽しいのかしら……?)
凛「ただいまぁ」
大河「おふぇりー」ポチポチ
凛「あら?藤村先生、メールですか?」
大河「うん。学生時代の友達にねー。よし、送信っと」
凛「……」
大河「なに?どうかした?」
凛「メールって楽しいものですか?」
大河「そうね。気軽に連絡取り合えるしね」
凛「ふーん」
大河「遠坂さんもしてみたいの?」
凛「いえ。携帯電話なんて通話できればいいと思いますし」
大河「そう?寂しいと思うけど」
凛「機能過多なんですよ。はっきりいって」
大河「まあ、そうかもね」
凛(とはいっても……電話をかけるのもこれ、結構難しいのよね……)
凛「えっと……番号を押して……」
凛「このボタンをおせば……」ピッ
トゥルルルル
凛「あは、繋がったわ。うん。これぐらいはできるわよ、私だって」
セイバー「もしもし、衛宮ですが」
凛「もしもし?遠坂凛よ」
セイバー「リン?居間に居たのでは?」
凛「ふふー。瞬間移動よ」
セイバー「いつのまにそんな魔術を……」
凛「すごいでしょー」エッヘン
士郎「遠坂、電話代の無駄だからそういうことするな」
凛「え?タダって聞いたけど?」
士郎「誰にだ……」
士郎「当然だろ」
凛「あわわ……」
士郎「全く」
セイバー「リン!?もう戻ったのですか!?」
凛「まあね」
セイバー「魔法の域ではありませんか」
凛「ふっ。これぐらいはできないとね」
セイバー「流石ですね」
凛「ふふーん」
士郎「……」
桜「せんぱーい、ただいまー」
士郎「悪いな、買出し頼んで」
桜「いえ。気にしないでください」
桜「あ……メールだ」
凛「?!」
士郎「桜、携帯電話買ったのか?」
桜「はい。最近、兄さんがよく夕食に帰ってこないので、思い切って買いました」
士郎「どういうことだ……」
桜「これがあればいつでも兄さんを呼び戻せるんで」
士郎「そ、そうか」
桜「あと部活の連絡なんかもすぐにできるので、便利です」
士郎「ま、そうだろうな。今のメールは?」
桜「美綴先輩からです」
士郎「そっか」
凛「……ねえ、桜?」
桜「はい?」
凛「メール……楽しいの?」
凛「ふーん」
桜「あ、返信、返信っと」
セイバー「間桐の者は全員所持しているのですか?」
桜「はい。私と兄さん、ライダーにも」
士郎「ライダーもか?」
桜「ほら、ライダーはアルバイトしているのですぐに連絡をとれるものが欲しかったみたいで」
士郎「なるほどな」
凛「……」
桜「そういえば、姉さんも携帯電話もっているんですよね?」
凛「え、ええ」
桜「交換しませんか?」
凛「いやよ。これは私が買った携帯電話なんだから」
桜「はい?」
凛「なんでわざわざ交換しなきゃいけないの?」
士郎「遠坂、この場合の交換っていうのは携帯電話の番号とアドレスのことだ」
凛「番号を交換?なにそれ、めちゃくちゃね。まだ、自分の番号だって覚えてないのに」
士郎「違う。互いの番号を教えあうってことだ」
凛「あ、そうなの?」
桜「姉さん……」
凛「わかったわ。じゃあ、ちょっと待ってね」
凛「士郎、紙とペン」
桜「姉さん、赤外線でできますよ?」
凛「赤外線?なによそれ?」
桜「えっとですね……貸して下さい」
凛「……なによ?」
桜「ここを押して……メニュー画面から……ここを選択するんです」
凛「ふーん」
桜「で、ここの部分を合わせれば……はい、完了です」
桜「じゃあ、掛けてみますね」ピッ
ピリリリ
凛「わぁ!?」
士郎「なんで驚くんだ?」
凛「こ、これが鳴ったの初めてなのよ……。で、どこを押せばいいわけ……?」オロオロ
桜「……」
凛「え?あ、ここね」ピッ
桜「姉さん、切らないでください」
凛「え?うそ?あ、こっちか」ピッ
凛「もしもーし」
桜「もう遅いですから」
士郎「遠坂……」
凛「な、なによ!!まだ慣れてないんだから仕方ないでしょ!!」
セイバー「……」
セイバー「リン」
凛「ん?」
セイバー「以前、シロウから聞いたのですが、携帯電話は通話とメールのほかにも色々なものが備わっているとか」
凛「どうでもいいわ。緊急連絡用の道具なんだから」
セイバー「しかし、もたらされた能力を100%使わないのは宝の持ち腐れでは?」
凛「……」
セイバー「リンともあろう者がそこを妥協してしまうのですか?」
凛「なに?セイバー、興味あるの?」
セイバー「い、いえ……そういうわけでは……」
凛「隠さなくてもいいわよ。はい、どうぞ」
セイバー「え?触ってもいいのですか?」
凛「壊さないでね?」
セイバー「ど、どうも……えーと……」ポチポチ
凛(ふふ、新しい玩具を与えられた子どもみたいね)
凛「え?なに?」
セイバー「……そのまま動かないでください」
凛「ちょ……なによ!!まさか、ビームでもでるの?!」
セイバー「……」カシャ
凛「……え?」
セイバー「ほら、見てください」
凛「なになに?あ、私だ」
セイバー「写真機の機能ですね」
凛「うそ?電話なのにカメラになるの?なんで?」
セイバー「それはしりませんが……」
凛「私もやりたい!貸して」
セイバー「どうぞ」
凛「えっと……」ポチポチ
凛「んー……?ちょっと、いつもの画面に戻ったわよ?どういうこと?」
凛「どうやって?」
セイバー「中央のボタンを押してください」
凛「こう?」
セイバー「それはダイヤルボタンの5です」
凛「中央って言ったじゃない」
セイバー「えっと……この上のほうです」
凛「なんだ、初めからそういってよ」
セイバー「申し訳ありません。言葉足らずでした」
凛「はい、押したわよ」
セイバー「それからここを選択するのです」
凛「わかったわ……」グッ
セイバー「リン、この携帯は画面を押さえても選択できませんよ?」
凛「じゃあ、どうやるのよ?」
セイバー「……」イラッ
凛「あー、なるほどねー」
セイバー「そのカーソルをカメラと表示されているところに合わせます」
凛「ふんふん」
セイバー「で、真ん中のボタンを押してください」
凛「とう。―――あ、できたわ!!」
セイバー「おめでとうございます」
凛「へー、なるほどねー。セイバー、一枚いいかしら?」
セイバー「どうぞ」
凛「……で、シャッターはどこで切るの?」
セイバー「それも真ん中です」
凛「なるほど。わかってきたわ」カシャ
セイバー「どうですか?」
凛「みてよ!!これ!良く撮れてると思わない?!」
セイバー「ええ。素晴らしいですね」
士郎「なんだ?」
凛「これ、私がとったの!どう?どう?」
士郎「ああ、綺麗に撮れてるじゃないか」
凛「そうよねぇ。うんうん」
凛「さくらー」
桜「どうしたんですか?」
凛「みてー、これ、私がとったの」
桜「このよく撮れていますね」
凛「でしょー?ふふん。かなり慣れてきた感じね」
セイバー「随分と嬉しそうですね」
凛「え?そんなことないわ。遠坂は常に優雅たれ、ですもの」
セイバー「そうですか。それより、写真を撮ったら」
凛「現像ね。どうするの?」
セイバー「いえ、保存をしましょう」
セイバー「その写真を携帯の中に保存するのです」
凛「へー。すごいのね」
セイバー「ここを押せばできますよ」
凛「ふんふん……保存しました、だって」
セイバー「それで完了ですね」
凛「なるほど。携帯電話も中々、すごいじゃない。見直したわ」
セイバー「他にも色々と機能があるでしょうから自分なりに探ってみるのもいいのでは?」
凛「ええ。そしてみるわ!」
セイバー「……」
凛「ふんふーん」ポチポチ
凛「あ、あれ……?」
凛「なにこれ……ん……?」
凛「あ、れ……?変なのがでてきた……え?着信設定ってなに……なにこれ?故障?」オロオロ
セイバー「リン、貸して下さい」
士郎「なんだ、今日は帰るのか」
凛「うん。ちょっと用事もあるしね」
士郎「わかった。また、明日な」
凛「ええ。それじゃあね」
桜「姉さん、携帯電話に四苦八苦してましたね」
士郎「ま、遠坂だからな」
セイバー「シロウ……」
士郎「ん?」
セイバー「あの……その……」
士郎「どうした?」
セイバー「差し出がましいお願いをしたいのですが……」
士郎「珍しいな。なんだ?」
セイバー「私にも携帯電話なるものを……与えてくれませんか?」
士郎「……なんでさ?」
凛「ただいまー」
アーチャー「おかえり」
凛「……さてと」
凛「アーチャー。こっちを向きなさい」
アーチャー「なにかな?」
凛「えい」カシャ
アーチャー「……?」
凛「どう?携帯電話のカメラよ。電話にカメラを付加させるなんて発想、頭がいかれてるわね開発者は」
アーチャー「それで?」
凛「みて。―――保存」ピッ
アーチャー「……」
凛「ふふーん」
アーチャー「では、今保存した写真を出してみてくれ」
凛「え?出すって?そんなの写真屋さんじゃないと無理よ。現像するときまでのお楽しみね」
凛「そうじゃないの?カメラって基本、そうでしょ?」
アーチャー「……」
凛「な、なによ……?」
アーチャー「いいか?デジタル化された電子データとしてだな」
凛「??????」
アーチャー「もういい。貸せ」
凛「あ……」
アーチャー「いいか?ここのフォルダというところを選択する」
凛「うん」
アーチャー「すると、保存した写真が閲覧できる」
凛「す、すごいじゃない!!」
アーチャー「それぐらい触っていればわかるだろうに」
凛「こ、壊れたら大変じゃないの……!」
アーチャー「携帯電話はそんなに柔ではない」
ピリリリ
凛「あ、電話。はい、遠坂ですけど?」
凛「あれ?もしもし?もしもーし?」
アーチャー「凛、良く見ろ」
凛「え?押すボタンは間違えてないと思うけど……」
アーチャー「違う。着信ではない。その携帯は今、受信したんだ」
凛「電波を?」
アーチャー「……メールだ」
凛「ふーん。メールね……えっと……どうするのかしら……?」
アーチャー「……」
凛「あれ……ここかしら……?ん?アプリを選択?ここにメールが……?」
アーチャー「……」イラッ
凛「もう!!腹たつわね!!」
アーチャー「もういい!貸してみろ!!見てられん!!」
アーチャー「どうやら桜からメールが届いたようだな。ほら」
凛「んー?」
『姉さん、明日の晩御飯はどうしますか?』
凛「そっか。この程度の連絡を交わすのにメールは適しているわけね」
凛「……」
アーチャー「どうした?」
凛「返事はどうやって返せばいいの?」
アーチャー「そこからか……。返信というところがあるだろ?」
凛「あるわね」ピッ
アーチャー「で、文字を打つ」
凛「……どこで?」
アーチャー「ダイヤルボタンだ。1があ行、2がか行になっているだろう」
凛「連続で押せば文字がかわるのね。ふんふん……」ポチポチ
アーチャー「全く、猫に小判だな」
桜「あ、姉さんから帰ってきた」
桜「どれどれ……」
『あしたはわたしがつくるからさくらはかえつてまつてていいわよ』
桜「……」
ライダー「桜?画面を見て硬直していますが、なにか?」
桜「ううん。驚いただけ」
ライダー「そうですか」
桜「えっと……分かりましたっと」ポチポチ
桜「送信」
ライダー「……しかし、桜。私まで携帯電話を頂いてよかったのですか?」
桜「うん。気にしないでいいよ」
ライダー「ありがとうございます」
桜「使いこなしてる?」
ライダー「まぁ、なんとなくは。このお財布ケータイという機能が非常に便利ですね。簡素な買い物ならすぐに済みますし」
士郎「うーん……」
ライダー「士郎、まだ寝ないのですか?」
士郎「あ、ライダー」
ライダー「それは……携帯電話のカタログですか」
士郎「藤ねえに頼んで持ってきてもらったんだ」
ライダー「どうして?」
士郎「俺も携帯持ったほうがいいかなって」
ライダー「え?」
士郎「実は考えてなかったわけじゃないんだ。ネコさんも持ってくれたほうがありがたいって言ってたし」
ライダー「なるほど。私と同様に仕事のためですか」
士郎「うん。あとセイバーがほしいっていってるから。この際、まとめて加入しようかなって」
ライダー「セイバーにですか?必要ですか、彼女に」
士郎「最近は外出することもあるし、欲しいんだってさ」
ライダー「無駄なようなきもしますが……」
士郎「俺はシンプルなのでいいかなって。通話とメールさえできれば文句ないし」
ライダー「ふむ」
士郎「ただ、セイバーはやっぱり最新のタッチパネル式のやつがいいかなって思うんだけど」
ライダー「え……」
士郎「携帯電話って結構するんだな」
ライダー「士郎?」
士郎「なんだ?」
ライダー「セイバーにそんな高機能の物を持たせる意味が……」
士郎「でも、俺と一緒のじゃセイバーは退屈だろうから」
ライダー「……」
士郎「ほら、色々機能があるしセイバーでも暇を潰せるんじゃないかなって」
ライダー「まあ、士郎がそういうなら止めませんが」
士郎「なんか問題でもあるのか?」
ライダー「いえ。なにも」
凛「ふぅ……もう寝ましょう……」
凛「よっと」パカッ
凛「あ、桜からメールが……」
『わかりました』
凛「……」ポチポチ
凛「うーん……と……」
『じやあそういうことでおやすみさくら』
凛「これでよし。送信っと」
凛「うん。結構いいじゃない、メールも」
凛「他にどんな機能があるのかしら……?」
凛「……」ポチポチ
凛「ふんふーん」
凛「ん?ダイヤルロック?なにかしら……?」ピッ
凛「……あ、あれ?暗証番号?え?ちょっと……なによこれ……」オロオロ
凛「あぁぁぁぁ!!!!このやろう!!機械の分際で!!!」ガンガン
アーチャー「なにをしている!!」
凛「……アーチャー……」
アーチャー「どうかしたのか?」
凛「携帯が壊れた……」オロオロ
アーチャー「……」
凛「何もしてないのに……。いきなり言うこと聞かなくなって……」
アーチャー「貸してみろ」
凛「直せる?」
アーチャー「どうせ、ロックでもしたのだろう?」
凛「知らないわよ……」
アーチャー「ふむ……暗証番号はどうせ設定していないのだろうから……1111、1234、9999のどれかだな」
アーチャー「―――ほら、直ったぞ」ポイッ
凛「あ、ありがとう……」
凛(携帯電話も色々と難しいわね。全く、主人の言うことぐらい聞きないよ)
携帯電話「」
凛(わかってんの、このこの)ツンツン
三枝「……」
氷室「どうした?」
三枝「あ、遠坂さんが携帯電話とお話してるみたいで」
蒔寺「うわ。遠坂ってああいうメルヘンなところがあったのか?」
氷室「うむ。見ようによっては持ち物を大事にしている、と解釈もできるが」
三枝「遠坂さんも可愛いところがあるんだね」
蒔寺「ああいうタイプは家でぬいぐるみと喋ってるのかもなぁ」
氷室「あまり想像したくはないな」
凛「……」ツンツン
凛(私のしたいことをさせてくれればいいんだからね)
美綴(遠坂、悩み事でもあるのか……?)
ピリリリ
凛「ん?えっと……これは……電話のほうね。―――はい、遠坂ですけど」
桜『姉さん、さっき先輩が夕飯の材料を買って帰るからって言ってました』
凛「あら、そうなの?」
桜『はい。なので姉さんはそのまま先輩の家に直行してください』
凛「わざわざありがとう」
桜『いえ。それでは』
凛「……」ピッ
凛「便利じゃない」
蒔寺「遠坂!!」
凛「あら?なにかしら?」
三枝「あ、あの……よかったら携帯番号とアドレス……おしえてください!!」
凛「え……」
氷室「無理なら構わないが、是非とも教えて欲しい」
三枝「あ、は、はい!!」アセアセ
凛「そんなに焦らなくてもいいわよ?」
三枝「あ、ああわわ……」
蒔寺「んじゃ、まずはわたしからー!はい、赤外線」
凛「ええ」スッ
蒔寺「……」
凛「……」
蒔寺「あれ?できないぞ?」
凛「え?うそ?」
蒔寺「もっかい」
凛「ええ」
蒔寺「おい。交換する気ないのか?私とは嫌なのか?!」
凛「あるけど……」
氷室「うむ。赤外線通信の画面に切り替わっていないな」
蒔寺「え?」
凛「え?」
三枝「あ、あの……遠坂さん。ちょっといいですか?」
凛「ええ」
三枝「よいしょ……」ポチッ
凛「……?」
三枝「えっと、このまま交換してもいいですか?」
凛「ええ。いいわよ」
三枝「ありがとうございます。ほら、蒔ちゃん、鐘ちゃん、携帯だして」
氷室「ああ」
蒔寺「これでいいか?」
三枝「……よし。ごめんなさい。勝手に触ってしまって」
凛「いいのよ。それじゃあ、いつでもメールしてね」
氷室(ふむ……由紀香は本当にできる子だな)
セイバー「おぉ……これが……タッチパネル式の……!!」
士郎「大事にしてくれると嬉しい」
セイバー「無論です。後生大事に扱います」
士郎「うれしいよ、セイバー」
セイバー「私も嬉しいです。では、早速……」
士郎「どうだ?」
セイバー「シロウ!!見てください、指をこうすると」スッ
士郎「すごいな!画面がうごくぞ!」
セイバー「これは楽しいですね」スッスッ
士郎(セイバーも喜んでるし、買ってよかったな。かなりの出費だけど)
セイバー「おぉ……ふむふむ。シロウの携帯番号が一番最初に登録されていますよ!」
士郎「一緒に加入したからな。入れてくれたんだろう」
セイバー「これならシロウの声がいつでもすぐに聞けますね」
士郎「あ、ああ……確かに」
士郎「ただいまー」
セイバー「……」スッスッ
凛「おかえり。どこかに行ってたの」
士郎「ちょっと、携帯を買いに」
凛「士郎もついに重い腰をあげたわけね」
士郎「ま、そういうことだ」
凛「ん?」
セイバー「……」スッスッ
凛「ちょっと、セイバーのそれ……」
士郎「今、流行の最新機種だ」
凛「な、なんで?」
士郎「セイバーも遠坂に触発されたんじゃないか?」
凛「……」
セイバー「……」スッスッ
凛「ええ。材料は置いてて」
士郎「わかった。さてと、洗濯物でもいれるか」
セイバー「おぉ……ふむふむ」スッスッ
凛「セイバー?」
セイバー「はい?」
凛「楽しい?」
セイバー「ええ。これは味わったのことのない感覚です」
凛「ふーん。ねね、すこし触らせてよ」
セイバー「はい。どうぞ」
凛「ふーん……」スッ
凛「おぉ……これはなんか面白いわね」
セイバー「ええ。シロウにはいくら感謝してもし尽くせません」
凛「よっと、ほっと……ん?」ガシャ
凛「あれ……?なんか項目がごっそりへった……?」
凛「え、ええ……そ、そうね」
凛(あれ……どこいったの……?あれー?)
凛(ちょっと……なによ!!第二魔法かなにかなの?!)
凛(どこ……どこにいったの……!!)オロオロ
セイバー「それさえあればシロウといつでも言葉を交わすことができる。私は本当に幸せです」
凛「……」オロオロ
セイバー「リン?」
凛「な、なに?!」
セイバー「どうかしたのですか?必死に画面をこすっていますが」
凛「なにもないわ!!これほんとに病みつきになるわー!!」
セイバー「そうですね。私も今日からその機器について学んで行こうと思います」
凛「そ、それがいいわね」
セイバー「では、リン。そろそろ―――」
凛「もうちょっと貸してて!!いやぁーこれすごいわねーここまで技術が発達するなんてーほほほ!!」アセアセ
凛「あ、そ、そうね!!そうよねー!!」
セイバー「……?」
凛(どうしよう……どうしよう……)ウルウル
凛(やだ……こんなの……やだ……)ウルウル
凛(セイバーは怒るんじゃない……きっと……)
セイバー『そうですか。私には縁がなかったということでしょう……残念です』
凛(だめよ……そんなの……!!!)
凛(なんとかしなきゃ……なんとか……!!)
凛「うぐっ……ぐすっ……」
セイバー「リン……?」
凛「……」スッスッ
セイバー「リン?」
凛「ちょっと黙ってて!!」
凛(どうしよう……どうしたら……!!)
士郎「遠坂?夕食の準備はどうした?」
凛「士郎……?!」
士郎「ん……?」
凛「あ……あのね……」オロオロ
士郎「遠坂、携帯鳴ってるぞ」
凛「え……?」
ピリリリ
凛「あ……えと……」ピッ
凛「も、もしもし……?」
アーチャー『やっと出たか。今日は帰らないのか?』
凛「う、うん……」
アーチャー『何かあったのか?』
凛「え……いや、なにも……」
凛「なにもないわよ」
アーチャー『そうか。衛宮士郎の家にいるのか?』
凛「え、ええ……」
アーチャー『わかった。五分でいく。それまでもたせろ』
凛「え?」
ブツッ
凛「あ、ちょっと!!」
凛「……」
士郎「誰からだ?」
凛「アーチャー、今からくるって」
士郎「なにしに?」
凛「さ、さぁ……」
セイバー「あの……そろそろ携帯を……」
凛「あ、あと五分だけ!!お願い!!」
凛「あ、うん……今日はやっぱり士郎がつくって」
士郎「わかった」
セイバー「リン、よほど気に入ったのですね」
凛「う、うん……まぁね」
ピンポーン
凛「あ、きた」
セイバー「……」スタスタ
セイバー「―――はい?」
アーチャー「私だ」
セイバー「どうぞ、開いています」
ガラッ
アーチャー「ありがとう」
凛「アーチャー!!!」ダダダッ
アーチャー「悩みの種はなんだ?早く出せ」
アーチャー「ふむ……」
セイバー「あの……それ、私の携帯なのですが……」
アーチャー「なるほど。アプリが吹っ飛んでいるな。器用に不器用なことをするな、君は」
凛「いや……触ってただけなんだけど……」
アーチャー「……」ピッピッ
凛「……」ソワソワ
セイバー「アーチャー?何をしているのですか?」
アーチャー「―――完了だ。セイバー、返却する」
セイバー「ど、どうも」
凛「アーチャー……」
アーチャー「慣れないものには触るな。これは教訓だな」
凛「うん……ごめん……」
アーチャー「ありがとうの間違いではないかな?」
凛「あ、ありがとう……アーチャー……」
セイバー「はい」
凛「うん」
セイバー「なんだったのですか?」
凛「えっと……あいつにも色々と事情があるのよ!」
セイバー「そうですか。あ、そうです。リンの携帯番号とアドレス、教えてもえらますか?」
凛「え、ええ。いいわよ!あ、士郎のやつもついでに教えてくれないかしら?」
セイバー「そうですね。わかりました」
凛「赤外線を……」
セイバー「む……?」
凛「どうかしたの?」
セイバー「いえ。既にリンの番号が登録されています」
凛「え……どうして……?」
セイバー「いつのまに……先ほどまではシロウのものしかなかったのに」
凛「不思議ね」
凛「はい」
セイバー「……」ピッピッ
セイバー「できました」
凛「これで私は登録件数が6人になったわ」
セイバー「もうそんなに?」
凛「今日、クラスメイトに交換をせがまれてね」
セイバー「なるほど。学友が多いことはいいことですね」
凛「まぁね」
セイバー「そうだ、リン。メールをしてみたいのですが」
凛「いいわよ。送ってみて」
セイバー「では……」
セイバー「……よし」
ピリリリ
凛「おお、ちゃんと届いたわね」
凛「……」
セイバー「どうでしょうか。まだ拙い部分もあると思いますが」
凛「セイバー、この末尾にある記号はなに?」
セイバー「顔文字というやつですね」
凛「顔文字?」
セイバー「顔に見せませんか?」
凛「……あ、見えるわ」
セイバー「それを使うことで文字でも心情をより分かりやすく伝えることができると、説明書に書いてありました」
凛「あ、読んだの?」
セイバー「はい。購入した店で流し読み程度ですが」
凛「そう……」
セイバー「リン、返信をお願いします」
凛「おっけー」
凛「んしょ……」ポチポチ
セイバー「来ました」
凛「ふぅ……」
セイバー「どれどれ……」
『あちやのことはよくわからないけどまあじじようがあるんでしようねきつと』
セイバー「あの」
凛「なに?」
セイバー「これは暗号ですか?」
凛「え?違うけど」
セイバー「一応、確認しますが、なんと打ち込みましたか?」
凛「そのままだけど……『アーチャーのことはよくわからないけど、まあ、事情があるんでしょうね、きっと』よ?」
セイバー「この文章ではそれは伝わりません」
凛「いや、だってほら、どうやってカタカナや漢字にするのかわかんないし」
セイバー「リン……」
凛「なんで哀れむように見るのよ!!いいじゃない!!まだ始めて二日目なんだからぁ!!」
士郎「ごはんにするか」
凛「それで……?ここで変換したらいいのね?」
セイバー「そうです」
士郎「もしもーし」
凛「な、なによ!!」
士郎「夕食にしよう」
セイバー「はい」
凛「はぁ……ま、これでなんとか……」
セイバー「そういえば桜がまだのようですが?」
士郎「少し遅くなるから先にどうぞって」
セイバー「では、遠慮なく。いただきます」
ピリリリ
凛「誰かしら……?三枝さんか……なになに……?」
『遠坂さん、突然のメールごめんなさい。試しに送ってみました』
ピリリ
三枝「返信きた……!!」
氷室「内容は?」
『ありがとう。嬉しいわ。これからも気軽に送ってきてくださいね。ムキィィィィイ━━━━━(#`Д´)凸 』
蒔寺「……」
氷室「……」
三枝「……遠坂さんにメールは送らないほうがいいかも」
蒔寺「あ、あれだよ!たまたまだってゆきっち」
氷室「うむ。そうだろう」
三枝「……」シュン
氷室「私たちもメールはなるべく控えたほうが無難だな」
蒔寺「遠坂、マジでこわいな……」
三枝「はぁ……やっぱり、私じゃ遠坂さんとメールもできないんだぁ……」
凛「うーん……いい感じね。メールもなんとかできるようになったし」
凛「あとは……どんな機能があるのかしらね……」
凛「ん……?」
凛「そういえば着信音を変更ってあるけど、これってなんなのかしら……?」
凛「……」ポチポチ
凛「曲をダウンロードする……?」
凛「なんだろ……」ポチ
凛「へえ……なるほど。これで曲を増やせばいいのね」
凛「試しに10曲ぐらい増やしてみようかなぁ」
凛「ふんふーん」ポチポチ
凛「ダウンロードを開始……っと」
凛「うんうん。こうやって充実させていくのね」
凛「いいじゃないの」
士郎「うーん……ふぅ……そろそろ……」
ピリリリ
士郎「セイバーからメールか……」ピッ
『シロウ、今夜は冷えるので十分に暖かくしてください。(*´ェ`*)』
士郎「……ありがとう、そうするよ……」ポチポチ
士郎「セイバー……相当嬉しいんだろうな……」
ピリリリ
士郎「ん……これは桜か」
『せんぱーい、今日はさむいですよ(≧∇≦)キャー♪ 風邪にはちゅういですからねヾ(*´・ω・`*)σ[了イ=ノ〒ノレ] 』
士郎「……桜も気をつけるようになっと」ポチポチ
ピリリ
士郎「次は遠坂か……なになに……?」
『カキーン!( `皿´)。/)≡≡≡≡≡≡≡>十○ 』
士郎「……ねよ」
凛「おはよう、三枝さん」
三枝「あ、はい。おはようございます」
蒔寺「おっす」
氷室「おはよう」
凛(なんかよそよそしいわね……)
美綴「おっす。遠坂」
凛「どうかした?」
美綴「携帯もってるんでしょ?教えてくれよ」
凛「何に使う気かしら?」
美綴「遠坂のアドレスなんて高値で取引されそうだ」
凛「そういうことはしないでね。知らない番号には応じないようにしているから」
美綴「冗談だって」
凛「えっと……」
美綴「どうせ赤外線のやりかたわかんないんだろ?貸してみ」
ピリリリ
凛「お……?」
『屋上に来るか?桜も誘ったけど』
凛「……」ポチポチ
凛「よし……」
凛(これならわざわざ誘いにいく必要がないのね)
凛(持ってて良かったかもね、携帯電話)
凛「さ、屋上に行きましょうか」スタスタ
士郎「お、遠坂から返信だ」
『了解したわ。行くから待ってて。o(^-^)o ツモ!!囗囗囗固固固圈圈圈囚囚囚圀圀パタリ 』
士郎「……」
士郎「わかった。あいつ顔文字の意味が分かってないんだな」
士郎「教えてやらないと」
凛「えー?なによそれー?」
桜「ですから、この顔文字は謝っているものなので、謝罪するときに使うんです」
士郎「こっちは喜びだから、嬉しかったことを報告するときに使うんだ」
凛「ちょっと、いっぺんに言わないで。メモするから」
桜「姉さん……」
ピリリリ
士郎「ん……はい?」
セイバー『シロウ』
士郎「どうした?」
セイバー『いえ。声が聞きたくなりました』
士郎「な……」
セイバー『いいですね。シロウといつでも繋がっているようです』
士郎「あ、そ、そうだな……はは」
凛「……」
桜「姉さん?」
セイバー『シロウが作ってくれた昼食ですが―――』
士郎「うん」
凛「……」
『留守番電話サービスに接続します』
凛「士郎のバーカ」
凛「よし……」ピッ
桜「何をしたんですか?」
セイバー『では、失礼します』
士郎「ああ」
士郎「……ん?なんだ、留守電が……」ピッ
『士郎のバーカ』
士郎「……遠坂?」
凛「桜、この顔文字はどういう意味があるの?」
凛「……」ポチポチ
凛「あ、この待ち受け画像ってやつ好みの絵ね。ダウンロードしよ」ポチ
凛「うーん……あると便利ね」
凛「少しずつだけど使いこなせるようになってきたし……うん」
凛「……あら?」
イリヤ「……」
凛「どうしたの?珍しいわね」
イリヤ「あ、リン。シロウは?」
凛「まだ、校舎内ね」
イリヤ「ふーん……」
凛「なにか用事?」
セラ「お嬢様、もう帰りましょう」
イリヤ「だめよ。今日はシロウを待つの」
凛「なによ?士郎になにかあるの?」
凛「ちょっと待って、今呼んであげるわ」
イリヤ「それ携帯電話?」
凛「ええ」
イリヤ「そう……」
凛「……もしもし?士郎?イリヤが来てるんだけど……うん、そうなの」
イリヤ「……」
凛「30分もかかるの?じゃあ、イリヤをそっちに連れて行っても……うん、わかった。はーい」
凛「イリヤ、士郎はしばらく手が離せないみたいだから連れて行ってあげるわ」
イリヤ「うん」
セラ「はぁ……では、よろしくおねがいします」
凛「貴女は一緒にこないの?」
セラ「流石に衆目を集めたくありませんから」
凛「あ、そう?」
イリヤ「早く行きましょう」
一成「なるほどな。衛宮も携帯電話を」
士郎「一成も持ってみたらどうだ?」
一成「考えよう」
トントン
一成「どうぞ」
凛「こんにちは」
一成「遠坂……」
イリヤ「シロウ!!」
士郎「イリヤ、どうしたんだ?」
イリヤ「最近、会ってなかったでしょ?」
士郎「そうだな」
イリヤ「あとね……これ」
士郎「え?携帯電話……?」
イリヤ「私とシロウ専用の携帯電話よ。通話し放題なんだから」ムフー
一成「そのような携帯電話があるのか……?」
イリヤ「シロウとずっとお話できるよ!嬉しい?」
士郎「でも、基本使用料は無料じゃないだろ?」
イリヤ「そんなの気にしなくてもいいわ」
士郎「そういうわけにも……」
イリヤ「今日はこれを渡したかったの!!」
士郎「イリヤ……」
イリヤ「いいから、うけとって!!」
士郎「わ、わかった」
イリヤ「そ、それじゃあ!!」タタタッ
士郎「あ……」
ピリリリ
士郎「……はい?」
イリヤ『シロウ!大好きだからね!』
士郎「……これからはいつでも話せるねって」
凛「あ、そう」
一成「なるほど。特定の相手となら通話が無料なのか」
凛「そんなのがあったなんて……」
士郎「イリヤも思いきったことするなぁ……」
一成「そういえば宗一郎兄も新しい携帯電話を購入していた」
士郎「葛木先生が?」
凛「どうせ夫婦携帯でしょ?」
一成「その通りだ」
凛「目に浮かぶわね」
士郎「遠坂、これからどうするんだ?」
凛「そうね。帰ろうと思ったけど、士郎の用事が終わるまで待ってようかな」
士郎「わかった」
凛「はやくしてね」
凛「士郎、みてみてー」
士郎「ん?」
凛「私の携帯電話、色々とカスタマイズされたのよ」
士郎「へえ」
凛「自分の色に染めることができるのね。それがなんだか楽しいわ」
士郎「遠坂もこなれてきたって感じだな」
凛「ま、いつまでも現代文明を忌避するのもあれだしね」
士郎「いい心がけだな」
凛「でも、メールがあまりこないのよね。上達の妨げになってるわ」
士郎「メールか。俺が送ってやろうか?」
凛「え?いいの?」
士郎「遠坂のメール、まだまだ初心者だからな」
凛「ふん……なによ、えらそうに」
士郎「ほんとのことだろ?」
凛「ただいまー」
アーチャー「遅かったな」
凛「ちょっとねー」
アーチャー「そうだ。私も携帯電話も持つことにした。君の携帯に登録させてくれ」
凛「なんでよ?」
アーチャー「令呪を使って呼び出すよりもエコロジーだ」
凛「とんでもないエコロジーね」
アーチャー「だが、本当のことだ」
凛「はいはい」
アーチャー「―――よし。登録は済んだ。呼び出すときは携帯にかけろ」
凛「わかったわよ」
アーチャー「ふっ。まぁ、私の番号を一発で表示できるか疑問だがね」
凛「べーっだ」
アーチャー「可愛くないマスターだな」
凛「ふんふーん」ポチポチ
凛「メール設定……ふーん……なんか色々あるのね……」
ピリリリ
凛「お?」
『よ、何してるんだ?』
『寝てるだけよー ̄) ニヤッ 』
『また変な顔文字だなおい』
『あれ?これは汎用性が高いと思うんだけど』
『あのなぁ。もっと可愛げのあるやつにしろ。全然、女の子って感じがしないぞ』
『こういの?♪ダーリン♪ヽ( 〃 ̄ω ̄)人( ̄ω ̄〃 )ノ♪ハニー♪ 』
『それは酷いな』
『もう何がいいわけ(TДTバカ〆(°°*)カキカキ 』
『そういうのやめろって』
凛「ふふ……やめないわよー」ポチポチ
セイバー「これは……」
桜「ライダー、姉さんからメールきた?」
ライダー「はい。来ました」
三枝「え?え?なんだろ、これ?」
蒔寺「なんだぁ?」
氷室「うむ……」
美綴「ぶっ……!?これ、なんだ……?」
アーチャー「ん……?」
アーチャー「……!!!」
士郎「……あ?!」
士郎「あいつ……一斉送信にしてる……!!!」
『士郎・・・・・・・・・((* ・・*)だいちゅき』
凛「ふふ……あいつ今頃、戸惑ってるでしょうね……」
凛「なんて帰ってくるかしら……」
ピリリリリ!!
凛「な、なに……?!なんかいっぱいメールが……」
セイバー『リン、これは私に対する宣戦布告ですか?ムキャー!! ヾ(`Д´*)ノ』
桜『姉さん、先輩と仲がいいんですね』
美綴『ごちそうさまー』
蒔寺『やっぱりそういう関係だったのかよー』
士郎『遠坂、うっかりだよな?わざとじゃないんだな?』
凛「な、なに……?どういうこと……?」オロオロ
アーチャー「凛」
凛「アーチャー……」
アーチャー「君は面白いな。顔文字の使い方が微妙にずれている」
アーチャー「君は教訓を活かせないのか?また下手に設定を弄ったのだろう?」
凛「え?え?」
アーチャー「君が衛宮士郎に送った文章は全員に知れ渡っているぞ」
凛「な、なんでよ!!!」
アーチャー「一斉送信になっている」
凛「え?」
アーチャー「まぁ、何を言っても手遅れだがな」
凛「……もしかして……ここに登録されている人全員に……私……メールを……?」
アーチャー「そうだ」
凛「……」
アーチャー「……」
凛「アーチャー……助けて……」
アーチャー「すまないが今回ばかりはどうにもならない」
凛「……」
アーチャー「どうにもできない」
凛「なにかあるでしょ?消す方法……メールを消す方法……」
アーチャー「もう送信してしまっているから各携帯電話に残っている」
凛「……」
アーチャー「手遅れだ、凛」
凛「ふ……ふふ……いいえ……大丈夫よ……」フラフラ
アーチャー「お、おい……」
凛「ぶっこわせば……いいだけじゃない……」
アーチャー「まて、凛」
凛「宝石も全部使ってやるわ……」ガバッ
アーチャー「まてというに!!」
凛「……まだ間に合うわよ……」
凛「全員の携帯電話を破壊しちゃば……ふふふふ……!!」
アーチャー「おい!!」
アーチャー「凛!!しっかりするんだ!!」
凛「なによ!!」
アーチャー「君が可笑しな顔文字を送ったことは携帯にも人の記憶にも深く刻み込まれただろう」
凛「……っ!!」
アーチャー「何をしてももう遅い」
凛「そんな……これから……私……どうしたら……」ヘナヘナ
アーチャー「……」
凛「こんな……ことって……うぅ……ぐすっ……」ウルウル
アーチャー「……少し出かけてくる。変な気だけは起こすな」
凛「うぇ……ぇぇ……」ポロポロ
凛「うぅ……ぅ……」
凛「もう……学校にいけない……じゃないのぉ……」
凛「うわぁぁぁん……」ポロポロ
凛「うっく……ひっ……ぅ……はぃ……?」
士郎『遠坂、大丈夫か?』
凛「士郎ぉ……」
士郎『えっと……セイバーも桜もライダーも事情は把握してくれたから、大丈夫だ』
士郎『飽く迄、メールの練習をしていただけってことにしてある』
凛「うぅ……」
士郎『恥ずかしいのは分かるけど、あまり気にしないほうが。ほら、ただの遊びとか使用人が勝手に送ったとかにすれば』
凛「使用人なんていなぃ……」
士郎『そうか』
凛「どうしよ……もう外に出れない……」
士郎『そんなこと……』
凛「あの……美綴綾子にまで知られたんじゃ……おわりよぉ……」
士郎『遠坂……』
凛「きっと明日の朝には噂に尾ひれや羽、ジェットエンジンまでついて学校を席巻するのよぉ……」
凛「……」
ピリリリ
凛「……」
『姉さん、明日は先輩の家に来ますか?』
凛「……」ポチポチ
『行く』
凛「はぁ……」
ピリリリ
凛「……はい?」
アーチャー『夕食はどうする?』
凛「いらない」
アーチャー『そうか。わかった。食べたくなったら温めて食べてくれ』
凛「んー」
アーチャー『また、明日な。おやすみ、凛』
アーチャー「おはよう」
凛「……」
アーチャー「学校には行くのか?」
凛「行くわよ」
アーチャー「そうか」
ピリリリリ
アーチャー「失礼。―――もしもし?」
凛「はぁ……」
凛「気が重い……」
アーチャー「そうか……わかった……ああ。いや、協力感謝するよ」
凛「……」
アーチャー「分かっている。必ず手配する。ああ、それではな」
凛「誰?」
アーチャー「ん?すぐにわかるさ。さ、早く準備をするんだな」
凛「……」
ライダー「……」ダダダッ
凛「……?」
キャスター「……」スタスタ
凛「あ……?」
ランサー「……」シュッ
凛「な、なに?え……?」
凛「なにしてるんだろう……」
士郎「おはよう。遠坂」
凛「あ……うん……」
士郎「……なんだ?」
凛「どうしたの?」
士郎「いや……なんか結界があるような……ないような……」
凛「はい?」
凛「……」
三枝「おはようございます」
凛「あ、う、うん……」
蒔寺「うっす!」
氷室「おはよう」
凛「え、ええ……」
凛「……?」
美綴「遠坂!!」
凛「ひっ!?」
美綴「どうした?」
凛「なに……?」
美綴「いや、おはようのかわりだったんだけど」
凛「そう……」
凛(誰もメールに触れてこない……どういこと……?)
キャスター「記憶の操作、完了したわ」
ランサー「下手な結界でも、一部分の抹消ならどうってこないな」
ライダー「……」
アーチャー「すまないね。色々と」
ランサー「ふん……」
キャスター「では、約束通りセイバーを一日貸してね」
アーチャー「ああ。約束する」
ライダー「しかし、どうして火消しなんて。貴方にとっては別に気にすることでもないでしょう」
アーチャー「そうもいかない。マスターがあれだと張り合いがないのでね」
アーチャー「あとは泣かれると、困るんだ」
ランサー「お前が俺にまで頭を下げた理由か」
アーチャー「その通りだ。凛のために額を地面につけつ覚悟ぐらいはあった」
ランサー「はんっ。殊勝なこったな」
アーチャー「ふっ。ま、そこまでしなくても協力してくれることは分かっていたがね。皆、無駄にお人好しだからな」
凛「結局、何も言われなかった……」
凛「もしかして……アーチャーが……?」
士郎「遠坂、帰りか?」
凛「ええ」
士郎「じゃあ、一緒に帰るか」
凛「うん」
ピリリリ
士郎「ごめん。―――はい?」
イリヤ『しろー!!』
士郎「……」
イリヤ「……」ブンブン
士郎「見えてるぞ」
イリヤ『はやくきてよ!!』
士郎「はいはい」
ランサー「んじゃ……最後の仕上げだな」
ランサー「おーい」
蒔寺「お!!いつぞやのお兄さんじゃん!!」
三枝「どうかされたんですか?」
氷室「なにか御用ですか?」
ランサー「ああ、ちょっとな。あの時は聞きそびれたから、携帯番号を聞きたいと思ってよ」
蒔寺「お、いいですよ。どうぞどうぞ」
ランサー「悪いな」
ランサー「よっと」ザッ
三枝「あれ……?」
氷室「む……?」
ランサー「三人ともかわいい携帯電話だな」ピッピッ
ランサー(これか……消去っと)
蒔寺「あ、こら!!乙女のデータバンクにふれるんじゃねえ!!」
ランサー「ほらよ」
三枝「わわ……」
氷室「なにかしたのですか?」
ランサー「いや。余分なものを取り除いただけだ」
蒔寺「はい?」
ランサー「じゃ、またお茶でもしようぜ」
三枝「あ……いっちゃった……」
ライダー「綾子……」
美綴「ひぃぃ!!!!」
ライダー「携帯を……」
美綴「どどどどど、どうぞ……!!!!」
ライダー「どうも……」ピッピッ
美綴「ひぃぃ……」
ライダー「どうも。ご協力、感謝します。では、またの機会に。ふふふ……」
凛「……」
イリヤ「それでねーセラがねー」
士郎「そっか」
イリヤ「リン?どうかしたの?」
凛「え?」
イリヤ「なんか上の空だけど」
凛「別に……」
イリヤ「そう?」
士郎「何か気になることでもあるのか?」
凛「えっと……ちょっとね」
士郎「……?」
凛「士郎、先に帰ってて。私、ちょっと寄るとこあるから」
士郎「あ、ああ」
イリヤ「変なリンね」
凛「もしもし?」
アーチャー『なにかな?』
凛「今、どこ?」
アーチャー『どこだろうな』
凛「まあいいわ。貴方、何かした?」
アーチャー『なにか、とは?』
凛「誰かの記憶を弄ったりとか」
アーチャー『残念ながら私にそのような高等技術はないよ』
凛「そうね」
アーチャー『それだけかな?』
凛「……ありがとう」
アーチャー『……』
凛「それが言いたかったの」
アーチャー『メールでいいことをわざわざ声で伝えるか。なるほど、顔文字よりも心はこもっているな』
アーチャー『可愛げがないな……』
凛「……感謝しているわ。アーチャー」
アーチャー『ふっ。では、こちらは忙しいのでね。失礼する』
セイバー『アーチャー!!!どこにつれていくのですか―――』
ブツッ
凛「……」
凛「さてとー!!帰りますか!」
凛「やっぱり、携帯電話は通話ができればそれでいいわね」
凛「メールはもう怖くてできないわ」
凛「うーん……」
凛「セイバー、五体満足で帰ってこれるかしらねぇ……」
キャスター「きゃーセイバー!!!」
セイバー「アーチャー!!どういうことですか?!」
アーチャー「許せ。仕方ないのだ」
セイバー「せめて理由を!!!」
アーチャー「凛のためだよ」
セイバー「納得できません!!!」
キャスター「さぁ……セイバー……このネコ耳から……」ハァハァ
セイバー「くっ……!!」
アーチャー「抵抗はするな」ガッ
セイバー「おぉ?!」
キャスター「うふふふふ……!!!」
セイバー「やめ―――!!!」
アーチャー(セイバー……ごめん……)
セイバー「ぁぁぁあぁああ!!!」
士郎「イリヤ、ごはん食べてくか?」
イリヤ「うん!」
士郎「よし。すこし待ってろ」
ピリリリリ
凛「あら?」
イリヤ「シロウの携帯ね。―――はい、もしもし?」
セイバー『シロウ!!シロウ!!!』
イリヤ「セイバー?」
セイバー『たすけてください!!尻尾をつけられる!!!』
イリヤ「え?」
セイバー『あぁぁぁ―――!!』
ブツッ
イリヤ「……切れちゃった」
イリヤ「ま、いっか。セイバーだし」
イリヤ「まただわ」
凛「今度はメールみたいね」
凛「どれどれ……なにこれ?添付ファイル?」
イリヤ「ああ、中央のボタンを押せば画像が表示されるのよ」
凛「ふーん」ポチッ
イリヤ「……」
凛「……」
士郎「どうしたー?」
凛「な、なんでもない!!」
士郎「そうか」
イリヤ「こんなセイバーをシロウが見たら卒倒しかけねないわ」
凛「ええ。これは消去しときましょう」
イリヤ「あ、画像だけ私の携帯にコピーしておきたい」
凛「え?そんなことできるの?!じゃあ、私も……」
セイバー「……」スッスッ
士郎「セイバー?大丈夫か?」
桜「ずっと部屋のすみで膝を抱えて携帯を弄ってますね……」
ライダー「何かあったのでしょう」
大河「心配ね……」
凛「……ふふ」
桜「姉さん?」
凛「え?なんでもないわよ」
凛(こういう写真が保存できて、人目にもつかない)
凛(携帯電話……最高じゃないの)
凛「ふふふ……セイバー可愛い……」
セイバー「……」スッスッ
セイバー「……あ、このアプリいいですね」
セイバー「ダウンロードしましょう……」ブツブツ
士郎「……」
桜「先輩?どうかしたんですか?そんなところで呆けて……。あれ、これは……」ペラッ
桜「ひっ……!?!こ、これ……一ヶ月の使用料金ですか……?!」
士郎「あぁ……」
桜「セイバー……さんですよね……」
士郎「ああ……」
桜「15万って……何に使えば……」
士郎「……解約する」
桜「え?」
士郎「セイバー!!」
セイバー「は、はい……?」
士郎「来月も同じ額なら解約するからな……!!」
セイバー「は、はい!」
士郎「何に使ったんだ……セイバー……」
アーチャー「凛、携帯使用料の明細だ」
凛「見せて」
アーチャー「そのまえに呼吸を整えろ」
凛「なんで?」
アーチャー「いいから」
凛「すーはー……はい」
アーチャー「ほら」
凛「さ、いくらかしらね……」
凛「……」
凛「……」ゴシゴシ
凛「……!?」
アーチャー「20万越えとはやってくれるな、凛」
凛「え……?え……?」
アーチャー「ちなみに私は6000円だ」
アーチャー「色々なものを手当たり次第にダウンロードしていればこうなる」
凛「ま、まって……あれ……タダじゃないの……?」
アーチャー「そんなわけあるまい。利用契約を読まなかったのか?」
凛「だって……なんかめんどくさそうだったし……」
アーチャー「自業自得だな」
凛「……うわぁぁ!!!」バキュン!!
アーチャー「これからは気をつければいい」
凛「こんな金食い虫……いるかぁぁぁ!!!」ドゴォ!!
アーチャー「?!」
バキィィィン!!!!
凛「はぁ……はぁ……」
凛「月20万とかメイドを雇うわよ!!」
アーチャー「凛……」
凛「通話以外に変な機能つけるんじゃないわよぉぉぉ!!!」
凛「とまあ、携帯電話がなくてもなんとかなるし、別にいらなかったわね」
桜「そ、そうですか」
凛「私には過ぎた物だったのよ」
桜「はぁ」
士郎「……」
凛「士郎?どうかしたの?」
桜「これを」
凛「ん……先月分の使用料金ね……20万……?」
セイバー「あの……シロウ……」オロオロ
士郎「なにに使ったんだ?」
セイバー「わ、わかりません……」
桜「セイバーさんの携帯、山のようにアプリケーションがありまね」スッスッ
士郎「……解約だな」
セイバー「そ、そんな……!!」
何したら20万とかになるんだwwwww
セイバー「うぅ……そんな……」
セイバー「私はただ……シロウの声をいつでも聞いていたいだけなのに……」
セイバー「くそぉ!!!」バキィィ!!
バリィィィン!!
桜「携帯が……真っ二つに……!!!」
士郎「……」
ピリリリ
士郎「もしもし」
イリヤ『やっほ!シロウ!!』
士郎「ああ、イリヤが一番だ……」
イリヤ『なにが?』
凛「ね?セイバー、携帯電話なんて通話できればいいでしょ?」
セイバー「ですね」
凛「私たちに近代機器は似合わないのよ……」
おしまい。
乙
乙
非常に良かった
Entry ⇒ 2012.02.13 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
アイリ「起きて、私の可愛いセイバー?」セイバー「え?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327845104/
アイリ「起きた?」
セイバー「……?」
アイリ「さ、今日は王様に会う大事な日でしょ?」
セイバー「え?これは一体……?」
アイリ「ほらほら、準備して」
セイバー「……」
セイバー「私が王です」
アイリ「あはは。何いってるの?貴女は勇者セイバーでしょ?」
セイバー「勇者?」
セイバー「問おう、貴女が私のマスターか?」
アイリ「私はお母さんよ?」
アイリ「はい、王様に失礼のないようにね。場所はわかるわよね?」
セイバー「あの……聖杯戦争は……?」
アイリ「はやくいく!」
セイバー「わ、わかりました……」
セイバー「……」
セイバー(どうやらルールが改変されたようですね)
セイバー(とりあえずこの世界の王とやらに会いましょうか……)
セイバー「……」トコトコ
ギルガメッシュ「あはははは!!!よくきたな、雑種!!」
セイバー「……」
ギルガメッシュ「ほれ、旅に必要な剣だ。受け取るが良い」
セイバー「エクスカリバー……」
ギルガメッシュ「魔王に奪われた聖杯を取り戻し、ここへもってこい」
セイバー「……そういうルールなのですね?」
ギルガメッシュ「そう。我がルールだ」
セイバー「分かりました。必ず聖杯をここへ」
ギルガメッシュ「ふふ。期待しているぞ?」
セイバー「よし。エクスカリバーさえあれば……」
『セイバーは エクスカリバーを 手に入れた!』
セイバー「……」
セイバー「なんだこの世界は……」
セイバー「さてと、どこへ向かえばいいのでしょうか……」
セイバー「魔王を探せば自ずと聖杯にたどり着けるのは明白ですが……」
『モンスターが あらわれた!』
セイバー「?!」
刻印蟲「きしゃー!!」
セイバー「なんだ、この卑猥な魔物は……」
セイバー「だが、私の敵ではない」
セイバー「いくぞ」ズシッ
セイバー「……!?」
セイバー(なんだ……体が重い……)
セイバー「くっ……思うようにうごけ―――」
刻印蟲「きしゃー!!!」
セイバー「なっ!?やめろ!!こっちにくるな―――!!!」
『セイバーは 死んだ』
ギルガメッシュ「死んだか、セイバー?」
セイバー「はっ……!?」
ギルガメッシュ「あはははは!!!随分とあっけないなぁ!!」
セイバー「油断しただけです……」
ギルガメッシュ「やはり小娘には荷が勝ちすぎていたか?」
セイバー「……」カチンッ
ギルガメッシュ「所詮は雑種。勇者というのも肩書きに過ぎんか」
セイバー「次こそは必ず……」
ギルガメッシュ「ふん……ま、精々がんばるが良い」
セイバー「……」
セイバー「屈辱だ……」
セイバー「しかし、私のステータスはどうなっている……」
セイバー「明らかに弱体化しているのでは……?」
セイバー「街の中だと普通なのですが……」
セイバー「外に出ると体が重く感じてしまう……」
『モンスターが あらわれた!』
セイバー「来ましたね……」
刻印蟲「きしゃー!!!」
セイバー「同じ相手に負けるほど私は甘くない!!」
ザンッ!
刻印蟲「きしゃー!!!」
刻印蟲「しゃー!!」
セイバー「斬ったら分裂した!?」
セイバー「くそ!!!」ザンッ!!
刻印蟲「「「きしゃー!!!!」」」
セイバー「……不覚」
『セイバーは 死んだ』
セイバー「次こそは……」
『モンスターが あらわれた!』
刻印蟲「きしゃー!!」
セイバー「斬るだけでは増えてしまう」
セイバー「ならば……」
セイバー「エクス―――」
セイバー「―――カリバァァァァ!!!!」
セイバー「……でない」
セイバー「エクスカリバー!!エクスカリバー!!!」ブンブン
セイバー「どうして……どうして……!!」ブンブン
刻印蟲「きしゃー!!!」
セイバー「くそ……!!!どうして……!!」ブンブン
セイバー「エクスカリバー!!!」
『セイバーは 死んだ』
ギルガメッシュ「怒りを通り越して愛でたくなってきたぞ?」
セイバー「次こそは……」
ギルガメッシュ「もうよい。お前は我の妻になれ。勇者には向いておらんようだ」
セイバー「そんなことは……!!!」
ギルガメッシュ「……」
セイバー「こんなはずじゃ……こんな……」ウルウル
セイバー「私は……誉れ高きブリテンの王……なのに……」ウルウル
セイバー「こんな……辛酸を舐めるなんて……」
ギルガメシュ「仲間だ」
セイバー「え?」
ギルガメッシュ「今の貴様はなにもできん、赤子も同然だ。この世界では能力にロックがかかっているからな」
セイバー「……」
ギルガメッシュ「己の脆弱を補うだけの仲間を集めよ。幸い、この街には猛者が多い」
セイバー「わかり……ました……」
セイバー「仲間……か」
セイバー「確かに今の私ではこの街から出ることすらできない……」
セイバー「背中を任せられる仲間が欲しいですね……」
セイバー「……」キョロキョロ
セイバー「ん?」
立て札『仲間が必要なかたは 是非酒場へ』
セイバー「酒場……」
セイバー「向こうですね」
セイバー「……」トテトテ
慎二「いらっしゃーい!!マキリの酒場へ!!あーっはっはっは!!!」
セイバー「すいません。仲間が欲しいのですが」
慎二「んー?誰?」
セイバー「申し遅れました。私はセイバーというものです」
慎二「ああ、勇者の。聞いてるよ。大変だね」
セイバー「ええ……」
慎二「もう何回も死んだってみんがうわさしてるよ?」
セイバー「……」
慎二「勇者のくせに隣の街にもいけないとか、ちょーわらえるんですけどー!!!」
セイバー「……黙れ、俗物」シャキン
慎二「お……や、やめろ……剣を仕舞えよ……」
セイバー「仲間をお願いします」
慎二「はいはい……じゃあ、このリスト表から選んでくれ。おすすめは戦士、僧侶、魔法使いだな」
セイバー「ほうほう……」
セイバー(オススメがあるのでしたらそれに従うべきでしょう)
セイバー「では、戦士、僧侶、魔法使いでお願いします」
慎二「おっけー。じゃ、少し待ってろ」
セイバー「分かりました」
セイバー「一体、どんな人物でしょうか……」
セイバー「信頼にたる人ならいいのですが……」
「おまたせしました」
セイバー「……貴女は?」
バゼット「私の名はバゼット。職業は戦士です。ご指名していただき、感謝します」
セイバー「よろしくお願いします、バゼット」
バゼット「こちらこそ」
セイバー(よかった。誠実そうな人だ)
セイバー(これなら残る二人も安心でしょう)
セイバー「ええ。セイバーです。貴女は?」
メディア「私はメディア。一応、僧侶をしているわ」
セイバー「よろしくおねがいしま―――」
メディア「ふーん……」サワサワ
セイバー「ど、どこを触っているのですか!?」
メディア「いいわ……長い旅になるでしょうけど、よろしく」
セイバー「え……ええ」
バゼット「よろしくお願いします」
メディア「……貴女はお呼びじゃないわ」
バゼット「それはいい。所詮は魔王を倒す間の絆だ。互いに深入りしないほうが賢明でしょう」
メディア「あら、よくわかっているじゃない」
バゼット「傭兵を長くやっているとそういう考えにもなります」
メディア「ま、私とは絶対に仲良くなれないでしょうけどね」
バゼット「同感です」
「待たせたな」
セイバー「あなたは……?」
エミヤ「エミヤだ。魔法使いをしているが、剣術のほうが得意でな。主に前線で戦わせてもらう」
セイバー「なにを勝手な……」
バゼット「では、出発しましょうか」
メディア「どうやら見かけ通り脳みそまで筋肉みたいね?」
バゼット「どういう意味ですか?」
メディア「旅をするにはまずは準備。基本じゃないの」
バゼット「この拳さえあれば、何もいりません」
メディア「あーやだやだ。すぐに腕力に訴える人はこれだから……」サワサワ
セイバー「ひっ!!変なところを触らないでください!!」
バゼット「弱気な発言ですね。自分の魔術に絶対の自信がないと見える」
メディア「なんですって?」
エミヤ「ふっ……どうにもチームワークはなさそうだな。だが、自由にできるという点では居心地がいい」
メディア「ほら、セイバー。お買い物をしましょう?」
セイバー「え、ええ」
バゼット「では、先に出発しています」
エミヤ「ゆっくりでいいぞ」
セイバー「待ってください!!仲間なら行動をともにするべきです!!」
メディア「あんなやつどうでもいいじゃない」
セイバー「よくありません!!」
エミヤ「セイバー?君は一人では旅立つこともできないそうだな?」
セイバー「え、ええ……」
エミヤ「だから必死なのか?」
セイバー「悔しいですが……そうです」
エミヤ「ふむ……」
バゼット「……5分で準備を」
メディア「はいはい」
セイバー「では、行きましょうか」
エミヤ「……次の街までは北に20、東に10といったところだ」
セイバー「分かるのですか?」
エミヤ「ああ」
バゼット「本当に魔術師ですか?」
エミヤ「どう思ってくれてもかまわないよ?」
バゼット「……」
メディア「ちょっと……誰か……にもつ、もちなさいよ……」ヨロヨロ
バゼット「殆ど貴女の私物だ。なに甘ったれたことを言っていますか」
メディア「く……」
セイバー「あの……仲良く……」
『モンスターが あらわれた!」
セイバー「!?」
刻印蟲「きしゃー!!!」
セイバー「気をつけてください。物理的なダメージを与えると分裂し増殖を―――」
バゼット「はぁぁぁ!!!!」ドゴォォ!!
セイバー「バゼット!?!」
刻印蟲「「きしゃー!!!」」
バゼット「増えた……」
セイバー「私の説明を―――」
バゼット「ならば……分裂が追いつかない速度で殴り続けるのみ……!!!」
セイバー「え……」
バゼット「はぁぁぁぁぁ!!!!」ドゴゴゴゴ!!!
刻印蟲「「「「「「「「「「「「「きしゃー!!!!」」」」」」」」」」」」」」
メディア「増えてるわよ。どうするの?」
バゼット「予想外ですね……。魔王の手先も中々手ごわい……」
セイバー「あぁ……」
エミヤ「ふっ、いきなり全滅の危機か」
メディア「グロテスクな容姿……。私の美的感覚からは大幅に逸脱しているわね」
エミヤ「あれを好む女性がいるとは思えんがね」
バゼット「そうですか?個人的な嗜好は千差万別でしょう?」
メディア「あなた、アレがかわいいとでもいうの?そんな眼球、くりぬいたほうがマシよ?」
バゼット「客観的な意見を述べたにすぎません」
エミヤ「どうだろうな。君はかなり好みの偏向がみられそうだ」
バゼット「出会って間もないのにそれは偏見です」
エミヤ「そうか。謝罪しよう」
セイバー「あの……どうしてそんなに落ち着いているのですか……?」
エミヤ「死ぬときは意外と冷静になるものだよ」
セイバー「しかし!!」
エミヤ「だが、余裕なときはもっと冷静にいられる」
セイバー「え?」
エミヤ「たがか30匹だ。我々の敵ではないだろう?」
エミヤ「いや、あれ以上は増えんだろう」
セイバー「え?」
バゼット「はっ!!」ドゴォ
刻印蟲「ぶしゃ?!」
バゼット「分裂できる回数が限られているようです。無限ではなくて助かりました」
エミヤ「バゼットのおかげでカラクリが解けたな」
セイバー「まさか……それを知って……?」
バゼット「……はい」
メディア「嘘ばっかりね」
エミヤ「さ、害蟲駆除といこうか」
メディア「スリッパでいいんじゃないの?」
バゼット「死肉が飛散し、大変なことになります」
エミヤ「ふっ……確かに。衣服についたら目も当てられない」
セイバー「……いきます!!!」ザンッ!!
エミヤ「ようやくたどり着けたな」
バゼット「では、宿の手配をしてきます」
エミヤ「そのまま寝るのかな?」
バゼット「食事をして寝ます。それ以外に起きているメリットがなさそうなので」
エミヤ「合理主義もここまでくると芸術かもしれないな」
メディア「さ、セイバー。新しい服でも買いにいきましょー♪」
セイバー「……」
エミヤ「どうした?」
セイバー「いえ……なんでもありません」
エミヤ「そうか」
メディア「さ、こっちよー!!」
セイバー「はい」
エミヤ「ふむ……」
「そう……ついに勇者が動きだしたのね」
カレン「はい」
「ふふふ……でも、か弱い存在……すぐに悪夢の世界に引き摺りこんであげるわ……」
カレン「どうされますか?」
「四天王をここへ」
メドゥーサ「既に……」
ハサン「……」
ディルムッド「主の導きのままに」
クー「はっ……めんどくせえなぁ」
「勇者の抹殺を命じます」
ディルムッド「では、この私めが……」
「できますね?」
ディルムッド「勇者の首を必ずここへ……」
「お願いね?」
メディア「これなんてどうかしらー?きゃー!!」
セイバー「あの……このようは衣服では然程、敵の攻撃を防げるとは思えませんが」
メディア「そんなのどうでもいいのよー」
セイバー「は?」
メディア「とりあえず着替えて着替えて」
セイバー「しかしですね……」
メディア「はやくぅー」
セイバー「分かりました……」
さつき「あのぅ……お決まりになりましたかぁ?」
メディア「まだよ」
さつき「ひっ……すいません……」
リーズバイフェ「さつき、だから言っただろ」
さつき「チーフ……すいません」
メディア(白いドレスは絶対に似合うとおもうのよねー♪)
エミヤ「では、ここか更に東にいった村は魔王の手先によって滅ぼされたと?」
蒔寺「そうなんだ。もーまじたいへんでさー」
氷室「突然、夜がやってきたという証言もあるが。確かなものではないらしい」
エミヤ「夜……」
三枝「あそこには……沙条さんもいたのに……うぅ……」
氷室「……」
蒔寺「魔王のやつ!!絶対に許せない!!」
エミヤ「なるほど」
氷室「ところでどうしてそのようなことを?」
エミヤ「いやなに、ただの好奇心だよ」
氷室「そうか」
エミヤ「有益な情報に感謝する。これで魔王討伐に一歩近づいた」
三枝「え……あなたは……?」
エミヤ「ただの勇者だ。気にすることはない」
メディア「ただいま」
エミヤ「おかえり。おそか―――」
セイバー「……」
エミヤ「セイバー……」
セイバー「なんですか……?」
エミヤ「いや。そうしてリボンで髪を結っていると、まるで姫君のようだな」
セイバー「侮蔑を感じます……」
エミヤ「憧憬といって欲しいな」
メディア「ところであの筋肉レディは?」
エミヤ「もう就寝している。彼女はメリットを感じないと行動しないらしくね」
メディア「ふん……そんな生物もいるのね」
セイバー「我々も床につきましょう」
エミヤ「その前に話しておきたいことがある」
メディア「なにかしら?」
セイバー「酷い……何も残っていない……」
エミヤ「先日、魔王の手先にやられたらしい」
メディア「そう……」
バゼット「……」
セイバー「魔王は一体……何を企んでいるのですか?」
エミヤ「世界征服だろう。聖杯を用いてな」
セイバー「馬鹿馬鹿しい。そんなことができるわけないでしょう」
エミヤ「まだ聖杯は完成していないらしい。完成したらどうなるかはわからん」
セイバー「万能の願望機であることは変わらないのですね……」
メディア「……ところでさっきから棒立ちでなにをしているの?」
バゼット「そこにいる者、姿を現せ」
ランスロット「……」
セイバー「……?」
ランスロット「■■■■―――!!!!!」
セイバー「魔物か?!」
エミヤ「構えろ!!くるぞ!!!」
メディア「一番、苦手なタイプね……。ああいう何も考えないのは嫌いなのよ」
バゼット「私は好きですが」
ランスロット「■■■■―――!!!!」ドドドドッ
セイバー「はぁ!!!」
セイバー(まだ体が鉛のように重い……!!)
ギィィン
セイバー「くっ!!」
ランスロット「■■■―――!!!」ドゴォ
セイバー「ぐっ!!」
エミヤ「セイバー!!―――トレース・オン!!」
バゼット「この拳で……!!」
メディア「詠唱するから時間を稼ぎなさい!!」
ディルムッド「勇者の一団か……」
ランスロット「■■■―――!!!」
エミヤ「カラドボルグ!!」ドンッ!
ランスロット「■■■―――」パシッ
エミヤ「なんだと!?」
バゼット「はぁぁぁ!!!」ドゴォ
ランスロット「■■■―――!!」ザンッ
バゼット「ぐはぁ?!」
エミヤ「投影した武器を……自身の得物にするとは……」
メディア「どきなさい!!」
エミヤ「セイバー!!」ガバッ
セイバー「な―――?!」
メディア「消し飛べ―――!!」
ランスロット「?!」
セイバー「助かりました……」
エミヤ「気にするな」
バゼット「しかし、強引過ぎます。威力にモノをいわせただけではないですか」
メディア「別にいいじゃない」
バゼット「しかしですね……」
『セイバーは レベルがあがった!』
セイバー「あ……」
エミヤ「どうした?」
セイバー「体が少し軽くなりました」
メディア「レベルが上がったのね。技も増えたんじゃないかしら?」
セイバー「技ですか?」
『セイバーは 風王結界を習得した!』
セイバー「……らしいです」
バゼット「おめでとうございます」
セイバー「!?」
エミヤ「貴様は……?」
ディルムッド「魔王四天王が一人、ディルムッド」
メディア「あら……大物が出張ってきたのね」
バゼット「……」
ディルムッド「勇者の一団……我が槍で葬ってやろう」
エミヤ「……」
セイバー「いいでしょう。ようやく解放された我が力、受けるがいい」
エミヤ「セイバー、気をつけろ」
セイバー「え?」
エミヤ「奴の赤い槍は魔法を打ち消し、黄色い槍は持ち主を倒さない限り癒えない傷をつくる呪いの槍だ」
ディルムッド「貴様……!?」
エミヤ「すまんが私は武器の鑑定が得意なのでね」
バゼット(元商人かなにかか……?)
エミヤ「まあ、そうだな」
ディルムッド「いくぞ……!!」
エミヤ「間合いに入らないようにすればそれほど恐ろしい武器ではない」
セイバー「わかりました」
メディア「私とは相性が良いみたいね……あの人」
バゼット「そこで見学していてください!!」
メディア「そうするわ」
セイバー「風王結界」ゴォォォ
ディルムッド「む……」
セイバー「はぁ!!」ギィィン
ディルムッド「ちっ……剣の間合いが……」
エミヤ「こちらからもいくぞ!!」
バゼット「でぁぁ!!!」
ディルムッド「同時に攻撃をしかけてくるのか……!!」
セイバー「こちらは四人です。こうなることを想像していなかったのですか?」
ディルムッド「勇者ならば一騎打ちを選ぶと思っていた」
エミヤ「残念だが、セイバーを一人で戦わせるほど我々に余裕はないのだ」
ディルムッド「……殺せ」
バゼット「では……」グッ
セイバー「待ってください」
バゼット「魔王の手先に容赦は不要です」
セイバー「ディルムッド」
ディルムッド「なんだ?」
セイバー「私の力が全て解放されてからなら、貴方との一騎打ち受けて立ちましょう」
ディルムッド「なに……?」
エミヤ「セイバー……正気か?」
セイバー「貴方にこうして勝ってもなんの感慨もありません。今度は必ず私の全力をお見せします」
ディルムッド「見逃すというのか……?」
メディア「セイバー……可愛いから許すけど、バゼットと同じタイプなのかしら?」
バゼット「私は敵に情けをかけません」
ディルムッド「ふふ……ふははは!!」
セイバー「何がおかしい?」
ディルムッド「生き恥をさらせというか。この敗残兵に」
セイバー「私は純粋に貴方と戦いたいのです」
ディルムッド「……わかった。またいつか必ず障壁となりて姿を現そう」
セイバー「感謝します」
エミヤ「……呆れた勇者もいたものだ。この村の惨状を目の当たりにして見逃すとは」
セイバー「この村を滅ぼした輩は先ほどの狂戦士でしょう。彼ではない」
バゼット「同感です。あいつの得物では焼け野原にはできないでしょう」
メディア「だからって……ま、セイバーが決めたことだからいいけどね」
エミヤ「拾った命は最後まで面倒みるのだぞ?」
セイバー「当然です」
「やられた……?」
カレン「はい」
「まぁいいです。ディルムッドは四天王の中でも一番の小物。負けても仕方ないですね」
カレン「……」
「では……次、ハサン」
ハサン「はい……」
「いきなさい」
ハサン「御意」
カレン「大丈夫でしょうか?」
「暗殺に秀でたハサンなら……」
カレン「なるほど」
「ふふふ……聖杯は絶対に奪わせない……」
「願いを叶えるのは私……私なの……」
「ふふ……ふふふ……」
ハサン「……情報ではこの街に滞在中らしいな」
ハサン「正面からでは負けるが……影に潜んでこその真価を発揮する……」
ハサン「さてと……行きましょうか……」
クー「よお」
ハサン「なんですか?」
クー「首尾はどうだ?」
ハサン「これからです」
クー「そうか。手伝ってやろうか?最近、生ぬるい戦争にばかり借り出されてて運動不足なんだよな」
ハサン「結構です。魔王様の命は一人で完遂してみせます故」
クー「そうかい。つれないねえ」
ハサン「では」
クー「……」
クー「勇者ね……」
ハサン「ここか……」
ハサン「おじゃまします……」
ハサン「……」
バゼット「すぅ……すぅ……」
ハサン「一人だけ……好都合だ……」
ハサン「では……」
ハサン「遠慮なく―――!!!」ギラッ
バゼット「ふっ!!」ドゴォ
ハサン「ぶはぁ!?」
バゼット「……」
ハサン「バカな……完全に気配は……消していたのに……」
バゼット「殺す瞬間まで気配を消せない貴方は、アサシンとしては三流です」
ハサン「な、に……!?」
バゼット「殺気を出すのは相手の心臓を一突きにしてからです。常識でしょう」
バゼット「ふっ!!」バキィ
ハサン「ぐほぉ?!」
バゼット「逃げられるとでも?」
ハサン「おのれ……!!」
バゼット「む……?」
ハサン「これだけは使いたくなかったが……」
バゼット「……」
ハサン「貴方の心臓を……もらいます」
バゼット「ほう?」
ハサン「行きます……妄想―――」
バゼット「アンサラー―――」バチバチ
ハサン「―――心音!!!」ゴォォ
バゼット「―――フラガラック!!!!」シュン!!
メディア「今日もいっぱいかっちゃったぁ」
セイバー「あの……私は貴方の着せ替え人形ではないのですが」
メディア「いいじゃないの。装備は充実させておくに越したことはないわ」
セイバー「そうはいいますが―――」
『セイバーの レベルがあがった!』
セイバー「え?」
メディア「あら?良かったわね」
セイバー「ど、どうして……?」
メディア「あのフェイカーか筋肉レディが魔物を倒したんじゃない?」
セイバー「そうなのですか」
メディア「経験値は共有するものだから」
セイバー「ですが、単体で敵を撃破できるなんて……」
メディア「セイバー?」
セイバー「羨ましいですね……」
エミヤ「ここにいたか」
セイバー「エミヤ……」
エミヤ「寝ないのか?」
セイバー「少し考えていました」
エミヤ「……」
セイバー「私は……皆の足を引っ張っているだけではないかと」
エミヤ「急にどうした?」
セイバー「私は弱い。ここまでの道中でも三人がいなければ数え切れないほど私は死んでいたでしょう」
エミヤ「そうかもしれないな」
セイバー「私の居る意味が……無いように思えてきました」
エミヤ「そうか。存在意義を見出せないと?」
セイバー「この世界に召喚されたのであれば、この世界の理に従うしかない。けれど、力が十分に振るえないままでいるのは……」
エミヤ「辛いか?」
セイバー「騎士としてこれほどの苦渋はありません」
セイバー「惨めな思いをするだけなら……いっそのこと……」
エミヤ「この世から消えるか」
セイバー「……」
エミヤ「セイバー、剣を抜け」
セイバー「え?」
エミヤ「我らのリーダーがそのように弱気ではいつかこのパーティは滅ぶ」
セイバー「なにを……」
エミヤ「この一戦で勝ったほうが勇者だ。どうだ?」
セイバー「やめてください……仲間に刃をむけることなどできません……」
エミヤ「では、お前を殺し、私が勇者となろう」
セイバー「……?!」ギィィィン
エミヤ「初めから負けを甘受する救世主など……誰も求めてはいない……!!」
セイバー「やめて、ください……!!」
エミヤ「セイバー……君は今、正義の味方を信じる者たち全てを裏切った……それはわかっているのか……?」
エミヤ「君は今、自身の弱さに嘆き、絶望し、宿命を投げ出したのだ」
セイバー「……!?」
エミヤ「逃げるのか?」
セイバー「エミヤ……」
エミヤ「王の背を信じ、付いて来た民を見捨てるのか?」
セイバー「わ、たしは……」
エミヤ「臆病者の末路にしては相応しい場所かもしれないな……!!!」
セイバー「ぐっ……!!」
エミヤ「君はやはり勇者にはなれんようだな……!!」
セイバー「私は……!!私は……!!!」
エミヤ「ぬ……!?」
セイバー「―――逃げない!!!」ギィィン!!
エミヤ「ぬぉ……!?」
セイバー「はぁ……はぁ……王が……逃げるわけにはいかない……民の盾となり、次代の道しるべになるべき者だから!!」
セイバー「ぐぅ……!?」
エミヤ「こうして魔法使いの私にすら押される始末だ……!!さあ、この逆境をどう切り抜ける?」
セイバー「ぐぅぅ……!!」
エミヤ「何故弱いか……それは、君の心が折れかかっているからに他ならない!!」
セイバー「ああ……そうだ……そうかもしれない……」
エミヤ「ステータスなの目安にすぎん。勇者のお前が絶望するにはまだ早い……」
セイバー「……」
エミヤ「さあ、力を取り戻せ……!!」
セイバー「あぁぁぁぁ!!!!」ゴォォォ
エミヤ「風が―――!!?」
セイバー「―――風王鉄槌!!!」
エミヤ「ぐはぁ?!」
セイバー「はぁ……はぁ……」
エミヤ「破壊力を伴った暴風か……ふっ、やればできるじゃないか、セイバー」
エミヤ「いや……自力で能力の解放ができれば上出来だよ」
セイバー「エミヤ……」
エミヤ「エクスカリバーが未だに使えずとも、その力があれば大丈夫だ」
セイバー「ありがとうございます」
エミヤ「気にしなくていい。時には背中を押すことも肝要だろう?」
セイバー「……そうですね」
エミヤ「部屋に戻るか?」
セイバー「いいえ……。少し、夜風に当たります」
エミヤ「そうか……。では、付き合おう」
セイバー「え?」
エミヤ「星が綺麗だな。君だけが独占するのは少々頂けない」
セイバー「ふふ……すいません。確かにそうですね」
エミヤ「頼むぞ……勇者」
セイバー「はい……もう、弱音は吐きません」
「ハサンまでも……!?」
カレン「はい」
「予想外……ですね……。まさか暗殺が失敗するなんて……」
カレン「どうされますか?」
「メドゥーサ」
メドゥーサ「はい」
「お願い」
メドゥーサ「必ずや勇者の首をここに」
「期待しているからね」
メドゥーサ「はい」
カレン「しかし、万が一のことがあれば……」
「メドゥーサならやってくれるわ……」
「だって、私のお気に入りだもの……ふふ……」
カレン(そろそろ身の振り方を考えてもいいかもしれませんね……)
クー「なんだよ?」
カレン「メドゥーサは勝てると思いますか?」
クー「相手が相手だからな。まぁ、アイツの宝具なら広域爆撃もできるし……」
カレン「勝率を聞きましょうか」
クー「7:3ってとこだな」
カレン「どちらが優勢かは……聞くまでもないでしょうね」
クー「ふん……」
カレン「では、そろそろ貴方の力を頼りにさせてもらいますよ?」
クー「加勢しろってか?」
カレン「いいえ。連戦に持ち込むのです」
クー「漁夫の利かよ」
カレン「可笑しなことを。私たちは魔王様の勢力。第三の勢力みたいな言い方ですね」
クー「よくいうぜ。お前は自分のことしか考えてねえだろ?」
カレン「ふふ……」
セイバー「よし……またひとつレベルが上がりましたね」
メディア「きょうはゴスロリでもきてみるー?」
セイバー「やめてください!!」
バゼット「本当にメディアはセイバーを玩具にしていますね」
エミヤ「まあ、微笑ましい分にはいいのではないか?」
バゼット「仲間に溝ができるのは如何なものかと」
エミヤ「おや?珍しいな。君が仲間意識を語るとは」
バゼット「……」
エミヤ「明日は槍でも降るか?」
バゼット「くだらない……」
エミヤ「ふふ」
メディア「さぁ!!これをきなさーい!!」
セイバー「いい加減にしてください!!」
メディア「ここを越えるのね……」
バゼット「この地域は……?」
セイバー「木どころか草もない……」
エミヤ「魔王の暴力的な力が生命を根こそぎ抉ったあとだな」
メディア「魔王って結構すごいのね」
エミヤ「伊達で魔王と名乗っているわけではないだろうしな」
セイバー「ですが、魔王の城に近づいている証拠でもありますね」
エミヤ「その通りだ。この荒野を越えた先に奴がいる」
セイバー「行きましょう」
バゼット「はい」
メディア「セイバー、服が汚れちゃうから。着替えましょうか」
セイバー「こんな外で着替えたくないです」
エミヤ「それに……着替える暇などないぞ?―――上だ!!」
バゼット「!?」
セイバー「くっ……!?」
メディア「きゃぁぁぁ!!!」
バゼット「あぶない!!」パシッ!!
メディア「あ、ありがとう……」
エミヤ「なんだ……今のは……」
メドゥーサ「……」
セイバー「……?!」
バゼット「四天王の一人か……?」
メドゥーサ「その通り。メドゥーサと申します」
エミヤ「3人目か。四天王にしては随分と性急だが、余裕がないのか?それとも―――」
メドゥーサ「……」
エミヤ「セイバーの復活を恐れているのか?」
セイバー「え?」
メドゥーサ「戯言に付き合う気はありません。―――死ね」ジャララ!!
バゼット「うおぉぉぉ!!!」
メドゥーサ「!?」
バゼット「はぁ!!」バキィ
メドゥーサ「くっ!!」
バゼット「今です!!」
メディア「指図するんじゃないわよ!!―――くらえ!!!」ゴォォォン
メドゥーサ「小ざかしい……!!」シュッ!!
エミヤ「着地したあとはすぐに動けまい……」ギリギリ
メドゥーサ「弓兵!?」
エミヤ「違う。私は魔法使いだ。―――くらえ!!」ドンッ!!
メドゥーサ「しまっ―――」
バァァァン!!
セイバー「やったか……!?」
エミヤ「……」
メディア「背を向けないで!!!」
バゼット「え―――」
ザンッ!!
バゼット「……ごふっ」
セイバー「バゼット?!」
クー「ちょっと油断しすぎだな」
エミヤ「貴様は……!?」
クー「四天王の一人、クー・フーリンだ。別に覚えなくていいぜ?お前らは今から死ぬんだからよ」
セイバー「もう一人いたなんて……」
メドゥーサ「クー・フーリン、何のようですか……?」
クー「見てられねえから手助けだよ」
メドゥーサ「不要です」
クー「そうか。なら、見物させてもらうわ」
メディア「バゼット!!しっかりして!!バゼット!!」
メディア「もうしてるわよ!!」
クー「ま、治療するなら迅速にな?」
セイバー「おのれ……!!」
エミヤ「私は槍使いを相手にする」
セイバー「エミヤ……」
エミヤ「手助けは一切できんぞ……?」
セイバー「……大丈夫……やれます」
エミヤ「よし」
クー「おら、こいよ。一突きにしてやるぜ」
エミヤ「ゲイボルク……。因果を逆転させて心臓を穿つ呪いの槍か」
クー「てめえ……なにもんだ?」
エミヤ「しがない魔法使いだよ」
クー「気にくわねえ……。てめえみたいなやつが一番嫌いだぜ」
エミヤ「安心しろ。―――私もだ!!」
セイバー「……」
セイバー(大丈夫……やれる……)
セイバー(私には今……2つも武器がある……)
セイバー「風王結界……」ゴォォォ
メドゥーサ「そのような隠れ蓑など、私には何の意味もない」
セイバー「なに……!?」
メドゥーサ「天馬の一撃をもって……貴方を葬るだけですからね」
セイバー「先ほどの技か……」
メドゥーサ「行きます……」ゴォォォォ
セイバー「……」
セイバー(風王鉄槌で弾き返せば……)
メドゥーサ「……」
セイバー「……!?」ゾクッ
セイバー(駄目だ……あの一撃にはどう足掻いても敵わない……!!)
エミヤ「ふっ!はっ!!!」
クー「てめえ……!!」
エミヤ「どうした?」
クー「魔法使いなのか剣士なのか弓兵なのかはっきりしやがれぇ!!」
エミヤ「魔法使いだ」
クー「ざけんじゃねえ!!」
エミヤ「くっ……!!」
クー「やろう……俺の攻撃を簡単に受け流しやがって……」
エミヤ「簡単ではない。お前の一撃はどれも重い」
クー「当然だ!!ばかやろうがぁ!!」ギィィン
エミヤ「ふん!!」
クー「ちっ……てめえみたいな半端者に俺の必殺技をつかわなきゃならねえか」
エミヤ「大盤振る舞いだな」
クー「こっちの主が怖い奴でよ。長引くようなら飯抜きって言ってんだ。悪く思うなよ?」
セイバー「くる……!?」
メドゥーサ「―――フォーン!!!」
セイバー「回避に全ての力を回すしかない……!!
セイバー「はっ!!」シュッ
メドゥーサ「甘い!!」
セイバー「な?!」
ドォォォン!!!
セイバー「が……!?」
セイバー「軌道が……直角に曲がった……」
メドゥーサ「苦しいでしょう?当たりが浅いと」
セイバー「ぐ……」
メドゥーサ「次で終わりにできますね」
セイバー「また……最初からに……」
セイバー「それだけは……!!」
クー「余所見なんてしてていいのか?」
エミヤ「いや、すまないね」
クー「くらえ……ゲイ―――」
エミヤ「トレース……オン」
クー「―――ボルク!!!!」
エミヤ「ロー・アイアス!!」
ギィィィィィン!!!!
クー「なにぃ……!?」
エミヤ「悪いが早急に決めさせてもらおう……!!」
エミヤ「トレース・オン!!」バキィ
クー「てめえ……なにもんだ……!!!」
エミヤ「魔法使いだ……!!」
クー「ふざけん―――」
エミヤ「エクス―――カリバァァァ!!!」ドォォォン
セイバー(駄目だ……もう……)
セイバー(メディアの回復も間に合いそうにない……)
セイバー(ここで……おわ―――)
エミヤ「―――また諦めるのか!!!」
セイバー「!?」
エミヤ「うおぉぉ!!!」
セイバー「エミヤ……!!」
メドゥーサ「―――フォーン!!!」
エミヤ「トレース・オン!!!」バキィ
エミヤ「エクス―――カリバァァァ!!!」ドォォォン
メドゥーサ「これは―――!!」
セイバー「な―――!?」
エミヤ「……」
メドゥーサ「ふっ……まさか……ここ、までの投影……まじゅ……つ……し……と、は……」
セイバー「エミヤ!!大丈夫ですか?!」
エミヤ「皮肉のひとつも浮かばない……」
セイバー「……メディア!!」
メディア「もうすこしまって!!」
セイバー「あれだけの魔力をつかって……大丈夫なのですか?」
エミヤ「いや……どうやら己の身の丈に合わないことをしてしまった……」
セイバー「エミヤ……」
エミヤ「少し休む……よ……」
セイバー「エミヤ……?」
エミヤ「……」
セイバー「おやすみ……なさい……」
『セイバーの レベルがあがった!』
メディア「セイバー……ごはんは?」
セイバー「いりません……」
メディア「そう……」
セイバー「すいません……。バゼットは?」
メディア「もう大丈夫よ」
セイバー「それはよかった……」
メディア「……あの……」
セイバー「今は……一人にしてください……」
メディア「わかったわ……」
セイバー「くそ……!!」ダンッ!!
セイバー「私のせいだ……!!私が弱いから……!!!」
セイバー「エミヤは……!!」
セイバー「くっ……うぅ……」
セイバー「うぅぅ……!!」
「メドゥーサまで……!?」
カレン「はい」
「そう……でも、一人は死んだみたいですね」
カレン「エミヤという魔術師ですね。メドゥーサと相打ちになったと」
「それで十分です……」
カレン「勇者の一団は恐らくこちらへ向かってくるでしょう」
「ええ。そのときは……」
カレン「魔王様が?」
「もうそれしかないですよね。カレンさんは戦えませんし」
カレン「申し訳ありません」
「私が……弱りきった勇者たちを悪夢の中へと誘ってあげます……」
「ふふふ……ふふふふふふ……!!」
カレン(やはりメドゥーサまでもやられましたね)
カレン(では、こちらもそろそろ動きましょうか……)
クー「よう……」
カレン「お疲れ様」
クー「俺は死んだことになってんだろうな?」
カレン「勿論」
クー「ならいい……」
カレン「やはり女性には甘いのですね。正確な一撃をもってしても殺せないとは」
クー「あのバゼットとかいう女が異常に頑丈だっただけだ」
カレン「ふふ……そういうことにしておきましょう」
クー「で、聖杯は?」
カレン「もうすぐ完成します。そして……ギルガメッシュ氏も同時期に到着することでしょう」
クー「勇者がただの目くらましとはね……。やってることは外道だな」
カレン「あんな出来損ないの魔王に聖杯は過ぎたもの。勇者ばかりを気にして、反乱分子に気がつかない魔王も魔王ですし」
クー「まぁな」
カレン「では、もう一仕事してもらいますよ?」
セイバー「では、出発しましょう」
メディア「セイバー……大丈夫?」
バゼット「惜しい人物を亡くしましたね……」
セイバー「これが闘いです」
バゼット「ええ。我々は生きている。生きている限り、屍を越えていかなくてはならない」
セイバー「その通りです」
メディア「強いのか……強がりなのか……」
セイバー「エミヤは私たちに全てを託してくれました。だから……」
バゼット「ええ」
メディア「ここまできたなら最後まで付き合うわよ」
セイバー「はい!」
セイバー「必ず魔王を……倒す」
バゼット「……」コクッ
メディア「ええ……倒しましょう、絶対に……」
セイバー「うあぁぁぁぁ!!!」
アルクェイド「シャァァァァ!!!!!」
セイバー「でぁ!!!」ズバッ!!
アルクェイド「キャァァァァ―――!!!!」
セイバー「はぁ……はぁ……」
バゼット「セイバー、少し抑えましょう」
セイバー「ですが……」
メディア「魔王にたどり着く前にばてちゃうわ」
セイバー「ふぅ……すいません」
バゼット「ですが、力はかなり増していますね」
セイバー「はい。今ならエクスカリバーを一度だけなら使用もできそうです」
メディア「一度だけか……」
セイバー「はい」
バゼット(戦況は圧倒的不利……でも、そうでないと面白くない)グッ
セイバー「この先にいるのですね……」
メディア「準備はいい?」
バゼット「この拳がある限り、負けはしない」
セイバー「では……」
メディア「ええ」
バゼット「……」コクッ
セイバー「……」
ギィィィィ……
セイバー「魔王……いますね?」
「―――よく来ましたね?」
バゼット「……」
メディア(なんて圧力……)
セイバー「驚きました。まだ少女ではないですか」
桜「私も。てっきり男だと思ってました。まさかこんなに可愛い女性とは……」
桜「後ろにありますよ?」
バゼット「え……?」
イリヤ「……」
メディア「あの子が……聖杯ですって?」
桜「そう。聖杯の器。でも、もうすぐ満たされます」
セイバー「では、満たしてしまう前に……貴女を倒す……!!」
桜「戦う前に言っておきます。―――あなた達は私に触れることすら、できない」
ゴゴゴゴゴ……!!
セイバー「!?」
バゼット「黒い影の巨人……?!」
メディア「まさか……滅んだ村で夜がきたっていうのは……この影のこと……」
セイバー「くっ……」
桜「影に触れれば悪夢の中に入ります。一生抜け出すことはできませんが、興味があるならどうぞ?」
セイバー「興味があるのは魔王のいなくなった世界だけだ!!―――いくぞ!!」
影「―――」ゴォォォ
バゼット「ふっ!!」シュッ
セイバー「くっ!!」
メディア「吹き飛ばす……!!」ドォォォン!!
影「―――」
セイバー「影が消えた!!」
メディア「ま、これぐらいは」
バゼット「メディア!!後ろです!!」
メディア「え?」
影「―――」ガバァァ
メディア「ひっ―――」
バゼット「吹っ飛べ!!」ドガァ
メディア「ぎゃぁ!?」
メディア「―――ちょ、ちょっと!!もっと優しく蹴り飛ばしなさいよ!!」
メディア「うそね!!余裕があっても思い切り蹴ってたでしょ!?」
バゼット「否定はしません」
メディア「しなさいよぉ!!」
桜「随分と悠長ですね」
バゼット「死を覚悟すると冷静になれるものです」
メディア「ええ」
桜「馬鹿にして……!!!」ゴォォォ
影「―――」
セイバー「この影……無尽蔵ですか……」
メディア「あの魔王が使役している破格の使い魔って感じね」
バゼット「使い魔か……ならば魔力供給を断てば……勝機もみえてきますが」
セイバー「そんなことどうしたら……?」
メディア「……セイバー、バゼット。耳をかしなさい」
セイバー「なんですか?」
影「―――」
セイバー「―――では、バゼット」
バゼット「はい」
桜「何をするきですか……?なにをしたって……無駄です!!」
バゼット「はぁぁぁ!!!」ダダダッ
桜「食いつぶせ!!」
影「―――」ゴォォォ
バゼット「ふっ!!」
桜「ちょこまかと……!!」
セイバー「こっちもいます!!」
桜「くっ……!!」
影「―――」ゴォォォ
セイバー(やはり、魔王は実戦経験は少ない。今までこうして翻弄されたこともないのでしょう)
セイバー「ならば―――!!」
セイバー「約束された―――」
桜「早く!!」
影「―――」
セイバー「―――勝利の剣!!!!」ドォォォン
桜「きゃぁ!!!」
セイバー「はぁ……はぁ……」
桜「あ……あはは……影はすぐに生まれる……」
桜「負けてですよ!!それを外したら負けですよぉ!!!あははははは!!!!」
バゼット「影は一掃できた……」
セイバー「……」
桜「さぁ!!影よ!!食い尽くせ!!!」ゴォォォォ
影「―――」
セイバー「ぐっ……!?」
バゼット「……」
バゼット「長いようでとても短い旅でしたね」
セイバー「そうですね。いやいや、バゼットが普段、殆ど寝ているからでしょう?」
バゼット「起きていてもメリットなどない」
セイバー「仲間との絆を深めるというメリットはあったはずです」
バゼット「私にとっては不利益ですよ」
セイバー「そんなことでは世渡りは難しいですよ?」
バゼット「この拳があれば……いけます」
桜「死を覚悟して、思い出話ですか?」
セイバー「いいえ」
バゼット「我々の勝利です。魔王」
桜「え?―――ぷっ!あーっはっはっは!!どこが勝ちなんですかぁ!?負けじゃないですかぁ!!」
セイバー「約束された勝利の剣は……勝利への道を作るための剣。敵を消すためだけに存在はしていない」
桜「な、なにを……?」
キャスター「―――懺悔の暇なんて与えないわよ?」
メディア「ルール・ブレイカー!!!」
桜「そん―――」
トスッ
桜「きゃぁぁぁ―――!!!!」
桜「いやぁ!!!力が!!力がぬけちゃう!!!」
桜「いやぁ!!!いやぁぁぁ―――!!!」
メディア「はぁ……はぁ……」
セイバー「影は消えていく……」
バゼット「メディア……やりましたね」
メディア「もう……走らせないでよ……死んじゃうじゃない」
セイバー「ふっ……その程度で死ぬならここまでこれていません」
メディア「そうね」
バゼット「勝ったんですね……」
桜「私の……私のちからぁ……あぁぁぁ……」
メディア「はいはい」
メディア「……」
イリヤ「……」
メディア「この子が聖杯だなんて……」
メディア「今、助けてあげるわ―――」
「―――触れるな。虫けら」
メディア「え―――」
ドスッ!
バゼット「……!?」
セイバー「え……」
メディア「がぁ……!?」
メディア「かっ……た……の、に……?」
セイバー「メディア!!!」
バゼット「だれだぁ!!!」
セイバー「王……!?」
バゼット「メディア!!メディア!!!」
メディア「あ……ば……ぜ……」
バゼット「喋るな……!!」
メディア「ご……め……」
バゼット「メディア!!」
メディア「……な……さ……ぃ……」
バゼット「メディア……?」
ギルガメッシュ「その聖杯は我の者。どこの狐がそれに触れる?」
セイバー「どういうことだ……!!!」
カレン「初めから誰にも聖杯なんて渡すつもりはありませんでした」
セイバー「……?!」
カレン「勇者にも魔王にも……」
セイバー「どうして……!!私が持ち帰ればいいだけの話でしょう!?」
セイバー「なに……!?」
カレン「貴女と魔王がいがみ合ってうちにこっそり奪ってしまおう。そう言う計画だったのですが」
ギルガメッシュ「思いのほか早く決着がついてしまったようだな」
カレン「もう少し長引けば死なずにすんだ命もあったのでしょうけど……ふふ」
バゼット「……いいたいことは……それだけか……?」
カレン「ええ」
バゼット「なら……しねぇ!!!」シュバッ
カレン「まあ、こわい」
バゼット「あぁぁぁぁぁ!!!!!!」
クー「おっと!!」
バゼット「!?」
クー「俺の主に傷はつけさせねえよ」
バゼット「貴様……死んだはずじゃあ……」
クー「しぶといのが取り柄でね。悪いが、邪魔させてもらうぜ」
ギルガメッシュ「あの魔王も力だけは厄介だったからな。しかし、よく倒したな褒めてやろう」
カレン「もう彼女は抜け殻ですから、殺してしまうのは簡単ですね」
セイバー「降りて来い!!王よ!!」
ギルガメッシュ「降りて来い?はっ!!雑種風情が吼えるなぁ!!」
セイバー「……」ギリッ
ギルガメッシュ「我は世界の王となるもの!!下民が踏む地に足をなどつけられるはずもない!!」
セイバー「……!!」
ギルガメッシュ「さあ、セイバー?最後に足掻くか?それとも我の妻になり、賢明に生きるか」
セイバー「黙れ!!」
ギルガメッシュ「……」
セイバー「私はお前を殺す……!!魔王にも劣る外道が!!」
ギルガメッシュ「その突きつけた切っ先、高くつくぞ?」
セイバー「……!!!」
ギルガメッシュ「ゲート・オブ・バビロン」パチンッ
ギルガメッシュ「潰れろ」ドンドンドン
セイバー「うっ!!」ギィィン
ギルガメッシュ「あははははは!!!いつまで耐えられる?!」
セイバー「なんだ……これは……!?」
クー「けっ……いつ見ても悪趣味な宝具だぜ」
バゼット「がぁぁぁ!!!」ドゴォ
クー「っと!!」ビリビリ
バゼット「どうして……こんなことができる……!!」
クー「俺は主君に従ってるだけだ」
バゼット「だとしたら……貴様の頭も狂っている……!!」
クー「狂犬だな……」
バゼット「貴様は主に尾を振る、犬だ!!」
クー「いったな?」ザンッ!!
バゼット「がぁ……?!」
クー「てめえらなんて……一撃で殺せるんだよ」
バゼット「ふー……死んでも……私はお前たちを……殺す……!!」
クー「良い目だ……死ね!!」
バゼット「ここまでか―――」
ギィィィン
クー「な……!?」
バゼット「え……」
ディルムッド「……」
クー「よう……裏切り者。何しにきた?」
ディルムッド「セイバーとの再戦だ」
クー「なら、俺の槍を止めたのはどういう了見だ?」
ディルムッド「……同じ槍使いとして、お前の槍術は実に汚らわしく思う」
クー「ほう……?」
ディルムッド「セイバーと再戦する前に、貴殿の槍を正してやる」
ディルムッド「裏切る?我が主君はもういない。誰を裏切るというのかわからない」
カレン「ふん……。クー・フーリン」
クー「あの弓兵並に気にくわねえやつだぜぇ!!!」
ディルムッド「無傷で勝てるとは思わないことだ!!」
ギィィィン
セイバー「ディルムッドか……!!」
ディルムッド「セイバー!!死ぬな!!!」
セイバー「……」
ディルムッド「生きて……もう一度、刃を交わすのだろう!?」
セイバー「……ああ!!」
ディルムッド「ふっ……」
クー「余裕ぶっこいてんじゃねーよ!!!」
ディルムッド「ぐっ……?!」
クー「お前は四天王でも一番弱い。それは自覚してんだろう?なぁ!!」
クー「だまれよぉ!!」
ディルムッド「つっ……!!」
バゼット「―――私にできるのは……準備だけ……」
バゼット「ふふ……メディア……確かに準備は……大事ですね……」
バゼット「今になってやっと分かりました……」
クー「せいやぁ!!!」
ディルムッド「ふん!!!」
クー「―――めんどくせぇ……」
ディルムッド「む……」
クー「しまいだ……ディルムッド……」
バゼット「アンサラー……」
クー「ゲイ―――ボルク!!!」
ディルムッド「―――!!」
バゼット「―――フラガラック!!!」
カレン「な……!?」
ディルムッド「ぐふぅ……!!」
バゼット「……ディルムッド!?」
ディルムッド「む……因果の逆転が生んだ矛盾か……」
バゼット「そんな……私の宝具なら……!!」
ディルムッド「こうなる運命だったようだな……」
クー「くそ……やるじゃねえか……」
カレン「クー・フーリン!!」
クー「んだよ……泣きそうな顔してんじゃねえよ……」
カレン「……」
クー「あばよ……カレン……」
カレン「あ……」
ディルムッド「セイバーに……謝っておいて……く、れ……」
バゼット「……はい」
セイバー「ぐっ!!」
セイバー(防戦一方では……いつか……)
ザンッ
セイバー「足に―――!?」
ギルガメッシュ「鬼ごっこは終わりか?」
セイバー「……」
セイバー「もう……だめ……」
セイバー「エミヤ……私は……」
『セイバーの レベルがあがった!』
セイバー「?!」
セイバー「ディルムッド……!?」
ギルガメッシュ「ちっ……使えん犬め……!!」
セイバー「あ……最後の宝具が……」
ギルガメッシュ「カレン!!死にたくなければ下がれ!!」
カレン「……」
ギルガメッシュ「そのような犬など捨て置け!!」
カレン「……っ」
ギルガメッシュ「いくぞ……エア!!」
セイバー「……」
ギルガメッシュ「セイバー……天地創造の乖離剣だ……逃げ場はないぞ!!」
セイバー「……」
ギルガメッシュ「死ぬ覚悟はできたようだな!!」
ギルガメッシュ「エヌマ―――」
セイバー「全て遠き―――」
ギルガメッシュ「―――エリシュ!!!」ゴォォォォォ
セイバー「―――理想郷」
ゴォォォォ!!!
ギルガメッシュ「!?」
セイバー「うあぁぁぁぁぁ!!!!」
ギルガメッシュ「何故……!?」
セイバー「おわりだぁぁぁぁ!!!!」
ザンッ!!
ギルガメッシュ「ごほぉ……!?」
セイバー「はぁ……はぁ……」
ギルガメッシュ「ぐ……ぁ……ふっ……ふふ……」
セイバー(浅かったか……!?)
ギルガメッシュ「セイバー……し―――」
シュルルルル!!!
ギルガメッシュ「むぐぅ……!?!」
セイバー「え……この赤い布は……!?」
ギルガメッシュ「おのれ……カレン!!カレン!!」
カレン「どうやら……貴方にも聖杯は相応しくないようですね」
ギルガメッシュ「きさまぁぁぁ!!!!」
セイバー「終わりです……」
ギルガメッシュ「ぐぅぅ!!!雑種どもめぇぇぇ!!!」
セイバー「はぁぁぁぁ!!!」
―――ザクッ!
ギルガメッシュ「ご……!!」
セイバー「……」
カレン「……」
バゼット「……お前……」
カレン「聖杯を壊すなら今ですよ?私も興味を失いました……」
セイバー「……ありがとうございます」
カレン「お礼を言われる筋合いはありません……」
イリヤ「ん……」
バゼット「よし……」
セイバー「行きましょう」
バゼット「どこへ……?」
セイバー「淀みのない場所へ……」
カレン「……」
バゼット「お前は……行かないのか?」
カレン「彼の傍にいます……」
セイバー「それでは」
バゼット「……」
カレン「……クー・フーリン?」
カレン「やっと……一緒になれますね……」
カレン「大好き……」
カレン「……」
バゼット「セイバー……これからどうされるのですか?」
セイバー「わかりません……」
セイバー(聖杯戦争が終われば消えるかと思ったが……)
イリヤ「すぅ……すぅ……」
セイバー(この子が生きている限りは肉体を保てるということか……?)
セイバー(それとも……この世界が私にとってのあの世……なのか……?)
セイバー(もう……どうでもいいことか……)
バゼット「セイバー?」
セイバー「この子は私が引き取ります」
バゼット「……そうですか」
セイバー「バゼットはどうするのですか?」
バゼット「また私を傭兵として雇ってくれる人を探すだけです」
セイバー「そうですか……色々、お世話になりました」
バゼット「こちらこそ……。お元気で……」
アイリ「セイバー!?」
セイバー「ただいま、戻りました」
アイリ「お帰り……その子は?」
セイバー「旅の途中で出会いました。この家で育てようと思いまして」
イリヤ「……」
アイリ「そう……」
セイバー「だめでしょうか?」
アイリ「……お名前は?」
イリヤ「……イリヤ……」
アイリ「そうなの。私はアイリよ。よろしくね?」
イリヤ「……うん」
セイバー「すいません。いきなり孤児をつれてきてしまって」
アイリ「ううん。仲良くできそうだし、大丈夫。それより……おかえりなさい、セイバー。心配したのよ?」
セイバー「はい。ご心配をおかけしました」
セイバー「イリヤ」
イリヤ「なにー?」
セイバー「買い物にいきましょう」
イリヤ「うん」
アイリ「気をつけてね」
イリヤ「はい」
セイバー「行きましょう」
イリヤ「お姉ちゃん、今日はお菓子かってもいい?」
セイバー「ひとつだけなら」
イリヤ「ふたつ!」
セイバー「ひとつです」
イリヤ「むー……」
セイバー「むくれても買う個数は増えませんからね」
アイリ「ふふ……」
イリヤ「わーい」
セイバー「ん……」
士郎「あ」
セイバー「……」
士郎「す、すいません……それ譲ってもらっても?」
セイバー「ええ……どうぞ」
士郎「助かります」
セイバー「あの……」
士郎「はい?」
セイバー「……また、会えるといいですね」
士郎「え、ええ。それじゃあ」
凛「衛宮くん!!はやく!!」
士郎「はいはい」
セイバー(エミヤ……あなたは……)
セイバー「また……聖杯が現れるとしたら……どうなるのでしょうか?」
イリヤ「知らないわ……」
セイバー「また戦いが始めるのですか……?」
イリヤ「お姉ちゃんはこの世界に呼ばれて、生きることを認められた……それでいいじゃない」
セイバー「そうですね。これ以上は過ぎた願いになりますね」
イリヤ「また戦うにしてもまだまだ先の話よ」
セイバー「そうだといいですね」
イリヤ「さ、かえろ!!」
セイバー「……また戦うとしても……私には帰るべきところある……」
セイバー「今はそれだけでいい……」
セイバー「エミヤ……」
セイバー「勇者の王として……恥じぬ生き方を貫くと……誓います……」
END
面白かったぞ
教会がないときついな
そうだなwww
マーボー出て来てセイバー皮肉ってくれても面白かったと思うwwwww
すごい良かったよ
Entry ⇒ 2012.02.02 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)