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○○(・・・・・なんで俺はこんなところにいるんだろう)
引用元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1349765518/
・・・・・なんで俺はこんなところにいるんだろう。
確かに招待状は着てた。出席に丸をつけて返信したが、実際に会場に到着したのは披露宴どころか2次会からだが。
もとから人が多いところはそんなに好きじゃない。
特にこんな場所では。
手には時間が経って、冷たさと気の抜けたビールの入ったグラス。
情けない話だ。
今の俺はこのビールと同じだな。
そんなくだらないことを考えつつ、壁に背をもたれ会場を見渡す。
-----------
○○「随分とオカタイな鉄面皮。」
留美「あら、貴方のようにイイ顔ばかりしている男よりかはマシだと思うわよ?」
出会いは最悪。
所謂、ソリが合わないというやつだった。
-----------
雪がちらついている。
○○「付き合ってくれないか?」
留美「お断りよ。と、以前の私なら言っていたでしょうね。」
留美「でも、今の私は貴方にこんなに惹かれてる。」
留美「これからよろしくね。」
冬の寒い雪の降る日、俺たちは付き合い始めた。
-----------
留美「貴方って本当にものぐさね。」
唐突に留美がそんなことを言う。
留美「なんで?って顔してるわよ。」
そりゃそうだ。心当たりが思いつかない。
留美「靴下。大方、帰ってきて脱いだんでしょうけど廊下にそのままだったわよ。」
あぁ、そういえば脱いだ気がする。忘れていた。
留美「脱いでそのまま洗濯機に入れておけば手間は減るじゃない。」
留美「洗濯し忘れる、なんてことも無くなるんだから。」
○○「ごめん、忘れてた。」
留美「次からは忘れずに。洗濯する私のためにもね。」
同棲してから家事でお世話になりっぱなしだ。
-----------
1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/09(火) 15:51:59.10 ID:WSSF5AWv0
・・・・・なんで俺はこんなところにいるんだろう。
確かに招待状は着てた。出席に丸をつけて返信したが、実際に会場に到着したのは披露宴どころか2次会からだが。
もとから人が多いところはそんなに好きじゃない。
特にこんな場所では。
手には時間が経って、冷たさと気の抜けたビールの入ったグラス。
情けない話だ。
今の俺はこのビールと同じだな。
そんなくだらないことを考えつつ、壁に背をもたれ会場を見渡す。
2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/09(火) 15:52:33.77 ID:WSSF5AWv0
友人「よう、○○じゃないか。ここにいたのか。」
学生時代の友人が話しかけてきた。
助かった。話し相手がいなくて困っていたし、こいつと会うのも久々だ。
気を紛らわすためにも会話でもしていれば・・・・。
友人「久しぶりだなぁ、大学の卒業以来か?そういえば、お前いまどんな仕事してるんだっけ?」
○○「4年振りか、ホント久々だよ。今はただのサラリーマンやってる。ようやく一人前扱いされるようになってきたんだ。」
友人「そうかそうか!」
このときばかりはコイツのやかましさが心地いい。
このまま話していれば、最低限の係わり合いだけで終れるだろう。
学生時代の友人が話しかけてきた。
助かった。話し相手がいなくて困っていたし、こいつと会うのも久々だ。
気を紛らわすためにも会話でもしていれば・・・・。
友人「久しぶりだなぁ、大学の卒業以来か?そういえば、お前いまどんな仕事してるんだっけ?」
○○「4年振りか、ホント久々だよ。今はただのサラリーマンやってる。ようやく一人前扱いされるようになってきたんだ。」
友人「そうかそうか!」
このときばかりはコイツのやかましさが心地いい。
このまま話していれば、最低限の係わり合いだけで終れるだろう。
3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/09(火) 15:53:11.59 ID:WSSF5AWv0
未練は・・・・当然ある。
むしろ、未練だらけなのかもしれない。
だからこそ
直接会うことだけは
直接会話することだけは
なるべく避けておきたい
○○「!」
何故だ。
いや、「何故だ」じゃない。
彼女は今日の主役だ。
ここにいることは当然だ。
視界の端に彼女がいた。
純白のドレスに身を包み、他のゲストと歓談しているようだ。
やめよう。
彼女を目で追うのは。
むしろ、未練だらけなのかもしれない。
だからこそ
直接会うことだけは
直接会話することだけは
なるべく避けておきたい
○○「!」
何故だ。
いや、「何故だ」じゃない。
彼女は今日の主役だ。
ここにいることは当然だ。
視界の端に彼女がいた。
純白のドレスに身を包み、他のゲストと歓談しているようだ。
やめよう。
彼女を目で追うのは。
4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/09(火) 15:53:45.19 ID:WSSF5AWv0
友人「・・・で、・・・・だったのがな!・・・・そういえば、・・・・。」
あぁ、本当にコイツは勝手に喋ってくれる。
今日ばかりは心の底からありがたい。
彼女との思い出を思い返す時間を勝手に貰うぞ。
あぁ、本当にコイツは勝手に喋ってくれる。
今日ばかりは心の底からありがたい。
彼女との思い出を思い返す時間を勝手に貰うぞ。
5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/09(火) 15:54:11.38 ID:WSSF5AWv0
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○○「随分とオカタイな鉄面皮。」
留美「あら、貴方のようにイイ顔ばかりしている男よりかはマシだと思うわよ?」
出会いは最悪。
所謂、ソリが合わないというやつだった。
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雪がちらついている。
○○「付き合ってくれないか?」
留美「お断りよ。と、以前の私なら言っていたでしょうね。」
留美「でも、今の私は貴方にこんなに惹かれてる。」
留美「これからよろしくね。」
冬の寒い雪の降る日、俺たちは付き合い始めた。
-----------
留美「貴方って本当にものぐさね。」
唐突に留美がそんなことを言う。
留美「なんで?って顔してるわよ。」
そりゃそうだ。心当たりが思いつかない。
留美「靴下。大方、帰ってきて脱いだんでしょうけど廊下にそのままだったわよ。」
あぁ、そういえば脱いだ気がする。忘れていた。
留美「脱いでそのまま洗濯機に入れておけば手間は減るじゃない。」
留美「洗濯し忘れる、なんてことも無くなるんだから。」
○○「ごめん、忘れてた。」
留美「次からは忘れずに。洗濯する私のためにもね。」
同棲してから家事でお世話になりっぱなしだ。
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6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/09(火) 15:54:48.33 ID:WSSF5AWv0
こんなこともあったな。
思い出の中の彼女は笑顔で溢れていた。
○○「・・・・あ。」
無意識に呷っていたらしい。
右手に持っていたグラスは、いつの間にやら空になっていた。
○○「悪い、なんかおかわり貰ってくるわ。」
友人「わかった。けど、飲みすぎるなよ?」
○○「はいはい。」
友人と別れてカウンターへと足を向ける。
さっきはビールだった。
次は何を飲もうか。
カクテルもいい。
思い出の中の彼女は笑顔で溢れていた。
○○「・・・・あ。」
無意識に呷っていたらしい。
右手に持っていたグラスは、いつの間にやら空になっていた。
○○「悪い、なんかおかわり貰ってくるわ。」
友人「わかった。けど、飲みすぎるなよ?」
○○「はいはい。」
友人と別れてカウンターへと足を向ける。
さっきはビールだった。
次は何を飲もうか。
カクテルもいい。
7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/09(火) 15:55:22.28 ID:WSSF5AWv0
バーテン「何にいたしましょう?」
飲んだことはないが聞いたことがあるモノがあった。
○○「ホワイト・レディをお願いします。」
バーテン「かしこまりました。」
白い貴婦人とも言われるカクテル。
この場に合うか合わないかはこの際どうでもいい。
酔えれば、いや、飲めればいい。
ふと振り返る。
いた。
さきほどと同じ純白のドレスに身を包む彼女が。
会場の中央に。
俺ではない別のオトコの傍らに。
おそらくはそのオトコとの間に生まれた小さな子をその両腕に抱いて。
笑顔で。
俺にも見せていたあの笑顔。
だけども、どこか違う笑顔。
もう俺に向けられることの無い笑顔。
飲んだことはないが聞いたことがあるモノがあった。
○○「ホワイト・レディをお願いします。」
バーテン「かしこまりました。」
白い貴婦人とも言われるカクテル。
この場に合うか合わないかはこの際どうでもいい。
酔えれば、いや、飲めればいい。
ふと振り返る。
いた。
さきほどと同じ純白のドレスに身を包む彼女が。
会場の中央に。
俺ではない別のオトコの傍らに。
おそらくはそのオトコとの間に生まれた小さな子をその両腕に抱いて。
笑顔で。
俺にも見せていたあの笑顔。
だけども、どこか違う笑顔。
もう俺に向けられることの無い笑顔。
8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/09(火) 15:56:01.89 ID:WSSF5AWv0
視界がゆがむ。
あぁ、わかる。
泣いている。
止め処なく涙が溢れる。
止められない。止まらない。
○○「っっく!・・・ううっ!っぐ!」
一度流してしまったら止められない。
耐え切れずに膝をついてしまった。
俺はこんなにも弱かったらしい。
自分自身への情けなさ
惚れた女と添い遂げられなかった悔しさ
あぁ、わかる。
泣いている。
止め処なく涙が溢れる。
止められない。止まらない。
○○「っっく!・・・ううっ!っぐ!」
一度流してしまったら止められない。
耐え切れずに膝をついてしまった。
俺はこんなにも弱かったらしい。
自分自身への情けなさ
惚れた女と添い遂げられなかった悔しさ
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/09(火) 15:56:27.79 ID:WSSF5AWv0
この2つでいい、叩きつけよう。
ゴッ・・・・ゴッ・・・
拳を床に叩きつける。
この感覚が、この痛みが今の俺なんだ。
それでも涙は止まらない。
止めたくない。
彼女を見たくないから。
ドゴォ!
!?!?!?!?
何が起きた?
俺は四つんばいになってたはずだ。
なんで、仰向けに?
ゴッ・・・・ゴッ・・・
拳を床に叩きつける。
この感覚が、この痛みが今の俺なんだ。
それでも涙は止まらない。
止めたくない。
彼女を見たくないから。
ドゴォ!
!?!?!?!?
何が起きた?
俺は四つんばいになってたはずだ。
なんで、仰向けに?
10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/09(火) 15:56:55.81 ID:WSSF5AWv0
留美「うじうじうじうじ・・・・いい加減になさい。」
え?
なんで彼女が?
なんで俺を見下ろしてる?
留美「貴方なら祝ってくれると思っていたのだけどね・・・・。」
蹴り上げられた・・・・のか。
だから仰向けになったのか。
留美「もういいわ。自分でなんとかしなさい。」
留美「・・・・・ばか。」
え?
なんで彼女が?
なんで俺を見下ろしてる?
留美「貴方なら祝ってくれると思っていたのだけどね・・・・。」
蹴り上げられた・・・・のか。
だから仰向けになったのか。
留美「もういいわ。自分でなんとかしなさい。」
留美「・・・・・ばか。」
11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/09(火) 15:57:23.20 ID:WSSF5AWv0
最後の最後にまで失望されたか。
あぁ。
やっぱり俺は彼女のことが、留美のことが大好きなんだ。
愛してたんだ。
だから、涙が、想いが止まらないんだ。
受け入れよう。
この愛を、この想いを。
彼女の今の幸せと、これからの幸せを。
あぁ。
やっぱり俺は彼女のことが、留美のことが大好きなんだ。
愛してたんだ。
だから、涙が、想いが止まらないんだ。
受け入れよう。
この愛を、この想いを。
彼女の今の幸せと、これからの幸せを。
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/09(火) 15:57:52.85 ID:WSSF5AWv0
○○「留美にはかなわないな。」
留美「当たり前じゃない。惚れた弱みでしょ?」
○○「いま幸せだろ?これから、もっと幸せになってくれ。」
留美「・・・・えぇ、幸せよ。」
留美「絶対に、絶対に今よりも幸せになってみせるわ・・・・。」
これ以上の言葉はいらない。
俺から視線を外し、去っていく彼女。
これでいい。
留美「当たり前じゃない。惚れた弱みでしょ?」
○○「いま幸せだろ?これから、もっと幸せになってくれ。」
留美「・・・・えぇ、幸せよ。」
留美「絶対に、絶対に今よりも幸せになってみせるわ・・・・。」
これ以上の言葉はいらない。
俺から視線を外し、去っていく彼女。
これでいい。
13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/09(火) 15:58:20.01 ID:WSSF5AWv0
??「あの、大丈夫ですか?」
○○「えぇ、大丈夫です。」
○○「気分がいいので、もう少しこのままでいます。」
大の字で寝転がるなんて何年振りだろう。
周りの邪魔になるだろうが、そんなことはお構いなしだ。
○○「モバPさん。」
モバP「はい、なんでしょう?」
○○「留美、いや彼女のこと絶対に幸せにしてあげてください。」
○○「俺が惚れた、愛した人ですから。」
モバP「言われなくとも、と言いたいですが・・・。」
モバP「全身全霊で幸せになってみせます。」
○○「頼みますよ。」
○○「えぇ、大丈夫です。」
○○「気分がいいので、もう少しこのままでいます。」
大の字で寝転がるなんて何年振りだろう。
周りの邪魔になるだろうが、そんなことはお構いなしだ。
○○「モバPさん。」
モバP「はい、なんでしょう?」
○○「留美、いや彼女のこと絶対に幸せにしてあげてください。」
○○「俺が惚れた、愛した人ですから。」
モバP「言われなくとも、と言いたいですが・・・。」
モバP「全身全霊で幸せになってみせます。」
○○「頼みますよ。」
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/09(火) 15:58:48.32 ID:WSSF5AWv0
涙は止まらない。
けれども、悲しみの涙じゃない。
未練は当然ある。
もっといい恋をしよう。
もっと深い愛を育もう。
そう思えてくる。
そのためには、いい人を探し出さないとな。
自然と笑みが生まれてくる。
彼女がうらやむようなアツイ恋を、深い愛を手に入れよう。
この未練とは一生の付き合いになるだろう。
それでいい。
だからこそ、笑って進むことが出来る気がする。
○○「結婚おめでとう、留美。」
小さく、けれどもありったけの想いを込めた祝福の言葉。
その言葉は、驚くほど素直に言えた。
了
けれども、悲しみの涙じゃない。
未練は当然ある。
もっといい恋をしよう。
もっと深い愛を育もう。
そう思えてくる。
そのためには、いい人を探し出さないとな。
自然と笑みが生まれてくる。
彼女がうらやむようなアツイ恋を、深い愛を手に入れよう。
この未練とは一生の付き合いになるだろう。
それでいい。
だからこそ、笑って進むことが出来る気がする。
○○「結婚おめでとう、留美。」
小さく、けれどもありったけの想いを込めた祝福の言葉。
その言葉は、驚くほど素直に言えた。
了
15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/09(火) 15:59:15.40 ID:WSSF5AWv0
あとがきのようなもの
初自作SSです。
アイドルやPが主観のSSがあるなら、第三者のものがあってもいいのでは?
と思って書きました。
この作品のきっかけはモバマスのSR和久井さんのイラストと
後輩の結婚式でした。
ほとんど勢いで書いたので書くことも大してありません
お目汚し大変失礼いたしました
初自作SSです。
アイドルやPが主観のSSがあるなら、第三者のものがあってもいいのでは?
と思って書きました。
この作品のきっかけはモバマスのSR和久井さんのイラストと
後輩の結婚式でした。
ほとんど勢いで書いたので書くことも大してありません
お目汚し大変失礼いたしました
16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/09(火) 18:08:36.78 ID:JSvrUSSn0
普通に面白かった
乙!
乙!
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