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P「高槻家に軟禁された」
P「高槻家に軟禁された」
「お疲れ様でしたー!」
春香「はい!お疲れ様です!」
やよい「お疲れ様でしたー!」
スタスタ
P「春香もやよいもお疲れ。疲れたろう」
春香「私は大丈夫ですよ!まだまだやれます!」
やよい「私もですー!」
P「あはは、まぁ今日は二人ともこれであがりだからそのエネルギーは次の仕事にとっておいてくれ」
春香「えへへ、そうですね」
P「それじゃ二人とも着替え終わったら駐車場に来てくれ。俺はそこで待ってるよ」
やよい「はいー!わかりましたー!」
春香「それじゃ、一旦失礼しますね」
スタスタ……
P「……はぁ」
P「……うへぇ……」
P(やばいな……疲れが全身蝕んでるって感じだ)
P(この後事務所に二人を連れて帰って、その後は千早のレコーディングスタジオ、真と雪歩のボーカルレッスン)
P(それが終わったら次のライブのPAとステージの音響の話し合い、それから美希の化粧品CMの打ち合わせ)
P(そして皆を迎えに行って事務所に送ってそのまま事務仕事で残業か)
P(……やりがいあるけど……俺今日何時間寝れるんだ……いや、というか寝られるのか?)
P(最後に休んだのがいつだったのかも覚えてないな……はは、これってワーカホリックって言うのかな)
P(……でもあいつらは今が頑張り時だし……俺がしゃんとしなきゃな)
スタスタ
やよい「えーと、トイレは……あれ?」
P「…………」
やよい「あ、プロデュー」
P「……はぁ……」
やよい「……サー……」
チャリンチャリン ピッ ゴトン
やよい「!」
P(……こいつに頼る事も多くなったな)プシュッ
やよい(栄養ドリンクだ……)
P「っ……ぷは」
P「……よし、まだ頑張れる……」
やよい「……」
やよい(プロデューサー……凄く疲れてそう……)
……
…
・
―事務所―
ガチャッ
「「「「ただいまぁー」」」」
P「只今戻りました」
小鳥「あ、お帰りなさい」
美希「疲れたのー……」
P「美希は今日よく頑張ったよ。えらいえらい」
美希「ねぇねぇプロデューサーさん、ミキもう疲れたからここで眠ってもいいかな?」
P「駄目だ。家に帰ってゆっくり体を休めなさい」
美希「けちなのー……」
千早「プロデューサー、あの、今日のレコーディングのお話なんですが」
真「あ、僕達も相談したい事があって――……」
雪歩「次の曲のダンスの振り付けは――……」
P「あぁ。みんなちゃんと聴くから一人ずつな」
P「お、響もまだ残ってたのか」
響「うん!実は生っすかの企画でさー」
P「なんだなんだ?あ、ちょっと待ってくれ。電話だ」prrr
P「はいもしもし。あ、あずささん。お疲れ様です」
P「はい……え!?いやいやそこは県越してますって!とりあえずそこを絶対動かないで下さい!絶対!」
ワイワイ
小鳥「プロデューサーさん、人気者ねぇ」
律子「でもあんな人数相手で大丈夫かしら……私も手伝えたらいいんですけれど」
小鳥「元気はありそうだけど……ちょっと心配ねぇ」
やよい「……うぅ、やっぱり……」
律子「あれ?やよいまだ帰ってなかったの?」
小鳥「駄目よー。ご両親が心配するわよ?」
小鳥「え?」
律子「何を?」
やよい「……社長室にいってきますー!」
タッタッタ
小鳥「……何を決めたのかしら」
律子「さあ……まぁやよいは良い子ですから悪いことでは無いと思いますけど……」
P「家が遠い奴は送って行くから早く車に――……おい亜美、真美!肩にぶら下がるのやめなさい!」
……
…
・
―事務所―
チュンチュン
P「……ん」
P「んぅぇ……やべ……」
P(寝てたのか……もう空白み始めてる)
P(30分寝てたのか……少しは楽になるもんだな……)
P(よし、再開……)
グゥゥゥ……
P(…………飯食うか)
P(冷蔵庫にウィダーあったかな……)
P「おえぇっ……っ……ぇぉっ…………っぅぅ……!!」
ジャー ゴポゴポ
P「……はぁ……」
P(やばいぞ……胃が食べ物を受け付けなくなってる……)
P(なんだっけ……体を冷やすものを摂取してると吐き気を催すんだっけか)
P(ここ最近時間がろくに無くてコーヒーとウィダーだけだったもんな……あとは栄養ドリンクか)
P(馬鹿か俺は……こんなんで体調崩したらプロデューサー失格だよ)
P(自分は体調管理も仕事の内ってアイドルに口うるさく言ってるくせに……)
P(……)
P(…………仕事、か……)
P(仕事とか関係なく……あいつらの為にも俺が踏ん張らなきゃ)
P「っよし!踏ん張れ俺!」
P(今日は確か貴音と響以外の皆はオフだから、二人のロケの連れ添いをこなせばあとは事務仕事を――……)
バターン!!
社長「グッモーニン!」
P「うぇっ!?」ビクッ
P「しゃ、社長、おはようございます……お早いご出社……ですね?」
社長「うむ、おはよう。しかしあまり無理するなとあれ程言っておるのにキミィ……」
P「い、いえ、俺の事はいいんですが……社長がこんな時間に出社されるなんて何かあったんですか?もしかして、自分が何かミスを……」
社長「いやいや。今日は少し事情が変わってしまってねぇ」
P「事情?」
社長「うむ。キミにお願いしたい仕事が入り込んできたのだよ」
P「なにか飛び入りの仕事ですか?」
ペラッ
社長「この場所に行ってもらいたいのだよ」
P「この場所……ですか。了解しました」
社長「それでは、仕度をしたまえ」
P「えっ!?今からですか!?朝10時から貴音と響のロケの連れ添いがあるんですが……」
社長「うぉっほん!心配無用!今日は私がその役を引き受けるからねぇ!」
P「………………えー……」
社長「……なんだねその顔は」
ブロロロロ……
P「……」
――――――――――――
社長『とにかく今日はここは私に任せてその仕事に専念したまえ!』
社長『なぁに!私だって昔はアイドルを一億人ほどプロデュースした男だ!大船に乗ったつもりでいなさい!』
――――――――――――
P「……ああは言ってたけど……大丈夫かなぁ」
P「ま、とりあえずこっちの仕事を頑張るか……」
P「……」
P「でもこの住所どっかで見たことあるんだよな……」
P「……あれ?」
ブロロロロ……
P「ここって……」
ブロロロロ……
P「あー……間違いないな」
ブロロロ……キィー
バタン
P「やっぱり……やよいの家だ」
―高槻家―
P「もしかして社長……渡す紙を間違えたんじゃ」
ピロリン
P「あれ……社長からメールだ」
―――――――――――――――
sub:そろそろ付く頃だろう
本文:もしそこに着いたらやよい君に連絡をする事。いいね
こっちは気にせずそっちを頑張ってくれたまえ。
健闘を祈っているよ。
ps.深爪って痛いよね。あれなんなの
―――――――――――――――
P「やよいに連絡……?」
P「もしかしてやよいのロケ……とか、そういうのなのか……?」
P「とりあえずやよいに連絡してみるか」
prrrr プツッ
『は、はひっ!』
P「お、やよいか?」
やよい『そ、そうですっ!おはよーございますっ!プロデューサー!』
やよい『はい!あの、今どこにいらっしゃいますかー?』
P「やよいの家の前だよ」
やよい『あのっ、じゃあ家にあがって下さい!』
P「え?いいのか?」
やよい『はい!まってますー!』
プツン
P「うーん……わからん。なんなんだ」
P「取りあえず……あがってみるか」
ガラッ
P「おじゃましまー……」
?「とりゃー!」
?「えーい♪」
ガシィッ!!
P「うおぉっ!!!?」
浩太郎「へっへー!」ギュウ
かすみ「つかまえたよー」ギュゥ
P「な、なんだ?どうしたんだい?」
やよい「……プロデューサー」
P「あ、やよい!おはよう」
やよい「……」
P「…………やよい?」
やよい「……プロデューサーを」
P「え?」
やよい「っ……プロデューサーを、今から“なんきん”しますーっ!」
P「…………へ」
―事務所―
ガチャッ
春香「おはよーございまーす」
小鳥「あら、おはよう……って春香ちゃん、今日はオフじゃなかったの?」
春香「えへへ、そうなんですけど……土曜日で学校は休みですし、来ちゃいました」
小鳥「ふふ……やっぱり皆同じようなものなのね」
春香「え?」
真「やっほー春香」
雪歩「春香ちゃん、おはよう」
春香「真!?雪歩!来てたんだ!」
美希「二人だけじゃないよー」グデー
伊織「休みの日まで来るとか……アンタたちどれだけ事務所好きなのよ」
千早「……水瀬さんも来てるじゃない」フフ
亜美「ねーピヨちゃんピヨちゃーん」
小鳥「どうしたの?」
真美「兄ちゃん来てないのー?」
小鳥「ええ。多分今頃は貴音ちゃんと響ちゃんの連れ添いで遠出してるはずよ」
亜美「つまんないのー」
美希「プロデューサーさんをおにぎりまみれにする計画が狂っちゃたの」
あずさ「だめよーそんなことしちゃ」
春香「でもプロデューサーさん大丈夫かなぁ」
真「え?何が?おにぎりが?」
春香「そうじゃなくて、最近プロデューサーさんが休んでるところを見た事ないからさ」
真「あー……確かにそうかもね」
千早「ずっと働き詰めよね……体調崩さないといいけど……」
律子「え?えぇと……どうだったかしら、休日もずっと出勤してるし」
小鳥「そういえば……」
春香「……」
春香(プロデューサーさん……)
ピロリンコ
春香「あれ?あ、響ちゃんからメールだ」
真「あ、お土産頼もうよ春香」
春香「…………」
真「……春香?」
春香「……やよいが」
真「え?」
春香「…………やよいが……プロデューサーさんを……軟禁……?」
一同「「「 へ 」」」
P「……やよい」
やよい「はいー、どうしましたかー?」
P「……状況がよく掴めないんだけど」
浩太郎「あはは!P兄ちゃん父ちゃんより肩凝ってる!」トントン
かすみ「浩太郎、おわったら次は私ね」
長介「プロデューサーさん、お茶置いておくね」
P「……なんで俺はやよいの弟さん達にすごいもてなされてるの?」
やよい「なんきんしてるからですー!」
P「なんきんか……なら仕方ないな?」
やよい「はい!プロデューサーは今日は私達のなすがままです!」
P「なすがままなら仕方ないな……」
P「だって何か仕事があったんじゃないのか!?俺は社長の命令で――……」
やよい「はい、お待たせしましたー!」
P「ここに来たワケで――……って、え?」
ホカホカ
P「……味噌汁に…………ふっくら卵焼きに……ほっかほかのご飯……」
P「え……これ……俺、に?」
やよい「……」
P「……やよい?」
やよい「……あ、あの……社長に、最近プロデューサーが食事もロクにとってないって……」
やよい「……もし、よければ……たべてくれませんか……?」
P「……」
P「……いただきます、やよい」
やよい「っ!はいっ!」パァァ
かすみ「うん!」
長介「それじゃ」
「「「「いただきまーす!!」」」」
P「……いただきます」
P(……大丈夫かな……吐いてしまわないといいけど……)
P「……」カチャッ
パクッ
P「……」モグモグ
P「……」モグ……
P「……」パク モグモグ
P「……」モグモグ
P「……」
P「…………うまい……」
やよい「! 本当ですかー!?」
やよい「えへへ……、嬉しいです」テレテレ
かすみ「お姉ちゃんのご飯、美味しいでしょ」
長介「これには適わないんだよな……俺も練習してるんだけど」
浩太郎「練習しても真っ黒な卵焼きしかできないんだよなー!」
長介「お前生意気いってんじゃねーぞ!」
浩司「まっくろー!」
やよい「みんな静かに食べなさい!」
かすみ「えへへ……美味しいね」
ワイワイ
P「…………」
浩太郎「姉ちゃん、おかわりー!」
やよい「はいはいちょっと待ってねー」
P「……」ズズ…モグモグ
長介「かすみ、ちょっと醤油取って」
かすみ「うん、あれ……醤油切れてる」
P「……」モグ……
浩司「んんっ」
やよい「ほら浩司、こぼしちゃってるよ」フキフキ
P「……」モグモグ……
やよい「えへへ、はい。きれいきれい」ニコッ
P「…………」
――――――――――
P『……――はい、その企画書で大丈夫です。はい。失礼します』
P『…………はぁ』
P『家に帰っても仕事か……』チラッ
P『うわ……時間無い……新しい企画書仕上げないと……飯どうするかな』
P『……昼に買ってたカロリーメイトで良いか』
P『…………』モグモグ
P『……』モグ……
P『(暖かいご飯……最後に食べたの……いつだっけ)』
P『(……最後に誰かとテーブル囲んで食事したの……いつだったっけ)』
――――――――――
P「……」
長介「え?」
かすみ「?」
やよい「へ?プロデューサー、何か嫌いな物とか――……」
やよい「…………!」
P「……っ……!」ポロポロ
やよい「……プロデューサー……」
P「こ、れは……ちがう……んだよ」ポロポロ
P「味噌、汁の……!湯気が……目に、入っちゃってさ……!」
P「あはは……!ば、馬鹿……だよな!こんな、大人にも、なって」
P「……子供たち……みんなの、前……で……!」
P「……っ……本当に……!!」
P「本当に…………バカ……だよ……俺……!!」ポロポロ
長介「……おい、浩太郎。布巾とりにいくぞ」
浩太郎「え?一人でいけよー」
長介「……俺一人じゃ重い布巾なんだよ。ほら、いくぞ」
浩太郎「わかったよー」
スタスタ
P「……すまん……!!……すぐに、止まるから……!!」
P「だから……少し……少しだけ……待ってくれ……!」ポロポロ
やよい「プロデューサー……」
かすみ「……」
P「うぇっ?」グスッ
やよい「か、かすみ!プロデューサーさんに抱きつかないの!」
かすみ「ふふ、ぎゅー」ギュゥゥ
P「か、ぐすっ……かすみ、ちゃん?」
かすみ「あのね」
P「?」グスッ
かすみ「私が悲しい時はね、お姉ちゃんがいつもこうやってぎゅーしてくれるんだ」
やよい「……」
P「……っ……ぐすっ」
かすみ「……きょうはね、プロデューサーさんは軟禁されてて、わたしたちのなすがままだから」
かすみ「……なんでもしていいなら、ぎゅーってしちゃうね」ギューッ
やよい「……」
ポフッ
P「へ……?」
やよい「…………~~っ!」ギュゥゥ
P「……やよ、い……?」グスッ
やよい「……今日は」
やよい「今日は……プロデューサーは、軟禁されてるんです……!」
やよい「だから、わたしもぎゅーってしたくなったから!ぎゅーってします!」
P「…………」
かすみ「ふふ♪」ギュゥゥ
やよい「~~っ」ギュゥゥ
浩司「?ぎゅーっ?」ギュゥ
P「……はは……は……」ポロポロ
P「軟禁なら……しょうがないなぁ……!」ポロポロ
P「……っ……暖かい……暖かい手錠だなぁ……」ポロポロ
P「…………」
やよい「こらー、そこ片付けるからちょっとどいてー」
かすみ「はーい。ちょっと浩三のおむつかえてくるね」
浩太郎「ぎゃはは!」
長介「こら浩太郎!漫画読んでないで掃除すんの手伝えっての!」
浩司「すぅ……すぅ……」
P「…………」
P「…………」
P(ハドゥカティ)
P(成人したいい年こいた大の男が子供達の前で食事中に号泣)
P(そして子供達に気を使われて慰められる始末。ハドゥカティ)
P(ついさっきまでの自分をありったけの力を込めて平手打ちしたい)
やよい「プロデューサー?」
P「ファイッ!」
やよい「どうかしたんですか?顔が赤いですけど……うぅ、具合、悪いんですか?」
P「なな、なんでもないよ!本当だよ!本当だったら!」
やよい「だったらいいんですけど……あ、プロデューサーさん!」
P「え?」
やよい「はい!敷き終わりましたー!どうぞ!」
P「え?……布団?」
P「え……なんで?」
やよい「……社長が、プロデューサーは今日あまりねむれてないみたいだって……さっきメールで」
P(ああ……社長……)
やよい「なので、どうぞ!」
P「ど、どうぞって言ったってなぁ……俺仕事あるし」
やよい「プロデューサーは今軟禁されてるんです!」
P「そ、そうは言っても」
やよい「……わたしは」
P「え?」
やよい「わたしは……プロデューサーが体壊しちゃうの……嫌です」
P「……」
やよい「!」
P「……ありがとうな。やよい」
ナデナデ
やよい「!……えへへ」
P「それじゃ……少しだけ……眠らせてもらうかな」
やよい「どうぞー!」
P「よいしょっと」モゾモゾ
やよい「よいしょ」モゾモゾ
P「はい、待とうかやよい」
やよい「はい?」
P「なんでさりげなく横に寝転がってるの」
P「あはは……やよいは良いお姉ちゃんなんだな」
やよい「そ、そんなことないですー!それよりも早くお休みになってくださいー!」
P「ああ。それじゃそうさせて――……」
浩太郎「とりゃー!」モゾモゾ
かすみ「えーい♪」モゾモゾ
浩司「わー♪」モゾモゾ
P「うわっ!?」
やよい「あっ!こら!」
長介「浩太郎!かすみ!浩司!プロデューサーさん眠れないだろ!邪魔すんなって!」
浩太郎「いいじゃんかー!うるさくしないから!」
かすみ「湯たんぽとまくらのかわりだよー」
やよい「駄目でしょー!早くどきなさい!」
P「あはは……いや、いいよ。やよい」
やよい「プロデューサー……うぅ……」
長介「騒いだら追い出しちゃうからな。かすみ、浩太郎」
やよい「それじゃ、プロデューサー、おやすみなさい」
P「あぁ、おやすみ。やよい」
パタン
浩太郎「へへー!うるさいのは行っちゃったよ!」
かすみ「でも騒いだら駄目だよ。浩太郎」
浩太郎「えー!かすみまで裏切るのかよ!」
かすみ「プロデューサーさんはつかれてるんだから」
浩太郎「あ、そうだった」
P「はは……まぁ、そんな大した事はないから大丈夫だよ」
浩司「すぅ……」
かすみ「あ、こうじまた寝てる」
浩太郎「早いなこいつ」
P「はは……よく寝る子だね」
浩司「ん……すぅ……」
P「……やよいは偉いなぁ」
かすみ「え?」
浩太郎「やよい姉ちゃんが?なんでー?」
P「ん?いや、家事も、アイドル業も……家族の事も全部きっちりやってるじゃないか」
P「まだ中学生なのに……あんなにしっかりした子はいないよ」
かすみ「……」
浩太郎「……」
P「……色々やよいの事を知ってくうちに……あいつの負担を、減らそうって……思ってたんだけどな」
P「……逆に、こんな風に気遣われて……情けないよ」
P「……って、ごめんね。君たちに言う話でもないよな」
P「あはは、ごめん、ちょっと俺、今変になっちゃってて……」
かすみ「……プロデューサーさん」
P「え?」
ギュゥ
かすみ「いつも、ありがとう」
P「……へ?」
浩太郎「あのな、P兄ちゃんにまた会ったら言おうって兄弟皆で言ってたんだ!」
P「へ?へ?何が?俺は別に何もしてないし……迷惑かけてばっかで」
かすみ「ううん、いっぱいお世話になってるよ」
浩太郎「姉ちゃんの事お世話してくれてありがとーな!」
P「……やよい、の?」
かすみ「……あのね。お姉ちゃん、プロデューサーさんと会う前まで、ずっと大変だったの」
かすみ「アイドルのお仕事もなくて、家事も学校もあって……すごく大変だったみたいで」
かすみ「でも、プロデューサーさんにお仕事を手伝ってもらうようになって……お姉ちゃん、前より笑うようになったよ」
かすみ「お仕事もうまくいって、せーかつもずいぶんらくになったって……お姉ちゃん言ってた」
かすみ「そして、全部ぜーんぶ、プロデューサーさんのおかげだって……言ってたよ」
P「……!」
かすみ「プロデューサーさんを休ませてあげたいから、手伝ってって……私達に頼んできたよ」
かすみ「お姉ちゃんに何かをお願いされたの……あれが初めてなんだ」
P「…………」
かすみ「……それだけ、お姉ちゃんはプロデューサーさんにお世話になってるんだよ」
浩太郎「だから、ありがとうな!兄ちゃん!」
P「……っ……」
モゾ
かすみ「プロデューサーさん?」
浩太郎「布団に潜っちゃった!あはは!」
P「……っ……」ポロポロ
P(俺は……本当に駄目な大人だなぁ)
P(子供達に……こんな小さな子供達にこんなに救われるものなのか)
P(本当に本当に……駄目な大人だよ)
仕事の人の軟禁
×仕事の人
○将来の義兄
カタカタ
P「はい!あ、その企画書を今作成してるんで!」カタカタ
P「はい?いえ!そっちのPAには話を通してあるんですが――……」カタカタ
P「はい、はい!また折り返し連絡させていただきます!」カタカタ
ピッ
P「企画書……っ……これ終わったら次は何だっけ……!」
カタカタカタ
カタカタカタ
カタカタカタ
カタ……
P「……」
P「……」
P「……これが終わったら……なんだっけ」
P「……何をすればいいんだっけ……」
P「……あれ」
P「この電話……誰からだっけ」
prrrrrr
P「……企画書、終わったら何をすればいいんだっけ」
P「……」
P「……」
P「……」
P「思い出せないや」
P「……」
P「俺は」
P「俺は、何のために働いていたんだ?」
P「誰のために働いてたんだっけ」
P「何のために」
P「何の、ために」
「あ!プロデューサー!次の企画は、もっとこう、可愛い、プリプリィって感じのをですね!」
「寝癖治してください……まあ、なんでもいいですけれど」
「プロデューサー、おはようございますぅ。えへへ」
「兄ちゃーん!」「ゲームしようぜー!」
「あらあら、プロデューサーさん。おはようございます」
「はいさーい!プロデューサー!今日も自分頑張るぞー!」
「プロデューサー?身だしなみも仕事のうちですよ!ちゃんとしてください!ちゃんと!」
「アンタもだらしないわねぇ。私のプロデューサーならもっとピシっとしなさいよ!」
「プロデューサー、今宵、らぁめんを食べに参りませんか」
「プロデューサーさん、おふぁよー……あふぅ」
―――――――――-----・・・
カァ カァ
P「……ん」
P「……夢……」
ムクッ
P「…………あれ……ここは」
P(……あ……そうか。そういえばやよいの家に……)
P(…………かすみちゃんと浩太郎君と浩司君は……もういないか)
P(うわ、外……もう薄暗いじゃないか……どんだけ寝てたんだ俺)
P「…………」ポリポリ
P「……やよいは……いるかな……」
やよい「……よいしょ……」ゴソゴソ
やよい「っと……よしっ」トントン
P「……買い物に行くのか?」
やよい「えっ!!?あっ!プロデューサー!」
P「あぁ、ごめん。ビックリさせて。今起きたんだ」
やよい「そうでしたか……」
P「……やよい」
やよい「はい?」
P「…………久々にぐっすり眠れたよ」
P「……ありがとう」
やよい「……!」
やよい「えへへ……だったら……良かったです」ニコ
やよい「え?大丈夫ですよー!今プロデューサーは軟禁されてるんですから――……」
P「……付いていきたいんだ」
やよい「……!」
P「……いいか?」
やよい「……」
やよい「…………はい……」
……
…
・
―土手沿い―
ガサガサ
P「はは、やっぱり家族がいると食材の量も凄いんだな」
P「一人暮らしなんて自分の分しかないから……こんな買い物、随分久しいよ」
やよい「えへへー、うちは皆いっぱいたべますからー」
やよい「えへへ……」
P「……」
やよい「……」
やよい「……あの、プロデューサー……」
P「……なんだ?」
やよい「その……あの……」
やよい「……怒って……ますよね」
P「え?」
やよい「……勝手に、お仕事お休みにしちゃって、無理やりうちにつれてきちゃって」
やよい「説明してもないのに、軟禁だーって言っちゃって」
やよい「……勝手なことして……本当にすみませんでした!」ペコリッ
P「や、やよい、やめてくれよ!ちょっと頭上げてくれ!」
P「そ、そりゃやよいが“軟禁”って言い始めた時は本当に戸惑ったけどさ」
やよい「あれ、社長が教えてくれたんですー」
P(あのおっさん)
P「…………でも、確かに、ビックリしたし、ちょっとどうしていいかわかんなかったよ」
P「いつもは仕事してる時間帯だからかな……体もしばらくそわそわしてしょうがなかったし」
やよい「……うぅ」
P「……でもさ、凄く……本当に凄く、感謝してる」
やよい「…………え?」
P「……やよい、今日は本当にありがとう」
P「体が休まった……とか、それもあるけど」
P「なんか……上手くいえないけど……何て言っていいのか、わかんないけどさ」
P「なんというか……やよいのおかげで色々と腑に落ちた気がするんだ」
P「だから………………ありがとう。やよい」
やよい「何も……何もできてないのに……」
P「……やよい?」
やよい「……わたしこそ、お世話に……お世話になってるのに」
やよい「プロデューサーが疲れてるの……あまり……気付けなくって……!」
やよい「いつも、おせわになって、ばっかりなのに、たすけてもらってばっかりなのに……!」
やよい「ぷろでゅーさーに、なにか、かえせないかなって……グスッ……かんがえたけど」
やよい「なんだか……よく、わからなくなっちゃって……!ぐすっ!!ごめんなさい……!ぷろでゅーさー……!ごめんなさい……!」
P「……やよい」
やよい「ひぐっ……!ひぐっ……!」ポロポロ
P「……」
P(なんだか、間抜けな話だ)
P(俺がこの娘を手助けしようと思ってやってきた行動が……この娘の負担になっちゃったんだな)
P(はは……なんて情けなくて、馬鹿で……果報者なんだろうなぁ……俺は)
P「ほら、ハンカチ。泣かないでくれ。やよい」ゴシゴシ
やよい「ぐすっ……む……うぅ」
P「はは……さっきと立場が逆だな」
やよい「はふ……」
P「……よし、綺麗になった」
やよい「すみません、プロデューサー……」グスッ
P「はは、よし!」
ガサッ
P「それじゃ、戻ろうか。みんなが心配するかもしれないぞ」
やよい「……」
やよい「……」
P「……明日から、多分、また始まる……仕事もさ」
やよい「……うぅ……」
P「今日のおかげで……強がりでもなんでもなくて……全部全部、乗り越えられそうなんだ」
P「……やよいや、やよいの兄妹みんなのおかげだよ」
やよい「……!」
P「だから笑って…………帰ろう、やよい」ニコッ
やよい「…………」
やよい「……っ……!」グシッ
やよい「…………はいっ!プロデューサー!」ニコッ
スタスタ
P「でも、いいのか?晩御飯まで一緒にご馳走になって……」
やよい「はい!元気がでるものを作っちゃいますから、ぜひたべていってくださいー!」
P「はは、楽しみだよ……っと、着いたな」
ガラガラ
やよい「ただいまー!」
P「おじゃましまー……ってうおっ!!?」
ズラァッ
やよい「はわわ!?凄い数の靴が玄関に!!」
P「…………まさか」
「あっ!誰か帰って来た音がしたよ!」
やよい「あれ?この声――……」
P「……居間の方からだな……」
春香「おかえりー!やよい!」
真「おじゃましてるよー!」
伊織「ちょっと!アンタやよいをこんな時間まで買い物に行かせてるんじゃないわよ!」
美希「プロデューサーさん!おひさ!昨日ぶりなの!」
ワイワイ
やよい「みんな……」
P「ちょっと待て!!何でお前らここにいるんだよ!!」
春香「いえ、実は響ちゃんから『社長から聞いたけどやよいがプロデューサーを軟禁してるらしいぞ』メールが来て……」
真美「真相を確かめに来たのさ!」
P「いやだからってこんな大勢迷惑だろ!!」
亜美「やよいっちのお父さんが『全員あがって待ってて下さい!後生ですから!』って」
やよい「おとうさん……」
伊織「だから響のデマだって何回言わせるのよ……」
あずさ「それじゃ、私達はそろそろお暇しようかしらー?」
浩太郎「えー!!姉ちゃん達もう帰っちゃうのー!?」
かすみ「やだー、もうちょっと居てよぉ」
やよい父「やだやだぁ!!」
長介「親父ちょっと納屋に閉じ込めてくるわ」
やよい「でも……みなさん、私のわがままのせいでここまで来ちゃったんですよね」
やよい「あ!そうだ!みなさんも晩御飯たべていってくださいー!」
雪歩「え?いいのかな?」
真「やーりぃ!やよいの手作りだ!」
やよい「はいー!ご飯は大勢で食べたほうがおいしいんですよー!」
P「……はは、うん。そうかもな」
やよい「じゃあお母さんに話してきますー!」
パタパタ
P「……ふふ」
春香「……プロデューサーさん?」
P「うぉっ!?な、なんだ!?」ビクッ
春香「……むー」ジー
P「……?」
春香「……ふふ。なんだか、ちょっとスッキリした顔になってるなぁって思って」
P「…………そうか?」
春香「はい。何かありました?」
P「うーん…………まぁちょっとな」
春香「……えへへ、そうですか」
―玄関―
「「「「お邪魔しましたー!」」」」
やよい「皆さん、今日はありがとうございましたー!」
春香「こちらこそごちそうさま!ありがとうね!」
小鳥「なんだか私達も呼んで頂いて、すみません」
やよい母「いえいえ、来てくださってありがとうございました」
社長「いやぁ、面目ないですなぁ」
かすみ「お姉ちゃん達、また来てね」
浩太郎「また遊ぼうなー!」
響「あぁ!いい子にして待ってろよー!」
伊織「あれ?やよいのお父様は?」
長介「さぁ……」
―納屋―
やよい父「んほぉぉぉぉ!!んほぉぉぉぉぉ!!」ガタンガタン
高槻家で監禁された
「「「「はーい!」」」」
スタスタ
P「ふぅ……それじゃ、自分もこれで。今日は大変お世話になりました」
やよい母「いえ、こちらこそやよいが毎回お世話になって……」
P「いえ、自分の方がお世話になっているくらいですよ」
浩太郎「P兄ちゃん!また来てね!」
かすみ「今度はもっといっぱいあそぼうね」
浩司「あそぶー!」
P「はは!そうだな!それまでいい子でね」
長介「プロデューサーさん。また来てね」
P「長介くんにもお世話になったね。ありがとう」
長介「いや、そんな事ないよ……でも、楽しかったよ。またね」
P「本当にしっかりした子だね……うん、またね」
やよい「……」
P「……」
やよい「あの、プロデューサー、今日は……その、なんていうか」
やよい「……その……」
P「……やよい」
やよい「え?」
P「また明日から……仕事頑張ろうな」
やよい「……!」
やよい「……はい」
やよい「……」
P「……でもさ」
やよい「……?」
P「時々、時々でいいから……」
P「疲れて、どうしようもなくなった時」
P「また……こんな日を一緒に過ごしてくれないかな」
P「……やよいが、よければ……だけど」
やよい「……」
やよい「…………」
やよい「……………………っ!」
ニコッ
やよい「はいっ!」
ブロロロロ
春香「すぅ……すぅ……」
真「むにゃ……ふふ……」
雪歩「うぅん……いぬ……いぬがぁ……」
P「みんなぐっすり寝てますね……」
社長「うむ……まぁ私も久々の現場でだいぶ疲れてしまったよ」
P「今日は申し訳ありませんでした」
社長「いや、そういうつもりで言ったのではないよ。私も久々で楽しんだからね」
P「いえ、それでも。ありがとうございました」
社長「……」
P「?……社長?」
社長「はは……いや、君の今の顔を見て今日は正解だったなぁと再確認したよ」
社長「やよい君にも礼を言わなければね……」
……
…
・
――――――――――――
翌日
―事務所―
「はぁっ……はぁっ……」
ガチャッ
やよい「おはよーございますー!」
小鳥「あら、おはよう。やよいちゃん」
やよい「おはようございます!小鳥さん――……」
「おはよう、やよい」
やよい「! プロデューサー!」
やよい「えへへ……」
P「……」
やよい「……」
P「まぁ、あれだ」
やよい「……?」
P「今日も元気に!頑張るとするか!やよい!」
やよい「っ!はい!」
小鳥「ふふ……」
やよい・P「「せーのっ」」
P「はい!」
やよい「たーっち!!」
やよい・P「「いぇいっ!!」」
おわり
…
・
―納屋―
やよい父「コフォォ、コフォォ」
終わり
書いてて死にたくなったけどね。会社滅びないかな
大儀であった
お陰で金土日仕事頑張れそうだぜ!
Entry ⇒ 2012.11.16 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
P「美希がジョジョにハマった」
P「美希がジョジョにハマった」
美希「おはようなのー」ガチャ
亜美「ミキミキおっはー」
真美「おはおはー」
美希「あれ?まだ二人だけ?」
真美「そーだよーん。今日は真美達が一番乗り!」
亜美「律っちゃんと兄ちゃんは打ち合わせでどっか行ってるー」
美希「ふーん……あれ?二人共何読んでるの?」
亜美真美「「ジョジョ!」」
美希「ジョジョ?」
真美「オーマイガーッ!『理解不能ッ!!』」
美希「名前しか知らないの……どんな話なの?」
真美「人間賛歌はッ!」
亜美「勇気の賛歌ッ!!」
亜美真美「「って感じ?」」
美希「まったく情報が伝わってこないの……」
真美「うーん……あ、読んでみる?」
亜美「百聞は一件のシカ,sって言うしね!」
美希「それ、なんか違うって思うな」
真美「百聞は一点のシラス……じゃないっけ?」
小鳥「亜美ちゃん真美ちゃん。それを言うなら百聞は一見にしかず、よ」
美希「うわっ!小鳥、いきなり来るとびっくりするの!」
真美「うわあ!ピヨちゃん!?いたの!?」
亜美「こ、これは……!スタンド攻撃を受けているッ!?」
小鳥「ずっと奥の方にいたわよ……?」
美希「存在感薄いの」
小鳥「ピヨ……」
ジョジョ立ち銀の車輪アヌビス二刀流ピースを決めてくるなんて
真美「あー!すっかり忘れちゃってたYO!」
亜美「ジョジョの話だったっけ?」
小鳥「ジョジョ……ッ!」
美希「小鳥もジョジョ知ってるの?」
小鳥「知ってるどころじゃあないわッ!」
小鳥「単行本は当たり前!諸々のフィギュア!グッズも持ってるわッ!」
真美「おおー!ピヨちゃん凄い!」
亜美「ジョジョラーって奴だね!」
美希「な、なんか凄いの……」
小鳥「美希ちゃんは読んだこと無いの?」
美希「男の子が読むような漫画は読んだことないの」
小鳥「もったいないわ!!」クワッ!
美希「こ、小鳥……近いの……」
亜美「あ、じゃあピヨちゃんミキミキにジョジョ貸したげてYO」
真美「真美達の貸してあげられればいいんだけど、まだ読んでるからさー」
小鳥「もちろんよ!布教用の奴を貸してあげるッ!」
美希「布教用?」
亜美「おお!保存用、布教用、観賞用って奴だね!?」
真美「流石ピヨちゃん!真美達に出来ないことを平然とやってのけるYO!」
亜美「あ、確かに」
真美「ミキミキ正論だね」
小鳥「……と、とにかく!明日にでも事務所に持ってくるわね!」
真美「とりあえず一巻だけでもパラパラっと読んでみる?はいこれ」
美希「ふーん」パラパラ
小鳥「あ、それ文庫版?」
真美「そーだYOー」
亜美「文庫の方は『何をするだァーッ!!』じゃないんだよねー」
小鳥「文庫もいいんだけど、やっぱり単行本の方が表紙を堪能できるのよねー」
亜美「うーん。ジョジョラーらしい意見だねー」
真美「ミキミキどんな感じ?」
美希「なんか絵が濃くってちょっと気持ち悪いの」
小鳥「」プッツン
亜美「あ」
真美「言っちゃいけないことを……」
美希「こ、小鳥?」
小鳥「絵だけで漫画を忌避する!これほど愚かなことはないのよ!冗談じゃあないわ!」
亜美「火点いちゃったね」
真美「マジシャンズ・レッドだね」
小鳥「いいかしら美希ちゃん!?ジョジョを読まないで絵だけで判断しちゃ駄目なのよ!」
美希「小鳥怖いの……」
亜美「マニアってそんなもんだYO」
真美「真美も『シーザーって服にシャボン液染み込んでるから洋服ベッチャベチャなんだろ?wwww』って言われたときは我を忘れて怒り狂ったYO」
真美「まあ読む前に『絵が受け付けない』って言う人はかなりいるけど、『読んでみたけど面白くなかった』って人はあんまいないYO」
美希「えーと……とりあえず読んでみるの……」
小鳥「是非!」
~三日後の事務所~
P「おはようございまーす」
美希「やかましいッ!うっとおしいの このアマッ!」ガルッ
P「え……何これ」
亜美「おはよー兄ちゃん」
真美「兄ちゃんはろはろー」
P「お、おう……おはよう」
P「ああ、音無さん。おはようございます。で、何ですかこのザマ」
亜美「兄ちゃん。これこれ」
P「んん……?ジョジョか……なるほど」
千早「プロデューサー、おはようございます」
P「千早か。おはよう」
千早「美希、朝からずっとあんな調子なんですよ」
小鳥「チョット前に単行本を貸したんです」
P「で、ハマっちゃったと」
美希「『ブッ殺す』と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているのー!」
P「アイドルがブッ殺すとか言うんじゃあないの」
小鳥「美希ちゃんがしっかりハマってくれて、私嬉しいわ!……ちょっとセリフの使い方変な時あるけど」
P「また余計なことを……」
小鳥「ピヨ……」
P「ん?ああ。学生時代は漫画大好きでいろいろ読んでたなあ。ジョジョも好きだよ」
千早「私はそういうのよく分からなくって……さっきから全然話についていけないわ……」
亜美「千早お姉ちゃん漫画とか読まなさそうだもんねー」
美希「ハニー!ジョジョってすっごい面白いの!」
P「良かったなー」
美希「もう!反応が薄いのー!」
亜美「兄ちゃんは何部が好きー?」
P「俺?俺は四部かなあ。一番完成度が高いと思う」
小鳥「私は断然!五部です!」
真美「んっふっふ~ じゃあブチャラティみたいにピヨちゃんのほっぺ舐めたげようかー?」
亜美「この味は!……嘘をついている味だぜピヨちゃん!年齢方面で!」
小鳥「酷いわ!わ、私は年齢を公表してないだけで、詐称なんかしてないわよ!」
亜美「亜美は二部!」
真美「真美も二部が好きかなー!」
P「あー、確かにお前らなんかジョセフっぽいわ……」
亜美「頭が切れるって点ではジョセフにかなう奴いないっしょー!」
ワイワイガヤガヤ
千早(私だけなんか仲間はずれね……)
P「しかしなんだなあ。女の子でもジョジョ好きっているんだなあ」
律子「女子にも結構ファンはいますよ」
P「うおお!?律子!!」
P「だっていきなり出てくるから……」
亜美「律っちゃんもジョジョ知ってんのー?」
律子「知ってるわよ。一応全部読んでるわ」
真美「律っちゃんはやっぱ眼鏡だからギアッチョ?」
亜美「根掘り葉掘りにキレるの?」
律子「氷漬けのカッチカチにしてあげましょうか」
ガチャ
伊織「なんか騒がしいわね。なんなのよこの騒ぎ」
あずさ「あらあら~賑やかでいいわね~」
亜美「おー!いおりんにあずさお姉ちゃーん!」
真美「いおりんも一緒にジョジョの話する?」
伊織「はあ?ジョ……なに?」
真美「ありえないっしょー!」
伊織「知らないわよ!なんなのよそれ!」
美希「デコちゃんは呪いのデーボなの」
伊織「は?」
小鳥「ぶふぅ!?」
美希「その内、そのうさぎのぬいぐるみが『かみ切ってやるぜーッ!メーン!』って言い出すの」
あずさ「まあ!うさちゃん意外と過激なのね~」
伊織「言わないわよそんなこと!」
P(冷蔵庫から伊織が出てくるのか……)
小鳥(『このトンチキがァー!』って言うのかしら)
真美「いおりんのあそこ以外が切り刻まれちゃうんだね……」
亜美「いおりん、『再起不能(リタイア)』」
律子「で、この波紋っていうのが特殊な呼吸法で太陽のエネルギーを生み出すのよ」
千早「なるほど……呼吸法ね……歌に生かせないかしら」
P「それは無理だと思う」
ガチャ
真「おっはようございまーす!」
雪歩「おはようございますぅ」
P「おーう二人共、おはよう」
真「プロデューサーおはようございます!なんだか賑やかですね?」
P「ああ、実はな」カクカクシカジカ
美希「意外なの。真君ならサッカーしながら『蹴り殺してやるッ!このド畜生がァーッ!』とか言いそうなの」
真「な、なにそれ……」
雪歩「……」
P「あと来てないのは貴音と響、それに春香、やよいか。今日はなんだか皆ゆっくりしてるなあ」
律子「ええ。今日は珍しく午前中は皆フリーですからね。午後からはバラバラに仕事が入ってますけど」
美希「やれやれなの……ミキはそんなブ男に引きずりだされないの」
亜美「んっふっふ~。このモハメド・亜美ドゥルの手にかかれば!ムゥン!レッドバインドー!」
真美「ああー!ミキミキの身体に炎の縄がー!」
美希「うおおおおーー!!ミキはもう知らないのー!」
P「あっちはうるせえな……」
あずさ「楽しそうでいいわね~」
小鳥「留置所から承太郎を引き出すアヴドゥルごっこですね」
律子「なんでそんな場面を……」
千早「フムフム……気化冷凍法……すごいわね」
真「楽しそうだなあ。ボク全然ついていけないや。雪歩は分かる?」
雪歩「え?う、うんちょっと……」
亜美「ミキミキ!次は亜美がDIOやるから花京院やってYOー!」
美希「えー。髪の色的にミキがDIOだって思うな」
亜美「いいじゃーん!半径20mエメラルドスプラッシュをザ・ワールドで返すごっこやりたいんだYOー!」
美希「だって花京院ってまともに勝ったのはお爺さんと赤ちゃんだけだし、なんかあまり強い印象ないの」
雪歩「」ピクッ
美希「最初に変な絵書いてたり、変な操り人形持ってたのもなんだかなって感じなの」
美希「花京院はちょっとかっこ悪いの」
雪歩「か、花京院はかっこ悪くなんかありません!!!」
一同「」ビクッ
真「ゆ、雪歩……?」
千早「そんな……!髪の毛で攻撃するだなんて……意外すぎるわ……」
P「千早はマイペースだなあ」
あずさ「読みふけってるわね~」
美希「ゆ、雪歩……?ちょっと落ち着くの……」
真美「雪ぴょん……?」
亜美「どしたの……?」
雪歩「それに!」
美希「」ビクッ
亜美真美「」ビクッ
雪歩「DIOの能力に気付いたのも花京院だし、死に際にヒントを残さなかったら皆やられちゃってたかもしれないんですよ!?」
雪歩「花京院がいなかったら、ジョジョは成立しないんですぅ!!!」
伊織「雪歩がすっごい声張ってるわ……」
あずさ「雪歩ちゃんすごいわ~」
真「あずささんはブレないなあ」
雪歩「花京院は弱くなんかありません!かっこ悪くなんかありません!!」ハァーハァー
P「よし。雪歩、一旦落ち着こう。皆引いちゃってるから」
律子「雪歩、どうどう」
雪歩「ハッ!?ご、ごめんなさい……私つい……」
小鳥「いいえ、雪歩ちゃん。素晴らしいわッ!」
P「え」
花京院いいやつだし好きだわ
小鳥「あなたの花京院への愛!確かに受け取ったわ!」
小鳥「そうよね……承太郎やポルナレフだけじゃない。花京院だって立派なのよ!」
雪歩「うう……小鳥さん……ありがとうございますぅぅぅ……」
美希「雪歩……ミキも悪かったの」
亜美「ごめんね雪ぴょん……」
真美「でも、花京院を悪く言うつもりはなかったんだよ?ほんとだよ?」
雪歩「いいの……私分かってるから……!ありがとう……」
P「いい話だなあ」
律子「絆がより一層深まりましたね」
真「どうしよう。全然わからない」
あずさ「私も全然分からないわ~」
千早「あぁっ!ツェペリさんが……!ジョナサンに最期の波紋を託して……」フルフル
P「千早は本当にマイペースだなあ」
伊織「鈍感っていうんじゃないかしら」
響「はいさーい!」
いぬ美「ばう!」
やよい「おはようございますー!」
P「おーう。おはよう」
律子「今日はいぬ美も一緒なの?」
響「いぬ美と一緒に収録なんだ!」
P「動物番組の収録なんだよ」
美希「イギー!イギーがきたの!」
小鳥「どっちかといえばダニーじゃないかしら」
雪歩「ひっ!?いぬうううう!!!????」
律子「はいはい。雪歩はちょっと台所に避難してきなさいねー」
あずさ「あらあら~いぬ美ちゃん。おはよう」
いぬ美「ばう!」
伊織「相変わらずデカいわねえ」
響「おかげ様ですくすく元気に育ってるぞ-!」
P「これ以上育てるのか……?」
美希「イギー!砂!ザ・フールを使うの!」
亜美「ヘイ!ガムあげちゃおうイギー!」
真美「クチャクチャ食べんしゃい!」
響「こ、こらー!変なもの食べさせるなあ!」
千早「う、うう……ジョナサンの最期……かっこいいわ……」グスッ
亜美「あ!お姫ちーん!おっはー!」
貴音「はい。おはようございます」
真美「これだよこれこれー!」
貴音「……?じょじょの奇妙な冒険……ですか?」
響「あ、ジョジョだ」
小鳥「あら、響ちゃん知ってるの?」
響「ああ!にぃにが持ってたからな!読んだことあるぞ!」
やよい「漫画ですかー?」
小鳥「面白いのよー」
真美「やっぱワニが出てくる6部?」
響「自分は7部だ!SBRが一番好きだぞ!」
美希「7部ってなんかジョジョっぽくないって思うなー」
響「あ?」ギロッ
小鳥「あ?」ギロッ
美希「ごめんなさい。嘘です」
P「すげえや。美希を一瞬で黙らせたぞ」
律子「二人共、養豚所の豚を見るような目をしてましたね」
貴音「響のあのような顔、初めて見ました……」
小鳥「絵柄?絵柄がちょっと変わったからなの美希ちゃん?リンゴォ戦とかちゃんと読んだ?」
美希「」
やよい「二人共怖いです……」
亜美「亜美、6部と7部はお話難しくてちょっと分かんないとこあったYO」
真美「真美も一巡した世界とかよく分かんなかったYO」
P「5部後半くらいからちょっと複雑になるからなあ」
律子「一巡して名前が変わった皆が自己紹介するところで、唯一エンポリオだけが『僕の名前はエンポリオです』っていう所が最高に熱いんですけどねえ」
あずさ「響ちゃん、すっごく好きなのね~」
響「ジョジョは元々好きだけど、SBRの隠れた主役は馬だからなー!」
伊織「あんたそういうとこまで動物馬鹿なのね……」
千早「!?ストレイツォが裏切り!?そんな……どうして……」
真「千早読みふけってるなあ。ボクも読んでみようかなあ」
貴音「わたくしも……そういった、かるちゃぁには疎いもので」
やよい「私もよく分かんないですー」
P「無理に分かろうとする必要はないけどなー」
真美「言葉じゃなく心で理解するものだからね!」
亜美「亜美、ペッシが最後にゲス野郎になっちゃったのが残念だなあ」
ガチャ
春香「おはようございまーす!」
小鳥「あ、春香ちゃん。おはよう」
春香「おはよう雪歩!なんでそんなところにいるの?」
真「いぬ美が事務所にいるんだよ」
春香「あー、なるほど」
伊織「いぬ美なら何度も見てるじゃない。いい加減慣れなさいよ」
雪歩「無理だよぉ……」
美希「来たの……肉体(ボディ)!」
春香「へ?」
響「なんか始まったぞ」
貴音「ぼでぃ?」
千早「ナチスの科学力ってすごいのね……」
亜美真美「「な、なんだってー!?」」
やよい「そうだったんですかあ!?」
春香「やよい!?違うからね!?」
伊織「ああ。自分の体じゃないから良く転ぶのね」
春香「伊織まで!?」
真「何の話?」
雪歩「春香ちゃんが肉の芽を出すっていう話じゃないかな」
あずさ「美味しそうねえ~」
小鳥「美味しくはないかと……」
P「やっぱりリボンが本体だったんだなあ」
律子「プロデューサー殿まで……」
春香「ちょちょちょ、美希!?なにするの!?」
亜美「観念しな……はるるん」
真美「フィルムだッ!真っ黒焦げに感光しろッ!」
P「ワムウが逆に思い切り仰け反ったのってすごいですよね」
小鳥「戦闘の天才ですから」
律子「ちょっとあんた達暴れないの!」
美希「律子……さん……!律子、SUN!?これなの!」
律子「は?」
美希「律子、さんはザ・サンなの!」
真美「なんと!やはりその眼鏡が!?」
亜美「律っちゃん、石投げて眼鏡カチ割っていーい?」
律子「いいわけ無いでしょ!」
小鳥「何気にすっごい強いですよね。あれ」
あずさ「春香ちゃんが引っ張られていくわ~」
千早「ジョ、ジョセフが!真!ジョセフがついにエシディシを倒したわ!」
真「いや、ボクに振られても……」
伊織「めんどくさいわね……」
雪歩「でも名シーンなんだよ?」
やよい「千早さん……真剣です……」ゴクリ
P「やよいは純粋だなあ」
貴音「!? あなた様、このちぇりーをれろれろするのには一体どんな意味があるのでしょうか!?」
響「意味なんて無いと思うぞ……」
P「貴音、それ真似しようとするなよ」
貴音「なんと……」
春香「邪悪の化身ってなに!?」
真美「さあ!律っちゃん早く!復活する前に!」グイグイ
美希「早くしないと復活しちゃうの!」グイグイ
律子「ちょ、やめなさい!悪ノリが過ぎるわよ!」
千早「ワムウ……」スッ
真「千早が泣きながら敬礼してる……」
雪歩「分かる……!分かるよ千早ちゃん……!」
伊織「わからないわよ……」
やよい「千早さん……」グスッ
P「やよいは純真だなあ」
小鳥「良いシーンなんですよお」グスッ
P「音無さん、泣くほどじゃないでしょ」
小鳥(扱いの差が酷い……)
真「ボクも手伝うよ」
いぬ美「ばう!」
雪歩「うひぃ!!?」
響「いぬ美!めっ!」
小鳥「雪歩ちゃんのお茶は本当に『ンまぁーーーーいッ!』ってなっちゃうのよねえ……」
伊織「まあ確かに美味しいわよね」
あずさ「雪歩ちゃんのお茶楽しみだわ~」
貴音「!? あなた様!わたくしもこのいたりあんを食べたいです!」
P「内臓飛び出ちゃうから駄目」
響「トニオさんの料理は身体の不調がグロく治るのが難点だな……」
P「おー、もうこんな時間か」
あずさ「雪歩ちゃんのお茶を飲んだらお仕事ですね~」
響「よーし!今日も頑張るさー!」
やよい「頑張りますー!」
小鳥「うふふ。気合バッチリね!」
伊織「それはいいけど、あっちの騒ぎをどうにかしなさいよ……」
美希「春香の敗因はただ一つなの……」
真美「てめーは俺を怒らせた……」
亜美「ロードローラーだよはるるん!」
春香「ちょ、なに!ほんとなんなの!」
律子「あんた達いい加減にしないと……」
雪歩「お茶が入りましたぁ」
雪歩「真ちゃん!?み、美希ちゃん、暴れちゃ危ないよ!」
美希「オラオラオラオラなのー!!」
春香「美希、危ない!ほんと危ないから!」
真美「うああ!ミキミキ!そっち駄目!」
亜美「雪ぴょんとまこちんがお茶持ってt」
春香「うわあ!?」ドンガラガッシャーン
雪歩「きゃああ!?」
真「うわっ!?」
ジャッバー
亜美「あーあ……」
真美「やれやれだYO……」
美希「は、春香!雪歩も真君もごめんなの……」
律子「美ィィィィ希ィィィィィ……」ゴゴゴゴゴゴゴ
美希「ひっ……」
やよい「だ、大丈夫ですか!?」
小鳥「アバ茶……」
響「ぴよ子、それ駄目」
貴音「律子嬢、火傷はありませんか?」
千早「よかった……ジョセフが生きてて本当に良かった……」グスッ
P「なんかもうここまでくるとマイペース通り越してるな」
伊織「だから鈍感なのよ。鈍感」
あずさ「あらあら~」
律子「美希……」
美希「は、はい!」
律子「亜美と真美も……」
亜美「え!?亜美達も!?」
真美「そりゃないYO!」
律子「やかましい!うっおとしいぞ!てめーらッ!」
亜美「ゆ、許して……」
律子(NO!NO!NO!NO!)
真美「じゃ、じゃあ一思いに右でゲンコツを……」
律子(NO!NO!NO!NO!)
美希「ひ、左?」
律子(NO!NO!NO!NO!)
亜美「りょ、りょうほ~ですかああ!?」
律子(YES!YES!YES!YES!)
美希「もしかして……」
美希・亜美・真美「「「オラオラですかーッ!?」
律子(YES!YES!YES!YES!)
P「オーマイゴッド」
律子オラララオラオラオラオラオラオラァァァァ!!」
TO BE CONTINUED
小鳥「はい、何でしょう社長」
社長「ジョセフの声は私に似てると思わんかね」
小鳥「今は杉田なので」
社長「そうか……」
おわり
アイマスってキャラ多いから動かすの大変だね!
ハッ!
Entry ⇒ 2012.11.15 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
響「こたつはあったかいさー」
響「こたつはあったかいさー」
響「沖縄では要らなかったんだけどなー」
P「まぁそうだろうな」
響「こたつはプロデューサーの近くにいれるから好きさー」
P「こいつめー」ナデナデ
響「えへへ」
P「ん?」
響「隣行ってもいい?」
P「おぉ、おいでおいで」
響「わーい」
響「自分な、やっぱりプロデューサーと一緒にいる時が一番好きだぞ」
P「なんだ急に」
響「ねぇ、プロデューサーは?」
P「そりゃ俺も」
響「うん」
P「響と一緒の時が一番幸せだよ」
響「えへへへ」
響「なになに?」
P「来週雑誌のグラビア撮影だな」
響「やっぱり今だと冬服?可愛いの着たいさー!」
P「いや、例のプールで水着」
響「えー!?なんでまだ水着なんさー!?」
P「需要があるから……かなぁ……」
響「うー……自分、プロデューサー以外に水着姿見せたくないぞ……なんて……」
P「OK任せろ」
響「計画通りさー」
P「どうした?おねむか?」
響「んー……ちょっとだけ」
P「腕枕しようか」
響「うがっ!?は、恥ずかしいぞ……」
P「じゃああっちのソファー使う?寒いぞー」
響「うぅ……寒いのは嫌だぞ……腕枕で」
P「おう」
響「えへへ、プロデューサー……大好き!」
P「くうぅぅ!」
響「!?」
P「不意打ちはずるいぜ響……」
響「ふっふーん!おやすみさー」
P「zzz……」
響「あ、プロデューサー寝ちゃってる」
響「ふふ、可愛いなぁ」
響「いつも頑張ってくれてありがと、これからもよろしく頼むさー!」
P「いやいや、お前のためならなんてことないさ、こちらこそよろしくな」
響「いいいつから起きてたさ!?うがー!恥ずかしいぞー!」
P「あ、プロデューサー寝ちゃってる…のあたりかな」
響「ひーどーいーぞー!もう起きるー!」
P「まだだめー」ギュッ
響「んぅ……!し、仕方ないさー」
P「んー?」
響「自分、なんでもできるし、完璧だけど」
P「スタイルもいいしな」
響「茶化すなー!……だけどね、自分が完璧なのはプロデューサーがいつも傍にいてくれるからなんだぞ」
P「響……」
響「だから……その、えと……うがー!とにかく!プロデューサーは自分の傍にずっといること!わかったかー!」
P「あぁ、当たり前だ!響が嫌だって言ったってトップアイドルにするまでプロデュースしてみせる!」
響「それでこそ自分のプロデューサーさ!」
P「でもこれ抱き合いながら話すことじゃないな?」
響「これじゃ自分たちバカップルみたいさー」
P「いいじゃないか?」
響「も、もー……」
響「と、泊まってってもいいんだぞ!その、自分ペットのみんなと一緒に寝れるように布団とか大きいから大丈夫だぞ!」
P「そ、その状況の何が大丈夫だっていうんだ!俺の理性が持たないだろ!」
響「獣の扱いは慣れてるんだぞ!なんて…だめ?」
P「ぐぬぬ……いやしかしプロデューサーとアイドルが一夜過ごすってだめだろ……」
響「大丈夫さー!自分口は堅いぞ!!」
P「俺が何かするって前提を止めようか……」
響「いーからいーから!なんくるないさー!」
響「電気消すよー」
P「あ、あぁ……」
P(あぁやばい。静かだと息遣いとかがすごい耳に残る)
響「ね、プロデューサー」
P「ふぁいっ!?」
響「ふふ、自分なら……大丈夫だぞ、心配しないでいいからな」
P「ど、どういう……んっ」
――――――――
――――
――
小鳥「あら響ちゃんおはよう。今日は早いわね?」
響「ちょっとなー!今日も頑張るぞー!」
P「おはようございまーす」
小鳥「あ、プロデューサーさんも。おはようございます!ふぅん……」
P「太陽はとっても明るいのにどうしてこんなに眠いんだ……」
小鳥「プロデューサーさん、プロデューサーさん」
P「どうしました?」
小鳥「ちゃんと社会人としての自覚と責任を持つんですよ、うふふ」
P「え……?」
響「さ、プロデューサー!仕事だぞ!」
P「うおぉ!引っ張るな響!」
終わり
Entry ⇒ 2012.11.15 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
亜美「兄ちゃんのこと好きなんだろー」真美「ち、ちげーし」
真美「はぁ!? そ、そんなんじゃねーし」
亜美「うっわ~顔赤くなってるー! やっぱぜってぇー好きなんだぜコイツー!」
真美「ばっ、やーめ、やーめろって!」
亜美「けーっこん、けーっこん!」ヒューヒュー
真美「もー! やーめーろーよー!」
クラス
亜美「事務所のみんなに言ってやろー」
真美「……ぜ、全然好きじゃねーし!」
亜美「嘘だー」
真美「嘘じゃねーし! に、兄ちゃんのことなんか、全然、なんとも思ってねーし! むしろ嫌いだし!」
真美「あう……」
亜美「ホントにそーなの?」
真美「ううん……それこそ嘘っぽいよ……嫌いになるわけないっしょ」
亜美「そっか~。んっふっふ~、知ってたけどね!」
真美「もー、亜美に相談した途端これだよ~! 真美達はもう中学生なんだよ!」
亜美「でもでも~、真美もノリノリだったっしょ?」
真美「まーね! んっふっふ~」
P「」
小鳥「あら? プロデューサーさん、そんなところに立って、どうかしたんですか? 顔面蒼白ですけど……」
P「あ……音無さん……」
小鳥「ま、まぁまぁ落ち着いて……それで、なんでしたっけ」
P「ま、真美が……俺のこと、嫌いだって……」
小鳥「……」
P「ぜ、全然……好きじゃないって……」
小鳥「そ、そうですか」
P「うわああああ!!」
小鳥「ちょちょ、泣かないでください、良い年して」
P「だって、だって! ふぇええええ!」
小鳥「……もしかしてプロデューサーさんは、真美ちゃんのこと、好きだったんですか?」
P「はぁ!? ち、ちげーし! ぜ、全然、好きなんかじゃねーし!」
小鳥(よほどショックだったのね。精神年齢がずいぶん低くなっているわ)
小鳥「あ、はい」
P「好きか嫌いかで言えば、どっちかで言えば……」
小鳥「ふんふん……」
P「そりゃあ、愛しています」
小鳥「ふんふ……えっ?」
P「だってそうでしょう、真美はあんなに可愛いし、素直だし、優しいし」
P「ちょっと子どもっぽすぎるところもあるけど、そこがまた、成長した体とのギャップもあってグッとくるし」
P「目と目が逢う瞬間ティンと来たんですよ。ああ、この子を生涯プロデュースしよう、って」
小鳥「そ、そうですか」
P「でも、それで……これまでふたりで頑張ってきたのに……まさか、真美は全然、俺のこと……」
小鳥「……」
P「うぅ……」
小鳥(本気の涙を流している……)
亜美「まぁまぁ、亜美にまっかしといてよ!」
真美「あ、亜美~! ヨケーなことしなくていいから!」
P「!」ドキッ
小鳥「あ、ふたりとも。もう社長室で遊ぶのは終わりにしたの?」
亜美「んっふっふ~! ウォッホン! ピヨちゃんくん、ちょ~と、席を外してもらえるかな?」
小鳥「はいはい。あんまり、プロデューサーさんをからかわないようにね」
亜美「うあうあー! ピヨちゃん、これは亜美達にとってはシンセン勝負なんだよ~!」
小鳥「真剣勝負、ね。ほら、亜美ちゃん。行きましょう」
亜美「うん! 真美、がんばってね!」ポンッ
真美「う、うん……」
P「……」
真美「ね、ねえ兄ちゃん」
P「な、なんだ?」
真美「あのさ、今週の日曜、ひま?」
P「ああ、特に予定はないけど……」
真美「それじゃさ、いっしょにコンサート行こうよっ!」
P「コンサート?」
真美「うんっ! 亜美がね、今度遊園地のステージでやる、竜宮小町のライブのチケットくれたんだ~」
P「……」
P(俺なら、チケットなんかなくても中に入れるんだけど……こ、これってもしかして……)ドキドキ
P「あ、ああ、もちろん! 真美が誘ってくれたなら喜んで――」
亜美「おっ? んっふっふ~、兄ちゃん達、もしかしてデートってやつ~?」ヒョコ
P・真美「「そ、そんなんじゃねーし!!」」
亜美(ありゃ? おジャマ虫だった?)
真美(そりゃそうっしょ! つい、さっきみたいなお芝居の続きをしちゃったじゃーん!)
P「……ど、どうしてもっていうなら行ってやってもいいぜ」
真美「え!? ……べ、べつに真美だって、どーしてもってわけじゃねーし!」
真美「ただ他に、誰も暇な人がいなかっただけだし!」
P「お、俺だって、本当は暇じゃねーし」
真美「そ、それならいいし。ひとりで行くから……」
P「あ……」
真美「ふーんっだ! はるるんあたりを誘っていこーっと!」
P「……」
真美「……」チラ
P「……し、しかたねーなし。春香だって休ませてやらなきゃだし、一緒にいってやるし」
真美「えっ、ホント!?」パァ
P(あ、かわいい……)
真美「はぁ!? べ、別によくねーし、普通だし」
亜美「まーたそんなこと言っちゃって~。ホントは嬉しいんでしょ?」
真美「や、やーめーろーよー!」
亜美「顔真っ赤になってんじゃーん! デュクシ、デュクシ!」
チョンチョン
真美「あっ、いたっ! このー、やったな~!」
ワイワイ
P「……ふ、ふふ」
小鳥「プロデューサーさんも、嬉しそうですね♪」
P「はぁ!? べ、別に嬉しくねーし」
小鳥(めんどくさい人ね、もう)
P「それにそもそも……真美は俺のことなんて……」
小鳥「……うーん……」
P「え……勘違い、ですか?」
小鳥「ええ。真美ちゃんがプロデューサーさんを嫌いになるわけ、ありません。それに――」
亜美「おっと」
ポスン
P「っとと……大丈夫か、亜美」
亜美「うあうあー! 兄ちゃん菌がついた~!」
P「」
亜美「たーっち!」
真美「うあうあ~! バリアー!」
亜美「バリア無効です~」
真美「や、やーめ、やーめーろーよー!」
P「やっぱり嫌いなんじゃないですか……!」
小鳥「あ、あはは……」
小鳥(もう、みんなして……まるで小学校ね)
小鳥「はい……」
P「デートには、行きます。し、しかたないですからね。真美もどうしてもって言うし」
小鳥「……ふふっ。やっぱり、デート?」
P「ちち、ちがいます! 間違ってそう言っちゃっただけです」
小鳥「そうですか♪ 楽しんできてくださいね」
P「くっ……こ、こらこらお前達! もう遊んでないで、レッスンに行きなさい!」
真美「はーい」
亜美「亜美はもう、今日のお仕事終わっちゃったもーん」
P「でもそうやって真美の邪魔ばっかりするなら、律子先生に言いつけるぞ!」
亜美「うあうあ~! 兄ちゃん、それはズルっしょ~!」
真美「うーん……」
亜美「ねえ真美ー、まだ決まんないの?」
真美「だってだって~!」
亜美「いつもの格好でいいじゃーん。はやくマリオの続きやろーよー。次、真美の番だよ」
真美「でもそんなんじゃ、バカにされちゃうっぽいよ~!」
亜美「そうかな~?」
真美「……兄ちゃんなら、そんなことしないと思うけどさ。でもでも」
亜美「っていうか、こんなに早く決めなくてもいいっぽくない?」
真美「でもでも~! うあうあ~!」
真美「うん……」
亜美「でも、だいじょーぶだよ、真美」
真美「え? なにがだいじょーぶなの?」
亜美「んっふっふー! 亜美、知ってるもん。兄ちゃんは、いつも通りの真美が一番好きっぽいってこと」
真美「えぇえ!? す、すす……!?」
亜美「おやすみなさーい」モゾモゾ
真美「うあうあ~! ちょっと待ってよ亜美~!」
真美「い、いつも通りの真美……?」
真美「おっはよーだぴょーん!」
P「ああ、おはよう、真美」
真美「うあっ!」
P「な、なんだよ」
真美「……」
P「……ま、真美?」
『亜美、知ってるもん。兄ちゃんは、いつも通りの真美が一番好きっぽいってこと』
真美(うあうあー! あんなこと言われたら、ヨケーにいつも通りにできなくなっちゃうよ~!)
P「あ、ああ。えーっと……今日の予定は、午前中に新曲の衣装合わせ、午後からレッスンだな」
真美「ふーん」トタタ
P「あ、ちょっと真美!? どこに行くんだ?」
真美「べっつに~! 兄ちゃんにはカンケーないっぽいよ~!」
P「あ……」シュン
真美「あ……」シュン
P「……9時までには、戻ってきてくれよ」
真美「……うん……」
小鳥「へぇ~。そんなことが……」
P「ズビッ、ズビビ……」
小鳥「なるほど……真美ちゃんが反抗期、ですか」
P「……ヒッグ」
小鳥「ふふっ、大丈夫、そんなことはないですよ。ああいう年頃の女の子には、よくあることです」
P「グス……?」
小鳥「そうです。私にも、多少は親に向かってそういう態度取っちゃった時期もありますし……もう随分昔のことですけど」
P「……」
小鳥「きっと、時間が経てば元通りです。だから、ね?」
P「……エグ……ウッ、ウッ……」
小鳥「いいえ♪ これくらい、おやすい御用ですよ、プロデューサーさん」
真美「……」
ペラ、ペラ……
真美「ふんふん」
真美「なるほど~……」
ペラペラ
真美「年上のお兄さんとデート☆特集……参考になるっぽいね!」
真美「こーいう格好がいいのか~……」
おまわりさん「ちょっと、君」
真美「え?」
おまわりさん「見たところ、中学生だね。こんな朝早くからコンビニで立ち読みとは良い度胸だ」
おまわりさん「学校はどうしたんだ? もう登校時刻だろう」
真美(うあうあ~!)
P「はい……ええ……すみません、こちらの管理不足でした」
真美「ごめんなさーい……」
P「……はい、芸能活動については、ちゃんと学校に許可を受けていますので……今日もこれから……」
真美「……」
P「ですから、どうか……大事には……はい、ありがとうございます! 以後、気をつけます」
真美「気をつけまーす……」
P「それでは……失礼します」
真美「こんなピチピチの年でおまわりさんにお世話になるとは思ってなかったよ~」
P「こら」
ポカン
真美「あ痛っ!」
P「本当に反省してるのか、こいつめ……」
P「……」
P(何を話したらいいんだろう……)
真美(兄ちゃんに怒られちった……)
P(ついつい、いつものノリで頭をポカンとやってしまった……また、嫌われてしまったかも)
真美(兄ちゃん……こんな真美のこと、嫌いになっちゃうよね……)
P(……音無さんに、時間を置け、と言われていたのに)
真美(……でも、ずーっとこんなんじゃダメっぽいよね)
P・真美(……とにかく!)
P・真美「「……あのっ!」」
真美「えっと……」
P「ま、真美からどうぞ」
真美「に、兄ちゃんから言ってよ」
P「いや、でも……」
真美「……それじゃあ」
真美「兄ちゃん……あのね」
P「うん……」
真美「ごめんね」
P「……」
真美「また、メーワクかけちゃった……」
真美「う……」
P「ああでも! 結果、何事もなかったんだし……それに」
真美「え? それに?」
P「……ビックリしたのは、あの電話だよ」
『兄ちゃん兄ちゃん! 真美、おまわりさんに捕まっちゃったよ~! お助け~!』
P「――って。真美が何かの事件に巻き込まれたのかと思ったら、心配で心配でしかたなかったんだ」
真美「……!」
P「だから、今度からは気をつけてくれよ」
真美「……うん」
P「ん? まだ何かあるのか?」
真美「……ごめんね」
P「謝るのは、さっきもしただろ? もう大丈夫だよ」
真美「うあうあー、それとは違くて~! えっと……」
P「違う……?」
真美「あの……さっき、そっぽ向いちゃったこと」
P「!」
真美「……真美、いつも通りにしなきゃって思ったんだけど、なんか、モヤモヤしちゃって」
P「……」
真美「だからね、ごめんね……」
P「……いいよ」
P「今度はどうした?」
真美「あのね……」
P「うんうん……」
真美「……真美のこと、嫌いになっちゃ、やだよ?」
P「……」
キュン
P(おや、今の感情の起伏は)
P「き、嫌いになんてなるわけ……」
真美「ホント……?」
P「ああ、ホントだって。むしろ俺は、嫌いどころか……」
真美「え?」
P「ああいや、なんでもない!」
P「い、いやいや! べ、べつに、好きとかそーいうんじゃねーし!」
真美「ま、真美だってべつに、兄ちゃんのこと好きじゃねーし!」
P「そんなの、言われなくたって知ってるし!」
P・真美「「ふんっ!」」
P「……なあ真美」
真美「なーに」ツーン
P「好きじゃないってことは……やっぱり……嫌いか?」
真美「……そだよ」
P「……!」ガーン
真美「……兄ちゃんと同じくらいね」
P「え?」
真美「うあうあー! だから~! 兄ちゃんが真美を嫌いなのと同じくらい、嫌いだって言ってんの!」
P「でも、俺、真美のこと嫌いじゃないって今……」
真美「もーお仕事の時間っしょ! いこいこ!」
P「それじゃあ、この子をよろしくお願いします」
スタッフ「はい。それじゃあ真美ちゃん、行きましょう」
真美「うん! お願いしまーす♪」
P「さて……」
あずさ「あら? プロデューサーさ~ん」パタパタ
P「え? ああ、あずささん!」
あずさ「おはようございますー。今日は真美ちゃん、ここでお仕事なんですか?」
P「ええ。衣装合わせだけですけどね」
あずさ「いえ、今日は私だけです~」
P「え!?」
あずさ「? どうかなさったんですか?」
P「い、いえ……」
P(何を考えているんだ、律子……あずささんをひとりにするなんて)
あずさ「少し、衣装の胸のあたりがキツくなっちゃって、それでサイズ変更をですね……」
P「……」ゴクリ
あずさ「っと、それはともかく……プロデューサーさん?」
P「あ、ああ、はい。なんですか?」
あずさ「ふふっ、亜美ちゃんから聞きましたよ? 今度のお休み、真美ちゃんとデート、するんでしょう?」
P「……あ、あはは」
P「……」
あずさ「……?」
P「……はぁ」
あずさ「先ほどから、どこか浮かないお顔ですけれど……なにかあったんですか?」
P「……あずささん、ちょっと、聞いてもいいですか? その、でで、デートという件なんですけど」
あずさ「ええ、私でよければ……ふふっ。何かお悩みですか?」
P「はい……実は……」
あずさ「はい」
P「……何を着ていったらいいか、わからなくて」
あずさ「はい……えっ?」
あずさ「んー……」
P「そして俺は、冴えない成人男性です。一見したら犯罪の香りがしますよ」
あずさ「そ、そうでしょうか?」
P「だからどういう格好なら、真美と一緒にいても自然かどうか……わからないんです」
あずさ「……いつも通りで、良いと思いますよ?」
P「いつも通りって……1900円の、カレーの染みが付いたパーカーでもいいってことですか?」
あずさ「そ、それは確かに、考え物ですけれど……」
P「それとも、営業で着るようなスーツ?」
あずさ「それだと、より一層……いえ、なんでもありません」
P「……はぁ。それに、適当な格好で行って、真美を恥ずかしい気持ちにもさせたくないし……」
あずさ「……」
あずさ(……プロデューサーさん、真美ちゃんとのデートのこと、真剣に考えていらっしゃるのね)
P「え? な、なにが……?」
あずさ「ふふっ、そういうことなら、私達にまかせておいてください!」
P「私達?」
あずさ「私と、律子さん。今日のお仕事が終わったら、見繕ってさしあげます~!」
P「ほ、ホントですか!? それは助かります!」
トテトテ
真美「兄ちゃんにいちゃー……」
あずさ「だから、今日の夜……――時に、事務所で……」
P「わかりました。それじゃあ、よろしくお願いします!」
真美「え……」
真美(あずさお姉ちゃん? それに、夜?)
P「ん? おお、真美!」
あずさ「ふふっ、おはよう、真美ちゃん」
真美「……うん」
あずさ「素敵な衣装ね~。これで今度の新曲も、バッチリね?」
P「うんうん。よく似合ってるぞ」
真美「……」
P「……真美? どうした、お腹でも痛いのか?」
真美「……なんでもないですよーだ! べー!」
P「え……」
真美「兄ちゃんのおバカさん!」トタタ
P「あ、ちょ、真美!?」
真美「着替えてくるだけだから、こっち来ないで~!」
P(その後……真美はレッスン中も、どこか不機嫌な顔を浮かべたままだった)
P(気が付かないうちに、また俺は何かしてしまったのだろうか……?)
P「さ、さあ真美。今日の活動はもう終わりだけど……」
真美「……」
P「えーっと……じゃんけんでもするか? それとも、声真似ゲームとか……」
真美「そんなのいいもんっ! ふんっ、そんなので真美がいっつもゴキゲンになると思ったら、大間違いなんだかんね!」
P「う……」
真美「お疲れちゃーん!」タッタッタ
P「あ、ああ……お疲れさま」
小鳥「プロデューサーさん……またため息、ですね」
P「音無さん……」
小鳥「なにかあったんですか?」
P「えっと、実は……」
小鳥「って、あら? ……そこにいるのは……」
真美「……」コソコソ
小鳥「……なんとなく、わかりました。真美ちゃんとのことですね」
真美(しー! しー!)
小鳥(ふふ、わかってるわよ、真美ちゃん。あなたがそこに隠れてるのはナイショなのね)
P「いやぁ……音無さんはなんでもお見通しですね」
小鳥「プロデューサーさんが、まわりを見れていないだけです」
P「え……」
小鳥「なんでもありません♪」
律子「お疲れ様でーす」
小鳥「あら、律子さん。お疲れ様です。それに、みんなも……」
伊織「はぁ~……もう今日は疲れちゃったわよ……って」
P「おつかれ……」ズーン
伊織「そんな顔しちゃって、どうしたの、ドロリコン」
P「なっ!? 帰ってくるなり、し、失礼なことを……」
伊織「だってそうでしょう? 聞いたわよ、真美とのこと」
P「……亜美」
亜美「んっふっふ~! 楽しいことはみんなで知ったほうがいいっしょ?」
P「まったく……いや、いいけどさ」
P「ああ、そうさせてもらい……たいんだけど、な」
伊織「なんなのよ、もう。いつもみたいな張り合いがないわねぇ……」
あずさ「伊織ちゃん、プロデューサーさんはね……」
P「あ、あずささん! あのことはなるべく……」
伊織「なになに? ……って」
真美「……」コソコソ
伊織「……真美? そこでなにを――」
もがもが
伊織「……! ……!」
P「内密に……って、あれ? 伊織? それに亜美も……どこに行ったんだ?」
P「え、ええ」
律子「まったく、なんで私まで……」ブツブツ
P「すまないな、律子。嫌だったら無理にとは言わないけど……」
律子「……いーえ、着いていきます。あずささんとふたりにさせて、万が一ということがあったらたまりませんし」
あずさ「ま、万が一って……まぁ」ポッ
律子「なんですかその顔……それに、あの子のためでもありますから」
P「あの子って……真美?」
律子「ええ。真美があなたのこと――」
あずさ「り、律子さん!」
律子「……ごほん! じゃなくて……怪しい格好をした人が担当プロデューサーなんて、真美がかわいそうでしょう?」
P「う……怪しいって、そこまで言わなくても」
律子「さ、そーと決まったらちゃっちゃと行きますよ! ふふふ、覚悟しといてくださいね!」
律子「さーて、と……」
あずさ「次は~……あ、あそこなんていいんじゃないかしら!」
P「あの、ふたりとも……」
律子「どうしたんです? 浮かない顔ね」
P「いや……そんな、ここまでちゃんとしたところの服じゃないといけないのか?」
律子「もう、わかっていませんね、相変わらずあなたは」
P「え? どういうことだ?」
律子「たとえ真美とは言え、女の子なんです。だから、安っぽい格好では、呆れられちゃいますよ?」
P「うーん……それはなんとなくわかるんだけどさ」
律子「さ、さ! 次、行きますよ~!」
あずさ「ふふっ、律子さん。なんだかんだ言って、楽しそうですね?」
律子「そりゃそうですよ。こんなに好き勝手いじくれるのは、小さい頃、涼にした以来……」
P「いじくる……?」
律子「あ、いえいえ。こういう機会、めったにありませんからね! あはは……」
P「わ、わかりましたわかりました」
亜美「……真美隊長。目標は次のブチスライムに入った模様。おーばー」
真美「了解した亜美隊員。我々はこのまま追跡を続ける、おーばー」
伊織「……」
真美「あれ? いおりん?」
伊織「……色々言いたいことはあるけど……まず、ブチスライムじゃなくて、ブティックね」
亜美「そだっけ? んっふっふ~、まぁそんな細かいことはいいっしょ!」
伊織「ええ、そうね。確かにそれは細かいことだわ」
真美「じゃあさ、どったの? なんだかオデコが元気ないけど~……」
伊織「うるっさいわね、おでこは関係ないでしょ!!」
亜美・真美「「うあうあ~! いおりん、おっきい声出したらバレちゃうっしょ!」」
伊織「あ、ご、ごめんなさい……じゃなくて! と、とにかく!」
伊織「……なんで私達、尾行ごっこなんてしてるのよ!?」
亜美「いおりんはいいの? このままじゃ兄ちゃん、あずさお姉ちゃんのエロエロぼでーにノックアウトされちゃうよ?」
伊織「私としては、本当にどうでもいいんだけどね……」
真美「いおりんのヒトデ!」
伊織「誰がヒトデよ。人でなしって言いたいの?」
真美「そんな感じ!」
亜美「まぁまぁいおり~ん。ここは真美のためにもさ、一緒にがんばろーよ」
真美「今度オレンジジュース買ってあげるからさ~」
伊織「……あんたたち、それで私が『それはいいわね! 着いてくぴょん!』って、素直に言うこと聞くと思ったら大間違いよ」
真美「いおりんは、やなの?」
伊織「トーゼンじゃない。こんな、コソコソと人の秘密を嗅ぎまわるようなマネ、みっともないわよ」
真美「……そっか~……」
伊織「……」
亜美「うん……そうだね」
伊織「……う……」
真美「……それじゃあ、いおりんとはここでお別れだね」
亜美「短い間だったけど……楽しかったよ。ありがとね、いおりん」
伊織「……え、ええ」
真美「それじゃあ……亜美」
亜美「うん……いこっか、真美」
テクテク
伊織「……」
真美・亜美「……」チラ
伊織「……あーもう、わかったわよ! 着いていけばいいんでしょ、着いていけば!」
真美・亜美「んっふっふ~!」
伊織「ったくもう……」
――
―
P「……こ、こんなもんでいいでしょうか」
あずさ「んー……、そうですね!」
律子「今日はこれくらいにしといてあげましょうか」
P「今日は!? ……というか、絶対、一週間は着まわせるくらいたくさん買ったよな……」
律子「精々三日でしょう。それで一週間はさすがに持ちませんよ」
P「え、だって……ズボンは毎日違うのを穿くわけじゃないし……」
律子「……はぁ~。先が思いやられるわね」
あずさ「まあまあ律子さん。男性と女性では、色々と違うところもありますから」
P「う……なんだか、やんわりとバカにされてる気がする……」
律子「いーえ♪」
あずさ「お安い御用です~。ふふっ、私達も楽しかったですし」
P「しかし、今日だけで随分散財してしまったな……はは」
律子「私なら、絶対にこんなに服にお金は使えませんね」
P「え!? そ、それを買わせたのか……」
律子「まぁ、私の財布ではないですし……必要経費、ですから」
P「経費?」
律子「あなたと真美にとっての、ね」
P「……ありがとう」
律子「ふふっ、いいんですよ! それじゃあこのあとは……」
コソコソ
真美・亜美・伊織「「「……」」」
亜美「兄ちゃんって、やっぱりああいうのが好きなのかな?」
真美「ああいうのって、おっぱい?」
亜美「うん! ボイーンでデデーンでフッカフカで!」
真美「うあうあー! 真美にはないモノすぎるっしょ~!」
伊織「なんでそうなるのよ……胸とか、そういうのじゃなくて、あれでしょ」
真美・亜美「あれ?」
伊織「オトナ、ってやつ。律子もあずさも、あのだらしない男よりはずっとしっかりしてるじゃない」
伊織「ま、もちろん、この伊織ちゃんだって負けてないけどね! にひ――」
真美「あっ! 兄ちゃん達行っちゃう! いこいこ!」
亜美「うん!」
伊織「ひっ、って……ちょ、ちょっと待ちなさいよ! そういうところ、落ち着きが足りないって言ってんの!」
律子「そうですね。あ、でも、おごりとかじゃなくていいですよ」
P「いや、でも……」
律子「そういうお金は、真美とのデートのために取っておいてください。今日はもう、随分使わせちゃいましたし」
P「……わかった」
あずさ「ふふっ、それじゃあ次は、お食事をしながらデートの作戦タイム、ですね!」
P「さ、作戦って……あ、いや、やっぱり必要ですね。よろしくお願いします」
あずさ「はい、喜んで~♪」
P「ふんふん……なるほど」
律子「ふふ、これで真美も、きっと喜んでくれますよ!」
P「そ、そうだといいんだけどな」
【レストラン外】
真美・亜美「……」ペットリ
伊織「ちょ、ちょっとふたりとも! 窓に顔くっつけるのはやめてよね!」
伊織「他のお客さん、奇異な目線でこっちを見てるじゃない!」
真美「でも~……」
亜美「兄ちゃん達、楽しそうだね」
真美「うん……こっから何話してるか、聞こえないかな~」
伊織「聞こえるわけないでしょ! こ、こっちまで恥ずかしいわ、もう……!」
P「――ふたりとも、重ね重ね、今日はありがとう」
律子「お礼なら、日曜が終わったあとでもいいですよ」
あずさ「うふふ、がんばってくださいね。私達も、ステージの上から、お二人のことを応援していますから」
P「ええ……とりあえず、まだ一日ありますから、色々と自分でも考えてみることにしますよ」
プォォー……
P「っと……電車が来たみたいだな。それじゃあ、ここらへんで」
律子「はい! お疲れ様です」
あずさ「お疲れ様ですー、プロデューサーさん、律子さん。それでは……」
テクテク
律子「って、あずささん!? あなたの家はそっちの路線じゃないでしょう!?」
あずさ「あ、あら? 私ったら……」
律子「まったく……心配ですから、私もついていきます」
あずさ「ごめんなさいね、律子さん……」
P(あはは……相変わらずだな、あのふたりは)
真美「……」
伊織「……? どうしたのよ、真美」
亜美「突撃しないの~? やいやい、どーいうことだー! ってさ」
真美「……今日はやめとくよ~」
伊織「今日は、って……」
真美「そ、それよりいおりん! 真美、おなかすいちゃった。ご飯食べに行こーよ!」
伊織「うーん、あんたがそれでいいなら、それでもいいけど……って、真美?」
真美「ん? ど、どったの?」
伊織「あんた、顔が……」
亜美「うあうあー! 真美、どうしたの!? 真っ赤になってるよ~!」
真美「え? そ、そうかな……けほ、こほ」
真美「……」
伊織(バカなのは、ひとりで見張るんだって言った真美を、あのまま外にほっといた……私もだけど)
伊織「……しかたないわね、もう」
ポパピプペ
伊織「……あ、もしもし新堂? ええ。今から帰るから、迎えに来てちょうだい」
伊織「ゲストがふたりいるから、遅れないようにね。それじゃあ……」
ピッ
真美「いおりん……?」
伊織「あんた達は今日はそのまま帰りなさい。送っていってあげるから」
真美「……ごめんね」
伊織「いいわよ、そんな言葉」
伊織(バカな私には、もったいないわ)
新堂「おまたせしました、お嬢様」
伊織「ええ。さ、ふたりとも。中に入って」
真美「おじゃましまーす……」
亜美「うあうあー! めっちゃ広いね! 事務所の車とは全然違うよ~!」
伊織「にひひっ、トーゼンでしょ! ……って、こら亜美! 寝っ転がらないの!」
亜美「だって~。フッカフカなんだもん!」
伊織「ったく……いーい? そこにはね……」チラ
真美「……?」
伊織「……真美を、寝かせてあげなさい」
亜美「! そ、そうだね……ごめんね、真美」
真美「……うん」
伊織「……ねぇ、真美。寝ながらでいいから、聞いてちょうだい」
真美「ん……?」
伊織「どうして、ここまでがんばるの?」
真美「……わかんない」
伊織「……そう」
亜美「いおりん、真美はね、兄ちゃんのことが……」
伊織「わかってるわよ、そんなこと。だけど、これだけはまだわかんないの」
伊織「……恋って、そんなに大切なこと? 体を崩してまで、あの変態のことを見張っていることが必要なの?」
真美「……わかんない。わかんないけど……でも」
伊織「……」
真美「言葉じゃ、うまく言えないけど……嬉しいよ」
伊織「嬉しい?」
伊織「褒める?」
真美「真美がオーディションに受かったときとか、レッスンを頑張ったときとか」
真美「めっちゃ、めーっちゃ……もういらない、ってくらい、褒めてくれるんだよ~」
伊織「……そうなの」
真美「んっふっふ~! それに、イタズラしたって、兄ちゃんならドーンと受けてくれるし」
真美「いっしょにいて、いつだって楽しいって言うか……」
真美「次はどんなことをしたら、兄ちゃんはどんなリアクションをしてくれるのか、って……気になって」
亜美「真美……」
真美「……そんでね。いつからか、わかんないけど……」
真美「兄ちゃんが、他の子と仲良さそうにしてたら、やだなって思うようになったんだ~」
亜美「……亜美だって、前に真美に怒られちゃったもんね」
真美「兄ちゃんは、亜美のじゃなくて、真美の兄ちゃんだもん! トーゼンっしょ?」
伊織「……!」
真美「兄ちゃんのことが……」
伊織「……もう、いいわ」
真美「……」
伊織「はい、ハンカチ。そのみっともない顔、拭きなさい」スッ
真美「……ありがと……」
グシグシ
真美「……とにかくね、そう思えるのは、なんか……嬉しい」
真美「兄ちゃんのためなら、どんなことでも、めっちゃがんばろーって気持ちになるんだよ~」
伊織「……そう。でも、ストーカーまがいなことは、もうやめなさいよね」
真美「えへへ……」
伊織「今日みたいにあんたが体を壊したら、あんたの大好きなアイツが、どう思うかくらい……わかるでしょ?」
真美「……うん」
――
―
真美「……けほ」
亜美「真美、だいじょぶー……? ほら、つかまって」
真美「うん……」
亜美「送ってくれて、ありがとね、いおりん」
伊織「気にしないでいいわ。……それより、亜美?」
亜美「んー?」
伊織「真美のこと、ちゃんと休ませてあげるのよ」
亜美「……うん」
伊織「それじゃ、また明日ね」
亜美「……ねぇ、真美」
真美「んー……?」
亜美「明日、お休みしちゃおーよ」
真美「……ダメっしょ~。お仕事、入ってるもん」
亜美「でもでも~……」
真美「兄ちゃんに、またメーワク、かけちゃうから」
亜美「……」
真美「……おやすみ、亜美」
亜美「うん……おやすみ、真美」
P「……」ソワソワ
P(なんだろう……ソワソワして落ち着かないな)
P(昨日あんなことがあったから、真美と顔を合わせるのが恥ずかしいのか?)
P(それとも……)
ガチャ
P「!」
真美「お、おはようございまーす……」
P「あ、ああ。おはよう、真美」
真美「……」
P「……?」
P(どうしたんだろう、なんか、いつもより元気がない気がする……)
真美「ん、なに、兄ちゃん」
P「その、だな……昨日は、すまなかった」
真美「え? な、なんのこと?」
P「……正直に言うよ。実は、自分でもよくわかっていないで謝ってる」
真美「……」
P「でも、確かに昨日の午後から、真美の様子はおかしかっただろ?」
P「きっと、俺が何かしてしまったんだと思う……どうか、わけを教えてくれないか?」
真美「……えへへ」
P「え? な、なんで笑って……」
真美「兄ちゃん! そんなのはもう、昨日の話っしょ?」
真美「真美は過去にとらわれない女なんだよ~。だからもう、だいじょうぶい!」
P「……許して、くれるのか?」
真美「……うん!」
P「ん、ああ……えーっと、今日はこのあと、13時までレッスン……」
真美「うんうん……」
P「それから、新曲のレコー……って、真美!?」
真美「え……?」
P「お前、どうしたんだ、その顔!」
真美「か、顔? んっふっふ~……いつもどおり、かわいいっしょ?」
P「いや、そりゃそうだけど……」
真美「……」カァァ
P「さらに真っ赤になったじゃないか……!」
P(これ……もしかして、風邪か?)
P「……なあ、真美」
真美「えー……?」
P「体調、崩してるんじゃないか?」
真美「そ、そんなことないっぽいよ! 真美はいつも以上に、フルパワーで……」
P「……ちょっと、おでこさわるぞ」
ピト
真美「ひゃあっ」
P「……」
P(やっぱり、少しばかり熱があるみたいだ。それほど大熱ってわけでもないけど……)
真美「うぅ……に、兄ちゃん! もういいっしょ!」
P「……ああ」
真美「えぇ!? だ、ダメダメ! そしたら……」
P「レコーディングのことなら、俺が連絡をつける。レッスンだって、一日くらい休んだって問題はない」
P「それより……俺は、真美がこれ以上具合が悪くなるのを、見ていられないんだよ」
真美「で、でも~……!」
P「……大丈夫、なんの心配もないよ。テレビとかの収録じゃなくて助かった」
真美「そんなんじゃなくって!」
P「っ!」
真美「けほ、こほ……」
P「……なぁ、真美」
真美「え……?」
P「お前……なんでそんなに、頑張ろうとしてるんだ……」
P「……」
真美「兄ちゃんに、褒められたいから……」
P「ほ、褒める?」
真美「そだよ。兄ちゃんに褒められたら、真美は、すっごく嬉しくなるんだから」
P「……無理して頑張ったって、俺は褒めてやることは出来ないぞ」
真美「でも……っ!」
P「でもじゃない!」
真美「兄ちゃんのわからずやっ!」
P「わからずやなのはどっちだ! いいから、送っていくから、今日は家に帰って――」
真美「真美はねっ!」
真美「……真美はね、兄ちゃんのことが好きなんだよ!」
真美「けほ、こほ……」
P「な、何を急に言って――」
真美「……――が、一番知ってるんだから」
P「え……?」
真美「真美の気持ちは……」
P「……」
真美「……ねぇ、兄ちゃん」
P「あ、ああ……なんだ?」
真美「レッスンは、その……おやすみするよ。だから……」
P「……」
真美「午前中、休むからさ……治ったら、午後のお仕事、行ってもいい?」
P「……わかった」
真美「……うん」
P「いま、常備薬を持ってくるからな。あと毛布も……」
真美「……ごめんね」
P「……俺は、真美のプロデューサーだぞ。これくらい、当たり前だ」
真美「そっか……そう、だよね」
P「……」
P(……真美)
P(俺は……自分のことで浮かれて、こんなことにも気づかずに……)
真美「……ありがと。んく、んく……」
P「……」
真美「……ぷは。……ねぇ、兄ちゃん」
P「ん?」
真美「あの、さ……さっきの、どう思った?」
P「……さっきの、好きだ、ってやつか?」
真美「うん……」
P「……俺も好きだよ。真美のことは」
真美「! そ、それじゃあ……」
P「それ以上は、体調が治ってから、言う。だから……今は眠っておいてくれ」
真美「……うん」
――
―
真美「……すぅ、すぅ……」
P「……」
ガチャ
ピポパ……
P「……あ、もしもし。いつもお世話になっております、私、765プロダクションの……」
P「ええ、はい……実は、本日のレコーディングなんですが……担当が体調を崩してしまいまして」
P「……はい、はい……申し訳ありません、ご迷惑をおかけします」
P「それでは……はい、失礼します」
ガチャ
P「……さて、次は……」
ガチャ
P「さて、と……」
グイッ
真美「んむぅ……zzz……」
P「……はは、重くなったな、こいつめ」
小鳥「……プロデューサーさん」
P「……音無さん」
小鳥「お家、行かれるんですね」
P「ええ……こんなところじゃ、治る体調も治りませんからね。送っていきます」
小鳥「ふふっ、きっと、その背中の子、怒ると思いますよ?」
P「……わかっています。でも……」
小鳥「……」
P「俺は、プロデューサーですから。アイドルの体調管理は、俺の仕事です」
P「そうですよ、それ以外、何者でもありません」
小鳥「ふふっ、そうですね。たとえ……、担当の子じゃなくても、あなたはみんなのプロデューサーさんです」
P「ええ、もちろんです」
小鳥「行ってらっしゃい」
P「……行ってきます」
P「……さ、帰るぞ。亜美」
真美?「……うぅん。ゆ~れ~るぅ~」
P「っと、起こしちゃったか」
真美?「……兄ちゃん? あれ? ここどこ?」
P「車の中だよ」
真美?「あ、もしかして、もうお仕事の時間になっちゃってた?」
P「いや……そうじゃない」
真美?「……?」
P「今から、お前の家にいくんだよ。帰らせるためにさ」
真美?「え……えぇ!? なな、何で!? 約束と違うじゃん!」
P「……悪いな。でも、レコーディングなんてどうせ出来ないだろ?」
真美?「そ、そんなことないもん!」
P「いーや、そんなことある。だって、歌えないだろ? たとえいくら全快したって、お前には歌えない。だって……」
P「これは、真美の曲だから。亜美には歌えない」
真美?「……!」
P「……正直、最初はわからなかった」
亜美「……」
P「でもさ、さっき……」
『……真美はね、兄ちゃんのことが好きなんだよ!』
P「って、言われたときから……なんとなく、へんだなって思ったんだよ」
亜美「へん……?」
P「ああ、そうだ。だって、最近の真美なら、俺のことを素直に好きだなんて言わない」
亜美「……」
P「あいつならきっと……好きじゃねーし、ちげーし! って言うだろう」
P「何を思ったのか、最近はときどき、真美はそんなキャラになるからな」
亜美「んっふっふ~……そうかもね! でもそれ、最初は亜美がやり始めたんだよ?」
P「はは、そうだったのか……」
亜美「それでバレちゃったんだ……」
P「というか、バレないとでも思ったのか? 入れ替わるにしても、適当すぎるぞ」
亜美「えへへ……けほ、こほ」
P「……でも、亜美だって体調を崩しているのは確かだ。横になって、寝てなさい」
亜美「……うん」
ポスン
亜美「いおりんのお家の車と、ゼンゼン違うね。固すぎっしょ~」
P「悪いな。もっと良い車を買えるように、お前のプロデューサーに頼んでくれ」
亜美「んっふっふ~……律っちゃん、ケチンボだからな~」
P「あはは、違いない」
P「ん?」
亜美「……さっきの、あれ……」
P「あれ、って……」
亜美「……ごめんね」
P「……どうして謝るんだ? 俺は別に、怒ってなんか……」
亜美「兄ちゃんが怒ってなくても……」
P「……」
亜美「……ごめんね」
亜美「ごめんね……真美……!」
亜美「亜美……、亜美は……」
亜美「うぅ……」
P「お前は、姉思いの、立派な妹だ……俺が保証する」
亜美「で、でもっ……」
P「……心配しなくても、誰も、不幸になんかならないよ。もしそうなったら、俺のこと思いっきり殴ってくれていい」
亜美「……イタズラ百連発でもいい?」
P「ああ、もちろん」
亜美「んっふっふー! 自信満々っぽいね、兄ちゃん」
P「そりゃそうだ。だって俺は、あの真美のプロデューサーだぞ」
亜美「そうだね……えへへ」
P「……家に着くまで、もう少しある。寝てなさい」
亜美「はーい……」
亜美「……ねぇ、兄ちゃん」
P「ん?」
亜美「最後に……」
亜美「兄ちゃんのこと、亜美は、本当にだいすきだよ」
P「……」
亜美「……真美の大好き、とは、違うかもしんないけど」
P「……ありがとう。俺も、亜美のことは大好きだぞ」
亜美「えへへ……だから時々は、真美だけじゃなくて、亜美とも遊んでね?」
P「ああ、もちろん」
亜美「ぜったい……やくそく……だか……」
P「……」
亜美「んね……」
P「……おやすみ、亜美」
亜美「……zzz……」
P「……ここか。おーい、亜美~」ユサユサ
亜美「んん~……」
P「家に着いたぞ。起きてくれ」
亜美「んも~……あと五十分~……」
P「どれだけ寝るつもりなんだ……ほら」
グイッ
亜美「うひゃあ! に、兄ちゃんのエロエロ~!」
P「ひ、人聞きの悪いこと言わないでくれ! ちょっと腕を掴んだだけだろ!?」
亜美「うあうあ~! 亜美が弱っているところにつけこんで、オトナの関係せまろうとしてるんだ~!」
P「まったく……それだけ元気なら、もうひとりで部屋に帰れるな?」
亜美「……あ……」
P「えー……」
亜美「亜美、もう熱でうなされて死んじゃうから、おんぶ!」
P「それなら、病院に行ってぶっとい注射を打ってもらわないといけないな。双海クリニックに行くか?」
亜美「うあうあ~! 亜美は妹だから、兄ちゃんにおんぶしてもらったら治んの!」
P(言ってる意味がわからない……けど、まぁ)
P「……わかったよ、ほら」
亜美「!」
P「どうした、乗りな」
亜美「……う、うん」
ポフン
亜美「……兄ちゃんの背中、でっかいね」
P「そうか?」
亜美「うん……やっぱり、いいなぁ。真美……」
P「……」
P「あれ? 出ないな……」
亜美「いま、パパもママもいないはずだから……これ、鍵」
P「……お、おう」
亜美「……兄ちゃん、へんなこと考えてるっしょ~?」
P「そ、そんなわけないだろ? まったく……」
ガチャ
P「おじゃましまーす……さて、お前達の部屋は……」
亜美「ねぇ、兄ちゃん」
P「ん?」
亜美「……真美に、顔出してあげて」
P「……ああ」
P(……これまで、はっきりとは聞いてなかったけど……)
P(やっぱり、亜美が体調を崩したのは……真美にうつされたのが原因か……)
亜美「……そこが、亜美達の部屋だよ」
P「あ、ああ」
亜美「よい、しょっと……」
スタン
P「亜美? どうしたんだ」
亜美「……亜美はオジャマ虫っしょ?」
P「いや、そんなことは……」
亜美「ここまでおんぶしてくれて、ありがとね、兄ちゃん!」
亜美「そこのママの部屋で寝てるから、帰るとき教えてね~! そんじゃっ!」トタタ
P「あ、ちょっと!」
P「……」
P「ひとりで真美とご対面とか……マジか……この状況で……」
P「……」
真美「……すぅ、すぅ……」
P「……真美」
真美「……むにゃむにゃ……」
P(寝ている……)
P(天使かよ)
P(かわいい)
P(ムラムラしてk……ああじゃない、そうじゃない)
P「……」
真美「……うぅん……にいちゃ~ん……」
P「……」ドキドキ
P(……顔色は……思っていたより、悪くないみたいだ)
P(さすが医者の娘……いや、関係ないだろうけど)
P「……」
真美「……zzz……」
P(下心はない。だから、今から真美のおでこに手を載せるのは)
P(ただ、熱がないかどうか確認するだけで……)
P(それだけなんだからね)
ピト
真美「うぅ~ん……」
P「……」
真美「……ん?」
P「!」ドキッ
P「……や、やあ真美」
真美「兄ちゃん……」
P「具合はどうだ?」
真美「にいちゃんがいるから、もう元気だよ~……えへへ」
P「そ、そっか」
真美「ん~……」スリスリ
P「!?」
真美「んっふっふ~……あったか~い」
P「お、おう」
真美「サイコーな夢っぽいよ~……」
P「……夢?」
真美「うん……」
P「……」
真美「頭、撫でて~」
P「あ、うん……」
ナデナデ
P「……さらさらだな。亜美はちょっとクセがあるのに、真美にはないんだ」
真美「んっふっふ~……髪、伸ばしたからね。毎日ちゃんとお手入れしてるもん」
P「そっか……」
真美「……えへへ。気持ちいー……」
P「……なぁ、真美」
真美「んー?」
P「これは、夢だ」
真美「そうだね~……これは夢だよ~」
P(夢なら、何が起きても……許されるよな)
P(閃いた)
真美「うん……なあに、兄ちゃん……」
P「……俺、さ」
P「真美のこと、愛してる」
P「……アイドルとしての真美もそうだし、いつもの、ありのままの双海真美も大好きだ」
真美「……」
P「いつも思ってるんだ」
P「なんでお前はもっと早くに生まれてなかったんだろう、って……」
P「13歳なんて……犯罪だからな」
真美「……え、えぇ……?」
P「生まれ変わったら、真美の中学校のクラスメイトになりたい。それが今の俺の最大の願いでもある」
P「そして真美のことを、影ながら……ずっと見てるんだ。席替えとかで席が近くになったら、きっとそれだけで小躍りするだろう」
P「というかいつも、こんな風に考えてるんだ。あー真美のクラスの男子全員爆発しないかなーって」
真美「に、兄ちゃん!?」
P「……それくらい、真美のことが大好きなんだ」
真美「……」カァァ
P「結婚してくれ。生涯養うから」
真美「うぇええ!?」
P「……夢だよ。だから、言えるんだ」
真美「……」
P「真美は……その、どうだ?」
真美「どう、って……」
P「……俺のこと、やっぱり嫌いか?」
真美「な、なんでそんな……」
P「だって、真美、こないだこんなこと言っていただろ?」
『に、兄ちゃんのことなんか、全然、なんとも思ってねーし! むしろ嫌いだし!』
P「――ってさ」
真美「あう……あ、あれは……」
P「……そっか」
真美「ホントの真美は……」
P「……」
真美「真美……は……」
ポロポロ
P「……真美」
真美「あ、あれ? なんだろ、なんか……」
真美「……ここは、夢の中、なのに……」
真美「それに、嬉しくて、嬉しくて、しかたないはずなのに……」
ポロポロ……
真美「止まんない……!」
真美「……好き」
P「……!」
真美「だいすきだよぉ……兄ちゃん……!」
真美「兄ちゃんと、ずっとずっと、離れたくないんだもん」
真美「だから……真美も、いっしょ、なんだよ」
真美「兄ちゃんといっしょで、真美も……兄ちゃんのこと、大好き」
P「……よかった」
真美「え……?」
P「ははは……俺さ、こないだ、音無さんの前で泣いちゃったんだよ」
P「真美に嫌われた、って勘違いしてしまって……」
真美「……んっふっふ~。真美が兄ちゃんのこと、嫌いになるわけないっしょ?」
P「……」
真美「だって、真美と兄ちゃんは……これまでずーっと、いっしょだったもんね!」
P「……! あ、ああ、そうだな……!」
真美「それに……これからだって、そうっしょ?」
P「ああ、もちろんだ……」
P「ん?」
真美「……これ、夢なんだよね」
P「……ああ」
真美「それじゃあ、もうすぐ覚めちゃう?」
P「うん……そうだな。シンデレラはベッドで寝る時間だ」
真美「じゃあさ、じゃあさ……最後に、真美のお願い、聞いてくれる?」
P「お願い? ああ、いいぞ」
真美「んっふっふ~! それじゃあ……ちょっと、顔、こっちに近づけて?」
P「え? こう、か――」
真美「……おやすみ、兄ちゃん」
P「……あ、ああ」
真美「また、ね……」
P「……おやすみ、真美」
P「さて、と……これからどうするかな」
P「まず、亜美に帰ることを伝えて……それから一旦、事務所に寄っ……て……」
亜美「……」
P「おやおや、亜美ちゃんじゃないか」
亜美「そういう君は、兄ちゃんくんではないか」
P「ははっ! いつからそこにいたんだい?」
亜美「んっとね、兄ちゃんがおでこに手を載せたあたりからかな~」
P「そっか……そっかそっか」
亜美「え、えへへ……」
P「くぃどぅるるるるる」
亜美「に、兄ちゃん! お、落ち着いて~!」
亜美「……んっふっふ~。真美ったら、オトナの階段のぼっちゃいましたなぁ~……」
P「……見た?」
亜美「ばっちし!」
P「……」
亜美「真美と兄ちゃん……ちゅーして――」
P「ちょ、ちょっと、捕まっちゃうから、大声で言わないでくれ!」
亜美「うあうあ~!」
P「まったく……それで、体調はどうなんだ?」
亜美「うんっ! もうばっちりっぽいよ! 車で起きたときには、ホントはもう元気いっぱいだったもん」
P「そうか……ということは、嘘ついておんぶさせたんだな?」
亜美「あ……えへへ」
P「……まぁ、いいけど」
亜美「ねぇねぇ、それより兄ちゃん。明日、どうすんの?」
P「明日って……あ」
亜美「あー、やっぱりデートのこと、忘れてたっぽいね~」
P「すっかり……あはは」
亜美「んっふっふー! そんだけ、真美のことが心配だったのかな?」
P「……」
亜美「結婚してくれ。生涯養うから……」
P「やめてくれ……恥ずかしくて死んじゃう」
亜美「そっか~……」
P「今日のことは、律子にも報告しとく。真美と入れ替わってレッスンサボったってな!」
亜美「うあうあ~! 兄ちゃん、それはズルっしょ~!」
P「はっはは! それが嫌だったら、さっきのアレは黙っておくんだな」
亜美「ぐぬぬ……ちぇっ、しょうがないなぁ~」
…
亜美「そんじゃーね! ばいばい、兄ちゃん」
P「ああ。亜美も、油断せずにちゃんとあったかくして寝ろよ?」
P「明日、体調が少しでも悪いなと感じたら、すぐ俺か律子に連絡するんだ」
亜美「うん! でもだいじょぶだよ~、きっと。ちゃーんと、コンサートできるもんね!」
P「期待しておくよ。それじゃあ……」
亜美「ばいばーい!」ブンブン
トテトテ
ガチャリ
亜美「まーみー」
真美「……」モゾモゾ
亜美「んっふっふ~。亜美だよ→☆」
ユサユサ
真美「…………風邪、うつっちゃうっぽいから、部屋に入っちゃダメっしょ」
亜美「えー? でも、もう治ってるっしょ?」
真美「そ、そんなことないもん!」
亜美「……」
亜美「にいちゃんがいるから、もう元気だよ~……えへへ」
真美「うあうあ~!!!!」
真美「な、なんのこと?」
亜美「んっふっふー! 言ってもい・い・の?」
真美「うぅ……」
亜美「おじゃましまーっす」
モゾモゾ
真美「うぇ!? あ、亜美~!」
亜美「……」
ぎゅぅぅ
真美「あ、亜美……?」
亜美「……ほんとに……」
亜美「よかったね、真美……!」
ぎゅぅぅ
亜美「わぷ」
真美「だいすきだよ……」
亜美「……うん。亜美もだよ~」
真美「えへへ……最近はあんまり、こういうこと言わないから、ちょっと恥ずかちいね」
亜美「次は、ちゃんと兄ちゃんにも言うの?」
真美「……わかんない」
亜美「そっか~……」
真美「夢の中のことにされちったかんね……」
亜美「でも、もう答えもわかってんじゃん」
真美「……でも、中学生に手を出したら、犯罪なんだよ~?」
真美「え? な、なに?」
亜美「……昔、えらい人がこう言いました」
『スリルのない愛なんて 興味あるわけないじゃない。わかんないかな』
『タブーを冒せる奴は 危険な香りまとうのよ。覚えておけば?』
真美「……!」
亜美「ね!」
真美「お、オトナっぽい……!」
亜美「んっふっふ~!」
真美「そっか~……時代はスリル……タブーを冒せない兄ちゃんなんて、ダメダメっぽいね!」
亜美「そうだよ~!」
P「……」
P(本当は、真美の体調を考えて、中止にしようかと思ったけど……)
P(真美から、絶対行くから、と連絡がきてしまった)
P(それで、中止なんかになったら、兄ちゃんのこと嫌いになると……)
P「そう言われたら、しかたないよな……」ソワソワ
真美「に~いちゃん♪」ヒョコ
P「! お、おお、おはよう、真美!」
P(今日もかわいい! 私服がまぶしいよ、真美!)
ジロシロ
スンスン
真美「え? な、なになに?」
P「……うん、お前は間違いなく真美だな」
真美「そうだけどー、なんで? 一目見たらわかるっしょ?」
P「う……すみません」
真美「なんで謝んの~!?」
P「あ、いや……ほら、そろそろ開園だし、行こうか」
真美「うあうあー! 待ってよ兄ちゃーん!」
ぎゅっ
P「……!?」
真美「……えへへ」
P「ま、真美……その、手」
真美「つないでちゃ、ダメ?」
P「い、いや……そんなことはないけど」
真美「だよねっ! さー行くよ、兄ちゃん!」
P(嬉しい、嬉しいけど……)
P(本当に……タイホされないだろうな……俺……)
P(ぷにぷにしたくなるな……)
真美「兄ちゃん?」
P「は、はいっ!?」
真美「なんかちょっと……、そんなにプニプニしてたら、くすぐったいっしょ?」
P「あ、ああ、ごめん」
真美「……」
P「……えーっと……」
真美「ねぇ、兄ちゃん。昨日はお仕事サボって、ごめんね」
P「あ、いや、大丈夫だよ……亜美から、ちゃんと連絡きてたし」
P(という設定にしておいてある。真美は昨日、俺が自宅にいったこと、知らないはずだからな)
真美「……兄ちゃんは、優しいね」
P「そりゃそうだ。俺はお前のプロデューサーだぞ」
真美「そっか~……」
P「なんで風邪なんて引いちゃったんだろうな。前日はあれだけ元気だったのに」
真美「うむ、それにはピヨちゃんの小皺よりも深く、あずさお姉さんのムネムネくらい高い理由があるんだよ~」
P「そうすか……あとで音無さんに謝っておけよ」
真美「んっふっふ~!」
テクテク
真美「……ねぇ、兄ちゃん。聞いてくれる?」
P「うん、どうした?」
真美「……真美ね、昨日、夢を見たんだ」
真美「うん! すーっごい、ちょー素敵な夢だった!」
P「……そっか」
真美「夢の中ではね、兄ちゃんも出てきたんだよ」
P「ははは……こりゃ、出演料をいただかないとな」
真美「……真美がオトナになったら、払ったげる」
P「オトナ?」
真美「うん。……16歳になったら、ね!」
P「……っ」
真美「ほらほら、兄ちゃん兄ちゃん! もうすぐ、亜美達のステージ、始まるっぽいよ!」
P「あ、ああ……」
P(今の、真美の顔は……)
P(俺が今まで、見たこともないほど……大人っぽくて、美しい顔だった)
P(……ずっと子どもだと思っていたけど……知らないうちに、真美は一歩一歩、成長しているんだな……)
ざわざわ……
真美「兄ちゃん」
P「ん?」
真美「えへへ……一回しか言わないから、よく聞いてね」
P「なんだなんだ、誰かのモノマネか?」
真美「うあうあー! そんなんじゃないって~!」
ざわ、ざわ……
『みーんなー! 今日は、この伊織ちゃんのために集まってくれて、ありがと~!』
『うあうあー! いおりんのためだけじゃないっしょ~!』
『あら、そうかしら? でも亜美目的の人が仮にいたとしても、そんなの、ほんのちょびーっとだけじゃない?』
『まぁ、ふふっ……伊織ちゃんったら、そんな風に言っちゃダメよ~?』
『にひひっ♪ ジョーダンよ、ジョーダン!』
P「……」
『ま、そんなお決まりのやりとりもこのへんにして……それじゃあ、さっそく行くわよっ!』
『うん! そだね! せっかくみんな来てくれたのに、つまんないって言って帰っちゃうかもだしね!』
真美「……これからも、ずっと、ずーっと、一緒にいてね!」
P「……ああ、もちろんだ!」
真美「えへへ……兄ちゃん兄ちゃん!」
P「ん、今度はなんだ?」
『それでは皆さん、聴いてくださいね~! 私達、竜宮小町の新曲……』
真美「……だーいすきっ!!」
『ハニカミ! ファーストバイト!』
――…… 今日は初めてのウェディング バージンロードにご入場 ……――
――…… わたしもパパと できるかな? ……――
――…… ハニー ハニー ハニーなdish シュガーシュガーシュガーなkiss……――
――…… めくるめくの 愛の味 ……――
―――
――
―
――
―
小鳥「……以上、あの伝説の竜宮小町による、今日だけの復活ライブでした!」
パチパチパチ……
小鳥「いいですよね、『ハニカミ! ファ-ストバイト』……」
小鳥「……ふふっ、私もいつかはこんな風に……って、違う違う」
小鳥「おっほん! えー、それでは続きまして、新郎新婦のご友人代表として……高木順二郎から、ご挨拶を……」
P「ははは……相変わらずだな、音無さんは」
真美「えへへ……そうだね、兄ちゃん」
真美「んー?」
P「……夢、叶っちゃったな」
真美「……そだね」
P「どうだ、気分は」
真美「……夢みたい」
P「俺もだよ……」
真美「でも……」
P「ああ」
P・真美「夢じゃない!」
P「どうした?」
真美「今度は、ホントのホントに、言うかんね。あのときみたいに、聞こえないフリしちゃ、やだよ?」
P「……あ、あはは……うん」
真美「……兄ちゃん」
真美「……だーいすきっ!!」
終わり
乙
真美ぺろぺろ
Entry ⇒ 2012.11.15 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
雪歩「黄金の月」
雪歩「黄金の月」
―――車内―――
雪歩「……プロデューサー」
P「ん? どうした?」
雪歩「ちょっとだけ、いいですか? このあたりで少し、外の空気に当たりたくって」
P「具合でも悪いのか?」
雪歩「いえ、特に具合悪くはないんですが……」
P「………」
P「なぁ、雪歩。撮影の調子はどうだ?」
雪歩「えっと…上手く行ってますよ。」
P「そうか、ならよかった。」
P(出会った頃は、俳優との撮影はずっと戸惑っていたけど、今はそういうこともなさそうだ)
P(ここ最近は、雪歩もドラマに起用されることが多くなった)
P(アイドルというよりもむしろ、中途半端な仕事をしない、女優としてしっかりとした地位を築き始めている)
P(時々ぼんやりと、昔の雪歩と重ねてしまう……本当の意味で大人びた彼女と。)
雪歩「はい?」
P「あ、ああ、いやこっちの話だ」
雪歩「あ、お茶、なくなっちゃいましたね。また淹れてきます」
P「ああ、ありがとう」
―――
P「お帰り、美希」
小鳥雪歩あずさ「おかえりなさい、美希ちゃん」
P「そっちも撮影だったな。どうだった?」
美希「ばっちりなの! プロデューサーも、今日はあと終わり?」ニコッ
P「あー、書類だけ整理したら終わりかな。でもそんなにはかからないさ」
美希「それならよかったの! 最近、ちょっと疲れた顔してたから、早く帰って休むの!」
P「ありがとう、美希」
P(俺の事も、ハニーとは呼ばなくなってから、二年近く経っている)
P(丁度そのころから、アイドルとしての仕事よりも、女優としての活動が中心になっていた)
P(最初の頃はさみしかったにせよ、彼女が『芸能人』である意識を持ち始めたからだと、すんなり受け入れた)
P「……皆それぞれが、大人になっていくんだなぁ」ボソッ
小鳥あずさ「 」ビクッ
P「?」
あずさ「ねぇ、美希ちゃん?」
美希「なぁに?」
あずさ「……最近、プロデューサーさんのこと、……その。。」
美希「?」
あずさ「呼び方、変わっちゃったのは、どうしてかなぁって思って……」
美希「ハニーって呼ばなくなった理由?」
あずさ「え、ええ。ちょっと気になって……」
美希「うーん、それはきっと……あずさもとっくにわかってる気がするの!」
あずさ「!」
あずさ「……」
美希「ミキは……ハニーの事大好きだけど、、、なんだろう、お父さんとお母さんをみてる感じ?」
美希「ミキには、ハニーの事を全部わかってあげることはできないし、もちろんそれは雪歩も同じだけど……」
美希「きっと、雪歩の方が上手に…プロデューサーのことを大事にしてあげられる気がするの!」
あずさ「……そう」
美希「でもね、あきらめたつもりはないんだよ? 大好き!っていうのを今は言わないでいて、いつかは……」
美希「いつかは、必ずまたハニーを振り向かせてやるの!」
あずさ「……ふふっ。。ありがとう、私も元気がでたようなきがするわ」
美希「えへへ! どういたしましてなのー!」
…………
雪歩「……6月にしては、すこし、涼しいですね」
P「……ああ、そうだな」
雪歩「雨が降らなくって、よかったですね」
P「………そうだな、最後に、いい気持ちで終われたな」
雪歩「ふふっ」
P(そう軽く笑ったきり、雪歩はぼんやりとしている。)
P(徐々に女優の仕事が膨大になっており、アイドルとして活動することが負担になっていた)
P(来年以降の予定もドラマや映画の撮影で追われることを見越して、地方ではあったが、ホールでソロライブを企画した)
P(表向きにはしていないにせよ、『アイドルの雪歩』はこれを最後に、休止することを、決意していた)
P(おそらくそれを察していたからこそ、遠路からもたくさんのファンが訪れてくれた)
P「そうかな。あれこれ、道のりは長かった気はするけど」
P(思い出したように、俺の問いかけに答えた)
春香「プロデューサーさん!」
P「どうした、春香?」
春香「……雪歩と、上手く行ってますか?」
P「? ああ、順調だよ。」
春香「……2人の仲が、ですよ」
P「…いや、いつも通りだが……」
春香「そろそろ、気づいてはいるんでしょう?」
P「……!」
P「……そうか。。ちゃんと、考えるよ」
春香「ならよろしい」ニッコ
P「こいつめ」コツン
春香「あいた」
P「じゃあな、またあとで」
春香「はい!」
春香「……プロデューサーさんの、ばーか」ボソッ
P(気づいてはいる)
P(雪歩が俺に、特別な感情を抱いていることは)
P(そして少なくとも、俺も雪歩といることに、落ち着きを覚えている。)
P(でもそれは、お互いに深く踏み込むこともなく、干渉しすぎるでもなく、2人でいつも事務所で過ごしていることが当たり前になってしまったからだ)
P(どこかのタイミングで、どちらかが好意を言葉にしてしまえば、上手く実を結んだだろう)
P(………でも今更、どんな言葉で、伝えればいいんだろう)
―――――――
P「ええ」
P「俺の実力に、限界を感じてはいるのです。というかむしろ――」
社長「彼女らの、新しい分野を上手く切り開ける自信がない、のかな」
P「…! ――はい」
P「女優業に関しては、俺よりも律子の方がずっと専門的です。実際、あずささんを成功させたのも彼女です」
P「雪歩や美希は、もうそろそろ律子にバトンタッチしてもいい頃合いかと」
社長「……しかし、雪歩くんは……、受け入れると思うかね?」
P「……」
社長「なぁ、Pくん。私にも、あるアイドルがどんな気持ちで君をみているのか、ある程度は予想がつくんだよ」
社長「それd
P「それでも」
P「雪歩を成功させることは、俺ではもう難しいと思うのです」
――――――
P(………)
P「! なんだ、雪歩?」
雪歩「ここの道、私今でも覚えてるんです」
雪歩「ビルもなくって、車通りも少なくって。人も時々しか見当たらない、この道路」
P「前にも、ライブで来たっけ、な」
雪歩「ええ」
雪歩「でも、たぶんここぐらいなんですよ。地方で覚えてるところ」
雪歩「やっとソロライブができるようになった頃、ツアーで回って……」
雪歩「この道路辺りを走ってる時に、プロデューサーが、物凄くほめてくれたの、覚えてるんです」
雪歩「何をどう誉められたのかは、記憶が薄いんですけど、その時の風景が、写真みたいに焼付いてる……」
雪歩「こんなことって、あるんですね」ニコッ
P「焼き付けるにしては、少し殺風景すぎるかもしれないけど、な」ニコ
雪歩「もう……でも、今夜はあの時とは違いますね。だって、すごく綺麗な月……」
P「本当だ……」
P「…?」
雪歩「プロデューサーが、私の担当をはずれちゃうってこと」
P「…! ……誰から、聞いたんだ」
雪歩「誰でもないですよ。私…なんとなく感じ取っちゃったんです。」
雪歩「少しずつ、距離感みたいな、すごく微かだけど、遠くなってるようなきがして」
P「そんなつもりはなかったんだが、な」
雪歩「ふふ、女の勘はよくあたるんですよ」
雪歩「本当は、最後のライブをしたいって言ったのも、きっとこのままいたら、プロデューサーが困っちゃうだろうなって思ったからなんですよ」
雪歩「女優業の方だけになれば、きっとプロデューサーさんも……」
雪歩「安心して、他のコの面倒を見れる、かなっ…て」クルッ
P(ああ、これはなんだか知っている感覚だ。なんだろう)
P(そうだ。。かつての恋人と、最後の電話をしたときに、似てる)
P(彼女の方が、どんどん大人になっていったような気がして、止められないまま……)
P(ちがう、違うんだ。本当はもっと伝えたいことがあるんだ。でもそれを…)
P(それを言葉にしてしまっても……)
P(雪歩の未来に、何もできやしない)
P「あ、いや、その……」
雪歩「違うんです」
雪歩「私、どうしてもプロデューサーに、本当に二人っきりになれる時に、言いたかったことがあって…」
雪歩「私……」
P(……違う。今それを、君は言ってはいけない。それを言われたら、俺は君の未来を守れない……)
P「雪h
雪歩「私!!」
P「!」
雪歩「……私。。」ギュッ
P「………」
雪歩「男の人も……誰でも大丈夫、とは、言い切れないですが……平気になれました」
雪歩「前みたいに、穴掘って埋まることも無くなりましたし………」
雪歩「ずっとずっと、自分に自信が持てるようになり、まし、た……」ポロッ
雪歩「それ、もっ…プロデューサーのおかげ、で・・・・」ボロボロ
雪歩「えへへ、ダメですね。強くなったって言ってるそばから・・・」グスッ
雪歩「で、でもっ、もう私、ちゃんと一人でもお仕事できます!」
雪歩「だから、プロ、デューサー、は……私みたいに、埋もれてたコを、助けてあげて、くだざい!」グスッ
P「……違う」
雪歩「! え、な、なんです、…か?」
P「違う、と思うんだ。雪歩が、本当に言いたかったこと」
雪歩「……」グス
P「なぁ。ずっと待たせてしまったな。でも、今度は俺が言う番だ」
P「……」ギュウ
雪歩「えっ…あっ…///」
P「……雪歩、一緒にいてくれ」
雪歩「ぷ、ぷろ……」
P「……ずっと、知らないふりをして、2人で、やり過ごしてしまったな」
P「でも、こういうのは、俺の方から言うべきだと、やっと気づいたよ」
P「……俺はお前のプロデューサーだ。トップアイドルの座を手に入れたなら、今度はもっと上を目指そう」
雪歩「…!」ポロ
P(俺はずっと恐れてたんだ。雪歩の手が、いつか離れてしまうのを。だから、ずっとどっちつかずの関係を守ってきたんだ)
P「お前と、一緒にいたい。…これが、どういう意味か、分かる、な?」
雪歩「……う、あぁ、…は、はいぃ……」グスッ
雪歩「プ、プロデューサぁ……」ボロ
雪歩「ずっと、…ずっと待ってたんですよ……」ボロボロ
雪歩「こわくって、こわくって………」ボロボロ
P「……つよく、なったんだろ?」
雪歩「…そんな、こと、いっても……いっても……」
雪歩「プロデューサーだって、泣いてるじゃないですかぁ……」
P「ああ……」ポロ
P「雪歩、目を閉じて」
雪歩「……はい」
P 雪歩「………………」
――――――
P「夜空に光る 黄金の月などなくても」
―終―
お気づきの方もいる通り、スガシカオの「黄金の月」という、素晴らしい名曲を下地にしてコソコソ書いてみました。
http://www.youtube.com/watch?v=aQBG8e-DYFo
コノユビトマレとかでもアイマスSS書けそうだよね
>>50
コノユビトマレ、千早で書いてみたいな。あとは、スガシカオならば七月七日を貴音で……とか、
Entry ⇒ 2012.11.14 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「カップラーメン美味いな」 貴音「ええ、真に」
P「これはハマる」モグモグ
貴音「あなた様にこの幸せを理解していただける日が来ようとは」チュルチュル
貴音「嬉しい限りです」モグモグ
亜美「またカップラーメン食べてるよ」
真美「最近いつも食べてるね」
貴音「ほぉむらん軒の醤油味でございます」
P「明日はホームランだー!ってか?」
貴音「? あなた様、明日は野球をなさるのですか?」
P「いや、伝わらないなら良いんだ」
P「うん、シーフード美味いよシーフード」モグモグ
貴音「最近ぶいやべぇす風の物も出たと聞きますが」
P「あー、あれな、あんまり好みじゃなかったかなー、不味くは無いけど」
貴音「!」
P「うわっ、なんだよいきなり」
貴音「……っくは」
P「?」
貴音「新作のちぇっくは2人ですると決めていたではありませんか!」
貴音「……」ツーン
貴音「まずは食べるのをやめてくださいまし」
P「だって伸びちゃうし」
貴音「…それもそうでございますね」チュルチュル
貴音「さて、あなた様…」
P「はい……」
貴音「お説教の時間でございます」ゴゴゴゴ
P(背景が歪んで見える…そんなに食べたかったのか、ブイヤベース風シーフード)
貴音(せっかくあなた様と2人で過ごせるはずの時間を……)
響「あれ絶対何か食い違ってるぞ」
小鳥「食べ物の話題だけに?」
響「……」
小鳥「ごめんなさいピヨ」
貴音「~♪」
P(直ったというよりむしろ機嫌が良くなったような気もする)
P(女心は複雑である)
貴音(でぇと、これはでぇとの約束にございますね、あなた様♪)
響「やっぱり食い違ってる」
小鳥「まぁこれはこれで」
P「そうだな、仕事も終わったし」
P「貴音ってさ」
貴音「はい」
P「怪人で例えるとメダリオだよね」
貴音「褒め言葉として受け取っておきましょう」
貴音「それでは、社長は…?」
P「キングフロシャイム」
貴音「ああ…」
P「…カップラーメンでも食べるか」
貴音「そうでございますね」
小鳥「やだ、マニアック」
律子「きんぐふろしゃいむ…?」
千早「プロデューサー、そこは俺はカーメンマンって言わないと」
P「うむ、今日は醤油だな」
貴音「珍しいですね、いつもはかれぇかしぃふうどのどちらかでございますのに」
P「やはりラーメンの基本は醤油だからな、うん、スープが美味い」
貴音「醤油が基本…真、そのように思います」チラチラ
P「一口食べるか?」
P「ふぅふぅ、ほら、口あけて」
貴音「あ、あなた様///」クラッ
P「大丈夫か」
貴音「はっ!だ、大丈夫でございます、それでは」パクッ
貴音(緊張で味など分かろうはずもありません、ですが)ドキドキ
貴音「私は今、無上の喜びを感じております」
P「はっはっはっ、貴音はおおげさだなぁ!」
小鳥「あーあ、爆発しないかなぁ」
春香「右に同じです」
貴音「はい」
P「俺、お茶漬け良く食べるんだよ、永谷園の」
貴音「私もよく食べます、鮭茶漬けもまた美味でございますね」
P「それで、そのお茶漬け食べるときにだな」
貴音「はい」
P「一緒に牛乳を飲むんだ」
貴音「なんと」
P「こう、しっかりとお茶漬けを飲み込んだ後にだな、牛乳を飲む事によって甘みが引き出されて実に美味い」
貴音「面妖な……」
P「でも誰も理解してくれない…どちくしょう」
貴音「確かに、常識に囚われるあまり世界が狭まるという事もあるのやも知れませんね」
P「奥深いな」
やよい「うっうー!いい事を聞きましたー!」ピョンピョン
伊織「うーん、お茶に牛乳?」
貴音「はい、ございますね」
P「食った事はないんだけどさ、あれって最初から残りのスープにご飯突っ込んだんじゃダメなのかな」
貴音「量の問題もあるのでしょうが、やはり体面を気にしてのことではないでしょうか」
P「?」
貴音「残りのすぅぷにご飯を入れて食べるのははしたないと思う人も居るでしょう」
P「ふむ」
貴音「最初からそのような商品であればそのような心配をする必要もないのでは?」
P「なるほど」
貴音「ふふ、そうでございましょう?」
P「しかしこの時分だといささか寒い」
貴音「あなた様、こうして寄り添えば少しは寒さも和らぐかと」
P「……綺麗だな」
貴音「月が、でございますか?」
P「さぁ、どうだろうな」
P「ああ、お疲れ様」
貴音「して、今日はどのようなかっぷらぁめんに致しましょうか?」
P「今日はカップラーメンは止めよう」
貴音「? 何か予定がおありでしょうか?」
P「いや、連れて行くって言ったじゃん、ラーメンデート」
貴音「!」パァァ
P「とびっきり美味しいところ見つけたからさ、行こうぜ」
貴音「はい、喜んで♪」
おしまい
お姫ちんかわいいよ
Entry ⇒ 2012.11.14 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (4) | Trackbacks (0)
P「やよいも」
P「やよいも」
やよい「いっぱい集めましたぁ!」
P「うし、このくらいでいいか」
P「火をつけるぞ」
やよい「はい!」
パチパチ
P「んん、いい感じ」
やよい「あったか~い」
真美「もう出来た?」
やよい「ううん、まだだよ」
P「もうしばし待つんだ」
亜美「ちぇ~」
真美「寒いYO!」
やよい「こうして手をかざしたら暖かいよ」
パチパチ
亜美「あ~……」
真美「ジ→ンとしますなぁ」
真美「いおりんは?」
P「あずささんを連れてくるって」
亜美「来る前に全部なくなっちゃうYO!」
やよい「いっぱいあるから大丈夫だよ」
P「それに、まだできるまで時間がかかるからな」
真美「待ち遠しいですなぁ」
あずさ「ごめんなさい、遅れちゃって」
真美「遅いYO!」
亜美「……って、それは!?」
伊織「これ? たいやきよ」
真美「ちょ→だい!」
亜美「亜美にも!」
やよい「……」
P「やよいにも一つあげてやってくれ」
やよい「……!!」パアァ
亜美「中はモチモチで美味しい!」
やよい「美味しいね」
伊織「……やきいものこと、忘れてない?」
亜美・真美・やよい「「「あっ」」」
伊織「まったく……」
あずさ「どうですか?」
P「うーん、あと少しでしょうかね」
P「……よし、いい感じだな」
P「出来たぞ~」
亜美「やたっ!」
真美「はやくはやく!」
伊織「アンタ達、落ち着きなさいよ!」
P「ほれ、熱いから気をつけろよ」
やよい「軍手を持ってるから平気です!」
真美「おお!」
亜美「準備いいね~」
ホクホク
やよい「わあ……」
亜美「美味しそう!」
伊織「……」
P「ほれ、伊織とあずささんも」
伊織「……ありがと」
あずさ「さ、食べましょう」
真美「サイコ→!」
亜美「美味しいね!」
伊織「まあ、悪くないわね」
P「そりゃ何よりだ」
あずさ「プロデューサーさんは、食べないんですか?」
P「俺の分はまだ焼けてないみたいですね」
貴音「待ち遠しいですね」
P「!?」
貴音「はい」
P「心臓に悪いから、急に現れるのはやめてくれ」
貴音「善処しましょう……それより」
パチパチ
貴音「そろそろでは?」
P「んー、まだだなぁ」
貴音「むう」
伊織「どんどん増えるわね」
やよい「その方が楽しいよ~」
真美「お芋が足りなくなっちゃうYO!」
亜美「ピンチ!」
P「よし」
prrr
P「もしもし……はい」
P「急ですいませんが……ええ……お願いします」
P「よし、そのうち増援がくるぞ」
小鳥「お待たせしました~」
律子「急に何かと思えば……」
P「助かります!」
小鳥「じゃがいもも持って来ましたよ」
あずさ「あら、いいですね」
亜美「はやく焼こう!」
亜美「真美! ひびきん!」
真美「ラジャ!」
響「任せろー!」
ワーワー
律子「あー、暖まる……」
小鳥「ふふっ、そうですね」
P「そうだな」
響「へへん!」
真美「やったね!」
パチパチ
P「さあ、もうしばし待っててくれ」
貴音「はい」
P「はやっ! もう食べたのか」
雪歩「みんな揃ってるね」
P「お、真と雪歩か」
亜美「やっほ」
響「春香と千早はいないぞ」
小鳥「もう少しで来ると思うけど」
雪歩「そうですか」
真「ねえ、出来ました?」
P「もうちょいだな」
小鳥「あちち……美味しそう」
律子「いただきます」
P「これが、真と雪歩の分な」
雪歩「ありがとうございます」
真「熱っ!?」
真「ふー、ふー……」
貴音「……」
P「貴音には趣を変えて、じゃがいもをやろう」
P「こうしてバターを乗せれば」
トロー
貴音「おお!!」
響「じ、自分の食べかけで良ければ……ほい」
P「いや、食べてていいぞ」
真美「そこは食べるべきだYO!」
亜美「そうだそうだ!」
響「そうだぞー!」
P「ええ~?」
あずさ「遠慮しすぎるのも良くないですよ?」
小鳥「ふふ、素直に甘えちゃっていいと思いますよ」
律子「そうですよ」
響「はい、あーん」
P「??」
伊織「アホ面してないで! ほら」
響「あーん」
P「あ、あーん」
響「どう? 美味しい?」
P「うん、美味しいよ」
春香「……」
千早「……」
P(これはマズイな……)
春香「いやあお熱いですねぇ」
千早「ええ……」
響「じ、自分……美希に芋あげてくるな!」
P(逃げよった……)
春香「ふんっ!」
千早「……」
雪歩「あわわわ……」
真(次はじゃがいもが食べたいなぁ)
伊織「アンタ、今までどこにいたのよ」
美希「あそそでハンバーガー食べてたよ」
律子「ホントにマイペースなんだから」
美希「ねえハニー、お芋できた?」
P「ん? 響に会わなかったか?」
美希「会ってないよ」
P(好機!)
P「仕様がない、探してくる」
P「え」
小鳥「やきいも、楽しんで下さい」
春香「そうですよ!」
千早「ええ」
美希「なの」
P「……はい」
プス
律子「出来ましたよ」
千早「プロデューサー」
P「はいはい……あーん」
春香「はふ……美味しい!」
千早「ふー、ふー……美味しい」
高木「おお、楽しそうだねぇ」
黒井「ふん、いかにも庶民のやる事だな」
P「社長…!?」
小鳥「響ちゃんを探している途中で出くわして」
響「ついでだから誘ってみたんだ」
黒井「この私が本物のやきいもを見せてやろう!」
P「それはそれは」
あずさ「楽しみですね~」
貴音「ええ」
高木「はっはっは、楽しもうじゃないか」
黒井「そもそも銀紙で包む時にだな!」
P「はい」
やよい「みんなでやきいもパーティをしました」
やよい「また来年もやりたいなーって」
おわり
なんかすいませんでした
おつ
乙っした
いいっすねー
>>1も乙
あらやだ素敵
Entry ⇒ 2012.11.12 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
貴音「あなた様!しゃいにぃふぇすたでございます!」
貴音「沖縄!二泊三日の沖縄なのですね!?」
P「おう!」
貴音「響の故郷の!!」
P「そうだ!」
貴音「あ、あぁ……あぁ!!響が、響が招待を受けていないのが残念でなりません!!」
P「あぁ、そうだなぁ…でもこればっかりはな」
貴音「ですがわたくし、響の分まで沖縄を堪能いたします!!」
P「フェスタがメインだからな?」
貴音「心得ております!ふぇすたがめいん!!」
P「はははテンションたかいなぁ貴音」
貴音「響のご実家にご挨拶に行かねば!!」
響「や、やめてぇ!」
P「そ、そうだな……」
貴音「さ、さぁあなた様!おはやく!」
P「え?」
貴音「え?ではありません!はやく向かいましょう!沖縄へ!!」
P「貴音、貴音!」
貴音「どうしました!?」
P「フェスタは来月だ!」
貴音「……なんと!!」
貴音「はぁ……」
貴音「……」
貴音「……ふぅ」
貴音「……」
貴音「……どうして誰も来ないのですか!!」
貴音「皆、弛んでいます!緩みきっております!」
貴音「緩みきっておりますゆえ!少々急を据えてやらねばなりません!!」ポパピプペ
プルルルル
貴音「……!」
貴音「あなた様!あなた様!!」
貴音「どうしたのいうのです……!」
貴音「……え?」
貴音「まさかっ、そんな……プロデューサーが……」ブルブル
貴音「は、はい、それでっ……」
貴音「無事なのですか…!?容態は……!!」
え?
ガチャ
P「おはようございまーす」
貴音「あなた様!おはようございます!!」
P「おはよう貴音、早いなまだ集合2時間前だぞ?」
貴音「恥ずかしながら興奮しすぎて、少々早起きしてしまいました!!」
P「ははは……ところで今誰かとしゃべってなかった?」
貴音「熱が入りすぎて子芝居を少々!」
P「そ、そっか…程ほどにな」
貴音「あ、あなた様!飛行機、飛行機です!!」
P「あぁ、そうだよ飛行機だよ」
貴音「しかも、ふぁーすとくらす!」
P「トップアイドルだからな、このぐらいは社長も許してくれたよ」
貴音「椅子が、椅子がふかふかです!!」
P「うん、ベルト締めてね」
貴音「身体が……沈みます……!!」
P「貴音、ベルト締めないと」
貴音「これは……あなた様!わたくしは、わたくしは今椅子と融合を!!」
P「貴音」
貴音「どこまでがわたくしで、どこからが椅子なのでしょう……
いえ、もはやわたくしは四条貴音などではなく、座席の一部と化して」
P「貴音」
貴音「ひっ…!と、飛ぶのですか!?ついに飛ぶのですね!!」
P「飛ぶよ」
オォォォォ…
貴音「……飛びました!!」
P「飛んだね」
貴音「このような鉄の塊が、空を飛ぶとは……まっこと、面妖な!!」
美希「……お仕事で乗ったこと、あったよね?」
P「うん、初めてじゃないよね」
貴音「は!あれは富士!富士ですね!?やあぁっほおぉぉぉぉ!!」
P「貴音、静かにしなさい貴音」
CA「お飲み物をお持ちいたしましょうか?」
貴音「ちきん!」
CA「!?」
P「貴音!?」
P「沖縄だね」
貴音「沖縄です!!」
P「とりあえず今日はホテルでゆっくりしていいよ」
貴音「な、なんという日差し……!!何故わたくしは長袖を着ているのか!!」
真「だから暑いよって言ったのに」
貴音「ぬ、脱ぎましょう!!服など脱ぎましょう!!」
雪歩「し、四条さん!?駄目ですぅ!!」
貴音「ぬいで、脱いでしまいましょう!!」
P「貴音、貴音!!」
美希「美希も脱ぐの!!」
P「だ、誰か!誰か助けてくれ!!」
雪歩「い、いよいよなんだね……」
真「プロデューサーとデート……緊張するなぁ」ゴクリ
貴音「えぇ、擬似的にも恋を体験することによって、edeNを完璧に歌いきろうという作戦ですね。
前日で間に合うのか、などという疑問が湧いてこないほどの秀逸な計画ですね」
美希「でしょでしょ!!」
貴音「しかし……でぇと、とは一体どのようなことをするのですか?」
美希「えっとね、まずハニーと待ち合わせしてー……」
貴音「逢引ですか……!」
雪歩「そして一緒に買い物したり遊んだりして……」
貴音「ふむ……」
真「そして、一緒に食事かな?」
貴音「なるほど。その後に性行為をするのですね?」
みきゆきまこ「「「!?」」」
貴音「おや……違うのですか?愛し合う二人は、自ずと互いの身体を求め合うものだと思いますが」
雪歩「ひ……ひぃ……」プルプルプル
真「い、いや貴音!レッスンだから!ただの練習だから!」
貴音「温いです!例え仮初めの関係だったとしても!
その情欲の滾りをぶつけ合い、獣のような情交を行ってこそ!
初めて恋という物を理解できる!!違いますか!!」
美希「えぇぇぇーーー!?」
雪歩「ち、ち、ちがいますぅ!!」
貴音「違いません!何も違いませんよ雪歩!!」
貴音「それにプロデューサーも男性……この開放的な状況に緩んだわたくし達の瑞々しい肢体を弄び、
その獣欲を発散させる機会を虎視眈々と狙っているに違いありません!!」
真「獣欲!?」
美希「ち、ちがうの……ハニーはそんな、そんな事……」
雪歩「ひっ……ひぃぃ!!」ガクガクガク
貴音「でぇとなどしようものなら、あの方のオーバーマスターは間違いなくわたくし達のedeNをrelationsして、
わたくし達のマリオネットの心はさながらLittle Match Girlの様に迷走Mind!!」
美希「いやああああぁぁぁんっ!!」
雪歩「ひっ、ひぐっ……かはっ……!!」ブルブルブル
真「うわーっ…いやでもそんな、え、どうしよう、本当に?ど、どうしよう……」
貴音「出ました!性欲の権化です!!」
P「!?」
美希「ひっ!!……!!お、お、犯されるのー!!」ダッ
雪歩「うっ、うっ……おうおう、オェ……オェー!オェー!!」トシャー
真「うわっ!?ゆきほが吐いた!!」
P「!?」
貴音「申し訳ありません。すこしはしゃぎすぎました……」
真「ですよねー」
雪歩「そ、そうですぅ…」
美希「そ、そうなの、ハニーがそんなことするはずないの」
P「腐ってもプロデューサーなんだから、アイドルに手を出すわけないだろう?」
貴音「そうですね。あなた様のようなへたれがそのような事ができるはずがありません。
非礼をお詫びいたします。まことに失礼致しました」
美希「ごめんなさいなの」
雪歩「すみませんでした……」
真「ごめんなさいプロデューサー」
P「うん……」
美希「賛成なのー!」
P「俺はなんか疲れたからホテルに戻るよ……」
貴音「なんと……一緒に来ていただけないのですか?」
真「泳ぎましょうよぅプロデューサー!」
P「それに明日の段取りの再確認もしたいんだ」
貴音「それは残念です……」
貴音「わたくし、この日のために水着を新調したのですが……」スチャ
P「……」
美希「わぁ、Vの字水着!貴音ダイタンなの!」
雪歩「しっ四条さん……そ、それはっ…ちょっとっ!色々出ちゃいます!!」
真「うぅ……似合いそうだもんなぁーうらやましいなぁ!」
P「……。貴音!ダメ!それダメ!!」
貴音「さぁ皆、行きましょう。あなた様はお仕事頑張ってくださいまし」
P「貴音、貴音!」
貴音「なんと酷い……あなた様は、わたくしに裸で泳げと?」
P「うぐぐ……レンタルとか、あるだろきっと!」
貴音「ふふ……冗談ですよあなた様。そちらはふぇいくです」
美希「あれ?Vの字やめちゃうの?」
貴音「普通のびきにも持ってきております故!」スチャ
P「ホッ…ま、まぁそれなら良しかな」
雪歩「……プロデューサーは、ホントに来てくれないんですか?」
P「あ、あぁ……準備とかも細々と……」
貴音「……それでは改めまして、三人とも、わたくし達だけで参りましょう。
そして野蛮で下品な丘さぁふぁ共の視線を釘付けと致しましょう!!」
P「丘サーファー!?」
P「貴音!やめなさい貴音!」
雪歩「おうおうっ!…オゥェー!!」シャー
真「ゆきほおおぉぉ!!」
美希「やーん!雪歩がまた吐瀉ったの!!」
貴音「そして明らかに身体目当てであり、やたらとしつこく絡んでくる一際無礼な連中に目を付けられ、
言葉巧みに旅館の部屋に連れ込まれて、とっかえひっかえされまくると致しましょう!!」
P「たかっ…まっ…!…おぼっ!…エ…ェ゙ーヴ!ェ゙ーヴ!!」シャー
真「プロデューサーもリアルに吐いてる!!」
美希「海なのおぉぉ!!」
雪歩「砂ですうぅぅ!!」
P「はしゃいで怪我とかするなよおぉ」
貴音「申し訳ありません。結局、あなた様にも同行していただく形になってしまい……」
P「えーと、い、いや……かまわんよ……くそ、遠巻きに丘サーファー共が、お前らサーフィンしろよ……!」
貴音「えぇ、わかっております。わたくし達もアイドル。そしてあなた様はプロデューサー。
手塩にかけて育てた自分の分身ともいえる存在が、果たしてどのような魅力的なばでぃをしているのか
その目で確かめてみたい。しかし、決して他の雄達の視界にも入れさせたくはないという
いびつで醜悪かつ下賤な独占欲、その心情、理解しているつもりです。つもりです故!」
P「貴音が煽ったんじゃないかぁ!!」
貴音「ハッ!?」
P「どうした!?」
貴音「あれは……!?響!?」ダッ
P「え!?」
P「た、貴音!どこだ!?どこに響が!?」
貴音「あちらです!木の上に!!」
P「木の上!?」
貴音「ひびき!どうしてそのようなところに!?」
貴音「あぁ…ひびきっ…!隠れても無駄です!!降りてきなさい!!」
P「貴音、貴音!」
貴音「どういたしました!!」
P「アレはヤシガニだ!!」
貴音「なんと!!」
グニ
真「ひい!?」
貴音「真、どうしました?」
真「な、なんか踏んだ!踏んだよおぉぉ!!」
貴音「おや、これは……」
真「なになに!?なんなのぉ!?」
貴音「……ナマコですね」チャプ
雪歩「ひー!!!」
真「ぎゃああぁぁ!!」
美希「キモッ!!」
貴音「まぁ、そのように嫌わなくても……」ゴシゴシ
真「えっ…な、なんでナマコこすってるの!?」
貴音「…………」ゴシゴシゴシ
P「貴音!?」
貴音「……………………」ゴシゴシゴシゴシゴシゴシ
P「貴音!!やめなさい!!貴音!!すぐにやめなさい貴音!!」ガッシ
貴音「は、放して!はなしてください!ぶれいものぉ!」ブン
ビターン!!
ナマコ「ビュルルルル」
P「うあああぁぁ!!!!!!」
翔太「おねーさん達どこから来たの?」
北斗「え?俺達の事、知っててくれてるんだ?嬉しいなぁ」
翔太「それじゃあどこかでお話しようよ」
冬馬「……」
冬馬「あいつら……フェスは明日だってのに浮かれやがって…」
冬馬「それにこんなところでやらかしたら、それこそスキャンダルだろうが……」
冬馬「まったく……」
貴音「…」
冬馬「うお!?」
貴音「…」
冬馬「そうか…お前達も招待されてたんだったな…・・・」
貴音「天ヶ瀬冬馬」
冬馬「なんだ」
貴音「これを貴方に……」スッ
冬馬「え」
貴音「それでは……」ザッ
冬馬「…」
ナマコ「…」
北斗「まぁめげないめげない、次に期待しよう」
翔太「ねぇ冬馬くーん!冬馬くんも……」
冬馬「…」
北斗「冬馬?どうしたんだ?」
翔太「そのナマコ何?」
冬馬「……」ゴシゴシ
翔太「冬馬くん!?」
北斗「冬馬!?やめろ!!」
貴音「あなた様…あなた様……」
P「貴音?どうしたんだ?」
貴音「申し訳ありません、あなた様……少し、日に焼けてしまいました……」
P「うーん、まぁそうだよなぁ……」
貴音「はい……この様に……」ピラ
P「おぉ…………」
美希「……!」
P「どうした美希!!見てないぞ!!何も!!」
美希「ハニー!見て見てミキも焼けちゃったの!!」ブルン
P「おああぁ!!」
貴音「わ、わたくしも!このように!このように、こげ貴音!!」プリン
美希「ミキも!こんなに!こげミキ!!」モロン
P「うあああぁぁ!!すげえ!!誰かああぁぁ!!」
真「ふ、ふたりとも!出てる!!出てるから!!雪歩、雪歩もみんなを止めて!!」
雪歩「…………。わ、私もっ……!わたしだって、こ、こげゆきほ…!!」チラ
真「ちょっ……え!?ボクだけツッコミなの!?もうやだよぉ!!」
カワイイ
P「あぁ……疲れた……」
P「どうしちゃったんだ貴音は……」
P「でもアイドルのテンション管理もプロデューサーの仕事か……」
P「うーん、でも逆に明日のフェスであのハイテンションを活かせるか…?」
P「むむむ……アタマに貴音メインの曲ってのもアリか?んん~……」
P「……ん?」
P「そういえば今夜は満月か」
貴音「そうなのです」
P「うああぁぁぁ!!」
貴音「あなた様!!」
P「か、勝手に入ってきちゃダメだ!!」
貴音「申し訳ありません!」
P「そもそもどうやって入ってきたんだ。オートロックのはずだろ」
貴音「今宵のわたくしは、非常に、非常に昂ぶっております故!鍵など取るに足りません!」
P「そ、そっかー」
貴音「はい……満月が近付くにつれ、こう、少し、気分が高揚してしまうのです!!
常日頃から気を付ける様にはしております故、万が一にも無いとは思いますが
本日、あなた様に対して何か失礼な言動等は無かったでしょうか?」
P「すごい変。今も」
貴音「なんと!今もですか!!」
P「……なんでマイディアヴァンパイア着てるの?フェスでも使わないけど…」
貴音「そこは満月故に!!」
P「お、おう……」
貴音「そうでしょう、そうでしょうとも。
明日になれば少しは、この昂ぶりも収まるかとは思いますが」
P「いやーほんと」
P「月が綺麗だな、貴音」
貴音「!?」ビクン
P「ん?」
貴音「あっあぅあっあなた様!今、なんと……!?」
P「え?いや、だから『月が綺麗だな』ーと……」
貴音「なああぁぁん!!」ゴロゴロゴロ
P「貴音!?」
P「貴音、大丈夫か貴音」
貴音「わ、私としたことが、少々、取り乱してしまいました……」
P「最近ずっとそんな感じだぞ貴音」
貴音「まったく……あなた様も戯れがすぎます!もう!」ベシ
P「そ、そうか?」
貴音「わ、わたくしこの様に昂ぶっていては眠れるかどうか……!
もう!部屋に戻ります故、あなた様もどうかお早く床について頂きたく!
お身体に障ります故!それではっ!!」
ガチャバタン
P「お、おう。お休み……」
P「まぁ月のものなら仕方ないか」
P「……明日も早いんだよな」
P「貴音の言うとおり、早めに寝るか……」
P「よいしょーっと」
パチ
P「おやすみー」
貴音「夜はまだなごうございます、あなた様……」モゾ
P「!?」
貴音「あなた様!!」
P「さっき早く寝ろって言っただろ!?」
貴音「覚えておりません!!」
P「ど、同衾は!同衾はまずいから!!」モゾモゾ
貴音「想いは一つ!何もまずいことなどありません!ありません故!!」モゾモゾ
P「貴音、貴音!!」
貴音「あなた様、あなた様あぁ!!」
貴音「パッと舞って!」バサァ
P「ひぃ!!」
貴音「ガッっとやって!!」ガッ
貴音「チュッと吸って!!!」チュッ
P「はあああああぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」
P「……はっ」
P「朝か……」
P「なんだかとんでもない夢を見た気がするなぁ……」
P「いやー……いい歳こいて恥ずかしい夢を見ちゃったな」
貴音「はい……お恥ずかしい……まっことお恥ずかしい限りです……」モゾ
P「ハハハハハハ……」
貴音「あの……あなた様…こ、この夢のことは、内密に……」モゾ
P「言えないよ!!」
貴音「はぃ……」モゾモゾ
P「すいませんでした!!」
貴音「そ、そんな……わたくしの方こそ……なんというか、はい……」モゾモゾモゾ
貴音「歌いました!」
美希「歌いきったのー!!」
真「しかも優勝したよ!!」
雪歩「頑張りましたぁー!」
P「よかったぞ皆!!なんだかんだで最高のedeNだった!!」
美希「ラストのedeNもよかったけどー、ミキ的には最初の貴音がすごかったって思うな!」
真「そうそう!あそこでお客さんも大注目!って感じだったよね!」
雪歩「四条さん、すごかったですぅ!」
貴音「そのような……一曲一曲の、皆の頑張りがあったからこそですよ?」
P「あぁ、そうだな。さて、あとはアンコールが……」
貴音「!?」
P「貴音?」
貴音「あれは…!?響!?響ではありませんか!!」ダッ
P「またかよ!?」
P「た、貴音!どこだ!?またヤシガニか!?」
貴音「響!あぁっ…響っ!!なぜこのようなところに!?」
P「貴音!ヤシガニのことはもういいんだ!!」
貴音「何を言っているのですかあなた様。お気を確かに!」
響「…プロデューサー、自分、ヤシガニじゃないぞ」
P「……響!?響じゃないか!!」
貴音「最初からそう言っています!」
響「人だぞ」
P「す、すまん響。どうしてここに?」
響「あれ?みんな来てるぞ?ホラ」
亜美「へっへー、来ちゃったよー!」
真美「最初っから見てたかんねー!」
律子「でもまぁ、わざわざ来た甲斐があったわね?」
千早「良いステージだったわ、皆!」
やよい「すごかったですー!!」
伊織「ふーん、アンタたちもなかなかやるじゃない?」
あずさ「感動しちゃいました~」
小鳥「優勝おめでとうございます!!」
社長「うむ、すばらしかったよキミたちぃ」
P「社長まで!!」
貴音「なんと……!」
P「おっ、それじゃあ4人とも!アンコールだ、いってこい!」
貴音「…4人だけでは、ありませんよ?」
美希「みんなで出るのー!」
真「ほら、プロデューサーも!!」
P「えぇ!?俺も!?」
雪歩「社長もですぅ!」
社長「私もかね!ハハまいったねどうもハハハ」
貴音「それでは皆、参りましょう!!」
みんな「「「うん!」」」
貴音「響のご実家へ……!!」
響「やめてええぇぇ!!」
THE IDOLM@STER SHINY FESTA ~Groovy Moon~
END
乙
おつかれ
Entry ⇒ 2012.11.12 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「さらにとりとめのない話」
・おはよう
美希「おはよう!」
美希「……」
響「……zzz」
貴音「……zzz」
P「……zzz」
美希「みーんな寝てるの……」
美希「ミキだけ早起きさん♪」
響「……zzz」
貴音「……zzz」
P「……zzz」
美希「……」
美希「あふう」
美希「……zzz」
響「……zzz」
貴音「……zzz」
P「……zzz」
・強がり
TV『恐怖!インベーダー! …完』
美希「……」ガタガタ
響「……」ガタガタ
貴音「……」ガタガタ
P「そろそろいい時間だし、寝るか」
美希「うう、怖い映画なんて見なければよかったの……」
貴音「……美希、今日は皆で並んで寝ましょうか」
美希「賛成!」
響「……ぷっ、2人とも怖がりなんだから」プ-クスクス
響「仕方ないなー。2人が可哀想だから一緒に寝てあげなくもないぞ? ん? 自分、暑いの嫌いだけど? ん? 仕方ないし? ん? ん?」
貴音「……響は1人で大丈夫そうですね。美希、2人で寝ましょう」
美希「大賛成なの!」
響「うぎゃー! 自分が悪かったから一人にしないでー!」
貴音「……」ギュギュ
美希「……」ギュギュ
響「せーまーいーぞー……」ギュギュ
美希「こういう時は狭いくらいにくっついた方が良いと思うの」
貴音「美希の言うとおりです。人は触れ合わなければ温もりに気づけませんから」
響「だからってくっつき過ぎだよー! 苦しいから少し離れるさ!」
P「……」
P(今更怖くなってきた……)
美希「……ハニーが寂しがってる!」
貴音「そのようですね!」
美希「ハニー! 今行くのー!」ゴロゴロゴロゴロ
貴音「あなた様! 今会いに行きます!」ゴロゴロゴロゴロ
響「あー! 一人にしないでってばー!」ゴロゴロゴロゴロ
P「……ん?」
美希「」ゴロゴロゴロゴロ
貴音「」ゴロゴロゴロゴロ
響「」ゴロゴロゴロゴロ
P「ひいいいいい! 出たあああ!」
春香「あずささんってさ」
真「うん?」
春香「Sだよね。ドの付くレベルの」
真「うん。ボクもそう思う」
雪歩「……?」
あずさ「あらあら~」
小鳥「すいません拾うの手伝ってもらって……」
あずさ「いいんですいいんです」
律子「ああっ、コーヒーが」
あずさ「あらあら~」
律子「すいません片付け手伝ってもらって」
あずさ「いいんですいいんです」
真「ドSだねえ……」
雪歩「……?」
・くだらない思いつき
雪歩「……!」コポポ…
雪歩「ねえねえ真ちゃん」コトッ
真「 あ、お茶ありがとう」
雪歩「私ね、くだらないギャグ考えちゃった」
真「へえ、どんなの?」
雪歩「うん。えっとね……」
雪歩「おべんとばっこ、おべんとばっこ♪ ちょっと詰めて♪」
雪歩「……マトリョーショカ!」
雪歩「……」チラッ
真「……」ズズッ…
雪歩「……」チラッ
真(あ、本当にくだらないやつだ)
雪歩「……」チラッ
真(なんてごまかそう……)
雪歩「……」チラッ
真「……」
真「あ、このお茶請け美味しいね」
雪歩「うん! このまえの撮影で行ったお店のお菓子なんだ!」パァァ…
・心眼
亜美「ここで問題です!」
真美「どっちが亜美で、どっちが真美でSHOW!!」
P「……」
亜美「……」サイドポニ-
真美「……」サイドアップ
P「……」
P「亜美」 ニア 真美「……」
P「真美」 ニア 亜美「……」
亜美「残念!」
真美「ハズレ!」
亜美真美「「おとといきやがれダメプロデューサー!」」
P「えー……」
・妥協策
亜美「続いて問題です!」
真美「どっちが亜美で、どっちが真美でSHOW!!」
春香「……」
亜美「……」サイドポニ-
真美「……」サイドアップ
亜美「はるるんならモチ正解だよね!」
真美「あったり前っしょー!」
亜美「だって私たち」
真美「仲間」
亜美真美「「だもんげ!!」」
春香「えっ、ええー……」
真美「さあさあ!!」
春香「え、ええっと……」
春香「よ、よーし」
春香「亜美」ニア 亜美「おっ!!」
春香「……」
春香「……亜美」ニア 真美「えっ!?」
亜美「あー! 今のテストで良くやるやつだ! 分からない問題の時に!」
真美「セコい! セコいよはるるん!」
春香「だ、だって……」
亜美真美「「見損なったぞクッキーモンスター!」」
春香「く、クッキー以外も作るもん!」
・ごまかしのプロ
亜美「そろそろ正解が欲しい! 問題です!」
真美「どっちが亜美で、どっちが真美でSHOW!!」
真「……」
亜美「……」サイドポニ-
真美「……」サイドアップ
真「……」
亜美「……」
真美「……」
真「このゲームのボスが倒せないんだけど」
亜美「えっ? どれどれ?」
真美「えー!? これ倒せないのまこちん!」
亜美「魔列車なんて聖水でイチコロっしょ→」
・ささやかな復讐
亜美「……誰も、正解してくれなかったね」
真美「……うん」
亜美「寂しいね……」サイドポニ-
真美「そうだね……」サイドアップ
冬馬「765の双子か。こんなところでなにやってるんだ?」
亜美「……『双子』じゃないもん」
真美「……亜美と真美だもん」
冬馬「……」
冬馬(サイドを上げてるのがが双海亜美で、ポニーが双海真美だよな)
冬馬(あまとう呼ばわりのお礼にわざと間違えてやるか……)
冬馬「悪かった、悪かった」
冬馬「えっと、こっちが双海亜美だよな」 ニア 亜美「なんと!?」
冬馬「で、双海真美」 ニア 真美「なんですと!?」
冬馬「謝るからさ、許してくれよ」
亜美「……」
真美「……」
冬馬「……」ニヤニヤ
冬馬「おおっ!?」
亜美「なんかジュース奢ってあげるよ!」
冬馬「えっ? はっ?」
亜美「遠慮はいらないよ!」
真美「あまとうはもう立派な心友だもんね!」
冬馬「……あ、ありがとう?」
冬馬(……どうしてこうなった)
・律っちゃんといおりん
伊織「ねーえ? うさちゃん」
うさちゃん「ナーニ?」
伊織「……!?」
伊織「り、律子! うさちゃんが喋ったわ!」
律子「はあ? 聞き間違いでしょ?」
伊織「……」シュン…
伊織「ねーえ、うさちゃん。もう一回でいいから声を聞かせて……?」
うさぎ「ハーイ」
伊織「律子! ねえ律子!」
律子「なに? さっきから?」
伊織「……なんでもない」
律子「ナアニ? イオリチャン」
伊織「律子! ねえ律子! 今のは聞こえたでしょ!」バッ
律子「だからなにが?」
伊織「……」シュン…
律子「イオリチャン、ゲンキダシテ!」
律子「ファイト! イオリチャン!」
・キープドリーム
伊織「うさちゃんが返事してくれたの!」
あずさ「あらあら~♪ 良かったわね~」ナデナデ
伊織「……」
伊織「本当よ!」
亜美「寝言は寝て言うもんだぜいおりん!」
伊織「……」
雪歩「う、うーん? 良かったね伊織ちゃん」
貴音「面妖ですね。面妖です。まこと面妖です」ニコニコ
美希「……zzz」
伊織「しゃべったのに……」
やよい「本当に!?」
伊織「!」
伊織「えっ、ええ……」
やよい「……か、貸してもらってもいい?」
伊織「も、もちろん!」
やよい「……う、うさちゃん?」ボソッ
やよい「……」
伊織(あ、あれ? でもさっきは……)
やよい「……うさちゃーん?」ボソッ
伊織(……)
やよい「うさちゃん……」
伊織「ど、ドウシタノ? ヤヨイチャン!」
やよい「!!!」バッ
伊織「ね? 言ったでしょ!」
P「おーい美希、起きろ」
美希「……zzz」
P「仕方ないな。社長に直伝された強制覚醒のツボをば……」
美希「……zzz」
P「せいやっ!」チュミムゥゥゥゥゥゥン!!!!!
美希「……」カッ!
P「おはよう美希」
美希「……」
P「おーい、美希?」
P「えっ」
美希「自然主義に錠前を植え付けないとカマキリと文房具が滅ぼしちゃうよ?」
P「えっ?」
美希「それとも、このままヘソに編み込まれても気にしないのかな。辺境は無事だったって聞くし」
P「や、やめてくれ! 変な電波を垂れ流すのは! 寝て良い! 寝て良いから!」
美希「余は満足なの」
美希「……zzz」
貴音「……」
貴音「……なんということでしょう」ガタガタ
響「ん?」
・ペット扱い
P「……zzz」
貴音「……」モゾモゾ
P「……布団に潜り込もうとするなよ」
貴音「なんと」
美希「……」モゾモゾ
P「美希もだよ」
美希「面妖なの」
P「……zzz」
いぬ美「わん」モゾモゾ
P「……おお、いぬ美か。よしよし」ナデナデ
P「……zzz」
響「……」モゾモゾ
P「……おお、響か。よしよし」ナデナデ
響「わっ!?」
P「……zzz」
美希「ちょっとハニー! 異議あり! 異議ありなの!」
貴音「わたくしも納得できません!」
響「……」
響「自分もなんか釈然としないぞ!?」
響「ねえ貴音?」
貴音「なんです?」
響「自分の手の上にいるハム蔵がー」
貴音「はい」
響「消えっ……」
ハム蔵「ぐえっ」
響「……っちゃいました!」
貴音「なんとっ!?」
響「へへー」
貴音「面妖な……」
貴音「どうしたのです?」
美希「親指がー」
貴音「はい」
美希「こう……」
貴音「……」
美希「スポーンと!」
貴音「なんとっ!?」
美希「えへへー」
貴音「面妖なっ! 美希! 今すぐ治療を!」
美希「あの、これマジック……」
貴音「なんでしょうか、あなた様?」
P「ハンカチを手にかぶせます」
貴音「あら、わたくしがお送りしたハンケチーフ……」
P「これを、パッと翻すと……」
貴音「……」
P「なんとお花が!」
貴音「……なんと」ブワッ
P「えっ」
貴音「本日は『初めてあなた様がらあめんをごちそうしてくださった記念日』……」
貴音「覚えていてくださったのですね……」グスッ
P「えっ?」
貴音「お花まで用意してくださるなんて……」
P「……面妖だ」
・おやすみ
P「おはよう」
貴音「お早うございます」
響「おはよー」
美希「……zzz」
響「やっぱり美希はお寝坊さんだね」
貴音「ですが、まこと安らかな寝顔です」
P「見てたら眠くなって来たよ。俺も二度寝しようかな」
美希「……zzz」
貴音「そうですね。時にはだらしがないのもいいかもしれません」
響「どうせお休みだしね、。そうしちゃおっか」
美希「……zzz」
響「……zzz」
貴音「……zzz」
P「……zzz」
おわり
読んでくれた人感謝です
みじけえつまんねぇで二重苦
Entry ⇒ 2012.11.11 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「とりとめのない話」
P「あったか~いご飯に美味しいおかず〜♪」
P「子供の帰りを待ってるだろな♪」
P「僕もかえ~ろ、お家へかえろ♪」
P「でん、でん、でんぐり返しで骨おった♪」
P「っと、ただいま~」
美希「おかえり!」
響「おかえりー」
貴音「おかえりなさい」
P「いいって」
P「今日のご飯は?」
響「そうめんだぞ」
P「この時期にか?」
美希「今日はミキが作ったんだよ!」
P「ああ、そういうこと」
美希「かつお節で美味しくいただくの」
P「そうかそうか、美希は偉いなぁ」
貴音「お荷物をお持ちします」
P「いいって」
P「……」
P「……オヤジの帰りを待ってるだろな、ってか」
美希「ハニー?」
響「プロデューサー?」
貴音「あなた様?」
P「はいはい、今いくよ」
・食卓
美希「ねえハニー?」
P「どうした」
美希「ハニーはご飯の時にいっつもビール飲むよね」
P「美味いぞ」
貴音「おひげが……」スッ…
P「(ごしごし)」
貴音「あ……、むう」
美希「ハニーばっかり好きなもな飲んでてずるいの」
美希「ミキもキャラメルマキアート飲みたい!」
響「ご飯にジュースは合わないぞ。さんぴん茶なら分けてあげるから我慢するさー」
美希「た、貴音……」
貴音「そうですね、食事の際はお茶に限ります」
美希「ぬぐぐぐぐぐぐ」
P「ま、そういうことだ。あきらめよう」
P「あ、貴音、ビールおかわり」
貴音「今日の分はお終いでございます」
P「えっ」
響「確かに最近、飲み過ぎだもんね」
貴音「せっかくです、食事の時は皆でお茶にしましょう。ゴミも減らせてお得というもの」
P「ぐぬぬぬぬぬぬ」
・スーパーお買い物大戦α
P「あと何か買うものあったか?」
貴音「しゃんぷぅが切れていましたよ」
P「ほう」
美希「……」
美希(ちょっと退屈なの)キョロキョロ
『ババロアおにぎり』
美希「はn(ry」
P「ダメ」
美希「買って買ってー! 買ってよー!」
P「この手のお菓子は家にいくらでもあるでしょうが」
美希「味違うもん! ハニーのバカ! はげ!」
P「いってろ」
響「!」
『ヤキニクマンソーセージ』
響「プロd(ry」
P「ダメ」
響「なんでさー! 買って買ってー! 買ってよー!」
P「お前のペットのせいで食事代がカツカツなの」
響「事務所持ちじゃん! プロデューサーのバカ! 変態!」
P「そりゃどうも」
P「ぷっ、言われてやーんのー」プ-クスクス
貴音「あなた様もですよ、まったく大人気のない……」
貴音「いずれ四条の名を名乗る者として、礼節はわきまえていただかないと」
美希「えっ?」
響「んっ?」
P「はっ?」
貴音「!」
『真ラーメンドラゴン』
貴音「あなたs(ry」
P「ダメだって」
貴音「何故です! 万一の時の備えにもなるのですよ!」
P「備えすぎて家計に憂いが出てるんだけど」
貴音「あなた様はいけずです! いけず! いーけーず!」
P「なんとでも」
P「まったく、貴音までこうだ……」
P「!」
『真マジンガーZ 食玩!Z編』
P「……」
美希「ダメなの」
響「ダメだぞ」
貴音「だめですよ」
P「……」
・ねーわ、マジなんくるねーわ
貴音「申し訳ありません、さんぴん茶を切らしてしまいました……」
響「なんくるないさー」
美希「ごめんね、響のお菓子食べちゃった……」
響「なんくるないさー」
P「わり、お前のシャツ雑巾におろしちゃった」
響「なん、くる……」
響「……」
響「……ねーわ」
P「!?」
P「ご、ごめんな! ホントごめん!」
響「い~や? 別に? 全然なんくるないし?」
P「お、怒ってる……?」
響「怒ってないよ? 自分、さっきからなんくるないって言ってるじゃん」
響「……あー、まじなんくるねーわ」
響「なんっくるねーわー!」バンバン
P「ひいいいい」ガタガタ
・ノットクールアンドシュール
千早「……」
伊織「千早が音楽を聞いてるわ」
律子「ええ、クールね」
伊織「きっと新しい歌の方向性を模索してるのね」
律子「ええ、クールね」
千早「……」
千早(耳にパーカーの紐入れてるの、早く誰かツッコんでくれないかしら)
・黒井さんとこの冬馬くん
黒井「冬馬よ」
冬馬「なんだよ、改まって」
黒井「黒と白ならどっちがいい?」
冬馬(黒と、白なら……?)
冬馬「……」
冬馬(一見なんてことのない質問に見えるが、違う。俺には分かるぞ)
冬馬(黒とは、つまり961プロのこと)
冬馬(白とはその対極、真逆の存在だ……。つまりは765プロのこと)
冬馬(おっさんは、その二つのどちらが良いかを聞くことで俺たちの忠誠を試してるんだ!)
冬馬「……俺はもちろん黒だ!」
翔太「じゃあボク白」
冬馬「えっ」
北斗「あ、俺も白で」
冬馬「えっ」
黒井「ウィ、ちょうど綺麗に別れたな」
冬馬「えっ?」
黒井「では翔太、分けてくれ」
翔太「はーい。……やっぱバニラが基本だよね」ガサゴソ
黒井「チョコレートこそ王者が食すに相応しいものだというのに」
北斗「俺はどちらでもいけますけどね」
冬馬「……アイスの話かよ!」ガタッ
黒井「どうした、いらないのか?」
冬馬「いる!」
響「もっふもっふー♪」ゴロゴロ
いぬ美「わん」
響「あっ、いぬ美ってば爪長いぞー?」
響「よしっ、自分が切ってあげるからじっとしてるさー」
いぬ美「わん」
響「……」パチ…パチ…
美希「……あ、響ったら足の爪伸びっぱなしなの」
美希「ミキが切ってあげるからじっとしてるんだよー?」
響「んー?」
美希「……」パチ…パチ…
貴音「……おや、美希。足の爪が長いようですね」
貴音「わたくしが切って差し上げましょう。じっとしているのですよ?」
美希「んー?」
貴音「……」パチ…パチ…
いぬ美「わん」
響「……」パチ…パチ…
美希「……」パチ…パチ…
貴音「……」パチ…パチ…
P(プラレール?)
・くだらない思いつき
雪歩「~♪」コポポ…
雪歩「!」
雪歩「ねえねえ真ちゃん」コトッ…
真「どうしたの? あ、お茶ありがとう」
雪歩「私ね、今とってもくだらないこと思いついちゃった」
真「くだらない事?」
雪歩「うん。心理テストなんだけど……」
雪歩「『目の前の道は二つに別れています。どの道を行っても目的地に着く上に二つの道に大差はありません。どちらを通りますか?』」
真「うーん。右利きだし、右で」
真「それで、その心理テストで何がわかるの?」
真「……」ズズッ
真(……くっだらな!)
雪歩「?」ニコニコ
真(うっわ! くっだらな!)
雪歩「?」ニコニコ
真(ああ、でも雪歩ったら『どう? シュールでしょ? ねえ、シュールでしょ?』って顔してる)
真(どうしよう……。傷つけてしまわないようなリアクションを……)
雪歩「?」ニコニコ
真「……」ズズッ
真「あ、お茶っぱ変えた?」
雪歩「うん! 分かってくれた?」パァ…
・チーム分け
響「たまにはみんなで外で遊ぼうよ!」
美希「じゃあバドミントンしようよ。美希強いんだよ?」
P「ほう? 俺のダッシュ波動球、受けてみるか?」
美希「ミキに波動球は効かないの」
響「2人ずつにチーム分けして試合しよっか」
貴音「そうですね。ではあなた様、ここは『めおと』で組むとしましょう」
美希「えっ?」
響「んっ?」
P「はっ?」
亜美「はじめてーの?」
真美「チュウ」
亜美「きみと?」
真美「チュウ」
亜美「にっひひー」
真美「にっひひー」
千早「……」ジ-ッ
千早(仲が良いのね)
亜美「千早お姉ちゃん? どったの?」
千早「あっ、ううん。なんでもないわ」
千早(ちょっと混ざりたい、なんて)
真美「……ふーん」
真美「んー?」
亜美「そしてーかーがやーく?」
真美「ウルトラソウッ!!!」
亜美「ヘェイ!」
真美「ヘェイ!」
千早「……ぷっ」
真美「お?」
千早「!」バッ
亜美「お~?」
千早「ど、どうしたの二人とも」
亜美「べっつに~? ねー?」
真美「ねー?」
千早「そう……。ならよかった」
千早「あ、そうだ」
千早「そろそろプロデューサーに連絡を……」
千早「……」rrr…
亜美「ケータイとりだし」ボソッ
真美「ポパピプペー」ボソッ
千早「デートしてくれま・す・か?」クネクネ
P『……えっ!?』
千早「……あっ!?」
やよい「あ、貴音さーん!」
貴音「やよい」
やよい「貴音さんもお買い物ですか?」
貴音「ええ、ですがこの商店街に来るのは初めてで……」
やよい「じゃあ私が案内してあげます! よく来るんですよ!」
貴音「まことですか。感謝いたします」
やよい「お肉ならあそこのお店で買いましょう」
やよい「今日の晩ごはんは何にするんですか?」
貴音「ええ、しちう、なるものを。野菜の栄養を余すところなく摂ることができると律子嬢から」
貴音「ただでさえ忙しい毎日です。ゆっくりと食事ができる時くらい、体に良いものを食べてもらいたいものです」
やよい「えへへー」ニコニコ
貴音「どうしました?」
やよい「なんだか貴音さん。お母さんみたいだなーって」
やよい「はい!」
肉屋「おっ? なんだい? 若奥様ならお安くしちゃうよ?」
貴音「そ、そんな、奥様などと……///」
肉屋「まいどっ!」
魚屋「なんだ? あんた新婚さんなのかい? じゃあウチはもっとサービスしてやろう!」
貴音「おやめください新婚だなんて……///」クネクネ
魚屋「まいどっ!」
薬屋「若奥様!」
時計屋「若奥様!」
模型店「若奥様!」
「「「サービスしちゃうよ!」」」
貴音「ふふ、ふふふふふ……」
やよい「た、貴音さーん?」
やよい「シチューに必要ないものまで買ってどうするのかなーって……」
貴音「奥様、わたくしが奥様……」ニヤニヤ
「「「まいどっ!」」」
貴音「……」
響「うわー……。荷物で山ができてるぞ……」
美希「今日の晩ごはん、なんだっけ……?」
貴音「な、鍋にしましょう。鍋にすればなんとか……」
P「なんねえよ」
貴音「……」
貴音「なんくる」
P「なくねーよ」
P「この前、ハリウッドスターと共演したじゃないですか」
小鳥「インタビュアー でしたけどね。いつか映画で共演できるといいんですけど」
P「まったくです。それで、またにない機会だから握手してもらったんですよ」
小鳥「えっ、羨ましい!」
小鳥「ちょっと、手かしてください!」キュ
P「?」
P「どうでしょうね」ハハハ
小鳥「……プロデューサーさんの手、大っきいですね」
P「小鳥さんの手は、柔らかくて暖かいです」ギュ
小鳥「あっ……」
P「あ、ごめんなさい」
P「痛かった、ですか?」
小鳥「そ、そんなことないです!」
小鳥「……」
小鳥「……う、動かしても、良いんですよ?」
P「……はあ?」
冬馬「今日は765プロの連中と共演か」
翔太「仲良くしないとダメだよ冬馬くん」
冬馬「わかってるって」
北斗「挨拶しにいった方がいいんじゃないか」
冬馬「そうだな。行ってくる」
冬馬「……」トントン
亜美「は→い!」
真美「あー! あまとうじゃん! どったの?」
冬馬「挨拶しにきた。あと名前を略すな」
亜美「ごみんねー、あまとうって覚えちゃうと中々抜けなくて」
伊織「あ、ピピン坂橋じゃない。今日はよろしくね?」
冬馬「天ヶ瀬な」
雪歩「よ、よろしくね? お、鬼ヶ島くん」
冬馬「天ヶ瀬!」
雪歩「ひいっ」ビクゥ
真「雪歩が怖がっちゃうから大声出さないでね範馬ヶ瀬くん」
冬馬「……わるかった」
冬馬「音しかあってない!」
やよい「はわっ」
あずさ「ダメよ〜みんな、名前を間違えちゃ可哀想でしょう?」
あずさ「ごめんなさいね? えっと、ハンバ-ガ-瀬くん」
冬馬「……気にしてないんで」
冬馬「!?」
律子「どうしたの? そんな驚いて」
冬馬「い、いや……。俺の名前」
律子「そんな、共演する人の名前くらいちゃんと覚えてくるわよ」チラッ
律子「天ヶ瀬冬馬くん」
冬馬(チラッ?)
冬馬「……」チラッ
春香「あっ」
カンペ『あまがせ とうま』
冬馬「お前らなんて大嫌いだ!」
P「いっな~ずまを♪ はっし~らせて♪」トントン…
P「……あ、ブタ肉を買い忘れた」
貴音「豚肉ですか」チラッ
響「!?」バッ!!
ブタ太「?」
P「大丈夫だって、流石にブタ太を食べたりはしない」
響「ほっ……」
貴音「ちなみに今日の献立はどうする予定だったのです?」
P「角煮を作ってみたかったけど、肉が無いから変更かな」
貴音「……肉さえあれば」チラッ
響「!?」バッ!!
ブタ太「?」
貴音「……じゅるり」
響「ひいっ!!」
ブタ太「?」
P「おいやめろ」
貴音「……」ジ-ッ
響「ひいいいいい」
ブタ太「?」
P「やめろって! 飯抜くぞ!」
貴音「響の湯呑を割ってしましました……」
美希「響の編み物ダメにしちゃった……」
貴音「どうしましょう」
美希「どうしよう」
美希「ハニー、この前言ってたよね?」
貴音「ええ、言っていました」
P『響は怒るとメチャ恐い』
P『呂布が泣いて謝るレベル』
貴音「……」ゾゾ…
美希「……」ゾゾゾ…
美希「!!」ビクゥ
貴音「!!」ビクビクゥ
響「んー? 二人ともどうかしたの?」
貴音「ひ、響! この貴音、一生の不覚! 実はあなたの湯呑を……」
響「なんくるないさー。それより貴音は怪我してない? 大丈夫?」
貴音「かくなる上は、わたくしの全財産をもってして……」
響「自分、気にしてないぞー? それより怪我とか……」
美希「ご、ごめんね響! 編み物ダメにしちゃって……」
響「なんくるないさー。実はあれ、途中で失敗しててさ」
美希「一生分のご飯当番と風呂掃除当番代わるから……」
響「あはは、大げさすぎだってー」
響「だからなんくるないって」
美希「どうかお命だけは」
響「なんくるn」
貴音「どうかお命だけは」
響「なんk」
美希「どうかお命だけは」
響「なんくるないってば!」バン
貴音「ひいいいいい」
美希「ひいいいいい」
司会「このゲームは、出題者の提示した物の正式名称を答えてもらうゲームです」
翔太「うーん、765プロのみんなが知らなそうな物を挙げれば勝ちなんだよね」
北斗「スポーツ関連の用語はどうだ?」
冬馬「菊地あたりが強そうだな」
翔太「じゃあ音楽関連もダメだね。千早さんがいるし」
北斗「グルメ関係も却下か」
翔太「冬馬くん、なんかある?」
冬馬「任せろ!」
冬馬「出題は『ジュピターのリーダーの名前』だ!」
司会「では早速回答していただきましょう」
『ジュピターのリーダーの名前は?』
春香「天ヶ瀬冬馬」
千早「天ヶ瀬冬馬」
伊織「天ヶ瀬冬馬」
亜美「天ヶ瀬冬馬」
真美「天ヶ瀬冬馬」
司会「パーフェクトォー!」
冬馬「あれーっ!?」
冬馬「カンペだカンペ! 絶対にカンペ!」
司会「そのような事実は……」
真「天ヶ瀬くんおつかれー」
冬馬「えっ」
雪歩「お、お疲れさまですぅ。天ヶ瀬くん」
冬馬「えっ」
美希「天ヶ瀬くんお疲れーなの」
冬馬「あれっ?」
・・・
冬馬「あいっ……つら、絶対に、わざどだ……」グスッグスッ
黒井「泣くな泣くな」
美希「いぬ美ぃ、お昼寝しよー……」
貴音「いぬ美なら響と散歩に出かけましたよ」
美希「んー……」ボ-…
美希「……」
美希「……はにぃ、お膝かして」
P「いぬ美みたいに柔らかくないけど」
美希「今日は甘えたい気分なの……」
P「そっか」
美希「……zzz」
貴音「……」
いぬ美「わん」
P「お! 新聞とってくれたのか。いぬ美はえらいなあ!」ナデナデ
いぬ美「ワン」
P「お! 携帯見つけてくれたのか。いぬ美はえらいなあ!」ナデナデ
響「プロデューサー、頼まれてた物買って来たけど……」
P「お! おつかい行ってくれたのか。 響はえらいなあ!」ナデナデ
響「わっ、わっ……!?」
P「あ、すまん。流れでつい」
貴音「……」
貴音「あなた様、お茶が入りましたよ」
P「ありがとうな」
貴音「……」ソワソワ
P「?」
貴音「あなた様、お茶請けに羊羹はいかがでしょうか」
P「ありがとうな」
貴音「……」ソワソワ
P「?」
貴音「……」
貴音「……ふわあ」
P「眠たそうだな」
貴音「え、ええ! わたくし大変眠とうございます」
P「そっか。毛布とってくるから寝てていいぞ」
貴音「……」
貴音「……あなた様はいけずです」
P「ん?」
・・・
・・
P「……」
貴音「……zzz」
P「人の膝勝手に使ってるんじゃないよまったく」
貴音「……zzz」
貴音「……あなたさまぁ」
P「……」
P「……」ナデナデ
貴音「……ふふっ、ふふふ」
律子「うう、睡眠不足で意識が……」
律子「けど、皆のためにもここは踏ん張らないと」
律子「えーと、確か冷蔵庫に……」ガサゴソ
律子「じゃーん! レッドブル!」
律子「……」ゴクゴク
律子「……」
律子「うまいっ!」テ-レッテレ-
律子「よーし今日もがんばるぞっ☆」キャピ
律子「なーんて、あはは」
律子「あ、小鳥さん。おはようございます!」
小鳥「……お、おはようございます」
律子「どうしたんです? 何か見てはいけないものを見たときのような……」
律子「あ……///」
小鳥「1人で居るときってはしゃぎたくなりますよね」
小鳥「あるある」
律子「ち、違います! 違うんです今のは!」
小鳥「徹夜明けのテンションですよね?」
小鳥「わかるわかる」ニヤニヤ
律子「バカにしてーっ!」
ポツ…ポツ…
響「あ、雨だ」
美希「ホントだ、髪がくしゃくしゃになっちゃう……」
響「え、いつもと変わってないように見えるけど……」
美希「失礼しちゃうの!」
響「……」
美希「……」
サアァァ…
響「……雨、強くなってきたなー」
美希「……そうだね」
貴音「……」スッ
響「貴音、どっか行くのかー?」
貴音「ええ、あの方は傘をお待ちになりませんでしたから、迎えに」
貴音「……」バサ
美希「貴音!」
響「やっぱり自分たちも行くよ」
貴音「そうですか、そうですか」ニコニコ
貴音「では、この傘を……」
美希「響、相合い傘しよっか」ギュ
響「濡れたりしないかな?」
美希「響はちっこいから大丈夫なの!」
響「自分チビじゃないぞ!」
美希「ふーん」
響「うがー!」
P「それで、みんなで迎えに来てくれたのか」
P「ありがとうな」
貴音「いえ、当たり前のことをしたまでです」
響「雨に濡れてプロデューサーが風邪ひいたらみんな困っちゃうからなー」
美希「それに、雨降りってなんだか淋しいもんね……」
サアァァ…
P「……そうだな」
P「それで、俺の傘は?」
貴音「はて」
貴音「……あ」
美希「……」
響「……」
P「……」
貴音「……そうです! ここはわたくしとあなた様がひとつの傘に収まればよいのです!」
貴音「さあさ、あなた様。遠慮することはございません」ズイッ
P「おいおい」
美希「あー! ずるい! ミキもハニーと相合い傘する!」
響「わっ! 飛び出すと濡れちゃうぞー!」
P「……で、結局こうなったか」
美希「響、もうちょっとつめないとミキ濡れちゃうな」グイグイ
貴音「これは、なんとも面妖な……」ギュギュ
響「美希ぃ、そんなに押さないでくれよー……」グイグイ
P「……」
P(ちょっと淋しい)
美希「あったか~いご飯に美味しいおかず~♪」
響「子供の帰りを待ってるだろな♪」
貴音「僕もかえ~ろ、お家へかえろ♪」
美希「でん♪」
響「でん♪」
貴音「でんぐり返しで骨おった♪」
貴音「おや、それはまことですか? 困りましたね」クスクス
響「いっつも変な替え歌歌ってるもんなー」
美希「今日の晩ご飯なんだろうね」
響「当番はプロデューサーだったっけ」
貴音「そうですね、今から楽しみです」
美希「ハニーの作ってくれた物なら何でも食べちゃうの」
美希「ただいま!」
響「ただいまー」
貴音「ただいま帰りました」
P「おかえり」
おわり
支援保守してくれた人に感謝
ネタ切れになるまで頑張ってみたけど、思ってたより短かった
すごく雰囲気がよかった。こういうのいいなぁ……
Entry ⇒ 2012.11.10 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
真美「フリ→ト→ク!」
真美「そだね」
真美「ねえはるるん」
春香「なあに?」
真美「暇だね」
春香「うん」
真美「やたっ!」
モグモグ
真美「ん~、いつ食べても最高ですなぁ」
春香「えへへ」
真美「ズバリ! お菓子作りのヒケツは?」
真美「じゃあ、このクッキーにははるるんの愛が詰まってるんだね~」
春香「もっちろん!」
真美「本当は誰にあげるつもりだったの?」
春香「ぷ……」
真美「ぷ?」
春香「もうっ!」
真美「んっふっふ~、モテモテですなぁ」
亜美「ん?」
真美「はるるんのクッキーには愛が詰まってるんだって」
亜美「味?」
真美「まあそれでいいや」
亜美「よくわかんないけど、そだね」
真美「暇だね」
亜美「うん」
真美「いいね!」
亜美「はるるんに本物の味ってヤツをわからせてやるっしょ!」
真美「お→!」
真美「……って事だから、はい」
春香「え!?」
春香「え、じゃあ……」
モキュモキュ
春香「……カレー味?」
春香(クッキーなのにふやふや……)
真美「どう?」
亜美「亜美達の味は?」
春香「お……美味しいよ?」
真美「はるるんのお墨付きをもらった!」
亜美・真美「「兄ちゃんにも食べさせてあげよう!」」
春香「行っちゃった……南無三」
亜美「兄ちゃん泡吹いてるYO」
真美「はるるんに騙された!」
あまみ編おわり
天海さんはおいしいとは思わないが食べれた、なんともなかった
兄ちゃんは死んだ
天海さんの胃袋は鋼鉄ですな
響「ん?」
真美「なんでハム蔵たちの言葉がわかるの?」
響「大切な家族だからな!」
真美「そっか」
響「そうだぞ」
響「……ん?」
真美「伝わらないね」
響「え?」
真美「大切な仲間なのに」
響「ち、ちょっと!」
響「それとこれとは話が違うぞ!」
真美「え、そうなの?」
響「そうだぞ!」
真美「そっか!」
真美「ひびきんが沖縄の言葉を喋ってる時と同じだ!」
響「なんか引っかかるけど…だいたいそんな感じだぞ」
真美「なるほど~」
亜美「……ん?」
真美「……」
亜美「ほうほう?」
真美「……」
亜美「ひびきんが?」
真美「ひびきんが」
亜美「でも亜美達は通じるね」
真美「そだね」
亜美「バッチリだったね」
響「ええっ!?」
響「……」
真美「エスパ→じゃないって」
響「な……!?」
真美「真美はひびきんのことはわかるのにぃ~」
亜美「ひびきんはわかってくれないんだね~」
響「納得いかないぞー!!」
響編・おわり
千早「どうしたの?」
真美「……」(←変顔)
千早「……」
千早「どうしたの? 真美」
真美「ちぇっ、笑わなかったYO」
千早「……」
千早「ふふっ………さっきの顔」
千早「だ……だめ…ふふっ」
亜美「……」
亜美「千早お姉ちゃんが思い出し笑いしてた」
真美「ほほう?」
亜美「千早お姉ちゃんってむっちり?」
千早「……?」
千早「そ、そんなに肉つきは良くないと思うわ」
真美「あ、違った……むっつり?」
千早「むっつりでもないつもりだけれど…」
亜美「ほほう?」
真美「ほほう?」
千早「っ……どうしたの?」
真美「あり?」
千早「お手洗いに行ってくるわ」
千早「……ふふふっ」
千早「あ、あの変顔は反則だわ……ふふ」
亜美「やっぱりだ!」
千早「!?」
真美「千早お姉ちゃんのむっちり~!」
千早「誤解を生むからやめて!」
ちーちゃん編・おわり
伊織「なに?」
真美「ツンデレのヒケツってなに?」
伊織「……どうしたの、いきなり」
真美「だっていおりんツンデレじゃん?」
伊織「誰がツンデレよ!」
真美『いつも素直になれなくてごめんね?』
真美『ありがとう、大好き…』
真美「って言ってるクセに~」
伊織「な、なななな……」
伊織「何で知ってるのよぉぉ!!」
亜美「いおりんはホントにツンデレだね」
真美「……そうだ!」
亜美「やっちゃう?」
真美「やっちゃお!」
亜美「お→!!」
伊織「はあ?」
真美「このままだと誰かに取られちゃうかも~」
伊織「なっ……アイツのことは別に」
亜美「おやおや?」
真美「アイツとは誰ですかなぁ?」
伊織「ぐっ……」
伊織「……」ニコッ
真美「振り返りながら」
亜美「いつもありがとうって」
クルッ
伊織「いつもありがとう」
伊織「…………あ」
真美「あ、兄ちゃん」
亜美「ぐうぜんってこわ→い」
いおりん編・おわり
やよい「??」
真美「トップアイドルになって、お給料沢山貰えるよね」
やよい「うん」
真美「どんな贅沢した?」
やよい「ほとんど貯金してるよ!」
やよい「あ、家のみんなに買ってあげてるよ」
真美「やよいっちは?」
やよい「私はみんなが喜ぶ顔を見るだけで幸せだから」
真美「……」
やよい「ま、真美!?」
やよい「どうしたの……泣かないで?」
亜美「……」
真美「ほい、ティッシュ」
亜美「あびがど…」チーン
真美「やよいっちに贅沢させ隊を結成する!」
亜美「参加者を集めないと!」
亜美「うーん……」
真美「うーん」
亜美「うーん」
やよい「二人とも、どうしたの?」
真美「しっ、静かにしてて」
亜美「何をすればやよいっちが喜ぶのか考えてるんだから」
やよい「え、うん」
亜美「ダメだぁ……思いつかない」
やよい「えーっと」
真美「やよいっちも考えてYO!」
やよい「うん」
亜美・真美・やよい「「「うーん」」」
実に微笑ましい
亜美「いいところに」
やよい「どうやれば私が喜ぶのか考えてるんです!」
真美「あれ?」
亜美「なにかがおかしい…」
やよい「……?」
やよいは何してても幸せだと思う編・おわり
あずさ「なあに?」
真美「おムネはどうすれば大きくなるの?」
あずさ「自然にこうなったから…ちょっとわからないわ」
真美「むむむ……真美も将来せくち→になれるかなぁ」
あずさ「うん、なれると思うわ」
ぽよぽよ
真美「おお~、ぽよぽよしてる!」
あずさ「もう……めっ!」
真美「ごめんなさい」
真美「でもやめられない!」
亜美「あずさお姉ちゃんにやられた?」
真美「うん」
亜美「グリグリされると痛いよね」
真美「うん……亜美も?」
亜美「うん……ぽよぽよしたくなって」
真美「ちかたないね」
亜美「ね」
あずさ「ええ」
真美「あずさお姉ちゃんのおムネがせくち→すぎるからいけないんだって」
あずさ「ええっ!?」
真美「だからぽよぽよされるのは仕方ないことなんだ!」
あずさ「そ、そうかしらねぇ……」
亜美「だから諦めてぽよぽよさせて!」
真美「やっちまえ→!」
あずさ編・おわり
規制辛かったしトークしてないしすいませんでした
Entry ⇒ 2012.11.08 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「冬馬が大人の階段を昇った?」
北斗「それが冗談じゃないんですよ」
P「いやいや、ありえん。美希がおにぎり叩き潰すよりありえない」
P「そんな事よりツッコミたいのは何で当然のように事務所にいるのかって」
翔太「信用できないなら実際に観察してもらったほうが早いかもね」
P「無視かよ」
北斗「冬馬の目の前にスカート姿の可愛らしい女の子が歩いてます」
P「うん」
翔太「風を送ります」ピッ
ブオオオオオオ
P「無駄にハイテクだな」
「キャアアア!!」ピラッ
P「見えたっ!!」
冬馬「……」スタスタ
P「完全スルー……だと……?」
北斗「あの神秘のベールに包まれた宝玉が露わになってるのに」
翔太「顔色1つ、眉ひとつ動かさないなんておかしいよね」
P「むむ……たまたま考え事をしてたとかお腹が痛かったか」
北斗「じゃあ次いきましょうか」
P「満員電車で可愛い女の子達に囲まれてるとか死ねばいいのに」
北斗「そんなことより見て下さい」
P「ん?」
冬馬「……」ハァ
翔太「冬馬君、心底嫌そうな顔してるよ」
P「おいおい、どう考えてもご褒美だろうが。ぶん殴ってやろうか」
北斗「童貞なら緊張とドキドキでワクワクなはずですが、冬馬からはそんなの感じられない」
P「どうしちまったんだ」
P「何でこう良い女があいつの周りに現れるんだよ」
ポトッ
翔太「ハンカチを落とします」
P「何でこうタイミング良いんだ」
冬馬「……」スッ
P「拾った、どうする!?」
冬馬「ちょっとあんたこれ落としたぜ」
「え?本当……ありがとうございます」
冬馬「気を付けろよ、じゃあな」
「……」キュンッ
P「おいおい、そこはハンカチどうするか悩んで悩んで悩み抜くところだろ」
北斗「ためらい無く本人に渡してますね」
翔太「それに話しかける動作もめちゃめちゃスマート、別れ際も良い感じに決まってたし」
P「あんなの童貞じゃねえ。もっとフヒフヒ言いながら渡すはずだ」
P「ほう」
冬馬「台本でも確認するか……ん?」ゴソゴソ
翔太「エロ本の存在に気付きます」
冬馬「……」
P「どうするどうする?見ちゃうか?見ちゃうだろ!」
冬馬「……」スッ
P「本を持って立ち上がった?……そうか!便所で楽しむ気か!」
ポイッ
翔太「ゴミ箱に捨てちゃった」
冬馬「ったく……えっとどこからだっけな」ペラペラ
北斗「何事も無かったかのように台本を……」
P「この野郎」
北斗「というと?」
P「まあ見ておけ、すぐに化けの皮を剥いでやるから」
翔太「何でそんなに必死なの?もう良いじゃん」
P「このままだと冬馬にホモ疑惑が立ってしまう。可哀想だ」
北斗「なるほど」
翔太「分かったような分からないような」
冬馬「あんたか……何の用だ」
P「いや、何。うちのアイドルのグラビアでもあげようかなと」
冬馬「そんなもんいらねえよ。何で敵事務所のグッズもらわきゃなんねーんだ」
P「ほら!あずささんのセクシーショット!貴音のお尻アップ!美希の」ペラペラ
冬馬「だからどうでも良いって言ってんだろ」
P「ぅ……いや、ほら。他事務所の研究の参考資料に」
冬馬「歌や踊りならともかくそんなの見ても参考にならねえよ。じゃあな」
P「……」ポツーン
P「怒りながらなんだかんだで理由付けて貰うと思ってたのに!」
翔太「やっぱり冬馬君は大人になったのかなぁ」
北斗「プロデューサーさん、その本必要ないなら頂きますよ?」
冬馬「ああ」
亜美「あまとうじゃーん」
真美「おひさー、元気だった→?」
冬馬「相変わらずだな、お前らは」
P「童貞は挨拶されるだけで勘違いするはずだ。なのに何だ、この普段通りというか紳士的な態度は」
北斗「挨拶されるだけで勘違いってマジですか……そこまでは知らなかった」
翔太「というより中学生好きになるってヤバイでしょ」
冬馬「あ?」
春香「今日も良い天気だね」ニコニコ
P「春香の殺人スマイルでいちころよ」
冬馬「何ニヤニヤしてんだよ、何がおかしいんだ」
春香「え゛、そ、そういうわけじゃ……」
P「童貞は笑顔見せられただけでキュウウウンってなる生き物なのに」
北斗「そんな生態が……」
翔太「奥が深いなぁ」
響「どうしたんだー?」
冬馬「……携帯がどっかいった」
響「じゃあ自分も一緒に探してあげる!」
冬馬「あ、見つかった。もういいわ」
響「あ……そう」
P「おい、そこは携帯見つけても見つからないふりするだろ。響の尻とか眺め放題だぞ」
P「そしてちょっと優しくされたから勘違いの王道パターンだろ」
北斗「童貞って人生楽しそうですね」
翔太「確かに、毎日がバラ色って感じ」
冬馬「はぁ?」
雪歩「だ、だからおかえりんこなんです!!」
冬馬「……ただい」
雪歩「……」
冬馬「マントヒヒ。それにしても萩原って変態だったのか」
雪歩「ち、違うんですぅぅ!!プロデューサーに……穴掘って埋まってますぅ!!」ザックザック
冬馬「楽屋の床は修理しとけよ」
P「違うだろ、そうじゃないだろ。お前は気付いて「何言わせるんだ!」と真っ赤になるべきなんだ」
北斗「何故雪歩ちゃんにあの役を」
P「俺の趣味」
翔太「良い趣味してるよ」
P「まあまあ」
あずさ「今度は……こうですか?」ドタプーン
P(ふっ……あずささんの巨乳を前にして反応しないやつは)
冬馬「……」ピッピッ
P(け、携帯いじってる!?おい!こんなチャンス二度とないぞ!)
P「う、うわぁ!あずささんそんなポーズまで!うわー!」
冬馬「……」ピッピッ
翔太「ずっと退屈そうだったね」
P「あいつ男じゃないのかもしれん」
北斗「そんなことより俺も撮影に招待して下さいよ」
冬馬「何で俺に?」
P「渡してくれって頼まれたんだ、それじゃ」
冬馬「……」ガサゴソ
P「ふふっ、俺の手作りお菓子を大事に大事に宝物のように眺めるんだろうな。間抜けめ」
冬馬「……」モグモグ
P「な、何のためらいも無く食った……しかも大して味わってないように見える」
冬馬「全然うまくねえな」
P「ひでえ、手作り補正かかってるんだからもっと反応してくれよ。メッセージカードもスルーしやがるし」
翔太「手作りもダメかぁ」
北斗「深刻だな」
美希「今日のハニーは何だか積極的なの……嬉しいけど!」
P「ちゃんと手も握らないとな」ギュッ
美希「あ……これ恋人繋ぎ……」
P「おんやー、冬馬君じゃないか?こんなところで奇遇だなー」
冬馬「……」
P「あれあれ?どうしたのー?俺達は今ラブラブしてるんだけどー」
美希「何だかハニーのキャラがおかしい……」
冬馬「……お前らトップ目指す自覚あんの?もう少し考えろよ、バカが」
P「あ、はい」
冬馬「こんなんじゃ勝負するまでもねえな。呆れたぜ」スタスタ
北斗「イチャイチャしてた事よりもアイドルとしての姿勢に怒ってたみたいですね」
P「童貞があんなの見せつけられたら血涙流すかと思ったんだが」
翔太「冬馬君変なところで真面目だからね」
冬馬「……んだよ」
千早「……」ジー
冬馬「……」
P「童貞は女の目どころか顔もまともに見れない!間違いなく途中で顔を逸らす!」
千早「……」ジー
冬馬「……」ジー
翔太「ただの睨めっこになっちゃった」
P「童貞なんだったら赤面の一つぐらいしろよ!ボケっ!!」
北斗「何に対して怒ってるんですか」
冬馬「別に」
貴音「それでは失礼します」スッ
冬馬「……」ペラペラ
貴音「……」ペラペラ
P「隣に超絶美人が座ってるのにのんきに台本読んでる場合かよ。ソワソワしろよ」
P「良い匂いするだろ。冷や汗かけよ。挙動不審になれよ」
北斗「目的が何かおかしくなりつつあるような気がするんですが」
翔太「目的なんて元々あってないようなもんだったけど」
翔太「まあまあ、せっかく誘われたんだし」
北斗「おっ、始まるみたいだね」
冬馬「この時期に屋外で水着……頭大丈夫か?」
北斗「そういう趣味の人がプロデュースしてるから仕方ないよ」
翔太「本人達からしたらかなり苦痛だと思うよ、アレ」
冬馬「……思ったよりやるな、だがダンスは俺達の敵じゃねえ。評価出来るのは菊地と我那覇ぐらいだ」
冬馬「歌も複数で歌ってる所はマシに聞こえるがソロパートは全然パワーが足りてねえ」
P「何真面目に解説してんだよ。乳揺れとか生足とかお腹とかお尻とかに注目するだろ普通」
冬馬「そうっすか」
小鳥「冬馬君は彼女いるの?」
冬馬「いない」
小鳥「じゃ、じゃあ好きな人は!?」
冬馬「いない」
小鳥「ふ、ふ~ん!!それならいっそ私と付き合ってみる!!?」
冬馬「いや、冗談でも面白くないし笑えない」
小鳥「」
P「おうおう、これだけ誘われてんのに何言ってんだこいつは」
翔太「それより小鳥さんが演技の割にかなり必死に見えるんだけど気のせいかな」
北斗「それ以上は言うな」
冬馬「いや、全く。帰って良いか?」
小鳥「えっ!?ほら!まだお菓子残ってるでしょ」サワサワ
冬馬「……」
小鳥(腕……背中……胸……腰……お腹……そして次は……ぐふふ)サワサワ
冬馬「……」ポパピプペ
小鳥「あら?どうしたの?」ハァハァ
冬馬「いや、変態がいるから警察呼ぶだけだぜ」
北斗「指示では軽いボディタッチだったのにかなり飛躍してましたね」
P「痴女とか男のロマンだろうが、あいつ頭おかしいんじゃねえのか」
翔太「本当に今更だけどお兄さんとんでもない変態だね」
北斗「最終兵器?」
翔太「てか、もう良いんじゃない?冬馬君が大人でも。あそこまでいくとホモっぽいけど」
P「認めん、冬馬の女に対する意識を通常程度に引き上げなければならん」
P「おーい」
涼「どうも……」
北斗「876プロの涼ちゃんじゃないか。知り合いだったんですか?」
P「まあな」
翔太「お兄さん事務所の壁とか全く気にしないよね」
P「お前らに言われたくない」
冬馬「……?」
涼「こんなにカッコイイ人初めて見ました!わぁー」
冬馬「あ、そう。お前、誰?」
涼「私、秋月涼って言うんです」
冬馬「へぇ、秋月って誰相手でもこういう事言ってそうだな」
涼「い、言いませんよー」
P「可愛い可愛い女の子……ましてや涼ちんにかっこいいって言われたら惚れるしかないのに。生意気な」
北斗「てか彼女何で協力してくれるんですか?」
P「協力しないと、とある秘密をバラすって脅した」
翔太「ひどっ」
P「ついでにうちのアイドルに万が一の事があったらたまらん」
北斗「うわぁ……」
涼「はい。その良かったらメールアドレス交換しませんか?」
冬馬「何で?」
涼「そ、その……えっと、色々教えてもらいたいなぁ!なんて」
冬馬「何を」
涼「その、歌い方とか踊り方とか……ですかね」
冬馬「敵事務所のやつにそんな事してやる義理無いんだけど」
北斗「エンジェルちゃんのお願いを……なんてやつだ」
P「冷たすぎる、可愛い子にアドレス教えてとか言われたら無条件にわっほいすべき」
翔太「仕事考えると冬馬君の方がまだまともだと思うのは僕だけなのかな」
P「よっしゃ!ハートの絵文字たっぷりで「涼です、よろしくお願いします♥」的なの送ってくれ」
涼「えぇ……」
P「やるんだ」
涼「……分かりました」
冬馬「……メールか」スッ
北斗「さあ、どう出る?」
冬馬「……」
翔太「無表情だなぁ」
冬馬「……」スッ
P「無視しやがった、これもうあれだろ。コミュ障だろ」
涼「はい……」
冬馬「……」ピッピッ
北斗「お、今度は返事するみたいだ」
翔太「何かあの顔怒ってない?」
涼「あ、返事来ました」
P「さて、内容は……」
涼「「絵文字使いすぎ。それが先輩に対する態度か?よっぽどぬるい環境なんだろうな」」
P「涼ちんが傷ついたらどうすんだ!」
涼「いや、私は全然。正直自分でもどうかと思いましたし」
北斗「冬馬には俺が後で厳しく言っておくから、許してあげてね」
P「メルアド聞かれたうえに♥いっぱいのメールとか悶絶する、常識的に考えて」
翔太「そうでもないけど」
涼「……えっと、冬馬さん。どうも」
冬馬『何だよ。何か用か?』
涼「いえ、ただちょっとお喋りしたいなって思いまして」
P「女の子と電話、今まで体験した事もないだろう……期待とドキドキで」
冬馬『は?そんな事でかけてくんな。こっちは忙しいんだよ!!』
涼「……きれちゃいました」ツーツー
北斗「許されないな」
P「あいつマジで階段登ったどころか別の世界を切り開いたんじゃないだろうな」
翔太「だったら僕達もお兄さんも危ないね」
涼「まだやるんですかぁ……?」
P「当たり前だ。すまんが付き合ってもらうぞ涼ちん」
北斗「この日は冬馬オフですよ」
P「OK、メールを送るんだ」
涼「はい」
北斗「どう出るか」
涼「……「悪いけどパス」」
翔太「あれー、その日は何も予定無いって言ってたけど」
P「しかも返事もそっけなさすぎる。童貞がデートに誘われるって火山が大噴火するぐらいの衝撃のはずなのに」
涼「すいません!待ちましたか?」
冬馬「……誘ったならせめて時間通りに来いよ」
涼「あ、ごめんなさい……ちょっと準備に……」
冬馬「遊びだからって約束守らねえのはどうかと思うぜ」
翔太「いきなりお説教だよ」
北斗「デートだぞ、待ちに待ったデート。何考えてんだ」
P「せっかくわざと遅刻させて「俺も今来たところだぜ☆」って台詞言うチャンスをあげたのに」
冬馬「良いけど」
涼「はむっ……」ペロペロ
冬馬「……」
P「よしっ!もっといやらしく食べるんだ!」
涼「むぐっ」
冬馬「普通に食え、行儀が悪い」
涼「あっ、ごめんなさい……」
北斗「ほほう……」
P「あれ?前屈みになる事必至なレベルだったよな?」
翔太「というかあんなことさせてるのにドンビキだよ」
SSだとアホでいいやつな事が多いけど
冬馬「何してんだ?」
涼「そ、そのこうすればはぐれないかなって」
P「手を握ればこんなアホ毛すぐに陥落する」
冬馬「ただでさえバレたらヤバイんだ。こういうのはやめてくれ」
涼「そ、そうですよね!」アタフタ
冬馬「!おい、あぶねえ!」ガシッ
ブゥゥン
冬馬「急にフラフラすんじゃねえ!もう少しで轢かれる所だったぞ!」
涼「ごめんなさい……」
冬馬「ったく怪我ねーだろうな。お前車道側歩くなよ、ヒヤヒヤする」
北斗「おぉ……ファインプレイ」
P「くそっ!手繋ぐけど緊張で手汗べったべたになる展開かと思えば……」
翔太「今のは結構かっこよかったね」
冬馬「ああ、俺もだ。出来るだけ金は使いたくねえからな」
P「手作り弁当の食べさせ合い、童貞の理想のシチュだ」
冬馬「お前、料理うまいな。やるじゃん」
涼「冬馬さんの方こそ、料理よくするんですか?」
冬馬「ああ、1人暮らしだしな。その前から親父に飯作ってたけど」
涼「そうなんですか、お父さんお母さんとは別居してるんですね」
冬馬「ああ、と言ってもおふくろはもういないけど」
涼「あ、ぼ、わ、私そんなつもりじゃ、ごめんなさいっ!」
冬馬「別に気にすんな。いつまでもひきずってられねえ、それよりこれどうやって作ったんだ?」
涼「あ、えっと……それはですね」
北斗「地雷だ……」
P「そうだったのか……」
翔太「あーあ……」
涼「そ、そのお家行って良いですか?」
P「1人暮らし、親の心配も必要無いぞ」
冬馬「それだけは絶対無理だ。何と言われてもな」
冬馬「万が一バレたら俺もお前も終わりだ。分かって言ってるのか?」
涼「で、ですよねー」
冬馬「……」ハァ
P「マジかよ」
北斗「今日のデート、最初はともかく中盤以降良い感じでしたね」
翔太「うん、普通にカッコよかったよ」
P「ちくしょおおおおおおお!まだだ!!」
冬馬「まだ何かあんのか?」
涼「その好きです!付き合ってください!!」
冬馬「……」
P(ドッキリでした~!!の看板準備OK)
冬馬「……ファン以外の女の子興味無いから、ごめん」
涼「あ、はい。分かりました。すいません」
冬馬「悪いな。あと忠告しとくがアイドルが誰かと付き合うのは相応の覚悟が必要だ」
冬馬「その事肝に刻んどけよ」
涼「冬馬さんに申し訳ない事たくさんしちゃった……もう、良いですか?」
P「……ああ、お疲れ」
北斗「今度は俺とデートしようね」
涼「あ、はは……失礼します」
翔太「ここまで付き合ってくれるなんてどんな秘密を握られてるんだろ」
冬馬「何だよ急に、天ヶ瀬冬馬に決まってんだろ」
P「うそだっ!!天ヶ崎竜馬だろ!」
冬馬「はぁ?意味分かんねえ」
P「なら鬼ヶ島羅刹か!?」
冬馬「ヶしかあってねぇじゃねえか!」
P「分かった!!ピピン板橋だろ!」
冬馬「誰だよ!!」
翔太「ふ、2人とも落ち着きなよ!会話が噛み合ってないよ」
北斗「はいはい、クールダウン」
P「人聞きの悪い、俺はお前が正常かどうかを確かめただけだ」
冬馬「俺は今トップアイドルになる事以外どうでもいいんだよ」
冬馬「女とチャラチャラ遊んでる暇は無え」
P「納得いかん」
冬馬「別にあんたに納得されなくてもいいけど」
北斗「よしっ、もうやめよう!!」
翔太「うん、冬馬君はトップアイドル一筋だから女の子と付き合ってる場合じゃないって事で終了」
P「ホモが!!」
冬馬「それはあんただろ!!人を散々つけ回しやがって」
北斗「チャオ☆チャオ☆やめやめ」
冬馬「二度と妙な真似すんじゃねえぞ、特にあんただよあんた」
P「くそっ、絶対諦めないからな」
冬馬「聞いてんのかよ」
P「マジでホモなのか……それとも……」
冬馬「ったくあのプロデューサーの事だ、絶対何か仕掛けてくるな」
冬馬「まあどうでもいい、俺は俺の道を突き進むだけだ」
冬馬「YESロリータNOタッチ」
終
乙
Entry ⇒ 2012.11.08 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「音無さんが風邪で寝込んでいる?」
P「大丈夫なんですか?」
高木「体を起こすのも辛いそうだ」
P「それは心配ですね」
高木「そこで君に折り入って頼みがある」
P「はい」
高木「家に行って看病してやって欲しい」
高木「私はこれから大事な用事がある」
高木「アイドル達に任せて風邪でも移ったら大変だ」
高木「律子君は竜宮小町の営業で地方へ行っている」
P「……」
高木「君だけが頼りなんだよ」
P「……わかりました」
…
小鳥「……けほっ」
小鳥「んん…」
ピピッ
小鳥「38.5……」
小鳥(さっきより熱がある……)
小鳥(私、このまま死ぬのかなぁ…)
ピンポーン
小鳥(こんな時……誰かがいてくれたら)
ピンポーン
ピンポーン
ガチャ
P「鍵開いてる……不用心だなぁ」
P「お邪魔します」
小鳥(頭がぼーっとする……目が霞んできた)
P「いたいた……音無さん?」
小鳥(独り身のまま死ぬのかぁ……)
P「思ったより辛そうだ…」
小鳥(事務所のみんな……ごめんなさい)
小鳥(そして…)
小鳥「プロデューサー……さん」
P「はい」
小鳥(お迎えが来たのかしら……プロデューサーさんに似てる人がぼんやりと見える)
P(意識が朦朧としてるな……呼吸も荒い)
…
小鳥「……ん」
小鳥(ひんやりして気持ちいい……)
小鳥「生きてる……」
P「風邪で死ぬ訳ないでしょう」
小鳥「そう、ですよね」
P「おはようございます」
小鳥「……!?」
P「今更ですね……」
P「ずっとうわ言のように『プロデューサーさん』って言い続けてたのに」
小鳥「え」
小鳥「そ、そんな事言ってましたか……?」
ピトッ
小鳥「ひぁう……っ!?」
P「かなり熱いですね……顔も赤い」
小鳥(プロデューサーさんのおでこが顔がちかちかちち近い)
P「薬を飲んでもう一度寝た方が良さそうですね」
P「先ほど台所をお借りしてたまご粥を作りました」
小鳥「あ、ありがとうございます」
P「はい、あーん」
小鳥「!?」
P「……食欲が無くても食べなきゃ駄目ですよ」
P「あーん」
小鳥(え? ええ!?)
小鳥(ないない! それはない!)
小鳥「……つっ!」
小鳥「熱い…」
P「そんなに急いで食べなくてもいいですよ」
小鳥(この熱さ……夢じゃない)
P「ふー、ふー………はい」
小鳥(やっぱり夢かもしれない)
P「お粗末さまでした」
P「さ、風邪薬です」
小鳥「んっ、んっ……ふう」
P「あとは安静にして一眠りすれば回復してると思います」
小鳥「ごめんなさい……何から何まで」
P「いえいえ」
小鳥「あ……」
P「お大事にどうぞ」
キュッ
P「……」
小鳥「……」
P(袖を掴まれた)
P(帰りにくい……)
P「しばらくは側にいますよ」
小鳥「……!」パアァ
P(一喜一憂する姿がいちいち可愛いなぁ)
P「側にいると言ったものの……後は寝るだけですよね」
小鳥「……あ」
小鳥「その…汗を拭かないと」
P「」
小鳥「はい」
シュル パサッ
小鳥「んっ………」
P(エロい)
小鳥「あの、プロデューサーさん」
小鳥「背中……拭いて下さい」
小鳥「お願いします……」
P「綺麗な背中……じゃなくて!」
小鳥「……」
P「……」
P(覚悟を決めろ……背中を拭くだけだ)
P(やましい気持ちはいっぱいあるけど)
ピト
小鳥「ひぁ……」
P「……」
小鳥「……んっ」
P「…………終わりました」
小鳥「ありがとうございます」
P(よくぞ耐えた俺)
P(エロさが半端じゃなかった……)
小鳥「はい」
小鳥「…………」
P「心配しなくても、眠るまで側にいますから」
小鳥「……えへへ」
P(可愛いなぁ)
小鳥「おやすみなさい」
P「はい、おやすみなさい」
小鳥「……すぅ」
P「手を繋いだままだ……帰れない」
小鳥「んん…」
P「まあいいか」
小鳥「えへへ……プロデューサーさん…」
P「はやく良くなって下さいね、音無さん」
小鳥「……んう?」
小鳥「あ、体が軽い」
小鳥「だいぶ良くなったかな?」
P「……zzz」
小鳥「プロデューサーさん…ずっと居てくれてたんですね」
小鳥「……」
小鳥「プロデューサーさんのそういうところ、大好きですよ」
P「……」
小鳥「起きてる時に言えたらなぁ」
P(今俺は寝ている……今俺は寝ている)
P(なにも聞いてはいない)
小鳥「おはようございます」
P「だいぶ回復したみたいですね」
小鳥「はい」
P「今日一日は様子見で、大丈夫なようであれば明日から復帰して欲しいそうです」
P「では今度こそ帰りますね」
小鳥「本当にありがとうございました」
P「いえいえ」
P「え?」
チュッ
P「………えっ?」
小鳥「私の精一杯の気持ちです」
小鳥「風邪を移すといけないから、頬で我慢して下さいね」
P「あ、はい」
P(案の定、後日風邪を引いた)
P(付きっきりで小鳥…さんが看病してくれた)
おわり
小鳥さん可愛いよ小鳥さん
Entry ⇒ 2012.11.07 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
P「事務所にヤツが出た」
小鳥「プロデューサーさん、お茶入れましょうか?」
P「お、ありがとうございます。ちょうどのどが渇いてたんですよ」
その漆黒の躯体に人は太古から苦しめられてきたという……
小鳥「千早ちゃんも飲む?」
千早「あ、はい、いただきます」
それは まぎれもなく――
カササッ
千早「?」
G「Good morning」
千早「っっっっ」
「いやあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」ドガシャーーン
P「!!?な、なななんだどうした千早!?」キンキン
千早「いいいやいやいやいやいやいや!ぷ、ぷろ、ごっ、あれっ」
小鳥「ど、どうしたの千早ちゃ……」
カサカサカサ
G「Hey」
小鳥「」
小鳥「きゃあああああああああああああ!!!!!」
P「ちょ、千早抱きつくな!何が出たんだ!?」
小鳥「ごごごごごゴキブリ!ゴキブリですよぉ!!」
P「ゴキブリぃ?」
G「Hello」
P「うお、ほんとにいる!」
千早「プロデューサー助けて!」ギュウウウ
P「お、おちつけ千早」
ガチャ
高木「な、何の騒ぎかねキミィ!?」
P「あ、社長!足元にゴキブリが」
高木「え」
G「Yes sir」
高木「」フラッ……ドサッ!
P「しゃ、社長!?」
P「と、とりあえず新聞紙か何か……あの千早、ちょっと離れて……」
千早「いいいやです!無理です!」
P「あ、あのなぁ……あれ?」
小鳥「は、はやくどうにかしてくださいよぉ!」
P「ど、どこいったんだ?ゴキブリがいないんだが」
千早「」
小鳥「」
高木「」キュウ
P「み、見失った……」
小鳥「どうしよう、う、うごけない……」
千早「……」ガタガタガタ
P「あの、千早さんそろそろレッスンの時間なんですが」
千早「そ、そんな……いやです!いつ襲われるかわからない空間を歩けっていうんですか!?」
P「んなこといわれても……」
千早「いやです無理ですいきたくありません!」
P「じゃ、じゃあ事務所の外までおんぶしていってやるから!それなら大丈夫だろ?」
千早「う……で、でもそんなの、恥ずかしっ……」
P「このままレッスンに遅れるわけにもいかないだろ。ほらおぶされ」
小鳥「わ、わかりました……ってあれ?私はどうなるんです?」
P「すぐ戻りますから、ちょっと待っててください」
小鳥「そんな!いたいけな乙女を戦場に残していくんですか!」
P「別に食われるわけじゃないでしょう……よっと」オンブ
千早「うう……」ギュウ
小鳥「(ああダメだわ、せっかくの貴重な甘えんぼちーちゃんなのに今は録画する余裕もないッ……!)
」
P「……千早、ちゃんとご飯食べてるか?」
千早「た、食べてます!なんですかいきなり!」
P「いやずいぶん軽いと思って……いたたた頭を叩くな!」
千早「早くしてください!恥ずかしいんですから!」
P「はいはい……じゃあ小鳥さん、社長の処理お願いしますね」
小鳥「え?」
スタスタ バタン……
ソローリソローリ……
ダダダッ ガバッ!
小鳥「社長テメェ起きろこらああああぁぁ!!」
高木「はっ!?お、音無くん、私は一体……」
小鳥「ゴキブリが出たんですよ!男の人なんですから何とかしてくださいよ!」
高木「おおおお音無くん首を揺らすのはやめたまえ!……しかし、ゴキブリか」
小鳥「そうですよ悪魔ですよ!やっつけてくださいよ!」
高木「実は、幼少のころ顔面に飛びつかれて以来トラウマになっていてね……見ただけでもご覧のありさまなのだよ」
小鳥「が、顔面に……」ゾゾゾゾゾ
高木「す、すまんが私ではどうにもできん!退散させてもらうよ!」ダッシュ!
小鳥「ああ!社長テメェこの置物!」
小鳥「……音が無いのが怖いわ」
小鳥「……音無だけに」
しーん……
小鳥「なんて言ってる場合じゃないわよ!どうしたらいいのよぉ……」ビクビク
ガチャ
響「はいさーい!今日も元気n」
小鳥「響ちゃあああああああん!!」ガバッ
響「うわっなにさぴよ子!発情期か?」
小鳥「違うわよ!さっき事務所にゴキブリが出たのよ!」
響「ゴ、ゴキブリ?」
小鳥「プロデューサーさんは私を置いて出て行っちゃうし、社長はクソの役にも立たないの!助けて!」
響「うーん……まぁ沖縄ではしょっちゅうゴキブリ出てたから慣れてはいるけど、自分だって苦手なものは苦手だぞ」
小鳥「そんなこといわないで!どこにいるかわからないのよ!」
伊織「おはよう……なにしてんのアンタたち」
響「あ、伊織」
伊織「朝っぱらから元気ねぇ。また小鳥がなんかやらかしたの?」スタスタ
小鳥「ああ伊織ちゃんそっちはダメ!」
伊織「?コーヒーでもこぼしたの?別に気にしないわよ」
響「いやそうじゃなくてさ」
伊織「なによ、何さっきからじっとしてるの」
カサカサ
響「あ、壁に」
伊織「え?」
G「Hai sai」
バッ ピト
響「い、伊織のオデコに」
G「Good place」
小鳥「とまった……」
伊織「」キュウ ドサッ
響「うぎゃーー!!伊織が死んじゃったぞ!」
小鳥「ぎゃあああ!!ていうかこっちきたこっちきた!!」
カサカサカサ
響「そ、そうだ!ハム蔵、あいつをやっつけろ!」
ハム蔵「ジュイ!」ピョン
シュタタタタタ カサカサカサ
響「うぎゃー違う違うこっち来てどうするんさー!」
小鳥「ひ、ひとまず外に逃げるのよ!」
ダダダダ バタン!!
小鳥「な、なんてことなの……」
P「――やれやれ、千早があんなに弱るの初めて見たな……」
響「あっ、プロデューサー!」
P「ん、響もきてたのか。ていうかなんで小鳥さんまで外にいるんです?」
小鳥「じ、実は伊織ちゃんが……」
P「……で、ハム蔵と一緒に置いてきたと」
小鳥「仕方ないじゃないですか!」
P「まぁもう大丈夫です。さっき殺虫剤買ってきましたから」
小鳥「遅いですよ!早く抹殺してください!」
P「はいはい」ガチャ
響「うーん殺虫剤かぁ」
G「Escaping」
P「ハム蔵、危険だから離れてろ」
ハム蔵「ジュイ!」サッ
カサカサ
P「おのれ壁際に逃げたか……だがこれで終わりだ」カチャ!
響「あの、殺虫剤はあんまりオススメしないぞ」
小鳥「え、どうして?」
響「当たれば確かに一撃で倒せるんだけど、ゴキブリはものすごく素早いから……」
P「それっ!」
プシューッ!!
G「Nonsense」バッ
P「え」
ピト
P「」
G「Not good」
P「がががががががが」キュウ ドサッ
小鳥「プロデューサーさぁーーーん!!!」
響「い、言わんこっちゃないぞ!」
G「I'm a god」
カサカサ
響「うぎゃー!ぴよ子なんか武器ないのかー!」ドタバタ
小鳥「し、新聞紙くらいしかないわよ!」
響「早く渡して!おらぁーなんくるないさー!たっくるすぞぉー!」バシバシ
G「Too late」
小鳥「ひええええこっちきたぴよおおおおお!」
ガチャ
やよい「おっはようございまーす!」
響「あっ!やよい危ない!」
小鳥「ゴキブリがそっちにいいい!」
やよい「え?」
G「Too young」
カサカサカサ
やよい「えいっ!」 グシャ!
響「……え」
小鳥「」
北海道にもちらほら移動し始めてるらしいぞ
やめろ
やめろ
やよい「うー、やっぱりお掃除してなかったからかなぁ……小鳥さん、ビニール袋ありますかぁ?」
小鳥「へ?えええあるわよたっぷりと!」
ガサガサ ギュッ
やよい「最近忙しかったからなぁ……すみませんお掃除サボっちゃって」
小鳥「そ、そんなのいいのよ!それよりやよいちゃん……」
響「へ、平気なのか?ゴキブリ……」
やよい「あ、おうちに出たときは素手でつかんで逃げしてあげるんですけど……たまに噛みつかれたりするから、靴でやっつけた方がいいかなーって」
小鳥「な、なんておそろしい子……!」
やよい「でもあんまりむやみに殺したらゴキブリもかわいそうだから……できるだけお掃除はしっかりやってたんですけど……うー」
やよい「ゴキブリは一匹でたら何百匹もそこに住みついちゃうんです。だから事務所はみんなできれいに使いましょーね!」
響「やよいはすごいなー。まるであんまーみたいだぞ!」
やよい「えへへ、そうですかぁ?……あれ?なんでプロデューサーさんと伊織ちゃんが床で寝てるんですか?」
小鳥「あはは……ちょっといろいろあったのよ~」
――その後、765プロには『事務所は清潔に使うこと』という張り紙があちこちに貼られた。
被害にあったアイドル(と一名)は事件再発を防ぐために全力で衛生活動を行ったという。
黒い悪魔の襲来はそれ以降止んだ、かのように見えたが……
真美「おお、この新発売のうめぇ棒二郎ラーメン風はなかなかですな!」
亜美「こっちのポテチトップ豚骨味もチョーイケるよ→!」
美希「Zzz……」
貴音「バリボリバリボリ」
真美「お姫ちんは食べすぎっしょー……」
律子「ちょっとあんたたち、食べかすはきちんと掃除してる?」
亜美「してるしてる→」
貴音「バリボリ」
律子「ほんとでしょうね……ちゃんと綺麗にしないと千早に怒られるわよ?」
真美「あー千早お姉ちゃんめっちゃゴキブリ怖がってたんだよねー」
亜美「ちょっと見てみたかったかも!」
律子「馬鹿なこと言わないの。ほら、アンタたちみんなもうすぐ仕事じゃないの?」
亜美「がってん真美隊員!」
亜美真美「「いってきまーす!」」
律子「ああっ!ちゃんと掃除していきなさいって言ったでしょー!!」
真美「後でやるからモウマンターイ!!」
貴音「バリボリ!バリボリ!」
律子「ちょ、ちょっと貴音まで!まちなさーい!」バタバタ……
美希「あふぅ……なんだかうるさいの。目がさめちゃったの……」
カサカサ……
美希「ほぇ?机に何か……」
G「I'm back baby」
美希「」
「いやああああああなのおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
終
ふと、キッチンに立ったとき。
ゴキブリはいつもあなたのそばに……
最近G見てないな 久しぶりにあのスリルを味わいたい
ほら後r
Entry ⇒ 2012.11.07 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「昼飯一緒に食わないか?」 真「はい! もちろんいいですよ!」
律子「――はい。その件につきましては……」
P「……」カタカタ
小鳥「……」カタカタ
律子「――はい。失礼します」ピッ
小鳥「そろそろ、お昼ですねー」チラッ
小鳥「プロデューサーさん、律子さん。お昼行きましょうか?」
P「!」
P「い、いや。なんでもない……」
小鳥「あずささんも一緒にどうですか?」
あずさ「あらあら。よろしいんですか? では私も」ウフフ
P(……この事務所に入社して二週間)
P(食事の時間がこんなに苦痛になってしまうとは……)
P(ただ……)
小鳥「おいしいイタリアンのお店見つけたんです」
小鳥「ランチタイムはすっごくお得ですから、お財布にも優しいんです」フフフッ
あずさ「それは楽しみですねー」
律子「はい。小鳥さんの探してくるお店はいつも美味しいですから」
P「……楽しみですね」
律子(小鳥さん、プロデューサー殿が来てから定食屋に入らなくなりましたね)ヒソヒソ
小鳥(……ピヨ!!)
あずさ(あらあ? 確かにそうですね)ヒソヒソ
小鳥(そ、それは……)ヒソヒソ
小鳥(私ももう2X歳ですし、少しは女らしくしようかと……)ヒソヒソ
小鳥(こういうアピールが効くって、雑誌に書いてあって……)ヒソヒソ
律子(なるほど。そういうわけだったんですか)ヒソヒソ
律子「わあ! とっても美味しそうですね!」
小鳥「そうなんですよ。香りもいいですし」
あずさ「はい。お店の雰囲気もいいですねー」
小鳥「それじゃあ、食べましょうか?」
一同「いただきまーす!」
P「……いただきます」
P(ただ……)
P(量が少ない!!)
P(大盛りを頼めば良いんだろうが)チラッ
一同「――――」キャッキャウフフ
P(なんとなくそうはできない雰囲気……)
P(俺は新米だし、しかも周りは女性ばかりの職場)
P(ある程度覚悟はしていたが、まさかこんなにやりづらいとは!)
P(牛丼屋でがつがつと食いたいときもあるんだ)
P(音無さんを初め、事務所の皆はマナーも良いし……)
P(こっちも気にしてしまうんだよな……)ハアッ
小鳥「プロデューサーさん?」
P「……は、はい!」ビクッ
俺でも作れるなこれ
あずさ「なにか……、悩み事でしょうか?」
P「い、いえ……、そういうわけでは」
小鳥「お口にあいませんでしたか?」ショボン
P「……!」
P「いえ、違います! あんまりに美味しかったものですから!」
P「少し浸ってしまいました……」アハハ
あずさ「ええ、とっても」
小鳥「そうだったんですか。心配しちゃいました」ニッコリ
P「え、ええ。すみません」アハハ…
P(うう……。なんで素直に言えないんだろうか)
P(仕事上ではそれなりに意見も言えるんだが……)
小鳥「また良いお店、探しますからね?」
P「……はい! 楽しみにしてます!」
あずさ「おいしかったですねー」ウフフ
律子「ええ! とっても!」
小鳥「明日はどうしますか?」
あずさ「この間のお店はどうでしょうか? サラダがとっても美味しかったわあ」
律子「いいかもれません! あそこの野菜は無農薬で――」
P「……」
ワイワイガヤガヤ
P(……ん? どうしたんだ? 事務所がやけに騒がしいが)
ガチャリ
P「なんの騒ぎだ?」
美希「あ! プロデューサー!」
P「ああ、ただいま」
P(誰かに皆が群がってるな。よく見えないが)
???「みんな、少し落ち着いてよ……!」
亜美「んっふっふ~。まこちん、久しぶりなんだからよいではないか→」
真美「真美たちもみんな心配してたんだよ→?」
雪歩「うぅー。真ちゃん……」ジワッ
美希「どうしたの?」
P「見慣れない子が居るんだが、あの子は……」
美希「……そっか。プロデューサーは真くんと会うのは初めてだったね」
P「真くん?」
春香「はい! 765プロのアイドル、菊地真です!」
春香「ダンスレッスン中に怪我をしちゃって、いままで休養してたんです」
春香「愛称は『真王子』なんですよ」クスッ
P「へえ」
美希「む~。春香! プロデューサーは美希とお話してたの!」
春香「そうだったね。ごめん美希」ニッコリ
美希「む~」プンスカ
???「す、すみません!」
P「あ、ああ。君は……」
真「菊地真です! あなたはこの事務所のプロデューサー、ですよね?」
P「ああ……」
真「くう……。やっぱりそうかあ……」ガックリ
P(なんだか落ち込んでるみたいだが……、どうしたっていうんだ?)
P「ああ、その話なら今、春香に聞いたよ」
真「くう。出遅れちゃったなあ……」
真「みんなは二週間も先にプロデュース活動を始めてもらってるってことですよね?」
P「ああ、そうなるが。でも、気にすることも無いさ」
P「最初の一週間は挨拶や事務的な手続きばかりだったし」
P「本格的なプロデュースはほとんどこれからなんだ」
真「これからよろしくお願いしますね! プロデューサー!」ニコッ
P「!」
P「ああ! こちらこそよろしく頼む!」グッ
真「それじゃあ、失礼します!」ペコッ
『美希「……そっか。プロデューサーは【真くん】と会うのは初めてだったね」』
『春香「愛称は【真王子】なんですよ」』
『真「あの、実は【ボク】、今まで怪我をしてて休んでいたんです」』
P(まさか、うちの事務所にも男のアイドルがいるとは知らなかったな……!)
P(これからは少し居心地がよくなるかな?)
社長「あー、キミぃ」
P「はい?」
社長「今日から菊地真君が復帰したんだが……」
P「はい! そうみたいですね。話は春香たちに聞きました」
社長「おお! そうだったのかね。さすが我が社のホープ! 仕事が早いね!」
P「いえ、それほどでも……」
社長「それなら私から改めて話をする必要もないかな。引き続き頑張ってくれたまえ!」
P「はい! ありがとうございます!」
――事務所――
P「真。体の調子はどうだ?」
真「はい! 全く問題ありません!」
真「空手の型だってこの通り!」ババッ
P「おお! すごいな! 真は空手をやってるのか?」
真「はい! 最初は父さんに無理やりやらされたんですけど……」
真「いまはとっても楽しいです!」
P「そうか」ニッコリ
真「?」
P「真は昼飯はどうするんだ?」
真「お昼ですか? お昼は、みんなとコンビニに行こうって話してるんですけど……」
P「そ、そうなのか」
P「その……、真が良かったらで構わないんだが」
春香「……」ガタッ!
美希「……」ガタタッ!
雪歩「……!」
真「ええ! 構いませんよ! ならみんなも一緒に」
P「……いや」
P「出来れば二人だけの方がいいんだが……」ヒソッ
真「……え?」////
P「ああ。ダメか?」
真「いえ、ダメってことはないですけど」チラッ
春香・美希・雪歩「……」
貴音「良いではありませんか」
真「貴音?」
貴音「真は私たちに比べて、プロデューサーとの時間が少ないのは確かなのです」
貴音「一緒に食事をとって、仲を深めることも大事かと」
美希「……そうかも知れないの」
雪歩「……」
P(本当はみんなも誘ってあげるべきなんだろうが)
P(たまには、気がねなく食事をとりたい)
P(男同士で!)クワッ
P「!」
真「確かにこういう時間をとって話をするのも大事ですよね!」
真「ご一緒しますよ! プロデューサー!」
P「ああ、ありがとう」
真(……そうだよね。変に意識することなんて無い)
真(単に二人で食事に行くだけなんだし……)
真(……二人で)////
小鳥「プロデューサーさんは今日は真ちゃんとお昼なんですよね?」
P「ええ。ですから、申し訳ないですけど……」
小鳥「いえ! そんな申し訳ないだなんて……」
P「すみません。それじゃあ」ソソクサ
オーイ! マコトー!
ハイ! イキマショウカ! プロデューサー!
律子「……小鳥さん?」
小鳥「律子さん!」クワッ
律子「……は、はい!」ビクッ
小鳥「今日のお昼はたるき亭にしましょう!」
律子「え、ええ。構いませんよ?」タラッ
あずさ「あらあら」
真「今日はどこへ連れて行ってくれるんですか? プロデューサー」ワクワク
P「え? まあ、そんなに楽しみにされると恐縮なんだが……」
P「……牛丼を食いに行きたくてな」
真「……へ?」キョトン
P「……! 嫌だったか?」
真「え! いや! そんなことないです! 食べたいです、牛丼!」
P「そ、そうか」ホッ
真(プロデューサーと二人でご飯なんだよね)////
真(男の人と二人で食事に行くなんて……)////
真(いま僕たち、他の人たちから見たらどう見えてるんだろう?)
真(やっぱり、こ、恋人同士かな)////
P「真?」
真「……え? ああ! どうかしましたか? プロデューサー」
P「いや、店に着いたぞ?」
真「す、すみません! 入りましょう!」
ガヤガヤ
P「結構混んでるな……」
真「そうですね……」
P「とりあえず、座ろうか」
真「はい!」
P「俺は牛丼特盛、卵と豚汁と御新香かな。真は?」
真「えっと……ボクは」
真(プロデューサー凄い食べるんだな……)
真(ボクも結構食べられるんだけど……)
真(あんまりいっぱい食べたらプロデューサーに、はしたないって思われるかな?)ウーン
真「……!」
真(そんな平然と! い、いいのかな?)
真「じゃ、じゃあ牛丼だけは大盛りにしてもらえますか?」
P「ああ! わかった!」
P「今日は俺のおごりだからな! 遠慮なく食ってくれ!」
真「はい! ご馳走になります!」
P「うまい! 久しぶりだから尚いっそううまいな!」ガツガツッハフハフッ
真(男らしいなあ……)
真(なんかちょっと……いいかも)////
P「どうした? 真もどんどん食べてくれ!」
真「……はい!」
おかわりもいいぞ!
真「ごちそう様でした! プロデューサー!」
P「いやいや。これくらいなんともないぞ!」
真「あ、あの……」
P「?」
真「プロデューサーは事務所のみんなともこうして食事したことあるんですか?」
P「ん? ああ、実は……」
P「ああ。このことは音無さん達には内緒だぞ?」
P「正直、洒落た店でご飯を食べても、食った気しないんだよな」
真「はははっ! なんかそれ、分かる気がします」クスッ
P「音無さん達との食事はそういうのだし、一回、とある噂を聞いて貴音と行ったこともあるんだが……」
真「……貴音、ですか」
P「……ああ」トオイメ
真(詳しく聞くのはやめておこう……)
P「ん? どうした?」
真「信号変わりそうです! 行きましょう!」ギュッ
P「あ、ああ! って、急に走るな!」
真「これくらい何言ってるんですか!」タタタッ
真「まったく! プロデューサー! だらしないですよ!」
P「食べたばっかりなんだから、仕方ないだろ……?」ハアハア
P「真はなんとも無いのか?」
真「ええ! ちっとも!」
P「さすが普段から鍛えてる奴は違うな」
真「へへっ!」
P「ああ……」
P(それにしても……)
P(……真の手、柔らかかったな)
P(それに、良い匂いもした……)
P(……!)ハッ
P(な、何を考えてるんだ俺は!)
P(真は男なんだぞ!)
小鳥「お帰りなさい! プロデューサーさん!」ニコニコ
P「ただいま戻りました」
P「音無さん、なにかあったんですか?」
小鳥「……え?」
P「いえ、なんだか嬉しそうなので……」
小鳥「……そうですか? 気のせいですよ」フフフッ
小鳥(……言えないわ。久しぶりに食べた、たるき亭の定食が美味しくて気分が上がってるだなんて……)
P「……?」
P「……どうかしたのか?」
律子「ええ。実はお願いしたいことがありまして」
P「……?」
律子「ええ。細かいところなんですけど、いくつか変わった部分がありまして……」
P「それで?」
律子「その変更があったのが、真の休養の直後だったんです」
P「あー。なるほど……」
律子「はい。真だけ、変更後のダンスの練習をしていないんです」
律子「ダンス部分は早いうちに詰めに入っていたんで、失念していました」
律子「……私のミスです。すみません」ペコッ
律子「はい。トレーナーさんにも連絡してみたんですが、予定が詰まってるみたいで」
P「大丈夫だ。俺に任せてくれ」
律子「すみませんが、お願いします。これ、これまでの練習中のビデオです。参考にしてください」
P「ああ。ありがとう」
律子「スタジオは押さえてあります。私は午後から春香たちに着くので、なにかあったら……」
P「そんなに心配するな! 任せろっていったろ?」
――――
P「と、いうわけでだ」
P「真は午後から俺とダンスレッスンだ」
P「他の皆は歌のレッスンに行くから、別々になってしまうが……」
真「はい! わかりました!」
美希「真くんだけ別なのは少し寂しいの」
春香「プロデューサーさんはこっちには来てくれないのかな?」ボソッ
P「ん? 春香、何か言ったか?」
春香「い、いえ! なんでもありません」アセアセッ
――レッスンスタジオ――
P「それじゃあ、レッスンを始めようか!」
真「はい! よろしくお願いします!」
P「ああ! 真ならすぐに皆に追いつけるぞ!」
P「それじゃあ、変更した箇所なんだが……」
P「ビデオ、再生するぞ?」
真「はい!」
真「うーん。流れは分かったんですけど……」
真「正面からの映像だけなんで細かい部分がなかなか……」
P「うーん、確かにそうだな……」
P「じゃあ、実際にやってみるか!」
真「そうですね。でも……」
P「これでもレッスンはちゃんとサポートしてきたんだ」
P「細かい部分もちゃんと指導できるはずだ!」
真「そう、ですよね! はい! お願いします! プロデューサー!」
ジャーン・・・・・・
真「……ふう」
真「どうでしたか? プロデューサー?」
P「うん、流石だな。大体は良さそうだ」
P「だけど、確かに細かいところで気になるところはある」
真「はい」
P「そこのところを調整していこう!」
真「お願いします!」
真「はい」
P「もっと腰を左に突き出す感じかな?」スッ…
真「うひゃあ!!」ビクッ
P「うわあ!!」
P「ど、どうしたんだ? 急に?」
真「い、いえ……」
真(で、でも……)チラッ
P「?」
真(プロデューサーは全然気にしてみたい……)
真(そ、そりゃそうだよ。これはレッスンなんだから)
真(こんなことで一々動揺してたらプロ失格だよね)
真「何でもありません! 続けましょう!」
P「ああ。それでここのところは――」
P「……ふう。大体良さそうだな」
真「は、はい!」ハアッハアッ
P(う……)
P(汗で髪が顔に張り付いて、なんだか色っぽいな)////
P(息も切らせて……)
P(それになんだかいい匂いが……)
P(……! だ、だから何を考えているんだ俺は!)
P(俺にその気はないんだ! ……ないはずだ)
P「さ、さあ真。そろそろ時間だ。着替えて事務所に戻ろう」
真「はい! そうですね!」
P「……」
真「……」
P「……どうした?」
真「……え?」
真(着替えたいから出て行ってほしいんだけど……)
P「……?」
真(……! そ、そういうことか!)
真(いまの二人はアイドルとプロデューサー。男も女も無いんだ!)
真(仕事とプライベートはしっかり分けて考えなくちゃ!)
P「ああ」
真「……」ヌギッ
P「……」
P「…………」
P「……………………」
P「うわあああああああああああ!!!!」
真「」ビクッ!!
P「お、お、お、おおお……」
真「……お?」
P「……お、おんな?」
真「……は?」
P「真、お前女だったのか?」
真「」
真「……」ツーン
P「そろそろ、機嫌直してくれないか?」
真「ひどいですよ。男と間違えるなんて……」
P「……すまない」
真「……」
P「……真?」
P「……!」
真「女の子らしくって、憧れてアイドル事務所に入ったのに……」
真「プロデューサーに男と間違えられるなんて……」
P「いや、そんなことは……」
真「だって!」
P「……」ビクッ
真「プロデューサー、気づいてくれなかったじゃないですか……」グスッ
真「……」グスッ
P「そんなことない」
真「……慰めなんてやめてくださいよ」
P「いや、慰めなんかじゃない」
P「真はかわいい女の子だよ」
真「……」
P「その時、俺、胸がドキッとしたんだ」
P「昼に食事しに行った帰り道に手を引かれたとき」
P「やっぱり、胸が高鳴った」
P「とっても良い匂いがした」
P「今のレッスン中だってそうだ。俺、ドキドキしっぱなしだった」
P「それに……」
真「うわああああああ!!」////
真「そ、それは言わなくてもいいです!」
P「ん? そ、そうか? ……そうだよな」////
P「ま、まあ……」コホン
P「とにかく! 真は魅力的な女の子だよ!」
真「……」////
真「……あ、ありがとうございます」////
P「むしろ、真が女の子で安心したんだ」
P「俺、その気があるんじゃないかって不安だったんだ」アハハ・・・
真「……ふふっ! 良かったですね! ボクが女の子で!」
P「ああ! 真はとってもかわいい女の子だ!」
真「……へへへっ!」////
――事務所――
P「ここの店は雰囲気も良くてな? ランチタイムはセットが安くて――」
真「へえ! いいですね! 行きましょうよ! プロデューサー!」
P「もちろん大盛でな! ……あ! 春香たちも一緒にどうだ?」
春香「……いえ、結構です」
美希「胸焼けしそうなの」ボソッ
雪歩「お二人の邪魔しちゃ悪いですぅ」
真「そうだよ! 皆で行こうよ!」
雪歩「う、うん……」オドオド
春香(見せ付けられるってわけね……、でも)
美希(でもまあ……、二人の関係は日も浅いし)
春香・美希(隙あらば……)キラーンッ
春香「じゃあ、ご一緒しまーす!」
美希「美希もなの~!」
律子「小鳥さん、いい加減元気出してください……」
あずさ「あらあら」
小鳥「たったの二日。たったの二日ですよ? 律子さーん」ピヨヨ・・・
小鳥「しかも、さっき言ってたお店、私が教えてあげたお店で……」
律子「はいはい。わかりましたから」ナデナデ
小鳥「ううう。短い夢でした」ウルウル
P「ああ! あの店か! 少し並ぶけど、美味いよな!」
真「……なにより!」ニコッ
P「……ああ!」ニッ
P・真「ご飯大盛が無料!!」
おわり
>>177
雪歩はまだ入社二週間のPに馴染んでいません。
仲のいい真をとられるんじゃないかと心配しています。
真マジ天使だな
乙
Entry ⇒ 2012.11.06 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
モバP「家猫の飼育日記をつけてみた」
引用元:
チチチチ……チュンチュン
P「ZZzzz…………ん」パチッ
P「……んーっ……ふぅ」
P「もう朝か、なんか早いなぁ。ちょっと前に横になったような感じなのに……って」
P「何でここにみくが寝てるんだ……」
みく「……クー……クー……Pちゃん……」
P「確か昨日みくはちゃんと部屋いって寝たよな……」
P「んでそれを見て、俺も自分の部屋入って寝た筈だ」
P「だが起きたら今隣で寝ている」
P「……寝ぼけたフリしてこっちに入ってきたか……?」
P「ったく……いい顔して寝やがって、この」ツン
みく「んにゃ……クー……スー……」
P「はは、まぁ起きるまでこのまま寝かせておいてやるか」
P(悪い子にはお仕置きだっ! まずはみくを掛け布団でぐるぐる巻きにして……)
ススス……クルクルクル
P(そして簀巻き状態のまま持ち上げ運ぶ!!)
グググッ……
P(居間で下ろし……これでカーペットの上で簀巻き状態となる!!)
P(布団から出ている頭は……よし、こうしてっと……出来上がりだ!)
P(ふはは! 布団で寝ていたと思ったら床の上で起きたポルナレフ状態になるであろう!!)ナデナデ
P(さあ起きたら光景が変わっていた驚きを味わうがいい!!)ナデナデナデナデ
みく「…クー……ん……にゃ……?」
みく「にゃ……ふゎぁぁ~……Pチャン?」
P「ふはは! どぉ~だいい目覚めだろう?」
みく「にゃ……ってここ床の上にゃ!? というかPチャンなんで膝枕してるにゃ!?」
P「どうしたぁ、何故驚いている? んん?」ナデナデ
P「自分の布団だと? なぁにを言っているっ。みくは俺の布団に潜り込んだではないかっ!」
みく「そんな筈ないにゃ……あれ、でもこれPチャンのお布団?」
P「……ふむ、どうやら寝ぼけて俺の布団に入ってきたようだな」
みく「にゃっ!? みくそんな事してたの!?」
P「……ホントに覚えておらんのか」
みく「さっぱり覚えてないにゃ……一度お手洗いに起きたとこは覚えてるけど……」
P「ならその時か……てっきりわざとかと思ったわ」
みく「むー……じゃあ次は最初からPチャンのお布団で一緒に寝れば間違えないにゃ!」
P「駄目だ」ぺしっ
みく「うにゃっ。チョップひどいにゃ!」
P「一緒に寝ていい訳ないだろうが」
P「というかそろそろ起きろ、いつまで俺の膝枕で横になってんだ」
みく「いやにゃっ! みくをこんな床の上に転がすなんてひどいにゃ!」
みく「みくの気が済むまで膝枕されてろにゃー!」
みく「むー……ならもうちょっとだけっ」
P「……ぁー…ちょっとだけだからな?」
みく「うにゃっ♪ えへへ~……Pチャンの膝気持ちいいにゃ」スリスリ
P「…まったく手のかかる奴だ」ナデナデ
みく「ごろごろごろ……♪」スリスリ
P「ほらちょっと経ったぞ」
みく「はやっ!? まだ全然経ってないにゃ!!」
P「ちょっと、と言っただけで時間までは言ってないだろう」
みく「だーめーにゃー!」ガシッ
P「うおっ膝を掴むでないっ」
みく「気の済むまで離さないにゃー!」スリスリスリスリスリ
P「ええいっ離せ離せっ!」
ワーワーギャーギャー……――――――――
P「ったく、結局30分以上膝枕しっぱなしになるとは……」
P「へいへい、あんまり時間かけないようにな」
みく「はーい、じゃあお風呂いってくるにゃー」
P「あいよー、いってらっしゃいと」
P「……とりあえずこっちは足が痺れて動けんなぁ………」
P「まぁみくが上がるまでゆっくりしとくか、こっちの支度は大した事ないし」
―――――――――
――――――――
―――――――
みく「たっだいまにゃーん、さっぱりー♪」
P「おうおかえ……ぶっ!?」
P「お、おい何て格好してるっ!?」
みく「にゃっふふー……何って、バスタオル巻いてるけど?」
みく「にゃ~……この下見てみる?」ニパニパ
P「見んわっ!」
みく「え~……このみくのにゃいすばでぃーを見られるチャンスかもだよ?」
P「湯冷めするから早く来てきなさいっ」
みく「むーっ……にゃんかそこまで言われると、みくに魅力ないみたいな言い方にゃ!」
みく「それにゃら……みくの魅力をとくと味わうにゃ!」バッ!
P「うおっ!? ……って、シャツと短パン着てるじゃないかっ!」
みく「着てないとは一言もいってないにゃーん、一番上にバスタオル一枚、にゃ!」
みく「えっへへ~……びっくりしたかにゃ?」
P「このっ……」
みく「あ、でもでもぉPチャンが見たいっていうなら……見せてあげてもいいにゃ?」チラッ
P「調子乗るんじゃありません」ぺしっ
みく「に”ゃっ! またチョップしたー!!」
P「悪い子にはお仕置きと決まっておるっ」
P「遊ぶならもうちょっと健全な内容にしなさい……まったく」
P「みくがどれだけ発育良くってもまだ子供なんだからな、そういう事は駄目だ」
みく「子供扱いするにゃー! もう立派なれでぃーにゃ!」
P「ホントの淑女はそんなはしたない真似しないがな?」
P「15なんて十分子供だろうに」
みく「ふーんっだ。みくが大人になったら覚えてろにゃ」
P「ああ、もう忘れたから」
みく「ひどっ!?」
P「とにかくお馬鹿やってないで支度しろ。事務所いくぞ事務所」
みく「はーい……いつか見返してあげるんだからにゃー!」
P「ま、最低でも5年先かね。その時どうなってるか知らんが」
みく「5年も待てないにゃー、せめて3年!」
P「18か……どうなってるやら」
みく「3年後にはみくがPチャンのお嫁さんになってるにゃ!」
みく「これからもずっと一緒に暮らしていればみくがお嫁さんにゃ!」
P「どうだかねー、さて支度支度っと」
みく「にゃ、お洋服に着替えてくるにゃ!」
テテテテッ……パタン
P「……いやまぁ、この生活も悪くないけどな」ボソッ
P「ま、こっちもスーツに着替えるとすっか」
P「シャツとズボンはOKっと……ネクタイ……あったあった」
P「髭よし」
P「髪型よし、寝癖もついてないな」
P「スーツもオッケーと……おし完了っと」
P「おーいみくー! こっちは支度終わったぞー」
<にゃー! れでぃの支度には時間がかかるにゃー!!
P「……まぁ、まだ間に合うからいいか」
P「んむ、それじゃあ行くか。途中昼ごはんにファミレスいくぞ」
みく「はいにゃー」
―――――――――
――――――――
―――――――
ウェイトレス「お待たせ致しました。焼き魚定食とオムライスでございます」
ウェイトレス「それではごゆっくりどうぞ」
P「んじゃ、いただきます」パンッ
みく「いただきますにゃ」ニャンッ
P「モグ……ふむ、この魚中々おいしいな」
みく「むぐむぐ……お魚なんてどれもおいしくないにゃ」
みく「それよりこっちのオムライスのほうが絶対おいしいにゃ!」
みく「Pチャン食べてみる?」
P「ふむ……一口貰おうかな」スッ
みく「ここはみくが……はい、あーん」スッ
P「お、おい……」
みく「あーん!」
P「……こんな人前で何する気だっ」
みく「あーーーん!」
P「…………」
P「……ん」パクッ モグモグ
P「ん……まぁ確かにまずくは、ない」
みく「でしょでしょー! みくがあーんしてあげたのもあるにゃ!」エヘン
P「……それならばこっちもお返しだ!」チャッチャッ スッ
P「はい、あーんだ」
みく「に”ゃっ! お魚は駄目にゃ! もっと別のものがいいにゃ!」
みく「みくはお魚苦手なままでいいにゃ!」
P「ずっと大人になっても嫌いなままでいいと?」
みく「にゃっ!」
P「……フゥー……きっとみくが大人になってお嫁さんになったら」
P「みくの料理ではお魚が出ないんだろうなぁー?」
P「みくはよくても相手が悲しむだろうなぁー?」チラッ
P「それが特に俺みたいな魚が好きな奴だったりしたら尚更だろうなぁ? んん?」チラッチラッチラッ
P「一緒においしいお魚を食べて喜び合うことができないなんて悲しいだろうなぁぁぁ??」
みく「むーっ……」
P「ほれ、ほんの一欠片だけだ」
みく「…………」パクッ
みく「んーっ!」ジタジタ
P「水で飲み込んでいいぞ、食べただけでもよしとしよう」
みく「んくんく……ぷはぁ。ぅー……やっぱりおいしくないにゃ」
P「よく頑張った、えらい」ナデナデ
みく「うにゃ……」
P「それじゃ口直しに米食わせてやろう。ほれ、あーんだ」スッ
みく「にゃ」パク
P「日本人ならやっぱ米だな、うむ」
みく「もくもく……ん、もう一口ちょうだいにゃ!」
P「へいへい、さっきのご褒美に特別だからな? ほれ、もう一回あーんだ」スッ
みく「うにゃっ♪ もくもく……Pチャンがあーんしてくれたからおいしいにゃ!」
P「ったく……米がうまいからに決まってるだろうに」
P「ごちそうさまっと」
みく「ごちそうさまにゃー♪」
P「それじゃ時間もいいとこだし、事務所にいくぞ」
みく「おー!」
P「おはよーございまー……また誰も居ない」
みく「おっはにゃーん!」
P「ちひろさんまで居ないという事は多分書き置きが……やっぱり」カサカサ
『おはようございますプロデューサーさん
少しお届けものに出かけてきます
今日はみくちゃんのライブバトルの予定でしたね?
準備は整えて衣装も楽屋へ運んでもらってますので
そのまま会場へ向かってくださいね ちひろ』
P「届け物? 何のだろう……まぁ気にしなくていいか、関係あるなら内容書くだろうし」
みく「何のことかさっぱりだにゃー」
P「事務所きたばっかだけどこのまま会場いくとするか」
みく「はーいにゃ」
バタン
――――――――今日のちひろポン――――――――
ちひろ「ご契約頂いたSリボカードはこちらになります♪
それと、こちらは特典でついてくるドナーカードになります、どうぞご利用ください♪」
――――――――――――――――――――――――
みく「……うん」
P「……なんだ、緊張してるのか?」
みく「そ、そんな事ないにゃ」
P「まぁ前にボロ負けしたからな……無理もない」
みく「…………」
P「いいか、みく」
P「俺の顔をじーっと見ろ」
みく「にゃ……」
P「負けてからあの後何日もレッスンして、沢山頑張って」
P「二人でここまで来たじゃないか」
P「今のみくは前に負けたときのみくとは違う」
P「俺の指示に沿ってちゃんとやれれば間違いなく勝てる」
P「自信を持って。みく自身と、支えてきた俺に、な?」
みく「頑張って、みるにゃ」
P「おう、そういうときは元気よく返事するもんだぞ」
P「返事はっ!?」
みく「はいにゃ!!」
P「よし!! 行って来い!!!」
<スタンザム!
<!?
ワアアアアァァァァァ・・・……―――――――
『勝者! モバプロの前川みくちゃん!!』
みく「!! やったにゃー!!!」ピョンピョン!
相手「クッ……俺は……アイドルマイスターになれないのか………」ガクッ
P(何か相手がアレだったけど……勝ちは勝ちだ!)
みく「にゃああ!! やったにゃああ!!!」ダキッ
P「こらっ、こんなとこで抱き着いて人目についたらどうするっ」
P「嬉しいのは分かるから一旦離れろっ」
みく「あ、つい抱き着いちゃったにゃ、てへ」パッ
P「んむ、よくやったな。今回はちゃんと指示通りできたし、レッスンして実力もついたし」
P「今日はもう一つ素直に褒めてやる事ができたな」ナデナデ
みく「うにゃ……えへへ……♪」
P「相手もライブなのにスタドリ飲み始めるちょっとアレな感じではあったが……」
P「ま、みくはみくでちゃんと頑張れたからな。よくできましたっと」ナデナデ
みく「えっへへ~Pチャンもっと褒めて褒めて! あとご褒美もちょうだい!!」
P「褒めたらすぐこれだ……あんまり調子乗るなって。『勝って兜の緒を締めよ』だ」
みく「ぶー。いいじゃん今ぐらいー」
P「ほら、片付け後始末して楽屋いくぞ」
みく「はぁい、プレゼントとかちょーっと期待したのににゃあー……」
――――――――
―――――――
―楽屋―
ガチャッ、バタン
P「ふぅ、とりあえずお疲れっと」
みく「おつかれにゃ!」
P「……ここならいいか」
みく「? どうしたにゃPチャン?」
P「みく」ジッ
みく「にゃ……?」
P「目、つむれ」ガシッ
みく「えっ……」
みく(Pチャン、みくの事をじっと見て肩を抱き寄せて……こ、これは……)
P「……ご褒美をやる」
みく「え、えっと…………うん」スッ
スッ、パチン
P「はい、オーケー」パッ
みく「……にゃ? Pチャン……? ちゅー、じゃないのかにゃ……?」
P「ふん……首元を見てみるがいい」
みく「にゃ……鈴のネックレス……?」
P「……ふはは! 鈴をモチーフにしたシルバーネックレスをくれてやるっ」
P「本来ならば猫には首輪がつきものだが……しかぁし!」
P「そんなお約束事ではつまらん! よって、今回は特別にそれを進呈してやるという事だ!!」
P「どぉした、予想外すぎて言葉も出ないかぁ?」
みく「…………えへへ。Pチャンありがとにゃ! とっても嬉しいにゃ!!」
みく「えー……次も勝ったらもっとご褒美h」
バッ
ちゅっ
みく「んっ………!?」(Pチャンが、いきなり……!?)
みく「………………………」
P「…………………………」
P「……ぷはっ」
みく「………あ」
P「……っ、こんなん俺の柄じゃないが、今回だけのご褒美だ」
みく「…………Pチャンのほうから、してくれた」
みく「…………」ギュッ
P「ん……」ナデナデ
P「いいか、一度しか言わないからよく聞くように」
みく「にゃ……」
P「まだここでは気持ちの半分ぐらいしか伝えん」
P「全部伝えるのはみくが成人してから、だ」
P「一緒に住むようになって、これはこれで割と楽しんでる」
P「手のかかる所もあるがな」
P「だが、みくの事もそういう所も嫌いではない」
P「でなけれなさっきみたいな事はしないし、な」
P「今はこれ以上は言えん」
みく「……………………グスッ」
P「……何を泣いている」
みく「ひぐっ……にゃ、泣いてないっ……グスッ」
P「……まぁそういう事にしてやろう」
みく「にゃいて……にゃいん、だか、らぁ……ぅぇぇぇ……」ポロポロ
P「………………………」ナデナデ
――――――――
―――――――
――――――
みく「……………」コクッ
P「もう泣いてないな?」
みく「元から泣いてないにゃ……」
P「まだ言うかこの猫は……だが、落ち着いたなら今はもうおしまいだっ」パッ
みく「あっ………」
P「もう耐えられんっ……さっきみたいな事は本当に柄じゃないんだ」
P「恥ずかしくてたまらん……『羞恥心猫をもなんとやら』だ」
みく「……ふふっ…それは好奇心にゃ」
みく「Pチャンは気持ちの半分言ったけど、みくは……もう全部言っちゃうにゃ」
みく「Pチャン、いっぱい……いーーっぱい、大好き。とっても大好きにゃん♪」
途中遅くなり大変申し訳ない……
みく猫はこれでおしまい。また機会があったら別の形で
ご支援ありがとうございました
みくにゃんがいいです
みくにゃんかわいい
Entry ⇒ 2012.11.05 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (3) | Trackbacks (0)
翔太「社会のゴミどもが……」P「え?」
冬馬「急にどうしたんだよ」
P「ゲームにでも影響されたか?」
翔太「ほんと何でもないから」
北斗「それにお前腕怪我したのか? 昨日まで包帯なんてしてなかっただろ」
黒井「う、腕に包帯だと……」
翔太「気にしないで。あと僕にあまり近づかないほうがいいよ」
冬馬「は?」
翔太「僕といると不幸になるから……」
冬馬「まさか翔太……お前……」
翔太「ぐぁああああ!!」
北斗「翔太!? どうしたんだ!」
翔太「っは……! ぐぅ……!」
北斗「大丈夫か!? やっぱり腕を怪我してたのか!?」
翔太「だ、大丈夫……少し邪気にあてられたかな」
北斗「ジャキ? お前ほんとにどうし……皆までうずくまって何やってるんです?」
黒井「これは不味いな……」
P「翔太! 俺達買出しに行ってくるけど何か欲しいのあるか?」
翔太「コーヒー。ブラックで」
北斗「俺もコーヒー頼もうかな」
冬馬「北斗は一緒に来るんだよ! 行くぞ!」
北斗「あっおい!」
翔太「ちっこんな時に奴らが……」
黒井「翔太め……とうとう発症してしまったか」
北斗「どうしたんです一体。買出しより俺は翔太が心配なんですが」
冬馬「心配だから抜け出したんだよ……」
P「北斗は今の翔太に心当たりはないのか?」
北斗「全く。どこかで怪我でもしたんでしょうか」
冬馬「翔太はな、病気になっちまったんだ」
北斗「え……?」
P「思春期の少年少女、とくに夢見がちな少年に発症しやすい病気なんだ」
北斗「なんという病気なんですか? 本当なら病院に連れて行かないと」
黒井「病名は……中二病だ」
黒井「早期治療が非常に困難な難病だ。10代前半から半ばにかけて最も発症しやすい」
P「北斗は子供のころヒーローに憧れたりしなかったか?」
北斗「まぁそれなりには。特撮モノとかも見てましたし」
黒井「大人になったら正義の味方やマグマ大使になりたいと思ったことはあるだろう」
北斗「マグマ大使は知りませんが……そんな時もありましたね」
冬馬「翔太は今まさにその状態なんだよ」
北斗「えっ」
P「突然事務所に突入してきたテロリストを一人で片付けるダークヒーローみたいな」
P「そういったキャラクターになりきってるんだ……」
北斗 「ははっそんなおかしな人いるわけないじゃないですか」
冬馬「いるんだなこれが」
黒井「まぁ経験者でなければわからんか……」
北斗「じゃあどうすればいいんですか?」
黒井「時間が経てば収まる。個人によるがな」
P「俺は冬馬もあっちの気があると思ってたんだが」
冬馬「何も言わないでくれ……」
P「わ、悪い」
黒井「とにかく今は翔太に刺激を与えるなよ」
P「包帯とか眼帯つけててもスルーしてやるんだ」
冬馬「触れれば触れるほど後のダメージがでかいからな……」
北斗「まぁ体に異常が無いのならそれでいいですけどね」
P「いいんだそれで」
P「た、ただいまー。コーヒー買ってきたぞ」
翔太「ふんふん」シャカシャカ
翔太「あ、おかえりー」
北斗「珍しいな音楽聴いてるなんて」
翔太「うん! すっごい名曲だよ!」
冬馬「そ、そうか! よかったな! よしじゃあストⅡでもやろうぜ!」
北斗「誰の曲なんだ?」
翔太「Nightwish」
P「ぐわぁああああああ!!」
冬馬「ひぃいいい!」
黒井「う、うろたえるんじゃあない!王者はうろたえない!」
北斗「聞いたこと無いな」
翔太「うん。最近洋楽にハマってさ」
北斗「へぇー」
えらく古いのを
ランシドとかミスフィッツだろ
冬馬「ば、馬鹿!」
翔太「ん……まぁ程ほどにね」
P「こんな事務所にいられるか! 俺は765に帰らせてもらう!」
冬馬「おい! 見捨てる気かよ!」
翔太「所詮僕とプロデューサーさんは敵組織……相対する存在なんだね」
P「そ、そんなこと言うもんじゃないぞ……とにかく仕事の後処理もあるしこの辺で」
北斗「チャオ☆」
P(少しでも早期治療できるようにこちらでも調べて起きますよ)
黒井(頼んだぞ)
冬馬「なんてこった……」
翔太「これでまた一人守ることができた……」
北斗「なんだって?」
翔太「いや、なんでもないよ」
ガチャ
P「ただいま戻りましたー」
千早「お疲れ様です」
あずさ「お帰りなさい~プロデューサーさん」
P「ふむ」
あずさ「どうしました?」
P「例えばの話なんですけどね」
P「中間考査や期末考査が制限時間より早く終わってしまった場合、どうしてました?」
千早「また妙な話ですね」
P「ちょっとな」
あずさ「うーん私は毎回時間ギリギリまで問題を解いていたので……」
P「千早は?」
千早「見直しをして、それでも時間が余れば歌の事を考えています」
P「模範的だな……」
P「お、俺か……」
あずさ「あ、私も気になります! こういう話って楽しいですよね~」
P「俺は……そうだな」
千早「はい」
P「文化祭ジャックをしてライブする妄想とか……」
律子「」ピクッ
P「強盗が学校に入ってきて突然目覚めた特殊な能力で撃退する妄想とか」
小鳥「……」ガタガタ
伊織「そんなのするわけないじゃない」
P「あぁ、だがホシは見つかったようだな」
千早「プロデューサーの意図がまったくつかめません」
P「律子、音無さん、少しお話があるので別室に来てもらえますか」
小鳥「私は自分の設定をノートに書き溜めたりなんかしてませんでしたよ!!」
P「いや、そんなこと言ってないんで……ちょっと経験者達の知恵を借りたいんですよ」
律子「はぁ」
P「知り合いが発症してしまって、治療法を模索してるんです」
小鳥「治療法ですか……」
律子「そんなの一喝して現実を突き付ければいいじゃないですか」
小鳥「それでショックを受けて引き篭もりとかになったりしたら大変ですよ」
P「やっぱり自然治癒に期待するしかないのかな……」
小鳥「ある日ふと気づくんですよ。あーあのころの私ってヤバかったなぁって」
P「俺もそんな感じでしたね」
律子「私は……」
P「律子は?」
律子「いとこにキモいって言われて……」
律子「それで……」
P「もういい、いいんだ律子。ごめんな」
小鳥「済まぬ……」
律子「いえ……」
小鳥「どんな感じなんですか? その人は」
P「急にコーヒーを飲み始めたり、上司らしき誰かとお話してたり」
律子「重症ですね……」
P「あと洋楽にはまったらしい」
小鳥「もう役満じゃないですか」
P「そいつはアイドルなんだよ。それも結構売れてるんだ」
P「仕事に支障をきたしそうで、別の知り合いから助けを求められたんだ」
律子「申し訳ないですけど、私がアドバイスできそうなことはありませんね」
律子「仕事が残ってますので、お先に失礼します……」
小鳥「古傷が開いたのか心なしか落ち込んでますね」
P「悪いことしちゃいましたね……」
冬馬「なぁなんで翔太だけ残して出てきたんだよ」
北斗「ここ警備室じゃないですか」
黒井「黙ってついて来い……入るぞ」
冬馬「すげぇ! 監視カメラが大量じゃねーか!」
黒井「ここで翔太の様子をチェックする」
北斗「そんな盗撮みたいなことしていいんですか?」
黒井「判断材料は少しでも増やしておきたいからな」
黒井「あとは一人のほうが発病しやすいのもある」
北斗「色々あるんですね」
黒井「ウィ……映像を出すぞ」
北斗「膝ドラムしてますね」
黒井「いや、イヤホンを外して立ち上がった。マイク音量を上げろ!」
冬馬「了解、だぜ!」
翔太『……見てるんでしょ?』
翔太『僕なら気づかれないとでも思った?』
北斗「!?」
冬馬「!?」
黒井「!?」
警備のおっちゃん「!?」
翔太『それに今僕達が行動を起こ
プチッ
北斗「あれっ音切るんですか? それに翔太どこかに行っちゃいましたよ」
黒井「見ておれん……」
冬馬「行こう……あいつはもうダメだ」
北斗「なんか恥ずかしかったな」
黒井「邪魔したな……」
警備「あ、いえ」
冬馬「明日の現場どうすんだよ。あんなの世に送り出したら961は終わりだぜ」
黒井「どうしたものか……」
北斗「翔太先に帰るってさ。一人になりたいらしい」
冬馬「ほっとけ……」
貴音「……」
翔太「あ、貴音さん」
貴音「御手洗翔太ですか。あなたも月光浴を?」
翔太「月がざわついているので様子見を、ね……」
貴音「ほう……やはり感じますか」
翔太「え?」
貴音「妹はよく頑張っています。私は任を降ろされた身なので案じることしかできませんが」
翔太「は、はぁ」
貴音「全ては世界に散らばる同胞達のために」
翔太「そ、そうだね。それが、えっと……ムーンレイスの……古代から伝わるいにしえの……」
貴音「……風がでてきました。それではまた」
翔太「セイクリッドな輪廻が……え、なんて? あれ、貴音さん?」
翔太「いない……夢でも見たのかな」
翔太「僕も皆からあんな風に見えてたのかな……」
貴音「という出来事が昨夜ありました。彼はこちらの人間だというのに不思議なものですね」
P「それだ! よくやってくれた貴音……!」ガシッ
貴音「あっ、あの、こ、このような時間からそんな……困ってしまいません……」
伊織「困れよ」
P「解決策が見出せた! あとはこれを皆に……!」
高木「あ、君。BBSの方から電話だよ」
P「はい! まぁあっちは後回しでいいか……あ、お電話かわりました私765プロの……」
真 「なんで律子は寝てるの?」
小鳥「寝かせてあげましょう……」
雪歩「き、気絶してるんじゃ……」
美希「律子が寝てるなら一緒に寝よっと! お隣失礼して……あふぅ」
真美「のび太もびっくりの早寝だね」
亜美「この一発芸で食っていけそうだYO」
………
P「あぁくそっ仕事仕事で電話する時間もなかった! あっちはどうなってるんだ……!」
trrrrr
北斗「プロデューサーさん! 何度もそっちに電話したんですよ!」
P「悪い! 手が離せなかった! 状況は!?」
北斗「俺達これから生でBBSの歌番組に出るんですけど、翔太がゴネて出てくれないんですよ!」
P「なんだって!?」
北斗「もうどうしたらいいか……」
P「俺も今BBSにいるんだ! 今どこだ!?」
北斗「楽屋ですけど翔太はどこかに行ってしまって……」
P「とにかく皆に伝えたいことがある! 今すぐ行くから待っててくれ!」ピッ
P「間に合ってくれよ……!」ダッ
P「皆!」
北斗「プロデューサーさん!」
冬馬「くっそあいつ電源切ってやがる……」
黒井「貴様か……面倒なことになってしまったよ」
P「大丈夫です! 今朝ヒントを貰って解決策が閃きました!」
冬馬「でも電話もでねぇし、どこにいるかもわかんねーんだ」
P「こういう時主人行やライバルキャラならどこにいると思う? そこから考えればわかるはずだ」
黒井「……屋上か」
冬馬「そうか……! 一人で孤高を気取ってんだな!」
北斗「もう本番まで時間がありませんよ! 早く説得にいかないと!」
P「待ってくれ。その前に解決策を伝えておく。これは全員の協力が必要なんだ」
黒井「背に腹は変えられん。今は指示に従おう」
P「ありがとうございます。作戦はこうです……」
翔太「はぁ……僕ってもしかしてとんでもなく恥ずかしいことしてたのかも……」
翔太「冬馬君やクロちゃんの態度もおかしかったし」
翔太「もう恥ずかしくてテレビになんて出られないよ……」
P「やっぱりここにいたか」
翔太「プロデューサーさん……」
P「プロデューサーか……フッその肩書きもそろそろ鬱陶しくなってきたな」
翔太「え?」
冬馬「お前の波動を受けてな。俺達も本当の人格を取り戻しちまったのさ」
翔太「な、何言ってるの……?」
北斗「ここは俺達しかいない。人間界のペルソナを被る必要なんてないんだぞ翔太」
黒井「いや、ここではゲーツ・オブ・ハデスと呼んだほうがいいのかな? そうだろう?」
P(いいから耐えろ! 俺達の精神と翔太の心の壁どちらが先に崩れるかだ!)
P(作戦は単純だが難解だ! 俺達も中二病になりきって翔太を説得する!)
P(成功すれば仲間を見つけた翔太は必ず俺達に心を開くはず!)
翔太「もしかして怒ってるの? ご、ごめんね僕ちゃんと仕事するから……」
北斗「あぁそうか。監視の目を気にしてるんだな。結界を張ってあるから安心してくれ」
黒井(こいつはただ演技力があるだけなのか……)
P「まったくこの世界の俺は大人しくてやってられんな。煉獄界にいる本体が鈍ってしょうがない」
冬馬「コキュートスにでも引っ越したらどうだ? 意外と飽きないぜ」
黒井「フッ貴様も言うようになったな……因子が満ちてきたか?」
翔太「やめて……やめてよ……」
北斗「しかし魔界のプリンスともあろう方が地上界で踊り子をしているとはね……」
P「仕方あるまい。こちらの側では我らの身分は無いも同然」
冬馬「月(ルナ)のティカーネは俺達の存在に気づいてるみたいだがな」
黒井「所詮奴は月の民の中でも最弱……波動を感じるのがせいぜいの下級戦士よ」
翔太「と、冬馬君!?」
P「……何者かがこちらに近づいているな」
黒井「早かったな……我らの存在を感じ取ったか」
翔太「ねぇ、もういいでしょ!? 僕ちゃんと謝ったんだから許してよ!」
冬馬「へっ……無理してこっちのパレスに来ちまったからな……」
北斗「今回俺達がわざわざ臨界したのは他でもない。君のためなんだ」
翔太「な、なんなの……?」
P「目覚めたばかりのお前が地上のクズどもに存在をバラしそうだったんでな」
黒井「その忠告に来たというわけだ」
翔太「忠告って……もうやめてよ……ぐすっ」
北斗「ちっ……結界が破られたみたいだね……刻印(スティグマ)を持つ者がいるのかな」
P「現世の干渉がきつくなってきたな。またこっちの忌々しい人格に戻りそうだ」
黒井「とにかくハデスの末裔よ。貴様はまだ覚醒したばかりで本来の力はまだ出せぬ状態なのだ」
翔太「ごめんなさい……ごめんなざい……ぐしゅっ……」
冬馬「お前の勝手な行動で精霊ともめるのがゴメンだからな。頼ん、だ……ぜ……がくっ!」
P「ぐふっ」
北斗「時間だな……それじゃあプリンス。また会おう……」
黒井「アデュー……」
スタッフ「こんなとこに! 皆さんもうスタンバってるんですよ! 何やってんです!」
P「はっ! ここは一体どこなんだー!」
冬馬「なんだか悪い夢を見ていた気がするぜ!」
黒井「なんともうこんな時間か! やや! 翔太いつの間に!」
翔太「ごめんなさい……もう変なことしません……許してください……」
冬馬「大丈夫か? 翔太」
翔太「はい……」
黒井「よし、では着替えてすぐに入れ」
スタッフ「お願いしますよ! それじゃあ私は戻りますんで!」
ゾロゾロ
P「勝った……勝ちましたよ音無さん、律子……」
P「だが失ったモノも大きかった……」ポロポロ
冬馬「」ポロポロ
黒井「」ポロポロ
その日以来、説得が成功したのか翔太は妙な行動をするのを止めた。
心に大きな傷を負った俺と961プロは、一週間のカウンセリングを受け無事通常の職務に戻ることができた。
なぜか翔太もカウンセリングに同行したが、特に気にする必要もないだろう。
BAD END
一応救ったのにバッドエンドなのかw
乙
Entry ⇒ 2012.11.05 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「たとえば千早にミニスカート穿かせてさ」
千早『こんなに短い衣装だなんて……聞いてません……!』
P「って感じで、グイグイって必死にスカートの丈を伸ばそうとしてたらどう思う?」
春香「かわいい」
P「だよなぁ……」
千早「……」
春香「それじゃあ、こういうのはどうですか?」
P「聞かせてくれ」
春香「たとえば千早ちゃんに、フリフリのドレスを着させるんです。真が憧れているような」
P「続けて」
春香「それで……」
千早『……こ、こんなの……全然私に似合ってないわ……』
春香「って感じで、真っ赤になった顔をヘッドドレスのかげに隠しちゃうんです」
P「かわいい」
春香「ですよね……」
千早「……」
P「正直に、ありのままに言っていいかな」
春香「はい」
P「千早とデートとかしてみたいな」
春香「あー、わかります」
P「でも春香は、たまに千早と出かけたりするだろ?」
春香「それとこれとは違うんですよぅ。デートというより、お出かけ、ですから」
P「あー……なんとなくわかる。千早が緊張してるのがポイントなんだよな」
春香「そうなんです! あ~あ……私が男の子だったら良かったのに」
千早「……」
ガタッ
P・春香「……」
春香「千早ちゃん、立ち上がりましたね」
P「……もしかして、聞かれてたかな」
春香「そんなことないと思いますよ。ほら、今もヘッドホンしてるし」
P「そっか……そうだよな」
千早「……」テクテク
ガチャ
春香「……」
P「……」
千早「……」
ストン
春香「飲み物だけ冷蔵庫から取って、またソファに座りましたね」
P「喉がかわいたんだな」
春香「……コクコクって、喉が動いてます」
P「かわいい」
春香「喉がですか?」
P「いや……全身が」
春香「あー……わかります。右手でペットボトルを持ってるんですけど、左手でちょこんとキャップを持ってるんですよね」
P「持ち方がgoodだよな」
春香「ですよね……」
P「この願いが叶うならば、俺は千早の飲み物になりたい」
千早「ブッフーーーーー」
春香「あ、吹き出しちゃいましたよ」
P「へんなところに入っちゃったのかな」
春香「慌てて拭いてる……」
P「手伝ってあげたほうがいいかな」
春香「いや……ちょっと待ってください」
P「何か考えが?」
春香「……」
P「……」
春香「……よし、やっぱり手伝いましょう。ただし、ひとつだけ条件が」
P「教えてくれ」
春香「えへへ、簡単なことですよ。私は手伝わずに、プロデューサーさんだけが手伝うんです」
P「……」
春香「……ね?」
P「天才か」
タタッ
P「ど、どうした千早! 何があった!?」
千早「……あ……プロデューサー」
P「ううん、しかし、ヘッドホンをしてるから俺の声は聞こえないかな」
千早「……」
スチャッ
千早「……すみません、プロデューサー。ちょっとへんなところに入ってしまって」
P「そうか……よし、今綺麗にしてやるからな!」
千早「い、いいです! 私一人で掃除できますから!」
P「そういうな。さて……」
スッ
千早「!? な、なんで、顔を水溜りに近づけるんですか……?」
P「なんでって……綺麗にしようかと」
千早「そ、それでどうやって綺麗にするんですか?」
P「飲むんだよ」
千早「な……!?」
P「こう、ピチャピチャってさ」
千早「やや、やめてください! 一度私の口の中に入ったものですし、そんなの汚いですから!」
春香(行為そのものにはツッコまないんだね千早ちゃん!)
P「そんなことあるか。むしろ価値が上がるってもんさ」
千早「……」カァァ
P「よおし」
P「ひっぱたかれた」ヒリヒリ
春香「でもプロデューサーさん……グッジョブです!」
P「そうだな……」
千早「もう……」フキフキ
春香「涙目ですよ、涙目」
P「顔も赤いな」
春香「かわいい」
P「違いない」
春香「いいなぁ……私もひっぱたかれたいです」
P「おいおい、アイドルの顔に傷つけるようなことは俺が許さないぞ」
春香「えへへ……言ってみただけですよぅ」
P「こうなることは、春香には全てお見通しだったってわけだ」
春香「えへへ」
P「末恐ろしい奴だよ、まったく」
春香「……私、思うんです」
P「聞かせてくれ」
春香「千早ちゃんは、恥じらいだと」
P「続けて」
春香「笑顔の千早ちゃんもとってもかわいいです。でも、本当に千早ちゃんが光り輝くのは……」
P「うん」
春香「恥ずかしがって、モジモジしてるときだって」
P「満点だ」
春香「ありがとうございます!」
千早「……」
P「……」
春香「……」
P「ちーちゃんかわいい!」
千早「」ピクッ
春香「急にどうしたんですか、プロデューサーさん」
P「いや、ついな……」
春香「でも、わかります。たまに、つい叫びたくなるときありますよね」
P「抑えられないんだよ」
春香「わかります」
P「ちーちゃんかわいい!」
千早「」ピクピクッ
春香「あれ? 千早ちゃんの様子が……」
P「体育座りをして、丸くなってしまったな」
春香「……」
P「……」
千早「……」チラ
春香「こっちを見ましたよ!」
P「俺と目が逢った!」
春香「いえいえ、私ですよ!」
千早「……」プイ
春香・P「「あー」」
P「――目と目が 逢う」
春香「しゅーんかーん」
春香・P「「すーきだと 気付ーいたー♪」」
春香「はい、たーっち!」
パチン
P「いぇい!」
春香・P「……」クルン
千早「……っ!」ソッ
春香「いま絶対、こっち見てましたよね」
P「間違いない。俺と目が逢ったもん」
春香「いえいえ、私ですよ!」
P「いやいや……」
千早「……」ソワソワ
P「そういえばさ」
春香「はい」
P「さっき春香は、私が男の子だったら良かったのに、って言ったじゃないか」
春香「はい、確かにそう言いました。男の子になって、千早ちゃんをドキドキさせたいんです」
P「でも俺はさ……逆に、自分が女だったら良かったのにって思うときがあるんだ」
春香「……どういったときですか?」
P「風呂」
千早「!?」
春香「あー……なるほど」
P「いいなぁ……女の子になりたい」
春香「……聞きます? お風呂の様子」
P「え……い、いいのかな」
春香「えへへ、どうしっかなぁ……う~ん……」
P「イチゴババロア」
春香「私は美希じゃないですよう!」
P「キャラメルマキアート」
春香「だから……」
P「千早が昔着ていた衣装」
春香「……手を打ちましょう」
P「ただし、見合うだけの情報がなければ昔つけてたアクセサリーに変更だぞ」
春香「おまかせください!」
【露天風呂的な場所】
バシャバシャ
春香『ち~は~や~ちゃんっ♪』
千早『きゃっ! は、春香……』
春香『千早ちゃん、湯船の中なのに、なんでバスタオル巻いてるの?』
千早『……別にいいでしょう』
春香『でも、マナー違反だよ?』
千早『……』プイ
春香『……えへへ。千早ちゃんって、お風呂のときは髪をアップにするんだね!』
千早『ええ、まぁ……長いし、邪魔になるから』
春香『うん! でもそれ、すっごくかわいいと思う!』
千早『え? か、かわいい? そうかしら……』
春香『そうだよ! えへへ……でへへ……』
春香『ね、千早ちゃん。手、ピーンって伸ばしてみて』
千早『え? ……こう?』
春香『うわぁ! やっぱり思った通りだよ!』
千早『……何が?』
春香『千早ちゃんの腕、すっごく綺麗! えへへ……憧れちゃうなぁ』
ツツー
千早『っ! は、春香……』
春香『……こう、二の腕から肩までのラインが……』
フワッ
千早『きゃあっ!』
春香『あっ、ごめんね! バスタオル取れちゃった』
千早『か、返して……!』
春香『えー、でも……やっぱりマナー違反だし』
千早『……くっ』
春香『……ねぇ、千早ちゃん』
千早『何よ……』
春香『ここからじゃ、うっすらとしか見えないけど……』
千早『……』
春香『千早ちゃんって、脚も綺麗だよね』
千早『え……?』
春香『ね、ねぇ……ちょっと、さわっても――
千早「ゴッホン!!!」
春香「」ビクッ
千早「ゴホン、ゴホン!!! あーあーあー」
春香「とても良い声……」
春香「あ、プロデューサーさん。はい、ティッシュ」
P「悪いな」
春香「ワイシャツが真っ赤ですよ?」
P「まあ、しかたないさ。その話を聞けた代償として考えたら、クリーニング代くらい安いもんさ」
春香「えへへ……えっと、それじゃあ続きを」
千早「ゴホンゴホン!」
春香「……続きは、また今度ですね」
P「そうだな」
春香「次は、千早ちゃんが昔使ってたレッスンウェアを用意しておいてください」
P「おいおい、また俺のコレクションを奪い取る気か? まったく抜け目のない奴だよ」
春香「えへへ」
P「……千早ってさ」
春香「はい」
P「髪、綺麗だよな……」
春香「本当そうですね……ついさわりたくなっちゃいます」
千早「……」サワサワ
春香「あ。ちょうどいま、髪を手ぐしでさわさわしてますね」
P「この願いが叶うならば、俺は千早の手になりたい」
春香「わかります。全身で千早ちゃんの髪を感じながら駆け抜けたいです」
千早「……」サワサワ
P「春香はさ、千早のどんな髪型が好きだ?」
春香「ツインテール!」
P「わかる」
春香「えへへ……かわいいんですよ、なんといっても」
P「表情……だろ?」
春香「いえす!」
P「でもさ……あれもいいよな」
春香「あれ、ですか?」
P「ポニーテール」
春香「わかります!」
P「……」
春香「……」
千早「……」ソワソワ
P「でもまぁ……あれだな」
春香「やっぱり……あれですね」
春香・P「「そのままの髪が、一番かわいい!」」
千早「……」カァァ
春香「また体育座りしてちっちゃくなっちゃいましたよ」
P「どうしたんだろうな……お腹でも痛いんだろうか」
P「おなか痛い……か」
春香「プロデューサーさん」
P「……すまん」
春香「わかってくれればいいんです」
P「千早のビフィズス菌になって腸内環境を健康に整えてあげたい、なんて思った俺がバカだった」
春香「プロデューサーさん」
P「……すまん」
春香「もう……お下品なのは禁止ですよ、禁止」
千早「……」
P「……そういえば、千早さ。さっきからどんな曲を聴いているんだろうな」
春香「気になりますね」
P「春香、確かめてきてくれよ」
春香「でも、知ってどうするんですか?」
P「当然、同じ曲が入ったCDを買って今日の夜にエンドレスリピートする」
春香「あー」
千早「……」
春香「いいですね」
P「だろ? その瞬間だけでも千早とひとつになれそうだ」
春香「よーし、行きます!」
春香「そろーり、そろーり」
千早「……!」
カチカチ
千早「……」シャカシャカ
春香「ち~は~や~ちゃんっ♪」
ガバッ
千早「きゃ、きゃー。は、春香、どうしたの」
春香「いま、ボリューム上げなかった?」
千早「そんなことはしていないけれど。最初からボリュームマックスよ、うん」
春香「ふーん……」
千早「……」
春香「ふーん……」
千早「……」プイ
春香「えへへ」
春香「どんな曲を聴いてたの?」
千早「え、えっと……」
春香「ヘッドホン、貸してくれる?」
千早「……いいけど……はい」
春香「えへへ♪」
スチャ
春香「千早ちゃんの耳の温もりが残ってる」
千早「な、何を言っているのよ……もう」
春香「えへへ……えーっと、この曲は……」
千早「……」
春香「……」
ピッ ピッピッ
千早「……もう、いい?」
春香「……うん。……ありがと、千早ちゃん」
P「おかえり。どうだった?」
春香「……」
P「……春香?」
春香「グスッ……グズッグズ……」
P「……そっか」
春香「曲をですね、何個か移動させたんですけどね」
P「うんうん」
春香「全部ですね」
P「……良かったな」
春香「はい……私の、昔の歌が流れてですね……」
P「そうかそうか」
春香「CDなんて50枚も売れなかったあの頃の、もうとっくに絶版しちゃってるCDの、あの頃の歌をですね」
P「うんうん」
春香「わ、私……嬉しくてですね」
P「わかる」
春香「千早ちゃん……」
P「……」
春香「だいすき……」
P「俺に向かって言うんじゃない」
春香「でも……面と向かってなんて、言えません」
P「……そうか」
春香「千早ちゃんは、優しいんです」
P「春香が一番よく知ってるもんな」
春香「そうです……プロデューサーさんにだって、負けません」
P「そうだな。さすがに、それは負けるよ」
春香「そうなんです……」
千早「……」
春香「……私、もう帰りますね」
P「そうか」
春香「お仕事のお邪魔しちゃって、ごめんなさい」
P「そんなことはないよ。俺も楽しい時間が過ごせた」
春香「……トレーニングウェア」
P「用意しとく」
春香「えへへ……」
千早「……」スック
春香「あれ? 千早ちゃん……?」
千早「帰るんでしょう?」
春香「……」
千早「私も、ちょうど一段落ついたところだから。一緒に帰りましょう」
春香「……うん!」
千早「それでは、プロデューサー。お疲れ様でした」
P「おう、気を付けて帰れよ」
春香「えへへ……おつかれさまでーす!」
春香「……ねぇ、千早ちゃん」
千早「どうしたの?」
春香「今日、千早ちゃんの家にお泊りしちゃ、だめかな?」
千早「だめよ。まだ電車、動いてるでしょ?」
春香「でも……」
千早「明日はオフだから、久しぶりにちゃんと学校に行けるんだ、って喜んでたじゃない」
春香「は、早起きすれば学校も遅刻しないもん!」
千早「それでもだめよ」
春香「ぶー……」
千早「……泊まるなら、今度。ふたりとも一日休みが取れた前日に、ね」
春香「! ……うん!」
春香「ねぇ、千早ちゃん」
千早「今度はどうしたの?」
春香「あの、さ」
千早「……」
春香「……ふたりとも一日休みが取れたら、デートしようね」
千早「いいけど……ふふ、デート? 女同士なのに?」
春香「片方がドキドキしてたら、それはデートだよ」
千早「……そ、そう」
春香「えへへ……そのときはさ」
千早「……?」
春香「ミニスカート、穿いてくれる?」
千早「……前向きに検討するわ」
おわり
ちーちゃんは脚が綺麗 譲れない
良かった乙
Entry ⇒ 2012.11.04 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
小鳥「プロデューサーさん!ゴシップですよ、ゴシップ!」
バサッ
P「『独占スクープ!今こそ暴かれる765プロ・真実の姿』……!?」
律子「な、何ですかこれ!?」
小鳥「いつの間にか、ウチが取材を受けた事になっていたみたいで……」
律子「みたいって……プロデューサーは?」
P「い、いや、俺も知らないぞ……」
小鳥「一体、どんな内容が記されているのでしょう……!」ゴクリ
P「あ、あいつら……!」
小鳥「『本誌は、アイドル活動を行う彼女達の裏側とも言える姿のスクープに成功した!』」
小鳥「『まず初めに紹介するのは、765プロの天使と名高い高槻やよいちゃん』」
P「………」
小鳥「『次のページから意外な彼女の一面を、本邦初公開!』」
P「……やよいを呼んでくれ」
律子「わ、分かりました」
やよい「うっうー!何ですかー、プロデューサー?」
P「やよい……これは一体、どういう事なんだ?」
やよい「えっ……?」
P「やよい……取材を受けるなら、俺に一言断ってくれれば」
やよい「ち、違います!私、何にも知りません!」
律子「本当に?」
やよい「し、信じてくださいー!取材とか受けた覚えなんて、全然……」
小鳥「先が気になるんで、見ちゃってもいいですか?」ペラッ
やよい「あっ……!」
律子「こ、これは……」
律子「横でクッキーを頬張ってる春香、と……自販機の前で、うつ伏せになったやよい?」
P「……何やってんだ、これ?」
やよい「う、うぅー……」
小鳥「『どうやら、その下にある硬貨を何とか拾おうとしていたようだ』」
小鳥「『苦戦する事小一時間。ようやくそれを手に取ることができた彼女』」
小鳥「『最後は本誌のカメラに向かい、満面の笑みを浮かべている』……」
P「……やよい……」
やよい「え、えっとー……あの……これは、ですね……」
小鳥「『たった一枚の五十円硬貨の為に、自販機の下に潜り込んだ高槻やよいちゃん』」
小鳥「『彼女の笑顔の裏には、その小さな身に計り知れない苦労を――』」
律子「……ごく最近、プロデューサーに対してやよいのファンからクレームが付いてた理由が分かりました」
P「すまん、やよい……お、俺……!」プルプル
やよい「あ、謝らないでください、プロデューサー!」
小鳥「『繁華街での事件が記憶に新しい、武闘派アイドルの菊地真ちゃん』」
律子「……本人が聞いたら怒るでしょうね」
小鳥「『本誌は、そんな彼女のあられもない姿をスクープする事に成功した』……!?」
P「何……!?」ピクッ
小鳥「あられもない、姿……!」ペラッ
律子「後ろでクッキーを食べてる春香と、首から掛けたタオルで汗を拭いて……」
小鳥「プロデューサーさん!トップレスですよ、トップレス!!」
P「真ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」バンッ
律子「撮られちゃってたんだ、じゃないでしょ!?い、いくら腕で隠れてるとは言え……!」
P「お、おまっ……なんちゅう姿で……」
真「午前中にランニングから帰った後なんですよね、これ。いやー、あの後は暑くって……えへへ」
小鳥「事務所にいるからか、完全に油断しちゃってたみたいですね……」
真「確かに自分の家にいるみたいな感覚は、少し持っちゃってるかも」
律子「気が緩み過ぎでしょう!まったく……」
小鳥「『このようなセクシーショットが撮れた事には、筆者としても僥倖と言い表さざるを得ない』」
真「あ、セクシーショットだって!ボクの写真がセクスィーショットですよ、プロデューサー!」
P「……あ、あぁ」ティン
律子「おい」
P「ち、千早まで……」
小鳥「『クールで孤高、一匹狼な彼女にもまた、別の一面が――』」
千早「わぁーーーーーー!わぁーーーーーーっ!」ババッ
律子「な、何を……!?」
千早「見ちゃダメです!ぜ、絶対に見ちゃダメですから!!」
千早「これは没収!没収です!!」
P「お前……一体、何を撮られたんだ?」
小鳥「千早ちゃん……」
小鳥「実は、もう一冊あったりして」ヒョイ
千早「あっ……!」
小鳥「絶対に見ちゃダメ……と言われると、絶対に見たくなっちゃうのよね~」ペラッ
P「………」
小鳥「鏡の前で、嘲笑している千早ちゃん……」
小鳥「と、横でクッキーをかじりながら千早ちゃんに指示?を出してる春香ちゃん……」
P「……何してたんだ?」
千早「……練習……」プルプル
律子「えっ?」
千早「……笑顔の……練習、です……」プルプル
律子「(え、笑顔……)」
P「(完全にドS丸出しの顔だが……笑顔……)」
小鳥「『友人である天海春香ちゃんの指示を受け、鏡の前で笑顔の練習中なのである』」
小鳥「『クール。それは悪い言い方をしてしまえば、表情に乏しい……』」
小鳥「『彼女はその克服をしようと、まさに努力の真っ最中な姿なのだ』」
律子「千早……あなた……」
千早「ご、ゴシップ記事を真に受けないでくださいっ!」
小鳥「でもさっき、自分で笑顔の練習って……」
千早「あっ……」
P「……千早、一緒に頑張ろう。な?」ポン
千早「………」プルプル
P「は?不思議生物……?」
小鳥「『それは765プロのアイドル、我那覇響ちゃん……だったモノ、である』」
小鳥「『彼女は完全に自我を「ソレ」に奪われており、カメラマンの再三の説得にも応じることは無かった』」
小鳥「『一体、彼女の身に何が起きたのか……問題の写真は、こちら』」ペラッ
律子「写真の前方でウィンクしながらクッキーを咥えてる春香……」
律子「と、掛け布団に丸まって、芋虫みたいに移動してる響……」
小鳥「こ、これって……」
P「……響ー、ちょっとこっち来ーい」
P「………」
P「その布団、今すぐ脱げ」
響「えっ……な、何で……?」モソモソ
P「いいから脱げ!いくら何でも寒がりすぎだ!!」グイ
響「な、何するんさー!……ちょっ!あっ、や、やめて!……うぎゃー!!」グイグイ
P「ゼェ、ゼェ……!」
響「ハァ、ハァ……ぷ、プロデューサーは、自分を殺す気か!?」
律子「死ぬ訳ないでしょーが」
響「だって事務所前の道、ビル風が凄いんだぞ!凍え死ぬかと思ったんだから!!」
P「今度からソレはナシだ!絶対に禁止っ!分かったな!!」
響「えー……じゃあ、今度からいぬ美の世話になるさー」
律子「世話になるって、どういう意味?」
響「いぬ美ってさ、お腹すっごく暖かいからなー」
P「いぬ美に抱きついて通勤もダメだ」
響「……そ、それじゃ、プロデューサーが迎えに来」
P「自分の足で来い」
響「う、うがー……」ガクッ
小鳥「『二人の関係について、筆者も考えを改めざるを得ない、のかもしれない……』」
P「『その衝撃的な一枚が、こちら』……これか」
律子「雪歩の前にいるヘビを見て、貴音が腰を抜かして涙目に……」
小鳥「横で春香ちゃんがそれを神妙な顔で見守りつつ、クッキーにかじりついてますね」
P「……二人を呼んでくれ、律子」
貴音「わたくしと雪歩が、何か……?」
P「あぁ、あのな……」
小鳥「雪歩ちゃんって、スカタチなの?」
雪歩「えっ?」
小鳥「ただ、やるならやるで一言位私に相談して欲しかったなぁって思うのよ、うん」
小鳥「男であるプロデューサーさんには相談しにくくても、私ならそれも一応守備範囲内だから、勿論」
小鳥「と言うか、もし私に相談してくれればこんな事、絶対に公になんてさせなかったわ。知ってたらシチュのセッティングだってしてあげたのに」
小鳥「禁断の嬌宴は誰にも蹴散らされてはいけないものね、他の誰にも。今度からはこの小鳥お姉さんに全部任せてほし……」ブツブツ
貴音「一体小鳥嬢は、何を……?」
P「無視していい。とりあえずこれを見てくれ」パサッ
貴音「こ、これは……」
律子「いつ撮られた写真か、分かる?」
雪歩「えっと……確か、響ちゃんのペットを捕まえた時ですね、これ」
雪歩「はい。目を離した隙に逃げ出したとかで、ちょっとした騒ぎになったんです」
貴音「わたくしの足元に、にょろにょろと……あのおぞましい生き物が、地を這って……!」
貴音「とっさに避けようとしたのですが、足をもつらせ転んでしまい……まさに、絶体絶命でした」
律子「そ、そう……」
P「撮った奴は、見てないのか?」
貴音「あなた様は正気なのですか!?アレにいつ襲われるともしれないのに、他所見など……!」
雪歩「シャッター音は聞こえたんですけど、捕まえるのに必死で、後ろを見る暇はちょっと……」
P「……つーか雪歩、お前ヘビは平気だったのか?」
雪歩「え?平気も何も……可愛いじゃないですか、ヘビ」
律子「えっ」
小鳥「えっ」
貴音「……面妖な」
小鳥「『765プロ随一のお姉さんアイドル、三浦あずささん』」
小鳥「『その絶望に打ちひしがれた彼女の姿を、本誌のカメラマンは見逃さなかった』」
P「……あずささんは?」
律子「えっと……最近、あまり元気が無いみたいで……」
小鳥「絶望って、また大げさな……」ペラッ
P「両手で顔を覆い隠して、うずくまってる……?」
律子「後ろで春香が袋に手を突っ込んでクッキーを取り出そうとしてますね」
小鳥「……あれ?あずささんが乗ってる台って、これ……」
あずさ「……3kg、増えてたんです」フラッ
あずさ「……出来心だったんですよ、最初は」
あずさ「あのプリンが……プリンが、おいしすぎて……」
小鳥「プリン?」
あずさ「あんな……あんなにっ……!」
あずさ「……カロリーが、高かった……なんて……!」プルプル
P「……さ、3kg増えた位じゃ、誰も気にしませんって。あずささんなら大丈夫ですよ」
律子「プロデューサー殿、黙って」
P「えっ」
小鳥「デリカシーってものが無いんですね、プロデューサーさんは」
P「(お、俺、何かマズい事言っちまったか……?)」
小鳥「『水瀬伊織ちゃんも、ここ連日のライブで疲れ果ててしまったようだ』」
小鳥「『そんな彼女の、事務所内での寝姿を激写した』……」
伊織「私が、何ですって?」
P「おう、伊織。お前の寝姿、撮られたらしいぞ」
伊織「はぁ!?……ち、ちょっと何よそれ!見せなさいよ!」バッ
小鳥「あっ、ちょ……」
伊織「一体誰に許可をもらって、そんな事……!」パラッ
伊織「」
P「右手の親指を、咥えてるな」
小鳥「か、可愛い……」プルプル
伊織「~~~~~~~ッッッ!!!」
ポパピプペ
伊織「し、しし、し、し新堂ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
『はい、お嬢様』
伊織「こ、こ、こここの雑誌っ!!写真……っ!!!」
『えぇ、ご安心を。お嬢様の写ったネガは全て、お父上様が押収なさいました』
伊織「お、遅っ……遅過ぎるわよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
律子「そ、そうよ。これは無意識なんだから……」
小鳥「こ、この雑誌だってホラ!伊織ちゃんのこと、メチャクチャ褒め殺してるじゃない」
伊織「………」グスッ
P「……だがな、子どもの頃からの癖は、そろそろ直した方が」
伊織「…」ゲシゲシ
P「い、いってぇ!いだだだだだだ!……こ、こらっ!やめろ伊織!」
小鳥「ホント、デリカシーが微塵も無いんですね、プロデューサーさん」
小鳥「『身内でも甘えは許されない……そんな日常の一コマを切り抜いてみた』」
小鳥「『筆者が思うに、この秋月律子氏こそ、まさに765プロのオカンではなかろうか』」
P「お、オカン……」プルプル
律子「………」イラッ
小鳥「どんな写真なんでしょうかねー」パラッ
P「あー……美希を叱責してる最中か、これは」
小鳥「美希ちゃんの横で春香ちゃんが、律子さんをなだめようとしてますね」
P「クッキーのカスが口元に付いてるな……」
律子「お、鬼じゃありません!」
律子「……あの子、まただらしなくソファーで寝てたもんですから。ちょっと注意しただけです」
P「美希、真相は?」
美希「ミキが勝手に律子、さんの分のクッキーまで食べちゃったから。それで怒ったの」
律子「み、美希、あなたいつの間に……!」
小鳥「なるほど~」
律子「ち、違っ……」
美希「皆がおいしーおいしーって言ってるのに、まだ仕事中だからって断ったから……」
律子「た、食べないとは言ってないじゃないっ!まだ一口も食べてなかったのよ!?」
P「ハハハハハ、律子は食い意地張ってるかr」
律子「………」ギロッ
P「………」
小鳥「全くです」
P「事務所だからって、自分の家みたいにくつろいで良い訳じゃありませんよね」キリッ
小鳥「そうですよ。これからは、気を引き締めていかないといけません」キリッ
律子「(じ、自分達には焦点が当たらないと思って……!)」
美希「ところで三人とも、何読んでたの?」
律子「今週発売のゴシップ誌。いつの間にかすっぱ抜かれてたのよ」
美希「ふーん……ミキも見ていい?」パラパラ
小鳥「あっ……!」
美希「『日々仕事に追われる彼らは、いかにしてストレスを発散しているのか……』」
美希「『その発散法の一部とも言える光景を、本誌のカメラマンは見事激写した』」
律子「……へぇ?」
小鳥「わ、私は、真面目にお仕事してますから!やましい事なんて、何も……」
P「俺も心当たりはまったく……」
美希「じゃ、めくってみるね」パラッ
P「………」
小鳥「………」
律子「会議室のプロジェクターを繋いで、大画面で二人仲良く格ゲーですか?」
美希「小鳥、ガッツポーズしてる~」
小鳥「そ、それを言い出したのはプロデューサーさんの方でしょう!?」
律子「ごく最近、意味不明なクレームがよく来てたんですよね~」
美希「どんな?」
律子「リア充爆発しろだの、事務員さんのゲーマータグを教えてくれだの」
小鳥「………」
律子「……全部、コレの事だったんですね」
P「………」
P「そ、それが、どうしたって言うんだ?」
美希「あ、開き直っちゃうんだ」
律子「………」イラッ
美希「『この使用キャラは落書きを使った攻撃を行う5歳の幼稚園児で、右の男性は恐らくロリコン……』」
P「ち、違うっ!それは断じて違うぞ!!」バンッ
P「俺の使用キャラは『カズ兄ちゃん』だ!!えこちゃんではないっ!!!」
律子「えこちゃんて……」
美希「『左の事務員の使用キャラは、このゲームでは屈指の弱キャラで……』」
小鳥「じゃ、弱キャラじゃないもん!目押しとか、ちょっと操作が複雑なだけです!!」バンッ
小鳥「そもそも私が使えばプロデューサーさん相手でもボコボコに出来ますから!でしょう!?」
P「実際圧勝でしたよね」
小鳥「ほらぁー!弱体化された?やる事が少なくなった?」
小鳥「その程度で中国拳法ロボ舐めんなやぁー!!」
律子「そういう問題じゃありませんっ!!!」バンッ
小鳥「ひっ」ビクッ
P「……ハイ」
小鳥「……ですね」
律子「………」
P「それにしても一体誰が、こんな写真を……」
小鳥「……美希ちゃん、特集はそれで終わり?」
美希「うん。あとは、最後に……」
美希「『――本誌の取材に協力してくれたアイドルの双海姉妹には、心より感謝を』って書いてあるね」
小鳥「………」
律子「………」
亜美「律っちゃーん、それって今週発売の奴?」
真美「んっふっふ~、真美達カッチョ良く載ってたっしょ~?」
律子「……あんた達が撮影して回ったわけ?」
亜美「使い捨てカメラでいいからって、記者のおっちゃんに頼まれちゃってね~」
真美「で、真美達ちゃんと載ってた?」
律子「……特集の最後に、肩を並べて仲良さげに写ってたわね」
亜美「え?……あの一枚だけ?」
真美「ま、まさかそんな~」パラパラ
真美「だ、騙されたぁー!!」
小鳥「……一体、どんなのを載せるつもりだったの?」
亜美「そりゃ、真美がアイドル活動しながら真面目に勉強してるフリをしてるトコとか~」
真美「亜美が必死にダンスのレッスンを受けるフリをしてるトコとかね」
律子「………」
真美「カメラアングルとか、あんなに苦労していっぱい撮ったのにね……」
亜美「亜美達のが載ったのはたったの一枚だよ、一枚!この仕打ちは無いよね~」
真美「もうマジありえないよね~これは」ウンウン
P「あり得んのはお前達の方じゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」バンッ
真美「だ、だって、できるだけ日常の自然な姿を撮ってほしいって言われたし……」
小鳥「一体誰に許可を得てそんな事を……」
亜美「お、おっちゃんは、社長に取材の許可もらってるからって言ってたもん!」
律子「ウソおっしゃい!」
真美「ほ、ホントだよ~!ウソじゃないよ~!」
P「あのなぁ……それがウソでなくてもだな、お前達はまんまとその記者に騙され」
高木「いいや、それは違う」
P「……は?」
律子「え?」
高木「亜美君達の言う通り、私が事前に許可を出した」
小鳥「えぇっ!?」
高木「TVの前に立たない時の彼女達の、自然な姿を見たいという要望は、以前からあったものでね」
高木「君達には悪いが、抜き打ちで取材させていただいたよ」
小鳥「社長が知ってるって事は……」
P「提供する写真も、把握済みだったって訳ですか!?」
高木「そういう事だ。もっとも、君達の思惑に反して、評判はなかなか良いようだがね」
高木「……あぁ、そうだ。君と音無君は、後で社長室まで来なさい」
小鳥「えっ?」
高木「会議室の件で、少し話がある」ニコッ
律子「……お疲れ様でした」
小鳥「コッテリ、絞られちゃいましたね……」グッタリ
P「俺達はネタとして面白いから載せたって……そりゃ無いでしょ、社長……」グッタリ
春香「プロデューサーさんに、小鳥さん?……元気、ないみたいですね」
P「……あぁ、春香か」
春香「そんな時は、これ!私のクッキーを食べて、元気になりましょう!」スッ
P「ん?あぁ、すまないな……」モグモグ
P「………」
春香「?……どうしました?」
春香「!?」
グニュッ
春香「はぅあっ!」
P「おい、春香。何だ、この脇腹は」プニュプニュ
春香「い、いきなり何するんで……ひゃぁっ!!」
P「……太ったな?」
春香「……のヮの」
P「不二家のマスコットみたいな顔してもダメだ!」
春香「わ、私ペコちゃんじゃありません!」
律子「食べてましたね。どの写真でも」
P「お前、最近自前のクッキーを食ってばっかりだったろ」
春香「な、何で知ってるんですか!?」
P「………」
春香「え、えぇっと……」
春香「ほ、ほら!食欲の秋って言うじゃないですか~」
P「グルメリポーターにでもなるつもりか!?」
P「あずささんはなぁ、3kg増でショック受けてるんだぞ!3kg増でだ!」
あずさ「」グサッ
P「まったく、春香がそんな事でどうす……」
小鳥「ち、ちょっと!声が大きいですよ、プロデューサーさん!」
春香「えっ?……が、ガリ子ちゃん?」
小鳥「あぁ、あのガリガリ君の……」
春香「そ、そこまで酷くないですよっ!私だって、ちゃんとペースを考えて……」
P「ペース考えるまでもなく間食禁止。もう太ももグニョグニョじゃねぇか」プニプニ
春香「うひゃぁ!?ど、どこ触ってるんですか、もー!!」
P「……という訳で、明日から真と一緒に、午前中からランニングな。響もだ」
春香「うぅ……」
響「な、何で自分も!?」
亜美「ちょっ!?な、何勝手に決めてんのさー!」
P「じゃあついでに真美も入れとくか」
真美「つ、ついでにって、そりゃないぜ兄ちゃん!ってゆーかこれ絶対八つ当たりっしょ!?」
P「お前達は写真を捏造未遂したろうが!……監督役で俺も付いてくから、それで我慢しろ」
あずさ「頑張ります」
P「あっ、あずささんは、別に強制ではないので……」
あずさ「頑張ります」
P「………」
あずさ「………」グッ
「あっしの拙い記事が励みになるなんて、とても思えませんけどねぇ」
高木『今回はご苦労様でした。今度は、またいつ頼むか分かりませんが……』
「ただのヨイショ記事ならともかく……あんな内容で良ければ、いつでも構いやせんよ?」
「何たって、765プロさんはウチのお得意様、ですからねぇ……へっへっへ」
「えぇ……えぇ。では、今後ともごひいきに……」ピッ
「さぁて、と……お次のネタは……」
悪徳「……秋葉のフィギュアショップに、あの天ヶ瀬冬馬がねぇ」
悪徳「こいつぁ、面白ぇ事になりそうだ……へへっ」
おわり
おもしろかった。
乙
Entry ⇒ 2012.11.03 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (6) | Trackbacks (0)
春香「冬本番ですね。」 P「ああ。」
テレビから流れる天気予報を聞きながら、Pは窓の外に目をやる。
冬特有の澄んだ空を、下弦の月に照らされた雲が足速に流れて行く。
吹き抜ける風はとうに温かさを失い、肌寒く感じる季節になっていた。
P「いよいよ冬だな。」
今夜は冷え込みそうだ。
内心にそう思いながらも、疲労から来る眠気には打ち勝つことができず、5分と経たず寝息を立て始めた。
千早「お疲れ様でした。」
真「お疲れ様でしたー。」
二人がやや疲労の混じった声で挨拶を一つ残し、事務所を後にする。
春香「ふぅ。私も今日の仕事はこれでおしまいかな。」
いつも通りのハードなレッスンと明日のドラマ収録に向けた台本読みを終えた春香は、手に持った紅茶を一気に流し込んだ。
とうに温かみを失っていたその紅茶は、喉に焼け付くような感覚を残して胃の中に収まった。
P「お疲れさま、春香。」
春香は空になった紙コップをゴミ箱に放り投げ、とことことプロデューサーに駆け寄る。
春香「プロデューサーさんはまだお仕事ですか?」
春香「じゃあちょっと相談に乗ってもらってもいいですか?」
P「ああ、もちろん。なんだ?」
春香「ここの主人公の台詞なんですけど、感情の込め方が…」
P「なるほど。それならいっそ…」
一枚の紙を二人でのぞき込み、ああでもない、こうでもないと議論を重ねる。
一緒に仕事をこなしてきた年数はまだ浅い二人であったが、その様子にはさながら長年連れ添った夫婦のような阿吽の呼吸が見て取れた。
春香「なるほど…結構分かってきました。ありがとうございます。」
一通りの相談を終えた春香はにっこりと微笑んでお礼を述べる。
P「ああ。また相談があったらいつでもしてくれ。」
つられてPも口元に笑みを浮かべる。
8時を告げる時計の鐘が鳴った。
二人は示し合わせたように柱にかけられた時計を見やる。
P「もう8時か… そろそろ帰らないとな。」
春香「そうですね。」
先ほどまで事務所を目映いオレンジに染め抜いていた太陽はいつの間にか空から姿を消し、変わって小さな月が頼りなさげに輝いていた。
春香「もう冬ですけどね。」
話の片手間に帰宅準備を進めながら、くすくすと笑いあう。
P「よし、行こうか。」
春香「はい。」
軋む扉を開けると、室内のなけなしの暖と入れ替わりで寒風が吹き込んできた。
少し前まで沈丁花の香りを運んでいた夜風も、今は鼻腔を刺すような冷たい匂いをのせている。
P「なぁ、春香。」
春香「なんですか?」
P「今日は、歩いて帰らないか?」
春香「えっと 私はかまいませんけど。」
P「よし。じゃあちょっと道をいつもと変えようか。」
春香「お散歩ですか?」
P「まぁそんなところだ。」
今日もその例に漏れず、春香はPと共に帰宅する。
春香(どうして今日は歩きなんだろう?)
春香(よく分からないけど、たまには歩くのも悪くないよね。)
春香(でも夜に二人で…お散歩…)
それを包み隠してくれた夜の闇に春香は感謝をした。
P「どうした、春香。黙り込んで。」
春香「えっと なんでもないですよ、あはは…」
顔を合わせることすら気恥ずかしく感じられ、少しだけ俯く。
時折横を走り抜ける車のヘッドランプが二人を照らしだし、地面に揺れる影を描く。
真っ黒なキャンバスに描かれたその男女の影は、一つの芸術作品のような雰囲気を放っていた。
春香(夜って、綺麗なんだね…)
P「春香。」
春香「はい。」
P「たまには歩いてみるのもいいだろ。」
春香「そうですね。こんなに夜道が綺麗だなんて、知りませんでした。」
満足げな表情を浮かべる二人。
春香「もしかして、その為に今日歩こうって誘ってくれたんですか?」
P「まぁな。最近春香忙しそうだったし。それも理由の一つ。」
P「いや、気にしないでくれ。」
訝しげな表情の春香をよそに、Pは歩調を少し早める。
P「そういえば、この前言ってたケーキ屋ってここら辺だったよな?」
春香「あそこのモンブランは絶品なんですよ!」
何の変哲もない、他愛のない話を交わす。
日常にありふれたそんな光景すら、春香にとっては愛おしく感じられた。
春香(それもきっと、貴方が横に居るから、ですよ。)
再び頬をほんのりと赤らめる。
春香「今日は星が綺麗ですね。」
P「そうだな。空気が澄んでるんだろう。」
見上げた空には、白銀の輝きを放つ星々が無数にきらめいていた。
それをプロデューサーと二人で眺めている。
出来すぎた程にロマンティックな状況に、春香は頭がくらくらした。
春香「えっと、アンドロメダ座、でしたっけ。」
P「お。よく知ってるな。」
春香「その下のがペガサス、上のがペルセウスでしたよね。」
P「詳しいんだな。」
春香「次のドラマはテーマが天体観測ですからね。」
P「あの三つの星座はどれも神話が元になっていてな。」
P「アンドロメダはエチオピア王の娘で絶世の美女だったんだ。ところが、親がそれを自慢しすぎたせいで神様の怒りを買って、彼女は巨大な怪物の生け贄として差し出されてしまったんだ。」
春香「へぇー。」
P「そこを、ペガサスに乗ったペルセウスが偶然通りかかった。」
P「ペルセウスはあっと言う間に怪物を石にして倒して、アンドロメダを救った。」
春香「王子様みたいですね。」
春香「素敵なお話ですね。」
P「ああ。やっぱりハッピーエンドはいいもんだ。」
P「台本見たら、結構こういう知識も必要みたいだったからさ。春香も暇があったら調べてみるといいよ。」
春香「ええ。ありがとうございます。」
春香(私は絶世の美女でもないし、神話みたいに格好よく結ばれたいなんて思いませんけど。)
春香(ただ、あの星々みたいに、ずっと寄り添っていられたらいいなって。)
そして再び見上げた空は、地上からの光で霞んでいた。
春香「あれ・・・もう駅?」
P「ああ。もうすぐだ。」
春香「そっか…」
楽しいときほど早く時間は過ぎる。
それを身を持って感じた春香は、過ぎ行く今を愛おしむように目を細め、再び歩き始めた。
春香「いえいえ。ここまで送ってくださってありがとうございます。」
P「駅から家までは近かったっけ?」
春香「ええ。歩いていける距離です。」
P「そっか。」
駅の構内へと入った二人は、奥まった改札へと向かう。
P「それじゃ、また明日な。」
心なしか足速に離れていったプロデューサーに向けて手を振る。
春香「…」
春香(誘ってもらったからといって何を期待していたわけでもないけど。)
春香(ちょっぴり残念、かな。)
軽くため息をついて見上げた先には、無機質な白い天井が広がるばかりであった。
春香(あれ、私、久しぶりにちょっとリラックスしてる。)
春香(そっか…プロデューサーさん、休みが取れない私を気遣ってくれたんだ。)
春香(ほんとに、優しい人なんですね。貴方は。)
相反する二つの思いが頭の中を巡る。
そして不意に、その視界が遮られた。
春香「えっ?わっ!?」
何かが頭に乗せられたような感触。
手をやると、ふわりと柔らかいさわり心地。
それは、毛糸で編まれた帽子であった。
春香「えっ これって…」
P「いやぁうっかりしてた。」
春香「えっ えっ?」
事態が飲み込めずに手に持った帽子とプロデューサーとを繰り返し見つめる。
P「春香さ、いつも使ってる帽子無くしたって言ってただろ。」
P「これから寒くなるし、と思ってな。」
春香「もしかして、作ってくれたんですか?」
Pは黙ったまま頷く。
春香「あ…ありがとうございます。」
P「あとこれも一緒に作ったんだ。」
春香「こっちは…えっと。」
P「マフラーだよ。あんまり上手くできなかったけど、もしよかったら使ってくれ。」
春香「うわぁ…すごくうれしいです!」
事の次第を飲み込んだ春香の表情が見る見る明るくなっていく。
これ以上ない、太陽のような満面の笑みを浮かべる。
P「ああ。だけどうっかり渡すのを忘れてた。」
P「春香とはなすのがあんまり楽しくてさ。」
春香「えへへ。でも、プロデューサーさんってお裁縫得意だったんですか?」
P「まぁな。」
春香「ちょっと意外かも。」
春香「大事にしますね。ありがとうございます。」
ぎゅっと胸元にプレゼントを抱いた春香の頭を少しだけ乱暴な手つきで撫でたプロデューサーは、今度こそ、といって手を振った。
春香も、晴れやかな気分で手を振り返す。
小走りで去っていくプロデューサーの背中を見届けた春香は、軽い足取りで改札をくぐった。
プラットホームからわずかに見える星空には、仲睦まじく寄り添う二つの星座が輝いていた。
春香「雪だ…」
漆黒の空を背景に舞い落ちる粉雪。
空から星が降ってきたようにも見えるその景色。
春香はそれをゆっくりと目に焼き付け、電車に乗り込んだ。
~10月21日 深夜~
入浴を終えて体の芯まで暖まった春香は、パジャマ姿でベッドに寝転がった。
春香「ふぅ。」
枕元に置いた袋を取り、リボンをそっとあける。
取り出したヘリンボーン柄のマフラーは、店で売られているものと遜色無い程に上手く編まれていた。
何気なく袋を逆さまにすると、中から一枚の紙切れが落ちてきた。
春香「あれ。なんだろ?」
少し光沢のあるそれを手に取る。
図書館利用伝票
20xx年10月1日
0から始める編み物~小物編~
一日10分でできるマフラーの編み方
誰でも簡単!メリヤス編みの裏技
返却期限:10月15日
春香「得意だなんて、嘘じゃないですか。」
偶然挟まって入ったであろう伝票を見て、その瞳が不意に潤んだ。
春香「仕事で疲れているのに、勉強してまで編んでくれたんだ・・・」
優しげな笑みを浮かべ、マフラーと帽子をぎゅっと抱きしめる。
届くはずの無い人へと語りかける。
「こんな駄目駄目な私ですけど。」
「これからも、どうか。」
「よろしくお願いします。」
目を閉じ、二人で見たアンドロメダとペルセウスを思い浮かべる。
「来年は、初雪も一緒に見られたらいいですね。」
「そして、いつの日かきっと・・・」
それはまるで、少女のささやかな願いに声援を送るかのように。
そしてまた、純白の未来を象徴するかのように。
おわり
いい雰囲気でした
Entry ⇒ 2012.11.03 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「音無さんをプロデュースします!」
高木「ウォッホン! それではさっそく、君がプロデュースするアイドルを」
P「音無さんで」
高木「えっ」
P「音無小鳥さんでお願いします」
高木「し、しかし……彼女は我が765プロの事務員であり、アイドルでは」
P「いいえ、もう決めました。俺は音無さんをプロデュースします!」タタッ
高木「ま、待ちたまえ!」
P「音無さん!」
小鳥「あら、おはようございます、プロデューサーさん」
P「お、おお、おはようございます!」
小鳥「ふふっ、どうしたんですか? そんなに汗かいちゃって……」
P「……すー、はー……」
小鳥「……? プロデューサーさん?」
P「……単刀直入に言います」
小鳥「は、はい……」
P「俺に、あなたの人生をプロデュースさせてください!」
小鳥「え? ……えぇええ!?」
小鳥(ななな、何!? これ何!? ぷぷ、プロポーズってやつ!?)
小鳥(そんな……ま、まだ、知り合って間もないというのに……)
小鳥(で、でも、愛に時間は関係ないものね。漫画で言ってたし……)
小鳥(……どど、どうしよう、ふへ、こ、困っちゃうな。いきなりこんなこと言われても私……ふへ)
P「おぅわっ、すす、すみません! えっと、人生というのはたとえ話でありまして……」
小鳥「……あ、はい……」
P「初めて見たときから、ティンときたんです」
P「ああ、この人は俺の運命の人なんだって……」
小鳥「!?」
小鳥(やや、やっぱりそうじゃない!)
小鳥(……きた……?)
小鳥(苦節2X年……これまで色々とあったけど……あ、いや、特にはなかったけど)
小鳥(特になかったからこそ今の私がいるんだけど……とにかく、きた……?)
小鳥(我が世の春が来たぴよ!!)
P(……社長にティンと来られて、765プロに初めて顔を出したあの日)
P(正直、この目を疑った。あの幻の歌手、音無小鳥さんが事務員として働いていたんだから)
P(そうだ……俺は、以前から、この人のことを知っていたのだ)
P(俺は、この人の大ファンだったのである!)
P(音無さんなら、絶対にトップアイドルになれるぞ!)
小鳥「あ、あの……」
P「……はい」
小鳥「突然(のプロポーズ)すぎて、わ、私、少し混乱してしまっています」
P「無理もないですね……」
小鳥「……本気ですか?」
P「本気です。本気で(プロデューサーとして)音無さんの人生を変えていきたいと思っています」
小鳥「!!!」
P「……どうでしょうか」
小鳥「え、え、え……」カァァ
P(顔が赤くなっている……あがり症だったりするのかな)
小鳥(あうう……! こ、こんな熱烈にアッピルされるなんて……これなんて乙女ゲー!?)
小鳥「……あの、でもですね」
P「はい……」
小鳥「わ、私だって、出会って間もない人に、そんなすぐ心を開くような簡単な女じゃありません!」
P「!」
小鳥「だから、その……」ゴニョゴニョ
P「……」
P(やはりそう簡単にはいかないか。なんといっても一度引退してしまっているんだからな)
小鳥「……お、お友達からというか……」
小鳥(ああもう! 何を言っているのよ小鳥! なんでこの年になってガードの固い女アピールしてるの!)
P「友達? ……なるほど、わかりました!」
小鳥「え?」
P「少しずつ(アイドルとプロデューサーとして)親睦を深めていくということですね」
P「それは俺だってのぞむところです。やはり信頼関係は大事だと思いますから」
小鳥「あ、……はい……」
小鳥(こ、これ、ほんとにほんとの出来事なの……?)
小鳥「そ、それじゃあ……ふ、ふつつか者ですが……これから、よろしくお願いします」
P「はい!」
小鳥「……えへ、えへへ……」
P「可愛いなぁ……」
小鳥「え!?」
P「本当に、素敵な笑顔です。俺、改めてあなたのファンになってしまいましたよ」
小鳥「……――~~!」
P「これからずっと、いっしょにがんばりましょうね!」
小鳥「……あ、は、はい……」
【その夜、小鳥さん家】
小鳥「……ただいまぁ~……」
小鳥「……」
ぽふん
小鳥「……! ……!」
小鳥「うわ、うわうわわ……!」ジタバタ
小鳥「じ、人生で初めて、告白されちゃった……!」
小鳥「うへ、うへへへへ……♪」ゴロゴロ
ぴた
小鳥「……ま、まだ……付き合う、ってなったわけじゃないけど……」
小鳥「プロデューサーさん……」
小鳥「……」
ピピピ
小鳥「め、メール?」
ピッ
小鳥「! ……あの人からだ……!」
……………………………………………………………
FROM:プロデューサーさん
SUBJECT:嬉しいです
Pです。こんばんわ。
俺、さっきは言えなかったけど、
実は以前からあなたのことを知っていたんです。
音無さんは一目惚れされた、と思ったかもしれませんが、
俺はずっと前からこの気持ちを持っていたんですよ。
だからこの前、事務所で再会できたとき、運命を感じました。
本当に嬉しいです。
これからよろしくお願いします!
……………………………………………………………
小鳥「ま、前から知っていた? ……駅とかですれ違いでもしたのかしら」
小鳥「……」
小鳥「……嬉しい、かぁ……」
小鳥「ふふ……♪」
【翌日、765プロ事務所】
小鳥「……」
小鳥「……えへへ」
小鳥「男性とあんなにたくさんメールのやり取りしたの、もしかしたら初めてかもしれないわね」
小鳥「……えーっと……」
ピッ
小鳥「……♪」
小鳥「ほ、保護とかしたら気持ち悪いかしら? ……そうよね、だってまだ、あくまで私達はお友達同士……」
小鳥「でも……嬉しいこと、いっぱい書いて送ってくれたし……ううん……」
ガチャ
P「おはようございまーす!」
小鳥「!」
P「あっ、音無さん! おはようご……」
小鳥「あわわ……」
ガチャガチャ
P「あれ? 何をやってるんですか?」
小鳥「お、おはようございましゅ」
P「おはようございます。えーっと……」
小鳥「あ、いえ、ちょっと机の上の小物とかついでに領収書の整理をしていただけで……」
小鳥「決して、あなたとの昨日のメールを読み返してニヤニヤしてたわけじゃありませんから!」
P「そうですか! いやぁ、仕事が出来る女って感じがしますね!」
小鳥「あはは……」チラ
小鳥(か、顔が見れない! ああ、あんなにメールでは饒舌なあたしだったのに!)
P「事務仕事、手伝いますよ」
小鳥「え? でも……昨日も思ったんですけど、プロデューサーさん、お仕事は?」
P「え? これが仕事ですよ?」
小鳥「……? プロデューサーさんは、プロデューサーさんですよね?」
P「もちろん、俺は俺です。音無さんの人生のプロデューサー……」
小鳥「も、もう! またそんな言い方して……!」カァァ
P「あはは……すいません」
小鳥「……とにかく、えーっと……あなたは事務員じゃなくて、プロデューサーですよね」
P「はい!」
小鳥「だったら、アイドルの子達をプロデュースしないといけないんじゃ……」
P「でも、あなたの仕事が残ってたら(集中してレッスンが出来ないから)俺の仕事に集中できません」
P(俺の担当アイドルは音無さんだからな)
小鳥「……プロデューサーさん……そんな、気を遣わなくてもいいのに」
P「気を遣ってるわけじゃありません。俺は、全力でやりたいんです。全力で、あなたの人生を……」
小鳥「そ、それはやめてください! ……照れちゃいますから……」
カタカタ……
P「……そういえば」
小鳥「はい、どうしたんですか?」
P「社長にこの件について報告したら、心よく応援してくれると言ってくれましたよ」
小鳥「ブゥーーー!!!」
P「ど、どうしたんですか!? 急に吹き出して」
小鳥「い、いえ……すみません」
小鳥(え? ええ!? な、なんてこと!? もう社長公認の仲になっちゃってたの!?)
P「音無さんが(レッスンや営業で)外に出ている間は、社長と律子で事務仕事を請け負ってくれるそうです」
小鳥「で、でも……」
小鳥(外に出るって……それってあれ? ゆくゆくはあたしとプロデューサーさんが一緒になって)
小鳥(家庭を持って、育児休暇とか取る時ってこと? え? もうそんなところまで話が進んでいるの!?)
P「……みんな、俺達のことを応援してくれているんです。……頑張りましょうね!」
小鳥「は……はい……」
小鳥「……ふぅ」
P「一段落着きましたね。さ、それじゃあそろそろ行きましょうか!」
小鳥「どこへ行くんですか?」
P「そりゃあ、レッスンスタジオですよ」
小鳥「ああ、レッスンスタジオ。そうですね、それじゃあ……」
小鳥「……ええ!?」
P「?」
小鳥「『?』じゃないです! わ、私がレッスンスタジオに行くんですか?」
P「ええ……だって、そういうことも必要でしょう?」
小鳥「うぅ……」
小鳥(プロデューサーさん、見抜いているんだわ……)
小鳥(……あたしのおなかが、最近ちょっと油断し始めているということに……)
小鳥「……わかりました。エクササイズも必要ですよね……」
P「エクササイズというか……まぁ、そういう気持ちでやったほうが、楽しめるかもしれませんね! はは!」
【レッスンスタジオ】
小鳥「……うぅ……」
小鳥(これしかなかったから、ヨガウェアを着てみたけど……これ、露出度高すぎじゃない……?)
P「音無さん……綺麗だ」
小鳥「も、もう! からかわないでください……」
P「からかってなんかいませんよ、本心です。俺は、音無さんの一番のファンなんですから」
小鳥「!」
小鳥(どうしてこんなこと、スラっと言えちゃうのかしら)
小鳥(……やっぱり、この人はあたしのこと本気で……?)
P「……おや? あれは……」
どんがらがっしゃーん
春香「あいたた……」
P「どうやら先客がいたみたいですね。あれは、天海さんか……」
春香「うう~……なんでうまくいかないのかなぁ……」
小鳥「春香ちゃーん」
春香「え? あぁっ、小鳥さん! えへへ、おはようございます!」
P「こんにちは、天海さん」
春香「プロデューサーさんも……あ、ていうか、春香でいいですよ」
P「ん、そうか?」
春香「はい! 同じ765プロの仲間ですから!」ニコッ
P「そうだな! それじゃあこれから君のことは、春香って呼ばせてもらうよ!」
P(音無さん以外のアイドルの子達とも、昨日一通り挨拶は済ませてある)
P(まぁ、俺の担当は音無さんだから、あまりアイドル活動に協力は出来ないとは思うけど)
春香「小鳥さんも、レッスンですか?」
小鳥「う~ん、レッスンというか……ダイエットを……」
春香「ダイエットだなんてそんな……まだ全然、体のラインも綺麗じゃないですか」
小鳥「そ、そう? えへへ……そうかしら」
春香「……私、嬉しいです」
小鳥「え?」
春香「社長から聞きました。小鳥さん、プロデューサーさんという運命の人を見つけたんですね……!」
小鳥「うぇぇ!? は、春香ちゃんまでそんなこと……」
春香「でも、私だって(アイドルとして)負けませんよ! 小鳥さんは素敵な人だけど、私だって頑張っちゃいますから!」
小鳥「……!」
春香「(同じアイドルとして)これから切磋琢磨していきましょうね!」
小鳥「そ、そうね……」
小鳥(……も、もしかして……春香ちゃん、プロデューサーさんのこと……?)
小鳥(……そう考えてみると、確かに……)
小鳥「……」
P「春香。ほら、ポラリスウェット」スッ
春香「ありがとうございますっ! いただきまーす♪」
小鳥「……」
小鳥(春香ちゃんもまだ出会って間もないというのに、もうかなり仲が良くなってる気がする……)
春香「んぐ、んぐ……ぷは」
P「音無さんのこと、指導してもらえるか?」
春香「ええ!? し、指導だなんてそんな……私、まだまだヘタクソですし」
P「でもさ、やっぱり同じ仲間同士でやった方が色々と気が楽だと思うんだよ」
春香「……そうかもですね。えへへっ、わかりました! この天海春香、ばっちり小鳥さんを見てみせます!」
春香「さあ、行きましょう、小鳥さん!」グイグイ
小鳥「え、ええ……」
小鳥(……なんだろう、この胸のもやもやは……)
【レッスン終了後】
春香「おつかれさまでしたっ!」
小鳥「……ぜぇ、ぜぇ……」
P「大丈夫ですか、音無さん」
小鳥「うっぷ……こ、こんな……まるでアイドルの子達がやってるみたいなハードなレッスンだなんて、聞いてません……」
P「まぁ、運動は久しぶりだったでしょうからね。でも、これからは毎日ですよ」
小鳥「えぇ!? スパルタすぎるぅ~……!」
P「こうでもしないと、他のアイドルの子達に追いつけませんよ! 頑張りましょう!」
小鳥「うぅ……」
小鳥(プロデューサーさん、やっぱり引き締まった体の方が好きなのかしら)
小鳥(……でも、こんなの……)
小鳥(こんなの、まだ付き合ってもないのにやらされるだなんて……俺様もいいところよ……)
P「……音無さん?」
小鳥「……」プイ
P「えーっと……」
小鳥「……痩せてないと、ダメなんですか?」
P「う~ん……痩せているかはともかく、鍛えておかないとうまくダンスが出来ませんから」
小鳥「だ、ダンスなんて……私、する機会もありませんよ」
P「え? ……なるほど、そうでしたか」
小鳥「え」
P「……すみません。確かに俺達、まだ(どんな方向のアイドルにするか)話しあっていませんでしたね」
小鳥「そうです、話し合うことは(お互いをよく知るために)必要なことです」
P「ダンサブルな曲に合わせて踊るより、もっとこう、歌を重視したいと思いますか?」
小鳥「? ……ま、まぁ、どっちかといえば、踊るよりは歌う方が好き……かな?」
P「なるほど……」
P「わかりました。それじゃあ、明日からはボーカルレッスンを重視することにしましょう!」
小鳥「あ、はい……えっと、でもそれ、エクササイズになるのかしら」
P「エクササイズ?」
小鳥「だって……プロデューサーさんは、私に痩せてほしくて今日みたいなダンスレッスンをさせたんでしょう?」
P「いやぁ、別に痩せて欲しいというわけじゃあ」
小鳥「えぇ!? じゃあ、なんで……?」
P「……正直に言って、音無さんが踊る姿を見てみたかったんですよ」
小鳥「え……」
P「俺は、もっと音無さんのことを深く深く知りたいと思っています」
小鳥「!」
P「そうすることで、あなたのプロデューサーとして」
小鳥「も、もういいですっ! また人生のプロデュースとかなんとか言うんでしょうっ」カァ
小鳥(……もう……困ったときは、すぐそう言えばなんとかなると思っているのかしら)
小鳥(……そんなことで喜んじゃうあたしも、あたしだけど……)
小鳥「……プロデューサーさん、ずるいです」
P「え」
小鳥「そうやって……すぐ……」モジモジ
P「お、音無さん?」
春香「……」
春香(さっきからふたりで話してたから口を挟めなかったけど……)
春香(小鳥さんのこの表情……)
春香(これは恋の香りがする!)
小鳥「……も、もう、シャワー浴びに行きましょう、春香ちゃん!」
春香「はい♪ えへへ、詳しく聞かせてくださいね!」
【シャワールーム】
ザザァー……
小鳥「あいたた……筋肉痛が……」
小鳥「あ、でも、こんな早く筋肉痛が来るなんて……私まだ、体は若いのかしら? ウフフ」
春香「小鳥さ~ん♪」ヒョコ
小鳥「うひゃあ!?」
春香「さっきも言いましたよね! 詳しく聞かせてくださいよう」
小鳥「く、詳しくって……?」
春香「ふっふっふ……白を切ろうったって、私の目は誤魔化せませんよ!」
春香「ズバリ! 小鳥さんはプロデューサーさんのことが好きなんでしょう!」
小鳥「え? ……えぇええ!?」
小鳥「なな、何を言っているの!? っていうか、それは春香ちゃんじゃないの!?」
春香「へ? 私ですか?」
小鳥「そうよ……私、春香ちゃんはプロデューサーさんのこと好きなんじゃないかって思ってたんだけど」
春香「ええ!? なな、なんでそうなるんですか!?」
小鳥「だってさっき、負けませんからね、って……」
春香「確かに(アイドルとして)負けません、とは言いましたけど……」
春香「でも、小鳥さんの想い人……キャー!」
小鳥「……えーっと」
春香「あっ、す、すみません……ついテンション上がっちゃって」
春香「おっほん! とにかく、小鳥さんが好きな人を私が好きになるなんて、そんなことしませんよ!」
小鳥「ちょ、ちょっと待って。なんか……色々話が噛みあってない気がするんだけど……」
小鳥(なんだか頭が混乱してきたわ……)
小鳥(えーっと……春香ちゃんが負けないって言ったのはどういうこと? ううんと……)
春香「とにかく、小鳥さんはプロデューサーさんのこと好きなんでしょう!」
小鳥「ぴよっ!」
春香「ぴよ? それって肯定ですか?」
小鳥「あ、ううん! ちょっとビックリしただけだから!」
春香「えっへへ……♪ それで、どうなんですか?」
小鳥「……私がプロデューサーさんのこと……」
春香「はい!」
小鳥「……正直言って、まだわからないわ」
春香「……」
小鳥「プロポーズはされたけど……えへへ、きゅ、急な話だったし……」
春香「え……プロポーズ……?」
春香「ええええええええ!!!!!!?」
小鳥「ちょ、ちょっと、声が大きいわよ」
春香「……プロデューサーさん、やりますね……!」
小鳥「そ、そうよね、もう困っちゃうわウフフ」
春香「……」
小鳥「私ね、情けない話だけど、こういうの初めてなのよ……だからもう、どうしたらいいかわからなくて」
春香「……ふふ」
小鳥「ま、まだお付き合いしてるわけじゃないんだけど……少しずつメールとかで親睦を深めようってことになって」
小鳥「それで、昨日なんか……春香ちゃん?」
春香「えへへっ♪ やっぱり小鳥さん、恋する女の子の顔してます!」
小鳥「そ、そんなことわかるの?」
春香「そりゃあもう! 私もいつも、同じ学校の友子の恋の話をたっくさん聞いてますから!」
小鳥「……」
小鳥(高校生と同じレベルの表情をしていたのね、あたし……)
春香「プロポーズされたってことは、皆には黙っておきますね」
小鳥「そ、そうしてくれると嬉しいわ」
春香「……小鳥さん、ガンバ!」グッ
小鳥「うぅ……だ、だからそんな、私はまだ好きだって認めたわけじゃ……」
春香「またまたそんなこと言って~♪」
小鳥「……」
春香「とにかく、ひとつ私からもアドバイスをしておきますね!」
小鳥「アドバイス?」
春香「はい! あ、わ、私なんかの助言じゃあんまり頼りにならないかもしれないけど……」
小鳥「……ううん、聞かせて」
春香「それじゃあ……」
ヒソヒソ……
小鳥「……なるほど……なるほどなるほど」
P「……お、ようやくふたりが出てきたな。おーい」
春香「ほら、小鳥さん♪」ポンッ
小鳥「え、ええ……!」
テクテク
P「随分長かったですね」
小鳥「お、女の子は色々とあるんですっ」
P「あはは、それはすみません。それじゃあ、そろそろ事務所に――」
小鳥「あのっ、プロデューサーさん!」
P「どうしたんですか?」
小鳥「……」
ドックンドックン
P「……音無さん?」
小鳥「……――れから」
P「え?」
小鳥「……!」
小鳥(勇気を出すのよ、小鳥! 春香ちゃんも協力してくれるって言ってくれたし……!)
小鳥(こんなチャンス……逃がさないんだから!)
小鳥「……これから、私と……」
P「はい……」
小鳥「デート、してくれますか?」
【ショッピングモール】
P・小鳥「……」テクテク
P「……あ、あの店なんかいいんじゃないですかっ!?」
小鳥「そそ、そうですね! とっても素敵なお店……」
P(な、なんだなんだ? どうなっているんだ?)
P(きゅ、急にデートだなんて……こ、これはあれか)
P(プロデューサーとして、アイドルとして……親睦を深める的な意味だよな。うん……)
P(くそう……デートなんて言葉を使われたから、どうしたらいいかわからないぞ……)
P(これだから元インディーズアイドルオタクの童貞は困る……!)
小鳥(あうう……!)
小鳥(デートって言っても、何をしたらいいのよ!)
小鳥(プロデューサーさん、あたしなんかと違って、なんだか余裕そうね……)
小鳥(一方小鳥ちゃんはもうさっきからガッチガチよ……)
小鳥(これだから青春時代を暗いまま過ごした処女は困る……!)
カチャ、カチャ……
モグモグ……
P「……」
小鳥「……」
P・小鳥(何を話したらいいかわかりません!)
P(……しかし音無さん、やっぱり綺麗だな)
P(黙って食事をしているだけなのに、なんて絵になる人なんだ)
小鳥(プロデューサーさん……時折こっちを見て、意味ありげに微笑んでいる)
小鳥(そんなことされたら……緊張しちゃうじゃない……うへへへ……)
P・小鳥「……」ニヤニヤ
小鳥「……ごちそうさまでした」
P「お、お気に召しましたか?」
小鳥「そりゃあもう……」
小鳥(本当は料理の味なんてわからなかったけど……)
P「あはは、それは良かった……俺なんて、緊張で味がわかりませんでしたよ」
小鳥「え? き、緊張?」
P「そりゃそうです。あなたみたいな素敵な女性と食事をしたの、初めてでしたから」
小鳥「……!」
P「さて、それじゃあ……」
グイ
P「……音無さん? どうかしたんですか?」
小鳥「あっ、あの……!」
小鳥「あ、あたし、嘘をつきましたっ」
P「嘘? ……というか、あたしって」
小鳥「ぅわあ、す、すみませんっ!」
小鳥(プロデューサーさんの前なのに、思わず『わたし』じゃなくて『あたし』、なんて……)
P「……ふふ。それで、どんな嘘を?」
小鳥「……私も、本当は……料理の味なんてわからなかったんです」
P「……」
小鳥「緊張、してました。ドキドキしました」
小鳥「今だってほんとは、ガッチガチに震えてます」
小鳥「あんな風に言ってくれたあなたに嫌われたらどうしよう、って……」
P「……音無さん」
小鳥「だからっ……ごめんなさい」
P「……いいんですよ。俺も嬉しいです」
小鳥「え? 嬉しいって、それってどういう……」
P「あ、い、いや、なんでもありません! すみません……」
P(……相手は、アイドル。……いや、まだ曲も出していないし、デビューすらしていないけど)
P(ただ、俺は昔からこの人のファンで……憧れていただけなのに……)
P(なのに、俺は……)
小鳥(……嬉しいって、どういう意味だったのかな)
小鳥(プロデューサーさんとあたしが、同じ気持ちだったから嬉しい、ってことなのかな)
小鳥(……いきなりプロポーズしてくるようなあなたのことだから、それくらいキザなことも言えちゃうかもしれないわね)
小鳥(でも……もしそうなら、あたしも……)
小鳥(あたしも、嬉しい)
P「……」
小鳥「……」
P「暗く、なってきましたね」
小鳥「そう……ですね」
P「夕飯には少し早すぎたでしょうか」
小鳥「……プロデューサーさんも、今日はお昼取ってなかったでしょう? だからいいんです」
P「……」
小鳥「……あ」
P「どうしたんですか?」
小鳥「……星が」
P「……綺麗だ」
小鳥「……」
――…… いま 輝く 一番星 ……――
P「……!」
小鳥「……なんて。ふふっ、なんだかちょっと、昔のことを思い出しちゃいます」
P「歌手だった頃ですか?」
小鳥「え!? し、知ってたんですか……?」
P「あれ、言っていませんでしたっけ……俺、音無さんのファンだったんですよ」
小鳥「……そうだったんですか……」
小鳥(昨日メールで言ってたのは、そういうことだったのね……なんだか、恥ずかしい)
P「『光』。俺が一番好きな、あなたの歌です」
小鳥「……」
P「『空』も、『花』も、もちろん素敵な曲だけど……この曲からは、あなた自身の優しさが感じられる」
P「これを聴いて、俺はあなたに夢中になり始めたんですよ」
小鳥「……すぐそのあと、引退しちゃったけど」
P「残念でしかたありませんでした。でも俺は、数こそ少なかったけれど、毎日あなたのCDを聴いています」
小鳥「……ありがとう、ございます」
P「……」
小鳥「……」
P「……音無さん」
P「泣かないでください」
小鳥「な、泣いてなんか……いません」
P「……悲しいことが、あったんですか?」
小鳥「……ありません。あったとしても、もう忘れちゃいました」
P「……」
小鳥「……いま、もし、私が泣いているように見えるなら」
小鳥「それは、嬉しいからです……」
P「嬉しい?」
小鳥「……はい」
小鳥「あの頃の私のことを見ていてくれる人がいた」
小鳥「高木さん……じゃなくて、高木社長が言っていたことは本当だった……」
小鳥「そして……今でもちゃんと覚えてくれる人が……こんなにも、近くにいる」
小鳥「そのことが、とっても……嬉しかったんです……!」
小鳥「……すみません、なんだか変な空気にしちゃいましたね!」
P「いえ……」
小鳥「帰りましょう、私達の765プロへ」
P「……私達の?」
小鳥「そうですよ。プロデューサーさんはまだ、ここに来て日が浅いけど……」
小鳥「あの場所は、私にとって……ううん、私達にとっての家ですから」
小鳥「私と同じように……あなたにもそう思ってもらえたら……それもまた、とても嬉しいことです」
P「……そうですね!」
【その夜、小鳥さん家】
小鳥「……ただいまぁ」
ぽふん
小鳥「……今日はなんだか、いろんなことがあった気がするわ」
小鳥「もう寝ちゃいましょう……ああでも、メイク落とさなきゃ……」
のそのそ
小鳥「……いたた。うぅ、足が……」
小鳥「……」
小鳥(カッコ悪いとこ、見せちゃったな……)
フキフキ
小鳥「……ふぅ」
小鳥「……」
ジー
小鳥(うぅ……やっぱり、何度見ても春香ちゃんみたいなプルプルのお肌じゃないわ)
小鳥(765プロには、あたしより若くて綺麗な女の子がいっぱいいる……)
小鳥(……きっと、そのうちプロデューサーさんだって……)
『プロポーズ? 何を言っているんですか?』
小鳥(みたいなこと言ってくるに違いないわ)
小鳥(そうよ。だから調子に乗っちゃダメよ……)
小鳥(ダメ……なんだから)
小鳥(……でも、もし、本当にそうなったら。そんなことを言われたら)
小鳥(やだな……)
小鳥「……」ジワァ
小鳥「……!」
ブンブン
小鳥(やだ、もう……今日はとことん涙もろい日ね)
小鳥(……寝る前にちょっとだけ、ちょっとだけ)
ピッ
ウィーン……
小鳥「……えーっと……お肌、スキンケア、アンチエイジング……検索、っと」
―――
――
―
カタカタ
小鳥「ほー……へー……」
小鳥「なるほどなるほど……え、それじゃあ……」
カタカタ……
小鳥「って、三時!? うわわ……夜更かしこそがお肌の大敵だっていうのに……!」
小鳥「ね、寝ないと……」
小鳥(……あーあ)
小鳥(なんで……こんなに、頑張ろうって思ってるのかしら)
小鳥(まるで、思春期の女の子みたいじゃない。いい年して……)
小鳥(……プロデューサーさん)
小鳥(まだ、ちゃんと話すようになって二日くらいしか経ってないのに)
小鳥(人の心の中にズカズカズカズカ……)
小鳥(勝手すぎるわよ、もう)
小鳥(……やめてよ、もう。こんなあたし、情けなさすぎる……)
小鳥(……もう、本当に……本気で、――に、なっちゃうじゃない)
小鳥「……本気で……」
小鳥「……す、き……に」
小鳥「……――~~!!」ジタバタ
小鳥「お、おやすみなさいっ!」
ボフン
【翌日、765プロ事務所】
P「……」
ガチャ
P「!」
春香「おっはようございまーっす!」
P「な、なんだ……春香か」
春香「ひどい!」
P「ああ、いや、ごめん! むしろ春香で良かったよ」
春香「えっへへ♪ 冗談ですよぅ」
春香「プロデューサーさんプロデューサーさん! それで、あのあとどうなったんですか!?」
P「えーっと……あのあとって?」
春香「やだなぁもう、小鳥さんとのデートに決まってるじゃないですか!」
P「う……」
春香「なにか、進展ありました!?」キラキラ
P「し、進展ってお前なぁ……いいか、俺はプロデューサーであり、音無さんはアイドルであり」
春香「もう、そんなお決まりな台詞はいいんですよ!」
P「……春香の言い方だと、その……俺が音無さんに気があるみたいに聞こえるんだけど」
春香「え? ああ、それは逆で」
P「逆?」
春香「うわぁあ! い、いいえ! な、なんでもないですっ!」
春香「お、女の子はそういう話が大好きだから、だから気になってるだけです!」
P「……」
春香「あはは……」チラ
P「顔が『のヮの』←こんな感じになってるぞ」
春香「おおっと……」グシグシ
P「……なぁ、春香」
春香「なんでふか?」グシグシ
P「……現役女子高生アイドルであり、恋に恋する女の子であるところの春香に、ひとつ聞いてみたいんだけど」
春香「はい! なんでも聞いてください!」
P「プロデューサーとして、アイドルのことを好きになるのは……ダメだよな」
春香「……えへへ、何を言っているんですか」
P「え……」
春香「いいですか、プロデューサーさん」
春香「女の子は、誰かに愛されることで綺麗になるんです」
P「そ、そうなのか?」
春香「そうです。私はまだ経験ありませんけど……同じ学校の友子がいつも言っていますから」
P「そうか……友子さんは経験豊富なんだな」
春香「そうですよ、友子はすごいんです」
春香「昨日もついつい、例の件について長電話しちゃ……ああ、えっと、話がそれちゃいましたね」
P「……」
春香「とにかく! プロデューサーさんが誰のことを好きになりそうなのかは、わからないふりをしておきますけど」
春香「立場なんて気にしないで、どんどん、好きになっていいと思います!」
P「……そっか」
春香「はい! あ、でも、もちろんこんなこと、律子さんに知られたら怒られちゃうかもしれませんけど……えへへ」
春香「……それはそうと、小鳥さん、まだ来てないんですか?」
P「ん、そうだな。今日は俺が一番乗りだった」
春香「珍しいですね、遅刻だなんて」
P「珍しい? というか、まだ遅刻だなんて時間じゃあ……」
春香「あ、プロデューサーさんはまだ知らなかったかもしれないですけど……」
春香「小鳥さんって、毎日誰よりも早く事務所に来るんですよ」
P「へぇ。それならたしかに……」
ガチャ……
小鳥「……おはよう、ございます」
P「っと、噂をすれば……おはようございます、音無さ――」
P・春香「!?」
小鳥「……ご、ごめんなさい……遅刻……」
春香「どど、どうしたんですか!? ひどい顔……!」
小鳥「あはは……ちょっと、ね」
小鳥(結局あのあと、一睡も出来ずに朝を迎えて)
小鳥(これはイカンと、30分だけ仮眠するつもりが予定より大幅にオーバーしてしまって)
小鳥(大慌てで支度して、メイクもいつもよりだいぶ適当になってしまったからこんな顔をしているなんて言えない)
P「音無さん……」
小鳥「……事務所の鍵、開けてもらっちゃってごめんなさい」
P「いえ……それより、見るからに体調不良ですね」
小鳥「えぇ!? そ、そんなことないですよ! 元気げん……」
ふらっ
P「だ、大丈夫ですか!?」
ガシッ
小鳥「ああう……す、すみません……」
小鳥(徹夜明けで走ってきたから、貧血が……!)
小鳥(……何がなんだかわかんないけど、これはラッキー?)
ギュッ
春香「おお……!」
小鳥(え、えへ、えへへ)
P「音無さん……」
P(小さく震えながら、俺の体を掴んで……顔もこんなに真っ赤になって緩んでいる)
P(間違いない、これは風邪だ! 寒気と熱のせいでこんなになっちゃってるんだ)
P「……今日は休みましょう。家に帰って、安静にしていてください」
小鳥「え!? そ、そんなことできません! 大体、私がいないと誰が事務仕事を――」
P「俺がやります。あなたの仕事は、俺の仕事でもあるんですから」
小鳥「いや、でも……というか、本当に体調不良なんかじゃ……!」
P「……強がりはやめてください。俺には、あなたのこと、全てお見通しですから」
小鳥「……!」
P「ほら、また顔が赤くなって……熱が上がってるんです。お願いですから、休んでください」
【小鳥さん家】
小鳥「……」
小鳥(音無小鳥、2X歳です)
小鳥(なんだかよくわからないうちに、お仕事をサボってしまいました……)
小鳥(あのあとプロデューサーさんが、社長や律子さんにズババっと説明していって)
小鳥(なぜかみんな、すんなり納得して、帰ったほうがいいってことになって……)
小鳥(有給を取ることに……)
小鳥「……ま、いっか……」
小鳥「せっかくだし、休みを満喫しましょう!」
小鳥「買ったまま溜まってた漫画やゲームもあることだし……ウフフ」
【765プロ事務所】
P「……はぁ」
春香「元気ないですね、プロデューサーさん」
P「……」
春香「やっぱり、小鳥さんのこと心配してるんですか?」
P「当たり前だろ……」
春香「……」
春香(……たぶん、小鳥さんは風邪なんか引いてなかったんだろうけど)
春香(それを知ってるのは、私だけだよね)
春香(言わないでおこう……)
P「ああ、大丈夫かな……倒れてなんかいないといいけど」
春香「!」ティン
春香「ふっふっふ……」
P「……ん、どうした春香。悪い顔をしているぞ」
春香「プロデューサーさん! 私、閃きました!」
P「閃いたってなにを?」
春香「そんなに心配なら、お見舞いにいけばいいんですよ!」
P「……へ?」
春香「お見舞いですよ、お見舞い! きっと小鳥さんも喜びますから♪」
P「えええ!? いや、そんな……」
プルルル
P「!」
ガチャ
P「は、はい、765プロです……ああ、お世話になっております! ええっと……」
春香「それじゃあ私、そろそろレッスンに行ってきますね~♪」トテトテ
P「あ、はる……い、いえ、すみません……ええ、その件につきましては……」
P(……お、お見舞いって……)
【夕方、小鳥さん家】
カァ……
カァ……
小鳥「……」
小鳥「…………」
小鳥「つまんない、な……」
小鳥(あれだけ消化するのを楽しみにしてた、ゲームや漫画も……)
小鳥(全然、集中して読めなかった)
小鳥(……もう、こんな時間かぁ)
小鳥(プロデューサーさんは、今日、どんなお仕事をしたのかな)
小鳥「……うぅ……」
ゴロゴロ
小鳥「こんなの、ダメ人間すぎるわぁ~~……!」
ゴロゴロ
ぴんぽーん
小鳥「うあ! な、なに?」
小鳥(……もしかして、amamizonからようやくあれが届いたのかしら! 新作のあの音ゲー!)
トテトテ
小鳥「は~い!」ガチャ
P「……こ、こんにちは」
小鳥「……」
P「えーっと、具合はどうで」
バタン
P「え!? ちょ、ちょっと、音無さん!?」
小鳥「……」
小鳥(ついに幻を見るようになってしまったのかしら)
P「おーい……」コンコン
小鳥(ああ、幻聴まで聞こえる。あたしったら、もしかして本当に調子悪いんじゃ……?)
P「……」
ピピピ
小鳥「」ビクッ
小鳥「け、ケータイ? 電話の着信が……」
ピッ
小鳥「もしもし……」
P『あの……音無さん』
小鳥「は、はい。音無さんです。あなたはどなた?」
P『プロデューサーです。わかっていたでしょう』
小鳥「……はい、わかっていました……」
P『急に押しかけちゃってすみません。一目様子が見たくて……』
小鳥「……」
P『具合、どうですか?』
小鳥「あ、その……もう、だいぶ良くなりました……おかげさまで」
小鳥(嘘をつきました。最初から風邪なんて引いていないんですから)
P『……』
小鳥「……」
P『あの、色々と買ってきたんです。ゼリーとか、消化に良い物を』
小鳥「……」
ドックン ドックン
P『……すみません、こんなことをして。非常識すぎました。ここに置いておくから、あとで食べてください』
小鳥「……あ……」
P『それじゃあ……』
小鳥「……!」
小鳥(や――)
小鳥「やだ……!」
P『……え?』
小鳥「行かないでください……!」
P『でも……』
小鳥「いま……あ、いや、五分、五分だけ待ってください!」
小鳥「そしたら、このドアを開けます……だからっ……!」
P『……わかりました。五分でも十分でも、俺はここで待っています』
小鳥「……すみません、それじゃあ、またあとで」
ピッ
小鳥「……」
ゴシゴシ
小鳥「……サイアク……」
小鳥「サイアクの顔、してるわ……」
小鳥「顔、はやく洗わないと……バレちゃう、きっと」
小鳥「もう、泣き顔は見せてあげないんだから……」
小鳥「……お待たせしました」ガチャ
P「あ、はい」
小鳥「あの……散らかってますけど、入ってください」
P「お邪魔します……」
小鳥「……」
P「散らかってるとか言っていたわりには、綺麗な部屋じゃないですか」
小鳥「え、そ、そうですか? ……えっへえへ」
P「音無さんらしい、可愛らしい部屋だと思います」
小鳥「……あ、ありがとう……ございます」
小鳥(ふわああああああああああああ)
小鳥(なにこれ!? なにこれ!? よく考えたらなにこの状況!!)
小鳥(と、突然……ちょっと気になってるかも? って人が、部屋に来るなんて……)
小鳥(これなんて乙女ゲー!?)
小鳥「……て、適当に座っていてください」
P「わ、わかりました……」
小鳥「私、お茶を淹れてきますから」
P「あ、ああいえ、お構いなく」
小鳥「そそそういうわけにはいきませんよ。れでぃーの嗜みですから」
P「そそそうですか……嗜みなら仕方ないですね。お願いしましゅ」
小鳥「……」コポコポ
小鳥(さっきまで淀んだダメ人間が住まうドンヨリだった部屋に、一陣の爽やかな風が吹き抜けました)
小鳥(ああ、あう……ど、どうしよう。ファブリーズしたから、変なにおいとかしないわよね?)
P「……」
P(小鳥さんの部屋、良い匂いがする)
P(なんていうか、女の子の匂いっていうか……安心するなぁ)
小鳥・P「……」ニヤニヤ
小鳥「どうぞ……粗茶ですが」コトリ
P「ああこれはこれは……いただきます」
ズズッ
P「……美味しいです」
小鳥「……そ、それは何より」
P「……」
小鳥「……」
小鳥・P(何を話したらいいかわかりません!)
小鳥(……いつも通りに、ただ笑っていたいのに)
P(ただ、ありのままの自分でいたいのに……やっぱり、俺は……)
小鳥(……あたしは……)
小鳥・P(この人のことを……)
小鳥「……プロデューサーさん」
P「は、はい……」
小鳥「あの……ずっと、返事をしないままでここまで来ちゃって、ごめんなさい」
P「……え?」
小鳥「……すぐに、その……お返事するのは、軽い女だと思われたくなかったからで」
P「……」
小鳥「でも、やっぱり……まだ私には、そういうの……一緒になる、ってことがよくわからなくて」
P「えーっと……」
P(な、なんのことを言っているんだ?)
小鳥「それでもですね! やっぱり、あなたに言ってもらえたことは、私としてもとっても嬉しかったんです!」
P「……」
P(いまは、余計なことを言わないで黙って話を聞いているほうが良い気がする)
小鳥「だから、その……!」
小鳥「私と――」
ぐぅ~
P「……」
小鳥「……あ、あ、あう……」カァァ
P「えーっと……」
小鳥「私と、ごはんを食べませんか!」
P「えっ!?」
小鳥「せせ、せっかくここまでいらっしゃってくれたんですから、手料理を振舞っちゃいますよ!」
P「あの……返事、というのは……?」
小鳥「え? えへへ、そんなこと言いました? やだもう、まだ頭ふらふらしてるのかしら」
小鳥(死にたい!)
小鳥「ちょーっと待っててくださいね~うふふ~」
テクテク
P「あ、はい……」
小鳥「えーっと、冷蔵庫冷蔵庫……何が残ってたかしら~」ガチャ
P「……」
P(告白されるのかと思った! 告白されるのかと思った! うわあああ!!)
小鳥(うわあああ! あたしのいくじなし!!)
P(だってそういう空気だったから! 勘違いするだろ!!)
小鳥(せっかくそういう空気になったのに!)
小鳥(プロデューサーさんの気持ちはもうわかってるんだから、ただ、お付き合いしましょうって言えばいいだけだったのに!)
小鳥(……し、しかも……! その上、こんなことまで起きるなんて……!)
小鳥(食材がなんにもない!)
小鳥「……うう……」
ペタリ
P「お、音無さん!?」
小鳥「もうやだぁ……! グスッ、グス……」
P「大丈夫ですか……? やっぱりまだ、具合が悪いんじゃ」
小鳥「具合はもう平気でずっ! 最初っから元気だったんだから!」
P「……えーっと……」
小鳥「来ないでくだざい……な、泣き顔を見られたくありまぜん……」
P「……」
小鳥「……う、うぅ……!」ポロポロ
小鳥(――あたしは、昔からこうね)
小鳥(いざというときに、なんにも出来ないで……すぐ諦めて、グズって……)
小鳥(……本当に、情けない……!)
小鳥(……それなのに……)
小鳥(それなのに、どうしてあなたは――)
P「……音無さん」
小鳥「……」
P「泣く止むまで、俺、ここにいてもいいですか」
小鳥「……ダメです」
P「それじゃあ、いますね」
小鳥「ダメって言ってるのに……」
P「うそでしょう」
小鳥「……なんで?」
P「……音無さんの大ファンだからこそ、わかるんです。何年間、あなたのことを考えてきたと思ってるんですか」
小鳥「……どうして、あなたは……」
P「え?」
小鳥「どうしてあなたは、こんな情けないあたしのために、優しくしてくれるんですか……?」
P「……そんなの、決まっています」
P「音無さんのことが、好きだからですよ」
小鳥「……!」
P「……アイドルとプロデューサーとか、関係なく……」
P「ただひとりの女性として、音無さんに惚れてしまったからです」
小鳥「……」
小鳥(――また、言ってくれた)
小鳥(あぁ、でも……ちゃんと好き、と言ってくれたのはこれが初めてだったかしら)
小鳥(……そうね。あのときは、いきなりプロポーズだったから……)
小鳥(……あれ? でも……)
小鳥(なんかいま、プロデューサーさん、へんなこと言わなかった?)
P「……あの」
小鳥「ちょ、ちょちょ、待ってください」
P「え?」
小鳥「……アイドルと、プロデューサー?」
P「え、ええ……」
小鳥「……?」
P「……やっぱり、俺の立場からあなたにアプローチするのは、ダメでしょうか」
小鳥「ど、どうしてですか?」
P「だって、あなたはこれから、アイドルとしてデビューするんだから……」
小鳥「えっ」
P「えっ」
小鳥「……落ち着きましょう」
P「そ、そうですね」
小鳥「……あなたは、プロデューサーさん」
P「はい。俺はプロデューサーです」
小鳥「そうですね、ここまでは大丈夫です。それで……私は?」
P「アイドル」 小鳥「事務員」
小鳥「おっと?」
P「これはこれは……」
小鳥「……」
P「……」
ポクポクポク……
ティーン
小鳥・P「「えぇええ!!!?」」
小鳥「あっ、あの! わ、私がアイドル!? 何を言っているんですか!?」
P「え、いや、だって、最初に言ったでしょう!?」
小鳥「聞いていませんっ! そんなこと……いつ、どんな風に言ったの!?」
P「だから、この間事務所で、あなたをプロデュースさせてください、って……」
小鳥「い、言われてませ……ん? えーっと……」
小鳥(もしかして)
小鳥(もしかして)
小鳥(もしかして!?)
小鳥「……あ、あ、あ……」カァァ
P「あの……音無さん?」
小鳥「……誰が悪いと思います?」
P「え……」
小鳥「そりゃそうです、あんなこと言われたら、そりゃ、20代後半じゃなくても勘違いするってもんです」
P「何を言っているんでしょうか……」
小鳥「だからっ……! あなたは、この間!!」
『俺に、あなたの人生をプロデュースさせてください!』
小鳥「って言ったでしょう!?」
P「ええ、まぁ……そうですね」
小鳥「そ、そそ、それが……!」
P「えっと……それが、俺なりの、プロデュースの申し込みのつもりだったんですけど」
小鳥「うわああああん!!!」
P「!?」
P(……音無さんが、布団にくるまって団子虫になってしまった)
小鳥「……サイテーです」モゾモゾ
P「……すみません」
小鳥「……私は、どれだけそのあと……」
P「えっと……あの言葉で、俺の意図が伝わってなかったなら……音無さんはあれをどう解釈したんですか?」
小鳥「……」
P「……」
小鳥「……そ、そんなの……決まってるじゃないですか……」
P「聞かせてください」
小鳥「うぅううぅう~……!」
P(……さすがの俺も、ここまできたら……)
P(春香や音無さんの今までの言動から考えて、色々と理解してしまっている)
P(……しかし。それでも……たとえ最低だと罵られてもいい)
P(もっと可愛い音無さんを見たいからこそ、俺はわからないふりをするのであった)
小鳥「……けっこん、してくれ、って……言われたように……」
P「え?」
小鳥「……プロデューサーさん。聞こえているでしょう?」
P「……バレました?」
小鳥「……」
モゾモゾ
小鳥「……」ジッ
P「ようやく顔を見せてくれましたね」
小鳥「本当に、あなたはサイテーな人です」
P「……」
小鳥「……それなら、あたしだってサイテーになります。いいんですか?」
P「……いいですよ。どんな罰だって――」
ぎゅっ
P「……えーっと……」
小鳥「……」
P「お、音無さん……?」
小鳥「……まだ、付き合ってもないのに、こうやって抱きつくんです」
小鳥「軽い女でしょう、サイテーでしょう」
P「……」
小鳥「……」
P「……それでも、俺はあなたのことが好きです」
小鳥「!」
P「さっきみたいな……勘違いしたままの告白じゃない」
P「音無さんのことが、本当に好きなんです」
P「自分でも、信じられないくらいに……、こんなにもはやく、恋に落ちてしまいました」
小鳥「……アイドルなんて、しませんからね」
P「……フラれてしまいましたか」
小鳥「そうですね、その件については諦めてください。だって、アイドルに恋は厳禁なんですから」
P「あはは……春香とはまた別の意見だ」
小鳥「春香ちゃん?」ピク
P「春香にも、実は今日……相談、しちゃってたりして」
小鳥「……今度、どんな顔して春香ちゃんに会えばいいのかしら」
P「……」
小鳥「……でも、あたしは……もうひとつ、返事をしなきゃいけませんね」
小鳥「……あたしも、好きです」
P「!」
小鳥「勘違いから始まったこの気持ちだけど、今、この胸にあるものは……」
小鳥「はっきりと、自分でも信じられないくらいに大きくなってしまっている、この気持ちは……」
小鳥「あなたへの、恋心です」
【一週間後、765プロ事務所】
小鳥「……それでね、私、言ってやったのよ!」
春香「なんて言ったんですか!?」キラキラ
小鳥「……あなただけのアイドルになら……ってねっ!」キリッ
春香「うわぁ! すっごいです小鳥さん! 憧れちゃいます!」
小鳥「うふふふ♪ まぁ、春香ちゃんもそのうち……ね♪」
春香「えへへ……そ、そうですか? えへへ……」
ピンッ
春香「あ痛っ! えぇ~……、で、デコピン……?」
律子「ほ~ら。いつまでもくっちゃべってないの。小鳥さんも、鼻伸ばしてないで仕事してください、し・ご・と!」
春香・小鳥「「すみませ~ん……」」
律子「ったく……春香にもようやくプロデューサーが付いたっていうのに、これなんだから」
春香「えへへ……」
律子「ほらほら。今日はあなた、初めてのオーディションでしょ? 色々と準備しなくていいの?」
春香「え? ……うわぁあ! そ、そうでしたっ! ハンカチに、ティッシュに……っと、とっと」
春香「わあああっ!」
どんがらがっしゃーん
律子「……」
小鳥「ふふ、相変わらずねぇ、春香ちゃん」
律子「相変わらずすぎて、逆に安心するってところですかね」
小鳥「――そんなごく普通の女の子が、竜宮小町のライバルとなり、ゆくゆくは765プロを代表するトップアイドルとなるということは……」
小鳥「このときはまだ、誰ひとり予想していないのであった――続く!」
律子「はいはい……小鳥さんも、彼氏が出来たっていうのに、変わりませんね」
律子「……それで、どうなんですか?」
小鳥「へ?」
律子「あの……最近、あの人とは」
小鳥「……プロデューサーさん?」
律子「えぇ、まあ……」
小鳥「……ふふっ♪ 律子さんも、やっぱり女の子なのね。こういう話が好きなんだわ」
律子「い、いい、いけませんか!? だって、まさか小鳥さんが一番に恋人が出来るとは夢にも」
小鳥「むむ」
律子「あっはは……失礼しました」
小鳥「いーえ♪ ……順調、だと思いますよ」
律子「……思う?」
小鳥「ううんと……ま、まだ、特に、何もしていないし……」
律子「な、何もって……」
小鳥「あ、でも、手は繋いだ……かな。えへへ」
律子「……なるほど」
律子「……これは、先が思いやられますね」
小鳥「ええ?」
律子「小鳥さん、散々言ってたじゃないですか。プロポーズとかなんとか」
小鳥「あ、いや、だから……あれは勘違いであって!」
律子「でも、あの人と結婚したいんでしょう? そんな顔してましたよ」
小鳥「……やっぱり、まだそういうこと考えるのは気が早いかしら。焦りすぎ?」
律子「んー……私にも、そういった経験がないからなんとも言えませんけど……いいんじゃないですか?」
律子「恋に時間は関係ない! って、あなた自身があれだけ叫んでたんですし」
小鳥「……」
律子「……ま、頑張ってください! 私達はみんな、あなた達のこと応援していますから!」
小鳥「……えへへ。ありがとうございます!」
律子「……それで。肝心のあの人は……」
小鳥「あはは……たぶん、もうそろそろ」
ガチャ
P「おっ、遅れてすみませんっ!!」
小鳥「!」
トコトコ
小鳥「おはようございまーす♪」
P「ああ、おはようございます、音無さ」
小鳥「むむ」
P「……小鳥さん」
小鳥「正解!」
小鳥「プロデューサーさん? 初めてのオーディションだから眠れないなんて、子どもじゃないんですから」
P「ははは……面目ない」
小鳥「はい、今日の書類です」スッ
P「すみません、助かります……おーい、春香!」
春香「は、はーい!」
P「遅れてごめん! あとで埋め合わせはするから……と、とにかく今は、急ぐぞ」
春香「わかりました……って、うわわっ」
どんが
ガシッ
P「っとと……危ない危ない」
春香「えへへ……す、すみません」
P「そ、それじゃあ……行ってきます!」
小鳥「はい♪ ……春香ちゃん、プロデューサーさん!」
春香「え? な、なんですか?」
小鳥「ガンバ!」グッ
P・春香「……」
P・春香「はいっ!」グッ
タッタッタ
律子「……」
小鳥「……律子さん?」
律子「……なんというか、今となってみても意外です」
小鳥「え? なんのこと?」
律子「小鳥さんのことだから、事務所でもところ構わずベタベタするものかと」
小鳥「し、失礼ね。そんなに分別が付かないほど、子どもじゃありません!」
小鳥「それに……ベタベタなら、家で……」ゴニョゴニョ
律子「あーはいはい。ごちそうさまでした」
小鳥「まだ何も言ってないのに!? うぅ……律子さん、最近冷たい」
律子「そ、そんなつもりはないんですけど」
小鳥「……えへへ、幸せの代償ってやつですかね♪」
律子「……ったく」
律子「って、あら?」
小鳥「どうしたんですか? ……って、これは」
律子「……」
小鳥「……」
律子「……小鳥さん、お願いします」
小鳥「わっかりました! まかせておいてください♪」
【オーディション会場】
P「……」
小鳥「はい、どうぞ♪」ポン
P「すみません……本当に」
春香「なんと言ってお詫びしたらいいか……」
P・春香「「まさか、衣装を忘れるなんて……」」
小鳥「いいんですよ。ふふっ、間に合ってよかったです」
P「……とにかく、春香は着替えておいで」
春香「は、はいっ!」タタッ
P「……俺、本当にダメダメですね」
小鳥「大丈夫ですよ。こんなときのために、頼れる事務員さんがいるんですから!」
P「……」
小鳥「……こんなこと、言っちゃいけないかもですけど」
P「え?」
小鳥「あなたがこうやってミスをすると、私は……少し嬉しいです」
P「な、なんでですか?」
小鳥「だって、こういうときでもないと……主導権を握れませんから」
P「……えーっと」
小鳥「うぅ……な、なんでもないですっ!」
P「……」
ギュッ
小鳥「……――! えへへ……♪」
春香「おまたせしまし――」
春香「……って」
P「……あの、小鳥さん」
小鳥「なんですか?」
P「良かったら今日……あの、どこかに出かけませんか」
小鳥「! ほ、ほんとですか……?」
P「はい。春香のオーディションが終わってからだから、夜になるかもしれませんけど」
小鳥「……それでも、いいです。あなたから誘ってくれるなんて……嬉しい」
春香(天海春香です)
春香(いま、手を繋いでデートの約束をしているふたりを、物陰から見守っています)
春香(……ここ、オーディション会場なんだけどな。他にもたくさん、人がいるんだけどな)
P「それじゃあ、前に言ってたあの店とか」
小鳥「いいですね♪ 楽しみにしていま」
春香「……」ジー
P「……」
小鳥「……」
バッ
P「や、やあ春香。準備は出来たか?」
春香「ばっちりでーす」ムスッ
小鳥「が、頑張ってね」
春香「はーい。行ってきまーす」トテテ
P「……」
小鳥「……ふふっ」
P「あはは……はぁ」
小鳥「恥ずかしいところ、見られちゃいましたね♪」
P「まったくです。公私混同もいいところだ」
小鳥「しっかり頼むよ、君ィ!」
P「はい……」
小鳥「でも、まぁ……こういうのも、私達らしい、かも」
P「……なんだか、小鳥さん、前より余裕が出てきた気がします」
小鳥「え、そうですか?」
P「ええ……付き合う前はあんなに」
小鳥「も、もう! あのときのことは、もう言わないでください……」
小鳥「……でも、もしそれが本当なら」
小鳥「それは、あなたのおかげですよ」
P「え?」
小鳥「女の子は、恋することで、いくらでも進化できるんです」
P「……!」
小鳥「だから、あなたのおかげ。……私、もっともっと、良い女になります」
小鳥「私のことを好きだといってくれるなら、いくらでも頑張れちゃいますから!」
P「……」
P(そう言って微笑んでくれた、小鳥さんの表情は……)
P(俺のこれまでのオタク人生で見てきた、すべてのアイドル達の笑顔が霞んでしまうほどに)
P(可愛らしく、美しかった)
P「……俺、もっと頑張ります」
小鳥「どうしたんですか、急に……」
P「……今はダメダメなプロデューサーだけど」
P「努力して、いつか、トップアイドルを幾人も育て上げるような、立派なプロデューサーになって……」
P「きっと……いや、絶対に、あなたにふさわしい男になってみせます」
小鳥「……ふふ、そんなの、もう実現してるのに」
P「いいえ、まだダメです。そして……」
小鳥「そして?」
P「……ここから先は、まだ内緒です」
小鳥「えぇ!? ず、ずるいですっ! ここまで言ったのに!」
P(――そして)
P(いつか、こう言ってやるんだ)
『俺に、あなたの人生をプロデュースさせてください!』
P(今度は嘘でも、勘違いでもなく……)
P(本当の、気持ちで)
おわり
オチがうまく思いつかなかった でもそんなことよりピヨコ可愛いよねふとももスリスリしたい
ぴよちゃんがかわいすぎた
案外こういう真面目なピヨスレないから貴重
Entry ⇒ 2012.11.02 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
真美「お菓子持ってなかった人には問答無用でイタズラする」
真美「あ、あそこにいるのは>>5!」
千早「おはよう真美。朝から元気ね」
真美「んっふっふ~♪ トリックオアトリート!」
千早「えっ? ああ、そういえばそんな日だったわね。ええと……」ガサゴソ
>>10
千早はお菓子を持っていた?
持っていた場合何のお菓子?
真美「………なにこれ」
千早「何って……都こんぶ。なかなかのどに優しいのよ?」
真美「いや……もっと、なんていうか……キャンディとかないの?」
千早「のど飴の方が良かったかしら?」
真美「違うよぉぉぉ! そうじゃないよぉぉぉ!」
千早「その割にしっかり食べてるじゃない……」
真美「というわけでイタズラするよ!」モサモサモサ
千早「ええ……」
真美「千早お姉ちゃんへのイタズラは>>15だ!」
千早「な、なに?」
真美「真美にお菓子を寄越さなかった罰だよ! さあ困れ困れ!」ギュウ
千早「えっと……」
真美「ふふふ……」
千早「……」
真美「……」
千早「……」ギュッ
真美「!?」
千早「何?」
真美「何でギュッとし返したの?」
千早「ダメだったかしら?」
真美「だ、ダメだよ! イタズラは真美にのみ許される所業だからね!」
千早「あら残念」パッ
真美「あ……」
千早「……」
真美「し、してないよ!」
千早「その割に私から離れようとしないのね」
真美「ま、まだ真美のイタズラは終了してないぜ!」
千早「はいはい」
真美「むう……」
千早「ふふっ、真美」
真美「?」
千早「私でよければいつでもイタズラしていいわよ?」ボソッ
真美「」
真美「初戦の相手としてはハードルが高すぎたか……不覚!」モサモサモサ
真美「……お姉ちゃんが欲しくなってしまった……」モサモサモサ
真美「さて、気を取り直して次は誰にしよーかなー」モサモサモサ
真美「お、あれに見えるは>>25!」
小鳥「おはよう、真美ちゃん」
真美「トリトリ!」
小鳥「えっ?」
真美「もー! 今日はハロウィンでしょ?」
小鳥「あ、あぁ、トリックオアトリートの略なのね……初めて聞いたわその略語……」
小鳥「ええと……何かあったかしら?」
>>30
ピヨ子の鞄にはお菓子は入っていた?
入っていた場合何のお菓子が?
真美「おぉぉ! チョコじゃーん! さっすがピヨちゃん!」
真美「いただきまーす」パクッ
真美「……もぐもぐ」
小鳥「どう?」
真美「……」
真美「……ひっく」
小鳥「!?」
小鳥「真美ちゃん、ウイスキーボンボン食べるの初めて?」
真美「うぃしゅきーぼんぼん?」フラフラ
小鳥(わかっててやったとはいえ、なんだか大変なことになってきちゃったわ……)
真美「はーい、じゃあいまからピヨちゃんにイタズラしまーしゅ」フラフラ
小鳥「お菓子あげたのに!?」
真美「"今"ピヨちゃんはおかしもってないれしょ?」
小鳥「ええぇ……」
真美「ピヨちゃんへのイタズラは>>38れす!」
超えちゃいけないライン、考えろよ(驚愕)
真美「おりーぶおいる」
真美「これからピヨちゃんのメイクをおとそうとおもいまーす」
小鳥「いやいや! 明らかに食用の油よねそれ!? オイルクレンジングには専用のオイルがあるから!」
真美「んー、真美お仕事以外でお化粧しないからわかんなーい」
小鳥(もはや目の焦点があってない……)
真美「レッツMAMI'Sキッチン!」バッ
小鳥「やめてぇぇぇ!」
小鳥「ああっ、高い! 打点が高い!」
小鳥「うぅ……心なしかベトベトする……」
真美「」
小鳥「まさか顔面にオリーブオイル垂らされる日が来るとは思わなかったわ……」
真美「」
小鳥「私にそういうプレイの趣味は……真美ちゃん? どうかした?」
真美「……ピヨちゃんさ」
小鳥「?」
真美「普段お肌のお手入れどんなことしてる?」
小鳥「え? いや、特にこれといっては……」
小鳥「えっと……紫外線対策に、サンバイザーと日傘を持ってるとか……」
真美「サンバイザー……」
小鳥「ああっ! 今『おばさん臭い』って思ったでしょ!」
真美「お、思ってな……」
小鳥「こちとら必死なのよ! 女なんて若さという財産を浪費していく生き物なんだからね!」
真美「お、落ち着いてピヨちゃん、ちょっと何言ってるかわかんないよ」
小鳥「うわぁぁぁん! もうメイク落ちちゃったし帰るぅぅぅ!」ダダッ
真美「……っていうか」
真美「肌キレイすぎだよ! 赤ちゃんかよ!」バンッ
真美「…………真美もサンバイザー買おうかな」
真美「さ、とりあえず次に行こう。まだちょっとフラフラするけど……なんなんだろこれ」
真美「お! ターゲット発見! あれは>>54!」
真美「876プロでりっちゃんのいとこの! ええと……」
涼「涼、秋月涼だよ」
真美「そうそう、涼ちん!」
涼「そ、その呼び方はちょっと……」
真美「涼ちん、トリックオアトリート!」
涼「え? ああ、そっかハロウィンかぁ」
涼「ええと……」ガサゴソ
>>63
お菓子の有無!
お菓子の種類!
涼「?」
真美「これは何を意味しているんだろうね……」
涼「ななな何も意味してないよ! たまたま鞄に入ってただけだよ!?」
真美「たまたま? 何がたまたまなんだろうね……」
涼(なんか怖いよ真美ちゃん……心なしかお酒のにおいがするし……)
涼「わぁぁぁ! その先は言わないで!」
涼「あ、あんまり言いふらさないで欲しいんだそのこと……」アセアセ
真美「? 別に隠すようなことじゃないと思うんだけど」
涼「隠すようなことだよぉ! ばれたら恥ずかしいどこの騒ぎじゃないよ……」
真美「ほうほう」ニヤニヤ
真美「じゃ、イタズラさせて!」
涼「えっ」
真美「はーい、涼ちんへのイタズラは>>78に決定!」
涼「え?」クルッ
真美「隙有りィ!」ガバッ
涼「うひゃぁぁ!?」ドサッ
真美「んっふっふ~♪ いけませんなぁ、敵に背中を見せるとは……剣士の恥ですぞ?」
涼「なんの話!? っていうか真美ちゃん絶対お酒飲んだでしょ?」
真美「違うよー。ちょっとぽんぽん食べただけだよ」ガシッ
涼「!? な、何する気……?」
涼「っ!」ビクッ
真美「ここか? ここがええんか?」グニグニ
涼「ちょ、ちょっ! ダメぇっ!」
真美「おやおやぁ? 涼ちんの涼ちんが疼いているみたいだけど?」グリッ
涼「な、何言って……あぁっ!」ビクンッ
真美「真美は落ち着いてるよ?
涼ちんこそ落ち着いた方がいいんじゃない?」
真美「顔赤いし息上がってるし……色気バツグンですなぁ」ニヤニヤ
涼(ダメだ……完全に酔いが回ってる……)
涼(真美ちゃんがこうなった原因は何だ……?)チラッ
真美「何よそ見してるの?」グリッ
涼「うあぁっ!」ビクビクッ
涼(! テーブルのウイスキーボンボン……あれを食べたせいか……)
真美「そりゃ」グリグリグリグリ
涼「ッッ!!」ガクガク
涼(か、考えるんだ……箱の中のチョコは一個しか減ってない……!)
涼(つまり、真美ちゃんはウイスキーボンボンを一個食べただけでこんな風になってしまった……)
真美「真美の責めはチョコバットほど甘くないよ!」グニグニグニ
涼「うわぁぁっ!」ビクビクンッ
真美「ふぅ……何か涼ちん見てたら真美もおかしくなりそうだよ……ふふ……」
涼(つまり……これ以上ウイスキーボンボンを食べたら真美ちゃんは……)ググッ
真美「どこに行く気かな? これから第2ラウン……」
涼「真美ちゃん、ごめん!」バッ
真美「!? もごっ……」
涼「何も言わずに飲み込んで!」
真美「むぐ……」
真美「…………きゅう」バタン
涼「………だ、大丈夫かな」
真美「うーん、むにゃ……」
真美「あれ……真美、いつのまに寝てたんだろ……」
真美「んー、何してたんだっけ……何か足の裏に心地良い感触が残ってる気がするんだけど……」ウニウニ
真美「……まあいっか」
真美「あ、そうだ! イタズライタズラ!」
真美「お、あそこにいるのは>>105! 次は君に決めた!」
律子「おはよう、ってもう昼過ぎよ?」
真美「細かいことは気にしない! とにかくトリックオアトリート!」
律子「はいはい、お菓子ね。何かあったかしら……」
>>111
お菓子はあるか
種類は何だ
持ち歩く女子はどうかとおもうけど
律子「麩菓子」
真美「知ってるよ」
律子「こう見えて意外とカロリー高いのよね。お麩だと思って甘く見てると痛い目見るわよ」
真美「いや別に甘く見てないよ。そもそも麩菓子をそこまで深く考えたことないよ」
真美「何か涼ちんにも似たような物を渡された気がするよ……記憶が曖昧だけど……。秋月家はハロウィンに黒くて太い棒状のモノを渡す風習でもあるの?」
律子「?」
律子(あ、結局食べるのね)
真美「……うわぁ……なんか口の中の水分全部持って行かれたよ……」
律子「それが醍醐味みたいなところ、あるから」
真美「ないよ」
真美「……何かテンション下がっちゃったから盛り上げるためにりっちゃんにイタズラするね」
律子「えっ」
真美「りっちゃんへのイタズラはこれだ!>>122」
律子「嫌よ……イタズラされるとわかってて渡すバカがどこにいるのよ」
真美「…………」
真美「! りっちゃん後ろ! 見て見て!」
律子「え?」クルッ
真美「隙有りィ!」サッ
律子「あっ! ちょっと!」
真美「ふっ……またつまらぬものを盗ってしまった……」
律子「なら返しなさい!」
律子「ちょっ……!」
真美「あっという間にメガネを分解!」バラバラ
律子「いやぁぁぁぁ!」
真美(やばいもう後に引けない)
真美「ふふふ……果たしてその心許ない視力でこの小さなネジを探すことが出来るかな?」
律子「……」
真美「まあ、これもせっかくのハロウィンだってのに麩菓子を持ってきたりっちゃんが悪…………りっちゃん?」
律子「……ぐすっ……ひぐっ」
真美「」
真美「なんか知らんけどやりすぎた!」
真美「だだだ大丈夫だからりっちゃん! ネジで留めるだけで直るから! ネジで……あれ?」
律子「………?」
真美「ネジどっかいった」
律子「」
律子「うわぁぁぁん! もう帰るぅぅぅ!」ダダッ
真美「あっ! りっちゃ……」
ガチャッ バタン
真美「どうしよう……とりあえずネジを探さないと……」
真美「床におっこっちゃってたらアウトだよこれ……絶対見つからないよ……」
真美「ん……? あぁっ、これは!」
真美「麩菓子に刺さってる!」ドーン
真美「まありっちゃんのことはさておいて、イタズラ続行しようかな」モフモフモフモフ
真美「飲み物が欲しい」
真美「お、次の獲物は>>137だ!」
冬馬「連呼すんな。ええと、765プロのでかい双子の……姉の方だっけか?」
真美「真美だよーん」
冬馬「そうそう、双海真美。何か用か?」
真美「菓子よこせ!」
冬馬「雰囲気もへったくれもねーなお前……」
冬馬「ちょっと待ってろ……何かあったかな」ガサゴソ
>>145
お菓子の有無
種類は?
真美「お? クッキー? いいじゃん、やっとまともなのが来たよー」
冬馬「今まで何食ってきたんだお前……」
真美「いただきまーす」サクサクサク
真美「」モフモフモフモフ
真美「なにこれすごいデジャブ」
冬馬「?」
冬馬「はあ? 贅沢なやつだな……」
冬馬「ほら、缶のおしるこならあったぞ」
真美「なめんじゃねー!」バシッ
冬馬「!?」ビクッ
真美「口の中の水分がピンチなの! おしるこなんて何の助けにもならないよ!」
冬馬「そ、そうか……すまねえ」
冬馬「? 俺の手作りだ」
真美「ぶふっ!」
冬馬「な、なんだよ!?」
真美「あ、あまとうが手作りクッキー……」プルプル
冬馬「なっ! 笑うな! 勘違いすんじゃねぇ! 番組の企画で作っただけだ!」
真美「はいはいそういうことにしておくよ」
冬馬(こ、こいつ……!)
冬馬「待て。その質問は色々とおかしい」
冬馬「ハロウィンってのは菓子もらうかイタズラするかの二択だろ? 菓子やったじゃねえか」
真美「でもみんなが通ってきた道だからねー。あまとうだけやらないってのも」
冬馬「何の話だよ……」
真美「じゃあ、あまとうには>>155のイタズラを決行しよう」
冬馬「はあ?」
真美「涼ちんの涼ちんはアレだったけど……あまとうのあまとうはどうかな……」ニヤリ
冬馬(意味がわからねえ)
冬馬「お前……テーブルの上のウイスキーボンボン食ったせいだろそれ」
真美「………」
真美「! あまとう後ろ! 見て見て!」
真美「隙有りィ!」バッ
冬馬「させるか!」サッ
真美「!?」
冬馬「舐めんなませガキ! ご褒美なんかいらねえよ!」
真美「逃がすかぁ!」ガシッ
冬馬「うわっ!」
真美「穫ったぁ!」
グニッ
冬馬「…………」
真美「……あれ?」グニッ
冬馬「残念、それはチョコバットだ」
真美「うわっ……しかも溶けてる……」ベトベト
冬馬「双海、口開けろ」
真美「? あーん」
冬馬「ほら、ウイスキーボンボン」
真美「むぐ……」
真美「…………きゅう」バタン
冬馬「……こいつは将来酒は飲めねえだろうな……」
真美「うーん……むにゃ」
真美「……はっ、デジャブ!」ガバッ
真美「……またいつのまにか寝ちゃってたなぁ……」
真美「あまとうのクッキー食べたとこまでは覚えてるんだけど……」
真美「なんか手がベトベトする……」ゴシゴシ
真美「ま、いいか。イタズライタズラ」
真美「とりあえず次で最後にしようかなぁ。口の中パッサパサだし」
真美「じゃあ最後のターゲットは>>175だ!」
やよい「おはよー、真美!」
真美「もう夕方になるのにおはようはないよ、やよいっち!」
やよい「えぇっ!? 最初におはようって言ったの真美だよ?」
真美「真美は今起きたとこだからいいんだよ」
やよい「そっかぁ……ならいいのかなぁ」
真美「それはさておきトリックオアトリート!」
やよい「?」
真美「お菓子くれなきゃイタズラするぞ!」
やよい「??」
やよい「はろうぃん……?」
真美「Oh...」
真美「とにかく、鞄の中漁ってみて。お菓子があるかどうか確認して」
やよい「う、うん……」ガサゴソ
やよい「……お腹空いてるなら何か作ってあげようか?」
真美「いや、そういうのいいから」
やよい「あ、うん……」
>>185
やよいの鞄にお菓子が入っている可能性があるのか?
あったとしてその種類や如何に?
真美「あの……やよいっち?」
やよい「ちょっと溶けちゃってるけど、ジュースだと思えばきっと美味しいよ!」
真美「やよいっち……」
やよい「あ、それとももう一回凍らせれば……」
真美「やよいっち!」
やよい「」ビクッ
真美「もういい……もう、休めっ!」
やよい「私はけっこう好きなんだけど、最近食べてなかったなぁ……みんなで分け合いっこしたりして……」
真美「違うんだよ……違うんだよやよいっち……」
真美「チューペットってね……チューペットはね……」
真美「三年前に……製造が終わってるんだよ……」
やよい「!!」
溶けていない場合は、な
真美「最低でも三年前の物……ってことになるね」
やよい「そ、そんな……」ガクッ
やよい「せっかく……真美と分け合いっこできると思ったのに……」ポロポロ
真美(やよいっち……)
真美(どうしよう……こんなに真美のために泣いてくれるやよいっちに、真美はイタズラをすべきだろうか?)
>>210
するorしない
する場合はどんなイタズラか
やよいにいっぱいお菓子あげる
やよい「え? でもこれ捨てた方が……」
真美「いいから貸して! 後、すぐ戻るからちょっとここで待ってて!」ダダッ
やよい「ま、真美?」
…………
真美「はぁ……はぁ……おーい、あまとうー!」
冬馬「ん? げっ! 双海……」
真美「はい、このチューペット一本あげる! だからお菓子ちょうだい!」
冬馬「はあ? さっきあげたじゃねえか……つーかこのアイス、色が……」
真美「いいから! パッサパサのクッキーでもいいから全部!」
冬馬「わかったよ……んじゃ、ついでにこのおしるこ缶も持って行け」
真美「全然嬉しくないけどありがと! じゃあね!」
冬馬「……あのやろう」
真美「りっちゃーん!」
律子「」ズーン
真美「死んでる場合じゃないよ! メガネ持ってきたんだから!」カチャ
律子「……はっ! 私は何を……」
真美「りっちゃん何も言わずにこのチューペットを受け取って! そして真美にお菓子をちょうだい!」
律子「……またイタズラするんじゃないでしょうね」
真美「今度は何もしないよ! 純粋にお菓子が欲しいだけなんだよぉ!」
律子(それはそれで考え物だけど)
真美「ありがとりっちゃん! チューペットここ置いとくね!」
律子「溶けてるじゃない……」
真美「ジュースだと思えばいいんじゃない?」
律子(何か嫌な予感がするからあれは後で捨てておこう……)
真美「涼ちん!」
涼「ま、真美ちゃん! さっきはごめんね、真美ちゃん寝ちゃったから起こさない方が良いと思って……」
真美「このチューペットと何かお菓子を交換して欲しい!」
涼「お菓子? チョコバットじゃダメかな?」
真美「できればそれ以外で」
涼「うーん、わかったよ。ちょっと待ってて」
真美「うん!」
真美(……待ってろやよいっち!)
真美「ピヨちゃん、ピヨちゃん!」
小鳥「ん? あら、真美ちゃん」
真美(化粧しなおしてる……)
小鳥「オリーブオイルはホントにもう勘弁してね?」
真美「反省してまーす」
小鳥「さて……真美ちゃん何か用事があったみたいだけどほっといて帰ろうかしら」
真美「ああん、ごめんなさい! 全力で謝るから!」
真美「とりあえずこのチューペットあげるから何かお菓子と交換して!」
真美「足りた……ような足りなかったような」
真美「気づいたら減っててなんか怖かった」
小鳥(酔った勢いで全部食べちゃったのかしら……)
小鳥「じゃあウイスキーボンボンもう一箱あるからそれあげるわ」
真美「ありがとピヨちゃん!」
小鳥(また酔って面白いことになるといいなぁ)
真美「千早お姉ちゃーん!」
千早「あら、真美。どうしたの? そんな息切らして」
真美「えっと、千早お姉ちゃんに頼みがあって……あれ?」ガサゴソ
真美「あ……チューペット、四本しかなかったんだ……」ガックリ
千早(チューペット……?)
千早「何かあったの?」
真美「えっと、実は…………」
千早「高槻さんのためにお菓子を……」
千早「そういうことなら、そんな対価が無くたってお菓子くらいあげるわよ」
真美「違うよー……やよいっちのチューペットと交換することが大事だったんだよ……」
千早「?」
真美「やよいっち、タダで物を貰うのを嫌がるから……せめて何かと交換くらいじゃないと」
千早(三年前のチューペットと交換されたお菓子を高槻さんが受け取るかどうかは甚だ疑問だけど……というか多分受け取らないだろうけど)
千早(それでも、真美は真美なりに考えた行動だったのね……)クスッ
真美「?」
真美「え?」
千早「対価が必要だっていうなら、イタズラと引き替えにお菓子を得るのがハロウィンなんじゃないかしら」
真美「千早お姉ちゃん……」
真美「と、トリックオアトリート!」
千早「ふふっ、ちょっと待っててね」
千早「はいこれ」
真美「?」
千早「チューペット……ではないけどね。似たような商品はいっぱいあるみたいよ」
千早「高槻さんと分け合いっこ、するんでしょ?」
真美「あ、ありがとう! 千早お姉ちゃん!」ダダッ
千早「どういたしまして」
千早「……たまにはイタズラされるのもいいんだけれど……」
千早「…………」
千早「高槻さんは都こんぶ、好きだったかしら……」
真美「やよいっちー!」
やよい「真美! 何その荷物!?」
真美「チューペットと交換してきた! お菓子軍団!」
やよい「で、でもあれ三年前の……」
真美「アイスに賞味期限はないらしいから大丈夫大丈夫!」
やよい(そういう問題なのかな……?)
真美「涼ちんは無難に板チョコとかスナックとかたくさんだね。ピヨちゃんはウイスキーボンボンくれたよ。中に変な液体が入ってるチョコね」
やよい「な、なんかすごいね……」
真美「で、千早お姉ちゃんからはこれ!」
やよい「これ、チューペット? でもなくなったはずじゃ……」
真美「チューペットに似てる何からしいよ。とりあえず分け合いっこ分け合いっこ♪」
真美「」チュー
やよい「美味しいね、えへへ」
真美「美味しいねー。分け合うと美味しさ二倍だね!」
やよい「みんなに後でお礼しないと……」
真美「ダメダメ! そんなのハロウィンにあるまじき行為だよ!」
やよい「ええっ、でも……」
真美「いいの! イタズラと引き替えだから!」チュー
やよい「ふーん……よくわからないなぁ」チュー
真美「来年はもっともっとイタズラしまくっちゃおっかなー? んっふっふ~♪」
終わり
安価SS初めてで出来心でした
おやすみなさい
お疲れ様でした
Entry ⇒ 2012.11.01 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
やよい「お姉ちゃん♪」春香「うひゃあ」
春香「ね、ね。もっかい言って?」
やよい「おね~えちゃん♪」
春香「はうっ! うぅ……やっぱりかわいい……!」
やよい「あの……春香さん。なんだかちょっと、恥ずかしいかなーって」
春香「そんなことないよ! うん、バッチリ! ねぇねぇ、もう一回!」
やよい「……おねえちゃん」
春香「――~~!!」
ぎゅっ
春香「やよいはかわいいなぁ……えへ、えへへ……」スリスリ
やよい「……えへへ……」
春香「ほ~らやよい、今日はクッキー作ってきたの!」
やよい「クッキーですかっ!?」パァ
春香「うんっ! 一緒に食べよう?」
やよい「うっうー! ありがとうございまーっす!」
春香「じゃあじゃあ……はい、あーん」
やよい「え?」
春香「あ~ん」
やよい「え、えーっと……わ、私、ひとりでも食べられま」
春香「あ~ん」
やよい「……あーん」
ぱくっ
春香「うひゃあ! 食べた食べた!」
やよい「……もきゅもきゅ……」
春香「もう、かわいいわね本当にもう! えへへへ」
やよい「……えへへ。おいしいですー……♪」
春香「ウフフフ」
やよい「えへへへ」
P「あはは、最近春香とやよいは仲が良いなぁ。本当の姉妹みたいだ」
小鳥「そうですねぇ~。眼福眼福……♪」
千早「……」
P「うわあ!? ち、千早……いたのか」
千早「……ええ」
P「どうかしたか? いつもより暗いというか……」
千早「私はいつもこんな顔ですから」プイ
P・小鳥「「……?」」
P「春香、やよい」
春香「あっ、プロデューサーさん!」
やよい「おはようございまーっす!」
P「おはよう。調子はどうだ?」
春香「もう絶好調ですよっ! あっ、そうだ、プロデューサーさんもクッキーいかがですか?」
P「おお、それはいいな! それじゃあ……」
春香「……?」
P「……」アーン
やよい「プロデューサー、どうしたんですか? お口がカラカラになっちゃいますよー」
P「いや、こうしてれば俺にもあーんしてくれるかなーって」
春香「あはは!」
スッ
P「え……」
春香「はい、どうぞ♪」
P「……手渡し……うん、わかってた。わかってたよ」
P「さみしいなぁ……」モグモグ
春香「そ、そんな顔しなくても……」
P「俺もあーんってされたかった……美味いけど」
春香「もうっ……いつもみたいな冗談なんでしょう? わかってますよーだ」
P「……」
春香「うぅ……」カァ
春香「わ、私はいま、やよい限定のお姉ちゃんだから、他の人には優しくしないんです!」
P「お姉ちゃん?」
春香「そうですよっ! んふふ……」
スリスリ
やよい「はわわ……えへへ」
P「本当に最近、ふたりは仲がいいよな。何かあったのか?」
春香「よくぞ聞いてくれました! えへへ、実はですね……♪」
【回想】
春香「思うに!」
亜美「へ?」
春香「亜美達は私への、えーっと、あれ! あれが足りないと思う!」
真美「急にどったのはるるん。落ちてるお菓子でも食べちゃったの?」
亜美「三秒以上経ったらキケンだよ~?」
春香「ち~が~うぅ~!」
春香「私が言ってるのはね、なんというか……お姉さんとしての威厳! ……というか」
真美「インゲン……?」
亜美「はるるんはお豆が食べたいのかな?」
春香「それも違うわよぅ!」
春香「つまりね、亜美たちは私のことを、同い年の友達みたいな感じに思ってるでしょ?」
亜美「うん!」
真美「あったりまえっしょ~! むしろ年下の後輩ちゃん、みたいな?」
亜美「そだね! はるるんってば、目を離したらすぐ3どんがらくらいしちゃうんだもん」
春香「うぐ……そ、そうはっきり言われるとは思ってなかったわね……」
春香「……とにかく、私は亜美や真美よりずっと年上なんだよ? だから、年上への敬いが足りない! ……と思うの」
亜美「そんなこと言われても~……」
真美「今更、ねぇ~」
春香「伊織や美希だってそうだし……たまには、お姉さんっぽく扱ってよう」
亜美「んっふっふ~! はるるん、そりゃ無理な相談ってもんっしょ!」
真美「そうだよ~。だって……真美達はみんな」
亜美・真美・春香「仲間だもんげ!」
ウフフ……
アハハ……
春香「……ってちがうぅ~!」
亜美「さっすがはるるんだね!」
真美「ノリツッコミもバッチリだね!」
春香「もう……中学生組の中で私のことを敬ってくれるのは、やよいだけだよ」
やよい「呼びましたかー?」ヒョコ
春香「あっ、やよい!」
やよい「えへへ、もうちょーっと待っててくださいね! もうすぐお茶の準備が出来ますからっ!」
春香「……やよいは良い子だなぁ……」
亜美「亜美達だって良い子だよ?」
真美「うんうん。……はるるん、真美達のこと、悪い子だって思ってるの……?」
春香「うぇ!? あ、い、いや、そういうわけじゃないのよ? で、でも……」
亜美・真美「「……」」ウルウル
春香「そうじゃないけど、そうじゃないけど! うぅ~……」
亜美・真美「「んっふっふ~!」」
春香「……もう……」
雪歩「はい、どうぞ」コト
春香「ありがと、雪歩……」ズズッ
雪歩「……春香ちゃんの気持ち、私もちょっとわかる……かも」
春香「え!? ほ、ほんと?」
雪歩「うん。あ、で、でも、気にしてるわけじゃないよ? ただ……えへへ、たまにはお姉さんになってみたいよね」
春香「うんうん! そうだよねっ!」
雪歩「やよいちゃん以外は、みんななんというか……そういう感じだし」
亜美「でもそれ、はるるんもだよね~」モグモグ
春香「う」
真美「はるるんの方が、ゆきぴょんより年下っしょ? 学年も違うもんね」
雪歩「あ、亜美ちゃん真美ちゃん! べ、べつに私は本当に、気にしてるわけじゃ……」
春香「……ご、ごめんね、雪歩……さん」
雪歩「やめてよぅ……なんか、恥ずかしくなっちゃうから」
春香「……ねぇ、やよい」
やよい「なんでしゅかー?」モグモグ
春香「私のこと、お姉ちゃんって呼んでみて?」
やよい「!? ……けほ、けほ」
春香「あぁ、ご、ごめんね! ビックリさせちゃったかな」
やよい「あう……だ、だいじょぶですっ。それで、あの……お姉ちゃん?」
春香「うん! 亜美達が私のことお姉ちゃん扱いしてくれないなら、
その分やよいがとことんお姉ちゃん扱いしてくれればいいかなーって!」
雪歩「春香ちゃん、その理屈はおかしいんじゃ……」
やよい「いいですよ! えへへ、私も春香さんのことは前からお姉ちゃんみたいだって思ってましたから!」
春香「ホント!? やった~♪」
やよい「それじゃあ……こほん」
やよい「……おねえちゃん♪」
春香「!!!!!!」ズキュン
【回想おわり】
春香「……というわけで、ズキュンと来ちゃったから、それ以来私はやよいのお姉ちゃんなんです!」スリスリ
やよい「はわわ……」
P「なるほど……ん? なるほどか?」
春香「それによく見たら、私達どことなく似てるって思いませんか!?」
P「そうだなぁ……瞳の色とか」
春香「はい! あとあと、元気いーっぱいなところとか!」
やよい「そうですね! 私と春香さんは元気くらいしか取り得がありませんからっ!」
春香「うんうん! ……うん?」
P「あはは……まぁ、深くは考えるな」
春香「……う~ん……ま、いっか」
P「でもまぁ……良いな、こういうの」
春香・やよい「?」
P「うん、うん……ふたりとも、ちょっと手を繋いでこっちに微笑んでくれないか?」
春香「いいですよ♪」
ギュッ
やよい「えへへ……」
P(ナチュラルに指を絡ませてる。よほどお気に入りなんだろうな)
P「ほい、ポーズ」
春香・やよい「♪」ニコッ
P「……うん! 思った通りだ、これは良い! ティンときたぞ!」
春香「プロデューサーさん、どういうことですか?」
P「ふっふっふ……」
やよい「ぷ、プロデューサーが悪い人みたいな顔してますっ! はわわ……」
P「春香とやよいで、デュオのユニットを組むぞ!」
―――
――
―
春香「リスナーの皆さんこんにちは! 『四月三月』の天海春香と……」
やよい「高槻やよいでーっす! いぇい!」
春香「やよい、なんだか元気いっぱいだね! 何か良いことでもあったの?」
やよい「はい! えへへ、実は今日は、週に一回のもやし祭りの日で……」
春香「わぁ! それってあれだよね、前も言ってたあの……」
P(春香とやよいの新ユニット、『四月三月』がデビューして約一ヶ月……)
P(一見姉妹のように見えるふたりだが、その実、時にはやよいがお姉さんになって春香のドジっ子をフォローしたりと)
P(ふたりのやり取りの微笑ましさが、様々な年齢層のファン達の間で大ブレイク!)
P(今ではネットラジオの番組を持てるまでに人気のユニットとなった! おそろしいくらいトントン拍子で怖いな!)
【765プロ事務所】
P「はい、はい……本当ですか! ええ、是非……ありがとうございますっ!」
P「……それでは……はい、失礼します」
ガチャ
小鳥「プロデューサーさん、またお仕事の依頼ですか?」
P「ええ! なんと、テレビですよテレビ! 完璧テレビ君!」
小鳥「まぁ、あの有名な教育番組の」
P「いやーあはは! これでまた、知名度も上がるってもんですよ!」
小鳥「ふふっ、順調ですね♪」
P「そりゃあもう! ……おや?」
千早「……」ブスー
P「……千早?」
P「えーっと……」
千早「……」
P「……千早さん?」
千早「……」シャカシャカ
P(ヘッドホンを付けてるから聞こえてないのかな)
P「……」
トントン
千早「……」プイ
P「……」
ガバッ
千早「きゃあっ! なな、何をするんですか!」
P「いや、なんか不機嫌そうだったから……」
千早「……私はいつもこんな顔です」ムスー
P「なんかそれ、前にも聞いた気がするけど……」
千早「……」
P「……何かあったなら相談に乗るぞ」
千早「ほ、ほっといてください。プロデューサーは今、春香達のことで忙しいでしょう?」
P「だけどさ、一応、俺はみんなのプロデューサーだし……ほっとけないよ」
ドタドタ
ガチャ
千早「!」
春香・やよい「「ただいまでーす♪」」
千早「……私、レッスンがありますから、これで」
P「あ、ああ……」
春香「あっ、千早ちゃん! 待っててくれたんだね!」
千早「……春香、高槻さん。お疲れ様」
春香「うん! えへへ、今日もいっぱい――」
千早「ごめんなさい、レッスンに遅刻しちゃうから……」
スタスタ
春香「歌って……あ、あれ?」
やよい「千早さん……?」
P「……う~む」
P「春香、千早と約束でもしてたのか?」
春香「はい……あの、借りてたCDを返そうと思って……」
P「そうか……しかし、取り付く島もないって感じだったな」
やよい「うぅ……千早さん、いつもよりちょっと怖かったかもです……」
春香「……そうかな?」
やよい「え?」
春香「こわい、って言うより……悲しい、って感じだったような」
P「……」
春香「……なにかあったのかな……」
P(千早……)
P(あいつ、もしかして……)
―――
――
―
千早「……私がゲスト、ですか?」
P「ああ。春香とやよいのラジオに、同じ765プロのメンバーとしてさ」
千早「……」
P「……どうだ?」
千早「……プロデューサーがそうしろ、というなら出演します。でも……」
千早「私なんかが、その……ゲストとして出演したって、きっと、楽しい話なんて……」
P「そんなことはないよ。春香もやよいも、千早のことは大好きなんだから」
千早「……っ」
P「いつも通り、事務所にいるみたいな感じで話してくれればきっと……ん、どうした?」
千早「……いえ」
P「……」
【ラジオ収録当日】
春香「ち~は~や~ちゃんっ♪」
ガバッ
千早「きゃ! は、春香……」
春香「えへへ、今日はよろしくね! 私、ずっと楽しみにしてたんだ~!」
千早「……そ、そうなの?」
春香「うん! それに、楽しみにしてたのはもっちろん……」
やよい「私もですーっ!」ピョン
千早「高槻さん……ふふ、ありがとう」
やよい「あの……それで、今日は」
春香「ああっ! だめだよやよい、アレのことはまだ、ない……しょ……」
千早「……内緒?」
春香「……えへへ……ま、まぁ、こうご期待ってことで!」
春香「リスナーのみなさーん! 『四月三月』の天海春香です!」
やよい「それと私は、高槻やよいでーっす! いぇい!」
春香・やよい「「こーんにちはー!」」
春香「……うんうん、いつも通り、良い返事ですね!」
やよい「みなさんのメラメラーって声が、ここまで伝わってくるかもー!」
春香「さぁ、今日も始まりました『春STATION』!」
やよい「今日はなんと! スペシャルゲストが来てくれてるんですよー!」
春香「それでは……どうぞ!」
クィドゥルルルル……
ジャジャン!
千早「……あ、あの」
春香「わー! ひゅーひゅー!」ドンドン
やよい「765プロの如月千早さんでーっす! わー!」パチパチ
千早「……うぅ……は、恥ずかしい……」
千早「……あなた達、いつもこんな感じなの?」
春香「え? こんな感じって?」
千早「なんというか、元気すぎるというか……」
やよい「えっへへ! 千早さん、このラジオのテーマは『元気!』ですからっ!」
春香「そうだよねぇ~♪ あっ、ほらほら、じゃあさっそく、今日の元気アイテム出しちゃうね!」
千早「え、元気アイテム?」
ジャーン
春香「じゃじゃん! なんと、お菓子ですっ! えへへ、全部私の手作りなんだよ!」
やよい「あ~……ケーキ……」ダラー
春香「あぁ、だめよやよい。今日はゲストがいるんだから、前みたいに全部食べちゃうのは」
やよい「はい……わかって……はわ~」
千早「……ふ、ふふっ……」
春香「! ……えへへ……」
P「……」
P(千早が、ようやく笑ってくれたな)
P(俺は思ったんだ。最近千早が元気なさそうだったのは、友達である春香達が忙しくて中々会えなかったからだと)
P(……無理矢理スケジュールを調整して、千早にゲスト出演させてよかった……よな?)
春香「しょれでね~」モグモグ
やよい「きょふは~」モグモグ
千早「え、今収録中よね? お菓子食べていいの?」
春香「あぁ……ゴックン。うん! いつもこんな感じだから!」
やよい「はーい、千早さんも!」
千早「……そ、それじゃあ……」
パクッ
千早「! ……おいしい……!」
春香「えへへ……よかったぁ♪」
春香「今日は、千早ちゃんがいるということで! 特別コーナーをご用意しました!」
千早「特別コーナー? それって……」
やよい「えへへ! そ・れ・は~……じゃじゃん!」
春香「題して! 『千早お姉ちゃんに聞いてみよう!』のコーナーです!」
千早「え? ……えぇ!?」
春香「私とやよいが千早ちゃんの妹になってね」
千早「ちょ、ちょっと春香、こんなの台本に」
春香「あぁっ、だめだめ! 台本とか言っちゃだめだよ!」
やよい「さぷりめんとってやつですっ!」
春香「サプライズね! え~と、かいつまんで言うと……」
春香「私とやよいが千早ちゃんの妹になって、千早ちゃんに普段聞けないあれこれを色々聞いてみようってコーナーです!」
千早「……そ、そう……」
千早(……この企画、誰が考えたの?)ヒソヒソ
春香(プロデューサーさんだよ)ヒソヒソ
千早(……やっぱり……)ヒソヒソ
春香「えーっと、質問の内容はリスナーの皆さんから送られてきたハガキの中から選びます!」
ドサァ
やよい「わぁ、こんなにたくさん! えへへ、ありがとうございまーっす!」
千早「サプライズ企画なのに、私への質問が来てるの?」
春香「千早ちゃんが来ること自体はサイトでお知らせしてたからね!」
千早「そ、そう……」
千早(私としたことが……インターネッツのことはよくわからないから、チェックしてなかったわ)
春香「それじゃあさっそく……」ガサゴソ
やよい「あっ、春香さん! めっ! ですよ!」
春香「えぇ? な、何か私、またドジしちゃった?」
やよい「もうコーナーは始まってるんだから、妹にならないとだめですっ!」
千早「えぇ!? 高槻さん、それは質問のときだけでいいんじゃ……」
春香「なるほどぉ……たしかに、一理あるかもね」
千早「は、春香まで……」
春香「それじゃあ、改めまして……」
春香「千早お姉ちゃん♪」
千早「!」
春香「えへへ……はるか、一生懸命選ぶからね。ちゃんと答えてくれると、嬉しいなっ」
千早「え、ええ……」
やよい「おねえ~ちゃん♪」
千早「!?」
やよい「私もがんばります! えへへ……お姉ちゃんのこと、もっともーっと! 教えてねっ♪」
千早「……!」プルプル
P(ふふ……指導の甲斐があったな)
春香「えへへ! それじゃあそれじゃあ、最初のお姉ちゃんへのお便りは……これっ!」スッ
春香「千早さ……じゃなくて、千早お姉ちゃんは、とっても歌が上手だと思うの。あふぅ」
千早「そ、そうかしら……ふふ、でも、そういってもらえるのは光栄なことね」
春香「ラジオネーム『イチゴババロア』さんからのお便りだよっ♪」
千早「って、終わり!? それ、質問って言うのかしら……?」
春香「う~んとね、はるかは、どうやったら歌が上手になれるかをふわーって答えればいいんじゃないかって思うな!」
千早「そ、そうね……どうしたら歌が上達するか……」
千早「やはりまずは、トレーニングかしら。私も毎日、ボイストレーニングとはまた別に腹筋をしているし……」
千早「あと、歌いたい曲を聴き込むことも必要だと思います。その曲の世界観を知って、自分がその世界の……」
春香「お姉ちゃん!」
千早「え? な、なに?」
春香「もぅ~! そんなの、全然可愛くないよ!」
千早「……可愛く?」
春香「なんというか……他人行儀すぎるっていうか……もっとこう、お姉ちゃんっぽく!」
千早「そう言われても……」
春香「ほらほら~……」ワクワク
やよい「えへへ……」テカテカ
千早「……わ、わかったわ。そういう趣向の企画だものね」
千早「こほん。それでは、改めて……」
千早「……お姉ちゃんはね、歌うことが大好きなのよ」
千早「昔から、歌を歌って……それを聴いて、楽しんでくれる人がいたから」
千早「その人の笑顔を見ることが、お姉ちゃんは何より好きだった……ううん、違うわね」
千早「今でも、好き。私の歌で、誰かの心に、何かを残せたら……それが、感動でも、喜びでも……」
千早「それって、とっても素敵なことだと思わない?」
千早「……だから私は、歌うことが好き。まるで、恋人のようにね。ふふっ」
千早「恋人のことなら、自然と……どんなことでも頑張れると思う。イチゴババロアさんも、きっとそうよ」
春香「……だから千早お姉ちゃんは、いっぱいいっぱい練習して、歌が上手になったんだね」
千早「まあ、そんなところかしら……でもまだまだ私の歌なんて、レベルが低いと思うけれど」
やよい「そんなことないですーっ!」
千早「ありがとう、高槻さん。でも……今よりもっと上のレベルを目指すということは、明日への活力にも繋がるわ」
やよい「……千早お姉ちゃんは、頑張り屋さんなんですね」
千早「ふふ、そう? ……っと、こんな感じでよかった? 春香」
春香「うん! えへへ、なんというか……お姉ちゃんって感じがしたからオッケー♪」
千早「そう、それなら良かった……」
P「……」
P(千早……)
やよい「それじゃあそれじゃあ、次は私の番ですっ! えーっと……」
ガサゴソ
やよい「はーい! これに決めましたー!」スッ
千早「ふふ、高槻さんは何を選んだのかしら」
やよい「あっ、お姉ちゃん! めっ! ですよー!」
千早「え?」
やよい「あの……さっきもそうだったけど、その……妹なんだから、高槻さんって言い方は、や、です……」
千早「で、でも……」
やよい「……やよい、って……呼んで欲しいかなーって」チラ
千早「……――~~!」キュン
やよい「あの……」
千早「……え、ええ……」
千早「や、やよい……」カァァ
やよい「! えへへ……それじゃあ読むね、お姉ちゃん♪」
千早「うぅ……」モジモジ
春香(効いてる効いてる! えへへ、プロデューサーさんの読みどおり!)
春香(千早ちゃんの密かな性格、かわいいもの好き……!)
春香(実は千早ちゃんって、ちっちゃくてチョコチョコしてる、やよいとか響ちゃんのことが大好きなんだよね!)
春香(普段はあまり、ベタベタしたりしないけど……こういう機会を与えてあげれば、きっと……)
春香(千早ちゃんは元気になる!!)
やよい「えっへへ……♪」
千早「……は、はやく呼んでちょうだい、やよい……」
やよい「はーい! えーっと……」
やよい「千早お姉ちゃん、ののしってください!」
千早「……え」
やよい「ラジオネーム『P』さんからのお便りでーっす! ありがとうございまーっす!」
千早「の、ののののの……!?」
春香「あ、えーっと……」
やよい「あの、春香さん。ふりがな振ってあったから読めましたけど……ののしる、ってどういう意味なんですか?」
春香「うぇ!? わ、私に聞くの!? の、罵るって言うのは……うぅ~……」
春香「おねえちゃん、パスっ!」
千早「えぇ!? な、なんで私が……!」
春香「……お姉ちゃん、お願い」ウルウル
やよい「おしえてください……おねえちゃん」ウルウル
千早「うぅ……」
千早「」キッ
P「おうふ」ゾクリ
千早「……わ、わかったわ。妹の頼みとあれば、断ってしまってはこの企画の趣向に合わないものね」
千早「私はいま、お姉ちゃんなんだから……!」
春香「ワックワク」
やよい「テカカ」
千早「えーっと、罵るっていうのは……簡単に言ってしまえば、ば、ばかにすること、よ……」
やよい「ばかにするんですか!? えー……そんなの、ゼンゼン嬉しくなさそうかもです……」
千早「そうね。普通はそう。でも、たか……じゃなくて、やよい」
千早「世の中には、そういうことで喜びを感じる人もいるのよ……信じたくない事実だけれど」
やよい「そーなんですかー……世界はまだまだ私の知らないことでいっぱいです」
春香「……それで、どうするの、お姉ちゃん」
千早「え?」
春香「もしお姉ちゃんがどうしても無理って言うなら、パスすることも出来るけど……」
千早「……」
千早「……パスなんて、しないわ」
春香「!」
千早「……そう、お姉ちゃんはいつだって逃げない存在だもの」
春香「千早ちゃん……! きっとそれは、どこか間違った認識だけど……かっこいいよ!」
やよい「かっこいいですー……!」
千早「それじゃあ……ラジオをお聞きになっている『P』さん」
千早「精一杯、心を込めて罵りますから……聞いてください」
P「……」ワクワク
千早「……本当に、どうしようもないわね、あなたは」
P「!」
千早「やることなすこと、全部からまわり。今日もまた、失敗したんでしょう?」
千早「本当、姉として情けないわ……出来の悪い弟を持つと」
P「……!」
千早「……その顔、本当に……見ていて腹が立つわ」
千早「無理矢理笑ったって、だめよ。お姉ちゃんにはわかってるんだから」
千早「心の中で、まだまだそのことを引きずっているって」
千早「いつまでウジウジしているの?」
千早「失敗なんて、誰にだってあるでしょう」
千早「……そう、そうよ。私にだってある。でもね、あなたが自分の足で立たないで、どうするのよ」
千早「教えてもらったでしょう」
千早「あなたは、ひとりじゃないって。私を始めとした、大切な家族がいるって」
千早「……まだ、素直になれないの? 情けない、本当に……」
千早「……もう、本当に……」
ジワァ
春香「……!」
千早「嫌になる、わ……」
千早「……そんなあなたなんて、大嫌いよ……! 顔も、見たくない……!」
千早「……」
春香「……こ、これはPさんも、大満足の罵りだったんじゃないかな!」
やよい「あの、千早さん……」
千早「……ふふ、どうしたの?」
やよい「……えーっと」
千早「大丈夫、これは演技だから。本当に怒ってるわけじゃないわ」
やよい「……はい」
春香「えーっと! なんだかへんな空気になっちゃいましたけど! 時間も押してることですし、次のコーナーへ……」
―――
――
―
P(その後は、特に言うこともなく……みんないつも通りの明るさを取り戻して、ラジオの収録は終わった)
P(……千早……)
P(もしかして俺は……千早が元気が無かった原因を、勘違いしてしまっていたんじゃないか……?)
P「お疲れ、みんな」
春香「……はい!」
千早「……ええ」
やよい「あう……」
P「……千早、ちょっといいか?」
千早「……はい」
P「あの、さ……」
春香「待ってください、プロデューサーさん!」
P「え?」
春香「……千早ちゃんとは、私がお話しますから」
P「……春香……」
―――
――
―
テクテク
春香「……えへへ」
千早「……」
春香「こうやって一緒に帰るの、久しぶりだね」
千早「……そうね」
春香「さ、さっきメールで見たんだけど、小鳥さんがね! 美味しいお菓子を買ってきてくれたんだって!」
千早「お菓子?」
春香「うん! 事務所に置いてあるからって……楽しみだね」
千早「……そうね」
春香「……」
千早「……」
春香・千早「「あのっ!」」
千早「……ごめんなさい、春香から言ってくれるかしら」
春香「え、でも……」
千早「私、実はまだ、考えがまとまってないから……」
春香「そ、それは私だって同じだよう! うぅ~……」
千早「……お姉ちゃん命令」
春香「えぇ!? も、もう、収録は終わったんだよ?」
千早「ふふっ……でも、今日は散々、あなた達の言うこと聞いたじゃない」
千早「だから……お願い。春香ちゃんは素直で可愛い妹! ……なんでしょ?」
春香「……ズルいなぁ、千早ちゃんは」
千早「……」
春香「あのね……私、謝らなきゃいけないんだ」
千早「謝る?」
春香「うん……勘違い、しちゃってたと、思うから」
春香「……千早ちゃん、最近元気なかったよね」
千早「……そうかもしれないわね」
春香「その原因、ね。プロデューサーさんとも話したんだけど……
あんまり私達とお話が出来てなかったから、なんじゃないかなって思ったの」
千早「……そう」
春香「あ、あのね! わ、私なんかと話せなくて、千早ちゃんが元気なくなるなんて、
そんなのおこがましいというかなんというかだけど!」
春香「でも……その、千早ちゃんが元気なくなった時期が、ちょうど私とやよいが新ユニットを組んだ頃と重なってたから」
千早「……」
春香「だから……今日みたいに、前みたいにお喋りできれば、きっと千早ちゃんは元気になるって、思ったの」
千早「……でもそれが、勘違いだったの?」
春香「うん……実際お喋りしても、なんというか……あんまり、変わらなかったような気がするから」
千早「……そんなことないわ」
春香「でも……っ!」
千早「今日の収録、私も楽しかった。あんまり顔に出せなくて、申し訳ないけれど……
それでも、あなた達とお喋りが出来て、私だって本当に嬉しかったわ」
春香「……」
千早「……こういう表現は、まだ苦手なのよ。ごめんなさい」
春香「……うそ」
千早「え?」
春香「うそだもん……それくらい、わかるもん」
千早「……」
春香「ね、ねぇ……でも私、バカだから、それ以上はわかんないよ」
春香「千早ちゃんは、何を考えているの? な、なんで……」
春香「今も、苦しそうな顔をしているの?」
春香「……」
千早「……素直になれない自分に……腹が立ったのよ」
春香「え?」
千早「春香が言ったこと、それはほとんど、私の心境そのものだったわ。
……確かに私は、あなた達との時間が取れなくて、少し、寂しい思いをしていた」
春香「……」
千早「でも、何より私は……その、ね」
春香「千早ちゃん……?」
千早「自分の心が、憎らしくてしょうがなかったのよ」
春香「ど、どういうこと?」
千早「……も、もう……正直に、言ってしまうわね」
春香「う、うん……」
千早「ねぇ、春香。それを聞いても、私のことを嫌いになったりしない?」
春香「当たり前じゃない! 私が、千早ちゃんのことを嫌いになるなんて」
千早「……そう……」
千早「……――られちゃったんじゃないかって」
春香「へ?」
千早「だっ、だから……!」
千早「……春香が……高槻さんに取られちゃったんじゃないかって」
千早「そう……思ったのよ」
春香「!」
千早「……嫉妬、してたの。高槻さんに」
千早「お姉ちゃんだって言って、高槻さんにベタベタしてた春香を見ていて……」
千早「それと同時に、なんだか……私が、春香にほっとかれている気がして、いやな気持ちになった」
千早「私にとっては、春香も高槻さんも、同じくらい大好きなのに……!」
千早「そんな気持ちを感じてしまう自分が、いやになって、しょうがなかったのよ……」
春香「ほえ……」
千早「……以上です」
スタスタ
春香「うああっ! ちょ、ちょっと待ってよ千早ちゃん!」
千早「いやよ、い、今の私の顔を見ないで……!」
春香「やだ! 見~せ~て~……!」グググ
千早「……恥ずかしくて消えてしまいたい……!」グググ
春香「そっちがその気なら~……えいっ!」
ガバッ
千早「きゃっ!?」
春香「……」
ギュー
千早「……は、春香?」
春香「……えへへ。千早ちゃぁん……♪」スリスリ
千早「……なによ……うぅ……」
春香「千早ちゃんの体、熱いね」
千早「……春香には負けるわ」
春香「ここからじゃ見えないけど……きっと顔も、こんな感じになってるんだろうなぁ」
千早「じゃ、じゃあもう、確認は済んだでしょ? 離してくれないかしら」
春香「だーめ!」
千早「な、なんで……!」
春香「そんなの、決まってるじゃない!」
春香「私だって、千早ちゃんとずーっとお喋りできなくて、寂しかったんだから」
ギュー
千早「……春香……」
春香「……ばか」
千早「……本当に、そうね。ごめんなさい……」
春香「ううん……謝らないで。ほんとは……私のほうが、もっとばかなんだから」
【765プロ事務所】
春香「ただいま戻りました~♪」
P「おお、春香! それに、ちは……や……も」
千早「……見ないでください」カァァ
P「はは……なんだか、元どおりになったみたいだな。いや、前まで以上か……」
千早「……」プイ
春香「えへへ♪」
千早「……ね、ねぇ春香。やっぱり、その……」
春香「なあに?」
千早「さすがに事務所の中では恥ずかしいわ。手を離してくれないかしら……」
春香「だーめ!」
P「……千早、すまなかったな」
千早「え?」
P「お前達と別れてから考えたんだけどさ……
やっぱり俺が、あんなことを言い出したのがきっかけだったんだろ?」
千早「……ユニットの件ですか?」
P「ああ」
千早「ふふっ、いいんです。今ではこうして……その、元に戻りましたから」
P「……そうか……それなら良かった」
千早「……でも、プロデューサー?」
P「ん? どうした?」
千早「ああいうハガキは、今後一切送らないでくださいね」
P「う……はい、肝に銘じます」
春香「はい、あ~ん♪ 美味しい美味しい、小鳥さんのお菓子だよ!」
千早「じ、自分で食べられるわよ」
春香「でもでも、やよいはあーんで食べてくれたもんね?」
やよい「はいっ! えへへ……千早さん、一緒に食べましょーっ!」
千早「……た、高槻さんがそういうなら……」
春香「あーん♪」
千早「……」
ぱくっ
春香「うひゃあ! 食べた食べた!」
千早「……もぐもぐ……」
春香「もう、かわいいなぁ本当にもう! えへへへ」
千早「……は、恥ずかしい……!」カァァ
やよい「千早さんが元気になったみたいで、私もとっても嬉しいですーっ!」
春香「ねぇねぇやよい。千早ちゃんってばね、やよいに嫉妬してたんだって♪」
やよい「へ? シットですか?」
春香「うん! えへへ、なんでも……もがもが」
千早「……春香」
春香「ひゃい……」
千早「……お姉ちゃんさすがに怒るわよ……」
春香「す、すみません……」
やよい「あの……でもでも……ごめんなさいっ、千早さん!」
千早「え? た、高槻さんが謝ることなんて」
やよい「だって……千早さんが元気なかったのは、私が春香さんを独り占めしちゃってたからなんですよね?」
千早「!?」
千早(……言ったの?)ヒソヒソ
春香(言ってない言ってない!)ヒソヒソ
千早「……それは、どこの誰から聞いたのかしら」
やよい「えーっと……なんとなく、見ててわかりました。だから、ごめんなさいっ!」
千早「……そう」
やよい「……そうだってわかってたのに、私……春香さんにぎゅーってされると嬉しくて、だから……」
千早「ううん、気にしないで。私はもう、大丈夫だから」
やよい「ホントですかー……?」
千早「ええ。だから、そんな顔しないで」
ナデナデ
やよい「はわわ……えへへ」トローン
千早「……」
ナデナデ
やよい「えへへ……やっぱり千早さんも、お姉ちゃんみたいですー……♪」
千早「」キュン
春香「……あ、あれ? 千早ちゃん? なんか、顔が……」
千早「春香。私、決めたの」
春香「え? なにを……?」
千早「これからは、もっと素直になる、って」
春香「う、うん! それがいいよね! でも、その……」
千早「だから……私、高槻さんに言うわ」
やよい「なんですかーっ?」
千早「……高槻さん」
千早「私のこと、お姉ちゃんって呼んでくれないかしら」
春香(……こうして、素直になりすぎた千早ちゃんのおかげで……)
春香(今度はやよいと千早ちゃんが、私を残してベタベタするようになってしまい……)
春香(そして私は、ちょっぴり、ふたりに嫉妬するようになってしまうのでした)
春香(でもそれは、また別のお話です……)
終わり
Entry ⇒ 2012.11.01 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
P「あずさ2号」
P「いえいえ、いいんですよ。そこまでがお仕事というか、あずささんを迎えに行くときのお約束と言いますか」
あずさ「そうですか……?」
P「むしろそれがなくなったら物足りなくなるという感じで!」
あずさ「私は、迷った方がいいんですか?」
P「あ、いやそういうわけじゃないんですよ? でも気にしなくていいんです、仕方ないですから」
あずさ「はい……」
あずさ「はぁ、本当に困ったわねぇ……」
律子「どうかしたんですか?」
あずさ「あ、律子さん。いえ、そのこの方向音痴がどうにか直らないものかと思いまして……」
律子「あー……でも、気にしなくていいんじゃないですか? あずささんのはその、いい方向に行くときもありますし」
あずさ「自分で迷う分には構わないんですけど、他の人に迷惑をかけてしまうのが、どうしても……」
律子「まあ、確かにそうですね……目的地に着くまでは頑張ってそのことだけ考える、とか?」
あずさ「なるほど……やってみますね。ありがとうございます、律子さん」
律子「いえいえ、頑張ってくださいね。逆に言ってしまえば、あずささんの弱点はそれくらいなんですから」
P「あ、おはようございますあずささん……ってあれ? 早いですね?」
あずさ「はい! 昨日律子さんに相談してアドバイスの通りやってみたら迷わずに来れたんですよ?」
P「おぉ、それはよかったです!」
あずさ「これでプロデューサーさんに迷惑を掛けなくて済みますね。あ、でも迷った方がいいんでしたっけ?」
P「あはは、それはそれですよ、確かにすんなり来てくれた方が楽ですしね」
あずさ「そうですよね。でも、もう大丈夫だと思います」
P「今日のあずささんは頼もしいですね! っと、まさに今日はそんなスケジュールでして」
あずさ「あら、そうなんですか?」
P「ちょっと長野まで行ってもらいたいんです」
あずさ「長野、ですか?」
P「あの、よくある散歩番組みたいな感じでやってほしいとのことなんです。それで、新幹線を使ってもらうんですけど」
あずさ「そうなんですか~」
P「生憎、俺他のところに行かなきゃいけなくてですね、できればお一人で現場まで向かって欲しいんです……」
あずさ「えっと、一人で……ですか」
あずさ「……わかりました、一人で行きますね」
P「大丈夫、ですか? とはいっても今日その後一旦撮影があったりと忙しいのでできればお願いしたいんですが」
あずさ「大丈夫だと思います、今日は自信ありますよ」
P「それなら大丈夫そうですね、と万が一と考えて1時間取ってありましたし、早くついてもらったので最悪2時間は大丈夫かな、と」
あずさ「はい、わかりました」
P「こっちも片付き次第合流して、次の仕事こなしていきますんで。お願いしますね!」
あずさ「えっと……こっちかしら」
あずさ「あっ、ここが駅ね」
「すみません、ちょっといいかしら……」
あずさ「あら? どうかされました?」
「765プロはどこでしょう?」
あずさ「あ、765プロなら……えっと、近くまで案内……で、でも」
あずさ(……一旦駅に来れたし、案内しても多分大丈夫、よね)
プルルルル……
P「おっと、はい765プロです。……はい、えぇ確かに今日これから向かわせて……えっ!? 時間が違った!?」
P「あ、それは……いや、多分もう駅について……えぇ、わかりました」
ガチャン
P「参ったなぁ……時間がずれるとは。まあ、最悪あずささんにはあっちで待機してもらっててもいいが……」
P「そうすると今日中に撮らないといけない写真といい、インタビューといい……どうする」
ガチャッ
あずさ「あら?」
P「えっ? あずささん!?」
あずさ「あ、私……」
P「ちょうどよかった! まだ乗ってなかったんですね!」
あずさ「あ、えっと……ごめんなさい」
P「いえ、今日ばっかりは助かります! それが実は……」
P「方向音痴がいい方向に行きましたね、っと気にしないでください! 結果が大事ですから!」
あずさ「あ、えぇ」
P「それじゃ、先に撮っちゃいましょうか」
あずさ「そうですね、お願いします」
あずさ「……」
――
「ありがとうございました」
あずさ「いえいえ! さてと……」
あずさ「あ、あら? ここは……変ねぇ確かこの辺だったと思うけれど」
あずさ「やっぱり引き返したのが間違いだったのかしら……」
あずさ「このままじゃ、遅れちゃうわ……」
あずさ「こんなに迷うなんて、私……あれ? ここ……事務所」
――
――
P「えっと、すみませんあずささん! 俺これ片づけるんで少しだけ待っててもらえますか?」
あずさ「えっと、この後はさっきの収録に向かうんですよね?」
P「そうなんですけど、これ終わらせてからじゃないと……あぁでもちょっと走ることになるかも……」
あずさ「でしたら私、先に行ってた方がいいですか?」
P「え? まあそうですけど……その」
あずさ「大丈夫です、さっきは迷っちゃいましたけど、今度こそ」
P「……でも」
あずさ「……信じてくれないんですか?」
P「……わかりました、でもちょっと怪しいなって思ったら電話くださいね?」
あずさ「はい!」
P「……片づけてから行くと30分、その分余裕があると言っても、さっき30分くらいで事務所に戻ってきたからなぁ……迷ったらアウトか」
P「まあ最悪あっちも悪かったと責任分割で……無理か」
P「……」
あずさ『新幹線、乗れましたので連絡しておきますね!』
P「……おぉ! 流石はあずささん!」
P「うん、やっぱりやるときはやる。って俺は何様だ」
P「でも、もう心配ないのかもな」
P「っと、そろそろ着いたかな?」
プルルル
P「おっと、はいこちらプロデューサー……えぇ、え? ちょ、ちょっとそれどういう!」
P「……わかりました、駅で待たせておきますので……はい」
ガチャン
P「どういうことだ……スタッフが時間変わったのを把握してなくて駅で待機してないとか、どうなってんだ」
P「まあおおかた名が知れてないからって適当にやってるんだろう……全く。あ、そうだあずささんに電話しておかないと」
P「……もしもしあずささんですか?」
あずさ「あ、プロデューサーさん。すみません、今着いたところで」
あずさ「え? ……その、収録現場についたんですけど、ダメでしたか?」
P「え? 収録現場って……あぁ! 地図を渡してましたけど、あ、あそこまでお一人で!?」
あずさ「あ、えぇ、まあ」
P「……すごいですよあずささん! 俺一回行ったとき迷ったくらいなのに! いやぁ、効果でてますね!」
あずさ「あはは、ありがとうございます。それじゃ、お仕事行ってきますね」
P「はい、頑張ってください!」
ピッ
P「ふぅ、いやぁあずささんには参ったな。でも、おかげさまであっちのスタッフにいい顔ができるってもんだ。あずささんには感謝しないとな」
P「収録は30分くらいで、すぐ帰ってくるとして……まあ2時間はかかるだろうけど、帰りもそんなすんなり……大丈夫だろう」
ガチャッ
P「っと、おかえりなさい……あずささん!」
あずさ「あ、あの……戻りました」
P「ホント、お疲れ様でした! うわぁ、きっかり電話から2時間! 流石ですね!」
P「どうしたんですか? 今日は流石、参りました! 方向音痴なんて言ってすみませんでした」
あずさ「す、すみません……私」
P「どうしたんですか? でも、迷わなくなったあずささんはもう完璧って感じですよね」
あずさ「ごめんなさい……プロデューサーさん」
P「何をそんなに、今日はすばらしかったですよ? 全部の仕事がスムーズに行って」
あずさ「い、いや……これからは気を付けますから……」
P「……あずささん?」
あずさ「ごめんなさい……きっと、きっと直しますから……」
P「いや、だからもう方向音痴なあずささんじゃないですよ。まあ正直、方向音痴だと手間はかかりますし、よかったです!」
あずさ「ぁ……っ!」
バタン
P「えっ? ちょ、ちょっとあずささん!?」
P「……俺、何か言っちゃったかな? やっぱり方向音痴うんぬん言わない方がよかったか……」
あずさ「……プロデューサーさんはもう私のこと見捨ててしまったのかしら」
あずさ「駅に向かったところまではよかったの。でも、道を聞かれて一旦戻って」
あずさ「その後すぐに駅に向かおうとしたけど、やっぱり迷ってしまって」
あずさ「もう、どうしようもないから携帯で連絡を取ろうと思ったら、ない」
あずさ「きっと、駅か、どこかで落としてしまった……」
あずさ「もう、遅刻……それどころじゃない、ドタキャンですもの」
あずさ「こんな、プロデューサーさんに会わせる顔がない……」
あずさ「なんて謝ったらいいのかしら……それでも、大丈夫ですって言ってくれるのかしら……」
あずさ「そう思っていたら、仕事が成功したって……そんな、皮肉を言わなくても……」
あずさ「私、次から頑張りますから……だから、許してください……」
「方向音痴は、手間がかかる」
あずさ「……私なんて」
「あの~すみません」
あずさ「……はい。……え?」
あずさ「……嘘」
「どうかしましたか?」
あずさ「どうして……私」
「あら、私ですよ?」
あずさ「い、いや……」
「……プロデューサーさんとお仕事をしてたのは、私ですよ?」
あずさ「……え?」
「それを言いに来たんです。よかった、迷わなくて~」
あずさ「そ、そんな……どうして、私、貴方は誰なんですか?」
「私ですか? そんな、三浦あずさですよ?」
あずさ「ち、違います! 私が三浦あずさです!」
「あらあら~? おかしいわねぇ……普通、同じ人って一人しかいないんじゃ、でも同姓同名なら」
あずさ「そんな、私は765プロの三浦あずさです!」
「でも、今日765プロでお仕事をしたのは私ですよね?」
「混乱しているようですから、私が教えてあげますね」
「AM8時、貴方が事務所に到着して、その30分後駅に向かいました」
「AM8:45に駅で会った人に道案内。その後貴方は迷子になりましたね」
あずさ「な、なんでそんなことを……」
「実はその人、私だったんですよ? それでちょうどプロデューサーさんが困ってたのでそのままお仕事をして」
「PM1:00、私は新幹線に乗って収録現場に。収録現場に3時位に着いて貴方が事務所に帰ってきたのが6時くらいですか?」
あずさ「私は……」
「あらあら、泣かないで? 私まで悲しくなってしまうから、ね?」
あずさ「どうして……それじゃあ携帯も……」
「そう、私がもらったんです」
あずさ「……そんな」
「だって」
「方向音痴な私は、いらないんです」
あずさ「え……」
あずさ「……」
「私は、貴方が憧れる方向音痴じゃない私」
あずさ「……」
「でも、直に私が三浦あずさになりますから」
あずさ「やめて……」
「そう思うなら、プロデューサーさんに言ってみたらどうかしら?」
あずさ「……それは」
「明日、来なくてもいいですよ? 私が代わりにお仕事しますから」
「でも、貴方はそうですね……さしずめ”あずさ2号”になるかしら」
あずさ「2号……」
「……それじゃ、また会いましょう。と言っても、貴方から私を探しちゃダメよ?」
「きっとまた、迷ってしまうから。……ふふっ」
あずさ「……」
――
「なんだかこのままどこかに迷い込んでしまいたい……」
「こうやって歩いている時だけ、迷わないんですけど」
「……明日、事務所にいけるのかしら」
「もし、あの人がいたら私は……」
「……なんだろう、この歌は。聞いたことがあるけれど、随分と古い曲……」
「あずさ、2号……ふふっ、そんな偶然があるのかしら」
「どうして、そんな歌が流れる場所に来ちゃうのかしらね」
「……今、7時……もう8時かしら」
「このまま8時ちょうどの列車にのって、どこか遠くへ……なんて」
「そんなことをしても、始まらない。か」
「……帰りましょうか」
「プロデューサーさん……」
あずさ「おはようございます」
P「おはようございます、あずささん。今日も早いですね」
あずさ「いえいえ、慣れてしまったらこれくらいは~」
P「ホント、別人みたいですよ! って、これは失礼ですかね?」
あずさ「そんなこと、嬉しいですそういってもらえて」
P「それじゃ、今日はレッスンですね。車出しますんでちょっと待っててください」
あずさ「大丈夫ですよ、あのレッスン場でしたら近いですし」
P「え? いいんですか?」
あずさ「はい、その……ちょっと歩いて運動ついでに」
P「あぁ、なるほど。それじゃ、すみませんお願いします」
あずさ「はい!」
P「いやぁ、ホントあずささんがこうなると怖いものなしって感じだなぁ」
あずさ「あ、おかえりなさい、プロデューサーさん」
P「あ、えぇ。どうも、帰ってらしたんですか」
あずさ「はい、早く着いたのでその分前倒しでやっていただきました」
P「それにしても……いやぁ、無駄な時間がないですね。流石としか」
あずさ「そんなこと言って、私は方向音痴じゃなきゃいけないんですか?」
P「あ、い、いえそういうわけじゃ!」
あずさ「……なんて、冗談ですよ?」
P「な、なんだ……あ、あはは、よかった~」
あずさ「ふふっ、それで次はどちらに?」
P「あ、えっと……あぁまたここですね。ちょっと遠いですが……」
あずさ「でも、ご近所ですから私一人で大丈夫ですよ?」
P「そうですか? いやぁ頼もしいなぁ。でも、たまには付き添いますよ?」
あずさ「私を信用してください、プロデューサーさん?」
P「あ、えぇ……それはもう。それじゃ、頑張ってきてください」
P「あぁ、そうか。あずささんの送り迎えがなくなったというのが」
P「……でもなぁ、なんか物足りないんだよな。いいことなんだけど」
P「っていかんいかん。いいことなんだしこれを機にもっといろんな仕事とってきますかね!」
P「……さて、そろそろ時間だが。うん、まあ帰りくらいはいいだろう、迎えにいくとしよう」
P「えっと、あずささんは……もう帰っちゃったかなぁ……」
P「あ、いたいた! あずささーん!」
あずさ「っ!」
P「あずささん、すみません迎えに来ちゃいました」
あずさ「……プロデューサー、さん」
P「あ、やっぱり迎えに来ちゃダメでしたか?」
あずさ「……いえ」
P「それはよかった、まあ帰りくらいは楽しましょうよ」
あずさ「……」
あずさ「……」
P「さっき気が付いたんですけど、やることが減ってて。なんでかなって思ったら昨日今日と送り迎えしてないんですよね」
あずさ「……」
P「まあ、本当はアイドルなんですから車で送迎! って普通でしょうけど、まだうちも小っちゃいのでね……あはは」
あずさ「……プロデューサーさんはやっぱり、迷わないで行ってもらった方が嬉しいですか?」
P「え? まあそれは、いくらでも楽っていうのもありますし」
あずさ「そう、ですよね……」
P「……でも、なんていうか。こうやって車でお話しながら行くのも必要かな、なんて」
あずさ「……え?」
P「あ、い、いやその……言ってしまうと、ちょっとさみしいかな、なんて。最低限自力でやってもらう分にはありがたいんですけど」
P「俺も、好きであずささんや他のアイドル達もプロデュースしてますから、やっぱり少しでも……何て言ったらいいんですかね」
P「今思うと、方向音痴だったあずささんが懐かしいですよ」
あずさ「方向音痴だった……私が懐かしい」
P「なんか変な話ですけどね、俺は迷ったあずささんを迎えに行くのもお約束って言ってたじゃないですか」
P「え、えっ? ちょ、ちょっとあずささんひょっとして泣いてます?」
あずさ「な、泣いてませんよ? 安全運転お願いしますね?」
P「あ、す、すみません……大丈夫ですか?」
あずさ「……えぇ、ちょっと」
P「……」
あずさ「……その言葉を聞けて安心しました」
P「……え?」
あずさ「この後、スケジュールは?」
P「あ、えっと事務所で少し打ち合わせを」
あずさ「……それじゃあ、その駅で下してもらえますか?」
P「え? あ、えっと」
あずさ「大丈夫ですよ。私はもう、迷わないんです。ちょっとやりたいことがあるだけなので。事務所には後で向かいますから」
P「わかりました、それじゃまた後で」
あずさ「……プロデューサーさん、ありがとう」
あずさ「でも、私は……やっぱりプロデューサーさんのためにこれを直したい」
あずさ「だから、少し旅にでますね? やっぱり、あの歌が響いたのかしら」
あずさ「……ふふっ、良く考えたらすごいラッキーよね」
あずさ「私はちゃんとお仕事をしたことになってるのに、一人旅なんて……ふふっ」
あずさ「……もしかしたら、迎えに来てくれるのかしら」
あずさ「私がいないことに気が付いて、いつもみたいに」
あずさ「嫌な顔一つしないで、ここにいたんですね、よかった。そう言っていつも迎えに来てくれる」
あずさ「……それじゃあ、待ちます。8時まで」
あずさ「……プロデューサーさん」
P「あの駅に何かあったかな、まあいいか」
P「戻りましたー」
あずさ「おかえりなさいプロデューサーさん」
P「あれ? もうお帰りになってたんですか?」
P「それは、まあ。駅で何かしてらしたんですか?」
あずさ「駅? ……あぁ、そうですね。少し見たいものがありまして」
P「なるほど、いやぁそれにしてもお帰りが早い。これなら本当に迎えはいらないですね」
あずさ「そういってもらえると~これでもうプロデューサーさんにご迷惑をかけることはないですから~」
P「いえいえそんな、迷惑だなんて」
あずさ「でも、やっぱり時間を割いてもらっていたのは本当だと思うので」
P「ま、まあ」
あずさ「その、プロデューサーさんも方向音痴な私より、今の私の方がいいですよね?」
P「え? あ……まあ、そうですね」
あずさ「……嬉しいです」
P「……あずささん」
あずさ「今日はもう終わりですか?」
P「あ、そうですね一応これで」
あずさ「わかりました、それじゃお先に失礼しますね」
バタン
P「ふぅ。……あずささん、変わったなぁ」
P「本当、迎えに行ってた頃が懐かしい」
P「おっと、7時過ぎ? もうこんな時間か。なんか適当に買って帰るか……ん?」
P「あっ、あずささん忘れ物」
P「あずささん!」
あずさ「あら?」
P「よかった、これを」
あずさ「……これは」
P「え? いや、お守りって言って持ってたじゃないですか」
あずさ「あ、あぁ! そうでした」
P「思えば、このお守りからでしたか? 迷わなくなったの」
あずさ「……」
P「そういえば、律子のアドバイスってなんだったんですか?」
あずさ「えぇと、そのことだけに集中して目的地に向かう、というお話で」
P「ほうほう、それは確かに効き目がありそうですね」
あずさ「どうしようかな、と思ったんですけどその時思いついたのがこのお守りで」
P「お守りを握りながら、ってことですね。確かにそうすれば他のことに気を取られなくて済みますもんね」
あずさ「はい、おかげさまで」
P「なかなか、普通な感じのおまもりですね。……ん? P?」
あずさ「あっ、それは、その……」
P「なんのPですかこれ? あずささん……だから、Aでもないし……」
あずさ「そ、その……プロデューサーさんの……」
P「え? お、俺ですか?」
あずさ「は、はい……迎えに来てもらってるので、やっぱり一番迷いにくくなるかなぁ、なんて」
P「あはは、それはそれは光栄です。……それじゃ、ちょっと貸してもらえませんか?」
あずさ「え? あ、どうぞ」
P「……はっ!」
P「俺の気を込めておいたんです! 迷わなくなるように!」
あずさ「……」
P「なんて、ちょっと子供っぽいですかね……お守りだから、なんて思ったんですけど……」
あずさ「……ぷっ!」
P「あっ、ちょ、ちょっと!」
あずさ「ご、ごめんなさい。でも、おかしくって……」
P「もうー……ひどいなぁ」
あずさ「ふふっ、そういうつもりじゃないですよ? でも……嬉しいです。ありがとうございます。これ、大切にしますね」
P「……はい、ぜひぜひ」
~~~
あずさ「……そう、でしたね」
P「本当に忘れてたんですか?」
あずさ「そ、その……もう迷わなくなったのでいいかなぁなんて」
P「……なるほど」
あずさ「今までお世話になりましたから。でも、もうプロデューサーさんに迷惑をかけることもないです」
あずさ「やっぱり、いつまでもこういうものに頼ってちゃダメですよね」
あずさ「だから、プロデューサーさんも気にしないで下さい」
P「……あずささん」
あずさ「はい?」
P「俺はあずささんのことを迎えに行くこと、迷惑だなんて考えたこと一度もないですよ」
あずさ「あ……えっと、それはでも私としては迷惑かな、と」
P「そうですね、いつもそういってくれます。でも、俺は嬉しいんです」
あずさ「……え?」
P「すみません、っていつも謝ってくれます。でも、最後にはありがとうございますって。そういってもらえると嬉しくて」
P「迎えにいくと、それだけ一緒にいる時間も長くて、いろんな話もできますし」
あずさ「……」
P「だから、迷惑だなんて思ってないです。むしろ今の方がなんとなくさみしい気もします」
あずさ「そういうことなら、たまにはお願いします」
P「……なんか、違うんですよね」
P「ごめんなさい、なんとなくなんで。でも、今のあずささんはなんとなく、違う」
あずさ「……」
P「今まで一生懸命迷わなくなるように努力してました。でも、実際無理でしたよね?」
P「それでも俺は構わなかったです。でも、やっぱりあずささんは頑張ってました。それで今回のお守りに」
P「それなのに……あのお守りを手放しちゃうような、たとえ俺のためだからと言ってやっと直った方向音痴」
P「そのきっかけになったお守りを……なんか、あずささんがそんな人だと、思えないんです」
あずさ「……」
P「俺の勘違いだったら、すみません」
あずさ「……私は、間違っていましたか?」
P「……え?」
あずさ「もし、プロデューサーさんの言う通り、私はプロデューサーさんのために。もう迷惑をかけないようにお守りは、大丈夫なんです」
あずさ「そう、言い切ったとしたら……私は、三浦あずさではないですか?」
P「……一つだけ、うかがわせてください」
あずさ「……はい」
あずさ「……いえ、それは。でも、やっぱりお守りは大切にしようって思います。いつそうなるかわからないので」
P「……そうですか」
あずさ「……プロデューサーさん」
P「今のが本当なら、俺は貴方をあずささんだと……認めたくない、っていうのはすこし傲慢かもしれませんけど」
あずさ「……」
P「ごめんなさい、なんだか俺も混乱してて。俺の方が、方向音痴になっちゃったみたいですね」
P「忘れてください、また明日から……」
あずさ「……迷っちゃってたのは、私の方でしたよ?」
P「え?」
あずさ「……やっぱり、私は”2号”だったみたいですね」
P「……あずささん?」
あずさ「私は、まっすぐ帰ります。でも、まっすぐ帰れてない、としたら。迎えに行ってあげないと」
P「……一体何を」
あずさ「……私は、あずさ2号なんです。もう、会うことはないでしょう」
あずさ「もしかしたら、ちょうどそんな曲が。……それじゃ失礼します」
P「……あずささん」
あずさ「私は、絶対に迷わない。……だから、もうあなたのところに迷い込むこともないですよ?」
あずさ「……私は、私だったみたい……あぁでも最後までこの想いは」
「迷ったままだった、かしらね」
P「あずささん……一体どういう……」
P「あれ? どうして俺こんなところ……あずささんが移った、ってそれは失礼だろ」
P「駅……そういえばさっきあずささんが……」
あずさ「……来ない」
あずさ「そう、来るはずなんてないわ……」
あずさ「あの私は迷う事はない。でも、私は……もう、迷い過ぎたの」
8時ちょうどの~
あずさ「あら、また……」
あずさ2号で~
あずさ「ふふっ、あずさ2号ね。できればそれに乗りたかったかな……」
あずさ「……私は私は貴方から旅立ちます」
「あずささん!!」
あずさ「……え?」
P「……どこに行くんですか? そこまで、方向音痴じゃないでしょう?」
あずさ「……プロデューサーさん」
P「……この曲は」
あずさ「……ごめんなさい、私。”2号”なんです」
P「……え?」
あずさ「方向音痴、ってわかっていてもずっとずっと直せなくて……」
あずさ「それでも迎えにきてくれるプロデューサーさんに甘えて……」
あずさ「もう、こんなことじゃいけない。迷惑なんて、とっくに通り越して……」
あずさ「わかってたんです……だから、私は……」
P「そんな、今更のことを言わないでください」
あずさ「……え?」
P「迷惑をかけたとか、今までの分を数えたらどれだけになると思ってるんですか?」
あずさ「そ、それは……」
P「だから、逃げるんですか? もう、諦めるんですか?」
あずさ「違います……私なんていなくても……私が……」
P「あずささんは、あずささんしかいません」
あずさ「……」
P「例え2号でも、あずささんに変わりはいないでしょう?」
あずさ「プロデューサー、さん……」
P「何度も何度も言ってきたじゃないですか、俺は迎えに行くことまでがお約束だって」
P「だったら……最後の最後まで、お迎えさせてくださいよ」
P「アイドルが終わるまで、ずっとずっと、迷子でいいですから。そのかわり、絶対に待っていてください」
あずさ「ぷろでゅーさーさん……」
P「……あずささん」
あずさ「ぐ、ぐすっ……プロデューサーさぁん……」
P「……おかえりなさい、あずささん」
あずさ「すみません……こんな、こんな格好で……」
P「……いいんです、これが俺の仕事ですから。今は、好きなだけ……」
あずさ「ごめんなさい……ごめんなさい……」
あずさ「……ごめんなさい、お恥ずかしいところを……」
P「だから大丈夫ですって。あ、そうだ、これ」
あずさ「……あ」
P「……あずささん、一つ聞いてもいいですか?」
P「このまま方向音痴でいいと思いますか?」
あずさ「……できれば、直したいですけど、このままでもいいかなって思いました」
P「……」
あずさ「……迎えに来てくれる人が、いますから」
P「そうですか……うん、やっぱりあずささんですね」
あずさ「……私からも、一つ聞いていいですか?」
P「えぇ、どうぞ」
あずさ「……さっきの、ずっと待っていてくれって……その」
P「え?……あ、あぁ!」
あずさ「……」
P「ち、違います! そ、そのプロポーズとかではなく迷子的な意味で! 俺ごときがそんなおこがましい!」
あずさ「……」
P「あ、あれ? 怒ってます?」
あずさ「……知りません。もういいです、一人で帰ります……」
あずさ「……また、ちゃんと言ってくれますか?」
P「え?」
あずさ「いいですよ、もう。……早く、帰りましょう?」
P「……そうですね」
あずさ「ふふっ……」
タタタ……
あずさ「プロデューサーさんの方向音痴!」
P「え? な、なんで?」
あずさ「知りません! ふふっ!」
あずさ「ずっとずっと、待ってますからね? プロデューサーさん」
完
Entry ⇒ 2012.10.31 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
春香「それでね、プロデューサーさんが!」 冬馬「そうなのか」
冬馬「へぇ」
春香「でもプロデューサーさんがお前なら大丈夫だって言ってくれて」
冬馬「ふーん」
春香「その一言ですっごく安心して、何とか乗り切れたんだ」
冬馬「なるほど」
春香「私って単純なんだなーって」
冬馬「別にプラス方向に働いてるなら良いんじゃねえの?」
冬馬「お前よく転んでるもんな」
春香「その時プロデューサーさんが私の腕を掴んで」
冬馬「あ、店員さんクリームソーダ1つ」
春香「私はこのチーズケーキお願いします」
冬馬「太るぜ」
春香「ちゃんと消費してます。えっと……あ、それでグイッって引き寄せられて」
冬馬「引き寄せられて」
春香「距離がすごく近くてもう……」カァー
冬馬「そりゃ大変だ」
冬馬(それもほとんどプロデューサーの話)
春香「冬馬君も何か話してよ」
冬馬「別に、特に話す事もねえな」
春香「翔太君とか北斗さんと何も無いの?」
冬馬「ああ」
春香「えー、あの2人と一緒なら絶対何かあると思ったんだけど」
冬馬「無い。一切無い。全然面白くも無い、少なくとも俺にとっては」
冬馬「……いきなりで悪いがお前プロデューサーの事好きだろ」
春香「えっ!?き、急にな、な、何言ってるの!?や、やだなー」ワタワタ
冬馬「分かりやすいやつ」
春香「そ、そういうのじゃ……」
冬馬「プロデューサーの話ばっかだし、話す時やたら生き生きしてるから丸分かりなんだよ」
春香「うぅ……ち、違うって……」
冬馬(……やっぱ好きなのか)
春香「だ、だから違うよ!」
冬馬「しかも相手はプロデューサー」
春香「あぅぅ……」
冬馬「トップアイドル目指してんのに何考えてんだお前は?馬鹿だろ」
春香「……」
春香「……」
冬馬「所詮上っ面の関係だ。信頼も愛情もあるわけねえよ」
春香「っ!」
冬馬「断言しといてやる。うまくいく確率は0%だ」
春香「そんなことないもん!!」
冬馬「うおっ」
春香「……ごめんなさい」
冬馬(この反応でもう確定だな)
春香「え?」
冬馬「俺も男だ。765プロの連中よりはプロデューサーの気持ちが分かるつもりだ」
春香「それって……」
冬馬「勘違いすんじゃねえぞ!無駄な努力してる馬鹿を見て楽しむだけだからな」
春香「……ありがとう」
冬馬「フン」
冬馬(……)
春香「うーん、結構送ってるつもりなんだけど」
冬馬「……意外と積極的なんだな」
春香「え?メールぐらい事務所の皆もしてるよ?」
冬馬「そ、そういうもんなのか……」
春香「……もしかして女の子とメールしないの?」
冬馬「ば、ば、馬鹿野郎!毎日100通ぐらいやり取りしてるっつーの!」
春香「ふーん」
冬馬「な、何だよ……てか他の連中ももしかしてプロデューサーが好きとか……?」
春香「うーん、はっきりとは言えないけどそうなんじゃないかな」
冬馬(765プロって……ファンに同情するぜ……)
冬馬(それにしても身内が全員ライバルとなると相談も出来ねぇって事か……すげえな……)
春香「あー、電話はあんまりしないかも」
冬馬「頻度は?」
春香「3日に1回ぐらい」
冬馬「十分だろうが!!お前らのプロデューサーはそんなに暇なのかよ!!」
春香「むっ、プロデューサーさんはちゃんと仕事してるよ!」
冬馬「他のアイドルも電話してると仮定したら大体1日4回お喋りしてる計算じゃねえか!」
春香「それはちょっと多いかも……」
冬馬(電話ってなんだよ……男と以外しねえだろ普通……)
春香「具体的には?」
冬馬「そりゃお前……ほらアレだよ」
春香「アレ?」
冬馬「えーっと、その、ほら、よくあるじゃん?」
春香「うん」
冬馬「だから、なんだ……うーん」
春香(冬馬君ってやっぱり恋愛経験少ないのかなぁ)
春香「ほほー!」
冬馬「お前よくお菓子とか作ってるんだろ?渡してみたら良いんじゃねえか」
春香「お菓子はよく渡してるよ?」
冬馬「ブホッ!!」
春香「ど、どうしたの?」
冬馬「い、いや……それでそのお菓子ってのはプロデューサーだけにあげてるのか?」
春香「ううん、皆にも」
冬馬「じゃあ、あいつのためだけに特別に作ったらいいと思うぜ。カードでも入れて」
春香「なるほど!プロデューサーさん専用のお菓子って事だね」
冬馬(手作りお菓子を日常的に渡してるって……カップルかよ!!)ワナワナ
冬馬「へぇ、良かったな」
春香「えへへ、頑張って作った甲斐があったよ」
冬馬「いつもは美味いって言ってくれないのか?」
春香「あっ、そう言われると毎回言ってくれてるような気も……」
冬馬「何だそりゃ……」
春香「で、でもプロデューサーさんに特別に作ったって事は多分伝わったから大丈夫!」
冬馬「ふーん」
春香「あっ、冬馬君もお菓子どうかな?作りすぎちゃったんだ」
冬馬「……じゃあ」
春香「どうぞどうぞ」
冬馬(複雑な気分だな……)
春香「ありがとう、それで男の人がされて嬉しい事って何だろ」
冬馬(って言われても、あんまり具体的なのは思い浮かばねえな……)モグモグ
春香「……」
冬馬「……フィギュアとか?」
春香「え゛」
冬馬「い、いやフィギュアあげるとかそういう意味じゃねえぞ!一緒に選びに行くとかな!」
春香「それってそういうお店に一緒に行くって事……?」
冬馬「そ、そうだ。いや、違う!一緒にワイワイ言いながら見たいとかじゃなくて買い物の一環として!……あれ?」
春香「……」
春香「落ち着いた?」
冬馬「ふぅ……とにかくデートにでも誘えば良いんじゃねえの」
春香「い、いきなりデートに!?」
冬馬「デートっつても別に公園をちょっと散歩するとか」
春香「……まあそのぐらいなら何とか」
冬馬「プロデューサーも忙しいだろうしあんまり時間かけられねえだろ」
春香「一理あるかも」
冬馬(それに公園はエロゲだと定番スポットだぜ)
春香「楽しかった!お弁当も褒めてもらえたし!」
冬馬「……手作りか?」
春香「うん」
冬馬「へ、へ、へぇー!そ、それじゃ……あ、あ、『あ~ん』とかやったのか?」
春香「そこまでは流石にまだ……」
冬馬「……」ホッ
冬馬「……」
春香「冬馬君のアドバイスのおかげだね」
冬馬「……そうか」
春香「もしかしたら成功率0%も覆しちゃったりして!」
冬馬「……そうか」
春香「……何か元気無いね、大丈夫?」
冬馬(嬉しそうなの見ると、……いや、落ち込んでるのを見るよりはマシか)ハァ
春香「!?」
冬馬「男なら誰でも喜ぶぜ」
春香「そ、そんなの嫌だよ!恥ずかしいもん!」
冬馬「別にいつもみたいにこけてパンチラしときゃ良いじゃねーか」
春香「い、いつもみたいに!?どういうこと!?」
冬馬「いや、だって……なぁ?」
春香「……」
冬馬「あっ!別に意識して見てるわけじゃねえからな!お前が撮影の時目の前でこけるのが悪いんだからな!」
春香「いやあああああああああ!!!」
冬馬「わ、悪かったって……じゃあ軽いボディタッチだ!」
冬馬「女に、それもアイドルに触られて嫌な気はしねえだろ」
春香「……そういうものなの?」
冬馬「男はそういうもんだ」
春香「いきなりベタベタしたら変じゃないかな?」
冬馬「そこはお前がごく自然な流れで」
春香「……」スッ
冬馬「おわぁ!?何しやがんだ!?」ガタッ
春香「やっぱり嫌がられそう……」
冬馬「アホか!俺にやってどうすんだよ!!いきなりやられちゃビックリするだろうが!!」ドキドキ
春香「難しいなぁ……」
冬馬(心臓止まるかと思ったじゃねえかちくしょう!!!!)
冬馬「何したんだよ」
春香「えーっと、プロデューサーさんがソファに座ってる時にもたれて」
冬馬「うぇ!?」
春香「あ!でも、そのまま話の流れで頭撫でてもらったのはラッキーかも!」
冬馬(どんな流れだよ!!!)
春香「すっごく気持ち良いし、嬉しかったなぁ。うまく言えないけど」
冬馬「……へぇ」
春香「それから後は、手の大きさを比べたり」
冬馬(まだあんのか……)
冬馬(もうお腹いっぱいだ……話聞く限りイチャイチャしてるようにしか……)
春香「でも反応薄いって事はあんまり私に魅力が無いのかな……」
冬馬「……そんなことねえよって言ってほしいのか?」
春香「そういうつもりじゃ……」
冬馬「安心しろよ、まともな男なら誰でも惹かれるレベルだと思うぜ」
冬馬「単純にプロデューサーとして感情を表に出さなかっただけだろ」
春香「えっ、そ、そうかな?」
冬馬「あくまで一般論だからな!!惹かれるってのは俺の意見じゃねえから!」
春香「弱い所……」
冬馬「あ!やらしい意味じゃねえぞ!」
春香「いや、それは分かってるよ」
冬馬「……とにかく男は女を守りたくなる。そういう生き物なんだよ」
春香「……迷惑じゃないかな?」
冬馬「大丈夫だ。お前みたいに普段絶対に弱い所見せない奴だと尚更な」
春香「……」
冬馬(ギャルゲーでもそういうシーンでキュンッってなるとは言えねえ)
冬馬(やっぱりこいつにも悩みはあったか。あいつにしか話せない悩みが……)
春香「思わずそのまま色々話しちゃって、プロデューサーさんは全部優しく聞いてくれたんだ」
冬馬(……別に俺だってそのぐらい)
春香「距離が縮まったかは分からないけど冬馬君の言う通り相談して良かった」
冬馬「距離も……縮まったんじゃねえか」
春香「そうだと良いなぁ」
冬馬「……」
冬馬「!!」
春香「相談に乗ってもらったお礼って形で」
冬馬「まだ早いだろ!!」
春香「やっぱりそうかな?」
冬馬「あ、ああ。もう少し慎重にやるべきだ」
春香「……あれ?でも最初の頃デートに誘えって……」
冬馬「よく考えたらあれは時期尚早だったんだよ!」
冬馬「ボディタッチに悩みの相談……後は一緒に飯食ったりカラオケ行くぐらいしか俺には思いつかねえよ」
春香「ずっと一緒にいる事なんて出来ないし……うちの学園祭もう終わっちゃってるからなぁ……」
冬馬「じゃあもう諦めるか?」
春香「冬馬君」
冬馬「……冗談だって」
春香「やっぱり……デートするしか」
冬馬「ま、まだだ!まだ肝心なイベントが起こってねぇ!」
春香「イベント?」
春香「そんなタイミング良く病気になるはず……」
冬馬「だからそれまで待つんだよ。忍耐だ」
春香「それじゃクリスマスに間に合わないよ……」
冬馬「っ……別に良いじゃねえか。来年でも再来年でも」
冬馬「今デートに誘っても怪しまれるだけだ。今までの努力がパーだぞ」
春香「怪しまれる……そうだよね」シュン
冬馬(……ちっ、一々凹みやがって)
バシャーン
P「!?つめたっ!誰だぁ!?」
タタタッ
P「ま、待て……うぅ、寒っ……」ガクガク
冬馬「悪いな」
冬馬「……本当、何やってんだ俺って」
冬馬「プロデューサー風邪引いたのか」
春香「数日で治っちゃったけどね」
冬馬「あいつの自宅よく知ってたな」
春香「事務所の人は皆知ってるよ?」
冬馬(765プロってやっぱりおかしいだろ……)
冬馬「へぇ……何も無かったのか?」
春香「え?」
冬馬「……だから、ガキじゃねえんだから分かるだろ?」
春香「……そ、そんなの無いよ!!無い無い!」
冬馬「だよなぁ、天海にそんな度胸ねえよな」
春香「むっ……で、でも雑炊作って食べさせてあげたもん!」
冬馬「は?」
春香「他にも身体拭いたり……ちょっと恥ずかしかったけど……」
冬馬「身体……拭いた……?」
春香「あ、って言っても上だけだよ。あとは寝るまで子守唄……とか……」ゴニョゴニョ
冬馬「……」
春香「それでプロデューサーさんからお礼がしたいって連絡が来たんだ」
冬馬「えっ……」
春香「今度のオフの日にどこか行こうって」
冬馬「……良かったな。デートじゃねえか」
春香「うん!色々アドバイス本当にありがとう!」ニコッ
冬馬(……俺も風邪ひいたら……来ないだろうな)
春香「冬馬君に好きな人が出来たら私に言ってね。お礼がしたいから」
冬馬「……そんなの出来ねえよ。俺はトップアイドルしか眼中にねぇ」
春香「恋なんてふとしたきっかけではじまっちゃうものだよ」
冬馬(……はじまってるのか終わってるのか)
冬馬「俺は……清楚な感じが良いな」
春香「ふむふむ、プロデューサーさんはどんなのが好きなんだろ」
冬馬「知らねえって……俺はあいつじゃねーんだから分かるはずないだろうが……!」
春香「あっ、……そうだね……つい……」
冬馬「……別にお前なら何着ても大丈夫だろ。もっと自信持てよ」
春香「……うん!私がんばる!」
冬馬(楽しそうにしやがって……)
冬馬「……」
冬馬「あ……アレは……」
春香「――。――」
P「―――――」
春香「――!――――――」
P「――」
冬馬「……」
冬馬(こういう時に限って何で見つけちまうんだ……)
冬馬(……天海のあんな嬉しそうな姿見た事ねえな)
冬馬「ははっ……」
冬馬「何ちょっと期待してたんだ俺は」
冬馬「最初から分かり切ってた事じゃねえか」
春香「プロデューサーさんとお買いもの――」
春香「今着てる服プロデューサーさんのプレゼント――」
春香「一緒に夜ごはん――」
春香「こうした方が暖かいって手を握ってもらって――」
冬馬(――――プロデューサー、プロデューサー、プロデューサー)
冬馬「……それで?」
春香「まだ……どうなるか分からないけど」
冬馬「どうせイブもクリスマスも仕事だろ」
春香「うぅ……そういう事言わないで」
冬馬「俺は事実を言っただけだ」
春香「でもでも!その日に手編みのマフラーだけは絶対に渡すよ」
冬馬「手編み……」
春香「うん!じゃーん!まだあんまり進んで無いけどね」ヒョイッ
冬馬「……」
春香「え?」
冬馬「アイドルとプロデューサーなんだ。恋人なんかになれるわけねーだろうが」
春香「と、冬馬君?」
冬馬「何夢見てるんだよ。ちょっと1日遊んだぐらいで舞い上がって馬鹿じゃねえの」
春香「ど、どうして急に……そんな……」
冬馬「プロデューサー、プロデューサー、プロデューサーうるせえんだよ……!」
春香「え……」
冬馬「もうこんな下らねえ事に付き合ってらんねえ……!じゃあな!!」
春香「冬馬……君……?」
冬馬「……」ハァハァ
冬馬(俺は何であいつに協力してたんだっけな)
冬馬(……)
冬馬(……)
冬馬(ああ……そうだった、俺は天海のためって事で自分を正当化してたが)
冬馬(心の奥底では……天海がフラれて……)
冬馬(そのままあわよくば俺と……とか考えてたんだっけ)
冬馬(問題無くあいつらが進展して)
冬馬(気に入らねえけど悲しむ顔は見たくないから協力して……)
冬馬(結局思い通りにならずに勝手にキレて)
冬馬(俺の行動矛盾だらけじゃねえか……)
冬馬(最後にはあいつの笑顔を奪って……最低だ)
冬馬「……」
春香「と、冬馬君、今日の撮影がんば」
冬馬「……」スッ
春香「あ……」
冬馬(何で俺は……逃げてるんだ)
冬馬(あいつの顔見て、謝る。そんな事すら出来ねえのか……!)
冬馬(こんなに臆病だったのか……)
冬馬(何が正々堂々だ……)
冬馬(結局あいつを避けて、自分を守って)
冬馬(あいつは……)
冬馬(傷つく事が怖くても……必死に逃げずに立ち向かって……)
冬馬(……クソッ!)
[Sub]ごめんなさい。
―――――――――――――――――――――――――
冬馬君の気持ちも考えず
本当にごめんなさい。
迷惑だったよね。
会うたびに恋愛の相談されたら
普通嫌だもん。
どうして気付けなかったんだろう……。
もう二度とこんなことしません。
こんな私だけど
またお話ししてほしいです。
冬馬「……何でお前が謝るんだよ。相談しろって言ったのは俺だ」
冬馬「調子に乗ってアドバイスしたのも俺だ」
冬馬「全部俺が悪いのに……」
冬馬「……馬鹿野郎」
春香「ぁ……」
冬馬「……」スー ハー
春香「……あの」
冬馬「悪かった、天海!」バッ
春香「えっ?何で冬馬君が謝るの!?」
冬馬「いきなりキレてお前に暴言吐いた事、マジで反省してる!勘弁してくれ!」
春香「そ、そんな!私がいつもいつも……」
冬馬「いや、俺が!俺なんだ!!」
春香「私のせいで!」
冬馬「俺だって!俺が100悪いんだ!」
春香「私が1000悪いんだってば!」
冬馬「何言い争ってんだ俺ら……」ハァハァ
春香「あははっ、本当そうだね……」ハァハァ
春香「!」
冬馬「トップアイドルになって結婚して引退した伝説のアイドルもいるんだ」
春香「あ、知ってるかも」
冬馬「まあ俺に否定されたぐらいであいつへの気持ちが揺らぐわけねえと思うけど」
春香「えへへっ、バレてた?」
冬馬「……とにかく、トップアイドルになれよ。トップに立って堂々と言え」
冬馬「私はこの人と結婚しますってな。そういうのカッコいいじゃねえか」
春香「け、結婚……トップ……」
冬馬「そんぐらいの気持ちでいかねえと、事務所のやつら皆狙ってるんだろ?」
春香「確かに激しい競争になりそう……」
春香「変な集団じゃないよ」
冬馬「その中でお前みたいな普通なやつがあいつをオトすには1番になるしかねえ」
春香「普通って……」
冬馬「まあ俺達ジュピターがいる限りトップアイドルになるのは無理だろうがな」
春香「……トップアイドルと結婚の関連性がよく分かんないけどそんな風に言われたらやるしかないよね」
冬馬「まあその前にクリスマスがうまくいくかどうかだな」
春香「うまくいくもん!見てよ、マフラーあれからこんなに進んだんだよ」バッ
冬馬「……家事出来るって聞いたけどお前って案外不器用」
春香「ちょっとぉ!?」
春香「うん、ありがとう」
冬馬「けりがついたら結果だけはちゃんと報告頼むぜ」
春香「残念な結果の時は慰めてね」
冬馬「ばーか」
春香「またバカって言った!バカじゃないもん!」
冬馬(心の底から……とは言えねえが頑張れよ)
おい、そのオチ…
乙
Entry ⇒ 2012.10.31 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「気づいたらやよいと同棲してた」
P「あぁ、ありがとう」
やよい「はい、召し上がれ!」
P「おぉ、今日もまたうまそうだな」
やよい「えへへ、頑張って作っちゃいました!」
P「助かるよ、本当にやよいはいい子、というかいい嫁さんになるな」
やよい「そ、そんな! ま、まだそういうのは……は、早いっていうか……」
P「……」
P(でももうこれ、新婚みたいになってるんだが)
P(そもそもどうしてこうなったんだっけか……)
P「おぉ、やよいおはよう……とと」
やよい「だ、大丈夫ですかプロデューサー!?」
P「いや、ちょっとしためまいだ……」
春香「プロデューサーさん、どうかしたんですか?」
P「なんだろうな、疲れかもしれん」
美希「ハニー大丈夫? ミキのところで休んでもいいよ?」
P「いや、もうすぐ出なきゃならんし……ぐっ……」
やよい「わわっ! とりあえず座ってください!」
P「すまんな……」
春香「ちゃんとご飯とか、食べてるんですか?」
P「最近は抜くことの方がおおいかもしれん」
やよい「そんな! ダメですよ、ご飯はちゃんと食べないと!」
P「そうは思うんだが、忙しいとどうしても、食べてもカップめんって感じでな」
美希「それならミキがハニーにご飯を作ってあげるの!」
美希「ハニーさえよかったら、ハニーの家に行って作ってあげてもいいよっ!」
春香「なっ! だ、だったら私も!」
P「ど、どういうことだ……」
美希「ちょっと春香! ミキが先に言ったんだよっ!」
春香「私の方が料理は得意だもん!」
P「だったら両方交互にってわけにはいかないのか?」
美希「……それでもいいけど」
美希(ハニーとの時間が、半分になっちゃうの……)
美希(それにきっと、春香のことだからごめん曜日間違えちゃったー! とか言ってくるに決まってるの!)
春香「まあ、確かに……」
春香(でも、プロデューサーさんにアピールする絶好のチャンスが……)
春香(ミキのことだからプロデューサーさんの家に上がったら、何するかわからないし……)
美希「やっぱりそれはなんていうか……」
春香「そ、そう。なんかごっちゃになっちゃいそうで……プロデューサーさんはどっちがいいですか!」
P「えぇ……でも悪いだろ?」
春香「それくらいなんてことないです!」
美希「ミキも! ハニーのためならなんてことないの!」
P「でもなぁ……お前らは特に忙しいし、なかなかな。確かにありがたい話だから暇なやつに来てもらえるなら願ったりかなったりなんだが」
律子「何をやってるんですかまた」
P「あぁ、律子おはよう。いや、春香たちがありがたいことに飯を食わせてくれるって話でな」
律子「はぁ……アイドルに食べさせてもらうなんて、キャバクラにでも通ってるんですか?」
美希「えっ!? は、ハニーそれ本当!?」
P「そんなわけないだろう……違うんだ、実は……」
律子「なるほど、そういうことだったんですね」
P「まあ、誰かに来てもらっても申し訳ないことに変わりはないんだが」
律子「そうですね、でもまあ嬉しいじゃないですか」
P「そうだな、それじゃせっかくだし誰かに頼むとしようか」
やよい「は、はいっ!」
やよい「私も、プロデューサーのために何かできないかって思ったんですけど、お料理とか家のことなら!」
春香「なっ! ……でも、確かに」
美希「うん、やよいなら……安心なの」
P「あ、えっと……いいのか?」
やよい「はい! その、家のことをやってからになっちゃいますけど!」
P「もうそれは全然、ついでで構わないからな。それに、面倒くさくなったらいつでもやめていい」
やよい「はい!」
P「ってことなんだが、春香と美希もそれでいいのか?」
春香「は、はい」
美希「わかったの」
春香(やよい相手に家事はリスクが高すぎる……もうすこし別の案を)
美希(違うところで頑張るしかないの! 待っててねハニー!)
律子「……まあくれぐれも変なことにはならないようにお願いしますよ」
やよい「こんばんは! えっと……」
P「あぁ、いいぞ。散らかってるけど勘弁してくれ」
やよい「あ、は、はい! 失礼します!」
P「あんまりかしこまらなくていいぞ? くつろげって言っても難しいかもしれんが」
やよい「うわぁ……なんか、すごいですね」
P「そうかそうか」
やよい「あ、えっと一応作ってきました!」
P「おっ! ありがたいね。どれどれ……」
やよい「その、もやしですけど……」
P「うんうん、全然ありがたいよ。というか後で考えたらきっと野菜不足だったみたいだ」
やよい「そうなんですか~、でも確かに栄養のバランスは大切ですから!」
P「そうだな、じゃ早速いただきます」
やよい「……ど、どうですか?」
P「うん! 流石やよいだな。おいしいよ」
P「こんなものが食える奥さんは幸せだろうなぁ」
やよい「えっ!? お、奥さんですか!?」
P「あはは、まあまだまだ先の話だろうけどな」
やよい「あ、う……」
P「ふぅ、ごちそうさまでした。いや、久しぶりに飯という飯を食べたな」
やよい「もう、ちゃんと食べないとだめですよ?」
P「そうだな、これを機にできるだけちゃんと食べるようにするよ」
やよい「……その、また持ってきますから」
P「本当か? いいんだぞ無理しなくても」
やよい「無理なんてしてません! その、おいしいって言ってもらえたらすっごく嬉しいんで!」
P「そうか、うん。それならまた、お願いするよ」
やよい「は、はい!」
P「それじゃ、今日はもう遅いし。送るよ」
P「いやいや俺のセリフだ。ありがとうな」
やよい「はい! それじゃ! ……プロデューサー?」
P「ん?」
やよい「ちゃんと元気になってくださいね!」
P「……あぁ」
「はい、たーっち! いぇい!!」
P「今日も来てくれたのか」
やよい「はい!」
P「あ、そうだ。一応だな、お礼にとこれ」
やよい「わぁ! お肉と野菜と……こ、こんなにいいんですか!」
P「あぁ、もちろん。弟たちもさみしいだろうに、俺がとっちゃって。やよいも食材もな」
やよい「そ、そんなこと! でも、これ喜ぶと思います! あ、そうだ! よかったらこれで何か作りましょうか?」
P「え? いやいや悪いよ、全部持って帰ってくれていいんだぞ?」
P「……そういうことなら、ご馳走になるか」
やよい「はい、できました!」
P「流石手際がいいな、うわぁうまそう……」
やよい「どうぞ!」
P「それじゃ、いただきます。……うん、やっぱりうまいな」
やよい「ありがとうございます!」
P「ホント、これは毎日来てほしいって感じだ」
やよい「え、そ、そんな……」
P「いやいや、本気にしなくていいからな? それくらいおいしいっていうのもあるし、やっぱりいいもんだよな」
やよい「え?」
P「家で料理を作ってもらう、っていうのがさ。俺も年的に結婚とか考えた方がいいんだろうけどなぁ」
やよい「……プロデューサー、結婚しちゃうんですか?」
P「あはは、言ってるだけさ。俺みたいな仕事人間誰も引き取ってくれないさ。それこそ、やよいくらいのもんで」
やよい「……」
やよい「あ、はい……」
P「さてと、そろそろだな」
やよい「そ、そのプロデューサー!」
P「ん?」
やよい「次のお休み、朝から来てもいいですか?」
P「え? どうしてだ?」
やよい「その、なんていうか、もっとプロデューサーのために頑張りたいって思ったんです!」
P「それはありがたいけど……家はいいのか?」
やよい「長介もかすみも、最近は自分で頑張ってくれてるんです。ずっとあのままじゃかわいそうだけど、きっと大丈夫です!」
P「……そうか」
やよい「プロデューサーが嫌なら、私は……」
P「いやいや、嫌なわけはないんだ。それじゃ、お願いできるか?」
やよい「は、はい!!」
P「すまん、今の今まで寝てたんだ……」
やよい「いえ、いいんです! ついでにやっちゃいましょう!」
P「……ホント、すまないな。何から何まで」
やよい「いえ! 慣れてますから!」
P「俺の部屋が、部屋じゃないみたいだ……洗濯から全部やってもらって……」
やよい「喜んでもらえたら嬉しいです!」
P「そりゃもう、やよい様様って感じだよ。ありがとな」
やよい「えへへ……あ、お昼作りますね!」
P「あぁ。……なんか、すごい贅沢なオフだな」
やよい「できましたよー!」
P「へぇ、そういうことか」
やよい「はい! だから私も一緒になって……」
P「なるほどな。……あ、もうこんな時間か」
P「だな。どうする? 帰るなら送るけど」
やよい「大丈夫です! その、夕飯まで食べてくるって言っておいたので!」
P「……大丈夫なのか?」
やよい「長介も張り切っちゃって、留守は任せろ!なんて。だからいいんです!」
P「まあ、そういうことならいいんだけどな」
やよい「それじゃ、作っちゃいますね! あ、お風呂入れておきましたからどうぞ!」
P「なんといつの間に……」
やよい「あ、勝手にすみません!」
P「いやいや、もうこちらこそすみませんホント。それじゃ、甘えてしまおうか」
P「ふぅ……極楽極楽、って俺はいくつだ」
P「それにしても、至れり尽くせりといいますか。こんなの、どこのリゾートホテルでもないサービスだな」
P「さてと、上がるか……」
P「いや、もうなんて言ったらいいか。一生分の運を使ってしまったんじゃないかって感じだな」
やよい「そ、そんな!」
P「それじゃ、いただきます。……」
やよい「……どうですか?」
P「……これ以上ないくらいおいしいよ、やよい」
やよい「……えへへ、よかったです」
P「なんていうか、俺は幸せものだよ。一日中プロデュースしてるアイドルに世話してもらって」
やよい「私も嬉しいです! プロデューサーに喜んでもらえて、それに元気になったみたいで!」
P「もうそれはそれは、今ならダッシュで富士山を駆け上れる気がするさ」
やよい「あはは! あ、そろそろ……」
P「あぁ、そうだな。よし、送るよ」
やよい「……プロデューサー」
P「ん? どうした、やよい?」
やよい「……泊めてもらえませんか?」
やよい「その、せっかくお風呂に入ったのに……」
P「あ……いや、それくらいいいって。男だからそういうの気にしないっていうか」
やよい「だ、ダメですよ! せっかく良くなったのに、私のせいで……」
P「……だからって泊まるって……それに家はどうするんだ」
やよい「多分もう寝ちゃってると思います……その、長介には言っておいたので。一日中、プロデューサーの家に行くって」
P「でもなぁ……」
やよい「私一人で帰るのはちょっと怖い、ですし……」
P「それはもちろんダメだ、が……」
やよい「……プロデューサー」
P「……今日だけ、ならまあ。それ以降はあいつらも心配するだろうし」
やよい「ホントですか?」
P「あぁ、いいぞ」
やよい「ありがとうございます!」
P「……」
P「あぁ、そうか。着替えも何もないのか……」
やよい「……はい」
P「同じの履くのもあれだけど……俺のを貸すっていうのもな……ちょっと買ってくるか」
やよい「だ、大丈夫です!」
P「あ、そうか……やよいが心配してくれた意味がなくなるな」
やよい「……その、一日くらいなら大丈夫ですから!」
P「……でも、気持ち悪いだろ?」
やよい「……」
P「でも、俺のも同じようなもんだしな」
やよい「その……プロデューサーのでも、大丈夫です……」
P「……マジ?」
やよい「……はい!」
P「……わかった」
P「とはいいつつ奥底に眠っていた新品のを。でも……やっぱりでかすぎないか」
P「こんなのしかないから、好きにしてくれ。そのまま持って帰って捨てるなりしてくれていいから」
やよい「で、でも……」
P「いいんだ、安物だし」
やよい「……それじゃ、お風呂お借りします」
P「あぁ」
P「……何緊張してるの俺」
P「流石にこの年で独身には辛い状況、ってわけですかそうですか」
P「……情けない」
やよい「ありがとうございました~」
P「それはよかった……っと、ドライヤーがあったかな……おぉ、危ない危ない」
やよい「……その、プロデューサー」
P「ん? なんだ?」
やよい「やっぱり、迷惑でしたか……?」
やよい「……でも」
P「まあ、俺が心配してるのはこんなところに泊まってることが知れたらうんぬんと、やよいの兄弟のこと」
P「やよいが俺のことを気遣う必要はないから、それは安心していいぞ」
やよい「……はい、ありがとうございます」
P「さてと」
やよい「あ、あのやっぱり……」
P「いいっていいって、俺はそっちで」
やよい「大丈夫です! だから、こっちで……」
P「……でも」
やよい「……」
P「……わかった」
P「それじゃ、消すぞ」
やよい「は、はい」
やよい「……プロデューサー?」
P「……」
やよい「……私、嬉しかったんです」
やよい「兄弟のために何かするのは当たり前だったけど、他の人にすることってあんまりなくて」
やよい「おいしいって言ってくれたり、褒めてくれるのがすっごく嬉しくて」
やよい「……もっともっとプロデューサーのためにできること、したいなって」
やよい「だから、わがまま言っちゃいました……ごめんなさい」
やよい「……それじゃ、おやすみなさい」
P「……やよい」
P「あぁ、おはよう。こういう時は遅れて起きて朝食できてますよ! ってパターンなんだろうけど」
やよい「え?」
P「いや、なんでもない。あれだったら別に朝はいいぞ? というかこのまま事務所の行くのはまずいよな」
やよい「ダメなんですか?」
P「まあそりゃ、不自然だろ……律子なんかにばれたら……って他のメンバーでもダメか」
やよい「?」
P「それはともかく、朝は俺が作ろう!」
やよい「え、ホントですか!」
P「あぁ、料理ができないわけじゃないからな! 楽しみにしててくれ」
やよい「おいしかったです! プロデューサー、お料理上手なんですね!」
P「あはは、お世辞でも嬉しいな。やよいさんには負けますけどね」
やよい「そ、そんなことないです!」
P「さて、そろそろ……じゃあやよい、先に行ってくれるか?」
やよい「あ、わかりました! それじゃまた事務所で!」
P「……夢のような一日だったな」
P「……でも、この静かな部屋もまた恋しい。なんてそんなわけないですけど」
P「独り言言ってる場合じゃないな、そろそろ行かないと」
P「おはようございます……あれ? やよいは?」
律子「あ、おはようございます。やよいなら今日お仕事休みになったので、帰りましたよ」
P「あ、そうかそうか。それはちょうどよかった」
律子「え、なんて?」
P「あ、いやこっちの話だ」
律子「? ……まさか、やよいと何かしてるんじゃないですよね?」
P「バカな事言わないでくれ、シャレにならん」
律子「シャレにならないから釘を刺してるんです。ま、そこまでだとは思ってませんけど」
P「信用ないなぁ……ま、心に刻んでおきますよ、っとそれじゃ俺も仕事にかかりますか」
P「さて、仕事も終わったことだし帰りますかね」
P「おぉやよい。……今日は休みになったんじゃなかったか?」
やよい「あ、はい。だから家に行って、言ってきたんです」
P「何を?」
やよい「……その」
P「ん?」
やよい「これからはプロデューサーのおうちで暮らすって!」
P「……え?」
P「ちょっと待とう、やよい。それは一体どういう」
やよい「……プロデューサー、昨日起きてたんですよね」
P「……あ」
やよい「聞かれちゃってたなら、仕方ないです。でも、私本当にうれしかったんです」
やよい「だから、もっともっとプロデューサーと……」
やよい「ダメ、ですか?」
やよい「全部、やりますから! お願いします!」
P「……兄弟はどうするんだ」
やよい「……長介が、頑張ってくれるって」
P「……なんでまた」
やよい「……実は、喧嘩してるんです。反抗期、みたいで」
P「あぁ……」
やよい「だから、私が帰ってもしゃべらないし……かすみとかには何もしないんですけど」
P「まあ、年頃だもんなぁ」
やよい「だからこの前も……ごめんなさい」
P「あぁ、それも理由の一つだったわけか。……でもなぁ」
やよい「長介の機嫌が直るまででもいいです! ……長介はご飯があれば自分で作れますし、みんなはきっと大丈夫です」
やよい「もしものことがあったら、ってかすみにもプロデューサーの家、教えてありますから」
P「……本当に、長介が治ったら家に帰るんだな?」
やよい「はい!」
やよい「ありがとうございます!!」
P「というところから同棲生活が始まったわけだが」
P「なんだかんだで2週間目」
P「人間慣れてしまうと、怖いもので。……もしかしたらやよいが長介のことを忘れてるんじゃないかと思うほど」
P「それも、やよいはどんどんリアルな嫁さんポジションが似合う存在になりつつあるし」
P「……この先どうなるのやら」
P(すっかりうちのキッチンはやよいの縄張りというか、後片付けもさまになってるよな……)
やよい「……どうかしましたか?」
P「えっ? あ、い、いや。ちょっと考え事をな……」
やよい「考え事、ですか?」
P「あぁ」
P(俺が思ってたよりずっとしっかりしてて、それでいて幼さの残る可愛らしさ)
P「……なんでもない」
やよい「? 変なプロデューサー」
P(それでいて毎日誠心誠意込めて、ここまでやってもらったらさ。例えロリコンじゃなくても……)
P「……好きになるだろ」
やよい「え? 何ですか?」
P「あ、いや、独り言!」
P(やよいがどう思ってるか確証もない。けれど、善意でここまでやってくれてる、とも思いづらい……)
P(こういうときに経験不足が仇になるか。……なんて自虐してる場合じゃない。それより今気掛かりなのは……)
やよい「本当、今日のプロデューサー変ですよ?」
P「あ、うん。……ほら、一緒に暮らして結構経っただろ?」
やよい「……そうですね。すごく迷惑かけちゃって」
P「いやいや、そういう意味じゃない。これだけ長くここにいたってことは、やよいの家も」
やよい「……」
P「やよいはわがままだけでこんなことすると思ってないから俺もこうして一緒に暮らしてた」
P「でも、そろそろちゃんと話をしておいた方がいいと思ってな」
やよい「……たまに、帰ったりはしてました」
P「そうだったのか。それを聞いて少し安心したよ」
P(基本事務所に残って一緒に帰っていたが、やはり気になってたのか仕事の合間を見つけて様子を見に行ってたんだろう)
やよい「……はい」
P「……そろそろ話して欲しい。きっと、ただの喧嘩じゃないんだろ?」
やよい「……すごい私の勝手な話になっちゃうんです」
P「そうか」
やよい「それでも聞いてくれますか?」
P「あぁ、もちろん」
やよい「……それじゃ、これ洗っちゃいますね。プロデューサー、お風呂入って来て下さい」
P「わかった」
やよい「今日はもやし祭りだよー!」
かすみ「やったー!」
長介「……また?」
やよい「またって長介! 贅沢言うなら食べなくていいよ!」
長介「なんだよ俺ばっかり」
やよい「だってみんなは文句言わずに食べてるでしょ」
長介「自分は好きな事してるくせにさ……」
やよい「なっ!」
かすみ「あっ、それはちょっと……」
やよい「確かにそうだけど、違うでしょ! みんなにもっとおいしいものを食べさせてあげようって……」
長介「いつまでたっても食べられないじゃんか! それがこんなのだったらいらないよ!!」
やよい「あっ! 長介!」
やよい「……最近、ピリピリしてる気がする。少しくらい、おいしいもの食べさせてあげたいけど……」
長介「……」
やよい「確かに、今はまだ余裕がないけど、きっと! 少しずつお金も入るから!」
長介「……うん」
やよい「……それじゃ、食べよ?」
長介「その、さ。俺もやよい姉ちゃんが頑張ってるのは知ってる」
やよい「……うん」
長介「なのに、なんで? それって仕事がないってことだろ?」
やよい「それは……仕方ないんだよ! みんな一生懸命頑張って……」
長介「こんなに頑張ってるのに……きっとそのプロデューサーが悪いんじゃ……」
やよい「えっ……」
長介「もっとやよい姉ちゃんのために頑張ってくれるようなプロデューサーに変えてもら」
パシン
長介「っ……」
やよい「それ以上、プロデューサーのことを悪く言わないでっ!!!」
やよい「あっ……」
やよい(どうしよう……流石に叩いちゃダメだったよね……)
やよい(でも、プロデューサーは悪くない……私が、私がしっかりしてないから……ぐすっ)
やよい(ううん、これから頑張ればいいの! よし! ……でも、あの様子だと家に戻るのは)
やよい(プロデューサーは、おいしいって言ってくれるのに……)
やよい(長介のバカ……)
やよい「わぁ! お肉と野菜と……こ、こんなにいいんですか!」
やよい(プロデューサー、ありがとうございます! これを持って帰れば、きっと長介も……)
やよい「ただいま~」
かすみ「あ、おかえり!」
やよい「……長介は?」
やよい「……これ! お肉と野菜! 今日は贅沢にお肉入りのもやし祭りだよ!」
かすみ「え! ホント! ちょうすけー!!!」
長介「……」
「「「いただきまーす!!」」」
かすみ「おいしーい!!」
やよい「よかった~ ……長介、食べないの?」
長介「……この肉、どうしたんだよ」
やよい「え? そ、そのお給料日で!」
長介「こんなに……もらえるはずない。それに今日はいつもより遅かった」
やよい「……プロデューサーから分けてもらったの」
長介「……」
やよい「ね、プロデューサーは私のためにこんなに頑張ってくれてるの。だからもう少し」
長介「こんな、仕事がとれないからって肉で……」
やよい「ちょうすけ――」
やよい「……違う」
長介「俺のこと殴ってまでかばうんだ……そうだ、プロデューサーのことが好きなんだろ」
やよい「……やめて」
長介「そうやって楽しんでるのは姉ちゃんだけじゃないか。ねぇ!」
かすみ「ちょ、長介ダメだよ……お姉ちゃんのおかげで食べられてるんだよ?」
長介「……その気になれば俺だってこれくらい」
やよい「……だったら長介がやってよ」
長介「え?」
やよい「もう勝手にして!!!!」
バタン
長介「……」
かすみ「あ、お姉ちゃん……」
――
P「なるほど……」
やよい「私が、悪かったんです……長介を叩いちゃったから……」
P「……」
やよい「ごめんなさい、せっかくプロデューサーからもらったのに……」
やよい「私のわがままで迷惑かけちゃって……う、うぅ……」
P「……やよいだけのせいじゃないさ。でも、そうだな、よし」
やよい「プロデューサー……?」
P「明日、やよいの家に行こう」
やよい「え?」
P「俺もついていく、ちゃんと話をしよう」
やよい「……でも」
P「こういうのは誰かが入った方が話が進みやすいんだ。それに、俺も相当お世話になったからこれくらいはな」
やよい「……すみません、プロデューサー」
P「いいんだ、でもよく話してくれたな」
やよい「はい……」
P「大丈夫」
やよい「……はい!」
やよい「ただいま……」
かすみ「お姉ちゃん……おかえり」
やよい「かすみ、ごめんね?」
かすみ「ううん、大丈夫」
やよい「……今日は、お客さん連れてきたの」
P「こんばんは。やよいのプロデューサーだ、かすみちゃんかな? よろしくね」
かすみ「あ……お肉の人」
やよい「こ、こらかすみ!」
P「あはは、いいじゃないか。肉の人で十分。これは思ったよりなんとかなるかもな」
やよい「あ、あはは……すみません」
P「どうも、肉の人ことプロデューサーです」
長介「……ふん」
やよい「長介……」
P「それじゃ、長介君と呼んだ方がいいかな」
長介「……別に」
P「……それじゃ、やよい」
やよい「あ、はい。……その、長介」
長介「……なんだよ」
やよい「ごめんなさい。まず、叩いちゃったこと」
長介「……」
やよい「それだけじゃなくて私も、やっぱり悪いところあったな……って」
やよい「だから、もう仲直りしよう?」
長介「……」
やよい「長介……?」
P「ん? 俺?」
長介「……ずっと姉ちゃんと一緒だったんだろ?」
P「……まあな」
長介「……本当は殴りたいくらいだけど、許してやる」
P「……」
やよい「ちょ、長介!?」
長介「姉ちゃんは頑張ってるのに……」
P「……長介、君」
長介「……」
P「むしろ、俺を殴ってくれてもいい」
長介「え?」
やよい「プロデューサー?」
P「年頃だもんな、いろんな葛藤があるだろう。心のもやもやが」
P「なんていうか、言葉にするのが難しいんだよな。恥ずかしいっていうか」
P「俺はやよいのプロデューサーとして、できることをやってるつもりだし、やよいもそれに応えてくれてる」
P「長介君は俺といることでやよいがダメになってる。そう思ってるんだろうけど、それは違う」
P「ちゃんとしたタイミングさえ合えばやよいはきっと光るって俺も信じてる。それは長介君もそうだろ?」
長介「……」
P「それにさ、俺がたとえやよいが売れなくても見捨てる気なんてない」
P「あ、でもそれはそれで困るのか。見た感じ、お姉ちゃんが大好きって感じだもんな」
長介「なっ!」
P「よし、やっとしゃべってくれたな」
長介「……」
P「でも、ちゃんと言葉にしないと伝わらないぞ? 今は何言ってんだこのおっさん、って思うかもしれないけどさ」
P「いつか後悔する。家族ならなおさら、言いたいことを言い合えるけど、その逆言っちゃいけないことを言っても平気だったり」
P「そんなまま生きていくの、辛いだろう? だから、何かしたらちゃんと言わないとな。長介君だって、やよいのこと応援してるんだろう?」
長介「俺は……・」
やよい「長介……」
やよい「何?」
長介「ごめん、俺……ひどいこといって……」
やよい「……ううん、私こそ」
長介「でも、俺応援してるから。……だから、絶対」
やよい「……うん!」
長介「それと……プロデューサー、さん」
P「ん?」
長介「やよい姉ちゃんのこと、よろしくお願いします」
P「……あぁ、任せておけ!」
やよい「えへへ、これで元に戻ったかな……」
かすみ「よかったー! これでお姉ちゃん戻ってくるの?」
やよい「あ……そ、そう、だね」
P「……」
長介「……ちょっと、プロデューサーさん」
長介「あの、ごめんなさい。俺、結構ひどいこと言っちゃってて」
P「あぁ、それはいいぞ。言いたいこと言い合ってぶつかりあうのは、男同士の特権だからな」
長介「あ、う、うん」
P「よかったらタメ口でいいぞ? なんならそうだな、兄ちゃんとかでも!」
長介「え……あ、それじゃ、プロデューサーの兄ちゃん」
P「よし」
長介「……それで、ちょっと聞きたいんだけどさ」
P「ん、なんだ?」
長介「兄ちゃん、やよい姉ちゃんのこと好きなの?」
P「……はい?」
長介「いや、だってさ。普通こんな長く泊めたりするの嫌じゃないか?」
P「あー……た、確かにそうだが、ほら! やよいが全部家事とかやってくれ……あ、いや」
長介「……」
P「ち、違うぞ! 断じてそれだけが理由じゃない! な、信じてくれ!」
P「だから、何もしてないって!」
長介「そういえば兄ちゃん、とか呼ばせたし……」
P「それも偶然だって! なんならおっさんでも肉の人でもいいから!」
長介「……わかった」
P「はぁ、焦らせないでくれよ……」
長介「でも、やよい姉ちゃんのこと、大切に思ってるのはわかった」
P「……あぁ、それは本当だ」
長介「……よし」
やよい「できましたー! 今日はまた、お肉入りのもやし祭りですよー!」
P「おっ! 流石はやよいだな!」
やよい「皆いっぱい食べてくださいねー! これからもみんな仲良く頑張りましょー!!」
P「これにて一件落着、だな!」
長介「えと、ちょっといい?」
長介「……その、やよい姉ちゃんはいいの?」
やよい「え?」
長介「今まで兄ちゃん、プロデューサーの家に居たのに」
やよい「あ、それは……」
長介「なんていうか、兄ちゃんも姉ちゃんがいて助かったみたいだし」
P「ば、馬鹿! 余計な事を……」
やよい「……それで?」
長介「やよい姉ちゃんさえよかったら……またあっちで暮らせば?」
やよい「……え?」
P「長介……?」
長介「か、勘違いするなよ! 別に認めたわけじゃないからな! でも、姉ちゃんだってほら」
やよい「え?」
長介「兄ちゃんと暮らせなくなるってわかったらすごくがっかりし「わわわわわー!!」
P「え?」
長介「それじゃあ、いいの?」
やよい「それは……う、うん」
P「……」
長介「俺はその、いろいろ教えてもらった方が、仕事も増えるかなって思っただけで。だったら一緒に居た方がさ」
長介「嫌なら、別に。でも、うちのことは俺がやるから心配しなくていいぞ」
やよい「長介……」
長介「そのかわり! 今度はちゃんと食べるから、肉! 持ってこいよ!」
P「……あぁ、腹いっぱい食わせてやるさ」
やよい「本当にいいの、長介? 浩二の世話とか、大丈夫?」
長介「俺だっていつまでもガキじゃないんだから。姉ちゃんがいない2週間誰が面倒みてたと思ってるんだよ」
かすみ「え、それは私が「と、とにかく!」
長介「そっちで話合って決めればいいだろ」
やよい「……」
P「うむ……」
P「……」
やよい「……」
P「その、よかったな。仲直りできて」
やよい「はい、ありがとうございます……プロデューサーのおかげで」
P「いやいや、やっぱりやよいの頑張りあってこそだ」
やよい「い、いえ……」
P「……」
やよい「ぷ、プロデューサーは!」
P「ん?」
やよい「私と、暮らしてもいいんですか……?」
P「……」
P「……問題ないけど、問題があるっていうか」
やよい「問題、ですか?」
P「俺は構わないんだ。でも、やっぱりそれはアイドルとプロデューサーとしてどうなのか、っていう……」
P「……ごめんな、うまくいえなくて」
やよい「それじゃ、プロデューサーは私と暮らしたい、ですか?」
P「やよい……?」
やよい「答えてください……」
P「……」
P(やよいも、こんな目をするんだなと改めて気づかされた)
P(まっすぐで、いつものかわいらしさとは裏腹に真剣な。そんな顔されたら)
P「……俺だって、嫌じゃない。むしろ、来て欲しい」
P「もう一度、うちに来てくれるか? やよい」
やよい「は、はい! よろしくお願いします!!」
P(でも、俺たち)
P(お互いの気持ちは知らないんだよな……)
P「これなら同棲って言われない。……なんてうまい話にはならんよな」
P(かくしてやよいとの同棲生活が改めてスタートしたわけだが)
P(家族の了解済み、とは言え。俺たちがなんのために同棲しているのか……)
P(アイドル以上、コイビト未満……ってとこか?)
やよい「プロデューサー?」
P「あ、あぁ」
やよい「……えへへ」
P「どうしたんだ、急に」
やよい「……やっぱり、ここがおちつくなぁって」
P「そんな、1か月もいなかったのにか? 時間だけなら家の方が長いだろうに」
やよい「そうですけど、なんていうか……」
P「うん、でも確かに俺も落ち着く」
やよい「……プロデューサー」
P(”プロデューサー”、か)
P「ん……あぁ、朝か。おはようやよい」
やよい「……」
P「どうした?」
やよい「お願いがあるんですけど……」
P「おぉ、なんだ言ってみろ」
やよい「そ、その……今日は一緒に事務所に行きませんか?」
P「……ん?」
やよい「だ、ダメ、ですか……?」
P「どうしてか、理由を聞いてもいいか?」
やよい「せっかく一緒に暮らしてるのに、別々に家を出るっていうのが……ちょっと」
P「まあ、わからなくもないが……やはり怪しまれる恐れが」
やよい「……そうですよね」
P「……でもまあ今日だけならいいぞ」
やよい「ほ、ホントですか!?」
やよい「あ、は、はい」
P「よし、それじゃあ行くか」
やよい「あ、あの……」
P「ん?」
やよい「……いえ! 行きましょう!」
P「おはようございます」
やよい「おはようございます!」
律子「あら、珍しく同時に到着ですか」
P「あ、あはは! 偶然会っちゃいまして!」
やよい「……」
春香「おはようございます! プロデューサーさん! やよいもおはよう!」
やよい「あ、春香さんおはようございます!」
P「え? そ、それはだってほら! 春香と美希とやよいのグループなんだ、誰かと一緒に居たって変じゃないだろ?」
春香「あ、そういえば結構前にやよいにご飯作ってもらうって言うの、どうだったんですか?」
P「ど、どうっていうか……今も続いてるというか……」
春香「え、えぇ!? そ、そんな……やよい意外とすごいね……」
やよい「え、えへへ……ありがとうございます」
春香「私も負けないように頑張らなくちゃー……って、もしかして二人はそういう関係になってたり?」
P「なっ!? ど、どういう意味だそれ!」
春香「冗談ですって! やよいに限ってそんなこと。ましてやプロデューサーさんが手を出すなんてことはないと思いますし」
律子「ちょっと春香? 変な事言わないでよ少しでも噂にされたら面倒なんだから」
春香「あ、あはは。ちょっとした雑談ですって。でもいいなぁ、私もプロデューサーさんの家に行きたいです!」
やよい「……」
P「は、はは、まあそのうちな」
律子「プロデューサーもです、くれぐれも気を付けてくださいね?」
律子「え?」
やよい「私は……あの……う、うぅ……」
P「ど、どうしたやよい? 具合が悪いなら、こっちに」
やよい「……」
P「どうした、急に」
やよい「私、変なんです……」
P「え?」
やよい「……プロデューサー」
P「……なんだ?」
やよい「みんなに、話したら……ダメですか?」
P「……やよい?」
やよい「私……なんていうか……」
やよい「今プロデューサーの家にいるのが、偶然だとか思いたくないんです」
やよい「ごめんなさい、わがままですよね……わかってるんです。でも」
P「うん、やよいの気持ちはわかるよ。俺だって、偶然だなんて思ってない」
P「でも、今言ったからと言ってどうにかなるもんじゃない。それどころか一緒に住めなくなるかもしれない」
P「……苦しいかもしれないけど、もう少し我慢してくれるか?」
やよい「はい……すみません」
P「……」
P「やよいは俺が好きか?」
やよい「え?」
やよい「……あ」
P「……やよい」
やよい「……好き、です。プロデューサーのことが好きです。大好きです!!」
やよい「プロデューサー……」
P「俺もだ。ダメプロデューサーかもしれないけど、やっぱり好きになってた」
やよい「ぷろ、でゅー……」
P「なんで今まで言わなかったんだろうな。俺たち、こんなに近くにいたのに」
やよい「あっ、うっ、ぐすっ……」
P「やよい? どうした?」
やよい「あ、い、いえ……わかんない、ですっ……なんか、涙が……あぅ……」
P「……いいぞ、今は泣いてくれ」
やよい「う、うわぁ、うわああああん!!」
P「落ち着いたか」
やよい「は、はいっ……」
P「……でも、確かめられてよかった。そうとわかったら、俺もやることが決まったから」
やよい(私、自分で元気元気って頑張ってました)
やよい(でも、実はすっごく弱くって。迷惑ばっかりかけて)
やよい(私なんて、って思いながらでも頑張るぞ!って)
やよい(そうやって応援してくれたの、プロデューサーでした)
やよい(だから、私もプロデューサーに恩返しがしたかったから、お料理を作りに行ったんです)
やよい(でも、おいしいおいしいって喜んでくれるプロデューサーの顔を、声を聞いてるとどんどん心があったかくなって)
やよい(もっともっと聞きたい、もっともっと喜んでもらいたいって! 思ったんです!)
やよい(気が付いたら、泊まらせてもらってて。やっぱりプロデューサーは優しくて、私の弱いところを隠してくれたんです)
やよい(そうじゃなかったら今頃、長介とも仲良くなれてなかったと思うし、ありがとうございます)
やよい(でも、気が付いたら。プロデューサーが近くにいないと、不安になって。すごく、変な嫌な気持ちだった)
やよい(プロデューサーの家でまた暮らせるって思った時、すっごく嬉しかった!)
やよい(そして、プロデューサーに聞かれたとき、やっとわかったんです。私、プロデューサーのこと……)
やよい(えへへ、今頃わかるなんて私、やっぱり。……ううん、プロデューサーがいるから大丈夫)
やよい(これからも元気いっぱいで頑張りますから、よろしくお願いします! プロデューサー!)
P(それは、仲直りと同じだ)
P(いいたくても、相手が。それを理由に、言い訳に、自分から言おうとしない)
P(もし言って拒否されたら? 悪い方向に考え出してしまうともう止まらない)
P(なんて、格好つけて言ってみても、どこにでもあるような話か。うん、ただ俺はやよいに気持ちを伝えたかったそれだけ)
P(もちろんこのまま結婚! なんて馬鹿な真似はしないし、公表もしないさ)
P(だから、それまでの基盤づくりだ。もうやよいの言葉を聞いたときから決めたんだ)
P(俺がやよいを幸せにしてみせる、そのためにはまずトップアイドルにしてあげなければいけない)
P(しかもだ、同じグループのメンバーに影響が出ない程度に……あれ? そんなこと俺、できるのか?)
P(……とにかく、やよいとの生活は続けるが、それなりの覚悟を持って挑むってことだ)
P(やよいにもらったものは、数えきれない。それを返すために、俺は一生働いてみせるさ)
P(まずは、その一歩だ!)
P「それじゃ、やよい」
やよい「あ、はい!!」
「「ハイターッチ! いぇい!!」」 終わり
だから機会があれば続き書こうと思ってるこのままだとグダりそうだし一旦ね
メンバーに知られて軽い修羅場展開とか、新しい同棲生活とか
とりあえずここまで長々とお付き合い&支援ありがとう 乗っ取りだったけど楽しかった
Entry ⇒ 2012.10.30 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「貴音の髪の毛に絡まって取れなくなった」
響「うんうん、自分もあのもふもふは何度触っても飽きないし
いっそのこと絡みつきたいぞ!」
亜美「それはないっしょ我那覇さん」
響「えぇ!? そうかなー?」
真美「いくらなんでもそれはねー」
貴音「おはようございます」ズルズル
響「あ、おはよー貴音! ん? 貴音何か引きずってない?」
真美「た、大変だぁぁ! お姫ちんの髪の毛に兄ちゃんが絡まってるよ!」
亜美「うあうあ~! っていうかむしろ組み込まれ……」
真美「組み込まれ……」
真美・亜美「組み込まれてるーーー!」
響「ぷ、プロデューサー!? おーい! 大丈夫か!」
P「……」
貴音「プロデューサーが……?」クルッ
グイ
P「ぐぇ……ゲホッゲホッ」
貴音「……? 今、何か?」
貴音「ふふ、3人とも、プロデューサーが私の髪の毛に絡まっているなど
そのような世迷言……起こるはずがありません」
響「いやいやいや」
響「っていうか生きてるの……これ?」
貴音「あの……私、見えないのでなんとも言えないのですが、
それは真、なのでしょうか?」
真美「ほら、お姫ちん! 鏡! これで見てみてよ!」
貴音「……」
真美「ほら、髪の毛のあたりに何かいるっしょ!?」
響「自分と重なってて何にもわからないんじゃないのかな?」
P「俺はここにいるぞー」
貴音「 ――ッッ! 」ビクゥッ
貴音「」ドサッ
響「た、貴音ぇ!」
亜美「気絶しちゃったよ……どうすんのさこれ」
P「お、おいお前たち、ぐるじぃ……今のうちに外してくれ」
響「いや、早く自分で取りなよ」
P「そんな冷めた目で見るなよ! 取れないんだってば!」
もふもふしてみようかと思って触ってみたら……」
P「そのまま吸い込まれて……こうなった」
真美「ホラーや……」
亜美「じゃあじゃあ、もしかしたら亜美達だって触ったら吸い込まれちゃうかも
しれないってこと!?」
響「いくら貴音の髪の毛だからって……もちろん貴音は好きだけど
プロデューサーみたいに取れなくなるのはさすがに嫌だぞ」
P「おい、そんなこと言ってる場合か! トイレとか行きたくなったらどうするんだよ」
P「えぇー!」
亜美「ねえねえ兄ちゃん……段々お姫ちんの髪の毛みたいに体が
白くなって言ってない?」
響「確かに……。プロデューサーの顔はこんなに白くないぞ」
P「いや、それは貴音の髪の毛が首に巻き付いてもあるから
それで青白くなってるんじゃないのか?」
亜美「もしかして同化してるとか……!?」
真美「さながら、ダッチマン号の牢獄の壁に同化してた長靴のビル
みたいになってるよ……」
P「急にわかりづらい例えするんじゃないよ! なんでパイカリなんだよ!」
響「あの繰り返しを始めた瞬間はゾッとしたよね」
P「いや、パイカリの話はもういいから!」
単語「う、うぅ……」
亜美「あ、起きた」
貴音「わ、私は一体何を……」
響「貴音、落ち着いて聞いてね。実は貴音の髪の毛に
プロデューサーが吸い込まれて、そして組み込まれて取れないんだよ」
驚いてしまいました……」
P「なぁ、貴音、これ、どうにかなんねえの?」
貴音「ひッ! 自分のすぐ後ろから声がするというのは慣れないものですね」
響「さすがにその近さは慣れたくないけどな」
貴音「さながら真後ろに佐為がいて色々口出しされるヒカルの気持ちを
身を持って体験しているかのようです」
P「それは違うだろ! 今日はなんかすごい例えてくるな、みんな!
っていうかキャラ的にも貴音がヒカ碁知ってたらおかしいだろ!」
貴音「これでも年齢的には世代なのですが……」
P「嘘つけ! その世代はあずささんだ!」
P「…………」
P「……そうか、うん」
響「なんで受け入れたんだよ! 起きろよ!」
亜美「起きろ兄ちゃん!」
真美「寝たら試合終了だぞ兄ちゃん!」
貴音「プロデューサー、さすがにそれは私も困ります……。
私達をプロデュースしてくださる方がいなくなってしまうのは……」
P「そうだなぁ……って、レッスンの時間じゃないか! とりあえずレッスン上に向かおう!」
響「本当に受け入れ出してないか?」
P「くっ、よりによってダンスレッスンとは……」
トレーナー「あの……貴音ちゃん、後ろのソレは」
貴音「ソレとは! この方は私の一部。
そう、プロデューサーです」
トレーナー「えぇ!?」
響「なんで貴音も受け入れ出してるんだよ!」
貴音「何もお気になさらずに……さぁ時間がありません。始めましょう」
トレーナー「え、えぇ……それじゃあ今日はオーバーマスターだったわね」
P「そしてダンスの激しい曲……! 命の危険!」
……
…
貴音「お疲れ様でした」
真美「お疲れ、お姫ちん!」
響「あれだけ激しく動いてればそのうちスポーンって取れるかと思ったけど……」
亜美「見事にくっついたままだったね」
P「ぐぇぇええ……」
真美「うあうあ~! 白目むいてるよ!」
響「と、とりあえず事務所戻ろっか」
響「……で、あれから事務所帰ってきていろいろ試してみたけど」
P「だめだ……もうだめだ。取れねえ」
貴音「かくなる上は……切り落とすしか!」
P「やめるんだ貴音! それはダメだ!」
P「も、もう一日だけ考えよう。今日はもう帰って休むとしよう」
貴音「そうですね。では皆、今日はこれで」ズルズル
響「ちょっと待ったーー!」ガシッ
響「なんでさり気なく貴音の家にそのまま行こうとしてるんだよ!」
P「え? いや、それはしょうがないというか……」
しかも、髪の毛に絡まってて、こんなに密着した状態で!」
亜美「そうだそうだ!兄ちゃんのエッチ」
真美「兄ちゃん不潔」
響「プロデューサーのスケベ」
P「や、やめろ! そんな目で俺を! 俺を見るな!
ええい、これだからファンキーノートのロリ組は!」
響・亜美・真美「えへへへ」
P「褒めてねえよ!」
P「いや、それには及ばない。俺はどんなことがあっても貴音には手を出さない」
真美「イマイチ信用なりませんな~」
P「もう……手がどこにあるのかもわからないんだ」
亜美「……え?」
P「感覚がないんだ」
響「それって、どういうこと……?」
P「腕はさっきまでは感覚があったんだ」
P「だけど、結局腕も絡まっていて身動きが取れない状態になっていた」
P「そして段々と感覚が薄れていって、今じゃどこに自分の腕があるのかもわからない」
P「さぁ、どうだかな」
P「亜美がさらっといった同化してるってのはあながち間違いじゃないようだ」
亜美「そ、そんなぁ!」
P「首はもう固定されちまって全然動かない……」
P「同じ方向を見るしかないんだ」
P「首もさっきよりもどんどん締まってきている」
貴音「そ、そんな……!」
P「今夜中には俺はもう貴音の髪の毛の一部になっちまいそうだ」
真美「兄ちゃん、それ本当なの!?」
響「プロデューサー! 寝たらダメだぞ!」
貴音「私は……プロデューサーの最後の顔も見れないなんて……」
P「ごめんな、響、亜美、真美。そして貴音」
P「はは……貴音はこれからもよろしく、か」
亜美「そんなこと言ってる場合じゃないっしょ!」
P「トップアイドルにするって約束したのにな……だめだったな」
P「……本当にすまないと思っている」
貴音「この四条貴音、命をもって、プロデューサーの命を守る時!」
P「貴音。わかってるんだろう? そんなことをしても無駄だ」
P「今、俺は薄れゆく意識の中で貴音の生命エネルギーを吸って生きている
いや、生かされているようなものだ……」
P「だから、もう、もらった分だけ、俺は貴音になり、返さなくちゃいけないからな」
P「もう……ゴールしてもいいよな」
貴音「あ、あなた様ぁ!」
悪く……なかったぜ」
響「プロデューサー!!」
亜美「兄ちゃん……」
真美「そんな……嘘だよね、兄ちゃん! ねえ!」
貴音「……うぅ……プロデューサー……」
響「これからは……きっと貴音の中で生きてるんだよね……」
真美「ん?兄ちゃんの手、何か握ってない?」
亜美「もしかして遺言ってやつ!?」
『ドッキリ大成功』
亜美・真美・響「……え?」
P「いえぇぇえーーーーい!!」
貴音「ふふふ」
亜美「……え?」
響「えぇーーー!!」
真美「だ、騙したなぁ!!」
貴音「ふふふ、見事に成功しました」
真美「兄ちゃんのばかばかばか!!」
亜美「そうだぞ! 兄ちゃんアホタレー!」
P「ははは、いててて、ごめんごめん」
P「た、貴音、最後の聞いたかよ!
『これからは……きっと貴音の中で生きてるんだよね……』
だってよぉぉぉお!! あはははは!」
貴音「ふふふ、響らしくて可愛いではありませんか」
響「うぎゃーーー! やめてよーー!」
無茶苦茶悲しかったんだぞ!!」
P「ははは、ごめんごめんっと」
P「よっと」スポーンッ
P「ははは、それじゃあみんな帰る用意しないとな」
真美「はぁ……なんだか安心したらどっと疲れちゃったよ」
貴音「ふふ、騙す真似などしてしまってごめんなさい」
亜美「っていうかあれどうやってたの?」
真美「あー! 真美もやりたいやりたい!!」
響「こ、コラー、貴音が困ってるだろ……」
P「お前も素直に言ってこいよ」
響「う、うるさいなぁ! わかってるよ! た、貴音、じ、自分もー!」
貴音「で、では順番で……」
…………
……
…
響「えへへ~、もふもふだぞ」ズルズル
貴音「あの……私も少々つかれてきたのですが」
亜美「うあうあ~! もうちょっと頑張ってお姫ちん! 次は亜美の番なんだからね!」
P「ちょっと自業自得……なのかもな」
END
別のルートがあとひとつだけあるのでもう少しだけお付き合いください
>>61
の途中から別ルートです
無茶苦茶悲しかったんだぞ!!」
P「ははは、ごめんごめんっと、ん?」グイ
P「あれ? ん?」グイ
響「? どうしたんだ?」
P「あ、あれ? た、貴音さん? あの、取れないんですけど」
貴音「うふふ、ふふふふ」
貴音「ですから私は先程見事に成功しました、と言いました」
P「……はい?」
P「え? ちょ、え?」
貴音「うふふ、それでは帰りましょうか」
P「おい、響! 助けて!」
響「どうせ取れるんだろう!? もうだまされないからな!」
真美「そうだぞ! 真美達を騙した罪は重いかんね」
P「うわぁ、何それ! マジなんだって! ドッキリじゃないから!」
亜美「さてさて、真美さんや、もうご帰宅の時間ですぞ」
P「おいいいい! 聞いてくれよ!なぁ!」
貴音「ふふ、これからはずっと側にいてくれますね、あなた様?」
P「ぁぁぁああああ!」
BAD END
折角なんで書いてしまいましたすみません。
ではこれで終わりますね。ありがとうございます
貴音Pにとっては最高のHAPPY ENDだった
Entry ⇒ 2012.10.30 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
モバマスP「ついに仕事の依頼が来たぞ」
P「そうだ、やったな裕美!」
イヴ「おめでとうございます裕美ちゃん!」
あい「おめでとう、裕美」
裕美「そんな……私なんかに……」
P「おいおい……そんな卑下しなくてもいいじゃないか」
裕美「そんなこと言われても……」
P「約束、忘れたのか?」
あい「約束……?」
裕美「……そうだね、うん……やってみるよ」
裕美「うん、頑張るね」
がちゃ ばたん
あい「……裕美」
裕美「どうしました?」
あい「Pくんと約束? って何の話だろう……」
イヴ「ああ! あいさんはあの時まだ事務所に居ませんもんねぇ」
裕美「あっ、そうか」
イヴ「じゃあ、今夜はミーティングですね☆」
裕美「あのお店に行くの?」
あい「わかったよ」
がちゃ ばたん
P「裕美ー、今から軽い顔合わせに行くぞー」
裕美「うん、じゃあ2人とも……頑張ってくるね」
あい「いってらっしゃい」
イヴ「頑張ってくださぁい」
イヴ「裕美ちゃん、すごいですねぇ」
あい「……約束、か」
イヴ「あいさん? どうしたんですかぁ」
あい「私も、Pくんと約束の一つでもしておけば良かったかなってね……ふふ」
イヴ「あ、あいさんが微笑みましたぁ♪」
あい「……むぅ」
イヴ「♪」
――――――
――――
――
裕美「戻りました」
あい「お疲れ様、帰ってきて即行で悪いがPくん」
P「なんだ?」
あい「今日はミーティングをしようと思ってね」
P「ふむ、してその心は?」
あい「色々と聞きたいことがあるんだよ」
P「……お前何にジェラシー妬いてるの?」
P「わかった、わかったよ」
あい「最初からそう言えばいいんだよ」
イヴ「わぁ☆ じゃあ準備してきますぅ☆」
裕美「私も、親に連絡するね」
P「了解……んじゃ、俺はデスクワーク有るから適当に晩飯でも食べて来い」
あい「出前を頼もうじゃないか」
P「経費で落とす」
裕美「……いいの?」
あい「いいんじゃないか?」
P「事務員がああ言ってるだからいいんじゃない?」
ちひろ「混ぜるってのは晩御飯だけじゃなくてミーテングもですよー?」
イヴ「わぁ♪ 一緒にお話しましょう!」
裕美「……いいの?」
あい「いいんじゃないか?」
P「事務員だからいいんじゃない?」
P「ラーメンでいいな」
イヴ「ミソチャーシューメンでお願いしますぅ」
あい「塩野菜」
P「はいよ、裕美は?」
裕美「醤油ラーメンスープ薄め麺細め」
P「……そんなオプションあったか? 俺はチャーハンセット醤油で」
ちひろ「それでは電話かけちゃいますね」
・
・
・
ちひろ「食器は私が洗っておきますね」
イヴ「お手伝いしますぅ……というのは建前で、家事のお勉強です」
ちひろ「ふふっ……じゃあやってみましょう」
イヴ「はいっ♪」
裕美「……」
P「どうした?」
裕美「……うん、緊張するなって……」
P「大丈夫だって」
裕美「……本当にそう思う?」
なでなで よしよし
裕美「ん……わかった」
P「ああ、お前なら大丈夫さ」
裕美「……♪」
あい「……Pくん?」
P「なした?」
あい「今日は、Pくんの全面的なおごりだ」
P「は!? 何でそうなるよ!」
P「えー」
裕美「……??」
ちひろ「終わりましたよー」
イヴ「どんぶりの洗い方教えてもらいましたぁ」
P「よし、じゃあ移動するか」
イヴ「はぁい☆」
あい「……」
裕美「……あいさん?」
裕美「移動しますよ?」
あい「ああ、わかったよ」
社長「おお、ちひろ君まだ残っていたか」
ちひろ「え゛……なんでしょう?」
社長「ちょっと急務の事務作業が出来てしまってね、手伝ってもらうよ」
P「あ、じゃあ俺もですか?」
社長「君の手を借りるほど大きい仕事でもないよ、ちひろ君1人で十分だ」
ちひろ「そんなぁ~……」
P「南無」
P「今日もお邪魔します」
マスター「いらっしゃい、CD聞かせてもらったよ」
P「どうです? 良い出来だと思うんですが」
マスター「素晴らしかったよ、あらためて良いと思った」
P「練習場所を提供して頂いて本当ありがとうございます」
マスター「彼女らの素晴らしい歌が聴けるなら安いものさ」
イヴ「いやん☆ ありがとうございますぅ」
あい「照れくさいね、ありがとうございます」
裕美「……ありがとうございます」
P「わかりました」
あい「いつもありがとう、マスター」
マスター「いやいや……頑張るんだよ?」
あい「……何の事?」
マスター「はいはい、行った行った」
あい「……からかわれる事が最近増えた気がする」
P「打ち解けた証拠じゃないか?」
あい「そうかな」
あい「……むぅ」
P「まぁまぁ……で、ミーティングってのは?」
あい「それなんだが……」
P「あいにしては珍しく歯切れが悪いじゃないか」
あい「……えっとだな……」
イヴ「裕美ちゃんと何の約束をしたのか気になるみたいですよぉ☆」
裕美「え?」
P「……は?」
イヴ「あいさんたらですね、私もyもごもご」
あい「……」
P「……」
あい「……」
P「……まあ、なんでイヴの口を押さえたのかは聞かないでおくよ」
あい「賢明だね」
P「だからもう離してやってくれ」
※ 前々作の関ちゃんの口調には目をつぶってください><
ふりーまーけっと場
P「んー……」
「いらっしゃい」
P「あ、どうも」
「小物とかどう? うちの娘の手作りだよ」
P「へぇ……よく出来てる、これとこれくださいな」
「はい……ほら、裕美」
裕美「あ、ありがとう……ございます」
裕美「うん……」
P「……ねえ、ちょっとこっち見てくれない?」
裕美「……何?」
P「……うん! 顔立ちもいいしスタイルも悪くない……」
裕美「な……何なの?」
「あの……?」
P「アイドルやってみない?」
裕美「……あいどる?」
P「はい、私芸能プロダクションのプロデューサーをやっていまして、こういうものです」
裕美「……Pさん……」
P「うん、今日は名詞を渡すだけにしておくよ」
「ええ……はい」
P「気が向いたら電話してくれないかな?」
裕美「気が……向いたらね」
P「うん、それでいいんだ。 興味が沸いたらでいいよ」
裕美「……わかった」
「いえ、アクセサリー大事にしてくださいね」
P「はい……じゃあ、連絡待ってるよ?」
裕美「……」
「こらっ……すいませんね」
P「いえいえ、それでは失礼します」
「ありがとうございました」
裕美「私が……アイドル?」
「やってみる?」
裕美「こんな私が出来るとは思えないんだけど……」
「話だけでも聞いてみたら?」
裕美「……ちょっと、考える」
――――――
――――
――
P「忘れてた、すまん」
イヴ「もうっ 1人にしないでくださいぃ」
P「誤解を招くような事を言うんじゃありません」
イヴ「え~……そのブレスレット、どうしたんですかぁ?」
P「フリマで見つけてね、いいものだから買った」
イヴ「私もそれ欲しいですぅ」
P「実はここにもう一つブレスレットがある」
イヴ「きゃあ☆ Pさんは優しいですねぇ♪」
P「ふふふふ」
イヴ「じゃあ、帰りましょー」
P「そうだな」
Prrrrr...
P「はい、Pです……電話してくれてありがとう……うん……じゃあ、○○町前の喫茶店で」
Pi
イヴ「前スカウトした人ですかぁ?」
P「うん、話は聞いてくれるみたいだ」
イヴ「私のお友達が出来るんですねぇ☆」
P「一緒にコンビ組んでもらう予定だからな」
イヴ「私も一緒に行っていいですかぁ?」
イヴ「ぶー」
P「じゃあ、ちょっと出てきます」
ちひろ「わかりました、行ってらっしゃい」
イヴ「行ってらっしゃいですぅ☆」
P「お待たせ」
裕美「うん……」
P「とりあえず俺はアイスティー、君は?」
裕美「……レモネード」
「畏まりました」
P「ところで、親御さんは?」
裕美「1人で行って来いって……」
P「わー……」
P「ん?」
裕美「私は断りに来たの」
P「……何でだい?」
裕美「私なんかにアイドルは無理だよ……目つきも悪いし、ブサイクだし……」
P「……」
裕美「いつもにらんでるんじゃないかって言われて、髪もこんなだし……」
P「……」
裕美「そんな私に、アイドルなんか無理だよ」
P「そっか……」
裕美「だから、断りに来たんだ……私にアイドルは無理……アンタもそう思うでしょ?」
P「それなら、電話で断ればよかったんじゃないかな?」
P「電話までくれて直接来たってことは、ちょっとは興味あるでしょ」
裕美「興味はあるけど……私がなれるとは思わないんだ」
P「で、だ」
裕美「……え?」
P「掻い摘んで、アイドルの仕事を説明していくよ」
裕美「……う、うん」
・
・
・
裕美「……」
P「どうかな?」
裕美「……」
P「興味は、ある?」
裕美「……うん」
P「そっか」
裕美「でも……」
P「じゃあ、事務所まで来てみる?」
裕美「え?」
裕美「……わかった」
P「じゃあ、行こうか」
裕美「あ、お代……」
P「いいよ、俺持ちだ」
裕美「そんな」
P「話を聞いてくれたし、ここまで足を運んでくれたお礼だよ。 いい?」
裕美「……うん」
P「自己紹介がまだだったね、俺はP」
裕美「私は、関裕美」
P「じゃあ行こうか、裕美ちゃん」
裕美「うん」
――――――
――――
――
裕美「お……お邪魔します」
ちひろ「お帰りなさい、その子は?」
P「興味があって、見学です」
裕美「……こんにちは」
ちひろ「こんにちは、私はここで事務員をしている千川ちひろよ、よろしくね?……えーと」
裕美「あ……関裕美です」
ちひろ「裕美ちゃんね……プロデューサーさんは本当にすごい子を見つけましたね」
P「でしょう?」
裕美「……」
裕美「え?」
P「俺が今メインでプロデュースしてる子だよ、イーヴー、いるかー?」
イヴ「はぁい☆ お帰りなさいPさん☆」
P「ただいま」
裕美「……この人が?」
P「うん」
イヴ「イヴ・サンタクロースですぅ。 イヴって呼んでくださぁい☆」
P「どうしたのかな?」
裕美「イヴさん……日本人じゃないよ?」
P「日本人じゃなくてもアイドルになったっていいじゃないか」
イヴ「そうですよぉ! アイドルになっちゃうんです~! いやん☆」
裕美「……Pさん」
P「何だ?」
裕美「わたしも、イヴさんみたいに明るく笑顔になれる?」
P「裕美ちゃんは元々顔立ち整ってるし、笑顔もかわいいと思うよ」
P「裕美ちゃん?」
裕美「私はこんな性格な自分が嫌だったし外見も自信が無い、でもイヴさんみたいな笑顔になれるなら頑張ろうと思うんだ」
P「……そっか」
裕美「これから宜しくね? プロデューサーさん」
P「ああ、よろしく……裕美」
裕美「……うん、イヴさん」
イヴ「なんですかぁ?」
裕美「私、どんな事でも頑張る、イヴさんみたいな笑顔で皆を元気にしたいんです」
イヴ「私の笑顔ですかぁ?」
イヴ「私からもよろしくお願いしますぅ☆」
P「お前らには、ユニットを組んでもらうからな」
イヴ「2人ですかぁ?」
P「いや、トリオだ」
裕美「……あと1人は?」
P「……まだ探してる最中だ、バランスを取るとなると……大人びた落ち着いた人かな」
裕美「ねぇ、プロデューサーさん」
P「どうした?」
P「ああ、裕美はこんなブレスレットを作れる位器用なんだ、なんだってこなすさ」
裕美「……つけててくれてたんだ……」
P「うん、いいものだし……裕美との縁が出来たものだからね」
裕美「……ありがとう」
P「よし、レッスンに行くぞ!」
裕美「うん」
イヴ「はぁい☆」
裕美「プロデューサーさん……」
P「どうした?」
裕美「……私、アイドル辞め……ううん、なんでもない」
P「……」
裕美「……やっぱり……自信が無いよ……」
P「裕美はさ、レッスンが辛いか?」
裕美「うん……」
P「そりゃそうだな、トレーニングみたいなものだから」
裕美「笑顔の練習とかもしてみたけど、相変わらず顔はきついし」
P「……」
P「裕美」
裕美「……なに?」
P「お前はアクセ作ってる時すごく良い感じに笑顔になってるぞ?」
裕美「……そう?」
P「ああ、多分意識しないところで笑顔になってるんだろうな、そのほうが自然だからな」
裕美「……自然に、笑顔に?」
P「そう、自然に、笑顔にだ」
裕美「……うん。 私、頑張ってみるね」
裕美「……何?」
P「今、良い笑顔してるぞ?」
裕美「……私が一番笑顔でいられるのは……プロデューサーさんの前でだから……」
P「うおっ!?」
裕美「……ふふっ……プロデューサーさん?」
P「ど、どうした?」
裕美「私、何でも楽しんでみる。 そして、自然な笑顔でいられるようになる」
P「……」
裕美「だから、その時までアイドルやめない……約束する」
イヴ「一緒に頑張りましょう~☆」
P「イヴ!? いつからそこにいた?」
イヴ「ずっといましたよぉ!」
裕美「……イヴさん」
イヴ「はい?」
裕美「……可愛い」
イヴ「いやん☆」
裕美「プロデューサーさん、私、この笑顔をモノにするよ」
P「わ、わかった」
裕美「それまで、一緒にいてよね?」
P「……おう!」
P「……とまぁ、こんな感じ」
裕美「うん」
イヴ「そのブレスレットって、裕美ちゃんに会った時に買ったものだったんですねぇ」
P「ああ、そのときにどんな事でも楽しむって約束したんだ」
裕美「今は、アイドル楽しいよ……イヴさんもあいさんも良い人だし」
あい「そうか……嬉しいな」
裕美「プロデューサーさんもいるから、私は楽しめるんだ」
P「良かった、ありがとう」
なでなで よしよし
あい「……む」
P「ああ、魅力的だぞ」
イヴ「すごくかわいいですよ☆」
あい「私から見ても可愛いと思うよ」
裕美「良かった……そうだ、今度みんなの分のアクセも作るね」
イヴ「おそろいとかだと楽しそうですね☆」
裕美「うん、おそろいのブレスレットを作るね」
あい「それは楽しみだ」
あい「そういえば、仕事は何だったんだい?」
P「ハロウィンのイベントらしいよ、洋館でライブだ」
裕美「お客さんも私も、楽しめれば笑顔になるよね?」
P「勿論」
裕美「うん、楽しむ」
おわり
関ちゃんR昇格おめでとおおおおおおお!
心から望んでたよ!
お前らはもっと関ちゃんの魅力に気付くべき
それが感じられたら万々歳かな
雰囲気が好きって言ってくれるのはすごい嬉しい
ありがとうございました
Entry ⇒ 2012.10.30 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
涼「冬馬さんってかっこいいですね……」 冬馬「へっ!?」
冬馬(こ、こいつもしかして俺に惚れてる!?えっ!?)
涼「あっ、そろそろ私行きますね!それでは!」
冬馬「ぉ、ぉぅ」
冬馬「うぁぉおああああああああああああああ」
絵理「あの人ずっとこっち見てる……」
愛「あっ!!あの人はこの前も一緒に仕事した鬼ヶ島羅刹さんじゃないですか!」
涼「本当だ。何か用かな?」
冬馬「!!」サッ
絵理「……逸らした?」
冬馬(うわあああああああああ、やばいやばいやばいやばい!!!!)
冬馬「べ、別に見てねえよ!!」
北斗「もしかしてあの娘達かい?確かに皆可愛いね」
冬馬「そ、そんなんじゃねえし。ただ敵事務所の奴らはどんなもんかって見てただけだ」
翔太「ふーん……」
冬馬(神様、あの天使と巡り合わせてくれてありがとう……!)
冬馬「……」チラッ
涼「ん?」
冬馬「!」サッ
涼「……?」
冬馬「961プロからは当然俺が出るぜ!!誰が相手でも楽勝だぜ!」
涼「876プロからは私が!精一杯がんばります!」
冬馬(な、なにいいいいい!?こいつが出てくるなんて予想してなかった!!)
冬馬(ここは負けてやるべきなのか!?それとも勝って腕を見せつけるべきなのか!?)
冬馬(なんてこと考えてたら始まっちまった!)
冬馬(むこうは……)
涼「……」トントントントントントン サッサッ
冬馬(な、なにいいいいいいい!?かなり料理上手じゃねえかああああ!!)
冬馬(あれだけ可愛くて家庭的とか最強じゃねえかああ!!)
北斗「動かないな」
翔太「何ボケッとしてるんだろ」
絵理「楽勝……?」
愛「涼さんがんばれええええええ!!」
翔太「出たっ!!必殺技!」
北斗「これで勝つるっ!」
シューリョー
涼(冬馬さん、料理うまいんだ……前半何もしてなかったのにあれだけのものを)ジー
冬馬(うわっ!こっち見てる!!視線が突き刺さる!!うおおおおおお)
絵理「オリーブオイルをものともしない」
涼「ううん、今回はたまたま勝てただけだと思うな。冬馬さんが本気出してたら負けてたかも」
翔太「ちょっとー、あれだけ自信満々にやったのにダサすぎるよ」
冬馬(エプロンが似合う女って良いな……)ホッコリ
北斗「なんかイっちゃってるぞ」
冬馬(休みの日に2人で料理作るんだ……キャッキャしながら……)
絵理「あっ、どうも……」
北斗「エンジェルちゃん達、今日は楽しかったよ。また会えると良いな」
愛「はい!でもあたし達の中にエンジェルちゃんって名前の人はいませんよ!」
冬馬「お、お、おう!きょ、今日は負けたぜ。料理得意なんだな」
涼「そんな……私なんてまだまだです。冬馬さんの方こそあの短時間ですごいです」
冬馬「そ、そ、そ、そうか!?た、大した事ねえよ!」
冬馬「は?」
北斗「目線も泳いで、顔も真っ赤で声が上ずって」
冬馬「誰がだよ」
翔太「冬馬君しかいないじゃん。涼さんと話してる時かなり気持ち悪かったよ」
冬馬「な、なにいいいいいいいい!?」
北斗「自分で気付いて無かったのか?」
冬馬(や、やばい……このままじゃ童貞キモ男だと思われちまう……)
冬馬(もしかしてもう終わりか……!?)
涼(どうしたらあんな風になれるんだろ……)
涼(何かアドバイスもらえたら……)
冬馬(落ち着け、まだ挽回するチャンスはある)
冬馬(冷静になれ。要は普通に接したらいいんだ)
冬馬(そうだ、北斗や翔太を相手するみたいに自然な感じで)
冬馬(……それが出来たら苦労しねえええ!!)
冬馬「あ」
涼「どうも、こんな所で会うなんて思いませんでした」
冬馬「お、俺もだ。何してるんだ?」
涼「これから愛ちゃん達と買い物なんです」
冬馬「そ、そうか……じゃあ急がないとな」
涼「あっ、そうですね」
冬馬(ちくしょおおおおおおおおおおお!!)
涼「あの……よろしければメールアドレス教えて頂けないしょうか?」
冬馬「……あぇ?」
涼「そ、その!ご迷惑なら全然いいんです!ごめんなさい!急にこんな事!」
冬馬「あ、え、お、良いよ。うん」
涼「本当ですか!?ありがとうございます!」
涼(でも急にイケメンになるためにはどうしたらいいですかとか変だし……)
涼(うーん……)
冬馬「んおおおおおおおおおおお」ゴロゴロ
冬馬「なんだあああああああああ」
冬馬「やっべええええええええええええええ」
冬馬「これなんてエロゲ!?こんな事あんのか!?何!?俺もうすぐ死ぬの!?」
[Sub]秋月涼です
―――――――――――――――――――――
こんばんは、涼です。
急に失礼な事を申し訳ありません。
これからもっともっと冬馬さんとお話しできたら嬉しいです。
冬馬「ぬはああああああああああああああああああ」
冬馬「涼ちんマジアリス!」
冬馬「可愛さがギルティイイイイイイイイ!!」
[Sub]冬馬
―――――――――――――――――――――
全然迷惑じゃないから気にすんな!
お互いトップアイドル目指して頑張ろうぜ!
冬馬「やっぱりお友達からの関係が大事だよな!急に遊びに行こうとか変だもんな!!」
冬馬「黒井のおっさんの方向性とかもう関係ねえ!」
冬馬「こうなったら誰にも俺を止める事は出来ないぜええええ!!」
冬馬「ああ、専用コーナーまで出来るなんてな」
冬馬(最高のスタッフだな。うん)
涼「今日は負けちゃうかもしれません」
冬馬「ん、んなことねえよ。りょ、りょ、りょ、涼」
涼「?」
冬馬「ほ、ほら秋月って765プロの竜宮小町のプロデューサーと被るからさ!!だから涼の方がな!」
涼(律子姉ちゃんのことだぁぁぁ……)
涼(す、凄い迫力……僕にはあんな迫力出せない……)
冬馬「……」ジャッジャッ ジュワァァァ
涼(この前とは全然違う……これが冬馬さんの本気……)
冬馬「ここで追いオリーブ!!!」ダバダバ
涼(なんて大胆なんだぁぁぁあ!やっぱりイケメンアイドル冬馬さんはすごい!)
冬馬「いや、お前も俺に本気を出させるなんて大した奴だ」
涼「……私も冬馬さん……に……たら……」
冬馬「はぇ?」
涼「あっ……な、何でも無いです!今日はありがとうございました!失礼します!」タタッ
冬馬「あっ」
涼(女のアイドルの僕が『冬馬さんみたいになれたら』って言ったらおかしいじゃないか)
涼(あくまでさりげなく教えてもらわないと……危なかった……)
冬馬「あいつ何て言ったんだ!?冬馬さんに……たら……?」
冬馬「……冬馬さんにだったら抱かれて良い!?おおおおお!?」
冬馬「ま、まさかそんなわけねえよな!うん!何考えてるんだ!!!」
涼「大丈夫かな……?」
涼「……いっちゃえ!」ピッ
[To]天ヶ瀬冬馬
[Sub]失礼します
―――――――――――――――――――――
こんばんは、今日はお疲れ様でした。
冬馬さんの料理の腕には本当に驚かされました。
よろしければ、今度お暇な時に私に指導して頂けませんか?
涼(1日一緒に行動して……イケメンの秘訣をたくさん盗むんだ!)
涼(OKが出ればだけど……)
冬馬「これデート!?デートだよなぁおい!?」
冬馬「指導とか……指導とかいかがわしい響だな……」
冬馬「これ、もう俺の事好きなの!?あの天使!?」
[To]秋月涼
[Sub]分かった
―――――――――――――――――――――
向上心があるやつ俺は好きだぜ!
最近そういうやつが少ないからな。
そっちが空いてる日教えてくれないか?
冬馬「す、好きって別にそういう好きじゃないからな!」
冬馬「別にLOVEの方の好きじゃねえから!!だから良いんだ!!」ピッ
冬馬「……送っちまったあああああああああああ!!」
冬馬「あれ……何でこんなに早いんだ……絶対俺の方が先に着くと思ったのに」
涼「先輩をお待たせするのは流石にどうかと思うので」
冬馬「そんなに気を遣わなくても大丈夫だぜ?」
涼「そ、そうですか……?でも……」
冬馬「肩の力抜けって。とりあえず食材見に行こうぜ」
涼「は、はい!」
冬馬(うわああああああああああ服装可愛いいいいいいい!!清純な感じがたまらねええええええ)
冬馬(しかも俺より先に待ってるとかどれだけ健気なんだよ!!良い娘すぎる!!)
涼「そうなんですかー、知りませんでした」モゾモゾ
冬馬(そんなお尻突きだされて商品見るなよ!!目のやり場に困る!!)
涼「そ、そんな荷物は私が持ちます。付き合ってもらってる方なのに……」
冬馬「大丈夫だ。俺が持ちたくて持ってるんだからよ」
涼「で、でも……後輩の私が……」
冬馬「じゃあ先輩命令だ。俺に持たせろ」
涼(か、かっこいい!こういう所を真似しないと……今度やってみよう)
冬馬(デート!!!めっちゃデートっぽい!!こんなに可愛い娘とデート!!)
これはマジでかっこいいな。あまとうが言ったら惚れること間違いなしやろ
涼「あっ、そうですね。お昼にしましょう」
冬馬「食材持ったままだけどまあ大丈夫だろ」
冬馬「ハンバーグ……」ピッピッ
涼(い、イケメンはまずハンバーグを頼むんだ!子どもっぽいかなって思ってたけど……)
涼(冬馬さんが食べるぐらいだから業界ではカッコいいお寿司って事で有名なんだ!)
冬馬「何か食いたい物あるか?」
涼「じゃ、じゃあ私もハンバーグお願いします!」
冬馬「おっ、マジで!?趣味が似てるな!」
涼「私もえんがわで!」
冬馬「うーん、甘エビ」
涼「私も冬馬さんと同じのを!」
冬馬(さっきから俺と同じの食べてる……何、俺のハート崩壊させようとしてんの?)
涼(えーっと、何食べたっけ……ちゃんと覚えておかないと……)ムー
冬馬(一々仕草が可愛すぎるんだよ!!ああああああ、もうううう!!)
涼「はい」
冬馬「じゃあ先に出てくれ。後で金貰うからよ」
涼「分かりました」
涼「そ、そんな!そこまでしてもらうのは申し訳ないです!」
冬馬「いいから、気にすんな」
涼「うぅ……でも私結構食べちゃったんですよ?」
冬馬「じゃあ今度払ってくれよ。今日は俺の番」
涼「……はい。本当にありがとうございます」
冬馬(さりげなくまた会うような空気にしてやったぜええええええ!!俺天才じゃね!?)
涼(代金は黙って全部払う……これも覚えておかなきゃ)
涼「あ……」
冬馬「……」
涼(僕の家は……ダメだ!男だってバレちゃうかもしれない……)
冬馬「うーん……」
涼「あの……私、冬馬さんの家に行きたいです!!」
冬馬「え……」
涼「や、やっぱりダメですか……?」
冬馬「い、良いけど」
涼「ありがとうございます!わー、楽しみです!」
冬馬(な、何これ……これって……もう……マジで童貞卒業する五秒前だろ……)
冬馬「まあな。ちょ、ちょっと待っててくれ!部屋散らかってるから」
涼「分かりました」
冬馬(フィギュアを隠して……あと雑誌も……)ドタバタ ゴソゴソ
冬馬「……」キョロキョロ
冬馬(……良し!大丈夫だ!!)
冬馬「悪い、待たせた。入ってくれ」
涼「お邪魔します」
冬馬(お、俺の家に初めて女の子がきたあああああああああああああああああ!!)
涼「あっ、そうだったんですか……」
冬馬(何これ幸せすぎる……俺は今可愛い女の子と一緒に料理作ってるんだ……)
涼「あっ、冬馬さん。これちょっと味薄くないですか?」
冬馬「ん?……本当だ。おかしいな、俺分量間違えたかな……」ペロッ
涼「えへへっ、冬馬さんでもミスすることあるんですね。ちょっと安心しました」
冬馬「ぇ……ぅ、まあ……な」
冬馬(だって全然集中出来ねえんだよ!!こんなに近いと!!)
涼「血が……出てますね」
冬馬「ああ。ちょっと切っただけだから」
涼「痛そう……」
冬馬(俺ださすぎる……何でこんな失敗を……)
涼「救急箱とかありますか?」
冬馬「そこの棚にあった気が……」
涼(たまには良い所見せないと!カッコイイ男は迅速な行動を!)ガサゴソ
冬馬(おいおい、四つん這いになるなよおおおおおお!!俺の理性をどうしたいんだよおおおお)
涼「あれー……無い……」ガサゴソ
冬馬(神様ありがとう。そして指切った俺GJ)ゴクリ
冬馬「ああ、わざわざ悪いな」
涼「いえ、私なんかが少しでもお役に立てて私嬉しいです」
冬馬(健気ええええええええええええええ!!)キュン
涼(冬馬さんに認めてもらった……!)
冬馬「後はこのまま煮込めば完成だな」
涼「はい!ご指導ありがとうございました!」
冬馬「いや、俺が教える所なんかほとんど無かったぜ。お前の方が料理上手だろ」
涼「そ、そんな……全然ダメダメで……」
冬馬(謙虚な所もたまんねえなあ!!おい!)
涼「いただきます」
冬馬「……うめえな……」モグモグ
涼「冬馬さんの作ったドレッシングもすごく美味しいです」モグモグ
冬馬「俺のなんか大した事ねえよ」
涼「大した事ありますよ。あ、ほっぺたにソース飛んでます」
冬馬「うそ」
涼「動かないで下さいね」フキフキ
冬馬「……」ドキドキ
涼(ふふっ、気づかいが出来る男はイケメン……)
冬馬(うひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお)
冬馬「俺もやるぞ」
涼「傷口に染みちゃいますよ?私に任せて下さい!」
冬馬「……サンキュー」
涼(今日一日で分かった事は冬馬さんは面倒な事も自分から積極的にやってる!)ゴシゴシ
涼(あと人に対する気遣いがすごい!僕も見習わないと!)ゴシゴシ
冬馬(ああ、涼は良い奥さんになれる……子供は何人が良いかな……)
涼「じゃあ今日はお世話になりました!」
冬馬「……へ?」
涼「こんなに遅くまでお邪魔してしまってすみません」
冬馬「い、いや……ちょっと」
涼「本当に今日はありがとうございました。お邪魔しました」
冬馬「う、うん……」
ガチャッ パタン
冬馬「……」
冬馬「NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!」ゴロゴロ
冬馬「なんだそりゃああああああああああああ」
冬馬「もっと必死に呼びとめればよかったじゃねえかあああああああああああああああ」
[Sub]こんばんは
―――――――――――――――――――――
今日は本当にありがとうございました!
とても楽しい1日でした。
後、迷惑かけてばかりですみません……。
今度会う時は今日の分お返しできるように頑張ります!
それではおやすみなさい。
冬馬「うん、楽しかったなら良いんだ……」
冬馬「俺も楽しかったし」
冬馬「……今度会う時……?また会える……?」
冬馬「いよっしゃああああああああああああ!!終わって無い!!」
[Sub]お疲れ
―――――――――――――――――――――
俺も楽しかった。
また遊ぼうぜ。おやすみ。
冬馬「ふぅ、こんなもんか」ピッ
冬馬「……」
冬馬「はぁぁ、今度いつ会えるんだ……」
北斗「ん?」
冬馬「かっこいいって言われてメアド聞かれて」
翔太「うん」
冬馬「メールをやり取りして遊んで」
北斗「うん」
冬馬「そのまま家に来たら、脈ありか?」
翔太「ブッ……ふ、そ、そうなんじゃない……?」プルプル
冬馬「な、何がおかしいんだよ!!」
翔太「だ、だってそんな具体的な例出すとか……冬馬君……あはははは!!」バンバン
冬馬「ばっ、別に俺の事じゃねえよ!!」
北斗「まあ少なくとも好意は抱いてると思うよ」
冬馬「そ、そうか!」
翔太(ただの友達としか見られてない可能性もあるけどねー)
涼「それじゃあ今日は私が全部払うね」
絵理「良いの……?」
涼「うん!任せて!」ドン
愛「わーい!!ありがとうございます!!」
涼「あれ……?足りない……」
涼「あ、冬馬さーん!」
冬馬「おっ」
涼「今日は遊園地に行くんですよね」
冬馬「そうだな、何か結構面白いアトラクションがあるって聞いたからな」
涼「そうなんですか。ワクワクします!」
冬馬(はぁぁあああああああああああん!!守りたいこの笑顔!!)
涼(冬馬さんチョイスのアトラクション!どんなのを選ぶんだろう)
涼「い、いきなり絶叫系ですか……」
冬馬「時間が経つと待ち時間が長くなるからな。最初に行っとこうぜ」
涼「そうですね……」
冬馬「どうした?怖いのか?」
涼「い、いえ……そういうわけじゃないんですけど」
冬馬「大丈夫だって、俺が隣にいてやるから」
涼(こういう事をサラッと言えるなんてすごい……僕にはとても……)
冬馬(ああああああああああああ!!しまったあああああ!!今のは流石にキモすぎる!!)
涼「そうですね……」
冬馬「俺ちょっとジュース買ってくる。何が欲しい?」
涼「そ、そんな大丈夫です」
冬馬「じゃあ適当にお前の分も買ってくるから待っててくれ」タタッ
涼「あ……」
冬馬(恋人の顔にいきなりジュースをピタッ!!やってみたかったんだよな!!)
涼(どうしてこんなに優しいんだろ……かっこいい人ってみんなこうなのかな)
チビ「お姉さん1人ー?」
涼「あっ、いえっ……、ちょっと」
チャオ「俺達とちょっと遊ばないかい?」
涼「そ、その……」
チビ「良いじゃん良いじゃん!絶対楽しいから!」
涼「私は……」
チャオ「さあ、俺達と共に楽園へ……」
涼(2人ともサングラスにマスク……怪しすぎるよ……)
涼「あ……」
チビ「あっ、逃げろ!!」
冬馬「待てコラ!!」
涼「だ、大丈夫です。何もされてませんから」
冬馬「チッ、あいつらどっかで見た事あるような……」
涼「そういえば……私もそんな気が……」
冬馬「……悪いな。俺が目を離したばっかりに」
涼「そんなことありません、その……とってもかっこよかったです。来てくれて嬉しかったです」
冬馬「あぇぇ……そ、そうかぁ?」
涼(僕にあんな勇気があったら、絡まれても何とかできたのに……)
冬馬(かっこよかった!!!俺はかっこいいのかああああ!!いえええええい!!)
翔太「はい、もう確定」
北斗「思ったより簡単だったな」
涼「ああああああああああああああああ!!」
冬馬(俺は悲鳴出したらダメだあああああああああああばばばば)
冬馬「だ、大丈夫か……?」
涼「ひゃ、ひゃい……」フラフラ
冬馬「ほら、さっき買った飲み物」
涼「ありがとうございます……」ゴクゴク
冬馬(……ペットボトルってエロイな。構造を考え付いた人に賞をあげたい!!)
涼「……あの、何か?」
冬馬「な、何でもないです!!」
涼「お、お化け屋敷!?」
冬馬「ジェットコースターよりよっぽど楽だと思うぜ?」
涼(お化け本当に苦手なんですけど……)
冬馬「まあどうしても嫌なら無理にとは言わねえけど」
涼「い、行きます!!行かせてください!!」
冬馬「お、おう?すごい気合だな」
涼(そ、そうだ!お化け屋敷なんかにビビってたら逞しい男の子になれない!今日僕は克服する!)
冬馬(お化け屋敷で抱きつかれる!!!これ定番かつ最強!!)
冬馬「うおぉ!?」
涼「ヒィッ!?」ビクッ
グアアアアアアアアアアア
冬馬「ほぁ……!!」
涼「あ……ぁあ……」ギュッ
冬馬(手を握ってくれたああああああああああああ)
ヌッ ダラーン
冬馬「うおあああああああ!?」
涼「ぎゃおおおおおおおおおおおん!!」ギュウウウウ
冬馬(だきつきいいいいいえあああああああああああああああああああああああ)
涼「みっともないところお見せしてしまって……」
冬馬「結構レベル高かったから仕方ねえって」
涼(はぁ……やっぱり僕はダメダメだぁ……)
冬馬「もうこういうのやめて楽しいアトラクションに行くか」
涼「はい……すみません……」
冬馬(あああああ、デートしてる感が半端じゃねえ!これぞカップルだろ!!!)
涼(かっこいい人とああいうアトラクション乗るって複雑な気分だなぁ……)
冬馬「やっぱりラストは観覧車だよな」
涼(最後は観覧車……これが冬馬さんの選択!)
冬馬「丁度今ぐらいの時間が夕焼けで一番綺麗に見えると思うぜ」
涼「そうなんですか、楽しみですね」
冬馬(確か北斗がこんな事言ってた気がする!!)
冬馬「お、おま、おま……」
涼「?」
冬馬(お前の方が綺麗だ!お前の方が綺麗だ!!)
涼「……」
冬馬(無理!!北斗の野郎、よくこんな台詞平気で喋れるな!!)
涼「……どうかしましたか?」
冬馬「い、いや!綺麗だよな」
涼「はい、この景色が見れるのも冬馬さんのおかげです!」
冬馬「別に俺は……」
涼「こういうの、大切な人と一緒に見れると幸せですよね」
冬馬(……ん!?今のって!?俺が大切な人!?そういうこと!?どうなの!?)
冬馬「良いんだよ。俺も楽しい!お前も楽しい!それで何か問題があるのか?」
涼「……冬馬さんは本当に優しいですね」
冬馬(……い、今言うんだ……俺……)ドキドキ
涼「あ、あの……」
冬馬「んぁ!?」
涼「その……良ければ!また少しだけ家にお邪魔してもよろしいですか!?」
冬馬(なんだああああああああああああ!?これはあああああああああああ!?)
涼(この前は料理に必死で忘れてたけど今日は冬馬さんがどんな家具を持ってるか覚えて帰らなきゃ)
涼(冬馬さんずっと車道側歩いてたな……やっぱり気遣いがすごい)
冬馬「お、おう!ついたぜ!」
涼「本当にごめんなさい。すぐに帰りますから」
冬馬「き、気にすんなよ!さあ入ってくれ!」
涼「それでは……お邪魔します」
冬馬(ついに俺は……今日……)
冬馬「そ、そうか!?何も考えてないけどな!」
涼「黒と白の家具で統一されてるのですごくかっこいいです」
冬馬(北斗とか翔太にはボロクソに言われたんだけどなぁ)
涼(物の配置は……ん?)
冬馬「ん?どうした?」
涼「それって……」
冬馬「ああ、これ俺達のライブの映像だ。反省点とか見直すためのな」
涼「……み、見たいです!その映像!」
冬馬「え?別に面白いもんじゃ……」
涼「お願いします!」
冬馬「……まあ、別に良いけどよ」
涼(これで冬馬さん達のステージのかっこよさの秘訣を……!)
冬馬(黙りこくってずっと見てる……)
涼「あの……」
冬馬「何だ?」
涼「どうして冬馬さん、こんなにかっこいいんですか?」
冬馬「は……?」
涼「……すいません。急に変な事言っちゃって……」
冬馬「……」
涼「……」
冬馬「……どうして涼はそんなに可愛いんだろうな」
涼「……えっ」
冬馬(俺……がんばれ俺!!)
涼「わ、私……」
冬馬(な、何でここまで言ったのに!……言っちまえよ!)
涼「その……あ!すいません!長居しちゃいました!」
冬馬「!」
涼「そろそろ……」
冬馬「……待ってくれ!」ガシッ
涼「!?」
冬馬(……ここで言わねえでいつ言うんだよ!!)
涼「冬馬さん……?」
冬馬「……涼、好きだ!!」
冬馬「涼が好きだ……!」
涼(そ、そんな僕は男で冬馬さんは男で……そんなありえない……)
冬馬「……お前の気持ちを聞かせてくれ!」
涼(も、もしかして今の僕が女の子だから!?でも僕なんかより可愛い人はいっぱい……)
冬馬「……」
涼「ぁ……ぅ……」
涼「ヒッ……」
冬馬「……」
涼「ぁ……あの……僕……」
冬馬「頼む、答えてくれ」
涼「……ご、ごめんなさい!!」
冬馬「ぇ」
涼「さよなら!!」ダダッ
ガチャッ バタンッ
冬馬「……」
冬馬「……」
冬馬「……」フラフラ バタッ
冬馬(いや、挨拶や共演する時は普通に接してくれる)
冬馬(だけど……明らかに怯えている……もう俺は……)
冬馬「……」
翔太「冬馬君あの日からずっとこの状態って事は……」ヒソヒソ
北斗「まあ、散ったんだろうね……」ヒソヒソ
冬馬「何ヒソヒソ話してるんだ……?」
翔太「い、いや!ただ冬馬君最近暗いなぁって!」
冬馬「俺はいつでも元気100%だぜ……」
北斗「そ、そうか……」
北斗「おい!冬馬、涼ちゃんが重大発表するらしいぞ!」
冬馬「は……?」
翔太「何ボケッとしてるの?ほら!早く早く!テレビ見て!」
冬馬「……」
涼『――――――。―――――――』
冬馬「……涼が……男……?」
冬馬「僕……か」
涼「……あんなにお世話になったのに……僕は……」
冬馬「……」
涼「冬馬さんを傷つけてしまって……」
冬馬「……俺の目が節穴だっただけだ。あんな変装も見分けられなくて何がトップアイドルだ」
涼「何度も……メールをしようとして……でも怖くて……」
冬馬「当たり前だろ。男に告白されたら俺でもビビるぜ」
涼「……僕は……僕は……」グスッ
冬馬「もう良いって言ってるだろ。男の癖にいつまでもウジウジしてんなよ」
涼「あ……」
冬馬「それなら問題ないだろ?俺も男に告白した過去があるとか嫌だからな」
涼「……」
冬馬「またどっか遊びに行こうぜ!もう遊園地は行かねえけどな」
涼「……はいっ」
涼「……」
冬馬「同じ男のアイドルとしてお前には絶対負けねえからな」
涼「ぼ、僕も冬馬さんみたいになって……きっと……!」
冬馬「俺を目指してどうすんだよ。頑張っても俺にしかならねえじゃねえか。トップアイドルになんだろ?」
涼「あ……」
冬馬「お前はお前のやり方でトップを目指すんだな。俺は俺のやり方を貫く」
涼「……分かりました。冬馬さんに勝って……そしてトップアイドルに!」
冬馬「良い度胸だ。俺を失望させんなよ」
涼(冬馬さん……ありがとうございます)
北斗「一時は目が死んでたからな……本当に良かったよ」
冬馬「けっ!いつまでもクヨクヨしてられるか!俺は涼だけには負けねえからな!」
翔太「へー、でも涼さんに惚れて……」
冬馬「うっせえええええええええ!もうその事は言うんじゃねえ!!」
―――――――数ヵ月後―――――――――
冬馬「なあ……」
北斗「どうした?また恋の悩みか?」
冬馬「……やっぱおかしいか?」
翔太「だから何が?」
冬馬「男でも……悪くないんじゃねえか?」
終わり☆
面白かったぜ
ついに目覚めてしまったかあまとう
Entry ⇒ 2012.10.29 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
モバマスP「そろそろレッスンも終わる頃か。」
引用元: http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1349871686/
がちゃり
イヴ「お疲れ様でしたぁ☆」
裕美「お疲れ様ですっ!」
あい「お疲れ様……いやはや、アイドルというのも楽ではないね」
P「おうお疲れ。レッスンどうだった?」
イヴ「ダンスレッスンだったんですけど、今日はハードでしたぁ」
あい「足が棒だよ……ほぐしてくれない?」
P「ご遠慮願う」
P「あいが飄々としすぎなんだ」
裕美「セクハラになっちゃうものね」
あい「それは私が訴えたらの話だろう?」
P「男には肩身の狭い世の中だな」
イヴ「えっと……Pさんの今年のプレゼントは肩幅でいいですかぁ?」
P「だめ」
イヴ「……あれぇ?」
裕美「いくらなんでもそういうことじゃないと思うけど」
あい「日本語のニュアンスは難しいからね、覚えていくといいさ」
イヴ「はぁい……」
P「まぁそうしょげるなよ」
あい「うむ。P君が手取り足取り教えてくれるさ」
P「俺か」
あい「君はイヴの保護者だろう?」
P「まぁね」
イヴ「手取り足取り……!? セクハラですぅ~きゃぁ~☆」
裕美「イヴさんイヴさん!そういう意味じゃないよ?」
裕美「えっとね、マンツーマンで付きっ切りってこと」
イヴ「マンツーマンですか?それなら早くお家に帰りましょう!」
P「だめ」
イヴ「えぇー、どうしてですかぁ?」
P「今日はあの店でミーティングです」
あい「あの店では不服かな?それとも早くPくんと2人きりになりたいかい?」
裕美「イヴさんが怒った……」
P「珍しいこともあるもんだな」
あい「どうどう……」
裕美「あいさんが慌ててる……」
P「珍しいこともあるもんだな」
らうんじばー
からんからん ころんころん
マスター「いらっしゃい」
P「また来ちゃいましたよ」
裕美「お邪魔しますっ」
イヴ「お邪魔しますぅ☆」
あい「やあ、マスター」
マスター「じゃあボックス席でいいかい?飲み物は?」
P「ピーチアップル4つで」
P「1杯目くらい別にいいだろ」
あい「ぬう……」
マスター「了解」
P「お前も同じものを飲むの!」
あい「私は大人だからこう、格好いいものをだな」
P「はいはい。今は大人でもアイドルなんだから、少しは可愛らしく振舞いなさい」
あい「それは私には無理じゃないか?」
あい「Pくんがそう言ってくれるのは嬉しいんだが……」
イヴ「あいさんはすごく素敵な女性です!」
裕美「私もそう思いますよ?」
あい「ありがとう」
P「だからずっと前から言ってるじゃないか。可愛いって」
あい「むず痒いな……」
裕美「私も興味あるわ」
あい「はてさて、何を話そうかな?」
P「おいちょっと待て」
あい「なんだい?」
P「お前のことだから絶対誇張するだろ。悪いほうに」
あい「ばれたか」
P「………」
P「………」
あい「……ぷふ……」
P「ふんっ」
ぎりぎりぎり
あい「痛たたたたた……! Pくん、ギブだ、ギブ」
P「反省したかー?」
あい「した、したよ」
ぱっ
P「全く……」
裕美「……あのー?」
P「どうした?」
裕美「なんであいさんにアイアンクローを?」
P「昔の癖でな、あいが調子に乗ったらこんな感じで罰を」
あい「大人になったらしないと思ったんだ」
P「俺もあいが大人になって調子に乗らないと思ってたよ」
あい「人ってのはそう変わらないものだよ」
P「かもな。さて、話をしようか」
イヴ「わくわく」
裕美「てかてか」
マスター「期待age↑」
あい「流石に出会いの頃までは覚えてないかな。気付いたら一緒に登下校してたよ」
イヴ「あれ?それじゃあきっかけとか覚えてないんですかぁ」
あい「残念だけどね」
P「今回の出会いの方の衝撃のでかさが尋常じゃなかったからなぁ」
裕美「そういえば……」
あい「話が脱線したね。それで一緒の学校に通ってたわけだ」
P「俺とあいは同じクラスでね、大体一緒に行動してたかな」
あい「そうだね。班も一緒になることが多かったし」
あい「その頃かな」
裕美「前回話してた事ですか?」
あい「うん。昔から髪が短くて、パンツルックだったからね」
P「おまけにその頃のこいつの一人称は[ボク]だ」
あい「今は流石に直ってるし、昔の癖としても出てこないけどね」
P「そんなんだから、「おとこんなー」とか言われたり、無理やり男子の遊びに誘われたりが多かったんだよ」
イヴ「かわいそうですぅ……」
あい「私は別にそこまで気にしてなかったんだよ。でも私以上にそれが気に入らない人がいてね」
あい「うん。Pくんが「あいだって女の子なんだぞ!」ってからかわれる度に」
P「いや、限度ってものがあるだろう? 見過ごせなくて、ついな」
イヴ「やっぱりPさんは、優しいですね」
あい「うん」
P「照れるって」
あい「で、学校でそういうことがあって、下校する時によくバカをやったものだよ」
P「公園で対策会議したり、スカートを履いてきたらどうかと言ってみたり」
P「それで、あまりにもあいが調子に乗るから、お仕置きをね」
あい「あれは痛いんだよ……」
P「調子に乗るあいが悪い」
あい「そういうつきあいのおかげで、女らしさってのを学んだりね」
P「学んでたのか?あれで?」
あい「うん。バレンタインにチョコをあげたりしたじゃないか」
裕美「バレンタイン!」
あい「「かわいい女の人と言えばお料理だ!!」って力説するものだからね」
P「そりゃそうだろ?」
イヴ「耳に痛いですぅ……」
P「イヴはもうちょっと練習しようか」
イヴ「はいぃ……」
裕美「プロデューサー、私も一緒に習っていいのかな?」
P「構わないぞ。今度来るか?」
イヴ「ほうちょう……こわいですぅ」
あい「……ふむ。Pくん」
P「んー?」
あい「その日は私も行こう」
P「何でだ」
あい「作るのを一緒に教えるよ」
P「それは助かる。……てことは、料理上達したか」
あい「おかげさまでね」
P「それは良かった。女の子らしさに磨きがかかる日々だな」
P「でも10歳の時に家の都合で引っ越すことになっちゃってね」
あい「それで離ればなれ、そしてめでたく再会というわけさ」
P「親同士は電話も年賀状も送ってたみたいで連絡は取ってたらしい」
あい「私らは親がしてるからいいかって感じで連絡はしてなかったんだよ」
P「だから写真とかも見てなくてびっくりしたよ」
あい「こっちもだよ」
P「こんなところかな」
あい「こんなところだね」
あい「正直、もう会えないかもしれないと思ってたんだ」
P「それが何の縁がそうさせたのか、一緒の会社で頑張れるとはね」
あい「Pくんに全て任せるよ。私たちを好きにしてくれ」
裕美「あいさん!? 何か言い方がエッチですよ!」
イヴ「いまのってエッチなんですか……きゃぁ☆」
P「収集つかなくなるからそういうこと言わない」
あい「ふふ……」
P「やっぱりあいは微笑むと可愛いな」
裕美「本当にそう思う」
P「照れてるだけじゃないか」
イヴ「そうですPさんのせいですよぉ!」
あい「それじゃあ一曲頼むよ」
P「まぁマスターとの約束でもあるしな。じゃあお前ら、行くぞ」
あい「待った」
P「何がしたいんだよ……」
あい「今回はPくん一人で頼む」
P「えー……」
裕美「同上!」
P「仕方ないか。適当な曲をやってくるよ」
イヴ「やった☆」
裕美「がんばって!」
~~~~~~♪
~~~♪
裕美「プロデューサー……格好いい……」
イヴ「……で、あいさんはPさんの事好きなんですよね?」
あい「んー……」
裕美「あれ?考え込んじゃうんですか?」
あい「正直恋愛感情ってものをよく分かってないんだ」
イヴ「私もよくわかりませぇん」
裕美「私も……」
あい「ありゃ、議論にならないな」
イヴ「まぁ、今はPくんの音色に酔いしれようか」
裕美「ですねっ!」
~~~♪
ぱちぱちぱち
P「ありがとうございました」
あい「相変わらずすごいな……」
P「あいほどじゃないさ」
裕美「あいさんと同じくらいすごいよ!」
イヴ「透き通る感じが素敵ですぅ。Pさんがかっこよく見えますよ♪」
P「どうもどうも」
P「それなら仕方ないな。裕美、送って行くよ」
裕美「いつもありがとう」
P「いいって。ほれ、イヴも」
イヴ「はぁい。あいさん、それじゃまた明日ですぅ」
あい「うん、お疲れ様」
P「マスター、また来ます」
マスター「是非とも来ておくれ」
P「はい。あいはどうするんだ?」
あい「ここから直で移動するから問題ないよ」
P「そうか」
あい「ああ」
P・あい「「また、明日」」
ころんころん
end
Entry ⇒ 2012.10.29 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)