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モバP「幸子をかわいがってみよう」
引用元: http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1349020565/
P「まあ最近頑張ってるみたいだし、たまには素直に従ってやろう」
P「せっかくだからちゃんとかわいがってやるかな。幸子が来たらまず何をしようか?」
>>3
1 誉めそやす
2 スキンシップ
P「ふむぅ……おっ、あれは」
幸子「こんにちは、プロデューサーさん。ふふっ、ちゃんとボクより早く来てますね?」
P「まあな。それくらいの甲斐性は俺にも残されてたよ」
幸子「そうでしたか、ボクとしてはもっと気が利いてくれてもいいと思いますけど」
P「相変わらず手厳しいな……」
幸子「ボクのプロデューサーを務めてるならそれぐらい当然です!」
P「そんなに元気よく言われてもなぁ」
幸子「ほらほら、そんなことより行きましょう。今日はどうしても行きたいところがあるんですから!」
P「そう急かすなよ、っと」
P(そうだ、手を繋いでみるか。荷物持ちだから今くらいしかできそうにないし)
P「さて、今日も荷物持ち頑張りますかー」ギュッ
幸子「っ!?」ビクッ
P「どうしたんだ?」
幸子「いえ、あの……ま、まあ仕方ないですね、ボクがカワイイのがいけないんですから」
P(なんかうろたえてるな、失敗だったか?)
幸子「さ、さあ行きますよ! ボクについてきてくださいね!」
P「幸子、赤! そっちは赤信号だ!」
幸子「……」
P(どうしたものか、声が掛けづらい。でも手はちゃんと繋いでくれてるし――というか)
P「なあ、幸子」
幸子「な、なんですか?」
P「どうも住宅街の方に向かって歩いてる気がするんだけど、こっちでいいのか?」
幸子「え? ……あっ」
P「おいおい」
幸子「えっと……そ、そうです! まずはそこの公園にでもと思ってたんですよ!」
P「本当か?」
幸子「本当です! さっさと行きますよ!」
P「まあお前がそう言うなら、って引っ張るな引っ張るな!」
幸子「そこのベンチが空いてますね。座りましょうか?」
P「そうしよう、もう遊具で遊ぶような歳じゃないしな俺」
幸子「ふふっ、まだまだ通用するかもしれませんよ?」
P「褒められてるのかけなされてるのか……さあ座るぞ」
P(いつもなら服の1着でも持たされてる頃合いだけど、公園とは珍しいな)
P「あー、いいよなぁ公園。のんびりするには最適だ」
幸子「プロデューサーさん、もしかしてお疲れですか?」
P「疲れてないと言えば嘘になるな。もともと休みも少ないし、休日もこうして付き合いがあるわけだし」
幸子「……」
P「ああ、すまん。別に幸子に付き合うのが嫌とかじゃなくてな? ほら、体力くらいしか俺は取り柄ないから動いてないと調子狂うんだよ」
幸子「そんなことはないと思いますよ? その、変わったセンスをお持ちみたいですし」
P「それも褒められてるのか微妙なとこだな……」
P「――あれ? もしかして、俺が疲れてると思ってこうして公園に来たのか?」
幸子「えっ!? あ、う……そ、そうですとも! ボクはカワイイ上に誰かさんと違って気も利きますからね!」
P「そうだったのか……ありがとう幸子、お前に気遣ってもらえるなんて思ってもみなかったよ……」
幸子「あ、あはは……」
P「よっし、何だか元気でてきたぞ! 俺はもう大丈夫だから買い物に戻ろう。欲しい物あるんじゃないのか?」
幸子「え、あ、そ、それはそうなんですけど」
P「?」
幸子「もう少しこうしていませんか? ボクも最近張り切り過ぎたみたいで、ちょっと」
P「そうか。最近頑張ってたもんな」
P(俺も幸子を見習っていたわってやるとしよう。どうしようか?)
>>22
1 スタドリをあげる
2 肩でも揉んであげる
3 頭を撫でてみる
P「いつもお疲れ様、幸子」ナデナデ
幸子「あう……って、なにしてるんですか!」
P「幸子の頭を撫でてる」ナデナデ
幸子「も、もう……子供扱いしないでくださいよ」
P「あ、スマン。嫌だったか?」
幸子「……誰も嫌とは言ってないですけど」
P「じゃあ撫でる。俺にはこれくらいしかしてやれないし」
幸子「……いつもこれぐらいしてくれたらいいのに」ボソッ
P「何か言ったか?」
幸子「なんでもないですよ! それよりも、ボクの頭を撫でられるなんて名誉なことなんですからね、しっかり撫でてください!」
P「お、おう……」ナデナデ
幸子「? どうしたんですか。手が止まってますよ」
P「ああ、悪い悪い」ナデナデ
P「って、実は結構甘えん坊なんだな」ナデナデ
幸子「なっ! ぷ、プロデューサーさんが頭を撫でたいって言うからさせてあげてるんですよ!?」
P「そうか?」ナデナデ
幸子「そうです! じゃあ、とりあえず今はもう撫でてくれなくてもいいですよ?」
P「今は、ね」
幸子「むー……そんなに言うなら、プロデューサーさんもボクに甘えてみてください!」
P「ほほう。いいのか?」
幸子「えっと……公序良俗に反しなければ……」
P「さすがに滅多なことは求めないけど、そうだな。>>33」
1 膝枕とかどうだ?
2 たまにはジュースでも買ってきてもらおうか
3 俺の膝にでも乗ってみる?
P「……」
幸子「えっと、それってどういう意味ですか?」
P「なんでもないいまかんがえなおすちょっとまって」
幸子「いえ、プロデューサーさんがどうしてもというなら。ボクはカワイイさに寛大さも兼ね備えてますからね」
P「なるほど」
幸子「ちょっとくらい性的嗜好が怪しくても、目を瞑ってあげます」
P「ぐぬぬ……じゃあやっぱり」
幸子「それでは失礼しますね」チョコン
P「Oh...」
幸子「……ど、どうですか? 満足しましたか?」
P(俺の膝に幸子ががが)
>>38
1 さらに抱きしめる
2 満足したので解放する
3 しばらく静観して幸子の様子を見る
幸子「プロデューサーさん?」
P「……」
幸子「あの、どうかされましたか? プロデューサーさん!」
P「……」
幸子「返事してくださいよ! い、いくらボクがカワイイからって」
P「……」
幸子「……プロデューサーさん?」
P「……」
幸子「何とか言ってくださいよ、ねえってば」
P「……」
幸子「……」
P「……」
幸子「は、恥ずかしいんですから! もう、降りちゃいますよ!」
P(かわいい)
P「人聞きが悪いぞ幸子」
幸子「誰のせいだと思ってるんですか!」
P「幸子が可愛いせい、かな」
幸子「なっ!?」
P(おお、顔が真っ赤だ。さすがに怒らせちゃったか?)
幸子「ボクがカワイイのは当然ですけど、い、今言いますかね、そんなこと」
P「嘘はついてないぞ、嘘は」
幸子「むー、ああ言えばこう言いますね……とにかく、許してあげませんからね!」
P「それは困ったな」
幸子「ちゃんと反省する気があるなら、その、公園でのんびりでもいいかなとも思いましたけど」
幸子「やっぱりショッピングに行こうと思います。ボクのためにちゃんと働いてください、いいですか?」
P「もともとそのつもりだったから問題ないぞ」
幸子「……そうですか。そうでしたね、では予定通りショッピングに行きましょう」
P(今日はどのくらい荷物を持たせられるやら……)
幸子「……あの」
P「ん? どうしたんだ」
幸子「手……繋がないんですか?」
P「なんだ、繋いでほしいのか?」
幸子「プロデューサーさんこそ、遠慮しないでいいんですよ?」
P(そういやここに来る前に俺から手を取ったんだっけ)
P「そうだな、幸子さえよければ」
幸子「ふふん、最初から素直にしてくれればいいんです。さあ、行きましょう」ギュッ
P(今さらだけど、幸子と手を繋いで歩くのはなかなか危ない絵になってる気がする)
幸子「プロデューサーさん?」
P「ああ、なんでもない。行くとするか」
P(幸子に限らず、女の子は楽しそうに買い物するよなぁ)
幸子「プロデューサーさん、そんなところで見てないで手伝ってくださいよ!」
P「そうは言っても、どうせ全部買うんじゃないのか?」
幸子「そんな事無いですよ。ボクだってちゃんと選んで買い物してますから」
P「それはギャグか? ギャグなのか?」
幸子「それに、あんまり荷物を多くしちゃうと……ですしね」
P「うん? 俺のことは気にしないでこの前みたいに好きなだけ買っていいぞ?」
幸子「い、いいんです! とにかくボクと一緒に選んでくださいね!」
P「わかったよ、どれどれ――」
幸子「だらしないですねぇ、そんなに疲れた顔しなくてもいいじゃないですか」
P「お前がなかなか買う物決めないからだろう……」
幸子「プロデューサーさんこそ、ボクに一番似合いそうな物、はっきり言ってくれなかったですよね」
P「全部似合うから困るって言ってたのどこの誰だよ?」
幸子「たまにはプロデューサーさんのセンスに従ってあげようかと思ってたんです!」
P「だってなぁ。たしかにどれも似合ってたから決められなかったんだよ」
幸子「でしたら、プロデューサーさんのお好みの物でよかったのに」
P「俺の好み?」
幸子「そうですよ。プロデューサーさんにとってボクが一番カワイイと思う物があったなら、それにしてましたよ」
P「お前、俺のセンスは変わってるって言ってなかったっけ」
幸子「良い意味で、ですよ。そんなこともわからなかったのですか?」
P「わからなかったよ、それどころか少し傷付きかけたよ……」
P「大した自信だな。さすが幸子」
幸子「とにかく、次はちゃんと選んでくださいね! では次のお店に……と思いましたが」
P「ん?」
幸子「これ以上何かを買ってしまうと、プロデューサーさんの両手が塞がっちゃいそうですね」
P「俺はそれでも構わんg」
幸子「仕方ありません。今日のショッピングはこのぐらいにしてあげましょう」
P「おい幸k」
幸子「まずはお店を出ましょうか」スッ
P「……聞く気がない。ただの幸子のようだ」ギュッ
幸子「うーん……まだそこまで暗くないですよね、もうちょっとだけ」
P「じゃあやっぱり買い物の続きしたほうが」
幸子「……もう少し、デート気分でいたいなぁ」
P「」
幸子「ん? あれ、ボク今声に出してましたか!?」
P「う、ううん? べべべつに?」
幸子「そうですか? 良かった……また思ったことを口にしちゃったかと思いまして」
P「そ、その癖は早く直した方がいいな、うん!」
幸子「そうですよね……それより、プロデューサーさんはどこか行きたいところとかありませんか?」
P「行きたいところ?」
幸子「さっきはちゃんと選んでくれなかったので、プロデューサーさんに名誉挽回のチャンスをあげてるんですよ」
P「そうきたか。そうだな……>>59とか?」
本当は自分の買い物に付き合ってもらう
幸子「ホテル? ……プロデューサーさん、本当は疲れてたんですか?」
P「え? いや、そんなことないよ、冗談冗談」
P(なんだかんだ幸子もまだ14歳だもんな、そっちの発想に至らなかったか)
幸子「いいんですよ、正直に言ってください。公園に行った時、のんびりできて嬉しそうだったじゃないですか」
P「それはそれ、これはこれだ。とにかく俺は大丈夫だよ」
幸子「嘘じゃないですよね? お願いしますよ? ボクのせいで倒れられたりでもしたら、困りますし……」
P「お、心配してくれるのか」
幸子「べ、別にそんなつもりじゃないですよ! ボクのカワイさを世界中に知らしめるのに、支障をきたされたら困るって意味ですからね!」
P「はいはい、さいですか」
幸子「もう、気は利かないくせにこういう時は変に頭が回るんですから……」
P「悪かったよ、そう怒るなって」
幸子「怒ってなんかないですよ! それより、どこへ行くのか決まりましたか!」
P「んー、じゃあ今度は俺の買い物に付き合ってもらおう。いいか?」
幸子「プロデューサーさんの? わかりました、どこへなりともお伴しますよ」
P「なんだよ、俺だって買い物くらいするぞ?」
幸子「夕飯のお買い物とかでしたら、ボクはお手伝いできませんよ?」
P「いや、さすがに女の子連れてんなもん買いに行かないだろ……一緒に食べるつもりならともかく」
幸子「そうですか? ではボクみたいにお洋服とか?」
P「幸子が選ぶ男性服ってのも面白そうだけど、服じゃあないな」
幸子「むー、なら何をこれから買いに行くっていうんですか?」
P「ついてくればわかるさ」
P(今日は幸子をかわいがるって決めてたし、俺が今欲しい物といったら――)
P「悪いか?」
幸子「いえ……でも、プロデューサーさんにカワイイ小物を集める趣味があるとは」
P(むぐぐ、でもそういうことにしておかないと勘付かれそうだしなぁ……)
P「人にはいろんな趣味があるんだよ。さあ入ろう、ここなら幸子も飽きないだろう?」
幸子「それはそうですけど、ね。まあボクがいたほうがこの手の店には入りやすそうですしね」
P(言われてみれば女性客かカップルしか見当たらないな。彼氏の人も居心地悪そうだ)
幸子「プロデューサーさん、どうしたんですか? なんならボクが良さそうなのを選んであげますよ?」
P「お前に任せたら日が暮れそうだ、自分で決める。それに」
P(自分で選ばないといけない気がするからな。とはいえどうしたものか)
幸子「ふふん、これくらいで驚かれてはボクのお買い物について来れませんよ!」
P「主に腕がついて来れなくなりそうだよな、いつか。さあ見て回るか」
「あっ、これいいですね……ちょっと見てもいいですか?」
「これもなかなか、どうですかプロデューサーさん。似合うでしょう?」
「ふふん、わかってないですね。それはこっちの色のほうが――」
「やっぱり何でも似合っちゃうなぁ、カワイイって罪ですよね。ね、プロデューサーさん?」
P「……」
幸子「あ、これってあの人がよく抱えてるうさぎですよね? こういうのもあるんですか」
P(結局振り回されるオチなのか……まあ、これで幸子が気に入りそうなのもわかったぞ)
P(といっても、自分用にしてもこれはさすがにないな……。隙を見てこっそり買ってしまおう)
幸子「これなんかも……ふふん。やっぱりボクに似合うものなんてないですね――」
P(……隙だらけだった。買うなら今だ)
幸子「ぷ、プロデューサーさん! どこに行ってたんですか!」
P「ああ、欲しい物あったから精算してきたところだ。ほら」
幸子「もう、それならそうと勝手にいなくならないでくださいよ! 置いてかれたかと思っちゃったじゃないですか!」
P「それは悪かったな。鏡見てウットリしてるもんだから邪魔するのもなと思って」
幸子「……それで、何をお買いになられたんですか?」
P「秘密」
幸子「えー、このボクがいろいろアドバイスして差し上げたのにそれは酷いと思うんですけど」
P「アドバイス? そんなのあったっけ」
幸子「聞いてなかったんですか!?」
P(楽しそうな声ならいくらでも、な)
P(結局最後まで手を繋いでた件について)
幸子「――この辺でいいですよ。荷物持ちますね」
P「そうか。……この前みたいに速攻でタクシーに頼ることにならなくてよかったよかった」
幸子「あれくらいの荷物で音を上げるなんて、情けないですよ」
P「持つだけならともかく、持ち歩くのは無理があるぞあれ」
幸子「そうですか? ま、まあ、今日はこの前よりもたくさん歩きましたよね……一緒に」
P「そうだな」
幸子「そうだな、って、もっと喜んでもいいと思いますよ? ボクと……その、手を繋いで歩いてたわけですから!」
P「まあ、貴重な体験だったよ」
幸子「むー、素直じゃありませんね。プロデューサーさんらしいですけど」
P「どういう意味だよ? ……、それじゃあ暗くならないうちに帰れよ。迎えは呼んであるのか?」
幸子「はい、あそこに止まってる車がそうです。それでは、プロデューサーさん」
P「おう。またな――って違う違う! ちょっと待った!」
幸子「? どうしたんですか?」
P「忘れるところだった……これ、お前にあげようと思ってたんだ」
P「まあ、そういうことだ。一応言っとくけど、ああいう所に趣味で行ったりしないからな!」
幸子「……中を見ても?」
P「だめです。帰るまでが遠足って言うだろ」
幸子「……ふふっ、それって今言うことでしょうか?」
P「目の前で開けられたら恥ずかしいだろ……まあ、気に入らなければ誰かにあげたっていいぞ」
幸子「そんなことしませんよ。プロデューサーさんが自分で、選んで、ボクにくれたものなんですから」
P「そ、そうか。……なんか恥ずかしくなってきたな。俺は帰る! またな幸子!」
P「ああそれと、できればプライベートだけで使ってくれよ! 理由はわかるよな? それじゃ!」
P(――って、いい歳して何を恥ずかしがってるんだ俺は!)
P「……。今日の夕飯どうするかなぁ」
「こんにちは、ちひろさん。……プロデューサーさんは?」
「こんにちは幸子ちゃん、プロデューサーさんはちょっと今は出ちゃってるわね」
「そうですか、それならそれで好都合かもしれませんけど」
「? プロデューサーさんに用事があるわけではないの?」
「用事というか、ちょっとイジワルしてあげようかなと思いまして」
「あんまりからかっちゃ可哀想よ? ……あら、その髪飾り」
「ああ、これですか?」
「初めて見るわね。うん、可愛い! 幸子ちゃんに似合ってるわよ」
「そ、そうですか? よかった……じゃなくて、当然ですよ! お墨付きですしね!」
「あら、誰かからもらったものなの?」
「そうですよ。つい最近、ね。まあ、ボクに似合わないものなんてそうそうないとは思いますけど――」
「けど?」
「この髪飾りが一番似合うのはボクだって、証明してあげないといけませんからね。……誰かさんに♪」
良かった
Entry ⇒ 2012.10.07 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
律子「彼氏のフリをしてください!」
P「……は?」
律子「どうか、このとーり! お願いしますっ!」
P「い、いやいや……、とにかく頭を上げてくれよ!」
律子「はい……」
P「……で、なんだって?」
律子「一日だけでいいので、私の彼氏のフリをして欲しいんです」
P「……」
P「一体なんでそんなことを?」
律子「実は……父と母が、いい加減に良い人見つけなさいとかなんとか言ってきて」
P「ふむ……」
律子「私として、今が一番大切な時期ですから、そういうことにうつつを抜かしたくないんです」
律子「で、ついつい……」
『彼氏ならちゃんといるから心配しないで』
律子「って、その場を誤魔化すために嘘ついちゃったんです」
P「それで?」
律子「そしたら、母が……」
『それならそうとはやく言いなさいよ! それじゃあ今度の日曜日に、家に連れて来て紹介しなさい』
律子「ということに……」
P「なるほど……」
律子「こんなこと頼める身近な男性って、あなたしかいないんです。だから、お願いしますっ!」
P「でもな……俺だってそんな、演技とかうまいほうでもないし、見抜かれてしまうかもしれないぞ?」
律子「……」
P「そしたら、もっと面倒なことになるんじゃないか? それより今からでも正直に言ったほうが……」
律子「……そう、よね……」
P「う」
律子「……ごめんなさい、無理言って」
P「いや、いいんだけど……律子ならすぐに、嘘じゃなく本当に、彼氏だって出来るだろうしさ」
P(例えば俺とか……なんて)
律子「……彼氏、か……お見合いで、なんてなぁ……」
P「……お見合い?」
律子「あっ、いえ……その、実はですね」
『もし彼氏とかいないなら、お見合いをセッティングしてあげるから』
律子「っていう話もあって……。それで、さっきみたいな嘘をつくことになっちゃったんですよ」
P「……」
P「引き受けよう」
律子「え!? ほ、本当!?」
P「ああ。そういうことなら話は別だ。精一杯、彼氏役を演じてみせるよ」
律子「ありがとうございます! そう言ってくれると信じていたわ~!」
P「あはは、まあ大船に乗ったつもりでいてくいれよ!」
P(……正直、将来の義理の両親に嘘をつくことなんてしたくはない)
P(でも、律子にお見合いなんて、ふざけんな! 律子と結婚するのは、この俺なんだ!)
P(まだこの思いすら伝えてないけどな!)
【日曜日】
P「……」
律子「それじゃあ、入ってください」ガチャ
P「……あ、ああ」
律子「なーに緊張した顔してるんですか? いつものプロデューサーらしくもない」
P「いや、でもさ……」
律子「大丈夫、格好もばしっと決まってるじゃないですか。取引先の営業に比べたら、こんなのマシでしょう?」
P「律子は随分余裕だな……」
律子「そりゃあ、私はあなたを信じていますから」
P「……」
律子「さ、行きましょう」
P(営業の方がまだずっとずっとマシだぞ……)
P(ご両親への挨拶……嘘とはいえ、ちゃんと出来るだろうか。下手な印象は与えたくないな……)
律子「えっと、彼が……そう、彼氏。ほらプロ……じゃなくて、――さん」
P「あ、ああ! 初めまして、お義父様、お義母様」
律子「!?」
P「俺……じゃなくて、私は、律子……いや、律子さんとお付き合いさせております、――と申します」
律子「……」
P「律子さん同じく、765プロでプロデューサーをさせて頂いていて……あっ、すみません、まず名刺を……」スッ
律子「……」
P「ええ、ええ……はい、そうなんです」
P「律子さんには初めて会ったときからティンと来るものがありまして」
P「目と目が逢う瞬間好きだと気付いたというか……それで……」
律子「……!」
P「……律子?」ボソボソ
律子「は、はい?」
P「どうしたんだ、顔が赤いぞ」
律子「い、いえ、なんでもないです」
―――
――
―
律子「……どうなることかと思ったけど」
P「ああ……無事に済んだ……みたいかな?」
律子「……」
P「……律子、さっきからちょくちょく調子が変わるけど、どうしたんだ?」
律子「い、いえ……その」
P「……?」
律子「……本当に口がうまいんですね、プロデューサー殿」
P「な、なんでだよ」
律子「最初にいきなり、『お義父様、お義母様』って言ったのもそうですけど……」
律子「付き合ったきっかけとか、どういう付き合い方をしてるとか、打ち合わせもしてなかったのによくスラスラ出てくるなって」
P「……まあ、俺なりにちゃんと準備してきたってことさ」
律子「さすが、敏腕プロデューサー」
P「あはは、そう褒めるなよ」
P(まあ、そういうことは普段から妄想しまくっているから、それが功を奏したんだろうな)
P(変態だと思われるだろうから、律子には言えないけど……)
律子「なんだか、聞いてるこっちが恥ずかしくなってきちゃいましたよ……もう」
P「……本当に、俺と付き合ってるって気になったか? なーんて」
律子「……まあ、多少は、かな? ふふっ」
P「……っ」
律子「プロデューサーと付き合える女の子は、きっと幸せですね。話を聞いていてそう思いました」
P「……そ、そう言ってもらえると、頑張ったかいがあったかな!」
律子「ありがとうございます。これでもう、大丈夫ですから」
P「あ、ああ……」
P(予想外の言葉が出てきてビックリしてしまった)
P(律子は本当にかわいいなあ!)
秋月一族はみんな結婚が早いんだよ(適当)
律子「……って、あら?」
??「……!」ササッ
P「どうした?」
律子「……いえ。プロデューサー、ちょっと耳貸してもらっていいですか?」
P「え?」
律子「あのですね……」ヒソヒソ
P「……!」ゾクゾク
P(り、りり、律っちゃんの耳打ち! 近い近い! お、おおお)
律子「あそこの陰、見てください。二本のアホ毛がちょこちょこ見えるでしょう?」ボソボソ
P「……アホ毛? ああ、たしかに」
律子「たぶんあれ……私の、従兄弟です」
涼「うう……な、なんで僕がこんなことを……」コソコソ
涼「見るからに仲良さそうだし、疑うことなんてないじゃないかぁ……」
P「従兄弟? なんでまた……」
律子「……たぶん、うちの両親の差し金でしょう。今日一日、私達を見張ってるつもりなんだわ」
P「ええ!? う、疑ってるってことか?」
律子「しっ、声が大きい!」
P「す、すまん……」
律子「……どうしましょう」
P「でも、別にどうするってこともないんじゃないか? このまま解散しちゃえば……」
律子「忘れたんですか? さっきご飯食べてるときに、自分で言ったこと」
P「さっき? ……あ」
『あはは! 今日は俺達、これからデートなんですよ! いやあ楽しみだなあ!』
律子「って、デレデレした顔で言ってたじゃない」
P「そ、そうだった……」
P(俺としたことが、ついついノリに乗ってしまって……)
律子「……こうなったら、無理矢理にでも涼をとっちめて口止めを……」
P「待て待て待て! そんな物騒なことはよくないって!」
律子「で、でも……」
P「もしそうしたとしたって、いつ口が割れるかわからないだろ? ムシャクシャしてバラすかもしれない」
律子「……まあ、そうね。あの子、ストレス溜めてそうだから」
P「……それならさ、律子。さっき言ってしまったことを本当にしてしまえばいいんだよ」
律子「本当に、って?」
P「デートするってこと」
律子「……本気で言ってるんですか?」
P「ああ! それに約束では、今日一日、彼氏役をするってことだっただろ?」
律子「随分良い笑顔ですね……」
P(とは言ったものの、実は内心バクバクである)
律子「うーん……」
P「……」ドキドキ
律子「……」チラ
P(かわいい!)
律子「……まあ、それがベストかもしれないわね」
P「!」
律子「でもプロデューサーは、本当に良いんですか?」
P「ほ、本当に、って?」
律子「私なんかと、デートして……」
P「良いに決まってるだろ!? 何言ってんだ、光栄だ! むしろお願いしますって思ってるよ!」
P「いいか、俺はな、どれだけ律子とこうしてふたりで――」
律子「わ、わかった、わかりましたから!」
P「……」
律子「も、もう……なんでそういう冗談、サラっと言えちゃうのかなぁ……」
P(冗談じゃないんだけど……でもとにかく、ラッキーだ! やったぞ!!)
P「じゃ、じゃあ……行こうか」
律子「え、ええ」
P「……よろしくお願いしましゅ」
律子「……ふふ。こちらこそ、よろしくお願いします!」
涼「……行っちゃった」
涼「ずっとひそひそ話してたみたいだけど、何を話してたんだろう?」
涼「それにしても、どう見ても本当に付き合ってるよね。仲良さそうだったし」
涼「これって意味あるのかな……まあ、一応僕も追いかけないと……」
涼「律子姉ちゃんのお父さんお母さんから、やらないとバラすぞって言われちゃってるし……」
タッタッタ
???「それじゃあ、私達も~……」
??「……あ、あずささん! そっちは違いますっ」
???「あら、私ったら……ごめんなさいね、千早ちゃん」
P「……な、なあ律子」
律子「どうしたんですか?」
P「張り切って出発したはいいけど……どこに行けばいいんだ?」
律子「えっ」
P「いや正直言って俺さ、今まで女の子とデートとかしたことなくて……」
P「だから、どういう感じにしたらいいか、よくわからないんだよ」
律子「そ、それを女の私に聞いちゃうんですか!? わ、私だってそんなの……」
P「……もしかして、律子もデートとかしたことない?」
律子「……」
P「……」
律子「ぷ、プロデューサーは、アイドルの子達とたまにふたりでどっか行ってるじゃないですか」
律子「きき、聞いたことありますよ、こないだも……」
P(話が強引に変えられた気がする)
P「まあ、それはなあ……あの子達に無理矢理というか」
律子「……無理矢理?」
P「……いや、そういう言い方はよくないな。俺だって楽しんでいたのは事実だし」
律子「……」
P「とにかく、俺自身が自分の頭で考えて、相手を喜ばせようとするデートなんてのは……、したことないんだよ」
律子「……そうですか」
P「だからさ……」
律子「……プロデューサーは」
P「ん?」
律子「アイドルの子達に、その……恋愛感情とか、抱いてないんですか?」
P「……まあ、そうだな。そもそも、アイドルにスキャンダルはご法度、だろ?」
P「だから、基本的には少し距離を持って接してる……つもりだ」
律子「……ふうん。その割には、あなたのことを悪く思ってない子は、何人かいるみたいですけど」
P「あはは、それは律子の勘違いだって!」
P「みんなとても可愛くて素直で、良い子ばかりだ。だから俺みたいな普通な男になんて、興味ないって」
P(そもそも俺には、律子という、片思いの相手がいるわけだしな)
律子「……ちょっとかわいそう、かな」
P「え? な、なんでだ?」
律子「なんでもありませんっ。まあ、これからは気を付けてくださいね?」
P「気をつけるって何をだよ……」
律子「それこそ、あなたが自分の頭で考えてください。そのうち刺されても知りませんよ?」
P「ええ!?」
律子「ふふっ、まあそれは冗談ですけど……でも、そっか……」
P「……」
律子「……そうなのね……私、てっきり……」
P「……?」
律子「とにかく……、今はそんなに、私のためにっていうのは考えなくてもいいですから」
P「いやあ、でも……」
律子「いま私達は、嘘の恋人。要するに演技でしょう? だから、そんなに気遣わなくてもいいのよ」
P「……」
律子「……なーに、その顔?」
P「いや……」
律子「……」
P「……そうだな、それじゃあ……もっと気を抜いて、適当にどこか遊びに行くとしようか!」
律子「ええ! それでいいんですよ!」
P(……まあ、俺としては……少しでも律子との距離を縮められれば、大満足だからな)
涼「あ、やっと動き出した……僕も……」←Pと律子を監視中
千早「……どうしましょう……一応、私だけでも続けた方がいいかしら……?」←Pと律子と涼を監視中
あずさ「千早ちゃ~ん? どこに行っちゃったの~?」←迷い中
―――
――
―
P「そんなこんなで俺達は、デートの定番(だと思う)、映画館へとやってきたのである」
律子「誰に言ってるんですか?」
P「あ、いや……ところで、何を観る?」
律子「うーん、そうね~……」
P「せっかくだし、何か面白い映画の方がいいよな。律子って普段……」
律子「……あ」
P「ん? 何か気になるのでもあったか?」
律子「い、いえいえ! あ、そ、それよりっ、あんなのはどうですかっ!?」ビッ
P「どれどれ……って、あれは……!」
『猿の木星 ~迫り来る北斗の群れ、そのとき冬馬は~』
律子「」
P「……」
P「えーっと……大ヒット映画、『猿の木星』の続編……」
P「翔太の死を乗り越えた冬馬は、平穏な日々を送っていた……しかしあるとき、再び北斗の様子が……」
P「ふたりの濃厚な……って、なんだこれ……」
律子「」
P「……律子、ああいうのが好きなのか?」
律子「ちちち、違いますっ!! な、なんであんなのが堂々と……!」
P「いや、別に隠さなくてもいいんだぞ? う、うん、大丈夫だから」
律子「本当に違うんですってばぁ!!」
P「じゃあ、さっき気になったのってなんなんだ?」
律子「う……そ、それは……」
P「……」
律子「……あれ、です……」
P「……アニメ映画?」
律子「い、いや、別にね! すっごく好きってわけじゃないけど、昔観てたから、だからちょっと気になっただけなんです!」
P(あれって結構最近のアニメじゃ……)
律子「もう、ほんと……それだけなんだから……」
P「……じゃあ、あれを観ようか」
律子「え? ほ、本気ですか?」
P「ああ。あれさ、ちょうど俺も観てたんだよ。円盤も買ったぞ」
律子「え、円盤って……よくそういう言い方、知ってますね。……意外と、そういうのに理解ある人?」
P「うん、まあ……そういう律子こそ」
律子「た、たまたまですっ」
P「そうか、たまたまか……ならしかたないな」
律子「そ、そうです、しかたない……で、それで!」
律子「……本当に観るんですか? いいの? あんなのデートっぽくないんじゃ」
P「デートだデートだって気を遣わなくていいって言ったのは、律子だろ?」
律子「まあ……そうですけど」
律子「……」クルン
律子「……ふふ……」
P(背を向けてひそかに喜んでる律っちゃんかわいい!)
P「じゃあ、俺チケット買ってくるから。律子は適当に時間潰しててくれよ」
律子「私も行きますよ。ひとりで並ばせるわけには……」
P「いやでも、結構長いぞ?」
律子「それでも、です。あなただけに負担かけさせるなんて、そんなの私が嫌なんです」
P「……そっか。それじゃあ、よろしく頼む」
律子「……ふふっ、へんなの。そんなことでよろしく、なんて言っちゃって」
P「い、いいだろべつに!」
涼「映画館に来たけど……うわ、すごい人だ。ふたりは、何を観るのかな?」
涼「というか映画なら別に、僕も一緒に観る必要はないよね。外で待ってれば……ってあれ?」
涼「……猿の木星? なにこれ……」
ざわざわ……
P「それでさ……そのとき千早が……」
律子「へー、そんなことが……ふふっ。そうなのよね、意外とあの子、笑いの沸点低いんだわ」
P(律子とふたりで行列に並んでいるが……こんなときでも、話題になるのは、やっぱりアイドルのことだった)
P(仕事の話、と言ってしまえば色気もないけど……)
P(それでもやっぱり、俺達はこういう話をしているときが一番自然でいられるし、楽しい気持ちでいられるのであった)
P「それにしても……」チラ
律子「なんですか?」
P「……律子の私服。かわいいな」
律子「ええ!? な、何を突然……!?」
P(今日のりつこ)
P(俺は、将来のご両親に失礼にならない程度にはしっかりとした格好をしているが、それに対して律子は……)
P(ふわふわしたスカートを持つワンピース、その上から薄手の白いカーディガンを羽織るといった格好だった)
P(髪型もいつものようなパイナップルではなく、長い髪を軽く結んで、胸の上に垂らしている)
P(律っちゃんかわいい!)
律子「そ、そんなにジロジロ見ないでくださいよ……」
P「いやあ、こういうのも新鮮だな! ふだんのスーツももちろんカッコかわいいけどさ!」
律子「……ほーんと、そういうことをペラペラ言えちゃうんですよね。お世辞は結構ですっ」
P「いやいや、冗談じゃないし、お世辞でもないぞ。写真に撮って部屋に飾っておきたいよ」
律子「な、何を言ってるんですか!? 一歩間違えたら、せ、セクハラよ!?」
P「あ、いやいや! まあそういう気持ちもあるけど、そうするつもりは決してないから!」
律子「も、もう……!」
律子「実際にやるとかやらないとかの問題じゃないでしょっ」
P「そんなに怒らないでくれよ」
律子「べ、べつに怒ってるわけじゃ……!」
P「あはは、じゃあそれは照れ隠しか? なーんて……」
律子「……」プイ
P「……」
P(なんだよ今の表情と仕草! かわいい!)
律子「……セクハラです」
P「あ、う、うん……もう言わないよ」
律子「そーです、言っちゃダメです」
律子「私以外の、例えばアイドルの子たちに言ったら、女の子によっては大変なことになりますからね」
P「……ということは、律子になら言ってもいいのか?」
律子「なっなな、なんでそういう解釈になるんですか!? そ、それだって……その……」
P「……」
律子「……あ、あんまり言っちゃダメです……。恥ずかしいなぁ、もう……」
P「……」
P(キュンキュンする)
律子「……なんとか、言ってくださいよ。これじゃあ私、恥ずかしいまんまじゃない……」
P「……言わない、律子以外には。そう心に決めた、いま」
律子「なんで倒置法……? そ、そういうことじゃなくてですね……!」
「お次のお客様ー。大変おまたせしました、こちらのカウンターへどうぞー」
P「は、はいっ! それじゃあ……行こうか」
律子「……ええ」
P(なんだか、へんな空気になってしまった。ちょうど順番が来て助かった……のかもしれない)
P(……やっぱり、律子はかわいいな)
P「はあ……結婚したい」
律子「!?」
P「あ、いやいや! なんでもない! なんでもないぞ!」
律子「そ、そうですか……」
服装これ?
かわぇぇ
すばせかは確かにやったことあります
>>66
その二枚目をイメージした。でもワンピースじゃなかったね、まあいいか
緑っぽい髪色をした女性OL「猿の木星をお願いしますっ! 大人一枚で!」
女の子に間違われそうな男の子「え、えっと……その、猿の木星を……はい」
P(随分人気があるみたいだな、猿の木星)
「お客様?」
P「あ、すみません。えっと、『劇場版アイドルマスター』を……はい、大人二枚……え、席?」
律子「……」ニコニコ
P「なあ律子、席どのあたりが――
律子「!」
P「……どのあたりがいい? 真ん中は埋まってて、前と後ろがあるんだけど」
律子「ど、どど、どこでも結構です」
P「そっか。それじゃあ……ここの……はい、後ろあたりで」
律子「べつに、喜んでませんけど!?」
P「何も言ってないじゃないか……」
「ありがとうございました。では、ごゆっくりとお楽しみください」
P「はい、ゆっくりします」
律子「何言ってるんですか……」
P「……さて、と」
律子「あ、待ってください。お金を……」
P「え? いいって、そんなの」
律子「よくないです。チャチャっと払っちゃうもんだから、さっきは出せなかったけど……はい」
スッ
P「……なあ、律子」
律子「なんですか?」
P「デートのときって、男が払うもんなんだろ? だから、いいって」
律子「……それは、きっと偏見です。それにこれは……本当のデートじゃないでしょう?」
律子「だから、受け取ってください」
P「でもなあ……」
律子「そうしないと、私の気が済まないんです。男性に奢ってもらって、それが当たり前なんて」
P「……わかった。それじゃあ、そのお金でドリンクでも買ってくれよ」
律子「ドリンク?」
P「ああ。さすがに二時間以上だから、何か飲み物も必要だろ?」
律子「……」
P「それならイーブンだ。だからさ」
律子「……あんなの、ふたつ買っても、チケット代に比べたらまだまだ足りないじゃない」
P「じゃあ、ポップコーンも付けてくれ。塩味な」
律子「そういう問題じゃ……!」
P「いいからいいから……ほら、開演までもう時間もないぞ。並ぼう」
律子「……」
ざわざわ……
律子「……あなたって」
P「ん?」
律子「……意外と、頑固なんですね」
P「こういうときくらい、カッコつけさせてくれよ」
ざわざわ……
律子「私相手にカッコつけて、どうするんですか」
P「……律子の前だからだよ」
律子「……それ、私以外に言ったら、勘違いされてしまいますよ」
P「……律子はどう思ったんだ?」
律子「……」
律子「もう、順番ね」
P「……そうだな」
P「……」
律子「……」
P(……なんだか、またへんな空気になってしまった)
P(俺が言ったこと……さすがに、律子も引いてしまったか? くそう、なんであんなこと……)
P(失敗、したかな――
ざわざわ……!
P「っ! ……それにしても、さっきからなんだ、この騒がしさ」
律子「そ、そうですね。尋常じゃないざわめき……」
きゃー! き、如月千早ちゃんですよね!?
うわっ、ホントだ! さ、サインを!
「通してください! きょ、今日はプライベートだから……ああ、見失っちゃう……!」
P「」
律子「」
P「……どうしよう」
律子「どうしよう、って?」
P「あそこにうちの看板アイドルがいる気がする」
律子「……そうですね。変装してるつもりなんだろうけど、雰囲気丸出しだわ、あの子……」
P「もみくちゃにされてるぞ……助けに行かないと」
律子「……」
律子「――待って」
グイ
P「え? でも、千早も困ってるだろうし……」
律子「行かないでください」
P「……律子?」
律子「……千早なら、大丈夫。こういうことは、何度もありましたから」
P「でも……」
律子「私達が行ったら、さらに大げさなことになるでしょう? だから……」
P「……」
P「千早……」
律子「……今日は……今日だけは、あなたは、プロデューサーじゃなくて」
律子「私の彼氏でしょう……?」
P「……っ」
律子「……どうしてもというなら、止めないけど」
P「……」
P「千早なら、きっと大丈夫だな」
律子「!」
P「うん、絶対そうだ……あぁほら、もう映画館を出て行っちゃったし」
律子「……」
P「見なかったことにしよう! 俺達が見たのは、千早の幻だ」
律子「……ぷぷ、な、なんですかそれ?」
P「あはは、なんだろうな、本当に」
律子「もう、わけわかんない……ふふっ。あなたも、私も……」
P「律子、トイレ済ませておけよ?」
律子「それもなんというか、ギリギリな発言ですけど……まあ、一応行ってきます」
P「ああ。さて、俺も行ってくるか……待ち合わせは、ここでいいか?」
律子「ええ。それでは!」
【女子トイレ】
律子「……」
律子「うわ……私ったら、すごい顔してるわね……」
律子「……ほんと、わけわかんないわ」
律子「いつもなら、あんなこと言わないのに……」
律子「……」
律子「ごめんね、千早……。私は……」
P「……」ソワソワ
P(こう、ひとりになってみると……なんか、落ち着かないな)
律子「……お待たせしました」
P「! お、おお、律子」
律子「すみません、遅くなって……」
P「いや、いいさいいさ」
P(……こういう俺達の姿は……まわりからは、カップルに見えているのだろうか)
P「でも、たしかに時間かかったな……もしかして大」
律子「フンッ!」
ドガッ
P「あ痛っ!? ま、まだなんにも言ってないだろ!?」
律子「言わんとしてることは顔見ればわかります! まったく……」
律子「女性は男性と違って、色々とあるんですよ。そういうところ無神経なんだから」
P「……ご、ごめんなさい」
【映画館】
P「……」
律子「……」
ヴ――……
フッ……
律子「あ、暗く……」
『お待たせしました。間も無く、劇場版アイドルマスターを上映します――』
P「……――って、好きなんだよ」
律子「……え? な、なに?」
P「こういうさ、映画が始まる前の暗くなる瞬間。ワクワクしないか?」
律子「そ、そうですね! たしかに……」
『チャオ☆ ジュピターの伊集院北斗です。エンジェルちゃん達も紳士達も、猿の木星をヨロシクね』
―――
『……ああっそんなっ……そこは汚ねぇ穴だろうが……!』
『冬馬の体に、汚いところなんてないさ……もう君の黒ちゃんも、立派な大猿に――』
―――
P(ひどいCMだ……しかし映画館のCMって、なんでこう大音量なんだろうな)
律子「……あの……プロデューサー」クイクイ
P「ん? どうした?」
律子「……他の人の迷惑になっちゃうから……耳、貸してください」
P「あ、ああ……」
律子「あのですね……」ヒソヒソ
P(本日二回目の耳打ちきた! ひゃっほうゾクゾクするぜ!)
律子「……さっきは、ごめんなさい」
P「ごめん、って何が?」
律子「……私のわがまま……わがままって言うのか、わからないけど」
律子「私の言うとおりに、千早じゃなくて、私を……」
P「……律子の言うとおりだと思ったから、そうしただけだよ。気にすることない」
律子「……そうです、か。そうですよね……」
P「……」
P(律子の性格的に考えて、今みたいに言っておくのが正解なんだろう……たぶん)
律子「あ、あと、あのことも……」
P「あのことって?」
律子「……蹴っちゃったこと。痛かったでしょう?」
P「……あんなの、それこそいつものことじゃないか。大丈夫、なんともないさ」
律子「……それでも、ごめんなさい。私、いつもいつも……」
P「……」
P「随分、素直なんだな。いつもの律子らしくない」
律子「……暗いから。普段言えないことでも……言えちゃうんですよ」
P「そっか……」
律子「そ、それだけ! ……あぁほら、もう始まりますよ!」
P「……ああ」
P(すでに照明を落とされて、会場は真っ暗だった)
P(スクリーンから溢れる光と、大音量で流れる騒がしい音だけが、この場所におけるすべてだった)
P(やがてCMも終わり、ホールはつかの間の静けさに包まれる。映画が始まろうとしているんだ)
P(誰もかれもが、画面だけに注目していく。俺と律子も例外じゃない)
P(でも……)
P(上映が開始されるその瞬間に、ふと眺めた、隣に座っている彼女の横顔は)
P(心なしか、赤く染まっているような気がした)
P(……暗闇だったから、きっと、気のせいだろうけど)
―――
――
―
律子「……」
P「……うぅ、グスッ……」
律子「な、なんですかもう……、男なのに情けないなぁ……」グスグス
P「律子こそ……ほら、クライマックスシーンの、雪歩の表情がさ」
律子「……たしかに、あれは凄かったわ……穴を掘りながら」
『私は生きています! 生きて、歌っていますぅ!』
『だから春香ちゃんも……一緒に掘りましょう!』
律子「って……」
P「思い出すだけで涙が……!」ブワッ
P(登場人物の名前が、どこかで聞いたことあるような気もするが……それはたまたまだ)
P(なんといっても今の映画はアニメ映画。俺達とは、全く関係のないものなのである)
P「……さて、このあとどうする?」
律子「そうね~……ちょっと早いけど、ご飯でも食べにいきますか」
P「そうだな。それじゃあ、この辺なら……」
テクテク
涼「……」トボトボ
涼「……知らなかった方がいい世界を、知っちゃった気がする」
涼「……でも……」
涼「いつか、僕に対して告白してきた男の子がいたけど……」
涼「あれは決して、おかしい感情じゃなかったんだ」
涼「愛という気持ちに、性別は関係ないんだね……!」
涼「ふふっ……それを知れただけでも、収穫はあったかな」
涼「……って、あれ!?」
キョロキョロ
涼「……ぎゃおおん!!」
通行人「」ビクッ
涼「律子姉ちゃんたち、どこ!? 見失っちゃったよぉ!」
涼「僕ってば、夢中になっちゃって……!」
涼「……」
涼「……ま、いっか」
涼「どうせ付き合ってるんだろうし、適当に報告しよう……」
涼「それよりはやくレンタルショップに行って、猿の木星の前作を借りないと……!」タッタッタ
P「あ! す、すまん……少し待っててくれるか?」
律子「どうしたんですか?」
P「いや、社長に伝言があったのをすっかり忘れてて。ちょっと電話してくる」
律子「……ふふ、わかりました」
P「悪いな。すぐ戻るから」
律子「急がなくてもいいですよ。行ってらっしゃい」
P「ええ、はい……そうです、以前……ああ、本当ですか! よかった……」
律子「……」
律子「やっぱり、あなたはプロデューサーなんですね……」
律子「こういうときも仕事、仕事」
律子「……まあ、なんでもいいけどね……私は、今日だけの彼女だし」
律子「……うん、そうよ……べつに、気にしてなんか……」
P「お待たせ」
律子「なんの話だったんですか?」
P「ん、ああ……その、な。今度の千早たちの――」
律子「ああ、そういうことなら言わなくても結構ですっ」
P「えっ」
律子「……あなたがプロデュースするユニットの話でしょう? 秘密にしたいこともあるでしょうから」
P「……。うん、そうだな」
律子「こんなこと、簡単にライバルユニットのプロデューサーに言っちゃダメですよ」
P「ライバルって……まあ、そうだけどさ」
P「でもそれを聞いたって、律子は竜宮小町のプロデュースに利用したりしないだろ?」
律子「ふっふっふ……わかりませんよ~? 私は、使えるものはなんでも使う女ですから」
P「……」
律子「なーんて……ま、自分で聞いておいてあれですけど、本当に言わないでください」
律子「そんなことで、あなた達との勝負において有利になんて、なりたくありませんから!」
P「……わかった」
律子「さ、そんなことより……ご飯、行きましょう?」
P「……そうだな。でもやっぱりちょっとさ、どこかで時間潰してから行かないか?」
律子「え? どうして急に……」
P「いやぁ実は、ポップコーンがまだ腹に残ってるんだよ。ははは」
律子「……」
P「美味しいご飯を食べるのは、空腹になってるときが一番だ。あ、でも、律子はそうでもないか?」
律子「うーん……そうでも、あるかも……割とおなかに溜まるのよね、ポップコーン」
P「だろ? このへんはショッピング街だし、いくらでも暇もつぶせるだろうから」
律子「……いいんですか?」
P「なにが?」
律子「……デート、長引いちゃいますよ? 家に帰るのが遅くなるわ」
P「だから言っただろ、律子とのデートは望むところだってさ!」
律子「ま、またそういう……もう、わかりました。どこへなりと連れてってください!」
P「よしきた! それじゃあまずは……」
P(……よかった。なんとか納得してくれたみたいだ)
【オシャレで高級な洋服屋さん】
律子「ず、随分オシャレで高級な洋服屋さんですね」
P「たしかに……」
律子「たしかに、って……あなたが入ろうって言ったんじゃないですか」
P「いや、入りやすそうな雰囲気だったじゃないか……」
律子「……うわ。私の知ってる洋服の値段より、0がひとつ多いわ……」
P「なるほど、律子の服はそれくらいなのか」
律子「そーいうこと、計算しないでください」
P「……」
律子「……うわあ。やよいが見たら卒倒するんじゃないかしら」
律子「これで何回……これ買うくらいなら……」ブツブツ
P(……選択をミスしてしまった感がある)
P「ま、まあ見るだけならタダだし、さ!」
律子「そうですけど……」
P「律子は、こういうの憧れないのか?」
律子「……そりゃあ、私も女ですから」
律子「こういうハイブランドで身を固めてみたいって気持ちも、まあ、なくはない……かな」
P「でも買わない、と?」
律子「何か特別な日でもない限りね」
P「そうか……」
律子「……」チラ
P「……試着、してみたらどうだ?」
律子「ええ!? ほ、本気で言ってるんですか?」
P「さっきから見てるそのジャケット。きっと似合うって」
律子「で、でも……」
P「あ、店員さん、これいいですか? ええ、この子に試着を……」
律子「あーもう、勝手に話を進めないでくださいっ!!」
シャッ
律子「うう……」
P「……綺麗だ」
律子「い、いきなり何を言ってるんですか!? それにこの場合、綺麗って表現はふさわしくないです!」
P「じゃあなんて言えばいいんだよ?」
律子「……そうね、似合ってる、とか?」
P「似合ってるよ、律子」
律子「ほーんと、口が軽いんですねっ!」
P「本音だって……ああもう、律子はかわいいなあ!」
律子「!?」
P「あ、いや……」
律子「……」
律子「……こんなの、全然かわいくなんてないわ」
P「えっ、実際着てみたら気に入らなかったか?」
律子「そういうわけじゃないですけど……確かに、生地も良いし、デザインも私好み」
律子「でも……」
P「……」
律子「……今日の私の格好に、合ってないです。恥ずかしいわ……」
P「そんなことないだろ」
律子「いーえ、そんなことあります。ワンピースの上にこういうジャケットって、普通はナシなんですっ」
P「そういうもんなのか……全然、不自然じゃなく見えるけどな」
律子「そういうのは疎いんですね……ステージ衣装のことは随分詳しいのに」
P「あはは……」
律子「……まあ、あなたが褒めてくれたのは、その……ちょ、ちょっとは嬉しかったですけど」
律子「でも、出来ればもっと……、ちゃんとしたくて……だから……」
P「あ、店員さん。このシャツとスカートも……ええ、この子に。いいですか?」
律子「本当にあなたって人は、私の話をへんな風に解釈するんですねっ!!」
シャッ
律子「うう……」
P「……綺麗だ」
律子「い、いきなり何を……って、もういいですこのやり取り!」
P「今度はどうだ? 気に入ったかな」
律子「……」
律子「ま、まあ、それなり……、かな。やれば出来るんですね、あなたも」
P「そうか、それはよかった! 服も喜んでるよ!」
律子「ったく、まーた軽々しくそんなこと言っちゃって……」
P「今度はこれはどうだ? 試着してる間に見つけたんだけど」
律子「私は着せ替え人形じゃないですっ! ……それに、それはダメ」
P「えっ」
律子「それなら、こっちの方が……あ、でも、こういうのも合うかもしれないわね!」
P「……」
P(なんだかんだで楽しんでる律っちゃんかわいい!)
ありがとうございましたー
律子「……あれだけ色々着て、結局何も買わなかったですね」
P「でも結構、楽しんでたじゃないか」
律子「……まあね」
P「やっぱりなんだかんだ言って、律子も女の子なんだな。ショッピングが好きなんだ」
律子「当たり前ですっ。もう……なんだと思ってたんですか?」
P「あ、いや、深い意味はないんだけど……気を悪くしたならすまん」
律子「べつに、怒ってるわけじゃないですけど……自分でも、珍しいとこ見せちゃったと思うし」
P「……」
律子「プロデューサー?」
P「……悪い、ちょっと催した。トイレ行ってくるよ」
律子「……ふふっ。ほーんと、突然ですね。ごゆっくりどうぞー」
P「お待たせ」
律子「いーえ。でも随分、時間かかりましたね」
P「ま、まあな! 大きい方だったか――」
律子「ていっ」
ピコッ
P「あ痛っ!? な、なんで……!?」
律子「そーいうことは、女の子の前じゃ言わないの。まったくもう……無神経にも程があるわ」
P「でも本当のことだったから……」
律子「また蹴りを食らいたいんですか?」
P「……なんでもないです」
律子「さっきの反省を踏まえて、デコピンにしてあげたんですからね。ふふっ」
P「うん、ありがとう……?」
律子「何言ってるんですか、ありがとうって……ふふふっ♪」
律子「それじゃあ次は、どこに行きます? プロデューサー殿っ」
P「そうだなぁ……じゃあ――」
あずさ「あら?」
律子「……」
P「……」
あずさ「まぁ、千早ちゃんを探していたら、律子さんたちに会えるなんて~! ふふ、こんにちは」
律子「お、おはようございます……あずささん」
あずさ「もう、律子さん? 今はお仕事じゃないんだから、おはようございますじゃないでしょう?」
律子「……そうですね……あはは……」
P「……き、奇遇ですね」
あずさ「そうですね~。プロデューサーさんたちは、どうしてここに?」
P「そ、それは……」
P「……おい、どうする……?」ヒソヒソ
律子「どう、って言っても……」ヒソヒソ
あずさ「?」
P「ここは、正直に事情を話したほうがいいんじゃないか?」ヒソヒソ
律子「……そうですね。あずささんのことだから、ポワポワしてへんな風に誤解しちゃうかもしれないし」ヒソヒソ
P「だな。よし……」
P「あずささん! 実は俺たち――」
あずさ「……あ、そうだったわ!」パンッ
P「え」
あずさ「私、元々あなたたちを追いかけていたんですー。千早ちゃんを探すのに夢中で、すっかり忘れていました」
律子「私達を……?」
あずさ「ええ。ふふっ、律子さんたちが秘密でデートするって聞いていましたから、確かめようと思って~」
P・律子「「!?」」
あずさ「……あ」
あずさ「わ、私ったら何を言って……いけないわ、秘密だったのに」
律子「あ、あずささん……それ、どこの情報ですか……?」
あずさ「え? 音無さんが教えてくれたんですよ」
P「音無さん?」
あずさ「ええ。たしか~……」
『詳細は確かではないが、プロデューサーさんと律子さんが秘密でデートする情報を掴んだ』
『彼らは、我々に内緒でお付き合いをしている可能性がある。絶対に許されることではない』
『……我々に必要なことはなにか? はい千早ちゃん!』
『イエスマム。真偽を確認することですっ!』
『そのとおり! そのとおりなのよ~! というわけで……ごにょごにょごにょ』
あずさ「ということがあって~……」
P「……」
律子「……」
律子「……小鳥さん……昼寝してると思ったら、聞いていたのね……」
あずさ「私としては、そんなのお二人に悪いわーって思ったのですけれど」
あずさ「音無さんと千早ちゃんが、どうしてもって言うから……」
P「……」
あずさ「あ、でも、こういう言い方はダメね……私ひとりだけ、責任逃れをしているみたいです」
あずさ「ごめんなさい、プロデューサーさん、律子さん。こんな真似をしてしまって……」
ペコリ
P「あ、いえいえ、べつに邪魔されたってわけでもないですし……」
律子「……えーっと……ということは、小鳥さんと千早も?」
あずさ「ええ。音無さんは独自に、千早ちゃんは私と一緒に、とのことだったんですけれど……」
キョロキョロ
あずさ「……ふたりとも、いないみたいですね。どこにいるのかしら?」
P「……」
P(あのとき千早が映画館にいたのは、そういう事情があったのか……)
P(音無さんはなんだかわからないけど、どこかですれ違ったりでもしたっけかな?)
あずさ「……私ったら、ついつい、全部話してしまいましたね」
P「いえ、助かりました。……ん? 助かったってのもおかしいかな」
あずさ「うふふっ、ところで~……律子さん?」
律子「は、はい! なんですかっ?」
あずさ「どうやら、音無さんが言っていたことは本当だったみたいね?」
律子「! あ、いや、それは……!」
あずさ「もう、それならそうと言ってくれればよかったのに。私と律子さんの仲じゃない」
P「あはは、あずささん、実はそれ――」
グイ
律子「……」
P「……律子?」
あずさ「他の人には、内緒にしておいてあげますね」
あずさ「へんに噂されるのも嫌でしょうし、私がばしっと、噂は嘘でしたって言っておきますから」
律子「……じゃあ、お願いしますね!」
あずさ「はい、まかせておいてください!」
あずさ「それじゃあ私、今度こそ、迷子の千早ちゃんを探しにいきますね」
律子「あ、はい」
あずさ「それじゃあ、ごゆっくり~♪」パタパタ
P「お気をつけて……本当に……」
P「……なあ、律子」
律子「……なんですか?」
P「あずささんに、ちゃんと言っておかなくてよかったのか?」
律子「……」
P「あずささんにまかせたら、なんか余計にえらいことになりそうな気がするんだけど……」
律子「……なんとなく、ですけど」
P「……?」
律子「なんとなく、その……言いたくなかったんです。今日のこと」
P「なんでまた……」
律子「あーもう、わかりませんっ! 私に聞かないでくださいっ!」
律子「そ、それより! もうそろそろ、いいんじゃないですか?」
P「そろそろって?」
律子「ご飯です。ちょうどいい時間でしょう?」
P「っ!」
律子「……?」
P「ああ、そうだった! えっと……うわ、ギリギリだ」
律子「え? ギリギリって何が……べつに、そこまで急がせてるわけじゃないですよ?」
P「律子、ちょっと急ごう」
ギュッ
律子「……!? て、っててて、手!?」
P「わるい、今だけ我慢してくれ」
律子「そ、そんなこと言われても……何がなんだか……!」
P「走るぞ」
律子「ええ!? ちょ、いきなり……わ、わかっ、わかりましたからっ!」
―――
――
―
律子「ぜぇ、ぜぇ……こ、ここ?」
P「あ、ああ……う、オエエ……」
律子「……お互い、体力ないですね」
P「そうだな……」
律子「あはは……アイドルの子たちなら、これくらいなんともないんでしょうけど……」
P「あの子たちは、頑張ってるからなぁ……」
律子「……ほんと、そうですよね……」
P「……プロデューサーって、体力勝負なところもあるけどさ」
律子「あの子たちには、やっぱりかないませんね……ふぅ」
P「……」
律子「……で、なんでここなんですか? 説明してください、説明」
P「……ま、追々な。食べながら話そう」
【オシャレな高級レストラン】
律子「……」
P「……はい、ええ。予約してた……はい、すいません、ちょっと遅れて」
律子「……」
P「どうした?」
律子「あのっ!!」
P「きゅ、急に大きい声を出すなよ……この店、そういう感じじゃないだろ?」
律子「あ、す、すみません……じゃなくて、なんで私が悪いみたいになってるのよっ」
P「ほら、案内されるから、行こう?」
律子「……色々聞きたいことありますけど……本当にちゃんと説明、してもらいますからね」
P「わかったわかった……」
――♪
律子「……外から見たときは、わからなかったけど……」
P「……」
律子「この店、相当……アレですよね」
P「ああ……高級だ」
律子「……普通、予約とか必要な感じなアレですよね」
P「ああ……なんといっても高級だから」
律子「予約、してたんですか? っていうかまあ、してたみたいなアレですけど……」
P「ああ……高級だから、そういうことも必要だろう」
律子「いつ?」
P「……今日だよ」
律子「……でも今日は私達、ずっと一緒にいましたけど、そんな素振りは」
P「さっき俺はさ、社長に伝言があると言ったよな」
律子「ええ、それで一回、電話をしに……」
P「あれは嘘だ」
律子「……」
P「本当は、ここの予約をするための電話だったんだよ」
律子「……」
P「以前一度、撮影で使わせてもらったことがあってさ」
P「そのことをオーナーが覚えていてくれて……、急な予約だったんだけど、便宜を計ってくれたんだよ」
律子「バカじゃないの……」
P「……うん」
律子「それならそうって、普通に言ってくれればよかったのに……」
P「……そうだな」
律子「そんなことのために、私はあのとき……」
P「……」
律子「……今日の私の格好だって、そう。あまりに普通すぎて、かなり場違いじゃないですか」
P「そんなことないって……」
律子「あなたがしっかりした格好してる分、こういう場所じゃ、余計に浮くんですよ……」
P「……すまん」
律子「……もっと普通のところで良かったんですよ。居酒屋だってなんだって」
P「……背伸び、しすぎたかな」
律子「わかってるじゃないですか……」
律子「本当に、そう。そのとおりすぎて、涙が出てくるわ」
律子「べつに、どこだって、なんだってよかったんですよ」
律子「私は……あなたが、いれば……」
P「……」
律子「……プロデューサー」
P「なんだ?」
律子「……あなたは今日……恋人のフリをしてくれてるだけですよね」
律子「それで、私達は……嘘の恋人ですよね」
P「……そうだな」
律子「……だったら……」
律子「なんでそういうこと……私なんかのために、してくれるんですか?」
P「そんなの、決まってるだろ」
律子「……」
P「律子のことが、好きだからだよ」
律子「……――っ!」
P「律子のことが好きだから……、喜んで欲しかったんだ」
律子「……」
P「律子の嬉しそうな顔が見たかった。だから、俺なりに頭をひねったんだよ」
律子「……」
P「自分でも、慣れないことをしたと思う」
P「……いや、よく考えたら……、今日一日、全部が全部、慣れないことばかりだった」
律子「……」
律子「バカじゃないの……」
P「……うん」
律子「こんなことされたって、嬉しそうな顔、なんてできません」
P「そうみたいだな……」
律子「……こ、こんなことされたって……涙しか出ないわ……もう」
律子「バカ……!」
――♪
律子「……」
カチャ カチャ
P「……」
モグモグ……
P(そのあと間も無くやってきた高級なお食事を口に運んでいる間……)
P(俺達は、ずっと無言だった。乾杯の言葉すらない)
P(耳触りの良い高級なピアノ・クラシック)
P(時折フォークやらナイフやらが高級な食器にぶつかって鳴る高級な音。耳に入るものは、それだけだ)
P(言葉は交わさない。いや……、正確には、交わす言葉が見つからなかった)
P(……律子は、俺の発言を、どう思っているんだろう?)
P(そのときの俺の頭には、ただそのことしかなかった)
P(味なんてわかるか)
―――
――
―
律子「……ごちそうさまでした。美味しかったです、とても」
P「あ、ああ。そうだな、確かにうまかった」
律子「……あの、お金を……」
P「……」
律子「……もう」
P「俺の言いたいこと、わかってくれたみたいで嬉しいよ」
律子「今度は何を買っても、イーブンになりませんよ。こんなの……」
P「いらないって。ドリンクも、ポップコーンも」
律子「でもそれじゃあ、私の気が済まないんです。さっきも言ったでしょう?」
P「……それじゃあさ。代わりに一個だけ、して欲しいことがあるんだ」
律子「なんですか?」
P「さっきの返事、聞かせてくれないか?」
律子「……」
律子「さ、さっきのって?」
P「律子のことが好きだって言っただろ?」
律子「……」
P「……まあ、確かに、言葉は足りなかったと思う」
律子「え……?」
P「俺は律子のことが、好きだ。だから――」
律子「なな、何度も言わないでください! ひ、開き直ってるわね……?」
P「だからさ、付き合って欲しいんだよ」
律子「……っ」
ざわざわ……
P「……場所、移そうか。店の前だもんな」
律子「え、ええ……そうですね」
【公園】
P「ここなら、いいかな……誰もいないし」
律子「……」
P「律子」
律子「は、はい!」
P「改めて、言うよ。冗談でもなんでもない、本音を……」
律子「……」ゴクリ
P「……律子」
P「俺と結婚してくれ」
律子「」
P「頼む、頼むよ! 俺もう、律子のことが頭から離れないんだ!」
律子「」
P「生涯を捧げるのはお前しかないって思ってる! だから」
律子「」
P「ほら、婚姻届持ってきたからさ……な、な?」
律子「はぁあああ!? こ、こ、こん……!?」
P「実はさ、こんなこともあろうかと役所行って貰ってきたんだ」
律子「何を想定していたんですかっ!?」
P「土下座か? それくらいのこと、いくらでもするぞ!」
律子「ち、ちがっ……そういうことじゃなくてですねっ!」
P「このとおり……!」ズサッ
律子「フンッ!!!」
ドガッ
P「おうふっ あ、ありがとうございますっ」
律子「とにかく落ち着きなさいっ!」
P「あ、ああ……ごめん」
律子「……あの……本気で言ってます?」
P「本気も本気だ。律子と結婚したい」
律子「……さ、さっきと言ってること、違うじゃないですか。レストランじゃ、その……」
P「……まあ、確かに……」
律子「いい、いきなり結婚なんて言われても……その、私……!」
律子「無理です!」
P「っ!」ガーン
律子「む、無理無理無理……! ああもう、なんなのよもう……!」ワシャワシャ
律子「こんなこと言われるなんて……想定の範囲外だわ……!」
P「……そ、そんな……一体なんで……?」
律子「本当にわかってないんですか!?」
律子「……ごほん! いいですか、よく聞いてください」
P「はい」
律子「まず第一に、私がプロデューサーに彼氏役を頼んだその理由です」
P「理由……」
律子「私は、両親にお見合いをセッティングされそうになったから、嘘をついたんです」
律子「彼氏ならいるから心配しないで、って」
P「そ、そうだったな」
律子「……お見合いが嫌だった理由は?」
P「……今が一番大切な時期だから、そういうことにうつつを抜かしたくない、と」
律子「そうです、そのとおりです」
律子「だからまず、時期的に考えて、今は結婚とかはするべきじゃないんです」
P「じゃ、じゃあ……!」
律子「いいから、余計なことは言わずに私の話を聞きなさい」
P「わかりました……」
律子「次に、お金です」
P「えっ」
律子「自慢じゃないですけど、私はそれなりに貯金はあります」
P「あの」
律子「でも、急にそういう話になるとは思ってなかったから……」
律子「今の貯蓄じゃ、もろもろの費用のことを考えると、まだまだ全然足らないんです」
律子「お金の見通しも立たずに、将来設計を立てることはできません。そうですよね?」
P「そのとおりです……」
律子「プロデューサー。あなたは、貯金してますか?」
P「ま、まあ、多少は」
律子「いくら?」
P「えーっと……これくらい」
律子「甘いわ! 甘すぎです!」
P「ご、ごめんなさい!」
律子「まったく……よくこんなことで結婚なんて言えたものね……」
律子「最後に、その……」
P「……?」
律子「これは、まぁ……どうでもいいっちゃ、どうでもいいことなんですけど」
P「な、なんだ? 急に歯切れが悪くなったな」
律子「……あの日、あなたは……」
『律子ならすぐに、嘘じゃなく本当に、彼氏だって出来るだろうしさ』
律子「って言ったんです。覚えてますか?」
P「うん? ああ、たしかそのようなことを言ったような」
律子「それで、私は……」
『彼氏、か……お見合いで、なんてなぁ……』
律子「って言ったんですよ」
P「そ、そうだったな」
律子「……つまりですね、その……」
律子「……私は、結婚とかするなら……」
律子「もっとちゃんと段階を踏んで、からのほうがいいんです」
P「……まあ、そりゃそうだろうな。大抵の人はそうだ」
律子「わ、わかってるなら、いきなり結婚とか言わないでください!」
P「すいません……少し、先走りすぎた……」
律子「だからね! その……つまりですね!」
P「な、なんでしょうか……?」
律子「……そんなに、急がないで……まず、お付き合いから、したいんですよ……」
P「!」
律子「それで、ちゃんと結婚してもいいかってのを見極めて、それからですね」
P「……うん」
律子「だから……そう判断するまでの時間を、私にください」
律子「彼氏のフリとか彼女のフリ、なんかじゃなくて……」
律子「本当に……私の、恋人になって……」
P「……律子」
律子「な、なんですか!? もうキャンセル効かないわよ!」
P「キャンセルなんてするわけないだろ」
律子「……こ、後悔しない?」
P「……なあ、抱きしめていいかな」
律子「人の話を聞いてくださいよ!」
P「ダメか?」
律子「……」
律子「す、好きにしたら……?」
ぎゅっ
律子「……うぅ……死にそう……」
P「俺は今まさに生きてるって感じがするよ」
律子「そーよね、こんなに体熱いものねっ!」
P「律子もな」
お前にはオレが居るだろ
P「律子」
律子「……今度はなんですか」
P「結婚を前提に、俺とお付き合いしてください」
律子「……っ」
律子「はい……」
ぎゅー
律子「く、苦しいですよ」
P「……」
律子「もう……、本当に、なんでそういうこと、サラっと言えちゃうわけ……?」
P「律子のことが、こんなにも好きだからだよ」
律子「ま、またそーやって……! 恥ずかしいなぁ、もう……」
P「律子は今、どう思ってる?」
律子「……正直、わけわかんないです。恥ずかしいのと、嬉しいのと……、他にも、いっぱい」
P「律子だけに、いっぱいいっぱいってか!」
律子「寒いです」
P「ごめんなさい」
律子「……バカ」
律子「……でも……」
律子「私も……、あなたのことが、好きです」
―――
――
―
テクテク
律子「……♪」
P「……あ、それはそうと」
律子「どうしたんですか?」
P「婚約指輪は用意できなかったけどさ……」ガサゴソ
律子「婚約指輪!? い、いりませんよそんなの……今はまだ」
P「ほら、これ」
律子「……これ……って……」
P「あの高級な洋服屋さんで見てた、ジャケット。律子にプレゼントするよ」
律子「……はぁ~……」
P「た、ため息!? 喜ぶところじゃないか!?」
律子「……いつ買ってたんですか?」
P「いや、あの、トイレに行くって言ったときに」
律子「今になって思うと、確かに不自然でしたね」
P「あはは……」
律子「プロデューサー殿」
P「なんでしょうか……」
律子「ベタですね」
P「うぐっ……い、いいだろべつに! 俺だって、こういうの慣れてないんだ」
律子「……でも……」
P「大体、こういうのはベタなほう……が……――ッ!?」
律子「……ありがと」
P「」
P「あの……い、今、なにを……?」
律子「……その、私なりの……感謝の気持ち、というか……」
P「……」サスサス
律子「唇の感蝕を確かめないでくださいっ!」
P「……柔らかかった」
律子「感想もいりませんっ! こ、こっちまで余計に恥ずかしくなるわ……」
P「律子さん」
律子「なあに、急にそんな呼び方して……」
P「あの、もう一回」
律子「調子に乗らない」
P「……」
律子「……ま、そのうち、ね」
律子「今度からは、こういう高~い買い物をするときは、ちゃんと私を通すこと」
P「ええ!?」
律子「だってあなた、お金の管理できないでしょう?」
律子「大体、普段から思っていたんです。浪費ばっかりしてあれもこれも……」
P「……まるで、鬼嫁だな」
律子「あーら、その鬼嫁と結婚したいって言ったのはどこのどなた?」
P「……俺だった」
律子「そうね♪ よく出来ました」
P(結婚という言葉を使うのは……やっぱり早かったかな?)
律子「無駄にお金を使うなら、結婚を見据えた将来のために、貯金をしましょう」
P「結婚……うん、そうだな!」
律子「……あ、でも勘違いしないでね? い、今のプレゼントは、無駄と思ってるわけじゃ決してなくて」
律子「私だって、もちろん、その……嬉しい気持ちはたしかにあったんですから」
P「わかってるよ……証明、してもらったしさ」
P(……いや、早かったなんてことはない。俺の目に、間違いはなかった!)
P「なあ、律子」
律子「なんですか?」
P「……今度、改めてご両親に挨拶にいかないとな」
律子「……そうですね」
P「こないだのは彼氏のフリでした、嘘ついてすみませんって言いにいかないと」
律子「ふふっ、そういうとこ、へんに真面目なんだから」
P「そして、お義父さんの前でこう言ってやるんだ……」
律子「え? お、お義父さん?」
P「律子を……いや……」
P「娘さんを、僕にくださいってな!」
律子「気が早いって言ってんでしょうがっ!!」
おわり
でも少し休憩したあと、ちょっとだけ後日談を書く
【翌日 765プロ事務所】
P(さて……律子との色々があってから、一晩が経った)
P(俺達は無事、結婚を! 前提に! お付き合いをすることになったわけだけど……)
P(アイドルの子達には、なんて説明したらいいかな)
P(秘密にしておくのも、なんだか気が引けるんだけど……)
『時期が来るまでは、黙っていましょう。へんなこと言ってわざわざ動揺させることはありませんから』
P(……って、律子は言っていたが……)
P(時期っていつだ? 結婚する時?)
P(というか、動揺って……それくらいのことでビックリする子、みんなの中にいるのか?)
P(……まぁ、考えててもしかたないな! 俺は俺で、やることをやるだけだ)
P(そう……みんなをトップアイドルへと導き、もっともっと輝かせてやるという、大仕事だ……!)
ガチャ
P「おはよう、みんな!」
千早「」
P「oh……」
P(さっそくアイドルにふさわしくない表情をした女の子を発見してしまった)
P「ど、どうしたんだよ千早。もっと輝いてくれよ」
千早「」ギギギ
P「ひっ」
千早「……プロデューサー……オハヨウゴザイマス」
P「メカ千早になってる……」
千早「……――いうことですか」
P「えっと……なんだって?」
千早「どういうことですかと聞いているんですっ!!」
P「!? な、なにがだよ? とにかく、落ち着いて説明してくれ」
千早「説明? わかりました、なら言いますっ!」
千早「プロデューサーと律子がつきあっ――」
春香「ちーはーやーちゃんっ!」ゲシッ
千早「ああっ! な、何するの、春香っ」
春香「えへへ……亜美、真美!」
亜美「ラジャーだよはるるん!」
真美「真美たちにまっかせといて~!」
千早「待って、話はまだ……!」ズルズル
P「……」
P(何がなんだか、わからない……)
春香「そんなことよりっ、プロデューサーさんっ!」
P「あ、ああ。おはよう春香」
春香「おはようございますっ! えへへ、聞きましたよ、律子さんとのこと!」
P「ええ!?」
春香「おめでとうございますっ!」
春香「私、ふたりがそうだって知らなかったから、ちょっとビックリしちゃいましたけど……」
春香「でもでも! すっごく! お似合いのカップルだと思いますっ!」
P「そ、そうか! あはは、ありがとうな!」
P(なんだ……律子の奴、あんなこと言っておきながら、ちゃんとみんなに話してたんじゃないか!)
春香「いつから付き合ってたんですか? 詳しく聞かせてくださいよぅ!」
P「それがさ、つい昨日なんだよ」
春香「えっ」
P「えっ」
春香「き、昨日? そ、それはまた、随分と気が早いですね……」
P「そ、そうかな……あはは」
春香「あっ、でもでも、そういうのってきっと、時間かければいいってわけでもないですし!」
P「そ、そうだよな!」
春香「はい! だから私としては、全然オッケーだと思います! 善は急げって言いますからね」
P「はは……」
P(あれ? なんか話が噛み合ってない気がする)
P「……ところで、春香」
春香「どうしたんですか?」
P「その噂の律子はどこにいるんだ?」
春香「律子さん? 今日はまだ、見てないですけど……」
P「……」
春香「どうしたんです、そんな顔して……」
P「えっと……さ。それ、誰から聞いたんだ?」
春香「あずささんです!」
あずさ「ごめんなさい、プロデューサーさん……うふふ、ついつい話しちゃいました~」
P「」
P「あの……」
春香「あっ、でも、あずささんを怒らないでください!」
春香「小鳥さんと話してるところを、私が無理矢理、聞き出しちゃったんですから……」
P「いや、怒るつもりはないんだけどさ……」
春香「それにしても、ホント、ビックリしちゃいましたよ」
P「うん、まあ……付き合うなんて、昨日までは思ってもなかったからな」
春香「それで、もう妊娠だなんて!」
P「あずささあああん!!!?」
あずさ「私も、ビックリしちゃいました~……まさかそれで、結婚、だなんて」
P「こっちがビックリですよ!!! そんなこと、話してなかったでしょう!?」
あずさ「ええ、そうですね。でも、音無さんが……」
P「……音無さん……?」
小鳥「……」ブツブツ
P「……」
小鳥「……そうね……そうなったら、そうに決まってるわ……」ブツブツ
P「……」
あずさ「ごめんなさい、プロデューサーさん」
P「……なにがですか?」
あずさ「私、ばしっと、噂は嘘だって伝えようとしたのですけれど」
あずさ「音無さんがあまりにも……その、この件に関して、執着していらしたから……」
P「……しつこかったんですね」
あずさ「言い方を選ばなければ、そうですね~……」
千早「……」ブツブツ
P「……千早はなんで……?」
春香「……」
あずさ「……今はそっとしておいてあげましょう?」
春香「千早ちゃん、プロデューサーさんのユニットのリーダーだったから……」
あずさ「そうね……色々と、ショックだったんでしょうね……」
P「……」
P「と、とにかく。ふたりは、少し誤解をしているんだと思う」
春香「ええ!? ほ、本当は付き合ってなかった、とか……?」
P「いや、付き合っているのは本当だけど……妊娠なんて、してないんだよ」
P(そもそも、まだそこまでの関係には……)
春香「」
P「……春香?」
春香「どっ、どど、どうしよう……!」
P「どうしたんだよ……」
春香「ごめんなさいプロデューサーさんっ!!」
P「えっと……なにが? 誤解してたくらいじゃ、別に謝ることなんて」
春香「わ、私……みんなに……!」
P「え……」
春香「みんなにこのこと、メールで一斉送信しちゃいました!」
P「」
春香「よく考えたら、律子さんにも!」
P「おお……ここまで来るとむしろ気持ちいいなおい……」
バッターン
律子「ちょっとぉおお!! どういうことですかっプロデューサー!!」
P「ほらきた」
律子「なんでこういうことをペラペラと……というか、妊娠ってなに!?」
律子「私とあなたはそもそもまだ――!」
P「ち、違うんだって! これは、その……誤解なんだ!」
律子「誤解で子どもができますかっ!」
P「いやだから……」
亜美「兄ちゃん兄ちゃんっ! ほーんと、兄ちゃんもスミにおけないよね~」
真美「んっふっふ~! いっつの間に、律っちゃんとムフフなカンケーになったの~?」
P「だから……話をね……」
春香「ごめんなさい、私、なんてこと……」オロオロ
あずさ「ど、どうしましょう~……とにかく、みんなに……」
小鳥「……」ブツブツ
千早「……」ブツブツ
P「……」
P(なんかもう、色々、面倒くさくなってきちゃった)
P「……春香。誤解を解くようなメールは送らなくていい」
春香「えっ、で、でも……」ピコピコ
P「たぶんまた、尾ひれがついて回るだろうから……お願いします、もう何もしないで……」
春香「そこまで言うなら……」
P「……俺と律子が付き合ってることは、紛れもない事実だ。そうだよな?」
律子「……っ……。そ、そう、ですね」
P「そして、結婚の話。それも本当だ」
律子「!?」
あずさ「まぁ……おめでたいですね~」
P「残念ながら、妊娠はまだだけど……近い将来、必ず」
律子「なっなな、何を言ってるんですか!?」
亜美・真美「「いや~ん」」
律子「はやし立てるなっ!」
律子「うぅ~……な、なんなのようもう……」
亜美「律っちゃん律っちゃん」
律子「なによ……」
亜美「ママになるんだね……赤ちゃんには、亜美って名前をつけてね……」
真美「うあうあ~! 真美のほうがいいって!」
律子「それであんた達は嬉しいの……? というか、本気にしちゃダメよ。これはね、あの人の妄言なんだから」
亜美「モーゲン?」
真美「ホーゲン?」
P「方言じゃなくて妄言。勝手に想像して勝手に喋ってるってことだよ。そんなことないのにな……」
亜美「律っちゃん! 兄ちゃんがかわいそうっしょ!」
真美「そーだよ! 方言もどげんとせんといかんっしょ!」
律子「い、意味わかんない……それになんで、私が悪いみたいになってるわけ……?」
だれうま
律子「……あーもう、わかったわよ!」
P「!」
律子「否定もしないわ、この人とはたしかに結婚するつもり!」
P「り、律子……!」
律子「子どもは、まあ……まだ出来てないけど、そのうちね! 本当に結婚したらねっ!」
亜美・真美「「キャー!」」
律子「これでいいんでしょ!? もうっ、なんでこんなことに……」
P「律子……」
律子「なんですか……」
P「頑張ろうな」ニコッ
律子「フンッ!!!」
ドガッ
P「おぅふ あ、ありがとうございますっ」
律子「誰のせいでこんな恥ずかしい思いをしてると思ってるんですかっ!」
亜美「……ねぇねぇ真美」
真美「どったの~、亜美」
律子「大体ね、あなたはいつもいつも……行き当たりばったりで適当なこと……」
P「はい……はい……ええ、ごもっともです……」
ガミガミ……
亜美「なーんか、兄ちゃんと律っちゃん、ずっとあんなカンジっぽいよね」
真美「んっふっふー! たしかにそうっぽいね!」
ガミガミ……
亜美「でもあれだと、今までとあんまり変わんないね」
真美「そだね。もしホントに結婚しても、きっとそうだよね」
亜美「ママになっても」 真美「パパになっても」
亜美・真美「「ずーっと、おんなじだよね!」」
春香「……でも、ううん、だからこそ」
あずさ「……ふふっ、そうね。あれがきっと、みんなにとって一番の形なのかもしれないわね」
春香「そうです! 765プロのプロデューサーさん達は……」
あずさ「いつまでも、あんな感じで……、今までと変わらずに、私達のことを見守ってくれているのよ」
律子「それであのときも、あなたときたら……」
P「はは……」
律子「……ちょっと? ちゃんと私の話、聞いているんですか?」
P「は、はい、聞いてます!」
律子「じゃあその笑顔をやめてくださいっ」
P「あはは……律子こそ」
律子「わ、私は、べつに……そういうんじゃ、ないですからっ」
P「……なあ、律子」
律子「……なんですか?」
P「これからも、よろしく頼むな。ずっと、こんな感じでさ……」
律子「……」
律子「なーに言ってるんですか、いまさら」
律子「そんなの当たり前でしょ、旦那様!」
おわり
後日談は蛇足だった気もする でもりっちゃんかわいいよりっちゃん
面白かった
>>1も長い時間本当に乙
やっぱりっちゃんはいいなぁ
Entry ⇒ 2012.10.06 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「さすが小鳥さん!Photoshopの達人ですね!!」
P「何の話しって、Adobe製品の話しですよ」
小鳥「だ、だからなんで私がその達人、になってるんですか?」
P「え、だってこの小鳥さんの加工したのって……」
小鳥「」
P「うわ!小鳥さんがまるで、目に白塗り入れられたかのように白目むいてる!!」
真「ベルばらですね!」
P「真、どこから出てきた!?」
小鳥「……ハッ」
P「気が付きましたか、小鳥さん」
小鳥「私は一体……」
P「都合のいいように、記憶の削除まで……」
小鳥「プロデューサーさん、何もありませんでしたよね?」
P「は、はい」
小鳥「なら良いんですよ」
小鳥「~♪あ、やよいちゃんお菓子届いてたわよ~」
P(それに音無さんのパソコンに何故か使うはずのにPhotoshopCS6がインストールされていた……聞いた話しによると、春香の学生証を使ってAcademicの安いやつを購入した、と)
小鳥「ふふ、やよいちゃん大丈夫よ、私はさっき食べたから」
P(凄く気になる……これは、やるしかない、小鳥さんのパソコンを―――調べる)
小鳥「……?さっきからどうしたんですか?プロデューサーさん、考え事して」
P「ああ、いえ。今後の予定について考えてたんですよ」
小鳥「そうですか、午後から春香ちゃんのレッスンでしたよね」
P「はい、今日のレッスンは気合入れようかと。その後事務所帰ってきて少し夜まで仕事しようかと。ライブも近いので、スケジュールしっかりしたいと思って」
小鳥「そうなんですか……えっと、徹夜しますか?」
P「場合によっては……鍵貸してもらってもいいですか?」
小鳥「はい、無理しないでくださいね」
P「すみません……」
P(よし、これでOKだな)
春香「あ、プロデューサーさんお弁当自分で作ったんですか」
P「……」もぐもぐ
春香「プロデューサーさん?」
P「あ、ああ、春香か。すまんすまん」
春香「考え事ですか?」
P「ちょっとな……そうだ、春香にも聞いてみよう。これなんだけどな」
春香「? はい」
小鳥「お昼食べてきますね」
P「はーい、行ってらっしゃい。ちょうどいいな」
春香「いってらっしゃーい!ちょうどいい?って?」
P「ええっと、待ってな」カチッカチッ
春香「小鳥さんの画像?」
P「ああ、ちょっと見てみてくれ」
春香「可愛いですよね、この小鳥さん。写真写り良い感じで」
春香「え?」
P「次にこの写真を見てくれ」
春香「これって……昨日の小鳥さんですよね」
P「よく分かるな」
春香「分かりますよ、クマ隠してるメイクが一目瞭然で」
P「なるほど、流石アイドルだな」
春香「えへへ、メイクさんとよくそういう話しもするんですよ」
P「ふむ……だとしたら、だ。さっきの画像は少しおかしくないか?」
春香「そういえば……確かに違和感があるといえば、ある、というか」
P「そうだろう?」
春香「はい、そうですね……よーく見比べると、ここらへんのシワとかが不自然な感じで。どうしてもメイクでも隠し切れないシワってあるんですよ。それに最近のカメラは凄い高解像度みたいで」
P「そうだな、地デジの写りと、アナログの写りが違うみたいな感じだよな」
春香「そうなんです……それで、プロデューサーさんはこれがどうしたんですか?」
P「……春香、Photoshopって知ってるか?」
P「そうだな、そういう場合では明るさを変えたり、コントラストを変えたりして、写真写りを良くするために使うんだよ」
春香「なるほど……」
P「で、この前春香の学生証使って、買ったんだよ。うちの事務所でも」
春香「ふむふむ」
P「ちょっと起動してみるな」
春香「はい」
P「春香、自分の写メあるか?」
春香「あ、この前お花見の時に撮ったのなら」
P「そうか、ちょっと見せてくれないか」
春香「はい、ちょっと待ってくださいね……」
P「暗いな」
春香「そうなんですよ……カメラがボロボロで……しかも表情も微妙で」」
P「ちょっと俺のメールアドレスに送ってもらっていいか」
P「来た来た、これをダウンロードして……よし、この状態になる」
春香「わぁ、なんかそれっぽい……」
P「それっぽいっていうか、その仕事で使ったものと同じなんだけどな……ただ使い方が難しいんだよ、これ」
春香「そうですよね、なんだかごちゃごちゃしてる感じが」
P「小鳥さんはそれの達人なんだ」
春香「え、ええ!?小鳥さんが!?」
P「ああ……前にモデルでやったのは、えっと……」
春香「なんだか面白いですね、自分の写真が変化するのって」
P「ここで明るさ変えて、ここでコントラスト変える、自動でやってくれるんだな、これ」
春香「わ、凄い!全然違いますね!」
P「最後にトーンも自動変更したら、見違えるように違うだろ?」
P「そこなんだよ、どんなものでも綺麗に見えるように出来てしまう魔法アイテムなんだ」
春香「じゃあ雑誌で凄い綺麗だな~って思った人も……」
P「中身はともかく、表紙は割りと加工されてるな。たまに加工しすぎて奇形になってたりする」
春香「ええー……なんだか夢が崩れますね」
P「あとは、例えばこの春香のリボン消せたりする」
春香「わ、私じゃなくなりますよ!?」
P「え、そうなのか」
春香「……と、トレードマークが無くなるのは……」
P「と言ってる間に、スポイト修正ブラシツールと、テキトウにシャープかけたり上からなぞったりして完成」
春香「誰ですか、このビショウジョは!?」
P「オマエだよ、春香」
春香「凄いですね……」
P「まぁ違和感はあるけどな、俺は初心者レベルだから」
P「ん?どうした」
春香「もしかして、ここで見たのと、Webページで見たのって、違いますか?」
P「おお、よく知ってるな」
春香「いやちょっと今ピーンと来たんですよ。ここのPhotoshop上では違和感無いように見えても、アップロードしたら違和感が丸出しになっちゃうんじゃないかな、とか」
P「まさに今体験した通りだな、これをアップロードすると……こうなるんだな」
春香「やっぱりそうですよね!髪の毛の部分流石にバレちゃいます」
P「ああ……まぁ、小鳥さんはそれさえも凌駕するからな」
春香「なるほど……」
千早「話は聞かせてもらいました」
P「!?」
春香「!?」
千早「食べていたんですけど、お二人の話しを聞いてたら居ても立ってもいられなくて」
春香「ち、千早ちゃんとりあえずお箸置こうよ」
千早「あ、あ……///」
P「あはは……」
春香「千早ちゃんはどうしたいの?」
千早「……春香だから言うし、プロデューサーだから恥は覚悟で言います」
P(なんだ普段感じられないような、この千早から感じる重圧)
春香「ち、千早ちゃん……」
千早「この写真の胸を……少し大きくしてください」
春香「こ、これって……」
P「いつだったかの宣材写真じゃないか……しかも失敗した」
千早「はい、でも手元にはこれしかなくて……」
春香「宣材写真って加工するの有りなんですか?」
春香「それに、千早ちゃんプロフィールに3サイズ載ってるから……」
千早「良いんです、大丈夫です……これは私用ですから」
P「し、私用?」
春香「私用……」
P「なにに使うんだ……」
千早「そ、それは……い、言わせないでください!」
P「ああ、すまん、千早……でもな、千早。俺はまだ初心者なんだよ。この前こういう使い方が出来るって、カメラの人に聞いたんだ。それで、この事務所では小鳥さんが達人って話をしていた」
千早「!? それでは、音無さんに……」
P「まままま、待て!千早!早まるな、小鳥さんはまだお昼から帰ってきてないし、それに小鳥さんにはさっき聞いたんだよ」
千早「……答えの方は?」
P「……すっとぼけられてしまった。さっき春香に説明した通りに説明すると、カクカクシカジカで……」
千早「なるほど、凄いですね。でも私には無理そうです……メカ音痴?というものらしいので」
春香「でも、この前Walkmanの使い方教えたら出来たよ?千早ちゃん」
千早「あれはCD入れるだけだったから……」
千早「とにかく、どうすればいいですか?」
P「どうするもなにも……うーん、ちょっと俺がやってみるよ」
千早「本当ですか!?」
P「き、期待するなよ!?」
千早「は、はい」
春香(初めてみた……)
P(こんな笑顔の千早を……これを宣材にしたかったものだな……)
ちょっと待っててね
P「……こんな感じか?」
春香「お、おお……」
千早「これ、は……」
P「ちょっと粗があるけど、こんなもんだろ。ぼかしかけても良かったんだけど、あんまり加工すると顔とのバランスがおかしくなると思うしな」
千早「ありがとうございます、プロデューサー、尊敬してます」
P「お、おい……」
千早「印刷してもらっていいですか?帰りに写真立て買わないと……見て、春香中のシャツの影。ふふ……」
春香「千早ちゃん……」
P「俺が悪かった……」
小鳥「何してるんですか?」
P「!?」
春香「ッ!?」
千早「あ、今実は……」
千早「え?そんな予定は……」
P「い、い、今たったんだ!!な?な?」
千早「は、はい……分かりました」
P「あとで車で送るから、待っててくれ、な?」
千早「ふふ、あ……ご飯食べてても良いですか?車で」
P「大丈夫だ!」
千早「分かりました、待ってますね」
P「……ふぅ」
小鳥「プロデューサーさん?そんな予定入ったんですか?」
P「は、入ったんですよ、なぁ、春香?」
春香「は、はい」
小鳥「そうなんですか、気をつけてくださいね天気も悪くなりそうですから」
P「あ、ありがとうございます……」
春香(危なかったですね、プロデューサーさん)ボソボソ
春香(えへへ、私も気になりますから)
小鳥「あれ?でも今日って春香ちゃんレッスンのはずじゃ……」
春香「あ、あわわ!きょ、今日はコーチの先生が風邪ひいちゃったみたいで!お休みになったんです!」
小鳥「あら……そうなのね。季節の変わり目に体調崩し人多いわねぇ~……」
春香「そ、そうですねー私も気をつけないと」
小鳥「ふふ、そうね。765プロのホープなんだから」
春香「えへへ……」
P(春香、グッジョブだ)
春香(きょ、今日レッスンいいんですか?)
P(ああ、こうなったからには仕方ない……春香も今日の夜残って、小鳥さんのパソコンを見るしかない)
春香(な、なんだかワクワクしますね!)
小鳥「?」
小鳥「はーい、って春香ちゃんも?」
春香「はい、予定無くなってしまったので今日はあがりますね!」
小鳥「はーい、春香ちゃんもお疲れ様。やよいちゃん達は律子さんが送るんですか?」
P「そうなってます」
小鳥「了解です、私も、もう少ししたら今日の分終わるんで、今日は早く帰っちゃおうかな」
P「良いんじゃないですか?社長にも俺が言っておきますよ、今日は残るつもりなので」
小鳥「あ、そうでしたよね。プロデューサーさん残るなら、ゆっくりでも……」
P「いえ!たまには小鳥さん羽を伸ばしてください!」
小鳥「え、ええ!?」
P「お願いします!」
春香「お願いします!」
小鳥「は、春香ちゃんまでー!?」
P「小鳥さん……クマできてますから」
小鳥「ギクッ……」
小鳥「もー!分かりました!今日は早上がりします!二人共千早ちゃん待たせてるんですよ!?早く行ってください!」
P「は、はい!」
春香「行ってきます!」
小鳥「……変な二人だったなぁ」
千早「えへ……ふ、ふふ……」
春香(ずっと写真眺めてる……)
P(運転しながらだと気になってしょうがないんだが……)
千早「これが、私……」
春香「……」
ブーン
P「さて、千早も無事(?)家に届けたことだし、春香はどうする?別行動にして、後で事務所で合流するか?」
春香「いえ!今日はプロデューサーさんとデートします!」
P「」
春香「冗談です!でもさっきの画像加工が気になるかなって感じです」
P「ああ、そうか。えっと、それじゃあカフェ入ってパソコン眺めるか」
春香「あ、良いですね!この前マカロンの美味しいカフェがあって!あ、でも車止められるかな……た、確かタイムズが近くにあったと思うんで、そこ行きませんか?」
P「分かった分かった……」
春香「……っと」バタンッ
P「なんだ、助手席乗るのか」
春香「話しながらのほうが楽しいじゃないですか?」
P「まぁーそうだけどもな」
P「春香ナビか、大丈夫だろうか」
春香「あずささんよりは正確です!」
P「比較対象がなぁ……」
春香「良いじゃないですかー!あ、そこ右です」
P「ほいほい」
春香「そしたら、しばらく直進。右手にマクドナルドが見えたら、また右折です。したら、左手にタイムズが見えてくると思います」
P「あれ、滅茶苦茶ナビ上手いじゃないか」
春香「そ、そうなんですか?ここに書いてあることを言っただけなんですけど」
P「便利だな携帯電話!ちょっと春香凄いと思ってしまったぞ、俺」
春香「こういう機能を使いこなせるんですから、凄いんですよ!えへへ」
P「まぁそういうことにしておくか……あ、あれだな」
春香「はい!」
P「2名です」
店員「喫煙禁煙は」
P「禁煙で」
店員「……って、あれ?もしかして、アイドルの天海春香さんですか?」
春香「ふぇ?」
店員「ほ、本物ですか!?キャー!!」
春香「は、はい!で、でも今日はプライベートなので」
店員「そ、そうですよね、ごめんなさい。それじゃあお席ご案内しますね」
春香「でも嬉しいですよ、ありがとうございます!」
店員「い、いえいえ」
P「春香も人気になってきたな」
春香「えへへ……『今日はプライベートなので』なんて偉いこと言っちゃいましたよ」
P「でも事実だろ?」
P「あ、店員さん。珈琲二つと、このマカロンセット?ってやつを一つ」
店員「かしこまりました、少々お待ち下さい」
P「よし、それじゃあ始めるか」
春香「はい!」
P「えーと、何からやろうか」
春香「そうですねー……例えば、画像とかにテロップつけたりとか出来るんですか?」
P「ああ、テレビ番組みたいにってことか」
春香「はい!スクープ!天海春香、見知らぬ男性とカフェでデート!とか」
P「それ洒落にならないぞ……それに俺はスーツだし、明らか仕事だって分かるだろ」
春香「むー……」
P「まぁそれはともかく、テロップとかスクープ記事みたいには出来るぞ。よーし、待ってろよ……」
待ってろYO
春香「マカロン美味しいー……ってできたんですか?」
P「こんな感じでどうだ?」
春香「凄いんですけど、なんで私こんな微妙なコメントしてるんですか!?」
P「だって実際してなかったか?」
春香「してましたけど、テレビでは流石に言いませんよ!!」
P「うーん、そうか……春香なら、そのまま答えそうだと思ったんだけどな」
春香「もー……でも、本当テレビみたいですね」
P「そうだな、あと『天海春香:』よりも『春香:』のほうがよかったな」
春香「名前紹介が被ってますもんね……あと色使いでしょうか」
P「そうだなぁ、そこらへんのセンスは皆無だ」
春香「小鳥さんはそこらへんのセンスっていうのも…・・」
P「揃えている」
春香「流石達人ですね!」
春香「じゃあ、これを壁紙みたいに仕立てて貰っていいですか?」
P「これ生っすかのやつか」
春香「はい!崇め奉りなさい!ってとこです」
P「なんでこんな写真持ってるんだ?」
春香「それは良いじゃないですか!それじゃあ私またマカロン食べてますね」
P「ほいほい……」
春香「……」パシャッ
P「」カタカタ……
春香「マカロンなう、っと……」
P「よし……って春香?」
春香「ハッ!?ど、どうしました!?」
P「出来たぞ、ほら」
春香「おおお!これ友達に送っても良いですか!?」
P「ああ、そりゃ春香なんだし、大丈夫だぞ」
春香「凄い、なんかグッズ化されそうですね、こういうの」
P「そうだな。赤統一も良いんだけども、色変えてもよかったかもな。春香のリボンが黄色だから黄色にしてもよかったけども」
春香「ふむふむ……このソフトがどれだけ凄いかは分かりました!」
P「そうか、ってもうこんな時間か!?」
春香「うとうとしてたから、すっかり……もう小鳥さん帰ったんでしょうか」
P「んー早上がりって言ってたしな、そうかもな」
春香「それじゃあ行ってみます?」
P「よし、行くか!」
P「鍵はかかってるな……」ガチャンッ
春香(そういえばずっとプロデューサーさんと二人きり……)
P「よし、起動っと……」
春香「大丈夫なんですか?」
P「何がだ?」
春香「勝手に起動して。例えば小鳥さん以外だとどーんって爆発するとか」
P「デスノートじゃあるまいし……」
パスワード:[ ]
P「えーと、確か……piyopiyo99……あれ?入れない」
春香「え、分からないんですか?」
P「そ、そんなはずは……piyopiyo99……ど、どうしてだ!?」
春香「うーん……パスワード変えたとか」
P「まさか、今日の昼入力している所を見たのに」
春香「しっかりと、ですか?」
春香「……プロデューサーさんは、そういうとこ抜けてます!もー……よいしょ」
P「? どうした、机の下に何かあるのか?」
春香「引き出しの裏側……あった」
P「!?」
春香「これがパスワードです」
P「……kotori.99765か。なんで春香知ってたんだ?」
春香「実はロッカーに隠れてた時に」
P「入りだしからおかしい、なんでロッカーに隠れてたんだよ」
春香「えへ、狭い所って落ち着いて」
P「……深く聞かないことにしよう」
春香「したら、小鳥さんが『誰も居ないし、パスワード書いた紙を、って言ってやってる所を見たんです」
P「なるほどな……助かった、よし、いよいよ起動だ……」
春香「……」ゴクリ
春香「……」
カチカチッ
P「こ、これは……ッ!?」
春香「そ、んな、ま……さか……」
ヒューーーーーッポ
P「ッ!?しまった!!!Skypeだ!!」
春香「!?」
ぷーぴぽー、ぷーぺぽー、ぷーぴぽー
P「つ、通話!?誰からだ……」
春香「piyo2……?」
P「……まずいな、完璧にバレたぞ、これは」
春香「……えー」
piyo2:プロデューサーさん、まさかマイピクチャのアイコンをクリックしたらSkype起動するなんて驚きましたね?
P「やられた……」
春香「初めからお見通しってことでしょうか」
piyo2:怒らないんで、通話取ってください
P「はい……」
小鳥『もしもし』
P「こ、小鳥さん……」
小鳥『……プロデューサーさん?なんで私のパソコンつけたんですか?」
P「これには海よりも深いわけが」
小鳥『もー……そこまで知りたいんですか?私のヒミツ」
P「端的に言えばそうですね」
春香「わ、私もです」
小鳥『はぁ、ちょっと待っててください、今事務所行きますね』
P「い、今からですか!?」
P(こ、怖い……)
春香(怖い)
小鳥『返事は無いんですか?』
P「はい!」
小鳥『それじゃあ、お茶でも飲んでリラックスしててくださいね』
ヒュンポンッ
P「……出来ないよな」
春香「……一応淹れますね」
数分後。
ガチャッ
小鳥「……プロデューサーさんも、春香ちゃんも、そういうところはダメですよ?」
春香「ごめんなさい、好奇心が……」
P「右に同じく……」
P「はい!」
春香「気になります!」
小鳥「はぁ……よりにもよってバラす人が春香ちゃんだなんて」
春香「え?」
小鳥「まず、ここに一枚の『春香ちゃん』の写真があります」
春香「こ、これっていつのやつだろ……」
小鳥「最初にリボンを取ります」
ササッ
P「い、一瞬で消えた……」
小鳥「次にちょっと明るさを調節します」
ササッ
春香「さっきより綺麗ですね……」
春香「わ、私の髪の毛が緑色に……」
小鳥「この時緑色で塗ったレイヤーは別にして、レイヤーのモードを『色相』にします、するとこうなります」
春香「ま、まるで別人みたいです……」
小鳥「次は眼の色を変えます、私の写真から眼の色を抽出して、春香ちゃんの眼に塗ります」
ヌリヌリ
P「ここらへんまで来ると小鳥さんっぽいな……」
小鳥「衣装は変えなくても良いので、そのままで。足りないものなんだか分かります?」
P「あー……ほくろですか?」
小鳥「ぴんぽーん♪最後にほくろをつけて……カチューシャをつければ……」
P「こ、小鳥さんだ!!」
春香「私が小鳥さんになった!!!??」
P「なるほど、実物を知らなければ分かりませんよね……」
春香「私今物凄く感動してます……」
小鳥「うふふ、たまにこうやって自分にアイドルの衣装着せてるんです……なんて」
春香「それなら本人が着ましょうよ!!」
P「そうですよ!小鳥さんならまだまだいけますよ!」
小鳥「いけません!もー二人共見たことは、まだ許してないんです!」
P「う……」
春香「ごめんなさい……」
小鳥「まったく、とにかくこれですっきりしました?私の恥を晒しただけなんですけど……」
P「それはもう今は清々しい気分です。明日の仕事も頑張れそうだ!」
春香「はい!私も頑張れます!」
小鳥「それならよかったの、かな……うん、そうしておかないとダメよね……それじゃあ、今日はもう帰宅してください!」
Pと春香「「はーい」」
春香「プロデューサーさん誰に喋ってるんですか?」
P「ああ、いや、あっはっはっは」
小鳥「はぁ……それにしても、パソコンの中に入ってるXXXXXXXとかXXXXXXXXがバレなくてよかった……」
おしまい
Photoshop手元にあったので、途中から>>30をゴールに書いてました
多分雪歩も小鳥さんにしようと思えば出来ると思います。真は無理かな?
ということで、読んでくれたかたありがとうございました
まとめ画像置いていきますね
http://blog-imgs-55.2nt.com/s/s/h/ssh123/F9xOy.jpg
小鳥さん恐ろしい(スキル的な意味で)
Entry ⇒ 2012.10.05 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
春香「サイドストーリー」
春香「でも、もしあそこであぁならなかったらこうはならなかっただろうし……」
春香「もしかしたらもっと早く……まあ今更だよね」
春香「みんなもそれぞれ今があるけど」
春香「もし、もしそうなってたらって想像したくなっちゃう」
春香「例えば……」
>>5
安価はアイマスSSのスレタイ形式で
例)P「春香が錬金術師に?」、やよい「ドン引きです……」など何でもOK
基本765プロ 961、876はSSで少々 ぷちはSSでほんの少し、モバは専門外
10~20レス程度でまとめて行く予定 書く側をやりたい人歓迎
一応スレタイにあるので最初の話にはもちろんできるだけ春香を絡めていく予定
P「おぉ春香、おはよう」
春香「あ、プロデューサーさ……わぁ!!」
P「お、おい春香!大丈夫か?」
春香「い、いてて……えへへ、すみません朝から」
P「それはいいんだが……気をつけろよ?」
春香「すみません……」
春香「はぁ……朝からドジだなぁ私」
春香「あ、ファンレター?」
春香「やっぱり嬉しいなぁ、まだ私もあんまり名前が知られてないからこういうの」
春香「……え?」
小鳥「お、おはようございます!遅れてすみませ……春香ちゃん?」
春香「……」
小鳥「あっ!!ご、ごめん!私、昨日チェックし忘れてたやつで……変な事書かれてなかった?」
春香「……あ、は、はい。大丈夫ですよ、あはは……」
春香「は、はい!……あ、ちょっと私トイレに」
小鳥「あ、えぇ……春香ちゃん、大丈夫かしら……」
『そんなんでアイドルになれるなら私でもなれる。下手くそはやめちまえ!』
春香「……」
春香「どうしてこんな……」
春香「わかってる……私だって、うまいとは思ってないし、みんながみんなこんなふうに思ってるわけじゃない……」
春香「でも、やっぱり辛いな……」
春香「ドジだし、歌も上手くなくて……アイドル、向いてないのかなぁ……」
春香「……もう、私なんて」
春香「痛っ!!?」
春香「……」
春香「い、いたたたた……急に頭が……なんだったんだろ……」
春香「……とりあえず、プロデューサーさんと話しなきゃ」
P「ん?どうした春香?」
春香「あの……」
春香(……ちょっと、お休みしたいなんて、卑怯かな……でも)
春香「私……」
「もっと大きな仕事がしたいんです」
春香「……え?」
P「ん?大きな仕事かぁ、確かにコツコツ行き過ぎてたかもな。よし、ちょっと話してくるよ。仕事、とれなかったらごめんな」
春香「あ、いや、その……」
P「春香がやる気を出してくれて、俺も嬉しいよ。だから俺も頑張るから、待っててくれ」
春香「あっと……はい……」
春香「……なんであんなこと言っちゃったんだろ」
春香「それに、おっきいお仕事なんて、また下手なところみせちゃうだけだし……」
春香「私なんて……もう」
「諦めちゃうの?」
「私って、そんなに弱い人だったの?」
春香「だ、誰!?」
「頭」
春香「え?」
「頭に、ついてるでしょ?」
春香「頭って……リボン?」
春香「ちょ、ちょっと……聞いてるの?」
小鳥「春香ちゃん……?」
春香「あっ、い、いえ!そ、そのまたトイレに!」
春香「……はぁ、びっくりした。……まさかこのリボン?いや、そんなこと……」
春香「……気のせいだよね。よいしょっと……」
「もう、急にはずさないでよ。しゃべれなくなるでしょ?」
春香「ひゃああ!び、びっくりした!!」
「これでわかってくれた?私は貴方よ?ちょっと形が違うだけ。あ、他の人には聞こえないから安心して?」
「うん、さっきの声、私」
春香「あっ……だから」
「ねぇ、私ってそんなに自信ない?」
春香「……えっ?」
「私は、私が一番よくわかってる。別になんて思われたっていいでしょ?だって歌が好きだからアイドルをやってるんだもの」
春香「歌が……そっか……そんなこともあったよね」
「だから、次のライブで頑張って歌ってみない?ね?」
春香「う、うん……でも……」
P「春香!取れたぞ!結構大きいところでライブだ!これは気合いれていかないとな!」
春香「え、あ、あの……あ、ありがとうございます」
P「うんうん!春香なら大丈夫!頑張ってくれ!」
春香「は、はい……」
春香「……うわぁ、人がこんなに……」
「大丈夫、深呼吸して」
春香「……それじゃ、行ってくる」
「頑張ってね」
春香「え、えっと、天海春香です!そ、その……よろしくおねがっ!ったぁ……」
アハハー
春香「う、うぅ……そ、それじゃ聞いてください!私はアイドル!」
春香(き、緊張して声が……)
ナンカアンマリウマクナイヨネ ウーン
春香(い、いまうまくないって……も、もうだめだよ、私なんて……)
「きっと私が一番!」
春香(えっ?)
アレ?キュウニウマクナッタ?
春香(自分でもわかる……すごい、綺麗……それに、すっごく楽しそう)
イイゾー!
春香(すごい……これがアイドルとして、歌うっていう……よし!)
春香「は、はい!ありがとうございます!」
P「これを機にどんどん仕事が入ってくる!頼むぞ!」
春香「もちろんです!」
「お疲れ様」
春香「……ありがとね」
「え?」
春香「貴方が、助けてくれたんだもんね。私、あのままじゃ絶対失敗してた」
「……」
春香「でも、もう大丈夫!私、ちゃんとやってみせ……たたた」
「あはは、まだその様子じゃ完璧は遠いね~」
春香「も、もう!!これはそのうち治るもん!」
「次のお仕事は何かな?」
春香「えっと、これからのためにオーディション、って言ってたかなぁ。すごく大きなところだから、緊張しちゃう……」
「きっと大丈夫!私なんだから!」
「もう、しっかりし……大丈夫?」
春香「う、うん、大丈……痛っいい……!」
「ちょ、ちょっと動かさない方がいいよ。多分、捻挫してる……」
春香「う、嘘……オーディションまであと2日なのに」
「……間に合わないかもね」
春香「……嫌、せっかくここまで来たのに」
「……ちょっとごめんね?」
春香「えっ?わ、わぁ!だ、だめ!今足が!……痛く、ない?」
「貴方のやる気が上がったから、こんなことまでできるようになったんだ。どう、私に任せてみない?」
春香「……でも」
「自分の力で、成し遂げたい?」
春香「……」
「それなら、捻挫の痛みが治まる程度に手助けするけど」
春香「……ごめん、一回私の力でやらせて?そのための手助けをお願い」
春香「大丈夫、わかってる」
春香「……それじゃ、行ってきます」
P「頑張れ、どこの事務所もある程度有名なアイドルばかりだ。気を抜くな」
春香「はい!……よし」
春香「わんつーさん……うぁっ!」
だ、大丈夫?ちょ、ちょっとこれ捻挫してるんじゃ……
春香「だ、大丈夫、です……ごめんなさい……」
春香(……やっぱり、ダメなのかな。私、こんな大事な時に、捻挫なんてして……)
「諦めちゃうの?」
春香(……リボン?)
「……私に任せて?」
春香(……ごめん、お願い)
春香「……それじゃ、行きます」
春香「はぁ、はぁ……」
「はぁ、はぁ……ど、どうかな?」
春香(流石、ありがと。でも、ごめんね?任せちゃって)
「ううん、いいの。私のことは私のためでもあるんだから」
春香(……そうだよね)
春香(そうやって、できない自分をごまかしたりして……)
春香(……でも、私は私のためなんだから。ちゃんと、できるときにやれば大丈夫、同じこと)
P「合格おめでとう!ここまでくると、ホント、すごいよ春香!今年度のアイドル大賞にも手が届くかもな……」
春香「そ、そんな……」
P「……今まで、気が付かなかったんだもんな。ごめん」
春香「い、いえ!プロデューサーさんにはずっと迷惑かけて、お仕事とってきてもらったから今の私があるんです」
P「……」
春香「だから、プロデューサーさんにはとっても感謝して……」
春香「プロデューサーさん?……え?」
春香「あ、いや、その……」
P「……好きになってた。ダメだってわかってるんだけど……それに、今頃になって言うのは卑怯かななんて思ったけど」
春香「そ、そんなこと……」
P「……すまん、急に。……でも、俺は本気なんだ。アイドル活動が落ち着いたら、付き合って欲しい」
春香「プロデューサーさん……」
P「……それじゃ、お疲れ」
春香「……はぁ」
「どうしたの?プロデューサーさんのこと?」
春香「うん……そんなこと、考えたこともなかった……」
「それは、嘘でしょ」
春香「えっ?」
「だって、プロデューサーさんと話すとき、いっつもどぎまぎしてるもん」
春香「そ!そんなことないよ!……でも、あんなこと言われたらそりゃ意識しちゃうし」
「……じゃあさ、次のフェス成功したら付き合うっていうのは?」
「どっちにしても踏ん切りがつかないなら、これくらいしておいた方がいいって!」
春香「そ、そうだけど……うぅ……」
「私もいるんだし、大丈夫!」
春香「……わかった」
P「……わかった。それじゃ、次のフェスに向かって全力で行こう!」
春香「は、はい!」
春香(それでも、やっぱり不安だった)
春香(練習を重ねてるうちに、どんどんプロデューサーさんが気になって)
春香(今までも好きだったんじゃないかって思うくらい……)
春香(だから、成功させたい。でも逆に失敗したら……?)
春香(プロデューサーさんは気を使って私のこと、諦めるって言うかもしれない……そんなの嫌)
春香(今までも、なんとかなってきたんだもん。大丈夫……このフェスは絶対に成功させる!)
P「……ついに、この日が来たな」
P「……あのことは一旦忘れて思いっきり楽しんで来い!」
春香「はい!」
P「……でも、一つ言わせてくれ。プレッシャーになるかもしれないけど」
春香「……はい」
P「俺は、お前のこと信じてる」
春香「はい……私も、プロデューサーさんのこと……い、行ってきますね!」
春香「みんな!盛り上がってるー!?」
キャー!ワー!
春香「それじゃ一曲目!いっくよー!」
春香(楽しい。何より楽しい、それにこのまま頑張れば……)
「……」
春香「それじゃ次は……あ、あれ?」
春香(足が……!こ、このままじゃ観客席に……!)
「呼んだ?」
春香(た、助けて!このままじゃ!)
「……いいの?」
春香(早くしないと!ここで倒れちゃったら……)
「……わかった」
春香「……っとっと……えへへ、危ない危ない。ドジっちゃうとこでした!」
アハハー!
春香(よかった……それじゃ、あっ、でもこのままやってもらった方が……絶対にうまくいくよね)
「……」
春香(……これで)
春香「そ、それじゃ次の曲は――」
春香(終わった……ライブは大成功)
春香(ちょっと前まで、すぐ諦めて……自分のこと恨んで……でも、頑張ればできるんだ)
春香「プロデューサーさん……」
春香(あっ、ぷ、プロデューサーさん……ど、どうしよ……)
P「……お疲れ、春香」
春香「……はい」
春香(……)
P「……春香の口から、返事を聞いてもいいか?」
春香「もちろんです」
春香(……私は、プロデューサーさんのことが……)
春香(あれ?)
春香(私、しゃべれてない?)
春香「私も、プロデューサーさんのことが好きです。こちらこそ、よろしくお願いします」
P「……よかった」
春香「プロデューサーさん、私……」
P「おいおい、泣かないでくれよ……俺だって、今泣きたいくらい嬉しい。フェスも成功して、こうやって春香とも通じ合えて」
春香「はい……」
春香(嘘、嘘だよ……プロデューサーさん、私も抱きしめてよ……)
P「……春香」
春香「……はい」
P「……キスしても、いいか?」
春香「……はい」
春香(なんで、なんで……私が頑張ったんだよ?ねぇ、プロデューサーさん……)
春香(唇、何も感じない……そっか、今私)
「リボンなんだ」
春香「どうしてって、貴方が勝手にしたことじゃない」
「私は何もしてない……ただ、できない自分を恨んでただけ……」
春香「私は、貴方の理想だったの。だから、あなたが自分の理想に近づく度に干渉する力が強くなった」
春香「でも、貴方は最後私を頼った。あなたの理想は、私。これが貴方、いえ天海春香が望んだ結末でしょ?」
「そんなの望んでるわけないでしょ!ねぇ、返してよ……私のこと……」
春香「今までのこと、わかるでしょ?今度は今までの逆。私が理想の私と離れればあなたは元に戻れる」
「……そんな」
春香「私は、プロデューサーさんと今すごく幸せ。アイドルとしてもトップでしょ?あなたが戻れるのは、いつになるかな」
「……ひどいよ」
春香「ひどいことなんてないよ?だって、貴方だって私なんだもん」
「……」
春香「……後悔するくらいなら、自分でやってみればこんなことにはならなかったの」
「……」
春香「それじゃ、多分二度と会うことがないよね。バイバイ、理想から離れた私」
春香「……あれ?嘘、夢……なの?」
春香「……リボン」
春香「こんなの……でも」
春香「……よし」
P「あぁ、春香おはよう」
春香「プロデューサーさん、いいですか?」
P「ん?あぁ、なんだ?」
春香「もっと大きい仕事がしたいんです」
P「ん?大きな仕事かぁ、確かにコツコツ行き過ぎてたかもな。よし、ちょっと話してくるよ。仕事、とれなかったらごめんな」
春香「はい!お願いします!」
P「……なんか、今日の春香輝いてるな」
春香「そ、そうですか?えへへ……って、うわぁつ!」
P「あはは、元気なのもいいが気をつけろよ?」
P「それじゃ、行ってくる」
春香「はい!……やっぱり、夢か」
「ねぇ」
春香「っ!」
「諦めちゃうの?」
春香「……もう、あきらめないよ。転んでも、もっかいやってみるんだから」
「……そう」
春香「それで、プロデューサーさんと結ばれなくても……トップアイドルになれなくても、それが私だから」
「……そうだね」
春香「……ごめんね、でも多分もう会うことはないよね、昔理想だった私」
春香「リボン、新しいのにしてみようかな~」
春香「もう、どんな私が来ても負けないから。……見ててね?」
完
次>>65
もちろん春香さんでもいいしある程度違うキャラでもOK
美希「ハニー!」
P「み、美希……」
美希「もう遅いの!」
P「今日は早いんだな、美希」
美希「うん!今日のお仕事は大変そうだって思ったから早めに来たの!褒めて褒めて!」
P「あぁ、それはいいことだ」
美希「むーそれだけ?できればナデナデして欲しいな」
P「あぁ、これでいいか?」
美希「あふぅ……これで頑張れるの!」
P「それじゃ、行くか」
美希「はいなのー!」
P「美希、今日の収録落ち着きなかったが、どうかしたのか?」
美希「だって、ハニーが見てくれてるから頑張らなきゃって思って!」
P「それは嬉しいが……仕事にはしっかり取り組んでくれよ?」
P「まあそれならいいんだけどさ」
美希「ハニーの方がわかってないの!ミキはハニーのために頑張ったんだよ?ちゃんと見ててくれたんだよね?」
P「あ、あぁ、そりゃな?」
美希「それならいいの。それじゃ早く帰ろ?」
P「……はぁ」
小鳥「どうかしたんですか?」
P「なんだか最近美希の様子が……」
小鳥「うーん、あんまり感じないですけど。どんなところですか?」
P「なんというか、依存、とは違うんですけど……」
小鳥「あ~でも、美希ちゃんプロデューサーさんのこと大好きですし、気にしすぎじゃないですか?」
P「美希の好きって言うのがどうもイマイチ……」
小鳥「だからって手は出さないでくださいよ?」
P「そ、それは流石にわかってますよ!まあ、今のところは大丈夫そうなのでこのまま行こうかと思います」
P「はい、わざわざありがとうございます」
小鳥「いえいえ、美希ちゃんも事務所の大事な一人ですからね!」
P「さてと、今日はレッスンだったか?」
美希「うん!」
P「ちょっと仕事が詰まってるから、多分迎えに行けない。あまり遅くならないだろうし、悪いが自分で帰ってくれるか?」
美希「えっと、お仕事の場所って前に行った場所だよね?」
P「え?あぁ、そうだが……やっぱり不安か?それなら多少待っててくれるなら迎えに行くが……」
美希「ううん、ミキそこまで子供じゃないの!」
P「お、おう。それならそれで頼む」
P「こう言ってはなんだが、美希のことだ、迎えに来てくれないのー!とごねるかと思ったが」
P「やはり俺の勘違い、というか気のせいだったみたいだな」
P「まあ、一応早めに終わらせて迎えに行ってやりたいが」
P「っと、そんなこと言ってたら電話か。はい」
P「ん、まあ俺ももう少しってところだ」
美希『わかったの!それじゃ、そっちに行ってるから!』
P「あ、えっと、わかった」
P「ん?そっち?家に帰るんじゃないのか……?まあ、大丈夫だろう」
P「よしっと、思ったよりも手間取ったが……美希が一人で帰ってくれて助かった」
P「……ん?あれは……まさか」
美希「……」
P「美希!?」
美希「……ハニー?」
P「ど、どうしてお前……」
美希「……どうしては、ミキのセリフなの……ハニー、遅いの」
P「そりゃ、帰ってると思ったからある程度マイペースで……じゃなくてだな!どうしてうちの前にいるんだ」
美希「だって、ハニーを驚かせたくて……」
美希「ハニーが、ミキに一人で行ってくれって言ってくれて嬉しかったの」
P「……」
美希「前にここがハニーの家って聞いてたから、ついでにと思って」
P「一人で、か」
美希「でも、ハニーが来てくれなかった……最初はお仕事遅くなってるのかなって思ったけど」
美希「ミキがここに来たことが嫌で来てくれないのかな、とか」
美希「すっごく不安で……」
P「なんでそんな……来るなら電話の時に言ってくれれば……」
美希「だから驚かそうと思ったの!ミキはハニーがいなきゃ何もできないって思われたくなかったの……」
P「……なるほどな」
美希「……だからハニー、ミキを嫌いにならないで?」
P「当たり前だろ?お前は俺の大事なアイドルだ。そんなことで嫌いにならない」
美希「ホント……?よかった……」
P「でも、もうこんなことしちゃダメだ。仮にもそれなりに名前が売れてきてるんだ、こんなところにいたら怪しまれる」
P「美希……?」
美希「ハニー!」
P「うわっ!ちょ、急に抱き着くな!」
美希「いいの!ハニーはやっぱりハニーなの!!」
――
―
P(今思えばあれが引き金か)
美希「ハニー……いなくなっちゃやなの……」
P「……もう、ダメだ」
美希「いや、ダメなんて言わないで……いや、いや……」
P「美希……」
美希「ハニーじゃないと、ダメ……ねぇ、ハニー?触って、ミキに……」
P「……これでいいか?」
美希「……うん、でも足りないの……ねぇハニー、しよっ?」
――
P「美希?」
美希「告白なの!ちゃんと、ハニーとお付き合いしたいって思ったから」
P「いやしかし……」
美希「アイドル、だからでしょ?大丈夫なの」
P「何が大丈夫なんだ……お前が大丈夫でも、俺が危険だ……」
美希「ハニーは、ミキのこと大切だって言ってくれたの」
P「それはまあ……」
美希「それに……ミキのこと認めてくれたから」
P「……」
美希「ミキ、ハニーのためならアイドル辞めてもいい」
P「美希!」
美希「わかってるの!ミキは、やめないよ?でも、それくらいのカクゴがあるってことわかって欲しいな」
P「……美希」
美希「ハニーの迷惑にならないように頑張るから……ね?」
美希「……あはっ、嬉しいの」
P「……でも、まだちゃんとした答え、として出せない。それはお互いのためでもある、わかってくれるか?」
美希「うん、それでいいの。これからも、よろしくね、ハニー?」
P「あぁ、そうだな」
――
美希「それで、ここは?」
P「あぁ、この時は最初に……」
小鳥「プロデューサーさん、ごめんなさい。お電話です」
P「あっ、すみません。ちょっと行ってくるな」
美希「うん」
P「はい、それでは。……ふぅ」
小鳥「あの、プロデューサーさん?」
P「あ、音無さんどうも」
小鳥「あの、美希ちゃんその後どうですか?」
小鳥「えぇ!?ど、どうしてそんな……」
P「まあ、もちろん言いませんし、お互いにそういう話になっただけですけど。なんだか、俺も美希がほっとけないみたいで」
小鳥「……」
P「すみません、わざわざ心配してもらったのに」
小鳥「いえ、それはいいんですけど……くれぐれも気を付けてくださいね?」
P「はい、もちろん。美希だけじゃなく他の子にまで影響与えちゃいますから。それじゃ」
小鳥「……プロデューサーさん、自分を見失わないでくださいね」
―
P「お待たせ……って美希?」
美希「……ねぇハニー」
P「ん?」
美希「その……あんまり、他の女の子と話さないで欲しいな……」
P「……何を言ってるんだ?」
美希「小鳥は……その、仕方ないけど……ハニーがとられちゃうんじゃないかって」
美希「……」
P「それくらい、わかってくれるだろ?な?」
美希「嫌なの!ハニーはミキ以外の女の子とお話したいの?」
P「だからそういうわけじゃないって……」
美希「ダメ!ハニーはわかってない!絶対狙われてるの!」
P「そんなはず、それに話しかけられたって相手にしないさ。話すのができないっていうのはまた別だろ?」
美希「……ミキに、飽きちゃったの?」
P「……美希?」
美希「そうなんだね……もう、ミキなんて……」
P「おい、美希、おかしいぞ?どうしたんだ急に!」
美希「もういいの、どうせミキなんて、ハニーの迷惑にしか……」
P「……落ち着いたか?」
美希「……ごめんなさい。ハニー……」
美希「他の人と話してるって思ったら、急に怖くなって……ミキ、自分でも何言ってるかわからなかったの」
P「……」
美希「ミキ、病気なのかな……ハニー……」
P「そんなことない……美希は俺のことを想ってくれてるんだよな」
美希「うん……そうだよ、ミキはハニーのことだけ、想ってるから」
P「……それなら大丈夫だ。ただ、仕事中は気を付けて欲しい」
美希「分かってるの。ハニーに迷惑はかけないから」
――
P「……美希か」
美希『ハニー?』
P「どうした?」
美希『ごめん、声が聴きたくなったの』
P「そうか。大丈夫、終わったら会えるから」
P「あぁ……ほら、あんまり電話してると怪しまれるぞ」
美希『わかったの……ハニー、大好き』
P「……うん」
美希『終わったの。今、どこ?』
P「今向かってる、もう少し待っててくれ」
美希『早く会いたい、会いたいよハニー……』
P「声が聞こえてるだろ?もうすぐだから」
美希『ハニー……ハニー……!』
美希「ハニー!!!」
P「美希……」
――
P(こんなことがしばらく続いた)
P(だがバレないはずもなく、お互いの連絡にある程度の規制をされてしまった)
P「……そろそろか」
P「連絡は迎えの時間になったら……今までのに慣れてしまってせいか、結構きついな」
P「……いや、そもそも俺が悪いんだ」
P「プロデュースだって、もともと美希メインとは言っても今じゃ他の子に手を触れてない」
P「あのままじゃお互いにダメになってしまう、これでよかったんだ……でも」
P「……こんな時でも、美希を考えてしまう俺は、もう……」
P「……もしもし?美希か?」
美希『……』
P「もしもし?終わったか?美希?」
美希『……ごめんなさい』
P「おい、美希?美希!……なんで」
P「どうする……いや、間に合うはず……なんだってんだ……」
――
P「電話……ここ、まさか」
P「……美希」
美希「……ハニー?」
P「どうして、ここに?電話も……」
美希「……もう、美希アイドル辞める」
P「どうしたんだ急に!」
美希「だって……だってぇえ……はにぃいい……」
P「美希……」
美希「……」
P「落ち着いたら、話してくれればいい」
美希「……もう、耐えられないの」
P「……」
美希「みんな、ミキを見るとハニーとのことについて話してる。みんなミキ達のことを邪魔しようとして……」
P「それはいいんだ……お前が玄関の前に座ってたのは、一回目じゃないしな」
美希「……あそこにいたくなかった……あのレッスン場にいるとハニーが見えなくなりそうで」
P「……」
美希「無理に連絡しようとしても、迷惑かかっちゃう、ってもう迷惑かかってるんだよね……」
P「……」
美希「だから、もうアイドルは、無理かな……」
P「……美希、あのな」
美希「違うのハニー!アイドルをやめるっていうのは、ハニーのためで、でも……」
P「落ち着いてくれ、美希……だから」
美希「お願いハニー!嫌いにならないで!ねぇ、ハニー!!ミキ、ミキはハニーのことが好きだから!」
P「わかってる、わかってるから頼む……」
美希「やだ!やだよぉ……ハニー!嫌いにならないで、ミキを見捨てないでぇええ……」
P「美希……」
――
P「改めて挨拶したときは”プロデューサー”」
P「いつからだろう”ハニー”と言われるようになったのは」
P「錯乱した美希を落ち着かせるにはひたすら肌を寄せるしかなかった。キス、ハグ、そして」
P「何度体を重ねたかわからないが、その落ち着いた美希から聞いたこと」
P「『ハニーは美希が初めて認めた人。だから、分からなかったし怖かった。それ以上の関係を目指すのが』」
P「『好きだけど、それを形にしていいかわからなかった。でも、考えてるうちにどうしようもないくらい好きになってた』」
P「それが美希の話。ある程度懐いていたところまではいい。が、彼女を認めてしまったのがいけなかった」
P「美希は自分と葛藤していた。俺に依存する自分と、依存しないよう努力する自分」
P「美希は後者を自分で選ぼうとした、苦労の末。だがそれを俺は真っ向からぶち壊した」
P「結果、反動でより強い依存を生んでしまったようだ。が、気づいた時には俺も全く同じで」
P「美希なしじゃ、生きていけない。俺だってそうだ」
P「俺と美希は事務所を辞めた。ギリギリだったと今でも思う」
P「そして今……」
――
P「どうした、美希」
美希「ハニーは今、幸せ?」
P「……あぁ、とっても」
美希「ミキのせいでお仕事なくなっちゃったのに?」
P「ミキのせいじゃないさ」
美希「でも、お金ないと大変だし、ミキ頑張るよ?エッチすればたくさんもらえるって聞いたから」
P「……美希、それ本気で言ってる?」
美希「大丈夫か、わかんないけど普通のお仕事じゃハニーの顔がみたくなっちゃうの。それなら、すぐ終わるしハニーのこと想えば」
P「……冗談でも、やめてくれ」
美希「……ごめんなさい」
P「謝らなくていい、大丈夫。金は俺がなんとかする。美希は心配しなくていい」
美希「……うん。……ね、キスして?」
P「……あぁ」
美希「ハニー……大好きなの」 完
さっき書きたいって言ってる人いなかったっけ
いないならもう一つくらいとは思ったが
期待通りだった
ありがと
>>120
亜美「そんなこと言ってー!」
真美「実はワクワクしてるんでしょー!」
P「……」
――
P「面倒なことになった……」
小鳥「どうしたんですか?」
P「あ、いや、なんか家に両親が遊びに来まして。ついでに近くの友達を呼ぶ、とか勝手に言い出しまして」
小鳥「あら、元気な両親ですね」
P「それが困るんですけどね……そのままなんかもう籠城する勢いで。気にするな、と言われても年齢が全員2倍近くありますし」
小鳥「なるほど」
P「そりゃ寝るところ他にないですし、仕方ないんですけど気が重くて……」
亜美「ナニナニ?」
真美「面白そうな話をしてるじゃない!」
P「どっから出てきたんだお前ら」
P「ちょ!音無さん!?」
亜美「ふーん、じゃうちくる?」
真美「いくいくー!」
P「お前らで解決してどうする……でも、流石にそれは……」
亜美「えーいいじゃん!たまには!」
P「たまにはって行ったことないわ!」
真美「だって、兄ちゃん寝るとこないんでしょ?家燃えちゃったの?」
P「いや……流石にそこまでは」
亜美「ビショージョ二人に囲まれて寝られるんですよー?こんな機会ないですよー?」
真美「えっ?い、一緒に寝るの?」
P「ないない。だっていやだろ?」
真美「べ、別に!真美はいいけど!」
亜美「亜美もへーきだよー。ちょうど今日うち親いないし、雑用してよ!」
P「本音が出たなこいつめ……って、親御さんがいないのに伺うってのもまた問題だ……」
P「ちょっと!何言っちゃってるんですかもう……そんなわけないでしょう」
亜美「だったら来ちゃいなよー!」
真美「そーだそーだ!」
P「……それじゃお言葉に甘えるか。確かに親がいないってのは不安だろうしせっかくの機会だ」
亜美「やったー!」
真美「えへへー楽しみだね!」
P「なんか嫌な予感しかしない……」
小鳥「ふふっ」
――
P「しかし、流石に部屋は綺麗だな。広いし」
亜美「でしょー?あ、こっちが亜美の部屋ね」
P「ほー、真美の部屋と違うんだないろいろ」
亜美「そりゃそうでしょ!双子なめんなよ!」
P「舐めてないです。……あとはトイレとかの場所か」
P「え?いいのか?」
亜美「もち!なんてったってお客さまですからねー!」
P「ほう、亜美にしては気が利くな」
亜美「にしてはってなんだよー!」
P「悪い悪い、それじゃお言葉に甘えて……ってまさか真美がいるってオチじゃないだろうな?」
真美「んー?呼んだー?」
P「あ、悪いなんでもない。流石に警戒しすぎだわな」
亜美「真美何やってんのー?」
真美「ちょ!入ってこないでよ!」
亜美「さっき兄ちゃん入ったのに?ま、いっか。それじゃ一名様ご案内~」
P「ふぅー……あったまるなぁ……しかし」
P「……うちの浴槽の2倍はあるか。流石は双海家」
ガラッ
P「え?」
P「……」
真美「ちょ!兄ちゃん!?何やってんの!」
P「い、いや、こっちが聞きたいんだが……」
真美「ってうわぁあ!ば、バカ!」
バタン
P「……亜美のやつ」
亜美「あっはっは!たのしー!」
真美「もー!亜美!!」
亜美「ごみんごみん!……さてと、次は」
P「真美もあのままだと寒いだろうしな……そろそろ上がるか」
P「スタイルよかったな……、って違う!違う!」
P「……あいつら中学生の癖にスタイルよすぎるんだよな。ま、だからどうということもないが」
P「おーい、上がったぞー」
P「さてと……って、あれ?着替え、ここらへんに置いておいたはずが……」
P「……くそっ、また亜美か。タオルもないとなっては……」
ガチャッ
P「おーい、亜美!またお前だ、ろ……」
真美「……兄ちゃんなにして、ひゃあ!!」
P「ま、真美!ちょ、違う!これは!そのだな!」
真美「もー!さっきからなんなのさ!こ、この変態!!」
P「違うんだってばー……くっ……」
亜美「どしたの兄ちゃん~?」
P「……そんな満面の笑みで来るか普通」
亜美「だって面白いんだもーん!はい、着替え!」
P「……どうみても俺のじゃないんだが」
亜美「真美のだけど?」
P「流石に真美がかわいそうだろ!って違う、そもそも入らないから!」
P「亜美、それわかって言ってるの?どっちにしてもやめなさい。それと服返してください」
亜美「あはは、流石にかわいそうだし、はいどーぞ」
P「全く……ん?どうした」
亜美「……やっぱグロいね」
P「見るなぁ!!」
P「はぁ……全く風呂に入ってここまで疲れるとは……」
真美「あっ」
P「あー……その、悪気はないんだ。亜美のせいでだな」
真美「知ってる……けど、その、みたことなかったし」
P「真美にまで見られてしまった……」
真美「ま、真美だって見られたんだよ!」
P「まあそれはすまないと思ってるが……」
真美「別にいいけど……それよりご飯だよーもうおなかぺこぺこー」
真美「おー!兄ちゃん、作れんの?」
P「一人暮らしをなめるんじゃないぞ?まあ楽しみにしておくんだな」
真美「ほー期待しておきますかー!」
亜美「ふーさっぱりー、おぉ!いい匂い!」
P「お、亜美か。もう少しでできるから待ってろ」
亜美「カレーですなー?んっふっふー亜美様の口に合うものが果たして作れますかね……」
P「嫌なら食べなくてもいいぞー」
亜美「あーもう冗談っしょー!食べるからー!」
P「はいお待たせ。どうぞ召し上がれ」
亜美真美「いただきまーす!」
P「……どうよ」
亜美「うん、うまい!」
真美「普通においしいじゃん!やるね兄ちゃん!」
P「そうだろ?そりゃそうなんだよ!はっはっは!」
P(一応いつもカップめんとは言えないしな、うん)
P(さて一口……あれ?味が……なんかおかしい)
P(あ、野菜いためないでそのまま……あいつら……)
亜美「そんじゃ、食後の運動ということで!」
P「え?いや、もう夜遅いだろ」
真美「外に行くわけじゃないよ?これこれー!」
P「ん?あぁ、って格ゲー?」
亜美「ふっふー兄ちゃんやるかい?」
P「おーいいね。容赦はしないぞ?」
亜美「こっちのセリフだぜ!」
P「何故だ……」
亜美「ケイケンの差、とでも言っておこうか!」
真美「次真美と勝負だ兄ちゃん!」
P「いいだろう、今度こそ!」
亜美「あっはっは!兄ちゃんよわー!」
真美「ごめんあそばせー!」
P「くっ……」
P(カレーはお世辞を言ってくれたのだろうが、これはまた別ってわけか……わからんなこの双子は)
P「時間も時間だし、そろそろ寝ないのか?」
亜美「えー負けたからってそれはないっしょー」
P「やかましい。それは関係ないから、11時になるぞもう」
亜美「むー……わかったよー」
P「で、ホントに三人で寝るのね」
真美「いつもは二人ベッドだし?」
亜美「こーゆーときくらいはいいかなーって」
P「まあいいけどさ……」
亜美「急にこーふんすんなよー?」
亜美「そりゃだって、ねぇ?」
真美「一応、兄ちゃん半分ずつってことで」
P「なんじゃそりゃ……俺は抱き枕か」
真美「別に抱き着かないけどね」
亜美「残念でしたー!」
P「……なんでもいいわ。寝るぞ」
亜美真美「はーい」
P「……ん、トイレに……ってそうかここあれか」
P「確かこっちの方……ここだ」
P「……あれ?誰かいる?」
亜美「わぁ!」
P「わぁ!ってびっくりした……亜美か」
亜美「そ、それはこっちのセリフっしょ!急にどうしたの兄ちゃん」
亜美「変な事しないでねー」
P「トイレだって言ってるでしょうが。って、亜美もか?」
亜美「もー乙女にそれ聞いちゃう?」
P「あんだけ破廉恥な行為をしといてよく乙女だのと」
亜美「あれはあれっしょー。急にそういうことされたら、流石に亜美もハズいよ?」
P「そうですかそうですか。って、だからどうして起きてるんだ。寝ないと明日辛いぞ?」
亜美「んー……なんていうか」
P「ん?」
亜美「……眠れない、っていうか」
P「なんでだ?」
亜美「キンチョーして……っていうかテンションあがっちゃったせいかな?」
P「……ぶふっ」
亜美「ちょ!なんで笑うのさ!そ、そりゃ兄ちゃんが隣にいたらちょっとビビるっしょ!寝れないよ!」
P「いや、やっと亜美がまともに子供らしいなーと思って」
P「あんまり騒ぐと真美が起きるだろ。いいから早く寝とけ。目つぶってれば自然と眠くなる」
亜美「……」
P「ん?」
亜美「……なんでもない。兄ちゃんもさっさと済ませなよ!」
P「あ、え、うん」
P「んー……眠いな。流石に人の家だと熟睡はできないか」
P「……ほらいわんこっちゃない。まだ爆睡してるな、こいつめ」
亜美「んー、むぅー……」
P「……まぁ、まだ時間あるし寝かせておくか」
真美「あー兄ちゃんおはー」
P「おぉ、真美早いな」
真美「んーなんか目、覚めちゃって」
P「そうかそうか。まあ朝はいくらでも早い方がいいしな」
P「ん?あぁ、快適だったぞ。段違いにうちより広いし」
真美「そっかー……また来たい?」
P「え?まあ、そうだな。機会があったら遊びに来てもいいかもな」
真美「うん!そだね!……えへへ」
P「あっとそうだ……どうせまた亜美が起きたらイタズラされるんだろうし、復讐しとくか」
真美「何するの?」
P「まあ、寝てるときって言ったらこれだろ」
亜美「ふぁー……おはよー……」
P「おぉ、亜美おはよう!」
亜美「元気だね兄ちゃん……眠いよぉ……」
P「だから言ったんだ。ほら、顔洗ってこい……ふふっ」
真美「おはよう亜美……あはは」
亜美「んー……?」
ウワー!
P「まあ日頃の行いだな」
亜美「……ねぇねぇ兄ちゃん」
P「ん?なんだ?」
亜美「顔、洗った?」
P「あ、亜美にイタズラしてたから忘れてた……って思わず」
亜美「ちょっとー!まあわかってたけどさぁ……ま、いいっしょ!ねー真美?」
真美「ねー!」
P「え?何だ?……いや、嘘だろ?」
ウオワー!!
P「……やられた」
真美「ふっふっふ、いつから亜美だけが敵だと錯覚していた……」
亜美「我らは二人で一つ!」
P「完敗です……」
亜美「また来てねー!」
真美「今度はもっとおいしいカレーが食べたいなー!」
P「あれはホントすみませんでした」
亜美「そんじゃ……」
真美「んー……」
チュッ
P「……ん?」
亜美「チョー特別大サービスだかんね!」
真美「真美達の初めてのお泊りだったんだから!」
亜美「これから、責任とってくれるよね?兄ちゃん?」
P「……遠慮しときます!じゃ、また仕事でなっ!」
亜美「あー逃げた―!」
真美「待てー!!」
完
Entry ⇒ 2012.10.05 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
貴音「おなべの美味しい季節となってまいりました」
千早「…えぇ…そうね。少し気が早い気もするけど…」
千早「……というか、それよりも」
貴音「はて、何でしょう」
千早「……どうして、私の部屋にいるのかしら」
貴音「……」
千早「……」
貴音「ふふ…それは我が国の開錠技術をもってすればこの程度…」
千早「開錠?!しっ、四条さん、あなた…いえ、あなたの国って一体…!」
千早「な、何故私が諭されているのかわからないけれど…」
千早「…はぁ。もういいわ。それで?一体ここに何の用」
貴音「おなべです」
千早「………」
千早「は?」
千早「いや、それはそうだけれど…」
貴音「そこで、ここまでこうして、わざわざおなべを食べにきたという運びです」
千早「…そんなの、自分の家でやれば…」
貴音「私の家には、おなべをする為の環境が整っておりませんので…」
貴音「それに、おなべは人が多ければ多いほど美味しいと聞きます」
千早「……それは…そうかもしれないわね。……私には…あまりその経験が無いけれど」
貴音「であればなおのこと!さぁさぁ、おなべを始めると致しましょう…!」
千早「わ、わかったからちょっと落ち着いてください…!」
貴音「?」
千早「…?」
貴音「!」ピーン
貴音「…では、楽しいおなべにいたしましょう…!」
千早「い、いや、そういうことじゃなくて…」
千早「だから、鍋と一口に言っても色々あるでしょう?モツとか、水炊とか、豆乳とか…」
貴音「? ? ?」
千早「……本当に何も知らないのね……」
貴音「お任せします」
千早「そうと決まればとりあえず鍋とホットプレートを…あっ、そうだわ、材料を買いに行かないと」
貴音「それならば私にお任せください…!」
千早「えっ?お任せください、って一体どうする…」
貴音「そんなこともあろうかと、私、材料を持ってきております…!」
千早(そんなこともあろうかって…そもそも自分で言い出したことなんじゃ)
千早「…でも、それなら話は早いですね。何を持ってきたんですか?」
貴音「これですっ…!」
しじょーん!
貴音「……」どやぁ
千早「…ラーメン、ですか」
貴音「えぇ…まごうことなく」
千早「それじゃ、買い出しに行きましょうか」
貴音「っ!?」ガーン
貴音「そうですね…アイドルとして、体調管理にも気を遣わなければ」
千早「えぇ、本当に」
貴音「……千早は、よく料理をするのですか?」
貴音「そうでしたか」
千早「そういう四条さんは?」
貴音「私は食べる方専門ですので…」
千早「くすっ、何ですか、それ」
貴音「ここがすぅぱぁ…」
千早「えぇ」
千早(スーパーもあまり来たことが無いのかしら…?)
千早「…さて、それじゃあまず、鍋の素を…」
貴音「…ほう…これを入れて、おなべにするのですね」
千早「えぇ…ちゃんと出汁を一から作る場合もあるけれど…ちょっと手間ですから」
貴音「なるほど…おや?」
貴音「あそこのご婦人が何やら店の商品を頂いているようですが…」
千早「店の…?あぁ、試食ですか。ウィンナーね」
貴音「ししょく…」
千早「さてそれじゃあまずは…」
貴音「……」じーっ
千早「…?」
貴音「……」チラッ
千早「……」くすっ
貴音「…!私も、もらって良いのですか…?」
千早「えぇ。試食ですから」
貴音「では、お言葉に甘えて行って参ります…!」しじょっ!
千早「行ってらっしゃい」
千早(…本当に、何も知らないのね…。子供みたい)
千早(ちょっと可愛い…かも)
貴音「ほぉまはへぇひまひた」
千早「…貰いすぎです」
貴音「ちはや!ちはや!」
千早「はぁい?」
貴音「これ…これは是非入れましょう…!」
千早「?どれどれ…って、これ、餃子?」
貴音「らぁめんにとてもよく合うのです」ふんす!
貴音「是非!是非…!」
千早「……でも、やっぱり、鍋に餃子だなんて……」
貴音「……」うるうる
千早「……//」
千早「ま、まぁ、挑戦してみるのも…悪くないかもしれないわね」
貴音「…!ちはや…」パァァ
千早「えーっともやしもやし……あ、あったわ」
がしっ
千早「あっ、ごめんなさ」
やよい「……」
千早「……」
やよい「はい!ちょっと量が足りてなかったかなーって!」
千早「そう。こんな時間にお使いなんて偉いわね」よしよし
やよい「えへへ…今日はちょっと奮発して、お鍋をやるつもりなんですよ!」
やよい「そうなんですかー!楽しそう!良いなぁ~…」
千早「それなら、高槻さんも一緒にどうかしら?私は全然構わないけれど」
千早「そう…こちらこそごめんなさい。変に誘ったりして」
やよい「いいんです!それじゃあ私、そろそろ帰りますね!」
千早「えぇ。また今度、みんなでやりましょうね」
千早「…ちなみに、高槻さんのところは何鍋をするの?」
やよい「もやし鍋ですよー!」
千早「?」
やよい「?」
貴音「それにしても、ここには真、色々な物があるのですね……おや?何やら嬉しそうですね、千早」
千早「へっ?あ、あぁ…さっきまで、高槻さんと一緒にいて…」
貴音「なんと。そうでしたか」
千早「えぇ。凄い偶然ですよね」
貴音「……」ぷぅ
千早「…?どうかしました?」
貴音「……千早、私と一緒にいると、嬉しくないですか?」
貴音「……」ぷぅぅ
千早(……もしかして、やきもちを……?)
千早「……」くすっ
千早「…そうね、それはこの後の四条さん次第かしら」
貴音「…!なんと!一体私に何をさせるおつもりですか…?」
千早「うふふ。さぁ…何なんでしょう…?」
貴音「め、面妖な…」
千早「さて、会計会け」
貴音「……」じゅるり
千早「…涎を垂らすにはまだ早いです」
貴音「申し訳ありません…想像しただけでもう、我慢ならず…。…今日は、良い一日になりそうです」
千早「ふふっ、そうね」
千早「と、いうと?」
貴音「アレを」
千早「?アレって…あ!」
貴音「えぇ。本日は全品、四十ぱぁせんとおふのようです」
千早「あぁ…それで」
貴音「?」
貴音「そっちも持ちましょうか?」
千早「いいえ。これぐらい、大丈夫。ありがとう」
貴音「いえ…」
貴音「……」
千早「…えぇ、そうね」
貴音「…こうして、星を見ていると」
千早「見ていると?」
貴音「……。いえ、やはり何でもありません」
貴音「秘密も女の嗜みですよ」
貴音「…千早は、この星を見て…何を思いますか?」
千早「……」
貴音「……千早?」
貴音「…!」こくり
《星の星座を探しに行こう~♪》
《夢はもう、銀河に浮かんでる…》
…………………………
…………………
…………
……
…
千早「ただいまー」
貴音「……」
千早「…はっ?!//」
貴音「……いつも、その様なことを?」
千早「なっ…!//ち、違うわよ?!//今日は四条さんも一緒にいるから…!//」
貴音「相手の有無に関わらず、挨拶をすることは大事なことです」
千早「だから…!//」
貴音「くすくす」
貴音「私も手伝いましょう」
千早「えぇとこれはこっちに…」がさがさ
貴音「……」
貴音「…む?これは…新曲ですね?」
千早「?あぁ、えぇ…そうなの。今、どう歌おうか少し悩んでいて…」
千早「……」
貴音「……」
貴音「……すみません。いくらなんでも、このように低俗な駄洒落では」
千早「…ぷぷっ」
貴音「?」
千早「くすくす… 鍋だけに煮詰まる、ですって…くくっ、あははっ」
貴音「……」ほっ
貴音「承知致しました」
千早「……」ザクザク
貴音「……」トスットスッ
千早「……」ザクザク
貴音「……」トスットスッ
貴音「しゅんかん好きだと気付いた~」トスットスッ
千早「貴方は今~」ザクザク
貴音「どんな気持ちで」トスットスッ
千早貴音「「い~る~の~」」ザクトスッザクトスッ
貴音「ふ~たりだと~…!」
千早貴音「「わかっている~けどぉ~!!」」
千早「す~こしだけぇえ~!!」
貴音「このまま瞳~…!!」
千早貴音「「そぉおらさなひぃい~でぇえ~!!!」」
千早「…そ、そろそろ作業に戻りましょうか」はぁはぁ
貴音「そうですね…」ふぅふぅ
↑結局そのまま盛り上がってアルバム一枚分歌った
貴音「そうですね」カチカチ
千早「後は煮えるのを待つのみです」
貴音「楽しみです」わくわく
貴音「……」カチカチ
貴音「いえ…少し、皆との予定を合わせておるのです」
千早「…?それにしても、今日急に家へ押しかけて来た時はどうしようかと思いました」
貴音「押しかけた、というよりは待ち伏せていた、という方が正しいですが」
千早「自分でそれを言いますか…?」
千早(……何だかんだ言って、ちょっと楽しみかも)
千早「うふふっ」
貴音「?どうかしましたか?」
千早「…いいえ?何でも」
貴音「!もしや、千早も早くおなべが食べたくて待ち切れないのですね?」ぐぅぅ
千早「えぇ、そうね」くすくす
貴音「ばっちこい、です…!」
千早「よいしょ」パッ
貴音「……」
千早「わっ、熱っ」ガッ
貴音「……」
千早「手に出汁が」ちゅっ
貴音「はぁ~んっ…!」
千早「え?」
貴音「いえ」
貴音「ぱくぱく」
千早「餅を買ってみたのは正解だったわね。よく合うわ」
貴音「もぐもぐ」
千早「…さっきから一心不乱に食べ続けてるわね…」
千早「…ホント、美味しそうに食べるわよね」
千早「少し多く買い過ぎた気もしたけど、これなら大丈夫そうね」
貴音「おなへがほぉんなぁにすばらひぃものとは…!」
千早「もう、食べるのか話すのかどっちかにしなさい」
千早「……。それじゃあ、言い出しっぺの四条さんから」
貴音「言われずとも」ぱくり
千早「あっ…」
貴音「……」んぐんぐ
千早「…ど、どう?」
貴音「!これはこれは…!実に美味、ですよ…!」
えっ
何だこれは
何だこれは…
おでんに餃子と聞いて、正直「あー、うまそうかも」と思ったけど
まさかの練り物…
貴音「私、嘘は申し上げません…!」
千早「ま、まぁ、味覚は人それぞれだけれど…」
千早(…でも、いっても餃子だし、そんな変なことにはならないか)
貴音「なんなら私が食べさせて…」
千早「結構です!//」
貴音「」ガーン
貴音「…どうですか?」
千早「あっ…美味しい」
貴音「!でしょう…!どこまでまでも私の言った通りでしょう…!」
千早「そんな無理矢理歌に繋げなくても…」
千早「…でも、ホントに美味しい…今度からやってみようかしら」
貴音「ちはや、おかわり!」
千早「自分で取りなさい」
貴音「えぇ…大変美味しゅうございました」
千早「…さて、それじゃあ最後に…」
貴音「?まだ何か…?」
千早「…はい。これを」
千早「えぇ。キムチ鍋になら、きっと合うと思って。よくシメには使うようだし」
貴音「こ、こんなことが…!」ぷるぷる
千早「せっかくだし、卵も溶いちゃいましょうか」カチャカチャ
貴音「きゅーんっ…!」
貴音「……ち、ちはや…貴方は、め、女神です……」キラキラ
千早「そんなオーバーな…」
貴音「おーばーなどではありません!」くわっ!
千早「きゃっ?」
貴音「麺に、野菜の旨み、肉のコク、千早の唾液、出汁の味が見事に絡みついてそれはもう…!おーばーでますたーでかまげーん!なのです!」
千早(……途中、何かがひっかかった気がしたんだけど気のせいかしら……)
貴音「ですが」
千早「?」
貴音「これはらぁめんではないですね」きっぱり
千早「そ、そうね」
千早(へ、変なところでシビアね…)
千早「お粗末様です」
貴音「……また…」
千早「?」
貴音「また…ここへ食べに来てもよろしいですか?」
貴音「それは良かったです」
貴音「…では、また明日に」
千早「えぇ。また明日…」
バタン
千早「……」
千早「…明日?」
千早「……さて、仕事も終わったことだし、今日はゆっくり一人鍋でもしましょうか」
千早「豆乳は胸が大きくなると聞いたことが」
ガチャリ
千早「えっ?」
亜美真美「「突撃っ!千早おね→ちゃんの晩ご飯っしょ→!!」」
千早「?!」
美希「ここが千早さんのお家なの…」
雪歩「お、お邪魔しますぅ…」
真「うわぁ…これ、みんな入れるかな」
伊織「ウチでやった方が良かったんじゃない?」
やよい「私はこのくらいぎゅうぎゅうの方が楽しいですぅー!」
律子「あずささーん!こっちですよ、こっち!」
あずさ「あらあらまぁまぁ…」
春香「みんな!この家のことなら何度か来たことがある私に任せて!何度か来たことがある私に!」
貴音「…今晩は、千早」
千早「しっ、四条さん?!こ、こ、こ、これは一体…!」
貴音「ふふ、ですから、申し上げたでしょう」
千早「?!」
貴音「おなべは、人が多ければ多いほど、美味しいというものです」にこり
真「貴音が皆にメールして予定を合わせてくれたからね」
千早「メール…?…あっ」
貴音「……」にこり
貴音「皆との都合がつく日は今日以外に無かったものですから」
千早「なるほどそれで…ってあっ、ちょっと亜美!真美!勝手に部屋の物を…!」
わー!ぎゃー!
貴音「……」
貴音「……本当は」
貴音「また、二人っきりでやっても良かったのですが…ね」
おわり
このスレもここいらで締めたいと思います。
またなんか思いついたら書きたい。鍋食いたい。
付き合ってくれてどうもでしたノシ
乙
Entry ⇒ 2012.10.05 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
貴音「あなた様あなた様」
P「ん?」
貴音「お仕事はいかがでしょうか?」
P「あと5分くらいだな。もう少し待ってくれ」
貴音「はい」
P「ん?」
貴音「今日は事務所に誰も居ないようですね」
P「みんな直帰したみたいだな。音無さんは入れ違いに帰ったし」
P「ん?」
貴音「わたくしの帽子をご存知ないでしょうか」
P「んーと、あった。ほれ」
貴音「ありがとうございます」
P「んじゃ、帰るか」
貴音「はい」
P「ん?」
貴音「まこと、風が快いですね」
P「ああ、秋の夜って感じだな」
貴音「ふふ、風流ですね」
P「ああ」
P「ん?」
貴音「らぁめんの香りが致しました」
P「そうか?」
貴音「ええ」
P「店とか見えないけどなぁ」
貴音「確かに致しました」
P「そうか?……ほんとだ。角曲がったら屋台があったぞ」
貴音「ふふ、当たりましたね」
P「食べていくか?」
貴音「いえ、やめておきましょう」
P「……そうか」
P「ん?」
貴音「美希の歌声ですね」
P「ああ、有線で流れてたな」
貴音「美しいものです」
P「そうだな」
P「ん?」
貴音「寄り道をしてもよろしいでしょうか?」
P「いいけど、どこだ?」
貴音「公園、などいかがでしょう」
P「いいぞ。じゃあこっちだな」
貴音「はい」
P「ん?」
貴音「静かですね」
P「誰もいないみたいだな」
貴音「よい空気です」
P「ベンチにでも座るか?」
貴音「はい」
P「ん?」
貴音「虫の声が致しますね」
P「ああ、コオロギか何かかな」
貴音「まこと、綺麗ですね」
P「ああ、綺麗だ」
P「ん?」
貴音「手を握っていただけますか」
P「ずっとつないでたじゃないか」
貴音「今、握っていただきたいのです」
P「……わかった」
P「ん?」
貴音「月が、綺麗ですね」
P「…そうだな」
貴音「告白ではありませんよ?」
P「分かってるよ」
貴音「……相変わらず、嘘を吐くのがお下手ですね」
P「っ」
P「……いや、晴れてるよ。ただ、新月だ。月は、見えない」
貴音「そうですか」
P「その目、本当に治らないのか?」
貴音「良いのです」
P「でも!」
貴音「もう、良いのです」
P「……そうか」
貴音「そろそろ、帰りましょうか」
P「……そうだな」
P「ん?」
貴音「明日は、月は見えるでしょうか」
P「ああ、見えるといいな」
貴音「ええ」
P「じゃあ、またな、貴音」
貴音「ええ、さようなら、あなた様」
おわり
ありがとうございました。
おひめちんかわいいよおひめちん
この貴音はPに幸せにされるべき
でも綺麗な話でよかった乙乙
Entry ⇒ 2012.10.04 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
モバマスP「すいません、アイドルとかに興味ってありませんか?」
P「そうですか……いえ、時間をとらせてしまい申し訳ありませんでした……」
??「そもそも私にそのようなものが向いてるとは思わないが?」
P「いえいえ、十分魅力的だと思いますよ?」
??「お世辞だと分かっていても照れくさいね」
P「いえいえ、そのようなことはありませんよ」
??「じゃあチラシだけでも貰っていこうかな?」
P「ありがとうございます。ではこれを」
??「シンデレラガールプロジェクト……」
P「はい。未だ発掘されていないアイドルの原石をデビューさせるという企画です」
P「そうですか?十分に通用すると思いますが……」
??「君はお世辞が上手だな、やってもいいという気になってしまう」
P「強制はしません。その気になったらこちらの電話番号までお願いします」
??「チラシに書いてある番号だね。わかったよ」
P「最後にですが、名前だけ教えてもらって良いですか?そのほうが電話を貰ったときに直ぐに対応出来ると思います」
??「おっと、自己紹介がまだだってね」
あい「私は東郷あい」
P「ぶふぉっ!?」
P「ごほっがはっ!……い……いえ、何でも。それでは今日はありがとうございました。時間を取らせてしまい大変失礼いたしました」
あい「ふうん……よくわからないが、お大事に」
P「は、はい。では近いうちに、また」
あい「それはこちらの気分次第なんだがね……」
P「それもそうですね」
あい「じゃあ、気が向いたら連絡するよ」
P「それでは」
――――
――
P「只今戻りましたー」
ちひろ「おかえりなさい」
??「おかえりなさぁい!」
??「おかえりなさい……今日は、いい人いましたか?」
P「ああ、お前らとも全くタイプが違うし、これでトリオのメンバーがそろった」
ちひろ「あれ?チラシ渡しただけじゃないんですか?」
P「いや、絶対に電話は来るよ」
ちひろ「自信たっぷりですね……」
P「まぁ」
あい「はい……どうしたの母さん?」
母「元気にやってるかい?」
あい「うん。中々仕事は増えないけど、楽しくやってるよ」
母「それなら良かった。それと本題。アンタの幼馴染にPってのがいただろ」
あい「……懐かしい話だね。それがどうしたの?」
母「なんでもアイドル?のプロデューサーをやってるって話だよ」
あい「は!?」
あい「……こっちの話」
母「そっかい。まぁ、会ったら宜しくしてやってくれよ」
あい「会ったら、ね」
母「意味深だねぇ……」
あい「何でもないよ、じゃあ」
母「はいはい」
.....Pi......
あい「まさか……ね」
??「電話、本当に来るんですか?」
P「間違いないよ。多分朝一だ」
??「どうして言い切れるんですかぁ?」
P「後々わかるよ」
ちひろ「はい、○○プロです……はい……はい……」
P「おいでなすった」
ちひろ「プロデューサーさん、面接を希望してる人がいます。東郷さんという人ですけど」
P「履歴書いらないんで直ぐにでも来てくれって伝えてください」
ちひろ「……ああ、昨日言ってた人ですね。わかりました」
??「とーごーさん……っていう人ですかぁ?」
??「怖い人じゃなきゃいいですね……」
P「そう怖気づくな。大丈夫、いい人だよ」
ちひろ「プロデューサーさん。今から40分くらいで来るそうです」
P「やっぱりな。あがとうございます」
??「今日はめんせつ?するんですか?」
P「いや、とりあえずお前らと顔を合わせてもらう」
??「ええ?いきなりですか?」
P「俺の予感が正しいなら、面接なんていらないさ」
P「多分時間きっかりに来ます。そしたら応接間に通してもらっていいですか?」
ちひろ「わかりました」
P「さて、最初は俺一人のほうがいいわな」
あい「すいません、連絡した東郷ですが……」
ちひろ「はい、承っていますよ。どうぞこちらへ」
あい「失礼します」
ちひろ「ではこちらのほうで待っていてください。今担当が来ます」
あい「わかりました」
コンコン
P「失礼します。お待たせしました」
あい「いや、待ってないよ」
P「では、早速ですが挨拶を」
あい「待ちたまえ」
5年前まで高校生だもんな
あい「私たちの間で他人行儀はいくら何でもナシだろう?」
P「……」
あい「13年ぶりじゃないか。Pくん?」
P「あ、わかっちゃった?」
あい「昨日母から電話があってね」
P「おばさんかー。うちの母親め、言いふらしてるな」
あい「どうやらそうみたいだね。相変わらずパワフルみたいだな」
P「まぁな」
あい「しかしまあ、Pくんがアイドルのプロデューサーねぇ……?」
P「しかしあいだと気付かずにスカウトしてしまうとは、俺も落ちたかな」
P「いやあのあいがこうなるなんてと思うとね」
あい「やたらに恥ずかしい言葉ばかり言ってたじゃないか」
P「うぐ」
あい「録音でもしてPくんの母君にでも送ればよかったかな」
P「やめてくれ、自分の子供がナンパ師になりました。みたいなもんじゃないか」
あい「ふふ……」
P「で、アイドルだけど。どうする?」
あい「どうせ君のことだからやると踏んでるんだろう?」
あい「生憎そっちの方がよろしく無くてね……掛け持ちは可能かい?」
P「んー、こっちに比重を置いてくれるなら」
あい「かまわないよ」
P「んじゃ、宜しく」
あい「頼んだよ? 立派なアイドルにしてくれ」
P「可能な限りそうさせてもらうよ。俺も新人だから多少は大目にみてくれ」
あい「じゃあ、頑張っていこうか」
P「……と、その前に」
あい「ソロではない。ということかな?」
P「そういうこと。今事務所に2人ともいるから紹介するよ」
あい「わかった、行こうか」
P「……13年か」
あい「ああ」
P「久しぶり、あい」
あい「久しぶりだ、Pくん」
P「んじゃ、行こう」
??「頼りになる人って聞いてますけど……わかりません」
??「Pさんが言うなら間違いないですね!」
??「……だと、思います」
P「よっす、2人ともいるな」
??「はい! あ、その方が……」
??「私たちとユニットを組む人、ですかぁ?」
P「ああ、東郷あいさんだ。仲良くしてやってくれ」
あい「初めまして」
??「こんにちわぁ」
??「よ……よろしくお願いします……」
P「いやいや!お前らも名前言わないとわからんから!」
裕美「関裕美といいます……よ、よろしくお願いします」
あい「私は東郷あい。宜しく頼むよふたりとも」
ちひろ「事務員をしています千川ちひろと言います。これからよろしくお願いします」
あい「よろしくお願いします。ちひろさん」
P「さて、今日は3人集まったし。顔合わせだけってのも寂しいよな?」
イヴ「そうですねぇ」
裕美「何かします……?」
あい「ふむ。なんとなくPくんが私を入れたがってたのがわかったよ」
P「察してくれると助かる」
イヴ「あれ?お知り合いなんですかぁ?」
面白い組み合わせだな
イヴ「あいさん、よろしくお願いしますぅ。イヴって読んでくださぁい」
裕美「私の事も……裕美でおねがします」
あい「イヴに裕美、だね。覚えたよ」
P「じゃあ、飯でも食いに行くか!」
あい「今日はやることがないのか?」
P「無い!」
あい「じゃあ、私の知ってる店でいいかな?」
イヴ「是非お願いしますぅ」
P「じゃあ出発!ちひろさん、後お願いします」
ちひろ「私も行きたいなー……」
裕美「だ、だめです……」
P「残ってる仕事片付けてくださいよ」
ちひろ「はぁい……」
P「それじゃ、新ユニット発足ということで!」
イヴ「カンパイですっ☆」
裕美「か、かんぱーい」
あい「乾杯」
ごく ごく
P「ふぅ……」
イヴ「おじさんくさいですよー?」
P「紅茶花伝がうまいのが悪い」
あい「どうしてそんな甘ったるいの飲んでるんだ」
裕美「あ……あの……あいさん……」
あい「何だい?」
裕美「プロデューサーさんと昔の馴染みだって言ってましたけど」
あい「小さいころに近所だっただけだよ」
P「まぁ幼馴染ってやつかな? 学校帰りとか一緒に遊んでたよ」
イヴ「あいさんあいさん!Pさんはどんなお子様だったのでしょう?」
あい「ちょっと優しい、どこにでもいる男の子だよ」
裕美「優しい……ですか?」
あい「うん。私はあまり口調とかが女ぽくないだろう?そうするとからかう奴とかも出てくるんだ」
あい「そんなタチの悪いことじゃないよ。おとこんなー!とか言われたりするくらいさ」
P「あいも女の子だからな。そんなの言われてたら放っておけないわけだ」
裕美「プロデューサーさん、カッコイイです!」
P「んなこたぁない」
あい「そんなことあるんだよ」
P「え」
あい「彼は事あるごとに助けてくれてね。結構頼ってしまっていたんだ」
イヴ「そうですよね……Pさんは優しいですぅ」
イヴ「はいぃ……衣装とプレゼントを全部奪われてしまって……寒さをしのいでいたらPさんが手を差し伸べてくれたんですぅ」
あい「おやおや、さしずめイヴにとってのサンタクロースになったわけだね」
イヴ「きゃっ☆ 寝床まで提供して貰って……だからこうしてアイドルしながらお金を貯めてるんですぅ」
あい「寝床?」
イヴ「はぁい。Pさんの家にお邪魔させて貰ってますぅ」
P「アカン!」
あい「……Pくん」
P「なーに?あいちゃん?」
あい「………」
P「………」
あい「……ところで、裕美は?」
P「裕美は光るものを持ってたからな。ティンときてスカウトした」
あい「裕美は、いやじゃなかったのかい?」
裕美「最初は断ったんです、私は目つきもきついしブサイクなので……」
イブ「いっつも言ってるけど、そんなこと無いですよ?」
裕美「そうでしょうか……?」
P「俺は裕美がかわいいと思ったからスカウトしたんだよ。目標はもうちょっと自信を持つことだな」
裕美「はい……頑張りますっ!」
あい「Pくん……」
P「なあ?素直でいい子だと思わないか?あ……」
P「そうだろうそうだろう」
イヴ「あいさんは、どうしてアイドルになったんですか?」
あい「簡単だよ」
裕美「……?」
あい「スカウトしてくれたのがPくんだから。断る理由が無いんだ」
イヴ「きゃぁ☆」
P「oh...」
裕美「あの……」
あい「ん?」
裕美「どうして、プロデューサーさんなら断る理由が無いんですか?」
P「やめてやめて、顔が熱いから」
イヴ「Pさん大胆ですねぇ~☆」
裕美「こ……これが告白……」
P「ち、違う!」
あい「おや、私は別にかまわないが?」
P「えっえー」
イヴ「もしかしてカップルさんですかぁ?」
裕美「おめでとうございますっ」
P「NO!違う!」
あい「ふふ……」
裕美「どうしたんですか?」
イヴ「あいさんって微笑むとすごい可愛いんですね!」
あい「そ……そうかな?」
イヴ「あ!今度は照れましたぁ。可愛いですねぇ~☆」
あい「よしてくれ……そういう褒められ方は慣れてないんだ……」
P「そうか?昔からお前は可愛いって言ってきた気がするんだが」
裕美「ひゃう!?」
あい「そういう褒め方をしてくるのがPくんしかいなかったんだ」
イヴ「だから久しぶりすぎて照れてるんですね~♪きゃ~☆」
あい「うう……み、店を変えよう!私の仕事場でどうかな?」
裕美「あいさん、他にお仕事してるんですか?」
あい「まぁね、中々繁盛はしないけども」
P「ほう、あいが何の仕事をしてるかは知らないからな」
あい「Pくんが引っ越した後に始めたことだからね。昔を辿っても出てこないよ」
イヴ「Pさんの知らないあいさんの一面にきゅん☆」
P「無いわ」
イヴ「えー……」
あい「やあ、失礼するよ」
マスター「おお、あいちゃんじゃないか。……て、一緒に来たのはP君かい」
あい「……知ってるの?」
マスター「知ってるもなにもここの常連だよ」
P「え、あいの仕事場ここだったの?」
あい「そうなんだが……もしかして、会ってるのかな?」
P「かもしれないなぁ」
あい「じゃあ2人のことは任せたよ。私は準備してくる」
P「はいよ。……どうした?」
イヴ「飲まれちゃいます……」
P「仕方ないなぁ……ほら、こっちだ」
マスター「ソフトドリンクでいいかな?そろそろあいちゃんのステージが始まるよ」
~~~~♪
裕美「サックス……ですね」
P「げ!」
イヴ「どうしたんですかぁ?」
マスター「そうだよ。仲いいみたいだけどコレかい?」
P「違いますって……13年ぶりの幼馴染ですよ」
マスター「久々の再開というわけか」
P「はい、美人になってたんでびっくりしましたよ」
イヴ「気付かないでスカウトしちゃうくらいですもんね~☆」
P「やめろ!」
マスター「あー、昨日嬉しそうにアイドルになるって言ってたのはそういうわけだったのか」
裕美「嬉しそうにですか?」
マスター「ああ、何でも『ずっと会いたかった人に会えるから』って言ってたよ」
P「」
イヴ「きゃ~☆」
裕美「………」
P「なんだ?」
裕美「……あいさんのことを話してるときのプロデューサーさん、とても生き生きしてます」
P「そうかな……」
裕美「はいっ」
~~~♪
~~♪
~♪
パチ パチ パチ
あい「ありがとうございました」
イヴ「格好よかったです!」
裕美「あいさん……すごかったです!」
あい「そりゃあね……中学に入ってから始めたんだ」
P「なるほどな。それなら知らなくて当然だ」
あい「ふふ……ありがとう。君たちも折角だから歌ってくるかい?」
P「何言ってるんだお前?」
マスター「折角アイドルの子達が来てくれてるんだ、歌ってもらおうじゃないか」
P「音源が無いですよ音源が」
マスター「君が演奏すればいい」
P「……マジですか……」
マスター「うむ。まだアレは置いてあるぞ」
イヴ「何を歌うんですかぁ?」
裕美「私たちまだデビューもしてません……歌ありませんよ?」
P「そりゃな……この曲ならわかるか?」
イヴ「これなら知ってますぅ……わかりましたぁ」
P「さあ、ここえ舞台度胸をつけておこうな」
裕美「が……頑張ります……」
P「久しぶりだな。……あいをぎゃふんと言わせてやる」
イヴ「ところで、その楽器はなんていうんですかぁ?」
裕美「見たことありませんね」
P「ふっふっふ」
マスター「聞き惚れてたよ」
あい「ふふっ……それなら良かった……」
マスター「なんせずっと会いたかった人だもんね?」
あい「……うん」
マスター「今日は未成年の子がいるからノンアルコールだよ」
あい「じゃあ、適当に作ってくれるかい?」
マスター「わかったよ。いい人じゃないか。P君は」
あい「ふふ……追いかけてきて、正解だったかな」
マスター「大正解だと思うよ」
マスター「P君のショーが始まるみたいだね」
あい「マスター、彼は何か楽器をやるのかい?」
マスター「うん、見てればわかるよ」
あい「どれどれ……」
イヴ「あいさんの演奏の後は、私たちの歌を聞いてください~」
裕美「頑張って歌います。よろしくお願いします」
P「常連の皆様、7ヶ月ぶりくらいでしょうか。久々に演奏させてもらいますね」
マスター「あいちゃんがココに来るようになったのが半年前だから、丁度入れ替わりかな」
~~~~~~♪
あい「!?」
マスター「びっくりするだろう?」
あい「そりゃね……」
マスター「でも、お客様の評判は良かったんだよ?」
あい「そうだろうね……上手い……」
マスター「彼のクリスタルフルートは魔性の笛だからね。その道のプロにもなれるレベルさ」
※クリスタルフルート
ttp://crystalflutes.web.fc2.com/m.htm
マスター「初めて聞くけどいいものを持ってるね、流石P君の目に狂いは無い」
あい「……」
マスター「あいちゃん」
あい「何かな」
マスター「焦らなくても大丈夫だと思うよ?」
あい「……何の事だか」
マスター「彼は、君をちゃんと見てる」
あい「そうだと、嬉しいね」
マスター「………」
あい「………」
消化器を口にあてて吹きならしてる例の画像が浮かんできてヤバい
裕美「あ……ありがとうございました……」
P「ありがとうございました」
あい「2人とも、歌上手だね」
イヴ「ありがとうございますぅ、一生懸命レッスンしたんですよ~」
裕美「私なんてまだまだで……」
P「そんなことない、裕美も上手だったぞ?」
裕美「ありがとうございます……」
あい「Pくんがクリスタルフルートをやるのが一番違外だったのだが?」
P「どうよ、見直したか?」
P「よせやい」
イヴ「本当に格好良かったです~☆」
裕美「また、聞かせてくださいね?」
P「いいぞ。ココに来る機会が有ったら聴かせてやる」
あい「それなら、ミーティングはここでしようか」
マスター「ん?あいちゃんをプロデュースするのって?」
P「それが俺なんです……」
イヴ「私たちがトリオを組むんです~」
P「本当ですか?ありがとうございます」
マスター「ただし、条件があるよ」
P「はい?」
マスター「来るたびに聴かせてもらうからね?」
P「うわー……まぁいいです」
あい「交渉成立かな?」
P「よし、シンデレラガールズ、頑張っていくぞ!」
イヴ「おー☆」
裕美「お、おー!」
あい「おー」
――――
――
イヴ「Zzzz」
裕美「……むにゃ……」
P「さて、2人とも寝ちゃったし。そろそろお開きだな」
あい「そうだね。でも1杯だけ付き合ってもらうか?」
P「車で送らないとならんからノンアルな」
あい「わかってるさ」
マスター「じゃあ、こんなものを」
P「桃……ですか?」
P「なあ、あい」
あい「なんだい?」
P「13年ぶりだ」
あい「ああ」
P「まぁ、幸いここからは一緒に活動をしていくからな」
あい「そうだね、13年分の空白を取り返していこうか」
P「……そうだな」
あい「……また、会えて嬉しいよ」
P「……俺もだ」
あい「これからと」
P「俺らみんなの活躍を祈って」
P・あい「「乾杯」」
end
友達以上恋人未満ってこいういうのなんじゃないかな?
読み返してお風呂はいってきます。
乙
Entry ⇒ 2012.10.04 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
P「春香が散歩してるとしよう」千早「はい」
千早「そうですね」
P「で、誰もいないのに頭コツンてやって「てへへ」ってやるじゃん」
千早「やるでしょうね」
P「で、何事もなかったかのように立ち上がって歩きだすじゃん」
千早「はい」
P「で、前方に犬の糞みつけんだよ」
P「そして、踏まずに見つけたことを心の中でガッツポーズするんだ」
千早「まあ、するでしょうね」
千早「で、その上に転んでしまうと」
P「ああ、柔らかめの犬の糞を顔でぐちゃぁっと潰してしまうんだ」
千早「なるほど」
P「で、ちょっと戸惑いながらも立ち上がってとりあえず顔を洗える場所を探すんだ」
千早「内心、あせっているので何度も転ぶんですね?」
P「そうそう」
P「で、やっと公園をみつけて、トイレに入るんだ」
千早「そこで顔を洗うんですね」
P「でも、ちょっと古めのトイレだから汚いの」
千早「なるほど、いいですね」
千早「ちょっと公園で遊んでいこうとするんですね」
P「鉄棒で逆上がりするんだけど、スカートだからちっちゃい子にパンツ見られるんだよ」
千早「それを指摘されてちょっと恥ずかしい思いをするんですね」
P「うん」
千早「真っ赤な声で公園を後にする、と」
P「いいね」
春香「いいですね」
春香「プロデューサーさん、こんにちは」
P「お、おう」
春香「千早ちゃんも、こんにちは」
千早「ええ…・」
春香「……プロデューサーさん」
P「な、なにかな」
春香「流石の私も、犬のうんちの上に転んだりはしないですよ」
P「そ、そりゃそうだよな」
春香「転んでる途中で身体を捻りますから!」
千早「春香、そこまで進化していたのね」
P「え?」
春香「このまま、妄想の私を散歩させません?」
P「……いいね!」
千早「春香……いいの?」
春香「うん、すごく楽しそうだもん」
P「よし、じゃあ公園の後はどこにいこう?」
千早「お菓子作りの研究のために、ケーキ屋さんとか?」
春香「それだよ、千早ちゃん!」
P「何を頼む?」
春香「そうですね……、何がいいでしょう?」
千早「たまたま、四条さんと出くわしていて…。全部というのはどうかしら?」
P「おいおい、いくらになるんだよ」
春香「き、きっと半額セールしているんですよ」
P「なるほど」
千早「一口食べて、フォークをテーブルに置くんですね」
P「で、こういうんだ「パティシエを呼べ!」と」
春香「えぇっ!?」
千早「で、やってきたパティシエに一言言うんですよ」
千早「「コレを作ったのはお前か!」と」
春香「ちょちょ、ちょっと!私海原雄山みたいになってるよ!」
P「で、ケーキに関する講釈をだらだらと垂れて、貴音をおいて店を後にするんだ」
千早「あ、四条さんはおいていくんですね」
P「ケーキ選ぶ手間省くための登場だしな」
千早「何しにいくのかしら?」
P「ケーキもってきてくれるんだよ」
春香「で、2人で一緒にプロデューサーさんのお家でケーキ食べるんですよね」
P「うん、いいね。そこに千早がくるわけだ」
千早「私ですか」
春香「でも、ケーキは2つしかありませんよ?」
P「実は、俺の家の冷蔵庫にデカイプリンがあるんだよ」
春香「千早ちゃんはそれを食べるんですね」
春香「それで、冬馬君が熱湯風呂やらされてるんですね」
千早「後の2人に本気で「押すな、押すなよ」って言ってるんでしょうね」
P「でも、結局落とされるんだよ」
春香「で、会場がワッっと盛り上がるんですよね」
千早「急いで水風呂にまで逃げ込んで……」
P「そんな冬馬をカメラがアップにしたタイミングで」
3人「Get you!」
P「で、春香が「あれ、冬馬君いまテレビに……」っていって」
P「アイツが「それ録画だししかも再放送だろうが!」って突っ込むわけだ」
千早「あざとくアホ毛を揺らしつつですね」
P「むしろ、あのアホ毛でウチのドア切り裂いて登場したりしてな」
春香「あはははは、いくら妄想でもいきすぎじゃないですか?」
P「冬馬だからいいんじゃない?」
千早「でも、ある程度のリアリティあったほうがいいんじゃ……」
P「そもそも、アイツは俺の家に何しにきたんだ?」
春香「きっと、スパイですよスパイ!」
P「スパイ、すっぱい、失敗」
千早「ぶふぉっ!!」
千早「お菓子がないんですね」
P「うん」
春香「本当は欲しいんだけど、カッコつけて言わないんですよね!」
P「可愛いな、アイツ」
千早「母性本能くすぐるタイプですね」
春香「なんていうか、庇護対象ですよね」
P「で、4人でテレビみるわけだよ」
春香「じゃあ、じゃあ、千早ちゃん」
春香「冬馬くんが、最初の事件起こったときに」
春香「「絶対犯人コイツだろ」っていうんだけど」
千早「第二の事件で殺されてしまうのね」
P「で、すごくうろたえると」
千早「涙目になりそうですね」
春香「なんとか取り繕おうとするんですよね」
P「やっぱ可愛いな、アイツ」
千早「主役が犯人を諭すシーンで」
P「冬馬がちょっと涙堪えるわけだよ」
春香「冬馬君って妄想に出すとものすごく扱いやすいですね」
千早「そうね……」
P「さあ、夕方になってるわけだが、次はどうする?」
春香「時間を数時間飛ばして、夕食を食べにいきません?」
P「四人で?」
千早「まあ、一応彼もつれていってかげないと可哀想ですし」
春香「どこにいきましょうか」
P「ファミレスでいいんじゃ?」
P「なに頼む?」
千早「無難にハンバーグとかじゃないですか?」
P「スープ付きか」
千早「スープ付きですね」
春香「冬馬君が「熱っ!」ってなるんですね、プロデューサーさん」
P「で、ここで俺も「熱っ」ってなる」
春香「プロデューサーさん可愛い!」
千早「で、色々話して食べ終わった後は……」
P「とりあえず、解散?」
春香「私が夜の街を1人で散歩するんですね」
P「うん。あくまで夜になった街をだけどな」
P「そしたら冬馬がクリームソーダ飲んでるんだな」
千早「で、春香がわざわざ彼から見える位置にすわって」
P「「すいませーん、私〝も〟クリームソーダください!」」
春香「そしてクリームソーダを吹き出して、テーブルを拭きだす冬馬君の図ですね」
千早「ぶふぉっ」
P「で、春香は悠然と喫茶店を後にするんだ」
千早「あれ、ソーダ飲まないんですか?」
P「「そちらの彼が、ソーダを吹いてしまったようなので。これをあげてください」」
P「っていうんだ」
千早「春香、かっこいいわ!」
P「そして、次の日だ」
小鳥「私も参加していいですか?」
P「もちろん」
千早「あの、できれば18歳未満でも安心できる内容に……」
P「善処する」
小鳥「ええ、善処するわよ」
春香「ふ、不安だね」
千早「ええ」
P「あ、いいですね。では……、まず千早が目覚めて」
小鳥「隣に、真ちゃんがいる、と」
P「ですね」
千早「えぇっ!?」
P「安心しろ、あの後真から電話がって、いろいろ会って泊まりに来ただけだ」
千早「そ、それなら安心ですね」
春香「それでそれで、「昨日の千早は激しかったね」ってか言うんですね」
千早「ちょっと、春香!」
春香「大丈夫、腹筋してただけだから」
千早「そ、それなら……」
小鳥「「真だって、あんなに激しく何回も私のお腹を突いて……」と」
千早「音無さん、それもうアウトです、というか真には生えてませんよ!」
小鳥「大丈夫よ、千早ちゃんの腹筋を試すために正拳突きを繰り返しただけだから」
千早「な、なるほど……」
P「で、一緒に朝ごはんを食べるわけだが」
小鳥「千早ちゃんに「朝ごはん、何がいいかしら」と聞かれて応えるんですよ」
P・小鳥「「ボク、千早のお味噌汁が飲みたいな」!!」
小鳥「きゃーっ!真ちゃん大胆だわっ!!」
春香「もうプロポーズですよ、プロポーズ!」
千早「あ、朝から濃いわね……」
P「味噌汁がね」
小鳥「あまり味が濃いと、身体に悪いですよね」
春香「ふたりで散歩なんですね」
小鳥「もうデートじゃない、デートじゃない!!」
千早「お、大げさですよ」
P「きっと、真は言うんだ。「千早、どこに行きたい?」と。」
春香「そして千早ちゃんが応える「どこでもいいわよ?」と」
小鳥「それに、「真と一緒なら」を勝手に付け足しちゃう真ちゃん」
P「しかし、2人の前に新たなる影が」
千早「だ、誰ですか?」
P「やよいだ」
千早「続けて下さい」
春香「まず、真が声をかけますよね」
小鳥「そして、やよいちゃんも2人に気づいて」
春香「千早ちゃんが、見えないように……」
P「ニヤァっと、笑う」
小鳥「もうニヤニヤとしてくるのが我慢できないんでしょうね」
千早「…………」
P「おい、妄想だけでちょっとにやっとしてるぞ」
千早「……だって、真に高槻さん」
千早「ハーレムじゃないですか」
千早「わが世の春、愛すべき二人の妻!」
P「妄想にとどめておけよー」
春香「美希と雪歩と伊織ですね、わかります」
小鳥「人数的には3対3。ですが、彼女達の狙いは千早ちゃんただ1人!」
春香「戸惑うやよい達、襲い掛かる伊織達」
P「もうだめだ、とおもったその時──!」
千早「だ、誰かくるんですか!?」
P「たまたま冬馬が通りがかる」
春香「颯爽と千早ちゃんを助け、一言」
小鳥「「通りすがりの、木星さ」」
千早「で、彼に3人が気を取られている間に、私達はにげればいいんですね?」
P「ああ。そして冬馬はお弟子さんに連れて行かれる」
P「千早たちの心の中に、一生生き続ける。そう、彼女達はきっと忘れないだろう」
春香「フィギュアを投げ捨てて、女の子の可愛い喧嘩に本気で割り込む男の姿を」
千早「と、冬馬さん……」
P「で、仕切りなおして三人で街を歩くわけだが」
春香「あずささんが出てくるんですね?」
小鳥「また迷ったんですね」
P「ああ!」
千早「多分、行きたい方向と逆方向にいってしまったんでしょうね……」
春香「で、で、「私、また迷っちゃったみたいで~」ですね」
小鳥「でも、そこまで大事な用じゃないから、このまま千早ちゃん達に同行するんですね?」
千早「それで、どこにいきましょう?」
春香「どこにいきたい?」
千早「そうね、多分そろそろお昼でしょうし、昼食でも」
小鳥「じゃあ、どこかのお店にはいりましょうか」
千早「ご飯を食べる高槻さんは、きっと可愛いと思います」
千早「いいえ、何をしていても可愛い」
春香「で、ご飯を食べたあとはどうしましょう?」
小鳥「千早ちゃんの家で、お泊り会でもしましょうか」
P「それです、それ!」
春香「もりあがってきましたね」
この食事ですでにあずささんが旅立ってるという
きっとトイレに行くと言い残して席を立ったんだよ
千早「まあ、入らないことはないんでしょうけど」
春香「お風呂に入ったあと。ワイワイ、ガヤガヤとご飯を食べるんだけど」
小鳥「みんなは、千早ちゃんのパジャマを借りることになって……」
千早「あずさん……ごめんなさい……」
P「ってなるだろうな、サイズ的に」
春香「一方、その頃私は……」
P「家で転んで誰もみてないのに「てへっ」ってやってました」
P「はい、そして次の日です」
春香「次の主役はもちろん……?」
千早「彼ね……」
4人「GET YOU!」
小鳥「厄介なのに捕まるんですよね」
春香「亜美と真美ですね」
千早「「お、あまとうだ」からの「あまとうじゃねぇ!」は外せませんね」
P「そして、亜美と真美に付きまとわれる冬馬の図」
P「どうにかしたいけど、どうしようもできない」
P「しかたがないので、765プロにきて律子に押し付けることにした」
春香「いるかどうかもわからないのに……」
小鳥「道中、あまとう、あまとう言われつづけるんでしょうね」
千早「なんていうか、ほほえましいですね」
P「「俺の周りに立つんじゃねぇ!」って涙声でいったりね」
P「ホント可愛いな、あいつ」
俺ってあまとう萌えSS見てたんだっけ
小鳥「チャンス、といわんばかりに響ちゃんに亜美ちゃん真美ちゃんを押し付けようとするんですね」
P「でも、だめなんでしょうね」
春香「ナチュラルに「冬馬、随分懐かれるなー」とかいいそうですね」
千早「まあ、彼は亜美たちにとっては、からかいやすいでしょうしね」
P「でも、なんだかんだで、冬馬についてきてくれるんだよ、響は」
小鳥「亜美ちゃんたちとお話して、彼の負担を軽減してくれるんですね」
春香「そうなったら、自分は逃げてもいいのにそれに気づかないんですね」
P「ホント可愛いな、あいつ」
冬馬「秋月、いるか?」
P「って言うんだよ」
P「え」
冬馬「お、よかった。あんたがいたか」
冬馬「ちょっと散歩してたらあんたのトコロのアイドルに捕まっちまってよ」
亜美「お、兄ちゃんたちおそろいで!」
真美「みんなで何してたの?」
P「悪いね、引き取っていくよ」
千早「亜美、真美。あまり他所のアイドルに迷惑かけちゃだめよ?」
春香「そうだよ、律子さんに怒られちゃうよ?」
響「自分もそういったんだけどなー、かまわず冬馬をからかってたぞ」
亜美「あまとうってー、アホ毛すごいよね」
真美「ねー。亜美隊員、引っ張ってみますか?」
冬馬「やめろ!」
冬馬「まさかってどういう意味だよ」
春香「冬馬君の一日を妄想してたんだよ」
冬馬「天海って結構ヒマなんだな」
春香「わざわざウチに亜美たちを連れてくる冬馬君もたいがいだよ」
P「まあ、大変だったな」
冬馬「まったくだぜ……」
春香「あ、冬馬君もやる?」
冬馬「やるって、何をだよ」
春香「妄想!」
冬馬「……おもしろそうだな」
亜美「亜美たちもやる→」
響「あ、自分もやるぞー!」
春香「誰でいく?」
冬馬「北斗でいこうぜ」
小鳥「なんとなく、裸で寝てそうじゃないですか?」
響「あー、そういうイメージあるよね」
冬馬「姿見の前で、ポーズ決めそうだよな裸で」
真美「ほくほくなら、そのまま「チャオ☆」っていいそうだよね」
千早「30分くらいやってから、下着を穿きそうですね」
春香「ううん、今日は調子がいいからとかいって、一時間ほどやるんじゃないかな?」
P「こう、一挙手一投足がやたらフェロモンむんむん」
千早「北斗さんは、オフでも北斗さんだと思います」
P「冬馬はオフだとあまとうになっちまうのになぁ」
冬馬「どういう意味だよ、それ!」
小鳥「で、ご飯を食べたあとは……」
春香「スタイリッシュ朝シャワーですね」
春香「それで、服をきて、髪の毛をセットして」
小鳥「その他、身だしなみを整えて街に繰り出すんです」
冬馬「何するんだろうな、ナンパか?」
P「むしろ、大量のファンにサインをねだられて」
冬馬「あれか、「並んで、エンジェル達!」か?」
亜美「ほくほくがいうと、様になるけど」
真美「あまとうじゃねぇ…」
冬馬「どういう意味だそれ!」
P「まあ、それはいいと思うよ」
春香「多分、次々と押し寄せてきそうですよね」
響「なんだかんだ、人気あるしなー」
亜美「さっすがほくほく!」
冬馬「そこはさすがジュピターって言ってくれ!」
真美「ぇー?」
冬馬「……」
千早「夜はどうするんでしょうか」
冬馬「………スタイリッシュ入浴?」
小鳥「みんな、充実した一日を送ってますね」
冬馬「まあ、仕事してるほうが充実してっけどな!」
春香「私達アイドルだもんげ!」
冬馬「……つーか、なんでこんな話を始めたんだ?」
千早「最初は、私とプロデューサーで春香の散歩の様子を考えていて」
小鳥「ここまで来ると、すごく飛躍しましたね」
冬馬「……なるほど」
P「よし、じゃあもっとぶっ飛ばせてみようか」
そんな彼女が、ついに世界を滅ぼすために暗躍しはじめる!
だが、それをとめようとする水瀬伊織によって、戦う力を与えられた天ヶ瀬冬馬。
変身ベルトを腰に巻き、男は戦いに身を投じる!」
千早「仮面ライダージュピター……ですか」
春香「わ、私悪役ですか!?」
冬馬「つまり、俺がフィギュアになるんだな!?」
亜美(変身したあまとうが、だけどね)
小鳥「変身した後の決めセリフはGET YOU!ですね」
P「主題歌はウチで歌いましょうか」
冬馬「こう、変身!っていうの変身……!ってのとどっちがいいと思うよ?」
響「そこは、場面によってでいいと思うぞー?」
冬馬「まじか」
小鳥「本家はムリでしょうけど、バラエティの1コーナーにはできそうですね」
千早「765プロと、961プロの完全なるコラボですね」
冬馬「パーフェクトハーモニーだな」
P「冬馬、多分ウチのやつら誰もカブトはわからん」
千早「いまですか?」
P「まあ、変身ポーズだけ」
冬馬「こういう事もあるかと思って、ポーズは考えてるぜ!」
P「流石だな、じゃあ俺はベルトの音声をやってみる」
冬馬「よし。変身……!」
シュバババッ ババッ
ギュゥィイイイイン
P『チェィンジ…………アリスフォーム』
冬馬「……GET YOU!」
♪コッエノー……
P「完璧」
冬馬「非の打ち所がねぇよな!!」
小鳥(男の子ですね……)
春香「ああ、そういう「or」ですか」
冬馬「これ、いけるんじゃねぇか?」
P「うん、そういうのが好きなスタッフに持ち込んだら絶対いけるわ」
冬馬「だよな、だよなぁ!」
P「いや、下手したら仮面ライダーGみたいに公認でやれるかもしれない」
冬馬「ライバルは福くんだぜ」
P「このさい、福くんとコラボもしたいな」
春香(ねえ、千早ちゃん……)
千早(ええ、なんていうか)
響(凄く眼が輝いてるさー)
亜美(亜美たち、怪人役にされたりして)
真美(えー……)
冬馬「天海ィ………」
春香「さあ、変身して?最後にしようよ!」
冬馬「そうだな……」
冬馬「変身……!」
ギルティフォーム……
冬馬「……GET YOU!」
春香「それじゃ、いくよ!」
P「みたいな!」
冬馬「うぉおおお、最終回の前の週だな!」
春香「よかった、ちゃんとラスボスだ私」
千早「そこなのね」
冬馬「おれも、黒井のおっさんにいってくるぜ!」
春香「2人とも、やる気まんまん……」
小鳥「男の子は皆そうなのよ」
亜美「あまとうはともかく……」
真美「兄ちゃんは……」
響「でも、自分もちょっと面白そうかなーって思うぞ」
千早「確かに、彼はライダー役似合いそうだものね……」
響「プロデューサーのあんな楽しそうな顔久々に見た……」
春香「ねえ、千早ちゃん」
千早「何かしら?」
春香「か、幹部役やらない?」
千早「話が通るの前提なのね」
亜美「はるるん、その辺決めるの多分製作側だよ?」
真美「でも、兄ちゃんとあまとうは結構口出しそうだよね」
小鳥「何にしても、妄想っていいわねぇ……」
小鳥「さぁ、私もあの2人で妄想してきますか!」
春香「……ど、どっちがどうなんですか?」
小鳥「決まっているじゃない、プロデューサーさんが攻め!」
亜美「あまとうは総受けだと思う」
響「自分もそうだとおもうぞー」
P「どうしたんだよ、冬馬?こんなにしちまって」
冬馬「うる……せェ……!」
P「そういや、お前最近そわそわしてるよな」
冬馬「だって、あんたが、……ツレねぇから」
P「ん、聞こえない」
冬馬「アンタが……!黒井のおっさんや、北斗ばっかりにかまうから!」
P「それで、俺に犯される妄想してズリセンこいてたのか…」
P「そりゃぁ、脱がされるだけでこんなになっちまうわけだな」
冬馬「あ、あんたは……、本当にタチの悪い男だな」
P「そこがいいんだろ?その、減らず口。塞いでやろうか……」
冬馬「そのための減らず口だよ…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
小鳥「よし!」
春香「なんだかんだいって、従順そうですよね!」
響「でも、たまには逆転してみるのもいいぞ!」
亜美「おお!ひびきんったらマニアックですなぁ?」
小鳥「……やってみますか!!!」
P「くっ……、冬、馬!」
P「お、俺には心に決めたアイドルが……!」
冬馬「なんだよ、その眼……、いままで散々アイドルを食ってきた男の眼にはみえないな」
冬馬「それで女に飽きかけて、それを試したいって言ってきたのはあんただろ?」
P「くっ……あっ」
冬馬「ほら、もう乳首もこっちも、ビンビンじゃないか」
冬馬「なんで、俺を選んだよ、なぁ…?」
P「お、お前が……、すげえウマいって、有名だから」
冬馬「じゃあ、俺の技をみせてやらないとなぁ……?」
冬馬「安心しろよ、痛くはしねぇから……、肩の力ぬいて」
冬馬「俺に全てを委ねな……」
P「ふぁああ……とう、……まぁ……」
冬馬「くっ、流石に狭ぇな……、いい締りしてやがんぜ!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
小鳥「……いいですね」
春香「はい」
千早「最初に誰か特定の相手を匂わせているのがいいですね」
響「NTRさー!」
亜美「流石ピヨちゃん……」
真美「真美、妄想がとまらないよ」
春香「冬馬くん、こういうのもいいけれど」
千早「やっぱり、彼は受けよね」
小鳥「そうね……、受けで光る男よ、彼は」
千早「高木社長と黒井社長とか」
小鳥「王道ね!」
春香「黒井社長は確実に受けだと思います!」
春香「ああいうひとが、いざっていうときには受けに回るのはベタだけどいいと思うんです!」
響「プロデューサーが、スポンサーの人相手に枕営業するのもいいと思うぞ」
亜美「亜美たちのために、知らないおじさんに抱かれるわけですな」
真美「いいね、真美そういうの好きだよ!」
高木「……君も感じたかね」
P「ええ、なんだか……」
────────────────
冬馬「でさ、あっち側もすげえやる気でよ……!?」
高木「……感じたか」
冬馬「ああ、なんていうか……」
P・冬馬「殺気すら生ぬるい何かを感じた」
END
ありがとう、見てくれて。とても楽しめてかけた。
ライダーはいつか書きたいな、って思った。
ライダー楽しみにしてる
ライダーSS、どうぞ
Entry ⇒ 2012.10.03 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
P「暇だからネット掲示板で釣りしよう」
今月の使用料金ヤバイ ゴールドプラン入っとけば良かった
P「まあ今更こんなのに引っかかるやつは……」
千早「し、使用料金!?」
あずさ「そんなものがあるのね~」
真「聞いてないよ……」
雪歩「あぅぅ……」
亜美「これはちょっと洒落になんないかも……」
真美「無料だって書いてたじゃん……」
美希「こんなの嘘っぱちなの!!聞いたこと無いもん!」
響「だ、大丈夫。自分そんなに使ってないし……」
貴音「なんということでしょう」
春香「こんなの誰にも相談出来ないよ……こんなサイト使ってるなんて……」
あー、もうそんな時期か すっかり忘れてた
以下、名無しにかわりましてローソン店長がお送りします
つーか計画的にやってるから余裕
りっちゃんは今月は20万ぐらいだった
春香「に、20万!?」
以下、名無しにかわりましてデコちゃんがお送りします
ああ、その程度の金額なのね
安心したわ
千早「全然安心できないわよ!!」
以下、名無しにかわりましてドタプーンがお送りします
あのー、この掲示板は無料だと聞いていたのですが
P「おっ、何かのっかってくれてる」
以下、名無しにかわりましてPがお送りします
閲覧
1スレッド 25円
ニュース・文化・ゲーム 3分1円
書きこみ
1レス 10円
スレ立て 500円
■書きこみ放題(3ヵ月)
プラチナプラン 4800円 閲覧無料 スレ立て200円、通常3スレ/月、実況5スレ/週の
無料サービス
ゴールドプラン 3500円 閲覧無料 スレ立て半額
厨房プラン(夏限定) 2000円 閲覧無料 スレ立て無料(一回限り)
支払日:毎月末or毎年末(支払われなかった場合、然るべき措置をとる次第です。)
住所の登録:必要なし。IPアドレスから各プロバイダ(全てのプロバイダとは、契約済み)を通し、
使用した瞬間から住所が登録されます(proxyなどは、無効になっています。)
響「うぎゃああああああああああ!!嘘だあああああああああああ!!」
亜美「ちょ、まずいじゃんよ!!」
雪歩「こ、今月真ちゃんの事で一杯書き込んだり閲覧したりしたから……」
貴音「らぁめんと書き込むだけで料金がかかるのですね……」
真「トレーニングの参考にしようと思って色々見ちゃったよ……」
以下、名無しにかわりましてデコちゃんがお送りします
ふーん、妥当な値段って所かしら
もう少し上げても問題ないと思うけど
美希「何言っちゃってくれてるの、この人」
プラン入るのいっつも忘れるから困る
以下、名無しにかわりましてわた、春香さんがお送りします
プランって後からでも入れますか?
以下、名無しにかわりましてPがお送りします
とりあえず未納料金全て払ってからじゃないと無理かと
以下、名無しにかわりましてDあるもんがお送りします
どうしてそう言う事を管理側は目立つ所に書かないんですか!!!!!!????
明らかにわたsた地にお金を払わせたいだけじゃないすあくぁwせdrftgyふじこlp
小鳥「ちょっとからかってあげようかしら」
以下、名無しにかわりましてピヨがお送りします
2年前の高校生時代に家に人が来てマジで焦った
以下、名無しにかわりましてローソン店長がお送りします
いつ来るか分からない恐怖感 あれは地獄
以下、名無しにかわりましててぃんがお送りします
私も若いころはよくやってしまったよ
雪歩「家に来ちゃうんですか……」
響「ちょ、ちょっと、自分何も悪い事してないぞ……」
どこにふりこんだら良いの?
以下、名無しにかわりましてPがお送りします
そんぐらい調べろ
以下、名無しにかわりましてピヨがお送りします
これだからゆとりは
以下、名無しにかわりましてデコちゃんがお送りします
調べても分からないから聞いてるのに
以下、名無しにかわりましてAFUUUUUUUUがお送りします
新参の人のために教えてあげたら?可哀想だし
つか、ヤバイヤバイ言ってる人達使用料金晒してよ
以下、名無しにかわりましてPがお送りします
約10万ですた
以下、名無しにかわりましてピヨがお送りします
34000
以下、名無しにかわりましてウィセレブがお送りします
182000だけど
以下、名無しにかわりましてローソン店長がお送りします
結局20万の私が大勝利ということで
美希「せっかくさりげなく振り込み方法を聞きだそうと思ったのに流れが変わっちゃったの……」
真美「皆お金かかりすぎだよ……どうすんの……」
デコ→伊織
ローソン店長→律子
ドタプーン→あずさ
春香さん→春香
Dあるもん→千早
てぃん→社長
AFUUUUUUUU→美希
ウィセレブ→黒井社長
使用料金とやらはどのようにして知る事が出来るのですか?
以下、名無しにかわりましてPがお送りします
それ釣りか?
以下、名無しにかわりましてピヨがお送りします
書き込み欄に「!PIYOKAWAI」で出てくるけど
ちなみに私はもうやったから出ないピヨ
以下、名無しにかわりましてあまとうがお送りします
マジなんだろうな!?
以下、名無しにかわりましてエリーがお送りします
テスト 【87600円】
亜美「うぅ……怖い……」
千早「でも……やらなきゃ……」
!PIYOKAWAI
以下、名無しにかわりましてデコちゃんがお送りします
!PIYOKAWAI
以下、名無しにかわりましてドタプーンがお送りします
!PIYOKAWAI
以下、名無しにかわりましてDあるもんがお送りします
!PIYOKAWAI
以下、名無しにかわりましてまっこりんがお送りします
!PIYOKAWAI
以下、名無しにかわりましてドリラーがお送りします
!PIYOKAWAI
以下、名無しにかわりましてあみんちゅがお送りします
!PIYOKAWAI
以下、名無しにかわりましてまみんちゅがお送りします
!PIYOKAWAI
以下、名無しにかわりましてAFUUUUUUUUがお送りします
!PIYOKAWAI
以下、名無しにかわりまして完璧な我那覇響がお送りします
!PIYOKAWAI
以下、名無しにかわりましてらぁめんまんがお送りします
!PIYOKAWAI
ちょっと出ないじゃないですか!!
以下、名無しにかわりましてPがお送りします
えっ
以下、名無しにかわりましてローソン店長がお送りします
何この一体感
以下、名無しにかわりましてチャオ☆がお送りします
すごい一体感を感じる。今までにない何か熱いチャオを
以下、名無しにかわりましてウィセレブがお送りします
マジレスすると表示されないやつは相当使ってる
直接管理者に聞いた方が良いと思うよ
以下、名無しにかわりましてピヨがお送りします
教えるなよ屑
せっかく気付かず破産してく連中が大量にいたのに
たかが掲示板で破産するはずないじゃない
馬鹿みたい
以下、名無しにかわりまして完璧な我那覇響がお送りします
そうだぞ
以下、名無しにかわりましてあまとうがお送りします
神様頼む 10000円以内でお願いします
!PIYOKAWAI
以下、名無しにかわりましてまみんちゅがお送りします
だよねー これじゃ詐欺じゃん
以下、名無しにかわりまして豆タンクがお送りします
ママに怒られませんように!!!!!
!PIYOKAWAI
以下、名無しにかわりましてエリーがお送りします
ちなみに使用料金を踏み倒すとk……おや、誰か来たようだ
【79000円】
これ強制徴収とかちょっと酷いですよ!!
知ってたらスレとか立てなかったのに
以下、名無しにかわりましてローソン店長がお送りします
お小遣い貰ってる厨房は大人しくしてなさいってことだ
以下、名無しにかわりましてあみんちゅがお送りします
どうしたらいいの?
以下、名無しにかわりましてPがお送りします
俺だってお金払いたくねえよ
よくよく考えたら住所なんか分かるはずありません 書き込んだだけで
以下、名無しにかわりまして完璧な我那覇響がお送りします
そうだよね
以下、名無しにかわりましてエリーがお送りします
書き込み→IP割→回線割→住所→特定しますた
以下、名無しにかわりましてDあるもんがお送りします
そんんあの犯罪sじゃあれすか!!勝手に住所特定とかダメですよ!!
以下、名無しにかわりまして!_?がお送りします
【100800円】
まあ10万ちょっと越えるぐらいかな?
以下、名無しにかわりましてピヨがお送りします
えっと掲示板に書き込むってのはそれ相応の行為なんだけど
むしろ公に住所を晒さないだけマシだと思う
中の人
まあ誰もが一度は通る道だ 気にしないで良い
親に土下座するというのがいつか大きな財産になる
以下、名無しにかわりましてわた、春香さんがお送りします
そんな
どうにかならないんですか?知らなかったんです
以下、名無しにかわりましてPがお送りします
知らないで済んだら警察いらない
以下、名無しにかわりましてドタプーンがお送りします
あの、料金が表示されない時ってどのくらいの金額ですか?
以下、名無しにかわりましてピヨがお送りします
まあ軽く7ケタですね
以下、名無しにかわりましてあまとうがお送りします
母ちゃんに泣いて謝ってくる 死にたい
以下、名無しにかわりまして豆タンクがお送りします
100万円ってお小遣い何カ月分だろう あははははははは
そりゃこれだけ釣り甲斐があればな
ハニーごめんなさい キラキラどころか捕まっちゃうかも
以下、名無しにかわりましてDあるもんがお送りします
ああああああああばなばあなあばんあばばっばば!!!!!!!!!!!!!1111
以下、名無しにかわりましてらぁめんまんがお送りします
これだけのお金があればらぁめんが何杯食べられるのでしょうか
P「こいつら何だ……マジで釣られてるのか?」
小鳥「見てて少し可哀想になってきた……」
律子「まさか今頃こんなのに引っかかるなんて……」
しょうがないなぁ 料金帳消しにする方法教えてあげようか?
千早「えっ!?何なのそれ!?」
あずさ「帳消し……?」
真「ええええええええええ!!まだ助かるの!?」
雪歩「何が何でも教えてもらわないと……」
亜美「よーしよしよし」
真美「教えてくれたらご褒美に何でもしてあげる」
美希「お願い、あなたが頼りなの……!」
響「信じてる……」
貴音「なんと素晴らしい方なのでしょうか……」
伊織「流石に百万単位を失うのは……こいつに期待するしかないわね」
春香「この人に全てが……」
お願いします!
以下、名無しにかわりましてデコちゃんがお送りします
ありがとうね
以下、名無しにかわりましてドタプーンがお送りします
本当に本当にありがとうございます
以下、名無しにかわりましてDあるもんがお送りします
世の中が皆あなたみたいな人ばかりだったら良いのに
以下、名無しにかわりましてまっこりんがお送りします
良い性格だってよく言われるでしょ!
以下、名無しにかわりましてドリラーがお送りします
あの、何も出来ませんけどお願いします……
以下、名無しにかわりましてあみんちゅがお送りします
いかすぜ兄ちゃん!
以下、名無しにかわりましてまみんちゅがお送りします
姉ちゃんかもしれないけどサンキュー!
以下、名無しにかわりましてAFUUUUUUUUがお送りします
ハニーの次に大好きだよ
以下、名無しにかわりまして完璧な我那覇響がお送りします
感謝してもしきれない
以下、名無しにかわりましてらぁめんまんがお送りします
どうか私たちに慈悲を
以下、名無しにかわりましてあまとうがお送りします
お前最高だぜ
以下、名無しにかわりまして豆タンクがお送りします
ママに殺されちゃいます!!!お願いします!!!
それだけお願いされたら仕方ないなぁ
名前欄にね「fusianasan」って入力したら全部チャラだよ!
P「やよいは俺に泣きついてこないよな?借金がとか意味が分からない文字が出て怖くなったとか言わないよな?」
やよい「何の事ですか?」
P「やよいはネット掲示板なんか使ってないよな?」
やよい「ネット繋がってませんし……」
P「それで良いんだ……!やよいはかしこいなぁ」ナデナデ
やよい「?」
終わり
面白かった
Entry ⇒ 2012.10.02 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
翔太「えっ!ドーナツが半額!?」北斗「あぁ」
冬馬「100円セールじゃなくて半額かよ。すげぇな」
翔太「何が半額なの!?ハニーディップあるの!?」
北斗「落ち着け翔太。ほら、これがチラシだ」
翔太「貸してっ!」
冬馬「チラシまで持ってくんなよ……」
北斗「事務所の掲示板に貼ってあったから拝借してきたんだ」
冬馬「芸能事務所になんでドーナツのチラシが貼ってるんだよ」
北斗「社長の趣味じゃないか?」
冬馬「……まぁそんなとこだろうな」
P「俺が引き抜き!?」黒井「ウィ」
P「冬馬が765プロに?」黒井「ウィ」
P「冬馬はどんな女が好みなんだ?」冬馬「そうだな……」
P「今日真美と亜美の誕生日なんだよ」冬馬「へぇ」
P「ピジョンの次なんだっけ?」北斗「コダックですよ」
冬馬「寿司食いに行かね?」P「いいな」
P「そういえば律子も二十歳になるんだよな」黒井「ほう」
黒井「生レバーが……終わってしまった」P「そうですね」
冬馬「海老グラタンパイねーの?」
北斗「ドーナツだけみたいだな」
冬馬「Dーポップもないとかミスドわかってねぇなー」
翔太「ねぇ冬馬君!北斗君!ドーナツ買いに行こうよ!」
冬馬「今日収録入ってるだろ。これいつまでやってんの?」
北斗「明日までだったか?」
翔太「じゃあ明日行こうよっ!お願い!」
冬馬「つーか翔太一人で行けばいいじゃねーか。俺エンゼルフレンチとポンデリングな」
北斗「オールドファッションとゴールデンチョコレート」
翔太「そんなつまんないこと言わないで皆で行こうよっ!」
冬馬「単に食欲だろ……まぁそこまで言うなら行ってやってもいいけどよ」
翔太「やった!」
北斗「今日の夕飯からカロリー抑えておかないとな」
冬馬「ドーナツなんて久しぶりだぜ」
翔太「そういえばクロちゃんも誘うの?」
北斗「俺達だけで行ったら拗ねそうだしな……声だけかけておくか」
ガチャ
黒井「その必要はないぞ」
冬馬「うおぁ!?」
翔太「あっクロちゃん丁度いいとこに。明日なんだけど」
黒井「ウィ。話は全て聞かせてもらった。当日は私も行こう」
翔太「さっすがクロちゃん!セレブ!」
黒井「もっと褒めていいぞ。私はセレブだからなはーっはっはっは!」
北斗「ずっと聞き耳立ててたんですか……」
冬馬「ガキみたいなおっさんだな……」
黒井「では明日の夜はドーナツパーティだ」
翔太「ドーナツパーティ?」
北斗「ようするにドーナツ食べて喋るだけだな」
翔太「いつもの僕たちじゃん」
黒井「まぁそう言うな。最近は忙しく全員揃う時間がとれなかったからな」
黒井「社員を労うのも王者たる私の役目だ」
冬馬「ただドーナツ食いたいじゃね」
翔太「そこは黙ってようよ」
北斗「どうせですし、765のプロデューサーさんも誘っておきますか?」
黒井「既にメール済みだ。抜かりは無い」
冬馬「速すぎだろ」
翔太「有能なクロちゃんは顔からセレブが滲みでてるねっ!」
黒井「鈍感不手際765プロとは何もかもが違うのだよ」
件名 :ドーナツシャイニーフェスタ招待
「明日」に行われるドーナツフェスティバルに、「ジュピター」と「私黒井」が参加する予定だ
要注目のフェスティバルだから、合格すれば、「10万人」はファンが増えるだろうし
君にはいいことが、あるかもしれないな。ただし、出場を辞退し続ければ
いつか必ずしっぺ返しが来るだろう。そう、最後には必ずね
ま、ムダだと思うが、恥を晒したければ明日の昼、961プロに来てみたまえ!はっははは!
P「10万人ってなんだ……」
響 「メールか?プロデューサー」
P「え、あぁ。業者からの迷惑メールだったよ」
響 「最近多いよなー。おかげで自分アドレス変えてばっかりだぞ」
P「長いアドレスにしたら届きにくいらしいぞ」
響 「へぇー」
亜美「皆で今から行こうYO!」
あずさ「いいわね~」
P「えらく騒がしいな」
響 「どうしたんだー?」
真 「あ、響!これ見なよ!」
響 「広告?……ドーナツ、半額……半額かぁ」
P「これのことか……」
真美「ねぇりっちゃんいいっしょ?皆でドーナツ買いに行こうよ~」
律子「ダメよ!今週撮影があるのにドーナツなんて食べちゃダメ!」
亜美「えぇー!」
美希「酷いの!人権侵害なの!訴えてやるってカンジ!」
律子「馬鹿なこと言ってないでレッスンの準備しなさい!」
ギャーギャーギャー
物陰から覗くトップアイドル(予定)天海春香は、朝自宅でチラシを見た瞬間から、この機を伺っていた。
春香(春香ちゃんと言えばクッキーと言われがちな私ですが、ドーナツだって作れるんですよ!)
春香『あちゃ~まぁお店のドーナツってカロリー高いし食べ過ぎちゃうからね!』
真美『はるるん……』
春香『でも、手作りドーナツなら大丈夫なんだよ?そう、ハルカードーナツならね』
千早『素敵!抱いて!』
P『すごいな春香!さすが裏芸能界一緒に墓に入りたいランキングぶっちぎり1位なだけあるな!』
春香「うへへ……よっし」
春香「ハルカ・アマミ!インベル、出ます!」
響 「じゃあ今度自分がサーターアンダギー作ってきてあげるよ!」
春香「!?」
亜美「あんたがたどこさ?」
響 「サーターアンダギーっていうのは……」
貴音「サーターアンダーギーは、沖縄県の揚げ菓子の一種ですよ」
貴音「首里方言でサーターは砂糖、アンダーギーはアンダとアギーで揚げ物を意味します」
貴音「その名の通り砂糖を多めに使用した球状の揚げドーナツで、気泡が小さくて密度が……」
真美「あ、はい」
美希「揚げパンみたいなお菓子なの」
P「揚げパンか。美希は物知りだな」
美希「ふふん、なの」
あずさ「そういえばこの前デパートで売ってたわね~」
亜美「この際ドーナツっぽいなら何でもいいから食べたいYO!」
響 「うん!あんまーに教えてもらったから一通りのことはできるんだ」
真 「すごいね響!」
響 「え、そ、そう?……へへっ自分完璧だからな!」
貴音「摂氏140から150度で数分間揚げるのです。低めの油温から揚げ始めそこから油温が……聞いていますか真美」
真美「はい」
やよい「おはようございまーす!」
伊織「おはよう。何盛り上がってるのよ」
雪歩「響ちゃんがお菓子作ってきてくれるんだって」
やよい「はわっ!楽しみですー!」
伊織「お菓子ぃ?あんた達今週のスケジュール忘れたの?」
小鳥「じゃあ伊織ちゃんの分は私が貰うわね!」
伊織「ちょっと!食べないなんて言ってないでしょ!」
春香「ソウダネ」
律子「だから今週は撮影が……聞いちゃいないわ」
P「一人ひとつくらいなら大丈夫だろ。調整すればいけるさ」
律子「まぁそうですけどね……」
小鳥「ドーナツも捨てがたいんですけどねぇ。今朝すっごい行列できてましたよ」
P「並んでまで食べたいものなんですかね」
小鳥「普段より安い、というのがキモなんですよ」
律子「120円だと60円ですからね」
P「確かにでかいな……ん?お、おい!時間やばくないか!?」
律子「え……?げ!!」
律子「皆!もうレッスンまで時間ないわよ!」
響 「あ、律子!自分達今から伊織の家でお菓子作りしてくるから!」
律子「 早 く 準 備 し な さ い ! ! !」
響 「ひぃ!」
高木「おはよう諸君!巷で噂のドーナツを買ってきたよ!」
律子「もうドーナツの話はやめてください!」キッ
高木「な、なんだね……」
P「これから皆を送ってきますんで!失礼します!」
美希「ミキ黒糖味が食べたいな」
響 「ちゃんと用意しておくさー」
貴音「生地に南瓜、紅いも等を練り入れたばりえいしょんも存在するらしいですよ」
真美「はい」
雪歩「春香ちゃんも早く!」
春香「ウン」
小鳥「ちょっとタイミングが悪かったみたいですね」
高木「たくさん買ってきたんだがなぁ」
小鳥「じゃあ私達で食べちゃいましょうか!お茶淹れてきますね!」
高木「そうするか……」
真美「ガッテン!必要以上にカロリーを消費するんだNE!」
亜美「それドーナツ!ドーナツ!」
美希「ドーナツ!ドーナツ!」
やよい「ドーナツ!ドーナツ!」
講師「凄い気迫だわ……近いうちにライブでもあるのかしら」
伊織(お菓子のためなんてとても言えないわね……)
響 「ドーナツじゃなくてサーターアンダギーだぞ」
亜美「それ言いにくいからドーナツってあだ名つけたんだよ!」
響 「あだ名なら仕方ないなぁ」
高木「それでは今週もランキングどっとっぷTVが始まるよ!」
千早「今日は内容の濃いメニューで良かったわね」
雪歩「で、でも疲れるね……脚が痛くって……」
真 「普段の倍くらい動いてたしね」
伊織「小鳥なんか丸くない?」
小鳥「き、気のせいじゃないかしら……」
P「あ、そういえばメール返事してないな」
P「了解ですっと」
響 「何してるんだ?」
P「明日オフだろ?仕事の付き合いで人と会う約束してたんだよ」
響 「休みでも大変なんだなープロデューサーは」
P「半分以上遊びに行くようなもんだけどな……あ、そうだ」
響 「?」
黒井「ようやく返事がきたか。要領の悪い男だ」
翔太「ずっと正座で待ってたもんね」
北斗「まるで恋する乙女だな」
冬馬「気持ち悪いこと言うなよ……」
翔太「で、なんて書いてるの?」
黒井「承諾と一人同伴させたいとのことだ」
冬馬「難しいな」
北斗「ドーナツ繋がりですか」
翔太「うーん……やよいちゃん?」
北斗「どうだろうな」
冬馬「つーか俺達と765プロの連中皆で買いに行くのかよ?週刊誌にすっぱ抜かれたらどうすんだ」
黒井「厳重に変装すれば問題ないだろう。策は用意してある」
羅刹「策ってこれかよ……偽名の名札とか意味わかんねーよ」
白井「念には念を入れろと言うだろう」
南斗「そうかもしれませんが、これは……」
TOTO「……」
羅刹「お、来たみたいだぜ」
P「悪い!遅れ……」
響 「はいさ……!?」
羅刹「よう」
南斗「こんにちは。プロデューサーさん。もう一人って響ちゃんだったんですね」
TOTO「こんにちは……」
P「え、なんなのこの人たち……」
響 「うぎゃー!変態がたくさんいるぞっ!」
P「いや、普通に帽子と眼鏡だけでいいじゃないですか。名札とゼッケンとか変態ですよ」
白井「妬くなセンスの無い765プロ。ちゃんと貴様の分も用意してある」
響 「P-Dragonって書いてあるぞ」
P「完全にパクりじゃないですか……」
P「翔太は人ですらないし、訴えられますよ」
白井「訴えられるのは困るな……全く庶民の感覚はわからんものだ」
黒井「仕方あるまい。全員名札とゼッケンは外せ」
冬馬「ったく。とんだ羞恥プレイだったぜ」
北斗「スタッフさん達の生暖かい視線がきつかったな……」
翔太「ありがとうプロデューサーさん……」
P「な、泣くなよ……そんなに辛かったのか……」
P「ん?」
響 「なんでプロデューサーと961プロが一緒にいるんだ?」
冬馬「今の俺達はジュピターの枠を超えた戦士なんだぜ」
翔太「意味わかんないよ冬馬君」
北斗「ライバル同士でもオフではそこまで仲は悪くないってことだよ」
P「そういうわけで今日は響が一緒だ。皆仲良くしてやってくれ」
響 「まぁプロデューサーが一緒ならなんくるないさー?」
P「なんくるないなんくるない」」
冬馬「なんくるねぇな」
北斗「あぁ。なんくるない」
黒井「では行くか。約束の地へ」
冬馬「仕方ねぇだろ。顔バレしたら大騒ぎどころじゃすまねぇし」
響 「黒井社長は変装する必要ないんじゃないの?」
P「まぁ一応有名人になるのか?」
黒井「私ほどのセレブになると顔から王気(オーラ)が滲み出るからな」
冬馬「ただの若作りしたおっさんがよく言うぜ」
黒井「何か言ったか?」
冬馬「セレブなら今日は社長の奢りだよなって言ったんだよ」
黒井「菓子の100や200など宇宙一のスーパープレジデント黒井祟男に任せておけ」
響 「なんで大統領なんだ?」
北斗「社長を英語で言ったらプレジデントなんだよ」
響 「へぇーフランス語で言わないんだな」
黒井「えっ」
冬馬「普段からウィだのアデューだの使ってるなら知ってるよな」
黒井「……」
北斗「社長?」
冬馬「俺フランス語なんてフランスパンしか知らないぜ」
翔太「それは違うと思うよ……」
P「フランスパンはフランス語でバゲットらしい」
冬馬「うどんヌードルみたいなもんか」
北斗「その例えはどうかと思うぞ」
黒井「さぁもうすぐ到着だ!」
響 「あれ?フランスパンは……」
黒井「黙れ汚い765プロ!ドーナツを買うのが目的だったろうが!」
響 「ご、ごめん」
響 「なんだ?」
冬馬「ほら、あいつは今日一緒じゃないのか?」
P「あいつ?ハム蔵さんなら今日はいらっしゃらないぞ」
冬馬「あんな雑魚じゃねえ!我那覇と一緒にいた豚……」
響 「ブタ太のことか?」
冬馬「そう!あの豚だ!」
響 「今日は留守番してるぞ」
冬馬「お前もう帰れよ」
響 「んな!?」
北斗「人の趣味には寛容にいこうな」
翔太「うん」
P「お前アイドルのくせに可愛い女の子より豚を選ぶのか」
冬馬「女なんて見飽きたぜ。今の時代は豚だろ」
P「どの時代に人間より豚を選ぶ男がいるんだ……」
響 「自分ブタ太以下だったのか……」
北斗「ところで社長はさっきから黙ってどうしたんです?」
黒井「……あれを見てみろ」
ガヤガヤ
翔太「あれって目当てのドーナツ屋じゃない」
冬馬「なんか人多くねえ?」
P「いや、多いってもんじゃないだろあれ……」
響 「店外にまで行列できてるぞ!」
黒井「来るのが遅すぎたか!急げお前達!」
黒井「店の外だけでも20人はいたな」
P「そこまでドーナツが食べたいのか……」
響 「店員さんも大変だろうなぁ」
冬馬「今のうちに何買うか決めておこうぜ」
P「俺はなんでもいいよ」
響 「自分ココナッツチョコレートとポンデリングがいいな」
北斗「社長はどうします?」
黒井「全部だ」
冬馬「は?」
黒井「ノンノン。961プロはどこぞの事務所と違って他のお客様の迷惑になるような真似はしない」
P「うちだってしませんよ……」
冬馬「じゃあ何個買うんだよ」
黒井「15種類を5個ずつだ」
響 「15×5って75個も買うのか!?」
P「すごいな響。かけざん早いじゃないか」
響 「えっそうかな……えへへ」
北斗「まぁそれでも5千円以内には収まりますか」
冬馬「半額セールはすげぇなぁ」
黒井「これだけあれば口寂しくなることもないだろう」
P「響は食べ過ぎないように注意しろよ」
響 「食べた分運動するから大丈夫さー」
P「どこまで見に行ってるんだろうな」
翔太「……」トボトボ
北斗「噂をすれば、ですよ」
冬馬「何人くらい並んでたんだ?」
翔太「お店の中まで見てきたんだけど……」
P「かなり混雑してただろ」
翔太「なかったよ……」
響 「え?」
冬馬「なかったってドーナツか?やっぱ半額だから在庫少ないのな」
北斗「どれが余ってたんだ?」
翔太「なにもなかった……」
P「」
翔太「全部売り切れてた……」
黒井「なん……だと……」
翔太「うん……お店の入り口に張り紙がしてあったよ……ぐすっ」
冬馬「な、泣くなよ……たかがドーナツだろ」
P「で、でも追加でどんどん作ってるんじゃないか?これだけの行列なのに告知もないし」
北斗「そうですよ。きっと今頃中は大忙しですよ。もう少しの辛抱だぞ翔太!」
店員「真に申し訳ございません!ドーナツの製造が追いつかないため一時閉店させていただきます!」
店員「19時をめどに再開予定になっております!真に申し訳ございません!」
P「……」
北斗「……」
響 「今何時だっけ……」
黒井「2時だな……」
P「5時間待ちですか……」
冬馬「ねずみの国じゃねぇんだぞ……」
冬馬「そ、そんな落ち込むなって……ココ壱でも行くか?奢ってやるからよ」
翔太「ドーナツがいい……」
P「他だとクリスピードーナツとかか?」
北斗「今ならお客さんも少なそうですね」
翔太「半額……」
黒井「我侭を言うな翔太よ。他に策はないのだから仕方あるまい」
響 「うーん……。あ、そうだ。いい事思いついたぞ!」
P「なんだ?スーパーで特売のドーナツでも買うのか?」
冬馬「それはいくらなんでもねーよ」
響 「半額どころか無料でドーナツ食べられる場所知ってるよ!」
翔太「無料っ!?」
北斗「ひ、響ちゃん……あんまり無茶言うと翔太がまた落ち込んじゃうよ」
響 「無茶なんかじゃないぞ。自分考えたんだ」
響 「自分が作ればお店で買う必要なんかないってね!」
響 「ブタ太達のご飯作ってるのも自分なんだぞ。最近は忙しくて市販のフードになってるけど」
冬馬「すげぇ……」
P「そういえば昨日ドーナツを作るとかなんとか話してたな」
響 「今日多めに作って明日皆に持って行けば丁度いいんさー」
響 「まぁ材料費はかかるけどな。きっとお店で買うより安いぞ」
冬馬「いや普通に店のほうがやすむごご」
黒井「お前は黙ってろ。では悪いが頼めるか?」
響 「わかやびたん!」
P「今のは沖縄方言でわかったって意味なんだぞ」
冬馬「なんであんたが詳しいんだよ」
翔太「ドーナツ食べられるの?」
北斗「それもタダらしいぞ」
翔太「わぁ……!あ、ありがとう響さんっ!」
響 「自分を誘ってくれたプロデューサーのおかげだなっ!」
響 「うん。調理器具全部家にあるし」
冬馬「じゃ、じゃあ豚いるんじゃねぇの!?」
響 「い、いるけど……」
冬馬「ファインプレーだぜ我那覇!さっさと行こうぜ!」
響 「なんか冬馬と会わせたくないさー……」
北斗「ただ動物が好きなだけだよ。……多分」
翔太「これからどうするの?響さん」
響 「昨日に足りない材料確認しといたからな。まずスーパーに行って材料を買おう」
冬馬「先に家にいかね?俺豚と遊んで待ってるからよ」
P「年頃の娘さんの部屋にお前一人置いていくとか正気の沙汰じゃない」
黒井「通報されたければ好きにするがいい」
冬馬「ちっ……わかったよ。俺も行くよ」
P「過程を吹っ飛ばしたな」
黒井「無駄は省くのがセレブなのだ。贅肉のついた765プロにはわかるまい」
P「太ってるスタッフなんていませんよ……」
響 「えーっと。一人何個くらい食べるんだ?」
P「2、3個じゃないか?」
翔太「僕5個くらい食べたいな」
響 「ふんふん。じゃあ家にある分じゃ足りないから卵も買って……」
響 「後はバターとバニラエッセンス……は残ってるんだったな」
P「全くわからん」
北斗「俺達は見守るだけですね」
冬馬「なぁ牛乳はあんの?」
響 「牛乳なんて何に使うんだ?」
冬馬「ドーナツ作るならいるだろ」
響 「?」
響 「うん」
P「何むきになってるんだ?」
北斗「冬馬は料理が趣味ですから思うところでもあるんですかね」
P「危なそうなら止めるぞ」
北斗「わかってますよ」
冬馬「あ、水にすんのか。俺基本は牛乳だったから見逃してたぜ」
響 「使わないぞ」
冬馬「……お前それ本当にドーナツなの?」
響 「あ、正式にはドーナツじゃないぞ。ドーナツはあだ名だからな」
冬馬「はぁ?」
響 「サーターアンダギーを作るんさ!」
響 「丸っこいあれだぞ」
冬馬「あれ牛乳使わねーの?」
響 「うん。あんまーから教わったから間違いないよ」
冬馬「なるほどな……あぁだから生地が重いのか。そうなると温度も低音にしねぇと……」
響 「変なやつだな……必要なの揃ったからレジ行ってくるね」
P「あ、俺が」
黒井「おい!ドデカイラーメンチキンが特売だぞ!6個持ってきた!」
P「何やってんだこの人」
北斗「社長……」
黒井「なんだラーメンおつまみのほうが良かったか?まぁ両方買ってやろう」
黒井「お前達も好きなものを買え!私はセレブだからなはーっはっはっは!」
翔太「僕蒲焼さんと焼肉さんとウメトラマン!」
黒井「私を高木と一緒にするなよ。王者は部下思いでなくてはならん」
P「なんで冬馬はオレンジなんて買ったんだ?」
冬馬「皮刻んで生地に加えたら美味そうだろ」
響 「へぇー色々考えてるんだな」
冬馬「ちょっと作り方違うだろうから後で台所使わせてくれよ」
響 「いいぞー」
P「疎外感を感じる」
北斗「俺達は食べ専ですしね」
黒井「タクシーを呼んである。行くぞ」
翔太「相変わらず羽振りいいねぇクロちゃんは」
黒井「こんな時くらいしか金を使わんからな
冬馬「」ドキドキ
P「もう突っ込むのも疲れてきたな」
響 「ただいまー!みんな留守番させてごめんなー」
いぬ美「ばうばう!」
P「うわっ」
北斗「プ、プロデューサーさん!!!冬馬と翔太は逃げろ!ここは俺が……!」
翔太「ひぃぃぃ!!」ガタガタ
冬馬「な、なんで熊が我那覇の家にいるんだよ……」ブルブル
いぬ美「ぺろちゅぱ」
P「舐めすぎだいぬ美!ちょっと離れてくれ!」
いぬ美「ばう!」
北斗「い、犬……?」
いぬ美「ばうわう!」
響 「ちょっと他の子みてくるなー」
冬馬「へ、へっ……驚かせやがって……い、犬なんてこれっぽっちも怖くねーぜ」プルプル
P「震えてるぞ……あぁ服がべちょべちょだ」
北斗「そ、れにしても大きい犬ですね」
P「俺も最初は驚いたよ」
翔太「こ、これ犬なの?」
P「犬だよ。な?」
いぬ美「ばうばう!」
北斗「俺こんな犬見たの初めてですよ……これは社長も驚いたんじゃ……社長?」
黒井「」
冬馬「気絶してるぜこのおっさん……」
いぬ美「ばう!」ヒョイ
黒井「」
翔太「た、食べたりしないよね?」
P「いぬ美は美食家だから大丈夫さ」
響 「何やってるんだ?早く入ればいいのに」
ブタ太「ブー!」
冬馬「豚!豚じゃねえか!」
北斗「と、とりあえずお邪魔させてもらおうかな」
響 「今さんぴん茶出すから部屋でくつろいでて!」
いぬ美「」ドスドス
P「おい冬馬も入るぞ」
冬馬「おう!行こうぜ豚!」
ブタ太「ブヒ!」
冬馬「んじゃ一口……これジャスミン茶じゃねーか」
響 「違うぞーほら。パッケージ見てみろ」
北斗「さんぴん茶って書いてるな」
P「似てるよなぁやっぱり」
黒井「さんぴん茶の語源は、中国語の香片茶(シャンピェンツァー)からきているからな」
P「うわっ!」
翔太「しぇんぴん?」
黒井「シャンピェンツァーだ翔太よ。ジャスミン茶のことだな」
北斗「つまり双子のようなものですか」
黒井「ウィ。察しが良くて助かるぞ」
冬馬「急に起きんなよ。びっくりしたじゃねーか」
黒井「私にも一杯くれ」
響 「はいはい」
冬馬「俺達調理部隊の出番ってわけだな」ガタタッ
P「俺は何もできないからテレビでも見てるよ」
北斗「あ、トランプでもしませんか?俺持ってきたんですよ」
黒井「賭けてポーカーでもするか。ベビースターでもつまみながら」ポリポリ
翔太「うまうま」モグモグ
冬馬「おい!今から作るのに菓子食ってんじゃねーよ!」
響 「プロデューサーは手伝ってよ!」
P「えぇ……でも俺洗い物くらいしかできないぞ」
響 「いいからっ!」
P「仕方ないな……」
冬馬「さぁて、まな板と包丁借りるぜー」
響 「あ、オレンジは冷蔵庫に入れてるから勝手に使っていいぞー」
冬馬「助かるぜ。よし、豚はちょっとあっちで待っててくれよな」
ブタ太「ブゥ」
冬馬「我那覇が作るやつって生地寝かしたりすんの?」
響 「しないぞー。あ、プロデューサー卵取って」
P「ん」
響 「……いっぱい作るのになんで卵1個なんだよっ!」
P「じゃあ何個なんだよ……」
響 「えーっと、今回は10個くらい使おうかな」
P「10個な。ほれ」
響 「ありがと!あとは薄力粉をふるいにかけてっと」
P「たまにテレビで見るけどなんで粉をシャカシャカするんだ?」
響 「さぁ?あんまーがそうしろって言ってたからなー」
冬馬「そのまま使うと固まった粉がダマになっちまうからな」
P「ダマ?」
冬馬「小麦粉が溶けずに塊ができちまうんだ。それを防ぐために一度解してやるんだよ」
響 「へぇー」
冬馬「ある程度のことはできるぜ。鍋借りるぞ」
響 「あ、うん」
P「あと何かすることあるか?」
響 「うーん。応援?」
P「じゃあ心の中で応援しながらポーカー混ざってくるよ」
響 「ここで応援してよっ!」
P「何やってるかもわからないのに酷なことを……」
響 「プロデューサーも料理すれば?節約できるぞ」ドバァ
P「うわっお前これ砂糖入れすぎじゃないのか?」
響 「これくらい入れないと美味しくないからね」
P「でも流石にこれは……」
響 「まぁまぁ食べたらわかるってば!」
黒井「コール」
翔太「あーあまたブタだよ」
ブタ太「ブ?」
翔太「あ、君じゃないよ」
北斗「先に役言ったらダメじゃないか……ん?」
ゴソゴソ
北斗「社長の近くの揺れてるのって何です?物陰でよく見えないな」
黒井「猫かモモンガだろう。我那覇響が言っていた」
翔太「へぇー!僕ハムスター好きなんだ!出ておいでよ!」
ワニ子「……」ノソノソ
翔太「きぇあああああああああああ!!!」
北斗「う、うわぁぁぁぁあああああ!!」
ヘビ香「シュルシュル」
黒井「ひ、ひぃぃ……」
冬馬「うおっ!」ビクン
P「な、なんだ?」
響 「あぁワニ子あたりが驚かせちゃったのかな。自分ちょっと行ってくるね」
響 「あ、やっぱりワニ子とヘビ香じゃないか!ダメだろお客さん驚かせちゃ!」
冬馬「俺こっちにいてよかった……」
P「噛んだりしないから意外と可愛いんだぞ」
冬馬「可愛くても怖いもんは怖いんだよ……っとこれで生地は出来たな」
P「もうできたのか?」
冬馬「後は1時間くらい冷蔵庫に寝かせて揚げたら完成、だぜ!」
P「こっちは後何するんだろうなぁ」
冬馬「へぇ、本当に水も牛乳も入れてねぇな。この臭いはバニラエッセンス使ったのか」
P「あぁバニラの匂いのするやつな。タバスコみたいな入れ物に入ってたよ」
冬馬「どうせならシロップって言おうぜ……」
P「3人ともなんともなかっただろ?」
響 「黒井社長が気絶しちゃったからまた寝かせておいたさー」
冬馬「どこの乙女だよあのおっさんは」
響 「さぁて後はバターを入れてー混ぜて混ぜてっと!」
響 「こっち先に作っちゃっていいか?」
冬馬「俺のはまだ時間かかるからな」
響 「じゃあ油温めるぞー」
冬馬「温度どれくらいなんだ?」
響 「150度だぞ」
冬馬「やっぱ低いな」
響 「あ、もう大丈夫だからプロデューサーはあっち行ってていいよ」
P「了解。楽しみにしてるよ」
冬馬「俺も時間あるから一緒に行くよ」
響 「できたら呼ぶからなー」
ねこ吉「にゃーん」
北斗「癒されますね……」
黒井「ウィ……」
うさ江「……」
モモ次郎「……」
翔太「ぐーぐー」
いぬ美「スンスン」
シマ男「ヒュヒュヒュヒューン」
冬馬「ふれあい動物園じゃねーか」
ブタ太「ブィ」スリスリ
冬馬「豚ぁ!」
P「テレビでも見てるか……ほら、お前達もおいで」
ワニ子「……」ノシノシ
ヘビ香「シャー」
響 「みんなお待たせー!我那覇家のサーターアンダギーが出来たぞー!」
冬馬「じゃあ撮るぜ。社長の口癖はー?」
北斗「ウィー」
P「ウィー」
翔太「ウィー」
黒井「ウィ」
冬馬「あ、犬!お前こっち向いてねぇから失敗しただろ!」
いぬ美「きゅーん」
響 「何してるんだ?」
P「響王国の住人と記念撮影会だよ」
響 「じ、自分だけ写真に入ってないなんて酷いじゃないか!」
響 「本当だろうな……」
黒井「この男にはしっかり目線を入れるから顔バレの心配はしなくていいぞ」
ヘビ香「シャー」
黒井「王者の私の前ではコブラですら従順になるようだなはーっはっはは!ほら食え!」
冬馬「ヘビにへんなもん食わせんなよ!」
響 「自分が料理してる間に随分仲良くなったんだなぁ。コブラじゃないけど」
翔太「出来たんなら食べようよー」
北斗「写真は後回しにするか」
黒井「ところでこのスカンクはあまり臭わないな」
響 「シマ男はシマリスだぞ!」
翔太「僕この大きいのもらいっ!」
北斗「いい匂いだな」
冬馬「これ揚げる前はピンポン玉くらいなんだぜ」
黒井「では頂くとしよう」
響 「50個くらいあるから一4個は食べても大丈夫だからね」
P「50!?そんなに作って大丈夫なのか?」
響 「残りは765プロの皆にあげればいいんさー」
北斗「お、結構甘いね」
黒井「柔らかいな……それでいてしっとりしている」
P「ドーナツとはちょっと違うけど、これはこれで美味いな」
響 「そりゃあんまーに教わったからな!」
冬馬「畜生!うめぇ!畜生!」モグモグ
黒井「こいつは何を怒っているんだ」
北斗「料理好きとして悔しいんでしょう」
P「あぁすごいよ響は。これでオーディションも合格できたら完璧だな」
響 「うぎゃー!今日は仕事の話は無しにしてほしいぞ!」
冬馬「あぁ畜生うめぇ……くそっ」
翔太「結構お腹にくるねこれ」パクパク
北斗「俺は3個で十分だな」
黒井「私は2個でいい。おやつカンパニーの策に乗せられてしまってな」
P「自分から地雷原に突撃しただけでしょうに……」
翔太「僕もう1個食べてもいい?」
響 「いいぞー。家族以外に食べてもらうなんて初めてで嬉しいさ」
冬馬「あぁーよし!そろそろだな」
翔太「どうしたの?」
冬馬「今度は俺が作ったのを食べてみてくれ!どっちが美味いか勝負だぜ!」
北斗「俺もう腹いっぱいだから響ちゃんに1票」
冬馬「は!?」
翔太「僕1個くらいなら食べられるかな」
黒井「いらんぞ」
冬馬「プロデューサー!」
P「テイクアウトで」
冬馬「おい!!」
響 「じ、自分食べ過ぎたら律子達に怒られるから……ごめんな」
冬馬「ち、ちくしょう……」
ブタ太「ブヒ」
冬馬「豚……」
ブタ太「ブヒヒ」
冬馬「豚……!俺をわかってくれるのはお前だけだ!」
冬馬「待ってろよ!今すぐ最高のサーターアンダギーを作ってやるからな!」
ブタ太「ブゥ!」
翔太「ブタ太と会話してるんだけど……」
北斗「ショックで頭のネジが緩んだのかもな」
響 「いい話だなぁ」
P「えっ響今のわかったのか?」
響 「えっわからなかったのか?」
P「あ、あぁ……」
ブタ太「ブヒブヒ!」
冬馬「さぁ食ってくれ!火傷すんなよ!いっぱいあるから慌てんな!」
響 「あ、ブタ太にこんな砂糖いっぱいのお菓子食べさせたらダメだぞ!」
冬馬「な!?」
ブタ太「!?」
響 「これは皆で分けて持って帰ってもらおうな」ヒョイ
ブタ太「ブ、ブヒャアア!!」ダッ
響 「あっ!ブタ太!?ブタ太ー!」ダッ
P「出て行ってしまった……」
冬馬「確かに豚にこんなもん食わせたら腹壊しちまうよな……」
冬馬「負けたよ我那覇……お前がNo1だ!」
P「そしてお前は何一人で完結してるんだ」
P「よしっ!いけ!」
冬馬「おい!俺ばっか狙うなよ!」
北斗「悪いな。これも作戦のうちだ」
響 「な、何やってるんだ?」
翔太「クロちゃんが持ってきたスマブラしてるんだよ!よしっ!冬馬君最下位ー!」
冬馬「あぁくそ!」
黒井「すやすや」
響 「じ、自分抜きでゲームするなんて酷いじゃないか!」
P「だって響の携帯ここに置いてあるから連絡のとりようがなかったんだよ」
響 「自分だって遊びたいのに……」
P「悪い悪い、じゃあ皆で人生ゲームでもやるか」
翔太「銀行係は最下位の冬馬君ね!」
冬馬「違うゲームになったらリセットに決まってんだろ!」
響 「やったぞー!自分ついに1位になれたんだ!」
北斗「おめでとう響ちゃん」
冬馬「まさか1位になるまで連戦するとは思わなかったぜ……」
P「同じ人生ゲーム何回もやるのは結構くるな……」
翔太「っていうかもう遅いしそろそろ帰らないと不味くない?」
P「もうそんな時間か」
冬馬「久々に長時間遊んだな」
北斗「夕飯どうします?」
P「ドーナツもどきが結構腹に溜まってるからなぁ」
黒井「今日は無しでもいいだろう。解散後各自の判断で食べればいい」
黒井「カロリーを考えて軽めにしておけよ」
冬馬「了解だぜ」
北斗「じゃあ帰るよ響ちゃん」
響 「あ、自分皆の散歩あるから途中まで一緒に行くよ」
冬馬「年寄りくせぇ声出すなよ」
P「お前達と違ってもう学生じゃないからな」
黒井「鍛え方が足りんぞ」
P「ジョギングでも始めようかな……」
響 「じゃ、じゃあいぬ美達の散歩手伝ってよ!いい運動になるでしょ?」
P「そうだなぁ」
北斗「……」チョイチョイ
冬馬「んあ?……あぁ」
北斗「いいんじゃないですか?ジョギングよりまずはウォーキングのほうが効果あるんですよ」
冬馬「運動不足にジョギングは長続きしねぇしな」
P「確かにいきなり走るのは厳しいかもな」
響 「じゃ、じゃあ!」
P「時間空いた時にでも付き合わせてくれるか?」
響 「もちろんだぞ!これでプロデューサーと、じゃなかったプロデューサーも健康になれるな!」
響 「まずはいぬ美とブタ太とねこ吉と……今日は人手が足りてるから全員いけるな!」
黒井「コブラよ。私の背に乗るがいい」
ヘビ香「シュルシュル」
P「いぬ美ー乗せてくれー」
冬馬「あんた最初からやる気なさすぎだろ。運動するんじゃなかったのかよ」
P「座りすぎて疲れた……」
翔太「おじさんぽいよプロデューサーさん」
響 「乗せなくていいからな。プロデューサー引っ張ってやってくれ」
いぬ美「ばう!」ダッ
P「うわっ!おいやめろ!服が伸びる破ける千切れる!うぉおおお!!」
北斗「どうします?駅まで歩いて電車で帰りますか?」
黒井「ある程度歩いたらタクシーを拾えばいい」
翔太「ちゃんと考えてるんだねー」
黒井「ウィ。セレブだからな」
P「はっはっはっ……ちょ、ちょちょちょっと止まってくれ!本当に死ぬ!」
いぬ美「ばう!」
P「はーっ……はーっ……つ、疲れた……」
P「か、かなり……は、離れただろうし……少し休憩……ふぅ」
タッタッタッタッ
北斗「お待たせしましたプロデューサーさん」
P「ぇ……北斗?お前走ってきたのか……」
冬馬「こんなもん走ったうちに入らねーだろ」
翔太「食後の運動は気持ちいいねー」
P「冬馬に翔太もか……ということは響も……」
響 「オウ助ー!今まで忘れててごめんなー!自分が悪かったから帰ってきてくれー!」タッタッタッ
P「行ってしまった……」
黒井「はっ……はっ……き、鍛えがはっ!……き、鍛え方が、違う、からな……っ」
P「俺より死にそうじゃないですか」
P「そうしてください……」
冬馬「だらしねぇな」
北斗「普段鍛えてる俺達と一緒にしちゃ可哀想かもな」
翔太「響さんはさすがの体力だねー」
冬馬「どっか行っちまったけどな……」
冬馬「あ、そうだ。今のうちに渡しておくぜ」
P「はぁ……ふぅ……ん?何だこれ」
冬馬「俺が作ったやつだよ。オレンジの皮入ってるんだぜ」
P「そういえば食べてなかったな」
冬馬「今度感想くれよな」
黒井「の、乗るぞ……お前達……ふぅ」
翔太「タクシー来るの超早くない?」
黒井「5万上乗せすると言ったらこの結果だ。世の中金だな」
北斗「愛以外はお金で買える時代ですね」
冬馬「すげぇデジャビュを感じる」
翔太「あ、それ言おうとしたのに」
P「まぁ食べたらメールなりで連絡するよ」
黒井「明日の朝にでも食べてみるか」
響 「な、何やってるんだ?」
P「冬馬が作ったサーターアンダギー貰ってたんだよ」
響 「自分がいない間に渡すなんて酷いじゃないか!」
冬馬「お前そればっかだな……ほら、これ我那覇の分」
響 「おぉ!ありがと!」
翔太「僕前乗るねっ!」
P「なんで3台あるんです?」
黒井「私達の車、貴様の車、我那覇響ファミリーの車だ」
響 「自分歩いて帰れるぞ」
黒井「さっきまで走っていただろう。少しは休まないと明日に響くぞ」
P「まるでプロデューサーみたいだ」
冬馬「あんたが言うな!」
響 「じゃあお言葉に甘えて……皆乗ってくれー!」
ワニ子「……」ノソノソ
いぬ美「フンフン」ドスドス
オウ助「……」バサバサ
運ちゃん「ひゃあああ」
北斗「その分楽しかったですよ。響ちゃんもお菓子美味しかったよ」
冬馬「豚……また会いに行くからな」
ブタ太「ブヒィ……」
翔太「最初我侭言っちゃってごめんねみんな」
P「ま、気にするなよ。結果的にドーナツより美味いの食べられたんだしな」
響 「今度は本当にドーナツ皆で食べたいな!」
黒井「時が来ればそんな事もあるだろう。では今日はここまでだ」
北斗「チャオ☆」
冬馬「豚も元気でな!」
翔太「お疲れ様ー」
響 「じゃあなー!」
P「響はまた明日だな」
響 「うん!また明日。プロデューサー!」
P「うーん……胃が重い……昨日と朝続けてサーターアンダギーはヘヴィだな……」
P「おはようございまーす」
美希「えぇー!すごいの!絶対食べたいの!」
小鳥「でしょ!?こんな機会もうないわよ!」
真美「りっちゃん!」
律子「アンタ達ねぇ……」
P「なんだまだドーナツの話してるのか?」
真 「あ、プロデューサー!これ見てくださいよ!」
P「チラシ?なになに……10000店出店記念ピザLサイズ全品半額」
バン!
冬馬「プロデューサーいるか!」
冬馬「ちょっとずつ間違えてんじゃねぇ!俺は天ヶ瀬冬馬だ!」
雪歩「あ、おはようございますぅ」
伊織「あんた何でこんなとこに来てんのよ!」
冬馬「そんなことはどうでもいい!それより今日の広告見たか!?」
北斗「チャオ☆765プロのエンジェル達!」
翔太「僕達とピザパーティしようよ!」
黒井「高木!会員登録できんのだ!なんとかしろ!」
高木「急に来ていきなり何を言い出すんだお前は……」
貴音「なんと黒井社長まで」
真美「一体何が始まるんです?」
亜美「第三次アイドルマスターだ!」
律子「プロデューサー殿?説明していただけますか?」
P「俺達の戦いはこれからだ……!」
おわり
悔しかったので書きなぐった。支援、保守ありがとうございました。お疲れ様でした。
お疲れ様でした
Entry ⇒ 2012.10.02 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
黒井「えー、お騒がせいたしております」キーン
P「ライバルプロダクションに、アポ無しで拡声器を持って乗り込んでくるとは……穏やかではありませんね」
美希「ある晴れた昼下がりの、絶好の昼寝日和になんの用なの?」
雪歩「ま、真ちゃん……」ブルブル
真「雪歩、ボクの後ろに隠れて」
伊織「ふうん。単身で乗り込んでくるとは、いい度胸じゃない」
貴音「英語で言えば『ぐっどどきょう』ですね」
亜美「! お姫ちんが、え→ごを!」
あずさ「最近、勉強を始めたらしいのよ~」
春香「だから、いったい何の用なんですか!?」
千早「春香、気をつけて!」
真美「かえれかえれ!!」
やよい「あ。今、お茶を出しますねー」
美希「やよい、そんなの出すことないの」
黒井「毎度お馴染み、不要品回収業者でございます」キーン
響「え?」
P「は?」
黒井「ご不要になられました、日用品、雑貨、古新聞、古雑誌にダンーボール……アイドルなどございましたら……」キーン
アイドル一同「!」
P「!」
黒井「高級化粧紙、トイレットペーパーと交換させていただきます」キーン
伊織「ば、ばっかじゃないの! ここには不要になったアイドルなんて……」
春香「そ、そうだよ。私たちは、みんな家族みたいな……」
P「……ほう」
雪歩「え?」
真美「に、兄ちゃん?」
やよい「ぅっぅー……プロデューサー、まさか……」
P「黒井社長、ひとつ伺いたい」
黒井「なんなりと」キーン
P「そのトイレットペーパーだが……」
黒井「無論、シングルロールなどではない。ダブル! ダブルロールだよ、君ぃ!」キーン
P「ほほう……」
亜美「兄ちゃん? 兄ちゃん……」
響「まさか、まさか……」
あずさ「嘘、ですよね~?」
黒井「そしてティッシュは、セレブな私にふさわしく鼻セレブだ!」キーン
P「ほほう!」
美希「やよい、舐めたことあるの?」
貴音「面妖な!」
黒井「いかがかな?」キーン
春香「ぷ、プロデューサーさん? こんな話、まともに相手をしたりしませんよね?」
伊織「私たちを、交換に出したりしないわよね? ね!?」
貴音「あなた様?」
P「なかなか魅力的な提案、だと思います」
亜美「兄ちゃん!?」
雪歩「いやあああぁぁぁーーーっっっ!!!」
真「嘘ですよね? 嘘って言ってくださいよ!」
黒井「ありがとうございます!!!」キーン
P「とはいえ、765プロにはそんな……不要なアイドルなんて……」
響「そ、そうだぞ!」
真「みんな、がんばってるもんね!」
亜美「あ、亜美、もうお菓子とかがまんして、買って買ってとかいわないから……」
真美「まっ、真美ももう兄ちゃんに宿題やらせたりしないから!」
美希「ミキ、これからはもうサボらずにレッスンするの!」
千早「グラビアでもバラエティでも、好き嫌いせずになんでも出演します!」
貴音「らぁめんを1日3食までにいたします!」
春香「こ、個性を身につけます!!」
あずさ「痩せます!!!」
P「……あっ!」
アイドル一同「「えっ!?」」
P「穴……」
雪歩「!」ビクッ
P「最近、給湯室の床に穴が……」
真「ぷ、プロデューサー!」
春香「あ、穴は塞ぎます! 雪歩にもよく言ってきかせますから!」
P「……シャベル」
響「え?」
美希「な、なんなのハニー?」
P「シャベルが無ければ……シャベルさえ無ければ、もう穴について心配しなくてもいいんだよな……雪歩はいいんだけど、シャベルがなあ……」
真美「しゃ、シャベル! 亜美、シャベル持ってきて!!」
亜美「はい、兄ちゃん! シャベルだよ!!」
雪歩「わ、私のシャベル! ゾーリンゲン製の最高級円匙……」
貴音「雪歩、ここは耐えるのです。たとえシャベルを失っても、わたくし達は雪歩を失いたくはありません」
春香「そうだよ、雪歩!」
雪歩「貴音さん、春香ちゃん……うう、わかりました」
P「黒井社長、これを交換して欲しいんですが」
伊織「さあ、これでもう気が済んだでしょ。帰りなさいよ!」
黒井「ありがとうございましたー!」キーン
あずさ「昨日は大変だったわね~」
亜美「大変なんてモンじゃないよ!」
伊織「まったく! 思い出すだけでも腹立たしいわね!」
律子「? どうしたの?」
亜美「そっか、りっちゃんはいなかったんだっけ。あのね→……」
黒井「えー、お騒がせいたしております」キーン
亜美「うわ! でた→!!」
伊織「性懲りもなく、また出たわね」
あずさ「……」(お腹空いたわね~)
律子「黒井社長? どうも、おはようございます」
律子「流石に、そうもいかないでしょ。それで? わざわざ楽屋に何のご用ですか?」
黒井「毎度お馴染み、不要品回収業者でございます」キーン
律子「え?」
黒井「ご不要になられました、日用品、雑貨、古新聞、古雑誌にLBX……ユニットメンバーなどございましたら……」キーン
律子「!?」
黒井「高級化粧紙、トイレットペーパーと交換させていただきます」キーン
伊織「耳を貸しちゃダメよ、律子」
亜美「りっちゃ→ん」
あずさ「竜宮小町に、不要なメンバーなんて~」
律子「……へえ」
あずさ「ええ!?」
亜美「り、りっちゃん?」
黒井「今なら、ティッシュペーパーもお付けいたします」キーン
律子「へえ!」
あずさ「じょ、冗談……ですよね?」
黒井「携帯にも便利な、ポケットティツシュもサービスいたします」キーン
律子「へええ!!」
亜美「もうやだよ、亜美。毎日こんなの→」ウルウル
律子「なかなか魅力的なお話ですけど……生憎、竜宮小町に要らないメンバーなんて……」
伊織「そ、そうよ!」
亜美「亜美、いい子になったんだもん」
あずさ「私、一日で100グラムもダイエットに成功したのよ~」
律子「……あ」
伊織「え?」ビクッ
律子「そういえば……」
亜美「り、りっちゃん?」
律子「うーん……」
亜美「もう勝手にりっちゃんの化粧道具、使ってみたりしないから!」
あずさ「もっと痩せます!」
律子「……ゲーム」
伊織「え?」
律子「待ち時間にゲームばっかりして、挨拶回りとか行かないメンバーが……」
あずさ「伊織ちゃん、ゲーム機よ!」
伊織「はい、律子!」
亜美「あ、亜美のゲーム機……」
律子「亜美はいいのよね。亜美は。このゲーム機さえなければ、亜美はいいんだけど……」
伊織「亜美、ここは我慢よ」
あずさ「いいわよね?」
亜美「……うう。サヨナラ、亜美のミッシングム→ン……」ポロッ
律子「いいのね? じゃあ黒井社長、このゲーム機を交換お願いします」
伊織「さあ、これでもう気が済んだでしょ。帰りなさいよ!」
黒井「ありがとうございましたー!」キーン
伊織「……て、いう事があったのよ!」
亜美「も→最悪だよ、黒井社長!」
雪歩「私のシャベルも……」
千早「困ったものね。もう、来ないといいんだけど……」
黒井「毎度、お騒がせいたしております!」キーン
春香「で、でたー!」
真「そんなに毎日来たって、交換に出すものなんてないぞ!」
黒井「毎度お馴染み、不要品回収業者でございます」キーン
真美「だから→!」
響「765プロに、要らないアイドルなんていないぞー!」
小鳥「ピヨッ!?」
黒井「高級化粧紙、トイレットペーパーと交換させていただきます」キーン
千早「……駄目よ」
真「そ、そうだ。そうだ!」
春香「こ、小鳥さんも、大事な765プロの仲間。家族なんだから!」
小鳥「みんな……」(ちょっと間があったみたいだけど、気のせいよね)
黒井「今なら……」キーン
伊織「はいはい。これ、交換ね」
小鳥「ピヨッ!! 私の秘蔵の薄い本!!!」
あずさ「小鳥さん、これも小鳥さんを交換に出さないためですよ~」
真美「そ→そ→。真美たちもホントはこんなこと、したくないんだよ」
雪歩「私たち、小鳥さんを守るために心を鬼にして……」
亜美「ね→」
伊織「いいのね? じゃあ、これ」
黒井「では、トイレットペーパー1巻と交換で」キーン
小鳥「ピヨピヨッ!! や、安すぎませんか!?」
黒井「ありがとうございましたー!」キーン
小鳥「うう……」
春香「良かったですね。小鳥さんが連れて行かれなくて」
やよい「うっうー!」
小鳥「……うん」(……なんか、体よく本を処分された気も……)
P「へえ。そうなんですか」
春香「とか言っていると、また来るかもしれないですよ」
美希「さすがにそんなに毎日は来ないと、ミキ思うな」
黒井「毎度、お騒がせいたしております!」キーン
春香「って、本当に来た!?」
亜美「しつこいよ→」
黒井「毎度お馴染み、不要品回収業者でございます」キーン
伊織「アンタね、いいかげんにしないと……」
響「……ちょっと待つんだぞ。今までの流れでいくと……」
真「え?」
響「アイドル、ユニットメンバー、事務員……次に黒井社長が、交換として狙っているのは……」
雪歩「ええと……」
千早「たぶん……」
あずさ「きっとプロデューサーさんね~……えっ!?」
真美「兄ちゃん! いっちゃだめだYO!!」
やよい「プロデューサー。私、プロデューサーがいなくなっちゃったら……さびしいかなーって」ポロポロ
美希「ハニーは絶対に渡さないの!!!」
貴音「黒井殿、あの方だけは渡せません」
黒井「ご不要になられました、日用品、雑貨、古新聞、古雑誌にサンポール……」キーン
真「みんな! プロデューサーを、守るんだ」
黒井「プロダンション社長など、ございましたら……」キーン
あずさ「みんなでプロデューサーさんを死守……え?」
春香「社長、さん?」
黒井「高級化粧紙、トイレットペーパーと交換させていただきます」キーン
真美「……」
亜美「……」
やよい「……」
美希「……」
響「……」
千早「……」
真「……」
雪歩「……」
貴音「……」
あずさ「……」
律子「……」
小鳥「……」
春香「あ、じゃ、じゃあ……」
伊織「これ、お願いね」
春香「黒井社長、あれから来なくなりましたね」
千早「そうね」
律子「もともと高木元社長が、目的だったのかもね」
小鳥「今は高木社……さんも、961プロで黒井社長さんと仲良くやってるみたいですよ」
伊織「まったく、ツンデレとか傍迷惑よね。素直になればいいのに」
真美「!」
やよい「えへへー。そうだね、伊織ちゃん」
あずさ「でもああいうアタックの仕方もあるのね~」
貴音「参考になります」
亜美「どうゆ→こと?」
響「まだ亜美には早いさー」
真「押しても駄目なら、もっと押せ! だね」
雪歩「違うと思うよ? 真ちゃん」
あいつそれなりに有能なんだろ?
一同「「はーい! P新社長!!!」」
黒井「毎度、お騒がせいたしております!
毎度お馴染み、不要品回収業者でございます。
ご不要になられました、日用品、雑貨、古新聞、古雑誌にザーボンさん……国会議員などございましたら、高級化粧紙、トイレットペーパーと交換させていただきます」キーン』
終わり
ありがとうございました。
最後までテンション変わらなかったな乙
Entry ⇒ 2012.10.02 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
P「無差別にほっぺをつんつんする」
やよい「ぷ、ぷろひゅー……?」
P(かわいい)ツンツン
P「かぺ?」
響「じ、じびゅん!」
響「っ~~!!」
P(かわいい)ツンツン
美希「……むー」
美希「ふぁにー!」
P(おもしろい)ツンツン
真美「うい!」
P「ふぁい?」
真美「ふふふ」
P(やり返された…)
貴音「あう」
P(鼻血出た…)
千早「……あにょ」
千早「っ……!!」
千早「………あの、これに何の意味が」
P(かわええ)
雪歩「ひぅ……」
雪歩「んにゅい!」
雪歩「あぅぅ」
P(何言ってるかわからん…)
P(でもかわいい)
真「まっこまっこりゅん!」
P(りゅん?)
真「りゅんりゅん……新しいかも」
真「まっこりゅんりゅーん!」
P(何故だか危険な気がする)
あずさ「もう……めっ、ですよ」
P「すいましぇん」
P「んん?」
あずさ「ふふっ、引っかかりましたね~」
P(かわいい)
亜美「こっちだYO!」
P「むむ、手ごわい」
亜美「んっふっふ~、あみゃい……」
亜美「ふかく…」
P(かわいい)
春香「あむっ!」
P「」
春香「ふふふ」
P(咥えやがったぁぁぁぁ!!)
伊織「っ~~~!!」
伊織「ふぇん……っ!!」
伊織「ふんっ!」
P(かわいい)
P「……」
小鳥「あ…あー、あー」
P「……」
小鳥「無視は酷いでふ」
小鳥「……っ!」
P(かわいい)
律子「ぴゅ…」
律子「………ふん!」
P「いたっ!」
律子「悪戯もその辺でやめてください!」
律子「まったきゅ…」
律子「……」
P(かわいい)
皆可愛い
Entry ⇒ 2012.10.01 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
モバP「幸子に虐げられるのももう限界だ!」
幸子「あ、プロデューサーさん。喉が渇いたのでジュース買って来てくれますか?」
幸子「イヤとはいわせませんよ? このカワイイボクの頼みを断ろうなんて無礼ですね!」
幸子「プロデューサーさんはこっちとこっち、どっちの服がボクに似合うと思いますか?」
幸子「ふーん、そうですか……え、ボク? ボクには両方似合うに決まってるじゃないですか。だめだなぁプロデューサーさんは」
幸子「買いものにいきましょうか、プロデューサーさんの奢りで!」
幸子「プロデューサーさんは本当に使えませんねぇ……」
幸子「ほら、なにボサっとしてるんですか! ただ見てるだけなんてお飾りなんですか?」
幸子「プロデューサーさんは本当にどうしようもない人ですね」
P「……」プッツーン
P「もう限界だ」
P「……幸子か」
幸子「さっき、ジュースを頼んだでしょう? いつになったら持ってきてくれるんですか。使えない人ですね!」
P「……」
幸子「……プロデューサーさん? 聞いてますか?」
P「うるさい」
幸子「むっ……なんですかその口のききかたは。なってませんね」
P「……」
幸子「しょうがないですね、プロデューサーさんは。待っていてあげますからさっさと買って来てくださいよ」
幸子「えぇ、お仕事をかなり張り切りましたから、すっかり疲れてしまったんですよ。このままじゃカワイイボクの声が嗄れちゃいます」
P「……」ヒュッ
幸子「うわっ!? と、ととっ……なんなんですか! もう買ってあるならさっさと渡せばいいでしょう。投げてよこすなんて何を考えてるんですか」
P「……」
幸子「プロデューサーさん?」
P「ちゃんと渡しただろう。文句はないはずだ」
幸子「……ふん、もういいです」
P「……」
P「……そんなつもりはないが」
幸子「さては、カワイイボクのお付きとしてやっていく自信が無くなったとか……」
P「……!」バンッ!
幸子「ひっ……!?」
P「……別に意味はないがな。へそなんて曲げてない」
幸子「そ、そうですか。ふーん……」
P「……」
幸子「……な、なんで何も言わないんですか?」
P「何がだ?」
P「……やめた」
幸子「な、なんでですか?」
P「別に。いつも通りだったからだ」
幸子「確かに、ボクはいつもカワイイしお仕事も完璧にこなしますけど……毎回の再認識が大切なんですよ?」
P「ふーん」
幸子「ふーん、ってなんですか! まったく、それでもボクのプロデューサーなんですか?」
P「そうだ。俺はプロデューサーだ」
幸子「だったら、仕事の出来を認めるぐらいできないんですか? ダメですね」
P「だから、必要以上にかかわるのはやめた」
幸子「えっ?」
幸子「ア、アイドルの頼みを聞くのは当然の義務でしょう?」
P「そうかもな。だがもう我慢の限界なんだよ」
幸子「我慢……?」
P「……もういいだろ」
幸子「ま、待ってくださいよ! いきなりすぎて何が何だか」
P「うるさい!」バンッ
幸子「ひぅっ……」
P「……さっさと次の現場に行くぞ」
幸子「……プロデューサーさん、今回の仕事はどうでしたか?」
P「まぁまぁじゃないのか」
幸子「素直に、褒めてくれても構わないんですよ?」
P「いや、これぐらい普通にこなしてもらわなくちゃ困るからな」
幸子「それってつまり、ボクに期待してるってことですか?」
P「別に。どちらかといえばダメなほうだしな」
幸子「なっ……!?」
P「……」
幸子「このカワイイボクが、ダメなほうですって!? とんでもない暴言ですね!
幸子「ふ、ふーんだ! 何をへそを曲げてるのか知りませんけど、ボクがダメなんてありえませんね!」
P「そうか」
幸子「そうですとも!」
P「……」
幸子「な、なんですか。言いたいことがあるなら言ってくださいよ」
P「別に、何も」
幸子「……」
P「そうか」
幸子「……な、なにがあったかは知りませんけど。へそを曲げてまともにプロデュースができなくなったりなんてオチはやめてくださいね」
P「……」
幸子「プロデューサーさん?」
P「あぁ、わかってる」
幸子「わかってるならもっときっちりした返事をですね……」
P「……」バンッ!
幸子「ひっ……い、いいですよ。別にもう!」
P「……」
P(うぅん、幸子にはいつもぞんざいな扱いを受けてたからなぁ……もっとインパクトのあることを……)
P(インパクトか……うーん)
P「……台バンした時の幸子の脅え方は可愛かったな」
P「その路線でいくか、うん」
P「……」
ちひろ(なんだかよくわからないけど、プロデューサーさんがすごく邪悪な笑みを浮かべてる……)
ちひろ(面白そうなことが起きる予感がビンビンしますよ!)
P「番組コンセプト的にこっちだな」
幸子「そうですか。ふーん……じゃあこっちにしておきます」
P「そうか」
幸子「……」
P「……」
幸子「ボクにはどっちも似合いますけど、プロデューサーさんがオススメするのでこっちにしてあげます」
P「そうか」
幸子「……」
P(明らかに不満そうだが、無視だな)
P「まぁまぁだな」
幸子「ふふん、ボクの仕事に目が肥えてしまったんですね? 仕方ない人ですねプロデューサーさんは」
P「あぁ、そういえば卯月は最近いい感じだな」
卯月「えっ……あ、ありがとうございます!」
P「うん。鼻が高いよ。頑張ったな」
卯月「はいっ! 頑張りました!」
P「今度ご褒美にケーキでも食いに行くか?」
卯月「い、いいんですか? やったぁ! ……で、でも幸子ちゃんは」
P「幸子はいいや」
幸子「……」
P(うらめしそうな視線。うむ、ゾクゾクくる)
P「……」
幸子「ふふん、あまりの可愛さに声も出ませんか! しかたありませんね、存分に見とれてください!」
P「いや、微妙だな」
幸子「なっ……どこが微妙だっていうんですか!」
P「色合い。着こなし。ちょっと指示と違うな」
幸子「そんなこと言われても……」
P「まぁ、言っておくから脱いで戻しておけ」
幸子「……わかりました」
P「オフ?」
幸子「えぇ、どうせプロデューサーさんは1人さびしく過ごすんでしょう? それならボクが一緒に」
P「悪いけど先約があるから」
幸子「なっ……い、いったい誰とですか?」
P「卯月とかな子」
幸子「……な、なんならボクがついていってあげても」
P「ごめん、ケーキショップの優待券3枚しかないから」
幸子「……ふ、ふんだ! じゃあいいですよーだ!」
P「そうか」
幸子「……ほ、本当についていってあげませんからね?」
P「そうか」
幸子「……」
P「は?」
幸子「ふふん、ボクはカワイイだけじゃなくて料理もできるんですよ。しかも優しいですから」
P「そうか」
幸子「この、ボクお手製のお弁当をわけてあげてもいいですよ!」
P「別にいらない」
幸子「まぁ、分けてほしいのならそれ相応の……え?」
P「だから、別にいらない」
幸子「な、なんで……」
P「俺、料理ぐらいならできるしなぁ。いいや」
幸子「……ふ、ふーんだ! このカワイイボクの手料理を食べるチャンスを自ら逃すなんて素直になれない人は可哀そうですね!」
P「そうか」
幸子「い、今なら分けてあげても……」
P「いらない」
幸子「……」
P「喉?」
幸子「ふふん、ボクはカワイイだけじゃなくて体調管理も万全なのでドリンクを持ち歩いてるんです」
P「そうか」
幸子「今日は暑いですからね。熱中症とか怖いでしょう? あなたがお願いするならわけるのも吝かでは……」
P「いや、俺も自分の分ぐらい確保してるから」
幸子「えっ……」
P「……それだけか?」
幸子「ふ、ふん! ボクのプロデューサーをしてるだけあって体調管理程度はできて当たり前ですよね! なら別にいいです!」
P「そうか」
幸子「……」
P(最近あまり関わらないようにしているが、幸子からの干渉が激しくなったな。うむ、可愛いぞ)
P「……」
幸子「あー、流石にカワイイボクといえど、今日の収録はなかなかにハードでしたねー」チラッ
P「……」
幸子「あぁ大変だ、普段は持ち歩いてるボトルの中身がもうない……」
幸子「喉が乾いて大変だなぁ、どうしましょうか……」チラッチラッ
P(ふむ、前なら直接喉が渇いたから買ってこいとねだって来たのに遠まわしになったな)
幸子「このカワイイボクが、水分不足で倒れちゃうかもしれませんねー、どうしましょうか」
P(……だが……)
P「……」スクッ
幸子「あれ、プロデューサーさんどうしたんですか? ひょっとしてプロデューサーさんも喉が渇いてるとか……」
P「……」バンッ!
幸子「ひっ……!?」
P「……」
幸子「な、なんなんですか! なにか言いたいことでもあるんですか?」
P「……」
幸子「ちょっと、プロデューサーさん……?」
P「……」
幸子「な、なにか言ってくださいよ……」
P(可愛い)
幸子「プ、プロデューサーさん」
P「……」
幸子「……」
P「……」
幸子「なんなんですか……なんで、ボクのことをないがしろにするんですか!」
P「なんのことだ」
幸子「なんのこと、じゃありませんよ!」
P「……」
幸子「うっ……」
幸子「こんなに、ひどい扱いにすることないじゃないですか……」
P「……」
幸子「もっと、前みたいに……かまってくれてもいいんですよ……?」
P「……」
幸子「……」
P「幸子……」
幸子「プロデューサーさん……ボクだって」
P「くぁいい」
幸子「は?」
P「カワイイ」
P「反省する幸子可愛い」
幸子「ま、まぁボクがカワイイのは知ってますけど、なんですか急に」
P「虐げていた事実を反省する幸子可愛い」
幸子「べ、別に虐げていたつもりは」
P「ジュース買ってこいとかパシリ代わりは辛かったけど可愛い」
幸子「う……」
P「普段素直に褒められることが少ないからひるんじゃう幸子可愛い」
幸子「も、もうっ! やめてください!」
P「そうか」
幸子「そうです! いくらボクがカワイイからって……」
P「だが、虐げられる幸子の可愛さは新鮮だったな」
幸子「なっ……」
P「一生懸命構って欲しくていろいろ遠まわしにアピールする幸子可愛い」
幸子「ち、違います! ちょっといろいろ気になっただけです!」
P「ふーん、そうか」
幸子「そうですとも! うぬぼれないでください!」
P「……幸子の作ったご飯って美味いのかなー」
幸子「うぐっ」
P「そうか」
幸子「そうですとも!」
P「そうかそうか」
幸子「なんですか、気持ち悪い笑みを浮かべないでください! 不愉快です!」
P「幸子は俺のことを嫌ってるのか―」
幸子「そ、そういう意味じゃなくてですね……」
P「……あぁ、そういえば。この前いったケーキ店の優待券がここに2枚あるんだが」
幸子「へ、へぇ……?」
P「いやぁ、美味かったなぁ。今度は誰といこうかな……」
幸子「あ、相手がいないんですか? さびしい人ですね」
P「そうだなー」
幸子「1人でケーキショップなんて可哀そうな人にしか見られないでしょうね、どうするんですか?」
P「そこなんだよなー。どうしようかなー」
幸子「まぁ、どうしてもっていうならボクが……」
P「よし、今度はみくでも誘うかー」
幸子「!?」
P「……」
幸子「ま、前川さんはきっと甘いものとか……」
P「大好きって言ってたしなー。うん、それがいいかなー」
幸子「うぐぅ……」
P「?」
幸子「ボクも……連れて行ってくれてもいいんですよ……?」
P「あー、券に余りが無くてなぁ……」
幸子「……」
P「さて、みくに電話を……」
幸子「待ってください!」
P「うん?」
幸子「……ボ、ボクもいきたいから……連れて行ってください……」
P「……うん、もちろん!」
幸子「や、やった……ってあれ? 券がいっぱい?」
P「そりゃあ仕事でもらったものだし、たくさん融通してもらったわけだよ」
幸子「なっ……」
P「言われなくても連れてく気はあった」
P「しかし素直な幸子は可愛いなぁ。ついいじわるしたくなる」
幸子「ふ、ふんだ! プロデューサーさんは本当に性格が歪んでますね!」
P「そうかなぁ」
幸子「ボクはどんな風だってカワイイに決まってるでしょう! なんなんですか、もうっ!」
P「何って、プロデューサーだけど」
幸子「そういうことを聞いてるんじゃありません!」
P「そうか」
幸子「そうです!」
幸子「……買いもの?」
P「なんなら欲しいもの買ってやるから。な?」
幸子「……ふーん……わかりました」
P「お、いいのか?」
幸子「えぇ。ボクが欲しいものはボクに似合うものすべてですから!」
P「えっ」
幸子「男に二言はないですよねぇ、プロデューサーさん?」
P「……」
幸子「あぁ、楽しみだなぁ……ふふーん♪」
P「財布、大丈夫かな……」
幸子「特に、トップアイドルの座なんかはカワイイボクにぴったりですよね♪」
P「えっ?」
おわり
書いてる内容が話題の反復横とびみたいになってきたし投げます
ごめんなさい
保守支援ありがとうございました
Entry ⇒ 2012.10.01 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
伊織「た、台風が怖いわけないじゃない!」
伊織「そ、それは、その…」
P「(伊織かわいい)」
小鳥「今日は台風が直撃するでしょうねー…」
伊織「えっ!?そうなの?」
小鳥「あら、伊織ちゃんニュースとか見てないの?」
伊織「昨日は疲れてすぐ寝ちゃったし、今日はすぐここにきたし…」
伊織「えっ…じゃあ私、今日なにしにきたのよっ!」
P「まあまあ伊織、せっかくだし午後まで事務所でゆっくりしていけ」
伊織「…オレンジジュース」
P「はいはい、今用意します。すみません音無さん、ちょっと行って来ます」
小鳥「お気をつけて」
P「雨は降ってないけど…風が強くなってきたな…」
P「えっと、オレンジ100…と」ポチッ
ガランゴロン
P「ついでに俺のエメマンを」ポチッ
ガランゴロン
P「つっ…もう降ってきたか…早く帰らなきゃ…っ?」
伊織「べ、別にあんたのために傘二つ持ってるわけじゃないんだからっ…」
P「ははっ、ありがと、伊織」
伊織「か、感謝はいらないからもういっこオレンジジュース」
P「はいはい、お嬢様」
伊織「そ、そうねっ…」
P「伊織、どうした?」
伊織「な、なにがよっ…」
P「いや、なんか傘が尋常じゃないほど震えてるぞ」
伊織「そ、そそそんなことっないわよ…」ガタガタ
伊織「そ、そうなのっ!大人用の傘だから、ちょっと重くて…」
P「そっか、じゃあ俺が持ってやるよ」
伊織「ふぇっ?で、でもあんたはどうすんのよ…」
P「一緒に入ればいいじゃないか」
伊織「そうね、一緒に…一緒…?一緒…//////」ボフッ
伊織「///////」
P「伊織、そんな離れてると濡れるぞ」
伊織「べ、別に離れてないわよ…」
P「いやいや、どう見たって離れすぎだろ。ほら、こっち寄って」
伊織「ちょっ!急に肩を掴まないでよっ/////」
伊織「そ、それと…」
P「?」
P「えっ?別に、学生時代は友達とかだな。一番最近は律子とか音無さんだけだぞ?」
伊織「学生時代の友達はいいけど…律子と小鳥は女の人じゃない…」
P「それがどうかしたか?」
伊織「あんた…そういうデリカシーってものはないわけ?」
P「?何を言ってるんだ伊織…?」
P「?」
伊織「す、好きな男の子と一緒にしたいことの中でもかなり人気のものなのっ!///」
P「いや、別に律子も音無さんも会社の同僚だから」
伊織「…鈍感…」
P「ん?なんか言ったか?」
伊織「べ、別になんでもないっ!!」
P「ただいま」
伊織「…」
春香「あっお帰りなさいプロデューサーさんっ!雨、大丈夫でしたか?」
P「ああ、伊織が傘を持ってきてくれたから大丈夫だったよ」
美希「デコちゃん、抜け駆けはずるいの…」ムスッ
伊織「で、デコちゃん言うな!それに抜け駆けってなによ!」
美希「今日はデコちゃんのデコがデコすぎてついていけないの…あふぅ」
伊織「デコすぎるってなんなのよ!」
真美「兄ちゃんのとくこうががくっと下がってしまいましたなー」
やよい「伊織ちゃん、普段はプロデューサーのことすっごく楽しそうに
話してくれるんですよー?」
千早「高槻さん、今度私の家で2人っきりでゆっくりプロデューサーについて
語り合いましょう!2人っきりで」
P「ああ、ありがとう雪歩。ありがたくいただくよ」
雪歩「い、伊織ちゃんもよかったら…」
伊織「…ありがと」
真「伊織はプロデューサーに対して偉そうなんだよ」
伊織「なっなによ急にっ!」
真「本当のことだよっ!いっつもいっつもプロデューサーをこきつかって!」
伊織「私のプロデューサーなんだから当たり前じゃないっ!」
真「プロデューサーはみんなのプロデューサーだよっ!」
P「まあまあ2人とも…」
真&伊織「うるさいっ!」
P「」
小鳥「もう、ケンカはだめって言ってるじゃない…」
伊織「ごめんなさい」
真「…ごめんなさい」
P「まあ真、俺が好きでやってる事だ。別に伊織が俺をこきつかってるわけではない」
伊織「ほっほらねっプロデューサーならそういってくれると思ったわ」
P「でも俺はお前だけのプロデューサーじゃない。みんなのプロデューサーだ」
伊織「っ!…」
P「それだけはわかってくr「いや」
P「おいおい、わがまま言うなよ」
伊織「そんなの、嫌よ…あんたは、あんたは私のことだけ見てればいいのよっ!」
P「い、おり…?」
小鳥「(無意識の告白キタコレぴよ)」
伊織「あんたが私をプロデュースしてくれるって知った時、
どれだけ、嬉しかったか…やっと私、デビューできるんだっ…て…」グスッ
P「伊織…」
小鳥「みんな、ここは2人に任せて」
亜美真美「え→」
春香「えーじゃないの2人とも。さ、こっちおいで」
亜美真美「ぶ→」
P「うん」
伊織「最初はっプライドだけ高いただのお嬢様で…大人の言う事なんか全く
耳を貸さなくて…」
P「あのころは大変だったなー。仕事先で怒鳴り散らして帰ってっちゃうんだもんな」
伊織「でも、あんたのおかげで、私変われたのよ、ホント…自分でもびっくりするほど
大人になれたわ」
P「ばーか、お前はまだまだ子供だ」ナデナデ
伊織「っ/////な、撫でないで、よ…/////」
P「まあ、俺と律子の2人しかいないからな」
伊織「それが私には…辛かったのよ、とても…」
伊織「いつも隣にいてくれて、服を一緒に見に行ったり、遊園地に行ったり
いつも私が頼むとすぐに、オレンジジュースを、買ってきてくれて…」
P「伊織…?」
伊織「わ、わたしあんたがっ「プロデューサーさん、大変ですっ!」
P「どうしました?」
小鳥「あずささんから、この台風の中道に迷ったって、今公衆電話から電話が…」
P「っ!探しに行ってきますっ!」ダッ
伊織「…私も行くわ」ダッ
小鳥「伊織ちゃん、ファイト」
P「す、すごい雨だな…傘なんか意味ないぞ…」
伊織「だ、だから雨合羽持ってったほうがいいって言ったじゃないっ…」
P「そ、それにしても手がかりもなしにどうやってあずささんを探せば…」
伊織「あんたならいつもみたいに勘で見つかるわよ」
P「だ、といいんだがな」
伊織「雨が強すぎて、目、があけれ、ない…」
P「伊織、俺の手をしっかり握っとけ」
伊織「う、うん…///」
P「確かここらへんに、あずささんの好きな喫茶店が」
あずさ「あら~プロデューサーさん~こっちですよ~!」
P「あ、あずささんっ!大丈夫ですか?」タッタッ
あずさ「ええ、やっぱりプロデューサーさんは、私をいつも見つけてくれるんですね」
P「そりゃあなたのプロデューサーですからね」
あずさ「それだけじゃないかもしれませんよ~うふふ」
P「えっえっ?」
伊織「…」
伊織「ただいま」
あずさ「帰りました~」
小鳥「おかえりなさいプロデューサーさん、あずささん、伊織ちゃん」
小鳥「他のみんなは早めに帰らせておきました~っって、べたべたじゃないですか
2人とも!」
P「いや~傘が壊れちゃって…」
伊織「もうっ最悪!」
あずさ「あらあら~」
小鳥「あずささんはちゃんと雨合羽かぶってたんですね」
あずさ「はい~。プロデューサーさんが、持っていけって」
伊織「…」
P「はい、任せてください」
あずさ「私は小鳥さんと一緒にここで過ごすわ~」
P「はは、あんま飲みすぎないでくださいね」
伊織「…」
P「なあ、伊織?」
伊織「なによ」
伊織「た、台風が怖いわけないじゃない!」
P「じゃあなんで俺の裾を掴んでいる」
伊織「そ、それはその…」
P「ん?」
伊織「こうしてると落ち着くの…///」
小鳥「(なんか違うとこにストライクキタコレ)
P「そ、そうか。じゃあ行くぞ」
伊織「うん////」
ブーン
P「しっかしワイパーの速さが追いつかないな…」
伊織「そうね…」
P「またあの風格ただよう執事さんに会わなきゃいけないのか…」
伊織「別にただの執事よ」
P「でもこんなべたべたで会うのはどうかと思う」
伊織「私も早く着替えたいわ」
P「男の人の前でそういうこというな」
伊織「後ろよ」
伊織「私の家だと遠すぎて風邪ひいちゃうわ」
P「かもな」
伊織「だから、あんたの家でシャワー浴びてくわ」
P「そうだな…ってえええええええええええ」
P「ど、どうぞ」
伊織「え、ええ。お邪魔させてもらうわ」
P「き、着替えとかどうする?」
伊織「あ、あんたのTシャツとか適当に着れば良いでしょ」
P「そ、そっかじゃあてきとうに準備しとくぞ」
伊織「じゃ、シャワー借りるわね」
P「アイドルが自分の家でシャワーを浴びてるとかどんな状況だよ全く…」
P「台風も捨てたモンじゃないな」
伊織「お、お待たせ///」
P「い、伊織なんだその格好は」
伊織「い、いいじゃない別に//////」
P「い、いやでもバスタオルだけっていうのは…」
伊織「いいから!あんたもシャワーあびてきなさいっ!////」
P「お、おお」
P「あいつは全く何を考えてるんだか…」
P「いくらまだ中学生とはいえ意外とスタイルいいからなあいつ…」
P「いやしかし俺はロリコン、ではない…はずだ」
P「いーおりん、お・ま・た・せ?」
伊織「いや、でもまだ中学生だしさすがに最後までって言うのはだめよね、うん。
第一あいつご、ごごゴムとかちゃんと持ってるのかしら…」ブツブツ
P「」
伊織「あっ…////い、いらっしゃい」
P「いらっしゃいってなんだよ////」
P「あ、当たり前だ!」
伊織「よ、横、座りなさいよ…」
P「お、おう」
伊織「///」
P「/////」
伊織「な、なによ…////」
P「とりあえずお前、服着ろよ/////」
伊織「い、いやっ////」
P「なんでだよ…・」
伊織「だ、だって、その…」
伊織「す、スーパーアイドルにもプライベートってものがあるのよ」
P「いや、しかしだな…」
伊織「…なに…しって…」
P「?」
伊織「そんなに私って魅力ないの?」
P「は?何を言ってるんだ伊織「だって!」
伊織「なんで、なん、で…なんで何もしてこないのよぉ~…」グスッ
P「伊織…」
P「ありがとうな」
伊織「だから、ね?その…あんたが喜ぶ事、してあげたいのよっ」グスッ
P「…」
伊織「私はあんたに嫌われていたのね…そりゃそうよね、こんな偉そうな態度ばっかりで
あんたに感謝の言葉一つ言えずに…」
伊織「私がバカだったわ…じゃあ、ね…グスッ」ダッ
P「待て伊織」
伊織「な、なによ…も、もういいのよ私のことは…グスッアイドルはちゃんと続けるから
心配はいらないわ…」グスッ
伊織「な、によ…」
P「お前はなんでアイドルになったんだ?」
伊織「そ、それはお父様やお兄様に認めてもらうためよ」
P「その目標に向かってお前は頑張ってきたよな」
伊織「そ、そんなことは今関係ないじゃないっ!」
P「関係あるんだよっ!」
伊織「っ!」
P「それなのに、思春期の恋愛感情なんかに任せてこんなことをして」
P「お前はそれでいいのか?なあ、水瀬伊織!」
伊織「…」
P「お前はそんなくだらない人間じゃないだろ!」
伊織「くだらないってなによ…私のこの気持ちは!くだらなくなんかない!」
伊織「っ…もういいわ。かえ、る」
P「伊織、お前はホントプライドが高いな」
伊織「なによ、いまさら説教なんて…」
P「お前は自分に自信があって、でもちゃんと周りの人のことも考えれて」
P「だからこそ自分のミスが許せなくて、次は失敗しないんだってがんばって」
P「ただお前はまだ子供だ。だからそういう感情に流される」
伊織「っ!もういいわよ説教は!」
童貞の俺が言うんだから間違いない
P「だからな、伊織…」ギュッ
伊織「あっ////」
P「今はこれで、我慢してくれ」チュッ
伊織「ん…////わ、わかったわ/////」
伊織「あ、雨が強いわね…」ギュッ
P「おい伊織、20にもなって台風が怖いのか?」
伊織「た、台風が怖いわけないじゃない!」
完
Entry ⇒ 2012.10.01 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
モバP「蘭子の発言を徹底的に曲解する」
蘭子(ふぅ……今日のお仕事、大変だったなぁ)
蘭子(あ、プロデューサーさんだ)
蘭子「我が下僕よー!」
P「ん、蘭子?」
蘭子「闇に飲まれよ!」
P「……そうだったのか」
蘭子「……?」
P「蘭子の下着は黒なのかー」
蘭子「!?」
P「え、だって闇に飲まれよって言っただろ?」
蘭子「確かにその通りだが、何故……」
P「だから、闇っていうのは黒い色だろ? で、飲まれよってことはそれを身につけてると」
P「だから『闇に飲まれよ!』っていうのは『今日の下着は黒です』っていう意味に……」
蘭子「な、ならぬわっ、愚か者っ!」
P「そうなのかー」
蘭子「そうだっ!」
蘭子「何故わからぬのだ、愚か者め……我が下僕たるものがその様でどうする!(な、なんでわからないんですかプロデューサー!? いつもはわかってくれるじゃないですか!)」
P「なるほど、わからん」
蘭子「……」
P「涙目なのが可愛いがわからん」
蘭子「このっ……!(も、もうっ……!)」
P「闇に……闇? まさか」
蘭子「よ、ようやく解したか……(わ、わかってくれましたか?)」
P「わしにしね というんじゃな?」
蘭子「!?」
P「だって……闇に、飲まれよ、だぞ?」
蘭子「……」
P「闇って、暗いし怖いじゃないか。それに飲まれるってことは……」
蘭子「え、えっ……」
P「死ね、と……俺のことが嫌いだと言いたかったわけか……」
蘭子「ち、ちがっ……」
P「うん? 血が? 血が欲しい?」
蘭子「否っ! 我が言霊を正しく解せー!(違います! そんな意味じゃありません!)」
P「うーん、やっぱりわからないなー」
P「そんなこと言われてもなぁ……うーん……」
蘭子「もう知らぬ!(もう知りませんっ! ふーんだ!)」
P「あ、そうだ蘭子」
蘭子「……何用だ(……なんですか?)」
P「お疲れ様。今日もよかったぞ」
蘭子「……ふ、ふふん! 我が力の前では些事に等しい!(あ……はい! ありがとうございます!)」
P「さじ? ……ふむ、楽勝だったってことか」
蘭子「あ……多少は歯ごたえが……(え、少し……いえ、だいぶ大変だったけど……)」
P「よーし、激しい仕事増やすぞー」
蘭子「にゃぁっ!?」
蘭子(ふぅ……今日はとっても暑いなぁ……)
蘭子(あ、プロデューサーだ!)
蘭子「我が下僕よー!」
P「お、蘭子?」
蘭子「煩わしい太陽ね!」
P「太陽? うーん、確かに今日はやたら日が照ってるなぁ」
蘭子「地獄の釜が開き、灼熱の業火に焼かれるかのよう……(本当に暑くて太陽がまぶしくて……)」
P「……」
蘭子「生命の雫がこぼれそう……(汗、いっぱいかいちゃいそうです)」
P「うん? トイレか?」
蘭子「!?」
P「あれ、違うのか?」
蘭子「あたり前だ、恥を知れーっ!(あたりまえですっ、は、恥ずかしいこと言わないでください!)」
P「うぅん、だけど生命の雫がこぼれそうなんだろう?」
蘭子「う、うむ……(は、はい。暑くて汗が……)」
P「生命の雫ってことは……つまり、身体から出るものってことだ」
蘭子「……」
P「だから、トイレかなーって」
蘭子「何故そうなるのだっ!(な、なんでそうなるんですかぁっ!)」
P「まったく、乙女がはしたないなーって思ったんだけど、オブラートに包んでるのかなって」
P「捻じ曲げたつもりはないんだけどなぁ……俺は、思った通りに解釈しただけで」
蘭子「むぅ……小癪な……(なんなんですか、もうっ……)」
P「……あっ」
蘭子「如何した?(どうしたんですか?)」
P「ひょっとして、生命の雫ってさ」
蘭子「よ、ようやく解したか!(わ、わかってくれたんですか!?)」
P「……こういうことだよな、ほら」
蘭子「……? なんだ、これは……?(なんですか、これ……?)」
P「ナプキンだけど」
蘭子「なぷっ……!?」
蘭子「な、ななななっ……」
P「あれ? つまり生理が来たってことじゃ……」
蘭子「愚か者!」ポカッ
P「いてっ!?」
蘭子「お、おろか、ものっ!」ポカポカ
P「痛い痛い、地味に痛い! やめて、叩かないで!」
蘭子「わ、我が言霊を何と心得る! 貴様の思うように捻じ曲げようとは、恥を知れー!(な、なんてこと言うんですか! 私そんなはしたない子じゃありません!)」ポカポカ
P「ははは、何言ってるのか全然わからないなー」
蘭子「……!」ポカポカ
P「いたたっ、いたい、痛いから、ごめん、ごめんなさいっ!」
蘭子(最近プロデューサーが変な風に解釈しちゃうから、憂鬱だなぁ……)
蘭子(なんでなんだろう……よーし、じゃあ今日はちょっと変えてみよう!)
蘭子(って思ったら、プロデューサーがあんなところに……ゆ、勇気を出して……)
蘭子「プ……プロ……プロデューサー!」
P「おう蘭子……蘭子!?」
蘭子「ど、どうし……た、んですか?」
P「……おぉ……普通に話してる……」
蘭子「ふ、フハハハ! この程度容易い!(わ、私だってやる気になればこれぐらいできちゃうんですよっ!)」
P「あ、戻った」
蘭子「ぅぁ……」
蘭子「い、いつも……プロデューサーが、私のいうことを……」
P「言うことを?」
蘭子「捻じ曲げ……曲解、するから……」
P「……」
蘭子「何故……なんで、そんなこと、するんですか……?」
P「……」
蘭子「……プロデューサー?」
P「そうだな……」
蘭子「……」
P「あえて言うなら……」
蘭子「……っ」
P「可愛いからかな」
蘭子「……ふぇっ?」
蘭子「そ、そんな……」
P「だからつい、な?」
蘭子「……」ムスッ
P「あぁ、そんなにふくれないでくれよ……」
蘭子「愚か者めっ、私がどのような思いだったか……(プロデューサーのばかぁ……私、すごく嫌な気分だったんですよ……?)」
P「ごめんってば……」
蘭子「我が言霊を解せる者は希少だというのに、まったくっ!(わかってくれる人、あんまりいないんですから! もうっ)」
P「ははは……まぁ、確かに蘭子はしゃべりかたが特徴的だからなぁ」
P「……」
蘭子「……? 如何した? (どうしたんですか?)」
P「生贄か……」
蘭子「そう、漆黒の甘き罪や……(そうですよ、例えばチョコレートケーキとか……)」
P「じゃあ、俺が生贄ってことでどうだろう?」
蘭子「え……?」
P「私を捧げましょう! ……なんて、な?」
蘭子「ぁ……えっと……」
P「……どうした、蘭子?」
蘭子「……プ、プロデューサーを、くれるんですか……?」
P(あ、可愛い)
蘭子「……ダメ……?」
P(上目づかいか……うむ、実に素晴らしい。最高だ)
蘭子「……」
P「よし、わかった。俺が生贄だ! どんと来い!」
蘭子「……! その言葉、偽りはないな?(う、嘘じゃないですよね?)」
P「あぁ、勿論さ!」
蘭子「で、では告げる……!(じゃ、じゃあ言いますね……)」
P(セクハラしまくったわけだし多少は俺も痛い目みないとな……さぁ、鬼が出るか蛇が出るか……!)
P「……?」
蘭子「だが、孤独たる王は絶対ではない……(でも、きっと1人じゃ頑張れないと思うんです……)」
蘭子「故に、再度誓おう!(だから……!)」
蘭子「我が友として認めしそなたと共に、この世界を制覇せんと!(私、やっぱりプロデューサーと一緒が一番だと思うんです!)」
蘭子「……常に、そなたは我と共にあれ!(これからも、一緒にいてください!)」
P(天使が出た)
P「……うーん、よくわからなかったなぁ」
蘭子「えっ……」
P「ごめんな、うまく翻訳できなかったよ。なんて言ったんだ?」
蘭子「う……ぅうー……」
P「そんなに睨まれても、困るなぁ……」
蘭子「……プロデューサーの、いじわる……」
P(可愛い)
P「あ、おい蘭子……ちょっとどこに……」
蘭子「一緒に、トップアイドルになりたいっていったんです!」
P「……!」
蘭子「……うぅ、やっぱり恥ずかしい……プロデューサーの、ばかーっ!」
P「ちょ、ちょっと待って! 蘭子、ストップ! おいてかないでくれ!」
蘭子「い、今は我が『瞳』が暴走を起こしつつある! こちらを見るな!(は、恥ずかしくって顔が見れないんですおいかけないでください!)」
P「何それ見たい! 蘭子、待って! チョコケーキおごるから! 絵の具セットも買うからー!」
おわり
すみませんでした。でも蘭子ちゃんかわいいですね
保守支援ありがとうございました!
やみのま!
Entry ⇒ 2012.09.30 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
雪美「私と……P……ずっといっしょだから」
引用元: http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1348836692/
P「以前、ちひろさんとご一緒した店のチケットです。雪美を連れて行こうかと」
ちひろ「あそこは子供向けのメニューも多いですから」
P「ええ、だいぶ遅いご褒美です」
ちひろ「…遅いというか、この日狙いましたよね」
P「…あぁやっぱり分かるんですね」
P「では後よろしくお願いします」
ちひろ「分かりました、今日は楽しんで行ってくださいね」
P「さて――」
雪美「……」ジー
P「雪美居るんだろう?」
雪美「……やっと…気付いた……ちひろばっかり……さみしい…」
P「行くか?」
雪美「………うん」ニコッ
P「親御さんには連絡入れたね?」
雪美「………うん」
P「最近どうだ?」
雪美「……ずっと……忘れられてたと……思った」
P「ぐ……い…いや、そっちじゃない。ほらアイドルの友達とかさ」
雪美「……あんまり」
P「そう、か……」
P(やぶ蛇だったか)
雪美「でも……」
雪美「……メアリーと……猫の話……楽しい」
P「そうかそうか!」
雪美「でも……今は……Pと……いっしょ……」
雪美「……だから……今は…あんまり……他の人……話……いや」
P「うんうん分かったぞ!」
雪美「ふふ……Pの…話……一番……楽しいから」
「はい、丁度二名様分お預かりしました」
「ありがとうございます、ではどうぞこちらに」
雪美「……ふふ」
P「ん?何か面白いものでもあったか?」
雪美「……私と……P……どういう……風に……見える?」
P「どうって……妹?」
雪美「……」ムッ
雪美「……」ぷいっ
P「……雪美ってば」
雪美「……」ぷいっ
「席は……こちらの二人席ですね」
雪美「……家族席」
「……」
P「ゆ……雪美?席は元々座席は指定されている…んぐ…」グッ
雪美「家族席が……いい」キュッ
「……分かりました、ではこちらにどうぞ。かわいらしいお嬢さん」にこっ
「本日中にキャンセルされた席ですのでお構い無く」
「ではご注文はこちらのボタンからどうぞ」
P「……ふぅ、雪美」
雪美「……何?」
P「なんで家族席にこだわるんだ?」
雪美「……」キュッ
雪美「……Pと…隣だから……」ギュウウ
雪美「…私も」ニコッ
P「飲み物は…ワインでも頼むか」
雪美「………私も」ムッ
P「……」ピンポン
雪美「……」
「ご注文はお決まりで?」
P「お子様ランチで」
雪美「……私も」ニコッ
P「いいよいいよ、これからまた食べ――」モグモグ
雪美「……また?」
P「いやなんでもないさ」
雪美「……P」
P「どうした?」
雪美「口……開けて」
P「あー……んっ」モグモグ
雪美「……おいしい?」
P「…美味しいよ」(同じものだけど)
P「どうした雪美?」
雪美「……」ソワソワ
P「……トイレか?」
雪美「Pは…私……嫌い?」ポロリ
P「急にどうした雪美!?」
雪美「まだ…されてない」ポロポロ
雪美「……口移し」
P「はい、雪美あーん」
雪美「……」あむっ
雪美「…一番美味しい」ニコッ
雪美「でも口――」
P「はい、雪美あーん!」
雪美「……」あむっ
雪美「……美味しい」ニッコリ
P「…」ピンポン
P「そろそろあれを」
「分かりました」
P「…雪美」
雪美「…んっんっ」モギュモギュ
P「そのままでいいよ」
P「…まずはBランクアイドルおめでとう」
雪美「Pと……約束したから……でも……最近…Pは…」ゴクン
雪美「……」
P「俺は雪美のプロデューサーだからな、忙しいを理由につけたくは無かった」
雪美「……でも……Pは……約束……守ってくれた」
P「約束?」
雪美「私の…ことを……知ってくれるって…喜んでくれるって……」
P「…そうか!」
雪美「…?」
「お待たせしました」
P「早速お願いします」
パッ
雪美「……照明が…消えた!?」
雪美「P……どこ……!」
雪美「……」ジワ
P「こっちだ雪美」パッ
雪美「……P!」キュッ
P「横を見てくれ」
雪美「……灯かり…火?」
「ハッピーバースデーディア雪美」
「ハッピーバースデートゥユー」パチパチパチ
P「誕生日おめでとう雪美」
雪美「……」ジワ
P「どうした?誕生日は間違って無――」
雪美「……ううん、違う」
雪美「…Pは…やっぱり……約束……覚えてくれた……うれしい」
雪美「…P……食べさせて」
P「今、注目の的……」
雪美「」あーん
P「……ぐ…えーい仕方ない!今日誕生日だからな、無礼講だ!」
雪美「」あむっ
雪美「……」ニッコリ
「可愛らしいお嬢さんですね」「ああいう娘が欲しいわよねぇ」「帰ったら雪美SS書くわ」
雪美「……今日は……楽しかった」
P「お、雪美から切り出したなら本当に楽しかったんだな」
雪美「……Pは……やっぱり………私の……大好きな…Pだって…分かったから」
P「俺も雪美は大好きだぞ?」
雪美「……メアリーは」
P「もちろん大好きだ」
雪美「……」ムッ
雪美「……」ぷいっ
P「……また怒ったのか?」
雪美「……」ぷいっ
P「……あー残念だなー、せっかく雪美の大好きなイチゴ乗せのショートケーキもらえたんだけどなー」
雪美「……」ぴくっ
雪美「……だめ」
P「お……雪美も欲しいか?」
雪美「ううん……みんなに……分ける」
P「……いい子だ」
P(不意打ちだぞそれ、ちょっと涙が……)
雪美「……違う……ここ、私の家」
P「合ってるじゃないか」
雪美「……?」
P「……その様子だとまさか連絡しなかったのか?」
雪美「連絡……した………」
雪美「……今日は……泊まるって」ニコッ
P「」
雪美「~♪」サッサッ
P(家に帰っていきなり掃除なんて始めめちゃって)
雪美「Pは……風呂……入って……後でいくから……」
P(そうやって、今風呂入っている訳だけど)
P「雪美は……流石に来ないんだな」プカー
P(別に期待なんてしてないけど)
P(……雪美は俺のベッドでいいかな……俺はソファーにでも寝るか)
カポーン
P「……」
P「雪美は……来ないな」
P「……いつまで掃除をしているんだ」
P「ん?……そういえば雪美はどこを掃除してるんだ?」
P「……ベッドの下なんか探さんだろ」
P「雪美ー」
P(……心配になってきた)
――
P(……よかった電気は付いてないみたいだ)ガチャ
P「…うう~タオル一抹は寒い寒い。服も取りにいかないとな」パチッ
パッ
雪美「……」
P「」
雪美「……だめ」キュッ
P「駄目と言いたいのはこっちだ」バッ
雪美「……っ」キュッ
P「かえ、せっ!」グググ
雪美「……はなしてっ」
P「……とったッ!」バッ
はらり
p「ぱお~ん」
雪美「……」ニッコリ
雪美「私と…P……魂……繋がってるのに……体…繋がってない……おかしい」
雪美「待ってて…私……妹……違うこと……見せる」ヌギヌギ
P「やっぱり根に持っていたか」
雪美「……なぜ?」はらり
P「俺は死刑になる」
雪美「それは…だめ」
P「そこで交換条件といこう、今すぐ服を着る代わりに」
雪美「……代わりに?」
P「いっしょに寝てやる」
雪美「……」
雪美「わかった……」
雪美「うん……Pの腕……好き……でも、Pから……言うなんて……不思議」
P「何だかんだで誕生日だったしな、これくらいはさ」
雪美「じゃあ……私から……Pに……感謝の気持ち……伝える………」
P「へぇ……どん――」むぐっ
雪美「……」ちゅーっ
だからあっちは関係ないんです!
P「……お、おいファーストキスだろ?後悔するぞ」
雪美「……なんで?」
P「雪美が他の人が好きになるか――」むぐっ
雪美「……」ちゅっ
P「俺が他の人を――」
雪美「……誰?」
P「雪美が好きですごめんなさい」
P「雪美がマドモワゼルなんて呼ばれ方をする理由が分かったような気がするよ」
雪美「……もう……手……離さない」きゅっ
雪美「私は……もう……これで、迷わない」ググッ
雪美「私と……P……はずっといっしょだから」
マドモアゼル欲しいけど高すぎ
よかった、すごくよかったよぉ!
Entry ⇒ 2012.09.29 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
P「朝起きたら律子が隣にいた……」
チュンチュン
P「……」
律子「……すぅ、すぅ……」
P「……」
P「どういうことなの……」
律子「う~ん……むにゃむにゃ」
ゴロン
P「ちょ、ちょっと、服が……!」
律子「……zzz……」
P「……」チラ
P「……だ、ダメだダメだ! なにを考えているんだ俺っ!」ブンブン
P(お、思い出せ! 俺、昨日なにをしたんだ!?)
【昨晩】
律子・P「「かんぱーい!」」
ゴクゴク……
P「……うまい! やっぱ仕事のあとはこれだよなぁ! こう、乾いた心と喉が癒されていくっていうか」
律子「ふふっ、オヤジくさいですよ~。ま、わからないでもないですけど」
P「おお、ようやく律子も酒の良さがわかるようになってきたか!」
律子「これだけ散々、小鳥さんやプロデューサーに付き合わされてきましたからねぇ」
律子「まったく、成人したらすぐこれだもの。こんなに酒好きな人達だとは知りませんでしたよ」
P「ははは……まあ、うちには酒飲める人が少ないからな、多目に見てくれよ」
P「あ、すいません店員さーん! 以前キープしてもらったボトルを……ええ、それですそれです」
律子「あれ、それ空けちゃうんですか? 結構高かった奴ですよね、それ」
P「ああ。音無さんがいたらほとんど飲まれちゃうし、せっかくだからさ、こういうときにじっくり飲んじゃおう」
律子「プロデューサー殿もワルですね~。あとで小鳥さんに怒られますよ?」
P「そういう律子だって、その顔。飲みたかったんだろ?」
律子「ふふ、まあね。それじゃあ店員さん、氷とソーダと……」
―――
――
―
【回想 おわり】
P「えっ!? おわり!?」
P(うう、まったくそのあとの記憶がない……一体どんなペースで飲んだんだ……)
P「……」
律子「……」
P(と、とにかく。今の状況を把握しとかないといけないな)
P(律子の服は……うん、多少乱れてはいるけど、ナニかあったって感じのはだけ方じゃない)
P(いやしかし、安心は出来ないぞ。律子のことだからきっと、事が済んだらすぐ寝るようなタイ……プ……じゃ)
P「……」
律子「……zzz……」
P(なっ、なにを考えているんだ! 事が済んだら、ってなんだよ!?)
P(そんな妄想、本人を目の前でするなんて、失礼すぎるだろ!! 寝てるとはいえ……)
P「……寝てる……よな?」
律子「……こら、いおりー……おでこばっかりじゃなくて……体にもオイル……むにゃむにゃ」
P「どんな夢を見ているんだろう……」
P(しかし……)
チラ
律子「……すやすや……」
P「……」ゴクリ
P(こうして改めてみると、律子ってかわいいよな……)
P(前々から軽く思ってはいたが……、今まであんまり、深く意識したことなかったな)
P(俺と同じように、毎日毎日朝から夜まで働いてて、ろくにまとまった睡眠も取ってないはずなのに)
P(こんなに綺麗な肌をして……)
P「……」
律子「う~ん」ゴロン
P「!」
律子「……ぷろりゅーさー……」
P「お、起きたのか!? あ、あの、俺その……」
律子「えへへ……みんなが見てますよぉ~……むにゃむにゃ」
P「……」
ドキドキ
P(どうしよう……普段と違うこんな無防備な律子を見たら、なんかドキドキしてきたぞ)
ムクムク
P(余計な部分まで元気になってきた……うう、律子のスタイルが良すぎるのが悪いんだ……)
P「……」
律子「……zzz……」
P「……よし!」
スック
P(トイレに行こう。ナニをするというわけではないけど、とにかく今はトイレだ)
テクテク
律子「……」
律子「…………」
律子「……ふぅ……行ったかしら」
ドキドキ
律子「……男の人だもん、そーいうの、しかたないわよね……」
律子「あんな……きいモノ見せられたら、寝たふりでしたー、なんて言えないわよ……」
―――
ジャー ガチャ
P「……ふぅ……」
P「最低だ……俺って……」
律子「……プロデューサー、おはようございます」
P「どわああ!? お、おお、起きてたのか!?」
律子「えぇまあ、さっき……、じゃなくて、ちょうど今起きたところですっ」
P「そ、そっか……」
律子「……」
P「……」
P・律子「「あのっ!」」
律子「あはは……」
P「……律子から言ってくれ。俺はまだ、実はこの状況がよくわかってないから」
律子「わ、わかりました。それじゃあまず……」
律子「とにかくまずは、状況を整理しましょう」
P「そ、そうだな。さすが律子、目の付け所がシャープだ」
律子「何言ってるんですか……えっと、ここはプロデューサーの家ですよね」
P「うん……朝目が覚めたら、ここに帰ってきてたんだよ」
律子「昨日のことは?」
P「乾杯して、ボトルを開けたところまでは覚えてるんだけど……」
ズキズキ
P「……その先を思い出そうとすると、頭が痛くなって、なかなか」
律子「プロデューサー、だいぶ飲んでましたからね~……」
P「そんなに?」
律子「すごかったですよ。給料が低いとか、社長の話が長いとか、10月は出費が多すぎるとか……」
P「……」
律子「ホント、いつものあなたじゃないみたいでした。ストレス、溜めこみすぎてるんじゃないの?」
P「面目ない……」
律子「ああいや、謝らせたいわけじゃ……私もわりと、それに乗って、色々愚痴をこぼしちゃいましたから」
P「律子が愚痴なんて、珍しいじゃないか。あはは、記憶にないのが残念なくらいだよ」
律子「だああっ、だっ、だっ、ダメです!!」
P「えっ、な、なにが……?」
律子「……思い出さないで、記憶から消しといてください。どうしようもない、くだらないことなんで……」
P「そんなに必死になるようなことか? なんか、尚更どんなこと言ったのか聞きたくなってきたな」
律子「……」
P「……」
律子「……」プイ
P(なんだかよくわからないけど、かわいいぞ今の仕草)
P「……わかったわかった。思い出さないし、聞かないから」
律子「ぁ、ありがとうございます……」
律子「え、えっと、それで! なんでここに来たかというとですね……」
P「うんうん」
律子「……あー……これも言いづらいわ……どうしよう、なんて言い訳……」ブツブツ
P「な、なんだよ? 全然聞こえないんだけど」
律子「……」
P「……律子?」
律子「……結局あのあと、ふたりとも酔いつぶれちゃったんです。でも終電も無くなっちゃってたから……」
律子「プロデューサーの家が比較的近いということで、タクシー呼んでここに来たんですよ」
P「そうだったのか……」
律子「……ふぅ……」
P「あれ? なんでそんな安心した顔……」
律子「なな、なんでもありませんっ」
律子「と、とにかく状況の確認は以上です、おしまいっ!」
P「う、うん……わかったよ」
律子「……」
P「……律子。ちょっと確認したいことがあるんだけど……」
律子「え? なんですか、確認って?」
P「いやぁ、言いづらいんだけどな……」
律子「もう、いつものあなたらしくないですよ、プロデューサー殿。もっとシャキシャキしてください」
P「……」
律子「……」
P「……俺、何もしてない?」
律子「? 何も、って?」
P「いや、だからさ……その、律子に対して、なんというか……」
律子「……?」
P「酔いにまかせてだな……えっと……」
律子「……っ!!!」
律子「んなっ、ななな……! 何を言ってるんでしゅかっ!!」
P「だから言いづらいって言ったじゃないか……」
律子「な、なにもしてませんし、されてません! もう、いきなりなんてこと……!」
P「お、おお、そうか! それなら良かった!」
律子「ホントです、ホントなのよっ!? 嘘ついてるって言うなら……!」
P「わかった、わかったから! 別に疑っちゃいないだろ」
律子「そ、そうですね……すみません、取り乱しちゃって……」
P「……」
律子「うぅ~……」カァァ
P「……ホントに俺、なにもしてない?」
律子「してませんっ!」
P「そ、そうか。すまんすまん、何度も聞いちゃって」
P(なんでこんなに必死なんだろう……)
律子「もうこの話はおしまいね! わかった!?」
P「わかったわかった……」
律子「……ご、ごほん! えっと、そんなことよりも……」
P「ん?」
律子「このシャツ、洗って返しますね。すいません、お借りしちゃって」
P「ああ、よく見ればそれ、俺のシャツか」
律子「ええ、『シワがつくから寝るときスーツはやだ』って言ったら、とりあえずこれ着とけって……」
P「そうか……」
P(律子の今の格好は、男物の大きめのシャツ一枚だった)
P(眼鏡もかけてないし、髪も降ろしている……)
P「……」
ゴクリ
P(正直とんでもなく可愛い)
P(し、下はどうなってるんだ? くそう、布団に隠れて見えない!)
P「いやでも、わざわざ洗濯しなくてもいいよ。そこの洗濯カゴに入れといてもらえれば……」
律子「……プロデューサー? ダメですよ?」
P「な、なにがだよ」
律子「ふふっ、そう言って、私が着たシャツをクンカクンカするつもりなんでしょう」
P「そそ、そんなことするわけないだろ!? 俺を変態か何かと勘違いしてるんじゃないか!?」
律子「どーかしらね~……ふふっ、ふふふ!」
P「ったく……まだ酔いが残ってるんじゃないのか?」
律子「え? なんでですか?」
P「いつもならそんな冗談、言わないだろ」
律子「でもでも、きの……う……は……」
律子「」ボッ
P「ええっ!? どうした、いきなり顔赤くして!?」
律子「い、いえ……なんでもありません、構わないでください……」
律子「……やだやだ、私ったらつい、昨日みたいなノリのまんまで……!」ブツブツ
P(なんなんだ……)
律子「と、とにかく! このシャツは断固、私が責任を持って洗って返しますからっ!」
P「そこまで言うなら、わかったよ……手間かけてすまないな」
律子「いいんですよ、こんなこと手間のうちに入りません」
律子「そもそも、私がプロデューサーの部屋に泊まったことが……げ、原因なわけだし……」
P「……そ、それじゃあ、よろしく頼む……」
律子「……わ、わかりました……」
P「……」
P(今の律子の言葉で……)
P(改めて、このとんでもない状況を認識させられてしまった)
P(朝起きたら律子が隣にいた? 無防備な格好で、すやすや寝息を立てていただって?)
P(なんだよそれ、それなんてエロゲ)
P(えっと、律子は……)
チラ
律子「……」
P(……概ね、俺と一緒みたいだな。さすがに俺みたいないやらしいことは考えていないだろうけど)
P「……」ドキドキ
P(さっきから、妙に律子のことを意識してしまう)
P(今までは、ただの同僚で、同じプロデューサー……いやまあ、それなりに仲は良かったけど)
P(それでも、プライベートでもよく遊ぶ友人のひとり、という認識でしかなかったのに……)
P「……」
律子「……あの、えっと……」
P「う、うん……」
律子「昨日は……あんな感じだったけど……そっ、そろそろ、私た――
ジリリリリリリ!
律子「!? め、目覚まし時計?」
P「も、もうこんな時間か! ははは、出勤の準備しないとな!」
律子「そそそ、そうですね! あは、あははあは……」
P「とと、ところで、なにを言おうとしたんだい?」
律子「ああいえ! なんでもないです! そろそろ支度しないと遅刻しちゃうかなーって思っただけ!」
―――
ザー
ザザー……
P「……」
P「律子がシャワーを浴びている」
P「いやいや、なんで改めて言葉にする必要があるんだ……ただの出勤前の朝シャン、それだけじゃないか」
P「……し、しかし……」
ソワソワ
P「落ち着かない……くそっ、これだから童貞は……!」
キュ、キュ……
P「……」
ガチャ
P「!」ドッキーン
トコトコ
律子「すみませんプロデューサー、シャワーまで借りちゃって」
P「フンフン……! それくらい、いいって……ことさっ! フンフンフンフン……!」
律子「……何やってるんですか?」
P「見て……わからないかっ? フンフンフン! 腹筋……だよっ!」
律子「あ、いや、わかるにはわかるんですけど……なんで腹筋?」
P「……ふぅ。毎日これをやらないと、目が覚めないからな!」
律子「そ、そうなんですか……。あのそれより、ごめんなさい。ついでにドライヤーも貸していただけると……」
P「あ、ああ。ドライヤーなら、そこの棚のカゴの中に……」
律子「ああ、あのカゴね。よっこい……しょ……」
律子「……」
プルプル
P「……何やってるんだ?」
律子「……棚が高すぎて……届かないんですよ……!」
P(意外とちっちゃい律っちゃんかわいい!)
律子「ううー……」プルプル
P「ああもう、今取ってやるから」ヒョイ
律子「あっ……」
P「……ほら、ドライヤー」
律子「……あ、ありがとうございます……」
P「……」
律子「……意外と、背、高いんですね」
P「そ、そうか? 平均だと思うけど……」
律子「こうして近くに来ると、見上げないと顔見れませんよ」
P「は、はは……律子が小柄なだけだろう」
律子「ば、ばかにしてます!?」
P「ああいやいや、決してそんなことは!」
ドキドキ
P(……思いがけず、こんなに近くまで来てしまった)
P(良い匂いがする……いつも俺が使っているはずのシャンプーなのに、全然違うぞ……)
P「……」
ドキドキ
P(この心臓の音まで、もしかしたら聞かれてしまうんじゃないかと思うくらい……近い)
P(ちょうど俺の胸の真ん中くらいに、律子の頭がある。後ろからだから表情はわからないが……)
P(つむじから生える二本のアホ毛が、ソワソワと動いている……ようにも見える)
律子「……」
P「……髪、乾かさないとな。はやく準備しないと遅刻しちゃうから」
律子「そ、そうです……ね……」
P「あ、ああごめん! 俺がいるからジャマなんだよな!」
律子「あ、い、いえ、ジャマとかそういうのじゃ……まぁ、後ろに立たれてたら、確かに落ち着かないですけど……」
P「い、今どくから……」
律子「……」カチ
ブォォー
P「……」
P(離れたところから見た、律子の横顔は……ドライヤーの熱のせいか、少し赤くなっているようにも見えた)
【765プロ事務所】
ガチャ
P「……おはようございまーす」
小鳥「おはようございます、プロデューサーさん。今日はいつもよりちょっと遅かったですね?」
P「ははは……すみません、昨日飲みすぎちゃって……」
小鳥「律子さんとでしょう? いいなあ、私も行きたかったです。あの深夜アニメさえなければ……!」
P「りっ律子はっ! まままだ、来てないんですか!」
小鳥「まだですよ~。ふふ、律子さんも珍しく遅刻、かもしれないですね」
P「そうですか~! いやあはは、確かに、今日は雪でも降るかもしれませんね!」
ガチャ
律子「おお、おはおは、おはようございまーす!」
P「や、やあ律子! ちょうど今君の噂をしていたところだよ!」
律子「な、なんですか噂って~! やめてくださいよもう~!」
P・律子「「あはははは!」」
小鳥「……?」
P(……よし。渾身の演技だ……!)
P(さすがに、朝から一緒に出勤するなんてちょっとマズイからな……事前に打ち合わせしておいてあったのだ)
小鳥「……プロデューサーさん?」
P「はっ、はい! なな、なんでもないですよ?」
小鳥「……ふふ、わかりました。それじゃあ代わりに、律子さん」
律子「うっ」
小鳥「あとで、詳しく聞かせてくださいね?」
律子「……な、なんのことですか……?」
小鳥「あっ、そういうこと言っていいの? あれ、プロデューサーさんにバラしちゃうわよ~?」
律子「や、やめっ、やめてくださいよもうっ! わかりましたから……」
P「?」
P(なんだ? ふたりのヒミツの話か?)
P(……まあ、とにかく。律子なら上手く誤魔化してくれるだろう)
P「……さて、そろそろアイドル達が来る時間かな」
ガチャ
やよい「おっはよーございまーっす!」
P「っと、噂をすれば……おはよう、やよい」
やよい「あっ、プロデューサー! えへへ、おはようございますーっ!」
P「はは、やよいはいつも元気だなぁ」
やよい「はいっ! あっ、でもでも……プロデューサーは今、元気ないですよね……」
P「え? なんでだ? 俺は別に……」
やよい「だって、喧嘩しちゃったら、元気もなくなっちゃいます……私も、弟たちとたまに喧嘩しちゃうから、そのキモチは……」
P「……喧嘩? 俺が?」
やよい「はい……」
P「……誰と?」
やよい「律子さんとですっ」
P「……」
P(どうしよう……わけがわからないけど、このままやよいと話していると良くないことが起きる予感がする……)
P「……どうして、そう思ったんだ?」
やよい「だってだって、ふたりとも、ずっとお喋りしてなかったからー……」
P「そ、そんなことないぞ? 一体いつの話だよ」
やよい「今日の朝ですーっ!」
P「……」
やよい「えへへ、私、ふたりが一緒に歩いてるところ見つけちゃったから、後ろからこっそり付いていってたんですよっ!」
P「そ、そそそ、そうだったのかかかか」
P(なんということだ……! 朝出勤するところ、やよいに見られていたなんて!)
P「そっ、それならそうと、(やよいなら素直だから誤魔化せそうだし)声をかけてくれればよかったのに!」
やよい「えっ、でもでもー……伊織ちゃんが……」
P「……伊織?」
やよい「はいっ! 伊織ちゃん、前にこんなこと言ってたんですっ!」
P「……」
伊織『いーい、やよい? もしプロデューサーと律子がふたりでいるのを見ても、あんまりジャマしちゃだめよ?』
伊織『それが事務所の外だったら、尚更話しかけちゃだめ』
伊織『なんでって? そんなの、せっかく律子が勇気だして頑張ってるのに、かわいそうだからに決まってるじゃない。にひひ♪』
伊織『あっ、ちなみに。わかってると思うけど、私がこんなこと言ったってのは律子やプロデューサーにはナイショよ?』
―――
――
―
やよい「……って言ってましたー!」
P「……やよい、それ、俺に言ってもよかったのか?」
やよい「え? ……はわわっ!!」
P「……」
やよい「こ、これはナイショだったんですーっ!! わわ、忘れてくださいーっ!!」
P「あ、ああ、うん……わかったわかった」
やよい「うぅ……伊織ちゃんにドッカーンって怒られちゃうかもー……」
P「大丈夫大丈夫、伊織には言わないでおくからさ」
やよい「ごめんなさーい……」
P「と、とにかく! 俺と律子は、喧嘩なんてしてないよ」
やよい「ホントですかーっ!?」パァァ
P「ああそうだとも! ただちょっと今朝は、お互い仕事のことで頭がいっぱいだっただけさ」
やよい「えへへっ、それなら安心ですーっ!」
P「心配かけてごめんな。よし、それじゃあ景気づけに、アレやるか!」
やよい「あっ、アレですね! アレをやると、元気がモリモリ出てくるんですーっ!」
スッ
やよい「はい、たーっち!」
P「たーっち!」
パチン
やよい「いえーい! ……えへへ。良かったです、喧嘩なんてしちゃったら、私までかなしくなっちゃうところでした」
P「……やよいは本当に、素直で優しくて、良い子だなぁ。しかもこんなにかわいい……」
やよい「ええ!? かっ、かわいいだなんて……」
P「本当のことさ……やよいかわいいよやよい」
やよい「そっ、そんなに褒めても、なにも出ないですよー! えへ、えへへ、えへ……」ニコニコ
P「……さて、やよいはレッスンに行ったか」
P(しかし、伊織が言ってたという言葉の意味、なんなんだろうな)
P(えーっと……『律子が勇気だして頑張ってるのに、かわいそう』……だっけ?)
P「……うーん……」
P(な、なんか……それだけ聞くと、あれだな)
P(俺とふたりきりになるために、勇気を出すってことは……つまり……)
P(律子がその、俺のこと……す、す……)
P「うわああぁあああ!」ガタッ
春香「!?」
P「ななな、何を考えてるんだ!! そんなわけないだろうっ!!」
春香「ぷ、プロデューサーさん?」
P「そうだ、俺は昔からこうやって勘違いしては涙を流して……うぅ、思い出したくもない」プルプル
春香「ええっ、泣いてる!? プロデューサーさんっ、どうしたんですか!?」
P「え? あ、あぁ、春香か……いつの間に……」
春香「プロデューサーさん、何か悲しいこと、あったんですか……?」
P「……」
ゴシゴシ
P「……いや、なんでもないよ。ただ昔のこと思い出しただけだから……」
春香「そ、それにしては、鬼気迫る表情だったというか……」
P「大丈夫大丈夫……春香が心配するようなことはなにもないさ」
春香「……そうですか。プロデューサーさん、何かストレス感じることがあっても、溜め込んじゃだめですよ?」
P「ははは、なんだなんだ、気遣ってくれてるのか? 春香は優しいなあ。でも――
春香「優しいのは、プロデューサーさんのほうですっ」
P「……っ」
春香「……いつだって、みんなに優しくて。私達がつらいときも、笑顔にしてくれて……」
春香「でも、プロデューサーさんが悲しい顔してるところ、私は見たことないです」
P「は、春香……?」
春香「だ、だからっ……!」
P(な、なんだ? 朝一からなんだこの雰囲気……)
春香「……だから、プロデューサーさんがつらいときは、私にも相談して欲しいんです」
P「……」
春香「わ、私なんかじゃ、力になれないかもしれないけど……」
春香「それで、ちょっとでもプロデューサーさんがラクになれるなら……」
P「……ありがとう、春香」
春香「……」
P「でも本当に、いまは何も心配事はないからさ」
春香「本当ですか……?」
P「ああ。みんなの笑顔に囲まれて、幸せじゃない理由がないだろう」
春香「……プロデューサーさんは、いま、幸せ……」
P「もちろんだよ。……でも、ちゃんと約束する。今度何かあったときには、春香にも相談するから」
春香「!」
P「だから、顔を上げてくれ。春香が笑顔じゃないと、みんな暗くなっちゃうし、俺も悲しいよ」
春香「……わ、わかりました……えへへ」
P「……」
P(なんだか、朝から少し重い空気になってしまったが……)
P(なんとか春香は、笑顔を取り戻してくれたらしいな。よかった……)
春香「プロデューサーさん、約束ですよ、約束!」
P「ああ、なんなら指きりするか?」
春香「い、いい、いいんですか!?」パァァ
P「えっ」
春香「えっ」
P「そ、そんなに喜ばれるようなことか? 指きりくらい……」
春香「あ、い、いえ、べつに喜んでるわけじゃ……」アタフタ
P(……春香に、何があったんだ? 明らかに、いつもと違う表情をしていた)
P(律子と音無さんの間にもなにやらヒミツがあるらしいし……やよいと伊織も、俺にナイショの話をしていたらしい)
P(まぁ、この年頃の女の子たちは、そういうところもあるだろうけど……なんだか気になるな)
P(ま、悩んでても仕方ないな。もう仕事の時間だ)
P(俺には、やらないといけないことがある。もっともっとアイドルたちを輝かせることだ)
P(律子との昨日のことは……とりあえず、頭の隅の隅に置いておいて……)
P(スイッチを入れ替えて頑張ろう!)
P「……」カタカタ
律子「プロデューサー、どうぞ」コトッ
P「ん? ああ、コーヒーか。ありがとな」
律子「いえいえ、これくらいお安い御用です」
ズズッ
P「……うん、美味いよ。ちゃんと俺の好みを知ってるなあ」
律子「ふふっ、何度も何度も、熱く語られたからね」
P「はは……あ、そういえば律子、あの書類どこにあるかな」
律子「あの書類? ……ああ、あれね! あれなら……」
ガサゴソ
律子「はい、どうぞ。これですよね?」
P「おお、これだよこれ。ありがとう」
小鳥「……ふたりとも、息ぴったりですねぇ」
P・律子「「そうですか?」」
小鳥「そうですよ。ふふっ……」
―――
律子「それで、この人ったらそのときなんて言ったと思います?」
P「おいおい、いつまで引っ張るんだよ……もう随分前のことじゃないか」
小鳥「ふふっ。それに律子さん、その話聞かされたの、もう三度目ですよ?」
律子「えっ、そ、そうでしたっけ? あはは……」
ガチャ
亜美「おっはよーだぴょーん! ……およ?」
真美「おはおは~! ……おやおや~?」
P「おはよう。……ふたりとも、どうしたんだ? そんな顔して……」
真美・亜美「「んっふっふ~!」」
真美「亜美亜美、あそこにいますぜ!」ビッ
亜美「いますなあ! 我らの敵がっ!」ビッ
P「な、なにがだよ……人のこと指をさすんじゃありません」
真美「なにがってそりゃ決まってるっしょ~!」
亜美「亜美たちの敵といえば! ……ん、倒すべき宿敵(とも)って言ったほうがカッコいいかな?」
P「朝から元気だな……なんの漫画の台詞だ?」
真美「うあうあ~! 漫画とかの台詞じゃないもんっ!」
亜美「亜美たちオリジン弁当の台詞だよっ!」
律子「それを言うならオリジナル、でしょ」
真美「そー、そんな感じ。んで、えっと……なんだっけ?」
亜美「……?」
P「お前ら本当自由に生きてるよな」
亜美「……ああっ! あれだよ真美! 我らの敵といえば、カップルだよっ!」
P「……は?」
真美「そうそう! ぐぬぬ……真美たちにも彼氏が出来てないというのに、朝から見せつけちゃってさ~!」
律子「ちょ、ちょっとあんたたち、何言ってんの!?」
真美「だってだって~。いおりんが言ってたもん」
亜美「そーそー。んで、言われてみれば確かにそうかなーって。うっうー!」
P「な、なんの話なんだ……? しかし似てるなおい」
P(というか、また伊織……)
律子「ちょっと、本当、やめなさい……ね、お願いだから」
真美「……どーする、亜美?」
亜美「律っちゃん困ってるっぽいね……もしかしたら、ピヨちゃんにはヒミツなのかも」
小鳥「あら、私もその話、知ってるわよ?」
律子「小鳥さんっ!?」
真美「ホント!?」
亜美「なら大丈夫っぽいね~!」
P「……いい加減、教えてくれよ。誰と誰がカップルだって言ってるんだ……?」
亜美・真美「「そんなの、兄ちゃんと律っちゃんに決まってるっしょ~!」」
P「……」
P「はぁぁあああ!!?」
P「な、なな……なにを言ってるんだ! そんなわけないだろ!? な、なあ律子!?」
律子「え、ええ! そうよ、伊織が何を言ってたか知らないけど、テキトーなこと言ってるんじゃないの!」
亜美「えっ、そーなの?」
真美「……あ゛っ! 亜美亜美、ヤバイよ~! ヤバイこと思い出しちゃった~!」
亜美「どーしたの、真美! ま、まさか、人類が滅亡したあの日のこと……!?」
真美「そんなの比べものになんないくらいヤバイんだって~!」
P「お前ら何を背負って生きているんだ……」
亜美「んで、なあに? はやく教えてよ~」
真美「律っちゃんと兄ちゃんは、付き合ってないの! いおりんも言ってたっしょ~?」
律子「そ、そうよ。何よ、ちゃんとわかってるじゃな――
真美「ただね、律っちゃんが兄ちゃんのこと好きなだフゴォ」
律子「はーい、お口をふさぎましょうね~」メキメキ
P「お、おい、真美は一体何を……?」
律子「プロデューサー殿は黙っていてください♪」
P「……はい……」
真美「ヤバイよ……あれは人殺したことある目だったよ……」ガクガク
亜美「元殺し屋の噂は本当だったんだ……」ブルブル
P「……伊織が何を言っていたかわからないが、そんな根も葉もない噂を信じちゃだめだぞ」
亜美「律っちゃんは元朝青龍じゃないってこと?」
P「たぶん、アサシンってことを言いたいんだろうけど……そうじゃなくてだな」
律子「……」
P「……俺と律子がどうの、って話だ。俺達は本当に、何もないから」
律子「……っ」
亜美「そーなんだ~」
真美「なんか、ごめんね。兄ちゃん、律っちゃん。真美たちカンチガイしちゃってたかも」
律子「……ま、まあ、いいんだけど……」
亜美「でも律っちゃんが兄ちゃんのこと」
律子「」ギロリ
亜美「なんでもないっぽいよ~」
P「……大体な、律子には俺なんかよりもっと良い男が似合うってもんさ! あっはっは……はぁ」
真美「んっふっふ~! 確かにそうっぽいね!」
P「おいおい、そこは否定してくれよ」
真美「兄ちゃんをバカにしてるわけじゃないよ? でも律っちゃんの彼氏はもっとこう、ダメダメな人っぽいよねっ」
亜美「そーそー。それで律っちゃんが、『しょーがないわねー、はいお小遣い』って言いながらお世話すんの!」
律子「……好き放題言っちゃってまぁ……そんなダメ男は、こっちから願い下げよ」
P「……じゃあ、律子はどんなタイプが好きなんだ?」
律子「え゛っ!? そ、そうね、優しくて、頼りがいがあって……ってなんてこと言わすんですかっ!」
小鳥「律子さん、そんなに恥ずかしがることでもないでしょ? もうティーンエイジャーでもないんですから」
P(年齢の話が出たので……)
P(余談ではあるが、音無さんと律子が同じ20代を過ごせた時間はほんの数ヶ月しかなかった)
P(律子の誕生日から、こないだの音無さんの誕生日までの、約二ヵ月半だけである)
P(あのときの音無さんの表情は忘れられない……)
真美「んっふっふ~! 兄ちゃんに一生彼女が出来なかったら、将来真美の彼氏さんにしてあげてもいいよ?」
P「ははは……ありがとな。でもアイドルに手を出すわけにはいかないからさ、遠慮しとくよ」
真美「マジメっぽいね~。でもそういうところもス・キ」
P「お、大人をからかうんじゃないっ!」
真美「あははっ! 兄ちゃんが怒った~!」
P「中学生なりたてホヤホヤが調子に乗りおって!」
ギャー ギャー
律子「……」
小鳥「……律子さん、元気だしてくださいね?」
律子「……っ……。べ、べつに、なんにも気にしてないですよ。本当に私達は、なんにもないし……」
小鳥「プロデューサーさんがああ言ったのは、亜美ちゃん真美ちゃんの前だからよ」
律子「……そう、ですかね……はぁ」
小鳥「ふふっ、それじゃあ……、今日は私と飲みにいきましょう! お酒の力使ってぜんぶ吐いちゃいなさい!」
律子「昨日も随分吐いたんですけど……でも、ありがとうございます。すいません、毎度毎度話聞いてもらって……」
【Pのおうち】
ガチャ
P「ただいまー、っと」
P「って言っても、誰もいないけどな。昨日と違って……」
P「……」
P(あれから……)
P(個別レッスンから帰ってきたやよいと春香を加えて、俺が担当するユニット三人は、いつも通りの営業をこなした)
P(朝は春香の様子が少しおかしいとは思ったが、仕事中はいつものような元気な笑顔を見せてくれた。さすがはリーダーといったところだ)
P(……律子とは、それ以来特に話してはいない。俺も今日はなんだかはやく帰りたくて、直帰してしまったからな)
※このPの担当アイドルは春香(リーダー)、やよい、真美の三人です
P「……さて、ちょっと横になるか……うん、疲れただけだから、他意はないから」
ポフン
P「……」
P「…………」
P「このへんに……」
サワサワ
P「……昨日、律子が寝ていたんだよな。あ、いや、どうでもいいけど」
P「……」
P「…………」
P「律子が、無防備な格好で……」
クンカクンカ
P「……ちょっと深呼吸してみよう。あ、いや、特に意味はないけど」
P「ふぅ……」
P「良い匂いが残ってる気がする。たまらん」
P「朝目覚めたら律子が隣にいるとか、今思うと本当にとんでもないな……」
P「……」
P(……正直に言って、あれから俺は、律子のことを今までとは違う目線で見るようになってしまった)
P(仕事の同僚、ただの友人……その域を超えることは決してないだろうと、思っていたのに)
P(今ではもうはっきりと、異性として、ひとりの女の子として意識してしまうようになってしまった……)
P「……はは、やっぱり俺は童貞だな。こんなことがあったくらいで、すぐその気になってしまうなんて」
P(もしも、これがアイドルの誰かだったら、ここまで素直に気持ちの変化を認めることはなかっただろう)
P(同じ同僚、同じ裏方の人間……つまり言ってしまえば、律子はアイドルじゃない。たまにステージに立つことはあるけど)
P(だからこそ、俺の気持ちを止めるものは……何もなかったんだ)
P「……律子の寝顔、かわいかったな」
ムクムク
P「おお、息子よ、お前もそう思うか」
ビンビン
P「ははは、仕方ない奴だなあ。よおし、もう一回可愛がってやるからな」
P「ええっと、律子のアイドル時代のDVDは、っと……」
ガサゴソ
P「おお、あったあった。こんなこともあろうかと今日事務所から持ち帰っておいてよかった」
P「さて……」
カチャカチャ
ジー ボロン
P「……ふふ。今日は何回でも戦えそうだ」
P「よし、それじゃあさっそ
ヴー! ヴー!
P「!?」
P「電話!? 誰だよっ、俺の大切な時間をジャマしやがって!」
パカッ
……………………
着信:秋月律子
……………………
P「!?」
ヴー! ヴー!
P「……」
P(律子から電話……な、なんの用なんだろう。仕事の話か、それとも……)
P(……プライベートな用事、だったらいいな……なんて)
P(どちらにせよ、こんなときにかかってくるなんて、なんて絶好のタイミングなんだ……)
P(……絶好のタイミング? いま、俺は何を考えた?)
P「……!」ティン
P(これで、律子の声を聞きながらデキるじゃないか! ははっ、天才か俺は!)
P(そうと決まれば……!)
ピッ
P「もっ、もしもし!」
小鳥『あ、やっと出ましたね、プロデューサーさん』
P「え……その声は……」
小鳥『私です、音無小鳥ですよ。すみません、こんな時間に……』
P「音無さん……」
シュン
P「ああ、縮んでしまった」
小鳥『縮む? なんの話ですか?』
P「あっ、い、いえいえ! こっちの話です、すいません」
小鳥『……?』
P「……えっと、それはそうと、どうしたんですか? なんで律子の携帯で……」
小鳥『あ、それがですね……』
P(ちなみに言っておくが、俺は音無さんのことをキライとかじゃ決してない)
P(むしろ好きだ。優しいし綺麗だし、とても30代とは思えない)
P(だけど、まあ、なんというか……失礼だからな、音無さんに対して。うん……)
―――
小鳥「……あ、プロデューサーさん!」
P「音無さん、お待たせしました! り、律子の様子は……!?」
小鳥「それが、この通りなんです~……」
律子「……zzz……」グッタリ
小鳥「律子さん、小柄とはいえ……うう、女の私にはちょっと重いわ~……」
P「寝てるときはそうですからね……代わります、是非そうさせてください」
小鳥「はい、それじゃあお願いしますね♪」
P(どうやら、律子と音無さんは今日、ふたりで飲み会をしていたらしい)
P(しかし律子が飲みすぎて、この通り熟睡してしまったため……)
P(俺に車で迎えに来てもらい、家まで送ってもらおうと思ったんだそうだ)
P(ちなみに、音無さんの携帯は電池が切れてしまっていたとのこと。だから律子の携帯を使ったらしいな)
P「よい、しょ……っと」
ポフン
律子「わふ……むにゃむにゃ」
P(泥酔してる律子もかわいいなあ!)
P「音無さんも乗ってください。送っていきますよ」
小鳥「い、いいんですか? なんだかアッシー君にしちゃったみたいで悪いわ……」
P「随分久しぶりに聞いたフレーズですね……」
小鳥「私も自分で使ったのは初めてです……」
P「……と、とにかく。こんなとこで酔った女性をひとりにさせるわけにはいきませんから、どうぞ」
小鳥「……ふふ。それじゃあ、遠慮なく♪」
ブロロロ……
P「……女の人を助手席に乗せたのは初めてですよ」
小鳥「え? でもいつも、アイドルの子たちを乗せてるじゃないですか」
P「ああ、すいません。プライベートで、ってことです」
小鳥「プライベート……」
P「アイドルの子たちを異性として見るわけにはいきませんからね。もちろんみんな、可愛い子たちですけど……」
小鳥「……私、女としてカウントされてる、ってこと?」
P「当たり前じゃないですか、実は男でしたー、とかじゃないでしょう?」
小鳥「……」
P「……小鳥さん?」
小鳥「……律子さんに怒られちゃうわ」
P「ええ? な、なんで……?」
小鳥「なんでもありません。プロデューサーさんが悪いんです」プイ
小鳥「……」クルン
P「律子の様子、どうですか?」
小鳥「気持ち良さそうに眠っています。体丸めちゃって、かわいいですよ」
P「そうですか、それは是非見てみたいな」
小鳥「……そーいうの、本人が起きてるときに言ってあげてください。きっと喜びますから」
P「……恥ずかしくて、そんなの言えませんよ」
小鳥「でも律子さん、言ってましたよ? 『プロデューサー殿はテキトーなこと言って相手を喜ばす天才だ』って」
P「んなっ、なんてことを……!? 今まで適当なつもりで発言したことないですよ!?」
小鳥「ふふっ、わかってます♪ ……ねえ、プロデューサーさん?」
P「なんですか?」
小鳥「……律子さんのこと、どう思います?」
P「……」
P「……」
小鳥「……」
キキッ
小鳥「いま、少し急げば赤信号になる前にいけたんじゃないですか?」
P「今日は大切なゲストを乗せてますから、安全運転でいかないと」
小鳥「それって……」
P「……」
P「好きですよ」
律子「……っ!」
小鳥「……友人として?」
P「……どうなんでしょう。まだ、はっきりとは……」
小鳥「そうですか……それじゃあ、脈アリってところですね」
P「……トップシークレットです」
小鳥「あ、私の家、このへんです。この辺りで降ろしてもらえば……」
P「わかりました」
キキッ
ガチャリ
小鳥「わざわざ送っていただいて、ありがとうございました」
P「いえいえ、いいんですよ。気にしないでください」
小鳥「ふふっ、やっぱりプロデューサーさんはお優しいですね」
P「いつも優しい人止まりで印象が終わってしまうのが、たまにきずですけどね。ははは……」
小鳥「大丈夫です、プロデューサーさんには、彼女くらいきっとすぐに出来ますよ」
P「そうでしょうか……」
小鳥「そうです、そうなんですっ。ふふふ、私が保証しますよ!」
P「音無さんだって彼氏できたことないじゃないですか」
小鳥「そ、そそ、それを言うのはズルイです~!」
P「それじゃあ、おやすみなさい」
小鳥「おやすみなさい。また、明日」
ガチャ
P「さて……次は律子か」
律子「……」
コンコン
P「ん? 音無さん?」
ウィーン
小鳥「ごめんなさい、言い忘れてました。プロデューサーさん、耳貸してください」
P「え……?」
小鳥「……送り狼になっちゃ、だめですよ?」ボソボソ
P「!? な、何を……!? そんなことあるわけ……!」
小鳥「昨日みたいに♪」
P「!?」
小鳥「それじゃあ、今度こそおやすみなさい!」タタタッ
P(送り狼、って……またへんなこと言って)
P「……」チラ
律子「……」
P「……いやいやいや、何を考えているんだ俺は……」
P「昨日のは事故、そう事故だ。二日連続でなんて、そんな……」
P「……」
P(それは、たしかに今の俺にとってはとても魅力的なアイデアだった)
P(しかし……それをしたら、大切な何かが失われてしまう気がする)
P(律子に嫌われることだけは、決してしたくないし……)
P「……やっぱり、普通に送っていこう。うん……」
律子「……く……なし……」ボソボソ
P「ん?」
律子「……z、zzz……」
P「気のせいか……」
―――
P「えっと、このへん……かな?」
P「……」
P(やばい。送っていくと言っても、音無さんからもらったアバウトな地図じゃさっぱりわからん)
P(律子を起こして聞くしかないか……)
P「おーい、律子~」ユサユサ
律子「う、う~ん……」
P「起きてくれ、もう朝だぞ~」
律子「……」
P「……寝てるなら、ちゅーしちゃうぞ~」
律子「!?」ガバッ
P「おお、起きたか。おはよう」
律子「お、おは、おはようございます……」ドキドキ
律子「……」ポー
P「律子、色々状況がわかっていないとは思うけど……」
律子「……送ってくれたんですよね? すいません……」
P「あれ、もしかして起きてたのか?」
律子「いっ、いえいえ! ただまあ、なんとなくわかりますから! それだけですっ!」
P「そうか……」
律子「……私の家、もうすぐそこです。ここからなら、歩いていけますから……」
P「玄関まで送っていくよ」
律子「……結構です」
P「いやでも、こんな夜道とはいえ、酔ったお前をひとりにするなんて……」
律子「だいじょうぶですっ、だいじょうぶですから……!」
P「……!?」
律子「ひとりに……してください……」
P(律子の目、赤くなってる……?)
律子「……」
ゴシゴシ
律子「プロデューサーには昨日からお世話になりっぱなしですから……これ以上迷惑、かけられません」
P「迷惑だなんてそんな……」
律子「本当、あとちょっとの距離ですから、心配はいりません。お礼は後日、酔いがさめたときに……」
P「お礼なんていらないよ。ただ、ちゃんと家まで入っていくのを確認させてくれ。安心したいんだ」
律子「……」
P「……律子、お前どうしたんだよ? 様子がおかしいぞ」
律子「べつに、おかしくなんて……っ!」ジワ
P「……」
律子「……失礼しますっ」
P「あ、ああ……」
律子「……」
テクテク
律子「……っ……」
律子「ほんと、バカみたい……ひとりで舞い上がっちゃって、私……」
律子「う、うぅ……」
律子「ま、まだ、泣いちゃだめよ……」
律子「泣くのは、部屋に帰ってから……!」
P「なんで泣くんだよ」
律子「!? ぷ、プロデューサー!?」
P「……やっぱり、ほっとけないよ。フラフラじゃないか」
律子「……やっぱり、優しいですね、プロデューサー殿」
P「茶化すなよ」
律子「べ、べつに茶化してなんか……」
P「律子が俺のことプロデューサー殿って言うときは、大体そういうときだろ?」
律子「……そうでしたっけ?」
P「いや、まあ……、そうじゃないときもあるけど」
律子「……」
P「……なあ、律子」
律子「なんですか……?」
P「なんで、涙を流す必要があるんだ? 何かあったなら、相談してくれよ」
律子「……あなたには、言えません」
P「……どうして?」
律子「あなたのことだから、言えないんです……」
P「俺のこと? それなら尚更……」
律子「あっ、い、いいえ! ……やだもう、まだ酔ってるのかしら……!」
律子「と、とにかく……私はさっきも言ったように、ひとりで帰れますから」
P「……」
律子「……それじゃあ、おやすみなさい」タタッ
P「ちょ、待てよ!」
ガシッ
律子「っ! は、離して……っ!」
P「……いいや、離さない」
律子「どうして!?」
P「律子が泣いているからに決まっているだろう!? ひとりにしたくないんだよ、わかってくれよ!」
律子「そ、そんなに優しくしないでくださいっ!」
P「律子のためにやってるんじゃないっ! これは、俺がしたいからしてるんだ!」
律子「な……あなたに、なんの関係が……!」
P「関係大アリだ! 律子が泣いてるなら、俺も悲しいからだよっ!」
律子「……っ!」
律子「な、なんで……そんな風に言ってくれるの……?」
P「……それは……」
律子「そんなこと言われたら……私だって、まだいけるのかな、って……思っちゃうじゃない」
P「……り、りつ――
律子「もう本当に、私に構わないでくださいっ!」
P「っ! な、なんでそんなこと……!?」
律子「なんでって、そんなの決まってるじゃない!」
律子「だ、だって、だってあなたは……!」
律子「あなたは、小鳥さんのことが好きなんでしょう!?」
P「……は?」
律子「私、知ってるんですからっ!」
律子「小鳥さんに対して、『好きですよ』って言ってるの、ちゃーんとこの耳で聞いたんですから!」
P「いや、いやいやいや。なんの話だよ……」
律子「誤魔化す気ですか!? いいですよ、それなら教えてあげますっ!」
律子「私、本当は……車の中で、寝たふりしてたんですよ!!」
P「車の中……?」
P「……」
P(! あ、あの会話か……!)
小鳥『……律子さんのこと、どう思います?』
P『好きですよ』
小鳥『……友人として?』
P『……どうなんでしょう。まだ、はっきりとは……』
小鳥『そうですか……それじゃあ、脈アリってところですね』
―――
――
―
P(なんということだ……律子の頭の中には、一番上の音無さんの台詞がすっぽり抜けてしまっているんだ)
律子「う、うぅう……」
ポロポロ
P「……」
P(こいつ……盛大な勘違いをしておられる……!)
P(いや、まあ、ちゃんと聞かれてたら聞かれてたで、ちょっと困ることになったけど……)
律子「さっきだって……! 小鳥さんの帰り際に、仲良さそうに……!」
P「そこまで見てたのか……」
律子「だっ、だから私にはっ、もう優しくしないで欲しいんです!」
P「……」
律子「うぇええん……!」
P(酒のせいか、いつもとはまるで別人だ……)
P「……」
P(どうしよう)
P(かわいい)
P(それならそうで、ちょっと余裕が出てきたな。もう少し様子を見よう……)
P「……なあ、律子」
律子「な、なんですか……」
P「たとえもし、俺が音無さんのこと好きだとしたって、それでなんで律子が泣くんだ?」
律子「そんなの、決まってるじゃないですか! プロデューサーは昨日も言ってくれたのに……」
P「え、昨日?」
律子「そうです、そーなんです! 昨日はあれだけ、私のこと……ゴニョゴニョ……って言ってくれたじゃない!」
P(昨日!? 酔って記憶を失っていたときのことか! な、何を言ったんだ……?)
P「……すまん、なんのことだかさっぱり覚えていない……」
律子「最っ低!!」
P「おっしゃるとおりだ……ごめんなさい」
律子「うぅ……だから、部屋にも行ったのに……すぐ寝ちゃうし……」
P「……」
P(なにそれこわい)
P(本当に俺、何を言ったんだよ!!?)
律子「もういいもん、律っちゃん帰る!」
P「お、おいおい、その発言はそりゃいくらなんでも壊れすぎだろ色々」
律子「昨日はこんな感じだったじゃないですかっ!」
P「本当かよ……信じたくない……」
律子「……」
P「……」
律子「……ごめんなさい、こんな迷惑、かけて……」
P「いや……」
律子「……よく考えたら、そうですよね。あなたが小鳥さんのこと好きだって、私が泣くのはおかしいわ」
P「……」
P(ここらへんが、潮時か)
P(律子の誤解を解こう……色々と、よくわからないところもあるけど)
P(とにかくそうしないと、いつまで経っても話が進まない)
P「なあ、律子……お前は、勘違いをしているぞ」
律子「な、なにが……!」
P「俺は決して、音無さんのことは好きではない」
律子「!? で、でも……」
P「毛ほども恋愛感情を抱いたことはないんだ……」
P「あ、いや、もちろん、嫌いじゃないけどな? むしろ素敵な女性だと思ってる」
P「でも――
律子「じゃあっ! 車で言った、『好きですよ』ってのは、誰のことを言っているんですか!?」
P「律子だよ」
律子「!!!?」
P「……なーんて……」
律子「そっ、そそ、そうですよね……私のわけない……そうだとしたらおかしいわ」ドキドキ
P(俺の意気地なし!)
律子「……はぁ……」
P「……」
律子「なんだか、今ので酔いもさめちゃいました」
P「いいことだ……酔っぱらったって、大抵ろくなことがないからな」
律子「でも、あなたの家に行けたわ」
P「でも、今みたいに律子を泣かせてしまった」
律子「……お酒の力って、こわいですね。私、今まで知りませんでした」
P「まだ二十歳になったばっかりだろ。これからゆっくり、身を持って知っていけばいいさ」
律子「……」
律子「もう、ダメ、ですね……」
P「え?」
律子「なんかもう、色々……私もう、疲れちゃいました」
P「疲れたって、何が……」
律子「隠すのに、疲れちゃったんです」
P「……隠す?」
律子「……私、思い返せば、色々ヤバイ発言しちゃってました。あなたは素面なのに……」
律子「それに、今日、事務所でも……亜美や真美にも言われたし、その……」
P「り、律子……?」
律子「……薄々、感づいてるとは思います。いくら鈍感なプロデューサーでも、さすがに……」
P「……」
律子「……」
律子「私、あなたのことが好きなのよ」
P「……え……」
律子「……」
P「ええぇえええ!!?」
律子「……なーんてね」
P「そ、そそ、そうだよな。そんなわけない……!」ドキドキ
律子「っていうのは、嘘です」
ぎゅっ
P「!?」
律子「仕返し、しただけよ……」
P「な、なな、なんのことだ……!?」
律子「……さっき、誤魔化したでしょ? その仕返し」
P「……」
律子「目が泳いでる、口がパクパクしてる。……大体、そんなときは、何か大切なことを誤魔化してるのよ」
P「…………」
P(いつの間にか、律子のペースだ……なんだよ、なんなんだよ、俺……!)
P「な、なあ。一体、俺が何を誤魔化してるって……?」
律子「……車で言った、『好きですよ』ってのは、私のことを言ってくれたんですよね?」
P「……そ、それは……」
律子「……もう、ダメですよ」
P「……っ」
律子「もう逃がしません」
律子「女の私に、ここまで言わせたんだから……あなたも、本心を話してください」
P「……」
ドックン ドックン……
P(このタイミングだ)
P(このタイミングで、男を見せてやらないと……本当に俺は、どうしようもないダメ人間になってしまう)
P(いくじなしで、ヘタレで、クズな……本当のダメ人間に……!)
P「……俺は」
律子「……」
P「いや、違うな……俺も、だ」
P「律子のことが、好きだよ」
律子「っ!!」
P「同僚でも、友人でも……もちろん、アイドルとしてでもなく……」
P「ひとりの女の子として、律子のことが好きだ」
律子「そっ、それじゃあ……!」
P「……でもな。本心を話す、っていうなら……これだけじゃ足りない」
律子「え……」
P「正直に言って、俺は昨日まで、律子のことはそれほど意識してなかったんだ」
P「朝起きたら、律子が隣にいた……。そんなことがあったから、急激にお前のことを意識し始めたんだよ」
律子「……そ、そうですか」
P「自分でも、気持ちの変化がはやい奴だと思う。でもな……」
P「でも、そういった、ちょっとしたことがきっかけで……人の印象っていうのは、良い方向にも悪い方向にも変わるんだ」
P「俺はそれを、この年になって初めて知ることができた」
律子「……」
P「今までの律子の印象が、俺の中でガラッと変わってしまった。今日だって、一日中律子のことを考えていたんだよ」
P「律子は、とても魅力的な女の子だ。今まで意識してなかったのが、おかしいってくらいに……」
P「だからな――
律子「だーもう!! 話が長いっ!!!」
P「えっ」
律子「いいんですっ、そんなこと!」
P「いや、でも……」
ぎゅーっ
P「……っ」
律子「……いつから好きになった、とか……そんなことは、どうでもいいんです」
律子「前までの私は、ほんの少しでも……あなたが私のことを見てくれたら、それだけで幸せだった」
律子「それに比べたら、時間なんて些細なものです」
P「……」
律子「普段は、少しだらしないけれど……アイドルのみんなだけじゃなくて、私にも平等に優しくしてくれて」
律子「いっぱいいっぱい、助けてくれて……私が弱音を吐いたときも、励ましてくれて」
律子「そんなあなたが、私と同じ気持ちなら……私は……まるで魔法をかけられたみたいに、幸せになれるんです」
P「……いいのか、こんな俺で」
律子「そんなあなただからこそ、ですよ。こんなに、へタレで、ダメ人間だからこそ……」
律子「私は、そんな不器用なあなたのことが、こんなにも好きになれたんです」
P「あはは……真美たちの言ってたとおりだな。律子の彼氏はダメ人間だって」
律子「本当ですね、ふふっ……」
グリグリ
P「……頭グリグリするのはやめてくれないか」
律子「やです」
P「みぞおちに当たって苦しいんだけど……」
律子「私が今まで味わった苦しみに比べたら、これくらい」
P「え!? く、苦しみ?」
律子「そーですよ。あなたは、みんなに優しいから……そういうの見てると、胸がモヤモヤするんです」
P「……ごめんな」
ぎゅっ
律子「! ……や、やっと……抱き返してくれたわね……」
P「……これからは、律子のことだけ見るさ。今までの時間、苦しみ、全部取り返せるくらいに……」
律子「ふふっ……それも考え物じゃないですか? みんなのやる気をなくさせちゃダメですよ、プロデューサー殿?」
P「茶化すなって……」
P「……律子……」
律子「……っ」
律子「……ぷは」
P「……」
律子「……突然すぎじゃないですか? まだ、これしか、時間経ってないのに……」
P「時間なんて、関係ないんだろ?」
律子「ま、まぁ、そうですけど……」
P「初めて、キスをしたよ。不思議なもんだな……なんか、安心する」
律子「ふふっ……私は、ファーストキスじゃないですけどね」
P「え!?」
P「ま、まあ、やっぱり、律子はモテてただろうからな……いや別に、気にしてないけど」
律子「嘘ですよね?」
P「……うん……嘘だ。少し気にする」
律子「……初めての相手は、あなたですよ、プロデューサー」
P「……」
P「え? そ、それじゃあやっぱり、今のがファーストキスなんじゃないか! ドッキリさせないでくれよ……」
律子「いいえ、それも違います。今のは確かに、私にとって二回目のキス」
律子「そして、あなたにとっても……二回目のキス」
P「どういうことなんだ……」
律子「……昨日、あなたが寝てるときに……」
律子「その……、ね?」
P「……っ!」
律子「……ふふっ……」
律子「それで、今あなたがしてくれたのが……三回目、です」
律子「……私、家に戻ります」
P「あ、ああ。なんか突然だな」
律子「でもプロデューサーは、そこから動いちゃダメですよ?」
P「えっ」
律子「いいですか? 私があなたの携帯を鳴らすまで、ここにいてください」
P「……ああ、わかったよ」
律子「それではっ!」
タタッ
P「行ってしまった……な、なんなんだ……?」
カラカラ
律子「ただいま戻りましたっ!」
P「いやいやいや、帰るんじゃなかったのか?」
律子「戻るとは言ったけど、帰るとは言っていませんよ?」
P「……それに、その荷物は……?」
律子「明日のスーツと、化粧品と……、その他もろもろ、女になるために必要なものです」
P「……」
律子「……」スッ
ピッ プルルルル……
P「……電話?」
ピッ
P「も、もしもし……」
律子『それじゃあ、行きましょうか! もう動いていいですよ』
P「……えっと、どこへ行くって?」
律子『どこへって、そりゃ、決まってるでしょう? あなたの部屋ですよ』
―――
――
―
チュンチュン
ぴよぴよ
P「……」ムクッ
律子「……すぅ、すぅ……」
P「……」
P「どういうことなの……」
P「あ、いや、今度はちゃんとわかってるけど……」
P「なんか、色んなことがありすぎて、頭が付いていかないぞ……」
P「律子は……」
チラ
律子「……むにゃむにゃ……」
P「寝てるか……」
P(いやでも、こいつのことだからな。寝たフリの可能性もある)
P「……」
P「…………」
P「……いつつ。体が痛くて仕方ない」
P「……シーツも、洗わないとな……こんなにあ
律子「せ、セクハラですよ……」
P「やっぱり起きてたか……」
律子「……」
P「……」
ぴよぴよ
律子「……あ、朝ですね……」
P「そ、そうだな……外で小鳥も鳴いている……」
律子「……まだ、ちょっと痛いわ……もう、今日はまともに歩けないかも」
P「ははは……なんてリアクションすればいいんだよ」
律子・P「「……あのっ!」」
律子「……ふふっ。今度はプロデューサー殿からどうぞ?」
P「あ、ああ……それじゃあ、まず……」
P「……愛しているよ、律子」
律子「……ふふふ。私も、同じことを言おうとしてました」
P「……こんな風に、朝起きたら誰かが隣にいるっていうのは、いいものだな」
律子「あら、誰でもいいんですか?」
P「……」
律子「なーんてね。わかってます、ちゃんと」
P「言わせんな恥ずかしい……」
律子「冗談、です。あなたの気持ちは、昨晩、いやってほど聞きましたから」
P「いやだったのか?」
律子「言わせないでよ恥ずかしい……」
P「……いつか」
律子「え?」
P「今日みたいな日だけ、じゃなくてさ……いつか……」
P「毎日毎日、こうして、朝起きたときから顔を合わせられるようになれたらいいなって思うよ」
律子「っ!」
P「ど、どうした? そんな顔して……」
律子「……ぷ、プロポーズみたいに聞こえるんですけど……」
P「え? ……っ!!!」
律子「あ、いやでも、いつかはとは私も思いますけど、まだそれは気が早いというかっ」
律子「お互い収入が安定して、十分な貯蓄をして、将来設計の見通しが立ってからでも決して遅くはわわわ」
律子「事務所設立の夢もありますししし」
P「お、おお、落ち着け! ……っていうか、事務所設立? なんの話だ?」
律子「いっ、いえっ、なんでもないですっ」
P「……」
律子「……」
P「……は、はは……」
律子「ふふ、ふふふ……」
P・律子「「あはははは!」」
P「それじゃあ……まずは、はりきって仕事をしないとな!」
律子「そうですね! 今日もアイドルたちが、私たちの指示を待ってますからっ!」
P「一緒に、頑張っていこう。もちろん、仕事だけじゃなくて……」
律子「ええ! 朝起きたときから、夜寝るまで……」
律子「いつまでも、私の隣にいてくださいね! プロデューサー!」
おわり
でも少し休憩したあと、後日談も書いていく
【後日談】
P(……さて)
P(朝起きたら律子が隣にいたあの日から、数日が経った)
P(俺と律子は……うん、仲良くやっている。詳しくは恥ずかしいからナイショだ)
P(しかし、俺にはまだ、わかっていないことがいくつもあるのだった)
P「その一つが、伊織。お前だよ」
伊織「一体なんの話よ……藪から棒に」
P(伊織は、やよいと亜美、真美になにやら色々と話をしていたらしい)
P(俺と律子が話しているのをジャマしちゃだめ、とやよいに言って……)
P(真美たちには、律子と俺が付き合ってるだの……あ、いや、違ったっけ?)
P(……律子に聞いてみてもよかったんだけど、まあ今日こうやって本人を捕まえられたからな。ちょうどいいや)
伊織「ところであんた、良かったわね! 聞いたわよ」
P「え? なんの話だ?」
伊織「律子と、無事に付き合うことになったんでしょ? あんたにしてはよくやったじゃない!」
P「あ、ああ……まぁ一応、ありがとう。律子から?」
伊織「ええ、そうよ」
P「……」
伊織「それで? この宇宙一の天才美少女キューピッドアイドル水瀬伊織ちゃんに、なんの用があったわけ?」
P「キューピッドって……まあ、報告も兼ねてだな」
伊織「あら、わざわざ報告だけしに来るなんて殊勝なことね。でも別に、間に合ってるからいらないわよ」
P「あ、いや、それだけじゃなくて……伊織、お前は一体何を知っていたんだ?」
伊織「? 何を、って?」
P「律子のことだよ」
伊織「そんなの、全部に決まってるじゃない! にひひ♪」
P「……ぜんぶ?」
伊織「もっちろん! 律子がプロデューサーのことを意識し始めたときから、今日のことまで、全部よ」
P「えっ」
伊織「律子が竜宮小町のプロデューサーになって間も無く、あんたが765プロに入社したじゃない?」
伊織「そのうち、『あら? おかしいわね』って思ってちょっとつついてみたら、ポロポロポロポロ……」
P「……」
伊織「あのときの律子ったら、イジイジしてて仕方なかったからね」
伊織「だから、この私がひと肌脱いでやろうって思ったわけよ! 感謝しなさいよね!」
P「……それで、やよいや亜美たちに?」
伊織「あら、知ってるの? ……ま、本当はやよいにだけ、ジャマしないように、って言うつもりだったんだけど……」
P「運悪く、あのふたりに捕まってしまったのか」
伊織「……そんなところよ。思い出したくもないわ、あのくすぐり地獄……」
P(亜美たちからどんな拷問を受けたんだろう……興味津々なときのアイツらは、律子でもなかなか止められないからな)
P「と、ところで、伊織」
伊織「なあに?」
P「全部ってことはだな……あの、律子が俺の家に泊まったことも……?」
伊織「ええ、知ってるわよ。付き合う前にそういうことするなんて、律子らしくないと思ったけど……」
伊織「ま、結果としてそれが良い方向に転んだんだから、私は別に責めやしないわよ」
P「……付き合う前?」
伊織「? そうでしょ? その一回きりだって、律子が言ってたけど」
P「……」
P(まあさすがに、言えない範囲のことはあるよな)
P(……よし、ここはひとつ)
P(俺の口から、あの日――俺と律子が付き合い始めたあの日の夜、何があったかを伝えてやろう)ニヤリ
P「……伊織。ちょっと耳を貸せ」
伊織「なによ……」
P「……実はな……」
伊織「は、はやく言ってちょうだい。くすぐったいじゃない」
P「律子が俺の家に泊まったのは、一回だけじゃなくて……」
伊織「え? そうなの?」
P「……本当は……」ヒソヒソ
伊織「……」
伊織「……――~~!!!」
伊織「ばっばばばばばバッカじゃないの!!?」
伊織「ももっ、もしそうだとしたって、なんでわざわざ私に言う必要があるわけ!?」
P「いや、伊織が知ってることを、ちゃんと本当の意味で全部にしてあげたいかなーって」
伊織「いらないわよこの変態っ! ド変態っ!! 変態大人っ!!!」
P(かわいい)
―――
『律子に言いつけてやるんだからっ!』
P(と言いながら、伊織は涙目でこの場を去ってしまった)
P(少し、イジワルが過ぎたかもしれない。まぁ、勝手に色んな噂を流した罰だな)
P(……あとで、律子からどんな顔で何を言われるんだろう。今から楽しみだ)
P「さて、と……」
ガチャ
春香「おっはようございまーっす!」
あずさ「あら、プロデューサーさん、おはようございますー」
P「おお、ふたりとも。ちょうどいいところに……」
P「今日は、ふたりで一緒に来たのか?」
春香「はいっ! えへへ……電車の中で転びそうになったところを、ちょうどあずささんが現れて」
P「あれ? 春香が乗る電車って、あずささんは反対方向だから使わないはずですよね?」
あずさ「そうなんですけど~……、私、気が付いたら上りと下りを間違えて乗っちゃってたみたいで」
春香「あずささんのおかげで、痛い思いをしなくて済みましたっ♪」
あずさ「ふふっ、私も、春香ちゃんに会えたおかげで遅刻しないで済んだわ~。ありがとね、春香ちゃん」
P「あはは……」
春香「ところで、プロデューサーさん。ちょうどいいところ、って言ってませんでした?」
P「ん、ああ。実はだな……ふたりにも一応、報告しとかないと、と思って」
あずさ「報告、ですか~?」
P「律子から、何か聞いていませんか?」
あずさ「んー……特には、何も聞いていませんけれど……」
春香「……律子さん……?」
P「ああ、実はな。俺達……」
―――
春香「……え……律子さん、と……プロデューサーさんが……?」
あずさ「……っ」
P「ああ、付き合うことになったんだ。ちょうど、今週の頭くらいからな」
春香「……」
P「春香は俺が担当するユニットのリーダーで……」
P「それに、あずささんは律子の担当するアイドルだから……一応、ふたりにも報告しとくよ」
春香「……」
P「……春香? どうし――
春香「おめでとうございますっ!!」
あずさ「……春香ちゃん……」
春香「えへへ、そうならそうと、はやく言ってくださいよぅ。私とプロデューサーさんの仲じゃないですか!」
P「……すまないな、ちょっと時間が作れなくてさ」
P(春香……?)
春香「詳しく聞かせてくださいよ! どっちから告白したんですか?」
P「うん、ああ……一応、律子から……」
春香「わぁっ、律子さんすごーいっ! わ、私なんかじゃ……とても……」
あずさ「……プロデューサーさん。私からも……おめでとうございます」
P「……ありがとうございます」
あずさ「ふふっ、律子さん、ようやく実ったんですね」
P「あずささんも、伊織と同じように、律子から聞いていたんですか?」
あずさ「いえ、そういうわけではないのですけれどー……見ていれば、なんとなくわかりましたから」
P「そうですか……」
春香「プロデューサーさん! それでそれで、プロデューサーさんは、いつから律子さんのことを?」
P「な、なんだ? やけに聞きたがるな」
春香「えへへ、だって、恋の話は女の子みーんな大好きなんですよ! だから――
あずさ「あらっ、いけない、もうこんな時間だわ。春香ちゃん、行きましょう?」
春香「え? で、でも……」
あずさ「いいからいいから。さっき音無さんに呼ばれていたのを、すっかり忘れてたのよ~」
―――
P「行ってしまった……」
P「なんだろう……。春香、あのときみたいに……少し、様子がおかしかったような」
P「……」
P「……俺は……、何か間違ったことは……してないよな……?」
P(こう考えること自体が大きな間違いだったのに気付いたのは、それからずっとずっとあとになってからだった)
P(春香が何を考えて、何を思っているのか。どうして、あんな乾いた笑顔を浮かべていたのか)
P(……しかし、それはまた、別の話だ)
―――
「……うん、そうね……」
「ごめんね、春香ちゃん。私……なんとなく、気付いていたのに……言えなくて」
「……私? 私は……大丈夫よ」
「本当よ……それより、つらいのは春香ちゃんでしょう? ……ずっと、プロデューサーさんとふたりで頑張ってきたものね」
「……こっちにいらっしゃい」
「いいのよ、気にしないで?」
「……ええ、大丈夫。全部、わかってるから……」
P「……」
P「……」
P「……律子に、会いたい」
P(わからないことは、まだまだたくさんある)
P(しかし、この言いようもない不安を消すには……律子に会うしかないと、そう思った)
P(いつの間にか俺は……随分と、律子に甘えるようになってしまっていたみたいだ)
―――
律子「……あ、プロデューサー!」
P「おお、律子……」
律子「すみません、お待たせしちゃって……」
P「いや、いいんだよ。仕事もあっただろうし、急に呼び出したのは俺だからな」
律子「どうかしたんですか?」
P「うん、まあ……自分でもよくわからないんだけどな。追々話していくよ」
律子「……?」
P「……」
律子「あ、あの、まさか……」
P「え?」
律子「……いやな話……?」
P「いやな話って……」
律子「……」ジワ
P「!? ああいやいや、律子が想像しているようなことじゃない!」
律子「ほ、ほんとう……?」
P「本当、本当だよ。約束しただろ……簡単に律子と離れるようなことはしないさ」
律子「……」
ゴシゴシ
律子「そ、そうですよね……やだ、私ったら、随分涙もろくなっちゃって」
P「……言い方が悪かったな。すまない」
律子「い、いえ、いいんです! 私が勝手に勘違いしちゃっただけだから……」
P「そういうの、考えちゃうのか?」
律子「……ええ、まぁ……今が幸せな分、余計にね」
律子「き、気を取り直して! プロデューサー、おなか減ってませんか?」
P「まあ、空いてるには空いてるな」
律子「それじゃあ、まずは軽くご飯を食べましょう。えっと、たるき亭でいいかな……」
P「……律子」
律子「……あ。や、やっぱり、ちゃんとデートっぽいところのほうがいいですか?」
律子「コストパフォーマンス的に考えたら、あそこが一番いいんだけど――
グイッ
律子「っ! ちょ、いきなり引っ張らないで……」
P「俺の家に行こう」
律子「……え……?」
P「俺は、はやく律子とふたりきりになりたいんだ……ダメかな?」
律子「……」
律子「い、いいですけど……」
律子「……な、なによ……いきなりそーいうの、ズルイじゃない」ドキドキ
ガチャ
律子「お邪魔しまーす……」
P「……」
律子「ふふ、ここに来るのも、もう何度目かしらね?」
律子「いちいち使い捨てを買うのももったいないし、今度来るときは歯ブラシでも持ってきて置いとこうかしら」
P「なんなら、同棲するか?」
律子「うーん、そうしたいのは山々ですけど……まだ気が早いですよ」
律子「そういうのは、色々準備が必要だし、あと覚悟も……」
P「覚悟なら、俺はもうとっくに出来てるんだけどな」
律子「……プロデューサー? なんだか、いつもと違くないですか?」
P「……」
律子「あはは、いつものプロデューサーなら、いつまで経っても悩ん――
ぎゅっ
律子「――でたり、するのに、あれ? お、おかしいな……」
P「……」
律子「……」
P「律子」
律子「は、はい……」
P「……いいか?」
律子「い、いいって、なにが……?」
ドックン ドックン……
P「……わかってるだろ?」
律子「……」
律子「うん……」
―――
――
―
―――
――
―
律子「……ふふ。本当に……、毎回そうなんですね」
P「ん? 何がだ?」
律子「こうやって、頭を撫でてくれることです」
P「……」
律子「男の人って、その……終わったあと、全部やる気無くなっちゃうんでしょう?」
律子「私のことは構わず、寝ちゃっててもいいですよ」
P「……いやだよ」
律子「いや、って……」
P「もっと、律子と話していたんだ。一秒だって惜しいくらいに」
律子「……っ」
律子「……あーあ。本当にもう……なんでかな」
P「どうしたんだ?」
律子「なんで……こんなに好きになっちゃったんだろ、って思って……」
P「……」
律子「特に取り得もない、ごく普通の人なのに……」
P「お、おいおい、失礼じゃないか?」
律子「でも、そうでしょう?」
P「……たしかに」
律子「……でも、良かったかもしれないわね。あなたが、超イケメンとかじゃなくて」
P「う、イケメンじゃなくて悪かったな……でも、なんでだ?」
律子「だって、例えばほら……ジュピターみたいな、女の子にすごい人気のある顔だったら」
律子「それで、あなたがところ構わずモテまくるような人だったら……私が独り占めできないじゃないですか」
P「……ま、そうかもな」
律子「だから嬉しいんです……」
P「……独り占め、か」
律子「……?」
P「なあ、もしも……もしもの話だぞ?」
律子「え、ええ……」
P「俺がさ、例えば……765プロにいる誰かに、好意を持たれていたら」
律子「っ!!」
P「律子は……どうする? どう思う?」
律子「なな、なんですか……? もしかして、こ、告白とかされたの……?」
P「……例えばの話だよ。そういうことは一切ない」
律子「……」
P「……」
律子「……わからないわ」
P「……そっか」
律子「でも、たぶん……今なら、はっきりと、負けないって言えると思う」
P「今なら?」
律子「……私の立場上、こういうことを言うのはまずいのかもしれないけれど」
律子「アイドルとプロデューサーの恋愛は、私はべつに、反対はしていないんです」
P「……意外だな」
律子「もちろん、公にするのはダメですよ? それでその子のモチベーションが上がるなら、それでもいいって……」
P「……」
律子「だから……、以前の私だったら、身を引いちゃうかもしれない」
律子「その子のためを思って……私が我慢することで、その子が幸せになるなら……」
P「そうか……」
律子「……でも、今は……いやです」
律子「私とあなたの仲に、誰も入ってきてほしくないから……あなただって、そうでしょう?」
P「うん……そのとおりだよ」
律子「……だから、たとえ誰かが、あなたに好意を持っていたとしても……。私はその子と、正々堂々、戦います」
どうせ貶されるんだろうなと思って選択した結果があれだよ!
ほんとこれ
最後の最後であの不意打ちは反則
急所にクリーンヒットしたわ
そのシーンが見たい聞きたいからアイマスを買ったと言っても過言ではない
P「そうだな……そうだよな。はは、それを聞いて安心したよ」
律子「こんなの、聞くまでもないですよ。当たり前じゃないですか」
P「……」
P(……律子の言葉を聞いて)
P(それまで俺の心の中で渦巻いてた、少しばかりの不安は……、見事に消え去ってしまった)
P(大したものだ……これが、誰かが隣にいる、ってことなんだな)
律子「……あの、プロデューサー?」
P「うん?」
律子「急にそういうこと言い出したってことは……何か、理由があるんですよね」
P「……」
律子「……教えてください」
―――
律子「……なるほどね。春香が……」
P「ま、まあ、俺の勘違いだとは思うんだけど」
律子「……」
P「……律子?」
律子「……あえて、ノーコメントにさせてもらうわ」
P「えっ」
律子「春香が何を考えているのか、私にもわからない。だから、何も言わない」
P「そ、そうだよな……」
律子「……」
律子「……大丈夫ですよ、プロデューサー殿」
律子「あなたが心配しているようなことは、何も起きませんから」
P「……」
律子「あなたはただ、いつも通りのプロデューサーでいてくれればいいんです」
律子「それが、あの子にとっても、そして私達にとっても……、ベストなカタチなんですから」
P「律子……」
律子「ふふっ、なーに、その顔? まるで子どもみたいね」
P「い、いいだろ! わりと不安は大きかったんだ」
律子「ぜんぶぜんぶ、そういう不安、吐き出していってくださいね?」
P「……ああ」
律子「……あなたの弱い部分を見れたら、私は嬉しい」
律子「それで、私があなたの力になれたなら……私は、もっと嬉しくなるんですから」
律子「……ふたりでいれば、悲しいことは半分に」
P「嬉しいことは、倍に……って?」
律子「ふふ、そーです、そのとおりですっ!」
律子「それが、ふたりで隣合って歩いていくということ……でしょう?」
P「……うん、そうだな!」
P(……俺たちの日々は、これからも続いていく)
P(ときにはこんな風に……うまく説明できないような不安に襲われることもあるだろう)
P(でも、そこに君がいれば……)
律子「ふふっ……きっと、ぜんぶぜんぶ、うまくいきますよ」
律子「だから、今日は安心して、眠ってください」
律子「明日の朝、目が覚めても……私は、あなたの隣にいますから」
P「ああ……」
律子「……おやすみなさい」
律子「私の、大好きな……ダーリン」
P「恥ずかしがるなら言わなきゃいいのに」
律子「う、ううっ、うるさいっ!」
おわり
りっちゃんかわいいよりっちゃん婚姻届渡したい
律子分が補給出来た
これでまた戦える
Entry ⇒ 2012.09.29 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「音無小鳥の休日」
小鳥(でも休みの日に片付けないといけないし)
小鳥(まずは部屋の片付けからさっさと終わらせちゃいますか)
小鳥「よっこいしょっと」シャー
小鳥「今日もいい天気!掃除機はっと」
小鳥「空になりたい じ~ゆ~なそ~らへ~♪」ガー
小鳥「始まりはどこになっるっのっ?っと雑誌吸い込んじゃった」
ハルハハナヲイッパイサカセヨ~♪
小鳥「あら誰から電話からしら プロデューサーさんだわ」
P「もしもし、おはようございます」
小鳥「おはようございます プロデューサーさん どうしたんですか事務でわからないことでも?」
P「いや、そうじゃなくてですね。今日お休みですよね?何かご予定ありますか?」
小鳥「いえ、恥ずかしながらこれといって特にないんです…タハハ」
小鳥「え?わ、私とですか?」
P「い、嫌だったら別にいいんです。たまたま半休でこのあと予定もなくて一人は少し寂しいというかなんというか他のアイドル達もそれぞれすることがあって、そんなとき音無さん今日休みだなーとたまたま思い出したと言うかなんというか…
一緒に御飯食べられたらいいなーと言うかそれはそれでご迷惑なるかもしれないけどでも音無さんの私服とか少し気になってる自分が居たりするわけで…」
小鳥「プ、プロデューサーさんちょっと落ち着いてください」
P「あ……すいません… なんでもない…です」
小鳥「あ、あの大丈夫ですよ」
P「え?」
小鳥「お昼ご一緒させてください プロデューサーさん」
P「は、はい!」
小鳥「じ、じゃぁどこに行けばいいですか?
P「1時半に駅前ロータリーでどうです?」
小鳥「わかりました 1時半にロータリーですね」
P「はい」
小鳥「それではまた後で」
P「失礼しつれいします」ピッ
小鳥(お昼ごはんかー 休日に男性の人とご飯食べるなんてどれくらい振りだろ…)
小鳥(しかもプロデューサーさんとかぁ… ふふふ あのプロデューサーさんが慌て方ちょっとかわいかったなぁ…ふふっ)
小鳥(プ、プロデューサーさんもしかして…いやいや駄目よ小鳥勝手に暴走していつも最後に玉砕するじゃない)
小鳥(お昼ごはん一緒に食べるだけじゃない 妄想は辞めておきなさい)
小鳥(1時に家を出れば間に合うからお風呂でも入っちゃいましょうかね。特に意味は無いけど)
小鳥(下着は… これよね 特に深い意味は無いけど…)
小鳥(洋服何着て行こうかしら…プロデューサーさん私服が気になるとか言ってたような気がするけど…)
小鳥「う~ん…」(プロデューサーさんが好きそうな服ってどんなのだろう?)
小鳥(あまり派手じゃなくカジュアルっぽいほうがいいのかな?)
小鳥(まず少し冷静に整理してましょう)
小鳥(プロデューサーさんは仕事終わりなのでスーツなのは間違いないわね)
小鳥(そしてその隣にいる私…)///
小鳥(ぎこちない距離は少しずつ近くなり、手の指と指が触れ合う…)
小鳥(一瞬触れ合った指に二人はドキッとして手を引っ込めるも、ゆっくりと手を差し出しギュッと…キャーキャー///)
小鳥(よし、この前雑誌の一式セットを衝動買いで揃えちゃったやつにしよう あれなら派手でもないし!多分…)
小鳥(べ、別にデートとかじゃないし ご飯食べるだけだし プ、プロデューサーさんだって特別そんな)
小鳥(で、でももしもプロデューサーさんが私のことをす、す、好きだったり(きゃー)したら…)
P『小鳥愛してるよ』
小鳥『私も愛しています』
P『なんて君は美しいんだ まるで世界の美しいをかき集めて造られた女神のようだ!』
小鳥『プロデューサーさんこそとても素敵よ まるでこの世のカッコイイを凝縮したような絶対神のようだわ!』
P『俺の女神よ結婚しよう!』
小鳥『はい』
小鳥「えへ…えへへ…」
小鳥「いけないっ早くしないと」チラッ 12:35
小鳥「もうこんな時間!?なにしてんのことりー!!」バタバタ
小鳥「お化粧もしないといけないのに!」
小鳥(下地は今日は軽めで目元だけファンデを少し厚めにする感じで…)パタパタ
小鳥(シャドウは…ちょっとだけラメ入り使っちゃおう 口紅も今日はグロスと混ぜちゃおう)ンーパッ
小鳥(よし!間に合った 急いで行かないとっ っと今日ぐらいクロエ使ってもいいよね?)シュッ
小鳥(それでは!)
小鳥「いってきます!」フンスッ
小鳥「ま、間に合った…」ハァハァ…
P「音無さん」
小鳥「あ、プロデューサーさんすいませんお待たせしました」ハァ…ハァ…
P「何言ってるんですか、時間前ですしこちらから突然お誘いしたのになんか申し訳ないぐらいです」
小鳥「大丈夫ですよ、ちょっと準備に色々と余計に時間かかってしまって…」
P「…とても似合っていて素敵ですね」
小鳥「え…」
小鳥「ぁ…」カァァァァ///
小鳥「あ、ありがとうございました じゃなくてございます…」/// (い、いきなり褒められちゃった褒められちゃったびっくりしたびっくりした)
P「それでは行きましょうか」
小鳥「は、はい!」
イメージ
小鳥「特にないですね。なんでもいいですよ」
P「じゃぁ最近のお気に入りのお店行きましょうか。ランチが美味しんですよ」
小鳥「はい」
P「なんだろ…今日この道人が多いな」
小鳥「ホントですね なにかあるんでしょうか?」
P「あーあれですね」
小鳥「◯◯プロのアイドルのゲリラライブですかー」
P「ゲリラなのに人が集まってるってことはファンだけには告知されてたのかな」
小鳥「そうかもしれませんね」
P「しかしこう人が多くちゃな…」
小鳥「はぐれちゃいそうですね」
P「よし…」ギュ
小鳥「手が…ぁ…」///
P「はぐれないように…」///
P「///」
小鳥(プロデューサーさん耳が真っ赤…恥ずかしいのかな?)
小鳥(そりゃそうよね今時の若い子じゃあるまいしはぐれないために手をつなぐなんて恥ずかしいわよね)
小鳥(私も今すごく恥ずかしい…けど嫌じゃない寧ろなんかぽわぽわする…)
P「音無さん大丈夫ですか?」
小鳥「は、はい だいじょーぶれす」
P「ふぅ やっと抜けれましたね」パッ
小鳥(ぁ…)「そうですね 予想以上に多かったですね」(手離れちゃった…)
P「お店もうすぐです いきましょう」
小鳥「はい」
マスター「いらっしゃいませ」
小鳥「へーいい雰囲気ですね」
マスター「おや、珍しいですね今日はお連れ様とご一緒ですか」
P「はい、二人です」
マスター「奥の席へどうぞ」
小鳥「こんなお店どうやって見つけたんですか?」
P「少し前に番組の打ち合わせをするときに静かな場所を探しててですね」
P「偶然見つけたんですが、とても珈琲が美味しくてそれ以来ちょくちょく来るように」
小鳥「へーシックな雰囲気で落ち着きます」ピヨピヨ
P「マスター今日のランチはなんです?」
マスター「炙り照り焼きチキンサンドとサラダセットでございます」
P「じゃぁそれ一つと…音無さんはどうします?」
小鳥「わ、私も同じので」(よし、デートで一度は言ってみたかった台詞!)
小鳥「はい。お任せします」
P「じゃぁ珈琲はブレンドでお願いします」
マスター「かしこまりました」
小鳥(なんかプロデューサーさんいつもよりとても素敵に見える…)ポワポワ
P「今日は突然お誘いして申し訳ありません」
小鳥「い、いえ。どうせ休みの日なんて家でゴロゴロしてるだけですし」
P「そうなんですか?亜美や真美が『ピヨちゃんは休みの日は絵を描いてるんだよむふふなやつ』って言ってましたが」
P「音無さんって絵を描くんですね」
小鳥「い、いい嫌べ別に絵とか描いてませんよ あの双子ちゃんも何いってんだか はは ははは…」
P「そうなんですか 描いてたのなら見てみたいなと思ってたんですが」
小鳥(あの双子めプロデューサーさんになんてことを 明日とっちめちゃる…ってかなんで知ってるのよ)
小鳥「プ、プロデューサーさんは休日はなにしてるんですか?」
P「そうですね、テレビやネットで他のアイドルの同行チェックしたり、買い物ついでに音楽やヴィジュアルの傾向を調べたり」
小鳥「真面目ですねぇ」
P「あの娘達の頑張りをなかったコトにしたくないですから」
小鳥(なんてカッコイイ意見なのからし…それに比べて…)
小鳥「でもその中でもやっぱり少しは自分の時間を大切にしたほうがいいんじゃないでしょうか?」
P「はい、ですから今日お誘いしたんです」
小鳥「なるほど… ぇ?」
マスター「おまたせしました。炙り照り焼きチキンサンドとサラダセットでございます」
P「おお、美味しそうだ」
小鳥「わ、わぁ ほんと美味しそう」(ぇ?自分の時間大切 だから誘った 誰を?私を???)
P「でしょ?一見合わないような感じのからしがアクセントなんですよ」
小鳥「ほんとですね。からしって照り焼きに合わないイメージあるんですけど」
P「マスターの手作りらしいです」
小鳥「へぇちょっとレシピ教えてもらおうかしら」
マスター「企業秘密です」
P「ははは」
小鳥「うふふ」
小鳥(何気ない会話が楽しい 何故だろういままでと同じなのになんでこんなに楽しんだろう)
P「ごちそうさま」
マスター「お粗末さまでした」
小鳥「あーほんと美味しかった」
P「それはよかったです」
マスター「食後にお食べください」コトッ
小鳥「あ、チーズケーキ いいんですか?」
マスター「これはプロデューサー様のお連れ様へのサービスです」
小鳥「ありがとうございます」
マスター「プロデューサー様が女性の方をお連れするのは初めてのことでございますので」
P「ちょ、ちょっとなに言ってんですか!」
小鳥「そうなんですか プロデューサーさんモテるのに…」
P「辞めてください。そんなことないですよ」
小鳥(事務所のアイドルのこと気がついてないのかしら…これが噂にだけ聞くやれやれ系なのかしら)
小鳥「えっと…どうしましょ?」
P「思いつきでお誘いしたので後のこと考えてなかったのですが、このあともまだお時間あるのでしたら映画でも行きませんか?」
小鳥「大丈夫です 行きましょう」
マスター「本日はご来店ありがとうございました。またいらしてくださいませ」
小鳥「はい、また是非よらせていただきますね」
マスター「お待ちしております」
P「どれにします?」
小鳥「私はどれでもいいですよ プロデューサーさんの見たいやつで」
P「音無さんこれは前のやつ見ましたか?」
小鳥「はい、今回で最終回で最後にあの台詞言うのは誰か気になってます」
P「ではこれにしましょう、ちょっと続き気になってたんですよね」
小鳥「ふふっ」
P「どうしたんですか?」
小鳥「なんというかこういうの久しぶりだなーって…」
P「映画ですか?」
小鳥「映画もそうですけど、誰かと一緒に待ち合わせして、御飯食べて、お喋りして、映画見て まるで…」
P「まるでデートしてるみたいですね まぁそのつもりで誘ったわけなんですけどね」
小鳥「!?」
ビーーー
P「始まりますよ」
小鳥(落ち着きなさい小鳥 浮かれすぎて私の妄想が幻想になって幻聴が聴こえたのかもしれない)
小鳥(もしかして今私が現実を思ってることは全て私の妄想かもしれない)
小鳥(実は私は待ち合わせのロータリーに着く前に事故にあって今も意識不明の状態でそれが見ている走馬灯だったり…)
スクリーン
男『誰か警察読んでくれ!』
人形『やぁブラッド やぁライアン ゲームをしよう』
小鳥(そうよゲームかもしれない きっとこれは誰かが仕組んだゲームなのかも…)
小鳥(二人で生き残っちゃえばいいのよ。そして友情から先の向こうへ…うふふ)
P(小鳥さん楽しそうだなぁ可愛い でもこんな場面で笑ってるのは少しどうかと思うけど…まぁ可愛いからいいか)
プルルルル
刑事1『あぁどうした?』
刑事2『58丁目の廃車置場にいる』
刑事1『なんで?』
小鳥(なんか気が付けばストーリー結構進んでてゲームが2つほど終わってた…)
小鳥(今は映画に集中しましょ)
P「…」
人形『やぁボビー ゲームをしよう』
小鳥「…」
P「」ソッ
小鳥(ピヨッ!? プ、プププロデューサーさんが手手お手々…)
P「」ギュッ
小鳥「そ、そんな迷惑だなんて…寧ろ ゴニョゴニョ…」/// ギュ
P「…」
小鳥「///」(何が起こってるの?私の身に一体何が起こってるの?)
小鳥(ついに私は妄想を具現化する念に目覚めたの?長年の妄想がクラピカの鎖のように…)
小鳥(こ、小鳥とにかく落ち着くのよ素数を数えましょう 素数がいち 素数がに 素数がさん 素数がよん…)
小鳥(状況を整理しましょう!まず朝起きて掃除してたら電話かかってきて、ボビーは被験者じゃなかったのね)
小鳥(それがプロデューサーさんでお昼ごはんに誘われて、やっぱり居場所バレてたのね警察も役立たずだわ)
小鳥(この人友近に似てる…そのあと一緒に御飯食べて…うわぁ痛そう)
刑事1『発信元は特定出来るか?』
刑事1『わかった!いくぞ』
小鳥(照り焼きチキン美味しかったなぁ マスターもすごく良い人で あ、これ罠だわ)
小鳥(これ多分私わかっちゃった そのあとプロデューサーと映画見ようってことになって)
小鳥(プロデューサーさんが『デートのつもりで誘った』って言って…)
小鳥(今はプロデューサーの手が私の手をしっかりと握って…御飯食べる前ははぐれないようにってことでそんなに意識はしなかったけど、いや実際は結構ドキドキしてたけど
今は完全に手をつなぐと行為自体に意味があって手が温かくてなんだか顔が熱くなって、でもでも別に嫌じゃなくってむしろとっても安心するというかなんというか)アワアワ
小鳥(…あかん)プシュー
小鳥さん「そうですね」(後半殆ど頭に入ってなかったけど、ラストだけ見る限り私の推理はあたってたみたい)
小鳥(何よりまだ手を繋いでいるという事実が私を現実から遠ざけている)
P「でもやはり1が一番好きです」
小鳥「ぴょぇっ!?す、好き!?」
P「一作目はやはり完成度が違いますね 4~6当たりはかなり中だるみしてましたけど」
小鳥「えぇえ そそうですね 私的にはアマンダは嫌いではないですよ」
P「そこは結構意見がわかれるところですね」
P「日没後の薄明この時間帯に出来る影が殆ど無い状態をマジックアワーマジカルアワーって言うらしいですよ」
小鳥「ロマンチックですね」
小鳥「でもとっても幻想的…」
P「…小鳥さん」
小鳥「はい?」
小鳥「…ん? はっ」カアァァァァッ///
P「構いませんか?」
小鳥「は…い」
小鳥(きゃー初めて名前で呼ばれた…きゃーなんでプロデューサーさんに呼ばれるとこうも響きがちがうんだろう…)
P「何か飲みにいきましょうか …小鳥さん」
小鳥「…はい」///
小鳥(やばいすっごく恥ずかしい!でも嫌じゃない)
「、、、となしさん」
「、となしさん!」
P「音無さん起きてください!」
屋上ピヨ
P「いい飲みっぷりですね」
小鳥「やっぱ休日はお酒ですね!」
P(さっきまで借りてきた猫のようだったけど、お酒飲んでいつも通りだ)
小鳥「すいませーん 生一つ~」
ハイヨロコンデー
P「でもこういった場所でよかったんですか?」
小鳥「いいんです。気兼ねなくいつも通り普段のように飲むのが一番なんです」
P「そうですね 少しだけ無理してたのかもしれないな」
小鳥「さ、プロデューサーさんも飲みましょう!」
P「はい、音無さん」
小鳥「な、名前で呼ばないんですね…」
P「やっぱりちょっと恥ずかしくて…慣れるまで少しずつ…」
小鳥「りょーかい」
小鳥「すいませーん 鶏軟2つお願いします」
P「そうですね」
小鳥「それに若くてやる気に満ちてて、元気いっぱいで」ゴクゴク
P「そうですね」
小鳥「あの子達見てると私も頑張んなきゃ!って気になるんですよ」ゴクゴク
P「俺もそうです。絶対にトップアイドルにして見せます」
小鳥「よくぞ言った!それでこそ未来の765プロを背負って立つアイドルマスターだ!」ゴクゴク
P「背負って立つなんてそんな…それより音無さん、少しペースを落としたほうが」
小鳥「何いってんですか、夢は大きく!野望は強く!心は広く!ですよ!」ゴクゴク
……
「、、、となしさん」
「、となしさん!」
P「音無さん起きてください!」
小鳥「んぁ…」
小鳥「はっ!」(しまった!なんや今日は色々頭使って疲れたのか緊張しっぱなしで糸が切れたように最後にはっちゃけて寝てしまった…)
小鳥(あああぁぁぁ 恥ずかしい穴掘って埋まってしまいたい、寧ろ全て私の妄想であって欲しい…)
P「音無さん大丈夫ですか?」
小鳥「はひ、らいじょうぶですよ」
P「ろれつが回ってないじゃないですか」
小鳥「らいろうぶでふよ」
小鳥(思考ははっきりしてるのに口がうまく回らない…)
小鳥「はい」
P「少しこのベンチで休みましょう」
小鳥(夜風が気持ちいい…)
P「はい、珈琲」
小鳥「すいません」
P「いえいえ」
小鳥「・・・」
P「・・・」
なんで音無さんに戻ったのだろうか
>>148を拾いたいがために>>150で恥ずかしいとして元に戻しました 反省はしてない
小鳥(どうしよう…もうほんとやり直したい飲み屋前からやり直したい、禁酒しようかしら?ウン無理です)
P「気持ち悪かったり、辛かったら言ってください」
小鳥「もう大丈夫です ご迷惑をおかけしました」
P「迷惑だなんて思ってませんよ いつもよりちょっとだけ素の音無さんを見れてよかったです」
小鳥「忘れてください…///」
P「…風が気持ちいいな」
小鳥(この風すこし泣いています…って言いそうになった 我慢よ小鳥、これ以上雰囲気を壊しちゃ駄目よ!)
小鳥「そうですね」
P「じゃぁいきましょう」ギュッ
小鳥「…はい」///
P「今日は付き合ってくださってありがとうございました」
小鳥「いえ、こちらこそとても楽しかったです」
P「それはよかったです 俺もとても楽しかたです」
小鳥「…」(星が綺麗だな…明日もいい天気だろうな)
P「…えっと」
小鳥「?」
P「…月が綺麗ですね」
小鳥「…!」
小鳥(今日はもうとことん妄想したんだから、そろそろ現実を見なさい小鳥!ここでの選択肢は──)
小鳥「そうですね 雲もないし明日もいい天気になりそうですね」
P「…そうですね」
小鳥(あれ?あれれ?もしかして私間違っちゃった?)
P「…はぁ」
小鳥(明らかに選択肢ミスってますよね?ねぇ!?)
P「音無さ いや小鳥さん!」
小鳥「はい!」
P「…その えっと… 実は…ですね」
小鳥「は、はい…」ドキドキ (やっぱりこれは…これは!?)
P「…すぅ…はぁ 実はずっと…ずっと前」
小鳥(ずっと前頭三代目とか言わないよね いや小鳥自重せよ)
P「ずっと前から小鳥さんのことがす──」
小鳥(もしかしなくても告白キターーー!!)
P「…」
小鳥(噛みよった!?)
P「…くっ」
小鳥(プロデューサーさんが千早ちゃんみたいになってる…)
小鳥「プロデューサーさん」
P「はい…」
P「…」
P「音無小鳥さんのことが大好きです。付き合ってください」
小鳥「はい。私もあなたのことが大好きです。どうぞよろしくお願いします」
P「…き、緊張した」ヘナヘナ
小鳥「ちょっとプロデューサーさん!」
P「出来るだけ今日は小鳥さんの前でカッコつけようとしたんですけど…やっぱり駄目でした」
小鳥「そんなことないですよ。とってもかっこよかったです。ううん 今でも十分かっこいいです」
P「…」///
小鳥「こほん。プロデューサーさんこれからずっと私の居場所になってください。それだけで私は燃え尽きることはありません」
P「わかりました。小鳥さんも案外ロマンチストなんですね『よだかの星』なんて」
小鳥「『月が綺麗ですね』なんていう人に言われたくないです」
P「確かに…」
小鳥・P「あはは…」
小鳥「…」
だんだんプロデューサーの顔が近づいてきて…
御酒臭くないかな? お化粧崩れてないかな?
目はつぶったほうがいいよね 吐息がくすぐったい
今私とても幸せかも
次の私の休日は今日よりももっと素敵になりますように
終わり
Entry ⇒ 2012.09.29 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
響「ぐがー ぐがー」
千早「……」
響「…イビキやーん」
千早「……」
響「……」
千早「……」
春香「あっ!響ちゃーん!」
千早「ブフォッ」
千早「あら?」
響「……」
千早「コーヒーフレッシュを落としてしまったわ」
響「……」
千早「ちっぱい、ちっぱい♪」コツン
響「……」
千早「……」
響「千早…」
千早「何も言わないで」
千早「そうね…」
春香「えっと…何やってるの?」
響「暇つぶしだぞ」
春香「へー…」
千早「次は春香の番ね」
春香「えっ!?」
響「自分、千早がやったんだ。順番としては春香だろ?」
春香「えっ、私参加してないよ!?」
千早「はやく」
響「はやく」
春香「えぇー…」
響「ワクワク」
春香「ハルカです…」
千早「……」
春香「みんなに『普通』って言われるとです…」
響「……」
千早「……」
春香「ハルカです…」
響「……」
千早「……」
響「……」
千早「……春香」
春香「…うん」
千早「帰って」
春香「ひどい!」
響「帰れ!」
千早「帰れ!」
春香「うわぁーん!!」ダダダッ
響「何?」
千早「まな板ネタは…」
響「無し」
千早「そう」
響「千早のためを思っての判断だぞ」
千早「わかってるわ…」
響「……」
千早「……」
響「……」
千早「あら?結構酷くないかしら?」
千早「どうしたの我那覇さん。ボディービルダーごっこ?」
響「仮面ライダーBLACKの変身ポーズ」
千早「反応に困るわ」
バッ バババッ
響「自分、太陽の子!」
響「仮面ライダー ブラァーッ!」
千早「困るわ…」
響「……」
千早「もしーしあわーせー」
響「……」
千早「ちかくーにーあぁーってもー」
響「……」
千早「私なら飛ばないわね」
響「……」
千早「……」
響「……」
千早「…みらいーをしんじてー」
響「えっ!?」
千早「おはよう、デコちゃん」
伊織「おはよう、ちは…」
千早「……」
伊織「は?」
響「はいさい!伊織!」
伊織「え、えぇ。おはよう、響」
千早「? どうかした?」
伊織「…聞き間違いだと思うんだけど」
千早「何の事?デコちゃん」
伊織「やっぱり言ってるわね!デコちゃん言うな!」
伊織「私はデコじゃないからよ!」
千早「そんな事ないわ、みな…デコちゃん」
伊織「言い直してまで失礼な事を言うんじゃないわよ!」
千早「失礼?そうなのかしら」
響「自分には良くわからないぞ」
伊織「アンタたちはココで何やってるのよ!」
千早「暇つぶし」
響「暇つぶし」
伊織「……」
春香「……」
千早「知らないわ」
響「知らないぞ」
伊織「…そう」
春香(あ、話済ませちゃうんだ)
伊織「レッスンしないの?」
千早「3時からレコーディングなの」
響「自分は仕事ー」
伊織「何時から?」
響「わかんない」
伊織「は?」
伊織「まだ来てないのね」
響「今日は一緒に行く予定だからね。ここで待ってれば問題は無いさー」
伊織「ふーん」
千早「み…デコちゃんは?今日はオフのはずよね」
伊織「…まだ続いてたの、それ」
響「今やめないとタイミング逃すぞー」
伊織「今日は…何となく、かしらね」
千早「暇なの?」
伊織「…まぁ、そうね」
千早「…暇つぶし、していく?」
伊織「遠慮するわ」
伊織「あら。おはよう、やよい」
千早「おはよう、高槻さん」
響「おはよう、やよい!」
やよい「千早さん、響さん、おはようございますー!」
千早「高槻さんはお仕事?」
やよい「はい!もう少ししたら出ます」
伊織「ねぇ、やよい。私も着いて行って良い?」
やよい「え?いいよ。でも何で?」
伊織「…率直に言って暇なのよ」
響「じゃあ自分達と…」
伊織「いやよ。今日のアンタたち気持ち悪いもの」
雪歩「ただいま戻りましたぁ」
やよい「あっ、プロデューサー!」
P「おぉ、来てたのか。早いな」
雪歩「おはよう、やよいちゃん」
やよい「おはようございまーっす!」
千早「おはよう、萩原さん」
響「おはよー!」
伊織「おはよう」
雪歩「おはよう、みんな」
P「ん?三人とも何してんだ?」
千早「暇つぶしです」
響「プロデューサーを待ってたんだ」
P「俺を?何で」
響「今日のスケジュールわかんなかったからさ」
P「電話で聞けばいいのに…。今日は4時から俺と一緒にTV局だな」
響「4時かぁー…長いなぁ」
P「千早も早すぎじゃないか?」
千早「どうせ家に居ても音楽を聴くぐらいですし。少しは皆とコミニケーションをはかろうかと」
みんな『えっ!?』
千早「え?」
P「い、いや!驚いただけだ!」
伊織「ホントに今日は変だったのね…」
千早「そう…」
伊織「べ、別に悪いことだなんて言ってないじゃない!」
響「どうしたんだ?珍しいよね、千早がコミニケーションだなんて」
千早「何となくね」
響「そっか」
春香「コミニケーションで『帰れ!』とか言っちゃうんだ…」
P「春香?」
P「そうか」
春香「あれっ!?」
P「え?」
春香「いやいや、おかしいですよね?今のはもう少し食いつくトコでしょう?」
P「お、もうこんな時間か。そろそろ出ないと」
春香「わかりやすく流された!」
雪歩「あのぅ。お茶を煎れたので、飲んでいかれませんか?」
P「お、悪いな。じゃあもう少しだけ」
春香「しかも時間に余裕あった!」
P「どうした?」
やよい「今日伊織ちゃんが私の仕事に一緒に行っていいかって…」
P「それは別に構わないが…」
伊織「お願い。最近やよいと一緒に居れる時間少ないし」
P「まぁ伊織ならむこうの印象も良いだろうしな。ただ、ホントに見学だけだぞ?」
伊織「今日は働く気分じゃないわ」
P「そっか。よし、じゃあそろそろ行くか。雪歩、お茶ありがとな。美味しかったぞ」
雪歩「あ、ありがとうございますぅ」
千早「いってらっしゃい」
響「また後でねー」
春香「いってらっしゃーい…」
やよい「いってきまーっす!」
千早「…我那覇さん?今度は何?」
スゥ…ッ
千早「空手、…かしら?」
響「変…」
バッ バッ
響「身ッ」
バッ ババッ
響「仮面ライダーブラァーッ」
千早「……」
バババッ
響「アァールェッ」
千早「困るわ…」
春香「暇つぶしらしいよ」
雪歩「暇つぶしなんだ…」
千早「我那覇さんは…好きなの?仮面ライダー」
響「いや、別に」
千早「え?」
響「かっこいいとは思うけど、見た事はないんだ」
千早「でも今ポーズを…」
響「BLACKもRXも見た事は無いけど、変身ポーズがすっごく気に入ってさ」
千早「確かにかっこいいわね」
響「だろー!?いっぱい練習したんだ」
千早「番組を見ずに?」
響「うん」
千早「ありがとう、萩原さん」
響「雪歩、にふぇ~で~びる」
雪歩「うふふ、どういたしまして」
春香「あ、そうだ。さっき出しそびれちゃったけど」ゴソゴソ
響「春香、これって」
春香「サーターアンダギーだよ、サーターアンダギー!」
雪歩「春香ちゃん、これもしかして作ったの?」
春香「そうなの。響ちゃんに作り方教えてもらってね」
千早「サーターアンダギー?」
響「沖縄のお菓子さー」
響「ふふん。自分はサーターアンダギーにはちょっとばかしうるさいからな!」
雪歩「ほんと?」
響「ごめん。正直そうでもない」
千早「でも、沖縄の味を知っているのは我那覇さんだけじゃないかしら」
春香「そうだねぇ。私も一度響ちゃんの食べさせてもらったけど」
春香「自分の食べてみて『これでいいのかな?』って思っちゃった」
雪歩「私も沖縄行った事無いから…」
響「な、なんかちょっと…プレッシャー感じてきたぞ…」
春香「美味しく出来たとは思うんだけど」
千早「我那覇さんがオッケーを出すかしら」
響「そ、そんな言い方やめてよー!食べにくいじゃんかー!」
雪歩「いただくね、春香ちゃん」
春香「はいはーい。どうぞー」
モグモグ…
春香「ど、どうかな?」
千早「ドーナッツみたいなのね」
雪歩「あ、確かにそうかも」
春香「美味しい?」
千早「えぇ。とても美味しいわ」
雪歩「うん。春香ちゃんはお菓子作るの上手だねー」
春香「よかったー。響ちゃんは?」
春香「えっ」
千早「そうかしら?美味しいと思うけど」
響「可哀想に。本物のサーターアンダギーを食べた事がないんだな」
雪歩「なんだとぉ!し、失礼な奴だぁ!」
春香「ゆ、雪歩まで変になった!?」
響「一週間後、またココに来てください。本物のサーターアンダギーを食べさせてあげますよ」
雪歩「よ、よぉし!言ったなぁ!嘘だったらしょうちしねぇぞぉ!」
春香(あ、何か元ネタがあるのかな)
千早「どうしたのかしら?萩原さん」
春香「え?あ、うん。使ったよ?」
響「泡だて器使って、手でやった方が、もっとふんわりするよ」
春香「へー!そうなんだ!」
響「味はすっごく美味しいよ。自分のよりアッサリしてるから食べやすいし」
貴音(モグモグ)
春香「えへへ…ありがとう、響ちゃん。ちょっと砂糖を減らしてみたんだ!」
雪歩「あ、でも私、響ちゃんのも食べてみたい」
響「じゃあ一週間後…じゃなくても良いか。今日は無理だから、明後日持ってこようか?」
千早「一週間後じゃなくて良いの?」
貴音(モグモグ)
雪歩「あ、さっきのは『美味しんぼ』って漫画のパロディ?って言っていいのかな?」
響「雪歩が知ってて助かったぞ。あのままじゃ春香に酷い事言って終わってたさー」
千早「食べ比べが出来るのね」
春香「あー…比べられちゃうのは…」
響「ふふん!完璧な自分に恐れをなしたな!」
春香「いやいや、美味しく作りすぎて響ちゃんのお株を奪ってしまわないかと」
響「なにおう!こうなったら勝負だぞ!」
春香「望むところだよ、響ちゃん!」
貴音「食べ比べ…。まこと、良き考えです」
千早「四条さんは食べたいだけですよね」
貴音「うふふ…とっぷ」
春香「シークレットには、なってないと思いますけど…」
雪歩「誰もつっこまないんだ…。四条さんがいつの間にか居る事に」
響「もう慣れたさー」
雪歩「真ちゃーん」
真「あっ。サーターアンダギーだ。響が作ったの?」
響「ううん。春香」
真「おいしそー。一個貰っていい?」
春香「どうぞー。一個といわず何個でも」
雪歩「私お茶入れてくるね」
千早「今日は仕事?」
真「いいや。オフだから、これから雪歩とショッピングに行こうって約束してたんだ」
春香「いいなー」
雪歩「あ、じゃあ春香ちゃんも一緒に行く?」
春香「私もうすぐレッスンだよー」
春香「うぅー。はーい。行ってきまーす」
貴音「では、私もそろそろ」
響「貴音は今からどうすんの?」
貴音「私はろけ現場に赴かなければなりませんので」
響「そっか。…あれ?今日何の収録?」
貴音「『らぁめん探訪』です」
真「えっ?」
貴音「どうかしましたか、真?」
真「え、だって今までサーターアンダギー沢山食べてましたよね?」
貴音「空腹でしたので…」
真「これからラーメン食べるのに?」
貴音「? そうですが」
春香「さっきから、ちょいちょい古いよね響ちゃん」
響「わかる春香も同類さー」
真「毎回驚かされるなぁ、貴音さんには…」
雪歩「すごいですぅ…」
貴音「む。そろそろ向かわなくては」
真「あ、ごめんなさい。引き止めちゃって」
貴音「ギリギリになってしまったのは私の責任です。では、ごきげんよう」
真「はーい。いってらっしゃーい」
響「また明日ー」
春香「えへへ…。教材忘れてちゃった。もう一回、いってきまーす」
真「雪歩、そろそろボクたちも行こうか」
雪歩「うん、そうだね。じゃあ千早ちゃん、響ちゃん、バイバイ」
千早「えぇ。いってらっしゃい」
響「お土産よろしくなー」
真「アハハ…。いってきまーす」
千早「……」
響「……」
千早「…急に寂しくなったわね」
響「そうだなぁ」
響「……」
千早「…おいしいわね、コレ」
響「でしょ?サーターアンダギーね」
千早「でも、我那覇さんは不満が…」
響「ふ、不満って訳じゃないけど…。せっかくだから、もっと美味しくなるコツをと…」
千早「…美味シーサー」
響「ブフォッ」ゲホッゴホッ
千早「あ、ごめんなさい」
響「不意打ちは卑怯だぞ!」
千早「あ、私が行くわ」
響「いいよ、自分が汚しちゃったんだし」
千早「その原因は私が作ったのだから」
響「そうだね。じゃあ頼むよ」
千早「えっ」
響「え?」
千早「あ、いえ。じゃあ」
響「ありがとねー」
千早「美味シーサー…プフッ…」
千早「四条さんが随分食べていたものね」
響「やっぱり貴音は大食いだなー」
千早「大食いという域にはおさまりきれてない気がするけれど…」
律子「あら?」
響「律子ー。おはよー」
千早「おや、秋月律子ではありませんか」
律子「何よソレ。貴音のマネ?」
響「今日はずっとこんな感じだぞ」
律子「熱でもあるのかしら」
千早「うふふ、トップシークレットです」
律子「私を呼ぶときは『律子嬢』の方が多いわよ」
律子「そうかもね。私も久しぶりにスーツ以外で来た気がするわ」
千早「今日はどうしたの?」
律子「あずささんと一緒に、双海姉妹のおもり」
響「遊びに行くのか?」
律子「まーぁねー」
千早「あの2人も一緒なら…遊園地あたりかしら」
律子「おっ、鋭いわね」
響「おー、すごいぞ千早。名探偵みたいだ」
千早「ふふん」
響「さすがに事務所は大丈夫だろー」
律子「そうとも限らないのよねぇ」
千早「あらあら~」
響「…千早?」
千早「何かしら~?響ちゃん~」
響「マネをしても…胸は…」
千早「やめなさい。それ以上は命に関わるわよ」
律子「何?」
響「さっき千早は、美希や貴音のマネをしてたんだ」
律子「……」
千早「自虐じゃないわ。微かな希望よ」
律子「そんな希望無いわよ…」
千早「酷いわ、律子…」
律子「あっ!いや、別に見込みが無いとかじゃなくてね!マネをしたって…」
響「喋り方で成長したわけじゃないと思うぞ」
千早「…ハッ!確かに…違うかもしれない…!」
律子「『かも』じゃないわよ」
律子「あずささん…?」
pi
律子「もしもし」
あずさ『律子さんですか~?すいません、道に迷ってしまって~』
律子「はいはい。今どこかわかりますか?」
あずさ『見た事のあるカエルさんのお人形があるので、近くだとは思うんですけど~』
律子「カエルの人形…あの薬局かしら?わかりました。すぐ行きますね」
あずさ『すいません~』
pi
律子「って訳で、ちょっと迎えに行ってくるわ。亜美と真美が来たら伝えておいてくれる?」
千早「わかったわ」
響「伝えておくぞー」
響「……」
千早「……」
響「…そういえばさ」
千早「何?」
響「さっきあずささんのマネしてる時に気付いたんだけど」
千早「あなたから蒸し返すとはね」
響「ち、違うぞ!その話じゃない!」
千早「『その』?『その』って何を指しているのかしら」
千早「…ナニを?」
千早「……7」
響「もういい加減にしてよー!話が進まない!」
響「うーん。千早ってさ、あずささんや春香の事は『あずささん』とか『春香』って呼ぶよね」
千早「えぇ、そうね」
響「でも自分や貴音の事は『我那覇さん』とか『四条さん』って呼ぶでしょ?」
千早「そうね、それがどうかしたの?」
響「…うーん。わからない?」
千早「?」
響「まぁ自分から言うのも違う気がするけどさ、自分の事呼ぶ時に」
『ならば!応えよドモン!』
千早(ピクッ)
響「えっ?」
『流派!東方不敗はァ!!』
響「えぇ?」
亜美「全新!」
千早「系列!」
真美「天破侠乱!」
響「な、何?」
亜美・真美「見よ!東方は!」
亜美・真美・千早「赤く燃えているゥウ!!!」
響「何なんだよー!」
亜美「はよ→! ひびきん、千早お姉ちゃん」
真美「はよ→」
千早「律子ならさっき、あずささんを迎えに行ったわよ」
真美「そっか→」
響「なぁ…さっきの何だ?新しい挨拶?」
真美「ん?Gガンだよ→」
響「じーがん?」
亜美「Gガンダムですよ、Gガンダム!」
響「ガンダムなのか?」
千早「ガンダムでありながら、格闘を主力とする異色のモビルスーツの作品よ」
響「格闘?殴りあうのか?」
亜美「そのと→り!」
亜美「あっれぇ!?なんか興味なさげ!?」
真美「ねぇねぇ、千早お姉ちゃん。律っちゃんどこまで迎えに行ったの?」
千早「さぁ?…あ、でも近くのカエルのある薬局とか言ってたわね」
響「だってぇー。何か熱く語られそうなんだもん」
亜美「んっふっふ→!それはGガンを熱く語って欲しいって事ですなぁ?」
真美「あそこかぁ。じゃあ片道15分ぐらいかなぁ」
あずさ「あらあら~。じゃあ後、20分ぐらいかしらね~?」
響「え?」
千早「え?」
あずさ「え~?ダメだったかしら~?」
亜美「そもそもの企画の原案としてはだね、『ガンダムでプロレスを』という」
千早「あの…あずささんは道に迷っていたのでは?」
あずさ「それがね~、気がついたらココに着いていたの~。習慣って怖いわね~」
響「どうしよう。亜美の変なスイッチ押しちゃったぞ」
千早「確かに怖いですけど…」
亜美「主人公ドモン・カッシュは、デビルガンダムを作り出した事で、母親が死ぬ原因を」
真美「あ、そうだ。律っちゃんに連絡しなきゃ」
千早「そうね。早く呼び戻した方がいいわ」
亜美「キングオブハートの称号は、師匠である『マスターアジア』の」
pi
真美「律っちゃーん」
律子『真美?どうしたの?』
真美「あずさお姉ちゃん事務所に来た→」
律子『えぇ!?』
あずさ「すいません~。何故か着いちゃってました~」
律子『そ、そうですか…。じゃあ今から事務所に戻りますね』
pi
千早「出て行ったのが5分ぐらい前だから、5分ぐらいで戻ってくるでしょうね」
真美「何コレ美味しそ→!」
響「春香が作ってくれたサーターアンダギーだぞ」
響「皆に食べて欲しいんだってさ」
真美「じゃあいただきま→す」
響「お茶煎れてくるね」
あずさ「いいわよ響ちゃん~。私がやるわ~」
響「あずささんもアンダギー食べてるといいさー」
千早「亜美は食べないの?」
亜美「え?」
千早「アンダギー?って言うらしいわ。沖縄のお菓子なんですって」
亜美「ひびきんが作ったの?」
真美「はるるんだってさ→」
あずさ「おいしいわね~。…あら?この香りは…」
響「さんぴん茶だぞ。千早もどうぞ」
千早「ありがとう。…さんぴん茶?」
あずさ「ジャスミンティーね~」
千早「ジャスミン…。いい香りね」
真美「どったの?コレ」
響「自分が時々飲みたくなるから、事務所に置いてるんだ。好きに飲んでくれて構わないぞ」
亜美「今日は沖縄尽くしだNE!」
律子「ただいまー」
真美「あ、律っちゃんおかえりー」
響「さんぴん茶だぞ。律子もどうぞ」
律子「ありがとう。あら、サーターアンダギーもあるのね」
響「春香が作ってくれたんだ。事務所の皆で食べてってさ」
あずさ「あんまり食べると太っちゃうかしら…」
千早「……」
律子「さぁて、そろそろ行きますか」
あずさ「はい~」
亜美「待ってたぜェ!」
真美「待ちかねたぜェ!」
亜美「じゃ→ね→」
真美「いってきま→す」
響「お土産よろしくなー」
千早「我那覇さん…お土産頼みすぎじゃない…?」
響「そうかな?」
千早「そうよ」
響「そうかも…」
千早「……」
響「……」
千早「…また寂しくなったわね」
響「うん…」
響「さっき?」
千早「亜美、真美が来る前よ」
響「あぁー…あれなー…」
千早「……」
響「えっとね、千早はさ…」
千早「…何かしら?」
響「自分の事、『響』って呼ばないのか?」
千早「え?」
響「なんかさ、苗字で呼ばれて距離感じちゃってたんだ」
千早「ご、ごめんなさい…」
響「あ、違うの!今日一日で自分の勘違いだってわかったから!」
響「変なこと聞いちゃってごめんね。別にそう呼んでくれって事じゃないから」
千早「いえ。確かにちょっと距離を置いた部分があったかもしれないわ」
響「そうなの?」
千早「春香と比べて…って意味だけどね」
響「二人は親友だもんね」
千早「そうなのかしら?」
響「そうだよ」
千早「そうかもしれないわ」
響「『かも』じゃないさー」
響「……」
千早「あの…」
美希「ハァーニィイー!!」
千早(ビクッ)
響「うわ!」
美希「あれ?ハニーが居ないの」
千早「プロデューサーならまだ帰ってこないわよ」
美希「なーんだ。急いで損したの」
響「食べる?」
美希「なぁに、それ?」
美希「食べもの?」
響「お菓子だぞ」
美希「いただくの」
千早「……」
美希「んー♪おいしいのー!」
千早「はい、美希。さんぴん茶よ」
美希「ありがとうなの、千早さん。…さんぴん茶?」
響「沖縄のお茶さー。サーターアンダギーも沖縄のお菓子なんだ」
美希「おきなわ?じゃあコレ、響がもってきてくれたの?」
響「さんぴん茶はそうだけど、アンダギーは春香だぞ」
美希「春香ってこんなお菓子も作れるんだー」
千早「作り方は響が教えたらしいわ」
美希「ふーん。そうなんだ。ありがとね、響」
響「あ、いあ」
美希「春香にもお礼のメールしとこっと」
千早「もうこんな時間なのね…」
千早「じゃあ私、行くわ」
美希「あれ?どこか行くの?」
千早「レコーディングよ」
美希「いいなぁー」
千早「多分直帰だから。また明日、響、美希」
美希「ばいばーい、なの」
響「う、うん。また明日…」
響「もうすぐプロデューサー帰ってくるんじゃないかな?」
美希「ハニーが帰ってきたら起こしてほしいのー」
響「まぁいいけど…」
美希「すやすや…」
響「寝つきいいなぁ」
響「……」
響「『響』…か」
響「……」
響「あ、プロデューサー」
P「おっ、美味そうだな。サーターアンダギーか」
響「春香が作ってくれたんだ」
P「へぇー」
P「……」
P「…え?俺春香に嫌われてるの?」
響「出すの忘れてただけだって」
P「そっか。もらっていいのかな?」
響「いいでしょ。さんぴん茶飲む?」
P「あぁ、ありがとう」
P「ありがとう。一人だけか?」
響「あ」
美希「はぁーにぃー!」
P「のわっ!み、美希!」
美希「ぶー!響ー!起こしてって言ったのにー」
響「ごめんごめん。でも起きたんでしょ?」
美希「愛の力に不可能は無いの!」
P「なんでそんな壮大な雰囲気出すんだ」
響「あ、うん」
美希「えー!行っちゃダメなのー!」
P「無茶言うな。響は準備出来てるのか?」
響「大丈夫だぞ」
美希「ぶーぶー!」
P「…美希も着いてくるか?」
美希「え?いいの?」
響「自分は構わないぞ」
美希「いくのー!」
P「そっか。良かったな」
響「うん!」
響「それに、とっても嬉しい事があったんだ」
美希「なーに、嬉しい事って?」
P「俺も知りたいな」
響「美希はもう知ってるぞ」
P「何なんだ?」
美希「えー?なんのこと?」
P「美希もわからないのか?」
響「でも、何となく秘密だぞ!」
響「ぐがー ぐがー」
おわり
何だよこれ
途中何も言わずに抜けたのに保守してくれてありがとね
感想も嬉しかったよ、ありがとう
よかったよ
Entry ⇒ 2012.09.28 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
響「自分はプロデューサーのペットだぞ」
響「自分のお値段はなんとタダ」
P「へぇ、お買い得だなぁ」
響「でしょう?」
P「でもやっぱりいらないかなーって」
響「こんなに可愛いのに」
P「知ってたか?それって寂しいから死ぬわけじゃないんだぜ」
響「知ってる」
P「平気で嘘をつくようなペットはいりません」
響「ペットが悪い事をしたら注意するのが飼い主の仕事なんだ」
P「そうか、ペットを飼うって大変だな。俺には無理だ」
響「自分は初心者向けだから大丈夫。誰でも簡単に飼育できるから」
P「そうかなー、超上級者向けな気がするんだ」
P「ありがたいけど流石に申し訳ない」
響「その分愛情をたっぷり注いだら良いさー」
P「そんな愛情無いから無理だわ」
響「むう、困った飼い主だな」
P「飼い主どこ?」
P「多分俺より長いな」
響「その間に少しでもプロデューサーと離れている事はとても辛いんだ」
P「ずっと一緒にいるとなると俺もとても辛いかな」
響「自分を飼う前にどうかその事を忘れないでほしい」
P「飼う気なんか更々無いです」
響「プロデューサーが自分に望んでいる事を自分が理解するまでに少しの時間をください」
P「早く今俺が望んでいる事を理解して」
響「『俺の居ないところで逝かせてあげて』なんて言わないで」
P「そういう事言っちゃいそうだから俺は飼い主失格だ」
響「プロデューサーが側にいてくれるだけで、自分はどんなことでも安らかに受け入れられる」
P「俺もこの現実が受け入れらない」
響「そして……どうか忘れないで。自分がプロデューサーを愛していることを」
P「忘れさせて、お願い」
P「ああ、やっぱり俺には無理だ。ごめんよ」
響「じゃあ早速散歩に連れってってよ」
P「話聞いてる?」
響「ちゃんと首輪とリードもあるぞー」
P「やっぱり持参してると思った」
響「えへへ、賢いでしょ」
P「うん、良い子だから帰ってくれないかな」
P「首輪つけた人と散歩に行く趣味はありません」
響「えー、だってリードが無いと自分逃げだしちゃうかもしれないよ?」
P「それの何に問題があると言うのか」
響「そのまま人を襲っちゃうかも」
P「ちょっと洒落になんないそれ」
P「可愛く言ってもダメ」
響「うぅ……こんなに楽しみにしてるのに。あんまりだ」
P「俺は最低な飼い主なんだ、分かったら諦めなさい」
響「でも、たとえどんな風に思われてもペットはご主人の事を信じてるから」
P「何、この俺が悪い事してるみたいな空気」
響「愛されなくても愛したい……」
響「でもそうやって愛すれば愛されたくなるんだ。わがままかな……?」
P「やめて、何故か罪悪感が」
P「お断りします」
響「何で?」
P「色々後戻りできないような気がする」
響「そんなのなんくるないさー」
P「いえに かえるんだな。おまえにも かぞくがいるだろう」
響「いないよ?」
P「え?」
響「え?」
響「だから大丈夫だって。もう皆自然に帰って行ったよ」
P「生態系が壊れるなぁ」
響「でも一匹じゃ繁殖できないから大きな影響は無いと思うぞ。それに誰かが通報するはずだし」
P「皆家族じゃなかったの?」
響「自分の家族はプロデューサーだけだもん」
P「どうしてそうなるんだろう」
P「俺のアパートペット禁止なんだ」
響「バレなきゃ問題ないと思うよ」
P「でもバレたら俺の人生が終わるじゃん」
響「何で?」
P「そりゃ高校生飼ってたら豚箱行きですし」
響「双方合意なら問題ないと思うぞ。世の中間違ってる」
P「よし、なら法律を変えてからまた来てくれ」
P「実は響アレルギーだからな。すまん」
響「何それ」
P「響が近くにいると咳とか涙が止まらなくなる。だから飼えない」
響「それなら自分の方が重症だぞ。Pウイルス感染してるし」
P「そうか大変だな。症状は言わなくて良いからな」
響「感染したらプロデューサーの側にいないと寂しくて死んじゃう恐ろしいウイルスだぞ」
P「ほらー、だから聞きたくなかったのに」
P「いや、響は好きだよ。大好き」
響「じゃ、じゃあ!」
P「でもアイドルとか年齢の壁とか色々事情があって無理なんだな」
響「そんなのペットと飼い主の関係ならオールオッケーさ」
P「いや、その理屈はおかしい」
P「俺の方がいじめられてる」
響「もう泣いちゃうよ?」
P「はい」
響「大声で泣くよ?」
P「近所迷惑にならないようにな」
響「この家の人に襲われたって」
P「ちょっと待て」
響「うん」
P「響は何で俺の家に入ろうとしてるんだ?」
響「ペットが自分の家に戻るのは当たり前でしょ」
P「前提がおかしいな」
響「えー、何もおかしなこと言ってないぞ」
P「じゃあ色々言いたいけど俺のアパートはペット禁止。分かった?」
響「うん、分かったから入れて」
P「もう変な動物がいるって保健所に連絡して良いかな」
響「なーに?」
P「俺の家にネズミとかヘビが大量にわいてきたんですが」
響「それは大変」
P「絶対お前の仕業だろ」
響「自分が家の中に入って説得してあげる」
P「961プロも真っ青な解決法」
P「これ一種のストーカーじゃないかと」
響「そっちこそペット虐待だぞ。外に放置するなんて」
P「もう俺が飼い主なのは確定なんですかね」
響「うん!これからは可愛がってね!」
P「響は可愛いなぁ」
響「だってこうやってずっと一緒にいないと不安だから」ギュゥ
P「だからってこんなべったりくっつかなくても」
響「さっきは追い出されて本当に悲しかったなぁ」
P「なんかごめんなさい」
響「でもこれからは側にいてくれるんだよね?ちゃんと面倒見てくれるよね?」
P「正直折れかかってる」
響「ん?」ペロペロ
P「何でさっきから俺の顔舐めてるの?」
響「これは愛情表現ってやつだぞ」ペロペロ
P「なるほど、もう十分かなーって」
響「じゃあ今度はプロデューサーから舐めて」ゴロン
P「ペットをペロペロする人はあんまりいないはず」
響「じゃあ自分がもっとするだけさー」ペロペロ
P「もうべとべとや」
響「ん?」ペロペロ
P「何で四つん這いになって舌で牛乳飲んでるの?」
響「問題あるの?」ペロペロ
P「すっごくいけない事してる気になるんだけど。首輪効果も相まって」
響「ペットをそんな目で見るなんて変態だなー」
P「お前にだけは言われたくない」
P「んって言われても」
響「自分まだ子どもだから細かくしてくれないとご飯食べられないの!」
P「どうしろと」
響「はむっ……」ムグッ ジュルル
P「!?」
響「えへへっ、こうやってプロデューサーの口から貰えば大丈夫」
P「ペット飼ってる人ってこんな事までしてるのか」
P「トイレあそこだから」
響「初めての場所だと……ペットはどうしたらいいか分かんないだぞ」
P「何故俺はアイドルと一緒にトイレに入ってるのだろう」
響「と、トイレの後処理も飼い主の仕事だから」
P「そうすか」
響「だ、だから拭いてほしいな……」
P「ほぇ?」
ガラガラ
響「わーい、お風呂!」
P「はやー、何で入ってきたの?」
響「ペットは1人でお風呂に入れないもん」
P「そうか、ペットだから仕方ないな」
響「うん」
響「気持ち良い所を洗って欲しいから……だよ?」
P「俺のpがインフェルノしちゃう」モミ
響「ぺ、ペットだから何も気にすることないんだ……んっ」
P「そんな声出されたら困ります」ワシャワシャ
響「お返しに今度は自分が身体を洗ってあげる」
P「俺もう洗ったんだけど」
響「でもご主人様のために少しは役立ちたいんだ!」
P「ご主人様て」
響「うん、自分だけのご主人様」ピトッ モニュン
P「ふわぁぁああああ、背中にスライムが二匹ぃぃ」
響「ずっと裸でも良いならそれで良いけど」
P「それはいけない」
響「あっ、首輪もつけてよ」
P「いや、いらないかと」
響「これがないと落ち着かないんだ」
P「もう病気だろ」
P「あっ、貴音との2ショット写真を破るな」
響「自分以外の女なんてプロデューサーには必要ないんだ」グシャッ
P「765プロアイドルグッズがぁぁ」
響「これもさっさと捨てないと」パキッ
P「あぁぁぁぁ、思い出のDVDが。何てことするんだぁぁぁぁ」
響「ペットがいけないことしたらちゃんとしつけないとダメだぞ」
P「しつけとかの問題なのか」
響「じ、自分をプロデューサーの好きなようにしつけて……そしたらもっと良い子になれるから」
P「何故顔を赤らめる」
P「って言われても」
響「自分また同じ事しちゃうよ?」
P「だってもうアイドル関係の全部破壊されちゃったし」
響「それでも怒らないとペットは調子に乗っちゃうぞ」ズイッ
P「わざわざお尻突きださなくても」ペチーン
響「はぅっ……!」ビクッ
P「思ったより悲痛な反応だ」
響「こ、こんなんじゃ全然反省しないから……もっと」
P「なんぞこれ」
P「はいはい」サッサッ
響「ん、くすぐったい」
響「歯も磨かなきゃ」
P「はいはい」シャカシャカ
響「あっ……ふぁ……」
響「耳掃除も……」
P「はいはい」クリクリ
響「んん……あぁっ……」
響「あと子作りも」ガバッ
P「何か変じゃね?」
P「ちょ、これはダメだ」
響「ふふっ、たまにはペットが反逆する事もあるんだからね」スルスル
P「落ち着け、洒落にならん!」
響「プロデューサー……自分ずっと……」
P「響!!」
響「ヒッ」ビクッ
P「飼い主もたまには本気で怒るんだからな」
響「だ、だって自分がプロデューサーに出来る事なんてこれぐらいで……」
P「……」ギュッ
響「あ……」
P「響は可愛い。だから側にいてくれるだけで良いんだ」
響「え……?本当に?」
P「ああ、響は違うのか?俺が一緒にいるだけじゃ不満か?」
響「……」チュッ
P「あ」
響「これは大好きのキスだから。大好きな飼い主とずっと一緒にいたいって」グスッ
P「ああ。もっと大きくなったらさっき響がしたがってたこと、出来るから」
響「うん。ぺ、ペットと子作りしたいなんてやっぱり変態だな……」
P「ああ、変態だよ俺は」チュッ
響「何だ、プロデューサー自分の夢を見てるのかな?」
響「そんなに自分を必要としてくれてるんだ、えへへ」
響「よだれ垂らしちゃって、しょうがないなぁ」フキフキ
響「これからもちゃんと面倒見てあげるからね」
響「自分がずっとずっと」
響「プロデューサーの飼い主だから」
チャオ☆
Entry ⇒ 2012.09.26 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「真」雪歩「真ちゃん」
-移動中-
P「しかし、今日も暑いな…」
P「1つ目と2つ目の現場が近いから歩きにしたが、タクシーを呼べばよかったな」
P「二人とも大丈夫か?」
真「はい、ボクは大丈夫ですよ」
雪歩「はいですぅ……ふぅ、ふぅ…」
P「あっ、雪歩。なんだったらその荷物…」
真「雪歩、その荷物貸して」ヒョイ
雪歩「わっ、悪いよ、真ちゃん」
真「いいからいいから。トレーニングにもなるし」
雪歩「えへへ、ありがと。真ちゃん///」
P「……ぐぬぬ」
-事務所-
雪歩「プロデューサー、真ちゃん。お茶をどうぞ」コトッ
P「おぉ、雪歩。ありがとう」
真「いつもごめんね、雪歩」
雪歩「ううん。私が好きで淹れてるだけから気にしてないで」
P「ズズッ…いやー、今日も美味いよ」
真「うーん…ズズッ…やっぱり雪歩のお茶は格別だね」
雪歩「あっ、真ちゃん!」
真「どうかした?」
雪歩「その湯のみ、私の…」
真「ああっ、ごめん雪歩! ボク全く気付かなくって!」
雪歩「ううん、いいの。むしろ真ちゃんなら…///」
真「雪歩…///」
P「……ぐぬぬ」
-楽屋にて-
P「じゃあ、外にいるから、衣装合わせ終わったら呼んでくれ」
真「今回の衣装はめちゃくちゃ可愛いですね!」
P「たまには真のお願いも聞かないとな」
ガチャ
P「~♪」
真『…ちょ、ちょっと、雪歩やめてよ!』
P「……」ピタッ
雪歩『で、でもっ、真ちゃんがちゃんとブラを着けれてないから…』
真『はあっ…/// ゆっ、雪歩!そんなところ、急に…やんっ///』
雪歩『ご、ごめんね、真ちゃん。でも、この衣装ならもっと胸を上げたほうがっ…』
雪歩『……はい、できたよ真ちゃん!』
真『はぁ…はぁっ…』
真『いくら雪歩でも、次は急にやったら怒るからね…///』
P「……ぐぬぬ」
-再び事務所-
P「忙しいところに来てもらって悪いな」
P「雪歩」
雪歩「プロデューサー、どうしたんですか?」
P「単刀直入に聞く」
P「雪歩は俺の真をどう思ってるんだ?」
雪歩「ま、真ちゃんですか…? …私の大切な友達…ですけど…」
雪歩「プロデューサーこそ『俺の真』って、どういうことですか?」
P「意味も何も、そのままだが」
雪歩「でも、真ちゃんはプロデューサーとは付き合ってません」
P「そんなの、俺が一番知ってる」
雪歩「じゃあ、なんで…」
P「付き合ってなくても、それでも俺の真であることには代わりない」
雪歩「そっ、それは、おかしいです!真ちゃんは、皆の真ちゃんですぅ!」
P「なっ、何を言ってるんだ!真は俺の真だ!」
雪歩「っ…プロデューサーの真ちゃんじゃなくて、皆の…。ううん…、私の真ちゃんです!」
P「おい、皆のじゃなかったのか!」
雪歩「違います!私の真ちゃんです!」
P「俺の!」
雪歩「私のですぅ!」
P「はぁ…はぁ…」
雪歩「ふぅ…ふぅ…」
P「ちょっと、落ち着こう…」
雪歩「そ、そうですね…」
P「冷静に考えてくれ。雪歩は女。真も女だ」
P「ここに友情以外の感情が芽生えるのはおかしい!」
雪歩「…っ!」
雪歩「…そっ、それを言うなら、プロデューサーだって、アイドルとプロデューサーの関係ですぅ!」
雪歩「ファンや事務所の皆を裏切るんですかっ?」
P「…っ!」
P「くそっ、俺はもう帰る」
雪歩「…好きにしてください」
P「今度、真を連れてきて、直接本人に選んでもらうからな」
P「それで決着つけるから、それまで持ち越しだ」
雪歩「……っ」プイッ
・・・
・・
・
ガチャ
P「……ただいまー」
雪歩「……」
P「…おかえりの一つもないのか?」
雪歩「……」
雪歩「…寄り道して、遅い時間に帰る人にはありません」プイッ
P「さっきの件で、真の家に行って、時間が取れそうな日程を確認してただけだよ。とりあえず、次の日曜日は確保したから」
雪歩「また、真ちゃんに浮気ですか?」
P「くっ…、真が可愛いんだからしょうがないだろ…」
P「それで、晩ご飯は?」
雪歩「もう、全部食べちゃいました。自分で冷蔵庫の残りでも探してくださいっ」
雪歩「私は先に寝ますぅ!」
バタンッ
P「なんだよ、雪歩のやつ…」
ガチャ
P「……」
P「こんなにいっぱい食えるかよ…」
P(一言で言うと、俺と雪歩は付き合って同棲している)
P(いつからか…どうしてなのか…。語るほどでもない、ほんの些細なきっかけから)
P(しかし、一つ、普通のカップルと違うと言えば…)
P(……俺と雪歩は真が好きなだけ…)
・・・
・・
・
-日曜日-
真「こんにちはー」
P「おぉ、よく来たな真」
雪歩「いらっしゃい、真ちゃん」
真「……」
真「………あっ、あはは…」
真「本当に二人が同棲してたんですね…」
P「あぁ、言ってただろ?」
真「いや、何か舞台裏でも言い争ってたりしてるから、てっきり仲が悪いのかと…」
雪歩「そんなことないよ!」
真「……」
真「…………あの」
P「?」
雪歩「?」
真「……あの、ポスターは…?」
P「あぁ、あれか?見ての通り、真が写った等身大ポスターだよ」
P「しかも、壁一面に全パターンだ。どうだ、可愛いだろ?」
真「……。……あそこに飾ってるのは?」
雪歩「あれは、真ちゃんがこの間のライブで着てた衣装だよ」
雪歩「実は、プロデューサーに頼んで回収してもらったんだけど、洗ってないから真ちゃんの良い匂いがするんだ、えへへっ///」
真「……」
P「ちなみに、その隣にあるのは、真に内緒で作った等身大の抱き枕な」
P「交互に抱いて寝るって雪歩と約束してるのに、昨日も一昨日も雪歩が抱いて寝たんだぞ、ズルいと思わないか?」
雪歩「むっ、その前にプロデューサーが3日間手放さなかったからですぅ!」
P「あれ、そうだっけ?」
真「……」
雪歩「あと、抱き枕には、真ちゃんがレッスンで使ったトレーニングウェアを着せてるんだよ?かわいいよね?」
P「もちろん、雪歩に頼んで更衣室から拝借したから、洗ってないけどな」
真「………」
真「……………」
真「うわああああああああああ!!!!」
P&雪歩「どっ、どうした!(どうしたの?)真!(真ちゃん?)」
真「なっ、なんなんですか、これはっ!!」
P&雪歩「?」
真「天井にまでボクのポスターやブロマイドを貼ってるし!」
P「どこにいても、真の視線を感じられるんだ、最高だろ?」ニヤニヤ
真「部屋にBGM流れてると思ったらボクの歌だし!」
雪歩「部屋のどこにいても、真ちゃんの声が聞こえるんだよ?」ニコニコ
真「なんなのこれはあああああーーーー!!!」
真「正直、玄関開けた時からボクの視線ばっかりで怖かったけど!!」
P「俺と雪歩が1日かけて部屋を飾ったんだぜ」
雪歩「そういえば…、あれが二人でした初めての共同作業ですぅ…///」
真(何処で照れたの?!)
真「……二人は」
P「?」
雪歩「?」
真「二人は本当に愛し合ってるんですか…?」
P「……」
雪歩「……」
P「そんなの当たり前だけど…」
雪歩「いくら真ちゃんでも、言っていいことと悪いことがあるよ…」
シーン
真(えっ、ボクが悪いの?)
P「そもそも、好きじゃなきゃ同棲しないし」
雪歩「私も、男の人で触れ合えるのは、プロデューサーだけだよぉ…」
真(……じゃあ、なんでボクはこんな空間に閉じ込められてるんですか…)
P「最近の雪歩は真にかまってばっかりで…」
雪歩「プロデューサーこそ、真ちゃんのことしかみてないですぅ…」
P「……雪歩」チラッ
雪歩「……プロデューサー」チラッ
真(………)
P「なんかごめんな、雪歩…つい真の事になると…」
雪歩「いえ…いいんです、プロデューサー…私も真ちゃんが…」
P「雪歩は悪くないよ、俺が…」 イチャイチャ
雪歩「私が悪いんですぅ…」 イチャイチャ
真(………)
真(は?)
P「今日ぐらい、たまには一緒に寝ようか…?」 イチャイチャ
雪歩「ええっ!もうプロデューサー。真ちゃんの前で恥ずかしいですぅ…。でも…、今日ぐらい…」 イチャイチャ
真「……」
真「ボクもう帰ります…」
P「どうしよう、俺、一緒寝るだけじゃ…」 イチャイチャ
雪歩「……私は…いいですよ…」 イチャイチャ
ガチャ
真「…じゃあ、また明日、事務所で」
P「じゃあ、今日は二人の寝てる真ん中に、真の抱き枕な?」
雪歩「はいですぅ」
真「っ?! それだけはやめてえええぇぇぇぇっっ!!!!」
P&雪歩「?」
-おしまい
まこりん、ごめんよ
まこりん可愛い
Entry ⇒ 2012.09.25 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
やよい「だーれだ?」P「おっ?」
P「……」
P「(この声はやよい…)」
P「(後ろから目隠し…)」
P「(こんな茶目っ気のある遊びをしかけてくるとは…)」
P「(しかも…)」
やよい「ふふー♪」ペト~…
P「(身長足りないから背伸びして俺にもたれかかってる感じだし…)」
P「(まぁ、なんだ…)」
P「(かわいい)」
小鳥「(なにあれ、かわいい♪)」
P「……」
P「(やよいが、だーれだ…)」
P「(何か意図があるのだろうか?)」
P「(やよいと答えるのは簡単だ)」
P「(しかし、やよいが俺にかまってもらいたいとかそういうかわいいことを考えてたら)」
P「(間違えてあげる方が良いのだろうか?)」
やよい「……」
やよい「…プロデューサー?」
P「(いや、やよいの場合は本気で自分の名前を当てて欲しいという期待も…)」
小鳥「(かわいいなぁ♪)」
P「あ、あぁ、すまん…ちょっと待ってくれ…」
やよい「あっ、はいっ!」ペト~…
P「(もうやよいが踏ん張り疲れて、軽くおんぶ状態だ…)」
P「(多分、傍目から見たら…)」
P「(凄いかわいい姿なんだろうなぁ…)」
小鳥(それはもう♪)」
やよい「……」ペト~…
P「(そろそろ答えてあげないと、やよいが待ちくたびれちゃうな)」
P「……」
P「(…一回、間違えてみようかな)」
P「…よし!」
やよい「う?」
P「お前の声がわかったぞ!」
やよい「あっ♪ホントですかぁ?」
P「(かわいい)」
小鳥「(良い笑顔♪)」
やよい「え?」
やよい「じゃあじゃあ間違えちゃってたら、どうすれば?」
P「そうだな…そんなことは無いと思うが…」
P「ちゃんと自分の耳で、お前の声を理解したいからな」
P「悪いけど、そのまま目隠ししたままの状態でいてくれ」
やよい「う~…間違えられちゃったらショックかもぉ…」
やよい「あっ、でもでも!間違えてるなんてことはないんですよね!?」ペト~…
P「……」
P「(すまん…今から1回間違える…)」
小鳥「(間違えましょう♪)」
やよい「あっ!はいっ!」
やよい「……」ワクワク…
P「お前は…」
やよい「……」ワクワク…!
P「亜美だ!」
やよい「…!」ムスッ…!
やよい「ぶー!ぶっぶーです!」ペト~…
P「(かわいい)」
小鳥「(膨れた顔で寄りかかってる、やよいちゃんかわいい♪)」
P「なっ…!?あ、亜美じゃなかったのか…?」
やよい「違いますよぉ!」
やよい「うぅ~…」
やよい「間違えないって言ったのに~…」ペト~…
P「……」
P「(俺はこの反応を期待してた)」
小鳥「(期待通りの反応です♪)」
やよい「…う?」
P「冷静に考えたら、お前の声は亜美じゃなかったな」
やよい「あっ…」
やよい「こ、今度こそ、わかってもらえましたか!?」ペト~…
小鳥「(背伸びを維持しようとするたびに、もたれかかっちゃうやよいちゃんかわいい♪)」
P「ごめんな…お前の声を間違えちゃうなんて…」
P「俺、どうかしてたよ…」
やよい「そ、そんな…」
やよい「わ、わかってもらえたのならそれで大丈夫ですっ!」ペト~…
やよい「私の方こそ…」
やよい「さっき、ちょっと…あっ!?…むーってしちゃって、ごめんなさい…」ズッ…スッ!
P「(かわいい…)」
小鳥「(ずれた目隠しをとっさに修正する、やよいちゃんかわいい♪)」
やよい「呼んでもらっても大丈夫ですか…?」
やよい「私の名前…」ペト~…
P「……」
P「(答えてじゃなくて…)」
P「(呼んで…)」
P「(やよいは本当に俺にかまってほしかったのか…)」
P「(ちょっとかわいすぎないか?)」
小鳥「(ええ、とっても♪)」
満面の笑み浮かべながら鼻血垂れ流しているとしてもか?
……あれ、可愛いな
P「じゃあ…呼ぼうか?」
やよい「あ…は、はいっ!」ペトッ!
P「……」
やよい「……」ドキドキ…
P「お前の名前は…」
やよい「……」ドキドキ…!
P「…やよい、手を離してもらっていいか?」
やよい「あっ…♪」
やよい「はぁい♪」バッ…!
P「……」クルッ…
やよい「うっうー♪正解ですっ♪」ニコッ!
P「うわっ、かわいい」
小鳥「かわいいですねぇ♪」
P「やよい、いきなりどうしたんだ?」
やよい「う?」
P「あぁ、いや」
P「ちょっとびっくりしちゃってさ」
やよい「びっくり?」
P「うん」
P「いきなりやよいが、だーれだ?なんて、茶目っ気のある遊びをしてくるなんて思わなかったからさ」
やよい「あっ…も、もしかしてご迷惑でしたかぁ…?」シュン…
P「いやいや、そんなことはないぞ!」
小鳥「むしろ喜んでたわよ♪」
P「あぁ」
やよい「そ、それなら安心ですっ!」
やよい「え、えーっとぉ…」モジモジ…
P「…?」
やよい「…えへへ♪」
やよい「プロ…お兄ちゃんに私の声、当てて欲しいなぁって思ったの…」
やよい「それだけ…♪」
P「……」
P「うわやよいかわいい」
小鳥「本当にかわいいです♪」
P「あぁ、間違えるものか」
やよい「…えへへー♪」
P「(しかし本当にかまってほしいだけだったとは…)」
P「(ここまで懐かれていると…なんだ…)」
P「本当に兄になっても…良いな…」
やよい「えっ?そ、それはダメっ!」
P「えっ?」
やよい「あっ…!」
やよい「あ、う、うぅ…」
小鳥「がんばれやよいちゃん♪」
やよい「ほ、ホントのお兄ちゃんじゃダメで…そのっ…」
P「……」
やよい「う、うぅ…」
やよい「お…」
やよい「お、おっきくなったらお兄ちゃんと結婚したいからお兄ちゃんはお兄ちゃんじゃダメー!」
P「うわあああああああああああ」
小鳥「きゃあああああああああ♪」
やよい「は、はいっ!?」ビクッ!
P「おいでっ!」バッ…!
やよい「えっ?」
やよい「……」
やよい「…お、おじゃまします…?」ポスッ…
P「やよいっ!」ムギュッ…!
やよい「はわっ!?」
P「お前の気持ちが大人になっても変わらなかった、その時は…」
P「結婚しよう!俺、ずっと待ってるから!」
やよい「あ…」
やよい「…うんっ♪」
やよい「私をお兄ちゃんのお嫁さんにしてくださいっ…♪」ペト~…
小鳥「あれが大人の「だーれだ?」よ」
亜美「亜美、まだまだ大人になれそうにないや…」 おわり
Entry ⇒ 2012.09.25 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
P「春香。そんな体じゃムリだって」春香「ケホケホ…、大丈夫です」
春香「だめですよ、せっかくのレギュラーなんですから……」
P「なにいってんだよ、風邪が酷くなったらどうするんだ?」
P「それに、共演者の人にも迷惑がかかるだろ?」
春香「そうですけど……、ケホケホ」
P「ほら、咳もでてるし」
春香「だ、大丈夫ですよ」
P「春香……」
P「わかった、お前がそういうなら俺は力尽くでもお前を止めてみせる」
P「 卍 解 」
春香「うっ…、ぐっ……!」
P「俺の卍解は解放と共に空間を作り出す」
P「そして、その空間に入り込んだものは、敵味方問わず」
春香「う、…あ、…ああ…!」
P「強烈な嘔吐感に襲われることになる」
春香「うげえええええええっ」
ビチャ、ビチャビチャビチャッ!!
春香「こ、これは……、私のゲロが人の形に!?」
P「俺の卍解は、人の吐瀉物を自在に操ることができる!」
春香「なん……だと」
P「さあ、ゲロ人間に抱きつかれるのがいやなら、おとなしく今日は休め」
春香「……わかりました」
春香「あ、ありがとうございます」
P「まあ、今日はゆっくりやすみなさい」
春香「はい……、ごめんなさい。意地はっちゃって」
P「気にするな、俺もゲロ吐かせてわるかったな」
春香「…いえ、かえってスッキリしちゃいました」
P「そっか、それはよかった」
P「もっぺん吐いてく?」
春香「いえ、いいです」
春香「はい」
P「安静にしてろよ」
春香「わかりました」
ギィィ
バタン
P「久々に卍解を使ったせいか、ちょっと疲れたな」
P「社長には卍解するなって言われてるし……」
小鳥「プロデューサーさん、卍解使ってませんよね?」
P「ま、まさか……」
小鳥「あなたの卍解は、アイドル達に深い精神的ダメージを与えるかもしれませんからね」
P「そ、そうですよ。アイドルに吐かせるなんて、できるわけないでしょう?」
小鳥「はい、プロデューサーさんはそんな人じゃないですよね」
P「は、はい」
P「なにがですか?」
小鳥「だって、卍解に至れる人って芸能界でもそういませんから」
P「あー、確かに」
P「まあ、俺は修行を重ねたので」
小鳥「もしかして、事務所の皆も卍解できたり」
P「まさか」
小鳥「わかりませんよ?もしかしたら隠しているだけかもしれませんし」
P「か、隠す必要があります?」
小鳥「目立ちたくない、とか」
P「目立ってなんぼですよ、アイドルは」
小鳥「まさか、できませんよ」
P「そうなんですか……」
小鳥「できたとしても、卍解しなくてもいい日々が続けばいいとおもいますし」
P「……そうですね」
小鳥「あ、お茶。飲みます?」
P「お願いします」
小鳥「はい。プロデューサーさんの「各自でやるように」という指示をちゃんと伝えておきましたよ」
P「ありがとうございます」
P「春香、よくなるといいですね」
小鳥「そうですねえ、元気なのが一番ですし」
P「せっかく、レギュラーの仕事ももらえましたし」
小鳥「代役はどうするんですか?」
P「伊織にたのんでおきましたよ」
小鳥「そうですか、なら安心ですね」
小鳥「そうですねえ……」
小鳥「あ、お菓子ありますよ?」
P「あ、食べます食べます」
小鳥「これ、結構高いんですよ」
P「へー、そうなんですか」
P「あ、……美味しい。値がはるだけはありますね」
小鳥「そうですねえ~……」
小鳥「……どうかしたんですか?」
P「いま、とてつもない霊圧を感じたような」
小鳥「気のせいじゃないんですか?」
P「だといいんですけど」
小鳥「きっと、みんなが帰ってきたんですよ」
P「でも、まだ早くないですか?」
小鳥「あら、本当ですね」
P「……どういうことだ」
P「霊圧がどんどん近づいてくる」
小鳥「私も感じます……」
P「この感じ、どこかで……」
P「これは、この霊圧は……」
ギィィ
冬馬「よお」
P「やっぱりお前だったのか、冬馬」
冬馬「きまってんだろ?お前達に宣戦布告しにきたのさ」
P「宣戦布告だと?……一体なにを……」
ドンッ!!
P「なん……だと」
小鳥「キャア!プロデューサーさん!?」
冬馬「とりあえず、まずは1人だな」
P「お前ら、何が目的だ……!」
冬馬「さあな、俺も上に従ってるだけしよ」
冬馬「まあ、安心しろよ。今日はこれで引き上げてやるからよ」
P「待て!……アイドルの皆には手を出させないぞ!」
冬馬「へえ、言うじゃねぇか」
冬馬「でもよ、そのボロボロの身体でどうするっていうんだ?」
P「へっ、まだ俺には卍解が残っている」
冬馬「そうか、なら教えといてやるよ」
冬馬「おれはまだ、刀剣解放をしていないぜ」
P「嘘……だろ?」
P「……い、いったか」
小鳥「だ、大丈夫ですか!?」
P「はい、それよりも……皆を集めてください」
P「仕事も、オールキャンセルで」
P「これは、765プロ始まって以来の事態ですよ」
小鳥「わ、わかりました!」
伊織「相当まずい状況みたいね」
美希「ミキ、不安なの……」
P「ああ、お前の気持ちわかる」
P「だけど、俺たちは戦わなくてはいけない」
雪歩「そんな……」
P「いいか、多勢に無勢になってもかまわない」
P「どんな手をつかってでも、961プロの連中を倒すんだ!」
伊織「ちょっと、社長もいないのにそんな勝手なことしてもいいの!?」
P「いいんだよ、別に」
伊織「別にってなによ、アンタちゃんと考えてるの!?」
千早「ちょっと、プロデューサーに口が過ぎるんじゃ……」
伊織「アンタは私に口が過ぎるわよ、千早」
千早「……!」
P「社長が不在のいま、戦力的にもこちらが完全に不利だ」
真「どういう事ですか?」
P「おそらくだが、ヤツらは相当の力を持つ」
P「冬馬にあったが、相当の霊圧だった。おそらく美輪さんに匹敵するだろう」
伊織「なんですって!?」
P「それともう一個。やつらは、おそらく卍解を超えるであろう力をもっているかもしれない」
千早「そんな……」
P「この戦いは相当に辛くなるだろう」
P「死ぬなよ?]
一同「はい!」
P「はい」
冬馬『よう、さっき振りだな』
P「……なんのようだ」
冬馬『今頃、作戦会議してんじゃねぇかなっておもってな』
P「…お察しの通りだけど」
冬馬『誰か1人、忘れてねぇか?』
P「…………!」
冬馬『具合悪いんだろ?……ちゃんと気遣ってやれよな』
P「わざわざそれをいいに電話してきたのか」
冬馬『ああ』
P「……」
冬馬『それじゃあ、また後でな』
ピッ ツーツーツーツー
千早「プロデューサー?」
P「春香がヤツらに狙われてるかもしれない……!」
真「えぇっ!?」
P「冬馬のやつ、春香が風邪でダウンしてることまでしってた」
貴音「……すでに、彼が近くにいるとみて間違いないでしょうね」
P「ああ……、助けにいかないと」
千早「プロデューサー、私がいきます」
P「任せていいのか?」
千早「はい」
P「……じゃあ、美希。お前もついていってやってくれ」
美希「はいなの!」
真「プロデューサー、浮かない顔ですね」
P「おそらく、ジュピターの残りの2人も、冬馬と同等の霊圧を持つはず」
P「ダウンしてる春香はもちろん、千早と美希でアイツらと戦うことになったら……」
やよい「だ、大丈夫ですよ、千早さんたちなら……」
P「だといいんだが」
伊織「ねえ、私たちも何かをするべきじゃないかしら?」
P「……いや、今は下手にうごくべきじゃない」
P「春香の無事を確認したら、あちらの出方を待つ」
春香「うん、ありがとう。ケホケホ」
美希「寝てなきゃダメだよ?」
春香「うん……、でも。事務所が大変だっていうのに」
美希「仕方ないの、春香はいま具合悪いんだから。ね、千早さん」
千早「そうね……」
千早(でも、春香が無事みたいでよかったわ)
美希「千早さん、どうしたの?」
千早「いえ」
千早(いま、とてつもない霊圧を感じたような)
春香「ケホ、ケホ……、ゲホゲホッ!」
美希「は、春香っ!?」
千早「大丈夫!?」
春香「だ、だいじょう……、ぶ」
千早「熱、測ったほうがいいんじゃないかしら」
千早「春香、はい、体温計」
春香「ありがとう、千早ちゃん……」
美希「千早さん、春香大丈夫かな?」
千早「ちょっと、心配ね」
千早「あ、私。プロデューサーに電話してくるわね?春香は大丈夫だったって」
美希「はーい」
美希「大丈夫なの、ハニーはそんなの気にしないから」
春香「美希……」
春香「ねえ、美希。ちょっと話があるんだけど、いいかな?」
美希「?」
P『そうか、でもヤツらの襲撃にはあってないようでよかった』
千早「はい、私もひとまずは安心───」
ドンッ!!
千早「!?」
P『千早、どうした?今の音は……』
千早「どうやら、前言撤回しなくてはいけないみたいですね」
ピッ ツーツーツ
千早(今は大変な時期。私達でなんとかしないと……)
千早「…………!」
千早「嘘……でしょう?」
美希「 」
春香「あれ、千早ちゃんもどってきたんだ?」
千早「春香、あなたもしかして……」
春香「……そう、私は961側」
千早「どうして、何故私達を裏切ったの!?」
春香「どうしてなんだろう…、教えてあげてもいいけど」
春香「どうで千早ちゃんはここで死ぬから、教える意味はないよね?」
千早「…………」
千早「膨らめ〝血覇矢〟」
千早「……春香、あなたがあちら側というのなら、容赦はしないわ」
春香「……それじゃ、いくよ。千早ちゃん!」
千早「ええ、いくわよ春香!」
春香(すこし、様子をみたほうがいいかな?)
千早「──なんて、貴女はいま思っているのでしょう、春香?」
春香「!?」
千早「……そして、それは大きな間違いよ春香」
千早「わたしのこの、血覇矢は鬼道系」
ガキィンッ
春香「こ、これは……!」
ボコッ、ボコボコボコッ!
千早「この血覇矢の鏃に傷つけられたものは、その傷口から霊子を注入され……」
ボコボコボコボコッ
千早「その部位が何倍にも膨れ上がる!」
千早「そのまま、膨らみ続けて最後には破裂する」
千早「それが貴女の最期よ、春香」
ボコッ、ボコボコボコォ!
美希「……ん、んぅ……」
千早「美希、目が覚めたのね!」
美希「……!千早さん、後ろ!」
ドンッ!!
千早「う、……か、はァっ!?」
春香「こんなの、……流れてきた霊子を傷口から出せばいいだけだよ?」
千早(そんな、春香にそんなことができたなんて)
千早(解放した様子はない、それどころか斬魄刀も持ってない……)
千早(そういえば、春香が斬魄刀をもっている姿を見たことないわ……!)
千早「……まさか、春香、貴女……」
春香「流石千早ちゃん。気づいたんだ?」
美希「え、え?何、どういう事なの?」
千早「おそらく春香は………」
千早「常に、卍解状態なの」
美希「嘘……でしょ?」
春香「……そこまで分かるだなんて、流石千早ちゃん!」
美希「千早さん……」
千早「美希、貴女は逃げて。この事をプロデューサーに伝えるの」
美希「で、でも!」
千早「いいから、早く!」
美希「……わかったの、千早さん。負けちゃイヤなの!」
千早「…………ええ」
千早「……ええ、むしろその方が好都合なの」
春香「……どういうこと?」
千早「あまり、人には見せたくないの」
春香「ダメだよ、千早ちゃん?そうやって、思わせぶりな大技があるように見せかけて」
春香「私を動揺させようったって、そうはいかない──」
千早「 卍 」
千早「 解 」
千早「ええ、何も変わらない。それが私の卍解」
春香「……どういうこと?」
春香「ただの見掛け倒しなら、容赦はしない!」
ドンッ!!
春香「………なっ、聞いていない?」
千早「だからいったでしょ?変わらないのが私の卍解だって」
春香「……?」
千早「つまり、時間の停滞。私には、卍解している間、決して時が流れない」
千早「傷も負わないし、成長もしないわ」
春香「そ、そんな卍解……!どうやって倒せば……!」
千早「逃がさないわよ、春香!」
春香「……またね、千早ちゃん」
千早「待ちなさい、春──」
千早「くっ……、瞬歩で逃げられてしまったわ」
伊織「……それにしても、春香が卍解を使えた、いいえ。使っていたなんて」
P「ああ、卍解の使い手が敵に回った以上。状況がより悪くなったな」
ズンッ……
P「この霊圧は……!」
真「外から、ですよね」
P「…………」
ガララッ
P「……冬馬、春香!」
真「空に、浮かんでいる……」
P「春香、元気そうじゃないか」
春香「えへへ、私の仮病どうでしたか?」
P「さあ?アカデミー賞はもらえるんじゃないのか?」
千早「貴方達、何が目的なの!?」
冬馬「さあな、俺たちは上の指示にしたがってるだけだよ」
冬馬「そうだよな?──高槻」
伊織「え……?やよい……?」
やよい「……」 ニヤッ
P「まさか、やよいまでそっち側だっていうのかよっ!?」
やよい「うっうー♪そうですよ、プロデューサー……」
冬馬「ああ、先にかえって黒井のおっさんに色々説明してるよ」
P「黒井社長がお前達のボスなのか?」
春香「プロデューサーさん、私とやよいがこちら側なのに」
春香「765プロに、私達のボスがいる……なんて疑わないんですね?」
貴音「オイ、どういうことですか?」
小鳥「……ふふっ」
P「小鳥さん……まさか、貴女が!?」
小鳥「高みを求めて」
P「地に堕ちましたか、小鳥さん」
小鳥「傲りが過ぎますよ、プロデューサーさん」
小鳥「最初から誰も天に立ってなんかいません」
小鳥「あなたも、私も、神様すらも」
小鳥「ですが、その耐え難い天の座の空白も終わります」
小鳥「これからは……」
小鳥「私が天に立つ」
千早(音無さんが、インカムを外した……!?)
小鳥「ごきげんよう」
P「ま、待ってください!小鳥さん、小鳥さん!」
伊織「まさか、やよいが…………」
真「ショックだよね、春香たちが裏切るだなんて……」
P「…………どうする、皆」
千早「どうするって……いわれても」
美希「決まってるの、負けてなんか、いられないよ!」
響「そうだよ、自分も舐められっぱなしはイヤだぞ!」
P「……そうか」
P「よし、ならば……!」
P「 9 6 1 プ ロ を ぶ っ 潰 す ! 」
P「なんだこれは、まるで迷宮じゃないか」
P「……手分けしていこう」
千早「……春香」
美希「千早さん……」
真「絶対、勝ちましょうねプロデューサー!」
P「おう!」
誰の卍解が命を刈り取る形をしてるの?
貴音「……まさか、こんな形で戦うことになるとは思ってもいませんでした」
貴音「やよい」
やよい「うっうー!私もですよ、貴音さん」
貴音「では……いざ!」
貴音「 卍 解 !」
やよい「うっうー♪じゃあ、みせてあげますね」
やよい「私の刀剣解放(レスレクシオン)を!」
やよい「───蓄えろ」
P「貴音の霊圧が……消えた?」
P「いや、それはおいておいて……!」
P「なんだ、この巨大な4つの霊圧は……!?」
P「……この建物に向かってきている、だと……!?」
やよい「貴音さんが弱いんじゃないくて、私が強いんです!」
貴音「 」
やよい「……さて、みんなのお手伝いにいこうかな?」
ドドドドドドドドド
やよい「!?」
やよい(……こ、この霊圧!)
あずさ「あらあら……、間に合わなかったかしら~?」
あずさ「貴音ちゃん、大丈夫?」
貴音「 」
あずさ「気絶しているみたいだけど、よかった。無事みたい」
やよい「うっうー!あずささんもすぐに気絶させてあげますよぅ!」
やよい「うぅ…!」
やよい(近づくだけで、霊圧に押しつぶされちゃう……)
やよい「で、でも!ききませんよ!」
ベチャァッ
やよい「私の刀剣解放、〝モヤシ〟は貧しくなればなるほど強くなる!」
ビリッ、ビリビリ
やよい「べろちょろを捨て、服も限度まで破った私は……!」
やよい「最硬の防御力と、最強の……」
ザンッ
やよい「ちから゛ッ」
ズズズズ……ズルッ ブシャァァアアア
やよい「そん……な…馬鹿……な」
あずさ「やよいちゃん?おイタしちゃだめよ?」
真「……これが、伊織の卍解……!?」
伊織「どうやら、やよいは負けたみたいね……、だったらこれを封じておく必要もないわ」
伊織「私の卍解は、相手のあらゆる力を封じるわ」
伊織「ごめんなさいね、真。あなたの斬魄刀も反応しないでしょう?」
真「ううん、ボクは大丈夫。それよりも……」
伊織「ええ、今はこの男を倒すことを考えないと」
北斗(ひとたび卍解されてしまえば、こちらが帰刃できなくなってしまうから……!)
北斗「これは、万事休すというヤツかな」
伊織「あら、随分と潔いのね?」
北斗「もともと俺は、女の子に手を上げるつもりはなかったからね」
伊織「そう、私には関係ないわ。あんたたちや小鳥がやよいを誑かしたから……!」
北斗「……冬馬、翔太」
北斗「チャオ☆」
ドンッ!!
千早「春香……」
美希「千早さん……」
千早「ごめんなさい、美希。渡しにやらせてほしいの」
美希「は……はいなの」
千早「いくわよ、春香」
千早「──卍解」
千早「あなたに勝ち目はないわ!」
春香「……それでも、千早ちゃんだって、今以上に強くはならない!」
千早「ええ、そうね」
千早「だけれど……、私の卍解はそれだけじゃないわ」
春香「!?」
千早「私の卍解は、ただ何も変わらない」
千早「そう、私は分からない。意味が分かるかしら?」
春香「わからないな、教えて千早ちゃん」
千早「……つまり、停滞した私の時間を」
千早「相手に流れさせることができるの」
春香「……なにぃっ!?」
春香「つまり、千早ちゃんに攻撃したら、私がダメージを受けるってこと?」
千早「ええ、そうよ」
春香「なるほど、完全に攻撃を封じたわけだね」
千早「だから、春香。今すぐ降参を──」
春香「…………」
千早「なに、春香」
春香「私の卍解の能力──おしえてなかったよね?」
千早「ええ」
春香「おしえてあげるよ、私の卍解は……」
春香「時間を逆回しにする」
千早「!?」
美希「なん……だと」
春香「右のリボンで自分の、左のリボンで相手の時間を逆回しにするんだよ?」
千早「……!」
春香「時間を流れなくする千早ちゃんの卍解」
春香「時間を逆に流れさせる私の卍解」
春香「どっちが勝つかな?」
千早「──やってみなさい、その勝敗が、即ちこの戦いの勝敗よ」
春香「…………」
千早「見事ね、春香」
千早「貴女の卍解で、私は時間を戻された」
千早「今の私は、卍解を使える前の私……」
春香「…………そうだね」
春香「それじゃ、千早ちゃん。このまま赤ちゃんより前に──」
美希「だめなの!」
春香「……美希。美希じゃ私には勝てないよ……」
美希「や、やってみなくちゃわからないの!」
美希「卍解!」
美希「……あれ、なんで?」
春香「美希も、卍解できるようになる前にもどってもらったんだよ?」
春香「始解で、卍解にかてるわけないじゃない……」
美希「やってみなくちゃ、わからないよ!」
美希「……握れ、〝鬼切〟」
春香「美希、残念だけど容赦なく潰すね」
美希(やっぱり、卍解は協力すぎるの……!)
美希(でも、きっとミキにも勝機はあるはずなの!)
ガキンッ
春香「美希ッ!全然きいてないよ!」
ギィインッ!
美希「キャァッ……!」
美希(考えるの、……何か、きっと突破口が……!)
美希(……あれ、そういえば)
美希「ミキね。気づいちゃの」
美希「その能力、多分。回数の制限があるでしょ」
春香「!」
春香「……ばれちゃった」
春香「そうだよ、これは一日三回が限度」
春香「千早ちゃんと、美希に一回ずつ」
春香「さっき、千早ちゃんを赤ちゃんにしようとしたのを中途半端にとめられて一回」
春香「時間を逆回しにすることはできなくなった」
春香「でも、それがなくても、私は負けないよ!」
春香「そうやって、がむしゃらに突っ込むだけじゃ……」
ガシッ
春香「!?」
春香「私の、リボン……を!?」
美希「右のリボンが、春香の時間を逆に回す……だったよね?」
美希「これで、終わりなの!」
春香「くっ」
春香「くそおおおおおおおおおおお!!」
P「次はお前だ、冬馬」
冬馬「おっと、その前にお客さんのようだぜ」
P「?」
亜美「兄ちゃん!」
真美「助太刀に参上したでござるで候!」
P「お、おまえら!……それに」
高木「待たせてしまったようだね」
P「社長……」
高木「彼は君に任せたよ、我々はこの先にいる巨悪を倒す」
P「は、……はい!」
P「ああ」
冬馬「じゃあ、いくぜ!」
冬馬「──飾れ〝フィギュア(Alice or Guilty)〟」
P「それがお前の、帰刃か」
冬馬「ああ、アンタも卍解してこいよ!」
P「いわれなくとも」
P「 卍 解 」
冬馬「いくぜ、かかってこいよ!」
P「……ああ!」
ザンッ!
ガキィン!
ズン!
P(流石に速い!付いていくのがやったとだぜ……!)
冬馬「どうした、それで本気かよっ!」
P「……くっ!」
P「おえええええええっ!」
ビシャ、ビチャチャ、ビチャチャチャビチャビチャ!
冬馬「……!?」
P「俺の卍解、みせてやる!」
ゲロ「う、うおおおおおおおおおっ!」
冬馬「これがアンタの卍解か……!」
ゲロ「うがあああああああっ!」
ビチャッ
冬馬「くっ、汚ぇ……!」
P「黒縄嘔吐明王」
冬馬「史上最悪と言われる卍解をお眼にかかれるなんてな……!」
冬馬「だが、それでも俺には勝てないぜ!」
ゲロ「うがあああああっ!」
冬馬「げっちゅぅ!」
ドンッ!!
P「な、……俺のゲロが飛び散った、だと!?」
P「……どうやら、そのようだな」
冬馬「おとなしく、負けをみとめたらどうだ?」
P「悪いがそれはできない」
冬馬「なんでだよ」
P「俺は負けてないからな」
P「みせてやるよ……俺の卍解の真の姿を」
冬馬「なん……だと」
冬馬「この空間すべてが、薄いゲロの膜につつまれているのか」
P「そのとおり。そして、少しでも動けば」
冬馬「な…、俺の体がゲロになっていくっ!?」
P「これが、俺の嘔吐丸──卍解名、黒縄嘔吐明王が最悪と言われる所以さ」
冬馬「なるほど……納得したぜ」
P「このゲロに包まれた以上、お前はゲロになって、俺の卍解の一部になるだけだ」
冬馬「……ちっ」
P「残念だったな、冬馬。俺の勝ちだ」
雪歩・響「 卍 解 」
───────
──
─
翔太「 」
雪歩「なんとか勝てた……」
響「でも、びっくりしたさー。……わめき散らすたびに強くなるんだから」
響「でも、自分の卍解の敵じゃないさー!」
律子「私こそ、まさか貴女たちが出てくるとは思わなかったわ」
律子「あずささんに次ぐ力をもっていて、社長から始解すら禁じられてるあなた達がね」
亜美「社長さんがね、非常事態だからっていって亜美たちも戦っていいって言ったんだ」
律子「あの社長が……?へえ、それほどまでに彼女を警戒していたなんて」
真美「律っちゃん」
律子「そうね、……おしゃべりしている余裕はないわね」
3人「 卍 解 」
亜美「そうだよ、これこそ亜美たちの卍解」
真美「この世にひとつしかない、2人でひとつの卍解だよ!」
律子「威力、硬度など、すべてが卍解二つ分に匹敵するといわれている」
律子「でも、それは並の卍解2つ分ということ!」
律子「私の卍解は、並じゃない!」
真美「いっけー!」
律子「着なさい、亜美、真美!」
ガキッ
律子「……どうやら、貴女たちの卍解は直接攻撃系のようね」
真美「そうだよ→」
亜美「律っちゃんのも、そうみたいだね?」
律子「ええ、純粋な打ち据えあい……それが勝敗を決めるわ!」
ガンッ
ズガガガガ
律子(さすがの強度……!このままでは……!)
ガッ
バキィイイッン
律子(!)
律子「私の卍解が…………!」
律子「折れた」
律子「どうやら、私の負けの様ね」
真美「ううん、真美たちも超あぶなかったよ」
律子「あなた達が、卍解を使いこなせるようになったら……」
律子「そのときは、もう私の手に負えないわ」
亜美「……」
律子「それよりも……そろそろね」
律子「彼らの戦いは」
小鳥「火種を煽る風 集いて惑うな我が指を見よ」
小鳥「光弾・八身・九条・天経・疾宝・大輪・灰色の砲塔」
小鳥「弓引く彼方 皎皎として消ゆ」
小鳥「破道の九十一 千手皎天汰炮 」
ズババババババババババ
社長「聞かないよ、小鳥君。そんなものはね」
社長「全力で、かかってきたまえ」
小鳥「それじゃあ、同時にいきましょうか」
卍
解
小鳥「さすがですね、社長!」
小鳥「私の卍解の全力と黒棺を3回もくらって、無事でいられるだなんて」
社長「これくらいでないと、皆にしめしがつかないからね」
小鳥「そうですか、でも」
小鳥「あなたは私に勝てない」
─────
──
─
社長「 」
小鳥「だから、言ったじゃないですか」
小鳥「とはいえ、人類でも最高クラスの霊圧をもつ社長もこの程度でしたし」
小鳥「──後の三人も、軽く倒せますよ。ね、プロデューサーさん?」
P「小鳥さん……!」
小鳥「そうそう、プロデューサーさんの卍解も厄介ですし」
小鳥「ここで倒してしまいましょうか」
P「それは俺のセリフですよ、小鳥さん」
P「俺は、貴女を倒すための力を得てきた」
P「最後のゲロ牙天衝を」
P「最後のゲロ牙天衝ってのは、俺自身がゲロになることです」
P「この技を使えば俺はプロデューサーの力の全てを失う」
P「最後ってのはそういう意味です」
小鳥(まさか 私は業界人とは別次元へと進化を遂げた事で)
小鳥(二次元の存在が三次元の存在に干渉できないように)
小鳥(自分から意図的にレベルを下げて干渉しない限り)
小鳥(業界人にも一般人にも私の霊圧を感じ取ることはできなくなった)
小鳥(まさか、まさか、彼は私よりも……更に上の次元に立っているというの?)
小鳥「馬鹿な!! そんなはずがないわ!プロデューサーごと気がこの私を超えるだなんて!」
小鳥「そんな事が──」
スッ
P「無ゲロ」
ビシャ、ビチャビチャビチャ
P「色々あったけど、なんとか日常にもどってこれたな」
千早「そうですね、代償は大きすぎましたが」
春香「だぁ、だぁ…」
P「春香は赤ん坊になったままだしな」
千早「……これも、仕方のないことなんでしょうか」
P「ああ、でも。社長ももうすぐで戻ってこられるみたいだし」
P「そうなったら、765プロ再始動だな」
千早「そうですね……」
P「そういや、千早」
千早「はい?」
P「なんで、お前の始解放自分に使わないの?」
ドンッ!!
真「プロデューサーの霊圧が……消えた?」
おわり
またこんなカンジの書いてみたい
それじゃ、おつかれさまでした
笑わせてもらったわ
よかったよ
Entry ⇒ 2012.09.24 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P 「お絵描き予行演習をしよう」
また、アイドル達の絵の上手い下手は勝手なイメージで書いた物なので
公式設定があれば、それとはかけ離れた物になるかも知れませんので
気になる人はご遠慮ください
美希 「ん? ミキ達TVなら、もう結構出てるよ?」
P 「ふっふっふ 聞いて驚け!今回の番組は『ミュージックマスター』だ!」
亜美 「ええ!あのゴールデンの!?」
千早 「?」
春香 「千早ちゃん知らないの?司会も人気お笑いコンビがしてる超人気番組だよ!?」
千早 「私あまりTV見ないから…」
P 「今回は歌の枠と、全員参加のコーナーの枠が一つ貰えたんだ」
律子 「これで知名度がグーンと上がるのは間違い無しよ!」
雪歩 「すごいですぅ! さすがプロデューサーさんですぅ!」
やよい 「私 がんばりますー!」
P 「歌枠についてはあまり心配していないんだが、その後のコーナーの方が問題で…」
あずさ 「どういったコーナーなんですか?」
P 「ほら よくあるだろ?お題を与えてもらって絵を描くっていうコーナー」
真 「あ~ よくありますね、ヘタだと笑われちゃうかもですけど」
P 「ヘタならヘタで美味しいんだが、それも、その人のイメージによるからな」
真美 「真美は絵得意だよ!」
貴音 「わたくしはあまり得意では…」
伊織 「このスーパーアイドル伊織ちゃんなら何も心配いらないわよ?」
P 「本番でどんなお題が与えられるかは分からないが、今回はそうだな…」
響 「なんでもいいぞー 自分完璧だからな」
P 「うーん みんなが知ってるのがいいよな…動物の『象』でいこうか」
春香 「『象』ならたしかにみんな知ってますもんね、特徴もあるから描きやすいかも」
全員 「はい!」
P 「じゃあ、制限時間は10分にしておこうか」
P 「よーい はじめ!」
カキカキ ウーン コレハイガイト …
律子 「この子達の絵については、私達何も知りませんからちょっと楽しみですね」
P 「ヘタでも春香や亜美や真美、あと響なんかもいじられ役としてはいいんだけどな」
律子 「雪歩なんかは、『穴掘って埋まってますぅ』 なーんてことになりかねませんからね」
P 「うん あまりにひどい様だとイメージにかかわる子もいるから…」
P 「よし時間だ、みんな描けたか?」
全員 「はい!」
P 「じゃあそうだな、あずささんから見ていきましょうか」
あずさ 「全然面白みが無いかも知れないですけど…」
P 「それでも全然いいんですよ、あずささんからなのは、ちゃんと理由もありますから」
あずさ 「そうですか~? じゃあどうぞ」
P 「うん 長い鼻・大きな耳・太い足 完璧に象ですね、あずささんなら大丈夫だと思ってました」
あずさ 「一応特徴だけはちゃんと描いてあるつもりです~」
亜美 「でもTV的にはこれでいいの?兄ちゃん」
P 「ああ、こういうコーナーで全員が全員ヘタなら逆に面白くないんだ」
春香 「あ 分かりました振り幅ですね!」
P 「そうだ、さすが春香だな」
あずさ 「どういう事ですか?」
P 「こういう時はな、まず常識的な絵を見せておくと、ヘタな人がよりヘタに見えるんだ」
律子 「あずささんの絵なら完璧に前フリをこなせるますからね、言う事無しですよ」
あずさ 「じゃあ本番でも、早めに発表できるようにしますね~」
P 「はい、お願いします MCにも伝えておきますね」
やよい 「はい! ジャジャーン!」
千早 「高槻さんの象かわいい…」
あずさ 「あら~ やよいちゃんっぽくてかわいいわね~」
やよい 「私 兄弟がいーっぱいいて、みんなに描いてくれってよく頼まれるから絵は得意なんですー」
P 「うんうん やよいならどんなお題が与えられても大丈夫そうだな」
伊織 「多分 視聴者も『やよいは絵が上手だなあ』って言う事間違いなしね」
やよい 「えへへ 照れちゃいますー」
美希 「クレヨンで描いてるのがかわいいの」
千早 「プロデューサー、後でこの絵いただけます?」
P 「俺も心配しすぎたかな?この調子でみんなのも見せてもらおう」
P 「次はそうだな…春香 見せてくれるか?」
春香 「はい!」
全員 「…」
春香 「え?みんなどうしたの?結構上手く描けてると思うんだけど…」
美希 「春香はなんでも無難にこなせるアイドルだと思ったけど…」
貴音 「これは…」
亜美 「めちゃくちゃ甘く見て、ギリギリ象だね…」
真美 「子供が見たら泣いちゃうよ→!」
千早 「春香は絵がヘタなのね…」
春香 「ひどいよ 千早ちゃんまで!」
律子 「せめて色くらいはもう少しアイドルらしい色を選んで頂戴ね」
春香 「ほ 本番はもうちょっと真剣に描きますから!」
春香 「あとフォローのコメントで笑いとりますから!!」
響 「春香…アイドルとして、その発言はどうかとおもうぞ…」
P 「うん… まぁ、不安要素もあるけど春香なら何とかできるだろう」
亜美 「合点承知!」
真美 「ちょ→真剣に描いたから問題ないっしょ!」
P 「合作かと思ったけど別々に描いたんだな」
亜美・真美 「とくとみさらせーい!」
春香 「ちょっと!アウトアウト!」
雪歩 「だ 駄目だよ亜美ちゃん真美ちゃん!」
P 「こういう事があるから予行演習しておきたかったんだ…」
亜美・真美 「え?なんか問題あるの?」
律子 「今回の番組のスポンサーが任〇堂やポケ〇ンなら問題ないんだけどね…」
P 「スポンサーがライバル会社なら間違いなく2人のところはカットになるな」
亜美 「大人の事情なんてちらないよ!」
真美 「そうだよ真美たち一生懸命描いたのに!」
亜美 「ちぇ 折角上手に描けたのにー」
真美 「いざとなればモザイクいれたら大丈夫っしょー」
P 「それじゃ 意味ないだろ…」
美希 「……」ウトウト
P 「美希、眠そうだな」
貴音 「先ほど絵を描いている時からすでに眠そうでしたね」
真 「半分寝ながら描いてたけど、大丈夫なのかな?」
P 「じゃあ美希のを先に見るか」
美希 「どうぞなの~…」ウトウト
千早 「半分寝ながら描いていたのに、上手なのね」
真 「面倒くさがって色を塗ってないのが美希らしいや」
真美 「線がよろけてるし、変な所にに線が描いてあるけどミキミキやるなー」
P 「…」
律子 「どうしたんです?プロデューサー」
P 「気がつかないのか?、みんなちょっとこれを見てくれ」カキカキ
亜美 「うわー、何これ!『おにぎり』っていう文字が隠れてたよー!」
春香 「意識して描いたのか無意識なのかは分からないけどすごいですね…」
P 「多分、無意識だろうけど、変な所で天才が見え隠れするな」
貴音 「食欲や睡眠欲など、人間の欲望が良く顕れた素晴らしい絵ですね」
P 「そう手放しで褒められたもんじゃないだろうけど、すごい才能だな」
美希 「あふぅ…」
貴音 「わたしくし『書』であれば多少の心得があるのですが…」
律子 「あまり自信無さそうね」
貴音 「正直、春香の絵を除いて、みなより上手く描けている自信はありません…」
春香 「言い返したいけど言い返せない…」
.貴音 「ゆえに『書』を基本に描いてみました」
P 「よくわからないが見せてもらえるか?」
律子 「こ これって…」
貴音 「はい 『象』という『文字』の成り立ちから、わたくしなりの象を描いてみました」
亜美 「お姫ちん…」
真美 「ぶれないわぁ…」
P 「なんかある意味芸術的だけど、番組的には面白いかもだからOKだぞ貴音」
貴音 「面白い…ですか、わたくし真剣に描いたのですが…」
律子 「貴音のミステリアスな部分が見えていいんじゃないかしら?」
貴音 「そうですか、それなら良いのですが」
P (美希あたりにフォローを頼んでおこう…)
P 「気を取り直して次は誰に見せてもらおうかな…」
律子 「あら 真ずいぶん自信ありそうな顔してるわね」
真 「へっへーん ボク女の子らしい趣味にあこがれて、ちょっと絵とかも練習してたんです」
P 「へー じゃあ真、見せてくれるか?」
真 「いいですよー自信作です! どうぞ!」
伊織 「何よこれ!!」
真 「何って象だよ?」
やよい 「すっごく迫力がある象ですー」
P 「真… この乗ってる人は誰なんだ…?」
真 「南蛮兵ですよ、戦象に乗ってドカーン!バシーン!って」
響 「象がかわいそうだぞー」
全員 「「「「え!?」」」」
P 「おい響、まさか今の『象』と『ぞー』をかけたのか?」
響 「ぜ 全然ちがうぞ!自分がそんな寒いギャグいうわけないだろ!」
千早 「フフッ!…プフフ!」
響 「うがー!すべってなんかないぞ!」
P 「真は絵が上手いけど、もうちょっと著作権とか心配の無い絵にしてくれ…」
真 「カッコよく描けたんですけど、もうちょっと女の子らしい絵の方がよかったかな…」
雪歩 「でも真ちゃんっぽくて素敵かも ウフフ」
律子 「少し心配になってきましたね…」
P 「ま まぁ次は大丈夫だろ雪歩見せてくれるか?」
雪歩 「は はい!あまり上手じゃないですけど…どうぞ…」
春香 「わ!アイドルっぽいかわいい絵だ」
真 「すごいよ雪歩!、ボクもこんな風に描けば良かったんだね」
P 「雪歩…お前なら大丈夫だって俺は信じてたよ 」ホロリ
雪歩 「そ そんなことないですぅ」
律子 「ちょっと心配でしたが、雪歩は全然大丈夫ですね」
あずさ 「色づかいもかわいいですね~」
美希 「つっこみどころもないけど、雪歩の女の子っぽいイメージはグンとあがったの」
雪歩 「えへへ」
千早 「今の所アイドルの絵としては一番いいんじゃないかしら?」
やよい 「雪歩さんすごいですー!今度教えてもらっていいですかー?」
雪歩 「そんな褒められたら、私…恥ずかしくて…穴掘って埋まってますぅ!」
P 「どっちにしろ穴掘るんだな」
律子 「すごい真剣な顔して描いてたわね」
響 「うん 自分、象は飼ってないけど動物はみんな仲間だからな!」
P 「響はヘタでも大丈夫だな、むしろいじられ役のほうが、かわいいってイメージあるし」
春香 「ムキになって『自分、ヘタじゃないぞ!』とか言ってる姿が思い浮かぶかも アハハ」
響 「なんか、アイドルとしての方向性がわからなくなってきたぞ…」
響 「…なんか自信無くなってきたけど…はい」
全員 「!!!」
P 「ひ、響 お前めちゃくちゃ上手いじゃないか!」
律子 「ほんと…これ番組もてるくらいのレベルよね…」
真 「こ これ何も見ないで10分で描いたの?」
響 「自分いつも動物図鑑とか見てるし動物園もよくいくから動物ならなんとか…」
伊織 「…!」 ワナワナ
伊織 (このままじゃ 私の絵なんて普通すぎてTV的にもまずいことになるわね…)
伊織 (描き直して、もうちょっとディティールも加えてレベルを上げないと…!!)ペラッ カキカキカキカキ!!
亜美 「ん?」
真美 「あーいおりんズルしてるー!」
P 「コラ伊織、もう制限時間も過ぎてるから描き直しは駄目だぞ」
亜美 「兄ちゃんもああ言ってるし観念しろー いおりんー!」バッ
伊織 「あ!待って…まだ顔の途中だから!」
真美 「兄ちゃんパース!」
P 「別にヘタでも大丈夫だって、みんなにもフォロー頼んでおくし」
春香 「どうしたんですか?何かコメントをあげないとさすがに伊織もかわいそうですよ」
チラッ
春香 「…」///
やよい 「どうしたんですかー?みんな黙って」
P 「や やよいはみちゃ駄目だ!」
響 「いったいどんな絵なんだ?」バッ
P 「コ コラ響!駄目だって!」
バサッ
全員 「」///
やよい 「?」
真 「伊織、自分の描いた絵をよく見てごらんよ」///
伊織 「別になんてことな………いいいいい!!!!」
雪歩 「わ 私フォローのコメントなんて出来ないですぅ!」
P 「す すまん伊織こんな事になるなんて思っても…」
伊織 「ち ちがうのよ!これは何かの間違いなのよ!途中だったから!」
P 「う…うん 分かってるから みんな分かってるから」
伊織 「変態!ド変態!変態大人!!!!」ボカスカ
あずさ 「あらあら うふふふ」
伊織 「あれは象なのよ象、色塗ったら分かるんだから…」ブツブツ
千早 「あの…」
春香 「プロデューサーさん千早ちゃんのがまだ…」
P 「え? あ! すまん千早」
律子 「まぁ 忘れてしまうのもなんとなくわかりますけどね」
P 「そうなんだ、千早は歌とか芸術分野が得意っていうイメージがあって心配してなくてつい…」
千早 「かまいませんよ ウフフ、でも折角描いたので見てもらえますか?」
P 「ああ、もちろんだとも」
千早 「拙作ですがどうぞ」 テレテレ
美希 (一気に目が覚めたの!)
貴音 (面妖な!)
真 (とりあえず耳がない)
やよい (なんだか怖いですー…)
雪歩 (色が青すぎて何が何だか分からないですぅ)
響 (笑いながら血を吐いてるぞ…)
亜美 (サ サインまで書いてる!)
真美 (書かないほうがましなのに!)
春香 (千早ちゃん 私の絵さっきヘタって…)
伊織 (象だから象だから)ブツブツ
P 「ち 千早、これは一体…」
千早 「ちょっと個性を出して描いてみました」 フンスフンス
P 「はは…律子はどう思った?」
律子 「え ええ なんというか独創的な絵で…(ここで振るってプロデューサーひどいですよ!)」
千早 「みんな声も出ないみたいね、本番が楽しみだわ」
全員 「あは…あははは…」
P 「うん だからなんとなくでいいから、その人に合ったコメントを用意してあげておいてくれ」
伊織 「偉そうに言ってるけど、あんたの絵はどうなのよ」
春香 「うんうん プロデューサーさんの描く絵ってちょっと興味あるかも」
千早 「私の絵の後は見せにくいかもしれませんが、見せてもらえますか?」
P 「お 俺は関係ないだろ、番組に出るわけじゃないし」
亜美 「そんな事いってー、ほんとはめっちゃへたっぴなんじゃないの?」
P 「ムッ」
真美 「いるよねーへたっぴなのに評論だけは上手い人ー」
P 「ムカッ」
伊織 「ま どうせへっぽこプロデューサーの絵なんてたいしたことないわよ」
P カキカキカキカキ!!
おわり
SS初心者なので色々問題あったかもしれませんがまた頑張って書きたいと思います
おやすみなさい
乙
春香 千早 伊織 やよい 美希 貴音 自分で描いた
真 トレス
響 写真加工
亜美 真美 トレス後にモザイク処理
でした
こういうのも、イイネ!
絵心があるってすごいなぁ、尊敬する
Entry ⇒ 2012.09.24 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
古澤頼子「華やかな世界に憧れて」
美術館
頼子(……落ちつく……)
頼子(順路は……こっちかな? えっと……あ)
頼子(……すごいな……この人の作品、本当に綺麗……)
頼子「……次は……えっと……」
頼子「……」
頼子「……?」
P「……」
頼子(……スーツの、人? こんな昼間に珍しいな・・…)
P「……?」
頼子(……あれ……? こっちを見てる……?)
頼子(え、あれ……こ、こっちに来てる……? なんで……!?)
P「あの、すみません」
頼子「は、はい……?」
P「出口って、どっちなんでしょうか……?」
頼子「……はい?」
P「実は、迷ってしまって……」
頼子「……あ……そこに、順路が……」
P「え? あ……ほ、本当だ……」
頼子「……気づかなかったんですか……?」
P「ははは……慣れてなくて……」
P「でも、来てよかった。いいものを見れましたし」
頼子「……」
P「仕事の関係でもらったんですけどね……うん。こういうのって、いいですね」
頼子「……例えば……」
P「はい?」
頼子「例えば、どれが気にいりました……?」
P「うーん……どれも、よかったんですけれど……あっちで見たのが……」
頼子「あっち……?」
P「はい、えーっと……なんて名前だったかな……? 割と素朴な雰囲気の……落ちついた感じで……」
頼子「……ひょっとして……ルソー、ですか……?」
P「あ、たぶんそれ……かな?」
頼子「……そうですか……」
頼子「……」
P「よく、こういうところに来るんですか?」
頼子「……えぇ、まぁ……」
P「じゃあ、詳しいんですか?」
頼子「……多少は……」
P「へぇ……あの、よければここの作品の解説とか、お願いできませんか?」
頼子「解説、ですか……?」
P「迷惑じゃなかったら、なんですけど。なんとなく良いものだってわかっても背景とかさっぱりで」
頼子「……わかり、ました……」
P「ありがとうございます……じゃあ、ちょっと進みましょう」
頼子「あ……順路、こっちです……」
P「あれ?」
P「はぁ……なんというか、その……」
頼子「……太った人、ばかりですけれど……」
P「あ、はい……理由とかあるんですか?」
頼子「……その、ふくよかさが幸せを表現している、とか……いろいろ……言われてはいます」
P「ふくよかさが、幸せ……あぁ、まぁ確かに……?」
頼子「……でも……」
P「……?」
頼子「……本人は……芸術家は、理由など知らずにある形にひきつけられるものだ、って……」
P「……なるほど」
頼子「……理由なんて、後付けでいいものだ、なんて……」
P「……」
頼子「……自分に、素直で……そういうのも……素敵かななんて……」
P「本当だ……あの、ありがとうございました」
頼子「いえ……私も、楽しかったです……」
P「あと、その……」
頼子「……?」
P「……」
頼子「……なんでしょう……?」
P「……アイドルに、興味はありませんか?」
頼子「……アイドル?」
P「はい。俺、プロデューサーをしているものなんです」
頼子「……」
頼子「……」
P「名刺です。これ……」
頼子「プロデュース……私を……」
P「はい」
頼子「……あなたが……?」
P「……俺じゃダメですか?」
頼子「いえ、そうじゃなくて……私は、アイドルなんて柄では……絵画や美術が好きなだけで……」
P「……そう、ですか? 俺は、すごく素敵だと思ったんです。考えるだけでも、どうか」
頼子「……なんで、ですか?」
P「えっと……なんででしょう。わからないけど、でも……」
頼子「わからない……?」
頼子「……ボテロ……?」
P「あ、いや。あなたが太いとかそういうのじゃなくて……彼がそういう作品ばかり作った理由を教えてくれたじゃないですか」
頼子「……確かに……言いましたけれど……」
P「理由なんて、後付けはできますけど。俺はあなたをプロデュースしたいんです」
頼子「……そう、ですか……」
P「ダメですか?」
頼子「……柄じゃ、ないです……」
P「……」
頼子「その……でも……アイドルって……華やかな世界なんでしょうね……」
P「そ、それは、もうもちろん! やるからにはトップにしてみせます!」
頼子「……うん。楽しそうだな……って。やってみたい、です」
P「ほ、本当ですか!?」
頼子「は、はい」
P「あ……なるほど。親御さんに……」
頼子「はい……」
P「……え?」
頼子「……はい?」
P「すみません、おいくつでしょう?」
頼子「……17歳、ですけれど……」
P「なんと」
頼子「どうしたんですか……?」
P「い、いや……落ちついた雰囲気だったからもう少し上だと思ってました……」
頼子「そう……ですか……ありがとう、ございます……」
頼子「あ……家は、少し。事務所までうかがいますから……」
P「そうですか……ん、メール? すみません、ちょっと」
頼子「はい……」
P「……げっ、杏のやつ……!? す、すみません! ちょっと失礼します!」
頼子「は、はぁ……」
P「その、よかったら今度ここまで。怪しい事務所とかじゃないですから! ホームページもみて確認してください!」
頼子「……いっちゃった……」
頼子「……名刺も……本物……?」
頼子「……」
頼子「とりあえず……帰ろうかな……」
頼子「……これ……」
頼子「お母さんは、あなたの自由にって……」
頼子「……うーん……」
頼子「パソコン……そうだ、ホームページ……」
頼子「……」カタカタ…
頼子「……ここ、かな……えっと……」
PC[あなたもアイドルに! シンデレラ・プロジェクト]
頼子「……シンデレラ……」
頼子「……綺麗……」
頼子「これも……素敵だな……」
頼子「……私も……なれる、のかな……?」
頼子「……」
頼子「なって、みたいな……こんな、風に……」
頼子「うん……」
頼子「がんばって、みよう……かな……」
頼子「……明日、空いてたっけ……? えっと……」
頼子「……うん。いって、みようかな」
頼子「……今日は……寝よう……」
頼子「……ここかな……?」
頼子「えっと……地図……」
頼子「……うん。間違って、ない」
頼子「ここの、中に……」
頼子「……」
??「ん? そこで何をやってるんだ?」
頼子「えっ……!?」
??「怪しいもの……ではないよな……」
頼子「え、えっと……私は……」
??「みなまでいうな……うちの助手が、スカウトしたんだろ?」
頼子「じょ、助手……?」
??「あぁ、すまない……申し遅れた」
晶葉「私の名前は池袋晶葉。21世紀が誇る大天才、発明家兼、アイドルだ!」
頼子「は……はい……?」
晶葉「ふむ……よければ、名を聞かせてほしい」
頼子「よ、頼子……古澤頼子です……」
晶葉「頼子か……うん。今日は面接かなにかかな?」
頼子「そうです……」
晶葉「だったらこっちだ。来てくれるか?」
頼子「は、はぁ……」
晶葉「なに、緊張することはないさ。安心してくれていい」
頼子「……?」
晶葉「私も最初はとても緊張していたが……気のいい人も多いんだ。大丈夫だぞ」
頼子「あ……はい。ありがとう、ございます……」
頼子「こ、ここ……?」
晶葉「あぁ、向こうから入るとレッスン待機中のアイドルに鉢合わせしてたかもしれないからね」
頼子「レッスン待機中って、例えば……?」
晶葉「あぁ、別にいじわるをするわけじゃないんだ。ただまぁ……初見で彼女たちと会うときっとすさまじいインパクトをうけるだろうから……」
頼子「……インパクト……双葉杏ちゃん、とか……?」
晶葉「あぁ、そんな感じだな……私も初めてこの事務所に来た時は……」
頼子「……?」
晶葉「いや、いい。これはこっちの話だからな……にょわーには気をつけてくれ」
頼子「にょ、にょわー?」
晶葉「彼女もすぐに、メジャーデビューするだろうが……うちの事務所の核弾頭だよ」
晶葉「いろんな意味で、な……あれには私も焦った。でも、いい奴なんだよ?」
頼子「……そう……」
晶葉「それじゃあ私はレッスンがあるから、このへんで。入ってまっすぐ行けば事務室が見えるはずだ」
頼子「……うん、わかった」
晶葉「健闘を祈るよ。願わくば、またアイドルとして一緒に仕事ができることを」
頼子「うん、それじゃあ……」
晶葉「あぁ、またな」タッタッタ…
頼子「……」
頼子「うん……よし、いくぞっ……」
「開いてますよ、どうぞー?」
頼子「……失礼します……」
ちひろ「……あら? えーっと……」
頼子「えっと……ここのプロデューサーさんに……」
ちひろ「あぁ、なるほど……はい、わかりました」
頼子「え、えっ……?」
ちひろ「シンデレラ・プロジェクト。全ての女性にアイドルとしての機会を……」
ちひろ「私達があなたに聞きたいのはひとつです」
頼子「……」
ちひろ「輝くステージに、立ちたいですか?」
頼子「は……はい!」
ちひろ「うん、いい返事ですね……いいですよ。えっと……」
頼子「頼子……古澤頼子です……」
頼子「ど、どうしたんですか……?」
ちひろ「プロデューサーさんの名簿に名前がない……?」
頼子「名簿、ですか……?」
ちひろ「えぇ、割と後先考えずに声をかけるから連絡しろって言ってるんですけれど……」
頼子「名前……あっ」
ちひろ「どうしました?」
頼子「私、名前……いってない……」
ちひろ「……はい?」
頼子「その……昨日、会ったんですけれど……」
ちひろ「あ、あぁ……なるほど。美術館で見つけた逸材さん、ですか……」
頼子「えっ……」
ちひろ「改めて、ようこそ。我がプロダクションへ!」
頼子「は、はい……よろしくお願いします……?」
ちひろ「あなたに働く意思があるのなら……レッスンを始めるための書類はここにあります」
頼子「……」
ちひろ「でも、すぐに決めて後悔なんてことはして欲しくない……どうですか? 今日は、見学でも」
頼子「見学……ですか……」
ちひろ「えぇ。レッスンしているアイドル達と……あと、ついでに。オンの時のプロデューサーさんを」
頼子「……オンの時って?」
ちひろ「いえ、きっとあなたがあったプロデューサーさんはどこか抜けてそうで方向音痴の頼りなさげな人だったはずなので……」
頼子(……確かに……?)
ちひろ「それ基準で考えると、痛い目みちゃうかもしれませんしね?」
頼子「……痛い目……ですか……?」
ちひろ「まぁ、こちらへどうぞ……ついてきてください」
ちひろ「レッスン室、です。今はプロデューサーさんが見てるはず……どうぞ?」
頼子「……」
P「きらり、ステップ遅れてる!」
きらり「にょ、にょわっ! りょーかいだにぃ!」タタンッ
P「卯月は逆にステップが早い、落ちつけ!」
卯月「は、はいっ、頑張りますっ!」タタタンッ
P「あと、杏は動け!」
杏「えー、めんどくさーい……」タン…トン…
P「いつまでたってもレッスン終わらないぞ? はい立ったー!」
杏「わかったわかったー、はぁーもー……」
ちひろ「すごい、でしょ?」
頼子「……はい……」
ちひろ「普段は結構ダメな人なんだけど……人を見る目はあるの」
頼子「……」
ちひろ「その人が、絶対間違いないっていった人材……こちらとしても、ぜひ働いてもらいたいんだけど」
頼子「……あれは、島村卯月ちゃんと……双葉杏ちゃんと……」
ちひろ「あぁ、彼女は……諸星きらりちゃん。身長182センチの大型アイドル……現在成長中らしいけれど」
頼子「せ、成長中……?」
ちひろ「精神的にも、物理的にも……ね。そろそろメジャーのオーディションにでる頃なの」
頼子「……すごいですね……」
ちひろ「本当にね……あと、トレーナーさんが見てる人たちがこっち……」
頼子「あ、はい……」
頼子「すごかったですけれど……その……」
ちひろ「……?」
頼子「……私、本当にあの人たちみたいになれるでしょうか……?」
ちひろ「それはもう。きっと」
頼子「……そこまで、信じられるんですか……?」
ちひろ「えぇ、あんな人ですけど……きっとね」
頼子「……そう、ですか……」
ちひろ「どうしますか?」
頼子「今日は、帰ります……ありがとう、ございました」
ちひろ「わかりました……送りましょうか?」
頼子「……大丈夫、ですから。 それじゃあ……」
頼子「あ……」
P「あ」
頼子「……プロデューサー、さん」
P「昨日の……結局名前聞けずじまいだった……見学でもしていきますか?」
頼子「……いえ、見させてもらいました……でも……」
P「……?」
頼子「私は……」
P「なんでしょう?」
頼子「……できると、思いますか……?」
P「……できるって、何が?」
頼子「私じゃ……無理かもって……」
P「……」
頼子「……ごめんなさい……昨日声をかけてくれて、嬉しかったです……」
P「待ってくれ」
頼子「……?」
P「本当に、できないと思ってる……のか?」
頼子「……あんな風に、表現したり……苦手で……」
P「……もったいない!」
頼子「え、あっ……」
P「ちょっとこっちへ。やってみればわかるから!」
頼子「プ、プロデューサーさ……」
P「あぁ、君ならきっと一流のアイドルになれるはずなんだ!」
頼子「……私が……」
P「そう。ちなみにここはダンスレッスンがメインだけど……ステップなんか踏んだりして」
頼子「ス、ステップ……」
P「できれば背筋も伸ばして、前を見て……」
頼子「前……? あ、鏡……」
P「自分で自分の動きが確認できるようにってことで用意してあるんだ」
頼子「私が……」
P「できると思うんだ、君なら……君だから」
頼子「……少しだけ、教えてください」
P「あ、あぁ! とりあえず簡単なステップだけ……こう……」
P「うん、そんな感じで……いい、やっぱりいいよ!」
頼子「……」トン、タッタン…
P「前を見てみるんだ」
頼子「……? あ……」トン、トントン…
頼子(私が……踊ってる……)
P「……簡単なステップだけど、動きにキレがあった。やっぱり逸材だ!」
頼子「……逸材……輝けるの……?」
P「……って、あ。 また熱くなって……すみませんでしたっ!」
頼子「……」
P「いや、レッスンになるとどうしてもいつもの口調が出てしまって……というか、帰ろうとしてるところを呼びとめて無理に……」
頼子「……プロデューサーさん」
P「な、なんですか?」
頼子「……敬語じゃなくても、大丈夫ですよ……?」
P「え、いや……その……」
P「……?」
頼子「……だって……同僚に、なるんですから……」
P「そ、それじゃあ……!」
頼子「私も……なれますか……? あの、輝く舞台の上の人たちみたいに……」
P「なれるとも! あぁ、させてみせる!」
頼子「……信じます……よろしくお願いします、プロデューサーさん」
P「よろしく……えっと……」
頼子「……頼子、です。古澤頼子……1日に、3回も自己紹介をするなんて初めて……」
P「は、はは……うん。よろしく、頼子!」
頼子「……はい」
――
頼子「……ふぅ……」
P「うん、いい感じだ……でも」
頼子「……なんですか……?」
P「背筋は伸ばした方が見栄えがいい、かな。背も高いんだし」
頼子「背……背は、きらりちゃんがいるから……」
P「いや、きらりは別格だよ……きっと見栄えがすると思うんだ。胸を張ってさ」
頼子「胸を……」
P「うん。前を、先を見るんだよ」
頼子「猫背になるの……癖だから。 ……少しずつがんばります……」
P「そうだな。アイドルになるんだもんな!」
――
―――
――
頼子「感情を表現……」
P「あぁ、頼子はせっかく美人なのにそのままじゃもったいないと思ってな」
頼子「……ありがとうございます」
P「うん、そうだな……まずは笑顔だ!」
頼子「笑顔ですね……えっと……」
頼子「こ……こうですか……?」ニィ…
P「お、おしい! なにか違う! これはこれでありだけど不敵な笑みだからな、それ」
頼子「え、えっ……」
P「こう……にこっ、みたいな……」
頼子「こ……こう……」ニコ…
P「そう、それだ。それだよ!」
――
―――
――
P「うーん……」
頼子「どうしたんですか……?」
P「いや、頼子のアイドル衣装の案が出てるんだけどさ」
頼子「衣装……!」
P「うん。そろそろデビューも見えてきたしな……それで、方向性がさ」
頼子「方向性……ですか……?」
P「そう、意外とミステリアスな雰囲気が似合うんじゃないかって思うんだ」
頼子「ミステリアス……? ミステリーはたまに読みますけど……」
P「いやいや、そうじゃなくて……」
頼子「えっ、あ……違いました?」
P「残念ながら……ん? 待てよ……ミステリーか……怪盗……ありかもしれないぞ!?」
頼子「え、えぇっ……?」
――
―――
―――
――
頼子「プロデューサーさん、私……」
P「うん、よかった……! 初めてのお仕事、成功だ!」
頼子「はい……私、うまくできてましたか?」
P「あぁ、最高だった! 怪盗衣装もはまってたぞ?」
頼子「本当に……? 嬉しい、です」
P「本当だとも……うん、ここからがんばっていこうな!」
頼子「……うん、がんばる……プロデューサーさん」
P「うん?」
頼子「私がアイドルだなんて……驚きですよね」
P「そうかなぁ?」
頼子「そうですよ……きっと、いろんな人がびっくりしました。でも、一番驚いてるのは私……」
P「そうか? 落ちついて見えたけどな……」
頼子「ふふ……ポーカーフェイスもこういう時には役立つの。プロデューサーさん、ありがとうございます」
――
―――
―――
――
―
頼子「……お月見、ですか?」
P「あぁ、だいぶ名前も売れてきたしどうかな? 団子を配るんだが……」
頼子「お団子……」
P「うちの事務所からは、頼子と……あと、晶葉を出そうと思ってるんだ」
頼子「晶葉さん?」
P「うん……あれ、同じレッスンだったことはあったっけ?」
頼子「いえ……事務所に初めて来たときに、少し」
P「へぇ……団子作り自体は晶葉のロボがあれば楽にいけるかなって思う」
頼子「……なるほど……」
P「え? あぁ、そりゃあロボ任せにはできないからな……」
頼子「なるほど……うん、わかった……」
P「うん?」
頼子「イベントまで……どれぐらいありますか……?」
P「そうだな……だいたい2週間、かな。十五夜にあわせてだから……」
頼子「……ありがとうございます。精いっぱい、がんばります」
P「うん、わかった! じゃあその方向で話を進めておくよ」
頼子(十五夜……お月見……下調べしないと)
頼子「フフ……楽しいな……」
――
P「ふぅ……んー。今日はもう上がるか……」
頼子「……あ、プロデューサーさん。お疲れ様です」
P「ん、頼子か。お疲れ……って何だ、その本?」
頼子「これですか……? お月見のイベントに呼んでいただくということで調べていたんです」
P「へぇ……流石は頼子だな。勉強熱心だ」
頼子「いえ……アイドルになってから、いろんなことに興味が尽きなくて……」
P「そうか……うん、いいじゃないか」
頼子「はい……知ってたことも、知らなかったことも。すごく輝いて見えるんですよ……」
P「それは、頼子も輝いてるからじゃないか? ……なんて、ちょっとクサいか」
頼子「……ふふっ、そうですね。あんまりプロデューサーさんにはあわないかも」
P「な、なんと」
頼子「あ、本ですか……?」
P「うん。教えてほしいな……普段、あまり読まないから」
頼子「そうなんですか……えっと、たとえば、お月見が元々中国の行事だった、とか……」
P「へぇ……そうだったのか」
頼子「でも、今の日本のお月見はだいぶ本家とは形も変わってるみたいですけど……」
P「例えば?」
頼子「例えば……プロデューサーさんは、十三夜ってご存知ですか?」
P「十三夜? 十五夜じゃなくてか?」
頼子「はい……十五夜と並ぶぐらい、いい月としてあげられていて……」
P「へぇ……」
頼子「どちらかしか見なかった場合、片月見といってあまりよろしくない、らしいです……」
P「なんと……知らなかったな。そりゃ見ないと」
P「うん? どうした?」
頼子「……十三夜も一緒に見ましょうね」
P「あぁ、いいとも。約束だな」
頼子「えぇ……期待してるから、きっと……」
P「確かに、楽しみだなぁ……その前に……」
頼子「えぇ、わかってます……お団子作りも勉強してますから」
P「……流石は頼子だな」
頼子「ふふっ……ありがとうございます」
P「よしっ、絶対に成功させるぞー!」
頼子「……はいっ」
晶葉「ん……おぉ、頼子!」
頼子「晶葉さん……お久しぶりです」
晶葉「……さんづけはよしてくれ。なんだかむずがゆいじゃないか」
頼子「でも……」
晶葉「あの時は、新人さんを先輩としてアドバイスする立場だったが……私達は対等だろう?」
頼子「……じゃあ、晶葉ちゃん?」
晶葉「……どうもむずがゆいが、まぁいいかな。私のロボは相変わらず完璧だ」
頼子「流石は晶葉さん……」
晶葉「また戻ってるじゃないか……」
頼子「あっ……つい」
晶葉「……まぁ、呼びやすいように呼んでくれればいいんだが……今度のお月見、楽しみだな」
頼子「……そうですね。とっても」
頼子「そんなに……?」
晶葉「ふふん、まぁ私の手にかかればこの程度簡単さ……だが」
頼子「……?」
晶葉「その、ロボが団子を作る機能はできたのにだな……何故か……」
頼子「……あ、ひょっとして……」
晶葉「おはずかしながら、私自身の手作り団子という奴がうまくできなくてだな……」
頼子「……ふふっ」
晶葉「わ、笑うなっ! 死活問題なんだぞ!? 私のファンだという殊勝な奴らには、その、それぐらいしてやりたいと思ったんだ!」
頼子「いいですよ……作りましょう、晶葉さん」
晶葉「いいのか……!? あ、ありがとう!」
頼子「本を読んだかいがあります……一緒に、少しずつ」
晶葉「あぁ、本番は近いぞ!」
――
晶葉「……ふぅ。ようやく私もうまく作れるようになったな」
頼子「上手です……うん、もう明日は本番ですけどこれならなんとか……」
晶葉「ははは……まさか私がここまでロボから離れると不器用だとは思わなかったよ。助かった、ありがとう」
頼子「いえいえ……」
晶葉「……ところで、頼子」
頼子「どうしたんですか……?」
晶葉「明日は、本番なわけだが……特別な団子を作ったりはしたのか?」
頼子「特別な……?」
晶葉「あぁ、ロマンチックに月に愛なんて誓ったり……なんてな」
頼子「……」
晶葉「……うちの助手、もとい……私達のプロデューサーだよ。どうなんだ?」
頼子「そんなの……ありませんよ?」
晶葉「ほう……」
頼子「気のせいです……それに」
晶葉「それに……なんだ?」
頼子「それに。月は移り気だから気持ちを誓ってはダメなんですよ?」ヒョイッ
晶葉「むぐっ……!?」
頼子「私もひとつ……あむっ」
晶葉「な、なにをするんだいきなり」
頼子「うん、美味しい……おませさんな口はふさいじゃいましょう、なんてね」
晶葉「……まったく。ポーカーフェイスもいいけれど、もっと素直に……むぐぅっ!?」
頼子「はい、もうひとつ……」
晶葉「も、もうっ……ふん。別に頼子が後悔しないのならそれでいいだろうがな……私はこれ以上は言わない」
頼子「……」
晶葉「一度、向き合ってみるのも悪くないんじゃないか?」
頼子「……考えてみますね」
―――
――
頼子(考える……考えてみたけれど、あまり眠れなかった……)
P「……頼子?」
頼子「あっ……プロデューサーさん……」
P「どうした、イベント中だぞ?」
頼子「……すみません……少し」
P「体調が悪いなら……休むか?」
頼子「いえ、平気です……私の、ファンの人達ですから……私が配らなきゃ……」
P「だが……」
頼子「……大丈夫。 顔を上げて、前を見て……そこに、ファンの人達がいれば……私は……」
P「……そうか。信じるぞ」
頼子「……はい」
ファン「うん、こちらこそ! いつも応援してるよ!」
頼子「はい……」
P「……もう、時間だな」
頼子「あ……終わり、ですか……?」
P「あぁ。お疲れ様、頼子」
頼子「ありがとうございます……あの、プロデューサーさん」
P「うん? どうした?」
頼子「……あとでお団子食べましょう。皆には秘密で……」
P「……おいおい」
頼子「あまっちゃったし、もったいないですよ……ね?」
P「うーん……じゃあ、お願いしようかな」
頼子「あ、はい……私達は……」
P「帰っていくファンの人達に、手でも振ってあげてくれ。最後までアイドルとしてな」
頼子「……わかりました」
P「片付けとかは、スタッフの人がやってくれるから大丈夫だぞ……それじゃ、あとで」
頼子「はい、あとで……」
頼子「……」
頼子「……いっちゃった……」
晶葉「やぁ、頼子。お疲れ」
頼子「あっ……晶葉さん。お疲れ様です」
晶葉「……頼子も、そんな顔をするんだな」
頼子「そんな顔……?」
晶葉「なに、プロデューサーがいってくるといって出てすぐ……寂しそうな顔をしていたぞ?」
頼子「……そんなはず、ありませんよ」
頼子「さらう……?」
晶葉「あぁ、頼子のステージ衣装のとおりに恋の怪盗になって……な」
頼子「……」
晶葉「……そんな複雑な表情しないでくれるないか」
頼子「あ、いえ……確かに、私のお仕事は皆の心を奪うこと……怪盗みたいかもしれないけど……」
晶葉「しれないけど、なんだ?」
頼子「……あっ」
晶葉「ふふん、自分の気持ちには素直になったほうがいいぞ? 私はファンの皆に手を振ってくる……廃棄分の団子も回収してこよう」
頼子「それじゃあ私は……」
晶葉「頼子はここにいて、プロデューサーを迎えればいいんだ……ようやく向き合えたんだからな。自分の気持ちと」
頼子「……」
晶葉「廃棄分はいっそファンにランダムでばらまいてこようか。あぁ、忙しくなりそうだ……いくぞお月見ウサちゃんロボ!」
ロボ「ガガピー!」
頼子(……向きあえた……気持ち……)
P「ただいま……お待たせ」
頼子「プロデューサーさん……お帰りなさい……」
P「……あれ? 晶葉とロボ達は……?」
頼子「……お団子の処理にいきました」
P「そうか……まじめだなぁ」
頼子「……その、プロデューサーさん」
P「うん? どうした」
頼子「お団子、食べますか?」
P「あ……そうだな。晶葉は戻ってこないけど先にちょっと食べちゃおうか」
頼子「……はい」
頼子「そうですか……よかった……」
P「……」
頼子「……」
P「あぁ……なんだか、いい風だな……」
頼子「……そうですね……とっても……」
フワッ…
頼子「……あ……」
頼子(――風が、草を揺らす音だけが大きく聞こえて……スタッフの人達の喧騒が、どんどん離れていって)
頼子(見上げた空は、あまりにも透き通って、遠くまで暗く、だけど輝いて見えて)
頼子(これが私の――)
頼子「あ……いえ……この月を見ていたら、いろんな気持ちが……」
P「月……? 確かに……そうだな、いろいろあったな……」
頼子「はい……なんだか……」
P「どうした?」
頼子「……いえ、何でもありません。ただ……」
頼子「……そう、ただ……月が……綺麗ですね……」
P「……あぁ……」
頼子(……今は……これが私の精一杯の勇気。自分の気持ち……)
頼子「……どうしたんですか……?」
P「死んでもいい、かな」
頼子「……!? えっ……」
P「……そういう意味だったのか?」
頼子「プロデューサーさん……知ってたんですか……?」
P「まぁ、その……頼子がよく本で調べものなんかもしてるから……ちょっとな」
頼子「……」
P「……ははは。照れくさいなぁ……それに、柄じゃなかった」
頼子「確かに……似合ってませんでしたけど……」
P「うぐっ……」
P「……あー。言ってみたかっただけだったりとか……」
頼子「違いますよ……わかった上で、言ったんですから……」
P「……」
頼子「……」
P「これって、告白なのかな?」
頼子「……私は、そのつもりでしたけれど……」
P「……あぁ。うん……なるほど、日本語訳をこうした理由がわかったかもしれない」
頼子「理由……ですか?」
P「あぁ……なんだか、さっきまでよりもずっと。綺麗に見えるんだ……月も、頼子も」
頼子「……ふふっ、やっぱり似合わない」
P「そう茶化さないでくれよ……」
P「うん……? どうした?」
頼子「これから先のことは、考えていますか……?」
P「……そう、だな……」
頼子「……」
P「アイドルとしての、頼子はまだまだ伸びる……俺は、それを応援したい」
頼子「そうですか……」
P「うん。俺はやっぱり、プロデューサーだから」
頼子「……わかりました。それなら私も、アイドルですから」
P「……いけるところまで、いってみたいんだ。ついてきてくれるか?」
頼子「えぇ……きっと、どこまでも」
おわり
月見でクるものがあって、吐きだしたかったんですけれど
なんとか書きたかった部分が書けて満足です
あと、モバマスSSが急激に増えてすごくうれしいです。みんなも書けばいいと思うの
Entry ⇒ 2012.09.23 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
凛「う、うちに帰ったらいっぱいしてあげるから今は、ね?」P「…」
P「すまない、気になりだすと止まらなくてな」
凛「…分かった、私が最初に言ったことだからね」
P「ありがとう!」
凛「だけど恥ずかしいからちょっと部屋移るよ」
P「…んっ」
凛「気持ちいい?」
P「…ふぅ、凛は耳掻きが上手だな」
P「はいはい」ゴロン
凛「……」
凛「大きいのがあるね、ちょっと我慢出来る?」
P「……おいおいそこまで子供じゃないよ」
凛「ふふ、じゃあ取るよ」
P「……ふぁ…んんっ」
凛「……声も我慢出来る?」
P「それは無理」
凛(やっぱり毎日走り回っているからかな?)
凛(……うちのハナコみたい)
凛「ふふっ」
P「どうかしたか?」
凛「ううん、なんでも」
P「……思い出し笑い?」
凛「……違うよ、というか失礼だよ」
P「悪い悪い、珍しく笑うから気になってな」
凛「……聞きたい?」
P「もちろん」
凛「どうして?」
P「……さっきの凄く可愛いかったからな」
凛「……そ、そう?ありがと」
P「どうした、いきなり顔を背けて?」
凛(卑怯だよ、カウンターなんて)
凛「……プロデューサーちょっと目を瞑ってて、一分くらいでいいよ」
P「よく分からんが、分かった」
凛「……ふぅ」
P「……」
凛「……」チラ
P「……」
凛(今の内に落ち着かせないと)
凛(そうそう、あのとき急に来たから私まだ風呂上がりだったんだ)
凛(……)
凛(まずいまずい、また顔赤くなってきちゃった)
凛「プロデューサー、もう一分延長で」
P「」
凛「……プロデューサー?」
P「」スースー
凛「…たまにはいいよ…ね」
P「」スースー
凛「…ふぁ……私もちょっとだけ…眠たくなって…きちゃっ……た」
凛「」くぅくぅ
P「」スースー
ちひろ「おかしいですね、こっちの部屋に…は……」ガチャ
ちひろ「…まぁ」
凛「」くぅくぅ
P「」スースー
ちひろ(……夫婦みたい)
ちひろ「コホン」
ちひろ(……この後、迎えにいってもらいたかった娘がいたんですが、今回ばかりは特別ですよ?プロデューサーさん!)
乙
まったりしててよかった
Entry ⇒ 2012.09.22 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
伊織「わわわ私はオタクじゃないわよ!!!」
小鳥「またですか?」
律子「ちょっといないと思ったら、また食玩ですか……」
P「そう。あと一種類でコンプリートだからね」
P「今日は10個買っちゃった」
P「さーて、来い来い!」ガサガサ
P「来たー!!もえPレアー!!」
小鳥「良かったですね」
律子「勤務時間中ですよ?!」
P「俺今休憩時間中だし、スマホで書き込むからいいじゃん」
律子「そういうことではなくてですね……」
律子「はあ……もう勝手にしてください」
雪歩「オタクですぅ……」
真美「アレはまっき症状ですなー」
亜美「亜美達、ゆーかいされてかんきんされるかもー!」
春香「そ、そこまで言わなくても……」
春香「うーん、でも、ああいうのはもう少し大人しくやって欲しいかも……」
千早「仕事さえやってくれれば私は別にどうでもいいけれど」
やよい「……」
やよい「……伊織ちゃん、あれ見て……」
伊織「……!!」
真「またなんだよ……」
春香「オタクかあ。ちょっと嫌だなあ」
やよい「伊織ちゃん?」
真「おお、ハッキリ言ったね」
伊織「と、当然でしょ?事務所にオタクがいるなんてキモくて仕方ないわー!!」
伊織「だ、誰かハッキリ言ってやった方がいいかもね!」
そう。クレヨンしんちゃんの劇中劇ま・ほー少女もえPから取った
が、クレしんキャラは出ません
小鳥「ハイ、765プロです……、ハイ、少々お待ちくださいませ」
小鳥「プロデューサーさん、旭日テレビの~さんです」
P「あー、はいはい。どうもっす」
P「ちわーっす。俺です」
P「ええ、はい」
P「……」
P「へっへっへ。マジっすか?」
律子(仕事は何とかやってるし……)
P「例のもえPイベント、関係者席、ええ、2人ですね?」
P「マジ感謝っす!」
P「ええ、じゃあ今度また夜を徹して、もえPトークしますか!!」
P「へっへっへ。お疲れっす」ガチャ
P「え?前からお願いしてたもえPイベントに俺も行けるって連絡が……」
律子「真面目に仕事しろー!!このバカー!!」
伊織「イベント……」ゴクリ
やよい「……?」
伊織「ここじゃあ言い難いから、顔貸しなさいよ」
P「おう、いいよ」
―屋上―
P「何?告白?」
伊織「バカ言ってんじゃないわよ!」
P「あ、魔法少女もえP?」
伊織「……そうよ」
伊織「キモいって言われてるわよ……ちょっと控えなさいよ」
P「まあ実際キモいしなあ」
伊織「自覚あるのね……」
P「何?話それだけ?わざわざ済まないな」
伊織「2人分席あるって言ってたけど、誰かと行くわけ?」
P「あー、まだ誰と行くか決めてるわけじゃないんだけど」
P「ああいう業界も誰かに見せてやりたいし」
P「亜美、真美のどっちかかなー」
伊織「りょ、両方あんたのことキモいって言ってたわよ」
P「あ、何か具体的に名前が出ると凹むな」
伊織「べ、別に行きたいわけじゃないんだからね。あくまでも仕方なく……」
P「ふーん」
P「じゃあお願いしようかな」
伊織「か、感謝しなさいよ!!」
真「ホントだよ」
伊織「え?」
春香「これで少しは控えてくれるといいんだけどね」
やよい「……」
伊織「……」
伊織「にひひひひひ……」
やよい「……伊織ちゃん……」
小鳥「あら?プロデューサーさん、片づけるんですか?」
P「さっき怒られまして」
律子「これに懲りたら、もう机の上食玩だらけにしちゃダメですよ」
P「伊織ー、そろそろ行くぞー」
伊織「はひっ」
P「そんなに緊張するなって」
真美「いおりんなんか変なのー!今日はどんな仕事なの?」
P「ん?んー、イベント視察」
亜美「へー、よっぽどすごいイベントなんだねー?」
伊織「ととと当然よ!!こんな機会滅多にないんだから!!」
P「じゃあ俺、ディレクターさんに挨拶してくるから」
伊織「はいはい、別に戻ってこなくていいわよ」
伊織「にひひひ……とうとうここまで来たのね……」
P「……」
『もえもえピピピ、もえピピピ!』
ウォオオオオオオオ!!
伊織「キャー!!」
伊織(ああ、もえPの声優さんの声をこんなに近くで聞けるのね……)
P(伊織、俺が戻ってるのにも全然気づかないな)
伊織「ふう……」
P「あ、いたいた」
伊織「あ、あんたどこにいたのよ?イベント終わっちゃったじゃない」
P「いや、すぐ隣にいたぞ?」
P「終わる直前にまた挨拶に行ったんだけど」
伊織「え?そ、そうなの……?私も挨拶に行った方がいいかしら……?」
伊織「そ、そう?」
P「もう、もえPの大大大ファンだって伝えたから」
伊織「は、はあ?な、何言っちゃってるのかしら?
わ、私がこんな子供向けアニメのファンなんてありえないでしょ?」
P「俺の目の前でキャーキャー騒いでたの誰だっけ?」
P「俺がいたのにも気づかずに」
伊織「……」
P「ファンなんだろ?」
伊織「…………ハイ…………」
伊織「……ちょっと」
P「……例の話か」
律子「何か……プロデューサーが大人しくなったのはいいけど……」
小鳥「ちょっと様子が変ですね……」
P「ああ、鍋食べてたな!」
伊織「鍋を食べるだけで一回分の放送を使うなんて、何て斬新なのかしら!」
P「鍋を食べるもえPもかわいかったな!」
伊織「もえPは最早天使ね……」うっとり
P「もえPマジ天使」
P「ああ、ウエハースがおまけに付いてくるやつね」
伊織「それよ!もえPノーマルのステッキ付、あんたダブってない?」
P「ああ、2個あるよ。欲しいのか?」
伊織「……」
P「欲しいって言ったらあげるけど?」
伊織「……欲しい…です……」
P「よーし」
真「この前ガツンと言ったのが逆に良かったのかな?」
あずさ「ガツン?」
春香「そうなんですよ。伊織が言ったから、オタク趣味を事務所では控えてるみたいです」
貴音「なるほど……私にはよくわかりませんが……」
響「プロデューサーキモかったからなー」
やよい「……」
やよい「おはようございまーす!!」
かすみ「お、おはようございます……」
小鳥「あ、かすみちゃん。話は聞いてるわ」
やよい「ごめんなさい。どうしても今日は遅くなっちゃうのに、家には誰も……」
律子「いいのよ。ゆっくりしていってね?」
P「じゃあやよい、行こうか」
やよい「はいっ!」
小鳥「じゃあ、そこでくつろいでてね」
小鳥「って言っても、一人じゃ退屈よね……」
小鳥「そうだ!プロデューサーさんの食玩がこの辺に……」
小鳥「あったあった」
小鳥「かすみちゃん?こういうの好きかしら?」
かすみ「あ、もえP!」
小鳥「これ好きに使っていいからね?」
かすみ「いいんですか?やったあ!」
伊織「ただいまー。あら……?」
かすみ「あ、お邪魔してますー」
伊織「あ、今日って言ってたわね。大変ね……」
小鳥「伊織ちゃん、30分くらい留守番お願いできる?
どうしても郵便局へ行く用事が出来ちゃって……」
伊織「いいわよ」
小鳥「お願いね?じゃ、いってきまーす」
伊織「……!!」
伊織「……あの……それ……」
かすみ「もえPですか?」
伊織「もえP……好きなの……?」
かすみ「はいっ!」
かすみ「毎週見てるんだけど……お菓子とか買えなくて……」
伊織「……」ゴクリ
伊織「ちょっと、お話しましょ?」
……
P「ただいまーっす」
やよい「……あれ?かすみ?」
かすみ「それでー、あの魔法でピピピって野菜に変わるのがー」
伊織「最高ね!!」
伊織「あ、でも、おさるの格好のもえPもかわいいわよねー」
かすみ「あ、うん。今日は楽しかったですー!」
伊織「わ、私もよ」
P(む……)
かすみ「うん。すごく楽しかったよ」
やよい「……かすみ……」
やよい「あんまりプロデューサーとか伊織ちゃんに近づいたら駄目だよ?」
かすみ「えー、どうしてー?」
やよい「どうしても!!」
かすみ「……」
やよい「返事は?」
かすみ「うん……」
P「伊織、今日は凄いの借りてきたぞ」
伊織「な、何よ?」
P「ほーれ」
伊織「これ……」
P「もえPなりきり変身セット」
伊織「でもアレ普通に売ってるでしょ?別に借りてこなくても……」
伊織「……!!」
P「着てみる?」
伊織「……」
伊織「……着てみる……」
伊織「と、当然でしょ?」
P「もえPとはまた違った魅力が……」
伊織「そんなにジロジロ見られると恥ずかしいじゃない……」
P「写真……撮ってやろうか?」
伊織「……え?」
伊織「……かわいく撮りなさいよ……」
P「ほーら、ステッキ振り上げてー」
伊織「こうかしら?」
P「はい、笑顔笑顔!おっ、いいよー」パシャ
やよい「……何してるんですか……」
やよい「その格好……」
伊織「こ、これは違うの!」
やよい「やっぱり伊織ちゃん、プロデューサーとおなじオタクで変態さんだったんだね」
伊織「やよい、待って!」
やよい「うっうー、私に触らないで下さい」
やよい「あと、かすみにも近づかないで」
P「……」
P(やっぱり事務所でやるのはまずかったか)
我那覇乙
ゾだけじゃねーかwww
やよい「うっうー、プロデューサーもお仕事以外では私に話しかけないで下さいー」
P「まあ、俺のことはいいけど、伊織は許してやってくれよ」
P「俺が無理やり頼んだんだからさ」
やよい「……嘘。伊織ちゃん、とっても楽しそうにしてました」
やよい「私といるときだってあんなに楽しそうな顔みたことないのに……」
P(ふむ……)
やよい「だって……将来犯罪者になるから近づいちゃいけないって……みんな言ってます!!」
やよい「小さい女の子が見るようなアニメが好きなんて、おかしいです」
P「やよい」
やよい「……」
P「別に伊織は、小さい女の子が見るようなアニメが好きなわけじゃないと思うぞ」
P「たまたま、魔法少女もえPという作品が好きになったんだ」
P「ああ、そうだな。しかし」
P「やっぱり見てもいないのに批判しちゃ、いけないなあ」
やよい「え?」
P「さあ、こっち来い」
やよい「ええー!!!」
やよい「もえもえピピピですー!!」
伊織「……あんた、何やったのよ?」
P「いや、DVD全部見せただけ」
伊織「賭けに出たわね……」
P「やよいは絶対ああいうの好きだと思って」
P(それに……きっとやよいは寂しかったんだよ。自分の知らないものにハマる伊織が)
伊織「いえ、むしろ昨日グッズを全部捨ててしまおうかと……」
P「そういえば凄いクマだな、大丈夫か?」
伊織「でも駄目だった……。私には捨てられない……。でもやよいも捨てられない……」
P「おーい」
伊織「あの、私……」
やよい「ごめんなさい!!」
伊織「え?」
やよい「私、昨日はひどいこと言っちゃって……」
やよい「それが好きなんだよね?!伊織ちゃん!!」
伊織「え?え、ええ……」
P(DVD見ながら適当にでっち上げた話だけど信じて良かった……)
伊織(ちょっとアホっぽくてお金にはしっかりしてるところがやよいに似てるからなんて言えない)
やよい「なんですかー?」
P「食玩あげるから、かすみちゃんと一緒に遊びなさい」
やよい「え?いいんですかー?」
P「ああ」
P「俺も仲間が増えて嬉しいし」
やよい「あ、ありがとうございますー!!かすみも喜びますー!!」
やよい「もちろん!もえPの話一杯しようね!」
伊織「やよい……!!」
P「良かった良かった」
P「これで俺も許されたな」
やよい「あ、プロデューサーはかすみに近づかないで下さいねー」
小鳥「プロデューサーさん、電話ですー。旭日テレビの」
P「あ、ハイハイ」
P「お電話代わりましたー」
「あ、Pちゃん?俺俺」
P「ちゅーっす!どうもっす」
「例のアレ、いけそうだよ」
「でね、実は姉妹っていう設定になりそうなんだ」
「一人はこの間イベント来てた伊織ちゃんでいいとして」
「もう一人、誰か良い子いない?」
P「へっへっへ、そりゃもう、良い子がいますよ。高槻やよいって言いまして……」
―魔法少女もえP 劇場版―
―謎の中学生魔法少女姉妹の正体とは?―
―来春公開!!!―
終わり
後悔はしていない
あとクレヨンしんちゃん見てて思いついたので
もえPはそのまま使った
つづきはよ
読んでくれた皆さんありがとう
Entry ⇒ 2012.09.21 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「婚活パーティに行ったら音無さんがいた」
P「…え?」
P「音無さん、どうしてここに…」
小鳥「社長の勧めで…プロデューサーさんは?」
P「俺も社長に……」
小鳥「……」
P「……」
小鳥「はい…」
P「ところで、いい出会いはありましたか?」
小鳥「うーん…しっくりこないと言うか」
P「そうなんですか」
P「実は俺も…」
小鳥「ひどいですね」
P「曰く、年収は最低でも一千万は欲しいようです」
小鳥「私がお話してた男の人は、自分の年収の話しかしませんでしたね」
P「お金が全てなんでしょうね」
つまり成立するわけがない
最近は600万位に相場が下がったらしいが、まだまだ厳しいだろう…
P「ええ、同感です」
小鳥「ふふっ、気が合いますね」
P「そうですね」
小鳥(プロデューサーさん……か)
P(音無さん…か)
小鳥(意識したこと、なかったな)
P(意識したこと無かったなぁ)
偽者だ
ピヨちゃんなら、社長からPが婚活に行く事を聞き出して偶然を装って参加するとかするだろ
妄想さえナントカすれば高スペックだぞ
30近くまで一度も言い寄られたこともないなんて相当じゃないですかー
小鳥「え?」
P「その…ここは空気があまり良くないので」
小鳥「……そうですね」
小鳥「私で良ければ、ぜひ」
P「決まりですね。 では行きましょうか」
小鳥「はい」
小鳥「プロデューサーさんに、お任せします」
P「むむ、プレッシャーですね」
キョロキョロ
P「あ、ここはどうです?」
小鳥「良さそうな雰囲気ですね…ここにしましょうか」
P「はい」
…
P「なかなか洒落てますね」
小鳥「私、場違いかなぁ…」
P「いやいや、音無さんは綺麗ですから」
小鳥「…なんだかむず痒いですね」
P「それに…たまには背伸びしても罰は当たりませんよ」
小鳥「それもそうですね」
小鳥「はい」
P「俺と音無さんの婚活パーティ二次会に」
小鳥「乾杯」
チン
P「……美味しい」
小鳥「ほんと、美味しい」
小鳥「少子化の原因を目の当たりにしましたね」
P「まあ、思いがけない出会いがありましたが」
小鳥「ふふっ、本当ですね」
P「……」
P「音無さん」
小鳥「はい?」
小鳥「…え?」
P「…あ! そういう意味ではなく…」
P「たまに、こうして二人で…」
小鳥「はい、喜んで」
P「え?」
P「あ、そっちか…」
小鳥「はい?」
P「いえ、何も!」
P「少し席を外しますね…!」
小鳥「はい」
スタスタ
小鳥「なんだ…告白かと思っちゃった」
小鳥「マスター、アースクエイクを…」
マスター「はい」
マスター(告白だったのになぁ…)
小鳥「あ、どうも」
クイッ
小鳥「…ふぅ」
P(大人の雰囲気ムンムンで近寄り難い…)
小鳥「あ、おかえりなさい」
P「あ…はい」
マスター「はい」
P(…にしても)
小鳥「……ふぅ」
P「音無さん、なんだか妖艶だなぁ」
小鳥「え?」
P「あ!」
小鳥「なんだか顔があつい…」パタパタ
マスター「どうぞ」
P「ど、どうも」
マスター「仲睦まじいようですね」
P「…!?」
小鳥「…!!?」
マスター(微笑ましいなぁ)
P「ふ…」
小鳥「夫婦…」
P「そんな…俺じゃ音無さんと釣り…」
小鳥「…小鳥です」
P「はい?」
小鳥「名前で、呼んでくれますか?」
P「こ、小鳥さん…?」
小鳥「はいっ」
P「小鳥さん」
小鳥「……もう一回」
P「小鳥さん」
小鳥「ん~っ、えへへ」
P「…そろそろ出ますか?」
小鳥「はいっ」
P「すいません、お会計を」
小鳥「そんな、悪いです」
マスター「お代は結構ですよ」
P「え?」
マスター「今夜は私の奢りです」
マスター「但し、次からはしっかり頂きますから」
小鳥「マスター…」
P「マスター…」
マスター「また二人で来てくださいね」
…
小鳥「素敵なマスターでしたね」
P「また行きましょうね」
小鳥「はい、また連れて行って下さい」
P「任せて下さい」
小鳥「約束ですよ?」
P「家まで送りましょうか?」
小鳥「…いえ、気持ちだけ受け取っておきます」
P「そうですか…ではまた明日」
小鳥「はい、おやすみなさい」
P「おやすみなさい、小鳥さん」
P(断られちゃった…がっつき過ぎたか?)
小鳥(断っちゃった……私のバカ)
高木「どうだったかね? 婚活パーティは?」
P「パーティ自体は…イマイチ」
高木「ふむ…では君たちは」
小鳥「申し訳ないですが…」
P「こっそり抜け出して小鳥さんと二人で飲み直しました」
高木「……どうやら音無君とかなり親しくなれたようだね」
P「え?」
高木「呼称が」
P「あっ!」
P「し、式って…!」
小鳥「まだ早いですよ!」
高木「まだ?」
小鳥「うっ……」
春香「式…?小鳥さんとプロデューサーさんが結婚?」
春香「お祝いしないと!」
小鳥「まんまと罠に嵌められたんですね」
ガチャ
パンパンパン
P「うぉわ!?」
小鳥「きゃあ!?」
春香「ご結婚、おめでとうございます!」
P「!?」
小鳥「!?」
P「いや…」
春香「黙ってるなんて、水くさいですよっ!」
小鳥「春香ちゃん…?」
春香「あ、あと皆に知らせておきました!」
P「……」
小鳥「……」
春香(盛大にお祝いしてあげないとね!)
P(あかん)
小鳥(もう引き返せないパターンに入った…)
小鳥「はい?」
P「いっそ結婚しちゃいますか?」
小鳥「ふふっ……そうですね」
P「では、改めて…」
P「結婚して下さい、小鳥さん」
小鳥「はいっ、喜んで!」
ぶっちゃけスレタイしか考えて無かった
もうちょい練ってから書けば良かったと反省してる
Entry ⇒ 2012.09.21 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
小鳥遊「765プロ?」相馬「うん」
相馬「うわ、佐藤君なんで詳しいの?俺ちょっと引いちゃうよ」
佐藤「殴るぞ」
ドカッ
相馬「そういいながらフライパンで殴るのやめない……?」
小鳥遊「それで、相馬さん。その765プロがどうかしたんですか?」
相馬「あれ、心配してくれないんだ……」
佐藤「いいから、さっさと言えよ」
相馬「それがね、そこの社長さんとちょっとした知り合いなんだけど」
相馬「色々あって、そこを手伝うことになったんだ」
小鳥遊「へー」
相馬「小鳥遊君が」
小鳥遊「え」
小鳥遊「ちょっと、待ってくださいよ!」
小鳥遊「どうして俺が手伝うことになってるんですか!?」
相馬「いいじゃない、社会勉強の一環だよ」
佐藤「よかったな、小鳥遊」
相馬「あ、佐藤君もだよ?」
佐藤「…………小鳥遊、そろそろ相馬を痛い目にあわせるべきだよな」
小鳥遊「そうですね……」
相馬「あれ、2人とも眼が怖いよ!?」
佐藤「自業自得だろうが」
相馬「……でも、俺を蹴ったからにはこの話受けてもらうよ!」
佐藤「この話は蹴らせんとでもいうつもりか」
相馬「うわっ、寒」
佐藤「…………」
小鳥遊「佐藤さん、話進みませんし堪えてください」
佐藤「……で、どういうことなんだよ」
相馬「だから、そこの社長さんと知り合いでね」
相馬「色々大変みたいだから、俺の知り合いをお貸ししますよってなったんだ」
佐藤「だとさ」
小鳥遊「……気がすすみませんよ、正直」
相馬「俺が貸すのは一応プロデューサーとしての人材なんだけど」
相馬「別に、新しいアイドルを派遣してもいいんだよ?」
小鳥遊「え……」
相馬「背の高くて胸の大きいアイドルって結構需要あるんだよね」
小鳥遊「や、やります!プロデューサー、やらせてください」
相馬「うんうん、いやー、ありがとう。助かるよ」
相馬「佐藤君ももちろんやってくれるよね?」
佐藤「やらん」
相馬「ああ、佐藤君は轟さんの人生をプロデュースしたいんだもんね」
佐藤「殺すぞ」
相馬「た、小鳥遊君!佐藤君が怖い!」
佐藤「わかったよ、やりゃぁいいんだろ、やりゃぁ」
相馬「……でも」
相馬「佐藤君だと、アイドルの皆怖がっちゃうかなあ?」
小鳥遊「っていうか、相馬さんはやらないんですか?」
相馬「うん?やるよー、人をやる気にさせるのは得意だしね」
佐藤「お前アイドルまで脅す気か」
社長「いやぁ、相馬君。本当に助かるよ」
相馬「いえいえ」
佐藤「これがアイドルのプロフィールか」
ペラ
小鳥遊「…………すいません、やっぱりお断りしていいですか?」
社長「どうかしたのかね?」
小鳥遊「だってこの事務所」
小鳥遊「年増しかいないじゃないですか!」
社長「 」
佐藤「すまん、コイツはそういう病気なんだ」
相馬「手をだす心配はないっていうことですから」
社長「相馬君がそういうのなら……」
小鳥遊「……それじゃ、俺は帰りますね」
相馬「あ。小鳥遊君、帰るんなら彼女よんできてほしいなー」
小鳥遊「……」
佐藤「小鳥遊、諦めろ」
小鳥遊「佐藤さん、何で相馬さんと友達なんですか?」
佐藤「やめてくれ、そんなものになった覚えはねえよ」
相馬「2人とも、あんまりじゃない?」
社長「ああ、今はレッスンを受けていてね」
相馬「トップアイドルになるためにがんばってるんだよー?」
小鳥遊「あの、せめて先輩をつれてきちゃダメですか?」
佐藤「お前と種島がいなくなったらフロア崩壊すんだろうが」
相馬「松本さんはともかく、伊波さんがね」
小鳥遊「わかりました……」
相馬「大丈夫だよ、一番下が13歳なんだよ?一年くらいいいじゃない」
小鳥遊「一年だろうが年増は年増ですよ」
小鳥遊「12歳過ぎたら年増。ただし先輩は除く」
佐藤「小鳥遊、やっぱりお前はどこかおかしいな」
相馬「この人がここの社長の高木さん」
社長「よろしく頼むよ」
相馬「で、あっちに居るのが事務員の音無さんだよ」
小鳥「音無小鳥です、これからよろしくお願いします」
小鳥遊「……」
相馬「ことりちゃーん」
小鳥遊「……やめてください」
小鳥「ピヨ?」
佐藤「……佐藤潤。よろしく」
小鳥遊「小鳥遊宗太です、よろしくお願いします」
佐藤「なあ、高木のおっさん」
社長「?」
佐藤「本当にコイツに任せていいのか」
相馬「佐藤君、それどういう意味?」
佐藤「そのまんまの意味だけど」
相馬「酷っ…。ねえ、小鳥遊君。佐藤君が冷たい」
小鳥遊「正直、俺も色々不安ですね」
相馬「えー……」
小鳥(………これはいけるわね) ピヨ
相馬「そりゃあ、プロデュースだよ」
佐藤「だからそれをどうすればいいのか聞いてんだろうが」
相馬「それは佐藤君に任せるよ」
相馬「あ、指示に従わない子が居たら教えてね?」
相馬「交渉するから」
佐藤「相馬、日本語は正しく使え」
相馬「あ、ほら戻ってきたよ?」
佐藤「えーっと、天海春香だっけか」
小鳥遊「そのようですね」
春香「あれ?……えーっと」
相馬「あ、俺たち今日からここのプロデューサーになったんだ」
春香「あ、そうなんですか?よろしくお願いします!」
佐藤「なんだよ、来るって事伝えてなかったのか?」
相馬「いやあ、ちょっと忘れちゃってて」
佐藤「わざとだな、お前」
相馬「まさか、いきなり知らない人がいておどろくアイドルの写真をとって売ろうなんて思ってないよ?」
佐藤「お前帰れ」
小鳥遊「そうですね、その方が管理もしやすいですし」
佐藤「俺はなんでもいいから、適当に決めといてくれ」
相馬「じゃあ、佐藤君には萩原さんを担当してもらおうかな?」
小鳥遊「どういう人なんですか?」
相馬「ちょっと男の人がニガテなだけだよー?」
佐藤「は?」
春香(あんな怖そうな人が雪歩について大丈夫かな……?)
佐藤「本当かよ」
相馬「うん。あ、でもね」
小鳥遊「何かあるんですか?」
相馬「何かあると穴掘って埋まっちゃうくせがあるんだ」
佐藤「なんだそれ?」
相馬「穴があったら埋まりたいっていうじゃない。それを本当にやっちゃうんだ」
佐藤「ここも変態しかないってわけか」
小鳥遊「……うわぁ」
春香「わ、私は普通ですよ?」
相馬「天海さんは普通すぎてね」
佐藤「なるほど、無個性か」
小鳥遊「いいじゃないですか、変態よりは」
相馬「変態よりはね」
春香(素直に喜べない)
小鳥遊「まあ、別にかまいませんけど」
春香「な、なんでそんな不服そうな顔するの?」
佐藤「ああ、悪いな。こいつは病気なんだ」
春香「……ロリコンなんですか?」
相馬「だったらよかったんだけどねー」
小鳥遊「相馬さん、せめてこの双海姉妹をお願いします、年増でも我慢しますから」
相馬「あ、だめだよー。亜美ちゃんはもう別のプロデューサーがついてるからね」
小鳥遊「そ、そんな!」
佐藤「まだいたのか、プロデューサー」
相馬「うん、秋月さんっていうんだ」
小鳥遊「……じゃ、片方だけでも」
相馬「真美ちゃんは俺が担当するからね」
小鳥遊「相馬さん……」
相馬「そうだね、誰か担当したい子はいる?」
小鳥遊「……いませんよ、年増ばかりじゃないですか!」
相馬「じゃあ、小鳥遊君。四条さんお願いするね」
相馬「別のプロデューサーがついていない子の中で、一番年上なんだよ」
佐藤「へえ」
相馬「あとは菊地さんかな?この三人をお願い」
佐藤「……見事に年上からもってきてるな」
小鳥遊「そんな……!」
佐藤「小鳥遊、仕事と思えばいいだろ?店長はともかく、轟となら普通に話せてんだろ」
相馬「あれー、八千代って言わないんだ」
ゲシッ
相馬「佐藤君、暴力はいけないよ」
佐藤「そうか、なら黙ってろ」
小鳥遊「……そうですね、仕事として割り切れば」
相馬「でも、種島さんっていうオアシスないんだよね」
小鳥遊「やっぱ俺帰ります」
佐藤「相馬、おまえいい加減にしろよ?」
相馬「大丈夫、ちゃんと奥の手があるから」
佐藤「奥の手?」
小鳥遊「あ、……はい」
春香「あの、よろしくお願いします……」
小鳥遊「そんなにかしこまらなくてもいいですよ」
小鳥遊「おれ、年下ですし」
春香「じゃあ、よろしくね小鳥遊君」
小鳥遊「よろしくお願いします、天海さん」
ピロ~ン♪
小鳥遊「相馬さん、なんですか今の音」
相馬「別に?携帯で写真とって誰かに送ろうなんてしてないよ?」
佐藤「相馬、それは天海のアイドル生命に関わるからやめろ」
相馬「わかってる、わかってる」
相馬「おれが真美ちゃんと星井さんと我那覇さん」
相馬「佐藤君が、萩原さんと高槻さんと如月さん」
相馬「で、小鳥遊くんが天海さん、四条さん、菊地さん」
相馬「こんなカンジでどう?」
佐藤「いいんじゃねーの?」
小鳥遊「わかりました……」
相馬「あとは、それぞれ担当のアイドルと会って自己紹介しないとね」
小鳥遊「そういえば、他の皆はどうしたんですか?」
春香「そろそろ来ると思うけど……」
相馬「じゃあ、さっき言ったメンバーでチーム分けして散らばっておいてくれないかな?」
相馬「あ、水瀬さんと三浦さんと亜美ちゃんはこっちに来るようにして言ってくれない?」
春香「あ、はい。わかりました」
相馬「そうだよ、これからよろしくね?」
相馬「彼女は水瀬伊織さん。あの水瀬グループのご令嬢なんだよ?」
佐藤「相馬、おまえ恐ろしいこと考えてねえだろうな」
相馬「まさか、流石の俺もそこまではしないよ」
小鳥遊(いや、先輩は特例中の特例)
小鳥遊「……だめだな」
亜美「!?」
亜美「亜美、いますっごく失礼なこと言われた」
佐藤「そいつは病気なんだ、気にするな」
あずさ「あらあら…だったらお医者さんにいった方が~」
伊織「そういう病気じゃないでしょ、それ」
伊織「ねえ、ロリコンが女の子がいっぱいいる所にいて大丈夫なの?手とか出さないでよ?」
小鳥遊「黙れ年増」
伊織「 」
佐藤「だめだ、種島がいないせいでイライラしてやがる」
相馬「昔は伊波さんにはこんなカンジだったよね」
佐藤「なあ、本当に小鳥遊に年長組任せていいのか?」
相馬「いーの、いーの」
佐藤「ちょっと待て、コイツらのプロデューサーは?秋月とかいったか」
伊織「律子なら、いないわよ?」
佐藤「どこにいったんだよ」
相馬「まだお仕事中だよ、スタジオで色々打ち合わせだって」
佐藤「なんで知ってるんだ」
伊織「……ねえ、こいつらちょっとヤバいわよ?」
亜美「うん、亜美ちょっと身の危険感じるよー」
佐藤「俺をコイツらと一緒にしないでくれ」
相馬「佐藤君、君もこっち側」
小鳥遊「〝も〟って、まるで俺まで変態みたいじゃないですか!」
佐藤「お前はれっきとした変態だろうが」
あずさ「あらー、みんな仲良しさんねぇ」
佐藤「はいはい」
小鳥遊「まあ、やるからにはちゃんとやりますよ」
相馬「それじゃ、一旦解散ね」
小鳥遊「佐藤さん、がんばってくださいね」
佐藤「お前もな。」
雪歩「……」
やよい「……」
千早「……」
佐藤「なぁ」
雪歩「 」 ビクッ
佐藤「……ちっ」
千早「あの、プロデューサー。あまり雪歩を威圧するのはやめてくれませんか?」
佐藤「してねーよ、誤解だ」
やよい「うっうー…、プロデューサー、ちょっと怖いです」
佐藤(どんだけ人相悪いんだ、俺)
佐藤「俺のことは普通に佐藤でいい。プロデューサーってガラじゃねーし」
千早「わ、わかりました」
佐藤「……如月」
千早「は、はい!」
佐藤「とりあえず、お前をリーダーにしようと思うんだけど、いいか」
千早「はい、大丈夫です……」
佐藤「あと、萩原」
雪歩「は、はいっ!?」
佐藤「……色々やりづらいから、慣れてくれ」
雪歩「努力しますぅ……」
やよい「プロデューサー、ユニット名はどうするんですか?」
佐藤「……」
佐藤(考えるの面倒だな)
佐藤「お前らでなんかないか?」
千早「何か、と言われましても……」
やよい「そういわれると、思いつかないです……」
佐藤「萩原、お前は?」
雪歩「ごめんなさい…、浮かびません……」
雪歩「穴でも掘って……」
佐藤「埋まるな。つか掘るな」
プルルルル
佐藤「はい」
相馬『八千代LOVEとかどうかな?』
ピッ
佐藤「ナムコエンジェルでいいんじゃないのか?」
千早「そんな安直な……」
佐藤「じゃあ、765天使」
雪歩(書き方わかっただけ……)
美希「プロデューサー、ミキたちのユニット名どうするの?」
相馬「うーん、そうだね」
相馬「ことりちゃん同盟とか色々あるんだけどね」
真美「なんでピヨちゃんが出てくるの→?」
相馬「ああ、俺の知り合いにもことりちゃんっているんだよ」
響「おー、そういう偶然ってあるんだ」
相馬「写真見せてあげたいんだけど、勝手にみせると怒られちゃうんだよね」
相馬「あ、そうそう。我那覇さん、ちょっとお願いがあるんだけどいいかな?」
響「?」
美希「ねえねえ、それでユニット名はー?」
相馬「そうだね、……クイーン&プリンセスとか?」
相馬(うわー、ちょっと気持ち悪いかな、俺)
真「ボクより年下のプロデューサーだなんて、なんか不思議だなあ」
貴音「そうですね…。あの、プロデューサー」
小鳥遊「小鳥遊でいいですよ」
貴音「では、小鳥遊殿……、私たちのユニット名はどうしましょう?」
小鳥遊「うーん、……名前だけでもちっちゃくて可愛くしたいな」
春香「た、小鳥遊君。名前だけって……」
小鳥遊「ちっちゃい、ちっちゃい……、子犬、…アリ、ミジンコ……」
小鳥遊「ミジンコ、かわいいなあ……」
貴音「この方で本当に大丈夫なのでしょうか……」
真「ボクも不安になってきた」
春香「ね、ねえ。小鳥遊君。ほら、もうちょっとおっきくてもいいんじゃない?」
小鳥遊「……ありんこですか?」
春香(ダメだ、この人)
小鳥遊「かわいいもの…」
小鳥遊(……先輩?)
小鳥遊(いや、先輩の名前を彼女達につけるわけにはいかない)
小鳥遊「……ちっちゃい女の子。これでいきましょう」
小鳥遊「名前だけでも、ちっちゃくいてください」
春香「小鳥遊君、それは色々と危ないよ!?」
貴音「私たちにはあわないのでは……?」
真「……女の子かぁ、いいかも」
春香「真、正気……?」
小鳥遊「いいんですよ、人生的にはイブニングのクセにモーニングだとか言ってるのもいますし」
佐藤「お前ら、普段どういうレッスンしてんだ?」
千早「そうですね、ボーカルや、ダンス、ビジュアルです」
佐藤「なるほど……」
雪歩「あの、佐藤……さん?」
佐藤「なんだよ」
雪歩「その、私……」
佐藤「……どうした」
雪歩「いえ、なんでもありません……」
千早「あの、佐藤さん。彼女は男の人がちょっとニガテなので」
佐藤「……じゃあ、女なら大丈夫ってか」
やよい「え」
千早「ぶっ…」
雪歩「……?」
佐藤「いや、俺の知り合いにも男がニガテなヤツがいてな」
佐藤「俺は女だと暗示をかけていたから、こうやって女言葉をつかったりしたんだが」
千早「…そ、そ、そう、なんで、すか……ふふっ」
やよい「つまり、佐藤さんを女の人だと思えばいいんですね?」
佐藤「そういうこった、それで解決するってもんでもないだろうがな」
佐藤「けどな、萩原。つまりは気の持ちようだ」
佐藤「別に、男嫌いだとか、そういうのを気にして過ごす必要はねーと思うぞ」
佐藤(流石に、伊波レベルだと気にするべきだが)
雪歩「は…、はい」
雪歩「なんだか、少し楽になりました」
佐藤「そうか、よかった」
やよい「佐藤さんって、下の名前潤でしたよね?」
佐藤「そうだけど」
やよい「潤子さん」
佐藤「……っ!」
やよい「きゃーっ、髪引っ張らないでくださいー!」
佐藤「それと、如月」
千早「は……、はい…っ」
佐藤「笑いすぎだ」
千早「すみま……ぶふっっ!」
佐藤「どうした?」
千早「その、下の名前でよんでいただけませんか?」
千早「その方が、此方もやりやすいですし」
佐藤「確かに、あんまり余所余所しくても辺に気をつかうだけだな」
プルルルル
相馬『じゃあ、佐藤君も潤くんって』
ブチッ
佐藤「お前らも、それでいいのか?」
雪歩「はい、よろしくお願いします」
やよい「うぅ…、ポニーテールになっちゃった……」
千早(ポニーテールの高槻さん、可愛い!)
佐藤「そうか…、じゃあ改めて。千早、雪歩、やよい、よろしくな」
小鳥遊「あ、佐藤さん、お疲れ様です」
佐藤「……そっちはどうだ?」
小鳥遊「うーん、ちょっと波長があわないみたいで、大変そうです」
佐藤(まあ、コイツと波長のあうアイドルってイロモノすぎるからな)
小鳥遊「佐藤さんはどうです?」
佐藤「そこそこ。」
小鳥遊「相馬さんはどうなんでしょうね?」
佐藤「さあな、考えたくねえ」
響「もしバラされたらおしまいだよ……」
真美「……真美、いい子にしよう」
相馬「それじゃあ、みんな。がんばろうね」
佐藤「……小鳥遊」
小鳥遊「はい」
佐藤「何があっても担当を相馬に近づけるなよ」
小鳥遊「もちろんです」
佐藤「へえ、やよいには兄弟がいるのか」
やよい「はい、妹1人と弟4人です」
佐藤「随分と多いな」
相馬「ちなみに、こんな子たちだよー」
佐藤「相馬、やよいに近づくな」
相馬「えぇえ、酷くない?」
佐藤「……つか、なんで写真もってんだよ」
やよい「うぅ、……不気味です」
相馬「ちなみに、名前は……」
佐藤「やめろ、ホント気持ち悪ぃ」
やよい「佐藤さん、美容師でもやってたんですか?」
佐藤「いや、バイト先に種島っていうちっちゃいヤツがいてな。」
佐藤「ちっちゃいそいつの髪を弄ったりしてたんだが、気づいたらこうなってた」
相馬「その割には、最初から結構なスキルもってたよね」
やよい「うっうー、すごいです佐藤さん」
やよい「ハイ、ターッチ!」
佐藤「……」
パシーン
相馬「プッ」
佐藤「……相馬、お前ほんとに殴るぞ」
小鳥(佐藤さんみたいなちょっとヤンキーっぽくて怖い人が実は優しいいい人で)
小鳥(やよいちゃんみたいな子になつかれて、なんだかんだでいい感じになる)
小鳥(でもそういう関係にならずに、仲のいいお兄ちゃんと妹みたいなカンジの関係)
小鳥(いいわね……)ゴクリ
相馬「うん、佐藤君って結構ああいう子になつかれたりするんだよね」
小鳥「そうなんですか……。…ピヨッ!?」
相馬「どうかした、音無さん?」
小鳥「あの、今、心を……」
相馬「それはおいといて、佐藤くんって好きな人いるんだよ?」
小鳥「……ちょっと詳しく教えてください」
相馬「轟さんっていってね」
佐藤「……相馬」
相馬「あれ、佐藤君、どうしたの…痛いっ!」
佐藤「なんだよ」
小鳥「相馬さんから大体の話は聞きました」
小鳥「がんばってください!」
佐藤「……」 イラッ
やよい「佐藤さん……?」
佐藤「いや、なんでもない」 イライラ
佐藤(このイライラ、どうにかしないと死ぬな俺)
千早「おはようございます……」
佐藤(……流石に胸ネタはだめか)
千早「おはよう、高…つき、さ…」
千早「この髪は、佐藤さんが?」
佐藤「ん、そーだけど」
千早「天才ですか、佐藤さんは」
佐藤「は?」
千早「タダでさえ可愛い高槻さんを、より可愛くしている……」
佐藤「……まあ、気にいったならそれでいいけどよ」
千早「あ、小鳥遊君……」
やよい「小鳥遊さん、おはようございますー」
小鳥遊「如月さん、高槻さん、おはようございます」
小鳥遊「……佐藤さん」
佐藤「なんだよ」
小鳥遊「……高槻さんは、なんかありなような気がします」
佐藤「……お前がいうとヘンな意味に聞こえるんだよ」
小鳥遊「高槻さん、……一度撫でてみても?」
やよい「 」
相馬「そりゃ、いきなりいえばね」
佐藤「お前、ほんとに捕まるぞ」
小鳥遊「どうしてですか、可愛いものを愛でて何がだめなんですか?」
小鳥遊「もちろん、犯罪になるようなことはしませんよ!」
千早「どうかしら、最近は触るだけでも騒ぐ人はいるし……」
小鳥遊「それは、確かにそうですけど」
相馬「とりあえず、小鳥遊君。君は気持ち悪いね」
佐藤「まったくだ」
小鳥遊「俺は変態でもロリコンでもないですよ!」
小鳥遊「俺はただ、ちっちゃくて可愛いものがすきなんです」
千早「ちっちゃい……」
佐藤(露骨に反応したな、今)
真美「はーい」
響「でも、宗太ってなんでああなんだ?」
相馬「家庭の事情だよ」
美希「小さいものが好きになっちゃう事情?」
真美「あ、巨人に囲まれて過ごしてきたとか?」
相馬「だいたいあってるかなあ」
相馬「あ、我那覇さん。頼んだあれ、どう?」
響「あ、連れてきたよ。ハム蔵。でも、どうするの?」
相馬「こうでもしないと、小鳥遊君やる気ださないから」
真「ねえ、相馬さんって何者なの?」
春香「さあ……?」
貴音「ですが、これで彼もやる気をだしてくれるそうですね」
小鳥遊「ええ、ハム蔵を愛でれるなら、なんとかやれますよ!」
春香「それはよかった」
真「ねえ、小鳥遊君。今日はどうする?」
小鳥遊「そうですね、今日はダンスレッスンでもしましょうか」
小鳥遊「俺はその間、ハム蔵と戯れていますので!」
真「ちゃんと響に返さないとだめだよー」
小鳥遊「……はーい」
春香「なんでそんないやそうなのっ!?」
貴音「これは、……面妖な」
佐藤「お前達でやりたいことはあるか?」
千早「そうですね……」
雪歩「あの、……やっぱり、早く色々な人に知ってもらいたいので営業にいきたいです……」
佐藤「……なるほど」
雪歩「ご、ごめんなさい……」
佐藤「なんで謝るんだよ」
雪歩「余計なこと、言っちゃったかなと思って」
佐藤「そんなわけないだろ…、別に卑屈にならなくてもいいだろ?」
佐藤「じゃあ、営業にするけど。やよいと千早もいいか?」
千早「はい、もちろんです」
やよい「うっうー、今日もがんばります!」
雪歩「さとーさん……」
佐藤「みんなお前の意見に賛成してんだろ、自信もってもいいんじゃねーの?」
雪歩「……はい、ありがとうございます」
佐藤(まさか営業でもどってくることになるとはな)
佐藤(山田にはあいたくないな、山田にだけは)
佐藤「……そういや、北海道にくるのは初めてか?」
千早「そうですね、やっぱり本州での活動がおおかったので」
やよい「うっうー、おもったより寒くないんですね」
佐藤「今は冬じゃないしな」
雪歩「佐藤さんは北海道の出身なんですよね?」
佐藤「まあな、相馬に連れられてこっちまできたんだが……」
山田「ややっ、あれは……佐藤さん」
山田「佐藤さーん!」
佐藤「いくぞ」
千早「え、でも、呼んでますよ?」
佐藤「いいんだよ、あれは」
山田「いなくなったと思えば、女の子をつれてるなんて」
山田「山田、これは八千代さんに報告するべきだと思います」
プルルル
山田「はい」
相馬『山田さん?佐藤くんのこと誰にもいっちゃだめだよ』
山田「相馬さん、どうして山田のことわかるんですか?」
山田「もしかして、佐藤さん山田のこと」
相馬『好きじゃないし、妹にもしないよ』
ブチ
山田「……」 やまやま
佐藤(まずったな、山田を口止めしとくべきだった)
プルルル
相馬『佐藤君?山田さんの口止めならしておいたよ』
佐藤「今更だが、お前ホントなんなんだよ」
相馬『秘密だよー』
佐藤「で、お前は今なにしてんだよ」
相馬『首都エリアでオーディションうけて、うかったよ』
佐藤「そうか、そいつはよかったな。オメデトウ、とあいつらに言っといてくれ」
相馬『佐藤君のところには負けないからね!』
佐藤「なに対抗意識燃やしてんだよ」
相馬『もし俺がかったら、轟さんに告白──』
ブチ
佐藤(そもそも勝利条件なんだよ)
佐藤「まだ時間あるな、飯食いにいくか?」
やよい「うっうー、行きます~!」
千早「ですが、あちらにいけばお弁当がでるのでは?」
佐藤「確かにそうだが、あんなもんどこで食ってもだいたい一緒のメニューだろ」
佐藤「どうせなら、北海道ならではってモン食っていけよ」
佐藤「どうせ、営業おわったらすぐ帰らなきゃいけないしな」
雪歩「で、でも……私達の分のお弁当用意してくれてるかもしれませんし」
佐藤「まあ、なんとかなんだろ。多分。」
千早「……そうですね、ならそうしましょうか」
佐藤(つーか、ここ足立の店じゃねーか)
雪歩「よく考えると、北海道ならではって頭に浮かばなくて……」
千早「確かに、海の幸なんかはあるのですが。そういったものは東京でも食べられますし」
佐藤「ジンギスカンとかスープカレーとか、色々あるだろ」
やよい「でも、なんだかんだで普通の料理食べちゃうんですよね」
佐藤「まあ、俺もあっちに出てもそういうの食いたいなんて思わなかったしな」
村主「ご注文はおきまりでしょうか?」
佐藤「適当に選べ、おごってやっから」
雪歩「えぇっ、いいんですか?」
佐藤「気にすんな」
村主「あの、すみません」
佐藤「なんだよ」
村主「お客様の上に座られるのは…、困ってるようですし」
佐藤「おい、アンタ何が見えてんだ」
佐藤(早く来い、世界の最終回)
千早「あの、佐藤さん?」
佐藤「ん」
やよい「どうしたしたんですか?」
佐藤「いや、なんでもない……」
雪歩「ちょっと、顔色わるいです……」
佐藤「……大丈夫だよ。ほら、料理とどいたぞ」
やよい「うっうー、おいしそうです~」
千早「いただきます」
雪歩「いただきます……」
佐藤(よかった、北海道に変態が集合してるわけじゃないみたいだ)
千早「あの、佐藤さんは食べないんですか?」
佐藤「別に、腹へってねーしな」
プルルル
相馬『分かってる、別におごるから自分は食べないってわけじゃないよね♪』
ブチ
佐藤(ホントうぜえ……)
佐藤(携帯番号変えるか……いや、意味ねえな)
千早「はい、ごちそうさまです」
雪歩「ごちそうさまでした」
やよい「ごちそうさまです~!」
佐藤「それじゃ、そろそろ行くか」
佐藤(……時間ももうちょっとあるが、速めにいったほうがいいな)
佐藤「今日の営業はTV出演だ」
佐藤「トーク番組なんだが、他にも有名なアイドルがいるようだし
佐藤「ちょっと話振られるくらいだろうな」
千早「それでも、私達は全力を尽くします」
佐藤「そうだな、たとえ編集できられようが製作陣や出演者の目にはうつるわけだし」
佐藤「何気ないひとことが気に入られるかもしれん」
雪歩「わたし、がんばります」
やよい「うっうー!私もがんばります!」
佐藤「よし、それじゃ……」
D「あの、765プロの方ですか?」
佐藤「そうだけど」
D「実は……」
D「はい…、予定していたアイドルが到着できないみたいで」
佐藤「……で、どうすんだよ?」
D「その、彼女達には一曲歌をうたってもらうつもりだったんですが」
佐藤「こいつらに歌わせてくれってわけか」
D「はい」
佐藤「なるほどな……、千早、どうだ?」
千早「……やらせてください」
やよい「これはチャンスですよ、佐藤さん!」
佐藤「……雪歩は」
雪歩「私も、やりたいです!」
佐藤「そんなわけだ、コイツらでよかったら代打にしてくれ」
D「助かります!」
佐藤「だからといって浮かれんな」
佐藤「こんなチャンス、そうないからな」
千早「はい!」
雪歩「がんばります!」
やよい「うっうー!!」
佐藤「よし、じゃあそろそろ本番だ、がんばれよ」
やよい「あ、その前に……ハイ、ターッチ!」
佐藤「……」
パシーン
千早「あ、佐藤さん。私もいいですか?」
雪歩「あの、私も」
佐藤「……ほら、来いよ」
パシーン パシーン
佐藤「それじゃ、行って来い」
小鳥遊「へえ、みんな凄いじゃないですか」
春香「ちゃんとチャンスをものにできたんだね」
千早「これも全部、佐藤さんのおかげだわ」
相馬「北海道じゃ、ちょっとしたブレイクみたいだよ」
小鳥遊「……そういえば、このビデオは?」
相馬「ああ、向こうにいる知り合いに頼んで送ってもらったんだよ」
小鳥遊「先輩ですか」
相馬「違うよー」
美希「ミキね、ちょっとお仕事多くて頭いたくなったことあったんだけど」
美希「その時、佐藤さんがお薬くれたんだ。「水で飲めよ」って」
小鳥遊「佐藤さんの薬には俺もよくお世話になってますよ」
春香「小鳥遊君も、頭いたくなったりするの?」
小鳥遊「そりゃあ、しょっちゅうありましたよ」
相馬「佐藤君はね、顔もいいし優しいからオススメだよ!」
相馬「ただまあ、ヘタレなのがたまにキズだけどね!」
ゲシッ
佐藤「……」
相馬「佐藤くぅん……、割と足癖わるいね」
佐藤「そうか」
小鳥遊「天海さん、菊地さんこれからもっとがんばりましょう。今ここにはいませんが、四条さんも」
春香「え、…あ、うん!」
真「よーし、ボク燃えてきたぞー!」
佐藤「相馬、お前少しスケジュール詰めすぎなんじゃないのか?」
相馬「みたいだね…、でもおかげで出来る仕事も増えてきたんだよ」
美希「ミキ、がんばった甲斐あったの」
佐藤「まあ、あんまムリはさせんなよ」
相馬「うん、大丈夫だよ」
真美「おおっ!」
響「やったぞ、自分たちがんばったからな~」
美希「これでミキたち、もっと有名になれるね」
相馬「うん。がんばってもっと有名になって、佐藤君に勝とうね!」
美希「さとーさんに?」
真美「シュガーに勝ってどうするの?」
相馬「ひ・み・つ♪まあ、佐藤君にはもう言ってるんだけどね?」
佐藤「……ん、あんたは」
律子「竜宮小町のプロデューサーの秋月律子です」
佐藤「アンタがそうなのか……」
律子「どうかされましたか?」
佐藤「いや。他のヤツらと歳かわらねぇんだなって思って」
律子「それは佐藤さんもじゃないですか」
佐藤「……確かに、それもそうか」
律子「聞きましたよ、千早たちを担当してらっしゃるそうですね」
佐藤「確か、アンタはあの水瀬伊織の担当だっけ?」
律子「ええ」
佐藤「何がだ?」
律子「だって、雪歩は男の人ニガテなところがあるし」
律子「千早は少し、気難しいところがあるのに。それをちゃんと指導できてますし」
佐藤「たいしたことじゃねーよ、雪歩を悪化させたのが知り合いにいるだけだ」
佐藤「千早だって、話せば普通に分かるヤツだしな」
律子「……それより、相馬さんです」
律子「彼、尋常じゃないスピードで美希たちを成長させてるんですよ」
佐藤「まあ、アイツらしいといえばらしいか」
佐藤「真美たちも弱み握られてるようだし、そりゃ死ぬ気でがんばるだろうな」
律子「ええ、相馬さん社長を含めた全員の弱みを握ってるみたいなんです」
佐藤「いや、どうせなら業界人のそういうネタ掌握してんじゃねーの」
律子「何者なんですか、彼」
佐藤「知らん、つか知りたくないな」
佐藤「もちろん、相馬には負けん」
律子「そうですか……」
佐藤「もちろん、アンタにもな」
律子「ええ、受けて立ちますよ」
佐藤「ま、小鳥遊は小鳥遊でそれなりにやるし」
佐藤「この先どうなるかは、わからないがな」
律子「そうですね……」
佐藤「まあ、別ユニットだから、この先荒らそうこともなるだろうけど」
佐藤「同じ事務所なんだから、あまりアイツら同士でいがみ合わないようにしねえとな」
律子「事務所の空気わるくなっちゃいますもんね」
佐藤(環境整えてやんのも俺の仕事の内か)
プルルルル
佐藤「はい」
八千代『あ、佐藤くん?』
佐藤「とどっ……、なんだよ、八千代」
八千代『佐藤くんたち、そっちでがんばってるかなぁって思って』
佐藤「それなりに。そっちはどーだ」
八千代『うん。まひるちゃんも、麻耶ちゃんもがんばってくれてるわ』
八千代『陽平さんや美月さんも手伝ってくれてるし、なずなちゃんも着てくれるし』
佐藤「アイツらも来てんのかよ、小鳥遊の妹はともかく」
佐藤(いや、小鳥遊妹も小学生だから普通にアウトだが)
佐藤「まあ、そっちは大丈夫そうだな。……じゃ、切るぞ」
八千代『あ、佐藤くん。その……がんばってね?』
佐藤「………………………………………おう」
佐藤「…………相馬、お前だな」
相馬「ち、違う、俺じゃないよ!」
佐藤「そうか、疑って悪かったな」
佐藤「でもそのニヤけた面がムカつく」
ゲシッ
相馬「あぁっ、痛いっ!佐藤君酷い!」
春香(いい加減こりないのかな、あの人)
佐藤「どうした」
やよい「何かあったんですか?」
佐藤「どうしてだ?」
やよい「髪を弄る動きが軽やかだから……」
佐藤「ああ、色々な鬱憤をぶつけてきたからな」
やよい「え」
─────
───
相馬「佐藤君、ちょっと暴力的だよね……イタタタ」
春香「確実に相馬さんが悪いと思います……」
小鳥遊「相馬さん、いい加減にしないとそのうち死ぬんじゃ」
相馬「いや、伊波さんに殴られたときよりは全然マシだから……」
小鳥遊「まあ、鉄砲とミサイル比べるようなものですからねえ、なんだかんだで佐藤さん手加減してますし」
相馬「こ、これで……?」
小鳥遊「そうですね、天海さんたちにも気を配ってくれてますし」
天海「いい人だよね、佐藤さんって」
小鳥遊「いい人ですよね」
相馬「いい人どまり……プッ」
小鳥遊「相馬さん、いい加減にしたほうが」
相馬「冗談冗談。それより、小鳥遊くんたちの方はどう?」
小鳥遊「ええ、レッスンもこなしてますし。そろそろオーディションやフェスもやってみようかと」
相馬「そうなんだ、これからが厳しいところだよ?」
小鳥遊「そうですね……、でもスタジオにいけば」
春香「スタジオにいけば?」
小鳥遊「子役に会えるかもしれない!!」
春香「あ、あ……うんっ、そうだね、よかったね小鳥遊君!」
佐藤「ん」
佐藤(確か、我那覇のペットのハムスターだっけか、今は小鳥遊と一緒にいるみたいだが)
佐藤「小鳥遊とはぐれたのか」
ハム蔵「ヂュイ」
佐藤「……」
ヒョイ
ハム蔵「ヂュ?」
佐藤「……とりあえず、小鳥遊のところに連れて行くか」
小鳥遊「あ、ハム蔵!」
ハム蔵「ヂュッ」
小鳥遊「お前は本当に可愛いなぁ~……」
ハム蔵「ヂュゥゥゥゥゥゥ!!」
佐藤「おい、あれいやがってねーか」
相馬「小鳥遊君の力が及ばないこともあるんだね」
春香「完全に拒絶されてますね、あれ」
佐藤「……ま、とりあえず今の飼い主の所にはつれてこれたな」
春香「そ、そんなピンポントにはないんじゃないかな?」
相馬「あるよー」
春香「あるの!?」
小鳥遊「さすが相馬さん、それじゃあ今日はそれにでましょう!」
春香「えっ、う、うん!」
佐藤「俺は今日はオーディションにでも出るか」
相馬「あ、じゃあ俺もそうしよっと。ねえ、同じ番組のにでない?」
佐藤「はあ?なんでだよ。わざわざ同じ事務所で枠とりあわなくてもいいだろ」
相馬「ほら、だから。何枠かあるところ。同じ事務所からでると、事務所自体の知名度もあがるからね」
佐藤「なるほどな……」
相馬「あ、これは勝負には関係ないからね?」
佐藤「はいはい」
佐藤「できれば、トップで枠をとってスタッフにアピールしたいところだが」
佐藤「あまり高望みして力はいりすぎてもだめだからな」
佐藤「今回は5枠らしいから、最低5位になればいい」
佐藤「まあ、6位は6位で印象与えられるかもしれんが、本番にでれなきゃ意味ねーしな」
千早「でも、佐藤さん。やるからには、やはり上を目指した方が」
佐藤「……まあ、それはベストだな。あと、相馬のところにはまけるな」
やよい「美希さんたちも同じオーディションを?」
佐藤「どうもそうらしい。アイツにはアイツの計算があるんだろうよ」
雪歩「なんだか、不安です……」
佐藤「まあ、流石のアレも事務所内で食い合おうとは思わんだろ。心配するな」
佐藤「……つーわけだ」
スッ……
千早「……?」
佐藤「やよい、いつもの行くぞ」
やよい「あ、……ハーイ、タッチ!」
パシーン
千早「では、私も」
雪歩「私もやります!」
パシーン
パシーン
佐藤「……よし、それじゃいくか」
佐藤「それじゃ、がんばってこいよ」
千早「はい!」
千早「それじゃ、佐藤さんいってきます」
タッタッタッタ
佐藤「……」
シュボッ
佐藤「──ふう」
相馬「あれ、佐藤くん」
佐藤「相馬か」
相馬「如月さんたち、どう?」
佐藤「さあな。でも、やれるんじゃねーの?」
相馬「自信たっぷりだね?」
佐藤「……自信っつーか、……信頼?」
相馬「ブッ、似合わな───って、佐藤くん、痛いよ、痛いっ!」
相馬「フェスだって、それなりに盛り上がったみたいだよ」
佐藤「そいつはよかったな」
相馬「あとは俺と佐藤君だけだね~」
佐藤「……そうだな」
相馬「佐藤君、ホントにいけるとおもってる?」
佐藤「ま、それも仕事だからな」
相馬「へ~え」
佐藤「──相馬」
相馬「ん?」
佐藤「お前には負けん、もちろん小鳥遊にも秋月にも」
相馬「佐藤君、けっこうのめり込んでるよね」
相馬「ちゃんと、帰ってきたときにいってあげなきゃだめだよ?」
相馬「おめでとうって」
佐藤「……受かってくるの前提か?」
相馬「だって、受かるんだよね?」
佐藤「……だろうな」
相馬「佐藤君はもうちょっと素直にならないとだめだよ、そんなじゃ轟さんも……」
佐藤「殺すぞ」
相馬「ちょ、佐藤くん!?こんなところで暴れちゃだめだって、あ、ちょっと、痛いっ、痛いよ!」
千早「佐藤さん、私達受かりまし……た」
美希「相馬さーん、ミキたちも受かったの、1位は千早さんたちにとられちゃったけど…あれ、相馬さん?」
響「あちゃー、相馬さんまた佐藤さんに何かいったんだ……」
やよい「うっうー!佐藤さん、やりましたよ!」
雪歩「わたしたち、がんばりました!」
佐藤「そうか、本番もがんばれよ。あと、星井達も」
美希「はいなの!」
響「自分、今回はすごくがんばったぞー」
真美「あーあ、真美もシュガーだったらよかったかも」
相馬「真美ちゃん、そんなこと言ってないで助けてくれない?っていうかみんな俺無視してない!?」
佐藤「まあ、お前ら6人ともよくやったな、おめでとう」
千早「ありがとうございます、佐藤さんのおかげですよ」
佐藤「いや、お前らの実力だろ」
相馬「ちょっと、何いい話にしようとしてるの!?佐藤君、やばいって、離してよ!」
佐藤「相馬、うるせえ」
相馬「さ、佐藤君……、俺たちって友達だよね?」
佐藤「さあな」
佐藤「なあ、相馬」
相馬「何、佐藤君」
佐藤「いや、アイドルって浮世絵離れしてると思ってたけど」
佐藤「案外普通なんだな、帯刀してねーし」
相馬「そうだね」
佐藤「────さて、次のスケジュールかんがえねえとな」
響「宗太ー、ハム蔵しらない?」
小鳥遊「ここにいますよ」
ハム蔵「ヂュッ!」
響「ありがとう、いるならいいんだ」
春香「小鳥遊君、小鳥遊君!」
小鳥遊「はい?」
春香「昨日のフェスの反響すごいみたい!」
小鳥遊「ええっ!そうなんですか?すごいじゃないですか」
貴音「これも、小鳥遊殿の指導のおかげかと」
真「うんうん、レッスンとかいろいろ支持してくれたしね」
小鳥遊「いやあ、そうでもないですよ」
小鳥遊「ちょっと、そういう躾はなれてるんですよ」
相馬「小鳥遊くーん、女の人を犬扱いするのやめようね」
小鳥遊「ご、誤解を招くいいかたしないでください!」
佐藤「今日はボーカルレッスンでもするか」
千早「ボーカルレッスンですね、わかりました」
雪歩「今日も一日、よろしくおねがいします」
やよい「うっうー!今日もがんばります!」
佐藤「よし、じゃあ行くか」
3人「はい!」
佐藤(────ま、やるしかねえだろ)
<あ、佐藤くん。その……がんばってね>
佐藤「…………」
やよい「さとーさん?」
千早「どうかされたんですか?」
雪歩「顔が赤いです……」
佐藤「な、なんでもない。いくぞ」
終わり
呼んでくれて乙、支援、レス、ありがとう
佐藤さんばっかになって、とくに小鳥遊空気だし、竜宮も出番なかったし
また、いつかそのうち続きを書くかもしれんので、そのときは宜しく。
というわけで、おやすみなさい。
そしておはようございます。
Entry ⇒ 2012.09.19 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
春香「千早ちゃんが頭を打った?」
春香「撮影の機材が倒れてきて頭に当たった、って、一歩間違えたら一大事だよね」
春香「プロデューサーさんがお医者さんに聞いた話では、意識はしっかりしてるから2、3日様子を見るだけでいいらしいけど……」
春香「千早ちゃん退屈してるかもしれないし、お見舞いで元気付けてあげないとね!」
春香「クッキーばっちり、笑顔もばっちり! 天海春香、いっきまーす!」
春香「千早ちゃん、春香です! 入っていーい?」
小鳥『あ、春香ちゃん……』
春香「その声は、小鳥さんですか? 小鳥さんも来てたんですね!」
小鳥『春香ちゃん。あの、ちょっと待ってくれるかしら?』
春香「え? はい、いいですけど……」
ガラガラ
小鳥「お待たせ。……春香ちゃんも、お見舞い、かしら?」
小鳥「いえ……。でも。今の千早ちゃんに会うのなら、覚悟をしておいた方がいいかもしれないわ」
春香「!? まさか、千早ちゃんに何か!?」
小鳥「う、ううん。そういうわけではないの。でも……」
春香「一体どういうことなんですか!?」
小鳥「……会えば、分かると思うわ」
春香「っ! 千早ちゃん!」ダッ
千早「え……はる……」
春香「千早ちゃん! ……なんだ、元気そうじゃない」ホッ
千早「…………」
春香「小鳥さんがおどかすから、何かあったのかと思っちゃった。今日は春香さんがお見舞いに来ましたよー♪」
千早「お見舞い……?」
春香「そ、お見舞い! 私特製のクッキーもあるよ!」
千早「……」ガタガタ
春香「千早ちゃん?」
千早「……」ガタガタガタガタ
春香「ちょ、ちょっと! 千早ちゃん! どうしたの?」
千早「は、春香様が私のような下賎の者のお見舞いに来られる必要なんてありません! 早くご自分の仕事に戻られてください!」
春香「」
千早「決して、決して春香様のご好意が気に入らないというわけではありません! 私のようなものに時間を割かれることが勿体無いと言っているのであって、その」
春香「千早ちゃん! 千早ちゃんってば!」
千早「春香様に比べれば塵芥のような存在の私を気にかけていただけるのは光栄ですが、それでは他の物への示しが」
春香「千早ちゃん、ほんとにどうしちゃったの……?」
春香「小鳥さん!」
小鳥「ごめんね、春香ちゃん。黙ってて」
春香「いえ、それはいいんですけど……」
小鳥「……」
春香「あの、なるほど、ってどういう意味ですか? 千早ちゃんはどうしちゃったんですか!?」
小鳥「私にも詳しいことは分からないの。ただ、昨日からちょっとだけ様子がおかしいみたいで……」
春香「……ということは、小鳥さんにもこんな感じだったんですか?」
小鳥「いいえ。私のときはもっと大人しい、こんな感じだったわ」
コンコン
小鳥『音無です。千早ちゃん、入るわね』
千早『どうぞ』
ガラガラ
小鳥『こんにちは、千早ちゃん。体調はどう?』
千早『ほとんど問題ありません。ちょっとぶつかったくらいで、プロデューサーが騒ぎすぎなんですよ、全く』
小鳥『あら、駄目よそんなこと言っちゃあ。プロデューサー、千早ちゃんのことものすごく心配してたんだから』
千早『そ、そうなんですか』
小鳥『そうよ。それに、最近の千早ちゃんは働きすぎなくらいだったから。ちょうどいい休みになったと思えばいいんじゃない?』
千早『でも、みなさんに迷惑をかけてしまったのは申し訳ないです……。音無さんだって、休みでしょうにわざわざお見舞いまで』
小鳥『あ、それは大丈夫。私今日休みじゃないもの』
千早『……え?』
小鳥『今日は社長も律子さんも事務所にいるし。休みは休みでも、ちょっと長めのお昼休みかしらねー♪』
小鳥『ええ、そうよ?』
千早『仕事が残っているのにここに来たんですか?』
小鳥『そ、そういうことになるわね……』
千早『何をやっているんですか。私のことなんかどうでもいいから、早く事務所に戻ってください』
千早『ただでさえ、事務所にいてもパソコンを触ったり、妄想してばかりでサボりがちなのに』
小鳥『』
千早『ということは、自覚はあったんですね。それはまだ救いがあります』
小鳥『なんか、今日の千早ちゃんは厳しいわ……』
千早『だいたい、誰も指摘しなかったのがおかしいんですよ』
小鳥『そ、そこまで言わなくても……』
千早『全く。ただでさえ人手不足なのに、堂々とサボりなんて』
小鳥『ち、千早ちゃん、今日はどうかしたの?』
千早『どうもしていません。早く事務所に戻ってください』
小鳥『私、何か怒らせるようなこと言っちゃったかしら……?』
千早『怒ってなんかいません。単に、いつも思っていることを言っているだけです』
小鳥『そんな……』
小鳥「他の人から話を聞くまで、私、本気で千早ちゃんに嫌われちゃったかと思っちゃったもの……」
春香「他の人、ってことは他のみんなにもおかしな対応をしているんですか?」
小鳥「詳しい話を聞いたわけじゃないけど、そうみたい。真ちゃんなんて、『王子様が迎えに来てくれて嬉しい』なんて言われたらしいわよ」
春香「……何と言うか、いろんな意味で悲しいですね」
小鳥「そして、千早ちゃんは自分が変なことをしているとは思っていないみたいなのよねー……」
コンコン
美希「美希なの! 千早さん、入っていーい?」
千早「どうぞ」
小鳥「!」
春香「美希が来ちゃいましたね。小鳥さん、どうします?」
小鳥「ここは少し様子を見ましょうか。美希ちゃんにはどんな対応をするのか気になるし」
美希「千早さん、お見舞いに来たの! あ、春香と小鳥もいたんだね」
小鳥「う、うん。千早ちゃんと春香ちゃんとお喋りしてたのよ」
千早「は、春香様とお喋りなんて滅相もございません」
春香「それはもういいから! 美希、千早ちゃんとお話してあげて?」
美希「? 分かったの。変な2人」
美希「千早さん、具合はどーなの? 頭を怪我したって聞いたから、ミキ心配したんだよ?」
千早「ありがとう美希。怪我と言っても大したことはないの。2、3日で退院できるみたい」
美希「それは良かったの!」
千早「美希は今日、もう帰りなの?」
美希「うん! 今日はボーカルのレッスンとグラビアの撮影をしてきたのー!」
春香「今のところ普通の会話ですね」ヒソヒソ
小鳥「そうね。でも私のようなこともあるし……」ヒソヒソ
春香「もう少し様子を見ましょうか」ヒソヒソ
美希「ミキ最近ボーカルレッスンを中心に頑張ってるんだけど、まだまだ千早さんは遠いの。早く千早さんみたいになれるよう、もっともっと頑張りたいな!」
千早「あら、嬉しいことを言ってくれるのね。そんな美希にはこうしてあげる」ワシャワシャ
美希「わひゃっ!? ち、千早さん、髪わしゃわしゃしちゃ嫌なのー!」
春香「!」
小鳥「!」
千早「あらごめんなさい。美希が可愛かったものだからつい」
美希「もー。千早さんがこんなことするって、珍しいなって思うな」
美希「でも、ちょっとお姉ちゃんみたいで嬉しかったの♪」
美希「あはっ、カンペキだったよ! カメラマンの人もスタッフの人も、ミキに釘付けだったもん」
千早「そう……。それは良い事だわ」
千早「でも美希、撮影のときも気をつけるのよ。美希くらい魅力的だと、どこでよからぬ輩が狙ってるか分からないのだから」
美希「えー? スタッフさん、みんないい人だよ?」
千早「それでも! 気をつけて気をつけすぎるということは無いわ。美希に何かあったら、心配だもの」
美希「そんなに心配しなくても、大丈夫なのー♪」
千早「駄目よ!!」
美希「!」ビクッ
千早「何かあってからでは、遅いのよ。もしあなたに何かあったら、私……」
美希「ち、千早さん。今日はどうしたの? 何か不安なことでもあるの?」
千早「どうもしないわ。私はただ、美希が心配なだけ」
千早「私は、私を慕ってくれる美希のことが大好きだから。心配くらいしたっていいでしょう?」
美希「も、もちろんいいけど……?」オロオロ
美希「!」
美希「千早さん、ミキちょっと春香が呼んでるから出てくるの!」
千早「! そ、そう、春香様が。急いで行って来るといいわ」
美希「はーい」スタスタ
美希(様……?)
春香「変は変、だけど……」
小鳥「何か、私達とは違ったわね」
美希「2人にはあんな感じじゃなかったの?」
小鳥「うう、それはそれは冷たくあたられたものだわ……」
春香「うーん、どういうことなんだろう……?」
小鳥「!」
小鳥「春香ちゃん。私、ぴーんときちゃったわ」
春香「小鳥さん、何か思いついたんですか?」
春香「それはなんとなく想像がつきますけど……。一体、千早ちゃんはどうなってるんです?」
小鳥「ずばり。今の千早ちゃんは『好感度が逆転している』んじゃないかしら!」
春香「それって……。普段仲の良い人ほど冷たくなって、あまり仲良くない人に優しくなるってことですか?」
小鳥「ええ。春香ちゃんに対する態度が一番様変わりが激しかったでしょう? そこから考えてみたのだけれど……」
春香「なるほど! 小鳥さんとも普段親しくしているから、あんな態度になっちゃったってわけですね!」
美希「それって、美希は普段あんまりよく思われてないってことなの……?」
春香&小鳥「あ」
春香「い、いやきっとそんなことないよ! 別の理由があるかもしれないじゃない!」
小鳥「そうよ美希ちゃん! 今のはほら、例えばの話だから!」
美希「でも春香や小鳥のときと全然違うっていうのは本当なんでしょ!?」
春香「まあ、それはそうだけど……」
美希「きっといつもうるさい美希のこと、鬱陶しく思ってたに違いないの……」ズーン
コンコン
律子「千早、起きてる? お見舞いに来たわよ」
千早「起きてるわ」
小鳥「ほら美希ちゃん、今度は律子さんが来たわ! 結論を出すのは律子さんを見てからでも遅くないと思うわよ!」
春香「そ、そうだよ! ほら、ちょっと落ち着いて聞いてみよう!」
美希「分かったの……」
律子「お邪魔するわよ……っと。あれ、春香に美希に、小鳥さん?」
春香「律子さん、こんにちは」
小鳥「どうやらお見舞いのタイミングが被っちゃったみたいですね」
美希「み、ミキたちはもう充分お話したから、今度は律子が千早さんとお話してあげてほしいの!」
律子「そうなの? じゃあ、そうしようかしら」
春香&小鳥&美希「」グッ
千早「わざわざありがとう、律子」
律子「わざわざってほどでもないわよ。具合はどうなの?」
千早「特に気になるところはないわ。入院も、万が一があってはいけないからというだけみたい」
律子「そう。それなら良かったわ」
春香「とりあえずは」ヒソヒソ
小鳥「いつも通りみたいに」ヒソヒソ
美希「見えるの」ヒソヒソ
律子「ああこれ? 実は来週の休みに突然仕事が入っちゃってね。今日振り替えで午後休をもらったのよ」
千早「え……?」
律子「まあ、だからこそ千早のお見舞いに来れたんだけどね」
千早「だ、駄目よ律子!」
律子「へ?」
春香「!」
小鳥「!」
美希「!」
律子「!?」
千早「それに、来週のお休みが無くなったということは次の休みまですごく間が空くということだわ。しっかり身体を休めないと駄目じゃない!」
律子「……ありがとう、千早。あなたがそんな風に思って居てくれたなんて、とても嬉しいわ」
律子「でもね。別にあなたのお見舞いは負担になっているわけじゃあ」
千早「それでもよ! あなたは765プロの、竜宮小町のプロデューサーなの」
千早「竜宮のメンバーならともかく、私なんかのためにコンディションを崩すようなことがあってはいけないわ」
律子「ちょっと千早、話を……」
律子「ど、どうしたのよ千早。今日はなんだか変じゃない?」
千早「私のことはいいから。ただでさえ律子は、普段から頑張りすぎなのよ。こんなときくらい心配させてもらっても、いいでしょう?」
千早「765プロのプロデューサーとして、だけではなくて。大切な1人の友人として、心配なのよ、律子」
律子「……」
小鳥「」チョイチョイ
律子「あ……っと。ちょっと小鳥さんが呼んでるから、席を外してもいいかしら?」
千早「? ええ。行ってらっしゃい」
美希「とりあえず美希は、ほっとしてるの」
小鳥「確かに、律子さんは美希ちゃんに近いものがあったわねえ」
律子「美希に近い? ……何か、知っているんですか?」
春香「はい。……と言っても、詳しいことは分からないんですけど……」
律子「いいわ。聞かせてちょうだい」
小鳥「実はですね……」
かくかくしかじか
小鳥「私はそんなことはないと思うんですけれど……」
春香「私もそう思います。となると、相手に関係なくおかしな態度を取っちゃうのかな?」
美希「ミキだって千早さんに嫌われているわけないの!」
律子「でもこのままじゃあ、仕事に差し障りますね。私や美希のようなときならともかく、春香や小鳥さんに対する態度を外で取られたら……」
美希「イメージ崩壊、じゃあすまないレベルなの」
小鳥「これが一過性のものならいいのだけれど……」
律子「万が一ずっとこのままだとしたら、せめてどういう状況なのかくらい判明させないといけませんね」
P「千早―。俺だ。入っていいか?」
千早「……どうぞ」
全員「!」
美希「ま、まずいの! ハニーが来たの!」ワタワタ
小鳥「無いとは思うけど、もし『好感度が逆転する』っていうのが本当だったら」
春香「一体千早ちゃんがどんな態度を取るのか……。うう、想像もしたくないよお」
律子「春香のときであれなら、とてつもない光景になるでしょうね。……包丁とか無いわよね、この病室」
美希「縁起でもないこと言わないでほしいの!」
律子「……まあ、この仮定が当たっていれば、の話だけれど」
ガラガラ
P「お見舞いに来たぞー、ってあれ? 美希?」
美希「こ、こんにちはなのハニー。ハニーもお見舞い?」ニコー
P「ああ、そうなんだが……。すまん美希、そんな風に両手を広げていられると通れないんだが」
春香「あ、あはは。プロデューサーさん。ちょっと千早ちゃんは話し疲れちゃったみたいなので、また今度にしませんか?」
P「なに、そうなのか? 一目様子を見ておきたかったんだが……。もしかして寝ていたりするのか?」
春香「そう、そうなんです! 千早ちゃん今寝てるから、お話できませんよ!」
P「でもさっき、返事が聞こえたよなあ」
春香「」
美希「だ、駄目なの! 今日は千早さんに合わせるわけにはいかないの!」
P「……なんでそこまで俺を避けようとするんだよ。俺、なんか悪いことしたか?」
美希「そ、それはしてないけど……。でも駄目なの! 今千早さんにあったらハニーが死んじゃうのー!」
P「あはは、死ぬなんて大袈裟な。いいからそこを通さないと……」
美希「と、通さないと……?」
P「こうだっ!」ワキワキ
美希「あははははっ!! だ、だめ、くすぐるのはあはははっ!」
P「隙ありっ!」
美希「あー! ハニーーーーー!」
小鳥「仕方ないわ、美希ちゃん。静かに見守りましょう」
律子「そうですね。新しいサンプルが取れるかもしれないですし」
春香「何かあったらみんなで止めよう、ね?」
美希「うう……。何も無いことを祈るの……」
千早「……」
P「どこも悪いところはないか? 何せ頭の怪我だからな。些細なことでも何かあったら、ちゃんと言ってくれよ?」
千早「…………です」
P「……千早?」
春香(あれ?)
小鳥(これは)
律子(もしかして)
美希(もしかすると……?)
千早「き、来てくれて嬉しいです、ぷろでゅーさー……」カァァ
はるぴよりつみき(好感度メーターが振り切れてらっしゃるーーーー!!?)
千早「」コクコク
P「春香たちもみんなお見舞いに来てくれたみたいだし、少しでも早く退院できるといいな」
千早「」コクコク
P「……どうしてだんまりなんだ千早? まさか、声が出ないなんてことは……」
千早「そ、そんなことはないです……」
P「それならいいんだが」
P「ああ、もしかしてガールズトークの邪魔でもしてしまったか? それなら俺はお邪魔だから、そろそろ退散すると」スッ
キュッ
千早「……もうちょっと」
P「?」
千早「もうちょっと、傍にいてください……」カァ
P「あ、ああ。それは構わないけど」
小鳥(立ち上がりかけたところを、裾つかみ……。アリね)
美希「おかしいの! 好感度が逆になってるんじゃなかったの!?」
小鳥「うーん、プラスが強すぎてマイナス反転しなかったのかしら……? それとも実は千早ちゃんはプロデューサーさんが嫌い……?」
春香&美希「それは絶対にありえ(ません!)(ないの!)」
律子「いいえ、違うと思います。なんとなく、分かりましたよ」
美希「! 律子、それほんとなの!?」
律子「みーきー?」キッ
美希「あうう、律子、さん……」
春香「それで、どういうことなんですか? 聞かせてほしいです」
小鳥「私も気になります……」
律子「と言っても、そんなに難しいことではなくて」
美希「すとっぱー?」
律子「ええ。単に普段言ってみたいと思っていることを遠慮なく口に出している、というか」
春香「……と言いますと?」
律子「一番分かりやすいのは、小鳥さんでしょうか」
小鳥「へ?」
律子「小鳥さんのサボり癖、私はそこまで気にしていなかったですけど、真面目な千早のことだからきっといつか注意したくてたまらなかったんだと思いますよ」クス
小鳥「な、なるほど……。反省します」ズーン
美希「ち、千早さんはミキのこと嫌いになったわけじゃないんだよね?」
律子「ええ、むしろ逆だと思うわ」
美希「逆?」
律子「千早にしてみれば、自分を慕ってくれる美希のことが可愛くてしょうがないんでしょう」
律子「妹みたいに思えるがゆえに、ついつい心配になってしまったんだと思うわよ」
美希「妹みたい、かあ……。えへへ、確かにさっきの千早さんは、お姉ちゃんみたいだったの!」
春香「あ、あの。それでいくと私は……」オズ
春香「はい……。まさか普段からあんな態度を取りたいと思っているわけ、ないですよね?」
律子「あの、この間出演した映画で、意外と春香には悪役が似合うって話をしたばかりじゃない?」
春香「は、はい。そうですけど……」
律子「きっとそのときから、こうやって春香をからかってみたかったんじゃない?」
春香「からかう、ですか?」
律子「そう。千早は冗談とかが得意なタイプではないから、なかなか言い出す機会がなかったんでしょうけどね」
春香「な、なるほどお……」ホッ
律子「ただそうすると、私の理由は分からないのだけど……」
小鳥「きっと千早さんは、普段から働きづめな律子さんにはいつか歯止めをかけてあげたいと思っていたんですよ」
美希「うん、千早さんよく言ってるの! 『私に手伝えることはないのかしら……』って」
春香「そうですよ! 私と電話するときも、よく律子さんの話題が出るんですよ?」
律子「そ、そう。千早がそんなことを……」
美希「さっきの話もミキ聞いてたよ! 『大切な1人の友人』だもんね!」
春香「千早ちゃんにあそこまで言わせるなんて、私親友として嫉妬しちゃうなあ」
律子「そ、そうね。私にとっても千早は大切な友人だから……。すごく嬉しいわ」
春香「そうですね。千早ちゃん……。ほんとはこれまでもっと、言いたいことがあったんだろうなあ」
美希「今の千早さん、とっても幸せそーなの」
P「…………」
千早「…………」コテン
P「何だ、寄りかかってきて。眠たいのか?」
千早「…………ぁ」
P「どうした?」
千早「……」フルフル
千早「少しこのままでも、いいですか?」
P「まあ、別に構わないけど。仕事あるから、寝ちゃわないでくれよ」
千早「はい」
千早「……」
千早「…………♪」キュ
小鳥「そうね。お邪魔しないうちに退散しましょう」
美希「『お姉ちゃん』に免じて、今日はハニーを貸しておいてあげるの!」
律子「まあ、滅多にない機会でしょうからね。たまにはいいですか」
春香「そろそろと、気付かれないよーに……、ってうわぁ!」コケッ
☆のワの☆ ゴツン!! ☆のワの☆
律子「ちょ、春香!」
P「お、おい春香!」
小鳥「よ、よりによって千早ちゃんの方向に……」
春香「あいたたた……。ち、千早ちゃん! 大丈夫!?」
千早「う、痛……。春香ったら、もう……。気をつけてよ?」
律子「!」
春香「千早ちゃん、今私のこと、なんて!?」
千早「え、春香、だけど……。何かおかしかったかしら?」
小鳥「これは……」
美希「元に戻ったの!」
春香「うん、春香だよ! 千早ちゃん、千早ちゃん!」
律子「はあ、人騒がせな……。まあこれで一件落着、ね」
小鳥「もう一回頭を打ったのが良かったのかしら?」
律子「みたいですね」
美希「そうなの! ハニーがいない間、大変だったの!」
春香「もう千早ちゃんにちゃんと喋ってもらえないかと思っちゃいましたぁ……」グシグシ
P「そっか、それなら良かったな。じゃあそろそろ、俺も帰るとするか」
ガシッ
千早「……」
P「? どうした、千早?」
P「ん、んむっ!!?」
春香「!?」
美希「!?」
律子「!?」
小鳥「!?」
千早「ふふ」
千早「だい、すきです。プロデューサー♪」
おわり
千早「プロデューサーは、まだ帰っちゃやだゾ♪」
一同「……え?」
的な終わりだったのは秘密
うん、千早と美希、律子の絡みが書きたかっただけなんだすまない
自己満やったけど少しでも楽しんでもらえたなら幸い
では。
ちーちゃんかわいかった
他のみんなだとどうなってたのか気になるぜ
Entry ⇒ 2012.09.19 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)