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みゆき「も、モテモテすぎて……ウルトラハッピー?」
狼「ウールルルー、俺様ウルフル~ン♪……あぁん?なんだこりゃ、飲み物かぁ?」
鬼「オニ。ウルフルン、触らないほうが良いと思うオニ。さっきマジョリーナが『大発明完成だわさー!』って言ってたオニー」
狼「おうアカオーニ……はぁ?んなもんを、何度もあのババァの発明品を捨てちまってるお前の真ん前においてどっかいったのかよあいつ。いよいよもってボケてきたか?」
鬼「お前さんの方こそ何度か投げ捨ててるオニ!俺様のせいだけにするなオニー!」
狼「うるっせ赤ら面。んで、これはなんてんだ?またどーせ、しょーもない名前なんだろ」
鬼「うーん、確か……モテモテニナール、とか言ってたオニ」
狼「……モテモテだぁ?」
狼「あぁ……ババァが熱をあげてる人間な。それに使うわけか……」
鬼「オニ」
狼「……おうアカオーニ。むかーし、あのババァが若かった頃のこたぁ覚えてるよなぁ?」
鬼「忘れようとも忘れられんオニ。雄どもは跪いて文句も言えん散々な有様だったオニー……」
狼「未だに俺様ともあろうものがあの姿になられるとブルッちまうしな……もしもだ、こんなもんをあのババァがその、人間に使えば」
鬼「……バッドエナジーの手軽な供給源が得られて、あの姿を維持できちまうかもしれない、オニ?」
狼「……」
鬼「……」
狼「おーっとしまったぁー!俺様のフッサフサでモッフモフの尻尾がアカオーニの鼻をくすぐっちまったぜぇー!」
鬼「お、おにーこれはいかんオニーぶえっくしょおおおおおい!!!!」
ヒューーーッ
狼「……やったな」
鬼「バッドエンド王国の秩序は守られたオニ」
魔女「なーーーーにやってんだわさぁーーーーーーーーーー!!!!」
キャンディ「クルっクルぅ。みゆき、ご機嫌さんクルぅ!」
みゆき「えっへへ、だってだってぇ!ニコちゃんっていう新しいお友達もできたんだもーん!」
キャンディ「クルぅ、キャンディよくわかんないクルぅ」
みゆき「詳しくは劇場で……あれ?」
キラッ
キャンディ「どうしたクル?……ありなぁに?クルぅ」
みゆき「なんだろ、茂みの中に何か落ちてるね。えっと……あ、これ、お母さんが使うの見たことある!香水だよ、キャンディ!」
キャンディ「こうすい、クルー?」
キャンディ「?それで、何をするクル?そんな目立つ匂いなんて立ち上らせても捕食者から身を守る術にはならないとおmキャンディよくわかんないクルー」
みゆき「きゃ、キャンディ?あれ?今何か言った?えーっとね、楽しんだりとかー、ファッション?の一部で着けるんだー、って言ってたよ」
キャンディ「ふぁっしょん……お洒落クル!?キャンディもお洒落したいクルー!そりかしてクルー!」
みゆき「わ、わわっ、キャンディわかった、分かったから暴れないで、って……!」
プシュッ!!プシュゥゥッ!
みゆき「あわわっ!?は、はっぷっぷーー!!」
みゆき「あっ、も、もーぉキャンディ。私のお顔にこんなに……あれ?でもあんまり匂いしないね」
キャンディ「……クンクン」
みゆき「うーん?あ、キャンディの人より良い鼻なら何か匂う?」
キャンディ「……とーっても、良い匂い、クルぅ」
みゆき「ほんとー?うーん、自分じゃちょっとわっかんないかな……それじゃ、キャンディにも……れ?」
キャンディ「みゆきーぃ、だーいすきクルぅ」ギューーーッ
みゆき「えっへへ、キャンディいきなりどうしたの?私の胸に飛びついてあまえんぼさんだね!」
キャンディ「クルぅ……」
キャンディ「やークルー。みゆきにずーっとギューッってしてるクルー」
みゆき「あ、あっはは。嬉しいけどね?ほら、後で、後でしてあげるからっ!」
キャンディ「クルぅ……」ギューッ
みゆき「……うーん、なんでこうなっちゃったのか、分からない、けど」
みゆき「キャンディも、まだまだ子供なんだもんね。よっし!いいよ、そのままで行っちゃおう!でもなるべく、喋らないでね?」
キャンディ「クル、みゆきぃ。いいクル?」
みゆき「うん!きっと今更私が、ぬいぐるみを抱いてたところでみんなそんなに驚かないから、うん」
みゆき「うーん、なんで今日はれいかちゃん、朝の挨拶運動してなかったんだろー」
みゆき「倉田くんと寺田さんはいたけど……な、なんだか目があったのに二人とも固まっちゃったんだよね」
みゆき「……や、やっぱりぬいぐるみを抱いて登校は、ウルトラハッピー過ぎたかなぁ」
キャンディ「クルーぅ」
みゆき「キャンディは甘えたまんまだし……ま、まぁあんまり恥ずかしがらずに、行こうっと!」
ガラガラッ
みゆき「みんな、おはよー!」
みゆき「あっ、岡田さんおはよー!うん?私の顔に何かついてる?」
岡田「あっ、あ、あぁ……いいえ、そうじゃないわ。その、ほ、ほほ星空さんってあの、か、可愛い髪形ねっ!!すっごく、ステキよ!」
みゆき「えへへ、そうかな。お嬢様みたいな岡田さんに言われると嬉しい!」
岡田「さ、触ってもいい、かしら?」
みゆき「?いいよ!あ、でもコロネは崩さないでね」
岡田「え、えぇ……あぁ、揺れる髪から、星空さんの、良い匂い……」クラッ
みゆき「!?お、岡田さん!?岡田さん大丈夫!?」
「星空さん可愛い……」クラッ
「星空ってあんなに美人だったのか……」フラッ
「みゆきちゃんマジ天s……ふぅ」フゥ
みゆき「あ、あれ!?なんだか教室のそこかしこで同じ様子が!?」
金本ひろこ「私!には!!なお!!!なお!!!が!!!いる!!!で!!!しょうが!!!!」ガンッガンッガンッガンッ!!
みゆき「ひ、ひろこちゃーーーん!?!?何があったの!?机に頭を叩きつけて何をしてるのーーーぉ!?!?」
佐々木先生「えー、きょ、今日は日野さん、黄瀬さん、緑川さん、青木さんの四人が風邪でお休みで……」
みゆき「なんだかみんな、ソワソワしてるし……私のほう、チラチラ見てくるよぉ……そ、そんなにキャンディが気になるのかなぁ」
キャンディ「クルぅ」
佐々木「ほ、ほほ、ほ星空さん!?」
みゆき「ふわっ!?あ、は、はい先生!あ、あのこのお人形はその!」
佐々木「仲良しのみんながいなくって寂しいでしょうけど、人肌恋しかったら先生に!先生に言ってね!!」
みゆき「え……?」
井上「先生ずるいぞ!!」ガタッ
岡島「そうだそうだ!俺達だって星空さんと仲良くなりたいっ!」
佐々木「あなたたちは若さがあるじゃない!三十路前のギリギリ女に少しくらいハンデをくれなさい!」
みゆき「あ、あっはは……」
みゆき「な、なんだったんだろう先生。というか、みんな……」
豊島「星空、次、移動教室だぞ」
みゆき「あっ、豊島くーん!よかった、なんだか豊島くんは……」
豊島「ったく、他の四人がいねーから気がぬけてんじゃねーの、おまえ」
みゆき「あ、あっはは、面目ない……」
豊島「そんなんじゃ移動教室まで行けるかわっかんねーし……しかたねーな、ほら」
みゆき「……うん?」
豊島「手、繋いでやるよ。ほら、はy」
井上「いけっ!宗本!!!」
宗本「リア充は潰れろぉおおおおお!!!!」
みゆき「あ。あの、えっと……」
木角「さっ、星空さん。いいえみゆきさん」
岡田「バカな男どもは放っておいて、私たちだけで行きましょ?」
みゆき「あっ、う、うん。いいの、かなぁ」
音楽教師「星空さぁん?さぁ、一曲プリーズ?」
みゆき「あっ、は、はい……」 プピー♪
音楽教師「……ハァイ!みっなさぁーん!?星空さんのすっばらしぃ演奏に拍手ぅー!」
ワーーーーーワーーーー!
パチパチパチパチ!!!
みゆき「あ、あっはは。あり、がとう。音外しちゃったし、その、まだ一息しか吹いてない、けど」
キャンディ「みゆきぃ、上手ぅクルぅ」
みゆき「あ、ありがと。なんだかみんな、私にすっごく……甘い?の、かな」
みゆき「っふぅー、午前中の授業、おーわr」
豊島「星空!一人じゃ退屈だろうから俺がメシ、一緒n」
井上「宗本たのむ!!」
宗本「とぉぉよぉぉぉじぃぃぃまぁあああああ!!」
みゆき「ひぃ!?あ、あの、わ、わたし、えーっと!」
岡田「男子は黙ってなさいよ!」
木角「そうよそうよ!星空さんは私たちとご飯を食べるのよ!」
金本「むしろ食べさせあうのよ!食べあうのよ!!!!」
みゆき「えっ、えぇ!?あの、あのね、私その、一人d」
佐々木「ダメよ!星空さんは私と!」
みゆき「きゃ、キャンディのご飯があるので一人で、一人で食べますごめんなさーーーーい!!」
佐々木「あっ待って星空さん!星空さん!キャンディ!?水彩キャンディならすぐに、まってー!!」
待ってーーー! 待てーー!
星空さーーーん! 星空ーーーーーー!
みゆき「み、みんな怖いよぉはっぷっぷーーーーー!!」
みゆき「うぅ、どうしてこうなっちゃったんだろ……キャンディも放してくれないし」
キャンディ「みーゆきぃ、だーいすきクルぅ」
みゆき「うん、それは嬉しいよ?嬉しいけどね、キャンディ?はぁ……」
キャンディ「みゆきはやさしくてぇ、あったかくってぇ……そりで、そりで……あまーいにおいがするクルぅ」
みゆき「えへへ、そうかな……うん?匂い……匂い……あ、あぁ!まさか、今朝の!?」
みゆき「だとすると……また、あの魔女さんの発明なのかも……うわぁ、またやっちゃったよぉ……あかねちゃんにグリグリされるよぉ」
みゆき「でも今、みんなお休みだし……どうしようかなぁ。誰にも相談、出来ない……」
みゆき「……あっ、そうだ!」
みゆき「ぽpp……は、なんだか面倒なことになりそう。ニコちゃん!ニコちゃんを呼ぼう!」
みゆき「絵本の世界の人たちなら、きっとこのなんだかおかしなことになっているのにも、対処できるよね!」
みゆき「……ニコちゃーーーん!」
絵本 ピカッ!
ニコ「みゆき!私を呼んだの、みゆき!?どうしたの?笑顔が無くなるようなことになってるなら、私が絵本の世界総力を上げて現実世界を……!」
みゆき「ち、ちがうのニコちゃん!あのね、笑顔はあるんだけど、ちょっと困ったことが……」
ニコ「……」
みゆき「……ニコちゃん?あれ?」
ニコ「……みーゆきぃ♪」ギューッ
みゆき「はぷっ!?に、ニコちゃん!?なんでいきなり抱きしめ、え、えぇー!?絵本の世界の人にもこれ効いちゃうのー!?」
キャンディ「クルぅー」
みゆき「……あ、そっか。キャンディだってメルヘンランド……は、はっぷっぷー」
みゆき「な、なに?ニコちゃん」
ニコ「あのねー、わたし、みゆきが……大す――」ボソッ
みゆき「み、耳元で言わないでよぉー!嬉しいけど!嬉しいけどぉー!」
キャンディ「クルっ……みゆきぃ!キャンディもみゆきのこと大好きクルぅ!」ギューッ
みゆき「わ、わかった、分かってるよキャンディ!だから、えっと」
ニコ「むっ、なによこの子豚さん!みゆきは私のだよ!ずっとずっと前から私とみゆきは私と両想いなんだから!」
キャンディ「クルっ!年月なんて関係ないクル!キャンディとみゆきは出会った頃から今までの時間ちみよりも濃密な関係を築いてきたクル!」
みゆき「ふ、ふたりとも落ち着いてぇーーー!わぁーん、どうすればいいのぉーーー!!」
牛魔王「……ニコが突然いなくなったと思ったら。何をしてるんだお前、プリキュア」
みゆき「! 牛魔王さぁーーーん!」
牛魔王「あぁ?……なんだ、お前小娘のくせにその匂いは。似合わねぇし十年早ぇぞ、やめとけやめとけ」
みゆき「わ、わたしだってつけたくてつけたわけじゃないんだよぉ……うーん?ニコちゃんはこんなになっちゃったのに、牛魔王さんはどうして?」
牛魔王「俺を『西遊記』ってぇ話の中の中ボスAくらいにしか思ってんじゃねぇだろうな 、お前」
みゆき「あっ、そっか……牛魔王さんってれっきとした妖仙の類なんだよね!」
牛魔王「意外と話が通じて関心した。そういうことだ、俺様にそんな程度のあやかしの術は効かねぇさ。んで、何がどうなって……」
「ウーーールッフフフフフフ!!そいつぁ俺様たちの仕業ってぇわけよ」
牛魔王「あぁ?なんだ……建物の上に影がありやがる」
狼「ウルーーーッハハハハァ!ババァの言いつけで人間界に回収にきたら、とんだことになってやがるぜぇ!」
狼「これを放っておく手はねぇよなぁ!」
狼「世界よ!最悪の結末!バッドエンドに染まれ!」
狼「白紙の未来を黒く塗りつぶすのだ!!」
ニコ「そうだよね、みゆきがいればいつでも笑顔、笑顔が一番だってわたしはいつでもニコニコのニコだもん」ニコッ
みゆき「ふ、二人とも投げやりにならないで!」
牛魔王「こりゃぁ……瘴気?人間どもから漂ってやがる」
「星空さんが可愛すぎて辛い……」「仲良くなれない……」
「ヒロイン候補のはずがいつの間にか親友Aに……」
狼「ウルヒャーーーッハハハハァ!人間どもの発したバッドエナジーが、悪の皇帝ピエーロ様を……よみがえらせていくのだ!」
牛魔王「……なんだかよぉ、テメェからも随分とその、バッドエナジー?ってのが、溢れてるように見えるんだが、気のせいか」
狼「あぁ!?あったりまえだろうがこの牛野郎が!テメェ、そこの小娘は……」
みゆき「う、ウルフルン、あなたの好きには……」
狼「俺様の獲物なんだよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
みゆき「……」
牛魔王「……狼の嗅覚はすげぇらしいな、あぁ」
狼「プリキュアマジ天使!!!!!!」
牛魔王「いや、俺だって頼まれて来ただけなんだようるせぇな」
狼「大体なぁ!テメェ俺様と被りすぎだろうが!あぁーん!?ウルフルンヘアーを真似するたぁいい度胸だなコラァ!」
牛魔王「……ほざけよ狼風情が!!!こちとら16世紀から親玉張ってんだやんのかてめぇ犬っころぉおおお!」
狼「うるっせぇ牛がぁああああああ!!」
牛魔王「魔王がボケがああああああ!!」
みゆき「あ、あぁ、牛魔王さんまでヒートアップしちゃった……どうしよう、どうしよう」
佐々木「星空……さん」
みゆき「えっ……えっ!?せ、先生!?それに、クラスのみんな!どうしてこの空間で動けて……」
みゆき「そこまで詳しく解説したのに!?」
ニコ「みゆき……みゆき。大好きだよ、みゆき……私と、私たちと、一緒にいようよ」
みゆき「に、ニコちゃん!ダメだよ、バッドエナジーなんかに囚われたら、ダメ!」
岡田「星空さん……」木角「みゆきさん……」
豊島「nobody beats me in Hoshizora……」
みゆき「豊島くんは何事!?」
キャンディ「みゆきぃ……キャンディたちじゃ、ダメくるぅ……?」
みゆき「あっ、ち、ちがうの!そういうことじゃ、なくって!あっ、み、みんな、は、放して!みんなに乱暴したくないの!掴まないで!や、やめ……」
佐々木「大丈夫よ、星空さん……ふふっ」
金本「やさしく、してあげるから……」
みゆき「みんな、みんな、目を覚ましてぇえーーーーー!!」
「うちのみゆきに、手ぇださんといてんか」
ニコ「きゃぁ!?」キャンディ「クルっ!?」
みゆき「わ、わぁっ!?ほ、炎が飛んできて、みんなを……あれ、でも熱くない……みんなは驚いて飛びのいただけ?わわっ!」
「こっちや、みーゆき。遅なったな、すまんすまん」
みゆき「あ……あかねちゃん!」
サニー「太陽サンサン、熱血パワゥァ!キュアサニェー!」
サニー「……んで、ポップに叩き起こされてなんやメルヘンランド製の解熱剤飲まされた後ここに駆けつけたんやけど、これどういう状況なん?」
みゆき「やよいちゃん……!」
ピース「ぴかぴかぴかりん☆じゃん、けん、ぽん!キュアピース!」
ピース「プリキュア! ふわぁっ! ピース・サンダーーーーー!!!」
牛魔王「おっと」
狼「あぁん!?なんで他の邪魔キュアどもがいやgあばばばばbbbbbbbb」
「さってと。予告は筋が通ってないし、ね。合体技といこうか」
「そうね。幼馴染の息の合った動き、見せてあげましょ?」
みゆき「なおちゃん……れいかちゃん!」
マーチ「勇気凛々、直球勝負!キュアマーチッッ!」
ビューティ「深々と降り積もる、清き心。キュアビューティ!」
ビューティ「ビューティ・ブリザーーーード!」
狼「はらほろりれ……んなっ、ぐわぁあああああああ!!」
ピース「ま、マーチの打ち出した空気の塊に、ビューティの冷気が上乗せされてまるで雪崩のような勢いで狼さんを吹き飛ばしただってぇー!」
サニー「ごっつ目ぇキラキラさせて解説どうもや。みゆき、平気か?」
みゆき「う、うん。あの、サニー?助かったけど、お姫様抱っこはその……」
マーチ「あっはは、みゆきちゃんほんとにお姫様みたいだ」
ビューティ「ふふっ。よくお似合いですよ、お二人とも」
サニー「あ、ほんまー?なんやうれしーわー、なーみーゆきっ」
みゆき「はぷっ!?も、もーみんなー!」
ニコ「イチャイチャしないでっ!!」キャンディ「クルぅぅぅ!!!」
佐々木「そうよそうよ!!」金本「混ぜなさいy……あの緑の人、なおにそっくり……ハッ!私は何を!」
ピース「うーん?なんだかみんな、みゆきちゃんが好きで好きでたまらなくなってるみたい?」
みゆき「そ、そうなの!みんな、どうしよ!狼さんはどっかいっちゃったし、これ、どうすれば……」
マーチ「ははっ、簡単じゃない、みゆきちゃん」
みゆき「えっ……?」
ビューティ「みゆきさんの、愛を。みなさんに、分けてさしあげましょう?」
みゆき「……あっ!そ、っか!うん!それじゃ、私も!」
プリキュア!スマイルチャージ!
ゴー・ゴー!レッツゴー・ハッピー!
井上「うぉおおおおおおおお!!」
犬塚「天使だ!ほんまもんの天使だああああ!」宗本「ヒンヒン!ヒンヒン!」
サニー「盛り上がっとんな……でも、まだや。まぁだ、こんなもんちゃうやろ」
ピース「そうだね。まだ、みんなどうやってでもみゆきちゃんを手に入れよう、って。そんな欲望が目に映るよ!」
マーチ「なんか生き生きしてるねピース……さぁ、ハッピー」
ビューティ「先日手に入れた、あのデコルで!」
ハッピー「うん!……ニコちゃん、キャンディ」
ニコ「みゆきぃ、みゆきぃー!」キャンディ「クル、クルぅ!!」
ハッピー「すぐに、助けるから!みんながくれたあのときの、この力で!」
ハッピー「ウルトラハッピーに!!!」
カチッ パァァァァァアアアアアアア!!
キャンディ「く、クルっ……みゆきに、光がややく、翼……クル?」
「笑顔で包む、愛の光」
ハッピー「ウルトラキュアハッピー」
カッ!
プリンセスサニー・ピース・マーチ・ビューティ「「「「笑顔があふれる、世界へ!」」」」
バサァアアアアアアア!
キャンディ「クル……ぅ」
ハッピー「みんな……もうやめよう?」フワッ
佐々木「あ、あぁ……地面に降り立っただけで、辺りに花が……!」
岡田「天使……本物の、天使、だわ」木角「触れるなんて、恐れおおい……」
ハッピー「大丈夫。みんながそんなに、怒らなくったて。こわがらなくったって」
ハッピー「私はずっとずっと、みんなといるよ」
ハッピー「私、みんなが――大好きだもん」
ハッピー「だから、行こう――キラキラ輝く、未来に!」
ニコ「みゆ、みゆ、きぃ!」
キャンディ「大好き、クルぅーーーー!!!」
パキィン!サァァアアアアアアア……
ハッピー「……ウルトラハッピー!」
やよい「うんっ。バッドエンド空間での記憶は、ポップが持ってきたなんだかよくわからないもので編集済みだもんね」
なお「すごいねー、ポップ。頼りになるー」
ポップ「そ、それほどでも……あるでござるっ!ふぅ、みゆき殿。怪しげな物の洗浄は終わったでござるよ。これで拙者もようやくマスクが取れるでござる」
れいか「みゆきさんが被られた香水の効果を受けないためにはそうしないといけないのですものね」
みゆき「ありがと、ポップ!……ニコちゃん?キャンディ?」
ニコ「……ごめんなさい!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!」
キャンディ「ごめんなさいクルぅ……!」
みゆき「そ、そんなに謝らないでよぉ。もう近寄っても大丈夫だよ?ね?」
ニコ「だ、だって私!せっかく、せっかくみゆきに頼られたのに!迷惑ばっかり!!」
みゆき「うーん、えっとね。私、ニコちゃんに『大好き』って言われるのは嬉しいから、迷惑ではなかったんだけどー」
ニコ「ふぇ!?あ、わ、わわ、私そんな、そんなみゆきにそん、わ、わぁーーー!牛魔王!帰る!帰るよ!うわーんまおー!」バッ
牛魔王「へぇへぇ、ったく俺ぁ出てきて損ばっかりだったぜ。おいプリキュア、あの狼にあったらいつかぶっとばすっつっとけ。じゃあな」シュバッ
みゆき「ばいばーい!今度は魔王も一緒にねー!」
あかね「けったいな台詞やでそれ」
キャンディ「クルぅ……みゆきぃ」
みゆき「……キャーンディ。もう、気にしないで、って言ってるのにー。キャンディにたくさん甘えられて、私、嬉しかったよー?」
キャンディ「クル、ぅ……ほんとクルー?」
みゆき「うん!えへへ、だから気にしなーい、気にしない!」
キャンディ「……クルぅ!みゆき大好きクルぅ!」
みゆき「えへへー!」
キャンディ「クルぅ!!」
あかね「……またまた不用意に拾ったもんで大惨事一歩手前になってもーたんわ、しーーーーーっかり反省せんかいこらぁぁぁあああ」グリグリグリグリ
みゆき「いだっ!いだだだだいたいいたいよぉあかねちゃーーーん!」
キャンディ「クルぅクルぅくるうクルぅうううう!!」
なお「いや、うん。こればっかりはね、すこぶる気にしてくれないと」
れいか「毎度毎度、マジョリーナの術にはまってばかりだものね」
やよい「そのうち幼児化もありえるよね、お約束的に!」
なお「ごめん、それはすこぶるどうでもいい」
あかね「なーんや。あ、風邪のことなら平気やで、ポップ印の薬やし」
ポップ「奇天烈な出来でござろう、キテレツな」
あかね「よーわからんけど的確にうっさい」
みゆき「うん、あのね。みんなは、あの時。駆けつけてきてくれたとき、ね?」
やよい「ヒーローみたいにねっ!」
みゆき「あ、うん。その時は、ほら。みんな……変身はしてたけど。普通だったよね?」
なお「普通、って?」
れいか「確かに、プリンセスフォームではありませんでしたが……?」
みゆき「あっ、そう、そうじゃなくって……」
みゆき「うーん?みんなは、どうして……あの香水の影響、受けなかったのかなー、って」
やよい「……」
なお「……」
れいか「……」
みゆき「?」
あかね「……あー、っはは。それ、聞いてまう……?」
みゆき「え?うん、だって、気になるもん!他の人はみーんな、あんな風になってたのに……」
やよい「……それは、ね」
なお「……私たち四人が、みんな」
れいか「他の方には、誰にも。誰にも負けないくらいに」
みゆき「……えっ? わぷっ!?あ、あかねちゃん!?なんでまた、押し倒して……!」
あかね「これ以上ない、っちゅーくらい、あんたのことが大好きだからやで!みーゆきっ♪」
やよい「えへへっ。ニコちゃんには悪いけど、みゆきちゃんは譲れないよね!」
なお「うんうん。私たちの愛情は直球勝負だもん、負けられないよ」
れいか「みゆきさん?今更みゆきさんの魅力がどれだけ上がろうと、私たちは取り乱したりしないんです。それほどまでに、みゆきさんが大好きなんですから」
あかね「……って、ことや。ふっふぅーん、星空くん?こんな可愛い子をものにして、羨ましいですなー?」
みゆき「……えへへ、うん!」
みゆき「モテモテすぎて、ウルトラハッピー!」
完
鬼「ウルフルーン!やめるオニー!もう朝夜寒いオニー!凍えちまうオニよーーー!」
狼「うううううっるせええええええ!!おおおお俺様は俺様は俺様はなにをををを消えろ煩悩ぉおおおおおお滝に打たれて消え失せろおおおおおおおおお!!!」
今度こそ、完
みゆきちゃんマジ天使!
じゃあの!
ABC朝日放送 日曜朝八時半
スマイルプリキュア!
大好評放送中!
劇場版『スマイルプリキュア!絵本の中身はみんなチグハグ!』
大ヒット上映中!!
乙
Entry ⇒ 2012.11.02 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
星空みゆき「獅子咆哮弾?」響良牙「ハッピーシャワー?」
キャンディ「楽しみクルー!」
あかね「ええ天気や!絶好のアウトドア日和やで!」
なお「早く山頂を目指そうよ!みんなでお弁当を食べよう!」
やよい「待って、なおちゃんゼーゼーわたしそんなに速く、歩けない......」
れいか「焦らずゆっくり行きましょう。お昼までもう少しありますから」
あかね「それにしても、ウチら以外にもピクニックに来てる人結構おるんやなぁ」
みゆき「ほんとだね。あ、見て。すごく大きなリュックサックを背負ってる人が居るよ。あの人もピクニックかな?」
良牙「風林館高校はどこだー!?」
やよい「あの人は多分ピクニックじゃないんじゃないかな......」
れいか「なにやら道を探しているようですが」
みゆき「迷子なのかな。でもこの登山道一本道だよ?」
あかね「なんにしても困ってるんやったら助けてやらんとな。おーい兄さーん!そんなに焦ってどないしたんやー!?」
良牙「ん?あんたたち地元の人間か?」
良牙「いや、ちょっと道に迷ってしまってな」
れいか「どちらに行かれるおつもりなのですか?」
良牙「風林館高校を目指してるんだが、お前たち知らないか?」
なお「風林館高校?聞いたことないなぁ」
やよい「わたしも分かんないや」
良牙「簡単な地図ならここに」
あかね「これ東京と違うか?」
みゆき「ここ栃木だからもっと南だよ」
良牙「そうか南か。ありがとう、助かる」
なお「というかお兄さんの荷物大きすぎない?旅でもしてるの?」
れいか「どこか遠方から来られたんですか?」
良牙「いや、風林館高校の隣町から出発したはずなんだが気づいたらこんなところに」
一同(極度の方向音痴なんだ......)
良牙「とりあえず目指す方向が決まって助かった。それじゃ」スタスタ
やよい「なんだか怖そうな人だったね」
れいか「そうでしょうか?真面目な好青年といった印象でしたが」
なお「でも威圧感はあったよね。体格が良かったし」
あかね「せやな。荷物も軽々かついどったしな」
みゆき(なんだか、どこか寂しい感じのする人だったなぁ......)
子ども「パパ!ママ!早くー!」
男「最初に張り切りすぎると後でバテちゃうぞ~」
女「ママ腕によりをかけてお弁当作ってきたから山頂で食べましょうね」
アカオーニ「ただ山に登るだけなのにみんな幸せそうオニ!ムカつくオニ!」
アカオーニ「バッドエンドに染めてやるオニ!」
良牙「ん?なんだあの変な格好をした大男は?」
アカオーニ「世界よ!最悪の結末、バッドエンドに染まるオニ!白紙の未来を黒く塗りつぶすオニ!」
良牙「な、何だこれは!?ち、力が…」
アカオーニ「人間どもの発したバッドエナジーが悪の皇帝ピエーロ様をよみがえらせていくオニ!」
キャンディ「あそこクルー!」
子ども「ピクニックなんていいから部屋に引きこもりたい…」
男「家族サービスめんどくせぇ…」
女「海外旅行とか行きたい、今時ピクニックって…」
れいか「アカオーニ!これはあなたの仕業ですね!」
やよい「見て、さっきのお兄さんもいるよ」
良牙「どうせまた道に迷ってしまうに決まってる…」
アカオーニ「いっつもいっつもしつこいオニ!この青っ鼻で片づけてやるオニ!出よ、アカンベー!」
リュックアカンベー「アッカンベ~!」
あかね「あ、兄さんのリュックが!」
良牙「あ、かね…」ピク
一同「プリキュア!スマイルチャージ!!」
中略
一同「輝け!スマイルプリキュア!」
アカオーニ「アカンベー!プリキュアどもをやっつけるオニ!」
良牙「あかね、さん…」
サニー「うわ!頭からリュックサックの中身を取り出して手当たり次第投げつけて来おる!」
マーチ「く、この攻撃のせいで迂闊に近寄れない」
ビューティ「わたしが何とかします。プリキュア!ビューティブリザード!」
パキィン
ハッピー「うまい!足下を凍らせて動きを封じた!」
ピース「いや、待って!」
アカンベー「アッカンベ~」シュボ メラメラ
サニー「ライターを取り出して氷を溶かしおった…」
アカンベー「アッカンベ~」 ビュンビュン
ピース「今度はバンダナを取り出して振り回し始めたよ!?」
良牙「あかねさんは、乱馬と結婚を…」ズズズ
サニー「兄さん何でバンダナなんか持ち歩いとるんや?」
アカンベー「アッカンベ~」ビュン
マーチ「うわああああああ!」
ハッピー「マーチ!」
アカオーニ「いいオニ!もっとやるオニ!」
良牙「俺は、あかねさんとは、結ばれない…」ぐももももも
良牙「気が重い…」
サニー「でもどうやってや?青っ鼻には技も効かへんで!?」
良牙「俺は…」
ハッピー「みんなあきらめないで!何か手があるはずだよ!」
良牙「不幸だ…!」シュウウウウウウウウウ
良牙「喰らえ!獅子咆哮弾!」
ドオオオオン
一同「!?」
アカンベー「ア、アッカンベ~!」 スザアアア
アカオーニ「な、なんだオニ!?アカンベーが吹き飛ばされたオニ!」
ハッピー「な、なに今の?」
ビューティ「今、ハッピーシャワーのような技が…」
マーチ「アカンベーを吹き飛ばした?」
ピース「でも、青い鼻のアカンベーに技は効かないんじゃ…?」
サニー「今の、兄さんがやったんか?」
ハッピー「う…ごめーんお兄さん。わたしたちがさっきの五人組かどうかは秘密なの~」アセアセ
サニー「って、それをいったらバラしとるんと同じやないか!」
アカオーニ「どうなってるオニ!あの男は何者オニ?青っ鼻に技は効かないんじゃないオニ?」
ビューティ「説明は後です。アカンベーを倒すのに協力していただけないでしょうか」
良牙「あの化け物のことか」
ビューティ「そうです。さっきの技をもう一度撃っていただくことはできますか?」
良牙「ああ、いけるぜ」
ビューティ「その技を、もう一度アカンベーにたたき込んでほしいのです」
サニー「それならレインボーヒーリングを奴にたたき込めるな!」
ピース「お願いしますお兄さん!平和を守るためなんです!」
良牙「いまいち飲み込めないが、あの化け物は放置するのはマズそうだ。いいぜ、もう一度獅子咆哮弾をお見舞いしてやる」
キャンディ「わーい!ありがとうクルー!」
キャンディ「キャンディは人形じゃないクル!」
良牙「人形じゃない、ってことは…可哀想に、おまえはどの呪泉郷で溺れたんだ?」
キャンディ「じゅせんきょうって何クル?」
アカオーニ「何をごちゃごちゃ言ってるオニ!アカンベー、今の内にやっちゃうオニ!」
アカンベー「アッカンベ~」シュッ
キャンディ「キャンディは人形じゃないクル!」
良牙「人形じゃない、ってことは…可哀想に、おまえはどの呪泉郷で溺れたんだ?」
キャンディ「じゅせんきょうって何クル?」
アカオーニ「何をごちゃごちゃ言ってるオニ!アカンベー、今の内にやっちゃうオニ!」
アカンベー「アッカンベ~」シュッ
サニー「あれはウチらでくい止めるんや!兄さん、頼んだで」
サニー「プリキュア!サニーファイヤー!」チュドーン
ピース「プリキュア!ピースサンダー!」チュドーン
マーチ「プリキュア!マーチシュート!」チュドーン
良牙「うお!おまえらこんな技まで使えるのか!?」
ハッピー「プリキュア!ハッピーシャワー!」チュドーン
良牙「なにぃ!?俺の獅子咆哮弾そっくりだ!」
キャンディ「今クルー!」
良牙「お、おう!ん゛~~~(あかねさん…)」
良牙「獅子咆哮弾!」 ドゴオオン
ビューティ「今ですみなさん!」
中略
一同「レインボーヒーリング!」
アカオーニ「悔しいオニ!次はこうはいかないオニ!」
やよい「やったぁ!アカンベーを倒せた!」
良牙「おまえら、いつもあんな化け物と戦ってるのか?大変だな」
なお「そうだよ、アカンベーを吹き飛ばすなんて」
あかね「凄かったなぁ!ハッピーシャワーみたいやったで 。なぁみゆき」
みゆき「そ、そうだね…」
みゆき(確かに、構えや技そのものはそっくりだったけど、)
みゆき(なんだか、いやな感じのする技だった…)
やよい「それだったら一緒にピクニックしませんか?」
なお「それいいね!山頂でお弁当でも食べながら話そうよ」
良牙「いいのか?」
あかね「遠慮はいらんで!ウチのお好み焼き分けたるわ」
あかね「そうや。ウチのお好み焼きは美味いで!」
良牙(右京みたいな奴だな)
良牙「じゃあ山頂を目指そう。俺は響良牙、よろしくな」
キャンディ「キャンディはキャンディクル!」
やよい「黄瀬やよいです」
なお「緑川なおです」
れいか「青木れいかと申します」
あかね「日野あかねや」
良牙「あかね!?」
あかね「どうしたんや、びっくりして?」
あかね「兄さんは良牙さんやな。ウチらの名前は覚えてくれたか?」
良牙「ああ。そっちからキャンディ。みゆき。やよい。なお。れいか。あかね、さん…」
あかね「って、なんでウチだけさん付けなんや!?」
良牙「す、すまん。だがこればかりはちょっと…」
良牙(だああ!他人とは言えなんか呼び捨てできないぜ!)
良牙「へぇ。変身して戦う伝説の戦士プリキュアねぇ」
キャンディ「そうクル!世界がバッドエンドに染まるのを阻止するクル!」
れいか「それで響さんにお伺いしたいのですが、先ほどの技は一体?」
良牙「獅子咆哮弾のことか」
みゆき「獅子咆哮弾?」
良牙「あぁ。不幸な気分を溜めてそれを撃ち出す技だ」
良牙「嫌なこと考えて重くなった気分を闘気に変えて撃つだけの簡単な技だ」
れいか「なるほど。バッドエンド空間での不幸な気持ちを撃ち出したというのですね」
良牙「あぁ。凄く嫌なことを思い出してしまったからな。気づいたら撃ってた」
なお「てことは浄化の力じゃないんだ」
あかね「凄い技やな。やるやん良牙さん!」
みゆき「あれはね、スマイルパクトっていう道具に力を込めるとでてくるの」
良牙「スマイルパクト?」
れいか「変身したり技を使ったりするためのアイテムです」
良牙「なるほど。さっきの技はこのアイテムがないとでてこないわけか」
やよい「そう。だからなくしちゃうと大変なの」
良牙「特定の感情に依存しない点は便利そうだが対価もあるんだな」
あかね「その獅子咆哮弾っちゅう技には対価はないんか?」
良牙「特にないぜ。極端に疲れることもないし道具もいらねぇしな。ローリスクハイリターンってやつだ」
みゆき(本当にそうかな...?)
みゆき(そんなの絶対ハッピーじゃない)
みゆき(なにをリスクに感じるかなんて人それぞれ)
みゆき(でも、わたしならそんな技はいやだ)
みゆき(できれば、良牙さんにあの技は使ってほしくないな…)
良牙「ちなみにおまえ等の技はどんな技なんだ?」
なお「わたしの技は『マーチシュート』、風の球をだしてそれを蹴って相手にぶつけるんだ」
やよい「わたしの技は『ピースサンダー』、両手をピースの形にしてそこから雷を発射するの」
あかね「ウチの技は『サニーファイヤー』、炎の球をだしてそれをアタックして敵にぶつけるんや」
良牙「ハッピーシャワー?おい、みゆきのだけなんか路線が違わないか?」
みゆき「う、それは言わないで...」
良牙「ま、いいや。最初は獅子咆哮弾に似てるから興味があったがどうでもよくなった」
みゆき「え?」
良牙「もし俺にもできる技なら教えてもらおうと思ったが無理なようだな」
みゆき「良牙さんハッピーシャワー使いたいの?」
良牙「俺も武闘家の端くれだからな。強くなれる可能性があるなら使いたかったんだ」
良牙「それじゃ俺はそろそろ旅を再開する。お好み焼き美味かったぜあかねさん」
あかね「店にきてくれたらいつでもご馳走するで!」
やよい「今度はまよわないようにね」
なお「無事着けるといいね」
みゆき「無理しないでね」
キャンディ「また遊ぼうクル~!」
良牙「あぁ、また会えたらな」
テレビ「北海道に生息していたエゾオオカミは人間による駆除や気候、病気などが原因で絶滅したと考えられており…」
ウルフルン「く~なんて可哀想なんだエゾオオカミ!」
テレビ「本日は絶滅したエゾオオカミの特集でした。また来週お会いしましょう」
ウルフルン「くそー人間どもめ!自分たちの都合でエゾオオカミにひどいことを!」
ウルフルン「よーし!北海道に行ってエゾオオカミたちの弔いをしてくるぜ!」
ウルフルン「エゾオオカミの敵は討ってやるぞー!」
-北海道某公園-
キャンディ「涼しいクル~」
やよい「ホント、北海道は涼しいね~」
あかね「厳しい残暑なんか忘れてまうな」
みゆき「ふしぎ図書館があれば暑いの我慢しなくてすむね」
なお「あれ?あそこにいるのって?」
良牙「風林館高校はどこだー!」
良牙「む、おまえたちはこの間の。何でこんなところに?」
あかね「それはこっちの台詞やで」
良牙「俺はただ東京目指して南に向かって旅をしていただけだ!」
れいか「南…?ここは日本の最北端、北海道ですけど…」
良牙「なんだって!?そんなバカな!」
一同(想像以上の方向音痴なんだなぁ…)
あかね「ちょっと涼みにな」
キャンディ「ふしぎ図書館のワープを使って来たクル」
良牙「ワープ?」
れいか「わたしたちはある方法を使って瞬間移動することができるんです」
なお「今年は残暑が厳しいから涼しいところでのんびりしたかったんだ」
良牙「そいつは便利だな。心底うらやましいぜ」
れいか「どうしたのですか?」
良牙「なんでもない、行こう」
なお「良牙さん私のお弁当も少し分けてあげるよ」
やよい「わたしの卵焼きもあげる」
れいか「わたしの焼き魚も分けてあげます」
みゆき「わたしのタコさんウインナーも」
あかね「今日もお好み焼き弁当持ってきてるから分けたるで」
良牙「本当か!?最近ろくなもん食ってないから助かるぜ」
なお「じゃあどこかでお弁当広げて食事にしようか!」
やよい「じゃああそこのため池の近くなんてどう?」
みゆき「いいね、あそこで食べよう!」
良牙「うっめー!久しぶりだぜこんな美味い飯!」
キャンディ「みんなお料理上手クル~」
あかね「よろこんでもらえてなによりやで」
やよい「っていうかなんで傘さしてるの?」
良牙「ね、念のため…」
一同「?」
みゆき「あれ、水筒のふたが硬くて開かないや」
あかね「どれ貸してみ。おりゃー!」ギリギリ
あかね「ぜーぜー、ホンマや。ビクともせんで…」
なお「大丈夫?わたしがやろうか?」
あかね「なんの!どりゃあーーー!!」
ギュル スポーン
みゆき「良牙さんあぶなーい!」
良牙「なんの!」サッ
ビシャアー
なお「おお!傘で受け止めた!」
やよい「すごーい!早速傘が役に立ったね!」
良牙「ふっ。危ないところだったぜ…」
子ども「食らえー!水鉄砲攻撃ー!」キャッキャ
子ども2「そんなの当たらないぜー!」キャッキャ
良牙「ん?」
ビシャアー
一同「あ」
子どもたち「ごめんなさーい」
あかね「あーあ良牙さん、せっかくお茶は受け止めたのになぁ、ってあれ?良牙さんは?」
やよい「え?ほんとだ、いない」
なお「急にいなくなっちゃったね」
れいか「でも衣服や所持品はここにありますよ。もぬけの殻ですが」
キャンディ「服の中が動いてるクル。何かいるクル」
みゆき「本当だ。これは…」
Pちゃん「…」
みゆき「豚さんだー!?」
Pちゃん「ぴー!ぷぎー!」
みゆき「どういうことー!?」
やよい「かーわいー!」
なお「おーいしそー!」
れいか「みなさん落ち着いてください!敵の攻撃という可能性も…」
キャンディ「良牙クル~!」
一同「え?」
キャンディ「この豚さん、自分が良牙だって言ってるクル」
一同「えー!?」
キャンディ「わかるクル!」
Pちゃん「ぷぎぷぎ!ぴーぷぎー?(そいつは助かる!ちょっと通訳をたのめないか?)」
キャンディ「おやすいご用クル!」
みゆき「キャンディ、ほんとにこの豚さんが良牙さんなの?」
キャンディ「ほんとクル。今から通訳してあげるクル」
キャンディ「良牙はとある事情で、水をかぶると豚さんに変身しちゃうらしいクル」
やよい「それでさっき傘さして水を警戒してたんだ」
あかね「なんや可哀想な体質やなぁ」
Pちゃん「ぴーぴー。ぴーぷぎゅ」
キャンディ「お湯をかぶると元の姿に戻れるらしいクル」
みゆき「よーしわかった!」
なお「そういうことなら助けてあげないと!」
キャンディ「リュックの中にカセットコンロと鍋があるらしいクル」
れいか「ではそれを使ってお湯を沸かしましょう」
あかね「水はため池の水でええな」
やよい「今の姿の方がかわいいのにな~」
子ども「まてー!」
子ども2「つかまらないぞー!」
ウルフルン「どいつもこいつも浮かれ騒ぎやがって」
ウルフルン「エゾオオカミはこの地で人間どもにひどい仕打ちを受けたというのに!」
ウルフルン「決めた!この公園の人間どもをバッドエンドに染めてやるぜ!」
ウルフルン「白紙の未来を黒く塗りつぶすのだ!」
子ども「水鉄砲なんておもしろくない…」
子ども2「おいかけっこも疲れるだけだ…」
ウルフルン「人間どもの発したバッドエナジーが、悪の皇帝ピエーロ様をよみがえらせていくのだ!」
みゆき「これは、バッドエンド空間!?」
キャンディ「良牙もバッドエンドに染まっちゃってるクル!」
れいか「あそこです!」
ウルフルン「プリキュア!?チィ、また邪魔しに来やがったのか!」
あかね「公園にいる人をむやみにバッドエンドに染めるなんてゆるさへんで!」
やよい「そうだよ!良牙さんもこんなに元気をなくしちゃったじゃない!」
ウルフルン「あぁん?そんな小汚ぇ豚なんざどうだっていいんだよ!」
ウルフルン「しゃらくせぇ。今日はこの赤っ鼻で相手してやるぜ。出よ!アカンベー!」
ガスコンロアカンベー「アカンベー!」
みゆき「行こうみんな!」
一同「プリキュア!スマイルチャージ!!」
一同「輝け!スマイルプリキュア!」
ウルフルン「しゃらくせえ!やっちまえアカンベー!」
アカンベー「アカンベー!」
カチッ ボワッ
サニー「うわ!こいつ火をおこしおったで!」
アカンベー「アカンベー!」
ボォォォォ
ビューティ「熱くて迂闊に近寄れませんね」
マーチ「いや、近寄れないどころか…」
メラメラメラ
ハッピー「飛び火してる!」
ピース「まずいよ!公園が焼けちゃう!」
マーチ「ここは私のマーチシュートで」
ビューティ「待って!風は火の勢いを強めてしまいます!ここはわたしが!」
ビューティ「プリキュア!ビューティブリザード!」
マーチ「うまい!吹雪で炎を消した!」
ピース「でもどんどん飛び火してて消火が追いついてないよ!ピースサンダーも火を起こしちゃうから消火はできない」
アカンベー「アカンベー!」メラメラ パチパチ
サニー「アカンベーを食い止めるんはウチに任しとき!」
ハッピー「ならわたしは消火を!プリキュア!ハッピーシャワー!」
ビューティ「なるほど、爆発で炎を消したのですね」
ハッピー「でもまだ消火しきれてない!」
サニー「とりゃー!」ドカ ドゴ
アカンベー「アカンベー!アカンベーー!」パチパチ
サニー「あかん、飛び火までは防ぎきれん!」
ハッピー「このままじゃ勝てないよ!」
ビューティー「今回も良牙さんの力さえ借りられれば…」
マーチ「私たちは!」
ピース「池の水でバケツリレーくらいしかできない!」
ビューティ「池…そうだわ!サニー、あのため池にサニーファイヤーを!」
ビューティー「考えがあるのです!お願いします!」
サニー「何やようわからんけどわかった!プリキュア!サニーファイヤー!」
ジュワ ゴポゴポ
ビューティ「今です!マーチ、あのため池にマーチシュートを!」
マーチ「わ、わたし?うん、わかった!プリキュア!マーチシュート!」
バシャア ビュオオォ
ビューティ「そうです。これはお湯の雨です!」
シュワァァァァァァ
ウルフルン「なに!?チクショー、炎が消えていきやがる!しかしなんでわざわざお湯に?」
ビューティ「それは」
良牙「獅子咆哮弾!」
ドゴオオォォ
ウルフルン「なに!何なんだ今のは!?」
良牙「俺を不幸にしたのは貴様か…」
ビューティ「そう、わざわざお湯にしたのは彼を元の姿に戻すためです!」
サニー「良牙さn、って何で裸なんちょっと///」
ハッピー「うわぁ!服!服を着てー!」
マーチ「キャンディ、ドレスデコルをはやく///」
キャンディ「了解クル!」レッツゴー ド レ ス
ピース(うは、いい体だった///)
ビューティ「不覚、これは想定外でした///」
ウルフルン「てめぇさっきの小汚ぇ豚か!?何で人間に?あの技も一体なんだ!」
良牙「全て貴様のせいだな、許さん!」
ウルフルン「く、アカンベー!やっちまえ!」
アカンベー「アカンベー!」
良牙「獅子咆哮弾!」
ピース「今だ!プリキュア!ピースサンダー!」チュドーン
アカンベー「アカン…ベ~」
キャンディ「やかんデコルゲットクル~!」
ウルフルン「くそ!覚えてやがれ!」
なお「ありがとう良牙さん!」
やよい「眼福、じゃなくて、ありがとうございました」
あかね「相変わらず凄いなぁ獅子咆哮弾、ほんまおおきに!」
良牙「あぁ、そいつはよかった…」
みゆき(なんだろう、良牙さん元気がなくなってる気がする)
キャンディ「豚さんの格好もかわいかったクル!」
良牙「そのことは忘れてくれ、頼む…」
なお「でも何でそんな不思議な体質に?」
良牙「中国に呪泉郷という呪の泉があってな。そこで溺れたらこうなっちまったんだ」
みゆき「そうなんだ。可愛そう…」
やよい「気にすることないですよ!本当に可愛かったですから!」
良牙「お前それ慰めになってないぞ…」
良牙「男になる呪泉郷に入れば元に戻れる」
あかね「一応手はあるんや。戻れるとええなぁ」
良牙「そうだな。お前らも中国に行くときは気をつけろよ」
なお「そうだね。何かと不便になりそうだし気をつけるよ」
良牙「それじゃ俺はまた旅に出るぜ」
良牙「あぁ。なんだか疲れた。早めに目的地を目指すことにする」
あかね「そっか。今度は迷いなや」
良牙「あぁ。またな」スタスタ
やよい「行っちゃった」
れいか「少し落ち込んでらっしゃるようでしたね」
なお「でも不思議な泉もあるもんだね。溺れるとあんな体質になるなんて」
やよい「呪いかぁ。おっかないね」
みゆき(元気がなかったのは体質のせいだったのかな?)
みゆき(わたしは、)
みゆき(あの獅子咆哮弾っていう技のせいに思うんだけど…)
長らくvipにきてなかったからこんなに文字制限と秒数規制に手間取るとは思わなかったorz
諸事情で再開が数日先になるかもしれん
まとめられ(ることはないと思うけどもしまとめられ)たら後日続きを投下させていただきます
これほど続きが気になるSSは久々だ
Entry ⇒ 2012.10.26 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
ウルフルン「見狼記…!?」
プリキュア達に敗北を喫し、バッドエンド王国の
居城へと戻ってきていた。
「ちょっ…ノックもせずにいきなり入ってくるんじゃないだわさ!」
苛立ちの収まらない彼は、マジョリーナの部屋へと乱入し、
ウサ晴らしに彼女のテレビを占拠しようとする。
「ぅるせぇ!! 俺ぁ、今、最ッ高に虫の居所が悪いンだッ!
張っ倒されたくなけりゃ、おとなしく そいつを寄越しやがれッ!」
テレビのチャンネルをザッピングをしていたが、
その時、彼の目は、とある番組に釘付けになった。
『今の時代のニッポンに、狼信仰が生きているというと―――信じるかね?』
画面には、そぼ降る雨に包まれた社殿の中で、
祝詞を奏上する老人の口元が映し出されていた。
ナレーションは尚も続ける。
『百年以上前に絶滅したというニホンオオカミ。
この獣が、今もどこかに生きていて不思議な力を放っている―――。』
(なん…だと…!?)
思いもよらぬ内容に衝撃を受けるウルフルン。
(…童話の世界の中じゃ、俺ら狼は人間や家畜を襲う悪役…昔っから、ずっとそうだった…。
…けどよ、何だ?この国じゃ、神の使いとして崇められてるなんて…こりゃ本当なのか!?
ンなの初耳だぜ?…ヘッ、だとしたら随分と皮肉な話じゃねぇか…。
いや…神そのものじゃ無くって「使い」ってのは、ちっとばかり癪だがな…)
(…まぁ、なんだ。プリキュアどもに負けて、ムシャクシャが納まらねぇから
気分転換に…ってのも少々アレだが、折角だから実際のところはどうなのか…
ここはひとつ、この俺様が直々に確かめてやろうじゃねぇか。)
「…行って来ンぞ。」
「ちょっ…プリキュアに負けたばっかりだって言うのに、今度はどこへ行くんだわさ!?」
「…埼玉だ。」
バッドエンド王国の居城から、埼玉のある山中へと転移してきた
ウルフルンだったが、その目の前に広がる一面の藪に閉口していた。
「テレビじゃ あんなに大きく出てたから、すぐ見つかるかと思ったのによ…。ケッ」
人間の背丈ほどもある薄暗い藪の中を、ひたすら かき分けて進む、
文句たらたらのウルフルンだったが、その内に、草木が切り払われた
ごくごく狭い平坦地へと行き当たった。
その平坦地には、半ば朽ちかけた木の鳥居が立ち、
そして、そこから奥まった場所に石造りの祠が置かれていた。
祠の大きさは地面から腰の辺りまではあるだろうか。
それが角石を積み重ねた基壇の上に載せられている。
また、風化しかけてはいるが、各部分に彫刻が施されていた
名残がうっすらと見える。
「んー、見た限りはアレに映ってたヤツとは、どうも形が違うな…
…ぁあ!?ひょっとして別の所に来ちまったみてぇだな…。くそッ…」
憮然とした表情で祠の周囲をジロジロと見回すウルフルン。
すると、彼はすぐに鳥居の前方に置かれていた一対の狼の石像に目を留めた。
日の光の差し込まない木々の中にあって、その体のところどころは苔に覆われ、
片方は固く口を閉じ、もう片方は反対にカッと口を開き、そのいずれもが猛々しい表情をしている。
―――まるで、この神域に侵入してきた魔性の者を―――そう、「彼」を威嚇するかのように。
狼像をしげしげと見つめるウルフルンだったが、
それも束の間、彼の表情は見る間に険しくなる。
「…オイ待てコラ。つーか、なんでコイツはこんなにアバラが浮いてんだよ。
ガリッガリじゃねぇか!俺ら狼は、もっと逞しい体付きしてるだろうがッ!
それに何だ!この不ッ細工な面(ツラ)はよォ!
どうせ彫るんなら、この俺様みたいに凛々しい顔に彫れってんだ!」
そして、ウルフルンが怒りに任せて
狼の像を蹴り倒そうとしたその時、
祠の下に続いていた細い道の方から、
彼の居る場所に向かって、何かが
登ってくる音が、かすかに聞こえてきた。
獣か?―――いや違う、足音からすると、どうも人のようだ。
「…うおっと、誰か来やがった!?」
ウルフルンは、急いで祠の後ろの藪の中に身を潜める。
歳は如何ばかりであろうか、彼の顔に刻まれた皺の深さは
彼が重ねてきたであろう長い年月(としつき)を感じさせ、
また、小柄ながら がっしりとした体付きや節くれ立った手は、
彼が長年携わってきたであろう生業を想起させるものであった。
老人は、着古した作業着に草履履きといった格好で、
杖も突かず、矍鑠(かくしゃく)たる様子で
少々急な坂道を、確実に、一歩ずつ登ってくる。
そして、彼は祠の前まで歩を進めると腰を落とし、
拍手を打つと頭を垂れて目を閉じ、無言のまま祈り続けた。
不意に頭上から声が響き渡った。
ハッと我に返った老人は何事かと顔を上げる。
―――そこには、祠の後ろから身を乗り出し、
獰猛な顔付きで彼を見下ろす黒い獣の姿があった。
「お…っ…ぉお…お…」
予想だにしなかった事態に、思わずその場に へたり込んだ老人は
大きく眼を見開き、しわがれた、しかし、はっきりとした口調で
こう叫んだ―――。
「お犬様ァ!!」
「…ぁあッ!? 誰が犬だ!誰がッ!!俺様は―――」
―――その時、ウルフルンの脳裏に ある考えが閃いた。
(…ん!?いや、待てよ…確か、あの番組じゃ、狼の事を確か…「オイヌサマ」と
敬った言い方をするって言ってやがったな…。ウルッフフフ…よォし、それなら…)
「…あー、ゴホンっ!…確かにテメェの言うとおり、俺様は『オイヌサマ』だ。
テメェが長年、俺様の事を拝んでやがったのは、よぉーっく知ってるぜぇ?
…で、だ。今日はそれに応えてテメェの前に姿を現してやった…ってワケだ。」
彼は目をしばたかせながら、
畏怖とも歓喜ともつかない面持ちで
両手を合わせウルフルンを伏し拝む。
「…なッ!?」
「ぉお…何とまぁ…有難い事で…。いや、有難い…有難やァ…
え、ハァ…そ、それでしたらば、わ…ワシの家で是非とも
おもてなしを…ええ、ハイ…ぁあ、有難ぇ、有難やァ…」
あまりに唐突な老人の挙動に少々戸惑いつつも、
ウルフルンは、スマイルならぬ悪巧みフェイスで
尊大な態度をとりつつ老人に語りかける。
「…ほっ…ほォ、そうか。それはイイ心掛けだなァ、ジジイ。
それじゃあ、その言葉に甘えさせてもらうとするか(ニヤリ)」
「へ…、へぇ…っ!」
どうにか平静さを取り戻そうと必死になろうとする様が見て取れた。
(…さぁーて、この後のコイツの反応が見ものだぜ…ウルッフフフ…)
老人が狼狽する様を見て、内心ほくそえみつつ、
彼に気付かれないように舌なめずりをしながら
ウルフルンは、踵を返した老人の後ろを付いて行った。
瑞々しい新緑に覆われた向かいの山の急斜面が迫っていた。
そこから目を転じ、谷間の奥も、そして その反対側の
遥か遠くに見えるのも、ただ、山、山、山ばかりだった。
「…おい、ジジイ。まだ着かねぇのか?
一体どんだけ俺様を歩かせるつもりだァ!?」
周囲に見えるものといっても、視界に入るのは
木と山ばかりの山道をひたすら歩かされて
苛立つウルフルンは、語気を荒くする。
「へっ…は、はァ…、いま少しでございますので…へェ…」
祠のあった場所を出て小半時も歩いただろうか。
二人が道を下って来た先に、ようやく集落が現れた。
足がすくみそうな程の深い谷を目の前に望み、僅かに開けた
山腹の急斜面に沿って、へばり付くように数軒の民家が点在していた。
しかし、そのいずれもが固く雨戸を閉じ、
昼下がりとは言え、人の気配は一向に感じられなかった。
「…おい、テメェの所の村は、この俺様がせっかく来てやったってぇのに
歓迎もしねぇのか?誰一人出てきやしねぇじゃねぇか。」
「あ、ハァ、いえ…決して左様な訳では、ヘェ、ございません。
…いや、村の者達は、もう何年も前に ここから出て行きまして、
今では、ここに住んでおりますのはワシ一人でございます、ヘェ…」
雑草が伸び放題となった畑の脇の細い道を通り抜け、
高台にある老人の家へと辿り着く。
昔ながらの木造の民家にトタン屋根といった風情の
老人の家の前には、猫の額ほどの畑。
そして畑の脇から坂を上がると、よく手入れされた庭に
季節の花々が目に鮮やかであった。
鴨居(かもい)に貼られた一枚の札に目を留めた。
札には長方形の和紙の上下に、
版木で摺ったであろうと思しき字と
岩の上に座った獣の絵が摺られている。
長い間風雨に晒されたからであろうか、
文字は、既に擦れて消えかかっていたが、
その下の、真っ黒い姿をした獣の絵は
未だにしっかりと残っており、それが為に、
その存在感を いよいよ増しているかのようにさえ感じられた。
「おい、ジジィこりゃ何だ?」
「…ああ、それは『お犬様』の姿を刷った
御神札(ごしんさつ)でございます。へぇ。」
犬だか何だか分かんねぇのが、俺様の姿だって言いやがるのか?」
「…えっ、ハぁ…左様でございますねぇ…
いや、何分 お札の『お姿』の絵の方にしましても、
お犬様の『お姿』を確かに見たという者が
本当におりましたかどうかも、今となりましては
定かじゃあ ございませんし…
ただ、この御神札を貼って以来、今の今まで、
火事を出す事も無く、泥棒にも入られたことはございません。
これも、お犬様のお力のお陰でございます。へェ…」
「しかも、こんなにボロッボロになったのを、
いつまでも後生大事に貼っておくってェのか?
…ハッ、随分と みみっちぃヤツだなテメェは。」
年毎に貼り替えねばならぬのは
重々承知してはございますので、
お叱りは ごもっともでございます、えェ…」
老人は、何とも申し訳ないといった面持ちで続けて答える。
「…とは申しましても、なんせ今まで
その札を摺っておりました、お犬様の『講』の者たちは、
ワシを除いては、皆がとうに亡くなりましてのぉ…。
…左様なモンで、このように、最後に残った1枚を
貼り続けておるのでございます。」
「いいや、わざわざ靴を脱ぐのも面倒だ。
俺は そこに座ってるから、後はテメェの好きにしろ」
ウルフルンは そう言い放つと玄関から外へと出て庭に回り込むと、
開け放たれていた縁側へ、腕を組んで ドカッと腰を下ろした。
「…チッ、シケた場所だぜ…」
手持ち無沙汰なウルフルンは、周囲を見回すが
彼の興味を惹くようなものは目に入らなかった。
しばらくの後、縁側に隣り合う座敷の奥から、
茶の用意を終えた老人が、ゆらりと姿を現した。
「おゥ、ご苦労だぜ。それじゃあ、頂くとするか。」
ウルフルンは盆の上に置かれた湯飲みに手を伸ばし、
淹れ立ての茶を一気に飲み干そうとする。
「ぅ熱ちィっ!! …ってか、渋いじゃねーか!! ナニ飲ませやがるッ!!」
ウルフルンは顔をしかめて
湯呑を口から放すと、力任せに地面に叩き付けた。
湯呑は、硬く踏みしめられた地面に激突するやいなや、
鋭い音を立てて砕け散った。
穏やかな微笑をたたえつつ、地面に散らばった
湯飲みの欠片を片付けはじめた。
「…オイ、どうしたジジイ。嫌そうどころか、
何だ、その まんざらでもねぇツラはよォ。」
「…いや、何と申しましても お犬様は お山の神様のお使い。
ワシらの畑を荒らす猪や鹿…害獣どもを喰ろうて下さる。
ゆえに お気性が荒うございますのは当然の事でございやしょう…。
なれば、例え茶の味がお気に召さぬとあらば、このようになされますのも、
また当たり前の事ですからのぅ。はっは…」
「…ったく、マゾかテメェは…」
片付けを終えた老人は、そう言うと、盆の上の皿に盛った
「十万石」という焼印の捺された白い饅頭を差し出した。
ウルフルンは、その饅頭を鷲掴みにして自慢の大きな口に放り込む。
「おう、こっちはイケるな。うん、うめぇうめぇ。(もぐもぐもぐ)」
(…っつーか、何だ?この饅頭は!? …うまい、うますぎる…!)
老人は、無我夢中に饅頭を頬張るウルフルンの横顔を、
満足げな表情で見つめていた。
聞こえるものと言えば、虫の声に野鳥の囀り、そして谷川の流れの音だけだった。
(…しかし、まぁ、なんだ。こうやってマッタリしてるのは、どうも俺の性には合わねぇ…
つーか、せっかくこんなクソな山の中まで来たんだ、手ぶらで帰れるかってんだよ。
なら、テメェのバッドエナジー、手土産代わりに たっぷりと戴いてやるぜ、ウルッフフフ…)
「…ジジィ、テメェには世話になったな。
…なら、俺の方からも礼をさせてもらおうか…」
「…っは!?ぇえ?いえ、わざわざそんな、
畏れ多うございます…いや、勿体無い事は…」
「ぅるせぇ!! つべこべ言わずに、受け取りやがれってんだよ!!」
掌に載せた黒い絵具を握りつぶし、真っ更なページへと塗りたくる。
「世界よッ、最悪の結末ゥ、バッドエンドに染まれぇーッ!!
白紙の未来を黒く塗り潰すのだァーッ!!」
と、周囲の風景が一変し、白昼の山里は
満月が天高く煌々と光る月夜へと変貌した。
素(もと)になるんだよォーッ!!! …って…。…ん?…んんんっ!?」
そう言い放ったのも束の間、ウルフルンは目の前の状況に驚愕する。
「…ぉお…、こりゃ…ぁ…」
唖然とした表情で周囲を見渡す老人。
しかし、その身体からバッドエナジーが
立ち昇る気配は一向に無かった。
ハァー…いや…こりゃ、たまげましたわい…」
(ちょっ、待てッ!この展開…この前の、
プリキュアどもと一緒にいたババァと同じじゃねぇか!!)
「…おいジジイっ!!」
「…!?…へっ…へぇ、何でございやしょう?」
「ジジイ、テメェは こんな所にたった一人で暮らしてて
何の不満も無ぇってのか!? んなハズは無ぇだろうッ!?」
「はァー…はい、左様でごぜぇます。」
こんな山ン中、遊び場は無ぇ、盛り場も無ぇ、
なァーんも無ぇじゃねぇか!」
「…は…えぇ…まぁ…はァー…。
…とは申しましても、何日かに一度は、
下の集落(ムラ)から『よろず屋』の
旦那さんが用を聞きに参ります、えェ。
それに半年に一度は、町まで出た息子が、
孫らと一緒に尋ねてきてくれますからのぅ。
…いや、先程、お犬様が召し上がられた饅頭も、
つい先日、孫らが土産に持ってきて
くれたモンでございまして…」
「ンな事ぁ聞いてねェ!!」
「…ひェっ…あっ…、いや、はァ…これはとんだ ご無礼を…」
えぇ…何かとございます。
…ですがねぇ、その事に対して若ェ頃はともかく、
この歳になりましたら、何にだって感謝して
生きていけるモンでございます。えぇ。」
「感謝…だと…!?」
ウルフルンは半笑いで老人に問い掛ける。
「…ほ~ぉ、『感謝』ねぇ…。
あんだァ?随分と面白い事を抜かしやがるじゃねぇか。
じゃあ何だ?テメェは一体、何に感謝して生きてるって言いやがンだ?」
「…『お山』…でございます。」
てっきり「親切」やら「情け」といった
陳腐極まりない単語が飛び出してくると思っていた
ウルフルンにとって、老人の発した言葉は意外なものだった。
この家の前の畑と、山からの水があればこそ…。
それも、全ては貴方様や、そして色々な神様が
おいでなさる『お山』の お陰でございます。
…ワシは、この『お山』に生まれ『お山』で働き、
そして、この『お山』に生かされまして、
この歳まで 大きな病気もせず過ごしてこられました。
えぇ…本当に有難いことでございます。」
老人はそう言うと、向かいに聳え立つ山へと向き直り、
両手を合わせて静かに目を閉じた。
…それとも…本気で言って…やがるのか?)
どうにも納得のいかない、釈然としない表情で、
老人を見下ろすウルフルン。
「…何に致しやしても、長い間
お会いしたいと思い続けてまいりました
お犬様にお目に掛かれただけでなく、
こうやって お接待までさせて頂きまして…
お陰様で、冥土への良い土産話が出来ましたわい。
あぁ………本当に有難ぇ事で…。ワシは果報者でございます…」
本来ならば、絶対的な悪の存在であるはずの自分に対して、
いくら認識のズレがあるといっても、何故こうもここまで
盲目的に絶対の崇敬を敢行するのか―――。
老人に対する忌々しさと、憐憫の情とが
半ば入り混じった感情に、ウルフルンは
戸惑いを隠せなくなっていた。
(…くそっ…なんかシラけちまったぜ…。)
「お犬様」の声の聞こえなくなった事に気付いた老人が目を開いた時、
辺りは再び先程と同じ、何時もと変わらない山里の風景へと戻っていた。
あたかも その場から掻き消えたかのように―――。
「…ぁあ…。また、お山にお戻りに
なられましたんですな、お犬様…
ハぁぁ…有難ぇ…有難ぇ…」
そう呟くと、老人は また合掌し、
その頭(こうべ)を深く垂れたのであった―――。
【了】
何分、文章を書くのは、どちらかというと苦手な方なので
未熟なところばっかりでお見苦しい限り…(;´Д`)
なお、文中に登場するアイテムは、イメージ的には↓のような感じです。
【狼の石像】
ttp://www9.plala.or.jp/sinsi/07sinsi/fukuda/ohkami/ohkami-01-2.html
【お犬様のお札】
ttp://www9.plala.or.jp/sinsi/07sinsi/fukuda/ohkami/ohkami-07.html
検索を掛ければ動画サイトで視聴できますので、ご興味の
ある方は是非ともご覧になってみて下さいね。
それでは、当方の駄文をお読み下さいました皆様に
御礼申し上げつつ、以上にて失礼致しますです。m(_ _)m
Entry ⇒ 2012.10.06 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
なお「ダイエットで……」みゆき「ウルトラハッピー!」
なお「手を合わせて。はい、いただきます!」
けいた・ゆうた・こうた・はる・ひな「「「「「いただきまーす!」」」」」
なお「今日はみんなプールに行くんでしょ?バテちゃわないようにしっかり食べなねー」
はる「なおねーちゃんは、れいかねーちゃん達と?」
なお「うん。今日はみんなで宿題をやるよ……けいたー?あんたはちゃーんと計画的に宿題やってるの?」
けいた「なおねーちゃん、ご飯おかわり!!」
なお「ごまかすんじゃない!あとそれは自分でやりなさい」
ゆうた「なおねーちゃん、僕の魚けいたにーちゃんより小さーい!」
なお「同じだから。ねーちゃんが選んだのが信じらんないのー?もう、じゃあねーちゃんの食べな。こうた?骨は避けられる?」
こうた「んー!美味しい!」
なお「そ、良かった」
なお「? どうしたのひな。お骨刺さった?」
ひな「ううん。はるねえちゃんが、ご飯あんまり食べてないの」
はる「あっ、し、しーーっ!」
なお「……はーるー?」
はる「う、うぅ……だってぇ」
なお「だってじゃない!緑川家でお残しは許しません!!」
はる「だって今、ダイエットしてるんだもん……」
なお「……ダイエットぉ?」
けいた「色々我慢して痩せるやつだよ。俺のクラスの女子もそんなこと言ってたー」
なお「……あのねぇ、あんたまだ小学生でしょ?そんなこと気にするないじゃない」
はる「だって、だって!今日はお友達とプールに行くし、太ってたら……」
なお「一日抜いただけで変わるわけないじゃない。もー、大体ね、はる。はるのどこに痩せるだけのお肉があるの?」
はる「こ、ここんとことか!」
なお「細っこい腕出して何言ってるの、もう。お母ちゃんに怒られるよ……ゆうた、ご飯よそいに行く?ねーちゃんも食べるから」
ゆうた「あ、うん……」
けいた「……ねーちゃん、それ何杯目?」
なお「? 前もって置いてあった四杯をよそいなおすから、八杯になるね?」
はる「……」
ゆうた「……」
なお「?」
けいた「別に太っては見えないけどさ。ねーちゃんこそ、ダイエットするか悩むべきなんじゃないの?」
なお「けいた、あんただけ昼ごはん無しね」
けいた「あんまりだ!!!」
なお「大体、今は成長期なんだから。食べられるだけ食べないと、ほら。体の成長がね、うん。れいかもそう言ってた」
なお「……」
なお「……まぁたしかに朝から十二杯はちょっと多い、かな?とは思うけど」
なお「……この間のお泊り会でれいか以外のみんなに引かれたっけ」
なお「ま、まぁいいじゃない。それより、さっ!朝の洗濯を…………」
体重計
なお「……こういう時に限って、目に入るなぁ」
なお「た、試しに!別に理由なんてないけどね!」
なお「あ、あたしサッカー部のエースだし!体調管理はしっかりしてるから!」
なお「だから、その。ベストの体重だって、きちんと維持してるよ……」
なお「……」
ガタンッ!カタンッ、カタンカタンカタンカタン……
なお「……う、わ」
みゆき「明日はもう月曜日だよね。学校かぁー」
キャンディ「クルーゥ、つまんないクルー」
あかね「こないだまで夏休みをじゅーぶん満喫しとったやん。でもま、分かるで。日曜の昼過ぎると凹みだすわなー」
やよい「私は日曜朝九時のクラシックを聞くともう憂鬱だよ……」
れいか「? やよいさん、随分と高尚な趣味をお持ちですね?今度お付き合いしてもいいですか?」
やよい「あ、いや別にそういうわけじゃないんだけどね……あれ?なおちゃん?」
なお「……あ、えっ!?あぁ、うん。そうだね」
あかね「? なんやなお、うわの空やな」
やよい「? あ、もしかして宿題のこと?」
あかね「あー……うち、まだ全然英語やってへんわ」
みゆき「ねぇみんな!絵本の読み聞かせ大会しない!?」
あかね「現実から逃げんとちゃうぞ、全教科手付かずちゃんめコラ」
れいか「なお?計画的に進めないと、また夏休みのように泣きつくことになるわよ?」
なお「こ、今度は大丈夫だよ、多分。いや、宿題のことじゃないんだ……」
やよい「なおちゃんらしくないね」
みゆき「あ、分かった。なおちゃん、おなかすいたんでしょ?だからボーッとしちゃったんだよね」
キャンディ「クールゥ、キャンディもおなかすいたクルー」
れいか「ふふっ、なおは昔から、食いしん坊だものね?」
なお「あー……」
あかね「よっしゃ!今日も今日とてホットプレート持参のうちが!お好み焼き屋の看板娘の腕ふるったろーやないか!」
みゆき「わーい!あかねちゃんにっぽんいちー!」
あかね「褒めんといてー!青ノリくらいしか出ぇへんからー!」
なお「あー、あの。あたし……今日は、いいや。ははっ」
あかね「……はぁ?」
なお「だ、だから。今日はあたし、いいよ。お昼……食べなくて」
あかね「……」
なお「……あ、別にあかねのだから食べないとかじゃなくって、今日はその、いっかなーって」
あかね「どないしたんや、なお!?びょ、病気か!?」
なお「へ?」
みゆき「ど、どどどどどうしようなおちゃんがお昼抜きなんてそんなびょ、病院びょーいん救急車だよぉー!」
やよい「ゴーゴーファイブって何番だっけ!?」
れいか「お二人とも、落ち着いてください。不思議図書館には救急車はこれません。とにかくまずはなおを安静に寝かせることを迅速に急いでゆっくり的確にす早く対処しないといけません」
なお「ち、ちがっ、そんなんじゃないから!ただ……その。ダイエットしてる、だけだからぁ!」
なお「う、うん……」
あかね「……アホか」
やよい「あ、あかねちゃんバッサリ切捨てすぎー」
あかね「だってそうやろ。自分、どこに落とす肉があんねん」
なお「いや、実は今朝ね。体重計乗ったら……ベスト体重越えてたんだ」
れいか「あぁ、私が計算してあげた例の……だけど、なお?あれは参考程度であって」
なお「いやいやいや、れいか。あたし、一度決めたことは曲げたくないんだ!それに最近、なんとなく動きも鈍ってた気がする、うん」
あかね「あー、それは最近うちらはあんたのサッカーしとるとこ見とらんからなんともゆえへんけど」
あかね「みゆき、のっからんでえぇ。休みもてあましとるからって乗っからんでえぇ、あんたは宿題しぃ」
なお「うん!どうしても、前の体重に戻したいんだ!」
みゆき「ダイエットで……ウルトラハッピー?」
なお「そう!」
やよい「あー、あかねちゃん。これはもうダメかも」
れいか「みゆきさんの目が輝いてしまいましたね」
キャンディ「クルぅ、それよりキャンディはお好み焼き食べたいクルー」
あかね「あとでな……あーしょーもない」
みゆき「みんな!今日はなおちゃんのダイエット計画でウルトラハッピーに、けってぇーい!」
あかね「先輩に怒られるからそれやめーや」
なお「とりあえず、基本は運動だよね」
あかね「まー、動けば痩せるわな」
やよい「は、走るんだよね?えーっと、私遅いから、みんなの足手まといかも……」
れいか「ランニングですから平気ですよ、やよいさん」
みゆき「よーっし、気合だ気合だ気合だぁー!みんな、よーい、ドン!」
キャンディ「頑張るクルー!」
あかね「あ、待ちーやみゆき!そないな、最初から飛ばしよると……」
キャンディ「みーゆーきーぃ、歩いてたらダメクル~?」
あかね「……だからゆうたやん、そもそもみゆき体力無いし」
れいか「やよいさんは、このペースなら余裕そうですね?」
あかね「以外に体力はありよるからな、やよい」
やよい「うん!毎週日曜八時前はダンsなんでもない」
なお「っはぁ、ふう。み、みゆきちゃん大丈夫?っ、あたしいつもならこんなの、なんてことないはずなのに」
あかね「食ってへんからやろ、昼飯」
あかね「みゆきが早々にダウンしよったのでー、次はうちの案でいきますー」
みゆき「ウルトラハッピー!」モグモグ
キャンディ「クールぅ!」
やよい「ふふっ、二人ともさっきお昼食べたのにがっつきすぎー」
れいか「あかねさん?なおは頑として食べようとしませんし、ここで一体なにを……」
なお「そ、そうだよあかね!ここで食べちゃったらさっきの運動が無駄になる!」
あかね「あー、えぇねんえぇねん。なおには、うちの手伝いしてもらうから」
なお「へ?」
あかね「夏過ぎたーゆうても、厨房はあっついでー?覚悟しー?」
あかね「おっちゃんおーきに!なお、豚一枚やー!」
なお「分かった!生地を混ぜて、豚にk」
あかね「あーあーあー!キャベツはこないな太かったらあかん!やり直し!」
なお「えぇ!?一玉分切り終わったばっかりなのに!?」
あかね「うちの店で出す以上、うちのやり方にしたがってもらいますー!えぇからはよしー!」
なお「分かったよ、もう!直球勝負!!」ダンダンダンダンダンッ
やよい「い、忙しい時間になると本当に大変そうだね」
みゆき「うん、私達はお好み焼き食べてるだけで楽ちんだけどねー。なおちゃん、すっごい汗かいてるよ」
キャンディ「クルぅ、あかねはこりでなおを痩せさせようとしてるクルぅ?」
れいか「えぇ、確かに厨房での作業は大変です。ですけど、あかねさんの狙いは、ふふっ。他にあるみたいですよ?」
なお「(おなかすいたよぉ……)」グーーーーッ
あかね「(ふっふーん、なおもこんだけ美味そうな臭いに囲まれよったら、我慢できひんやろ)」
あかね「(今に『ダイエットやめたー!』ゆうて、うちのお好み焼き食べたがるに違いあらへん!)」
あかね「(よっしゃ、そろそろなお用のDXミックス玉つくったろかな。っと、その前にー)」
あかね「どーやー、なお。もー限界やないのん?」
なお「……そうだ、そうだね」
あかね「せやろ、せやろ。分こうたらあかねちゃん特製n」
なお「だから一口、一口くらい、いい、よね」ガシッ フラーッ
あかね「!?あ、あかん!!生地は生で飲んだらあかぁぁぁん!なおーーぉぉおおお!!!!!!」
みゆき「……」
キャンディ「ば、バットエナジーが少し見えた気がするクル」
やよい「……追い込められすぎー」
れいか「逆効果だったようですね……」
れいか「キャベツなら、ダイエットに最適な食材よ?だからたくさん食べましょう、なお?」
あかね「れ、れいかのとりなしでなんとかなったわ……すまん、失敗した」
やよい「ね、狙いは悪くなかったと思うよ、あかねちゃん」
なお「……虫になったみたいで、イヤだよぉ」シャクシャク、シャクシャク
れいか「なら、ダイエットをやめる?」
なお「……」シャクシャク、シャクシャク
みゆき「うーん、あんまり疲れないで運動できることってあるかなぁ……あ、そういえばやよいちゃん?」
やよい「うん?なぁに?」
みゆき「さっき、毎週えーっと、何かやってるって言ってなかった?」
あかね「まぁ、あんた軽く聞こえるようにゆうとった気ぃするけどな。うん」
みゆき「何をするのー?私も体力つけたいから、興味あるなぁー」
れいか「えぇ、是非ともお聞きしたいです、やよいさん。なおのためと思って」
なお「お願い、やよいちゃん」シャクシャク、シャクシャク
れいか「なお。人に物を頼むときは、食べる口をお休めなさい」
やよい「えー、えーっと……ほんと、たいしたことじゃ。ただ、その……」
やよい「ま、毎週その……テレビの前で、だ、ダンス、を……」
TV『行けゴー○ースターズ♪飛べ○ーバースターズ♪』
やよい「なおちゃん!もっと腰振って!そう!そうそう!!
なお「こ、こう!?えっと、あれ!?」
あかね「やよいんちに行ったら、なんや録画されていたものとものっそ動きのえぇダンスを見せられました」
みゆき「やよいちゃん楽しそー!」
れいか「ついていっているなおは大変そうですけどね」
キャンディ「クールぅ、クルぅ」
やよい「ちがうよ、こう!こう!ほら、司令官をみて!!あの黒りんのキレのある腰さばきを!」
なお「く、黒りん!?だれ!?!?」
やよい「黒りんは凄いんだよ!リアルでも万引き犯を捕まえてシャットダウンしちゃう特撮俳優の鑑なの!黒りんかっこいー!」
なお「わ、わかんないけど確かにかっこいい!よ、よし、こう、だね!」
なお「な、なんでいきなり似非フランス語なの……?」
やよい「これで覚えたよね、よーし、それじゃぁ」
なお「あ、うん。通しで踊って……」
やよい「今度はCD音源に合わせて踊るよ!大丈夫、同じ動きをすればいいから、全然大丈夫だよ!」
なお「」
あかね「あれを丸々一曲はきっついわぁ」
みゆき「TVサイズで大変そうだったのにねー」
れいか「そうですね、なおも運動は得意ですがきっと……」
やよい「? 何やってるのみんな? みんなで踊ろうよ!」
あかね「こ、こっちにまで飛び火したっ!?」
なお「ぜぇ、ぜぇ……」
あかね「も、もうあかん。もう無理や、やよい堪忍して」
れいか「っふぅ、っふぅ。ダンスというものは、授業でしかしたことがありませんでした……」
やよい「えへへ、みんなで楽しいことをすると、やっぱり何倍も何倍も楽しいねっ!ねっ、みゆきちゃん!」
みゆき「う、うん。うる、うるとら、はっぴーだよねぇー……」
あかね「今ほど遠い顔しとるけどな自分」
キャンディ「とーべー、バールカーンクルぅ」
あかね「ほんであんたは高見の見物か、うちらと一緒に頑張るんとちゃうかったんか」
なお「う、うん。大変だけど、うん。頑張れば結果は出るよ、絶対」
あかね「志はえぇねんけどな……情熱の向かうとこが違うやろ確実に」
れいか「なおが満足してないといきますと、次は何をしましょう」
あかね「そーやなぁ。せや、てっとりばやく、痩せとって綺麗な人に、話聞いてみたらえぇんとちゃう?」
みゆき「うちのお母さんがどうしたの、あかねちゃん?」
あかね「見上げた親子愛やなコラ、否定せんけども」
みゆき「っていうことなの、お母さん!」
育代「あらあら……お母さんなんかで、参考になるかしら?」
なお「とってもなります!うちのおかあちゃんも、みゆきちゃんのお母さんはとっても綺麗だねって言ってます!」
れいか「私のお母様もです」
やよい「ママも、みゆきちゃんちのママはモデルになってほしいくらい綺麗ね~、って言ってます」
育代「あらあら、とっても嬉しいわ。でも、うーん……おばさん、特に気をつけていることはないの」
なお「えぇ……でも、そんなに綺麗で痩せてるのに」
育代「あらあら、歳相応なのよ?服のせいね、きっと」
みゆき「えー、お母さん痩せてるじゃん!昨日もお風呂で……」
あかね「……みゆき、まだお母ちゃんと風呂入っとるん?」
みゆき「? うん、お父さんとm」
育代「み、みゆき!」
やよい「仲いいなぁー、羨ましい」
れいか「そうですね、微笑ましいわ」
あかね「……あれ、うちだけやろかツッコミたいの」
なお「あたしも流石にお父ちゃんとは入れないよ、みゆきちゃん」
みゆき「えー?あ、そーだお母さん!お母さん、スポーツしてたじゃない」
育代「?なぁに?」
みゆき「お父さんとー、夜中に二人でストレtt」
育代「みゆき!!!」
育代「あ、あらあらやだわ。大きな声を出しちゃって、ごめんなさい?」
やよい「?」
れいか「?」
あかね「……」
なお「……」
みゆき「なんで怒るの?この前だって、私が眠れなくってお部屋いったら汗だくで……」
育代「ちょ、みゆ、みゆきあのね!そのお話はね、えーっと……」
博司「たっだいまー!みゆきー、育代さーん!お父さん、早上がりなので帰ってきたよー!」
育代「……博司さん、丁度いいところに」
博司「へ?あれ、なんだか育代さん、怖いお顔を……」
育代「実演、見せてあげましょう?ね?」
博司「な、何の……?」
育代「ここで、グイーーッと限界まで前に倒すのよー?」
博司「育代さん痛い!痛い痛い痛い痛い僕のアキレスがピーンて!!ピーンて痛い痛い痛い!!」
育代「あなたのせいですからね、みゆきが寝るまで待ってっていつも言ってるのに……はい、グイーーッ♪」
みゆき「わぁー、こんなに大変なのをしてたんだー」
やよい「す、すっごく痛そうみゆきさんのパパさん。あとなんだか声に赤い鬼の化身の雰囲気がワクワクするよぉ」
れいか「ストレッチをすることにより血行が改善され、美しさが保たれる。そういうことでしょうか」
あかね「あー、なんやみんな、お取り込み中みたいやし……そろそろおいとましよかー?」
なお「みゆきちゃん、弟か妹が出来たら、色々教えてあげるからね」
みゆき「? うん、それってウルトラハッピーだね、えへへー!」
みゆき「うん、おまたせキャンディ!なおちゃん、参考になった?」
なお「え、あ、うーん……えっと、相手がいないとダメだし、ってあたし何言ってんだろ」
れいか「? わたしが手伝ってあげるわよ、なお?」
あかね「れいか、それ一部をものすごく刺激する発言やからやめて。ほんまやめて」
やよい「うーん、運動も、美容面もやりきったよね。なおちゃん、効果あった?」
なお「えーっと……おなかが減っただけかなぁ」
あかね「うちの店のキャベツ全部食い尽くしておいて自分」
れいか「と、なれば……最後は、精神面ね、なお?」
なお「せ、精神面……?」
みゆき「うん、おまたせキャンディ!なおちゃん、参考になった?」
なお「え、あ、うーん……えっと、相手がいないとダメだし、ってあたし何言ってんだろ」
れいか「? わたしが手伝ってあげるわよ、なお?」
あかね「れいか、それ一部をものすごく刺激する発言やからやめて。ほんまやめて」
やよい「うーん、運動も、美容面もやりきったよね。なおちゃん、効果あった?」
なお「えーっと……おなかが減っただけかなぁ」
あかね「うちの店のキャベツ全部食い尽くしておいて自分」
れいか「と、なれば……最後は、精神面ね、なお?」
なお「せ、精神面……?」
曾太郎「話は聞いた、緑川の娘よ」
なお「ご、ご無沙汰しております」
みゆき「なおちゃん、怖がってるね?」
れいか「昔から、私の家に来てよくお祖父様に怒られていましたから」
やよい「虫とかお化けに怯えてたのとはまた違う怖がりかたかも」
あかね「昔からゆうやろー?ほんまに怖いんわ地震雷、家事お祖父様やーちゅうこっちゃ」
キャンディ「きゃ、キャンディは怖くないクルぅ」
あかね「顔おかしなっとるで」
曾太郎「うむ。身体の節制にかけるその心意気やよし。君の年齢ではいささか早すぎるように思うが」
なお「そ、そうは行きません!決めたんです!」
曾太郎「左様、君ならばそう言うと思っていた。そこの座蒲にかけなさい」
なお「ざ、座禅、かぁ……」
曾太郎「……」
やよい「あ、あのかっこいい杖みたいなのはなに!?」
れいか「警策と言って、集中を欠いて姿勢が乱れた時分に肩を叩くためのものです」
みゆき「た、叩かれちゃうの!?」
あかね「ゆうても、そんな痛くないんやろ?新喜劇のまきざっぱみたいな」
キャンディ「きゃ、キャンディは怖くないクル」
あかね「せやから顔おかしいって」
曾太郎「……」
なお「―――っ」グゥ~~ッ
曾太郎「……」トントン パシィーーーン!!
なお「っっ!!」
みゆき「い、痛そう……」
あかね「なお、今絶対食べもんのこと考えよったな」
曾太郎「……」トントン、 パシィーーーン!!
なお「っ!!」
なお「――――っ」グゥ~~~~
曾太郎「……」トントン、 パシィーーーン!!
なお「っ、っ」グゥ~~~~
曾太郎「……」トントン、 パシィーーーン!!
あかね「考えすぎやろ」
なお「っ!おなか、すいたよぉ……」グゥ~~~~~~
あかね「ゆうてもうたし」
曾太郎「鍛え方が足りん」
なお「うぅ、精進、します……」グゥ~~
れいか「お疲れ様、なお。はい、これを」
なお「あ、うん……って、これ!ダメダメ、ダメだよ!虫みたいなのはいやだけど、キャベツ以外は!」
れいか「お母様に言って、豆腐を中心とした健康によいものを作ってもらったわ。なお、少しでも食べないと……」
なお「いいや、ダメだ!れいか、気持ちは嬉しいけど……」
曾太郎「緑川の娘よ。食べなさい、もう分かったはずだろう。育ち盛りの君に、そのような節制など……」
なお「っ、それじゃ、ダメなんです!あたしは、このままじゃ……れいか、ごめん。失礼します!」
れいか「あっ、待ってなお!どこに行くの!」
なお「やっぱりこういうのは、あたしの性にあわない!走ってくるよ!」
あかね「待ち、なお!……行ってもーた」
やよい「ど、どうしよう……?」
みゆき「追いかけよう……なおちゃんのために、って思ったけど……今のなおちゃん、全然ウルトラハッピーじゃ、ないもん!」
キャンディ「クル、クルぅ!苦しいことも、みんなで分け合うクルぅ!」
狼「ウ~ルルル~♪俺様ウルフルン~♪」
魔女「うーん、困っただわさぁ」
狼「あぁん?ババァ、なぁ~にこんなところで頭抱えてやがんだぁ?」
魔女「あっ、ウルフルン!丁度いいだわさ!今月の分のあんたの出撃ノルマ、あたしによこせだわさぁ!」
狼「はぁ?確かにテメェはもう今月分達成してるけどよぉ、どういう風の吹き回しだぁ?仕事熱心なのはかまわねぇが」
魔女「あと数回、どうしても今月中にバットエナジーを集めて!スーパーマジョリーナタイムを発現させる必要があんだわさ!」
狼「ってぇと、あのテメェが若返るあれかぁ?」
狼「中身ババァだから興味ねぇけどよ。何がしてぇんだよ?近いうちにシリアステコ入れはねぇはずだぞ?」
魔女「あの、お節介で面倒な、コーバンとかいうところにいる生意気な人間が!」
狼「おぉ。なんだ、悪いことでも企んで……」
魔女「今月で移動になるとかなんとか言いやがるんだわさ!!」
狼「……おう」
魔女「一度でも、婆さん扱いするあいつを見返してやるんだわさ!べ、別に最後の最後で振り向かせてやろうなんて思ってないんだからねだわさーーーー!!」
狼「吐き気するやめろ。まぁ、なんだ。上手くやれよ。ほれ、黒っぱな」
魔女「いただくよ!それじゃ行ってくるだわさー!」サッ!
狼「まったくどいつもこいつも、悪の幹部としてなさけねぇ。人間なんかに入れ込みやがって」
ジョーカー「うっふふぅん?うーるっふるんすわぁん?その割に、最近なぜだかキュアハッピーの資料ばかり眺めているようでっすがぁ~?」
狼「ぶっ飛ばすぞクソジョーカーきめぇ寄るな」
なお「っ、でも、でも。今のあたしは、あたしじゃないんだ。変わらなきゃ、うん」
なお「何よりこんなんじゃ、弟妹たちにしめしがつかない。よしっ、直球勝負!」
みゆき「なおちゃん、どこまで行っちゃったのかなぁ」
やよい「またこの河川敷に戻ってきちゃったね」
あかね「走るーゆうとったから、ここやと思ったんやけど」
れいか「なおは単純、いえ、素直なのでここに向かうと思います。どこへ……チアリーディング部のみなさんが、練習している姿しかありませんね」
みゆき「あー……最近練習、行ってないなぁ」
あかね「大丈夫や、誰もみゆきがチア部所属なんて覚えてへんから」
みゆき「酷いよ!?」
あかね「あんたの参加頻度には負けるわ」
魔女「ここで集めれば、スーパーマジョリーナタイムまであと一歩だわさ!」
魔女「さぁて……世界よ!最悪の結末!バッドエンドに染まるだわさ!!」
魔女「白紙の未来を、黒く塗りつぶすだわさぁー!!」
キャンディ「クル!?バッドエンド空間クルぅ!?」
みゆき「あっ、ち、チア部の……えーっと、みんなが!」
あかね「所属なのに覚えてへんやん……膝ついて、ボンボン投げ出してもーてるー!」
「もう応援なんてしたくない…」
「男の目線がキモイ…」「衣装かわいくない」
魔女「いーっひっひっひっひ!人間どもの発したバッドエナジーが、悪の皇帝ピエーロ様を、よみがえらせていくだわさぁー!!」
なお「み、みんな!これは……」
れいか「なお、やはり近くにいたのね。えぇ、バッドエンドの連中よ」
やよい「なんだか、気合が入ってる……?」
あかね「こっちも負けてられへんで!みんなを、助けな!」
みゆき「うん!いくよ、みんな!」
プリキュア、スマイルチャージ!
サニー「太陽サンサン、熱血パワゥァ!キュアサニェー!」
ピース「ぴかぴかぴかりん☆じゃん、けん、ぽん!キュアピース!」
マーチ「勇気凛々、直球勝負!キュアマーチッ!」
ビューティ「深々と降り積もる、清き心。キュアビューティ!」
五つの光が導く未来!
輝け!スマイルプリキュア!!
魔女「こいだわさ!黒っぱなの、ハイパーアカンベェ!」
ボンボン「」ギュワンッ
ハイパーアカンベェ「ハイパーアカンベェ~っ!!ベェー!!」バクッ!!
魔女「」
ハッピー「!マジョリーナが食べられた!」
サニー「この間のウルフルンの時と一緒や!きっと、あのアカンベェと……」
ハイパーアカンベェ「いーっひっひっひ!力が、力が溢れるだわさぁーーー!!」
ピース「!?ボンボンの先が、伸びてきたよぉ!?」
ビューティ「皆、避けるんです!はっ!!」
ハッピー「う、うん!っ!」
マーチ「分かった……っ!?」ガクッ
サニー「よっしゃ……マーチ!?」
マーチ「あっ……な、なんで。変身した、のに!力が!」
ハイパーアカンベェ「おやぁ?足でまといがいるみたいだなぇ!まずはオマエからだわさ、キュアマーチ!!」
マーチ「っ!!!!」
キャンディ「マーチぃ!!」
ハッピー「だ、大丈夫、マーチ!?」ギリギリッ
ピース「え、えっへへ。なんだかヒーローみたい、私!」ギリギリッ
ビューティ「サニー、マーチの、肩を!」ギリギリッ
サニー「おう!だからゆうたやろ、ちゃんと食べやーって!ほら、肩貸しぃ!」グイッ
マーチ「っ、ありがとう。ごめん、ごめんみんな……」
サニー「後や!キャンディに預けとるうちの鞄に、あんた用のお好み焼きあるから!それ食えば……」
マーチ「で、でも……」
サニー「まだゆう気かこの……」
ハイパーアカンベェ「いっひっひっひっひ!たった三人じゃ、ハイパーアカンベェの力は押さえられないだわさぁー!!」ブン!!
ハッピー「えっ、うわぁっ!?」
ピース「わわっ、きゃぁーー!」
ビューティ「っ!!」
マーチ「!?ハッピー!ピース!ビューティ!!!」
ハイパーアカンベェ「いーっひっひっひっひ!そうすればそのままスーパーマジョリーナタイムの始まりだわさぁー!!」
マーチ「す、スーパーマジョリーナタイム……あんたが若返る、あれ!?」
サニー「こないだマーチがゆうとったやつか……なんや、自分そないなアホなことのためにこんなことしよんのかコラァ!」
ハイパーアカンベェ「もちろんピエーロ様復活のついでだわさ!それに、くだらなくなんかない!!」
ハッピー「っ、そんな、そんなあなたの自分勝手のために、みんなをバッドエンドなんかにさせない」
ピース「そ、そうだよ。どうしてマジョリーナのために不幸にならなきゃいけないの!?」
ビューティ「どうしてあなたは、そのマジョリーナタイム、にこだわるのです?戦うのなれば、今で十分……」
ハイパーアカンベェ 「えぇいうるさいうるさい!あんたたち小娘には、わからんだわさ!」
ハイパーアカンベェ 「老いた自分の惨めさが!!!変わっちまったことの絶望が、理解できるはずなだわさーーー!」
マーチ「!!!」
ハイパーアカンベェ「あたしゃあねぇ!そりゃあ若い頃は美しかった!あんたたちちんいくりんなんかに負けないくらいねぇ!」
ハイパーアカンベェ「だがどうだい!今じゃあの狼の若造にさえババアと言われる始末だ!むかしゃ姐さんと言っていたのに!」
ハイパーアカンベェ「おまけにあいつは!生意気な人間風情にまで年寄り扱いされるとくる!そんなの、我慢できるかい!!!」
ハイパーアカンベェ「あたしゃこんな醜い姿なんかじゃない!もっともっと美しく、もっともっと強く、完璧な姿をしていたんだわさ!」
ハイパーアカンベェ「あんたたちにも、短い人生だろうが少しはあるだろうさね!あの時が良かった、こうすればよかった、ってねぇ!」
ハイパーアカンベェ「その時に戻れる手段を持つあたしが、そいつを求めて……何が悪いって言うんだわさぁああああああ!!!」
マーチ「……」
ハッピー「……可哀想だね、あなた」
ハイパーアカンベェ「!?!?」
マーチ「ハッピー……?」
ハッピー「学校なんてなかったし。ずっと大好きな絵本を読んでいられた。お母さんに一日中甘えていられた」
ハッピー「でも……でも!私は絶対に、今を後悔したりなんて、しない!」
ハッピー「私の今を否定したりなんてしない!!」
ハッピー「だって!あの時の私にないもの!今の私はいっぱいいっぱい、いーーーっぱい持ってる!」
ハッピー「あれからたくさん読んだ幸せな絵本!たくさん起きた楽しい事!たくさん出合った優しい人!」
ハッピー「あんまり幸せじゃなかった本!ちょびっとの悲しい事!仲良くなれないまま分かれちゃった人!」
ハッピー「あかねちゃん、やよいちゃん、なおちゃん、れいかちゃん、キャンディ!大事な、大事なお友達!」
ハッピー「全部が全部、私なの!今の私!あの時なかった、今の私だもん!」
ハッピー「私は、いつだって今がいっちばんウルトラハッピー!」
ハッピー「だから……あなたなんかに、絶対負けない!!」
マーチ「……」
マーチ「サニー……」
サニー「今のうちは、今一緒にいるみんなといられればそれでええ。昔のことなんて知るかい、あんたの考え押し付けんといて」
ピース「私、パパに会いたい。ずっとそう思ってた」
マーチ「ピース……」
ピース「でも、もういいの。パパは私の中にずっと一緒にいてくれる。私は私で、今を強く!前に進む!あの時に負けないパパの愛を、今の私だってずっともらってるんだから!」
ビューティ「歳を重ねて、徳を積んで。それでも尚あなたはあなたの『道』の尊さを分かっていないのですね」
マーチ「ビューティ……」
ビューティ「それまでの全てを、今この瞬間輝かせるために生きる。それが『道』というものです。自らも受け入れられないあなたは、みゆきさんの言う通り。可哀想だわ」
マーチ「……」
マーチ「あぁ、そっか」
ハイパーアカンベェ「小娘があたしに説教してるんじゃないよ!潰してやるだわさぁああああ!」
マーチ「太ってるのが何さ、体重が何さ……あたしは、あたしなんだ」
マーチ「いつもみんなに言ってるのに……お父ちゃんとお母ちゃん、それにお天道様に感謝してご飯を、って」
マーチ「あたしが一番、否定してたんだ。っはは、ほんと……お姉ちゃん失格だ」
サニー「気づけたんやし、えーんちゃう?」
キャンディ「クル!マーチ、お好み焼きクル!」
マーチ「うん……全ての食材に、感謝して!いただきますっ!」
サニー「なんや、うちは『マーチ待ってたしー!』とかゆえばえぇんか。それより早く食い終わってくれへん?残りの三人めっちゃ踏ん張ってあんたの見せ場まで持ちこたえとるから」
マーチ「おかわり!」
サニー「はよ行かんかい!!!」
ハッピー「あ、マーチ……ぷぷっ、青ノリ着いてるよー!」
ピース「あははっ!でも、マーチらしいかも」
ビューティ「本当に、待っていたわ。さぁ、マーチ」
マーチ「うん!こいつの相手は、あたしだ!ご飯を食べて元気100倍だよ!」
サニー「それ以上あかん、あんた勇気リンリンで既に容疑かかっとんのにそれはあかん」
ハイパーアカンベェ「あんたが相手ぇ!?はっ!あんた一人の浄化なんて効かんのに、何ができるだわさぁー!」
マーチ「今なら、いくらだって走れる!プリキュア!マーチ……ッ!!」
ハイパーアカンベェ「!?風の力を足に纏わせたまま、あたしの周りをグルグル走り始めただわさぁー!?こ、これ、は!?うひゃーだわさぁーーー!?!?!?」
ハッピー「わぁ、すごい!」
ピース「風の力といえば竜巻だよねっ!わかってるぅーなおちゃーーん!!」
ビューティ「動けなくなりましたね。流石よ、マーチ」
マーチ「上手くいくもんだね。さぁ、直球勝負にとどめといこう!」
ハイパーアカンベェ「う、動きを封じておいてなにが直球だわさ!くっそ、くっそぉだわさぁああああああ!」
ペガサスよ!私達に力を!!!
プリンセスサニー「プリンセスサニィー!」バーン
プリンセスピース「プリンセスピース!」キリッ
プリンセスマーチ「プリンセス」ヒュルヒュルジャキッ「マーチッッ!」
プリンセスビューティ「プリンセスビューティ!」バシィーン
プリキュア!プリンセスフォーム!!
プリンセスハッピー「開け、ロイヤルクロック!」
キャンディ「みんなの力をひとつにするクルぅ!ティン!」
プリンセスハッピー「とどけ!希望の光!」
はばたけ!光り輝く未来へ!!
プリキュア!ロイヤルレインボーバーストォオオオオオオオオ!!!
ハイパーアカンベェ「ちっくしょうだわさぁあああああああ……」
プリンセスハッピー「フッ……輝け!」
ハッピースマイル!!!
みゆき「なおちゃんも、元通りだし!ウルトラハッピーだね!」
なお「みんな、ごめんね……あたし、なんにも分かってなくて」
あかね「あー、えぇねんえぇねん。あんたなら回り道してもいつか気づくー思っとったし」
やよい「それに今日、なんだかんだで楽しんだもん!特にダンスとか!」
れいか「えぇ、信じてたわ、なお……だけど、これっきりにしてね?」
なお「うん……あたし、みんながいてくれて……良かった!」
みゆき「えへへ。なおちゃん、今が一番?」
なお「うん!ウルトラハッピーだよ、みゆきちゃん!ご飯がいくらでも、食べられそう!」グーッ
やよい「あ、なおちゃんおなか鳴ってるっ」
あかね「っはー、こうなったらなんや、今日はうちの店貸切で、お好み焼きパーティーしよかー!」
れいか「ふふっ、あかねさん。店じまいをする覚悟でないといけないわ?」
なお「……ありがとう、みんな!」
なお「はいっ、じゃあ手を合わせて」
けいた・ゆうた・こうた・はる・ひな「「「「「いただきまーす!」」」」」
なお「はいはい、めしあがれ」
けいた「なおねーちゃん、またそんなに食うの?」
なお「いいの。えーっとね、はる」
はる「うん」
なお「はるが気にする気持ちを、分かってあげられなくもないんだ。でもね、ちゃんと食べないと……」
はる「ううん、大丈夫。ひなとね、お話したの」
ひな「ちゃんと食べないと、なおねーちゃんみたいになれないから、はるねーちゃんたっくさんたべるんだって!ひなとお約束したー!」
なお「……そっか!偉いぞ、はる、ひな!」
こうた「こーたも!!」
なお「うん!みんな偉い偉い!」
けいた「……俺が一番食ってるもんねーだ!……ところでさ、なおねーちゃん?」
なお「なに?あ、また体重がどう、とか言ったら……」
けいた「ちが、ちがうよ!なおねーちゃんさぁ……」
けいた「背、去年から滅茶苦茶伸びたよね……いいなぁ。やっぱたくさん食べなきゃなぁ」
なお「……そっちぃぃいい!?!?」
完
魔女「……餞別だわさっ!『納豆ぎょうざ飴』をプレゼント・フォー・ユー、だわさ!」
警官「?マジョさん、僕の移動取りやめになったって話、しませんでしたか?」
魔女「!?う、嬉しくなんかないだわさ!!!あと、あたしゃマジョリーナだわさぁああああ!!!」
今度こそ、完
とりあえず、来週はポップ爆発せんかい!
じゃあの!
ABC朝日放送 日曜朝八時半
スマイルプリキュア!
大好評放送中!
関連グッズも続々発売中!!
乙
Entry ⇒ 2012.09.24 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
ウルフルン「プリキュアに勝てねぇ……どうなってるんだ!」
ウルフルン「アカオーニが左遷されそうになってると、噂で聞いたから不安になるぜ」
ウルフルン「第一、5対1じゃ戦力差がありすぎなんだよ……ん?待てよ」
ウルフルン「1対1で戦えば勝機が……!って、前にキュアサニーにヤラれたんだった……」
ウルフルン「こうなりゃ、どんな姑息な手でもいい!奴らを絶望させて戦力を削ってやる!」
ウルフルン「まずは、キュアハッピーだ!あいつに>>5をして絶望させてやる!」
--------------
みゆき「わー!遅刻しちゃうよ~!」
キャンディ「みゆきが夜遅くまで絵本読んでるのがイケないクル!」
みゆき「だって~……」
ドンッ
みゆき「きゃっ……、ご、ごめんなさい!わたし、急いでて……」
ウルフルン「おやおや、元気なお嬢さんだね。お怪我はありませんか?」キラッ
みゆき「えっ……///」ドキッ
みゆき「オ、オオカミさん……///おはようございます///今日はなんだか素敵ですね///」
ウルフルン「何をいいます。あなたの笑顔の方がとても輝いていますよ。」
みゆき「うへっ……!そ、そんなこと……、あ、ありがとう///」
ウルフルン(ウルッフッフッフ……いつものオレ様との違いに戸惑っているな、キュアハッピー!)
ウルフルン(ワイルドな奴があるとき見せる紳士的な態度。そのギャップにドキッとする。少女漫画じゃ常套手段だぜ!)
ウルフルン(この日のために必死で少女マンガを読んで、女の子のドキッとするシチュエーションを学んだんだ!キュアハッピーの好感度をガンガン上げて告白してやるぜ!)
ウルフルン「放課後、また会えないかな。キュアハッピー……」キラッ
みゆき「えっ……?あ……うん。いいですよ♪」
ウルフルン「じゃあ、放課後校門で待ってますね」ニコッ
みゆき「(ドキッ)は、はい!」
ウルフルン(オレ様もなかなかやるぜ。ウルッフッフッフ……)
キンコーン カンコーン
みゆき(ドキドキして授業が頭に入らなかったよ~。はっぷっぷー)
みゆき「はぁ……、どうしちゃったんだろ、わたし……」
あかね「ため息ついてどうしたんや?」
みゆき「あかねちゃん……。ううん、なんでもないよ♪」
あかね「そや、うちに遊びにけーへん?新作のお好み焼きを食べてもらいたいんやけど……」
みゆき「ごめんね、あかねちゃん。放課後は用事があるから……、また今度誘ってね」
あかね「それじゃ、しゃーないな。またな~」
みゆき「うん♪」
みゆき「あれ?あの大きなバイクに乗ってる人って、まさか……!」
ウルフルン「やあ、キュアハッピー。オレ様のバイクに乗ってドライブしない?」バルンバルン
みゆき「オ、オオカミさん……、そんな目立つ格好で待ってるなんて……」
女生徒1「校門で待ち合わせデートしてる……」
女生徒2「破廉恥だわ!」
みゆき「……!?もう……、学校の前でそんな待ち方はやめて下さい!」
ウルフルン「いいから、いいから。細かいことは気にするもんじゃないよ」
ウルフルン(細かいことは気しない……この一言でオレ様の度量の大きさをアピールだぜ!)
みゆき「だけど、ひと目があるし………」
ウルフルン「あ、すみませ~ん。この子を乗せてたらすぐに出て行くんで……よいしょっと」
みゆき「あわわ……」
れいか「みゆきさんが……!お待ちなさい、ウルフルン!みゆきさんを降ろしなさい!」
ウルフルン「ヒャッハー!あばよ、キュアビューティ!」ブロロロロロロ
みゆき「ちょ、ちょっと待って~~!!れいかちゃ~~~ん!!!」
れいか「みゆきさんが攫われてしまいました……。これは一大事です!」
みゆき「え、なに!よく聞こえないよ、オオカミさん!」ブロロロロ
ウルフルン「よ~し、取り敢えず>>35にでも行くか!」ブロロロロ
みゆき「喋り方もいつも通りに戻っちゃってる……はぁ」ブロロロロ
みゆき「あれ、ドライブするんじゃないの?」
ウルフルン「ちょっと、遠回りしていくけどな!お前と話したいこともあるし」
みゆき「話したいこと?どんなことなの?」
ウルフルン(オレ様の考えぬいた告白……今こそ言うぜ!)
ウルフルン「>>48」
だけど立場が邪魔をした
それでも私はあなたが好きです
ヒュウ
みゆき「えっ……///」
ウルフルン「だけど立場が邪魔をした」
みゆき「オオカミさん……」
ウルフルン「それでも私はあなたが好きです」
みゆき「オオカミさん、わたしすごく嬉しいです///でも、まだ中学生ですし、どう答えたらいいのか分からくて……」
ウルフルン「返事なんか期待してねえ。オレ様の気持ちをただ言いたかっただけだ。」
ウルフルン「だが、これだけは覚えておけよ。オレ様が好きになった奴は世界でたったお前だけだ。光栄に思えよ!」
みゆき「オオカミさん……。わたしの事好きなってくれてありがとう♪」
ウルフルン「へっ、長話してたら家に着いちまったな。じゃあな、明日は遅刻すんなよ」
みゆき「うん!またね、オオカミさん!」
ウルフルン「ああ!」
ウルフルン「あの調子なら、オレ様と闘う時には戦意が削がれるだろうな……それこそオレ様の思う壺よ!ウルッフッフッフ!」
ウルフルン「………」
ウルフルン「オレ様もキュアハッピーにはなるべく攻撃しないようにしとこうっと……」
ウルフルン「ふぅ……、夕暮れの川原ってのはいいもんだな……。こういうの見てると人間界もいいもんだと思うぜ」
ウルフルン「やることやったし、そろそろ帰るか……」
なお「ああ!!やっと見つけた!」
ウルフルン「ん?お前はキュアマーチか……!」
なお「みゆきちゃんを攫ってどういうつもり?みゆきちゃんはどこにいるの!?」
ウルフルン「家に送り届けたぜ。心配させて悪かったな」
なお「え……。あ、そうなんだ……良かった~」
ウルフルン「キュアハッピーのことだ、心配をかけたお前らプリキュアたちの家に連絡を入れてるだろうよ」
なお「そうだね……。ところで、ウルフルン。なんでみゆきちゃんを攫ったの?」
ウルフルン「ん~?まあ、お前には特別に教えてやるか。告白したかったからだよ」
なお「え……!?な、何それ!?」
なお「そういうわけじゃないけど……でも、敵同士でそういうのって筋が通ってないよ……」
ウルフルン(こいつは頭が固いな……こいつのせいでキュアハッピーのオレ様への好感度が下がったらたまったもんじゃねぇ)
ウルフルン(こいつにも絶望を与えてプリキュアの戦力をダウンさせてやるぜ!)
ウルフルン(こいつにはとりあえず>>66だな)
なお「バッドエンド王国のこと?もちろん許せないよ!みんなからバッドエナジーを集めて世界をバッドエンドにするなんて!」
ウルフルン「そうか……なかなか辛辣な意見だな」
なお「当然だよ。この世界はわたし達が絶対守ってみせるんだから!」
ウルフルン「オレ様たちと闘う決意は堅いようだな。だが、こっちはそうじゃない」
なお「どういうこと?」
ウルフルン「本心を言うと、オレ様はお前たちと戦うのが辛いんだよ。年端もいかない女の子にアカンベェを仕向けるたんびに胸が痛むんだ」
なお「だったら、やめればいいじゃない」
ウルフルン「オレ様はバッドエンド王国の三幹部だぞ。闘いを拒否することはできねぇんだ……」
ウルフルン「なに?」
なお「お互いやるべきことがあって、それで衝突するんだったら仕方ないんじゃない?」
ウルフルン「そうだな……」
ウルフルン(こいつは、スポーツ少女だから、そこんとこはちゃんと割り切ってるようだ……。仲良くしてもオレ様がバッドエナジーを集める限り躊躇なく攻撃してくるだろうな)
なお「それで、さっきの話に戻すけど、みゆきちゃんに告白するならまず、バッドエンド王国を抜けるのが先でしょ!ウルフルン、なにか企んでいることがあるんじゃない?」
ウルフルン「(ギクッ)いやまぁ、それは………」
なお「やっぱり!」
ウルフルン(プリキュアの戦力を削ぐためなんて言えねぇ!どうする……!?)
1 好きだから告白したんだよ///
2 今度闘うとき手心加えてもらおうと思って……
3 あとでバッドエナジー集めるための下準備に……
>>80
なお「なら、どうしてバッドエンド王国を抜けないの?筋が通ってないよ!」
ウルフルン「オレ様にも立場が……」
なお「みゆきちゃんが好きなら、立場なんて捨ててよ!」
ウルフルン「うぐっ……!」
ウルフルン(こいつに絶望を与えるはずだったが、思いの外難しいな……とりあえず逃げるか)
ウルフルン「一晩考えさせてくれ……」シュンッ
なお「ああっ!逃げるな~!!」
ウルフルン「虫が苦手で、怖がり。サッカー好きで足が速く、大食漢な一面を持つ……」
ウルフルン「苦手なもので怖がらせるのは子供のイタズラレベルで好かねえなぁ」
マジョリーナ「子供のイタズラで悪かっただわさ……ふんっ!」
ウルフルン「二度とサッカーが出来ないようにしたり、絶食させたらバッドエナジーがたんまり取れそうだがやりたくはねえな」
ウルフルン「となると、あとは運頼みだな。>>90をしよう」
ウルフルン「よお、また会ったな」
なお「ウルフルン!?どう、覚悟は決まった?」
ウルフルン「ああ、一晩考えてようやく結論が出たぜ」
なお「そっか。もちろん、みゆきちゃんを悲しませるようなことはないよね?」
ウルフルン「まぁ、多分大丈夫だろ……」
なお「歯切れが悪いね……みゆきちゃんを泣かせたらわたしが許さないからね」
ウルフルン(こいつはキュアハッピーに対してオレ様の誠実な対応を求めてる。しかし、オレ様はこいつに絶望を与えるため告白したい。)
ウルフルン(一見筋の通らない行動を取るようにみえるが、実は高度な戦略が練られている………はずだ)
ウルフルン(ええい、ウダウダ考えても仕方がねえ!告白してやるぜ!)
ウルフルン(告白の言葉は>>103だ!)
なお「えええ~!?こ、告白!?」
ウルフルン「毎朝オレ様に味噌汁を作ってくれ!」
なお「み、味噌汁?意味がよくわからないんだけど……」
ウルフルン「毎朝オレ様と食事を共にする……つまり家族になろうって言ってるんだよ!」
なお「ウルフルンと家族って……なんで?」
ウルフルン「つまり………結婚しよう」
なお「~~~~!!!」
ウルフルン「えっ……うん、まあ……あいつも好きだよ」
なお「信じられない!同時に二人の告白するなんて……!」
ウルフルン「あいつには昨日、お前には今日したから一日空いてるぞ。同時じゃない」
なお「一日おきに告白する神経が分かんないよ!」
ウルフルン「オレ様はオオカミだからな。人間の尺度で当てはめるのやめてくれ」
なお「言っとくけど、わたしはその告白受けないからね!」
ウルフルン「そうか……別にいいぜ」
なお「あれ、いいの?」
なお「そっか、ちょっと誤解してたよ。ウルフルンってもっとひどい奴だと思ってたから」
ウルフルン「ウルッフッフッフ……オレ様は悪役だ。悪い奴に決まってるだろ!」
なお「へぇ~、悪いやつねぇ……。じゃあさ、みゆきちゃんにした告白は返事もらったの?」
ウルフルン「いや、もらってねぇ。無理強いはよくねえからな」
なお「悪役の割りには相手を思いやるんだね……見直したよ♪」
ウルフルン「おいおい、なんだ褒めてんのか……やめろよな」
なお「あのさ、今、時間空いてるなら一緒にサッカーしない?今日は誰も相手がいないんだ」
ウルフルン「いいぜ、やってやろうじゃないか。オレ様のテクを見て腰抜かすなよ!」
なお「望むところ!」
れいか(なおがウルフルンとサッカーを……!これは由々しき事態です!)
れいか「なお、昨日、川原でウルフルンとサッカーをしていましたね」
なお「うん。な~んだ、れいかも見てたんなら一緒に混ぜればよかったのに……」
れいか「なお、ウルフルンはバッドエンド王国の三幹部でわたし達の敵ですよ。馴れ合いは禁物です!」
なお「れいかは気にし過ぎだよ。ウルフルンって、案外いいとこあるんだよ。」
れいか「罠の可能性が十分にあります。隙を見てキュアデコルを奪うつもりかもしれません。もしくは……」
なお「れいか、やめてよ。確かにお互い闘ってきたけど、昨日ウルフルンとは友達になったんだ」
れいか「そんな……!なお、お願いだからウルフルンとの接触はやめて。わたしはあなたのことが心配で……」
なお「れいか……、気持ちだけは受け取っておくから。もうこのことには口を挟まないで」
れいか「なお………」
ウルフルン「今度はキュアビューティに狙いを定めてみるか」
ウルフルン「よぉ、キュアビューティ!元気がねえな」
れいか「ウルフルン!?何のようです!」
ウルフルン(だいぶ警戒されてるな。こいつには>>130でもしてみるか)
ウルフルン「キュアマーチと遊ぶためだからな。ウルッフッフッフ……」
れいか「くっ……!一体何を企んでいるのです!なおに危害が及ぶようでしたら承知致しませんよ!」
ウルフルン(キュアマーチのことがよほど心配なんだな。からかいがいがあるぜ!)
ウルフルン「キュアビューティ、お前はキュアマーチがオレ様と一緒にいるのが気になるか?」
れいか「当然です!わたしとなおは昔からずっと親友同士なんです。気にならない訳がありません!」
れいか「どうして敵であるあなたと友達になんて……!」
ウルフルン「言ってくれるじゃねえか。じゃあ聞くが、親友のキュアマーチがオレ様と友達になったことを否定すのは、あいつを信用してねえってことになるんじゃねえか?」
れいか「わたしがなおを信用していない!?そんなことありません!」
ウルフルン「どうかな……。信用してるんだったら、あいつの友達であるオレ様にもっと友好的に接してもいいんじゃないか」
れいか「なおに寄せる信頼とあなたへの敵意は別物です!一緒にしないください!」
ウルフルン(こいつもだいぶ堅物だな……親友が敵と友達になることに抵抗があるようだ……)
ウルフルン(だいぶストレスを溜めてるようだが、どうすっかな……)
ウルフルン(ここは>>150をしてみるか)
いいのか?
ゲスくなるぞ
げすくならないようにソフトで
自信はないがおk
れいか「突然なんですか?いきなりそんなことを聞くなんて失礼ですよ」
ウルフルン「ほう、じゃあ質問を変えるか……胸のサイズはいくつだ?」
れいか「な……!なんてことを聞くんです!更にひどくなってますよ!」
ウルフルン「じゃあ、この本見てどう思う?お前の感想が知りたい」
れいか「この雑誌ですか?あっ、こ、これは……!成人向け雑誌じゃないですか!やめて下さい!」
ウルフルン(ウルッフッフッフ………怒涛のセクハラ3連発!楽しいぜ!)
れいか「まさか、なおにもこんなことをしているのですか?やはり、あなたとの仲を認めるわけにはいきませんね!」ゴゴゴゴ・・・・・
ウルフルン(こいつに絶望を与えるどころか、とてつもなく怒らせちまったようだ!)
ウルフルン(どうするオレ様!?>>162)
ウルフルン「ま、待ってくれ!キュアマーチのことが心配なんだろ?」
れいか「もちろんです」
ウルフルン「オレ様とあいつは友達なんだぞ!」
れいか「先ほどの蛮行をなおに伝え、わたしがケリを付けておいたと後で報告します」
ウルフルン(こいつ……!オレ様を殺る気か……!こうなったら……)
ウルフルン「オレ様にいい案がある!キュアビューティ、オレ様を監視するんだ!」
れいか「監視……ですか。どういうことでしょう?」
ウルフルン「オレ様のことをずっと監視して、キュアマーチの友達に相応しくないと思ったら、その場でビューティブリザードでもなんでも撃ってきやがれ!」
れいか「良い覚悟です。わかりました、あなたのこと監視させていただきましょう」
れいか「では、参りましょう」
ウルフルン(下手な真似はできねえな。慎重にいかねえと……)
なお「ウルフルン来てくれたんだ♪あれ、れいかも一緒?」
ウルフルン「ああ、さっき会ってな……」
なお「どう、れいか?ウルフルンって結構いい人でしょ」
れいか「どうでしょうか……。先ほどわたしにハレン……むぐっ!」
ウルフルン「いや~ははは……、そんなことより早くサッカー始めようぜ!」
なお「うん!れいかも一緒にやらない?」
れいか「わたしは見てるだけでいいわ」
なお「じゃあ、ウルフルン。行くよ!」
ウルフルン「かかってきやがれ!」
れいか「今のところ問題は無いようですね」
ウルフルン(視線が気なるな……)
なお「……!今だ!」
ウルフルン「何!速え……クソ……!」
1 強引に止める
2 強引に止めない
>>185
なお「どうしたのウルフルン?今日はなんだかおとなしいよ」
ウルフルン「へっ、そうか……な!」ドシュ!
なお「あっ、やるじゃない……!そうこなくっちゃ!」
ワー ワー
れいか「楽しそう……ですね。なおの言う通り、わたしの杞憂だったかもしれませんね」
-------------
なお「じゃあね♪また、遊びに来てよ」
ウルフルン「おう、またな」
れいか「ウルフルン、わたしはあなたのことを誤解していたようです」
ウルフルン「お、分かってくれたか!」
れいか「なおと楽しそうにサッカーをするあなたを見て、安心しました」
ウルフルン「そりゃ良かった。じゃあ、監視もここまでだな」
れいか「いえ、まだあなたへの疑いは完全に払拭できていません。明日もじっくり監視させて頂きますから♪」
ウルフルン「マジかよ……」
ウルフルン「さて、どうする?」
1 約束をすっぽかす(報復を受けます)
2 約束を守る(いわゆるデートになります)
>>195
ウルフルン「行くならキュアビューティも楽しめる>>202なんかがいいな」
-次の日-
れいか「そろそろでしょうか。待ち遠しいですね」ソワソワ
ウルフルン「よお、早いじゃねえか」
れいか「……!?お、おはようございます!今日もしっかり監視させていただきますから……!」
ウルフルン「おう、好きなだけ監視してくれ」
れいか「今日はどちらへ行かれるんですか?」
ウルフルン「動物園だ。昔の仲間がいるかもしれねえからな」
れいか「そうなのですか……ウルフルンはお友達想いなんですね♪」
ウルフルン(冗談だって……)
ウルフルン「じゃあ入るか。大人1枚、中学生1枚」
れいか「いえ、わたしの分は自分で払いますから……!」
ウルフルン「細かいことはいいじゃねえか。さっさと行くぜ」
れいか「お気遣い、ありがとうございます」
ウルフルン(小さな女の子同伴で割り勘は恥ずかしいしな)
ウルフルン「キュアビューティ、お前はどんな動物が好きなんだ?」
れいか「わたしですか?凛々しくて、かっこいい、ワイルドな動物さんがいいです///」
ウルフルン「ほう……」
れいか「あと、お話ができたら最高です♪」
ウルフルン「そりゃ無理だろ。お前も随分メルヘンチックなんだな」
れいか(あれ?気づいていらっしゃらないのでしょうか……)
ウルフルン「さ~て、まだ見てないやつがあるな……。もうちょい見て回るか?」
れいか「はい♪」
ウルフルン「いいってことよ。これでオレ様の監視はもう十分だろ?」
れいか「はい、ウルフルンがとても素敵な方だとよく分かりました」
ウルフルン「おいおい、褒めたって何もでねえぞ」
れいか「わたしの本心です。見返りなんていりません」
れいか「それでは、ごきげんよう。今度はわたしがデートにお誘いしますね♪」
ウルフルン「お、おう。楽しみにしてるぜ」
ウルフルン(絶望を与えられてるんだろうか………)
ウルフルン「まっ、いいか!」
あかね「あんな親しげに話して……どういうことなんや」
あかね「明日、聞いてみよ」
-次の日-
あかね「おはよーさん、れいか」
れいか「おはようございます、あかねさん♪」
あかね「おっ、なんか上機嫌やな。いいことあったんか?」
れいか「ええ。昨日はとても楽しいことがありましたから♪」
あかね「ウルフルンと一緒に遊んだことやな……」
れいか「見ていらっしゃたのですね?ええ、その通りです」
あかね「大丈夫なんか?この前はみゆきが連れ去られてもうたし、危険な目に遭っとらんよな?」
れいか「心配しないでくだい。ウルフルンは悪い人じゃありませんよ♪」
あかね「そ、そっか……。れいかが言うんやったら間違いはあらへんな」
れいか「ええ♪」
あかね(なんや、れいか楽しそうやな。ウチもウルフルンと遊んでみたくなったわ……)
ウルフルン「こいつらにも絶望を与えて戦意を失わせたいとこだな」
ウルフルン「まずは、キュアサニー。あいつに>>250をしてやろう!」
-----------
-放課後-
あかね(今日はふしぎ図書館でみんなと待ち合わせやな。はよ行かんと!)
あかね(ん?家の前で立ってるんは………ウルフルン!?)
ウルフルン「おっ、いいところに来たな。お前を待ってたんだ」
あかね「ウチを?何の用なん?」
ウルフルン「じつは、この前食べたお前のお好み焼きがうまくてな」
ウルフルン「ぜひ教えてもらえたらな~っと思って来たんだ」
あかね「えっ……ホンマか!?」
ウルフルン「ああ、この通りだ!お前のうまいお好み焼きの作り方を教えてくれ!」
あかね「しゃーないな~。このあかねちゃんが特別に教えたってもええで」
ウルフルン「本当か!ありがたいぜ!」
あかね「その代わりビシビシしごいたるから覚悟せえよ!」
ウルフルン「ああ、もちろんだ!」
やよい「ど、どうなってるの……?」
あかね「ほら、ウルフルン!焼く時は押さえつけちゃアカンっていうたやろ!」
ウルフルン「つい、癖で……」
れいか「あかねさん、いいではありませんか。よく焼けていると思いますよ」
みゆき「うんうん♪オオカミさんのお好み焼きすっごく美味しいよ」
ウルフルン「そ、そうか///」
なお「さっきのもう食べちゃった……おかわりってあるかな?」
ウルフルン「おう、待ってろ!すぐに焼いてやるぜ!」ジュー
あかね「そうや、その調子やで!いい焼き加減や」
ウルフルン「こんだけ焼いたんだ、もうバッチリだぜ!」
やよい「ウルフルンがすごくみんなと馴染んでる……」
あかね「ええって。ウチもお好み焼きを美味しいって言ってもらえて……その嬉しかったし……///」
ウルフルン「そうか。迷惑じゃなかったか?」
あかね「全然そんなことあらへんって……!また遊ぼうな、ウルフルン♪」
ウルフルン「おう!」
みゆき「ねえ、オオカミさん。またあのバイクに乗せてよ♪」
ウルフルン「いいぜ。今度はもっと遠出してみるか?」
みゆき「やった♪」
なお「わたしとサッカーの練習は?」
ウルフルン「そうだな……。今度の土曜日でどうだ?」
なお「オッケー!新しい技を練習しておくから楽しみにしててね」
れいか「あの、私とのデートは……」
ウルフルン「……日曜日で、いいか?」
れいか「はい♪」
やよい「なんで?どうなってるの!?」
ウルフルン「しかし、キュアピースとはあまり仲良くなれてないのが不安だ」
ウルフルン「あいつのせいでプリキュア共の闘志が復活すると厄介だからな」
ウルフルン「キュアピースには、>>315で絶望に突き落としてやるぜ!」
おい
------------
アカオーニ「行くオニ!スーパーアカンベェ!」
スーパーアカンベェ「スーパーアカンベェ!!」ドガッ
キュアハッピー「きゃあぁぁぁ!!」
キュアピース「ハッピー!」
スーパーアカンベェ「スーパーアカンベェ!!」
キュアピース「ひっ……!」
ウルフルン「おらぁ!」ガシィ
スーパーアカンベェ「…………!?」
アカオーニ「何のつもりオニ、ウルフルン!仲間を裏切るオニか!?」
アカオーニ「うがぁ……!しょ、正気に戻るオニ!」
ウルフルン「キュアピースには指一本触れさせねぇ!」バキッ ドガッ
アカオーニ「ひ、ひどいオニ……ぐはっ……!」
キュアピース「ウルフルン……///」キュン
キュアハッピー(あれ、わたしのためには怒ってくれないの……?)
アカオーニ「やめるオニ!今回もデコルが奪われたらオレ様は左遷オニ!」
ウルフルン「うるせぇ!お前が余計なことしなきゃ良かったんだよ!」バキッ
アカオーニ「理不尽オニ~~~!!おぶっ……!」
プリキュア レインボーバースト!!
アッカンベェーー………
プリキュア「輝け!ハッピースマイル!」
ウルフルン「よくやった。プリキュア共……」
アカオーニ「あんまりオニ……」ボロボロ
ウルフルン「なんだ、キュアピース?言っておくがオレ様はもとから戦う気なんてないぞ」
キュアピース「そうじゃなくて……!さっきは助けてくれてありがとう///」
ウルフルン「へっ、礼なんかいらねえよ。オレ様にはオレ様の都合があるからな……」
キュアピース「それでもお礼を言いたいの。それに、わたしを守ってくれた時のウルフルン、すごくカッコ良かったよ……///」
ウルフルン「おいおい、プリキュア共はなんで、みんなそうオレ様を褒めたがるんだ……調子が狂うぜ」
キュアピース「えへへっ♪またね!」
ウルフルン「ああ、じゃあな」
ウルフルン(どうやら好感度が上がったらしいな。念には念を入れてキュアピースには>>333をしとくか……)
やよい「はぁ……ウルフルンって、どうしてあんなにカッコ良いんだろ……///」
やよい「気づかなかった……」カキカキ
やよい「こう、目元が鋭くて、歯並びが良くて……すごいイケメンさん///」カキカキ
ウルフルン「おお、なんだ。オレ様を描いているのか?上手いじゃねえか」
やよい「きゃっ……!う、ウルフルン!?どうしてここに……?」
ウルフルン「お前に会いに来たんだよ、キュアピース」
やよい「えっ……!(ドキッ)」
ウルフルン「ウルッフッフッフ……!もっとよく絵を見せてみろよ」
やよい「そ、そんな……あぁ……!」
やよい(あわわ、ち、近いよ~~!!)
ウルフルン(この距離で拒絶は無しか……もうここはオレ様の距離だな!)
やよい「や、やめて……!嗅がないで~~!」
ウルフルン「もう我慢できねえぜ……いいよな?」
やよい「えっ、な、何をするの?」
やよい「ひゃぁ!もう、ウルフルンったら……///強引なんだから///」
ウルフルン「いい抱き心地だ。お前を抱き枕にして眠りたいもんだぜ」
やよい「だ、抱き枕にして寝る!?ダ、ダメだよ、そんなこと!!まだ早いよ!」
ウルフルン「嫌ならしょうがねえ。だが、今だけはいいよな?」
やよい「う、うん……///」
ガチャッ
ウルフルン・やよい「……!?」
あかね「何やコレ……どういうことや?」
なお「ウルフルン……見損なったよ!」
れいか「やはりあなたはバッドエンド王国の住人。相容れない定めのようですね!」
やよい「み、みんな……これはその……」
あかね「やよいは黙っててーな」
やよい「はい……」
ウルフルン「どうしたお前ら。なんか怒ってんのか?」
ウルフルン(気配がやべぇ……ここは慎重にことを運ばねえと大変なことになるぞ!)
1 プリキュア達にそれぞれ愛してると語る
2 今まで行なってきたことが作戦だと伝え、愛情の欠片もないことを言って突き放す
3 じゃあな シュンッ (逃走)
>>348
ウルフルン「もちろん好きだ!ただ世界で一番好きな奴が5人に増えただけなんだ!同率1位なんだ、分かってくれ!」
みゆき「ひどい……!うっ……でも、嬉しい……///」
ウルフルン(よし!)グッ
れいか「いまガッツポーズをしましたね?みゆきさんは騙されても、わたしは騙されませんよ!」
ウルフルン「キュアビューティ、お前とのデートも随分したが、その時オレ様の目には一体誰が映っていた思う?」
れいか「そ、それは……」
ウルフルン「ん?答えられるだろ」
れいか「わ、わたしですか……?」
ウルフルン「そうだ、この目を見ろ。オレ様の瞳に映るのはいつだってお前の美しい姿だ……!」
れいか「ああんっ……///」ゾクゾク クテッ
ウルフルン(これで二人目だ!)グッ
なお「許せない……!」
ウルフルン「人聞きの悪いことを言うな。オレ様はいつだって真剣にお前らと向き合ってきたはずだ」
なお「信じられないよ!」
ウルフルン「キュアマーチ、お前とのサッカーの特訓は夢や幻じゃねえぞ」
なお「それは、そうだけど……」
ウルフルン「新しい技もいっぱい練習したよな?お前とオレ様の絆は、その新しい技にも宿ってるんだぞ!」
なお「ウルフルン……///」
ウルフルン「これからも一緒にサッカーしような?」
なお「うん……、これからもずっと一緒だよ♪」
ウルフルン(残りは二人だ!)グッ
なお「ごめん、あかね。わたしはウルフルンと添い遂げるよ。心配しないで」
あかね「アカン!それは許されない恋や!」
あかね「ここまでやるとは、さすがやな!でも、ウチはそう簡単にはオトされへんで!あんたの悪巧みもここまでや!」
ウルフルン「悲しいことを言うなよ。キュアサニー……」
あかね「えっ……?」
ウルフルン「オレ様は悪巧みでこんなことしてる訳じゃねぇ。本気でお前らを愛してるからこんなに真剣なんだ!」
あかね「それでも……、5人と付き合うなんておかしいと思わへんのか?」
ウルフルン「お前はオレ様が嫌いなのか?」
あかね「そんなこと………あらへん……///」
あかね「ウルフルン……///」
ウルフルン「お前は好きな相手が5人いるというだけで、オレ様との絆をふいにしちまうつもりか?」
あかね「もうダメや……ウルフルン!ウチも一緒にいさせて///」
ウルフルン「ああ、ずっと一緒だ」
ウルフルン(よし!残りは一人だ!)グッ
※
いやでも俺毛深いから狼っぽいと言えなくもないぞ?
それってどっちかっていうとキュアゴリr…
しーーーっ!
ウルフルン「キュアピース、お前は来てくれるか?オレ様のハーレムに」
やよい「いいの?」
ウルフルン「オレ様は愛する者を拒まずだぜ」
やよい「やった♪ウルフルン大好き!」
ウルフルン「ああ、オレ様もだ!ウルッフッフッフ!」
ウルフルン(危機は脱したぜ!)
ジョーカー「まさか、ウルフルンさんがプリキュア側に寝返るとは……ぐふっ!」
マジョリーナ「とんだ誤算だわさ……!」
アカオーニ「この裏切り者オニ~~!!」
ウルフルン「悪いな、みんな。どうやら、オレ様にはハッピーエンドが性に合ってるようだ」
ウルフルン「お前らもハッピーエンドってのを体感してみな。考えが変わるぜ」
キュアサニー「ウチも新作のお好み焼き、食べて欲しいんやけど……」
キュアピース「ウルフルン……。このあとスケッチのモデル、してくれる?」
キュアマーチ「今日はサッカー、ダメなのかな?」
キュアビューティ「わたしとのお出掛けはいつになさいますか?」
ウルフルン「はぁ~。そうだな、今日はみんなで一緒に遊ぶでどうだ?」
プリキュア「賛成~~!!」
ウルフルン「ウルッフッフッフ……!ハーレムってのも大変だぜ!」
ジョーカー・マジョリーナ・アカオーニ(羨ましい……!)
ウルフルンハーレムend
読んでくれるひとがいて心強かったです
さいなら~
楽しかったよ
乙楽しかった
Entry ⇒ 2012.09.16 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
ウルフルン「ハッピーとサニーのアルバムが随分溜まったぜ!」
ウルフルン「サニーのホットパンツから伸びる脚なんてもう……ウルッフウルッフ!」
アカオーニ「また、アルバムを見てニヤけてるオニか?ハッピーとサニーがいいなんてよく分からない趣味オニ……」
ウルフルン「あ゛?」
ウルフルン「ケッ……!あんな子供っぽいやつのどこがいいんだか……」
アカオーニ「そこがいいオニ!」
ウルフルン「泣いてばかりでうぜえんだよ。それに可愛いさアピールしてるとこが痛いぜ」
アカオーニ「なんだとオニ!」
ウルフルン「まったく、ピースピース……って趣味じゃねえもん押し付けられて迷惑だぜ」
アカオーニ「ぐぬぬ……!ピースちゃんの素晴らしさを教えてやろうと思ったのに……!表へ出ろオニ!」
ウルフルン「ああ、いいぜ。オレ様にはハッピーとサニーがついているんだ。負けるわけねえぜ!」
アカオーニ「オレ様が勝ったら、お前の秘蔵コレクションをヤフオクで売ってやるオニ!覚悟しろオニ!」
ウルフルン「させるかよ!」
ウルフルン・アカオーニ「あ゛!?」
マジョリーナ「お前たちの趣味は常軌を逸してるだわさ。可愛い女の子にうつつを抜かすんじゃないだわさ!」
ウルフルン「ああ?じゃあ。てめえの持ってるコレクションはどうなんだよ?」
マジョリーナ「マーチの口癖真似るんじゃないだわさ!」
アカオーニ「す、すまんオニ……」
ウルフルン「……」
アカオーニ「……あ~、なるほどオニ……」
ウルフルン「それにしたって、同性の写真を集めるなんてお前の方がマイノリティだぜ」
マジョリーナ「ヒッヒッヒ……。今、人間界では空前の百合ブームだわさ。そんなお前たちの保守的な考えなんてもう古いだわさ」
アカオーニ「ゆ、百合……?」
マジョリーナ「忌々しいサニーめ!あたしのマーチとイチャイチャして悔しいだわさ!」
マジョリーナ「できるならあたしもマーチとキャッキャウフフしたいだわさ!」
ウルフルン「オレたちはバッドエンド王国の三幹部だ!そんな甘い考えは捨てるんだ!」
マジョリーナ「わ、わかってるだわさ……。でも、辛いんだわさ……」
アカオーニ「うぅ……、ピースちゃーん、会いたいオニー!うおーん……」
ウルフルン「うるせえ!俺まで泣きたくなってくるだろうが……」
ウルフルン「ジョーカー!何のようだ……」
ジョーカー「なんでも願いの叶うロイヤルデコルの捜索をプリキュア達も始めたようです」
ウルフルン「そうか……!ロイヤルデコルを忘れていたぜ!」
ジョーカー「困りますね~……。とにかく、わたし達も急いで探し出しますよ」
ウルフルン(これで、ハッピーとサニーの2人でお出かけが出来るようになるぜ!ウルッフッフッフ……!)
アカオーニ(ピースちゃんと遊園地でデートが……むふふオニ。)
マジョリーナ(マーチと一緒にサッカーができる!あわよくば一緒にお風呂を……。ヒッヒッヒ……!)
ジョーカー(キュアビューティとの結婚にはどうしてもロイヤルデコルが必要です。三幹部のみなさんには頑張っていただかないと……。)
ピエーロ(あれ?こいつら、わたしを復活させる気がないのか……?)
ジョーカー「何の音です?」
ウルフルン「しまった!もうこんな時間か……!」
アカオーニ「急がないと遅れるオニ!」
マジョリーナ「プリキュア達の登校時間だわさ!今日のマーチを撮り忘れるところだったわさ!」
ジョーカー「なんと……!みなさんはそこまでプリキュアのことを……!わたしもキュアビューティの写真を撮りにいかないと……!」
ピエーロ(こいつら……!)
アカオーニ「ピースちゃんは今日も可愛いオニ!」
ジョーカー「ふふふ……、これはなかなかいいものですね。もっと、早くに始めればよかったですよ」
ウルフルン「ところで、マジョリーナのやつがいねえな。どこ行ったんだ?」
ウルフルン「ああ!こいつミエナクナールを使って、マーチを撮ってやがったな!」
マジョリーナ「ヒッヒッヒ……。これがあればマーチのありとあらゆる所を超接近して撮れるんだわさ!」
ウルフルン「てめえ……!」
アカオーニ「ローアングラーは敵オニ!」
ジョーカー(いいなぁ……。)
ウルフルン「くそ……!なんか悔しいぞ!」
アカオーニ「オレ様もピースちゃんを間近で撮りたいオニ!」
ウルフルン「こうなったら、突撃だ!」
アカオーニ「おー!!」
みゆき「うわ、オオカミさん!どうして……!」
ウルフルン「ウルッフッフッフ!」パシャパシャ
あかね「や、やめえや……!この変態!」
ウルフルン「怒りながらの恥じらい顔いただきだー!!こいつはレアだぜ!」パシャパシャ
やよい「いやぁぁ……!やめて……!」
アカオーニ「むふふ。なんだか興奮するオニ!」パシャパシャ
やよい「や、やめてよぉ……うっ…えぅ……」
アカオーニ「ピースちゃんを泣かせてしまったオニ!オレ様は最悪オニ!」パシャパシャ
れいか「ジョーカー……!この……!」
ジョーカー「反撃ですか?そんなの効きませんよ~」パシャパシャ
れいか「くっ……!卑劣な真似を!早くお止めなさい!」
ジョーカー「無理に決まってるじゃないですかぁ~」パシャパシャ
れいか「もう、許しません!たぁ……!」ヒラッ
ジョーカー「ス、スカートがめくれ……!ぶはぁぁぁぁ………!」ドサ
アカオーニ「幸せそうな死に顔オニ……。ゆっくり休むといいオニ」
ウルフルン「羨ましい奴だぜ……。オレ様もこんな死に方してみてえぜ」ギロッ
みゆき・あかね「ひっ……!」
アカオーニ「そうオニね。ピースちゃん協力してくれオニ」ニコッ
やよい「い、いやぁ……」
ウルフルン・アカオーニ「えっ……!?」
みゆき「助けてください!この2人が変なことをしてくるんです!」
お巡りさん「なんだって……!君たちは現行犯逮捕だ!」
ウルフルン・アカオーニ「な、なんだとぉぉぉぉぉ………!!」
ウルフルン「こうなったら……!」
ウルフルン「世界よ!最悪の結末、バッドエンドに染まれ!白紙の未来を黒く塗りつぶすのだ!」
お巡りさん「ううっ、僕も中学生の女の子と写真を撮りあいたい……」
あかね「……!?みんな、このお巡りさんも危険やで……!」
ウルフルン「ウルッフッフッフ……、別におかしいことじゃねえ。可愛い女の子を愛でるのは漢なら当然の行動だ」
アカオーニ「そうオニ!」
れいか「その成れの果てが、このような最期を遂げてもですか?」
ジョーカー「……………」
ウルフルン「いい死に顔じゃねえか」
アカオーニ「羨ましいオニ!」
なお「こんなの間違ってるよ!」
みゆき「人を怖がらせて、写真を撮るなんて………」
5人「絶対に許せない!」
5人「プリキュア、スマイルチャージ!」
ゴーゴー レッツゴー
ウルフルン「よっしゃー!来たぜー!!」パシャパシャ
アカオーニ「こっちに笑顔ちょうだいオニ!」パシャパシャ
マジョリーナ「きゃー、マーチ最高だわさ!」パシャパシャ
ウルフルン「おーし、いいぞ!ハッピー最高だー!」パシャパシャ
サニー「太陽サンサン 熱血パワー! キュアサニー!」
ウルフルン「サニー超かわいいよ!こっちに視線くれぇぇぇ!!」パシャパシャ
ピース「ピカピカぴかりん じゃんけんポン♪ キュアピース!」
アカオーニ「ああ!今日も負けちゃったオニ……。でも、ピースちゃんが見れて最高オニ!」パシャパシャ
マーチ「勇気リンリン直球勝負!キュアマーチ!」
マジョリーナ「きゃー、抱いてーーーーだわさ!!」パシャパシャ
ビューティ「しんしんと降り積もる清き心!キュアビューティ!」
ジョーカー「……………………」パシャパシャ
三幹部「おおぉぉぉ………!!」パシャパシャ
ハッピー「いくよ、みんな!はぁぁぁ……!!」バキッ
ウルフルン「ぐあぁあぁ………!い、痛え。だが、お前のパンチならいくらでも耐えられるぜ!」
サニー「そんなら、これはどうや!はぁぁぁぁ…………!」ドゴドゴドゴ……
ウルフルン「おぼっ、ぐぇ………ぐはっぁぁぁぁぁ!!!」ドサァァ
ウルフルン「いでよ!スーパーアカンベェ!」
スーパーアカンベェ「スーパーアカンベェ!」
ウルフルン「プリキュアたちを適度に痛めつけてやれ!やり過ぎるなよ!」
スーパーアカンベェ「スーパーアカンベェ!」ドガァァァ!!
ハッピー「きゃあぁぁぁ………!!」
ウルフルン「何やってやがる!もっと、優しくだ!」
スーパーアカンベェ「スーパーアカンベェ!」ドガァァァ!!
サニー「うあぁあぁぁぁ………!!」
ウルフルン「な、なんてことを………!すまねぇハッピー、サニー………!」
スーパーアカンベェ「…………!?」
アカオーニ「ふんっ………!ぐああぁぁ…………!!」ビリビリビリ
ピース「そんな、アカンベェを庇ったの………!?」
ウルフルン「おい、大丈夫か!スーパーアカンベェにあんな技は聞かねえんだからわざわざ庇わなくても……。はっ……、お前まさか!」
アカオーニ「ピースちゃんの浄化技、美味しい(?)オニ………ぐへへ」
ウルフルン「その手があったか………!」
マジョリーナ「待ってただわさ!うぎゃあぁぁぁ………!!!」ドガァァァ!!
マーチ「そ、そんな……わたしのシュートを止めた!?」
マジョリーナ「……………」チーン
ウルフルン「こいつら、こんなに安らかな顔で逝っちまうなんて……」
スーパーアカンベェ「スーパーアカンベェ!」
ウルフルン「いいから、オレ様の言うとおりにしやがれ!」
スーパーアカンベェ「……!」
ウルフルン「後のことは任せたぜ……!」
スーパーアカンベェ「スーパーアカンベェ……」
ウルフルン「ああ、かかってきな!」
ビューティ「それではいきます!プリキュア・ビューティブリザード!」
ウルフルン「お前じゃねぇぇぇ……!!!」ヒラリ
スーパーアカンベェ「スーパーアk……!!??」ドガアァァァ!!
ウルフルン「あっ、しまった!スーパーアカンベェに直撃させちまった!」
ビューティ「かわされたり、吸収されずに直撃させればレインボーバーストを使用しなくても勝てるようですね」
サニー「ふう、終わった終わった。はよ、学校に行かんとな」
ピース「デコルも2つ手に入れたし、これでロイヤルクイーン様の復活も目前だね♪」
マーチ「マジョリーナのあの動き、すごいキーパーの素質があるかも……。今度練習に誘ってみよ♪」
ウルフルン「おい、ちょっと待てよ!ハッピー!サニー!オレ様にも浄化技を使ってくれ!!」
れいか「体育で、確かバレーボールでしたよ」
あかね「よっしゃ、腕が鳴るわぁ!」
なお「今日は負けないよ、あかね!」
あかね「のぞむところや!」
やよい「あかねちゃん、わたしも頑張るよ!」
あかね「やよい、その意気やで!」
ウルフルン「くっそー!!なんでオレ様だけ……。不公平だぁぁぁぁ!!!」
おしまい
Entry ⇒ 2012.08.26 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
みゆき「ニックネームでウルトラハッピー!」
あかね「……なんやみゆき、また藪から棒に。暇なん?夏休みもてあましとん?」
みゆき「あのね、私達ってみんな、相手のこと名前で呼ぶでしょ?」
やよい「う、うん。ちゃんをつけたりさんをつけたりの違いはあるけど」
みゆき「でもね!もっと変わった、私達の間だけの呼び方っていうのを決めれば!もっともっと仲良くなれるんじゃないのかなー、って!」
なお「そっか。うーん、でもあたし、れいかとは付き合い長すぎて今以外の呼び方って、考え付かないなぁ」
みゆき「そこは、みんなで考えよ!ね、れいかちゃん!」
れいか「良いと思います。私も、皆さんに常々距離をとっていると思われていないか考えていました。呼び名をかえるのは、とても分かりやすい示し方じゃないかしら」
みゆき「えへへ、けってーい!だね」
キャンディ「クル!キャンディもお洒落に呼んで欲しいクルぅー!」
みゆき「もっちろん!よーし……ニックネームでウルトラハッピー!」
あかね「こないなもんどこにあったねん。でもなんや、雰囲気出るな。ボケたくなるわ」
やよい「あかねちゃんお笑い好き過ぎー」
なお「えぇっと、これにそれぞれ考えた呼び方書いて、発表するんだよね?」
れいか「筆と硯を持ってきてもいいでしょうか……」
なお「れいか、本格的に命名の奴みたいにしなくていいから」
みゆき「それじゃ、最初はキャンディの呼び方から考えよっかー。元々可愛い名前だけど、もっともっと可愛くお洒落にしてあげよっ!」
キャンディ「クルッ!」
あかね「さっきツッコミそこねたんやけど、お洒落な名前ってなんやねん……無駄に横文字つこうたりすればえぇの?」
『キャンキャン』
あかね「犬の鳴き声みたいになっとるやん」
みゆき「そ、そんなこと言わないでよー。2回繰り返すのは可愛いあだなのお約束だよね!」
あかね「まぁありがちっちゃーありがちやな。うちは、っと」
『飴ちゃん』
やよい「あかねちゃんやっぱりボケちゃってるよ!?」
やよい「う、うん。えーっとね、キャンディは私達みたいに戦うわけじゃないけど、やっぱりこのプリキュアの中でなくてはなら内存在で、つまり」
『マスコット』
なお「……やよいちゃん、それあだ名じゃないよ」
やよい「え、えへへ……なおちゃんは、どんなのを考えたの?」
なお「わ、私はさ……その、キャンディってよく『クル』っていうから……」
『クルルン♪』
あかね「……ごっつ気合入っとるわ」
なお「わ、悪い!?可愛くしようって思ったんだから、間違ってないよ!」
なお「あ、ありがとみゆきちゃん……それで、れいかは?」
れいか「えぇ。キャンディのキャンディたる部分、ここは名前に残さねば、と思案したわ。そして、キャンディは……玉のように可愛い」
やよい「れ、れいかちゃん真面目すぎー」
あかね「なんや、えろう考えとんなー」
みゆき「楽しみだね、キャンディ!」
キャンディ「クルぅ!れいか、早く教えてクルー!」
なお「……まずい、そういえば……」
れいか「ふふっ、期待に沿えれば嬉しいわ。私が考えたのは、これですっ」
『キャンタマ』
みゆき「」
あかね「」
やよい「」
キャンディ「」
なお「……あー」
れいか「♪」
れいか「?」
あかね「あ、あっは、あっはは!れいか、唐突にボケんでほしいわもー!」
れいか「ボケ……?」
あかね「えっ……れ、れいか?あんた、これ……」
なお「あかね、ストップ。みんな、ちょっとこっち来て。あ、れいか。れいかはいいよ、ほら、そんなに気合入ってるならやっぱり墨で書きたいだろうし、墨でもすりなよ。待ってるから」
れいか「そう?ふふっ、そうね。私もなんだか楽しくなってきたわ、そうさせてもらうわ」
みゆき「そ、そうなんだ。じゃああれは、れいかちゃん本気で……?」
なお「うん。昔、一緒に拾った猫に『ゲレゲレ』って名前つけたりしたしね」
やよい「それはいい名前だと思うの」
あかね「やよい、やよいまでそっちにいかんといて……どないしよか」
キャンディ「」
なお「……キャンディ、ショックなのは分かるけど、れいかも悪気はないから許してほしい」
あかね「悪気無いからこそって部分もあるけどな」
なお「そ、それでも、さ。みんなも、今かられいかにとんでもない呼び名を付けられるかもしれないんだけど……」
なお「……なるべく、できればその、受け入れてあげてほしいというか……」
みゆき「……はっぷっぷー」
あかね「みゆき、あんたの場合は身から出たサビや」
キャンディ「く、クル?何かくれるくr」
『キャンタマ♪』
キャンディ「」
れいか「ふふっ。習字紙を裂いて、ネーム状にしてみたわ」
キャンタマ「」
あかね「……これも、試練や。うちがお笑い芸人としてデビューしよったら、きっとこのくらい……」
なお「まるで罰ゲームみたいに言わないであげてよ」
やよい「割とそのままだよ、なおちゃん……」
れいか「? みゆきさん、気を取り直すというのは……?」
みゆき「な、なんでもないよれいかちゃんこっちの話!えっと、それじゃ今度は、えぇーっと……」
あかね「言いだしっぺやし、みゆきやなっ!!」
みゆき「えっ」
あかね「ささっ、みんな書くでー……れいか、ちーっとテンション下げていこかー。な。墨飛び散ったらあかんし」
れいか「ふふっ、心配無用です。お祖父様ゆずりの筆で書いていますから」
なお「……」ハラハラ
やよい「う、うん」
みゆき「……」
れいか「みゆきさん?ふふっ、緊張してらっしゃるのね」
みゆき「あ、えっと、うん。盛大に。あと十数分前の自分にハッピーシャワーしてきたい」
やよい「みゆきちゃん後悔しすぎー……」
なお「そ、それじゃ、あかね?あかねから行こうか」
『ハッピッピー』
みゆき「……っぷ!も、もーあかねちゃんなにこれー!」
やよい「は、はっぴっぴー……ふふっ」
あかね「はっはー!みゆきいつもゆうとるやーん、ウルトラハッピッピーってなー!」
あかね「(れいかより前にインパクトあるもんだして印象薄れさせよう作戦や!どや、なお!)」
なお「(ナイスだあかね!)」
れいか「……あかねさん?」
あかね「あっははー……うん?なに、れいか?」
れいか「あまり、相手を貶めるような言葉は……どうなのでしょう」
あかね「」
あかね「(うああああああツッコミたいわぁああもおおおおおおおおお!!)」
なお「(抑えて!抑えてあかね!!)」
やよい「(あかねちゃん落ち着いて!素数を数えて!!)」
みゆき「(私別にバカにされた気分じゃないから!大丈夫だからあかねちゃーん!!)」
れいか「?」
あかね「……ふーーーーっ。そ、そやな。れいかのゆうとおりや、すまんみゆき」
みゆき「わ、私は別に?れ、れいかちゃんもその、考えすぎだよ?」
れいか「そうですか? 取り越し苦労でしたね……あかねさん、すみません」
あかね「いや、ええで……れいかと漫才コンビ組んだら、ツッコミ疲れで倒れてまいそうやわ」
『リーダー』
みゆき「えへへー、そっかなー」
やよい「うん!みゆきちゃんは決める時は決めてくれるし、何よりセンターでピンクだし!!」
あかね「やよい、つっぱしらんといて。んで、なおは?」
なお「あ、うん。私は……」
『みゆみゆ♪』
みゆき「可愛い!!!」
あかね「……まともなのって、こうゆうのをゆうんやな」
なお「気に入ってもらえて嬉しいよ」
れいか「お待ちください、みゆきさん?」
みゆき「」ビクッ
れいか「私の発表がまだです。それを見てから、決めていただけないかしら。なおのものとも劣らない出来だ、と。自分では思っているのだけれど」
みゆき「えっ、あー、うん……や、別に?」フルフル
あかね「……みゆきって、断る意思表示下っっ手やな」
やよい「頑張ってみゆきちゃん……」
れいか「それでは。私も、やよいさんと同じくみゆきさんはこの五人の中で中心人物だと感じていました」
れいか「そして、あかねさんと同じようにやはりみゆきさんと言えば『ハッピー』でしょう、と」
れいか「加えて、以前にみゆきさんが私を『水の妖精さん』と言ってくれたように。私は、みゆきさんに『花の妖精』のような可愛らしさを感じました」
みゆき「あ、あれ……?もしかして、割と……」
なお「……甘い、甘いよみゆきちゃん。ここからが、本当の……」
れいか「導き出した答えは……これです!!」
『ハピキチ花畑』
あかね「」
やよい「」
キャンタマ「」
なお「……あー、内わけを聞こうかな?」
れいか「えぇ。ハッピーの『ハピ』、キラキラ輝くの『キ』、チームのリーダーの『チ』、そして花畑よ」
なお「……素晴らしく奇跡的な文字列だね」
れいか「ふふっ、褒めてもらえて嬉しいわ」
なお「思えばこの幼馴染と一度だってこの類の事で話が通じ合ったことがあったろうか」
あかね「あ、そんな形式になったったんや……キャンディ不憫やない!?」
みゆき「え、えぇっと、それじゃ、なおちゃんn……うっ」
れいか「……」ジーーーーッ
みゆき「……」
れいか「……」プルプルプル
みゆき「……(上目遣いでプルプルしてるぅーー!)」
みゆき「……(そっか、そうだよね、れいかちゃんは何にも悪気はないんだもん!)」
みゆき「……(一生懸命考えて、墨まで使って!こんなに、こんなに真剣に私のために!)」
みゆき「……決めた、うん!れ、れいかちゃんので!」
れいか「本当ですか?」
あかね「……みゆきって、情にほだされるタイプやな」
やよい「あかねちゃんも割と同じ穴の狢な気がするよ」
なお「れいかのアレには勝てないんだよなぁ……」
ハピキチ「……せめて笑ってほしいな、あかねちゃん」
やよい「笑えないよ」
れいか「なお?なおもせっかく可愛らしい名前を考えていたのに、ごめんね?」
なお「あぁ、いいよいいよ。れいかのアレより可愛いものなんてないしね……それじゃ、次あかねね」
あかね「う、うちか!? よ、よっしゃぁ、きたらんかいれいかぁ!!」
れいか「? 私だけでなく、みなさんもですが……」
ハピキチ「何にしようかな……もうこうなったら、私もれいかちゃん路線で……」
やよい「ダークサイドに堕ちないでみゆきちゃん」
れいか「はいっ、ばっちりです」
あかね「それはどっちの意味でやろ……あっちやろうけど。じゃ、じゃぁみゆ……ハピキチ花畑?」
ハピキチ「うん。私は、これね」
『やねん』
あかね「投げやりやなっ!?!?!?」
ハピキチ「えー、だって一時語尾これだったじゃーん」
あかえ「あんたの強制やったやろ!?」
やよい「あかねちゃんツッコミ激しすぎー……そんなわけで私はこれです」
『ツッコミ』
あかね「だから投げやりやな、ってゆうとるやろ!」
あかね「そこまでのことか!?そこまで難しいことゆうとるか!?
やよい「せめて私達だけでもまともなものを、って思ったらみゆきちゃんの顔が浮かんできて、それで、それでぇ……」
ハピキチ花畑「」
あかね「あー、せやなぁ、チラついて集中できひんやろうn気張らんかい!!うちの呼び名かかっとるやん!あんたらがそれだと消去法できんやん!なんやねん!」
なお「お、落ち着きなってばあかね。私はこれね」
『あかにぇ (^‥^=)~』
あかね「好きやーーー!」
なお「わっ!?ちょ、飛びつかないでよあかね!?」
なお「そ、そう?簡単なのしか描けないけど」
ハピキチ花畑「なおちゃんは最後の良心だね」
あかね「自分でゆうなや」
れいか「なお……やはり強敵ね」
なお「あー、れいか、別に競ってるわけじゃないから、ほら。れいかはれいかのペースで、そんなに気取らなくていいから……」
れいか「えぇ、分かってるわ。私は私の名付け方で、あかねさんに気に入ってもらう最高のものを……」
あかね「き、気合いれんでえぇって、れいか……」
ハピキチ花畑「お昼ご飯にもってくるくらいだもんね」
れいか「そして、私達の発言を聞き逃さず、場を盛り上げてくれるあの『ツッコミ』」
あかね「そ、そんな褒めんといてー照れるやーん!」
やよい「あかねちゃん、すぐ落とされるから舞い上がらないほうが……」
れいか「加えて外せないのは『関西弁』です。あかねさんの、あかねさんらしさと言えるでしょう」
なお「……」ハラハラ
れいか「熟考しました。そして、あかねさんのご趣味にかなうよう、言葉遊びもふまえて!」
れいか「これです!」
『海苔ツッコミでんがな』
あかね「」
やよい「でん……っふ、っく」
なお「……これはまた」
れいか「第二案もあります」
あかね「いや、えぇ、もうえぇ、もう、大丈夫、せやから、ここで……」
れいか「あかねさんは変身時、少し舌足らずな時が当初、ありました。そこに愛嬌があったので……これです!」
『サニェーでおまんがな』
あかね「」
ハピキチ「ぶっhくっ」
やよい「やめて、もうやめて」プルプルプル
あかね「さ、サニェーで、終わらせられんかったん?」
れいか「物足りなくて……」
あかね「……そろそろわざとちゃうか思ってきたわ」
なお「許してあげて」
れいか「……」ジーーーッ
あかね「……うぅ」
れいか「……」ウルウルウル
あかね「……う、うち、サニェーちゃうし。ちゃんとサニェーやゆうとるから、うん。第二案は、ボツで……の、海苔の方にしよかー!」
れいか「本当ですかっ?」パァァァァァッ
やよい「いえてない、いえてないよあかねちゃん。そしてやっぱりあかねちゃんもほだされちゃったよぅ……」
ハピキチ「やよいちゃん。あのれいかちゃんの顔はね、ウルトラハッピーにさせてあげたいって気持ちにどうしてもなっちゃうんだよ……」
なお「分かるよ、みゆきちゃん……えぇっと、海苔ツッコミでんがな?」
海苔ツッコミ「なんや。荒々しい字ぃでネームも書いてもろうたうちになんか用か」
なお「……ドンマイ」
海苔ツッコミ「うっさいわ」
やよい「お、お手柔らかに……」
れいか「いいえ、全身全霊でとても素敵なものを考えさせていただくわ、やよいさん?」
ハピキチ「私は、割と簡単にこれかなー」
『やよりん』
やよい「あっ!可愛い!」
海苔ツッコミ「うちとの扱いの差ぁぁぁ!」
ハピキチ「だ、だって『あかね』って考えづらかったんだもーん」
海苔ツッコミ「あー、それは分かる……悲しいけど。んで、うちは」
『ピカリン』
ハピキチ「私と少し被ってるよぉー、はっぷっぷー」
あかね「そんなの先だしじゃんけんやん……まぁやよいの名乗りからとったからなんも真新しくないんけどな」
なお「あかねにしては可愛らしいし、やよいちゃんらしくていいんじゃない?あ、私はこれで」
『やよちゃん♪』
なお「やよいちゃんは、あえて『ちゃん』を残す感じの方が可愛いと思うっ!」
なお「そのくらいがいいんだよ、やよいちゃんは」
ハピキチ「うんうん、やよいちゃん可愛いもーん!」
海苔ツッコミ「せやな。あざというくらいがえぇわ、うん……そんで、真打登場やな」
れいか「し、真打なんて海苔ツッコミでんがなさん、そんな」
海苔ツッコミ「いやマジで。そんで自分呼び方の順応早いのぉこら流石名付け親」
ハピキチ「うん、名乗りにも入ってるもんね」
れいか「じゃんけん、といえば。みなさんはその古きが『拳遊び』にあったことは、ご存知ですか?」
海苔ツッコミ「拳遊び?なんやそれ、手遊びか?」
れいか「そのようなものです。手で型を現し、三竦みを表現することにより勝敗を決める」
れいか「じゃんけんの元の物ですね。平安時代中期には確立していた遊びのようです」
なお「へぇ」
やよい「れいかちゃん詳しすぎー」
れいか「どうも。それで、そのじゃんけんの元で三竦みが現していたもの。ご存知ですか?」
ハピキチ「?石、鋏、紙じゃ……あ、鋏とか、その時代にあったのかなぁ?」
れいか「そう、そこなんです。当時は今の三種とは違い……」
れいか「ヘビ、ナメクジ、カエル。この三つの生き物を表していた、そうです」
れいか「そして。先日、やよいさんから貸していただいた……こちらの、ヒーローさんのビデオなのですが」
やよい「BDね。仮面○イダーOOO(オーズ)ファイナルエピソード ディレクターズ カット版のBD」
れいか「そこまで詳しくは……その中のヒーローさんは、三つの生き物を表したメダルを装着し……姿と、名を変えていました」
やよい「……」
れいか「そこで、やよいさんの新たな呼び名は……こちらです!」
『ヘナカエルコンボ』
やよい「……」
ハピキチ「……」
海苔ツッコミ「……」
なお「……」
キャンタマ「」
やよい「かっくぃーーーーーー!!!」
海苔ツッコミ「まさかの」
れいか「ふふっ、ヘナカエルコンボさんのひたむきさは一番の武器ですよ?」
海苔ツッコミ「……順応早いわぁ、どっちも」
ハピキチ「やよいちゃん……情にほだされる以前の問題だったね」
なお「やよいちゃんも偶にズレてるとこあったからなぁ……」
ヘナカエル「あっ、ご、ごめんねみゆきちゃん、あかねちゃん!私だけ、とってもいい名前つけてもらっちゃって」ヒソヒソ
海苔ツッコミ「あぁ……や、うん。えぇよ、別に」
ハピキチ「そうだよ。私達的には、どこまでも仲間だもん」
ヘナカエル「二人とも……ありがとう」
なお「やよいちゃん、そういう感動的なフォローの言葉じゃないんだよ今のは」
れいか「さて、それでは……次は、なおの番ね?」
海苔ツッコミ「二文字やし、名前をどうこうするのはちょっとむずいかなぁ」
ヘナカエル「そうだね……でも、なおちゃんは色々たくさん個性があるから」
なお「そ、そうかな?運動以外はあんまり大したことないと思うんだけど……」
れいか「そんなこと言わないで、なお。なおのいいところは、言葉に出来ないほどたくさんあるわ。あなたが気づいていなくても、私は知ってるもの」
なお「そっか……ははっ、ありがと、れいか」
れいか「いいえ。ふふっ」
れいか「……」
『なおなお♪』
なお「わぁ、可愛いよぉ……」
ハピキチ「やっぱり二回繰り返すのは定番で、単純に可愛いよね!♪も入れてみたよ、えへへ」
なお「いいな、いいなぁこれ。私あんまり今までこういうの、わぁ……」
海苔ツッコミ「なんや、感動してるとこすまんのやけど……うち、これな」
『オカン』
なお「うん、正直言うと思った。でも、ツッコミさせてもらうよ。オカン言うな!!!!」
ヘナカエル「わ、私も同じような路線だ……ごめんね、なおちゃん」
『王子』
なお「あー……うん、よく言われる、悔しいことに」
海苔ツッコミ「去年のバレンタイン、校内で一番チョコもろうてたの、なおやもんな」
なお「オカンって言われたり王子だったり、なんなのさあたしは」
れいか「それだけなおの魅力が多様と言うことよ?」
なお「そう?うーん、嬉しいような悲しいような……」
ハピキチ「ある意味、一番楽しみだったりするね」
ヘナカエル「どんなのだろう」
なお「わ、どうしよう、すごく緊張してきた……れ、れいか?ほんと、気合入れすぎないでね」
れいか「えぇ……あるがまま、思うままに。書いてみたわ」
れいか「……なおと過ごした、これまでの月日」
れいか「なおと感じた、喜び、楽しみ、そして少しだけど悲しみや怒り」
れいか「それら、全てを踏まえて……」
れいか「私が、なおに名づけたのは………………」
れいか「『なお』」
れいか「……これよ」
なお「……え?」
れいか「だから、ね?……これ、です」
『なお』
ハピキチ「」
海苔ツッコミ「」
ヘナカエル「」
キャンタマ「待てい」
これは伏線だったのか…
れいか「……たくさんたくさん、考えたの。なおの良いところ、ちょっとダメな所」
れいか「笑ったこと、泣いたこと、怒ったこと、今までのこと、色々」
れいか「それで、なおに新しい呼び名を……って、考えた、時」
れいか「……それまでの、私となおの、グスッ、関係が……壊れて、しまうようで」
なお「! れいか……」
れいか「私、私は……これまでなおと、歩んだ道を。変えてしまいたくは、ないの」
れいか「そしてその道の先に……ハピキチ花畑さんたちが加わってくれるなら、とってもとっても幸せで」
れいか「それで……だか、ら」
なお「……もういいよ、れいか」
ギュッ
れいか「なお……」
なお「れいか……」
海苔ツッコミでんがな「……」
ヘナカエルコンボ「……」
キャンタマ「……」
キャンタマ「…………あっ、どこかで、バッドエナジーが集められてるクル」
海苔ツッコミでんがな「ここちゃうんか」
れいか「そ、そうね!はやく本棚で……」
海苔ツッコミ「や……そんな抱き合ったままで真面目な顔せんでも。えぇで、あんたらここにおり」コキコキッ
なお「え!?でも……」
ハピキチ「いいのいいの、なおちゃん!えへへ、仲がいいのはウルトラハッピー!だよね。特別な呼び方なんて、いらなかったんだ」
ヘナカエルコンボ「私達、なおちゃんとれいかちゃんのお邪魔かもしれないけど。一緒にたくさん、楽しくやっていけたらいいよね」
れいか「じゃ、邪魔なんてことはありません!みなさんは、大事な大事なお友達で……」
海苔ツッコミ「分こうてるって。でも、今日だけはあんたたち水入らずにしたるわ。甘えとき、そななー」
カチッ カチッ パッ!!
狼「ウーーールッフフフフー!!腹が減ったから人間界に殴りこみだぜぇー!」
ハピキチ花畑「……狼さん!」
狼「あぁん!?なんだ、プリキュアのガキどもか……うん?」
海苔ツッコミでんがな「……」
ヘナカエルコンボ「……」
キャンタマ「……」
狼「ぶっは、ウーーールッヒャハハハハアーッハハハハハハ!!!て、てめ、テメェら、おいおいおいなぁんだよその胸にぶら下げてるアホな言葉はよぉおおお!ウルヒャハハハハハハハ!!!あー腹いてぇえええ!」
ハピキチ花畑「」
海苔ツッコミでんがな「」
ヘナカエルコンボ「か、カッコいいもん!!!!」
キャンタマ「」
ハピキチ花畑「……」
狼「はぴ、ハッピーキチガイってかぁ!?あーっひゃははははは!頭んなか花畑なのを口外することねーだろうよぉー!」
海苔ツッコミでんがな「……」
狼「ノリツッコミとかけてんのかぁ!?うま、うまくねぇ、yぎゃははははははっははは!でんがなまんがな、関西人の特徴でおまんがなってなぁあーっひゃははははは!!!」
ヘナカエルコンボ「……」
狼「し、萎びたカエル!!よっわっちい人間にゃぴったりだけどよぉ!ウルッハハハハハハ!そこまで自虐すんなよあーっひゃははははは!!!」
キャンタマ「……」
狼「そ、そんで、そんで、っぷ、ぶっは、ウールッヒャハハハハハハハハ!!!おいおいおいおいおい!猥褻なもんぶら下げて出歩いてんじゃねぇよぉー!お前雌じゃねぇのかよあーーっひゃはははははh」
ハピキチ花畑「言葉はいらない!いくよ、みんなっ!!!」
プリキュア・スマイルチャージ!!!
サニー「太陽サンサン、熱血パワゥァ!キュアサニェー!」
ピース「ぴかぴかぴかりん☆じゃん、けん、ぽん!キュアピース!」
キャンタマ「みんなの力を、最終話までぶっ飛ばすクルゥゥゥああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
ビガァアアアアアアアアアアアアア!!
狼「!?!?!?!?!?!?っちょ、ま、やめ、なんだそのお前らの背中の翼とかっちょ妖精とまお前k悪かった!!俺様が悪かった謝るからやm―――ぎぁああああああああああああ!!!!」
完
なお「れいか、でも、あたしはれいかの新しい呼び方。思いついたよ?」
れいか「え?」
なお「……れいかは、『あたしの嫁』!」
今度こそ、完
しかし酷いな!キャンディは女の子やであれでもな!
じゃあの!
ABC朝日放送 日曜朝八時半
スマイルプリキュア!
大好評放送中!
3DS用ソフト「スマイルプリキュア! ~レッツゴー! メルヘンワールド~
八月二日、発売!!
れいかさん可愛い!
Entry ⇒ 2012.08.02 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
みゆき「カミングアウトでウルトラハッピー!」
みゆき「みんな、おはよー!」
キャンディ「おはようクルー」
あかね「おー、おはよーさんみーゆき、キャンディ。遅かったやん」
みゆき「ごめんねー、キャンディと勉強道具をどこにしまったか探してたら、時間かかっちゃって」
あかね「夏休み二日目で勉強道具行方不明てなんやねん!?しょーもないなぁ理由が」
やよい「あ、あはは。私もテレビ見てたら遅くなっちゃったから、みゆきちゃんのこと言えないや」
あかね「日曜朝はテレビの前で正座なんやっけ?」
なお「ははは。今日はみんなで勉強会にしよう、っていうれいかの案に乗っかったのは、正解だったかな?」
れいか「プリキュアの指名を担う私たちは、計画的に課題もこなしていかなくてはいけないものね。みゆきさん?それで、『夏休みの友』は見つかりましたか?」
みゆき「うん、れいかちゃん!昨日読んでた『長靴をはいた猫』の下に……ってあれ!?こ、これ絵本の『希望の友』だった……はっぷっぷー」
あかね「あかんと思うで。自分、赤毛のアンも好っきゃーゆうとったやん。あれは?」
みゆき「小学校三年生からずっと、夏と冬の読書感想文でアンシリーズは完走しちゃったから……」
あかね「感想文だけにか、うまないわ。っちゅーか、アンてそないなあんのかい」
やよい「うーん、私も迷っちゃうなぁ……れいかちゃんはどうする?」
れいか「私は、いい機会ですので高村光太郎の『道程』を」
なお「言うと思ったけどね、れいか。あれって詩集じゃなかったっけ……詩集が駄目とは書いてないけどさ」
みゆき「それならきっと絵本もありだよね」
あかね「話戻すなや」
キャンディ「みゆきー、キャンディが描いてる絵本の感想を書けばいいクルー♪」カキカキ
みゆき「ふふっ、ありがとキャンディ」
キャンディ「クルぅ!」
れいか「そうですね。私も、せっかくみなさんと集まったのですから、楽しく進められたらと思います」
やよい「うん、そうだよね。それじゃ、歴代ライダーのカッコいいところとかを熱く……」
あかね「やよい、それやよいで止まってまうから。熱くなる前にお通夜やから」
みゆき「それじゃ、みんなの好きな絵本とか……」
あかね「まぁギリついていける話題やけども、それもやっぱりみゆきの趣味やんか、もう。なんやほら、梅雨でんな~!みたいにやな!」
なお「あかね、それ漫才したいだけでしょ。ネタ作ってないで宿題進めなよ」
あかね「商工会のお祭りがあんねや……なんや、じゃぁなおが適当に話題出してーな」
なお「えー……あー、じゃあ一昨日の話なんだけど、さ。私お父ちゃんと、オールスターゲームを見てたんだけどね?」
やよい「オールスター?なんだかステキな響き!ゴールデンタイムにそんなわくわくするものをやってるの!?」
あかね「やよいごめん、野球の話や。目ぇキラキラ輝かせてるところほんまごめん」
れいか「なおは昔から、お父様の晩酌に付き合いがてら一緒に野球を観戦するのが恒例なんです」
なお「するのはサッカーの方が好きだけどね。それでさ、セが勝ったでしょ?確か、昨日もだったっけ。あかね、嬉しかったんじゃない?」
あかね「んー?あー、せやな!昨日はなんや、表彰もされよったし万々歳や!」
なお「……うん?一昨日でしょ?」
あかね「うん?なんでや、敢闘選手賞とったんは、昨日の第二戦やん」
なお「?? あかね、何か間違ってない?能見が敢闘取ったのは、一昨日の第一戦だったってば」
あかね「……いや、そないな言われても。うち、ジャイアンツファンやし」
みゆき「えっ」
やよい「えっ」
なお「えっ」
れいか「あら……」
あかね「?」
やよい「私も」
あかね「な、なにがやねん。うちがジャイアンツファンやったら、なんやのん?」
なお「それだよ、それそれ。あかね、関西生まれでしょ!?」
あかね「……あー、な」
れいか「あかねさん。私、てっきり大阪から転校されてきたあかねさんは、当然タイガースファンなものかと思っていました」
あかね「そう思われがちやけどな。普通に、他の球団ファンもおんねやで。うち、プリキュアになったとき色が橙で、ごっっつテンションあがったもん」
あかね「お父ちゃんがジャイアンツ全盛期世代直撃やったから、その影響やな」
やよい「あー、それじゃぁあかねちゃんちはみんな?」
あかね「うん。げんきは一周回ってカープ!とかゆうとったけど」
なお「てっきりあかねは『猛虎魂やー!』とか叫んでるタイプとばっかり思ってたよ」
あかね「ない、ない。猛虎とか聞いて呆れるわ、まぁタイガースが調子悪いとこっちもおもろないんやけどな」
れいか「あかねさん、大阪にいたころは、周りはやはりタイガースファンの方が多かったのではないですか?」
あかね「あー……えぇ機会やし、話しとこか。なぁ、みんな。うち……なんでこっちに引っ越してきたと思う?」
あかね「うちん家は自営業やん?転勤とか、ないし」
やよい「そっか……それじゃ、何かトラブル……?」
なお「……まさか」
あかね「うちらもなー、大阪に住んどるさかい、ジャイアンツファンゆうんを知られたらまずいー、ゆうんは分かっとったんや」
あかね「客商売やしな。せやから、あんま客と野球の話題になんのは避けとったんや。ふられても、なーんもボロださんように、って……せやけど」
れいか「……」
あかね「……流石のお父ちゃんも、ミスターをバカにされたらなぁ……」
みゆき「ミスター?」
あかね「…………」
なお「みゆきちゃん、謝って。すぐ謝って、多分あかねは怒るより先に泣き出すからそれは」
みゆき「えぇっ!?ご、ごめん!ごめんねあかねちゃん!!!」
あかね「いや、えぇねや……そうや、そうやな。ミスターももう過去の、っく」
あかね「いや、喧嘩やないねんけどな。おーきに、キャンディ。耳やなくてハンカチやったらキュンッとなっとったかも」
れいか「それで、あかねさん。お客様と、口論になってしまった後は……?」
あかね「まぁ、想像通りや。タイガースファンの輩に目ぇつけられて、あることないこと」
やよい「あ、荒らされたりとかしちゃったの!?」
あかね「そこまではされへんかったけど。タイガースが負けた日は、やけに絡んでくるおっさんがぎょーさんきよったなぁ」
なお「……なんて汚いんだ!筋が通ってないよ、筋が!!」
あかね「で、商売上がったりや~ってなりよったから、心機一転しよかー、ゆうてこっちに越してきたわけ」
みゆき「そう、だったんだ……」
あかね「……あー、ごめん。こんな暗くさせる話題のつもりやなかったねん。つまり、な。なんちゅーか」
あかね「うちは今、そんなことがあったけど。こっちに来れて、良かったと思ってるってこと」
あかね「テレビつけてもタイガースの試合中継とか無くて、街歩いてても縞々の応援幕とかなくて」
あかね「それで、みんなに会えたんやし。ほら、みゆき。あんた風にゆえば……ウルトラハッピー!や。せやから、うん」
みゆき「……あっかねちゃーん!」
あかね「わわっ!?な、なんや抱きつきなや……いや続かんでえぇ!!恒例の大好き抱きしめとかえぇからやめてこっ恥ずかしいからやめーーやーーーー!!!」
みゆき「うん!皆で仲良しウルトラハッピー、だね!」
キャンディ「クル!」
あかね「そーかい、こっちは熱くてかなわんわなんやあれ四人と一匹で囲みよってからに」
やよい「恥ずかしいよね、うん。経験者の私は語る」
あかね「参加しとった子ぉが何か言っとるし」
なお「でも、あかねにそんな事情があったなんてね。思いもしなかったよ」
あかね「うーん?別に意外でもなんでもないつもりやったねんけど。なおも、虎よりウサギのがかわええから好っきゃろ?」
なお「まぁね」
れいか「……考えたのですが」
みゆき「? どうしたの、れいかちゃん」
れいか「私達は、今のあかねさんのように『皆に話して無いとても大事なこと』が……いくつかあるのでは、ないでしょうか」
れいか「つまりは、自分の中では当然だと思っていることでも……」
やよい「実は皆が知ったら驚くようなことがあるかも、ってことなの?」
れいか「はい。そしてそれは、仲間である私達が、更に結びつきを強くするのに。とても大事なことでは、ないかしら」
あかね「あー、確かになんかみんなにうちのこと知ってもらえて少し嬉しかったかもしれん。最後のは恥ずかしかったけども」
なお「いいね、それ。隠し事があるのは、すっきりしないし」
キャンディ「? キャンディ、そりよくわかんないクル。みゆきぃ、どういうことクル?」
みゆき「えーっとね、つまり……」
みゆき「カミングアウトでウルトラハッピー!って、ことだよね!」
やよい「え、えぇ?あかねちゃん、自分の番が終わったからって気楽すぎー……私、なんだろう」
みゆき「やよいちゃんの秘密?なになに、知りたい!」
やよい「ふぇ!?み、みゆきちゃんそんな、期待されても困るよぉ……うーんと、えーっとね」
なお「無いなら無いでいいんだよ、やよいちゃん」
れいか「えぇ。雑談のつもりで、気楽にしてください」
やよい「さり気に酷いよあかねちゃん!?わ、私だってその、皆には秘密の100%無敵のヒーローなんだもん」
あかね「うちらみんなやんそれ、いや、ヒーローとはちゃうけども」
なお「やよいちゃんは、分かりやすいからね。あ、バカにしてるんじゃなくって。そういうところがいいところだ、ってことだよ?」
れいか「なおは可愛いものと素直な方が大好きだものね」
やよい「そ、そう……?」
みゆき「うん、うん!やよいちゃんは絵が大好きで、頑張り屋さんで、それで……特撮ヒーローさんが大好きなんだよね!」
やよい「……あー。特撮……あー、そっか……」
みゆき「?」
あかね「え、な、なんやのやよい。そないな頭下げよってからに」
やよい「……私、ずっとずっと!特撮ヒーローが大好き!てつを素敵!って言ってたんだ、けど!けど!」
なお「てつをって人のことは初めて聞いたけど……え?」
れいか「やよい、さん。まさか……」
みゆき「え……ひょ、ひょっとして」
やよい「私……私!」
やよい「電王から嵌った、にわかなの!!ごめんなさい!!!」
あかね「……」
なお「……」
れいか「……」
やよい「……幻滅した、よね。うん、分かってるの……私……」
やよい「それでも、みんなには……知ってほしかった、かr」
あかね「いや、知らんし」
やよい「ふぇ……うん、ごめんね。こ、こんなにわかの言い訳なんて……みんな、聞きたく、ないよね」
あかね「いや、せやから……で、電王って、なに……?え?そっからはまったのが、何が悪いのん?」
やよい「……え?」
やよい「なにそれ詳しく……あ、あれ?みんな、私のこと……『糞にわか○ね!』とか『バイクに乗らないライダー()』とか……煽ったり、しないの?」
なお「そ、そんなこと言うわけないよ!?だって、やよいちゃんはそれがステキだって思って、好きになったんでしょう?どうして批判することがあるのさ」
やよい「あ……あの、ファンの界隈じゃ、私みたいなのはそういう扱い、だから」
れいか「やよいさん。あまり、ご自分を卑下しないでください。やよいさんはそれでも、とくさつ?が大好きになられたんですよね?」
やよい「う、うん。そっから平成ライダー全部見て、昭和も完走して、戦隊ヒーローに手を伸ばして、メタルヒーローに熱くなって、円谷にどっぷり嵌って、ゴジラ陣営とガメラ陣営の討論に加わって、そしてオダジョーが嫌いになったよ……?」
あかね「最後はわからへん、全部微妙やけど」
オダギリまだ特撮嫌ってるのか?
やよい「でも、でもね……私達の界隈じゃ、どこから嵌ったかっていうのがすっごく重要なの。いくら私が『東映不思議コメディシリーズ』の素晴らしさを説いても……」
あかね「なんやその学歴社会じみたもんは。やよい、うちらは、なんや?友達やろ?」
れいか「その通りです。やよいさんのご趣味はまだ詳しく知りませんが、そのような価値観でやよいさんを測るのは間違っていると言わせていただきます」
なお「そうだよ。まわりがどう、とか。関係無い。私達は、やよいちゃんが大好きなんだよ?」
キャンディ「キャンディも、やよい大好きクルぅ」
やよい「みん、みんなぁ……ぐすっ、よ、よかった。ほんと、ほんとは、怖かったよぅ……みんなにも、嫌われちゃったらってぇ」
あかね「ほーれ、さっきの仕返しやー」
なお「あはは、やよいちゃんは泣き虫だね。ひなとおんなじだ」
れいか「やよいさん、大丈夫ですよ。私達はみんな、やよいさんの味方です」
キャンディ「ギューッ、クルー!」
やよい「みんな、ありがとう。ありがとう。これから私が、お昼ご飯にカレーばっかりもってきても、引いたりしない?」
みゆき「えへへ!私にも少し分けてね!」
あかね「全力でツッコミはするけどな。えぇやろ、それくらい」
やよい「ありがと、ありがとう……大人になって、私が大型バイク乗り回してても、引かない?」
なお「ははっ、かっこいいね。後ろにのせてよ、気持ち良さそう」
れいか「そんなやよいさんはとっても素敵だと思いますよ?」
やよい「うん、うん……みんなありがとう、大好き!」
あかね「あかん、やよいが何を言ってるのか分からへん。それで、次は?」
なお「えーっと、私いいかな。いつまでも順番待っててもやもやするのは、いやだし」
みゆき「それじゃ、なおちゃんね!……うーん、って言ってもなおちゃんのそういうのは、想像つかないなぁ」
れいか「なお?なおは昔から、なんでも私に話してくれていたと思うのだけれど。それこそ、失敗や恥ずかしいことまで」
あかね「見せ付けてくれんのぅ自分ら。でもなおかて、何かあるからそないなこと言うんやろ?」
なお「うん……実は、実はさ」
なお「私、一度だけ。男子サッカー部の試合に……出たことが、あるんだ」
あかね「……」
やよい「……」
れいか「……」
なお「……」
みゆき「なおちゃん、かっこいいもんね!」
やよい「ありあり!全然ありだよ!」
なお「そこ!?」
あかね「茶化しなや、みゆき、やよい」
れいか「なお……一体、どうしてそんなことに?」
なお「うん……ほら、うちの男子サッカー部って、弱いでしょ?」
あかね「女子部のなおみたくエースもおらんし、まとまりもないねんな」
なお「そうなんだ。でもね、正顧問の先生が病気でいないから仕方のない部分もあるんだよ……でも」
みゆき「でも?」
なお「他校との試合で、ね。それに負けたら、向こう一年間の町の大きなグラウンドの使用許可を、そちらにゆずるって、賭けをしちゃったんだ。男子部」
れいか「……弱小なサッカー部は野球部その他にグラウンドの大半を使用されていて、週に何度か町のグラウンドを使わないと十分な練習が行えない」
れいか「と。生徒会の方でも、問題になっていました。ですが、まさかそんなことを……」
なお「『弱いくせに練習なんてしてなんの意味があるんだ』って、言われたらしい。それで喧嘩になったんだ、って」
なお「それを聞いて、さ。私も頭にきちゃって。だって、連中弱いけど、真面目な奴らなんだ。部員が足りなかった去年とかは、嫌な顔一つせず女子部に混ざって練習してたし」
あかね「それで、助っ人になったったー、ゆうわけか」
れいか「私がリボンをあげたのも、去年の末ほどの話しだものね」
なお「さらしも用意してたんだけど……使わなかったよ。何でかは聞いてくれるな」
あかね「そか。それで、結果はどないやったん?」
なお「10-0で勝てたよ」
あかね「相手弱っ!?!?」
なお「なんかあたし常時フリーだった……いや、そこはいいんだ。勝てたことは勝てたし、連中の力にもなれた。感謝も、された。でも、でも、さ」
なお「……あたし、ルールを破ったんだ」
みゆき「……なおちゃん、それは」
なお「理由なんて、関係ないよ。ううん、今考えれば、その理由だってあたしの感情一つだし」
やよい「で、でも……その場合は、えっと」
なお「ううん、やよいちゃん。庇わなくたって、いいんだ。あたしが一番よく分かってる。あたしは、自分が一番嫌いな」
なお「卑怯な手を使って、しまったんだ。それは変わらないよ」
れいか「……」
なお「助けてあげられたし、無理難題で筋が通ってない相手の鼻をあかせてやれた」
なお「でもさ。それでよかったのか、って。もっともっと何か、手があったんじゃないか、って」
なお「れいか。あたしがれいかみたいに頭がよければ、きっと話し合いでなんとかなったんじゃないのか、って」
れいか「……なお」
なお「あたし、直球勝負って言ってるけど。違うんだ。あたしは、直球でしか。思ったようにしか考えられないし、進めないんだ。それでいつも、事が済んでから……後悔ばかりしてる」
なお「あたし、自分が恥ずかしいよ……弟たちに、けいたにゆうたにこうたに、はるとひなに顔向けできない」
なお「姉ちゃんは……っ、みんなを叱れるような、姉ちゃんじゃないんだ、って」
みゆき「……なおちゃn」
あかね「待ったり、みゆき」
やよい「あ、あかねちゃん?これは、大好き抱きしめの流れじゃ……」
あかね「いや、ここは……幼馴染の特権を、発揮してもらおうや」
れいか「……なお」
ギュッ
なお「れい、ぐすっ、れいか」
なお「でも、うぅ、でもぉ」
れいか「私こそ、生徒会というそのような問題に対処できる立場にありながら、何もできなくてごめんね?」
なお「! 違うよ!れいかは何も、悪くないよ!あたし、あたしが……相談しなかったのが、悪いんだ。直球直球って、向こう見ずに……」
れいか「知ってる。なお、私はあなたの幼馴染よ?だからね、なお」
れいか「私はあなたの鏡でありたいの。ずっとずっと、それは変わらないわ」
なお「れいか……」
れいか「なおがまっすぐにしか進めないなら、その結果で悩むなら。私がなおを映してあげる」
れいか「なおが求める清らかな心は、あなたの中にあるんだって。私が教えてあげる」
れいか「それが、友達でしょ?なお……もう一人で、悩まないでね?」
なお「れいか……れいかぁあぁ」
あかね「今や!」
みゆき「なおちゃーん!私もなおちゃん大好きだよぉー!」
やよい「なおちゃんかっこいいよ!ヒーローみたいだよ間違ってなんかないよぉー!」
キャンディ「クルぅ!」
なお「みんな、うぅ、うわぁあああん!みんなぁー!!」
れいか「ふふっ、なおは昔から泣き虫なのよね」
あかね「そら良かったわ。なお番長の意外な姿はこれが初めてやないけども」
なお「番長言うな!れいか、ありがと。あたしの幼馴染が、れいかでよかったよ」
れいか「私もよ、なお」
やよい「うーんと、それじゃ次はその流れでれいかちゃん?」
れいか「私、ですか。ついに、ですね……」
みゆき「れい、れいかちゃん顔が真剣に!」
やよい「き、気楽にじゃなかったの!?れいかちゃん真面目すぎー」
れいか「はっ。すいません、ですが私の発言は……みなさんの、その。この場でのやる気など、諸々を失わせて、しまいそうで」
あかね「な、なんやそれ……プリキュアであることを、ってことか?」
なお「れ、れいか……一体なんなのさ。話してよ」
れいか「……実は」
れいか「……私、夏休みの宿題。昨日で全部、終わってるんです」
みゆき「」
あかね「」
やよい「」
なお「……」
れいか「……」
なお「……れいか、それ今年は我慢しようって言ってたじゃないか」
れいか「ごめんなさい。でも、お兄様に昨晩誘われてしまって……」
あかね「れいか!」
れいか「な、なんでしょうあかねさん……怒ります?」
あかね「映させてぇ!!」
れいか「ダメです♪」
みゆき「わかった、れいかちゃん!小人さんを呼んでちょちょいのちょいだったんだね!」
あかね「あかん、あんたのが分からん」
れいか「正確には渡された一昨日も含めてですから、二日かかっていますけどね」
やよい「で、でも凄いよ、凄すぎるよれいかちゃん……私、この計算ドリルなんて終わるまでに夏が終わっちゃってそうだよぉ」
なお「そこは、みんなで力合わせて頑張ろう、やよいちゃん。あ、あかね。だからと言ってうつすのはなしだよ?」
あかね「わ、分かってますー、冗談ですーもー」
れいか「ふふっ。あ、そうでした。全て、とは言ったのですが。一つだけ、これが残っているんです」
キャンディ「クル?そりなぁにクル?」
みゆき「あ……そっかぁ、絵日記があるんだよね!」
れいか「みなさん……最高の物が出来るようにするため。協力、していただけますか?」
なお「もちろんさ!」
あかね「ふっふっふー、せんせが笑いすぎて皺が伸びまくるくらいのもんにしたらぁー!」
やよい「みんなでいれば、きっと何から描こうか困るくらいだよね!」
みゆき「うん、うん!れいかちゃん!ウルトラハッピーな絵日記に、しようね!」
キャンディ「キャンディも描くクルぅ!」
れいか「ふふっ、ありがとうございます。今年の夏休みは、とってもとっても楽しくなりそうだわ」
みゆき「わ、私かぁ……なんだか、いざ自分の番になったら緊張するね!」
やよい「分かる、分かるよみゆきちゃん」
なお「でもほら、これまでの流れで分かったでしょ?私達、何を言われても大丈夫だよ」
れいか「えぇ、ですからみゆきさん。何も心配せず、おっしゃりたいことをおっしゃってください」
みゆき「うん……そうだよね。みんな、なら。うん」
キャンディ「キャンディもいるクル?」
みゆき「ははっ、ありがと……あのね。私、絵本が大好きでしょ?」
あかね「? 知っとるけど」
みゆき「ううん、そういうことじゃなくて。あのね、私のこの趣味を知ると、意地悪な男の子が言ってきたりしたんだ……」
みゆき「『おい星空ー!知ってるか?グリム童話って本当はほとんど怖いオチなんだぜー!』って」
なお「あー……き、聞いたことが、あるね」
れいか「……戒めや風刺、教訓を強烈に分からせる目的があったものも多数だったそうですから。ですが、みゆきさん?今は……」
みゆき「……私は、そんなことを言ってくる子には」
みゆき「これを、貸してあげることにしています」
エドワード・ゴーリー著『ギャシュリークラムのちびっ子たち―または 遠出のあとで』
あかね「」
やよい「」
なお「」
れいか「」
キャンディ「」
みゆき「世の中には、ハッピーエンドだけじゃない。たくさんたくさん、バッドエンドなお話もあるんだ、ってこと」
みゆき「それでも、私はハッピーエンドが好き」
みゆき「ハッピーエンドを求める、人間の心が大好き」
みゆき「バッドエンドを作った人も、きっときっと、何か私達に伝えようとしていたはずなの」
みゆき「辛いお話から、悲しい出来事から、私達が何か学べるように、って」
みゆき「アンだって、楽しい出来事ばっかりじゃなかったよ。泣いたりしたこともたくさんあったよ」
みゆき「それで本を閉じてしまったら、そこで本当にお終いなの。私は、そんなのは嫌だ」
みゆき「人はそこから立ち直れるんだって、教えてくれるの」
みゆき「私は、どんなバッドエンドも乗り越えて。スマイルになれる、ハッピーエンドがきっとあるって。信じてる」
みゆき「だから私、バッドエンドからも逃げない……この前、キャンディを助けたいって思ったとき。ようやく、分かったの」
みゆき「……私、間違ってる、かな」
あかね「……みゆき。あんたは、凄いな」
やよい「みゆきちゃん……みゆきちゃんは、いっつも私達の思ってるよりずーっとずーっとかっこいいことをしてくれるよね」
なお「みゆきちゃん、ありがとう、みゆきちゃんのことを教えてくれて。私、思ったよ。みゆきちゃんと一緒なら、どんな戦いにでも憑いていきたいって」
れいか「みゆきさん……きっと、困難な道です。ですが、私達みんな一緒なら。平気です、そうですよね?」
キャンディ「クル!キャンディも、頑張るクル!みゆきの、ハッピーエンドのためにクルぅ!」
キャンディ「クル!?どこかで、バッドエナジー空間が展開してるクル!」
あかね「いつの間にかそないなこと出来るようになっとったけど、キャンディ便利やな自分」
やよい「よーし!みんなで心機一転!出撃だね!」
なお「うん!より一層チームになった私達に、敵なんていないよ!」
れいか「行きましょう、みゆきさん。導いてください、私達の光として」
みゆき「うん!それじゃ、行こう!」
カチッ カチッ パッ!!…………
狼「ウーーールッフフフフ!俺様に本を売りやがらねぇ罰だぜぇ!暴露本なんていう、メチャクチャ悪そうな本をよぉ!」
狼「あぁん?おぉプリキュアども、テメェらもきやがったか、しょうこりもなく。ははぁん?テメェらも中々に、バッドな思考をしてやがんだなぁ?」
なお「どういうことさ」
狼「そうだろうが。こんな本を出しやがる奴は、暴露して誰かを貶めようとしてんだろ。そんで、その本を買いたい奴は、それを読んで笑ってやろうってはらごもりなんだろうが」
れいか「……みながみな、あなたのような外道なわけではありません!」
みゆき「狼さん……狼さんは、可哀想だね」
狼「……あぁん!?」
みゆき「人はね。秘密を喋ることで、スッキリしたいときもあるの。それがとっても怖くって、知られたら嫌われちゃうって思っていても!」
みゆき「みんなは、分かるよね。私のことも、みんなのことも。私、みんなが変わらず大好きだよ」
あかね「うちかてや」
やよい「うん!みゆきちゃん」
れいか「当然ですよ、みゆきさん」
なお「あの勘違い狼を、こらしめてやろうよ」
みゆき「うん!いくよ、みんな!」
プリキュア! スマイルチャージ!
サニー「太陽サンサン、熱血パワゥア!キュアサニェー!」
ピース「ピカピカぴかりん☆じゃん、けん、ぽん!キュアピース!」
マーチ「勇気凛々、直球勝負!キュアマーチッッ!」
ビューティ「深々と降り積もる、清き心。キュアビューティ!」
五つの光が導く未来!
ハッピー「ハッピーエンドに輝け!スマイル プリキュア!!!」
完
ポップ「……みなの衆は、ぶっちゃけデコルの数まだまだあるってことを知ってたことをカミングアウトしても、許してくれるでござろうか」
キャンディ「お兄ちゃん……ねぇよクル」
今度こそ、完
みんなはもちろんボーカルアルバム買うたよな!?れいかさん曲はれいなおにしか聞こえへん最高や!
来週はスマプリおやすみ?よっしゃ!三本立てや準備せなな!
じゃあの!
ABC朝日放送 日曜朝八時半
スマイルプリキュア!
大好評放送中!
関連グッズも続々発売中!!
いい話だった
今回もおもしろかった
乙
Entry ⇒ 2012.07.23 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ウルフルン「キュアサニーのお好み焼きが食いてえな……」
ウルフルン「ん……? ここに置いておいたはずなんだがな……」
アカオーニ「どうしたオニ。探し物でもしてるオニか?」
ウルフルン「おう、ここに置いてあったお好み焼き知らねえか?」
アカオーニ「ソースのかかった食い物オニか? 俺が食べたオニ」
ウルフルン「てめえ人のもん勝手に食ってんじゃねえぞ!」
アカオーニ「そんなの知らんオニ! 放置しておくお前が悪いオニ!」
ウルフルン「てめえこの野郎! ここでぶちのめしてやる!」
アカオーニ「上等だオニ! 食後の運動もかねてひねりつぶしてやるオニ!」
ウルフルン「てめえは口出しするんじゃねえぜマジョリーナ。俺ァ腹減りすぎてイライラしてんだよ……!」
マジョリーナ「そんなに腹ペコなら余ってる納豆餃子飴の処理をたのむだわさ。ほれ」
ウルフルン「おえっ。てめえが買ってきたもんはてめえで処理しやがれクソババア!」
マジョリーナ「クソババアとはなんだわさ! 納豆餃子飴を食らえだわさ!」
ウルフルン「うわっ、こっちに投げるんじゃねえ!」
アカオーニ「お、美味そうな飴だオニ。いただきますオニ……って臭いオニィィィィ!!!」
ウルフルン「ひとまず地上に逃げるとするか……」
ウルフルン「おい屋台のおっさん。またお好み焼き買いに来たぜ」
おっさん「あんたさっき買ったお好み焼きの金払わず行っちまっただろ! 早く金払ってちょうだいよ」
ウルフルン「それはあれだ。財布忘れたから取りに行ってただけだ。金ならあるからもう一枚焼いてくれ」
おっさん「ならよかったよ。ほれもう一丁あがり。さっきのと合わせて800円だ」
ウルフルン「騙されたなおっさん! 財布なんて持ってきてるわけねえだろ! じゃあお好み焼きはいただいていくぜ!」
おっさん「あっこの野郎! 待てー! 泥棒ー!」
ウルフルン「ウルッフッフ。悪いことすると気分がいいぜ」
ウルフルン「はふっはふっ。モグモグ……やっぱお好み焼きはうめえな!」
ウルフルン「バッドエンド王国じゃ味わえないうまさだぜ。モグモグ……」
ウルフルン「……………」
ウルフルン「うめえけど、なんだろうな」
ウルフルン「……物足りねえ」
ウルフルン「量もそうだがそれ以上に別の何かが物足りねえ」
ウルフルン「って、あれはプリキュアが作ったやつじゃねえか」
ウルフルン「プリキュアが作ったものとなると手放しに褒めたくなくなるぜ」
ウルフルン「今食ったお好み焼きの何倍も美味かったのは確かだけどよ」
ウルフルン「キュアサニーのお好み焼きが食いてえな……」
ウルフルン「はっ! 無意識に変なこと言っちまった!」
ウルフルン「調子狂うぜ……ったく」
あかね「ほな、みんなで帰ろか」
やよい「今日はみんな部活お休みなの?」
なお「そうだよー」
れいか「私は生徒会の仕事もお休みです」
みゆき「じゃあみんなで寄り道して帰ろうよ!」
みんな「いいね~」キャッキャ
ウルフルン「…………」
ウルフルン「何やってんだ俺は。こんなところでプリキュアたちをのぞき見してよ」
キャンディ「お腹すいたクル! 駄菓子屋さんに行きたいクル!」
あかね「じゃあ駄菓子屋へゴーや!」
みゆき「キャンディ食べ過ぎちゃだめだよー。私おこずかいちょっとしかないんだから」
キャンディ「だいじょーぶクル」
ウルフルン(おいおい何言ってやがんだ!)
ウルフルン(腹減ってるんならお好み焼きだろうがクソチビ……ッ!)
なお「私もお腹減ったなあ。お菓子じゃ足りないかも」
ウルフルン(よしいいぞ直球バカ! お菓子じゃなくてお好み焼きに話をずらせ!)
れいか「みなさん下校時に買い物をするのはだめですよ。そもそも学校にお金を持ってきてはいけないと校則で決まっています」
ウルフルン(こんの優等生がァ! 邪魔すんじゃねえよ!)
れいか「ですから、一度帰宅してからまた集合して、それからみんなでお菓子を買いに行きましょう」
やよい「れいかちゃんがそういうならしかたないね」
あかね「よっしゃ! 家までダッシュや!」
みゆき「それじゃあみんなふしぎ図書館に集合ね。ばいばーい」
ウルフルン(ふぅ……何か食う方向のままで助かったぜ)
ウルフルン(悔しいが俺はどうしてもキュアサニーのお好み焼きが食いてえ)
ウルフルン(頼むぜプリキュアたち。このままキュアサニーにお好み焼きを作ってもらう流れにもっていけよ)
ウルフルン(そしてあいつらが食べようとしたところで俺様が全てかっさらってやるのさ)
ウルフルン(ウルッフッフ。俺ってば冴えてるぜ)
ウルフルン(……で、ふしぎ図書館ってどこだ?)
ウルフルン「ってもういねえじゃねえか! 見失っちまった!」
ウルフルン「ったく、どうすりゃいいんだよ。とりあえずそこらへん飛び回って探すか」
ウルフルン「こんなコソコソと俺様らしくねえことをしてんだ。なんとしてもサニーのお好み焼きを食ってやるぜ!」
数十分後
ウルフルン「見つかんねえ……あいつらどこにいやがるんだ」
ウルフルン「この町の図書館を片っ端から探してみても不審者扱いされて追い出されるしよ……」
ウルフルン「これは着ぐるみなんかじゃねえっつーんだよ」
ウルフルン「プリキュア……どこにいやがる……」
ウルフルン「ん? 向こうの空の色がおかしいな。まさか……」ピューン
アカオーニ「プリキュア! 今日のイライラを全部お前たちにぶつけてやるオニ!」
あかね「やつあたりでバッドエナジー集めるのやめーや!」
ウルフルン(ナイスだぜアカオーニ。おかげでプリキュアをみつけられた!)
ウルフルン「口の中がまだ不味いオニ……イライラするオニ……。アカンベェ!」
アカンベェ「アカンベェ!!!」
みゆき「みんないくよっ」
みんな「プリキュア! スマイルチャージ!」
アカンベェ「アカンベェェェ!!!」
ドゴーン バゴーン
ウルフルン(いちおうバッドエナジーも集まったし適当なところで負けてくれよアカンベェ)
ズゴゴゴゴ
みんな「きゃああああああ」
ウルフルン(おいおい今日のアカンベェなんだか強いじゃねえか)
ウルフルン(あっ馬鹿、そこで追い打ちかけるのはやりすぎだ! おいおいもうチョイ手を緩めろって!)
サニー「くぅっ」
ウルフルン(おいおいサニーに攻撃してんじゃねえよ! 大けがしたらどうするんだ! お好み焼き作れなくなるだろうが!)
アカオーニ「うるさいオニ! アカンベェやっちまえオニ!」
サニー「ぐあぁぁぁっ」
ウルフルン(サニー馬鹿かお前! 何やられてるのに強気なんだよ! また狙われるに決まってんだろ! 他のやつらもしっかりしやがれ!)
ハッピー「つ、強すぎるよ……」
ピース「もう……ダメ……」
マーチ「諦めるもんか……くっ……」
ビューティ「何か……何か手があるはず……」
アカオーニ「お前らの負けオニ! 最高にスッキリするオニ!」
ウルフルン(アカオーニてめえ調子にのりすぎだぞ!)
サニー「アカン……避けられへん……ッ」
ウルフルン(ああああああ情けねえなプリキュア! ええいくそッ)
ウルフルン「オラァッ!!!」
アカンベェ「アカンベェェェェェェ」
アカオーニ「アカンベェがいきなりふっとんだオニ!?」
ウルフルン(お好み焼きの件は許してやるから勘弁してくれよアカオーニ)
ビューティ「何者かがアカンベェにとび蹴りを……?」
サニー「今がチャンスや! プリキュア! サニーファイヤー!」
アカンベェ「アカンベェェェェェエエエエェェェェェエエエエエェェェ」
アカオーニ「プリキュア覚えてろオニ!」シュンッ
ウルフルン(ったく、世話がやけるぜ……)
ウルフルン(……って、何プリキュアを助けてんだ俺はァ!?)
ウルフルン「今日の俺はどうかしてるぜ……食欲でここまで狂っちまうとはな」
みゆき「やったー!」
やよい「危なかったぁ」
れいか「最後に現れたのは誰だったのでしょうか……」
なお「誰かは分からないけど、まあ勝ててよかったよ」
あかね「…………」
なお「はぁ……すごい戦いだったからお腹減っちゃった……。お菓子じゃ物足りないよ」
みゆき「私もー」
あかね「よっしゃ。それじゃあうちでお好み焼き食べよか!」
ウルフルン(よしきたァ!!!!!!)
やよい「でもさっきの戦いで汗びっしょり」
れいか「私もです」
あかね「みんないったん家帰ってシャワー浴びてきいや。今日は店休みだし貸切でお好み焼きパーティや!」
キャンディ「楽しみクルー!」
ウルフルン(ウルフッフ。お好み焼きは全部俺様がいただきだぜ)
ウルフルン(さて、サニーの後をつけてあいつの家まで行くとするか)
あかね「ただいまー」ガラガラ
ウルフルン(へえ。ちゃんとしたお好み焼き屋なんだな)
あかね「…………」
あかね「……おるんやろ、ウルフルン」
ウルフルン(!?)
ウルフルン(どうする……素直で出ていくか……?)
あかね「はよ出てこんかい!」
ウルフルン「うわっ」
あかね「とりあえず店ん中入りぃ」
ウルフルン「いてててっ。ひっぱんなこの野郎ッ」
あかね「さっきうちを助けてくれたの、あんたやろ?」
ウルフルン「気づいてやがったのか」
あかね「なんでうちを助けたん? 何か企んどるの?」ジロッ
ウルフルン「そ、それは……」
ウルフルン(素直にお好み焼き食わせろだなんて恥かしくて口が裂けても言えねえぜ……)
あかね「なんとか言ったらどうなん? だんまり決め込まれても困るんやけど」
ウルフルン(でも、ここの店の鉄板見てるだけで頭にお好み焼きが浮かんできやがる……ああ……食いてえ……食いてえよ……)
ウルフルン「お好み焼き食いてえ……」
あかね「お好み焼きぃ!?」
ウルフルン「しまった! うっかり口がすべっちまった!」
あかね「……あんた、お好み焼き食べにきたん?」
ウルフルン「お、おう……」
あかね「じゃあさっき助けたのもうちのお好み焼きが食べたいからってこと?」
ウルフルン「…………ぉぅ」
あかね「どういうこっちゃねん。パニックになりそうやわ」
ウルフルン「そ、そうだぜ。今日の俺はお客様だ。この前作ってたお好み焼きと同じのを食わせろ!」
あかね「偉そうなお客さんやな」
ウルフルン「うるせえ! それだけ美味かったってことだよ! けッ」
あかね「……そっか。それじゃ、そこに座って大人しく待っとってや。うちシャワー浴びてくるから」
ウルフルン「こっちは腹減ってんだ。一分で浴びてこいよ!」
あかね「短いわ! ほんま偉そうやな!」
ウルフルン「命の恩人だろ?」
あかね「う……」
ウルフルン「あん?」
あかね「うちのお好み焼きが食べたいなら、今日はベッドエンド王国のウルフルンじゃなくお客のウルフルンさんとしてうちらと接すること。戦いはなし」
ウルフルン「わーってるよ」
あかね「みんなが来ても仲良くせな食わせんからな」
ウルフルン「今日だけな。……しかし、こんな素直に食わせてもらえるとは思わなかったぜ」
あかね「ウルフルンって誰かに料理作ってあげたりしたことないん?」
ウルフルン「ないに決まってんだろ」
あかね「そっか」
あかね「あのな、ウルフルン。気持ちこめて作った料理を美味しい言ってもらえるのって、すっごく嬉しいんやで」
あかね「ほな、ちょっと待っとってな」タッタッタッ
ウルフルン「なんだそりゃあ」
ウルフルン「ったく。調子狂うぜ」
パンツがアカンベェになった
キャンディ「お好み焼きパーティクル~……ってウルフルンがいるクル~~~~~~!!!」
やよい「な、なななななななんでぇ!?」
なお「こんなところにまで攻めてくるなんてッ」
れいか「やるしかないですね……!」
あかね「はいはいみんなストップストップ」
みゆき「あ、あかねちゃんどういうことなの!?」
あかね「今日のウルフルンはお客さんや。うちの店はバトル禁止やからな。みんな仲良く食べてってや」
ウルフルン「そういうこった。ほら、お前らも座れよ。もうすぐ焼けるぜ」
ウルフルン「ウルッフッフ。よだれが止まらねえぜ」
ウルフルン「お前ら! これは一番最初から待ってた俺のだからな! 順番守れよ!」
なお「悪者から順番守れなんて言われる日がくるなんて……」
れいか「調子が狂いますね……」
キャンディ「ウルフルン恐いクル……」
ウルフルン「安心しろよチビ。今日はなんもしねえからよ。ほら、一切れやるよ」
キャンディ「やったぁクル! ウルフルン意外と優しいクル~」
みゆき「あーキャンディずるーい。おおかみさん私にも分けてー!」
あかね「ほら、みゆき。こっちのがもう焼けるで! チーズ入りや!」
ウルフルン「おいハッピー、俺のとチーズ入りのやつ交換しようぜ」
みゆき「いいよー」
やよい「みゆきちゃん順応力ありすぎ……」
れいか「そうですね。私おなかペコペコです」
ウルフルン「おい直球バカ! このイカ入ってるやつうめえぞ!」
なお「誰が直球バカだ!」
キャンディ「おいしいクル~」
みゆき「やっぱあかねちゃんのお好み焼きは最高だよ。ウルトラハッピー!」
あかね「じゃんじゃん食べてやー。うちもじゃんじゃん焼いたる」
ウルフルン「おいキュアサニー! ビールねえのか!?」
あかね「あんた酒も飲むんかい! 誰か冷蔵庫から取ってきてくれへん?」
やよい「私持ってくるね」
ウルフルン「早くしろよな。5秒でもってこいよ!」
あかね「だから短すぎるわ! あほか!」
ウルフルン「腹ァいっぱいだ。大満足だぜ」
なお「もうこんな時間。そろそろ帰らなきゃ」
れいか「そうですね。家族も心配するでしょうし」
やよい「今日はこれで解散だね」
ウルフルン「俺様も帰るかねぇ。ヒック」
あかね「ちょっとちょっと」
ウルフルン「ああん?」
あかね「お勘定」
ウルフルン「…………」
あかね「今日はお客さんなんやろ?」
ウルフルン「ねえ」
あかね「え?」
ウルフルン「金はねえ」
あかね「はああああ!!??」
ウルフルン「うるせえねえもんはねえんだよ!」
あかね「財布持ってるやろ。ほらポケットとか見せえや」ゴソゴソ
ウルフルン「おいへんなとこまさぐるんじゃねえ!」
あかね「ない……ほんまに財布持ってへんやん……」
ウルフルン「だから言ったろ。他のやつらだってタダ食いだから俺だっていいだろ」
あかね「みゆきたちは友達だから特別やけどあんた今日お客やろ!」
ウルフルン「うるせえ! だったら俺も今日から友達だ! これで文句ねえだろ!」
あかね「言いわけないやろ。元々敵のくせに何言っとんのや!」
ウルフルン「友達ったら友達だ。ほら手ぇ貸せ。はい握手っと。これで俺たち友達な」
あかね「あんた酔っとるやろ」
ウルフルン「うるせえ酔ってねえよ。……ヒック」
みゆき「おおかみさん顔まっかっかだね」
ウルフルン「おう! 悪いなサニー! ウルッフッフ」
あかね「ちょっと肩回してこないでや!」
やよい「あっさり打ち解けちゃったね」
れいか「ふふふ。いつも戦っているウルフルンとは別人みたいですね」
なお「ずっとこんな感じならいいんだけどねえ」
ウルフルン「キュアサニー、お好み焼き最高に美味かったぜ! それじゃあなプリキュアども!」
あかね「おおきに、ウルフルン」
みゆき「おおかみさんバイバーイ」
キャンディ「バイバイクルー」
マジョリーナ「うっ……酒臭いだわさ」
アカオーニ「プリキュアに負けてからイライラが収まらないオニー!」
ウルフルン「おう、アカオーニ! そうカッカしてんなよ! ほら土産だ!」
アカオーニ「なんだオニ。これはお好み焼きオニ?」
ウルフルン「おう。ちょっと地上で作ってきたんだぜ」
あかね「なあ、ウルフルン。あんたも作ってみる?」
ウルフルン「ああん? 俺がか?」
あかね「結構楽しいで。あんたが作って仲間に土産として持って行ってあげればええやん」
ウルフルン「そうだな。やってみるか」
ウルフルン「今日は悪かったなアカオーニ。ほら食えよ。マジョリーナもいいぜ」
マジョリーナ「気前のいいウルフルンだなんてなんだか不気味だわさ」
ウルフルン「気にすんなって。ほら、俺様の特製豚玉だぜ!」
マジョリーナ「焦げてるしあんまりおいしそうじゃないだわさ」
ウルフルン「うるせえ! いいから食えって!」
アカオーニ「モグモグ……ウルフルンのくせに結構美味しいオニ」
マジョリーナ「ホントだわさ。ウルフルンのくせに美味しいだわさ」
ウルフルン「ウルフルンのくせには余計だこの野郎!」
ウルフルン(でも、まあ……)
――――あのな、ウルフルン。気持ちこめて作った料理を美味しい言ってもらえるのって、すっごく嬉しいんやで。
ウルフルン(確かに悪くはねえかもな)
アカオーニ「ごちそうさまオニ」 マジョリーナ「ごちそうさまだわさ」
ウルフルン「あッ! てめえら俺の分まで全部食いやがったな!」
アカオーニ「そんなの聞いてないオニ」 マジョリーナ「聞いてないだわさ」
ウルフルン「てめえらこの野郎! 表出やがれ! ぶっとばしてやる!」
アカオーニ「上等オニ!」 マジョリーナ「返り討ちにしてやるだわさ!」
おわり
乙
お好み焼き食いたくなったわ
腹減ったわ
Entry ⇒ 2012.07.20 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
光太郎「悪の手先プリキュア! ゆ゛る゛さ゛ん゛!!」
ジョーカー「フフ……ようこそいらっしゃいましたぁ」
光太郎「誰だ!?」
ジョーカー「はじめまして~、南光太郎さん。いえ、仮面ライダーBLACKとお呼びした方がよろしいでしょうかねぇ」
光太郎「なんだって!? その名前を知っているとは……キミは何者なんだ!?」
ジョーカー「私、バッドエンド王国のジョーカーと申します。以後、お見知りおきを……ウフフ」
光太郎「バッドエンド王国のジョーカー!?」
ジョーカー(……いちいち暑苦しい男ですねぇ)
ジョーカー「いいえ、とんでもありませ~ん! 名前で誤解されがちですが、まごうことなき正義の味方ですよぉ~!」
光太郎「そうか、正義の味方なのか……誤解してすまなかった」
ジョーカー「いえいえ~」
ジョーカー(チョロい! チョロすぎますよぉ、この人!)
光太郎「それで、俺をここに呼び出したのはキミなのか?」
ジョーカー「はぁい。実は仮面ライダーのあなたにご協力いただきたいことがありまして」
光太郎「協力?」
ジョーカー「えぇ、悪の手先『プリキュア』を倒して欲しいのですよ。フフフ……」
――――
――――――
やよい「はぁぁ……どうしよう……」ズーン
みゆき「やよいちゃん、どうしたの? 学校終わってからずっと落ち込んでるみたいだけど」
やよい「……あのね。今日、数学のテスト返ってきたよね」
みゆき「うん」
やよい「みゆきちゃん、何点だった?」
みゆき「え……わ、私バカだから、その……よっ、45点……」
やよい「……それでも私より全然いいよ。私なんか……」
みゆき「やよいちゃん?」
みゆき「えぇっ!? あ、赤点!?」
やよい「うん……」ズーン
みゆき「赤点って、やよいちゃんのお母さん怒らないかなぁ?」
やよい「怒るに決まってるよー! いくら数学が苦手でも、今まで赤点だけはとらないようにしてたのに……」
みゆき「私でも赤点はさすがに無いもんね……ぜ、全部50点もいかないけど……」
やよい「はぁ~……もう、ママには内緒にしておこうかなぁ」
やよい「ひゃいっ!?」ビクッ
光太郎「俺は南光太郎。よろしく」
やよい「はっ? はぁ……」
光太郎「突然ですまないが、キミが重大な隠し事をしていることは既に知っている。正直に話してくれないか」
やよい「え!?」
光太郎(ジョーカーの話ではこの少女たちが『プリキュア』だということだが……)
光太郎(普段は人間に擬態しているらしい。まずはその事実を確かめなければ!)
やよい(私の赤点を知ってるってことは……きっとこの人、新しい先生なんだ!)
やよい(あっ……もしかしてテストのことをママに内緒にしようとしてるのがバレたの!?)
やよい「そ、そんなこと言えません!」
光太郎「なんだって!? かたくなに話すことを拒むなんて……まさか!」
やよい「さ、さようならっ!」ダッ
みゆき「あっ、待ってよやよいちゃん!」タッタッタッ...
光太郎「くそっ、逃がしたか……だがやましいことが無いなら逃げる必要もないはずだ。ヤツがプリキュアなのは間違いない!」
――――
――――――
ジョーカー「おやぁ、お早いお帰りですね光太郎さん。偵察の収穫はありましたぁ?」
光太郎「ああ。どうやらキミの言っていたことは本当みたいだ」
ジョーカー「でしょう? それでは……」
光太郎「俺もプリキュアを倒すのに協力しよう」
ジョーカー「ありがとうございまぁす! それでは、こちらへどうぞ~」
光太郎「何かあるのか?」
ジョーカー「ええ。正義の味方は私一人ではありませ~ん! 幹部の皆さんを紹介いたしますぅ」
光太郎「幹部か……幹部と言えば、三神官やビルゲニアのせいで悪いイメージが強いんだが……」
ジョーカー「いえいえ、皆さんれっきとした正義の戦士ですよぉ~!」
光太郎「君たちがバッドエンド王国の幹部か。俺は南光太郎、これからよろしく頼むよ」
ウルフルン「ケッ。新入りはよりによって人間かよ」
アカオーニ「なんでもいいけど足だけは引っ張らんで欲しいオニ」
マジョリーナ「あたしゃ研究の邪魔さえされなきゃ……ん? ま、待つだわさ!」
ウルフルン「あん?」
マジョリーナ「コイツ、ただの人間じゃないだわさ! このエネルギー……まさか、キングストーンを持ってるだわさ!?」
ジョーカー「キングストーン……ですかぁ?」
ウルフルン「体の中に石があんのか? ってかキングストーンって何だよ?」
マジョリーナ「簡単に言うと、キングストーンは奇跡を起こす石なんだわさ」
アカオーニ「奇跡オニ?」
マジョリーナ「『太陽の石』と『月の石』があって、二つのキングストーンが揃うと凄い奇跡が起こると言われているだわさ!」
光太郎「その通りだ。でも、月の石はもうこの世には存在しない。以前、ある戦いの最中で俺が破壊した」
マジョリーナ「こ、壊しただわさ!? 魔法使いやコレクターがこぞって欲しがってるアイテムなのに、なんてことするだわさ!」
光太郎「あの石のせいで、俺の兄弟は不幸な目にあった。あんな物、無い方が良いに決まってるんだ!」
ジョーカー(不幸が集まるのはむしろ望ましい、ということはさておき。ミラクルジュエルとは別のレアアイテムということですか)
ジョーカー(奇跡を起こす、と聞けば放置はできません。月の石はもう無いようですし、せめて太陽の石は手に入れておきたいですねぇ)
ジョーカー(……ですが、光太郎さんの体内にあるのではどうしようもありません。変身の秘密もそこにあるのでしょうか?)
――――
――――――
やよい「う~ん……」
ちはる「やよい、ご飯できたわよー!」
やよい「あっ、はーい!」
やよい「……はぁ。最近、ママに隠し事が増えてきちゃったな。テストの点数とか、プリキュアとか……」
やよい「プリキュアって結構大変だよね。相手はこっちの都合なんてお構いなしに襲ってくるし、必殺技を使うとすごく疲れるし」
やよい「そんな状態じゃ、テスト勉強もはかどるわけないよ~……悪い点数がさらに悪くなっちゃう」
やよい「たまには、誰か代わりのヒーローが戦ってくれたりしないかなぁ……」
なお「むぐむぐ……うん、やっぱり部活帰りのお好み焼きは最高! あかね、また腕上げたね!」
あかね「おおきに! ぎょうさん食べてーや!」
なお「もちろん! それにしてもなんであかねが店番やってるの? お父さんは?」
あかね「それがなぁ、お父ちゃんまたギックリ腰になってしもて」
なお「そうなんだ……あかねも大変だね。部活もあるのにさ」
ガララッ
光太郎「………………」
光太郎(ここがジョーカーの言っていた、プリキュアの潜伏場所の1つか。一見すると普通のお好み焼き屋だが)
あかね「いらっしゃーい! お好きな席へどうぞー!」
光太郎「ああ」
光太郎(赤髪と緑髪の少女たち……ジョーカーの話によると、この二人もプリキュアらしいが)
あかね「はいお水。ご注文は何にします?」
光太郎「……じゃあ、豚玉を1つ」
あかね「はいよっ、豚玉いっちょー!」
光太郎(やはり二人とも普通の女の子にしか見えないな……髪の色以外は)
なお(あの人、なんであんなに古臭い服着てるんだろう。昭和じゃないんだから……)
ウルフルン「チッ。なーんで俺様がこんな小間使いみたいな真似を……」
ウルフルン「ジョーカーの野郎もワケの分からねぇこと言いやがるしよ。『ペットショップのカメレオンに青っ鼻を付けろ』だぁ?」
ウルフルン「何がしてぇんだかサッパリだぜ……まあいい、とっとと終わらせちまうか」
ウルフルン「世界よ! 最悪の結末、バッドエンドに染まれぇぇ! 白紙の未来を黒く塗り潰すのだぁぁぁ!」
あかね「!?」
なお「この感覚は……!」
あかね「なお、外見てみい。いつん間にか夜になっとる」
なお「あいつら、性懲りもなくまた来たんだね! 行こう、あかね!」
あかね「おっしゃ!」
タッタッタッ...
光太郎「……急に夜になるなんて、普通じゃない! まさかこれもプリキュアの力なのか!?」
「「プリキュア、スマイルチャージ!」」
『ゴーゴー! レッツゴー!』
キュピィィィン!
サニー「太陽サンサン、熱血パワー! キュアサニー!」ドゴォォォン!
マーチ「勇気りんりん、直球勝負! キュアマーチ!」ドシュウゥゥゥ!
サニー「さーて、アカンベェはどこや?」
マーチ「この辺一帯が暗くなってるってことは、そう遠くないところにいるはずだよ!」
サニー「………………」
マーチ「…………あれ?」
サニー「……おらんで、どこにも」
マーチ「おかしいね。アカンベェってかなり大きいから、いつもはどこにいても目立つんだけど」
市民B「外に出たくない……ずっとPCの前に座っていたい……」ズーン
光太郎「大丈夫ですか!? くそっ、みんな生気を失っている!」
2人「「!?」」
光太郎「間違いない! プリキュアの仕業だ!」
サニー「ちょ、ちょっとお兄さん。あんたなんで動けるん?」
マーチ「しかも、プリキュアのことも知ってるみたいだよ……」
光太郎「……そうか。やはり君たちが犯人だったのか、プリキュア!」
サニー「へ!?」
マーチ「ちょっ……ご、誤解だよ!」
サニー「ま、待ってぇや! ウチらかて急に夜になって驚いてたやん! 自分も見てたやろ!?」
マーチ「そうだよ、言いがかりはやめて! 筋が通ってないよ、筋が!」
光太郎「その程度の演技、ゴルゴムならお手の物だ! 同じ悪党のプリキュアもそれくらいやるに決まっている!」
サニー「誰が悪党や! これはアカンベェっちゅうデカい怪物がやな……」
光太郎「アカンベェ? そんなヤツがどこにいる!」
サニー「それはやな……えっと、今はおらへんけども……」
マーチ「なんでこんな時に限ってアカンベェが見当たらないのさ……」
光太郎「言い訳など通用しない! 平和を脅かす悪の手先プリキュア! ゆ゛る゛さ゛ん゛!!」
ギリギリギリ...!
光太郎「変…………身!!」バッ!
サニー「うわっ、なんやねんこの光!」
マーチ「眩しい……!」
パキィィィィン!
BLACK「仮面ライダー、ブラァァック!!」バッ!
プシュウゥゥゥ....
サニー「う……うおおぉぉぉぉ!? なっ、なんなんあれ、なんなん!?」
マーチ「かっ、仮面ライダー……あれって都市伝説じゃなかったの!?」
BLACK「少女の姿に擬態して人間を狙う悪魔め……許さん!」
サニー「跳んだ!?」
マーチ「サニー、狙われてるよ! 避けて!」
サニー「アホなこと言わんとき! 返り討ちにしたる!」
マーチ「だ、ダメだって!」
サニー「誤解やって分かってくれへんねんからしゃーないやろ!」
BLACK「ライダァァァ、パァァァァァンチ!」
サニー「プリキュアパァァァンチ!」
マーチ「ダメってそういう意味じゃない! 仮面ライダーのパンチ力は……」
サニー「うわぁぁ!」ドシャァ
マーチ「サニー!」
サニー「い、いったぁ~! いたいぃぃ~!!」ジタバタ
マーチ「だから言ったじゃない! 誤解がどうこうって話じゃないんだよ!」
サニー「うぐっ……ど、どーゆーことなん……?」
マーチ「噂が本当だったら、仮面ライダーってコンクリートの壁も簡単に壊せるくらい強いんだよ!」
サニー「ま、マジでか。そらヤバいな……マトモにやったら殺されてまうやん」
マーチ「たぶん今、手加減されてたんだと思うよ。本気だったら今頃、動かない肉の塊に……」
サニー「や、やめぇや! 味方脅してどなんすんねん!」
マーチ「とにかく、近づくのは危ないね。とはいえ私たち、普段は接近戦ばかりだし……」
サニー「ほんならこれやな!」ゴォォッ!
マーチ「え!? も、もうサニーファイヤーを使う気!?」
サニー「接近戦で勝てへんなら飛び道具しかあらへん!」
マーチ「そ、それはそうだけど……」
サニー「他に手も無いんやし、迷う必要あらへんやろ!」
マーチ「……そうだね。私もマーチシュートで合わせるよ!」ドシュウゥゥゥゥ!
サニー「その意気や! 仮面ライダーがナンボのもんやっちゅうねん!」
マーチ「必殺技をダブルで叩き込めばかなりのダメージが与えられるはず!」
BLACK「来い、プリキュア!」
マーチ「プリキュア、マーチシュートォォォ!!」
ドギュゥゥゥゥ!
BLACK「これは…………!」
ドゴォォォォォン!!
サニー「……やったか!?」
サニー「い゛!?」
マーチ「あ、あれを食らって無傷なの!?」
BLACK「いや、流石に無傷とはいかない……だが俺は仮面ライダーだ! この程度の攻撃で倒れるわけにはいかない!」
マーチ「せ、精神論で立ってる!? やっぱり筋が通ってないよ!」
サニー「あかん、アイツを倒してから誤解を解くんは無理や。こうなったら先にアカンベェを見つけんと」
ガクンッ
マーチ「……うっ!」
サニー「マーチ!?」
マーチ「だ、ダメだ。マーチシュートを撃ったから、もう力が……」ペタン
ガクン
サニー「あっ、う、ウチもや……ふざけんなぁ、なんでアカンベェおらへんねん……」ヘタッ
BLACK「もう君たちに戦う力は残っていないはずだが、この窮地においてもまだ『アカンベェ』にこだわるなんて」
BLACK「まさかこの事態はプリキュアではなく、本当にアカンベェという者が引き起こしたものなのか?」
サニー「やから……そう、ゆうてる、やん……」
BLACK「………………」
BLACK「君たちは、アカンベェが近くにいると言っていた。ならば!」
BLACK「キングストーン、フラァァッシュ!」
キュイイイイイイイン!
アカンベェ「ア、アカンベェ!?」
BLACK「お前がアカンベェか!」
――その時、不思議なことが起こった。
BLACKのキングストーンから照射された光が、姿を消していたアカンベェの正体を露にしたのである。
マーチ「あれ見て! カメレオンに青っ鼻が付いてる。見つからないのも当然だよ、ずっと姿を消してたんだ!」
BLACK「ヤツの仕業だったのか! どうやら俺が誤解していたらしい。すまなかった!」
サニー「いや、もうええねん……ええねんけど、どないしよ……」
マーチ「青っ鼻は、レインボーヒーリングじゃないと倒せないのに……って何してんの!?」
BLACK「はぁぁぁぁぁ……」ギリギリギリギリ
BLACK「トウッ! ライダァァァァァキィィィィィィック!!」
ゴッシャァァァァァァ!!
アカンベェ「アカンベェ~……!」ブシュゥゥゥゥゥ...
マーチ「………………」
サニー「…………レインボーヒーリング、いらんやん……」
あかね「ちょっと腕痛いけど、それほどでもあらへん。気にしんとってや」
光太郎「なんだって!? ダメだ、病院に行こう!」
あかね「え、ええって!」
なお「行ってきなよ。サニーファイヤーが撃てたんだから折れてはいないと思うけど」
光太郎「俺の責任だし、病院までちゃんと送らせてもらうよ」
あかね「ええってゆうてんのに……ほな、お言葉に甘えさせてもらいますわ」
光太郎「ああ!」
光太郎(それにしてもジョーカーめ。プリキュアが悪だと偽り、俺を騙したのか……許さん!)
やよい「ええっ!? 仮面ライダー!?」
あかね「仮面ライダーBLACKとかゆうてはったわ。バッドエンド王国に騙されとったみたいで」
やよい「ずーーーーるーーーーいーーーーー!!」
あかね「……は?」
やよい「仮面ライダーってほとんど伝説なんだよ! 写真にも映像にも残ってないし……私も見たいよー!」
あかね「そういえばなおが都市伝説やとか何とか……でも、その割にはフィギュアとか売られてるやん」
やよい「それも、本当にその姿だったかは分かってないの。当時本物を見た人が記憶を頼りに作ったのかな……」
あかね「つまり、世界を救った変身ヒーローっちゅう噂だけが流れとるわけや。ウチは実物と話までしてもうたけどな~」
やよい「ずるいずるい、ずーるーいー!! 私も呼んでよー!」
あかね「あの状況で呼べるかいな……危うくそのヒーローに殺されるとこやったのに」
あかね「なんか『バッドエンド王国め、許さん!』とか言って帰ってったわ」
やよい「そうなんだ……また来るかなぁ」
タタタッ
みゆき「あかねちゃん、やよいちゃん!」
れいか「お二人とも楽しそうですね。何のお話ですか?」
なお「もしかして昨日の話?」
あかね「そうそう。みゆきとれいかもちょうどええとこに来たやん。実は昨日な……」
なお「ごめんあかね。二人には私が先に話しちゃった」
あかね「そうなん? なんや、つまらん」
れいか「仮面ライダー、ですか。今までは眉唾ものでしたが、二人が言うのであれば事実なのでしょうね」
みゆき「私たちと一緒に戦ってくれないかなあ」
――――――
――――
――
光太郎「ジョーカーはどこだ!」
マジョリーナ「い、いきなりなんだわさ!?」
ウルフルン「ジョーカー? 知らねーよ、またどっかほっつき歩いてんじゃねーのか?」
アカオーニ「いったいどうしたオニ?」
光太郎「俺はヤツに騙されていた! プリキュアが悪の手先だなんていうのはデタラメだ!」
ウルフルン「………………」
マジョリーナ「………………」
光太郎「君たちも騙されているに違いない! 今すぐジョーカーに加担するのはやめるんだ!」
ウルフルン「……いまさら何言ってんだ、お前。悪の手先は俺らの方だろーが」
光太郎「なに!?」
ウルフルン「おいおい、ジョーカーに騙されてたのか知らねーが俺らは関係――」
光太郎「ゆ゛る゛さ゛ん゛!!」
光太郎「変…………身!!」ババッ
キュピィィィィィン!
BLACK「仮面ライダー、ブラァァック!!」
プシュゥゥゥゥ...
アカオーニ「うおおぉぉ!? なんじゃこりゃオニ!?」
マジョリーナ「きっとキングストーンの力だわさー!」
ウルフルン「チッ、俺らが関係ねーっつっても説得力ねーか」
BLACK「悪の組織に属している以上、貴様らも許すことはできん!」
ウルフルン「ウルッフフフ! 許されようなんて思ってねーよ、バーカ!」
BLACK「やはり貴様らもゴルゴムと同じか!」
ウルフルン「ゴルゴムでもゴムゴムでも知ったこっちゃねーよ。つーか、幹部と三対一で勝てると思ってんのか?」
BLACK「ロードセクター!」
ブォォォォォォン!!
ウルフルン「うわっ!? な、なんだこりゃ!」
BLACK「行くぞ、ロードセクター! このアジトを破壊するんだ!」
ドゴォォォォォォ!!
アカオーニ「ぎゃあああああ! 俺様の部屋を突っ切っていったオニー!!」
ギュイィィィィン...
ウルフルン「なんだ? 乗り物にシールドみたいなのをはりやがったぞ」
BLACK「スパークリングアタックであの幹部達に突っ込むぞ!」
ドドドド......ドギュゥゥゥゥゥゥゥン!!
ウルフルン「!? チッ、逃げるぞ!」
マジョリーナ「あああ、大事な研究道具が燃えてるだわさぁぁぁ!」
ウルフルン「そんなのほっとけババア! アレはかなりやべーぞ!」
アカオーニ「どれくらいヤバいオニ!?」
ウルフルン「このアジトが全部吹っ飛ぶぐらいだよバカ! 木っ端微塵になりてぇのか!?」
アカオーニ「えっ」
BLACK「逃がさん!!」
ドゴォォォォォォ......
ジョーカー「ふぅむ。いったい何があったのでしょう?」
シュタッ
ウルフルン「おい、ジョーカー」
ジョーカー「おやウルフルンさぁん! ご無事で何よりです~」
ウルフルン「俺だけじゃねぇ、アカオーニとマジョリーナも無事だ……てめぇ、やっちまったな」
ジョーカー「はい?」
ウルフルン「あのヘンテコ人間を招き入れたことだよ。これをやったのはアイツだぜ」
ジョーカー「ヘンテコ人間というと~……光太郎さんですかぁ?」
ウルフルン「他に誰がいるんだよ。てめぇに騙されてたのに感づいて、俺達に攻撃してきやがった」
ジョーカー(おやおや。それではプリキュアを倒させる作戦は失敗したようですねぇ)
ジョーカー(次の作戦を考えないといけませ~ん……それもアジトを直した後の話ですが)
――――
――――――
光太郎「……というわけで、敵のアジトは潰してきた。すぐには活動を再開できないだろう」
あかね「さっすが光太郎はんやで!」
なお「もうあなた一人でいいんじゃないかな?」
やよい「…………」プルプル
みゆき「やよいちゃん? なんで震えてるの?」
やよい「……ずるい!!」
みゆき「ひゃっ」
やよい「あかねちゃんとなおちゃんばっかり……私も仮面ライダーとお話したいよ!」
あかね「えっ……まあ、別に話したらええんとちゃう? なあ?」
光太郎「俺はそんな大した人間じゃないけどね」
あかね(噛んだで)
れいか(噛みましたね……)
やよい「この間はいきなり逃げ出してごめんなさい!」
光太郎「いや、全然気にしてないさ。急にあんな質問をされたら驚いて当然だからね」
やよい「そ、そうですか……ところであの、聞きたいことがあるんですけど」
光太郎「なんだい?」
やよい(……とは言っても、いい話題なんか思いつかないよ~)
やよい(憧れの仮面ライダーとお話できるチャンスだと思って、勢いだけで話し始めちゃったし……)
やよい(……あっ、そうだ! ライダーといえば、やっぱりバイクが有名だよね!)
やよい「あの……BLACKって自己再生能力を持ったかっこいいバイクを持ってるって聞いたんですけど……」
やよい「あっ、そうなんですか……ご、ごめんなさい」
光太郎「いや。どの道、ゴルゴムが滅びればマシン達もいずれはその役目を終える運命にあったんだ……」
光太郎「それが少し早まっただけの話さ。ロードセクターもそろそろ本来の持ち主に返す。くよくよしてはいられないさ」
みゆき(今、『いなくなった』って言ったよね。『壊れた』とかじゃなくて)
なお(それだけ思い入れが激しかったか、それともバイクに意志があったとか……)
みゆき(え、ええ~? バイクが自分で考えたりできるってこと? そんなまさか~)
なお(だよね……)
やよい「えっ?」
光太郎「バッドエンド王国とは違う、また何か大きな敵が現れるような気がするんだ」
光太郎「……ゴルゴムとの戦いでも、俺の嫌な予感は奇妙なくらい当たってきた……」
あかね「縁起でもないこと言わんとってくださいよ~」
光太郎「……そうだね。バッドエンド王国を壊滅させれば、きっともう変身しなくてもいい世の中が来ると信じよう」
れいか「『壊滅』とは、ずいぶん徹底しておられますね……」
光太郎「ああ。俺は、悪の組織だけは絶対に許さん!」
みゆき「お……オオカミさんだけ助け……」ボソッ
あかね「ん? みゆき、何かゆうたか?」
みゆき「なっ、なんでもないなんでもない!」
なお「一生ものの怪我を負う可能性だってあるしね。早くこの戦いを終わらせたいよ」
れいか「ですが、彼らは一度アジトを潰されています。復讐の怨嗟と共に強くなり、再度我々の前に立ちはだかるでしょう」
光太郎「ああ。その時は、俺も君たちに協力するよ」
やよい「ホント!? かっ、仮面ライダーと一緒に戦えるなんて……」ジーン
あかね「やよい、感極まっとる……」
みゆき「仮面ライダーBLACKだから……キュアブラックだね!」
あかね「プリキュアにすんな! ちゅーかキュアブラックはもうおるやろ!」
光太郎「ははは……」
光太郎(ジョーカーの卑劣な罠にも負けず、俺達はこうして手を取り合うことができた)
光太郎(バッドエンド王国……そしてジョーカーは、俺とプリキュアが倒してみせる!)
終わり。
仮面ライダーとプリキュアが組めば百人力だな
王国オワタ
逃げろバッドエンド王国民
Entry ⇒ 2012.06.25 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
やよい「う、ウルフルンっ!?」ウルフ「……あぁ?」
やよい「んー、良い天気ー」
やよい(たまには外で絵を描いてみようと公園に来たけど)
やよい(風が気持ちが良いし、ここでお昼寝したら幸せだろうなぁ…)
やよい(……まあ、さすがに人目もあるし、やらないけどね)
やよい「さて、どこに座ろう」
やよい「ベンチには先客がいるし、噴水の側は紙が濡れちゃうし……やっぱ芝の上に座るしかないか」
やよい「あーあ、どこかに良い場所ないかなー」
やよい「……ん? あの木の下なんて涼しげでいいかも」
やよい「着きましたよっ、と」
サァァァァ…
やよい「風が気持ちいいなぁ」
やよい「あれ? よく見たら木の反対側に誰か……って」
ウルフ「……あぁ?」
ウルフ「誰かと思えば、プリキュアのきのこじゃねえか」
やよい「そ、そんなことないもん! お母さんだって『可愛い髪型だね』って褒めてくれるもん!」
ウルフ「……いや、どう見てもきのこだろ」
やよい「うぅ~~・・・」
ウルフ「んで、何の用だよ。 一人で俺様と戦おうってのか、あ?」
やよい「……私は、ちょっと、外で絵を描こうかなって、思っただけだもん」
ウルフ「あーそうかよ。 ならとっとと失せろ」
ウルフ「見逃して…カックン…やるから……よ」ウツラウツラ
やよい「・・・?」
やよい「もしかして、眠たいの?」
やよい「よく来るの?」
ウルフ「たまーに、な。 アジトじゃ…アカオーニの、野郎が、やかましくてよぉ…」カックンカックン
やよい「ふーん」
ソヨソヨ…
サワサワ…
やよい「確かに、ここって静かで落ち着くね」
ウルフ「・・・・・・」
やよい「……? あ、寝ちゃってる」
ウルフ「クー、スピー」
やよい(寝顔は可愛いワンちゃんなのになぁ…)
ウルフ「クカー…フゴッ! ……ウルッフッフッフッフ」
やよい「ぷっ、くすくす」
やよい「……そうだ!」
ウルフ「くぁ~~~っ、よく寝たぜー!」
やよい「うわぁ!?」
ウルフ「………あん?」
ウルフ「なんだお前、まだ居たのかよ」
やよい「べ、別に良いじゃない。 私の勝手でしょ」
ウルフ「あぁ?」ギロリ
やよい「―――ひぃ!」アタマガード
ウルフ「……ん?」
やよい「えっ!? これは…私のスケッチブック、だけど…」
ウルフ「ふぅーん」テノバシ
やよい「…………!」ササッ
ウルフ「・・・おい、なんで隠す」
やよい「ひ、人の物を勝手に見るのはよくないと思うな」
ウルフ「・・・・・・・」ギロリ
やよい「………」プルプル
ウルフ「そうか、なら仕方ないな」
やよい「……ホッ」
ウルフ「なーんてなっ!!」バッ
やよい「!?」
ウルフ「よくない事をするのが俺たちバッドエンド王国なんだよぉ!!」ガシッ !
やよい「うわぁああああああああん!!」
やよい「み、見ちゃダメえええええええ!!」
ウルフ「嫌だねー! ウルッフッフッフッフ!!」
やよい「返してよー!!」
ウルフ「この落書き、全部てめぇが書いたのかぁ? へったくそだなぁ!」
やよい「これからっ、上手くっ、なるんだっ、もんっ!」ピョン、ピョン
ウルフ「ウルッフッフッフ……フ?」ピタッ
やよい「えっ…うわぁ!」
ドンッ!
やよい「いたた…」
やよい「きゅ、急に止まらないでよぉ」
ウルフ「おい、きのこ頭」
やよい「むーっ! だから、きのこって言わないで! 私はや・よ・い!」
ウルフ「……これ、もしかして俺か?」
やよい「あっ」
やよい「ね、寝てる姿が結構絵になってたから描きたくなって…」
ウルフ「ふざけんな!」
やよい「ひぃ!?」ビクッ
ウルフ「俺様を描くなら、もっと格好良く描きやがれ!!」
やよい「……え?」
ウルフ「ビシッと決めてくれよなぁ!」
やよい「あっ、動かないで」カキカキ
ウルフ「ぬ……」
~五分後~
ウルフ「………」
やよい「………」シュッシュッ
ウルフ「なあ」
やよい「口動かさないで」ケシケシ
ウルフ「………」
ウルフ「………」
やよい「………」
ウルフ「………」ブンブン
やよい「しっぽ」
ウルフ「………」ピタッ
~十分後~
ウルフ「………」
やよい「………」カキカキ
ウルフ「……………」
やよい「……………」シュッシュッ
ウルフ「……う、」
やよい「?」
ウルフ「うがああああああ!!」
やよい「ひゃあ!? お、おどかさないでよぉ」
やよい「十分くらいじゃあんまり描けないよ…」
やよい「あと、ちゃんと座って、さっきと同じポーズとってね。 じゃないと描き直しだから」
ウルフ「俺様に指図すんじゃねえよ」ギロリ
やよい「うぅ……だ、だって、あなたが描いて、って頼んだんじゃない」
ウルフ「それはそれ、これはこれだ! 俺様に合わせて描きやがれ!!」
やよい「そんなの出来ないよお…」
ウルフ「出来ないじゃねぇ、やるんだよ!!」
やよい(うーん…)
やよい「あ、そうだ」
ゴソゴソ
ウルフ「あん? なにやってんだ」
やよい「ねえ、これ食べない?」
ウルフ「なんだそりゃ?」
やよい「私がお家で焼いたスコーン。 形は不格好だけど甘くて美味しいよ」
ウルフ「ほー、人間の菓子か。 いいぜ、よこしな」
やよい「はい」
ウルフ「………」モグモグ
やよい「・・・どう?」
ウルフ「おお、結構うめえな」
やよい「ほんと? 実はまだいくつかあるんだけど」
やよい「だーめ」
ウルフ「………」ギロリ
やよい「こ、怖い顔してもダメなんだから」
やよい「残りは、私が絵を描き終わったらあげる」
ウルフ「めんどくせーなぁ…」
ウルフ「じゃあ、ほら。 とっとと描いちまえよ」
やよい「さっきと同じポーズしてくれなきゃ描けない」プイッ
ウルフ「あぁ?」
やよい「す、スコーン、あげないよ?」
ウルフ「……チッ」
やよい「出来たー!」
ウルフ「終わったぜー、はぁ」
やよい「どうかな、リクエスト通り格好良くしてみたんだけど」
ウルフ「もう絵なんかいいから菓子くれよ…」
やよい「むー。 元々は絵が目的だったんでしょ? はい、どうぞ」ビリッ
ウルフ「……ふー」チラッ
ウルフ「・・・・・・」
やよい「……」
ウルフ「まあ、いいんじゃねえの?」
やよい「本当?」
ウルフ「ただもう少しワイルドさが欲しいよなぁ、『たてがみ』をもっと尖らせたりよ」
やよい「なるほど…」
やよい「あ、ごめんね。 はい、モデルお疲れ様」
ウルフ「これよこれ、待ってました!」
ウルフ「ばくばくもぐもぐ!」
やよい「ふふ、そんなに気に入った?」
ウルフ「腹減ってる分美味く感じるな」ガッガッ
やよい「……それ、お腹空いてなかったら微妙ってこと?」
ウルフ「どーだかなー? ウルッフッフッフッフ」モシャモシャ
やよい「むー・・・」
やよい「お粗末さまでした」
ウルフ「んじゃ、俺帰るわ。 次会う時はてめぇらをボコボコにしてやるからな、覚悟しとけ!」
やよい「あのっ! ちょっと待って」
ウルフ「あぁん? んだよ」
やよい「ここ、たまに来るって言ってたよね」
ウルフ「おう」
やよい「……えと、じゃあさ」
やよい「……」
やよい「よかったら、また絵のモデルになってくれない、かな?」
ウルフ「はぁああ?」
ウルフ「けっ! なんで俺がそんな面倒なことしなきゃいけねぇんだよ」
ウルフ「お・こ・と・わ・り・だ!」
やよい「また美味しいお菓子持ってくるからさ」
ウルフ「」ピクッ
ウルフ「……それは、今日のスコーンとかいうのよりも美味いのか?」
やよい「えっ? うーん…比べるようなものじゃないと思うけど」
やよい「少なくとも、味見して美味しくないと思う物は持ってこないよ」
ウルフ「はーん、へぇー、ほぅ…」
ウルフ「……まぁ? お前が? どうしてもと言うんなら? 引き受けてやっても良いんだぜ」パタパタ
やよい(しっぽ振ってる…、面白いなぁ)
みゆき「ねぇねぇ、やよいちゃん! 日曜日何か予定ある?」
やよい「うん? 日曜日? 特になかったと思うけど…」
あかね「皆で買い物でも行こかー、って話になったんやけど、やよいも来るか?」
やよい「ショッピングかぁ、楽しそう!」
あかね「そんじゃやよいも参加な」
やよい「うんっ! ………あ、」
みゆき「? どうかした?」
みゆき「どうして?」
あかね「あっ、もしかして小遣い足りないー、とかか? 別に何も買わんでもええんやで?」
やよい「そういうのじゃなくて、その、他の人と約束してたの思い出して」
みゆき「そっかー、それじゃ仕方ないね」
やよい「うん、ごめんね?」
あかね「別に謝らなくてもええって、また今度誘うなー」ノシ
やよい「ばいばーい」ノシ
やよい「……」
やよい(まぁ、あっちが約束を守ってくれるかは分からないんだけどね…)
ウルフ「おう、来たか」
やよい「……あ、うん。 お待たせ」
ウルフ「何ボーっとしてんだよ」
やよい「……いや、ほんとにいるんだなぁ、と思って」
ウルフ「んん? そりゃどういう意味だ?」
やよい「うんん、いいの。 大したことじゃないから」
ウルフ「で、菓子はちゃんと用意したんだろうな」
やよい「バナナが余ってたから、バナナケーキを作ってみたんだけど…」
ウルフ「ほっほう、んじゃさっそく」
やよい「まだダーメ、絵が描き終わったらね?」
ウルフ「別に後でも先でも変わんねえだろ」
やよい「食べたら、どっか行っちゃわない?」
ウルフ「い、行かねぇよ…」プイッ
やよい「あー、目が泳いでるー」ジトォ
ウルフ「………」ウズウズ
やよい「……」
やよい「少し休憩する?」
ウルフ「っしゃあ!」
やよい「ふふっ、そんなに疲れた?」
ウルフ「動いちゃいけねぇってのがキツいな、もっと早く描けねえのか?」
やよい「やろうと思えば十分くらいで描けるけど…」
ウルフ「はぁ? ならどうしてこんなに時間かかってんだよ」
やよい「早くすると雑になっちゃうんだもん」
ウルフ「少しくらい楽してもいいんじゃねえの?」
やよい「ダメだよ。 それだとあなたに申し訳ないし、私も手は抜きたくないから」
ウルフ「いや、別に俺は菓子さえ食えれば…」
やよい「とにかく! 良い出来になるまで粘るよ!」
ウルフ「……お前変なトコでこだわんだな」
ウルフ「んだぁ、この茶色いのは?」
やよい「ココアだよ。 もしかして初めて?」
ウルフ「おう」
やよい「あったかくて、甘くて、ぽかぽかするよ」
ウルフ「……どれどれ」グイッ
やよい「あっ」
ウルフ「」
ウルフ「うあ熱っちぃぃいいいいいいいいいいい!!」
ウルフ「へ、へめぇ! はひひやはふ!? (て、てめぇ! なにしやがる!?)」
やよい「魔法瓶で入れてきたから、アツアツなんだ」
やよい「少し冷まして飲んでね?」
ウルフ「ほへーほ! (おせーよ!)」
やよい「でーきたっ!」
ウルフ「おら、さっさと菓子よこせ」
やよい「もー…、花より団子って、多分こういうことなんだろうね…」
ウルフ「あぁ? 花と団子だったら団子の方が良いに決まってんだろ」
やよい「……まあ、食べながらでも絵は見れるからいっか」
やよい「はい、どうぞ」
ウルフ「ウルッフー!」バクバクバク
やよい「それで、今日のはどう?」
ウルフ「まあまあだが、次はしょっぱいのが食いてぇな!」ガッガッ
やよい「いや、絵のことを聞いたんだけど…」
ウルフ「あん? ……いんじゃね?」
やよい「……先週も同じ感想じゃなかった?」
ウルフ「俺に絵のこと聞かれてもよぉ、良し悪しなんか分かんねぇって」モシャモシャ
やよい「えー・・・」
やよい「そう? やり過ぎかなー、と思ったんだけど、気に入ってもらえてよかった」
ウルフ「後は…もっとこう、爪でズバーッ!!ってしてるところとかどうよ」
やよい「・・・えーっと、つまり動きのある絵にしろ、ってこと?」
ウルフ「俺様の溢れ出る強さに、見た奴が恐れ慄くようなのがいいな!」
やよい「それって捏造じゃ…」ボソッ
ウルフ「? 何か言ったか?」
やよい「ううん、別に?」
やよい「……そういえばさ、」
ウルフ「なんだよ」
やよい「ウルフルンって、必殺技とか持ってるの?」
ウルフ「あぁ?」
やよい「悪者も奥の手で持ってるのが定番なんだけど…、何かない?」
ウルフ「えっ、定番…なのか?」
やよい「それがあるかないかで、人気が左右されることもあるね」
ウルフ「へ、へえー・・・そういうもんか」
やよい(ん? ………!)
やよい(……ははぁん)
ウルフ「そ、その必殺技? がどうしたってんだよ」
やよい「格好良くて、躍動感のある絵といえば、必殺技を使ってる場面だと思うんだよねー」
やよい「もし見せてもらえると、私もインスピレーションが湧くんだけどなぁ…」チラリ
ウルフ「…ぐ…ぬ……」
ウルフ「っ!? んなことねえよっ! 百個はあるぜ!!」
やよい「ほんとっ? じゃあ、どれか見せてよ」
ウルフ「ぬぐっ…! きょ、今日は調子が悪くてよ…」
やよい「その割にはよく食べてたけど」
ウルフ「て、てめぇが動くなっつったから身体がガチガチなんだよ!」
ウルフ「ぅぐ…」
やよい「なら、しょうがないか」
ウルフ(ほっ)
やよい「でも、いつか見せてね?」ニコッ
ウルフ「!? …お、おう! てめぇらが喰らったら木端微塵だぜ!」
やよい「へぇー」ニコニコ
ウルフ「マジだかんな!? そん時になって後悔すんじゃねえぞ!!」
やよい「うん、楽しみにしてるっ」
ウルフ「けっ!」
ウルフ「帰ったぜー」シュンッ
オーニ「おっ、やーっと帰って来たオニ!」
マジョ「どこ行ってたんだわさ?」
ウルフ「別にどこだって良いだろ」
オーニ「お前が来るまでおやつを食べずに待ってたんだオニ!!」
ウルフ「はぁ? おやつぅ?」
マジョ「今日は納豆餃子アメと、チャバネゴキブリの羊羹だわさ」ジュルリ
オーニ「ほら、お前も早く席に着くオニ!」
ウルフ「あー・・・」
ウルフ「俺はいいわ。 アカオーニ、俺の分やるよ」
オーニ「オニ!?」
マジョ「なっ!?」
ウルフ「おーおーマジだ、好きに食ってくれ」
オーニ「ウオッシャアアアアア!!」
マジョ「ウルフルン、お前どこか体調でも悪いんだわさ?」
ウルフ「どこも悪かねぇよ、至って健康だ……ゲフッ」
マジョ「んん? ………あー! お前また人間界で何か食べて来たね!」
ウルフ「俺が何食おうが、俺の勝手だろうが」ウップ
マジョ「晩ご飯が食べられなくなっても知らないだわさー!!」
ウルフ「へーへー気を付けますよー」
ウルフ(今日のアップルパイ、美味かったなぁ…)
やよい「じゃんじゃじゃーん!」パカッ
ウルフ「おおっ!? こいつぁ…」
やよい「やよい特製☆お好み焼きでーす!」
やよい「前にあかねちゃんのを美味しそうに食べてたでしょ? なので私も挑戦してみましたー!」パチパチ
ウルフ「へぇー、見た目は美味そうだな」
やよい「みんなと一緒に何回か作ったからね。 綺麗にまーるくなってるでしょ?」
ウルフ「ま、形と味は関係ねぇけどな」
やよい「ちゃんと味見もしたから大丈夫だって」
やよい「ささっ、焼いて家から持ってくるのに時間かかったから、これ以上冷めないうちにどうぞっ」
ウルフ「おう! いっただっきまーす!」ガブリッ
ウルフ「………」モグモグ
やよい「どう? おいしいでしょー!」
やよい「……?」
ウルフ「なあ」
やよい「うん?」
ウルフ「これは、お好み焼きなんだよな?」
やよい「えっ? やだなぁ、どう見たってそうでしょ」
ウルフ「だよなぁ…」パクッ
ウルフ「………」モグモグ
やよい「もー、なーにさっきから」
ウルフ「ちょっと食ってみろ」ヒョイ
やよい「ふぇっ!?」
ウルフ「おら、不味くなかったってんなら口開けろって」グイグイ
やよい「で、でも…」
ウルフ「ほらっ!」
やよい「あぅ…」
やよい「・・・・・・あ、あーん///」
ヒョイ、パク
ウルフ「……どうだ?」
やよい「///」モグモグ
ゴックン
やよい「……うん、甘くておいしいけど」
ウルフ「おかしいだろっ!?」
やよい「えっ? なにが?」
ウルフ「前食ったお好み焼きってこんな甘くなかったぞ!? 昨日のケーキより甘えじゃねえか!!」
やよい「? だって、甘い方がおいしいでしょ?」
ウルフ「お前…普段何食ってんだよ」
やよい「何と言われても…、昨日の晩ご飯はお味噌汁と鮭とサラダだったけど」
やよい「それがどうかした?」
ウルフ「普段の食事がイカれてると思ったんだがなぁ…、違ったか」
ウルフ「いや、不味くはねえよ。 不味くはねえが…」
やよい「……」
ウルフ「? おい、どうした」
やよい「やっぱり、美味しくなかったんだ…」グスッ
ウルフ「………っ!」
やよい「ご、ごめ…」
ウルフ「まっ、俺様としちゃ泣き顔見ながらの方が飯が美味いんだけどな!」ガッガッ
やよい「あっ…、別にそんな、無理して食べなくても」
ウルフ「うっせえ! 俺が貰ったもんをどうしようと俺の勝手だろうが!!」モッシャモッシャ
やよい「………」
やよい「ありがとね」
ウルフ「モグモグ…あぁ? 敵に『ありがとう』なんて言うんじゃねえよ、ばーか」
やよい「それでも、ありがと」
ウルフ「…けっ」
やよい「~~~♪」ジュー
ちはる「あら、やよい。 また何か作ってるの?」
やよい「あ、お母さん。 ちょっとお好み焼きのリベンジを、ね」
ちはる「へー、どれどれ…」パクッ
ちはる「…?」
ちはる「やよい、これ甘みが足りなくない?」
やよい「えっ、そうかな」
ちはる「砂糖足す?」ガチャ
やよい「でも、甘くない方が好きみたいだから…」
ちはる「変わってるわねぇ、その子。 お母さん、女の子は皆甘い物好きだと思ってたわ」
やよい「まあ、女の子じゃないからね…」
ちはる「えっ?」
やよい「あっ」
やよい「えっ、いや、ちが…!」
ちはる「そっかー。 最近休みになると、よくお菓子作って出かけるからどうしたのかなー、と思ってたけど」
ちはる「やよいがねー」ニヤニヤ
やよい「もー! だーかーらー、ちーがーうーのー!!」
ちはる「照れなくても良いじゃない。 誰もが一度は通る道よ」
やよい「むぅー! もう、行ってきまーす!!」ガシッ、ダダダ、バターン !
ちはる「あらあら」
ちはる「青春ねぇ…」
ウルフ「まだどことなく甘い気はするが…、それは置いておくぜ」
やよい「……今日のもダメ?」
ウルフ「なーんか違うんだよなぁ…、根本的な何かが…」
やよい「そっかぁ…」
やよい「今度、あかねちゃんに作り方教わってみるね」
ウルフ「あん? それならキュアサニーが作ったのをそのまま持ってくりゃいいだろ?」
やよい「むぅ! 私が、自分で、作りたいの!!」
ウルフ「無理だと思うがねぇ…」ニヤニヤ
やよい「見てなさい! すっごくおいしいの作って驚かせてやるんだから!」
ウルフ「期待しないで待ってるぜー、ウルッフッフッフッフ」
ウルフ「なんじゃこりゃ・・・」
やよい「新しい観点から描いてみました」エヘン
ウルフ「こりゃただの犬じゃねえか! 爪も牙もねえし、全体的に丸っこいしよぉ!」
やよい「かわいいでしょ?」
ウルフ「俺に似せる気全くねえなお前! これなら俺がいなくても描けるだろうがよ!!」
やよい「ウルフルンの可愛いと思う分を抽出したんだけど……ダメ?」
ウルフ「ダメに決まってんだろうが!!」
やよい「でも、お菓子食べてる時とか寝てる時とか、こんな感じだよ?」
やよい「やぁだあ! 髪はやめてよぉ!」ジタバタ
ウルフ「うっせえ、お前は最近調子に乗り過ぎなんだよっ!!」ガシガシガシ !
やよい「うわあああああああん!!」
ウルフ「ウルッフッフッフッ…フ?」
もふっ
ウルフ「…」
ウルフ「……」モフ
ウルフ(触り心地いいなぁ…これ)モフモフ
ふかっ
やよい「……っ!?」
やよい「…」
やよい「……」フカ
やよい(毛並みいいなぁ…これ)フカフカ
~我に返って~
ウルやよ「「ハッ!?」」
やよい「そ、そろそろ離してよっ!」バッ
ウルフ「て、てめぇこそ離れやがれ!!」ズサッ
みゆき「最近のやよいちゃん、どこか変わった気がしない?」
なお「えっ? うーん、私は特に気付かなかったけど」
れいか「以前よりも向上心が湧いたように感じますね。 休み時間にお料理の本を眺めたりしていますし」
みゆき「あと、授業中によく髪をいじるようになったよね」
キャンディ「やよいもキャンディみたいにくるくるにしたいクル?」
なお「あっはっは、キャンディのは耳でしょー。 ……それ、耳だよね?」
あかね「……そのことなんやけどな」
みゆき「ん? あかねちゃん、何か知ってるの?」
なお「耳なの? それとも触角なの?」ガクブル
あかね「この前、やよいがウチに頼み事しに来てな」
れいか「頼み事、ですか?」
あかね「ああ、美味しいお好み焼きの焼き方おせーてー、ってな」
みゆき「お好み焼きぃ?」
あかね「やよいが頼み事なんて珍しいなぁ、それも料理やなんて」
やよい「あはは…、たまにはね」
あかね「まっ、ウチに任せておけばモーマンタイや。 ビシビシいくでー」
やよい「ははー。 よろしくお願いします、先生」フカブカ
あかね「せ、先生て、気恥ずかしいわぁ…」
あかね「それで、材料は持って来たんか? 足らなかったらウチの貸すで?」
やよい「あ、うん。 よいしょっと」ドサッ
あかね「えーと、どれどれ…。 キャベツに、豚肉、卵に、紅ショウ……ん?」
やよい「どうかした?」
あかね「ちょっと、やよいー。 お好み焼きにホットケーキミックスは使わんてー」ケラケラ
やよい「使わないの?」
あかね「えっ」
やよい「えっ」
やよい「私、いつもこれで作ってたんだけど…」
やよい「甘い方が美味しいでしょ?」
あかね「」
~~~
あかね「ちょっ! やよい、何を入れるつもりや!?」
やよい「ドライフルーツだけど…」
あかね「お好み言うても、そら合わないやろ!」
やよい「あ、でもこれ甘さ控えめだよ?」
あかね「いや、そういう問題ちゃうねん…」
~~~
やよい「焼けたよー」
あかね「どれ」パクッ
やよい「ワクワク」
あかね「……砂糖、入れたか?」
やよい「大匙一杯だけだけど…、よく分かったね」
あかね「甘味から離れようや…」ガクッ
~~回想終了~~
れいか「それは…、なんとも不思議な特技ですね」
みゆき「やよいちゃんの料理って、見た目はすごくまともなんだけどねぇ…」
れいか「? 美味しくないのですか?」
みゆき「うんん、美味しいよ。 美味しいんだけどね」
みゆき「ぜーんぶ甘いの」
なお「そう、なんだ」
あかね「そうなんや。 やよいって味はともかく、料理自体は出来るねん」
あかね「だからその時、やよいに『なんでお好み焼き作ろうと思ったんや?』って聞いたんやけど」
みゆき「うんうん」
あかね「『絶対美味しいって言わせるんだから』、やて」
れいか「……? 質問の答えになっていない気がしますが」
なお「つまり、誰かに食べさせるために練習してる、ってことかな」
みゆき「うーん、お母さんとか?」
れいか「日頃の感謝というわけですか、とても素晴らしいと思います」
みゆき「?」
あかね「①最近のやよいは少し変わった」
あかね「②髪をいじったり、料理本を読むようになった」
あかね「③お好み焼きは、誰かに食べさせるために練習しているらしい」
あかね「④休みの日に誰かと約束していることが何回かあった」
あかね「以上の事から導き出されるのはぁ…」ダダン !
みゆき「どきどき!」
れいか「あかねさんも、どこかいつもと違うわね」
なお「そういえば昨日、少年探偵の映画やってたっけ」
みゆき「か?」
あかね「彼氏が出来たかもしれんてことやあああああああああ!!」
みゆなおれい「「「な、なんだってええええええええ!?」」」
キャンディ「クルッ?」
あかね「……って、あれ?」
みゆき「やややややよいちゃんに、か、彼氏!?」
なお「わ、私たちまだ中学生だよ? は、早いんじゃないかな…///」
みゆき「あ、でも私『命短し恋せよお米』って聞いたことある!」
なお「あれ? お米だっけ? ああ、でもそう言われると早くはないのかなぁ…」
キャンディ「れいか、『かれし』って何クルッ?」
れいか「えっ!? えと、その…、ある女性と特別に仲の良い男性…かしら?」
キャンディ「? キャンディよく分かんないけど、やよいと仲良しの人のことクルッ?」
れいか「まあ、そんな感じかな」
キャンディ「じゃあキャンディも『かれし』クルー!」
れいか「うふふ、キャンディ。 女の子は彼氏にはなれないのよ」
キャンディ「クルッ?」
あかね「お、落ち着けみゆきー!」
なお「そ、そうだね。 うん、皆で一度深呼吸しよう!」
スー…
ハー……
なお「落ち着いた?」
みゆき「ああ、うん。 なんとか…」
なお「でもまさか、やよいちゃんがねー」
あかね「いや、だから。 そうとは決まってないて…」
れいか「相手の方はどんな人なんでしょう?」
みゆき「やよいちゃんが選んだ人だもん。 きっと良い人だよ!」
なお「そうだね!」
れいか「こういう時は、お祝いするべき、なんですよね?」
みゆき「あー、でも気になるなぁ! いっそ皆でやよいちゃんに着いて行っちゃう?」
れいか「ええっ? そんな、人のプライベートを覗くのはちょっと…」
キャンディ「キャンディ、やよいの『かれし』見てみたいクルゥ!」
なお「や、やっぱり……手とか繋いじゃってるのかなぁ…/// 私には刺激が強いよぉ…」
あかね「おーい……」
みゆき「やーよいちゃん!」
やよい「ん? なぁに、みゆきちゃん」
みゆき「今週の土日で何か予定ある?」
やよい「えっ? 日曜は少し用があるけど…なんで?」
みゆき「えへへ、あのね…うわぁ!?」ガバッ
やよい「?」
あかね(アホー! 予定聞くだけでええねん、バラしたら意味ないやろ!)ボソボソ
みゆき「ほへーん (ごめーん)」モガ
やよい「…えーっと、どうしたの? あかねちゃん…」
あかね「あっ、あはははは! 何でもないでー、ごめんなー?」
あかね(ほら、みゆき。 行くで!)
みゆき(はーい)
ズルズル…
やよい「……なんだったの?」
やよい「今日のは本当に自信作なんだから!」ムン
ウルフ「おめぇ、いつもそんな事言ってるよな」
やよい「むぅ、今回はほんとにほんとなの!」
ウルフ「へーへー分かりましたよー。 どうせ食えば分かるしな」
やよい「ふふん、調子に乗っていられるのも今のうちよ」
やよい「あかねちゃん直伝のお好み焼き、とくと味わうが良いわ!!」ドンッ !
ウルフ「いちいち大仰だなお前ぇ…」
やよい「いいから、ほらっ!」
ウルフ「……」
ウルフ「はぐっ」
やよい「………」ドキドキ
ウルフ「……おおっ!?」
やよい「!」
ウルフ「これだよ、これ。 お好み焼きってこういうのだよな!」バクバク
やよい「やったあ!」
ウルフ「んー・・・? ああ、お好み焼きの味だな」
やよい「そうじゃなくて、もっとこう…」
ウルフ「こんなもん誰が作ったって一緒だろうが」ガツガツ
やよい「そんなぁ…」ショボン
ウルフ「………」
ウルフ「まぁ、」
やよい「?」
ウルフ「あの糞甘い奴よりは大分マシになったんじゃねえの?」
やよい「……」
ウルフ「……」モグモグ
やよい「ふぅ」
やよい「素直じゃないなぁ」ニコッ
ウルフ「うっせえ」
あかね「……で、あれは一体どういう状況なんやろうな」
キャンディ(やよいが危ないクルー! 助けに行くクルー!)モガモガ
なお(ああ、もうキャンディ静かにして! 気付かれちゃうでしょ!)ボソボソ
キャンディ(クルー!!)
れいか「なんともまた変わった組み合わせですね…」
みゆき「でも、なんだか二人とも楽しそうだよ?」
なお「少なくとも、脅されて、ってのではないみたいだね」
れいか「えっ? では、ウルフルンがやよいさんの彼氏だったんですか?」
あかね「さすがにアレが彼氏ってのはないやろぉ…」
あかね「えっ、ど、どないしたんや? みゆき」
みゆき「美女と野獣、ぜんっぜん変じゃない!」
あかね「あー、また絵本の話かいな…」
みゆき「悪い魔女の呪いで悪の心に支配されてしまった狼さんを、やよいちゃんが解き放とうとしてるんだよ!!」
みゆき「くっ、なんて健気なやよいちゃん!」ヨヨヨ…
あかね「んなアホな」
なお「みゆきちゃんの話はとりあえず置いておくとして、実際どういう関係なんだろうね。 あの二人」
れいか「そうねぇ…、なおはどう思う?」
なお「うーん。 そうだなぁ・・・」
~~~~~~~~~
ウルフ「ウルッフッフッフッフ♪」モシャモシャ
やよい「ウルフルンって、何か食べてる時は『わんこ』って感じだよねぇ」ケラケラ
ウルフ「あんだとっ!?」
やよい「ひゃあ!」
ウルフ「調子に乗るなよ、この、このっ!」
やよい「もー! だから髪はやだって言ってるでしょー!!」ジタバタ
~~~~~~~~~~
なお「仲の良い兄妹……いや姉弟か? うちの弟たちもあんな感じだし」
れいか「ああ、なるほど。 何か既視感を感じていたのだけど、それだったのね」
キャンディ(でも、アイツはわるいヤツクルー!)モガモガ
れいか「……そうね、確かにキャンディの言う通り」
れいか「私たちプリキュアと、ウルフルンたちバッドエンド王国は敵同士」
れいか「でも、もしも。 やよいさんとウルフルンが、この先も良好な関係を築いて行けたなら」
れいか「それを『きっかけ』として、」
れいか「私たちが争わなくても済む、そんなハッピーエンドが迎えられる」
れいか「あの二人を見ていて、そんな気がしたのです」
あかね「……」
なお「……くすっ。 れいか、なんだかみゆきちゃんみたい」
れいか「そうかしら? うふふ」
みゆき「でも、本当にそうなったらいいよね。 みーんな仲良しが一番だもん!」
あかね「少し楽観的な気もするけど…せやな! 喧嘩しなくても済むなら、それがええ」
れいか「直接だとかえって迷惑をかけてしまいそうなので、私たちは陰ながら応援していましょう」
みゆあかなお「「「うんっ」」」
ウルフ「くぁあ~~~・・・」
やよい「……」ピタッ
やよい「眠たくなってきた?」
ウルフ「今日あったけえからなぁ…」
やよい「あと2,3分で仕上げるから、もうちょっとだけ頑張ってね」
ウルフ「はいよー」
やよい「……」カキカキ
ウルフ「……」
ウルフ「なあ」
やよい「なーにー?」シュッシュッ
ウルフ「お前ぇはいつも楽しそうに絵を描いてるけどよ、」
ウルフ「なんで絵を描くんだ?」
やよい「えっ?」ピタッ
ウルフ「お前ぇの場合、誰かに褒められたいってわけでもないんだろ? 最初の時、隠してたもんな」
ウルフ「俺からすれば時間の無駄にしか見えねえんだが…、お前はどうなんだよ」
やよい「なんで絵を描く、かぁ…」
やよい「うーん、考えた事もなかったなぁ」
やよい「ヒーロー物が好きだから、私もそういうのを描いてみたい、っていうのもあるんだろうけど…」
やよい「……」
ウルフ「……」
やよい「そうだなぁ」
やよい「私がその時感じた物を残しておきたい、っていうのが理由なのかもね」
やよい「えっと、さ。 例えば、私が3番目にウルフルンにあげたお菓子覚えてる?」
ウルフ「あん? んなもん覚えてる訳ねえだろ」
やよい「ふふっ」
ペラペラ…
やよい「ほら、これ」
ウルフ「俺の絵、か?」
やよい「アップルパイを焼いてきたんだよ。 で、ウルフルンの口周りの毛がベトベトになって…」
ウルフ「あー、あのやたら食いづらい奴か。 齧ったそばから中身が出そうになるしよ」
やよい「丸ごと食べようとするからだよ、……私の分まで食べちゃったし」
やよい「こうして、思い出を切り取る事は写真でだって出来るけど」
やよい「絵なら、私の見ている世界をそのまま描き出せる」
やよい「かっこいいヒーローだって、わくわくするような漫画だって」
やよい「紙とペンさえあれば、こういう思い出だって残せちゃう」
やよい「それって、すごいことじゃない?」
ウルフ「……俺にはよくわかんねぇな」
やよい「そっか、私も上手く言葉に出来なかったから、しょうがないね」
ウルフ「ふむ…」
やよい「……」
やよい「あ、そうだ」
やよい「ねえ? せっかくだから、ウルフルンが私を描いてみてよ」
やよい「試しに描いてみれば分かるかもよ、絵の楽しさ」
ウルフ「べ、別に分からなくても困らねぇよ、めんどくせえし」
やよい「いいじゃない。 思い出、思い出♪」
ウルフ「大体、俺様は絵なんて描いたことねぇぞ!?」
やよい「まあまあ」
ウルフ「人の話を聞けぇえええ!!」
?「おやおや、これはこれは…」
?「………んっふ」
やよい「……」ジー
やよい「えへへ」
みゆき「やよいちゃん何見てるのー?」
やよい「ん? ああ、ちょっとコレをね」
ペラッ
みゆき「えーっと……これは何の絵?」
やよい「これ、私なんだって。 …くすくす、変だよねー」
あかね「お? なんやなんや……って、『き○この山』か? これ」
なお「へー、うちの弟たちが描いた絵みたい」
れいか「これは、やよいさんが描いたものではないんですか?」
やよい「うんっ。 あ……えと、新しく出来た友達、にもらったの」
れいか「友達、ですか」
みゆき(狼さんのことだろうね)ボソボソ
みゆき(仲良さそうで、ウルトラハッピー♪)
あかね(てか、アイツめっちゃ絵ぇ下手やな)ククク
やよい「? どうかした、二人とも」
あかね「んーにゃ、なんでもないでー」
なお「ねえ、やよいちゃん」
やよい「なに?」
なお「その新しい友達ってどういう人? 仲良くやれてる?」
やよい「えっ?」
なお(だって、気になるじゃない。 これくらいは大丈夫だって)ボソボソ
やよい「うーん……」
やよい「そう、だなぁ」
やよい「乱暴で、面倒臭がりで、すぐ怒って私の髪をモサモサするけど、」
やよい「お菓子食べてる時とか寝てる時を見てると、悪い人ではないんだろうな、って思うんだ」
やよい「……でも、」
なお「でも?」
やよい「私は仲良くやれてると思うんだけど、……あっちはそう思ってくれてるのかどうか」
やよい「その、元々その人とはよく喧嘩をしたりしてたから、今の状況がなんだか不思議で…」
なお「実感湧かない?」
やよい「そう、居心地は良いんだけど、ふわふわしてて」
やよい「……また、前みたいな関係に戻りそうな気がして」
なお「不安?」
やよい「……うん、少し」
やよい「えっ?」
なお「やよいちゃんとその人は、ちゃんと仲良くなってる」
やよい「どうして、そう思うの?」
なお「だって、」
なお「面倒臭がりな人が、自分で絵を描いてまで、嫌いな人にプレゼントすると思う?」
やよい「それは…、でも、私がちょっと強引に描いてもらおうとしたから…」
なお「でも、描いてくれたんでしょう?」
やよい「……うん」
なお「なら、仲良しだよ。 きっと」
やよい「……」
やよい「そっか」
やよい「そうだったら、嬉しいなぁ…」
カキカキ
シャッシャッ
ウルフ「……」
ウルフ「………あぁ! くそっ」
ぐしゃぐしゃー!!
ウルフ(あれからいくら描いてもへんてこなモンしか描けねぇし……慣れないことはするもんじゃねえな)
ウルフ「はぁ」
ウルフ(あいつ…結構上手かったんだな)
ウルフ(きのこ頭に負けてると思うと、イライラするぜ。 ソッコーで上達して見返してやらぁ!)
?「なぁにかお悩みのようですねぇ」シュンッ !
ウルフ「んだよ、ジョーカー。 俺様は今忙しいんだ、とっとと失せろ」
ジョーカー「ふむ? 忙しい?」
ジョーカー「偉大なる三かーんぶのウルフルンさんに、バッドエナジー集めより優先する事があるのでしょうか?」
ジョーカー「ま・さ・か、そこら辺に転がっている落書き…なーんてことはないですよねぇええ?」
ギロリッ
ウルフ「……てめぇ、俺様に喧嘩売りに来たのか。 八つ裂きにすんぞ」
ジョーカー「そんな、まさかまさか♪」
ウルフ「忠告だぁ?」
ジョーカー「ここ最近、アカオーニさんやマジョリーナさんに任せっきりで、バッドエナジー集めをさぼっているらしいですねぇ」
ジョーカー「このままだとピエーロ様が復活した時に、『アイツはサボりをしてたオニー!』とか言われてしまいますよぉ?」
ウルフ「ぬぅ…」
ウルフ「……わあったよ、次は俺様が出ればいいんだろ?」
ジョーカー「んっふ! 意欲が衰えていなくて結構です!!」
ウルフ「用はそれで終わりか?」
ジョーカー「はい、私の胸のつかえも取れて、実に満足です♪」
ウルフ「あん? 何の事だ」
ジョーカー「ウルフルンさんがさぼっているのは、人間に対して何かしら『情』のようなものが芽生えたからだ」
ウルフ「!?」
ジョーカー「……なーんて、妄想してしまっていたんですが、全くの杞憂でしたねぇ!」
ジョーカー「人間と関わっても、百害あって一利なし」
ジョーカー「私たちは元々、彼らに退治される側なんですもの」
ウルフ「とっとと失せろっ!」
ジョーカー「おお、怖い怖い」
ジョーカー「ではでは、お仕事頑張ってくださいねぇ?」シュンッ !
ウルフ「……」
ウルフ(俺様が、人間に『情』を…?)
ウルフ「………」
『ありがとね』
『モグモグ…あぁ? 敵に『ありがとう』なんて言うんじゃねえよ、ばーか』
『それでも、ありがと』
『…けっ』
ウルフ「………っ」
ウルフ「馬鹿馬鹿しい!」
やよい「~~~♪」カキカキ
ウルフ「……」
やよい「よしっ、でーきたっ!」
やよい「ねね、どう? 今日のは自信作だよ」
ウルフ「……」
やよい「……?」
やよい「ウルフルン…? どうかしたの?」
ウルフ「別に、どうもしてねえよ」
ウルフ「・・・・・・」
やよい「えと、気に入らなかった?」
ウルフ「なぁ、キュアピース」
やよい「うん?」
ウルフ「お前から見た今の俺は、こんなにも弱っちそうなのか?」
やよい「……えっ」
ウルフ「これが、こんなのが、本当に俺なのか?」
やよい「駄目かな? 私は良いと思うけど…」
ウルフ「・・・・・・・」
やよい「あ…。そ、そういえばっ!」
やよい「昨日、アニメを見返してたんだけどね」
ウルフ「唐突に何だよ」
やよい「その回で、長い間戦っていたヒーローと悪役が和解して、仲良くなるの」
やよい「……その、私たちもこのまま、もっと仲良くなれるといいなって、思った」
ウルフ「・・・・・・・」
やよい「あのね、」
ウルフ「てめぇ、何ふざけたこと言ってやがんだ」
やよい「えっ?」
ウルフ「冗談も大概にしやがれ!」
やよい「え、あの…」
ウルフ「んだよ」ギロリ
やよい「……私たち、一緒にお菓子食べたり遊んだりしてるじゃない」
やよい「これって、その…、もう友達じゃないの?」
ウルフ「んなわけあるか、バーカ」
やよい「ち、違わないもん! この絵のウルフルンの顔見てよ! 楽しそうに笑ってるじゃない!」
ウルフ「それはただの絵だろうが!」
ウルフ「つまり、てめぇの妄想だ! この俺がそんな馬鹿面で笑うかよ!!」
やよい「そ、……そんな言い方しなくたって」
やよい「う、うん…」
ウルフ「じゃあ、さっき描いたこの絵は何なんだよ」ペラペラ
ウルフ「ようするに、てめぇからすれば俺は弱っちい小犬扱いなんだろっ!?」
やよい「違う…、違うよ!!」
ウルフ「チッ! 見下しやがって…」
ウルフ「気に食わねぇが、アイツの言う通りだな」
ウルフ「人間なんぞと群れたって何の意味もねぇ!」
ザッ
やよい「ま、待って! 話を」
ウルフ「あばよ」シュンッ !
やよい「……」
やよい「お願い…」
やよい「話を、聞いてよぉ…」
やよい「・・・・・・」
れいか「やよいさん、学校では話してくれませんでしたが、何かあったのですか?」
やよい「…」
やよい「……別に、何も」
れいか「嘘です。 今朝からずっと元気がありませんでしたよ」
やよい「……」
キャンディ「やよいー、元気出すクルー…」ナデナデ
みゆき「私たち、やよいちゃんには笑っていて欲しい。 悩みがあるなら、遠慮なく言って欲しいよ」
あかね「せやせや。 ウチら、友達やしな」
なお「で、同じプリキュア仲間。 一人は皆のために、皆は一人の為に、ってね」
やよい「皆…」
やよい「……うっ、うぅ」グスッ
やよい「うわぁぁあああああああん!!」
れいか「……すると、ウルフルンと喧嘩してしまった、ということですか?」
やよい「…うん」
あかね「あいつー、とうとう本性を現しおったなー!」
キャンディ「やっぱり、ウルフルンは悪者クルー!」
なお「うーん」
なお「本当にそうなのかな?」
みゆき「私もなんか違う気がする…」
あかね「あん? どういうことや?」
みゆき「ねえ、やよいちゃん。 その日の狼さんの様子ってどうだったの?」
やよい「えっ、どう…って?」
みゆき「例えば、機嫌が悪そうだったーとか、虫歯が痛そーとか」
やよい「……」
やよい「あ、そういえば」
れいか「何か思い当たる節が?」
やよい「いつもより無口だった気がする」
やよい「お菓子食べてる時も、いつもはなんだかんだで感想言ってくれるんだけど、昨日は何も言ってくれなかった」
みゆき「狼さん、何か悩みごとでもあったのかな?」
れいか「……私、なんとなくですが、分かったような気がします」
れいか「ええ」
れいか「やよいさん。 ウルフルンはやよいさんが『もっと仲良くなれたらいい』と言ったら、怒り出したんですよね?」
やよい「……うん」
れいか「そして、人間となんか群れたくない、見下すな、……そうも言ったんですね?」
やよい「それが、どうしたの?」
やよい「私と同じ…?」
れいか「前に言っていたじゃないですか」
『私は仲良くやれてると思うんだけど、……あっちはそう思ってくれてるのかどうか』
『その、元々その人とはよく喧嘩をしたりしてたから、今の状況がなんだか不思議で…』
『そう、居心地は良いんだけど、ふわふわしてて』
『……また、前みたいな関係に戻りそうな気がして』
やよい「あっ・・・」
れいか「つまりは、そういうことです」ニコッ
みゆき「狼さんも、やよいちゃんと仲良くできるか不安だった、ってこと?」
れいか「恐らくは」
なお「あー、なるほど。 あの性格で『仲良くして欲しい』なんて言われたら、反発して怒っちゃうかもね」
あかね「めんどうなやっちゃなぁ…」
やよい「えと…、じゃあ」
やよい「……ウルフルン怒ってないの?」
れいか「いいえ、怒っているでしょうね」
やよい「っ! や、やっぱり…」
れいか「ですが、」
れいか「怒っているだけで、嫌いになったわけではないでしょう」
やよい「ほんとに?」
みゆき「絶対大丈夫だって! 私たちも付いてるよ!」
なお「そうだね、皆がいれば百人力だ!」
あかね「ほなら、当日の運勢は見とかないとな。 大凶とかだと困るやろー?」
みゆき「もう、あかねちゃんそれ引っ張り過ぎー! あっぷっぷー!」
なお「あははは!」
キャンディ「じゃあキャンディも応援するクルー!」
れいか「私を含めて皆、やよいさんを応援しています」
れいか「後は、あなた次第です」
やよい「……」
やよい「うん」
やよい「みんな、ありがと」
やよい「私、もう少し頑張ってみるっ!」
ウルフ「・・・・・・」
ジョーカー「おんやぁ? 浮かない顔ですねぇ」ニュッ
ギロリ
ウルフ「またてめぇか…」
ウルフ「俺様は今、最っ高に機嫌が悪い。 失せろ!」
ジョーカー「機嫌が悪い? んっふ、良い事じゃあないですか」
ウルフ「あぁ?」
ジョーカー「バッドエナジーを集めようとすれば、恐らくプリキュアが現れます」
ジョーカー「鬱憤晴らしついでにコレで暴れてきたらいかがでしょう?」スッ
ウルフ「……ただのアオッパナじゃねえか」
ジョーカー「いえいえ、これは中身が違うんですよ」
ウルフ「中身だと?」
ジョーカー「ええ、そうです。 ジョーカー印のバーバーデーコールー!」パンパカパーン
ジョーカー「アカッパナを作るのに、キュアデコルというものが使われているのはご存知ですよねぇ?」
ウルフ「おう」
ジョーカー「アカッパナで生み出すアカンベェはとっても強ぉいっ!」
ジョーカー「でぇもお? そのキュアデコルの数だけしか作れないので数は少なぁい」
ウルフ「確か…あと2,3個だったか?」
ジョーカー「ノンノン。 一個です!」
ウルフ「ほー、んじゃ最後の一個は俺が…」
ジョーカー「まあまあ、そう焦らずに」
ジョーカー「そこで、このババデコル入りアオッパナの出番ですよ!」
ジョーカー「んん…そうですか」
ジョーカー「ようするに、コレを使う事でアカッパナと同等の力を持つアカンベェを生み出せるのです!!」
ウルフ「ほう」
ジョーカー「さ・ら・に! ババデコルは使用者の力が強ければ強いほど力を増しまぁす!」
ジョーカー「つまり、とってもお強ぉい三幹部のウルフルンさんが使えばぁ…?」
ウルフ「普通にアカッパナで生み出すアカンベェより強力なのが作れる、ってか」
ジョーカー「そのとぅおり!!」
ウルフ「そいつぁ面白そうだな。 おいジョーカー、コレは貰って行くぜぇ!」
ジョーカー「んっふ、どうぞどうぞ」
ウルフ「俺様の強さと怖さ、思い知らせてやるっ!!」
シュンッ !
ジョーカー「行きましたか…」
ジョーカー「それにしても、三かーんぶの皆さんはおつむがスカスカで助かりますねぇ」
ジョーカー「ミラクルジュエルを作り出す実験で出来た失敗作だったのですが、」
ジョーカー「捨てるよりかはいいですよねぇ……んっふ!」
やよい「………」
カキカキ
シュッシュッ
やよい「あっ、少しぶれちゃった」
ケシケシ
やよい「……」
やよい(多分、私は言葉だけじゃ上手く伝えられない)
やよい(私の絵がきっかけで喧嘩になったなら、)
やよい(仲直りするには、やっぱり…)
やよい「えっ? この感じって、バッドエンド空間!?」
やよい「公園の方からだ! しかもあの空の模様は…」
やよい「……」
やよい(早く行かないといけないんだろうけど、)
やよい(でも、まだ…)
やよい(………)
『私を含めて皆、やよいさんを応援しています』
『後は、あなた次第です』
やよい(……)
やよい「ごめん、皆。 もう少しだけ待ってて!」
ゴルフナンテ…
リアジュウシカイネェ…
フエェ…ユウグガスクナイヨォ…
ウルフ「絶望しろ、人間共ぉ! 世界は全てバッドエンドに染まるのだぁ!!」
ウルフ「そしてぇ!」
ウルフ「人間共から発せられたバッドエナジーが、悪の皇帝ピエーロ様を、」
ウルフ「蘇らせていくのだぁ!!」
ズォォォオオ !
…シーン
ウルフ「……」
ウルフ(チッ! あいつらに任せてたせいで、今のだけじゃ針を動かす程の量には達しねぇか)
ウルフ「やっぱ俺様が直々にやってやんねぇとなあ! ウルッフッフッフッフ!!」
ウルフ「あぁ?」
れいか「公園は、人々が一時の安らぎを求める大切な場所…」
れいか「汚すことは許しません!」
キャンディ「みんな、変身クルー!」
「「「「プリキュア! スマイルチャージ!!」」」」
ハッピー「キラキラ輝く、未来の光! キュアハッピー!!」
サニー「太陽サンサン、熱血パワー! キュアサニー!!」
マーチ「勇気リンリン、直球勝負! キュアマーチ!!」
ビューティ「シンシンと降り積もる、清き心! キュアビューティ!!」
マーチ「え? 待ってたって……」
サニー「あ、もしかしてやよいに会いたかったんか? あの子まだ来とらんで」
ウルフ「あぁ!? な、何でそいつの名前が出て来やがる!」
サニー「だってアンタ、やよいと喧嘩中なんやろ?」
マーチ「一方的にまくし立てて逃げるなんて、筋が通ってないよ!」
ウルフ「けっ! んなもん知るか! 俺はなぁ、てめぇらを纏めてぶっ潰しに来たんだよぉ!!」
ハッピー「狼さん、やよいちゃんと話をしてあげて! やよいちゃんはずっと…」
ウルフ「うるせぇ!! 黙れ黙れ黙れぇえええ!!」
ウルフ「俺様は一匹狼、人間なんぞとは群れないんだよぉ!」
サニー「んなら、倒した後でふんじばって、無理にでも聞いてもらおかー!」
ウルフ「へっ! 調子に乗っていられるのも今のうちだぜぇ?」
ウルフ「出でよっ! アカンベェ!!」
ハッピー「みんな、気を付けて!」
サニー「任せときっ!」
マーチ「うん!」
ビューティ「はいっ!」
…シーン
桃赤緑青「「「「………?」」」」
キャンディ「クルッ?」
カッ !
バリバリバリバリバリ !!
ウルフ「んぎゃあああああああああああああ!?」ビシャーン !
桃赤緑青「「「「えええええええええ!?」」」」
ジョーカー(ご説明しましょう!)
ウルフ「しびびびびびびび (ジョーカーてめぇ、何しやがった!?)」
ジョーカー(私はなぁんにもしていませんよぉ? それはババデコルの効果です)
ウルフ「ふべべべべべ (なにぃ!?)」
ジョーカー(ババデコル入りアオッパナは、使用者のバッドエナジーを吸うことで、)
ジョーカー(アカッパナにクラスチェエエンジ! することが出来るのですっ!)
ウルフ「ほぎぎぎぎぎ (お前ぇ、そんなこと言ってなかったじゃねえかあああ!!)」
ジョーカー(だって、ウルフルンさんが簡単にでいい、って言ったんじゃないですかぁ)
ジョーカー(それに、どうせいつもアカンベェに任せっきりで戦わないんですから、構いませんよねぇええ?)
ウルフ「のおおおおおお (てめぇ、後で覚えてろよぉ!!)」
キュオオン !
アカンベェ?『ウルッフゥゥゥウウ!!』
サニー「……えーっと、とりあえずふんじばる必要はなくなったか?」
ビューティ「狼の姿のアカンベェ、ですか」
ハッピー「鳴き声がいつもと違うような…」
マーチ「鼻が赤いね、皆気を付けて!」
アカンベェ?『………』
アカンベェ?『てめぇらぁ! もっと俺様を怖がりやがれぇ!!』
マーチ「えっ、しゃべった!?」
ヒュガッ !
ハッピー「うわあ!?」
サニー「あぶないやろ、がっ!」ブンッ
アカンベェ?『とろいとろい!』ヒュッ
サニー「んなっ!?」
マーチ「くっ、速い…」
ビューティ「私が動きを止めます。 その隙にっ」
ビューティ「プリキュア! ビューティー・・・」
ビューティ「ブリザードッ!!」
ビュオオオオオオ !!
アカンベェ?『とろいっつってんだろうがよぉ!』
ビューティ「きゃあああああ!!」ドガッ
ビューティ「え、ええ…大したことはないわ」
アカンベェ?『どうだぁ! これが俺様だっ! 強いだろう、怖いだろう!? ウルッフッフッフッフ!!』
ハッピー「これはもしかして…」
サニー「ん? 何か分かったんかハッピー?」
ハッピー「あのアカンベェはきっと、狼さんの嫌~な部分が形になったものだと思う! メルヘン的に」
サニー「いや、メルヘン的ってなんやねん」
ハッピー「つまり、アカンベェさえ倒してしまえば狼さんの呪いが解けてハッピーエンドなんだよ!」
サニー「どっから、そんなけったいな発想が出てくるんや…」
ビューティ「ハッピーの言う事にも一理あります。 あのアカンベェの言動は、ウルフルンに酷似していますし」
マーチ「まあ、だからどうだって話だよね。 倒すべき相手っていうのには変わらないし!」
ウルフ(影)『見下してんじゃねえっ!!』ブワッ
グググ…
シュンッ !
サニー「えっ、消え…」
ザクッ!
ハッピー「サニー!」
ドカッ!
ビューティ「くっ・・・!」
バキッ!
マーチ「みんなっ!」
ドンッ!!
桃赤緑青「「「「きゃあああああああああああ!!」」」」
ドササッ
ウルフ(影)『ウルッフッフッフッフ…、口ほどにもねぇな』
ウルフ(影)『弱い奴がいくら群れたって何の意味もないんだよぉ!』
ハッピー「…ない」
ウルフ(影)『あぁん?』
ハッピー「そんな、こと……ないっ!」
ハッピー「強いとか弱いとか、」
ハッピー「人間とかそうじゃないとか、」
ハッピー「そんなの関係ないんだっ!」
ハッピー「私たちが一緒にいるのは、友達だから、絆があるから…」
ハッピー「皆の事が大好きだからっ!!」
ハッピー「そんな人たちを悲しませたくないから、一緒に笑い合いたいから、私たちは戦えるんだ!」
ウルフ(影)『この状況見ても同じ事言えんのか? てめぇらに勝ち目なんかないんだよっ!』
ビューティ「貴方に…だって、細くとも、確かに絆はあるはずです」ムクッ
ウルフ(影)『なんだとっ!?』
ビューティ「過ごした時間は短かったかもしれません、お互い不安を抱えてもいたでしょう」
ビューティ「それでも、貴方がやよいさんと過ごした時間が無駄だったとは思いませんし、言わせません!」
ウルフ(影)『ほざけぇ!! 俺は狼だ! 人間なんぞと居たって、バッドエンド以外ありえねえんだよ!!』
サニー「でも、本当にそう思ってたんなら何度も会いに行かんやろ!?」
マーチ「やよいちゃんと過ごした時間はつまらなかったの? 全部を否定できる!?」
マーチ「きちんと自分と向き合いなよっ!」
ウルフ(影)『あああああああああああ! うるせえんだよぉ!!』
ウルフ(影)『こいつでトドメだぁ!!』グァッ !
桃赤緑青「「「「…………!」」」」
?「待ちなさいっ!」
グーで
パーで
ハッピー「この声は…!」
サニー「ったく、遅いでー」
マーチ「待ってたよ!」
ビューティ「よく、来てくれました」
やよい「………」
ウルフ(影)『っ、・・・今頃来たか、泣き虫きのこ。 尻尾巻いて逃げたのかと思ってたぜ』
やよい「あなたは、ウルフルン?」
ウルフ(影)『さあ、どうだかなぁ…? どう見える?』ニヤァ
やよい「私が怒らせちゃったから…?」
ウルフ(影)『っ!? 勝手なこと言ってんじゃねえ!!』
ウルフ(影)『俺は今、最っ高に楽しいぜぇ! てめぇらプリキュアをぼっこぼこに出来てるんだからなぁ!』
ウルフ(影)『ウルッフッフッフッフ!!』
やよい「………」
ウルフ(影)『・・・おい。 俺様をそんな目で見るんじゃねぇ』
ウルフ(影)『もっと怖がれ! 恐怖しろ!! 爪を、牙を、この姿を!!』
やよい「……怖くないよ」
ウルフ(影)『なっ・・・』
やよい「怖くない」
やよい「私は、友達を怖がったりしない」
やよい「友達でも、皆を傷付けた事は許さない!」
やよい「プリキュア! スマイルチャージ!」
ピース「ピカピカピカリン! じゃんけんぽん! キュアピース!!」パー
ウルフ(影)『へっ! やっと、やる気になりやがったか!!』
ウルフ(影)『だが、一人で何が出来るってんだ! あぁ!?』
桃赤緑青「「「「一人なんかじゃない!!」」」」
ドゴォ!
ウルフ(影)『ぐおぉ!』
ウルフ(影)『て、てめぇら、ボロボロの癖に何で動ける!?』
ウルフ(影)『ぐぅううう!!』
サニー「ウチらはっ!」ブンッ !
ピース「皆の事が!」シュッ !
シュバッ !
ウルフ(影)『へっ、そんな大振りじゃ…』
マーチ「大好きだから!」
ウルフ(影)『な、いつの間に――ッ!?』
ドガッ!
ウルフ(影)『グガッ!!』
ビューティ「だから、戦えるの、ですっ!」ズドッ
ウルフ(影)『ちぃいいいい!! 何言ってんのか意味分かんねぇよ!』
グググ…
サニー「またあの速いのが来るでっ!」
ビューティ「皆さん! 一ヶ所に集まってください!!」
ウルフ(影)『うらあああああああああ!!』
ビュン !
ドガアアア!!
ハッピー「気合いだ気合いだ気合いだああ!!」ズザザ
サニー「ふぎぎぎぎ!」ググ
ピース「負ける、もんか…!」プルプル
マーチ「この、くらいっ!」ギリギリ
ビューティ「皆さん、行きますよ!!」ガクガク
ウルフ(影)『受け止めた…だとぉおお!?』
ウルフ(影)『何だてめぇら! は、離しやがれぇ!!』ジタバタ
サニー「ああ、いいでぇ?」
桃黄緑青「「「「いっせーの……」」」」
サニー「ただし、」
桃黄緑青「「「「―――せっ!!」」」」ブンッ !!
サニー「上になああ!!」
ウルフ(影)『うおあああああああああああ!?』ヒューン !
サニー「後は任せたで!!」
マーチ「思いっきりやっちゃって!」
ビューティ「最後は、お譲りします!」
ピース「皆の想いが、私に勇気と力をくれる」
ピース「あなたにも届いて! 私のこの想い!!」
ピース「プリキュア!」
ピース「……っ」バチィ !
ピース「ピースゥ…」
ピース「サンダアアアァァ!!」
ビシャアアアアン !!
ウルフ(影)『グウオオオオオアアアァァア!!』
ジョーカー(ふぅむ…)
ジョーカー(使い終わったババデコルを回収しようと思ったのですが、)
ジョーカー(どうやら変質したアオッパナと共に消滅してしまったようですねぇ…)
ジョーカー「くくっ」
ジョーカー(……ま、いいでしょう)
ジョーカー(茶番を見れた代金と思えば安いもんです、んっふ!)シュンッ !
あかね「こいつ全然起きひんなぁ…」ツンツン
みゆき「あ、あかねちゃん。 棒でつついたりしたらダメだって」
なお「でも、どうする? このまま放置ってわけにもいかないしさ」
れいか「そうねぇ……」
やよい「皆は先に帰ってもいいよ、私が看てるから」
みゆき「えっ、でも」
れいか「……」
れいか「みゆきさん、ここはやよいさんに任せてみませんか?」
みゆき「うーん…」
みゆき「そうだね。 やよいちゃん、頑張って!」
あかね「じゃ、またなやよいー」
なお「遅くならないようにしなよー?」
タッタッタッ…
やよい「ふぅ…」
ウルフ「………んん、」
やよい「あ、起きた?」
ウルフ「…あぁ?」
やよい「おはよ」ニコッ
ウルフ「……」
ウルフ「はぁああ!?」ガバッ
ウルフ「んだこりゃ!? どういう状況だおい!」
やよい「あなたが倒れたまま起きなかったから、私が看てたの」
ウルフ「んー? ってか、お前さっき何してやがった」
やよい「何って…膝枕?」
ウルフ「どうして俺様にそんなことする必要がある!」
やよい「だって、芝生の下って地面だし、寝辛くない?」
やよい「あのね、あなたにコレを渡したかったんだ」
ペラッ
ウルフ「? なんだこりゃ」
やよい「私さ、一緒に居たのに、ずっとウルフルンだけしかいない絵を描いてたよね」
やよい「本当に仲良しだって、心から思えなくて、不安で」
やよい「私を、絵の中に描き込めなかったの」
やよい「……だから、」
やよい「私とウルフルン」
やよい「二人一緒に遊んでいる絵を描いてみたんだ」
やよい「……あの時はごめんね。 私、少し舞い上がちゃってて」
やよい「あなたも悩んでたとか、全然考えてなくて…」
やよい「……」
やよい「でもね、もっと仲良くなりたいって気持ちは本当だよ?」
やよい「だから、……もしよかったら」
やよい「仲直りをしてほしいな、って…」
ウルフ「お前、さっきから何の話してんだ?」
ウルフ「絵だの、仲直りだの…」
ウルフ「わけわかんねぇこと言ってんじゃねえよ」
やよい「え、っと…?」
やよい「あ、あなたこそ…何言ってるの?」
やよい「ほらっ! あの木の下で、一緒にお菓子食べたり、絵を描いたりしたじゃない!」
ウルフ「はぁ…? 俺様が、お前と一緒に?」
やよい「そう!」
ウルフ「お前、寝ボケてんのか?」
ウルフ「確かに頭ん中に花でも咲いてそうだがなぁ! ウルッフッフッフッフ!」
ウルフ「絵なんて面倒なもん、誰が描くかよ」
ウルフ「大体、俺とお前は敵同士だろ? 一緒にいるわけがねぇ」
ウルフ「あれ? つーか、あそこは俺の秘密の昼寝スポットだぜ? なんでお前が知ってんだ?」
やよい「……っ」
やよい「ホント、に…忘れ、ちゃったの?」
ウルフ「はぁ? だから知らねぇっつってんだろ」
やよい「そんな…」
やよい「……」
やよい「グスッ」
ウルフ「あぁ? なんだお前、意味不明なこと言い終わったと思ったら、今度は泣くのかよ」
ウルフ「けっ、付きあってらんねぇ」
ウルフ「俺はもう行くぜぇ」
ザッ
やよい「!」
やよい「……ま、待ってぇ!」
ウルフ「はぁああ。 んだよ、泣き虫きのこ」
やよい「…ヒック……あの、」
やよい「お願い、これを…もらってくれないかな…」
ウルフ「あん?」
ウルフ「さっきの絵じゃねえか。 こんなもんいらねぇよ」
やよい「お願い…」ペコッ
ウルフ「しつっけえな…」ギロリ
やよい「……」
ウルフ「……」
やよい「あっ…」
ウルフ「あばよ!」シュンッ !
サァァ…
やよい「……」
やよい「…う、」
やよい「うわああああああああああああん!!」
あかね「ええーっ!? ほな、ウルフルンの奴、やよいとのこと忘れてもうてたんか!?」
やよい「……うん」
なお「演技とかじゃなくて? それだったら尚更許せないけど」
やよい「全然、覚えてなさそうだった…。 昔のウルフルンみたい…」
みゆき「でも…、一体どうして!? こんなのってないよ!」
れいか「………」
れいか「もしかすると…、あのウルフルンに似たアカンベェを倒した事で」
れいか「本人にも、何かしらの影響があったのかもしれません」
みゆき「そ、そんな…」
やよい「いいよ、あかねちゃん」
あかね「でもなぁ!」
やよい「いいの」
なお「やよいちゃん…」
やよい「私…、平気、だから」
ポタ…
やよい「あ、れ…」
やよい「おかしい、な…平気、なのに」
やよい「涙が、止まらな…」
みゆき「やよいちゃん」ギュッ
やよい「う、うぅ……ヒック…」
ウルフ「………うーむ」
オーニ「ん? ウルフルン、壁なんか眺めて何やってるオニ?」
ウルフ「おー、アカオーニか。 違ぇよ、こいつを見てたんだ」
オーニ「オニ? ……お前、絵なんか見てて楽しいオニか?」
ウルフ「別に面白かねえよ」
オーニ「ふーん」
オーニ「にしても、変な絵だオニ」
オーニ「狼が怒ってるのに、女の子の方は楽しそうオニ」
オーニ「こいつ、頭がおかしいオニ! ガッハッハッハ!!」
ウルフ「……そうだな、コイツおかしいんだろうな」
ウルフ「あぁ、プリキュアに無理矢理押し付けられた」
オーニ「プリキュアァ!? 何でそんなのとっとくオニ!」
ウルフ「うーむ、……何でだろうな?」
オーニ「お前がやらないなら、俺様が破り捨ててやるオニ!!」グァッ !
ウルフ「っ!」
ウルフ「勝手な事すんじゃねえ!!」
ドガッ!
オーニ「オニー!」ヒューン
ウルフ「妙なんだよなぁ…」
ウルフ「どうも、この絵を見てると頭の片隅で何か引っかかる…」
ウルフ「……」
ウルフ「……はぁ」
ウルフ「考えていても仕方ねえな」
ウルフ「昼寝でもしようと思ったが、アカオーニの野郎は相変わらずうっせえし」
ウルフ「やっぱ、あそこに行くかぁ…」
サァアア…
やよい「……」
やよい(私、なにやってるんだろ)
やよい(どうして、ここに来ちゃったんだろ)
やよい(一人しかいないのに、こんなにスコーン焼いてきちゃって)
やよい「……」
やよい「ああ、もう! やめやめ!」ブンブン
やよい「せっかくのお休みなのに、落ち込んでたらもったいないよ!」
やよい「いっぱい描くぞー! おー!」
シャッシャッ
ケシケシ
ガリガリ
やよい「……」
やよい「うーん…、ちょっと休憩するかな」
やよい「お菓子、お菓子っと」
ザリッ
?「…んん?」
?「何でてめぇがここにいんだよ、キュアピース」
やよい「えっ?」
やよい「う、ウルフルンっ!?」
ウルフ「……あぁ?」
ガシッ!
ウルフ「ウルフルン、『様』だ! 気安く呼び捨てんな!」モフモフ
やよい「うわああ!? だから、髪はやめてよぉ!!」ジタバタ
ウルフ「けっ!」バシッ
ウルフ「んで、どうしてお前がここにいるんだ?」
やよい「そ、そんなの私の勝手でしょ!」
ウルフ「あぁ?」ギロリ
やよい「なによ!」ムッ
やよい「……」
ウルフ「……? お前って、こんな奴だったっけか?」
やよい「こんなって…、どんな?」
ウルフ「……いや、元々髪型からして変な奴か」
やよい「むぅー! そうやってすぐ馬鹿にするんだから」
ウルフ「とにかく、俺様はこれからここで昼寝すんだよ。 どっかへ失せろ」
やよい「いーや! 私の方が先に居たんだもん」
ウルフ「なんだとっ!?」
やよい「なにさっ!!」
やよい「むぅうううう…」
やよい「あ、そうだ」
やよい「ねえ?」
ウルフ「あんだよ!?」
やよい「これ、一緒に食べない?」
ウルフ「? なんだそりゃ」
やよい「スコーンだよ。 ……これも、覚えてない?」
ウルフ「ふーむ…」
ウルフ「いや、知らねえな」
やよい「……そっか」
記憶がスコーンと抜けてるって事か
バクバクバク !
ムシャムシャー !!
やよい「えっ、ちょっと! 私の分まで食べないでよー!?」
ウルフ「んなもん知るか、早いもん勝ちだぜえ! ウルッフッフッフー!!」モシャモシャ
やよい「…ま、負けないもん!!」パクパク
~しばらくして~
ウルフ「あー、食った食った」ゲフ
やよい「がっつき過ぎだよ…まったく」
ウルフ「てめぇがチマチマ食ってるのが悪ぃ」
やよい「だって、ジャムとかバターとか塗った方が美味しいんだもん…」
ウルフ「はぁ!? そういうことなら先に言えよ!」
やよい「もう残ってないから遅いよー」ケラケラ
ウルフ「ぬぐぐ…」
やよい「寝るの?」
ウルフ「ってか、お前まだ居るつもりなのか…」
やよい「だって、先にここに居たのは」
ウルフ「あー、はいはい。 分かった分かりましたー」
ウルフ「居てもいいが、静かにしてろよ? 騒いだらブッ飛ばすからな」
やよい「はーい」
ウルフ「……けっ」ゴロン
サァァアア…
やよい「……」
ウルフ「……」
やよい「ねえ、もう寝ちゃった?」
ウルフ「……声かけんな」
やよい「ごめん」
やよい「……」
ウルフ「……」
やよい「あのさ、」
やよい「今日のお菓子…気に入ったなら、また何か作ってこようか?」
やよい「私、こう見えて得意なんだよ?」
やよい「……」
ウルフ「……」クカー
やよい「寝ちゃった、か」
ウルフ「……甘い、」
やよい「?」
ウルフ「甘い、お好み焼きは…やめろ、よな…」
やよい「っ!?」
ウルフ「……」ムニャムニャ
ウルフ「…クー」
やよい「……」
やよい「うん、わかった」ニコッ
『人間なんぞと群れたって何の意味もねぇ!』
やよい(無駄なんかじゃなかった)
やよい(少しずつでも、いいんだ)
やよい(愛情も、友情も、思い出も)
やよい(積み重なっていけば、)
やよい(また、きっと――)
ウルフ「……zzZZ」
やよい「ふふっ」
やよい「さて、と。 今日も描かせてもらいますか!」
おわり
また来週ー
いい話だった
プリキュア見てないけど見ようかな
Entry ⇒ 2012.06.19 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
星空みゆき「海水浴でウルトラハッピー!」
みゆき「・・・」ワクワク
やよい「・・・」ワクワク
キャンディ「・・・」ワクワクル
なお「・・・」フムフム
れいか「・・・」ウーン
みゆき「うわあ、すっごーい!」
やよい「何度見てもかっこいい!」
キャンディ「美味しそうクルー!」
なお「ほんと、あかねの腕前はプロ級だね」
れいか「・・・どうしたらいいのかしら」ウーン
れいか「えっ? あ、ごめんなさい。無意識に声に出していたのね」
みゆき「れいかちゃん、何か悩み事?」
あかね「ウチに出来る事やったら何でも手伝うで?」
やよい「わたしも!」
キャンディ「キャンディもクル!」
みゆき「えー!? れいかちゃん、もう2学期の事を考えてるの!?」
あかね「しゃーないやろ、れいかは生徒会の副会長やもんな」
やよい「れいかちゃんは偉いなあ」
なお「だけど、まだたっぷり時間はあるんだし、ゆっくりと考えていけばいいと思うよ」
れいか「なお・・・ありがとう。そうしますわ」
みゆき「ねえ、みんな! 夏休みになったら海に泳ぎに行こうよ!」
あかね「なんや自分、いきなりやな」
みゆき「だって、もうすぐなんだよ! みんなでいっぱい遊ぼうよ!」
やよい「海水浴か~、水着を買わないといけないなあ」
れいか「海水浴って、私、初めてなんです」
みゆき「えー! れいかちゃん、海水浴に行った事無いの!?」
れいか「意味は知っているのですが、恥ずかしながら行った事は・・・」
なお「みゆきちゃん、そんな事言わないの」メッ
みゆき「あっ、ごめんね? れいかちゃん」
れいか「いえ、気になさらないで下さい」
やよい「海水浴って言うのはね、海に位って泳いだり、砂浜で遊んだりするんだよ」
キャンディ「楽しそうクル! キャンディも一緒に行くクル!」
あかね「行くのはええんやけど、喋ったりしたら皆にバレてまうで?」
なお「一番いいのはペットのフリをするのがいいかな」
みゆき「うーん、それしか方法は無いかあ。キャンディ、少しの間だけ我慢出来る?」
キャンディ「クル~、キャンディも泳いだり遊んだりしたいから、ちゃんと我慢するクル~」
れいか「いい子ですよ、キャンディ」ナデナデ
キャンディ「クル~」
あかね「土日は人がぎょーさんおるやろうし、平日にしよか?」
みゆき「それだったら荷物を置く場所も広く取れそうだし、そうしようよ!」
やよい「じゃあ、場所はわたしが探してみるね」
れいか「お任せしてよろしいのですか、やよいさん?」
みゆき「あー! やよいちゃん、それ私のセリフー!」
やよい「ごめんね、みゆきちゃん。ちょっと真似したくなっちゃった」テヘペロ
みゆき「はっぷっぷ~」
なお「みんな、行くまでにちゃんと準備をしておく事。いいね?」
みゆき・あかね・やよい・れいか・キャンディ「「「「「はーい!」」」」クルー!」
れいか「なお、水着を選ぶのに付き合ってもらえませんか?」
なお「もちろん! 私も新しい水着が欲しかったから、今度二人で一緒に行こう!」
れいか「ええ!」
アカオーニ「アーッカッカッカ! オレ様アカオーニ♪」
ウルフルン「うるせーぞ!アカオーニ!」
アカオーニ「何を言ってるオニ! お前だって歌っているオニ! だから文句を言われる筋合いは無いオニ!」
ウルフルン「オレのと一緒にしてんじゃねーぞ!」
アカオーニ「勝手に言ってるオニ! 今から赤江アナに会うから静かにしてろオニ!」つテレビ
ウルフルン「こいつ、ピエーロ様を復活させる事を忘れてんじゃねーだろうな?」スタスタ
アカオーニ「・・・お! 赤江アナが映っているオニ!」
赤江アナ『今日は沢山の人で賑わっている○○海水浴場から中継を・・・』
アカオーニ「海水浴オニ?」
赤江アナ『泳いだり、遊んだり、人それぞれの楽しみ方で・・・』
アカオーニ「とっても気持ち良さそうオニ! オレ様も泳ぎに行くオニ!」
アカオーニ「それじゃあ今から行くオニー!」
マジョリーナ「やれやれ、うるさいのが出ていっただわさ」
マジョリーナ「って、私の出番はたったのこれだけだわさ!?」
ジョーカー「そのようですねええ?」
みゆき「海だー!」
あかね「やっと着いたでー!」
キャンディ「キャンディ、こんなに広い海を見たの初めてクルー!」
やよい「だいぶ時間かかっちゃったね」
なお「でも、平日だけあって、人がそんなに多くなくてよかったよ」
れいか「それに、とても綺麗な海ですね。やよいさん、わざわざ探して頂いてありがとうございます」ペコッ
やよい「そんなー、お礼を言われるほどでも無いよー!」
やよい「でも、ちょっと嬉しいな」
あかね「みゆきー! 先に場所を取らなアカン・・・って、もう行ってもうた」ハァ
なお「仕方ないな、みゆきちゃんは。ここは私とあかねでやっておくから、れいかとやよいちゃんも先に着替えて来なよ」
れいか「そんな、お二人だけに任せてしまうのは・・・」
あかね「そんなん気にせんでええって。力仕事はウチらに任せときー!」
れいか「そうですか・・・では、お先に着替えて来ますね」
やよい「れいかちゃーん、早く行こう!」
みゆき「キャンディ、どうかな? 可愛いかな?」
キャンディ「とっても可愛いクルー!」
キャンディ「キャンディも着替えるクルー! みゆき、スポーツデコルを使うクル!」
みゆき「えっと、この前手に入れたデコルだね」
<レッツゴー スポーツ!>
キラァン!
キャンディ「お着替えクルー!」
みゆき「キャンディ、かっこいー! まるで水泳選手みたい!」
れいか「お二人とも、お待たせいたしました」
みゆき「うわぁ! やよいちゃんもとっても可愛いよ! れいかちゃんもその水着すっごく似合ってる!」
やよい「そう!? ママといっぱい選んだんだよ!」
れいか「私もなおと二人で選びました」
みゆき「あかねちゃん、かっこいいー!」
やよい「あれ? あかねちゃんは、更衣室で見かけなかったけど……」
あかね「むっちゃ楽しみにしとったからな、家を出る前からもう服の下に水着を着とったんやー!」
みゆき「凄いね、あかねちゃん!」
れいか「なかなか用意周到ですね。……なおは?」
あかね「なおやったら、後から着替えに行ったはずやけど……お、来たで」
みゆき「なおちゃんも、かっこいいよ!」
やよい「うん! スタイルがいいからとっても似合ってる!」
れいか「なお、私の出番は選んだ水着を着てくれてありがとうございます」
なお「ありがとう、れいか。でも、ちょっと恥ずかしいかも」
れいか「何をおっしゃっていますか!? とっても似合っていますわ!」
みゆき「はは……、れいかちゃんが凄いね」
あかね「なおの事になったら人が変わるからな」
やよい「……スケッチ、スケッチ」スラスラ
キャンディ「みんな揃ったから、いっぱい遊ぶクルー!」
みゆき・あかね・やよい・なお・れいか「「「「「おー!」」」」」
みゆき「みんなー! あそこの岩まで競争だよー!」スーイ
あかね「よっしゃー! 誰にも負けへんでー!」スーイ
キャンディ「キャンディも頑張るクルー!」スーイ
なお「あかね! 私も負けないよ!」スーイ
れいか「私もですわ!」スーイ
やよい「みんな、待ってえ!」ブクブク
あかね「日野ちゃん、スペシャルアタックやー!」バシッ!
なお「くっ……、バレーじゃさすがに、あかねには敵わないか」
あかね「当たり前や! ビーチバレーもウチの得意分野やからな!」
みゆき「あかねちゃん、頼りになるー!」
れいか「なお、私達も負けてはいられませんわ!」
なお「うん!」
やよい「みんなー! 頑張れー! ……バレーだけにね」ニコッ
キャンディ「今のはどうかと思うクル」
やよい「頑張れー! ……バレーだけにね!」ドヤッ
キャンディ「何で二回言ったクルー!?」
みゆき「疲れたー!」
あかね「せやな、ぎょーさん遊んだもんな」
キャンディ「キャンディ、おなかがすいたクル~」グウー
なお「それじゃあ、ご飯でも食べようか?」
れいか「ですが、どこかに食事が出来る所があるのですか?」
やよい「大丈夫だよ。海の家って言って、ご飯を食べたり、横に寝転んで休憩出来る所があるんだよ」
れいか「そのような所があるとは……勉強不足ですね」
みゆき「れいかちゃんは真面目だなあ」
あかね「ええと……あそこにあったで!」
なお「じゃあ、そこにしようか」
海の家 れもん
みゆき「あかねちゃん、人混んでるかな?」
あかね「ちょい待ちい……結構空いてるみたいやな」
やよい「よかったあ、みんな座れるね」
キャンディ「キャンディ、もうおなかペコペコクル~」グウー
なお「それじゃあ、中に入ろうか」
れいか「そうしましょう」
イカ娘「何でゲソ?」
やよい「ゲソ?」
あかね「なんや、ウチらは客やで? はよう案内してや」
イカ娘「そんなに威張らないで欲しいでゲソ! それに言葉使いが下品でゲソね」
あかね「何やと! ウチを馬鹿にしとんのか!? お前の方こそゲソゲソって何やねん!?」
なお「あかね、ちょっと落ち着きなよ」
あかね「せやけど、こいつが!」
れいか「あなたも落ち着いて下さい!」
イカ娘「これでも喰らえで……ゲソ!?」ゴツン
栄子「お前の方が先に喧嘩売っただろうが。とっとと謝れ」
イカ娘「私は悪くないでゲソ!」
栄子「姉貴が知ったらどうなると思う?」
イカ娘「ひっ……御免なさいでゲソ……」シュン
イカ娘「仕方無いでゲソね? 許してやろうじゃなイカ!」
あかね「」ピクピク
みゆき「あかねちゃーん、落ち着いてー!」
やよい「えーと、わたし達ご飯を食べに来たんですけど……」
栄子「あー、ごめんごめん。じゃあ、そこの席に座ってもらっていいかな?」
れいか「分かりました」
あかね「ウチはみゆきと同じやつでええで」
やよい「わたしもみゆきちゃんと一緒でいいよ。キャンディ、二人で分けて食べようね?」
キャンディ「そうするクル!」
なお「私とれいかも、みゆきちゃんが選んだやつにするよ」
れいか「みゆきさん、お願いします」
みゆき「ええー!? 何で私に任せるのー!?」
あかね「まあ、定番やったらラーメンとかやな」
やよい「ラーメンかあ……重たいのはちょっと……」
なお「他と言ったら焼きそばとかね」
れいか「焼きそば……ですか。別にここでなくても食べられるのでは?」
あかね「れいかは分かってへんなー。海を目の前にして食べるから美味いんやで?」
キャンディ「何でもいいから、早く食べたいクルゥ……」グウー
みゆき「どうしようかな……」
みゆき「じゃあ、ラーメ……ん?」
栄子「はーい。注文決まった?」
みゆき「そうじゃないんですけど、あそこに書いてあるおすすめのイカスミスパゲティーって何ですか?」
栄子「ああ、あれね。ここでしか食べられない特別なスパゲティーなんだ」
あかね「ホンマなん?」
やよい「スパゲティーかあ、それならキャンディも食べやすそうでいいかな」
キャンディ「キャンディ、おなかがグウグウクル~」グウー
なお「なんだか面白そうじゃない?」
れいか「私、イカスミスパゲティーなんて初めてです」
栄子「イカスミスパゲティー5つね。イカ娘~、出番だぞ」
イカ娘「えー、またでゲソか? あれはかなり体力使うでゲソよ」
栄子「頑張って売り上げに貢献してくれ」
イカ娘「……分かったでゲソよ」
なお「あの子が作るんですか?」
栄子「いやいや、作るのは姉貴であって、仕上げにイカ娘の出番なんだよ」
れいか「よく分かりません」
みゆき「わあー、来た来た!」
なお「結構美味しそうだね!」
やよい「キャンディの分も取り分けてあげるね」
キャンディ「やよい、ありがとうクル~」
あかね「でも、見た目はスパゲティーにイカスミがかかっただけやん」
れいか「何か特別な味付けをしているのでしょうか?」
みゆき「とりあえず食べてみようよ!」
みゆき「それでは……」
みゆき・あかね・やよい・なお・れいか・キャンディ「「「「「「いただきまーす!」」」」」クルゥ!」
みゆき「……美味しい!」
あかね「ホンマや! こんなん食べた事あらへん!」
やよい「うわあ~、とっても美味しいよ!」
なお「弟や妹にも食べさせてあげたいな」
れいか「私、このような味を召し上がったのは初めてです」
イカ娘「当たり前でゲソ! 私のイカスミだから美味しいのは当然でゲソ!」
あかね「アンタのイカスミって、何ゆうてんの?」
イカ娘「これを見てみるでゲソ!」ピュッ
イカ娘「このイカスミを使って作ったでゲソよ!」
あかね「そんなんウソやろ、どうせ手品かなんかとちゃうん!?」
イカ娘「だったら、身を持って味あうでゲソよ!」ピュッピュッ
あかね「うわわ! 何すんねん! 危ないやろ!」
イカ娘「まだまだでゲソ!」ピュッピュッ
みゆき「あかねちゃーん!」
やよい「あわわ、どうすればいいの?」
れいか「お二人とも、落ち着いて下さい!」
あかね「ウチが悪かったから! 謝るから! もうやめてーや!」
イカ娘「邪魔するなでゲソ! もうちょっとで……」
千鶴「イカ娘ちゃん、皆の迷惑になるからやめましょう?」ギロッ
イカ娘「ひっ」
千鶴「分かってくれたかしら?」ニコッ
イカ娘「分かったでゲソ! もうやめるでゲソ!」
千鶴「いい子ね、イカ娘ちゃん」
イカ娘「」ガクガクブルブル
やよい(うわぁ~、あの人なんか怖いな~)
千鶴「何か言ったかしら?」キッ
やよい「いえいえいえ!」ブンブン
キャンディ「やよいも怯えているクルゥ」ボソッ
みゆき「えーー! 地上を侵略しに来たのーー!?」
イカ娘「そうでゲソ!」ドン!
あかね「キャンディ、バッドエンド王国の幹部って他にもおったんかいな?」ボソッ
キャンディ「キャンディは知らないクルゥ」ボソッ
イカ娘「そこのお前、何独り言を言っているでゲソ?」
あかね「いや、何でもあらへんで?」
れいか「侵略と大きな事をおっしゃっていますが、どうしてそのような事を?」
イカ娘「私の住んでいた海底は地上の人間が出したゴミによって荒らされてしまっているでゲソ。だからそんな人間を排除する為に、この地上を侵略する事にしたでゲソよ」
あかね「半分は八つ当たりみたいやな……」
やよい「……」
やよい「……凄いよ! まるでスーパーヒーローみたい!」
あかね「いやいや、侵略するてゆうとるんやで!?」
やよい「だけど、悪い事をしているのは地上の人でしょ? そんな悪い人をやっつけるんだからヒーローだもん!」
イカ娘「私は全人類を敵にしているでゲソが……なんだかお前とは気が合いそうでゲソ!」
やよい「ほんとう!? わたし達お友達になれるかな?」
イカ娘「当たり前でゲソ! 私と一緒に侵略しようじゃなイカ!」ゴツン
イカ娘「お、おおう……」プルプル
栄子「他人を巻き込むな」
れいか「いえ、海底をゴミで汚す、と言うのは私も許す事は出来ません」
なお「そうだよ、自分達の都合で汚すなんて筋が通ってないよ、筋が!」
あかね「それは、ウチも同感や」
みゆき「自然を壊すなんて全然ウルトラハッピーになれないよ!」
イカ娘「みんな、ありがとうでゲソ!」
千鶴「そんなイカ娘ちゃんをこの『海の家 れもん』で居候として預かっているのよ」
イカ娘「居候じゃないでゲソ! ここは地上侵略の為の拠点でゲソ!」
栄子「お前が壁に穴を開けて、その弁償代として働かされているくせに」
イカ娘「それは言わない約束でゲソ」
イカ娘「そうでゲソね……いつもは……あっ!」シュン
男「ふう、飲んだ飲んだ……ゴミは捨てちまえ」ポイッ
男「じゃあ帰るとするか……痛え!」バチッ
なお「うわっ! 髪の毛が伸びた!」
栄子「こら、何攻撃してんだ」
イカ娘「だってでゲソ……」
栄子「まあ、お前の気持ちも分からん訳ではないが、攻撃はするなって」
男「何って、ただ空き缶を捨てただけだろ」
イカ娘「ゴミはゴミ箱にすてればいいじゃなイカ!」
男「他の奴だってそこいらに捨てているじゃねーか。何で俺だけに言うんだよ?」
れいか「あなたの方こそ何をおっしゃっているのですか?」
あかね「そうや、目の前で捨てて見逃すなんてそんなん出来へん!」
やよい「ちゃんと捨てないと駄目だよ!」
キャンディ「そうクル!」
男「ん?」
イカ娘「今、狸のおもちゃが喋ってなイカ?」
なお「気のせいだよ、気のせい!」
みゆき「キャンディ、喋っちゃ駄目だって」ボソッ
イカ娘「それよりも、早く拾ってゴミ箱に捨てなイカ!」
男「あー分かったよ、捨てればいいんだろ!」ポイッ
男「けっ……」タッタッタ
みゆき「はっぷっぷー、あんな事するの許せないよ」
イカ娘「話の続きだったでゲソね。今みたいに捨てられたゴミを拾って、この砂浜を綺麗にしたりしているでゲソよ」
れいか「素晴らしい行動ですね」
あかね「そうしようと思っとるやつってなかなかおらんからな」
なお「どうかしたんですか?」
千鶴「さっき連絡があって、海にクラゲが大量発生したらしいから泳いじゃ駄目よ?」
みゆき「えー、また泳ごうと思ってたのにー!」
れいか「これならどうしましょうか……」
やよい「あの、ちょっといいかな?」
あかね「やよい、どないしたん?」
やよい「イカちゃんの話を聞いて考えたんだけど、泳げないならこの砂浜を綺麗に掃除しない?」
やよい「うん。そうは言っても、ゴミを拾うだけの簡単な事なんだけど……」
イカ娘「いい心掛けでゲソ! 私も手伝っていいでゲソか?」
やよい「もちろん! 遊ぶ所が汚いのってなんか嫌だし……」
あかね「よー見たら、あちらこちらでゴミが捨てられとんな」
みゆき「よーし、みんなでお掃除しよう!」
千鶴「わざわざ遊びに来てくれたのに、そんな事をしてもらうのは悪いわ」
れいか「気になさらないで下さい。これは私達自ら決めた事ですから」
なお「汚れているのをほったらかしにするのは気分が悪いですし」
やよい「もちろんです!」
キャンディ「クル!」
千鶴「だったら栄子も手伝ってあげてね?」
栄子「私はいいんだけど、店はどうする気なんだ? 姉貴が一人になってしまうし」
千鶴「それなら大丈夫よ。もう少ししたら、渚ちゃんと鮎美ちゃんが来てくれるから」
栄子「そういえばそうだっけ。じゃあ、後は姉貴よろしく」
千鶴「ええ」
みゆき「それじゃあ、お掃除頑張ろー!」
あかね・やよい・なお・れいか・キャンディ「「「「「おー!」」」」クルー!」
アカオーニ「やっと海に着いたオニ!」
アカオーニ「さっそく入るオニ!」ザバーン
アカオーニ「ふう……冷たくて気持ちがいいオニね……って痛!!」チクッ
アカオーニ「今のは何オニか!?」チラッ
アカオーニ「これはクラゲオニ! 周りに沢山泳いでいるオニね!」
アカオーニ「せっかくのバカンスだったのにオニ、よくも邪魔してくれたオニ!」
アカオーニ「こうなったら腹いせに、ここに居る奴等からバッドエナジーを集めるオニ!」スッ
アカオーニ「白紙の未来を黒く塗りつぶすオニ!」
ゼンゼンタノシクナイヨ… イカチャンニフリムイテモラエナイ…
アカオーニ「がはははっ! 人間どもの発したバッドエナジーが!」
アカオーニ「悪の皇帝、ピエーロ様を蘇らせていくオニ!」
キャンディ「クルー!」
みゆき「みんな! 上を見て!」
あかね「あいつはアカオーニ!」
なお「こんな所まで現れて!」
れいか「イカ娘さん! 栄子さん!」
イカ娘「全然侵略出来ないでゲソ……」ドヨーン
栄子「いつになったら夏が終わるんだ……」ドヨーン
みゆき「ああっ! 二人まで!」
あかね「とりあえず、今は変身や!」
みゆき「うん! いくよ、みんな!」
「「「「「プリキュア! スマイルチャージ!」」」」」
<ゴー!>
<ゴー! ゴー! レッツゴー!>
ハッピー「キラキラ輝く未来の光! キュアハッピー!!」
サニー「太陽サンサン 熱血パワー! キュアサニー!!」
ピース「ピカ ピカ ピカリン ジャンケンポン!」チョキ
ピース「キュアピース!!」
マーチ「勇気リンリン! 直球勝負! キュアマーチ!!」
ビューティ「深々と降り積もる清き心……キュアビューティ!!」
「「「「「五つの光が導く未来! 輝け! スマイルプリキュア!!」」」」」
サニー「それはこっちのセリフや!」
アカオーニ「今日は赤っ鼻でいくオニよ! 出でよ、アカンベェ!」
アカンベェ「アカンベェー!」
ピース「うわわ、クラゲがアカンベェなっちゃった!」
マーチ「あの触手が厄介だね。みんな気をつけて!」
ビューティ「はい!」
ハッピー「うん!」
アカンベェ「アカンベェー!」シュバッ
サニー「うわあ、いっぱい来たで!」
ビューティ「落ち着けば避けられます!」
マーチ「だけど、いくらなんでも多すぎるよ!」
ピース「ひゃあ! ひええ!」
キャンディ「みんなー、頑張るクルー!」
ハッピー「避けるので精一杯だよ! ……ん? あそこに人が!」
サニー「何やて!?」
マーチ「この中で動ける人が居るっていうの!?」
ハッピー「千鶴さん!?」
ビューティ「何であの人は動けるのですか!?」
千鶴「その声はみゆきちゃん達なの?」
ハッピー「あ、はい! ……あーまたやっちゃった!」
サニー「いつまでそれをやってんねーん!」
アカオーニ「何でだオニ! あの女にはバッドエナジーが無いオニか!?」
千鶴「あなたがこんな事をやっているの?」ギロッ
アカオーニ「この女怖いオニ……アカンベェ、まずはそいつからやっつけるオニ!」
アカンベェ「アカンベェー!」シュバッ
マーチ「千鶴さん、危ない!」
キャンディ「早く逃げるクル!」
千鶴「……」チャキッ
バサッ サクッ グサッ
ハッピー「ええー! 何でー!?」
サニー「生身なのに何でこんなに強いん!?」
ピース「すごーい!」
千鶴「この海を荒らすなんて、覚悟は出来ているわね?」チャキッ
アカオーニ「オニィ……アカンベェ! もっと触手を出すオニ!」
アカンベェ「アカンベェー!」シュバッシュバッ
マーチ「ああっ! さっきより攻撃が激しくなった!」
千鶴「まだまだ!」バサッバサッ
ビューティ「千鶴さんも負けてはいませんわ!」
アカオーニ「アカンベェ! お前はこんなもんじゃ無いオニ! 本気を見せるオニ!」
アカンベェ「アカン……ベェ!!」シュバッシュバッシュバッ
キャンディ「とんでもない数クル!」
千鶴「これじゃ……捌ききれない!」ドカッ
千鶴「きゃああ!!」ドカーン
サニー「大丈夫かー!?」
千鶴「……」
マーチ「……頭を打って気を失ってるみたいだ」
アカオーニ「今がチャンスオニ! やるオニ!」
アカンベェ「アカンベェー!」シュバッシュバッ
ビューティ「皆さん、うしろ!」
ガシッ ガシッ ガシッ ガシッ
ハッピー「うわっ!」
サニー「しもた!」
マーチ「後ろから攻めるなんて直球勝負じゃないよ!」
ビューティ「私とした事が……」
ピース「みんなー、大丈夫ー!?」
サニー「見たら分かるやろー!? 大丈夫やあらへんー!」
キャンディ「4人が捕まってしまったクル!」
ピース「どうしたらいいの? みんなが捕まってるから必殺技も使えないし……」
ピース「みんなを盾にするなんて卑怯だよ!」
アカオーニ「卑怯オニか? その言葉はオレ様にとって誉め言葉オニ!」
ギラギラ サンサン
アカオーニ「……それにしても暑いオニね。こんな時は水分補給オニ!」つ缶ジュース
サニー「どこから取り出してんねーん!」
アカオーニ「んぐんぐ……ぷふぁーオニ!」
アカオーニ「この空き缶は邪魔オニね……放り捨てるオニ!」ポイッ
ハッピー「せっかく綺麗にしているのに捨てないで!」
ビューティ「なんて事を!」
アカオーニ「お前達人間だっていっぱい捨てているオニ!」
イカ娘「ゲソ……?」
マーチ「確かにあんたの言う通りかもしれない」
ピース「だけど、綺麗にしようと思ってる人だっていっぱい居るんだよ!」
アカオーニ「それは屁理屈オニ! アカンベェ、キュアピースをやっつけるオニ!」
アカンベェ「アカンベェー!」シュバッ
ピース「ひゃあ!」
アカオーニ「人間どもをバッドエンドに支配して、ついでにゴミに汚れた世界にしてしまうオニ!」
イカ娘「ゲソ……はっ!」
イカ娘「私は何をしていたでゲソ……ってこれは何が起こっているでゲソ!?」
イカ娘「その声はやよいでゲソか!?」
ピース「そうだよ! イカちゃんは早く逃げて!」
イカ娘「そんな事出来ないでゲソ! 友達を見捨てるのは出来ないでゲソ!」
ピース「イカちゃん……」
イカ娘「そこのお前でゲソ!」
アカオーニ「オレ様の事オニ?」
イカ娘「そうでゲソ! 今すぐこんな事をやめるでゲソ!」
アカオーニ「やめろと言われてやめる奴はいないオニ! アカンベェ、そいつもまとめてやってしまうオニ!」
アカンベェ「アカンベェー!」シュバッ
イカ娘「地上を侵略するためにもやられる事は出来ないでゲソ!」シュバッ
チャキン チャキン カッ ガッ
サニー「せやけど、アカンベェの手数が多すぎる!」
マーチ「このままだとジリ貧だよ!」
ビューティ「イカ娘さん!」
アカンベェ「アカンベェー!」ガシッ
イカ娘「しまったでゲソ!」
アカオーニ「やっと捕まえたでゲソ! おっと喋りが移ってしまったオニ!」
イカ娘「離さなイカ!」
アカオーニ「そんな事出来ないオニ! このまま締め付けるオニ!」
アカンベェ「アカーンベェー!」ギュウウ
イカ娘「うわわ!」
イカ娘「そんなの決まっているでゲソ! 私は絶対に侵略を成功させたいでゲソ!」
アカオーニ「地上はピエーロ様のものになるオニ! 諦めるオニ!」
イカ娘「出来ないでゲソ! この海を守ろうと戦ってくれる皆の為にも負けられないでゲソーー!!」
ピカッ!
ハッピー「この光って!?」
サニー「ウチらの時と同じや!」
マーチ「それじゃあ!」
ビューティ「イカ娘さんも!」
ピース「プリキュア!?」
イカ娘「この光は何でゲソ!? それにこれは何でゲソか!?」
キャンディ「ちみが新しいプリキュアクルーー!」
イカ娘「うわあ! 狸のおもちゃが喋ってるでゲソ!」
キャンディ「やよいと同じ事言ってるクル」
キャンディ「そんな事よりも、ちみの仲間を守りたいという強い心がプリキュアの力を目覚めさせたクル!」
キャンディ「プリキュアになってアカンベェと戦うクル!」
イカ娘「プリキュアって、やよい達が変身しているやつでゲソ?」
キャンディ「そうクル! キュアデコルをスマイルパクトにセットして『プリキュア・スマイルチャージ』って叫ぶクル!」
イカ娘「スマイルパクトってこれの事でゲソね。何だかよく分からないでゲソが、やってみようじゃなイカ!」
イカ娘「プリキュア・スマイルチャージでゲソ!!」
<ゴー!>
<ゴー! ゴー! レッツゴー! スクイッド!>
スタッ
キュアスクイッド「スイスイ泳ぐは、海からの使者! キュアスクイッドでゲソ!」
サニー「ホンマに変身しよった!」
マーチ「ビューティ、スクイッドってなに?」
ビューティ「直訳すると、イカですね」
サニー「そのままやん!」
スクイッド「本当に変身してしまったでゲソ!」
スクイッド「でもスクイッドとは呼びにくいでゲソね……決めたでゲソ!」
キャンディ「スクイッド、どうしたクル?」
スクイッド「私の名前はキュア娘でゲソ!」ドンッ
キャンディ「勝手に変えちゃ駄目クル!」
ピース「キュア娘ちゃんのほうが断然可愛いーー!!」
アカオーニ「とりあえず、アカンベェ! 二人ともやっつけるオニ!」
アカンベェ「アカンベェー!」シュバッ
キャンディ「こうなったら仕方ないクル! ピース、キュア娘と二人で協力するクル!」
ピース「うん! 一緒に闘おうキュア娘ちゃん!」
キュア娘「分かったでゲソ!」
キュア娘「ゲソオオォ!!」ドカッ
アカンベェ「アカーン!」ドサッ
アカオーニ「何だとオニ!?」
ハッピー「凄い! キュアデコルちゃん!」
ビューティ「さらに強くなっています!」
キュア娘「私の触手を喰らうでゲソ!」
シュバババッ! スパッスパッスパッスパッ
アカオーニ「しまったオニ! プリキュアに逃げられたオニ!」
サニー「おおきに! キュア娘!」
マーチ「ありがとう、キュア娘ちゃん!」
ピース「うん! ……ほおおぉ!!」
キュア娘「そうすればいいでゲソね! ゲソオオォ!!」
アカオーニ「今だアカンベェ! その隙を狙うオニ!」
アカンベェ「アカンベェー!」シュバッ
サニー「卑怯やで!」
マーチ「筋が通ってないよ、筋が!」
アカオーニ「何とでも言うオニ!」
アカンベェ「アカンベェー!」シュバッ
ピース「ほおおぉ! ……ひゃう!?」ビクッ
ビューティ「ピース!!」
キュア娘「ゲソオオォ!!」ピカーン
キュア娘「力が溜まったでゲソ!」
キャンディ「キュア娘! 必殺技を放つクル!」
キュア娘「プリキュア! スクイッド! イーーンク!!」ブシュウウウ
サニー「口から放ってるやん!」
マーチ「これってさっきのイカスミ!?」
アカオーニ「何だオニ!? 前が見えないオニ!」
アカンベェ「アカンベェ!?」
ビューティ「アカンベェ達の動きが止まりました!」
ハッピー「今だよ、ピース!」
ピース「うん! プリキュア……わわわ!? ピースサンダーーー!!!」バリバリバリ
アカンベェ「アカアアンベェェェェ!!!」シュワアア
アカオーニ「何だオニニニ!? いつもより痺れるオニニニ!?」ビビビビビビ
ビューティ「クラゲは体の99%が水分です! ですからピースの電撃はいつもより効果があるのです!」
マーチ「解説ありがとう、ビューティ!」
キラァン
キャンディ「こりは、ほうきデコルクルー!」
アカオーニ「まだビリビリするオニィ……今度こそ必ずやっつけるオニよ!」シュンッ
キャンディ「イカ娘のスマイルパクトは消えてしまったクル」
みゆき「もしかしたら1回だけの変身だったのかな?」
キャンディ「そこの所はよく分からないクル」
なお「千鶴さん、イカ娘ちゃん、この事は……」
千鶴「ええ、分かっているわ。誰にも言わないって約束するわ」
イカ娘「私もでゲソ!」
あかね「おおきに!」
れいか「ありがとうございます」
栄子「あれ? 私は何をしていたんだっけ」
イカ娘「掃除に疲れて眠ってしまっただけでゲソよ」
栄子「マジで?」
みゆき「そろそろ帰らなくちゃ」
やよい「鬼さんが襲ってきたのは残念だけど」
あかね「退治出来てよかったわ」
れいか「早く荷物をまとめましょう。電車に乗り遅れてしまいます」」
イカ娘「バイバイでゲソー!」
みゆき「さよーならー!」
あかね「楽しかったでー!」
なお「イカスミスパゲディー美味しかったよー!」
れいか「いい思い出になりましたー!」
イカ娘「やよい! みんな! また遊びに来てくれなイカー!?」
やよい「もちろんだよー! イカ娘ちゃん! ばいばーい!!」
キャンディ「バイバイクルー!」
栄子「今、ぬいぐるみが喋らなかったか?」
千鶴「栄子ちゃんの聞き間違いよ」
栄子「そうなのかな?」
千鶴「イカ娘ちゃん」
イカ娘「何でゲソ?」
千鶴「今日のあの子達みたいに、この海を綺麗にしようと考えている人達も居るわ。それでも侵略しようと思う?」
イカ娘「当たり前でゲソ! でも、やよい達はそうでゲソね……私の部下として地上の一部を分け与えてもいいでゲソね」
栄子「何だそりゃ」
千鶴「私達も店仕舞いして家に帰りましょう。今日の晩御飯はイカ娘ちゃんの大好きなエビフライよ」
イカ娘「やったでゲソー!!」
みゆき「あー、楽しかった!」
あかね「アカオーニは余計やったけどな」
やよい「またイカちゃん達に会いに行こうね?」
れいか「……」
なお「もちろん! れいか?」
れいか「皆さん、ちょっとよろしいですか?」
キャンディ「れいか、どうしたクル?」
れいか「この前、私が相談していた、2学期に生徒会で行う催し事なのですが、皆で町の清掃活動を行うというのはどうでしょうか?」
あかね「せやな、さっきの砂浜でもぎょーさんゴミが落ちとったし」
やよい「やっぱり綺麗な町なのはいいもんね」
なお「そうだね、出来る範囲はイカ娘ちゃんから見たら小さいかもしれないけど」
みゆき「私達は出来る事をしっかりとやろう!」
れいか「ありがとうございます、皆さん」
キャンディ「ちょうど、ほうきデコルが手に入ったから、皆で使うクル!」
みゆき「よーし! それじゃあ、皆で頑張ろうー!」
みゆき・あかね・やよい・なお・れいか・キャンディ「「「「「「おー!!」」」」」クルー!!」
終わりクル
あかねの関西弁は難しいクル
今度は手短に仕上げるクル
見てくれた人ありがとうクル
Entry ⇒ 2012.06.12 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
みゆき「みんなでカラオケ、ウルトラハッピー!」
やよい「で、でも、今回はれいかちゃんに苦手科目対策を見てもらったから!少しは前よりマシだったよね!」
あかね「ほんまになぁ。れいか、おーきに。これでなんとか、今月の小遣いは減らされずに済みそうや」
れいか「ふふっ、みなさん頑張りましたものね。なお?徳川五代将軍は書けたかしら?」
なお「な、なんとか。一人ひらがなになっちゃったけど……はぁー、この開放感っていいよね!前は散々だったからそれを味わう暇もなかったけど」
あかね「せや、せや!終わったもんの話はせんと、みんなでパーッとしよか!」
やよい「今日まで部活はお休みだもんね!それじゃ、秘密基地に……」
みゆき「あっ!はいはいはーーいっ!あっかねちゃん!あかねちゃんさん!!星空みゆき、提案がありまーーす!」
あかね「ほほぅ、何かね星空くん。聞かせたまえ」
なお「なんのノリなの二人とも」
れいか「ふふっ、はしゃいでおいでなのね」
みゆき「みんなでカラオケ、行こうよ!!」
なお「あ、いーね!そういえばこのメンバーで、行ったことないっけ」
あかね「ええやん!ん?なおってあんま、カラオケとか行かへんイメージやけど」
なお「はるとひなが、歌大好きなんだ。たまーに家族で行くよ」
やよい「か、カラオケかぁ。私、あんまりみんなの知ってそうな曲、しらないけど……」
みゆき「そんなの気にすることないよー、やよいちゃん!気持ちよく歌えればウルトラハッピー!だよ!」
キャンディ「クルゥ?お歌クル?」
みゆき「そうそう!キャンディも一緒に歌おうねー!それじゃ、みんなカラオケでいい……」
れいか「あ、あの。みゆきさん?ちょっといいかしら」
みゆき「?なぁに、れいかちゃん?あっ、ひょっとして何か用事……」
れいか「いえ……カラオケ、とは。なんでしょうか」
みゆき「……えっ?」
れいか「……『カラオケ 空オーケストラの略』」ペラッ
あかね「れいか、何もそないなぶ厚い辞書まで引っ張りださんでも……」
れいか「歌唱またはメロディパート(主旋律)を担う楽器を演奏する際に、生演奏ではなく事前に録音された伴奏を再生し合唱・合奏する行為をいう』なるほど、つまりは本格的な演奏に近い状態で歌の練習をすることができる機械、ということなのね?」
やよい「……れいかちゃん凝り性すぎー」
なお「まさかわざわざ図書館に行って調べることになるとは……うん、そういうことだよ。練習というか、楽しむために歌うだけだけどね」
あかね「……や、これはうちらがなんや漠然とした説明しかできへんかったのが悪い、しゃーない。納得できたかー、れいか?」
れいか「はいっ。とても興味深いですね。私も是非、みんなで行きたいわ」
みゆき「よかったー。それじゃ、レッツ・ゴー・カラオケー!」
あかね「待ちやー。みゆきはまだあんまこの辺のこと知らんやろがーぁ」
みゆき「あ、えっへへ。そうでした」
なお「はい、ドリンクバー付きフリータイムで五人。機種?空いてるのでいいです」
やよい「慣れてる!」
あかね「どうやろ、まごつくのが嫌いやからな、なお。ともあれ頼りになるわー」
れいか「ここで歌うのですか……?な、なんだか恥ずかしいですね」
なお「れいか、ここロビー。大丈夫、今から個室に行くから」
みゆき「何歌おうかな〜!」
キャンディ「クルゥ!キャンディも楽しみクルー!」
なお「あ……すいません、なるべく角の部屋とかにしてもらっていいですか?」
やよい「キャ、キャンディが見られたら大変だもんね」
れいか「見られる……?やはり、他の方からも……?」
なお「大丈夫、行けばわかるよれいか。っていうかれいかならそれでも堂々と歌いそうだ」
あかね「あの舞台でも一人涼しい顔やったもんなぁ……」
なお「この建物の中に、同じような部屋がいくつも入ってるからさ。あんまり広いと、数を確保できないんだよ」
れいか「なるほど……ふふっ、なおは物知りね?」
なお「任せてよ。れいかより詳しいことがあると張り切っちゃってさ」
あかね「なおは昔から〜ってやつやなぁはいはいごちそーさん!ほいデンモク、そっちはなおがれいかに使い方教えたってなー」
みゆき「電気消すー!?あっ!ここミラーボールあるー!ウルトラハッピー!」
あかね「はしゃぐなやーみーゆーき。キャンディもミラボに上ってんとちゃうぞー」
やよい「BBcyberDAM……映像がたくさん……でも……うーん」
あかね「?やよい、何をうなっとんの?」
やよい「ぴっ!?あ、ううん!なんでもないなんでもない!!」
あかね「はいはい、みゆきからでえーで。ほれ」
みゆき「あっりがとー!えへへー、実はもう決めてきたんだよねー」ピッピピッピッ
なお「みゆきちゃんってどんな曲歌うんだろ」
れいか「……」ジーーーーッ
やよい「うーん」
あかね「れいか真剣に選んどんな……やよいも曲本めくりっぱなしやし。みゆきー、まさか、ハハ。童謡とか歌うんちゃうやろなー」
AI/ハピネス
みゆき「んー?あかねちゃんなんか言ったー?」
あかね「……すんませんでした」
http://www.youtube.com/watch?v=uKgmu8g-kXE&ob=av3e
キャンディ「クルゥ、くっるぅ♪」
みゆき「もっと もっと 幸せは広がる〜〜♪」
あかね「おー、上手いやんみゆき!」
なお「だね。歌詞もみゆきちゃんにぴったりな感じだし」
れいか「なるほど、自分の身の丈にあったもの……」
なお「れいか、そんなに硬くならなくていいって」
やよい「……やっぱり一般歌手かぁ」
みゆき「ラ〜ラ〜ラ〜ララ〜〜♪」
あかね「変もなにもあらへんて、上手かったでーみーゆき」
なお「うんっ!みんなに幸せになってほしい、って気持ちがすごい篭ってたよ」
れいか「えぇ、かわいらしくてみゆきさんそのものでした」
やよい「と、とっても上手だったよ、みゆきちゃん!あ、あれだよね、炭酸飲料のCM!知ってる知ってる!」
みゆき「あ、そーなの?私この人の曲大好きなんだー!」
やよい「あ、うん!い、いいよねー!」
あかね「よっしゃ、うちいくで!うちとゆえばお好み焼き!お好み焼きとゆえば大阪!大阪やーゆうたら……!」ピピピッ
Dreams Come True/大阪LOVER
http://www.youtube.com/watch?v=s3S6L1CDZho
みゆき「あっははー、なにそれー!」
あかね「ふふん、笑うてられるんわ今だけやで、みゆき!」
〜〜〜〜♪
あかね「何度ここへ来たって 大阪弁は上手になれへんし〜〜♪」
れいか「あら……ですが、なにやら歌詞は……」
あかね「楽しそうにしてたって あなた以外に連れはおれへんのよ〜〜♪」
やよい「……れ、恋愛ソングなんだ……ちょっぴり切ない」
あかね「東京タワーだって あなたとみる通天閣にはかなわへんよ なんでそんなに笑って!一生に一度の告白やんか〜〜♪」
あかね「恋しくて憎らしい大阪〜〜〜〜♪」
みゆき「笑ってごめんなさいでしたー!いい曲でしたーー!」
あかね「せやろ、せやろ。大阪最高ーーー!」
なお「いや、あんまり大阪が良いな、って思うような曲ではなかったけどね。良い曲ではあったけど」
れいか「二人の男女の道はこれからどうなっていくのでしょう、これからの展開が期待される終わり方でしたね」
やよい「れいかちゃんそんな、感想文みたいな」
みゆき「次は次はー?あ、やよいちゃんいれる!?」
やよい「あ、わ、わたしはその、まだ……」
なお「あ、じゃぁ私先に入れちゃうね?ゆっくり選びなよ」ピピピッ
槇原敬之/Tag team
あかね「な、なおってマッキー歌うんか」
なお「お母さんの趣味で……私もほら、最近の人とか知らないし。でもいい曲だよ、うん。直球だしね」
あかね「大事なんそこやろ」
あかね「う、上手いな。男の曲やのにさらっとうたっとるで、なお」
みゆき「なおちゃんかっこいー!」
やよい「男の子の声もいけそうだもんね、なおちゃん……なんとなく」
キャンディ「クルゥ?喧嘩した歌クルー?」
れいか「えぇ、家族と喧嘩して飛び出してしまった、とありますね」
なお「自分のいるべきチームは あの家以外ないのかもしれない♪」
やよい「あれ?なんだかなおちゃんらしさが……」
なお「かくも家族というものは よく考えられて組まれたTag Team 他人なら愛想尽かして 会わなきゃそれで終わる所も
そこはさすが神様だ 絆というロープの中で 遠慮せずにお互いと ぶつかり合える 向き合える 〜♪」
みゆき「……えへへっ」
あかね「あー、まさになお、やな!」
れいか「えぇ、ふふっ。なおったら良い笑顔」
やよい「みんな、よくかんがえてるなぁ……うーん」
なお「この家族しかつかめない 幸せがこの先に必ずある〜〜♪」
あかね「なおオカンよかったでー!」
なお「オカン言うな!」
れいか「さて、三人とも歌いましたし、そろそろ私かやよいさんが……」
やよい「え、う、うん……あの、れいかちゃん先に、ど、どうぞ」
れいか「そう、ですか?と言っても私も……では」ピピッ
精密採点DX
なお「あ、れいか。それ違うよ、曲を入れるのはここ、ここで選んで〜」
れいか「あ、そうだったわね。えーっと……」
キャンディ「精密採点?そりなにクル?」
みゆき「えーっと、画面の上に音階が表示されてー、あってるかどうかを見ながら採点していけるやつ、だよね?私あんまりやったことない、けど」
あかね「せやなー、せっかく楽しんどんのに野暮やし。じゃー消しておくで……」
れいか「あ、あかねさんすみません。もう入れてしまったわ」ピピピッ
あかね「あ、そーなん?れいかがえぇんやんやったら、えーんや、け、ど……」
THE虎舞竜/ロード(ショートver)
http://www.youtube.com/watch?v=tCLxZgTXP0k
キャンディ「クル?」
やよい「(流石の私も知ってる)」
なお「」
あかね「……え、こ、これでええの?れいか?」
れいか「さ、さぁ……とりあえず私も、道、ということで入れてみました」
なお「れ、れいかだからそんな選び方しなくてもいいって……」
みゆき「そ、そうだよれいかちゃん?知らないってことは、歌えないんじゃ……」
れいか「えぇ、聞いたことはありませんが……ですけど、あそこに音階がありますから。平気ですよ?」
やよい「え?それ、って……」
れいか「今から考えると、あの時(あの頃)は幸せだったと思うこと ♪」
あかね「うまっ!?!?!?」
なお「あー、れいか音感すごいから……」
みゆき「れいかちゃんすごーーーい!」
キャンディ「クルぅ!ほとんど満点くるー!」
あかね「あー、音程を1ミリも外さへんかったからなぁ。あんま抑揚なかったけども」
なお「この機械じゃ得点が出やすい歌い方だったのかもね。れいか、ほら、お爺さんの趣味で演歌とか聴くでしょ?そういうのでもいいんだよ?」
れいか「まぁ、演歌まで入って……」
やよい「……(あんな、あんな、れいかちゃんには悪いけど、魂の入ってない歌、で、満点……)」フルフル
やよい「……(違う、違うもん!歌っていうのは……もっともっと!熱く!ハートを燃やして!それで、それで!)」
あかね「なーんや、やよい?まだ決まらへんの?」
やよい「ふぇ!?あ、ご、ごめんね!えっと、えーっと……」
みゆき「あー、じゃぁ私『スイマーよ!』入れていいー?」
あかね「ちょっと待ったらんかいみゆkみゆきがB'z!?」
あかね「あー、やよい?こういうときは、やな……てーいっ!」
やよい「えっ!?あっ!!」ピピピピッ
あかね「ランダム選曲やー!ふっふっふ、歌えへんかったら、罰ゲームやでー?」
やよい「えぇぇぇえええ!?!?」
なお「ちょっとあかねー?」
れいか「あかねさん。意地悪はいけませんよ?」
あかね「あっはは、冗談や、冗談。やよい、なーんでも気楽にいれてええんやで?さっきは茶化しかけたけど、別に童謡でもなんでも。あんたが好きなもん、うちらがバカにするはずないやん?な!」
やよい「あ……う、うん!じゃ、じゃあその……『青空に」
doa/英雄
やよい「」
http://www.youtube.com/watch?v=mnknhrNCTV8
みゆき「わー、なんだかかっこいい曲だね、キャンディ?」
キャンディ「クルゥ」
なお「あー、でもほらやよいちゃん困ってるし。演奏停止しようよ」
れいか「あ、ここね?あら?あ、キーを上げてしまって……」
あかね「あーやよい、すまんすまん。すぐに……」
やよい「……マイク、貸して」
あかね「へ?」
やよい「マイク!!!」
あかね「は、はいっ!ど、どーぞ……」
パシッ!
やよい「かっこつけてるつもりで得意になってぇええーーーーーーーー!!!!!!!!」
みゆき・キャンディ・あかね・なお・れいか「「「「「 」」」」」
やよい「大事なことは全部置き去りにしちゃって 自分で自分を苦しめている囚人 そんな僕にサヨナラさ Trasformation!!!」
みゆき「や、やよいちゃん!?あれ!?変身したのかと思った、あれ!?」
キャンディ「く、クルぅ。それくらいの入り込みクルぅ」
やよい「闇が怖くてどうする?あいつが怖くてどうする?足踏みしてるだけじゃ進まない……」
やよい「おぉとこならぁああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
れいか「全身全霊、といったご様子、ですね……」
やよい「 ただそれだけ 出来れば 英雄さぁあああああああ!オーライッ!!!……っはぁ、はぁ、ふぅ!!きっもちよかったーーーーー!!!!」
みゆき「あ、や、やよいちゃんあの、す、すっごいね!その、き、キラキラしてたよ!?」
あかね「い、今もものっすごい目ぇが輝いてるんやけど、な」
やよい「うん!なんだか歌ったら吹っ切れちゃった!あ、みんなまだ入れない!?じゃあ私、続けちゃっていいかな!?」
みゆき「い、いいよ!やよいちゃんは今、順番最後だったし……」
やよい「ありがとう!えいっ!」ピピピッ
Action -Zero /桜井侑斗&デネブ(CV.中村優一&大塚 芳忠)
http://www.youtube.com/watch?v=CyJBhLQif-c
みゆき・キャンディ・あかね・なお・れいか「「「「「 」」」」」
やよい「最初に言っておく!俺はかーなーり、強い!!!!!!」
みゆき「……」
キャンディ「……」
やよい「極めつけの VegaAltail 始まるBattle ドントストップ! Action -Zero!!!!!!」
なお「……」
れいか「……」
みゆき「……かっこいい」ボソッ
あかね「いやいやいや……うん……いや、いやいやいやいや」
あかね「あ、いや……そ、その、おもうてたより、かっこえぇ……あ!や、役者!役者、かっこえぇんやなぁ、って!みとったで!」
やよい「そうなの!あのね、この電王は今までのライダーと……」
みゆき「そ、それより!やよいちゃん!」
やよい「えっ!?あ、あぁ!ごめんなさい私ばっかりマイクもって!あの、みゆきちゃんどうぞ……」
みゆき「……私、喉疲れちゃった!!!」
やよい「……え?い、一曲で!?もー、みゆきちゃんそんなんじゃ全然ダメダメー!JAMのメドレーなんて歌えない……ゴホン!」
なお「……わ、私はその、選曲迷ってるからとりあえずパス、かな!」
れいか「……私も。あかねさんは、どうですか?」
あかね「あ、あー、うちはその……じゃ、じゃぁ……いや……あー、そういや元気がよくみよった、なんやっけ?こうゆうんの……が、ガオ?ガオ……」
やよい「任せて!!!っくー!元気くんわかってるーーーーー!!!!」
山形ユキオ/ガオレンジャー吼えろ!!
http://www.youtube.com/watch?v=EkiY2tm4_ag
あかね「お?や、やよい?始まって……」
画像『ガオ!!もっと!ガオ!!強く!
やよい「……命あるところ、正義の雄たけびあり!!!!」
やよい「……ガオ、ガオガァアアアアアアアアオオオオォオオオオオゥ……!!!!!!!!!」
なお「アレンジ……!そういえばさっきも最初にせりふを……」
れいか「ノリノリですね……」
やよい「百獣戦隊 ガオレンジャーーー!!!」
あかね「これや!これこれ!や、やよいすごいなぁ……」
みゆき「うん!うん!やよいちゃん、すっごい!かっこいいいいい!!」
なお「あー、うちの弟達がいたらすっごい喜んでたかも……えっと、やよいちゃん?こういうのは、あれだよね?日曜朝の、いや、それが悪いとかじゃなくって」
れいか「やよいさん、大好きなのですものね。歌っているのをみれば分かります。とても生き生きしてらっしゃるわ」
やよい「……」
やよい「みんな、まだまだ分かってないよ」
みゆき「え……?」
やよい「これは確かに私の大好きな曲たち。でも、いまや日朝の!特撮音楽のレベルは遥かに上がっているの!!」
あかね「や、やよい?なん、なんの話なん?」
やよい「かっこよさ!!熱さ!!それを追い求めていった東映特撮と!!!!一般歌手をも凌駕するこの人のこの曲を聴けば!!!」ピピピピッ
やよい「私達は!アストロスイッチでその扉を開き 未来を作る!!!」
COSMIC MIND/May'n&椎名慶治(ex.SURFACE)
http://www.youtube.com/watch?v=WcnyGSIR_7c
やよい「Show me your COSMIC MINDーーーーーーーーー!!!!!!」
やよい「コーズーミック!コーズーミック!コズミーーーックマーーーインド!」
やよい「無数の星 集める引力」
やよい「コーズーミック!コーズーミック!コズミーーーックマーーーインド!」
やよい「一人よりもみんなで 大気をボルテックス」
やよい「最後に不可能超える 誓いはきっと 絆=超銀河フィニッシュ!!!」
やよい「Show me your COSMIC MINDーーーーーーーーー!!!!!!」
やよい「はぁ、っはぁ、はぁ……」
みゆき「……」
キャンディ「……」
あかね「……」
なお「……」
れいか「……」
やよい「あ、あの……どう、だったか、な……みんな、す、少し興味……」
みゆき「詳細を教えてくださいっ!!!!」
やよい「……ふふっ」 スッ つiPod
・
・
・
・
・
・
やよい「はいっ」
「お時間10分前となっております♪いかがいたしますか?」
やよい「延長でっ!!」
みゆき「あっかねちゃーん!このタイムレンジャーの曲とかどーかなっ!!」
あかね「えぇな、丁度女の人やし……みゆき!一緒に歌ってみよかー!」
なお「うーん、なんだかこのゴセイジャーとかいうのは憎い……なんでだろう?」
れいか「ふふっ、聞いてみれば好きになるかもしれないわよ?なお?やよいさん、あいぽっど、お借りしてもいいですか?」
やよい「うん!もちろん!どんどん聞いちゃって!……えへへっ」
やよい「みんな特オタ……とってもぴかぴかぴかりん☆」
完
やよい「あ、あかねちゃん!あかねちゃんにはこれとかどう?『怪奇大作戦』の『恐怖の町』!歌ってるのは……ふふっ、サニー・トーんずっていうの!」
あかね「サニェー・トーンズ……誰がサニェーや!うちはサニェーやゆうとるやろ!!!」
今度こそ 完
バッドエンド組も今なら五人の熱い力でいけるんちゃうかな!ちょちょいと!
じゃあの!
ABC朝日放送 日曜朝八時半
スマイルプリキュア!
大好評放送中!
関連グッズも続々発売中!!
面白かった
Entry ⇒ 2012.06.03 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
アカオーニ「連立方程式オニか」やよい「プリキュアは頭が大事!」
アカンベェ「もんだい!!」テテーン
サニー「わったしはぁ〜、キュアサニぃい〜!」ブブー
ピース「えっと、ちょっと待ってぇ……いちたすぅ……」ブブー
マーチ「徳川家なんとかぁあああ!!」ブブー
ハッピー「犬も歩けばここ掘れワンワン♪」ブブー
アカオーニ「ウハハハ!! こんな簡単な問題も分からないとは馬鹿な奴らオニー!」
アカンベェ「あっか〜ん!」ギャハハ
ハッピー「うう……」クーン
ピース「時間があれば掛け算までできるもん!」プク
サニー「ウチも筆記なら〜!?」ドギマギ
マーチ「徳川家康なら知ってるよ!」エヘン
アカオーニ「プリキュアは馬鹿ばっかりオニなー!」ワハハ
アカンベェ「あっかんあっかん!」ギャハハ
ピース「むう、そんなことないもん!」
サニー「こっちにはビューティがおるんや!」
マーチ「学年トップの天才のね!」
ハッピー「ビューティにかかればこ〜んな問題楽勝なんだからぁ!」
ビューティ「皆さんの言う通りです!」
アカオーニ「キュアビューティ!?」
アカオーニ「て、天才オニ……?」
サニー「ビューティにかかればそないな問題、二秒で解けるわ!」
ビューティ「順番に答えはマイネームイズキュアビューティ!」ピンポーン
ビューティ「10っ!」ピンポーン
ビューティ「徳川家光ッ!」ピンポーン
ビューティ「犬も歩けば棒に当たるッッ!!」ピンポンピンポーン
ピース「全問正解だよ!」
アカオーニ「ぬぬう、ならとびっきり難しいのを!」
アカンベェ「もんだい!」テテーン
アカンベェ「童貞とはなに!」
ビューティ「……」
サニー「」
ピース「」
マーチ「……」
ハッピー「?」
アカオーニ「ウハハハ! 答えられるわけないオニー!! ちなみに答えは俺様も分からんオニ!」
ビューティ「……」
アカンベェ「さあ、答えろ!」ニヤニヤ
ピース(あっかん! 楽しんでる!)
サニー「ひひひ卑怯やでぇ! こないなこと女の子にぃ……!!//」
マーチ「……」ドキドキ
ハッピー「?」
アカオーニ「意味わからんオニ。キュアビューティ、もうすぐ時間オニ!」
ビューティ「……」
サニー「ビューティ!」
ピース「ビューティ!」
ビューティ「……知っています」
アカオーニ「なにい!?」
サニー「ビューティ……!」
ピース「ビューティ……!」
マーチ「……」ドキドキ
ハッピー「ビューティ物知りぃ〜!」
アカオーニ「お、俺様でも分からないことをどうして……!」
ビューティ「私の兄が、その単語を口にするのを聞きました」
サニー「ビューティ……」
ピース「ビューティ……」
マーチ「……//」ドキドキ
ハッピー「」ドキドキ
ビューティ「そう……私の兄は…………」
ビューティ「童貞です……っ!!」
サニー「いや何てこと暴露してんねん」
マーチ「つまりビューティは処女……」ボソッ
ハッピー「処女ってなにー?」
ビューティ「処女とは女性がまだ男性との性的経験をもっていないこと。また、その女性のことです」
ビューティ「童貞は同じ意味で男性のことを言います」
ハッピー「へえ〜」
キャンディ「勉強になるクルぅ〜」
アカオーニ「ふむふむ」
ハッピー「で、性的経験って?」
ビューティ「セッ……」
サニー「ぁあああああああああああー!!」
ピース「わーわー!」
マーチ「チッ……」
アカンベェ「正解〜!!」シュワアア
ハッピー「アカンベェが浄化されてく! 必殺技をうってないのに何で!?」
キャンディ「やったクルー!」
アカオーニ「むむぅ、今日のところはここまで……」シュ
ビューティ「お待ちなさい!」
アカオーニ「オニ?」
ビューティ「敵ながら、心配になってきました……」
アカオーニ「何がオニ?」
ビューティ「あなた、少し頭が……」
サニー「悪すぎるな」
マーチ「あなたも問題分からないんでしょ?」
ピース「勉強しなきゃ」
ハッピー「うんうん」
キャンディ「四人には言われたくないクルぅ」
アカオーニ「むっか〜! お前たちまでそんなこと言うオニ!?」
アカオーニ「俺様は勉強が大嫌いオニー!!」
ビューティ「まあまあ、勉強はいいものですよ」
サニー「せやせや。例えば、バレーボール選手になったとして、英語を話せんかったら外国人選手とコミュニケーションとりづらいやろ?」
ピース「数学は分からない人こそ、絵とかでやり方を説明できると思うの!」
マーチ「サッカーの歴史は興味深いし」
ハッピー「色んなことを知ってれば絵本を楽しく読めて、ウルトラハッピーだよ!」
キャンディ「誰の受け売りクル」
ビューティ「世界をバッドエンドにするにも、頭を使うと思いますよ」
アカオーニ「なるほど……。ジョーカーが言ってた意味はそういうことかオニ……」
アカオーニ「でも何を勉強すれば……」
教科書<ドササッ
アカオーニ「これは?」
ビューティ「七色ヶ丘の教科書です。これを読めば基礎知識は学べるかと」
アカオーニ「よし! 早速読んでみるオニ!」
アカオーニ「ありがとうオニ、プリキュア!」シュンッ
プリキュア「」ノシ
ビューティ「これでしばらくは安心ですね」
サニー「せやな」
♪バッドエンド王国
ジョーカー「三幹部のみんなさぁ〜〜〜ん! 少々お集まりくださいまっせええ!」クルクル
ウルフルン「なんだよ朝っぱらから」
マジョリーナ「わたしゃ発明の途中だわさ!」
ジョーカー「まあまあ。そんなことより私、たいへぇえええんなことに気付いてしまいましてねえ?」
マジョリーナ「大変なことぉ?」
ウルフルン「お前が変態なのは見ればわかる」
ジョーカー「うっふううん? 冗談を言っている場合ではないんですうう、はいぃ」
ウルフルン「で、なんだよ」
マジョリーナ「もったいぶらずに言うだわさ」
ジョーカー「私、考えてみたんですよおっ? あなた達が何故ぇ、プリキュアに勝てないのかをねえええっ?」
ウルフルン「あぁ? 喧嘩売ってんのか、クソピエロ!!」
マジョリーナ「私達の仕事はバッドエナジーを集めるだけ! プリキュアなんて本来アウトオブ眼中さね!」
ジョーカー「うっふっふうん? プリキュアはよくその仕事の邪魔をしますよねえ? どうしてそれを眼中にないなんて言えるのですかぁ?」
マジョリーナ「むう……」
ジョーカー「ハッキリ言いましょう〜。今のままではあなた方……」
ジョーカー「プリキュアに絶対に勝てまっせええええええええええええん!!」
ウルマジョ「……っ!!」
ジョーカー「そんなこと自覚なさってますよねえっ? 自分達のことですからねえっ?」
ウルフルン「チッ……!」
ジョーカー「んっふふふうっ! そうですか、分かっているならあなた方にも救いようはありますねええ?」
マジョリーナ「ジョーカーのくせに生意気な……!」
ジョーカー「いいですかぁ? あなた方に足りないのはずっばぁぁ〜っりぃ! 知識ですよおおっ!!」
ウルフルン「……はぁ?」
ジョーカー「私の見ているかぎりぃ、あなた方は戦術が甘すぎるんですよおっ」
ジョーカー「ウルフルンさんはアカンベェに任せすぎですしぃ、アカオーニさんは論外でしょう」
ジョーカー「ウルフルンさんは私が渡してすぐにアオッパナの秘密をプリキュアに話してしまいましたしぃ?」
ウルフルン「べ、別にいいじゃねえか」
マジョリーナ「私の戦術にはケチをつけられないだわさ!」
ジョーカー「そもそも鏡の性質なんて小学生でも知ってますよねえっ?」
マジョリーナ「」
ジョーカー「私、呆れ果ててしまいましたよおっ。みなさんはそれぞれ優秀な特技を持っているのに、知識の無さが足を引っ張って……もったいないもったいない」
ジョーカー「そこで私、提案があるんですううううう! 皆さんでお勉強をしてみたら、知識が高まるのではないかと思うんですよおおおおっ!!」クルクル
マジョリーナ「お勉強だわさ?」
ウルフルン「けっ、なんで悪の三幹部の俺達がお勉強なんざやらなくちゃならねえんだ」
ジョーカー「あっらぁん? 知識を蓄えるのはプリキュアを倒すため、プリキュアを倒すのはバッドエナジーを集めるため〜、バッドエナジーを集めるのは何故でしょう?」
ウルフルン「ピエーロ様を復活させるために決まってんだろ」
ジョーカー「でっしょう? なら繋がりませんかぁ? お勉強をするのと、ピエーロ様復活がっ」
ウルフルン「……!」
ウルフルン「お勉強すりゃあ、結局はピエーロ様復活に貢献できるってわけだな!」
マジョリーナ「それはもうお勉強するしかないねえ」
ジョーカー(うふふ、馬鹿な人達で助かりますよ)
ウルフルン「んでまず何をやりゃいいんだ?」
マジョリーナ「私は大学生程度の知識はあるだわさ」
ウルフルン「俺様は高校生くらいだ!」
ジョーカー「……ですよねえ。実は困ったことがあるんですう」
ウルマジョ「ん?」
ジョーカー「あなた方二人が中学生以上の知識を有しているのは知っています。ですが一人、心配な人物が……」
アカオーニ「ただいまオニー♪」
ジョーカー「ンァッナタでっすうううううううううううううっ!!」ビシイッ
アカオーニ「オニ?」
ジョーカー「……」ジロッ
ウルフルン「……」ウンウン
マジョリーナ「……」ウンウン
アカオーニ「いったい何の話オニ……」
ジョーカー「実はかくかくぴえろで……」
アカオーニ「かくかくおにおに……、ってなんだとオニ!?」
ウルフルン(やべえ、キレるぞ)
マジョリーナ(アカオーニがキレると面倒臭いだわさ)
ジョーカー(私に任せてください)
ジョーカー「いんやぁ、アカオーニさん。別にあなたが……」
アカオーニ「お勉強、やってやるオニー!」ウシッ
ジョーカー「えっ」
アカオーニ「今時悪の三幹部がお勉強できないとか、ぶっちゃけありえないオニ!!」
アカオーニ「これを見るオニ!」ドササッ
ウルフルン「こいつは?」
アカオーニ「ちゅーがっこーの教科書オニ!」
ウルフルン「お前……まさか……俺達が言う前からお勉強を…………?」
ジョーカー「いつの間にかご立派になりましたねぇぇぇ……」
マジョリーナ「おばあちゃん嬉しいだわさ……」グスッ
アカオーニ「俺様、東大目指すオニ!」
それから5分後
アカオーニ「♪」ペラペラ
ウルフルン「本当にお勉強してやがる……」
マジョリーナ「見直しただわさ」
ジョーカー「……お二方、アカオーニさぁんのために私達にできることをしてあげましょう」
ウルフルン「ああ」
マジョリーナ「まずはお勉強の環境を整えるだわさ」
ジョーカー「人間界の学校に通わせましょう!」
マジョリーナ「その手があっただわさ!」
ウルフルン「大丈夫なんかよ? あんな姿で」
マジョリーナ「抜かりはないだわさ! 確か私の発明で役に立つものが……」ガサゴソ
マジョリーナ「あっただわさ!」
ウルフルン「まぁた発明か。今度はなんだ?」
マジョリーナ「この服は着た者を中学生の姿に変えてしまう、世にも奇妙な服……」
マジョリーナ「その名も、チュウニニナ〜ル!」テッテレー
ウルフルン「ただの学生服じゃねえか」
マジョリーナ「そうとも言う」
ジョーカー「草津の湯ぅ〜」
ウルフルン「てめえは黙っとけ」
マジョリーナ「これをアカオーニに着させれば、学校に行けるだわさ!」
ウルフルン「あったまEー!!」
アカオーニ「さっぱり分からんオニ……」ウーム
マジョリーナ「アカオーニ」
アカオーニ「なんだオニ?」
マジョリーナ「頑張っているようだねえ。わたしゃ、お前がそんな頑張り屋さんだったとはしらなかったよ」
アカオーニ「そんな店やってないオニ」
ジョーカー「ですがどんなに頑張っても、世間は学歴でしか人を見ません」
ウルフルン「お前東大目指してんだろ? なら学校に行った方がいいと思うぜ」
アカオーニ「学校オニ? 俺様、鬼ヶ島小学校に通っていたオニ」
ウルフルン「進学するんだよ、中学校にな」
アカオーニ「オニー」
アカオーニ「それはいいオニ!」
ジョーカー「ちょうど中学校の教科書を持っていますしねえっ」
マジョリーナ「この学生服を着てくだわさ」
ウルフルン「もう学生服って言ってんじゃん」
アカオーニ「俺様のたもに……」ウルッ
アカオーニ「ありがとうオニ!! 俺様、絶対に東大に受かってみせるオニ!!」
マジョリーナ「応援してるだわさ」
ウルフルン「頑張れよ」
アカオーニ「みんなの思い、無駄にしないオニ……!!」グッ
ジョーカー「あっ、そうそぉう。あと別件なんですが」
アカオーニ「なんだオニ」
ジョーカー「私、アカオーニさんに渡したいものが……」スッ
アカオーニ「? なんだこれオニ」
ジョーカー「受験のお守りです」
アカオーニ「! ジョーカー……!」
ジョーカー「勘違いしないでくださぁい。私は別に……」
アカオーニ「ジョーカー!!」ダキッ
ジョーカー「いやあああっ!?」
ジョーカー「はあはあ……」ゲンナリ
アカオーニ「お前、実はいい奴だったオニなぁ!」グスッ
ジョーカー「だから誤解ですって……お守りを開けてくださぁい」
アカオーニ「うむ」ガサゴソ
お守り<コロコロ
アカオーニ「なんか出てきたオニ」
ウルフルン「黄色のボール?」
マジョリーナ「なんだいこりゃ」
ジョーカー「キイッパナです!」
狼鬼魔女「キイッパナぁ?」
ジョーカー「そぉおおう! アカッパナ、アオッパナとはまた違うアカンベェを生み出す鼻でええええっす!」
マジョリーナ「今度は何が違うだわさ?」
ジョーカー「アカッパナはキュアデコルで作られたもの。アオッパナはキュアデコルで作られたものではないため、プリキュアの技が効きません」
ジョーカー「そしてぇ、このキイッパナはプリキュアの技が効いて、力も弱まりますぅ」
ウルフルン「……はぁ?」
アカオーニ「それじゃアオッパナより使えないオニ!」
ジョーカー「ノンノン! よく聞いてくださぁああい。たしかにキイッパナはプリキュアの技も効いて、力は弱まりますぅ」
ジョーカー「ですが一発で倒れるとは言っていませんよぉおおっ」
ウルフルン「なに?」
マジョリーナ「まさかプリキュアの必殺技を何回も耐えられるだわさ!?」
ジョーカー「ええ〜そうですともぉ。しかも力が弱まるとは言っても、アオッパナよりは強さは上です」
アカオーニ「そいつは使えるオニ」
ジョーカー「もっちろおおおんっ? レインボーヒーリングは完全に効果はナッシィイイイング!! 効くのは普段の必殺技のみ」
マジョリーナ「ほう、上手く使えばプリキュアを倒せるかもしれないねえ……」
ジョーカー「ちなみにどうしてキイッパナがそんな性質を持つかというと〜」
アカオーニ「いうと?」
ジョーカー「キイッパナは半分はキュアデコル、もう半分はアオッパナの材料で出来ているからなんでええええっすう!」
マジョリーナ「なるほど、いい具合に配合しただわさ」
ジョーカー「お分かりいただけましたぁ? 皆さんに知識をつけてもらい、そうして編み出した完璧な戦略とこのキイッパナでプリキュアを倒して貰いたいんですよぉおおお!」
マジョリーナ「いーっひぃっひ! そりゃ楽しみだわさ」
ウルフルン「やっと奴らに一泡吹かせられるぜ」
ジョーカー「アカオーニさんには東大目指しつっつぅうう〜んっ? プリキュアを探ってほしいんですうう」
アカオーニ「お安い御用オニ!」
アカオーニ「そのためにはまずはお勉強オニ!」タタッ
ウルフルン「おお、また机に向かったぞ」
マジョリーナ「切り替えが早い子だわさ」
アカオーニ「ううんと……」ペラペラ
マジョリーナ「頑張るだわさ〜!」
ウルフルン「目指せ、東大〜!!」
マジョリーナ「バッドエンド王国の未来は明るい……いや、真っ暗だわさー!!」
ワーワー
ジョーカー「……ふふっ。馬鹿な人達♪」
ジョーカー「あなた方がどれだけ頭が悪かろうと私には関係ありまっせん。むしろ悪い方が好都合ぅ……♪」
ジョーカー「ミラクルジュエルの手がかり、ゆっくり探すとしましょう」
♪アカオーニの部屋
アカオーニ「よーし! 明日から学校オニ! 予習をするオニ!!」
アカオーニ「夜食はマジョリーナが作ってくれた犬のから揚げ、猿の煮物、キジの野菜炒めがあるからバッチリオニ!」
アカオーニ「まずは数学オニか!」
アカオーニ「算数は小学校から得意だったし、九九も三の段まで言えるオニ!」
教科書<ペラペラ
アカオーニ「ふむ、ふむ……………………………………なんだこれオニ」
x-y=5
2x-y=10
アカオーニ「連立方程式オニか……」
アカオーニ「つまり二式が成り立つように二つの文字の値を出せばいいオニ」
アカオーニ「だからまずは……どうすればいいオニ?」
アカオーニ「……。分からなかったら、人に聞くのが早いオニ」
アカオーニ「マジョリーナー!」
ウルフルン「マジョリーナならもう寝たぞ」
アカオーニ「まだ八時オニ!」
ウルフルン「年寄りだからな」
アカオーニ「まあいいオニ。実は分からない問題があるオニ」
ウルフルン「どれどれ」
ウルフルン「ほおー、連立方程式か。懐かしいな」
アカオーニ「解るオニか?」
ウルフルン「あったり前だろ。俺様を誰だと思ってやがんだ。狼界のアインシュタインと呼ばれた男だぜ」
アカオーニ「よくわからんが、すごいオニ!」
ウルフルン「連立方程式は見た目はややこしいけどなぁ、解いてみると意外と簡単なのに驚くもんだぜ」
カキカキ
ウルフルン「まずはx=1とおく」カキカキ
アカオーニ「ふむふむ」
総当たりで出す気じゃね?
ウルフルン「そうすると上がy=-4、下がy=-8になって値が違ってくるわけだ」
アカオーニ「じゃあこれは誤答オニ」
ウルフルン「そういうことだ。で、次にx=2とおいて……」
アカオーニ「ふむふむ」
5分後
ウルフルン「出来たな。答えはx=5,y=0だな」
アカオーニ「おお、さすがオニ。ウルフルン」
ウルフルン「どうだ。やってみると簡単だろ?」
アカオーニ「でも結構疲れたオニ」
ウルフルン「この作業にも慣れる」
アカオーニ「ありがとうオニ、また何かあったら聞くオニ」
ウルフルン「おお」
アカオーニ「次は二次方程式オニか」
x2+2x+1=0(右のは指数)
アカオーニ「またxを求める問題オニか……」
アカオーニ「でも今度は簡単そうオニ♪ さっき教えてもらったやり方で……んん?」
アカオーニ「なんだオニ、この右上の数字は……」
アカオーニ「ウルフル……いや、自分で解くオニ! 右上の数字は無視して……」
アカオーニ「答えはx=-1/4オニな」
アカオーニ「因数分解を利用して解けと書いてあるオニが、知らないからいいオニ」
アカオーニ「次行くオニ」
アカオーニ「そろそろ違う教科をやるオニ。数字の次は……国語オニ!」
アカオーニ「でも予習することがないオニな。俺様、漢字書けないけど」
アカオーニ「国語はおいといて、英語オニ!」
アカオーニ「英語オニか。確かアカンベェがマヨネーズとか言っていたオニ」
アカオーニ「マヨネーズ アカオーニ。バッドエンドキングダム〜。ピエーロ様〜、ウルフル〜ン、マジョリーナ〜、エ〜ンドジョーカー」ペラペラ
アカオーニ「完璧オニな。英語はもういいかオニ」
アカオーニ「次は社会……。なんだか人間ばっかりで目が痛いオニ」
アカオーニ「人の一生は重き荷をを負うて遠き道を往くがごとしぃ? 誰オニ、このオッサン」
アカオーニ「落書きしてやるオニ!」カキカキ
アカオーニ「ウハハハ!! ピエーロ様そっくりオニー!!」ギャハハ
アカオーニ「……こんなことしてる場合じゃなかったオニ。もう九時オニ」
アカオーニ「次は科学……」ペラッ
アカオーニ「むう。眠いことしか書いてないオニ……」ウツラウツラ
アカオーニ「オニぃ……」バタリ
アカオーニ「zzz」
♪翌朝
マジョリーナ「ほら、起きるだわさ」ユサユサ
アカオーニ「うう〜ん……まだバッドエナジーを集める時間じゃないオニ〜」
マジョリーナ「何寝ぼけてるだわさ! 今日から学校だろ?」
アカオーニ「学校……? はっ! そうだったオニ!!」ガバッ
時計<八時ダヨ
アカオーニ「ち、遅刻オニ〜!!」タタタ
マジョリーナ「顔洗ってきなさいだわさー!」
アカオーニ「オニぃいい〜!!」タタタ
ウルフルン「よお、アカオーニ。お勉強は捗ったか?」
アカオーニ「今はそれどころじゃないオニ! 遅刻しそうなんだオニ!!」ワタワタ
ウルフルン「学生は大変だなー。朝ごはんは食ってけよ?」つトースト
アカオーニ「分かってるオニ!」パクリッ
マジョリーナ「アカオーニ、お弁当はどうするだわさ?」
アカオーニ「どっかで買うオニ! じゃあ行ってきますオーニー!!」タタッ
マジョリーナ「大丈夫かねえ」
ウルフルン「俺は好きだぜ、ああいうの」
アカオーニ「はあはあ……」タッタタッタ
アカオーニ「学校まで結構距離があるオニー」タッタタッタ
ザワザワ……
アカオーニ「? なんか見られてるオニ?」
アカオーニ(俺様は今、学生服を着たちゃんとした中学生のはずオニ……)
アカオーニ「って学生服着てくるの忘れてたオニいいいいー!?」イツモノフク
アカオーニ「取りに帰るしかないオニー!!」エンエン
アカオーニ「クソー!」シュンッ
道の曲がり角<ヒョコ
やよい「? 人だかり出来てたけど、何だったんだろう?」
あかね「やよいー! 遅刻するでー!」
やよい「う、うん!」タタッ
♪教室
あかね「おっはよー!」
オハヨー オッハ オハー
あかね「おおきに、おおきにー」パチパチ
やよい「おはよー」
オスー オハヨー キョウモカワイイネ
れいか「おはようございます。あかねさん、やよいさん」
なお「おはよう!」
あかね「おー、もう来てたんやな」
やよい「いつもの……ってみゆきちゃんは?」キョロキョロ
なお「また遅刻かなー」アハハ
れいか「昨日はプリキュアもありましたから」
あかね「しょうがないやっちゃで」
キーンコーンカーンコーン
みゆき「ギリギリせーえっふ!!」タッ
佐々木「アウトよ、星空さん」ポカ
みゆき「ええーっ!?」
アハハハハハ!
みゆき「うう……//」
佐々木「ほら、席に着きなさい」
みゆき「はぁーい」トボトボ
あかね「おはようさん。今日も遅刻やなー」
みゆき「おはよー。違うの、今日はお母さんがさー」
佐々木「そこ、ホームルーム中に喋らない!」
あかね「いぅっ」
みゆき「ご、ごめんなさ〜い……」
佐々木「まったく」
みゆき(でもね、今回はただの遅刻じゃないの)コソコソ
あかね(遅刻に種類があんのかいな)コソコソ
みゆき(耳寄りな情報があるんでっせ、お客さん)
あかね(耳寄りな情報?)
みゆき(今日はね……転校生がやってくるのー!)
あかね(転校生!?)
みゆき(うん! 外国から来たみたい!)
あかね(ってことは外国人? ウチ、英語苦手やからなぁ)
みゆき(ピーター・パンみたいな人だったらいいなぁ〜!)キラキラ
あかね(んなアホな。おらんやろ、そんな人)
みゆき(わ、わかってるよ〜私だって絵本と現実の世界の区別くらいできてるよ〜)ハププ
あかね(できてたんや)
みゆき(でも夢くらい見てもいいじゃない!)
あかね(夢ねえ……)
佐々木「以上でホームルームは終わりですが」
井上「が?」
佐々木「今日は転校生が来ています」
井上「うおおっ! マジでー!?」
ワー!!
あかね「ほんまやったな」
みゆき「でしょー?」エヘヘ
なお「転校生かー。どんな人だろ」
れいか(クラス委員として、すぐにクラスに馴染んでもらいましょう)グッ
佐々木「さあ、入ってきてくださーい」
シン……
佐々木「?」ガララッ
佐々木「まだ来てないようね」
井上「初日っから遅刻かよー。で佐々木先生、転校生って男なの? 女なの?」
佐々木「男の子よ」
井上「ええーマジかよー」
佐々木「確か外国人だったかしら」
井上「外国人!? 男なのは残念だけど、そりゃ楽しみだぜー!」
やよい(外国人かぁ。目の前だから緊張するなぁ)
あかね「ほんまに外国人かいな」
みゆき「すごいでしょ!」エヘン
あかね「そないな情報どこで仕入れたん?」
みゆき「キャンディが職員室の近くで聞いたみたい」
キャンディ「キャンディのお耳は、遠く離れたコインの音も聞き取れるクル」
井上「どこの国なのー?」
佐々木「そうね。聞いたことない国だったわ。確かバッドエンド……」
タタタ
佐々木「! 来たみたい」
井上「よっ! 話題の外国人転校生のお出ましだぜー!!」
佐々木「入ってきていいわよー」
ガララッ
クラス<ジイッ
アカオーニ「遅れてしまったオニ〜。ごめんねごめんね、ごめんオニ」
やよい「」
あかね「」
なお「」
みゆき「へえ〜、面白そうな人〜」
あかね「マジか自分!?」
佐々木「では赤鬼くん、自己紹介をお願いします」
アカオーニ「俺様は、鬼界のスーパーコンピューターことアカオーニだオニー!!」
佐々木「」ポカン
アカオーニ「むう?」
佐々木「え、ええと? 君の名前は赤鬼つよしくんと聞いたけれど……」
アカオーニ「あっ」
アカオーニ(マジョリーナが偽名で登録してあると言っていたんだったオニ)
アカオーニ「まあ細かいことは気にしなくていいオニー」テヘッ
佐々木(ええー)
あかね「なんやあれ……」
なお「なんでアカオーニが……」
女子達<キャッキャッ
カッコイイー サスガガイジン キャー アカオニクンコッチムイテー
あかね「……」
男子達<キャッキャッ
ガタイイイナー ジンシュノカベー イケメン タイイクサイキタイダイ
なお「……」
れいか「どうやらクラスに馴染めそうな方で良かったです」ホッ
なお「いや絶対馴染めないよ! あれどうみても人間じゃないもん!! てかアカオーニだもん!!」
れいか「アカオーニ……?」ハテ
みゆき「コワモテだね」
キャンディ「王子様みたいクルぅー」
やよい「」
あかね(アカン)
佐々木「はい、みなさん仲良くしてあげてくださいねー」
佐々木「じゃあ席は……」キョロキョロ
アカオーニ「……」ジイッ
井上「?」
アカオーニ「……」
井上(そういや修学旅行で見たような……)
アカオーニ(ウルフルンに聞いた話だと、前の席の方がお勉強が捗るみたいオニ)
アカオーニ「……」ギロッ
井上「……」ゾクッ
佐々木「そうね、宗本くんの後ろがあいて……」
アカオーニ「」つ金棒
井上「はい! 僕がそこにいきます、はい!!」ピュンッ
佐々木「え、ええっ?」
アカオーニ「ふふっ」
ひろこ(こいつ……できる……!!)ゾクッ
佐々木「ではホームルームはここまで。一時間の用意をしてくださーい」スタスタ
ガララッ
あかね「」チラッ
なお「」コクッ
あかね(アカオーニに説明してもらわんと!)ダッ
なお(アカオーニに話を聞こう!)ダッ
ゴチイン!
あかね「っ! なんや、この人だかりは……」
なお「! クラスのみんながアカオーニに質問攻めしようとしてるんだ!」
れいか「転校生のさだめですね。ほほえましいものです」ホウ
みゆき「私よりも盛大だー。はっぷっぷー」
あかね「ウチかてはっぷっぷーやて! なんでアカオーニがあんな人気なん!?」
みゆき「そういえばやよいちゃんは?」
れいか「自分の席で絵を描いています」
なお「隣が渋谷でシュール!!」
あかね「やよいぃー! そこは危ないでーえ!!」
やよい「♪」カキカキ
やよい「なかなかの出来かな。バイクが上手く描けないけど……」
ガヤガヤガヤガヤ
アカオニクン! ドコノクニシュッシン! エイゴハナセル! バカ ハナセルニキマッテルダロ! ムシロニホンゴハナセルカドウカ! サッキハナシテタジャン!
ガヤガヤガヤガヤ
やよい「わぁああああ!? なにこれええええええ!!」ビクウッ
やよい「きゃああああ〜!」
人の波<ドシャアッ
みゆき「やよいちゃん!」
なお「あんな一カ所に固まるから……」
やよい「いたた……」
アーア ツクエタオレター オマエガオシタカラダロー ワタシジャナイモン! オレデモネエッテノ!
ギャーギャー
やよい「う、うぅ……」ウルウル
オマエガ! アンタ! ナンダ! ナニヨ! ヤイノヤイノ!!
やよい「うぅ……!」ウルウル
ギャーギャーギャーギャー
れいか「み、みなさんお静かに……」アタフタ
ギャーギャーギャーギャー
やよい「うぅ……」ガシッ
スマイルパクト<カチャッ
ギャーギャーギャーギャー
アカオーニ「うるっさいオニぃいいいー!!」
やよい「みんな静かにしてえええー!!」バリバリ
バリイイッ!!
アカオーニ「ぬおおおおおおおおおっ!?」ビリビリ
やよい「あ……」
アカオーニ「けほっ」コゲコゲ
クラス<ナ ナニ……?
アカオーニ「」バタリ
やよい「アカオニさぁ〜〜〜ん!?」
あかね「あれらぁ……」
アカオーニ「ううむ……」パチッ
やよい「あっ、起きた!」パアアッ
アカオーニ「お前はプリキュアの……どうして俺様は……」キョロキョロ
アカオーニ「ここはどこオニ?」
やよい「学校の保健室だよ」
アカオーニ「保健室ぅ?」
やよい「怪我とか病気をしたらここに来るの」
アカオーニ「怪我ぁ? 俺様、どこか悪いところがあったのかオニ?」
やよい「え、ええと……その。私の、雷で……」
アカオーニ「オニぃ?」
やよい「みんなの注意をひこうとして、放電したら、アカオニさんに……」
アカオーニ「ほう。俺様に電撃を浴びせてくれたオニか」
やよい「ご、ごめんなさい……」
アカオーニ「構わんオニ」
やよい「えっ……」
アカオーニ「あれくらいの電撃、俺様の強靭な身体をもってすればぜーんぜん痛くもかゆくもないオニ!」
やよい「そ、そっかぁ……。はぁあ、よかったぁ……」ホッ
アカオーニ「でもちょっと頭の頭痛が痛いオニ」ヒリヒリ
やよい「え、ええーっ!?」ビクッ
アカオーニ「冗談オニ。おかえしだオニ」ハハハ
やよい「も、もぉー! アカオニさんったらぁ〜!」プンスカ
やよい「でもどうしてアカオニさんがここに?」
アカオーニ「お勉強しに来たオニ」
やよい「お、お勉強?」
アカオーニ「中学生に見えないかオニ?」
やよい「み、見えるんじゃないかな。私はわかんないけど……」
アカオーニ「ふふっ♪」
やよい「ねえ、まさかお勉強って……昨日れいかちゃんが言ってたから?」
アカオーニ「む? ああ〜、悪役としてお勉強は当然オニからな〜」
やよい「へえ〜、アカオニさんでもお勉強するんだ」
アカオーニ「どういう意味オニ!」
やよい「えへへ、ひみつ♪」
アカオーニ「むう!」
キーンコーンカーンコーン
やよい「あ、もうすぐ二時間目が始まっちゃう」
アカオーニ「むう? 一時間目はどうしたオニ! いなくなっちゃったオニ!?」
やよい「やだなぁ、動物じゃないんだから」クスッ
やよい「アカオニさんが寝てる間に一時間目は終わっちゃったんだよ」
アカオーニ「へえ、そんなすぐに終わるものなのかオニ」
やよい「えー、そんなことないよ。アカオニさんは知らないだろうけど、授業ってホントに長く感じるんだからぁ!」
アカオーニ「そうなのかオニ?」
やよい「そうだよー」
アカオーニ「ふうん……。というかお前さんは一時間目どうしたオニ?」
やよい「あっ、私ずっとここにいたから……サボっちゃった」
アカオーニ「プリキュアのくせに悪い奴オニ」ハンッ
やよい「それを言われると何も返せないんだけど……」エヘヘ
ガララッ
あかね「おっ、やよい戻ってきたで」
みゆき「アカオニさんも」
れいか「まさかアカオーニが転校生さんなんて……驚きです」
なお「私は今の今まで気づかない二人にびっくりだよ」
やよい「みんな心配かけてごめんね〜」タタ
あかね「怪我したんはアカオーニやけどな」
アカオーニ「この通りピンピンオニ!」
みゆき「よかった〜」
なお「そうそう、あんたなんで転校しに……」
れいか「みなさん、そろそろ先生が来ますよ」
みゆき「数学だったね!」
あかね「アカン、用意してへん」
なお「数学の先生、そういうとこは厳しいからねー」
れいか「起立、きをつけ、お願いします」
チャクセーキ
ガタガタ
やよい「……」
アカオーニ「……」
やよい「そういえば隣だったね、席」
アカオーニ「そうみたいだオニ」
数学「はい、私語は慎んでー。今日は〜」
アカオーニ(初めての授業オニ)ドキドキ
やよい(数学かぁ……憂鬱)ハア
数学「おお、そうだ。転校生がいたんだったな」
アカオーニ「オニ!」ドキドキ
数学「よーし。なら最初は転校生くんに問題をやってもらおうかなー」カキカキ
数学「教科書の問六、連立方程式だな。これをやってみてくれ」
アカオーニ(連立方程式オニか)
3x+4y=25
3x+2y=5
アカオーニ(数字が大きいオニな……)
アカオーニ(とりあえずウルフルンがやったようにx=1から……)カキカキ
やよい「?」
数学(なんかめっちゃ書いとる)
10分後
アカオーニ「x=100……x=131……」ブツブツ
数学「お、おいおい! 黒板もう真っ白だから! 壁に突入してるから!」
アカオーニ「おかしいオニ! ここまでやっても求まらんオニ!!」ウガー
アカオーニ「むう……!」チエネツ
数学(外国では連立方程式やってないのかな……)
数学「よし、アカオーニくん。もういいもう休め」ポンポン
アカオーニ「オニぃ……」シュン
あかね(お前はようやったで……)
女子達<キャッキャッ
アタマヨサソウナノニアタマヨワーイ ギャップモエー カワイイー
あかね「はいはい」
数学「では代わりに……そうだな。隣の黄瀬さん、助け舟を出してやってくれ」
やよい「は、はいぃ!」スタッ
やよい「」ガチガチ
数学「緊張しすぎだ」
アハハハハハ!!
やよい「……ううっ//」グスッ
カキカキ
アカオーニ(ふん! 足し算もろくに出来ない奴に、こ〜んな難しい問題を解けるわけないオニ!)
やよい「」カキカキ
アカオーニ(む……? なんだオニ、あの線は……)
アカオーニ(なんで三つ目の式なんか書いて……?)
やよい「あ、できました」
x=-5,y=10
アカオーニ「オニぃいいいいいいいいいいいいいいいい!?」
数学「正解だ! さすが黄瀬、連立方程式を解かせたら右に出るものはいない!」
やよい「ほ、ほめてるんですか? それ」
あかね「やよいは連立方程式得意やもんなー!」
井上「よっ! 憎いね、キング連立方程式!!」
やよい「ちょ、ちょっとやめてよおっ!//」ワタタ
アハハハハハハハハ!!
アカオーニ「な……な……」ガタガタ
やよい「?」
アカオーニ「なんでそんな速く解けるオニぃいいいいいいい!!」ガバッ
やよい「きゃああああ〜!?」
アカオーニ「オニぃいいいいいいいいいい!!」
やよい「きゃああああー!!」
数学「」
あかね「ちょっ、離さんかいわれええ!?」
なお「ついに本性を現したね!」
れいか「クラスに馴染めないようなら、あなたはお黙りなさい!」
キャンディ「みんな、変身クルぅー!」
みゆき「キャンディ出ちゃダメ……!」
アカオーニ「……」ガクッ
やよい「? アカオニさん?」
アカオーニ「弟子にしてください!!」オニ
やよい「……ええー」
数学「」
やよい「連立方程式が解けない?」
アカオーニ「そうオニ……ウルフルンから教わったやり方じゃあ、速く解けないオニ……」
みゆき「オオカミさんから?」
アカオーニ「かくかくおにおに」
れいか「かくかくなおなお……なるほど」
なお「いや、なおなおって何よ」
あかね「あの犬っころ、なんてこと教えてんねん」
みゆき「さすがの私もがっかり」
あかね「解けもしんかったやつが言うなやー」
みゆき「あはは〜」
なお「総当たりはないよ」
やよい「うん」
アカオーニ「オニ……」
数学(なんだこれ)
アカオーニ「」シュン
やよい「よーし、わかったよ!」
あかね「なにが?」
やよい「アカオニさんに連立方程式の解き方を私が教えてあげる!」
アカオーニ「オニ……?」
れいか「それはいいですね」
なお「連立方程式クイーンのやよいちゃんなら!」
みゆき「アカオニさんもマスター間違いなしだね!」
あかね「みゆきも教えてもらいやー」
みゆき「ええー!?」
アハハハハハ!!
アカオーニ「お前……」
やよい「雷のお詫びだよ。これで貸し借りなし♪」
アカオーニ「お前……いい奴だオニいいいいいいー!!」ガバッ
やよい「きゃああああー!?」
やよい「いい?」メガネクイッ
3x+4y=25
3x+2y=5
やよい「まずアカオニさんのやり方でやってみて」
アカオーニ「わかったオニ、やよやよ先生!」カキカキ
アカオーニ「まずはx=1とおいて……」
やよい「ちがうちが〜う!」バシバシ
アカオーニ「オニぃー?」
やよい「それじゃあ時間がかかっちゃうの! 総当たりでいくなんて無謀すぎるよ! マイナスだったらどうするの?」
アカオーニ「マイナスぅ?」キョトン
やよい「きょとんってしなぁ〜い!」バシン
アカオーニ「オニぃ〜!?」
やよい「マイナスも知らないなんて、中学生やってけないよ〜!」プンスカ
アカオーニ「な、なんで叩くオニ……」ヒリヒリ
やよい「気分♪」
数学「俺の授業……」
れいか「先生、お茶どうぞ」
やよい「いい? 私のやり方を見てて」
アカオーニ「オニ!」
やよい「」スラスラ
アカオーニ「きれいな字オニ」
やよい「……」スラスラ
アカオーニ「きれいな手オニ」
やよい「……//」スラスラ
アカオーニ「きれいな……」
やよい「わぁあああ!! 見ちゃダメええええええ!?//」ガバアッ
アカオーニ「な、なんでオニ!? 解き方教えてくれオニ!!」
やよい「らめええええええっ!!//」
なお「なんか腹立つね」ズズ
井上「だな」ズズ
アカオーニ「んなるっほどぉー。式を足したり引いたりすればいいオニかー」
やよい「うん、そだよ……」ツカレタ
アカオーニ「なんだ。やってみたら簡単オニな!」
やよい「でしょ?」
アカオーニ「ウルフルンの言う通りオニ!」
やよい「え?」
アカオーニ「もともとはウルフルンにも教えてもらったオニからな。ウルフルンには感謝するオニ!」
アカオーニ「もちろんお前さんにもオニ!」
やよい「あっ、えへへ……うん!」
アカオーニ「これで一歩前進オニー!」
やよい「まもの アカオーニはレベルアップした!」
キーンコーンカーンコーン
やよい「あ、二時間目終わりだ」
アカオーニ「あの音が終わりと始まりの合図オニか」
数学「……では今日はここまで」
れいか「起立、きをつけー、ありがとうございました」
アリャッシャター
数学(……疲れた)トボトボ
アカオーニ「次は何だオニ?」
やよい「英語だよ」
アカーンエイゴヤー! サイアクヤー!
アカオーニ「英語は得意オニ!」
やよい「なら大丈夫だね」
キーンコーンカーンコーン
アリャッシャタバー
アカオーニ「……」
やよい「わかった?」
アカオーニ「ぜんぜん」
やよい「だよね……アカオニさん、焦ってドイツ語喋ってたもん」
アカオーニ「情けないオニ……」
やよい「アルファベットかける?」
キャンディ「なにそりクルぅー?」
アカオーニ「レフトコモン」
やよい「右はライトだよ。めちゃくちゃだよ」
キーンコーンカーンコーン
アリャシャター
なお「歴史意味がわかんない〜!」バタリ
れいか「どおどお」ヨシヨシ
あかね「ウチも外国人の偉人は大嫌いや」
みゆき「私ぜんぶ無理」
キャンディ「織田信長を覚えたクルぅー」
やよい「キャンディすごーい」
アカオーニ「信長はかっこいい奴オニー!」
キャンディ「相棒のゼクロムにはキャンディ会ったことがあるクルぅー!」
アカオーニ「そうだ、やよやよ先生。次は何の授業オニ?」
やよい「その呼び方やめて。って今はお昼休みだよ」
アカオーニ「お昼休みぃ?」
やよい「そう。みんなでお弁当持ち寄って、仲良く話しながらお昼ご飯を食べるの」
アカオーニ「お弁当? ……あっ」
アカオーニ(朝はバタバタしててお弁当買えなかったオニー……)ズーン
やよい「どうしたの?」
アカオーニ「……お弁当、忘れたオニ」ズーン
やよい「ええええっ!?」
みゆき「なになにー? どうしたのー?」
やよい「アカオニさんがお弁当忘れちゃったんだって」
あかね「そらかわいそやなー」
なお「あ、私サンドイッチ余分に作ってるけど」
れいか「私も量は多いので」ズシッ
あかね「ものスゴッ!」
アカオーニ「はあ〜あ、見せ付けるとは嫌らしい奴らオニ」イジイジ
なお「いや……鈍感さん?」
れいか「あなたにおすそ分けをしようという提案なのですが」
アカオーニ「オニ!? 本当オニか!!」
なお「本当はれいかに作ったんだけど」
れいか「なおのだしまきタマゴですが」
あかね「なんやねん自分ら」
みゆき「私もあかねちゃんに作ったよ!」
あかね「食えん」
みゆき「ひどいっ!」
アカオーニ「うう、ううっ……」ウルウル
やよい「良かったね、アカオニさん」
アカオーニ「心のともオニ〜!!」ガバアッ
やよい「なんで私いい!?」
おまわりさーん!!
あかね「やっぱお昼ご飯はここで食べるんが落ち着くわ」
れいか「私なおの隣っ」
なお「私れいかの隣っ」
やよい「アカオニさん、座れる?」
アカオーニ「何とか……オニ」キツキツ
キャンディ「キャンディ、お腹すいたクルぅー!」
みゆき「じゃっ、七人で〜」
イッタダキマース!! オニ クル
みゆき「わあ、あかねちゃんのお弁当おいしそ〜!」
あかね「ウチの特製やー!」
なお「れいかのだしまきタマゴおいしい♪」
れいか「なおのお弁当もおいしいです♪」
やよい「みてみて、キャラ弁なんだけど」
アカオーニ「よくわからんオニ」
キャンディ「またキャンディの作ってほしいクルぅ」
ワイワイワイワイ
先輩1「ちょっと、あなたたち!」
先輩2「あなたたち!」
みゆき「なになに?」モグモグ
あかね「げっ、前にいちゃもん付けに来た先輩やん」
やよい「また怒ってるけど……」ブルブル
れいか「どなたで?」
なお「! 先輩達、またですか!?」ガタッ
先輩1「あら、緑川さん」
先輩2「緑川さん」
先輩1「そう、またよ。私はしつこいの」
先輩2「しつこいの」
なお「く……、今度という今度は!」
ガシッ
なお「!」
アカオーニ「待つオニ」
なお「アカオーニ……」
やよい「アカオニさん!」
先輩1「ど、どなた? 結構大きいわね……」アトズサリ
先輩2「大きいわね……」アトズサリ
アカオーニ「よく分からんオニが、お前達空気読めてないオニ? 人のお昼ご飯タイムを邪魔する奴にいい奴はいないオニ!」
先輩1「な、なによあなた」
先輩2「あなた」
先輩1「あっ、わかったわ! あなた転校生ね! 話題になってる……」
先輩2「なってる……」
アカオーニ「話題かどうかは知らんが、転校生オニ」
先輩1「やっぱりね。いい? 転校生くん。この学校ではねえ、私達に逆らうことは死を表すのよ!」
先輩2「表すのよ!」
アカオーニ「なに!?」
なお「真に受けないでよ」
アカオーニ「オ、オニ」
先輩1「だから転校生くん! この学校で生き残りたいなら……」
入江「ちょっといいかな?」
先輩1「……!?」
れいか「入江会長!」
入江「やあ、今日は青木さんもか」
れいか「今日は……?」
入江「へえ、賑やかそうだなあ。僕も混ざりたいくらいだね。ははは、冗談さ」ニコニコ
アカオーニ(こいつ誰だオニ)
入江「で、君達」ニコニコ
先輩達「ぎくっ」
入江「また下らないことをしてるのかな?」ニコニコゴゴゴ……
先輩1「チッ、ずらかるわよ!」ダッ
先輩2「わよ!」ダッ
入江「」ニコニコ
れいか「さすが入江会長……」
あかね「イケメンやなあ」
みゆき「あかねちゃんの方がイケメンだよ」
あかね「はいはい」
入江「」ニコニコ
アカオーニ(で、この人誰オニ?)コソコソ
やよい(入江生徒会長。成績優秀で人望厚い人)コソコソ
アカオーニ(へえ……)
なお「あの、二回も助けてもらって……」
入江「いやいやいいよ。当然のことをしたまでだし、今回はアカオーニくんのおかげじゃないか?」
なお「そうですね……」
アカオーニ「む? 俺様のことを知ってるオニ?」
入江「知ってるさ。今話題の外国人転校生ってね」
アカオーニ「なんか照れるオニー」テレテレ
入江「では僕はこれで。ゆっくり楽しいランチタイムを過ごしてくれ」ニコニコ
アリガトウゴザイマシタ!
アカオーニ「む?」
入江「じゃあね、アカオーニくん」つトランプ
アカオーニ「トランプぅ?」
入江「」スタスタ
トランプ<ピラッ
アカオーニ「ババ、オニ……」
ヒュウウッ……
入江「うふふっ」ニヤリ
やよい「これから午後の授業だよ」
アカオーニ「腹一杯で眠いオニー」フアー
あかね「気持ちはわかる」
みゆき「わかりすぎる」
れいか「みなさん、顔を洗えば目が覚めますよ」
みゆき「わーい!」
やよい「あそぼあそぼー!」
れいか「いえっ! 遊ぶのでは……!」
あかね「困った二人やで」
アカオーニ「水遊びオニー!」
キャンディ「クルぅー!」
あかね「いや四人……」
なお「それそれー!」バシャバシャ
れいか「きゃあー!」
あかね「……六人やな」
キーンコーンカーンコーン
やよい「びちゃびちゃ……」
アカオーニ「オニ……」
なお「れいか、透けてるよ。隠してあげる」ギュッ
あかね「自業自得やな」ベチャベチャ
みゆき「……」ベチャベチャ
やよい「まあ次は体育だし、着替えれるし」
アカオーニ「体育オニ?」
やよい「運動するの」
みゆき「体操服に着替えて外で遊ぶんだよー」
あかね「授業やで」
アカオーニ「それは楽しそうオニ!」
あかね「じゃ、更衣室に移動しよかー」
オー! オニー! イヤ オマエハツイテクンナ オニー!?
五人<ワイワイ
アカオーニ「はぶられたオニ……」ズーン
井上「おお、アカオーニ! まだ着替えてないのかー?」
豊島「やべえ! 次体育か、すっかり忘れてたー!」アセアセ
宗本「デュフフwwwwwwwwwwww」
アカオーニ「オニ……」
井上「お前、黄瀬たちと仲良いみたいだけどさ! 俺ら男子も仲良くしたいんだぜ!」
豊島「一緒に行こうぜ!」
宗本「コポォwwwwwwwwwwwwww」
アカオーニ「お前ら……心のともオニー!!」ガバアッ
ワー! ダキツクナヨ! オニー! ナクナー アハハハ ブヒヒ
やよい「ふああっ、疲れたぁ〜」ヘトリ
アカオーニ「情けないオニな〜♪ 体育くらいで」
やよい「むむう。さっきまで体育の意味も知らなかったのにぃ」プクッ
アカオーニ「所詮、連立方程式は出来ても身体能力では俺様には勝てんオニ!」ワハハ
やよい「わ、私だってプリキュアに変身すれば〜!」バシバシ
アカオーニ「ウハハハ! 効かないオニ効かないオニ〜!」
やよい「むううっ」プクウ
ぜんじろう(目の前でいちゃつくのやめてくれないかな)
アカオーニ「次は6時間目オニな」
やよい「これで最後の授業だよ」
アカオーニ「おお、早いものオニ」
やよい「遅すぎるくらい」
アカオーニ「そうオニ?」
やよい「アカオニさんも毎日学校に来ればわかるよ」
アカオーニ「そういうものオニかー。俺様はいつでも楽しいと思うオニけど」
やよい「ふふ、アカオニさんっておバカさんだよね」クスッ
アカオーニ「お、おバカさん?」
やよい「うん、連立方程式解けないし」
アカオーニ「それは痛い所オニ」
やよい「お弁当忘れちゃうし、転校初日から遅刻しちゃうし」
やよい「英語と間違えてドイツ語喋っちゃうし、授業中にいきなり弟子にしてくださーいって」
アカオーニ「むむ、今思えば笑える話オニ」
やよい「……でも、恐い先輩から守ってくれたり……優しいところもあるんだよね」
アカオーニ「オニ?」
やよい「なんでもないよ。あっ、最後は音楽だから音楽室行かないと!」ホラホラ
アカオーニ「も、持ち物はぁ?」
やよい「私の貸してあげる!」
アカオーニ「ふむ、ここが音楽室かー」
やよい「あれ滝川れんげそう!」
アカオーニ「ほう。なんか浮いてるオニな」
あかね「日本人の肖像少ないしなー」
みゆき「ベートァルトは知ってるよ」
なお「ごっちゃになってるよ」
キャンディ「おいしそうクルぅー」
れいか「ベートーベンはその耳が聴こえなくなってからも、色々な曲を書いた作曲家です」
みゆき「へえ〜、すごいね!」
アカオーニ「耳が聴こえないと曲を聴けないオニ?」
あかね「まあ、そこはセンスやな」
やよい「私も目が見えなくなっても、絵を描きたいな!」
あかね「なんや縁起でもない」
やよい「こ、言葉のあやだよぉ」
音楽「では音楽の授業を始めますよぉ〜♪」
アカオーニ「音楽は歌を歌う授業オニ?」
やよい「うん。他に楽器で演奏したりするよ」
アカオーニ「太鼓なら任せるオニ!」ドドンガドーン
やよい「太鼓はやらないと思うけど」
音楽「お〜♪ あなたが転校生くんですねぇ〜〜〜♪ とても音楽性がありそうですぅ〜〜〜〜♪」
アカオーニ「この先生は歌わないと話せんオニか?」
やよい「しーっ」
音楽「さぁ〜てぇ〜〜〜♪ 本日は〜〜リコーダーで『イェイ! イェイ! イェイ!』を弾いてもらいますよぉ〜〜〜〜♪」
あかね「んな無茶な……」
なお「あかねは手先が不器用だからリコーダー苦手だよね」
れいか「なおは得意よね」
なお「そういうれいかだって」
れいか「ふふっ」
みゆき「リコーダーも苦手ぇ〜……」ピッププ
キャンディ「」ピーピーピー ピピピー ピピピピーピー
あかね「キャンディうまっ」
アカオーニ「その小さいリコーダーはどこで手に入れたオニ」
やよい「私達も練習しよっか」
アカオーニ「オニ」
ピピピーピピー
アカオーニ「むう、サビが難しいオニ」
やよい「リコーダーあったんだ」
アカオーニ「ん? マジョリーナが買ってくれたオニ」
やよい「そ、そっかぁー」シュン
やよい(って何がっかりしてるの私! 私、何を考えてええっ)ブンブン
アカオーニ「? どうしたオニ?」
やよい「な、なんでもない! 練習しよ練習!」ハムッ
アカオーニ「リコーダー逆さまオニ」
やよい「ふええっ!?」アワアワ
キーンコーンカーンコーン
アカオーニ「あ〜、もう帰るオニか」シュン
やよい「寂しいの?」
アカオーニ「そうオニなぁ。せっかくみんなと仲良くなったのに」
やよい「また明日会えるよ」
アカオーニ「オニ……。そうオニな!」
みゆき「やよいちゃーん、一緒に帰ろー!」タタッ
やよい「う、うん!」
アカオーニ「俺様も帰るオニ」
やよい「じゃあ、また明日」
アカオーニ「また明日オニ!」シュンッ
やよい「あっ……」
あかね「やよいー!」
やよい「ご、ごめん! 今行くね!」
やよい「ただいまー」ガチャ
ちはる「おかえり、やよい」
やよい「ただいま、ママ」
ちはる「あら、制服濡れてる……」
やよい「えへへ、水遊びしたから……」
ちはる「まったくもうっ。やよいもまだまだ子供ねえ」
やよい「そんなことないもーん」
ちはる「さあ風邪引いちゃうから着替えて、そのままお風呂入っちゃいなさい」
やよい「うん」ヌギヌギ
チャポン
やよい「ぷはー」
やよい「いいキモチ〜♪」
やよい「今日は体育で疲れちゃったし、お風呂が気持ちいいなぁ〜」
やよい「アカオニさんに雷うっちゃって、変身してないのに力を吸い取られちゃったし」
やよい「ふふっ、アカオニさんったら一時間も気絶しちゃってるんだもん。もう起きないのかもって焦っちゃったよ」
やよい「体育の時間なんかアカオニさん大活躍みたいで、私とは正反対だよね……ってなんでアカオニさんのことばっかり……」
やよい「なんで……」ブクブク
やよい「一日学校で一緒に過ごしただけなのに……」ブクブク
やよい「……」ブクブク
ガチャ
やよい「ふう〜、いいお湯でしたぁ〜」ホカホカ
ちはる「うふふ、それは良かったわ」
やよい「晩御飯なにー?」クシャクシャ
ちはる「こらこら、髪乾かさないと風邪引いちゃうわよ」
やよい「へっくし!」
ちはる「ほらぁ」
やよい「ううっ」ズズ
ちはる「ふふっ、今日はホットケーキよ」
やよい「本当!?」キラキラ
やよい「……ってママ、今日はエイプリルフールじゃないよ?」
ちはる「うふふ。ウソじゃないわよ」
やよい「ホントに〜?」タタッ
ホットケーキ<ホカホカ
やよい「わぁ〜! 本当にあったぁ〜!!」キラキラ
ちはる「でしょう?」
やよい「ありがとう、ママ〜!」
やよい「……でもなんで?」
ちはる「うふふ、やよいったら何か疲れた顔してたから」
やよい「ママ……」
ちはる「何かあったの?」
やよい「ママにはなんでも分かっちゃうんだね」エヘヘ
ちはる「当たり前よ」
やよい「えっとね、私その……ボーイフレンドができちゃった!」
ちはる「ええっ!? ……って今日はエイプリルフールじゃないわよ?」
やよい「……わかんない」
ちはる「えっ?」
やよい「私、わかんないよ……」
ちはる「やよい……」ギュッ
やよい「……」グスッ
ちはる「さ、ご飯を食べましょう?」
やよい「……うんっ」
♪バッドエンド王国
アカオーニ「帰ったオニー」ガララッ
マジョリーナ「おかえりだわさ」
ウルフルン「飯なら出来てるぜー」
アカオーニ「おお、すまんオニ」
マジョリーナ「今日は桃鍋だわさ。猿とキジも入ってる」
アカオーニ「犬のから揚げはどうしたオニ?」
ウルフルン「やめろ」
アカオーニ「は〜、食った食ったオニ〜♪」ポンポン
マジョリーナ「横になるとお前は寝ちゃうから、さっさと風呂に入るだわさ」
ウルフルン「牛になるぞ」
アカオーニ「むう、わかったオニ〜」シブシブ
ウルフルン「……」
マジョリーナ「……出てくるだわさ」
トランプ<ピカアアッ
ジョーカー「はんぁあい! みなさんのためのジョーカーですうっ!」
ウルフルン「で、どうなんだよ。学校でのアカオーニの奴は」
ジョーカー「しっかりと勉学に励んでおられますよおおおうっん? ご友人も多くいらっしゃいますううううっ! 特に問題はな、い、か、とっ」
ウルフルン「そうかよ。問題がないならそれでいい」
ジョーカー「うっふふううん? 何かおかしな言い方ですねええっん?」
ジョーカー「私だけではないのにいっ! アカオーニさんと同じで、中学校に潜伏しているのはねえええええっんっふうう?」
ウルフルン「……」
マジョリーナ「……」
ジョーカー「まっ、あなた方がどう思おうと構いませんよ。今はアカオーニさんを見守ろうではありませんかぁ」
ウルフルン「チッ……あいつのためだ」
マジョリーナ「だわさ」
ジョーカー「うっふぅうんっ!」
アカオーニ「いいお湯だったオニー」ポカポカ
アカオーニ「あれ? あいつら居間にいないオニ? まあいいオニ」
アカオーニ「俺様はお勉強でもするオニー!」
アカオーニ「予習を完璧にして、やよやよ先生をあっと言わせてやるオニー!」
アカオーニ「むう? そういえばやよやよ先生という呼び方はやめてくれ、と言っていたオニ」
アカオーニ「じゃあ何と呼べばいいオニ?」
アカオーニ「うーん……わからんオニ……」
アカオーニ「明日聞いてみるオニ? うーん……」ウツラウツラ
アカオーニ「zzz」
♪翌朝
アカオーニ「うおおおおお!? 寝過ごしたオニぃいいいい!!」ダダダ
マジョリーナ「アカオーニ、お弁当は……」
アカオーニ「どっかで買うオニ!」ダダダ
ウルフルン「ほら、トースト」
アカオーニ「ありがとオニ!」パクッ
アカオーニ「行ってきますオニぃいいいい!!」ダダダ
やよい「あ、あ〜! 遅刻しちゃう〜!」タタタ
ちはる「やよい、お弁当よー」
やよい「ありがとう!」
やよ父「ほれ、トースト」
やよい「はむうっ!」パクッ
やよい「いっへひは〜す!!」タタタ
やよ父「……騒々しいな」
ちはる「ふふ、元気になったみたいで良かったわ」
やよい「はあはあ……」
やよい(この気持ちが何なのかは分からないままだけど、私はこの気持ちを大切にしたい!)
やよい(少しずつ分かっていけばいいの。だから今日は元気いっぱいにアカオニさんにおはよう! って言うんだ)
やよい「……なのに決心した初日に遅刻しそうなんて〜!」タタタ
やよい「ぶっちゃけありえ……」
ゴチイン!
やよい「きゃああっ!?」ドサッ
アカオーニ「オニいいいい!?」ドサッ
やよい「ア、アカオニさん?」
アカオーニ「む、やよや……むう……」
アカオーニ「大丈夫かオニ?」スッ
やよい「あ、ありがと」
アカオーニ「もしかしてお前も遅刻オニ?」
やよい「う、うん」
やよい(おはようって言いそびれちゃった)
やよい「……って、も?」
アカオーニ「ウハハハ! 俺様も遅刻だオニ!」
やよい「威張ることじゃないよ」
アカオーニ「それもそうオニ」
やよい「ていうか、いい加減動かないと遅刻しちゃうよ」パクリッ
アカオーニ「それはトーストオニ?」
やよい「うん。ってアカオニさんも?」
アカオーニ「ハハハ、考えることは同じオニなぁ」
やよい「あれ?」
やよい(私のジャムが塗ってなかったっけ?)
やよトースト<ジャムナイ
やよい「……」
アカオーニ「あ〜ん」
やよい「それ私のおおおっ!」ワー!
アカオーニ「オニ?」
やよい「か、返して返して!」ワアワア
アカオーニ「返してって……どっちみち同じトーストオニ」
やよい「だってそれ私の食べかけだし! 同じじゃないよおっ!」ポカポカ!
アカオーニ「お前も俺様のトーストをかじったオニ」
やよい「あっ……」
アカオーニ「だから俺様も食べていいオニ!」バクンッ
やよい「ああぁ〜!?」ガーン
アカオーニ「お前も早く食べるオニ」
やよい「わ、わわわかってるもん! 今食べるもんっ!」
やよい「……これは違う。これは違うから。こんなの違うもん……」ブツブツ
アカオーニ「?」
やよい「え〜い!!//」パクッ
やよい(た、食べちゃった! 食べちゃった!? アカオニさんの食べかけの……)
やよい「///」ボンッ
アカオーニ「ど、どうしたオニ!?」
やよい「げほごほ!」
アカオーニ「詰まったオニ!? なら俺様の飲みかけのコーヒーを飲むオニ!」
やよい「んん〜!」ゴクゴク
やよい「って飲みかけ〜!?//」ブハアッ
アカオーニ「汚いオニー!」バチャッ
アカオーニ「」フキフキ
やよい「ご、ごめんなさい……」シュン
アカオーニ「まあ、井上とかだったら殴ってるところオニ」フキフキ
やよい「ていうかコーヒー甘いね」
アカオーニ「苦いのは飲めんオニ」
やよい「わ、私も……」
アカオーニ「ウハハハ! 遅刻仲間のうえ、甘党仲間オニ!!」
やよい「ふふふっ」
アカオーニ「ウハハハ!」
やよい「って笑ってる場合じゃない!」
アカオーニ「そうだったオニ!」
オニやよ「遅刻するぅうううううううう!!!」ダダダ
キーンコーンカーンコーン
みゆき「せふとぉーっ!!」
佐々木「アウトよ、星空さん」ポカ
みゆき「ええーっ!?」
アハハハハハハ!
佐々木「あれ? 今日は前二人がいないのね」
ぜんじろう「黄瀬さんとアカオーニくんがいません」
あかね「あのバカップルコンビか」
みゆき「バカップル?」
なお「どうみてもそうでしょ」チュッ
れいか「不純異性交遊は私が許しませんよ」チュッ
あかね「いやもういいや」
ガララッ
やよい「ただいまー!」
アカオーニ「今帰ったオニー!」
あかね「どこの夫婦漫才や」
佐々木「遅刻よ二人とも」
やよい「ご、ごめんなさい!」
アカオーニ「先生、こいつは悪くないオニ!」
やよい「う、ううん! 私が悪いんです!」
アカオーニ「そうオニな。すべてこいつの責任にしてくれオニ」ハンッ
やよい「ひどぉ〜い〜!!」ウルウル
佐々木「」イラッ
ぜんじろう「」イラッ
あかね「気持ちはわかる」
佐々木「えー、最近遅刻が多くなってきています。みなさん気をつけるようにー。以、上!」
あかね「投げやりやな」
アリャッシャシタイ!
みゆき「一時間目はなんだっけ?」
あかね「家庭科や」
やよい「楽しみだねー♪」
アカオーニ「オニぃー♪」
あかね「……アカン。ストレスしか溜まらん授業になりそや」
井上「気持ちは分かるぞ」
あかね「黙っとけ」
♪家庭科室
家庭「えー、きょうは、ケーキ、を、作ってもらいたい、のでー。そこにある、材料や、器具を使ってー。ペア、でー」ゴチャゴチャ
あかね「いよっしゃー! やったるで、みゆき!!」
みゆき「私、頑張るね!」ボチャ
あかね「うん! さっそく卵落としとる奴に説得力はないで!」
なお「れいか、私達も頑張ろう!」
れいか「私達の愛の力なら、ウェディングケーキでも作れるわ」
なお「むしろ作りたい」
れいか「なお……」
なお「れいか……」
やよい「よーし、張り切っちゃうよぉー!」グッ
アカオーニ「料理できるオニ?」
やよい「えへへ、それなりにできるもん!」
アカオーニ「ほう。それは楽しみオニ」
やよい「え? アカオニさんはやらないの?」
アカオーニ「料理はさっぱりオニー」
やよい「だよね」
アカオーニ「俺様は食べる専門オニー」
やよい「!」
やよい「腕によりをかけて作っちゃうよぉー!」ヨシッ
家庭「えー、そろそろ、時間となります、のでー。仕上げに、取り掛かって、ください」
あかね「アカン、ホイップが上手くいかへん」ブキッチョ
みゆき「それくらいなら!」ヨイショッ
あかね「おおっ! これに関してはウチより上手いなあ!」
みゆき「へっへーん!」
あかね「いや褒めてはないけどな」
なお「れいかぁー! あと一段だよー!」
れいか「はい、頂上に乗せるウエハースですぅー!」
井上・豊島(パネエ)
やよい「も、もうちょっと……」
やよい(うう……上手く描けないなあ)
アカオーニ「……?」
やよい「あっ、やった……! できたぁ!!」
アカオーニ「ほう、見せてみるオニ!」
やよい「み、見ちゃダメええええ!!」ガバアッ
アカオーニ「何でオニ! どうせ食べる時に……って」ジイッ
アカオーニ「これ、俺様オニ?」
やよい「うぅ……あ、あんまり上手く描けなかったけど……」
アカオーニ「そんなことは……む! そうだ!」
やよい「?」
アカオーニ「先にテーブルに着いてるオニ!」
やよい「う、うん?」
家庭「ではー、試食を、してくださいー。二時間目とか、知りません」
みゆき「あかねちゃんのケーキいっただきまぁーす!」
あかね「たぁーんと召し上がれー」
みゆき「おいしい! おいしいよ、あかねちゃん!」バクバク
キャンディ「クルぅー!」バクバク
あかね「そらよかった!」ニカッ
れいか「ふう、出来たわね」
なお「私達のウェディングケーキ!」
れいか「まずは」
なお「ケーキ入刀!」キャッ
れいか「二人の初めての共同作業です!」キャッ
れいか「あ、西村ちなみに日本刀で」
井上・豊島(パネエ)
やよい「アカオニさん、ケーキは?」
アカオーニ「これオニ」スッ
やよい「? なにか描いてある……って、あ……」
やよい「もしかして私……?」
アカオーニ「ウハハハ、難しいオニなぁ! クレヨンで書くより難しいオニ!」
やよい(私が描いたアカオニさんとの間に私の置いたハートのチョコがある……偶然、だよね)
やよい(なんか幼稚園児が描いたみたいな絵だけど……)
やよい「う、うれじぃ……」ウルウル
アカオーニ「な、なんで泣くオニぃー!?」
やよい「ルンルン♪」スキップスキップ
みゆき「やよいちゃんはしゃいでるねー」
なお「今時スキップだもんね」
れいか「やよいさんが楽しそうだと私も嬉しいです。ね、なお」
なお「うん、れいか」
キャンディ「キャンディもクル」
あかね「干されるで」
やよい「♪」
数学「よーし、三時間目は数学だー。二時間目の国語の先生が泣きながら職員室に戻っていたが、先生はなにも見ていないぞー」
アカオーニ「数学オニか」
やよい「大丈夫? アカオニさん」
アカオーニ「解き方を教えてもらったし、バッチリオニ!」
数学「あー、すまんが今回は連立方程式じゃない」
アカオーニ「そ、そうオニか?」
数学「今日は二次方程式をやる」
やよい「二次方程式かぁ」
アカオーニ「あれは簡単だったオニ!」
やよい「因数分解得意なの?」
アカオーニ「知らんオニ」
やよい「……うん」
数学「もう最初からやり方を教えよう。昨日みたいにはなりたくない」
あかね「それが普通やねん」
アリャッシャタッ
数学(今日はちゃんとした授業ができたな)スタスタ
やよい「ふああっ、難しかったぁ〜」
アカオーニ「」プシュウウ
あかね「あれらぁ」
みゆき「」プシュウウ
あかね「うん、予想はしてたで」
れいか「数学はここからややこしくなるんですよ」ナデナデ
なお「くーん」
あかね(手なずけとるなぁ)
やよい「もっと難しくなるのかぁ。私も燃え尽きそう……」ハア
れいか「定期テストも近いですし、そんな暇はありませんよ」
あかね「テストの話はしんといてぇ……」ウウ
アカオーニ「ってテストってなにオニ?」
みゆき「一言でいえば地獄ッ!」
あかね「前日も当日も後日も地獄ッ!!」
やよい「まさにそう」
アカオーニ「地獄ぅ? ウワハハハ!! 鬼でいう地獄とは人間でいう天国オニ!!」
なお「人間でいう地獄は鬼でいう天国だよ」
アカオーニ「はっ……!」
やよい「テストなんてなくなればいいのに」
キャンディ「みんなからバッドエナジーを感じるクル」
四時間目 合同体育
体育「今日は二人三脚をやるぞー」
体育「二人組でペアをつくれー。そうか宗本、先生と組もうなー」
あかね「またみゆきとか」
みゆき「これはもはや運命じゃないかな?」チラッ
あかね「はいはい」
れいか「なお、すみません。私が足を引っ張りそうですが……」
なお「そんなことないよ。一人のペースに合わせるなんていや。二人のペースで行こう」
れいか「うん♪」
やよい「身長差ありすぎぃー!!」
アカオーニ「今更オニ」
体育「位置についてー。よーい、ドン!!」
ダダッ
あかね「悪いけど一番はウチらがもらうでー!」ダッ
みゆき「あかねちゃん、ひきずってるひきずってるぅう!」ズザザァ
なお「二人のペースで」ノロノロ
れいか「この赤い紐がほどかないように」ノロノロ
やよい「あたぁっ」ドテッ
アカオーニ「このままでは桃橙チームに負けてしまうオニ」
やよい「ていうかあれ二人三脚じゃないよね。完全に西部劇だよね」
アカオーニ「かくなる上は……!」ダキッ
やよい「へええっ!?」
なお「!」
なお(お姫様だっこだと……私じゃれいかに出来ない至難の技……!)
やよい「いやあああっ!//」
アカオーニ「ウハハハ!! 一番乗りオニー!!」
やよい「お、おろしてええっ!! 恥ずかしいからああっ!!//」ポカポカ
あかね「あんなん二人三脚ちゃうで!」
みゆき「」ズザザァ
体育「もういいやなんでも」
♪お昼休み
あかね「ふー、ハードな体育やったで」
みゆき「まだ耳に砂が……」
あかね「ほんまにすまん」
みゆき「あかねちゃんが砂を舐め取ったら許してあげる」チラチラッ
あかね「それはない」
みゆき「なおちゃんとれいかちゃんはやってるじゃん!!」
なお「れいか、れいかぁ……」ペロペロ
れいか「♪」ナデナデ
あかね「あれは見たらアカン」
やよい「えへへ〜」
やよい(お姫様だっこされちゃったぁ〜)
やよい「えへへ〜」
アカオーニ「おい、黄色が別の世界に行ってしまったオニ」
あかね「やよい、って呼んだら飛び起きると思うで」
アカオーニ「や、やよい!? そんな呼び方できるわけないオニ!」
やよい「や、やよいって呼んだ!?//」ハッ
あかね「ウチがな」
やよい「なんだぁ……」シュン
あかね「露骨に落ち込まれるとくるものがあるで」
やよい「アカオニさん、今日はお弁当持ってきたの?」
アカオーニ「あっ……」
あかね「またかいな」
なお「しょうがないなぁ」カパッ
やよい「あ、ああっ! き、今日は大丈夫だよ!」
なお「?」
やよい「えと、そのぉ……」モジモジ
れいか「……なお、邪魔をしてはいけません。こちらに来なさい」
なお「れいかぁー」ピョンピョン
やよい「えっとね、アカオニさん」
アカオーニ「なんだオニ? 俺様腹が減ってるんだオニ」
やよい「そ、そっか。それなら……これ! お弁当!」
アカオーニ「オニぃ?」
やよい「その……アカオニさんのために、作ったんだけど……」
アカオーニ「俺様のため?」
やよい「い、嫌だった?」ウルウル
アカオーニ「そんなわけないオニ! 嬉しいオニ!」
やよい「え、えへへ……///」
アカオーニ「おお、俺様オニ!」
みゆき「すごーい! キャラ弁!?」
あかね「キャラっていうんか?」
キャンディ「これは時間がかかったはずクルぅ〜」ムシャムシャ
あかね「おい」
やよい「ど、どうかな?」
アカオーニ「ケーキの時と同じくらい嬉しいオニ!」
やよい「ケ、ケーキと同じって……制作時間はお弁当の方が長いのに……」
アカオーニ「愛情はどちらも詰まってるオニ!」ナデナデ
やよい「ああっ……」
やよい(は、初めてこういうのされたかも……)
やよい「っ///」
みゆき「私だけナデナデされてない〜!」
あかね「だーめ」
ゴチソウサマデシター
みゆき「午後の授業も頑張ろうー!」
やよい「おおー!」
アカオーニ「? 妙に張り切ってるオニな」
あかね「五時間目は美術なんやでぇー」
アカオーニ「なるほど」
やよい「あー! 私が美術しか楽しみにしてないとか思ったでしょー!」
アカオーニ「あと家庭科オニ」
やよい「……」プクウッ
あかね(熟知しとんなぁ)
美術「今日は人物を描いてみましょう!」
美術「もちろん、クラスの人を描くのもいいですが、日頃お世話になっている人に向けての感謝の気持ちを絵のプレゼントで表現するのもいいものですよー」
あかね「やよいが得意そやなあ」
みゆき「私あかねちゃん……じゃなくてキャンディ描いてあげるー♪」
キャンディ「クルぅ〜」
みゆき「」チラッ
あかね「うん、んで?」
みゆき「……」ウルウル
あかね「泣くなや」
なお「れいか、何を描こう?」
れいか「私はなおの絵を描こうかと。なおも……」
なお「……。そっか、でも私れいかの絵は描かないよ」
れいか「えっ……? ど、どうして!」
なお「れいかの絵は描かないよ。一人映ってるれいかなんて、耐えられない」
れいか「……なお」
なお「二人合わせた絵を描こう! 私達の愛が伝わる絵を!」
れいか「うん♪」
あかね「エロはアカンで」
アカオーニ「〜♪」カキカキ
やよい「なに描いてるの?」
やよい(もしかして私の絵だったり……)
アカオーニ「ふふふ。これは鬼が桃太郎を倒す紙芝居オニ!」ジャン
やよい(ざ、残念。てか人物画でもないし)
やよい「でもアカオニさんらしいかも」クス
アカオーニ「お前は何を描いてるオニ?」
やよい「わ、私はそのぉ……」
やよい(なんだろう。ケーキとかお弁当の時より恥ずかしいよぉ……)モジモジ
やよい「ま、まだ途中なんだけどね」
アカオーニ「ふむふむ、男の人オニな」ジロジロ
やよい「み、見ないでええっ//」
アカオーニ「線だけで誰か分からんオニ」
やよい「え……あ、えっと、そう! パパを描いたんだよ!」
アカオーニ「パパぁ?」
やよい「う、うん。父の日のプレゼントで……」
アカオーニ「父の日? ああ、もうそんな時期オニかぁ」
アカオーニ「よーし! 俺様もパパンの絵を描くことにするオニー!」
やよい「え、えええええ〜っ!」ガーン
アカオーニ「〜♪」カキカキ
やよい「あ、あぁ……」
やよい(私の絵を描いてほしかったんだけど……)
やよい「まっ、楽しそうだからいっか」ムウ
やよい(……なおちゃんとれいかちゃんみたいに、描きあいっこしたかったなぁ)
アカオーニ「〜♪」カキカキ
やよい(次の授業では!)グッ
やよい「頑張るぞー!」オー
残っていたら今日書きたいけど、落ちてたらまた今度書くクルぅ〜
できる範囲でほす
ヒロポンデコルを使うクルー
Entry ⇒ 2012.05.25 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
れいか「みゆきさんと」なお「あかねが」やよい「喧嘩?」
やよい「うん……私達にも普通に、おはよう、って。挨拶してくれたよ?」
キャンディ「そりは多分、まだあかねが来てないから、クルぅ……」
れいか「いったい、何があったの?キャンディ……あら」
ガラッ
あかね「おっはよーさーん」
やよい「あ、あかねちゃんが入ってきたよ……あ」
みゆき「あっははー、ハンカチ忘れちゃったぁ……」
なお「あ、そこに丁度みゆきちゃんが……」
あかね「……」
みゆき「……」
なお「……あぁー」
やよい「ふ、二人とも……黙っちゃった」
れいか「お互いに、険悪な顔をしているわ……」
キャンディ「クルゥ……」
みゆき「」
やよい「み、みゆきちゃんの『はっぷっぷー顔』以外の不機嫌顔って、初めてみたよぉ……」
なお「うん、だからってスケッチはやめようね、やよいちゃん」
みゆき「日野さん、早く入ってよ。入り口塞がれてたらみんな迷惑だよ?自分のことしか考えない、さすがは関西人でおまんがな」
あかね「」ビキッ
れいか「あ、あかねさんのこめかみに、絵に描いたような怒りの印が」
やよい「煽りが強烈だよぉ、みゆきちゃん」
みゆき「ぷん!」
なお「二人ともそっぽ向いて、自分の席戻っていくね」
みゆき「……着いてこないでよ!」
あかね「自分こそ、うちの前歩かんといてんか!」
なお「いや、席前後でしょあんたたち……ほんと、なんでこんなことになっちゃったの?キャンディ?」
れいか「昨日の、学校までは。あんなことはなかったはず。ということは、放課後に何か……?」
やよい「私達は部活と生徒会で、昨日はみゆきちゃんとあかねちゃん、それにキャンディだけで秘密基地に行ってたんだよ、ね?」
キャンディ「クルゥ……実は……」
あかね『そのロマンをうちに求めんといて……みゆきの絵本も増えよったなぁ、ここ。よ、っと!』
みゆき『えっへへー、まぁね……おぉー!あかねちゃんのコテ返しスペシャルだぁー!すっごいね!あっという間にお好み焼きが二枚ひっくり返ったよ!』
あかね『ふっふふ〜ん、もっと褒めたってー!っと、キャンディは寝てもうたから、とりあえずー二枚でよかったんやよなー?』
みゆき『うん、私が絵本読んであげてたら、眠っちゃったんだよね』
キャンディ『クルゥ……』
あかね『なーんや、子供みたいやなキャンディて』
みゆき『えへへ、そだね。家族から離れて頑張ってるけど、キャンディもまだまだ子供だもん、私がしっかり面倒みなきゃ!』
あかね『ぷっ、みゆきがしっかり面倒、なぁ?おもろい冗談ですことー』
みゆき『なにそれもー、はっぷっぷー!』
あかね『はっはは、すまんすまん。っと、うち先に片付けとくさかい、みゆき食べといてんか。コゲは早うとっといたほうがえぇし』
みゆき『うん、それじゃいっただっきまーす!』
キャンディ『クル、クルゥ……いいにおいが、するクルぅ?』
みゆき『あ、キャンディ起きた?あー、もう少し早く起きてくれればよかったのにー』
キャンディ『クル?あ、みゆきずるいクルぅ!キャンディもお好み焼き食べたいクルー!!!』
みゆき『あー、ちょっと待っててね?今あかねちゃんを……』
キャンディ『あり?なーんだ、キャンディの分もとっててくれたクルゥ?ありがとークルー!はむっ!はふはふっ!』
みゆき『あっ……あー……』
なお「……」
やよい「……」
れいか「……キャンディ?きっと今ならまだ……」
キャンディ「ま、待って欲しいクル、話はまだ続くクル。キャンディが悪いわけじゃ、いや分かってるクル。キャンディも、この後ちゃんと謝るクル、待って欲しいクル!!!!」
キャンディ『クルッ!?』
みゆき『あーいや、私達もキャンディの分を先に作っておけばよかったんだよね、うん。ごめんごめん』
キャンディ『クルぅ……あかねに謝るクル』
みゆき『あっはは、大丈夫大丈夫!ちゃんと謝れば、みんな仲良しハッピーになれるから!あかねちゃんがお好み焼き作る、きらきらしてるとこも見れるしウルトラハッピーだよ!……あ、あっかねちゃーん』
あかね『おっこのーみやーきやーでー♪お、なんやキャンディ起きたん?早かったな眠りの浅さもやっぱり子供みたいや……れ?』
キャンディ『あかねぇ、ごめんなさいクル……』
あかね『あー、そか。食べてもーたか?や、かまへんかまへん。ホットプレートはなおしてもーたけど、すぐに出せるさかいな』
みゆき『そうだよね』
みゆき『お好み焼き“くらい”、また焼いちゃえば……』
あかね『……は?』
みゆき『?なに、あかねちゃん?』
あかね『お好み焼きくらい、て。なんやねん』
みゆき『え?』
あかね『自分、今、うちのお好み焼きを馬鹿にしてゆーたやろ、なぁ』
みゆき『え、あ、そう?そんなつもりじゃ、なかったんだけど……』
あかね『……事情が変わったわ。なんやの、人のお好み焼きとっといて、その態度』
キャンディ『く、クルッ!?ご、ごめんなさいクルあかね!キャンディ、手伝うくr』
あかね『いや、キャンディにゆうたんちゃう。あんたやあんた、みゆき。あんたがちゃーんとキャンディに説明しとけば、こないなならんかったやろが』
みゆき『え?え?わ、私のせいなの!?』
みゆき『え、えぇ!?それがなに!?』
あかね『そっからなーんもキャンディ成長してへんやん!あんたが面倒みてやんとちゃうんかこら!それとも、なんや!?飼い主ににたんかのーえー!?』
みゆき『はっぷっぷー!あかねちゃんおかしいよ!なんでこんなことなんかで、そんなに怒られないといけないのっ!?』
あかね『なんか、てなんや!こちとら人生馬鹿にされとんのや!』
みゆき『だ、だからそんなつもりじゃなかったんだってばー!』
あかね『んなもんで済まされるかい!キャンディが、どこぞの野良みたくなってもーたらどないすんねんアホ!!』
みゆき『あ、アホって言った方がアホだもーん!きゃ、キャンディは私がちゃーんと面倒みてるもん!!!』
あかね『せやから、その結果がこれやーゆうとるんやろが!!!』
やよい「……なんだか、拾った子犬とか子猫のことで揉めるおかーさんと娘、みたいだね」
なお「あたしもそれ思った」
れいか「この流れならば、どちらかが冷静になって謝れそう、ですが?」
キャンディ「ま、まだあるクル……あとキャンディは犬猫じゃないクル」
みゆき『私はキャンディとはとっても仲良しだし、そのことについて責められる筋合いはないよ!?大体、あかねちゃんのそれ八つ当たりでしょ!?お好み焼き食べられちゃったことのっ!』
あかね『っ、そんなんとちゃう!うち、うちはなぁ!』
みゆき『材料はあるんだから、作ればいいじゃん!そうすれば、すぐに……』
あかね『まだゆうかこら!あんた、うちのお好み焼きをなんやと思って……!』
キャンディ『っ!二人とも、喧嘩をやめるクルーーーーー!!』
あかね『キャンディは黙っといてんか!!!!』
ダンッ! グラッ ベチャッ!!
みゆき『あ……あぁああああーーーーーー!!』
キャンディ『く、クル!?』
あかね『し、しもた、ソースが倒れて、もーて……みゆきの、絵本に』
あかね『あー……す、すまn』
みゆき『……あかねちゃんの馬鹿!!!怒ったからって、物に当たらなくたっていいじゃない!!』
あかね『なっ、う、うちかてわざとちゃうわ!な、なんや、そもそもやな、そないなとこで絵本広げとくほうが悪いんやろ!!』
みゆき『絵本は悪くないもん!!!返してよ!私の、私のピータァパァン!!!』
あかね『当たり前や、悪いのは片付けへんかったみゆきやーゆうとるんや!なんや、絵本の一つで子供みたいなこと言いよって!どーせもう何度も読んでんのやろ、えぇ機会やから卒業しー、そないなもん!』
みゆき『あ、あかねちゃんには分かんないよ!私が、私がどれだけこれを大切に、馬鹿、ばかばかばかーーーーー!』
あかね『みゆきかて、うちのことなんも分かってへんやんか、な、なんやねん!なんやねんもーーーー!!』
みゆき『なんやねんてなんやねん!!大体、なんでお好み焼きなの!?私、もんじゃの方が好きなのに!!』
あかね『は、はぁあああああ!?!?あんなゲ■みたいなもんのどこがえぇねや!みゆきこそピーターパンてなんや!あんた将来、どーしよーもない男にひっかかってまうでアダルトチルドレンにやなー!』
みゆき『子供の心いいじゃん!何がいけないの!!』
あかね『なにがなにがてうっさいねん!このさいやからゆわしてもらうけどなぁ!みゆきはなぁ!!』
みゆき『それを言ったら、あかねちゃんだって!!!!』
キャンディ『く、クル、クルぅ。みゆき、あかねぇ……』
キャンディ『……はい』
キャンディ「……今に至る、クル」
なお「あー……お互いが、お互いにうっかり相手の大事なものを」
やよい「うーん……どっちの言い分もすこーしは、分かるけど。ちょっと意地張りすぎ?」
れいか「ですが、簡単にはいかなそうですね」
みゆき「つーん!」
あかね「ふんっ!」
れいか「そうね。もうすぐ授業が始まるから、今すぐにとはいかないけれど」
やよい「うん。でも、二人とも単純だから、時間がたったら元通り、だったりして?」
なお「言うね、やよいちゃん……そうなってくれれば、ありがたいけどね」
キャンディ「みんなごめんクル。キャンディが……キャンディは駄目な妖精クル」
れいか「……よく頑張ったわね、キャンディ?きっとあなたがいなければ、二人はもっといがみあってたかもしれないわ?」
キャンディ「……そう、クル?」
なお「うん。さ、ここからはみんなで仲直りのために頑張ろう?ね?」
やよい「波乱の喧嘩回も、みんなで乗り越えれば怖くないんだよ!」
キャンディ「クルッ!」
鬼「うむむむむぅ」
狼「ウ〜ルルル〜、俺様ウルフルン〜♪……あぁん?アカオーニ、どうした珍しく難しい顔しやがって」
鬼「ちょっと勉強中オニ、邪魔するなオニー」
狼「てめぇが、勉強?はっ、こりゃぁ明日は酸性雨だな……ってぇと、あれか?こないだクソジョーカーがでしゃばって渡してきた、あの分厚い紙の束でも眺めて……?」
『泣いた赤鬼』
狼「」
鬼「……俺様が悪になった原点を思い出して、すこ、少しでも力を……」
狼「もうやめろ!てめぇ自身がバッドエナジーに囚われかねねぇだろうが!!!」
狼「だから、凹んでんじゃねぇよ、ったぁく……どっかで元気にしてんだろ。聞いた話じゃ善人、いや善鬼か?らしいから、ひょーっとしたらのたれ死んでっかもだけど、なぁ」
鬼「どっちオニ!?」
狼「知るかってーの。ほら、これやるよ。ババア風に言えば『プレゼント・フォー・ユー』だ」
鬼「赤っ鼻、オニ?でも俺様は、こないだの出撃で手持ちは……」
狼「やるっつってんだろ。それで一暴れして、スッキリしてきやがれ馬鹿が。てめぇがしょぼくれてちゃ、張り合いがねーんだよ
鬼「……オニ!そうするオニ!ウルフルンは羽鳥の次に良い奴オニー!」
狼「悪い奴に決まってんだろ黙れバーカ!」
ジョーカー「おぉーぉぅ、うーるっふるんさぁ〜ん!っふふぅん、ツンデレとは世のトレンドを分かってらっしゃぁる〜!」
狼「キモいからやめろクソジョーカーが」
佐々木先生「それじゃ、始めます。教科書は……」
あかね「……あ、しもうた。あれ入れたから、うっかり……せ、せんせ!すんませーん!日野ちゃん教科書忘れてしまいましたーぁ!」
佐々木「……せめて真面目にあやまりなさーい!もう」
アハハハハハハハハハハ!
あかね「は、ははー、かなわんわーせんせには……」
みゆき「……ぷっ」
あかね「……なんや。うちが忘れものしたんが、おもろいんか」
みゆき「べっつにー、何も言ってないもーん。はっぷっぷーだ」
あかね「……ふんっ!」
みゆき「ぷんっ!」
れいか「……(思っていた以上に、溝はふかそう、ですね)」
やよい「……(『あかねちゃんの気持ちが少し変われば……ね?結び合う……』よし、これでいこう。磁石探しておかなきゃ!)」
れいか「えぇ……どうやらお互いの一挙動が、全て自分を貶めるものだ、と、思うようになっているみたい」
やよい「あ、そんなことになってたんだ」
みゆき「……」ゴソゴソ
キャンディ「クル?みゆき、そりなにクル?」
みゆき「あ、うん。えっとね……あ。あの、ひnちが、あかねt」
「あかねー、ちょっと今日の練習のことでさー」
あかね「んー、すぐ行くわー!」
みゆき「あ……」
あかね「……なんや、星空さん早弁でっかー?二時間目も始まってへんのに腹ペコハッピー、こら傑作や」
みゆき「ち、ちがうもん!早く行きなよ、エース“候補”さん」
あかね「……ふん!」
みゆき「ぷん!」
なお「……一々とげがあるね、二人とも」
れいか「まずはみゆきさんから、説得しましょうか」
みゆき「あ、れいかちゃん、みんな……えーっと、キャンディが話したの?」
キャンディ「クルぅ……ごめんなさいクル」
みゆき「あ、ううん!あのね、私も困ってて。私今まであんまり、お友達と喧嘩、って……したこと、ないから。はは」
やよい「みゆきちゃんも、仲直りしたい、って思ってるんだ!よかった」
なお「じゃぁ、話は簡単だよ。一緒に謝りにいこう?ね?」
みゆき「で、でも……あかねちゃんが先に、怒り出したんだよ?私から謝ること、なのかなぁ?」
れいか「……それは」
なお「みゆきちゃんは、あかねに謝ってほしい?」
みゆき「……うん」
なお「じゃ、もっと簡単だね。あかねに『私は悪くないから、謝ってください』って。言いにいこっか」
なお「……言えないってことは、みゆきちゃんはもう分かってるんだよね?」
みゆき「……ごめん。ごめんね。私も悪い、私の方が、悪いって。分かってる、うん。だけど、あかねちゃんに……あかねちゃん、きっと怒ってて。許して、くれないよ」
やよい「……大丈夫だよ、みゆきちゃん。あかねちゃんが、本当にみゆきちゃんのことを嫌いになるはずなんて、ないもん!」
れいか「そうですよ。あかねさんも、意地になっているだけです。まずはみゆきさんの方から、歩み寄りましょう?ね?」
みゆき「でも、で、も……」
キャンディ「みゆきっ!みゆきは、昨日。あかねのお好み焼きを食べたキャンディに、言ってくれたクル」
みゆき「え……?」
キャンディ「ちゃんと謝れば、みんな仲良しハッピーになれるクル!……そうクル?」
なお「あー、ごめんね、答えを迫っちゃって。ほら、まだ一日は長いしさっ。もう少し考えてからにしようか?」
みゆき「……うん。ありがとう、ありがとうみんな、ごめんね?」
れいか「いいえ、気になさらないで。辛いのはみゆきさんなのですから」
やよい「みゆきちゃん、スマイル、スマイル!ねっ!?」
みゆき「……うんっ。ぐすっ」
キャンディ「……みゆきぃ」
みゆき「ぐすっ。キャンディも、ありがと。でもちょっと、ぐすっ。一人にして?」
れいか「そう思う?小さい弟妹たちの喧嘩を日夜仲裁し続けて早十四年の、喧嘩師のなお?」
なお「れいか、それ喧嘩する人みたいになってるから。うん、みゆきちゃんってほら、けっこう気にしだすと、とことん落ち込むタイプじゃない?」
やよい「うん。ふっきれると、すっごくまっすぐなんだけどね」
キャンディ「クルぅ……」
なお「あかねにこれ以上嫌われたくない、っていうのが邪魔して、謝ることが出来なくなっちゃってるよ」
れいか「……あのままでは、何も進展しないわ。それどころか、かえって悪化してしまうのに」
なお「そこが、本人としてももどかしいとこなんだ、きっと。でも、なんだか自分で打開策を見つけてる気がするけどね、みゆきちゃんは」
やよい「?そうなの?」
なお「うん。それじゃ、あかねのとこ行こうか」
キャンディ「クル!今度こそキャンディ、役に立つクル!」
あかね「……あ、すまんすまん。なーんや春の陽気に誘われてもーて、あっはははー!」
「もー、しっかりしてよねー」
「あ、あれじゃないあかね?ひょっとして、星空さんがうつった?」
あかね「……は?」
「ほらー、最近星空さんと仲いいじゃん、あかねって」
「あの子のハッピーがうつったんじゃなーい、って!ははは!」
あかね「……全っ然、おもろないな、自分」
「は、は……え?」
あかね「それ、うちにゆうのはどういうつもりなん?みゆきがなに?馬鹿にしとんの?」
「え、あ、いやほら、あかねさっき、星空さんとなんか険悪だったし……」
あかね「それで、あんたがみゆきを馬鹿にしていい道理になるんかこら。あんまいちびってんとちゃうぞこの……」
なお「あーかねっ。どうどう」
あかね「んなっ、なんやなお!離しーこの、っちょやめ、制服伸びるやろがー!」
「あ、青木副会長……えぇ、もう終わったわ」
やよい「えっとね、あかねちゃんはちょっと機嫌が悪いだけだから、あんまりさっきの……」
「あー、うん。私もちょっと言い過ぎたよ」
あかね「そ、れ、を!うちにゆうな!みゆきに……!」
なお「はいはい、あかねこそあかねが言うな。さー、こっちこっちー」
あかね「だから離せっちゅーのに!わこうたから、もう暴れへんて!!」
あかね「……あれは、陰口叩いとるのが腹たっただけや。みんなかて同じことゆうやろ、きっと」
れいか「えぇ。私達は仲間ですから。それで、あかねさん?仲間なら、私達のいいたいことも分かっていただけます、よね?」
あかね「……なんや、みゆきが泣きついてきたんか。けったいやなぁ」
キャンディ「キャンディが、みんなに話したクル……あかね、ごめんなさいクル。みゆきを許して……」
あかね「何度もゆーとるやろ、キャンディがどうこう、っちゅー話やあれへん。みゆき自身の問題や、これは」
なお「あかねも、でしょ。意地はっちゃってさ」
あかね「意地ちゃうし、うちのは正当切れや」
なお「それが意地なんだってば。もー、みゆきちゃんに言ったのと同じこと言わせたいの?」
あかね「なんやもう、さっきからみゆきみゆきて……あんたら他に友達おらんの?」
いいよね
やよい「……」
なお「……」
キャンディ「……」
あかね「あ、ちゃうな。うちらの他に友達おらへんのは、みゆきの……方で……」
なお「あかね」
あかね「……」
なお「本気で言ってるなら、あたしはあかねを迷わずぶん殴る」
あかね「……ごめん。うち、最低や。さっきあの子に怒ったこと、ゆえへんやん……アホか、うち」
れいか「……あかねさん。仲直り、しましょう?今のあかねさんは、無理して、とても無理して怒っているようにみえて。とても、辛そうです」
あかね「……」
やよい「あかねちゃん、あかねちゃんがちょっと勇気を出してあげれば、きっとみゆきちゃんは……」
あかね「……うちな」
あかね「みゆきがお好み焼き食べるとこ見るの、好っきゃねん」
あかね「ほんま美味しそうに食べよるし。せやのに、みゆきにあないなゆわれてもーて」
れいか「……」
あかね「したら、なんや自分でもわけわからへんくらい、頭に血ぃが、な……」
やよい「……」
あかね「つまらん意地や、わかってんねん。でも、うちもみゆきの、大事なもん……もう、どの面下げて……あやまればえぇねん、なぁ!」
れいか「それでは、このまま拒絶し続けるのですか?」
あかね「わかっとる、わかっとるんや、うちがアホで間違うてることくらい!でも、でも……」
キャンディ「あかねぇ。みゆき、キャンディに言ってたクルぅ」
あかね「……なんや」
キャンディ「みゆきも、あかねのお好み焼きが。あかねがお好み焼きを作るのを、見るのが好き、って。きらきらしてて、ウルトラハッピー、って。言ってたクルぅ」
キャンディ「仲直り、してほしいクルぅ。キャンディ、キャンディは……」
やよい「……もういいよ、キャンディ。頑張ったね。はい、ハンカチ」
れいか「……あかねさん。お昼休みに、待ってます。いつもの場所で」
なお「みゆきちゃんと一緒にね。あかね……ちょっと頭冷やしてから、おいでよ。ね?」
あかね「……おーきに、や、おーきにちゃうわ……大きな世話や、自分ら」
なお「ほんっと、手がかかって困るよ」
れいか「あとは、お二人自身で考えてもらうほかありません。……それで、駄目なら」
なお「緑川家伝統の、二人っきりで真っ暗な納屋に一日中閉じ込める、といこう、うん」
やよい「す、すっごく効果がありそうなのがいやだね……よーし、私、二人が絶対仲直りできるように、漫画を描いちゃおっ!」
れいか「漫画、ですか?」
やよい「うん!可愛いイラストで、二人が仲直りしてる場面を!」
なお「よく分からないけど、二人がそれで和むならいいよね。お願いできる?」
やよい「任せて!えーっと『喧嘩は〜〜〜〜』っと……」
あかね「……」
みゆき「……」
やよい「……け、険悪ムードからお通夜に変わっている……」
なお「来てくれただけよしとしようか……えー、オホン。二人とも?」
れいか「お二人とも、何かお互いに言いたいことがあるのでは、ないですか?」
あかね「……うちは……べ、別に。星空さんのーが、なーんかあるんとちゃうのー?」
なお「……ひっぱたいてやろうかこいつ」
やよい「な、なおちゃんどうどう、抑えて抑えて」
みゆき「わ、私は……ない、もん。日野さん、には……なんにも」
なお「……じゃあなんで二人ともここ来たのさ、筋が通ってないよ、筋が!!」
れいか「……なお、落ち着いて。お二人とも、お弁当のほかに鞄まで持ってきたのには、何か理由がおありですか?」
あかね「……」
みゆき「……」
なお「あ、突然の突風でやよいちゃんの描いた漫画が空へ!?」
れいか「なんという悲劇でしょう」
やよい「わ、私の絵ってなんだか毎度こんな扱いな気がするよぉー!?」
あかね「……」
みゆき「……」
やよい「そ、そしてこの空気。どう、どうすれ、ば……」
鬼「良い子はいねーがー!俺様が食っちまうオnうぉ!?なにオニこの紙は!?なんだか前もこんな目にあった気がするオニー!」
鬼「……真ん中に涙目のピースと、そっぽ向いてるピンクいのと橙の、オニ?」
鬼「それで、ピースが……喧嘩は駄目だよぴかぴかりん☆……って、言ってるオニ?」
鬼「……」
鬼「……喧嘩、オニ?」
あかね「!?」
みゆき「!?」
れいか「なお、まだ早いです。最終手段はまだ早いですから」
キャンディ「みゆきぃ、あかねぇ。二人とも、どっちも大好きなはずクルぅ。お願いクルぅ」
やよい「みゆきちゃん、あかねちゃん……け、喧嘩はだめだy……だ、駄目だ、この空気ではさすがにあれは、言えない、うん」
あかね「……なんや、外野がわーわー、ゆうとるけど。みゆ……星空さん」
みゆき「……なに、あか……日野さん」
あかね「うちは、謝る気はあらへん。それだけ、言いに来た」
みゆき「っ。そ、そっか。うん、それじゃ、私だって。お、同じだよ、はっぷ、っぷー」
あかね「……せやけどな、せやけど。これだけはあんたに……」
鬼「世界よ!最悪の結末!!バッドエンドに染まるオニ!」
れいか「この声は……!」
鬼「白紙の未来を、黒く塗りつぶすオニー!」
やよい「お、お空が暗く……お、鬼さんだー!?」
鬼「人間どもの発したバッドエナジーが、悪の皇帝ピエーロ様をよみがえらせていくオニー!お、プリキュアいたオニー?」
あかね「……いたオニー、やあれへんやろ。ここはうちらのがっこや、なに晒す気やあんたらは何度も何度も」
みゆき「……学校の、人たちが」
「一生昼休みがいい……」「部活なんてしたくない」
「午後一の体育は吐ける……」
キャンディ「み、みんな!とにかく変身クルー!」
あかね「やよい、ちょっと」
やよい「よ、よーし……え?な、なに?あかねちゃん」
あかね「ちょっと、立ち位置変わってんか。やりづらい」
やよい「えっ、っちょな、お約束は崩しちゃだめだよ!?そんな、あ、あかねちゃーーん!?!?」
プリキュア!スマイルチャージ!
ピース「あ、えっと!ピカピカぴかりん☆じゃん、けん、ぽん!キュアピース!」
サニー「……太陽サンサン、熱血パワゥァ!キュアサニェー!」
マーチ「勇気凛々、直球勝負!キュアマーチッッ!」
ビューティ「深々と降り積もる、清き心。キュアビューティ!」
五つの光りが導く未来
輝け!スマイル?プリキュア!
サニー「……ハップィーやて(笑)」
ハッピー「……人のこと言えないよね、サニェーさん(爆)」
マーチ「ちょっとサニー、ハッピー!何やってんのこんなときに!」
鬼「……ふんっ、これはピースの嘘じゃなかったオニね……アカンベェ!!こいオニー!!」
やよいの漫画「」ギュワンッ!
アカンベェ「アカーーーンベェーーーー!」
ビューティ「あれは……白黒の大きいハッピーに、赤っ鼻が!?」
サニー「えぇから集中しー、大差あれへんし」
ハッピー「……もう!なんなのサニー!大体、サニーは!!」
サニー「なんや、文句なら後にしーや!今は……!」
マーチ「後にするのは二人ともだよ!何やってるのさっきから!!!」
ビューティ「お二人とも、先程まではまだ許されます。ですが、気持ちは切り替えていただかないと……」
ピース「そ、そうだよハッピー!サニー!みんなで協力、しないと……!」
キャンディ「クルッ!?ピース、マーチ、ビューティ!背中を見せちゃ駄目クルゥウウ!!」
アカンベェ「アーーーッカァーーーン!!!!」
マーチ「っ!な、なにこれ!へんなので拘束、もう!!」
ピース「ふぁぁ!?ね、練りけしで動きが、できなく!?」
ビューティ「くっ!油断、しました!」
ハッピー「あ、み、みんなぁ!だいじょうぶ……」
鬼「ピンクいのを、掴み挙げるオニ!アカンベェ!!」
ハッピー「え、わ、わぁああーー!?」
サニー「あんま、調子こいとるんとちゃうぞこら!まだ、うちがおるやろ!」
鬼「そうオニ、お前さんだけ残って、ピースと緑のと青いのは拘束。それで、ピンクいのはアカンベェに締め付けられてるオニー」
ハッピー「っく、ぁ、ぁあ!」
サニー「!ハッピー、い、今……」
鬼「助けるオニ?喧嘩している相手を?」
鬼「どうでもいいオニ。お前は喧嘩しているこのピンクいのを、本心から助けたいオニ?怒って、腹が立って、大っ嫌いで!!いなくなればいいって思ったはずオニ?それでも助けるオニ?」
サニー「……」
鬼「バッドエナジーの高まってるこの場所でくらい、素直になっちまえばいいオニ!絆なんて、友情なんて脆いものオニ!たった一度の喧嘩で台無しに、そんなもんなんだオニ!!お前も分かるはず、今のお前の!!心なら!!!」
サニー「……うちの、心」
ハッピー「さ、にぃ……」
マーチ「サニー!サニー!!」
ビューティ「はや、く、ハッピーを!」
ピース「サニー、お願い……!」
サニー「……せやな」
鬼「そうオニ。お前は憎んだハッピーを、見捨てれば。それで……」
サニー「あんまアホぬかしなや、このどアホがぁああああああ!!!!!!!!!!!!」
アカンベェ「あ、アカァアアアン!?!?!?」
ハッピー「わぁ!?あ、あれ、私は熱くないや」
サニー「ハッピーいまや、飛び降り!!!」
ハッピー「う、うん!っ、っとと……サニー、その」
サニー「後や!ドたまにきたで、この赤ら顔!!いてこましたらぁ!!」
鬼「……何故オニ?俺様は、人間の負の感情もよく分かるオニ。さっきのお前さんは、揺らいでこそいたけど本心からそこのピンクのに怒ってたはずオニ。なんで、助けてやるオニ!」
サニー「あぁ、なんや、喧嘩で絆がどーたら、か?だからアホぬかすなゆーとるんや……」
サニー「うちらの、友情が!!たった一度の喧嘩で壊れてまうわけ、ないやろが!!!」
サニー「あぁ、そや!うちは意地はって!!ハッピーにひどいことばっかゆうとった!!」
アカンベェ「あ、アカァン、アッカァンッ!!」
サニー「っ!!!けどなぁ!!本当は、本当は!!腹たってたんは、ハッピーにちゃう!!!あないなことしかゆえん、アホな自分が!!なにより……っだぁああっらぁあああ!!」
アカンベェ「あ、ッカンッ!?」
サニー「なによりむかついて、こんな自分はもう、ハッピーに、って……!!!」
サニー「見捨てるやと!?!?嫌うやと!?!?アホぬかすなアホ!!!!嫌いな相手にここまで考えるかい!!!!!いらんツッコミさすなやっ!!!!」
サニー「喧嘩、しとっても!うち、うちは!!!ハッピーが!!!!!」
アカンベェ「アァァ……ッカーーーーーン!!!」
サニー「っ、し、しもt」
ハッピー「ったぁああああああああっっ!!!!」
アカンベェ「!?!?あっかーーーんっっ」
サニー「は、ハッピー……助けてくれたんか」
鬼「オニ!おかしいオニ!お前も、お前も!!喧嘩してたくせに!どうしてオニー!」
ハッピー「そんなの、決まってる……私も、サニーと同じ気持ちだったからに、決まってる!!」
ハッピー「他の人なら、あんなに怒らないもん!悲しくならないもん!!!」
ハッピー「喧嘩になるのは、仲が悪いからってだけじゃないの!!!仲が良いから、喧嘩になることだってあるんだもん!あなたには分からないかもしれないけど、私は!!!」
ハッピー「私は、サニーが、あかねちゃんが大好きだから!!!」
ハッピー「だから、喧嘩なんかで……私達は、ばらばらになんてならない!!!!」
ハッピー「この喧嘩は……ウルトラハッピーエンドのための、たったの一幕なんだから!!!!」
ハッピー「私とあかねちゃんは、もっともっとこれから!!!!ハッピーなことが待ってるに、決まってるんだからぁ!!!」
ハッピー「うん!はっ、たぁああ!!!!」
アカンベェ「アッカ、アカァンッッッ!?!?!?」
鬼「ぐっ、な、なんであんなに息の合った動き、認めんオニ、俺様は、俺様は認めないオニ!!!」
サニー「いくで、みゆき!!!巧く上げぇやー!!」
ハッピー「うん!あかねちゃん!!!」
マーチ「……なんだか二人で盛り上がって、二人で解決しちゃったね、はぁーぁ」
ビューティ「ふふっ、よかったじゃない。より一層、深い絆になったみたいだし」
ピース「あれは……合体必殺技!?っひゅー!二人ともわかってるぅー!!」
サニー「サニィーーー……」
ハッピー「ハップィー、シャワーーーァ!」
サニー「ファイヤーーーーーーーーッ!!!!」
鬼「!?!?橙のが出した炎の球をピンクいのが技で打ち上げて、上乗せされたでかい球を橙のが打ちこんだオニ!?そんな、そんなもんをなんで一発でできちまうオニーーーー!!!」
サニー「んなもん、きまっとるやろ!」
ハッピー「友情パワゥァ!だよね!!」
アカンベェ「アカァァン べエエエェェェェ……」
鬼「……ふん!知らんオニ、そんなくだらないもの!!!」シュンッ
キャンディ「空が元に戻ったクルぅ。デコルも手に入ったし、みゆきとあかねも元通り、クル?」
あかね「……せやな。や、もうちーっと、残っとるか」
なお「はぁ、やっとこれで……え?なに?」
みゆき「……そうだね。私、まだ。あかねちゃんに、謝れないよ」
やよい「一件落着……えぇ!?」
れいか「やよいさん、なお?答えは、お二人の鞄にあるみたいよ?」
あかね「……れいかには叶わへんわ、ほんま。……あ、あんな、みゆき。あの、渡したいもの、あるねん」
みゆき「……私も。あの、先に!先に渡させて!?元はと言えば、私が……えっと、こ、これ……」
やよい「?あれ、どうしてもう一つお弁当箱持ってきてるの?みゆきちゃん?」
なお「……あ、それ中身、まさか……」
あかね「……」
パカッ
みゆき「え、えへへ。下手っくそだけど……お好み焼き。作ってみたんだ」
みゆき「……全然、上手くいかなかったよ。あかねちゃんみたいには」
みゆき「……だよね。あかねちゃんが、これまでいーっぱい頑張ってきたこと、とか。私、私……あの、ごめんなs」
あかね「……」
パクッ
みゆき「あ……」
あかね「……中まで火ぃ、通ってへん。具材もてんでバラバラや。こんなもん店で出したら、一日でつぶれてまうで」
みゆき「……」
あかね「……でも、なんでやろな。こんな美味いお好み焼き、うち、初めて食べたわ。みゆき、あんたが言いかけたこと。うちがこれゆうてからにしてくれへん?」
あかね「おーきに、みゆき」
みゆき「うんっ、うん!!」
みゆき「?アルバム、かな?開けていい?」
あかね「……笑うんちゃうで、や、笑らかすのは関西人の本望やけど、ほんまもう……」
みゆき「あ……」
あかね「う、うち、やよいみたく絵ぇ上手ないし!れいかみたく字も上手く書けへんし!なおみたく器用でもあらへんから、なんや、けったいなもんなってもーた、けど!」
みゆき「……あかねちゃん、手づくりの。絵本?」
あかね「……オコノミマンの冒険や。わ、笑いー、存分に笑いやもう、こうなったら」
あかね「あー、そぉやぁ?食べごろ出来立てはユラユラ揺れよるから、あんま上手く飛べへんねん」
みゆき「……ふふっ」
あかね「それ、描こ思うてな。図書館行って、なんや、ごっつ久々に絵本コーナーなんか行ったわ。は、恥ずかしかったでもー」
みゆき「楽しかった?」
あかね「恥ずかしかったゆーとるやろ!で、でもな……なんや、こういうのも悪くないな、思えたわ」
みゆき「あんまり、活かされてないけどね、ふふっ」
あかね「う、うっさいわ!どーせ下手くそやわるいか!」
みゆき「うん、お話もコロコロ変わるし、1ページごとに主役の見た目が様変わりしてる、けど」
みゆき「私、こんなにあったかくて。すごく、すごくいい絵本。初めて、読んだよ?あかねちゃん?ずっとずっと、大事にするね」
みゆき「ありがとう、あかねちゃん!」
あかね「……うん」
みゆき・あかね「「ごめんなさい!!!」」
なお「敵に塩を送る、あんたの行動も大概だと思うよ?」
鬼「オニっ!?!?な、なんで俺様がまだここにいるって分かったオニー!?か、完璧に隠れていたはずオニー!?」
キャンディ「クっクっクルぅ。こういう時にキャンディが役に立つクルぅ〜」
れいか「そうでなくとも、虎柄のお下着がはみ出ていましたけどね?」
やよい「ふふふっ。鬼さん、なんでかは知らないけど。二人が喧嘩をやめるように、協力してくれたんだよね?」
鬼「ピースたnゴホン!!!な、なんのことか知らんオニ!俺様はそんなもん、興味ないオニ!……ただ」
鬼「……悪の俺様にだって、仲間がいなくなるとどれだけ大変かくらい、わかるオニ。お前さん達には強くあってもらわないと張り合いがない!それだけオニ!ふん!!」
なお「あ、っそ。はははっ。あんたいい奴だね?」
鬼「ふざけんじゃないオニ!俺様は悪い奴オニっ!!〜〜〜っ!帰るオニー!次会う時は、絶対絶対コテンパンの泣いたプリキュアにしてやるオニーーー!!」
やよい「あ、走って行っちゃった……鬼さーん!ありがとーっ!ぴかぴかぴかりん☆」
鬼「じゃんけんぽn言わすなオニーーーーーーーーー!!!!」
20話当たりでやってもおかしくないぞ
みゆき「えー、そう?私は、へへへぇ、嬉しかったよ?あっかねちゃーん!」
あかね「抱きつきなやっ!がっこのど真ん中でなにさらすんじゃーい!」
キャンディ「仲良しこよし、クルぅ」
なお「そうだね……はぁー、長かったー。もう、これっきりにしてよねー二人とも」
れいか「ふふっ、そうね。出来ればご遠慮願いたいわ」
やよい「……私は、二人のあんまり見られない表情がすこーしだけ、楽しかったりしたなぁ。ふふふっ」
みゆき「えっへへぇ、私のもおまけだよやーよいちゃーん!」
やよい「ふわっ!?え、っちょ、そんな待って、そのくすぐる手はやめ、やめてぇーー!乱暴しないでぇー!わーん!」
なお「ははは、まったくもう。でも私達らしいね、喧嘩してもすぐにスマイル、って」
れいか「えぇ、とても。キャンディ?あなたたちの国は、もっともっと素晴らしいのかしら」
キャンディ「クルぅ。でも、みんなも全然負けてないクル〜!」
みゆき「……えへへ!」
みゆき「みんな笑顔で、ウルトラハッピー!」
完
あかね「や、やよいすまん、まさかこけよるとは……」
やよい「ぴーーーっ!あかねちゃんの、あかねちゃんのオコノミマーン!!!!!」
今度こそ、完
日野ちゃんが途中りんちゃんさんと被ってしゃーなかったのはナイショやで!
じゃあの!
ABC朝日放送 日曜朝八時半
スマイルプリキュア!
大好評放送中!
関連グッズも続々発売中!!
おもしろかった
乙
Entry ⇒ 2012.05.21 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (3) | Trackbacks (0)
れいか「はぁ…」なお「どうかしたの?」
なお「歯でも痛いの?」
れいか「…実はこの前みゆきさんの成績が落ちてて…」
れいか「悪いと思いながらも中を見てしまったの…そしたら」
なお「そしたら?」
れいか「思った以上に酷かったの」
なお「えっ?」
れいか「まさかここまでとは…」
なお「そんなに酷いの?」
れいか「5教科で何とか200点を越えるくらいです」
なお「…平均40点か」
れいか「絵本が好きだから国語くらいは点数高いと思ってたのに…」
なお「何点だったの?」
れいか「56点。それが今回のテストで一番良い点数よ」
れいか「ずっと『hapey』って書いてるの」
なお「…何でそれでハッピーって読むと思ったんだろうね」
れいか「小文字のbとdも書き間違えてるし」
なお「へっ?調べるってどうやって?」
れいか「本棚からあかねさんややよいさんの部屋に行ってバレないように成績表を見てきたの」
れいか「……どっちも酷い点数だったわ」
なお「あったね。確か与謝野晶子だっけ?」
れいか「あかねさんはその問題に『ちょっと痩せたうちのおかん』って書いてたわ」
なお「た、確かに似てなくもないかもね…」
れいか「何故か△貰ってたわ」
なお「うん。私はよく知らないからあんまり書けなかったよ」
れいか「やよいさんは…」
れいか「やよいさんは『伊達政宗は奥州筆頭で派手な人です。口癖はレッツ!パーリィー!!です。』って」
なお「…何それ?」
れいか「そんなの私が知るはずないでしょ!」
れいか「他にもあるわ。英語で『I like music』を訳しなさいって問題があったでしょ」
なお「あったね。そんなサービス問題」
れいか「それをあの3人は揃いも揃って『私はリケと音楽を聴きます』って…」
れいか「リケって誰よ!」
なお「ひっ!」ビクゥ
フレッシュ?
ダントツでハートキャッチだな
約1名はよく分からんが
えりか「ほらぁ、言われちゃってるよつぼみぃ」
つぼみ「え」
なお「は、はい!」
れいか「私達はプリキュアである前に学生です」
なお「そ、そうですね…」
れいか「ならば学生の本分である学業を疎かにしてはいけません!」
なお「お、仰る通りです」
なお「な、何を?」
れいか「次のテストが終わるまでプリキュアになる事を禁止します!」
なお「えぇ!そんな無茶苦茶な!」
れいか「みゆきさん達もここを卒業して高校、大学に進学し就職します。ですがこのままでは高校にすら進学できませ。だから私は心を鬼にしてみゆきさん達に勉強を教えます!」
なお「言いたいことは分かるけどその間にあいつらが攻めてきたらどうするのさ」
れいか「お黙りなさい!」
なお「はい!」
みゆき「ねぇねぇ!今日は何して遊ぶ!」
あかね「せやなー、みんなでお好み焼きでもつくろか?」
やよい「えー。それならホットケーキがいい!」
みゆき「じゃあ両方作ろうよ!両方作ればウルトラハッピー!」
れいか「すみません。みなさんちょっとよろしいでしょうか?」
れいか「キャンディ。しばらくプリキュアを辞めたいのですが」
キャンディ「クル?」
キャンディ「えー!!」
みゆき「どどどどうしちゃったのれいかちゃん!」
れいか「あなた達もです!」
れいか「みなさんこの間のテストの結果はいかがでしたか?」
みゆき「え、えーとどうだったかなぁ…忘れちゃったアハハハ」
れいか「あかねさんややよいさんはいかがですか?満足のいく結果でしたか?」
あかね「えーと、まぁボチボチやなアハハハ」
やよい「う、うん!」
れいか「ならばこの場で5教科の合計点数を言えますよね?」
あかね「うっ!」
やよい「そうだよ!プライバシーの侵害だよ!」
れいか「お黙りなさい!」
れいか「副会長としていえ、友達としてみなさんのテストをバッドエンドにはさせません!」
やよい「なおちゃん何とかしてよー!」
なお「こうなったらもう止まらないよ」
キャンディ「そうクル!キャンディは反対クル!」
れいか「それに関しては考えがあります」
あかね「ほんまに大丈夫なんか?」
れいか「ぬかりありません。なのでキャンディも協力して下さいね」
キャンディ「キャッ、キャンディは!」
れいか「協力して下さいね」
キャンディ「はいクル」
れいか「分からない所があったら聞いてくださいね」
みゆき「あの…れいかちゃん」
れいか「何ですか?」
みゆき「今回のテスト範囲をやるのはいいんだけど…」
れいか「はい?」
みゆき「それって今までの内容を理解できてなくても大丈夫なの?」
れいか「!?」
あかね「いま失礼なこと考えてるやろ」
れいか(ならば中学一年のおさらいからした方が良いのかしら)
れいか(いや待って!去年のおさらいからで本当に大丈夫なの?小学校の内容を理解してるって保証はないのよ!)
やよい「絶対に失礼なこと考えてるよねー」
れいか(よしっ!まずはひらがなの書き方から教えましょう!)
みゆき「なに考えてるか分からないけどそこまでバカじゃないよ」
れいか「これが『あ』です」
あかね「これツッコンだ方がええの?」
やよい「もー。れいかちゃんバカにしすぎー」
なお「緊張しすぎだよれいか。とりあえず去年のおさらいからしよう」
れいか「え!そ、そうよね!私ったら」
キャンディ(『あ』クル!覚えたクル!)
キャンディがかわいいとはじめて思った
れいか「この方は与謝野晶子といいます。代表作にみだれ髪などがあります」
れいか「決してあかねさんのお母様ではありません」
やよい「あー、確かに似てるかも」
みゆき「うんうん!確かに似てる!」
あかね「ア、アハハ、確かにもう少し太らせたらうちのおかんに似てるわな」
あかね(なんで前のテストのことれいかが知っとんねん!)
あかね(ぐ、偶然だよね)
キャンディ(あかねのお母さんにそっくりクル)
れいか「ちなみに口癖がレッツパーリィーだったかどうかは分かりません」
あかね「れいかのやつ何言ってるん?」
みゆき「さぁ?」
やよい「ほ、本当にね!おかしなれいかちゃん!」
やよい(な、何でれいかちゃんがその事知ってるの?)
キャンディ(伊達レッツパーリィー政宗クルー)
れいか「…来ましたか。それではみなさんちょっと出てきますので自習してて下さい」
みゆき「だ、大丈夫なのれいかちゃん」
れいか「大丈夫です。なので安心して勉強していて下さい」
れいか「あとやよいさん。ノートに絵を描かないで下さいね」
やよい「か、描かないよ!」
やよい(何でバレてるんだろ)
れいか「それでは行きますよなお!」
なお「うん!」
ビューティ「お待ちなさい!」
マジョリーナ「ん?来たねプリキュア」
マーチ「行くよビューティー!」
ビューティ「待ってマーチ!」
ビューティ「聞いてください!今日はお話しがあって来たんです!」
マジョリーナ「お話しぃ?」
ビューティ「なのでウルフルンとアカオーニも連れてきていただけませんか?」
マジョリーナ「嫌だわさ!今日は私の番だわさ!」
ビューティ「そうですか。それは残念です。美味しいお茶を用意していたのですが」
マジョリーナ「今呼んでくるからちょっと待ってるだわさ」
ビューティ「ありがとうございます」
マーチ「」
アカオーニ「そうオニ!今日は非番のはずオニ!」
マーチ(非番とかあるんだ)
ビューティ「実はもう少しでテストがあるのですが」
マジョリーナ「テスト?」
ビューティ「はい。私達の普段の勉強の成果を試す日です」
ビューティ「そのテストが終わるまでバッドエナジーを集めるのをやめて頂きたいのです」
ウルフルン「はぁ?」
アカオーニ「そうオニ!俺達にはピエーロ様を復活させるという大事な指名があるオニ!」
マーチ「なっ!あんた達はみゆきちゃん達がこのままダメ人間になってもいいっていうの!」
ウルフルン「かまいやしねぇよ」
ウルフルン「どんなにダメになろうと俺が引き取って面倒見ればいいだけだろ」
マーチ「……はっ?」
ウルフルン「あ?何だ何か文句でもあんのかよ」
マーチ「大有りだよ!あんたら敵同士でしょ!」
ウルフルン「だから何だってんだよ。恋愛小説とかども出会いこそは最悪でも最終的には結ばれてハッピーエンドになるだろ」
マーチ(世界をバッドエンドにしようとしてる奴が何ハッピーエンド目指してんのさ!)
マーチ(っていうより何で恋愛小説なんか読んでんのよ!)
マーチ「えっ?私がおかしいの?」
ビューティ「確かにふざけた申し出だと思います。しかし受け入れて下さればそれ相応の事はさせて頂きます」
ウルフルン「何?」
ビューティ「例えばここに修学旅行の時に撮ったみゆきさんの写真があります。こちらを差し上げましょう」
ウルフルン「なっ!マジか!」
ウルフルン「1日中シンデレラについて語り明かしてもかまわないってのかよ」
ビューティ「ご自由に」
ウルフルン「チッ!最近調子が悪いからしばらく俺は休ませてもらうぜ」
マジョリーナ「何言ってるだわさ!」
アカオーニ「そうオニ!ふざけるなオニ!」
アカオーニ「ん?何だオニ?」
ビューティ「キュアピースとじゃんけんができる券と生乾きのアカオーニ専用のパンツです」
アカオーニ「おぉう!これは良い湿り具合オニ!しかもピースちゃんとじゃんけんできるなんて夢のようオニ!」
マーチ(あれってそのうち乾くよね?)
マーチ(ピースとは会うたびじゃんけんしてるからいらないよね?)
マジョリーナ「あたしはそう簡単にはいかなかいだわさ!」
ビューティ「しかしウルフルン達は簡単にいきましたよ」
マジョリーナ「それはあいつらがバカだからだわさ!」
ビューティ「…そうバカなんです」
マジョリーナ「ん?」
マジョリーナ「そ、それが何だわさ」
ビューティ「そしたらウルフルンはおろかアカオーニよりも頭の悪い人々が大量発生します。そうなれば納豆餃子飴などの嗜好品もこの世から消えてなくなります」
マジョリーナ「なっ!そ、それは困るだわさ!」
マジョリーナ「きょう…りょく?」
ビューティ「はい。悪いようには致しませんから」
マーチ(なんか悪徳商法してるみたい)
マジョリーナ「わ、わかっただわさ!」
マジョリーナ「お前ら!今日は帰るだわさ!」
ウルフルン「そ、そうだな!なんか体調悪いし」
アカオーニ「じゃ、じゃあプリキュア!次会うときを楽しみにしてるオニ!」
ビューティ「……ふっ、チョロイですね」
マーチ「」
みゆき「あっ!れいかちゃん!なおちゃん!」
やよい「2人とも大丈夫だった!」
れいか「はい。なんとか」
なお「うん。余裕だったよ」
れいか「それでみなさんはどうでしたか?」
あかね「バッチリや!もう連立方程式もマスターしたで!」
れいか「凄いじゃないですか!よくできましたね!」
みゆき「うん!キャンディに教えてもらったの!」
キャンディ「クールー」
れいか「」
なお「」
みゆき「うん!」
キャンディ「この『きょうかしょ』っていうのに詳しく書いてあったクル」
なお「まぁそういうものだしね」
れいか「そ、そうですか。」
れいか(まさかキャンディよりも頭が悪いとは…)
みゆき「れいかちゃーん!」
れいか「どうしたのですか?」
みゆき「れいかちゃんのお陰で成績上がったよ!」
あかね「うちもや!」
やよい「私も!」
れいか「それは良かったですね!」
あかね「まぁ、うちが本気出したらこんなもんや!」
やよい「もー!あかねちゃんったら調子良すぎ」
なお「へー。じゃあみんな成績上がったんだ」
れいか「えぇ。これで一安心」
なお「お疲れ様。じゃあ帰ろうか」
れいか「そうね。」
れいか「あっ、そういえばなおはテストどうだったの?」
なお「……」
なお「」ダッ
れいか「あっ、なお!ちょっと何で逃げるの!なお!」
終わり
Entry ⇒ 2012.05.20 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ウルフルン「母の日ぃ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「母の日ぃ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「親への感謝の気持ちなんざ、毎日示して当然のものだろうが」
ハッピー「…………」
マーチ「正論だ……」
サニー「ぐう正論」
ウルフルン「プリキュアだぁ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「そんなことよりちゃんと勉強してんのか、お前ら」
ビューティ「失礼な! 私たちはちゃんと、プリキュアと学業を両立させています!」
ハッピー「…………」
サニー「…………」
ピース「…………」
マーチ「…………」
ビューティ「……あら? 皆さん?」キョトン
ウルフルン「部活のレギュラー取りぃ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「踏み切りのときの足がおかしいんだよ。ほら、もっとこう……」ピョン バシ
サニー(このオオカミバレー上手っ!)
ウルフルン「おい聞いてんのか、こうだぞ」ピョンピョン
ウルフルン「ピカピカピカりんじゃんけんポンだぁ? けっ、くだらねえ」
マジョリーナ「ウチの姉さんがアンタに負ける度に八つ当たりでアタシをどやしてくるんだわさ! ちょっとどうにかしてほしいだわさ!」プンプン
ウルフルン「……だそうだから、ちょっと手心加えてやってくれ」
ピース「あ、うん」
サニー「じゃんけんで手心ってどないせーっちゅーねん」
ウルフルン「家族はバラバラになんかならないだぁ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「ムーンライトさんを虐めるのもいい加減にしろ」
マーチ「……ごめんなさい」
ムーンライト「いつまでも終わったことにこだわっていても、しょうがないわよ」ニコッ
マーチ「ごめんなさいぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
ウルフルン「伝説の戦士だぁ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「伝説って?」
キャンディ「ああ!」クルッ
ウルフルン「こいつ丸焼きにして食っていいか」
キャンディ「!?」
ビューティ「そんなものを食べたらお腹を壊しますよ」
キャンディ「!?!?」
ウルフルン「五人揃って5プリキュアだぁ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「くだらねえ」
ハッピー「……あの、他に何かコメントは」
ウルフルン「くだらねえ」
ハッピー「…………」
ウルフルン「五つの光が導く未来ぃ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「未来ってのは自分の力で切り開くもんだろ」
サニー「 ま た 正 論 か 」
マーチ「いや、別にあたしたち他人任せにしてるわけじゃないんだけど」
満薫「」
ウルフルン「とりあえず謝罪しろ」
5プリキュア「すみませんでした」
ウルフルン「人の一生は重荷を背負うて遠き道を行くがごとし、だぁ?」
ウルフルン「いい台詞だ」
ピース「感動的だな」
ウルやよ「「だが無意味だ」」
ビューティ「…………」
ウルやよ「「…………」」
/ || / | | /_ ○
/-┐ /─┐ ┼┐|| /_
/ / ││
/ / _ \
||/ | | / ─ / \ /
/ / / /
_____
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ぐ゙´ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.⌒) | //`|| |入ト, | /:::::://|
{//:.:.:._,-、,-、ヘ > 人_ ノ |-一'.|// |
{/::,、,-'_) l く及 /  ̄\|`ニ'|、 l _ |_,イ/|
/:/l_.|. `イ _〉 く 〈 / :::::::::/| :::::::|ヾ く `イ ,イヾ\
|:.:|、_.ト、 イ |// ::::::::/.|:::::::! | l ト //|/Nノ、
/´ ̄`ヽ _>' 〃 / ::::::/ ト--.ヘ. し イ / / _\
.. / へ___\`ヽ_/´ヽ :::::::/ / / } / /_/ /  ̄\
/ / ̄`ヽ \ ミ イ \ ::::::l / | ヽ_ ノ ⌒/ | // / , -―-、ヽ
| /:::::::::::::::::::!/ミ ヾ::::::::::::::ノ 入_`ヽ、_/ / ̄/ / イ ヽ 〉 ノl |
| {::::::::::::::::::/ ::::::,-< ̄ ̄ ̄ ニ `ヽ__> ! /´ / >- `´ヽノ !
ビューティ(私は今褒められたのでしょうか、けなされたのでしょうか)
ウルフルン「スマイルじゃなくて悪だくみしてる顔だぁ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「それはちょっと無理があるだろ……」ズーン
ハッピー(なんか勝手に落ち込んでるし)
ウルフルン「『じゃんけんだって可愛いもん』に『太陽が似合うのはうち位や』だぁ?」
ウルフルン「ハートキャッチが怖くねぇのかのか、お前ら」
いつき「僕は気にしてないから・・・」
ゆり「私もうるさく言うつもりはないわ。」ゴゴゴ
サニー「いやぁしらんかったわ!スマン!」
ピース「ごめんなさい!ごめんなさい!」ガクガクブルブル
ウルフルン「…………(ハッピー相手でよかったわ。こりゃアカオーニより鬼だわ。)」
山場っぽくなったときに空気を読んでさえくれれば、あとはご自由にどうぞ
ウルフルン「キュアキャンディだぁ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「一発ネタとはいえ本家より役に立ってるのはマズイだろ」
サニー「せやな」
ピース「そうだね」
マーチ「だよね」
ビューティ「ですね」
キャンディ「…………」
ハッピー「…………」
ウルフルン「エイプリルフールに転校騒動ぉ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「4月1日ってまだ春休みじゃね?」
サニー「おかしなことやっとる」
ピース「そこは突っ込んじゃいけないところだと思うんだけど……」
ウルフルン「隠し味は愛情だぁ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「今頃そんな基本に辿りついてるようじゃあ、先が思いやられるぜ」
サニー「なにもんやアンタ」
ウルフルン「虫にだって命があるぅ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「植物だって強く生きてるんだぞ」
マーチ「あ、うん。そうだね」
ウルフルン「そんなもんに負ける様じゃオレ様には一生勝てねーな。」
ハッピー「そんな事無いもん!絶対狼さんやっつけてお嫁さんにしてもらうもん!」
ビューティー「…………」
サニー「…………」
ピース「…………」
マーチ「…………」
ウルフルン「人前で言うなよ。」
おっと、先にやられてもうた
ウルフルン「京都に修学旅行だぁ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「修学旅行といえば日光江戸村だろ」
ハッピー(小卒……?)
ウルフルン「大凶だぁ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「お前といたら大吉だっつの」
ハッピー「……///」
サニー「とられてもた」
ウルフルン「新幹線に乗ってみんなでワイワイガヤガヤぁ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「一般のお客さんの迷惑も考えろ」
ビューティ「修学旅行は基本、貸し切りの特別列車なのですが」
ウルフルン「え……」
ウルフルン「女の子のひみつのお話ぃ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「夜更かししねえでさっさと寝ろ」
ハッピー「はーい」
サニー「へーい」
ピース「はーい」
マーチ「はーい」
ビューティ「はい」
キャンディ「zzz」
ウルフルン「お前が入れたもんならなんでも飲んでやんよ。」
ハッピー「ホント!オオカミさん!」
サニー「・・・」
ピース「・・・」
マーチ「・・・」
ビューティ「・・・」
ウルフルン「青っ鼻だぁ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「使ってもいないうちから種明かしとか何考えてんだよ俺……」ズーン
ハッピー「げ、元気出してオオカミさん?」
キャンディ「ウルフルンはちゃんとプリキュアの結束を高めるのに、ひいては番組の進行に貢献したクルー! 自身持つクル!」
ウルフルン「そうか、ならいいんだが」ケロッ
サニー「よくねえよ」
ウルフルン「大凶引いてどん底ハッピーだぁ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「結べよ」
ハッピー「一刀両断!?」
ウルフルン「大阪名物納豆餃子飴ぇ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「ババアの猛烈なプッシュが止まらねえ、誰かボスケテ」
ハッピー「いや、そんなこと私に言われても」
サニー「ぶっちゃけ、大阪モンから見てもアレはない」
ウルフルン「お前らにもお裾分けだ。プレゼントフォーユー」
ハッピー「【いりません。】」
ウルフルン「【えっ!?】 まあまあそんなこと言わずに、ほれ」ヒョイ
サニー「人、それを厄介払いと言う」
ハッピー(でも、オオカミさんからの初プレゼントだ……えへへ)
ウルフルン「鏡は反対の姿を写すだぁ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「鏡よ、鏡。世界で一番美しいのはだれだ?」
ウルフルン裏声「もちろん、星空み……」
ビューティ「鏡は本当の姿を写します」
ウルフルン「母の日ぃ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「俺にはなぁ、感謝する相手なんざハナからいやしねえんだよ」
ハッピー「そ、それはなんていうか……ごめんなさい」
ウルフルン「まあ単に、母親から生まれるような生態じゃねえだけなんだが」
ハッピー「謝って損した!」
ウルフルン「どうして勉強するのか、だぁ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「『しときゃ良かった』って思う大人はいても、『しなきゃ良かった』って思う大人はまずいねえ。要するに、そういうこった」
ビューティ「なるほど……」メモメモ
サニー「うーんこの正論」
マーチ「リアクションに困るからやめてくんないかな」
ウルフルン「ピカピカピカりんじゃんけんポンだぁ? けっ、くだらねえ」
マーチ(……二回目?)
ウルフルン「アカオーニがお前の出す手のパターン解析しようとして知恵熱出したんだが」
ピース「チョキチョキチョキと来たからもうチョキがないなどという読みはまさに泥沼……! 嵌っている……すでに泥中……! 首まで……崩壊路…………ッ!!」クワッ
マーチ「ピース!?」
ウルフルン「マシンガン打線が史上最強だぁ? けっ、くだらねえ」
サニー「せやせや。最強ゆーたら栄光の85年、ニューダイナマイト打線に決まっとるやろ」
ハッピー「ええっと……ここは無難にV9打線でいいんじゃないでしょーか、3、4年目あたりの」
ビューティ「いいえ。AKD砲を擁しながらも基本に忠実な野球を展開した、西武黄金時代こそが最強、と相場が決まっています」
ピース「私はダイハード打線ちゃん!」
ウルフルン「バーカ、男は黙って水爆打線だろ」
サニー「おいおい和製マーダラーズ・ロウか」
ウルフルン「さすがに大正義ヤンキースと較べちゃあな……」
マーチ(話についていけない)
ビッグレッドマシーンが話題に上らないとか勝訴も辞さないぞ
>>60
すまんな
ウルフルン「プリキュアだぁ? けっ、くだらねえ」
ハッピー「ていく、つー!」
ウルフルン「人間、歳の順番にくたばってくのが正常な社会のありようってもんだろうが。15にもならねえガキに重たいもん背負わせてんじゃねえよ」
ハッピー「オオカミさん……」キュン
キャンディ「でも、キャンディもまだまだ子供クル……多分みゆきより年下クル……」グス
ウルフルン「あっ、ホンマ……じゃあやっぱプリキュアからぶちのめすわ」
ハッピー「オオカミさん!?」ガーン
ポップ(忍法聞かなかったことにしてこっそり立ち去るでござるの術)コソコソ
(ここから書き溜めに)切り替えていく
ウルフルン「夢は信じ続ければいつか叶う、だぁ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「信じた夢が叶うんじゃねえ。最低条件として、信じなきゃ叶わねえってだけの話だ」
ピース「夢を追うのって難しいことなんだね……」
ハッピー「でも、結局は諦めないことが大事だって話でしょ? ね、オオカミさん」ニッコリ
ウルフルン「……言ってろ」
ウルフルン「『オオカミさんは本当は悪い人じゃない』、だぁ?」
ハッピー「……どうせまた、『くだらねえ』とか言うんでしょ」
ウルフルン「言わねえよ。お前の言ってることはな、そりゃあ正しいぜ」
ハッピー「え!?」
ウルフルン「だって俺様、悪い“オオカミ”だし」
ハッピー「ああ、そういう」
ウルフルン「バッドエンドだのハッピーエンドだの……けっ、何もかもくだらなく思えてきたぜ」
ジョーカー「おぉ〜やウ〜ルフルンさんではあーりませんかぁ? バッドエナジー集めは順調のようですねぇ〜ん?」
ウルフルン「キメエ、失せろ」
ジョーカー「まぁ〜ったまたそんなぁ、つれないお・こ・と・ば♪」
ウルフルン「失せろっつってんだろ」
ジョーカー「……間もなく」
ウルフルン「ん?」
ジョーカー「間もなく、ピエーロ様がお目覚めになられます」
ウルフルン「……そりゃ、喜ばしいことだ」
ジョーカー「ええ、まったく」
ウルフルン「…………」
ジョーカー「貴方も、今後の身の振り方を考えておくことです。何を取って、何を捨てるのか……ゆめ、後悔なされませんように」
シュン
ウルフルン「…………けっ、くだらねえ」
ウルフルン「みんな仲良しウルトラハッピーか……けっ、くだらねえ」
ウルフルン「お前らもそう思うだろ」
アカオーニ「ま、俺ら悪役には関係のない話オニ」
マジョリーナ「夢見がちなお嬢ちゃんには、現実ってものの厳しさを教えてやらないといけないねぇ」
ジョーカー「んっふ、悪には悪の美学というものがありますからねぇ〜ん? そのあたりを吐き違えないのは、さっすがさぁん幹部のみなっすわぁん!」
ウルフルン「いちいちキモイ上にうるせえんだよテメエは……じゃ、そろそろ行くか」
アカオーニ「…………」
マジョリーナ「…………」
ジョーカー「…………」
ウルフルン「……けっ、どいつもこいつも辛気臭え面しやがって」
ウルフルン「あばよ。バカ鬼に、ババア魔女に、オカマ道化師。せいぜい達者でやれ」
ウルフルン「みんな仲良しウルトラハッピーだぁ? けっ、くだらねえ」
ウルフルン「くだらねえ」
ハッピー「…………」
ウルフルン「ほんっと、くだらねえ」
ハッピー「…………」
ウルフルン「最初から、わかってたはずだろうが、こんなこと」
ハッピー「…………」
ウルフルン「だから、なぁ」
「いつまでも泣いてんじゃ、ねえよ」
「…………ひ、くっ……オオカ、ミさん……」
「あーあー。いつもの、アホみてえなスマイルとやらは、どこいった」
「で、も……でもぉ……!」
「ちゃんと風呂入れよ」
「…………」
「歯磨きサボんじゃねえぞ」
「……うん」
「風邪ひかねえように、あったかくして寝ろ」
「うん」
「宿題やれよ。先生困らせんな」
「うん、うん……!」
「よーし、イイ子だ。そんじゃ、まあ、ガフッ」
「……! 待って! いかないでッ!!」
「ウルッフッフッフ。待てと言われて待つオオカミはいねえ。犬じゃあるめえし」
「もう喋っちゃダメ! 絶対、絶対助けるから!」
「あばよ。くだらねえことばっかほざきやがる、くだらねえクソガキ」
・
・・
・・・
・・・・
・・・・・
・・・・・・
「母の日ぃ? けっ、くだらねえ」
「だからよ、俺にはそもそも母親がいねえっつってんだろ。土台俺には関係がねえんだよ、今日っていう日は」
「……オオカミさんが母の日を祝う方法なら、あるよ?」
「あぁん?」
「あの、その……えっと……うむむ」
「はっきりしねえ奴だな。んな優柔不断なガキは、この大きな口でぺロリと頂いちまうぜぇ?」
「…………そ、それならそれで、望むところだったりなんかしちゃったりして」
「はぁぁ?」
「……よし、決めた! 覚悟完了! オオカミさん!」
「お、おう。いったいどうした」
「わ、私の、私の――――!」
「私のお母さんを、オオカミさんのお母さんだと思ってくださいっ!!!!」
「…………」
「…………」
「テメエ、つまりそれは」
「!」
「そういう意味だと受け取っちまっても、いいんだな?」
「あ、や、その、ええっと」
「そうか。テメエの気持ちはよぉくわかったぜ」
「は、はわ、はわわわわ」
「まさか、テメエが内心……」
ウルフルン「この誇り高き狼を、こともあろうにペット扱いしてたとはなぁ。覚悟できてんのかコラ」
みゆき「私のなけなしの勇気を返せぇぇぇ!! オオカミさんのバカぁぁーーーっっ!!!!」
END
最後の方で何が起こってたのかはご想像にお任せしますね
まあ全体的にてけとーな代物なんで、ツッコミどころはガンスルーでどうか一つ
次はプリキュア界隈では茨の道であるノマカプ長編に挑戦してみようと思います
スマプリだけどウルみゆじゃないよ!
期待せずに待っててもらえると嬉しいな
じゃ、このスレはあとテキトーに使ってくれていいです
小ネタ挟んでくれた人、レスくれた人ありがとさん
最初の正論路線からこう繋げてくるとはお見それいった
Entry ⇒ 2012.05.18 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ウルフルン「プリキュアに役立たずがいるぜーwwwww」
ウルフルン「そーれーはー?wwwwwwwwwwwww」チラッ
サニー「」チラッ
ピース「」チラッ
マーチ「」チラッ
ビューティ「」チラッ
ハッピー「うう、私みんなに比べて弱いし無属性だし……」
ウルフルン「チュッ」
ウルフルン「しかも、プリキュアにはろくにネックレス作れない奴もいるしよwwwwwww」チラッ
サニー「……」
ピース「……」
マーチ「……」
ビューティ「……」
キャンディ「まったくクル」
ハッピー「……ううっ」グスッ
ウルフルン「ウルッフッフッフ……」
ウルフルン「そのうえ料理も作れねえ! 家事も手伝えねえ! むしろ迷惑になる!」
ハッピー「ううっ」ズキッ
ウルフルン「お前じゃ何をしても邪魔でしかねえ。やめちまいな、プリキュアなんてよお!!」
ハッピー「うえええっ……」エンエン
ウルフルン「はんっ、お前がいない方がプリキュアも動きやすいだろうよ」ナデナデ
ハッピー「ひっく……」
ウルフルン「ウルッフッフッフ……」ナデナデ
ハッピー「ううっ……」
サニー「……さっきから黙って聞いてれば」
ウルフルン「あ?」
マーチ「あなたは何も分かってない!」
キャンディ「……」
ピース「いくらハッピーが能無しだからって、そんな言い方ひどすぎるよ!」
キャンディ「そうクル!」
ビューティ「ハッピーだって一生懸命やっているんです! たとえ役立たずでも……!」
キャンディ「そうクルそうクル!」
キャンディ「ハッピーの頑張りは……キャンディが一番近くでいつも見てたクル!」
ピース「あの下手くそなネックレスを、ハッピーがどんな気持ちで作ったと思ってるの!?」
ビューティ「あの稚拙なネックレスを渡されたハッピーのお母さんの気持ちを考えてください!」
ウルフルン「てめえら……」
キャンディ「ハッピーの悪口を言う奴は」
ピース「絶対に」
ビューティ「お黙りなさい!!」
「「プリキュア・レインボー・ヒーリング!!」」
ウルフルン「うあああああああっ!?」
サニー「やったで!」
キャンディ「直撃クル」
ハッピー「ううっ……」グスグス
ビューティ「ハッピー、もう大丈夫ですよ」
マーチ「悪者はやっつけたから!」
ピース「私達スーパーヒーローがね!」
キャンディ「よしよしクル」ナデッナデッ!
ハッピー「……」グスッ
サニー「ほな、ウルフルンも退治したことやし。お母ちゃんにそのネックレス押し付けに行こか」
マーチ「きっと喜んでくれるって弟達は言ってたよ。ハッピーが一生懸命作ったプレゼントだもん」
キャンディ「クルー!」
ピース「苦笑いされても泣かないで」
ビューティ「そのプレゼントを渡すという勇気が一番すごいんですから」
ハッピー「みんな……」
ハッピー「どうしてそんなひどいこと言うの……?」
ピース「え……?」
ビューティ「ひどい……? 私達が、ですか」
サニー「せっかく人が役立たずをわざわざ褒めてあげたゆうんに……」
マーチ「最低だね……」
ハッピー「ま、待って! 私、だって……っ!」
ビューティ「お黙りなさい!!」
サニー「この能無し!!」
マーチ「脳筋!!」
ピース「泣き虫!!」
ビューティ「あなたにプリキュアでいる価値は……ありません!!」
ハッピー「…………っ!」
ビューティ「さっさとこの場からお失せなさい!」
ハッピー「……っ」ウルッ
キャンディ「待つクル!」タタッ
ハッピー「! キャンディ……」
キャンディ「みゆきの悪口は許さないクル!」キッ
キャンディ「みゆきは役立たずじゃないクル!」
ハッピー「キャンディ……っ!」
ビューティ「邪魔ですよ、この淫獣め!」バシイッ
キャンディ「クルァー!?」ドシャアッ
ハッピー「キャンディいいいいい!」
サニー「こんなもんっ」ウバイッ
ハッピー「あっ……!?」
サニー「不細工なネックレスや」ボウッ
マーチ「こんなもの、いらないね」ドガッ
ピース「ゴミは分解しないと」ビリビリ
ハッピー「ああっ、やめて!」
キャンディ「スマイルパクトに力を込めるクル!」
サニー「プリキュア・サニー・ファイヤァアア!!」
ピース「プリキュア・ピース・サンダぁー!!」
マーチ「プリキュア・マーチ・シュウットォオオー!!」
ビューティ「プリキュア・ビューティ・ブリザーーーードッ!!」
ネックレス<パキイイッ
ハッピー「いやああああああああああああああああああああっ!!」
ネックレス「……」バキッ
ハッピー「ああっ、ああっ……」
サニー「よかったなぁ。ゴミを処理できて」
ハッピー「も、もう一度……作り直せば……!」ヒロイヒロイ
サニー「……みっともなっ」
ハッピー「まだ、間に合うから……」
キャンディ「これ、ヒモクル」スッ
ハッピー「キャンディ……ありがとう」
バチイン!
ハッピー「……!?」
キャンディ「みゆきのせいで、キャンディが殴られたクル!」バチッ
バチッバチッ!
ハッピー「や、やめてよキャンディ!」
ハッピー「ひどい……ひどいよ、みんな!!」
ビューティ「……はぁ」
ピース「めんどくさいね」
サニー「もういてもうたろか」
マーチ「日本語喋って」
ハッピー「ひっ……」
キャンディ「みんなの力を合わせるクルー!」パアアッ
「「プリキュア・レインボー・ヒーリング!!」」
虹<ギュオオ!
ハッピー「……きゃっ!」
ウルフルン「チッ……」ヨロッ
ウルフルン「待ちやがれええええええええええええええええ!!」ダッ
ハッピー「! オオカミさん!?」
ドオオオオッ!!
ウルフルン「うおっ、ぁががががががががががががががが……!!」
ウルフルン「」ドシャアッ
ハッピー「オオカミさんっ!」
サニー「はっ、馬鹿な奴やな。レインボーヒーリングに自ら当たりに行くなんてな」
ピース「とんだマゾヒストだね」
ウルフルン「ウルッフッフッフ……馬鹿はテメエらの方だ……」ヨロッ
ハッピー「オオカミさん、大丈……」
ウルフルン「大丈夫だ。触るんじゃねえ!」チュッ
ビューティ「心外ですね。私達のどこが馬鹿だというのですか?」
ウルフルン「どうもこうも、そのまんまの意味だぜ」ニヤリ
ビューティ「……?」
ウルフルン「ま、俺様悪役だから簡単に考えを喋りはしねえけどなあ」ニヤニヤ
マーチ「チッ……」
サニー「なに考えとるんや、こいつ……!」
ウルフルン「ウルッフッフッフ……」
ピース「何にしても今叩けば心配ないよ」
サニー「せやな。ピースにしてはええこと言うで」
ビューティ「みなさん、いきますよ!」
ウルフルン「おいおい、いいのかよ?」
ビューティ「……何がです?」
ウルフルン「ウルッフッフ、俺は頭がいいからなぁ。知ってんのよ、お前らが必殺技を出した後に体に相当な負担がかかるってことはよ」
ビューティ「……!」
ウルフルン「今のお前らで俺に勝てると思ってんのか?」
ビューティ「……ですが、痛手を負っているのはあなたも同じ!」
マーチ「そうだ! あんたは私達のレインボーヒーリングを二回も受けたんだ!」
サニー「疲労に関しては五分五分やで!」
ウルフルン「ウルッフッフッフ……だから馬鹿だって言ってんだよ。こいつを見ろ!」スッ
赤鼻「……」
ビューティ「それはアカンベェの……!」
ウルフルン「お前らの必殺技は一回きりなんだろ?」
ビューティ「く……、卑怯な……ッ!」
ウルフルン(ピンクの奴は無傷だが、プリキュアと戦わせるなんて酷だしな)ペロペロ
ハッピー「あ、ありがとう。涙拭いてくれて」
ウルフルン「それに俺は戦う理由ができると、容赦しねえぜ?」シャキン!
ビューティ「……みなさん、ここは一度退きましょう」
サニー「なんでなん!? 何か手はあるはずやで!」
ビューティ「少しは頭を使ってください。この状況、明らかに不利です」
マーチ「うん。私もビューティに賛成」
ピース「私も」
キャンディ「キャンディもクル」
サニー「……ま、仕方ないか」
プリキュア<シュンッ
完全に悪役のソレじゃねえかwwwwwwww
ウルフルン「……ふう、やっと行ったか」
ハッピー「オ、オオカミさん。どうして私を……」
ウルフルン「ああ? お前を何だよ?」
ハッピー「私を守ってくれたじゃない……敵なのに」
ウルフルン「はあ? 守っただあ? 俺様がお前を〜? 有り得ねえ有り得ねえ」
ハッピー「え……? だってオオカミさん、私がやられそうなところを飛び込んで……」
ウルフルン「はあ……馬鹿かお前。寝ぼけてんのか」ナデナデ
ハッピー「え? でも、だって」
ウルフルン「こいつだよ」スッ
赤鼻「……」
赤鼻「……」ジイッ
ウルフルン「ふっ……」ドヤッ
ハッピー「……え? 赤鼻だよね? アカンベェの素の……」
ウルフルン「いや違ぇ」
ハッピー「えっ?」
ウルフルン「こいつはイチゴデコルだ!」
イチゴデコル「……」
ハッピー「ええええええええええええええええええええええ〜っ!?」
ハッピー「ど、どうしてイチゴデコルがああああ!?」
ウルフルン「どうやらあの妖精が殴られた時に落としたみたいだな」
ウルフルン「こいつを駆け引きに使うために拾いに行っただけだ」
ウルフルン「イチゴデコルが落ちている場所に偶然お前が倒れていて、偶然そこにレインボーヒーリングが飛んできて偶然俺がお前を守った形になったわけだ。たまたまな」
ハッピー「そ、そっか」
ハッピー「でもありがとう!」ニコッ
ウルフルン「……チュッ。ぶっとんだ妄想してんじゃねえよ。寝言は寝て言え」
ハッピー「あっ、もう帰っちゃうんだよね……」
ウルフルン「当然だろ。人間界に長居するつもりはねえよ」
ハッピー「そ、そうだよね」
ウルフルン「あん?」
ハッピー「……」チラッ
ウルフルン「……」
ハッピー「……」ウルウル
ウルフルン「なんだよ、かわ……気持ち悪い」
ハッピー「私、帰れないっていうか……そのぉ」モジモジ
ウルフルン「家に帰れよ」
ウルフルン(ま、帰ったところでお仲間さんに何されるか分かったもんじゃねえが)
ハッピー「だからね……」モジモジ
ウルフルン「はんっ、ついて来たいならついて来りゃいい」
ハッピー「ほ、本当!?」キラキラ
ウルフルン「だが俺が帰るのはお前の敵国であるバッドエンド王国だ。どうなるかは知らねえ。そして、そもそも俺様のスピードについて来る気かよ?」タッ
ハッピー「あっ……!」
ウルフルン「人間のスピードじゃあ無理だなあ!」テクテク
ハッピー「……」テクテク
ウルフルン「……」テクテク
ハッピー「遅いね」
ウルフルン「うるせえ!」ギュッ
♪バッドエンド王国
みゆき「ここがバッドエンド王国……絵本の中みたーい!」キラキラ
ウルフルン「ケッ、こんなとこ来て喜ぶのはお前くらいなもんだぜ」
ウルフルン(変身解いたのか……)ナデナデ
みゆき「オオカミさん、こんなところに住んでるんだね!」
ウルフルン「食い物もねえし、居心地最悪だけどな」
ドア<ガララッ
ウルフルン「おーい、帰ったぞー」ズカズカ
みゆき「お、お邪魔しまーす……」
マジョリーナ「いっひっひ! 帰ったね。今日の夕食はお前の大好きなお好み焼きだわさ!」
ウルフルン「マジで!?」ジュルッ
マジョリーナ「トッピングはツバメの巣、サメの卵、ハチの赤ちゃんだわさ!」
ウルフルン「上手そ〜う!」ジュルッ
ウルフルン「俺のために作ってくれたのかー?」ジュルッ
マジョリーナ「誰がお前のためなんかに! 材料が余っただけだわさ!」
ドカドカ
アカオーニ「おばあちゃああん!!」
マジョリーナ「誰がおばあちゃんだわさ!」
ウルフルン「よう、アカオーニ。なんかあったのか?」
アカオーニ「ウルフルン、帰ってきてたオニか」
マジョリーナ「で、何があっただわさ?」
アカオーニ「俺のパンツがー!!」エンエン
マジョリーナ「パンツう?」
アカオーニ「パンツぅ……パンツぅ……」グスグス
ウルフルン「おいおい、悪の三幹部がみっともねえ。パンツくらいで泣くなよ」
マジョリーナ「そうだわさ」
アカオーニ「……パンツくらいと言ったオニ?」ギロッ
アカオーニ「そもそもお前のせいオニ!!」ビシイッ
ウルフルン「お、俺えっ?」キョトン
アカオーニ「そうだオニ! これを見るオニ!!」スッ
パンツ「……」
アカオーニ「……」
パンツ「……」
ウルフルン「……」
マジョリーナ「……それがどうしただわさ」
ウルフルン「飯前に汚えもん見せんじゃねえよ」
アカオーニ「よーく見るオニ!」グイッ
ウルフルン「顔に押し付けんな、汚え!」
ウルフルン「……んん?」クンクン
ウルフルン「いい匂いだな」
アカオーニ「洗濯したあとオニ」
ウルフルン「でもなんか毛みたいなのがいっぱいついてるぞ」
アカオーニ「お前の毛オニ」
ウルフルン「ああ?」
アカオーニ「お前のパンツと一緒に洗濯したからお前の毛がついたんだオニ!」
ウルフルン「……だから?」
アカオーニ「マジョリーナ! 俺様のパンツをウルフルンのパンツと一緒に洗濯しないでって言ったオニー!」バタバタ
ウルフルン「……」
マジョリーナ「ああ、忘れていただわさ」
アカオーニ「今度からは別々にしてくれオニ」
マジョリーナ「本人に洗わすだわさ」
ウルフルン「理不尽だ!!」
ウルフルン「まあいい……パンツは自分で洗うから、とりあえず腹が減った」
マジョリーナ「ならもうご飯にするかね」
アカオーニ「俺様も怒ったら腹が減ったオニ!」
ウルフルン「で、その前に」
鬼・魔女「?」
ウルフルン「今日は連れがいるんだよ。さっきから俺の隣にいたが」
みゆき「……」ポカン
マジョリーナ「お客さんだわさ?」
アカオーニ「ウルフルンが家に人を連れて来るとは珍しいオニ」
マジョリーナ「どうだい、お前さんもご飯食べていくかい?」
みゆき「……」ボー
ウルフルン「おい?」ユサユサ
みゆき「……」ボー
ウルフルン「か、固まってやがる!」チュッ
♪居間
ウルフルン「」バクバクバクバク
ウルフルン「」ジュルッムシャバクリン!
ゴクッ
ウルフルン「うめえええええええ!!」
マジョリーナ「おかわりはあるから、どんどん食べるだわさ」
ウルフルン「今日は結構動いたしなぁ。食べれば回復するけどよ」バクバク
アカオーニ「へえ、何をしてきたオニ?」
ウルフルン「プリキュアをギリギリのところまで追い込んでやったぜ」
アカオーニ「おお!」
みゆき「……」モグモグ
マジョリーナ「どうだい?」
みゆき「あ、おいしいです! 本場のとはまた違う味!」
マジョリーナ「そりゃよかっただわさ」
アカオーニ「ところでウルフルン」
ウルフルン「あ?」
マジョリーナ「その子はお前の彼女だわさ?」
ウルフルン「は、はあっ!?」ゲホゲホ
マジョリーナ「どうなんだわさ?」
ウルフルン「ば、ババア……てめぇ、いきなりなんてことを言いやがる……」
みゆき「わ、私達はそのぉ〜!」アワワ
アカオーニ「」ニヤニヤ
マジョリーナ「」ニヤニヤ
マジョリーナ「お前もそんな歳になっただわさ……私ゃ嬉しいよ」
アカオーニ「めでたいことオニ!」
ウルフルン「人を中学生みてえに言うな! つーかこいつはか、彼女なんかじゃあ……」
みゆき「……//」ソワソワ
ウルフルン「その、なんだ…………」
アカオーニ「まさかウルフルンが人間の彼女を連れて来るなんて」
マジョリーナ「本当本当。……って、人間?」
ウルフルン「その、俺達は敵同士……」
アカオーニ「敵ぃ?」
マジョリーナ「あっ!」
鬼・魔女「プリキュアオニ(だわさ)ーーーー!!」
ウルフルン「今更かよおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
ハッピーになると唯一残念な髪型も変わるし
それに比べてトリプルテールは…
みゆき「え、ええと」
アカオーニ「なにをしに来たオニ!」ギロッ
マジョリーナ「わざわざ私達のところに乗り込んで来るとはいい度胸だわさ!」キッ
みゆき「そ、そうじゃなくて……」
アカオーニ「問答無用オニ!」
マジョリーナ「世界よ! 最悪の結末、バッドエンドに染まるだわさ!」
マジョリーナ「白紙の未来を黒く塗り潰すだわさあああ!」
マジョリーナ「いでよ、アカンベェー!!」バッ
マジョリーナ「いーひっひっひ! 人間どもの発したバッドエナジーが悪の皇帝ピエーロ様を蘇らせて……」
シーン
マジョリーナ「なっ! バッドエナジーが集まらないだわさ!?」
ウルフルン「そりゃあここに人間なんていねえしなー」
マジョリーナ「そ、そうだっただわさ……だがアカンベェで」
赤鼻「……」シーン
マジョリーナ「な……?」
ウルフルン「ここにアカンベェになりそうな物もねえしなー」
マジョリーナ「ご、誤算だっただわさ……!」
アカオーニ「それならアカンベェに頼らずに戦うオニ!」つ金棒
みゆき「……!」
アカオーニ「うおおっ!!」ブンッ
ガシイイッ!!
アカオーニ「……!?」
ウルフルン「その危ねえ棒をしまえ。お客さんに失礼だろうが」
アカオーニ「ウルフルン……! どうして止めるオニ!?」
マジョリーナ「そもそも何故プリキュアを連れてきただわさ!」
ウルフルン「まあ聞けよ」
鬼・魔女「?」
ウルフルン「」ゴニョゴニョ
アカオーニ「フムフム……」
マジョリーナ「ははあん……」
ウルフルン「……というわけだ」
アカオーニ「なるほど! それはいいオニ!」
マジョリーナ「お前にしてはいい考えだわさ」
ウルフルン「ウルッフッフッフ……だろう?」
ハハハハハハハハハハッ!!!
みゆき「?」モグモグ
♪シャワールーム
みゆき「……」ヌギヌギ
みゆき「……オオカミさーん」
ウルフルン「あーん?」(壁越し)
みゆき「覗かないでよー?」
ウルフルン「誰が覗くか! 人間の裸なんてよ!」フリフリ
みゆき「そ、そうだよね。オオカミさんがそんなことするわけないよね、ごめん……」シャワアア
ウルフルン「ああ?」
みゆき「ていうかここって浴槽がないよー?」
ウルフルン「んなもんねえよ。シャワーだけで十分だろ」
みゆき「十分じゃないよー。体洗って、湯舟に浸かりながら歌を歌うのが気持ちいいんだよー?」
ウルフルン「くだらねえ。歌いたいならカラアゲに行って来いってんだよ」
みゆき「ふふっ、カラアゲじゃなくてカラオケだよ。オオカミさんって食べ物のことしか頭にないんだね」フフッ
ウルフルン「う、うるせえ。どっちだっていいだろ」
みゆき「えへへ……」
みゆき「……」ブクブク
みゆき「オオカミさんって優しいよね」ブクブク
ウルフルン「はあ?」
みゆき「だって私を守ってくれたし」ブクブク
ウルフルン「だからあれは偶然……」
みゆき「……さっきもアカオニさんから守ってくれたよね。あれも偶然?」
ウルフルン「……」
みゆき「私ここに来て驚いたよ。アカオニさんやマジョさん、あの悪い二人があんなにも優しい顔をするんだもん」
みゆき「私のお母さんやお父さんみたいに……」
ウルフルン「だから固まったのかよ」
みゆき「あんな優しい人達に囲まれたオオカミさんは優しい人に決まってるよ」
ウルフルン「……」
みゆき「……つい話しすぎちゃったね」
ウルフルン「もう上がるのか?」
みゆき「ううん。もうちょっといるよ」
ウルフルン「そうかい。いつまでも付き合ってらんねえし、俺は部屋に戻ってるぞ」スタスタ
みゆき「♪」バシャバシャ
スマイスマイスマイスマイール スマイルプリキュアッ レッツゴー!
みゆき「〜♪」
ウルフルン「……下手くそ」
ウルフルン「……」スタスタ
アカオーニ「随分と話し込んでいたオニ」
ウルフルン「ガキの相手は面倒だ」
マジョリーナ「で、うまくいきそうだわさ?」
ウルフルン「……ああ。もうあいつは完全に俺を信じちまってる」
アカオーニ「うはは、それなら大丈夫そうオニな! お前の作戦!」
マジョリーナ「あのピンクを取り込み、利用してプリキュアを……いーひっひっひ!」
ウルフルン「ウルッフッフッフ、今夜は爪が疼く」キラン
ワハハハハハハハハハ!!
ジョーカー「……」|トランプ
ジョーカー「うふっふぅ〜! いーいことを聞いてしまいましったぁ〜!」
ジョーカー「あのウルフルンさぁんもぉ〜、とぉーんでもないことを思い付くものですねえ〜!!」
ジョーカー「流石は偉大なる三幹部ぅうう! わーんだふぉおおおおっ!!」
ジョーカー「……ですがこの作戦、うまくいきますかねえ? 私には到底うまくいくとは思えまっしぇ〜ん!!」
ジョーカー「ぬなぁぜぬぁぅら〜、生き物には感情という無駄なものがありますからねぇ〜」
ジョーカー「まあ悪の三幹部にあるとは言っていませんが……とりあえず今は見守ることにしましょう。温か〜い目でねぇ〜……」
アヒャヒャヒャヒャヒャーッ!!!
♪翌朝
みゆき「ふああ〜!」ウーン
みゆき「よく寝たー……ん?」
布団<ガラガラ
みゆき「? マジョさん、もう起きてるんだ」
いい匂い<フワー
みゆき「! いいにお〜い! あ、そっか。ご飯はマジョさんが作ってるんだっけ!」
みゆき「台所に行こう!」タタッ
グツグツ……
マジョリーナ「いーひっひっひ……」マゼマゼ
みゆき「おばあちゃーん!」タタッ
マジョリーナ「誰がおばあちゃんだわさ! アカオーニの口真似はやめるだわさ!」
みゆき「なに作ってるの?」ジイッ
鍋<グツグツ……
みゆき「な、なにこれ」
マジョリーナ「何って朝ごはんに決まってるだわさ」
みゆき「緑色の液体だし、魔女の鍋にしか見えないけど……」
マジョリーナ「つべこべ言ってないで何か手伝うだわさ!」
みゆき「まっかせてー! 皿を運びまーす!」タタッ
みゆき「」コケッ
バリイイイン!
マジョリーナ「使えない子だわさ……」ハアッ
マジョリーナ「さぁさ、朝ごはんの時間だわさー」
アカンベェ「あかんべぇ〜」サラモッテル
みゆき(アカンベェの方が家事うまいなぁ……)シュン
マジョリーナ「他の二人を呼んでくるだわさ」
みゆき「それくらいなら! 行ってきま……」ゴチン!
みゆき「いたああっ!?」コテン
ウルフルン「ったく、気をつけろ」
アカオーニ「騒々しいオニ」
みゆき「オオカミさん、早いね……」
ウルフルン「あんな大きな音で起きない奴なんていねえっつの。皿でも落としたか?」
アカオーニ「それにお前なんかに起こされたくはないオニ」ツーン
みゆき(き、嫌われちゃってる?)
みゆき(そうだよね、私達は敵同士だし……)チラッ
ウルフルン「……?」
みゆき「はあ……」
マジョリーナ「みんな、早く食べるだわさ!」
アカンベェ「あかんべぇ〜」ハイゼンシテル
みゆき(ていうかあの液体が見事なハムエッグに……)
みゆき「ぷは〜、おいしかった〜」
マジョリーナ「お粗末さまだわさ」
アカンベェ「あかんべぇ〜」アトカタヅケ
ウルフルン「さて、と。そろそろ行くか」スクッ
みゆき「? どこか行くの?」
アカオーニ「人間界オニ。俺様達の仕事を忘れたわけじゃないオニ?」
みゆき「バッドエナジーを集めに……」
ウルフルン「止めるなよ。これに関しちゃ無理な話だ」
ウルフルン<シュンッ
みゆき「ああ……」
みゆき「行っちゃった……」
マジョリーナ「私達にはノルマがあるだわさ。ピエーロ様を復活させるのに必要なバッドエナジーを、一日にどれだけ集めるかのね」
アカオーニ「むしろお前もプリキュアなら止めに行くべきじゃないかオニ?」
みゆき「それは、そうだけど……」
マジョリーナ「?」
アカオーニ「何かあったオニ?」
マジョリーナ「……なるほど、プリキュアがねぇ」
アカオーニ「プリキュアも堕ちたものオニ」
みゆき「……」
マジョリーナ「まあ私達ゃウルフルンの行動の方がびっくりだけどねぇ」
みゆき「私、オオカミさんにお礼をしたいの! 私を守ってくれたオオカミさんに!」
マジョリーナ「お礼、ねぇ……」
アカオーニ「敵にお礼とは律儀な奴オニ」
アカオーニ(ウルフルンの言う通り、本当に信じきってるオニなぁ)ニヤリ
みゆき「……おかしい、よね。こんなの……やっぱり」
マジョリーナ「……」
アカオーニ「……」
ポン……
マジョリーナ「私ゃ魔女だし、人間の気持ちはわからない……知りたくもないけどそういうのはやって損ではないと思うだわさ」
アカオーニ「ウルフルンの奴も喜ぶオニ!」
みゆき「……っ! うん!!」
アカオーニ(……ふふふ)
マジョリーナ(こうしておけば私達にも信頼を置くようになるだわさ)
アカオーニ(念には念を、オニな)
♪人間界
プリキュア<アハハハ
ウルフルン(ほう。仲間がいなくなったってのに、こんなところで仲良くおしゃべりかぁ)
タッ
あかね「!」
ウルフルン「見つけたぜ、プリキュア!」
キャンディ「ウルフルンクルー!」
やよい「こんな天気のいい日なのに〜!」プンプン
ウルフルン「知るか! 俺にかかればこんな空、一気に黒く染め上げてやるぜ!!」
ウルフルン「世界よ! 最悪の結末、バッドエンドに染まれええ! 白紙の未来を黒く塗り潰すのだぁああああ!!」
ウルフルン「ウルッフッフッフ……人間どもの発したバッドエナジーが悪の皇帝ピエーロ様を蘇らせていくのだあああああああっ!!」
通行人<ダレニモミユキヲアゲヘンデェ……
あかね「アカン! みんなからバッドエナジーが!」
キャンディ「みんな、変身クルー!」
レディー!
「「プリキュア、スマイルチャージ!!」」
ゴー!
サニー「太陽さんさん、熱血ぱわ! キュアサニェー!」
ピース「ぴかぴかピカリン? じゃん、けん、ポン♪ キュアピース!」
マーチ「勇気凛々! 直球勝負ッ! キュアマーチッッ!!」
ビューティ「しんしんと降り積もる清き心……キュワビューティ!」
「「四つの光が導く未来! 輝け、スマイルプリキュア!!」」
ウルフルン「うらああっ!」シャキイン
サニー「……!」
ドガアッ!!
サニー「あああっ!?」
マーチ「サニー!!」
ビューティ「今回はアカンベェを出さないんですね」
ウルフルン「ああ。ちょっとばかり、ストレス発散したくてよお」
ウルフルン「なあっ!!」ダッ
ビューティ「みなさん、固まってはいけません! 広がってなるべくウルフルンを囲むようにしてください!」
タタタ
ウルフルン「ちょこまかと……」
ピース「やああっ!」
ドガッ バキッ
ウルフルン「効かねえぞ!!」シャキイッ
ピース「きゃあっ!?」
ビューティ「一人で向かってはいけませんね……四人で動きを止めるしか……」
ウルフルン「来いよ。俺様を止められるならなあ!?」ギロッ
サニー「なんちゅう威圧や……!」
ウルフルン「うらああっ!!」ダッ
ウルフルン(俺は何のために戦ってる?)
ウルフルン(ピエーロ様を復活させるためにバッドエナジーを……んなことは分かってる。分かりきってる!)
ハッピー『ありがとう、オオカミさん』ニコッ
ウルフルン(チッ、何であいつの顔がちらつく? ただ俺は……)
♪数日前・本屋
ウルフルン「ウルルル〜、俺様ウルフルン〜」タタッ
ウルフルン「んあ? なんだこの本」
本<女を口説く百れつけん!
本<男は狼。気をつけないと食われてしまう……。そんなふうに見られて全く女性に相手にされない人必見! 今回はどんな狼男でも……
ウルフルン「男は狼? ウルッフッフッフ……俺様にぴったりな言葉じゃねえか!」
ウルフルン「ふむふむ。なぁるほど〜、こいつを使えばプリキュアを……」
ウルフルン(つーか口説くってなんだ?)
ウルフルン「まあなんだ。やっつけられるってことだろ! ウルッフー!!」
ウルフルン「まずはそうだな。一番馬鹿そうなピンクからだな……」
ウルフルン「作戦は……名付けて、悪口を言いながらさりげなく優しく接してあげよう! そうすれば女の子は絶対にオチる作戦〜!!」ウルッフフー!
ウルフルン「これでピエーロ様復活も近いぜ。ウルッフッフッフ……!!」
ウルフルン(……うまくいくはずだったんだがなぁ。まさかプリキュアが邪魔してこようとは)
ウルフルン(こいつら知っててやってんじゃねえだろうな……ってそんな頭良くねえか)
ウルフルン「なんにしろ……」ググッ
ドガアアッ!!
マーチ「きゃあああっ!?」
ウルフルン(ピエーロ様復活が最優先!! あいつのことは……まだ考えなくていい)
ダッ!
ウルフルン「ウルッフー!!」
♪バッドエンド王国
マジョリーナ「ほらあっ! さっさと運ぶだわさ!」
みゆき「は、はいぃ!」サラモチ
ドテンッ
皿<パリイイン!
みゆき「あああ〜っ!?」
マジョリーナ「世話が焼けるだわさ……。どうして何もないところで転ぶだわさ!?」
みゆき「何もなくないよー! ほら、それ!」
絨毯<ペラペラ
マジョリーナ「まさか絨毯に引っ掛かっただわさ!?」
みゆき「えへへ……」
マジョリーナ「仕方ない奴だわさ……」
マジョリーナ「もういいだわさ。先に洗濯物を頼むだわさ」シッシッ
みゆき「わ、わかった!」タタッ
アカオーニ「……」ドーン
みゆき「? 洗面所の前で何してるの?」トオレナイ
アカオーニ「入るオニ」
みゆき「う、うん」タタッ
アカオーニ「」ジイッ
みゆき(な、なんだろう……)
みゆき「このボタンだよね」ピッ
アカオーニ「ああああああああああああああああああああーっ!!」
みゆき「え、ええっ!? ビックリした!」
アカオーニ「こんの……」つ金棒
アカオーニ「洗濯機めええーっ!!」ブンッ
ドガシャアアッ!!
みゆき「え……」
洗濯機<プシュー
みゆき「えっ?」
アカオーニ「ふうっ、よかったオニ」ニコニコ
洗濯機<ガガピピ……
みゆき「ええええええええええええええええええええ!?」
洗濯機<バシャアッ!
みゆき「あふっ」ビチャッ
みゆき「はっぷっぷー」
アカオーニ「ごめんオニ。洗濯機に俺様とウルフルンのパンツが一緒に入っていたからつい……」
アカオーニ「あいつのパンツと俺様のパンツが同じ空間に入り水中で混ざり合うのが我慢できなかったオニ」テヘッ
みゆき「だからって洗濯機壊さなくてもいいじゃない。おかげで手で洗うはめになっちゃったよ。はっぷっぷー」
アカオーニ「ごめんねごめんネ。自分のは自分で洗うオニ」
みゆき「当たり前だよー」ハプウ
みゆき「まったくぅ……」ゴシゴシ
アカオーニ「あ、これもお願いオニ」スッ
みゆき「なにこれ?」
アカオーニ「ウルフルンのパンツオニ」
みゆき「ふえええっ!?」ポイッ
アカオーニ「脱ぎたてオニ」
みゆき「ふえええっ!?」
アカオーニ「それも洗ってくれオニ」
みゆき「な、なんで私があああっ!?」
アカオーニ「俺様、野郎のパンツを洗う趣味はないオニ」
みゆき「ひ、ひいい……」ヒロイッ
みゆき「な、なんで私がこんなことぉ……!//」
みゆき「はあ……」トボトボ
マジョリーナ「? なんかあっただわさ?」
みゆき「な、なんでもないよおっ//」
マジョリーナ「何を赤くなってるだわさ?」
みゆき「あ、あ、赤くなってなんかないもん!//」
マジョリーナ「まあなんでもいいだわさ。さあもう少ししたら夕食の準備をするだわさ」
みゆき「う、うん!」
マジョリーナ「今日は私が作ったものを出すけど、練習はしっかりするだわさ」
みゆき「うん!」
マジョリーナ「まあそれまでは一息入れるだわさ。疲れてるだろう?」
みゆき「うん、ありがとう!」
マジョリーナ「ああ、あとジョーカーって奴に気をつけるだわさ! あいつは何考えてるかわからないからね!」
みゆき「ジョーカー?」
タタタ
みゆき「うーん、広い部屋〜。ここならゆったりできるかも」
トランプ「……」
みゆき「? なんだろうこのトランプ」
トランプ<ピカアアッ
みゆき「えっ……、なに……?」
スタッ
ジョーカー「どうもぉおお!! 三幹部のみなさああああんっ?」
ジョーカー「今日もトランプ〜。ババヌキでどなたが出撃するのかお決めになるつもぉりなんですかぁああ〜?」
ジョーカー「いい加減その制度もお止めになったほぉおおぅがぁ〜……ああぁ?」
みゆき「……」ポカン
ジョーカー「……」
みゆき「あ、どうも」
ジョーカー「ど、どうもぉ……」
みゆき「……」
ジョーカー「……」
みゆき「あの……ジョーカーさんですよね?」
ジョーカー「そ、そうですぅ……」ドギマギ
みゆき「……」ジイッ
ジョーカー(わ、私が遅れをとるとはぁ……予想外ですねえ……)
みゆき「……なんだ。聞いた話だと怪しい人かと思ったけど、そうでもないですね!」
ジョーカー「……はぁあ?」
みゆき「だって見た目もオオカミさん達と大差ないし、いい人そうだし!」
ジョーカー「わ、私がいい人そう……ですかぁ?」
ジョーカー「アヒャヒャヒャヒャヒャーッ!!」
ジョーカー「何をおっしゃるうううんっふうっううぅ? この私は悪の皇帝ピエーロ様の直属の部下ぁあ、あの三幹部どもをまとめるリーダーなのですよぉおおおっう?」
ジョーカー「その私をいい人など愚かすぎますね、あなたぁあああああっはあんっ?」
みゆき「ジョーカーって絵本にいたっけ? トランプ兵ならアリスだけど……。そうだ、あなたの名前はババさん!」ペッカー
ジョーカー(きぅぃってぬぅあああああああああいっひいっんい!!)
みゆき「あっ、もうこんな時間!」
みゆき「私、料理の練習しなくちゃ! じゃあねババさん!」
ジョーカー「ちょっと待ちなさ……」
みゆき「あっ……。よかったらババさんもご飯食べに来てね♪」ニコッ
タタッ
ジョーカー「待っ……」
ジョーカー「……。はぁあああああああああああああああああああっはぁんいっひいい!?」
ジョーカー「私があの馬鹿どもと同じ食卓に並ぶぅうう!? ふざけて……ふざけてんのかぁああああああああああああああああああああ!!」カベドガッ
ジョーカー「まったく何と言うガキ……」ギリッ
ジョーカー「……くそっ!」
ウルフルン「おー、今帰ったぞー」ズカズカ
みゆき「おかえりなさ〜い!」タタッ
ウルフルン「……」ポカン
みゆき「……?」
ウルフルン「……なんでお前エプロンなんかしてんの?」
みゆき「えっ……あっはあ!? これはぁ!//」ヌギヌギ
ウルフルン「なに慌ててんだよ」
みゆき「べ、別に何でもないよ!//」
ウルフルン「……?」
ウルフルン「よお、もう晩飯か?」
アカオーニ「遅いオニ、ウルフルン。待ちくたびれたオニ」
ウルフルン「別に先に食っててよかったぞ」
マジョリーナ「今日は珍しいお客さんがいるからねぇ〜」
ウルフルン「あぁ?」
ジョーカー「どうもぉ〜♪」ノシ
ウルフルン「うおおおおっ!?」ビクッ
ジョーカー「」ニコニコ
ウルフルン「なんでてめぇがここにいる! ジョーカァアアアアー!?」
みゆき「あ、ジョーカーさんこんにちは♪ 来てくれたんですね」ニコッ
ジョーカー「はぁい♪」ノシ
ウルフルン「……おい、ジョーカー。何を企んでる?」ギロッ
ジョーカー「……せぇ」
ウルフルン「あ?」
ジョーカー「うるせえ」ボソッ
ウルフルン(……えぇー)
ポップ「そんなこんなで一週間が過ぎたでござる」
みゆき「アカオニさん! 手芸ってできるかな?」
アカオーニ「手芸ぃ?」
みゆき「教えてほしくて」
アカオーニ「できるオニ!」つ針
みゆき「本当!?」キラキラ
アカオーニ「こうやってこうやって……」ブスッ
アカオーニ「あだあっ!?」
アカオーニ「こんの針めええー!!」ブンッ
みゆき「ええええええええ!?」
アカオーニ「手芸なんて大嫌いオニ!」フンッ
みゆき「ほ、他の人に頼むね」
トランプ「……」
みゆき「ババさん、出てきてー!」チョイチョイ
トランプ<ピカアアッ
ジョーカー「呼ばれて飛び出て、はぁいジョーカー! お嬢さん、私の名前はジョーカーですぅ。いい加減覚えてくださぁい」
みゆき「えー、ババさんの方がいいよー」
ジョーカー「あなたがいいならいいんですけどっ」
ジョーカー「……で、一体何の用ですかぁ?」
みゆき「手芸って得意かな?」
ジョーカー「アヒャヒャ! 手芸ぃ? 出来ないわけがぁありましぇ〜んねぇ! 私はピエロ、手先は器用ですからぁ〜!!」
みゆき「やった! ババさん、私に手芸を教えてくれないかな?」
ジョーカー「なんでですかぁ〜?」
みゆき「……ということなの」
ジョーカー「……ふむ、なるほど」
みゆき「お願いできるかな?」
ジョーカー「……うふっふうっ! 構いませんよおうっ? ピエロは誰にでも優しいんでねえええっへえん?」
みゆき「ありがとう」ニコッ
ジョーカー「んふっ、お礼は全てを終えたあと。それまで付き合いますよぉ」
みゆき「よろしくね、ババさん!」
ジョーカー「んふっ……」
宗本「また一週間が過ぎたよ」
みゆき「おばあちゃーん! ここのところがよく分からないよ〜!」
マジョリーナ「どれどれだわさ?」
マジョリーナ「はあん。ひっくり返すところだわさ? 確かに一番難関だわさ」
みゆき「あはは、いつもグチャグチャになっちゃうの」
マジョリーナ「それはもうお前さんが頑張るしかないだわさ」
みゆき「私が?」
マジョリーナ「技術は教えた。あとは星空みゆき、お前の気持ち次第だわさ!」
みゆき「私の気持ち……」ギュッ
ジョーカー「そう、そしてそちらに……違います。はい、そうして……おお、そんな感じですよお」
みゆき「いだっ」ブスッ
ジョーカー「大丈夫ですかぁ?」
みゆき「あう、血が出てきちゃった……」
ジョーカー「今止血を……」ガサゴソ
みゆき「へ、平気だよ! こんなの舐めておけば大丈夫だよ」
ジョーカー「……そうですか」
みゆき「」セッセセッセ
ジョーカー「……。あなたはどうしてそんなに頑張るのですかぁ?」
みゆき「えっ?」チクッ
みゆき「いたた……」
ジョーカー「す、すみません」
みゆき「……。なんでって、私もよくわからないの」
ジョーカー「は……?」
みゆき「今こうやってアカオニさんやおばあちゃん、ババさんと楽しくやれてるのは……その、あの人のおかげだから」
ジョーカー「……ウルフルンさぁんですかぁ?」
みゆき「……えへへ、おかしいよね」
ジョーカー「……」
みゆき「私プリキュアなのに。世界を救わないと駄目なのに。世界をバッドエンドにしようとしてる人にお礼をしようとして、一緒に過ごして……」
ジョーカー「……」
みゆき「変、だよね」
ジョーカー「んふっふぅうんっ? 変ですかねえっへえん? あなたぁ?」
ジョーカー「私、実はですねえっへえん? 実はあのウルフルンさぁん達、三幹部のみなさんには一切興味がなかったんですよおおっほおんっ」
ジョーカー「一時は自らあの馬鹿どもを始末しようと考えていたほどでっすうう。ですがねえっえ、その考え……」
ジョーカー「もうありませんよぉ。なんんんっふううんぜぇ? ですかねぇえええっ?」
ジョーカー「私はそれについて考えてみたんですよおぉっほおっ」
ジョーカー「私が今の私になれっったのもぉお〜」
ジョーカー「あなたのおかげですよ、星空みゆきさん」
みゆき「私の……?」
ジョーカー「ええ。あなたが来たことにより強引にも三幹部のみなさぁんと接してしまいましたからねぇ」
ジョーカー「知ってしまったんですよぉう。彼らの……良さ、をね」
みゆき「ババさん……」
ジョーカー「星空みゆきさん。んんんんんんんん、あんっなたはぁっはぁん! 変ではありませ〜ん!! おかしくはありまっしぇーん!!」
ジョーカー「強いて言えば、あなたには力がある。人も怪物もみぃ〜んな幸せにしてしまう、この上なく有難迷惑な力がね」
みゆき「みんなを幸せにする力……?」
みゆき「ババ、さん……私……」
ジョーカー「さんっあっはああ〜? 裁縫の続きをやりまっしょうかねえん? お嬢さぁん?」
みゆき「で、でも」
ジョーカー「あなたが今やるべきことはウルフルンさぁんにお礼をすること。そうでしょう?」
みゆき「……」
ジョーカー「私に何か言う必要はありまっしぇーん! お礼も愛もいらなぁい。私はピエロ、ただのおどけた地蔵ですうっ」
ジョーカー「話をするなら一方的にぃ、話をしないなら拝めばいいのでぇす! 私は聞いた話はすべて受け流してしまいますから」
みゆき「……うん。私、頑張る!」
ジョーカー「それでこそ、星空みゆきでっっすうう」
♪人間界
ウルフルン「はあはあっ……」
サニー「なんやねん! このところ毎日毎日……」
ビューティ「あなたの体、ボロがきているのではありませんか?」
ウルフルン「ウルッフッフッフ……そりゃお互い様だろうがよぉ」
ピース「もう体中が筋肉痛だよぅ」グスッ
キャンディ「みんな、頑張るクル!」
ウルフルン「ウルッフッフッフ……」
ウルフルン(だがこれでバッドエナジーも徐々に集まってきた。こりゃピエーロ様復活も近いんじゃねえかあ?)
ウルフルン「ウルッフッフッフ……」
ビューティ「このままでは私達もいつ倒れるかわかりませんね」
マーチ「こんなボロボロの奴だ! 一気に片付けてやろうよ!!」
ピース「もう二度と来られないように、けちょんけちょんにね」
サニー「ええなあ、それ。いっちょ、やったろか!」
ウルフルン「お前ら程度に俺を殺せるかよ?」
サニー「そんなんやってみんと分からん!」
ビューティ「行きますよ、みなさん!」
ウルフルン「だから無理だっつの……、!?」ズキイッ
ウルフルン(……! こんな時に体の痛みが……!?)
サニー「! 今やああっ!!」
サニー「プリキュア・サニー・ファイヤぁあー!!」
ピース「プリキュア・ピース・サンダー!!」
マーチ「プリキュア・マーチ・シュートォオオ!!」
ビューティ「プリキュア・ビューティ・ブリザーーーードッ!!」
ウルフルン(! やべっ……)
ドオオオオオッ!!
煙<モクモク
サニー「やったで!」
煙<そうオニか?
ピース「誰かいる……!」
アカオーニ「そこまでオニ、プリキュア!」ドンッ
ビューティ「アカオーニ……!?」
ウルフルン「お前、どうして……」
アカオーニ「どうもこうもないオニ。最近お前は傷だらけで帰ってくるから、何をしているのかと思って来てみたら……」
アカオーニ「こういうことオニか……」
プリキュア<……
ビューティ「……また退けるべき敵が現れましたね」
ウルフルン「アカオーニ……」
アカオーニ「分かっているオニ」
アカオーニ「おい、プリキュアー! これ以上こちらに来れば、お前達の腰から上はないものと思えオニ!!」ギロッ
サニー「……っ!」
ビューティ「ここは退くしかありませんね」
サニー「またかいな!?」
マーチ「しょうがないよ」
ピース「今度現れたら……」
プリキュア<シュンッ
アカオーニ「ほら、しっかり歩くオニ!」
ウルフルン「ウルッフッフッフ……悪の三幹部が情けねえなぁ……」
アカオーニ「言ってる場合かオニ!」
ウルフルン「ウルッフッフッフ……おい、アカオーニよぉ」
アカオーニ「なんだオニ?」
ウルフルン「俺は何がしたいんだろぉなぁ……?」
アカオーニ「何って……」
ウルフルン「俺が最近毎日バッドエナジーを集めてんのはピエーロ様のためだ」
アカオーニ「当然オニ」
ウルフルン「そうだよなぁ、当然だよなぁ……」
ウルフルン「でもなんかよぉ……なんか、ココに空いちまってんだよなぁ。ポッカリと、穴が……」
アカオーニ「穴ぁ?」
ウルフルン「何だかよくわからねえ。こいつは何なんだろうな、最近出来たのかと思ったが、それも違う……あいつと出会ってからずっとあるんだよ」
アカオーニ「……星空みゆき、オニか?」
ウルフルン「……わからねえ」
アカオーニ「わからないオニか。お前が分からないんなら、俺様も分からんオニ」
ウルフルン「だよなぁ」
アカオーニ「……だが、しっかりとよく考えるオニ」
ウルフルン「……あぁ」
アカオーニ「帰ったオニ!」ガララッ
マジョリーナ「遅いだわさ……ってなんだい、その傷は!?」
ウルフルン「なんでもねえよ、かすり傷だ……」
マジョリーナ「嘘こけだわさ!」
アカオーニ「プリキュアにやられたんだオニ。二週間続けてバッドエナジーを集めていた結果オニ」
マジョリーナ「二週間も!? あんたアホかい!」
ウルフルン「声が響く、うるせえよババア……」
マジョリーナ「ウルフルン……」
みゆき「どうしたのー? あっ、オオカミさん帰ってきてたんだ!」
みゆき「……ってその傷どうしたの!?」
マジョリーナ「げっ……」
アカオーニ「な、なんでもないオニ! 車に轢かれただけオニ! 別にプリキュアにやられたわけじゃ……」
みゆき「! みんなに……!?」
アカオーニ「あっ……」
マジョリーナ「おバカ!」
みゆき「大丈夫!? オオカミさん!」
ウルフルン「心配ねえよ、馬鹿。ただのかすり傷……グウッ!」ズキイッ
みゆき「オオカミさん!」
アカオーニ「大した怪我じゃないオニ! 二週間ずっと戦ったわけでも……」
みゆき「二週間も!?」
アカオーニ「あっ……」
マジョリーナ「アホー!!」
ウルフルン「……、」
みゆき「嘘だよ……みんながこんなことをするはずが……」
ウルフルン「……おい」
みゆき「みんな、が……」
ウルフルン「おい!」
みゆき「うっ……」ダダッ
ウルフルン「おい、どこ行くピンクうう!!」
アカオーニ「プリキュアー!」
マジョリーナ「みゆきいいっ!」
♪時計塔
ジョーカー「……」テクテク
時計<カチイン カチイン
ジョーカー「んふっふう。いい眺めですねえ」
ジョーカー「ウルフルンさぁんが頑張ってくれたうおっかげえでええ! バッドエナジーがううううっふふふぅんっっ〜んと集まりましたぁああ〜!!」
ジョーカー「大好きですよおうっ、ん私はっ! 仕事を頑張る人がっ!」
ジョーカー「アヒャヒャヒャヒャヒャーッ!!」
ジョーカー「んもうっふうん、私がただ一言声を上げるだけでピエーロ様は復活してしまいそうですねええんっ」
ジョーカー「そうっすればっははあ〜ん? 世界は永遠の闇に包まれ、バッドエンドに染まるうううっ! ウルフルンさぁん、あなたが望んでいたぁ……バッドエンドの世界ですよおおっうっふうふふふ〜んっわっふう!?」
ジョーカー「……そう、あとは私が声を上げるだけ。高らかに。悪役らしく」
ジョーカー「……んふっふう。何故でしょう?」
ジョーカー「ぬぁーぜぇー?」
ジョーカー「ぬあああああっずええっへええいっいえええっいっんっ?」
ジョーカー「私はぬぁにを〜? 躊躇っているのですうううう!?」
ジョーカー「ハッピーエンド? バッドエンド? ピエーロ様復活ううううぅっ!?」
ジョーカー「どれもどうでもいいことではありまっしぇええええええええーん!! 私がぁ望むものぉはああああ!?」
ジョーカー「世界をバッドエンドにいいいいっひいいいいひっえっ! 闇の底に絶望の淵にいいいっふえいっ!!」
ジョーカー「ならばどうして私はぁあああああああああああああああああああああああっあんっ!?」
ジョーカー「……私の、答えは……」
みゆき「……」グスッ
コンコン
みゆき「……」
マジョリーナ「入るだわさ」ガチャッ
みゆき「おばあちゃん……」
マジョリーナ「もう落ち着いたかい?」
みゆき「うん……」
マジョリーナ「……私ゃ、お前のことはあまり分からないだわさ」
マジョリーナ「たった二週間程度一緒に過ごしただけ。そんな短期間じゃあ、お前のことは……良いところしか分からないねえ」
みゆき「良いところ……?」
マジョリーナ「そうさ。たまに、いやしょっちゅうドジを踏むが芯はしっかりしたいい子だわさ」
みゆき「そんなこと……」
マジョリーナ「ジョーカーに聞いただわさ。お前の力を分析したみたいだねえ、あいつ」
みゆき「私の力?」
マジョリーナ「みんなを幸せにする力だわさ」
みゆき「あっ……」
マジョリーナ「プリキュアなら大丈夫だわさ。お前と一緒にいたあいつらが悪い奴らだとは思えんだわさ」
マジョリーナ「何か理由があるはずだわさ」
マジョリーナ「ほら、しっかりするだわさ」ガシッ
マジョリーナ「お前がいないとプリキュアは始まらないだわさ! お前はあいつらのリーダーなんだろう?」
みゆき「おばあちゃん、私……」
マジョリーナ「お前さんなら大丈夫だわさ。きっと、みんなをハッピーにできるだわさ」ナデナデ
みゆき「!」
みゆき(この、感覚……あの人を思い出す……私を守ってくれた、オオカミさん……ずっとこうしててくれたんだ……)
マジョリーナ「もう覚悟は決めただわさ?」
みゆき「……うんっ!」
ガチャッ
マジョリーナ「……」スタスタ
アカオーニ「お、おい。どうだったオニ?」
マジョリーナ「ふん、馬鹿だねお前。寝転がってたウルフルンはどこへ行っただわさ?」
アカオーニ「! あいつ、いつのまに……!」
マジョリーナ「悔しいが、みゆきのことはあいつが一番分かっているんじゃないのかねえ」
アカオーニ「……みたいオニ」
みゆき「はあっ、はあっ……」タタッ
みゆき「私……役立たずなんかじゃない……私だって、みんなのリーダーなんだ……」
みゆき「そうでしょ? あかねちゃん、やよいちゃん、なおちゃん、れいかちゃん! キャンディ!」
みゆき「オオカミさん……!!」
みゆき「はあっはあ……」カチャ
スマイルパクト<レディー!
みゆき「プリキュア、スマイルチャージ!!」
スマイルパクト<ゴー!
ゴーゴー! レッツゴーハッピー!!
ハッピー「キラキラ輝く、未来の光ッ!! キュアハップぃいいいー!!!」
ハッピー「私が……みんなを元に戻すの!!」
ゴオオオッ……!!
ジョーカー「世界がぁ……闇に包まれていくぅ……大いなる闇にぃぃ…………」
ジョーカー「アヒャッ! ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャッヒャヒャーッ!!!???」
ジョーカー「バッドエナジーがぁああっ!! 世界を飲み込んでいきますううううう!!」
ジョーカー「こぉんなカイカァン……身に覚えがありませぇん! シンッ、カンッ、クァッッックッツツツツツウウウウ!!!!!!」
ウルフルン「チッ、世界が……闇に…………」
サニー「なぁに驚いてんねん」
マーチ「あんたがやったことでしょう?」
ピース「このままじゃみんなが……」
ビューティ「あなたは絶対に許しません!!」
ウルフルン「ウルッフッフッフ……いいねえ。悪役はこうじゃなくっちゃなあああああ!!」
ウルフルン「早速始めようぜ! 争いをよおおおおお!!」
サニー「行くで、みんなぁ!!」
プリキュア<ウオオオッ!!!!
ドガッ バキッ……
ウルフルン「う、おおおおっ!!」
バゴッ ドジャアッ ドンッ!
ウルフルン「がああっ……!?」
ウルフルン(駄目だ、流石に無茶しすぎだなぁ……二週間はキツイな……)
ドゴオオオッ!!
ウルフルン(俺も一生懸命、お前を見習ってよぉ……なりふりかまわずやってみたけど……駄目だったわぁ……)
ウルフルン(プリキュアと戦って、奴らに何があったか、調べるつもりでいたんだが……無茶だったな……こんな俺じゃあ…………悪役なんかじゃ、正義の味方のことなんざ分からねえわなぁ……)
サニー「やあああっ!!」
バシイイッ
ウルフルン(お前はすげえよな。諦めずに、いつもいつも目標だけを見て……)
ピース「はあああっ!!」
ドオオンッ
ウルフルン(あの大量に捨ててあったお好み焼き、お前が作ったんだよなぁ……誰かさんのために)
マーチ「うおおおっ!!」
ドガアアッ
ウルフルン(こんな能無しで役立たずのためによ、あんなに手に傷も作って……)
ビューティ「いやあああっ!!」
ドゴオオオッ
ウルフルン(すま、ねえ……)
……バタリ
ウルフルン「」ガクリ
サニー「なんやコイツ、もう動けへんやん」ドガッ
ウルフルン「……」ゴロゴロ
ピース「じゃあもう捨てちゃお?」
アカオーニ「させるかオニ!」シュンッ
マジョリーナ「それ以上ウルフルンに近づくんじゃないだわさ!」シュンッ
ビューティ「また邪魔者が……」
アカオーニ(キュアハッピーはまだ来ていないみたいオニ……)
マジョリーナ(あの子が来るまでは私達が何とか時間稼ぎをするしかないだわさ)
マーチ「ふふ、まあ二人増えたくらいで変わらないけどね」
マジョリーナ「!」
マジョリーナ(なん、だわさ……!? この胸騒ぎは!?)
アカオーニ「オニ……! さっきまではプリキュアもこんなふうじゃあ……」
サニー「くくく……」ニヤニヤ
ピース「ふふふ……」ニヤニヤ
マーチ「あはは……」ニヤニヤ
ビューティ「うふふ……」ニヤニヤ
マジョリーナ「なん、だわさ……! これがあのプリキュアだわさ!?」
アカオーニ「オニ……!」
プリキュア<ダッ!
マジョリーナ「来る……!」
アカオーニ「マジョリーナ! 俺の後ろに隠れ……」
ザキイイッ!!!!
アカオーニ「る、……オニ……、……?」ヨロッ
バタアンッ!!
マジョリーナ「アカオーニ!!」
プリキュア<フフフ……
キャンディ「いいクル、みんな! そのままやっつけるクル!」
マジョリーナ「く……!」
ビューティ「あなたも終わりですよ!」ダッ
ドガアアッ!!
マジョリーナ「ぐっはぁあああああっ!?」
ドシャアアアッ
マーチ「ふふ、邪魔者は消えた……」
ピース「あとはハッピーを探しましょう」
サニー「プリキュアはあとハッピーだけ……」
ビューティ「ハッピーさえ倒せば、ピエーロ様が……」
「「そんなこと、させない!!」」
プリキュア<……!!
ハッピー「みんなにそんなことはさせない!」
サニー「ハッピぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
ハッピー「みんな、やめようよ! どうしてこんなことになっちゃったの……!」
ピース「こんなこと? 素晴らしいじゃない、世界がバッドエンドに染まるのよ?」
ハッピー「それをさせちゃいけないんだよ! バッドエンドを止めるのが私達のはずでしょ!?」
マーチ「ハッピーは何も分かってないね……」
ビューティ「あなただけですよ、黒く染まってないのは」
ハッピー「黒、く……!?」
サニー「まあなんにせよ、ハッピーが自分から来たんは手間が省けたな」
ピース「あなたを倒せば全てが終わり、そして始まる!」
マーチ「素晴らしい世界がねえええっ!!」
プリキュア<ダッ!!
ドガッ ドガッ!
ハッピー「く……!!」
サニー「おらおらどうしたぁー!? 全然戦意がみえへんでー!!」
ハッピー「……っ!」
マジョリーナ『覚悟はできただわさ?』
ハッピー(出来、たよ……みんなを救う覚悟……)
ハッピー(でもみんなと戦う覚悟なんて……出来ないよ……)
サニー「やあああっ!!」
ハッピー「あかねちゃん……」
ピース「はあああっ!!」
ハッピー「やよいちゃん……」
マーチ「うおおおっ!!」
ハッピー「なおちゃん……」
ビューティ「いやあああっ!!」
ハッピー「れいかちゃん……」
ハッピー(私、みんなとはどうしても戦えない……)フラッ
バタリ
ハッピー「……」
サニー「……終わったな」
ピース「うん……」
マーチ「……」
ビューティ「はい……」
ポロッ
サニー「あれっ……なんで? なんで、なにこれ……」ポロポロ
ピース「うう……」ポロポロ
マーチ「私達なんで泣い、て……?」ポロポロ
ビューティ「これは……」ポロポロ
ハッピー(みん、な……)ハアハア
ハッピー「ありがとう……まだチャンスは、ある……みたい…………」グッ
サニー「! 立ち上がったやと!?」
ハッピー「当たり前だよ……みんなが立ってるのに、私だけ寝てなんかいられない!」
ハッピー「私がみんなを戻してみせる!」キッ
オイ……
ハッピー「……!」
アカオーニ「何を、一人でやろうとしてるオニ……」ヨロッ
マジョリーナ「私達ゃ、まだくたびれてないだわさ……」ヨロッ
ハッピー「アカオニさん! おばあちゃん!」
ウルフルン「……おい」
ハッピー「!」
ウルフルン「今度は逃げんなよなぁ……。お好み焼き、美味かったぜぇえええええええええええええええええええ!!」
ハッピー「オオカミさん……!!」
後半の熱さが半端ない
サニー「なんなんやこいつら……!」
ウルフルン「分からねえ。分からねえよなぁ、正義の味方に悪役のことなんざよおおお!!」
アカオーニ「お前達が正義の味方なら、俺様達は……」
マジョリーナ「みゆきの味方だわさ!!」
ビューティ「しぶといですね……ここはもう、必殺技で……」
ハッピー「無理だよ。私達の必殺技の力は浄化! こんな良い人達を傷つけるなんて絶対に無理だ!!」
「「そおおおっううですねえええっへっええんっ? 無理ですよおおぉおおっ!?」」
ジョーカー「ただぁ〜し、使い手によりますがね」スタッ
狼鬼魔女「ジョーカー!!」
ハッピー「ババさん!!」
サニー「なんや、次から次へとおっ!」
ジョーカー「んふっふぅ。これはいい眺めですねえっ」
ハッピー「ババさん! 来てくれたのね!」
ウルフルン「ジョーカー、さっき言ったことの意味はなんだ?」
ジョーカー「使い手、ですかぁ? そうですねえ……プリキュアは全員が正義の心を持つと言われますが、今はどうでしょう?」
アカオーニ「真逆オニ……」
ジョーカー「ですよねえっ。そう、使い手の心によりプリキュアの必殺技の力は変わってしまうんですよおおう」
マジョリーナ「じゃあ……!」
ジョーカー「んふっうっ。今、プリキュアの浄化の力は消えて……すべてを闇に包む黒き力に変わっている……もちろん、あなた達に効きますね」
ハッピー「そんな……!」
アカオーニ「そもそもどうしてプリキュアが悪に染まったオニ!」
ジョーカー「何故って……わっかりまっっっっせえええええんかぁああっはあっ!?」
ジョーカー「この空を包む闇がすべてを示しているでしょおおっう! 世界は闇に包まれた!! プリキュアも、みんなみんな!!」
ジョーカー「ウルフルンさぁん、あなたがバッドエナジーをバカみたいに集めてくれたおかげでねええええっ!!」
ウルフルン「! ジョーカー……!!」
ウルフルン「ジョーカー、てんめええええええええええええええ!!!」
ジョーカー「うふっふぅん……」
アカオーニ「結局、お前がすべて仕組んでいたオニか……!」
マジョリーナ「あんたを一度でも信じた私達が馬鹿だっただわさ!!」
ジョーカー「……」
ウルフルン「何か言えよ、ジョーカぁぁああー!!」
ハッピー「待って!」
ウルフルン「……!?」
ハッピー「……ババさん、違うよね? ババさんは本当は優しい人……ピエロだもん、その仮面の下には素敵な笑顔があるんでしょう?」
ジョーカー「…………」
ハッピー「ババさんっ!!」
ジョーカー「ふっ……アヒャヒャヒャヒャッヒャヒャーッ!!」
ハッピー「……」
ジョーカー「うふっふぅんっふうう……本当にあなたには敵いませんねえ、キュアハッピー……」
ジョーカー「三幹部のみなさん、残念ですがぁ……ピエーロ様は復活しませんよぉ」
ウルフルン「どういう、ことだ……?」
ジョーカー「私には選択肢が二つあったんですよ。バッドエナジーを集め終わった時、我らの悪の皇帝ピエーロ様を復活させるか……」
アカオーニ「させるか……?」
ジョーカー「プリキュアを、救うか……がね」
マジョリーナ「……!! どういうことだわさ!?」
ジョーカー「バッドエナジーを集めることで得ることができたんです。この幻のキュアデコル……」
ジョーカー「ミラクルジュエルをね!!」
ハッピー「ミラクルジュエル……?」
ジョーカー「なんでも一つだけ願いを叶えることができるというキュアデコルです。そして私は願いました! そのままプリキュアを救うなんて願いはアバウトすぎて無理でしたが!」
ジョーカー「それでも! 私は頼みました!! プリキュアを救えるような願いを!!」
ミラクルジュエル<ピカアアッ
マジョリーナ「なんだわさ、この光は……!」
ウルフルン「なんて……なんて願ったんだ、ジョーカー!!」
ジョーカー「相手はプリキュアです。ならこちらも同等の力を持ちませんと。だからこう願いました……」
ジョーカー「私を妖精にしてくれ、んんんんっとぬぅえええええええええっへえんっふうっん!!」
ピカアアッ!!
ウルフルン「くっ……、さっきからなんなんだこの光は!?」
アカオーニ「光が強く……!?」
マジョリーナ「前が見えないだわさ……!!」
ジョーカー「……んっふうう。やっぱりあなた方ですよねえっ、お似合いなのは!」
レディー!
「「プリキュア、イービルチャージ!!」」
ゴー!
ゴーゴー! レッツゴーウルフ!!
ウルフ「ギラギラ輝く 漆黒の戦士! ダークウルフッッ!!」
レッツゴーオーニ!
オーニ「金棒ブンブン! 灼熱の暴れん坊! ダークオーニ!!」
レッツゴーリーナ!
リーナ「グルグル掻き回す 無限の知性……ダークリーナ!!」
「「三つの闇で塗り潰す未来! 轟け、イービルプリキュア!!」」
ウルフ「んなあっ! 俺達がプリキュアああ!?」
オーニ「ありえんオニ!」
リーナ「……だわさ」
ジョーカー「んっふうう……」
ハッピー「え、ええと……これはどういうリアクションをすればいいの?」
ジョーカー「今は眼前の味方ですよおうっ、キュアハッピー」
サニー「ありえへん……! プリキュアが一気に三人も!」
キャンディ「プリキュアは五人までのはずクル!」
ビューティ「いずれにせよ、叩き潰すまで」
ウルフ「ジョーカー! プリキュアの力は浄化の力なんだろ!? 俺達の力であいつらを何とかできるのか!?」
ジョーカー「順応早いですねえ。……使い手によってプリキュアの力は変わると言いましたよね?」
オーニ「ということは俺様達の力は今の奴らと同じ、闇の力オニ……!?」
リーナ「それじゃ意味ないだわさ!」
ジョーカー「いえ、意味なくないですよおっう。同じ力を使えるのなら……相殺できますよね」
ウルフ「……!!」
ジョーカー「あなた方の力でプリキュアの闇の力を殺し、そしてその隙にキュアハッピー! あなたの浄化の力……いえ光の力でプリキュア達を元に戻すのです!」
ハッピー「私の力で……」
ジョーカー「大丈夫ですっ、あなたならね。言ったでしょう? あなたの力は……」
ジョーカー「すべてを幸せにする力!!」
ダッ!!
ジョーカー「さあ、四人の力でプリキュアをむおっとぉにいいいいい!! 戻すぬぉっほおおっうっふのうっでぇえええええっへえんっふうっんっすううっ!!」
サニー「負けへんで!」
プリキュア<ダッ!
サニー「プリキュア・サニー・ファイヤぁあああー!!」
ピース「プリキュア・ピース・サンダー!!」
マーチ「プリキュア・マーチ・シュートォオオ!!」
ビューティ「プリキュア・ビューティ・ブリザーーーーードッ!!」
ウルフ「行くぜ、馬鹿どもおっ!!」
オーニ・リーナ「おおおおっ!!」
ウルフ「プリキュア・ダークウルフ・スラッシャァアーッッ!!」
オーニ「プリキュア・ダークオーニ・デストロイーーー!!」
リーナ「プリキュア・ダークリーナ・マジカァーーーール!!」
ドオオオオオッ!!
ジョーカー「今です!」
ハッピー「うんっ!」タッ
ハッピー(無属性なんかじゃない……私の属性は光!)
ハッピー「キラキラ輝く未来の光! なんだからあああああ!!」
ハッピー「プリキュア・ハッピー・シャワアアアアアアッ!!」
プリキュア<パシャアアッ
ビューティ「この光は……」
サニー「ハッピー、の……」
ピース「きれい……」
マーチ「心が洗われていくみたい……」
ピカアアッ!!
プリキュア<バタリ
ハッピー「みんな!」
サニー「ハッピー……」
ハッピー「元に、戻ったんだね……っ!」ウルッ
ウエエエエンッ!!
ジョーカー「泣くのはあとですよ、キュアハッピー」
ハッピー「うえっ?」グスッ
ウルフ「プリキュアは戻ったが、世界はバッドエナジーに包まれたままだ!」
オーニ「結局ここまでかオニ……!」
キャンディ「そんなことないクル!」
ハッピー「! キャンディ!」
キャンディ「まだレインボーヒーリングがあるクル!」
ハッピー「そっか、あれなら!」
ビューティ「なんとか出来るかもしれませんね……」
マーチ「私達も頑張るよ!」
ピース「三人もプリキュアが増えたしね!」
ウルフ「俺達もかよ!」
リーナ「私達の力は闇の力じゃあ……」
キャンディ「レインボーヒーリングは特別クルー!」
ゴオオオッ……
キャンディ「みんなの力を合わせるクルぅうううーー!!」ピカアアッ
サニーピースマーチビューティ「プリキュア!!」
オーニリーナ「レインボー!!」
ハッピーウルフ「ヒーリング!!」
ゴアアアッ!!!
ジョーカー「七色……いいえ、八つの色の光が世界を照らしていく……」
ジョーカー「これがプリキュア、妖精の力……なら私も参加してみましょうか……」
キッ!
ジョーカー「じょぉぉおおうかぁぁぁあっはあっんっふぅ、しなさぁあああああああいっ!!」
カッ!
<十人の力が一つに……!!>
ポップ「こうして世界は救われたでござる……!」
ハッピー「や、やった……?」
ウルフ「ウルッフッフッフ……いい気分だな、こうして綺麗な空を二人で見上げるのも」
ハッピー「……」
ウルフ「……」
ハッピーウルフ「二人……?」
スマイルスマイルスマイルスマイルスマイール プリキュア! レッツゴー!
オヒサマミタイニテラスワライガオー
アカオーニ「あーあ、これからどうするオニー」
マジョリーナ「ピエーロ様復活もなくなり、バッドエナジーも消えた。もう仕事もないね」
アカオーニ「バッドエンド王国も滅亡オニかー」
マジョリーナ「あの二人は……どうするのかねえ」
アカオーニ「それより住むところが欲しいオニー!」
キャンディ「なら、メルヘンランドにくるクルー?」
鬼・魔女「よ、妖精!?」
キャンディ「チミ達は曲がりなりにもプリキュアになんだクル。メルヘンランドのみんなも歓迎するクル!」
鬼・魔女「……」
アカオーニ「じゃあ遠慮なく……」 マジョリーナ「行かせてもらうだわさー!」
キャンディ「クルー!」
ヒタイノアセサエダイヤモンドー
ジョーカー「んっふうう。ここはなかなか……」テクテク
ジョーカー「色んな人間がいるんですねえっ、学校というところはっ」
ジョーカー「失礼しまああっす」ガララッ
佐々木「お待ちしておりました。新任教師の馬場ぴえろさんですね」
ジョーカー「そうそおおおうっ! んよろしっくおねがいしまっすうんよおおおおお!!」グルグル
佐々木「よ、よろしくお願いします」
ジョーカー「」グルグル
ジョーカー(私の新しい生活もここから始まるのですねええっへええん?)
ジョーカー「わあああはっああんっどぅあっっっほおおおおおおおお〜っ!!」グルグル
佐々木「」
スマイルスマイル プリキュア イッショニ!
みゆき「……あ、えっとそのお……」
ウルフルン「な、なんだよ」
みゆき「オオカミさん、その……」
ウルフルン「いい加減その呼び方やめろよ、ピンク」
みゆき「なっ、ウルフルンだって私のことピンクって言ってるじゃなーい!」
ウルフルン「ピンクはピンク、そのままだろうが、みゆき!!」
みゆき「……」 ウルフルン「……」
みゆウル「あっ……」
みゆき「い、今のなし! もう一回!!//」
ウルフルン「なんだそりゃあ!? 呼んだならそれでいいじゃねえか!」
みゆき「ムードってものがあるでしょー!」
みゆき「まったく、オオカミさんは何も分かってないんだから……」ハプッ
ウルフルン(また戻ってるし……)
みゆき「あ、そうだ。バトルの最中で聞く余裕なかったんだけどさ」
ウルフルン「んん?」
みゆき「お好み焼き美味かった、って?」
ウルフルン「……。なんでもねえよ」
みゆき「うそ! 絶対うそ! 食べたでしょ!」
ウルフルン「うるせえ! なんでもねえって言ってんだろうが!!」
みゆき「うわあ、ごみ箱に入れたやつ食べたんだぁ……汚ぁい……」
ウルフルン「……お前が作ったんだろ。汚くねえよ」ボソッ
みゆき「ええ〜!?//」
みゆき「なんでそういうことボソッと言っちゃうの!? ずるいよ!」
ウルフルン「はいはい」
みゆき「もう……」
ウルフルン「……俺も聞きたいことあるんだけどよー」
みゆき「なに?」
ウルフルン「俺に何か作ってたみてえだな、指穴だらけにして」
みゆき「な、なんでそれを!?」
ウルフルン「通りすがりの三ツ矢に聞いた」
みゆき「ああ〜!!」バタバタ
ウルフルン「さっさと寄越せよ」
みゆき「でもあんまりうまく出来てないし、ここじゃ渡しづらいっていうか……」モジモジ
ウルフルン「ムードとかどうでもいいっての。俺のためにイッショーケンメイ縫ってくれたんだろ?」
みゆき「うう、わかったよ。……はい//」スッ
ウルフルン「おう」ウケトリッ
みゆき「ど、どうかな?///」モジモジ
ウルフルン「……。いや、一つ言わせてくれ」
みゆき「うん」
ウルフルン「なんでパンツううううぅっ!?」
パンツ<ペラペラ
みゆき「ええっ!?」
ウルフルン「いや、ええっ!? どうしてこう、もっとマフラーとかさ……手袋とか! なんでパンツううううぅっ!?」
みゆき「だ、だって……オオカミさん、マフラーとかいらなさそうだもん」
ウルフルン「いやそうだけど! それでなんでパンツううううぅっ!?」
みゆき「それは……そのぅ、オオカミさんのパンツもう古かったから……//」
ウルフルン「あ?」
ウルフルン「えっ?」
みゆき「その、この二週間ね。オオカミさんのパンツを私が洗ってたから……」
ウルフルン「……」
ウルフルン「えっ?」
みゆき「……」
ウルフルン「ええええええええええええええええええええええっ!?」
みゆき「あはは……」
ウルフルン「なるほど、最近穿き心地がいいと思ったら……って何言わせんだぁ!!」
みゆき「……//」
ウルフルン「なんで頬赤らめるの!? つーか何でお前が俺のパンツ洗ってんの!!」
みゆき「アカオニさんに頼まれて……」マンザラデモナイ
ウルフルン「あのアホんだらあああああっ!!」
ウルフルン「まあいいわ。この件は……」
みゆき「疲れちゃったね」
ウルフルン「ああ。……ウルッフッフッフ」
みゆき「?」
ウルフルン「ハハハッ、本当にお前といるとおかしいな! 馬鹿みてえだ!」
みゆき「馬鹿って……」
ウルフルン「……」
ウルフルン「ウルッフッフッフ……」ナデナデ
みゆき「あっ……」
スッ
ウルフルン「ふっ。じゃあな、お仲間が待ってるぜ」
みゆき「えっ……待ってよ! オオカミさん! 私……離れたくない!!」
ウルフルン「……大丈夫だ。俺達はもう味方同士、今度会う時はまたこうして話せる」
みゆき「オオカミさん……」
ミユキチャーン!!
♪数日後
ウルフルン「プリキュアに俺の愛する女がいるぜーwwwww」
ウルフルン「そーれーはー?wwwwwwwwwww」チラッ
あかね「」ニヤニヤ
やよい「」ニヤニヤ
なお「」ニヤニヤ
れいか「」ニヤニヤ
みゆき「あ、あのオオカミさん。恥ずかしいんだけど……」
ウルフルン「チュッ」
おわり
最後まで見ていただいた方は感謝するでござる
ありがとうござましたクルー♪
よかった
乙
乙
Entry ⇒ 2012.05.16 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
なお「お酒は20歳になってから!」
某所
魔女「ない!ない!ないだわさー!!」
鬼「またかオニ」
魔女「あ、あんた!わしの大発明を知らんだわさ?!」
鬼「大発明?なんの事オニ?」
魔女「このくらいの瓶に入ってた液体の事だわさ!」
魔女「またお前か」
鬼「またオレ様だったオニ。ごめんねごめんね〜」
魔女「ふん……まぁいいだわさ。あれはまだ作りかけだったからね」
魔女「ヒャッヒャッヒャ!よく聞いてくれただわさ。これを飲むとたちまち気分がおかしくなり……」
鬼「ほほう、それでそれでオニ?」
魔女「そのうちおかしな行動で周りに迷惑をかけさせる、その名は――」
鬼「……あんまりすぎるほどそのまんまオニ」
魔女「うるさいだわさ!」
……………
………
わたし、緑川なお!
今日はふしぎ図書館でみんなと遊ぶ予定なんだけど、
わたしだけかなり遅れて向かってるんだよね。
待たせちゃったかな?
なお「お待たせーっ!ほんっとごめんね、急にサッカー部の招集かかっちゃって――」
なお「」ドサッ
やよい「えへへ、お姉ちゃんの匂いっ♪」スリスリ
なお「ちょっ、やよいちゃん?!どうしたの?!」
やよい「お姉ちゃんがあんまり遅かったから、さみしかったんだよぉ」
なお「それはほんとごめん――って、そうじゃなくて!」
なお「……ねえやよいちゃん、もしかしてこれ食べた?」
やよい「んー、ひみつ♪」
なお「嘘だッ!!!」
なお(何これ、めっちゃお酒臭っ!ウイスキーボンボンってやつ?!)
なお(こんなのわたしがいたら絶対止めたのに……!)
なお「な、何?」
やよい「ちゅーしよ?」
なお「ダメ」
やよい「なんで……?」
なお「当たり前だよ!わたしたち女同士だし、そういうのは本当に好きな人と……」
やよい「……っ……ふぇぇ……」ウルウル
なお(〜〜〜〜っ////)
やよい「えへへっ、お姉ちゃぁん♪」
なお(負けた……っていうか、その上目遣いは反則だよ)
なお(とにかくここは落ち着かせて、酔いを醒まさないと――)
やよい「――えいっ」
なお「ふぁっ?!」
なお「ちょっ、やっ……やよいちゃんっ!いい加減に……ぁっ」
あかね「ん……なんや、騒がしいなぁ」
なお「あっ、あかね!なんでこんなもの食べさせたの?!」
あかね「あー、無理無理。今年もどうせ底辺や」
なお「えっ」
なお「ちょっと、あかね!?」
あかね「何が悲しくて芝生観戦せなあかんねん!トラッキー見に来たんちゃうわ!」
なお(何なのこの展開……)
あかね「わかるやろ?!父ちゃんに『なんで勝てへんの?』って聞いて!
『阪神だからに決まっとるやろ!』って返された時の、うちの何も言えん悲しみが!」
なお「わけがわからないよ」
なお「ちょっ……ああもう!来年はきっとやってくれるから!ね?だから泣かないの!」
やよい「いぇーい!くたばれ阪神!くたばれ阪神!」
なお「やよいちゃんはそろそろしっかりして!」
やよい「やーっ」ぎゅーっ
なお「ダメか……もう、全然離してくれない!やよいちゃんってこんなに力強かったっけ」
なお「れいか!ちょうどよかった、やよいちゃんを――」
れいか「そこに直りなさい」
なお「えっ」
れいか「――何度も言わせるつもりですか?」
なお「……ごめん、なさい……」
なお(地雷踏んだぁっっ……!)
何でもその時々の風潮に流されるだけの人が増えてきて、なんと嘆かわしいことか」
なお「……はぁ」
れいか「少し考えればわかるでしょう!
この不況時に増税をしたら、かえって税収が減ることが!」ビシィッ
なお「へっ」
れいか「復興が進み生活が落ち着いた数年先に、
家や車を買おうとして値上がりしていたらどうなりますか?!」バンバン
なお「いたたたッ!やめてれいか!女子中学生のする話じゃないから!」
そんな事だからいつまで経っても口先だけの政治家に騙される!」ドン
あかね「せや!NDやHSMTが何したんや!出てきて茶ぁ濁しただけやんか!!」
なお「」
れいか「そんな衆愚政治をただ無責任に持ち上げるマスコミも言語道断!」
あかね「ちゃらんぽらんな事ばっか書きよって、何が報道の自由や!ええ加減にせんかい!」
いえ、必ずかけてみせましょう!」
あかね「よっ、だいとーりょーっ!プリキュア政界殴り込みや!!」
れいか「がんばろー!」
あかね「がんばろー!」
なお「……何なのこれ」
なお(居酒屋の酔っぱらった中年サラリーマンか……!)
今年はDeNAがいるよ!
やよい「なーに?」
なお「さっきから見てないんだけど、みゆきちゃんはどこに――」
やよい「――どうしてあの女の話をするの?!お姉ちゃんのウソつき!!」ガシャーン
なお「ひっ……!!」
他の誰でもない、わたし……!」ギリギリ
なお(手が!手があああっ!)
やよい「だから安心して、お姉ちゃん……?
お姉ちゃんにまとわりつく意地汚い害虫どもは、みんなわたし、が――」
なお「へっ――やよいちゃん?!」
やよい「――すぅ……すぅ……」
なお「なんだ、寝ちゃっただけか。びっくりした」
なお(今のやよいちゃん、乱神モードのれいかより怖かった……)ブルブル
みゆき「ただいま――!」
なお「みゆきちゃん!今までどこ行ってたの――ぶっ!?」
みゆき「んー?どしたのなおちゃん?」
なお「どしたの、じゃないよ!何その格好?!」
なお「白衣にセーラー服の上着だけってそれ絶対普通じゃないから」
みゆき「そーお?」
なお「そうだよ!だいたい、どうして下はいてないの?!パンツが……!」
なお「いや違うでしょ!見てて恥ずかしいよ!」
みゆき「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!!」
なお「パンツだよ!!」
なお(あ、頭のおかしなことを堂々と……!)
れいか「ふぁああぁっ!!」
なお「?!」
れいか「そ、そんなこと……はっ、あぁん!」
あかね「せやかて身体は正直やで?もうこんなにずぶ濡れやんか……!」
れいか「んっ……あっっ!やぁっ……!」
あかね「ほらほら、もういってもいいんやで?淫乱マゾ委員長さん―――!」
あかね「ん、これか?みゆきの買うてきたマンガ、読んでんねんけど」
なお「音読しなくてもいいでしょ………!」
れいか「いいえ。言葉というものは声に出して読むことで、より深く心に染み入るものです」
あかね「せやなぁ……」
なお「このマンガのどこにしんみりする要素があるの?!」
やがて色欲にまみれた雌と化し本能のままに快楽へ溺れ――ふひひっ」
なお「気持ち悪いよ!」
みゆき「あー!もうムラムラしてきたのでちょっと性行為というものをしてみましょうか!」
なお「せっ……」
あかね「素敵やん!」
なお「ちょっとみんな落ち着いて!?こんなの絶対おかしいよ!」
あかね「んなこと言って、ほんとはなおも――」スルッ
なお「っ」ビクッ
なお「……〜〜っ」ゾクッ
みゆき「みんなで幸せ……ゲットしよ?」
なお「――――ッ!」
れいか「かはっ……!」ガッ
あかね「ひぎぃ……!」ズドンッ
みゆき「ユニバァ……ァス」ガクッ
なお「今の……」
なお「……ピース?!なんで」
ピース「怖がらせちゃってごめんね。
でもわたし弱いし……助けるにはこうするしかなくてっ」ボロボロ
なお「わわっ、泣かないで!?わかったよ!気持ちは痛いくらいわかったから!」
なお「とにかく、助けてくれてありがとう。嬉しいよ」
ピース「なお、ちゃん……」ヘタッ
なお「ピース?どうしたの、まだ酔って――みゅっ?!」
ピース「ちゅ……んっ……」
なお「んっ!むっ……んむーっ?!」
なお「はぁっ……」
ピース「……ふふ。糸引いちゃってる」
なお「あ……(うそ……キュアピースと……やよいちゃんと、きっキスしちゃった……?!)」
ピース「なおちゃんがいけないんだよ……そんな無防備に近づいてくるから……」
なお「っっ……!」
なお「ひあっ!!そんな……ダメだって……!」ビクンッ
ピース「なら、逃げてもいいんだよ」
なお「う……」
ピース「それとももしかして、わたしのキスで興奮しちゃった?――えっちななおちゃん」
なお「……っあ……///」
ピース「怖がらないで……優しくしてあげる」
……………
………
みゆき「ふわぁぁ……あたたっ」ガンガン
あかね「頭痛い……」ズキズキ
れいか「うぅ……お二人とも、大丈夫ですか?」
あかね「これは……あかんわ」
みゆき「はっぷっぷー……」
みゆき「あれっ、どうしたの?れいかちゃん」
れいか「あ、あれ……!」
あかね「えっ、なお?!なんで裸エプロンなんか……うわっ、キスマークだらけやん!」
みゆき「わわっ、こっちにはキュアピースの格好なやよいちゃんが!?なんか汗びっしょり!」
みゆき「それって……?」
あかね「まさか……」
やよい「ん……ぅ」
やよい「え、何って……みんなでお菓子食べながらおしゃべりしてて」
みゆき「下!下!」
やよい「下?えっ――なおちゃん?!?!わっわたしも!何この格好?!」
みゆき「やよいちゃん……」
やよい「ちがっ……本当に違うよ!? わたし何もしてないよ!」
やよい「だから違うってば!れいかちゃん信じてよぉ!!」
れいか「……………」
やよい「その微妙な沈黙やめてぇぇぇぇ!」
れいか「……見えるところにたくさんキスマークをつけるのは、やめた方がよろしいかと」コホン
やよい「そして誤解したままにしないでぇぇぇっ!!」
やよい「あっ、なおちゃん助けて!なぜかわたしの株がすごい勢いで大暴落してて――」
なお「やよい――」ガバッ
やよい「ふぇっ?!やっ、ちょっと、何?!」ドサッ
みゆき「?!」
あかね「?!?!」
れいか「?!?!?!?!!」
やよい「ふぁっ!!な、なおちゃんなんか変だよ?!」
なお「やよいの事が好きだったんだよ!!」
やよい「やっ!なおちゃん!そんな、ぁんっ!本当にまずいって――誰か助けてぇ!」
あかね「なおがあんななるなんて……何があったんや」
れいか「ごめんなさい、やよいさん。私達、邪魔してしまったみたいですね」
あかね「せやな。ほらみゆき、いつまでも見とらんと行くで?」
れいか「それでは、お二人とも……ごゆっくり」
やよい「」
なお「好き……大好き!もう絶対離さないんだからぁっ!」
やよい「え、そんな、ほんとにどうしてこうなっ――――アッー!!!」
BAD END?
続きは?
狼「うー……なんてこったい」
狼「マジョリーナの野郎、なんてもん飲ませやがる……」
狼「明らかに調整ミスって――――あん?あれは」
狼「……ああ、とうとう本物の馬鹿になったか」
狼「だが奴は一人か……またとないチャンス!」
みゆき「あ、オオカミさ〜ん!!」
こうなりゃ仕方ねえ、世界よ!最悪の――――」
みゆき「ふざけんじゃねぇよオイ!誰が大声出していいっつったおいオラァ!」
狼「ぐふぉっ?!」
みゆき「本気で怒らしちゃったね?わたしのこと。本気で怒らせちゃったね?」
狼「いってぇ?!なんだこいつ、いつもと全然ちが――――っ?!」
みゆき「もう許さないから………」
狼「はん、てめえが許さねぇっつったって………」
みゆき「じゃあ来いよオラァ!」
みゆき「痛いのは分かってんだよおい!!よぉ!」 ドスッ
狼「ぐはっ……おぇぇぇっ」ガクリ
みゆき「……くっせぇなお前……」
本当に終わり!
正直なおやよで力尽きて他キャラとの絡みが若干変なのはすいません、許してください!
日曜日の朝8時半は5チャンネルを見て、どうぞ!
Entry ⇒ 2012.05.05 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
みゆき「狼さん、こんなのダメ、だよ……私、おかしくなっちゃうよ」
みゆき「私達、敵、なのに……こんな、こんな、こと」
狼「はぁ?お前から始めたことだろうが……黙って続けろよ」
みゆき「うぅっ、はっあ、っくぅ、ふぁっ!でももう、わたし、私……げんかいだ、よぅ」
狼「馬鹿言ってんじゃねぇ、まだ十回しかしてねぇぞ」
みゆき「でも、で、もぉ、うんっ、は、はっあっ、んんっ!」
狼「ちっ、これだから人間は弱っちぃ。あと二十回はやってもらうからな、覚悟しろよ……」
みゆき「え、えぇえ!?そんな、二十回なん、て……」
みゆき「私の腹筋、おかしくなっちゃうよぉーーー!!」
狼「だから、筋トレに付き合えっつったのはてめぇだろうが!!さっさとしろメスガキ!!!」
みゆき「うー、狼さんのメニューきつすぎる……」
狼「ブツブツ言ってんじゃねぇ!お前が俺に組んでくれって頼んでくっから……あぁ、そうか、そうだった。事の発端はそういう、つまらねぇことで……」
数日前
狼「あー、腹ぁ減ったぜぇ……マジョリーナはまぁた大発明とやらの研究、アカオーニのバカは料理なんかできねぇし、ジョーカーはキモい」
狼「鼻にまかせて人間界に来ちまったが……そういや俺様の格好じゃぁ、店には入れねぇんだった」
狼「どーすっか……変装でもして、宵月みたろうとでも名乗るかぁ?」
狼「……気づいたら、なんにもねぇ河川敷だしよぉ。俺様もマジで腹の減りすぎてとち狂っちまったのかも……ん?」
みゆき「うん、っしょ、っとぁ!」
狼「ありゃぁ……プリキュアか?なにしてやがんだ、あんなところで」
みゆき「とりあえず、あかねちゃんが秘密特訓してた場所に来て、雰囲気は出たからウルトラハッピー!って、思ったんだけどぉ」
みゆき「うーん、ねぇどうしたらいいかな、キャンディ……って、キャンディには事情を説明して、みんなのとこにいてもらってるんだった、そうだった」
みゆき「うーん……」
狼「おいメスガキ、何してんだアホ面ぶらさげて」
みゆき「えーっとね、特訓を……ってぇ!?狼さん!?!?」
狼「うるっせぇな、今日は商売道具も持って出てきてねぇから、なーんにもしねぇよ。こんなところでバカやってるガキがいたから、話しかけただけだ」
みゆき「……ほんとに?」
狼「おぉ、腹減りすぎてそんな気も起きねぇんだよ……前以上だ、もう一週間は……はぁーあ」
みゆき「ほんとのほんとー?」
狼「しつけぇな、なんでそこまで疑うんだ。聴こえねーのかこの腹の虫の音が、喰うぞてめぇ」
みゆき「いや、だって狼さん悪い人だし……それに、絵本に出てくる狼さんは、みーんな嘘つきだもん!」
狼「はっ、嘘くれぇ人間様もつきまくってんだろうが。んで、お前は何してんだっての」
みゆき「あー、その。えっとね……」
みゆき「うん」
狼「……これ以上強くなられると困るし、邪魔でもするか」
みゆき「えぇ!?聞いといてそんなのないよお!はっぷっぷー!……それに、ね?私はそこまで、強いわけじゃないから。だから特訓してるんだよ」
狼「あぁ?アカンベェ狩りまくってる奴の台詞じゃねぇな」
みゆき「だってね?なおちゃんもあかねちゃんも、すっごく運動できるし。れいかちゃんはなんでもできちゃうし。やよいちゃんも、実はあぁ見えて運動神経いいし」
狼「なんつー女子だてめぇら」
みゆき「だから、私は違うんだってば……運動音痴でしてこれが、ははは」
狼「まー、頭にそんなもんつけてればな」
みゆき「…………」
狼「……面倒くせぇな、泣くなよ」
みゆき「運痴じゃないもん……ウルトラハッピーに甘くて……美味しいクロワッサンだもん」
狼「わかったわかった、いや、今美味いとかそういう話はやめてくれ、悪かったから」
みゆき「うん。少しでもみんなに近づいてー、それでいざって時に、はっ!っとその成果を発揮できれば」
狼「……」
みゆき「ウルトラハッピー!でしょ!?どうかなこの作戦!キャンディはとーっても賛成して、くれたんだけど」
狼「頭ん中お花畑だな、お前」
みゆき「よ、よく言われるけどあんまりだ!」
みゆき「えっと、と、とりあえず、体力と筋力をつける!で、強くなる!うん!」
狼「まぁお前ら肉弾戦ばっかだしな、アホかってくらい……どっちにしろアホだが。あーアホくせぇ、聞いて損した」
みゆき「アホアホ言わないでよぉ!はっぷっぷー!……そういえば、狼さんって結構すらっとしてるのに、筋肉すごいね」
狼「おぉ?まぁ悪の三幹部として箔がつくように、鍛えてっからなぁ」
みゆき「鍛える?」
狼「……じゃぁな、次会うときは容赦しn」
みゆき「ま、待ってよぉ!文脈でわかるでしょ、何をお願いするか!」
狼「分かるからこそ、面倒だからかえるってんだろが!!アホかお前はこのアホ!!!」
みゆき「え?どうしたの狼さん、耳立てて、尻尾振って私の鞄の方へ……?」
狼「お、おい、メスガキ!なんだこの、う、美味そうなにおいはよぉ!ど、どっかでたらふく喰ったことがあるような、そういう臭いがすんぞ、おい!」
みゆき「え?あー、そういえば途中でお腹空いちゃわないように、って思って。あかねちゃんちによってお好み焼きを買ったんでしたー」
狼「お、お好み焼き!?ってぇと、あの中々美味いあれか!?!?」
みゆき「……狼さん、よだれすごいね」
狼「あ、当たり前だろうが……一週間喰ってねぇんだぞ!?」
みゆき「……どーしよ、っかなぁ。でも私、困ってるしなー、うーん」
狼「……調子のんなクソガキ、今なら最後の力振り絞って、その鞄を奪い取ってやるくれぇは……」
みゆき「そしたらこの鞄、川に落とそーっと」
狼「鬼だ!!てめぇは人間の風上にもおけねぇ鬼だくそがぁああああああああ!!!」
狼「……なーんて、くっだらねぇ問答から始まったこのアホのくっだらねぇ特訓が始まって、数日たったわけ、だが」
みゆき「うー、狼さーーーぁん!このスクワット変だよぉ!こんな体勢で腰落とせないよぉはっぷっぷーーーーー!!」
狼「こいつマジで運動音痴っつぅかダメすぎる……」
みゆき「だ、だからぁ!狼さんのやり方がきつすぎるんだ、よぉ!もーちょっとやさしく……」
狼「ナマ言ってんな!!俺様がピエーロ様に認められるためにやったメニューは、この十倍以上なんだぞ!!」
みゆき「わ、わたし別にそんなのになりたいわけじゃ、ないもーん!」
狼「うっせぇ!口答えしたから、十本追加なそれ」
みゆき「うわぁああん!狼さんの鬼ぃいい!!」
狼「一緒にすんな、言ってんだろ狼って」
狼「グテーっとしやがって、休憩終わったらもう1セットだからなこら」
みゆき「わかったよもー……で、今日もこれね」
狼「おう、これがなかったらこんなもんに毎回付き合ってねーからな……いっただっきまーーーす!!」
みゆき「すっかりお好み焼きが好物だよね、狼さん」
狼「腹に入ればなんでも一緒だっての」
みゆき「意外だったよー。二回目からも、ちゃんと来てくれるなんて……どうして?」
狼「マジョリーナのババアがものすげぇ発明、とやらにいそしんでやがってな。まだまだかかりそうで、そんな中での定期的な食料供給はありがてぇから、嫌々付き合ってやってんだよ」
みゆき「それでも、元気になったら不意打ちとかしてくるのかなー、って思ったのに……えへへ、狼さんって、実は良い人?」
狼「バカ言えバカ、食い扶持逃したくねぇからって、言ってんだろうが。あと人じゃねぇし」
みゆき「だってもっと鍛えたいもん!」
狼「そうかよ、成果はでそうにねぇけどな、そんなことじゃ」
みゆき「だ、だって筋肉痛とかおかまいなく狼さんやらせるから……」
狼「なんで俺様が、弱っちい人間に合わせると思ってんだ。それでも本数減らしてるだけありがたいと思いやがれ。ほら、続きやんぞバカ娘」
みゆき「ば、バカバカ言い過ぎだよ!よーし!いっぱい頑張ってムキムキハッピー!」
狼「どうなんだ正義の味方的に、その目標は……」
みゆき「〜〜〜♪」
あかね「なんや、楽しそやなぁみーゆきっ」
みゆき「あ、あっかねちゃーん。そうみえた?あー、私はいつでもウルトラハッピーだけどねー」
あかね「なんや、今日の放課後も用事あるんかー?ここんとこ二日にいっぺんはそないな感じやな、自分」
みゆき「あー、ご、ごっめんねー?そーなんだー」
あかね「や、かまへんかまへん。うちとなおの部活日と一緒やし、ぼーっと絵本眺めとるよりはええ趣味やー思うで、運動するんわ」
みゆき「え、絵本は変じゃないよ!……あ、あれ?なんで運動してる、って?」
あかね「そら、みゆきがその用事やー言い出した最初のころ、えろう筋肉痛やーゆーとったからな。でも、なんやっけ?従兄弟が遊びにきよるから、その相手せんといかんやったっけ?」
みゆき「そ、そーなんだー、えへへ、体育会系で、あのー……」
あかね「なんちゅーたっけ?たしか……」
みゆき「よ、宵月みたろうさん、だよ、うん(われながら一杯一杯だなぁ)」
みゆき「あー、で、できればね……」
あかね「キャンディも、喋ったりは絶対できへんししなやーとは思うけど、見たことくらいはあるんやろ?どないな人なん?」
キャンディ「クル!?えっと、そりはそりはぁ、おっきくてぇクル〜〜!」
みゆき「(キャンディは特訓の間は、不思議図書館に行ってもらってるんだけど……が、頑張って!キャンディ!ごめんね!あとでおしゃれしてあげるからね!)」
キャンディ「えーっとその、フサフサでー、クルー」
あかね「はっはは、なーんやフサフサて、あの狼かーーい!ってな」
みゆき「!?」
あかね「おわっ!?な、なんやなんや、いきなりずっこけおって、ツッコミしたんうちやろ!?なんでみゆきがずっこけんねん?」
みゆき「あ、あっはは、あははははー!ごめんごめーーん!それじゃあの、私いくね!またねあっかねちゃん!じゃーねみんなー!」
あかね「おぉ、またなぁ」
あかね「せやて」
なお「親戚付き合いは、大事にしないとね。うんうん」
やよい「でも、ちょっとだけ寂しい、かな。みんなが部活とか生徒会の時は、私とみゆきちゃんとキャンディで、不思議図書館にいたり、したし。私じゃキャンディの耳、上手く結ってあげられないんだよね……」
あかね「なんやなんや、みゆきがとられて悲しいんかやーよいっ……お?キャンディは、やよいとおるん?」
やよい「え?うん、そうだよ?」
あかね「……うーん?なんや、話ちがうなぁ」
狼「……ちょっと出てくらぁ」
鬼「またオニ?お前さん、ここんところそうやってふらっと出かけることが多いオニー」
狼「人間界の偵察だ、偵察。報告書にもそう書いてんだろが」
鬼「オニー……バッドエナジー集めでもないのに人間界にわざわざ出るなんて、お前さんも変わってるオニ」
狼「月ノルマは達成してんだから、何しようが俺様の勝手だろ。んじゃぁな」
魔女「一息入れるだわさ……なんだい、またウルフルンの奴は留守かい?」
鬼「おぉ、マジョリーナ。入れ違いで、また人間界に行ってるオニ。ここんとこ真面目オニー」
魔女「ふぅん、まぁ確かにここでグータラしていた前よりは、随分と熱心らしいけどねぇ。張り合いがないだわさ」
ジョーカー「うっふふふふぅん、熱心なのも考え物、それもお相手によりけりぃ〜だっと、思われますよぉん?偉大なる悪の三幹部のお二方ぁ〜〜」
魔女「どういうことだわさ。あんたは何か知ってるのかい?」
ジョーカー「いぃーぇいえ〜〜!所詮ピエロの戯言でござぁ〜〜い!と、っこ、ろ、っでぇ〜?お二人にすこ〜し、ごっそうだんしたいことがありましてぇ、っふふぅん」
鬼「なにオニ?」
魔女「あたしゃ今手一杯だからね、あんまり難しいことを持ち込むんじゃないだわさ」
ジョーカー「いいぇいえ、どちらかと言えば質問、のようなものでしってぇ〜!お二人はでっすねぇ……裏切り者が出た場合、っふふぅん?どういった対応をするべ、き!だと、おっかんがえですかぁ〜?????」
鬼「オニ!!裏切りなんて許せないオニ!!!ぶっ殺してやるオニーーーーー!!」
魔女「悪のあたしらにそんなまねはたらくなんて不逞な奴だわさー!!新発明の実験台にしてやるだわさーーーーー!!!」
ジョーカー「ですよねぇ、でっすよねぇ〜〜ん!そっこでなんですがぁ〜!みなすわぁんで……」
鬼「で、それがウルフルンの話と、なんの関係があるオニ?」
魔女「そうだわさ。話を変えるんじゃないよ、今はあいつの話をしてんだわさ!」
ジョーカー「……この流れで分からないとは、う、うっふふん、お二人は中々に鈍感さんなおかんがえのもっちぬしなんですねぇ〜〜〜!」
鬼「何を言ってるオニ!俺様は鬼界一の切れ者だって、アオオーニも褒めてくれたオニーーーー!この頭脳で次こそはピースたnゴホンピースのじゃんけんにも勝つオニーーーー!!」
魔女「希代の天才マジョリーナ様になんて物言いだわさ!!ジョーカーのくせに!」
ジョーカー「おぉおぉお!これはこれはもうしわけありまっせぇええええん!!!」
ジョーカー「(仕方ない……私だけでなんとかします、か)」
狼「そーだな、ようやく俺様に楽させる気になったか。足押さえておくのも面倒くせぇからなぁ」
みゆき「えっへへ、成長できてウルトラハッピー!……うん?楽?」
狼「おぉ、次からは腹筋は、こう……足を七十度くらい上げて伸ばしてやってもらうかんな」
みゆき「えっ、なにsいたたたたたたた!!!!な、なにこれすっごくきついよ!?!?」
狼「ったりまえだ、本格式なんだから。その体勢をキープして三十秒だぞ」
みゆき「無理、無理無理無理だよぉおおお!おかしくなっちゃうってばぁーーー!!」
狼「大いになって、んで成長するべきだこの運痴め」
狼「てめぇが、なんだ、しゅーがくりょこーとやらで怠けたからだろが」
みゆき「仕方ないじゃーん、こっちにいなかったんだし。それなら狼さんも京都に来ればよかったのにー、って言ったよー?」
狼「ここ来んのにもそこそこ大変なのに、なーんでんな遠出しねーといけねーんだ」
みゆき「鬼さんは来たよ?」
狼「あいつぁ体力バカだからな」
みゆき「……狼さんがいてくれたら、少しは大凶気分も薄れたかも、なのになぁ」
狼「あぁん?なんか言ったか?」
みゆき「……なんでもないよぉーだ。はっぷっぷー」
狼「?」
みゆき「魔女さんの研究っていうのは、まだ続いてるの?」
狼「おー、なーんかいつになく力入ってるからなぁ。おかげで俺様はこの有様だ」
みゆき「そっか、えへへへ。それじゃぁもうちょっとは、続けられそうなんだね」
狼「そこまで鍛えたいのかよ、てめぇは」
みゆき「それも、だけど……あ、もう食べ終わっちゃった」
狼「ったりまえだ、このくらいじゃぁ授業料にはならねぇぞ、おい。しまいにゃ喰っちまうからな、ほんとに」
みゆき「……じゃ、じゃぁ、ね?こっちも、食べる?」
狼「あぁん?なんだ、まだあるんじゃねーか、最初からそっちもよこせよ……」
みゆき「……」
狼「……随分と、形がめっちゃくちゃに見えんだが」
狼「……」
みゆき「みたん、だ、けど……あ、あっははは!こんな汚いの、食べられないよね!ごめんね狼さん!すぐに……」
狼「……」パクッ
みゆき「あ……」
狼「……言ったろうが、誰が作ろうが一緒だ、っての」
みゆき「あぁ……そ、そうだよね、はは、は……」
狼「ただ、見た目がわりぃのあいただけねぇ。おい、今度こんなもんを、持ってくるなら」
みゆき「……」
狼「……もっと量を多くしろや、そしたら俺様も満足だし、お前もこう……練習できんだろ」
みゆき「!う、うん!頑張るね!!」
狼「……(アホくさ、なぁんで俺様はこんなガキに気を使ってんだか)」
みゆき「美味しい?狼さん」
狼「ふつーだ、ふつーーー」
みゆき「わ、わかったよ……ねぇ狼さん、お話しようよ、お話!」
狼「そうやって休憩時間長くしちまおう、って魂胆かお前。悪さはすぐわかるぞ、なんせ俺ぁ悪い奴だからな」
みゆき「ぎくっ!ち、ちがうくてー、本当に狼さんとお話したいだけなんだってばー!」
狼「そもそも、話すことがねぇ。十分経ったら起こせよ」
みゆき「えー!そんなぁ、えっと、えっとね、じゃぁ!狼さんの口はどうして大きいの!?」
狼「その流れお前食われるぞこら」
狼「あー、うるせぇうるせぇ。黙って寝かせろバカ娘」
みゆき「どーして耳もおっきいのー?ねー狼さぁーん?」
狼「……(無視だ、無視)」
みゆき「あ、あれ?本当に寝ちゃった?狼さーん?おーい」
狼「……」
みゆき「……ねぇ、狼さん。どうして……」
みゆき「狼さんは、私に、構ってくれる、のかな」
狼「……」
みゆき「……敵だからダメだ、って、思ってた。でも、狼さんは……ねぇ、狼、さん」
みゆき「……私、おかしくなっちゃうよ」
狼「…………」
狼「(俺は大バカ野郎だ)」
狼「(敵なはずの、あのバカ娘に馴れ合って、あんな、アホなことを言わせて)」
狼「(悪の三幹部の名が、泣くぜおい。俺様は、なんだ?悪の帝王ピエーロ様の側近で、悪党で)」
狼「(それをなんだ、あのバカ娘め……分からせてやる)」
狼「(……分からせなくちゃ、いけねぇ)」
キャンディ「クルクル〜、クル……クルゥ!?」
あかね「せやからなー?お好み焼きにマヨが邪道やーゆうんは、新しいものを取り入れられへん頑固もんのー……っ!?」
やよい「えー?でも、この間のとんねるzぴっ!?」
なお「あ、あそこにいるの、狼!?」
れいか「久しぶりに、現れましたね。ま悪だくみですか?」
みゆき「あ、狼さん!あっと、きょ、きょうは、あれ?なんで……」
狼「……」
狼「世界よ!!最悪の結末!!!バッドエンドに染まれ!!!!」
みゆき「!?!?!?」
狼「(これでいいんだ……アカンベェ倒されちまったから、いいとは全然言えねぇけど)」
狼「(これで、あのバカ娘も分かったろ。俺様は敵で、憎むべき相手で、そんで)」
狼「(そんで、あの河川敷にも、もう現れねぇはずだ)」
狼「(……なのに、なんで俺様は、また人間界に来てやがる)」
狼「(……なんで、こいつ、は)」
みゆき「あ……狼さん」
狼「……」
みゆき「も、もー!おっそいよー!私、もう1セットめ、終わっちゃったんだからー!はっぷっぷー!」
狼「……はっ、そのくれぇの準備運動は済ませてしかるべきなんだっての」
狼「(なんで……いんだよ。なんで、何も言わねぇんだよ……くそ、くそ!!!)」
キャンディ「クル!みゆきが特訓している間、みんなのことは任せるクルー!キャンディも役に立てるクルー!」
みゆき「こ、声が大きいよ声が」
あかね「ほななー!気ぃつけやー!……うーん」
なお「……みゆきちゃん、また用事って?」
あかね「おぉ、そや。あの、宵月みたろうー、ゆうんとー、って」
れいか「疑って、おいでですか?」
あかね「……みたろうて、あれやろ。うちがみゆきの転校してきよったときに、ボケでつこた名前や。そう上手く、従兄がおるはずあれへん。とっさの嘘で、出てしもーたんちゃうかな」
やよい「でも、嘘って……なんのために?」
なお「なんであっても、嘘はいけないよ、嘘は!」
れいか「そう、ですね……先日のように、敵が突然攻めてくることもありますし……」
あかね「うーん……せやけど、みゆきてそういうキャラちゃうやん?それでもそこまでして、隠してるーことをおいそれと探って、ええもんなんやろか、と……」
入江「たしかに、キミの言うとおりだ!」
あかね「せやろ……ってぇ!?な、なんや自分!?!?!?」
れいか「い、入江会長!?!?」
れいか「そ、そうですか……わざわざありがとうございます」
なお「……なんのようですか、それだけじゃ筋が通ってないと思います」
入江「ははっ、緑川くんは手厳しいね。青木くんのことももちろんだけど、キミたち、星空くんのことを話していたろう?」
あかね「そ、そーですー……な、なんや、生徒会長さんはみゆきの名前まで、しっとんのやなー」
入江「もちろんさ。それで、彼女が最近なんだか河川敷で、変な男と一緒だ、ってこともね」
やよい「!?み、みゆきちゃんが!?」
れいか「本当ですか、入江会長!?」
なお「嘘だったら脳天マーチシュートだよ!?」
あかね「なお、なんや生徒会長にきついで自分、おちつきや」
入江「……んっふふ、嘘は言ってませんよぉ、嘘は」
入江「……人間への変装は窮屈ですねぇ〜。よ、っと」
ジョーカー「んっふふふふぅん!舞台は整いましたよぉ?うぅるっフルンすわぁん?」
ジョーカー「あなたが、わったぁしの期待通りの回答をしていただけるといいんですけどねぇーぇええ!んっふふふぅ!!」
みゆき「はぁー、っふぅ、っはぁ。お、終わったー」
狼「おぉ。全メニューをこんな短時間で終わらせられるように、なるたぁなぁ。お前もほんと、成長してんじゃねーか」
みゆき「えっへへ、狼さんのおかげだよ、ありがと!」
狼「おぉ……これで俺様ぁ、お役ごめんだな」
みゆき「……え?」
狼「ババアの研究も一段落つきそう、ってぇ話だしなぁ。もうてめぇから、飯をめぐんでもらう必要もねぇ」
みゆき「……そんな」
狼「言ったろうが、食い扶持が確保できるまでのー、ってよぉ。次会う時は、てめぇも食っちまうからな……じゃあな」
みゆき「……嘘、だよ。嘘つき、狼さんの嘘つき!!!」
狼「……あぁん?」
みゆき「私、私のこと、食べちゃうチャンスなんて、今まで何度でもあったくせに!どうして、そうしなかったの!?ねぇ、どうして!?」
狼「……」
みゆき「私、きっと狼さんも……楽しいって、思ってくれてる、って!信じてる!」
狼「……バカを言ってんじゃねぇ、何度も言わすな、バカ娘」
みゆき「それでも、私、私!!」
狼「……」
みゆき「私は!!狼さんのこと!!」
あかね「みゆき!」
やよい「みゆきちゃん!!」
なお「っ、不思議図書館に寄っていたら遅くなったね。大丈夫!?みゆきちゃん!!」
れいか「ご無事です……か……え?」
キャンディ「クルー!みゆきはキャンディが守るクル……く、クル?」
みゆき「あ……」
狼「……」
みゆき「あ、かねちゃん。あの……」
あかね「説明しぃ、どういう、ことや!!!!なんでここに、狼が、ウルフルンがおんねん!!!!」
狼「……」
みゆき「あの、あのね?それは……」
あかね「あんたも知っとるやろ!そいつは敵や!!!なんや、なのにそないな、なんで一緒に!!!」
なお「……納得のいく説明がほしいな、みゆきちゃん」
やよい「……きゃ、キャンディ、なかないで。なにかの、間違いだから。大丈夫。みゆきちゃんは……」
れいか「……みゆきさん?」
みゆき「あ……あ……わた、わたし、わた、し」
狼「……」
狼「ウウウーーーールッフフフハハハハハァアアアア!!!あぁあぁ、あーと一歩だったってぇのによぉ!!!!」
みゆき「……え?」
狼「俺様ぁよぉ、頭がいいからなぁ。てめぇらプリキュアをぶっ潰す作戦を立ててたわけだ、他の脳筋どもとちがうすんばらしい手で、なぁ」
みゆき「おおかみ、さん?」
狼「このバカ娘の弱みに付け込んで、ちーっとばっかバッドエナジーでちょちょいとこう、あれだ。操ってやって。そんでもう少しで完全に、俺様の手篭めにしてやれるとこだった、のによぉ」
なお「操る!?……なんて卑怯なんだ、あんたは!!」
れいか「それで……みゆきさんはここのところ、心此処にあらずなご様子だった、というわけね。下衆な」
やよい「むーーっ!!悪の秘密結社ではよくあることだけど、本当にされるとこんなに嫌なんだ!もーーー!!」
みゆき「え、え……?ち、ちがうよ?みんな……狼さん?私と、狼さんは……」
狼「そーいうこった、ざぁんねんだったなぁ……夢見がちなバカ娘よぉ」
狼「(……これでいい。これでいいんだ)」
あかね「わかった、わこたから落ち着き、みゆき。辛かったなぁ、さっきはすまん。かんにんな」
みゆき「違うの、あかねちゃん!狼さんは、狼さんは!!」
あかね「あぁ、あんたの心をもてあそぶ最低なやっちゃな」
みゆき「ちが、私、狼さんは、私のために、うぅ、うぅぅぅううう」
なお「……私達の大事な友達をなかせて、ただですむと思わないでよね」
狼「おぉおぉ、勇ましいこって。だーが残念、俺様ぁ今日は商売道具をもってきてねぇ。おさらばさせてもらうぜ……」
ジョーカー「んっふふぅん、それにはおよびませぇんよ、うるっふるんすわぁん」
狼「!?!?」
ジョーカー「世界よ、最悪の結末へ」
ジョーカー「んっふふふぅん、わたくしはジョーカーと申しますぅ。偉大なる悪の三幹部の忠実なるしもべ、手足にして道具にも劣る役立たずで、すっがぁ!あなたさまのお役にたてて光栄ですよぉん、うるっふるんさぁん?」
狼「……なんで、ここにいるんだ、てめぇ」
ジョーカー「んっふふふぅ、実はですねぇ、すっこぉーしばっかり貴方様のここのところを疑う話がでていましてぇ〜。恐れながらわたくしが、んっふふ、見守らせていただっていたのでしたぁ〜〜っふふぅん!」
狼「……」
ジョーカー「おぉーー!ですが流石は我らが斬り込み隊長のうーるっふるんさん!プリキュアの内部破壊を目論むばかりか、失敗しても……こぉーんなにもすんばらしいバッドエナジーを発生させるぬわぁんてぇ〜〜!」
狼「あぁ?」
みゆき「……狼さんは……違う、狼、さん」
あかね「みゆき、みゆき!!しっかりしぃ!!」
れいか「っ!もしや、操られた後遺症でバッドエナジーに囚われやすく!?」
狼「!?く、っそが……」
キャンディ「み、みゆきは戦えないクル!みんな!変身して、みゆきを!!」
あかね「言われなくとも、や!いくでー、みんな!!」
プリキュア!スマイルチャージ!
ピース「ぴかぴかぴかりん☆じゃん、けん、ぽん!キュアピース!」
マーチ「勇気凛々、直球勝負!キュアマーーチッッ!」
ビューティ「深々と降り積もる、清き心。キュアビューティ!」
五つの光が導く未来!
輝け!スマイルプリキュア!
なんだ、いつもの人か
狼「……俺様は、気が進まねぇ。ジョーカー、あとはてめぇで……」
ジョーカー「おぉっとぉ、んっふふふふぅん、そんなつれないことを言わないでくだすわぁい、うるっふるんさん。ご一緒にプリキュアを追い詰めましょうよ、っふふふぅん?」
狼「……ちっ」
サニー「追い詰める、やて?ゆうてくれるなぁこら、そこのクネクネピエロ!」
ピース「僕はキミの前ではピエロさ!だね!」
マーチ「ごめんピース、それすこぶるどうでもいい」
ビューティ「あなたがたは、許せません。みゆきさんに、謝っていただきますよ」
ジョーカー「おぉぉ、怖い、怖いですねぇ〜……それで、その大事な大事なお仲間の、みーゆっきさんはぁ?どちらですぅ?」
サニー「はぁ?そんなもん、うちらのうしろおらん!?!?」
ジョーカー「はぁい種あかしー!!あなたがたが変身しているあいだにぃ〜!こちらに人質になってもらっていましたぁ〜っふふぅん!」
狼「!?」
ピース「お、王道を破るなんて卑怯だよ!?!?最低だよぉおおおお!!」
ジョーカー「うぅ〜ん、心地良いひびきですねぇ、んっふふふうん!」
サニー「っ!そないなこと、せんでも!うちらの、必殺技で!」
ジョーカー「んっふふぅ、ノン、ノンでっすよぉ?わたぁしとうぅるっふるんさんは、デコルで作られたわけではありまっせぇーん!あなた方の浄化の力、では!んっふふん?なーんともありませんよぉ?」
マーチ「っ、また、そういう敵なんだね」
ジョーカー「まぁ、効いたにしてもぉ?うるっふるんすわぁんの爪が、このお嬢さんの首を斬ってしまう方が早いでしょうけどねぇ?ねぇ、ウルフルンさん?」
狼「……おぉ、そうだろうな」
ビューティ「……みんな、パクトをおきましょう」
ピース「!で、でも……」
ビューティ「大丈夫です、チャンスを待ちましょう……さぁ」
ジョーカー「んっふふふぅ〜ん、したがっていただき感謝しますよぉ〜?ぷりっきゅあのみなさん」
狼「……」
ジョーカー「さ、って。それでは、この娘から、んっふふん!葬ってさしあげましょうかぁ」
狼「!?」
ジョーカー「はぁてぇ?なぁんのことでしょう?私ぃパクトを置いたらこの子が助かるぅ、なぁんて約束、しましたっけぇ〜?」
ピース「うぅ、ひどい、ひどいよぉ!!!」
マーチ「さいっていな奴だね、あんた!」
ビューティ「……外道もまた道、ですがあなたの道は……全力で、否定させてもらいます」
ジョーカー「おぉ、怖い怖い。それでは、ウルフルンすわぁん?やってしまいましょうか、この子たちもお友達が傷つけば、こんな台詞もはかないでっしょう」
狼「……」
ジョーカー「……どうしました?」
狼「……」
みゆき「みんな……狼、さん……」
ジョーカー「……(情が残ったか。少しはマシかと思えば……まぁそのよりどころも、っふふん。壊してさしあげましょう)」
ジョーカー「おぉー!これは失礼を!偉大なる気高きウルフルンさんに、人間の血で汚れさせるわけにはいきまっせぇん、そうですよねぇ!ここは私に、おまかsあぶrへhぐっはぁあばぁあああああ!!?!?!?!」
サニー「!?な、なんや!?!?狼が味方のピエロの顔面をおもいっっっっっきりどつきおったでーーー!?!?」
狼「……あんま、調子のんな。きめぇんだよ、クソジョーカー」
マーチ「わっ、あ、あいつ首があんな方向に曲がってるのに、こっちに……ぴ、ピースはみないでおこうか?」
ピース「?あれくらいのスプラッタは全然平気だよー?」
狼「言ってんだろうが、調子にのんなさっきからねちねちねちねちと、てめぇの腹になにかあんのは分かってるぞ、下衆な臭いをプンプンさせやがって」
ジョーカー「っふふ、ふっふふぅん!?それでは、ウルフルンすわあん?あなた、裏切ると!?我々を裏切って、この娘と!この数週間を、お笑い種な仲睦まじさで過ごした娘をえらぶと、んっふふぅん!?そういうおつもりだ、ということでよろしいんですかねぇ!?!?」
サニー「え、な、なんやて!?」
ピース「ふぇ!?そ、それって……」
マーチ「じゃ、じゃぁみゆきちゃんは、本当に?」
ビューティ「……それでは、さきほどまでのお話は……」
狼「だから、きめぇってんだクソジョーカー。黙りやがれ」
狼「このバカ娘は、俺の獲物なんだよぉおおおおおおおおおおおお!!!!」
みゆき「狼、さん……?」
ジョーカー「それで、っはぁ?あなたの獲物とやらを、あなたもろとも!潰して刺しあげまっしょーう!うふふっふふふぅん!来い!!アカンベェ!!!」
鉄橋「」ギュワン!バキバキバキバキッ
アカンベェ「アカーーーンベェーーーーー!!!!」
サニー「!?て、鉄橋が丸ごと!?なんちゅー大きさや!!」
ジョーカー「んっふふふぅん、この時のために作った、デコルを複数個使用した赤っ鼻ですよぉん?パクトがないあなたがたに、どこまで抵抗できますかねぇ?」
ピース「え!?あ!!地面においてあったパクトが、あのピエロさんの手に!」
ビューティ「まずい、ですね……キャンディ、パクトがないと、必殺技は……」
キャンディ「だ、ダミくる!みんな、とにかくみゆきを!!」
ジョーカー「おぉっと、そうはいきまっせぇーん!アカンベェ!」
アカンベェ「アカーーーーーン!!」
みゆき「……あ……」
マーチ「っ!?ま、間に合わな……っ!?」
サニー「お、狼!?!?あいつ、受け止めよったぁ!?!?」
狼「っ、っつああああ!!なぁにしてやがるボケども!!このバカをさっさとつれてけぇえええ!!!!」
みゆき「あかね、ちゃん……ごめん、ね……ごめん、私、ダメ、なのに。狼さん、は……敵、なのに」
サニー「……そのことか。このアホ!!!なぁんで黙っとったんや!!!」
みゆき「……ごめ、、ごめんな、さい」
サニー「ちゃぁんと、ゆうてくれれば!!!うちらが反対するわけ、ないやろが!!アホか自分!!!!!」
みゆき「……え?」
狼「はぁ!?って、ってか、はやっっっあああぁああああ!!」
ピース「ピーターパンが好き、って本気で言っちゃうみゆきちゃんだもん!このくらいじゃ、驚きはするけど、ダメだなんていわないよ!!」
マーチ「そうだよ!私たちは、まだ知らないけど!!みゆきちゃんが、みゆきちゃんだけが知ってる、あの狼の良いところ!みゆきちゃんは、たくさん知ってるんでしょう!?それで、あの狼が大事だ、って!思ったんでしょう!?」
ビューティ「それならば、私たちが反対する理由なんて、ないんです。ただ、おっしゃってくださらなかったことだけが、残念だったんですよ?」
みゆき「みん、な……」
サニー「そや、そや。それに、みてみぃ、みゆき。あの狼……あんたのことぉ、あんなにしてまで……そら、うん。ほれてまうんもわかるで、ほんま」
みゆき「おおかみ、さん……」
狼「っぐ、っるぁあああああああああ!!!」
ジョーカー「はっふふふ、ふぁあああっははあはは!!すごいですねぇ、すんばらしいですよぉうーるっふるんすわぁん!どこまで持つか、見ものですよぉうっふふふぅーんっははははあああああ!!!」
キャンディ「あっ!みゆきがバットエナジーから解放されたクル!」
サニー「おぉ!よっしゃそれじゃ、みゆき!逃げ……お、おぉい!?な、なにするきやー!狼んとこいきな危ないでちょっとぉーー!?!?」
みゆき「……狼さん」
狼「っ、お、おぉ寝ぼすけがぁ!ようやく正気づいたか、ったぁく俺様の訓練をうけたにしちゃぁ、弱っちいのはそのまんまだなぁ!!ほら、さっさと」
みゆき「どう、して?」
狼「あぁん?」
みゆき「どうし、て……狼さんの、仲間を裏切っちゃってまで。そんなに、苦しんでまで。私を、助けてくれるの?」
狼「……」
みゆき「……狼さん、は……どうして」
狼「……どこまでいってもアホなことしか言わねぇなぁこの、アホが!!」
みゆき「……」
狼「どうして俺様の口がでけぇかって!?獲物を貪り食うめにきまってんだろうが!」
狼「どうして俺様の爪が鋭いかって!?むかつく野郎を引き裂くためにきまってんだろうが!」
狼「どして俺様の耳がでけぇかって!?弱っちい人間の泣き声を聞き逃さないために決まってんだろうが!」
狼「どうして、どうして俺様が、てめぇなんかの相手をするかって!?」
狼「そんなもん、そんなもんわからねぇよ!!!分からなくちゃ、いけねぇのかよ!!!」
狼「どうして、俺様が、お前を、守ったか!?」
狼「んなもん、お前を守りたいからに、決まってんだろうが!!!それ以上、理由があんのか!!!」
狼「分かったら……黙って守られてろ!!!!このバカ娘!!!」
どうしてあなたはそんなにかっこいいの?
アカンベェ「アッカァアアアーーーーーン!!!!」
みゆき「狼、さん……狼さん!!」
狼「(あぁ、でもよぉ、俺様の爪じゃ、牙じゃ、こいつにゃかなわねぇ)」
狼「くっそが、くそ、ったれがぁ」
狼「(もっともっと、力が。こんな爪じゃダメだ。こんな牙じゃダメだ)」
狼「(誰でもいい、もう、俺様だけじゃ、ダメだ。俺に、力を)
狼「こいつを、守るための力、をぉおおおおおおおおおおおお゛お゛お゛お゛!!!!」
キャンディ「クルッ!?!?!?」
みゆき「狼さん……!」
ジョーカー「な……なぁんです、かぁ?この光り……アカンベェがおしとばされてっっあぁ!?!?!?」
ピース「あっ!?わ、私達のパクトがピエロさんの胸で光って!」
サニー「んで!みゆきのパクトの光と!ぶつかりよって!」
マーチ「そこから何か、あ、あれって!?!?」
ビューティ「紫色の……スマイルパクト!?!?」
キャンディ「クルーーぅ!!ちみが、六人目のプリキュアだったんだクルー!!」
狼「おぉ、妖精……は、はぁあああ!?!?!?」
キャンディ「ちみの、みゆきを守りたいっていう強い心が!五人のパクトから新たな力を生んだクルー!!」
狼「お、おいまて、わっけわかんねぇ……俺様が、プリキュアぁ!?俺ぁ、バッドエンド王国の住人だぞ!?!?」
キャンディ「クールクルぅ!みゆきも、キャンディの体で変身できたことがあったクルー。重要なのは心で、何者かじゃないクル!」
狼「そういう、もんかぁ?俺が、俺様が……あいつを、守るために?」
キャンディ「さっ!キュアデコルをスマイルパクトにセットして、『プリキュア、スマイルチャージ』って叫ぶクルー!!」
狼「……はっ」
狼「なにがなんだかよくわからねぇが……上っっっ等!!!!」
プリキュア!!スマイルチャージ!!!!!
ゴー!ゴー! レッツゴー!ウルフ!!!!!!
ピース「わ、私達みたいなフリフリ衣装じゃないけど……か、かっくぃーーーーーー!!!」
マーチ「うっわ、すごいね……みゆきちゃん?」
ビューティ「みゆきさんを守るために、変身なさったようですよ?」
みゆき「狼さん……」
ウルフ「ウーーーールッフフフフフフフフフフ!!!!」
ウルフ「高々と鳴り響け!野獣の雄たけび!!キュアウルフッッ!!!!」
ウルフ「おぉ……すげぇな、プリキュアってぇのはここまで力が溢れるもんなのか」
サニー「あ、やっぱそない変わるもんなん?」
ウルフ「ったりめぇだ、これなんだお前らどんだけチート性能だクソが……まぁ、俺様が変身ともなれば、っとぉらぁ!!!」
アカンベェ「アカァ――――ンンンンンンンンン」
ジョーカー「!?!?あ、あのアカンベェの巨体がぶん投げられるなぁんて、っふっふふぅん!ウーるっふるんさぁん、なぁかなかにおもしろいことい也ましたねぇ、うっふふぅん!!」
ウルフ「余計なお世話だ。おい、てめぇら。ほら、パクトだ」
ピース「あ、ありがとう。狼さんのとこに飛んできてたんだね!」
ウルフ「俺ぁクソジョーカーを殺る。あっちはてめぇらに任せた……おい、メスガキ」
みゆき「あっ、お、狼さん……」
ウルフ「……てめぇは、あれだな。うん。あぁは言ったが、守られるなんてキャラじゃねぇ……歯ぁくいしばって、説教たれて、笑いながら、俺と一緒に戦え。てめぇなら、できるだろ。みゆき」
みゆき「!……うん、うん!!狼さん……!!私、頑張っちゃうんだから!!!」
みゆき「ウルトラハッピーエンドに向けて!!スマイルチャーーージ!!」
ゴーゴー!レッツゴーハッピー!
サニー「おぉ、ハッピーも変身できよttってぇ!?もう気合こめよるぅうう!?!?み、みんなつづくでぇえええ!!おぉらぁああああああ!!」
ピース「ふぇ!?は、はぁああああああ〜〜〜〜っ!」
マーチ「っちょ、ハッピー張り切りすぎじゃない!?はぁぁっ!!」
ビューティ「ふっ!!」
ハッピー「シャワァーーーーー!!」
サニー「サニー!ファイヤーーーーーーーーアアア!!」
ピース「ピース……ふわぁっ!? サンダァアアアアアア!!!」
マーチ「マーーーチ、シュートォオオオオオオオオ!!」
ビューティ「ビューティブリザーーード!!!!」
アカンベェ「ア、アカァアアアン……」
ジョーカー「っふ、ふっふふぅん?忘れ、ましたかぁ〜?私には、ぷりっきゅあの攻撃は……」
ウルフ「ざぁんねん、俺様の力はあいつらとはちょっと違うみてぇでなぁ。俺様がもってんのは、あいつらの浄化とは間逆。てめぇと同じなんかそういうのが、プリキュア的なんかでこう、なったもんだ、うん。だからてめぇにもダメージが、うん」
ジョーカー「!?!?くっ、私がそれとわかっていてぇ、やすやすとくらうとおおもいでっすかぁ〜?」
ウルフ「……そう言いつつ、てめぇ棒立ちだけどな」
ジョーカー「!?!?!?」
ウルフ「マジこいつらの性能おかしい……いくぞおらぁあ!!!」
ウルフ「プリキュア!!!」
ウルフ「ウゥゥゥルッフ!!クローーーーーーォ!!」
ジョーカー「ふっふ、ふは、ふっはははあああっはははは!!うーるっふるんすわぁん!!また、殺りましょうねぇ!!あは、あっははははあぁああああ!!!」
ウルフ「バッドエンドに眠りやがれ」
狼「おぉ、変身とけたか」
みゆき「私、やったよ!狼さんの特訓のおかげで!あんなに大きいアカンベェ倒せちゃったよ!!」
狼「おぉ、見てたぞ。なんだあのとんでもねぇ爆発、あれ本当に浄化の力なのかお前」
あかね「ほぉーう、なんやなんや、特訓なぁ?」
やよい「二人の馴れ初めも含めて!たっくさん聞くことがありそう、だね!」
なお「そうだね、みゆきちゃんにとってのピーターパンな、狼ことを。仲間になるわけだし、私達にも教えてもらわないと!」
れいか「っふふ、みゆきさん?隠し事はなし、ですよ?」
みゆき「え、えぇええ!?」
狼「ちょっと待て、ピーターパンってなんだよ」
あかね「せやな、キャンディらの国の復活も近いで」
みゆき「そういえば、狼さん……あの、仲間になってくれて、とっても嬉しいんだけどね?あっちの人たちを裏切っちゃって……本当に、よかったの」
狼「あぁ?……ふんっ、お前に手出しする気なら、いくらあいつらでももう敵なんだよ。それに、裏切りなんて最っ高に悪い奴のすることだろうが、俺様に相応しいってんだ」
なお「ぷっ、なにそれ。悪いことって……あんなにみゆきちゃんのことを守る、って連呼してたくせに」
れいか「これからは、少しは改めてもらいたいところですね」
やよい「ううん!!いいよ、いい!狼さん!ダークヒーロー路線!!私達に足りないものはこれだったんだよ、きっと!!」
あかね「やよい、目ぇ輝かせんでえぇ。そのロマンだれものっかれへん」
みゆき「狼さん?」
狼「あぁん?んだよ、バカ娘」
みゆき「……みゆきって呼んでよー、はっぷっぷー!」
狼「……まぁた今度な。んで、なんなんだっての」
みゆき「これから、よろしくね。えへへ、狼さんが一緒で、おかしくなるほどウルトラハッピー!」
狼「……はっ。言っておくが、これはスマイルじゃねぇ……大切なもんを見つけた、満腹顔だからな……ウルッフフフ!」
完
あかね「で、特訓ってどないなことしたん?」
みゆき「えーっと、狼さんが『黙って腰を動かせーあと十回だぜうっへへへぇ』とかー」
狼「やめろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
今度こそ、完
狼さんがプリキュアになったときはどうなることかと
さあこれでウルフルンさんは帰る家がなくなったも同然だな
これはみゆきんちに泊まるしかないな
振りにのってくれておおきに!あんさんらのリアクション最高やったで!
じゃあの!
ABC朝日放送 日曜朝八時半
スマイルプリキュア!
大好評放送中!
関連グッズも続々発売中!!
Entry ⇒ 2012.05.02 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
やよい「妊娠……?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1335069623/
やよい「昨日の晩、五人であかねちゃんちでお好み焼きパーティをして、残った分を持って帰ったから……朝、ぜーんぶ食べちゃお、って、思ったんだ、けど」
やよい「さ、三枚は流石に、食べすぎ、っかなぁ」
ちはる「もう、やよいったら朝から意地汚いわよー」
やよい「むーっ、ママなんて五枚も食べたのにぃ」
ちはる「ママは大人だからいーのよん♪あ、そういえばね、やよい?」
やよい「うーん、ぽんぽん痛い……なぁに?ママ」
ちはる「あなたが可愛がってた野良猫のみーちゃんね?子供が出来たみたいなのよー。ママ、昨日みかけちゃってー」
やよい「……妊娠?」
やよい「(ママの予想だと、三ヶ月くらいのおなかだった、って!)」
やよい「(ふふっ、たのしみー!みーちゃんってかわいい猫さんだから、きっと赤ちゃん猫さんもとっても可愛いよね!)」
やよい「(みーちゃんは、野良だけど……子供が生まれたら、私が守ってあげなきゃ!)」
やよい「(私だって……弱虫だけど!スーパーヒーローなんだもん!)」
やよい「(……ぽんぽん痛いけど)」
みゆき「あっ、あっかねちゃん!あそこにいるの、やよいちゃんだよー!」
あかね「お?ほんまやな……うん?なんや、足取り重ないか?やよいのやつ」
キャンディ「クルー?ありは、お腹押さえてあるいてるクルー?」
みゆき「んー?あかねちゃん、何か思いつくの?」
あかね「やよい、昨日のおこパの余り、ぎょーさんもってかえっとったやろ?それを今朝たらふく食べたんちゃうかー、っていう、あかねちゃんの名推理や!」
みゆき「あー、あかねちゃんが、やよいちゃんの拍手に合わせてコテを舞わせまくってた、あれねー」
あかね「い、言いなや、あの子人を乗せるの上手いねんほんま。さて、あかねちゃんがちーっといじってこよかなー」
みゆき「泣かせちゃダメだよー?」
あかね「ツッコミは勢いと鮮度が命や!かまへんかまへーん!おっはよーさんやーよいっ!」
みゆき「おはよ、やよいちゃん」
キャンディ「おはようクル」
あかね「ところでなんや、やよいー。もしかして、おめでたでっかー?……なんちゃっ」
やよい「えっ!?あかねちゃん知ってるの!?えへへー、三ヶ月なんだって!!」
あかね「……えっ」
みゆき「……えっ」
キャンディ「……えっ」
あかね「あ、いや、その、え?は、初耳も、初耳や、そりゃそうやけど……えっ!?」
やよい「だよね?でも、嬉しいことだからいっか!ね、みゆきちゃん!」
みゆき「えっ、あっ、う、うん!それはもうとっても、とってもウルトラハッピー!……な、こと、なんだろうけど、あの。や、やよいちゃん?」
やよい「?なぁに?」
あかね「あ、あんまボケんとちがうでー、やよい!フリと違うからな!?も、もっぺん聞くで!に、ににに、にん、妊娠、しとんのか!?」
やよい「?うん、そう言ってるよ、さっきから」
あかね「」
みゆき「」
キャンディ「あ、メルヘンランドさんですか。ちょっと緊急事態クル。え?まだそちらの存在を出せる状況じゃない?聞こえねーのか!!緊急事態クル!!!!!!!!!」
やよい「はわっ!?か、鐘鳴っちゃった!?い、急ごうよ二人とも!」
あかね「」
みゆき「」
やよい「ね、ねぇ!?もー、おいていっちゃうよ!?いいの?もー!先生に怒られてもしらないんだからー!」トテトテトテトテ
あかね「……はっ!や、やよいどういうことや!相手はどこのどいおらん!?」
みゆき「はっ!やよいちゃんあのそのえーっとそそそそういうのはねあのね!!!ま、まままだ子供だしあの私達にはコウノトリさんの……あ、あれ?」
キャンディ「っるせークル!責任者出せクル!!!人事課はパクトの人選信用して勧誘してんだぞ!こうなったのも開発の責任クル!!!!!!」
あかね「あ、あかん、キャンディもなんやよーわからんことわめいとる……これ、ど、どないしよ、みゆきぃ」
みゆき「あ、あかねちゃぁん……」
れいか「お二人は、確か間に合う時間に校門をくぐってらした、と思ったのですが……?」
あかね「あぁ、なお、れいか……それどころやないねん、ほんま、それどころちゃうんねんて」
みゆき「あ、あの、あのね……やよいちゃんが……」
なお「やよいちゃん?そういえば今朝はなんだか元気がなさそうだよね?」
れいか「そうね……今も、少し前にかがんで、お腹をおさえてらっしゃるし」
やよい「(うー、ぽんぽん痛い……でも、トイレに行くのは私のイメージがぁ)」
あかね「……あん、な?お、驚かんと聞いてや……や、無理な相談やろけど、なるべく声に出さんといてな?」
なお「なに?また、やよいちゃんが転校するー、とか。そういう話?」
みゆき「あの、あの、ね?やよいちゃん……こ、子供が、できたん……だって」
なお「うん?妹が出来た、ってこと?」
れいか「まぁ、それはお祝いしませんと……」
あかね「ちゃうねん!ちゃうねん!!!やよいのお腹に……!!!」
みゆき「あ、あかねちゃんしーーー!!しーーーーっ!!!!!」
なお「そ、そうだよ……それこそ、こないだみたいなことじゃ?」
あかね「……信じたないけどな。本人から、聞いた。それに、あないなことがあったのに、やよいも無駄に嘘なんやつかへんやろ」
みゆき「でも、でもね!やよいちゃん……嬉しそう、だったの」
なお「……」
れいか「……」
みゆき「だ、だから、私達は……すっごくびっくりしたし、なんで、って、思うけど……い、一緒に喜んであげられたらな、って……思うんだけどなぁ」
れいか「……なにはともあれ、やよいさんにお話を聞かないと、いけませんね」
やよい「(な、何か別のことを考えてそっちに集中しちゃおう!うん!えっと、スーパーヒーロー大戦は何故失敗したのか……)」
なお「なんだろう……家計簿かな」
あかね「なおとちゃう。や、でも、今後のなんや、予定とかそないなことやろか」
れいか「そうですね……どういう道を選ぶにせよ、いずれは学校を休むことになるでしょうから」
やよい「(うー、もう、限界!こうなったら……)ぴぴー?お外に猫さんがいるー!スケッチしてこよー!!」」
あかね「な、なんやいきなり独り言ゆうて、飛び出してったで」
みゆき「猫さんなんて、いるかなぁ?」
キャンディ「キャンディ猫さんじゃないクル……」
あかね「そういう話しとんとちゃう。なんや自分テンション低いな」
れいか「そうね、何を書いていたのか見てみましょう……これは」
なお「……『本番に向けての計画性の足りなさ、全体的に指導に欠け……望まない結末、失敗』これ、って」
れいか「やよいさん……あぁ、せめて円満な、ものであれば……」
みゆき「うーん?やっぱり猫なんて、いないよねー?」
あかね「そもそもやよいの席から窓の外なんて見えへんやろ……お?ゆうてたら、あれ……やよいちゃう?」
キャンディ「クルー?なんであんなところにいるクルー?」
みゆき「……体育館裏の、人気の無いトイレに、入っていっちゃったね」
あかね「……もしかして、あれやろか?つ、つわり、っちゅうの?」
あかね「……どない、しよか。これはもう、ほんまもほんまやで」
なお「そうだね……それに、二人には明るく言ったみたいだけど」
れいか「なにやら複雑な様子です……それはそう、ですよね。この歳で身ごもるなんて」
みゆき「……お昼休みに、みんなで聞こう。やよいちゃんが困ってるなら、私、放っておけない!」
あかね「もちろん、うちもや」
なお「私だって」
れいか「私達は6人でプリキュアですもの、ね」
キャンディ「クルー」
みゆき「そ、そうだね!ささっ、やよいちゃん座ってすわって!」
あかね「そないな日ぃあたるとこあかん!熱射病なったらどないすんねん!」
なお「はい、やよいちゃん。ハンカチ引いたから、こっちの影のとこに入りなよ?」
れいか「クッションの方がよければおっしゃってくださいね?家庭科室から持ってきますので」
やよい「えっ、えっ!?い、いーよそんな、なんでみんな今日はそんなにその過保護なの!?朝からずーっと、その調子だよ?」
やよい「?えっと、ありがとう?」
あかね「……あんな、やよい。勝手やけど……今朝、うちらに話してくれたこと。なおとれいかにも、教えてもーた。ごめん」
やよい「あ、そうなの?二人は全然知らないだろうし、興味もないだろうから、特に話すつもりはなかったんだけどね」
なお「!そんな薄情なこと、言わないでよ!!!やよいちゃん!!!」
やよい「!?!?」
なお「私とれいかだって!!やよいちゃんの身に起きたこと……!」
れいか「なお、落ち着いて。やよいさんも、きっと悩んでたのだから」
なお「あ……ご、ごめんね。私ってば」
やよい「う、うん。あの、私こそ……(そっか、なおちゃんは可愛いもの好きだもんね。子猫とかも好きなんだ、うんうん)」
れいか「……でしたら、本当に?その、妊娠を、なさって……?
やよい「うん!今朝分かったんだよー、びっくりしちゃったー」
あかね「う、うちらのが億倍びっくりしたっちゅーの……しっかしまぁ……い、いつのまにーやで、もー」
みゆき「あ、あのねやよいちゃん!お相手はえーっと、ど、どんな人なの!?そりゃ、やよいちゃんが選んだ相手なら、きっと素敵でウルトラ……」
やよい「え?うーん……わかんない、かなぁ。近所のオスと、とっかえひっかえだったいたい、だから。は、はわわ、ごめんね!ちょっと表現が……」
みゆき「」
あかね「」
なお「」
れいか「」
キャンディ「」
みゆき「……みんな」
あかね「……おう」
なお「うん」
れいか「えぇ」
キャンディ「クル」
みゆき「一回、深呼吸」
あかね「」スーーーーー
なお「」ハーーーーーーー
れいか「……大丈夫です、やよいさん。続けてください」
やよい「?よくわかんないけど、分かったよ」
やよい「うん、可愛くてモテモテだったから。あの近所じゃ若いメスも少なかったんだもん」
みゆき「そんな、そんな、ことって……」
なお「……やよいちゃん?それは、あれだよね?あの、自分から、じゃないんだ、よね……?」
やよい「うん?えーっと……あー、言われて見れば、そうかも。嫌々やってたこともあったみたい、あんまり覚えてないけど(そんなに見てないもん!本当だよ!!)」
れいか「……無理やり、ということですか?」
やよい「うん。とくに近所のボスみたいな子からは、何度もだったよー。大きくて力も強いから、最近じゃ抵抗もしてなかったみたい」
やよい「え?」
あかね「みゆき、やめぇy」
みゆき「どうして!私達に、言ってくれなかったの!?辛いよ、って!!助けて、って!!!どうして、言って、く、うぅ、ううううう……」
やよい「え?え?なんdわふっ!?み、みゆきちゃん!?なんで抱きついて、あの!?」
みゆき「ごめん、ごめんね、気づいてあげられなくて、ごめん、やよいちゃん、ごめんね」
あかね「……やよい、辛かったな」
なお「……もう大丈夫、私達がついてるよ」
れいか「これからは、一緒に悩みましょう。強がらなくとも、いいのですよ?」
ヒシッ
やよい「……」
やよい「……(みんな、そんなに猫さんの交尾見たかったのかなぁ)」
やよい「?それはもちろんだよ。えへへっ、早くみたいなー」
なお「……そうだね。家族が増えるって、幸せなことだよ」
れいか「応援しましょう、私達で何ができるかは、分かりませんが」
みゆき「うん!決めた!やよいちゃんのウルトラハッピーのために、みんなで頑張ろう!」
やよい「みんな……ありがとう。そうなの、正直私一人じゃどうしようか、ってこともあって……おうち、とか」
あかね「せやな、やよいの家は広いゆうても、いきなり家族が増えるんやからなぁ」
やよい「えっとね、なおちゃんちにひきとってもらうのはどう、かなぁとk」
なお「!?!?ほ、本気!?!?やよいちゃん!?」
やよい「……ダメ?」
なお「め、眼を潤ませてお願いしてもダメだよ!?ダメすぎるよ!?えっちょ、やっぱり本当は……?」
あかね「どーどーや、なお。やよいのボケやんか、なぁ?」
やよい「え、あー、そーなの!じょ、冗談でしたー!(なおちゃんってケチだなぁ)」
やよい「うん、だいたいそれくらいだろーって、ママが」
なお「うん?」
れいか「やよいさん、病院には……?」
やよい「あ、やっぱり行ったほうがいいのかぁ?」
あかね「そらそやろ!?腹ん中に子供いんねんで!?」
れいか「確かに近年、病院に通わない方が増えている、とは聞きましたが……出生率はかなり低くなってしまう、そうですよ?当然ですが」
あかね「っちゅーか、なんできづかへんかってん」
みゆき「もしかして、お父さんがいないから、恥ずかしかった、とか……?」
やよい「?」
なお「あ……大丈夫!私達が付き添うよ!どんな眼で見られても、やよいちゃんを守るから!」
やよい「一緒に来てくれるのは、嬉しいけど……うーん?そんなに珍しいこと、かなぁ」
れいか「低年齢化が進んでいるとはいえ、とても稀なことだと」
やよい「……(お嬢様育ちって大変だなぁ)」
なお「どうだっけ?性別が分かるのは確か……6ヶ月だったかな?けいたは股に挟んでたせいで、ギリギリまで女の子だと思われてたけど」
れいか「なおったら、妹が出来るってはしゃいでたのに、すっごく落ち込んでたものね」
あかね「そうなんかぁ。っちゅーことは、あと三月か」
みゆき「何人生まれるのかなー!」
あかね「何人てなぁ、みゆき?そら普通なら……」
やよい「あっ!それは分かるよ!5~8くらいじゃない?って、ママが!」
みゆき「」
あかね「」
なお「」
れいか「」
やよい「?」
あかね「あ、あっはは、じょ、冗談やろ、やよいー。な、なんやさっきからボケがその、ぶっとんでんなぁ?」
やよい「嘘じゃないよ?ママも、知り合いに聞いたら大体そのくらいよねー、って言ってたって!」
なお「……うち、大家族でもなんでもないね、それ」
れいか「もう一度、勉強しなおしかしら……」
やよい「?(それにしても、猫を数えるのに『何人』って。やっぱりみゆきちゃんはメルヘンだなぁ)」
やよい「!?な、なんの、ことっ!?私そんな、それにもうひねりdはわわわ!」
あかね「ここまできてそないな否定せんでもえぇ……んで、いつがえぇかな、病院行くんわ」
なお「なるべく、早いうちがいいよね。もう三ヶ月なら、色々と始まることも多いだろうし」
れいか「母に言って、腕のいいお医者様を紹介してもらいます。やよいさん?それでいいかしら?
やよい「え、あ、うん。お願いできるかな、私、そういうの詳しくなくって」
あかね「当たり前や、若いみそらで……やよい、ほんっっまに無理はしたらあかんで?うちらがついとる、な?どんなことでも、相談しーや?」
やよい「うん、あ、ありがと(おおげさだなぁ、あかねちゃん)」
狼「腹ぁ減ったなぁ」
鬼「しかたないオニー、マジョリーナがなんだか発明とやらをしているせいで、料理してくれないオニー」
狼「まーたなんかくだらねぇもの作ってんだろ、あのババアめ……お前なんか作れよ」
鬼「俺様がそんなことできるはずないオニ」
狼「そりゃそーだなわーるかったよウドの大木め、ちっ、そしたらまた、人間のとこにでも……」
魔女「待つんだわさ」
狼「あぁん?おぉ、ババアか。飯くれ、飯」
魔女「あんたは中学生男子かだわさ」
魔女「小物な台詞を言うんじゃないよ。あんたもたまには、ものすごく悪いことでもやってみればいいだわさ」
鬼「悪いこと?村に下りて、大暴れするオニー?」
狼「それはてめぇの元同僚だろうが……んだよ、飯前で出撃しろってかぁ?腹ぁ減ったら戦もできねぇ、っつぅだろうが」
魔女「現地調達すりゃぁいいだわさ」
鬼「オニ?」
魔女「あんた、前言ってたねぇ?子ヤギはとんでもなく美味しい、って」
狼「おぉ、とくに7匹いっぺんに食っちまったときゃあさいっこうだったぜぇ……おい、腹を減らす話題やめろ、何が言いてぇってんだろが、ババア」
狼「また人間界の雑誌ってやつかぁ?てめぇもいい加減、あっちへの熱を冷ましやがれ……えーっと?……産婦人科?」
魔女「人間の赤ん坊が生まれるところだわさー!」
狼「ほーぅ、そりゃぁいい……さいっこうに、上等な食材の宝庫じゃねぇか」
鬼「それに、ウルフルンが暴れて食いまくってやれば、バッドエナジーもわんさかオニ!」
狼「おぉよ、一石二鳥どころじゃねぇ、三鳥、いや、三頭かぁ子豚がよぉ!俺様超得だぜやっほぉおおう!」
鬼「俺様も行くオニー!」
ジョーカー「うっふふふぅん?偉大なる悪の三幹部のお一人、まっじょりぃなすわぁん?いつになく荒らぶってらっしゃいますねぇ~?」
魔女「人間をバッドエンド王国の住人にしちまう薬ができなくてイライラしてるんだわさって何をいわすんだわさ!あんたも手伝いな!!こないだの青っぱなの侘びもこめるんだわさー!」
ジョーカー「んっふふぅ、おおせのままに~~~♪」
あかね「この近所なんやって、れいかのおかんが紹介してくれたところ」
みゆき「そっか。だからやよいちゃん家の前で集合で、そこから歩きなんだね」
あかね「なんや、本当は迎えの車を出してもらいたかったのですが……とか、言いよどんどったなぁ」
みゆき「うーん?なんだろうね……あ、ついたついた。やよいちゃん家だー」
やよい「二人とも、おはよー。ほらみーちゃん、挨拶しようねぇー」
猫「」ナー
みゆき「?猫ちゃん?やよいちゃん、猫ちゃん飼ってたの?」
もし深夜帯放送ならこんな話もあったかもね
みゆき「うーん?そうだっけ?それで、どうしてその猫を?」
やよい「?どうして、って????」
あかね「あー、えぇえぇ、やよい!気にせんといて!みゆき、ちょーっとこっちきー」
みゆき「え?だって、あかねちゃんも不思議でしょー?これから病院行くのに、なんでケージに入れた猫を持ってるのか……」
あかね「みゆき、ちと勉強せなあかんで、ほんま。あれは、あれや。あにまるせらぴー、ゆうやつやで!」
みゆき「?あにまるせらぴー?」
キャンディ「なぁにそり、クル?」
みゆき「!動物さんに、そんな効果が!」
キャンディ「キャンディも、役立たずじゃなくなるクル!!!」
あかね「そーやー?せやから、猫のことは気にせんと。やよいを刺激しないことを第一に考えんといかん、っちゅうこっちゃ」
みゆき「うん、分かった!あっかねちゃんものしりー!」
あかね「ふふふっ、まかしときー!なんせうちは、やよいとその子ぉお守り隊やからなー!」
れいか「遅くなってしまい、申し訳ありません」
みゆき「あ、二人ともおは……えっ!?」
あかね「れ、れいか!?その頬どないしたんや!?あ、お、大声はいかん、大声は」
やよい「お、おっきな絆創膏だよぉー?というより、湿布?かな?」
なお「あー、やっぱり目立っちゃうよね……うちで張ってあげたんだけど、さぁ」」
れいか「……少し、祖父と喧嘩しました」
あかね「!?そ、それはやっぱ……やよいの、ことか?」
やよい「えっ」
れいか「……そのような騒動を持ち込む娘とは縁をきれ、と」
やよい「えっ(猫の妊娠ってそんなに重い話なの!?!?!?)」
なお「あのこわーいれいかのおじいちゃんに言い返すんだから、れいかも凄いよね」
あかね「そ、それはしらんけど……で、叩かれたんか」
れいか「優しいですが、厳しい人ですので。やりかえしましたけどね」
みゆき「そ、そう……え?」
なお「私がれいかの家に着いたときには、全身墨汁で漬されたおじいさんが、れいかのお兄さんの背中に隠れて丸くなってたよ」
あかね「こ、こっわ、おこてもうたれいかこっわぁ……」
やよい「……(私が拾った猫のせいで青木家がやばい)」
やよい「……ここ?」
あかね「そーやー。さ、やよい。堂々とし!うちらがおるから!」
キャンディ「キャンディも!プリキュアの子共はしっかり守るようにって人事課nよくわかんないけど守るクルーー!」
みゆき「うん!猫ちゃんもね!一緒だよ!」
なお「そういえばこの猫ちゃん、可愛いよね!名前はなんていうの?オスかな?」
れいか「みーちゃん、というようよ?みーちゃんさん?やよいさんを守ってくださっているのね?」
やよい「……」
やよい「……(何かが、何かがおかしい)」
みゆき「や、やっぱり、みんな見てくるね」
なお「堂々と、なんでしょ?しっかりしなよ、平気だから」
れいか「やよいさんは、この帽子被りましょうか」
やよい「えっ、あー、うん……なんd、いや、うん……」
やよい「(変、変だよ……私以外、誰も、動物さんのケージも、首輪も、持ってる人、いないよ)」
やよい「(動物の鳴き声も、どこからもしない、し……こ、ここって普通の病院だよね?あれ?)」
やよい「(な、なにより……このロビー、周りが妊婦さんだらけだよぉお!?!?どういうことなのぉおおお!?!?!?)」
鬼「元気が出るオニ!良い子はいねぇがぁー!」
狼「良い子も悪い子もねぇ!今日はとにかく食いまくることが目的だからぁなぁ!さぁて、まずはこいつだ」
狼「世界よ!最悪の結末、バッドエンドに染まれ!!」
狼「白紙の未来を黒く塗りつぶすのだ!!!」
れいか「!これは!」
あかね「な、なんやなんや、こないなときにー!」
なお「!周りの、妊婦さんが!!!」
「産むのが怖い」 「子供なんて」
「ほしく、なかtt」
みゆき「!!だめ!!やよいちゃん、聞いちゃダメ!!」
やよい「うぅ、マリッジブルーになっちゃってるんだねってえぇ!?みゆきちゃん、なんで私の耳ふさぐの!?わ、私は元気だよぉ!?」
あかね「なんやて!?くっ、こないな時に、二人いっぺんやなんて!」
狼「おぉ?なんだ、テメェらか」
鬼「またプリキュアオニ……うぅん?なんでお前たち、こんなところにいるオニ?」
なお「……やよいちゃん、大丈夫。みんなで守るから、やよいちゃんは下がっててね」
やよい「え、え?そんな、なんで?私も、変身……」
れいか「無理は禁物です。キャンディ?」
キャンディ「やよいのパクトは、やよいが安静にできるまで休止させることになったクルー。だからみんなに任せるクルー」
やよい「……えぇええええええ!?!?!?」
みゆき「そんなお母さんたちの想いを、辛くっても優しく迎えようとしてるやよいちゃんの強さを!」
みゆき「台無しになんて、させない!!」
みゆき「いくよ!みんな!」
プリキュア!スマイルチャージ!!
やよい「待ってよぉー!私も戦うもん!ヒーローは……もぉおお!なんでこうなったのー!?!?」
猫「」ナーー
サニー「太陽サンサン、熱血パワゥア!キュアサニェー!」
マーチ「勇気凛々、直球勝負!キュアマーーチッッ!」
ビューティ「深々と降り積もる、清き心。キュアビューティ!」
五つの光が導く未来!
輝け!スマイルプリキュア!
やよい「四つじゃん!今四つでしょ!五つって言うなら私も変身させてよぉおおお!!」
鬼「オニ!おかしいオニ!!なんでピースちゃんゴホン、ピースはピースにならんオニ!せっかくあんなに研究してきたオニーーーー!」
ビューティ「お黙りなさい!」
狼「」ビクッ
サニー「余計なお世話や!!さっさとかかってこんかいボケェ!」
マーチ「でも、やよいちゃんには指一本触れさせないよ!他の妊婦さんはもちろんだけどね!」
ビューティ「あなたたちには分からないわ。今のやよいさんの尊さ、大変さは!」
ハッピー「そうだよ……やよいちゃんは、やよいちゃんは、もう!!!」
ハッピー「やよいちゃんだけの、身体じゃないんだもん!」
やよい「……えっ」
狼「あぁん?」
鬼「」
サニー「ガキガキ言いなや!!!赤ちゃんや、赤ちゃん!!!お腹ん中の子供に悪い言葉聞かしな!発育におおきくかかわるんやでー!」
ハッピー「さっすがサニー、ものしり!」
マーチ「ビューティが教えたことまんまの、受け売りって感じだけどね。とにかく、あんたたちはやよいちゃんのお腹に悪いね、うん」
ビューティ「そうね、即刻かえっていただきましょう」
やよい「いや、あの、き、気合はよく、わかるし、いいことだと思うんだけど……みんな?みなさん?ちょっと話し合おう?ね?ちょっと、何かものすごく大きなすれ違いが発生してるから」
やよい「えっとあの、や、やっぱりここは、犬猫病院じゃ、ないんだ……」
サニー「当たり前や、あんたを診てもらうんに、なんで犬猫やねーん!ってな!最近のやよいはボケが大きくでとってえぇことや思うでー」
やよい「や、ボケボケなのは多分サニーたちの方で……」
マーチ「こいつらを片付けたら、次はやよいちゃんのことを傷つけたその『ボス』とやら、だね。筋を通してもらいにいこう」
やよい「みんな映画とかドラマの見すぎ。そんな人いないから。ねぇ、お願いだから聞いて。ねぇ、ねぇ!」
ビューティ「大丈夫です、やよいさん。いざとなったら祖父にもみ消させます」
やよい「なにそれ怖い」
鬼「」
狼「おい、おい?なにボーっとしてやがんだ、連中がもめてる今がアカンベェ出すタイミングだろうが、あちらさんもそのへんを……おい?」
鬼「」
狼「……ここにいる誰よりもバッドエナジー発してやがる、この馬鹿」
鬼「ピースちゃんが……俺たちの、ピースたんが」
狼「……はぁぁぁ」
ハッピー「さぁ、狼さんおとなしく……えっ?」
狼「この馬鹿はツンパの中に赤っ鼻をしまってやがるし、俺じゃそれを取り出せねぇ、ってか取り出したくねぇ。今日はやめだ、面倒くさくなったしな」
サニー「そないなこと、信じられるかい!あんたらのことや、そうやって油断をさせたろー、ゆうつもりなんやろ!」
狼「最近人間食ってねぇから、いきなり食うと腹がびっくりするかもしれねーし、もう面倒なんだっての」
猫「」ナー、ナー
狼「……ははぁん。面倒なのは、俺様よりそこのチビらしいけどなぁ」
マーチ「面倒、なんかじゃない!やよいちゃんは大変でも頑張る努力をしてる!」
狼「……なんつーか、お前ら、全員あれだ。とち狂ってるわ、うん」
ビューティ「どういう意味ですか?やよいさんの気持ちを馬鹿にするのなら、いますぐここで」
狼「やらねぇっつってんだろ。おーいチビ、じゃあな」
やよい「ひっ?」
狼「そこの、妊娠三ヶ月で初産だからせいぜい四匹くれぇ産むだろう、って言ってる、猫公によろしくなぁ」
やよい「」
サニー「……三ヶ月?」
マーチ「……やよい、ちゃん?」
ビューティ「……説明を、お願いできますか?」
やよい「……あ、あの、ね?その……」
やよい「……うん?」
やよい「いや勝手に勘違いしたのそっちでしょ!!!???」
あかね「通訳どーもや、キャンディ……せやったら、なんではよゆわんねん、もー」
やよい「だ、だってぇ。みんなもみーちゃんのお話してるんだとばっかり……ついさっき、気づいたんだもん」
みゆき「ほんとだー、よくみたらみーちゃん、お腹ぽっこりしてるね。ケージに入ってたから、分からなかったよー」
なお「うまーーい具合にすれ違ってたんだね、話が。もう、心配したんだよ?」
れいか「私達もよく聞いてなかったことが、騒動の原因ですし。ここは、責任の追及はやめましょう?」
やよい「うん、そうしようよ……でも、そっか。みんな、そんな勘違いをしてたのに……あんなに、真剣になってくれたんだね」
やよい「あー、真剣、というか、ね?面倒とか、れいかちゃんのおじいちゃんが言ったみたいに、離れていっちゃうんじゃないかな、普通は、ね?」
れいか「言いましたよ?私達にとって、やよいさんは大切な仲間だ、と」
なお「そうだよ。離れていく、なんて。お願いされてもいやだよね」
みゆき「うん、うん!それに、私もうやよいちゃんの赤ちゃんの名前まで考えてたのにー!むしろ今の方が残念だよぉ、はっぷっぷー!」
やよい「そ、そんなぁ……っふ、ふふ、はははははははははっ!」
あかね「なんやねんそれ、みゆ、っぷ、っははは、あっはははは!」
なお「っふふ、それじゃみーちゃんの子供にそれをつけてあげれば、いいんじゃないかな?」
れいか「ふふっ、みゆきさんが名付け親なら、とても幸せな子猫になりそうね」
みゆき「うん、うん!……えっへへ!勘違いでも、ウルトラハッピー!」
やよい「……ありがとう、みんな!」
なお「……やよいちゃん、誤解だったわけだから多分そこまで本気では怒らないとおもうけど……座禅3時間は、覚悟したほうがいいよ」
やよい「……えっ」
あかね「……せやな。あと、うちのおかんとかおとん……あー、町内会長さんとこにも、お祝いいらへんこつなったー、ゆわんと」
やよい「……えっ!?」
みゆき「あー、そういえばさっき、あかねちゃんが『やよいとその子ぉお守り隊や!』ってドヤ顔だったとき、ご近所さんがすっごいこっち見てたよ」
やよい「えぇぇえええええ!?そんな、そんなぁ」
やよい「こんなの、スーパーヒーローじゃないよぉおおおおおおおお!!!」
完
キャンディ「いやマジで勘弁してくださいクル、キャンディ悪くないクル、え?キャンディならすぐ猫に聞けたはずクルって?そりゃそうかmもう減俸される分さえ残ってないクルぅわああああああん!!」
今度こそ 完
毎度毎度プリキュアは百合キュアばっかやーおもとったら大間違いやで!
れいかはなおの嫁やけどな!じゃあの!
ABC朝日放送 日曜朝八時半
スマイルプリキュア!
大好評放送中!
関連グッズも続々発売中!!
Entry ⇒ 2012.04.25 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
みゆき「みんなで恋バナウルトラハッピー!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334660122/
みゆき「だって、せっかく休みの日にみんなで秘密基地に集まれたのにー!
ずーっとトランプじゃつまんないよー!はっぷっぷー!」
なお「うーん、だからってなんで恋バナなの?」
みゆき「よく分からないけど、華の女子中学生が集まった時にすることって言ったら
恋バナなのかなー、って!」
あかね「……ノリでなんでもかんでもゆうんちゃうで、もう」
やよい「そ、そうだよみゆきちゃん……それに、私たちにはまだ、早いというか」
れいか「そうですね……私、そういったことはよく存じませんし」
あかね「男子にモテモテのれいかが、なんかゆうとるで」
なお「わ、私!?そりゃぁ応援してくれる子はたくさんいるけどさぁ……」
みゆき「うんうん、そういうのだよー!どんどんいこー!」
あかね「……自分、さっきから大貧民抜け出せなくて、トランプやめたいだけちゃうんか」
みゆき「ギクッ!な、なんのことっかなー?」
キャンディ「みゆきは、いい札が来た時はスマイルになるから、わかりやすいクルー」
やよい「キャンディ強いよね、さっきルール覚えたばっかりなのに」
あかね「耳でカード持つの怖いからやめぇや、とは思うけどな」
みゆき「うぅー、キャンディがお金の亡者になっちゃったよぉー」
キャンディ「キャンディはそんなんじゃないクルー!妖精さんクルーーーー!!」
れいか「あぁ、そうですね。もう正午近くになっているんでした」
なお「ここにいると外のことが分からないから、時間が経つのを忘れちゃうよ」
みゆき「うーん、そういうわけじゃないけど、おなかは減ったねー」
あかね「せやろ、せやろ。よっしゃ、お好み焼きでも焼いたろかー!
材料はぎょーさん準備しとるさかいな。なお、れいか、手伝ってんか」
やよい「わー!あかねちゃんのお好み焼きが食べられるなんて!」
みゆき「ウルトラハッピーだね!やよいちゃぁん!」
キャンディ「キャンディも手伝うクルー」
あかね「せやな、自分、意外に力ありよるし」
みゆき「あ!それじゃぁわた」
なお「みゆきちゃんとやよいちゃんは、机を片付けておいてくれるかな?」
れいか「私達は調理で手一杯ですから、お願いできますか?お二人にしか、出来ない仕事です」
やよい「私達に、しか?……任せて!」
みゆき「あ、あれ?そう?うーん、料理もしたかったけどそれならこっちを頑張るよ私!」
れいか「やよいさんは、料理が出来ない、というわけではく、むしろ上手な方なのですが……」
なお「なんだかお好み焼きに関しては、独創的すぎるアイディアを出したがるんだよね」
あかね「みゆきはいわずもがなや。っさ、二人が掃除に飽いてまう前に、うちらだけで終わらせんでー」
キャンディ「クル~!」
あかね「ほんなら、最初は鉄板に油引きで油をまんべんなく広げましてー、っと」
キャンディ「そうクル~、このフサフサで、ってキャンディはハケじゃないクルーーー!!!」
やよい「そうだね。あとは三人が準備終わるまで、待ってようか」
みゆき「うん。あ、やよいちゃん!絵、描いてよ!久しぶりにやよいちゃんの描いた絵が見たいな」
やよい「いいよ。何を描こうかな……」
あかね「なおは手際えぇなぁ。でも、えぇか?キャベツはもやしよりは細く
かいわれよりは太く、や!ここんとこ大事やで、テストにも出んでーほんま!」
なお「わかんないよそのこだわり……いやテストには出ないでしょ」
れいか「家庭科なのでしょうか?それとも生物……」
なお「れいか、間に受けなくていいから。ところでキャンディ、耳どうなってるのそれ?」
キャンディ「包丁なんか使う必要ないクル~」
やよい「……」カキカキ
みゆき「あ、三人を描くの?どっちも完成が待ち遠しくてウズウズハッピーだよ!」
みゆき「キミと イェイ イェイ イェイ イェイ 笑って~♪ あ、うん?さっきって?」
やよい「えーっと、こ、恋バナがー、ってこと」カキカキ
みゆき「あー、あれね!えへへ、ごめんね、気にしないで。あかねちゃんの言うとおりだったから」
やよい「そ、そうなんだ……ちょっと意外だったから、びっくりしちゃった」
みゆき「うん、私に似合わない話題なら気を逸らせるかなー、って」
やよい「でも、ちょこっとだけ……み、みんなでそういう話も、してみたかったかな、なーんて」
みゆき「えっ!ほんと!?あ、ってことは!!やよいちゃんもしかして!!恋!恋しちゃってるの!?!?」
やよい「は、はわわわわ声!声大きいよみゆきちゃん!しーっ!しーっっ!!」
やよい「な、なんでみゆきちゃんがそんなに、嬉しそうなの?」
みゆき「嬉しいよー!人が人を好きになるのってウルトラハッピーだもん!」
やよい「そっか……さっきは、あぁ言ったんだけど。やっぱり私……みゆきちゃんになら、話、したいかも」
みゆき「ほんと?どーんと任せてよ!私、やよいちゃんのためならどんどん応援しちゃうよ!」
やよい「ほ、ほんとう?やっぱりみゆきちゃんは、頼りになるね……スーパーヒーローみたい」
みゆき「えへへ、ありがとう!それで、えっと、相手は誰なのかー、とか!聞いていい?」
やよい「うん……あの、あの、ね?」
みゆき「うん!」
やよい「……その」カキカキ
みゆき「うんうん!」
やよい「……あかねちゃんって、どう思う?」
みゆき「………………うん?」
やよい「日野あかねちゃん、だよ。うん」カキカキ
みゆき「で、ですよねぇ……えぇっと?うん?あれ?今、やよいちゃんの、好きな人のお話をしてるんだよね?」
やよい「うん……あかねちゃん、って……み、みゆきちゃんから見て、どうなのかな」
みゆき「え、えぇ?あー、そうだね。一生懸命で、とっても明るくて
私も転校してきた時に助けてもらってすっごく嬉しかったなぁー」
やよい「うん、うん。それにとっても面白くって、元気で、誰とでも仲良くしてくれて……」
みゆき「うん、そうだね」
やよい「私はちょこっとだけ、ツッコミされて泣いちゃったけど。でも、あれね?あんまりクラスに
馴染めてなかった時に、あかねちゃんに声かけられて、嬉しかったからなんだ」カキカキ
みゆき「そうだったんだ……えぇっと、やよいちゃん?あかねちゃんの良いところは分かって、
ウルトラハッピーなんだ、けど。あの、さっきのね?話と、どう関係があるのか……
私、いまいちその……」
やよい「あー……あのね。こういう、ことです」スッ
みゆき「あ、絵出来たんだ!ありがとう!え?こういうって、どういう…………」
『あかね「好っきゃで、やよい。うち、あんたとずっとお好み焼きを焼いてたいんや」やよい「あかねちゃん……」キュルルン』
みゆき「………………マジで」
やよい「うん」
やよい「応援してくれるんだよね!みゆきちゃん!」グッ
みゆき「え、あの、それはもちろん、あの、そのつもりではあったんだけど」
やよい「本当はね!ずっとずっと誰かに言いたかったの!でも引かれちゃうかな!って!怖くって!」
みゆき「そ、そうだろうね」
やよい「みゆきちゃんがいてくれて良かった!私、みゆきちゃんに応援してもらえるならこの恋、きっと頑張れちゃう!」
みゆき「……あの」
やよい「協力してね!みゆきちゃん!」
みゆき「……」
みゆき「ま、任せてよ!決めた!!やよいちゃんとあかねちゃんが、ウルトラハッピーになれるように、頑張るね、私!!!!」
やよい「美味しい~~~!やっぱりあかねちゃんのお好み焼きは、おうちで作るのとは一味もふた味も違うね!」
みゆき「(どうしたらいいんだろう……)
あかね「なんせ、うちの愛情たっぷりやさかいな!」
やよい「あ、あいじょうあっつぃ!うー、まださめてないところ食べちゃったよぉ……」
みゆき「(……まさか、あのドジっぷりが、あかねちゃんに構われたいがための演技だったとは。
聞いた時は驚きハッピーだったよ……)」
なお「ちょっとぉ?今日は私達も手伝ったんだけどなぁ?」
あかね「あぁ、せやなせやなぁ。なお番長のど根性も、とっておきの隠し味やで!」
なお「番長じゃないったら!あと、れいかの一工夫もね。今度家の料理でも参考にするよ」
れいか「美味しくできて良かったわ。キャンディもお疲れ様」
キャンディ「キャンディの耳に斬れないものはないクル!」
みゆき「えっ、あ、うん!おいしくってウルトラハッピーだよあかねちゃん!」
あかね「そか、そか。さってと、やよいがようやっと食べ終わったみたいやし、洗い物やな。
みゆき、手伝ってくれへん?」
やよい「あ、そ、それなら私も!」
あかね「やよいに任しとったら皿が何枚おしゃかになるかわからへんやろー」
やよい「そ、そんなことないもん!今週はおうちでも、二枚しか割ってないよ!」
あかね「それが問題やーゆうとるんじゃーい」ペシッ
やよい「あっ、え、えへへ」
みゆき「(嬉しそうな顔……)」
れいか「そうね、でも、本気をだすのは無しよ?やよいさんもどうですか?」
やよい「え、う、うん!今日は追いつくよ!」
キャンディ「キャンディもやるクルー!」
みゆき「(あかねちゃんと同じくらいスポーツが出来るようになりたいから、とか言ってたっけ……)」
みゆき「(形はどうあれ、けなげだよね、うん。応援しよう、よし!)」
あかね「みーゆーき、ボヤーっとしとらんと運んでやー」
みゆき「あ、ごっめんごめん!パパッと片付けてキラキラ輝かせなきゃね!」
みゆき「(あかねちゃんに、それとなく聞いちゃおう!やよいちゃんをどう思ってるか!)」
汚れ落とすだけで油までは引かんでえぇけど」
みゆき「さっすがお好み焼きや『あかね』の看板娘!」
あかね「やめやめー、照れるやろー」
みゆき「あかねちゃんと付き合う子は、その、美味しいお好み焼きがたっくさん食べられるから
ウルトラハッピーだねー!」
あかね「なんやなんやー、まぁださっきの話題ひきずっとるんか……子てなんや子て」
みゆき「あ、あっははー、言葉のあやです」
あかね「そか?ま、みゆきの唐突さは今に始まったことやあらへんけど、さっきのは急すぎやで自分」
みゆき「め、面目ない……私自信が一番今それを止めたく思ってるよ」
あかね「そないな落ち込まんども……そうやなぁ、すこーしだけ、のっかったろか?」
みゆき「のっかる?」
あかね「せーやーかーらー。こ、恋バナ、っちゅうの?なんやよう、わからへんけど!」
あかね「声が大きいやめーや!!!み、みゆきやからこないなこと話すんやで!?
みゆき「あ、あっぷぷ、ごめんね!?」
あかね「他のみんながおらんで良かったわ……こっから見えよるけど、窓の外」
なお「れいかー、いくよーー!」
れいか「やよいさん、ボールから目を離さないでくださいね!」
やよい「ふ、二人ともそれキャンディ!!!ボールじゃなくてキャンディだよぉ
二人こそボールちゃんと見てぇぇええ!」
みゆき「そ、そうだね……それで、あかねちゃん?」
あかね「ん?なんや?」
みゆき「だ、誰なのかなー、って、聞いていいの、かな?」
あかね「あぁ……聞いて、くれるか?うち、実はもう辛くてかなわんねん、これ」
みゆき「あかねちゃん……うん!もちろんだよ!お友達が悩んでるのに、ほうっておけないよ!!!」
みゆき「(やよいちゃんには、悪いけど……あかねちゃんの気持ちも、きちんと知ってあげて話せば、
分かってくれるよね)」
あかね「あん、な……?」
みゆき「うん!」
あかね「実は、な?」
みゆき「うん、うん!」
あかね「……なおのこと、みゆきはどう思う?」
みゆき「………………うん?」
みゆき「あ、あの、あかねちゃん?あかねちゃんさん?」
あかね「それでいて可愛いもの好きなとこやとか、虫が苦手なとことか……正直、たまらんわ」
みゆき「たま、たまらん?えっと、それは、あの?」
あかね「……最近まで、この感情がなんやったのか、うち、よぉ分からんかってん」
みゆき「あ、そ、そうなんだ。じゃぁまだ、そっちじゃない可能性も」
あかね「でも、気づいたんや。なおとお好み焼き作っとった、こないだのことで」
みゆき「あー……気づいちゃったかぁ」
あかね「なおとな?れいかが息の合うとこ見てると、なんやこの、このへんが、モヤモヤして」
みゆき「……食べすぎじゃない?」
あかね「茶化しなや。それにな?なおが手際よく調理しとんのを見て……あぁ、なおとならお店も
ずーっと続けられそやなー、とか、考えてん」
みゆき「そ、それはそれは……コアなお客さんがたくさん入りそう、だね」
あかね「……もう、ゆうてまうとな?うち……うち、な?なおが、好っきゃねん」
みゆき「…………ほんま?」
あかね「ほんまや」
なお「ふー、良い汗かいたー!あれ?みゆきちゃんは?」
あかね「なんや、片付け終わったら、テラスでたそがれとるわ」
みゆき「(というよりは、困り果ててるんだよ)」
れいか「キャンディの耳が絡まって、ほどけなくなってしまいました」
キャンディ「変な感じクルー!おしゃれじゃないクルー!!」
やよい「あんなに転がりまわるから……どうやってほどけばいいんだろう。あ、あかねちゃーん!
手伝ってぇー!」
あかね「お?まっかせときー!コテとかつこうてみたらどうやろー!?
なおは、みゆきの相手してたってくれへん?」
なお「うん、私もそうしようと思ってたからね。あぁいうのは得意じゃないよ」
あかね「そか、ほな……任せたで」
みゆき「(目線で、しっかりなおから聞いとってな、って言われた)」
みゆき「あ、なおちゃん……ううん、私はいつでもハッピーだよ」
なお「そう?ならいいけどさ。何かあったなら、相談してよね?友達なんだから」
みゆき「うん……(その危機に直面してるからこんなに悩んでるんだけど、ね)」
なお「あ、そうそう」
みゆき「うん?」
なお「私、れいかが好きなんだけどさ」
みゆき「!?!?はやいよなおちゃん!?!?前置きとかそういうの一切ないの!?!?」
なお「直球勝負!」
みゆき「えぇ…………」
なお「ううん、ばっちり恋愛感情として。そりゃもう、小さいときからね」
みゆき「えぇ……」
なお「しっかりもので、だけど天然で、やさしくて、可愛くて、可愛くて、可愛くて。
れいかってとっても可愛いんだよ?みゆきちゃん知ってる?」
みゆき「あー、それはもう……」
なお「そういうわけで、協力して欲しいんだ。ね!」
みゆき「……あー、あのー、あー…………」
なお「……どっち!?はっきりしてよ!筋が通ってないよ、筋が!」
みゆき「わ、分かった!分かったよ!私応援する!なおちゃんのウルトラハッピーのためだもん!
が、頑張るね!」
なお「うん、みゆきちゃんなら、そう言ってくれるって信じてたよ」
みゆき「ま、任せてよ!!(どうしよう、どうしよう……)」
れいか「みゆきさん?お紅茶はどうですか?」コトッ
みゆき「あ!れ、れいかちゃん!ありがとう!みんなは?」
れいか「なおとあかねさんは、解けたキャンディの耳を二人で結ってあげてます。
やよいさんはその画を書いてるみたい」
みゆき「そ、そうなんだ……愛憎うずまいてるなぁ」
れいか「?」
みゆき「あ、こ、こっちの話……れいかちゃんの淹れた紅茶は、美味しいね!
ウルトラハッピーだよ!」
れいか「ふふっ、ありがとうございます。私も、悩みがある時はこうやって、
お紅茶で一息いれるんです」
みゆき「へー……あ、え!?や、あのー、私別に、悩みなんて……」
れいか「それならそれでいいんです。では、私の独り言ということで」
みゆき「れいかちゃん……」
れいか「私も……やよいさんの事を想うあまり眠れないときは、こうやって」
みゆき「…………やっぱり」
みゆき「あー、うん。大丈夫だよれいかちゃん、誰にも言わないから……言えないけど、ね」
れいか「……おかしい、と、思いますよね?」
みゆき「……数十分前までは」
れいか「?」
みゆき「こっちの話。えっとね、私はそういうのが変だとか、思ったりしないよ、うん」
れいか「ありがとう……みゆきさんは、優しいのね」
みゆき「巻き込まれ体質なだけかもね、うん」
こういったことには、本当に疎くって」
みゆき「こういう、っていうのは……恋愛的なこと?」
れいか「はい。それで、やよいさんの可愛さ、健気さ、でも時に見せる芯の強さ、
それに気がついたとき……誰に相談すればいいのか、分からなかったんです」
みゆき「えーっと、なおちゃんは?れいかちゃんとなおちゃんは、幼馴染なんだよね?だから……」
れいか「なおは……昔から一緒にいすぎて、姉妹のように思えてしまって。
そういう話をするのは、恥ずかしくって」
みゆき「……(どんまい、なおちゃん)」
みゆき「……れいかちゃんは、今。そのことですっごく、悩んでるんだよね?」
れいか「はい……実を言えば、弓道での的中率が、深刻な下がり具合を見せるほどで」
みゆき「……」
れいか「弓は、心を映します……このままでは、私」
みゆき「任せてよ!れいかちゃん!」
みゆき「みんなのウルトラハッピーのために!私、頑張っちゃうんだから!!!」
みゆき「えーっと、まずはちょっと整理しようかなぁ」
やよいちゃん→あかねちゃん→なおちゃん→れいかちゃん→やよいちゃん
みゆき「……こういうこと、だよね?」
みゆき「……不毛だ」
みゆき「うーん、でも、四人だったのがまだラッキー!だったのかな?」
みゆき「ようは、うん!この中で二人を両想いにさせることが出来れば、
ウルトラハッピーなんだよ!」
みゆき「……って、言ってもなぁ~」
みゆき「話しを聞いた限りじゃ、皆自分が誰かから、っていう発想は全然無いみたい、だし」
みゆき「うーん……」
キャンディ「みゆきぃ~?さっきから何してるクル~?宿題なんてみゆきらしくないクル~」
みゆき「わ、私だってたまーには机に向かうよぉ!はっぷっぷーー!
……あ、っちょ、キャンディ見ちゃだめ……!」
キャンディ「クル?これなぁにクル?名前が書かれてるクル」
キャンディ「当番クル?」
みゆき「そ、そう!皆で行けないときにもその、不思議図書館で待機する人をー、みたいな!
日替わりで、って!」
キャンディ「?キャンディよくわかんないけど、頑張ってほしいクル~」
みゆき「ほっ」
キャンディ「……あ!みゆき!!こりダメくる!!」
みゆき「えっ!?!?な、なにがっ!?!?」
キャンディ「なんでみゆきの名前が無いクル!?!?おかしいクル!!
当番なら、みんな平等のはずクル!!」
みゆき「…………」
キャンディ「ズルはダメクル~!さっ、みゆきもここに名前をスマイルチャージ……」
みゆき「ごめん、キャンディ、私もう寝るね」
キャンディ「クル?こんなに早く寝ちゃうクル?」
みゆき「うん、出来ればもう起きたくないレベルのふて寝なはっぷっぷー、だよ」
キャンディ「クルっっ!?!?」
狼「ウルルル~、俺様ウルフルン~~♪」
魔女「うーん、難しいだわさぁ」カキカキ
狼「あぁん?マジョリーナ、お前なにしてんだ……んだよこの紙ッきれの山は」
魔女「踏むんじゃないだわさ!人間界の文字って奴を研究してるんだわさ!」
狼「ど、怒鳴んじゃねぇよ悪かったっての……文字だぁ?んなもんどうしてぇんだよ?
っつか、何書いて絵やがる……?」
『麻所 莉那』
狼「……なんだ、これは」
魔女「ふん!あの人間風情が、書類に名前がかけないと困るとか言うんだわさ!あいつめ!
マジョとリーナで別けおってだわさ!人間のくせに!」カキカキ
狼「……そんで、考えてやってんのか」
魔女「誤解すんじゃないだわさ!別にあの人間のためなんかじゃないんだわさぁ!」カキカキ
狼「悪の三幹部の名前がなくぞ」
あんたに言われたくないだわさ」
狼「あぁん!?それはてめぇだって一緒だろーが!」
魔女「ふんっ!私はこのあいだ、チイサクナールであと一歩のところまで追い込んだ、
それに比べてあんたはなんだい?」
狼「う、うっせぇ!この前は腹が減って本調子じゃなかったんだよ!」
魔女「プリキュアに飯まで貰っておいて、よく言うだわさ」
狼「うるせぇってんだろうが!くそ!コケにしやがって!みてろよー!」
魔女「待つんだわさ。一緒に取り寄せた人間界の資料に、こんなもんがあっただわさ」
狼「あぁん!?それがどーしたってんだ!?」
魔女「何やら物凄く人間が集まるもののことが書いてあるらしいだわさ。そこで事に及べば」
狼「大量のバッドエナジーが得られる、ってか?おもしれぇ……えっと?」
狼「ビックサイト?うん?同性……オンリー……?まったく意味はわからねぇが、
場所はなんとなーく分かったぜ!」
狼「あぁ?お前何か知ってるのかよ、アカオーニ」
鬼「詳しくは知らんオニ。だけど今日、そのビックなんとかでものすごく大きなイベントがある、っ
て、羽鳥アナが言ってたオニ」
狼「まぁた、そのわけのわからねぇ箱見てたのか」
鬼「いや、俺様は赤江アナ目的で見てるだけオニ、赤でお揃いオニー」
狼「どっちにしろだバカ、どいつもこいつも人間なんかになびきやがって」
魔女「誰が誰にだわさ!わたしゃ別にあんな人間のことなんか!!」
狼「吐き気するからやめろババァ」
みゆき「ですがどうしても、みんな自身が誰か他の女の子に想われてる、と
いう発想にならない事にはどうにもなりません」
みゆき「……そういった旨を、やよいちゃんと話し合いました」
みゆき「……その結果」
やよい「スマイルプリキュア!in東狂ビッ○サイトだよね!」
みゆき「どうしてこんなことに……」
あかね「なぁー、なんやよーわからへんままつれてこられてんけどー」
なお「ここで何があるの?れいかの書道展で一回付き添ったことはあるよね?」
れいか「なんだか、周りの方からの目線が……気のせいでしょうか」
みゆき「えぇ……私には絶賛わけわからんハッピー警報鳴りまくりだけど」
やよい「今日はね!なんと!同性愛オンリーイベントの日なの!」
みゆき「それってアウトじゃないのかな」
やよい「何があるのか知らない感じのまま!それとなーくそのブースの方に移動しちゃおうよ!
任せて!そういうのは得意だよ……ピピー?
あれなにかなあかねちゃん、漫画が売られてるみたいー」
あかね「おぉ?なんやなんや、よーわからへんけど行ってみよか?なぁみんな?」
なお「え、うん。漫画かぁ、弟達に買って行ったら喜ぶかもね」
れいか「やよいさん、前を向いて歩かないとこけてしまいますよ?」
みゆき「……(やよいちゃん、あなたをこんなにも頼もしく思ったのは初めてです)」
キャンディ「キャンディも、見たいクr」
みゆき「ダメッ!」
キャンディ「もがっ!な、なんで、ックルー!!!」
みゆき「いや、その、メルヘンランドの妖精さんなキャンディに、
ああいうのを見せたらどうなるのか……分かったもんじゃないから」
キャンディ「クルー?」
みゆき「こ、こっちの話。人目も多いし、とにかくキャンディは鞄の中で大人しくしててっ!」
あかね「お……おう?」
なお「あー……な、なんか思ってたのと、ちょっと違う、感じかな?はは……」
れいか「そう、ね……一冊一冊が、随分薄いみたい。それに、そ、その……」
「ひび×かなが正義よ!」「いいえかな×ひびよ!!!」
「せつながーーー!ラブがーーーーー!!」「いや寧ろイースがーーー!」
「初代に勝る百合っぷりはーー!」「こんな時にしかSSの二人はーーー!!」
みゆき「……(濃い)」
やよい「は、はわわわ、なんだか変わった本を扱ってるところ、みたいだね!
あかねちゃん、こういうの知ってる!?」
あかね「や、うちはあんま……で、でもまぁ……興味は、ないことも、とゆうか」
やよい「!ほんと!じゃぁ、ね!ちょっと……すいませーん、試し読みいいですかー?」
みゆき「……(慣れてる)」
あかね「ど、どうて……やー、こういうのもあるんやなー、って。
世間は広いもんやで、な、なー!なお!」
なお「え、えぇ!?そ、そうだね……私、漫画をあんまり読まないから何にしろ新鮮なんだけど、
お、女の子が可愛い、かな!ね、れいか!?」
れいか「そうですね……やよいさん?こういったものは、その、一般的なのでしょうか……?」
やよい「ううん、なんだか今日はそういう人たちがたまたま集まっただけ、みたいだけど……
でもこんなにたくさんいるんだもん!きっと別に特殊なことじゃないんだよ!」
あかね・なお・れいか「「「……そうなんだ」」」
みゆき「……若干上手く行ってるのが怖い」
狼「おぉー、本当に人間どもがわんさかいやがるぜぃ」
狼「それに、どいつもこいつもなんだか黒い服ばっかりじゃねーか!」
狼「お誂えむきだぜ!お前たちのバッド記念日にはなー!」
狼「世界よ!最悪の結末!バッドエンドに染まれ!!」
狼「白紙の未来を黒く塗りつぶすのだ!!!」
みゆき「!これって!?」
れいか「空が暗く……まさか」
やよい「あ、あぁ!回りの人たちが!!」
「本当はNLが書きたい……」
「恋愛がしたい」「リア充がにくい」
あかね「な、なんやよーわからんことぼやいとるけど!」
なお「……あ!あそこ!」
キャンディ「クル!?ウルフルンクル~~!」
狼「あぁん!?またお前らか、プリキュア!どこでも現れやがるな、お前たちはよぉ!」
あかね「それはこっちの台詞やアホー!なんであんたはうちらの行く先々に現れんねん!」
やよい「そうだよー!今日は大事な作戦の日なのにぃーー!!」
なお「筋が通ってないよ、筋が!うん?やよいちゃん、作戦って?」
れいか「細かいことは後にしましょう、なお。このままでは皆さんが」
みゆき「……形はどうあれ、ここにいる人たちは!今日のために一生懸命描いてきたはずなのに!
そんなハッピー、邪魔するなんて許せない!」
キャンディ「みんな!変身クルーー!!」
プリキュア!スマイルチャージ!!!
サニー「太陽サンサン、熱血ポワゥアー!キュアサニェー!」
ピース「ピカピカぴかりん☆じゃん、けん、ぽんっ!キュアピース!」
マーチ「勇気凛々、直球勝負!キュアマーチッッ!!」
ビューティ「深々と降り積もる、清き心。キュアビューティ!」
五つの光が導く未来!
輝け!スマイルプリキュア!!!
同人誌『』ギュワン!
アカンベェ「アッーーー!カンベェーーーーー!!!」
サニー「きよったnうぉわ!?!?なんや、あの、あの青いつなぎきたオッサンは!?!?!?
ピース「!?!?!?!?アッー!なのに阿部さん!?!?」
ハッピー「ごめんピースそれよくわかんない!」
マーチ「!くるよ!!」
アカンベェ「ところで俺の赤い鼻をみてくれ、こいつをどう思う?」
ビューティ「す、すごく大ききゃぁあ!」
マーチ「!ビューティ!」
サニー「くっ!あないなとこからミサイルだしよるなんて!!下衆いでこらぁああ!!」
狼「……いや俺も引くわ実際」
サニー「したらもっと選ばんかいボケェーー!!!」
だ……」
サニー「いらんとこキチッとしなや!なんや、一々出撃のたんびに報告書書くんかい
バッドエンド王国!」
マーチ「ビューティ、平気!?」
ビューティ「えぇ、それより、今は、敵から目を離さないで!」
アカンベェ「嬉しいこと言ってくれるじゃないの」ヌギッ
ピース「!?つなぎを脱いだよ!?」
ハッピー「わぁああ!?あ、よかった、その下はなんだかよくわからない人形みたいなのだ、
よかった、規制対象にはならないねウルトラハッピー!」
サニー「ゆうとる場合か!そのつなぎで……っ!!大風起こしてきよった!
器用なやっちゃでもーーー!!」
狼「うぉ!?んだちくしょう、顔になにか……邪魔だ!あぁ?これは、アカンベェにしたような本と
同じもん、か?どれどれ……」
狼「……な、中々に人間どもも、バッドな嗜好をしてやがるじゃねぇか」
狼「これは女と女の、か?んじゃぁアカンベェになったのは……ははぁん?」
狼「このイベントってぇのに集まったのは、雌が雌同士、雄が雄同士で恋愛をするのを好む、
っつぅ、ヘンテコな奴らってこったなぁ?」
ピース「っ!い、今なんて!?へ、ヘンテコなんかじゃ、ないもん!」
サニー「マーチの風で相殺したな、流石やでマーチ……そ、そーや!なにがおかしいねんこらぁ!」
マーチ「ビューティ、立てる?……そうだよ!なにがおかしいのか、言ってみなよ!」
ビューティ「平気です、ありがとうマーチ……ここにある本の、何が変なのでしょうか」
ハッピー「……あー、あの、ね?」
狼「あぁー?お前ら全員とち狂ってんのか?」
狼「こいつは、お前ら普通の人間にとっちゃ気持ち悪くて意味嫌われるもんのはず、だろうがぁ?」
ピース・サニー・マーチ・ビューティ「!?!?!?!?」
ハッピー「……(まさか狼さんに諭されるなんて)」
回りからどん引きだろうなぁ」
ピース「か、可愛い、って……」
狼「根暗で、卑屈な奴だろうよ、こんなもんを好むのは」
サニー「ね、根暗……」
狼「大手を振って堂々と、世間さまには面向けできねぇだろうなぁ」
マーチ「……」
狼「道を外れた嗜好なんてのは、俺様たち向けのさいっていなもんだからよぉ、
否定はしねーがなぁ」
ビューティ「み、ち……を……?」
ハッピー「……みんな?みんな!?」
ドサッ、ドサドサッドサッ
狼「……はぁ?」
キャンディ「!?ど、どういうことクル!?なんでみんな、バッドエナジーに囚われちゃったク
ルーーー!?!?」
の……?」
サニー「うち……なおに、なおにそないな思われて、もーたら」
マーチ「私は、それでも、それでもれいかを……でも、そしたら、弟たちまで、妹まで、周りか
ら……?」
ビューティ「私の、やよいさんを想う気持ちは……人の道から、外れてしまって……?」
ハッピー「みんな!しっかりして!!ダメだよ!!狼さんの言葉を、聞いちゃダメ!!」
狼「……」
狼「そうか、そういうことか。ふっは、ふっははははははは!!!うーーーーるっふふふははははは
は!!!」
狼「プリキュアぁ、お前ら全員、ここにいる奴らとおんなじみてぇだなぁ!!!……ん?したら、なんでそこのピンク頭は平気なんだ?」
ハッピー「……」
狼「……なんでちょっと泣きそうなんだよお前、お前はお前でなんか出してんなバッドな気配……
まぁ、いい」
ピース「うぅ……」
狼「まさかよぉ!てめぇらどうしで乳繰り合う仲だったなんてなぁ!!」
サニー「そ、そないな……そないな、こと」
狼「おんなじなんだよ、考えてるだけでもよぉ!むしろそっちのがよっぽど気持ちわりーぜ!隠して
コソコソとむっつりってかぁ!?」
マーチ「そんな、そんな……直球、直球、勝負」
狼「ど外道どもよぉ、お前らに俺様たちを退治る資格なんてあんのかぁ?あぁ?」
ビューティ「外道……あぁ、わたし、私、は」
狼「そうだ、お前らは外道どもだ」
狼「普通じゃねぇ、正常じゃねぇ、間違った感情を持った、異質なイキモンだ」
狼「俺様たち、バッドエンド王国の住人と、同じくらいのよぉおおおおお!!」
ハッピー「やめてっ!!!!!!!!」
狼「……んだよ、すっこんでろどピンク。俺様は今、バッドエンド王国講義で忙しいんだ」
ハッピー「何度ダメでも諦めない、あかねちゃんの強さを!キラキラ輝いてる姿
を!」
ハッピー「私は……ピースの、やよいちゃんの!良いところ!たくさん知ってる!」
ハッピー「少し泣いちゃうこともあるけど!一生懸命なキラキラ輝くところを!」
ハッピー「マーチの、なおちゃんの良いところだってたくさんたくさーん知ってる!」
ハッピー「家族をすっごく大事にしてて!やさしくて!キラキラした眼で優しく見守ってるところを!!」
ハッピー「ビューティの、れいかちゃんの良いところ、言い出したらキリがないよ!」
ハッピー「優しくって、頼りになって!!水の妖精さんみたいに、キラキラしてるもん!」
ハッピー「だから!!……だから!!!」
狼「……何がいいてぇんだよ」
ハッピー「私だって、皆、大好き!!」
ハッピー「大好きだから、友達になったんだもん!大好きだから!みんな一緒にいれるんだもん!
一緒に、プリキュアになれたんだもん!!」
ハッピー「この気持ちを、間違ってるなんて言わせない!!!」
ハッピー「人が、人を好きになる気持ちを!!!」
ハッピ「ウルトラハッピーなこの想いを!!!!!」
ハッピー「間違いだなんて!!絶対に、言わせないんだからぁ!!!!!」
ハッピー「はぁ、はぁ……うぇ!?な、なになに!?」
キャンディ「……クルっ!?」
狼「はっ、何を言い出すかとおもえばお前も……うぉ!?な、なんだこの光はぁ!?」
ピース「みゆき、ちゃん……スーパーヒーローよりカッコイイヒロインなんて、
みゆきちゃんくらい、だよ」
サニー「そうや、そうやったな……うちは、あんたの頑張る姿に、勇気付けられたんや、みゆき」
マーチ「みゆきちゃん……私たち、チーム、だもんね」
ビューティ「みゆきさん……あなたのキラキラした姿も、私達に届いてますよ」
狼「な、なんでお前ら、立てる!あんなにバッドエナジーに囚われてたくせに!それに!それになん
だってんだよぉ、その格好はよおおお!」
キャンディ「み、みんな、デコルもないのにパワーアップしたクルー!?!?!?」
ハッピー「わ、なにこのティアラとマント!かっわいー!ウルトラハッピー!」
人間どもの汚い想いから生まれたお前なら、そのくらい!!」
アカンベェ「男は度胸!何でもためしてみるのさ」
ハッピー「みんな、すっごく可愛いよ!」
サニー「あんたもな、ハッピー」
ピース「ハッピーのおかげだよ、ありがとう」
マーチ「まぁ、きっと今だけかもしれないけどね」
ビューティ「そうとなれば、ハッピー。私達の気持ち、この想いを、ぶつけてしまってください」
ハッピー「うん!よーーーし!!!気合だ、気合だ、気合だぁああああああああああああああ
あ!!!!」
キュアデコル「」ビカァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
キャンディ「ちょ、ちょまっ、段階すっとばしてるからキュアデコルが追いついてないクルー!?!?」
ハッピー「キャンディ!必殺技、名前は!?やっぱり変わるの!?!?」
キャンディ「えぇええ!?きゃ、キャンディよくわかんないクル……
じゃ、じゃぁプリキュア・ハッピーハリケーンってことでお願いしますクル」
ハッピー「おっけー!」
ハッピー「ハップィーーーーー!!」
ハッピー「ハリケーーーーーーーーーン!!!!」
チュドォオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!
アカンベェ「ア――――――」
狼「浄化どころの威力じゃねぇええええ!?!?って俺様もこのままjちっくしょう!覚えてやがれ
チートども!!」シュバッ!
「うぅ、わ、私達は何を……?」
「なんだかとってもキマシな気配が……」
みゆき「みんな、気がついたみたいだね」
キャンディ「あ、はい、そうです、前倒しで、はい。いえ、キャンディが進めたわけではその、
え?減俸?そんないいじゃないですクル、ちょ!?ちょっとーークルーーー!!」
あかね「キャンディはなんやおかしなことゆうとるけど……勝ったったな」
やよい「うん……全部、みゆきちゃんのおかげだね!」
みゆき「えっへへ、でも、みんなの気持ちがあったから、だよ!」
れいか「そう、ですね……ここにいる、全員の」
なお「うん」
なお「みゆきちゃんが大好きで大好きでたまらない、って気持ちの、ね!」
みゆき「えへへ、ありがと………………うん?れ、ちょっと待って、なんだかニュアンスが
おかし……あれ?」
みゆき「な、なおちゃん?手を握って、え?か、顔近いよ?え?気持ち?そ、それはその、
友達として大好きな」
なお「ううん!そんなもんじゃない!本気も本気で!みゆきちゃんのことが大好きってことに!!」
みゆき「……え」
あかね「ちょ、なお!抜け駆けしなや!!みゆきに一番に相談しとったんは、うちなんやで!?
うちのが好っきゃ!みゆき!!」
みゆき「え、あか、あかねちゃん?」
やよい「あかねちゃん全然ダメダメ!告白っていうのが分かってない!あのね、みゆきちゃん……
わたし!私みゆきちゃんのことがすきゅ、あ、あは、噛んじゃった」テヘペロッ
みゆき「やよいちゃん……ごめん、わざとだと分かってるとなんか、あの」
れいか「……みゆきさん」
みゆき「れ、れいかちゃん?静かに後ろから抱きしめるのまって、っちょ、みんな落ち着こう?
あの、あのね!?」
「キマシ「キm「キマシタワーーーーーーーーーーーーー!!!」
みゆき「回りからの!!!周りからの熱い視線がすごいから!!ちょっと!ね、ねぇってばぁあああ!!」
みゆき「ど、どないって、そんなあかねちゃんがどないやねん」
やよい「だれが一番好きなの!?みゆきちゃん!!」
みゆき「え、えぇえ!?そんな、一番なんて……」
なお「私は絶対絶対、この中で一番みゆきちゃんのことが好きだよ!」
みゆき「あ、あのね?嬉しいんだけど、私のは、その!」
れいか「みゆきさん……答えて、くださらないんですか?」
みゆき「あ……あぁ……」
あかね「そないなもんで」
やよい「納得しないんだからね!」
なお「筋を通そうよ!筋を!」
れいか「みゆきさん、真面目に」
みゆき「……おおかみさぁああああああああああああああああああんん!!!!!!!」
完
キャンディ「いえ、このハッピーさんの声はですね、これは敵側に情とかでなくですね、ほんっとあちらさんも意外に常識的っていうまた減俸!?監督腑行き届kうわぁあああんクルぅううううううう!!」
今度こそ 完
あと一昔前のハルヒssと前半かぶっとるのも、なんや見逃したってや!
みんなも日曜朝ははよぉ起き!じゃあの!
ABC朝日放送 日曜朝八時半
スマイルプリキュア!
大好評放送中!
関連グッズも続々発売中!!
Entry ⇒ 2012.04.18 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (1)
みゆき「4人になってもウルトラハッピー!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333935811/
なお「れいか!」
れいか「あら、なお。ずいぶん早いじゃない」
なお「う・・・うん、今日は土曜で学校休みだからね」
れいか「あらそうだったわね。入院してると曜日の感覚がなくなって・・・」
なお「・・・・・・体の調子はどう?」
れいか「相変わらずよ」
なお「・・・・・・ゴメンね・・・れいか(ポロポロ」
れいか「なお、どうして泣くの?」
なお「あのとき・・・私たちがもっと早く駆けつければ・・・えぐっ・・・れいかは・・・たったひとりでアカンベーと闘ってたのに・・・」
れいか「私はプリキュアとしての使命を全うしたのよ」
れいか「だから両手両足が動かなくなってもなんの後悔もないわ」
なお「れいか・・・れいかぁ・・・(ポロポロ」
バリバリ
アカンベー「アカンベー!」
アカオーニ「ふん!片腕での必殺技なんて効かないオニ!」
ハッピー「まだだよ!プリキュア!ハッピーシャワー!!」
アカンベー「アカンベー・・・(恍惚)」
アカオーニ「くそっ!覚えてるオニ!」シュン
あかね「やよい!大丈夫か?」
やよい「う・・・うん・・・」
なお「・・・片腕なのに無理して!」
やよい「大丈夫だよ・・・(ニコッ」
やよい「でも・・・大好きな漫画が描けなくなっちゃったのはちょっと悲しいけどね・・・」
みゆき「や・・・やよいちゃん・・・(ポロポロ」
あかね「・・・なー父ちゃん」
あかね父「なんや?」
あかね「父ちゃんはウチと元気、どっちにこの店継いで欲しい?」
あかね父「そらあかねやろなぁ」
あかね父「お前はお好み焼き焼くウデも一流やしお客さんにも好かれてるしなぁ」
あかね「やっぱりそうか・・・」
あかね父「なんやねんもーそないうちからこの店のこと考えてくれとるとは泣けるで!」
モブA「今日の試合も完勝だったね!」
モブB「それも全部あかねのおかげだよ!」
モブC「あかん優勝してまう」
あかね「それほどでもあるで」
モブA「あかねがいなかったらもうウチのバレー部成立しないよ~」
あかね「そ・・・そうか?別にウチがいなくても・・・」
モブB「そんなことないって!あかね最近めちゃくちゃ腕上げてるし!」
あかね「・・・・・・」
ピース「あぁぁああぁぁ!腕が!腕がぁぁぁ!」
ハッピー「ピース!しっかりして!」
マーチ「早く病院に連れてかないと!」
みゆき「どう?やよいちゃん腕は」
やよい「・・・元通りには動かないって・・・」
なお「そんな・・・」
やよい「もう・・・漫画描けなくなっちゃったよ・・・」
みゆき「やよいちゃん・・・ごめんね・・・ごめんね・・・」
やよい「だ・・・大丈夫!私片腕でもプリキュアとしてやっていくよ!」
なお「そ・・・そんなの危険すぎる!無理だよ!」
やよい「平気だよ・・・昔片足や両腕をもがれても戦い抜いたヒーローがいたんだもん・・・これぐらいへっちゃらだよ!」
やよい「それに・・・れいかちゃんが戦えなくなっちゃったし・・・こんなことで泣きごと言ってられないよ・・・」
みゆき「やよいちゃん・・・(ポロポロ」
あかね「すまんな」
なお「あかね!あんた今の状況わかって言ってるの!?」
あかね「わかっとる!わかっとるから言うてるやんか!」
あかね「このままじゃ体いくつあっても足りひん!うちもそのうちれいかややよいみたいにケガして大好きなバレーが出来なくなるかもしれんのや!」
あかね「それに・・・ウチにはお好み焼き屋もある・・・ウチが再起不能になったら誰が継ぐねん!?」
なお「バカ言わないでよ!世界がバッドエンドに包まれたらバレーやお好み焼き屋どころじゃないよ!!」
あかね「他のやつにやらせたらええやんか!とにかくウチはもうごめんや!」
なお「~~ッッ」
バシッ
あかね「なにすんねん!」
なお「あかねのわからず屋!」
みゆき「やめてよ・・・二人ともぉ・・・(ポロポロ」
あかね「誰が弟たちの面倒みるんや?」
なお「そ・・・それは・・・」
あかね「サッカーももう出来ひんようになったらどうするねや?」
なお「・・・・・・」
あかね「もしウチらが必死こいて戦ってバッドエンドの奴らを倒したとしても」
あかね「ウチらがボロボロになったら、何のために平和を取り戻したんかわからんなぁ」
あかね「ウチらまだ中学生やで?やりたいこといっぱいあるのに・・・」
あかね「こんな戦いで人生めちゃくちゃになったら・・・たまらんわ・・・」
なお「・・・・・・」
れいか「なおどうしたの?いやに元気がないじゃない」
なお「・・・あかねがさ、プリキュアやめるって・・・」
れいか「えっ」
なお「プリキュアとの戦いでボロボロになって、人生めちゃくちゃになったら嫌だって・・・」
なお「お好み焼き焼いたり・・・バレーできなくなったら嫌だって・・・」
れいか「・・・・・・」
なお「私だって嫌だよ!怖いよ!れいかややよいちゃんがあんなことになって!」
なお「もし・・・私もサッカーができなくなったり、弟たちの面倒が見れなくなったらって思うと耐えられない!」
れいか「・・・なお」
なお「・・・あっ、ご・・・ごめんれいか」
れいか「私も・・・私も昔みたいに普通に生活したい!(ポロポロ」
れいか「どうしてこんなことになっちゃったんだろう・・・」
れいか「もう私の足も!腕も!昔みたいに動くことはないの!」
れいか「プリキュアなんかに・・・プリキュアなんかに選ばれなければこんなことには・・・」
なお「うぅ、れいか・・・」
一方その頃
あかね「・・・アカン言い過ぎたかな・・・」
あかね「・・・でももうウチはやめるって決めたんや・・・それは変わらへん」
あかね「・・・・・・」
あかね「仲直りと別れのしるしに・・・とびきりうまいお好み焼き作ってみんなにごちそうしたろかな・・・」
あかね「まずはみゆきん家に届けに行こか」
あかね「こんな遅くに行ったら迷惑かな・・・」
タッタッタッ
ウルフルン「ウルッフッフッフ!」
あかね「あ、お前は!」
ウルフルン「赤いの!今日はお前一人か!ちょうどいい!お前もあの青いのと同じ目に逢わせてやるぜ!」
あかね「あの青いの・・・れいかのことか・・・れいかのことかー!!(ワナワナ」
ウルフルン「いでよアカンベー!」
アカンベー「アカンベー!!」
あかね「プリキュア、スマイルチャージ!」レッツゴーサニー
アカンベー「アカンベー!!」
サニー「うちの最後の戦いや・・・派手に行くで!」
なお「・・・・・・れいか、後悔はないって前言ってたけど・・・強がりだったんだ・・・」
なお「当たり前だよね・・・あんな風になったら私だって・・・」
なお「・・・・・・・・・」
アカンベー・・・アカンベー・・・
なお「・・・?あれは・・・アカンベー?」
サニー「・・・・ゲホッ・・・ゲホッ・・・」
ウルフルン「やっぱり一人だと歯ごたえがないぜプリキュアァ~(巻き舌)」
なお「あ・・・あかね!」
サニー(もうアカン・・・体が動かへん・・・)
なお「へ、変身しなきゃ・・・」
なお「でも・・・でも・・・」
なお(あんなのと戦ってもし・・・)
れいか「もう私の足も!腕も!昔みたいに動くことはないの!」
なお(~~ッッ・・・あかねゴメン!)ダッ
ウルフルン「ウルッフッフッフ!お前がいたことは先刻ご承知済みだぜ!」
なお「あ!あ・・・」
サニー「なお・・・?どうしてここに」
ウルフルン「どうした?変身しないのか?」
サニー「なお!早く変身するんや!」
なお「・・・怖い・・・怖いよ・・・戦うのが怖い!」
ウルフルン「ハァ?何言ってんだ?とんだ腰抜けだな!」
サニー「なおどうしたんや・・・」
アカンベー「アカンベー!!」
サニー「あっ・・・・・・」
れいか「あら、みゆきさん。ずいぶん早いんですね」
みゆき「う・・・うん、今日は土曜で学校休みだからね」
れいか「あらそうでしたわね。入院してると曜日の感覚がなくなって・・・」
みゆき「・・・・・・」
れいか「そういえば・・・最近なおを見かけませんけど・・・どうしたのかしら・・・」
みゆき(ビクッ
れいか「あかねさんも、最近お見舞いに来なくなって・・・」
みゆき「あぁ~二人とも部活忙しいみたいだよ!」
れいか「まぁ、そうでしたの」
みゆき「・・・・・・」
やよい「みゆきちゃん・・・そんな顔しないで」
やよい「ハッピーが逃げちゃうんでしょ?」
みゆき「・・・・・・」
やよい「みゆきちゃん・・・・」
アカンベー!
やよい「アカンベー!?みゆきちゃん・・・行くよ!」
みゆき「・・・・・・」
やよい「みゆきちゃん!どうしたの?」
みゆき「私もう、疲れちゃった」
みゆき「こんな世界平和にしたところで、あかねちゃんもなおちゃんも帰ってこない」
みゆき「やよいちゃんの腕もれいかちゃんの体も元には戻らない」
みゆき「もう・・・私にとってはとっくにバッドエンドなんだよ・・・」
アカンベー!
やよい「しっかりしてよ!みゆきちゃんらしくないよ!」
みゆき「もうハッピーもスマイルもないんだよ・・・」
やよい「・・・私一人でも戦う!」
やよい「プリキュア!スマイルチャージ!」レッツゴーピース
アカオーニ「誰かと思えば泣き虫カタワ女オニ!恐るるに足らずオニ!」
ピース「片腕だからって・・・なめないで!」
アカンベー「アカンベー!!」
バキッ グシャァ
みゆき「・・・・・・」
ピース「あぁあ~~っ!!」
アカオーニ「なんて歯ごたえのないオニ!アカンベー!一気にトドメを刺すオニ!」
アカンベー「アカンベー!!」
ピース「くっ・・・負けない・・・命ある限り戦う・・・それがプリキュアだもん・・・」
みゆき「・・・・・・」
アカンベー「アカンベー!」
アカオーニ「へへ~ん、片腕での必殺技は効かないって言ったオニ~!」
ピース「はぁ・・・はぁ・・・」
アカオーニ「今度こそおしまいオニ!」
ピース「みゆきちゃん・・・」
みゆき「・・・」
アカンベー「アカンベー!!」
れいか「あら、みゆきさん。今日も来てくれたんですか」
みゆき「れいかちゃん」
みゆき「死にたいって思ったこと、ある?」
れいか「・・・え?」
みゆき「そんな体になっちゃってさ」
みゆき「死にたいって思ったこと・・・ある?」
れいか「何を・・・何を言ってるんですか?みゆきさん」
みゆき「私・・・もう疲れちゃった・・・」
みゆき「どうせ世界なんて救えないし・・・」
みゆき「一緒にみんなのところへ行こう?」
れいか「みゆき・・・さん・・・」
あかね「・・・ゆき!みゆき!早よ起きぃや!」
みゆき「う・・・う~ん、あかねちゃん?」
あかね「授業始まるで!」
みゆき「・・・ごめん」
あかね「なんや?なんか顔色悪いな?嫌な夢でも見とったんか?」
みゆき「う~ん・・・そんな気がする」
みゆき「でもどんな夢だったか思い出せないや・・・」
あかね「はっ、な~んやそれ」
あかね「そうやなー、よし!ウチの作ったお好み焼き持ってったるで~」
やよい「え~またぁ~?」
あかね「なんやその言い方!だったらやよいにはあげへんからなぁ~」
やよい「ご、ごめんなさぁ~い」
れいか「うふふ」
みゆき「ねぇれいかちゃん」
れいか「?」
みゆき「私、みんなと一緒にいれて、ウルトラハッピーだよ!」
れいか「・・・・・・」
みゆき「ねぇれいかちゃん」
れいか「・・・・・・」
みゆき「私・・・みんなと一緒になれて・・・ウルトラハッピーだよ・・・」
おわり
おしまいです
読んでくれた人サンキュー
Entry ⇒ 2012.04.10 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
奏太 「キュアピースってかわいいよな」 アコ 「えっ?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332402153/
アコ 「……は?」
奏太 「えっ? どうかしたか、アコ?」
アコ 「……べつに」
ギロッ
奏太 「うお……な、なんだよ?」
アコ 「…………」
トトトトト……
奏太 「お、おい! ちょっと待てよ、アコー!」
奏太 「えっ? 一緒に行くって話だっただろ、学校」
アコ 「そうね」
奏太 「お、おう。だから……」
アコ 「――せっかく一緒の登校だっていうのに」
アコ 「……あんたはどうしていきなりそんな話を振るわけ?」
奏太 (こ、怖っ……)
奏太 「それに、この前また横浜にプリキュアが出たって言うしさ」
アコ 「……そうね」 ギロッ 「……で?」
奏太 「いや、「で?」 ……って、何?」
アコ 「どうして、それが、いきなり、」
ギリッ
アコ 「『キュアピースってかわいいよな』 になるのかしら?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
奏太 (……なぜかは分からないが、どうやら俺はアコの逆鱗に触れてしまったようだ)
アコ 「……ねえ、奏太?」
奏太 「お、おう」
アコ 「私は、謝れ、って言ってるわけじゃないのよ」
アコ 「……理由を聞いてるんだけど?」
奏太 「あ、うん。ごめんなさい。すぐ言うから許して」
アコ 「うん」
奏太 「父ちゃんが新聞持ってきてさ」
奏太 「『またプリキュアが活躍したみたいだなー』 ってさ」
アコ 「うん」
奏太 「そしたら姉ちゃんが急にむせて……って、これはいいか」
奏太 「そこに写真があったんだよ。プリキュア……28人だっけ? 全員の」
アコ 「ええ」
奏太 「それをちょっと見てたら」
アコ 「見てたら?」
奏太 「キュアピースっていう子がなんかかわいいな、って」
アコ 「ごめんちょっと意味わかんない」
アコ 「今朝の新聞よね? 私も読んだけど」
アコ 「……ほら、キュアピース以外にもいろんなプリキュアが写ってたじゃない?」
奏太 「おう」 グッ 「キュアブラックとかめちゃくちゃカッコイイよな!」
アコ 「違う!!」 バァン!!!
奏太 「あっ、ごめん! なんか分からないけど謝るから許して! 壁ドンはやめようぜ!」
奏太 「あー……ホワイト派だった?」
アコ 「……ああん?」 ギロッ
奏太 「あっ、ごめん。ほんとごめん」
アコ 「……ちゃうねん。ちゃうねん!」
奏太 (な、なんで関西弁……? あっ!!)
奏太 「そうかアコお前! サニー派だったのか! だから――」
アコ 「お前ちょっと黙ってろ」
奏太 「あ、はい。ごめんなさい」
奏太 「言えるって、覚えてるかってことだよな?」
奏太 「えーと、ちょっと怪しいけど、大体は覚えてると思うぜ? 有名人だし」
アコ 「そうね。そうよね。そうなのよね」
アコ 「……じゃあ、そんな奏太くんにひとつ問題です」
奏太 「おう」
アコ 「この街で大活躍したプリキュアは誰でしょう?」
奏太 「えっと……腋とか腹とか太ももとかむき出しの少し危ういプリキュア?」
アコ 「なんでお前はそうなんだよ。おっさんかよ」
アコ 「キュアメロディよ。たしかにあの衣装は少し危ういけど……」
アコ 「で、他には?」
奏太 「あー……ピンクの影に隠れがちな白いプリキュア?」
アコ 「言葉には気をつけろ!!」
奏太 「あと、チョロそうな青いプリキュア?」
アコ 「猫だからそのとおりだけど」
奏太 「……あとは、黒いボンテージのえろいプリキュア」
アコ 「おいちょっと待て」
アコ 「そのプリキュアは実はプリキュアじゃない、みたいな話になったじゃない」
奏太 「いや、知らないけど。ああ、そういえば今朝の新聞には載ってなかったな」
アコ 「そうよ。あのプリキュアは、かりそめの姿だったの」
奏太 「へえ。じゃあ、さっきの3人だけかな」
アコ 「だからちょっと待てよオイ」
奏太 「アコ、ちょっとダメな感じの顔になってるぞお前」
アコ 「…………」 チッ
奏太 (なんで舌打ちされたんだ俺……)
奏太 「あとひとり?」
アコ 「ほら、小柄で、黄色で、とってもかわいらしいプリキュア」
奏太 「だから、キュアピースのことだろ?」
アコ 「お前ええ加減にせぇよ?」
奏太 「あ、はい」
アコ 「いたじゃない。この街で大活躍したスイートプリキュアの一員」
奏太 「へぇー、あのひとたちってスイートプリキュアっていうんだ」
アコ 「…………」 ドン!!!
奏太 「なんかよくわかんないけどごめん」
アコ 「お、思い出せないようなら、ちょっと真似してみるわね?」
奏太 「おう。頼む」
アコ 「…………」 オホン
『爪弾くは女神の調べ! キュアミューズ!』
奏太 「……うわっ」
アコ 「オイうわっって何だうわって」
アコ 「…………」
奏太 「自分のキャラ考えろよ……。お前、天地が逆さになったってそんなキャラにならないだろ」
奏太 「言葉だけじゃないぜ? なにそのかわいこぶった手。やべぇー」
奏太 「しかも何で名乗る前に跳ぶの? ぴょんぴょんって。何でブリってんの?」
奏太 「あー、怖っ。真似とはいえ一瞬鳥肌立ったわ」
アコ 「…………」 ズドンンンン!!!!
奏太 「あ、ごめん。言い過ぎた。いくらなんでも言い過ぎた」
アコ 「……そう?」
奏太 「おう。キュアミューズだろ?」
アコ 「うん。まぁ名前は言っちゃったしね。それで思い出せなかったらさすがに○してたわ」
奏太 「うん。思い出せてよかった」
アコ 「そうね。……で?」
奏太 「うん。だから、「で?」 って何?」
アコ 「キュアピースとキュアミューズだったら、どっちの方がいい?」
奏太 「おう。キュアピースだな」
アコ 「お前なんなん? ほんまお前なんなん?」
アコ 「えっ、じゃねーよ。カマトトぶってんじゃねーよ」
奏太 「アコ、口調口調」
アコ 「うるせーよ知ったことかよ」
オホン
アコ 「……ねえ、奏太。もう一回、よーく考えてみて?」
奏太 「おう」
アコ 「電撃を使ってジワジワと敵を苦しめる、かわいこブリっ子腹黒年増キュアピースと、」
アコ 「シャボン玉や分身技でかわいく可憐に敵を救う、優しくて気立てのいいキュアミューズと、」
アコ 「あんたはどっちの方が好き?」
奏太 「おう。キュアピースだな」
アコ 「ふん!!」 ズドッッッッ!!!!
奏太 「うお、地面にクレーターが」
奏太 「うーん、わざわざ語るまでもないと思うんだけどなぁ」
アコ 「いいから早く言えよ」
奏太 「おう。まぁぶっちゃけ、ピースの方がかわいいよな」
アコ 「……ふぅん。そう」
フラフラフラ
奏太 「おい、アコ、どこ行くんだよ。そっちは学校じゃないぞ」
アコ 「ええ。ちょっと用事ができたわ。ちょっと七色ヶ丘まで行ってくるわね」
奏太 「七色ヶ丘ってどこだよ。っていうか、学校サボるつもりかよ」
アコ 「学校どころの話じゃないのよ!!!」
奏太 「…………」 コクッ 「……わかった。何か大事な用があるんだな」 キリッ
奏太 「なら、俺も一緒についていってやる。行くぞ、アコ!」
アコ 「えっ、いや、ちょっ、待っ」
奏太 「行くぜ! 七色ヶ丘!!」
奏太 「と、いうわけで来てしまいました、七色ヶ丘中学校」
アコ 「べつに奏太は来なくてもよかったのに……」
奏太 「つれないこと言うなよ。困ってる友達を放っておけるかよ」
アコ 「奏太……」 キュン
? 「あれれぇ? そこにいるのはもしかして……」
アコ 「あっ……」
? 「やっぱり! アコちゃんだぁー! しばらくぶりー!!」
ギュムッ
アコ 「おふっ。く、苦しい……。苦しいわよ、みゆき!」
みゆき 「えっ? あっ、ごめーん」 テヘペロ
アコ 「ちょっとあんたほんと言葉には気をつけろ」
みゆき 「アコちゃんアコちゃん。このショタコン受け良さそうな子はおともだち?」
アコ 「みゆきも少し黙りなさい」
ハァ
アコ 「奏太。このひとは星空みゆきさん。私の友達」
みゆき 「初めましてぇー」 ニヘラァ
アコ 「で、こっちが南野奏太。奏の弟なの」
みゆき 「えええ!? 奏ちゃん弟さんいたんだ! よく見れば似てるかも!?」
奏太 「? みゆきさんって、姉ちゃんとも知り合いなの?」
みゆき 「もっちろん! だって、奏ちゃんとアコちゃんとは、プリ――――」
ムギュッ
アコ 「…………」 (ちょっと、みゆき。何ぶっちゃけようとしてるのあんた)
みゆき (……ごめんアコちゃん) テヘペロ
奏太 「???」
アコ 「ちょっと用事があって……やよいに」
みゆき 「やよいちゃんに?」
アコ 「ええ。学校はもう終わった?」
みゆき 「うん。やよいちゃんなら、裏の山で写生するって言ってたけど?」
アコ 「ありがと、みゆき。ほら行くわよ、奏太」
奏太 「お、おう。じゃあね、みゆきさん」
みゆき 「うん。またね。でもそのみゆきさんって呼び方はちょっとやめてほしいかな」
奏太 「なんで?」
みゆき 「いや、ほら、だってさ、わたしはしっかりプリキュアになれたわけだし」
奏太 「???」
アコ 「ほら、くだらない話してないで、さっさと行くわよ。それじゃみゆき、またね」
みゆき 「うん。ばいばーい!」
奏太 「それじゃあ……ばいばい、みゆき姉ちゃん」
ガサゴソガサ……
奏太 「なぁ、アコ」
アコ 「なにかしら」
奏太 「その “やよい” ってひともやっぱり姉ちゃんと知り合いなの?」
アコ 「そうなるわね」
奏太 「どういうつながりなの? さっきみゆきさんが何か言いかけてたけど……」
アコ 「……サークルみたいなものね。女の子だけの会員制のサークルみたいな」
奏太 「ふーん。そのサークルって何やってんの?」
アコ 「この前はみんなで横浜で遊んできたわ。アスレチックみたいなものでね」
奏太 「へぇー! なんかおもしろそうだな! 俺も入れてくれよ!」
アコ 「だめよ。あんたは男だから」
奏太 「ちぇーっ」
アコ 「女の子でも、かわいくなくちゃダメだけどね」
奏太 「? ふーん」
アコ 「とかなんとかで、発見したけど」
やよい 「…………」
カキカキカキカキ……
奏太 「おおー、なんかすげえ集中してるみたいだな」
アコ 「そうね」
アコ (木々を写生しながら、なんでその真ん中に変な怪人描いてるのかはよく分からないけど)
やよい 「…………」 ムフームフー
アコ (それで何で満足げに興奮してるのかはもっとよく分からないけど)
アコ (とりあえず、) 「やよいー?」
やよい 「ひゃうっ!?」 ビグッ 「だ、だ、だ、誰ですかぁーーーーー!?」
アコ 「…………」 チッ 「……うぜぇ」
奏太 「うわぁ。なんか外見だけじゃなくて、反応までかわいらしいひとだな、アコ」
アコ 「騙されんな男子」
ニヘヘ
奏太 「おお。笑い方かわいらしい」
アコ 「だから騙されんな」
オホン
アコ 「こんにちは、やよい」
やよい 「うん、こんにちは、アコちゃん」 ニパーッ
やよい 「……? あれぇ!? どうしてアコちゃんがここにいるの!?」
奏太 「うぉ、驚きが遅い。かわいい」
アコ 「…………」 チッ 「……ブリってんじゃねぇよ年増」 ボソッ
やよい 「? アコちゃん何か言った?」
アコ 「ううん。なーんにも」 ニコッ
やよい 「わたしに用事? なんだろなんだろ?」 ワクワク
アコ 「…………」 チッ
アコ 「……ちなみに、こっちはわたしの友達で奏の弟の南野奏太よ」
やよい 「奏ちゃんの弟くん!? わー、かわいいー!」 ムギュッ
奏太 「うお!?」 (やべぇ。超いいにおい……)
アコ 「…………」
ゲシゲシッ!!
やよい 「ひゃう!?」
奏太 「うお、痛てぇ!」
アコ 「…………」 ニコッ 「ごめーん。ちょっと足が滑っちゃったわー」
奏太 「あ、うん。俺はべつに。やよいさんは?」
やよい 「わたしも大丈夫! えへへ、奏太くん優しいなぁ」
奏太 「えっ、いや、そんなことは……///」
アコ 「…………」
ゴゴゴゴゴゴ……
アコ 「……やよい、ちょっといいかしら? ふたりだけで話がしたいんだけど」
やよい 「? うん、いいよ」
アコ 「それじゃ、奏太はちょっとここで待っててね」
奏太 「え、何で……」
アコ 「――いいわね?」
奏太 「あ、はい。待ってます」
アカオーニ 「ぐっふっふっふ。今日もまたバッドエナジーを吸い取りに来たオニー!」
アカオーニ 「さぁて、笑顔の連中を絶望のどん底に叩き落としてやるオニ」
ゴゴゴゴゴゴゴ……
アカオーニ 「うん? な、なんだオニ……!?」
アカオーニ 「何もしてないのにバッドエナジーが勝手に溜まってるオニ!!」
アカオーニ 「しかもすごい速度オニー!」
アカオーニ 「…………」
ブルブル
アカオーニ 「な、なんか怖いし目的は達成できたから撤退オニーーーーーーーー!!」
アカオーニ 「でもピースちゃんとピカリンじゃんけんしたかったオニーーーーー!!」
奏太 「……お、戻ってきた戻ってきた」
アコ 「お待たせ、奏太」
奏太 「おう……って、やよいさん?」
やよい 「…………」 ブルブルブル
奏太 「どうかしたの?」
やよい 「…………」 ブツブツブツ 「……ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
奏太 「……アコ、何やったんだ、お前」
アコ 「べっつにぃ。ちょっと先輩らしく振る舞っただけよ」
アコ 「……で、やよい?」 ギロッ 「何か言うことがあったんじゃない?」
やよい 「ひっ! は、はいぃ!」
奏太 「? 何?」
やよい 「わたし、実はキュアピースと知り合いなんだけど……」
奏太 「ほんとに!? すごいじゃん!」
やよい 「うん。けどね、キュアピースはね……うぅ……」
奏太 「?」
アコ 「…………」 ボソッ 「……早く言えよ」
やよい 「ひっ……! き、キュアピースは、一見かわいく見えるかもしれないけど、あれ全部演技なんだよ」
奏太 「演技?」
やよい 「うぅ……うん。男に取り入るための……演技なんだよぅ……」
奏太 「そ、そうなの? でも、あんなかわいい子がそんなこと……」
やよい 「えっ……/// か、かわいくなんてないよぅ……////」
アコ 「…………」 チッ
やよい 「! と、とにかく、騙されちゃダメだよ奏太くん!」
やよい 「うぅ……」
奏太 「そんな風には見えなかったけどなぁ」
アコ 「これだから男は……。そんな風に思われるように、根っから猫を被ってるのよ、あの手合いは」
奏太 「へぇー。でもまぁ、アコはともかくやよいさんがうそをつくようには見えないし、」
アコ 「おいコラ」
奏太 「本当にそうなんだろうな。危ない危ない。危うく悪女のファンになるところだったぜ」
アコ 「そうね。本当に良かったわ」 クスクス
やよい 「うぅぅ……」
アコ 「あらぁ? やよい、どうしたのぉ? 気分でも悪い?」
やよい 「ひっ……。だ、大丈夫! 大丈夫だから!」
アコ 「そう。大丈夫なのね。それなら、もうひとつ言うことがあったんじゃない?」 ニコッ
やよい 「ひっ! い、言いますから! 言いますから!」
奏太 「?」
奏太 「? うん」
やよい 「キュアミューズは、とってもかわいくて可憐で清楚な女の子なんだよ!」
奏太 「キュアミューズが? なんか、きゃぴきゃぴ遊んでるようにしか見えないけど」
やよい 「……うん。正直わたしもそう思う」
アコ 「……ああん?」
やよい 「じゃない! そんなことないよ! あのひとはとても素敵なプリキュアなんだよ!?」
奏太 「でもなんか、無理矢理かわいこぶってるよなぁ。営業スマイルみたいな」
やよい 「そのとおーーーーり!!」
アコ 「…………」 ズドンンンンン!!!!
奏太 「うお! 大木が根元から折れた!」
やよい 「そんなことないよ! あれは優しくて素敵な心からの笑顔なんだよ!」
やよい 「キュミューズ様万歳!」
奏太 「うーん。そうだなぁ。キュアピースがとんでもない悪女で、」
やよい (ふぇーん……ひどいよぅ)
奏太 「キュアミューズがかわいくて性格も良いってことは、なんとなく分かったよ」
アコ 「うんうん。そう、その通りなのよ」
アコ 「……奏太も分かってくれたみたい。ありがと、やよい」
やよい 「あ、う、うん……どういたしまして……」
アコ 「…………」 ボソッ 「……二度と奏太に色目使うんじゃないわよ」
やよい 「ひっ……」 ビクッ
やよい 「じゃ、じゃあ! わたしこれから約束があるから、ばいばい!」
アコ 「ばいばーい♪ またねー!」
奏太 「あ……行っちゃった。どうかしたのかな?」
アコ 「さぁ? どうしたのかしらねー?」
アコ 「…………」 (ふふ。これで奏太も、他の女に興味を持ったりはしないわよね)
アコ 「ふふ……ふふふふふ……」
奏太 「お、アコー! おはよう!」
アコ 「ええ、おはよう、奏太」
奏太 「なぁなぁ、聞いてくれよアコ! 俺、気づいたんだ!」
アコ 「気づいたって?」
奏太 「一番かわいいプリキュアだよ! やっぱりキュアピースじゃなかったな!」
アコ 「あら」 ニコッ 「そうね。そのとおりよ」
奏太 「うんうん。一番かわいいプリキュアは、黄色くて素敵なあの子だな!」
アコ 「うんうん。黄色くて、かわいくて、可憐で、一番素敵な、」
奏太 「おう! やっぱりキュアサンシャインってかわいいよな!」
アコ 「えっ?」
おわり
読んでくださった方、ありがとうございました。
アコちゃんはかわいいなー(棒)
スイプリのSS読めてよかったぜ
奏太爆発しろ
Entry ⇒ 2012.03.23 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (3) | Trackbacks (0)
キュアハッピー「あざとすぎるから苛めるね」キュアピース「!?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331283125/
アカンベェ「あかんべべべべべぇ?!!?」ビリビリ
ピース「ふぇぇん!!こわいよぉ!!」ダダッ
ガッ!
ピース「ふぎゅ!?」バタッ
ピース「いたたぁ……おでこ、いたいよぉ……」ポロポロ
ハッピー「……」
サニー「……」
マーチ「……」
ビューティ「……」ハァハァ
サニー「うおぉぉぉ!!!!」ググッ
マーチ「はぁぁぁぁ……!!!」ググッ
ビューティ「んっ……」パァァ
ハッピー「プリキュア!!ハッピーシャワー!!」ドォォォン
サニー「プリキュア!!サニーファイヤー!!」ゴォォ
マーチ「プリキュア!!マーチシュート!!」バシュゥ
ビューティ「プリキュア!!ビューティブリザード!!」ヒュゥゥ
アカンベェ「あかんべぇぇぇ―――」
ピース「あうぅ……こわかったよぉ……」ウルウル
ハッピー「……」
サニー「……」
マーチ「……」
ビューティ「……」ハァハァ
ピース「え?な、なに?」
ハッピー「わざと?」
ピース「え?」
サニー「ウチらは身体能力があがっとるんやで?」
マーチ「いくらなんでもプリキュアの状態で躓くって考えいくいんだけど」
ピース「しょ、しょうがないよ。わ、私、ドジだし……運動音痴だし……」
ハッピー「でもねぇ?」
サニー「いくらんでもあざとすぎへん?」
マーチ「あたしも……そう思う」
ピース「ふぇ!?な、なんで……そんなこというのぉ……ひどいよぉ……」ウルウル
ビューティ「……」ハァハァ
サニー「ウチもうおぉぉ!!ってぜんっぜん可愛くないポーズとってんねんけど」
マーチ「あたしも特に面白みのないポーズをとってる」
ピース「そ、そんなのしらないよぉ……」
ハッピー「あと変身したあとのぴかぴかぴかりんとか、正直、ちょっと……」
ピース「ぴかりんじゃんけん、かわいいでしょ?」
サニー「……自分でいうか?」
マーチ「もっとかっこよくしてくれないとバランスがとれないっていうか……」
ピース「で、でも……かっこいいのはみんなでいいし……私ぐらいかわいくても……」モジモジ
ハッピー「……」イラッ
サニー「……」ムカッ
マーチ「……」ピキッ
ビューティ「……」ハァハァ
ピース「直すっていわても……」
サニー「ウチみたいに太陽サンサン、熱血パワーみたいな台詞でもええやん」
ピース「か、かわいくないし……」
サニー「な、なにぃ……」
マーチ「……ピース。あたしたちも女の子なんだよ?みんなだって可愛いほうがいい」
ピース「……」
マーチ「できれば、可愛いんじゃなくてできるだけかっこいい台詞にしてもらえないかな?」
ピース「……そ、そこまでいうなら……」
ハッピー「ありがとう!!」
サニー「ふぅー、これで大丈夫やな」
マーチ「うん」
ビューティ「……」シュン
ウルフルン「いけぇ!!アカンベェ!!!」
アカンベェ「あかんべぇ!!」
みゆき「いくよ!!」
ウルフルン「ん!?」
みゆき・あかね・やよい・なお・れいか「プリキュア!!スマイルチャージ!!!」
ハッピー「―――キラキラ輝く未来の光、キュアハッピー!!」バーン
サニー「―――太陽サンサン、熱血パワー!!キュアサニー!!!」ドォォン
ピース「―――ビリビリびりりん、じゃん、けん、ぽん!キュアピース☆」チョキ
マーチ「―――勇気リンリン!!直球勝負!!キュアマーチ!!!」ゴォォ
ビューティ「―――深々と降り積もる清き心……。キュアビューティ」ヒュォォ
ウルフルン「ふん!きたかプリ―――」
ハッピー「ピース!!!なに、いまの!!!」
ピース「ふぇ!?」ビクッ
サニー「ぜんっぜんかわってないやん!!!!」
マーチ「あのさぁ……」
ビューティ「……」ハァハァ
ピース「ど、どうしてぇ!ビリビリってなんか強そうじゃない?」
ハッピー「……」ピキッ
サニー「……」ブチィ
ウルフルン「おい……」
ハッピー「へんこー!!今すぐちがうのにして!!!」
サニー「せやせや!!そんなの納得できへん!!」
ピース「そ、そんなぁ……」ウルウル
マーチ「泣いてもだめ」
ピース「うぅ……なんでぇ……」ポロポロ
ビューティ「……」ナデナデ
ハッピー「はい!もういっかい!!」パンッパンッ
ウルフルン「……」
ピース「プリキュア!!スマイルチャージ!!」
ピース「―――かみなりなったらおへそをかくせ!キュアピース!」テレッ
ハッピー「……」
サニー「……」
マーチ「……」
ビューティ「……」ハァハァ
ピース「ど、どうかな?えへへ……おへそを隠すのがポイントなんだけど……」
ウルフルン「なぁ……」
マーチ「あぁぁぁぁぁぁ!!!!!!プリキュア!!!マーチシュートォォォォォ!!!!」バシュ!!
ウルフルン「な―――!!!!」
ドォォォォン!!!!
ハッピー「……もういいよ」
サニー「かえろか」
ピース「え?え?なんで!?ちょっとまっ―――ふぎゅ?!」バタッ
マーチ「……」スタスタ
ピース「マーチ!!まって!!どこがだめなのぉ?!」
マーチ「……存在」
ピース「ふぇ!?ハッピー!!」
ハッピー「……やよいちゃんをプリキュアに引き入れたのは失敗だったよ」
ピース「おぉぉ……!?サニー?!」
サニー「お絵かきしとき」
ピース「ふぅぅぅ……」プルプル
ピース「うぇぇぇん……」ポロポロ
ビューティ「……」ハァハァ
ピース「みんなぁぁ……どうしてぇぇ……」ポロポロ
ビューティ(今日もピースの可愛い写真がいっぱいとれました。早速、プリントアウトしないと)ルンルン
ピース「ビューティ!!まってぇぇ!!」タタタッ
ピース「ねえねえ!!私のどこがいけないのぉ……」ウルウル
ビューティ「あ……えと……」ゾクゾク
ビューティ「―――その嘘泣きがだめよ」キリッ
ピース「えぇぇ……うそ、じゃ……ないよぉ……」ポロポロ
ビューティ「……」ゾクゾク
ビューティ(かわいい……抱きしめたい……)
ピース「ビューティ!!なにがだめなの?!おしえてよぉ!!」ユサユサ
ビューティ「ちょっと……ピース……」
ピース「ひとりにしないでぇぇ……」ポロポロ
ビューティ「……わかりました」
ピース「え?」
ビューティ「私の言うとおりにできますか?」
ピース「う、うんうん!!する!!するよ!!」
ビューティ「ふふ……」
アカオーニ「ふはははは!!!いけオニ!!アカンベェ!!!」
アカンベェ「あかんべぇ!!!」
みゆき「……」
やよい「あ、あれ?みんな変身しないの?」オロオロ
あかね「れいかが先に変身させろっていうてたで」
なお「どういう変身をするかみさせてもらうよ、やよいちゃん」
やよい「え?え?」
れいか「大丈夫。私の言うとおりにすれば皆さんは見直してくれます」グッ
やよい「う、うん!!私、やってみるね!!」
れいか「ふふ……」
やよい「プリキュア!!スマイルチャージ!!!」
ピース「キュアインデックス!!!」バーン
みゆき「……」
あかね「……」
なお「oh……」
れいか「……」ブヒッ
ピース「ど、どうかな!?どうかな!?」ピョンピョン
れいか「……」グッ
ピース「いえーい」グッ
みゆき「かえろうか」
あかね「そやな」
なお「今日のごはんはなににしようかなぁ」
ピース「あ、あれれ?!みんなぁ!!ちょっとまって!!どうしてぇ!!」オロオロ
れいか「……」ハァハァ
れいか「みなさん!!」
みゆき「な、なに?」
あかね「どしたん?」
れいか「ピース!!あれを!!」
ピース「あ、あれだね!!わかった!!」
なお「なんだ?」
れいか「ふふ……」
アカンベェ「あかんべぇ!!!」
ピース「いくよ!!」グッ
ピース「ぴっぴかちゅぅぅ!!!!」バリバリバリ
アカンベェ「アカンベェェ!!!?!?!」ビリビリ
みゆき「……」
ピース「ど、どうだっ!」
れいか「……」パチパチパチ
やよい「あ、みゆきちゃーん」テテテッ
みゆき「……」
やよい「みゆきちゃん、今度のコンクールに絵を出すことになったんだけど、モデルをやってほしいなぁ……って」モジモジ
みゆき「……むり」
やよい「そ、そう……。あ、あかねちゃーん」タタッ
あかね「ん?」
やよい「モデル……やってほしいんだけど……」モジモジ
あかね「お好み焼き焼くのに忙しい」
やよい「そ、そう……なら……仕方ないね……。なおちゃーん」トボトボ
なお「部活で忙しいから」
やよい「ふぇ!?」
れいか「……」ワクワク
やよい「はぁ……じゃあ、いい……物をモデルにするから……」トボトボ
れいか「!?」
やよい「はぁ……みんな、怒ってるなぁ……」
やよい「れいかちゃんの言うとおりにしたのに……」
やよい「ん?」
みゆき「もうやよいちゃんにも困ったもんだよぉ」
あかね「せやな。ドンドンかわいなっとるし」
なお「あの子の性格なんだろうけど……もっと協調性を持って欲しいね」
れいか「みなさん」キリッ
みゆき「なに?」
れいか「そんなにやよいさんが可愛いのが許せませんか?」
あかね「許されへんというか……なぁ?」
なお「みんなそれぞれ個性を出しつつもカッコいい台詞を選んでいる。彼女一人だけあれでは……」
れいか「いいではありませんか。やよいさんは可愛いのですから」
やよい(れいかちゃん……)ウルウル
あかね「なぁ?」
なお「れいかはやよいがあのままでいいと思ってるってこと?」
れいか「はい」キリッ
みゆき「うーん……」
れいか「わかりました。そこまでいうならやよいさんを―――」
やよい「ん?なになに?きこえない……」
みゆき「なるほど!」
あかね「それええな!!」
なお「よし。次はそれで行こう」
れいか「ふふ……」
やよい「あれ?あれれ?!話がおわっちゃってる!?なになに!?なにを言ったの!?」オロオロ
ウルフルン「前回は不覚をとったが今回は大丈夫だ」
ウルフルン「いけ!!アカンベェ!!」
アカンベェ「あかんべぇ!!!!」
やよい「あ、ああ!!悪い狼さんだぁ……!!」オロオロ
みゆき「……みんな?」ザッ
あかね・なお・れいか「……」コクッ
やよい「あの……」
みゆき「いくよ!!」
やよい「あわわ……!!」オロオロ
みゆき・あかね・やよい・なお・れいか「プリキュア!!スマイルチャージ!!!!」
ウルフルン「きたか……!!!」
ピース「―――でんげき、らいげき、みんな元気!!キュアピース!!!」
ピース(決まった!!)グッ
サニー「―――いつでもサンサン、みんなのおひさま!キュアサニー!!」
マーチ「―――わくわくびゅーびゅー、かぜのこひゅーひゅー!!キュアマーチ!!」
ビューティ「―――深々と降り積もる清き心……。キュアビューティ」
ピース「……」
ハッピー「かわいくない?かわいない!?」
サニー「それピースのパクりやん」
マーチ「うんうん……いい感じ」ウットリ
ビューティ「……」ニコニコ
ピース「み、み、みんなぁ!!!!」
ハッピー「なに?」
ピース「なにそれぇ?!私にいったことと違うじゃない!!」
サニー「ビューティがな、ピースを食ってまうぐらいの可愛い台詞を考えてみればいいって提案してくれたんや」
ピース「ふぇ!?」
マーチ「私たちがピースに合わせればよかったんだね。ごめん」
ピース「おかしいよ!!おかしいよぉ!!」
ハッピー「別におかしくないと思うけど」
サニー「せやせや。みんな個性があるしな」
マーチ「あたしはいいと思うよ」
ピース「いやいや!!みんなが可愛かったらバランスがおかしくなるよぉ!!」
サニー「なんやとぉ?それは自分が一番可愛いっていってんのか?」
ピース「そ、そういうことじゃ……」
マーチ「何が気に入らないの?じっくり教えてくれる?」
ピース「ひっ……」ウルウル
ハッピー「どうなの?」
ピース「あの……そにょ……」ブルブル
ビューティ「みなさん。まずは敵を倒しましょう。ピースを苛めるはあとです」キリッ
サニー「せやな」
ピース「い、いじめ……?!」ビクッ
アカンベェ「あかんべぇぇ―――!!!」
ハッピー「よしっ」
ピース「……」ビクビク
サニー「よっと。さ、腹割ってはなそか」
ピース「えっ……」
マーチ「……」
ピース「あの……えと……」オロオロ
ハッピー「ねえピース?」
ピース「は、はぃ!?」
ハッピー「なにがおかしいのかなぁ?」
ピース「だ、だから……みんなが可愛い台詞だと……無個性に……」ブルブル
サニー「あ?」
ピース「ひぃ?!」
ビューティ「……」ニコニコ
ピース「な、なにが……?」
マーチ「あたしが初めてプリキュアとして戦ったとき、壁にぶつかったよね?」
ピース「えっと……橋の柱じゃ……」
マーチ「……」ギロッ
ピース「ひぃ?!」ビクッ
マーチ「あのとき。全然痛くなかった。だからすぐに戦いに戻った」
ピース「う、うん」
マーチ「でも、ピースはこけるたびに痛いっていってるよね?」
ピース「!?」
マーチ「……どういうこと?」
ピース「えと……いや……きっと私とマーチじゃ……防御力が……」アセアセ
マーチ「ふーん……そう。じゃあ、試してみる?」グッ
ピース「あわわわわ!!!!嘘です!!すいません!!!こけても全然痛くないです!!ごめんなさい!!」ペコペコ
マーチ「でしょ?嘘はいけないよ?」
ピース「な、なに……?」ビクッ
サニー「ピースが必殺技うつとき、なんで「ひゃぁ!」っていうん?」
ピース「いや……あれは……電気にびっくりして……」
サニー「いや。ウチも炎つかうけど、全然あつないで?」
ピース「え……」
サニー「……ん?」
ピース「わ、私は感じちゃう……から……」モジモジ
サニー「あっそ。ピースが「ひゃぁ!」って言う程度の電気で攻撃してるわけか?」
ピース「ち、が……」ウルウル
サニー「どうなんや?」
ピース「……なにも感じません」
サニー「せやろ?そうやと思ったわ!!」バンバン
ピース「あ、ははは……」
ピース「な、なんですかっ!?」
ハッピー「ねぇ。プリキュアのときによくころぶけど、変身前では殆ど転ばないよね?」
ピース「!?」
ハッピー「ほんとは別に運動音痴とかじゃ……」
ピース「音痴!!音痴だよぉ!!」
ハッピー「……」
ビューティ「ピース?」
ピース「え?」
ビューティ「運動音痴を略して言うと?」
ピース「うんk―――ってなにいわせるのぉ!!!」
ビューティ「……」ハァハァ
ハッピー「やっぱり全部……計算だったの?」
ピース「そ、それは……」
マーチ「どうなんだ?」
ピース「……か、可愛いかなって……思って……」
ハッピー「じゃあ、もうこれからはそう言うキャラ一切封印でいいからね」
ピース「えぇ!?」
ハッピー「ドジッこは私がやる!!」ムフー
サニー「可愛い台詞はウチがやるわ」ドヤッ
マーチ「じゃ、じゃあ……えっと……泣き虫……は、あたしが……」モジモジ
ピース「に、にあわな―――」
ハッピー・サニー・マーチ「え?聞こえない」
ピース「……」
ビューティ「ピース」
ピース「は、はい?」
ビューティ「がんばって」ギュゥゥ
ピース「はぃ……」
みゆき「てへっ!いっけない。宿題忘れてきちゃった」
あかね「あはは!みゆきはホンマ、ドジやなぁ!」
やよい(それはドジじゃないよ……)
あかね「おとと……可愛くやったな」
あかね「やだぁ!今日日直だったにゃ!黒板消さないといけないにゃ!!」
やよい(違う……そうじゃない……)
なお「……うぅ……」
やよい「ど、どうしたの?」
なお「今朝、弟に……朝ごはんとられたぁぁ……」ポロポロ
やよい「……」
れいか「きゃぁ!」ドテンッ
やよい「!?」
れいか「なにもないところでつまづいてしまいましたぁ」テレッ
やよい(こ、これは……!!)
やよい「はぁ……」
やよい(これは完全に私に対するあてつけ……)
やよい(みんなは私を追い込もうとしてるんだ)
やよい「いじめだぁ……」
れいか「……」スッ
やよい「れいか……ちゃん……?」
れいか「どうかしたの?」
やよい「いや……みんなが……私を……」
れいか「やよい?貴女は忘れているわ」
やよい「え?」
れいか「まだ個性的なキャラは残されている」
やよい「それって……?」
れいか「ふふ……」
やよい「ひっ……」ゾクッ
あかね「いくでぇー!!!とう!!」バシッ
みゆき「あわわわ……!!―――ふぎゃ!?」ドガァ
なお「みゆき!?」
あかね「また顔面レシーブかいな」
みゆき「えへへ……」
なお「大丈夫?」
みゆき「うん」
れいか「みなさん」
やよい「……」モジモジ
あかね「どしたん?」
れいか「バレーボールで勝負しましょう」
みゆき「いいよ!やろう!!」
れいか「さ、やよい?貴女の力を見せるときです」
やよい「は、はい……」
やよい「―――うん」
みゆき「さー!!どっからでもこーい!!!」
なお「いつでもどうぞ」
あかね「んじゃ、ウチが審判するな。試合かいしー」ピーッ
れいか「ふっ!」バシッ
なお「まかせて!!」バッ
みゆき「おろろ……!!」オロオロ
やよい「―――みゆきちゃん」
みゆき「え?」
やよい「んほぉぉお!!!アヘぎゃおだびゅるぴーしゅだおぉ!!!」ピース
みゆき「……」
なお「……」
れいか「……」カシャカシャ
あかね「……や、やよい……」
みゆき「……あの……やよいちゃん……」
やよい「あれ?どうしたの?」
なお「やよいちゃん……ど、どうしたの?」
やよい「え?今のは……えっとね……」オロオロ
あかね「……」
やよい「ど、どうしたの!?ねえ!?なんで離れるの?!」オロオロ
みゆき「ご、ごめん。ちょっと休むから……」
なお「あたしも……」
あかね「ボール……片付けといてな……」
やよい「えぇぇ!?なんで!?みんなぁ!!」
れいか「……」
やよい「れいかちゃん!!どうなってるのぉ!?」オロオロ
れいか「大丈夫よ。みなさん少し驚いただけです。これから慣らしていけばいいだけだから」
やよい「そ、そうなの?」
ウルフルン「さて……!いけ!!アカンベェ!!」
アカンベェ「あかんべぇ!!!」
みゆき「きたな……!!」
みゆき「変身だ!!」
みゆき・あかね・やよい・なお・れいか「プリキュア!!スマイルチャージ!!!」
ハッピー「―――げんきにルンルン!!みんなでランラン!!キュアハッピー!!」
サニー「―――いつでもサンサン、みなぎる太陽!キュアサニー!!」
マーチ「―――なみだもふきとばす春一番!!キュアマーチ!!」
ビューティ「―――深々と降り積もる清き心……。キュアビューティ」
ピース「んぎもぢぃぃいい!!!へんじんいぃぃよぉぉお!!!―――キュアピース!!」
ピース(きまった)グッ
ウルフルン「……」
ハッピー「……ピース。休んでていいよ?」
ピース「ふぇ!?私、げんきだよぉ!!」
アカンベェ「……」コクッ
ピース「よ、よくなかった!?今のよくなかったの!?」オロオロ
ハッピー「サニー、マーチ!!いくよ!!」
サニー・マーチ「おぉ!!」
ハッピー「パワー全開だぁ!!」
ピース「まってよぉぉ……」
ピース「どうして……どうして……」ウルウル
ビューティ「大丈夫。このままでいきましょう」
ピース「うん」
ビューティ「では、教えたとおりに」
ピース「わ、わかった!私、がんばるっ!!」ムフー
ビューティ「……」ハァハァ
ハッピー「でぁ!!」ドガァ
サニー「やぁ!!」バキィ
マーチ「せぃ!!」ドゴォ
アカンベェ「あかんべぇ!!!」ドガガガガ
ハッピー「あん!?」
サニー「ぐぁ!!」
マーチ「つっ……強い……!!」
ピース「んほぉぉぉ!!!!」
アカンベェ「?!」
ピース「でんきゅがぁぁ!!でんきゅでかんじちゃうのぉぉぉ!!!」ビリビリビリ
ウルフルン「……!?」
サニー「ピ、ピース……」
ピース「んきゃぁぁん!!!ぷりっきゅぁぁん、ぴーちゅ……しゃんだぁぁぁぁん!!!」バリバリバリ
マーチ「……」
ハッピー「うわぁ……」
サニー「これ……なんかあかんやつや……」
マーチ「……なんか、涙が……」ポロッ
ビューティ「……」ハァハァ
ウルフルン「おい。娘」
ハッピー「狼さん……?」
ウルフルン「あれはなんだ?」
ハッピー「そ、それが……私にもよく……」
ウルフルン「……ちゃんと介抱してやれ」
ハッピー「はい」
ピース「んへぇ……わたしゅ……ぷりゅきゅあ……ぴーしゅ……だぉ……あへへ……」
ピース(これだけ演じられたら……みんなも認めてくれる……)
ビューティ「……」カシャカシャ
ビューティ「あ、もう容量がいっぱいになってしまいました……」
キャンディ「ピースが……?」
みゆき「私たちのせいだ……」
あかね「ちょっと嫉妬してもうて……えらいことに……」
なお「くっ……なんてことをしてしまったんだ……」ガッ
キャンディ「みんな元気をだすクル……」
みゆき「あかねちゃん、なおちゃん」
あかね「……わかっとる」
なお「うん」
みゆき「今から行こうよ」
あかね「もちろんや!!あ、でも、その前にお好み焼きつくっていくわ!!」
なお「それなら、あかねの家に集合でいいんじゃない?」
あかね「それええな!!よし!!ふたりはやよいとれいかをつれてきてくれ!!」
みゆき「うん!」
なお「ああ」
れいか「……」カタカタ
やよい「ほんとに……このままでいいのかな……?」
れいか(これはこのフォルダに……)カタカタ
やよい「なんだか……みんなに避けられているような……」
れいか「気のせいよ」
やよい「ほ、ほんと?」
れいか「ええ」ニッコリ
やよい「なら……いいんだけど……」
れいか「やよい?さ、いつもの練習をしましょうか」
やよい「う、うん」
れいか「じゃあ、まずはダメージが大きいときの顔」
やよい「―――んごぉぉほぉぉん!!おにゃかぁがいだぁいよぉぉ!!んほぉ!!!」
れいか「……」
れいか(この子……やはり才能があるわ……)
やよい「―――いぐぅ?!いぎゃぁい!!おな、かぁ!!いぐぅ!!」
れいか「……」ハァハァ
ピンポーン
れいか「ん?」
やよい「誰かな?」
れいか「……」スタスタ
れいか「はい?」
みゆき「私!みゆき!!」
れいか「みゆきさん?」ガチャ
みゆき「れいかちゃん!今、時間あるかな!!」
れいか「え?」
なお「やよいちゃんもいるでしょ?一緒にきて」
れいか「ど、どこへ……?」
やよい「あ……みゆきちゃん、なおちゃん……?」
みゆき「あかねちゃーん!!」
あかね「いらっしゃい!!」
なお「どこに座ればいいかな?」
あかね「ここや!!」
みゆき「やったぁー!もうおなかぺっこぺこ!!」
あかね「今日はウチのおごりや!!ドンドンたべてな!!」
れいか「あの……これは?」
やよい「……」モジモジ
なお「やよいちゃん。こっちに」
やよい「え……」
れいか「あ……」
なお「ここに座って」
やよい「うん……」
やよい(なになに……?もしかして私……鉄板でやかれちゃうの……?)ドキドキ
やよい「は、はい!!」ガタッ
みゆき「やよいちゃん!?」
なお「ど、どうしたの?!」
やよい「やってみるよ!!」
あかね「なにをや!?」
やよい「み、みんなに見捨てられたく……ないから!!」
みゆき「ちょっと!?」
やよい(あぢゅぃぃいいい!!!―――って言えばなんとかなるはず)
やよい「……いくよ」
なお「まって!!」ギュゥゥ
やよい「なおちゃん……?」
なお「悪かった!!あたしたちが悪かったよ!!もうやめて!!」
やよい「え……?」
れいか「……」
やよい「え……と……?」
あかね「まさかやよいがあそこまで追い込まれるとは思わんかってん……ほんま、ごめんっ!!」
なお「酷いことを言ってしまった。やっぱりやよいにはやよいらしく居てほしい……」
やよい「みんな……」
みゆき「ほんとにごめんねぇ……ゆるしてください……」ポロポロ
あかね「かんにんな……やよい」
なお「ごめん」
やよい「あのあの!!いいの!!きにしないで!!」
みゆき「やよいちゃん……」
やよい「私も……少し……あざとかったなぁって反省したし……」
あかね「ううん。やよいはあざといぐらいがちょうどええわ」
やよい「それフォローになってないよぉ」
なお「やよい……やよいしか可愛いプリキュアはいないと思う。だから……これからも可愛いキュアピースでいてほしい」
やよい「なおちゃん……うんっ!私、可愛いプリキュアでいるね!!」
みゆき「まってましたぁ!!」
なお「おねがい」
やよい「ふんふふーん♪」
れいか「……」ツンツン
やよい「ん?」
れいか「やよい。食べるときなんだけど……」
やよい「え……?」
あかね「―――はぁい!!ぶた玉おまちぃ!!」
みゆき「わぁーい!!おいしそう!!」
なお「よし……あたしが切ろう……んしょ……。やよい、はい」
やよい「ありがとう。いただきまーす」パクッ
あかね「どや?うまいか?」
やよい「……」
みゆき「やよいちゃん?」
みゆき「ひっ?!」ビクッ
あかね「わぁ!?」
なお「やよい!?」
れいか「……」カシャ
やよい「え?なに?」
なお「あの……やっぱり……許してくれないの……?」ウルウル
やよい「え?え?」
みゆき「ごめんねぇぇ……もういいよぉぉ……ごめぇぇん……」ポロポロ
あかね「もうほんまにごめん!!ゆるしてぇ!!!」ウルウル
やよい「????」
れいか「……」ゾクゾク
みゆき「うぇぇぇん……やよいちゃんがぁぁ……やよいちゃんがぁ……」ポロポロ
やよい「あの……えっと……なんでぇ?」オロオロ
やよい「えーと……」
みゆき「これからの人生やよいちゃんをスーパーハッピーにするためだけに捧げますぅ!!」
あかね「イカ玉いるか!?それともモダン焼きか!?ええい!!広島風でもつくったるでぇ!!!!」
やよい「……れいかちゃん」
れいか「なに?」
やよい「これ……どういうことかな?」
れいか「これは印籠の役割になるでしょう」
やよい「いんろう?」
れいか「もしこれから先、三人にお願い事をするときは私が教えたことをすればきっとなんでも聞いてくれると思います」
やよい「ほんとに?」
れいか「試しにしてみて」
やよい「うん……。―――あかねぢゃぁぁん!!でじゃーどはあいじゅがいいおほぉぉおお!!」
あかね「ア、アアア、アイスか!?よ、よっしゃ!!まっとき!!かってくるわ!!!」ダダダッ
やよい「ほんとだ……」
やよい「ありがとうっ!」
あかね「あはは……」
やよい「えっと……。―――なおぢゃぁぁぁん!!!いぎゃたまほしぃぃほぉぉおおおお!!!」
なお「い、いか玉か!!わかった!!全部たべる!?」オロオロ
やよい「ううん。全部はいいよ。なおちゃんとはんぶこ」
なお「そ、そうか……」
れいか「ふふ……」
みゆき「……」
れいか「ん?なんですか?」
みゆき「なんでも!!」
やよい「えへへ……」
あかね「はぁ……」
なお「もう……頭があがらないなぁ」
みゆき「……」
あかね「あ、ああ……またな」
やよい「うん!!」
やよい「イカ玉、豚玉、モダンやき~♪みんないっしょにおこのみで~♪」ルンルン
なお「それじゃあ、あたしも」
れいか「ごきげんよう」
みゆき「まって」
れいか「え?」
あかね「みゆき?」
みゆき「れいかちゃん……」
れいか「なんでしょうか?」
みゆき「……やよいちゃんに何度か耳打ちしてたけど、なんていってたの?」
れいか「特になにも」
みゆき「……ここに来る前一緒に家にいたみたいだけど、何してたの?」
れいか「特になにも」ニコッリ
みゆき「れいかちゃん、変だよ」
れいか「え?」
あかね「お、おい……」
みゆき「だって、一人だけ台詞を変えようとしなかったり、ずっとやよいちゃんと一緒にいたり」
れいか「……」
みゆき「もしかして……その……れいかちゃんが……やよいちゃんに……なにか……」
れいか「え?」
みゆき「した……んじゃ……ない……」
れいか「え?」
みゆき「な、なんでも……ないです……」
れいか「ふふ……私はただやよいさんの道標になっただけです」
あかね「……」
れいか「みなさんに嫌われたくないというやよいさんの相談にのっていただけに過ぎません」
なお「そうなの……」
みゆき「あー……怖かった……」
あかね「考えすぎちゃうか?」
なお「うん。れいかがやよいにあんなことを仕込むとは思えない」
みゆき「そうかなぁ……」
あかね「やよいに直接きいてみたらええやん」
みゆき「あ、そっか!」
なお「走れば追いつけるんじゃない?」
みゆき「よっしゃー!!気合だ~!!!」ダダッ
なお「……」
あかね「どう思う?」
なお「信じよう」
あかね「え?」
なお「れいかはそんなことをする子じゃないって」
あかね「せやな……」
やよい「え?」
みゆき「やよいちゃぁぁ―――」ガッ
やよい「あっ!!」
ズサァァァ!!!
みゆき「……いたぃ」
やよい「だ、だいじょうぶ!?」
みゆき「えへへ、平気。―――そ、それより!!」
やよい「な、なに?」
みゆき「やよいちゃん!あの顔芸はどうやって習得したの!?」
やよい「え?」
みゆき「もしかしてれいかちゃんに……?」
やよい「うん」
みゆき「!?」
やよい「れいかちゃんに教えてもらったの。あのときはあざとくないキャラを探してて……」
やよい「どうかしたの?」
みゆき「もう、やめてほしいの」
やよい「え?」
みゆき「私たちの前だけならいいけど、他の人の前では絶対にしないで!!」
やよい「うん」
みゆき「でも……どうして……れいかちゃんが……」
やよい「れいかちゃん、とっても優しいんだよ?」
みゆき「え?」
やよい「だって、私のために真剣に考えたっていってたし」
みゆき「……」
やよい「それにあの顔芸、れいかちゃんが見本を見せてくれたんだよ」
みゆき「れいかちゃんが?!」
やよい「うん」
みゆき「そ、そこまで……」
れいか『やよいさん。今からすることを真似してみてください』
やよい『う、うん』
れいか『んほぉぉお!!!あへぇぇ!!!』
やよい『ぶっ!?!』
れいか『どうぞ』
やよい『れいかちゃん!!!他の人に見られたらまずいよ!!』オロオロ
れいか『構いません』キリッ
やよい『え……?』
れいか『それでやよいさんに笑顔を取り戻せられるなら、私が笑いものになっても構いません』
やよい『れいかちゃん……』
れいか『さ、やってみて』
やよい『う、うん!!―――んほぉぉお!!』
みゆき「そ、そうなんだ……れいかちゃん……悪気はなかったんだ……ただ純粋に……」
みゆき「そっか……そうなんだ……」
みゆき(私……れいかちゃんのことを疑って……あぁ……友達なのに……)
やよい「どうしたの?」
みゆき「ううん!!ごめん!!私が悪かったの!!」
やよい「え?」
みゆき「やよいちゃんはれいかちゃんに教わった顔芸……使いたい?」
やよい「できれば……」
みゆき「そっか……」
やよい「折角、れいかちゃんが褒めてくれるようになったし」
みゆき「うん。じゃあ、私はもう何も言わないよ。やよいちゃんのしたいようにやって」
やよい「うんっ!」
みゆき(れいかちゃんに謝らないと……)
れいか「ふふふ……」カタカタ
ピンポーン
れいか「ん?」
れいか「……」スタスタ
れいか「はい?」
みゆき「わ、わたし……はぁ……はぁ……」
れいか「みゆきさん?」ガチャ
みゆき「あの……ひとこと……はぁ……あやまり……たくて……」
れいか「はぁ……と、とりあえずどうぞ」
みゆき「お、おじゃまします……はぁ……はぁ……」
れいか「大丈夫?」
みゆき「ちょっとはしって、きちゃって……えへへ……」
れいか「そうですか。お茶をお持ちしますね。部屋で待っていてください」
みゆき「あの……」
れいか「はい?」
みゆき「反省してます」
れいか「なにがですか?」
みゆき「いや……あの……やよいちゃんに意地悪してたのは私たちで……れいかさんはずっと……その……」
れいか「ふふ……」
みゆき「え?」
れいか「そうですね。苛めはよくありません」
みゆき「ごめんなさい」
れいか「やよいさんも自身の非を認め、三人の行為について咎めるつもりはないようです」
みゆき「そ、そうですか……」
れいか「ですが……私は許しません」
みゆき「え?!」
れいか「それなりの罰を与えないといけないと考えていたところです」
れいか「ふふ……みゆきさん?」
みゆき「な、なに……?」
れいか「前々から貴女の表情の豊かさには一目置いていました」
みゆき「ど、どういう……こと……?」
れいか「これは罰です。受けてくれますね?」
みゆき「あ、いや……」
れいか「……」
みゆき「ゆる、して……」ウルウル
れいか「だめです」
みゆき「やめ……て……」ポロポロ
れいか「ふふふふ……さぁ、貴女にも―――」
みゆき「ぎゃあぁぁぁああああ!!!!!」
あかね「ん?みゆきー!おはようさん!!」
みゆき「うん……」ゲッソリ
なお「どうした?元気ないな?」
みゆき「そ、そんなことな、いよ……?」
あかね「そうか?なんかやつれてんで?」
れいか「おはようございます」ツヤツヤ
みゆき「うわぁ!!!」ササッ
あかね「みゆき?!」
れいか「ふふ……」
みゆき「うぅ……」ブルブル
なお「ど、どうしたの?」
れいか「あかねさん、なお。話があるのだけど。お昼休みに屋上にきてくれる?」
あかね「ええよ」
なお「あたしも構わない」
れいか「……」
あかね「で、話ってなんなん?」
れいか「……罰を与えます」キリッ
なお「罰!?」
れいか「やよいさんを苛めた罰です」
あかね「ちょっとまってーや!ちゃんと謝ったし……!!」
なお「そ、そうだ!!やよいちゃんも許してくれた!!」
れいか「私は許しません」
あかね「え!?」
なお「お、おい……!!」
れいか「二人にもやよいさんの受けた辱めを味わってもらいます」
あかね「ど、どういうことやねん!!」
なお「れいか!!やめて!!」
れいか「ふふふ……」
みゆき「とめにいこうよ!!」
やよい「う、うん!!」
みゆき「いそげー!!」ダダダッ
やよい「れいかちゃん……!!」ダダッ
ぎゃぁぁあああああ!!!!!
みゆき「!?」
やよい「あかねちゃん……!?」
みゆき「い、いそごう!!」
やよい「あの……みゆきちゃんはなにをされたの?」
みゆき「……やよいちゃんと同じ顔を強要されたの」
やよい「え?それだけ?」
みゆき「違うよ!!強要だよ!!無理やりなの!」
やよい「無理やりって……」
みゆき「もう……呼吸が何度も止まりそうになったし……」ブルブル
あかね「あはははは!!!!ひぐぅ……いぎぃ……!!!!」
なお「れいか!!あかねが死んじゃう!!!」
れいか「大丈夫。みゆきさんは耐えましたよ?」コチョコチョ
あかね「あばぃ!!いひひ……いびぃ……いぐぅ……!!!」
れいか「ふふ……いい顔になってきたましたね……」コチョコチョ
あかね「も、もうゆひ……て……いがぁ……!!!」
れいか「ふふ……だめです。やよいさんはもっと恥ずかしい顔をしてましたよ?」コチョコチョ
あかね「あふぅぅ……!!!いぎぃぃ!!!」
なお「やめて!!もうやめてよ!!!」オロオロ
みゆき「あかねちゃん!!」
やよい「うわ……」
れいか「あ、お二人もきたのですか?」
なお「あかねー!!あかねー!!!」
あかね「おぉぉ……ぉ……ほぉ……」ピクピク
あかね「ごめ……ん……やよ……ぃ……ごめん……な……」ポロポロ
やよい「ううん!!もういいよ!!喋らないで!!」
れいか「……さてと」ユラリ
なお「ひぃ?!」
れいか「……」ワキワキ
なお「や、やめて……れいか……おねがい……」
れいか「……」ワキワキ
なお「あぁ……ゆるして……ください……」ウルウル
れいか「なお?」ニッコリ
なお「は、はい……」
れいか「おしおきです」
なお「ひっ―――」
なお「にゃぁああああああ!!!!!!」
なお「んにゃぁ!?あはひぃ?!ひひひ……!!!」
れいか「なおの弱い部分はぜーんぶしってるのよ?」コチョコチョ
なお「あひぃ!?!?てき、かく……す……ふぐぅ……!?!」
れいか「ほらほら……もっと責めますよ?」コチョコチョ
なお「あっ!!ふぅぁん……ひぁ……!!」
れいか「どう?どう?」コチョコチョ
なお「れいにゃー!!!もうやめ……ひぁぃ……!!!」
みゆき「む、むごい……」
やよい「なおちゃん……」
あかね「……あかん……なおは……もうあかんわ……」
れいか「ふぅ……」
なお「おぉ……ほぉ……ぉ……ぁ……」ピクピク
れいか「今回はこれで許してあげます。私たちはスマイルプリキュアなのですから、もっと仲良くしましょうね?」ニッコリ
なお「は……はぃ……」ピクピク
ウルフルン「……」
れいか「あ!!」
ウルフルン「……」ジーッ
れいか「みなさん!!」
みゆき「は、はい……」オドオド
あかね「みんな。い、いくで」
なお「う、うん……」
やよい「よ、よーし!!」
ウルフルン(数人様子がおかしいが、どうやら戦えそうだな)
ウルフルン「いけ!!アカンベェ!!」
れいか「変身です!!」
れいか・やよい「プリキュア!!スマイルチャージ!!!」
みゆき・あかね・なお「すまいるちゃ~じ……」
ウルフルン(なんだ?)
ピース「―――ピカピカピカリン、じゃん、けん、ぽん!キュアピース☆」
ハッピー「きゅあはっぴ~」
サニー「さんさん……きゅあさに~」
マーチ「……ま~ち」
ウルフルン「なにがあった?」
ピース「そ、それが……」
ビューティ「みなさん?」
ハッピー・サニー・マーチ「!?」ビクッ
ビューティ「気合……いれてあげますね?」ワキワキ
ハッピー「え、えんりょ……します……」
サニー「ウチも……」
マーチ「やめてぇ!!!」
ピース「なんか、事あるごとにみんながくすぐられるようになっちゃって」
ウルフルン「……」
ハッピー「あんぎゃぁ!?」
サニー「ハッピー!!」
マーチ「うわぁ……」ガタガタ
ピース「勝負です!」グッ
ウルフルン「……」
ピース「あれ?」
ウルフルン「ふむ。もう戦う必要はなさそうだな。さらばだ」シュッ
ピース「あの!?ちょっと!!……勝ったのかな?」
ハッピー「ぉぉ……ぁぃ……」ピクピク
ビューティ「次は……サニーですね……?」
サニー「かんにんしてー!!!!」
マーチ「うわぁ……うわぁぁぁ!!!!」
ビューティ「ほーら、みんなで笑顔になりましょう?」ワキワキ
ハッピー「こんなスマイルじゃハッピーになれないよぉ!!!」
おしまい
Entry ⇒ 2012.03.17 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)