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チャド「一護が、暴走している……?」
チャド「……まかせろ……」
チャド(しかし、俺の強さでは……)タタタタタッ
恋次「ま、まて……」ドサァ
チャド「お前はっ!?」
恋次「お、お前じゃ、勝てねぇ」
チャド「しかし……」
恋次「だから、こうするんだよっ!」ドスゥ
チャド「な、何をっ!?」
チャド「そんな事をして、お前は平気なのか……?」
恋次「緊急事態だ……」
恋次「頼む、止めてくれ……」グッタリ
チャド「……しかと、受け取った」
ダダダダダダダッ
一護「ブヒャアアアアアア」
ガキィン ガキィン
チャド「いたっ! 一護!お前の相手は俺だっ!」
ヒュン
チャド「っ!? 見えない! 死神の力が俺にもあるはずなのに!」
一護「ゲツガ テンショウ!」
ブシャアアアア
チャド「グアアアアアア」
ドシャアアアアアア
織姫「チャドくん!」
ヒュン
ガキィン ガキィン
チャド「グッ、お、俺には、一護を止められないと言うのか……」
織姫「今治してるから、静かにしてて!」
チャド「……」グッタリ
織姫「チャドくんの意識が……」
チャド「……その声は……アブウェロ?」
アブウェロ「やっと起きたかい、泰虎」
チャド「……俺は、死んだのか」
アブウェロ「いいや、違う。ここは、お前の中だよ」
チャド(……どういうことだ……)
アブウェロ「とうとう、死神の力を手に入れてしまったのだね」
チャド「アブウェロ……」
アブウェロ「しかし、それは所詮借り物……私が本物の力を授けよう……」
アブウェロ「お前はもう知っているはずだ。アブウェロではない、私の呼び方を……」
チャド「……」
チャド(そうだ……俺は、知っている……)
織姫「っ!?チャドくん、起きた! 大丈夫?」
チャド「あぁ、大丈夫だ」スクッ
チャド「今なら、いける気がする」
織姫「?」
チャド「悟れ 『夢想鎧』」
ガチュイン ガチュイン
白哉「ぐああああ」ドサァ
チャド「……行って来る」ドンッ
一護「ピギャアアアア」
ヒュン
サッ
チャド(避けれるっ!)
チャド「一護、俺が必ず止めてやるからな……」
ガキィン ガキィン
チャド「腹ががら空きだぞ、一護」ドグゥウウ
一護「ギ、ギィイイイヤァアアアア」
チャド「怯んだら、次は顔がお留守になってるぞ……」バグゥウウ
一護「ギィイイヤァアアア」
一護「ピギィイイイイ テテテ、 テンサ、ザンゲツ」
チャド「っ!? もう、卍開をっ!?」
チャド(始開の俺に、勝てるのか?)
チャド(くっ、み、見えないっ!?)
チャド(これが、卍解の力かっ!?)
チャド「しかし、俺は負けるわけには」
一護「ピギャアアアアア」
ドゴーンン
チャド「グワアオオオオアアアアア」
チャド「」グッタリ
織姫「チャドくんっ!?」
アブウェロ「起きなさい、起きなさい泰虎」
チャド「アブウェロ……」
アブウェロ「友達を、止めたいのだろう」
チャド「……一護は、親友なんだ」
チャド(色違い)「ならば、俺を倒せ」
チャド「俺、だと?」
チャド(色違い)「出来ぬか」
チャド「……やるしか、ないのだろう」
原作もこれくらいサクサクでいいのにな
チャド「あぁ」
チャド(色違い)「さぁ、かかってこい」
チャド「……」
ダィィン ガィン
チャド(おかしい……何かが……そうか……)
アブウェロ「気づいたかい、泰虎」
チャド「……」
グサッ
チャド(色違い)「っ!?」
チャド「それを、受け入れる……俺とお前は、二人で一人なんだ……」
チャド(色違い)「ふっ、今は手綱をお前に握らせておいてやろう」
チャド(色違い)「しかし、あぐらをかけばすぐに俺がすげ代わってやる」
チャド「……あぁ、その時は、好きにしてくれ」
パァアアアア
織姫「……ドくん、チャドくん! 大丈夫!?」
チャド「……井上……あぁ、大丈夫だ……」
チャド「……卍解 『完全夢想鎧』……」
ヒュインヒュイン
日番谷「何だっ!?あの、白い鎧は! 新手の敵か!?クソッ、一護相手にしてるだけで
手一杯だってのに!」
元柳斎「あれはっ……いや、敵ではない……」
ヒュン
ドゴン
一護「ピギィイイイ」
チャド「霊圧は消えてなどいない」
チャド「消したのだ」
チャド「それが分からないということは」
チャド「一護、残念だが、俺とお前の間には、埋まらぬ実力の溝があるという事だ」
一護「ミギィイイイイ」ギュインギュイン
サササササッ
チャド「一護……もう分かっているのだろう。お前の攻撃は、俺には当たらない」
聖闘士みたいになってるのだろうか
チャド「あの仮面はっ!?」
チャド「?化!?」
ドゴン
チャド「ぐぅうううう」
チャド「しかし」
バゴン
チャド「グアアアアア」
一護「ザコ ザコ」
あと展開の早さ以外な
アブウェロ「またかい、泰虎」
チャド「アブウェロ……俺は、どうすれば……」
アブウェロ「泰虎、お前に最後の奥義を教えよう……」
チャド「おう、ぎ?」
チャド「またせたな、一護」
一護「ザコ ザコ マタ キタ」
一護「マケオシミ オツ」
ボン
一護「ナ、 ナンダ ソノ スガタ ハ」
チャド「俺自身が『完全夢想鎧』になったと言う事だ」
チャド「……この力を使えば、俺はもう死神ではいられなくなるだろう」
チャド「最後とは、そういう意味だ」
チャド「死の聖人の一撃(サンタ・ラ・ムエルテ)……」
ヒュイイイイイイイイイイイイン ドゴバンンンンンーーーーーーーンンンンンン
一護「ウウェアボバアアアアアアアア」
チャド「……終わった……」フラッ
ドシャアアア
チャド「……俺は、一護を止められただろうか……」
チャド「アブウェロ……」
銀城「死神の力、取り戻したくねぇか、チャド」
終わり
でも実際こんな話だよな
恋次(全部渡すつもりが、半分しか入らなかった…だと!?)
Entry ⇒ 2012.05.31 | Category ⇒ BLEACH SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
一夏「箒、家の掃除手伝ってくれてありがとうな」
箒「れ、礼には及ばんさ」
一夏「今お茶淹れるよ。ソファに座っててくれ」
箒「は、はい!」
一夏「なんだその返事……? まあいいか」
箒「ふう……一夏の家で二人きり、か……」
箒(普段は千冬さんもいるんだろうが……そういえば部屋は書類やら服やらが散らかっていたな。
案外だらしない部分があるというか
一夏「箒! おまたせ」コトッ
箒「ありがとう」
箒「いや、大丈夫だ! 私はおまえが思っているよりは丈夫だぞ!」
一夏「そっか」ゴク
箒(……居心地がいいな……こうして二人で座ってお茶を飲んでいると、夫婦のような……)
一夏「……よし!」
箒「な、なんだ!?」
一夏「今日は俺が晩飯ごちそうしてやるよ! 掃除手伝ってくれたお返しだ」
箒「なっ……!」
買い物に行きたいけど付き合ってくれるか?」
箒「なんだ、仕方ないな。付き合ってやっても、まあ構わんが」
箒(ああ、またいらない強がりを言ってしまった……)シュン
一夏「そうか! 助かるよ!」
箒「では、行くとするか……」
箒(まだだ! まだチャンスはあるはず……私もいい加減素直にならなければ……)
―――
―
箒「〜〜♪」
箒(二人っきりで買い物か……)
一夏「何にしようかな。箒、なんか食いたいもんあるか?」
箒「え、えっとだな……鯵の塩焼きなどがいいな」
一夏「そうか! じゃあそれにしようぜ!」
箒「う、うむ」
箒(ああ、ここで気の利いたおしゃれなメニューでも言えていたら……
女の子らしい面もあるとを思ってもらえたかも知れないのに……)シュン
一夏「……箒、どうした?」
箒「え? 別にどうもしないぞ」
一夏「いや、さっき寂しそうな顔してたからよ。家を出る前も同じ表情してたろ?」
一夏「? 当たり前だろ、箒のことはよく見てるからな」
箒「〜〜〜!」カアァァァ
一夏「具合でも悪いのか? 俺、無理して掃除に付き合わせちまったんじゃ……」
箒「そ、そんなことはないぞっ! ささ、早く買って帰ろう!」
一夏(何か俺機嫌損ねちまったかな……あ、そうか!)
一夏(箒も女の子だから、掃除のあとはどっかに遊びに行きたかったんだな。
スーパーで食材買うだけなんて気が進まないよな……)
一夏(箒、おまえの気持に気付かなくてごめんな。
文句一つ言わず付き合ってくれるから、なかなか気付かなかったぜ)
箒「鮮魚コーナーは向こうだぞ!」
箒「新鮮なものにしよう……ふむ、これがいい」スッ
一夏「分かるのか?」
箒「ああ、目の透明度が高く身に弾力があるものを選ぶのが鮮魚選びの基本だ」
一夏「へえ」
箒「豆腐やかぼちゃの煮つけもあった方がいいな。栄養が偏ってしまう。
酢の物をつけても良いな。具は胡瓜としらすがいいな」
一夏「やるなあ、箒! 俺も今度からもっと意識してみるよ」
箒「そうしろ。千冬さんにも配慮の行き届いた食事をたまには作ってやれ」ニコリ
一夏(もっと色気ある場所に行きたかったと思ってたけど……存外楽しそうだな)
箒「……な、何をぼーっとしている? 何か変なことを言ってしまったか……?」アセアセ
一夏「いや、箒はいいお嫁さんになるなって思ってさ」
箒「え! な、何を言い出すんだおまえは!」カアァァァ
一夏「ごめんごめん。でも料理もうまいし、掃除だって手際が良かったしさ。
今だって良い食材の選び方を知ってるところを見せてくれたし」
箒「そ、そうか。ありがとう、褒めてくれて……」
一夏「!」ドキッ
一夏(今の赤らめた顔……ヤバかったなあ)
箒(……ここが、チャンスだ! 勇気を出して、さりげなく手を……!)スッ
一夏「ああ、行こう」パシッ ギュッ!
箒「きゃっ!」
箒(い、一夏から手を繋いできた……! あ、あわわわ!)
――――――
―――
―
一夏「さあ、ちょっと早いけどもう作ろうか。門限もあるしな。
箒はゆっくりしててくれ」
箒「ああ、頼む」
箒「ふう〜〜」
箒(一夏ももっと可愛らしい女の子が良いのだろうな……
今の世は私のような女は男からしたら扱いに困るばかりだろうに)
箒(この手の感触……繋がれたときの一夏の体温がまだ残っている感覚がある)
トサッ
箒「少し横にならせてもらおう」
――――――
―――
―
一夏「箒ー、もうすぐできるぞー」
シーン
一夏「ん? どうしたー箒?」
箒「すー……すー……」
箒「っん……ぅん………」コロッ
一夏「!」
箒「……うぅん…………すー……すー」
一夏「気持ち良さそうに寝てるなあ」ジー
箒「すー……すー……」
一夏「……やっぱ胸でかいよな。それに黒髪も乱れてるし服も着崩れてて、なんか……」
一夏「…………」ムラムラ
普段とのギャップもあるし、自分の安全を信じ切ってるのか、無防備な寝姿を晒して……)ムラムラ
一夏「……誰も見てねえんだ。ちょっとくらい……」スッ
箒「うぅん……!」
一夏「!」
箒「お父さん……一夏ぁ……」ジワッ
一夏「!!」ズキッ
一夏「箒……!」
箒「はっ!」ガバッ
箒「…………」キョロキョロ
一夏「よ、よう。おはよう」
箒「ゆ、夢だったか」ホッ
一夏「最後の方、なんかうなされてたぜ? 怖い夢でも見たのか」
一夏「どうしたんだ?」ギュッ
箒「父親とおまえが私を見離して去ってしまう夢を見てな……
焦って声を掛け続けるんだが、いつの間にか足元は沈んでいくし、それでまた焦ってしまってな」
一夏「そうか。親父さんはいないけど、とりあえず俺はいるぞ。俺だけで我慢してくれ」
箒「…………」ギュッ
一夏(箒からこんなに抱きついてくるなんて……寂しがりだったのかな?)
箒「一夏……しばらく……こうしてていいか?」
一夏「ああ」
箒「………」ギュウッ
一夏「………」ギュウゥ
一夏「なんかさ、箒も普通の女の子なんだな。芯が強い印象があったけど……
人並に傷付くし寂しい思いもする。でも、当たり前だよな」
箒「私は強くないよ。むしろ人より弱い方だ。他愛ないことで心が揺れる、幼い泣き虫なんだ……」
一夏「寂しがり屋な面もあったんだな……俺もそうだから、箒の寂しい気持ちは分かるよ」
箒「え!?」
一夏「簡単に会長にあしらわれたり、模擬戦で良い機体貰ってる癖に負け続けたりするとな……
強いことを自慢にしてた小学校時代の俺が恥ずかしくなって、それからあの日の強い気持ちがないことに寂しくなってさ」
箒「そ、そんなことはないぞ! おまえは強い男だ!」
こういう気持ちはあんまり他に相談できないんだよ。『情けない』って笑われそうでさ」
箒「一夏……」
一夏「プレッシャーと不安が少しずつ溜まってたんだ。でも千冬姉は俺には厳しいし弱々しいことは言えない。
こういうときは親父にでも相談できればと思うんだけど、それもいないし」
箒「……」ギュッ
一夏「でも、今箒に打ち明けてちょっと楽になった。ごめんな、俺のくだらない話なんか聞かせてよ」
箒「一夏、おまえの両親は行方知らずだったな……」
一夏「ああ。でも、それを負い目に思ったことはないぜ。ありがたいことに友人には恵まれる方だしな」
一夏「!」
箒「ずっと姉が憎かったさ……しかしおまえを見てると、おまえを一緒のときを重ねていくと……
わずかながら憎しみが薄らいでいることに気付いたんだ」
一夏「……うん」
箒「おまえの優しさに再び触れて、私もあてられてしまったのかも知れないな」
一夏「箒っ……!」
一夏「俺たちってさ、家族がいないことが原因で暗い気持ちになることがあるよな。
箒「……」コクッ
一夏「でもそのおかげといったらおかしいけど、弱さに気付けたり、強くなるきっかけができたり……」
箒「必ずしも悪い側面ばかりではない、ということだな。
確かに、今だってお互いの苦しみを分かち合えているしな……」
一夏「家族か……箒……」
箒「?」
ギュウッ!
箒「ん……!」
一夏「支え合っていこうな……!」
一夏「さてと。飯はもう少しで完成するから、ちょっと待っててくれるか?」
箒「いや、私も手伝おう。いつまでもじっとしているというのは退屈だ」
一夏「そっか、悪いな箒」
箒「気にするな。おいしい料理を食べて寂しい気持ちを追い払おう!」
一夏「ああ!」
――――――
―――
―
一夏「よし、門限には間に合いそうだな」
箒「そうか、よかった」
一夏「食器洗いまで手伝わせてちまって、すまなかったな」
箒「いいんだ。御馳走してもらったんだからこれくらいはしないとな」
一夏(箒は洗い方も手際良かったな。やっぱり、箒は良いお嫁さんになるよなあ)
箒「……時間が時間だけに乗客はほとんどいないな、よし」
一夏「どうした?」
トスッ
箒「……」カアァァ
一夏「な、なんだよ。俺の肩に頭を載せて……」
箒「こ、これくらいはいいだろう! 少しは私に楽をさせてくれ!」
一夏「いや、おまえにはいろいろ世話になったから全然構わないんだけどな。
ちょっと驚いちまって」
箒「そうか、悪いかったな……」
箒(心地いいな……こうしていると胸の内に安心感が広がってくる……)
箒「んっ………」
一夏「…………」ドキドキ
箒「すー……すー……」
一夏「寝ちまったよ。家で少し寝たから、却って眠気が増したのかな?」
箒「一夏ぁ……」
一夏「やっぱり寝顔もかわいいな。なんか今は嬉しそうだし」
箒「……すー……すー……」
一夏(こうしてると俺まで嬉しくなってくるなあ……幸福感っていうのかな?
ずっと続いて欲しいな……)
箒「………すー………」
一夏(俺、家で箒が寝てるところを見たとき、襲おうとしたんだよな……
でも今はそんな気がまったく起こらない。それより守ってやりたい気持ちが圧倒的に強い)
一夏(手を出さなくてよかった。寂しがりの箒に一生残る傷を付けてしまう可能性もあったんだ)
いない者の話はよせ!!
箒「……」
一夏「寝たままでいいから聞いてくれよ。俺、今日はおまえと一緒に過ごせて本当に良かった。
たくさんの気付きがあったし、元気づけられて溜めこんでた不安もなくなった」
箒「くぅー……ぅん……」
一夏「ありがとうな……家の中だけでなく、俺の心まで掃除してくれてさ……
そっか、だからおまえの両親は箒って名前を付けたのかな?
人の心の暗部を、きれいに清めてやれる人間になるように」
一夏「……今は凄くおまえが愛しいよ。手を握らせてくれな」ギュッ
箒「…………」ポッ
―――
―
一夏「着いたぞ、箒! 起きてくれ」ユサユサ
箒「んっ……そうか、では行くか」
一夏「おう」
箒「〜〜♪」
一夏(うん……? 嬉しそうだな)
箒「一夏っ! はやく行くぞ!」
一夏「……! ああ。すぐ追いつく」
一夏「箒、おやすみ。今日は迷惑掛けたな」
箒「いやいや、私こそおまえの世話になってしまった」
一夏「また明日だな」
箒「うむ、おやすみ」
バタン
箒「ふふっ……」
鷹月「お帰りなさい。ずいぶん遅かったわね」
鷹月「なにか嬉しいことがあったみたいね。今の篠ノ之さん、自然な笑顔でとても可愛らしいわ」
箒「そ、そうか? そんな顔をしているか?」
鷹月「きっと織斑くんになにかいいこと言われたんでしょう?」
箒「なんと……そこまで見抜かれてしまうのか」
鷹月「良かったわね! 一歩前進じゃない!」
箒「ありがとう、静寂」
鷹月「ふふ、今日はいい夢見れそうね」
鷹月「どういうこと?」
箒「だって、夢より現実の方が喜びに満ちていると感じるんだ!」
鷹月「そうなんだ。よく分からないけど……
じゃあ、いつも篠ノ之さんが抱いて寝てる『一夏ぬいぐるみ』を借りていい?」
箒「そ、それは!」
鷹月「あはは! 冗談よ!」
箒「し、静寂!」
―――
―
〜〜〜〜〜〜〜
一夏「あんまり遠くまで行くなよ」
少年「はい!」
少女「は〜い」
箒「元気いっぱいで嬉しい限りだ」
一夏「ああ。いつまでも続けばいいな」
少女「お父さんとお母さんもこっちに来て遊ぼうよ〜!」
少年「こらっ! 二人とも僕らの面倒を見て疲れているんだぞ!」
一夏「いいよ! すぐ行く!」
箒「ふふ、待っていろ!」
箒「もちろんだ!」
少女「お父さん!」
少年「お母さん!」
アハハハハ アハハハ ハハハ………
〜〜〜〜〜〜〜
一夏「ぅ……ぅう〜む……」ムクッ
一夏「ふあぁぁ……夢か、いい夢だった。もっと見たかったぜ」
一夏「でも………」
一夏「どうぞ」
ガチャ
箒「朝の稽古に行くぞ!」
一夏「ああ!」ニコッ
箒「ふふっ」ニコッ
一夏(現実だって捨てたもんじゃないってことに気付いたから、そんなにがっかりしてねえんだ)
箒「すぐ準備をしろ!」
一夏「ああ!」
おしまい
見てくれた皆、ありがとう
ちゃんとお付き合いしだした後の二人とかも読んでみたいのう
おつおつ。良いほのぼの感
Entry ⇒ 2012.05.31 | Category ⇒ インフィニット・ストラトスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
岡部「まゆりのおっぱいは俺が育てた」紅莉栖「!?」
岡部「あいつ周りよりも幼い顔立ちをしてるだろ?中学生の時それを気にしててな。早く大人になりたいと言うものだから……」
ダル「……揉んだと」
岡部「その頃は毎日一緒に風呂に入ってたからな。体を洗うついでに軽く」
ダル「っで、ああなったと」
岡部「ああ、今でもたまに風呂に一緒に入った時に揉んでやってるが、まだ成長してるぞ、あれ」
ダル「うひょおおおおおおお流石オカリン!僕にできないことを平然とやってのける!リア充氏ね!」
紅莉栖「」
ダル「僕と由季たんは健全な関係だお!オカリンみたいに爛れた関係じゃないお!」
岡部「失礼な。俺だってまゆりとはABCのBまでしかしとらんわ」
紅莉栖「!!」
ダル「……オカリンってまゆ氏と付き合ってたっけ」
岡部「何を言う。あいつはただの人質だ」
ダル「……」
ダル「まゆ氏はそれで喜んでるの?」
岡部「まあな。一緒に風呂に入らないかと誘えば一日中機嫌がよくなる」
ダル「……オカリン」
岡部「なんだ」
ダル「……一緒に風呂入っておっぱい揉んでおっきしないの?」
岡部「……正直、欲望が体の端から滲み出てしまう」
ダル「ですよねー」
紅莉栖「」
岡部「バレる?何故隠す必要があるのだ?」
ダル「えっ?」
紅莉栖「!!?」
岡部「向こうも俺の体を洗うのだ。バレるバレないの話ではない」
ダル「オカリンそ、それってまさか……!?」
ダル「せ、石鹸の泡に紛れて発散したのか!?」
岡部「そしてその泡でまゆりの体を洗う」
ダル「オカリン……ここまでやるとは、大した奴だ……」
岡部「フゥーハハハ!お前もやっとこの鳳凰院凶真の恐ろしさに気付いたか!」
岡部・ダル「「!?」」
紅莉栖「どういう事?私にもkwsk教えて?」
岡部「ば、馬鹿な!クリスティーナ!?き、貴様何故ここにいる!?」
紅莉栖「……ラボに入ろうとしたらHENTAI2人の会話が聞こえてきたから、入れなかったのよ」
ダル「牧瀬氏、盗み聞きなんて趣味悪いお……」
紅莉栖「……ああ?」
ダル「ひぃ」
岡部「なっ!貴様一人で逃げる気か!」
ダル「に、逃げる?な、なんの事かダルニャン分からないお。じゃ、オカリン!またな!」ビシィ
バタン
岡部「……」
紅莉栖「……」
岡部「そ、そうだ、お、俺もこれから機関の開発した精神攻撃兵器ノア?を破壊しに行かなければ」
紅莉栖「岡部」ギロ
岡部「」
紅莉栖「話してくれるよね岡部。話して岡部。話すよね?岡部。話せよ岡部、話せ」
岡部「はい」
岡部「事実だ」
紅莉栖「……胸を揉んだのも?」
岡部「む、無論だ」
紅莉栖「今もたまに入ってるってのは?」
岡部「……昨日も一緒に入った」
紅莉栖「……へえ」
岡部「当たり前だ!昨日なんて久しぶりだったから三回も欲望が滲み出てしまったわ!」
紅莉栖「えっ?」
岡部「あっ」
紅莉栖「……」
岡部「じょ、冗談だ。冗談。今のはただの戯れ言だ。気にするなフゥーハハハ……」
紅莉栖「早漏乙」
岡部「違う!いつもなら一回だけだ!」
紅莉栖「……へえ、いつも出してるんだ」
岡部「あっ……」
岡部「なっ!?ウェイウェイウェイ!何を言っておるのだ貴様!?」
紅莉栖「男子大学生、女子高生を浴槽に連れ込みわいせつ行為か」
岡部「ご、誤解だ!だいたいまゆりとは合意の上で風呂に入っているのだ!」
紅莉栖「でもぶっかけは合意じゃないわよね?」
岡部「……合意だ」
紅莉栖「……えっ?」
岡部「まゆりも高校生なのだ。その、……気付かない訳なかろう」
岡部「その、だな……最初はあいつから言い出したのだ」
まゆり『お風呂に入る時、オカリンのいつも辛そうだからまゆしぃが出してあげるね』
岡部「最初は俺も抵抗したのだが、さすがにあのおっぱいで挟まれたらな……」
紅莉栖「……」
岡部「それからは風呂に入る時はまゆりが俺のを揉み、俺がまゆりのを揉みようになったのだ」
岡部「な、なんでもとはなんだ!別に俺は……」
紅莉栖「ね、ねえ。一つ聞きたいんだけど」
岡部「な、なんだ?」
紅莉栖「お、岡部が揉む前のまゆりってどれくらいの大きさだった?」
岡部「は、はああ?」
紅莉栖「い、いいから答えろ!」
紅莉栖「……」ゴクリ
岡部「あの小動物……綯くらいしかなかった筈だが」
紅莉栖「なん……だと……?」
岡部「それがどうかしたのか……?」
紅莉栖「………め」
岡部「なに?」
紅莉栖「……めよ」
岡部「……もう一度言ってくれ」
紅莉栖「揉めよおおおおおおお!!!」
岡部「」ビクッ
紅莉栖(綯ちゃんの絶壁からまゆりのサイズ!?)
紅莉栖(今までアメリカのロケットボイン環境で惨めな思いをしながら育ち、日本に来ては平均サイズの筈なのに周りが巨乳だからけでひんぬー扱い……)
紅莉栖「だが、希望はここにあった!何という僥倖、生き恥を晒したかいがあったというもの!」
岡部「な、なにを言っているんだ……」
岡部「な、なんだクリスティーナ」
紅莉栖「な、なんだかお風呂に入りたくなってきたよね」モジモジ
岡部「いや、別に……」
紅莉栖「だから、ね?」
岡部「ね?っと言われても分からなん!」
紅莉栖「い、一緒にお風呂に入りましょ、岡部!」
岡部「断る」
岡部「なんで俺とお前が一緒に風呂に入らなければならんのだ!」
紅莉栖「ま、まゆりとは一緒に入ってた癖に!」
岡部「あ、あれは昔から入ってたからだ」
紅莉栖「そんなの!」
岡部「そ、それに悪いが今日は先客がある」
紅莉栖「なっ、またまゆりと一緒に入るつもり!?」
岡部「ち、違う!」
岡部「……今日はフェイリスとだ」
紅莉栖「……」
紅莉栖「はっ?」
岡部「か、勘違いするな!フェイリスのを揉むつもりなで一切ない!」
紅莉栖「じゃあなんで一緒にお風呂に入るのよ!」
岡部「……ままゆりの奴が俺と一緒に風呂に入っている事をフェイリスに話してしまってな」
フェイリス『ニャニャ、聞いたニャ凶真。マユシィと一緒にお風呂に入ってるんだって?今度フェイリスも一緒に混ぜて欲しいニャン♪』
岡部「俺も最初は断ったのだが……」
フェイリス『ニャニャ?もしかして凶真はフェイリスと一緒にお風呂に入るのが恥ずかしいのかニャン?も〜凶真ってばかわいいニャン♪』
岡部『ふ、ふざけるな!だ、誰が恥ずかしがるものか!いいだろう!そこまで言うなら一緒に入ってやる!体の隅々まで洗ってやるから覚悟するがいい!フゥーハハハ!』
岡部「っと、言ってしまってな……」
紅莉栖「……」
岡部「えっ?」
紅莉栖「今日は諦める。だから明日!必ず私と一緒にお風呂に入りなさい!いいな!?」
岡部「断る」
紅莉栖「Why!?」
岡部「あ、明日も予約がある……」
紅莉栖「相手は……!?」
岡部「ば、バイト戦士だ……」
紅莉栖「なん、だと……?」
風呂を提供するオカリンにおかしなところはないな、うん。
岡部「な、何を訳の分からない事を……バイト戦士は、確か」
鈴羽『ねえねえ、オカリンおじさん』
岡部『というかその呼び名はよせ。なんだ?』
鈴羽『今度一緒にお風呂に入らない?』
岡部『はあ!?』
鈴羽『未来ではよく一緒に入ってたんだよ。なんか久しぶりに一緒に入りたいな、って思ってさ』
岡部『な、な、な、何を!?未来ではどうか知らんがそんな事できる筈がなかろう!?』
鈴羽『ふふっ、オカリンおじさん、もしかして恥ずかしいの?』
岡部『なっ!?フゥーハハハ!いいだろう!この鳳凰院凶真が体の隅々まで(rs』
紅莉栖「……」
岡部「く、クリスティーナ?」
紅莉栖「明後日は桐生さんと入る予定とか、言わないわよね?」
岡部「えっ」
紅莉栖「えっ?」
岡部「あー、その、フゥーハハハ、そんなわけあるはずなかろー」
紅莉栖「おい、私の目見て話せ」
岡部「……」
紅莉栖「……まさか本当に?」
岡部「……ああ」
岡部「あ、ああ。最近、指圧師が料理を始めてな。その味見に付き合って、よくあいつの家に行くのだが、実はその時に」
紅莉栖(あれ、今さり気なく凄い事聞いた気が……)
岡部『また料理の腕が上がってきたな、指圧師よ』
萌郁『ありがとう……岡部、くん……あの、』
岡部『なんだ?』
萌郁『今日、暑かった、から……シャワー……浴びてく?』
岡部『確かに汗をかいたが、いいのか?ならお言葉に甘えて……』
萌郁『……わかった』ヌギヌギ
岡部『おい、待て!何故貴様が脱ぐ!?』
萌郁『シャワー……浴びるから?』
萌郁『……?』
岡部『何故首を傾げる!くっ、今日はシャワーはいい!このまま帰る!』
萌郁『……岡部くんって、……意外に、シャイ、……だね』
岡部『なっ!?この俺がしゃ、シャイボーイだと!?フゥーハハハ!いいだろう!!指圧師よ!今度貴様の体の隅々を(rs』
岡部「……という事があった」
紅莉栖「……」
岡部「な、なんだその目は……」
紅莉栖「どうせ明明後日は漆原さんと入るんでしょ」
岡部「いや、入らないが……」
紅莉栖「ふぇ?」
岡部「……」
紅莉栖「本当?」
岡部「ああ、ルカ子なら一昨日入ったからな」
紅莉栖「」
岡部「一昨日、ルカ子の修行に付き合った時に汗をかいたので近くの銭湯に行ったのだ」
紅莉栖「……あんた、どんだけ手を出せば気が済むのよ!」
岡部「ルカ子は男だ!別に同姓と風呂に入っても問題ないだろうが!」
紅莉栖「そ、それはそうだけど」
岡部「それにただ背中を流して貰っただけだ。腐助手の考えてるような展開にはなっとらんから安心しろ」
紅莉栖「だ、誰が腐助手よ!」
岡部『悪いなルカ子、背中を流して貰って。後で俺も洗ってやろう』
ルカ子『ほ、本当ですか!?んっ、くっ、あっ、ぼ、僕、う、嬉しい、です!』ゴシゴシ
岡部『それにしても、よくへちまのスポンジなんて持っていたな?』
ルカ子『えっ?あ、そのっ、いつも持ち歩いてますから、んっ、』ゴシゴシ
岡部『スポンジを?変わった奴だな』
ルカ子『ふぁ、はい、あっ』ゴシゴシビチャ
岡部『うん?どうした?』
ルカ子『ふぅ……あっ、ボディーソープの液が少し零れてしまって』
岡部『そうか』
岡部(男と分かっているとはいえ、ルカ子との風呂は緊張したな……)
紅莉栖「つ、つまり明明後日は誰ともお風呂に入らないって事でおk?」
岡部「そうなるな」
紅莉栖「じゃあ明明後日!こんどこそ私とお風呂に」
岡部「断る」
紅莉栖「……」
紅莉栖「なんでよ、おかべぇ」ジワッ
岡部「ちょっ!?」
紅莉栖「な、泣いてねーし!」グスッ
岡部「あ、明らかに泣いているではないか」
紅莉栖「せっかく79を超えた世界線に行けると思ったのに、岡部が揉んでくれなくて悲しいとか、他のみんなとはお風呂に入るのに私だけのけ者に去れるのが嫌とか、そんなんじゃないんだからな!」
岡部「つ、ツンデレ乙……」
紅莉栖「ツンデレじゃねーし!バカおかべ……」
岡部「……あー、その」
紅莉栖「……」グスッ
岡部「……紅莉栖」
紅莉栖「!」
紅莉栖「……」ジワッ
岡部「目に涙を溜めるのは止めろ!だいたい、何故お前の胸を揉む必要がある」
紅莉栖「おかべは私のおっぱいが揉みたくないんだ……」グスッ
岡部「違う!その……別にそのままでも構わんだろ。俺は、今のままの紅莉栖がいいと思うのだが」
紅莉栖「ふぇ?」
岡部「俺はお前の胸が小さいとは思っておらん。十分なサイズではないか」
岡部「デカければいいというものでもない」
紅莉栖「でも……」
岡部「これは俺個人の意見だが、お前くらいのが一番いいと思う」
紅莉栖「わ、私のが!?」
岡部「あ、ああ。自信を持て。世の中には72ほどしかない絶壁(クリフ)もあるのだ。それに比べれば十分ではないか」
岡部「そうだ!自信を持てクリスティーナ!」
紅莉栖「ふふ、ふーははは!私は72(クリフ)じゃない!79(紅莉栖)よ!」
岡部「うむ、それでいい」
紅莉栖「ありがとう、岡部。私、自分の胸に自信を持てた」
岡部「ふっ、礼には及ばん。さて、俺はそろそろフェイリスの家で一緒に風呂に入らなければならんから、そろそろ行く。ではな紅莉栖」
ガシッ
紅莉栖「おい、待て」
紅莉栖「断る」
岡部「ええい、何故だ!?」
紅莉栖「岡部、私とのお風呂は?」
岡部「な、何の事だ?」
紅莉栖「お風呂」
岡部「お、お前の胸を揉む必要がなくなったのだ!わざわざ一緒に風呂に入る必要もなかろう!」
紅莉栖「そんなに嫌なの……?」
岡部「い、嫌ではない!だが、その……」
紅莉栖「へぇ、やっぱり狂気のマッドサイエンティストさんは女の子と一緒にお風呂にも入れないシャイでチェリーボーイだったんだ(笑)」
岡部「なんだと?」
岡部「いいだろう。まだフェイリスとの約束まで時間はある。今から風呂に入るか」
紅莉栖「ふふっ、そうね、今から……」
紅莉栖「……」
紅莉栖「えっ、今から?」
岡部「どうした、一緒に入るのだろ?時間が惜しい。行くぞ」
ギュッ
紅莉栖「ふぇ!?あっ、ちょっ、まだ、心の準備があ」
紅莉栖「えっ、あっ、その……」
岡部「何故今からタオルを巻いているのだ、取れ」ヒョイ
紅莉栖「ひゃっ」
紅莉栖(な、なんぞこれ!?なんぞこれ!?)
紅莉栖(お、岡部って、シャイボーイじゃなかったの!?なんでこんないきなり)
岡部「……お前が悪いのだからな」
紅莉栖「えっ?」
岡部「全く、散々止めたのに誘惑しよって……」モムッ
紅莉栖「はひ!?」
岡部「ちゃんと体の隅々まで洗ってやる。覚悟しろよ、紅莉栖」
――
岡部「ふぅ、さっぱりした」
ガチャ
まゆり「あっ、オカリントゥットゥルー♪」
岡部「まゆりか。今日もうバイトは終わったのか?」
まゆり「うんっ♪あれっ……?」クンクン
岡部「どうかしたか?」
まゆり「オカリン、お風呂入ったの〜?」
岡部「ああ、助手がどうしてもこの俺と風呂に入りたいと言ったものでな」
まゆり「紅莉栖ちゃんが?」
岡部「ああ、今はそこのソファーで休んでいる」
紅莉栖「」ビクンビクン
おい
紅莉栖「」ビクンビクン
岡部「この俺が体の隅々を洗ってやったからな」キリッ
まゆり「オカリンに洗ってもらうと気持ちいいからね〜」
岡部「全く、呆けた面をしよって」ナデナデ
紅莉栖「んっ……」
まゆり「フェリスちゃんの所に行くんだよね?」
岡部「ああ、あの猫耳娘も体の隅々を洗って見返してやらんとな」
まゆり「フェリスちゃんいいな〜」
岡部「お前は昨日一緒に入ったばかりだろ?」
まゆり「まゆしぃはオカリンとなら毎日いいよ?」
岡部「馬鹿者、それではこっちの身が持たん」
まゆり「えへへ」
岡部「それではまゆり、行ってくる。紅莉栖は頼んだぞ」
まゆり「うんっ、行ってらっしゃい。オカリン」
岡部(俺は約束通り、ラボメンガールズと一緒に風呂に入り、彼女達の体を隅々まで洗った)
岡部(フェイリスを強制的に留未穂モードにチェンジさせるほど全身を洗い揉みほぐした)
岡部(鈴羽は彼女が根を上げるまで『汚れの溜まりやすい箇所』を念入りにスポンジで擦り汚れを落とした)
岡部(萌郁とはシャワーを浴びながらスポンジがなかったので素手で互いの体を洗いあった)
鈴羽「ね、ねえ、オカリンおじさん」
岡部「お、おい!他の奴らが居る前でその呼び名は止めろ!」
鈴羽「ご、ごめん、ねえ、岡部倫太郎。今日、空いてる?」
岡部「残念だが今日はルカ子と予定が入ってるな」
鈴羽「ちぇっ、漆原るかに先を越されたかーんじゃ、明日は?」
岡部「朝は指圧師とシャワーの予定だが、夜は空いてるな」
鈴羽「じゃっ、それで」
岡部「了解した」
岡部「ラボメンと一緒に風呂に入ったら毎日一緒に入る事になった。何を言っているか分からないと思うが俺にも分からない」
ダル「つまりオカリンは氏ねって事だお」
岡部「だ、だから貴様とて彼女持ちだろーが!」
ダル「でもムカつくお!特に阿万音氏がオカリンとお風呂に入るのが何故か一番ムカつく!」
岡部「さ、さあ、何故だろうな、ふーははは……」
岡部「はあ……」
岡部(今日の夜はルカ子、明日の朝は指圧師、夜はバイト戦士)
岡部(明明後日の朝は紅莉栖、夜はまゆりとフェイリス)
岡部(その次は全員か……)
岡部「くっ、これも機関の仕業か!」
チョンチョン
岡部「んっ?」
綯「あのっ……」オロオロ
岡部「フゥーハハハ!シスターブラウンではないか。どうかしたか?」
綯「あっ、えっと……鈴羽お姉ちゃんが」
岡部「バイト戦士?」
綯「オカリンおじさんと一緒にお風呂に入るの気持ちいいって言ってたから、わ、私も……」オロオロ
岡部「フゥーハハハ!残念だったなあ。シスターブラウン。それはできない相談だ!」
綯「ど、どうして?」
岡部(俺がミスターブラウンに殺されるからに決まっているからだろう!!)
岡部「……はっ?」
綯「小学生の私とお風呂に入れないなんて」
岡部「……」
綯「岡部チェリーんたろうに改名したら?」
岡部「……おい。貴様、今なんと言った?」
綯「えっ?」
岡部「俺は、岡部でなはい!我が名は鳳凰院凶真だ!」ビシィ
岡部「いいだろう、小動物よ!そんなに望むならその未発達な体の隅々をこの手で洗い尽くしてくれるわ!フゥーハハハ!」
綯「……やった♪」
綯(鈴羽お姉ちゃん。言われた通り、覚えた台詞を言ったら、オカリンおじさん。私と一緒にお風呂に入ってくれるって!ありがとう、鈴羽お姉ちゃん!)
おわり
読んでくれた人、ありがとニャンニャン
バイト戦士よ幼女になんて台詞を教えてんだ
オカリン死んだな
いろいろとモヤモヤする
で、小動物とのお風呂シーンは?
Entry ⇒ 2012.05.31 | Category ⇒ シュタインズゲートSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
貴音「推理、ですか」
律子「最近暇そうだからいいこと考えてきてあげたわよー」
貴音「ほう 律子嬢は非常に頭脳派…これは楽しみです」
律子「まぁ、前もって言っておくと簡単よ 私が言う問題に答えるだけ」
貴音「なるほど 推理げーむですか 良いでしょう 受けて立ちます」
律子「まずはルールとして… 援軍は2人まで呼んでOK つまり迷ったら貴音を含んで3人で考えていいわよ」
貴音「さぁびす精神満載ですね しかしその決まりを用いるつもりはありません 勝負は1:1です」
律子「言ったわね? じゃあ1人で答えてもらおうじゃない」
貴音「今日の余興は、愉しめそうですね」
余興が始まったか
律子「最初は貴音の能力を調べるために簡単な算数レベルからいくわよ」
貴音「いざ!」
律子「では問題です 今事務所には私、貴音、小鳥さん、真、雪歩がいます」
貴音「ええ まさに現在の状況ですね」
律子「今後メンバー全員とプロデューサー殿が来ると仮定した場合、千早が最初に部屋に入ってくる確率は?」
貴音「律子嬢、これは私を挑発していると見受けますが…」
律子「だから能力を調べるって言ったでしょう? 確率の問題よ、2ケタ以下の%で答えて もしくは分数でもいいわ」
貴音「……じゅ、10%くらいでしょうか」
律子「…いや、あってるけど 怒ってたわりには自信なさげじゃない?」
貴音「いえ 計算は分かっているのです」
律子「じゃあなんで…?」
貴音「人数を間違えたら、忘れためんばぁに申し訳が立たないと」
律子「間違えるって…仲間でしょう?」
貴音「それでも忘れることはあります…」
律子「分からなくもないけど… まぁいいわ 次の問題ね」
律子「じゃあ私がこれから適当な数字4ケタを考えます 15回まで答えていいから、それを当てて」
律子「ちなみに、桁と数値があってるときはヒット 数字はあってるけど桁が違うときはボールっていうから」
律子「たとえば答えが1234で、1243って答えた時は2ヒット2ボールね」
律子「はい、書いたわ スタート」カキカキ
貴音「…むぅ どこかのどらまで見たような気がしますが…」
律子「ギクッ ま、まぁいいから さぁ答えて」
貴音「確か…嘘のゴサンパチ 人間が適当な数値を思い浮かべるときは5と3と8が入る可能性が高い でしたね」
律子「……」アセ
貴音「5384…」
律子「…4ヒット あたりよ まさか貴音が見てたとはね…」
貴音「面妖な… 見ていたとしても、そのまま答えに使うとは律子嬢らしくもないですよ」
律子「ふ、ふん まだ序の口だから!」
律子とお姫ちん推理モノ似合いそう
気合いはあるけどちょっと抜けてる探偵律子に、所々謎の助言を与える助手貴音。これはいける。
律子「じゃあ次 …あずささんか千早、どちらかが貴音が大事にとっておいたラーメンを食べてしまった、とするわ」
貴音「それは許しがたいですね」
律子「どちらが食べたのか1回で見極める方法があります なんでしょうか? 回答は1回のみ」
律子「あ、ただしお腹をさするとか臭いを嗅ぐとか直接的な方法はダメだから」
貴音「…ふむ 少し時間を…」
貴音「直接的な方法は不可 つまり、自分ではなく相手の五感を用いて…相手に何らかの反応を取らせるしかありません…」
律子「鋭いわね」
貴音「…千早とあずさ、ですか…」
律子「そこが結構ミソかもね」
貴音「…千早に失礼なほうですか? あずさに失礼なほうですか?」
律子「今回はあずささんかな」
貴音「もはや推理ではないのですが…」
貴音「これはあくまで例文です… 答えますよ、律子嬢」
律子「ええ もうわかってるだろうけど 果たしてそれを口に出せるかしら」ニヤ
貴音「なるほど… それを踏まえた上での問題…しかし、私は引きません 今は幸いあずさは居ません故、問題はないはずです」
ガチャ
貴音「あずさ!気のせいか朝よりも太ったようですね!」
あずさ「」ビクッ
律子「正解、それでオドオドしたらあずささんが犯人ね えーそうかしらーみたいな反応したら千早ね」
貴音「そもそもその2人では、恐らく千早はらぁめんは食さないと思いますが」
律子「それもそうね ちょっと甘かった?」
貴音「ですから、もはや推理ではないと…」
あずさ「ふ、太っちゃった…? 食べるの減らしてたんだけど…」シュン
貴音「あ、あずさ! 今のは冗談です 冗談ですよ! 律子嬢が言えと」
律子「違うでしょう! ん…ある意味そうだけど…」
あずさ「律子さん ごめんなさい…竜宮小町として失格ですね…」シュン
貴音「律子嬢、落ち込ませましたね」
律子「言ったのは貴音でしょう」
あずささんいじめんな
律子「さーて、次の問題いくわよー」
「うゎぁーっ!」
貴音「…む? 今のは…真の悲鳴では?」
律子「真が悲鳴をあげるなんて相当だわ どうしたの!真!?」
貴音「真、どこにいるのです!?」
響「大変だぞ!真が階段の下で倒れてる!」
律子「ほ、本当なの? 真!」
貴音「とにかく救急車を…小鳥嬢!」
小鳥「えっ あ、あぁ そうだった! 今呼ぶから待ってね!」ピポパ
貴音「何を悠長な…! …? 雪歩、どこにいるのです! それにあずさも!」
律子「あぁもう… いきなりなんなのよ…」
小鳥「繋がらない… 電話、つながらないわ!」
律子「ええ!? し、仕方ない じゃあ私の携帯で… ってバッテリ切れてる!朝充電したのに!」
貴音「今日は携帯電話を持っていません… 響?」
響「じ、自分は えーと 今月は止まっちゃってるぞ…」
貴音「なんと面妖な…! あずさ、雪歩!?」
雪歩「どうしたんですかー? 四条さん、怖いです…」
貴音「真が倒れているのです! 救急車を呼んでください!」
雪歩「ええっ…無理ですぅ 今、ちょうど修理に出してて…」
貴音「ありえません… しかしこの状況で素人が勝手に触るのは逆効果…どうすれば…」
あずさ「…とりあえず血は出てないみたいよ 息もしてるし、心臓も動いてる…」
律子「…あ、あずささん 年長者はこういう時に落ち着いてくれますね…」
小鳥「えっ」
雪歩「でも、頭打ってたら 動かすと危ないんだよね…?」
響「でもこのままにしておくわけにもいかないぞ…」
P「おっ、どうしたみんな入り口に集まって… って真!どうしたんだ?」
貴音「いいところに! あなた様、真を病院へ! 階段から落ちたようで意識がないのです!」
P「なんだって? そ、それはまずい… とにかくあまり動かさないように、車に乗せるぞ あずささん、律子、小鳥さん 手伝って!」
3人「はい!」
雪歩「ま、真ちゃん…」ウルウル
貴音「大丈夫ですよ、雪歩 外傷は一見ないのです …きっと大事には至りません」
律子「任せましたよ、プロデューサー殿…」
響「だ、大丈夫だよね 真…」
あずさ「きっと大丈夫よ…」
貴音「…少し疑問に思う点があります」
雪歩「…ど、どうしたの 四条さん…」
貴音「何故あれほどの運動神経の真が階段から落ちたのでしょうか」
小鳥「踏み外したりしたら、運動神経良くても落ちちゃうんじゃないかな…?」
貴音「そもそも、ここには手すりもあるのですよ 真なら仮に踏み外してもつかまれるはずです」
律子「貴音、何が言いたいの?」
貴音「私は… 誰かが、故意に真を落としたと考えます」
響「ええっ!? い、今いる自分たちの誰かがってこと!?」
貴音「はい それを今…少し考えてみましょう」
あずさ「ゲームだったのに、本当の推理になっちゃいそうね…」
貴音「状況を整理します…」
貴音「私、律子嬢、小鳥嬢は…ほぼ容疑者から外れるのです」
響「ええっ!自分たちは!?」
貴音「なぜなら私たち3人は、同じ空間にいたためです この事務所の席でお互いの姿が見えていました」
律子「そうね 私なんて、貴音の目の前で話してたし」
小鳥「あたしもデスクで資料を整理してましたから… 2人は確かにそこで推理ゲームやってました」
あずさ「ということは、私が響ちゃんか雪歩ちゃんがやったってことになるわね…」
響「じ、自分やってないぞ! ていうか来た時は真、そこに寝てたし…」
貴音「雪歩、真の悲鳴が聞こえた時に姿を見かけませんでしたが」
雪歩「四条さんっ!? わ、私やってません!」
貴音「大丈夫 ただの参考ですよ 疑ってはいません… まだ、ですが」
雪歩「私はお茶を淹れてました… ほら、あそこに置いてありますぅ」
貴音「…確かに 湯気もたっています 淹れたての証拠ですね」ズズッ
響「こ、こんなときに飲むなよ貴音…」
貴音「ふむ ではあずさは? 真が階段から落ちた、と騒いでいる間にいつの間にか真に近づいていたようですが」
あずさ「言いにくいんだけど… お手洗いにいたわ…?」
貴音「なるほど つまり、真が落ちた時に、真の付近には誰もいなかった…」
律子の仕掛けじゃないのか
貴音「…ふむ、解せません」
響「やっぱり真が踏み外して落ちたんじゃないかな…? 自分でもたまに転びそうになるときあるぞ」
貴音「いいえ では、これでどうです? 真は落ちる瞬間に「うわぁ」と悲鳴をあげているのです」
貴音「…普通、階段から落ちるときは「うわぁ」などと言っている余裕はありません」
貴音「つまり誰かに押され…落ちそうになりつつも耐えた、しかし更に何らかの方法で押された… その時に悲鳴をあげた、と推測できます」
律子「確かに納得はできるわね…」
小鳥「でもそうなると、ほかに誰かいたとしか…」
雪歩「プロ―デューサー… では、ないですよね…」
あずさ「プロデューサーさんはさっき帰ってきたばかりだもの それはないわ?」
貴音「…そうとは言い切れません たいみんぐがおかしいとも思えます 営業に出て、昼前に戻ってくるときなど数えられるほどしか…」
貴音「む…… …悲鳴をあげた…? …真が?」
響「な、なにか思いついたのか!?」
貴音「いいえ、まだ言い切るには早いです これは温めておきます…」
響「なんだよー 気になるぞっ」
貴音「そうですね… たとえば、というとキリがありませんが他の可能性をあたってみましょう…」
雪歩「他のメンバーが実は来てる場合、とか…」
貴音「千早は午後一杯レッスン、つまり事務所には来ません 真美と亜美、やよいと伊織は学校です…」
あずさ「残りは春香ちゃん、美希ちゃんくらいね…」
小鳥「あの2人はあんなことしないと思うわ」
貴音「それは、全員に言えることですよ…」
律子「…貴音、ある程度考えがあるんじゃないの?」
貴音「いいえ まだ… そう 全員が「やる」と仮定したときの動機を考えてみましょう」
響「じ、自分は 運動好きで、活発なタイプで被るから…かな」
貴音「ふむ、確かに響がやるとすればその理由でしょうね あずさ、雪歩は?」
あずさ「…うーん、ないのよねぇ…」
雪歩「私も… 真ちゃんとは、本当に仲いいし…」
貴音「そうでしょうね 普通はありません…」
小鳥「私も全然… 765プロのメンバーはみんないい子だし 増してや真ちゃん1人を狙うなんて…」
律子「そうね…誰もが売れてほしいって思ってるわ」
貴音「ふむ 響しか答えられませんか」
響「なっ!ひ、酷いぞ貴音!自分じゃない!」
貴音「分かっています この質問はただの部品集め、ですよ」
律子「貴音…? もしかしてもう答えに近づいてるの?」
貴音「ええ…まぁ しかし何か… 見落としているような…」
貴音「…確認、なのですが 全員絶対に答えてください」
貴音「今回の手段は 真に害を与えるための方法として適格だったと思いますか?」
小鳥「あたしには思えません… 真ちゃん運動神経いいから失敗する可能性もあるし…」
あずさ「うーん… 私も同じ理由で適格ではないと思うわねぇ」
雪歩「たとえば毒とか… もっと確実な方法はあるのかも…」
響「雪歩、怖いぞ… 自分も、自分だったらこの方法は取らないと思うぞ」
律子「そうね 今回の手段は向いてないと思うわ」
貴音「…そうですか 結構… 協力感謝します」
貴音(わかりましたよ 犯人が)
貴音(…落ちた 真は階段から落ちた…?)
貴音(…違いますね 落ちていません……)
貴音("げーむだったのに、本当の推理になる")
貴音(私の出した無理な意見に、何故か誰もが"反論しない")
貴音(真の"うゎぁー"…)
貴音("響だけ"が動機を持ち、まるで響が犯人だと思わせるような発言)
貴音(真は悲鳴を上げて階段から落ちた …しかし"落下音"がありません)
貴音(そして真は"寝ていた")
貴音(妙なたいみんぐで"帰ってくるプロデューサー")
貴音(…なぜか使えない "全員の携帯")
貴音(そして誰もが適格だと思わない、"今回の手段")
貴音「みな、聞いてください 犯人が分かりました」
小鳥「あたしにはさっぱりです… それで、誰なの? 犯人は!」
貴音「まあ落ち着いてください まず私が気になった点を挙げます」
響「貴音、探偵みたいだぞ…」
雪歩「私全然わからないよぉ…」
あずさ「そうねぇ ヒントが少なすぎるわ…?」
貴音「まずはあずさ… あずさは私と律子嬢が推理ゲームをやっている"最中"は事務所にいませんでしたね?」
あずさ「ええ…ちょうど私が太っているって話をしてるところから…」
貴音「では何故… "げーむだったのに本当の推理になる" という発言ができたのです?」
あずさ「…あっ…」
貴音「あずさはげーむ中にこの場にいなかった それなのに私と律子嬢が遊んでいたことを知っていた そうですね」
あずさ「…え、ええ ごめんなさい… 知っていたわ…」
響「じゃ、じゃああずさが…!」
貴音「最後まで聞くのです 響」
貴音「次に響、あなたについてですよ」
響「ええっ!自分!?」
貴音「響は"来た時に真はそこで寝ていた"と言いましたね」
響「い、言ったぞ…?」
貴音「寝ていた、とは? 普通階段の目の前で人が転がっていたら…寝ている、と表現しますか?」
響「う… しないぞ…」
貴音「つまり 響は真が気絶しているのではない、と知っていた あっていますね」
響「うぐぐ… し、知ってたぞ… ごめん…」
貴音「いえ…」
貴音「この時点で既に犯人らしき人物は2名なのですが 聞いてください」
律子「ええ 聞こうじゃない…?」
貴音「これは全員に言いましょう …何故"今回の手段"という言い方に反応しなかったのです?」
雪歩「ど、どういうこと…?」
あずさ「ええ わからないわ…?」
貴音「"今回の手段" まるで、その手段を使った人物が言っているように聞こえませんか?」
小鳥「あっ…」
律子「そっか…」
貴音「更に全員の携帯が使えない事態… たいみんぐよく帰ってくるプロデューサー」
貴音「…救急車を使うわけにはいかなかった 違いますか?」
律子「誰に聞いてるの?」
貴音「もう、お分かりでしょう…?」
貴音「真、あなた様 そこにいるのは分かっています」
…ガチャ
真「あはは… すごいな、貴音…」
P「言われたとおりにやっただけなんだけどなぁ…?」
貴音「敢えて改めて言いましょう 犯人は私以外の全員… そしてこの事件は推理ゲームの一つ そうですね、律子嬢」
律子「…正解よ すごいわー…これが最後の問題だったんだけど」
貴音「ふふっ 少し難しかったですよ」
律子「響を犯人って言い切ったところでネタ晴らししようと思ったんだけどねー…」
響「ご、ごめん… 自分が余計なこと言ったせいでバレたぞ…」
あずさ「ううん、私も余計なこと言っちゃったわ…」
貴音「それもあるのですが… 真、あなたにも原因が」
真「ぼ、僕!? 寝てただけなのに?」
貴音「"うゎぁー"という悲鳴の後ですが 落下音が聞こえませんでした」
真「あ、そっか… そういえば"うゎぁー"って言いながら寝たよ…」
貴音「それに考えてもみてください 最初からおかしいのです」
貴音「人間、普通は"うわあ"なんて言葉そうは使いません そう思いませんか?」
真「それもそうだね…」
律子「考えた段階で無理があったのね… もうちょっと自然な台詞じゃないと」
貴音「ええ 落下音があり、悲鳴がもっと現実的なものならばもう少し時間がかかったやもしれません」
響「す、すごいぞ貴音… サスペンスドラマの主役とか合うんじゃない…?」
あずさ「本当にすごいわねぇ 探偵さんみたいだわ!」
雪歩「確かにいろいろなところから嘘の事件だってわかりますぅ…」
これ最初に貴音があやしいって言い出さなかったらどうなってたんだ
律子「まったく、大体と言えば… まだ問題あったのに真が先走っていきなり始めちゃうから…」
真「ぼ、僕のせい!? 考えたの律子じゃないか!」
律子「確かに解かれたのは私が甘かったんだけど…」
貴音「ふふっ いずれにしても、愉しめましたよ 律子嬢 ありがとうございます」
律子「あ、いえいえ それならよかったわ」
貴音「久しぶりに頭を使う余興でした…」
貴音「あなた様 頭を使う前と使った後は、甘いものがいいそうです」
P「わかったよ… 簡単に解いたご褒美になんか買ってきてやるから」
貴音「しゅーくりぃむが良いです ふふっ」
貴音「四条貴音でした」
おわり
お姫ちんやるなぁ
お姫ちんマジ食いタン 乙
乙!
いい余興だった
Entry ⇒ 2012.05.31 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
千早「行けーマキバオー!」
P「今日は一日オフのハズだったのに、社長から朝電話が掛かって来た時はどうなるかと思ったが、どうにか出来てホント良かった…」
響「何を一人でブツブツ言ってるんだ?プロデューサー」
伊織「仕事が終わったなら私の買い物の荷物持ちに付き合ってくれない?どうせ暇でしょアンタ」
春香「あ、ズルいよ伊織ー。プロデューサーさん、私美味しいパスタ屋さん見つけたんですけど一緒に…」
P「るっせえ!今日はお前達みたいなアバズレに構ってる暇は無えんだよ!」
P「有馬記念が俺を待ってるんだからな!」
春香「…担当アイドルにとんでも無い暴言吐いたのは流しますけど、何ですか?有馬記念?」
伊織「この伊織ちゃんのオフに同行出来る僥倖より、それが大事だって言うの?」
響「あばずれってどういう意味なんだ?」
P「何だお前達、有馬記念も知らないのか。日本最大のドリームレースだぞ?」
春香「レース…?」
伊織「あぁ、何か聞いた事あるわ。たしか競馬の大きなレースだったかしら?」
響「数少ないオフの日に競馬〜?プロデューサー寂しい大人だなぁ」
響「何で今自分、女子供にカテゴライズされなかったんだ!?」
伊織「まぁ響に寂しいって言われるのは心外ってのは分かるわね」
響「どういう意味さー!」ぷんすか
P「そういう訳で今日はお前達に付き合ってる暇は無い。俺はダッシュで中山に向かうからじゃあなっ!」ダッ!
春香「待って下さいよ〜」アシヒッカケ
P「おぅっ!?」ズテッ!
春香「私も連れて行ってもらえませんか?一度競馬場って行ってみたかったんですよ」ニコッ
P「…何?」
春香「なかなか女子高生の身では入って行きにくい場所ですからね。プロデューサーさんに色々と教えて貰えたらなって」ウワメヅカイ
響(またそんな心にも無い事言って…)
伊織(魂胆見え見えね、まぁ乗るけど)
伊織「私も一緒に行ってあげるわ。上に立つ者として、庶民の娯楽がどんなものか知っておくのも有意義そうだしね。にひひっ」
響「自分も行ってみたいぞ!馬を間近で見る機会なんて早々ないしな!」
春香(やった!チョロイッ!)
響(前に麻雀教えてくれっていった時も、何だかんだすっごく乗り気だったもんな)
伊織(にひひっ。人は趣味を分かち合える人を常に求めてるものだからね)
P「よし、そうと決まれば急いで準備を…
ガチャッ
千早「お疲れ様です。あら?プロデューサー居らしてたんですね。今日はオフだと聞いてましたけど…」
やよい「うっうー!お疲れ様です。皆さんどこにお出掛けするんですか?」
春香「丁度良かった!千早ちゃんもやよいも一緒に行こっ!」グイッ
千早「えっ?わ、私は荷物を置きに来ただけでこれから高槻さんと映画に…は、春香引っ張らないでって!」
千早「…で、どうしてこんな事に………」ずーん
伊織「流れってやつよ。あの場に帰って来た自分を恨みなさい」
春香「あはは、遊びは大勢の方が楽しいよ。ね、やよい?」
やよい「うっうー!遊園地に遊びに来たのは久しぶりです!嬉しいです!」
響「…遊園地?」
やよい「はいっ昔お父さんがよく連れて来てくれました。ここはお馬さんの遊園地だよ」
やよい「まぁ遊びはメリーゴーランドしかないけどな(笑)って言ってました」
やよい「いつも帰りは歩きなので大変でしたけど、お父さんとの楽しい思い出です!」ぺかー
5人「………………」
P「…強く生きろよ、やよい」ポンッ
やよい「?はいっありがとうございますっ」
P「いや、流石にここまで入るのは有馬の時位だろうな。そこら中から溢れるギラギラした雰囲気がたまんねぇなぁ」
千早「真冬だというのに凄い熱気…高槻さん、大丈夫?」
やよい「はい。むしろこの雰囲気が懐かしいなーって思って、ちょっと楽しくなってました」
伊織「ダメ人間の巣窟って感じね。ていうかやけに唇が厚い人多いのは何なのかしら…」
響「プロデューサー、どこに行けば馬が見られるんだ?」
P「んーじゃあとりあえずパドック行ってみるか」
P「だーっ!ミナセプリンセス全然来ねえじゃねえかっ!金返せ伊織っ!」
伊織「私に言われても知らないわよ!ていうか私の方が多く賭けてたんだから、アンタこそ責任取りなさいよね!」
春香「うーん、3番が思ったより直線で伸びなかったな。展開は悪く無かったけど…」
やよい「うっうー!やりました、今回も的中です!」
響「おぉ、単複とはいえ凄いじゃないか。これで元手の100円が260円に増えたな」
千早「…物凄い速さで順応したわね貴方達…本当に初めてなの?」
春香「まぁ要はギャンブルだからね。ルールさえ分かれば、後は勝負勘に身を任せるだけだよ」
春香「うわっホントだ!」
響「パドックを制する者が競馬を制すだったよな?プロデューサー」
P「あぁ!行くぞ皆!」
千早「え?今から新幹少女のミニライブがあるのに見ないんですか?」
5人「そんなのどーでも良い(です)!」 ダダダッ!
千早「…そうえば、さっきやってたジュピターのトークショーもガラガラだったわね…」
響意味無いよな
千早「はぁ、ここもまた人が多いですね…」
春香「プロデューサーさん、出て来る馬の紹介して下さいよ」
P「いいぞ。まず1枠?番がビリーバロニー。牡馬の6歳で春先に結構した馬だが、休養明けはイマイチだな」
P「こないだの天皇賞も14着だったし。オッズも単勝で718倍と今日出る中じゃ最低だ」
伊織「でもその分当たれば大きいって事よね?」
やよい「お父さんがとりあえず一番の大穴にはいくらか賭けとけって言ってました!」
響「なんかカッコ良いキャッチコピーが付いてるんだな」
伊織「『沖縄の爆弾小娘』我那覇響。意外と悪く無いんじゃない?」
P「重馬場に強いパワータイプの馬だな。この間あのフランスのカントナを倒してJCも奪ったし」
P「ポテンシャルはかなりのもの秘めてると俺は思う」
千早「あのカントナと言われても…」
P「気性が荒いトコがあるのが難点だが、上手くハマればそれも長所だろう」
春香「ふむふむ、チェック入れておきますね」
伊織「長距離に滅法強く、自ら乱ペースを作りだしそれを操る曲者だ」
春香「おぉ、何か凄い風格を感じる馬ですね。渋いなぁ」
P「お、分かるか春香。ワクチンのカッコ良さが」
伊織「鼻に付けてるあれは何なの?」
P「シャドーロールだ。何の意味があるかは俺も知らんが、兄ピーター?も付けてたし伝統じゃないか?」
P「よく知ってるな、やよい」ナデナデ
響「へーそれで弟が代わりに菊花賞を取って、兄弟で三冠を達成したのか。何か浪漫があるな」
P「最近の三戦でG?G?G?と三連勝して今一番ノってる馬と言って良いだろうな」
P「今日もこのスター揃いの中で堂々の三番人気。間違い無く馬券に絡んで来るだろう」
伊織(偉大な兄を越えんとする弟…ちょっと応援したくなるわね)
P「調子の差が大きい馬だが、ニトロに勝った事もあるからな…穴狙いの候補としては面白いだろう」
響「上に乗ってる人の顔怖いな」
P「三枠?番は牝馬4歳のアンカルジア。今年の秋華賞馬だ」
P「桜花賞・オークスが共に2着でシルバーコレクターなんて言われてたが、秋華賞を奪ってそれを払拭したな」
春香「女の子なんですね。可愛いし応援してあげたいけど、馬券は買えないかな〜」
千早「シビアな目で見てるわね…」
春香「怖い顔の馬ですね」
P「調整が遅れ、皐月とダービーには間に合わなかったが、出ていればピーター?を脅かしたとも言われる実力馬だ」
P「JCを見送ってまで、この有馬に万全で仕上げて来た。当然優勝候補だろうな」
伊織「オッズも今2番…あ、今抜いて一番人気になったわね。3.2倍…」
やよい「宝塚記念・天皇賞(秋)と中長距離のビッグタイトルを制して来てるもんね。安定感は凄いよ」
やよいどうしたwww
P「一昨年のエリザベス女王杯馬だが、流石に厳しいだろうな。680倍だ」
春香「オールスターとはいえ、結構人気はバラけるものなんですね」
P「どの馬も他のレースなら上位に来るだろうけどな」
P「続いて、五枠?番の牡馬5歳ペインキラー」
P「オールカマーではあのトゥーカッターを破っている。今日も同じ中山だからその利を活かせるか…って感じだな」
やよい「逃げ馬はそういう一発があるのが怖いですよね」
P「続いて…おっ出て来たな」
たれ蔵「んあー皆気合い入ってるのねー」
春香「!?な、何ですかアレ!ロバ!?」
P「5枠?番『白い奇跡』ミドリマキバオー。牡馬4歳だ」
P「『3強』の一角であり、今年のダービー馬だぞ?皐月2着、菊4着と安定した成績も残している」
響「ほ、ホントに馬なのか?骨格とか見るとそう言えなくも無いけど…」
伊織「仮に馬だとしても、本当にそんな成績を残してるの?全っ然速そうには見えないけど」
P「俺も最初はそんな反応だったよ。だが、事実だ」
P「あの小さな体で強敵を何度も倒していく姿に、俺も熱くさせられたものだよ。菊で20万スらせた事は許さんが」
春香「何かやけに落ち込んでる時あったのは、それが理由だったんですかw」
千早(何故だろう…あの馬に親近感を感じるのは)
響「な、何だ!?」
春香「何かその筋っぽい人が太鼓鳴らしてるね…あんな事して良いんですか?」
P「いや駄目だろ。あ、警備員が来てつまみ出されたな」
伊織「ミドリマキバオーって書いた横断幕持ってたわね」
P「ま、まぁ幅広いファンが居るって事なんだろう」
P「気を取り直して、6枠?番のヘビーダイアリーア牡馬6歳」
P「前走で重賞を勝ったらしいが、この相手では下位必至だろうな」
ザッザッ
カスケード「…………」
P「カスケードっ…!!!」わくわく
伊織「どうしたのよ、そんなにテンション上げて」
P「ばっかお前カスケードを生で見れたんだぜ?これでテンション上げなきゃ競馬ファンじゃねーよ」
春香「たしかにカッコ良い馬ですね。凄い雰囲気を持ってるっていうか…」
響「…………?」
P「『3強』の一角にして、世界十傑にも残った文句無しの最強王者。戦績は8戦7勝で内G?が4つ。そして国内では未だ無敗を誇っている」
伊織「国内?」
P「カスケードは秋に凱旋門賞っていうフランスのレースに出たんだよ」
P「ちなみに凱旋門は世界最高峰のレースの一つだと言われている。結果は力及ばず6着だったけどな」
千早「海外にも競馬があるんですね」
P「むしろ海外の方が盛んだぞ。まだまだ欧州やドバイと比べれば日本は競馬後進国だ」
P「それだけにカスケードには期待していたんだが…」
やよい「海外の競馬は色々と慣れない面もあるから仕方無いですよ」
やよい「私は皐月とダービーを奪りながら三冠を捨てて、海外挑戦した事を凄いなーって思います」
だから貧乏なのか……
春香「本当に好きなんですね。プロデューサーさん」
P「日程がなーJRAも菊の時期ズらしてくれれば良いのに…」ぶつぶつ
響「ていうかやよいが凄いな。詳し過ぎてびっくりだぞ」
やよい「あはは、新聞を読んでたら覚えちゃいました。他に見る物もあまり無いので…」
千早「今度一緒に本屋に行きましょう、高槻さん」
P「7枠?番は牝馬5歳のペティコート。エリザベス女王杯を勝って牝馬No1という呼び声もある」
P「個人的にはスーパースナッズが牝馬じゃ一番だと思ってるから、出て来て欲しかったけどな」
伊織「やっぱり女の馬が男に勝つのは難しいの?」
P「勝った例が全く無い訳じゃ無いが、厳しいな。ダービーももう何十年も牝馬が勝った例は無いし」
P「もしそんな馬が出てくれば盛り上がるとは思うけどな」
P「地味な印象だが、長距離のレースでは安定して好成績を出している」
P「8枠?番は牡馬5歳ビッグモスキート。逃げ馬だ」
P「そしてラスト8枠?番は牡馬5歳ブロッケイド。前走後に軽い熱発を発症したらしく、調整不足は否めないな」
春香「え?ラストですか?」
P「?あぁ、今年の有馬記念に出走するのは今言った15頭だぞ?」
春香「じゃあ…アレは何なんです?」
カッカッ
ベア(ふっふっふ。皆ワシの勇姿に注目しとるな…)ブラブラ
千早「手書きのゼッケン付けてますけど、あの馬も出走馬なんですか?」
響「な、何か腫れて無いか?あの馬…」
春香「ん?響、何が腫れてるって?」ニヤニヤ
響「い、いやだから……な、何を言わせようとしてるんだ!///」うがー
P「…多分、勝手に来ただけだろう。今つまみだされてるし」
係員「こら!てめえどっから入った!」
ベア「な…何やねん!なんやっちゅうねん!」
ペア「スター抜きでどこがオールスターやねん!!勝っても賞金いらんから!大外の枠でええから出してくれ!!」ずるずる
やよい「引っ張られて行っちゃいましたね」
P「…あの貪欲さだけはお前達に見習って欲しいと…いや、やっぱいいや」
P「『史上最強の駄馬』ベアナックル。無名だった時代に、青葉賞でマキバオーを破るという金星を挙げて」
P「一流馬の仲間入りをしたんだが…あまり一流とは言いたくない馬だな」
P「ダービーではスタート時に顔をぶつけて鼻血を出しながら、最後の直線では一時トップに立つ等」
P「力があるのは間違い無い…ていうかめちゃくちゃあるんだが、それを帳消しにする絶望的にアホという稀有な馬だ」
響「たしかに筋肉を見ても、何かワケ分かんない感じだったぞ…」
P「…俺としては青葉賞の時に大損こかされた馬という苦い思い出もある。ガチガチだと思ってたのに…」
春香「プロデューサーさん向いてないんじゃないんですかw?」
P「ふぅ、どうにか席を取れたな」
春香「雪が降って来たのは驚きましたね」
響「自分、雪って初めて見たから感激だぞ!」
伊織「席探してる時に社長と黒井が一緒に居たのは驚いたわね」
P「あのおっさん人に仕事押し付けて自分は競馬場に遊びに来てるとか…」
千早「ウチの事務所大丈夫なのかしら…」
やよい「黒井社長、カスケードに1000万円つぎ込むって言ってましたね」
P「…まぁ、好きだろうからなぁあの人は」
観客「ウオオオオオーーーーッ!」
千早「す、凄い歓声…地面が揺れてますね」
P「数万人の競馬ファンの声だな。待ちに待った有馬だし、気合いが入るのは分かるよ」
P「この体の芯に響く感じ…これを味わえただけでも来た甲斐があったんじゃないか?」
千早「…そうですね。いつか私の歌で、これ以上の熱気を産んでみたいです」
春香「今だってそんなに負けてるつもりは無いですけどねっ」
ワクチン「ケリをつけようぜ…」
カスケード「ああ…俺達のな」
マキバオー「んあ〜〜絶対絶対負けないのね!」
管助(次なんかいらない)
響「ピリピリした空気が伝わって来るぞ…」
P「何か俺達がパドックを離れる時にいざこざがあったみたいだが、心配なさそうだな」
実況「そして最後にトゥーカッターが入りまして…係員がゲートを離れます」
実況「1996年。今年の中央競馬の総決算。第41回有馬記念」
実況「スタートしました!!!」
ガシャコン
P「うおおおおーーっ!」
伊織「始まったばかりで何叫んでんのよ。アンタはこのレースどうなると思ってんの」
P「勝つのは4歳の3強にニトロニクス、トゥーカッターの5頭の誰かになるだろうな」
P「4歳世代ファンとしてはアマゾンにも出て欲しかったが…」
響「アマゾン?」
やよい「サトミアマゾン。船橋の英雄ですよ。地方馬でありながらクラシック三冠全てで掲示板に載った凄い馬です」
千早「色々種類があるのね…」
春香「スタートはヘビーダイアリーアがやや出遅れましたけど、他はまずまずですね」
P「マキバオーはたまにやらかすから、そこは安心したよ」
伊織「やっぱりペインキラーが前に出たわね。追うのは2、4、14…」
やよい「ワクチンが逃げに出るかと思いましたけど、今回は自重してますね」
やよい「代わりにニトロが飛ばしている…少し掛かり気味かも」
ニトロ「…………」ググッ!
P「…確かにな。天才・滝川が抑えている。何が天才なのかはよく分からんけど」
春香「ペインキラーに対して熱くなってるんだとすれば、さっきのパドックの事が影響したのかもしれませんね」
P「むぅ最近の中山は重馬場だから、パワーのあるニトロは要注意だと思っていたが…」
伊織「ここでスタミナを浪費してる様じゃ期待ハズレね」
響「それぞれ得意な位置に付けたって事だよね?」
P「あぁ、厳しいレースになりそうだな」
春香「カスケードはいつも最後の直線の末脚で勝負してるんですよね?」
P「あぁ黒い旋風のごぼう抜きはもはや代名詞だな。ダービーの時なんて最高にカッコ良かったぞ」
やよい「マキバオーも末脚タイプですから、このまま静かな流れになるかもしれませんね」
伊織「ワクチン・トゥカッター辺りが黙って見てるとは思えないけどね」
千早(どうしよう、話についていけない)
マキバオー(んあ?トゥカッターが出た!あの狭い所へ?)
ドガッ!!!
P「!」
春香「ペティコートがよろけた!そのあおりでブロッケイドが下がる!そしてその後ろには…」
千早「ま、マキバオーが!」
千早「よ、良かった…」ほっ
春香「あれ、知らない間に千早ちゃんも好きな馬が出来てたんだ?」
千早「そういう訳では無いのだけど…なんとなく、ね」
P「にしても危なかったな。運良く移動してて良かったが…」
響「…今のは運じゃ無いと思うぞ。マキバオーは見切ったのさ。トゥカッターが動いた後の流れを」
伊織「よく分かるわねんな事…」
オオオオオオオ ワーワー!! ワーワー!!
高木「いくのだあああああっ!!!!!」
黒井「うおおおおおおおっ!くううううううろおおおおおっ!!黒い旋風を見せてやれカスケードぉぉぉっ!」
石川「オラオラオラーーー!チンタラ走ってんじゃないわよーっ!」
実況「物凄い歓声だ!」
P「たしかに、凄い歓声だな」
伊織「…何となくこの業界の末路が心配的な胸騒ぎがしてるんだけど、何なのかしら…」
伊織「ワクチンも罠を張ってる様子は無いし…各々が万全の位置をキープしてるって感じね」
響「誰かが動いた時、その流れを上手く掴む事が大事になりそうだぞ」
春香「このまま最後までいくはずないもんね」
P「だが、状況は誰にとっても悪くない、全員にチャンスがある状況だけに」
P「3コーナーから4コーナーあたりまでは膠着状態で行くかもしれないな」
春香「…もしあえてその状況を崩しに行く馬が現れるとすれば」
やよい「その馬が一番厳しい馬でしょうね」
千早(マキバオー頑張れー)
実況「先頭のペインキラーは更に差を広げ5馬身差。このまま逃げ切りを狙いたいところ」
P「たしかにこの面子にしては随分平凡なタイムだな」
やよい「どの馬も相手の出方を伺っている以上当然ですけど、このままだと…」
伊織「ペインキラーに逃げ切られる事にもなりかねないわね。ワクチンそろそろ行きなさいよ!」
春香「一応オールカマーでトゥーカッターを破った馬だもんね。たしかに楽させるのは良く無いかも」
P「とはいえ先に仕掛けると後に控えるカスケードが怖い。難しい所だが…な!?」
ブオッ!
カスケード「…………」ドドドドドッ
実況「な…何と…カスケードだあ!!!」
実況「黒い馬体が外から上がって来ます!」
ウオオオオオーーーッ!
実況「スタンドからは大きなどよめき」
高木「ま、まさかここでカスケードが上がって来るとは…」
黒井「ハハハハッ!そうだ行けぇカスケード!その圧倒的な力で蹴散らしてしまぇっ!!!」
やよい父「ペインキラー気をつけろよ!!俺はお前に娘の給料預けてんだからな!!」
響「一人の馬が上がっただけだぞ?どうしてこんなに…」
P「…それだけカスケードが存在感のある馬だって事だよ。実際俺も驚きだ、カスケードがこんなに早く仕掛けるなんて…」
P「半蔵の事だから何か考えがあるのかもしれないが」
千早「…たしかに、驚いたわね」
春香(千早ちゃん?)
管助「…よし。僕らも行こう」
マキバオー「んあっ」ダッ!
春香「!マキバオーも合わせる様に、外に出して上がって行きましたね」
P「…明らかにまだ早い、とは思うが。カスケードが出た以上…」
響「そんなに一人の馬に振り回されて良いのか?」
伊織「そうよね。自分のペースを守った方が…」
実況「後方13番手から7番手まで差を縮めます!」
トゥカッター「四歳馬は奇策に出るヤツが多い様だな。だが…それに引っ掛かるのもまた同じ四歳場…好きにしな」
春香「トゥーカッターは付き合いませんね」
P「古馬だからな。カスケードの事を特別意識もして無いんだろう。だが…」
実況「まだ上がって行く!アマゴワクチンもかわしてまだ上がって行く!!」
ワクチン「3コーナーあたりからの勝負になると思っていたが…とんでも無いレースになりそうだぜ!!」ドドドドッ!
伊織「ワクチンも上がったわ!」
P「そうなるよな。このレース、予想が付かねえ…!」
実況「4歳3強と呼ばれる馬達がつられる様にして先頭集団に襲いかかります!」
やよい「…先頭のペインキラー、それを追うカスケードら四歳勢、そしてトゥーカッターを含む後方集団の3つに分かれましたね」ギラリ
響(や、やよいが勝負師の顔をしてる…)
P「いや、もう2番手集団はペインキラーを捉えるぞ」
春香「静かなレースが突然動きだしましたね」ごくり
ペインキラー「何だってんだ!」
実況「遂にその激流はペインキラーまでも飲み込んだ!」
ペインキラー「お前ら頭へんなんじゃねえのか!?まともじゃねえ!!」
ニトロ「気付くのが遅過ぎたな。とっとと下がって泣いてな」
P「ペインキラーが落ちたか…」
伊織「何かどこかから悲鳴が聞こえた様な気がしたんだけど…」
響「カスケードっていう馬はただの15頭の中の1頭じゃなくて、特別な…」
P「あぁ、特に4歳のライバル達にとっては、全員の越えるべき目標だからな」
P「お前達で言う所の……ジュ…新か…まぁいいや」
千早「…マキバオーがこだわる訳ね」
やよい「1600メートルが…1分33秒!速過ぎますね…本当にとんでも無いレースになってますよ」
伊織「14番ビックモスキートと4番ドラゴも後退…これで」
実況「つ…遂に3コーナー手前で先頭は」
実況「4歳3…いや4歳4強の争いになりました!!」
P「4歳3強にニトロも付いていってるからな」
響「プロデューサー、なんでニトロも他の3人に負けない位実績あるのに、3強なんて呼ばれてたんだ?」
P「さぁ…何かかませっぽいからじゃないか。キャラが。後外国産だし」
響「…自分、ニトロを応援する事にするぞ」
春香「じゃあ私はトゥカッターさん応援するね。頑張れー将軍ー!」
P(閣下と将軍ってどっちが偉いんだろう)
ペインキラー「バカ言ってんじゃねえよ。あのままいける訳ねえじゃねえか」
トゥーカッター「そうでもなさそうだぜ…」 ブオッ!!
ペイン「!?」
春香「きたぁーーーっ!トゥカッターですよ!トゥカッター!」
実況「さあ来たぞ!来た来た!!遂に『将軍』トゥカッターが討伐にやって来た!!」
響「レースはもう完全に5頭に絞られたな」
春香「カスケード、マキバオー、アマゴワクチン、ニトロニクスそしてトゥーカッターだね!」
千早「春香トゥカッターって言いたいだけじゃないの?」
伊織「後ろはもう見えない。遥か後方ね」
やよい「うっうー物凄いレースです」ニヤッ
ドドドドドドドドッ!
カスケード「…………」
半蔵「くっ!」ガクッ
本多社長「半蔵ーーー〜〜〜!!」
カスケード「ぐぅっ………」ガクッ
マキバオー「んあ!?」
P「な!?」
黒井「カスケード!?」
ウワアアアアアアー!
実況「故障発生か!?」
マキバオー「んあっ!!」
やよい「…いや大丈夫、少し下げただけ。競走中止は無さそうです」
P「そ、そうだな…。少し前が詰まってたから後退したのか?」
響「いや…そういう訳でも無さそうだぞ」
P「響?」
響「あの苦しそうな顔はただごとじゃない。パドックで見た時から気になってたんだ」
響「間違い無い。カスケードは…故障してる!!」
P「なにぃっ!?」
千早「!!!」
実況「やはり早仕掛けがここに来てこたえたか!!」
半蔵「こんなレース耐えられんな…やはりあの時やめさせるべきだった。…無敗のうちに」
カスケード「ふざけるな…無敗で止めてそれが何だって言うんだ…」
カスケード「オレが残したいのはそんな記録じゃねえ」
P「ど、どういう事だ!カスケードは怪我してるのにレースに出たっていうのか!」
響「く、詳しい事は分からないけど、そういう事だと思うぞ…。あの様子、本人に兆候が無かったハズないのに…」
P「バカな…そんな状態で走ったら、命にかかわるぞ…!」
P「馬は脚を一本折っただけで、文字通り致命傷なんだよ。そうなったら大体の場合は安楽死を選ぶ事になる…予後不良って聞いた事無いか?」
P「カスケード程の馬。種牡馬価値も考えればその損失は莫大だぞ。本多リッチファームは何考えてんだ…」
実況「さあ第4コーナー。先頭争いはニトロ ワクチン トゥカッター」
実況「ミドリマキバオーはダッシュがつかないのか少し遅れました」
千早「くっ……」ヨロッ
春香「ど、どうしたの千早ちゃん!?胸を抑えて…」
千早「マキバオーを見ていたら…どうしてかは分からないけど、伝わって来るの。あの子の気持ちが……」
管助「後ろを見るな!!前を見ろ!!」
マキバオー「で…でもカ…カ…カスケードが…」
管助「…あいつは…体を悪くしてるんだ…も…もう引退なんだよ!!」
マキバオー「!!!」
P「マキバオーがまた失速した!」
伊織「どうしてマキバオーまで…」
千早「あの子は…これまでに二度、大事な人との別れを経験してる」
千早「そしてその一つは…永遠の別れ。その時にあの子の心は深く傷ついた」
千早「だからあの子は恐れてるのよ…ここでまた大事な人を亡くしてしまう事を」じわっ
春香「ち、千早ちゃん…」
マキバオー「来年でも…再来年でもいい。レースのグレードだってどうでもいい」
管助「いいかげんにしろ!!たれ蔵くん!!」
マキバオー「ぼくはもう…もういやだ…あんな想いをするのは…もういやなのねーーー!!」
カスケード「ミドリマキバオー」
マキバオー「んあ!」
カスケード「俺はきさまをかいかぶっていたようだ…きさまは最低の競走馬だ…」
実況「さあ最後の直線!!!」
半蔵「!!!」
カスケード「―――っ!」 ドッ!!!!!
P「なっ!?」
響「あ、あの脚で……!?」
伊織「し、信じられない…何なのあの馬!?」
実況「やはり来た!カスケードが外から一気!!」
実況「ミドリマキバオーは伸びない!!残り300メートル4頭の大激戦だ!!」
実況「今年最後も黒い疾風が吹き抜ける!!」
ワクチン「!!」
ニトロ「速い!!」
伊織「アマゴワクチンを…」
響「ニトロニクスを…」
春香「そしてトゥーカッターをも…一瞬で抜き去った!」
P「カスケード……」
千早「プロデューサー。さっき何故そんな脚でレースに出たのかって言ってましたよね」
千早「きっとカスケードにとってはあるんですよこのターフに…命を懸ける意味が」
ワクチン「オレが一年間追い続けてきたのは、お前だあ!!!!」ドドドドドッ!
ニトロ「うおおおおおっ!」ドドドドドッ!
実況「しかしそう簡単には行かせない!!アマゴワクチンがいる!!ニトロニクスがいる!!」
伊織「そうよ!カスケードの居ない秋のクラシックを盛り上げたのはワクチンなんだから!」
響「外国馬から日本競馬を守ったのはニトロだ!黙っちゃいないぞ!」
実況「更に…トゥカッターだ!トゥカッターがその二人の間を突く」
春香「4歳最強世代が何だ!やっちゃえトゥカッター!」
やよい「あぁ…どんどん離されていっちゃってます。後続馬にまで追いつかれて…」
P「さすがにもうマキバオーは無理…か?」
やよい「…普通に考えたら厳しいでしょうね。でも…」
千早「そう、マキバオーは奇跡の馬。これ位の逆境は勝負根性で何度も跳ね返して来た」
春香「千早ちゃん?」
千早「今あの子は悩んでいるのよ。何でこんな事に命を懸けなきゃいけないんだって」
千早「そんな相手に勝とうだなんて思えない」
千早「確かにそれが普通の、一般的な考え。でも…あの世界はそうじゃないのよ」
管助「たれ蔵…カスケードの言った通り。お前は最低だ」
マキバオー「……んあ!?」
千早「あの子は知らなければならない。ライバルの想いをそれがどんなに辛く、重い事でも」
千早「カスケードが命を賭してこのレースに参加した理由を…!」
千早(それを『夢』で終わらせては駄目。カスケードはその役目を渡しに来た)
千早(それを受け取らなくちゃいけないのは、ワクチンでもニトロでもトゥーカッターでも無い!)
千早(あなたが受け取らなくちゃいけないのよ!ミドリマキバオー!)
管助「これ以上あいつの顔を苦痛でゆがめさせるな!!」
管助「お前はあいつに唯一引き分けた馬なんだ!!ケリをつけるのはお前の役目だ!!」
千早「行けーーーーっ!!!マキバオー!!!」
マキバオー「…ん……んん」
マキバオー「んあーーーーーーーーーーーっ!!!!」ドッ!!!!!
千早「んあーーーーーーーーーーっ!!!!」
千早「いやあああああああ!!!んあああああああ!!」
春香「千早ちゃんどうしたの!?大丈夫!?」
やよい「マスタングスペシャルです!一気に追いつきました!」
響「凄い…あの小さな体で何て切れ味だ」
伊織「伊達にダービー馬じゃ無いって事ね。にひひっ面白いじゃない」
P「頑張れカスケード!!頑張れマキバオーッ!!」
トゥカッター(完全に脱落したってのに…どこにそんな力があるんだ…)
ニトロ「来ると思ってたぜ…マキバオー!」
実況「あっという間に3頭に並んだ!!これが奇跡のダービー馬!!カスケードの宿敵!!」
実況「ミドリマキバオーーーだ!!」
千早「んあーーー!!!」
春香「だから大丈夫なの千早ちゃん!意識ある!?」
伊織「カスケードの前にまずそいつからよ!やっちゃいなさいワクチン!」
響「負けるなニトローッ!」
やよい「トゥカッターも頑張れーっ!」
春香「なんで皆は流してるの!?私がおかしいの!?」
実況「カスケードに挑むのはどの馬だ!!」
P「残るは…200メートル」
やよい「中山の坂ですね。心臓破りの坂…!」
伊織「もうどの馬も限界ギリギリだってのにキッツイのが残ってるわねぇ…!」
P「!カスケードが内に寄れた!」
響「…ぐすっ…涙が出てくるぞ。あの体で…後ろの4頭に並ばせないなんて!」
P「これが…カスケードの帝王たる所以なのかもな。王者としての何よりも高い誇りを持っているから」
P「ニトロもワクチンもマキバオーも、あぁやって必死に追っている。追わせているんだ」
やよい「王者との対戦機会に恵まれず、折角勝っても次点扱いをされ続けた馬です」
やよい「それだけに卑怯者呼ばわりされてまで、万全に仕上げて来た、この有馬記念(王者との対戦機会)」
やよい「劣等感を払拭せんと懸ける想いは、決して他の馬に劣ってません!」
春香(あぁっ!私が言おうと思ってたのに!)
実況「まだ横一線!!まだ挑戦者は決まらない!!4頭並んだまま一歩も引かない!!一歩も譲らない!!」
実況「天才滝川のムチが唸る!山中が気迫で追う!ベテラン後藤ももの凄い形相!山本も必死で押している!」
実況「4人と一頭が目指すは…服部政人とカスケード!!!」
春香「千早ちゃん意識が戻って…無いねコレは!」
マキバオー「ぼくはこれまで…何度も何度もカスケードと走って来たんだ」
マキバオー「だからカスケードが…走れない体なのだったら…」
マキバオー「ボクが…絶対負けずに走り続けて…カスケードの強さをみんなに教えてやるのね」
P「…そうだ、千早。それもお前の役目だ。そこまで分かって、こんな所でグズグズしてるのか?」
春香「Pさん何言ってるんですか!?それは完全に悪ノリですよね!」
P「こんな坂…お前が今迄歩んできた道に比べれば何でもないだろ!」
春香「いや言ってる相手が千早ちゃんだけに何かそれっぽいですけど!千早ちゃん今アレな目して叫んでるだけですからね!?」
管助「登れ〜〜〜〜っ!!たれ蔵っ!!」バッ!!
実況「山本管助が立ち上がった!キツツキ戦法からマキバオーを引っ張り上げる様な体勢」
実況「もの凄い気迫だ!!マキバオーと共に自らも坂をかけ上がる!!」
P「千早!!!」
千早「いやあああやああああんああああああ!!!」
春香「もうこっち見とけばマキバオー見なくていいから便利ですね!」
実況「ミドリマキバオーが抜けた!!!」
実況「『白い奇跡』ミドリマキバオーだーーー!!!」
ワアアアアアアアアアーーーーッ!!
高木「いくのだマキバオー君っ!!!我が事務所の未来は君に預けてるのだよ!!!」
黒井「くうううううううろおおおおおおっ!漆黒の帝王を舐めるな!カスケードに勝てる馬など存在しないっ!!!」
やよい父「諦めるなペインキラアアアアッ!」
ベア「ワシより弱いおのれが勝てば…実質的な日本一はこのワシって事になる」ふふふ
オオオオオオオオーッ!ピヨッ
実況「スタンドは総立ち!!誰もこの一騎打ちに文句は無い!!」
実況「世紀の一戦だ!皐月賞ダービー」
実況「そしてこれが今年3度目の激突!!この世紀の一戦を目に焼き付けろ!!」
実況「『漆黒の帝王』カスケードと『白い奇跡』ミドリマキバオー!!!」
カスケード「…おせえんだよ…」
マキバオー「カ…カスケード。ぼ…僕は今日こそ」
千早「お前を超える!!」
響「残り100メートル…い、いよいよだな」ドキドキ
伊織「ふん、ワクチンを倒すなんてやるじゃない。どうせなら王者も越えちゃいなさい」
やよい「…言っても仕方が無い事ですけど、どっちも勝たせてあげたいですね」
P「違うな、やよい。このレースは勝つべき者は決まっている」
やよい「!…そう、かもです」
P(後はそれを…どんな形で示すか)
実況「さぁ並んだ並んだ内にカスケード外にマキバオー!!」
実況「マキバオーだマキバオーだ!!」
実況「カスケードが苦しい!!カスケードが苦しい!!」
実況「ミドリマキバオーだ!!」
千早(2歳で初めて会った時からーー)
千早(朝日杯3歳ステークス、皐月賞、そして日本ダービー)
千早(何度も何度もカスケードに挑んできたんだ…そしてその度に泣いて来た…)
マキバオー「お前は世界最強の競走馬なんだ!!誰にも負けちゃいけない馬なんだ!!」ドドドドッ!
カスケード「そうさ!だからまだ貴様にも負けるわけにはいかねえんだよ!!!」ドドドドドッ!
ウオオオオオオオッ!
高木「ま、まだ伸びるのか…」
黒井「フハハハハハッ!これがカスケードの恐ろしい所だ!!いけええええっ!!!」
実況「漆黒の帝王と白い奇跡!!さぁどっちだ!!どっちだ!!!」
P「今日こそ完全決着!白黒はっきり付ける時だろ!」
千早「んあ〜〜〜っ!!!今日は僕が絶対勝つ!!!」
千早「お前のその体ではもうこれ以上走り続けるのは無理だ!!」
千早「今日を限りに引退するんだ!!安心して引退しろ!!」
春香「頑張れマキバオー!」(千早の方を向いて)
―――伝説は僕が引き継ぐんだ………
マキバオー「あのカスケードのライバルはこんなにも凄い奴なのかって」
マキバオー「そう世界中の競馬ファンに見せてやるんだ!!!」ドドドドドドッ!!!
カスケード「……………」フッ
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!
実況「ミドリマキバオーだー!!!!!」
オオオオオオオオッ! バカナアアアア! イクノダアアアアッ! ペインキラアアアッ!
P「…決まったな」
やよい「そうですね。またマスタングきつつき戦法に戻して、2馬身、マキバオー計算で3馬身…」
響「まだ50メートルあるのに、どんどん差が開いてるぞ」
伊織「独走態勢って奴ね。…大したもんだわ」
実況「4度目の挑戦でミドリマキバオーがついに!ついに宿敵カスケードを超えた!!」
千早「…何を、言ってるのよ」ヨロッ
春香「千早ちゃん!?やっと意識が戻ったんだね!」
実況「カスケード時代の終焉か!!カスケードの時代が終わろうとしている!!」
実況「黒い伝説もここまでか!!」
P「カスケード…」
響「…凄い馬だったな」
千早「だから…何を言ってるのよ!」
千早「朝日杯を…皐月賞を…ダービーを見て無かったの!?もう忘れたの!?」
春香(…千早ちゃんも見てないでしょ。って言ったら駄目なんだろうなぁ…言いたいけど)うずうず
千早「カスケードはこんなに簡単に独走を許したりしないわ!!」
千早「見えないの!?感じないの!?」
千早「伝説はここにある!!黒い風は吹いてる!!」
千早「んああああああ!!!」
P「……幻影、か?マキバオーの前を走るカスケードの姿が見えるのは…」ごしごし
やよい「どうでしょう…それ、私にも見えてますから…」
うわあああああああっ!!! オオオオオオオッ!!!
実況「完全にミドリマキバオーだ!!文句無し!これは強い!!」
実況「まだ伸びる!!!まだ突き放す!!これは圧勝だ!!!」
P「何を言ってるのか…」
響「大接戦だぞ…残り10メートル無いっ!」
伊織「かわせる…!?」
千早「まだよ…まだあの子の前にはカスケードが居る。それを越えなければ勝った事にはならないわ!」
マキバオー「さあ決着を付けようぜカスケード!!!」
マキバオー「んあああああっ!!!」
マキバオー「カスケーーーーードーーーー!!」
千早「これで…終わり。これで…」
マキバオー「終わりだああああ!!!!!」
ドンッ!!!
実況「ミドリマキバオー今1着でゴーーーーール!!!!!!」
実況「第41回グランプリ制したのはミドリマキバオーーーー!!!!!」
千早「…おめでとう、マキバオー」ポロポロ
高木「だがとりあえずは私には関係無い事だ。残念だったな黒井。1000万がフイになって」
黒井「フン……カスケードの最後の…最高のレースを見せて貰ったのだ」
黒井「その程度、見物料としては安過ぎる」クルッスタスタスタ
高木「…やれやれ、カッコつけおって」
やよい父「…俺もまた、やり直してみるかな。あの2頭の様に命懸けで取り組めば…」
やよい父「出来ない事なんて、そうは無い」
千早「…決して圧勝では無かったですけどね」
P「まぁな。本当に良い…熱いレースだったよ。文句なしでマキバオーが日本一だ」
響「あ、マキバオーの騎手がガッツポーズして落馬したぞ!」
伊織「…そして号泣してるわね」
P「全く、あいつは泣き虫だな…」
伊織「アンタも目、潤んでんじゃないの」
やよい「伊織ちゃんもだよ?」
伊織「う、うっるさいわねぇ///!」
P「ハズレだよ。カスケード-マキバオーの連単に20万つぎ込んでたからな」
春香「あちゃーやっちゃいましたね」
P「ま、悔いは無えよ。こんなに熱い勝負を見させて貰ったんだからさ」
P「見物料としては妥当なトコだろ」
春香「おぉっ何かカッコ良い台詞ですね!…何か同時に台無し感も感じるのが気になる所ですけど」
P「あん?」
響「手堅いなぁやよいは。今度の時に参考にさせて貰うぞ」
春香「そうえば千早ちゃんも1000円だけ買ってたよね。どうだったの?」
千早「マキバオーの単勝?だから、8倍になるのかしら」
やよい「うわー凄いです千早さんっ初馬券で単勝をズバリ当てるなんて!」
春香「ねぇねぇ千早ちゃん。そのお金で美味しい物食べに行こうよ〜」すりすり
千早「駄目よ。これはあの子が頑張った事で得たお金だもの」
千早「そんな事には使えない…というか、換金するつもりも無いのよ。記念に持っておくわ」
やよい「えーっ!勿体無いですよ千早さんっ」
P「…ま、良いんじゃないか。そういうのも」
千早「ふふふっ宝物にしようと思います」
P「よ〜しじゃあすっからかんになったし、引き上げるぞ。伊織様、タクシー代貸して下さい」
伊織「そん位残しときなさいよ!はぁ、仕方ないわねぇ」
春香「千早ちゃん、帰るよ〜」
千早「待って、もう少しだけマキバオーのウイニングランを…!」
マキバオー「…………」じっ
管助「どうしたんだい?たれ蔵君」
千早「んあー」
マキバオー「んあー」
千早(今日は貴方にとても大きな力を分けて貰えた様な気がするわ)
千早(ありがとう、マキバオー)
千早(私もいつか、貴方に負けない位観客を沸かせる事の出来るアイドルに、なってみせるわね!)
千早「今行くわ、春香」タッタッタ
ベア「…よくここまで来たな…次は…いよいよ俺の番だ!」
マキバオー「……………」
ベア「……………」
ベア「痛い痛いちょっとっ!!何でやねん!!」(つまみ出されながら)
千早「行けー!マキバオー!」END
このSSは昨今の安易に千早にんあーんあー言わせる風潮への警鐘であったり
最高に熱い少年漫画であるマキバオー布教活動であったり
たいようのマキバオー早くアニメ化しろよ活動の一環であったり(ファムちゃんの声は誰が良いか談義含む)
という事は無く、昨日読み返してる時に思いついたノリで、書いてみようと思いました。
全部行きあたりばったりでやってたので、おかしな所は山ほどあると思いますが
少しでもマキバオーの魅力を伝えられたのなら嬉しいです。
面白かったぜぃ
久しぶりに読みたくなった
Entry ⇒ 2012.05.30 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
結衣「手乗りアッカリーン……?」
結衣「んー、今日は日曜日だからもうちょっと寝る……」パッ
結衣「……ふふ、二度寝最高」
結衣「すぅ……」zzz
<ユイチャン アサダヨ〜
結衣「んー、頭の上に乗らないのあかり……」
<ダッテ オキテクレナインダモン!
結衣「あ、頭の上に乗る!?」ガバッ
結衣「おはよう、あかり……」
結衣「あのさ、いろいろ言いたいことはあるんだけどね」
ミニあかり「キャッキャ♪」
結衣「とりあえず私の頭の上から降りてくれるかな……」
ミニあかり「エー……」
結衣「エーじゃないの、落ちたら危ないでしょ」スッ
ミニあかり「エヘヘ アカリダヨ!」
結衣「まさに手乗りあっかりーんって感じかな……」
ミニあかり「アッカリーン アッカリーン!」
結衣「ふふ、ほっぺたふにふにだね……」ツンツン
ミニあかり「ンムムムム……」
ミニあかり「アマリ ツンツンシチャ ダメダヨォ〜」
ミニあかり「ソ、ソンナコト……ナイモン……」
結衣「今日くらいはワガママ言わせてよ、ね?」
結衣「あぁ、ほんと可愛い……」ツンツン
ミニあかり「ムムム、アカリ オコッチャウカラ!」
結衣「ふふ、その小さい体で何ができるのかな」
ミニあかり「ハムハム……カジカジ……」
結衣「うわ、指先甘噛みされてる……」キュン
ミニあかり「ヒッ!……ユイチャン オコッテル?」
結衣「あぁ、ゴメンね大きい声出して……」
結衣「あかりが可愛すぎてちょっと熱くなっちゃった」
ミニあかり「……エヘヘ」
ミニあかり「ユイチャン モ カワイイヨ!」ヨジヨジ
結衣「ふふ、私の体によじ登るのが好きみたいだね」
ミニあかり「ウン!」
10センチぐらい?
結衣「ゴメンね、やっぱり頭の上はダメだよ」スッ
ミニあかり「ソンナ〜……」
結衣「ここならどうかな、胸ポケットだけど」ススッ
ミニあかり「アッ、ココ アカリ ダイスキ !」
結衣「あかりが落ちて怪我でもしたら大変だもんね」
ミニあかり「ウン……ユイチャン ワガママ イッテ ゴメンネ」
結衣「ううん、分かってもらえて良かった」ニコッ
ミニあかり「ア……ゴ、ゴメンネ……」
結衣「いやいいんだ、それより居心地はどうかな」
ミニあかり「ンー、マァマァ カナ〜」
結衣「ふふ、顔はニコニコして満足って感じだけどね」ツンツン
ミニあかり「エヘヘ、トッテモ イイ キブン ダヨ !」
結衣「そっかそっか、それは良かった」
結衣「ふふ……」
結衣「どうしてそんな小さくなったとか、いろいろ聞きたいけど」
結衣「きっと夢でも見てるんだろうな……」
ミニあかり「ン、ドウシタノ ユイチャン ?」
結衣「ううん、なんでもないよ」フニフニ
ミニあかり「ンー……ユイチャン サワリスギ ダヨォ」
結衣「ん、だって本当に可愛いんだもん」
ミニあかり「ア、アリガト……」
結衣「うん?何か言ったかな、聞こえないよ」
ミニあかり「ナ、ナ、ナンデモナイヨ!」
結衣「何かあったら言ってね、その体じゃ不便だろうし」
結衣「ふふ、今日は遊びに来てくれてありがと」ツンツン
ミニあかり「エヘヘ……」
結衣「大切なお客様だからしっかりおもてなししないとね」
ミニあかり「ウウン オカマイナク !」
結衣「ふふ、小さくてもお腹の虫はいるみたいだね」
ミニあかり「ウゥゥ、ハズカシイ ヨォ……」
結衣「うーん、そのサイズに合った料理はちょっと難しいかな」
結衣「かといって何もあげないワケにはいかないし……」
結衣「……あ、そうだ買い置きのビスケットがあるんだ」
ミニあかり「ビ、ビスケット!」
結衣「うん、それなら細かく砕けて食べやすいだろうし」
ミニあかり「ワーイ ワーイ !」
ミニあかり「ア、エット……」
結衣「あれ、お腹空いてるんだよね?」
ミニあかり「ココダト ユイチャン ノ オヨウフク ヨゴレチャウ カラ」
結衣「そっか……」
結衣「あかりは本当にいい子だね、テーブルの上で食べようか」スッ
ミニあかり「ヨット !」
結衣「ふふ、上手上手」
結衣「あかり、あまりがっついたらノドに詰まるよ」
ミニあかり「エヘヘ、ハーイ !」
ミニあかり「ハムッ、アムアム……」
結衣「さてと、本当にどうしたもんかな」
結衣「このまま手乗りアッカリーンを飼うワケにもいかないし」
結衣「というかそもそも手乗りアッカリーンってなに……?」
ミニあかり「アカリ ハ アカリダヨ !」ニコッ
結衣「……そりゃそうだよね、可愛いなぁ」
ミニあかり「フフフ ユイチャン モ オナカ ナッタネ !」
結衣「……うるさい」ツンツン
ミニあかり「キャー クスグッタイヨォ ♪」
結衣「ふふ……そっか、もうお昼になっちゃたんだ」
結衣「オムライスでも作ろうかな、卵余ってるし」
結衣「あかりはここで大人しく待っててね、危ないから」
ミニあかり「エー、ムネポケット ハ ダメナノ ?」
結衣「うーん……」
ミニあかり「ウンウン」
結衣「あかりが間違ってフライパンに落っこちる可能性もあるんだ」
ミニあかり「ヒィィィィ……!」
ミニあかり「ウッ、イヤ、イヤダヨォ……」グスッ
結衣「うん、だからテーブルで大人しく待っててほしいんだ」
結衣「すぐ終わってくるからね、約束だから」フニフニ
ミニあかり「ウンッ、エヘヘ……」
結衣「にしても、夢みたいなこともあるもんだな」
結衣「よっと……」
結衣「早く作ってあかりのところに行かなきゃね」
結衣「……よしっ、出来た」
ミニあかり「キャァァァァァァァァァァァァ……!!」
結衣「えっ!?」
結衣「ティッシュペーパーにくるまって何がしたいんだ、あかりは」
結衣「まったくもう、体小さいんだから気を付けなきゃダメでしょ……」スッ
ミニあかり「プハッ、コ、コワカッタ ヨォ……」
ミニあかり「ダ、ダ、ダッテ イキ モ ウマク スエナクテ……」グスッ
結衣「あぁ、大丈夫だよ、もうずっと側にいてあげるから」
ミニあかり「ウッ、ユイチャン……」
結衣「……怖かったよね、周りが全部大きくなっちゃうんだもん」
結衣「本当にゴメンな、泣くほど怖い思いさせちゃって」
結衣「でももう大丈夫だよ、ずーっとあかりの側にいるから」
結衣「……」ナデナデ
ミニあかり「ン、エヘヘ、ナラ ユルシテ アゲル !」
結衣「ふふ、さっきまで泣いてたくせに」
ミニあかり「ムム ナイテナンカ ナイヨォ……」
結衣「一件落着かな、それじゃいただきます」
結衣「最近毎日食べてる気がする……あむっ……」
ミニあかり「デモ ユイチャン ノ オムライス ハ オイシイヨ !」
結衣「そうなのかなぁ、この間みんなに食べさせたとき」
結衣「ふふ、結構好評だったもんね」
ミニあかり「ソウダヨォ モット ジシン モッテ !!」
結衣「……」ツンツン
ミニあかり「ヤーン クスグッタイ 」
結衣「ふふ……」
ミニあかり「エヘヘ アカリ ハ アカリ ダモン !!」
結衣「うん、そうだね……」
ミニあかり「アムアム……、エヘヘ ビスケット オイシー♪」
結衣「あかり、今日は来てくれて本当にありがとう」
結衣「ちょっとホームシック気味だったんだ、正直」
ミニあかり「ソウナンダァ……」
ミニあかり「ソレナラ アカリ ガ ズーット ソバニ イルネ 」ニコッ
結衣「ふふ、ちゃんとお家にも帰らないとダメだよ」
結衣「ビスケット一枚でお腹いっぱいなんだ、ふふ」
結衣「これなら食費は安く収まりそうだね」
ミニあかり「デモ マイニチ ビスケット ハ チョット……」
結衣「うん、もちろんそこはしっかり考えておくよ」
結衣「あまり手の込んだことはできないけどね」
ミニあかり「ユイチャン キタイ シテルヨ !」
結衣「こらこら、プレッシャーかけるのはやめてよ」ツンツン
ミニあかり「エヘヘ……」
お姉ちゃん的な意味でかなりデンジャラス
結衣「んー、なぁにあかり」ツンツン
ミニあかり「エヘヘ、モー クスグッタイ カラ ダメダヨォ」
ミニあかり「フダン カラ モット アカリ ニモ カマッテ ホシイナ……」
ミニあかり「ア、ヤッパリ ナンデモナイ !!」
結衣「ふふ、そっか」
結衣「確かにあかりとは接点あまりなかったもんね」
結衣「正直に言ってくれてありがと、約束だからな」
ミニあかり「エヘヘ ヤクソク ダヨ !」
ミニあかり「ユイチャン ネムイノ ?」
結衣「んー、ちょっと早めに起きちゃったからね」
結衣「でもあかりがいるから、お昼寝なんかしないよ」
結衣「絶対に、寝ない……」
ミニあかり「ダメダヨ ガマン ハ ヨクナイ カラ 」ニコッ
結衣「……そっか、それじゃお言葉に甘えて」
結衣「どこにも行かないでね、側にいてよ」
ミニあかり「……」
結衣「あかりが隣にいると安心する、もう眠くなってきた」ニコッ
結衣「ん……」
ミニあかり「ユイチャン ヤクソク ダヨ」
ミニあかり「アカリ トモ モット アソンデネ !!」
結衣「うん、約束だよ、絶対だからな……」
ミニあかり「フフ アリガト !」
ミニあかり「……ソレジャ、アカリ ハ モウ イクネ」
結衣「えっ……」
ミニあかり「ゴメンネ デモ ショウガナイヨ……」
ミニあかり「キョウハ タノシカッタヨォ」
ミニあかり「マタ ドコカ デ アエルヨネ !」
結衣「あ、あれ、体が動かない……」グスッ
ミニあかり「ユイチャン ナカナイデ……」
結衣「あかり、やだ、行かないで、お願いだから」
ミニあかり「バイバイ ユイチャン 」ニコッ
結衣「あ、あかり……ひっく、やだ、よ……」ポロポロ
・・・
・・
・
あかり「ちょ、ちょっと結衣ちゃん……」モジモジ
京子「あはは、結衣のやつどんな夢見てるんだろう」
ちなつ「むー、さっきからあかりちゃんことばかり呼んでます」
京子「くふふ、寂しいなら私の胸においで!」ガバッ
ちなつ「って、自分から飛び込んでるじゃないですか!」
結衣「いやだよ、ずっと側にいてよ、あかり……」
あかり「……ぇへへ、よく分からないけどなんか嬉しいかも」ナデナデ
結衣「ん……」
あかり「ふふふ、おはよう結衣ちゃん、ぐっすりだったね」
あかり「どんな夢を見てたのかなぁ、あかりの名前を呼んでたけど……」
結衣「夢……?」
あかり「結衣ちゃん、寝ぐせ付いちゃってるよぉ」クシクシ
結衣「ん……」
あかり「なんか嬉しかった、夢の中であかりと遊んでたのかな」ニコニコ
結衣「あかり、ちょっとゴメンな」ギュッ
あかり「ひょ、ひょえっ!?」
結衣「ちょっと不思議な夢を見てたんだ……」
結衣「あかりが手乗りサイズになって私のお家に来る夢」
あかり「ぷっ、あはははは、なにそれ〜」
結衣「ふふ、だよね笑っちゃうよな」ギュッ
あかり「んー、寝ても覚めてもあかりのことばかり考えてるね……」
あかり「なんちゃって」ニコッ
結衣「……ふふ」
結衣「結衣ちゃん、さよなら……って」ギュッ
あかり「そうなんだ……」
結衣「もうあかりに会えないかなって、そう思ったら……」
結衣「……ほんとに辛かった、涙が出るくらいに」グスッ
結衣「ゴメンな、急にハグなんかしたりして」
あかり「ううん……ずっと側にいるよ、あかりは」
あかり「結衣ちゃんのすぐ隣にいるからね、だから安心して」ナデナデ
結衣「……ありがと、あかり」
あかり「違うよぉ、結衣ちゃんからくっ付いてきたんだもん」ギュッ
結衣「えー、そうだっけ」
あかり「ぇへへ、あかりも結衣ちゃんの隣にいるの好きだよ」
結衣「……そ、そっか」
あかり「あ、照れてるね結衣ちゃん!」
結衣「むむ、あかりが私をからかうなんて100年早い」
あかり「ふふ、それじゃ100年後もずっと一緒にいなきゃね」ニコッ
結衣「……いちいち可愛いこと言うなあかりは」
あかり「ふふ、今日は楽しかったなぁ」
あかり「結衣ちゃんってば、タガが外れたように甘えるんだもん」
あかり「ぇへへ、甘えん坊な結衣ちゃんも可愛いかったけど……」
あかり「ふぁ〜……」
あかり「むにゃ、今日はいい夢を見れそうだよぉ」
あかり「結衣ちゃんの夢とか、ふふ」
あかり「おやすみなさ〜い……」
あかり「んー、あと5分だけお願い……」
ミニ結衣「アカリー チコクシチャウヨ 」
あかり「結衣ちゃん、お布団の上に乗らないでぇ……」
ミニ結衣「オイコラ ! オイコラ !」
あかり「えっ……」
ミニ結衣「オハヨウアカリ ガッコウ イクヨ 」ニコッ
あかり「えええええええええええええええええええええええ!?」
おしまい!
手乗りアッカリーンはどこで売ってますか?
乙
Entry ⇒ 2012.05.30 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
男「幼、そんなに急いでどうしたんだ?」幼「バカ!」
幼「っ!? バカバカっ!」
男「ごめんごめん。わざわざ口に出すことでもなかったな」
男「それよりも、次は移動教室だからな。さっさと済ませちゃえよ」
幼「〜〜〜〜っ//// バカバカバカ!」
男「あちゃ、いつの間にか凄い雨だな」
友「朝は The 快晴! って感じだったのにな」
友「男は傘持ってきてるのか? 俺は部室に置きっぱのやつがあるから大丈夫なんだが」
男「備えあれば憂いなしってね。この手のことで装備品を欠かしたことはないよ」
男「っと、玄関で幼が戸惑ってる。それじゃあな友」
友「おう、またな」
男「おーい、幼」
幼「!」
男「お前、傘持ってきてないのか? 昨日忠告してやっただろ」
幼「ふん!」
男「全く……俺の傘使わせてやるから一緒に帰ろうぜ」
幼「! ……ん////」コクリ
男「こんなこともあろうかと2つ持ってきといてよかった」
幼「……バカ!」
男「なんで貸してあげたのに怒ってるんだよ。その傘が嫌なのか?」
幼「ふん!」プイッ
男「こういう時の幼あよくわからん……」
男「そうだ、雨宿りがてらにそこの喫茶店寄ろうぜ? その傘貸してしまったお詫びに奢るよ」
幼「うむ」コクコク
男「あれ? なんかおかしくない? まぁいいや」
男「幼ってホント甘いもの好きだな。いや、俺もだけどさ」イチゴパフェ モグモグ
幼「ん」チョコパフェ モグモグ
男「……」モグモグ
幼「……」モグモグ
男「……」モグモグ
幼「……」モグモ…チラッ
幼「……」チラッ チラッ
男「もしかして……イチゴパフェ食べたい?」
幼「っ! ////」コクリ
男「他人のものを欲しがる癖はまだ直ってないんだな」
男「ほれ、あ〜ん」
幼「!? あ、あ〜……////」
幼「……」ワナワナ
幼「ふん!」バクバク
男「ちょっ!? なに全部食ってるンすか!?」
幼「バカ!」プイッ
男「理不尽だ……」
幼「ふんふふ〜ん♪」
隣のおばちゃん「あら? 幼ちゃん、おめかしなんかしてお出かけかい? へぇ、男くんと映画館でデートなんてやるじゃないかい」
幼「!?」 ブンブンブン
隣のおばちゃん「嘘ついたってダメだよ。全部顔に書いてあるんだから。頑張っといでよ!」
幼「……ん!」 コクリ
幼「おーい、バカ」
男「人の多いところでバカって呼ぶなよ。もう慣れたけどさ」
男「さて、じゃあ行くか。それにしてもお前から映画に誘うなんて久しぶりだよな。どんな映画なんだ?」
幼「ん……あれ」 ユビサシ
男「恋愛ものかぁ……こういうのはお互い、早く恋人と行くようになりたいもんだよな」
幼「〜〜〜〜っ!! バカバカバカ!」
映画「ナア、ヤラナイカ?」
男(もうすぐクライマックスか……大々的に宣伝してるだけあってなかなか面白いな)
幼「……」
男「……」
映画「yes yes! yes!!」
男(//// なんてシーン流すんだよ。幼馴染と一緒に見るような内容じゃねえよ!)
男「!?」
男「え、ちょ、幼!?」
男(手ぇ掴まれた……なんで? なんでこのタイミングで!?)
幼「……」
男(まさか……もしかしてもしかすると、幼のやつ……)
男(ってそんなわけないか。幼がそんな節操のない娘じゃないってことくらい百も承知……けど、ならこの手はなんだ?)
男(……)
男(……今更思ったんだが、二人きりでお出かけ→恋愛映画→手を繋ぐ。これって俗にいうデートってやつ、なんじゃ……?)
男(まさか幼、そのつもりで今日俺を誘ったのか!?)
男(今までそんな素振り見せたことなかったのに、あいつ……)
男「えっと、変なこと聞くけど、もしかして、その……お前……」
幼「zzz」
男「……」
幼「ムニャ ムニャ」
男「なんで残念そうなんだろう、俺」
映画「アンタ、オトコダヨ」
幼「あふぅぁぁぅ」※アクビ
男「……」
幼「……?」
男「……いや、なんでもない」
男「それより、これからどうするんだ? 幼は寝てたけど映画は見終わっちゃったし。」
男「なんか予定あるのか?」
幼「! あれ!」 ユビサシ
男「ゲーセン? そういや幼と行くのはかなり久しぶりだな」
幼「はやく、行く」 グイグイ
男「おいこら、服を引っ張るなって」
男「さて、何からやるか……幼は得意なゲームとかあるのか?」
幼「ん!」 ユビサシ
男「ジュラシックパークとは……また懐かしいガンシューティングを選んできたな」
幼「〜〜♪」 チャリン
男「これに乗ると変にテンション上がっちゃうよな。うわ、このグラフィック……時代を感じる」 チャリン
男「よし、じゃあいくぞ〜」 チャキッ
幼「ん!」 カチャッ
男「スタート!」
幼「ん〜〜♪」 ノビ
男「1000円も使ってしまった……照準右上にズレすぎだろ、あのガンコン」
男「で、幼は100円でクリア、と」
幼「ん!」 エッヘン
男「意外な特技だ……」
幼「次、あれ!」 ユビサシ
男「お? どれだ? …………ば、バーチャ、ロン!?」
幼「ん!」 ニッコリ
男「疲れた……暗くなってきたし、今日はここらでお開きにするか」
幼「! う、ん……」 シュン
男「……」
幼「……」 シュン
男「また行こうな? 映画にもゲーセンにも」
幼「! ……ん!」 パアアッ
幼「//// ふん!」
男「全く、素直じゃないなぁ。眠かったんなら最初からそう言えばよかったのに」
男「せっかく二人で行くんだから、二人一緒に楽しまないと損だろ?」
幼「……ん」
男「わかったのならよろしい」
幼「ん」
幼「……」
男「……」 ソワソワ
幼「?」
男「あ〜……その、なんだ」
男「ほら、暗くて足元見えないだろ」
男「手ぇ……引いてやるよ」 ギュッ
幼「あ……////」 カアッ
幼「……////」
男「え、映画館でのお返しだからな」
幼「?」
男「……なんでもない」
幼「? …………♪」ニコニコ
友「男〜今日は一人で下校か? 幼ちゃんは?」
男「あいつは委員会で居残りだ。遅くなるから先に帰ってていいって言われた」
友「ふ〜ん。そういえば幼ちゃんって何委員だっけ?」
男「美化委員。幼って意外ときれい好きだからな〜」
男「俺もだ。しかも清掃場所が一つじゃないらしくて一時間以上かかるらしいんだよ」
男「待つ方も待たれる方も気を使うから、こういう日は別々に帰るって決めてあるんだ」
友「へぇ〜。あ、じゃあさ、久しぶりにゲーセンにでも寄っていかね?」
男「いいぞ。ちょうど特訓しときたいゲームもあるしな」
友「特訓? なんか新しいゲームでも出てたっけ?」
男「いや、新しくはない……何年前のゲームなんだろ、あれ」
友「……照準のズレ、あれは酷すぎだろ」ゼエゼエ
男「一般人躱して撃つのが無理すぎる。ただでさえ敵が多いってのに」ハアハア
友「何で今更ジュラシックパークなんて……うわ、700円も使っちまったよ」
男「俺なんか1000円だぞ……進歩してないなぁ」
男「その前にもう一つだけいいか? えっと……あのゲーム、なんだが……」
友「ば、バーチャロン……男、少し見ないうちに趣味変わったな……」
友「意外に燃えたな……」
男「ああ……あの後の二時間はバーチャロンしかしてないぞ、俺たち」
友「まぁ、懐かしかったし、たまにはこんなのもいいけどな」
男「だな。ジュラシックパークはともかく、バーチャロンならもう幼に遅れはとらんぞ」
友「幼ちゃん? はは〜ん、今日のレトロゲーム’sを好きだったのは幼ちゃんか」
男「ああ。ついこの前なんだけどさ、あいつと映画見たあとに」
男「……なんだよ急に」
友「俺はな、お前たちのノロケをいつも一番間近で見てるんだぞ」
友「だからわざわざデートの思い出を聞かせたりなんかしないでくれ……独り身には辛い」
男「で、デートなんかじゃねえって!」
友「はいはい……休日に男女二人きりで出かけることをデート以外になんて呼ぶのか、知ってたら教えて欲しいよ」
男「ぐむむむ……」
男「ああ、さっさと帰っちまえ帰っちまえ」
友「ははは、じゃあまた学校でな〜」
男「じゃあな」
男「さて、帰るか」
男「……」 スタスタ
男「……デートか」
男「……」
男「この声……?」
幼「バカみっけ」
男「幼!? こんな遅くにこんな場所でどうしたんだ?」
幼「これ」 スッ
男「これは……清掃用品?」
幼「ん」
幼「でも、楽しい」
男「そっか、ならいいんだけどな」
男「ちなみに俺は友とのゲーセン帰りな」
幼「なにした?」
男「ふっふっふ。幼、もうこの前と同じ俺だと思うなよ?」
幼「!」
幼「……無駄な努力」
男「言ったな? よし、じゃあ今度の日曜日あたり暇か?」
幼「ん」
男「ならあの日と同じで、映画見てからゲーセン行こうぜ」
男「今面白そうなアクション映画やってるからさ」
男「そ、アクション。アクション物なら退屈しないし、幼も簡単には眠くならないだろ?」
幼「……バカ///」
男「ははは。なら、アクションで眠らなかったらまたあの恋愛映画にチャレンジしてみるか?」
幼「! ……ん!」
男「前の日はさっさと眠れよ? 二人で行ったのに感想が言い合えないってのは悲しいからな」
幼「ん」
幼「この前の、帰り……///」
男「ん? ……あ」
幼「……///」
男「……///」
幼「ううん、いい」 フルフル
男「そ、そうか?」
幼「そのかわり」 ギュッ
男「!?」
幼「暗くって足元危ない。手ぇ、握ってて……///」
男「お、おう///」
男「……///」
幼「……この前と、おんなじ」
男「……だな」
幼「……」
男「日曜が、楽しみだ」
幼「ん」
クラスメート「幼さん、あの……僕と付き合ってください。お願いします!」
幼「」ポカン
クラスメート「同じクラスになってからずっと見てました。それで、もしよければ」
幼「……無理」
クラスメート「っ! そう、ですか……」
クラスメート「……わかりました。お時間を取らせてスイマセン」 トボトボ
幼「……」
男「まったく、毎度のことながらなんで俺が付いていかないといけないんだ」
男「知らない奴が相手のわけでもないのに」
幼「…………もし、襲われたら」
男「クラスメート君がそんな人に見えるか?」
男「どんな断り方してるのかは知らないけど、学校の敷地内でそんなことする人なんかいないって」
幼「……」
幼「……」
男「……」
男(何度経験してもこの気まずさには慣れないな。幼も毎回黙っちゃうし)
男「し、しかし、幼はモテるよなぁ。告白された回数ももうふた桁いったんじゃないか?」
幼「……あんまり嬉しく、ない」
男「たしかに好きでもない奴から告白されても困るだけだしな」
幼「ん」
幼「男も、モテるよ?」
男「みえみえの慰めはいいっての。俺、生まれてこのかた告られた回数0だし」
幼「……ううん、一回」
男「はは、何言ってんだよ。本人が0って言ってるんだぞ。ないない」
幼「好き」
幼「これで、一回」
男「じょ、じょ、冗談はやめろって。心臓に悪いだろ」
幼「冗談、違う」
男「な……」
幼「……///」 ドキドキ
男「それとも友と一緒になってドッキリでも」 アセアセ
幼「……バカっ!!」 ダッ
男「よ、幼!?」
男「泣いてた……まさかあいつ、本気で……?」
男(あいつが泣いてるのを見るなんて、何年ぶりだろう)
男(それだけ本気だった、ってことか)
男(……幼い頃からずっと一緒だったし、俺だってずっと前から好意は持ってたけど)
男(……)
男(本気で気持ちを伝えてきた幼にあんな態度とっちまった……)
男(……はぁ、明日どうやって謝って仲直りしよう)
友「おう、男。おはよ」
男「……おはよ」
幼「……」 スタスタ
男「よ、幼。あの……おはよう」
幼「……」 スタスタ
男「あ……」
男(無視、か……こんな状態じゃ謝罪の言葉なんて届かないよな)
男「いや、今度のは喧嘩っていうか、さ……」
友「なんにせよ、謝るんなら早いほうがいいぞ〜」
友「残り少ない高校生活を無駄に浪費しちまうしな」
男「それはわかってるんだけど、どうすればいいんだろう」
友「お前も思い切って幼ちゃんに告白しちまえよ」 ケラケラ
男「!」
男(そうだよ……なんで俺は謝ることなんか考えてるんだ)
男(俺が伝えたいのは……幼が待ってる言葉はそんなんじゃないだろ!)
幼「……」
幼「……!」 机の中に手紙
手紙『放課後に校舎裏にて待ってます』
幼「……」 オロオロ
幼「……」 キョロキョロ
男の姿なし
幼「……ふん!」
幼「……」
幼「……バカ」 ボソッ
?「来てくれて、ありがとな」
幼「っ!」
男「よう」
幼「!?」 ダッ
幼「……」
男「そのままでいいから聞いてくれないか。もう回りくどいことなんか言わない」
男「昨日あれからいろいろ考えて、そして今朝、やっと自分のするべきことに気がついたよ」
幼「……」
幼「っ!?」
男「これが昨日の返事。遅くなって本当にゴメン」
幼「……」
男「もし、昨日の幼の気持ちが変わってないんだったらさ、俺と付き合ってくれないか?」
男「いや、変わってたとしてももう一度振り向かせてみせる! だから頼む!」
男「付き合ってください! 幼!!」
幼「……バカ」 ウルウル
幼「バカ、ばかぁぁ……うわぁぁぁぁん」 ポロポロ
男「泣いてちゃ、どっちかわからないだろ。ほら、ハンカチ」
幼「……ん」
幼「ぐすっ……」 コクリ
幼「……」
幼「……これから、よろしく」
男「うん、こちらこそよろしくな、幼」
幼「ん」 ニコリ
幼「ふんふふ〜ん♪」
隣のおばさん「あら、幼ちゃんじゃないかい。へぇ、男くんと付き合ってから初めてのデートかい?」
幼「ん!」 コクリ
隣のおばさん「嬉しそうだねぇ。でもまだ待ち合わせには三十分もあるじゃないか」
隣のおばさん「ちと早すぎるんじゃないかい?」
隣のおばさん「あらあら、男くんもしあわせものだね」
隣のおばさん「それじゃ、頑張ってくるんだよ」
幼「ん!」
幼「ついた」
?「……ん?」
幼「……!」
男「幼!? どうしたんだよ、こんな早くから」
幼「こっちの、セリフ」
男「だったら待ち合わせの場所で待ってやろうと思って早めに来ちまった」
男「ほら、初めてのデート、だからさ……待ち時間もなんか嬉しくって」
男「幼は?」
幼「おんなじ。男とおんなじこと、考えてた」
男「へぇ、なんか嬉しいな、こういうのって」
幼「ん」
男「どこかで暇つぶしでもするか?」
幼「いい。約束の時間まで、ここで待つ」 ギュッ
男「お、おい、待つのは構わないけどさ、こんな人前で腕組むなよ ///」
幼「……嫌?」
男「全然嫌じゃないけど照れる。幼だって顔真っ赤じゃないか」
幼「///」
幼「ん」
幼「でも時間なら、ある。いっぱい」
男「だな。大学だって同じだもんな」
幼「ん」
幼「そろそろ、時間」
男「もう三十分もたったのか……あっというまだな」
幼「早く、行く」 グイグイ
男「わかってるって。じゃあ俺らの初デートの始まりだ」
男「今日はこの前みたいに、上映中に寝るんじゃないぞ?」
幼「ふふっ、ば〜か♪」
――おわり
読んでくださった皆様、大変ありがとうございました
もし次があれば、その時もお目を通してもらえると幸いです
やはり幼馴染SSはいいものだ
元スレ:男「幼、そんなに急いでどうしたんだ?」幼「バカ!」
Entry ⇒ 2012.05.30 | Category ⇒ 幼馴染「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
刹那「ポケットモンスター 赤・緑?」
刹那「一体それはなんなんだ?ティエリア」
ティエリア「慌てるな刹那、俺もさっき見つけてヴェーダのデータで照合したばかりだからな」
ロックオン「お、なんだか面白そうなことしてるじゃねぇか」
アレルヤ「へぇ、昔のゲームなんだ」
ティエリア「実は赤と緑だけじゃなくて青と黄色もある、誰がどのバージョンをするんだ?」
アレルヤ「じゃあ僕は黄色かな」
刹那「俺は赤と青だ」
ティエリア「おい刹那、なんで君だけ二つなんだ、俺のバージョンはどうするんだ」
刹那「知らん、それにエクシアやダブルオーは青色だろ、そしてトランザムすると赤くなるからな」
ティエリア「トランザムは全員に言えることだろう、だから僕に赤を渡すんだ」
刹那「嫌だ、トランザムは譲れない」
刹那「問題ない、持っているという事実が重要なんだ」
ロックオン「ならティエリアに赤を貸してやればいい、そうすれば所有者はお前のままだ」
刹那「それも一利あるな、ティエリア、お前にこれを貸そう」
ティエリア「これは元々僕の物なんだけどな…」
刹那「さっそく初めてみよう」
刹那「名前…コードネームか?『刹那・F…』漢字がないぞ、ロックオン!」
ロックオン「俺だってわからねぇよ!平仮名で入力するしかないんじゃないか?」
ティエリア「入力できるのは平仮名、または片仮名で五文字までだ」
刹那「了解、なら『せつな』と入れておこう」
アレルヤ「じゃあ僕は『アレルヤ』かな」
ティエリア「……………」
刹那「どうした?ロックオン、ティエリア」
アレルヤ「よく見たら入力できる文字に小文字がないね…だからこうなっているのかな…」
ハロ「貧乏クジ!貧乏クジ!」
刹那「なるほど、ロ『ッ』クオンとテ『ィ』エリアだからか」
ティエリア「俺も『テイエリア』だと少しおかしいと思うからな」
刹那「ならコードネームの下の名前を使えばいいんじゃないか?」
ロックオン「それだ刹那!なら俺は『ストラトス』、これでいけるな!」
ティエリア「なら俺は『アーデ』か、贅沢は言えないな」
刹那「ティエリアはすでに贅沢を言っていると思うがな」
ロックオン「俺たちは世界に喧嘩を売ったんだ…だから俺たちのライバルは『せかい』だ!」
ティエリア「同感だな、俺もそうしよう」
アレルヤ「僕は…ピーリス中尉かな…ライバルと言えるかどうかはわからないけど」
刹那「そういう選択肢もあるなら俺は『グラハム』といったところか」
ティエリア「全員決まったな、ゲームが始まるぞ」
ティエリア「それは『オーキド博士』というようだ、有名な博士らしいぞ」
刹那「なんでもいいがこのイベントは飛ばせないのか?」
ティエリア「飛ばせないし飛ばしたらポケモンが貰えないだろう」
刹那「なるほど、ストーリーに関わってくる人物なのか」
ティエリア「そうだ、俺もよくわからんがな」
ティエリア「そうみたいだな、俺はどれや選ぶか…」
ロックオン「俺はこのフシギダネだな」
アレルヤ「あれ…僕は一種類だけ?」
ティエリア「ピカチュウバージョンだからじゃないのか?」
刹那「それはずるくないか?」
ティエリア「なら最初からそれを選べばよかっただろ?」
ロックオン「まぁまぁ、最初の三体はあとからでも手に入るだろ?」
ティエリア「いや、ピカチュウバージョンでしか手に入らない」
刹那「そのソフトを寄越せ、アレルヤ」
ロックオン「刹那!そういうのはダメだろ!」
ティエリア「ちなみにこのゲームにはポケモンを交換することができるからな」
ロックオン「わかった!俺のやつをやるから!」
刹那「本当か?」
ロックオン「あぁ、嘘は言わねぇ」
刹那「わかった」
ロックオン「まぁ俺はフシギダネだよな」
アレルヤ「僕はピカチュウしかないけどね…」
ティエリア「僕は…フシギダネにしておこう」
刹那「よし、俺はトランザムのヒトカゲにするぞ!」
刹那「おい、弱点をついてきてるぞ」
ティエリア「そういう仕様だ、ずるくはない」
ロックオン「苦手な相手だろうと狙い撃つぜ!」
アレルヤ「僕の相手はイーブイだから弱点ではないんだけどね…」
ロックオン「ニックネームなんていらねぇ!いけ!フシギダネ!」
ティエリア「僕も同じくニックネームに興味はないからね、いけ!フシギダネ!」
アレルヤ「いけ!ピカチュウ!」
ハロ「デ『ュ』ナメス!ケルデ『ィ』ム!」
ロックオン「うるせぇ!ハロ!」
刹那「最初のジム戦だ、油断せずに行くぞ!トランザムッ!」
アレルヤ「ちょっと待って!僕たち相性的に不利じゃない!?」
ロックオン「そんなの俺だって知らないわけだし平等なんじゃないのか?」
ティエリア「僕はヴェーダから情報を読み込んでいるから選んだのだけどね」
アレルヤ「なにか捕まえなきゃ…」
刹那「俺にはOガンダムと、エクシアとトランザムがいる!」
ロックオン「だから言わんこっちゃない」
ティエリア「君は相性というものを考えた方がいい」
刹那「うるさい…俺にはこいつしかいないんだ…!」
ロックオン「いや、捕まえてこいよ」
アレルヤ「僕も捕まえたいけど有効なポケモンが出てこないんだよね…」
ティエリア「マサラタウンで釣り竿を使ってポケモンを釣り上げるといい」
ロックオン「で、その肝心の釣り竿はどうやって手に入れるんだ?」
ティエリア「…まだまだ先だったな…どうにかして倒せ、そうしなければ君にガンダムマイスターの資格はない」
アレルヤ「トキワシティの横の草むらになにかいたかな…」
ロックオン「お疲れさん、俺はもうハナダシティだぜ」
ティエリア「僕はイワヤマトンネルだ」
刹那「負けてられない…!」
アレルヤ「なんとかマンキーを捕まえてきたよ…」
刹那「俺も早く進めないとな…いくぞ!トランザム!」
ロックオン「なんだ?」
刹那「次のジムリーダーはどうなんだ?」
ロックオン「あぁ…なんというか…」
ティエリア「秘匿する必要はないだろう、水タイプの使い手だ」
刹那「水…また俺の苦手な…」
アレルヤ「僕のピカチュウが活躍しそうだ!」
刹那「アレルヤ、お前のピカチュウを寄越せ」
ロックオン「またかよ!」
ロックオン「ピカチュウはトキワの森に出てくるだろうが!」
刹那「今更そんなところまで戻れん」
ティエリア「それは刹那の言う通りだな」
刹那「ティエリアからの許可がおりた、寄越せ」
ロックオン「ちょっと待て!言う通りだと言われたが許可はおろしてないだろ!」
ティエリア「別に俺はどっちでもいい」
ロックオン「わかった!俺のピカチュウをやるから!」
ロックオン「やれやれ…」
ハロ「貧乏クジ!貧乏クジ!」
刹那「よし、これでいってみる」
ロックオン「俺のピカチュウが狙い撃ってくれるといいな」
ティエリア「しかしな、ロックオン」
ロックオン「なんだ?」
ティエリア「ピカチュウのレベルはいくつだ?」
ロックオン「16だが?」
ロックオン「なんでそんなこと聞いたんだ?」
ティエリア「見てればわかる、それまで待つんだ」
刹那「ロックオンからもらったピカチュウで…いける!」
ロックオン「いいじゃねぇか、教えてくれよ」
ティエリア「見てればわかる、と言ったはずだが?」
ロックオン「へいへい、わかりましたよ」
ロックオン「どうした?刹那」
刹那「お前がくれたピカチュウがいうことを聞かないぞ!」
ティエリア「やっぱりか」
ロックオン「どういうことだよ、ティエリア!」
ティエリア「自分が捕まえずに交換で手に入れたポケモンはバッジを持っていないということを聞かないんだ」
ロックオン「それを早く言えよ!」
ティエリア「俺も知らなかったんだ」
刹那「あぁ、ロックオンから貰ったピカチュウ、無駄にはできない」
ロックオン「そう…か…わかったぜ」
ティエリア「カスミを倒すとレベル30までのポケモンはいうことをきくからしばらくは大丈夫になるだろう」
刹那「そうか、了解した」
アレルヤ「よし!カスミを倒した!」
刹那「なんだと…!?」
ピカチュウ は めいれい を むし して なきごえ!
刹那「動いてくれ!いうことをきいてくれ!ピカチュウー!」
ロックオン「意外とじゃじゃ馬だったんだな…あのピカチュウ…」
ティエリア「ただ刹那の運が悪いだけだろう」
ロックオン「だといいんだがな…」
ロックオン「お疲れさん、ピカチュウの調子はどうだ?」
刹那「問題ない…わけではないが今のところは大丈夫だ」
ロックオン「しかしそういうシステムがあるのは最初から話してほしかったかもな」
刹那「そうだな、こうなると時間を喰うからな」
ティエリア「しかしまさか刹那がそういう手を使うとは思わなかったがな」
刹那「言うな、俺も仕方なかったんだ」
アレルヤ「どこが!?」
アレルヤ「大丈夫じゃなさそうなんだけど…」
ロックオン「とりあえず、刹那は次いこうぜ」
刹那「そうだな、次のジムに向かおう」
ティエリア「そう急がなくても時間はあるだろう」
刹那「それが今なんだ、明日じゃない」
ティエリア「そうか、なら頑張るといい、僕は少し休憩するよ」
ロックオン「そこはフラッシュを使うといいぜ、見やすくなるからな」
刹那「誰に覚えさせればいい?」
ロックオン「戦闘で使わないポケモンを秘伝要員にするといい、秘伝技は忘れられないからな」
戦闘「了解した、ピカチュウに覚えさせる」
ロックオン「おいおい刹那!もう使わないのか!?」
刹那「冗談だ」
ロックオン「それがいいな、あまり強くなさそうだ」
刹那「他にも秘伝マシンはあるのか?」
ロックオン「フラッシュが秘伝マシン5だからすくなくとも5種類はあるな」
刹那「やっぱりそうか」
ロックオン「俺もわからないけどな」
ロックオン「そうだな、いあいぎりはあるよな」
刹那「問題ない」
ロックオン「で、どいつに覚えさせるんだ?」
刹那「スピアーだ」
ロックオン「まぁ悪くないんじゃないか?」
刹那「そうだな、秘伝要員は戦闘用ではないからな」
ロックオン「それは根気よく挑戦するしかないな」
刹那「了解、トレーナーを倒しながら挑戦してみる」
ロックオン「おう、頑張れよ」
ティエリア「端から見ればゲームの攻略方を教える兄弟に見えるな」
ロックオン「まぁ…そういうもんかもな…」
刹那「ロックオン」
ロックオン「はいはい」
ロックオン「お疲れさん」
ティエリア「もうそれは毎度のことなのか?」
ロックオン「かもな、悪くはないと思うが」
刹那「そういえばティエリアはどこまでいったんだ?」
ティエリア「グレンタウンだな、秘密の鍵を探している」
ロックオン「おいおい、いくらなんでも早すぎないか?」
ティエリア「早いのは悪いわけではないだろう?」
ロックオン「まぁそうだけどよ…」
ティエリア「別に構わないが…」
ロックオン「それじゃあ見せてもらうぜ」
フシギバナ Lv.100
はっぱカッター ほのおのパンチ
わざマシン36 -
ロックオン「なんだこれ…」
刹那「ティエリア!レベル100ってすごいじゃないか!」
ロックオン「そういうことじゃねぇ!」
ティエリア「ヴェーダに裏技を聞いてそれを実行しただけだ」
刹那「俺もレベル100が欲しい…」
ロックオン「それにわざマシンという技はおかしいだろ!」
ティエリア「それも裏技だ、改造ではないから安心していい」
ロックオン「俺が言いたいのはそういうことじゃねぇ!」
ティエリア「俺もやった時は面白かったがやり続けると面白くなくなってきたからな、だからセーブせずに消すつもりだった」
ロックオン「そうなのか?」
ロックオン「まぁそれならいいか…」
刹那「消すくらいなら俺にレベル100を…」
ロックオン「今手に入れてもいうこと聞かないだろ」
刹那「そうだったな、でもそれを乗りこなすのが楽しいんだ!」
ロックオン「ちょっと刹那は黙っててくれ」
ティエリア「じゃあ消すからな」
ブチッ!
ロックオン「それで最後にセーブしたのはいつなんだ?」
ロックオン「なんだか不吉な予感がするが見てみるか…」
さいしょからはじめる
せってい
ロックオン「なにもないってどういうことだ?」
刹那「セーブしてなかったんじゃないのか?」
ティエリア「そういえばセーブした記憶がないな…」
ロックオン「ここまでやったのにデータが消えてたら俺ならやめるだろうな…」
刹那「ティエリア…」
ティエリア「少し一人にしてくれ…」
刹那「あぁ…」
ロックオン「悪いことしちまったなぁ…」
刹那「ティエリアなら受け入れていける、大丈夫だと思うけどな」
ロックオン「そうか、なら俺たちティエリアみたいにならないようにセーブしとかないとな」
刹那「そうだな、俺たちも一旦セーブして休憩するか」
ロックオン「そうだな、連続してすると疲れるからな」
刹那「次はタマムシか…楽しみにしておくぞ」
アレルヤ「よし、ナツメを倒した!」
アレルヤ「ナツメを倒したところだよ」
ロックオン「へぇ、ロケット団も倒したのか」
アレルヤ「まぁね、苦労したよ…」
ロックオン「アレルヤはティエリアみたいにならないようセーブしろよ」
アレルヤ「もちろんだよ」
刹那「じゃあ俺たちは一旦休憩するからな」
第一部 終わり
次回も期待してるぞ
Entry ⇒ 2012.05.30 | Category ⇒ ガンダムSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
貴音「ぱそこん、ですか」
千早「へぇ…いいですね よく買ってくれましたね…?」
貴音「ええ ぱそこんを持っていないと言ったら「安いけどこれあげるから」とくれました」
千早「そうなんですか… パソコン、私も少し触ってみたかったんです」
貴音「…しかし、この面妖な箱 どのように使えば…」
貴音「よいしょ… まずは電源ですね」ポチ
貴音「つ、つきません!これは不良品をつかまされました!」ガーン
千早「それ音量ボタンですよ、四条さん」
貴音「なんと! 千早は博識です… どれが電源なのでしょうか」
千早「この、りんごみたいなマークのだと思います…」ポチ
貴音「…つかないようですが…」
千早「へ、変ですね… 本当に故障かしら」
貴音「なるほど これが本日の余興ですか」
千早「…うーん、特にパッと見ではヒビとか入ってないわね…」
千早「ええ、こういうマークを春香が押していた気がします…」
貴音「ではそれを信じましょう… あとは…何が原因でしょうか」
千早「えーと 充電されてないんじゃないですか?」
貴音「なるほど! …しかしどう充電すれば…?」
千早「わかりません… あ、電池かも…?」
貴音「おや、ここに電池用らしき蓋が!」バキッ
千早「なんだか鈍い音がしましたね」
貴音「非常に硬かったです」ジンジン
千早「端っこ、折れてますね」
貴音「なるほど 間違えたようです」
貴音「元通りですね …しかし、どうすれば…」
千早「マニュアルとかついてないんですか?」
貴音「ええ プロデューサーはこの箱と画面を渡してきました」
千早「ふむ… じゃあ、これだけで動くはずですよね」
貴音「…おや 画面の裏にコードが結んでありました!」
千早「あっ これコンセントですね あたりみたいですよ、四条さん」
貴音「ふふ ではこれを差せば電源が入るはずですね」
千早「楽しみですね」
千早「…それだけですね… ていうか、春香のパソコンは「ウィンウィン」となっていた気がします」
貴音「つまりぱそこんの電源は入りきっていないのですね」
千早「少し待てば入るかもしれませんね 待ってみますか?」
貴音「それがよいでしょう 果報は寝て待て、です」
千早「ええ その間、お茶でも飲みますか?」
貴音「千早が淹れてくれるのですか お願いします」
千早「はい 少し待っててください」
貴音「いいえ、ありがとう いただきますよ」ズズズ
千早「…電源入らないですね 調子悪いんでしょうか…」
貴音「人間と同じよう、機械にも日によって調子が悪い日があるやもしれませんね」
千早「そういえば、コンセントって画面にだけでいいんでしょうか…?」
貴音「というと…?」
千早「画面と箱は繋がってますけど、電気が画面にしかいってないのはおかしくないですか?」
貴音「…確かに おや、箱の裏には気が遠くなりそうな数の溝がありますね」
千早「…これは面倒くさそうですね…」
貴音「はっ… 千早、すみません もう1本こーどがありました」
千早「それですよ それで動きます!」
千早「し、四条さん あまり雑に扱うと壊れますよ…」
貴音「おっと、私としたことがつい興奮して… ここは至って冷静に」カチャ、カチャ、カチャ
千早「コードの先見れば大体わかりますよ…? ほら、この太さってここしかないです」カチッ
貴音「さすがは千早ですね 博識です これでりんごまーくを押せば…?」ポチ
ウィーン! ウィンウィン
千早「やった! つきましたよ四条さん!」
貴音「私たちの勝利です…!」
千早「これで音楽とか聞けますね」
貴音「ええ 安いものを買ったといっていましたから 何故わかったのです?」
千早「ほら、パソコンに名前がついてます… あどみに…?」
貴音「あどみにですか なるほど よろしくお願いします、あどみに」
千早「さて… 背景が真っ青ですね… 感じは悪くないですけど」
貴音「ふむ それより、まずはいんたぁねっとなるものを!」
千早「このアルファベットの e がシートベルトしてるようなのを押せばよかったはずです」
貴音「これですね」ギュッ
千早「いえ、画面を押すんじゃなく… あれ? ほかに何かありませんでした? こう、手のひらサイズの丸いの…」
貴音「…ふむ、先ほどのこーどで最後だと思いますが…」
貴音「ふむ なんのことを言っているのかわかりません」
千早「って四条さん、あのポチポチする板もないわ」
貴音「ぽちぽちする板…!?」
千早「あれですよ、あの… ボード?」
貴音「ぼーど …板ですね」
千早「そうでした…」
千早「お、おうえんですか!?」
貴音「頑張って、あどみに!」
千早「ええ…?」
貴音「ほら千早も、がんばれあどみにー!」
千早「が、がんばれあどみに…」
ウィーン
貴音「変わりませんね…」
千早「生き物じゃないですから…」
貴音「なのに乗ってくれたのですね 優しいです」
千早「四条さんがあまりにも本気の顔つきだったからですよ…」
,.-''"~ ~"'''".-'' ̄`!,!
/ ,,....-,=‐ \. '
/ ,-'" ,,-',...-―-...、 ヽ,
,'-'" ,-'' ,.'" `., 'i,
.,/ └ー――――┘ .'i
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,i' ! r――┐
,i' ,'i, ヽ、 ,./ ,i'
i i. '! ~'''――'''" .,/
'! '!, \ /
`'.,`--,.'`''-....,,,,,__,,,,....-'"
これか!
千早「なんだかここまでやりきってプロデューサーを呼ぶのも、少し悔しくないですか?」
貴音「確かにそれもそうですか… せっかく電源が入ったのに、ここで呼んでは負けを認めるも同然!」
千早「ええ…! 頑張ってインターネットしましょう!」
貴音「さて、まずは…かちかちする丸いのと、ぽちぽちする板を探さねば…」
千早「春香が持ってたから…くれないかしら…」
貴音「それだけのために春香を呼ぶのも悪いですよ 自力でどうにかしましょう」
千早「…そうですね そうですよね」
貴音「事務所内になにかあるやもしれません 探索を!」
千早「ええ… では私はプロデューサーの席付近を!」
貴音「私は小鳥嬢の席を…」
貴音「いいえ、それらしきものは…」
千早「あっ! かちかちする丸いの…ってこれは違うわね…」
貴音「それは万歩計ですよ」
千早「わ、わかってます!」
貴音「おや これは…! ぽちぽちする板では!?」
千早「それ、ゲームですよ…」
貴音「ふふ ただの突っ込み待ち、ですよ」
千早「そうですか… 真面目に探しましょう」
貴音「真面目な千早はいけずです」
貴音「プロデューサーとしては完璧な気がしますが…仕方ありません」
千早「音無さんの席は?」
貴音「いいえ、これといって… なにやら妙な書物が出てきましたが ここはぷらいべぇとを尊重しました」
千早「プライバシーですよね …プライベートでもあってるかもしれませんけど」
貴音「…ないですね 如何いたしましょう…」
千早「たぶん、今ってご飯が目の前にあるのに箸がない感じだと思うんです」
貴音「それは一大事! 千早、全力で捜索を!」
千早「してますよ…」
あずさ「あらー 千早ちゃんに貴音ちゃん 真ん中でボーッとどうしたの?」
貴音「あずさ いいところに 少し助言をいただけますか?」
あずさ「あらあら… なにかしらー?」
千早「今、パソコンを動かしたいんですけど 道具が足りないみたいなんです」
あずさ「それは大変ね あまり触ったことないけど、私も手伝うわ!?」
千早「は、はい よろしくお願いします」
貴音「あずさがいれば100人力ですね!」
あずさ「どこに動かせばいいのー? 思ったより軽いわよー?」ヒョイ ブツン
千早「その動かす、じゃないです…」
貴音「あずさ とりあえず置いてください」
あずさ「そ、そうなの…お役にたてなくて ごめんなさいね」
千早「いえ どちらにしてもわかりませんでしたから」
貴音「ち、ちはや! 画面が消えました!消えましたよ!」
千早「ええっ! あ…あずささん、いったい何を…!?」
千早「くっ あどみに…」
あずさ「あ、あどみにちゃんって言うの…? ごめんなさいね、乱暴にして…」
貴音「いいえ… どちらにしても動かせなかったのです これで、よかったのやもしれません」
千早「…そ、そうですね パソコンなんてハイテクなもの… 私たちには無理だったんですよ」
貴音「あどみに… 短い、命でした…」
千早「あどみに……」
あずさ「あらあら ただコンセントが抜けただけだったみたい」カチッ ウィーン
千早「い、生き返った!?」
貴音「あずさは、ねくろまんさぁだったのですね!」
あずさ「あらあら…大変ね…」
あずさ「ああ! マウスとキーボードのことね?」
千早「あ、あずささん…知っているんですか?」
あずさ「ええ …というより、プロデューサーさんがさっき買いに…」
ガチャ
P「ただいまー この辺あまりいい機器売ってないな…」
貴音「あ、あなた様! もしやその右手に持つものは!」
P「ん? あぁ悪い悪い、マウスとキーボードだ 俺が少しいじって動くようにした奴だからさ 入力機器を用意してなかったんだよ」
貴音「なんと…! 中途半端な状態で下さるとは あなた様はいけずです」
P「さっき待ってろって言っただろ…」
貴音「…そういえば言っていたような」
千早「四条さん… 勘弁してください…」
貴音「さすがはあなた様です 博識ですね」
あずさ「マウスって刺すだけで使えたわよね…?」
P「あ、最近のはそうですよね というか貴音…今時小学生でもできる奴はできるぞ… っと、できた」
千早「し、四条さん! シートベルトeを早く!」ワクワク
貴音「ええ、もちろんです しーとべるといー!」カチ
P(シートベルトeってなんだ…?)
貴音「なるほど、これがまうすの力ですか…! この小さき身体にぱそこんを動かすえねるぎぃが! まさに縁の下の力持ち!」
千早「か、貸してください 待ってられません」
貴音「あっ 千早、落ち着きなさい! まずは765プロのほーむぺいじを…」カチカチ
あずさ「あらあら…」
P「あずささんはパソコン持ってましたっけ?」
あずさ「いいえ? でも、お店で何度か触ったし…授業でも少しやったから分かるんです」
P「ああ… ていうかこの2人、中学でパソコンの授業くらいあったはずだよな…俺でもあったんだから」
貴音「…ひ、表示できません…とは…?」
P「そりゃそうだ まだLANつないでない というか事務所、線ないからインターネットできないぞ」
貴音「!」ガーン
千早「!」ガーン
あずさ「あ、あらあら インターネットが使いたかったみたいですね…?」
P「そ、それは悪いことしたな…」
貴音「いんたぁねっとができないとは…! こ、こんなもの、こんなもの!」パシンパシン
P「って貴音! パソコンにあたるな! ていうかビンタしても自分が痛いぞ」
千早「…つまらないです インターネットが使えないなんて…ただのうるさい箱ですよ」
P「そ、そうか… 機械が苦手な人にはそうだよな…」
貴音「私はいんたぁねっとが使いたかったのです げーむなどで気をひこうなど…」
P「結構面白いんだぞ ほら、インストールするからな」ウィーンガチャ
あずさ「あらあら… ゲームのパッケージですか… まぁ、全100種類のゲーム!」
貴音「100種類のげーむを… いんすとーる、ですか…」
千早「なんでしょうね… プロデューサー、専門用語使ってドヤ顔やめてください」
P「ドヤ顔してないだろ… インストールってのはパソコンにCDの内容を覚えさせる感じだ」
貴音「ぱそこんもれっすんをするのですね 感心しました」
千早「このフォルムだと、ビジュアルが高いのかしら… ダンス?」
P「もうそういうことでいい」
P「ああ あれは無線だよ ほら あの機械で電波がその辺に飛んでるんだ」
千早「す、すごいんですね その無線って使えないんですか?」
P「デスクトップじゃなぁ… まぁ、受信機的なものあれば行けるだろうけど USBの」
千早「また専門用語を… くっ」
P「悪かった」
あずさ「貴音ちゃん、まぁ機嫌を直して… ゲームやってみたら? ほら、面白いわ」カチカチ
貴音「…そんなもので、私の気を…」チラ
貴音「め、面妖な…」ポチポチ
貴音「面白いです! …面妖な!」
千早「結局満足してるじゃないですか…」
P「あとで受信機も買ってきてやるからな… 悪かったよホントに」
おわり
どうでもいいよね 短くてごめん
かわいいなぁおひめちん
// ̄~`i ゝ `l |
/ / ,______ ,_____ ________ | | ____ TM
| | ___ // ̄ヽヽ // ̄ヽヽ (( ̄)) | | // ̄_>>
\ヽ、 |l | | | | | | | | ``( (. .| | | | ~~
`、二===-' ` ===' ' ` ===' ' // ̄ヽヽ |__ゝ ヽ二=''
ヽヽ___// 日本
_____ _____ ______ _______
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Entry ⇒ 2012.05.30 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
橘純一「みんなとイチャイチャしよう+!」
絢辻「───橘くん?」
純一「ひぃわぁ!?」びくん!
絢辻「貴方はここで、一体全体なにをしているのかしら?」
純一「あ、絢辻さん…! えっとこれはね、その〜……あははっ」
絢辻「笑ってないで、理由を言ってちょうだい」
純一「あはは……ごめん。立ち読みしてました…」
絢辻「へぇ、そうなの。じゃあ聞かせてほしいな、どんな雑誌を立ち読みしてたの?」
純一「えっ? えっとそれはなんというか……あまり口に出せれないっていうか…」
絢辻「どんな雑誌を読んでいたの? 口に出してちゃんとはっきりといってくれたら嬉しいな」
純一「っ……ろ、ローアングル探検隊、です…」
絢辻「…ふーん、そうなんだ。へぇー」
絢辻「──君は修学旅行に来てまで、そんな雑誌にうつつを抜かす人だったとわね。あきれたわ」
絢辻「別にいいわよ? そんな人だってわかってたし、それに貴方のこともちゃんと理解もしてるわ」
純一「で、でも聞いて欲しいんだ! 僕は決してこの本を立ち読みしたくて本屋に着てるわけではなくて…!」
絢辻「ではなくて?」
純一「そもそも僕はっ、この隣のお店にある和菓子屋に寄りたくて……でも、それよりも先に僕の興味を確実に奪い去った
……この店頭に立ち並ぶ、ローアングル探検隊京都限定版に僕は……」
純一「……気を取られてしまったんだよ、絢辻さん…どうか、わかってほしいんだ」
絢辻「全然わからないわ」
純一「……だよね」
絢辻「貴方がそういう人だって知ってるけれど、その常識をあたしに押し付けるのはいかがなものかって思うんだけど」
純一「はい……すみませんでした…」
絢辻「……はぁ。もういいわ、とにかく橘くんを見つけられたから」
純一「え、僕の事を探してたの絢辻さん…?」
絢辻「……あたりまえでしょ」じー…
純一「え、うん……そ、そうなんだ」
純一「うん、したね。一緒にベットに潜り込みながら…」
絢辻「や、約束した時のことをいわなくてもいいのよ!大事なのは約束自体のことでしょ!」
純一「あはは。……でも、昨日の夜のことは忘れそうにもないよ僕は」
絢辻「っ〜〜〜〜……め、迷惑だったかしらっ…突然、あたしが押しかけてきたから…!」
純一「え? なわけないじゃないか! 確かに驚きはしたけれど、夜中に来てくれたことは凄く嬉しかったよ!」
絢辻「そ、そうなの…?」ちらっ
純一「そうだよ! あの時は梅原が気を使ってくれて、他の男子の部屋に行ってくれたから…色々と、イチャイチャできたし」
絢辻「そ、それは…梅原くんには後でお礼を言わなくちゃいけないわね…うん…」もじもじ…
純一「うん、だよね」
絢辻「うん……───じゃなくて! どうして昨日の話をしているの!」
純一「え、あそうか! その時にキスしながら約束したことをちゃんと守らなきゃいけないよね!」
絢辻「な、ななななにをいってるのよ! 人がたくさんいる中で……ばかっ!」
絢辻「むぅ〜……ったく、いいわ。それじゃあ行きましょう」ぐいっ
純一「え、あっ、絢辻さん…? どうして腕を……」
絢辻「……嫌なの?」
純一「嫌なんかじゃないよ! で、でも…他の人に見られたら…特にクラスメイトの人たちとか…」
絢辻「あたしは気にしないわ。だから貴方も! 気にしないできちんと歩くの!」
絢辻「いい? 分かったら返事をする」
純一「は、はい! わかりました!」
絢辻「よろしい。そして最後にもう一つ」
純一「え、なにかな?」
絢辻「絢辻ではなくて、詞で呼ぶこと。つ・か・さ、わかった?」
純一「つ、つかさ……」
絢辻「声が小さい!」
純一「つかさ!」
絢辻「うん、ありがと純一くん」
純一「へぇ〜…見てみなよ、つかさ。ここのお店って着物を試着できるらしいよ」
絢辻「もぐもぐ……ほぇー、ほうなんら…もぐもぐ…」
純一「……絢辻さん? さっきから色々と食べ過ぎじゃ…」
絢辻「っ……ごくん。だ、だってしょうがないじゃないっ…今朝から委員会の仕事で、
朝食を食べる暇がなかったんだから…!」
純一「そうなんだ…お疲れ様、絢辻さん」
絢辻「ふんっ…それよりも純一くん、また絢辻って呼んでるわよ」
純一「え、あ、本当だ…」
絢辻「なんなのよ、もう…せっかくこのあたしが名前で呼んでいいって言ってるのに」
純一「苗字で呼ぶのが長かったしね…でも、ちゃんとベットの中ではきちんと下の名前で僕は!」
絢辻「ちょっ、んなこと聞いてない!」げしっ
純一「あたぁっ!?」
「──そこのお二人さん、どうかよって行ってみてはいかがですか」
絢辻「…え、あ、すみません。店前で騒いでしまって…」
定員「いいんですよ、そのように仲慎ましい方がよく来られますから」
絢辻「褒め言葉でしょ、それぐらいわかりなさい…」ひそひそ…
純一「え、そうなの? 僕はそうだって思うけれど…
絢辻さんは僕と仲よく見えるのは嫌なのかな?」
絢辻「えっ、べ、別にそういうわけじゃないけど…」
純一「じゃあ嬉しい?」
絢辻「っ……う、うん」こくん
純一「そっか、じゃあ僕も嬉しいよ」
絢辻「そ、そうなんだ……って違うでしょ! どうしてあたしが責められる感じになってるのよ!」
「ふふふ…本当に仲がよろしいようで。では、如何ですか? カップル専用の試着がありますよ」
純一「だってさ、絢辻さん。時間にはまだ余裕があるしよってみない?」
絢辻「わ、わかったわよ……それじゃあちょっとだけ」
純一「じゃあよろしくおねがいします」
「はい、ではこちらに」
純一「うわぁー……色んなのがあるんだね、凄いよ!」
絢辻「ほんと、これなんか染色がとても綺麗……」
店員「京都といえば着物、ですからね」
純一「あ。あれなんか絢辻さんにとっても似合いそうだよ!ほらほら!」
絢辻「え、どれ? あの白と黒のやつかしら?」
純一「うんうん、なんだか絢辻さんの性格を表してるようでとっても似合ってる気がするんだよね」
絢辻「…そんなにもあたしにまた、蹴られたいのかしら?」
純一「え、そ、そんなことないよ…っ!」ドキドキ…
店員「では、あちらを試着されますか?」
絢辻「え、あ、はい。彼が選んでくれたので……それにします」
店員「わかりました。では男性の方もお選びください」
純一「僕のだってさ。絢辻さんが選んでくれていいよ」
絢辻「そうね……じゃあ、あれなんてどうかしら? 純一君にあってると思うなぁ」
純一「どれどれ……って子供用じゃないか」
絢辻「んふふ、だからあってるっていったのよ?」
絢辻「冗談よ、真に受けないの。これはバスの時のお返しよ」
純一「……まだあの時のこと根に持ってたんだ」
絢辻「当たり前じゃない、あの時のことは一生忘れませんからね」
絢辻「ま、とりあえず。あれなんか純一くんに似合いそうだじゃないかしら」
純一「今度は本当に? ……あ、いいね。あの黒のやつかぁ」
絢辻「貴方が好きそうな色じゃない?」
純一「うん、よくしってるね」
絢辻「よくしってなきゃ、貴方と付き合ってられないわよ」
純一「そっか……嬉しいよ、僕の事を知っててくれて」
絢辻「そ、そうかしら? そこまで喜ばれると、まぁ、うん…ちょっとあたしも嬉しいかな…うん」
店員「……では男性の方は、こちらに?」
絢辻「え、はいっ! そ、それでお願いします……」ぷしゅー
店員「はい、わかりました」くすくす
絢辻「へぇー……試着はしてもらうか、自分でするか選べるらしいわ」
純一「じゃあ、自分でしようよ絢辻さん」
絢辻「え、ちょっと待って。着物の試着ってなかなか───」
純一「自分でしますんで、Bコースをお願いします」
店員「わかりました。ではこちらに」すたすた…
絢辻「ちょ、ちょっと…! 純一くん、貴方着物一人で着れるの…っ?」
純一「うん、着れるよ? よく正月とかに着てたりしてたしね」すたすた…
絢辻「そ、そうなんだ……でも、あたしは……」
純一「それも大丈夫だよ。僕、よく妹の着物も昔にやってあげてたりしてたからさ」
絢辻「…できるの? 女性物も?」
純一「出来るよ。意外かな?」
絢辻「意外すぎるわよ…そんな特技を持ってただなんて」
純一「特技って言えるほどじゃないよ、あはは」
純一「どうかしたの?」
絢辻「女性物も出来るって、その話の前に。どうして貴方があたしの試着をするってことが前提に──」
店員「──おまたせしました。ではこちらでお願いします」
純一「あ、はい…」
店員「Bコースですので、試着はご自身でお願いします。試着なので、仮にもしものことがあった場合でも、
お金は発生しませんのでご了解を」
純一「はい、わかりました」
店員「では、ごゆっくりと」すたすた…
絢辻「……もしものことって、なにかしら?」
純一「多分、着物を痛めちゃった時とかじゃないかな。凄いね、試着もそんなにお金かかってないしさ、いいお店だよ!」
絢辻「そうね……なんだか、怪しいわね…」ぼそっ
純一「とりあえず、中に入ろうよ。部屋になってるみたいだしさ」がちゃ
絢辻「っ…ってそれよそれ! どうしてあたしと貴方が同じ部屋で着替えなきゃ──……え?」
絢辻「なに、これ…」
ぅぃーん…
純一「あ、ベット……回ってる…」
あんあんあんあん(ry
絢辻「テレビも何か流がれ───っ〜〜〜……!!!」ぴっ!
純一「………」
絢辻「………どういうこと、これ?」
純一「あ、あはは……えっと、なんというかその」
絢辻「………」
純一「……ラブ、ホテルかな?」
絢辻「………」
純一「あ、ちゃんと言っておいた着物がかけてある……」
絢辻「ちょっと待ちなさい」
純一「うん、人通りが多いとろこにあったね」
絢辻「そして店の外観も、老舗っぽくて雰囲気があるところだった」
純一「うん、店員さんもお婆さんで雰囲気がとてもあってたよ」
絢辻「……じゃあこれは、なんなのかしら」
純一「……あ! そういえば!」
絢辻「なに、何かこの展開を頷けるようなことを知ってるの」
純一「うん、さっきBコースを選んだんだけど…その下に書かれてた説明文にね」
『着せて脱がせてヌキヌキ試着コース』
純一「って書いてた気がする、かな……?」
絢辻「………どうしてそれを選んだの貴方は」
純一「自分で試着ってところしか、読んでなかったよ……ごめん」
絢辻「………」
純一「やっぱり今からでもコースを変えてもらおっか? 僕が店員さんにいってくるよ」
純一「こっちの勘違いだって言えば、お金ももしかしたら発生しないかもしれないしさ」すた…
絢辻「──待って」ぐいっ
純一「…え、絢辻さん?」
絢辻「待ってちょうだい、純一くん」
純一「待ってって……でも、こんな所は絢辻さんも居たくないでしょ?」
絢辻「………だ、大丈夫よ。あたしは別に平気よ」
純一「……顔、真っ赤だけど本当に?」
絢辻「だ、大丈夫っていってるじゃない! こ、こんな部屋なんともないわっ!」
純一「……掴んでる手、震えてるけど…」
絢辻「む、武者震いよ!」
純一「そ、そうなんだ……そんなに絢辻さんが言うのなら、これでいいのかな」
絢辻「い、いいわよ? どんときなさいな!」
純一「う、うん…」
だったら別に、そのあれでしょ…こ、この部屋では試着をするだけで十分もとはとれるわっ」
純一「あ、そっか。別に他のコースも料金は変わらなかったしね」
絢辻「そ、そうよ…! むしろこんな場所を経験できたことはプラスに成るわ!
だからほら! 貴方も気にしないでいいから、ね?」
純一「わかった、そうするよ」
絢辻「よ、よろしい……」
きらきら…
純一「……」
絢辻「……」
純一「…じゃ、じゃあその。試着しようか、着物…」
絢辻「へっ!? あ、うんっ! そうね……!」
純一「………」ごそごそ…
絢辻「………」ごぞごそ…
純一「あ。絢辻さんそれ…」
絢辻「ひゃぁいっ!?」びくん
絢辻「ご、ごめんなさいっ、急に変な声をあげちゃって……ど、どうかしたの?」
純一「う、うん…その着物裏表が逆だって言いたくて」
絢辻「え、本当に? こっちが表?」
純一「そうそう、それでね。ここをこうして……こうするんだよ」
絢辻「へぇ……なるほど、やるじゃない純一くん」
純一「あはは。でもまずは、制服を脱がなきゃいけないよ? 上から羽織るだけじゃちゃんと帯びが結べないしね」
絢辻「ま、まぁ……そうよね、たしかにそう…」
純一「………」
絢辻「………」
純一「僕が脱がせてあげよっか?」
絢辻「それぐらい自分でするわよ!ばか!」
絢辻「──ねぇ、ここはどうしたらいいの?」
純一「うん? あ、そこはね。ここを引っ張って…」ぎゅっ
絢辻「うっ」
純一「あ、ごめん…苦しかった? これぐらいしっかりしないと、後々解けたりするからさ」
絢辻「へ、平気よ……大丈夫大丈夫…」
純一「そ、そう? ならいいけど……よし、こんなもんかな!」ぱっ
絢辻「これでいいのかしら?」
純一「うん! おっけーだよ、しっかり着れてる着れてる」
絢辻「ふーん……へぇー……」くるくる…
純一「……どう? 着た感じは?」
絢辻「…悪くないわね。それよりも、貴方こそどうなの?」
純一「もちろん! 可愛いよ、絢辻さん」
絢辻「ふふっ、ありがと。お世辞でも嬉しいわ」
純一「お世辞なんかじゃないよ! 本当に、心からそう思ってるんだから!」
純一「うん! 魅力も三十倍ましになったように見えるね!」
絢辻「それは褒めすぎよ…もう!」
純一「あはは、じゃあさ。もうひとつやってみない?」
絢辻「もうひとつ? まさか、やらしいことするんじゃ……」
純一「ち、違うよ! いや、違くはないけど……そうじゃなくて!」
純一「髪をさ、ちょっとやってみないかな」
絢辻「髪? 髪をどうするの?」
純一「うん、そしたらここに座ってみて」
絢辻「……ベットの上に? やっぱりやらしいことするつもりなんじゃ……」
純一「違うってば! 結ぼうと思うんだよ絢辻さんの髪をさ!」
絢辻「結ぶって……そんなこと出来るの?」
純一「まあ一応ね。これも紳士たるもの、常備しておかなきゃいけないスキルだよ!」
絢辻「よくわからないけど……まぁ、任せるわ。よいしょっと」
絢辻「じゃあ、お願いするわ」
純一「よいしょっと……えっとね、ポニーテールでいいかな?」
絢辻「貴方の好きにしていい」
純一「うん、わかった」
絢辻「………」
純一「…ねえ、絢辻さん」すすっ…
絢辻「ん、なに?」
純一「僕は今、とっても幸せだよ」
絢辻「……突然なによ」
純一「警戒しなくてもなにもしないよ、ただ…これだけ言いたかったんだ」
純一「こんな僕と付き合ってくれて、本当にありがとうって」
絢辻「……そおかしら? だってそもそも、あたしから付き合って欲しいっていったじゃないの」
絢辻「えらく自分を低評価するのね、まぁ、そんなところをあたしは好きになったわけだけど」
純一「あはは、そっか」くいっ
絢辻「貴方はいつだって、自身の返りみを期待せず。他人とために頑張れる人……」
絢辻「それがあたしにはとても不思議で、歪で、意味不明だった」
絢辻「……でもそれが、貴方が持っている素敵な所なんだって…気づけたアタシは」
絢辻「もうこれからさき、ずっとずっと……貴方の虜なんだからね?」
純一「…絢辻さんはえらく僕を高評価するんだね。そうやって褒めてくれる君を、僕は好きになってんだけどさ」
絢辻「ふふっ、あたしは本当のことしか言わないわ。純一君に対しては、ね」
純一「そうだね、ありがたい話だよ」
絢辻「だって好きなんだもの。自分が言いたいことを言えて、素直に返してくれる……そんな人がいるなんて思いもしなかった」
純一「僕は何時だって、絢辻さんの前では素直で居るよ」
絢辻「ありがと、本当に好きよ。貴方のこと」
純一「うん、僕も大好きだよ」
絢辻「もう終わったの?」
純一「うん、綺麗に結べたと思うよ。ほら、そこの鏡で見てみなよ」
絢辻「どれどれ……ふむ、なかなかいいじゃない」
純一「ふふん、でしょうでしょう」
絢辻「案外出来る男じゃないの、純一くんってば」
純一「もっと褒めてくれもいいよ、絢辻さん!」
絢辻「調子にのるな」
純一「ごめんなさい……」
絢辻「ふふっ、嘘よ嘘。調子に乗っていいわ、あたしが褒めてるんだもの」
純一「……そう、かな?」
絢辻「そうなの、だからもっと胸を張ってしゃきっとする!」
純一「こう、かな!」きりっ
絢辻「うむ、いいわね。よろしい」
純一「うん、いいよ。こういったふうに着流すのがコツなんだ」
絢辻「へぇー、似合ってるじゃない。いいわね、着物姿」
純一「そ、そうかな?」
絢辻「身長も合ってるしね、うん。かっこいいわよ純一くん」
純一「えへへ…」
絢辻「それじゃあ……その、アレする?」
純一「え、アレ…?」
絢辻「……そう、アレよ」
純一「……。っ!? ま、まさか絢辻さん…!」
絢辻「もう、みなまで言わないの……わかるでしょう?」
純一「ごくり……で、でも…修学旅行中にそれは…!」
絢辻「嫌なの、かしら…?」
純一「い、嫌じゃないです! アレを僕はしたいです!」
純一「う、うん……」すたすた…
絢辻「もっとこっちに、ううん、それじゃまだ遠いわ……もっと、こっちに」
純一「で、でも…それじゃあ絢辻さんとくっつくことに…!」
絢辻「……くっつかないで、どうやってするの?」
純一「っ……そうだよね! 確かにそうだよ!」すすっ…
絢辻「うん、いいわね。いい感じよ」
純一「あ、絢辻さん……」
絢辻「…なぁに?」
純一「僕っ……僕、絢辻さんのこと大好きだから…!」
絢辻「うん、しってるわ。そしてあたしも貴方のこと、大好きよ?」
純一「ごくり……絢辻、さん…!」すっ…
絢辻「純一くん……」
ぱしゃり
純一「……え?」
純一「……絢辻、さん?」
絢辻「ん? ああ、ありがとね純一くん。たぶん綺麗に撮れたと思うわ」すっ
純一「か、カメラ…?」
絢辻「そうよ、だってただ着てるだけってもったいないじゃないの。
だからこうやって記念に……ね?」ぱしゃ
純一「まぶしっ…!」
絢辻「うん、純一くんの分も撮れた。後はあたし一人」
純一「な、なんだ……そういうことだったのか…」
絢辻「……うん? なにかしら、貴方はもっと過激なことを期待してたの? ん?」
純一「…だって絢辻さんがアレって言うから。期待したじゃないか…」
絢辻「あら、あたしはただアレって言っただけよ? 勝手に落ち込んで勝手に他人のせいにするのはやめてよね〜」
純一「ぐ、ぐう……」
純一(く、悔し……! また絢辻さんに一本取られてしまった!
またバスの時みたいに、絢辻さんを困らせることは出来やしないのか…あ!)
なんといことだ、教えてげなきゃ……いや、待てよ)
絢辻「?」
純一(ここは…僕はあれをしなきゃいけないのではないか?
男して、彼氏として……僕はアレをしなければならないのではないか!?)
絢辻「どうしたの?」
純一(でも、それは…後の絢辻さんをとても怒らせてしまうことに……否!
橘純一、紳士たるもの運命が司るもの立ち向かわなければならない! 詞だけにね!)
純一「──絢辻さん、ちょっといいかな」
絢辻「…なによ、なんだか嫌な気配を感じるわね」
純一「そ、そうじゃないよ…! ほ、ほらここ! 帯がほどけかけてるんだ!」
絢辻「帯……? あら、本当…えっと、どうすればいいのかしら…っ?」
純一「えっと、そうだね。ちょっとそっちをむいてくれるかな…?」そわそわ…
絢辻「…こう?」くる
純一「ごくっ……う、うん。そんな感じだよ…」すっ…
純一(あと、少し……ここに手をかければ、もう……)
絢辻「……純一くん?」
純一「……うん、今からするよ」
絢辻「そう、だったら早くお願いね。ちょっと首元が見られるの恥ずかしくて……」
純一「そ、そうなんだ。でも、首筋とってもきれいだと思うよ絢辻さん……」すっ…
絢辻「そ、そおかな? ふふっ、おもしろこと言うわね純一く───」
純一「それぇええええええー!!」ぐいっ!
絢辻「──え、なに……きゃぁああー!?」ぐるぐるー!
純一「うぉおおおおおおおおー!」ぐいぐいぐいぐい
絢辻「っ〜〜〜〜〜!!?」ぐるぐるぐるー!
純一(──た、楽しい! なんだこれ!? すごく楽しい!
僕が引っ張ることによって、あの絢辻さんが回ってる! 回ってしまっている!)
純一(流石は日本代々から伝わる素晴らしき文化だよ! これは未来に受け継がれていかなければならない意思だよ!)
純一(僕は大切なことを忘れてしまっている…! これをしなければ何が伝統か!)
純一「よ、よいではないか! よいではないか!」ぐいぐい!
純一(い、言えた!感動モノだよ! こんな言葉を言える日が来るなんて……!)
絢辻「あなっ──た、なにを───……きゃぁあー!」ぐるぐる!
純一「違うよ絢辻さん! そこは『おやめになって! あーれー!』だよ!」ぐいぐい!
絢辻「なにを──いって、ちょ──やめ………いやぁあああー!」ぐるぐる… ぽす
純一「はぁっ……はぁっ…」
絢辻「はぁっ……はぁっ…」
純一「やって、しまった……ごめん、絢辻さん……」
絢辻「はぁっ……うっ」
純一「えっ!? も、もしかして吐きそうなの…っ?」
絢辻「…………」
純一「だ、大丈夫? なにか水でも──」がっ
純一「……え? なに、なんだか腰に違和感が────」
絢辻「──男の人の着物って、帯は女性物より細くて短いけれど」
絢辻「できないって訳じゃないのよね、ああいう風に」
純一「あ、あはは…なにをいってるんだろう、絢辻さんは───」
絢辻「とりゃああああああー!」ぐいぐいぐい!
純一「う、うわぁああああああああああ!!!」ぐるぐるー!
絢辻「よいではないかっ! よいではないかっ! あっははははは!」ニコヤカ
純一「うわぁあああー! ……おふっ」ぱたん
絢辻「はぁっはぁっ……あはは、いいわねぇこれ。楽しいじゃない、貴方がやってみたくなった気持ちもわかるわ」
純一「わ、わかってもらえて嬉しいよ……うん……って絢辻さんっ!?」がばぁ!
絢辻「なによ?」
純一「あ、えっと、そのっ! ま、前がっ…!」ちらっ
絢辻「前って………」
絢辻「………」(帯がほどけて半裸に気づく)
絢辻「き、きゃあああああー!!!」ばばっ
絢辻「こ、こないでっ! こっちに来ないでよ!」
純一「こないでって……そもそも着替え見てるし、そんなにも恥ずかしがらなくても…」
絢辻「一応は見ないようにって言ってたでしょう!? やっぱり見てたのね!?」
純一「男して…着替えは見ないとなぁって…あはは」
絢辻「あははじゃないわよ! とにかく! こっちをみないこと! わかったっ?」
純一「わ、わかりました!」ばっ くる
絢辻「も、もうっ……アタシなんてことしてるのよっ…ああ、色々ぐちゃぐちゃじゃない…」ごそごそ…
純一「一人で出来るかな、絢辻さん」
絢辻「みるな!」
純一「み、見てないよ…本当だよ!」
絢辻「う、うぅっ〜…!」
純一「……本当だって。神様に誓って見てないよ」
絢辻「っ……じゃあ、そのままでいないさい…!」ごそごそ…
絢辻「……っ……っ」ごそごそ
純一(まあ、絢辻さんの困った顔が見れて良かったし、結果オーライかな?)
純一(……それにしても絢辻さん、最近すごいよなぁ…)ごくり
絢辻「あ、あれ…ここどうやったかしら……」
純一(なんといかそのっ……ここ、が。すごく成長したっていうかね、うん)
純一(あれは輝日東で一二を争うレベルまで成長をはたしたんじゃないだろうか……)
純一「……回してた時も、ぷるんぷるんだったしね…」キリッ…
絢辻「───ね、ねえ……ちょっと……」
純一「はいっ!? なんでしょうか絢辻さんっ!?」
絢辻「あの、えっとね……ちょっといいかしら」
純一「なんだって申し付けください!」
絢辻「? とにかく、こっちをむいてくれる…?」
純一「え、いいの…? じゃあ振り向くけど……」くる
純一「…………」
絢辻「……なに、そんなにじっと見つめて…!」かぁあ…
純一「えっ!? あ、ごめん…なんだかちょっとはだけた着物姿でベットの上にいるってちょっと…」
絢辻「い、言わないで! 言わなくても……ちゃんと自分が陥ってる状況は判断できてるから…!」
純一「う、うん……それで僕に何のようかな?」
絢辻「そ、そのっ……」もじもじ
純一「うん?」
絢辻「また……む、結んでくれないかしら、帯……」ごにょごにょ…
純一「帯を? お安い御用だよ!」
絢辻「あ、ありがと。でも目をつぶってやること!」
純一「それは難しいよ…」
絢辻「難しくてもやるの!」
純一「…わかった、やってみるよ」
絢辻「…薄目開けてない? きちんと閉じてる?」
純一「男に二言はないよ!」
絢辻「そう、じゃあ……その、お願いするわ」すっ…
純一(うっ……なんだか目を閉じてることによって、逆に興奮が高まったような…)ぴた
絢辻「ひゃうっ…つめたっ…」ぴく
純一「あ、ごめんねっ? 手が冷たかったかな…?」
絢辻「……だ、大丈夫よ。そのまま続けて」
純一「う、うん……これが帯びかな?」
絢辻「そう、それであたしがココ」のしっ
純一(う、うわぁあー! 絢辻さんが僕の膝の上に…!)
絢辻「は、早くしてくれるかしら……お願い」
純一「わ、わかったよ…!」ごそごそ
…絢辻さんが僕の膝の上に腰掛けている。それって何だかえっちぃような…)
純一(いやいやだめだ純一! そんな邪な考えを捨てるんだ! これは絢辻さんのためにやってることだよ!
その行為に一編足りともやらしい意味合いは含まれていないんだ! 紳士であれ!僕!)
純一(……あ、でも絢辻さんってやっぱ良い匂いがするよね。トリートメントかな? くんくん…あ、いいね。
もっともっと、絢辻さんのたくさんの匂いを嗅ぎたいな───)
絢辻「んっ……ちょ、ちょっと…息が耳にあたってるわよ…」
純一「あ、ごめんね…!」
純一(いけないいけない! そのまま押し倒しそうになってしまった…!
なんという魅惑な匂いだろう、もうこれは悪魔の所業だよ! 悪魔絢辻さんだよ!)
絢辻「さっきから、鼻息が荒いのだけど……?」
純一「き、気のせいだよ。うん」
純一(と、とりあえずは心を沈めて……ふぅ。よし、絢辻さんの着替えを済ませてしまおう!)
絢辻「……んっ、ちょっときつい…」
純一「また解けないよう、着物自体もきつく閉めとくよ」
絢辻「そう、わかったわ……でも、案外出来るものね。目をつぶってても」
純一「そうだね、絢辻さんの身体は隅々まで、目をつぶっててもわかるしさ」
絢辻「だ、黙ってやりなさいっ」
純一「は、はい…」
絢辻「………ねえ、純一くん」
純一「うん、なにかな」
絢辻「………。やっぱり変かな、こういう反応って」
純一「どういうこと?」
絢辻「だって……君とはもう、恋人がするべき色々なことは……やってきてるじゃない」
純一「う、うん…そうだね」
絢辻「なのに、こうやって着替えを見られたぐらいで騒いじゃって……だめね、やっぱりあたしって」
絢辻「…そうかしら? だって貴方の彼女として、あたしはきちんとすべきところはきちんとすべきだって…」
純一「…あはは。そう思ってくれてるだけで、僕は嬉しいよ、実際にそうならなくても気持ちだけで十分だよ」
絢辻「………」
純一「僕はそうやって、なにもかも真面目に考えてくれる絢辻さんが……好きだよ」
絢辻「純一、くん……」
純一「なんだっていいんだ、絢辻さんが僕と一緒にいてくれるだけで僕は幸せだよ。
どんなことがあっても、絢辻さんは悪くないし、むしろとってもいいことだって思ってる」
純一「なにもかもひっくるめて、僕は絢辻さんは絢辻さんとして。心から愛してるよ」
絢辻「………」
純一「あはは、ちょっとくさかったかな…?」
絢辻「……ううん、とっても良かった。貴方らしくて、とっても良かった」
純一「そっか。そうだね、これは僕の本当の気持だからさ」
純一「………」すすっ…きゅ
絢辻「何も変わらなくていい。これがあたしであって……貴方が好きな絢辻 詞」
純一「うん」
絢辻「その貴方に好きなあたしは……誰かからほめられると、とても嬉しく思ってるあたしがいる」
絢辻「大切にしたいって、本物にしたいって、心からそう思ってる」
純一「いつだって本物だよ、絢辻さんは。裏があっても表があっても、僕が大好きな絢辻さんだから」
絢辻「……ありがと、そういってくれるとあたしも嬉しい」
純一「僕も絢辻さんにそう言ってもらえると、本当に嬉しいよ」
絢辻「………」
純一「……うん、もうちょっとで終わるよ。もう少し待っててね」
絢辻「………」
純一「……絢辻さん? どうかしたの?」
純一「え、でもそうすると帯が結べなくなって……わわっ」ぽにゅん
絢辻「いいのよ、今はまだ」
純一「そ、そうなの…?」
絢辻「………」
純一「………」ぽりぽり…
絢辻「もういいわよ、目を開けても。だいぶ肌も見えなくなってきてるし」
純一「ん、そっか。じゃあ開けるね」
絢辻「………」じぃー
純一「……あ、あれ? あっちを向いてたんじゃ……あれ?」
絢辻「背中を預ける前に、こっちを向いておいたの。気づかなかった?」
純一「……すごく胸に柔らかい衝撃があった気がする、かな」
絢辻「ふふっ……正直でいいじゃない。もしかして気づいてて何も言わなかったの?」
純一「そ、そうじゃないよ! で、でもこの格好は流石に…!」
純一「で、でも……」
絢辻「でもじゃない」ぐっ…
純一「あ、絢辻さん…? 両腕を首に回したら…!」
絢辻「だって、くっつかないとできないじゃない」
純一「できないってなにが…?」
絢辻「アレよ、アレ。ふふ、でしょ?」
純一「あ、アレって……ああ写真だね! いいよもっともっと撮って………」
絢辻「………」
純一「……うん、ごめん」
絢辻「よろしい。じゃああたしはここまで、後の展開は貴方に任せるわ」
絢辻「……アタシの恋人なら、きちんと最後までいけるでしょう?」
純一「…うん、大丈夫だよ。つかさ」
純一「楽しかったよ、つかさと色々と回れて。こうやって最後に君とくっつき合うことができてる。
なんて幸せだろうね、なにものにも変えようがないよ」
絢辻「そおなんだ、ふーん。嬉しいこと言ってくれるじゃない」
純一「うん、僕も嬉しいからね。なんだって言ってあげるよ」
純一「──つかさ、僕は君を心から大好きだよ」
絢辻「…あたしもよ、心から貴方のことが……大好き」
純一「着物姿可愛いよ」
絢辻「純一も、とても似合ってる」
純一「…でも、それもオシマイだね」
絢辻「どうして?」
純一「だって、脱がしてしまうから」
絢辻「…あらら、それは残念ね。無理な相談よ?」
純一「どうしてかな?」
純一「…大胆な発言だよ、びっくりした」
絢辻「そお? ふふ、いいじゃない。これがあたしだもの」すっ
純一「かっこいいね、だから大好きだよ」
絢辻「うん、知ってるわ」ぎゅう…
純一「でも、やっぱりここは譲ることはできないよ」
絢辻「……どうしてかしら?」
純一「だって、僕は絢辻さんの……恋人だから」
絢辻「それが、なに?」
純一「うん、だってさ。恋人なら、好きなことの相手の全てを…みたいじゃないか」
純一「表だって、裏だって。その着物の中にだって」
純一「僕はつかさのすべてを見てみたい」
絢辻「……お好きにどうぞ、あたしは貴方にならなんだって見せてあげる」
絢辻「だって、貴方に暴かれることなんてもう。一つもないんだから」
純一「そしてつかさも、僕のことはなんだって知ってる」
絢辻「おたがい隠し事なし、なら……もう、いいわよね」
純一「いいも悪いもないよ、僕はただ全力でつかさに立ち向かって、そして…」
絢辻「うん?」
純一「…君とずっとずっと一緒についていくんだから」
絢辻「…いい言葉ね、きゅんってしちゃった」
純一「そっか、えへへ……」
絢辻「……」
純一「……」
絢辻「……キス、する?」
純一「いや、しないよ」
絢辻「しないの?」
純一「うん、しない。でもその代わりに……僕はキスの代わりに」
純一「つかさの恥ずかしがってた首筋に、思いっきり吸い付きたいな」
ここからはエロはなしの方向でございます
ご了承ください
今回は前回にあった
純一「みんなと、イチャイチャしよう!」
純一「もっとみんなと、イチャイチャしよう!」
純一「色々とみんなと、イチャイチャしよう!」
でイチャコラしました話の+的なお話です。
ながらクオリティなのでご了解を
Entry ⇒ 2012.05.30 | Category ⇒ アマガミSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
恒一「デビル鳴クライ?」
恒一「…」
鳴「ンウェー!ヘェァィ!キャモーン ゲラップ!」
恒一「…」
鳴「レツゴォーゥ!ヒェアッ!ハッ、フンッ、ハァッー!!」
恒一「…」
鳴「テェィクディス…ラィズィングドゥラァゴォン!!」
恒一「み、見崎…」
鳴「フゥーッ!!ヒャアッハァー!!」グルングルングルン…
恒一「そんなに傘振り回したら危ないよ…」
鳴「ヘルクラゥドォ!!…スウィートゥベイベー?」ドヤァ…
恒一「どうしよう…見崎の様子がおかしい…」
鳴「トゥーイィーズゥィー…」
恒一「…」
鳴「フゥーッ!ヘェアッ、フンッ、ハァッ!」キュイーン
恒一「…」
鳴「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハァッー!!」グルングルン…
恒一「どうすれば良いんだ…」
鳴「ヘェアーイwwwドゥーユージョォーブ?wwww」
恒一(なんかすごい煽られてる気がする…)
鳴「イェア"ア"ア"ア"ア"!!!!」シュッ
恒一「うっ!?」ドスッ‼
鳴「カモーン…」
恒一(痛い…)
鳴「ホォーゥ!!ホォアァァァァァ!!…スウィート"ゥリームス…」
恒一「あっ、ちょっと!教室で暴れないで!!」
鳴「ン"ンゥエーッ!!アーユーレェデェ?ハァッー!!フゥーーッ!!!」シュインシュイン…
恒一「みっ、見崎ッ!」ガシッ
鳴「!?」ビクッ
恒一(とりあえず捕まえておこう…)
鳴「ロイヤッガァードゥ!!」バッ
恒一「うわっ!?」
鳴「ハッ、フンッ、ヘェアッ!ビーゴォーンッ!!ヘエ"ァッ!」
恒一「つ、強い…」
赤沢「あら、恒一君に見崎さん、今日は早いのね…」
恒一「あ、赤沢さん…」
鳴「 レッツゴォ"オ"ーーーーン"…ヘァッ!!!」シュッ
赤沢「み、見崎さん…?あなたちょっと大丈夫?」スタスタ…
恒一「あっ!赤沢さん!今の見崎に近付いたら危険だよ!!」
鳴「フンッ、フンッ、フンッ、フゥンッ!!サイレェースッ!!」ブォンブォン…
赤沢「えっ?」
鳴「イエェ"ェ"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!」ソォッイッ!
赤沢「うっ…!?」 ドスッ
恒一「鳩尾に傘がっ!」
鳴「クゥレェイズゥィ?…ハッンッ!」ドヤァ…
赤沢「」
恒一「赤沢さんっ!ほ、保健室に行かないと…」
勅使河原「な、なるほどな…だから今日、
赤沢居ないのか…」
望月「それよりも、見崎さんがそんな風になるなんてね…」
恒一「うん…今日登校してきたら一人で教室で暴れてて…」
鳴「ンン"ゥ"エ"ーーー!!レッツゴー!ヘァッア"ッ!!」ブゥオッンッ‼
勅使河原「それで今の今まであんな調子なのか…」
恒一「…」
望月「…なんか怖いね」
勅使河原「随分と、イキイキ動いてるなぁ…」
鳴「ケェーイス…トゥー…ヘルクラゥドォ!!」ビョーンッ…
望月「ねぇ…見崎さんが、ああなった理由って心当たりないの?」
勅使河原「そうだな…見崎は元々変な影響受けやすい子だからなぁ」
恒一「そういえば…」
勅使河原「ん?どうしたサカキ?」
恒一「なんだか最近ゲームにハマってるって見崎が言ってたな…」
望月「ゲーム?」
鳴「ヘァッ、フゥ、ハァーッ!!…ハッハッハッハッハ」グルングルン…
鳴「ハァッー!!イェーッ!…ヘェイ?ワッツアップ?」ドヤァ…
望月「見崎さんがゲームなんて珍しいね…」
勅使河原「そういうの…嫌いなイメージだったんだがなぁ」
鳴「レッツロック!!…フゥオーウ!!」カキイン‼
恒一「あんまり想像できないよね…」
鳴「ボォクヲミロォー!!」シュッ、パッ
恒一「あっ!見崎!二段ジャンプすると、パンツ見えちゃうよ!!」
鳴「テェアッ!!フッ、ハァッ!!…スウィートベイビー!」
望月(なんだこれ…)
勅使河原「そんな訳で病院に来たわけだけども…」
鳴「…ビーゴォーン!へァ"ァ"!!」ジュインジュイン…
望月「なんで連れて来たの…」
恒一「いや、一人にしておくと危険だと思って…」
勅使河原「それに頭の病気かもわからねぇからな…」
鳴「フゥァ"ーーーオ"オ"!!ハッハァー!!」グルングルン…
望月「…た、確かに、この動きは異常だよね…」
鳴「カモォン!!スリィーピィオン…ベイビー」ドヤァ…
恒一(ひとしきり動いた後に決めゼリフみたいなの言うのは意味あるのかな…)
勅使河原「まぁ、早く行こう…」
恒一「ここがそうっぽいね…」
勅使河原「なぁ、サカキィ…やっぱやめようぜ」
恒一「えっ?どうして?」
望月「なんだか猛烈に嫌な予感するよね…」
鳴「…」←腕を組んで俯いている
勅使河原「なんだか見崎も妙に神妙な態度になっちまったしな…」
恒一「…でもここまで来たんだし、ちょっとくらい話を聞いて行こうよ…」
望月「う、うん…まぁそうかも知れないけどさ…」
鳴「…カモォーン」
勅使河原「…」
恒一「こ、こんにちは…」
未咲「…」
勅使河原「あ、あのさぁ…見崎の姉妹さん?だよな…?」
未咲「……」
望月(普通なのかな…?無口だけど…)ヒソヒソ
恒一(うーん、僕も会うのは初めてだからね…)
未咲「……ダァーイ…」スッ…
勅使河原「えっ?」
望月「や、ヤバイよこれ…」
未咲「…ユゥーシャルダァーイ…」シュッ!!
恒一「逃げろぉおおおお!!勅使河原ァあああああ!!」
勅使河原(い、何時の間に背後に…)
未咲「ヘァ"ア"ア"ア"ア"ァァァァァ!!」グィッ!
勅使河原「ふぐっ!?」ドスッ
恒一「て、勅使河原が…」
望月「目にも留まらぬ早さの兜割りだ…」
未咲「…ユーアァナーモチベェーショォン?」
鳴「イエ"エ"エ"ア"ア"ァァァァァァァァ!!!!」ジュッ‼
未咲「…ワッツローン…」キィンッ
恒一「あっ、見崎!!」
望月「ここは一先ず見崎さんに任せて逃げよう!!」
恒一「そ、そうだね…勅使河原なんか頭から血出てるし」
恒一「こ、ここまで来れば大丈夫だよね」
望月「でも瞬間移動してくるから油断出来ないけどね…」
勅使河原「」ビクビク
望月「勅使河原君…白目向いちゃってるけど大丈夫かなぁ…」
恒一「一応、血は止まったけどね…」
?「おーい!」
恒一「うん?」
赤沢「あら?恒一君、それから望月君に…勅使河原?」
恒一「あれ?赤沢さん?どうしてここに…?」
赤沢「見崎さんに鋭い突きを食らった衝撃で肋骨にヒビが入ったらしくて…病院に…」
望月「す、すごい威力だったんだね…」
赤沢「えっ」
望月「見崎さんが暴れてるからね…」
赤沢「そ、そうなの…?」
恒一「…」
望月「それより勅使河原君どうしようかな…」
赤沢「私も結構重症なんだけど…」
恒一(見崎…大丈夫かな?だいぶ押されてたけど…)
望月「とりあえず救急車呼ぶね…」
恒一「赤沢さん」
赤沢「へっ?なに?恒一君」
恒一「勅使河原を頼むよ。ぼくはちょっと見崎が心配だから見てくる」ダッ
赤沢「あっ、ちょっと待って…」
望月「えぇー殺されるよ…やめた方が…」
恒一「…おかしいな…居ないぞ?」
恒一「一体どこに…」
シュインシュインシュイン…ハァッ!
恒一「なんか屋上の方から音がする…」
恒一「み、見崎!」ダッ
恒一「見崎!大丈夫!?」
未咲「フンッフンッフンッフンッフンッ…」ショインショインショイン…
見崎「ウッ、ウッ、ウッ、ウッ、ウッ…」ザシュザシュザシュ…
恒一「見崎が空中に固定されてずっと切られてる…」
未咲「フンッフンッフンッフンッフンッフンッフン…」ショインショインショイン…
鳴「ウッ、ウッ、ウッ、ウッ、ウッ、ウッ、ウッ…」ザシュザシュザシュ…
恒一「あれどうやって浮いてるんだろう…」
未咲「…ヘェア"ッ!!」ブンッ!
鳴「…ウワァァァァァァァ…」ドサァ…
恒一「あっ、終わった…」
未咲「フゥーリッシュグゥアール…」ドヤァ…
未咲「フゥーリッシュネス、メイェ…フゥーリシュ…」ドドヤァ…
恒一「…」
未咲「…」バッ
恒一(屋上から飛び降りてった…大丈夫なんだろうか)
鳴「…ゥウ…」フラッ
恒一「見崎!」
鳴「榊原君…うっ…」
恒一「あ、あんまり動かない方が…」(素に戻った…)
鳴「くっ…」
恒一「…なんでこんな事になったか、説明して貰えるかな?」
鳴「…うん」
鳴「未咲…お見舞いに来たよ」
未咲「あっ、鳴!」
鳴「これ、お花…」
未咲「綺麗…ありがとう!退院したら、また遊園地に行こうね!」
鳴「うん、きっとね……病院、退屈じゃない?」
未咲「全然退屈じゃないよ、ちょっと淋しいけど、テレビもあるからゲームも出来るし…」
鳴「そう、良かった…」
未咲「それより鳴は、ゲームとかしないの?」
鳴「私はあんまり…そういうの、得意じゃないからね」
未咲「やってみなよ!きっと気に入ると思うよ!」
鳴「どうかな…」
鳴「え…でもそれだと、未咲が退屈に…」
未咲「大丈夫!鳴が来てくれるから、ちっとも退屈しないよ!」フフフ
鳴「……そ、そう///」
未咲「それじゃあこれ、貸してあげる!」スッ…
鳴「…デビルメイクライ…3?」
未咲「主人公がね、ひゃっはーって感じでね、格好良いんだよ!!」
鳴「そうなんだ…ありがとう」
未咲「もしクリアしたら、感想聞かせてね!」
鳴「…うん、わかった」
恒一「デビル鳴クライ?」
鳴「そう、デビルメイクライ…」
恒一「そのゲームが原因なの?」
鳴「まぁ、そういう事になる…」
恒一「そっか…でも、話を聞いてると、二人は仲が良さそうな印象なんだけど…」
鳴「…」
恒一「どうしてさっきは喧嘩を?壊しちゃったとか?」
鳴「違うの…それには深い訳があってね…」
鳴「未咲に借りたゲーム…」
鳴「やってみようかな…」カチッ
鳴(ちゃんとクリア出来るかな…)ウィーン…カリカリ…
鳴(このゲーム15歳以上対象なんだ…)
デビルメイクラァーイ…
鳴(主人公…銀髪なんだ…)
鳴(すごい…あんなに沢山の敵をいとも簡単に…)ワクワク
ダンテ『ヒャッホォー!!イェア!コモォン!!』
鳴(二丁拳銃、剣も使うんだ…すごい、格好良い)ワクワク
鳴(…私好みのゲームかも知れない)
鳴「それから私は狂った様に、お風呂も入らず昼夜問わずにやり込んだわ…」
恒一「見崎はちょっと極端な所あるよね…」
恒一「それで?」(今の所、特に仲違いするような理由は見つからないけど…)
鳴「未咲、このゲーム…すごい面白かったよ」
未咲「そう!良かったぁ…鳴ならきっと気に入ると思ったの!」(厨二だからね…)
鳴「退院したら…二人でやろう」
未咲「うん!!その為には私も頑張らないとね!!」(なんか鳴…ちょっと酸っぱい匂いするけど…ま、いっか)
鳴「ダンテは最高に格好良い主人公だった…」
未咲「そうだね!でもバージルの方が格好良いけどね!」
鳴「…え?」
未咲「日本刀を武器に、自分の美学だけを信じる生き方…格好良いなぁ」
鳴「…いや、ダンテの方が格好良い」
鳴「…二丁拳銃と大剣リベリオンを武器に、どんな時でもクールな態度で敵を倒すダンテの方が格好良い」
鳴「…ダンテ…これは譲れない」
未咲「…ダンテはちょっと馬鹿っぽいじゃん」イラッ
鳴「…バージルは脳筋過ぎ…」イラッ
未咲「…でも実力ではバージルの方が強いんだよ?」イライラ…
鳴「…最後、負けたじゃん」イライラ…
未咲「…あれは連戦で疲れてたからだよ」イライライラ
鳴「…そんなのダンテもじゃない」イライライラ
鳴「僅かな価値観の違いから、私達の間に険悪なムードが漂った…」
恒一「そっか…」(そんなんどっちでも良いじゃないか…)
恒一「う、うん…」(見崎は変な所で頑固だったりするからなぁ…)
未咲「…この厨二病邪気眼少女」ボソッ
鳴「…うるさい虚弱モヤシ少女」ボソッ
未咲「…」カッチーン
鳴「…」カッチーン
未咲「…ウォア"ア"ア"ア"ァァァァ!!!ビィゴォーン!!!」ガタッ!
鳴「イェア"ァ"ァァァァァァ!!!!ハァア"ァ"ッアアアア!!!!」ガッ!
看護婦「えっ?」ビクッ
鳴「そして私達は…袖を分かつ事になった」
恒一「そうなんだ、大変だね…」(どうでも良いわぁ…)
恒一「なるほど…だけど、負けちゃったんだね…」(赤沢さんは巻き添えを食らったのか…)
鳴「悔しいけれど、バージルの強さは認めざるを得ない…アルカプでも糞キャラだし…」
恒一「そうなんだ…それで、どうするの?」
鳴「…正直、もう心が折れそうになってる…円陣幻影剣がウザ過ぎる…」シュン…
恒一「み、見崎…」(明らかにションボリしてる…)
鳴「迷惑をかけてごめんなさい…赤沢さんにも謝っておくね…」トボトボ…
恒一「…」(見崎…)
最強クラス
鳴「…」ションボリ
恒一「という訳だったんだよ」
勅使河原「なるほどなぁ…それであんなにテンション高かったのか…」
望月「それに比べて、今日は打って変わって静かだねぇ…それより勅使河原君、頭のアイスノン溶けそうだよ?」
勅使河原「…ん?そういやそうだなぁ…そろそろ取り替えに行くかぁ…」
望月「それじゃあ僕も一緒に行ってくるね…」
恒一「…うん、それじゃあね」
鳴「……二丁拳銃さえあれば…」ショボン
恒一(見崎…すっかり元気なくしちゃったな…)
鳴「…」フィッ
恒一「どっちも格好良いって事で良いじゃないか?ね?」(うつ伏せになって机に突っ伏してる辺り…かなり拗ねてるなぁ)
鳴「…別にそんなの分かってる」
恒一「…」
ガラッ
綾野「見崎さん!こういっちゃん!」
恒一「綾野さん?」
綾野「うん、ちょっと見崎さんに用があってね…」
鳴「…何?」
綾野「あれ?昨日は狂ったように傘を振り回してたのに、今日は元気ないねぇ…」
鳴「…」
恒一「あ、綾野さん…」
綾野「えーそうなの?なんだー…折角演劇部に入れようと思ったのになー」
鳴「……別に演劇部に入りたくて傘を振り回してたわけじゃない…」フンッ
綾野「なるほどねぇ…姉妹喧嘩に負けちゃったわけかー」
恒一「それで今日はずっとこんな感じなんだよ…」
見崎「…二丁拳銃さえあったら勝ってた…」
綾野「あはは、意外と負けず嫌いなんだね」
恒一「まだそんな事言ってるのか…」
綾野「ふーん……あっ、そういえば演劇の小道具で、確か拳銃あったような…?」
鳴「……マジで?」ガバッ
恒一(食いついた…)
鳴「ち、ちなみに…何丁?」ドキドキ…
恒一(喜びを隠しきれてない…)
綾野「うーん、どうだったかなぁー?確か一丁しかなかった気がするなぁ…」
鳴「……二丁ないと意味がない」ガクッ
恒一「こだわるなぁ…」
綾野「変に期待させちゃってゴメンねー」
鳴「…別に気にしてない」ガックリ
恒一「めちゃめちゃ気にしてるじゃないか…」
ガラッ
小椋「あれー皆何してんの?」
鳴「別にそんなに欲しい訳じゃない…」
恒一「いやいや、えらい欲しそうだったじゃないか」
小椋「ふーん、拳銃って本物の?」
綾野「エアーガンとかで良いんだってぇー」
小椋「そっかぁー…あっ、演劇部の貸して上げれば良いじゃん!」
鳴「二丁ないと駄目なの…」
綾野「だってさ」
小椋「…ならさぁ、ウチのアニキが持ってるヤツも貸してあげようか?」
鳴「!?」ガタッ
恒一「眼に光を取り戻した…」
小椋「うん、なんかサバゲーやるって言ってさぁー沢山持ってたんだけどねぇ…今は引きこもりだし」
鳴「ま、マジすか…?」ワクワク
恒一「見崎…口調が…」
小椋「うん、多分大丈夫だと思うけど…」
綾野「良かったね!見崎さん!」
鳴「…二人は親友、早速取りに行く…」
恒一「えっ?今から?」
小椋(問題はアニキが部屋を開けてくれるか…)
小椋兄「…」
『アニキー!起きてるんでしょー』ドンドン
小椋兄「…チッ」(うるせーなぁ…)
『友達が借りたい物あるらしいんだけどさぁー、開けてよー!』ドンドン
小椋兄「…」(その手には乗らないっつの)
『ねぇーってば!開けないと無理矢理開けるよー?いいの?』
小椋兄「…開けれるもんなら開けてみろよ」ボソ…
『…』
小椋兄「…行ったかな?」
『ンゥエ"ァー!!!イィエ"ア"ァ"ァ"ァ"ァ"!!!』ズドォオン…!
小椋兄「!!!?」ビクッ(ド、ドアが…)
鳴「…お邪魔します…」
綾野「うわぁー!小椋のお兄さん初めて見たー!」
小椋(ドアが無くなれば…アニキの引きこもりも治るハズ…!)
ゾロゾロ…
小椋兄「」
鳴「…このガス銃…ダンテのに似てる…」
恒一「えぇーでも、これ高そうだよ?貸してくれるかなぁ…?」
綾野「窓開けよーよ、空気悪いよ!」
小椋兄「…な、なんだ?何なの?」
小椋兄「え…?」
鳴「これ…借りても良いですか?」
小椋兄「う、うん…いや、ていうかさぁ…君、誰?」
鳴「…見崎、鳴」
小椋「私の友達なの…」
小椋兄「そ、そうなんだ…あの、ドア壊したの…君?」
鳴「イェア…」
小椋兄「ど、どうやって壊したのかな?いや、別に責めるわけじゃないんだけど…」
鳴「Level2スティンガーで…」
小椋兄「そ、そっかぁ…」
鳴「イェァア…スウィートベイベー…」ドヤァ…
小椋兄「そ、それ…もう返さなくてもいいよ…うん…」
鳴「…おぐりんのお兄さん、良い人だった…」
恒一「そ、そうだね…」(おぐりんって…)
鳴「…このオグニー&アヤボリーで、次こそ未咲を倒す」クルクル…
恒一「な、名前付けたんだ…」
鳴「うん、格好良いでしょ」ドヤァ
恒一「お、おう…そうだね…」
恒一「え?」
鳴「…イェ"ア"ァァァァ!!!!レッツゴォーゥヘェア"ッー!!!」ビョーンッ
恒一「うわっ!?」
鳴「フゥッワフッフッフッフッーーー!!!イェアァァァ!!」グルングルンバンバンバン‼
恒一「あっ、見崎!銃を下に向けて撃ちながら回転するとパンモロするよ!!はしたないよ!!」
鳴「ヒャッフゥゥゥゥゥゥ!!!フンッ、ヘァッ、ハァッー!!」ブォンブォン…
恒一「聞いてないな…よっぽどはしゃいでるんだね、見崎」
鳴「タイムトゥロック!!ンウェー!!ハァッー!!インマァイサン!!」トゥトゥン…
恒一「…ははは」
鳴「キーピンスタイリッシュ!!イヤァッホォwwwwwフゥーwwww」バンババンバン…
恒一「…」
鳴「ジャックポッwwwwww」バシュウン‼
恒一(これ元の見崎に戻らなかったらどうしよう…)
鳴「ガッチャッ!!ドゥォンリンク!!ンウェー!!」
恒一「…」
鳴「…」ピタッ
恒一「ん?どうしたの見崎、見てるからまだ動いても良いよ?」
鳴「…榊原君、私がこのままだったらどうしようって思ってない?」
恒一「…いや、べ、別に思ってないけど」
鳴「…安心して、次に未咲と闘ったら、勝っても負けてもデビルハンターは卒業するから」
恒一「うん…」(デビルハンターだったのか…)
鳴「それじゃあ、また明日ね。榊原君」
恒一「また明日、見崎」
鳴「…」ノシ
イェア"ァァァァ…
恒一(見崎…スティンガーで移動しながら帰ってる…)
鳴「デビチルッスコンブッ!!ハァッー!!」ギュイーン
勅使河原「見崎、すっかり元気を取り戻したなぁ…」
望月「戻らなかった方が良かったかも知れないけど…」
恒一「うん、でも今日で終わりにするらしいからね…」
勅使河原「えっ…?そうなの?」
鳴「フウゥーーウ!!ハッハーッ!」グルグルグルグル…
恒一「流石に…ね?」
勅使河原「なんだぁーガッカリだなぁー…大ジャンプでのパンチラはもう見えないのかぁー…」
望月「勅使河原君…それはちょっと…」
鳴「イェ"ア"ァァァァ!!」シュッ‼
勅使河原「いってぇ!!ゴメン、ゴメン…悪かったよ…」ドスッ
鳴「カモォーン!ゲラップ!!」
恒一「ははは」
未咲「…」(昨日はついやり過ぎちゃったな…)
看護婦「未咲さーん、明日には退院できるそうですよー」
未咲「…」(最近、ろくに口聞いてないけど…絶交とか、ないよね?)
看護婦「み、未咲さん?」
未咲「…失せろ」
看護婦「えっ?」
未咲「二度は言わん…」
看護婦(前はこんな子じゃなかったのに…)
鳴「…とうとう来た」クルクル…
恒一「本当に戦うの?」
鳴「家族だからね…」キリッ
恒一(全然理由になってないんだけど…)
恒一「僕もついて行こうか?」
鳴「いい、榊原君は巻き込めないから…私一人で行く…」
恒一「えっ?でも…」
鳴「フンッ…!」シュパッ‼
恒一「!?」
恒一「み、見崎が消えた…」
鳴「…あれ?」キョロキョロ
恒一「ちょっと先にすぐ出てきた…」
鳴「…」
未咲「…」
未咲「…待ってた」
鳴「こういうの、感動の再会っていうらしい」シュキィーンッ…
未咲「…そうみたいね」
鳴「まずは再会のキスでもしようか?」
未咲「…え?」(えっ///)
未咲「…ゴホン…たまには鳴の遊びに付き合ってあげよう」シャキーン…
鳴「…イェア"ア"ァァァァァ!!!!」ダッ!
未咲「…ハァ"ア"ァァァァァァッ!!!!」ダッ!
恒一(気になるから見にきちゃったよ…)
未咲「…ユライダゥーンッ」グルングルングルングルン…
恒一(全部弾かれてる…)
未咲「ハァッ!!」シュパシュパシュパ‼
鳴「ロイヤッガードゥ!!」キュイーンッ‼
未咲「ユーアァマァーイン…テェイクディス!!!ヘェァッー!!」グルングルン…
鳴「…フンッ!!」シュパッ
未咲「…!?」(消えた…だと…?)
鳴「イェア"ア"ア"ァァァァァ!!!!」ズンッ‼
未咲「…チッ…」ガキィーッン‼
鳴「…スウィートベイビー?」ドヤァ…
恒一(見崎はあの挑発好きだなぁ…)
未咲「…フン…ハッ、フッ、フンッ!!!」キィン…!
鳴「…テェイクディス…ライズィングドゥラアゴォオン!!」ゴパァッ‼
未咲「グフッ…!?」
鳴「ゥンウェー!!……ヘルクラウドゥ!!!」グルングルン…ドンッ
未咲「ナァーゥアムービングゥ…!」ギリッ
恒一(見崎がちょっと押してる…)
恒一(それにしても…)
鳴「カモン!!ゲラップ!!」クイックイッ…
未咲「…ダァーイ!バスタァードゥ!ヒィェル!!」キュイーンッ
恒一(無駄に熱い…)
鳴「…そんなものじゃない筈、立てよ」
未咲「…少し鳴を見くびっていた…」
鳴「…?」
未咲「少し…本気を出してやろう…」キィン…
鳴「…!?」
未咲「ユーアァゴーインダァーウン…」ブゥンブゥンブゥン…
鳴「!!」ロイヤッガード‼
恒一(なんか見崎のお姉さんが凄いオーラ出してる…)
未咲「ハァッー!!!」シュンッ
鳴「…!?」ガッ!
シュイン、シュイン、シュイン、シュイン、シュイン…
鳴「…ッ!?」ガキィンッ!ガキィン!
恒一(すげぇ…厨二病を極めるとあんな事が出来るのか…)
未咲「ダァーイ!ダァーイ!ダァーイ!ビーゴォン!」バシュッ!バシュッ!
鳴「…はぁ、はぁ」(ロイヤルガードがなかったら即死だった…)
未咲「…マイト、コントゥロールゥ…エブリィウェア…」
鳴「……。」グッ
未咲「…終わりね…」キィン…
鳴「……」
未咲「ダァーッイッ!!!!」ビュオッ‼
鳴「…ハッハーw」キィン…
未咲「…!!!?」
鳴「ロイヤッリリーッスッ!!!!」キュゥイィーン‼
未咲「…!?…ッ」ズズッ‼
恒一(カウンター!?)
恒一(あっ、かなり効いてる…!今がチャンスだ…!)
鳴「…インヤァ"ァー」ダッ
未咲「…クッ」
鳴「イェィ"ィィィヤァ"ァァァァァ!!!」シュキィーーン…!
未咲「……メイェ…」ドスッ!!
鳴「…」クルクルクルクル…
未咲「…」バタッ…
鳴「…ジャックポッ!!」ドヤァ…
恒一(か、勝った…)
鳴「…勝負は着いた、私の勝ち」ドヤ
恒一(ここぞとばかりにドヤ顔連発してる…)
未咲「…ふふ、やっぱりダンテは強いね」
鳴「バージルも中々強い…」
未咲「仲直り…してくれる?」
鳴「もちろん」グッ
恒一(良かった…)ホッ…
ガチャッ!
恒一(ん?)
霧果「ちょっと!!!鳴ちゃん!!!」
鳴「あ…お母さん…」
鳴「痛い…」ヒリヒリ…
霧果「赤沢さんの娘さんに怪我させたでしょ!!!」
鳴「え?」ジンジン…
霧果「もう!!何やってるの!!傘でチャンバラなんかして!!!お母さん悲しい!!!」
鳴「…ご、ごめんなさい」ジンジン…
霧果「本当にもぉー!!この子は!!赤沢さんの親御さんがね、許してくれたから良かったけどね…一歩間違ったら大変よ!!!分かってるの!!?」
鳴「…」ジンジン…
未咲・恒一(き、気まずい…)
霧果「もう!!そんなとこで遊んでないで!!!早くこっち来なさい!!!」ガー
鳴「…うぅ」
鳴「…はい」
霧果「人の物を壊したりしちゃダメって!!!何回も言ってるでしょ!!!」
鳴「…ご、ごめんなさい」シュン…
霧果「もう中学三年生にもなって!!!そんなオモチャの鉄砲なんか持ち歩いて!!!もうこれは没収!!」バッ!
鳴「…あっ…」ガックリ…
霧果「これからね!!赤沢さんと小椋さん家に謝りに行くからね!!!鳴ちゃんも来なさい!!!」グィッ
鳴「あっ…み、未咲…またね」ズルズル…
未咲「う、うん…また今度」
バタンッ…
恒一(ま、まぁ…そうなるよね…)
恒一「…あ、あの…」
未咲「…!」ビクッ
恒一「み、見崎の姉妹?なんだよね?」
未咲「そ、そうだけど…貴方は榊原君?」
恒一「うん、名前知ってたんだ…」
未咲「鳴がね、貴方の話をよくするから…」
恒一「ふ、ふーん、そうなんだぁ…」(なんか凄い嬉しいな…)
未咲「それより…私も謝らないとね…」
恒一「え?誰に?」
未咲「…病室で私が殴りかかった人」
恒一「あ、あぁー…」
恒一「うん、また今度…次は学校かな?」
未咲「多分ね…それじゃあ」
恒一「…じゃあね」
恒一(なんか疲れた…)
恒一(凄い二日間だったなぁ…)
恒一(ぼくも早く帰ろう…)
恒一(見崎は次の日からいつも通りのテンションで登校するようになった。)
恒一(ただ、頬っぺたには綺麗なモミジの後があって、三日は消えずに残った。)
恒一(それから…小椋さんのお兄さんは、引き篭もりを辞めたらしい。)
恒一(ドアがなくなった事で、家族ともスキンシップを取るようになり、社会復帰まであと僅かだという…)
恒一(そして、見崎と小椋さんの仲が少しだけ良好になった…)
恒一(藤岡さんは、しばらくして学校にも登校してくるようになり、大団円だ…)
恒一「…まぁ、めでたしめでたしって事で…」
おわり
乙乙、面白かったぜ
おもしろかった
Entry ⇒ 2012.05.29 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
さやか「転校生ってベッドの上じゃ弱いんだね」
ほむら「すぅ…」
さやか「ベッドでゴロゴロしている内に寝てしまった」
さやか「…」ジー
さやか(ちょっとイタズラしてみようかな…)
ほむら「ン……」ゴロン
さやか「寝てる?」
ほむら「スー…」
さやか「寝てるね?」
ほむら「スー……ンー……」
さやか「それじゃ、ちょっとだけイタズラしちゃいますよー……ふぅ」
ほむら「んっ……」ピクン
さやか「おお、起きない。ぐっすり寝てますなぁ♪」
ほむら「スー……カナメサン……」
さやか「ん?」
ほむら「ウン……ワタシ、ツヨクナッタヨ……スー」
さやか「ほう……あたしの家に遊びに来ておいて、夢に出て来るのはまどかですかい転校生さんよ」
ほむら「イッショニガンバロウネ……カナメサン……」
さやか「これはどうやら、お仕置きが必要ですな……ふふふ」
さやか「まずは耳からだ……ふっ」
ほむら「んっ……」ピクン
さやか「ふふ、転校生、いや、ほむらはあたしの嫁になるのだー」ボソボソ
ほむら「ウン……カナメサン……」
さやか「ぐぬぬ……起こしてやろうか……」
ほむら「……」
さやか「このままじゃあたしが寝られない……と言うか、そろそろ帰らないともう夜なんですけど」
ほむら「………」
さやか「あたしの家に泊まるつもりですかい転校生は?」
ほむら「……何を独り言を言っているのかしら、美樹さやか?」
さやか「っ!?」ビクッ
ほむら「全く……」ムクッ
さやか「お、起きてたの転校生?いつから?」
ほむら「『あたしのベッドを云々』くらいからかしらね」
さやか「くっ……べ、別に今のは独り言じゃないし!転校生に話しかけてただけだし!」
ほむら「えっ?」
さやか「転校生はまどかの事、下の名前で呼び捨てじゃなかったっけ?」
ほむら「そっ、それはその……」
さやか「ほう……訳ありと見た」ニヤニヤ
ほむら「あ、あなたには関係ないわ」ファサッ
さやか「んー?あたしにそんな事言っていいのかな?」
ほむら「ゆ、夢を見ただけよ」
さやか「夢?」
ほむら「ええ。昔の夢を、ね……」
ほむら「い、いいでしょう別に」
さやか「まどかと昔会ったことあるとか?」
ほむら「そ、そう!そうなのよ!」
さやか「嘘は似合わないぞ転校生?」
ほむら「うるさいわね!とにかく、あなたには関係ないわ!」
さやか「そう、話す気はないんだ?」
ほむら「当然よ」
さやか「生意気な転校生は、こうだ!」トンッ
ほむら「あっ……」
トサッ
さやか「……」(お、思わず押し倒しちゃった……)
ほむら「……」
さやか「な、なんか言ってよ転校生」
ほむら「あ、あなたこそ……」
さやか「……転校生が、悪いんだよ?」
ほむら「……え?」
さやか「せっかく転校生と親睦を深めようと思って、こうして二人で遊んでたってのに……まどかの夢を見るんだもん」
ほむら「……自分の事を、見て欲しかった?」
さやか「そりゃ、ね。いくらなんでも、そりゃないでしょって感じ。ちょっと、嫉妬しちゃうよ」
さやか「……」ムスッ
ほむら「そんなにむくれないの。せっかく可愛い顔してるのに、台無しよ?」
さやか「か、可愛い顔って……」
ほむら「あら、褒められ慣れてないのかしら?」
さやか「え、ええい!うるさいうるさい!このまま転校生の体に覆いかぶさったっていいんだからね!」
ほむら「やれるものならやってみなさい」
さやか「ほう……言ったね?」
ほむら「え?」
さやか「食らえぃ!」ボスッ
ほむら「み、美樹さやか!?」アセアセ
さやか「んー……転校生の匂いがする……」スンスン
さやか「うはは、食らえ食らえ〜!」コチョコチョ
ほむら「や、やめっ……あぅっ!?」ビクッ
さやか「っ!」
ほむら「っ……な、何よ?」
さやか「い、いや、その……随分と艶めかしい反応を示したな、と」
ほむら「くっ……」
さやか「脇が弱いのですかな?」ツン
ほむら「うくっ!」ピクッ
さやか「転校生の弱点はっけ〜ん♪」ツンツン
ほむら「や、やめっ……!」ピクッ ピクッ
ほむら「な、何を……っ!」ピクッ
さやか「魔女と戦ってる時はなんかよくわかんないウチにドカーンバシューンって感じで倒しちゃうからさ、『あ〜強いな〜』って思うわけよ新米のあたしとしては」
ほむら「そんなことないわ、あなただって強いじゃない。契約したばかりで魔女を倒すなんて芸当、そうそう出来るものではないわ」
さやか「いや〜、あの時は無我夢中だったからねぇ」
ほむら「自分に自信が無い?」
さやか「まぁ……うん。正直、足を引っ張ってるんじゃないかなって思うことはあるよ」
さやか「マミさんとか、杏子とか、転校生とか。みんな、強いもん。あたし、なんかの役に立ててるのかなって、ね」
ほむら(……昔のわたしと、同じ、ね)
さやか「転校生?」
ほむら「マミが、前に言っていたわよ?『美樹さんの成長の早さが羨ましい』って」
さやか「マミさんが……?」
ほむら「マミから聞いた話だけれど、彼女の魔法少女としての初戦、力及ばずに撤退したと言っていた」
さやか「……ちょっと、想像出来ないな。マミさん、すごい強いし」
ほむら「それに、杏子だって。魔女を倒したはいいけれど、犠牲者ゼロとはいかなかったらしいわよ?」
さやか「そう、なんだ」
ほむら「わたしだって……今はかなり強くなったのかもしれないけれど、契約当時は一人で魔女なんてとても倒せなかった」
さやか「………」
さやか「……そう、かな」
ほむら「まだ、自信が持てない?」
さやか「う、うん」
ほむら「……なら、わたしがあなたに自信をつけさせてあげる」ギュッ
さやか「ちょっ、転校生!?」
ほむら「そうじゃないでしょう?」
さやか「い、いや、あの……」アセアセ
ほむら「わたしの事、嫌いかしら?」
さやか「そんなことは、ない、けど……」
ほむら「なら、今だけは、わたしだけを見なさい、さやか」
さやか「……ほむら」
さやか(目を閉じた……?)
ほむら「………」
さやか(こ、これはまさか………)
ほむら「…………」
さやか(き……キス…………??)
ほむら「……………」
さやか「あ、あの、ほむらさん……?」
ほむら「……なに?」
さやか「どうして目を閉じてらっしゃるのでしょうか……?」
ほむら「察しなさいよ、もう……」ズイッ
チュッ
ほむら「ふふ……」ニコッ
さやか「え、あ、えっと、そのあの……」
ほむら「意外だった?」
さやか「な、なんでこんなことを……?」
ほむら「………昔のわたしと、一緒だったから」
さやか「昔の、ほむらと?」
ほむら「ええ……放っておけないわ」
さやか「………」
ほむら「誰かに守ってもらって、自分で力を持つことが出来て、それでも自信を持つことが出来なくて……」
ほむら「わたしだって……自分に、自信なんて持ってないわ」
ほむら「たったひとつの約束も守れず、いつまでも彷徨って……それで、自信を持つことなんて、出来るわけないじゃない」
さやか「………」
ほむら「知ってる?わたし、今までたくさんあなたを……いえ、あなたたちを見捨てて来たの」
ほむら「今回はダメでも、次こそは。次がダメなら、そのまた次。そうして彷徨い続けて……とうとう、わたしはひとりぼっちになった」
ほむら「……あなたとの関係も、マミとの関係も、杏子との関係も……ついには、まどかとの関係まで、無くしそうになった」
さやか「あたしとの関係……って……」
ほむら「嫌われて当然よね……何度も見捨てて来たんですもの」
ほむら「………」
さやか「さっき、言ったばっかりじゃん。嫌いじゃない、って」
ほむら「さやか……」
さやか「ずいぶん、一途なんだね?たったひとつの約束を守る為に、だなんて」
ほむら「……」
さやか「その約束っていうのは、まどかとのこと、でしょ?」
ほむら「……どうして、あなたはそう、鋭いのかしらね。その鋭さが、たまに憎たらしくなるわ」
さやか「あっはは……これはもう、あたしの性分だからね。でも、なら、こんなところであたしとこんなことしてるわけには、いかないんじゃない?」
ほむら「え……?」
さやか「人に『自信を持て』なんて言っておいて、自分自身は自信がありませんって、なんだそれ、ってなるじゃん」
さやか「ひとりぼっちは寂しい、って、これは杏子からの受け売りだけどさ。ほむらだって、ずっと寂しい想い、してきたんじゃない?」
ほむら「っ……」
さやか「ほむらに足りないのは、『人に頼る気持ち』だと思うんだよね、あたし」
ほむら「だって……誰かを頼っても、結局最後にはみんな死んでしまう……それならいっそ、誰にも頼らずにいた方が楽じゃない」
さやか「一人で、何でも背負い込まない方がいいよ。そんな華奢な体でさ。無理してたら、すぐに潰れちゃうよ?」
ほむら「……」
さやか「大丈夫!ほむらの後ろには、あたしがいるから!もし、一人で背負いきれなくなったら、いつでも甘えてよ。それが、仲間……でしょ?」
さやか「あたしだけじゃない。ほむらのその話聞いたらさ、マミさんだって、杏子だって、ほむらの事支えてくれるよ」
さやか「ホントホント!振り返れば、仲間がいる。それってさ、素敵だと思わない?」
ほむら「わたしたち……仲間、って、言っていいの……?」
さやか「少なくとも、あたしは仲間だって思ってるよ?」
ほむら「さやかっ……!」ギュッ
さやか「っ……あはは、何さ。ホント、ベッドの上では弱いね、ほむらは」
ほむら「………っ」ギュゥゥ
さやか「泣きたいなら泣け泣け。さやかちゃんの寛大な胸を貸してやろうじゃないの」ナデナデ
ほむら「ありがとうっ……」
さやか「礼には及ばないよ。そうして弱さを見せることが出来るのも、強さのひとつだ、ってね」
さやか「落ち着いたかね、ほむら?」
ほむら「………ええ」
さやか「しっかし、あのクールな転校生が泣くなんてねぇ」ニヤニヤ
ほむら「き、今日のことは忘れなさい」
さやか「え〜♪でも、ほむら可愛かったぞ〜?」ニヤニヤ
ほむら「茶化さないでよ……」
さやか「あたしにキスしたことも、忘れろって?」
ほむら「そ、それはその……」
さやか「ん〜?はっきり言ってくれないとわかんないぞ〜?」
ほむら「それ、は、忘れなくてもいいわ」
さやか「えっ?」
ほむら「大切な、思い出として、お、覚えておきなさい」
ほむら「そ、そうよ。って、あなたはこれ以上を期待しているのかしら?」
さやか「んー、ほむら次第かな?」
ほむら「………」
さやか「でも、ほむらの気持ちはあたしには向いてないだろうから。これ以上は、期待できないかな、っていうのも、正直なとこ」
ほむら「そんなこと……」
さやか「無い、とは言いきれないでしょ?」
ほむら「……」
さやか「ほむらには、なにより大切な約束があるんでしょ?」
ほむら「そう……ね」
さやか「だったら!あたしの方にフラフラしてる暇は無いっ!がむしゃらに、突っ走るのみ!」
ほむら「………さやか……」
さやか「背中はあたしに任せろ、ってね。もし立ち止まることがあったら、その時は容赦なく背中を押すから、覚悟すること!いい?」
ほむら「ふふ……期待、させてもらうわ」
ほむら「………」
さやか「ほむら?どうしたの?」
ほむら「……いえ、なんでもないわ」
さやか「前に、言ったでしょ?立ち止まったら、容赦なく背中を押すって」
ほむら「………」
ふと、後ろを振り向く。
ぶっきらぼうに、お菓子を食べている杏子。
わたしとさやかの様子を、静かに見守るマミ。
そして、わたしの背中を守り続けてくれた、さやか。
さやか「ほら、ほむらは前だけを見る!後ろの心配はしなくっても、大丈夫だから!」
マミ「そうね。誰かに心配される程、わたしは素人ではないわよ?」
杏子「んなこと言って、ブルってんのがバレバレだぞ、マミ?」
マミ「そういう佐倉さんこそ」
マミ「どうしたのよ、急に?」
ほむら「ありがとう、杏子」
杏子「はん、なんだよ?ご機嫌でも取ろうってか?」
ほむら「ありがとう、さやか」
さやか「お礼は後!今は、見滝原を守る為に、ほむらの何より大切な約束を守る為に、戦わなかったら」
ほむら「ええ、もちろん」
この世界は……この世界なら、きっと。わたしに、奇跡を見せてくれる。
そう、信じさせてくれる何かがあった。
いや、何かじゃない。あの日、さやかの家に行ったのが、なによりの収穫だったに違いない。
「―――ハハ……アハハハ……―――」
響くのは、何度も聞いたあの笑い声。
その笑い声を聞くのも……もう、終わりだ。
杏子「おうよ!」
さやか「頑張ろう、みんな!頑張ろう、ほむら!」
ほむら「ええ……必ずっ!!」
何もかもが歪んでしまったと思っていたけれど。
そうじゃなかった。
歪んでいたのは、きっと、わたしの方だった。
ほむら(わたしは弱かった。そんなわたしを後押ししてくれたさやか。ありがとう)
ほむら(必ず……乗り越えて見せる。この夜を、乗り越える為に!!)
みんなが、ワルプルギスの夜へ向けて跳躍する。
それを追うようにして、わたしも跳んだ。
無くした未来を、掴む為に。
終わり
エロを書くつもりだったんだけど、妙にシリアスになってしまった
これで勘弁してください
イチャイチャも見たかったが
これはこれでよかった
Entry ⇒ 2012.05.29 | Category ⇒ まどかマギカSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
ダル「胸を大きくする未来ガジェットを作ったお」 紅莉栖「」ガタッ
ダル「虚勢乙」
紅莉栖「きょ、虚勢じゃないし。暇つぶしだしっ」
ダル「まあそういうことにしておいてあげるお」
紅莉栖「で、胸を…大きくする…未来ガジェットですって?」
ダル「さすがに僕もそろそろダイエットしなくちゃと思って」
ダル「いろいろ試行錯誤したんだけど、どうしても上手くいかなくて、逆に脂肪が増える装置になっちゃったんだお」
紅莉栖「ま、まったく役に立ちそうにないわね」
ダル「僕も最初はそう思ったお。でも逆に考えるんだ。増えちゃってもいいんだって考えるんだお」
紅莉栖「胸の脂肪を増やせばいいってことか……」
ダル「お? 牧瀬氏興味津々だね」ニヤニヤ
紅莉栖「ハ、ハァ!? バカじゃないの! じゅ、純粋に科学者としての好奇心から質問しているだけよ!」
ダル(ツンデレ乙)
たまに貧乳キャラにされてるけど
周りがでかいから
紅莉栖「ふむ、確かに使い込まれた穴より一つ隣の穴を使っているわね」
ダル「……牧瀬氏、『使い込まれた穴』ってセリフをもう一度plz」
紅莉栖「こっ、このHENTAI!!!」
ダル「HENTAIじゃないお! HENTAI紳士だお」
紅莉栖「とりあえずサンプルが橋田一人じゃ不十分だわ。もっと沢山の実験データが欲しい」
ダル「それには同意」
紅莉栖「でも他人に人体実験させろなんて言えないし」
ダル「そだね」
紅莉栖「し、し、仕方がないから私が実験体になってあげてもいいわよ」
紅莉栖「あーあ気が進まないけど科学の発展の為には時として犠牲も必要よねーほんと気が進まないわー(棒)」
紅莉栖「な、なにを言っているのかしらこの豚は」
ダル「ちょ、それはひどくね? 何の為にこうして牧瀬氏だけに話したと思ってるん?」
紅莉栖「安西先生……実験が…したいです……」
ダル「ほら、これが未来ガジェット15号機『巨乳御手(バストアッパー)2nd Edition Ver1.02』だお」
紅莉栖「なんか低周波治療器みたいね」
ダル「元々それを改造した物だからね。使い方は一緒だお。脂肪を増やしたい場所にパッドを貼り付けて電源を入れればおk」
紅莉栖「このダイヤルは?」
ダル「効果の調整。はじめは1くらいで様子見した方がいいと思われ」
紅莉栖「おっけー、じゃあ早速試してみるわ。……のぞくなよ?」
ダル「先生! それはフリでつか?」
紅莉栖「ばーか」パタン
紅莉栖(ついに私の野望が現実のものとなる日がっ……)シュル
紅莉栖(思えば長い道のりだった)プチプチ
紅莉栖(私だって平均的なサイズのはずなのに)ヌギヌギ
紅莉栖(桐生さんやまゆりといった規格外の化物がいたせいで、いつの間にかひんぬーキャラに……)ファサ
紅莉栖(ふふ、このブラお気に入りだったけど今日でお別れね)プチ
紅莉栖(耐え難きを耐え、忍び難きを忍び──)ペタペタ
紅莉栖(勝利の時は来た)
紅莉栖(今、私は世界線を越えるっ!)
紅莉栖「跳べよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」ポチッ
ダル『あー、言い忘れてたけど、低周波治療器みたいな刺激があるから我慢するお』
紅莉栖「そっ、そう…いうっ…ひゃ! コトはっ……! は、はやく言えぇ……くぅんっ!!」
ダル『ちなみに五分くらいはやらないと効果でないお』
紅莉栖「!!? ご、ごふんっ? む、むりぃ無理だからぁっ!! あんっ!」
ダル『牧瀬氏の思いはその程度のものだったん?』
紅莉栖「でっでも、これは…さす…がにぃ! あっあっ! っ〜〜〜!!!」ビクンビクンッ
ダル『ふぅ…』
うっ
紅莉栖「はぁ、はぁ……た、耐えたわ///」
紅莉栖(……サイズは……変わってない様に見えるけど……)
紅莉栖(ホントに効果あったのかな? もし失敗なら橋田に天罰を与えなくちゃ)
紅莉栖(とりあえず服着よう)
紅莉栖「!!?」
紅莉栖「ブラが…きつい……だと…?」
ダル「うわっ! ビックリした!」
紅莉栖「あなたが神か! 成功よ! 大成功!」
ダル「そ、それは良かったお。おめでとう牧瀬氏」
紅莉栖「もし失敗したらあんたの頭を開いて脳に直接低周波治療してやろうと思ってたけど、その必要はなくなったわね!」
ダル(猟奇犯罪者の発想だお)
紅莉栖「この革命の日を祝してここに記念碑を建てましょう! そうしましょう!」
ダル「……それよりも病院を建てるべきと思われ」
紅莉栖「そ、そうね。私としたことが少し取り乱してしまったわね」
ダル(少し?)
紅莉栖「ふぅ、もう大丈夫、私はいつも通り冷静よ」
ダル「そ、それはそうと成功してよかったお」
ダル「やっと商品になりそうな未来ガジェットが出来たことだし、これでラボの資金難も少しは改善するはずだお」
紅莉栖「……橋田?」
ダル「」ゾクッ
紅莉栖「この人類史上最大の発明を発表なんかしたら『機関』に命を狙われるでしょう」
紅莉栖「ホント橋田は冗談が好きなんだから」クスクス
ダル「あの……牧瀬…氏?」
紅莉栖「これは私が責任を持って処分しておくから」
ダル「ちょっ! 牧瀬氏、技術を独占するつもりなん!?」
紅莉栖「私は科学者としてこの危険な発明を闇に葬りさらなければならない──なかったことにしなければならない」
紅莉栖「もちろん他のラボメン──特に岡部には絶対に秘密よ。特に岡部には絶対に秘密よ」
ダル(大事なことなので二回言いました)
紅莉栖「未来ガジェット15号機なんて存在しなかった……いいわね?」
ダル「でも開発費だってそれなりにかかってい──
紅莉栖「この前ラボメンガールズでプールに行った時のフェイリスさんの水着写真があるんだけど」
ダル「言い値で買おう」キリッ
ダル「処分するならラボでもできるんじゃ……」
紅莉栖「『持って帰って』処分しなくちゃいけないし、それから下着も買い直さないとねー」
紅莉栖「ほんとめんどくさいわー人体実験なんて引き受けるんじゃなかったわー(棒)」
紅莉栖「じゃあね、橋田もこの事は早く忘れなさい」バタン
ダル「……」
女性客A「え〜、胸なんて大きくても良いことなんてないよ〜」
女性客B「なにそれ、嫌味〜」クスクス
女性客A「肩はこるし、ほんと大変なんだから」
紅莉栖「ふふ、ふ、ふふふ」
紅莉栖(以前の私ならひっぱたいていたセリフだけど、今の私なら笑って聞き流すことができるっ……!)
紅莉栖(これが心の余裕! 胸の大きさと器の大きさは比例するのね! 新発見だわ)
紅莉栖「ほんと巨乳って不便ですよね、分かります」
女性客A&B(ナニコノコアンタノシリアイ?)
紅莉栖「思い出すわ、あの日の事を……」
・
・
まゆり『あのね〜貧乳はステータスなんだよ〜』
紅莉栖『……』
フェイリス『そうニャ。希少価値ニャ〜』
紅莉栖『……』ピキ
鈴羽『余分な脂肪なんか付いてたら、いざって時に戦いづらいじゃん。』
鈴羽『あたしは牧瀬紅莉栖ぐらいの大きさが逆に羨ましいな』
紅莉栖『……』ギリッ
萌郁『……男の人に……じろじろ見られる……苦痛……』
紅莉栖『……』ギリギリギリッ
るか『ま、牧瀬さん。気にすることないですよ。ほら、僕よりは大きいじゃないですか!』
紅莉栖(あなた男でしょう!?)
・
・
・
紅莉栖(あの日の屈辱は一日だって忘れた事はなかった……)
紅莉栖(でも今日から私が勝ち組よ!)
紅莉栖(さあ、まずは手始めに憧れのDカップあたりから試着してみようかな)
紅莉栖(えへへ、可愛い下着。岡部に見せたらどんな顔するかな///)
紅莉栖「ブカブカ……だと…?」
紅莉栖「す、すいませーん! 店員さーん。サイズ測って欲しいんですけど!」
紅莉栖「か、変わってない……」
紅莉栖(効果が切れた? でも橋田のお腹はそんなこと……)
紅莉栖「と、とにかくもう一度『巨乳御手(バストアッパー)』を使ってみないと……!」
ダル「オカリ〜ン、もう出てきても大丈夫だお!」
岡部「やれやれ、いつ見つかるかとヒヤヒヤしたぞ」
ダル「意外とバレないもんだね」
岡部「ああ、しかし何故あんなアホな嘘に騙されるのだ我が助手は」
岡部「血行が促進されて一時的にふっくらするかもしれないが、普通気づくだろ。ただの低周波治療器だぞ」
ダル「思い込みって怖いお」
岡部「だいたいクリスティーナが巨乳な世界線など、ダイバージェンスメーターが10%を越えてもありえん。そうだろ?」
ダル「禿同」
岡部「どうすると言ってもな……」
岡部「そもそも騙されたと気づいた助手がシャワールームから出てきたところでからかってやる計画だったからな」
岡部「この様な事態は想定しておらん」
ダル「よっぽど嬉しかったと思われ。スキップしながら去って行ったお」
岡部「18歳にもなって何をやっておるのだ……飛び級で大学を卒業した天才少女ではなかったのか」
ダル「牧瀬氏がアホの子だった件について。うはwww萌えるwwww」
岡部「少々予定は狂ったが、おおむね狡知の魔神作戦【オペレーションロキ】は成功と言えよう……」
岡部「日頃から小生意気な助手も、これで少しはこの狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真の恐ろしさがわかったであろう。フゥーハハハハ!」
ダル「オカリン、オカリン。約束の報酬忘れずによろ」
岡部「ククク……フェイリスの手料理だったな。安心しろ忘れてなどおらん。」
岡部「今の俺は気分がいい。手料理だろうがデートだろうが何でも取り付けてきてやろう!」
ダル「マジで!? さすがオカリン! 僕に出来ないことを平然とやってのけるっ! そこにシビれる憧れるぅぅぅ!!!」
岡部「フゥーハハハハ!! もっと褒めるがよかろう!」
紅莉栖「……」
店員「あの〜、お客様……?」
紅莉栖「……」
店員(き、気まずい……)
紅莉栖「……ダイヤル5でも駄目だった……」
店員「……?」
紅莉栖「……何回やっても無駄だった……」
店員「あ、あの……?」
紅莉栖「ふ、ふふ、うふふふふふふふふふふふふふfふふふふふふふふふふふふふうふふふfふふ」
ダル「牧瀬氏戻ってこないね。かれこれ二時間は経つお」
岡部「まだ騙されたと気づいておらんのか? 天才少女も意外と大した事ないようだな。フゥーハハハハ!!」
カツーン……
ダル「お?」
カツーン……
岡部「む、噂をすればなんとやらか」
ゴトッ……ズリ……ズリッ……
ダル「なんか……足音変じゃね?」
ズリ……ズリッ……
ダル「まるで重い……鈍器みたいな物を引きずってるような……」
岡部「……………………えっ?」
岡部&ダル「!!!!」
ダル(か、鍵かけといてよかったお……)ボソボソ
岡部(で、でかした、ダル)ボソボソ
ガチャガチャ! ガチャガチャ!
岡部(よし、このまま居留守でやり過ごすぞ)ボソボソ
ダル(う、うん)
ピンポ〜ン、ピンポ〜ン
岡部&ダル「……」ドキドキ
ピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポ
岡部&ダル「」
ダル「……」
紅莉栖『なんで鍵なんてかけてるのかなぁ? 開けてよ』
紅莉栖『大丈夫、怒ってなんかないわ。あんな悪戯にキレるほど器が小さいわけないでしょう』
紅莉栖『ホント橋田は冗談が好きなんだから……あら、このセリフ今日二回目ね』クスクス
紅莉栖『でもあなたが考えたって訳じゃなさそうね。どうせ岡部の発案なんでしょうけど』
ダル(牧瀬氏するどい)
紅莉栖『岡部ぇ〜。あんたも居るんでしょ〜? わかっているのよ〜』
岡部(なぜわかる!?)
紅莉栖『なぜわかるかって? だってあんたのことは私が一番よく分かっているもの』ウフフ
岡部(だからなぜわかるっ!?)
/ つ⊂ \
ダル(バカバカ! オカリンのバカッ!)
岡部(クッ…何ということだ……)
紅莉栖『ついでだから白状するとね、実はもう一つ嘘をついてたの』
岡部(な、なんだ)
紅莉栖『さっき怒ってないって言ったけど、あれも嘘』
岡部(知っとるわ!)
紅莉栖『私も最近知ったんだけど、胸の大きさと器の大きさは比例するのよ』
紅莉栖『ほら、あいにく私の胸はそれほど大きくないから……あなた達もよ〜く知っているでしょ? うふふふふふ』
ダル(まずいよオカリン。牧瀬氏かなり怒ってるお)ガクガクブルブル
紅莉栖『だから私はちょっとおしおきをしなくちゃいけないのよ。さあ、ドアを開けて頂戴」
岡部(だ、誰が開けるか……!)
紅莉栖『あのね、いい知らせと悪い知らせがあるんだけど、どっちから聞きたい?』
岡部&ダル(……)
紅莉栖『……返事はなしか。じゃあいい知らせから教えてあげる』
紅莉栖『実はね、新しい未来ガジェットが完成したの』
紅莉栖『それがこれよ』
岡部&ダル「ひぃっ!!!!!」
紅莉栖『あは! やっと返事してくれたね』
ガンッ!! ドガッ!! ガンッ!! ゴリッ! ゴリゴリゴリッ!!!!
紅莉栖「どんなに固く閉ざされた扉でもこじ開けることができる──未来ガジェット15号機『バールのようなもの』よ」
岡部「認めんっ! その様なただの鈍器を未来ガジェットなどと、俺は断じて認めないぞ!」
ダル「オカリン! 問題はそこじゃないっしょ!?」
紅莉栖「さあ、中に入らせてもらうわ──って、あれ?」
ガチャガチャ!
岡部「フ、フフフ。い、いつから鍵が一つだけだと錯覚していた? こんな事もあろうかとチェーンをかけておいたのだ!」
ダル「鍵かけたの僕だお……」
岡部「はたしてバールのようなものでチェーンが切れるのかぁ? フゥーハハハハ!!」
紅莉栖「……」
岡部「俺だ。ああ、大丈夫だ問題ない。この程度のトラブルなど想定済みだ、また連絡する。エル・プサイ・コングルゥ」
ダル「おお、その手があったお!」
岡部「じゃあな、クリスティ〜〜ナ。やはりこの鳳凰院凶真の方が一枚も二枚も上手だったようだな……ククク」
紅莉栖「……」
岡部「なん…だと……?」
ドルンッ! ドルンドルンッ! ギュイィ〜〜〜ン!!!!
紅莉栖「未来ガジェット16号機『ミストルティン』よ」
ダル「ひぃっ!」
岡部「ただのチェーンソーではないかっ!」
ダル「う、うん!」アセアセ
チュイ〜〜〜〜ン!!!
ダル「じゅ、準備できたお!」
岡部「よし! 間に合──な、何故だ!? 何故放電現象が起きんっ!!!?」
紅莉栖「42」
紅莉栖「ブラウン管」
紅莉栖「消灯済み」
岡部&ダル「」
キィィィィィ……
岡部「地獄の……扉が…開く……」
紅莉栖「ずっと探していたのよ……一言『お礼』が言いたくて」
紅莉栖「一刻とはいえ夢を見させてくれて本当にありがとう」ニコッ
岡部「お、俺だ。問題が起こった。両親に伝えてくれ……『愛していた』と。エル・プサイ・コングルゥ」
ダル「し、死亡フラグ乙」
紅莉栖「まだそんな軽口がたたけるんだ。反省してないみたいね」
岡部「ま、待てクリスティーナ! 話せば分かるっ!!」
紅莉栖「ねえ、あんた達も分かる? 天国から一気に地獄へと突き落とされた私の気持ちが」
紅莉栖「Dカップのブラを握りしめたまま為す術もなく立ち尽くす姿を──」プルプル
紅莉栖「憐れみの視線で見られる、私のこの屈辱が……地獄が!」
ダル「そのセリフはエロ過ぎだろ。常考」
紅莉栖「……やっぱり反省してないみたいね。このHENTAI」
岡部「ダル! 何故この場面でそれを言う!?」
ダル「ゴ、ゴメン、つい癖で……」
岡部「ぐ、具体的には?」
紅莉栖「ちょっとミストルティンで頭蓋骨に切れ目を入れて」
紅莉栖「ちょっとバールのようなものでこじ開けて」
紅莉栖「ちょっと巨乳御手で前頭葉をマッサージしてあげるだけだから♪」
岡部「だが断るっ!!」
紅莉栖「岡部、どこへ行くの? 諦めなさい、Dメールもタイムリープマシンも使えないわよ」
岡部「やってみなけりゃ分からないだろうっ!」
岡部「跳べよぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
シ〜ン
ダル「そりゃそうだろ」
岡部「う…あ…あぁ……」
ダル「オ、オカリン」
紅莉栖「さあ、覚悟はいい?」ウフフフ
岡部「らめぇぇぇぇぇぇ!!!」
・
・
・
・
紅莉栖「目が覚めた? まったく、これに懲りたら二度とこんなくだらないマネはしないことね」
岡部「いや、その、すまん。少し調子に乗りすぎたようだ」ペコリ
紅莉栖「な、なによ。やけに素直じゃないの、気持ち悪い」
岡部「本気で悪かったと思っている。お詫びになんでもする」
紅莉栖(ちょ、ちょっとやり過ぎちゃったかな……?)
岡部「……紅莉栖?」
紅莉栖(ふぇっ!? く、紅莉栖? な、な、名前で呼ばれた///)
岡部「ど、どうした紅莉栖? 顔が赤いぞ。まだ怒っているのか?」
紅莉栖(っ〜〜〜〜///)
岡部「ああ、俺にできる事ならなんでも言ってくれ」
紅莉栖「む、む、胸は男の人揉まれたら大きくなるって言うわよね///」
岡部「!!?」
紅莉栖「せ、責任取ってあんたが大きくしなさいっ///」
岡部「いやっ! それはさすがに!!」
紅莉栖「なんでもするって言った……」
岡部「し、しかしだな……!」
紅莉栖「駄目?」ウルウル
岡部「お、俺だ。今、機関による精神攻撃を受けている……! 何? ……分かった。健闘を祈ってくれ。エル・プサイ・コングルゥ」
紅莉栖「……」コクリ
岡部「じゃ、じゃあ」ソローリ
紅莉栖「」ドキドキ
岡部&紅莉栖「!!!!!!!!!!!」
岡部「ダ、ダル! 生きていたのか!?」
ダル「勝手に殺すなお」
紅莉栖「ど、どこから聞いてた……?」
ダル「ん〜? 『胸は男の人揉まれたら大きくなるって言うわよね』って辺りから」ニヤニヤ
紅莉栖「!!!」
ダル「それにしてもこの助手ツンデレである」
紅莉栖「ツンデレゆーな!!」
ダル「お? 牧瀬氏ツンデレの意味分かるん?」
岡部「ダ、ダルよ。もうその辺で……」アセアセ
紅莉栖「ふ、ふふ、ふふふfふふfふふふうふ」プルプル
岡部&ダル「」
紅莉栖「お前ら……もっかい死ねぇ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」
岡部「なっ、何で俺まで───これが運命石の扉【シュタインズ・ゲート】の選択だというのか!!?」
──終わり──
Entry ⇒ 2012.05.29 | Category ⇒ シュタインズゲートSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
橘純一「あのー……田中さん?」
純一「あの、その……僕の机でなにやってるのかな…?」
田中「た、たちたちちっ……たちばひゃくんっ!? あ、あのっ…これふぁあっ!」
純一「待った!!」ずびしっ
田中「ふぇっ?」
純一「…………」
田中「…っ…っ……?」ドキドキ…
純一(この状況……放課後、教室にて田中さんが僕の使っている机に何かしていた。主に机の角で。
彼女の背中で何が行われていたかまでは分からないかったが……うむ)
純一(……でも、僕にはわかる。これは、女の子としてはちょっとアレなことなのかもしれないし…
……僕としてもあまり口にすることはためらってしまう内容だから…)
田中「……あの、橘君…?」ちらっ…
純一「田中さんっ!!」
田中「は、はいっ!?」
純一「──結婚しよう!!」
純一「ああ、そうだよ田中さん……僕は、なんというか…その……」もじもじ…
純一「───あんまり、しっかりしてなくて……大人っぽくもないし、そして根性無しだけど…」
純一「そ、それでもっ! 僕はキチンと責任のとれる紳士な男だって自負してるんだ!!」
田中「…………けっひょん…」
純一「だからっ……僕は、ちゃんと田中さんをお嫁さんにするから!!」すたすた……がっ!
田中「おっ…およめさんっ!? えっ? えっ? なになになに、どういうことっ…えっ!?」
純一「────田中さん、いきなりこんなこと言われてびっくりしていると思う」
田中(び、びっくりどころじゃないよ……っ!)
純一「でもね!! 僕は……それでも、田中さんとは良い夫婦関係になれるって思うんだ…」キリッ…
田中「…………」
田中(……よ、よくわからないけど…)
田中(……今の橘君の表情……すっごくカッコいい……っ!)
も、ももももしかしてっ……もう、占いが効いてきたのかなっ…?)ドキドキ…
田中(両想いになりたい人の机の角に……小さく十字架の傷を入れて、そして自分の机の角にも傷を入れる…
あんまり効果は期待してなかったけど、こんなに早く効き目がでるなんて……!)
純一(……どうしよう、思わず勢いでプロポーズみたいなことをやってしまったけど……
……僕、ちゃんと責任とれるのかな…)
純一(た、田中さんとは確かに親しい間柄だけど……よく、そんなには知り合いでもないし…
……それに、プロポーズの理由は? なんて聞かれたら僕……ああうっ! そんなこと恥ずかしくて言えないよ!)
田中(わぁー……こんなに橘君を間近で見たの初めてかもー……やっぱり、かっこいいよね橘君ってー…
……ああ、もっと近くでみたいなっ。もうちょこっと近づいたら怒られちゃうかな…?)
純一(あああー! やっぱり言った方がいいのかなっ!?
……ぼ、僕の机の角で…その、お宝本的なことっ…してたのかな?みたないなっ?)
田中&純一(ああっ……やっぱりそんなこと、ムリムリ!!)ぶんぶんっ!
田中「…………」
純一(……しかし、ここまで言い切ってしまったんだ。
男として、紳士として、最後まで突き通さなければならないよ)
田中(で、でもっ……橘君がここまで言ってくれたんだから……わ、私もっ!
きちんと、お、おおおおお……………お嫁さんとして、ね、うん…言わなくちゃ…だよねっ…?)
田中&純一「あ、あのっ……!」
田中&純一「っ……!?」びくっ
純一「……さきに、どうぞ?」すすっ…
田中「えっ!? あ、うん……いや! 橘君のほうからどうぞ…っ?」すすっ…
純一「うぇっ!? あ、僕はー……その、あの……」
田中「……あっと、うん……えっと〜……」
純一「…………」
田中「…………」
純一&田中(は、恥ずかしいやっぱり……!!)
う、ううっ〜……でもでも、私、告白されたことないから〜……うう〜…)
純一(……なんだか田中さん、苦しそうに眉間にしわを寄せてるな。
───あっ! 僕ってばなんてことをしてるんだっ……女の子は、えっと、その…)
純一(そ、そういった行為中は……とってもデリケートだって本に書いてあったじゃないかっ!?
紳士たる僕としたことが……くそ、ここはもっと優しく扱うべきだよね!)
純一「───田中さん……」
田中「うぐぐっ〜……ふぁいっ!? な、なんでしゅかっ!?」
純一「……あのね、僕はそこまで女の人ってものがよくわかってなくて…その。
だからね、あんまり無理しなくて大丈夫だよ…? 上手く説明は出来ないけど…」
田中「た、橘君っ……」
田中(……な、なんて優しいことを…っ……あんまり無理して、自分の告白を考えなくていいなんてー……
お、大人だよ橘君……!)
田中「う、うんっ……も、もしかして顔に出ちゃってたかな…? ご、ごめんなさいっ…!」
純一「えっ!? あ、いやっ…! だ、大丈夫だよ! 気にしてないからっ! うんっ!」
田中(気にしてないだなんて……う、ううっ、やっぱりカッコいいなぁ橘君はっ…
こんなにしっかりしてて……凄いよ〜…)
よ、よしっ! 後はー…うん、さっき自分が言ったことをもう一度、田中さんに伝えよう!)
田中(……でも、でもだよ恵子! 橘君は落ち着いて考えてほしいって言ってくれたけど、
お、おおお嫁さんとしてっ…ここはしっかりとした所もみせなくちゃ! だめだよね!)
純一「たな───」
田中「───た、たちばなくんっ……!」
純一「あ、あいっ!? な、なにかなっ!?」
田中「あのっ……わたし! そのっ……あのね!」
純一「う、うん……」
田中「っ………」
田中「……ゴニョゴニョ……だからっ…」もじもじ
純一「え、なに……? ごめん田中さん、ちょっと聞き取れなかったけど……なんていったの…?」
田中「っ……!」
田中(ああ、もうっ! わたし、しっかり! ちゃんと言わなくちゃダメなんだから…!)ぐっ…
田中「───わ、わたし! 毎日っ……美味しいみそ汁つくってあげるからぁ!」ぐわぁっ
純一「………!?」
純一「…………」ぼー…
純一(───ま、毎日……美味しいみそ汁をっ…!?
えっ!? どういうことだ!? そ、それって………それって……)
純一(ま、毎日……あれこれして、美味しいアレでワカメとか机の角とか貝殻とかダシが出て────)
純一「………っ」ぼっ!
純一(そ、そんな暗喩な表現を使ってくるなんて……田中さん! 君はそんなにも、そんなにもっ……!)
純一「………」タラリ…
田中「……ふぇっ!? た、橘くん!? お、お鼻から鼻血でてっ…!」あたふた…
純一「……え? あ、ホントだ…! ティッシュティッシュ…!」がさごそ…
田中「私が持ってるよ…! 貸してあげるからちょっとまって───」ぽろっ…
がたん
田中「あ……」
純一「え、田中さん何か落としたよ───……!?」
純一(えっ!? なんだこの、リモコンみたいなやつはっ……!?)
純一「き、気にしないでって……それ…」
田中「っ! な、なんでもないから! 橘くんは、知らなくて大丈夫だよ!
それよりもホラ! ティッシュあるから使ってね…?」すっ…
純一「……う、うん」
純一(い、今の……田中さんのポケットから落ちた奴…丸っこいフォルムに、
ピンク色の配色で…中央部分にダイアルみたいなものが備え付けられたのは……)ぐりぐり…
純一(………僕も実際には拝見したことのない、アレなのではないか…まさか、そんな……
でも本で確認した時は確かにあんな感じの形だった───つまり、それは……)
田中「………っ?」じっ…
純一(………女性用、マッサージ器……とか?)
田中(な、なんだろー……ものすごく橘くん、私のポケットを凝視してるけど…や、やっぱりバレちゃったかな!?)
田中(───机を傷つけるためのカッターナイフ……けど、小さくてカッターナイフっぽく見えないし大丈夫だよね…?)
純一(……生で初めて見たけど、田中さん…使ってるんだ……えっ!? も、もしかして……今もかな!?)
田中「…………」
田中(で、でも……やっぱり言わなくちゃいけないかなー……うん、勝手に傷を付けたことは悪いことだし……
キチンとあやまれば、橘くんも許してくれるよね……そうだよね、うん!)
そんなは、破廉恥なことをする女の子だなんて………)
純一「………!」
純一(いや! そんなわけないよ! 田中さんが、そんな子な筈がない!
思わずと言った気の迷いは、誰にだってある! 僕にだってあったさ! だからさっきのことはいい!)
純一(でも、さっき零れおちたリモコンらしきものは……流石に僕の勘違いだろう。
っはぁ〜……僕もなかなかに洞察力が落ちたものだね、勘違いしなくてよかったよ……ふぅ〜)
純一(さて、改めて田中さんに僕の気持ちを───)
田中「橘くん……」もじっ…
純一「えっ? あ、うん。どうしたの?」
田中「っ………あの、その、ね……えっと〜………〜〜〜〜っ……うん、しっかりっ……」ボソボソ…
純一「?」
田中「………あ、あのね! 橘くん、これなんだけど……っ」すっ…
純一「っ!? ……そ、それは…っ」
純一(マッサージ器のリモコ、違う! 違うってそう決めたじゃないか!)ぶんぶん
純一「っ……そ、それがどうしたのかな…っ?」
純一「……………」ゴクリ
田中「お、怒らないで……聞いてくれるかなー…?」
純一「う、うんっ! 大丈夫だよ!」
田中「……えへへ、そっか。ありがとね、橘くん……その、ね」カチカチ…
純一(……す、スイッチを入れた!?)びくぅ!
田中「さっき落とした時……私、ちょっとおかしな反応してたでしょ?」
純一「そ、そうだね」ダラダラ…
純一(どんなふうになってるんだろう!? た、田中さんすっごく自然体だけど……っ?)
田中「これね、橘くんに言わないでおこうって思ってたんだけどー……」
純一「……そ、そうだよね。こういうことって、あんまり口にしたらダメだよね!」
田中「えっ……?」
純一「ぼ、僕はね! た、田中さんがどんな風に考えてるかってのは……よくわからないけど!
で、でも……田中さんがしたことは全部、僕としては……」
純一「………う、嬉しいことだなって、思うんだ」
田中「………!?」
これは受け止めるべき問題だ! プロポーズをした身として、責任を負うべきことだよ!)
純一(田中さんが……そういったこだってことは、もう、勘違いじゃないって分かってしまった今…
……僕がすることはただひとつ、全てを認めて、受け止めることなんだから……)
田中「…………」ぼー…
田中(た、橘くんっ……そ、それって……最初から、私の想いに気付いててっ…
…それで、オマジナイのことも…全部わかってて……こんな浅ましい私の行動を全て知ってて……)
田中(それでも、こうやって……やってくれてることが、自分にとって嬉しいことって……)
田中(そう……思ってて、くれてるの…?)ポロ…
純一「……えっ!? た、田中さん……っ?」
田中「え……あ、ごめんなさいっ……わたし、なんで急に…!」ポロポロ…
田中(わ、わたしなんでっ───ああ、そっか……嬉しいんだ。こうやって橘くんに私のことを
分かっててくれたことが、とってもとっても嬉しいんだ…)
田中(なんてばかだったんだろー……わたし、自分だけが空回りして…橘くんはずっと考えてて
くれたのに……ばかばか、わたしのばか…っ)
純一(な、泣いてる……ちょっと嬉しそうに笑ってる……)
純一(………き、気持ちいいのかな?)
さすが紳士だな
純一「ひゃいっ!? な、なにかな……?」ドキドキ…
田中「……上手く、いえないけど…今、私も…とっても嬉しいんだ」
純一(う、嬉しい!? そ、それは見られ的な感じですか……? すごい、マニアックだよ!)ドキドキ…
田中「えへへ……ぐすっ、そうやって橘くんが面と向かって…言ってくれるの、
私はもしかして……うん、そうだよね、ずっとずっと…待ってたのかも」
純一(ずっと夢見てたシチュエーションだったってこと!? そ、それは……)
田中「……だから、ありがと。橘くん、感謝してます」ぺこり…
純一「あっ! うえっ!? ……こ、こちらこそ…!」ぺこり!
田中「……じゃあ、ちょっと気分も落ち着いてきたし…」
純一(落ちつくの!? それが普通なのかー……そうなのかー……)
田中「……もう一度、貴方にキチンとお返事をしても良いかな…?」ちらっ
純一「お返事……」
純一(あ、そっか! プロポーズのか! う、うん……なんだかよくわからなくなってきたけど…!
僕はそもそもその話を進めたかったんだよ! うん!)
いつも通り過ぎるな
田中「……はい、今度はちゃんとお返事をします」
田中「すぅ……はぁー……」
田中「……ふぅ〜、うん、おっけーだよ。じゃあ言うね?」
純一「う、うん……」ドキドキ…
田中(……大丈夫、私は、大丈夫…なにも不安がることなんてない。
自分自身が掲げた目標は今…ちゃんと成就しようとしてるんだ)
田中(今しかできない恋をしたい───それが、あとちょっとで成功するんだから)
田中(…私は前を向いてる。後ろを振り返ったり、寄り道なんかしないでキチンと……彼を見つめてる)
純一「…………」ドキドキ…
田中「あのね、橘くん……わたしは───」
田中(これから先、どんなことが待ってたとしても……私はしっかりとこの恋を大切にするだろう)
田中「───貴方のことが好きです………!」
田中(私は、それほどの覚悟を……彼から、橘君から、貰ったんだから…!)
でも、橘くんは……ちゃんと、私のことを、わかかっててくれて……」
純一「……」
田中「貴方がそんな言葉をっ……軽はずみに言うはずがないってことはわかるから…!
わたしは、その言葉を……ちゃんと真面目に、考えます…!」
田中「結婚……なんて、今まで考えたことも無いから実感もわかなくて……橘くんは!
しっかりしてて、大人っぽいから……先のことも色々考えてると思うんだけど…」
純一「…そんなことないよ、さっきも言ったけど、僕はまだまだ子供で…」
田中「う、うんっ……でもねっ? 私はー……それでも、そう自分自身を評価してても…
キチンと言い切った橘くんはっ……とっても、とっても……凄いと思うんだ…」
純一「…ありがと、そう言ってくれると、あはは……嬉しいよ」
田中「えへへ……うん、だから、ね? ……こ、こんな私でよかったらー……」
田中「……貴方の、およめさんにしてください」ぺこり
純一「………顔、上げてよ田中さん」
田中「…うん」すっ…
田中「うん……」
純一「僕は、田中さんに頭を下げられるような……そんなたいそれたことはしてないよ」
田中「あはは、そうかな…? でも、私は……嬉しかったんだ、だから……」テレテレ
純一「っ……そ、そっか。あんなプロポーズだったけど……」ポリポリ…
田中「…橘くんらしかったよ?」
純一「そ、そうかなっ? あははっ」
田中「えへへ」
純一(お、おおっ? なんだか良い雰囲気に……さっきまでの色々と混沌としたもやもやは何処に……)じっ…
田中「……うん?」こく…
純一(…そっか、そういうことか。僕は……田中さんのこと、なにもわかってやしなかったんだ。
己の目でみたことでしかわかろうとしなくて、田中さん自身の……内面を全然知ろうとしてなかった)
純一(僕は……うん、田中さんに悪いけど軽はずみで告白してしまったのは、否めない。
責任を取らなくちゃなんて思ってたけど、それでも……それはただの、現実逃避だったのかもしれない)
純一(……最低だ、僕は。彼女はこんなにも真剣に僕の告白を受け止めてくれたのに、キチンと考えてくれたのに)
純一(だから、だから僕は……田中さんの気持ちに応えたい!
彼女の想いに、彼女の本気に……僕は今、決意をしたい!)
田中「あ、うんっ……いいよ、なにかな?」
純一(僕の言葉は例え軽はずみだったとしても……! それを覚悟する思いと、強さは!
今からでも遅くは無い筈だから!)
純一「ありがとう、田中さん……僕、君に言いたい言葉があるんだ」
田中「…はい」
純一「僕は……どうしようもない奴で、出来の悪くて、勘違いも酷いし……なにより子供っぽい」
田中「ふふ…うん、続けて」
純一「う、うんっ……だから、そんな僕ができることはたかが知れてるって思う!」
純一「でも、だからといって! そんな悪い自分に……甘えるつもりなんてない!」
田中「っ………」
純一「出来が悪いからって、こんな僕だからって……良い訳なんてしたりしない!
僕が出来る、僕がやれる、最大限のことを……! 田中さんにっ……」
純一「僕はっ……絶対にするって、ここに誓う!」
純一「……僕は、本気だよ。こうやって言葉にすることは簡単で、誰にだってできるけど」
田中「うん…」
純一「でも、この言葉を使った……僕の想いは、誰にも負けるつもりは無い」
田中「んっ……ぐす……うん…!」
純一「……こんな安っぽい僕でよかったのなら、田中さん…」
純一「──僕と、どうか結婚してください!」
田中「…ぐしゅっ………えへへ、うんっ……たちばなくん…」
田中「──わたしの方こそ……よろしくお願いしますっ」
純一「…たなか、さん……」
田中「あはは、もう……そうやって他人行儀読んでほしくないなー…」
田中「……恵子、ってよんでいいよ?」
田中「………ふふ、純一くん?」こく…
純一「っ!」
田中「…言ってくれない、のかな」
純一「…け、恵子さん!」
田中「あ、さん付けなんだ…そっか…」
純一「えっ!? だ、だって……そっちも君づけだったし…」
田中「っ………じゅ、純一っ!」
純一「あっ……」
田中「……こ、これでいいのかな、純一…?」
純一「………っ〜〜〜〜……わ、わかったよ…僕も、男だっ…!」
田中「う、うんっ! がんばって…! 純一…!」
純一「お、おうっ! ……よし、行くぞ…っ」
純一「──け、恵子……」
田中「……えへへ、ありがと、純一……むふふっ…」
そんなに嬉しいのかな…いや、僕自身が嬉しがってるからそうなんだろうな…あはは)
純一「……あはは」
田中「………えへへ」
純一(──まさか、こうなるなんて思いもしなかったよ。最初はただ、責任責任って思ってたのに…)
純一(僕は、この一時の間に……色々なことを学んだのかもしれない。
いや、知れないじゃない。学んだんだ、彼女で……)
純一(……これからはきっと、今までにない楽しい学生生活が始まるんだろう。そんな予感がする。
僕はそれを十二分にかみしめて、彼女と……恵子と、歩んでいかなくちゃいけないんだ)
純一「あっ、そういえばまだ…言ってなかったな」
田中「うんっ? どうかしたの?」
純一「うん、たな……あはは──恵子に、ちゃんと言っておかないといけないことがあるって気がついたんだ」
田中「…えっと、なんだろう」
純一「ご、ごほんっ。それはね───」
純一「──好きだよ、恵子。大好きだ」
田中「ふぇっ…? ……あ、ああっ、うんっ!………………わ、わたしもだよ〜……!」
田中「…そっ、それじゃあっ…か、かえろっか?」
純一「う、うんっ! ……もちろん、一緒にだよね?」
田中「……うん、一緒に、かえろ純一…」テレテレ…
純一「あはは……じゃあ、一緒に」すっ…
田中「えっ……?」
純一「手、繋いじゃだめかな…?」
田中「あっ、う、うんっ…! いいよ、いいよ! 全然いいよ…!」ふきふきっ!
田中「は、はいっ! どうぞ!」しゅびっ
純一「そ、そんなに緊張しなくても……僕までなんだか…」かぁああ…
田中「あぇっ!? ご、ごめんねっ……わたしったら、ちょっとおかしくなっててっ…!」
純一「…そ、そうなんだ。でも、そう思っててくれるのなら…僕も嬉しいよ」
田中「んっく!? ………は、はい…」ぷしゅー…
純一(顔、真っ赤だ…)
純一「うん……」
ぎゅっ…
田中「っ……よろしく、ね?」
純一「う、うんっ……!」
すたすた…
田中「………」ドキドキ…
!
純一「………」ドキドキ…
すたすた…
田中「………」ドキ…
純一「………」ドキ…
すた…
田中&純一「……あのっ!」
田中&純一「……お、お先にどうぞ」
田中&純一「っ…!」
純一「あ、うん……どうかしたの?」
田中「あのね……その、じゅ、純一ぃー……えっとね…」もじっ…
田中「……か、かぷっ!」
純一「…かぷ?」
田中「……ごめんなさい、噛んじゃった…」プシュー…
純一「あ、あはは……うん、いいよ。最初からまた言ってくれたら」
田中「う、うんっ……その、カップル…繋ぎ、ってのをやってみたいんだけど……だめ、かな?」
純一「カップル繋ぎっていうと……?」
田中「あ、知らない? えっとね、こうやってお互いの指を隙間に…そうそう、でね」
田中「指と指をからませて……こう、繋ぐんだけど……〜〜〜〜っ……ああう、うう〜…!」
純一「あ、うんっ……なんだか、ちょっと凄いねっ!」
田中「そ、そうだねっ…! う、うん…!」
田中「そ、そんなに真面目に考察しなくていいよっ……それよりも、早く帰ろ…?」もじもじ…
純一「あ、うんっ…! じゃあ行こっか」
すたすた……
帰宅路
田中「…………」
純一「…………」
純一(おかしい! 今、突然そう思った!)
純一(この状況は……まぁ、自分が言った通りの結果だと認めるけど……)
純一(だけど! たな、恵子の……あれが、なんだかピュアな気がする! 僕レベルに!)
純一(……彼女はものすごく、ハードなプレイを望んでいると、僕はそれを受け止めなければと、
ついさっきまで思っていたはずなのに……場の流れって怖いな…)
純一「っ…………」
純一(こ、これはもしやっ………なにかしら、勘違い、ってものが発生している可能性も……あるのか?)
純一(…どうやら、そんな気がしてならないよ。こうやってお互いに思いを言いあった仲だからこそわかる。
僕がさっきまで思考していたことは全て……勘違いであって)
純一(彼女は机の角でなにがしではなくて、マッサージ器のリモコンなど持っておらず、味噌汁なんて暗喩は使わずに)
純一(……恵子は純粋で、恋にあこがれる乙女で、他人のことを思いやることできる素敵な女の子で、
好きだって思いをずっと大切にして、相手の想いを尊重する………)
純一「……とっても、かわいい女の子…」ぼそっ…
田中「? ……どうしたの、なにか今…」
純一「…………」
田中「じゅんいちー…? …あ、えっと…ど、どうかしたのかなっ…?」あせあせっ
純一「……恵子…」
田中「っ……けいこ……えへへ〜───あ、うん! どうしたのっ?」
純一「……僕、本当に君のこと…好きだよ」
田中「ふぇぁっ!? な、なになにっ? う、うん……さっきも聞いたから…何回も言わなくても…」
純一「だめだよ、何回も言わせてくれ、恵子」ずずいっ
純一「……好きだ、本当に好きだ」
田中「っ〜〜〜〜…そ、そんな間近でい、言わないでよっ…! ううっ…!」
純一「……だめなんだよ、どうしても、もっともっと近くで言いたい…」
純一(この罪悪感を、彼女で癒すんだ! じゃなきゃ、僕は明日から君と顔を合わせる勇気が無いよ!)
田中「う、ううっ……むいぃ〜!」ぐぃいいー!
純一「わ、わぷっ…っ?」
田中「だ、だめっていってるでしょ…! こ、こんな近い距離で…! その、だめなんだから…!」
純一「……嫌なの、恵子は」
田中「……えっ…?」
純一「僕にスキって……言われるの、嫌なんだね…」
田中「あ、えっ!? そ、そんなことっ…!」
純一「でも、さっきは手で押しのけたし……」
純一「怖くて? ……ご、ごめん…ちょっと強引だったかな…?」
田中「ふぇっ!? あ、う、ううん! いいの! 私が勝手に……だから、その……」もじもじ…
純一「………?」
田中「………」ちらっ
田中「っ〜〜〜〜! ……えっと、ね、そのね……もっと優しく……好きっていってくれたら…」
田中「…嬉しい、かな…?」
純一「っ……優しく、だね?」
田中「う、うんっ……! や、やさしく…!」
純一(優しく、優しく、そうだ……僕の目の前に居る女の子は……大事な大事な、女の子なんだ…よし!)
純一「……好き、だよ。恵子……」
田中「…うん……」とくん…
純一「好き、大好きだ……」
田中「んっ……えへへ、やっぱりその……恥ずかしいね、うん……」てれてれ
田中「………」ドキドキ…
純一「……恵子、も言ってみてくれないかな…?」ドキ…
田中「えっ……わ、わたし…が、いうの……?」
純一「だめ、かな……?」
田中「………っ〜〜〜〜……す、すす…」ぐぐっ…
純一「……す…?」
田中「………す、す………すきぃぃい〜……」ポヒュウ〜…
純一「……あはは! ちょっと気合入れ過ぎて、途中で空気漏れてるよ?」
田中「う、ううっ……わ、笑わないでよ〜っ…」
純一「ごめんごめん、でも……かわいいね、恵子は」
田中「っ! そ、そんなことっ……ゴニョゴニョ…っ」もじもじ…
純一「あはは」
純一(お、おうっ? あ、あれ……なんだかちょっと目つきが……怒らせちゃったかな?)
田中「っっ〜〜〜……」ぐぐっ…
純一「あ、えっと、恵子……ご、ごめ───」
田中「──好きぃ!」
純一「へ……?」
田中「好き好き、大好き! もうっ…貴方の顔が見れないってぐらいにっ……本当に大好きぃ!
だから、だからっ……ど、どうしようもなくてっ…わわ、わわたし…!」
田中「っ〜〜〜〜……えーいっ……!」だっ
純一「う、うぇっ!? な、なにたなかさっ…!」
どしんっ
純一「あいたた……急にどうしたの…? 歩道に転がっちゃったよ────」
田中「………」じっ…
純一「………えっと、ん…?」
純一「……えっとー…あはは、ど、どうかしたの…?」
田中「……私、こんなことするのはじめてなんだよ」
純一「えっ……?」
田中「っ……こうやって、男の人と帰るのとか…一緒に手をつないでとか…
あ、あとっ……好きだって、言えることとか…全部全部全部…」
田中「………………初めて、なんだよ」
純一「………」
田中「…だから、こうやって過ぎて行く一秒一秒が…私はとっても大変で……そして辛くて…
……そして、とってもとっても嬉しくて……」
純一「うん……」
田中「……貴方も、そう思ってる、のかな…?」
純一「…当たり前だよ、うん、あたりまえさ」
純一「僕も……とっても大変で、すっごく辛いよ。
でもだからって、この空間からすぐにいなくなりたい……とは思わない」
純一「……だって、幸せなんだもん。でしょ?」
田中「……う、うんっ…!」こくこくっ
田中「………」
純一「急に好きだなんていいだしてごめん、雰囲気とか……色々、壊しちゃったよね。
恵子も色々と考えて一緒に居るんだし……僕も、もうちょっと空気を読むべきだったよ」
田中「……わ、私の方こそ…じゅ、じゅんいちのー……うん、純一の気持ちを考えなくて…ごめんなさい」
純一「……はは、僕らってあやまってばっかだね」
田中「そうだねー……あはは」
純一「……でも、もう。あやまることなんてさせないさ」ぐぐっ…
田中「きゃっ…?」ぐいっ
純一「よいしょっと、………だってね? 僕らもう、隠し事のない二人同士だ」
田中「うん……?」
純一「こうやって思いを言いあった僕らに、もう勘違いや戸惑いなんて起こるはずがないよ!」
田中「………」
純一「……じゃないの、かなっ? えへへ!」すっ…
田中「……ふふっ、そうだね。もう、隠し事なんてこれっぽっちもないよ、わたしも」すっ…
ぎゅっ
田中「大丈夫! ……今は貴方がいるから……って言ってみたり〜」
純一「さ、さぁー行こう!」すたすた…
田中「……くすっ」
「あ、そういえば恵子の家ってまだ僕知らないよね……」
「そうだね、これから寄っていく?」
「……まずはお父様と呼ぶべきかな?」
「あはは〜……殺されちゃうかもよ?」
「ま、負けないよ! だ、だって……プロポーズのオッケーは貰ったんだから!」
「そ、それもそうだよね〜……うんうん、じゃあいっちょ気合入れてぇ〜!」
純一&恵子「ごぉー!!!」だっ
ええ…麻耶ちゃん可愛かったんだけど、田中さんの方が可愛かった異論は認める
これにて終わり
ご支援ご保守どうもでした
ではではノシ ウンコ行ってまいる
乙
Entry ⇒ 2012.05.29 | Category ⇒ アマガミSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
貴音「土日と祝日の過ごし方、ですか」
貴音「そういう春香こそ、なぜ?」
春香「私はちょっと忘れ物しちゃって… 通帳置きっぱなしだったんですよー」
貴音「それは危険です… 信頼のできるめんばぁと言えど、用心に越したことはありません」
春香「そうですね… あ、それで 貴音さんは何をしてたんですか?」
貴音「ふむ たまには少し、変わった土曜日の使い方をしてみようかと思いまして」
春香「変わった土曜日の使い方ですか… ちょっと興味ありますね!」
貴音「春香は普段、どのように休日は過ごしているのです? 聞きたいところです」
春香「い、いいですけど貴音さんみたいに優雅な感じとかないと思いますよー えへへ…」
貴音「構いませんよ… なぜならこれは…」
春香「…?」
貴音「ただの余興ですから」
春香「なるほど…」
春香「そうですねぇ… 大体は友達とカラオケにいったり…あと千早ちゃんと電話したりですよ!」
貴音「ふむ つまり、1人よりも友人らと過ごす休日ですか 実に春香らしいですね」
春香「えへへ… あ、そうそう あとはお菓子を作ったり」
貴音「月曜日にくっきぃを持ってくる確率が高いのはそのせいでしたか」
春香「あれー… 覚えられちゃうほどって持ってきすぎですかね…」
貴音「いいえ 楽しみにしていますよ 少しばりえぃしょんを増やしてほしいとは感じますが…」
春香「うーん…そうですよね、いろんな味考えてみますね!」
貴音「ええ 期待していますよ」
春香「貴音さんははっきり言ってくれるからやりがいあるなぁー」
貴音「ふふ、誠春香は素直で良い子です」
春香「貴音さんにそういわれると照れちゃうな… えへへ」
貴音「私ですか… 特に定まってはいないのですが 少し遠出をしてみたり、食べ歩きの旅をしたり、文を書いたり…」
春香「貴音さん結構外出してるんですね」
貴音「まるで私がいんどあ派のような物言いです…」
春香「あわわ、すみません!そういうことじゃなくって…」
貴音「ふふ わかっています… 誠、素直で良い子です」
春香「もう…」
貴音「あとは舞台を見に行ったり… 夜は天体観測などもしますよ」
春香「へぇ…大きい望遠鏡とかありそうですよね」
貴音「いいえ、まぁ肉眼なのですが」
春香「あ、そうですか…」
春香「しますよー 月に2回は土曜日のお昼使い切っちゃったり…」
貴音「それは長電話の極ですね… 私は爺やとでも数分で足りてしまいます」
春香「思い返すと結構どうでもいいこととか話してるんですけどね 楽しいですよ!」
貴音「なるほど いつか、マネてみるとしましょう」
春香「はいっ!」
貴音「そう、それと千早についてですが」
春香「千早ちゃんがどうかしたんですか?」
貴音「千早はどのような休日を送っているのでしょう …電話以外で」
春香「あっ電話は私が巻き込んでるだけで千早ちゃんの趣味ってわけじゃないですよー」
貴音「わかっています 春香は誠、素直で」
春香「も、もういいですってば!」
貴音「秘密に包まれているのですね」
春香「貴音さんほどじゃないと思いますよ えへへ…」
貴音「ふむ…」
春香(あっ 何か言わないと…)
春香「そ、そうですね! 音楽とか聞いてるのかもしれませんよ!」
貴音「…なるほど 確かに移動中も常にいやほんをしていますね」
春香「歌がすべて、みたいなところが人を遠ざけちゃってるのかもですね… いい子なんですよ、千早ちゃん!」
貴音「わかっていますよ もう長く一緒に過ごしているではありませんか」
春香「そうですよね…」
貴音「…しかし友人を庇おうとする心、春香は誠…」
春香「わ、わざと言ってません…?」
貴音「…ふむ 秘密です」
春香「あっ ミステリアスな銀色の王女、ですもんね! すみませんっ…」シュン
貴音「…春香が可愛いので特別に教えましょう 稀に響と出かける時がありますよ あとは雪歩、やよいとも」
春香「どこでも結構1人で行っちゃいそうなイメージがあるから、ちょっと意外かも…」
貴音「ふふ どこへ行くにも月が導いてくれますから」
春香「なんだか神秘的ですね」
貴音「本当は地図で調べてから行動しているのですが」
春香「わかってますよ!」
貴音「そうですか」シュン
春香「あ…すみません」
貴音「こちらこそすみません、ノリにくい「ぼけ」をしてしまいました」
貴音「は、はい」ゴクリ
春香「貴音さんって事務所の誰と一番仲がいいですか?」
貴音「むっ… 気になりますか?」
春香「はい 私は千早ちゃんだって自信を持って言えます! あっ、もちろん皆と仲がいいと思いますけどっ」
貴音「…私は、春香と仲が良いと思っていなくても?」
春香「……え…?」
貴音「………」
春香「え、貴音さん… そ、そうですよね…すみません…勝手に仲がいいなんて」
貴音「冗談ですよ 大切な友人にして、仲間です 春香は誠かわいいですね」
春香「もう…/// 貴音さんって結構いたずらとか好きなんですね」
貴音「ええ 真顔で冗談を言うと、誰もが信じてしまうのがキズなのですが」
春香「それは仕方ないですよ…」
春香「はい!」
貴音「一概に誰だとは言えません 誰とも平等に相対しているつもりですから」
春香「なるほど… そうですよね、誰と一番仲がいいとか あんまり言わないほうがいいですよね」
貴音「しかしどうしてもと言うのなら そうですね、響でしょうか」
春香「そうなんですか? あんまり事務所だと話してるイメージないですけど…」
貴音「ふふ 響も可愛いのですよ ここだけの話、私は甘えられると弱いのです」
春香「へぇ… た、貴音さぁーん… メインヒロインなのに目立てませーん…」
貴音「なんと! こちらに来なさい春香、まずは膝枕からです」
春香「あ…冗談ですよ…?」
貴音「いたずら返しとは 春香はいけずです」
春香「あれ、響ちゃん語りですか…?」
貴音「いつも自分は完璧と自信ありげに行動していますが 実は心の中は不安だらけなのです 1人で出演する番組の本番前など、非常にそわそわしているのですよ」
春香「うわぁ 確かに想像すると可愛いですね」
貴音「ええ 「うう…失敗したとき誰も助けてくれそうにないぞ…どうしよう…」と舞台裏で呟いていたときは思わず心から抱きしめました」
春香「って抱きしめたんですか!?」
貴音「心からですよ」
春香「木星帰りの方…?」
貴音「…?」
春香「なんでもないです」
春香「家族っていぬ美ちゃんとか…?」
貴音「ええ 響は家事全般を難なくこなしますから ぺっどの世話をしていることを考えても、いい奥方になるでしょうね」
春香「でも響ちゃんが結婚するって考えにくいですね あ…失礼だった」
貴音「確かに考えにくいですから、良いでしょう いざとなれば私が」
春香「え…?」
貴音「失言でした」
貴音「あの美希のこと、おそらく半日は寝ているのではありませんか?」
春香「どこでも寝られるってだけで、寝ることが趣味ってわけじゃないみたいですよ…?」
貴音「そ、そうですか とんだ知ったかぶりを失礼しました…」シュン
春香「いえいえ…そんなに気にしないでください! 美希は、公園に鳥を見に行くみたいですよ」
貴音「それはまた 美希らしからぬ風流ですね」
春香「確かに美希らしくはないですよね」
貴音「……それだけですか? ま…まさか…土日は毎日…鳥を観察に…? 今度から、鳥博士と呼ぶべきでしょうか」ワナワナ
春香「あっ! 私がそれしか知らないだけですよ!?」
貴音「これは私としたことが…盛大な早とちりでした…」
春香「早とちり… 貴音さんも可愛いですね♪」
貴音「えっ…」
春香「冗談ですよ!」ニコ
貴音「いけずです」
春香「やよい大変そうだから土日くらいは休んでるのかな…?」
貴音「家庭菜園… あとは平日にできない掃除と洗濯の残り 食材や不足している雑貨の買い出しに、宿題で終わるそうですよ」
春香「…や、やよい… なにか手伝ってあげたいかも…」ウルッ
貴音「…憐みから言っているのならばやめるのです」
春香「え、そ、そういうわけじゃ…」ビクッ
貴音「失礼しました… やよいも、好きでやっていることです 私たちは余計なことをしない方がよいのですよ」
春香「そうですよね 本当に困っているときに静かに助けてあげるのが…仲間ですよね!」
貴音「ええ、その通りです …少し良い話になってしまいましたね」ニコッ
春香「いい話ダメなんですか?」
貴音「いえ、そういうわけでは… それと春香? やよいの手伝いたさならば、私のほうが上です」
春香「そこで競われても困りますよ…」
貴音「春香は2時間かけて通っているのでしたね 大変です」
春香「いえ 好きなことですし 慣れれば2時間くらい、って感じです」
貴音「2時間だと… 朝は何時頃に起床するのです?」
春香「お仕事が早い日だと… 5時とかかな…?」
貴音「…私にはとても踏み込めぬ世界ですよ」
春香「このくらい早いと、もうどんなに早くてもあんまり変わらないですよ?」
貴音「寝不足にはならないのですか? 私は6時間半は眠りたいです」
春香「…えっと、早い日の前日は10時…いえ、22時に寝てますね」
貴音「誠早寝ですね 健気に仕事と学校を両立させる春香 やはり可愛いです」
春香「真顔で言われると、何度目でも照れちゃいますよ…」
貴音「真面目に言っていますから」ニコッ
春香「そうですね あんまり遅いと太っちゃうし…」
貴音「春香はちょうど良いすたいるですよ 気にしなくても大丈夫です」
春香「そんなこと言ったら貴音さんだって… 1歳差とは… 思えないというか考えたくないです」
貴音「…そんなことを考えずとも春香は可愛いです さぁ、らぁめんを戴きに参りましょう」
春香「ら、ラーメンですか…」
貴音「嫌いですか…?」
春香「ラーメン嫌いって人はあまりいないですよ! でも貴音さんとラーメンってことは…あそこですよね」
貴音「ええ 夜はがっつり行かないといけませんから」キリッ
春香「…う…あの、私がラーメン作りますから、それじゃダメですか?」
貴音「春香のらぁめんですか! 構いません、むしろ食べたいです!」キラキラ
春香「あ、あはは…さすがに麺から打つとかはできないですけど… スープくらいなら簡単なの作れますから!」
春香「買ってきました! 待っててくださいね、超大盛りでいきますよー!」
貴音「誠楽しみです」
貴音「さて、では待つ間に私は独り言を…」
貴音「先日書店に入る手前、出入り口を塞ぐ典型的な「不良」の姿がありました」
貴音「しかしふぁっしょん雑誌は読むよう言われているため、外せません 私は真ん中を突っ切り入店しました」
貴音「すると、どうでしょう…! 春香は可愛いですね」
春香「なんですかそれ!聞こえてますよー!」
貴音「むっ 調理しつつこちらの発言に対応する春香、可愛いですね」
春香「手元が狂ってほうれん草に血が混ざりますよー」
貴音「じ、地味に恐ろしいことをいいますね…」
貴音「しかしすーぷを作るとは 出汁はどうしているのでしょう」
貴音「ああ…そうでした 不良の間を突っ切り、書店に入店すると…」
貴音「なんと、その不良はじゅぴたぁの3名でした」
貴音「結果から言うと…不良ではないのですが どうやら何か書物を買うか買わないかで、入り口でもめていたのです」
貴音「そのあまりの声量に、不良が蜷局を巻いているのかと思いました」
貴音「特に天ヶ瀬冬馬の「あの見た目、765プロのよくコケるやつに似すぎだろ!そんなもの買えるか!」と…」
貴音「御手洗翔太の「僕なんて年齢的にもっと無理だから…」」
貴音「伊集院北斗の「だからって関係ない俺が買うのはもっとおかしいと思わない?」」
貴音「気になります」
貴音「以上、早とちり貴音でした」
春香「ジュピターですか… 何を買うつもりだったんでしょうね…?」
貴音「さぁ 殿方には様々、ありますから」
貴音「雪歩と真がでーと、なるものをしていました」
春香「えっ!ホントですか!?」
貴音「え、ええ…どうしました急に?」
春香「あの2人は似合ってますよね なんか、バランス的にも」
貴音「そうですね 真は誠まこまこしいですから」
春香「まこまこしい…?」
貴音「新語ですよ らぁめんの進度はいかがです?」
春香「もうできますよー」
春香「できましたよ! ラーメン春香スペシャルです!」
貴音「すぺしゃるなものほど、名前が普通になってしまうのは仕方のないことです 私は攻めませんよ」ニコ
春香「い、一番の攻め言葉です…」
貴音「なるほど 透き通ったすーぷですね、これは美味だと予想できます」
貴音「ではいざ…いただきます」
春香「ど、どうぞー」
春香(貴音さんに食べてもらうんだ… なんか急に緊張してきちゃった)
貴音「……」ズルズル…ズッ
貴音「……」モキュモキュ
貴音「……」ハフハフ
貴音「……」モキュモキュ
春香(無言すぎるよぉ、貴音さん!)
本当にって意味だろうし
こまけぇこた(ry
菊地真と区別するために分けてた
そっちにするとすごい分かりづらくなるぜ…
春香「感想は…って も、もう食べたんですか?」
貴音「私が美味なものを食しているときは、止めようとしても止まらないのですよ」
春香「それじゃあ…おいしかったですか!?」
貴音「ええ、今まで食べたらぁめんでも限りなくとっぷに近いでしょう…」
春香「そんなに好評価なんだぁ… よかった! あ、よかったら私の分もどうぞ?」
貴音「なんと! 遠慮なくいただきますよ」
春香「えへへ…」
貴音(本当に美味です 一体何を…?)
春香「そんなに美味しかったですか? 特別なものは使ってないんですけど…」
貴音「一体出汁はなんなのでしょうか? 今まで食したことのない味でした」
春香「普通に売ってる出汁ですよ? あ、お味噌汁とかに使うあの出汁ではないですけど」
貴音「そうですか …わかりました、おそらく私は知った時に一度の感動を受け、そこで終わるでしょう ならば知らずに秘密を求めるほうが一興というものです」
春香「さて、どうします? 私そろそろ帰ろうかなって思ってたんですけど…」
貴音「私はもう少しここに… 実は、プロデューサーが営業に出ているのです 私はたまたま来たので留守番をしていたのですよ」
春香「そうだったんですか? うーん、でも私は待つわけにいかないかな… 明日少し用事あるし」
貴音「ふふ 無理せずに自分のぺーすで行動すべきです」
春香「そうですよね… はい、私帰りますね!」
貴音「結局、変わった土曜日の過ごし方… 思いつきませんでした」
貴音「休日など そのようなものなのかもしれませんね…」
貴音「あなた様 今も私たちのために走り回り、礼をしているのでしょうか」
貴音「…今日は少し時間もあります なにか、あなた様のために作ってみますか…」
貴音「春香、本日はいい時間が過ごせましたよ」
貴音「…普通ではありましたが まことに楽しかったです 普通なりに…」
春香「はっくしょん!」
おわり
よく俺の嫁の事知ってるなぁ
まこと、って言葉は使いやすいのに使いづらいよな
こういうのもいいと思った
乙
Entry ⇒ 2012.05.29 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
杏子「ちょっとちょっと、何やってんのさ」さやか「魔女退治」
さやか「いや魔女退治だから」
杏子「だからアレ使い魔だし」
さやか「目的としては魔女退治だから」
杏子「結果的に使い魔退治だし」
さやか「いやいやいやそういうの無しでしょ」
杏子「は?」
さやか「使い魔だって危ないかもしれないじゃん」
杏子「は?」
さやか「使い魔だって危ないかもしれないじゃん」
杏子「いやそれおかしいだろ」
さやか「え?」
杏子「使い魔だったら危なくないかもしれないじゃん」
さやか「え?」
杏子「は?」
杏子「なにが」
さやか「使い魔でも危ないよ」
杏子「4、5人食わせりゃグリーフシード孕むじゃん」
さやか「じゃあ危ないじゃん」
杏子「は?」
さやか「え?」
杏子「危なくてもいいじゃん」
さやか「いやそれおかしいでしょ」
杏子「危なくてもいいじゃん」
さやか「魔女に襲われる人たちを見殺しにする気!?」
杏子「それちょっと違うじゃん」
さやか「いや違わないし」
杏子「違うし」
杏子「結構違うし」
さやか「どこが」
杏子「アレだよ」
さやか「アレってなによ」
杏子「ほら食物連鎖ってやつ」
さやか「いや食べ物じゃないし」
杏子「物の例えだよばーか」
まどか「・・・」
さやか「バカって言ったほうがバカだし」
杏子「そういうのうざいし」
さやか「はぁ?」
杏子「バカって言われてバカって言い返したほうがバカだし」
さやか「はぁ?」
/__/ ‘,
// ヽ ', 、
// ‘ ! ヽ …わかった この話はやめよう
/イ ', l ’
iヘヘ, l | ’
| nヘヘ _ | | l ハイ!! やめやめ
| l_| | | ゝ ̄`ヽ | |〈 ̄ノ
ゝソノノ `ー‐' l ! ¨/
n/7./7 ∧ j/ / iヽiヽn
|! |///7/:::ゝ r===オ | ! | |/~7
i~| | | ,' '/:::::::::::ゝ、 l_こ./ヾ.. nl l .||/
| | | | l {':j`i::::::::::::::::`ーr ' ||ー---{
| '" ̄ ̄iノ .l::::::::::::::::::::::∧ | ゝ ',
, 一 r‐‐l γ /、::::::::::::::::::::::::〉ー= ___ ヘ ヽ }
/ o |!:::::} / o` ー 、::::::::::::i o ,':::::::{`ヽ ヘ ノ
/ o ノ:::::∧ /ヽ o ヽ::::::::| o i::::::::ヽ、 / /
/ ノ::::::/ /::::::::ヽ o ヽ:::| o {::::::::::::::Υ /
さやか「なにそれ」
杏子「食物連鎖」
さやか「いや食べ物じゃないし」
杏子「は?」
さやか「いや食べ物じゃないし」
杏子「イラってきた」
まどか「・・・」
さやか「なんなの?」
杏子「ていうかさ」
杏子「まさかとは思うけど、人助けとか正義のために契約したわけじゃないよねぇ?」
さやか「そうですけど」
杏子「は?」
杏子「あっそう」
さやか「なにその反応冷たい」
杏子「いやバカだなーと思って」
さやか「バカって言ったほうがバカだし」
杏子「そういうのうざいし」
さやか「はぁ?」
杏子「どりゃあ!!!!」ザシュッ
さやか「いった!!!!!!!!」ブシュウ
さやか「ちょっといきなりなんなの?」
まどか「さやかちゃん大丈夫!?」
さやか「いやすごい痛いんですけど」
杏子「全治3か月だから」
さやか「いきなり斬りつけるってひどいじゃない」
杏子「ムカつくから」
さやか「カッとなって?」
杏子「うん」
さやか「やーい犯罪者」
杏子「は?」
杏子「うん」
さやか「ほら」
杏子「なにが」
さやか「犯罪者」
杏子「は?」
さやか「よく言うから」
杏子「うぜーチョーウゼー」
さやか「なんなの?」
杏子「だいたい口の利き方がなってないよねぇ」
さやか「口の利き方ってなに」
杏子「敬語とか」
杏子「は?」
さやか「敬語つかってほしいの?」
杏子「じゃ使えよ」
さやか「お犯罪者にございます」
杏子「は?」
ほむら「・・・」
まどか「あれ、ほむらちゃん?」
ほむら(来るタイミング盛大に間違えたわ・・・
というか話の進み遅すぎよ・・・)
さやか「先輩なの?」
杏子「そうだよ」
さやか「いやどっちが先かわかんないじゃん」
杏子「アタシの方が先だし」
さやか「わかんないじゃん」
杏子「聞いたからわかるし」
さやか「誰に?」
杏子「キュゥべえに」
さやか「そうなの?」
QB「そうだよ」
さやか「ちょっとショックだわ」
さやか「ごめん」
杏子「いいよ」
さやか「黙れぇっ!!」ダッ
杏子「いやそういうのダメでしょ」キィン
さやか「ごめん」ズバッ
杏子「いいよ」ガキィン
杏子「言って聞かせてわからねえ、殴ってもわからねえバカとなりゃあ
あとは殺しちゃうしかないよねぇ!」ジャラッ
さやか「いやもうちょっと対処法あるでしょ」
杏子「マジ?」
さやか「いや言ってみただけ」
杏子「だと思った」
さやか「ちょっとまどかにカッコつけてきます」スタスタ
まどか「さやかちゃん・・・?」
さやか「あたしは・・・負けない!」キリッ
まどか「・・・」
さやか「うん」
杏子「チャラチャラ踊ってんじゃねえよウスノロ!!」バッ
まどか「どうして魔女じゃないのに・・・味方同士で戦わなきゃならないの!?
ねぇ、止めさせてよキュゥべえ!」
QB「君でも普通に止められるよ」
まどか「えっ」
ほむら(状況が理解できないわ・・・)
杏子「これで終わりだよっ!!」ブンッ
さやか「え?」
杏子「え?」
さやか「なにが」
杏子「いや」
杏子「アンタの命っていうかこの闘いっていうか」
さやか「はっきりしなさいよ」
杏子「いやアレだよ」
さやか「アレってなによ」
杏子「どっちでもいいじゃん」
さやか「は?」
杏子「は?」
さやか「あたし優柔不断とか苦手なんで」
さやか「それって」
杏子「なに」
さやか「平和的解決もできるじゃん」
杏子「する気ないじゃん」
さやか「負けました」
杏子「はええよ」
さやか「だって死にたくないし」
杏子「それわかる」
さやか「でしょ」
杏子「まあアレだ」
杏子「てめぇ、何しやがった!」ギロッ
ほむら(キラーパス!?)
ほむら「え、あの・・・」
さやか「転校生・・・邪魔するなっ!!」バッ
ほむら「待って!邪魔なんてしてないわ!!」アセアセ
さやか「たしかに」
杏子「やーい早とちり」
さやか「はぁ?」
杏子「邪魔なんて?」
さやか「してなかった」
杏子「ほら」
さやか「なにが」
杏子「早とちり」
さやか「はぁ?」
さやか「いやそういうの無いから」
杏子「あるし」
さやか「ないから」
杏子「ないし」
杏子「あ、あるし」
さやか「今ミスったでしょ」
杏子「ミスってないし」
さやか「ほらやっぱりないんじゃん」
杏子「あるし!」
さやか「ムキになってる」
杏子「なってないし!」
杏子「やめろ!」ゴン
さやか「いたっ」バタン
まどか「さやかちゃん!?」
QB「大丈夫、気絶してるだけだ」
杏子「おいアンタ、一体誰の味方なんだ?」
ほむら「・・・」
杏子「聞いてないし」
ほむら「えっ?」
杏子「聞いてないし」
杏子「は?」
ほむら「えっ・・・」
杏子「なんでもない」
ほむら「・・・あなたはどっちなの?佐倉杏子」
杏子「は?」
ほむら「えっ・・・」
杏子「なんでもない」
ほむら「いやなんでもあるでしょ、どうして名前知ってるんだとか
どこかで会ったことあるのかとか・・・」
杏子「どこかで会ったことあるのか?」
ほむら「さあね」
杏子「聞き損じゃん」
ほむら「・・・ごめんなさい」
ほむら「・・・」
杏子「イラるわマジ」
ほむら「・・・」
杏子「・・・まるで手札が見えないとあっちゃ、今日は退いたほうがよさそうだな」
ほむら「賢明ね」
杏子「は?」
ほむら「えっ」
杏子「見せてくれないのかよ」
ほむら「まぁ・・・」
ほむら「いや、相手に戦略見せるのは・・・」
杏子「マジ引くわそういうの」
ほむら「ごめんなさい・・・」
杏子「疲れたから帰るわ」ダッ
ほむら「・・・」
ほむら「・・・あああああああああ!!!!」
まどか「ほむらちゃん!?」
ほむら「なんなのよ今の二人!?ふざけすぎでしょ!!
どうしてあんなに緊張感がないの!!??」
まどか「ほむらちゃん、落ち着いて!」
ほむら「はぁ、はぁ・・・ごめんなさい、ちょっと取り乱したわ」
ほむら「そ、そうなのね」
ほむら(美樹さやか、佐倉杏子・・・
二人とも、今回はおかしすぎるわ・・・)
ほむら(まどかも、なんてことはないわよね・・・?)
ほむら「そんな事より鹿目まどか、あなたはどこまで愚かなの?」
ほむら「あなたは魔法少女と関わり合いを持つべきじゃないと
さんざん言い聞かせたはずよ?」
まどか「ごめんなさい・・・」
ほむら「愚か者が相手なら、私は手段を選ばないわ」スタスタ
まどか「ほむらちゃん・・・」
ほむら(・・・とりあえず、まどかは普通なようね・・・安心したわ)
・
・
・
-ゲームセンター
杏子「よぉ、今度は何さ」タッタッ
ほむら「こ
杏子「プレイ中に話しかけるんじゃねえ!!!」
ほむら「えっ」
杏子「・・・」タタタン
ほむら「・・・」
杏子「で、何さ」
ほむら「この
杏子「待ってくれ、今結果出るから」
ほむら「・・・」
DDR「perfect!!
You are the first place!!」
杏子「で、何さ」
ほむら「この街
杏子「名前入力するから待ってくれ」タタタン
ほむら「・・・」
ほむら「この街をあなたに預けたい」
杏子「は?」
ほむら「え?」
杏子「市長なの?」
ほむら「え?」
杏子「市長なの?」
ほむら「違うけど・・・」
杏子「期待させんな」
ほむら「・・・」
美樹さやかでは務まらない・・・
それと、今後彼女には手出ししないで」
杏子「なんで?」
ほむら「なんでもよ」
杏子「いやそういうの無しだから」
ほむら「えっ」
杏子「そういうのムカつく」
ほむら「・・・」
杏子「あと次の曲始まるから話しかけんな」
ほむら「・・・」
ほむら「・・・2週間後、この街にワルプルギスの夜が来る」
杏子「!」ピクッ
ほむら(反応した!?)
ほむら「・・・秘密。そいつさえ倒せば私はこの街から出て行く。
あとはあなたの好きにすればいい」
杏子「ワルプルギスの夜ねぇ・・・
一人じゃあ厳しいが、二人ならなんとかなるかもな」
杏子「食うかい?」スッ
ほむら「なんでここだけ普通なのよ・・・」
杏子「は?」
ほむら「あっ・・・ごめんなさい、いただくわ」スッ
杏子「アタシのRockyに何しやがる!!」バッ
ほむら「え、だって食うかいって言って・・・」
杏子「アタシのRockyに何しやがる!!」バッ
ほむら「・・・」
・
・
・
-恭介宅
さやか(練習してるんだ・・・あたしの願い、役に立ったのかな・・・)ニコッ
杏子「おい」
さやか「あっ犯罪者!」
杏子「は?」
さやか「カッとなって?」
杏子「うん」
さやか「ほら」
杏子「なにが」
さやか「犯罪者」
杏子「うるせえ」
杏子「せっかく来たのに会いもしないで帰るのかい?
今日一日追いかけ回してたくせに」
さやか「なんで知ってるの」
杏子「追いかけ回したから」
さやか「ストーカー」
杏子「は?」
さやか「あんた」
杏子「は?」
さやか「犯罪者」
杏子「そういうのマジ無理だから」
杏子「この家の坊やなんだろ?契約した理由。
ったく、くだらねえ事にたった一度のチャンス使いやがって・・・
魔法ってのは自分だけの望みを叶えるためのもんだ。
他人の為に使ったってロクなことにはならない。
巴マミから教えてもらわなかったのかい?」
さやか「長い」
杏子「は?」
さやか「長いから聞いてない」
杏子「まあ一言で言うとアンタはバカ」
さやか「バカって言ったほうがバカだし」
杏子「そういうのうざいし」
さやか「はぁ?」
せっかく手に入れた魔法でさぁ、
今すぐ家に乗り込んで、坊やの手足を潰してやりな。
もう一度アンタ無しでは何も出来ない身体にしてやるんだ」
さやか「長い」
杏子「は?」
さやか「長いから聞いてない」
杏子「まあ一言で言うと坊やに重傷負わせろ」
さやか「お前だけは絶対に許さない・・・!!」ゴォッ
杏子「場所を移そうか」ニヤッ
さやか「え?」
杏子「え?」
さやか「え?」
さやか「なんで微妙に優しいの」
杏子「いやアレだから」
さやか「アレってなによ」
杏子「坊や危ないじゃん」
さやか「知ってる」
杏子「じゃあ場所移すじゃん」
さやか「なんで微妙に優しいの」
杏子「場所移すじゃん」ギロッ
さやか「はい」
・
・
・
杏子「ここなら遠慮はいらないよねぇ」
さやか「は?」
杏子「え?」
さやか「下に車とか通るよ」
杏子「遠慮いらないじゃん」
さやか「落ちたら危ないじゃん」
杏子「は?」
さやか「え?」
杏子「何するの」
さやか「殺し合い」
杏子「なら死んでも仕方ないじゃん」
さやか「だって死にたくないし」
杏子「それわかる」
杏子「まあアレだ」
杏子「場所を移そうか」
まどか「待って!さやかちゃ・・・いない」
ほむら「じゃああなたの仲・・・いない」
QB「・・・」
まどか「・・・」
ほむら「・・・」
QB「・・・」
まどか「帰ろっか」
ほむら「ええ」
・
・
-路地裏
杏子「ここなら遠慮はいらないよね」
さやか「は?」
杏子「え?」
さやか「飲み会帰りのおじさんとかいるよ」
杏子「遠慮いらないじゃん」
さやか「酒臭いじゃん」
杏子「は?」
さやか「え?」
まどか「待って、さやかちゃん!」
QB「どうにか間に合ったね」
ほむら(帰り道に偶然見つけただけだけど・・・)
さやか「邪魔しないで、まどかには関係ない話なんだから」
杏子「アタシらも関係ないじゃん」
さやか「え?」
杏子「酒の話」
さやか「そっちじゃないし」
杏子「え?」
さやか「え?」
杏子「逆に何の話」
さやか「ほらアレよアレ」
杏子「アレってなんだよ」
杏子「は?」
さやか「ほらアレ」
杏子「つまり一般人は関係ないって?」
さやか「それ」
杏子「たしかに」
さやか「まぁだから二人とも帰っていいよ」
ほむら「私は魔法少女よ!!!」
さやか「え?」
杏子「え?」
ほむら「え?」
杏子「え?」
さやか「え?」
ほむら「・・・」
ほむら「・・・」
ほむら「・・・美樹さやかには手を出すなって言ったはずよ」
まどか(強引に進めた・・・)
杏子「アタシじゃなくてあっちがふっかけてきたんだぜー?」
さやか「は?」
杏子「だってそうじゃん」
さやか「は?」
杏子「そうじゃん」
さやか「たしかに」
杏子「ふん」モグモグ
杏子「じゃあコイツを食い終わるまで待ってやる」カラッ
ほむら「じゅうぶn・・・もう食べ終わってるじゃない!!」
杏子「どりゃあ!!」ザシュッ
さやか「いった!!!!!!!!」ブシュウ
杏子「頭冷やせよ」
さやか「ちょっといきなりなんなの?」
まどか「さやかちゃん大丈夫!?」
さやか「いやすごい痛いんですけど」
杏子「全治3か月だから」
まどか「・・・」
仕方ないから、流れ的に私が美樹さやかのソウルジェムを投げるしかないわね)
ほむら「さやかちゃん、ゴメン!(裏声)」ビシュッ
さやか「あっ、転校生!何するのy・・・」バタッ
ほむら「まずいっ・・・」シュン
まどか「さ、さやかちゃん?どうしたの?」
QB「よりにもよって友達を放り投げるなんてどうにかしてるよ、ほむら
しかも自分で取りにいくなんて」
杏子「どういうことだよ・・・こいつ、死んでるじゃねえか!!」
さやか「いや死んでないし」
QB「えっ」
杏子「は?」
さやか「てか友達じゃないし」
まどか「・・・」
杏子「さやかちゃん、ゴメン!(裏声)」ビシュッ
さやか「あっ、あんた何するのy・・・」バタッ
杏子「どういうことだよ・・・こいつ、死んでるじゃねえか!!」
QB「よりにもよって友達を放り投げるなんてどうにかしてるよ、杏子」
杏子「友達じゃないし」
さやか「友達じゃないし」
QB「・・・」
杏子「生きてるし」
まどか「・・・」
杏子「ノリ」
さやか「軽すぎ」
杏子「まあな」
さやか「褒めてないし」
杏子「は?」
さやか「は?」
ほむら「はぁ、はぁ・・・」
ほむら「なんで2個もあるのよ・・・
ていうか2個投げてなんで普通に動いてるのよ・・・」
さやか「本物はこっちでした」パァァ
ほむら「もうなんなのよおおおお!!!!」
・
・
・
魔法少女が体をコントロールできるのはソウルジェムから半径100m圏内。
契約によって、私たちの体は外付けのハードウェアになってしまったのよ。
そいつが言うには、魔力の効率がいいから・・・らしいけど。
キュゥべえの役目は、私たちの魂を抜き取ってソウルジェムに変えることなのよ」
まどか「そんな・・・!!」
杏子「長い」
さやか「長い」
ほむら「・・・つまり、これが私たちの魂ってこと」
杏子「・・・それじゃアタシ達、ゾンビにされたようなもんじゃないか!!」
QB「むしろ便利だろう?心臓が破れても、ありったけの血を抜かれても
魔力で修理すればまた動くようになるんだから。
ソウルジェムさえ砕かれない限り、君たちは無敵だ。
弱点ばかりの人体よりも、戦いでは有利になるじゃないか」
さやか「一理ある」
QB「えっ」
杏子「確かに」
杏子「は?」
さやか「魔法少女?」
杏子「うん」
さやか「ほら」
杏子「なにが」
さやか「ゾンビ」
杏子「は?」
さやか「外付けだから」
杏子「あんたもだ」
さやか「確かに」
QB「・・・」
まどか「・・・」
ほむら「・・・」
・
・
-さやか宅
さやか「こんな身体になっちゃって、
あたしどんな顔して恭介に会えばいいのかな・・・」
杏子『いつまでもショボくれてんじゃねーぞボンクラ!!』
さやか「・・・ん」シャッ
杏子『ちょっと面貸しな、話がある』
さやか『めんどい』
杏子『は?』
杏子『長いから無理』
さやか『長いなら行かない』
杏子『じゃ長くない』
さやか『じゃ口頭で』
杏子『じゃ話さない』
さやか『それちょっと寂しい』
杏子『じゃ出てこい』
・
・
・
さやか「・・・あんたさ、後悔してるの?こんな身体にされちゃったこと」
杏子「アタシはね、まあいいかって思ってるんだ。
なんだかんだでこの力で好き勝手できてるワケだしね」
さやか「いや嘘でしょ」
杏子「は?」
さやか「実はショックでした的なアレでしょ」
杏子「違うし」
さやか「違わないし」
杏子「違わないのアンタだろ」
さやか「確かに」
杏子「そうさ、自業自得にしちゃえばいいんだよ。
自分の為だけに生きてれば、全部自分のせいだ。
他人を恨むこともないし後悔なんてあるわけない・・・」
さやか「いや嘘でしょ」
杏子「は?」
さやか「実は後悔しました的なアレでしょ」
杏子「違うし」
さやか「違わないし」
杏子「違わないのアンタだろ」
さやか「確かに」
杏子「ちょいと長い話になる。食うかい?」シュッ
さやか「・・・」スッ
杏子「よけんなよ」シュッ
さやか「・・・」スッ
杏子「おい」シュッ
さやか「・・・」スッ
杏子「・・・」シュッ
さやか「・・・」スッ
杏子「・・・」ブンッ
さやか「」ゴスッ
さやか「痛っ・・・」
杏子「・・・」
さやか「・・・」
さやか「・・・」
杏子「・・・ここはね、あたしの親父の
さやか「長い」
杏子「・・・」
さやか「・・・」
杏子「寝てろ」
さやか「zzz」
杏子「・・・ここはね、あたしの親父の教会だったんだ。
正直すぎて・・・優しすぎる人だった。
親父は、新しい世界には新しい信仰が必要だって言い始めて
ある時教義にないことまで信者に説教したのさ。
もちろん信者は離れていった。本部からも破門されたさ」
杏子「そうなりゃ、あとは底なしの貧乏生活だ。
あたし達は一家揃って食事すら満足に出来なくなっちまった。
親父は間違ったこと言ってないのに、誰も取り合ってくれないのが悔しかった・・・
リンゴ一つすら、妹に買ってあげられない自分が情けなかった・・・
だから、キュゥべえに頼んだのさ。親父の話をみんなが聞いてくれますようにって」
お金も貯まって、妹にだって何でも買ってあげられるようになった。
それであたしは魔法少女になった。最初は張り切ってたんだ。
親父の説法とあたしの魔女退治で、表と裏からこの世界を救うって・・・」
杏子「でも、ある時カラクリがバレちまった。
信者が魔法で集まったと知って、親父はブチ切れてさ。
あたしの事、人の心を惑わす魔女だって言った。
そのまま転落さ。親父は酒に溺れて頭もイカれて・・・
最後は家族で無理心中。あたし一人だけ残して」
杏子「他人のことを考えないで勝手に願いを叶えた結果がこれさ。
だからあたしは、自分の為だけに魔法を使うことを心に誓ったんだ。
奇跡を願えば、同じ量の絶望が撒き散らされる。
それで差し引き0になって、この世の中は成り立ってるんだ」
杏子「アンタもあたしも同じ間違いから始まったんだ。
アンタはこれ以上後悔する必要ないよ、対価として高すぎるモンを
支払っちまってるわけなんだからさ。
これからはその釣り銭を取り戻していきなよ」
さやか「zzz」
杏子「聞けよ」ブンッ
さやか「」ゴスッ
さやか「痛っ・・・」
さやか「長い」
杏子「まあ一言で言うと自分の為だけに生きろ」
さやか「・・・あたし、あんたのこと色々と誤解してた。
その点は謝るよ」
さやか「でもね・・・あたしは人の為に祈った事を後悔してない。
高すぎる物を支払ったとも思ってない」
杏子「いや嘘だろ」
さやか「は?」
杏子「実は後悔しました的なアレだろ」
さやか「違うし」
杏子「違わないし」
さやか「確かに」
杏子「バカ野郎!!」ブンッ
さやか「」ゴスッ
さやか「痛っ・・・」
さやか「今のなんで投げたの」
杏子「ノリ」
さやか「・・・」
さやか「それからさ、そのリンゴどうやって手に入れたの?」
杏子「盗んだ」
さやか「いや知ってるし」
杏子「は?」
さやか「知ってたし」
杏子「ならなんで聞くん」
さやか「いや盗んじゃダメでしょ」
杏子「は?」
さやか「盗んじゃダメでしょ」
杏子「いやそれおかしいだろ」
杏子「盗んだっていいかもしれないじゃん」
さやか「え?」
杏子「結構盗んだっていいかもしれないじゃん」
さやか「いやダメでしょ」
杏子「は?」
さやか「え?」
杏子「アタシ達は魔法少女なんだぞ!?他に同類なんていないんだぞ!?」
さやか「あたしは自分のやり方で戦い続けるよ。
それがあんたの邪魔になるならまた殺しにくればいい。
あたしは負けないしもう恨んだりもしないよ」スタスタ
杏子「でも実は」
さやか「は?」
杏子「でも実は」
さやか「まあちょっと恐かったりします」
・
・
-
さやか「仁美、話ってなに?」
仁美「私、ずっと前から上条君のことをお慕いしてましたの」
さやか「は?」
仁美「さやかさんと上条君は幼馴染でしたわね」
さやか「いやちょっと待って」
仁美「私、もう自分に嘘はつかないって決めたんですの」
さやか「いや嘘ついてるでしょ」
仁美「さやかさん、あなたはどうですか?
本当の気持ちと向き合えますか?」
さやか「それおかしいでしょ・・・」
仁美「私は抜け駆けも横取りもしたくありません。
ですから、一日だけお待ちしようと思います」
さやか「・・・」
さやか「でも実h
仁美「それまでに、後悔なさらぬよう決めてください。
上条君に気持ちを伝えるべきかどうか」
さやか「・・・」ブンッ
仁美「」ゴスッ
仁美「痛っ・・・」
さやか「・・・」
仁美「・・・」
・
・
さやか「・・・」
まどか「今日の魔女退治も、ついていっていいかな」
さやか「・・・まどか」
まどか「さやかちゃんに一人ぼっちになってほしくなくて・・・
だから・・・」
さやか「お一人様ご来店です」
まどか「えっ」
さやか「・・・なんであんた、そんなに優しいかな。
あたしにはそんな価値ないのに・・・」
まどか(今のすっごい気になる・・・)
さやか「・・・あたしね、今日後悔しそうになっちゃった。
あの時仁美を助けなければってほn
さやか「長い」
さやか「まぁ一言で言うと後悔してます」
まどか「・・・」
・
・
杏子「今日のアイツは魔女と戦ってる、無駄な狩りじゃないさ」
ほむら「意外だわ、そんな理由であなたが獲物を譲るなんて」
杏子「は?」
ほむら「え?」
杏子「全然譲ったとかじゃないし」
杏子「先越されたから見守っててやるだけだし」
杏子「全然さやかの為に残しておいたとかじゃないし」
ほむら「・・・」
杏子「あのバカ、手こずりやがって」
さやか「は?」
杏子「は?」
さやか「バカって言ったほうがバカだし」
杏子「バカって言われてバカって言い返す方がバカだし」
まどか「きゃあああぁぁ!!」
ほむら「まどか!!!」カチッ
さやか「バカって言われてバカって言い返されてバカって言い返す方がバカだし」
杏子「そういうのうざいし」
さやか「はぁ?」
杏子「とにかく見てらんねえっつうの」
さやか「見てたじゃん」
杏子「そういう意味じゃないし」
さやか「はぁ?」
杏子「見ててつまんねえって意味だし」
さやか「別に楽しませるものじゃないし」
杏子「は?」
さやか「は?」
ほむら「もう倒したわよ・・・」
杏子「・・・」
さやか「・・・」
まどか「・・・」
杏子「・・・」ブンッ
ほむら「・・・」スッ
さやか「邪魔しないで、一人でやれるわ・・・」
ほむら「いや、だからもう倒した・・・」
さやか「はあああああぁぁぁ!!!!」ダッ
残骸「」ドスゥッ
まどか「さやかちゃんっ!?」
ほむら「・・・」
さやか「あはは、本当だぁ。
その気になれば痛みなんて完全に消しちゃえるんだぁ・・・」グリグリィ
ほむら「・・・ダメージ受けてないじゃない!!」
さやか「は?」
杏子「は?」
まどか「は?」
ほむら「!?」ビクッ
さやか「いやそういうの無しでお願いします」
杏子「まじキツいわ」
まどか「ほむらちゃん、助けてくれてありがとうね」
ほむら(なに、今の・・・
一瞬まどかまで変になってなかった・・・?)
これなら負ける気がしないわ」
さやか「あげるよ。それが目当てだったんでしょう?」ブンッ
杏子「は?」
さやか「え?」
杏子「じゃあこれ目当てじゃなかったらどうするん」
さやか「どうもしないし」
杏子「いやおかしいだろ」
さやか「なにが」
杏子「いや魔女譲ったのに見返り無しておかしいだろ」
さやか「見返りそれじゃん」
杏子「じゃあこれ目当てじゃなかったらどうするん」
さやか「それ目当てでしょ」
杏子「確かに」
ほむら(グリーフシード、私が持ってるんだけど・・・)
さやか「何してんのまどか、帰るよ・・・!」フラッ
まどか「さやかちゃん、無理しないでつかまって・・・」
さやか「お縄」スッ
まどか「いや、手錠とかじゃなくて・・・」
杏子「あのバカ・・・」ギュッ
ほむら(だからグリーフシードは私が持ってるんだけど・・・)
・
・
ほむら「ワルプルギスの夜の出現予測はこの範囲。
いずれのパターンにも対応できる防衛線を張るためには
最低でも二カ所の霊脈をおさえる必要があるわ」
杏子「長い」
ほむら「・・・地図を見て。理解できたらそれでいいわ」
杏子「いや話じゃなくて今食ってる麺のこと」
ほむら「・・・」
杏子「その出現予測の根拠はなんだい」
ほむら「統計よ」
杏子「短い」
ほむら「・・・出現した位置の分布を調べて、それをもとに考えたのよ」
杏子「いや話じゃなくて今食ってる麺のこと」
ほむら「・・・」
杏子「信用しろとは言わないけどさ、もうちょっと手の内見せてくれないわけ?」
QB「それは是非僕からもお願いしたいね、暁美ほむら?」
杏子「・・・」
ほむら「・・・」
QB「・・・」
杏子「・・・」
ほむら「・・・」
QB「・・・」
杏子「・・・あっ」
杏子「どこから湧いて出やがったテメエ・・・」ジャキッ
ほむら(なんで今の言うのに時間かかったのよ・・・)
魔法を使うだけでなく彼女自身が呪いを生み始めた」
杏子「人をゴキブリみたいに言うんじゃねえ!!」
QB「言ったのは君が僕に対してじゃないか」
杏子「人をゴキブリみたいに言うんじゃねえ!!」
QB「・・・
このままだとワルプルギスの夜よりも先に
厄介なことがおこるかもしれない。
注意した方がいいよ」
杏子「人を厄介みたいに言うんじゃねえ!!」
QB「・・・」
杏子「人を厄介みたいに言うんじゃねえ!!」
ほむら「・・・消えなさい」
QB「うん・・・」
・
・
さやか「うああああああ!!!」ザシュッ
さやか「はぁ、はぁ・・・」ドサッ
ほむら「どうして分からないの?
余裕がないのなら魔女だけを狙って仕留めなきゃダメよ。
・・・使いなさい。ソウルジェムはもう限界のはずよ」
さやか「長い」
ほむら(本当に追いつめられてるのかしら、この子・・・)
ほむら「とにかく、それでソウルジェムを浄化しなさい」
さやか「いや話じゃなくてあたしの枝毛のこと」
ほむら「・・・」
ほむら「いい加減にして!もう他人を疑ってる場合じゃないでしょ!?
あなた、このままだと死ぬわよ!?」
さやか「・・・それでもいいさ」
ほむら「え?」
さやか「え?」
ほむら(しまった、あまりにも普通に話が進んだからびっくりしちゃったわ・・・
死にたくないし、とか言うと思ってたのに・・・)
ほむら「なんでもないわ」
さやか「あたしはあんた達とは違う魔法少女になるって決めたんだ。
だから誰かを見捨てたり利用もしない、見返りだっていらない。
それでもし魔女が殺せなくなった時は・・・あたしは用済みさ。
魔女に勝てないあたしなんてこの世界には要らないよ」
なのにどうして信じてくれないの?」
さやか「あんたが嘘つきだからよ」
ほむら「・・・!」
さやか「この前あたしがダメージ受けてないって嘘ついたじゃん」
ほむら「あれは本当よ!!!!!!!!」ゴスッ
さやか「は?」
ほむら(痛っ、壁殴っちゃったわ・・・)
さやか「あんた、何もかも諦めた目をしてる。
いつも空っぽの言葉を喋ってる。
本当はさ、あたしの為とか言いながら全然別のこと考えてるでしょ。
ごまかしきれるもんじゃないよ、そういうの」
ほむら「ええ、図星よ。
私はあなたを助けたいわけじゃない・・・
あなたが破滅していく姿をまどかに見せたくないだけ。
全てはあの子の為なのよ?」ゴォッ
さやか「え?」
ほむら「え?」
さやか「枝毛のこと考えてるのかと思った」
ほむら「誰があなたの枝毛のことなんか考えるのよ!!!!」
さやか「いやまどかの」
ほむら「まどかに枝毛がある・・・?気付かなかったわ・・・」ゴクリ
ほむら「まぁ・・・それはオイシイ情報として置いといて。
これ以上まどかを悲しませるくらいなら・・・
いっそこの場で私が殺してあげるわ、美樹さやか!!」ゴォォ
杏子「っ!!」ガシッ
ほむら「!?」
さやか「いや掴むほう間違ってるし」ジタバタ
杏子「マジか」ググッ
さやか「いや力入れると痛いし」ジタバタ
杏子「マジか」ググッ
さやか「いや折れそうだし」ジタバタ
杏子「ちょっと面白いかも」ブンブン
さやか「なにこれ」グルングルン
杏子「メリーゴーランド的な」ブンブン
さやか「一理ある」グルングルン
ほむら「・・・」
ほむら「いや、普通に使える・・・」
杏子「は?」ピタッ
さやか「は?」ピタッ
ほむら「もうイヤ・・・帰るわ・・・」グスン
杏子「・・・」
さやか「・・・」
さやか「もうちょっと早く回せる?」
杏子「わかった」ブンブン
・
・
・
女ってバカだからさぁ・・・」
ホストB「犬か何かだと思って躾けないとダメっすよね」
ホストA「油断するとすぐ籍入れたいだの言い出すからねー」
ホストB「捨てる時がホントウザいっすよねぇ・・・」
さやか「ねえ、その女の人の話もっと聞かせてよ」
ホストA「お嬢ちゃん中学生?夜更かしはよくないぞ」
さやか「その女の人、あんたのことが大事で
喜ばせたくて頑張ってたんでしょ?
なのに犬と同じなの?
ありがとうって言わないの?
役に立たなきゃ捨てちゃうの?」
ホストA「何コイツ・・・知り合い?」
ホストB「いや・・・」
さやか「ねえ、この世界って守る価値あるの?
あたし何のために戦ってたの?
教えてよ、今すぐあんたが教えてよ・・・」
さやか「でないとあたし、どうにかなっちゃうよ?」
・
・
杏子「やっと見つけた!」タタッ
杏子「アンタさぁ、いつまで強情張ってる気?」
さやか「・・・悪いね、手間かけさせちゃって」
杏子「な、なんだよ。らしくないじゃんかよ・・・」
さやか「うん、別にもうどうでもよくなっちゃったからね」
杏子「っ!?」ゾクッ
なにもかも、わけ分かんなくなっちゃった」
さやか「希望と絶望のバランスは差し引きゼロだって話、今ならよく解るよ」
さやか「確かにあたしは何人か救いもしたけど
その分心には恨みや妬みが溜まって」
さやか「一番大切な友達さえ傷つけて・・・」
さやか「誰かの幸せを祈ったぶん、他の誰かを呪わずにはいられない。
あたしたち魔法少女ってそういう仕組みだったんだね」
杏子「さ、さやか・・・」
さやか「あたしって、ほんとバカ」
杏子「え?」
杏子「いやバカって認めたからさ」
さやか「比喩だし」
杏子「そういうの無理だから」
さやか「は?」
杏子「てか長い」
さやか「まあ一言で言うと後悔してます的な」
杏子「あといきなりゾクッてきたの風邪っぽい」
さやか「バカは風邪ひかないし」
杏子「バカって言ったほうがバカだし」
さやか「そういうのうざいし」
杏子「は?」
さやか「バカって言われてバカって言い返したほうがバカだし」
ほむら「・・・」
ほむら「どういうこと・・・?
ちょっと、ソウルジェムを見せてくれる?」
さやか「エッチ」
杏子「スケッチ」
さやか「ワンタッチ」
ほむら「早くしなさい!」
さやか「ほい」ポイッ
ほむら「・・・」パシッ
ほむら「・・・ほとんど穢れてない?わけがわからないわ・・・」
QB「・・・そろそろかな」
さやか「はっ!?」パチッ
杏子「おっ!?」パチッ
QB「戻ったみたいだね」
ほむら「・・・説明しなさい」
QB「あぁ、この二人は魔女の口づけを受けていたのさ」
ほむら「え??」
QB「無駄話の魔女、性質は『冗長』。
この魔女に口づけを受けてしまった者は
話をわけのわからない方向に持っていき、長期化させる傾向にある」
ほむら「はぁ・・・」
ほむら「どうして教えてくれなかったのよ」
QB「聞かれなかったからさ。
それに、僕も最近やっと気付いたものでね」
ほむら「ソウルジェムがほとんど穢れてないのは?」
QB「魔女に操られていたから、二人とも無意識のうちに行動をしていたようなものだ。
魔力を使う以外に穢れが溜まる理由がないのさ。
ちゃんと浄化もしていたみたいだし」
ほむら「じゃあ、消耗が早いって言ったのは?
呪いを生み始めたって言ったのはなんなのよ?」
QB「魔女の口づけの消耗が早いと言ったのさ。
それに、呪いを生み始めたというのは口づけの消耗の高速化に伴って
話を冗長化させる範囲が広くなったということさ」
ほむら「・・・」
杏子は、それよりも前に受けたみたいだね」
杏子「ん〜、なんだかよくわかんねえけど楽しかったな!」
さやか「確かにそうかも!あんたとはいいコンビになれそうだわ〜」
杏子「冗長コンビか?アリだな!」
さやか「もう一回口づけしてもらってくる?」
杏子「まっさか!もうこりごりだよ」アハハ
さやか「だよねぇ〜」アハハ
杏子「でも、最後らへん結構真面目じゃなかったか?」
QB「それはそうさ。効果が切れかけてたんだから」
さやか「なるほど〜」
ほむら「何自分達で勝手に納得してるのよ!!!!!!!!!!!」クワッ
ほむら「今すぐ謝りなさいよ!!!!!!!!!!!!」
杏子「えっ・・・どうするよ、さやか」
さやか「まぁ、色々迷惑かけちゃったわけだし謝っておこうよ」
杏子「そうだなぁ」
さやか「ごめんね、転校生」ペコッ
杏子「悪かったよ」ペコッ
ほむら「・・・はぁ、まあ許してあげるわ」
まどか「さやかちゃん・・・?」
さやか「あれ、まどか?」
まどか「さやかちゃん!どうしたの?ソウルジェムは?ねぇ、さやかちゃん!」ガバッ
さやか「いや、ここにあるけど・・・」
まどか「は?」
ほむら「っ!?」
まどか「だからそれはソウルジェムまがい的なアレでしょ」
さやか「アレって何よまどか〜」
まどか「この前のレプリカ的なアレでしょ」
さやか「・・・」
杏子「なぁさやか、これって・・・」
さやか「・・・っぽいね」
QB「どうやら、そうみたいだね」
まどか「本物がないと死んじゃうのに生きてるふしぎ」
杏子「イレギュラー、後は頼んだ。ラーメン食いに行こうぜさやか!」スタコラ
さやか「そうだね、転校生よろしく!んじゃ行きますか!」スタコラ
QB「僕は別の子を勧誘しに行くよ、治ったら教えてくれるかい」スタコラ
まどか「ほむらちゃんって実は枝毛体質だったりするアレでしょ」
ほむら「・・・いやああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
おわり
マミさん出なくてすみませんでした
お付き合いいただきありがとうございました
長い
冗長なのは魔女の仕業ならしかたないね
その分オチの4人と一匹のノリが面白かったからすっきりしたわ
Entry ⇒ 2012.05.29 | Category ⇒ まどかマギカSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
鳴「みかん」アーン恒一「はいはい」ムキムキ
恒一「美味しい?」
鳴「うん」ゴクン
恒一「良かった」
鳴「もう一つ」アーン
恒一「はいはい」スゥー
鳴「……」モグモグ
鳴「もう一つ」ゴクン
恒一「はいはい」
恒一「……」ムキムキ
鳴「みかん」
恒一「はいはい」スッ
鳴「……」モグモグゴクン
鳴「みかん」アーン
恒一「はいはい」スッ
鳴「……」モグモグゴクン
恒一「……」ムキムキ
鳴「……」
鳴「かん」
恒一「はいはい」スッ
鳴「かん」アーン
恒一「はいはい」
鳴「……」モグモグゴクン
恒一「……」ムキムキ
鳴「かん」アーン
恒一「はいはい」スッ
鳴「……」モグモグ
恒一「僕も一粒食べよ」モグモグ
鳴「……」ゴクン
恒一「うん、甘いね」ゴクン
鳴「……」
鳴「ん」アーン
恒一「はいはい」スッ
恒一「……」モグモグ
鳴「……」ゴクン
鳴「ん」アーン
恒一「はいはい」スッ
鳴「……」モグモグゴクン
鳴「ん」アーン
恒一「はいはい」
鳴「……」モグモグゴクン
鳴「ん」アーン
恒一「はいはい」
モグモグゴクン
鳴「ん」アーン
恒一「はいはい」スッ
鳴「ん」アーン
恒一「はいはい」スッ
鳴「ん」アーン
鳴「ん」アーン
鳴「ん」アーン
恒一「はいはい」スッ
鳴「……」モグモグゴクン
恒一「……」ムキムキ
鳴「……」
鳴「……」アーン
恒一「はいはい」スッ
ガラッ
恒一「あ、赤沢さんおはよう」ムキムキ
鳴「……」モグモグ
赤沢「おはよう恒一君って……え?なんで……?」
赤沢「(どうして教室の真ん中に炬燵が……それに見崎さんと恒一君が向かい合って
座っているの……)」
赤沢「(恒一君の隣にはみかん箱と卓の上に打ち捨てられた大量のみかんの皮……)」
鳴「……」アーン
恒一「はいはい」スッ
赤沢「!?なんとうらましや!!」
恒一「うわっ!赤沢さんど、どうしたのいきなり……?」
恒一「そう?なら良いけど……」スッ
鳴「……」モグモグ
赤沢「……」
赤沢「……ねぇ、恒一君」
恒一「ん?何?」
赤沢「その……私も、そこに入っていい?」
鳴「駄目」
恒一「こら見崎。意地悪するならみかん食べさせてあげないよ」
鳴「……」アーン
恒一「良いってさ」
赤沢「……お邪魔します」スッ
見崎「……」ズガズガ
赤沢「痛いちょっと痛い!なんか骨が刺さってくるから!」
恒一「こら見崎。みかん、赤沢さんに全部あげちゃうよ?」
見崎「……」アーン
赤沢「(そんなにみかんが好きなの……?ていうかなんで私こんなに嫌われているのよ)」
赤沢「(駄目だ……何もかもさっぱりだわ)」グイッ
赤沢「(……この眼帯足乗せてきやがった……!地味に痛い!)」
鳴「……」モグモグ
赤沢「ねぇ、恒一君」
恒一「ん?どうかした?」
赤沢「私も、みかん一つ貰っていいかしら?」
鳴「……」アーン
恒一「良いよ、はい」スッ
赤沢「えっ」
鳴「」グワッ
恒一「あ、ごめん……見崎に食べさせている間に癖になったみたいだ。自分で剥いて食べるよね?」
鳴「うんそうだよ。だから早く」アーン
赤沢「……勝手に答えないでくれるかしら?」
鳴「榊原君」アーン
恒一「はいはい」スッ
赤沢「ストップ恒一君」
恒一「へいっ?」ピタッ
赤沢「……折角用意してもらったんだもの。私が頂くわ」
鳴「駄目。私の」
赤沢「構わないわ。……いただきます」アーン
恒一「召し上がれ?」スッ
鳴「……!」ズガズガ
赤沢「……」パクッ
鳴「……!!」ズガガガガ
赤沢「……御馳走様でした」ゴクン
恒一「どう?甘いよね」
赤沢「えぇ。これは、癖になるわね」
恒一「もう一ついる?」
赤沢「頂きます」アーン
鳴「!!」ガガガガガガガガ
鳴「……」パクッ
赤沢「恒一君」アーン
恒一「はいはい」スッ
鳴「……」ガガガガガガ
赤沢「……」モグモグゴクン
鳴「……」アーン
恒一「はいはい」スッ
赤沢「恒一君、みかん」
恒一「はいはい」スッ
鳴「……」アーン
赤沢「みかん」アーン
鳴「……」ズガガガガガガ
赤沢「かん」アーン
鳴「……」ガガガガガガガガガガ
赤沢「ん」アーン
鳴「ガガガガガガガガガガガ」アーン
赤沢「……」アーン
鳴「……」モグモグゴクン
恒一「はいはい」スッ
ガラッ
恒一「おはよう勅使河原。珍しいな、こんなに早くに登校なんて」
勅使河原「いやぁちょっと早く起きちまったから偶には……ってなんだこれ?」
赤沢「……」モグモグ
鳴「……」モグモグ
恒一「今日は槍でも降るんじゃないか?」ムキムキ
勅使河原「(教室のど真ん中に置かれた炬燵、そこに入ったサカキと見崎と赤沢。
サカキの隣に置かれたみかん箱、卓上に大量に打ち捨てられたみかんの皮と話ながら
とんでもない早さでみかんを剥くサカキ……一心不乱にそれを啄む見崎と赤沢)」
勅使河原「(駄目だ……どこから突っ込めばいいのか分からない……!)」
勅使河原「……良いのか?」
赤沢「駄目に決まってるでしょ」
鳴「調子に乗らないで」
恒一「こら二人とも。意地悪するとみかん上げないよ?」
赤沢「……」アーン
鳴「……」アーン
恒一「ほら、きなよ」
勅使河原「……そんじゃま、お邪魔しますっと……」
赤沢「……」ドガドガ
勅使河原「痛い痛い!ちょっとなんか骨っぽいのと肉っぽいのが刺さってくるんだけどさぁ!!俺出て良いか!?」
恒一「こら二人とも」
赤沢「……」アーン
鳴「……」アーン
勅使河原「(大人しくなったが……人の足の上で制空権取り合うの止めてくれ地味に踵とかが刺さっていてぇ……)」」
勅使河原「(はぁ出たい……けどなんだか出たら申し訳ない雰囲気だ……早起きなんてするんじゃなかった……!!)」
恒一「勅使河原はみかんいる?」
恒一「うん」
勅使河原「……じゃぁもらおうかな」
恒一「はい」スッ
勅使河原「えっ」
鳴「!!」ズガガガガガガ
赤沢「!!」ドガガガガガガガガ
勅使河原「痛い痛い!」
恒一「こら」
赤沢「……」アーン
鳴「……」アーン
勅使河原「俺は良いよ、自分で剥いて食うからさ……そいつらに食べさせてやれって」
恒一「ごめんな」
勅使河原「寧ろなんで野郎が剥いたみかんをあまつさえ食べさせてもらわなきゃいけねーんだよ……」
おれもマッチョ状態になってんのかと思った
勅使河原「美味いな」ゴクン
恒一「だろ?」ムキムキ
赤沢「……」アーン
鳴「……」アーン
勅使河原「どうしたんだよこれ」
恒一「ばあちゃんが貰ってきたんだ」
勅使河原「なるほどなぁ……うん、美味い。サカキのばあちゃんに感謝だな」モグモグ
恒一「伝えておくよ」ムキムキ
赤沢「……」アーン
鳴「……」モグモグゴクン
恒一「はいはい」スッ
赤沢「……」モグモグ
鳴「……」アーン
恒一「はいはい」スッ
勅使河原「(やべぇ……みかんが美味すぎてしゃべりたくねぇ……こいつらの気持ち、ちょっと解かっちまった……)」
ガラッ
恒一「おはよう、桜木さん」
勅使河原「よぉ。気持ちは解かる……が、まずはこっち来て座っとけよ」
桜木「え、あ、はい……じゃぁ、お邪魔します」
勅使河原「まぁ、なんだ……みかんもあるぜ?」
桜木「みかん……い、いえ!今日はちょっと、良いです……」グゥ
桜木「あっ///」
桜木「あっ、あうぅ……///」
恒一「無理はしない方が良いよ。授業に集中出来なくなるし、変なダイエットは体に毒だからさ」
勅使河原「そうだぞ」ズガガドガ
桜木「それじゃぁ……一つだけ、頂きます///」
恒一「はい、召し上がれ」スッ
桜木「えっ///」
ズガガガガガガドガガガガガガガガガガガ
勅使河原「(なんで俺が蹴られるんだよ……)」
恒一「どうした?宿題見せろってか?」ムキムキ
勅使河原「いやぁそれも出来れば後程お願いしたいんだが、そうじゃなくて」
恒一「なんだよ?」スッ
勅使河原「お前、さっきから全く食ってないよな」
恒一「ん?あぁ、まぁそうだな」
勅使河原「ほれ」スッ
恒一「えっ」
鳴「!?」
赤沢「!?」
柿沼「……」ガラッ
桜木「うぅ……もう一つ、もう一つだけ……!」モグモグ
恒一「……お前はさっき食べてくれなかっただろ」
勅使河原「良いから、ほれほれ」グイグイ
恒一「……たく、気持ち悪いなぁ」アーン
勅使河原「召し上がれ」
恒一「……いただきます」パクッ
柿沼「ごちそうさまでした」ガラッ
ズガガガガガガドガガガガガガガガガガガ
桜木「もう一つ……だけなら……!」モグモグ
ガラッ
恒一「おはよう、高林君」
勅使河原「よっす」
桜木「お、おはようございます……」モグモグ
鳴「榊原君」
赤沢「恒一君」
恒一「ん?何?」
鳴「みかん」
赤沢「みかん」
恒一「はいはい」スッ
赤沢「皮付で」
勅使河原「今度はサカキに食わせてやるってか。健気だねぇ」
鳴「黙れ」ガガガガガガガガガ
赤沢「俗物が」ガガガガガガガガ
勅使河原「ひでぇ」
高林「ねぇ……これって」
勅使河原「まぁ、お前も入れよ」
恒一「みかんもあるよ?」
鳴「……」ブチュッ
赤沢「……」ブチュチュ
勅使河原「(……へったくそだなぁこの二人)」
恒一「はい、高林君」スッ
高林「えっ」
勅使河原「食ってやれ、拗ねるから」モグモグ
勅使河原「(桜木は自給自足しているからなぁ……まぁその方が効率的に食べられるから良いが)」
桜木「フルーツはセーフ……フルーツはセーフ……!」モグモグ
高林「そうなんだ。でも、僕みかん剥くの下手だから、粒、ありがたくもらうよ」スッ
恒一「僕が剥いたのでごめんね」
高林「いやいや……それにしても榊原君の指先真っ黄色だね」
恒一「あぁ、ずっと剥いているから」
鳴「……」ブチュチュッ
勅使河原「ちょっ、目に入った!」アタフタ
赤沢「下手くそ」ブチュッ
勅使河原「ぐおおおおお!!」メガー
鳴「……自業自得」
赤沢「……そうね」
ガラッ
勅使河原「その声、風見か……?」
恒一「おはよう、風見君」
風見「……はぁ。勅使河原、またお前の仕業か」
勅使河原「お前が何を悟ったのかは知らないが、断じて俺は悪くない!」
風見「はいはい……」
桜木「ビタミン接種は体に健康ビタミン健康体に接種……」モグモグ
桜木「ビタミンダイエット――あ、か、風見君……お、おはようございますっ」
風見「……」チラッ
桜木「あ――い、いえ!これはその、違くて――あっ!!」
桜木「は、はいっ!」スッ
風見「えっ」
桜木「め、召し上がれ///」
風見「」
勅使河原「なんだ…・・・」
風見「これは夢か?またお前は僕に変な夢を……!」
勅使河原「はぁ?知るかよ……俺は今みかん汁の激痛と戦っているんだ……放っといてくれ……」
風見「勅使河原」
勅使河原「なんだってんだよ……!」
風見「僕はお前と親友であって、本当に良かった」
勅使河原「はぁ……?」
風見「……いただきます」アーン
桜木「ど、どうぞっ///」スッ
風見「……」パクッ
高林「甘いね」モグモグ
恒一「うん」ムキムキ
鳴「……剥けた」デロデロ
赤沢「……ふぅ」デロデロ
鳴「……」ブチュッ
赤沢「……」ブチュッ
勅使河原「うおおおおおおおおお!!」ジタバタ
鳴「榊原君」
赤沢「恒一君」
鳴・赤「「あーん」」スッ
赤沢「あなたこそ、そのみかん病気もったみたいな爛れ方ね」
鳴「あなたのよりマシ」
赤沢「あなたのよりマシよ」
恒一「僕は良いかな。二人とも、みかん好きなんだから自分で食べなよ」
鳴「」
赤沢「」
恒一「はい、高林君」スッ
高林「美味しいなぁ」モグモグ
桜木「はい、どうぞ///」スッ
風見「(こたつにありがとう、勅使河原にさようなら……全てのみかん農家の人よ……ありがとう)」
赤沢「……」クチャクチャ
恒一「こら二人とも、行儀悪いよ」
鳴「……」アーン
赤沢「……」アーン
恒一「まだ二人が剥いたの残っているじゃないか」
鳴「……」アーン
赤沢「!?」キュンッ
赤沢「(しまった……みかんを食べすぎたせいか……にょ、尿意が……でも、出たくない!)」モソモソ
鳴「……」ニヤァ
赤沢「(!? こ、このプレッシャーは!!)」
鳴「……」ズカズカズカズカ
赤沢「つ、突くなぁ……!」ギロッ
鳴「ふふっ――!?」キュンッ
鳴「(そ、そんな……!!)」
赤沢「……!」キュピーン
赤沢「(彼女も……ふふっ。これでフェアね……!)」
鳴「(今席を立ったらもしかすると……時刻は八時五分。生徒の登校ラッシュ間近。トイレに行っている間に演劇部の猟犬二人が登校してきたら、このベストプレイスが失われてしまう!他にも多々良、有田……無能の席なんていくらでもあげるけど、此処だけは……!)」
赤沢「(こたつのキャパシティは四方に二人づつ。南に恒一君と高林君。東に私とゆかり、北に眼帯、
西に馬鹿と風見君……そのうちに登校してきた誰かが眼帯の居場所を奪ってくれたら幸いだけど、私の場所に座られなんてしたら……たとえばあの二人とか!
排泄、経路を含めた所要時間は最低で七分……約八時十五分。……分の悪い賭けだわ)」
鳴「(……どうしよう、いっそ漏らすか……此処に、それだけの価値は……ある)」
赤沢「(恒一君に飲んでもらう?よろこんでくれるかしら――)」
鳴「(台拭き――!?)」
赤沢「(――そうか!!)」
鳴「……」ブチュッ
赤沢「……」ブチュチュッ
勅使河原「ぐおおおおおおおお!!」ジタバタ
鳴「(今私のエリアは最高に汚い。そうそれは……!)」ブチュッ
赤沢「(三年三組下劣のエースが引くぐらいに……ならば!)」ブチュチュ
鳴「(此処を最大に汚してしまえば何人たりともこの聖域を犯すことは出来ない!!)」ブチュチュッ
赤沢「(だれがこの場所に相応しいのかを証明してやるわ!!)」ブチュチュチュッ
恒一「……」ビチャチャッ
高林「……」ビチャビチャ
ガラッ
綾野「あ、めーちゃんいずみーおはよー!」
小椋「二人とも、珍しいね。一緒に居るだなんて」
赤沢「……ふっ」クスッ
鳴「……」ニヤッ
綾野「……?何?なんで笑ったのあの二人?」
小椋「ていうか、何あの内股……」
赤沢「(冷たい椅子に)」
鳴「(這い蹲ると良い)」
綾野「まぁいっか。おっはよーってうわ!?なんでこたつあるの!?」
小椋「みかんまで……!?何これ」
恒一「おはよう」フキフキ
高林「みかんも炬燵もフェアに分け与えられるよ」フキフキ
小椋「あたしもー」メイセキ
綾野「えー由美私の隣に座んないのー?」
小椋「だってそこだったら榊原君に食べさせてもらえないでしょ?」
綾野「いいじゃんそれでー」ブー
小椋「やーだよー」ベー
高林「ご指名だよ、榊原君。彼女たちにも与えないのは、フェアじゃないよね」
恒一「はいはい」ムキムキ
多々良「おはようってえぇ!?」
有田「なんで炬燵があるの……?」
恒一「おはよう二人とも。どう?みかんもあるよ?」
赤沢「……はい」エッグエッグ
鳴「……はい」ヒッグヒッグ
三神「今度からはね、ちゃんと、その、催したら、行くように」
赤沢「はい……」エッグエッグ
鳴「はい……」ヒッグヒッグ
三神「……」
三神「(学校に炬燵持ってくるの……もうやめよう)」
終わり
つまんなかった人ごめんなさい
読んでくれた人ありがとう
ネーブル食ってたらなんか書きたくなって書きました。そんじゃ失礼
問題ない
乙
ごめん漏らしたのは廊下
Entry ⇒ 2012.05.28 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
折木「えるたそ………」 福部「」
福部「………」
折木「…………」ペラッ
福部(ホータロー……今何て言った?)
福部(幻聴……いや、聞き間違い?)
福部「えっ、あっ、な、何だいホータロー」
折木「何をそんなにうろたえる」
福部「べ、別にうろたえてなんていないよ?」
折木「変なヤツだな……」ペラッ
福部(キミにだけは言われたくないよホータロー……)
ヒュオーゥ
福部「あ、うん。わかったよ」ガラガラッ
折木「すまんな」ペラッ
福部「いいさ」
折木「チタンダエルまじ大天使………」
福部「」
福部(今絶対言った!絶対大天使って言ったよ!)
福部(これは突っ込むべきなのか、それとも聞かなかったことにするべきなのか……)
福部(………よし!)
福部「ホータロー」
折木「何だ?」
福部「今日は何を読んでるんだい?」
福部(あいだを取って話を逸らす!)
福部「いや、今日のはやけに分厚いから気になってさ」
折木「千反田のようなことを言うんだな」
福部「私、気になります!ってやつかい?」
折木「それ以上その似てない声マネをしたら蹴り殺す」
福部「」
そういうことにしておこう。その方がいい……)
折木「今日は古書肆が憑物落としと称して謎を解くアレだ」
福部「ああ、あのシリーズ」
折木「主人公のスタンスは尊敬せざるを得ない」
福部「肉体労働はしないって誓ってるんだっけ」
折木「俺もあやかりたいものだ」
折木「そうか?実に俺向きだと思うが」
福部「だって文庫本なのに文章量が半端じゃないじゃないか」
折木「実のあるセンテンスはごく一部だ。後は斜め読みでも理解できる」
福部「今その発言でシリーズファンの4割を敵に回したよ」
折木「それに一冊で普通の文庫の数倍はヒマが潰せる」ペラッ
福部「それなりの値段だけどね」
折木「ハードカバーを買ったと思えば安いものだ」
福部「………そんなものかな」
福部「何だいホータロー」
折木「『折木える』という名前はエゼキエルっぽくてちょっと語呂がいいと思わないか?」
福部「もうフォローしきれねえよ!」
福部「うるせえよ!黙って聞いてりゃあさっきから何なんだお前は!」
折木「落ち着け里志。キャラが崩壊してるぞ」
福部「だからお前にだけは言われたくねえよ!!
何だ『えるたそ』って!!何が『チタンダエルまじ大天使』だよ!!!」
折木「………」ソーッ
福部「おもむろに眼鏡をかけさせようとすんな!っていうか何処から出したその眼鏡!!」ガッシャーン
折木「いや、その方がツッコミっぽくなるような気がして」
福部「誰の所為だと思ってんだぁぁぁぁ!!」
折木「何かすまんな」
福部「いや、もういいよ。全てがどうでもいい……」
折木「ところでどこまで話したんだったか。なぜ千反田があんなにかわいいのか、だっけか?」
福部「さっきからどうしたのホータロー?豆腐の角に頭でもぶつけたの?」
折木「何だ、お前は伊原派だったか」
福部「だからそういう問題じゃねえっつってんだろうが!!」
折木「俺の主義主張と千反田がかわいいという事実に関係はないと思うが」
福部「うん、まぁ……うん?」
折木「大体高校生にもなって省エネとか痛すぎるだろ」
福部「自覚はあったんだね」
折木「大体省エネって何だ。老荘思想か」
福部「『無為』の意味をはき違えてるような気がするけどまあいいや。それで?」
折木「いや、千反田ってつくづく俺たち童貞の理想というか妄想が具現化したような存在だなって思って」
福部「ちゃっかり僕まで童貞認定されちゃったよ」
折木「違うのか?」
福部「そうだけれども!」
そして頭はいいがちょっと勘が鈍いというギャップ。 言うことなしだろ」
福部「そしてあの美しい黒髪!」
折木「あ?」
福部「」
福部「いや、だからやっぱり黒髪は最高だよねって……」
折木「…………ハァ」ヤレヤレ
福部「え、何その『お前何も分かってないな』みたいなため息」
折木「お前何も分かってないな」
福部「ホントに言ったよ!」
福部「うん」
折木「鴉の濡れ羽色とはああいう髪を言うんだろうな」
福部「緑の黒髪とも言うね」
折木「そうだな」
福部「ちなみここでいう『緑』っていうのは『若々しい』くらいの意味でグリーンとはあまり関係がないらしいよ」
折木「へぇ」
福部「」フフン
折木「でも今はどうでもいい」
福部「」
折木「俺が言いたいのは、千反田は黒髪だから可愛いわけではないということだ」
福部「というと?」
折木「茶髪だろうが金髪だろうが千反田はかわいい」
福部「ああそういう……」
福部「茶髪でもいいね」
折木「ショートにしちゃったりな」
福部「おでこも出してみたり!」
折木「千反田はおでこもきれいだろうな」
福部「あ、でもデコキャラは僕と被っちゃうね!」
折木「あ゛?」
福部「すみませんでした」
折木「何を?」
福部「えっ」
折木「えっ」
折木「だから何が」
福部「いや、だって好きなんだろ?千反田さんが」
折木「好きどころじゃない。愛してる」
福部「お、おう」
福部「どうしたっていうか……それならその熱い思いを千反田さんに届けようとは思わないのかい?」
折木「意味が分からん」
福部「どうしてだい?……ハハーン、まさか今更『恋愛なんてエネルギーの浪費だ』、なんて言い出すんじゃないだろうね?」
折木「違う」
福部「じゃあどうして?」
折木「もし振られたら立ち直る自信がない」
福部「」
福部「そんなに好きなのか……」
折木「愛してる」
福部「………そんなに愛してるのか」
福部「うん?」
折木「俺の千反田に対する感情が恋愛感情なのかすら定かではない」
福部「出来の悪い少女漫画みたいなこと言い出したね」
折木「どう思う?」
福部「知らないよ。心の底から」
折木「あんなことやこんなこと?」
福部「………健全な男子高校生なら一度は思うことだよ」
折木「お前千反田のことそんな目で見てたのか。最低だな」
福部「今日のホータローは95割増しでうざいね」
福部「うん」
折木「溺愛したい」
福部「はい?」
折木「言い方を変えるなら全力で可愛がりたい」
福部「とうとう全力とか言いだしたよ」
福部「膝枕『されたい』じゃなくて?」
折木「違うな。スイカとメロンくらい違う」
福部「どっちもおいしいねってか」
福部「あ、でも全部読み終わるまで寝付かないんじゃないかな」
折木「なぜ?」
福部「『私、続きが気になり』……」
折木「殺すって言ったよな?」
福部「ごめんなさい」
福部「段々詳細かつ気持ち悪くなってきたぞ」
折木「でもなぁ」
福部「どうしたんだい?」
折木「いや、身の回りの世話をするのはいいんだが」
福部「うん」
折木「千反田って自分のことは大概自分でできそうだな、と」
福部「ああ、なるほど。確かに意外に生活能力高そうだもんね」
折木「いざとなったらやることないんじゃないか?」
福部「でもお世話したいんだろう?」
折木「できることは自分でやらせたいんだよ」
福部「お母さんか」
福部「何だい?」
折木「千反田ってモテるのか?」
福部「ああ、やっとその話題なんだ。
そうだね、一年男子を中心にかなり人気は高いみたいだよ」
折木「本当か」
福部「本当さ。僕のデータベースに間違いはないよ」
折木「ほう」
折木「マジか」
福部「うん。今月だけで4回は下らないんじゃないかな」
折木「ふぅん」
福部「どうする、ホータロー?」
折木「どうもしないさ」
福部「へぇ?」
福部「ただ?」
折木「千反田を困らせるような輩はそのうち学校に来なくなるかもな」
福部「いいね。僕好みの回答だ」
折木「お前の好みなど知らん」
折木「何だと?」
福部「うん。取りつく島もなくバッサリだって。
振られた本人たちから直接聞いたんだから間違いない」
折木「」グッ
福部「ホータロー、今僕に見えないようにガッツポーズしただろ」
折木「しとらん」
福部「いや、絶対したね!」
折木「してないと言っている」
折木「……………興味がない」
福部「ふぅーーーーん?」ニヤニヤ
折木「生え際後退させてやろうか?」
福部「」サッ
折木「………腹が減った」
福部「そりゃあれだけ喋りまくればね」
折木「………帰るか」ガタッ
福部「そうだね」ガタガタッ
折木「千反田も伊原も来なかったな」
福部「用事でもあったんじゃないかな?」
ガラガラッ
千反田「…………」
伊原「……………」ニヤニヤ
折木「」
福部「」
折木「いつからいたんだ」
伊原「ふくちゃんが大声でアンタに突っ込んでたあたりからよ」
折木「千反田」
千反田「………はい」
折木「全部聞いてたのか?」
千反田「……………………ポッ」
福部「待ちなってホータロー!ここ四階だから!!」
折木「確実に死ねるな」グイグイ
福部「だから落ち着きなって!!」
伊原「そうよ。下に人がいたらどうするの」
福部「そう!そうだよ!!」
福部(ナイス摩耶花!)
伊原「死ぬなら誰にも迷惑がかからないように一人でひっそり死になさいよ」
折木「そうだな」ダッシュ!
福部「あっこら待てホータロー!!千反田さん!摩耶花!捕まえて!!」
伊原「げっ、コッチ来た!」
千反田「…………えいっ!!」
ギュッ
折木「おふっ」
ドサッ
福部「千反田さん、ナイスタックル!」
伊原「だ、大丈夫、ちーちゃん?」
千反田「私は、大丈夫です……」ムクッ
折木「………」
福部「観念した方がいいんじゃないかな、ホータロー」
伊原「そうそう、年貢の納め時よ」
千反田「…………折木さん」
千反田「…………わ、私、その……」
折木「…………」
千反田「私も、気になります。そのお話の続き――――」
伊原「平和ねー」モグモグ
福部「そうだね」モグモグ
伊原「空は青いし」
福部「弁当は美味しいし」ゴックン
伊原「言うことないわね」
福部「そうそう」
伊原「…………あんなのがいなければね」
折木「おい千反田、顔に米粒ついてるぞ」
千反田「えっ?どこですか?」
千反田「ここ、ですか?」
折木「違う、逆だ逆。……こっちだ」ヒョイパク
千反田「あっ……」
折木「早く取らないからだ」モグモグ
千反田「もぉー折木さん!」ポカポカ
伊原「……何アレ。気持ち悪いんだけど。主に折木が」
伊原「………私もふくちゃんと……」ボソッ
福部(………聞こえない聞こえない)
折木「この卵焼きも美味そうだな」
千反田「ありがとうございます」ニコニコ
折木「お前が作ったのか?」
千反田「はい!……あの、お一ついかがですか?」
千反田「はい、あーん」
折木「あー……ん」パクッ
千反田「どうですか?」
折木「もちろん美味い」モグモグ
千反田「本当ですか?」
折木「ああ」ナデナデ
千反田「うふふ、嬉しいです!」
伊原「折木しねばいいのに」
おしまい
保守・支援ありがとうございました。
昨日書いたSS↓
える「スケッチブック……?」
に引き続き今日も氷菓SSを書いてみました。
VIPでSS書くの本当に楽しいですね。
ではまた。
次回も期待してます
Entry ⇒ 2012.05.28 | Category ⇒ 氷菓SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
橘純一「秋といえば、読書!読書の秋だよね」
橘「こうして僕のお宝本が燃やされているのは、おかしいと思わないか!?」
田中「えっ?何が?」
橘「『えっ?何が?』じゃないよ!?」
橘「こ、この中には歴史的価値のある……っ!そう!戦前の日本の風俗を現代に伝える貴重なお宝本もあるのに!」
絢辻「あら、そうなの?でもね、あたしは特に興味ないから」
棚町「同じく。……しっかし、よくこんなに学校に溜め込んでたこと」
田中「あはははっ、運ぶの大変だったよね」
田中・絢辻・棚町「うぇーい!お疲れ様でしたーっ!」
橘「うぅ……こんなのあんまりだよ……」
橘純一「が、頑張ってみた結果がこれだよ!?」
橘純一「うぅ……バレンタインか……」
橘純一「た、田中さんに彼氏が出来たって!?」
橘純一「GWッ!その素敵な好奇心が僕をッ!」
橘純一「夏っていいよね!みんな薄着になるし!」
棚町「そうそう、あんたが言い出したんでしょ?」
棚町「『そろそろ学校に保管してあるお宝本処分しなきゃ』ってさ」
絢辻「……それで処分方法を話し合った結果、焼くことに決まってたじゃない?」
橘「だ、だけど!せめて一声かけてくれてもいいじゃないか!?」
田中「な、何回も声をかけたよ!?」
田中「でも『ごめん。後にしてもらえるかな?今はそれどころじゃなくて……』って取り合ってくれなかったよね!?」
橘「あっ……」
橘(そういえば、校庭で縄跳びしてる女の子を観察していたとき……田中さん達に何度か話しかけられたっけな……)
橘(だって仕方ないじゃないか!あんな揺れ、滅多に見れるもんじゃないよ!)
棚町「あたし達のは、あんなに揺れないし?」
田中「うん……ごめんね?橘君?」
橘(し、しっかりバレてる!?)
絢辻「……それでさ、あたし達に何かいうことはないの?」
橘「……わざわざ重い物を運んでいただき、さらに焼却炉の使用申請までしていただいたようで」
橘「ほんっとうに!すみませんでした!」
絢辻「うん、わかればよろしい」
棚町「で?どうあたし達の苦労を労ってくれるの?」
田中「あ〜、一仕事した後はな〜」
橘「わかったよ!食欲の秋だからね!」
橘「お兄さんがキミ達にご飯をご馳走してあげよう!」
田中・絢辻・棚町「うぇーい!」
・
・
絢辻「……ねぇ?何であたし達は橘君の家にお邪魔してるの?」
棚町「おっかしいわよね?ご飯をご馳走になる予定だったはずなんだけど」
田中「うんうん。いつものファミレスじゃないんだね?」
橘「……ファミレスでキミ達の胃袋を満足させられるほど、僕のお財布事情に余裕はないんだ」
橘「……だから!今日は橘家の食卓で我慢していただきたい!!」
絢辻「なるほど。手料理を振舞ってくれるのね?」
棚町「でも、あんたチャーハンくらいしかまともに作れないじゃない?」
田中「あはははっ、橘君のチャーハン美味しいけどね」
橘「ふっ……くくくっ……フゥー、ハハハハハッ!」
橘「いつまでも僕がチャーハンだけの男だと思うなよ!?」
橘「いやさ、ここ一ヶ月くらい注文の多いお客様こと、森島・ラブリー・はるか氏が晩ご飯を食べに来るんだよ、うちに」
絢辻「ほんっとうに暇なのね、あの人」
田中「……続けて?」
橘「『シェフ!私はお腹が空いたわ!早くして頂戴っ!』ってうるさいから、初めは適当にチャーハン出してたんだけど」
橘「『チャーハン飽きた〜!他の物が食べたい〜!』って駄々をこね始めてね」
絢辻「ご馳走になってるのに贅沢な人ね。気持ちはわからないこともないけど」
橘「さすがの僕も困ってしまったんだけど、そしたら……」
田中「……そしたら?」
橘「『わかったわ!私は食べたい料理の材料とレシピを準備すればいいのね!?』……と、ラブリーに解決してくれまして」
棚町「……何その正しいようで間違ってる解答」
橘「……まぁ、それで毎日毎日いろんな物を作ってた結果!」
絢辻「『僕、料理に目覚めちゃったよ!僕のことは鉄人と呼んでくれ!』って?」
橘「うん……そこは言わせて欲しかったな……」
橘「あ、うん。それなんだけど……」
田中「わ、私にはご馳走しないのに、森島先輩にはご馳走してたんだ!?しかも内緒で!?」
橘「た、田中さん!?」
絢辻「あー、これは……」
棚町「……恵子、やっておしまい」
田中「このっ!浮気者っ!信じてたのにっ!」
橘「ち、違うんだよ!内緒にしてたのは悪かったけど、これにはワケがあるんだ!!」
田中「う、浮気にワケもなにもないでしょ!?」
橘「お願いだ!ここは冷静に僕の話を聞いてくれ!」
絢辻「あたしも橘君の釈明聞きたーい」
棚町「……納得いく理由があるんでしょうね?」
田中「うぅ……話してよ?」
森島「……と、私が焚きつけたからね!」
田中「も、森島先輩!?」
美也「たっだいまー!あ、今日はみんないるんだ?」
森島「あのね?田中さん?」
森島「私は橘君の料理を食べられて満足だし!橘君は田中さんの為に料理の腕を磨けるし!」
森島「……誰も損しないじゃない?」
森島「だからこうして毎晩ご馳走になってたんだけど……橘君!?ちゃんと説明しとかなきゃダメじゃないの!?」
橘「……というわけなんだよ、田中さん。」
橘「内緒にしてたのは本当にごめん。田中さんを驚かせたくて……」
田中「……なんだ、そうだったんだ!」
橘「わ、わかってくれたかな?」
田中「……わからないよ!このラブリー脳ッ!」
棚町「け、恵子!?落ち着いて!?意味がわからないことを口走ってるわよ!?」
田中「だ、だって!だったら初めから私を実験台にしてくれてもいいよね!?」
絢辻「……橘君?橘君は橘君なりに格好つけたかったのよね?」
橘「う、うん。田中さんには、ちゃんとしたものを食べて貰いたかったんだ」
田中「……だったら!今すぐ料理持ってきて!怒ったらお腹が空いたよ!」
橘「えっ?」
田中「は、早くして!私、空腹で怒りが収まらないよ!?」
橘「わ、わかった!少しだけ待ってて!」
・
・
橘「……田中さん?」
田中「……なに?」
橘「さっき『す、少しだけ待ってて!』とはいったんだけど……」
田中「……うん。料理はまだ?」
森島「あはははっ……ごめんね、田中さんん?こんなことになるとは思ってなかったから……」
森島「今日は秋野菜のカレーライスにしようと思ってね?」
田中「……そういえば、カレーの美味しいそうな匂いがするね。で、まだかな?」
橘「そ、それが!パパッと材料を切って鍋に放り込んできたけど、あと30分は煮込みたいところなんだ……」
橘・森島「お客様!お待たせしてしまい!本当に申し訳ありません!」
田中「も、もう!ご飯に生野菜載っけたのでもいいから食べさせてよ!?」
棚町「け、恵子!?」
橘「うん……ごめんね?」
絢辻「だからさ……こう……」
絢辻「『はい!30分煮込んだ品がこれです!』的なことはできないの?」
森島「わおっ!あなたもラブリー脳だったのね!?」
橘「そ、そんなこと出来るわけないだろ!?絢辻さんと違って、僕に七不思議はないんだッ!」
絢辻「はぁ……仕方ないわね。ちょっと台所借りるわよ?」
橘「な、何を!?まさか……煮込んだ物があるとか!?」
絢辻「そんなわけないでしょ!?すぐに摘めるものでも、と思ったのよ」
棚町「さすが絢辻さん、気が利くわ!」
橘「ま、待って!僕も行く!絢辻さんの不思議をこれ以上看過できない!」
・
・
絢辻「はい、お待たせ」
田中「……これは?」
絢辻「カレーの材料の余りと冷蔵庫の中にあったもので、サラダを作ってみたの」
棚町「へぇ!余り物でこんな綺麗なサラダを作れるものなのね!」
橘「……」
棚町「ん?あんた、どうしたの?」
橘「うちの冷蔵庫にあんなものが入ってたなんて、僕も知らなかったよ……」
橘「また不思議を一つ知ってしまった!僕の命は風前の灯火なのか!?」
美也「バカなことをいってるにぃには放っておいて、早速このサラダを食べようよ!」
田中・絢辻・棚町・森島・美也「うぇーい!」
橘「なんだか酷い疎外感だよ……うぅっ……」
おまえレス時間すごいぞ
橘「大変お待たせしましたっ!」
橘「これが輝日東の鉄人・橘の秋野菜カレーです!」
棚町「へぇ、見た目は美味しそうね?」
森島「彼の料理の腕前は私のお墨付きよ!もし不味かったら、橘君を好きにしちゃって構わないわっ!」
橘「も、森島先輩!?」
絢辻「何を急に不安になってるのよ?カレーなんて不味く作る方が難しいじゃない」
美也「えぇ!?そうなんですか!?」
田中「あはははっ、もし不味かったらお口直しに東寿司の特上の出前とっちゃうよ?」
橘「……無理無理無理。それは無理だよ、田中さん」
橘「と、とにかく!冷めないうちに!」
一同「いただきます!」
棚町「純一のことだから『辛すぎる!』とかあると思ったのに、絶妙な辛さよね」
森島「……ふっ、また腕を上げたわね?」
美也「さすがにぃにだね!」
橘(ふぅ……どうやら好評みたいだぞ!)
橘「あ、田中さんの感想も聞かせてもらえるかな?」
田中「……まずいよ、これ」
橘「えっ……」
田中「橘君!?信じられないよ!?こんなカレーを作って!!」
橘「そ、その……ごめ」
田中「こんなカレー作られたら、私食べ過ぎて太っちゃうよ!?信じられない!?」
橘「えぇ!?じゃ、じゃあ?」
田中「ハフハフッ……というわけで、おかわり!うぇーい!」
橘「は、はい!今すぐ!」
絢辻「……田中さん?カレーは逃げないから落ち着いて食べたら?」
田中「だっ、だって!橘君のカレー美味しくて!……ゴフッ」
絢辻「ほ、ほら!お水、お水!」
橘「いやー、よかったよ。『このカレーは出来損ないだ、食べられないよ』も覚悟していたし」
森島「わおっ!『明日またここへ来てください、本当のカレーをお見せしますよ』なのね!?」
棚町「ならさならさ!怒った恵子のアームロックで『がああああ お…折れるぅ〜』もあったかもよ?」
美也「……よかったね、にぃに。障害沙汰にならなくて」
橘「うん……本当によかったよ……」
・
・
一同「ご馳走さまでしたー!」
田中「うぅ……苦しい、もう食べられないよぉ……」
棚町「あ、あんた食べすぎなのよ!」
絢辻「さてと、洗い物は……」
橘「あ、いいよ?僕がやっておくから」
絢辻「あら?そう?悪いわね」
森島「あぁ!?」
橘「ど、どうしたんですか!?」
森島「いっけない!明日提出期限のレポートあるのすっかり忘れてたわ!」
森島「ごめん!橘君?私、帰るね!?」ドタドタッ
棚町「あらら、大学生も大変ね」
絢辻「……何を他人事みたいなことをいってるの?あたし達も明日までの数学の課題あるわよ?」
棚町「えぇ!?そうだっけ!?あははっ……」
棚町「純一、ご馳走!また明日ね!」
田中「ま、待ってよ!薫〜」
棚町「あんたはもう少し食休みしてから帰りなさいよ?」
絢辻「その方が賢明よ?」
田中「う、うん……」
絢辻・棚町「お邪魔しました〜」
橘「何だよ、みんな急に……」
美也「はーっ!?」
橘「ど、どうした!?美也!?」
美也「みゃーもよくわからないけど用事があった気がする!さ、紗江ちゃんあたりと!」
美也「と、というわけで、みゃーはこれから出掛けるから!」
橘「お、おい!何だよ、それ!」
橘「……何なんだよ、まったく」
田中「あはははっ、二人っきりにされちゃったね」
田中「う、うん……そうしようかな」
田中「あ、横になるんだったら橘く……純一に膝枕してほしいかも」
橘「えっ?膝枕?」
田中「……ダメ?」
橘「か、構わないさ!僕の膝でよかったら、いくらでも使ってよ!」
橘「よいしょっと……どうぞ?」
田中「じゃ、じゃあ。失礼しま〜す……」
橘(た、田中さんの頭が、僕の膝の上に……っ!)
橘「……柔らかくするつもりはないよ?」
田中「わかってるよ〜」
橘「……」
田中「……」
橘「……苦しいならさ、ブラウスの襟元とスカートのウェストを緩めたらいいんじゃないかな?」
田中「……えっち」
橘「ち、違うよ!?下心でいってるんじゃなくて」
田中「……え?下心ないの?」
橘「……ごめん、下心あったかも」
田中「ふふっ、正直だね」
橘「……悪かったよ」
ゲームだったら10回くらいリピートして聞くわ
田中「……緩めてくれるかな?」
橘「えっ?」
田中「今、動くの億劫だから……純一が緩めてくれると助かっちゃうな」
橘「いいの!?」
田中「あはははっ、お願いしてるのに『いいの!?』はないよ」
橘「じゃ、じゃあ!緩めるよ?」
田中「うん……お願い」
橘(お、女の子の服を脱がせる……いや!脱がせるんじゃないぞ!)
橘(そう!胸元とウェストを緩めてあげる日がくるなんて……っ!)
橘(こんなことになるんだったら、もっと練習しておけば……っ!)
橘(れ、練習ってなんだよ!?動揺しすぎだろ、僕っ!!)
橘(ネクタイ!ネクタイをまず緩めよう!)
橘(……よっと)シュルシュル
橘(そ、それで!次は!ぼ、ボタンを……一つずつ!一つずつ丁寧に!)ゴソゴソッ
田中「んっ……」
橘(丁寧に!一つずつ!)ゴソゴソ
田中「……純一?」
橘「う、うん?」
田中「どこまでボタンを外してくれるの?その……私の下着が丸見えになってるよ?」
橘「あ、あぁぁ!ごめん!悪気はなかったんだ!」
田中「もう……別にいいけど」
橘「い、今戻すよ!」ゴソゴソ
橘(はわわわわっ!僕としたことが!緊張してついつい!)
橘(スカートのウェストを緩めてあげよう!)
橘(……ん?)
橘(は、はぁぁぁぁぁ!?)
橘(な、なんてことだ……僕、僕!)
橘(制服は大好きだけど、スカートの脱がせ方なんて知らない!)
橘(いつも偉そうに制服の魅力を語っていたけど、こんなんじゃみんなに顔向けできないよ……)
橘(うぅ、恵子?……ごめんね?)
橘(ここからは紳士・橘ではなく、開拓者・橘だよ……)
橘(僕は西部の男だ!抜きなよ?どっちが速いか……勝負しようぜ?)
橘(……よし!バカなことを考えてたら少し落ち着いてきちゃったぞ!)
橘(え、え〜っと……なんだ、ホックがあるじゃないか)
橘(これを外して……)プチッ
田中「……んんっ」
橘(あ、あとはこのアジャスターを緩めればいいのかな?)ジャリジャリ
田中「……んっ……ふぅ……」
田中「……ありがとう、純一。楽になったよ」
橘「ぼ、僕こそありがとうだよ!」
田中「へっ?」
橘「い、いや!何でもないよ!はははっ……」
橘「う、うん?」
田中「頭を……ナデナデしてほしいな?」
橘「頭を?」
田中「えへへっ、ダメ?」
橘「……」ナデナデ
田中「はぁ〜、落ち着くなぁ……」
橘(け、恵子の髪の毛ってサラサラモフモフしてるなぁ!)
橘(このキューティクル!どこぞのワカメも、恵子を見習え!)
田中「純一の手……大きいね」
橘「そ、そうかな?」ナデナデ
田中「うん……」
橘「ごめん、少し大きな声を出してもいいかな?」
田中「う、うん?どうしたの?」
橘「いや、ちょっとね……」
田中「えっ?……ま、まさか!?」
橘「いい画はたくさん撮れたろ!?なぁ!?」
橘「今の橘君は不完全燃焼なんだろ?そうなんだろ?そうなんだろって?……じゃないよ!早く出て来い!!」
森島「わおっ……気付かれてたのね?」
絢辻「毎度毎度ご馳走様です」
棚町「もちろんバッチリ撮れてるわよ?」
美也「にししっ!にぃにのえっち!」
田中「……うわぁ、やっぱり」
橘「……もうね?白々しいにも程があるよ!?」
橘「……何か僕らにいうことはないの?」
絢辻「いうこと?……あ、今日はね?写真じゃなくて動画にしてみたのよ!」
橘「あ、それ!最新のハンディカムじゃないか!何で持ってるん……うん、そりゃお持ちですよね」
棚町「お、おお!純一の慣れない手つきが!恵子の制服を脱がせる慣れない手つきが堪らないわね!」
美也「みゃーももう一回見る!棚町先輩!巻き戻し!巻き戻し!」
橘「ぬ、脱がせたわけじゃないよ!?」
森島「もう……お姉さんの知らないところで、橘君は大人になっていくのね……寂しいなぁ」
絢辻・棚町・森島・美也「うぇーい!」
橘「……」
田中「……あはははっ」
橘・田中「うぇーい……」
橘「森島先輩がさ、『私からはもう何もいうことはないわ!』ってことで、晩御飯食べにくるのやめるって」
橘「一人前と認められたってことなんだけど……要は森島先輩が飽きただけだと思うんだよね」
田中「あはははっ、間違いないね」
橘「あ、それでね?田中さん?今晩もうちにご飯食べにこない?」
田中「え?いいの!?」
橘「うん、一人前になった僕の料理を是非振る舞いたいんだ」
橘「……あ、何か期待した顔をしてるそこの二人は呼ばないからな?」
絢辻「そ、そんな!?ひどい!?」
棚町「あたし達が飢え死にしてもいいってのね!?この人非人!!」
田中「……橘君?私も許せないところはあるけど、ご飯はみんなで食べた方が美味しいよ?」
橘「……だってさ。田中さんが優しくてよかったな」
橘・田中・絢辻・棚町「ご飯はみんなで美味しくね!うぇーい!」
完
田中さんうぇーいかわいい
また読みたい
Entry ⇒ 2012.05.28 | Category ⇒ アマガミSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
貴音「三つ巴の戦い、ですか」
貴音「食事も終わったので、休んでいるだけですよ」
響「ふーん ねー、暇だったら少し話さないか?」
貴音「構いませんよ …どうかしましたか?」
響「話したいのは友達について だぞ」
貴音「深みのある話題ですね …良いでしょう」
美希「あふぅ 貴音、ソファー貸してほしいの…」
貴音「おや しかし今は退くわけにはいきません どうぞ私の膝枕で」
美希「いいの? わーいなの!」
響「ぐぬぬ…(美希ィ…)」
響「え、えっとね 自分に友達がいないって噂が流れててさ…」
美希「うわさ?」
響「美希には言ってないぞっ!」
貴音「ふむ… 友人がいない、ですか 響は孤高な存在なのですね」
美希「貴音に孤高って言われてもむなしいだけだと思うの…」
響「ぐぬぬ… 2人とも真面目に聞いてよ!」
美希「2人ともってことは美希も聞いてていいんだ 寝ながら聞いてるね」
貴音「美希、あまり揚げ足を取るのは良くありませんよ」
美希「貴音、最近よくここで話してるよね 決まりかなにか?」
貴音「いいえ…もちろん」
美希「?」
貴音「余興ですよ」
響「た、貴音!酷いぞっ!」
響「う…」
響(これで貴音と美希に友達じゃないって言われたらきっと立ち直れないぞ…)
美希「美希は友達だと思ってるよー? 765プロのメンバーはみんな友達なの」
響「み、美希ぃ… よかった…良かったぞぉ…」ウルウル
美希「ええ… これで泣いちゃうって結構参ってたんだ… からかってごめんね」
響「う、ううん!いいんだぞ!」
貴音「ふむ…」
響「…貴音は…? ね、ねえ!貴音は!?貴音はどうなの!ねえ!」
貴音「ふむ…」
響「たかねぇ…」ウルウル
貴音「……ふむ…」
美希(タメすぎなの)
響「…?」ウルウル
貴音「響は 私を友人だと思っていなかったのですか?」
響「た、貴音は…友達だぞ! ううん、親友だ!」
貴音「そうですか… 私も親しい友人だと思っていますよ」ニコッ
響「たかねぇ!!」ブワッ
貴音「鼻水を拭きなさい、可愛い顔が台無しです」
美希「スキル・王女の笑顔なの」
貴音「?」
美希「ねー、ほかのみんなはどう思ってるか気にならない?」
響「え… そ、それは…なるけど…」
美希「得意分野…なの…?」
貴音「まずは雪歩、ですか」
響「えっ?」
貴音「「響ちゃん? わ、私は友達だと思ってるよ…?」」
響「おぉ!雪歩みたいだぞ! そして嬉しいぞ!」
美希「えっ… すごいの… 貴音ってこんなに演技力あったんだ…」
貴音「「ご、ごめんね 私なんかに友達だと思われたら迷惑だよね!」」
響「そ、そんなことないぞ雪歩! 自分うれしいから!」
貴音「と、雪歩の返答はこんなところでしょうね」
美希「いつも昼休みにハニーとこんなことしてたんだ… いってくれればモノマネくらい美希もできるのに!」
貴音「いいえ、そんなに何度もやってはいませんよ」
響「へへ… 雪歩も友達かぁ、えへへ」
貴音「その気持ち わかります」
響「目立ってないけど、ファンは多そうだぞ」
貴音「響、雪歩とて目立つときはあるのですよ …あの演劇を見ずに評価するのは浅はかです」キッ
響「ご、ごめん…」
美希「あっ 友達なのかどうかって話だよね?」
貴音「忘れていました 響、どなたからの気持ちを聞きたいですか?」
響「うーん 全員聞きたいけど… 2人以外で一緒によく行動するのは真だから、真かな」
美希「…」ドキドキ
貴音「「え、友達…? 何言ってるの響」」
響「えっ」ビクッ
貴音「「あれだけ一緒に行動しといて、友達じゃないなんて言われたら僕が泣けてきちゃうよ なんてね!」」ニコッ
響「ま、まことぉー!」ブワッ
美希「真くんの顔が脳裏に浮かぶの ていうか響さっきから泣きすぎ!」
響「だってぇ… 今のところ4人中4人友達だって言ってくれたよぉ…」
美希(そのうち半分は貴音の演技なの…)
響「ま、真は誠まこまこしい!?」
貴音「ええ あの爽やかさ、しなやかさ、そして格好の良さ どう考えても…誠まこまこしいですよ」
美希「真くんは誠まこまこしい! それ面白いの! 流行らせるね!」
貴音「ありがとうございます」
美希「でも真くんって本当に美しいイケメンだよね」
響「ま、まぁ 自分でもたまにかっこいいって思うときはあるさ…」
貴音「天性のものですからね 真本人は嫌がっていますが 勿体ないまこまこしさです」
美希「貴音が一番気に入ってるの…」
美希「千早さんのモノマネ! 超見たいの!」
貴音「「…えっ、友達ですか…? その…我那覇さんと?」」
響「ち、千早は自分のこと嫌いなのかぁ…?」
貴音「「いえ、別に嫌だってわけじゃないですけど… なんか恥ずかしいです 友達って言いあうのは…」」
美希(なかなか言わない感じも似てるの)
貴音「「でも、えっと 仲間だとは思っていますよ 仕事場でお互いを助け合える、いい仲間だと」」
響「ちはやぁー!」ブワッ
美希「仲間でもいいんだ? 友達とは違う気がするけど…」
貴音「立場的には友人よりも仲間のほうが上でしょう …おそらく」
貴音「美希 人のぷらいぺいとを詮索するのはよくありませんよ」
美希「わ、悪気はなかったの… たまたま開いてて… そのページがね」
響「ちょっと気になるぞ 千早の手帳…」
美希「千早さんがメンバー全員にあだ名つけてた… しかも小さく「こう呼びたい」って」
貴音「なんというぎゃっぷでしょう! そこに惹かれるものがあります」
響「そ、それで? 自分たちのあだ名ってどうだった?」
美希「うーん… ううん、それはノーコメントにしておくの…」
貴音「よほど酷かったのでしょうね」
美希「はっきり言っちゃダメ、なの」
響「きになるぞ…」
>美希「千早さんがメンバー全員にあだ名つけてた… しかも小さく「こう呼びたい」って」
__
 ̄ ̄ ̄二二ニ=-
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_<ヽ/>_ \ _>──- 、 , --──- 、
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| | /|/ i人|\∧ | | И ∧/ |ノ\|\ ヽ ヽ| |:||:::||::::::||::::::||::::::|::|:::|
ヽi ┃ ┃ヽ| | | ヽハ ┃ ┃ヽ|\L .~ハ ┃ ┃ヽ|八:〉
八 ヮ ,6)/ | (( _ノ{''' ゚〜( ''' ,6) く 八 ヮ 6)::::〈
|.ヽ-r f´ ∧| `Z`ー/) f´ ヽ _ゝ 〉ノ:>__ <´:|:::::〉
|八0□と_) /´ ム ( ∪ く ヽ:¢\_ と_)∧/
し─、_|V´ Vし─、_|V´ ̄` し─、_|'"
琉球アニ丸 ねるねる寝るね 月麺着陸
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┗┛ ┗━┛┗━┛┗━━┛ ┗┛┗┛ ┗┛ ┗━━┛ ┗┛ ┗━┛
元ネタ:千早「私、みんなにニックネームを付けたいのだけれど」
美希「春香は普通に友達っていいそうなの いい子だし」
響「春香のは安心して聞いてられそうだぞっ」
貴音「結果が出ているようなので飛ばしますか」
響「あーっ!ちゃんと聞きたいぞ!」
貴音「「そんなの決まってるよ!友達、だよ!?」」
響「はるかぁ」ブワッ
貴音「「何でもできる響ちゃんに、私結構憧れてたんだぁ それで今は友達にもなってる こんなにうれしいことってないよ?」」
響「春香いい子すぎて本気で泣けるぞぉ」ブワァッ
美希「うん、予想通りの返事なの」
貴音「そう普通だといわれると、演じていても悲しいものがあるのですが…」
美希「ごめんなさいなの…」
響「あれ…春香の話はしないの…?」
貴音「美希 それは春香が気の毒ですよ」
美希「ううん 響のあだ名だけ教えてあげようと思って… 聞けば千早さんがどれだけ響と仲良くしたいかわかるの」
響「…た、たしかに そういう意味では気になるぞ」
美希「1回しか言わないの、ちゃんと聞いてね」
響「……」ゴクリ
美希「ガナパッピー」
響「…!」
貴音「…次に参りましょう 春香、申し訳ありません」
響「やよいはあまり話したりしないから不安になってきたぞ…」
貴音「「えぇーっ、響さんですかぁー?そうですねぇ…」」
響「うわーっ やだ聞きたくない!」
貴音「「友達っていうより、お姉ちゃんって感じかなーって…」」
響「構わないぞぉ! ねえねになってあげるよぉ、やよいぃー!」ブワッ
美希「もうなんでも泣いちゃう感じなの」
貴音「そうですね… 敢えて少しずつズラし始めてみているのですが 気づかないようです」
美希「そこまで計算してたんだ… ほんとはどこかで録画してるとか」キョロキョロ
貴音「…美希? 言ったはずですよ…」
美希「えっ…」
貴音「ただの余興だと」
美希「さすが貴音のお昼休みなの」
美希「あーうん 小さいもんね」
貴音「こう、衝突する限界まで顔を近づけ… ぎりぎりのところであの髪をもふもふしつつ… 抱きしめるのです!」ガシッ
響「のわっ じ、自分を抱きしめてどうするの貴音!///」
貴音「おや つい想像と同時に体が動いていました…」
響「まったく、自分やよいと7cmくらいしか変わらないんだから小さいって言われると少し落ち込むぞっ」
貴音「響 許してください」シュン
響「あ、あっ!そんなに落ち込んでないぞ!」アタフタ
美希「さっきの…獲物の前で急加速する深海魚みたいだったの」
貴音「…もう少し良い喩だと、心から喜べたのですが」
響「両方やるの…?」
貴音「「いえ→い!ひびきん、どしたのー?」」
貴音「「な→んか、暗いよぉ?」」
美希「さすがにどっちがどっちかわからないの」
響「フッ… 甘いんだぞ美希 先が真美 後が亜美だ!」ドヤッ
貴音「「逆だよひびきん!しっかりしてよ→」」
貴音「「ひびきん… 覚えてくれてると思ってたのに…」」
響「わぁっ!ご、ごめんよぉ 許してほしいぞ…」
貴音「まぁ……とくにどちらが真美、亜美とは決めていなかったのですが」
美希「意地悪なの」
貴音「「うんうん! 亜美たちは友達にしかあだ名とかつけないよ!」」
響「ま、まみ あみぃ…」ブワッ
美希「なかなか耐性がつかないの…」
貴音「可愛いので良しとしましょう」
美希「貴音、さっきから誰でも可愛い可愛いって言ってるの」
貴音「…? …あぁ 美希も可愛いですよ」ニコッ
美希「そ、そういう意味じゃないの…」アセアセ
響「うぐぐ あずささんは…友達って思ってくれてるのかな…」
貴音「「あらー、どうしたの響ちゃん? なんだかすごく落ち込んでるみたいだけど…」」
響「ほっとする…あんまーみたいだぞ…」
貴音「「友達? あらあら、私でよければー」」ニコニコ
響「あずささぁん」ブワッ
貴音「ふむ あんまぁとは…?」
響「あ、えっと お母さんのことだぞ」
美希「なんか怪しい物に聞こえたの」
貴音「あんまぁ、ですか…」
貴音「91…? はて、なんの数値でしょうか」
響「あ、胸だぞ…」
美希「響あたりー」
貴音「ふむ 確かに、あずさはぐらまぁですね」
美希「貴音もそんなに変わらないと思うの…」
貴音「ふふ ふぇありぃは、平均値が高いと耳にしますよ」
響「自分が平均さげちゃってるのかな…」
美希「美希、86なの」ドヤッ
響「自分たしか、こないだ調べて83だったぞ…」
美希「あれ…? あんまり変わんないの」シュン
貴音「確か私は… 90と言われたような あまり覚えていませんが」
美希「ドヤ顔はずかしいの 次いこうなの」
響「貴音すごいぞー」
美希「でこちゃんと響もあんまり話す組み合わせじゃないね」
響「うん…また不安だぞ…」
貴音「「友達…? な、なにいってるのよあんた 面と向かって友達なんて恥ずかしくないの?」」
響「友達…全然恥ずかしくない あれはいいものだぞ」
美希(響が冷静…ていうか何か悟った感じなの)
貴音「「ふ、ふんだ 別に響がどうしてもって言うならこの伊織ちゃんと友達ってことにしてあげるわ」」
響「許可とらなくちゃいけないのか…? そんな友達いらないぞ!」
貴音「おや、なにか悪かったでしょうか…?」
美希「ううん 普通に似てたよ 響が気に入らなかっただけだと思うな?」
響「た、貴音!そこでマネやめちゃったら友達じゃないまま終わりだぞ!」アセアセ
貴音「まだ続いていたのですか これは失礼しました」
響「うん 仲良くしような」
美希「気のせいかな… 台詞が棒なの」
響「えっ だって途中で止められちゃったからドッとくるものがなくなったぞ…」
貴音「すみません」
美希「ううん、でこちゃんは素直じゃないのが可愛いの うまく再現してたと思うな?」
貴音「そうですか ありがとうございます」
響「…あ、なーんだ! 自分みんなと友達だったぞ! 心配して損したかな えへへ」
美希「まだ律子…さんやってないの」
貴音「そうでしたね」
響「あんまり歳変わらないけど なんか友達とは言いにくいぞ…」
貴音「「響ー? 一応私今はプロデューサーなんだから…友達とかやめなさい」」
響「それでも律子も友達がいいぞ 仲良くしたいぞ」
貴音「「…まったく いいわよ、友達っぽいこととかあんまりできないと思うけど」」
美希「律子…さんっぽいかったの 貴音すごいの 全員のマネできるなんて…」
貴音「「貴音、やればできるの 頑張りたくないから頑張らないだけ、なの」」
響「す、すごいぞ…」
美希「それはわかるかも アイドル衣装も可愛いけど、スーツでこそ律子…さんの良さって出てるよね」
響「うん スーツじゃない律子は律子じゃないぞ」
美希「そ、そこまで言わないの…」
貴音「おや 小鳥嬢 また聞き耳を立てていましたか」
小鳥「ぎくっ」
美希「ぎくっ って言う人久しぶりに見たの」
響「何人か見てきたような言い方だぞ…」
小鳥「えっ あたしもやるの…?」
美希「友達っていうには無理がある気がするの…」
小鳥「…」ニコ
美希「ごめんなさいなの」
貴音「「響ちゃーん!仲良くしようよ キャピ」」
小鳥「ってストップ! あたしそんなこと言いませんから!」
美希「ぷっ…あはは! いきなり似てないのズルい!あははははは!」
小鳥「もう、ちょっと期待して損した気分… 貴音ちゃん 今度はちゃんとやってね」ニコ
貴音「し、失礼しました なんという気迫」
小鳥「それは言わなくていいから」
響「小鳥は毎回ネタにされてかわいそうだぞ… 自分が友達になってあげるから…」
小鳥「立場逆転してません…?」
貴音「…面妖な昼休みでした」
おわり
響「ぴよ子は毎回ネタにされてかわいそうだぞ… 自分が友達になってあげるから…」
です
た!か!ね!
た!か!ね!
乙
Entry ⇒ 2012.05.28 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
水野さん「榊原くんのクラスは将来有望だね」
次の日曜日
―夜見山駅―
恒一(まだ誰もきてないのかな・・・?! 水野さんだ)
水野さん「おっ!来たわね榊原くん おはよう」ニコッ
恒一「水野さん おはようございます」
水野さん「それで探偵少年は 調査の方はうまくいってるのかなぁ?」
恒一「まだ報告できる程では・・・ すいません」
水野さん「いいからいいから また次の楽しみとっておくから それに噂の鳴ちゃんも来るんでしょ? どんな子か楽しみだなぁ」
恒一「見崎ですか・・・ ちょっと変わってるけど普通の子ですよ」
水野さん「そうなの? 結構楽しみにしてたのに・・・ でもまぁ、今日は久しぶりの映画だし、楽しまないとね
弟から聞いたよ みんなでホラー映画観るんだよね」
恒一(えっ?!)
水野さん「榊原くんのクラスは将来有望だね」うんうん
恒一(みんなって・・・ 水野君、水野さんにどういう話したんだ? まぁ僕はホラー観るつもりだしいいか)
勅使河原「よぉ〜サカキ ふぁ〜ぁ」
風見「榊原君おはよう」
恒一「勅使河原、風見君おはよう 早いね」
勅使河原「集合時間前には行かないとって 風見がうるさかったんだよ ふぁ〜ぁ」
恒一「勅使河原・・・ 眠そうだな」
風見「女性との待ち合わせで 遅れる訳にはいかないからね」キリッ (桜木さんまだかな・・・)
水野さん「この子たちも3組の?」
恒一「そうです こっちが勅使河原でこっちが風見君」
水野さん「はじめまして 弟がお世話になってます 姉の水野 沙苗です」
勅使河原・風見「はじめまして こちらこそお世話になってます」
勅使河原(結構かわいいな 水野の姉ちゃん)
風見(桜木さんの方が勝ってる!)
多々良「みなさんおはようございます」ペコリ
桜木「みんなおはよう」
風見「!」(キタ―――――(゚∀゚)―――――!!)
風見「おはよう 桜木さん 多々良さん」キリッ
勅使河原「桜木と多々良も 結構早いな」
恒一「おはよう多々良さん 桜木さん」
多々良「榊原君 おはようございます」ペコリ (私服姿の榊原君も素敵だな・・・)どきどき
桜木「おはよう 榊原君」
水野さん「なになに? こんどは女の子?」
恒一「多々良さん 桜木さん こちら水野君のお姉さんの沙苗さん」
水野さん「はじめまして 弟がお世話になってます」
多々良「はじめまして わたくし多々良 恵と申します」ペコリ 多々良さんは 頭を深くさげた
水野さん(えらい美人だわこの子・・・ それに礼儀正しいし、私より背も高いし)しょぼん・・
多々良(水野君のお姉さんって可愛らしい人だな・・・ 榊原君も可愛い女の子が好みなのかな?)どきどき
桜木「はじめまして」
水野さん(この子は この子で可愛らしいし)
綾野「おっ! こういっちゃん達はっけん〜!!」
恒一「綾野さん小椋さん おはよう」
綾野「みんなおはよう♪」
小椋「おはよう」
恒一「水野さん こちら綾野さんと小椋さんです」
綾野「はじめまして〜 水野君にはお世話になってます」
小椋「はじめまして」
水野さん「はじめまして水野 沙苗です 弟がお世話になってます」(このクラスって 可愛い子ばかりじゃない?!)
風見「あと来てないのは 赤沢さん達と見崎さんか」
桜木「赤沢さんが遅れるなんてめずらしいですね?」
勅使河原「赤沢あれだけ威張ってたのに遅刻かよ 罰金だな罰金」
赤沢「遅くなってごめんなさい」
杉浦「みんなごめんね」
中尾「すまんみんな!」
勅使河原「うわぁ?! あの・・聞いてたか?」
赤沢「なんの話?」
勅使河原「あ〜ぁ 聞いてないんならいいから」ホッ
勅使河原「でっ なんで遅れたんだよ?」
赤沢「多佳子と中尾と待ち合わせしてたんだけど 中尾が全然来なかったのよ」ぷんぷん
中尾「赤沢さんごめん」
杉浦「中尾くん 家でアタマぶつけて、それで病院に行ってて遅れたの」
中尾「大丈夫って言ったんだけど 母ちゃんが病院、病院うるさくて」
勅使河原「中尾 大丈夫か?」
中尾「大丈夫だ、問題ない 検査結果は異常なしだ」
恒一「みんなこちらが 水野君のお姉さんの沙苗さん」
水野さん「はじめまして 弟がお世話になってます」
赤沢「はじめまして 赤沢 泉美です」
杉浦・中尾「はじめまして」
水野さん(また美人の子が増えた・・・ どうなってるのこのクラスは?!)
赤沢(水野君のお姉さんは可愛い系?・・・ 恒一くんのタイプってどんな女の子なんだろ?)チラッ
桜木「あとは見崎さんだけですね」
恒一「そうだね」(見崎遅いな・・・ まさか災厄?!)
恒一「?!」(あれは見崎? なんであんなに離れたところに・・・ 手招き?)
位置関係
(駅前) (建物の陰)
恒一達 ――――――――――――――――――――――――――――→ 見崎
恒一「みんなはここで待ってて」ダダダッ
勅使河原「おいサカキ?」
恒一「見崎おはよう どうしたの?みんな向こうで待ってるよ」
見崎(榊原君に念が通じた)「おはよう榊原君・・・」
見崎「・・・実は 映画の話を未咲にしたら 未咲も行きたいって言い出して・・・」
恒一「未咲も来てるの?」
見崎「うん・・・ でも一緒に行ってもいいのかな?」
恒一「未咲ならみんなも歓迎すると思うよ」
見崎「でも、みんなに未咲紹介したくない・・・」
恒一「・・・」
見崎「自分でもわがままだってわかってるよ・・・」
恒一「でも鳴も未咲と映画みたいでしょ?」
見崎「うん・・・」
恒一「それにみんなで観た方がきっと楽しいよ」
見崎「・・・ほんと?」
恒一「うん だから鳴と未咲とみんなで行こう」
見崎「うん・・・ わかった 未咲呼んで来るね」
未咲「はじめまして 鳴の従姉妹の藤岡 未咲です〜♪」
一同「!」
未咲「あと恒一くんの彼女です〜!」ベタッ
一同「?!」
/: : : /:〃: :./: :/:/:/ }八: : : :l: :l: :ト、: : : :|: :.|: : : :l: : :.∨ /
/: : : :.l: :l:l: l:.l: :/l/l/ \: :ト、ト、{ \: :!: .:!: : : :!: : : :∨イ
/:./: : : l: :l:l: lル'____ノノ ヽ! \: :|: : : :|: : : : :∨〉
.′l: :l: : l :.l:l八{´  ̄ ̄ ̄ \___, ?: : :八: : : : :‘.
|: l八Ν八:l:l , ==ミく`ヽ __ ̄ ̄丶 |:l: : :「⌒: : : : ::.
|: l: : : :|: :.:从/ 〃 心 刈ハ / ==ミ、, |:l: :l从:_: : : : : ::.
八ハ: :∧: :l〈{{ {《或リ} ´ 〃心 刈!八{⌒7: : : : : :.!
八从ト从ヘ ゞ==゚ノ, { {《或リ }}〉: : : :/: : :リ: :i: :|
\〈{ ´´ ̄ \ 、 ゞ==゚ ノ': : /:.イ〉: :/: /ルリ
-‐`ヘ / `ー=彡仏彡イ厶イ}:/
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_ ---┬.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∧ __ ヽ /爪__
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見崎「はいはい そういう冗談はいいから」
未咲「えぇ〜?!つまんないの ねぇ恒一くん?」
恒一「もう冗談ばっかり 彼女も映画に一緒に行きたいんだって みんないいかな?」
杉浦(いま一瞬空気が固まった・・・藤岡 未咲 恐ろしい子・・・ こんな伏兵がいたなんて)
水野さん(・・・なんで動揺してるのよ私? 榊原くんは中学生で弟の同級生なのよ! こういう時は
邪神を数えて落ち着くのよ クトゥルー・・ダゴン・・ニャルラトホテプ・・・あとは・・・)ブツブツ
赤沢(冗談でもわたしの恒一くんに抱きつくなんて!!)ギリギリ
杉浦「泉美、落ち着いて せっかく榊原君と映画が観れるんだし」
赤沢「そ、そうよね恒一くんがせっかく誘ってくれたんだし」
(でも見崎さんにこんなそっくりな従姉妹がいるなんて・・ でもどこかで会ったような?)
多々良(私もあれくらい積極的になった方がいいのかな?・・・)
勅使河原「いいじゃねぇ? しかし従姉妹ねぇ・・よく似てるな」
綾野「見崎さんにそっくり」
小椋「ホント双子みたい」
桜木「そっくりですね」
杉浦「藤岡さんって 小学校が一緒じゃなかった?」
未咲「あれ?! 杉浦さん?」
見崎「・・・・・」
恒一「鳴・・・ 未咲が取られるかもって思ってる?」
見崎「思ってません・・・」プイッ
恒一「ゴメン でも大丈夫でしょ、鳴と未咲は」
見崎「うん・・・」
杉浦(なんだか妙な空気だし もう移動した方がいいかも)
風見「みんな揃ったことだし そろそろ電車に乗った方がいいと思うけど?」
桜木「そうですね それじゃ行きましょうか」
―電車内―
恒一「水野さんは山桜市はよく行くんですか?」
水野さん「そうねぇ〜 映画観る時くらいしか行かないかな」
水野さん「・・・そう言えば榊原くん 山桜市には変わった場所がたくさんがあるんだよ」ニコッ
恒一「変わった場所ですか?」
水野さん「そっ 山桜神社にお婆山 街の高台には死神病院 川をさかのぼって行くと車の墓場に幽霊団地 そして・・・」
恒一「そして?」
水野さん「怪談レストラン」
恒一「怪談レストラン?」
水野さん「うん いつの間にかそんな呼び名が付いた建物があるんだって」
恒一「へ〜ぇ」
多々良(なんだか会話に入れない・・・ 積極的に話そうと思ったのに・・・)しょぼん
風見「桜木さん お母さんの具合はどうなの?」
桜木「今朝も病院行ってきたんだけど だいぶ良くなってきたの」
風見「そうなんだ よかったね」(よし桜木さんとの距離を縮めれた気がする!)
桜木(榊原君、水野君のお姉さんと楽しそうに話してるな・・・)
風見(しかし、僕もお母様のお見舞いに行ったほうがいいのか? しかしどうやって・・・! クラスを代表してコレだ!)
赤沢「恒一くんの近くに行けなかった・・・」
杉浦「まぁまぁ 向こうに着いてから話せばばいいじゃない」
杉浦「それよりで勅使河原に中尾! 吊り輪にぶら下がるの止めなさいよ」
勅使河原「いま中尾と勝負してるんだから邪魔すんなよぉ〜」
中尾「吊り輪なら まかせろ!」
―山桜市 シネコン前―
勅使河原「着いたな」
風見「今からだと昼からの上映になるね」
綾野「じゃあさ〜 昼からの席だけ取っておいて 先にお昼食べようよ?」
小椋「綾は映画より食い気だね」
綾野「え〜っ ひどいよ由美」
杉浦「そうねとりあえず 席だけ取りに行きましょう」
桜木「あの〜 それでみんなは何を観るつもりなんですか?」
恒一「これだけ人数がいるとみんなで一緒の映画って訳にはいかないよね?」
見崎「そうね・・・ それぞれの趣味もあるし」
勅使河原「とりあえず自分が観たい映画を言ってみようぜ」
水野さん(3組の子は どんなホラー観るのかしら?)
綾野「それじゃてっしーの案でいってみよう せぇ〜の!」
恒一「スクリーム2」
水野さん「私はリングかラストサマーかスクリーム2のどれでもいいよ」
見崎「ドラえもん のび太の南海大冒険・・・」
未咲「名探偵コナン 14番目の標的」
赤沢さん「タイタニックね」
杉浦「アルマゲドン」
桜木・多々良「ディープ・インパクトです」
綾野「は〜い 踊る大捜査線 THE MOVIE」
小椋「リーサル・ウェポン4」(兄貴はエヴァ、エヴァうるさかったけど見たことないし) *富山県はテレビ東京系は映らないよ
勅使河原「ムトゥ踊るマハラジャ」
風見「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」
中尾「スポーンかTAXi」
一同(?! バラけた!)
水野さん(アレ?! みんなホラー観に来たんじゃないの? これだと私と榊原君ふたりきりになるじゃない?!
・・・なに考えてるのよ榊原君は中学生よ! それに弟の同級生だし・・・ でも横顔見たら結構きれいだし
入院中は顔色悪かったけど、いま見たら・・・)ブツブツ
見崎(榊原君はホラー観たいのか でも未咲が怖いのダメだから一緒に観れないか・・・)
未咲(恒一くんホラー観るの?! 無理!無理!無理〜!! 怖いのは絶対ダメ!)
アカザー(タイタニックを観た恒一くんと私はジャックとローズのように 硬い絆で結ばれるのよ!) *人の話聞いてません
杉浦(まさかこのメンバー相手にガチでホラー映画をチョイスするなんて 榊原君って案外大物なの?)
桜木(えっ? えっ?! 榊原君が言った映画ってホラーなの?)
多々良(ホラー映画って観た事ないけど、榊原君が観るのなら それに今日は積極的に行かないと!)どきどき
綾野(え〜っ?! こういっちゃんはそういう趣味なの? わたしは怖いのダメなのに)
小椋(綾は怖いのダメだからね しゃ〜なしだな! 私が綾に付き合うか)
勅使河原(みんなわかってねぇな〜 これからはインド映画だぜ!)
風見(桜木さんとディープ・インパクトか・・・ アリだな!)
中尾(赤沢さんとタイタニックか・・・ 途中で寝るな)
恒一(やっぱり3組の生徒でホラー観たい人はいないよな・・・
水野さんには悪いけどここは僕等が・・・ って?!) 「あ、あの・・・」
多々良「あ、あの榊原君 スクリームって面白いのかな? わたしホラー映画観た事ないだけど」ドキドキ
水野さん・赤沢・杉浦・桜木・綾野「!」
恒一「えっと?! 前作はすごくおもしろかったよ 2も期待してるけど・・・
でもホラー観たこと無いなら ちょっと刺激が強いかもしれないけど?」
多々良「で、でも一度観てみたいんです 御一緒してもいいですか?」どきどき
恒一「そこまで言うなら 一緒に観ようか」ニコッ
多々良「はい」(やった〜♪ 榊原君と一緒に映画だ)
水野さん(・・・・・?!はっ なに残念そうにしてるのよ私)
杉浦(まさか多々良さんが動くなんて・・・ ?!ゆかり)
桜木「あの榊原君 わたしもホラー苦手なんだけど面白そうだし その、私も一緒に観てもいいですか?」
恒一「えっと 桜木さんよければどうぞ」ニコッ
風見「!」(そんな?! 桜木さん)ガクッ
杉浦「ちょっと泉美! なにしてるのよ! この波に・・ビックウェーブに乗らなくてどうするの」
赤沢「そ、そうよね 行ってくる」
赤沢さん「恒一くん」
恒一「赤沢さん?」
赤沢さん「その映画スクリームと言うくらいだから スクリーム・クィーンでるわよね?」しゃらん
恒一「?スクリーム・クィ・・ あぁ〜絶叫担当の女優さんだよね たぶん出ると思うけど」
赤沢さん「ふだんホラーとかあまり観ないんだけど 演技の勉強になるし今日は観てみようかなって」
恒一「赤沢さんなら大歓迎だよ」ニコッ
赤沢さん「まぁ今日は演技の勉強のつもりで観させてもらうわ」
アカザー(きゃっほう!! 恒一くんと一緒の映画!! 泉美ちゃんってば、この夜見山一の幸せ者め!!)
杉浦(泉美 まためんどくせぇ女に・・・・)はぁ〜
中尾「!」(あ、赤沢さん)ガクッ
見崎「榊原君・・・」
恒一「なに鳴?」
見崎「未咲が怖いのダメだから私たちは違う映画観るね・・・」
恒一「そうなんだ・・・ 残念だな」
見崎「今度はわたしと未咲と榊原君の3人で映画観ようね・・・」ぼそっ
恒一「そうだね次は3人で観に来よう」ニコッ
見崎「それじゃ席の予約に行くから・・・」
未咲「恒一くん映画終わったらふたりでデートしようね♪」
水野さん・赤沢・綾野・桜木・多々良「!」ガタッ
見崎「そういう冗談はいいから」
未咲「ハ〜イ」(冗談じゃないんだけどなぁ〜)
杉浦(・・・藤岡さんって今回の台風の目ね ・・・さて)
小椋「綾! わたしも踊る大捜査線にしようか?」
綾野「いいの?由美 ありがとう こういっちゃん!」
恒一「なに綾野さん」
綾野「私達も別の映画観るね ごめんね」
恒一「いいよ謝らなくって だれでも苦手な物あるし」
綾野「ありがとう こういっちゃん♪ でも次は同じ映画観ようね」
恒一「うん」ニコッ
綾野(こういっちゃん 優しいなぁ・・・)
杉浦「綾野さん私もまぜてもらっていいかな?」
赤沢「?!」(えっ?)
綾野「うんいいよ」
杉浦「泉美がんばりなさいよ」ぼそっ
赤沢「う、うん頑張る」
杉浦「で、アンタ達どうするの?」
アンタ達 → 勅使河原・風見・中尾
風見「ぼ、僕もスク・・」
杉浦「ねぇ、ジャンル以前にあの空気の中に入れるの?」
「榊原くんはパンフレット買うの?」
「まだ決めてませんけど」
「なんだかもうドキドキしてます」
「わたしも」
「ふたりともまだ早いよ」クスッ
風見・中尾「む、無理だ」ガクッ
杉浦「じゃあこっち来る?」
風見・中尾「はい・・・」
杉浦「勅使河原は?」
勅使河原「オレはひとりでも踊るマハラジャ観るぜ!」
風見・中尾「お前もこっちに来い・・・」
綾野「え〜っ てっしーも一緒に観ようよ」
小椋「みんなと観ようよ」
杉浦「どうするの? 演劇部からのお誘いよ」
勅使河原「・・・わかったよ! おれも一緒に観るよ」
杉浦「これで決まりね」
結局こうなりました
スクリーム2 恒一・水野さん・多々良・桜木・赤沢
のび太の南海大冒険 鳴・未咲
踊る大捜査線 綾野・小椋・杉浦・風見・中尾・勅使河原
昼からの座席を予約して軽めの昼食を取り
僕たちはそれぞれの映画館に別れていった・・・
―スクリーム2 上映中―
ちなみに座席順は ‖赤沢‖桜木‖多々良‖恒一‖水野‖
「キャァ―――――ッ!!」
「・・・・・・」グサグサグサグサッ
「グエェェ・・・ウボァ・・・・・・ぎょぇ〜〜」バタッピクピク
恒一(冒頭は前作と同じみたいだな・・・)
水野さん(劇中劇のスタブも映画化すればいいのになぁ〜)
多々良「!・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 *放心状態です
桜木「えっ? えっ?・・・・・・・」
赤沢(モタモタしたせいで 恒一くんと席が離れてしまった・・・)チラッ
―スクリーム2 終了―
恒一「おもしろかったですね水野さん」
水野さん「そうだね ところで犯人は判ってた?」
恒一「いえ最後まで判りませんでした」
水野さん「榊原くんもまだまだだね」
多々良(よくわからない内に 終わってしまった・・・ でも榊原君の隣りに座れたからいいか)どきどき
桜木(ホラー映画ってあんなに血がでる物だったなんて・・・)はぁ〜
赤沢(恒一くんばかり見てたから映画の内容がわからない・・・)
―山桜市 シネコン前―
恒一「たしか見崎達が最初に上映終わるはずだけど?」キョロキョロ
水野さん「鳴ちゃん達いないの?」
恒一「はい・・・ 寄り道してるのかな?」
未咲「こ〜いちく〜ん」タッタッタッ
見崎「・・・」トコトコ
恒一「鳴 未咲!」
未咲「遅くなってゴメンね 売店見てたら遅くなったの」
恒一「よかった迷子にでもなったのかと思ったよ」
未咲「えぇ〜 未咲はそんなバカじゃないよ」
見崎「未咲はバカでしょ」クスッ
未咲「えぇ〜 鳴ひどいよぉ!」
水野さん「よかった 鳴ちゃん達来たのね あとは踊る大捜査線の子達だけね」
勅使河原「おい〜 サカキ!」
恒一「勅使河原達だ これでみんなそろったね」
杉浦「泉美 どうだったの映画は?」
赤沢「えっと・・・ 全然憶えてないの」
杉浦「・・・」(泉美のことだから 榊原君の顔ばかり見てたんでしょけどね)はぁ〜
綾野「面白かったね! てっしー」
勅使河原「おうよ ・・・死ぬなぁ!! あおしま―――――ぁ!!!」
綾野「てっしー 似てる」
風見「このあとはどうしようか?」
勅使河原・綾野・小椋「カラオケ!」
中尾・桜木・杉浦「買い物とかは?」
恒一「また割れそうだね」
多々良「あの、榊原君」
恒一「どうしたの? 多々良さん」
多々良「私の家、門限があるので そろそろ帰らないといけないんです」
恒一「そうなんだ」
多々良「はい・・・ みんなと遊びに行きたいんですけど ごめんなさい・・・」ペコリ 多々良さんは 頭を深くさげた
恒一「多々良さん・・・ 謝らなくてもいいから」
勅使河原「カラオケ!」
風見「買い物だろ!」
恒一「みんな悪いけど 僕はそろそろ帰るよ」
多々良「えっ 榊原君?」
勅使河原「どうしたんだよ? サカキ」
綾野「こういっちゃん なにか用事?」
恒一「えっと実は門限があって そろそろ帰らないと時間オーバーしそうなんだ」
多々良「榊原君・・・」
見崎「・・・」
恒一「みんな盛り上がってるのにごめん」
勅使河原「そうなのか・・・ じゃあ俺らも帰るか?」
恒一「えっ? わざわざ僕に付き合わなくていいから」
勅使河原「何いってんだよ 元々『いないもの』のお詫びにみんなで遊びに来たんだろ」
恒一「勅使河原・・・」
勅使河原「それにだ またみんなで遊びに来たら良いだけだろ!」
綾野「てっしー いいこと言うね」
桜木「それじゃ今日はもう帰りましょうか?」
風見「そうだね」
綾野「少し残念だけど またみんなで遊びに来ようね」
「みんなバイバイ!」
「おぅ また明日」
「バイバイ」
「また明日ね」
「さよなら」
恒一「水野さん今日はありがとうございました」
水野さん「どういたしまして それに私も楽しかったし」
恒一「今度はホラー以外の映画でも観にいきましょうか タイタニックとか」(水野さんには他のジャンルも観てもらわないと)
水野さん「えっ?!」(タイタニックって恋人同士で観る映画じゃないの?)どきどき
水野さん「もう! 榊原くんったら そういう映画はまだはやいわよ」
恒一「そうですか・・・」(アクション系が良かったかな?)
水野さん「そ、それじゃ そろそろ帰るね 今日は楽しかったよ」
恒一「さようなら水野さん」
水野さん「さよなら榊原くん」
綾野「こういっちゃん! 今日は楽しかったよ♪ ・・・でも次はホラーじゃない映画観ようね」
恒一「ゴメンね今日は」
綾野「いいって じゃあ次は絶対だよ!」
恒一「うん それじゃあ綾野さん また学校で」
綾野「うん また学校でね こういっちゃん!バイバイ」
小椋「さよなら」
恒一「さよなら 綾野さん 小椋さん」
多々良「あ、あの榊原君」
恒一「なに多々良さん?」
多々良「さっきはその・・・ ありがとうございました 門限の事」ペコリ 多々良さんは 頭を深くさげた
恒一「気にしないで せっかくみんなで来たのに 多々良さんだけ、のけ者に成るみたいでイヤだったから」
多々良「榊原君・・・」(やさしいな榊原君・・・ )
恒一「それじゃ多々良さん また明日」
多々良「はい 今日はとても楽しかったです ありがとうございました榊原君 さようなら」
恒一「みんなと遊びに行くのどうだった?」
見崎「そんなに悪くなかった・・・」
恒一「よかった」
見崎「ところで門限って初めて聞いた・・・」ジ――ッ
恒一「えっ?! えっと最近、おばあちゃんが心配症で・・・」
見崎「ふ〜ん そうなんだ・・・」
恒一「う、うん そうなんだ」
見崎「次はわたしと未咲と榊原君とで出かけたい・・・」
恒一「そうだね・・・ こんどは3人で出かけてもいいね」
見崎「うん・・・ それじゃ私たちも帰るね」
恒一「さよなら 鳴 未咲」
未咲「恒一くん!今度は3人で行こうね 絶対だよ!」
恒一「うん」
見崎「さよなら 榊原君」
未咲「バイバイ 恒一くん♪」
赤沢さん「恒一くん 今日は楽しかったわ」
恒一「赤沢さんの演技の参考になれば良かったけど・・」
赤沢さん「えっ? えぇ参考になったわ でも今度は違うジャンルの・・・そうね恋愛物とか観てみたいわ」
恒一「そうだね ぼくもたまには違うジャンルの映画観ないとね」ニコッ
赤沢さん「恒一くんさよなら また明日ね」スッ
恒一「さよなら赤沢さん」ギュッ
杉浦(しかし、事あるごとに握手するわね このふたり・・・)はぁ〜
恒一「さよなら杉浦さん」
杉浦「えっ!えぇ さよなら」
桜木「それじゃあ 榊原くん途中まで一緒に帰りましょうか」どきどき
恒一「えっ・・・」
桜木「遠慮しない 遠慮しない」
恒一「えっと・・・ そうだね一緒に帰ろうか」
桜木「今日は楽しかったですね」
恒一「うん そうだ映画はどうだったかな ちょっと怖かったかな?」
桜木「正直いうとちょっと怖かったです あとあんなに血が出るなんて・・・」
恒一「それじゃ 桜木さんにはブレインデッドは無理かな?」クスッ
桜木「どんな映画なんですか?」
恒一「う〜ん スプラッターコメディかな? 面白いんだけど血の量が尋常じゃないんだ」
桜木「ひっ・・・・」
恒一「あっ!ゴメン 次は楽しい映画観たいよね」
桜木「そうですね 楽しい映画・・・」
恒一「それじゃ桜木さん さよならまた学校で」
桜木「榊原くんさよなら また明日」
こうして3組女子最大?の戦いは勝者なきまま終わりましたとさ
おしまい
ありがとうございました
続きはいま書いてる所ですので
そのうち投下するつもりです
このSSの前半は
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1337261149/
にありますので興味が出たという物好きな方は
よかったら覗いてみてください
今夜は、どうもありがとうございました
Entry ⇒ 2012.05.28 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
やよい「私のあしながプロデューサー」
春香「やよい…いままでお疲れ様」
亜美「やよいっち〜…」グスッ
真美「辞めちゃやだよ〜……」グスッ
律子「…よしなさい、二人とも」
やよい「ごめんね。でももう決めたことだから」
あずさ「やよいちゃんがいなくなっちゃうと……寂しいわ…」
真「寂しいけど…仕方ないよ」
雪歩「…元気でね……うぅ…」グスッ
P「……………」
伊織「………やよい、あんたに会えてよかったわ。…またね」
小鳥「……っ………」グスッ
響「メールしてね……やよい…」グスッ
貴音「お体には気をつけて下さい」
やよい「…はい。皆さんもお元気で!」
バタン
やよい「プロデューサー…」
P「………ごめんな」
やよい「……プロデューサーのせいじゃありません」
やよい「今まで…私のこと、プロデュースしてくれて………」
やよい「………グスッ……ぁりがとうございましたっ………!」
P「………こちらこそありがとう」
小鳥「プロデューサーさん、お茶が入りました。……それ、何ですか?」
P「どうも。……いえ、ちょっと興味がありまして」
小鳥「……親のいない子供に、奨学金を……」
P「あはは…なんと言いますか……ほら、俺ってもう20代後半なのに、まだ身を固められてないじゃないですか」
小鳥「ぎくっ」
P「それに、給料はそこそこ良くなった割に相変わらず暇は少ないんで、お金が余っちゃってしょうがないんですよ……だから」
P「ちょっと、人の役に立つことでもしてみようかなって」
小鳥「……へ、へぇ〜。い、いい心がけですね」
P「昔、親父もこれをやってたみたいで……ちょっと思い出して、調べてみたんです」
小鳥「そうだったんですかぁー……頑張ってくださいねぇ………」スタスタ
P「え?は、はい……どうしたんだろう」
役員「ようこそいらっしゃいました」
P「こんにちは」
役員「あなたのような心優しいお方に来ていただいて、大変光栄です」
P「いえ、そんな」
役員「我々は震災やその他交通事故、自死などにより親御さんを失ってしまった子供たちに対し──」
役員「一定額無利子で支援を行うことを目的としています」
P「なるほど」
役員「なので、受け取る子供たちには申し訳ありませんが、それ相応の審査を要するのです」
P「条件を満たしていても支援を受け取れない子がいると?」
役員「……たまにあります。最近だとこんな子から申請が」ペラッ
役員「17歳の高校生、姉弟が全部で6人、両親が行方不明……」
P「だめなんですか?随分大変そうですけど」
P「へぇ…」
役員「……お?"元アイドル"なんて書いてますね」
P「……アイドル?」
役員「……んー、こんな名前の子は知らないけど…昔はそこそこ有名だったようですね」
役員「まあ、これはウチの誰かが書き足したものでしょうが」
P「………アイドル……17歳……高3………6人姉弟………」
役員「………どうかなさいました?」
P「あの…その子の名前、教えてもらえますか」
P「まさか………こんな偶然があるとは思わなかった」
P「ここがやよいの高校か………見たところは普通の公立高校って感じだな」
P「…今年大学受験、か」
P「………もしかして、ウチをやめたあと…色々困っていたのかもしれないな」
P「……………」
P「…会うのは何だか気が引けるな…こっそり覗く程度にしておこう」
やよい「じゃあ、また明日ねー」
P「………おっと、出てきた………隠れないと」ソソクサ
やよい「えーと、このあとは…いつもどおりスーパーで買い物」
やよい「あと、そうだ!申請の結果がそろそろ届くはず……」
やよい「………なんとかなればいいけど………」ハァ
P「……やべっ、こっちくる……!」ダダッ
やよい「……?誰かいるんですかー?」
やよい「……もう行っちゃったのかな」
やよい「影しか見えなかったから、誰だったのか分からないけど」
やよい「……………」
やよい「この時間だし、なんだかとっても足の長い影だったなぁ。えへへ」
P「ふぅ……あぶなかった」ハァハァ
役員「残念ながら……あの子は支援の対象外です」
P「そんな……あの子は姉弟が多くて、どれだけ苦労してることか………!」
役員「そうおっしゃられましても………これは我々全体で決定したことなので」
役員「……お知り合いの方ということで、そういうお気持ちも分かりますが………」
P「…………くそっ…!」
役員「………申し訳ありません」
P「……………」
役員「……………あの」
P「……はい?」
役員「本来なら、こういう形はめったに取らないんですが………」
役員「………特例として」
P「…え?」
役員「上のものに相談を持ちかけることが出来ます」
役員「そのためには、貴方には通常以上のご協力をお願いすることになりますよ」
P「………教えてください」
役員「ええ。まずは……………」
P「………分かりました。やらせていただきます」
『これは公には明かせない援助形式です』
『われわれは子供と貴方の仲介だけを執り行い』
『その後は、完全に貴方の個人援助となります』
『条件はたった2つ。月に1度、その子から学業の状況に関する手紙を受け取ること』
『そしてもう一つは……決して正体を明かしてはならないこと』
『それさえ守っていただければ、我々は貴方を『あしながおじさん』として歓迎いたします』
P「………やってやろうじゃないか」
P「決して……これで罪滅ぼしになるとは思わないけど」
P「『元』だろうが何だろうが、ウチの仲間であることに変わりはない」
P「困ってるなら、助けるのが当然です!」
P「……って、春香あたりが言いそうな台詞だな。ははっ」
あしながおじさんへ
はじめまして、高槻やよいといいます。
本当なら申請が通らなかったはずなんですが、特例で認められることになったと言われました。
おじさんのおかげだっていうことも聞きました。本当にありがとうございます。
えっと、学業の状況を報告しないといけないんでしたよね。
私は今年高校3年生になりました。
この前までは受験も諦めてましたけど、先生が私の成績なら問題ないから頑張ってみろと言ってくれたので
まだ実際に受けるかは分かりませんが、とりあえず受験勉強を始めてみようと思います。
…こんな感じでいいんでしょうか?
これからよろしくお願いします。
よかったらお返事くださいね。
高槻やよい
──────
P「……………やよいから手紙が……きた……」
P「やばい嬉しい泣きそう……」グスッ
P「何とか元気でやってるみたいでよかった……」
P「………返事ください、か」
P「何て返してやろうかな……」
P「!…おぉ、真おはよう」コソコソ
真「?…プロデューサー、どうかしたんですか?」
P「いや、何でもない」
真「…?」
P「…いよっし!真ぉ!!」
真「はっ!?はい!!」
P「今日はお前と響のオーディションだろ!俺がついていってやる!」
真「…おお!プロデューサー、今日は元気一杯じゃないですか!!」
P「当たり前だ!さあ響が来たら準備を始めよう!!」
真「了解です!!」
律子「プロデューサー、もう少し静かに」
あしながおじさんへ
おじさんのこと、もっと知りたくてちょっと早くお返事書いちゃいました。
これを書いている今はゴールデンウィーク中です。おじさんはどこかに出かけたりしましたか?
私はせっかくなんで、兄弟みんなでお散歩に出かけました。
お弁当をいつもよりたくさん作らないといけなかったんですけど、皆美味しそうに食べてくれてよかったです。
ホントならもっと楽しいところに連れて行ってあげたかったけれど………仕方ないですね。
学校も、新しいお友達がたくさん出来ました。
昔の私のことを気にせず接してくれる、いい人たちばかりでよかったです。
受験の話なんですけど、実は1つ下の弟も高校受験なんです。
今は私が何とか教えられるんですけど…やっぱり塾に生かせてあげたほうがいいんでしょうか?
お返事待ってますね。
高槻やよい
──────
P「雪歩ー。……雪歩ー!」
雪歩「プロデューサー…どうかしましたか?」
P「新しい仕事なんだけどな……ちょっと確認しておきたいことが」
雪歩「はぃ…何でしょう?」
P「バラエティ番組なんだが……男芸人ばっかり集まってる」
雪歩「……!」
雪歩「……いぇ、頑張ります……せっかくプロデューサーが取ってきてくれた仕事なんですもん」
P「……そうか。よかった」
貴音「雪歩、成長しましたね」
雪歩「あ、四条さん……」
貴音「初めて貴女と会ったときは、今よりも自分に自信がなかったようですが」
貴音「私、貴女と共に活動できてまこと嬉しく思います」
雪歩「…ぁ、ありがとうございますぅ……えへへ」
P「よかったな」
あしながおじさんへ
お元気ですか?いつもありがとうございます。
もうすっかり梅雨で、毎日じめじめしてますけど元気でやっていきましょう!
この前クラスにいる運動部の男の子が、部活動引退第一号になったんですけど、
後輩と泣きながらお別れをしている様子をたまたま見かけて、なんだか羨ましくなっちゃいました。
私も部活動とかやってたら、可愛い後輩とか出来てたのかな?
それと、友達もそろそろ受験勉強始めないといけないって話をしてました。
私もそうなんですけれど、何から始めればいいのかなーって。
とりあえず、今度先生に相談してみます。
昔の私っていうのは、つまり……何を隠そう、私は元アイドルだったんです!
もしかして知ってましたか?
一応、テレビにも結構出たことあるんで、無名ではないと思うんですけど……
あ、でも、インターネットとかで調べちゃめっ、ですよ!
何だか恥ずかしいんで……
ではまた。
高槻やよい
──────
P「お疲れ、千早………話がある」
千早「お疲れ様です。なんでしょう?」
P「……お前に、ある事務所から移籍のオファーが来てるんだ」
千早「移籍?……引き抜き、ってことですか」
P「来てくれれば歌手としての活動に専念させてやる、とのことだ」
千早「…………」
P「………お前を止める権利は俺にはない」
P「……夢だったんだろ?」
千早「ですが………そんな急に、確かに嬉しいです、でも……」
P「………不満か?」
千早「………つまり、ここを去れということ…ですよね」
P「……まあ、そうなるな」
千早「………!」
P「俺は……お前が向こうへ行ったとして」
P「そこで輝いてるお前を、ここから眺めることが…」
P「プロデューサーとしての最大の喜びだと信じてる」
千早「…………」
P「迷ってるのか?」
P「………なら、行くんだ」
千早「……………」
千早「………ぁりがとう、ございます………」
P「…………それでいい」
あしながおじさんへ
暑くなってきましたね。体調には気をつけましょう!
ちょっとずつですが、勉強も頑張ってます。
家では弟の勉強ばっかり見てる気がしますけど……
んー、なんだか今月は平和に過ぎたような気がします。
勉強ばっかりしてたからかな?
短くてごめんなさい。お返事待ってますね。
高槻やよい
──────
千早「……お世話になりました」
律子「千早、向こうでも頑張ってね。…応援してる」
美希「千早さん…ホントはいっちゃヤだけど、千早さんにはもっとキラキラしてて欲しいから、我慢するの」
千早「ありがとう。美希も頑張って」
亜美「千早お姉ちゃん、これ……」
千早「…これは?」
真美「みんなで書いた寄せ書きだよ」
千早「………ありがとう。大事にするわ」
千早「ええ。今までありがとう、春香」
響「元気でな…千早…」
貴音「私も、影ながら応援いたします」
伊織「あんたならなんとかやっていけるわよ、きっと」
千早「ありがとう」
あずさ「たまには遊びに来てね〜」
千早「ええ。機会があれば是非」
P「……まだまだ大勢いるのに、急に事務所が広く感じるなぁ」
小鳥「……ですね」
あしながおじさんへ
すっかり秋ですね。気持ちいい天気になってきました。
学校は楽しいです。楽しいんですけど…
最近、なんだか何人かの視線が気になります。
怒らせるようなことをした覚えはないんですけど……なんだか、会うたびに睨まれてるような気がして………
気のせいでしょうか?
勉強のほうは順調です。模試の成績も伸びてます。
私より弟のほうがちょっぴり心配です……気にしすぎなんですかね。
お返事待ってます
高槻やよい
──────
P「………?どういうことだ?」
P「やよいは人を怒らせるようなことはしない子なのに………」
P「………くそぅ、月に一通しか来ないのがもどかしい………」
あしながおじさんへ
いつもありがとうございます。
勉強はいつもどおり頑張っています。
弟も成績を伸ばしているみたいで、
この間の面談では「志望校も夢ではない」と中学の先生に言われたようです。
一安心しました。
そろそろ紅葉が始まりますね。
楽しみです。
またお返事ください。
高槻やよい
──────
P「……あれ?学校の話は無しなのか……」
ガチャリ
P「お、響と真か。お疲れ」
真「お疲れ様です!」
響「プロデューサー!自分と真、今日のオーディションバッチリだったぞ!」
P「聞いたよ。おめでとう」
響「なんで見に来てくれなかったのって言ってるんさー!」
P「ごめんな、忙しくて」
真「手紙を読んでて忙しかったんですか?」
P「いや、そうじゃなくて…」
響「誰からのか知らないけど、自分たちのこともちゃんと面倒見て欲しいんだよーっ!」
P「わかったわかった。次は見に行くよ」
真「…響、言いたいことは終わった?」
響「今日はこのくらいにしといてあげる。約束破ったら承知しないからな!」
P「分かったよ。お疲れ」
バタン
あしながおじさんへ
お返事が遅くなってごめんなさい
ちょっと最近、辛いことがあって……
でももう大丈夫です
この時期に落ち込んでられませんから
学校じゃなくても勉強できるところ、ありませんかね?
ごめんなさい……暗い話はおじさんにしたくなかったけれど
どうしても……
またお手紙送ります
高槻やよい
──────
P「やっぱり………!」
P「学校で何かあったんだ………!」
P「……………」ソワソワ
P「……………」ソワソワ
春香「最近プロデューサーさん、ずっとあんな調子だね」
真美「なんかあったのかな→?」
亜美「兄ちゃん、どうかした?」
P「……え?」
亜美「なんかずっと貧乏ゆすりばっか」
P「………あぁ、そうか……」
春香「プロデューサーさん、何か悩み事ですか?」
P「……いや、なんでもない。心配かけてすまん」
真美「しっかり頼むよー?兄ちゃんがそんな顔してちゃ事務所の空気もズーンだよー」
P「……気をつけるよ」
P「…………よし」
P「高校に何度も侵入して、つかまったらただ事じゃないな……」コソコソ
P「部活中だからか、人が少なくて助かる」
P「えっと、3年のフロアは………ん……」
やよい「…………」グスッ
P「………やよい……一人で何を…………」
P「…………紙くずを集めてる」
やよい「………おじさん…ごめんなさい…」
P「!」
やよい「手紙………破られちゃいました…………」
P「……………」
やよい「………学校に持ってきたからダメだったのかな……でも」
やよい「いつもお返事くれるのが嬉しくて………いつでも読んでたいから……」
やよい「………ばかだなぁ……私」
やよい「奨学金のこともばれて……」
やよい「お家が貧乏だから、こんな嫌がらせされるのかな…………」グスッ
P「……………!!」
やよい「…………」グスッ
P「……手紙ならまた書いてやる!」
やよい「!?」
やよい「……だ、誰ですか?……」
P「君のおじさんだ」
やよい「えっ………!?ど、どこにいるんですかっ!?」
P「………わけあって姿は見せられないが」
P「そこにいたまま聞いてくれ」
やよい「………は、はい………」
P「やよいちゃんが望むなら、手紙なんていつでも書いてあげよう」
P「一通なくなってしまったからといって僕は怒らないよ」
P「僕の手紙を君が読んでくれるだけで十分幸せなんだ」
P「……そうだ」
P「(やばい、これちょっとやりすぎたかな)」
やよい「わ、私!おじさんからもらう手紙、毎日毎日読み返して………!」
やよい「読むたびに、すっごく幸せな気分になるんですっ!」
やよい「だ、だから………つ、つい…学校に持ってきちゃって……」
P「………ありがとう。嬉しいよ」
P「じゃあこれからは、もっとたくさん手紙を交換しよう」
やよい「えっ……でも、一ヶ月に一通って」
P「多すぎて悪いことはないさ」
P「君からの手紙が来たら、僕はすぐに返事を書く。やよいちゃんもたくさん返事をくれたら嬉しいな」
やよい「…………はい…!」
P「………楽しみにしてるよ」
やよい「………あの、ところで、おじさんの声はなんだか聞き覚えが」
P「…え?そ、そうなのかい?(裏声)」
P「心無い人間がなんと言おうと、頑張ってるやよいちゃんはとっても立派だ」
P「僕が保証する」
やよい「………ありがとうございます」
P「…………不満なら、君にひどいことをした人たちをどうにかしてあげることも出来るけど」
やよい「………そうなんですか?」
P「………ああ」
P「(やばいなついハッタリかましてしまった)」
やよい「…………それはして欲しくありません」
P「………そうかい?」
やよい「あの人たちも、きっと受験勉強で疲れてるんです。以前はとっても優しい人たちだったんですよ」
やよい「お手紙を破られてしまったことは悲しいですけれど………あの人たちのせいじゃありません」
P「……やよいちゃんは優しいね」
やよい「……えへへ……そんなことないですよ」
P「アイドルをやってたときみたいな元気なやよいちゃんが、一番ステキだよ」
やよい「えっ………!?も、もしかして見たんですかっ!?」
P「あ、いや、うん」
やよい「もう!ダメっていったじゃないですかぁっ!///」
P「ははは……またお手紙で会おう!キラメキラリっ!」ダッ
やよい「ちょっ!ちょっと待ってください!」
やよい「まだお礼が………」
やよい「………いない………」
やよい「………影しか見えなかった………」
P「………………バレてないよな………?」
P「………あれはアウトなのかなぁ………」
──────
あしながおじさんへ
この前はありがとうございます。
あの後、お手紙を破いちゃった人たちとお話しました。
やっぱりストレスがたまってたみたいで、なんだか能天気に見えるらしい私にイライラしちゃってたみたいです。
もちろん私も頑張ってるんですけど、そういう風に見えちゃうなら、私にも悪いところはあったかなーって。
きちんと謝ってくれましたし、仲直りも出来ました!
あのときおじさんがお話してくれなかったら、きっとずっとあのままだったと思います。
本当にありがとうございました!
お返事、すぐ 下さいね!
高槻やよい
──────
P「………よかった」ホッ
伊織「はぁ!?解散!?」
亜美「急すぎるよ律っちゃーん」
律子「ごめんなさい。これは社長と話し合って決めたことなの」
律子「あなたたちはこれまでの4年間、ユニットとして最大限成長してくれたし」
律子「私自身、プロデューサーを務められて本当に良かったと思ってる」
あずさ「だったら、どうして………」
律子「3人が今以上にステップアップするなら、今このタイミングで竜宮小町から離れて」
律子「新しい活動を始めるべきなんです」
P「急な話ですまないな」
律子「………勿論、ここで引退の道を選んでも構わないわ」
律子「あなたたちがこれからどうするかは、自分自身の選択よ」
律子「………よく考えておいてちょうだい」
亜美「いおりん、大丈夫?あんまりカッカしちゃダメだよ」
伊織「だって………私達、あんなに頑張って……ユニットのランクもAまでいったのよっ………!」
伊織「簡単に解散なんて、言うんじゃないわよっ……!!」グスッ
亜美「いおりん………」
伊織「あんた嫌じゃないの!?」
亜美「………そりゃ亜美だってさみしいよ………」
亜美「竜宮小町は最高のグループなのにっ……グスッ……!」
亜美「………いやだよぅ………!」
伊織「………ヒック…………なんなのよ、もう………グスッ…!」
あずさ「伊織ちゃん、亜美ちゃん。こっちにきてくれる?」
あずさ「はいはい、二人とも泣き止んで。ね?」
伊織「………な、何よ………あずさはなんとも思ってないっていうの…!?」
あずさ「寂しいに決まってるわ………でもね、いつかこんな日がくるのは分かってたの」
あずさ「覚悟していただけ。それだけよ」
亜美「…………グスッ………」
あずさ「………私ね」
あずさ「いつか竜宮小町が解散するとき、自分もアイドルを引退しようと思ってたの」
伊織「……!?」
亜美「え……!?」
あずさ「しっかり者の伊織ちゃんに、元気な亜美ちゃん」
あずさ「私はちょっと抜けてて、おっとりしてて」
あずさ「私たち、みんなバラバラなのに…今まで上手くやってこれたんですものね」
あずさ「きっと、二人ならこれからも心配要らないわ」
伊織「何言ってるのよっ!!」
亜美「そんなのもっと嫌だよ!!」
あずさ「……引き止めてくれるなんて、嬉しいわ」
あずさ「確かに、アイドルになった目的はまだ果たせてないけれど………」
あずさ「もういいの。今までありがとうね、二人とも」
伊織「………ぃゃょぉ……っ!!」
亜美「ぁずさぉねぇぢゃぁん………っ!!」
あしながおじさんへ
合格しました!!受かっちゃいました!!
無事に第一志望の大学に行けることになりました!!
もう嬉しくて……発表から帰ってきて真っ先にこのお手紙を書いてます。
いままで色々助けていただいて本当にありがとうございました!!
あと……これからもよろしくお願いしますね。
お返事待ってます
高槻やよい
──────
P「ぃよっしゃあっっっ!!!!!」グッ
雪歩「ふぇっ!?」ビクッ
P「…あ、すまない」
美希「何!?びっくりしたの………」
P「何でもないんだ、ごめんな」
小鳥「どうかしたんですか?急に大きな声を出して………」
P「…いや、ホントなんでも無いんです。すみません」
あしながおじさんへ
今度は弟が!
弟が第一志望の高校に合格しました!
私もこの間合格したばっかりだっていうのに…
まるで自分のことのように嬉しいです。
4月からはまた新しい生活が始まるんだって考えると、心がワクワクしてきます!…うっうー!
…久しぶりに使うと、書くだけでも恥ずかしいですね…えへへ
お返事待ってます
高槻やよい
──────
P「………なんて人の多さだ」
律子「当然です。Aランクユニット竜宮小町の解散ライブですよ?」
春香「私たち、舞台袖に来て良かったんでしょうか……?」
律子「気にしなくていいわよ。あの子達の晴れ舞台、見届けてやって」
美希「頑張ってね、律子、さん!」
律子「当然よ。一番頑張るのは3人だけどね」
『最高の夜にしちゃうYO→!』
『うふふ。楽しいわねー。最初の曲は"SMOKY THRILL"ですよー』
真「さすが、ライブ慣れしてるなぁ…」
貴音「素晴らしいですね」
響「自分もあんなステージで踊りたいぞ…」
雪歩「綺麗ですぅ…」
P「………律子」
律子「………ぇ?」
律子「………!い、いえ別に………」ゴシゴシ
P「無理すんなよ。感慨深くなるのは当たり前だ。俺だって感動してるんだから」
律子「………あの……」
P「ん?」
律子「私……あの子達にとって、いいプロデューサーでしたか………?」
P「勿論」
律子「……よかった………」
あしながおじさんへ
こんにちは。
たった今、大学の入学式を終えて帰ってきました。
スーツなんて着るの初めてだったから、なんだか緊張したかも………
でも、これからがとっても楽しみです。
おじさんも昔大学に言ってたんですか?
どんな大学生だったんでしょうか……気になります。
なんだか最近、おじさんの事ばかり考えてるような気がします。
馬鹿みたいだと思われちゃいますかね?
でも、それだけ今の私にとって大事な人ですから…
本当に、ありがとうございます。
またお返事ください
高槻やよい
──────
P「大事な人……か。ありがたいな」
亜美「兄ちゃん」
P「ん?どうした?…双子揃って」
真美「真美たち、今年…大学受験の歳なんだけどさ」
亜美「うん。一応医学部目指すんだけど、それでね、パパが…」
真美「大学入ったらアイドル辞めろって…」
P「………そうか……」
真美「ほ、ホントは辞めたくないんだよ!?今メッチャ楽しいし」
亜美「でも、ここに来る前からそう言われてたの」
P「………何となく予想はしてたよ」
P「千早が移籍して、あずささんがここを辞めて………次はお前達か」
亜美「ごめんなさい……」
真美「…………」
P「そんな風に言ってるんじゃない」
P「残り1年、楽しくやっていこう」
亜真美「「………うん!」」
P「まず社長に報告しないとな」
──────
あしながおじさんへ
気づいたら、おじさんとお手紙をはじめてもう1年になるんですね………
この1年、とってもあっという間でした。
弟は部活に入って、楽しくやっているみたいです。
他の兄弟も、新しい学年で頑張っています。
気になったんですけど、おじさんはお仕事されてるんですか?
お手紙だけの関係ってなんだか不思議な感じなので、
おじさんも本当は普通の人なのかなっていうのをよく忘れちゃいます。
お返事待ってます
高槻やよい
──────
P「俺、ニートだと思われてるのか……?」
P「…ひどい話だ、全く」
あしながおじさんへ
こんにちは。今日も暑いです。
おじさんは何だか、暑さなんてへっちゃらなイメージなんですけど、
本当はそんなこと無いんでしょうか?
大学って、夏休みがすっごく長いんですね。びっくりしました。
せっかくなんでアルバイトをしてみたいんですけど、何かオススメはありますか?
お返事待ってます
高槻やよい
──────
真「プロデューサー………お話が」
響「…………」
P「どうした?二人とも………神妙な面持ちで」
P「…………あぁ………そういうことか」
真「…………今まで、ありがとうございました」
響「………ありがとうございました……」
P「お疲れ様」
律子「皆そろそろ、自分の生き方を考える歳ですからね………寂しいですけど」
律子「夢を追う邪魔はしちゃいけませんから」
小鳥「いつか皆旅立っていくのは分かってても……グスッ」
律子「小鳥さん、最近涙もろいですね」
小鳥「…律子さんこそ………」
春香「…………」
春香「何しみったれた顔してるんですか!プロデューサーさん」
P「………春香」
春香「確かに皆どんどん引退していって………私だって寂しいですよ」
春香「でも、765プロにはまだたくさんアイドルがいるんですよ!…私だってその一人です」
春香「いなくなったメンバーを懐かしむより先に、やることがあるんじゃないですかっ!?」
春香「私は………いつも元気な765プロが好きなのに………こんな空気嫌ですよ………っ…」ポロ
律子「…………」
小鳥「…………」
P「…そうだったな。すまん春香」
P「………気持ちを切り替えよう」
あしながおじさんへ
メリークリスマス!…といっても、これを書いてるときはまだ1週間前なんですけど。
おじさんはなにか予定ありますか?
私は家族と過ごします。友達はみんな彼氏が出来たりしてて、デートするらしいんですけど。
ちょっと羨ましいです。私、そういうの全然縁が無いですから。
大学の授業、おじさんが言ってた通りとっても楽しいです!
きちんと勉強しないと大変ですけど…おじさんのおかげで充実した毎日です。
今回は特別に、お手紙とは別でクリスマスカードを送っておきますね。
よいお年を
高槻やよい
──────
律子「新年度デビューへ向けた新規候補生募集………?」
P「この事務所はいま、アイドルの世代交代の最中にある」
P「今はまだ活動中でも、残りの初期メンバーだって直にアイドルを引退してしまうはずだ」
P「…現に、最近ここはどこか暗い雰囲気が漂ってる。このままじゃいけない」
P「………いくつかは俺のせいでもあるんだが………でもそのせいで、ウチが寂れた事務所に戻ってしまうのは嫌だ」
小鳥「…そうですね。これは必要なことだと思います」
P「でしょう。律子、賛成してくれるか?」
P「ありがとう。お前なら新しい才能に花を咲かせてやれると信じてるぞ」
律子「あなたもですよ、プロデューサー」
春香「………あの、これって」
P「!…春香」
伊織「そんな話してたのね」
律子「伊織…?」
雪歩「………」
小鳥「雪歩ちゃん……」
亜美「兄ちゃん」
真美「ごめん。こっそり聞いてた」
貴音「無礼をお詫びいたします」
美希「ミキもいるの」
P「………なんだ。みんないたのか」
P「………そうだ。新生765プロの第一歩ってやつだよ」
春香「……………いいじゃないですか!」
P「…………そう言ってくれるか」
春香「プロデューサーさんならやってくれるって思ってました!」
春香「皆でもっともっと事務所を盛り上げていきましょう!みんなも協力してくれるはずです!」
律子「………そうね」
伊織「当たり前よ。わざわざ竜宮を解散させといて、今の有様は何?あずさや真たちが聞いたら悲しむわ」
P「伊織…本当にすまなかった」
伊織「今までのことは大目に見てあげる。一言ガツンと言おうかと思ったけど、どうやらその必要もなさそうだしね」
伊織「これ以上ウチを空気を悪くしたら、引っ叩いてやるから」
P「……その必要は無いよ」
亜美「亜美たちはあんまり時間ないけど」
真美「最後まで兄ちゃんのこと手伝うよ!」
P「……ありがとう」
貴音「私も、微力ではありますが」
美希「みんな美希みたいにキラキラしてたら、きっと新人さんもたくさん来るって思うな」
律子「…ふふ。そうね」
春香「頑張りましょうね!プロデューサーさん!」
P「おう!」
小鳥「私だって気合入れるわよ!」
律子「やってやりましょう!」
P「よし、景気づけに一発決めるか!春香、頼む」
春香「任せてください!」
春香「いつも心は繋がってる。いつまでもみんな仲間だって!」
春香「今ここに居ない仲間の為に…私たちはこの事務所を守っていかないといけない」
春香「力を合わせて、盛り上げていこうっ!いくよ!」
春香「………新生765プロ───ファイトっ!!!」
「「「「「おうっ!!!!」」」」」
あしながおじさんへ
こんにちは!また春がやって来ました……なんだかあっという間です。
成長すると時間が過ぎるのが早いって言いますけど、だんだん実感してきました。
昔より、明らかに1年があっという間に過ぎちゃいますね。
また1年間、よろしくお願いします!
高槻やよい
──────
春香「すごぉい………こんなに一杯」
律子「そりゃ、765プロといえば曲がりなりにもトップアイドルの集まりですもの。応募者数もこんなものよ」
美希「これ、オーディションとかしなきゃダメなんじゃないの?」
小鳥「そうねぇ…受け入れるにも人数には限界があるし………」
貴音「面妖な光景ですね」
雪歩「うぅ……あんなにたくさん……ナメられたりしないかなぁ……」
伊織「シャキッとしなさいよ、もう」
雪歩「ご、ごめんね伊織ちゃん…」
P「ああ。これから一緒に頑張っていこう」
春香「元気一杯ですねー」
律子「春香たちがここに初めて来たときのことを思い出すわ」
美希「初々しいってやつなの」
伊織「せいぜい私たちの足を引っ張らないように頑張ってちょうだい♪にひひっ」
雪歩「よ、よろしくね………」
貴音「高みを目指して奮起するのですよ」
小鳥「みんな、もう立派な先輩なのね………グスッ」
P「小鳥さん、最近涙もろくないですか?」
あしながおじさんへ
こんにちは。梅雨ですね。
雨ってじめじめして嫌だなーって昔は思ってたんですけど、
何だか最近、雨の日も好きになってきちゃいました。何ででしょう?
ところでおじさんは、忘れられない恩人っていますか?
小さいときにすっごくお世話になって、あの人がいなかったら今の自分は無いなって思えるような人です。
私には二人います。一人は勿論おじさんです。…ちょっと照れますね
もう一人はアイドルだった頃にとってもお世話になった人なんですけど……辞めて以来会ってません。
元気でやっているんでしょうか?
風の便りで聞いたんですけど、いま私のいた事務所は私の知ってる人がどんどん辞めちゃってるみたいなんです。
なんだか寂しいです。
でも、いつまでも一緒にはいられないですもんね…
ふと思い出して、プロデューサーに会いたくなっちゃいました。
よかったらおじさんの話も聞かせてくださいね
高槻やよい
──────
P「美希を876にですか?」
高木「一応は短期間のレンタル移籍だよ。美希君にも、そろそろ違う場所で新鮮な空気を吸わせてやりたいと思ってね」
高木「このままでは後輩達に示しがつかんのでな」
P「はぁ、確かに…ですが、本人はきっと納得しないかと」
高木「美希君を説得するなら、君のほうが長けているはずだろうと思ってな、ひとつ頼むよ」
P「…………」
美希「イヤなの」
P「言うと思ったよ………」
美希「ハニーと離れ離れになるくらいなら、ミキアイドル辞めるもん」
P「美希、これはお前のためなんだ………もし上手くいけば、お前は今よりもっとキラキラできるんだぞ?」
美希「………これ以上?」
P「Sランクも夢じゃないってことだよ」
美希「…………」
P「美希、分かってくれ」
美希「もしミキがSランクになれたら、ハニーはミキのこともっと見てくれる?」
P「………ああ」
美希「付き合ってくれる?」
P「…あのな………」
美希「…………約束してくれないと行かないの」
P「……………」
P「分かった、分かったよ。お前が今年度中にSランクに上がれたら、迎えに行ってやる」
美希「……絶対忘れないでね」
──────
春香「美希ともお別れかぁ…」
美希「Sランクになってすぐ帰ってくるの!」
律子「簡単にいうもんじゃないわよ」
律子「………あんた、」
美希「とりあえず、今までありがとうなの」ペコリ
律子「っ…………はぁ」
律子「…行ってらっしゃい」
美希「はいなの!」
伊織「音を上げて帰ってくるんじゃないわよ」
美希「デコちゃん、元気でね」
伊織「…もう」
美希「雪歩も、またね」
雪歩「頑張ってね」
P「…行って来い、美希」
あしながおじさんへ
お元気ですか?
私はいつもどおり、楽しく大学に通っています。
紅葉がきれいですね。毎年同じ話をしてるかも知れませんけど。
ふと、あのときの事を思い出しました。
高校のとき、おじさんからもらったお手紙を破り捨てられちゃったとき………
あのときのおじさんの声、どこかで聞いたことあるなーと思ったんですけど、
よく考えると、わたしがお世話になったプロデューサーの声にそっくりだったんです!
って、おじさんはプロデューサーのこと何も知らないと思いますから、言ってもしょうがないですね。
ごめんなさい。
でも、考えれば考えるほど…なんだかあのときおじさんとプロデューサー、二人ともいたような気がして…
懐かしいなぁ。
またお手紙書きます
高槻やよい
──────
P「…………バレテナイヨナ…」
律子「プロデューサー。伊織たちのことでお話が」
P「ん?どうした」
伊織「私も、そろそろ家のことを考えないといけなくなっちゃったの。ごめんなさいね」
雪歩「わ、私も…家の会社に就職するんです」
貴音「私は…最高のらぁめんを探す旅に出ます」
P「貴音がなんだか心配なんだけど………」
貴音「心配は無用です。ひとときではありましたが、あいどるの頂にたつことが出来、まこと光栄に思っております」
P「……みんな、今までお疲れ様。お前達と一緒に仕事が出来て、本当に良かったよ」
伊織「何言ってんのよ、まだ引退ライブがあるでしょ」
P「…そうだったな」
貴音「同じく」
伊織「こちらこそ礼を言うわ。…律子にも」
律子「………」
伊織「アンタには竜宮時代からさんざん世話になったものね」
伊織「………ぁりがとぅ………」
律子「…………ええ」
あしながおじさんへ
あけましておめでとうございます!
今年もおじさんにとって言い一年になりますように!
今回は年賀状で送りました!
またお返事くださいね!!
高槻やよい
──────
春香「……ライブ、大成功でしたね」
伊織「当然じゃない!この私がいるんだから」
雪歩「…グスッ、……ふぇぇ………ぃぉりちゃぁん……ヒクッ」
雪歩「ぃままで……本当に…ありがとう………エグッ」
伊織「……もう、泣くのやめなさいよ!あんた何歳なの!?」
雪歩「……にじゅうに………」
伊織「答えなくていいのよっ!!!」
P「貴音…お疲れ」
貴音「……申し訳ありません…私、少々気が高ぶっておりまして………」
律子「…貴音、ハンカチいる?」
貴音「……ありがとうございます…律子嬢」
春香「みんな……最高だったよ………」グスッ
小鳥「〜〜〜〜っ……!!」ズビッ
P「………小鳥さん、気持ちは分かりますが………」
小鳥「ざんにんどぼぉ…よがったぁ……う゛れじぃわぁ……」ズビッ
律子「…………まあ、許してあげましょう」
貴音「小鳥嬢、これを………」
小鳥「…ぁ゛りがど」チーン
春香「…………」
P「春香、どうした?こんな遅い時間に事務所に残って」
春香「………プロデューサーさん………ぅぅ………っ…」
P「…春香、お前………」
春香「………ごめんなさい………みんな、自分の夢をかなえるために…」
春香「勇気を出して…ここから離れていったんですよね………?」
P「………そうだな」
春香「………ホントは、喜ばないといけないのに………」
春香「やっぱり…つらいですよっ……!…グスッ…」
P「…………」
春香「後輩がたくさん出来て…嬉しいです、でも……」
春香「私にとって、最初の765プロが………無くなるのは、やっぱり……ぃゃです………!」
春香「うぅ……ヒック……うゎぁぁあぁん…………」
P「………………」
P「……俺も寂しいよ」
あしながおじさんへ
お元気ですか?いつもありがとうございます
私はこの春から大学3年生になります
弟が大学受験で、大変な一年になりそうですが
元気でやっていきたいと思います
お返事待ってますね
高槻やよい
──────
P「………この辺りからだな、みんながちょくちょく事務所に遊びに来るようになって………」
P「……あんなことがあって」
P「今考えれば、とんでもない話だったな」
P「………今まで、色々あったなぁ」
P「……………いけない」
P「書類の整理をしようと思ってたのに、こんなもの見つけてしまったせいで…」
P「つい始めから読み返してしまった……もうこんな時間か」
春香「プロデューサーさん!」
P「春香。どうした?今日は直帰じゃなかったか?」
春香「そのはずだったんですけど、後輩達が遅くまでレッスンしてるって小鳥さんから聞いて」
春香「ちょっと見に行こうかなと思ったんです」
P「そうだったのか。みんな喜ぶぞ、行ってやってくれ」
春香「はい!お疲れ様でした!………あの、それと」
P「?」
春香「プロデューサーさん!スペシャルゲストですよ、スペシャルゲスト!」
バタン
P「………?」
ガチャリ
やよい「えへへ…こんばんは、プロデューサー…」
P「やよい!?」
P「お、おう、いらっしゃい…今日はどうしたんだ?」
やよい「決まってますよ…プロデューサーに会いたくなって………///」
P「お、おお…そうだったのか…」
やよい「ずっとお仕事してたんですか?机ぐちゃぐちゃですよ」
P「…!あ、いやこれは」
やよい「?何ですかこれ…封筒がたくさん」
P「……ああ……いや…」
やよい「………………」
P「………あ、あのそれはあれだよほら…」
やよい「…プロデューサー」
やよい「私からのお手紙、ずっと大事に取っておいてくれてたんですか………?」
やよい「………ぅうっ………プロデューサー!」ダキッ
P「うわっ」
やよい「私……私……うれしいです………!」
P「そ、それは良かった…分かったからはなれっ…!?」
やよい「……ん……むっ…………」
P「…………んんっ………!?」
やよい「…………ぷはっ」
P「………や、やよい」
やよい「………えへへ、ごめんなさい……嬉しくってつい…///」
P「(ゃょぃっょぃゎ…)」
やよい「長介とかすみがいるから大丈夫ですよ。それに、今日は社長に呼ばれて来たんです」
P「社長に?何で」
やよい「どんなお話かは分かりませんけど……なんだか、みんな集めるって言ってました」
P「みんな?」
やよい「はい!みーんなです!」
P「…俺、何も聞いてないぞ」
やよい「そうなんですか?何でなんでしょう」
P「……まあいい。話ってのは今から?」
やよい「言われた時間は1時間後です」
P「そうか…俺も参加するよ。わざわざみんな集めるってことは事務所がらみで何かあるってことだろ」
P「そうだよな。……しかし、1時間後だろ?来るの早すぎじゃないか」
やよい「……だから言ったじゃないですか」ギュゥッ
やよい「プロデューサー…忙しいし、こういう時しか二人でいられないんですもん」
P「………」
やよい「久しぶりに……甘えさせてくださいね」
春香「765プロ10周年記念ライブ?」
律子「2部構成のステージで…」
小鳥「前半は現役生」
P「後半に…初期メンバーによるオールスターで復活ライブ?なんて無茶な企画だ」
高木「どうだね。面白そうだろう?」
真「確かに…いい話ですけど」
響「みんな仕事してるのに、練習時間取れるのか?」
あずさ「簡単にお休みもとれませんし……」
亜美「亜美たちも授業でいっぱいいっぱいだYO」
真美「ただでさえ真美たち赤点ギリギリなのに…」
律子「それはあんた達の責任でしょ」
美希「ミキも営業でかなり忙しいの」
伊織「ウチも今は忙しいんだけれど?」
貴音「明日の仕込みが…」
やよい「……楽しそう…」
高木「その辺は心配要らない。私と彼が全員分交渉に行くのでな」
P「…………え?」
P「………俺ですか…?」
高木「ファンによる強い要望がね」
高木「わが765プロの黄金世代が、たった3年の間にでほとんど引退してしまったことに強いショックを受けていたらしいのだよ」
高木「君達のかつてのファン達に、もう一度夢を見せてやってはくれんか…頼む」
春香「ちょっと、社長…」
春香「…あれ?そういえば私は現役組か」
小鳥「春香ちゃんは両方に出演って書いてあるわ」
春香「うっわー…ハードそう」
P「俺もやってみたい」
真「プロデューサー」
P「………みんな…お前らがどんどんウチをやめていったあの3年間」
P「俺はダメなプロデューサーだったかも知れない」
響「…………」
P「………ある1つのことにかまけて、それまでよりお前達のことをしっかり見てやれてなかった…」
やよい「………?」
P「………いまさら許してもらえるはずは無いが………本当にすまなかった」
伊織「ちょっと、何?やめなさいよ」
真「…プロデューサー、顔を上げてください……」
響「…そうだぞ…大体、プロデューサーのせいなんかじゃないさ」
あずさ「みんな、自分の意志で引退を決めたんですよ?」
P「………俺がダメだったのは事実です」
真「プロデューサー、一時期誰かからの手紙ばっかり読んでましたよね」
やよい「………!」
P「…………すまない」
真「いや、違いますよ!?ボクたちがやめたのは、それとは関係ないですし」
響「真とスクールを開くってのは、ずっと前から決めてたんだぞ。だから……謝らないでよ」
P「…………ありがとう。でも………」
P「最後に…一度だけでいい」
P「お前ら全員が輝く瞬間を、この目に焼き付けておきたい」
P「それを全力でサポートすることで、お前達に対する5年越しの償いにしたいんだ」
P「身勝手なのは分かってるが……協力してくれないか…?」
春香「………」
伊織「しょうがないわね」
雪歩「伊織ちゃん…」
伊織「別に、もともとあんたを恨んだ覚えなんて無いしね。確かにだらしない時期があったのは認めるけど」
伊織「レッスンするんでしょ?いつからどのくらい?本番はいつ?」
高木「本番は3ヵ月後だよ」
伊織「問題ないわ」
P「伊織…ありがとう!」
真「………ボクたちも、なんとか」
響「生徒のみんなには悪いけど、しばらくお休みにして自分達も参加するさー」
P「本当か…!」
P「………美希……」
美希「その代わり、プロデューサーにはずっと言いたかったことがあるの。全部おわったら聞いてもらうからね」
P「………わかった。ありがとう」
真美「………話って何だろうね」
亜美「さあ?」
小鳥「亜美ちゃん真美ちゃんはどうかしら?」
亜美「………やるよ!」
真美「……だよね!」
あずさ「私も頑張っちゃおうかしら?うふふ」
雪歩「プロデューサー…私もやらせてください!」
P「みんな………ありがとう!」
春香「社長、千早ちゃんにも連絡したんですか?」
律子「千早には一度メールを送ってるから大丈夫。詳細が決まり次第また話をしておくわ」
高木「決まりだな。君、忙しくなるぞ!今日のうちに準備に取り掛かろう」
P「…はい!」
高木「諸君、わざわざ集まってもらってすまなかったね。今日のところはこれで終わりだ」
高木「久しぶりに会って、積もる話もあるだろう…事務所は空けておくから、よければゆっくりしていってほしい」
高木「では、解散!」
やよい「……………プロデューサー」
P「ん?」
やよい「その………さっきの話なんですけど」
P「だから、何回も言ってるだろう…」
やよい「違いますっ………私が、私がプロデューサーに何年もお世話になってたから……」
やよい「だからみんなやめちゃったって………どうしてそう言ってくれなかったんですかっ!?」
P「そんなこと誰も言ってなかっただろう!?」
やよい「………グスッ…私、やっぱり…アイドル辞めた後も、たくさん迷惑かけてたんですね……」
P「そんなこと無いんだって……」
やよい「ごめんなさい………ごめんなさい……!」
P「…やよい…お前なんだかおかしいぞ………?」
やよい「………車のことも…おじさんでいてくれたことも……助けてもらったことも………今、こうやって…一緒にいることも…」
やよい「私……プロデューサーの負担になりたくなかったのに………」
P「………やよい、どうしちゃったんだよ……」
P「やよい………」
やよい「………ひぐっ………わたし…もう帰ります………!」ダッ
P「やよい!待てよ!おい!」
P「………なんでだよっ…くそっ!」
高木「こうして無事にレッスン初日を迎えることが出来たのも、君の協力があったからだよ。ありがとう」
P「…いえ………」
高木「どうしたのかね?シャキッとしてくれたまえよ、久しぶりに彼女らが歌う姿を見ることができるのだから」
P「………そうですね……」
P「………よし…!」
P「みんな集まってるか?」
春香「プロデューサーさん!おはようございます!」
P「おはよう。調子はどうだ?」
亜美「いやー久しぶりのレッスンってことで」
真美「みんなちょっぴり緊張してるっぽいね→」
雪歩「久しぶりにこのジャージ着たよぅ…」
真「懐かしい光景だね!」
響「自分達はずっと踊ってたからきついレッスンでもなんくるないさー」
貴音「響、でしたら私にご指導よろしく頼みますよ」
響「任せてよ!」
千早「プロデューサー、おはようございます」
P「千早………おはよう。あのとき以来だな、久しぶり」
千早「お久しぶりです。懐かしいですね…ふふっ」
小鳥「先ほどあずささんから電話があって、道に迷ったから遅れるとのことです」
P「相変わらずだな…」
律子「そういえばやよいは?まだいないわよ」
美希「珍しいの、やよいが遅刻なんて」
P「…………」
伊織「誰か連絡したの?」
P「………俺からしてみる」
P「………はぁ…この前のことなんだろうな……」
P「………すまないが、先に今いるメンバーで始めておいてくれ。律子、後は頼む」
律子「えっ…プロデューサー、どこに?」
P「やよいの家に行ってみる」
小鳥「〜〜〜♪」
春香「……小鳥さん、何とってるんですか?」
小鳥「メイキング映像よ」
春香「………さっきから、ストレッチしあってる真と雪歩しか映ってませんけど」
小鳥「気のせいよ〜」
P「ごめんくださーい」ピンポン
P「………」
P「…やよいー!いるか!?」
P「………………」
P「…………いないのか…?」
ガラガラ
やよい「…………ぷろでゅーさー」
P「……おはよう、やよい。忘れたか?今日レッスン初日だぞ」
やよい「………」
やよい「………そうでした…」
P「…い、今から……来れるか?」
やよい「…また、迷惑かけちゃいましたね」
P「……………」
やよい「………」
P「みんなお前が来ないの心配してたぞ」
やよい「…私、あれからずっと考えてました」
やよい「私って、いつでもプロデューサーに色々してもらってるばっかりだなーって」
やよい「私がプロデューサーにしてあげたこと、何かありましたか?」
P「そんなこと………」
やよい「……無いんです」
やよい「私………今まで、ぷろでゅーさーにしてあげたこと…」ポロ
やよい「なんにも…何にもありませんでしたっ…」ポロポロ
やよい「私、自分が嫌になって……」ポロポロ
やよい「プロデューサーのこと…大好きなのに………!」ポロポロ
やよい「…」コクリ
P「そんなこと無いぞ」
やよい「………プロデューサーは優しいですから、そういうことを言えるんです」
P「え?だって、お弁当とかいつも作ってくれたじゃないか」
やよい「そんなの…」
P「やよいにとっては大したこと無くても、少なくとも俺はめちゃくちゃ有り難かったんだがな」
やよい「…そうですか?」
P「それに、あの時だって」
P「……やよいの返事、毎日も楽しみにしてたもんだ」
やよい「………私もです」
P「俺が正体をばらしたとき…やよいは嬉しくて泣きながら俺に飛びついてきたっけ」
やよい「えっ…そ、そんな昔の話……」
P「その後、最後の手紙の内容が…」
やよい「ちょ、ちょっと、プロデューサー!何で今そんな話するんですかっ!!」
P「俺だってやよいに色々助けてもらってるって言いたかったんだが…伝わらなかったか?うーん…」
やよい「………」
やよい「………はぁ」
やよい「……………そうだったんですか」
やよい「………なんだか、変に悩んで馬鹿みたいですね」
P「…お、俺の説得が効いたか」
やよい「いえ…なんだかプロデューサーの話聞いてると馬鹿馬鹿しくなってきました」
P「あれ?まじめな話だったのに」
やよい「…ありがとうございます」
やよい「それと、レッスンサボってごめんなさい」
P「まだ間に合うよ。行こうか」
やよい「はい。…プロデューサー」
P「ん?」
やよい「ライブ終わったら、私の話聞いてください」
P「話?今じゃダメなのか?」
やよい「もう一度全部終わってから言いたいんです」
P「そっか。待つよ…というか、俺も話がある」
やよい「……なんのお話ですか?」
P「ライブが成功したら話すよ」
真「プロデューサー!ライブの第一部、どうでした!?」
P「かなりの出来だったよ!会場も大盛り上がりだ」
春香「ふぅ、ふぅ……なんとか半分おわったぁ」
P「お疲れ。春香のこの後の出番はだいぶ先だ、休憩しろ」
春香「はい!」
伊織「最初は私達でいいの?」
P「……似合ってるじゃないか。懐かしい衣装だな」
伊織「ふん、当然じゃない♪」
律子「竜宮小町、一夜限りの復活ライブよ!みんな気合い入れて」
亜美「なんかワクワクしてくるNE→」
あずさ「………」
P「あずささん?…緊張してます?」
あずさ「あ、プロデューサーさん…」
P「緊張するのは当然ですよ。俺だって心臓吐き出しそうです」
あずさ「…そうなんですか?」
P「ええ。…冷静になれとは言いません」
P「今の緊張を受け入れてください」
あずさ「………」
P「あずささんは優しい笑顔が一番素敵ですよ」
あずさ「…まぁ、お上手ですね」
あずさ「ありがとうございます。なんとか行けそうです」
P「よぉし!行ってこいっ!」
小鳥「…………夢みたいですね」
律子「夢じゃないんですよ」
美希「プロデューサー、ちゃんと見ててね。ミキ、前よりもっともっとキラキラしてみせるから」
雪歩「美希ちゃん、頑張って…」
貴音「ご武運を」
P「行ってこい。楽しみにしてるよ」
小鳥「さすが現役Sランクはステージひとつ余裕ですね」
律子「美希も成長したんですね…」
P「……律子、ずいぶん嬉しそうだな」
律子「……そ、そうですか?別に変わりませんよ」
貴音「行ってまいります、貴方様」
雪歩「頑張りますぅ…!」
伊織「2回目だし、私は問題ないわ。二人ともしっかりやりなさいよ?」
真「雪歩、頑張って!」
響「貴音、しっかりな!」
小鳥「あの3人組は、なんだか安心して見られますね」
律子「竜宮に負けないバランスが出来上がってますからね」
P「いい感じだな、うん」
──────
真「響、準備はいい?」
響「もちろん!」
P「あぁ、言い忘れてたけど」
真「?」
P「お前ら全員分の長期休暇の交渉に行ったとき、関係者全員にライブのチケットを配布してるんだ」
響「えっ」
P「お前らの生徒が見に来てるってこと」
真「えぇっ!?」
響「き、聞いてないぞ!!」
P「今言ったからな」
真「うわぁあぁっ!?な、なんかめちゃくちゃ緊張してきたよ……!!」
響「これはミスできないぞ………」
春香「二人とも、頑張ってね!」
やよい「響さん、ファイトです!」
小鳥「今言う必要はあったんでしょうか、プロデューサーさん」
P「まあ見ててください。あいつらは追い詰められたときの本気が一番凄いんです」
律子「とかいって、結構リアクションを楽しんでましたよね」
春香「じゃあ行ってきますね、プロデューサーさん!」
P「おう」
やよい「頑張ってくださいね!」
亜美「はるるんファイト→」
真美「こけちゃだめだよ→」
春香「はは、気をつけるよ…」
小鳥「春香ちゃんはさすが、安心できますね」
律子「なんだかんだでもうベテランですから」
P「だな」
亜美「行ってくるね、兄ちゃん!」
真美「ちゃんと見ててNE!」
やよい「頑張ってー!」
P「双子デュオ…現役時代にやってみたかったですね」
小鳥「亜美ちゃんが竜宮小町に行っちゃいましたから」
律子「……見てくださいよ、あの二人。あんなに楽しそうなの、はじめて見たかも」
P「………いつまでも仲良くやっていってほしいな」
やよい「」
P「………やよい、どうした?」
やよい「」
P「………ガッチガチやん…」
小鳥「やっぱり緊張するもんですよね………」
律子「これが普通ですよ。なんていうか、他のみんなが凄すぎたというか…」
P「全員で歌う前のトリだからな……仕方ない」
P「律子、まだ時間あるだろ。5分だけ外に行ってくる」
P「さて…どうかしたか」
やよい「す、すいません」
やよい「………プロデューサー」
P「ん?」
やよい「ライブ、成功したら話があるって言いましたよね………?」
P「…そうだったな」
やよい「……あの、絶対にちゃんとお話しますから…」
やよい「成功できるように……おまじない、してください」
P「…?おまじないとな」
やよい「その………」
やよい「………い、いただきます!」チュッ
P「」
やよい「………これで頑張れるって、亜美と真美が」
P「あいつらの言うことは鵜呑みにするな」
P「え?ならいいんだけど………」
やよい「じゃあ、いってきます!」
律子「ええ。頑張ってね」
千早「高槻さん、落ち着いてね」
やよい「はい!」
P「(そうだった、やよいの後に千早がいたじゃないか、トリじゃなかった)」
P「(忘れてた、ごめんねちーちゃん)」
小鳥「やよいちゃん、あんなに元気になって…プロデューサーさん、何したんですか」
P「いえ、何も……」
千早「プロデューサー…私の歌、ちゃんと聞いててくださいね」
P「頑張って来い」
春香「行ってらっしゃい!」
美希「ファイトなの!」
律子「千早も、歌手として成長できてるんでしょうかね」
小鳥「この1曲ですべて分かるはずですよ」
P「蒼い鳥……………English ver.だと………!?」
──────
律子「いよいよ最後ね」
小鳥「みんな、頑張ってね……ぅっ…」
P「小鳥さんは涙もろいなあ」
亜美「カンペキに決めてやんよ!」
真美「やんよ!」
千早「なんだか柄にも無くワクワクしてくるわ…」
雪歩「こ、これで最後なんですね…」
美希「ちょっと寂しいね」
真「そんなこと言ってる場合じゃないよ」
貴音「我々はこの最後の1曲に全力を注ぐのみ」
響「やってやるさー!」
あずさ「私、いまとっても幸せだわー」
伊織「気を抜くんじゃないわよ?」
春香「…さ、みんな!行くよ!」
変わる世界輝け
CHANGIN' MY WORLD!!
私の世界私のモノCHANGE!!
きらめくSTAGE
イベント・グラビア・CM
TVでSHOW TIME♪
始まり続くSTORY
何度NGでも
どんなライバルだって
負けないでTRY AGAIN
立ち上がるSTREET
ENCOREはないLIFE
一度のLIVE
進め!!どこまでも
SHOW MUST GO ON☆
3・2・1
変わらない夢描いて
CHANGIN' 今を!!
好きに自由に変えるREADY!!
CHANGIN' 前を!!
新しい未来追いかけながら
私らしい私でもっともっと
DREAM COMES TRUE
P「………………」
小鳥「……………」
律子「……………」
ガチャリ
P「ん?………美希じゃないか」
美希「こんにちは、プロデューサー」
春香「あれ?美希」
美希「春香、久しぶりなの」
P「…ライブ、成功してよかったな」
美希「……うん。それでね、ミキ言ってたでしょ?話したいことがあるって」
P「……そうだったな」
春香「………あの、私いないほうが」
P「すまんな、春香。そうしてくれ」
バタン
P「…………」
美希「あのね…………ミキ、プロデューサーのこと、好きだったよ」
美希「もう知ってるの。やよいと付き合ってるんだよね?」
P「…………」
美希「……やよいったら、あんなに美人になっちゃって」
美希「料理も上手だし、優しいし……可愛いし」
美希「さすがのミキもお手上げなの。絶対勝てないって思うな」
P「……………すまんな」
美希「仕方ないの。ミキがSランクにあがる約束、期限までに守れなかったし」
美希「プロデューサーは、ミキの初恋の相手。それだけ」
P「………光栄だよ」
美希「でもね、ミキ、もういいの。今はハニーがいるから」
P「ハニー…?」
美希「今外で待ってもらってるの。紹介していい?」
P「…ああ、構わんが」
| / _/ //
| /\ _/ ̄
| / \ / ̄ ヤ ッ
| ノノノノ -__
|∴`; (゚∈゚* ) ─_____ ___
.;':;;':__从て (ミ_(⌒\ ヽ _ ___
;;':(≡て ̄ ̄ ̄三\ ⌒ノ ノ)
;:;;':。:W つ  ̄\ ⌒彡) ノ =_
|\ \ \,__,ノ ノ
| しーJ / / ≡=
| ↑ / ノ ____
| >>290 /ノ _─ (´⌒(´
| ミ/= (´⌒(´⌒;;
赤羽根P「……はじめまして」
P「……あなたは、876の」
赤羽根P「噂は色々と伺っています」
P「そ、それはどうも………」
美希「プロデューサーにフラれて、アイドル続ける気もなくなってたミキを助けてくれた、大事なヒトだよ」
P「……そうだったんですか……」
赤羽根P「美希は素晴らしい才能の持ち主でした。この1年間で見事Sランクに昇格できなのは紛れも無く彼女の実力です」
赤羽根P「そしてその土台を作った貴方も」
P「いえ、そんな……ちょっと待ってください」
P「素晴らしい才能の持ち主でした…?」
美希「ミキ、引退するって決めたの」
赤羽根P「………正直、貴方に嫉妬していますよ」
赤羽根P「俺よりも遥かに美希と過ごした時間が長い貴方に」
P「………」
美希「そういうわけなの、プロデューサー!」
美希「ミキきっと、世界で一番綺麗な花嫁さんになって、プロデューサーがミキを選ばなかったことを後悔させてあげるね!」
美希「あと、やよいのこと悲しませたら絶対許さないの!分かった?」
P「…………そうか……そうか」
P「…………よかった………」
P「………おめでとう………美希」
P「赤羽根さん…美希をよろしくお願いします」
ガチャ
やよい「こんにちはー」
美希「あ、やよい!」
やよい「美希さん、お久しぶりです!プロデューサーもこんにちは!」
P「おう」
やよい「そちらの方は…?」
赤羽根P「はじめまして」
やよい「876プロのプロデューサーさんだったんですかー」
赤羽根P「高槻やよいさん、ですよね」
やよい「え?知ってるんですか?」
赤羽根P「学生時代、テレビでよく見ましたよ」
やよい「えへへ…ありがとうございます」
やよい「はーい!」
赤羽根P「失礼します」
バタン
P「…それで、やよいはどうしてまたここに?」
やよい「……この間の約束ですよ」
P「………聞かせてもらおうか」
やよい「プロデューサー……私、考えたんです」
やよい「今まで色々お世話になったプロデューサーに…どんなお返しをすればいいのかなーって」
P「…そんなのいいのに」
やよい「私が納得できませんから!」
やよい「だ、だから…つ、つまりですね…その」
やよい「プロデューサー!私にしてほしいこと、何でも言ってください!」
P「…………」
P「え?」
やよい「……あ、でも、やっぱり何でもは…いや、良いんですけど…」
やよい「な、何でもいいんですけど、何でもはだめです……!」
P「落ち着け」
やよい「…が、頑張って出来るだけ期待にこたえるようにします…!」
P「やよい?…おーい?」
やよい「…………ど、どうですか……」
P「……………」
P「うーん…そうだなぁ」
P「その前にまず、俺の話を聞いてもらおうか」
やよい「は、はい…」
やよい「………!!」
P「大事な話だから……よく聞いて」
やよい「…ぃ、ぃゃです…!」
P「………」
やよい「そ…そんな話聞きたくないですっ…!」
P「やよい?」
やよい「私……もっと頑張りますから……今までの分、きちんとプロデューサーにお返ししますからぁ……!」
P「………やよい、なんか勘違いしてないか?」
やよい「…………」
P「…………」
P「やよいちゃん」
やよい「!!」
P「プロデューサーがダメなら、代わりに僕と話をしようか」
やよい「………おじさんですか?」
P「そうだよ。久しぶりだね」
やよい「お、お久しぶりですっ!!」
P「やよいちゃんは、僕とお手紙をしてたあの時、楽しかったかい?」
やよい「も、もちろんでふ!」
P「僕もとっても楽しかったよ…懐かしいなぁ、同じ手紙を何度も何度も読んだっけ」
やよい「わっ、私もです!おじさんの手紙、すっごく楽しくて………」
P「それは良かったよ」
P「(何だこれ恥ずかしいぞ?)」
やよい「…そ、そうだったんですか?」
P「残念ながらね………だから、君とお話をするのはこれで最後だ」
やよい「そんなっ…せっかくまた会えたのに……」
P「仕方ないんだ。ごめんね」
やよい「そんなの嫌ですっ…!」
P「……君とこうやって直接お話するのは、2回目だったな」
やよい「……そうですね…」
P「あれは君の高校で……そう、君は敗れた手紙を拾っていたところだった」
やよい「あ…あの手紙、頑張ってテープで直したんですけど…しわくちゃになっちゃいました…ごめんなさい」
P「いいんだ。手紙なんて形でしかない」
やよい「…いいえ…むしろ嬉しいです」
P「そうだろう。大事なのは気持ちだよ…僕が手紙にこめた気持ちと、手紙を大事にしてくれていたやよいちゃんの気持ち」
P「……僕たちの縁にも、同じことが言えるんだ」
やよい「………?」
P「何をあげたかじゃない。お互いがお互いをどう思いやるかだよ」
P「僕は、やよいちゃんを愛している」
P「僕はやよいちゃんのために、今まで出来ることを精一杯やってきた」
P「お返しをもらうためじゃない。ただ僕がやよいちゃんを好きだったから」
やよい「……おじさん…」
P「君は……?」
やよい「……私も………おじさんのこと、大好きでした」
P「だった……とはつまり?」
やよい「……おじさんだと思っていた、私の大好きな人は………」
やよい「プロデューサーだったんです……」
P「それでいいんだ」
やよい「………寂しいです……」
P「寂しくないよ。君の前に現れなくても」
P「これからはもっと近くで、君を守ってくれる人がいるんだから」
やよい「…………」
P「………あとは任せたよ、プロデューサー」
P「………と、いうわけだ。やよい」
やよい「………プロデューサー?」
P「(アホやらかしたな俺)」
P「…えー、やよい」
やよい「………」
P「改めて、俺の言いたいことをここで言おうと思う。よく聞いておいてくれ」
P「……いや、その前に…渡すものがあるんだった」
やよい「……?」
P「……これを、受け取ってくれ」
やよい「………箱……」
パカッ
やよい「…………!」
P「やよい、」
P「結婚してほしい」
P「色々あったけど」
やよい「ぐしゅっ………うぇっく………!」
P「お前を危険な目に合わせたこともあったけど」
やよい「…………うっぐ……ひくっ……………!!」
P「俺が愛してるのはお前一人だけだ」
やよい「………っくっ………ぅぁぁぁん……!!」
P「……受けてくれるか?」
やよい「……ぁぃ…!わらひも…………ぁぃしゅきれしゅっ…………!!」
P「ははは…何言ってるか分からないじゃないか」
P「………よかった………」
やよい「…プロデューサー」
P「どうした?」
やよい「私…おじさんに、今度こそ最後のお手紙を書きたくて。感謝のお手紙を」
P「そうか…いいんじゃないか」
やよい「はい…読んでくれますかね?」
P「きっと読んでくれるよ」
やよい「…あと、お返事も来たらもっとうれしいかなーって」
P「…きっと書いてくれるよ」
やよい「………じゃ、今から書きます!」
やよい「プロデューサー、絶対に見ちゃめっ、ですよ!」
P「……わかったよ」
P「ほう……どうして?」
やよい「もし………おじさんと出会えてなかったら」
やよい「私、プロデューサーともう一度会う事も無かったかもしれないからです」
P「………そうだな」
やよい「……不思議ですね」
やよい「ホントは同じ人のはずなのに…プロデューサーとは別の人のような気がして」
P「………間違ってないよ」
P「おれはあの時、おじさんとしてしかやよいを守ってやれなかった」
P「俺も、おじさんに感謝しないとな」
やよい「はい。…あの、プロデューサー」
P「ん?」
やよい「私のこと、幸せにして下さいね」
あしながおじさんへ
今までありがとうございました
おじさんのこと、絶対に忘れません
大好きでした
高槻やよい
──────
──────
やよいちゃんへ
今までありがとう
やよいちゃんのこと、絶対忘れないよ
お幸せに
あしながおじさん
──────
END
gdgdになっちゃいました
いいたかったことはつまり
「Pはおじさんの名を借りなくてもやよいちゃんを守ってあげるべきなんだ」ってことです
付き合ってくれてありがとう
ええ話やな
やよいに対しては「紳士」だけじゃなくて「おじさん」でもありたいね
Entry ⇒ 2012.05.27 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
岡部(45)「就職おめでとうバイト戦士よ」鈴羽(19)「サンキュ!」
鈴羽「お手柔らかにお願いするよ!」
岡部「そうはいかん、お前も社員になったからにはラボに力を尽くしてもらわねば─」
鈴羽「もー、分かってるってばー」
岡部「ウチは甘くないぞ?付いてこれるか、バイト─、いや、企業戦士よ」
鈴羽「もちろん!戦士だからね」
岡部「その意気だ」
鈴羽「任せてよオカリンおじさん!」
岡部「そうか。我が社の研修はどうだ?」
鈴羽「講釈ばっかりで退屈。社会人の心得とかそんなのばっかりだったよー」
岡部「甘ったれるな鈴羽、それも後々活きる時が来るのだ」
鈴羽「でもさー、あんまり退屈だからウトウトしちゃって・・・」
鈴羽「先輩に消しゴム投げつけられちゃったよ、あはは」
岡部「反省するのだな」
鈴羽「可哀想だったな、後ろの子」
岡部「避けたのかよ」
鈴羽「戦士だからね!」
岡部「恐らく当たっておくべきだったぞ」
鈴羽「へへ、ごめんなさーい」
岡部「今度は何をやったんだ?」
鈴羽「ハーフマラソンだよ」
岡部「うわっ、ウチそんな研修やってるのかよ」
鈴羽「さらに10kgの装備担いで」
岡部「完走させる気無いな」
鈴羽「うん、同期の子全滅だったよ、あはは」
岡部「お前は完走したのか」
鈴羽「楽勝楽勝!戦士だからね」
岡部「とにかく研修内容は見直しだな」
鈴羽「フルでもいけるよ」
岡部「ウィルスにでも引っかかったのか?」
鈴羽「違う違う、調子悪いから叩いてたんだけど」
岡部「家電リサイクル砲か」
鈴羽「それでちょっと力入れすぎちゃって」
岡部「物理的に破壊とか想定外」
鈴羽「戦士だからね」
岡部「そういう時はダルにでも相談しろ」
鈴羽「うん、もっと頑丈なパソコン作ってもらうよ」
岡部「どうした」
鈴羽「部長に褒められたよ!」
岡部「ほう」
鈴羽「大きな声でうぃーっす!って挨拶したんだ」
鈴羽「そしたら”元気いいな、学生みたいだ”だって」
岡部「それ皮肉だぞ」
鈴羽「そうなの?でも気にしないよ。戦士だからね」
岡部「さすがだな」
鈴羽「へへ、ありがと」
岡部「時には叱責も必要だから・・・な」
鈴羽「失敗した失敗した失敗した、あたしは失敗・・・」
岡部「あまり気に病むな、重要なのはその失敗を今後どう活かすか、だ」
鈴羽「でも損害額数百万だって」
岡部「ぐっ・・・我が社はそれしきでグラついたりはせん」
鈴羽「部長顔真っ赤にして怒ってたよー」
鈴羽「うっ・・・」 ジワッ
岡部「鈴羽、大丈夫だ、数百万の損害よりお前が傷付く方が俺には苦しい」
鈴羽「へへ、嬉しいよオカリンおじさん」 ニコッ
岡部「立ち直りはやっ」
鈴羽「戦士だからね」
岡部「まあいい、部長には俺から言っておこう、案ずる事はないと」
鈴羽(成功した)
岡部「どうした、嬉しそうだな」
鈴羽「新規契約、取っちゃったよ!」
岡部「よくやったぞ、この前の失敗が活きたんじゃないか?」
鈴羽「へへへ、そうかもねー」
岡部「どんなテクニックを使ったんだ?」
鈴羽「泣き落とし」
岡部「女の涙は武器、というが・・・」
鈴羽「武器の扱いなら任せてよ!戦士だからね」
岡部「さすが企業戦士、卑怯なり」
鈴羽「使えるものは使わないとね」
岡部「この前のプロジェクトでかなり忙しくしてるみたいだな」
鈴羽「気づいたら終電なくなっちゃってたり」
岡部「ほどほどにしないと体に障るぞ」
鈴羽「でも会社に寝袋備蓄されてて助かったよ」
岡部「おい、まさか会社に寝泊まりしてるのか」
鈴羽「ううん、近所の公園で野宿。中々楽しいよ」
岡部「お前それ危ない」
鈴羽「大丈夫だよ、戦士だからね」
岡部「事件に巻き込まれでもしたらどうするんだ」
鈴羽「そういうのワクワクするじゃん」
岡部「当たり前だろう」
鈴羽「でも食べれる時に食べる、眠れる時に眠る、大事じゃない?」
岡部「う・・・うむ。確かに今を生き抜く鉄則ではある」
鈴羽「体調管理出来てこそ一人前。戦士だからね」
岡部「言うことは最もなのだがなにかおかしい」
鈴羽「と言う訳で今後自由にお昼寝出来る権利を要求するよ」
岡部「あぁ」
鈴羽「今度父さんと母さんに何かプレゼントしようかな」
岡部「その心意気やよし、ダルも由季さんも感涙必至だろう。だぁが」
岡部「自由にご飯、自由にお昼寝などとのたまう企業戦士には悲痛な給料となっているだろうな」
鈴羽「えぇー!ちょっと待ってよー!さすがに悪逆非道だよー!」
岡部「ならば真面目に取り組むのだな」
鈴羽「ちぇー。分かったよ、真面目にする」
岡部「切り替え早いな」
鈴羽「戦況の把握は最重要。戦士だからね」
岡部「それでいい」
鈴羽「では改めて福利厚生として仮眠休憩制度を要求するよ」
岡部「!?」
鈴羽「やだなぁーオカリンおじさん、映画の中の話だって」
岡部「俺が突っ込みたいのはそこじゃない、お前業務中に何してる」
鈴羽「何が始まるんです?」
岡部「説教だ」
鈴羽「真面目にすると約束したな、あれは嘘だ」
岡部「働けこのポンコツが、働けつってんだよ」
鈴羽「頼みがあるんだ」
鈴羽「あたしを起こさないで、死ぬほど疲れてる」
岡部「もう嫌だ、夢なら覚めて」
鈴羽「これは夢じゃないよ。あたしには分かる。戦士だからね」
岡部「優秀な肩透かしだ、俺には及ばないが」
鈴羽「あなたに教わったんですよ」
岡部「どうした」
鈴羽「セクシャル・ハラスメントって知ってる?」
岡部「なっ─、お前・・・まさか・・・」
鈴羽「そうなんだよね・・・。この前の飲み会で先輩から言い寄られちゃっさ」
岡部「由々しき事態だ・・・が。事を急ぐのは得策ではない、ここは慎重に」
鈴羽「じゃあさじゃあさ、パワー・ハラスメントは?」
岡部「なにっ!?・・・くっ!セクハラの上パワハラだとっ!?さすがに許せんぞぉぉぉ!」
鈴羽「やっぱまずかったかなー。あんまりしつこいもんだから殴打しちゃったんだけど」
岡部「は?え?」
鈴羽「力の限り殴っちゃったよ。戦士だからね」
岡部「さすがにモラルが足りてないぞ。」
鈴羽「げっ、これってもしかしてモラル・ハラスメントにもなっちゃうのかな」
岡部「どうした嬉しそうな顔して」
鈴羽「昨日さー。産休取ってた先輩、無事出産したんだよー」
岡部「それはめでたい」
鈴羽「でさ、今朝お祝いも兼ねて子供見に行ったんだ」
岡部「先輩思いなのだな」
鈴羽「半分は赤ん坊見たかったってのもあるんだけどね」
岡部「それで頬が綻んでいたのか、だらしない顔してるぞ」
鈴羽「えぇー。良いじゃん、ホント可愛かったんだよー?手なんかすっごく小さくてさー」
岡部「好きなのか?赤ん坊」
鈴羽「大好きだよ。天使だからね」
岡部「俺も・・・お前が生まれた時もそう思ったよ」
鈴羽「やだなぁオカリンおじさん。照れるよ」
岡部「本当に今更だな・・・だがそれについては同意せざるを得ない」
鈴羽「最近まで我慢してたんだけど、この間自転車通勤に転換したよ」
岡部「自転車か。健康にもいい、交通費も浮く、殊勝な事だ」
鈴羽「でも片道2時間かかるんだよー。」
岡部「に、2時間!?」
鈴羽「途中でお腹空いてコンビニで買い食いしちゃうんだ」
岡部「往復4時間自転車漕ぐとか・・・化け物かお前」
鈴羽「4時間くらい楽勝楽勝。戦士だからね」
岡部「早く起きれるのであれば、始発でラッシュアワー回避余裕なのでは」
鈴羽「あっちゃあ〜、それもそうか」
岡部「おい、あんまりはしゃぎ回るとその皿の料理をぶち撒ける事になるぞ」
鈴羽「これがはしゃがずにいられますかー!見て見て、すごいご馳走だよー!」
岡部「仮にも我が社の創立20周年記念パーティだからな」
鈴羽「立食パーティって最高だよ!」
岡部「フフッ、たまには社員にも贅沢の限りを─」
鈴羽「おー、これが噂に聞くロブスターってやつだね!」
岡部「っておい、話を─」
鈴羽「わー、これすっごく美味しいよ!」バキッボリッムシャ モグモグ
岡部「違う鈴羽、それそうやって食べるもんじゃない」
鈴羽「えーそうなのー?」ゴリゴリ ゴキャッ モグモグ
岡部「と言うか良く噛み切れるな」
鈴羽「ちょろいちょろい!犬歯だからね」
岡部「口の中、切るなよ?」
鈴羽「あいたっ!」
岡部「なんだ」
鈴羽「後輩って難しいね」
岡部「フッ、お前もいっちょ前にそういった悩みを持つようになったか」
鈴羽「言う事は聞かない、すぐサボる、部長に反抗する、もうたくさんだぁー!」
岡部「いつぞやのお前に言ってやりたいな」
鈴羽「分かってるってばー。あの頃はあたしも未熟だった」
岡部「ならば後輩も大目に見てやる事だな」
鈴羽「そうだね・・・でも・・・厳しく接していいのかどうか・・・」
岡部「指導に自信が無い、と言うのか?フフッ!だったらこの俺が─」
鈴羽「大丈夫、あたしはやるよ。迷ったら攻める!戦士だからね」
岡部「それでこそこの俺の選んだ戦士だ」
鈴羽「あはは、なんか元気でたよ、サンキューオカリンおじさん。」
岡部「どうした・・・ってお前」
鈴羽「へへっ、気づいた?」
岡部「髪なんか下ろしてどうしたんだ、珍しい」
鈴羽「どう?似合う?母さんみたいにしてみたんだけど」
岡部「ん・・・まぁ悪くないな。・・・それにしても鈴羽お前、本当に由季さんに似てるよな」
鈴羽「そうみたいだね、良く母さんの若い頃にそっくりだって言われるよ」
岡部「俺もはじめて由季さんを見た時は驚いた。鈴羽、お前かと思ったよ」
鈴羽「それって、前に言ってた別の世界線のあたしのこと?」
岡部「そうだ」
鈴羽「そっかー、やっぱりそんなに似てるんだぁ」
岡部「最近視力も落ちて由季さんと鈴羽を見間違えてしまった事もあったな」
鈴羽「オカリンおじさん、遠視だからね」
岡部「メガネ作るべき・・・か。後、俺は近視だ」
鈴羽「もうあたしと母さん見間違えるの禁止だよ」
岡部「休日の真昼間からだらだらとゲームか?いいご身分だな」
鈴羽「ゾーマが倒せないんだよ、どうしたらいいのかな?」
岡部「ゾーマ・・・ドラクエ3か、随分とレトロなゲームに挑戦しているのだな」
鈴羽「父さんが”不朽の名作”って言ってたから」
岡部「うむ、同意だな。特に自ら職業を選択できるシステムは後々のRPGに多大な影響を及ぼしたであろう」
鈴羽「そうなんだ」
岡部「しかし鈴羽よ、お前・・・通常攻撃だけじゃ勝てるものも勝てないだろ」
鈴羽「だって、通常攻撃しかないんだもん。戦士だからね」
岡部「転職してこい」
鈴羽「えー。今から転職してもメリット少ないじゃん」
岡部「なんだ突然」
鈴羽「いやいやー、殊勝な心がけ、だと思ってさ、ひひ」
岡部「からかっているのか?」
鈴羽「褒めてるんだって。社員であるあたし達もそんなオカリンおじさんが大好きだよ」
岡部「バ、バカな事を言うな、俺は常に揺るぎない。社員は味方であり、世界は敵である、それだけだ」
鈴羽「でも世界のために未来ガジェット開発してるじゃん」
岡部「そ、それはだな・・・つまり・・・」
鈴羽「やーい、オカリンおじさんの照れ屋ー」
岡部「う、うるさい、いずれきたるラグナロックのための資金調達だ」
岡部「その暁には鈴羽よ、お前も戦ってもらうからな。勝手に我が社を抜ける事は許さん」
鈴羽「任せてよ。戦士だからね」
岡部「頼もしいではないか。お前も一人前の顔になってきたな」
鈴羽「オカリンおじさんのおかげだよ。後会社の皆もっ」
岡部「む・・・」
鈴羽「あれ?オカリンおじさん動物苦手だったっけ?」
岡部「見くびるでない、苦手なのではなく、あのような小動物に心を奪われたりしないだけだ」
鈴羽「じゃあさ、猫がゆっくり瞬きする時、何考えてるか分かる?」
鈴羽「まばたきしながら見てる人間を信頼してるってメッセージなんだよ」
岡部「眉唾物だな」
鈴羽「ほら、あの猫こっち見ながらゆっくり瞬きしてる。信頼してるよ」
岡部「本当か〜?」
鈴羽「良いから見ててってば」 ソォー フギャー ガリッ
鈴羽「イタタ・・・なんでだろ」
岡部「大方お前の殺気が半端無かったんだろう」
鈴羽「無意識的に出してたのかな。戦士だからね」
岡部「お前もしや」
鈴羽「もう少しで捕まえて調理できたんだけどなー」
岡部「いて、いてて!お前、何をする」
鈴羽「あはは、ゴメンゴメン、父さんが昔コレクションしてた特撮モノの映画見ててさ」
岡部「そういえば・・・中の人がかなりの特撮オタだと聞いたことがあるな」
鈴羽「どうしても血がたぎるっていうか、抑えられない感じ!うおりゃー!」
岡部「お、おいよせ!そういうのは親子のスキンシップにしろ!」
鈴羽「えぇー。だって父さん最近痩せてきてなんだか可哀想なんだもん」
岡部「だからといって俺だったらいいのか!というか、俺の方が今でも痩せてるわ!」
鈴羽「昔はこうやって遊んでくれたじゃーん!うおりゃー!」
岡部「どうでも良いけど、なぜ掛け声がそれだけなのだ」
鈴羽「なんでって。戦士だからね」
岡部「あだっあだだ!」
鈴羽「うおーりあー!」
岡部「なんだ藪から棒に」
鈴羽「いいから聞かせてよー。減るもんじゃないし」
岡部「とは言うものの苦しい思い出というか・・・」
鈴羽「えぇー。もしかして実らぬ初恋だったの?」
岡部「いや、それが気づいた時にはすでにあいつの事で胸がたくさんだったというか・・・って何を言わせる!」
鈴羽「あはは、オカリンおじさんも結構情熱的だったんだねー」
岡部「そういう鈴羽はどうなのだ!そろそろ彼氏の一人や二人、出来てもいい年頃なのではないか?」
鈴羽「あ、あたし!?いやー、あたしは・・・その・・・内緒だよ!」
岡部「俺にだけ喋らせておいてそれは頂けん態度だな、どんな手を使ってでも吐かせてやろう!」
鈴羽「へへーんだ!オカリンおじさんには絶対言わないよ!戦士だからね」 タタッ
岡部「むぁーてぇぇ!」
鈴羽「あはははは!おそーい!」
岡部「おいどうした。突然呼び出したりして。何かあったのか」
鈴羽「そうだなー。オカリンおじさんを困らせる事かもしんない」
岡部「会社でミスでもやらかしたのか?だとしたら気に病むことはない」
岡部「いつも言ってるだろう、重要なのはその失敗を今後どう活かすか、とな」
鈴羽「そうだね」
鈴羽「でも今回ばかりは失敗をどう活かせばいいのか分かんないよ」
岡部「話しにくい・・・事なのか?」
鈴羽「あたしはどうすれば良いのかな・・・変えられるのかな」
岡部「らしくないぞ鈴羽、迷ったら攻める、それがお前のモットーでは無かったのか?」
鈴羽「おじさん・・・」
岡部「おい、鈴─」
チュ
鈴羽「へへ、ゴメン、ゴメンね」
岡部「鈴羽。お前・・・」
鈴羽「ゴメン、オカリンおじさん困らせちゃって。でもこれがあたしの気持ちなんだ」
岡部「だが俺には・・・俺の横にはあいつが」
鈴羽「良いんだオカリンおじさん」
鈴羽「あ〜あ。もうちょっと早く生まれて来たかったなぁ」
岡部「鈴羽、すまない・・・」
鈴羽「・・・だから、良いってばー。どうしてオカリンおじさんなんか・・・あ〜あ、ホント失敗した!」
鈴羽「ほら、なんでオカリンおじさんが落ち込んでるのさ、本来あたしが落ち込むべきじゃん」
岡部「お前は・・・泣かないのだな・・・」
鈴羽「・・・戦士だからね」
おしまい
どうにも鈴羽がバリバリ仕事してるってイメージが捻り出せなかった、失敗した
こんなオチですまんこ、オカリンの横にいるあいつは皆の想像に任せるよ
切ない終わり方だな
乙、老カリン面白かったよ!
鈴羽かわいいよ鈴羽
Entry ⇒ 2012.05.27 | Category ⇒ シュタインズゲートSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
男「俺のピノがないんだが」 幼なじみ「そ、そうなんだ」コソッ
幼なじみ「ふ、ふーん。それは不思議だねえ。不可解だねえ」
男「母さんも父さんも旅行に行ってるし、妹は部活の合宿中で家には誰もいないのにな」
幼なじみ「な、難事件だよねー。迷宮入りだねー」コソッ
幼なじみ「ざ、残念だねー。男、かわいそう」
男「ああ、ところで幼なじみ」
幼なじみ「な、なにかな?」
男「さっきから両手を後ろにまわして何を隠してるんだ?」
幼なじみ「!!」
男「じゃあなんでそんな体勢なんだよ」
幼なじみ「こ、これはえーと……そう!後ろで手を床につくことによって安定して座れるようにしてるんだよ!」
男 ツン
幼なじみ「ふわぁあぁ!?」バタ!
男「ちょっとつついただけで倒れるじゃねーか」
幼なじみ「うう、痛いよ男ぉ」シクシク
幼なじみ「うう……だ、だめだよぉ。見せられないよぉ」
男「見せられないようなもの隠してるのか。それが何かを言ってみろ。納得できたら見ないでやる」
幼なじみ「う、うーんと……えーっと……」モジモジ
男「ほら、言えないのか」
幼なじみ「……ぱ……」
男「ん?」
幼なじみ「ぱ、パンツ……///」カアア!
幼なじみ「う、うん……///」
男「パンティー?下着?ショーツ?」
幼なじみ「そ、そうだよ!何回も言わないで///!」
男「……なんでパンツ持って俺の部屋来てるんだよ?」
幼なじみ「ち、違うの!持って来たんじゃなくて、さっき脱いだの///!」
男「俺が風呂入ってる間に?」
幼なじみ「そ、そう!」
幼なじみ「そ、それはえーっと……ひ、秘密!」
男「秘密って」
幼なじみ「女の子の秘密!しつこく訊くとセクハラだよ!」
男「はあ……」
幼なじみ「な、なんだよう……」
男「ほれ」ピラ
幼なじみ「ひゃううっ///!?」
幼なじみ「な、なにすんだよっ!スカートめくりなんて今時小学生でもしないよっ///!」
男「それはともかく」
幼なじみ「ともかくじゃないよっ!女の子の下着見ておいてともかくじゃないよっ!」
男「嘘ついたなおまえ」
幼なじみ「ひ、ひうう……!」ビク!
幼なじみ「か、隠してないってばぁ……」モジモジ
男「まさかピノじゃないだろうな?見せてみろ」
男「逃げるのか」
幼なじみ「違うよっ!男があんまりえっちだからけーべつしたのっ!襲われないうちに帰るのっ!」
ガラララ パタン
男「おいまて……行ったか」
幼なじみ「しかもなんであんなに冷静なんだよう……こっちはあんなに恥ずかしかったのに……」
幼なじみ「ええい!ピノやけ食いしてやる!やけ食いしてやるう!」パクパク
幼なじみ「うう、ちょっと溶けちゃってる……」パクパク
幼なじみ「へ、へえー」コソッ
男「また俺が風呂入ってる隙に無くなってたんだが」
幼なじみ「ど、泥棒さんかなぁ?こわいねえ」
幼なじみ「か、隠してないってば!」
男「じゃあなにしてる?」
幼なじみ「これはその……後ろからの奇襲に備えてるんだよ!」
男「前が隙だらけだ」コチョコチョ
幼なじみ「ひゃひいいっ!?あははははっ!?」ジタバタ
男「それでも隠してるものは見せないんだな」
幼なじみ「あ、当たり前だよっ!これはその……また恥ずかしいものなの!」
男「それじゃそれがなんなのか言ってみろ」
幼なじみ「や、やだもん!」
男「…………」ワキワキ
幼なじみ「は、はうう……わかったからもうくすぐらないでえ……」
男「早く言え」
幼なじみ「う、うーんとね……」
男「アイスまんじゅうだったら承知しないぞ」
幼なじみ「そ、その……」
男「ん?」
幼なじみ「ぶ、ぶらじゃあ……///」カアア!
幼なじみ「な、何回も言わないでってば!あと最後のは違うよっ!」
男「ていうか、おまえつけてるのか?いや、この質問は正確じゃないな、必要なのか?」
幼なじみ「必要だよっ!ちっちゃいけどちょっとは膨らんでるの!」
幼なじみ「ちっぱい言うなっ!気にしてんだぞ!もう!」
男「なんで俺の部屋で脱ぐんだって」
幼なじみ「そ、それはその……」
男「なんでだよ?」
幼なじみ「さ、サイズがきつくなっちゃって……///?」
男「……はあ」
幼なじみ「た、溜め息だけとかやめてくれないかな!?『嘘つけ』とか普通につっこんでよ!」
幼なじみ「きゃああああっ///!?」
男「やっぱりブラつけてるじゃねえか。いや、それはそれで意外だけど」
幼なじみ「し、失礼にもほどがあるよ!人の服めくりあげておいて!」
幼なじみ「は、はうう……」
男「覚悟しろよ、くすぐり地獄の刑だ」
幼なじみ「ひゃ、ひゃいっ!?」ビク!
幼なじみ「う、うう……」ジリ
男「それがアイスまんじゅうだった場合、さらに3時間くすぐらせてもらうがな」
幼なじみ「や、やだあぁあぁ!」 ダダダ
男「逃げたか」
幼なじみ「3時間もやられたらくすぐり殺されちゃうよ……うう……」
幼なじみ「そ、それにしても男のやつ!人の胸をちっぱいちっぱい言って!」
幼なじみ「こうしてやる!こんなアイスまんじゅうこうしてやるぅ!」ガツガツ
幼なじみ「うあ……頭にキーンと……!」ズキズキ
幼なじみ「ふ、ふーん?わたし知らないよ?」
男「そうか。それならちょっと後ろを向いてもらおうか」
幼なじみ「だ、だめ!」
男「はあ……」
男「いーや、なんでもない。で、今回はどんな恥ずかしいものを隠してるんだ?」
幼なじみ「は、恥ずかしいものだとわかってて訊くなんてえっちだよ!」
男「はいはい」
幼なじみ「ううー、幼稚園に入る前からの付き合いであるわたしを疑うなんて……」
男「いいから。ほら」
幼なじみ「う、うー///!」
男「言えって」
幼なじみ「……ぐ」
男「ん?」
幼なじみ「え、えっちな道具……///」
幼なじみ「そ、その……ピンク色の、ヴィーンてなるやつ……///」
男「ローターな」
幼なじみ「そ、そう、ローター……ってなに言わせるんだよっ///!」
男「勝手に言ったんだろうが」
幼なじみ「い、イった///!?女の子に対してなんて言葉使うんだよえっちえっち///!」ポカポカ
男「はああ……」
幼なじみ「そ、それはえっと……使うから……///」
男「ド変態じゃねえか」
幼なじみ「ち、違うよ!わたしはしたくなかったんだけどどうしてもしなきゃいけない理由が!」
男「ほお、どんな理由だ?」
幼なじみ「お、女の子の秘密!」
男「はあああ……」
幼なじみ「にゃああああっ///!?」
男「やっぱりしてなかっただろ。全然濡れてねえじゃねえか」
幼なじみ「な、ななな、なにしたの男!?なにしてくれたの!?」
男「おまえのパンツの中に手を入れて濡れてるかどうか確認したんだが?」
幼なじみ「だが?じゃないよっ!女の子の一番大切なところだよっ!?なに考えてるの!」
幼なじみ「嘘じゃないもん!これは……もうかわいたの!」
男「ほお、じゃあにおいをかがせてもらおうか」
幼なじみ「ふ、ふえっ!?」ビク!
幼なじみ「ふ、ふええっ!?」ビク!
男「安心しろ。かぎ間違いがないように、じっくりたっぷり、鼻を直接つけて嗅いでやる。きちんとおまえの一番大切なところから女の子のにおいがしたなら、疑いをはらそう」
幼なじみ「う、うう……///!」
幼なじみ『や、やあっ!男!そんなに嗅いだら……ふああっ!』ビクン!
男『ん、しっかり女の子のにおいがするな。すー、はー』
幼なじみ『ふあっ!?男ぉ!ならもう許してよぉ!やんっ!』
男『だめだ、こんないやらしい女の子には罰を与えないとな。ふふ』
幼なじみ『は、はあ!らめえ、男ぉ……』
男「どうした?本当ならできるはずだぞ?」
幼なじみ「む、む……」
男「む?」
幼なじみ「無理だよぉおぉお!!」ダダダ
男「逃げたか」
幼なじみ「わ、わたしいやらしいコじゃないもん!お、おなっ……だってしたことないし、ヴィーンっていうのも持ってないもん!」
幼なじみ「ううー、あずき最中ぁ」ガツガツ
幼なじみ「うう、おいしい……」
幼なじみ「へ、へえー。でも言われなきゃわかんないよ?わたし知らないから」
男「……おまえも学習しないな」
幼なじみ「な、なんだよう!隠してないもん!」
幼なじみ「な、なくならないよ!」
男「自爆してんじゃねえか」
幼なじみ「あっ!ね、ネタってなんのことー?」
男「ほんっとめんどくさいなおまえ」
幼なじみ「ふ、ふん!今日はすごいんだよ!すっごいものなんだよ!」
男「ほお、それは楽しみだ」
幼なじみ「き、聞いて驚きなさい!」
男「はいはい驚くから」
幼なじみ「……い」
男「ん?」
幼なじみ「わ、わたしの……おっぱい……///」
男「ショボッ」
幼なじみ「ひどいっ!?」
幼なじみ「ショボいゆーな!ちっぱいゆーなぁ!」バタバタ!
男「意味わかんないわ。根本的に」
幼なじみ「ふ、ふん!女の子の胸は、実は取り外し自由なんだよ!」
男「へえ」
幼なじみ「な、なにその反応!?男はどーてーさんだからわかんないんだよっ!」
男「なんだとこのやろう」ムニッ
幼なじみ「うにゃあああっ///!」ビク!
幼なじみ「む、ムカつく!矛盾してないところがムカつくうぅうう!」ジタバタ
男「まあその胸じゃ証拠不十分だな」
幼なじみ「わたしの胸に不名誉な称号つけないでよっ!」
幼なじみ「二回言うなっ!」
男「証拠不十分な胸じゃさ」
幼なじみ「一回でもだめ!」
男「不十分な胸じゃさ」
幼なじみ「略したら一番ひどくなったっ!?」
男「まあいろいろ不十分だから十分になるまで揉みしだいてやるよ」
幼なじみ「ひっ、ひいいい!?」ビク!
男「あーあ、逃げたか」
幼なじみ「余計なお世話だばかやろぉおぉ」ガツガツ!
幼なじみ「努力したのに……努力してるのに……」
幼なじみ「うう、ハーゲンダッツおいしい……さすが高いアイスだ……」ガツガツ
幼なじみ「つ、ついに直接来たっ!?」
男「おまえのせいで何日アイスが食えてないと思ってる」
幼なじみ「う、うあ、わたし知らないもん……」
幼なじみ「あ、あわ、わ、わ」ピョンピョン
男「跳ねて逃げるなよ。ノミかおまえは」
幼なじみ「せ、せめてウサギとかにしてくれない!?」
男「いいから早く返せって」
男「ん?」
幼なじみ「わたしが今日隠してるのはアイスじゃないのはもちろん、男にとっても大事なものなんだよ?」
男「なんだよそれ」
幼なじみ「だ、だから、男の……」
男「俺のなんだよ?」
幼なじみ「だ、だから……」
男「…………」
幼なじみ「男の……お、おち……ちん……だよ///」
幼なじみ「お、男が気づかないうちに切りとったの!」
男「…………」ブルッ!
幼なじみ「?どしたの?」
男「いや、嘘だとわかってても言葉だけで股間に寒気がな」
男「おまえな、もう虚言癖ってやつじゃないかそれ」
幼なじみ「ほんとだもん!この前ジャンプにあったもんそういうの!」
男「やめろ、コミックス派の人だっているんだ」
幼なじみ「ルーm」
男「やめろって」ポカ
幼なじみ「痛っ!?」
幼なじみ「お、男が部屋に来る前に切りとったの!」
男「じゃあ見てみろよ、ほれ」ボロン
幼なじみ「っ///!?や、やああっ///!」
幼なじみ「な、ないもん///!」プイ
男「ほんとにないなら見れるだろ?恥ずかしくないんだから」
幼なじみ「う、うう……///」チラ
幼なじみ「っ///!」プイ
男「はあ……」
幼なじみ「な、ないもん……」
男「じゃあ目そらすなって。見て触って確かめてみろって」
幼なじみ「う、うう……///!」
男「あるだろ?」
幼なじみ「う、み、見えないってば!」
男「じゃあ舐めてみろよ。味覚でも確認しろ」
幼なじみ「う、うう……///!」
ペロッ…
男「く……」ビク
幼なじみ「ふわっ!?」ビク!
幼なじみ「ふ、ふえ……///!」プルプル
男「どうした?」
幼なじみ「ふえええっ!びくってふるえたぁ!」ウワアアン!
男「そ、そりゃあな」
幼なじみ「こわいよぉ!うええええん!」ダダダ
男「あ、おい……ちゃっかりアイス持って逃げやがった」
幼なじみ「でっかい茸みたいな……ぐす」
幼なじみ「あ、アイス……」
幼なじみ「……食べよ」
男「幼なじみ」ニコ
幼なじみ「な、なに男?すごいいい笑顔で……」
男「怒らないからおまえがとったトルコ風アイス、返してくれ」ニコニコ
幼なじみ「し、知らな」
男「幼なじみ」ニコ
幼なじみ「は、はい!?」
幼なじみ「う、うん……」
男「俺が偶然とってあったのを、長い間暖めて……いや、実際には暖めたんじゃなくて冷凍だけど、とにかくすごく貴重なものなんだ」ニコニコ
幼なじみ「う、うん……」
男「だからさ」ニコニコ
幼なじみ「っ!?」ゾクッ!
男「あれだけは、返してくれないかな?」ニコニコニコニコ
幼なじみ「ふっ、ふえええっ!!」ビク!
男「ふん、他愛もない」
男「さすがにこれだけは渡せないからなあ」
男「まああんまりこういう手は使いたくないな。本気で恐がられても困るし」
男「さて、久しぶりにアイス食うか」
ガバッ!モゾモゾ
幼なじみ「うええええん……こわいよぉ……こわいよぉ……」
カタン
幼なじみ「ひいっ!?」ビク!
幼なじみ「は、はい!」サッ
男「こりゃカップ麺のスーパーカップだろうが」パシ
幼なじみ「あ!か、返してわたしの晩ごはんー!」ピョンピョン
男「どういうつもりで差し出したんだよ……」
幼なじみ「こ、これアイスじゃないよう……」
男「はあ……じゃあどんなのなの?恥ずかしいやつなの?」
幼なじみ「う、うん、あのね……」
男「はいはい」
幼なじみ「わたしの……その、耳///」
幼なじみ「み、耳だって敏感な人は敏感だよ?」
男「いや、それはわかるけど……それ以前にだったら今俺から見えてるおまえの耳はなんなんだよ」
幼なじみ「こ、これはあれだよ、でっかくなっちゃった!ってやつ」
男「懐かしいなおい」
幼なじみ「そ、そうだよ」
男「その胸は本物だと」
幼なじみ「そ、そうだよ!うわあああん!」
男「まあとにかく耳は偽物なんだから何してもいいんだな?」
幼なじみ「うええええん……え?」
男「あむっ」
幼なじみ「ふわあああっ///!?」ビクン!
幼なじみ「ふわぁああ……だ、だめえ……」ヘナ
ドサ
男「あむ……はむ……かぷ」
幼なじみ「あ、はあ……だめ……力、抜けちゃう……よ///」
男「ペロ……」
幼なじみ「っ///!?!?」
男「ふう、ようやく動けなくなったか」
男「ほら、アイス返せ」
幼なじみ「う、うー……」グイ
男「この、離せって」
幼なじみ「う、うう」フラフラ
男「フラフラのまま逃げやがった……」
幼なじみ「けど、アイスは死守した……えへへ♪」
幼なじみ「おっきくて一気に食べるとお腹壊しちゃうから、半分とっておこうっと♪」
幼なじみ「ふわあああっ!?な、なに男!?」
男「アイスの実とったろ?」
幼なじみ「まず言葉で言ってよ!」
男「確実に自業自得だ」
男「へいへい、じゃあどんな恥ずかしいものなのかなー」
幼なじみ「うう、乙女の恥じらいが軽く見られてるよ……」
男「自業自得だって」
幼なじみ「うー、じゃあ言うよ?」
男「早くしろよ」
幼なじみ「わ、わたしの、ね……」
男「はいはい」
幼なじみ「わたしの……舌///」
幼なじみ「えへへ///ちゅーとかにも使う舌だよ?」
男「フェラにもな」
幼なじみ「っ///!?も、もう!男のえっちえっちえっち///!」ポカポカ
幼なじみ「き、器用でしょ?」エヘン
男「……口の中に舌が見えるんだが」
幼なじみ「げ、幻術だよ……舌なかったら他の人びっくりするでしょ?」
男「ふーん」ズイッ
男「幻って事は、実態はないんだな?」
幼なじみ「そ、そうだよ」
男「じゃあ確かめてやる」
幼なじみ「な、なにを……んむ!?」
幼なじみ「ふっ、ふう!?ふむっ……!むうう///!」
男「あむ……ん……」
幼なじみ「っ!?っ!?ふ!ふううう///!」
幼なじみ(し、舌が……入って……///)
幼なじみ「んう、ふ……ちゅ、ん……///」
男「ちゅ、ちゅ、んん……れろ……」
男「ふう……」
幼なじみ「ふ、ふああ……///」トロン
幼なじみ「あう……///」
幼なじみ(お、おでことおでこ合わせて……顔近いよぉ……///)
男「嘘ついたな?」チュッ
幼なじみ「ん、ふう……///」
男「どうなんだ?」
幼なじみ「///」プイ
男「ふうん?じゃあもっとやってやる」
チュ…レロ…
幼なじみ「ふ、ふあ、ん……///」
幼なじみ「はあ……はあ……///」グッタリ
男「嘘、ついたのか?」
幼なじみ「う、うしょ……ついたぁ……///」
幼なじみ「う、うん……した……///」ハアハア
男「嘘ついたなら、お仕置きだな」
幼なじみ「う、うん……もっとしてえ……お仕置きのきしゅ……///」
男「んん、ちゅ、ちゅ、あむ」
幼なじみ「ふう、んっ……ふあ、あ///」
男「大丈夫か?」
幼なじみ「舌が疲れてる……」
男「あー……」
幼なじみ「男がこねすぎたせいだよ?」
男「わるい……」
幼なじみ「どこいくの?」
男「コンビニ。もう買いだめしてたアイスなくなった」
幼なじみ「わ、わたしもいく!」
幼なじみ「え?そ、それは……あはは」
男「やっぱ予定変更だ。おまえは連れてかない」
幼なじみ「え!?や、やだよ!」
男「動けなくなるくらいキスしてやる」グイ!
幼なじみ「ふ、ふえええっ///!?」ドサッ!
チュ…チュウ…レロ…チュッ
おわり
あとトルコ風にしてくれてありがとう。また喰いたいもんだ
元スレ:男「俺のピノがないんだが」 幼なじみ「そ、そうなんだ」コソッ
Entry ⇒ 2012.05.27 | Category ⇒ 幼馴染「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
貴音「春海天香、ですか」
貴音「はるみ あまか…ですか」
P「何だそれ… あぁ、天海春香の字を入れ替えたのか」
貴音「はい しかしあまりしっくり来ませんね」
P「普通しっくりこないだろ… たとえば山田太郎なんて太田山郎(ただ やまろう)だぞ」
貴音「ただ やまろうはわりと悪くないよう感じます」
P「…確かに 例が悪かった」
貴音「ちんこんか、ですか」
P「…え?」
貴音「ちぎ きさらはや… ですか」
P「ああ…「きさら」と「ぎ」に分けたのか 無理があるな」
貴音「しかし「きさ」と「らぎ」に分けると更に言いづらくなりますよ」
P「考えるの面倒だからそれでいいよ」
貴音「はい では、ちぎ きさらはや」
P「なぁ、それなんの意味があるんだ?」
貴音「ただの余興ですが…」
P「そうか そうだよな」
P「むぅ…」
貴音「ゆきわら はぎほ… ですか」
P「漢字だけ考えると、一見では(せつげん はぎほ)だな」
貴音「はぎほ ふっ ふふっ」
P「あぁそっちにツボったのか」
貴音「あなた様、はぎほですよ はぎほ」
P「春香みたいな言い方するなよ…」
貴音「ふふっ はぎほ はぎほ」
P「…ちなみに今日は全員来てるからあまり笑うと、周りが気にするぞ」
貴音「…なんと! 雪歩、あなたを悪く言っているわけではありませんよ!」
P「まぁ、さっき出たからいないけどな」
貴音「いけずです」
P「何とも不思議な感じになったな まさに面妖な」
貴音「それは私の台詞です」
P「悪かった 書いてみるととんでもなく語呂というか、リズムが悪いな」
貴音「はい 名前がひらがななので尚更です」
P「やよつきたかい…か なにそれこわい、みたいな感じだな」
貴音「…はい?」
P「すまん、知らないか」
P「ははは、なんかリス好きアキ子に聞こえた」
貴音「なんと、あなた様は言葉遊びが巧みです!」
P「関心してないでウケてほしかったかな」
貴音「失礼しました」
P「……」
貴音「リスが好きなアキ子嬢!ふふ!ふふっ!」
P「みじめだからやめてくれ…」
貴音「はい」
P「どんなに語呂悪くても漢字の読みで貫くあたりは評価しよう でも無茶だな」
貴音「そうですね」
P「いじられない伊織は悲しいだろうな…」
貴音「…いせえび!」
P「無理するな…」
貴音「はい」
貴音「…ところで、なぜ私の独り言に付き合ってくださるのです?」
P「ん? 貴音が楽しそうなのあまり見ないからなんとなくだよ」
貴音「そうですか!」
P「やよいと似たようなのになったな…」
貴音「ふむ… あずうら」
P「みさは名前としてはありな分、もったいないな」
貴音「何がもったいないのです?」
P「えっ、字を入れ替えても名前になりそうで勿体ないってさ」
貴音「そういう企画ではありません…」シュン
P「そんなに落ち込まれると困るんだけどな…」
P「…って違うならどういう企画なんだ」
貴音「ただの余興と言ったはずです」
P「そうだったな」
P「…聞いただけだと、ただ苗字と名前が入れ替わっただけだな」
貴音「まいねいむいず まみ、ふたみー」
P「ん? ああ… 英語風か」
貴音「英語はあまり…」
P「だろうな My name isじゃ自己紹介だぞ」
貴音「それくらいはわかります…」シュン
P「悪かった」
P「英語風気に入ったのか」
貴音「あっ あみふたみ ですか」
P「言い直さなくていいよ…」
貴音「……」
P「……」
貴音「いじり用がないです」
P「真美とまとめて言えばよかったのに…」
P「菊さんっておばあさんっぽい名前だな」
貴音「あなたは昔から…まことちきくですね」
P「ぶふっ 誠に菊ですねってことか」
貴音「さすがあなた様です」
P「貴音は「まこと」ってよく使うからな たまに真が反応してるんだぞ」
貴音「なんと! それは… かわいいですね」
P「ああ ピクッとなって少しチラ見して、ああ違ったって表情をよくしてる」
貴音「是非、びでおに」
P「わかった」
P「一番名前っぽくなくなったな」
貴音「はい」
P「Me 欲しき」
貴音「みーほ式」
P「なんだそれ…」
貴音「あなた様のも分かりません…」
P「漢字で書くと一見、自然なんだけどなぁ」
貴音「…飽きてきました」
P「だろうと思ったよ」
P「が…? 名前「が」って悲しいな」
貴音「ひびきなは、もなかなかに強烈です」
P「…この企画は名前が1文字の人には弱いな」
貴音「はい、どうしようもなく…」
P「これで全員か?」
貴音「まだ私の名前があります」
P「なるほど…」
P「ん…? ちょ、ちょっと待て」
P「あー…」
貴音「貴嬢、死ねと…」
P「お、おいおい!余興だろ? 気にするなよ!」
貴音「うぅっ…ぐすっ… あんまりです…」
P「うわっ 自分で始めておいて! た、頼むから泣かないでくれよ…」
貴音「…なんて、わかっていました」
P「あれ、そ、そうか… 泣きマネうまいな…」
貴音「ふふっ 覚悟の上で始めましたから」
P「余興にも覚悟を決めるあたり貴音は常に本気だな」
貴音「もちろんです」
P「これで全員か」
貴音「あっ まだいました」
P「うん…?」
P「20代後半で… 子無し… お独り…?」
貴音「……言っていません」
P「内緒な」
貴音「聞こえていると思いますが…」
小鳥「はい、聞いてましたよ」ニコッ
P「」
おわり
乙
Entry ⇒ 2012.05.27 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
ほむら「まどプラス?」仁美「ええ」
仁美「私の趣味で、父の会社のプログラマーさんたちをお借りしてゲームを作りましたの」
仁美「是非とも暁美さんにプレイしていただきたいのですが」
ほむら「な、なんで私に?」
仁美「暁美さんならきっと楽しんでいただけるかと思ったので…」
ほむら「ちょっと、何を言っているかわからないのだけど…」
仁美「あら、お気にめしませんでした? でしたらさやかさんにお願いしようかしら」
ほむら「やります。やらせてください」
仁美「うふふ。こちらをご覧になって下さい」
ほむら「任●堂の最新携帯ゲーム機ね」
仁美「そのように見えますけど、若干仕様が違いますの」
ほむら「難しいことはいいから、早いところやってみたいわ」
仁美「わかりました。こちらです。何か分からないことがあれば電話で聞いてください」
ほむら「ちょっと待って。確認したいことがあるのだけど」
ほむら「まどプラスは恋愛シミュレーションゲームでいいのよね?」
仁美「はい」
ほむら「まどかが出てくるのよね?」
仁美「もちろんですわ」
ほむら(早速やってみようかしら)
ほむら(確かここのスイッチを入れればいいんだったわよね)
ロード中……
ほむら(あ、始まったわ)
まどか「初めまして、鹿目まどかっていいます」
ほむら「!?」
ピルルルピルルル(電話)
仁美「どうしたんですか?」
ほむら「こ、このまどか喋るわよ!?」
仁美「ええ、鹿目さんの声によく似た声優さんを探してお願いしました」
ほむら「映像も、まどかと見分けが付かないほどなんだけど!?」
仁美「あら、暁美さんにそう言っていただけるとは光栄ですわ。私も制作に関わっています。ぬかりはありませんわ」
ほむら(こんな精巧な作画、まどかソムリエの私だって書けないわ)
ほむら「って、待って、こんなもの売りに出したら、まどかが世の中の男たちの食い物にされるんじゃないの?」
仁美「ご安心を。私が趣味で作ったものですから、販売する気は毛頭ありませんわ」
ほむら「そ、そう。さすがにこれだけ似てたら犯罪よね」
仁美「鹿目さんには内緒ですわよ」
ほむら「わかったわ……」
まどか「うぇひひ、あなたのお名前を聞いてもいいですか?」ニコッ
ほむら(名前……これはどうやって入力するのかしら?)
ほむら「えっと……」
まどか「…えっとさん? 変わったお名前だね」
ほむら「!?」
ピルルルピルルル
仁美「なんでしょう?」
ほむら「このまどか、私の声が聞こえてるみたいなんだけど?」
仁美「ええ。ハードウェアに音声読み取り機能と、鹿目さんの思考を模したAIを搭載しておりますの。簡単な会話ぐらいならお手の物ですわ」
ほむら「どこまで高性能なのよ! 素晴らしいじゃない」
仁美「ご満足いただけて光栄ですわ」
ほむら「違うわ。わたしは暁美ほむら」
まどか「ほむらさん? ほむらさんって名前で間違いない?」
ほむら(ほむらさんて呼ばれるのはなんか新鮮ね)
ほむら「ええ。よろしくまどか」
まどか「うぇひひ。こっちこそよろしく」
ほむら(すごい。まるで本物と話してるみたい)
まどか「このゲームは私とほむらさんが仲良くなることが目的で、特にシナリオとかイベントは用意されてないんだよ」
まどか「こうやって家の中でのんびりお喋りを楽しむだけだけのものだけど……どうか飽きずにプレイしてね」
ほむら(よく見たら、背景はまどかの家にそっくりね)
ほむら「大丈夫よ。1000時間は軽く超えてみせるわ」
まどか「あと、製作者さんの意向で1日にプレイできる時間や、会える時間には制限があるんだって」
まどか「会える時間を大切にってことかな?」
ほむら(志筑さんなかなかにくいことするわね)ホムホム
まどか「まあそんな感じで、ほむらさんとまったりお話できたらいいな」ニコッ
ほむら(ああ…家でもまどかと一緒にいられるなんて幸せ)
ほむら「なにかしら?」
まどか「ほむらさんの年はいくつですか?」
ほむら「14よ」
まどか「うわぁ、私と同じだ。えへへ嬉しいな」
まどか「じゃあもう一つ」
まどか「ほむらさんは男の人ですか?」
ほむら「はい」
ほむら(その方がまどかと自然とイチャイチャできるものね)
まどか「………そっか、ほむらさんは男の人なんだ」///
まどか「なんだかちょっと緊張してきちゃったよ……」
ほむら(でもできれば後でやりなおして女の子の場合の反応も見てみたいわ)
ほむら(そういえば、このゲームどうやってセーブするのかしら)
仁美「必要ありませんわ」
ほむら「えっ!どういうことよ」
仁美「映像や膨大なデータ量がありますし、リアルタイム処理に対応していることで、専用のデータサーバを用意していますの」
仁美「常にプレイヤーの情報などはサーバにアップデートされていますのでセーブの必要はありませんわ」
ほむら「よくわからないけど、私が誤った情報をまどかに伝えた場合は、修正できないということ?」
仁美「それは大丈夫です。後から本人に伝えれば認識してもらえますわ」
ほむら「そう、よかった」ホッ
仁美(そしてそのデータは責任を持って私が管理させていただきますわ……)
仁美「暁美さんのことをもっと詳しく知りたい?」
まどか「うん。ほむらちゃんと、お付き合いすることになったんだけど」///
仁美(や、やっぱりお二人はできてらしたのですねぇえええ!!)
まどか「優しいんだけど、ほむらちゃんどっか一歩引いてるみたいで…」
仁美(ああ見えて意外と奥手ですのね。暁美さん)
まどか「もっとほむらちゃんのこと知れたらいいんだけど」
仁美「お任せ下さいっ!!」ドワッ
まどか「ひ、仁美ちゃん? 顔が近いよ?」
仁美「必ずや鹿目さんのお力になって見せますわ!」
〜現在 仁美専用サーバルーム〜
仁美(というわけで、私には暁美さんのプレイ状況がまるわかりですの)
仁美(これもお二人の輝かしい未来のため。決して私欲ではありませんことよ)
ほむら「ええ。お願いするわ」
まどか「男の子とお話する機会ってないから、何か変なこといっちゃっても許してね」
ほむら(なんでもこいよ、まどか)
仁美(どうやら暁美さんは性別を修正する気はないようですわね)
仁美(私としては、女性同士の方がよいのですが、これはこれで見応えがありそうですわ)
ほむら「ダーツとビリヤードを少々。夏には海にサーフィンに行くわ」
ほむら(少しでもまどかの好感度を上げておくわ)
仁美(下心が見え見えですわね、暁美さん)
仁美(でも、そんなに上手くいきませんことよ)
まどか「本当に?」
ほむら「……」
ほむら(どうしたのかしら。まどかの好感度が下がっているようにみえるのだけど?)
ピルルルピルルル(電話)
仁美「あざとい回答や、声の調子で嘘を判別されることがありますので」
ほむら「なんでそんな無駄に高度な技術積んでるのよ!」
…ああ、胸囲か
屋上
ほむら「本当は読書が趣味よ。漫画も読むけど、ファンタジー系の小説が好きだわ」
まどか「うぇひひ、やっぱり。なんだかインドアな感じがしてたから」
ほむら(そんなことまで分かるの?)
ほむら「まどかの趣味は?」
まどか「私も漫画が好きだな。あとはパパにお料理とか教わったり、ママとバトミントンしたり、弟と遊んだりとか」
ほむら「弟がいるのね」
まどか「うん。たっくんていうの。まだ3歳なんだ」
仁美(中々いい雰囲気ですわ)
ほむら(このゲーム素晴らしくよくできているわ)
ほむら「それで、まどかは週に何回するのかしら?」
まどか「へ? 何を」
ほむら「何をじゃないわ。あれよ。アレの回数を聞いているのよ」
まどか「ほむらくん、あれじゃわからないよ」
ほむら「アレはあれよっ!?」///
まどか「だから、あれってなぁに?」
仁美(暁美さん、そういう美しくない発言は感心しませんことよ)フフフ
ほむら(でもこれだけ詳細にまどかのデータが集まってるのだとしたら…)
ほむら「ねえまどか。まどかの初恋の話を聞かせてもらってもいいかしら?」
まどか「えっ……」////
仁美(なるほど。そこに気づきましたか。さすが暁美さん、抜け目がありませんわね)
まどか「ほ、ほむらくんの話も聞かせてくれるならいいよ」///
ほむら「いくらでも聞かせてあげるわ」
まどか「じ、じゃあ教えてあげるよ……」
……
まどか「っていう感じで、クールなんだけどすごく優しい同級生の子なの」///
ピルルルピルルル(電話)
ほむら「志筑さん、ちょっといいかしら」ウルウル
仁美「どうしたんですの、泣いているようですけど」
ほむら「このまどかの初恋の相手って、本人の記憶と一致するものなのかしら?」
仁美「いえ……そもそも鹿目さんの初恋の相手なんて本人ですら覚えているかわかりませんし…」
ほむら「そう……ゲームと言えどこんなに胸が熱くなるなんて思いもよらなかったわ」ウルル
仁美「よ、よかったですわね…」
仁美(泣くほど嬉しかったんですのね。思わず引いてしまいましたわ)
ほむら「今付き合っている子よ。円な瞳が愛らしくて、いくら見ていても飽きないわ。
正直彼女より可愛いものがこの世にあるとは思えないぐらいよ。
将来は静かな土地に家を構えて、二人でひっそりと暮らすの。できるだけ温かいところがいいわね」
まどか「そ、そうなんだ……」///
まどか「ふーん、ほむらくんは好きな人がいるんだね」ショボン
ほむら(まどかをガッカリさせてしまった)
ほむら「いえ、いないわ。全部嘘よ」
まどか「………」
仁美(いくらなんでも、それは無理がありますわ)
ほむら「そんな!今のは聞き流してちょうだい」
まどか「ふふ、別に構わないよ。私だってほむらくんの他に好きな人がいるんだもん」
ほむら「そ、それは……」///
ほむら(現実で私のことを思ってくれてるって設定なのかしら)
ほむら(ゲームでまどかとイチャイチャしたいのに、私にどうしろっていうのよ!)
まどか「ふふふ」
まどか「そろそろお時間だよ。それじゃあまたね、ほむらくん」
ほむら(え?せっかくいいところだったのに。思ったより短いものなのね)
ほむら「またね。まどか。また明日」
ほむら(明日が楽しみだわ)
仁美(明日も楽しみですわぁああああああああああ)
〜翌日 学校〜
ほむら「ありがとう。感動したわ。」
仁美「お役に立てて何よりですわ」
ほむら「でも、何故あなたがあそこまで高度なゲームを開発したか聞かせてもらえないかしら」
仁美「私、女性同士の禁断の恋に惹かれるところがありますの」
仁美「あなたたちお二人を見ていて、どうも歯がゆい思いをしていましたわ」
仁美「このゲームを通じて暁美さんが、鹿目さんに向けてもっと素直な気持ちで向き合えるようにと、私なりの思いを込めて作らせていただきました」
ほむら「志筑さん……」ニギッ
仁美「礼には及びませんわ」
仁美(本当、感謝する必要なんてどこにもございませんのよ……)
〜学校 放課後〜
まどか「ほむらちゃん今日は一緒に帰ろうよ」
ほむら「ええ。それじゃあ行きましょう」
ほむら(やっぱり実物が一番可愛いわね)ニヤニヤ
まどか「ほむらちゃんなんだか嬉しそう。いいことあったのかな?」
ほむら「志筑さんから面白いゲームを借りたの」
まどか「へえ、ほむらちゃんゲームなんてやるの?」
ほむら「いいえ、全然。でも彼女に強く勧められて。意外と面白いものよ」
まどか「じゃあ今度、ほむらちゃんのお家に遊びに行った時、やらせてもらってもいいかな」
ほむら「え? ええ…いいわよ」
ほむら(まどかが来る前に、何か別のゲームを買っておきましょうか)
………
まどか「じゃあ、また明日ね」
ほむら「ええ。また後で」ボソッ
ほむら(ゲームのおかげか、まどかと前より自然に話せるようになったわ)
ほむら(志筑さんに感謝しなくては)
〜 いっぽうそのころ 〜
仁美「今日もスタンバイ完了ですわあああああああああ」
まどか「うぇひひ、ほむらちゃんと距離が縮まったような気がするよ」
まどか「えっと、カメラのスイッチを入れて……このあたりで待機してればいいんだよね」
ピルルルピルルル(電話)
仁美「もしもし、鹿目さん?今日も準備は整いまして?」
まどか「うん。いつでもオッケーだよ」
仁美「そろそろ暁美さんが帰宅される頃ですわ」
まどか「うん。今日も頑張るよ」
仁美「念のためマイクテストを行なっておきましょう」
まどか(仁美ちゃんからゲームのこと紹介されたときは正直、こんなのよくないって思ったの)
まどか(ほむらちゃんを騙してるみたいで悪いなって)
まどか(けどもっともっとほむらちゃんのこと知りたい)
まどか(ほむらちゃんが私に望むことを、少しでも叶えてあげたい)
ほむら「ふふ。この時を待っていたわ」ニギッ
ロード中……
まどか「こんにちは、ほむらくん」ニコッ
ほむら「まどか…」ウットリ
まどか(ほむらちゃんのこと、ほむらくんて呼ぶの、未だに抵抗あるなぁ……)
まどか(ほむらちゃんが男の子を選んだときはびっくりしたけど…)
まどか(ゲームの中でも、恋人同士になりたかったってことなんだよね)///
ほむら「まどか、立ってもらってもいいかしら?」
まどか「立てばいいの?」
ほむら「ええ、そしてもう少し前に歩いてもらえると…」
まどか(ほむらちゃん何がしたいんだろ……)
まどか「って、まさか!」
ほむら(ちっ、後一歩だったのに)
まどか「ほむらくんの変態!!」///
ほむら(ああ、まどかの恥らう姿、可愛いわ……)
仁美「キャプチャー機能? もちろんありますわよ」
仁美「あと、画面内の鹿目さんにも攝られたことが分かる機能もつけておきました」
ほむら「ナイスよ。さらに恥らうまどかを見れそうね」
ほむら(早速使ってみるわ)
ピカッ!
まどか(わ、眩しい)
まどか「ちょ、ちょっとほむらくん!何とってるのかなっ!?」///
ほむら「ふふ、恥じらう貴女が可愛くてつい」
ピカッ! ピカッ!
まどか「も、もう…恥ずかしいから撮らないでっ!」///
仁美「あんまりやりすぎると、本人の好感度が著しく下がるので、ご注意下さい」
ほむら「わかったわ。後でお金払うから10枚ずつ焼きまししてちょうだい」
仁美「10枚もですの?」
ほむら「部屋に飾って眺めるの」
仁美「……まあ止めませんわよ」
まどか「ほむらくんは私と同じ年だから、中学生だよね。何があったのかな」
ほむら「昨日はなしてた恋人と仲良くなれた気がするの。それに今度うちに来る約束までしたわ」
まどか「うぇひひ、そっかぁ。おめでとう」
まどか(ほむらちゃんちに遊びにいくの楽しみだなぁ)
仁美(もちろんその時もあらゆる手段をこうじてサポートさせていただきますわぁ)ワクワク
ほむら「ど、どんなことって……それは」///
ほむら「げ、ゲームする約束したから、ゲームとか……」
まどか「ゲームだけ?」
ほむら「えっと、一緒に料理を作ったり…」
まどか「お料理作ったり?」
ほむら「一緒にごはんを食べたり」
まどか「ご飯を食べたり?」
ほむら「そ、そんなところよ……」///
まどか「それだけ?」
ほむら「///」カァ
仁美(鹿目さんの方も絶好調ですわ。これは面白いものが見れるかもしれません)ワクワク
まどか(うわぁ、私ゲームだからって調子乗っちゃったかな…)
ほむら「……」///
まどか(仁美ちゃんにも聞かれてるのになんてことを)///
ほむら「えっとね…」////
まどか(うわぁあああ、答えなくていいよ、ほむらちゃん!!)////
仁美(答えろですの)
ほむら「まだ私はそういうことをしないと決めているの」///
ほむら「だってまだ私達中学生だし……」
ほむら「それに……」
まどか「それに……?」
ほむら「……なんでもないわ」
まどか(ほむらちゃんが、変な事言わなくてよかった)ほっ
仁美(おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい)
ほむら「まどかは、初デートにどこに行きたい?」
まどか「私? 私は好きな人と一緒にいられたら何処でもいいなぁ〜」
ほむら「安上がりね」
まどか「ダメかな?」
ほむら「いいと思うわ。でも、出来ればいいところに連れてってもらいなさい」
まどか「え…あ、うん…」
まどか(しまった、ほむらちゃん絶対無理するよ。これはデート当分先になっちゃうかも)
仁美(安心して下さい鹿目さん。この志筑仁美、どこまでもお二人を支援させていただきますわぁ!)
ほむら(家族…正直あまり面白い話できないわ。あ……でも……)
ほむら「父も母も、健在よ。実家はかなり遠く離れてるからあまり帰ってないの」
まどか「寂しくないの?」
ほむら「前の学校にいたときはそう思うこともあったけど、今は全然」
ほむら「気がついたらその子のことばかり考えているもの」
まどか「ほむらくん……」
仁美(いい! いいですわぁああああああああ〜!)
まどか「うぇひひ、私はほむらくんの彼女さんじゃないよ?」
ほむら「…そうだったわね。うっかりしてたわ。ごめんなさい」
まどか「うんう。それだけ楽しんでくれてるってことなんだよね。嬉しいよ」ニコニコ
ほむら「ふふ、本当は恋人にも言えないようなことでも、あなたになら言ってしまいそうだわ」
まどか「わ、私でよかったらほむらくんのお願い聞くよ」///
ほむら(き、きたわ〜〜〜〜、ちょっと暗い話作戦が効いたわね)
仁美(これは……まさk)ハァハァ
まどか(息が……なんか嫌な予感しかしないよ)
まどか「言っとくけど、の、覗いたらすぐにわかるんだからね!」///
スタスタスタ……
ほむら「もっと前に…」
まどか(カメラは私の顔の方を向いてるみたいだけど……)
まどか(これってもしかして……)
ブチュ
まどか「ほ、ほむらくん!何やってんの!?」///
ほむら(ハァ〜、私の唇が…まどかの顔を汚してしまったわ…)
仁美(本人にはできないことを、ゲームの鹿目さんなら平気でやって退けるんですのね)
仁美(さすが暁美さん、下種の極みですわっ!)
ほむら「だって、あなたがお願いを聞いてくれるって……」
まどか「節度ってものがあるよ!」
ピルルルピルルル(電話)
仁美「節度というものがどれぐらいに設定されているか、ですか?」
ほむら「例えば、下着を…」
仁美「そういうのはたいていNGですわ」
仁美「本人に直接したほうがよろしいとだけ言っておきますわ」
ほむら「……ちょっと聞いてみただけよ」///
まどか(もしかして……ほむらちゃん、ゲームの中の私を好きになっちゃったのかな?)
まどか(わたしなんてキスどころか、手をつないでもいないのに……)
まどか「……」
まどか「ほむらくん、今欲しいものとかってある?」
ほむら「まどかの脱ぎたてのパ……いえ。特にないわ」
まどか「………」
ほむら(志筑さんと下着の話をしてたからうっかりしてたわ)
ほむら「でも大丈夫。聞かれてなかったみたいだし。さすがにちゃんと言わないと認識できないみたいね」ボソッ
まどか(聞こえてたよ……)
ほむら(まどかが履いている靴下、今日履いていたものと同じだわ)
ほむら(裾の汚れぐらい、制服の丈、糸のほつれぐあい…完全に一致してる)
ほむら(まさかね…)
まどか「マ…ママ!?これは……」
ほむら「!?」
ザザ---ッ
ロード中……
ほむら(止まってしまった。ていうか今のまどかのお母さんよね?)
ピルルルピルルル(電話)
仁美「暁美さんから電話。これは……まずいですわぁ〜」
仁美「しばらく旅にでましょう」
仁美「そうですわ、それがいいですわぁ〜」
ほむら(出ない……)
ほむら「つまり………どういうこと?」
ほむら(まさかまどプラスのまどかが、本物のまどかだったなんて…)
ほむら(恥ずかしくて学校を休んでしまった)
ほむら(まどかに絶対変な奴だって思われた…)
ほむら(これも全部志筑さんのせいだわ)
ピンポーン
ほむら「誰かしら……」
ほむら「!?」
まどか「ほむらちゃん、居たら返事してちょうだい」
ほむら(わたしはいないわたしはいないわたしはいない)
まどか「ほむらく〜ん!」
ほむら「ああああああああ〜〜〜!」///
まどか「あ、なんだいるじゃん。開けてよ」
ほむら(しまった……)
ほむら「志筑さんとグルになって、私を謀るなんて驚いたわ」
まどか「ごめんね…ほむらちゃん」
ほむら「まどかは悪くないんでしょ。どうせ、話を持ちかけたのはあちらからではないの?」
まどか「それは違うよ。仁美ちゃんは私のお願いを聞いてくれただけ」
ほむら「まどか?」
まどか「私がほむらちゃんのこともっと知りたかったから…」
ほむら「まどか…」
ほむら「そ、それなりに」///
まどか「うぇひひ、私も楽しかったよ」
ほむら「怒ってないの?」
まどか「怒る?ああ、ちょっとエッチなこともされたけど、でもほむらちゃんとお話出来て楽しかったよ」
ほむら「私を弄んで楽しかったってこと?」ウルッ
まどか「ち、違うよ……本当はちょっと楽しんでたかもだけど、そんなつもりはなかったんだよ」
ほむら「うう…」
まどか「ごめん、本当ごめんねっ!」
ほむら「わかってるわ……まどかに悪気がなかったことぐらい」
まどか「え……ほむらちゃんの顔? 見えてなかったよ」
ほむら(よかった。あんなだらしない顔見られてたら、恥ずかしくて生きていけない…)
ほむら「そう…よかった」
まどか「ごめん…」
ほむら「私がいけないの。まどかに告白したのに、その後からあなたとうまく話せなくなってしまって」
まどか「ほむらちゃん…」
ほむら「タネを明かされると、こんなこともわからなかった自分が恥ずかしいけどね…」
まどか「もう仁美ちゃんのこと怒ってない?」
ほむら「そうね。あなたとお話してたら少しずつ許せる気がしてきたわ……」
まどか「うぇひひ、よかった」
ほむら(本物のまどかには敵うわないもの)
ほむら(それにもしあのまま入り浸ってたら、きっとわたしダメになっていたわ)
ほむら「なにかしら」
まどか「私はほむらちゃんの彼女なんだよね?」
ほむら「ええ。もちろん」
まどか「ゲームの中の私とどっちが良かった?」
ほむら「どっちって…?」
まどか「本物の私とゲームの私」
ほむら「そんなの本物のまどかに決まってるわ」
まどか「うぇひひ、そっか。よかった」ニコッ
ほむら(あのまま暴走してたら、どうなっていたかわからないけど)
ほむら「わ、忘れなさいっ!?」///
まどか「うぇひひ。そんなの忘れられないよ」
ほむら「お願いっ……」
まどか「ふふ……ダメ」
まどか「どんな思い出でも、ほむらちゃんとのものなら、忘れれたくないよ」
ほむら(まどか……)
まどか「だからね、ほむらちゃん」
まどか「私、どんなことがあってもほむらちゃんの側にいるよ」
まどか「だからほむらちゃんも私とずっといてね」
ほむら「いいの? まどかにあんなことをした私でも?」
まどか「ちょっとびっくりしたけどね」ニコッ
まどか「でも、ほむらちゃんにされて嫌なことはなかったよ」
まどか「さすがに下着まではあげられないけど」///
ほむら「………」サッ
まどか「ほ、ほむらちゃん、マンションから飛び降りようとするのはやめてっ!」ダキッ
まどか「うぇひひ。でも一つ気になってることがあるんだ」
ほむら「何かしら?この際、なんでも答えるわ」ウルル
まどか「ほむらちゃんが私に手を出さない理由」
まどか「中学生だからって後に、何か言いかけなかった?」
ほむら(ああ…そんなことあったわね)
まどか「うん。とっても嬉しかった」
ほむら「ありがとう。今だから言えるけれど、私はあなたが考えている以上のことをしたかったの」
まどか「え……っと、キスとか…かな?」///
ほむら「……そうね」
ほむら(自慰のことも知らないまどかにはそれが関の山よね)
ほむら(ふふ、でもキスまどかに私がキスしたいなんて言い出せたのはあの子のお陰ね)
ほむら「告白したとき、あなたは私がそんなことを考えていたなんて思わなかったでしょ?」
まどか「え……と。あの時はほむらちゃんが私のこと好きだって言ってくらたお陰で、舞い上がってて」///
ほむら(そうよね。わかってたわ。私の告白を受け入れてくれたあなたでも、それぐらい気持ちに差があることぐらい)
ほむら(それでもうれしかったんだよ。私の気持ちを受け入れてくれて)
ほむら「そんな単純だから、簡単に騙されちゃうのよね……馬鹿だわ、ほんと」
まどか「……?」
ほむら(またいつも通り、まどかの事を影から見守る日々が始まるのね)
ほむら「まどか。私とキスして」
まどか「……」
ほむら(ああ、こんなまどかの顔……見たくなかった)
ほむら「ごめんなさい……明日からまた、仲良くしてね」ニコッ
まどか「……」ニギッ
ほむら(まどか…?)
まどか「行かないで……」
まどか「私を置いて行かないで…」
まどか「きっとほむらちゃんは、その子のことが大好きで……」
まどか「守り切れないってわかってるのに、諦めないで……」
まどか「なのに……私のことは諦めちゃうの?」
まどか「私はずっと側にいるよ……ほむらちゃん」ニギッ
ほむら「まどかっ!!」ダキ
まどか「ずっとずっと一緒だからね」
その日、私は初めてまどかと口づけを交わした。
マンションの上の方からだろうか。
口づけを交わす余韻に浸りたい二人には喧しい以外のなにものでもない。
こちらに向かってくるあれは鳥だろうか?
――いや、そんな可愛いものではない。
もっと邪悪で、陰湿で、それでいてこの世で最も下種な恋のキューピットだ。
夕日に映える緑色の髪を風に靡かせ、ヘリコプターの出口にある手すりで体重を支えている。
その女はこう叫んだ
さあ皆さん、ご一緒に
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
おしまい
乙
乙
楽しかったよ
Entry ⇒ 2012.05.27 | Category ⇒ まどかマギカSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
える「私、気になりません…」
える「気になりませんから…今日は帰りましょう、折木さん」
折木「え…」
える「……」
折木「千反田どうした?」
える「はい?」
折木「具合でも悪いのか」
える「いえ、普通ですけど…」
折木「私!気になりますっ!」
える「ふふっ、私の真似ですか?折木さん」
折木「…笑われたよ」
える「そうですね、前はそういう感じでした…けど」
折木「けど?」
える「なんか疲れちゃって…」
える「これからは省エネで生きていこうかなって」
折木「おい待て」
える「はいっ、それが何か…?」
折木「俺とキャラが被るだろうが」
える「……」
折木「(なぜ黙る…)」
える「…私、もう気になりません」
折木「ぬ」
える「省エネだから帰ります、お疲れ様でした」
折木「(調子狂っちゃうな…)」
える「はぁ…」
える「私…気になりますっ」
える「ふふっ…今日も気になる事が一杯ありました」
える「帰り道、犬のうんちが綺麗なとぐろを巻いてたり…猫ちゃんがすごいセクシーな目で私を見ていたり…」
える「うぅ…気になりますょ…」
える「けど…」
える「(これも折木さんの為…)」
折木「はぁ…」
折木「千反田のやつ、何だってんだ」
折木「……」
折木「ふぅ…これは俺が一肌脱ぐしかないらしいな」
折木「このままじゃ、氷菓脱力感溢れるアニメになってしまう…」
える「ふむふむ…」
折木「おっす、千反田」
える「あっ、折木さん…こんにち…」
える「……!」
折木「……」ニヤリ
える「あ…あぁ…っ」
える「(なぜ…折木さんはアフロヘアーに)」プルプル
折木「ふぅ…今日は暑いな」
える「(その髪型じゃ…当たり前ですよっ…)」
える「わ、私…」
折木「どうした、千反田」
折木「(よし、言ってしまえ)」
折木「そうだな」
折木「(踏み止まったか…)」
折木「うーんと…」モフッ
える「……!」
える「(アフロからペンを取り出した…!?)」
える「(うぅ…他にも何か入っていそうですょ…)」ピクッピクッ
折木「(これでどうだ…)」
える「折木さん、冷たい麦茶などいかがでしょう」
折木「ああ…悪いな」
える「はい、どうぞ」
折木「ああ、そういやさ…菓子持ってきたんだ」
モァサッ
える「あ…ぁ…」ピクンッ
折木「千反田も食うか?」
える「(や、やっぱり…入ってました…)」
える「(この様子じゃ…まだ他にも…)」プルプル
える「わ…私」
える「…ありがとうございますっ、私、このお菓子大好きなんです」
折木「(…手強いな)」
折木「あぁ、またな」
える「……」
える「うっ…うわぁぁん!!」ダッシュ!
える「私、気になりますっ…気になりますっ!」
える「折木さんのアフロ…あそこまで収納性に優れたアフロ…!」
える「うぅ…う…」
涙を浮かべながら帰る、えるに対して
折木「明日はどうしよ」
折木「もっと千反田が気になるような事を…」
える「はぁ…」ゲッソリ
える「(気になって眠れなかったです…)」
える「ちょっとだけお昼寝しましょう…」スゥ
折木「……」ヌッ
折木「千反田、ここにいたのか」
える「折木さん」
折木「俺も昼寝しようと思ってさ、隣いいか?」
える「は、はいっ…」
折木「よいしょっと」
える「あぁ…っ!」
える「(わざわざ布団を…!?しかもどうみても家から持ってきた…)」
える「うっ…う…」ピクンッビクッ
える「(熊さんのぬいぐるみ…!!)」
える「(折木さんのキャラからは想像できない、可愛らしいデザイン…!)」
える「お、折木さん…私…」プルプル
折木「ん?どうした千反田」
える「…寝過ごしたらいけないので起こしてくださいますか?」
折木「わかった」
折木「(ぬぅ…)」
える「眠れないです…」
える「羊を数えても…折木さんのぬいぐるみが脳裏をよぎります…」
える「可愛かったな、どこに売ってるんでしょう…気になります…」
折木家
折木「千反田も、なかなかに手強いな…」
折木「明日で決着をつけよう…全然、省エネできてないし」
教師「今日は、水泳すっから」
える「はぁ…はぁ…」
える「(寝不足のせいか、準備運動だけで疲れました…)」
ザワザワ…
える「……!」
教師「おい折木、水着が学校のと違うだろう」
折木「ああ、すいません…次からは持ってきます」
える「折木…さん…」
える「(そ、そんなに…食い込みの激しいブーメランを…!)」
折木「……」
折木「(ちょっと痛い)」
教師「よーし、じゃあタイム計るから」
ザバッ
折木「ほっほっ」
える「あ…あぁ…」ビクッビクッ
える「(他の生徒がクロールの中…折木さんだけがバタフライ…!)」
折木「ふぅ…」
教師「折木、2分30秒…」
折木「気持ちいい!ちょー気持ちいい!」
える「……っっ!!」ビクッビクッビクッ
える「(そ、それは平泳ぎで…最下位なのに…)」バタ
教師「おい、千反田!どうした」
折木「千反田…」
もうやめてwwww
える「う…うぅん…」
折木「お、気が付いたか」
える「折木さん…」
折木「ゆっくり休むといい…今日の部活は中止だな」
ギュッ
える「帰っちゃうんですか…?」
折木「…千反田」
える「折木さん、意地悪です…」
える「私…私…!」
える「ずっと気になっていたんですよっ」
折木「(過去形)」
える「折木さんの事が気になって…夜も眠れなくて…」
える「え…」
折木「それが聞きたくて、色々してたってわけさ」
える「そ、そうだったんですか…」
折木「どんどん言ってくれ、その方が千反田らしいから」
える「お、折木さん…」グスン
折木「おい…泣くなよ」
える「気になりますっ…私…ううっ…う…」ガバッ
折木「お、おいっ…」
折木「(我慢してた緊張から解放されて泣いちまったか…)」
(::::::::....;;;;.....:...... ::";;;;;;;;....::::.....::::!、........::........ノ::::.....::::....;;;;;;;;゛:: ......:.....;;;;....::::::::)
ノ:::::::::......... ,..::::. ..........:::::::::.....:,',;;;;;;;;ヽヽ;;;;;;;;,',:.....:::::::::.......... .::::.., .........:::::::::ノ
ソ''r....:........::::....::....;;;;;;;;.;;;;........;;;;;;;;....::::..::::....;;;;;;;;........;;;;.;;;;;;;;....::....::::........:....r''ソ
jWw.....;;;;...........゙i゙''';:,ノ.y;wリ゙W゛jリ从jwwj从リj"W゙リw;y.ノ,:;'''゙/...........;;;;.....wWj
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``Wj゙ハ'w,.......,,...゙i:;i::.゙゙ヽ(. | ..;;;ii;:''::;;:;;:;;::'':;ii;;;.. | .)ヾ゙.::i;:/...,,.......,w'バjW´`
ソ:リハw;::;;;j;;;;wi゙i;iiii;:ソ,゙゙゙:;i;:゙゙゙゙::iiii::゙゙゙゙:;i;:゙゙゙,ソ:;iiii;/iw;;;;j;;;::;wハリ:ソ
``Wj゙ハ'w,゙i:i;;i ;;゙゙゙:;;;;::.;;::;;;::;;;::;;.::;;;;:゙゙゙;; i;;i:/,w'バjW´`
゙i;ii:ii:;i::.゙;;゙゙..;i;::::;i;..゙゙;;゙.::i;:ii:ii;/
''r゙゙゙''';:,;;.:;:.:;ii;;ii;:.:;:.;;,:;'''゙゙゙r''
|;;;;..:;;;::゙゙゙... :: ...゙゙゙::;;;:..ヾ| <私、木になります
|. :;ii;::.゙゙,゙゙::;ii;;ii;::゙゙,゙゙.::;ii;:.|
|.ii゙:;''゙;.:ii.;::;i_i;::;.ii:.; ヾii.;;|、
,〉;.li;;;::.;ii;.. ; ;; ; ..;ii;.::;il.;|l
`l゙゙゙゙, ; i;,,;ii;;iiii;,,;i i;::゙゙,; ,゙〈
.ノ;;゙゙゙:;i;;;i::iii;;i;;i;;iii::i;;;i;:゙゙゙;;ヾ.
..,ヽ ;ヘ..::i;i;;;;;;iiノ;;ii;;ノiiii;;;;;;i;i::..ヘ; ヽ,..
折木「それで気にならないとか言ったのか」
える「はい…」モフモフ
折木「アフロを触りながら喋るな」
折木「負担になんてなってないさ」
える「け、けど…省エネが何とかって」モフモフ
折木「最近の一連の行動でエネルギー全開だったからな、だから慣れた」
える「そ、そうですか…」モフモフ
える「じゃあ…折木さん」モフモフ
折木「うん」
える「私、気になりますっ!」ニコッ
おしまい
乙っ…
Entry ⇒ 2012.05.27 | Category ⇒ 氷菓SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
やよい「うっうー!お金くれるおじさん大好きですーっ!」
小鳥「あしながおじさん、ってやつですか?」
P「ええ。育英会に仲介してもらって、個人的に援助してるんです」
P「もうすぐ3年くらいになるかな?手紙のやり取りもしてるんですよ」
小鳥「へぇ…やよいちゃんもいつの間にか成人したんですよね。兄弟多いみたいだし、学費とか大変そう」
P「アイドルを始める前よりはマシみたいですが、引退した今はやっぱり生活もちょっと苦しいみたいですよ」
あしながおじさんへ
お元気ですか?いつもありがとうございます
私はこの春から大学3年生になります
弟が大学受験で、大変な一年になりそうですが
元気でやっていきたいと思います
お返事待ってますね
高槻やよい
──────
P「そうか、長介もそんな歳か」
P「文体から、大人な雰囲気が伝わってくるな。立派に成長してくれて嬉しいよ」
P「何年も顔を合わせてないけど、元気でやってるようでよかった」
小鳥「あら?それ…」
P「あ」
小鳥「お手紙…やよいちゃんから?」
P「あはは、お恥ずかしい」
小鳥「いいことじゃありませんか。あー、久しぶりにやよいちゃんに会いたくなっちゃったなー」
P「俺も、あいつがここを辞めて以来会ってないです」
小鳥「20歳のやよいちゃんか……どんな感じなんだろう」
P「あれからずいぶん経ちましたもんね。俺ももうすぐ30ですよ。アラサーですよ」
P「…あれ、小鳥さん?いつの間にかいなくなってる」
やよいちゃんへ
お手紙ありがとう。僕はいつもどおり、元気でやってます。
弟さんが大学受験ということで、いろいろ大変になるかと思いますが
一緒にがんばっていきましょうね
ところで、やよいちゃんが受験生だったころはどんな感じだったんでしょうか?
よかったらおじさんに教えてくれると嬉しいな
お返事待ってます
おしながおじさんより
──────
P「よし」
ガチャリ
春香「プロデューサーさん、こんにちは!」
P「おお春香、今日も元気だな」
春香「はい!今から新宿のEDAYAでCD発売イベントがあるんで、行って来ますね!」
P「頑張ってな」
P「…やよいのいたころとはずいぶん変わったもんだ」
律子「久しぶりですね、その名前を聞くの」
P「律子…」
律子「やよいがどうかしました?」
P「いや、もう長いこと顔を見てないなーと思って」
律子「引退したの、もう4年もまえですよ」
P「そんなになったのか…まだまだ若かったのに、もったいなかったな」
P「悪い悪い。つい」
律子「…年をとると感傷的になるってのは、本当なんですね」
P「おい。お前だって人のこといえないだろ、何歳差だよ」
律子「今や私にそんなこといえるのも、事務所じゃ貴方くらいですよ」
P「………」
律子「…もう、だからこういう空気やめてっていってるでしょう!」
P「ははは」
律子「アイドルの数自体は増えたけれども、なんだかんだ寂しいもんですから」
P「そうだなぁ」
律子「で、どうしてやよいの話が?」
P「なんでもないんだ。ただなんとなく思い出してな」
律子「ふーん」
律子「…元気にやってると良いですけどね」
P「うん」
春香「お疲れ様でしたー!」
D「おつかれさまです、天海さん」
春香「あ、これ差し入れ作ってきたんで、後でスタッフの皆さんでどうぞ」
D「うわぁ、おいしそう!いただきますね」
春香「それじゃ、失礼します!」
春香「お客さんいっぱいでイベントも大成功!うふふ」
春香「事務所に寄って帰ろーっと……あれ」
春香「あそこにいるのは…まさか」
やよい「……ふぇ?」
春香「やよい、私だよ!覚えてる?765プロの」
やよい「はわっ、春香さん!お久しぶりです!すっごく大人っぽくなってるから分かりませんでしたー!」
春香「久しぶりだよーっ!やよいもこんなに美人になっちゃって……!」ギュゥゥ
やよい「あう、く、苦しいれふ…」
春香「あ、ごめん」
春香「そうだよ。近所のEDAYAでイベントやってたの」
やよい「えぇっ!?すぐ近くじゃないですか!言ってくれれば見に行ったのに」
春香「あら、ごめんごめん」
やよい「次はちゃんと教えてくださいね?…今から帰りですか?」
春香「うん、その前に事務所に寄ってから…そうだ!やよいもおいでよ、久しぶりに!」
やよい「い、いいんでしょうか?」
春香「もちろんだよ!プロデューサーさんもいるよ」
やよい「プロデューサーも?」
春香「きっとみんな歓迎してくれるよ!ささ、こっち!」
ガチャリ
春香「ただいまー!」
小鳥「春香ちゃん、おかえりなさ………あーっ!!!」
やよい「えへへ、小鳥さん…お久しぶりです」
小鳥「キャ─────ッ!!やよいちゃんじゃないのよーっ!!」
春香「小鳥さん、喜びすぎですよ」
小鳥「だって!だって!もう何年も会ってなかったのに……うわー、背も伸びてすっかり美人になっちゃったわね!」
やよい「あ、ありがとうございます」
春香「ですよね?すっごく美人になりましたよね、やよい!やよい美人!」
やよい「そんな、平安美人みたいに…えへへ」
律子「何なんですか小鳥さん、としがいも……」
やよい「律子さん、お久しぶりです!」
律子「キャ──────ッ!!やよいじゃないのよーっ!!」
春香「律子さん、喜びすぎですよ」
律子「だって!だって!もう何年も会ってなかったのに……うわー背も伸びてすっかり美人になったわね!」
やよい「あ、ありがとうございます」
春香「(デジャヴだ)」
小鳥「待っててね、今お茶入れるわ」スタスタ
律子「残念だったわね、ついさっき別の子の営業の迎えにいったところよ」
やよい「あ、そうだったんですか…」
春香「残念だね」
律子「しばらくしたら戻ってくると思うけど。待ってる?」
やよい「……いえ、ご飯作りに帰らないとダメなんで今日は帰ります!」
春香「えー?ゆっくりしていきなよせっかくなんだし」
やよい「そうしたいんですけど、みんな待ってるから…また遊びに来ても良いですか」
律子「もちろんよ、いつでもいらっしゃい。プロデューサーにも、来てたこと伝えておくわ」
やよい「はい!では失礼します」
春香「やよい、またね!」
バタン
小鳥「お茶どうぞー…あら」
律子「あ、ごめんなさい…もう帰っちゃった」
小鳥「えー?もっと話したかったんだけどなぁ…残念」
──────
おじさんへ
今日、とってもいいことがありました!
私が昔アイドルをやってたときの(このことはもう話しましたっけ?)
事務所の先輩の春香さんと、町で偶然あったんです!
春香さんは昔も優しくて美人な人だったんですけど、それよりもずーっと大人っぽくなってて…
思わず見とれちゃいました
そのあと春香さんにつれられて久しぶりに事務所に遊びにいったんですけど、
律子さんや小鳥さんとも会えてとっても嬉しかったです!
律子さんも春香さんと同じくらい、大人っぽく美人になってました!
小鳥さんは変わらず若いままでした
おじさんは最近嬉しかったことありましたか?
お返事待ってます
高槻やよい
──────
P「俺も会いたかったなぁ」
律子「行けば良いじゃないですか、家に会いに」
P「おまえ、それじゃなんか俺がやよいにすっげー執着持ってるみたいじゃないか」
律子「ボランティアで奨学金援助してるくせにいまさら何を」
P「ぐぬぬ」
律子「まあいいことなんで咎めはしないですけど。でもなぜこんなことを?」
P「………いろいろあるんだよ」
律子「……そうですか」
律子「私、営業に行ってきますね」
P「行ってらっしゃい」
ガラガラ
やよい「ただいまー」
長介「お帰り。飯作っといたよ」
やよい「え?ありがとう…でも、今日は私が作るって言ってたのに」
長介「姉ちゃんはバイトで忙しいんだから、このくらい任せろよ。俺らだってたいていの家事はこなせるんだから」
やよい「でも、長介は受験なんだから勉強しないと」
長介「飯作ったくらいで受からなくなる大学なんて、始めから受からねぇよ。もうすぐ部活も引退だし、そしたら正式に飯係を引き継いでやるよ」
やよい「…ありがとう。助かる」
かすみ「ただいまー」
やよい「おかえり、かすみ」
かすみ「あれ?お姉ちゃん、今日はバイト終わるの早いんだね」
やよい「ご飯作るつもりで帰ってきたから。でも長介が作ってくれてた」
かすみ「長介が作ったの?お姉ちゃんのほうがおいしいから好きなんだけどなー」
長介「うっせ」
やよい「じゃ、洗濯物取り込まないと…」
かすみ「あ、私がやるよ」
やよい「そ、そう?」
かすみ「お姉ちゃんバイトで疲れてるんだから、休んでていいよ」
やよい「あ、ありがとう…」
長介「飯出来たぞー。今日はもやしチャーハン祭だ!」
P「おはようー……なんだ、俺が一番のりかよ」
P「まあいい。メールチェックと……あ、やよいに返事書いてやらんとな」
──────
やよいちゃんへ
君がアイドルだった話は昔聞いたと思うよ
僕はテレビには詳しくないけど、大人気だったんだろう?
やよいちゃんは元気いっぱいだから、きっとファンもたくさんいたんだろうね
事務所の先輩も、いい人そうでとってもうらやましいよ
僕の最近のいいことといえば、いつも散歩するかわらで綺麗なタンポポが咲いていたことかな
もうすぐ春なんだって思うと、心がうきうきして来るんだ
やよいちゃんはどの季節が一番好きなのかな?
お返事待ってます
あしながおじさん
──────
P「タンポポのくだりは完全にフィクションだがな」
P「…こうやってやよいと文通してるときが一番嬉しい」
P「なんて恥ずかしいしキモい。30手前のおっさんが何言ってるんだよ」
P「あしながおじさんは、多少ファンシーな路線で無いとダメなんだ」
P「……早く出しに行こう」
ガチャリ
春香「おはようございまーす!」
P「うぉっ!?」
春香「わっ、プロデューサーさん。早いですね」
P「お、おう。おはよう」
春香「それ、手紙ですか?」
P「(そういえば、春香にはやよいとのこと何も言ってなかったっけな)」
P「ああ、ちょっと昔の友達にな」
春香「へぇ。メールとかじゃないんですね」
P「メールを簡単に送れる時代だからこそ、手紙のよさが引き立つんだよ」
春香「なるほどー…どんなお友達なんですか?」
P「う、うーんと…元気な奴だよ。ちょっと年下だけど、昔はよく一緒にいた」
春香「そうなんですかー。私も久しぶりに高校の友達とお話してみよっかな」
P「いいんじゃないか?積もる話もあるだろう」
春香「ですね、今度遊びに誘ってみます。私今日はレッスンなんで、早めに行ってきます」
P「おう、頑張れよ」
バタン
P「………ふぅ」
P「いや、まあバレても問題は無いんだけどな…多分」
P「……出しに行こう」
やよい「ふーっ、バイト終わりっ」
やよい「まだ夕方か…ちょっと早いけど、帰ってゆっくりしようかな…」
『またいつでもいらっしゃい』
やよい「………」
やよい「いきなり行ったら、迷惑かな?」
響「だーかーらー、あの子はそういうんじゃ伸びないんだって!もっと厳しく行かないとダメさー!」
真「違うよ、あの子はほめて伸ばすタイプ!今日の見た?響に怒られて萎縮してたじゃないか!」
響「あの程度でやる気なくされても困るんだけどなー」
真「ちょっと、そんな言い方は無いだろ!?」
やよい「あれ?あの二人…」
響「あるよ!あのぐらい厳しいのに耐えてもらわないと意味無いぞ!」
真「…はぁ、難しいなぁ………って」
響「…ん?」
やよい「真さん?響さん?」
真「やよいーっ!!」
響「うそっ!?ホントにやよいかっ!?」
やよい「はいっ!お久しぶりです!」
真「うわー……やよい、メチャクチャ美人じゃないか…」
響「自分の身長抜かしたんだな、やよい……」
やよい「えへへ」
響「もしかして、今20歳?」
やよい「はい、大学3年生です!」
真「若いなー」
やよい「真さんもまだまだ若いですよー」
響「気にしなくていいぞ。真はこういうことよく言う年頃だから」
真「ちょっと!」
やよい「二人は今も仲良いんですね」
真「あぁ、そうなんだよ。ボクたちも去年そろってアイドル引退してさ」
響「今はダンススクールのコーチやってるんだ!」
やよい「そうだったんですかー」
響「そうそう。『元トップアイドルの二人が一生懸命指導します!』ってさ」
真「よかったらやよいも今度遊びにおいでよ!」
やよい「行きたいけど、ダンスなんてもう何年もやってないですよ?」
響「そんなの気にしなくていいさー!体動かすと楽しいよ!」
やよい「…じゃ、時間が出来たら」
真「いつでも歓迎だよ!」
響「それで、やよいはこれから帰るところか?」
やよい「はい!あ、でも事務所に寄ってみようかなーって」
真「765プロに?」
響「ホントか!?自分も久しぶりに遊びに行きたいぞ!」
真「うわー、この階段も懐かしいなー」
響「なんかちょっと緊張してきたぞ…」
やよい「プロデューサー、いるかな?」
ガチャリ
やよい「こんばんはー…」
小鳥「あら、やよいちゃん。また来てくれたの?いらっしゃい」
やよい「小鳥さんこんばんは!あの、それとあと二人」
響「ピーヨちゃん!」
真「お久しぶりです!」
小鳥「キャ───────ッ」
いや何でも無いです
小鳥「だって、だって!」
真「まあ久しぶりだし、いいじゃないか」
やよい「さっき偶然会ったんで、一緒に行きませんか?って」
小鳥「やよいちゃんGJよ!!」
やよい「じーじぇい?」
小鳥「律子さん!律子さん!」
律子「なんですか小鳥さん、騒々し…」
響「久しぶり!」
真「元気だった?」
律子「キャ──────ッ」
真「これは予想外」
律子「あんたたち久しぶりじゃない!元気だった!?」
やよい「さっき偶然会ったから」
律子「グッジョブよやよい!」
やよい「ぐっじょぶ?」
小鳥「今お茶入れるわね」スタスタ
やよい「春香さんやプロデューサーはいますか?」
律子「春香ならもうすぐ帰ってくると思うけど…プロデューサーはどうかしら」
律子「電話してみるわ」prrrrrr
真「いやー、懐かしいなー。ここは全然変わらないね」
響「真の奴、さっきから懐かしいばっかりだぞ」
やよい「久しぶりですもんねー」
真「や、やめろよ響…別にいいじゃないか」
やよい「真さんはまだまだ若くて綺麗ですよー」
律子「小鳥さん、お茶こぼしてますよ」
真「やよいぃ」ギュゥゥ
やよい「あうっ、苦しいれふ」
ガチャリ
春香「ただいまー!」
響「あ、お帰り春香」
真「お帰りー」
春香「ただいまー」
やよい「春香さん、お疲れ様です!」
春香「お疲れー、やよい」
春香「キャ───────ッ」
真「いやー、さっきやよいと偶然」
響「町で会っちゃって」
やよい「一緒に遊びに来ようってなったんです」
春香「よくやったわやよいっ!」
やよい「はい!」
律子「はい……はい。そうですか…ところで今、事務所に誰が来てると思います?」
律子「響と真もですよ!早く帰ってきてください。きっと喜びます」
律子「……え?どのくらいですか?」
律子「………わかりました…仕方ないですよ。では後ほど」ピッ
真「プロデューサーはいつ帰ってくるの?」
律子「渋滞に引っかかったそうよ。かなり時間かかるって」
響「そっかー、残念」
律子「時間大丈夫なら、来るまで待っててくれてもいいのよ」
小鳥「遠慮なんて要らないのに」
響「また遊びに来るさー」
やよい「私も、帰ってやらなきゃいけないことが」
律子「…そう。やよい、何度もごめんなさいね」
やよい「いいんです。また遊びに来てもいいですか?」
小鳥「もちろんよ」
真「じゃ、また!」
響「元気でなー!」
やよい「失礼しまーす」
バタン
春香「…いやー、久しぶりに会うと嬉しいですねっ!」
律子「元気にやってるようで何よりだわ」
小鳥「プロデューサーさんにも会わせてあげたかったわねー」
おじさんへ
今日、また事務所の先輩と偶然会いました!
真さんと響きさんって言うんですけど、アイドルを引退したあとはダンススクールをやってるそうです
私はアイドル時代もダンスはあんまり得意じゃなかったから、二人はすごいなーっていつも尊敬してました
その後事務所へ行って、またみんなでおしゃべりしたんです
とっても楽しかったんですけど、プロデューサーは忙しくて会えませんでした
次はお話できたらいいなって思います
そろそろ花粉の季節ですね
おじさんも体調には気をつけてください
高槻やよい
──────
P「そうそう、この間真たちのダンススクール見に行ってきたんだ」
律子「え、そんな暇あったんですか?」
P「30分ほどな。すごい大盛況だったよ」
律子「そりゃ、元トップアイドルが二人もコーチしてるんですから話題にならないわけありません」
P「元気そうで何よりだよ」
やよいちゃんへ
ダンスが得意で、スクールを開いたっていう先輩、かっこいいね
僕は運動神経はあまり無いから、学校で昔やったダンスもあんまり上手に出来なかった記憶があるよ
プロデューサーっていうのは、君がアイドルだったころにお世話になった人なのかな?
会えなくて残念だったね、きっと次はお話できるよ
僕は花粉症にはならない体質だから平気だよ
やよいちゃんも体に気をつけて
あしながおじさん
──────
ガラガラ
やよい「ただいまー」
長介「お、お帰り…姉ちゃん」
やよい「今日も長介がご飯作ってくれたの?ありがとう」
長介「あ、ああ、それはいいんだけどさ、実は……」
父「あ?やよい帰ってきたのか?」
やよい「!」
P「春香、お前に演劇の話が出てる」
春香「えっ、ホントですか!?」
P「決して大きな規模ではないけどな。有名な俳優さんが何人か出るらしいし、お前も学べることがあるだろう」
春香「で、私はどんな役で?」
P「まだ詳しくは決まってないみたいだが…あ、ヒロイン役はすでに決まってるから助演に限られるそうだ…どうする?」
春香「やります!いい経験が出来そうですし」
P「そうか。ならディレクターに電話しよう…そうだ」
P「ヒロインの女優、誰か聞きたいか?びっくりするぞ」
春香「え…だれです」
P「星井美希だよ」
春香「美希!元気だった?」
美希「すっごく久しぶりなの。春香、美人になったね」
春香「いやいや、美希こそ……すごいスタイル良いんだね」
美希「そう?ありがと」
P「よう、美希」
美希「ハニー!」
P「バカ、その呼び方はやめろって…」
美希「もうずっと会いたくて会いたくて震えてたの」
P「先週会ったばっかりだろ…まったく」
春香「はは…変わらないね、美希。……ん?」
P「あ…いや、別に」
美希「教えてあげる。ハニーはね」
春香「まさか……!」
P「違う違う!そういうのじゃない!」
P「コイツが毎週毎週メールよこしてきて…先週ってのはたまたまだ!」
美希「えー、そんな言い方ないの」
P「お前も876に移籍して何年になるんだ?いい加減俺から離れろ」
美希「それは無理なよーきゅーだって思うな」
春香「…プロデューサーさん……それはちょっと…」
P「だからちょっとあって話しただけだ。何もしてないって」
美希「だって、ミキにはハニーしか考えられないの。ねえ、もうミキ21だよ?」
美希「結婚できる歳になってもう5年だよ?待たせすぎなの」
P「……とにかく、今はそういう話をしに来たんじゃない」
P「俺は春香のサポートをしに来た。美希は自分のプロデューサーのところに戻れ」
美希「プロデューサーもミキのこういうトコは黙認してるよ?」
P「元Pにここまで執着もたれてちゃ、プロデューサーさん泣くぞ」
美希「女のプロデューサーだから大丈夫」
P「…春香、楽屋行くぞ」
春香「はい…美希、またね」
美希「ハニー!今日の夜もちゃんとメールしてよね!」
P「こらっ!」
やよい「ふーっ、今日のバイトも終わり…っと」
やよい「………」
やよい「……だいじょうぶかな…」
真「……おーい…おーい!やよい!」
やよい「あれっ?真さん、こんばんは」
真「バイト?お疲れ!ねえねぇ、さっきあっちで雪歩に会ったんだ!」
やよい「雪歩さんですか?」
真「響が今捕まえてる。良かったら一緒に会いに行こうよ!」
やよい「…はい!」
響「おっ、やよいが来たぞ!」
雪歩「やよいちゃん、お久しぶりだね」
やよい「雪歩さん、お久しぶりです!」
雪歩「ホントだね。大人っぽくなったよ」
やよい「ありがとうございます」
響「ね、ね。せっかくだし今度は雪歩も連れて事務所に遊びに行こうよ!」
真「良いね!雪歩は大丈夫?」
雪歩「う、うん。私は平気だよ」
響「やよいは?」
やよい「…ごめんなさい。今日はちょっと早く帰らないとダメなんで」
真「…そっかぁ。残念」
響「また今度一緒に行くさー!」
雪歩「やよいちゃん、またね」
やよい「はい!」
やよい「雪歩さんも、とっても綺麗だったなー」
ガチャリ
真「こんばんはー!」
響「また遊びに来たぞ!」
雪歩「おじゃましますぅ」
小鳥「あら、いらっしゃ……まぁ!」
小鳥「雪歩ちゃんじゃない!久しぶりね!」
雪歩「はい、お久しぶりです…えへへ」
小鳥「律子さん!律子さーん!」
律子「何ですか小鳥さん……まぁ!」
律子「雪歩じゃない!久しぶりね!」
雪歩「はい、お久しぶりです…えへへ」
雪歩「あの、会社の受付嬢を…」
真「いいなー、かわいらしい仕事で。雪歩にぴったりじゃないか」
雪歩「そ、そんなことないよ」
小鳥「男の人は大丈夫なの?」
雪歩「なんとか、普通に話せるくらいには…でないと仕事になりませんから」
響「ここにいたころには『プロデューサー以外の男の人には触れられたくない』見たいなこと言ってたのにな!」
雪歩「ちょっ、響ちゃん…昔の話だよぅ」
律子「確かに、昔の雪歩からは想像つかない職業かもね。成長したじゃない」
雪歩「あ、ありがとうございます」
ガチャリ
P「ただいまー」
真「あっ、プロデューサー!」
響「帰ってくるの遅いぞ!」
律子「お帰りなさい。雪歩もいますよ」
P「えっ、雪歩?」
雪歩「あ、どうも…ご無沙汰してますぅ」
P「雪歩!ひさしぶりだなぁ!元気だったか!?」
雪歩「は、はい…プロデューサーもお元気でしたか?」
P「元気だよ元気だよ!いやぁわざわざ来てくれるなんて嬉しいなぁ」
春香「ただいまー」
美希「遊びに来たの!」
真「美希!?」
美希「…あ!?真クンなのー!!」
響「なんで美希が!?876に移籍したんだろ!?」
美希「響、知ってたの?プロデューサーが今日だけ遊びに行ってもいいって言ってくれたの」
美希「その今日に限ってみんなと会えるなんて、運がいいの!」
美希「雪歩も綺麗になったって思うな!」
春香「…こうやってみんなでお喋りするのって、なんだか懐かしくてワクワクしちゃうね」
P「…今日はやよいは来てないのか」
響「誘ったけど、忙しかったみたいだぞ」
真「次も一緒に遊びに来ますよ!」
律子「そんなことばっか言ってられないでしょ。みんな仕事や学校があるんだから」
響「うぅー、そうだぞ…例のあの子の教育方針で、まだ真と揉めてるんだった」
真「そうなんだよなぁ…なかなか響と折り合いがつかなくて」
雪歩「仕事で対立してる割には、二人とも仲良いんだね」
真「まあ、それはそれ」
響「これはこれだからな」
美希「さすが真クンは男らしいの」
真「えっ」
長介「かすみ…姉ちゃんとお父さん、どんな感じ?」
かすみ「…あんまりいい雰囲気じゃないみたい。たぶんお金の話してる」
長介「……姉ちゃん……」
やよい「……いままでどこ行ってたの?お母さんは」
父「あーいや、帰ってきたわけじゃないんだ。母さんは実家に帰ってる」
やよい「………じゃあ何しにきたの」
父「ひどい言い方だなぁ父親に向かって。なに、たまたま近くを通ったからお前らが元気にやってるか見に来たんだよ」
父「ついでに1泊させてもらっただけじゃねえか」
やよい「……もう用事は済んだ?」
父「歓迎されてないなぁ…しゃあねぇか」
父「帰る前に、ひとつだけ頼みごとがあるんだ。ちょっとサインしてほしい書類があってな」
やよい「……これって」
父「あ?大丈夫大丈夫、心配するな。ただの形式上のもんだよ」
やよい「連帯保証人なんて、私ならないよ」
父「だから、心配いらねぇって。お前らに迷惑はかけねぇよ、父親を信じられねぇのか?」
やよい「………」
父「な。ちゃんと返せば何もない。お前たちには何の害も無い。ただサインだけしてくれればいい」
やよい「…………」
父「さっさと書けよ」
やよい「……………」
父「お前が書かないんなら、長介に頼むしかないなぁ…それがダメならかすみだな」
やよい「やめてっ!長介は受験なの…そんな心配させられない!」
父「なら分かってるな?」
やよい「……………」
父「ほら」
やよい「………………」
父「さっすが、おれの自慢の娘だぜ」
P「ふぅ………」
P「ひまだ」
P「(春香は演劇の稽古、律子は営業、小鳥さんと社長は出張…)」
P「(他のアイドルも余り手がかからなくなったし)」
P「(なにより…最近、やよいからの返事が来ない)」
P「…ま、ずっと続くわけは無いんだが…分かっててもちょっと寂しいなぁ」
P「…おっさんがなに感傷に浸ってるんだよ…」
P「事務所は空けといていいって言われたし…どっか出かけるかな」グゥー
P「そういや飯食ってなかったな…」
P「ラーメンでも食いに行くか」
ガラガラ
「いらっしゃいまし」
P「ども」
P「(客俺しかいねぇじゃん)」
「かうんたぁ席へどうぞ」
P「はいよ、かうんたぁね」
「ご注文は?」
P「うーん、どれにしようかな…」
「迷ったときは、当店オリジナルメニュー『麺妖な』がおすすめですよ」
P「…なるほど、んじゃそれで……」
「承知いたしました」
P「いただきます」ズズズズズ
P「……うん。上手い」
「それはまこと善き事」
P「うん、とくにこの細長ーい白ネギ…まるで髪の毛みたいに細いな」
P「いい食感だ」
「ありがとうございます」
P「…………それで」
P「なんでこんなところで働いてるんだ?」
貴音「何故と申されましても……ここで働いているのは、いわゆるあるばいとというものですよ」
P「店長は?」
貴音「私です」
P「」
P「バイトが店の命運背負いすぎじゃないか?……替え玉を頼む」
貴音「ええ。ですが、むしろこれで都合がよいのです」ユガキユガキ
貴音「私の夢…それは至高のらぁめんを追求すること」ユガキユガキ
貴音「そのためには、自ら店を持ち提供する側に立つことが近道だと気づかされました」ユガキユガキ
P「…そうか。忙しいんだな」
貴音「このくらい、安いものです」スチャッ
P「…でも、たまには事務所に遊びに来てもいいんだぞ。こんなに近くでやってるんだし」
貴音「お心遣い感謝いたします」スチャッ
P「(…キレのある湯切りだ。ダンス経験が活かされてるな)」
貴音「ですが、私は偶像という肩書きをすでに捨てた身」スチャッ
貴音「私のようなものが邪魔してしまうと、後進の方々に迷惑がかかるやも」スチャッ
P「そんなことはないさ。事実、最近はみんないろいろ遊びに来てるぞ」
P「やよい、真、響、雪歩…美希も」
P「当たり前じゃないか。で、事務所で上手いラーメンを作ってくれ」
貴音「では、いずれ是非」
P「おう」
貴音「替え玉です」チャポン
P「ありがとう」
P「それにしても、何でここはこんなに客が少ないんだ?」
P「こんなに旨いのに、しかも元アイドルがやってるラーメン屋だぞ」
貴音「それには訳があるのです」
P「どんな?」
貴音「この店に来てくださった方だけが知る、とっぷしぃくれっとです」
P「?」
貴音「それに、お客様が多すぎても、自らのらぁめんを追及する時間が少なくなってゆくばかりです」
貴音「ですから、これでちょうど良いということですよ」
P「…ふぅん」
P「なんだかよく分からんが…ごちそうさま」
貴音「ありがとうございました」
ガラガラ
P「貴音のやつ…相変わらずよく分からんな」
律子「どうしました?」
P「帰ってたのか。いやなに、すぐそこに新しく二十郎が出来てるだろう?」
律子「はい?何言ってるんですか。二十郎は隣町の商店街にしかないですけど」
P「は?だって駅前の角のあの店の向かいに…」
律子「駅前の角の…その場所はずっと空き家ですよ?何年も前から」
P「……………」
律子「何言ってるんですか、まったく」
P「」
やよい「(……書類にサインしたら、お父さんは逃げるように家を出て行った)」
やよい「どうすればいいんだろう…」
やよい「おじさんに相談してみようかな……」
やよい「!…だ、ダメだよ…!」ブンブン
やよい「ただでさえ、たくさん助けてもらってるのに…頼ってばかりじゃダメ……」
やよい「……そういえば、お手紙…返事まだ書いてなかったな」
やよい「………」
やよい「…また今度にしよう」
ピンポーン
やよい「?誰だろう」
業者「ども。高槻やよいさんのお宅でしょうかネェ?」
業者「あんたの親御さんがネ、うちから借りたお金返さずに消えちまったんですわ」
業者「んで、保証人になってるあんたのとこへ来たってわけです」
業者「利息分含めて961万と427円。今すぐにとは言いませんが」
業者「ご準備のほど、お願いしますぜ」
業者「今日はそれだけでさぁ。では」
ガラガラ
ピシャン
やよい「………………」
P「やよいから返事が来ない…」
小鳥「おじさん宛のですか?」
P「そうなんです。もう一月も…何かあったのかな」
小鳥「そんなに心配なら、直接会えばいいじゃないですか」
小鳥「実際に何回か事務所に遊びに来てるんですから」
P「いや、それは…」
小鳥「どうして嫌がるんです?」
P「別に嫌がってるわけじゃないんですが…」
小鳥「じゃあどうして?」
小鳥「他の皆は顔を合わせられるのに、自分だけ間が悪いなって言ってました」
P「………やよいがアイドルを辞めた理由、知ってますか?」
小鳥「え?確か、家族を優先させたいとかって」
P「それは表向きの理由です」
小鳥「?」
P「………俺のせいでもあるんです」
P「今じゃ相当昔ですね…やよいのラストコンサートの後の話なんですが」
P『え?車?俺に?』
やよい『今までお世話になったプロデューサーに、感謝の印です!』
P「あの車、400万もしたそうです。俺が喜びそうなのを選んだら、どうしても高いのになっちゃったって」
小鳥「それは聞きましたよ」
P「その直後ですよ。やよいの父親が400万の借金を残して消えました」
小鳥「……えっ?」
P「これは事務所じゃ、俺とやよい以外知らないんですが……全部話します」
P「当然、やよいの家には取立てが来る」
P「そして家族は、やよいの収入から充てようと考えた。考えればひどい話ですが、それしか頼る当てが無かったんです」
P「でも、やよいが1年間で稼いだギャラは500万」
P「そのほとんどを……俺へのお礼なんて馬鹿なことに使うのを、俺は止められなかった」
P「好意は受け取らなきゃという建前で、おいしい思いをしたのは俺なんです………」
P「……拒否されましたよ。せっかくお礼が出来たのに無駄になっちゃ、俺に悪いだなんて」
P「でも、どう考えても優先させるべきはやよいの方でした。400万全部は取り返せませんでしたが、なんとか売り手を見つけて200万」
P「残りの100万は俺の貯金から」
P「それで何とか返しきったってワケです」
P「俺が借金を肩代わりしたこと…俺へのお礼が最悪の形で消えてなくなったこと」
P「その2つにひどいショックを受けて、『必ず返します』と言い残してやよいは引退を表明しました」
小鳥「そんなことが……」
P「結果的に、俺はその金すらもやよいに返してしまってるんですよ」
P「そのことが本当に正しいことなのか、分からなくて」
小鳥「それで合わせる顔がないと」
P「何があしながおじさんですか」
小鳥「嫌なことはおいておいて、久しぶりにお話するだけでも何か変わると思いますよ」
P「……もう少し気持ちの整理がついてからにしたいんです」
ガチャリ
春香「プロデューサーさん!うわっ」dngr
P「ちょっ、春香!?大丈夫か」
春香「いててて…聞きましたか!?やよいの弟の長介が…」
春香「暴行を受けて入院したって」
P「……長介が?」
小鳥「暴行って…一体何があったの?」
春香「それが…やよい、話してくれなくて。何か知ってるみたいでしたけど」
P「……………」
春香「プロデューサーさん。私この後暇ですから、お見舞い行きましょう」
P「…………」
春香「……プロデューサーさん?」
小鳥「春香ちゃん。プロデューサーさんはちょっと今忙しいみたいだから、私と行きましょう」
春香「?…はい」
長介「…………ん、ぁぃてて…………」
「あれ、目覚めたっぽい?」
「ほらほら!動いちゃダメだYO→」
長介「………ここは…」
「病院だよ」
「ずいぶんとひどい怪我して運ばれてきたもんね、キミ」
長介「………姉ちゃんは……?」
亜美「やよいっちのことかい?」
真美「心配しなさんな、さっき帰ってったけど怪我ひとつしてないからさ」
亜美「悪者から勇敢に姉を守る弟…んっふっふ〜」
真美「長介、やるじゃん。かっこいいNE!」
長介「………なんで俺の名前、知ってるの……?」
亜美「こりゃまたひどいですな真美君、もしかすると頭を打ってるのかも」
真美「なるほど……亜美君!CTの準備を」
長介「……え?…え?もしかして姉ちゃんの友達の……」
亜美「よーやく思い出した?」
真美「元美少女アイドルの双海姉妹だよーん」
長介「………なんで看護師さんなんかやってるの?」
真美「真美たち、大学の実習中だよ」
亜美「親が医者やってると、どーしてもこういう道に進まなくちゃいけないんだよね→」
長介「………」
真美「そういうわけで、今日は大事な友達のやよいっちを守ってくれたお礼として…」
亜美「亜美たちがつきっきりでや・さ・し・く看病してあげるかんね!」
亜真美「「んっふっふ〜」」
しかもつきっきりで看護だろ……ちょっと入院してくるっ
亜美「おやおや?長介殿〜」
真美「照れる必要は無いのだよ〜?」
長介「いや、へんな注射とか打たれそう」
真美「何っ!?失礼な!」
亜美「こー見えてもまじめにナースやってるんだYO!」
先生「こら、双海姉妹!まじめに実習せんかっ!!」
亜美「うげっ」
真美「ごめんなさーい」
長介「………ははっ」
春香「失礼しまーす…長介?」
小鳥「高槻長介君いますか?」
亜美「あ、はい。こちらに………」
春香「………」
真美「………はるるん?」
春香「亜美?真美?」
小鳥「……なんてこと」ブバッ
春香「!?」
亜美「うぎゃっ!?ピヨちゃんが鼻血出してぶっ倒れたっ!!」
真美「亜美、ティッシュティッシュ!あとナースコール!」
亜美「どうしよう!?亜美たちナースだよ!?」
真美「えぇっ!?どうすりゃいいの!?」
長介「………ははははっ!!はははっ!」
春香「………長介、怪我は平気?」
真美「CHO→久しぶりじゃん!!」
春香「あはは、二人とも久しぶり。でも、今は長介の看病を」
亜美「あぁ、そうだった」
先生「双海ィ!!」
真美「ヒェッ!?」
亜美「やってますよぅ!!」
長介「……春香、さん?」
春香「覚えててくれたんだね!久しぶり」
小鳥「」ドクドク
春香「そう。良かった」
亜美「長介〜、うらやましいねぇ」
真美「いまや押しも押されぬトップアイドルが、じきじきに見舞いに来てくれたんだから!」
亜美「それに美人双子ナースもね☆」
長介「…自分で言うなよ」
真美「それとそれと→、超絶……」
真美「………美熟女」ボソッ
真美「のピヨちゃんも!!」
亜美「亜美が男だったら、もうビンビンだね!」
春香「ちょっと亜美///」
長介「下ネタかよ……」
小鳥「ウーン、ビン…ビン…デスッテ…?」
春香「あ、小鳥さんが起きそう」
長介「ちょっ…///」
春香「!」
亜美「!」
真美「!」
小鳥「あれ?私は何を…きゃぁっ!?」
小鳥「亜美ちゃん!真美ちゃん!なんてかわいいコスプレなのっ!?」
真美「コスプレじゃないYO」
春香「小鳥さん、大丈夫ですか?」
小鳥「うーん、平気……あ、そうだ」
小鳥「長介君、怪我の具合はどう?」
長介「は、はい…大丈夫です」
小鳥「そう、良かったわ」
長介「…わ、わざわざありがとうございます…」
小鳥「いいのよ。こんなおばさんに見舞われても嬉しくないと思うけど。…はぁ」
長介「い、いぇ、そんなこと…」
亜美「」
真美「」
小鳥「ん?皆どうしたの?」
小鳥「亜美ちゃんたち、ナース服とっても似合ってたわ〜」
春香「実習ってやっぱり忙しいんでしょうか?」
小鳥「頑張ってるわね」
長介「相変わらずですよね。良くも悪くも」
春香「…それで、あのね長介…」
春香「やよいは、長介がどうしてこんな怪我をしたのか、理由を知ってるみたいだったんだけど」
春香「…なにかあったの?」
春香「うそだよ。長介はそんなことする子じゃないはずだよ」
長介「何が分かるんですか…」
小鳥「長介君、これはもしかするとやよいちゃんのためになることかもしれないの」
小鳥「言いづらいのは分かるけど、黙ってちゃ何の解決にもならないわ」
長介「…………」
長介「借金取りが」
小鳥「!」
春香「!」
長介「金を払えないなら、別のやり方しかないって言って…姉ちゃんをさらおうとしたんだ」
長介「だから止めようとしたら、逆にボコボコにされた」
長介「………かっこ悪いから言いたくなかっただけだよ………」
いい締りだ・・・
偽物め!
俺が長介だ!
残念だが本物はわたしだ
小鳥「それで、やよいちゃんは?」
長介「騒ぎが大きくなってきたから、近所の人が様子を見に来たんだ」
長介「そしたら……急いで帰っていった」
長介「だから姉ちゃんは無事」
春香「ひどい……」
小鳥「その人たちが来たのは、初めて?」
長介「2回目です…」
小鳥「……これはただ事じゃないわ」
小鳥「長介君、いつ退院出来るか分かる?」
長介「先生は明後日って…骨折ったりはしてないから、しばらく安静にすればいいらしいです」
小鳥「退院したら、家族みんなで事務所にいらっしゃい」
春香「えっ?」
長介「…何言ってるんですか?」
小鳥「プロデューサーさんや社長たちも、事情を話せば受け入れてくれるわ」
春香「匿うってことですか…?」
長介「ダメですよ…!取立てが事務所にも来ますよ!?」
小鳥「なんとかするわ」
長介「…迷惑かけられません。姉ちゃんはもう、アイドルじゃないのに」
春香「……関係ないよ、長介」
長介「…?」
春香「今はもうアイドルじゃないとしても」
春香「やよいは私にとって、ずっと765プロの仲間だもん」
春香「困ってるときは助け合わなくちゃ!」
長介「………」
長介「ありがとう…ございます…………」
小鳥「決まりね」
小鳥「春香ちゃん、もう少しここに居てあげて。私は事務所に電話してくるわ」
真美「やよいっち、そんなことがあったんだ…」
亜美「…………どうする?」
真美「……………どうするかって?」
真美「………決まってんじゃん」
先生「双海姉妹!お前たちはまたサボって…」
亜美「先生、ごめんなさい」
真美「真美たち急用が出来たんで抜けます!」
先生「はぁ!?おい、何言ってる!!」
亜真美「「補修はちゃんと受けま〜すっ!!」」
先生「おいっ!!!」
律子「やよい…そんなことになってたなんて」
春香「長介が頑張って助けてくれたおかげで、今は無事だそうです」
小鳥「他の兄弟も、みんなここに連れてくるつもりなんですが」
律子「このままじゃやよいや家族の身が危ないのは確かね。すぐに連絡してください」
小鳥「了解です!」
律子「よし。それはそうとして…」
律子「どうして亜美と真美がここに居るの?」
亜美「律っちゃ〜ん、ひさしぶりだNE!」
真美「まぁまぁお堅いことは言いっこなしですYO」
律子「……それにその格好」
春香「あはは…実習の途中だったらしいんですけど…止められなくて」
律子「実習って…もしかして病院の実習?」
真美「実習なんて二の次だよっ!」
律子「バカ言ってんじゃないの!!」
亜美「うわっ!?」
真美「おそろしあ〜…」
律子「…まったく……ま、私も同じ立場ならそうしただろうし」
律子「この話はあとでするわ」
春香「…………」
律子「春香。誰にメールしてるの?」
春香「……みんな、ですよ」
律子「みんな?」
※緊急事態※
やよいとその家族が大変なことになっています!
このままではやよいがとんでもない目にあっちゃうかも…(><)
そんなの絶対許さない!
765プロ各員、至急事務所に来られたし!
繰り返す、至急事務所に来られたし!
(どうしても無理な人は電話してね)
──────
真「響、これ見た!?メール」
響「見たぞ……皆、ごめん!今日のレッスンはここで中止!」
真「ボクたち急用が出来たから、戸締りよろしく!!」
響「真、急ぐぞ!」
真「うん!」
雪歩「…これ……!」
雪歩「やよいちゃんに何があったの……!?」
上司「萩原君、そろそろ休憩時間終わっちゃうよー」
雪歩「…すみません。急用が出来たんで帰ります!」
上司「えぇっ!?困るよ急に!何があったの!?」
雪歩「お願いします!友達が……グスッ、大変なんです…!」
上司「………」
上司「わかった。後でちゃんと事情を話してくれよ」
雪歩「ありがとうございますっ!」ダッ
上司「………まずいことしたかなぁ」
美希「なに、これ……?」
愛「美希さん!!!自主トレ一緒に行きましょう!!!」
美希「…ごめんね愛。ちょっと無理そうなの」
愛「えぇっ!!!どうしてですかっ!!!」
女P「美希、何かあったの?」
美希「ミキのお友達が大変っぽいの!」
女P「ぽい?」
美希「とにかく行かなきゃなの!また明日!」ダッ
女P「ちょっと…!」
愛「美希さんどうしたんでしょう!!?あんなに急いで!!?」
貴音「なんと…やよいが…!」
貴音「これはなりません、すぐに事務所へ向かわねば」
黒井「おィおィ貴音ちゃん。一体どうしたというのかね?」
貴音「申し訳ありません黒井殿。本日は閉店です」
黒井「おィ、待ちたまえ!まだ替え玉を頼んでいないんだぞ!」
ガラガラ
黒井「…………」
黒井「おやァ?いつの間にか事務所の自室に戻ってしまっているではないか」
黒井「これは一体どういうことだ」
どういうことなの?
あずさ「あらー?何かしら、このメール」
あずさ「まぁ!やよいちゃんが!?」
あずさ「早く事務所に行かないと……」
あずさ「すみません〜、事務所はどちらか分かりますか〜?」
白人「huh? what's tha problem lady?」
あずさ「困ったわ〜」
千早「あずささん!何やってるんですかこんな所で」
あずさ「あら?千早ちゃんじゃない〜」
白人「what tha fuck are you?」
千早「I'm sorry, she's just a friend of mine」
白人「ain't no problem then don' let her go away again」
千早「なんでこんな所にいるんですか…ここシカゴですよ?」
千早「……あずささん、幼稚園の先生やってるんですか」
あずさ「えぇ、でもいつも遅刻しちゃって迷惑かけちゃってるの〜」
あずさ「千早ちゃんはこんな所で何をしてるの?」
千早「私はアメリカで歌の修行を…といっても小さなステージでしか歌えてませんけど」
あずさ「立派に頑張ってるのね〜」
千早「…それほどでも」
あずさ「ところで、このめーる見たかしら?さっき届いたんだけど」
千早「…高槻さんが?」
あずさ「千早ちゃんのところには、まだきてないのかしら?」
千早「アメリカにいるのに、どうして日本からのメールが届くんですか?」
あずさ「よく分からないわ〜」
あずさ「なんだか、やよいちゃんが大変らしいから事務所に行きたいんだけど〜」
あずさ「千早ちゃん、事務所はどっちか分かるかしら〜?」
千早「………」
千早「空港へ行きましょう」
千早「国際電話って、1分いくらだったかしら」
あずさ「早く行かなくちゃ〜」
春香「うん、うん、……あずささんもいっしょなの?どうして……」
春香「…わかった。その間にこっちで何とかしておくね」ガチャン
美希「誰から?」
春香「千早ちゃん。シカゴにいるらしいから、こっちに来るのに半日はかかるって」
真「へぇー、千早すごいなー」
美希「さすがなの」
雪歩「あとは…伊織ちゃん?」
響「何か返事あったのか?」
春香「それが…連絡がつかないの」
春香「それに…肝心のやよいも連絡が取れない」
浩太郎「もしかしたら家に帰ってるかも…」
律子「…そうね、電話に出ないって事はいつも通りにしてるかもしれないわ
真「…どこ行ってるんだよ…」
P「……おれがやよいを迎えに行こう」
小鳥「プロデューサーさん…!」
かすみ「私も…」
P「君はダメだ。危険だから」
真「ボクも行きます!」
響「自分も…!」
美希「ミキも一緒に行くの」
貴音「私も…」
律子「ちょっと、待ちなさい。皆で行ったってしょうがないでしょ」
律子「プロデューサーが一人で行っても…向こうは取り立て屋でしょ?」
律子「その場で追い払っても、お金を返さないとどの道引き下がらないわ」
P「そのときはまた俺が肩代わりすればいい」
律子「そんなお金どこに……また?」
P「……ないが…何とかする」
律子「……何とかって」
春香「……お金ならあります。一応、貯金はそれなりにたまってるし」
真「ボ、ボクも…ちょっとだけなら」
響「あんまり足しにはなりそうに無いけど…」
美希「ミキもお金ならあるよ」
雪歩「わ…私も、ちょっとなら…」
貴音「………少しだけなら……」
P「何言ってるんだ、お前らから借りられるわけ無いだろう」
真美「まだまだビンボーな学生だもんね」
亜美「ごめんねにーちゃん」
P「だから良いんだって」
P「…俺一人で行く」
小鳥「プロデューサーさん!」
P「…嬉しいんだ」
P「やよい一人のために…お前らが自分たちの都合を無視してここの集まってきてくれたことが」
P「やよいの唯一のプロデューサーである俺は、あいつがアイドルをやってるときも…」
P「やめた後も、たくさん悲しませてしまった」
P「……おれがやよいを守ってやらないといけない」
P「…今度こそ……本当の意味で」
やよい「ただいまー」ガラガラ
やよい「……あれ?かすみ?浩太郎?」
やよい「浩司?浩三?」
やよい「………みんなどこ行ったの……?」
ドンドンドン
やよい「!!!」
ドンドン…ドンドンドンドン…
やよい「………うぅっ……怖い…」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドン
やよい「助けて………長介…」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドン
やよい「助けて………おじさん…………」
ドンドンドンドンドンドンドンドン
やよい「……助けて………プロデューサー…………」
ヤヨイ!アケテ!ワタシヨ!
ドンドンドンドン
ワタシ!ミナセイオリヨ!
ドンドンドンドン
やよい「……え?」
やよい「伊織…ちゃん?」
ヤヨイ!アケテ!
ドンドンドンドン
やよい「………………」
ガラッ
伊織「………………」
やよい「伊織ちゃん………よかったっ…!」
伊織「やよい。久しぶりね…」
やよい「うん…!うん…!」
伊織「…………」
やよい「私ね、今年から大学3年生なんだ!伊織ちゃんは大学行ってるの?」
伊織「…………」
やよい「伊織ちゃん、頭いいからきっと賢い大学に行ってるんだろうなー………」
伊織「……………」
やよい「…あのね、兄弟たちがみんな家にいなくて…最近、怖い人が家に来てたからどっかに逃げたのかなって…」
伊織「……………」
やよい「………伊織ちゃん………?」
黒服A「高槻やよいさんですね」
黒服B「…………一緒に来てもらいます」
黒服C「ご抵抗なさらないよう」
黒服D「…………」
やよい「……ひっ……!や、やめて…!」
伊織「やよい………ごめんなさい」
伊織「貴方のお父様の借金を回収するのは客観的に見て不可能と判断したわ」
やよい「…………」
伊織「……………あなた自身が、担保になったの」
伊織「………遊びに来たんじゃない」
伊織「……これは取り立てよ」
伊織「くれぐれも危害を加えないこと。いいわね」
黒服「はっ」
やよい「やめて!離して!伊織ちゃん!助けてっ!」
やよい「伊織ちゃんっ!いやぁっ……………!!」
バタン
ブロロロロロロロ……
伊織「………………やよい……」ポタ
伊織「……ごめんなさい…!ごめんなさい…!ごめんなさい……!」ポタポタ
伊織「ごめんなさい…!ごめんなさい…!ごめんなさい…!ごめんなさい…!」ポタポタ
律子「水瀬財閥が吸収合併されたですって?」
雪歩「はい…うちのお父さんは、そういう情報に詳しいから…」
春香「伊織のうち、何かあったの?」
雪歩「よく分からないけど、家同士で争いがあったらしくて……」
雪歩「より勢力のある組織が小さな組織を飲み込む、っていうのは良くあることらしいです」
律子「それで…吸収先は?」
雪歩「確か、井録財閥…?私もぜんぜん聞いたこと無い家ですぅ」
律子「井録……」
春香「いろく……」
真「いろく…」
響「変な名前だなぁ」
美希「ミキもそう思うの」
P「はぁ、はぁ、はぁ……着いた」
P「やよい!いるか!?返事をしろ!」ドンドンドン
P「……いないのか…?どこに居るんだ…」
ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…
P「…ん?何だこの声」
ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…
P「おいおい、なんなんだよ…シャレになんねぇぞ、ただでさえこのあたりは夜暗いのに」
P「…こっちから聞こえてくる…」
ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…
P「……そこにいるのは誰だ!?」
ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…
P「あんた、ここで何やって……ちょっと待て」
P「お前もしかして………伊織…?」
P「おい、どうしたんだよ…大丈夫か?ここで何があった?」
伊織「………グスッ、あんた…プロデューサー……?」
P「よかった、立てるか?」
伊織「……やよいぃ、ごべんなざい………!」ウワァァァアァン
P「おい!おい!?やよいがどうした!?何があったんだ!?」
伊織「やよいぃ……ごべんなさい………!!」ウワァァァアン
P「……何なんだよこれ……やよいはいないし」
P「伊織、しっかりしてくれ……!」
伊織「うわぁぁぁああぁん………」
P「……事務所に連れて行くしかなさそうだ…」
P「…伊織の様子は?」
律子「はじめよりは落ち着きましたが…すすり泣くばっかりで」
律子「何か話してくれるまでは、相当かかりそうね」
春香「伊織…やよいに何をしたの…?」
響「!もしかして…さっき雪歩が言ってた、水瀬財閥の合併が関係してるんじゃないか?」
雪歩「え…そうなのかなぁ…」
美希「雪歩。パパさんにそのこともっと聞けないの?」
雪歩「う、うん…話してみるね」
小鳥「伊織ちゃんも心配だけど…」
P「結局やよいは見つからずじまいでした……」
真「どこにいるんだよ……」
伊織「!!!」
春香「やめてよ響ちゃん…!そんなこと…」
伊織「……ごめんなさいっ…!やよいぃ…ごめんなさい……!!」ウワァァァアアン
律子「ちょ、ちょっと伊織!?どうしたの急に」
亜美「…いま、ひびきんが『もう誰かに』って言ったから」
真美「いおりんが反応したんじゃないの……?」
真「………ちょっと、やめろよ二人とも……」
P「……いや」
P「伊織は何か知っているはずだ」
律子「ええ……考えたくなかったけど……どうやら、覚悟しないといけないようね…」
律子「やよいは…きっと、私たちの知らない誰かと一緒にいる」
伊織「やよいっ……ごめんなさい………!!ごめんなさい………!!」
春香「…………」
美希「…………」
真「…………」
亜美「…………」
真美「…………」
響「……プロデューサー…どうするんさー…」
P「…………」
小鳥「け、警察に…」
P「ダメです」
小鳥「!」
P「下手に刺激すると、それこそ相手が何をするか分からないし…相手の正体が分からない限り、警察も何も出来ないでしょう」
P「それに……この伊織の様子と、さっきの合併の話…やよいのこととあわせて考えると」
P「おそらく…………」
雪歩「た、助け……?うん、あ、あの、最後の手段ってことで……うん。またね」ピッ
真「雪歩!どうだった!?」
雪歩「うん…お父さんから聞いたこと、全部話すね」
井録財閥の歴史は浅く、財界に名が知れ渡るようになったのはほんの15年ほど前。
水瀬財閥の成立が大正時代だけど、古いものや江戸や明治からすでに存在していました。
ところが井録財閥はそうした古参の財閥を尻目に、通常では考えられないスピードで成長していったんです。
それは他の財閥が苦手とする違法取引を、各界で積極的に受け入れたため。
そのせいか世間の表舞台に立つことは決して無いそうです。お父さんが断言していました。
雪歩「そして水瀬財閥がその傘下に入ってしまった…ということは」
律子「……ちょとまって。そのことと、この伊織の様子を考えると…」
P「やよいをさらったのは水瀬グループの誰かだ。もしくは伊織の指示で…そう考えて差し支えない」
春香「うそ…」
真「律子、何言って…」
律子「だって、その水瀬財閥の令嬢が味方としてここにいるのよ?」
律子「いくら親会社による命令だとしても、伊織の顔を使えば少なくとも水瀬の人間は引き止められるはず」
律子「こっちも、無理やりやよいを奪い返そうってわけじゃないの。やよいの安全を確保してから、お金を返す」
律子「…そういう団体だから、利息なんかも倍以上に膨れ上がってるかもしれないけど」
律子「……って、そんな簡単に行くかは不安だけど…望みは捨てちゃダメ」
P「律子の言うとおりだ。今はやよいの無事を祈ろう」
雪歩「最後にもうひとつ……」
P「何だ?」
律子「どういうこと?」
雪歩「こ、これは極秘中の極秘なんですが…喋って大丈夫かな……うぅ…」
P「雪歩、頼む。やよいのために…」
雪歩「………はぃ」
雪歩「井録のトップに立つ人間の名前は…その………」
雪歩「クロイ、だそうです」
春香「」
真「」
美希「」
響「」
亜美「」
真美「」
律子「」
小鳥「」
P「」
雪歩「」
貴音「何と…」
伊織「やよい…ごめんなさい……」
やよい「…………ん………」
やよい「………ここは………どこ……?」
黒服A「お目覚めですか」
やよい「………ひっ…助け……!」
黒服B「馬鹿、怖がらせるな」
黒服C「高槻様。大変失礼なまねをして申し訳ありませんでした」
黒服D「私たちは水瀬様に雇われたSPでございます」
やよい「水瀬……伊織ちゃんの…」
黒服A「さようでございます」
やよい「……伊織ちゃん……あ、あの」
やよい「伊織ちゃんは…どうしたんですか」
黒服B「……どうか」
黒服B「どうかご理解ください。お嬢様にとっても辛いご決断だったのです」
黒服C「私たちはあなたを決して悪いように扱うつもりはございません」
黒服D「……ですが、あなたがお父様の借金を肩代わりし、また現時点で返済不可能であることは事実」
やよい「…………」
黒服A「これから、何らかの対策を考えなければなりません。…それと」
黒服B「私たちの役目は、あなたの回収と保護。いずれ金融業者がここを訪れます」
黒服C「そこであなた様を引き渡すことになってしまえば…」
やよい「………」
黒服D「……私たちは、あなたをこれ以上お守りすることが出来ません」
黒服A「…約束の時間まで、6時間…といったところでしょうか」
やよい「……伊織ちゃん………」
やよい「……どうして…」グスッ
黒井「なぜ私がこんな薄汚い事務所にいるのかね!?朝から貴音ちゃん特製の麺妖なを味わっていたところなのに」
貴音「黒井殿……申し訳ありません」
黒井「あァいいんだいいんだ、貴音ちゃんが気にすることではない」
P「黒井社長、時間がありません。単刀直入にお話しします」
黒井「貴様らと話すことなど何もない!卑劣な765プロめが」
P「井録財閥について、何か知っていることはありますか」
黒井「いろくゥ…?」
黒井「ふん、その名を聞くのは何年ぶりだろうな。今でも反吐が出る」
律子「何かご存知なんですか?」
黒井「多少はな。……しかし、貴様らに話してやる義理など無い」
黒井「大体知ったところで何になる。あれは裏の勢力だ、貴様らには関係の無い話だろう」
P「そういうわけにも行かないんです」
黒井「やよいィ?……あァ、そういえば昔いたなそんな名前のちんちくりんなアイドル風情が」
P「……正直に言いましょう」
P「うちの元アイドルである高槻やよいが、親の借金の保証人を押し付けられて」
P「返済不可能と判断され、何者かに連れ去られました」
P「そこに、どうも井録財閥というのが一枚噛んでいるそうなんです」
P「……そして、その財閥を牛耳る人物の名がクロイだということも知っています」
黒井「…なぜそのことを……」
貴音「黒井殿、私からもお願いいたします」
黒井「…………」
真「お願いします」
響「お…お願いします!」
雪歩「お願いします…」
P「……お願いします」
黒井「…………はァ」
黒井「………あれは…私の息子が立ち上げた組織だ」
P「息子さんが?」
黒井「とうの昔に縁など切っているがな。あれを生んだのは私の人生最大の過ちだ」
黒井「もともとは961プロダクションの子会社としてそばに置いておいたんだが…」
黒井「あやつ、私への恩を忘れて勝手に会社を切り離してさまざまな業界へ手を伸ばすようになった」
黒井「特に麻薬と人身取引は金になるからな。金汚いあいつはそういった仕事も喜んで受け入れた」
黒井「財閥と名乗ってはいるが、実際はその体を成しておらん…中身は暴力団とさして変わらんのだ」
黒井「財界では鼻つまみ者だが…金だけは有り余っているらしい」
黒井「稼ぎすぎたせいで、自らが天下を取ったと勘違いしている…哀れな奴らの集まりに過ぎん」
P「……………」
春香「そうだったんだ………」
律子「恐ろしい……」
真「い、伊織!」
美希「でこちゃん、大丈夫なの?」
伊織「…その呼び方も久しぶりね……ごめんなさい、取り乱してしまっていたわ」
律子「伊織…もう落ち着いたの?」
伊織「……正直、ストレスで死にそうよ」
雪歩「伊織ちゃん…」
伊織「雪歩…いろいろ調べてくれて、ありがとう」
伊織「黒井社長。貴重な情報……ありがとうございました」
黒井「ふん。あの愚か者が気に入らんだけだ」
黒井「貴様、水瀬財閥の娘だったな。井録が吸収合併したという話を耳に挟んだが?」
伊織「………そうよ」
伊織「もともと私たちはあいつらを嫌っていたの。財界が汚されてるってね」
伊織「でも、向こうは有り余る大金と裏社会とのコネのせいで、うかつに手を出せない状況だったの」
伊織「でも…お父様は何とかしようと、他の財閥の人たちに打倒を呼びかけた」
伊織「……それで目をつけられるようになったってわけ」
雪歩「そんなことが………」
伊織「そのあとは、もうなし崩しよ。奴らは合併を受け入れない私たちに性質の悪い脅しをかけてきたわ」
伊織「何が悔しいって…………そんな下衆なやつらに、水瀬が屈したことよっ…………!」
小鳥「伊織ちゃん…」
伊織「私たちは井録の数ある業務の中で、金融業の末端を任されることになった…当然、闇よ。法外な利息をふっかけて…」
伊織「返済できない人間は売り飛ばす……最低の仕事」
律子「それで、やよいを………?」
伊織「…………」
伊織「そうよ。今回はやよいがターゲットだった………」
黒井「事情は分かったが…水瀬の娘よ」
黒井「それならば、貴様の部下が人身取引業者にその小娘を引き渡す前に」
黒井「助けに行くことが出来るのではないか?」
黒井「今のところ、まだ水瀬の保護下にあるのだろう」
伊織「……それはそうだけど…」
黒井「なら行けばいいではないか。差し当たっては小娘の安全を確保する必要がある」
律子「伊織……やよいの居場所、知ってるの?」
伊織「…ええ。でも」
春香「なら、助けに行こう!」
真「そうだよ!」
伊織「だめよ、危険すぎる!もし井録の人間に出くわしたら…」
伊織「あんたたちまで、何されるか分かったもんじゃないわ!」
響「まさか一人で行くつもりか!?」
美希「絶対ダメなの!ハニーに何かあったら…」
雪歩「……プロデューサー、本気なんですか?」
P「……ああ」
雪歩「………なら、行ってきてあげてください」
春香「雪歩!」
真「何言ってるのさ!?」
雪歩「…伊織ちゃん…」
伊織「な、何よ…ちょっ」ギュゥ
伊織「…ゆきほ……やめてよ……」
雪歩「私…今まで人に頼ってばかりの生き方で……いつも、家のことを気にせずアイドルがんばってた伊織ちゃんのこと、尊敬してたの」
春香「雪歩……」
真「いったい何を…」
雪歩「……あの、プロデューサー。ああいう輩は、ただお金を返しても難癖つけてまた利息を吹っかける場合が多いんです」
P「は?」
雪歩「もはや金を返してもらうことが目的じゃなくなって…金づるから絞れるだけ絞る」
雪歩「それが無理なら、売り飛ばす。闇金の常套手段ですぅ」
雪歩「だから、汚れは根元から洗わないといけない。そうですよね、黒井社長?」
黒井「何を言ってるんだ」
雪歩「………アイドル辞めて、これからは下手に頼らずにがんばって生きていくって約束してたけど…やっぱり今日で最後ってことにするね」
雪歩「最後の手段ってやつ、用意させてもらったよ」
┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨ ┣¨┣¨……
P「な…なんだ、これ……」
春香「プロデューサーさん!地震ですよ、地震!」
真「かなり大きいね…!」
響「いや……これは、地震なんかじゃないぞ」
┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨ ┣¨┣¨……
雪歩「皆さーん、来てくれてありがとうございますぅ!」
┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨ ┣¨┣¨……
.∧_∧
.__.( ・∀・).. 。___ お嬢、おはようございます!!!
/ (ヽ _ ⊃¶/ /`0 、 _
/ /lヽ⊃¶.=/ / /)\_>)_//
∠∠ | ̄ ̄|__(_二./ ̄ ̄ ̄.\0\/||/´''|_
|__________\/|/ /
∠∠∠∠∠∠∠∠∠∠/)]]// /
(◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎)/(三| | /
∠∠\◎ ◎ ◎ ◎ ◎/  ̄ ,,ヽゞ/ ズゴゴゴゴ……
○ ∧_∧ ウリィィ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
[] /⌒ ( ´∀`) < お嬢!お久しぶりです!!
||__________ (_)∪ ∪ ̄ \_________
/ ̄:l: .―:l:――――:l:/___ヽ,―、_(_)
| :|:./ E:|: EEEEl :|:|: :  ̄ ̄||`l
/ ̄ ̄ヽ ̄ヽ EEEEl :|:|:__:___||._|
/ ,●、 | |777777|:| l, ―┴、┴――、 ドグオォォォン!!
| ●| |.● | |/////// .:|:| / ヽ ヽ
ヽ `●' .| |====:|:| |==?==l===|
ヽ / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~'ヽ / /
雪歩「はい!お元気でしたかぁ?」
P「」
/◎)))
/ / :
/ / :
/ / : 加勢に来やしたぜ!!!
/ / :,
/ / :,
/ / :,
/ / :,
.∧_∧ / / :,
.( ・∀・) / 、 ∩__
|/ つ¶__/ ヽヽ /;;;; ヽ
L ヽ /. | ヽ ニ三 |:;;;; |
_∪ |___| \;;;;_ノ
[____]_
/______ヽ_ヽ
|______|_|
/◎。◎。◎。◎ヽ= / ̄/
ヽ_◎_◎_◎_◎ノ=ノヽニヽ
雪歩「頼もしいですぅ!」
春香「」
真「」
響「」
黒井「」
雪歩「お父さん、本当にありがとう!」
組長「お前ェのためなら組の人間総出でカチコミいったるわい!!」
P「雪歩、これはどういう……」
組長「あんたがプロデューサーの兄ちゃんかい!?」
P「え、えぇ…」
組長「雪歩の父でさぁ。昔は娘が世話になったのォ」
P「…いえいえ……」
亜美「」
真美「」
組長「分かってらァ。おめェら!!出発だ!!!」
「「「「「ウス!!!!!」」」」」
雪歩「プロデューサー、行きましょう」
P「こ…このブルドーザーに乗るのか?」
雪歩「大丈夫ですよ、私免許持ってますから」
P「マジで」
まあやよいが売られるくらいなら多少超展開でもいいにきまってる
P「黒井社長!?」
黒井「勘違いしてくれるなよ。もとより私の目的は馬鹿息子を懲らしめることだ」
黒井「貴様らのお仲間の小娘などどうでもいい。利害が一致したから協力するまでだ」
雪歩「では黒井社長は後ろのトラックに乗ってください」
黒井「よかろう」
真「響」
響「分かってるさ」
亜美「真美」
真美「了解」
春香「プロデューサーさん、気をつけてくださいね…」
P「任せろ」
律子「絶対の絶対に、無事に帰ってきてくださいね」
P「問題ない」
雪歩「いいよ」
P「雪歩」
P「その代わり、最低限自分のみは守ってほしいんだ」
伊織「……覚悟は出来てるわ。このままやよいを見捨てるくらいなら死んだほうがマシ」
雪歩「出発してくださーい!」
┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨ ┣¨┣¨……
春香「行っちゃいましたね」
美希「ミキ、ついていけないの」
小鳥「びっくりしたわね……って、あら?」
小鳥「なんか、人少なくない?」
律子「!」
──────
やよい「」スゥー…スゥー…
黒服C「…疲れて寝てしまったようだな」
黒服B「…無理も無い」
黒服A「……どうにかして助けてやりたいが……」
黒服D「……心が痛むな」
「ご苦労様でした」
黒服「「「!」」」
黒井息「彼女は無事ですか?」
黒服A「そんな…約束の時間より早い…」
黒服B「そもそも、何故あなたがここに」
黒井息「商売は先手が基本です。そして、よりよい取引を行うには自ら出向いて確かめることも必要というわけですよ」
黒井息「で、彼女はどこに?」
黒服B「……」
黒服C「……」
黒服D「……」
黒井息「……ほほう」
黒井息「どうやら、情でもわいてしまったようですね」
黒井息「…下らん」
黒井息「どうやら水瀬の人間にはまだまだ教育が必要みたいだなぁ?」
黒井息「我々に手も足も出なかった癖に、プライドだけは一丁前だ」
黒井息「女を渡せ!」
黒服A「………なりません」
黒服D「あの女性はお嬢様のご友人……お守りいたします」
黒井息「言うではないか………おまえら」
893A「へい」
黒井息「殺しまではしなくていいぞ」
893B「うーぃ」ポキポキ
黒服C「くっ……」
黒井息「…………やれ」
P「待ってください!」
P「…高槻やよいの、代理です」
P「お金を返しに来ました」
黒服A「……!」
893C「ぁん?にいちゃん、こんなトコに一人で来るたぁいい度胸だ」
黒井息「待て。…いくら持ってきたんだ?」
P「やよいの借金…合計で961万427円」
黒井息「…………」
黒服B「……これは……」
やよい「……んぁ?」パチ
黒井息「……ふっ……ははっ……はははっ……」
黒井息「ふわっっはっはっはっ!!!!!足りねえなぁ!全然足りねえよぉ!!!」
黒井息「トイチだよトイチ!あんたが言ったそれは1月前の額だ」
黒井息「当然複利計算だ、だから現時点での返済額は……」
黒井息「1279万1478円だよ!全然足りねぇんだよぉ!!!!」
P「くっ…なんてひどい」
黒井息「ひどい!?これは契約だ!返せない時点でひどいのはお前らなんだよ!!」
黒井息「オラっ!分かったらさっさと女を渡せ!さもないとそこの兄ちゃんも容赦しないぜ!?はっははははっ!!!!」
やよい「(……だ、誰だろう…私の借金の話してる……)」
黒井「やはりこういうことか」
P「!」
黒井息「!?」
黒井息「あい変わらずアイドル事務所なんていうくだらないお仕事を?」
黒井「下らんとはご挨拶だな。貴様には全うな仕事の尊さが分かるまい」
P「……」
P「(こんなタイミングでなんだけど、あんたには全うと言われたくない)」
黒井「貴様がうちの子会社を離れてから、ずいぶんと経ったが」
黒井「相変わらずこんな汚れ仕事をやっているのだな」
黒井息「なんとでも。現に私は力をつけた」
黒井息「父上が足元に及ばないほど、私は金と権力を手にしたのだ!!」
黒井「……口の利き方がなっとらんな。やはりお前を生み育てたのは間違いだったようだ」
黒井息「私の仕事の邪魔をするようでしたら、父上といえども許しませんよ」
黒井「…………一度だけ言っておく」
黒井「お前はまだやり直すことが出来る。しばらく貴様のいるべき場所で反省するんだ」
黒井息「この期に及んで説教ですか?……父親面すんじゃねぇよ!!!!」
黒井息「あんたは俺のことを息子扱いしたことがあるのかよ!!??」
黒井「………仕事にかまけて、お前を大事にしてやれなかったことが」
黒井「私の人生最大の過ちだ」
黒井息「殺せェ!!!!!!!」
黒井息「!?」
┣¨┣¨┣¨┣¨ ┣¨┣¨ ┣¨┣¨……
ズガァァァアアアン
雪歩「突入──!!!」
ウワァァァアア
黒井息「な……なんなんだ一体!?」
組長「ゴルァおめェら!!!気合いれねえとやられちまうぜ!!!」
ウワァァァアア
真「いっけぇーっ!」
響「突撃さー!」
亜真美「「お→っ!!」」
やよい「ど、ど、どうなってるんですかこれっ!」
P「真!?響!?亜美真美!?お前らなんでここに」
真「プロデューサー!僕たちならたいていの奴らとは渡り合えます!!」
響「いいから見ててよ!!」
亜美「にーちゃん、亜美たちなめちゃいかんYO!」
真美「レッツゴ→!!」
893D「なんだぁ!?女が相手だぁふざけんじゃねえよ!!」
真「女といってくれたことは感謝するよ」ドゴッ
893D「ふぐっ…」ドサッ
893E「なんだこいつ!?」
響「ハぁっ!!!」ドカバキボコ
響「やのつく人ってあんまり強くないんだな。にぃにのが喧嘩しがいあるよ」フゥ
893F「ガキが調子乗ってると○すぞコラァ!!!」
亜美「……」シュッ
893F「うわっ!?」ステーン
プスッ
893F「おぃ、なんだよ首に…注射!?」
真美「ねぇねぇにいちゃん、今から何を注射すると思う?」
真美「ただの空気だよ」
893F「!!??」
亜美「酸素に触れると固まっちゃうんだよNE→」
893F「な…何言ってんだよ……!?」
真美「んでもって首のところにはぶっとい血管が通ってるんだー」
真美「意味、分かるかな?」ボソッ
893「や……やめてくれぇぇぇ!!!!!」
亜美「あー。にいちゃん漏らしちゃった」
真美「こりゃオシメ換えてあげないといけませんな」
亜真美「「な→んてね!んっふっふ〜」」
893G「…そうだ、あそこの弱っちそうなアマを人質に…」
893G「おい!お前こっちこい!」
雪歩「えぇっ!?私ですかっ!?」
893G「いいから来いっつってんだよっ!!!」
雪歩「いやっ…やめてくださいぃ!!!」
P「雪歩っ!!!」
パカァン
893G「」ドサッ
雪歩「…あ、あれ?どうしました?」
雪歩「……あぁ、やっちゃった…スコップに鼻血がついちゃったよ」
P「……」
真「せぇいっ!!」バキィ
真「とぉっ!!」ブン
893H「」
893I「」
893J「」
真「……ふぅ…数が多いから大変だよ」
893K「……なめやがって…!この鉄パイプで……!」
響「真!後ろ!!」
真「!?」
ゴッ
893K「」
真「………え?」
千早「真、大丈夫?」
真「千早!!」
千早「遅くなってごめんなさい。加勢するわ」
響「だ、ダメだぞ!千早には危険すぎる!」
893L「ボディーががら空きだぜ姉ちゃんよォ!」
ドンッ
千早「くっ…」
真「千早!」
千早「…これだけ?日本のやくざって所詮この程度なのね」
893L「!?」
893L「う、うわ」
千早「喧嘩を生業としてる人がこんなんじゃ…」スゥー
893L「お、おいなにをするやめ」
千早「シカゴのスラム街では5分と持たないわよ」ゴリュ
893「あぁああああぁぁあ腕がああああぁぁあああ」
真「千早、すごいね…」
千早「…歌声に幅をつけるには、もっと全身の筋力が必要かと思って」
千早「半年ほど陸軍士官訓練をね」
響「マジかよ」
千早「護身術も身についたし、一石二鳥だわ」
いいぞ、もっとやれ
伊織「やよい…やよい!どこ!?」
やよい「え、この声…伊織ちゃん!?」
やよい「伊織ちゃん、こっちだよ!!」
伊織「良かった!無事だったのね!!」
伊織「安心して。助けに来たわ」
やよい「伊織ちゃん…ありがとう…!」
あずさ「あらあら〜ここはどこかしら?」
伊織「あずさ!?」
やよい「あずささん!?」
あずさ「どうやら千早ちゃんも道に迷っちゃったみたいで…気づいたらこんな所に」
あずさ「やよいちゃん、事務所はどっちか分かるかしら〜?」
やよい「…いぇ、分からないれふ」
あずさ「そう〜、困ったわね〜」
伊織「…とにかく、やよいをここから逃がさないと!プロデューサー!」
P「伊織…やよいを見つけたか、ってあずささん!?」
あずさ「あらプロデューサーさん、お久しぶりです〜」
P「え、ええ…お久しぶりです」
P「さっき律子に電話して車を出してもらってる。お前らは外に逃げろ!」
伊織「わかった、行くわよ二人とも!」ダッ
P「え…ですが」
黒井「女4人でどうやって身を守るというんだ?ここは私たちに任せろ」
P「………」
P「分かりました。ありがとうございます」ダッ
黒井「………」
黒井「さて」
黒井「話をしようじゃないか。息子よ」
黒井息「……………」
伊織「何!?どうしたの」
あずさ「さっきの場所に、忘れ物してきちゃったわ〜」
やよい「何を忘れたんですか?」
伊織「言ってる場合!?そんなのほっときなさい!」
あずさ「通りすがりの人にもらったんだけど…何なのか良くわからなくて〜」
あずさ「赤い棒がたくさんくっついて、何本か線があったと思うの」
伊織「何それ!?そんなんどうでもいいわよ!」
キキーッ
律子「乗って!早く!」
P「待て!俺も行くぞ!」
黒井「……」
黒井息「いい加減にしろ………俺は、俺は…」
黒井「………」
黒井息「お前なんか……大っ嫌いなんだよ…っ…!」
黒井「…………」
黒井「………………すまなかったな」
黒井息「………うるせぇよ…………!!」
893B「ったく、何だよあのアマ……ありえねぇ……ん?」
チッ チッ チッ チッ
893B「」
893B「おめぇら逃げろ!爆弾だ!吹っ飛ぶぞぉぉっっ!!!!」
亜美「YABE→!」
響「雪歩!逃げるぞ!」
真美「うわぁぁぁっ!!!!」
組長「おめぇら退散だ!!」
ヽ`
´
´.
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...‐''゙ . ` ´ ´、 ゝ ''‐...
..‐´ ゙ `‐..
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ノi|lli; i . .;, 、 .,, ` ; 、 .; ´ ;,il||iγ
/゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li ' ; .` .; il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
`;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `, ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´
真「皆大丈夫?」
雪歩「お父さん!」
組長「あぁ…組のモンは心配ねぇ」
響「亜美!真美!大丈夫!?」
亜美「うーん…なんとか」
真美「CHO→怖かったよ」
真「………待って」
真「黒井社長が居ない」
雪歩「探しに行かないと…」
真「だめだよっ!あそこはもう火の海だよ!?」
組長「………おめぇら。騒ぎになる前に帰れ」
組長「あとは俺たちで何とかする」
雪歩「でも、お父さん……」
組長「行け!パンダが来たらおめぇらも厄介なことになる」
真「…おじさん、ありがとうございます」
響「……いこう」
雪歩「……うん」
ウーーーウーーーー
ピーポーピーポー
黒井息「……………」
黒井「……おい、どこにいる!?返事をしろ」
黒井息「……ぉ、ゃじ……」
黒井「大丈夫かっ!?」
黒井息「………」
黒井「しっかりしろっ!!」
黒井息「………死、にゃぁしねぇよ…馬鹿……」
黒井「……………」
黒井息「…………」
「ここに誰か居るぞっ!」
「大丈夫ですかっ!?」
P「『砂糖工場で爆発、原因調査中』…か」
小鳥「びっくりしましたよ。生中継でニュースやってましたもん」
P「俺だってまさか、あんな大騒ぎになるとは思いもしなかったんですから」
律子「それにしても、みんな無事でよかったですよ。あんな危ない目に首を突っ込んで…」
P「帰ってきたときの律子のキレっぷりったらなかったな」
律子「当たり前です!」
『次のニュースです。井録財閥と騙る大型暴力団の代表である黒井氏が、今朝未明麻薬取締法違反の疑いで書類送検され……』
『警察は今日にも家宅捜索を行う予定です……』
律子「…捕まったんですね」
小鳥「よかった。これで一安心ですね」
コンコン
ガチャリ
黒井「相変わらずしけた事務所だ」
P「黒井社長!」
黒井「そろいもそろって辛気臭い顔をしおって。移されてはたまらんな」
律子「……息子さん、逮捕されたんですか」
黒井「あれだけのことをしていたのだから当然だ。しばらくは外の空気も吸えないだろう」
小鳥「…今日は、どんなご用件で」
黒井「高木の奴が愚かにも私に話したいことがあるらしいのでな。自ら出向いて来いという話だ、全く」
P「あ、黒井社長!」
黒井「なんだ?」
P「……ありがとうございました。やよいを助けていただいて」
黒井「別に貴様らのためにやったのではない、勘違いするな」
黒井「そして貴様ら765プロの味方になってやった覚えもない」
黒井「お前たちはいつか必ず業界から追放してやる!せいぜい再就職の準備をしておくことだな!」
バタン
律子「………ベタですね」
P「あれがジャイアン現象という奴か」
あしながおじさんへ
しばらくお手紙のお返事をかけなくて、本当にごめんなさい
ここで話すにはあまりにたくさんの出来事が起こりすぎて、書ききることができません
怖い思いもしたけど、今はもう平気です
心配事もなくなったし、何より…
765プロのみんなともう一度集まることが出来て、本当に嬉しかったです
ところで、最近大学である男の人から告白されちゃいました
とってもいい人なんですけど、私が貧乏なお家の子だってばれたらと思うと
なかなかお話できません
どうしたらいいでしょうか?
お返事待ってます
高槻やよい
──────
P「」ガタッ
P「やややややよいに春がきそうかもーっ」
P「どうしたらいいかなーって」
律子「……どうかしたんですか?」
P「……………そういえば」
P「あの時も、結局ほとんど話せてなかったな」
P「……………」
P「…なんて返事をしよう」
俺のこと勝手に手紙に書くなよ
千早「それじゃ、行ってくるわね」
春香「千早ちゃん、ホントにもう行っちゃうの?せっかくまた会えたのに」
千早「ごめんなさいね。向こうのボスに何も言わずこっちへ来てしまったから、急いで謝らないと」
やよい「千早さん、ホントにありがとうございましたっ」
千早「いいのよ。…高槻さん、とっても大人っぽくなっていて驚いたわ」
やよい「そうですか?えへへー」
P「俺からもお礼を言うよ。ありがとう」
千早「いえ。プロデューサー、よかったらシカゴに遊びに来てください。昔よりも、歌に自信がつきました」
P「そうか。いずれ是非な」
真美「やよいっちが見てなかったのが残念だったねー」
亜美「『シカゴのスラム街じゃ5分と持たないわよ』」キリッ
千早「ちょっと、やめてちょうだい…あの時は気持ちが高ぶってて」
律子「千早…たまには連絡ちょうだいね。パソコンのメールなら、日本からでも届くと思うから」
千早「機械には自信ないんだけど…がんばるわ。ありがとう律子」
『16時30分シカゴ行き、搭乗時間となりました。ご搭乗の方は21番ゲートまで……』
千早「あら、もう行かなくちゃ」
美希「千早さん、たまには日本に帰ってきてね!」
千早「ええ。今度の夏に長い休みが取れそうだから、そのときには」
真「千早…元気でねっ」
千早「真もね」
千早「さよなら、我那覇さん」
小鳥「さみしいわー…」
伊織「千早…ありがとう。またね」
千早「水瀬さんも、元気でね」
千早「…また連絡しますから、泣かないでください音無さん」
あずさ「千早ちゃん。またどこかで会ったときはよろしくね〜」
千早「…ええ。出来ればその形では会いたくないですけれど」
貴音「からだにはくれぐれも気をつけてください」
千早「ありがとう。四条さんもね」
春香「……なんだか寂しいですね」
P「すぐ会えるよ」
P「お疲れ、二人とも。初日はどうだった?」
春香「すっごく緊張しましたけど、なんとか上手くいきました!」
やよい「美希さん、とってもかわいかったです!」
美希「ありがと!ハニー、ミキキラキラしてた?」
P「…あぁ。文句なしだ」
あずさ「感動したわ〜」
伊織「やるじゃない」
亜美「CHO→よかったよ!」
真美「さいこーだったよ!」
貴音「まこと善き舞台でした」
真「いいなぁ美希、ボクもああいう役をやりたかったなー…」
響「真には主役のほうが似合うと思うぞ」
真「えぇっ!?」
律子「こらこらやめなさい」
小鳥「千秋楽までがんばってね、二人とも」
春香「はい!」
美希「はいなの!」
貴音「『麺妖な』、お待ちどうさまです」
春香「うわーっ、おいしそう!」
やよい「いただきますー!」
亜美「うわっ、お姫ちんこれ…」
真美「ベリウマだよー!」
貴音「ありがとうございます」
真「すごい…」
響「こんなの初めて食べたぞ!貴音すごい!」
伊織「ホント、うちのシェフに負けてないわ」
貴音「それは善きこと」
P「あ、黒井社長」
高木「おや、君たち…」
律子「社長?」
貴音「ごきげんよう、黒井殿に高木殿」
律子「…お二人は仲直りしたんですね」
小鳥「よかったですねー」
黒井「誰がこんなやつと仲直りなどするか!貴様らほとんど765プロを引退した身だからといって、あまり私になれなれしくするんじゃない!」
黒井「貴音ちゃん、『麺妖な』大盛りで頼むよ」
貴音「かしこまりました」
春香「長介、調子はどう?」
長介「どうもこうも、すっかり直って跡も残ってないのに…どうして通院する必要があるんですか?」
亜美「まあまあ長介〜」
真美「病院来なくなったら、真美たちに会えなくなっちゃうじゃん?」
長介「別にしょうがないよ」
亜美「亜美たちには冷たいですなー長介殿は」
真美「泣いちゃうかも〜」
先生「双海姉妹…勝手に抜けたと思ったらのこのこ戻ってきおって……!!」
亜美「げっ」
真美「先生、これにはふかーいいふかーいい訳が……」
先生「単位はやらんぞっ!!!」
亜美「ちょっ!勘弁してくださいよ〜」
真美「お願いしますよ〜」
律子「だから言わんこっちゃ無い」
小鳥「二人とも、大人になっても元気ね」
やよい「そうですね!」
伊織「ナースにしちゃ騒がしいくらいよ」
真「亜美も真美もかわいいなぁ」
あずさ「とっても似合ってるわね〜」
響「真には似合わないよ」
真「そんなことないよ!」
P「おまえら静かにしろー」
春香「大盛況だねー」
やよい「真さんと響さんがダンス教えてくれるなんて、きっとすぐ上達するなーって!」
伊織「まあ、あの二人ダンス得意だったものね」
真「みんな、いらっしゃい!」
響「一緒にレッスン受けていくか!?」
あずさ「楽しそう〜」
律子「当然、春香はちゃんとついていけるわよね?」
のヮの「えっ、ど、どうかなー…あはは」
小鳥「真ちゃんも響ちゃんも、きちんと先生やっていて立派だわ」
P「これからもコーチがんばれよ」
真「もちろんです!」
響「だぞ!」
春香「かーわいぃ〜…!!」
あずさ「みんなー、そろそろお昼寝の時間よ〜」
園児「「「はーい!」」」
伊織「確かに、あずさのおっとりした空気は幼稚園の先生にぴったりね」
やよい「あずささん、とってもすてきですー!」
律子「でも…心配なのが」
小鳥「ちゃんと毎日出勤できてるのかしらね…」
P「……どうでしょうね」
──────
伊織「やよい……わたし、ずっと言えなくて…」
伊織「本当に…本当に、ごめんなさいっ…!」
やよい「伊織ちゃん……いいんだよ。仕方なかったんだよね。律子さんから聞いたよ」
やよい「それに、伊織ちゃんが助けてくれて、私すっごくうれしかったもん!」
伊織「……やよぃっ…」
やよい「伊織ちゃん。これからもお友達でいてくれますか?」
伊織「……当たり前じゃないっ………!グスッ」
やよい「……よかった…グスッ」
律子「……私、こういうの弱いのよ…」ズビビッ
小鳥「〜〜〜〜っ」ボロボロ
小鳥「がんどうずるわっ……」ボロボロ
P「………小鳥さん、ハンカチ」
小鳥「…どうぼ」チーン
律子「………」
P「どうした律子、ボーっとして」
律子「あ、プロデューサー…」
律子「いや、久しぶりに昔の仲間と会って」
律子「みんな、いろんな道に進んでるんだなーって考えると、ちょっと感慨深いというか」
P「…そうだな」
小鳥「みんな、元気にやってますかね」
春香「当然ですよ!それに、どんなに離れてても…」
春香「私たちみんな、765プロの仲間です!」
春香「いつかきっとまた会えます!」
律子「ええ」
春香「だから、ここに残ってる私たちのすることは」
春香「みんなが帰ってこられる居場所をこれからも守ることです!」
P「いいこと言うじゃないか」
やよいちゃんへ
お返事ありがとう
たくさんの出来事があったんだね
僕も最近はいろいろな出来事が起こって、ちょっと大変だったかもしれない
でも、やよいちゃんがもう大丈夫といってくれたから、僕も安心だよ
君の事務所の仲間たちは本当にいい子達ばかりだね
きみのことを好きな男の子がいるんだね
やよいちゃんは優しくて元気な子だから、無理も無いよ
この話は手紙でするには難しすぎるから、よかったら直接あってお話しないかい?
3日後、君のいた765プロの事務所で待ってるよ
あしながおじさん
──────
やよい「緊張するなー…おじさんと会うのはじめてだもん」
やよい「どんな人なんだろう…」
やよい「それにしても……どうして765プロで待ち合わせするんだろう?」
ガチャリ
やよい「小鳥さん、こんにちは」
小鳥「今日はどうかしたの?」
やよい「あの、ここで待ち合わせしてる人がいて……」
小鳥「…あぁ、『おじさん』のこと?」
やよい「知ってるんですか?」
小鳥「面会室で待ってるわよ。早く顔を見せてあげて」
やよい「は、はい…」
やよい「うぅ〜、ドキドキする……」
やよい「…………」
やよい「………よし!」
コンコン
ガチャ
やよい「失礼します……」
やよい「……えっ?プロデューサー……?」
P「元気か?」
やよい「はい、元気です…けど…」
やよい「…あの、私を待ってる人がいるって、小鳥さんが」
P「そうだ。ここで待ち合わせしたよな」
やよい「……………」
やよい「おじさんは……プロデューサー…だったんですか………!?」
やよい「………っ……!」
ダキッ
やよい「プロデューサーっ!」
P「うわっ」
やよい「どうして今まで内緒にしてたんですかっ!!ひどいですっ!!」
P「…ごめんな。言い出す勇気が無くて」ナデナデ
やよい「……いつも、私のこと見守ってくれて」
やよい「やさしいお返事、いっぱい書いてくれて」
やよい「ずっと、私と家族のことを支えててくれた…………」
やよい「私の大好きな………」
やよい「大好きなあしながおじさんは、プロデューサーだったんですねっ………!」グスッ
P「落ち着いたか?」
やよい「何がですか?」ギュゥー
P「いや…そろそろ離れてもらわないと」
やよい「いやです」ギュゥー
P「えぇ…?」
やよい「今までお手紙でしか甘えられなかった分、いっぱい甘えます」ギュゥー
P「………」
P「……で、本題なんだが」
P「例の男の子はどうするんだ……」
やよい「…プロデューサーは、こんなときにそういうこと聞いちゃうんですね」
P「ごめん」
P「そ、そうか」
やよい「でも、私は直接言うのなんだか恥ずかしいんで、お手紙で渡そうと思います」
P「そ、そうなのか?」
やよい「はい」
P「そうか、それは良かった」
やよい「じゃ、かえって早速お返事書きます!」
P「お、おう…もう帰るのか?もう少しゆっくりしていっても」
やよい「だって……これ以上一緒にいると、帰りたくなくなっちゃうんですもん」
P「お…おうふ…」
やよい「失礼します!」
バタン
P「………」
P「…………話しても、良かったんだな」
さて、残るはクソ親父を海に沈めるだけか。コンクリとドラム缶の用意をはよ
その仕事は萩原組の親父さんたちがやってくれるだろう
あしながおじさんへ
この前言ってた男の子への返事、やっぱりやめました
代わりに、お返事の手紙をおじさんに送るんで、読んでもらえますか?
あと、これがきっと最後のお手紙になると思います
いつも素敵なお返事を書いてくれたおじさんが、大好きです
私のことをずっと助けてくれていたおじさんが、大好きです
たまに空気が読めないけど、いつもやさしいおじさんが、大好きです
私をトップアイドルにしてくれたおじさんが、大好きです
大変な目にあった私を何度も助けてくれたおじさんが、大好きです
ずっとだまっていた意地悪なおじさんが、大好きです
それと、よかったら…これからもずっと守ってもらえますか?
私を一番近くにおいて、ずっと離れないでくださいね、プロデューサー!
──────
途中ハチャメチャなノリになっちゃったけど
やよいを幸せにしたかっただけなので
終わりよければすべてよい
乙!!
やよ父がどうなったか知りたい
ホントは更正させたかったけど
そのくだり書くの面めんどいんで蒸発したってことで
分かった
乙!
やよいいいいいいいいいいいいいいい
楽しかった
例のやよい画像をはよ
Entry ⇒ 2012.05.26 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
貴音「ちんこんか、ですか」
貴音「いいえ、なんとなくですが」
P「カタカナ苦手だもんな」
貴音「はい、苦手です」
P「なんで…って最初からひらがなだったな」
貴音「はい」
P「食べたいのか?」
貴音「あるのならば是非」
P「すまん、ない」
貴音「そうですか…」
P「食べるならオフの日にするんだぞ…?」
貴音「いいえ、決して食べたいわけでは」
P「そうか」
貴音「えろい、でしょうか」
P「意外とそうでもないな」
貴音「そうですか…」
P「ああ、一時期そこそこ流行ったよな」
貴音「食べたいです」
P「今度は食べたいのか」
貴音「ありませんか?」
P「さすがにないな ペペロンチーノくらいならどうにか作れるぞ」
貴音「いいえ、まんごーの気分です」
P「そうか…」
貴音「はい」
P「ぴ、ピスタチオが食べたいのか?」
貴音「あれを単体で食べるという方はそういないと思います」
P「そうだよな」
貴音「はい」
P「じゃあどうしたんだ?」
貴音「いってみただけですよ、ふふっ」
P「そうか」
貴音「……」ジーッ
P「別にエロくないぞ」
貴音「そうですか…」
P「随分と直接的に来たな」
貴音「?」
P「えっ」
貴音「単純に、もんぶらんなどが食べたいと感じました」
P「あ、そうか、そうだよな 買ってくるか?」
貴音「いいえ ここからだと少し距離がありますから 帰りに自分で買います」
P「そうか ちょうど俺も食べたかったんだけど」
貴音「では、一緒に買いに行きますか?」
P「貴音が我慢できるなら帰りでいいんじゃないか」
貴音「そうですね…」
P「ああ たまに食べるとうまいよな」
貴音「何層にも重なる生地の触感、そしてしんぷるながら裏切らないちょこれーと…」
P「本当に貴音は何でも食べてそうだよな」
貴音「拾い食いなどしません」
P「そうじゃなくてだな どんな食べ物を挙げても食べたことあるって答えそうだって意味だ」
貴音「いいえ、さすがにそれはないと思いますよ」
P「…そうだよな」
貴音「はい」
P「昨日社長が買ってきてくれたのがあるぞ そういや貴音まだ食べてなかったな」サッ
貴音「なんと… 是非いただきます」ヒョイパクヒョイパクヒョイパク
P「うん、まぁやると思ったけどな 春香と千早も食べてないから最悪でも2つは取っておいてくれよ」
貴音「ぷろでゅーさー殿はいただいたのですか?」モグモグ
P「ああいや でも貴音がうまそうに食べてくれた方が俺もうれしいからな」
貴音「そうですか では遠慮なく」ヒョイパク
P「少し遠慮しような」
貴音「はい」
P「貴音 それはもう聞こえというよりルックスの話になってるぞ やめろ」
貴音「…少し行きすぎましたか 失礼しました」
P「いや、まぁいいけどな バナナとかゴーヤとかもだめだぞ」
貴音「何故ごーやが…?」
P「すまん 忘れてくれ」
貴音「はい」
P「ああ… えっ、なめこ?」
貴音「はい なめこです」
P「うん 味噌汁とかに合うよな」
貴音「えろいですか?」
P「そうでもないな…」
貴音「そうですか…」
P「あれはあまり飲めないな… なんというか、飲むと喉と鼻の間あたりが痛くなる」
貴音「濃いですから」
P「そうだな…」
貴音「濃いですから」
P「わかったよ」
貴音「はい」
P「もはや食べたいものを言ってるようにしか聞こえなくなってきたぞ」
貴音「申し訳ありません… すぐに浮かぶものが食べ物しかないのです」
P「別に誤ることじゃないけどな 最初のレクイエムはどうした?」
貴音「ちんこんか、ですよ」
P「そうだったか …って一緒だよ」
貴音「そうですね」
P「…ほっき貝だっけ」
貴音「それはもういいです」
P「おいおい上級者だな… どこで知ったんだ…」
貴音「ふふっ 秘密です」
P「うん、どの親子丼だ?」
貴音「えっ 卵と鶏肉かと…」
P「…そうだよな」
貴音「何故落ち込まれたのです」
P「すまん、なんでもないから気にしないでくれ」
貴音「そうですか…」
Pもなんかエロいこと言わせようとし始めたな
P「あ、それちょっとエロいな」
貴音「本当ですか!?」パァ
P「なかなかナイスな発音だと思った」
貴音「ちゅっぱちゃっぷす」
P「うんうん 貴音にチュッパチャップスのCMやってほしいな」
貴音「こまーしゃるを取るには大きすぎると思いますが…」
P「そうだな 自分でハードルあげてたわ… 忘れてくれ」
貴音「ふふっ わかりました」
P「ポプラおばさんのーってやつか」
貴音「それは同社内の他作品ですよ」
P「冗談だよ ピーチパイはちょっと語呂としては可愛い側だろう」
貴音「か、かわいいですか…?」
P「ああ かわいい」
貴音「そうですか」パァ
P「そろそろうまい季節だな…」
貴音「年間を通して美味だと思います」
P「それはそうなんだけどな」
貴音「かるぴす」ドヤ
P「ドヤられても… あまりエロくない」
貴音「そうですか…」
P「まぁ、あきらめるな」
貴音「はい!」
P「ああ… えっ、バーベキュー!?」
貴音「はい、ばーべきゅーです」
P「ばーべきゅーか… また海でやりたいな!」
貴音「ええ…是非とも」
P「……」
貴音「……」
P「な、なぁ バーベキューのどこにエロさを感じた?」
貴音「しーくれっと、ですよ」
P「そうか なら聞かないよ」
貴音「えっ、あ… そうですか…」
P「もうわからなくなってきたよ 貴音」
貴音「そうですか… 私の勝ちのようですね」
P「勝負だったのか… ん、まぁ俺の負けでいいよ…」
貴音「ふふっ」
P「…ふぅ …貴音は何もしてなくてもエロいぞ」
貴音「そうですか…」
P「ああ じゃあ、そろそろ休みも終わりだ 仕事に戻るぞ」スタスタ
貴音「えっ なにもしなくてもえろい…ですか…?」
貴音「どういうことなのです!あなたさま!」
おわり
お姫ちんはかわいいなぁ
あ、親子丼ならサーモンといくらが食いたいです
貴音はえろいなぁ
Entry ⇒ 2012.05.26 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ブチャラティ「魔法少女まどか☆マギカ……?」
ブチャラティ「なんだそれは……?」
ミスタ「アニメだよ。アニメ。すげえ人気だっていうからよォ、俺たちも見といたほうがいいと思ってよォー」
ジョルノ「そういうわけでさっきDVD全巻借りてきたんです」
ミスタ「一緒に見ようぜ〜!ブチャラティ」
ブチャラティ「……タイトルからして気が進まないな」
ジョルノ「うわさによるとタイトルからは想像できないような内容だそうです。ギャングの僕らの視聴にも耐えうるアニメだと思いますよ」
ブチャラティ「……まぁ、退屈だから付き合ってやってもいいが」
ミスタ「それじゃさっそく1話見ようぜ〜」
『交わしたやっくそっく忘れないよ〜♪』
ブチャラティ「……ジョルノ、さっき言っていたことは本当なのか?このオープニングを見る限り日曜の朝にやっている幼女向けアニメのようだが」
ジョルノ「オープニングだけじゃ内容まではわかりませんよ。いいから静かに見ましょうよブチャラティ」
ミスタ「そうだぜブチャラティ〜」
ブチャラティ「……」
ブチャラティ「……ピンクが主人公でこの青と緑はその友達なのか?」
ジョルノ「そうです。ピンクの子が主人公の『鹿目まどか』で青がメインキャラの一人の『美樹さやか』ですね。緑は……なんなんでしょう」
ミスタ「海藻みてぇな髪の女だな。緑は」
ブチャラティ「……どうして全員ホームベースみたいな顔をしているんだ?」
ブチャラティ「……」
ジョルノ「どうしたんですブチャラティ?画面をボーっと見つめて?」
ブチャラティ「い、いや……その……こ、この黒髪の子の名前はなんだったかなジョルノ……?」ドキドキ
ジョルノ「暁美ほむらです」
ブチャラティ「暁美ほむら……か……」ドキドキ
ミスタ「な、なんだァーーッ!?この金髪はよォーーッ!?」ガタッ
ジョルノ「巴マミというキャラですね」
ミスタ「なんだこのおっぱいはよォーーッ!?こいつも中学生なのかァーーッ!?」
ジョルノ「そうです。まどかたちの先輩の見滝原中学校の3年生という設定ですね」
ミスタ「中学生でこの乳かよッ!すげぇ世の中になったもんだなオイ!」
ジョルノ「トリッシュも15歳にしてはエロい体だと思いますが」
『す、すごい……!』
ミスタ「な、なんだァーーーッ!?今の攻撃はァーーーッ!?ま、まさかこの金髪、スタンド使いかァーーーッ!?」
ブチャラティ「な、なんだとォーーーッ!?ジョ、ジョルノ!この金髪もスタンド使いなのかァーーッ!?」
ミスタ「そ、そうかッ!あのマスケット銃自体がスタンドなんだッ!それにしてもなんて数の銃を生み出しやがるんだ……!こんなスタンドは初めて見たぜ……!」
ジョルノ「スタンドじゃないです。魔法です。タイトルをもう一回読んでみてください」
『未来の後輩に、あんまり格好悪いとこ見せられないものね!』
ブチャラティ&ミスタ&ジョルノ「マミさんいっけェーーーッ!!」
『ティロ・フィナーレッ!』
ミスタ「マミさんかっけェーーーッ!そしておっぱいでけェーーーッ!」
ジョルノ「マミさんかっこいいですね!マミさん!」
ブチャラティ「ああ……(ほむほむが1番だが)マミさんもいいな……」
ミスタ「キャラは可愛いしマミさんはかっこいいしよォーーッ!最高だなぁオイ!」
ジョルノ「ええ。それにこのキュゥべえというマスコットキャラもどこか胡散臭いけど可愛らしいですね」
ブチャラティ(ほむほむ……ほむほむ……)
『本当に、これから私と一緒に戦ってくれるの?傍にいてくれるの?』
『参ったなぁ。まだまだちゃんと先輩ぶってなきゃいけないのになぁ。やっぱり私ダメな子だ……』
ミスタ「うぅ……マミさんよォ……よかったなぁ……!」ぽろぽろ
ジョルノ「マミさん、ひとりぼっちでずっと寂しかったんでしょうね……」ぽろぽろ
ブチャラティ「ああ……まどかならきっとマミさんの支えになってくれるだろう……」ぽろぽろ
ミスタ「おっしゃぁ!ジョルノッ!ブチャラティッ!マミさんを全力で応援しようぜェーーッ!」
ジョルノ「はい!」
ブチャラティ「ああ!」
ブチャラティ&ミスタ&ジョルノ「マミさんいっけぇぇぇーーッ!!」
『ティロ・フィナーレッ!』
ブチャラティ&ミスタ&ジョルノ「ティロ・フィナーレッ!!!」
『グシャアッ……』
ブチャラティ&ミスタ&ジョルノ「……え?」
ミスタ「お、おい……い、今のって……お、おい……!」ガタガタ
ブチャラティ「マ、マミさんが……!う、うそだ……!」ガタガタ
ジョルノ「な、なにかの見間違いじゃ……!マミさんがやられるわけが……!」ガタガタ
『目に焼き付けておきなさい。魔法少女になるって、そういうことよ』
『いーつかー君が瞳にともす愛の光が時を超えて〜♪』
ブチャラティ&ミスタ&ジョルノ「うわああああああああああ!!」
ブチャラティ「アリアリアリアリアリアリアリィーーー!」ズドドドドドッ
ブチャラティ「アリーヴェ・デルチッ!(さよならだ)」
ズッドォォンッ!
ジョルノ「ゴールド・エクスぺリエンスッ!ブチャラティがジッパーでバラバラにしたテレビの残骸をすべてゴキブリに変えるんだァーーーッ!」バッ
カサカサカサカサ……
ミスタ「ピストルズッ!配置に付けッ!ゴキブリを一匹残さず撃ち殺せェーーーーーーッ!!!」バッ
ダンッ! ダンッ! ダンッ! ダンッ!
――
ブチャラティ&ミスタ&ジョルノ「はぁはぁ……」
ミスタ「うぅ……うう……マミさん……ちなみにジョルノのゴキブリを撃っちまったからダメージが俺に跳ね返ってきたがスゴ味でなんとかなったぜ……!」ぽろぽろ
ジョルノ「僕が……僕があそこにいれば……!ゴールド・エクスペリエンスの能力でマミさんの顔を作ってマミさんを救うことが出来たかもしれない……!すみません……マミさん……!」ぽろぽろ
ブチャラティ「ジョルノ、自分を責めるんじゃない。俺もマミさんの死をまだ受け入れることができないが……彼女は立派に生き抜いた……俺は彼女の死を無駄にはしない……!」
ジョルノ「ブチャラティ……!」
ブチャラティ「ミスタ、4話だ……早く4話を見るぞ……!俺たちは……俺たちはもう立ち止まるわけにはいかないんだッ!」
ミスタ「わかったぜブチャラティ……最後まで見届けようぜ……彼女たちの物語をよォ!」
『さやかちゃん…その格好』
『ん?あーはっは、んーまあ何、心境の変化って言うのかな?』
ジョルノ「さやかちゃんが魔法少女に……!」
ミスタ「ジョルノよぉ……俺、うすうす思ってたんだけどよォ……キュゥべえの野郎って怪しくねえか?マミさんが死んでもまったく悲しんでる様子がなかったし……街から出て行ったと思ったらさやかと契約するために病院にいるしよォー……」
ブチャラティ「たしかに怪しいな……第1話でほむほむはキュゥべえを攻撃していたし……ほむほむは何か知っているのか……?」
ジョルノ「まだわかりませんね……」
ミスタ「まぁ、次行こうぜ。次」
ジョルノ(……さやかぁ……)
『ちょっとちょっと。何やってんのさ、アンタたち?』
ミスタ「こ、こいつはオープニングでちょろっと出てきた赤髪のキャラじゃねーかッ!口調は男っぽいがかわいいじゃねーかオイッ!」
ブチャラティ「槍が彼女の武器か……なかなか渋いチョイスだな」
ジョルノ「さやかちゃんがんばれッ!さやかちゃんがんばれッ!」
ミスタ「それにしても魔法少女同士で戦うなんてよォ……世知辛い世の中だな……」
『それには及ばないわ……』
ブチャラティ「ほ、ほむほむッ!君なら来てくれると信じていたぞッ!」
ミスタ「あ、終わった……早く次を見ようぜ」
ジョルノ(さやかちゃん……さやかちゃん……!)
『どういうことだオイ……コイツ死んでるじゃねぇかよッ!』
ブチャラティ&ミスタ&ジョルノ「な……!!」
ブチャラティ&ミスタ&ジョルノ「なんだとォォォーーーーーーーッ!?」
ジョルノ「そ、そんなッ!さやかちゃんが……!さやかちゃんが……!」ガタガタ
ミスタ「ど、どういうことだよッ!なにがなんだかわかんねぇよォーーーーッ!!」
『訳が分からないよ。どうして人間はそんなに魂の在処にこだわるんだい?』
ブチャラティ「キュゥべえ……!きさま……!そしてほむほむグッジョブ……!」
ゴゴゴゴゴ……
『仁美に恭介を取られちゃうよ……でも私、何も出来ない。だって私、もう死んでるもん。ゾンビだもん。こんな身体で抱き締めてなんて言えない。キスしてなんて言えないよ……!』
ジョルノ「さ、さやか……さやかぁぁぁぁ!」ぽろぽろ
ブチャラティ「さやかちゃん……」ぐすん
ミスタ「うおおおおおーーーッ!!あのワカメ女ぁぁぁッ!そして上条の野郎ッ!さやかちゃんの気持ちに気づいてやれよォーーーッ!このビチグソがァーーッ!」
『あはははッ!ホントだ。その気になれば痛みなんて…あはは。完全に消しちゃえるんだッ!』
ブチャラティ&ミスタ&ジョルノ「いやあああああああああああああああ!!!」
『バカだよあたし……何て事言ってんのよ……!もう救いようがないよ……!』
ジョルノ「さ、さやか……さやかぁぁぁぁ!!!うわあああああ!!!」ぽろぽろ
ミスタ「泣くなジョルノ!まだ希望はあるぜッ!きっと……きっと杏子ちゃんならなんとかしてくれる……!」
ブチャラティ「そうだジョルノ……杏子ちゃんを信じよう……!」
ジョルノ「う、うぅ……はい……」ぽろぽろ
ブチャラティ「それにしても……ソウルジェムの穢れがたまると一体なにが起こるんだ……?」
ジョルノ「うわあああああああああああ!!!や、やめるんだ!ほむらちゃあああんッ!」あたふた
ブチャラティ「や、やめろォーーーッ!ほむほむゥーーーッ!!早まってはダメだァーーーーッ!」
『オイ!さっさと逃げろッ!』
ミスタ「きょ、杏子ちゃんッ!さすがだぜッ!おまえならなんとかしてくれると信じていたぜェーーッ!俺はよォーーーッ!!」
ジョルノ「はぁはぁ……!さ、さやかぁ、さやかぁ……!」
『誰かの幸せを祈った分、他の誰かを呪わずにはいられない。私達魔法少女ってそう言う仕組みだったんだね……』
『あたしって、ほんとバカ』
ブチャラティ&ミスタ&ジョルノ「いやああああああああああああああ!!!」
ブチャラティ「ど、どういうことだ!?さやかちゃんが魔女に……!?」
ミスタ「そ、そうかッ!キュゥべえの野郎……最初っからこれが目的だったんだッ!魔法少女を魔女にするのがよォーーーッ!!」
ブチャラティ「な、なんだとォーーーッ!?ど、どうしてそんなことを……!」
ジョルノ「……」シーン……
ミスタ「な!?ジョルノの野郎、気絶してやがるッ!おい!しっかりしろッ!ジョルノォーーーッ!」ゆさゆさ
ゴールド・エクスペリエンス 再起不能
――
ジョルノ「うぅ……さやか……さやかぁ……!」ぽろぽろ
ブチャラティ「大丈夫かジョルノ……?」
ミスタ「あきらめるのは早いぜジョルノよォーーッ!きっと杏子ちゃんなら……杏子ちゃんならなんとかしてくれるッ!俺は杏子ちゃんを信じてるぜッ!」
ジョルノ「……そうだ……はい!そうですよね……きっと杏子ちゃんなら……!」
ブチャラティ「よし……9話を見るぞ2人とも……!覚悟はいいか!?」
ジョルノ「はい……!『覚悟』とはッ!暗闇の荒野にッ!!」
ミスタ「進むべき道を切り開く事だッ!第9話再生ッ!」ピッ
ゴゴゴゴゴ……
円環の理発動しちゃう
『まどか。いつか君は最高の魔法少女になり、そして最悪の魔女になるだろう』
『その時僕らはかつて無い程大量のエネルギーを手に入れるはずだ』
『この宇宙のために死んでくれる気になったらいつでも声をかけて。待ってるからね』
ミスタ「な、なんてこった……!キュゥべえの野郎はてめえらの都合だけでこの子たちを利用してやがったのか……!」
ブチャラティ「……吐き気をもよおす『邪悪』とはッ!なにも知らぬ無知なる者を利用する事だ……!!自分の利益だけのために利用する事だ……!」ガタッ
ミスタ「ブチャラティ!?ど、どうした突然!?」
ブチャラティ「なにも知らぬ『少女たち』を!!てめーだけの都合でッ!ゆるさねえッ!キュゥべえッ!てめーは彼女たちの心を『裏切った』ッ!うおおおおおおッ!!!」
ジョルノ「お、落ち着いてくださいブチャラティ!キュゥべえをぶちのめしたい気持ちは痛いほどわかりますッ!でも今は彼女たちを見守りましょう……」
ブチャラティ「あ、ああ……すまん……つい興奮してしまった……」
ジョルノ「がんばれッ!がんばってくれッ!杏子ちゃん!さやかちゃんを救ってくれぇぇぇッ!」
ミスタ「まどっちもがんばれッ!さやかちゃんに呼びかけ続けるんだッ!」
『その子を頼む。アタシのバカに付き合わせちまった……』
ブチャラティ&ミスタ&ジョルノ「え……?きょ、杏子……ちゃん……?」
『行きな……コイツはアタシが引き受ける』
ブチャラティ&ミスタ&ジョルノ「え……え……?」
『心配すんなよさやか。一人ぼっちは……寂しいもんな。いいよ、一緒にいてやるよ。さやか……』
ブチャラティ&ミスタ&ジョルノ「いやあああああああああああああ!!!」
――
ブチャラティ「な、なんてことだ……!」
ジョルノ「さやか……さやかぁぁぁ!!うわああああああ!!」ぽろぽろ
ミスタ「杏子ぉぉ……!ちくしょう!ちくしょぉぉぉ!マミさんもさやかちゃんも杏子ちゃんも……みんな死んじまった……!」ぽろぽろ
ブチャラティ「……次だ……第10話を見るんだ……!きっとまだ希望はある……!」
ブチャラティ(ほむほむなら……ほむほむならきっとなんとかしてくれる!)
『私、その……あんまり名前で呼ばれたことって、無くて……すごく、変な名前だし……』
ブチャラティ&ミスタ&ジョルノ「メガほむかわえぇぇぇぇーーーーッ!!」
ブチャラティ「な、なんだこの回は!?なぜほむほむがメガネで三つ編みなんだァーーッ!?しかも性格が全然違うじゃないかッ!」
『間一髪、ってところね!』
ミスタ「マ、マミさんだァーーッ!!また会うことができるとはよォ―――ッ!」
ジョルノ「はッ!?まどかが魔法少女になっている!?どういうことなんだ!?」
ブチャラティ「な、なにィーーーーッ!?こ、この時間軸でもさやかちゃんは魔女化しているだとォーーーッ!?」
ジョルノ「……」ぐったり
ミスタ「お、おいッ!ジョルノしっかりしろッ!そりゃあおまえの大好きなさやかちゃんがまたしても魔女化したんだッ!ショックを受けるのはわかるッ!でも俺たちは現実と向き合わなきゃいけねェーんだッ!!」ゆさゆさ
『ソウルジェムが魔女を産むなら、みんな死ぬしかないじゃないッ!』
『う、うぅ……嫌だぁぁ…もう嫌だよ、こんなの……!』
ミスタ「……」ぐったり
ブチャラティ「ミスタァーーーッ!しっかりしろォーーーッ!!!」ゆさゆさ
『交わしたやっくそく忘れないよ〜♪』
ブチャラティ&ミスタ&ジョルノ「……」
ブチャラティ「……そうか……魔法少女まどか☆マギカとはこういう物語だったのか……」
ジョルノ「第10話、よかったですね……」
ミスタ「ああ……鳥肌が立ったぜ……」
ジョルノは涙を流しつつもニヤニヤして、さやかと恭介のイベントを見るんだろうな
『12日より行方が分からなくなっていた市立見滝原中学校2年生の美樹さやかさんが本日未明、市内のホテルで遺体となって発見されました』
ジョルノ「さやか……さやかぁぁ!」ぽろぽろ
ミスタ「いきなりさやかちゃんの葬式シーンとは……」
ブチャラティ「へヴィだな……」
ミスタ「こいつがワルプルギスの夜かッ!」
ブチャラティ「がんばれッ!ほむほむがんばれッ!」
ジョルノ「行けッ!がんばってくれほむらちゃんッ!」
ゴゴゴゴゴ……
『繰り返せばそれだけまどかの因果が増える。私のやってきたことは結局……!』
ブチャラティ「そ、そんな……!ダメだほむほむ!あきらめたらそこで試合終了だ……頼む!あきらめないでくれほむほむゥーーーッ!!」
ジョルノ「ま、まずいッ!ほむらちゃんのソウルジェムが……!」
『もういい。もういいんだよ、ほむらちゃん』
『まどか……まさか!?』
『ほむらちゃん、ごめんね』
ブチャラティ&ミスタ&ジョルノ「まど……か……?」
『全ての魔女を、生まれる前に消し去りたい。全ての宇宙、過去と未来の全ての魔女を、この手で……!』
ブチャラティ「まど……か……?」
『私の願いは、全ての魔女を消し去ること……本当にそれが叶ったんだとしたら……!私だって、もう絶望する必要なんて……ない!!」
ミスタ「まど……か……?」
『全部わかったよ。いくつもの時間で、ほむらちゃんが、私のためにがんばってくれたこと、何もかも……』
ジョルノ「まど……か……?」
『ほむらちゃん、ありがとう……あなたは私の、最高の友達だったんだね!』
ブチャラティ&ミスタ&ジョルノ「まどかああああぁぁぁぁぁーーーーーーッ!!!」ぽろぽろぽろぽろ
『……それを、覚えてる。決して、忘れたりしない……だから私は、戦い続ける』
『交わしたやっくそく忘れないよ〜♪』
ブチャラティ「終わった……」ぽろぽろ
ジョルノ「……さやか……君はよくがんばった……円環の理でゆっくり休んでくれ……まどか……さやかを頼むよ……!」ぽろぽろ
ミスタ「ほむらちゃん……マミさん……杏子ちゃん……希望を捨てるんじゃあねえぞ……応援してるぜ……!」ぽろぽろ
ブチャラティ「最高だったな……」ぽろぽろ
ジョルノ「はい……」ぽろぽろ
ミスタ「ああ……なんだろうな。この感情は……」ぽろぽろ
トリッシュ「みんな!大変よ!世界中でマンガやアニメのキャラクターが実体化する事件が起きてるみたい!きっとこれもスタンドのしわざだわッ!」
ブチャラティ&ミスタ&ジョルノ「な……!?」
ブチャラティ&ミスタ&ジョルノ「なにィーーーーーッ!?」
ジョルノ「マンガやアニメのキャラクターが実体化……ということはッ!!」
ミスタ「ブチャラティ、ジョルノ!行くしかないぜ……!」
ブチャラティ「ああ……!」
ジョルノ「はい……!」
ブチャラティ&ジョルノ&ミスタ「いざ日本へッ!!」
トリッシュ「え、あ、あの……?」
―――
――
ワルプルギスの夜「きゃははははは!きゃははははは!」
ほむら「はぁはぁ……くッ!みんな、大丈夫!?」
マミ「はぁはぁ……さすが……ワルプルギスの夜ね……」
杏子「くッ……!なんてヤツだ……まったく攻撃が効いている気がしねぇ……」
さやか「はぁはぁ……強い……くそう……!」
まどか「みんな、がんばろう……!私たちならきっと勝てるよ……!だからあきらめないで……!」
まどか「マミさん……!」
マミ「行くわよッ!」スチャッ
ワルプルギスの夜「きゃはははは!きゃはははは!」
マミ「くらいなさい!ワルプルギスの夜……!半径20メートル、ティロ・フィナーレをォーーーーッ!!!」
ズドオオオオオオオンッ!!!
ワルプルギスの夜「きゃはははは!」ひょい
マミ「そ、そんな!?私の全力のティロ・フィナーレを避けるなんて!!」
ピストルズ「イイイイイイイ!アアアアアアアア!」ゲシィッ
ズドオオオオオンッ!! ズシャアアアッ!!
ワルプルギスの夜「きゃは!?」ボロッ……
マミ「え?ティロ・フィナーレの軌道が変わってワルプルギスの夜に命中した!?」
しゅたっ
ミスタ「マミさんよォーーーッ!会えてうれしいぜェーーッ!!あの魔女は俺たちにまかせなァーーッ!!」
マミ「だ、誰!?」
ブチャラティ「ピストルズでマミさんのティロ・フィナーレを操るとはな……」
ほむら「あ、あなたたちは……?」
ブチャラティ「ほむほむ……会えて光栄だ……俺たちは君たち魔法少女の味方……あいつは俺たちが倒す……!」
さやか「た、倒す!?あんたたちがワルプルギスを!?」
ジョルノ「さやかちゃん、僕たちを信じてください……!この物語を必ずハッピーエンドに導きます!行きますよッ!ブチャラティ!」ダッ
ブチャラティ「ああッ!」ダッ
ブチャラティ「行くぞッ!おまえの相手は俺たちだぜッ!」
ワルプルギスの夜「きゃははははッ!!」ブオンッ
ズドオオオオオオォォォォッ!!
ジョルノ「ビルを飛ばしてきたッ!?」
ブチャラティ「大丈夫だジョルノッ!スティッキィー・フィンガーズッ!」バッ
ブチャラティ「ホムホムホムホムホムホムゥーーーーッ!!!」ズドドドドドドドッ
ブチャラティ「アケーミ・ホムラッ!!(ほむほむかわいいよほむほむ)」ドンッ
バラバラバラバラバラバラバラ……
ブチャラティ「ビルをジッパーでバラバラにしてやったッ!ジョルノッ!行けッ!」
ジョルノ「ゴールド・エクスペリエンスッ!」バッ
イタリア語ではこう言うのか・・・・・・
カサカサカサカサカサカサ……
ジョルノ「ゴールド・エクスペリエンスッ!ビルの残骸をすべてゴキブリにしたッ!」
ブーーーーーーーーンッ!!
まどか「な、なにあれ……!大小さまざまなゴキブリが大量にワルプルギスめがけて飛んで行ったよ……!」ガタガタ
杏子「き、気持ち悪ッ!」ガタガタ
ほむら「あぁ!ワルプルギスが火を吹いてゴキブリを焼き尽くしてしまったわ!」
ジョルノ「べネ!僕のゴールド・エクスペリエンスで生み出された生物への攻撃は……!」
ワルプルギスの夜「きゃは……は!?」ボロボロ……
マミ「ワルプルギスが黒焦げになっている……!?」
ジョルノ「そのまま自分への攻撃になるんだ……!!」
ミスタ「マミさんッ!今だ!ヤツは弱っているッ!トドメをッ!」
マミ「ええッ!」バッ
マミ「行くわよッ!ティロ・フィナーレェーーーーーッ!!!」
ズドオオオオオオオオンッ!!
ワルプルギスの夜「きゃ……は……!」ひょいっ
マミ「な!?そ、そんな……また避けられた……!」
マミ「え……?」
ミスタ「ピストルズッ!ティロ・フィナーレをワルプルギスの背中に叩き込んでやれェーーーーッ!!!」バッ
ピストルズ「ティィィィィィロ!フィナアアアアアアアアアレェェイッ!!」ゲシィッ
ズドオオオオオオンッ!!
ワルプルギスの夜「きゃは!?」
ワルプルギスの夜「……」シーン……
キラッ
ほむら「ワルプルギスが……消えた……!」
マミ「か、勝った……!やった!ワルプルギスに勝った!」
まどか「やったー!ばんざーい!」
さやか「誰だか知らないけどありがとう!あんたたち!」
杏子「すげえ攻撃だったな!あんたらも魔法少女なのか?」
ブチャラティ「いや……俺たちはギャングさ。こちらこそ君たちに出会うことが出来て本当によかった……うれしいよ」
QB「やれやれ。まさかワルプルギスを倒すとはね……」
ミスタ「!……て、てめーはッ!!」
ジョルノ「『吐き気をもよおす邪悪』ッ!キュゥべえ……いや、インキュベータァーーーーーッ!」
ブチャラティ「インキュベーターッ!てめーだけは絶対にゆるさねえッ!やってやれジョルノッ!」
ゴゴゴゴゴゴゴ……
まどか「え!?な、なんで!?」
ジョルノ「早くッ!」
まどか「え、えっと……はい……それッ!」しゅびっ
ズバァッ!
ジョルノ「ぐッ……!」
ドドドドドド……
ブチャラティ「『矢』はジョルノを『資格』がある者として選んだ……ジョルノのゴールド・エクスペリエンスは変貌を遂げる……!」
ゴゴゴゴゴゴゴ……
ジョルノ「ゴールド・エクスぺリエンス・レクイエム……!」
ジョルノ「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァーーーーッ!!」ズドドドドドッ
ジョルノ「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァーーーーッ!!」ズドドドドドッ
ジョルノ「WRYYYYYYYYYYYY!!!」ズドドドドドドッ
ジョルノ「無駄アアアアァァァァァァァーーーーッ!!!!」ズドォォォォッ
ズッシャアアアアッ!!
QB「ヤッダーバァアァァァァアアアアア!!」びゅーんっ
まどか「キュゥべえが遥か彼方に吹っ飛んだ!」
ジョルノ「ヤツはもうどこへも向かうことは出来ない……『死ぬ』という真実にさえたどり着くことは決してない……!」
ジョルノ「終わりましたね……」
ブチャラティ「ああ……終わったな。そうだ、今からみんなでピッツァでも食いにいこうか?」
杏子「ピッツァ!」ガタッ
ミスタ「おっしゃーッ!俺がおごるぜェーーッ!みんなついてきなッ!」
さやか「マジで!?やったぁ!」
マミ「ありがとうございます!」
まどか「わーい!ほむらちゃん、行こう!」
ほむら「ええ!まどか!」
わいわい! きゃっきゃ!
完
第5部完
Entry ⇒ 2012.05.26 | Category ⇒ まどかマギカSS | Comments (1) | Trackbacks (0)