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咲「い、良い加減……つ、付き合お?」 和「……!」
咲「全国大会も終わったしさ。しばらくゆっくりとした時間過ごせるから、良いかなって」
和「つ、つ、付き、付き、付き合」
咲「うん。付き合お?」ニコッ
和「!」
咲「ね?」
和「え、えぇっと……そ、それはつまり、その……」
咲「私、和ちゃんの事、好きだよ」
和「!」
咲「の、和ちゃん?」
和「あhんjkさんぁんぁんxjさんx」クラクラ
咲(い、いきなりこんな事言っちゃって、びっくりさせちゃったかな……)
和「rhfれfんjskjfんskんjfwsckんさkんcsjcんk」クラクラ
咲(そ、それとも……もしかして、他に……)シュン
和「!」パッ
咲「ご、ごめんね、いきなりこんな事言っちゃって」
和「あ、いえ……(いけません、しっかり意識を保たなきゃ……!)」
咲「勝手に一方的に……。和ちゃんだって、他に好」
和「いませんよ!」キリッ
咲「!」
和「私だって、咲さんの事が好きですよ! 大好きですよ!」
咲「……!」
和「あっ……(思わず、本音も本音を思いっ切り……)」
咲「……」
和「あ、あの、すみません……」カァッ
咲「う……」
和「……」
咲「う、嬉しい」
和「!」
咲「嬉しいよ、和ちゃん!」手ギュッ
和「……」カァッ
咲「ほ、本当に嬉しいよ……」ホロッ
和「……」
和「……」
咲「いつも一緒にいて、いつも二人で頑張ってこれたから、気持が抑え切れなくなっちゃって……」
和「……」
咲「で、でも、も、もしかしたら、両想いじゃない可能性もあるかもしれないって考えたら……」グスッ
和「……」
咲「ずっと眠れない日が続いてたけど……」グスッ
和「……」
咲「ほ、本当に、良かったよ」ポロッ
和「……全く」スッ
咲「……」
和「なんて無意味な心配してるんですか」ポンポン
咲「……!」
和「私が咲さんを好きじゃないなんて事、あるわけないじゃないですか」ポンポン
咲「……」グスッ グスッ
和「……」
咲「……」
和「……」
咲「こ、恋人同士になったのは良いんだけどさ……」
和「は、はい」
咲「な、なにをすれば良いのかな……?」
和「た、確かに、こうしてただ部室の椅子に並んで座っていたのでは、今までと変わりませんね」
咲「な、なにか、恋人同士っぽい事しよっか」
和「えっ……」ドキッ
咲「の、和ちゃんはさ、なにがしたい?」
和「えぇっ……そ、そんな、いきなり聞かれても……(抱き合う、キス、自主規制、自主規制、自主規制、自主規制……)お、思い浮かびませんよ」ドキドキ
咲「そ、そうだよね、ごめん、ごめん。……じゃあ……」
和「じゃ、じゃあ……?」ドキドキ
咲「手、つなごっか」
和「あっ……(こ、このままじゃ……)」
咲「和ちゃん?」
和「ちょ、ちょっと待って下さい……(汗がすごくて……)」フキフキ
咲「あ……あはは。私も汗すごいや(き、緊張で……)」フキフキ
和「ふぅ。……い、良いですよ」スッ
咲「う、うん! 私も」スッ
咲・和「「……」」カシッ
ギュッ
咲「!」
和「!」
咲「……」カァッ
和「……」カァッ
和「……」ギュッ
咲「……」ドキドキドキドキ
和「……」ドキドキドキドキ
和「……」ギュッ
咲「な、なんか……不思議だね」
和「ふ、不思議ですか?」
咲「うん」
和「な、なにがでしょうか……?」
咲「ただ、手をつないでるだけなのにさ」
和「……」
咲「触れ合ってるのは、体のうちに、ほんのごく一部なのにさ」
和「……」
咲「しかも、普段一番色んなものに触れる、手っていう部分なのにさ」
和「……」
咲「大好きな人とだと、こんなにドキドキして嬉しいんだね」ニコッ
和「!」
和「は……はい!」カァッ ////
手つなぐくらい本編でもしてたっけか
和「……」ドキドキ
咲「和ちゃんは、次、なにがしたい?」
和「わ、私ですか?」
咲「うん。最初は私のしたい事をしたからさ」
和「そ、そうですか。では……」
和(咲さんとしたい事と言ったら……抱き合う、キス、自主規制、自主規制、自主規制、自主規制……)
和(ダ、ダメです!)ブンブン
咲「?」
和(ここは、もっと控え目に……)
咲「なにかある?」ニコッ
和「!」ドキッ
和「も、もっと」
咲「うん?」
和「も、もっとくっついて良いですか?」
和「……」
咲「もうちょっと近く寄るね」スッ
和「!」ドキッ
咲「……」ススッ
和「……」ドキドキ
咲「こ、これくらいで良いかな?」ピタッ
和「あっ……(顔が……近い……!)」カァッ
咲(顔すっごく近くて、さ、さすがに照れるよ)カァッ
和「でも、も、もうちょっとですね」
咲「……も、もうちょっと?」
和「……」ススッ
和「……」ピトッ
咲「! (い、いよいよ近い……!)」カァッ ////
和「……(も、もう、むやみに顔を動かせません……)」カァッ ////
和「……」
和「う、腕が邪魔なので、お互いに、腰に回しませんか?」
咲「こ、腰に?」
和「はい。こうして……」スッ ギュッ
咲「う、うん」スッ ギュッ
和「……」
咲「なんか不思議だね」
和「こ、今度はなにですか……?」
咲「さっきまでは、ちょっとでも和ちゃんと体がふれあうと、ドキドキして仕方無かったけど……」
和「……」
咲「いざこうして、思いっ切りくっついちゃうと……」
和「……」
咲「逆にすっごく落ち着くね。心の底から癒されるというか……」ムギュッ
和「!」
和「い、言われてみれば……」
咲「ずーっとこうしてたいな」ムギュッ
和「……!」カァッ
和(咲さん、可愛い表情ー……)
咲(なんかもう、癒され過ぎて……)ギューッ
和(子どもみたいで可愛い……)
咲「ねぇ、和ちゃん」パッ
和「は、はい?」
咲「ごめんね。変なお願いなんだけどさ……」
和「……?」
咲「あ、甘えて良い?」テレッ
和「甘える?」
和「甘えるっていうは……」
咲「こうやって、思いっ切りくっつくから……」ギュッ
和「んっ……」
咲「その……なでなでしてくれたら嬉しいな、なんちゃって。えへへ」テレテレ
和「……」
咲(さ、さすがに恥ずかしいお願いだったかな……)
和「……」スッ
咲「……!」
和「……」ナデナデ
咲「! わ~い……!」ギュギューッ
和「……」ナデナデ
咲「んー……」ムギュー
和「……」ナデナデ
咲「和ちゃん」
和「はい?」ナデナデ
咲「大好きだよ」
和「! わ、わかってますよ!」ナデナデナデナデ
咲「世界で一番、大好きだよ」ギュッ
和「!」カァッ
和「……」ナデナデナデナデナデ
咲(このままずっといたいなぁー……)
和「……」ナデナデ
咲(このままずーーーーーっと……)
和「……」ピタッ
咲「……? (あれ……?)」
和「そろそろ、代わってください」
咲「か、代わる?」
和「わ、私にも、同じ事してください」テレッ
咲「!」
咲「そっか、そっか。ごめんね」スッ
咲「じゃあ、ここにくっついて……あ」
和「……?」
咲「ごめんね。和ちゃんと違って私……」
和「?」
和「……」ジーッ
和「……」ツルペターン
和「……」
和「……良いですよ」スッ
咲「!」
和「……」ピトッ
咲「んっ……」
和「これはこれで、すごく良いですよ(あぁぁぁぁぁぁ咲さんの胸……!)」ムニムニ
咲「そ、そっか。良かったよ」
和「で、ではお願いします(どっちに集中すれば良いのやら……)」ムニムニ
咲「うん。よしよし、和ちゃん」ナデナデ ナデナデ
和「!」
和「……」ポケーッ
和「んっ……(こ、これは……)」ムギュー
咲「よしよし。和や~。……なんちゃってね。えへへ」ナデナデ
和(こ、こんなに良いものだったとは……)ムギュー
咲「おっと、和さん。抱きついてくる力がどんどん強くなっておりますぞ」ナデナデ
和「あ、す、すいません」パッ
咲「ううん。良いよ」ナデナデ
和「……」カァッ
咲「……」ナデナデ
和「……」ムギュー
咲「……」ナデナデ
和「さ、咲さん」
咲「? どうしたの?」
咲「うん?」
和「宇宙で一番大好きですから!」
咲「!」
咲「……」カァッ
和「う、宇宙ですよ……!」ムギューッ
咲「おっと、上をいかれちゃったよー」ナデナデナデナデ
和「……」カァッ
和「ふぅ」
咲「こんなに暑いのに、あんなにくっついちゃって……えへへ」
和「お互いもう、汗でびっしょりですね」
咲「……」チラッ
和「……」チラッ
咲「な、なんか、どこ触ってないと寂しいから……」スッ
和「て、手はつないでましょうか」スッ
咲・和「……」ギュッ
咲・和「……」カァッ
咲「んー……」
和「?」
咲「なんかちょっと悔しいなー……」
和「く、悔しい?」
咲「うん」
咲「だって、和ちゃんが宇宙で一番なんていうからさ」
和「なんだ、そんな事ですか……」
咲「私の方が、和ちゃんの事好きなのに」
和「!」
和「そ、そんな事ありませんよ!」
咲「ううん。私の方が好きだよ」フフン
和「私の方が、咲さんの事が好きです!」キリッ
咲「私の方が!」キリッ
咲「……」ジーッ
和「……」ジーッ
咲「……」カァッ
和「……」カァッ
すばらっ!
和「じゃあ……?」
咲「私は、ノドカーで一番、和ちゃんが好きだよ!」
和「……の、ノドカー?」
咲「うん。私が今決めた、宇宙より外にある、宇宙より大きい空間だよ!」
和「!」
和「じゃあ私は、サキーで一番、咲さんが好きです!」
咲「さ、サキー?」
和「ノドカーの更に外にある、ノドカーより大きな空間ですよ!」
咲・和「……」ジーッ
咲・和「ぷはっ」
咲「……こ、こういうの、なんていうか知ってる?」
和「な、なんですか?」
咲「バカップルっていうんだよ」
和「確かに……馬鹿ですね……」
和「あ、本当ですね」
咲「そろそろ帰ろっか」
和「は、はい」
咲「……」スッ
和「……」スッ
咲「用意出来た?」
和「はい」
咲「じゃあ、行こっか」
和「はい」
キッ バタンッ
咲「……」トコトコ
和「……」トコトコ
咲「……」
和「あ、あの……」
咲「うん、良いよ」ニコッ
和「え……? ま、まだなにも……」
咲「手だよね? つなご!」
和「あっ……」
咲「……」スッ
和「……」スッ
咲・和「……」ギュッ
咲「……」トコトコ
和「……」トコトコ
和「……」トコトコ
咲・和「ふぅ」ドキドキ
咲「な、なんか手はもう散々つないだはずのに……」ドキドキ
和「な、なんか違いますよね……」ドキドキ
咲「歩きながらだと……」ドキドキ
和「本当に恋人同士のような感じで……」ドキドキ
咲「のようなって、私達はちゃんとした恋人同士だよ!」ドキドキ
和「まぁ、そうなんですけど……」ドキドキ
咲・和「……」ドキドキドキドキ
咲「なんか、本当に緊張しちゃうから……」
和「しちゃうから……?」
咲「なにか面白い事しながら歩こっか」
咲「うん! モノマネ合戦」
和「も、モノマネ合戦……?」
咲「まず、私から行くよ」
和「は、はい」
咲「……」コホン
咲「モノマネ・和ちゃん」コホン
和「……」
咲「そうなんだ、じゃあ私、生徒会行くね」声マネ
和「……」ジトーッ
咲「なんちゃって。えへへ」ポリポリ
咲「お? 良いよー」
和「……」コホン
和「では行きます。モノマネ・saki」
咲「……」ワクワク
和「強くなりたくば喰らえ!!」声マネ
咲「……」ジトーッ
和「……」ドヤッ
和「……」
咲「しかもお父さんの言葉やしー……」
和「あかん、あかん」
咲・和「……」
咲・和「……」ジーッ
咲・和「ぷはっ」
咲「私達、本当にバカップルだね」
和「大バカップルですね」
咲「ふぅ。ここでお別れだね」
和「は、はい」
咲「……」
和「……」
咲「帰りには、手、離さなきゃね。えへへ」
和「そ、そうですね」
咲「……」
和「……」
咲・和(離せない……)
和「……」
咲「じゃあ、せーので放そっか」
和「わかりました」
咲「せー……」
和「の!」
咲「……」
和「……」
咲・和(は、離せない……)
和「どうしますか……」
咲「まぁ、単に離せば良いんだけなんだけどね……」
和「そ、そうですけど……今の私達には、なぜかそんな事が難しいんですね……」
咲・和「……」カァッ ////
咲「じゃ、じゃあさ」
和「?」
咲「引いてダメならさ」
和「ひ、引いてダメなら……?」
咲「いっその事……」スッ
和「!」
咲「思いっ切り抱き合っちゃおうよ!」ギュッ
和「……!」
和「んっ……」
和「は、はい……!(しっかり前面と前面で思いっ切り抱き合うのは、初めて……)」ギュッ
咲「……」ギューッ
和「……」ギューッ
咲「よし。これで、手はほどけてるから……」
和「このまま体を離せば……」
咲「……」ギューッ
和「……」ギューッ
咲「体を……」
和「離せば……」
咲「……」ギューッ
和「……」ギューッ
和「……」ギューッ
咲・和「……」ギューッ
咲「じゃ、じゃあ、せーので」
和「いや、多分それでは……」
咲「ダメだよね……」ギューッ
和「そうですね」ギューッ
咲「このままじゃ帰れないね」ギューッ
和「そうですね」ギューッ
咲「ど、どうしたら……」ギューッ
和「さっきと同じですよ」ギューッ
咲「さっきと同じ?」ギューッ
和「引いてダメなら、押してみるしかないですよ」ギューッ
咲「で、でも……」ギューッ
和「はい? (……もうダメです)」ギューッ
咲「お、押すっていっても、これ以上は……」ギューッ
和「体はこれ以上くっつきませんよね (もう、自分に正直になります)」ギューッ
咲「う、うん。そうだよね」ギューッ
和「だから……」スッ
咲「! (和ちゃんの顔が……目の前に……!)」
和「……」スッ
咲「……!」
和「……」チュッ
咲「!」
和「……」チューッ
咲「んっ……」
和「ふぅ」ドキドキドキドキ
咲「の、和ちゃん!」ドキドキドキドキ
和「どうしました?」ツン
咲「あ、なにその顔~! なにもおかしな事はしてませんよ、みたいな!」
和「だってしてないですもん」ツン
咲「さ、さすがにいきなりキ、キスは……」
和「恋人同士なら普通ですよ?」ツン
咲「あ、そ、それもそっか……」
咲・和「……」ジーッ
咲・和「……」ボンッ
咲(でもさすがに、キスは恥ずかしいよ~……!)カァッ ////
和(もう咲さんの顔、しっかり見れません……!)カァッ ////
和「ま、まぁ初めから、完全に私達のさじ加減でしたけどね」カァッ
咲「……」テレテレ
和「……」テレテレ
咲(や、やっぱりキスってすごいんだな……)テレテレ
和(あれだけ部室で色々したのに、破壊力が全然違いますね……)テレテレ
咲「……」チラッ
和「……」チラッ
咲「あっ……」カァッ
和「あっ……」カァッ
咲(もう顔が見れない所か……)ドキドキドキドキ
和(一瞬目が合っただけでも、鼓動がすごい……!)ドキドキドキドキ
和(恥かしくて仕方ないけど……)ドキドキ
咲(なんか……)ドキドキ
和「……」ドキドキ
咲「……」ドキドキ
和「……」ドキドキ
咲・和「あ、あの……」
咲・和「!」
咲・和「あっ……」
和「いえいえ、咲さんからで良いです」
咲「……」
和「……」
咲「……って言っても、多分」
和「……」
咲「言おうとしてた事、同じだよね」
和「!」
咲「さっきは和ちゃんから積極的に来てくれたから、今度は私が言うよ」
和「……」
咲「もう一回、キスしよ!」ニコッ
和「!」ドキドキドキドキ
和「は、はい (さっきは勢いでやってしまいましたが……)」
咲「えぇーっとじゃあ……」
和(改めてするとなると、緊張して……)
咲「うーん……」
和(どうしたら良いか……)アセアセ
咲「和ちゃんは、そのままじっとしててね」
和「! は、はい」
咲「じゃあ、いくよ」
和「は、はい……!」
咲「目を閉じてね」
和「は、はい」ギュッ
咲「……」スッ
和「……」
咲「……」チュッ
和「!」
咲「……」チューッ
和「んっ……」
咲「ふぅ」
和「はぁ……はぁ……」
咲「ダメだね。あんまりやっちゃうと……」
和「はぁ……はぁ……」
咲「本当にクセになっちゃいそうで……えへへ」
和「い、家に、帰れなくなっちゃいますね」
咲「ふぅ」
和「ふぅ」
咲「じゃあ、最後にさ」
和「さ、最後に……?」
咲「お互いに好きって言ってから別れよ!」ニコッ
和「! 良いですね」
和「良いですね。交際開始からちょうど5時間ですから、最初の記念イベントとして」時計ジーッ
咲「あ、そうなんだ……」
和「はい」
咲「よし。じゃあ、いくよ」
咲「私、宮永咲は、」
和「……」
咲「初めて見た時から、原村和の事は、可愛い子だなぁと思っていましたが、」
和「……」カァッ
咲「地区大会、全国大会などを経て、どんどん惹かれていき……」
和「……」
咲「今ではぞっこんです!」キリッ
和「……!」カァッ
咲「……」ニコッ
和「……」テレテレ
咲「……」
和「実は、かなり初期の段階から、宮永咲に本気で恋慕の情を抱いておりましたが、」
咲(そ、そうだったんだ……!)カァッ
和「地区大会、全国大会などを経て、その恋慕の情はいよいよ熾烈を極め……」
咲「……」
和「今ではもう、自分でも手をつけられないような遠大な愛に成長してしまいました!」キリッ
咲「……!」カァッ
和「何度も言いますけど、私の想いの方が、絶対に上ですからね」ニコッ
咲「……」テレテレ
和「は、はい!」
咲・和「……」ジーッ
咲「さ、最後に一瞬だけ……」
和「そ、そうですね。一瞬だけ……」
咲・和「……」スッ
咲・和「……」チュッ
咲・和「……」パッ
咲「また帰りたくなくなってきちゃう前に……」スタッ
和「急いで帰りましょう……!」スタッ
タッタッタッタッタッタ
――草むらの陰――
京太郎(俺はなにも見てない聞いてない、俺はなにも見てない聞いてない、俺はなにも……)プルプルプルプル
終
すばらでした!
ちょーよかったよー
Entry ⇒ 2012.08.23 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
豊音「追っかけるよー」末原「何でついて来んねん……」
豊音「大阪の選手にサイン貰おうと思って」トコトコ
末原「サイン……」スタスタ
末原(そういえば二回戦終わった後、神代のサインもろてたな)スタスタ
豊音「まず姫松の愛宕さんでしょー、それから千里山の園城寺さんと江口さんと――」トコトコ
末原「そんで三箇牧の荒川、ですか」スタスタ
豊音「その通りだよー」パァァ
末原「……」スタスタ
豊音「アハハ」トコトコ
末原(なんやねん……)スタスタ
豊音「名前覚えててくれたんだー」ダキッ
末原「!?」
豊音「ちょーうれしいよー」
末原「ちょっ、抱きつかんといてください! 暑いんで!」バッ
豊音「あっ……」
末原「……まったく//
何で姉帯さんは私についてくるんですか……」
豊音「姫松高校まで行こうと思ったら迷っちゃったんだ。
そしたら末原さんが歩いてたから……」
末原「はあ」
末原「何ですか」
豊音「学校までの道を教えてくれないかなー、とかとか」
末原「それは構いませんけど……」
豊音「けど?」
末原「もうこんな時間ですよ?」
豊音「あっ……!
そっかー……迷ってるうちに夕方になっちゃったんだ……」ショボーン
末原「――っ」ブルッ
末原(何このかわいい生きモン……!)
豊音「うう……」ウルウル
末原「……。
あの、姉帯さんはどっか泊まる場所とか決めてるんですか?」
豊音「えっ、まだ決めてないけど」
末原「じゃあ、もしよかったらウチに泊まって行きませんか?」
豊音「!?」
末原「そしたら明日の朝、学校まで案内しますけど。どうします?」
豊音「……」
末原「姉帯さん……?」
豊音「ふぇ……っ」ジワッ
末原「え、ちょっ、姉帯さん!?」
豊音「ひぐ……っ、ぐすっ……」ポロ
末原「あわわ……」オロオロ
末原(しもた……何か気に触ることでもあったんやろか……)
豊音「うわああああああああああああああん」ポロポロ
豊音「ふえぇぇん……末原さん何で謝るのぉ……?」グスッ
末原「だ、だって泣かせてもたから……」
豊音「ちがうよぉ……これはぁ……ひっぐ……うぇぇ……っ」ウルッ
末原「違うって何が――」
豊音「うわああああああああん、末原さん優しすぎだよぉぉぉぉ」エーン
末原「は……!?」
末原(え、何? どういうことなん?)
豊音「ちょー感激だよぉぉぉぉ」ビエーン
ぐうかわ
豊音「うう……ごめんねぇ……泣き虫で……ぐすっ……」ヒック
末原「……」
末原(あんなデカいのにしゃがんだらちっこいんやな……)ナデ
豊音「!」ピクッ
末原「あっ、すんません。つい――」パッ
ガシッ
末原「えっ?」
末原「あ、あの……姉帯さん?」
豊音「……」スリスリ
末原(掌に頬擦り……)
末原「えっと……」
豊音「……。
もっと撫でて欲しいなー」ジィ…
末原「――っっ!!」キュン
末原(何このかわいすぎる生きモン……!)フルフル
豊音「?」ワクワク
――――
末原「ただいま」ガチャ
末原母「今日はえらい遅かったなー」
末原「ん、ちょっとな……」
末原(さすがに人の頭撫でてて遅なったとは言えんわ)
末原母「あれ、その人は……って、デカっ!?」
末原「岩手から来た姉帯さんや」
豊音「よろしくお願いしまーす」ペコッ
末原母「こ、こちらこそ……」ビクビク
末原「どうぞ、上がってください」
豊音「お邪魔しまーす」
末原母「……」カタカタ
豊音「末原さんお母さんとそっくりだねー」
末原「そうですか?」
豊音「ちょー似てるよー」
末原「はあ」
末原(なんやろ、馬鹿にされた気がする……)
豊音「?」
末原(……気のせいやな)
アポトキシンでも飲んだの?(無知)
なんだこれは
末原「なんですか」
豊音「下の名前で呼んでもいいかな?」
末原「……別にいいですよ」
豊音「やった! ありがとう恭子ちゃん!」
末原「っ!?」
豊音「恭子ちゃん?」ズイ
末原「あ、いや……その、『ちゃん』っていうの恥ずかしいんですが……」
豊音「えー、私はかわいいと思うけどー」
末原「ううっ……やめてください……///」
末原「……なに」
豊音「呼んでみただけー」ニコニコ
末原(何やねん……)
豊音「恭子ちゃんも私のこと下の名前で呼んでよー」
末原「……。
と、豊音」
豊音「はい」
末原「豊音……」
豊音「えへへ」
末原(うーん、なんかムズムズするわこれ……)
末原「……姉帯!」
豊音「ええっ」ガーン
豊音「いただきまーす!」
モグモグ
豊音「ごちそうさま!」ペロリ
末原「早いわ……」
―末原先輩と姉帯さんは―
末原「ふう……」チャプ…
豊音「ちっちゃくてかわいいよー」ジー
末原「こら、どこ見とんねん。
……って何で入ってきたんや!///」ザバッ
―仲良くなったのです(キンクリ)―
末原「……」ペターン
豊音「?」ポヨン
末原(メゲるわ……)
末原「どうしたん?」
豊音「パジャマ忘れちゃったよー」
末原「姉帯はドジやなぁ……。
仕方ない、私の貸したるわ……」
豊音「ありがとう恭子ちゃん!」ムニュッ
末原「裸で抱きつかんといてや……」
末原(ほんまメゲるわ……)ズーン
豊音「うう、小さすぎるよー……///」カァァ
末原「ご、ごめんな……」
チュン…チュン…
末原「――ん……ああ、もう朝か……」
布団<Zzz……。
末原「朝やで姉帯、はよ起きい」ユサユサ
布団<むにゃ……もう食べられないよー……。
末原「またベタな寝言やな。ほら、捲るで」ガバッ
豊音「ふにゃ……? 眩しいよー……」モゾモゾ
末原「っ――!!」ドキッ
末原(しもた……そういえば私の服着てるんやった……///)
豊音「きょーこちゃん……?」ボー
末原「……」ゴクッ
末原(なんで唾飲み込んでるんや自分――!)
末原「……///」ドキドキ
豊音「……」ジー
末原「……?」
豊音「えいっ」グイッ
末原「!?」ポスッ
末原(は……?)
豊音「ふふふー……きょーこちゃん……」ギュ
豊音「ちょーあったかいよー……」ムニャムニャ
末原(あ、姉帯が私を押し倒して、そんで抱き締めて……!!)
末原「はっ、早まんな姉帯」ジタバタ
豊音「うー……けらないでよー……」ギュウ
末原「あわわ……あかんて、まだ心の準備が……///」プルプル
ガチャ
末原母「恭子、早く起き――」
末原「」
末原母「……。
失礼しました」バタン
末原「ちょっ、お母さん誤解や!!!!」
末原「……」ゲッソリ
末原(お母さんに説明すんのめっちゃ疲れたわ……)
豊音「恭子ちゃん元気ないよー。どうしたの?」
末原「どうもせえへんで……」
末原(寝ぼけてたから覚えてないんか。まあその方がええけど)
末原「はあ、ダルいわ……」グター
豊音「わー」パァァ
末原「何や……」
豊音「恭子ちゃんシロみたいだよー」
末原「シロ……ああ、先鋒の……」
豊音「そうだよー!」ニコニコ
末原「……」
豊音「それで――そのとき私が――」
末原(なんや、えらい嬉しそうに喋るな……)モヤモヤ
豊音「そしたらシロったら――」
末原(……何でこんなにおもんないんや)ズキ
豊音「――っていう事があったんだー……って恭子ちゃん?」
末原「……」
豊音「ねー、恭子ちゃーん?」
末原「あ……。
あー、はいはい。聞いてたよ、うん……」
豊音「……?」
なあ姉帯」
豊音「なに?」
末原「姉帯はその……もしかして小瀬川さんのことす……っ!?」
末原(ちょっ、自分なに聞いとんねん……)アセアセ
豊音「ん? シロがどうしたの?」
末原「ちゃ、ちゃうんや……私は別に――」
末原母「ご飯出来たでー」
豊音「おおー!」
末原(ナイスお母さんッ!!)グッ
末原「何で赤飯なん……」
末原母「不束な娘ですがどうか」フカブカ
末原(あ、これあかんわ。まだ勘違いしとる)
末原「ほな行ってくるわ」
末原母「楽しんで来てな」
末原「……?
いつも通り麻雀部行くだけやで」
末原母「デートちゃうん?」
末原「ちゃうわ」
「恭子ちゃーん、まだー?」
末原「……行ってくる」クルッ
末原母「行ってらっしゃい」
豊音「行ってきまーす」
末原「ほら、はよ行くで」グイ
豊音「ええー、さっきまで待たせてたのそっちじゃーん」
末原「ええからはよ」スタスタ
末原母「ふふ、健闘を祈るで……」
洋榎「それロンや」パタッ
漫「うっわ、またラスですか……」
洋榎「まだまだしごいたるからな!」
絹恵「ほどほどにしといたってなぁ」
漫「うう……」
ガラッ
末原「おはようございます」
洋榎「恭子! なんや今日は遅かっ――」
豊音「お邪魔しまーす」ヌゥ
洋榎「――ッ!?」ビクッ
由子「姉帯豊音なのよー……」
末原「知ってると思いますが宮守の姉帯さんです」
豊音「よろしくねー」
洋榎「お、おう。よろしくな」オドオド
豊音「愛宕さん!」ズイッ
洋榎「な、なんや!」
豊音「サイン下さい!」
洋榎「サ、サインかぁ……どないしよ……」
末原(主将が怯えとる……? いや、そんなアホな)
豊音「もしかして駄目なのかなー……」シュン
末原「……主将、サインぐらい書いたってもええやないですか」
洋榎「せ、せやな! 恭子が言うんやったら仕方ないなぁ……へへ、サインかぁ……///」テレテレ
末原(照れてるだけかい)
豊音「わーい! じゃあこれにお願いします! あっ、あとここに『豊音ちゃんへ』って――」
末原「ん? どないした漫ちゃん」
漫「なんであの人大阪におるんですか」
末原「まあ色々あってな」
漫「い、色々って……。一体どんな事情が……」
末原「姉帯はな、サイン貰うためにわざわざ岩手から来たんや……」
漫「そんな理由ですかい!」
洋榎「豊、音、ちゃ、ん、へ……っと!」
豊音「ちょー感激だよー!」パァァ
洋榎「せやろーさすがやろー?」ドヤッ
豊音「受けて立つよー」
末原「ほら、漫ちゃんも行ってき」
漫「はあ!? そんな無茶苦茶な!!」
末原「無茶苦茶ちゃうわ」
漫「うっ……ううっ……」トボトボ
洋榎「おっ、漫ちゃんもやるんか」
漫「はい……お手柔らかに……」
豊音「それじゃ、恭子ちゃんもしよっか」
末原「はあ!? そんな無茶苦茶な!!」
漫「……」タン
豊音「チー」
末原(また裸単騎……)
豊音「ぼっちじゃないよー」
――
漫「ツ、ツモ! 8,000オールです」
末原(漫ちゃんが爆発してる……)
――
末原(くっ……これか……?)チラ
末原(いや、ひょっとしてこっち――)トンッ
洋榎「ロン」
末原「」
~~~~
洋榎「き、きっとうちの指導のおかげやな!」
豊音「上重さんちょーつよいよー」
漫「そんな、偶然ですよ!」アセアセ
豊音「サイン下さい!」
漫「ええっ!?」
末原「こんなん勝てるわけないやん……」ズーン
絹恵「末原先輩、大丈夫ですか?」
末原「うう、絹ちゃん……メゲるわ……」
由子「ズタボロなのよー」
「あれぇ~、末原ちゃんどないしたん~?」
末原「!」ガバッ
代行「その呼び方やめてって言うてるやろ~」
豊音「この人は?」コソッ
洋榎「ウチの監督代行や」
代行「姉帯ちゃんやっけ? 何でおるん?」
豊音「サイン貰いに来たんです!」
代行「ふーん……。
で、末原ちゃんラス引いたんや?」
末原「……はい」
代行「じゃあこれ罰ゲーム~」スッ
末原「何ですかこれ!?」
洋榎「おっ、また全国のときみたいになるんか」ニヤニヤ
末原「なりませんよ! 絶対嫌ですからね!」
代行「ええ~、せっかく末原ちゃんに合わせて作ったのに~」
末原「何でサイズ知ってるんですか!?」
代行「末原ちゃんのことなら何でも知ってるで~。確か、上から――」
末原「言わんといてください!」
代行「言わんかったら着てくれるん~?」
末原「……っ」
末原「うう……///」カァァ
代行「末原ちゃんかわいいわ~」パシャッパシャッ
末原「散々や……」ドヨーン
豊音「恭子ちゃんちょーかわいかったよー」
末原「うっさいな……。別にかわいくないわ」
豊音「でも私は恭子ちゃんのかわいいところ、いっぱい知ってるよー?」
末原「……///」カァァ
豊音「あれ、顔赤いけど……」
末原「ちょっと風邪ひいてもただけや。
とりあえず、そういうことにしといて……」
豊音「それどういうこと?」キョトン
末原「あー、もう。つまり姉帯はアホやっちゅーことや」
豊音「えー、それひどいよー」
豊音「んー?」
末原「主将のお母さんが千里山まで送ってくれるかもしれへんって」
豊音「本当!?」
末原「まだ決まったわけやないけどな」
豊音「じゃあ……」
末原「今夜もウチに泊まっていいで」
豊音「わーい、ちょーうれしいよー!」ダキッ
末原「ちょっ……。もう、しゃーないなぁ……豊音は」
豊音「!!
恭子ちゃん、今私のこと下の名前で……」
末原「っ!?」
末原「ちがっ……今のはつい……」
豊音「もう一回呼んでよー」
末原「せ、せやから……」
豊音「ダメ?」ジィ
末原「っ……」
豊音「……」
末原「と、とよ……」
豊音「……」
末原「……姉帯っ!」
豊音「ええっ」ガーン
おしまい
寝る
乙、また描いてくだしあ
おつおつすばらでした
二人ともちょーかわいいよー
Entry ⇒ 2012.08.22 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
華菜「社会人とかまるで悪夢だし……」
華菜「はいっ!ただいまだし!」
「池田ァッ!発注間違えてんぞ!」
華菜「申し訳ありませんだし」
「池田ァッ!お茶が温くて不味いぞ!」
華菜「すみませんだし」
「池田ァッ!」
華菜「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
華菜「環境や人間関係を呪うのは弱者の思考だけど……これはもう呪わずにはいられない……」
華菜「はぁ……まるで悪夢だし」
華菜「でも妹たちの為だ華菜ちゃん頑張るし!」
華菜「気晴らしにちょっと麻雀打って帰るし」
「………」イライラ
カァン!←引きツモした音
「………」イライラ
華菜「にゃ~~~ッ!!」
「………」イライラ
「全く……五月蝿い人がいると困るよね」
『咲っちょだけ……咲っちょだけならいいよね……』
『ん……』
『ただいまだし!』
『あれ?部屋間違えた?邪魔したし!』
「………」ムカムカ
「何だか嫌なこと思い出しちゃったよ……ちょっと麻雀楽しませてきたほうがいいかな?」
咲「久し振りだね……」
華菜「お?華菜ちゃんと打つつもりか?華菜ちゃん、今流れに乗ってるからちょっと強いぞ?」
咲「試してみる……?どちらかが破産するまで……」
華菜「え……?」
咲「あっ、カモ(お客さん)が来たよ」
咲「麻雀って……楽しいよね」
華菜「お前……華菜ちゃんをどうするつもりだ?」
咲「ん?うん……破滅させるよ……今ここで毟れるだけ毟って……二度と泣いたり笑ったり出来なくしてやるんだぁ」
華菜「………」
咲「それロン……24000」
華菜「………お金はちょっと待ってくれないか……?」
咲「えっ?」
華菜「華菜ちゃん、そんなにお金持ってないし……」
咲「………」
華菜「両親が事故に遭ったばかりで……今ここで私が破産なんてしたら私の妹たちが……」
咲「金もないのに賭場に来たんだぁ……」
華菜「すみませんだし……」
咲「じゃあ……お金の代わりに私の言うこと聞いてもらおうかな」
華菜「え……」
照「咲ちゃんおかえりなさい」
咲「お姉ちゃん、お姉ちゃん!私、猫拾ってきたんだぁ」
華菜「………」
照(……猫?)
咲「お姉ちゃんは犬の方がよかった?」
照「え?あ、いや……」
照「え?飼うの?ここで?」
咲「うんっ!だって可愛いんだもん!」
照「……ごめん、お姉ちゃん少し疲れてるみたいだからそろそろ寝るね……」
咲「お姉ちゃん、おやすみなさい」
華菜「………」
華菜「あ、あの……私、明日会社が……」
咲「あれれ?なんで猫が喋ってるのかな?おかしいな……?」
華菜「に、にゃぁ……」
咲「うんっ!それでいいの」
華菜「………」
咲「そんなに心配しないで……親御さんも、妹さんたちも決して悪いようにはしないから、ね」
華菜「にゃ、にゃー……」
咲「いい子だね……華菜ちゃんは」ナデナデ
華菜「にゃーにゃー……」
咲「きっと辛いこといっぱいあったんだよね……」ナデナデ
咲「でも、ここにいれば何も辛いことないからね」ナデナデ
華菜(……これからどうなるんだろ?)
照「咲ちゃんいってらっしゃい」
咲「私がいない間もいい子にしてるんだよ?」ナデナデ
華菜「にゃ、にゃー……」
咲「ん、いい子だね」
照「………」
華菜「………」
華菜「………」
照「………」ジジー
華菜「……にゃ、にゃあ?」
照「……おいで」
華菜「にゃあー」
照「………」ペラッ
華菜「………」
照「………」ペラッ
華菜「………」
華菜(何でこの人、私を膝に乗せて姉妹百合の本読んでんだし!姉妹百合とかそんなオカルトありえないし!ってか、ツッコむとこそこじゃないし!)
照(この猫重い……)
照「……!?」
華菜「何でこんなことしてるの?とか、普通は思うはずだし」
照「猫が……」
華菜「だいだいおかしいし!人をペット扱いするなんて」
照「シャベッタアアアアアアアア!!」
華菜「うおい!」
華菜「見て気付けし!」
照「咲ちゃんが猫だって言い張ってたからてっきり……」
華菜「騙されるなし!」
照「その猫耳は本物?」フニュフニュ
華菜「はぅ……さ、さわんな……し……」
照「私も魔物とか言われてたけど、リアル猫耳生えてる人は初めて見る……」フニュフニュ
華菜「ん?どうしたんだし?」
照「お腹減った……」グー
華菜「さっき朝ご飯食べたばっかだし!」
照「朝ご飯……」ググー
華菜「………」
照「………」グーグー
華菜「分かったし……華菜ちゃんが何か作ってやるし」
華菜(何でうちの妹たちより手がかかるんだし……)
照「咲ちゃんおかえりなさい」
華菜「にゃー」
咲「華菜ちゃん、いい子にしてた?」ナデナデ
華菜「にゃ、にゃぁ……」
照「咲ちゃん、その猫すごいんだねぇ。ご飯も作ってくれたし、家事もやってくれたよ」
咲「え……?」
華菜「にゃ……」
咲「どうしてペットがそんなことするの?ありえる?ありえないよね?間違ってるよね?ねぇ、どうして……?」
華菜「にゃ、にゃー……」
咲「ちょっと調教が必要みたいだね……」
咲「何で猫が喋ってるのかな?」クチュクチュ
華菜「あっ……あぅ……ん……」
咲「ほら、猫っぽく鳴かないとダメだよ?」グチュグチュ
華菜「にゃ……ん……にゃぁ……」
咲「ふふ、その調子だよ」
華菜(美穂子……さん……ごめんなさい…だし……)
『池田ァッ!発注間違えてんぞ!』
『池田ァッ!お茶が温くて不味いぞ!』
『池田ァッ!』
『池田ァッ!!』
『池田ァッ!!!』
華菜「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」ブツブツ
咲「華菜ちゃん、すごいうなされてる……怖い夢でも見てるのかな?何か安心させてあげられたらいいけど……」
咲「槓…もいっこ槓…もいっこ槓…もいっこ槓…ツモ…ロン…昏鐘鳴の音が聞こえるか?…槓…槓…槓…もいっこ槓…麻雀って楽しいよね」ボソボソ
華菜「うっ、うぅ………」ガクガクガク
小池A「あ、おねーちゃん」
小池B「おきたー?」
小池C「すごくうなされてたけど、だいじょーぶ?」
華菜「ここ……私の家?今までの全部夢……?」
華菜「そうだ……会社行かなきゃ……」フラフラ
小池A「おねーちゃん、ふらふらだよ?」
小池B「だいじょーぶ?」
小池C「むりしないで」
華菜「大丈夫、大丈夫……今や私が一家の大黒柱なんだから……このくらいで休んでらんないし……」フラフラ
「池田ァッ!おはよう」
「池田ァッ!急にここに転属する奴がいてな……教育係頼めるか?」
華菜「え?あ、分かりましたし!」
咲「初めまして、今日付けでここに配属されることになりました宮永咲です。皆さん、どうかよろしくお願いしますね」
華菜「あっ、あぁ……」カタカタ
咲「これからよろしくお願いしますね。華菜ちゃん――」
槓!
Entry ⇒ 2012.08.22 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
久「働くのってバカらしいわね……」
久「働かなくてもお金が貰えるし、何もしなくても食事が出てくる……」
久「……私が望んでいたのはこんな暮らしだったっけ?もっと、こう……面白おかしい日々だった気がする」
久「……考えても仕方ないか。外にでも出て、暇でも潰してくれば忘れてしまう……そんな他愛のないことだ」
久「美穂子ーお金貸してもらえないかしら?」
久「んーそうなのよねぇ」
美穂子「私も今月は苦しいのですが……はい、上埜さん」
久「ありがとね、美穂子」
美穂子「上埜さんの為ならこれくらい……」
久「あ、そうそう。今夜は外で食べてくるから晩ご飯はいらないからね」
久「美穂子の奴……最近になって、渡してくれる額が減ってるのよねぇ」
久「ま、この不景気だし仕方ないのかな?」
久「これを元手に増やすとしますか」
久「そうと決まれば雀荘に行きましょうか」
「姉ちゃん強えなぁ」
「チッ……」
久「ふふ、これだけ稼げばしばらくは遊べるかな?」
「この卓、空いてますか?」
久「あら……?」
咲「久し振りですね……部長」
久「今は部長じゃないけどね」
咲「あはは、それもそうですね」
久「ホント久し振り……6年ぶりかしらね。スーツがよく似合ってるわ」
咲「もー、からかわないで下さいよ」
久「ふふっ」
久「そうねぇ……何もしてないわね」
咲「あ、ごめんなさい」
久「あら?別に謝らなくてもいいのよ?」
咲「まさか久さんがニートさんだったとは……ビックリしました」
久「ニートって言うのは語弊があるわね。強いて言うならヒモよ」
咲「扶養される相手が違うだけじゃないですかー」
咲「ふふ、そんなことないですよぉ」
久「それだけ打てれば、わざわざ働かなくてもプロでやっていけるんじゃないの?」
咲「私……麻雀ってそれほど好きじゃないんですよ」
久「そう……そうだったわね」
久「久し振りに会ったんだし、ちょっと飲みに行かない?」
咲「いいですね。久さんの奢りですか?」
久「そうねぇ……今夜は結構勝ったし、奢ってあげるわ」
咲「風越の福路さんがですか……それはなかなかのなかなかですね」コクコク
久「そうなのよぉ……最近は劣化してきてるし……そろそろ捨て時かしら?」ゴクゴク
咲「ふぅむ、なるほどなるほど……なるほど~」コクコク
久「あれだけしても何も言ってこないのが逆に怖いのよねぇ……咲は美穂子の考えてること分かる?」ゴクゴク
咲「まったくもって!」コクコク
咲「そうなんですか……」
咲「………」
咲「久さん、社会人から一言だけアドバイス……転職しても給料は下がるだけですよ?」
久「……え?」
咲「じゃあ私はこれで……」
久「あら?もう行っちゃうの?つれないのねぇ」
咲「生憎と明日も仕事なんですよ……それじゃあおやすみなさい」
久「おやすみ、咲」
久「………」
久「さてと、私はどうしましょうかね」
久「ふふ、久し振りにあの子にでも頼ろうかしら?」
久「そうねぇ……>>30にでも電話してみましょうか」
できる
久「あの子、まだ龍門渕のメイドを続けてるんだっけ?」
久「もしもし?」
『あれ?その声……清澄の……』
久「そうでーす」
『どうしたの?急に』
久「いや~今夜ちょっと泊めてもらえないかなって」
『……ちょっと透華に聞いてくる』
久「いい返事を待ってるわよ」
透華「お待ちしておりましたわ!ようこそ龍門渕家へ」
一「久し振りだね」
久「ホント久し振り……今日は急に押し掛けてごめんなさいね」チュッ
一「ちょっ……」
透華「んなッ!?」
一(いきなり何すんのさ!よりによって透華の目の前で!)ヒソヒソ
久(ふふ、久し振りに会ったらつい、ね)クスクス
久(食事も豪華だったし、この子も可愛いし言うことないんだけどね……)
一「も……もっとぉ……」
久(ちょーっと身の丈にあってないというか……居心地悪いっていうか……)
一「あっ……そこ……らめぇ……」
久(もう少し庶民的な所が良かったかな……)
一「はぁ……はぁ……んっ……はぁ……」
久「ごめんなさいね、朝には出てくつもりよ」
一「え……そんな……」
久(悪くはなかったんだけどね。覗かれてなければ)
透華(は、一が……そんなっ……)
衣(ねぇねぇ透華ぁ……一と悪待ちは何をしてるのだ?)
透華「………」
一「………」
衣「またきてねー」
久「さてと、次はどこ行こうかしら?」
久「そうね……>>55にでも電話してみましょうか」
全国キャラとか来ないかな?
『その声……久し振り……』ポリポリ
久「今から遊びに行きたいんだけど構わないかしら?」
『待ってる……』ポリポリ
久「あら?随分素直じゃない。好きよ、そういうの」
『それが自慢……』ポリポリ
久「鹿児島かぁ~遠いわね」
春「ずっと待ってた……」ポリポリ
久「ふふ、久し振りね。元気にしてた?」
春「うん……」ポリポリ
久「長野から鹿児島って遠いのね……すぐに行ける距離じゃないのが残念だわ」
春「食べる?元気でる……」ポリポリ
久「そんなのより春を食べたいわ」
春「……///」
霞「あらあら……遠いところからわざわざ」
初美「お久し振りですよー」
久(あれ?この人たち同い年だったよね?)
春「ゆっくりしていって……」ポリポリ
久「へぇ、初めて来たけどいいトコじゃないの」
巴(何やら邪悪な気配が……)
久「そうなのよ。ところで貴女たちは今でも巫女さんしてるの?」
初美「そうですよーお祓いとか祈祷とかしてるですよー」
久「へぇ、まだ小学生なのに偉いのね」ナデナデ
初美「うぅー絶対わざとですね?」
春「ふふ……」ポリポリ
霞「うふふ、はっちゃんは若くて羨ましいわ」
久(可愛い子が揃ってて良い所なんだけどねぇ……)
春「やっ……そんな……ところに黒糖……いれちゃ……やぁ……」
久(巴って子にやけに睨まれてるし、霞さんも少し怖いのよね……)
春「そ、それ……すごい……ん……あっ……やっ……」
久(小学生は守備範囲外だしなぁ)
春「ん……んあ……それ……いぃ……」
久(方言がキツいのが困りものよね……ここもダメかぁ)
春「らめっ……それ……らめぇ……」
久「そうねぇ……朝には帰るわよ?」
春「え……」
久「ごめんなさいね……私が求めてるものはここにはなかったの」
春「そんな……」
久「ふふ、そんな顔しないで……綺麗な顔が台無しよ?」
霞「あらあら……もうお帰りになるのかしら?」
初美「またいらして下さいですよー」
巴「………」
春「また……会える?」
久「さぁ?どうかしらね」
久「さてと、次はどこ行こうかしら?」
久「>>88にでも電話してみましょうか」
これさえあれば大丈夫
さあ頑張れ
『……誰?』
久「やぁ~ねぇ、忘れちゃったの?」
『冗談。忘れるわけがない……』ズズズ
久「ふふ、相変わらずね……今から遊びに行ってもいいかしら?」
『ん、待ってる……』ズズズ
尭深「お久し振りです……」
久「ふふ、久し振りね」
尭深「こんなとこで立ち話もなんですから、とりあえずお茶でも飲みに行きませんか?」
久「いいわねぇ……でもそんなのより尭深のお茶(?)が飲みたいわ」
尭深「……///」
久「飲みやすいのに風味があっていいわねぇ」
尭深「それが自慢……」ズズズ
久「そ、そうなんだ……」
久(参ったわね……この落ち着いた雰囲気……)
久さんがー(この子相手じゃエッチな気分にならないわ……)
久「………」ズズズ
尭深「………」ズズズ
久「………」ズズズ
久(相手から求められないってのは楽といえば楽なんだけどねぇ……)
久(なんか物足りないわ……)
尭深「………」モグモグ
久「………」パクパク
尭深「………」ズズズ
久「………」ズズズ
久(ま、たまにはこういうのも悪くはないけどね)
久(……次はどこ行こうかしら?)
そうしよう
照「もしもし?菫?」
菫「……照か。久し振りだな」
菫「お前から電話かけてくるなんて珍しいな……どうせまた面倒臭い頼み」
照「うん、実はね……咲ちゃんが1週間くらい残業で夜遅いから、晩ご飯作りに来てほしいの」
菫「……は!?」
照「だから晩ご飯……あっ、切れた……」
尭深「うん……」
久「さて、そろそろ旅費が尽きそうね……長野に帰ろうかしらね」
久「気付けばしばらく美穂子に会ってないわね……ふふ、同棲を始めてからこんなこと一度もなかったのに……」
久(……重いから?鬱陶しいから?)
久(そこがあの子の可愛いとこでもあったのにね……ここ最近、色んな子に会って気付かされたわ)
久(皆、何か美点があって何か欠点もある……ふふ、今更こんな簡単なことに気付くなんてね……)
久「私は美穂子と一緒にいた時間、何をしてたのかしら?」
久「あら?咲じゃない。一人で飲みに来ちゃ悪い?」
咲「で、しばらく他の女の子の所を渡り歩いた感想はどうでした?」
久「驚いた……知ってたんだ……」
咲「久さんならそんなことするんじゃないかなって思って、カマかけてみただけなんですけどね……ホントに渡り歩いたとか信じられないですね」
久「言ってくれるわね……」
咲「そうですか……」
久「いい子はいっぱいいたんだけどね……やっぱこの歳じゃもう恋は出来ないわ……」
咲「ふふ、まだ若いのに何言ってるんですか」
久「ねぇ、咲……前に会った時に言った言葉の意味って……」
咲「あぁ……他の女の子の所に行っても、今以上に状況は良くなりませんよ。だって、今まで一緒にいた子も、次に一緒になる子も自分で選ぶんですから……今までの子に不満を感じるようなら、次に一緒になる子も遅かれ早かれ不満を感じることになりますね。
人間関係だってやり直さなきゃいけない、今までの経験もほとんど役に立たない……また1からやり直しになってしまう。そんなことに体力使うくらいなら今いる環境を良くしたらどうですか?ってことです」
久「長い……要約して欲しいわ」
咲「人生は妥協と諦観が大事ですよ、ってこと」
久「それならなんとなく分かる気がするわ……」
咲「さぁ?どうでしょうね」
久「ねぇ、咲……今夜泊めてほしいな」
咲「絶対に嫌です」ニコッ
槓!
刺されるかと思った
Entry ⇒ 2012.08.20 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
尭深「マジカル☆タカミにおまかせあれ」菫「…」
菫「さて全国大会のミーティングは以上。各自練習に戻れ」
照「菫、一緒に打とうよ」
淡「テルー、私も入れてよ」
亦野「尭深、一緒にどう?」
尭深「うん、いいよ~」ウキウキ
亦野「あれ?尭深、なんかご機嫌だね、どうしたの?」
尭深「なんでもないよ~///」ルンルン
尭深(今日やっとアレが届くんだもん♪)
宅配便「おるかー」ピンポーン
尭深「はーい」
宅配便「ここやで」トントン
尭深「サインですね…はい」サラサラ
宅配便「おおきにー」バタン
尭深「ありがとうございました」ルンルン
尭深「やっときた…やっと…」
尭深(私には部のみんなに隠してあることがある…それは…)ガソゴソ♪
尭深「すごい…まさに芸術品…」
尭深「某日曜8:30の魔法少女アニメの衣装デザインの人に、私にもっとも似合うようにとデザインを依頼し…」
尭深「その道のプロに裁縫していただいた一品ものの魔法少女服…」
尭深(そう、私は大の魔法少女ファンなのである!)
尭深「私のお小遣い2年分…」
尭深「そんなのこれを前にしたら安いもの!」
尭深「あ、そうだ。みんなに連絡しないと!///」イソイソ
八重桜
カスミン
パンジー
Sub:やっときました♪
本文:先日言っていたオーダーメイドの服が届きました
みなさんにもいろいろ助言をいただいて完成しました。ありがとうございます
画像を添付しますのでご覧ください
尭深「こんな感じでいいよね…」
尭深「送信…っと」ポチッ
尭深(とよねえさん、ヤエさん、カスミンさん、パンジーさんはSNSで知り合った魔法少女愛好家たちだ)
尭深(特にパンジーさんは同じ東京在住のようで親しくさせてもらっている)
尭深「あ、メール返ってきた~」カチッ…
From:とよねえ
Sub:おめでと~
本文:画像みたけどちょーかわいいよー
わたしも今作ってるのがもう少しで完成しそうだよ~
完成したら見せるから期待しててねー
あ、そうだ。来月に東京いくからナマで見せれるかもー
じゃーまたねー
尭深「へー…とよねえさん、東京にくるんだ…」
尭深「こ、この着信音は…八重桜さん!」カチカチッ
From:ヤエ
Sub:おめでとっ!
本文:見せてやるよ、王者の賛美をっ!!
よくできているじゃないか、アタシの服がかすんで見えちゃうよ
そうそう、来月東京にいくよ
アタシに勝ったヤツがどこまでやるのか見届けてやるのさ
機会があったら会おうね
それじゃっ!
尭深「え…八重桜さんも東京に!?」
尭深「あ、カスミンさんからもきた…」カチッ
From:カスミン
Sub:おめでとうございます
本文:ふんふむ…かなりの業物ですね
こちらの衣装も下ぼk…友人に作っていただいております
近いうちに完成するのでお見せします
そうそう、来月東京に行きますのでもしかしたらお会いできるやもしれませんね
では、今日はこの辺りで…
尭深「みんな東京に来るんだ…すごい偶然だな…」
おいおいまだ2桁だぞ、大丈夫大丈夫
フォローになってねぇwww
尭深「あ、パンジーさんからもメール来た!」カチカチッ
From:パンジー
Sub:おめでとう
本文:これで君も魔法少女の仲間入りだ
それにしてもうらやましいものだ
そんなに可愛らしい服は私には似合わないだろう…
私は魔法少女を応援する少女としてこれからも君を応援するよ
尭深「パンジーさんはいつも通り、ネガティブだなぁ…」
尭深「魔法少女になるには愛と正義とほんの少しの勇気があればいいのにな…」
尭深「そうだ!パンジーさんに相談してみよっと!」
To:パンジー
Sub:ありがとうございます
本文:パンジーさんもきっと似合いますよ^_^
そういえばとよねえさん、八重桜さん、カスミンさんたちが来月東京に来るみたいです。
それでオフ会ってやつをやろうと思うんですがいかがでしょうか?
From:パンジー
Sub:そうか
本文:そうだな、おもしろそうだ
ただ、私はその時期はちょっといろいろあって忙しいんだ
参加はできるだろうが幹事はできない
君はオフ会を主催したことはあるか?
あるなら幹事を任せたいのだが…
To:パンジー
Sub:わかりました
本文:幹事の経験はありませんががんばります
わからないことがあったらパンジーさんに聞いてもいいですか?
絶対に楽しいオフ会にしてみせます
マジカルタカミにおまかせあれ、です
~~~~~~~~~~
ティロリン♪
???「…」カチッ…
???「ふふっ…」クスッ
~~~~~~~~~~
尭深「幹事か…」
尭深「あんまり得意じゃないけど・・・頑張ってみよう…」
~~~~~~~白糸台高校麻雀部室~~~~~~~~~
尭深(こうしてみると…ウチの部員っていい素材多いよな…)
亦野「お…淡、なにやってるの?」
尭深(誠子は魔法少女戦隊にかかせないボーイッシュ、だけど乙女な女の子)
淡「べ~、セーコには教えないよーだ」
尭深(淡ちゃんはマスコットにしたいくらい生意気かわいい!いつまでもそのままのあなたでいてね)
ggrks
尭深(照先輩はそのカリスマ性でみんなを率いてくリーダー!なんだかんだでかっこいいな…)
菫「すぐに私に頼るな。自分の力でやれ」
尭深(菫先輩はなんといってもあの長い髪!よく手入れされてて艶のある黒髪!どんな服にも合いそう!)
(そしてクール&インテリ!!青とか水色あたりがよく似合いそう!)
尭深「……」
尭深「あ、弘瀬先輩、ちょっといいですか」
菫「どうした、渋谷?」
尭深「魔法しょ…」
尭深(…うじょの格好してくれませんか?…ってなに言いかけてるの、私!///)
尭深「ま、魔法書って変な名前が多いですよね、ネクロノミコンとか死海文書とか!?」
菫「…は?」ポカーン
尭深「な、なんでもないです!気にしないでください!!///」
淡「へー、タカミはいろんなこと知ってるんだね!すごい!」
尭深「あ、あはは///」
尭深(ご、ごまかせた…かな?///)
菫「…?」
尭深(それにパンジーってスミレの仲間…)チラッ
菫「…?渋谷、なにかあったか?」
尭深「な、なんでもありません///」
照「菫~、わたしのプリン食べたの菫?」
淡「あ、ごめんねテル~、食べたのあたし~」
照「そ、そうなの…」ショボン…
照「す、菫?な、なんでそんなに怒ってるの?」
淡「…」ソー…
菫「お前もだ、大星!」
淡「ひぃ!ご、ごめんなさい!」
菫「まったく、お前たちは何度言っても同じことを…」クドクドクド…
亦野「HAHAHAHAHA!!」
尭深(まさか…ね…?)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
なんやかんやでオフ会当日
尭深(ついに来た!オフ会当日!)
尭深(全国大会も昨日で全日程が終了、今日は部活も休みだし…)
尭深(今日は思いっきり楽しもう!)
尭深「えいえい、おー!」オー
ナニヤッテンノアノコ モリアガッテンナー… ラーメンタベタイ!
尭深「…」
尭深「///」
尭深「…それっぽい人はいないみたい」
尭深「さすがに集合時間30分前だし、いないよね…」
尭深「目印はリボンだけだし見つかるかな…」
尭深「私が緑、とよねえさんが黒、八重桜さんが黄色、カスミンさんが赤、パンジーさんがスミレ色…だったっけ?」
尭深「まぁ気長に待てばいいか…」
カガヤイテーココイチバーン…
尭深「あ、とよねえさんからメール…」カチカチ
To:とよねえ
Sub:ついたよ~
本文:黒い服着てるよ~
黒い服はわたしだけだからすぐわかるよ~
尭深「え…どこだろう?黒い服着てる人なんていないし…」キョロキョロ
尭深「と、とりあえず呼んでみよう…と、とよねえさーん!」
???「わわわ!」
尭深「え!?きゃあ!」
???「急に大声出してビックリしたよ~」
尭深「は、柱が喋っ…あ、人間…」
尭深「は、はい!とよねえさんですか?///」
とよねえ「うん!…あれどこかで…あ、もしかして白糸台の渋谷尭深さん?」
尭深「え…な、なんでわかるんですか!?」
とよねえ「あはは~、私も全国大会でてたんだ~、宮守女子の姉帯豊音っていうんだけど…」
尭深「そ、そういえば見覚えがあるような…」
豊音「決勝みてたよー、ちょーがんばってたねー」
尭深「あ、ありがとうございます///」
尭深「あ、姉帯さん…」
豊音「豊音でいいよー、あたしも尭深ちゃんってよんでいいかな?」
尭深「は、はい…豊音さん///」
豊音「それでなにかな?」
尭深「あ、豊音さんも…その…好きなんですか?///」
豊音「なにが?」
尭深「その…魔法少女…とか///」ボソボソ
豊音「うん、大好き!かわいいからね~」
尭深「で、ですよね!///」
尭深「な、なんでしょうか?」
豊音「宮永照さんと大星淡さんのサインもらえないかな~?」
尭深「サイン…ですか?多分大丈夫だとおもいますけど…」
豊音「ホントに!?ちょーうれしいよー」
尭深「喜んでもらえて私もうれしいです///」クスッ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
15分後…
豊音「それでねー……ってあれ?なんかコウモリがいるよー」
尭深「本当だ、珍しいですね…」
バサバサバサバサ…
尭深「え、こっちに来る…きゃあ!?」
豊音「わー」アタフタ
バサバサバサバサ…
???「待ち合わせ場所はこちらでよかったでしょうか…?」
尭深「コ、コウモリが人を連れてきた…」ドキドキ
豊音「…あれ?あなたたしか…」
尭深「し、知り合いですか?」
???「ずいぶんと珍しいところでお会いしますね」
豊音「小蒔ちゃんのサインありがとー!えっと、石戸霞さん…だっけ?」
尭深「あ、永水の大将…」
霞「覚えていてくれて光栄です、姉帯さんと…」
尭深「渋谷、渋谷尭深です…」
霞「渋谷さんね、覚えておくわね」
豊音「豊音でいいよー、って赤いリボン…え、まさか霞さんが?」
霞「そういうあなたたちもそのリボン…どうやらそういうことみたいね…」
霞「ネットではカスミンと名乗っております」ペコリ
尭深「え、え?…え~!」
豊音「霞さんが…」
霞「さ、次はあなたたちの番よ」
尭深「こ、今回の幹事のタカミです…///」ペコリン
豊音「とよねえです」ペッコリン
霞「フフフッ…」
尭深「///」
豊音「あははー」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
10分後…
尭深(集合時間まであと5分か…)
霞「遅いわね、パンジーさんと八重桜さん」
豊音「時間まだあるよー」
尭深「とりあえずメールを…」
テレレレンテレレテレレレン… テレレレンテレレテンテンテンテン…
尭深「こ、この曲はっ!」
豊音「この、あたりーちおーらいな曲はー!」
霞「晩成高校の小走やえ…」
やえ「なんだアンタ、アタシを知ってるのかい?」
霞「…いえ、少し小耳に挟んだだけです」
やえ「そうかい…とんだニワカだね…」
やえ「ニワカは相手にならんよ!」
やえ「…まぁいい。そんなことよりあんたたちが…」
やえ「穏乃!もういいよ、ありがとっ」
穏乃「いえいえ、やえさんの為ですんで…それに自分にはこれぐらいしかできないし…」カチャッ…
霞「あのラジカセ持ったジャージの子…このためだけに?」
尭深「あれはiPodですよ、霞さん」
やえ「…待ちな、穏乃」
穏乃「え…」
違います
あの人の影響で小走先輩+穏乃の黄金コンビが大好きですが
穏乃「…」
やえ「胸をはりな…アンタたちは強い、アタシが保障するよ」
穏乃「やえさん…はい!ありがとうございました!失礼します!」タッタッタ…
やえ「来年が楽しみだよ…穏乃…」
やえ「初瀬とアンタ…どっちが強くなるかね?」
霞「なにこのちょっといい話…」
豊音「いい話だよ~」ウルウル
尭深「その黄色のリボン…まさか八重桜さん!?…よくわかりましたね」
やえ「アンタらのリボンを見ればニワカでもわかるよ」
やえ「アタシは八重桜こと小走やえ!よろしくっ!」
尭深「幹事のタカミ、渋谷尭深です…///」
豊音「姉帯豊音、とよねえだよ」
霞「カスミン、石戸霞(18)です。よろしく」
やえ「アタシのことはやえでいいからね」
尭深「は、はい…」
尭深「あとはパンジーさんだけか…」
カガヤイテーココイチバーン…
尭深「あ、メールきた…パンジーさんからだ」カチカチ
From:パンジー
Sub:すまない
本文:諸事情により少し遅れる
1時間程度でそちらに行けると思うので
先に始めていて欲しい
豊音「パンジーちゃん遅れるの?」
霞「残念ですね…」
やえ「来れなくなったわけではないんだろ?」
尭深「そうですね…パンジーさんは後で合流という形になりますね…」
やえ「そうだね、それがいいよ」
霞「先に会場に行ってましょう…どちらでしょうか?」
尭深「あ、こっちの喫茶店です」
豊音「パンジーちゃん大丈夫かな~…」
尭深「場所は伝えてありますので大丈夫のはずです…」
喫茶・テルテロス
豊音「わーすごいねここ」
尭深「パンジーさんに教えていただいたんです」
やえ「へー…、こんな風に個室のある喫茶店は珍しいね」
霞「なかなか趣のあるお店ですね…」
やえ「さて、乾杯のドリンクでも頼もうかね」
尭深「あ、今呼びます」
ピンポーン
尭深「あ、緑茶おねがいします」
霞「梅昆布茶を」
豊音「ほうじ茶~」
やえ「え、えぇ~…げ、玄米茶で」
店員「か、かしこまりました~(チョイス渋っ!老人かっ!)」
店員(オレンジジュースとかコーヒーとか…なかったっけ?あるよな?)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
やえ「あ、どうも」
店員「それではごゆっくりどうぞ~」
尭深「それじゃあみなさんドリンクを手に持ってください」
尭深「本日はお集まりいただきありがとうございます」
尭深「では、なにに乾杯にしましょうか…」
霞「もちろん」
やえ「決まってるだろ?」
豊音「そうだねー」
尭深「そうですね…では」
尭深・豊音・霞・やえ「「「「魔法少女に乾杯!!」」」」
尭深「そうですね///」
霞「普段はこんなに声を大にして言えませんからね…」
豊音「そうだねー」
尭深「でも、びっくりしました」
霞「?」
尭深「みなさんが麻雀部で…しかも全国出場校だなんて」
やえ「アタシは違うけどね」
尭深「あ、すいませんでした…」
やえ「気にしなくてもいいよ、アタシたちは仲間なんだ。無礼講ってやつだよ」
尭深「やえさん…」
尭深「///」
霞「魔法少女にかける熱意は私たちの中でもNo.1ですからね」
尭深「か、霞さん///」
豊音「霞さんにもビックリしたよー」
霞「そ、そうかしら」
やえ「たしかにアンタはちょっと年が…」
霞「やえさん、何か言ったかしら」ゴゴゴゴ…
豊音「ふえぇえ~」ガクガクブルブル
やえ「おっと、失礼。アンタのイメージとは少し違ったものでね」
霞「…ふふっ、冗談よ。冗談」
霞(流石ね…噂されるだけはあるわ、小走やえ…)
霞「なにかしら、豊音ちゃん?」
豊音「なんで今日も巫女服なの?」
尭深「あ、確かに到着時のインパクトが強くて聞くの忘れてました」
霞「と、特に意味はありません。しいて言えば普段から着ている服ですので…」
やえ「…そういうものなのかい」
霞「…わ、笑わないでいただけますか?」
尭深「な、なんでしょう…」
霞「実はこの服の中はいろいろなものを隠せるようになっていて…」
豊音「ゴクリッ…」
霞「これを肌身離さず持ち運びできるんです」スッ
やえ「…これは手作りだね?」
霞「はい、そうです」
霞「子供のころに作ったもので…私の宝物なんです」
霞「テレビで見た少女の振るう魔法のステッキ…」
霞「もうぼろぼろですけどね」
尭深「そんなことないです… 」
やえ「少女はみんな魔法少女にあこがれる権利があるんだよ」
豊音「魔法少女がきらいな女の子はいないよー」
霞「…ありがとう、みんな」
一時間後…
尭深(ふぅ…なんとかいい雰囲気になったな…)
尭深(あとはパンジーさんが来てくれれば…
尭深(来てくれる…よね?)
尭深「あ、ちょっとお手洗いにいってきます///」
豊音「あ、あたしも」
霞「はい、いってらっしゃい」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
尭深「トイレ混んでたね…」フキフキ
豊音「そうだねー…ってあれ?」フキフキ
尭深「どうしたの、豊音さん?」
豊音「あの人…弘世菫さんだよね?白糸台の」
尭深「え?先輩がこんなところにいるわけ…ホントだ」
豊音「誰か探してる…のかな?」
菫「…」キョロキョロ
尭深「で、でもプライベートを邪魔しちゃ悪いし…あれ?」
豊音「あれ?あの人ってリボンなんてしてたっけ?」
尭深「普段はしてないはず…しかもスミレ色のリボン…」
豊音「まさか…?」
尭深「かもしれない…」
豊音「どうする?」
尭深「確かめてみる…」
「パンジーさんですか?」トントン
菫「は、はい。この度は招待していただき…」
尭深「やっぱり…」
菫「え?なんで渋谷おまえがここに…なんでその名前を知ってるんだ」
豊音「こんにちはー、パンジーさん」
菫「え…こ、この顔…たしか宮守女子の姉帯豊音!な、なんでココに!」
豊音「あたしのことしってるんだーうれしいよー」
尭深「…こんにちは、幹事のタカミです」
豊音「とよねえだよ」
菫「…は?」
尭深「残りの二人、カスミンさんと八重桜さんもご紹介します…こっちです」グイグイ
豊音「こっちだよー」グイグイ
菫「ひ、ひっぱるな、服が伸びる!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
やえ「…わかったよ、来週鹿児島にいけばいいんだね」
霞「お願い…やえさんの力が必要なの…」
やえ「仕方ないね…おっと、あいつらが帰ってきた、みやげも持ってね」
霞「?」
ガチャ
尭深「お、お待たせしました…」
豊音「パンジーさん連れてきたよー」
霞「こんにちは」ニヤニヤ
菫「お、お前は石戸霞!それに…」
やえ「八重桜こと小走やえ、よろしくっ!」
菫「まさかあの小走やえ…いやそんなはずは…」
豊音「とりあえず座ろうよー」
尭深「飲み物なに注文しますか?」
菫「水で」
店員「えっ」
菫「つ、つまりお前があのタカミだったのか…世間は狭いな」
尭深「そうですね、まさか先輩がパンジーさんだったとは…」
菫「そ、その…他の部員には…」
尭深「もちろん内緒にしますよ」
菫「助かる」
霞「話し合いは終わったかしら?」
豊音「こっちともお話しようよー」
霞「菫ちゃんはどんな魔法少女が好きなのかしら?」
豊音「どうして好きになったの?」
菫「わ、私が好きなのは、ごく普通の少女が誰かに魔法の力を与えられて活躍するのが好きだ」
菫「夢があるだろ、だから好きなんだ…」
やえ「いい顔で語るじゃないか、アンタの先輩」
尭深「魔法少女が嫌いな女の子なんていませんよ」
やえ「違いない」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
尭深(最初は戸惑っていた菫先輩も饒舌になって自らの理想の魔法少女像を語りだしたりした)
尭深(うっかり霞さんの逆鱗に触れるハプニングもあったがそれはそれで楽しかった)
尭深(しかし楽しい時間はすぐに過ぎていくものである…)
霞「もうこんな時間ね…」
やえ「もう夕方か…そろそろお開きの時間にするかい?」
菫「そうだな、そろそろ帰らないと」
豊音「うん、寂しいねー…」
やえ「ん?どこだい?」
尭深「みなさん衣装を持ってきてますよね」
豊音「うん、でも流石にここでは…ねー」
尭深「これからコスプレできる場所に案内します」
霞「本当に!?」
尭深「先輩も来てください」
菫「でも、私は衣装など…」
尭深「大丈夫です、マジカル☆タカミにおまかせあれ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
やえ「すごいね…都会」
尭深「ココには撮影できるスペースもあるんです。あとで記念写真とりましょう!」
菫「あ、この衣装カワイイ…」
尭深「先輩、ココに飾ってあるのはレンタルしているみたいです…着てみませんか?」
菫「え!?わ、私には似合わないから…その…」
菫「本当に…いいのか?」
尭深「はい」
菫「笑わない?」
尭深「もちろんです」
菫「わかった、来てみるよ…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
豊音「かわいいー」
霞「綺麗…」
やえ「ほう、なかなか」
尭深「最高です」
菫「ほ、本当に?」
尭深「鏡見てないんですか?ホラ見てください」
尭深「そうですよ、これであなたも魔法少女です」
やえ「おめでとう」パチパチ
霞「おめでとう」パチパチ
豊音「おめでとー」パチパチ
尭深「おめでとうございます」パチパチ
菫「あ、ありがとう」ウルウル
尭深「それじゃあ全員着替えたところで…記念撮影しましょう///」
霞「そうね」
菫「賛成」
豊音「いいねー」
やえ「すいません店員さん、写真撮ってもらえますか?」
店員「わかりました」
店員「それじゃあ撮ります・・・ハイチーズ」パシャ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
霞「私たちはたとえ離れていても同じ志を持つ限り一人ではありませんよ」
豊音「みんなに会えてちょーうれしかったよー」
菫「…尭深、ありがとう。私の本当の気持ちに気づけたよ。私はもっと素直に生きてみるよ」
尭深「みんな…。こちらこそ楽しかったです」
尭深(こうして魔法少女愛好オフ会は閉幕した)
尭深(5人のコスプレ写真が店員により流出したり…)
尭深(その写真にインスピレーションを得て、新たな魔法少女アニメが作られたり…)
尭深(そのアニメが国際的な映画のアカデミーな賞を獲得するのは別の話)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
照「菫、進路決めた?」
菫「ああ決めたよ」
照「大学?プロ?どっち?」
菫「私は…魔法少女になる」ドン
カン
3日位前に咲総合スレで1000とったやつに約束させられたSSいちおう完結だぜ
渋谷さん超可愛かった
小走先輩も格好良かったし満足だわ
Entry ⇒ 2012.08.18 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (3) | Trackbacks (0)
穏乃「なに……?ここどこ……?」憧「ホテルだよ……///」
穏乃「………」ボー
穏乃「昨夜はお楽しみだったんだっ……!!」
憧「忘れちゃダメそれ!」
憧「ホントに忘れちゃったの?しずが誘ったんじゃない///」
穏乃「えっ!?私が……?」
憧「そうでーす」
穏乃「え……ええぇぇぇぇぇええっ!?」
穏乃「まったくもって!」
憧「じゃあ昨夜のことも覚えてないんだ……」
穏乃「うん……」
憧「思い出させてあげよっか?」ペロ
憧「ちぇー、昨夜の穏乃は私のことあんなに求めてくれたのに……そんな態度取っちゃうんだぁ~酷いなぁ~」
穏乃(昨夜の私は一体何やらかしたんだよ……)
憧「私、初めてだったのに……傷ついた……すっごく傷ついた!」
憧「ふふ、許して欲しいの……?」
穏乃「うん……記憶がないとはいえ憧を傷つけちゃったのなら」
憧(ホントにいい子だね、しずは……)
憧「何してもらおうかなぁ~」
穏乃「そうじゃなかったら無茶な飲み方はしないと思うけど……うん、今日は仕事じゃないよ」
憧「奇遇だね、私もだ……」
憧「よし、決めた!しず、今日一日私とデートしよっ?」
穏乃「え……デート……?」
穏乃「今から……?」
憧「……私とじゃ嫌?」
穏乃「いや、全然。むしろお願いしたいくらい」
憧「ふふ、なら決まりだ」
穏乃「へ、変かな……?」
憧「ううん、変じゃないよ」
穏乃「憧はその……綺麗になったね」
憧「そ、そうかな?これくらいフツーだよ///」
穏乃「おまかせあれ!」
憧「……って、何でいきなり山に連れていくかなぁ?」
穏乃「えっ?えへへへ……」
憧「えへへ、じゃなーい!」ペシッ
穏乃「あいたっ……」
穏乃「憧……?」
憧「仕方ないなぁ……今日は私がエスコートするから。山とか論外だから」
穏乃「ごめん……」
憧「別に謝らなくたっていいから!ほら、行くよ?」
穏乃「うんっ!」
穏乃「ん~」
憧「あ、そうだ!学校行ってみない?」
穏乃「いいかも!」
穏乃「お~久し振りの学舎!」
憧「麻雀部、まだあるかな?」
穏乃「いや、ギバ子たちの代で廃部って聞いてるけど……」
憧「そっか……」
穏乃「でも誰かいるかもよ?」
憧「はは、変わっちゃったね……ここも」
憧「春絵がプロ行って、宥姉が卒業して、玄たちが卒業して、私たちが卒業して、ギバ子たちが卒業して……ホントここも変わっちゃった」
憧「いつまでもそのままじゃいられないのは分かってるつもりなんだけどさ……やっぱり寂しいよ」
穏乃「憧……」
憧「春絵が麻雀教室やってた時みたいにさ」
穏乃「うん……」
憧「はは、なんだか湿っぽくなっちゃったね……他の所行こっか?」
穏乃「そうだね……」
穏乃「そっか、憧は知らないんだ……」
憧「え……?何が……?」
穏乃「松実館、この不況の煽りで潰れちゃったんだ……」
憧「じゃあ玄と宥姉は……」
穏乃「2年くらい前かな……二人で上京してるよ。憧、知らなかったの?」
憧「うん……私は私で忙しくてちょっと、ね……」
憧「私?私も上京してるよ」
穏乃「えっ!?嘘、そんなの聞いてないよ」
憧「そりゃそうでしょ。誰にも言ってないもん」
穏乃「まさか憧まで東京に行ってたとはね……」
憧「しず……ごめんね。何も言わずに行っちゃって」
穏乃「ううん、憧が謝ることじゃないよ」
穏乃「ねぇ、憧……昨夜の私は憧とどんな話をしたのかな?」
憧「……聞きたい?」
憧「……と言っても、大して話してないんだよね」
憧「久し振りにこっち帰ってきてさ、偶然しずを見かけたから声かけたの。そしたら、しずが泣きながら抱きついてきちゃって……」
穏乃「え?私そんなことしたの?」
憧「落ち着いて話したいから居酒屋に連れてったら、しずがわんわん泣きながらハイペースで飲むものだから10分もしない内に潰れちゃって……」
穏乃「………」
憧「結局、放っておく訳にもいかないからホテルに連れてったの。私はしずと話したかったのに……」
穏乃「えっと……その……ごめんなさい」
憧「『昨夜はお楽しみだったんだだ』ってやつ?しず、夢でも見てたんじゃないの?」
穏乃「なぁんだ残念……じゃないよ!私が求めたーとか、傷つけられたーとかあれ全部嘘だったの!?」
憧「いやぁ……えへへ」
穏乃「えへへ、じゃなーい!」
穏乃「朝から何も食べてないもんねぇ~」クー
憧「しずは昨日の夜からだけどね。何か食べたいのある?」
穏乃「ラーメン食べたい!ラーメン!!」
憧「ふふ、ホント相変わらずだね……」
憧「デートで油っこいのを選ぶのはダメだと思うんだよね」チュルチュル
穏乃「えー?そうかなぁ~?」ズルズル
憧「そらそうよ。牛丼とか言い出してたら張っ倒してたわ」ズズズ
穏乃「美味しければ何でもいいと思うけど……」ズルズル
憧「……まぁ何でもいいけどねぇ」
穏乃「おかわり!」
憧「中々美味しかったね。しずの行きつけ?」
穏乃「そだよ~毎日通ってるんだぁ」
憧「毎日ラーメンって……バランス悪いなぁ。栄養偏るよ?」
穏乃「えへへ、憧が毎日ご飯作ってくれたら治るかもね」
憧「なぁに?それ口説き文句?」
穏乃「続けてるよ~私が麻雀続けてる限り何時か何処かでまた皆に巡り逢える、これ中学の時からの持論なんだぁ」
憧「しず……」
穏乃「憧は?続けてないの?」
憧「私は……あんまりかな……?ここ数年牌に触ってないや」
穏乃「え~憧、あんなに上手かったのに……勿体ないよ!」
憧「ホントにそう思う……?」
穏乃「うんっ!だって、私たちの中で一番上手かったのって憧じゃん」
憧「そこでちょっと騙されたっていうか……辛いことがたくさんあってね」
憧「今はなんとかやり直せてるんだけど、それでもあまりいい方向に転ばなくて……」
憧「実はここに戻ってきたのも少し疲れちゃったからなんだ……」
憧「ここに来れば昔に……楽しかったあの頃に戻れるなんて本気で信じてたんだと思う」
憧「だけど、やっぱりここも変わってた……全然私の知らない場所になってた。私の居場所なんか無くなってた……」
憧「でも……でもね、変わらないものもあった。しずだけは変わらないでいてくれた……」
憧「しずと久し振りに会って、驚いちゃったよ。だってしず、あの頃からちっとも変わってないんだもん」
穏乃「憧……」
穏乃「………」
憧「私、また麻雀始めようと思うんだ。麻雀を続けてる限り何時か何処かでまた皆に巡り逢える、か……いい言葉だね」
憧「ばいばい……しず……また逢えるといいね」
穏乃「私、待ってるから……憧のことずっと待ってるから!」
憧「しず……」
穏乃「自分の居場所がない!?なら私が居場所になってやるっ!あの教室で麻雀続けながらずっと待ってるから!」
憧「……っ!」
憧「んん……!?」
穏乃「今の私の初めてだから……だから、責任取りに戻ってきてよね?」
憧「しず……も~相変わらず強引なんだから……でも、アリガト」
穏乃「えへへ」
穏乃(あれから憧とはちょくちょく連絡を取り合ってる……憧は向こうでの問題を清算し終えたらこっちに戻ってくるそうだ)
穏乃「あの後、私は仕事を減らし、赤土さんがやってたみたいに麻雀教室を始めたんだけど……」
穏乃「しっかし……ここも人数増えちゃったなぁ~私一人じゃ手が足んないや。誰か手伝ってくれる人がいればいいけど……」
憧「まず一人!ここにいる!」
穏乃「憧!?」
憧「しず……ただいま!」
槓!
すばらっ!
Entry ⇒ 2012.08.18 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
桃子「就活って辛いっすね……」
桃子「そんなこんなで就職浪人になってしまったっす」
桃子「はぁ、こんなんじゃ先輩に顔向け出来ないっすよ……」
桃子「まぁ、お陰でお金には苦労しないんすけどね。バカツキさんが来なければまず負けないですし、例え負けたとしても気配消して逃げてしまえばいいんすから」
桃子「……どうしてこんなことになっちゃったんすかね……?」
「おいおい、姉ちゃん。リーチ宣言はしっかりしようや」
桃子「ちゃんとしたっすよ?」
「チッ……これで何度目だよ!」
「やってられるか!俺ァ帰るぞ!」
桃子「ふふん、ちょろいっすね」
「その卓、空いてる……?」
咲「あ、やっぱり東横さんだったんだぁ。久し振りだね」
桃子(この時間に来てスーツ姿ってことは……働いてるってことすか……麻雀も上手くて職に就いてるとか世の中不公平っすね)
桃子(ちょうどいいっす。今夜はこの人を毟ってストレス発散させるっすよ)
咲「………」
ステルスモモ、死亡確認
桃子(……自分で言っててちょっとヘコんでしまいそうっす)
咲「あ、カモ(お客さん)が来たみたいだね」
桃子「いつかの個人戦では不覚をとってしまったっすけど、今夜は負けないっすよ!」
咲「うんっ!」
咲「……はい」
桃子(ふふ、ちょろいっすね。河から拾い放題の私に死角はないっすよ)
咲「あらら、負けちゃったかぁ。東横さん強いんだね」
桃子「今は麻雀で食ってるようなもんすからね。このくらい強くないとやっていけないっす」
咲「へぇ……ねぇ、レート上げない?負けた分取り返さないと今月キツいの」
桃子(大負けして熱くなってきたようっすね。これはいいカモ見つけたっす)
桃子「いいっすよ。受けて立つっす!」
咲「………」
咲「それ、槓。もいっこ槓。もいっこ槓。12000」
咲「槓。もいっこ槓。もいっこ槓。もいっこ槓!16000オールです」
桃子(なんなんすか……この化物は……?)
咲「どうする?もっとレート上げちゃう?東横さん、麻雀で食ってるなら勝たないといけないんでしょ?」
桃子(ここは逃げるしかないっすね……)
咲「逃がすと思う?」ガシッ
桃子(ひぃ~~~っす)
桃子「………」
桃子(今までの稼ぎが全部パァっす……)
咲「東横さん、この後暇?」
桃子「私はいつでも暇っすけど……」
咲「じゃあ飲みに行かない?もちろん私の奢りで、ね」
咲「はい、カンパ~イ」
桃子「……カンパイっす」
桃子(せっかくのタダ酒なんだからせめて毟られた分を少しでも多く取り返すっすよ)ゴクゴクゴク
咲「いい飲みっぷりだね、東横さん」コクコク
桃子「これほどまでこの体質を呪いたいのは初めてだったっすよ」ゴクゴクゴク
咲「苦労してるんだねぇ……」
桃子「親から見放され気味でちょっと辛いっすね」ゴクゴクゴク
咲「ふぅ~む、なるほどなるほど……なるほど~」
桃子「私は先輩と対等に付き合いたいんすよ?れもれも、先輩はバリバリのキャリアウーマンれぇ……」ゴクゴクゴク
桃子「そんな先輩と私の関係じゃあ、先輩に捨てられちゃうかも知れないじゃないれすかぁ」ゴクゴクゴク
咲(面倒臭い拾い物しちゃったかな……?)
桃子「ぷはっ……おかわりっす!」
桃子「なんれすか……?」ゴクゴクゴク
咲「女の子にはね、就職する以外にも職に就く裏技があるんだよ」
桃子「へっ……?」ゴクゴクゴク
咲「それはね、永久就職ってこと」
桃子「つまり結婚すか……それは考えてもいなかったすね」ゴクゴクゴク
桃子「れもれも、私、家事とか苦手っすよ?ずっと放棄してましたっすからね……」ゴクゴクゴク
咲「だったら私の家に来ない?花嫁修業に」
桃子「……え?ええええええええっ!?」
咲「東横さんの有り金じゃあ、今日の負け分足りないはずだよ?だからね、その分の代わりに私の家で家事とかしてみないかってこと」
桃子「あう……」
咲「ねっ!」
桃子「………」
桃子「分かったっす……」
咲「今日からよろしくね、東横さん」
咲「それはちょうど良かったね」
桃子「でもいいんすか?親御さんたちの許可もなくて」
咲「お父さんとお母さんは仲良く海外行っちゃってるからね……今はお姉ちゃんしか家にいないの」
桃子「嶺上さんのお姉さんって……あの人っすか」
咲「そうだよ。でも、お姉ちゃんね、仕事が不定期で家でしょっちゅうゴロゴロしてるのに家事とかしてくれないから困ってたんだぁ」
桃子「そうなんすか……」
咲「だからね、東横さんが来て家事とかしてくれたら私、助かっちゃう」
桃子「お邪魔しますっす~」
咲「今は東横さんの家でもあるんだから……お邪魔しますじゃなくて、ただいまだよ」
桃子「……ただいまっす。なんだか照れくさいっすね」
咲「ふふっ」
桃子「これからしばらくお世話になるっす」
咲「こちらこそよろしくね!」
咲「お姉ちゃんったら……また帰ってくるなり服を脱ぎ散らかして、そのまま寝ちゃってるよ。もう……」
桃子「ってことはそのすっぽんぽんの人が嶺上さんのお姉さんすか……」
咲「恥ずかしながら……」
桃子「麻雀打ってる時と全然印象が違うっすね~」
咲「あはは」
桃子「なんすか……?」
咲「知らない女の子を家に連れ込んだら、お姉ちゃん何しでかすか分からないんだよね」
桃子「えっ……?」
咲「もしかしたら東横さん……ごめんなさい、何でもないや」
桃子「えっ?ちょっと……」ガクガク
咲「だからね、お姉ちゃんに見つからないように頑張ってね」
桃子「マジすか……」
桃子(私の影の薄さは既に常識の遥か外にあるっす……)
桃子(大学4年間、ずっとトイレの個室で誰にも気付かれずにお昼ご飯食べてきたほどの影の薄さ、見せてやるっす)
桃子(ここからはステルスモモの独壇場っすよ!)
桃子「物置っすか……」
咲「やっぱり嫌かな?だったらお姉ちゃんと相部屋に……」
桃子「いや、ここでいいっす!ここがいいっす!」アセアセ
咲「ふふっ」
桃子(やだこれもー)
桃子(先輩……私、頑張るっすよ)
桃子(だから……)
桃子(………)スースー
咲「東横さん……東横さん……」ペチペチ
桃子「ん……?なんすか……?まだ5時じゃないすか……こんな夜中になんすか……」
咲「もう……そんなこと言ってないで、そろそろ起きる時間だよ?」
桃子「え……?」
咲「今までどんな生活してたのか容易に想像がつくね」
桃子「………」ネムネム
咲「ほら、朝ご飯作るから手伝って」
桃子「ふあい……」
咲「おはよう、お姉ちゃん」
咲「私、今日も仕事だけどお姉ちゃんは今日は対局あったっけ?」
照「んーん……」
桃子(いきなり初日からお姉さんと二人きりっすか……)
咲(やっておいて欲しいことはメモに書いておくから頑張ってね)
桃子(はいっす……)
咲「はい、召し上がれ」
照「ハムッ、ハフハフ、ハフッ!!」パクパク
照「咲ちゃん、味付け変えたの?」
桃子(まさかもうバレた!?)
咲「美味しくない……?」
照「いや、咲ちゃんの料理が美味しくないわけないよ」
咲「ふふ、そっか」
照「咲ちゃんいってらっしゃい」
桃子(いってらっしゃいっす~)フリフリ
照「さてと」
桃子(さてとパパっと家事でもやるっすかね……ん?)
桃子(まっすぐ嶺上さんの部屋に向かってったっすね。何が始まるんすかね?)
桃子(ごみ箱をひっくり返して何やってるんすかね?お姉さんは……)
照「あれれー?咲ちゃん、最近してないのかなぁ?」
桃子(してないって一体なんの話っすかぁ~?)
照「まぁいいや……本来の目的はこっちだし」
桃子(今度は衣装棚を漁ってるんすかね……?)
照「あったあった~咲ちゃんのおパンツ~」
桃子(……は!?)
照「これがないと読書捗らないんだよね」
桃子(………)
桃子(私は何も見てないっす。私は何も見てないっす)ガタガタ
桃子(とりあえずメモ通りやればいいんすから簡単っすよ)
桃子(まずは……)ピラッ
『お姉ちゃんの部屋から歯ブラシや衣類、その他諸々を回収』
桃子(……は!?)
桃子(絶対間違ってるすよね……そんなの花嫁修業じゃないっすよね)
桃子(ないない!そんなの……っ!!)
桃子(でも……)ピラッ
『全項目を守れなかったら麻雀楽しませるから』
桃子(はぁ……先輩、私辛いっす)
桃子(ここからはステルスモモの独壇場っすよ!)
照「……あれ?私、寝ちゃってた……?」
照「掃除とか洗濯物が済んでる……」
照「すごいぞ私!寝てる間に家事とか出来るようになったのか!」
桃子(疲れたっすー)
照「咲ちゃん、おかえり~」
桃子(おかえりなさいっす!)フリフリ
照「咲ちゃん、咲ちゃん」
咲「ん?どうしたの?お姉ちゃん」
照「私、寝ながら家事とか出来るようになった!」ドヤァ
咲「あはは……そっか」
桃子(ちゃんと言いつけは守ったっすよ)
咲(偉い偉い)ナデナデ
咲「そろそろ東横さんが来てから一月経つのかぁ~」
桃子「大分家事も様になってきたっすよ!」ムフー
咲「そうだね……東横さん、覚えが早くてホント助かってるよ」
桃子「て、照れるっすよ」
咲(さて、そろそろ頃合いかな……?)
桃子(はぁ……先輩と会いたいっすー)
桃子(でも、今先輩と会ったらきっと甘えちゃうっすね……)
桃子(先輩、私は頑張ってるっすよー)
桃子(………)グーグー
咲「もしもし……あっ、お久し振りです――」
咲「東横さん、ちょっといいかな……?」
桃子(……?)
咲「東横さんは加治木さんと会いたい?」
桃子(勿論っす!)
咲「だったら花嫁修業もこれでおしまい」
桃子(えっ……?)
咲「一月程度の努力で主婦が勤まるかって言えばそれは無理があるけど、東横さんはずっと必死で頑張ってきたんだもん」
桃子(麻雀楽しませるって脅されてたっすからね……それは必死にもなるっすよ)
桃子(嶺上さん……)
咲「あの東横さんが大好きな先輩に連絡もせずにずっと頑張ってきたんだもん。だからきっともう大丈夫」
咲「あとこれは一月分の給料ね」
桃子(これって……あの夜負けた金額じゃないっすか……こんなに受け取れないっす!)
咲「二人暮らしするならきっとお金が必要になるよ?だから、ね」
桃子(嶺上さん……お世話になったっす!)
桃子(はいっす!)
「モモ……っ!」
桃子「せ、先輩!?」
ゆみ「心配したぞ?この一ヶ月、家に帰ってないし、連絡も取れなくて……」
桃子「先輩……どうしてここに……?」
咲「後は東横さん次第、だよ!」
桃子(嶺上さん……もしかして……)
桃子「先輩……!」
桃子「私を先輩のお嫁さんにして下さいっす――」
照「咲ちゃん、ごめんね……お姉ちゃん、ちょっと調子悪いみたいで……」
咲「まったくもう……」
槓!
Entry ⇒ 2012.08.17 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
灼「・・・学校に行くのがつらい」
女生徒A「は~…やっと終わったし」
女生徒B「あのクソババア10分も延長しやがってさー。マジありえないんだけどぉ」
女生徒C「もう学食ゲキ混みだよねー」
灼「…」ガサゴソ
灼「…いただきます」ボソッ
灼「…」モソモソ
女生徒B「うーん…あ、そうだ」ニヤッ
......ヒソヒソ
女生徒A「…あ、いいねそれw」
女生徒C「マジうけるぅw」
女生徒B「んじゃさっそく呼んでみよっか…ねえ、鷺森さーん!」
灼「…!」ビクッ
女生徒A「…あ? 無視かよ」
女生徒B「…おい」ガシッ
灼「…なに」
女生徒B「はぁ? なんだよその態度」
女生徒A「ちゃんとこっち向けよ」グイッ
灼「…っ」
女生徒C「wwww」
灼「…なんで私が」
女生徒A「えー、だって鷺森さん暇そうじゃん?w」
女生徒C「wwww」
灼「…暇じゃない。ご飯食べてる」
女生徒C「ご飯とかwwwブフォwww」
女生徒B「そんなん別にあとででも食べられるっしょw」
女生徒A「ちょ~っと学食行ってパン買ってくるだけなんだからさぁ…ねぇ、お願~い♪」
灼「…」
女生徒A「えー、だってめんどいじゃーんw」
女生徒B「いいから早く買ってきてよ。ちょーお腹すいたんだけど」
女生徒C「wwwwww」
灼「…」
女生徒A「あたしメロンパンといちご牛乳ね」
女生徒B「私はなんかレモンティーとチーズカレーパン」
女生徒C「えっと、私はぁ…」
女生徒B「…はぁ?」
女生徒A「あんたさぁ…マジ空気読めよ」
女生徒C「そーそー、自分の立場わきまえなってw」
灼「…うるさい。ジャマだから向こう行って」
女生徒B「…おい」ガシッ
灼「…っ! いた、い…!」
女生徒B「早くいってこいよ…ッ!」グググッ
灼「…やめ…て…っ!」
灼「…わか、った…わかりました…っ」
女生徒B「じゃあ早く行ってきな」パッ
灼「…っ」ジワッ
女生徒C「ちょwww泣きそうになってるww」
女生徒A「はーやーくしーてーよー」バタバタ
女生徒C「wwwww」
女生徒B「なに突っ立ってんの? 早くしろよ」ドンッ
灼「…痛っ!」ドテッ
灼「…」
灼「…はい」トボトボ
灼(…あいつらだけには目をつけられないようにしてきたつもりだったのに…)
灼(…これから私…どうなっちゃうんだろう…)
灼(…晴ちゃん…)
......ドンッ!
灼「…ご、ごめんなさいっ」ビクッ
穏乃「こっちこそ…って、灼さんじゃないですか!」
灼「あれ…シズ…」
穏乃「部室以外で会うなんて珍しいですね!」
灼「そ、そうだっけ…?」
灼「う、ううん…ちょっと購買に…」
穏乃「へ~、じゃあ私も今日は購買にしよっかな!」
穏乃「これから一緒に食べませんか? 灼さん!」
灼「え、えっと…」
灼(私にはおばあちゃんが作ってくれたお弁当があるし…)
灼(なにより、早くあいつらのところに持っていかないとどんな目に遭わされるか…)
灼「ご、ごめん…今日はクラスの子と食べる約束してるから…」
穏乃「そうなんですか…残念ですね~」
灼「ご、ごめん…」
穏乃「いいですって! また今度一緒に食べましょうね!」ニコッ
穏乃「どれにしよ~、迷っちゃうなぁ!」キョロキョロ
灼「…」
灼(シズは能天気そうでいいな…うらやましい…)
灼(っと…私も早く選ばなきゃ…)
灼(メロンパンと、イチゴ牛乳と…)
灼(それから…なんだっけ…?)
灼(ど、どうしよう…忘れちゃったよ…)ガクガク
「…たさん」
灼(もし違うの買ってきちゃったら…私…っ)ガクガク
「…灼さん!」
灼「ご、ごめんなさいっ!!」ブルブルッ
灼「あ…シズ…」
穏乃「そんなに震えて…何かあったんですか?」
灼「え、いや…別に…」
穏乃「…??」
灼「そ、それより決まった…?」
穏乃「はい! このチーズカレーパンってやつにします!」ビシッ
灼(…あ、そうだ…チーズカレーパンとレモンティー…)
灼「あ、ありがとう…シズ」
穏乃「え、何か言いました?」
灼「ううん…別に」
灼(よかった…とりあえず怒られずに済む…)
穏乃「ふぁい…んぐっ」
穏乃「また放課後! 部室で会いましょうね!」ダダッ
灼「…ふふ」
灼「…」
灼「…」ゴクリ
ガラッ
灼「…」ソソソッ
灼「お、遅れてゴメン…」
女生徒B「…」チッ
女生徒B「…いつまで待たせんだよチビ」
女生徒A「もう昼休みあと30分しかないじゃーん!」
女生徒C「ちゃんと買ってきてくれたのぉ?」
灼「う、うん…これでいいんでしょ?」スッ
女生徒C「さんきゅう♪」
女生徒A「またよろしくw」
灼「え…またって…」
女生徒A「えっ…まさかこれで終わると思ったの?w」
女生徒C「wwwwwww」
女生徒B「ほんとおめでたい頭してんなぁ…」ガシッ
......ググッ
灼「…いたっ!」
女生徒B「…今日からお前、うちらのパシリだから」ニヤッ
「「「wwwwwwwwwwwwww」」」
灼「…っ」
灼「…」
灼(…授業が全然耳に入ってこない…)
灼(…どうして…どうして私なの…?)
灼(…誰にも嫌われないように…迷惑かけないようにしてきたつもりなのに…)
灼(…どうしてこうなっちゃうの…?)
......コツッ
灼「…!」ビクッ
灼(…て、手紙…?)
『今日の放課後、教室残れよ』
灼「…」
灼(…もうヤだよ…こんなの…)
灼(…怖い…怖いよ、晴ちゃん…っ)ガクガク
灼「…」
女生徒A「へえ、ちゃんと残ったんだ…感心感心」
女生徒C「wwwwww」
女生徒B「…これからちょっと付き合えよ」
灼「つ、付き合うって…どこへ…?」
女生徒B「…んなの行きゃわかんだろ?」
灼「…は、はい」
女生徒A「…Bってば、今日はなんかちょー怖くない?w」
女生徒C「たしかにwwwww」
女生徒B「…なんか知らんけど、こいつすげえむかつくんだよねぇ…」
女生徒A「…な~るほどw」
女生徒A「残念だね~、鷺森さん。でもBの目に留まっちゃったのが運のつきってやつだわw」
女生徒C「wwwwwwwwwwww」
灼「…」
灼「ここは…コンビニ?」
女生徒B「コンビニって言っても、あんたに買ってきてもらうのはこれだけどね」ヒラヒラ
灼「それって…」
灼(タバコ…だよね? なんでそんなもの…)
女生徒B「そこのコンビニ、前は痴呆のババアが店員しててさぁ」
女生徒B「そんときは私ら制服のまんまでもタバコなんていくらでも買えたんだ」
女生徒B「でも最近になってクッソうぜえキモメガネに代わっちゃってさ…ろくに買えなくなっちゃったわけ」
女生徒A「そこであんたの出番ってわけよw」
灼「…ま、まさか…!」
女生徒A「そそw なんとかしてタバコ3箱買ってきてくんない?」
灼「…」
灼「痛っ…そ、そんなの無理だよ…っ! だ、第一、もうお金が…っ」
女生徒B「ごちゃごちゃうるせえよ! てめえはあたしらのパシリだろうがッ!」
女生徒B「いいから買ってこいっつーんだよ!」ドンッ
灼「…っ!」
女生徒B「…ほんとウジウジしててイライラするわぁ…」
灼「…っく…えっく…」
女生徒A「…ねぇ、いつまでそこに座ってるわけぇ?」
女生徒B「泣けば済むとでも思ってんのか…? あぁ!?」ググッ
灼「痛っ…い、痛いです…っ! ご、ごめんなさいごめんなさい…っ!」ボロボロ
灼「でも…っ、うっく…お、お金が…な、なくて…っ」
女生徒A「…どうするよ、B?」
女生徒B「…」
灼「…っ」ビクッ
女生徒C「あ、鷺森レーンってやつっしょw」
女生徒B「そそ。こーんなド田舎でボウリング場経営してんだ…たんまりお金だってあるんじゃないの?」
女生徒A「…なるほどぉw あったまいい~、B♪」
女生徒C「wwwwwww」
女生徒B「どっからでもいいから、金パクッてこいよ」
灼「…お、お願いします…どうかそれだけは…っ」
女生徒A「あぁ? せっかくBがチャンスくれてやってんだよ? それをムゲにする気?」
女生徒B「もし行かなかったら…どうなっても知らないよ?」
女生徒B「あんたの大事な大事なおばーちゃん…」ニヤッ
灼「…っ!!」ゾクッ
灼「や、やめて…! お、おばあちゃんだけは…っ!」
女生徒B「なら、早く行ってこいよ!」ゲシッ
灼「…うぐっ!」
灼「…は、はい…」トボトボ
なら、あとは分かるな?
灼「…た、ただいま…」
祖母「おかえり、灼」
灼「…お、おばあちゃん…」
祖母「…どうしたの? 灼」
灼「…っ」
灼(…いますぐすべてを投げ出したい…)
灼(おばあちゃんに、助けてほしいって泣いて叫びたい…っ)
灼(…おばあちゃんの胸の中で…安心したい…)
灼「…」
灼(…でも…そんなことしたら、おばあちゃんが…)
灼「…っぐ…」
祖母「灼…何があったの? 話しなさい」
灼「…っ」ゴシゴシ
灼「…な、なんでもないよ、おばあちゃん」ニコッ
灼「これから、友達と遊んでくるんだ。ちょっと着替えに戻っただけ」
灼「だから帰るのはちょっと遅くなっちゃう」
灼「あ、お夕飯は絶対食べるから…!」
灼「おばあちゃんの作るご飯…私大好きだし…へへ」
祖母「…」
灼「だから…その…」
灼「…」
灼「…ううん、なんでもない! それじゃあ自分の部屋行ってくる!」ダダッ
祖母「…」
祖母(…灼…)
灼「…っ」ヌギヌギ
灼(できるだけ、子供に見えないような格好で行かなくちゃ…)
灼(お金は…とてもおばあちゃんからは借りられない…あんな不安そうな顔をされたんじゃ…)
灼(…仕方ない、部の誰かに頼もう…土下座してでも)
灼(みんなはたぶん…まだ部室にいるはず…)
灼(そういえば私…今日休むこと、伝えてなかったな…)
灼「…」
灼「シズと放課後でって…約束したのに」
灼「…私…ダメな先輩だ…」ボロッ
灼「…っ」ゴシゴシ
灼(…なに泣いてるんだ私…!)
灼(今はそんな場合じゃない…一刻も早く急がなくちゃ…!)
ダダダッ
祖母「…灼!」
灼「…っ! な、なに…?」
祖母「…」
祖母「…なにか悩みがあるなら、相談しなさいよ」
灼「…」
灼「…ありがと、おばあちゃん」
灼「でも、そんなのないから…だから、安心して」ニコッ
灼「じゃ、行ってくるね」ダダッ
祖母「…」
祖母「…灼…一人で頑張るだけが、本当の強さじゃないんだよ…」
灼「ハァ、ハァ…つ、着いた…」
ガチャ
......ワイワイガヤガヤ
穏乃「あれ、灼さんじゃないですか!」
憧「遅かったじゃーん」
玄「心配してたんだよ?」
宥「5人揃って…ほっかほか…///」
灼「…みんな…」
灼(…みんなは私なんかのために、ずっと待っててくれたんだ…)
灼(それなのに…今から私は、そのみんなを裏切るようなことをしようとしてる…)
灼「…」
灼「く、玄…ちょっといいかな」
玄「え、別にいいけど…どうしたの? 灼ちゃん」
灼「玄にちょっと相談があってさ」
穏乃「相談って…灼さん、なにか悩み事ですか?」
憧「ちょっとシズ、あんま詮索するのはよくないよ。灼にだって事情があるんだろうし」
穏乃「そ、そっか…ごめんなさい、灼さん…」
灼「ううん、こっちこそごめん…」
灼「じゃあ、玄…ちょっと一緒に来てくれる?」
玄「うん」
灼「うん、おばあちゃんが体調悪くてね…薬が必要なんだけど、今月は稼ぎが悪くて…」
玄「そっか…うん、いいよ!」
灼「…ほ、ほんと?」
玄「うん、だって友達の頼みだもん! それに、灼ちゃんのおばあちゃんにも早く元気になってほしいし」
灼「…玄…ごめん」
灼(…ほんとに、ごめん)
玄「謝らなくていいんだよ。はい、受け取って?」スッ
灼「…玄…」
玄「うん」
灼「…あと、部活は今日休むね」
玄「わかったよ。他のみんなには私から伝えておくから」
灼「なにからなにまで、ほんとにありがとう…それじゃ」
玄「うん、おばあちゃんにお大事にって伝えて!」
灼「…」
灼「…うん」
ダダッ
女生徒A「お、きたきた」
女生徒C「遅すぎwwww」
女生徒B「どんだけ待たせんだよチビ」
灼「ご、ごめんなさい…」
女生徒B「いいから、すぐ買ってこい」
灼「は、はい…」
灼「…」トボトボ
ウィーン
店員「いらっしゃいませー」
灼「…っ」
店員「はい…?」
灼「そ、その青い箱の…」
店員「…? これですか…?」
灼「は、はいそれ…それを…み、みっつ…」
店員「…」
灼「…っ」
バックン......バックン......!!
灼(…ど、どうしよう…明らかに不審がられてる…)
店員「…君、中学生かなにか?」
灼「…っ!」
店員「つい最近も高校生がタバコ買いにきてさー…追い払うのに苦労したよ」
店員「君、名前は? どこの学校?」
灼「え…えっと…っ」
店員「早くしてよー、こっちだって暇じゃないんだから」
灼「ご、ごめんなさい…っ」
店員「ほら、学校」
灼「あ、阿知賀女子学院…です…」
店員「阿知賀って、あの有名なお嬢様学校じゃない?」
店員「なーんでこんなくだらないことしちゃうのかねぇ…」カキカキ
灼「…っ」
店員「名前は?」
灼「さ、鷺森…灼です…」
店員「灼ちゃん…ね」カキカキ
店員「んじゃ、警察に通報させてもらうから」
店員「待つも何も、君がこんなことするのがいけないんでしょ? 自業自得だよ自業自得」ピッポッパ
店員「あ、もしもしー!」
灼「…っ」
灼(もうダメだ…警察沙汰になったなら、学校や家に連絡が行くのは避けられない…)
灼(ごめん…おばあちゃん…玄…)
灼(…みんな…)
灼「…っく…えっく…」
先生「…どうしても、話してくれないんだな?」
灼「…」
先生「…残念だ…お前には失望したよ、鷺森」
先生「これから、お前の所属する麻雀部の顧問、赤土先生がくる」
灼「…っ!」ビクッ
先生「もしお前が反省しているのなら…今からでも遅くはない、先生に事情を話してやれ」
先生「私は警察の方と少し話がある。それじゃあな」
バタンッ
灼「…」
灼(…晴ちゃんが…くる…)
灼(…私…どんな顔で晴ちゃんと話せばいいんだろう…)
ガチャリ
晴絵「…灼」
灼「…は、晴ちゃん…」
灼「…」
晴絵「…私からも、そうやって逃げる気?」
灼「…」
晴絵「…灼!」
灼「…っ」ビクッ
晴絵「…私はあんたが喫煙してたなんて話、信じられない」
灼「…」
晴絵「でもねぇ…黙ったまんまじゃ、みんなそう思っちゃうんだよ。私だって立場上、そう思わざるを得ない」
灼「…」
晴絵「…灼、なにがあったのか話せ。誰かに言われてやったのか?」
晴絵「…灼」
灼「…私、言えない…」
晴絵「…」
晴絵「…そうか」
ガタンッ
晴絵「…鷺森灼。お前は以後、阿知賀女子麻雀部から除名する」
晴絵「…二度と麻雀部には足を出させない…わかったな?」
灼「…」
晴絵「…もう私から言うことは何もない。それじゃあな」
灼「…」
晴絵「…灼」
灼「…」
晴絵「…待ってるだけじゃ、誰も助けてなんてくれないぞ」
灼「…」
晴絵「…」
バタンッ
灼「…」
灼「…っく…えっぐ…」ボロボロ
穏乃「灼さんが…!?」
憧「じゃあ…昨日の用事って…」
玄「…うん…タバコを買うため、だったんだと思う」
宥「…」
穏乃「…そ、そんなの信じられないよ! 灼さんがそんなこと…!」
憧「でも、状況だけ見たらそう思うしか…」
穏乃「な、なに言ってんだよ憧! お前、灼さんは同じ麻雀部の…!」
憧「そんなのわかってる!! わかってるよ…」
穏乃「…っ」
玄「…でもね、少しでも考えちゃうんだ…やっぱり灼ちゃんは私を騙してたんじゃないかって」
玄「それでね…そんな考えがよぎっちゃう自分がイヤなんだ…」
玄「…ううぅ…っ」
宥「…玄ちゃん…玄ちゃんは悪くないんだよ」ギュ
穏乃「…玄さん…」
憧「…玄…」
ガチャ
晴絵「…」
憧「は、晴絵…どうだったの?」
晴絵「…」フルフルッ
憧「そんな…」
晴絵「…なんだ」
穏乃「先生だって、灼さんがあんなことするわけないって思ってるでしょ!?」
穏乃「ここにいるみんなだってそう思ってる! なのになんで何もしてやらないんですか!?」
憧「し、シズ…」
穏乃「私…今から灼さんに直に問い詰めてきます!」
晴絵「…待て、穏乃」
穏乃「…な、なんでですか!? もしかして先生は灼さんのことなんてどうでもいいと思ってるんですか!?」
晴絵「いいから落ち着け!」バシンッ
穏乃「…っ!」
晴絵「…だが、灼自身が心を開かない限り、私たちにできることはない…」
穏乃「…そ、そんな…」
晴絵「違うだろ、穏乃…? だからこそ…信じて待ってやるんだよ」
穏乃「あっ…」
晴絵「…あいつが、いつでも私たちに助けを求めてきてもいいように…な」
憧「そっか…そうだよね」
宥「私たちが信じてあげれば、きっとその思いは灼ちゃんに伝わる…」
玄「それを私たちは…信じる…っ!」
穏乃「…うん…!」
穏乃(灼さん…私たちの方はもう、準備できてますよ)
―――あとは、灼さんの気持ちだけです…!
灼(…私…最低だ…)
灼(玄や、みんなの気持ちを裏切った…)
灼(晴ちゃんに見捨てられるのも、当たり前だよね…)
灼(…おばあちゃんに、どう顔向けすればいいんだろ…)
灼(…私、もう生きてる価値ないよね…)
灼「…」
灼「どうせこれから、惨めで苦しい思いをすることになるなら…いっそ…」
「―――死んでみる…って?」
灼「…っ!」ビクッ
女生徒B「…手伝ってやろうか? 死ぬの」
灼(こいつらさえ…こいつらさえいなければ…)
女生徒A「へえ、まだ睨むくらいの余裕はあるんだぁ」
女生徒C「むかつくwww」
女生徒B「なに? ついに反抗期到来?」
「「「wwwwwwwwwwww」」」
灼「…」
女生徒B「…てめえ、いきがんなよッ」ガシッ
灼「…っ!」
女生徒B「ほら、C! バケツもってきな!」
女生徒C「あらほれさっさwww」
灼「…っ!」
女生徒B「お前死にたかったんだろ? ならウチが死なせてやるよッ!」
灼「…や、やめ…っ!」
バシャンッ
女生徒B「ハハッ…ほら、死ねよ! 死ねよ!」
灼「ぶはぁっ…!」
女生徒A「ちょ、Bってば…マジでやっちゃうの…?」
女生徒B「なに? 文句あんの? じゃああんた抜ければ!?」
女生徒A「い、いや別にそこまでは…」
女生徒C「顔wwwwウケるwwww」
バシャバシャ......!!
灼「ごぼっ…が…ぷはっ…!」
灼(…ダメだ…私、このまま死んじゃうのかな…)
灼(…死んじゃったほうが…いいのかな…)
―――そっか…私、逃げてたんだ
おばあちゃんを助けるため、なんて理由つけて…本当は、誰にも知られたくなかっただけ
いじめられてるなんて言うの…恥ずかしかったから
挙句は玄の気持ちまで利用して…
『…待ってるだけじゃ、誰も助けてなんてくれないぞ』
―――一人で抱え込んでさえいれば、誰にも迷惑をかけないんだと思ってた
でも、それは違ったんだ…
―――友達、家族、先生…
私には、こんなにも私のことを大切に想ってくれている人たちがいた
私は、いじめっ子に逆らうことなんてできない…弱虫だ
でも、誰にも相談しないで一人で抱え込む方が…よっぽど弱虫だ
結局私は…自分のプライドを守りたかっただけなんだ
死に物狂いであがこうとしてなかっただけなんだ―――
でも―――今度こそ言うよ…!
シズ、憧、玄、宥さん…そして晴ちゃん
私を―――
『わたしを たすけて』
......ポチッ
灼「…っ!」
ガシャン......!
女生徒B「もうすぐ楽になれるんだから、おとなしく死んどけよクソチビがッ!」
灼「…ごがっ…がっ…!!」
灼(みんな…早く…っ)
「うっぉおおおおおおおおおおおお…とりゃあああああっ!!!」
ズベシッ
女生徒B「ぐえっ!!」
ズザザーッ......!!
女生徒A「な、なに!?」
女生徒C「wwwwwwww」
穏乃「阿知賀の野生児・高鴨穏乃…ただいま参上!!」ハァッ
憧「…おっと、そこまでよ」
女生徒B「なっ…!」
憧「せいっ…!!」
ドスンッ
女生徒B「…あ、が」ガクリ
憧「柔道二段をなめてもらっちゃ困るわよ…!」フンッ
女生徒A「な、なんなのこいつら…!」ジリジリ...
宥「ふふふ…逃がさないから♪」
女生徒A「なっ…マフラー!?」
女生徒C「wwwwwwww」グェッ
玄「やめるのです、お嬢さんたち!!」
穏乃「…玄さん、遅いですって」
「…待たせたな」
灼「…ぁ」
晴絵「…よく言えたぞ、灼」ニコッ
灼「は、はるちゃ…っ」
晴絵「…もう安心していいんだぞ」ギュ
灼「うぅ…うわぁあああああああああああああん!!!」ボロボロ
憧「まったく、おいしいとこもってくなぁ…」
宥「まぁたまにはいいじゃない♪」
玄「たまにはって…お姉ちゃん…」
穏乃「なにはともあれ、一件落着じゃないかー!」
憧「だねっ」
一方で私は、タバコの件に関しては罪を免れ、麻雀部からの除籍も取り消された
こうして、阿知賀のイジメ事件は幕を閉じたのであった―――
ただ、今回の事件が与えたものは苦しみや悲しみだけではなかった
この日以来、シズたち麻雀部のみんなとの絆はより一層深まり…今では…
灼「―――学校に行くのが、楽しいです!」
カン
阿知賀はみんな仲良し! お疲れさまでした!
皆笑顔でウルトラハッピー!
阿知賀麻雀部最高や!乙!
対象スレ: 灼「…学校に行くのがつらい」
キーワード: 小走
抽出レス数:10
お前らやえさんを便利屋か何かと勘違いしとりゃせんか
ヒーローだからな
Entry ⇒ 2012.08.17 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
衣「働かない衣なんて誰も必要としないのだ」
透華「問題ナッシング!衣の百人や千人、私が養ってみせますわ!!」
衣「………」
衣(透華はああ言ってくれてるけど……)
衣(心根では衣のことを疎ましく思っているのだろうな……)
衣(久方振りに外界に出るか……)
衣「何も言わずに出てきてしまったが、透華たちは心配しているだろうか?……いや、衣のことなど何とも思っていないのだろうな……」
衣「唯一、衣の取り柄であった麻雀もとうの昔に止めてしまった。そんな衣が誰かに必要とされている道理などないのだ……」
衣「麻雀、か……雀荘に行ってみるか」
衣「……誰でもいいから壊してしまいたい気分だ」
「ちくしょう!やってられるかッ!」
「やめだ!やめだ!」
「もう帰るぞ俺ァ!」
衣(ふふ、相も変わらず衣と打った者はあの様になるのだな)
「お客さん……あんたみたいなのがいるとうちも商売あがったりだ……もうここらで帰ってくれねぇかい?」
衣「………」
衣「衣は誰かに必要とされているのかな……?」
衣「思えば大学生の時から誰かに話しかけてもらった覚えがない……」
衣「2軒目行くか……」
「二度と来るかこんな店!」
「こんなふざけたことがあるか!」
衣「またやってしまった……」
「この卓空いてる?」
衣「ああ……もしかしてお前は……咲か?久しいな」
咲「久し振りだね、衣ちゃん」
咲「あはは、そういう衣ちゃんは変わってないね」
衣「そのお陰で就活に失敗してしまってな……」
咲「じゃあ今は……?」
衣「自宅を守護している」
咲「そっか……」
咲「フツーにOLやってるよ?」
衣「……お前ほどの者がプロへはいかなかったのだな」
咲「うん……私、麻雀それほど好きじゃないから」
衣「衣もだ……久方ぶりに打ってみたが、衣が麻雀を打つとこんな風になってしまう」
衣「……どういう意味だ?」
咲「そのままの意味だよ。あんな勝ち方してたらこんな風になるのは目に見えてるよ」
衣「よく分からんな……」
咲「相手に次やれば勝てる、って思わせないと逃げられちゃうってこと」
衣「そ、そうなのか……?」
衣「ふむ……そういう考えもあるのだな」
咲「そうだよ。じわじわ真綿で絞め殺していくような勝ち方しないと毟り切れないよ」
衣(あれ?なんだか咲が怖いんだが……)
咲「あ、カモ(お客さん)が来たよ」
衣(正真の化け物か?)
咲「おじさん強いですねぇ。レート上げて貰わないと取り返せないや」
衣(点数調整が的確すぎる……他の二人を交互に勝たせて卓に縛り付けてる……)
衣(それでいて8連続±0だと!?そんなふざけたことがあるのか?)
衣(客も熱くなったようでどんどんレートが上がってきてるし……)
咲「あっ、ツモです。四槓子」
衣「衣はいつも暇だが……どうかしたのか?」
咲「いっぱい勝てたし、私の奢りで飲みにでも行かないかなって」
衣「いいだろう……付き合ってやる」
咲「えっ、嘘!?大学とかで飲まなかったんだ」
衣「そういう縁はなかったのでな」
咲「へぇ、そうなんだぁ……」
衣「飲んだことはないが、衣は恐らくうわばみだぞ?金は足りるのか?」
咲(衣ちゃん可愛い)
衣「ぐすっ……ぐすっ……」
衣「衣ね、大学れぇ透華たちとちあうとこいってれ、ずっとひとりぼっちらったの……」ゴクゴク
咲「そ、そうなんだぁ」
咲(泣き上戸は予想外だったな)
衣「ふえ……ふえぇぇぇぇぇえん」
衣「ずっといじめられれてらんらけどれ、それれもがんばっらの」ゴクゴク
咲「そっか……偉いんだね、衣ちゃんは」
衣「ぷはっ……おじさん、おかわり」
衣「」コクコクコク
咲「初めてとは思えない飲みっぷりだね」
衣「ぷはっ……」
咲「それで?他にはどんなことがあったの?お姉さんが全部聞いてあげるから」
衣「ふえぇぇぇぇぇえん!咲ぃぃぃぃいい!!」ダキッ
咲「よしよし、いい子いい子」ナデナデ
衣「ぐすっ……れもれ、勉強がんばればがんばるほろまわりからいじめられるろ」ゴクゴク
衣「それれも難しい勉強がんばっれね、就活はじめらの」ゴクゴク
衣「そしららね、面接すらしてもらえらいまま卒業迎えちゃらの」ゴクゴク
咲「そっか、それで引き篭りに……」
衣「ふえ……ふえぇぇぇぇぇえん!!」
咲「あーよしよし」ナデナデ
咲「あっ、寝ちゃった……」
咲「流石に飲ませ過ぎたかな……?」
衣「すーすー」
咲「衣ちゃん、仕様がないなぁ……家まで送っていくかな」
咲「うわっ、軽っ!30㎏あるの?この子」
咲「ホント、年上には見えないなぁ」
咲「さっきの話、衣ちゃんも苦労してたんだね……」
咲「なんとかしてあげたいな……」
衣「うぷっ……」
咲「えっ?衣ちゃん!?」
衣「オロロロロロロ……」ビチャビチャ
咲「うえ……下ろし立てのスーツが……」
咲「近くにホテルあったかな……?」
咲「あれ?受付に誰もいないけど……」
咲「もう……どうすればいいのか分かんないよぉ」アタフタ
「あれ?もしかして嶺上さんと海底さんっすか?」
「こんなところで再会するとは……分からんものだな」
ゆみ「久し振りだな」
桃子「お久し振りっす~」
咲「こんなところで何を……って聞くまでもないか」
桃子「えへへ」
ゆみ「………///」
桃子「嶺上さんは何しに来たんすか?見た感じえっち目的ではないみたいっすけど」
咲「えっと……実は――」
衣「くーくー」
咲「さてと……」
照「もしもし!咲ちゃん!?」
咲「あ、お姉ちゃん?」
照「こんな時間まで何やってるの!?」
咲「色々あってね、今日は帰れそうにないや」
照「えっ?えぇっ!?」
咲「明日の朝には帰るからね。じゃあね~」ピッ
照「咲ぃ……ご飯まだー?」クスンクスン
咲「……あった!ふふ、可愛らしいデザインの使ってるね」
咲「うわっ!すごい数の着信履歴……」
咲「全部自宅から……なぁんだ、やっぱり必要とされてないわけないじゃない」
咲「衣ちゃん、よかったね」ナデナデ
衣が追跡防止のためGPS機能破壊したとでも脳内補完してくだしあ
透華「もしもし?衣ですの!?あら……」
咲「すみません……りゅーもんさん、ですよね……?」
透華「どちら様かしら?」
咲「……宮永咲で分かりますか?」
透華「宮永……あぁ、久し振りですわね。それで?宮永さんがどうして衣の携帯を?衣は今何処に?」
咲「衣ちゃんは酔い潰れちゃって寝ちゃってて……それで今は介抱の為に近所のホテルに」
透華「なんだか状況が分かりかねますわね……」
咲「そうだったんですか……」
透華「迎えに行かせたいのですが、その場所を教えて下さらないかしら?」
咲「えっと……先程、衣ちゃんが吐いてしまってて、無理に動かしたくないので明日の朝まで待ってもらえないでしょうか?私が責任もって送り届けますので」
透華「えっ?あ、ちょっと!」
咲「それではおやすみなさい、透華さん」ガチャ
咲(こんな場所にいるの知られたくないもん。仕方ないよね)
咲「ホント可愛いなぁ衣ちゃんは」ツンツン
衣「んん……」
咲「ふふ、私もこんな子どもが欲しいな」
衣「ころもはこどもじゃない……」ムニャムニャ
咲「あは、ほっぺた柔らかぁい」プニプニ
咲「咲っちょだけならいいよね……」
衣「ん……」
「ただいまだし!」ガチャ
「あれ?部屋間違えた?邪魔したし!」バタン
咲「………」
咲「もういいや……眠くなってきちゃったよ。おやすみ、衣ちゃん」
和「義理姉さん、気を確かに」
照「あわわわまだ淡照時間じゃない」
咲「あ、衣ちゃん。起きた?」
衣「ん……あれ?咲?」
咲「そうだよ」
衣「うぅ~あたまがガンガンする……」
咲「衣ちゃん、たくさん飲んでたからね……二日酔いだよ」
衣「あれ……?衣、服着てない……」
咲「お洋服がシワになっちゃうと思ってね、私が脱がせたんだけど……寒かった?」
衣「んー」
衣「ん、そうする……」
衣「それよりここどこ……?」
咲「えっと……その……」
和「咲さんに限って夜遊びなんてそんな……」
照「そういう風に育てた覚えはないな」
照「でも、咲ちゃん可愛いからな。ラブホ照に連れ込まれるなんてことでもしたら……あわわわ」
和「一発ですか?一発ツモですか!?」
衣「咲、帰っちゃうのか?」
咲「衣ちゃんを家まで送ってからね」
衣「そうか……」シュン
咲「お家に帰りたくない?」
衣「……少し、な」
咲「迷惑、か……ねぇ、衣ちゃんは透華さんのこと嫌い?」
衣「そ、そんなわけない!」
咲「じゃあ好きなのかな?」
衣「うん……」
咲「だったらそれでいいじゃない。衣ちゃんは複雑な境遇かも知れないけどさ、自分を殺してまで好きな人から離れることはないと思うよ」
衣「本当か……?本当にそう思うか?」
咲「うん、それに衣ちゃんと透華さんは家族でしょ?なら尚更だよ」
衣「咲がそう言うと返す言葉もないな……」
咲「まぁ例外もいるけどね」ボソッ
照「くしゅんっ!」
和「くしゅんっ!」
衣「うんっ!」
衣「咲……手、繋いでもらってもいいか……?上手く歩けないんだ……」
咲「ん、いいよ」
衣「やた!えへへ」
咲(可愛いなぁもう)
衣「透華ぁ~!」ダキッ
咲「りゅーもんさん、もしかしてずっと外で待ってらしたんですか?」
透華「それはまぁ……心配でしたからね」
衣「透華ぁ、黙って出掛けてごめんなさい」
透華「ええ」
衣「衣、ここにいてもいいかな?透華と離れたくないんだ」
透華「ええ」
衣「衣、明日からハローワークに通おうと思うんだ」
透華「ええっ!?」
咲「頑張ってね、衣ちゃん!」
そもそも透華に相談したら龍門渕家に永久就職することになってまう
咲「うん、もちろん!」
衣「ホントにホントだぞ?ばいばい、咲」
咲「ばいばい。またね、衣ちゃん!」
咲「さてと、私も家に帰ろっかな」
和「そんなオカルト有り得ません……義理姉さん、どうしましょう……?」
照「ところでお前誰だよ」
槓!
原村さんのオチにワロタ
乙
咲「ただいま~」
照「咲ちゃん!?おかえりなさい」ダキッ
咲「もういきなり抱きつかないでよ~」
照「だって、咲ちゃん分が足りないんだもん。このままじゃ今日の対局に影響が出ちゃう」
咲「はいはい、それより朝ごはんまだだよね?」
照「私が一人で作るとでも?」
咲「パパっと作るからちょっと待っててね」
咲「召し上がれ。もしかして晩ご飯抜いてたの?」
照「咲ちゃんが帰ってこないからご飯が喉を通らなくて……」
咲「またそんなこと言って~」
照「ハムッ、ハフハフ、ハフッ!!ところで昨夜は何してたの?」
咲「雀荘行ったら友達と久し振りに会ったから、そのまま飲みに行ってホテルに///」
照「!?ゲホッゴホッ……」
咲「ちょっとお姉ちゃん!?大丈夫?」
咲「ホテルに連れ込んだって……私がホテルに連れてったんだよ?」
照「えっ?」
咲「ちょっと飲ませ過ぎちゃってね……介抱ついでに」
照「………」
照「咲ちゃん、今夜飲みに行こう」
咲「行きません」
照「これも咲ちゃんと同棲するための仕方ない支出……」
咲「はいはい……お姉ちゃん、いってらっしゃい。今日も頑張ってきてね」
照「いってくる」
照「………」
咲「……?」
照「いってきますのチューは?」
咲「ありません」
洋榎「なんや大将、辛気臭い顔しよって」
照「咲ちゃん咲ちゃん咲ちゃん……」ブツブツ
咏「今日はひとつよろしく頼むねぃ。知らんけど」
洋榎「あ、三尋木プロやないですか。今日はよろしくお願いしますー」
咏「ありゃ?照ちゃんどうかしたの?わかんねーけど」
洋榎「ウチが来たときには既にこんな感じでしたよ?」
咏「もう一人の子が来てないようだけど……あっはっは、新人の子に嘗められちゃってるね。知らんけど」
「お待たせ」
洋榎「なんや?寝不足か?」
照「まぁ似たようなとこ」
洋榎「それはアカンなぁ……今日は折角トッププロとの対局やったのに」
照「そうだったの?」
洋榎「それすら知らんかったのかい!」
照「……何を?」
洋榎「さっき三尋木プロから聞いたんやけどな、あの天江がプロ行き決めたんやって」
照「天江……?ああ、天江衣か」
洋榎「ずっとスカウト断ってきとったのに不思議やなぁ」
照「心境の変化でもあったんじゃないのかな?就職が決まんなかったから仕方なくって線もあるが……」
洋榎「就活に失敗したからって……流石にそんな訳ないやろー」
照「私がそうだが」
洋榎「えっ?」
洋榎「おおう……」
照「その後、妹と長野で職を探したんだが、この不景気だしね……」
洋榎「アンタも苦労したんやねぇ」
照「それで仕方なくプロに……」
洋榎「仕方なくでプロになれるアンタがスゴいわ」
照「照れるぜ」
咲「あ、お姉ちゃん。おかえりなさい」
照「お腹ぺこぺこ」
咲「はいはい……すぐに用意するからね」
咲「それより今日の対局どうしたの?ずっとボーッとしてたみたいだけど……」
照「咲ちゃんのこと考えてて気付いたら終わってた」
咲「まったくもう……」
咲「召し上がれ」
照「今日、洋榎から聞いたんだけど天江衣がプロにくるそうだよ」
咲「えっ?衣ちゃんが?」
照「ずっとスカウト断り続けてきたのにって不思議がってたよ」
咲「あれ?今朝ハローワーク通うって聞いてたのに……どうしちゃったんだろ?」
照「ん?なんだ、昨夜咲ちゃんと一緒にいた相手は天江衣だったのか」
咲「うん、そうだよ」
照「よし、如何にプロの世界が厳しいのかを骨の髄までお姉ちゃんが教えてやらんとな」
咲「りゅーもんさん、衣ちゃんがプロ行き決めたそうですけど……」
透華「そうですわ」
咲「私はてっきりハローワークに通うものだと……」
透華「……ところで、貴女は衣が就活に失敗し続けた理由はご存知で?」
咲「ロリロリだから?」
透華「いえ……」
咲「あの口調じゃ面接に難があるから?」
透華「まぁ、それもありますわね……」
咲「それも……?」
咲「えっ?」
透華「手書きの履歴書を書かせられる限り、衣は就活を失敗することになりますわ」
咲「ど、どうして……?」
透華「衣は……筆しか使えませんの」
咲「な、なんだってー!?」
変なとこだけど眠いから槓!
まともな咲さん久しぶりだから続けて欲しいな
Entry ⇒ 2012.08.17 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (2) | Trackbacks (0)
照「シャープシューターまじかる☆すみれ」菫「ふざけるな」
菫「ああ、麻雀部でもなにかやるか?」
照「うん、それで・・・演劇はどうかな?」
菫「ふぅむ・・・いいんじゃないか?」
菫「ただ、部員の了承を取ってから話を進めよう」
照「うん、よろしくね菫」ニヤッ
菫「というわけだ・・・どうだろうか」
淡「おもしろそ~、賛成賛成大賛成!」
尭深「いいと・・・思います」
亦野「ワタシも賛成」
照「みんな賛成みたいだね」
菫「・・・よし、それでは我が麻雀部は文化祭で演劇を行うことに決定だ」
ワーワー パチパチパチ ワーワー
照「はい!」
菫「ん?どうした照、やりたいものがあるのか?」
照「うん・・・ちょっと恥ずかしいんだけど・・・ね?」
菫「それはみんな知っている」
照「自分でも書いてみたくなって・・・こんなこともあろうかと脚本書いてあるんだ」
菫「そ、それは準備のいいことだな…」
亦野「文化祭まであと3週間・・・時間もないしそれでいいんじゃないですか?」
菫「そう・・・だな、明日持ってきてくれ」
照「うんわかった」
照「菫、持ってきたよ!」
菫「ほうこれが…どれどれタイトルは…」
シャープシューターまじかる☆すみれ
菫「・・・おい照」
照「あ、まちがえて持ってくるの間違えた…」
照「ほ、本当はハードボイルドな西部警察っぽい熱い脚本で…」
菫「持ってくるものを間違えたのは追求しないでおこう」
菫「これはお前の筆跡だ、もう一度聞こう。これはなんだ?」ゴゴゴ・・・
菫「これはなんだ、早く言え。答えられなくなる前に」
照「ひぃ!?は、白状します…趣味で書いてるものです…」
菫「もう少し詳しく教えてくれないか?」
菫「怒らないで…の間違いじゃないか?まあ約束はしよう」
照「…子供のころ魔法少女に憧れたよね?」
菫「…まあな、私にとって正直忘れたい過去ではあるが」
照「私は今でも好きなんだ…こんな風に妄想症説を書いちゃうくらいに」
照「だって菫ってカッコイイじゃん」
菫「…は?」
照「長身、ロングヘアー、清楚で弓まで使える」
照「まさに完璧!私の理想の魔法少女なんだよ!!」
菫「お、おう」
まどかさんとはやてさんは帰ってください
菫「…あきれてものも言えん」
照「言ってるじゃん」
菫「うるさい」スパーン
照「あ痛…」ズキズキ
照「え…本当に?」
菫「ただし、これからは本人の許可を取ってから書け」
照「え~、恥ずかしいよ~」
菫「勝手にこんな風にかかれる身にもなれ…おっと休み時間が終わりそうだ」
照「次は音楽だっけ、移動面倒だね」
菫「急ぐぞ照」ポロッ
照「待ってよ菫」タタタ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
???「ん?なんだこの本」ヒョイ
照「ううん、返してもらってないよ?」
菫「…となると落としたか…あんなもの人に見られるわけには…」
菫「先行っててくれ、ちょっと探してくる」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
菫「ない!!ない!!!どこにもない!!!」
菫(誰かに拾われたか!くそ、もう授業が始まってしまう!)
菫(な、なぁにあんなものただの本だ!誰に拾われてもたいしたことにはならない…はず)
菫(よ、よしあきらめよう。照にはなくしたことを後で謝らんといけないな…)
大丈夫、おれもこの先がまったく読めない
菫(結局放課後になっても見つからなかった…)
ガヤガヤ ワイワイ キャーキャー
菫(ん?部室がなにやら騒がしいな…)
ガラッ
菫「おはよう、お前たち何を騒いでいるんだ?」
亦野「あ、おはようございます!それがですね…」
淡「あ、おはよ~スミレ!今日の昼休みにこんなの拾ったんだ~」
菫「なんだ…こ、これは!」
シャープシューターまじかる☆すみれ
菫「こ、これはだな…」
尭深「照先輩の…ですよ///」ズズー
菫「え…?なんで知っている?」
尭深「たまにここで書いてましたので…」ズズー
亦野「それにしても…よくできていますよコレ」
菫「…へ?」
淡「笑いあり涙ありの一大スペクタクルって感じ~」
尭深「わかりやすいし、短くまとまっていますし…文化祭はこれでいいと思います」ズズー
亦野「書いたの照先輩だし、許可も取れるんじゃないですか?」
菫「そ、そうじゃなくてだな…その///」
淡「あ、もしかしてスミレ…」
尭深「…」ズズー
菫「そ、そうだ…」
菫「そうなんだ…恥ずかしくて…え?」
亦野「やだな~主役を後輩に譲らないと~、とか思ってるんでしょ、先輩?」
尭深「この話の主役は菫先輩がふさわしいですよ…」ズズー
菫「は、話を聞けお前たち…」
ガラッ
照「遅くなった」
照「あ、私の書いた本じゃない…見つかったんだ」
淡「ね~、テルー?」
照「なんだい、淡?」
淡「この話すっごく面白かったんだけど、コレを文化祭でやりたいな~って思うんだけど…いい?」
照「え、でも菫がやだって…」
照「…そうだね、みんな気に入っちゃったみたいだし」
菫「…最後の文化祭だ、恥をかくのも悪くないかもな…」
照「菫…何かを悟ったいい顔になってるよ」
菫「いいだろう、やってやる!」
菫「我が麻雀部の出し物は『シャープシューターまじかる☆すみれ』に決定だ!!///」
ワーワー パチパチパチ ワーワー
白糸台高校に通う弘世菫。彼女はごく普通の高校3年生であった
しかし友人・宮永照の正体をひょんなことから知ってしまい物語が動き出す
宮永照は本当は人間ではなく伝説のプロ麻雀せんべいカードの守護神の2人のうちの1人であった
このことは誰にも言ってはならない秘密であったが、友人・弘世菫をだまし続けることの
後ろめたさに耐えかね正体を告げる…
その日から二人で各地に散らばったプロ麻雀せんべいカードを集める旅が始まった…
順調に旅を続ける二人の前に謎の二人組、淡と尭深が登場する。
彼女たちもプロ麻雀せんべいカードを集める旅をしているということで友好を深めるが、
カードの独占をたくらむ淡と尭深は寝込みを襲いカードを奪おうとするも未遂に終わる
互いの信頼は砕け散り、四人は戦うことになる…
そこに新たな少女、亦野が現れ物語は更なる混沌へと誘われていく
尭深をめぐる淡と亦野の戦い…淡の衝撃の正体…
菫と照は真実にたどりつけるのか…
照「好きなんだもん、当然」
亦野「菫先輩、衣装の発注終わりました。2週間で届きます」
尭深「小道具、大道具も部員みんなで手分けしてやれば余裕を持って本番を迎えられます」
菫「ご苦労、一息いれてそれから練習にしよう」
淡「ねーねーテルー、この漢字なんて読むの?」
照「ん?ああ、それはね…」
尭深「…まずは先輩たちの最初のシーンから・・・ですね」
淡「じゃ~どうぞ!」
菫「・・・ああ///」
~~~~~~~~~~~~~~~~~
照『急にこんなところに呼び出して悪い』
菫『べ、べつに…いい・・・』
~~~~~~~~~~~~~~~
菫「いえるかぁ!こんなせりふ!!」
尭深「これ///」ニヤニヤ
『別にいいにゃん!それよりなにかにゃん、テル?』
亦野「最初の一言目からだめなんですか~」ニヤニヤ
菫「む、無理に決まってるだろ!だいたい最初はこんなのじゃなかったはずだろ!」
照「悪い、昨日書き直した」
菫「お前はなんでそんなところに無駄に行動力があるんだ!!」
照「え~会心の出来だと思うんだけどな~」
菫「いいから!」
照「もう…わかったよ。そういうと思って、語尾が普通のやつも作っておいてよかった・・・はいこれ」
菫「だったら、言われる前に出せ!!」
尭深「…」チッ…
淡「3・2・1・はいどうぞ~」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
照『急にこんなところに呼び出して悪い』
菫『別にいいにゃん!それよりな…にか・・・』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
菫「直してないじゃないか!思わず言ってしまった!!///」
照「間違えた、こっちだった」
尭深「照先輩…」チョイチョイ
照「何、尭深?」
尭深「録音完璧です」ポツリ
照「おまえは最高の後輩だ!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
菫「そんなこんなで文化祭一週間前になった」
菫「衣装が今日完成する予定だったな、亦野」
亦野「はい、本日1600に届く予定になっています」
菫「(ひとろくまるまる?)…衣装が届き次第衣装合わせだ、会議室を取っておこう」
尭深「小道具、大道具ともに大きな進行の遅れはありません。予定通りに納品予定です」
菫「わかった、では衣装納入まで自由時間だ」
尭深「市販の衣装に少し手を加えたものだよ…」
淡「へー」
尭深(二人を除いて…ね?)ニヤッ
尭深「あ、ちょっと写真部に用事があるから…」
淡「へ?うんわかったタカミ、またあとでね~」
尭深(ふふふっ、楽しみ///)
菫「衣装が届いた、上下セットになっているので確認してくれ」
菫「それでは呼ばれたものから受け取りに来てくれ」
菫「同級生A役、モブ1」
モブ1「はい」
菫「武器屋役、モブ2」
モブ2「はい…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
菫「これが照、おまえので…残ったのが私のだな」
照「あ、ありがとう…どれどれ…え?」ガサゴソ
菫「どうした照…って、え?」ガサゴソ
菫「…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
露出度高めの巫女服(例:はっちゃん)
照「…」
照「じゃあ間違えて届けられたのかな!そうだ、そうにちがいない!」
亦野「いえ、ちゃんと発注通りに届けられてますよ」
菫「い、いやしかし…」
亦野「届いたのは仕方ないですよ、もう予算もないんですし我慢してください」
照「で、でもこれはダメだろ、痴女じゃないか!」
亦野「大丈夫です、永水の副将も似たような服着て全国大会でてましたし」
照「で、でも…」
モブ2「防具は装備しなければ意味がないよ」
菫「武器屋は黙っていろ!…うう///」
照「そっちはまだましだよ・・・///」
亦野「覚悟を決めてください」
照「…」
菫「ほら、照も」グイグイ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
着替えはキング・クリムゾン!!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
菫「き、着替えてきたぞ・・・///」
照「・・・・・・・・・・・死にたい」
淡「似合ってるよ~二人とも」プププ…
亦野「サイズはどうですか?」ククク…
菫「二人ともピッタリだ、問題ない///」
照「チーズ蒸しパンになりたい…」ブツブツ
菫「え”…」
照「長野にいる妹に伝えてほしい…愛していると…」ブツブツ
尭深「こちらを向いてください」ジャキーン!
菫「待て待て待て!」
尭深「せっかくなんで決めポーズでお願いします」ワクワク
照「もう・・・何も怖くない…」ピース
菫「うぅ~・・・///」ピース
尭深「はい笑顔で~いいよいいよ~」カシャカシャ
照「これが終わったら…妹に会うのが夢なんだ…」ブツブツ
尭深「いいね~じゃあちょっとぬいじゃおっか///」カシャカシャ
亦野「やりすぎだよ、尭深」
尭深「ごめん・・・///」
菫「よ、よし衣装の確認も終わったし練習だ!」
照「・・・うん頑張る」
菫「…おや?なんだか人が少ないな」
~~~~~~~~~~~~~~~
尭深「照先輩の写真500円から」
モブ1「1000」ハイ
モブ3「3000」ハイ
モブ2「5000」ハイ
淡「10000」ハイ
~~~~~~~~~~~~~~~
なんやかんやで文化祭当日
菫「さて、準備はいいか?」
照「うん」
菫「そういえば、おまえ妹を招待したんだったかな?」
照「うん…」
菫「そうか…大会の後、こまめに連絡は取ってるのか?」
照「おはようからおやすみまでメールしてるよ」
菫「…終わったら少し話し合おうか、照」
淡「ん?テルー、なに客席見てるの?」
照「…大切な人を探しているだけさ」
亦野「淡~、尭深が探してたよ」
淡「え?なんだろ、今いくよ~」
菫「…」
照「…」
照「…うん」
菫「ひょっとして、魔法少女が好きなのはお前の妹なんじゃないか?」
照「…うんそうだよ」
照「この話は…咲の昔好きだった話を参考に書いたんだ…」
照「主人公に菫を使ったのは私の趣味なんだけどね」
菫「…それで?」
照「だからこうして昔好きだった話を見たら昔みたいに…話せるかなって…」
菫「…やれやれ、仕方のないやつだなお前は…」
照「菫・・・」
菫「…他でもないお前のためだ、最高の魔法少女を演じてやる///」
照「ありがと、菫」
菫「感謝は終わってからにしろ…さぁ一度みんなの所にいくぞ」
菫「さてもうすぐ舞台の幕が上がる、精一杯楽しむぞ!」
亦野「はい」
淡「うん!」
尭深「はい///」
照「ああ」
モブ’s「はい!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
パチパチパチパチ パチパチパチパチ パチパチパチパチ
ナレーション『ここは白糸台高校…そこにごく普通の少女、弘世菫とその友人宮永照がいた…』
ナレーション『彼女たちの日常は宮永照の告白により大きく変わろうとしていた…』
照(咲はいるか…あ!いた!咲だ!おーい)
菫(照!集中しろ!お前のセリフだ!)
照(あ…ごめん)
照『きゅ、急にこんなところに呼び出して悪い』
菫『別にいい、それより…なにかあった?』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
照『ありがとうスミレ、私のことを信じてくれて…』
菫『もちろんだよ、だって親友だもの』
菫(さぁこのあとは早着替え…うう、あの衣装か…)
照『さぁ、旅に出よう。私の力で旅にピッタリの服をだしてあげる!』
照『えい!』スモークモワモワ
菫『きゃー』
菫「急げ、時間ないぞ」ヌギヌギ
照「わ、わかってる…」キガエキガエ
菫「…よし、間に合った…」
照「…こっちも」
照『おやすいごようだよ、スミレ』チジョスタイル
ザワザワ ミ、ミヤナガセンパイ… ウソダロ… オネイチャン…
菫(会場がざわついているな…仕方ないだろう、いきなり痴女が二人現れたんだ)
菫(ここで取り乱したらいけない…冷静に演技を続けよう)
菫『さあ旅に出ましょう、カードを集める旅を!』
照『え…あ、そうだね行きましょう、こちらです!』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
淡「おつかれ!次は私とタカミの出番だから少し休んでて!」
尭深「行って来ます///」
菫「ふぅ…大丈夫か」
照「うん…やっぱり恥ずかしい…///」
菫「妹のために我慢しろ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
キング・クリムゾン!!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
照『このカードを使って淡を倒して!』
菫(照も慣れてきたみたいだな…)
菫『それはできない…だって彼女は…』
淡『いわないで!』
菫『…もう一人のお前なんだ!』
照『な、なんですって』
菫(このあとは私の必殺技…だったな・・・ハァ…)
照『でも…ううん、あなたを信じるわ』
菫『ありがとう、絶対成功してみせる』
淡『あたしのことはもういいの!あたしごと亦野を葬って!尭深の仇をとって!』
亦野(バーサーカー)『ウガァアァァァァッァ!!』
菫『大丈夫…あなたも救ってみせる!』
ここは思い切りいけ
亦野(バーサーカー)『ウガアアァァ!!』ドシュッ…
淡『やったの・・・?』
亦野『マダダ…マダ…・・・グフッ…』バタリ
照『終わったわ…』
淡『でも…タカミが…グスッ(目薬)』
菫『大丈夫・・・ほらあそこを見て・・・』
淡『!?タカミ!でもなんで…』
菫『あの攻撃の前に魔法をかけておいたの』
菫(ご都合主義だな・・・おい・・・)
尭深『・・・あわ・・・い?本当に・・・淡なの?』
淡『うわーん』ダキッ
尭深『甘えんぼさんね・・・淡?』ナデナデ
菫『これでカード全部そろったね…』
照『うん…そろっちゃったね…』
菫『これで本当にさよならなの?』
照『…うん』
尭深『淡…さよならはいわないよ・・・だから、またね』
菫『いやだ、別れたくない!』
照『・・・大丈夫、また会えるよ…』
菫『嘘じゃないよね…』
照『約束する…』
ナレーション『そしてカードの守護神2人はいなくなった・・・』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
教師(モブ4)『今日は転校生を紹介する・・・ほら挨拶して』
照『宮永テルです。ただいま、スミレ』
菫『・・・おかえり、テル』
ナレーション『彼女の友人・宮永照は約束を守り、彼女の隣に再び戻ってきた』
完
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ワーワー パチパチパチ ワーワーワーワー パチパチパチ オネイチャン…
菫(え…なんでこんなところにバナナの皮が…あ、亦野が変身するのに使ったんだっけ・・・)コケッ
ドッシーン
菫「いたたたた…」
ザワザワ ヒ、ヒロゼセンパイ… シャメトレ、シャメ ケイオンカヨ…
照「す、菫・・・」
菫「どうした?」
照「・・・見えちゃってる」
菫「・・・?」
菫「//////」バッ
その後のことを少し語ろう…
私は公演の後、妹に少し距離を置かれたがすぐに昔のような姉妹に戻れた。
亦野はあの迫真の演技を買われて演劇部に勧誘されている。
尭深は写真の販売で儲けたらしい、何の写真かはしらない。
淡はで私の真似をして物語を書いている。今のブームは官能小説・・・やめさせるべきだろうか?
菫は引きこもりになった。
菫「ふふふ、ピースかわいい」スマーイルプリキュア
照「もう一ヶ月も出てないんでしょ、みんな忘れたって」
菫「私は~シャープシューター・・・なんてね…」
照「麻雀部のみんなも待ってるんだからね」
菫「…もう少し待ってて」
照「…約束だからね」
終わり
とりあえず乙!
菫「終わったな…」
照「そうだね…」
菫「…お前は妹のところに行け」
照「…え?」
菫「行きたいんだろ・・・行け」
照「…うん、ありがとう」
尭深「先輩…」
菫「なんだ?」
尭深「みんな探してますよ///」
菫「ああ悪い、今行く」
~~~~~~~~~~
咲「お疲れ様、お姉ちゃん」
照「どうだった?」
咲「覚えててくれたんだね・・・あの話…」
照「もちろん…お前が作った話だからな…少しアレンジはしたが」
咲「アレンジしすぎだよ…あんなに恥ずかしい格好の登場人物いなかったのに」クス
照「あ、あれは…ちょっとした手違いで…」
照「…」
咲「こんなまわりくどいことしなくてもいいんだよ…」ギュ
照「…咲、ありがとう」ギュ
咲「ねえ、今日は一緒にかえろうよ」
照「ああ、ちょっと待っていてくれるか」
咲「約束だよ?」
照「うん、約束」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
亦野「お疲れ様サマです」
菫「この後は隣の部屋を使って打ち上げだ、菓子や飲み物はもう準備されている」
淡「わーい!スミレ大好き~」
尭深「TVはありますか?」
菫「あったはずだが・・・どうした?」
尭深「いえ…何でもないです」ニヤ
「「「「「「カンパ~イ」」」」」」
~~~~~~~~~~~~~~~~~
一時間くらい
~~~~~~~~~~~~~~~~~
尭深「・・・・・・」ゴソゴソ
亦野「お、そろそろ?」
尭深「うん///」
菫「?なんだ」
尭深「見てもらえばわかると思います///」
菫「そうか、見せてみろ」
尭深「では…」スイッチオン
照『きゅ、急にこんなところに呼び出して悪い』
菫『別にいい、それより…なにかあった?』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
菫「ブフォ」
淡「あ~今日のやつ?見たかったんだ~」
尭深(自分の演技を客観的に見るのはつらいはず)ニヤリ
亦野(それも魔法少女を演じている自分を見るなんて…)ニヤリ
菫『私に任せて!私の必殺・シャープシューティングならなんとかなるから!』
~~~~~~~~~~~~
菫「もうやめてぇ・・・おねがいだからぁ・・・」
淡「え?カッコいいじゃん、スミレ」
亦野(人の嫌がることをするのがこんなに楽しいとは…)
尭深(なるほど、これが・・・これこそまさに…)
亦野・尭深(愉悦ッ!!!)ニヤニヤ
亦野「ねぇ、先輩の顔よく撮れた?」ボソ
尭深「もう少しほしいかも」ボソ
淡「あ~面白かった!もう一回見ようよスミレ」
菫「え・・・いや、ちょっと…」
淡「いいからいいから」ニヤリ
淡「これでいいのかな?」ボソリ
尭深「よくできました、淡ちゃん」ボソ
亦野「100点だ、淡」ボソ
菫「もうやだおうちかえる・・・」グスッ…
尭深「か、かわいい…」カシャカシャ
亦野「破壊力あるな、これ」キュン
淡「スミレどうしたの?」ニヤニヤ
菫「あわいちゃん、あのね、すみれね、もうおうちにね、かえりたいの」グスン・・・
尭深「どうしよう・・・」
亦野「お持ち帰るか・・・」
尭深「そうね///」
淡「あたしもいい?」
菫「うん、たかみちゃんかえろ」グスン
亦野「ほら、手を繋ごうか」ギュ
淡「あ、ズルい。あたしも」ギュ
菫「おとーさんとおかーさんみたーい」キャッキャ
尭深「それじゃあ行きましょう」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
咲「お、おじゃましま~す・・・いないね?」
照「この時間ならまだいるはずなんだけど・・・帰ったのかな・・・」
咲「お姉ちゃん、私たちも帰ろうよ」
照「…そうだな、帰るか」
咲「うん・・・手つなごうよ」
照「咲は甘えん坊だな・・・ほら」ギュッ
咲「懐かしいな・・・お姉ちゃんの手」ギュッ
照「さ、帰るぞ・・・」
菫「…状況を整理しよう」
菫「なぜか昨日の記憶があいまいだ」
菫「ここは・・・どこかのホテルだ。おそらくいかがわしい方の」
菫「私は服を着ていない」
菫「・・・同様の姿の後輩、2年が二人、1年が一人」
菫「この状況から察するに…」
菫「なるほど、これは夢だ。よし寝よう」
淡・尭深・亦野「Zzz・・・」
カン
おつおつ
Entry ⇒ 2012.08.16 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
照「咲からお年玉を借りてたことが発覚した」
幼咲「だって麻雀で負けたのはお姉ちゃんだよ…」グスン
幼照「だったらお年玉を貸してよ!いつか返すから!」
幼咲「…本当に?」
幼照「本当だよ!約束を紙に書いておけば、ぜーったいに忘れないから!」
・
・
・
照「忘れていた…」
照「う…」グサッ
渋谷「妹さんが本当に不憫です…」
照「ぐっ…」
亦野「私だったら姉を殴ってでも…」
照「えっ」
淡「…それで、何で今まで気付かなかったの?」
照「ああ、荷物を整理してたらこの紙が見付かったんだ…」ペラッ
わたし、みやながさきはおねえちゃん みやながてるに
おとしだまの8000えんをかします。
りそく 1ねん 100ぱーせんと
みやながさき(印) みやながてる(印)
菫「えっ」
渋谷「えっ」
亦野「えっ」
淡「えっ」
照「え?」
照「確かにパーセントをひらがなで書くのはおかしいが、十年前の話、問題は無い」
照「この丸っこい子供らしい字がまた可愛いと思わないか?」
渋谷「そうじゃなくて…」
照「この文字を可愛いと思わないのか…?」ゴゴゴ
渋谷「ひぃっ」
淡「…何で利息が書かれててるのー?」
亦野(一年に100%で二倍の…そのまた二倍の…)
菫「そう言う割には実際忘れていたわけだが」
照「うぐっ…だが今返せるなら問題は無い」
渋谷「返せる可能性ですが、限りなく低いと思いますが」
照「何で?1年に100%ってことは8000円」
照「つまり10年経った今でも確率は100%以上になることはないから8000円返せばいいんだろう?」
菫(…ああ、所詮は子供の頃の話か)
照「え」
淡「確率じゃなくて割合の問題だから、返さなきゃいけないお金は」
借りた金額×(1×利息)
淡「で求められるの。先輩の場合は」
8000×(1×1)
淡「で、8000円多く返さないといけないの」
照「え」
淡「しかもそれが十年分だから」
8000(元々借りた金額)+8000×(1+1)×10
=88000円
照「えっ…」
渋谷「…もっとひどい話になりますから、一回深呼吸してください」
照「すーっ、はーっ…ひどい話って?」
渋谷「複利と言って、利息分の金額からまた利息を取る方法があってですね…」
照「???」
菫「…つまりだな」
10000円、利息1年20%、複利じゃない場合
2年後返さなきゃいけない金額=14000円
複利の場合
10000×(1+0.2)の2条
=14400円
菫「つまり複利の方が多く返さないといけないんだ」
照「ああ、良く分かった」
渋谷(多分嘘ですね)
8000×(1+1)の10乗
=819,2000円
照「」
亦野「800万…GTOを思い出す金額ですね」
淡「言いたい事も言えないこんな世の中じゃ~♪」
菫「ポイズン」
渋谷「えっ」
菫「…返せる算段はあるのか?」
菫「別にこれは利息が高すぎるから、法律上は払わなくてもいい」
照「」
菫「…だが、これはお前の身内の問題だろう。結局返して貰えなかった妹さんの気持ちはさぞやつらかったろう」
照「」
菫「単利だったら返せる可能性もあるんだ、今からこつこつとだな…」
照「…ない」
菫「え?」
照「…この紙に従う必要は、どこにもない」
渋谷「誠子、落着いて!部室が歪んでるから、ねっ?」
淡「最低です、宮永先輩」
照「違う!思い出したんだ、この紙は咲が書いて…」
照「私の方が書いた紙を咲に渡したんだ」
菫「…つまりお前は自分の書いていた借用書の方を信じると?」
照「ああ…昔の私が書いたものに私は従う…その金額を絶対に支払う」
淡「もしも返せなかったら?」
亦野「その時は私の当てない打撃を」
照「いや…麻雀の表舞台から去る!」
菫(絶対裏に潜る気だな)
淡「えっ、私?」
照「いざ直接話そうと思ったが、良く考えたらもの凄い恥ずかしい事だった…」
菫「思い出し泣きもありえるが、身内の話は身内内で済ませようと思わないのか?」
照「…よ、よし…かけるぞ…」
照「も、もしもし…咲…私だ…」
照「え…いや、違う!詐欺じゃない」
照「何か秘密を言ってくれって?で、でも今は部室の中で…」
照「う…うぅ…鼻に八筒を突っ込んで死にかけた事がある!これで良いか?」
照「ああ、咲、お姉ちゃんだよ…それで…」
渋谷(なんだかもの凄い妹さんですね)ヒソヒソ
亦野(姉が姉だから、納得できる点はあるがな)
・
・
菫「今日に妹さんが照の書いた借用書を持って来る筈だが」
渋谷「駅前で待ち合わせなのに、宮永先輩は先に迎えに行くって行ってどこかに行って」
淡「セーコは変なロシア人と一緒にどこか行っちゃったし」
菫「こんな時の為にGPS携帯が役に立つ」ババーン
渋谷「本当に探索が楽になりましたよね」
菫「ああ、それで現在の位置は…新宿駅か」
亦野「お待たせ、他の選手に交替してきた」
菫「前よりはましだったけどな…何故か炭鉱の中で変則的な麻雀をやらされた時と比べると」
淡「セーコがいなかったら本当に今私達はどうなっていた事か」
咲「あの、初めまして…」ペコリ
渋谷(かわいい…)
照「たかが4文字で咲を表すんじゃあないっ!」ゴゴゴゴ
渋谷「ひぃっ!」
亦野「マタノコプターは中々楽しかった…それで、持って来たのか?」
照「咲…本当に申し訳ない…だが、今は…」ムギュッ
咲「!?」
照「今の私なら、昔の過ちにも逃げない、しっかりと向き合ってみせる」
照「こんな時の為に利息を設定したんだ、絶対に返してみせる…何年かかっても」ナデナデ
咲「お姉ちゃん…」グスッ
照(ああああああ咲かわいいよ咲良い匂いするよおおおおお)フンカフンカ
咲「うん…これなんだけど…」ペラッ
~~~~~~~~~~~~~~~~~
幼咲「おかあさん、りそく?ってなに?」
咲母「何パーセントか約束の日までに返せなかったら多めに返さないといけないことよ」
幼咲(…おとしだま、だから…1ねんで…ぱーせんとは…100ぱーせんとかな)カキカキ
幼照「おとーさん、りそく?ってなに?」
照父「何割か割り増しで払わないままだと東京湾に沈められる愉快なシステムだよ」
幼照(おとしだま、だから…1ねん…わりあい?わかんない…)
幼照(えーと…こうかいとく!)カキカキ
返せよ、借りた金は。ってこえーよwww
わたし、みやながてるはいもうと、みやながさきからおとしだまをかりました。
きんがく 8千円
りそく 1年 8千わり
きげん いっしょう
みやながてる(印) みやながさき(印)
淡「」
渋谷「」
亦野「」
菫(ああ、借りた金額と利息をごっちゃにしたのか…にしてもこれは…)
照「あ…あ……?」ガタガタガタガタ
咲「見付けた時は驚いたけど、あそこまで言ったならちゃんと返してね?」ニコッ
咲「因みに今お姉ちゃんが私に返さなきゃいけない金額は単利で64,072,0000円」
咲「複利だと859100839に0が44個付くけど…」
咲「お姉ちゃんの気持ちが本物なら、複利でも大丈夫だよね!」ニッコリ
照「あ…あああ…」ガタガタガタガタ
咲「お姉ちゃん!返す前に一生を終えたら、お母さんに借金が回ってくるから…」
咲「なるべく早く、耳を揃えて返してね♪」スマイルッ
照「うわあああああああああっ!」
カン
全く使いなれない桁なせいで凄さが判らないおつ
そこらへんの数字が使われるの初めて見たわ
咲には和の親がついてるからな
金持ちらしいし結構有名な弁護士だろうから勝つのは難しい
どんな弁護士でも8000割じゃ勝てねえよw
Entry ⇒ 2012.08.16 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
菫「君の心にシャープシュート!」 照「は……!?」
照「菫が部室に入った時からかな」
菫「最初からじゃないか!」
照「そうなの?」
菫「そうだろ!そして頼む!この通りだ、今のは忘れてくれ!」ドゲザー
照「それは無理」
菫「お願いします!」
照「忘れようにも、ほら動画撮ってあるから」
菫「」
はい
菫「うるさい」
照「頼むよ、もう一回だけ」
菫「うるさいだまれしね」
照「頼むって」
菫「うるさいうるさいうるさいうるさい」
照「……もう一回やってくれたら動画消すから」
菫「……本当か?」
照「本当だ(まあウソだけど)」
はい
照「消すって」
菫「本当に本当に本当に消すんだな?」
照「消すから」
菫「よし……」
照(こんなこともあろうかとあらかじめコピーしてあるから意味無いけどね)
菫「やるぞ…いいか?」
照「どうぞ」
淡「こんちわー」ガチャ
菫「きっ、君の心にシャープシュート!」カアァ
淡「えっ」
淡「えっと、菫先輩?」
菫「うわああああああああああああ」
淡「今のは…」
菫「聞くなああああああああああああ」
照(計画通り)
淡「テルー、今の何?」
照「あぁ、菫の必殺技(射殺)だよ」
淡「えぇー何それダサっ」
照「全くだ」
菫「死にたい」
淡「まぁまぁ」
菫「…」グスン
照(いやーしかし本当に菫をイジるのは楽しいな)
淡(ですね。見てるとこう…グッと来るものがありますし)
照(泣いてるときはネコミミみたいな髪が下向きになるんだな)
淡(新発見ですね。かわいいです)
菫「どうしてこんな…ウッウッ」グスン
照(かわいいなぁ)
淡(ですね)
照(立ち直ったかな)
淡(早いね)
菫「照ゥ!!」
照「どうかした?」
菫「とりあえず、動画消しといて」
照「あ、うん」ピッピッ
照(まあコピーしてあるけどね)
菫「淡ィ!」
淡「はい」
菫「今のは忘れろ」
淡(そんな無茶な)
照(実力行使か)
淡(助けてテルー!)
菫「聞いているのか?忘れろと言っているんだ」
淡「わ、わかりました」
淡(無理ですよ)
菫「そして照」
照「はい」
菫「言うまでもなく忘れろよ?でなければこいつで…」ギリギリ
照「はい。忘れます。だから射らないで」
菫「わかればいいんだ」スッ
照(こわかったなぁ)
淡(眼が本気だったね…)
照(それにしても…)
菫「…」
照(今はすました顔をしているアイツがさっきまであんなことをしていたと思うと…)
淡(やばいよテルー、笑っちゃいそう)
照(こらえろ!今笑ったら殺されるぞ)
淡(笑ってはいけない白糸台だね)
照(そういうこと言うなバカっ)
淡(むっ、バカって言った?)
照(やめろwwwww)
淡(ネコミミ魔法少女17歳シャープシューターすみれ)
照(やめろってwwwww)
淡(もしかしたら、家でもやってるかもしれませんね、真顔で)
照「まがおwwwwwwwwww」
菫「…」クルッ
照(やべっ)
淡(真顔でこっち見たwwwwwwwww)
SSSSSだ
照「いや、何も」キリッ
淡(この顔ですよ、いつも家でシャープシュートしてるときの顔)
菫「本当か?」
照「なっ、なんでも、ないっクッ」プルプル
菫「なぜ俯くんだ」
淡(シャーープシュートwwwww)
照「フフッ、なんでもないっからっ」プルプル
照(おねがいだからやめて淡wwwww)
照(危ない所だった)
淡(なかなかやるね、テルー)
照(お前のせいで死にかけたぞ)
淡(ごめんね、つい)
誠子「遅くなりました」ガチャ
照(やべっ、コマンドー来たwwwww)
淡「コマンドーwwwwwwww」
誠子「あ?」
淡(やべっ)
誠子「…」ジーーーー
淡(沈黙が恐い)
誠子「…」ジーーーー
淡(マジ恐い)
照(笑ったらHK91で撃ち殺されるぞ、ズドンと)
淡(不意討ちやめて!)
誠子「…」ジーーーー
誠子「…部活後に殺す」
淡「えっ」
照(似すぎィ!)
照(落ち着け淡。あれは誠子の持ちネタだから)
淡(持ちネタだったの!?)
照(うん、だから殺されるわけじゃないよ)
淡(よかった~)
照(そうだ、菫の完全版シャープシュート見る?)
淡(見る!)
照(ほら)ピッピッ
携帯「イクワヨ!コイノユミヤデキミノ…」パタン
照(やべっ音量が)
菫「ほう」ギュルン
照(180度回ってこっち見た…)
菫「おいィ?照ゥゥ??」ギュルンスタスタ
淡(戻ったけどこっち来た!逃げよ)
照(淡!裏切り者!)
菫「照ゥゥゥゥ??今のは何かなァ??」スタスタ
照(あばばばばば)
淡(菫先輩の背後に邪鬼が見える…)
菫「もしもし照ゥゥ????」スタスタ
照「いや、その」
菫「どうして消えてないのかな??どうして消えてないのかな??あははははっ」ケラケラ
淡(KOEEEEEEEEE!!)
菫「ちょっと貸してね」スッ
照「私の携帯っ」
菫「ん?」バキャァ
淡(片手ですかー!)
菫「正座」
照「ハイ」スッ
照「は、はい」ビクビク
菫「当然覚悟は出来てるよねェ?」ニコニコ
照「で、でも」
菫「あぁぁん!?」ダァン!
照「スンマセッ」ビクッ
菫「でもじゃねぇぞクソが!てめぇブチ殺されてぇのか?あぁぁ?」
照「」ビクビク
淡(マジかよ)
尭深「こんにちわ///」ガチャ
菫「」ギロリ
照「スンマセッ」
尭深「どうしたの…?」
淡「たかみーは関わらなくていいことだよ」
尭深「…?」
菫「さて照」ニコニコ
照「ハイ」
菫「お前には罰ゲームを受けてもらうとしようか」ニコニコ
照「ハイ」
菫「みんなで照にどんな罰ゲームをさせるか考えようか」ニコォ
淡(この笑顔は…)
誠子尭深(逆らえない…!)
菫「じゃあまず私から、そうだなぁ鉄の処女とかどうかな?」
照「死んじゃうよ!」
菫「あ?」ギロリ
照「スンマセッ」
菫「淡は何かある?」ニコォ
淡「(笑顔が恐いです)そうですね、一週間掃除当番とかどうですか?」
菫「なんだかんだこのゴミムシに迷惑かけられたでしょう?」
淡(そう言われれば…)
~入学当初~
淡(ここが白糸台麻雀部…目指せレギュラー入り!)
淡「失礼します」ガチャ
照「ちょwwwww菫、擬人化ラーメンみたいな奴が来たぞwwwww」
菫「」バキッ
照「アフン」
※ギザギザの上に正座して重り乗せられるやつ
照「やめてよ!」
菫「黙れよ」
照「スンマセッ」
菫「次は尭深、何かある?」
尭深「えっと…」
菫「遠慮しなくていいんだよ?ホラ、一年前のちょうどこの時期にコイツがやった事を思い出して」
尭深「一年前…」
尭深「はぁっ、はぁっ」タッタッ
尭深「玉露、部室に忘れちゃった…!」タッタッ
尭深「私の玉露っ…」ガチャ
照「菫ー私特製のお茶ができたぞー」ジョー
尭深「」
照「ん?尭深も飲むー?」
尭深「」
照「おーい、お茶。なんつってwwwww」
尭深「」
尭深(せっかくの玉露が台無し、しかも不味い)
尭深(あの時ほど人を恨んだことはない)
尭深(…その感情が蘇ってきた)
尭深「…※ファラリスの雄牛」
※簡単に言うと火攻め
菫「素晴らしい」
照「そんなに恨まれるような事なんてしてないよぉ」
尭深「は?」
照「スンマセッ」
誠子「私は特に…」
菫「何いってるの、コイツの事恨んでないの?」
誠子「まぁ…」
菫「呆れた…あんな持ちネタ勝手に持たされて恨んでないなんて」
誠子「…」ピクッ
菫「満更でもない感じ?コ マ ン ド ー さ ん」
誠子「…」ピクピクッ
誠子(最初は言われるのが限りなくイヤで)
誠子(あの時は事あるごとにイライラしていたんだった)
誠子(…憎い)
誠子(…この沸き上がる感情を忘れさせていたコイツが憎い!)ギロッ
菫「…で、何かある?」
誠子「当然。親指でも締めるか」
照「麻雀できなくなっちゃうよ」
菫「むしろ死ね」
照「スンマセッ」
菫「照?少しだけ情けをあげるわ」
照「えっ」
菫「四つの中からあなたが選ぶの」
菫「優しいでしょ?」ニコォ
照「ソッスネ…」
菫「鉄の処女、石抱き、ファラリスの雄牛、指締め」
菫「この四つから選ぶのよ」ニコォ
照「私…」
照「私は…」
菫「…」
照「菫、ごめん。騙してた。後で家にかえってペロペロしようと思ってたんだ。ごめんなさい!」
照「淡、ごめん。入学当初にラーメンの擬人化って言って本当にごめん!言い過ぎた」
照「尭深もごめん!尭深のって分かってて勝手に玉露使った。本当にごめん!謝っても謝りきれない」
照「誠子、毎日コマンドーって言ってごめん!嫌だったよね。本当にごめんなさい!」
照「みんな本当に本当に、ごめんっ!」ドゲザー
菫「…」
菫「…てる」
照「…え?」
菫「私は、土下座の無意味さを一番良く分かってる…!」
照「え?」
不意打ちすぎてワロタ
照「ちょ、ちょっと」
菫「どこであれ土下座ができる…!例えそれが…」
照「許してくれる流れじゃ…」
菫「肉焦がし…骨焼く…鉄板の上でもっ………!」ユビパッチン
鉄板「ども…」ジュー
照「なんで!?どこから!?」
菫「さあ…」
淡「さあ…」
尭深誠子「さあ…!」
照「ぐにゃ~」
\テルーゴハンヨー/
照「ゆ、夢か…」ドキドキ
照「まったく、どうなることかと思った」
\テールー/
照「はーい!今行くからー!」
照「…」
照「今日は誰をイジろうかな」
おわり
おつおつ
二部は多分ありません
あるとしたら次立てるスレがそれです
Entry ⇒ 2012.08.15 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
怜「お疲れ会やて」
ベスト8の学校同士でお疲れ会が開かれる事になった。
そしてここはAブロックの準決勝先鋒戦を戦った者達の集まり。
怜「……」
煌「……」
玄「……」
照「……」
怜「……あ、アレやな、お疲れ会とは言うても、こないだまで真剣勝負をしとった相手と面と向かって話し合うっちゅーんは、ちと違和感あるなぁ」
煌「特に園城寺さんの場合は、文字通り命懸けでしたものね」
照「……悪かったな」
煌「いえ、別に宮永さんが悪いと言っているワケでは……ね、園城寺さん?」
怜「まあな。対局中は連荘止めんのに苦労させられたけど、そこはまあ勝負やし、今思い返せば楽しい思い出や」
怜「少し頑張り過ぎたからなぁ、でも今はもうこの通り大丈夫や。心配してくれてありがとうな」
煌「ですが素直に『すばらっ』とは言えませんよ、そういう無茶は」
照「やっぱり私のせいで……」
怜「新道寺!」
煌「すばらっ!」ペシ
照「痛ッ!?」
怜「まるで判ってへんな、チャンピオン」
照「へ……?」
煌「何故園城寺さんが……いいえ、わたくし達がそれだけの無茶をしたのか、それだけの無茶ができたか」
煌「それは偏に宮永さん、貴女がいたからなのですよ」
照「……やっぱり私のせい」
怜「阿知賀!」
玄「やめるのですッ!」ペシ
照「痛ッ!? ……またぁ?」
怜「『アンタに勝ちたい』。そう思えたから全力以上のものが出せたんや」
玄「それを人は『切磋琢磨』と言うのです!」
照「……私が……いたから……?」
怜「結局届かんかったけどな」
煌「一矢は報いたつもりですよ」
玄「私だって!」
照「貴女達……。ありがとう」テレテレ
玄「えへへ」
照「そ、そうか?」アセアセ
煌「そうですね。雑誌などで拝見した時は明るい感じの方かと思いましたし」
玄「対局した時は、クールな人かとも思いました」
照「……」
怜「……自分、ホンマは根暗やろ?」
照「!?」
怜「図星やな」
煌「図星、ですわね」
玄「ですね!」
怜「判っとるわ。美人やけどちょっと無愛想やから、周りの連中も声を掛けづらいだけなんやろ?」
煌「その無愛想なまま麻雀を打って、それで強いものですからさらに周りの人々が距離を取ってしまっただけなのでしょうね」
玄「ですね!」
照「うう……」
怜(……なんやこのチャンピオン、かわええな///)アイコンタクト
煌(園城寺さんが倒れた時もなんだかオドオドしている様子でしたし、根は臆病なだけかもしれませんね///)アイコンタクト
玄「ですね!」ニコニコ
照「?」
煌「そうですね。まだわたくし達はお互いの事をほとんど知りませんし……まあ、知り合う為のこの会なのでしょうけど」
照「私達の共通の話題といえば……」
玄「麻雀ですね!」
怜「やっぱそれしかないな」
煌「すばらっ!」
照「でも代表校同士の対局は御法度なんじゃ……」
怜「堅い事言うなや優等生。もう団体戦は終わっとるし、チャンピオン以外は個人戦には出てない。大丈夫やろ」
煌「それに麻雀インターハイに出場した選手を集めて、麻雀を打つなと言う方がムリというものですよ」
玄「ですね!」
照「はやくはやく!」
怜「判ってるからはしゃぐな」
怜(なんや、チャンピオンも随分砕けてきたなぁ)アイコンタクト
煌(それだけわたくし達に心を開いてくださっている、という事なのでしょう)アイコンタクト
煌(それはとてもすばらな事ですよ。宮永さんにとっても、わたくし達にとっても)アイコンタクト
玄「皆さん、せっかく打つんですから、ここは一つ賭けをしませんか?」
照「賭け?」
怜「ほう、面白そうやな」
煌「なにを賭けるんですか?」
玄「単純にして明解! 半荘一回勝負で、一位の人が他の三人に一つだけ命令できるのです!」
東:煌 南:怜 西:玄 北:照
照「ツモ! 300・500!」
煌:24500 怜:24700 玄:24700 照:26100
煌「おや、東一局は様子見ではないのですか?」
照「貴女達の手の内はもう判っているから、その必要はない」
怜「なら、ウチも出し惜しみしとる場合じゃないな。いくで!」
玄「私だって!」
東:怜 南:玄 西:照 北:煌
照「ツモ! 800・1600!」
煌:23800 怜:23100 玄:23900 照:29300
怜「流石に安手やと止めようがないな」
煌「ですが、和了すればするほど手は狭まっていきます。ドラは松実さんが抱えていますから、点数を上げていくのは難しいですよ」
照「だからこそ、楽しい」
怜「……ほう」ジィー
照「な、なに? 私の顔になにか付いてる?」アセアセ
怜「いや、麻雀中でも笑えるんやな、と思うてな」
照「え?」
照「そ、そんな事ない! ただ、あんまり知らない人と打つのは少し緊張するというか……」
煌「それではわたくし達は、宮永さんのお知り合いになれたという事ですかね?」
照「……照」
煌「はい?」
照「照って呼んで。みんな……と、友達……だから」
怜(キタで!)アイコンタクト
煌(すばらっ!)アイコンタクト
玄「はい、照さん」
照「う、うん……///」
怜&煌(一番乗り持ってかれた!?)
怜「ウチは同い年やし、照って呼ばせてもらうわ」
照「うん! ……それと」モジモジ
怜「なんや?」
照「みんなの事も……名前で呼んで……いい?」ウワメヅカイ
怜「ぶはッ!!」ハナジブー
照「お、園城寺さん!?」
煌(お気持ちは判りますが、流石にその反応は変態チックですよ)アイコンタクト
怜(対面からモジモジとあんな上目遣いで見られたら、流石に耐えられんわ)アイコンタクト
怜「ちゃうやろ……」
照「え?」
怜「ウチの名前は怜や。怜って呼んでや」
照「それじゃあ……と、怜ちゃんって呼ぶね?///」
怜「ぐはッ!!」トケツ
煌「それではわたくしの事も煌と呼んでください、照さん」
照「うん! 煌ちゃん!」
煌「……」^q^
怜(新道寺! よだれよだれ!)アイコンタクト
煌(は!? ほぼイキかけましたわ……)アイコンタクト
怜(アンタも大概やな)アイコンタクト
玄「次は私の番ですよ、照さん!」
照「玄ちゃん!」
玄「照さん!」
キャッキャッ
怜(なんや、あの二人妙に仲ようなってるな。妬けるわぁ)アイコンタクト
煌(照さんには妹さんが、松実さんにはお姉さんがいらっしゃいますから、お互い姉妹のような感覚なのかも知れませんね)アイコンタクト
玄「あ、それいいですね。いいですよね? 怜さん、煌さん?」
怜「別に構へんよ。なあ、煌?」
煌「勿論すばらですよ。怜さ……ん……」
怜「ん? なんや歯切れ悪いな」
煌「なぜか怜さんとお呼びするのに違和感がありますね……。お姉様、とお呼びしてもよろしいですか?」
怜「な、なんでや?」
煌「なぜでしょうね? 自分でも判らないのですが、その方がしっくりくるのですよ、中の人的に」
怜「メタアピールやめい!」
玄「それじゃあ東三局、行きましょうか」
怜&煌(流された!?)
東:玄 南:照 西:煌 北:怜
怜(そろそろ……ダブル! 二巡先や!)
――――――――――
怜(!? 玄ちゃんがドラを切ってくるんか? その次順では上がらんようやけど、張ったんか……)
怜「……」トン
玄「……」トン
照(玄ちゃんのドラ切り……。でも張ったという気配は感じられない)
照「……」トン
煌(すばらっ! 玄さんのドラ切りに対して照さんは強気にドラ側ですか)
煌(お姉さまの様子からすると次順で上がるという事はなさそうですが……取り合えずは現物ですかね)
煌「……」トン
照「ツモ! 1300・2600!」
煌:22500 怜:21800 玄:21300 照:34500
怜(照のツモは仕方ないとして……釈然とせんな)
煌(玄さんのドラ切り、あれはなんだったんですかね……)
玄「さあ、東四局ですよ」ニコニコ
東四局~配牌~
東:照 南:煌 西:怜 北:玄
怜(……ドラがきてる。これも玄ちゃんがドラを切った影響か?)
煌(ですが、こんな事をして一体なんの得が?)
照(私の打点上げが楽になるだけなのに……)
玄「ですね!」ニコニコ
怜&煌&照(判らない……)
怜(玄ちゃんの思惑が判らん。照の打点ももう無視できんところまできとるし……ここはトリプル! 三巡先や!)
――――――――――
怜(……三巡先で玄ちゃんのタンピンツモ? ドラは絡んでおらんようやけど……なるほど、ドラが来ない分、早く安い手が来るんか)
怜(こっちはドラや赤ドラが来る分手がバラけてる。鳴いてずらす事もできん)
怜「……」トン
玄「……」トン
照(……私より玄ちゃんの手の方が早い?)
照「……」トン
煌(お姉様のあの様子、数巡後に玄さんが和了るようですね。なんとか鳴いて行きたいところですが、対子はドラのみ。鳴けそうにありませんね)
煌「……」トン
玄「ツモ! 1000・2000!」ドヤゴン
煌:21500 怜:20800 玄:25300 照:32500
怜(……やはりきたか)
照(ドラはなし、か)
煌(照さんの連続和了を止め、親も流した……)
煌(本来であればすばらと言いたいところですが、これではお姉様とわたくしが焼き鳥になってしまいそうですね)
玄「さあ、南入ですよ!」ニコニコ
東:煌 南:怜 西:玄 北:照
煌(のみ手でもいいから、そろそろ上がりたいところですよね~)
煌「……」トン
怜(……アカン、さっきのトリプルやった反動でシングルすらできん)
怜「……」トン
玄「……」トン
照(まだドラが来る……。でも、やっぱり玄ちゃんの手の方が早い)
照「……」トン
南一局~七巡目~
玄「リーチ!」
煌(すばらっ! 玄さんがリーチをかけて来ましたか。しかし、お姉様なら何か対策を……)チラ
怜(スマン、視てなかった)
煌「」
照(今のツモでこっちも張ったけど、その為にはドラを切らなくちゃならない……)
照(普段の対局であれば回して行くところだけど……このドラは通る!)
照「……へ?」
煌:21500 怜:20800 玄:37300 照:20500
怜(よー判らんが照が玄ちゃんに放銃したで)
煌(お姉様の目は節穴ですか? 照さんは玄さんの能力を鑑みて、今はドラを安牌だと読んだんです)
怜(なんでドラが安牌なんや?)
煌(前局の玄さんの和了り手は見ましたよね? あの中にはドラどころかドラスジも絡んでいなかった)
煌(つまり、今の玄さんにはドラが絡む手は入らない。そう照さんは考えたんです)
怜(でも結局ドラが絡んだで?)
煌(おそらく、ドラがまた玄さんの下に戻り始めているのだと思います)
煌(そのタイミングで照さんは振り込んでしまった……いえ、振り込まされてしまったのでしょう)
怜(時間差ドラ爆、か……やっかいやな)
東:怜 南:玄 西:照 北:煌
怜(今回は完全にドラが来なくなったか。まあいい、取り合えず和了る事が第一や)
怜(高三にもなって焼き鳥とか、洒落にならん。ダブル! 二巡先や!)
――――――――――
怜(……流石に二巡程度じゃ大きな変化はないか)
怜「……」トン
玄「……」トン
照「……」トン
煌「……」トン
照「ツモ! 400・700!」
煌:21100 怜:20100 玄:36900 照:21900
煌(後がなくなってきましたね。ここは以前のようにお姉様と協力して……)チラ
怜(激流に身を任せ同化する!)
煌(……へ?)
怜(天を見よ……見えるはずだ、あの死兆星が!!)
煌(つまり早い話が……)
怜(諦めるんや……)
煌(あきらめたーらおーわーりー♪)
怜(きもーちをリセットしてー♪)
照「せめて奥義で葬ろう」
怜&煌「やめて!」
一位:玄 二位:照 三位:煌 四位:怜
怜(まさかホンマに焼き鳥になるとは……)ドヨーン
煌(それは言わない約束ですよ……)ドヨーン
照「スゴイね玄ちゃん! 私、結局連荘できなかったよ」
玄「半荘一回だけの勝負で、奇襲みたいにやったからですよ~。それより問題は、賭けの方です!」
煌「一位の人が他の三人に一つだけ命令できる、でしたっけ?」
怜「あ~、そんなんもあったなぁ~。焼き鳥のショックで忘れとったわ……」
照「玄ちゃんはどんな命令をだすの?」
怜(嫌な予感しかせんのやけど……)アイコンタクト
煌(玄さんの事ですから、酷い内容ではないとは思うのですが……)アイコンタクト
怜(いやいや、人は見かけによらんってゆーからなぁ。それにこの賭けを提案してきたのも玄ちゃんやったし)アイコンタクト
煌(すばらっ! 勝算があるから提案してきた、と?)アイコンタクト
怜(せやろな。まあ、なんにしてもウチらに拒否権はないけどな)アイコンタクト
煌(すばらぁ……)
玄「それでも、私は皆さんの事はずーっと友達だと思っています」
玄「だから……皆さんも私の事をずーっと友達だと思ってください! それが私の命令です!」
怜「……」
煌「……」
照「……」
玄「……ダメ、でしょうか?」
怜「ダメなワケないやろ。てか、そんなん言われんでもウチらはずーっと友達やろ。逆にそんな命令で拍子抜けしたわ。なあ?」
煌「すばらっ!」
照「うん!」
玄「皆さん……」ウルウル
玄「じゃ、じゃあ調子に乗ってもう一個だけ命令してもいいでようか?」
怜「なんや?」
玄「今度三人でうちの旅館に泊まりに来てください!」
カン!
松実館編は構想はあるけど、まだまとまってません
即興で書いてもいいのかも知れないけど、すごいグダグダになりそう
怜「少し遅れてしもうたが、ここが松実館か。玄ちゃんキタで~」
玄「いらっしゃい、怜さん。遠路はるばるお疲れ様です。煌さんは一足先にいらしてま
すよ」
怜「さすが煌や、しっかりしとる。照は?」
玄「最寄りの駅には着いたらしいんですけど、迷っちゃったみたいで……今バイトの子に迎えに行ってもらってるので、もう来ると思うんですけど」
??「おまたせ」
照「ここが松実館か。風情があるな」
怜「ん、ウワサをすれば、やな」
玄「いらっしゃい、照さん! やえさんもありがとうございます」
やえ「私は小三の頃から道に迷わない。お嬢のお友達なら、ニワカには任せておけないからな」
みたいなギャグでいこうかな?
煌「すばらっ! お二人共遅いですよ。まあ、その分旅館内を見学できましたが」
怜「堪忍してや。こっちは病弱キャラなんやし、煌みたいに心身ともに屈強やないねん」
照「道には迷う為にある。人生の道もまた然り」ドヤ
煌「すばらな事を言っているように聞こえますが、ようは方向音痴って事ですよね?」
照「そ、そんな事はない」アセアセ
怜(相変わらず判りやすいな)アイコンタクト
煌(それが可愛いんですけどね)アイコンタクト
襖「ガラ!」
やえ「お見せしよう、王者のお茶運びを!」
玄「あ、やえさん襖は跨いでくださいね」
やえ「あ、はい」
怜「……ニワカやな」
照「私も少し歩いたからお腹空いた」
煌「という事はまずはお昼ですね」
玄「それじゃあご飯持って来ますね。やえさん、手伝って」
やえ「お任せあれ!」ドヤ
怜「……人のセリフパクってったで。しかも襖踏んで行った」
煌「減給ものですね」
襖「コンコン」
??「失礼しまーす」
照「玄ちゃん? にしては早すぎる気がするけど……」
宥「残念、お姉ちゃんでした~」
宥「松実宥で~す。玄ちゃんのお友達が泊まりに来てる聞いたから、ご挨拶に来ました」
煌「これはご丁寧にどうも。わたくしは新道寺のすばらっ! もとい花田煌と申します。以後お見知りおきを」
怜「千里山の園城寺怜や、よろしゅう」
照「し、白糸台の宮永照です……」モジモジ
怜(ほぼ初対面の相手やから緊張しとるな)アイコンタクト
煌(多分大丈夫ですよ。あの人は玄さんのお姉さんですからね)アイコンタクト
宥「あらあら、緊張しなくてもいいんですよ?」
照「で、でも……」モジモジ
宥「こっちにおいで~」ギュッ
照「あ……」
宥「恐くな~い、恐くな~い」ナデナデ
照「うん……」
煌(わたくしがして差し上げましょうか?)アイコンタクト
怜(え……?)
襖「ガラ!」
やえ「お見せしよう、王者の配膳を!」
玄「やえさんはまず配膳の位置を覚えましょうね」
やえ「あ、はい」
煌(良いタイミングで割って入って来ますね。すばらではありません)
玄「あれ、お姉ちゃん来てたんだ。もう照さんと仲良くなったの?」
宥「うん。照さんって可愛い人だね~。子猫さんみたい」ナデナデ
照「……にゃ、ニャ~///」
怜&煌「ガハッ!!」トケツ
煌(が、我慢ですよお姉様。まずはすばらを数えて冷静になりましょう。すばらすばらすばら……)アイコンタクト
玄「配膳終わりましたよ~。お昼ご飯にしましょう」
やえ「お見せしよう、王者の昼食を!」
玄「やえさんはまだお仕事残ってますからね」
やえ「あ、はい」
玄「お姉ちゃんも行くよ。旅館は朝からお昼までが一番忙しいんだから」
宥「は~い。また後でね、照さん」ノシ
照「……うん」ノシ
怜(しょんぼりしとる照もええなぁ~)
煌(すばらっ!)
怜「あ~食った食った。もう入らへん」オナカポンポン
煌「オヤジ臭いのでやめてくださいお姉様。華の女子高生なんですから、もっと周りの目を気にしてください」
怜「逆や逆。華の女子高生やからこそ、こういう行動も許されるんや」
煌「また屁理屈をこねて……」
照「でも、料理は本当に美味しかった」
煌「そうですね。旅行先で食べる料理は得てして美味しいものですが、ここの料理は本物のようですね」
怜「ウチは食えればなんでもええけどな」
煌「……お姉様、病弱キャラとか言いながら身体以外はメチャクチャがさつですね」
照「風情というのを判ってない」
怜「ご、ごめんなさい……」
やえ「お見せしよう、王者の片付けを!」
怜「なんや、今回は一人か?」
やえ「片付けぐらい一人でできなければ流石にバイトにならない」
煌「急に冷めましたね」
照「あ、食べ終わった食器はそっちにまとめて置きました」
やえ「これはご丁寧にどうも」
ガチャガチャ
やえ「私はこれで失礼しますが、もう少ししたらお嬢達が来ると思いますので、しばしお待ちください」
怜「……普通に仕事して帰って行ったな」
煌「やればできるんですね。襖もちゃんと跨いで行きましたし」
照「玄ちゃんに甘えてるだけなのかもね」
煌「なんですか? 急に改まって」
怜「玄ちゃんが来るまでええから、膝枕してくれへんか? 食後は竜華の膝枕と決まっとるんやけど、今日は竜華がおらんからな」
照「それなら私がしようか?」
怜「あ、いや、照はええんよ」
照「そ、そうなの……?」ショボーン
怜「あ、あれやで、別に照の事が嫌いってワケやないんやで? ただ、膝枕にはある程度の肉付きが必要なだけなんや。ほら、照ってスレンダーやし」
照「そ、そんな事ないよ」テレテレ
怜(せ、セーフやで。照に膝枕されたら血涙する準備がある)
煌「まあ、そういう事でしたらどうぞ、お姉様」ヒザポンポン
怜「おおきに」ヨイショ
煌「どうですか、わたくしの膝枕は」
怜「ええなぁ。あんまり竜華以外にしてもろた事はないが、煌のもええ感じや」
怜「ほどよい肉付き、体温。そして何より顔がよう見えるのがええな。これは竜華にはないポイントやな」
煌「一応褒め言葉として受け取っておきましょう」
怜「ん? 照も膝枕してほしいんか?」
照「う、うん///」
煌「よろしければ後で照さんにも膝枕して差し上げましょうか?」
怜「それはダメや。煌の膝枕はもうウチのもんや」
煌「わたくしの意志は無視ですか……」
怜「もう少ししたら玄ちゃんや宥も来るやろ。そしたら二人に頼めばええ。きっと喜んで照専用膝枕になってくれるで」
照「私……専用!」キラキラ
襖「ガラ!」
玄「やっとお仕事終わったよ」
宥「お仕事さむ~い」
怜「またウワサをすれば、やな」
宥「な~に? お姉ちゃんに言ってみて?」
玄「玄ちゃんにお任せあれ!」
照「二人に、私だけの膝枕になってほしい!」
怜(……新手の告白か何かか?)アイコンタクト
煌(お姉様も似たような事をわたくしに言いましたよ)アイコンタクト
怜(え……?)
宥「いいよ~。こっちにおいで~」
玄「さあ、私達の胸に飛び込んで来るのです!」
照「うん!」ギュッ
怜(一夫多妻か……ええなぁ)アイコンタクト
煌(わたくしは一夫一妻の方がいいですけどね)アイコンタクト
怜(え……?)
煌(また随分とストレートな質問ですね……まあ、もしかしなくても好きですよ?)アイコンタクト
怜(それは……Likeという意味なんか? それとも……)アイコンタクト
煌(そこはご想像にお任せしますよ)アイコンタクト
怜(……ウチのええように取るで?)アイコンタクト
煌(ええ、構いませんよ)アイコンタクト
怜(……いや、しかしウチには竜華が……ブツブツ)アイコンタクト
煌(あら、そっちの意味で取りましたか。それはそれで光栄ですけど)アイコンタクト
怜(……からかっとったんか?)アイコンタクト
煌(言ったハズですよ、ご想像にお任せします、と)アイコンタクト
怜(釈然とせん……)アイコンタクト
煌(まあ、一度千里山の部長さんとはお話したいと思っていましたし、いい機会かもしれませんね)アイコンタクト
怜(……どちらにしろ修羅場は免れへんな)
玄「はい。まずは阿知賀女子にご案内しようかと思ってます」
煌「しかし今は夏休みでは? まあ夏休みでなければ他校の生徒が入り込むなんて事はできませんが……」
宥「みんな待ってるよ~」
照「みんな?」
宥「阿知賀女子麻雀部のみんなだよ~」
玄「麻雀好きが集まっているのですから、やる事は一つです!」
怜「なるほど、そういう事か」
煌「すばらっ!」
宥「でも遠路はるばる来てもらったのにいいのかな~?」
照「私は全然構わない」
怜「ウチも構へんよ。後輩達へのいい土産になるしな」
煌「わたくしも勉強させていただきますので」
玄「それでは阿知賀にレッツゴーですよ!」
カン!
怜「やって参りました、阿知賀女子麻雀部」
引用元: ・http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1343460421/
怜「しかし妙にドアの向こうが騒がしいな」
玄「もうみんな集まって打ってるのかなぁ?」
煌「すばらっ! ではわたくし達も混ぜていただきますか」
照「腕が鳴る(物理的に)」コークスクリュー
宥「私と玄ちゃんは買い出しに行ってくるよ~。温かい飲み物買ってくる~」
煌「買い出しならわたくしが……と言いたいところですが、この辺りの道を知りませんでした。申し訳ありませんが、お願いします」
玄「おまかせあれ!」
ドア「ガラ!」
怜「たのもー……う?」
健夜「やっと見付けましたよ、赤土さん」
晴絵「小鍛治プロ? どうしてここに?」
健夜「貴女を……さらいに来ました!!」
煌「美味しい蜜をすする蜂もいるようですよ」
恒子「ナンノコト?(棒読み)」
照「カメラとパソコンで実況中継……」
恒子「誤解のないように言っておくけど、今回ばかりはすこやんの要望でやってるんだよ?」
怜「信用できんなぁ……」
恒子「本当だよ。すこやんが『私の求婚を世界中の人に見守っていてほしいの!』って言ってたんだから」
煌「結婚適齢期を過ぎた女性は恐ろしいですね……」
照「ああいう風にはなりたくない……」
健夜「言葉通りです。貴女には私の伴侶になって頂きたい! それとも、イヤだと仰いますか?」
晴絵「はいいいえの回答をする以前に、状況がよく判らないのですが……」
健夜「なるほど、私が貴女に惚れた経緯を知りたいと」
晴絵「ま、まあ端的に言えばそうかな……」
健夜「判りました、お話ししましょう」
晴絵「10年前のインターハイ準決勝……忘れるハズもありません」
健夜「私もです。あの時の赤土さんの打ち筋は、一日たりとも忘れた事はありませんでした」
健夜「高校時代とはいえ、私が唯一受けた跳満。正直なところ私のプライドはズタボロでした。生まれて初めて本気で悔しいと思いました」
健夜「プロになり、史上最年少の八冠保持者などと持てはやされても、その想いが頭から離れる事はなかった」
晴絵「まさか、プロの最前線から身を引いたのも……」
健夜「ええ。あえて『貴女のせい』と言わせてもらいましょうか。それほどまでに貴女は私の中で大きな存在になっていたという事です」
健夜「この責任、取って頂かなければ私も引くに引けません!」
晴絵「小鍛治プロ……」
健夜「もちろん直ぐにお返事を頂けるとは思っていません」
健夜「近くの松実館という旅館に宿泊していますから、返事が決まったらいらしてください。恒子ちゃん、帰るよ」
恒子「あ、は~い」
晴絵「……」
煌「10年来の想い、ですか。すばらと評するべきか、重いと一蹴してしまっていいものか……」
照「想いのカタチは人それぞれ」
怜「……せやな」
晴絵「あ、キミ達ゴメンね。先客がいてお構いもできなくて」
煌「お気遣いなく。あの状況では仕方がないというものです」
晴絵「ありがとう……。あれ? 玄と宥は?」
照「買い出しに行ってますよ。それより阿知賀のメンバーがみえないようですけど……」
晴絵「あ~、小鍛治プロと打っちゃったみたいで『しばらく麻雀はいいです』なんて言って帰っちゃったよ」
怜「……一体何があったんや?」
晴絵「まあその内勝手に立ち直るだろ。それより、せっかく来たんだ、少しは打っていくんだろ? 相手になるよ」
照「国内最強とまで言われる小鍛治プロが認めた相手……面白そう」
煌「すばらっ! お相手お願いします!」
怜「ん? もうこんな時間か。麻雀をやっとると時間が早く感じるなぁ」
煌「すばらっ! 四時間近く打っていたという事ですか」
照「……お腹空いた」
玄「それじゃあ旅館に戻って夕食にしましょう!」
宥「私達はまたお仕事だけどね~」
玄「でも結局今日は観光案内できなかったけどよかったですか?」
怜「構へんよ。アンタらと打てて楽しかったしな。それに明日は名所案内してくれるんやろ?」
玄「もちろん! 玄ちゃんにおまかせあれ!」
煌「それでは旅館に戻りましょうか」
照「うん。お腹も空いたけど、汗も掻いたから温泉にも入りたい」
怜「温泉か。医者から長湯は止められとるけど、久しぶりに思いっきり手足を伸ばして入るっちゅーんのもええなぁ~……あ」
煌「すばらですねぇ~……ん? 温泉?」
怜&煌(完全に失念していた!?)
煌(うまい事言ったつもりですか?)アイコンタクト
煌(たしか奈良には間欠泉はなかったハズですが……って、そんな事を言っている場合ではありませんね)アイコンタクト
煌(どうにかして血を流さずに温泉に入る方法を考えなければ……)アイコンタクト
怜(しかし温泉に持って行けるのはタオル一枚だけやで、どうやって凌ぎきるんや?)アイコンタクト
煌(それを今考えているんですよ! お姉様も考えてください!)アイコンタクト
怜(……アカン、別々に入る以外に解決策が見付からん)アイコンタクト
煌(それは最終手段です。お姉様だって照さんの裸を見たいでしょ?)アイコンタクト
怜(もちろんや。せやけど残りの手段といったら……)アイコンタクト
煌(我慢する、しかありませんか……)アイコンタクト
怜(せやな。血かて身体の一部や、気合い入れればコントロールできるかもしれんしな)アイコンタクト
煌(……それはありえないと思いますが)
怜「ついにこの時が来てしまったな」ヌギヌギ
煌「流血にさえ気を付けていれば後は天国ですよ」ヌギヌギ
怜「それもそうやな。しかし肝心の照がまだ来とらんが、どないしたん?」ヌギヌギ
煌「準備があるから先に行ってて、と仰っていましたからもうじき来るとは思いますけど」ヌギヌギ
怜「なら一足先に温泉を満喫しよか。照が来たら温泉を楽しむ余裕もなくなるやろうからな」ヌギヌギ
煌「ですね」ヌギヌギ
怜「……しかしお前、貧相な胸してんなぁ」
煌「お姉様には言われたくありませんね」
怜「……」ペターン
煌「……」ペターン
怜「……どんぐりの背比べとは、よう言ったもんやなぁ(遠い目)」
煌「比べられるだけの胸があればよかったんですけどね……」
怜「……言うなや」
煌「……そうですね」
怜「気を取り直して温泉を楽しむで!」
煌「すばらっ! 流石旅館の温泉、風情が違いますね」
怜「風情より実用性の方が大切やと思うけどなぁ。シャワーの『押す』ってなんとかならんのか。めんどくさいねん、アレ」
煌「お気持ちは判りますが、旅館側の事も考えればこれは仕方ありませんよ。お湯を出しっぱなしにしてしまうお客もいるでしょうし」
怜「妙に現実的な事言うんはやめてーな」
煌「先に実用性だとか言ったのはお姉様の方ですよ。それより早く身体を洗ってしまいましょう。お背中ながしますよ」
怜「お、ええなぁ。ウチも煌の背中流したる」
煌「恐縮ですわ、お姉様」
怜「たまにはお姉様らしいところも見せんとな」
煌「おや、意識してらしたんですか?」
怜「多少は、な。そもそもウチの方が年上やし、お前の事も……嫌いやないし」
煌「そうやって間を開けると別の意味合いに聞こえますよ?」
怜「……もう別に構へんよ」
煌「すばらっ! これは本格的に清水谷さんとお話しする必要がありそうですね……」
怜「はぁ~、手足を伸ばして入浴するっていうんは最高やなぁ~。日本人でよかったと思える瞬間やで」
煌「同感です。お風呂は日本最高の文化ですね」
怜「にしても照は遅いなぁ、どないしたんやろ?」
煌「そうですね。まさか道に迷った、とか?」
怜「いくら方向音痴とはいえ、旅館の中では迷わんやろ、普通」
煌「照さんはインハイを三連覇した偉業の方ですよ? 普通という尺度では測れません」ドヤ
怜「……遠回しにバカにしとるやろ?」
ドア「ガラ!」
怜「ん、ようやっと登場みたいやな。遅いで、て……る……?」
健夜「ハーイ! ティーンども! お待ちかね、アラサーの登場だよ!」
煌「あ~、そういえば松実館に宿泊してる、と仰ってましたね」
健夜「あら、園城寺さんと花田さん?」
怜「なんや、ウチらの事知っとるんか?」
健夜「貴女達の試合を解説したのは私だよ。それに、赤土さんに想いを伝える勇気をくれた貴女達を忘れるハズがないわ」
煌「それはどういう……」
健夜「気にしないで、こっちの話しだから」
怜「さよか? ……そういやアンタ相方はどないしたん?」
健夜「相方? ああ、こーこちゃんの事? 昼間配信したあの動画の反響がすごかったらしくて、その対応に忙しいからお風呂は後にするって」
煌「それはそうでしょうねぇ。『これから告白します!』と大々的告知しても、釣りか何かと思われたでしょうし。それが有名な人なら尚更ですよ」
健夜「そうみたい……あれ? そう言えば宮永さんは? 阿知賀で会った時には一緒に居たと思ったんだけど……」
怜「せや、照や。いくらなんでも遅すぎる」
煌「……これは本格的に迷子ですかねぇ」
怜「で、なんで部屋にいんねん! なんで浴衣に着替えてんねん!! なんで少し髪が濡れとんねん!!!」
煌「部屋のお風呂に使用された形跡がありますねぇ」
照「だ、だって……みんなと一緒に入るの……は、恥ずかしかったから……」モジモジナミダメウワメヅカイ
怜&煌「ぶはッ!!」ハナジブー
煌「すばらっ! 危うく飛ぶところでした……」ハァハァ
怜「そ、そんなカワイ子ぶったって許さへんよ……」ハァハァ
照「ゆ、許さないって?」
怜「寝る前にもう一度湯に浸かりに行く。そん時は逃がさへん」
照「で、でも……」
煌「裸の付き合いというものですよ。当たり前のことじゃありませんか、友達なのですから」
照「とも……だち……」
怜「せや。最初に友達っちゅーたんは照やで? それともウチらはもう友達じゃないんか?」
照「そ、そんなことない!」ブンブン
煌「では決まりですね。次のお風呂が楽しみです」
怜「そうと決まればメシやメシ!」
やえ「今度こそお見せしよう、王者の配膳を!」
怜「お、今回も一人で来たな。見せてもらおか」
やえ「夕食はお刺身と添え物が少々あるだけなので、難しい配膳ではないのです」
煌「そ、そうなのですか……」
配膳中
やえ「それではごゆっくりご堪能ください」
照「また普通に仕事して帰って行った」
怜「一体何者なんやろな、アイツ」
煌「それよりも、冷めてしまう前に夕食にしましょう。すばらっ! もといいただきます」
怜&照「いただきま~す」
怜「ふ~食った食った。新鮮な魚は刺身に限るなぁ~」オナカポンポン
煌「お昼と同じ事を繰り返さないでください。ほら、膝枕して差し上げますから」ヒザポンポン
怜「ん、おおきに」ヨイショ
照「……」スッ
煌「おや照さん、立ち上がってどうしました?」
照「ちょっと、小鍛治プロを探してくる。確かあの人もここに宿泊してるって言ってたから」
怜「あ~、ウチらは風呂場で会ったで。でも探してどないするん?」
照「お手合わせを願いたい」
煌「昼間にあれだけ打ったのにまだ足りませんか……」
照「赤土さん、とても強かった。そしてそれより強い小鍛治プロ。一回でいいから打ってみたい」
怜「照はホンマに麻雀が好きなんやなぁ。まあ、くれぐれも道に迷わんようにな」
照「わ、判ってる」
煌「……」
怜「……あれやな、旅行に来てこういうゆったりとした時間を過ごすちゅーんはいいもんやな」
煌「ええ、本当に……」
怜「……」
煌「……」
怜「……足痺れてこんか?」
煌「大丈夫ですよ。正座には慣れていますし、お姉様は軽いですからね」
怜「そうか……」
煌「はい……」
怜「……」
煌「……」
煌「……もちろんですよ」
怜「……Loveか?」
煌「……はい」
怜「……そうか」
煌「ええ……」
怜「……」
煌「……」
怜「……月が綺麗ですね」
煌「それには『ここからは月は見えませんよ』と突っ込むべきですか? それとも『死んでもいいわ』と返すべきですか?」
怜「……煌には敵わんなぁ~」
煌「光栄です、とだけ言っておきましょう」
襖「ガラ!」
竜華「怜ッ!!」
怜「りゅ、竜華ッ!?」
竜華「怜が心配で来てしもうた……///」
怜「来てしもうたって……」
竜華「それより怜、これはどういう事?」
怜「え?」
竜華「なんでウチ以外の人に膝枕してもらってるのかって事や!」
怜「な、何興奮しとるんや竜華。冷静になりぃ?」
竜華「ウチは冷静や!!」
煌(好きな人を追いかけて県を越えてくる人を冷静とは言わないと思いますが……)アイコンタクト
怜(竜華がここまで後先考えないヤツやったとは知らんかったわ)アイコンタクト
煌(それで、どうやって彼女をいさめるつもりですか? わたくしが口を挟んだらさらに荒れてしまいそうですが)アイコンタクト
怜(な、なんとかしてみるわ)アイコンタクト
竜華「……ホンマに? 変な事してへん?」ジトー
怜「してへんしてへん。なあ、煌?」
煌「ええ。何もありませんでしたよ」
竜華「……そうやな。怜から何かするハズがないなぁ。ヘタレやし」
怜「ヘタレ!?」
竜華「せやけど、膝枕してる側からはどうなんやろうな、花田さん?」ニッコリ
煌「どういう意味でしょうか、清水谷さん?」ニッコリ
怜(何これ修羅場?)
煌「わたくしはただ、お姉様に膝枕をして差し上げていただけで、他には何もしていませんよ」
竜華「お、お姉様!?」
煌「親しい年上の女性を呼ぶ時には当然の呼称だと思いますけど?」
竜華(……初めて顔を見た時から感じとったが、やっぱりこの娘はウチの敵やな)
煌(す、すいません。ついつい攻撃的になってしまいました……)アイコンタクト
怜(どないすんねん、この状況)アイコンタクト
煌(ヘタな説得は逆効果なのかもしれませんね……)アイコンタクト
怜(ならどうするんや?)アイコンタクト
煌(ハッキリさせればいい、という事ですよ)アイコンタクト
怜(そ、それはちょっと……)アイコンタクト
煌(何故です? 一言「好きだ」と言って差し上げればいいのに)アイコンタクト
怜(せやけど……)アイコンタクト
煌(はぁ、お姉様は本当にヘタレですね)アイコンタクト
怜(お前まで言うか!?)アイコンタクト
煌(兎に角、今は清水谷さんを落ち着かせる事が先決です)アイコンタクト
怜(は、はい……)アイコンタクト
竜華「ほ、ホンマか!?」
煌「もちろんです。ね、お姉様?」
怜「お、おう。あ、当たり前やないか」
煌(もう少し普通に返事できないんですか?)アイコンタクト
怜(しゃーないやろ! 急に話し振るなや!)アイコンタクト
煌(これじゃあ清水谷さん信じません……よ……?)アイコンタクト
竜華「そ、そんな事言われても全然嬉しくないで!!」テレテレ
怜(……ちょろいなぁ)アイコンタクト
煌(そういう事は言わないように)アイコンタクト
竜華「で、でも怜がどうしてもってゆーんなら膝枕してやらん事もないで?」テレテレ
怜(竜華ってこんなにめんどくさいキャラやったか?)アイコンタクト
煌(お姉様?)ギロリ
怜(わ、判っとるって)アイコンタクト
竜華「せやな、怜を膝枕するのに汚い身体じゃあ失礼やもんな。行ってくる」
怜「……行ったか」
煌「そんなに邪険にしなくても……お姉様の事を心配して来てくださったんですから」
怜「竜華は過保護なんよ。ウチかて竜華以外との付き合いがあるちゅーのに」
煌「お気持ちも判らないではないですけど、少し言葉が過ぎませんか?」
怜「……煌はどっちの味方なん?」
煌「どちらの味方でもありません。わたくしはただ、お姉様に人の好意を無下にするような人間にはなってほしくないだけです」
怜「……せやな。ウチも少し言い過ぎた」
煌「判ってくださったのなら何よりです」
怜「煌には頭が上がらんなぁ~」
煌「光栄ですわ」
怜「……」
煌「……」
竜華「……」
照「……」
淡「……」
怜「え~と、照? その子は?」
照「わ、私の後輩の大星淡だ……」
淡「先輩が心配で東京を飛び出して来ました!」
怜「さ、さよか……」
照「あ、ああ……。それで、そっちの人は?」
怜「う、ウチの同級生の清水谷竜華や……」
竜華「怜が心配で大阪を飛び出して来ました!」
竜華&淡「!!」ガシ 熱い握手
怜&照(なんか結託したぁ~……)
怜「いや、居らんやろ」
照「うん、居ないと思う」
煌「え?」
怜「どう考えてもお前が一番しっかりしてるからな、心配するだけ無駄ってもんや」
照「逆に煌ちゃんが居なくて不安になって追いかけて来る人はいるかもね」
煌「……それは喜んでいい事なのでしょうか?」
怜「ええんやない?」
照「いいと思うよ?」
煌「はぁ……」
やえ「お見せしよう、王者の布団敷きを!」
怜「お、また一人か。まあ、布団敷きぐらい一人でできんとなぁ」
やえ「先回りしないでください。というか、人数が増えている気がするのですが」
煌「残念ながら実際に増えています」
やえ「え~と、旅館の方に許可は取りましたか?」
竜華「玄ちゃんがオーケーしてくれたで!」
淡「宿泊費も払いました!」
やえ「お嬢……。少々お待ちください」
~数分後~
やえ「お待たせしました。こちらの部屋では手狭でしょう。お手数ですが、大部屋の方に移動していただきます」
照「あ、はい」
怜(やっぱ普通に仕事しとるな)アイコンタクト
煌(しかも数分で他の部屋の使用許可を取って来ましたし、実は物凄く仕事ができる人なのかもしれませんね)アイコンタクト
やえ「こちらの部屋をご利用ください」
怜「おお~デカイなぁ~。これなら五人と言わず、十人ぐらいで寝られるんちゃうか?」
煌「ですが、この部屋と先程までの部屋では料金も違うのでは……」
照「私、そんなにお金持ってない……」
淡「先輩の分ぐらいなら私が出します!」
竜華「なんならウチが値切ったろか?」
やえ「その必要はございません。これ以上お代を頂くことはありませんので」
煌「よろしいのですか?」
やえ「もちろんです。手狭なお部屋を提供してしまったのはこちらのミスですので」
怜「まあ、こっちとしては嬉しい限りやけど」
やえ「それに、この大部屋ならお嬢達も一緒に寝られますし、ね」
怜「なるほど、乙なマネしてくれるやないか」
やえ「これぐらいの気遣いもできなければ王者は名乗れませんので」
怜「ん? ああ、アラフォーとその相棒か。ええんやない? その方が賑やかやし。構わんよな、仲居さん?」
やえ「そうですね、スペースにも余裕がありますし、何よりその方がお嬢達も喜ばれるでしょう」
煌「玄さん達を喜ばせる為ならば、もう一人一緒に寝ないといけませんね」
怜「いい事言うたで、煌」
照「そうだね」
やえ「はて、まだどなたかいらっしゃいましたか?」
一同「お前のことじゃ!!」
こうして松実館での騒がしい夜は更けて行った……
カン!
ここからは即興になるけど、もうちょっとガンバってみます
怜・煌・照・玄・宥・竜華・淡・健夜・恒子・やえ
怜「なんか、スゴイ事になったな」
煌「十人ですからね」
淡「先輩、今夜は寝かしませんよ!」
竜華「怜もやで?」
怜&照「……」
健夜「……若いって、いいね」
玄「でも今一番青春してるのは小鍛治さんですよ?」
宥「そうですよ~、赤土さんに告白したんですよね?」
やえ「お見せしよう、少女達のガールズトークを!」
恒子「これは美味しい!」ビデオアンドパソコン
支援やで
怜「……」
煌「……」
竜華「それじゃあ怜、花田さんとウチ、どっちの事が好きかハッキリさせてもらおうやないか?」
怜「……」
竜華「黙ってたら判らんよ?」
怜(き、煌……)アイコンタクト
煌(だから先程好きと言って差し上げればこのような事にはならなかったものを……まったく、ヘタレですね)アイコンタクト
怜(そ、そんな殺生な……)アイコンタクト
煌(はぁ、判りましたよ。今回だけですからね?)アイコンタクト
竜華「なんや?」
煌「お姉様は間違えなく清水谷さんの事が好きですよ」
竜華「だったらなんで怜自身が黙っとんのや!?」
怜「」ビクッ
煌「お姉様はまだ自分の気持ちが判っていないだけです」
竜華「それってまだ心が揺れてるって事やろ!」
煌「では、何故お姉様の心が揺れていると思いますか?」
竜華「それは……花田さんが魅力的やから……」
煌「そうではありませんよ、清水谷さん。問題は貴女自身です」
竜華「ウチ、自身……?」
竜華「どうしてって、そりゃ怜が心配やったから……」
煌「心配……。そう貴女はお姉様を心配してわざわざ奈良までやって来た」
煌「しかし、お姉様は一度でも心配してくれと言いましたか? むしろ出掛ける前に『心配はいらない』と言ったのではありませんか?」
竜華「な、なんでその事を……」
煌「お姉様の性格を考えれば判る事です。話しを戻しましょうか」
煌「貴女はお姉様が『心配するな』と言ったのに追って来た。それは一見すればすばらな事です。ですが、お姉様からしたらどうだったでしょうか?」
煌「心配してくれた事はきっとお姉様も嬉しかったでしょう。ですが、同時に『自分は信用されてないのでは』と思ったハズです」
煌「それはとてもすばらくないです。相手が好きな人であればあるほど」
竜華「……」
煌「好きな人を自分目の届くところに置いておきたい気持ちも判らないでもありませんが、もう少し、お姉様を信用して差し上げてもいいのではありませんか?」
煌「わたくしの事はいいですから、お姉様に伝えてください」
竜華「怜……ごめんな。ウチ、随分自分勝手な事しとったな……」
怜「ええんよ、判ってくれたなら」
竜華「怜ッ!!」ギュッ
怜「竜華ッ!!」
煌(はぁ、なんとかなりましたね……)
竜華「怜、自分勝手ついでにもう一つ我儘聞いてもらえるか?」
怜「なんや?」
竜華「好きって、言ってくれへんか?」
怜「え?」
竜華「え?」
煌「え?」
恒子「無限ループ、始めました」
照「……淡」
淡「なんですか?」
照「……膝枕してくれない?」
淡(!? 先輩を膝枕!? 我が世の春が来たー!!)
淡「いいですよ」ヒザポンポン
照「ありがとう」ヨッコイショ
淡(あ、先輩の髪が少しくすぐったい。でも、悪い感覚じゃない)
照「淡? 大丈夫? モジモジしてるみたいだけど……」
淡「だ、大丈夫ですよ? ちょっと気持ちよk……くすぐったかっただけです。もう慣れましたから」
照「そう? ならいいんだけど」
淡(先輩を膝枕するなんてもう二度とない事かもしれない! この機会を無駄にしてたまるか!!)
淡「な、なんですか?」
照「さっき、菫から連絡があった」
淡(あ、やばい……)
照「淡、誰にも言わずに東京飛び出して来たんだってね?」
淡「あ、あれ? そうでしたっけ?」アセアセ
照「そうだよ。淡のご両親が淡の行方が判らなくなったって菫に連絡したらしいんだ。それでまさかと思って私に連絡したんだって」
淡「わ、私おっちょこちょいだから言わずに来ちゃったみたいですね」アセアセ
照「ご両親の話しでは、ちょっとコンビニに行ってくる、といって出掛けたらしいけど? わざわざ奈良のコンビニまで来たの?」
淡「……」アセアセ
照「淡、私だって怒る時は……怒るんだよ?」
淡「先輩、何故私の膝を鷲掴みにしているんですか?」アセアセ
照「淡、今夜は寝かさないから」
淡「ご、ごめんなさぁぁぁぁい!!!」
恒子「……今夜は亜熱帯だね!!」
健夜「アラサーだよ!」
玄「お、落ち着いてください」
宥「そうですよ~。怒ってばかりだと赤土さんに嫌われてしまいますよ~」
健夜「そ、そうだね。でも最初から私は嫌われてるかもしれないし……」
玄「そんな事ありません!」
玄「確かに十年前のインターハイの事が赤土さんのトラウマになっていますけど、それはバネにして今まで赤土さんはガンバってきたんです!」
宥「そうですよ~。きっと小鍛治さんの気持ちに応えてくれるハズですよ~」
健夜「ありがとう、二人共……。ね、ねえ、赤土さん私の事について何か言ってたりしない?」
玄「う~ん。あんまりそういう話しはしませんねぇ」
健夜「そ、そうだよね……」
宥「でも昼間、告白された後の赤土さんはなんだか嬉しそうに見えましたけど~」
健夜「ほ、本当!?」
恒子「でもお返事には来ませんよね~」
健夜「や、やっぱり私の事なんか……」
玄「やえさん? 立ち上がってどうしたんですか?」
やえ「見るに堪えません。私は失礼します」
宥「あ、行っちゃた……」
健夜「うぅ~、やっぱり私はアラフォーの独身なんだぁ~」ポロポロ
恒子「あ~あ、泣いちゃった。まあ、これはこれで再生数が稼げていいけど」
玄&宥(まさに外道!!)
~数十分後~
襖「ガラ!」
晴絵「小鍛治さん!」
健夜「あ、赤土さん!?」
晴絵「ごめんなさい、遅くなって。本当なら阿知賀の麻雀部でちゃんと返事をしておけばよかったんだろうけど……」
健夜「赤土さん……」
健夜「そ、それじゃあ……」
晴絵「はい。返事はもちろん『はい』です!」
恒子「エンダアァァァァァァア!!」
玄「よかったよ、本当によかった。想いは叶うんだね」ポロポロ
宥「うん。あったかいね~」
恒子「でもどうしてこんな時間に来たんですか?」
晴絵「ああ、私も明日にしようかと迷っていたんだけど、背中を押してくれた人がいたんだ」
玄「え? 誰ですか? 灼ちゃん?」
晴絵「いや、灼にはまだ言ってないよ。背中を押してくれたのは晩成の……」
~松実館外~
やえ「まったく、世話が焼ける大人たちだ」
怜「なんや、帰るんか?」
やえ「お客様、どうしてここに?」
怜「ウチかて外の空気が吸いたくなる時もあんねん」
やえ「部屋に居られなくなったのではありませんか?」
怜「……そうともいう」
やえ「ふふ、大変ですね」
怜「人事だと思って……」
やえ「これは失礼いたしました。では月並みなセリフではありますが、一つだけアドバイスを」
やえ「言葉にしない美しさもありますが、言葉にしなければ伝わらない事もあるんですよ?」
怜「……判っとるよ」
やえ「これは重ね重ねご無礼を。では私はこれで……」
怜「……言葉にしなければ、か」
煌「お姉様、こちらでしたか」
怜「煌か。竜華は?」
煌「騒ぎ疲れて寝てしまいましたよ。他の皆さんも寝られたようです」
怜「さよか……」
煌「はい」
怜「……」
煌「……」
怜(……ここで言わなあかんよな)
怜「煌」
煌「なんですか?」
怜「……月が綺麗ですね」
煌「……はい、とても」
カン!
でも私は怜すばらの方が好きなのです
命を削って戦う怜をサポートするすばら先輩、どう見ても勇者と聖女ですよ!
こんなssに長らく付き合っていただき、本当にありがとうございました
また他のssも書こうと思っていますので、そちらでもお会いできれば幸いです
乙乙
すばらでした!
また書いてね!
Entry ⇒ 2012.08.15 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
小鍛治「魔法少女すこや☆マジか?」
小鍛治「何?」
福与「今度の企画なんだけど」
小鍛治「……『魔法少女』?」
福与「やって?」キラキラ
小鍛治「やらないよ!!」
小鍛治「何でそんな必死なの…」
福与「今度多くのプロを呼んでのトークショーって企画があるの」
小鍛治「うん」
福与「すこやんにはこれで出て欲しいかなって」
小鍛治「出ないよ!」
福与「冗談冗談~ホントはこっちのほうなんだよねー」
小鍛治「えっと?『アラフォープロは魔法少女ならぬ魔ホ○処○だった!?』」
小鍛治「『徹マンπプッシュで、あったかいのいっぱ~い!!』
福与「~」キラキラ
小鍛治「企画物じゃん!!」
小鍛治「出ないよ!!」
アラフォーだし・・・
福与「出さないから!(世には)出さないから!」
福与「すこやん!」チラッ
小鍛治「もう言い方がイヤだよ!」
小鍛治「ていうかそんなことで土下座しないでよ!!」
福与「私もすこやんが誰かのものになるのはイヤだよ!」キッパリ
小鍛治「え…///って感動的に言わないでよ!!」
福与「まーぶっちゃけこれもジョークなんですけど」ケラケラ
小鍛治「帰るよ!!」
福与「まってすこやん。こっからが本番なんだよ、今までのは前座で」
小鍛治「もうお腹一杯だよ!!」
小鍛治「うん」
福与「まぁ、魔法少女の辺りまでは本当かな?」
小鍛治「一番イヤな部分だよ!!」
福与「いやー実はすこやんに取材に行って来てほしいんだけど、相手が若いから溶け込めないかと思って」
小鍛治「自然と溶け込めるよ!!」
小鍛治「ごめん私も興奮してた…」
小鍛治「ていうか私が取材するの?」
福与「うん。まだ相手は決まってないんだけど。今度の大会の優勝校にね」
小鍛治「コスプレで?」
福与「コスプレで」
小鍛治「最悪のパターンだよ!」
小鍛治「もう少し真面目に考えてよ」
福与「でも最近は結構アニメとか見てるんですよ、若い子は」
小鍛治「倒置法で強調しないでよ!!」
小鍛治「私も見てるよ!!」
小鍛治「むしろ不審者だよ思うんだけど」
福与「もー自信なくしちゃダメだぞ!すこやん」
福与「とりあえずどこかのお店を借りてそこで食事を交えつつ交流」
福与「う~んこれで視聴率はババンとUP間違いなし」
小鍛治「そんなのどうでもいいんだよ!!」
小鍛治「ま、まぁね」
福与「うーんじゃあOK」ペロ
福与「意外とあのピンクの少女と共通点多いしねすこやん」
福与「えっと、まず実家暮らしでしょ?あと…えっと…あの…」アセアセ
小鍛治「辛いから言いよどまないでよ!!」
福与「そんな~もう時間もないから無理だよ」
小鍛治「ていうか何で事後報告」
福与「だってこんな企画するなんていったらすこやん絶対断るじゃん!」
小鍛治「確信犯だよ!」
小鍛治「誤用だよ!!」
小鍛治「こーこちゃんからは貰ってないよ!」
福与「とにかくさ、もうこうなったらやるしかないわけなんだよ」
福与「すこやんも腹くくってね」グッ
小鍛治「何で私のせいみたいになってるの!!」
小鍛治「予行練習って」
福与「まーどこが優勝するとはまだわからないけどね。すこやんの為に私も一肌脱ぐよ!」
小鍛治「私は着るけどね!」
福与「うまい!」
小鍛治「別に嬉しくないよ!!」
小鍛治「そんなほかの高校だって頑張ってるんだから」
福与「まーそれはそれ、これはこれ」
福与「私が白糸台の選手で、すこやんははいこれ、着てきてね」
小鍛治「今は着ないよ!!」
尭深()「今日はインタビューの日ですね」クイッ
淡()「はわわ~緊張しましゅ~」
菫()「くだらぬ…」
誠子()「やってやるぜー!!」
小鍛治「性格ぐらい掴んでからやろうよ!!」
福与「見た目と名前と私の趣味で決めさせてもらいました!」グッ
小鍛治「アナウンサー失格だよ!」
福与「まぁまぁとりあえず質問の形式だけでも頭に叩き込んでよ」
小鍛治「もうやることになっちゃってるよ!!」
照()「はい!ありがとうございます!!」キラン
小鍛治「…えっと今回の優勝、その原動力となったものは何かありますか?」
菫()「無だ…」
淡()「お空に輝くお星様ですぅ~」
小鍛治「インタビューにならないよ!!」
小鍛治「多分全て違うと思うけど…」
福与「むむ~~……」
福与「……まいっか。とりあえず続けよ」
小鍛治「何もよくないよ!!」
福与「好きな食べ物はなんですか、だよ」ヒソヒソ
小鍛治「凄い質問しにくいんだけど…好きな食べ物はなんですか?」
菫()「…えと…無だ」
尭深()「…あの…お茶です」
小鍛治「考えて思いつかないならやめなよ!!」
小鍛治「事前調査が足りないみたいだし、やっぱり私やめるよ」
福与「それはやめてくださいよ!」
小鍛治「なんで敬語…」
福与「もうー白糸台はいいや。多分優勝は千里山だよ。千里山の練習しよ」
小鍛治「なんでやねん!!」
怜()「きゃ~あの魔法少女のコスプレやで~」
竜華()「きゃ~ホンマや~」
泉()「キャハキャハ~」
セーラ()「ホンマや~うけるわ~」
フナQ()「あかん~腹痛いわ~キャハハ」
小鍛治「印象最悪だよ!!」
怜()「え、その質問はアレやろ…」
竜華()「それは、ホンマにアレや、その」
セーラ()「ホンマ、それは…アカンわ」
泉()「あーそれはアカン、アカン」
フナQ()「ホンマや…」
小鍛治「喋れないなら無理しなくていいから!!」
小鍛治「むしろなかったよ」
福与「でもこれじゃあ千里山の練習は無理だね」
小鍛治「どこも無理な気がするんだけど」
福与「でも念のためすこやんは関西弁覚えたほうがいいかも。標準語で話したらぶぶ漬けだされちゃうよ」
小鍛治「認識最悪だよ!!」
小鍛治「何か優勝しないみたいな言い方だよ」
福与「でも福岡かぁ~」
福与「おいどん?おまん?ですタイ?」
小鍛治「もう不安だよ!!」
哩()「本日はご苦労様でありますタイ」
姫子()「お疲れ様であります」
美子()「すばらであります」
小鍛治「どういうキャラ!!」
煌()「麻雀こそが私たちの道ですタイ」
哩()「その通り」
姫子()「おっしゃるとおりですタイ」
美子()「ごもっとも」
小鍛治「一番やりにくいよ!!」
小鍛治「え?あ、魔法少女設定なんだよね」
小鍛治「えっと、普段はしてませんけど」
哩()「ということは、この場は普段は着ないような格好で来てもかまわないとお考えになったということでしょうか」
姫子()「聞けばプロはご実家にお住みになっていられると」
美子()「ご両親のお気持ちを考えられたことは…?」
小鍛治「何で責められてるの!!」
福与「でもこれはかなり効果的な練習だったはず!!」
福与「これでいつ心の傷に触れられても対処することが出来る!」
小鍛治「そういう練習じゃないでしょ!」
福与「ところで…ご両親のお気持ちを考えられたことは?」
小鍛治「申し訳ない気持ちで一杯だよ!!」
福与「あとは、阿知賀しか知らないんですけど私」
小鍛治「私も、長野に強いところがあるって聞いたけど」
福与「それじゃあとりえず阿知賀を想定して!」
小鍛治「大丈夫?」
福与「大丈夫大丈夫、阿知賀の子たちは他と比べて特徴少ないから」
小鍛治「言わないであげてよ!!」
玄()「はい、えっと、嬉しいです」
小鍛治「おねえさんの宥選手は」
宥()「はいあざす、嬉しいす、はい」
小鍛治「…中堅の新子選手は」
憧「っすー、ども」
小鍛治「何か言ってよ!!」
小鍛治「それアナウンサーとしてかなりまずいんじゃ」
福与「そもそも大将の顔が出てこないんだよねー」
小鍛治「大将はあの、えと、元気のある、えと」
福与「私なんて阿知賀の監督が昔すこやんにトラウマ植えつけられた人ってことしか覚えてないもん」ケラケラ
小鍛治「私のせいみたいに言わないでよ!」
小鍛治「私のせいだけど!!」
福与「とりあえず質問の内容とかは覚えといてよ」
小鍛治「もうやることになってるし」
小鍛治「えと、『ご実家ではどのようにお過ごしですか?』『ご近所ではどのように呼ばれているんですか?』」
小鍛治「『働かないで食べるご飯は何が好きですか?』」
小鍛治「ハンバーグだよ!」
小鍛治「あと働いてるよ!!」
福与「あはー少しくらいジョークも混ぜないと~」
福与「すこやん、ウィットに富んだ質問っていうのが大切なんだよ?」
福与「アメリカンジョークってやつ?」ケラケラ
小鍛治「ブラックジョークだよ!!」
福与「問題はあと残り少ない日数ですこやんに魔法少女になりきってもらうことだね」
小鍛治「なりきるって?」
福与「もしコスプレしたとしてそれが適当だったら相手はどう思う?」
福与「『あぁ~私たちはこんなコスプレ見るために優勝したのかぁ』って悲しんじゃうよ」
福与「このコスプレインタビュー、いい加減な気持ちじゃできないんだから!!」
小鍛治「全身でいい加減を表してるよ!!」
小鍛治「持ってきてたんだ」
福与「ヘソ出しの青もあるし、すこやんには黒かな?」
福与「胸袋つきの黄色もあるけど…」チラッ
小鍛治「…?」
福与「ン…」
小鍛治「ねえ!人見て肩すくめるのやめて!!」
福与「共通点もあるし」
小鍛治「どこ見ていってんの!///」
福与「そうなるとアイテムに弓を持ってほしいけど」
小鍛治「麻雀と弓は全然関係ないものだから、インタービュー中はもちろん対局中にも使っちゃダメだよ!!」
福与「どうしたのすこやん急に」
小鍛治「ごめん、今はちょっとどうかしてた」
福与「でも弓もってアーチャーに間違えられたら大変だし、キャスターならまだしも」
小鍛治「魔法使いじゃないよ!!」
福与「『愛情注入棒~』」ドラチャ~ン
小鍛治「ってただのステッキだよ?それ」
福与「魔法少女すこやは悪に対してこれで素直になあれ☆素直になあれ☆ってやるわけだよ!」
小鍛治「孤立するよ!!」
小鍛治「ええ!?」
福与「こうくるっと回ってキラッと」キラキラ
小鍛治「そ、そんなに見つめられても」
福与「でも最近コスプレする人って結構凝ってるんだよね、若いと」
小鍛治「やるよ!!」
福与「何でそんなドキドキしてるの?」
小鍛治「っえい!」
小鍛治「マハリクマハリタ、ナトカカントカ!」クルッ
小鍛治「あ、愛情っ注入///棒///」
福与「ごめん自分で言って照れられても困るって言うか」
小鍛治「恥ずかしいんだよ!!許してよ!!」
小鍛治「見た途端落ち込まないでよ!」
福与「いや、正直すこやんがここまで、あっ何でもない」
小鍛治「言ってよ!」
小鍛治「やっぱわかってるからいいよ!!」
小鍛治「カラー放送だよ!」
福与「月に代わってだったらまだしも…」
小鍛治「やろうか!?」
福与「じゃ…いや、やっぱいいや」
小鍛治「ですよね!!」
福与「すこやん、もう堕ちるところまでは堕ちたんだよ」
小鍛治「何その言い方…」
福与「こうなったらダメで通す、もうそれしかないよ!」
福与「もう笑いが取れればなんでもいいから」
小鍛治「道化だよ!!」
福与「これはヘソ出し青に変更!まず見た目で入る!」
小鍛治「ええ!?///」
福与「次にアイテム!ここで意表をついてスカートから銃を取り出しまくる!」
福与「そのスカートから覗くすこやんの!、あっ何でもないです」
小鍛治「言ってよ!」
小鍛治「何が覗くの!!」
福与「これで“究極の生命体”(アルティメット・シング)すこやんの誕生だッーっ!」
小鍛治「…もうついてけないんだけど」
福与「とりあえず、恥ずかしいとかそういうことを捨てること!」
福与「恥じらいなんてのは乙女だけの特権なんだから」
小鍛治「そんな!///恥ずかしいよ!!///」
小鍛治「はぁ!?///ちょ何カメラ回してるの!?///」
福与「もう時間がないんだから、少しでもカメラ慣れしないと!」
福与「さあそこの衣装に着替えて。セリフはさっきの通り!」
小鍛治「でもいきなりは///」
福与「すこやん!これは遊びじゃないんだよ!?」
小鍛治「仕事でもないけどね!!」
福与「カットぉ!!すこやん最高だよ!良い画撮れたよー!」
小鍛治「えへへ、そうかな?」
福与「うんうん!…でも」
小鍛治「どうかしたの?」
福与「そういえばなんだけど。結局、私たちは何のコスプレでインタビューに行くんだっけ?」
小鍛治「おい!!」
おしまいだよ!!
面白かったよ!
ふくすこすばらっ
ところで誰か魔法少女すこやん(27歳独身実家暮らし世界2位)の参考画像を
出来のいいコントを見てるみたいですばらでした
Entry ⇒ 2012.08.14 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
小鍛治「私の人生…」
小鍛治「ん、もうちょっと…」Zzz
「す~こやん!あ~そぼ~!」ガンガンガン
小鍛治「はっ!私寝て、ていうか」
小鍛治「玄関を叩くのは…」ガラッ
小鍛治「ね、寝てなんかないよ!」
三尋木「まったまた~よだれついてるぞ。知らんけど」
小鍛治「えっ嘘!?」
三尋木「うっそ~ん」
小鍛治「もう!からかわないでください!」
小鍛治「何自然にいるんですか!」
三尋木「いや最初からいたし」
針生「お邪魔します。小鍛治プロ」
小鍛治「あなたは…こーこちゃんこれ何?」
小鍛治「夏休みって…学生じゃないんだから」
三尋木「それって何年前?」
小鍛治「最近だよ!!」
針生「最近なんですか…?」
三尋木「私たちとばったり会っちゃって」
針生「いきなりで失礼かとも思ったんですが…」
福与「いや~大丈夫ですよ」
小鍛治「こーこちゃんが言うことじゃないよ!!」
三尋木「ほほ~いありがとう」コクコク
針生「いただきます」
福与「さて…」
福与「じゃあ外でキャッチボールでもしますか」
小鍛治「何で!?」
小鍛治「私も、日差し強いし」
福与「みなさん軟弱ですよ」
針生「何か4人でできることでもしませんか?」
三尋木「4人で~?麻雀はやり飽きたしな~」
針生「それ…絶対外では言わないでくださいね」
三尋木「おほ~いいね」
針生「4人ならババ抜きとか大富豪ですかね」
福与「またの名をすこやん抜き!!」
小鍛治「ネタがストレートだよ!!」
三尋木「つかもうなんでもよくね?」
福与「すこやん、何か遊べそうなもの探してきて~」
小鍛治「私が用意するの?」
針生「何か手伝いますよ」
小鍛治「いえ、お客様ですからゆっくりしていてください」
小鍛治「人生ゲームしかなかったよ」
三尋木「うひょマジっすか。わっかんねー」
針生「懐かしいですね」
福与「さすが小鍛治家、古いものが眠ってる!」
針生「いいんじゃないですか?こういうのも」
三尋木「ま、おもしろそうだし」
福与「若い頃を思い出すね!」
小鍛治「私のほう見て言わないでよ!」
小鍛治「まず始める前に、プレイヤーはお金を所持する、って」
福与「それって何分福利!?」
小鍛治「いや軍資金じゃなくて」
針生「1人1000万からですね」
福与「やる必要あるんですかね」
針生「ゲームですから、でサイコロを振って進むと。普通の人生ゲームですね」
小鍛治「これがコマで…サイコロもあったよ」
福与「じゃあ早速始めますか!実況は私福与恒子でお送りします!」
コロコロ…6
三尋木「よっしああぁぁああああ!!」
針生「あの、喜ばれてるとこ悪いんですけど、1回目は進む方角を決めるだけで1マスしか進めませんよ?」
三尋木「は?」
針生「ですからえっと…『大学を無事卒業、進路はどうしよう』『サイコロを振る・・・1、3、5なら就職。2、4、6なら夢を追う』と」
針生「いやそこじゃなくて…」
福与「つまり三尋木プロは夢追い人になると」
針生「何かリアルですね」
三尋木「リアルじゃねえよ!!」
福与「はい!2ですね」
針生「私も3ですね」
三尋木「何か…」
福与「私たちはフリーターで向こうは就職」
三尋木「…確かにリアルだな」
コロコロコ…2
三尋木「少ねー1、2…ん?」
三尋木「『株に投資、当たるといいな~200万失う』」
三尋木「当たるといいな~といいつつ金が減ってるだけなんですけど」
コロコロコロ…4
小鍛治「123、4」
小鍛治「『今日は会社の飲み会1万失う』
針生「何かお金が減るコマばっかりですね」
コロコロコロ…2
福与「あれ?」
三尋木「残念~200万失うって~」
針生「いえ、三尋木プロも10万失いますよ」
三尋木「は?何で?」
小鍛治「ルールに書いてあったんだけど…2人が同じコマに止まると『衝突』ってなって先にコマにいた人が慰謝料10万だって」
福与「あは~すいません三尋木プロ…」
針生「安全注意ってことですね」
三尋木「いや先にコマにいたら動けねえじゃん」
針生「それじゃあ私ですね」
コロコロ…
福与「すこやんを後ろから!?」
小鍛治「変な言い方しないでよ!///」
針生「あ、3ですね」
三尋木「ち、つまんねー」
小鍛治「初任給1万って」
三尋木「かなりブラックだって、今からでも止めたほうがいいって」
針生「いやゲームですから」
残金
三尋木790万
小鍛治999万
福与800万
針生1001万
小鍛治「えっと、コマを進んでゴールすると着順でボーナスが払われる、最終的に全員がゴールした後一番所持金が多い人の勝ち、だって」
福与「ちなみに1位のボーナスは…5000万」
針生「なんかゲームバランス崩れてません?」
三尋木「こりゃ途中関係なしにパパッとゴールしたほうが得だな」
コロコロ…3
三尋木「進めねー…っと?」
三尋木「『ギタリストになることを決める50万のギターを買おう』」
三尋木「やべえよやべえよ、めちゃ減ってんですけど」
針生「消費していくだけとは、まさに人生」
三尋木「てか次すこやんの番じゃね?」
針生「え?」
小鍛治「あ、ごめんねうたちゃん」
福与「え?」
三尋木「ほ?」
針生「その、すこやんとかうたちゃんとか…」
三尋木「んー?いや普通じゃね?知らんけど」
小鍛治「結構会ったらこう呼んでるけど」
福与「会ったらって!どこであってるの!?」
針生「それ以外には!それ以外には外であったりはしてないんですか!?」
三尋木「おいおい落ち着けって、さっさと進めちまおうぜー」
福与「けど…」
針生「これは放置しては…」ブツブツ
小鍛治「…えっと5だったけど」
三尋木「いやボーナス10万って少なくね?知らんけど」
福与「いやーすこやん良かったね、お金増えたじゃんすこやん!」
小鍛治「え?うん」
福与「よーし私も頑張るよすこやん!」
コロコロコr…
福与「123456は何々?『将来のため資格取得を目指す10万失う』」
福与「何か夢追いコースはどんどんお金が減ってってる気が」
三尋木「いやそーでもないぜ」
三尋木「見ろあれを!!」ビシッ
三尋木「ま、考えてみりゃ人生なんて当たって砕けろ。一か八かのほうが燃えね?知らんけど」
福与「つまりこの先行投資を潜り抜けなんとかあのコースに入ることが出来れば!」
三尋木「未来は私たちの手の中ってことだ!!」
針生「ちなみに途中で所持金を失うとゲーム終了ではなく、銀行からお金を借りて続行ということですよ」
小鍛治「それどんなルール?」
針生「それじゃあお金をなくさないように…」
コロコロ…2
針生「1、2」
針生「『会社で企画をたてて疲れる1回休み』」
針生「けどお金が減らなかっただけよかったですよ」
福与「それにしてもこの人生ゲーム結構長い…」
小鍛治「ゴールはまだまだ先みたいだね」
残金
三尋木740万
小鍛治1009万
福与790万
針生1001万
三尋木「うおい!楽器何個買ってんだよ!」
福与「ああ!!20万も課金なんて」
針生「そんな企画が…私ならもっとうまく…」
小鍛治「谷の多い人生を送っています」
福与「けど見てください。もうすぐそこに運命の道が」
三尋木「開いてるぜー、知らんけど」
三尋木「ここに来るまで長かった。株に手を出し、投資をして既に残金は20万」
三尋木「けどやっちゃうぜー。ここで稼いでやるぜー」フリフリ
三尋木「運命が回りだすー!」
三尋木「およ?」
針生「分岐のコマですね」
小鍛治「えっと、1、2、3、4、5で一攫千金に…6でs「よっしゃー分岐なんて関係ねー知らんけど」
三尋木「この高確率ならーほい!」
コロコロコロ…
小鍛治「…」
針生「…」
三尋木「~♪」フリフリ
……6
三尋木「ほ?」
三尋木「つかありえないっしょ~ここで6か~」
小鍛治「あの、うたちゃん…」
三尋木「ん~てかそういや6だとどこ進むんだっけ」
小鍛治「えっと…『全ての行いを悔いるため聖職者コースに、今後ボーナス以外ではお金は増えない』…だって」
三尋木「ちくしょおおおおおおおおおおおおお!!!!」ドンッ
福与「このショックは中々立ち直れませんよ」
小鍛治「と、とりあえず進めちゃうね」
三尋木「よよよよ」
小鍛治「っとえい」
コロコロコロ…
福与「あ、あれは!?」
針生「え?な、何ですか」
小鍛治「あと3マス先に分岐コマが」
福与「しかもそのコマは何と、何と『結婚コマ』だあああああああああああああ!!!」
小鍛治「きゃー///
三尋木「おっと、無粋なことは言わない約束だぜえりちゃん」
針生「三尋木プロ大丈夫なんですか?」
三尋木「へへ、正直ノックアウト5秒前ってとこだけどな」
三尋木「確かにこれはゲーム、しかしこれは人生の縮図なんだよ…」
三尋木「人生ゲームで落ちこぼれるようなやつに本当の幸せが掴めると思うかい?」
三尋木「おいおい私はもう聖職者だぜ?少しは真面目に生きるさ」
三尋木「見ろよあの幸せそうなお嬢さんを」
三尋木「『結婚コマ』結納金500万なんて金を要求されてるにも気づいていねえ」
三尋木「もう彼女の目には結婚のことしか映っていないのさ」
三尋木「それを、ゲームですから、なんてつまんねーセリフで消してやらないでやってくれ」
福与「これは早くすこやんに番を回してあけたいが、1、2」
福与「私も『一攫、聖職分岐コマ』にこれで到着」
福与「ちなみに分岐コマには必ず止まりますから、次はすこやんは3以上で到着」
針生「な、何か私の知ってる人生ゲームじゃない…」
小鍛治「、、、、、、、、、、、、、」ブツブツ
針生「えっと…」
三尋木「まーいわゆう結婚前のブルーな気持ちってやつじゃね?」
福与「ブルーよりはブラックに近いけど」
コロコロコロ
三尋木「賽は投げられた…さぁ自由に転がりなさい」
針生「何か聖職者でもないようなキャラになってるんですけど」
コロコロ…3
三尋木「1、2、3…おお『ペター少年のもとに子山羊が生まれ祝い金に5万』、何て嬉しいことだろう」
福与「し!静かに…」
小鍛治「ふぅ」キーーーーーーーン
針生「こ、これは?何か場の空気が」
三尋木「おいおいわかんねーのか?こりゃすこやんのだぜ?」
針生「たまに普通に戻るんですね」
福与「この感じ、私が憧れたすこやんにそっくり!!」
三尋木「『結婚コマ』に入る前にこのオーラ…いや婚気!!」
針生「うまくないですよ」
三尋木「こりゃお釣りなしで3を出すぜ」
コロコロコロ……3
小鍛治「ふぅ、じゃあこーこちゃんね」
福与「あっうん///」
福与(今日は凄い、またここで、あの小鍛治健夜を見れるなんて!)
福与「よおっし!それなら私はここで必ず一攫千金コースに進む」
三尋木「欲に囚われるとは…可哀想に」
コロコロコロ………1
福与「よっしゃあああああああああ!!」ガッ
三尋木「はあああ!?」
針生「…」
三尋木「んっ」ゴホン
針生「とりあえずここで止まっておきたいですねっと」
コロコロコロ…5
針生「よし、とりあえず小鍛治プロには追いついた」
三尋木「えりちゃんつまんねー。もっとこう何かを賭けてプレーしようぜ?」
針生「は?」
コロコロコロ…4
三尋木「ふむ、『道で300万拾うも当然寄付、幸せが増えた』」
三尋木「ほら」ニッコリ
針生「いや何がほらなのか…」
福与「絶対一攫千金に進まないと…」
針生「さて」
三尋木「ついに来たな、この時が」
福与「すこやん、頑張って!」
小鍛治「うん!」
小鍛治(結婚コマ、このコマに止まったらサイコロを振って行く先を決める。またサイコロを振る前に結納金を500万支払う)
小鍛治(1、3、5なら幸せに結婚。2、4、6ならありがちな成田離婚、今後結婚は出来ないでしょう。当然500万は帰ってきません現実は非情である)
小鍛治(あなたには結婚適正がないとしか言えません、潔く諦めましょう)
小鍛治「っ…」
小鍛治「まずこの縛り、一見運否天賦の五分に見えて実は違う」
小鍛治「サイコロは通常奇数は奇数面に偶数は偶数面に集まって出来ている」
小鍛治「つまり、サイコロを振る際に偶数面を軸に、奇数面が見えるように投げれば確実に奇数のみを出す事が可能」
小鍛治「これは…勝てる勝負!!」
福与「よくあることですから」
針生「何かサイコロを潰すぐらい握り締めてるんですけど」
福与「あれもよくあることですから」
小鍛治「ふぅ」
小鍛治「お父さん、お母さん待ってて」ウル
小鍛治「今!私の大切な人を連れてくるから!!」ブワッ
小鍛治「ダイスロォォォォォォォォォォォォォール!!!」
ギュルルルルルルr!!!!
針生「あれは…」
福与「すこやん、ちょっとヤバいかも…」
ギュルルル…ル…ル
小鍛治「回転が弱まってきた!!」
福与「1,3,5の面」
三尋木「スゲーほんとにできちゃうんだ」
小鍛治「ありがとう、お父さん!お母さん!」
ル…ルル…ルルr…
福与「止まる!!」
小鍛治「えんだああああああああああああああああああああああ」
三尋木「つかめちゃ埃舞い上がってんですけどブワァックショイ!!」
グラグラ……コロン
………2
小鍛治「いやああああああ!!!」
小鍛治「ああぁ…ぁぁ」
福与「す、すこやん!!」
針生「ここまで一喜一憂できるとは、ていうか」
三尋木「正直すまんと思ってるよ」
福与「すこやん…待ってて。今私が一攫千金で必ずすこやんを幸せにしてあげるから!!」
針生「これそういうゲーム!?」
福与「よし、5だ…『とにかく凄い100万増える』よし!」
三尋木「何かこれ偏りすぎじゃね?」
1
三尋木「あたーえりちゃんここは空気読まないと…」
針生「サ、サイコロなんだから仕方ないじゃないですか!」
小鍛治「ど、どうぞ私は気にせず…お幸せに!!」ブワッ
三尋木「私の勘じゃここらで一波乱あるね、知らんけど」
針生「今のが一波乱なんじゃ…」
4
三尋木「何々…4は、『ダメかもしれない。かなり危険な状態。所持金全て支払えば助かるかも』」
三尋木「…払うさ、払うしかねーんじゃねえの」
三尋木「助かるかも知れねーって言われたらもう縋るしかねぇ。神頼みってのはこういうもんさ。知らんけど」
福与「うたちゃん、とうとう0円に」
針生「あなたまでそう呼ぶの!?」
福与「…」
小鍛治「あ、やった6だ。えっと…『婦人会に出れない出不足金5000円支払う』」
小鍛治「うううぅぅ」
針生「これコマおかしくないですか!?」
コロコロコr…5
福与「5は、『会社がかなり成功、ついでに結婚もした、ついでに子供も生まれた。他のプレイヤーから1万ずつ貰う』…」
小鍛治「あああぁぁぁぁぁっっっ」
三尋木「あああぁぁぁぁぁっっっ」ドンドンッ
小鍛治「いいんだよこーこちゃん。これはゲームなんだから」ゲッソリ
三尋木「人生のゲームよりもゲームの人生を歩みてぇよ」
針生「なんかやりにくい…って!!」
針生「小鍛治プロ!小鍛治プロ!見てください」
針生「しかもあれは…『ips細胞ルート』の分岐ですよ!!」
小鍛治「なにそれ!?」
針生「あれはおそらく、ips細胞で同性の間でも子供が出来るというルートです!」
小鍛治「どういうことなの」
小鍛治「こーこちゃん?」
福与「そのコマこそがすこやんの本当の幸せのコマだよ!!」
福与「結婚なんてしてもしなくても関係ないんだよ!」
小鍛治「あるよ!!」
福与「世界の平和の為に三尋木プロは借金地獄に姿を消し」
福与「針生さんは子供の養育費に順風満帆な生活から火の車に」
福与「私は、やることなすこと全てが成功し現時点で所持金は単独トップ」
福与「そしてすこやんは」
針生「凄い、小鍛治プロもう4回目の同窓会を乗り切った…」
三尋木「彼女の目を見なさい…獣のように力づよくそれでいて優しい」
三尋木「あれは探求者の目です」
針生「あなたはもう誰なんですか?」
三尋木「わかんねー、いきなり『司祭に謁見』とかわかんねー」
小鍛治「これで私の番」
針生「分岐コマまであと6つ」
福与「けどすこやんの体力を考えればこの1回で決めたい!」
針生「三尋木プロ?もう普通なのかどうなのかわからないんですけど」
三尋木「そんなことよりもあの目をみな、さっきまでの動揺も焦りもねえ」
三尋木「こりゃお釣りなしで6出すぜ」
針生「それさっきも聞きましたけど」
三尋木「わっかんねー」
スッ…6
針生「!あれは」
福与「あまりにも滑らか過ぎて止まっているように見えたほど!」
三尋木「これでipsマスか、問題はこっからだな」
針生「え!?子供が3人国立大に!?」
三尋木「異国の土地で宣教!?」
小鍛治「みんなも大変だね」
福与「けど、ここが正念場だよ!」
小鍛治「『1を出したら、科学の発展に大いに感謝しあなたは幸せを得るでしょう。今すぐ子作りです』」
小鍛治「『2、3、4、5、6を出したら、本当に幸せになる気があるんでしょうか?もしかしてips細胞とはあなたの妄想では?』」
小鍛治「これは、厳しい…」
針生「1を出すしかないなんて」
小鍛治「…ダメ、私には」
福与「すこやん!!」ギュ
福与「諦めないで!すこやん!!」
福与「出せる、カッコいいすこやんには、私が憧れたすこやんになら必ず出せるよ!」
福与「私たちには見守ることしか出来ないけど、信じてるから」
針生「自分の直感を信じてください」
三尋木「がんばれ~」フリフリ
小鍛治「みんな、みんな…」ブワッ
小鍛治「みんながいてくれなかったらここまでこれなかった」
三尋木「凄いな小鍛治健夜」
小鍛治「みんなのお陰で私は」
三尋木「やはりこの娘は」
小鍛治「飛べる!」
三尋木「天才!」
福与「すこやん…」
三尋木「いや違え、勝負を捨てたわけじゃねえ。むしろこれこそ小鍛治健夜のアルティメットスロー!」
三尋木「完璧に脱力、けどわかるぜ。これは出る!」
小鍛治「出せる…1が」
トンッ…
針生「出た…?」
三尋木「…」ニッ
福与「やった…やった!やったね!すこやん!」
小鍛治「子供が出来るよ」
その夏の日、青い空の下4人の乙女の友情は確かに1つに繋がった
針生「どうやら一着にはなれそうにありませんけど」
福与「すこやん。良かったね」
小鍛治「うん。あと1つ、これで上がれる」
三尋木「ゴールはコマ数ピッタシになるまであがれねえみたいだけど、その心配はいらねーか。知らんけど」
隣に座ってくれる人は結局いないけど、これは私と私の最愛の友人との大切な子供だ
小鍛治「じゃあ先に待ってるね」ギュ
福与「うん、私もすぐ行くから」ギュゥ
三尋木「ひゅ~何か照れんねー」
針生「意外と初心なんですね三尋木プロも」
全ての科学技術にありがとう
針生「私ももう少しだったんですけど」
全ての結婚にさようなら
福与「すこやん、絶対幸せになろうね!」ニッコリ
そして全ての人生に
小鍛治「うん!」
おめでとう
母「ただいま~、健夜?あんた起きてんの」
小鍛治「……」
母「あら、なによそんな隅で体育座りなんてして。いるなら返事ぐらい、ってま~何こんなちらかして」
母「あらお茶?誰か来てたの?恒子ちゃん?」
小鍛治「うん…」
小鍛治「うん…まあね…」
母「ま~珍しい。というかどうしたのあんた?何してたの?」
小鍛治「何してたって…」
小鍛治「今にして思えば…ホント何してたんだろ。凄い恥ずかしいことばっかやってたなー…」
小鍛治「せっかくの夏休みなのに…」
小鍛治「休日の1日使って…」
小鍛治「結婚だ子供だって恥ずかしアピールばっかして…」
小鍛治「結局ゲームじゃん…」
小鍛治「私の人生っていったい…うふふふ」
完だよ!!
アラフォー頑張れ!
アラフォーに幸せあれ
アラフォー可愛いよアラフォー
すこやん…
Entry ⇒ 2012.08.14 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (4) | Trackbacks (0)
竜華「怜ー、しりとりしよ?」
怜(せっかく膝枕気持よくて眠れそうやったのに…)
怜「いや、寝るだけやもんって…」
竜華「とにかく暇やの!しりとり!…な?」
怜「え‥まぁ、ええけど…」
怜(なんでそんな必死なんやろ…)
怜「んー、山手線ゲームとしりとり足した感じやな」
怜(なんやろ、普段よっぽど寂しかったんかな。哀れなほど喜んでる…)
竜華「じゃあうちからやで!」ウキウキ
怜「…」
竜華「んー、………あ、『牌』!怜、次『い』やでー」ウキウキ
怜「…」
怜(うわぁ…寝てたかった…)
怜(い、一向聴…は『ん』で終わるし…)
怜(一筒…も『ん』で終わる…)
怜「…」
怜(あかん、これ楽しない…)
竜華「この場合うちは『そ』からなん?『う』からなん?」
怜「え、いや、そうやな、『う』からなんちゃう?」
怜(正直どうでもええわ…)グテー
怜(竜華って普段何して遊んでんねんやろ…)
怜(中学の時から麻雀ばっかやったからなぁ)
怜(うちとも部や麻雀のことばっか喋ってたし…)
怜(やから言うて麻雀しりとり誘うんはどうかと思うけど)
怜「なぁ、竜華」
竜華「どないしたん、怜。次『う』からやで!」ウキウキ
怜「いや、遊ぶんはええねんけど、別のことせーへん?」
怜(正直びっくりするほど麻雀としりとりが合わへん)
怜「それしりとり以上に不毛や。牌の種類言い合うゲームになってまう」
怜(と言うか、麻雀縛りは絶対なんやな…。ま、竜華らしいけども)クスッ
怜「竜華はほんま麻雀一筋やなー」
竜華「えー、でも怜と打ててるから楽しいんやでー?」ニコッ
怜(…なんや顔熱なってきた)
怜「」クルッ
竜華「ちょ、なに人の膝の上で寝返りうってんのー」
竜華(あーあ、怜寝るきやな、これ)
怜(にしても、まさかようわからん麻雀しりとり持ち出すほど暇やったとはな…)
竜華(んー、やっぱり麻雀しりとりはあかんかったかな。セーラはええ言うてくれたのに)
怜(ん、膝枕させてもろてるわけやし、次はうちから竜華誘って遊ぼかな)
怜・竜華(んー、何やったら喜ぶかな。あの子、いまいち掴みどころあらへんし)
怜・竜華(……おやすみ)
おわり
脳内でしりとりやってみたけど見事な「う」地獄だった
Entry ⇒ 2012.08.14 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
怜「ラオウ兄は、試合見に来んとってな」
ラオウ「バ・・バカな・・おれが・・・、このラオウが震えて・・・・・」
ケンシロウ「ラオウよ、家に帰るときがきたのだ」
ケンシロウ「ラオウ・・・俺が、代わりにトキの活躍を見て来よう。大人しく家に帰るのだ。」
怜(ラオウ兄、目立ちすぎやねん!!子供の頃から、恥ずかしい思いさせられるし。竜華やセーラ達に見られたら恥ずかしいちゅうねん)
竜華「怜、お疲れー。次は白糸台やな。気合入れて頑張ろやー」
怜「そやね。家族もテレビで応援してくれてるしな。いい所、見せたいな。」
セーラ「そーいや、怜には兄と弟が居るって噂やでな。どんな人なん?」
怜「えーと・・・、ちょっと私と違って、体が丈夫で・・・。あぁ、パチンコ屋とかで闘って・・・いや店員してるで。」
セーラ「へぇー、そうなんや。怜と同じで、体弱いんかと思ったわ(笑)」
竜華「私ら、長い付き合いやのに見た事ないもんなー。ちょっと、見てみたいなー」
セーラ「ははは、私ら高校生やん。そんな事あるわけないやん」
竜華「そうそう、うちら大阪人がびびる事なんか、そうそうないって」
怜「・・・まぁ、会う事もないやろ。セーラと竜華の家族は見に来てんの?」
セーラ「来てるでー。俺らが東京着く前から居たみたい(笑)ほら、あそこの差し入れのお菓子は竜華のお母さんからやで」
怜「おおー、おおきに。後で食べさして貰うわ」
怜「わかった」
ラオウ「女の情けは男にとって最大の屈辱!トキよ。俺を止めるのは、神でも止められぬ。ケンシロウが居ない内に・・・。ぬぅぅううぅぅぅぅぅん」
ケンシロウ「ラオウが居ない!!!!!!!」
ラオウ「フハハハ、何人も俺を止める事は出来ぬ。この拳王に無抵抗は武器にはならぬ!!」パカパカ
咲「あれ・・・、東京って馬が走ってるんだ・・・都会なのに・・・」
和「咲さん・・・、そんなオカルトありえるわけないじゃないですか。さぁ、電車に乗りますよ」
怜(兄ちゃん、ごめんやで。でも、麻雀人生で一番大切な死合になると思うんや・・・。集中したいんや。千里山を優勝の悲願に向けて)
怜「よろしゅう」
照「よろしく」
煌「すばらです」
玄「おまかせあれ!」
照「なに?千里山」
怜「対局前に聞きたい事あるんやけどいいか?」
照「いいよ」
怜「あんた、最近。星を見た事あるか?」
照「星はわりとよく見てる。昨日も見た」
怜「北斗七星の横に赤い星って見た事ある?」
照「は?北斗七星の横に星なんて聞いたことないけど・・・」
怜「そうか・・・見えてないんやな・・・。流石、帝王やな」
玄「あ、私、それ見た事ありますよー」
煌「私はないですねー。星はわりとキレイに見えるんですけどね、長野も福岡も」
怜「まぁ・・・、私も大阪立つ前に見えたわ・・・。でも私も 一人の雀士としてこの生をまっとうしたいねん」
怜「ほな・・・、死合開始と行こうか」
・
・
・
ラオウ「神に感謝せねばなるまい・・・わが妹をこれだけの舞台に送り出してくれたことを!!」
ラオウ「おっと・・・、ビデオの予備バッテリーも買わねば・・・。黒王号は駐輪所に置いて・・・。」
照「ツモ」
怜(来たな・・・。でも帝王の上がりの秘密はもう知ってるで・・・)
怜「私の麻雀を高めたのはチャンピオン!あなた自身の存在だ!!ダブル!!」
怜(流石にダブル使っても、安手は止められへんかったな・・・。まぁ、ドラが阿知賀が多分抱え込むから、マシな速度なんやろうけど)
照「ツモ」
怜(順調に連続和了しよるな・・・。しかし激流を制するのは静水ってなんかの漫画で見たな)
怜(今は・・・、静かに最少失点で待つのみやな)
怜(けど倒れてもうたら、元も子ないしな。ラオウ兄がおったら、乱入しかねへんな。全国ネットで園城寺家の恥さらす所やったわ。ってかケンシロウのファッションセンスもどうかと思うけどな)
怜(ユリアちゃんのために、大会終わったら私が東京のオシャレな店で服でも買ってあげんとな)
照「ツモ」
玄「まだ一度も聴牌も出来てない・・・」
咲「・・・東京の人って、肩にパットとかつけてるの?」
優希「流石、都会だじぇー。あんなの長野のユニクロじゃ売ってないじぇ」
和「すごい筋肉ムキムキですね・・・。」
って書くと北斗っぽい
怜「くっ・・・ダブル連発でも、何にも出来んかった・・・。新道寺と二人がかりでこれか・・・。チャンピオン予想以上や。これ以上 小細工をしかけるのは不可能・・・ならば次の後半こそ身を捨てた最後の一撃!!」
玄「」カタカタ
ラオウ「ぬうぅぅぅぅぅぅううぅぅぅぅ、しまった!もうトキの死合が始まってるではないか!レジが混んで・・・。急がねば・・・」
ケンシロウ「そこまでだ。ラオウ。貴様の野望はここでついえる」
ラオウ「ケンシロウ・・・。うぬ、どうしてもこの拳王の進軍を止めると言うか!退け!」
ケンシロウ「どうあっても、退けぬ。妹の願い」
ラオウ「ならば、力づくで退かせるまで。ぬうぅぅううぅぅぅぅ。」ゴーショーハ
ケンシロウ「ラオウ、次はキックをするつもりだろうが・・・。俺に通じぬ」
ラオウ「むぅ!?まさか一巡先・・・。その先読みは、怜!?」
ケンシロウ「ラオウ・・・、しばらく寝てもらうぞ」アタ、アタタ
ラオウ「迷いも見えぬ!!怯えも見えぬ!!妹がきさまの拳を高めたか!!」
咲「なんか・・・、喧嘩してるよあの男の人達」ブルブル
優希「すごい迫力だじぇー。麻雀の試合見るより、こっち見たいじぇ」
和「とりあえず警察に電話しときましょう」
怜(まぁ居たら、多分死合を中止してでも、病院連れてかれるやろな・・・。でも、もうちょっとだけ無茶するわ)
照「ロン」
煌(千里山さんが無警戒で振り込むとか、珍しい)
怜「フッ…だがまだ生きているで」
怜「ツモ」
玄(千里山の人、いつもなら「せめて痛みを知らずに安らかに降りるがよい」とか言いながら、一発リーチするのに・・・)
玄「自分の必殺技を捨ててまで・・・」
ケンシロウ「次の一撃が最後になるだろう」
ラオウ「うむ、野次馬も集まって来たしな。立って居た方が、妹の死合を見届ける。それでいいな?」
ケンシロウ「ラオウよ、家に帰るときがきたのだ。」
ラオウ「ほざけ。うぬを病院送りにしてでも、怜の活躍を俺が見届ける。ぬぅぅぅぅ!!ビデオカメラが!」
優希「もう粉々だじぇ」
咲「私、普通のカメラなら持ってるけど、貸してあげた方がいいかな」
和「いや、関わらない方がいいですよ咲さん。」
照(ん・・・、なんかとても嫌な予感・・・。まるで咲が嶺上開花する時に放つ闘気のような・・・。けど、私とは帝王。退かぬ!媚びぬ!!省みぬ!!!帝王に逃走はない!)
照「リーチ」
煌「リーチかけましたわね」ニヤリ
煌「とうとう、河にドラが出ましたわね」
怜(よし!来た!ここで、来るのが・・・。阿知賀や!)ポン
怜(阿知賀の先鋒の肉体と魂はチャンピオンの想像をはるかに超えたんや!!)
玄「り、リーチです」
怜(よし・・・、最後の牌や・・・。これを無事に捨てさえすれば・・・。あれ・・・力が入らん)
怜(なんか知らん世界が見える・・・。ってなんで私、ラオウ兄と闘ってるんや・・・。勝てわけないやん)
玄「あっあの・・・大丈夫ですか?人、呼びましょうか?」
ラオウ「トキ!うぬの力はその程度か!」
会場にいるモブA「で、でけー!!!!」
B「急に立ち上がって、どうしたんだろ」ビクビク
ざわっざわっ
怜「ま・・・たせてごめんやで・・・。ちょっとどれ切るか迷ってたんや」プルプル
怜「こ、この牌で・・・」トン
照「・・・」
照(これが・・・当たり牌か)
照(振り込むのは帝王って呼ばれる前だったかな)トン
玄「そ、それロンです!!」
玄「お疲れ様でした」
煌「すばらでした」
怜「・・・・・」
玄「園城寺さん?」
怜「ごめんな・・・、私、仮病やから・・・」フラッ
ガシッ
ラオウ「トキ病んでさえいなければ・・・、水面のごとく静かなるその奥底に火の激しさをもった妹よ!!体をいとえよ。」
玄「おおお、おっきな男の人」カタカタ
煌「すばらな大きさですね・・・。怜さんをどうするつもりですか!?」
ラオウ「決まっている。病院へ連れて行く」
ダッダッダ
竜華「とーーーーーーきーーーーーーー!!!!!!!!ってなんやこの大男は、怜を離さんかい!」
ラオウ「娘。死にたくなければ今すぐ道を開けよ」ギロ
竜華「ひっ!?い、いやや。うちは怜の一番の親友なんや!」チョロ
ケンシロウ「あぁ、待ってくれ。その男は、不審者ではない。俺とそこの男は園城寺の長兄と次兄だ。」
竜華「えっ!?怜のお兄さん!このゴツイのが!遺伝子、同じところないやんか!」
竜華「そ、そうやった。救急車、呼んだばっかりやで・・・」
ラオウ「いらぬ。俺の方が早い。俺は先に病院へと向かっているぞ」
ケンシロウ「うむ。俺も後から行くとしよう。対戦相手の君達、まさしく怜の強敵(とも)だった!」
玄「は、はい」
煌「お気をつけて」
照「次は絶対に振り込まない。天も宿命の対決に興奮してくれるような気がする」
ラオウ見て後回しにする人は多分いない
怜「ラオウ兄・・・約束破ったなー」
ラオウ「怜、見事だった。うぬの闘牌、しかと見届けた。後半戦だけになってしまったがな」
怜「そうか・・・。今までの人生で一番頑張った気がするわ・・・。ほんま・・・生きるって辛いな」
ラオウ「ふはは、うぬの軟弱な拳でこの拳王は倒せんぞ!!ゆっくり治すがよい」
怜「はぁ・・・毎年毎年、倒れてはラオウ兄の背中におぶさって・・・、その・・・、あの・・・負担になってごめんな」
怜「そやな・・・。私も男やったら、ラオウ兄とケンカしたりしたんかなぁー。まぁ・・・、何順先を読んでも勝てる気せーへんわ。」
ラオウ「よし、では病院に着いた。では、ゆっくり眠るがよい」ピプー
怜「あ・・・また勝手に秘孔突きよって・・・、起きたら覚悟・・・しといけ・・・・や」スピースピー
ラオウ「痛みを感じない秘孔を突いた。先生・・・、よろしく頼みます」ペコリ
竜華「うちらは阿知賀を倒して、見事に二位。白糸台には届かんかったけどな。怜は助かったものの、しばらく牌を握るのも禁止。みんなの意見で、次の試合は棄権する事にしたんや。千里山の先鋒は怜以外考えられへんからな」
竜華「にしても・・・セーラ」
セーラ「なぁなぁー、怜の兄ちゃん、めっちゃカッコよくない!!めちゃくちゃ強そうやで!ってか強いし!俺、生まれて初めて男をカッコいいって思ったんやけど!!」
竜華「あんた・・・趣味変わってんなぁ・・・。筋肉ダルマがいいんか?」
セーラ「俺は麻雀の次に格闘技と筋肉が好きやで!」
セーラ「いやいや、竜華はわかってない。筋肉はとにかくついてた方がいい。圧倒的パワー。麻雀にも必要な物やけど。3900三回より12000一回やで!」
セーラ「剛の麻雀こそ、俺の麻雀や。そしてラオウさんは剛の人//ステキやん//」
竜華「あー・・・そかそか。そうゆう世界もあるわなぁ。ってかケンシロウさん、彼女おるしな。」
セーラ「えぇー、恥ずかしいやん//一緒に着いて来てーなー」
竜華「つーか、病室に居なかった日ないやんけ・・・。」
・
・
・
怜「なぁ・・・ラオウ兄ちゃん」
ラオウ「うむ。なんだ。」
怜「会場めちゃくちゃにした修理費、どうすんねん!!なんで壁に穴とかあいてんねん!!」
終わり
ってかギャグ書きたかったんだけどなぁー。うーん、失敗チーン
拳王もまた人の子であったか
照「私はアリの反逆さえ許さぬ!」
照「対等の敵があらわれたとき、帝王自らが虚をすてて立ち向かわねばならぬ!!」
照「咲さん・・・む・・・むかしのように・・・もう一度 ぬくもりを・・・・・」
サウザーのセリフコピペしただけだが、案外しっくり来るのは気のせいだろうか・・・。VS咲戦みたいな
Entry ⇒ 2012.08.13 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
淡「ねぇ」 照「……」
淡「今日はしないんだ?」
問い掛けに、彼女は本から私へと視線を移した。
うるさい邪魔するな、とでも言いたげな表情で一瞥すると、また紙面の文字を追う作業に戻る。
面白くない私は、けれども苛立ちを抑えて彼女を呼ぶ。
淡「ねぇってば」
しかし、当の彼女は相変わらずの沈黙だった。
淡(呼んだのはそっちのくせに……)
良いだろう、待ってやろうじゃないか。
私は彼女の座る傍の、長机の上に行儀悪く腰を下ろした。
ぶらぶら。子供っぽいな、と思いながらも、宙に浮く脚を揺らしてみる。
合わせて机がゆるゆると軋む。
これで彼女の読書を少しでも邪魔できないだろうか。
ちらりと窺ってみるも、彼女は私など気にも止めていないようだった。
淡(……ま、わかってたけど)
本に集中しているのか、意図的に無視しているのか。
……どちらでもいいか。
彼女の真剣な眼差しを見ながら、それが私に向けばいいな、なんて。
淡(無理無理、ないない)
考えて、自嘲する。
思考を掻き消すように頭を振った。
しばらくして、彼女の漏らした吐息が空気を揺るがせた。
ぱたん、と手の本が閉じられる。
淡「読書は終わり?」
照「あぁ」
彼女は本を丁寧に鞄へ仕舞うと、立ち上がって私へと向き直った。
彼女とは、私が机の上に座ることで、同じ高さで顔を合わせられる。
身長も年齢も、麻雀でも私の上をいく彼女。
並ぼうと思って、届くところではない場所。
だけど、この時だけは。
淡「実は、期待してるんでしょ?」
この時間だけは、隣に立てる気がして。
彼女が、私だけを見てくれる気がして。
淡「ねぇ、照」
にやりと口の端を吊り上げてみる。
彼女はひどく冷めていて、けれども私の熱は上がっていく。
照「期待してるのはお前だろう、大星」
凜と張った涼しい目もとに見惚れてしまう。
視線が私を射抜いた一瞬、世界が止まったかと錯覚した。
淡「……、」
一体、何人がこうして彼女に囚われただろうか。
淡「そんなわけ――、」
ない、と。
続く言葉は唇に塞がれて、彼女の中へと消えていった。
淡「ん、くっ……」
彼女の指が私の肌をなぞって、触れられた所が熱を持って、そして私はそれに浮かされていく。
淡「んんっ、あんっ……」
唇を塞がれて、肌を吸われて、局部を撫でられて。
淡「ん、あ……ふあ、あっ……」
いつからだろう。
彼女への憧れが、失望に変わったのは。
そしてそれが、どう違えて愛慕に変わってしまったのか。
揺れる視界と思考の中で、ぼんやりと記憶をなぞった。
―――――――
―――――
―――
彼女は、私の憧れだった。
照「大星」
前年度のインターハイ及び今年度の春季大会の2冠優勝者。
高校生1万人の、頂点。
淡「何ですか、宮永先輩」
インターハイといえば彼女のこと、とまで言われるほどの実力の持ち主。
そんな先輩に呼び出された。
夕焼けに染まる部室で、他の部員は誰一人いない。
私と先輩だけの空間だった。
照「回りくどいのは苦手だ。単刀直入に聞こう」
相変わらず表情の変わらない人だな、と思った。
入部当初こそ驚いたものの、取材記者や報道陣へするような偽りの笑顔よりは、こっちの方がずっと良い。
照「お前、私が好きじゃないだろう」
何もかも、お見通しと言ったふうな瞳だった。
ふ、と息が漏れる。
淡「そんなこと無いですよ」
そう、先輩は憧れであり、今まで出会った中で最も強い敵であり、倒したい相手であり。
照「遠慮しなくていい。好いてもいない奴とチームを組んで打つ麻雀は楽しいか」
楽しい?
無表情で麻雀を打つ先輩から、そんな言葉が聞けるなんて思ってもなかった。
淡「先輩を嫌ってなんかないですよ」
照「じゃあお前のそれは憎悪か?」
淡「……それも、少し違うと思います」
この感情はそんなんじゃない。
もっと違う、純粋な何かで。
照「私と卓を囲む時、お前からは殺気めいたものを感じる」
淡「……」
照「違うのか」
淡「ええ」
照「じゃあアレは何だ」
淡「……そうですね」
淡「あなたは、私の憧れなんですよ」
淡「あなたのようになりたくて、あなたと打ちたくて、私は白糸台に入りました」
淡「覚えてますか? あなたと初めて卓を囲んだ時のこと」
淡「格の違いを見せ付けられました」
淡「私だって、自信はあったんですよ。大好きな麻雀で、今まで負けたことなんかなかったから」
淡「だから悔しかった、すごく。私の力じゃ遠く及ばない、こんな人もいるんだって」
淡「それで一層あなたへの憧れが強くなりました。同時に、こうも思ったんです」
淡「あなたに勝ちたい」
照「……」
淡「純粋な憧れが、闘争心に変わったんです」
憎いわけじゃない。
妬んでいるわけじゃない。
ただ、それに近しい感情はあると思う。
淡「勝ちたいと思うあまりに、知らず知らず先輩に誤解を招いていたんですね。すみませんでした」
照「いや……なるほど、それであの気迫か」
淡「はい、だから」
今は到底及ばない、けれど必ず追いついて、抜かしてみせる。
大きく立ちはだかる先輩を見据えて言った。
淡「宮永照。私があなたを倒す」
先輩は、その言葉に一瞬目を丸くして、それから口端を釣り上げた。
照「あぁ、やってみろ」
初めて見た、彼女の表情。
見繕ったそれとは違う、らしくない子供っぽい笑みだった。
淡「すぐに追い越してやりますよ」
宮永先輩を倒す、そのためなら、どんな努力も厭わない。
私は、ただこの人を超えるために。
そう、思ってた。
それからは毎日が練習の日々で、たった数ヶ月の間に、自分でもよくやったと思う。
相変わらず先輩には一度も勝てなかったけれど、それでも一緒に打つ麻雀はとても楽しかった。
淡「照先輩、今日こそ倒しますよ」
照「淡、毎日聞いてるぞ、それ」
淡「毎日言ってますもん」
照「ふ……今日も返り討ちにしてやろう」
淡「させません!」
毎日のように先輩に挑んで、そして宣言された通り返り討ちに合う。
勝てないことは悔しい。
けれど、それ以上に麻雀が楽しい。
あれから先輩は私を気にかけてくれるようになった。
話すことも増え、知らなかった一面を知り、私の中で先輩の存在はより大きいものになっていった。
そんな充実した日々が続いていた、ある放課後のことだった。
それはたまたま部室の前を通りかかった時で――――そこで聞いた、誰かの嬌声。
声の主はわからない。
ただ、荒い息づかいの節々に、照先輩の名を呼んでいた。
淡「…………、」
一瞬で思考がフリーズして、それでもここにいたらいけない事だけはわかったから、走ってその場を離れた。
走って、走って、その間中、思考はぐちゃぐちゃだった。
淡(なんで……照先輩……)
迷いのなかった心に、暗い雲が覆い始めた。
疑い出したら早いもので、あっという間に、私の中の先輩は崩れ去っていった。
「ああ、大星さん知らなかったの?」
噂を耳にして、失望した。
「宮永さん、取っ替え引っ替えで部員の子に手を出してるらしいよ」
「まぁ、あれだけ有名人だもんね。ファンも大勢いるだろうし」
「来るもの拒まずで、誰でも抱いてあげてるとか……」
「え、宮永先輩好みの可愛い子は無理矢理……って聞いたけど」
「まぁどっちにしろ、あの人にはあんまり近付かないほうがいいんじゃない?」
「淡は大丈夫? あんた可愛いから、先輩に襲われちゃうかもよ~?」
「あはははは! 止めなってぇ」
知らなかった。
憧れだった先輩に近付けて、舞い上がって、彼女を知った気になって、でも結局は彼女のことなど、わかっていなかった。
淡「……先輩、ちょっといいですか」
照「なんだ淡?」
噂のことを問い詰めた。
あんなこと、嘘であって欲しかった。
否定してほしかった。
照「あぁ、そのことか」
淡「……」
照「毎回断りはするんだが、泣かれるとどうも弱くてな……」
先輩は、麻雀を打つ時と同じ表情で、淡々とした口調で肯定した。
淡「……もういいです」
淡「……先輩には、がっかりですよ……!!」
自分でも、何を言ったのかあまりよく覚えていない。
よくわかっていないような顔をする先輩に、込み上げて来たぐちゃぐちゃな感情をぶつけたのは覚えている。
照「淡、お前何を怒って…………、あぁ、こうすれば良いのか?」
先輩の手が私を捕まえて、指が顎を撫でて、すぐ目の前には先輩の顔があって。
淡「――っ!?」
柔らかで、ほんの少し甘い先輩の唇が、私のそれを塞いでいた。
照「……ん、ふ……」
淡「んっ……!? っ、んむっ……ちゅ、んんっ……!」
よくわからない感情と感触に驚いて、何故だか視界が潤んだ。
淡「……っ! やめてください……!!」
照「……?」
淡「はぁ、はぁっ……最低、です……っ、信じてたのに……!」
その後、どう帰宅したのか覚えてなくて、帰るなりご飯も食べずに部屋に篭った。
淡「……」
私の憧れだった宮永照は、もういないんだ。
淡(……これから、どんな顔して先輩に会えばいいんだろう)
失望と苛立ちとがぐるぐると渦巻いて目が回る。
もう何も考えたくなくて、ベッドに身を放り投げた。
淡(なんで、あんなこと……)
無意識に指で唇をなぞっていたのに気付いて、枕に顔をうずめた。
淡(……明日、部活行きたくないや)
ついこの間まで、部活に行きたくて、先輩に会いたくて、先輩と麻雀を打ちたくてしょうがなかったのに。
淡(…………)
思考に捕われているうち、私はいつの間にか眠りに落ちてしまった。
淡(……)
放課後、部室には来たものの、私はドアの前で入りあぐねていた。
相変わらず気持ちはモヤモヤとしたままで、やはり帰ろうと踵を返そうとしたその時だった。
照「淡?」
淡「……!」
今、1番会いたくなかった。
私のそんな心情を余所に、変わらない口調で先輩は言う。
照「鍵が開いてないのか? ……なんだ、開いてるじゃないか」
淡「……」
照「どうした、入らないのか? 今日も私と打つんだろう?」
淡「……」
淡「……なんで、ですか」
照「?」
淡「どうして、何事もなかったような顔で話し掛けられるんですか!?」
淡「私は、ショックでしたよ……!」
淡「ずっと憧れだった、目標だったあなたが、あんなことしてたなんて……」
淡「みんなの気持ちを利用して、好き勝手なことしてるだけじゃないですか!」
淡「何が、高校生の頂点……!」
淡「何で、何で私は、こんな人……!!」
淡「あんたなんか、もう憧れでも何でもない!」
淡「私は、私はっ……!」
照「……淡」
ひどく、冷たい声だった。
照「来て」
突然にぐっと手を掴まれ、そのまま有無を言わさず引きずられて行く。
淡「……!? ちょ……せんぱ……!」
スタスタと、一度もこちらを振り返ることなく進んで行く。
手には力が篭っていて、少し痛いくらいだった。
淡「どこ行くんですか……離してください!」
連れて来られたのは、部室近くの仮眠室。
淡(……そういえば照先輩、よくここ利用してたっけ)
大抵は部室で本を読んだり、麻雀を打っている先輩。
それでも部室に姿がない時は、決まってここで寝ていた気がする。
淡(菫先輩に言われて、何度も起こしに行った……)
照の目覚まし係だな、なんて言われて、そんな係押し付けないでくださいと言いながら、本当は満更でもなかった。
穏やかに寝息を立てる照先輩の顔は普段とは違っていて、無防備で可愛い。
それを独り占めできることが、嬉しかったから。
淡(それも、思い上がりだったんだ……)
ガチャリ、仮眠室のドアを開く音で我に返った。
淡「きゃ……!?」
中に入るなりベッドに放り投げられる。
鍵のかかる音が聞こえて、私の頭に警鐘が響く頃には、もうすでに遅かった。
淡「っ……何、するつもりですか……!」
覆いかぶさるようにして、先輩が私を囚える。
照「……」
先輩は無言のまま、私の頬を撫でた。
びくりと身体が跳ねてしまって、けれども気持ちは負けないように、視線だけは逸らさない。
照「……、」
ごめん、と聞こえた気がした。
淡「っ!?」
柔らかな唇が重なった。
触れて、離して、まるで恋人同士でするかのような優しいそれに、困惑と怒りとが混ざり合う。
淡「や、めっ……んむっ……!?」
舌が口内に入ってくると同時に、制服の裾から先輩の手が侵入してくる。
淡「っ、……ふっ、ぅ……」
口の中でぬるぬるとうごめくそれを噛んでやろうと思って、できなくて、太股を撫でられて力が抜けた。
淡「ん、く、……ふっ……」
酸素が足りなくて、気持ち良くて、徐々に頭が痺れてくる。
たっぷり口内をねぶられてからやっと唇を解放されて、足りない酸素を勢いよく取り込んだ。
淡「ぷはっ! はぁっ、はっ……はぁっ……」
じわじわと熱が高ぶっていて、頭がぼーっとする。
逃げなければと思うのに、身体は言うことを聞いてくれない。
照「淡」
制服の上から胸を撫でられ、自分でもよくわからない感情でいっぱいになった。
淡「っ、ぁ……ん、んくぅ……」
引っ掻くような指使いが、固くしこり始めた先端に引っ掛かる。
その刺激がまた思考を奪って、体温を上げていく。
淡「あっ、……っ!」
びくびくと跳ねてしまう身体に気を良くしたのか、先輩はそこを執拗に弄り始めた。
淡「ひあっ……あっ、や……やだぁっ……!」
先輩の指が踊るように胸の先端を弄ぶ。
制服越しでも、私には刺激が強すぎた。
淡「んっ……あっ、ふぁあ……っ!!」
びくん、と身体が一際大きく跳ねた。
頭が真っ白になって、視界がぼやける。
照「……軽くイッちゃった?」
口調は優しかったけれど、意地悪な笑みだった。
淡「はぁっ、はぁっ……もう、やめて、くださいっ……!」
首筋を吸われながら、自由のきかない身体で私は抵抗を試みる。
淡「こうやって、いろんな女の子に手をだしてたんですね……」
淡「私にもこんなことして、どうするんですか……?」
淡「あなたを求めてる子なんて、ほかにごまんといるでしょう……」
淡「私にはもう、構わないでくださいよ……!」
淡「どうしてっ……」
照「黙って」
鋭い眼光に射ぬかれた。
一瞬で変わったその場の空気に、体温が冷めていく。
淡「っ……」
照「そういうのは、聞きたくない」
ふわりと頭を撫でる先輩の手は温かくて、その温度差に私は畏縮する。
淡「……」
照「可愛い声は聞きたいんだけど」
淡「何、言って……っ!」
くちゅ、と水音が響いた。
ショーツの隙間から、先輩の指が私に触れた音だった。
照「淡?」
淡「ん……、く、ふっ……!」
誰が、そんな声出すもんか。
右手でシーツをぎゅっと握って、声が漏れないよう左手で口元を覆う。
照「あぁ……そういうつもり?」
割れ目をなぞりながら、先輩は徐々に指を奥へと沈めていく。
淡「んん……ふっ……!」
じゅうぶんに濡れていたそこは、心とは裏腹に先輩の指を容易く受け入れてしまう。
あれだけ細い先輩の指が、中を圧迫してキツくて苦しい。
淡「か……はっ……」
ゆっくりと、慣らすように焦らすように、差し挿れては抜かれ、中と外を何度も往復される。
淡「ん、ふっ……ふぅっ……」
気を抜けば漏れてしまいそうな声を塞いで、懸命に快感に耐えた。
照「淡……」
そんな努力も虚しく、ぷっくりと腫れた陰核を転がされると、さすがに声が我慢出来なくなった。
淡「ひぁ、あっ……あっ、ひぅ、も……もう、やだっ……やだぁっ……ふあっ」
弄〈イラ〉うような指使いが私の快感を煽って、反抗心を奪っていく。
淡「あっ、あっ……ふぁ、あっ……はぁっ……」
きっとこの人は、ほかの子とも、こんなふうに。
やるせない想いを抱えたまま、けれど身体は愛撫に反応してしまって。
頭の中で火花が散って、二度目の快感の波が私の意識をさらっていった。
未だ軽く痙攣する身体で息を整えながら、ぼやけた視界に先輩を捕らえる。
照「……」
視線が交わったけれども、先輩から言葉はなかった。
淡「……」
しばらくして、先輩は立ち上がると踵をめぐらす。
これでたぶん、私たちの関係は終わるんだろう。
淡「……私は」
遠くなっていくその背中に、呟いた。
淡「私はきっと、先輩のこと、好きだったんですよ……」
先輩後輩としてでなく、ひとりの女の子として。
たぶんそれは、あなたを初めて見た時からで。
淡「でも」
淡「今はもう、そんな気持ちなんてない」
淡「先輩なんて、……大嫌い、です」
照「……」
照「私もだ、大星」
ドアが閉まり、私は一人、部屋に取り残された。
先輩なんて嫌いだ。
淡「……ぅ」
これは、ただ彼女に裏切られたことが悔しいんだ。
自分だけを見てくれていたなんて、思い上がっていた自分に呆れただけだ。
淡「ぐすっ……うええぇぇん……!」
こんな形で、彼女との関わりが壊れるなんて。
小さな恋が終わるだなんて、思ってもなかった。
先輩なんて、大嫌い。
そう自分に言い聞かせた。
そんなことがあって、けれども私は部活を辞めることはなかった。
照「大星」
淡「なに?」
やっぱり麻雀は好きだし、彼女を倒したいという思いも変わってはいないから。
照「人数が足らない。卓に着いてくれ」
淡「えぇ……しょうがないなぁ」
ただ、彼女との関係は少し変わった。
そのひとつが、口調。
淡「今日は倒すよ?」
何一つ敵わない彼女に、せめて仮初にも同じ場所に立てたらと。
淡「はぁ、2位か……また勝てなかったぁ」
照「……」
そして、もうひとつ。
照「……大星」
淡「なに?」
けじめは、つけたつもりだった。
照「部活が終わったら、少し残っててくれ」
けれど、彼女との繋がりが全て途絶えてしまうのは、私には堪えらなかったらしい。
淡「……いいよ」
ずるずると、曖昧で宙ぶらりんで、ひどく脆い関係が残った。
仕方がないと思いたい。
呆れることに、彼女への想いは変わらなかった。
―――――――
―――――
―――
照「……大星?」
彼女の声で、ふと我に返る。
長い間、過去に耽っていたらしい。
淡「……ちょっと、考え事」
照「そうか」
首に腕を回して、彼女を捕まえた。
淡「ねぇ」
淡「私のこと、好きですか?」
照「……あぁ」
変わらぬ表情と口調。
予想通りの答えだった。
淡「ふふ……それ、誰にでも言っているんでしょう?」
照「……」
逃がさないように、囲っていたつもりだったのに。
淡「ねぇ、私にも聞いて」
照「……大星は、私のことが好きか?」
いつの間にか、囚われていたのは私の方だったらしい。
淡「さぁ、どうでしょうね?」
言葉を並べて、気持ちを閉じ込める。
けれど、いくら外側を見繕った所で、内側の私はボロボロのままで。
淡「きっと、好きじゃないと思う」
そう思いたい。
けれども。
この抜け出せない甘い心地好さに、私は更に、溺れ囚われていく。
尭深「……」カリカリ
尭深「……」ズズー
尭深「……」カリカリ
尭深(「私は更に、溺れ囚われていく。」……)カリカリ
尭深「完、っと……」カリカリ
尭深「……ふぅ」
誠子「何書いてたんだ?」ヒョコッ
尭深「ひゃああああああああ!?」バッ
すばら!
尭深「ななななな、誠子……いつからそこに……」
誠子「いや……ついさっきだけど」
尭深「……見た?」
誠子「え?」
尭深「見た!?」
誠子「何を」
尭深「小説!!」
誠子「あぁ、それ小説なのか」
尭深「!? な、なし! 今のなし!」
誠子「へぇ、小説書いてるのか。すごいな」
尭深「や……その……」
誠子「どんな内容なんだ? 見せて……」スッ
尭深「だ、だめっ!!」バッ
誠子「いいじゃんいいじゃん、小説は人に見せるために書くんだろー」
尭深「いや……自己満足のために書いてるだけで……」ゴニョゴニョ
淡「なになに、たかみー小説書いてるの?」ピョコ
尭深「!?」
淡「見せてー」
\ワイワイ/
照「なんだ騒がしい……」
淡「あっ、テルー!」パアッ
誠子「いや、何やら尭深が小説を書いてるそうですよ」
尭深「わわっ、わー! わー!」
照「ほう、小説か……見せてくれないか?」
尭深「だだだだだめです!!」ヒッシ
照「むぅ……」
尭深「ふーっ!」
淡「たかみー、威嚇してる猫みたいになってる……」
照「まぁ、むりやり奪うのもアレだしな、ここらであきらめとこうか」
誠子「ですね」
照「ん。淡、こっち」
淡「なにー?」
照「よいしょ」ギュム
淡「うー、ちょっと暑いよテルー……」
照「落ち着く」スリスリ
誠子(相変わらず仲良いなぁ、この2人……微笑ましい)
尭深「……」ジー
誠子「?」
尭深「……」ズズー
尭深「……ふぅ」
尭深(たまにはドロドロした照×淡も良いかなと思って書いてみたけど……)
尭深「やっぱり新刊は照×淡イチャラブKENZEN本にしよう、うん」
菫「いや渋谷、やはりエースは後輩よりも部長と絡ませた方が良いんじゃないか?」
照「あれ菫、いつからいたの?」
淡「テルーお腹すいたーお菓子ちょーだーい」
おわり
地の文あるから読むの大変だっただろ
みんなおつかれ
支援、読んでくれてどうもサンクスでした
(そのイチャラブ本の内容も書いて)ええんやで
地の文ある方が好きだし楽しませて頂きましたわ!
淡照は最新号で更に妄想が捗ったな
また書いてね!
乙
久々に地のあるSS読んだ気がする
良かったよ気が向いたらまた地の文のSS書いてくれ
楽しみにしてるから
Entry ⇒ 2012.08.13 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
怜「竜華の体で色んな枕を試す」
怜「暑くて溶けそうや…」ゴロゴロ
竜華「せやなぁ」ナデナデ
怜「こんな時にエアコンが壊れるとかないわ…」ゴロゴロ
竜華「せやなぁ」ナデナデ
怜・竜華「………」
怜・竜華「あーづーいー」
セーラ・浩子(その膝枕やめればええのに…)
セーラ・浩子(ぶっ込んだー)
怜「何言うとるん…。この汗ばんだ太ももがまた気持ちええんやないの」スリスリ
泉「は?」
怜「このスメル…堪らんわ」クンカクンカ
泉「…は?」
怜「こんな可愛いおっさんがどこに居るんや」
竜華「せやせや!」ブーブー
セーラ(ダメやこいつら)
浩子「…にしてもあっついですね」パタパタ
セーラ「誰かさんたちのおかげで更にな」
泉「確かにめっちゃ暑そうですね…それ」
セーラ「コレはオレのポリシーなんや!」ドヤァ
セーラ「…つっても暑いけど。泉は涼しそうで羨ましいわー」
浩子「ほほー…」キラン
セーラ「な、なんやその目…」
泉「はい!」
セーラ「うわっちょっ! 何脱がs」
浩子「万が一熱中症になったら困るやろ思いまして。袖なし制服に着替えさせてあげます」
竜華「よかったなあ、セーラ。先輩思いのいい後輩を持って」
セーラ「そこ見てないで助けんかい!」
泉「江口先輩ちょい大人しくしてて下さいねー」
セーラ「あああああああああ」
怜「楽しそうやなぁ」
竜華「混ざる?」
怜「ありゃ見てるほうが面白いで、多分」
竜華「あはは、確かに」
怜「しかし暇やなぁ」
竜華「一応部活中なんやけどな」
怜「せやけどこんな暑いんじゃ頭も回らへんわ…」グデー
竜華「やな…」
竜華「なに?」
怜「これ膝枕言うけど実際膝やなくて太ももやない? 膝枕ちゃうやん」
竜華「た、確かに…!」
怜「何で太もも枕って言わんのやろな」
怜(まぁ確か膝頭云々で結局膝枕で合うてるらしいけど)
竜華「言われてみれば…なんでなんやろ……」ウーン
怜「というわけで竜華の体で色んな枕を試してみよう」
竜華「え、なんでそうなるん!?」
怜「細かいことはええんや」
泉「どうですか! 船久保先輩!」
セーラ「………」カァァ
浩子「あらーお似合いですよ」カシャッカシャッ
セーラ「撮るなぁ! なぁもうええやろ?!」
浩子「さて次は…永水女子の制服でも着てもらいましょか」
セーラ「聞け―!!」
竜華「う、うん」ゴロン
怜「ありがとう…よっこいしょ」
怜「おぉ…これはええな」
怜「太もも同様、程よい肉付きの二の腕…堪らんわ」
竜華「あ、ありがとう…?」
怜「なぁりゅーかー」
竜華「ん?」
怜「これ今度泊まりに行った時にもしてぇな」ミミウチ
竜華「ふぇ!? わ、分かった…」
竜華「お腹っちゅーことはまた寝っ転がればええのん?」
怜「ちゃう」
竜華「えっ」
怜「んとな、靴脱いでソファに座ってこっち向いてみて」
竜華「こ、こう?」
怜「ん。で、いわゆるM字開脚を…」
竜華「ええ!?」
怜「あっちはうちらのことなんか目に入っとらんて」
竜華「うぅ~…」
怜「それに私に見られても今更やん?」
竜華「せ、せやけど」
怜「あぁ急に頭がクラクラしてきた…はよ腹枕かクッ○ーラムネを……」
竜華「ええ! 大丈夫!? 今したるかんな!」
怜(ああ、なんや凄い罪悪感が…。ごめんな竜華…)
怜「う、うん」
怜(頬赤らめながらこの格好…そそるなぁ…)
怜「で私は足と足の間に…でお腹辺りに頭を乗せて」ヨッコイショ
怜「…竜華平気? 重ない?」
竜華「全然平気やで。怜軽いもん」
竜華「というかこれ本当に腹枕なんか…?」
怜「私が夜中にアニメで見たやつはこうやってたんや」
竜華「へ、へぇ…」
声優ネタ分かってくれる人いた!嬉しい!
竜華「ほー」
怜「さて次は…尻枕やろか」
竜華「し、尻て…」
怜「はい竜華うつ伏せになって」
竜華「もうどうにでもなれ…」
怜「ほな失礼。…こ、これは……!」
竜華「ど、どしたん?」
怜「もしかしたら膝枕より…アカン、ぐらつきそうや……」
竜華「え、う、うん…」
怜「ああもうこれ完全に膝枕抜いたわ尻枕最高や」
怜「竜華、今度から膝枕じゃなく尻枕にs」
竜華「出来るかぁ!」ビシッ
怜「………」ショボン
竜華「うっ…。い、家でならやってもええけど…」
怜「ほ、ほんまに…? りゅーか大好きー」
竜華「はう」
竜華(反則やろ…)
怜「次は…胸枕や。別名おもち枕」
竜華「まあここは来るだろうなとは思っとったわ」
怜「尻枕より期待しとるで」
竜華「変なプレッシャーかけんといて…」
竜華「あ。仰向けにならんとか」ヨイショ
怜「だんだん恥じらいがなくなってきたな」
竜華「誰のせいや」
怜「ん」
怜「しかしまぁ…改めておっきいなぁ。まさにシュークリーム」
怜「………」
モニュ
竜華「ひゃっ?!」
怜「ご、ごめん。つい手が」モミモミ
竜華「も、揉みながら言うなぁっ」
モニュン
怜「おおう…これも想像以上や…」
怜「りゅ、竜華…今度から膝枕じゃなk」
竜華「せやからやらんて」
怜「冗談やん…もー」
竜華「もーじゃないわ…もー」ハァ
怜「…これ私みたいなんがやったら悲惨なことになりそうやな」
竜華「怜も結構あるやん」
怜「こんなん竜華に比べたら…」
竜華「ほなあそこの3人はどうなるん」
怜「はっ…! ごめんな…セーラ、フナQ、泉……」
竜華「いや、それもそれでなんか」
竜華「へ? うん」
怜「よっこいぼふ」
竜華「う、うつ伏せ!?」
怜「ああ、この汗のにおいがまたええわぁ…」スーハースーハー
竜華「………」
怜「すーはーすーはー」
竜華「と、ときー? まだ…?」
怜「んーもうちょい」スーハースーハー
竜華(うちもうあんたがおっさん言われても擁護できんわ…)
怜「ふぅ…」
竜華「はぁ…なんやめっちゃ疲れた…」
怜「結論、竜華の体は素晴らしい」
怜「中でも尻枕はええ収穫やったわ…」
竜華「そか…」ハァ
竜華「あ、うちちょい自販でジュース買うてくるわ」
怜「あ、私もー」
浩子「風越の次は龍門渕の制服を着てもらいましょか…」
泉「りょ、了解!」
泉(いつになったら終わるんやろか…)
セーラ「モウイッソコロシテ…」ゲッソリ
浩子「あぁ、フォルダが潤いまくりや…!」
とりあえず透華モデルの制服ってことで…
――自販機前
竜華「んー、たまにはコレにしよかなー」
ガコン
サイコソーダが でてきた!
ピピピピピ…ピー!
竜華「あー! 当たったー!」キャッキャッ
怜「おー、すごいなぁ」
怜「え、竜華が当たったんやから竜華が選ばんと」
竜華「ええからええから。ほらはよせんとせっかく当たったんが無効になってまうでー」
怜「え、ほなアイスココア…」
竜華「はーい」ピッ
ガコン
竜華「ん」
怜(屈んだときに…ふふ。ええもん見せてもろたで、竜華)
怜「ありがとう」
竜華「どいたま~」
ゴクゴク
竜華「ぷはー! HP60くらい回復したわー」
怜「美味し…。そういや私炭酸てあんま飲んだことないわ」
竜華「あー、苦手そうやもんな」
怜「でもたまに無性に飲みたくなる時があるから不思議や…」
竜華「…今は?」
怜「飲みたい……かも」
竜華「えへへー」
怜「結構炭酸キツいけど美味しいな」
竜華「間接ちゅーやし?」
怜「そ、それは関係ないやろ」カァァ
竜華「んな照れんでも」
怜「照れてないわ…あほ」
竜華「あーもー怜は可愛いなぁ!」ムギュゥ
怜「わわっ…」
竜華「さっきまでおっさんやったのに攻められると急にしおらしくなるんやな?」
怜「うっさいわ…」ギュゥ
竜華「んー」スリスリ
怜「りゅーかここ廊下…」
竜華「さっき部室で好き勝手やってたんはどこの誰ー?」
怜「…部室と廊下じゃえらい違うわ」
竜華「教室とかでもたまに膝枕してるやんか」
怜「…これ膝枕やないもん」
怜「…恥ずいやん」
竜華「うちは見せつけたいけどな、怜はうちのですよーって」
怜「あほ…」カァァ
竜華「だってあんた最近人気なんやもーん」
怜「…嫉妬しとるん?」
竜華「…悪い?」
怜「………」フルフル
竜華「むぅ」
怜「うちは竜華のことが好きなんやからそんなん気にする必要ないやん」
竜華「あ、ぅ……」
怜「それにあんたかてえらい人気やないの。特に部の後輩とか」
怜「まぁ部長やし仕方ない思うけど…やっぱりちょい心配になるときあるんやで」
竜華「…怜も人のこと言えんぐらいアホやな」
怜「失礼な」
竜華「だってうちもあんたと同じやもん」
怜「……ちゃんと言わんと分からん」
竜華「うちが好きなんは怜だけや」
怜「…ん」ギュゥ
竜華「ここ廊下やで?」
怜「ええからはよぉ…」
竜華「怜はわがままやなぁ」
怜「…わがままなんは嫌い?」
竜華「まさか。わがままな怜も、おっさんな怜も、ちゅーする為に背伸びしてる怜も…どんな怜も大好きやで」
怜「…ばか……んっ」
竜華「ん……」
・
・
竜華「ただいまー」
怜「まー」
浩子「おかえりなさい」
浩子「お二人ともどこ行ってたんや?」
竜華「んー、ちょっと自販機に。というかみんなそろそろ真面目に部活するでー!」
怜「あれ、セーラはどうしたん? 横になって…体調でも悪いん?」
浩子「あー疲れたんでちょい休むみたいですわ」
セーラ「バスガデルデー」
泉「…」ガクガク
怜・竜華(何したんやフナQ(浩子)……)
終われ
あとやっぱり表現が前に書いたのと同じになってしまう…
とにかく怜竜もっと増えろ!あと穏憧も増えろ!
見てくれた方ありがとねー
怜竜は正義
また書いてね
Entry ⇒ 2012.08.13 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
淡「とらひめ!」
照「あっわあわ~!」ダキッ
淡「あわっ!」
淡「もう!急に抱きつかないでください!」
照「だってあわあわ分不足してたんだも~ん」スリスリ
淡「なんですか、あわあわ分て」
菫「ほら、照!ふざけてないで練習するぞ」
照「ふざけてません!あわあわへの思いはいつだって本気です!」フンス
淡「はいはい」
照「あ~ん!あわあわのいけずぅ~」
尭深「照先輩、一半荘打ったらお茶菓子がでます」
照「さて、打とうか」キリッ
淡「…」
誠子「私は…今…ハッ…いいところだから、フン!…淡が入ってくれ!…フゥー」
淡「あ、はい」
淡(この人はなんでいつも筋トレしてるんだろう…)
尭深「ベンチプレス」
淡「えっ?」
尭深「ダンベルじゃなくてベンチプレス」
淡「あぁそうなんですk…って人の心の中を読まないでください!」
尭深「ふふっ」
照「して、たかみん…本日のお茶菓子はいかほど?」
尭深「ケーキ」
照「なんと!!」ガタッ…ポロッ
淡「あ、それロンです」
照「なっ」ガーン
尭深「抹茶モンブランに抹茶チーズケーキ、抹茶バナナケーキ…」
淡(全部抹茶だー)
照「私はモンブラン!」フンス
淡「なっ、勝手に決めちゃダメです!」
菫「そうだぞ、持ってきてくれたのは尭深なんだからな」
照「え~ケチぃ」ブーブー
照「えっ?」
尭深「麻雀で勝った人が好きなケーキを選ぶ」
菫「ほぅ、それはおもしろそうだな」(丁度照最下位だし)
淡「いいですね!恨みっこなしです!」(照先輩には悪いけど)
照「…」ゴッ
照「ケーキ!ケーキ!うふふふ~ん♪」
淡「ま、負けた…」
菫「まさかあの状況からまくられるとは」
淡「いつもこのくらい頑張ってくれるといいんですけどね」
尭深「ではお好きなケーキを選んでください」
淡(うぅ、4着じゃバナナケーキは無理かも…)
淡(えっ?照先輩はモンブランじゃ…)
照「を、あわあわに!」
淡「えっ?ちょっと、なんですかそれ!」
照「だって1着が好きに選んでいいんでしょ?」
淡「それは…ケーキを」
照「それに私バナナケーキをおいしそうに食べるあわあわが大好きなんだ~」
淡「なっ///」
淡「こ、今回だけですからね///」
照「やったー!あわあわ大好き~」ダキッ
淡「もう、照先輩は勝手なんですから」
淡「でも…ありがとうございます///」ボソッ
菫「じゃあ、私モンブランで」
照「んなっ!」
カン!
淡「そういえば誠子先輩の分はどうするんですか?」
尭深「抹茶プロテイン」
淡「」
需要なさそうだしやめておくわ
ここにある
おつおつ
もいっこ槓に期待
淡「元気ないですね、どうしたんですか?」
菫「照の両親が長期の旅行から帰ってきたらしくてな」
淡「??」
菫「照の両親はとても仲がよくてな、気が付くと二人で海外旅行に行ってしまうんだ」
尭深「まさにおしどり夫婦」
淡「えっ、でも普通帰ってきたら嬉しいんじゃないですか?」
菫「いや」
照「また家族麻雀でおこずかい絞られた…」
淡(どんな親ですか)
照「咲はいいじゃん、減ることはないんだから!」プンスコ
淡「へー照先輩って妹いたんですか…ん?咲?」
菫「あれ?淡って咲ちゃんと同じクラスじゃなかったか?」
淡「えっ?嘘!?咲って…あの咲ちゃん??」
菫「咲ちゃんって携帯持ってたのか」
照「入学祝いにね!私のと同じ機種なんだ~」ムフフ
菫「ふーん」(あとで番号聞こう)
淡「本当だった…」ズーン
淡「だって咲ちゃんて可愛いし、優しいし、頭いいし、料理上手だし…」
照「まさに私の妹!」フンス
淡「全然似てないじゃないですか!」
菫「まぁそれは認める」
尭深「同意」
照「みんなしどい」シクシク
淡「強いんですよね?照先輩の妹ですし」
菫「それが…残念なことだが…」
淡「えっ?」
尭深「もう…妹さんは…」ウルッ
淡「えっ?えっ?」アワアワ
照「咲ぃ…うぅ…咲ぃ!」ポロポロ
淡(まさか…病気!?)ウルウル
菫「というのは冗談だけどな」
淡「」
淡「なにかの病気かと思ったじゃないですか」
菫「すまんすまん、でも病気っていうのはあながち間違いでもないな」
淡「えっ?」
菫「咲ちゃんは麻雀よりお姉ちゃんの方が好きなんだ」
淡「は?」
尭深「お姉ちゃん大好き病…通称シスターコンプレックス」
照「えへへ」テレテレ
淡「…」
淡「まさかそのお姉ちゃんが照先輩だったなんて…」
照「私も咲のことは麻雀より大大大好きだけどね」
照「でも咲に麻雀で頑張ってるお姉ちゃんが一番好きって言われちゃってね///」テレテレ
照「あ、もちろんあわあわのことも愛してるぜ!」バキューン
淡「では咲ちゃんの為にも練習頑張りましょう」
照「スルー!?」ガーン
淡「皆さんは咲ちゃんと打ったことあるんですか?」
菫「ああ、前に照の家にみんなで遊びに行ってな」
尭深「クリスマスパーティー」
淡(クリスマスまで麻雀ですか)
照「楽しかったなぁ~プレゼント交換」ムフフ
菫(私は誠子からのビリーバンドだった…)
照「みんながせっかくだから咲とも打ちたいって言ってね!」
淡「で、結果はどうだったんですか?」
菫「…」ズーン
尭深「…」ズーン
照「フンス!」
淡「宮永姉妹のワンツーですか」
淡「姉妹でコンビ打ちってことですか?」
菫「いや、そういうわけではないんだ」
照「咲と打つ時はコツがいるからね~」
尭深「不可解」
照「愛だよ!愛!愛はパワーなんだよ」キリッ
淡(意味が分からない)
照「じゃあ今日うちくる~?明日休みだし」
淡「!!」
菫「でも両親が帰ってるんじゃ…」
照「ほえっ?もう発ったよ、イルクーツクに」
尭深「妹さんにご迷惑では…」
照「…」ピッピッ サキー!オネーチャンダヨー!ソレデネー
照「おっけーだって」ブイッ
淡(はやっ)
菫「待て」ガシッ
菫「どうせ全部咲ちゃん任せだろ」
照「うっ」ギクッ
淡「遊ぶのもいいですけど、練習もしっかりやりましょうね」
照「そんなけったいな~」
もいっこカン!
誠子「9997…9998…9999…10000!…ハァ…ハァ」
誠子「やはり加圧式スクワットは効くな…ハァ…ハァ」
尭深「誠子、照先輩の家に行くよ」
誠子「よし、ダッシュで行こう!」
尭深「いや電車だから」
誠子「そうか、ダッシュで行こう!」
尭深「…」
菫「あれ?誠子は?」
尭深「あ、たぶん遅れてきます」
菫「そうか」(たぶん?)
淡「ここが照先輩の家ですか?素敵なところですね!」
菫「ああ、でもこれからもっと素敵なものが見れるぞ」
淡「?」
ピーンポーン
ガチャッ
咲「あ、麻雀部のみなさん!お久しぶりです」ペコリ
咲「お姉ちゃんは中で待ってますので、どうぞお上がりください」ニコッ
尭深(これは…)
菫(咲ちゃんの…)
淡(エプロン姿…)ゴクリ
(((かわいい!!)))
咲「?」
咲「いえいえ、こちらこそいつもお姉ちゃんがお世話になってます」ペコリ
淡(できた妹だ!)
照「お~やっときたか~!余は待ちくたびれたぞ~」ゴロゴロ
淡(ダメな姉だ!)
尭深「あともう一人、遅れてくるかも…」
咲「あ、誠子さんならもう来てますよ!今シャワー浴びてます」
尭深(はやっ)
咲「うんうん、淡ちゃんが来てくれて嬉しいよ」アリガトー
淡「でもまさか咲ちゃんが照先輩の妹だったなんてビックリだよ」
咲「私もあわあわが淡ちゃんのことだったなんて知らなかったよ~」
淡「ん?あわあわ?」
咲「うん、お姉ちゃんいつも言ってるよ~あわあわが可愛いって!」
淡「もう、照先輩ってば余計なことを…///」
咲「私もあわあわって呼んじゃおうかな~」フフフ
淡「それは恥ずかしいからやめて」
淡「うわっ!これ全部咲ちゃんが作ったの?」ドーナツトーノイター
咲「うん、急いでたからありあわせのものだけで悪いけど…」テヘヘ
菫(これでありあわせ!?)
尭深(満漢全席)
誠子(すばらしいタンパク源だ!)
照「咲の料理は世界一だからね!」フンス
淡「照先輩がいばるところじゃないです」
淡「ふぅ~美味しかった~ごちそうさま!」
咲「お粗末さまでした」
菫「それにしても咲ちゃんの料理はおいしいな、うちの嫁に来ないか?」
照「ダメだ!咲は嫁にはやらん!」フンス
淡「お父さんですか!」
咲「うふふ」ニコニコ
淡「あ、私も手伝うよ!咲ちゃんにばっか悪いし」
咲「本当?ありがとう!淡ちゃん」
照「私はここで応援してるよ!」
淡「もう帰っていいですよ」
照「あわあわが冷たい…ここ私の家だし」
淡「では早速打ちましょう!」
照「お!あわあわやる気だね~」
咲「淡ちゃん、本当に麻雀が好きなんだね!」フフッ
菫「メンツはどうする?咲ちゃんと淡は確定だとして」
照「じゃあ、とりあえず二年生コンビで!」
尭深・誠子「「!!」」
咲「はい、お姉ちゃん!」
照「さすが咲!愛してる!」ダキッ
淡「こうして照先輩ができあがったんですね…」
照「まぁね」ドヤァ
淡「褒めてません」
淡(いよいよ咲ちゃんとの対決か)ドキドキ
尭深(淡の思考が妹さんに偏りすぎてる…)
誠子(筋肉が良い感じだ)
咲「…」
淡(ここまでのところ特に変化はないかな)パシッ
誠子「ロン、18000」ゴッ
淡「なっ!」
淡(誠子先輩の筋肉配牌!もう来てたの!?)
淡(咲ちゃんに気を取られすぎて気づかなかった…)
淡(結果的に飛ばなかったものの終始守備に回らさせられての4着)
淡(咲ちゃんは3着か…これといって特に際立った点はなかったと思うけど)
尭深「…」
誠子「…」
咲「ありがとうございました」ペコリ
菫「じゃあ、次は私達の出番か?」
照「真打登場ってね!」
東1局 10巡目 親:菫
菫(やはりこのメンツだと思うように手が進まないな)パシッ
淡(この中で平然と打っていられる時点で咲ちゃんは凄いのかな?)パシッ
咲「…」パシッ
照「ロン!1000点だよ」
咲「はい、お姉ちゃん!」
淡(やっぱり照先輩が来ますか)
淡(結局照先輩の連荘も最小限に抑えて、全員が3万点割れの拮抗状態)
照(これは珍しいパターンかな?)ムフフ
菫「…リーチ!」
咲「ポン」パシッ
淡(么九牌をポン?一発消しだとしても上がり目はあるの??)
咲「カン!」
淡(えっ!?さっきのポンは暗刻からの鳴き?何の意味が…)
咲「ツモ、800・400です」
淡(フリテンの發単騎を嶺上開花!?もうわけがわからない…)
淡(結果的にリー棒を足したら咲ちゃんがトップ)
照「おめでとう~咲ぃ!」ナデナデ
咲「お姉ちゃんありがと~」エヘヘ
淡(上がろうと思えばもっと簡単に、しかも高得点であがれてたはず)
淡(前の半荘は3万点弱の3着)
淡(そして今回はギリギリ3万点超えの1着)
淡(まさか!)
淡「プラマイ…ゼロ…?」
咲「!?」
菫「今回はヒントが多すぎたな」
照「でも、たった2回で気づくなんて流石だよあわあわ!」
淡「いやいや、ちょっと待って下さい!」
淡「まさか咲ちゃんは打つと点数が必ずプラマイゼロになるとでもいうんですか?」
照「うん、そうだよ?ってあれ~気づいてたんじゃないの?」
淡「だ、だってそんなの例え全ての牌が見えてたとしてもできるかどうか…」
照「できないよ」キッパリ
照「これは咲にしかできない」キリッ
淡(なんで照先輩が偉そうなんだろう…)
淡「もう一回!もう一回だけ打たせてください!」
淡「咲ちゃん!お願い!!」
咲「私はいいけど…」
淡「またプラマイゼロ…」ズーン
淡(しかも今回は私と尭深先輩と菫先輩の全員が咲ちゃんを意識してた)
淡(そんな中でのプラマイゼロ…)
咲「淡ちゃん…」
照「…」
咲「えっ?」
淡「すごいよ咲ちゃん!また打ちたい!今日はもう遅いからあれだけど、絶対また打とうね!」キラキラ
咲「えっ、いいの?」
淡「もちろんだよ!だって咲ちゃんと打つの楽しいもん!」
咲「淡ちゃん…」ウルウル
誠子「私の筋肉も見てくれ」
咲「みなさん!」
菫「ふふっ…咲ちゃん大人気だな」
照「よーし!じゃあお風呂にしよう!あわあわ一緒に入ろう!」
淡「絶対イヤです」
照「」ズーン
淡「でも咲ちゃんとなら…///」ボソッ
菫「じゃあ次は咲ちゃんとの入浴権をかけて打とうか」
咲「えっ」
照「よ~しお姉ちゃん本気だしちゃうよ~」ギュルギュル
尭深「お茶補給…」ズズズ
誠子「腕立て1000回!」フン!フン!
淡「大丈夫だよ、咲ちゃん!絶対に私が勝つから」ゴッ
咲「ええええええええ!?」
もいっこカン!
淡「咲ちゃん…起きてる?」
咲「うん」
淡「いつか、私が咲ちゃんのプラマイゼロを打ち破ったら…」
淡「麻雀部に入ってくれる?」
咲「!」
咲「うん、考えとくね!」ウフフ
おしまい!
乙乙
おつおつ
おつおつ
Entry ⇒ 2012.08.12 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (2) | Trackbacks (0)
塞「夏だねぇ・・・」 白望(暑っ・・・)
塞「はぁ…」パタパタ
白望「…私もあおいで」
塞「…いやだよ。自分でやればいいじゃん」
白望「めんど…」
塞「じゃあ、一生そうやってなさいよ」
白望「…」
塞「…」パタパタ
白望「…」ノソノソ
塞「…あんたなにしてんの」
白望「クーラーピッピを…」
塞「クーラーピッピってなによ」
塞「…」
白望「…」
塞「でもうちクーラーないよ」
白望「…え」
塞「…残念だけど」パタパタ
白望「…」
塞「納戸の中」
白望「…塞、とってきて」
塞「…」
白望「…はよ」
塞「…私が行くと思う?」
白望「…思わない」
塞「でしょ?」
白望「…」
塞「…」パタパタ
白望「…ぅあ…ぅぅうああ」
塞「うるさい」
白望「…」
塞「…」
白望「…」
塞「セミの鳴き声ってさぁ…」
白望「…」
塞「…ねぇ」
白望「…聞いてる」
塞「セミの鳴き声ってさぁ…」
白望「…」
塞「…ねぇ」
白望「…聞いてるよ」
白望「…」
塞「…はぁ、暑い」パタパタ
白望「…」
塞「暑いなぁ…」パタパタ
白望「…塞うるさい」
塞「…む」
白望「…めんど」
塞「めんど言わない」
白望「…」
塞「私も考えるから…えっと…」
白望「…アイス」
塞「…え?」
白望「…アイス」
白望「…買ってきて」
塞「なぜそこで私にパシらせる」ペシッ
白望「…だってめんどいし」
塞「私だってめんどいわよ」
塞「でもアイスかァ…食べたいなぁ」
白望「…じゅるり」
塞「私アイスの実」
胡桃「私はデッカルチェ」
塞「デッカルチェかァ…あれおいしいよね」
塞「ってなんであんたいるの!?」ガバッ
胡桃「気にしない気にしなーい」
白望「…座敷わらし」ボソッ
胡桃「ううん、ただ遊びに来ただけ」
塞「なーんだ…」
胡桃「なーんだとは失礼だな」
塞「どうせ来るならアイスでも買ってきてくれればよかったのに…」
胡桃「む…そしたらわざわざ駅前まで行かないといけないじゃん。塞んちと逆っ側だし」
胡桃「それにシロまでいるとは思わなかったから、もし買ってきて2つしかなかったら取り合いになったかもしれないよ?」
塞「…まぁたしかに」
白望「モナカ…」
胡桃「その代わりいいもの持ってきたよ」
塞「え、なになに?」
胡桃「じゃじゃーん! 風鈴!」
塞「…」
白望「…」
胡桃「え、なにその無反応!?」
塞「だって…」
白望「…」
塞「まァ…」
白望「…しょせん気分だけ」
胡桃「…!?」
胡桃「じゃあいいよもう! 一人で涼んでやるんだから!」
胡桃「んしょ…んしょっ…」ピョンピョン
胡桃「と、ど、か、な、いっ!」
白望「…だる」
塞「…胡桃、いいよ無理しなくて」ヒラヒラ
胡桃「…むむむっ」
胡桃「なんなのあんたたち! グータラしすぎでしょ!」
白望「…だって夏だし」
塞「…胡桃は元気だねぇ」ヨシヨシ
胡桃「…」イライラ
塞「うーん、あったかもしれないけど…」
白望「…胡桃しか入れないじゃん」
胡桃「なによそれ! 私がチビって意味!?」
白望「…うん」
胡桃「いや少しは取り繕ってよ!」
塞「でもチビじゃん」
胡桃「うるさいそこ!」
胡桃「塞、場所どこ?」
塞「たしか庭の物置の中」
胡桃「わかった」スタスタ
白望「…あ、胡桃」
胡桃「…なにー?」
白望「…ついでに納戸の扇風機もよろ」
胡桃「…」
胡桃「…物置ってここか」
胡桃「あ、鍵忘れてた…って空いてるし」ガラッ
胡桃「ごほっ、ごほっ…ちゃんと掃除くらいしてよ!」
胡桃「えーっと…どこだろ…」
胡桃「これは…ってなんでダルマが転がってんのよ」ゴロン
胡桃「んっと…あ、あった!」グイッ
胡桃「うわ…すっごい砂まみれ」
白望「…ほんとにもってきた」
塞「あれ、扇風機は?」
胡桃「…」
塞「ねえ」
胡桃「…今から取りに行くの!」
白望「…はよはよ」
胡桃「…」ピキピキ
胡桃「…」
白望「…きたきた」
塞「胡桃、そこおいて」
白望「…中の首回し設定でよろ」
胡桃「…」ガコン
白望「いだっ!」
胡桃「…」ガコンガコン
白望「く、胡桃…うわやめて…っ」
白望「こ、怖かった…」
塞「調子乗るから」
白望「…塞だってそうじゃん」
塞「私は怒られるようなことは何もしてないもーん」
白望「…」
塞「私みたいにうまーく胡桃を誘導してけば怒られずにす」
ボガッ
塞「いだっ!」
ゴロンゴロン
塞「…え? だ、ダルマ? …えっ?」
胡桃「…ふんっ」
塞「…」
白望「…調子に乗るから」
塞「あれ、そういえば空気入れないね」
胡桃「あ…」
白望「…口で入れるとか」
胡桃「無理言わないでよ」
塞「うーん…どっかその辺に空気入れ持ち歩いてる人いないかなあ」
胡桃「いるわけないでしょ!」
「う~ん…どうしよー…」
白望「…ん、あれは…」
塞「え…あ、ほんとだ」
胡桃「トヨネー!」ピョンピョン
豊音「あれ、みんな何してるのー?」
塞「ううん、特に何も」
白望「…塞んちでダラダラしてるだけ」
豊音「ええっ、ここ塞の家だったんだー!」
胡桃「そっか、トヨネはまだ塞んち来たことなかったもんね」
豊音「いいのー? じゃあ、お言葉に甘えてお邪魔するよー!」ダダッ
胡桃「あ…ちょっとトヨネ、気をつけてよ!」
豊音「…うわあっとっと!」
白望「…言わんこっちゃない」
ガラガラ
豊音「お邪魔しまーす! …あ痛っ!」ゴツン
塞「大丈夫かなあ…」
胡桃「あいかわらずドジっ子なんだから…」
豊音「えへへ」
白望「…あれ、豊音。なに持ってんの?」
豊音「ん、これー? これはねー…」
ガサゴソ
豊音「エアポンプだよー!」
塞「…まさかとは思ったけど」
胡桃「…本当に持ってる人が現れるとはねえ」
豊音「?? みんなどうしたのー?」
豊音「えっとねー…ビニールプール入ろうと思ったんだけど、家の中にはなくて…」
豊音「エアポンプだけあったから、どっかに持ってる人がいないかなーって思って探し回ってたのー!」
塞「…ある意味トヨネらしい」
ウンウン
胡桃「実は私たちもビニールプール入ろうかと思ってたんだよ」
豊音「えっ、ほんとー!?」
胡桃「ほらあそこ」
豊音「あ、ほんとだー! でも空気が入ってないねー…」
豊音「あっ!」
塞「実は私たちの方は空気入がなかったんだ」
胡桃「すごい偶然だけど、トヨネがきてくれたおかげで助かったよ」
豊音「わー! なんか運命的だねー!」
白望「…ビニールプールで結ばれた運命…」
胡桃「まあ、せっかく道具もそろったんだし始めようよ!」
豊音「さんせー!」
白望「…なんで私…」
胡桃「いいから早く!」
白望「…はいはい」ムクリ
塞「私も入ろっかな」
胡桃「…さっきは全然興味も示さなかったくせに」
塞「い、いいじゃんいいじゃん! みんなで入った方が楽しいって!」
豊音「そうだよー! ちなみにみんな水着は持ってきてる?」
胡桃「あ…」
塞「そのまま入っちゃえば?」
胡桃「え…服はどうすんの?」
塞「私の小さい頃のやつ貸すよ」
胡桃「うーん…」
豊音「入っちゃおうよー! 入っちゃおうよー!」
塞「うんうん」
胡桃「むう…仕方ないか」
ズルズル
白望「…洗ってきた」
白望「…じゃあ豊音、空気入れ頼んだ」ポン
胡桃「トヨネ、パンパンに入れちゃってね」
豊音「まっかせてー!」フンスッ
塞「ち、ちょっとタンマ!」
白望(それ私の…)
塞「空気入れは私がやるよ。トヨネはそこの蛇口にホース繋いで持ってきて」
豊音「ええ~…」
豊音「わ、わかったよー…」トボトボ
白望「…塞、どうしたの?」
塞「いやさ、トヨネが勢いに任せてやったら壊れちゃうかもしれないじゃない」
白望「…な~る」
胡桃「トヨネには悪いけど仕方ないk」
塞「そそ。トヨネにこんなこと話したらヘンに誤解されそ…ってどうしたの?」
胡桃「さ、塞…後ろ…」
塞「えっ」
塞「あ、トヨネ…」
白望(…あちゃ~)
胡桃「と、トヨネ…違うんだよ? 塞は別にトヨネのこと…」
豊音「…塞がデブって言った」
胡桃「え」
豊音「うぅ…塞が私のことデブだってぇええ!! うぇえええん!!」
塞「そ、そこまで言ってないってば!」
胡桃「と、トヨネ落ち着いて!」
白望(…めんど)
塞「ど、どうしよ…」オロオロ
白望「…」
胡桃「し、シロ…どうしたの?」
白望「豊音…本当に泣いてる?」
塞「え」
豊音「…」
豊音「…っぷ」
豊音「…っくす…あははっ!」
塞「と、トヨネ…?」
塞「…」
白望「…豊音は泣くとき絶対に涙が出る」
胡桃「よ、よく知ってるね」
豊音「やっぱりシロは騙せないかー」
豊音「でもみんなの驚いた顔が見れて私は満足だよー!」
塞「…トヨネ~~~っ!! よくもダマしたわね~~~~っ!!」
豊音「わー! 塞が怒ったー!」ダダッ
塞「こら、待ちなさいっ!!」ダダッ
胡桃「シロもひとっ走りしてくれば? その方が水浴び気持ちいいかもよ?」
白望「…私はパス。プールも入らないし」
胡桃「え~、入りなよ」
白望「…水着ないし」
胡桃「塞に借りれば?」
白望「…いいって。めんどくさいし」
胡桃「もう、ノリ悪いやつだなー」
白望「…それより先に空気入れちゃおう」
白望「…塞たちまだこない」
胡桃「まったく…どこまで走ってってんだろ」
キャーキャー
白望「…あ、なんかきた」
ドドドドドド
塞「きゃぁあああああ!!」
豊音「あははっ!!」
エイスリン「マテー!」
胡桃「え、エイちゃん!?」
白望「…イヤだ」ヒョイ
塞「ってうぉおおおい! なんで!?」
白望「…めんどい」
塞「そ、そんなー!」
エイスリン「…サエ、ゲッチュウ」ガシッ
塞「ひっ!」
ジージジジジジジジジ
塞「は、外して外して!!」
胡桃「せ、セミ…?」
エイスリン「ウン!」ニコッ
ジジジジジジジジジジジ
塞「きゃぁあああああ!!!」
エイスリン「…っ」カキカキ
エイスリン「!」バッ
白望「…へえ、虫取りしてたんだ」
胡桃「エイちゃん、その歳で虫取りって…」
白望「…ある意味エイスリンらしい」
胡桃「まーね」
塞「は、ははははは早くとってぇえええええ!!!」
ジジジジジジジジジジジ
ジジジジジジジジジジジ
塞「そ、そういうボケいいから!!」
エイスリン「カワイイノニ…」
塞「怖いよ!!」
白望「…塞は虫が苦手っと」メモメモ
塞「あんた知ってんでしょうが!」
胡桃「もう…ほら、早く屈みなよ」
塞「く、胡桃~!」
ジジジジジジジジジジジ…
塞「と、とった!?」
胡桃「うん、ちゃんと逃がしたよ」
塞「胡桃~、大好き! 愛してる!」ダキッ
胡桃「あ、暑いから離れて!」グイッ
豊音「じゃあね、セミちゃん…」
エイスリン「…ウゥ」シクシク
白望「…」
豊音「あ、二人で膨らませておいてくれたんだねー!」
塞「おお、じゃ水入れちゃおう! トヨネ、ホースとって」
豊音「はーい!」トテトテ
エイスリン「プール…?」
白望「…そう。これから入るの」
エイスリン「…っ」カキカキ
エイスリン「…!」バッ
白望「…エイスリンも入りたいの?」
エイスリン「ウン!」
エイスリン「ダイジョウブ!」バッ
白望(…水着着てる)
白望「…用意いいね」
エイスリン「…!」エッヘン
白望「…あ、トヨネきたよ」
豊音「みんなー! 放水準備完了だよー!」
塞「よし、発射だトヨネ!」
豊音「りょうかーい! えい!」ジュバッ
エイスリン「キャッ…!」
白望「ぶぶぶぶぶぶtっ!!」
豊音「シロー! ごめーん!」ジャーッ
白望「…」ポタポタ
エイスリン「…」クスクス
白望「…笑うな」
エイスリン「…ック…ププ」
白望「…」
胡桃「あははっ、もういっそのことプール入っちゃえば?」
白望「…」
塞「しかし思った以上に狭いね」
胡桃「全員でいっぺんに入るのは難しそう。よくて三人くらい?」
豊音「そうだねー…」
ウーン…
エイスリン「クルミ、トヨネ、サエ!」
塞「え、私たち先入っていいの?」
エイスリン「ドーゾ!」
胡桃「ありがと、エイちゃん!」
豊音「ありがとー!!」
エイスリン「…!」ニコッ
塞「じゃ、私いっちばーん!」ダダッ
バシャーンッ
胡桃「あ、ずるい! なんもしてないくせに!」
塞「へへーん! 早い者勝ちだもんねー!」
白望(なんだかんだで一番はしゃいでるじゃん…)
胡桃「トヨネ、それ貸して!」
豊音「え、うん」スッ
胡桃「よし…これでも食らえっ!」ジュバッ
塞「きゃあっ!!」
胡桃「わわっ!」
豊音「あははっ、ずぶ濡れだー!」
胡桃「くそう、こうなったら…!」
塞「…あれ、胡桃」
胡桃「ん?」
塞「あんたもしかして…」
豊音「…あ」
白望「…ブラしてない」
胡桃「ぁ…///」ボンッ
エイスリン「…」ジーッ
胡桃「え、エイちゃんってば!」
塞「いや、そもそもなんでしてないのよ」
胡桃「だ、だって私…胸なんてあってないようなもんだし…///」
白望「…そういう問題?」
豊音(恥ずかしがってる胡桃ちゃんかわいい…)
エイスリン「…っ」カキカキ...バッ!
白望「なになに…どうせ女同士なんだし、そのまま服脱いじゃえば?」
胡桃「それ絶対言ってないでしょ!」
エイスリン「…」ブンブンッ
胡桃「え、言ったの!?」
胡桃「よくない!」
豊音「ぬ、脱いじゃっても変わらないと思うけどなー…」チラッ
胡桃「なに期待してんのよ!」
白望「…正直そこまで見たくはない」
胡桃「それはそれでむかつく!」
塞「じゃあ脱げ」
胡桃「うっさいバカ!」
エイスリン「スキアリ」バッ
胡桃「きゃー!!」
…
白望「…冷たくて気持ちいい」
キャーキャー
白望「…塞たちは昼作りに行ったんだよね」
エイスリン「…っ」カキカキ...バッ!
白望「…冷やし中華かァ…まさに夏だね」
エイスリン「♪」ワクワク
白望「うん…私も」
塞「エイスリンー! シロー! できたからこっちきてー!」
エイスリン「ハーイ!」
「「「「いっただきまーす!!!」」」」
ズルズルッ!
豊音「んんっ! ちょーおいひいよ!」
塞「まぁ麺を軽く茹でて、テキトーにトッピング乗せただけなんだけど」
胡桃「でもおいしい。夏といったらやっぱこれだよね」
白望「…ん」ズルルッ
エイスリン「…♪」チュルルッ
塞「麺はまだ余ってるから、どんどん食べてねー」
豊音「ほふぁい!」モグモグ
胡桃「トヨネ、ちゃんと飲み込んでからしゃべる!」
豊音「…んぐっ…はーい」
塞「…すぅ…すぅ…」
胡桃「…ん…もう食べられない…」ムニャムニャ
豊音「二人とも寝ちゃったねー」
白望「…うん」
エイスリン「…っ」カキカキ
エイスリン「ナカヨシ!」バッ!
白望「…そうだね。なんだかんだで塞も一緒になって楽しんでたみたいだし」
豊音「あれ、シロは違うのー?」
白望「…え」
エイスリン「…っ」カキカキ...バッ!
豊音「うん…シロもおんなじくらい楽しんでたよねー!」
エイスリン「…!」コクコク
白望「…そ、そうかな」
胡桃「…いやぁ…んん…」
豊音「ふふっ…それにしても、仲良しさんだなーこの二人♪」
豊音「二人とシロは、いつ頃からの付き合いなのー?」
白望「…うーん、小学生くらいかな。気づいたときには一緒にいた気がする…」
豊音「そっかー! 長い付き合いなんだねー」
白望「…うん。塞のおねしょ事件とか、胡桃が行方不明になったりとか…」
白望「…あとは胡桃と塞が一か月も口利かなかったりとか、いろんな出来事があったなぁ…」
豊音「あははっ、あの二人も喧嘩するんだね」
白望「…今でもしてるじゃん」
豊音「そういえばそうだったねー! あははっ!」
エイスリン「…」
白望「…ん、どうしたの?」
エイスリン「…ン」
白望「…えっ、これ…」
豊音「私と…エイスリンさん?」
エイスリン「…っ」ジッ
白望「…??」
豊音「…あっ!」
白望「…なに?」
豊音「えーっと、あのねシロ…」
白望「…うん」
豊音「エイスリンさんは、私たちもシロや、塞や、胡桃ちゃんの仲間に入っても大丈夫なのかって、それを心配してるみたいだよ?」
エイスリン「…っ」ジワッ
白望「…」
豊音「…私も、気になるかなー?」
白望「…バカじゃないの」
エイスリン「…っ」
白望「…もう二人とも、私たちの友達…でしょ?」
白望「大丈夫か、とか…友達ってそういうんじゃない。気づいたらなってるものだって言ったじゃん」
白望「私たちはもう二人のこと仲間だと思ってたんだけど、二人は違ったってこと…?」
エイスリン「…っ」ブンブンッ
豊音「そんなわけないよー…私もエイスリンさんも、みんなのこと大切な仲間だって思ってる…っ」
白望「そっか…安心した」
豊音「ううん…私たちこそ、ちょー嬉しいよっ!」ニコッ
エイスリン「…ウン!」
豊音「もう、シロってばー…」
エイスリン「…フフ」
白望「…豊音、腕まくら」
エイスリン「トヨネ!」
豊音「ええっ! …ん~、仕方ないなー」
エイスリン「ワーイ!」ボフンッ
白望「…んっ」ギュ
豊音「ふ、二人ともくっつきすぎだよー!」アセアセ
白望「…気にしない気にしない」
エイスリン「キニシナイキニシナイ!」ギュゥ
豊音「…もうっ」
胡桃「…んぁ…あれ、今何時ぃ…?」ムクリ
塞「…もう6時半だよ」
胡桃「あれ…塞は起きてたんだ」
塞「ま、まぁね…」
塞(起きたら胡桃と抱きしめ合ってただなんて、さすがに言えない…っ)
胡桃「…なに顔赤くしてんの?」
塞「な、なんでもないってば!」
胡桃「…??」
塞「…それよりほら、見てみなよ」フフッ
胡桃「へ?」
塞「…この三人の寝顔」
胡桃「…あ」
白望「…」
豊音「ちょー…うれしーよー…」スピー
塞「なーんか、かわいらしいでしょ?」
胡桃「ふふ、ほんと…」
塞「胡桃も混ざってきたら?」ニヤッ
胡桃「い、いいよ…子供じゃないんだから」
塞「すっごい混ざりたそうにしてるのに」
胡桃「してない!」
塞「まぁ、もうそろそろ起こしてあげた方がいいかもね」
胡桃「え、なんで?」
塞「ほら、始まった」
胡桃「これって…」
エイスリン「ハナビ!」
胡桃「わっ!」ドテッ
塞「おっ、エイスリン起きたんだ」
エイスリン「ウン!」
胡桃「え、エイちゃんびっくりさせないでよ!」
エイスリン「シロ、トヨネー! オキテー!」ユサユサ
胡桃「スルゥかよ!」
豊音「ふにょ…!?」
塞「ふにょってなによ」
エイスリン「ハナビ!」
豊音「は、なび…?」
ピュー......ドーンッ!
白望「わ…ほんとだ」
豊音「うわぁ! す、すっごいよー!!」パアァ
エイスリン「デショ!?」
塞「近場でやってるからね。ここからならちょうど遮蔽物もないし、すごくいいスポットなんだ」
豊音「あ、黄色!」
エイスリン「ウウン! ミドリ!」
豊音「ええ~、黄色だったよー」
塞「どっちでもきれいだしいいじゃないの」
豊音「そうだねー! あ、ええっと…たーまやー!!」
塞「かーぎやー!!」
エイスリン「ン…タマヤ? カギヤ?」
塞「花火があがったときにそう叫ぶの。まぁ『花火さんありがとう』的な意味ね」
エイスリン「ナルホド…」
ピュー......ドーンッ!
エイスリン「ターマヤー!」
豊音「かーぎやー!」
胡桃「あぁ…もうすぐ夏も終わりかぁ」
豊音「うん、そうだねー…」
塞「夏が終わったら、みんなそれぞれ、自分の進路とか決めなきゃいけないね…」
豊音「…そしたら私たち…離れ離れに、なっちゃうのかなー?」
白望「…」
エイスリン「…」
エイスリン「…っ」カキカキ...バッ!
エイスリン「ワタシタチ、トモダチ! イツマデモっ!」
エイスリン「…っ」ウルウル
胡桃「エイちゃん…」
白望「…」
白望「…みんな行く場所はそれぞれ違うかもしれない。でも…」
心で思い続ける限り…ずっと繋がっていられる―――
だから…
白望「…少しでも、今を目いっぱい楽しんでいこう。この五人で」
―――決してこの思いが途切れないように…
豊音「…そうだねっ!」
塞「…し、シロにしちゃいいこと言うじゃん」グズッ
胡桃「私、絶対忘れないよ。今日までのこと…これからのこと、全部!」
エイスリン「ウン!」
―――こうして、私たちの長いようで短かった夏休みは終わった。
はたから見れば、大したことのない出来事の連続…でも、私たち五人にとっては大切な思い出のカケラたち。
私たちはそれらを胸に抱き、これから自分たちの進むべき未来へと歩みを続けるのだろう。
いつまでも友達であり続けることを願って―――
fin
最後まとめんの遅くなってほんとにごめんなさい。
宮守大好きです。お疲れさまでした。
宮守みんなちょーかわいいよー
あったか~いssだった
Entry ⇒ 2012.08.11 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (2) | Trackbacks (0)
モモ「こちらモモ、白糸台麻雀部に潜入したっす」
モモ「先輩…褒めてくれるっすかね……」
モモ「清澄の部長が約束を守ってくれればいいっすけど」
久『無事帰ってきたらゆみの着替え生写真あげるわよ』
モモ「…よく考えたらなんで持ってるんすかね?」
モモ「まぁいいっす!早速麻雀部に行くっす!」
モモ「あっ……!見つけたっすよ宮永照!」サッ
照「……………」
照「……長いお別れ」ボソッ
菫(あの照がレイモンドチャンドラーを読んでいるだと…!?)
照「なにか失礼なこと考えてない?」
菫「そんなことはないぞ……」
照(官能小説とは言えない…)
菫(似合わない…)
淡「遅れましたー」ガチャ
モモ(あれが大星淡っすね)
照「遅かったね」
淡「掃除当番だったんだー」
菫「ああ、今日は出れないと連絡があったよ」
淡「じゃあ今日は三人かー。なにする?」
照「かくれんぼ」
菫「却下」
淡「私トランプ持ってきたよ」
照「じゃあポーカーしよう」
淡「配るね」
菫「いや、おい……」
菫「フルハウス」
照「ロイヤルストレートフラッシュ」
モモ「……お菓子発見したっす」ゴソゴソ
菫&淡「なっ!?」
照「……」ドヤッ
菫「なっ…イサカマだ!イカサマに決まってる!」
淡「ずるい!ずるい!」
照「実力の差」
照「結果は素直に受け止めるべき」
菫「くそっ!もう一回だ!」
照「さぁ罰ゲームとして」
淡「え!?聞いてない!罰ゲームなんて!」
照「脱げ」
菫「なんと卑怯な…!」
照「冗談だよ。そんなに酷くない」
淡「ほっ……」
菫「次はなにするか…」
モモ(麻雀はしないんすか…?)
照「ポッキーゲーム」
淡「そういえばお菓子買ってきたんだよ」
照「これのこと?」モシャモシャ
淡「なんでもう食べてるの!?」
照「もう開いてたけど」モシャモシャ
モモ(まあまあっすね)モシャモシャ
淡「そんな訳ないもん!」
菫「落ち着け淡」
モモ(暇っすね…いつ麻雀始めるんすか)
モモ(……少しくらいイタズラしちゃってもいいっすよね?)
モモ(少しくらいならバチは当たらないっすよ!)
モモ(宮永照のカバンでも漁ってみるっすかね)ゴソゴソ
モモ(こ…これは……アルバム?)
モモ(3冊もあるっすね……って)
モモ(リンシャンさんで一冊埋まってるっす……)
モモ(こっちは……)ゴソゴソ
モモ(……大星淡にあそこのロングヘアーの人のが1冊ずつ……)
モモ(確か名前は弘世菫……)
モモ(寝顔に着替え中にあれ…?これはシャワーシーン……)
モモ(……盗撮っす)
モモ(日記もあるっす)
照『咲可愛い。さすが私の妹だ抱き締めたい』
照『しかし菫と淡も可愛い』
照『三人が織り成すトライアングルに囲まれて…』
照『私は一体どうすればいい…!!』
照『…そうか、なら全員まとめて愛せばいいんだ!』
モモ(……)パタン
照「……」ジー
モモ(あれ!?見られてるっすか?ま
さかそんなこと…)
照「……」ジー
モモ(いやいやいややっぱり見られてるっす!)
菫「照、お前さっきからどこ見てるんだ?」
モモ(まずいっす!一人ならまだしも全員に見つかったらヤバいっす!)
照「……あそこにトラがいたから」
淡「とら?」
菫「なんだトラなら仕方ないな」
モモ(なんだ…トラっすか)
モモ(これは……またアルバムっすか?)ペラッ
モモ(宮永照の写真しかないっす!)
モモ(寝顔に水着に体操服に…これ全部盗撮じゃ……)
モモ(これって剥ぎコラって奴っすかね……?)
モモ(うわ、また日記っす……)ペラ
菫『照…いつか私がお前の心を射ぬいてやる…』
菫『プールの授業のあと靴下が無くなったって言ったね?』
菫『実はあれな…』
菫『私なんだよ』
菫『昨日箸が無くなったって言ったね?』
菫『実はあれも……』
菫『私なんだよ』
モモ(……)パタン
モモ(次行くっす次)
モモ(じゃあ次はっと……これは大星淡のカバン)
モモ(どれどれ……)ゴソゴソ
モモ(アルバムはないようで安心したっす)
モモ(…なんすかこれ?日記っすか)
モモ(どれどれ……)
一日目…謎の多い人物、宮永照
クールで無表情なので見てて面白くない
菫先輩と仲が良いみたいなの色々聞き出そう
二日目…頭部から飛び出している角は一体なんだろうか
謎は深まるばかりである
モモ(たしかにあの角は気になるっす)
三日目…今日は機嫌が悪いようだ
誰かにプリンを食べられたらしい
……私が勝手に食べたことは誰にも知られてはならない
ときどきテルを見る目がギラついている
私は一時的にテルの観察を中止して
菫先輩の調査を開始することにした
五日目…なんと言うことだろうか
菫先輩のカバンを漁ってみたところ一冊のアルバムを発見した
だから目付きがエロいのか
私の推理は間違っていなかった
六日目…そろそろ決着をつけよう
私は明日菫先輩を問い詰めてみることにした
モモ(……)ゴクリ
大大大大大好き!愛しています!
今日から私もアルバムを作ることにしました!
嗚呼…麗しのテル……大好きです
モモ(み、ミイラ取りがミイラにー!)ガクガク
モモ(まさか本当に変態の巣窟だったなんて……)
モモ(弘世菫……一体何者なんすか)チラッ
照「……」ジー
モモ(んなっ!)ビクッ
モモ(見てるっすー!絶対見てるっすよあれ!)
淡「またとら?」
菫「なんだまたトラか。仕方ないトラだな」
照「……うん」
モモ(セーフっす……)
モモ(危ないところっすね)
モモ(レベル高すぎるっすよ…)
淡「んー暇ー」
菫「暇だな」
照「王様ゲームしよう」
菫「却下だ」
モモ(真面目を装ってても変態なんすよね…)
淡「そういえば亦野先輩から面白いもの貰ったんだよ」
淡「熱源感知なんとかって言ってたけど…あれ?」スチャ
菫「なに?」
モモ(それは反則っす!)ササッ
淡「ん!?ん!?」キョロキョロ
菫「どこにもいないじゃないか」
淡「あれー?おかしいな…」
モモ(…収穫もないみたいっすしそろそろ帰るっすかね)
モモ(これ以上変な道具出されても困っちゃうっす)ソソクサ
菫「それ壊れてるんじゃないのか?」
淡「えー…」
照「ちょっとトイレ」
なんかエロいな
モモ「生写真は惜しいっすけどいつも一緒にいるっすからね」
モモ「帰る前にトイレはっと……あった」
照「……ねぇ」
モモ「!」ビクッ
モモ(……)チラッ
モモ(……独り言っすよね?)
照「私には全てお見通し」
照「この…照魔境で!」ドヤァ
モモ(…まずいっすそんなの聞いてないっすよ!)
モモ「…見えてるんすか?」
照「もちろん。あなたがやっていたこと全て見ていた」
モモ「…帰してくれたりは?」
照「…さぁ?考えておく」
モモ(私のほうが背も胸も上っす…)
モモ(ステルスを最大限活用すれば抜け出せるっす!)
モモ「うわぁぁぁぁ!」ドドド
照「……!」
誠子『先輩、まずCQCの基本を思い出して下さい』
モモ「ここは……?」
照「部室だよ」
モモ「あぁそういえば投げられて……」
モモ「ってどうして縛られてるっすか!?」
照「あのまま大人しくしていれば帰してあげたのに」
照「お仕置きが必要になった」
モモ「嫌っすー!」
照「安心していい。菫も淡も今日は帰した」
照「3対1は卑怯だからね」スッ
モモ「…うぅ」ピク
照「やめてほしい?」
モモ「……」コクッ
照「じゃああなたの目的は?」
モモ「そ、それは……」
モモ「えと……」
照「はぁ」
照「……さてと」
モモ「やめるっすー!」
照「じゃあ目的は?」
モモ「………敵情視察っす」
照「……へぇ」
照「まぁそのことは良いとしても…」
照「私のアルバムとか物色してたよね?」
モモ「いや、あれは……」
照「咲の裸見たよね?」
モモ「リンシャンさんの裸なら合宿のときに…」
照「見たと…」
照「私でさえ小さい頃の裸しか知らないのに」ブツブツ
モモ「仕方ないじゃないっすか!」
照「それ相応のバツを受けてもらう」
モモ「ちょっ!なんで脱がすんすか!」
モモ「いやっほんとにやめてくださいっす!」
モモ「謝りますからお願いするっす!」
照「あなたなかなか可愛い顔してるね」
モモ「なっ!」
照「……咲には負けるけど」パチパチ
モモ「やめて…」
照「私は和姦派だけど………」
照「嫌がってる子を相手するのも悪くない」
モモ「いやぁあ!」
照「もう助けを求めても無駄だよ」
照「…ではいただきます」
照「いい声出すね」
モモ「お願いっす…やめてほしいっす……」
照「……嫌だ」
照「……」ピトッ
モモ「ッ!」ビクッ
照「もうこんなに濡れてる」
モモ「嘘っす!そんなことないっす!」
照「可愛い」クチュクチュ
モモ「~~~!あっ、やめっ!」
照「大きな胸だね」ハムッ
モモ「す、吸わないでほしいっす…あっ!」ビクッ
照「やっぱり感じてる」
モモ「感じてなんかぁ…んぁあ!」
照「強がっちゃって……」ンチュ
モモ「!?」
モモ「はむっ…んちゅ、れろっ…」
照「やっぱり可愛いな」
モモ「はぁ…はぁ…」ビクビクッ
照「ぐったりしちゃって可愛いぞ」
モモ「うぅ……」
照「これに懲りたらもうスパイなんてしないことだ」
照「遊びに来るのは一向に構わないけどね」
モモ「うぅ……」ダッ
モモ(絶対この借りは返してやるっす…!)
照「さて、アルバムを一つ増やそうかな」
モモ「ダンボールを被って再潜入っす!」
モモ「今度こそ弱点を見つけてやるっすよ!」
モモ「もしまた見つかったら……」モジモジ
亦野「動くな」
モモ「ひっ!」
カン
Entry ⇒ 2012.08.11 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
淡「尭深ちゃ~ん、おなかすいた~」尭深「え?」
尭深「う、うん・・・それで?」
淡「わっかんないかな~まったく~」
尭深「えっと・・・お茶菓子あるけど食べる?」
淡「あ……うん、それでいいや。ありがと」
尭深「そ、それじゃあまた明日ね///」フリフリ
淡「それじゃね~バイバイ!また明日~」
淡「・・・・・・」
淡「ああああああああああああああああああああああああああ」
淡母 アワイ、ウルサイ!
淡「ふぅ・・・」
淡「そうじゃないだろ・・・あたし」ハァ
淡「あ~なんで素直になれないんだろな・・・」
淡「もっと尭深ちゃんと仲良くなりたいのに・・・」
淡「いっしょにお茶飲もうって言うだけじゃん」
淡「あぁ~もう!しっかりしろあたし!」
淡「・・・うん、明日がんばろう・・・」
淡「ふぁ~あ、眠い・・・」
淡「あ・・・尭深ちゃんだ!お~い尭深ちゃ・・・」ハッ…
亦野「あはは・・・でさ・・・・・・なんだって」
尭深「・・・そうなんだ・・・・・・そういえば・・・・・・」
淡「っ!亦野先輩といっしょ・・・か・・・あの二人いっしょに登校してたんだ・・・」
淡(仲いいし・・・付き合ってたりするのかな・・・)ズキッ
淡(あれ?なんだろ胸が痛い・・・)ズキズキッ
淡(お弁当・・・部室で食べよっかな?)
淡(尭深ちゃん、いつも部室で食べてるんだよね)クスッ
淡(・・・・・・でも・・・)
淡クラスメイト「淡~いっしょにたべよ~」
淡「・・・うん、たべよ~」
淡(・・・部室には放課後行こう・・・)
淡クラスメイト2「あ、淡のお弁当おいしそう・・・」
淡「そうかな?あ、この玉子焼き手作りなんだ~」
淡クラスメイト「え~マジ~?ちょっと食べさせて~」
淡(・・・本当は尭深ちゃんに食べてほしくて作ってみたんだけどな…)モグモグ・・・
淡クラスメイト「うんま~~い、最高っ!」ムシャムシャ
淡「ありがと…」ハァ…
淡クラスメイト2「どうしたの・・・淡?」
淡「う、ううん…なんでもない。そういえば現国の・・・・・・」
淡(また今度…だね…)
淡「遅くなりました~」ガラッ
淡(・・・あれ?)キョロ
カン ツモ リンシャンカイホー マージャンッテタノシイヨネ
淡(尭深ちゃん・・・いない・・・?)キョロキョロ
コルホーズリーチッ! ライジングサンッ!! ライジングサンガエシッ!!!
淡(なんで・・・いないの・・・?)キョロキョロキョロ
ヤメローシニタクナーイ アンタセナカガススケテルゼ… キンッキンニヒエテヤガル…
淡(どうして?朝はいたのに・・・)ウルッ
ガラッ
淡「っ!尭深ちゃん!?」
淡「て、照先輩・・・」
菫「急にどうした大星!?」
淡「ご、ごめんなさい。ちょっと考え事してて・・・」
菫「尭深・・・ああ渋谷か。渋谷なら今日は来ないぞ?」
淡「え・・・なんで・・・」
菫「体調不良…だそうだが、なにか用事でも?」
淡「そ、そうなんだ…いえ何でもないです…」シュン…
照「・・・」フムゥ…
菫「ふむ、いいだろう。お前たちはどうだ?」
照「いいよ」
淡「・・・うん」
~~~~~~~~~~~~~~~~~
2時間後
~~~~~~~~~~~~~~~~~
照「ロン、リーチ一発ピンフイッツー、12000の2本場で12600・・・
照「また一人トビだな、淡」
淡「・・・・・・」
亦野「ひょっとして女の子の日か?なんてな、はははっ」
菫「亦野!からかうのはいいが、言いすぎだ」
淡「・・・・・・ちょっと早いけど今日は帰ります」
亦野「あ・・・なんかごめん」
淡「ううん、大丈夫・・・それでは」
照「な、何も知らないよ!?ただ心当たりが…」
菫「心当たり?何でもいいから早く言え」
照「菫…イライラすると禿げるよ」
菫「誰が原因だ!誰が!!」パロスペシャルッ
照「いたいいたいいたい間接がいたいっ!!」ギリギリッ
亦野「ははっ」
菫「弓を使わないだけマシだろう」ギリギリギリッ
~~~~~~~~~~~~~~
菫「…で心当たりとは?」
照「渋谷さん…」
菫「何でそこで渋谷の名前がでるんだ?」
照「さっき、今日渋谷さんが来ないって聞いてすごく悲しそうな顔してたから」
菫「ふむ…お前にしては珍しくわかりやすい回答だ……よくわかったな」
照「淡はわたしのお気に入りだからね」フンス
菫「…そうだな」クスッ
照「とにかく淡には元気になってほしい。そこでみんなに聞いてもらいたいことがある」
菫「なんだ?また変なことじゃないだろうな」
亦野「面白いことですか?」
照「明日の昼休みなんだけど…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
カポーン
淡「…」グスン
淡「…なんなんだろ最近…」
淡「尭深ちゃんのことばっかり考えてる…」
淡「はじめは大人しそうなひとだな~って思ってて」
淡「ちょ~っとちょっかいかけたらさ~」
淡「…すっごいかわいい反応とかしちゃうしさ~」
淡「反則だよ…もー…」ブクブクブク
淡「それにあのおもち…」
淡 ジィ・・・ ムニムニムニ
淡「はぁ…うらやましい・・・」
淡「…ブログの更新しよっと…」
☆ビッグスターあわあわ☆
今日気になる先輩が部活を休んだの
なんだかぜんぜん手につかなくて
他の先輩に怒られちゃったグスン
明日は会えるかな?あわあわファイト!
淡「……こんなんでいいかな?」
淡「・・・・・・」
淡「あ、コメントきた。いっつもはやいな~この『渋井丸尭男』って人」
淡「『わたしも今日後輩に会えなくて残念だったよ~』っか~」
淡「…尭深ちゃんもこんな風に思ってくれてるのかな・・・・・・」
淡「…コメント返信しよ」
淡「…ナデナデ・・・か・・・」
淡「お願いすればしてくれるかな・・・」ボソッ・・・
淡「っ~~!!//////」
淡「そんなわけないない!!もう寝よっと!お休みなさい!」
淡「…おやすみ、尭深ちゃん」ボソッ・・・
淡「っ~~~~~!!//////」バフンバフン
淡(…今日は、ううん今日こそは・・・部室に…)
淡クラスメイト「お~淡ぃ~今日も一緒に食べようよ~」
淡「あ…」
淡クラスメイト2「あ、もしかして先約あった?」
淡「だ、大丈夫だよ、なんでもない・・・さっ、はやくたべよ!」
淡(うん…放課後…放課後会えるもん…)
ガラッ
照「淡いる?」エイギョウスマイル
キャーテルサマーダイテー iPSサイボウナラドウセイデモコドモガ・・・ ウソダッ!!
淡「て、照先輩、こんにちは・・・どうしたの?」
照「お、いたいた。ちょっと付き合ってほしいんだけどいい?」
淡「今からお昼ご飯なんだけど、そのあとじゃだめ?」
照「そう、ちょうどよかった。弁当もってついてきてちょうだい」
淡「拒否権ない、みたいだねぇ…」
淡「っというわけ…ごめんね、また今度」
淡クラスメイト「うん~がんばれ~」
淡クラスメイト2「照淡…アリだ。しかし照菫に比べれば破壊力は…」ブツブツ
淡「あ…あはは…」
亦野「あ、尭深。今日も部室で?」
尭深「う、うん・・・誠子も行く?」
亦野「いや、今日は屋上で風に吹かれたい気分」
尭深「ふふふっ、なにそれ///」
亦野「おっと急がないと、じゃね」
尭深「うん…また後で」
プルルルル…プルルルル…ガチャ
亦野「こちら亦野、尭深は部室に移動中です」
菫『わかった。お前もこちらに戻れ』
亦野「わかりました、先輩」ガチャ…ツーツーツー
淡「で、どこ行くのん?」トコトコ
照「部室」トコトコ
淡「部室?緊急ミーティングとか?」トコトコ
照「うーん、まぁそんな感じかな」トコトコ
淡「へー……尭深ちゃんも来るの?」
照「ああ少し遅れるらしいけど…」
淡(尭深ちゃんと会えるんだ…昨日会えなかったし、なんかすっごく嬉しい///)
淡 ニマニマ
照「淡、なにかいいことあったか?」
淡「いいえ~、べっつに~」スキップルンルンルン
照「じゃあみんなが来るまで待っていてちょうだい」
淡「は~い、わっかりました~」
照「それじゃ私はお手洗いに行っておこうかな」
淡(まっだかなまっだかな~尭深ちゃんまだかな~)ルンルンルン
ガララッ ガララッピシャ…
プルルルル…プルルルル…ガチャ
照「菫?淡の誘導は終わったよ」
菫『ああ、こっちでも確認は取れている。それじゃあ渋谷が来るまで隣の教室で待機』
照「あとは菫の合図で…だね」
菫『ああ頼むぞ』
ガラッ
尭深「…あれ、淡ちゃん?」
淡「あ、尭深ちゃん!」
尭深「お昼休みに会うの、珍しいね///」
淡「あれ?先輩が今日は緊急ミーティングだって・・・」
尭深「ミーティング?聞いてないけど…」
ガチャリッ…
淡「施錠音?なに?」
尭深「…閉まってるみたい・・・」ガッガッ
照『淡、渋谷さん聞こえる?』
淡「照先輩!ちょっとふざけないでよ!」
尭深「そ、そうです。開けてください・・・」
照『今日の昼休み、二人きりで部室で過ごしてもらう』
淡「えっ!!なんで!?」ドキッ
尭深「・・・」
照『とにかく今日の昼休みは部室からは出られない』
照『安心して。午後の授業にはでれるから』
照『それじゃあがんばって』
淡「ちょ・・・ちょっとまってよ~」ドン
尭深「落ち着こう、大星さん・・・」
尭深「昼休みが終わるころには鍵を開けてくれるだろうから…」
尭深「とりあえず、ご飯たべよっか」ニコッ
淡「し、しっかたないな~、そこまでいうなら…」
尭深「…?」ジィッ
淡「うぅ~…た、食べよっか、尭深ちゃん!///」
尭深「うん!」
淡「い、いいよ。自分で淹れるから」
尭深「ついでだから。淡ちゃんは座ってて」
淡「…はい」
尭深「まっててね、おいしいお茶淹れるから」ルンルン
淡(かわいいな…この人)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
菫「お、お疲れ」
照「疲れなんかないよ」
亦野「みんなそろいましたね」
TV『あ、お茶淹れるよ』
TV『い、いいよ。自分で淹れるから』
菫「まさかあの二人は気づいていないだろう・・・」
照「部室が盗撮されているなんてな!」
亦野「悪趣味だなぁ、先輩たち」
菫「なにをいう、カメラを仕掛けたのはお前だろ」
亦野「テヘペロ」
照「ちょっと古くないか?」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
尭深「はいどうぞ」コトッ
淡「ありがと!熱っ!」
尭深「大丈夫?ふふっ、気をつけてね」クスッ
淡「///」ドキッ
淡(本当に・・・かわいいな・・・)
淡「///さ、さぁ食べようよ」
尭深「そうだね・・・あ、淡ちゃんのお弁当美味しそうだね」
淡「そ、そんなことないって~///」
尭深「謙遜しないで・・・ほらこの玉子焼きとか・・・」
淡「それ・・・あたしが作ったの・・・」
尭深「え、本当に?すごいね」
尭深「?」
淡「ど、どうしても食べたいなら食べてもいいよ・・・」
尭深「あ、ありがとそれじゃあ・・・あ」カランカラン
淡(あ・・・箸が・・・)
尭深「あ、落としちゃった・・・洗ってくるね」
淡「・・・鍵閉まってるけど・・・」
尭深「あ・・・」
淡「し、しかたないな~、ほらアーンして///」
淡(なにやってんのぉ~あたし!調子のんなあたし!)
尭深「・・・」ウーン
淡(ほら尭深ちゃんも困ってる!)
尭深「///」アーン
淡(やるのかよ、あんたかわいいなホント)
淡「は、はいアーン」ブルブル
尭深「ん」パク
尭深「///」モグモグゴックン
尭深「おいしいよ、私甘い玉子焼き大好きなの・・・それに///」
尭深「淡ちゃんの味、好き///」
淡「へ、へー」ドックンドックン
淡(ああああああああああああああああああああああああああああああああ)
淡(もおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお)
淡(・・・・・・ふう)
淡(もひとつ、もおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお)
淡(ああああああああああああああああああああああああああああああああ)
淡(・・・ふう・・・)
淡「そ、それじゃあ・・・あたしはそのコロッケたべたいな~」
尭深「え///」
淡(あ、やばっ・・・これ調子のりすぎたかも・・・)
尭深「」モジモジ
淡「な、な~んてねHAHAHA・・・」
尭深「あ、淡ちゃん・・・はいあーん///」
淡「・・・」アーン
尭深「///」ヒョイ
淡「・・・」パクモグモグ
尭深「どう?///」
淡「とってもおいしーよ」ニコッ
淡(・・・・・・)
淡(・・・・・・・・・)
淡(やばい・・・萌え死ぬ・・・)フラァ・・・
バターンッ!
尭深「淡ちゃん!?どうしたの!大丈夫!?淡ちゃん!」
淡「バタンキュゥ・・・」
~~~~~~~~~~~~~~~~
亦野「助けに行きますか」ニヤッ
菫「なにをいっている?」ニヤニヤ
照「これからがいいところ・・・だろ」ホホエミ
~~~~~~~~~~~~~~~~
淡(・・・ん?あたしどうしちゃったんだっけ・・・)
淡(たしか・・・フラッときてそれでクラクラ~として・・・)
淡(床に倒れちゃって・・・)
淡(・・・?だけどなんだかやわらかいぞ・・・えっと・・・もしかして?)
淡「」パチクリ
尭深「急に倒れるからびっくりしちゃった」
淡「」
尭深「も~寝不足?自己管理ちゃんとしないと、めっ、だよ///」
淡(うん、まだ夢の中みたいだ。あたしの妄想すごいな)
淡(いくらなんでも膝枕なんて・・・ねぇ?)
尭深「大丈夫、むしろ安心できる重さかな///」
尭深「だから淡ちゃんがいいならこのままでいさせて、お願い!」
淡「う、うん・・・じゃあお願い!」
淡(尭深ちゃんがこんな風に言うのはじめてかも・・・)
淡「ひゃうぅ!!」
尭深「ご、ごめんね?ビックリさせちゃった?」
淡「う、ううん。大丈夫」ドキドキ
尭深「さ、触ってもいい?」ドキドキドキ
淡「べ、別にいいけど・・・」ドキドキドキドキ
尭深「//////」サワサワ…
淡「//////」ゾクゾクッ・・・
淡(でも・・・心地いいかも・・・)
淡(もっと・・・ううん。なでてほしいな・・・)
淡「た、尭深ちゃん、あのね・・・」
尭深「淡ちゃん、頭なでるよ」ナデリ
淡「んひゃん!」ゾクッ・・・
淡(・・・)ナデラレナデラレ
尭深「・・・」ナデナデ
淡(・・・)ナデラレナデラレ
尭深「///」ナデナデ
淡(///)ナデラレナデラレ
尭深「・・・実はね」
淡「・・・?」
尭深「ずっと、こうして淡ちゃんの頭をなでたかった・・・」
尭深「でも、できなかったの。私臆病だから」
淡「・・・」
淡(もしかしてブログの『渋井丸尭男』って・・・)
尭深「淡ちゃんはいつでもそう・・・知らないうちに勇気をくれるの・・・」
尭深「だから・・・かな?私あなたのこと・・・」
淡(尭深ちゃん・・・そういうこと・・・だよね)
尭深「私・・・」
淡(でも・・・でも・・・)
尭深「え?///」
淡「だめったらだめ!いっちゃだめ!!」
尭深「あ、淡ちゃ・・・」
淡「あたしから言うから・・・絶対言うからいっちゃだめ!」
尭深「淡ちゃん///」
淡「だから待っててほしいの・・・」
尭深「・・・いつまで?」
淡「あたしが優勝を決めて尭深ちゃんに告白する」
淡「尭深ちゃんはあたしのものだって全国に伝えるんだ!」
尭深「は、恥ずかしいよ///」
淡「いいじゃん、恥ずかしがってる尭深ちゃん可愛いんだもん」
尭深「///」ボンッ
菫「・・・」
照「・・・」
亦野「・・・」
菫「ま、まさかこんなことになるとはな///」
亦野「ちょっと責任大きくなりましたね///」
照「優勝できなかったら恨まれるな、ハハハ・・・」
菫「さて、そろそろ・・・終わりの時間だ」
照「ああ、わかってる」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ガチャリ・・・
照「お疲れ様、どうだった?」
淡・尭深「・・・」ギュ
照「ふふ、二人ともいい顔になってるね」
淡・尭深「///」
照「それじゃ昼休みは終わりだよ」
尭深「はい///」
淡「またあとでね、尭深ちゃん///」
尭深「うん///」
淡「ツモ、大七星」
照「・・・大会に大七星はないぞ」
淡「いいじゃないですか、どっちにしても字一色の役満で照先輩のトビ終了です」
照「う・・・」
菫「今日はすごいな、大星。特に照に対して」
淡「今日はいろいろやられたんで仕返しです」
尭深「///?」
淡「行かなきゃいけない場所がありまして・・・」
菫「ほう、まあ詳しくは聞かないでおこうか」
淡「いやだな~菫さんは知ってるじゃないですか」
菫「え・・・?」
淡「どうやら盗撮していたとか」
亦野「先輩すみません」ボロボロ
淡「言い訳はいらないんでとりあえず卓に座って」
照「菫・・・死なないでね」
菫「な、何をするんだ?大星、馬鹿やめr・・・」
~~~~~~放送自粛~~~~~~~~~
~~~~~~~解除~~~~~~~~~~
菫「すいませんでした!大星淡!」ボロボロボロ
淡「ふぅ・・・次こんなことしたら・・・」ギロッ
菫「二度としません!」ドゲザッ
照「同じく」ドゲザッ
亦野「助かった・・・」フゥ
淡「あ~そうかも・・・」
尭深「それより淡ちゃん・・・おなか空かない?」
淡「・・・うん」
尭深「うん、今お茶淹れるね///」
カン
【問】「もっとも美しいのはどれ?」
選ばれたのは… 「淡尭」 でした!
淡尭良いな!
Entry ⇒ 2012.08.11 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
淡「必殺技……?」
淡「必殺技ねぇ……」
照「必殺技と言ったら語弊になるかも……観る者に衝撃を与える和了って言えば正しいかな?」
淡「むむむ……何でそんな決まり事があるんですか?」
照「私たちの麻雀はただ勝てば良いってものじゃない……魅せる為の麻雀を打たないといけないの。それが全国2連覇した私たちの務め」
照「……ん?」
菫(どうして淡にそんな嘘をつくんだ?)ヒソヒソ
照(面白い方向に転ぶと確信したから……淡ならきっと邪気眼的なものを見せてくれるはず。淡が将来、その映像を見たら恥ずかしさのあまり穴に入りたい……否、穴に入れてもらいたくなるような恥ずかしいものを!)ヒソヒソ
淡「……?」
淡「まったくもって!」
照「そう……なら明日から頑張らないとな。インハイまでもう時間がない」
淡「はいっ!」
照「私も全面的に淡を手伝うよ。人がいて恥ずかしいようなら練習後の部室を使うといい……人払いくらいなら菫がしてくれるから」
淡「ありがとうテルー!」ダキッ
照「ふふ、頑張ってね」ナデナデ
菫「………」
照「誠子……いるか?」
誠子「御前に……」シュタッ
菫(どこから沸いたんだ……?)
照「頼みがある……明日までに部室の至るところに隠しカメラの設置を」
誠子「はっ!」シュンッ
照「ふふ、ふふふ……」
菫「不安だ……」
淡「先輩方のを参考にしたいけど、練習じゃ普通に打ってるんだねぇ……」
照「私たちの必殺技は体力をかなり使うからね……ココイチバンーって時じゃないと使わないよ」
淡(体力をかなり使う……?)
淡「ふぅ~む、なるほどなるほど……なるほど~」
菫「そうだな……一応、人払いの方は部員に呼び掛けておいたが」
照「流石、菫……なんだかんだ言ってノリノリ」
菫「う、うるさいな!」
照「淡、部室は好きに使うといい。私たちは自分の教室にいるから必要があれば呼んでね」
淡「はいっ!」
照「淡の練習が終わるまで待ってるから今日は一緒に帰ろうか」
菫「このパソコンで部室の様子が分かるというわけか……最近のパソコンはハイテクだな」
誠子「特注のカメラでミリ単位の動きだろうが、暗中だろうかバッチリですよ!」
照「ふふ、私もいい後輩をもったものだ」
尭深「………」ズズズ
照「どれどれ~」
『必殺技かぁ……』
『衝撃を与えるってことは五感に訴えかけるってことだよね……?』
『味覚、嗅覚は想像も出来ないから視覚か聴覚辺りが無難なのかな……?』
菫「ずいぶん真面目に考え込んでるんだな」
照「淡はああ見えて頑張り屋さんだからな」
菫「ぷぷっ」
照「あわあわ可愛い」
尭深「淡が牌を並べ始めた……」ズズズ
誠子「なにが始まるんです?」
尭深「大七星……」ズズズ
『すーはーすーはー……』
『7つの星に裁かれよ』キリリッ
尭深「……ブフォ!」
照「淡ならやってくれるって信じてた」
菫「ぷぷっ……お、お腹痛い……」
誠子「これは予想以上ですね」
照「尭深ー尭深ー」チョイチョイ
尭深「……?」ズズズ
照「『7つの星に裁かれよ』」キリッ
尭深「ブフォ!」
尭深「ゲホッゲホッ……だ、だって照先輩が……」
『これはちょっと恥ずかしいかな』
『なしなし!これはなし!』
菫「ちょっと!?かなりの間違いだろ」
照「次の必殺技に期待だな」
照「なっ、私の言った通りだったろ?」
菫「ふっ、照には敵わんな……」
照「誠子、さっきの淡の黒歴史集の編集を頼むね」
誠子「御意に」
照「ふふ、淡の誕生日プレゼントが決まったな」
尭深「鬼だ……鬼がいる……」ズズズ
照「淡、そろそろ帰ろうか」
淡「あ、テルー!」ダキッ
照「ふふ、こんな時間までよく頑張ったね」ナデナデ
淡「淡、いっぱい頑張ったの!」ニヘヘ
誠子「もう笑いすぎて私の腹筋がヤバいですよ。見てくださいよ6つに割れちゃってます」
尭深「それは元から……」ズズズ
照「全国も近いしそろそろ完成させてもらわないとな……ちょっと淡に必殺技がなんたるか教えてくる」
『あれ?テルーどうしたの?』
『淡が必殺技開発に煮詰まってるようだからね……私の必殺技で良ければ参考にしてもらおうと思って』
『wktk』
『……ここ(部室)は目立つ。外に出ようか』
『……?うんっ!』
菫「おい、照たちが部室から出ていってしまうぞ!追えないのか?」
誠子「無理ですよ……カメラは部室にしか仕掛けてないんですから」
菫「チッ……使えん奴め」
尭深「………」ズズズ
淡「………」
照「これで相手はいちころってワケさ。サイコーだろ?」ヒュウッ
淡「す、すごいよテルー!これだよ!これが私の追い求めてたモノだよ!」
照「そ、そうか……」
淡「淡、創作意欲が湧いてきちゃった!これで淡だけの必殺技が完成しそう」
照「淡、頑張ってね」
淡「おまかせあれ!」
照(まさかアレを見て必殺技が完成しそうって言っちゃうとはな……これは全国で恥ずかしい淡が期待出来るな)フフ
照「菫か……どったの?」
菫「淡が必殺技が完成したらしいぞ」
照「そうか……それはなによりだ」
菫「お前、その意味が分かって言ってるのか?」
照「……?どういうこと?」
菫「淡が必殺技を完成させたということはだな……私たちも恥ずかしい必殺技を披露させなければならないんだぞ!」
照「な、なんだって!?」
照「確かそんなこと言ったような……」
菫「淡が先鋒ならまだいい……だが、淡は大将だ。私たちが必殺技を見せなければ淡は疑問に思い、必殺技を見せてくれんかもしれん」
菫「つまりだ……淡の必殺技を見るためには、私たちの恥ずかしツモを全国のお茶の間に見せないといけないというわけだ!」
照「それは盲点……」
照「どうするって……?」
菫「行くか、引くかだ」
照「……行くしかないだろ。淡の恥ずかしい必殺技を見たいもん」
菫「ふっ、お前ならそう言うと思ったよ……誠子と尭深には私から伝えておく。お前も淡に負けないくらいかっこいい必殺技()を考えておけよ?」
照「ああ」
菫「2回戦では照が普通に他家を飛ばしてくれて助かったよ」
照「誠子と尭深に泣きつかれたからね……決勝までは私だけで終わらせる」
菫「なんだかお前が輝いて見えるよ」
照「照れるぜ」
照「淡か……」
淡「今度こそ必殺技使ってくれるんだよね?2回戦では普通に打ってたし」
照「あ、ああ……努力してみる……」
照(やっべ……すっかり忘れてた)
照(意地があるの……女の子にはッ!!)ギュルギュルギュル
照(衝撃の――)ギョギョギョギョ
照「ツモ……6200オール」
菫「やりやがった……」
淡「あれ、どうやってるんですかねぇ?」
菫「私に聞くなよ」
照「ごめん菫……先鋒戦だけで終わらせられなかった……」
菫「気にするな……後は私たちに任せておけ」
照「菫……」
菫「あのツモ……かっこよかったぞ」プクク
照「うるさいな!」
淡「おかえりテルー!」
誠子「お疲れサマです」
尭深「おかえりなさい……」ズズズ
淡「今回はアレ使わなかったんだねぇ」
照(アレ?前に淡に見せたやつのことか……アレを全国のお茶の間に晒す勇気は流石にないかな)
照「ああ、今回の相手は手強くて……使いどころが難しかったから」
淡「テルーの必殺技……淡、また見たかったな……」ショボーン
照「でも決勝ではやってみる」
照「あの菫のことだからな……私たちには想像も出来ないことをやってくれるさ」
誠子「菫先輩、私たちの中で一番気合い入れてましたからね……」
尭深「弓と矢を持ってた……」ズズズ
照「……は?」
菫「ロン!」ドシュ
泉「……は?」
照「大丈夫、菫のあまりの気迫でそう見えるだけだから……多分」
淡「千里山の人、矢が刺さったまま続行してますよ!?」
照「全国2位の強豪校だからな……あれくらいは当然」
淡(淡、なんだかとんでもないとこ来ちゃったよぉ~)ガクガク
菫「ロン!」ドシュ
泉「は……!?」
菫「済まんな……こんな茶番に付き合わせて」キュポンキュポン
泉「いえ……」キュポンキュポン
照「白糸台のシャープシューターwww」プクク
尭深「ゲホッゲホッ……お茶が気管に……ッ!」
尭深「気にしないで下さいよ……シャープシューター先輩……」ズズズ
菫「おい!」パァン
尭深「痛い……」ヒリヒリ
照「尭深ーは何を見せてくれるのかな?」
菫「さぁな」
尭深「ロン……」ブシュウー
セーラ「うわっ!目がぁ……目がぁ!」
照「おっと、出ました!尭深ーの毒霧攻撃」
菫「誰かあのバカを止めてこい」
誠子「ロン!」ズドーン
誠子「ツモ!」チュドーン
淡「なんか爆発してますよ!?」
菫「もうやりたい放題だな……」
照「誠子だから仕方ない」
尭深「………」ズズズ
照「ああ、頑張ってね」
菫「淡、私は今日ほどお前の対局を楽しみだと思ったことはないぞ」
尭深「期待してる……」ズズズ
誠子「白糸台の名に恥じない必殺技を頼むよ」
淡「はいっ!」
尭深「2位との点差はまだ充分すぎる程ある……」ズズズ
誠子「必殺技を使うのを躊躇ってるんでしょうか?」
菫「かもな……私もかなり恥ずかしかった」
尭深「割とノリノリに見えたけど……」ズズズ
菫「……少し黙れ」ドシュ
尭深「痛い……」ズズズ
照「恐らく淡は時を待ってるんだと思う……」
デビ子(まだ一回も副露も和了も放銃もしていない……)
竜華(それどころか眼ぇ瞑って打っとる……ウチらのことナメとんのか?)
淡「………」パチッ
淡(この手を待っていた……!)
尭深「門混混老七対子一向聴……」ズズズ
照「いや、淡はそれだけじゃ済まさないはず……」
菫「……!?淡の奴、手を崩したぞ……?」
淡(ここまでずっとツキを溜め込んできた……いや、小宇宙を高めてきたんだ!ここは跳満倍満程度じゃ物足りない……!)
淡(見せてあげる……淡の全力全開を……ッ!!)
淡「リーチ!」
穏乃(白糸台のリーチ!?)
デビ子(このタイミングで……?)
誠子「オーラスのトップ目でリーチかけましたよ!?」
菫「ツモる確信があるんだろう……それなら周りを脅すのも悪くないが」
照「いや、多分リーチかけた方が派手だから……」
照「必殺技というのはそういうファクターも重要なの。菫みたいに矢を乱射すれば良いってもんじゃあない」
菫「くっ……」
誠子「菫先輩、最初は嫌々やってるように見えたのに……」
尭深「小道具を持ち込むあたり、やっぱりノリノリ……」ズズズ
穏乃デビ子竜華「……!?」
淡「ギ ャ ラ ク シ ア ン エ ク ス プ ロ ー ジ ョ ン(字一色七対子)!!」
菫「やりやがったwww」
誠子「期待を裏切らないwww」
照「あわあわ可愛い」
尭深「ブフォwww」
淡「一本場です」
竜華「……ハァ!?」
菫「おい!続行してるぞ?」
照「恐らく癖になったんだろう……この準決勝、どこかが飛ぶまで終わらないかもね」
淡(やだなにこれ気持ちいい……)
淡「テルー!」ダキッ
照「淡、おかえり」
淡「えへへ……淡、頑張ってきたよ」
照「ああ、よく頑張ったね」ナデナデ
照(誠子、また淡の黒歴史集の編集頼むな)
誠子(御意に)
照「ふふっ」
淡「あれ?荷物……?誰からだろ?」
淡「宮永照……テルー!?ふふ、懐かしい……」
淡「先輩、卒業してからプロのお仕事が忙しいらしくてあまり顔出してくれなくなったけど……」
淡「でも何で今になって……」
淡「そっか、今日は淡の誕生日だっけ……覚えててくれたんだぁ……嬉しいな」
淡「あっ、DVDが入ってる……ビデオレターかな?」
淡「なになに?タイトルは――」
淡「必殺技……?」
槓!
淡のリアクションもオナシャス!
これ淡ちゃんあわあわしちゃうだろうなぁ
10年計画かよwwww
テルー鬼畜やなwww
Entry ⇒ 2012.08.11 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (2) | Trackbacks (0)
照「千里山…?」
照「対局が終わったと思ったら千里山が倒れて病院に運ばれた」
照「何を言ってるか分からねーと思うが」
照「とりあえずお見舞いに行ってみる。ちょっとだけ心配だし」
照「というか罪悪感ハンパないんですけど」
煌「…私のことですか?私の名前は花田煌です」
照 「そんなことは些細な問題だ。病院に行こう」
煌「病院って、園城寺さんのところですか?」
照「話が早くて助かる。チームに話をつけてきて、3分後に会場入口で待ち合わせで」
煌「なんと、人の話を聞く気がないとはすばらくない。確かに心配ですが、今は準決勝の真最中で」
照「…ぐすっ」
煌「…え?」
照「元はと言えば…ひっぐ、新道寺がコンビ打ちなんかするから私も頑張って、打って、それなのに」グスン
煌「…私にも責任があると。わかりました。行きましょう。少々お待ちください」
照「おうはやくしろよ」ケロッ
菫「お疲れ、照」
照「ん」
照「急用ができた。少し出かけてくる」
淡「急用って…今は試合の真っ最中だよ?」
尭深「宮永先輩…斬新」
誠子「千里山の先鋒のところですか」
照「そうだ。今、千里山のレギュラーは試合で病院に行けない。他の生徒も顧問に止められていた。私が行くしかない」
淡「行くしかないって…」
菫「お前のことだ、止めても無駄だろう。こっちは私達に任せて、行って来い」
照「ありがとう、菫。礼は弾む」
菫「じゃあ焼肉のたれ一年分で」
照「却下。大星、迷惑かけるがよろしく頼んだぞ」
淡「…はい」
ワロタ
照「おせーよ馬鹿」
煌「急いで来たのに馬鹿呼ばわりとはすばらくないですね。では、行きますか」
照「ん」
照「失礼します」
煌「失礼」
怜「チャン…ピオン…?それに、新道寺の…」
煌「花田煌です。真打ちです」
照「身体にさわるから、無理に喋らなくていい」
怜「命に別状はあるわけやなし、ある程度回復したから大丈夫やで」
怜「ただ、三巡先は二度と見られへんねんけど」
煌「(三巡先が見えていたとはこれいかに)」
煌「お見舞いの品、棚に置いておきますね」
怜「気ぃ遣わせてしもたかな。おおきに」
照「私と対局したから、その…」
怜「チャンピオンのせいやあらへん。ウチがあんたに一糸報いるために、ちょーっとだけ無理した。そんだけや」
怜「あのまま何もせえへんかったら、阿知賀はツモ3倍満で千里山も大ピンチやったしな」
煌「園城寺さん。貴女の健闘、すばらでしたよ」
怜「あんたもな、花田さん」
煌「煌と呼んでいただいても結構ですよ?」
怜「ふふっ。じゃあ、煌」
煌「そうですね。時間を見るに、そろそろ終わる頃かもしれません」
怜「泉たちは大丈夫やろか」
照「心配には及ばない。千里山は貴女のために必死に闘っている」
怜「まぁ見舞いになんてきたらそれこそはっ倒したるけどな。まぁ、チャンピオンからそれ聞いて安心したわ」
照「…で、いい」
怜「ん?」
照「私も、照でいい」
怜「なんや、あんたも人間らしいとこあるんやな」
照「…茶化すのはやめて」
照「貴女を傷付けた私に、こんなことを言う資格は無いのかもしれないけど」
照「えーと…私は、貴女と対局したことを誇りに思ってて…」
照「だから、私を…その」
怜「なんや歯切れ悪いなぁ。煌、ちょっとだけ照と話したいんやえど、席外してもらえへん?」
煌「二人だけの内緒話ですか。すばらですね。では」タタッ
怜「すまんなぁ」
照「うん」
怜「私を嫌いにならないで、か?」
照「」ピクッ
怜「そんなことで嫌いになるわけあるかいな。ウチも照と対局できて楽しかったで」
照「そんなわけ…」
怜「そんなわけあるわ。大体、さっきも言ったやろ?ウチが倒れたんはウチが自分の能力で無茶したせいやし」
照「…」
怜「言いたいことは分かるで。照の本当の能力は」
怜「他家の本質を見抜く能力でも、場の支配でも、連続和了でもない」
照「!」
怜「んー、ドラローさんが涙目になってた辺りかな?」
怜「場の支配や連続和了は、ただの前座。そうなんやろ?」
照「…うん」
照「きっかけは、小さい頃の家族麻雀だった」
照「人の顔色を伺い続けた結果、人の打ち方や能力が分かるようになった。でも、いつだったかな…この力が、悪い方に開花した」
照「相手を最も苦しめる打ち方の把握。それが、照魔鏡の能力」
怜「本当、おっそろしいで」
照「ただ、強くなって褒められたかっただけなのに」
照「手に入ったのはお飾りの称号。重い賞賛と期待。それに、こんな能力」
怜「…皮肉なもんやな」
怜「?」
照「能力で傷つくのが、自分なら良かったのに…」
怜「照…ウチは」
照「いや、それは私のエゴか。今の発言はあまりにも怜に失礼だった。申し訳ない」
怜「照!」
照「…」
怜「ウチはな、あんたと打てて本当に楽しかったんや」
怜「あんたはウチの憧れやった。それに、あんたに勝って認められたかったんや」
怜「結果的にこんな有様になってしもたけど、照のせいやなんて微塵も思ってへん」
怜「もうすぐ体調も良くなるし、照の能力なんか全く効いてへんわ。ザマないなぁ」
照「怜…」
怜「また、照と麻雀が打ちたいねん」
怜「…ええやろ?」ニコッ
照「…!」
照「もちろん」
怜「ふふっ、照は笑ったら結構可愛いんちゃうんか?」
照「なっ」
煌「すばら」ギクッ
照「ずっと…聞いてたの」
煌「ばれてしまいましたか。面白いっ!」
照「あとでお仕置きだから」
煌「」
煌「同じく」
照「菫?うん、病院。うん…そう。ありがとう。もう少ししたら、ホテルに直接帰るから。えっ?ば、ばいばいきーん」
怜「なんや、試合終わったんか?」
照「そうみたい」
怜「そっか、結果は…あー、やっぱ言わんといて。竜華達から聞きたいわ」
照「…そう」
怜「それにしても…くくっ、チャンピオンがばいばいきーん…あははっ」
照「っ!あれは菫が言えって」
煌「あはっ、あははっ、ばいばいきーんて!ひー」
照「」ポカッ
煌「痛っ!」
照「ここ…病院だから」ギュルギュル
煌「いや、その、すいませんでした」
竜華「怜!大丈夫!?」
泉「お、園城寺先輩、体調は…って」ガクガク
セーラ「宮永照…っ!」
浩子「それに、新道寺の…」
煌「花田煌です」スバラッ
泉「すばらが名前やなかったんですね…」ガクガク
怜「泉はなんでそない震えとるん?」
泉「し、白糸台の次鋒に、こ、ここ…」
照「(菫は一体何をしたの)」
煌「(宮永さんの方が色々な人に恐れられてそうですけどね)」
照「(てめっ)」
煌「(まぁ、園城寺さんももう大丈夫みたいですし、そろそろ帰りますかね)」
照「(ん)」
照「(あと、お前さっきばいばいきーん笑ったろ。あれギルティだからな)」
煌「(まだ引きずってるんですか。誰にも言いませんよ)」
照「(…)」
怜「何こそこそやってるん…?」
煌「えっ!?は、はいっ」
セーラ「ちょっと待てや」
照「」ギクッ
照「なっ、ななっ」
照「ふっ、なんのようだ」ダラダラ
セーラ「なんでそんな汗だくやねん」
照「…別に、大したことをしたわけじゃない」
煌「同じ雀卓を囲った雀士が倒れたのですから、心配をするのは当然のことです」
照「それじゃ、私達はもう帰るから」
煌「お大事に」
セーラ「大方、責任感じて居づらくなったんやろなぁ」
浩子「悪い人ではなさそうやったし」
怜「ほんで、結果はどないやったん?」
泉「えーっと…その」ガタガタ
竜華「新道寺がトんで、白糸台と阿知賀が1位2位。ウチらは敗退や。」
怜「そっか…」
セーラ「白糸台の大将、大星淡。化け物やで、ホンマ」
泉「皆化け物ですわ」プルプル
怜「ううん。大量リードを許したウチにも責任があるし」
セーラ「ええやんか、みんな全力を出して終わったんやから。今更くよくよしてても仕方あらへん」
泉「園城寺先輩が元気なら、それが一番ですよ」ガクガク
浩子「来年こそは、全国優勝したりますんで。期待しとってください、泉に」
泉「ひっ!?」
怜「みんな…ありがとな」
浩子「江口先輩、何あさってはるんですか」
セーラ「…なんやこれ」
浩子「プリンやな、なんか動物の絵が描かれとる」
怜「可愛え」
竜華「可愛えなぁ」
泉「可愛いですね」ガクブル
怜「いつまで震えとるん?」
煌「なんでしょうか」
照「…お前は、私と麻雀を打ってて、その…苦痛だったか?」
煌「質問の意味が分かりかねますが」
煌「貴女と対局するということは、高校生の頂点と対局するということ。それは私達の、麻雀部の目標です」
煌「そんなすばらなことが苦痛だなんて、少なくとも私は思いません」
煌「まぁ、宮永さんにしてみれば私との対局は調整にもならなかったのかもしれませんが」
照「」ギュ
煌「すばっ!?急に抱きつくとは何を」
照「…煌」
煌「…」
煌「やっと、名前で呼んでくださいましたね」
菫「阿知賀の次鋒、決勝で絶対全裸にしてやる…」
尭深「阿知賀の中堅、次ナマ言ったらカメラ目線で漏らさせる」
誠子「阿知賀の副将、これ以上私をコケにするようなら全身の関節を外す」
淡「阿知賀の大将…犯す」
照「…何があったのか説明してほしい」
菫「ふふ、照…聞きたいか?」ニヤァ
尭深「うふふふふ…」
誠子「くくく…」ゴキッパキッ
淡「後悔しても知りませんよー?」
照「…やっぱり、やめとく」
照「カン」
照「もいっこカン」
照「さらにカン」
照「ツモ。リーヅモタンヤオ嶺上開花三暗刻三槓子三色同項ドラ3、16000オール」
照「麻雀って楽しいよね!」
健夜「(これ絶対普通に役満アガった方が早いよね)」
恒子「け、決着ー!先鋒戦、白糸台高校の宮永選手がラス親で他家三人をトバして優勝という、前代未聞の功績を叩き出しました!!」
健夜「宮永さん、今大会の準決勝までとは随分違った打ち方に見えました」
恒子「と、言いますと?」
健夜「それに、今までの宮永選手のセオリーであった『始めの一局で様子を見る』という、照魔鏡の能力も使わなかった」
健夜「何故かは分かりませんが、準決勝から今日の試合までに何か変化があったのは間違いないでしょう」
健夜「それに…」
健夜「今の彼女は、心から麻雀を楽しんでいるように見えます」
照「…見ていたの」
煌「当たり前じゃあありませんか」
怜「照、優勝おめでとう」
照「怜。もう体調はいいの?」
怜「おかげ様で全開や。それにしても、最後カッコよかったで。数え役満ぶっ放すとは思っとらんかったわ」
煌「つくづく、その実力が羨ましいです」
照「えへへ」
怜「うん」
照「煌」
煌「はい」
照「貴女たちのおかげで、楽しかった麻雀を取り戻せた。人を苦しめる麻雀から解放された。だから、そのー」
照「ーありがとう」ニコッ
カン!
玄ちゃんいるのにドラ持ってるって話だと思うよ
ここまで読んでくれてありがとね、おやすみ
>>80
そっちかww
照「ん」
煌「勢いあまって私に抱きついたことは園城寺さんに内緒の方がいいですか?」
照「なっ」
もいっこカン!
この三人の絡み良いね
すばらだった
Entry ⇒ 2012.08.10 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (3) | Trackbacks (0)
和「お姉さん!」照「な、なんだ……」
照「な、なんなんだ……さっきから人の顔を穴の空くほど見詰めて」
和「……」ギュッ
照「む、無言で抱きしめるな!」
和「やっぱり、そっくりですね」
照「なにがだ」
和「顔とか匂いとか抱き心地とか、ですよ。そっくりです、咲さんに」
照「……それに対して私はなんてコメントすればいいんだ?」
設定としては、インハイが終わり、てるてると咲さんが和解。
てるてるが長野に戻って来て清澄に通っている、という事になっています。
ワロタ
和「偶然抱きしめる機会があっただけです。大丈夫、他意はありません」
照「そう、なら別にいいのだが……取り合えず離れてくれないか?」
和「その要求には応えられませんね」
照「なぜ? 咲を感じたいのなら咲本人に頼めばいい。咲は優しいからハグぐらいはさせてくれる」
和「別に私は咲さんに似ているからお姉さんを抱きしめているワケではありません」
照「え……?」
照「い、イヤではないが……その、胸が当たって……」
和「なら問題はありませんね、胸はワザとですし」
照「……貧乳である私への当てつけか?」
和「そんなつもりはありません。ただ、お姉さんにも私を感じてもらいたいだけです」
照「……だから、そういうセリフに対して私にどうコメントしろと」
和「ノーコメントで構いません。これは私が勝手にやっている事ですので。別に突き放してもらっても文句は言いません」
和「お姉さんは優しいですね。でも、聞く人によっては『ちょろい』とかって思われてしまいますよ?」
照「人を見る目は確かなつもりだ」
和「では私はそのお眼鏡にかなった、という事ですね。嬉しいです」
照「私の見る目が確かなら、アナタは無差別に誰かを抱きしめるような人ではないと思うのだけど」
和「人というのは、なんの前触れもなく人肌が恋しくなる瞬間があるんですよ。お姉さんにはないんですか?」
照「……私には麻雀がある」
照「だから麻雀をやっていれば、対局者の事を感じられる。相手を理解する事ができる。麻雀をする事が、私にとっての人との繋がりなんだ」
照「私の照魔鏡も、そういう『相手を理解する』って事の延長なんだと思う」
和「随分語られますね」
照「……さすがにちょっと恥ずかしい///」
照「それにこういう時に言ってもらわないと困る」
和「なにをですか?」
照「SOAというヤツだ」
和「ああ、あれですか。少なくとも今は言いませんよ。想いまでは否定したくありませんから」
照「今はその優しさが辛い……」
照「羨ましい?」
和「はい。私にとって麻雀は勝利やスコアを求める勝負事ですので、対局して相手を理解するとかコミュニケーションを取る、なんて考えた事もありませんでしたから」
照「いいんじゃないか? 麻雀というのは元々はそういうものだ」
照「むしろ私のような者の方が、真剣勝負に無粋な気持ちを持ち込んでいるのかもしれない」
和「でも、麻雀を通して人と仲良くなるという事は、とてもステキな事ですよ」
照「……そうだな」
和「だったら、また絆を繋げればいいじゃないですか」
照「簡単に言ってくれる……」
和「簡単な事ですからね。どうです? まずは私と打ってみませんか?」
照「……ふふ、そうだな。だが、手加減はしないぞ?」
和「もちろんですよ、お姉さん」
和「お姉さん」
照「今日はなんだ?」
和「このあとお時間ありますか?」
照「これと言った用事はないが……」
和「なら私と一緒に街に出ましょう」
照「え?」
和「服を買いに行くので、付き合ってください。ちなみにお姉さんに拒否権はありません」
照「別に構わないけど、私なんかより、咲や他の仲の良い友達の方がいいんじゃないか?」
和「私はお姉さんと行きたいんです。お姉さんだって、別に構わないんですよね? ならいいじゃないですか」
照「まあ、そうだが……」
和「お姉さん、どうですか? 似合ってますか?」
照「似合っていると思うが……」
和「なんですか? 煮え切らないですね、ハッキリ言ってください」
照「いや、フリフリの服が好きなのかな、と思って」
和「え?」
照「さっきからフリルの付いた服ばかり選んでるから、そうなのかと。違うの?」
和「別にフリルの服が特別好きというワケではありません。可愛い服が好きなんです」
和「たまたま可愛いと思う服が、フリルの服だったというだけの話しです」
照「それって、フリフリの服が好きって事じゃないのか?」
和「まあ、端的に言えばそうですね」
照「可愛いとは思うが、私には似合わないよ」
和「そんな事もないと思いますが……まあ、お姉さんは美人さんでスレンダーですから、線の真っ直ぐな服の方が似合いそうですね」
照「……スレンダーというのは嫌味か?」
和「はい?」
照「無意識か……むしろ質が悪い」
和「だからなんの話しですか」
照「私の口からは絶対言えない」
和「?」
和「それより、お姉さんも着てみませんか? フリルの服」
照「だから私には似合わないと言っているだろう」
和「そんなの着てみないと判りませんよ。ほら、試着室に入りましょう」グイグイ
照「おい、こら、引っ張るな!」
和「これとこれなんかお姉さんに似合うと思いますよ」フリルイッパイノフク
照「……」
和「はい、着替えてください!」カーテンシャー
和「着替えるまで出てきちゃダメですからね?」
照「……判ったよ」
照「……ど、どうだ?」
和「う~ん、似合っていないワケではないのですが……」
照「な、なんだ……」
和「……笑顔」
照「笑顔?」
和「表情が硬いんですよ。せっかく可愛い服を着ているんですから、表情も柔らかく笑顔でいきましょう」
照「……無愛想で悪かったな」
和「別に悪いとは言っていませんよ。普段はそれが魅力の一つですし」
照「え?」
照「急にそんな事言われても……」
和「営業スマイルで構いませんから」
照「友達の前で営業スマイルなんてできるか」
和「おや、私なんかでも友達認定してもらえていたんですね」
照「ま、まあな。咲の友達だし……」
和「咲さんの、ですか……。まあ、今はそれで満足しておきましょう」
照「それよりも、もう脱いでいいか? いい加減恥ずかしいのだが……」
和「そうですね……」
照「なんだ、急に考え込んで……」
和「名前……」
照「え?」
和「名前を呼んでくれたら、脱ぐ事を許可しましょう」
和「いつも『アナタ』って、他人行儀でしたからね。友達だと思ってくださっているのなら、名前で呼んでください」
照「……の……どか」
和「聞こえませんよ」
照「……の、和」
和「もう一度」
照「……和」
和「大きな声で!」
照「和!」
和「はい、もういいでしょう。脱いでも構いませんよ」
照「あ、ありがとう……?」
和「脱いだら別の服に着替えましょうね?」
照「」
照「あれだけ時間をかけたクセに、結局買ったのは一着だけか」
和「これでも早く決めたつもりなんですけど……」
照「二時間で早い方なのか。これだから女の買い物は……」
和「お姉さんだって女でしょう」
照「面倒くさいところまで女でいたくはない」
和「そういうのがお姉さんの悪いところですよ」
照「放っとけ」
和「放っておけません。なので、これを着て女子力をアップしてください」オミセノフクロ
照「え? だってこれは和が買った物じゃ……」
和「誰も自分の為に買ったとは言っていません」
照「まさか、今日私を誘ったのって……」
和「友達なら、相手の服ぐらい選んであげるものです」
照「……ありがとう」
和「どういたしまして」
和「お姉さん」
照「今度はなんだ?」
和「今日このあと、お姉さんの家にお邪魔してもいいでしょうか?」
照「別に構わないが……咲は帰りが遅くなると言っていたぞ?」
和「だからこそ、ですよ」
照「……咲の部屋にガサ入れする気か?」
和「さまか。私はそんな姑息なマネはしませよ」
照「ならなぜ……」
和「単純にお姉さんの部屋に興味があるからですよ」
和「咲さんのお部屋にはお邪魔した事がありますけど、お姉さんのお部屋は初めてですね」
照「別に面白味のない部屋だろ?」
和「いえいえ。お姉さんの部屋というだけで私には十分な彩りですよ」
照「そういうものか?」
照「私はお茶をいれてくるけど、コーヒーでいいか?」
和「はい」
照「砂糖とミルクは?」
和「ブラックで構いません」
照「判った……。あ、そうそう」
和「なにか?」
照「ガサ入れするなよ?」
和「善処しましょう」
照「確約してくれよ、まったく」
和「どうも……」
照「どうした? そんなムスッとした顔して」
和「せっかくガサ入れしたのになにも面白い物が出てきませんでした」
照「だから言っただろ、ガサ入れするなと。するだけ無駄だからな」
和「麻雀関係の物と小説しかないってどういう事ですか。もっとやましい物があってもいいじゃないんですか?」
和「官能小説の一冊でもあると思ってたのに……」
照「私は麻雀一筋だ。煩悩なんてない」
和「そんなオカルトありえません」
和「ならばその煩悩はどこにあるんですか?」
照「そういう物は見付からないように隠しておくものだろ?」
和「私のガサ入れ能力もまだまだという事ですか……」
照「修行して出直してこい」
和「そうさせてもらいます」
和「当たり前です。ガサ入れなんてただのついでですよ」
照「それじゃあ本当の目的を聞かせてもらおうか?」
和「遊びに、ですよ」
照「遊び?」
和「友達なのですから当然じゃないですか」
照「そう……なのか……?」
和「え? そうでしょう?」
照「……東京では、そういう事なかったから」
和「まあ、お姉さんは『インターハイチャンピオン宮永照』ですからね。近寄りがたかったのでしょう」
照「……和は、違うのか?」
和「私にとってはお姉さんは『ただの宮永照』ですからね。近寄りがたいもなにもありません」
照「和……」
和「普通はお喋りですとか、ゲームですとか、色々ありますけど……」
照「お喋り……」
和「口下手なお姉さんには難しかったですか?」
照「そ、そんな事ない!」
和「そうおっしゃるならお喋りしてみましょうか。話題は……ベタなところで『恋バナ』なんてどうです?」
照「い、いいだろう」
照「ほ、本当に単刀直入だな……」
和「まずそこをハッキリさせないと話しが進みませんからね」
和「それで、いるんですか? いないんですか?」
照「……いる、かも……」
和「ほうほう。相手は誰ですか?」
照「さすがにそれは……言えない……」
和「そうですか。まあ、相手を当てるのも恋バナの醍醐味ですからいいですけど」
和「私ですか?」
照「そうだ。私が言ったんだから、和も言うべきだ」
和「ヒ・ミ・ツです」
照「ず、ずるい!」
和「ずるくありませんよ。それより、お姉さんの好きな人の話しをしましょう」
照「うぅ……」
照「い、いやだ」
和「質問その一!」
照「聞いてないし!」
和「その人は同級生ですか?」
照「い、いいえ」
和「ほう。これで部長という線は消えましたか……」
照「むしろあの人は苦手だ。なんというか……フランク過ぎる」
和「なるほど」
和「その人は私の知っている人ですか?」
照「……はい」
和「その反応、私もかなり親しい人のようですね」
照「まあ、な」
和「随分絞り込めてきしたよ」
和「その人は麻雀部員ですか?」
照「はい……」
和「まあ、三年生ではなく、お姉さんと私の知っている人というと、麻雀部の人しか思いつきませんけど」
照「……」
和「そろそろ確信に触れてみましょうか?」
和「相手はズバリ、咲さんですね!」
照「え?」
和「まあ、聞くまでもありませんでしたか」
照「待って和、答えは『いいえ』だ」
和「はい?」
照「いいえ、だ。私の好きな人は咲じゃない」
和「え? だって……」
照「咲の事は確かに好きだが、あくまで姉妹として、だ。恋愛対象ではない」
照「違う」
和「優希ですか?」
照「いいや」
和「須賀くん?」
照「まさか」
和「もう残っているのは……」
照「……和、アナタだ」
照「い、嫌なら別に振ってもらっても構わないぞ。私なんかに好かれても迷惑だろうし……」
和「そんな事ありえません!」
照「和……?」
和「お姉さんに好かれて迷惑なんて、そんな事ありえません。むしろ……」
照「むしろ?」
和「う、嬉しいです……って、言わせないでくださいよ!///」
照「あ、ごめん……」
和「うぅ……///」
和「……はい///」
照「そ、そうか///」
照「その……聞いてもいいか?」
和「……なんですか?」
照「私にいろいろ構ってくれていたのは、好きだったから、って事でいいのか?」
和「……正直最初は咲さんに似ているからでした」
和「ですけど、お姉さんと話している内に、当然ですけど咲さんと違う人だと判ってきました」
和「始めはその違いは『興味』の対象でしかありませんでした。でもだんだんその『興味』が『好意』に変わっていったんです」
照「そ、そうなのか……」
和「はい……」
和「そういう確認は野暮というものですよ」
照「そう、だな」
和「フフフ」
照「どうした?」
和「お互いの気持ちを確認しても、なにが変わるワケでもないんだなあ、と思いまして」
照「……そうだな。でもそれは、決してロマンティックな関係ではないのかもしれないけど、とてもステキな関係だと思う」
和「……私も、そう思います」
照「これからもよろしくな、和」
和「もちろんですよ……照さん」
カン!
でも難しいものですね。ガチ百合ではなくまったり百合を書きたかったのですが、まったりさせ過ぎて百合要素が弱くなってしまいましたね。
次に書く時はもう少し百合要素強めで書いてみたいものです。
朝からこんなssに付き合っていただき、本当にすばらでした!
ほんまにすばらでした!
和照アリですね。こんなにすばらだとは
また書いてくださいね!
こういうの良いね
これはすばらなものですよ
乙
Entry ⇒ 2012.08.09 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
竜華「浮気をしようと思う」
竜華「いや、せやから……」
泉「いきなり何言ってるんですか」
フナQ「見損ないましたわ。まさか浮気するような人やったとは」
竜華「まだしとらんよ!」
竜華「ただセーラ達の意見聞いてからにしようと思って……」
セーラ「俺らがええ言うと思ってたんか」
泉「そうですよ。園城寺先輩が聞いたら……」
フナQ「喧嘩でもしたんならさっさと話し合ったほうがええで」
セーラ「そもそも何で浮気にたどり着いたんや」
竜華「魅力とか甲斐性みたいのを向上させようと思って」
泉「魅力?」
セーラ「何で」
竜華「飽きられないため?」
セーラ「恋愛に飽きるとかないやろー」
竜華「ほな甲斐性」
セーラ「浮気は甲斐性ってやつか?あんなん本気にすんな」
竜華「せやかて……」
セーラ「怜部屋に置いて何しに来た思ったらこんなアホなことかい……」
フナQ「……。で、何で魅力向上させんのに浮気なんですかね」
竜華「みんな以外の人に相談したんよ」
竜華「そしたら色々な子と関係持てばええって言われて」
セーラ「……なあ、竜華。誰に相談したんや」
竜華「誰かは分からへん。ネットやし」
竜華「ええ?恥ずかしいやん相談見られるの」
フナQ「どうせしょうもない相談なんやからええやろ」
竜華「うう……」カチカチ
ryuka;恋人に飽きられない方法は何かありますか?
セーラ「……こんなんネットとかやなくて怜に直接聞けばええやん」
竜華「いちいちツッコミいれんといて!めっちゃ居たたまれない!」
フナQ「はいはい」カチカチ
竜華「ポエムを勝手に見つけられたばかりか音読された気分や……」
takehisa;簡単よ自分の魅力を向上させれば良いだけ
ryuka;自分磨きですか?
takehisa;まあそんなところだけど。外見じゃなくて内面
セーラ「案外まともな事言うとるな」
フナQ「続き見ても同じ事が言えるか」
takehisa;沢山の女の子と関わる
takehisa;あわよくば関係をもつ
セーラ「……」
ryuka;それって浮気じゃないんですか?
takehisa;恋人が1人じゃなきゃダメって誰が決めたというの
takehisa;遊び半分じゃなければそれは浮気じゃない。本気よ
takehisa;話が逸れたけど沢山の女の子と関わるとそれだけスマートな身のこなしが出来るようになるわけ
ryuka;なるほど。でも恋人は怒りませんか
takehisa;怒るも何もバレなきゃ問題ないわよ
takehisa;バレないように立ち回るのもいかにスマートかが重要よ
ryuka;万が一バレたらしばかれたりしませんか?
takehisa;バレたこと無いからわからなーい
竜華「うう」
竜華「う、うちもちょっとおかしいなーとか思ったんよ?」
泉「スマートな先輩とかもう先輩じゃないですよ」
フナQ「ネットの情報なんて話半分に見る程度が丁度ええのに」
takehisa;ま、怖いなら関係持つのはやめて仲良くする程度に留めておきなさい
takehisa;わざと色々な子と見えるところで仲良くすると……
ryuka;すると?
takehisa;恋人の嫉妬を煽って釘付け
ryuka;なるほど!それくらいなら出来そうです!
takehisa;力になれたなら嬉しいわ
ryuka;ちなみに何人の人と関係を持っているんですか?
takehisa;片手じゃたりないわね
フナQ「……」
フナQ「恋人の嫉妬を煽って釘付け……ねぇ」
竜華「……」
セーラ「お前これが八割方目的やろ」
竜華「……だってヤキモチ怜見たいんやもん」
泉「飽きられない為の魅力向上は?」
竜華「……」
竜華「仕方ないやん!」
竜華「ヤキモチ焼いて拗ねた怜が可愛かったんやもん!また見たかったんやもん!」
セーラ「逆ギレすんな」
竜華「ううう」
セーラ「つかヤキモチってあれか、一回戦の動画見たときのか」
竜華「そうそう」
竜華「あの後ずっとしがみついてて可愛かったんやで」
セーラ「……まあそれだけ見たら可愛いもんやけど」
セーラ「その後怜が何したか覚えてへんの?」
竜華「へ?」
セーラ「二回戦集中狙いしてボコッたやん。しかも泣かせたやん」
竜華「……」
セーラ「ちょっと可愛いって竜華が言うてあれやで」
セーラ「浮気なんてしようもんなら……ヤキモチ程度で済むと思うんか」
竜華「……」
泉「あの人は黙って切り捨てたりしそうなタイプですよね」
セーラ「さもなければ」
フナQ「リー棒突き立てられるかも」
フナQ「目に」
セーラ「あいつ勘鋭いからなー」
竜華「!」ガタガタ
竜華「でもネットの人……」
フナQ「からかわれたに決まっとるやないですか」
フナQ「ネットなんてどうとでも言えるんやから」
セーラ「お前騙されやすいからなー」
泉「今時何股したーとか自慢気に言う人居ませんよ」
セーラ「このネットの、もしかして怜やったりしてな」
フナQ「本当に寝とったんですかね」
竜華「!」
泉「誘導尋問的な」
セーラ「あーこれは目にリー棒やなー」
竜華「と、怜いいいい!」ダダダッ
竜華「怜いいいい!」ガバッ
怜「うっ……」
竜華「ごめんあれ誤解やから!許してええええ」ギューッ
怜「……苦しいから……」
竜華「うちにはあんただけやから!」ギューッ
怜「急に何なん……」
セーラ「行ったか……」
泉「先輩、いつか詐欺にあいそうですよね」
フナQ「あの人にネット使わせたらあかんわ」カチカチ
フナQ「ネットニュース……ん?これ近場やん」
セーラ「なにー?」
フナQ「近辺で人が刺されたとか……あ、未遂か……って麻雀部の人やん!」
泉「マジですか?」
フナQ「被害者は長野の代表の部長らしいですね」カチカチ
フナQ「部活の大会で観光中の出来事やって」
セーラ「通り魔か何かか?ほんま災難やな」
泉「最近ほんま物騒ですよね……」
怜「……だから何のこと言うてんの?」
竜華「あれは気の迷いやねん!」
怜「あれが何なのかから分からんし」
竜華「せやから目にリー棒だけは堪忍してえええ」
怜「は?」
完
また書いてね
>>37
宥「冗談でもダメだからね?」
Entry ⇒ 2012.08.07 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
やえ「東京に高校生の頂点とか言われてるニワカがいると聞いて」
穏乃「あ~夏休みに入って部活もないし暇だな」
穏乃「またやえさんと遊びにいくか・・」 スタスタ
やえ「おぉ穏乃、どしたー?」
穏乃「いやあ夏休み入って部活休みなんで遊びにきちゃいました」
やえ「そうか。」
穏乃「所でやえさん知ってます?東京にある白糸台って高校」
やえ「そんなニワカ高校知らんな」
穏乃「実はそこに麻雀において現チャンピオンの高校生がいるんです」
穏乃「雑誌でも載ってますよ。知りませんか?宮永照って人」
やえ「知らんな、そんなニワカ。第一私と戦ってないのにチャンピオン?」
やえ「実にニワカだな!」
やえ「まあな、私はニワカがだいっ嫌いだからな」
穏乃「せっかく夏休みだし、行きませんか東京まで」
やえ「宮永照・・・ねぇ」
やえ「確かに。私を差し置いてチャンピンなどとニワカ発言」
やえ「許せるはずがない、行くぞ穏乃!!」
穏乃「はい、やえさん!」
穏乃「どしたの?アコ」
憧「私達麻雀部でね、夏休みに海に行こうって話があるんだけど」
穏乃「あーごめんアコ、大事な用事があって今東京に向かってるんだ」
憧「えええ!?何しに東京に行くのよ? 1人?」
穏乃「いや晩成高校の小走って人と一緒なんだけど」
憧「晩成・・・って初瀬んトコの麻雀部のエースと!?」
穏乃「うん。そういうわけだから今回はパス、ごめんね」ガチャ
穏乃「同じ麻雀部のメンバーでした。夏休みに海行こうか~って」
やえ「ニワカだな・・・」
穏乃「ほんとですよ」
やえ「東京までまだ時間かかる。体を休めておけ穏乃」
穏乃「分かりました」
ガタンゴトン・・・・ ガタンゴトン・・・・
おkr・・・
起きろ・・・・
やえ「おい東京に着いたぞ起きろ穏乃!!」
穏乃「ごめんなさい熟睡しちゃいました」
やえ「さて。白糸台高校だったな」
穏乃「鬼が出るか蛇が出るか・・・・・」
やえ「ニワカだよ」
~~こうして、やえ・穏乃は白糸台高校の前までたどり着く~~
--白糸台高校 麻雀部--
やえ「たのもーーーー」
部員「はい。どなたでしょう?」
やえ「私、晩成高校麻雀部の小走という者で・・・」
穏乃「本日は白糸台麻雀部を見学させてもらいにきました!!」
部員「はあ・・・・見学はお断りしているのですが」
穏乃「え・・・・」
やえ「え・・・」
穏乃「私達、わざわざ奈良からやってきたんです」
部員「はあ・・・そう言われましても」
???「通してやれ。 見学を許可しよう」
部員「あ、あなたは・・・わ、分かりました見学を許可します、どうぞ」
やえ「少しは話しの分かるニワカがいたようだな」
菫「先程は失礼した」
菫「私は白糸台麻雀部の弘世菫というものだ」
穏乃「阿知賀女子麻雀部の一員です!」
菫「本日は我が部の見学にきたみたいだが・・・目的は見学じゃないだろう?」
やえ「ニワカにしては察しが良くて助かる」
穏乃「さすがです」
菫「私達麻雀部も外部の対戦相手が欲しかった所だ丁度良い」
菫「ふっふっふ、まさか宮永照と言うんじゃないだろうな」
やえ「この部で一番強いのから3人集めてくれ」
穏乃「さすがやえさん!!」
菫「・・・・本気か」
--こうして 白糸台麻雀部TOP3が集められた--
照「はじめまして(知らない学校の人だな)」
淡「初めまして1年の大星淡といいます(どこの学校の人だろ)」
菫「さて、さっそく対局してみようか」
穏乃「頑張って下さい!やえさん!」
やえ「ああ、長旅だった」トンッ
照「ロン 3900点」
やえ「ぇ・・・」
菫「・・・。(大口を叩く割にはたいした実力も無いように見えるが)」
やえ「いきなりフリ込みきついな~」トンッ
照「ロン 5200点」
やえ「な・・・!?」
穏乃「や・・・・やえさん!?」
淡「・・・。(こりゃ終局しちゃうかな)」 トンッ
やえ「ふむ。さすが全国ランク1位の麻雀部だな」トンッ
淡「ポン!!」
やえ「ポン?(タンヤオのみ手にドラ手か?)」トンッ
照「ロン 18000点」
やえ「な・・・」
穏乃「や、やえさん、どうしたんですか」
穏乃「い、いつものやえさんじゃない・・・」
やえ「・・・・。」
淡「・・・。(そりゃそうだ全国2位の千里山さえ相手にならないのに)」
穏乃「や、やえさん!?」
照「・・、屈辱だな。 手を抜かれるとは」
菫「!!?」
淡「!!?」
穏乃「!!?」
やえ「ほう・・・」
菫「!?」
淡「!?」
照「白糸台のチーム虎姫相手に手を抜かれるなんて初めてだよ」
やえ「まさかバレとはな、ニワカにしては上出来だ」
穏乃「ニワカにしては上出来ですね!」
やえ「さて。宮永さんも能力使ってるみたいだし」
やえ「私も能力解放させてもらおう」
菫「・・・・」ゾクゾクッ
淡「!!?」ゾクッ
照「・・・。」ビリビリビリ
穏乃「や、やえさん・・・・本気だ」
菫「・・・(明らかにさっきより空気が変わったな)」トンッ
淡「・・。」(嘘でしょ?千里山にもこんな相手いなかった)」トンッ
照「・・・」 トンッ
やえ「鳴きたい所を出してくれないなーさすがっ」トンッ
やえ「ぉ。(テンパイ・・・だがまだリーチは掛けられないな)」
穏乃「く、やえさんテンパイしたけど待ちが悪すぎる・・・。」
菫「・・・。(こりゃ流局かな)」トンッ
淡「・・・。(テンパイできず・・か)」トンッ
穏乃「・・・え?」
菫「の、残り一巡しかないのにリーチ?安全牌きるか」トンッ
淡「!?(何考えてるんだこの人)」トンッ
照「・・・。(まさか)」トンッ
やえ「お見せしよう」
ゴゴゴゴゴゴゴ~~~
やえ「ツモ」
菫「なに!!?」
やえ「リーチ、一発、ツモ、ハイテイ、ドラ4」
やえ「6000 3000だっ」
淡「そ、そんな」
照「・・・。(今のは龍門渕の・・まさかな)」
穏乃「さすがやえさん!!」
穏乃「はい、駅の売店で買ったタコスですね」
やえ「モグモグ・・・んん、うまい」
やえ「さて、私の親番だ。お見せしよう王者の打ち筋を!」
菫「くっ・・・強気だな」
淡「・・・。」
照「・・・。(あの小走って人の手・・・配牌の時点でドラ4)」
穏乃「おぉ、やえさん配牌がかなり良い、すぐリーチいけそうですね」
淡「・・・。(河にもドラが1枚も出ないなんて)」トンッ
照「・・・。(間違いない・・・これは阿知賀の・・空間支配)」トンッ
やえ「ふふ(テンパイした・・・が、さすがにこのレベルの相手じゃ出上がりは厳しいな)」
やえ「カッ!! クアトルプル!! 4巡先」
やえ「見えた。このままダマで待ってれば金髪が私にふりこむ」
やえ「タンヤオ ピンフ 三色 ドラ4 24000の手にね」
淡「・・・。(そういや宮永先輩が大会で戦った相手もドラ抱えてたな)」トンッ
照「カン!」淡の明槓
やえ「・・・チッ」
照「ツモっ、嶺上開花 300 500」
照「・・・(あなたは私が止める!!)」
やえ「やるなニワカチャンピオン」
照「ダブルリーチ」トンッ
菫「おいおい・・・」トンッ
淡「さすが宮永先輩」トンッ
やえ「ほう」
穏乃「チャンピオンの親番で・・・・・ダブルリーチ」
やえ「カン 暗槓だ」
淡「先輩が親リーしてるのに・・・カン?」
菫「てか新ドラもろ乗りでドラ8・・・か」
やえ「もう1つカン」
照「!?」
淡「え・・・」
菫「更にドラが乗って・・・・ドラ12」
やえ「ツモ。嶺上開花 対々和 三槓子 ドラ12 数え役満16000 8000」
穏乃「い、今までの・・・・やえさんじゃない」
やえ「私は・・・両親が麻雀のファンという事もあって物心ついた頃から麻雀クラブで練習してた」
やえ「当初は麻雀なんて嫌いだったがルールを覚えていくうち次第に面白くなっていった」
やえ「人一倍麻雀の練習をする私を両親もクラブのコーチも褒めてくれて嬉しかった」
やえ「当時は奈良のような田舎には自動の麻雀卓は珍しく手づみだった」
やえ「山を積んでは壊し、山を積んでは壊す・・・」
やえ「最初はコレを5000回繰り返すだけで日が暮れて1日が終わってしまってたが」
やえ「3年ほど経った時、異変を感じた」
やえ「5000回、山を積んでも 日が暮れてない」
やえ「麻雀プロはみんな少なからず手に豆ができる」
やえ「それほど麻雀とはシビアで過酷な競技なのだ」
やえ「自分の能力は[手に豆ができない]事だと悟った」
やえ「これをどう麻雀に利用する? 私は一生懸命考えた」
やえ「そういう考えに達した私は、幼少の頃から麻雀の試合を見学し」
やえ「数々の有名プロ、有名プレイヤーを観察、研究し尽した」
やえ「プロの真似ごとをずっと練習すれば、自分も同じ事ができるんじゃないかと・・・」
やえ「私は来る日も来る日も他人の技を研究した」
やえ「私は一度対局した相手の能力を使えるようになっていた」
やえ「こうやって全てのドラが集まるのは穏乃と同じ麻雀部の奴の能力だ」
やえ「去年の大会で龍門渕の能力が手に入ったのは幸運だったがな」
やえ「そして千里山の試合を見にいった後、なぜか4巡先が見えるようになった」
やえ「つまり・・・・私は全ての能力が使えるんだよ!!」
穏乃「!!!!!!」
やえ「だからだ。私を差し置いて王者と呼ばれるおまえら白糸台」
やえ「表面上は全国1位と呼ばれる白糸台」
やえ「私はそのニワカ行為が許せんのだよ」
穏乃「このニワカ高校がっ!!!!」
やえ「さてチャンピオン・・・私の捨て牌が見えるかな?」
照「・・・・な? 捨て牌、いや河が・・・見えない暗黒に包まれている」
やえ「ステルスやえ・・・とでも呼んで貰おうか」
淡「河が・・・・自分の捨て牌しか見えない」トンッ
照「くっ・・・」トンッ
やえ「自分の捨て牌しか見えないなら、ポン、カン、チー、ロンが出来ないな」トンッ
やえ「私からはお前達全員の捨て牌、手牌、ツモ牌が見えているがな」
穏乃「さ、さすがやえさん!」
他人の能力を上位互換的に使っちゃうあたり小走先輩さすがです
淡「・・・・・。」
照「泣くな淡・・・あれが世界レベルの打ち手だ。私ももっと強くなる」
菫「私達は図に乗っていたのかも知れないな」
こうして小走やえVS白糸台チーム虎姫の勝負は終わった
そして、3ヵ月後~~~
一同「ハイッ!!」
アラフォー「メンバーは先鋒、次鋒、中堅、副将、大将、補欠で6名を選抜します」
一同「ハイッ!!」
アラフォー「名前を呼ばれた方は前へ出てユニフォームを取りにきて下さい」
一同「ハイッ!!」
照「はい」
アラフォー「次鋒に千里山高校の園城寺怜さん」
怜「はい」
アラフォー「中堅に三箇牧から荒川憩さん」
憩「はい」
衣「衣を選抜するとはな、心得てるではないか四十路」
アラフォー「アラサーだよっ」
アラフォー「大将に・・・・」
ざわ・・・ ざわ・・・ ざわ・・・
ざわ・・ ざわ・・ ざわ・・
日本代表の命運を決める日本代表の対象は・・・一体!?
ユメ~(エンディング)
アラサー「大将に・・・晩成高校から小走やえさん」
ニッワッカ ニッワッカ ニッワッカ ニッワッカ
ニッワッカ ニッワッカ ニッワッカ
アラサー「し、静かに!!!!」
カツどん「そりゃ小走は今となってはA●B48より有名だからな」
カツどん「しかし、このメンバーでも勝てる程、世界は甘くないぞ」
咏「いまや麻雀はアメリカ、中国、ロシア、欧州など世界中に選手がいるからな」
咏「わっかんねー 全てがわかんねーぞー」
アラフォー「最期に、補欠は千里山高校から清水谷竜華さん」
竜華「はい!」
憧「おー・・すごいメンバーだな」
憧「って、あれ? 小走さんの隣にいるのって、シズ?」
アラフォー「えと・・それでは、ここに世界と戦う日本代表チームが結成されました」
アラフォー「それでは大将の小走さん、軽く挨拶をお願いします」
やえ「はい」
穏乃「頑張って下さい! やえさん!」
ニッワッカ ニッワッカ ニッワッカ
ニッワッカ ニッワッカ ニッワッカ
カツどん「スゴイ人気だなw」
咏「非公式試合の話だが、宮永照が全く相手にならない程強いらしいぜ?知らんけど」
やえ「静かに!」
にっw ピタッ
やえ「え~日本代表チーム大将に選ばれた小走やえです」
やえ「世界にはまだ私達が知らないスゴイ選手がいると思います」
やえ「でも私達は絶対負けません」
憧「あの人・・・玄と打った時も手抜いてたのかな」
菫「チーム虎姫を倒したんだ。胸をはって応援できる」
淡「日本代表メンバーに宮永先輩もいますしね」
船Q「にしてもウチの高校から2名も日本代表選手が選ばれるとは・・・」
セーラ「竜華は主に怜の世話係ミタイダケドナー」
透華「衣が世界大会に行ってる間は寂しいですわ」
純「そうだな・・・」
咲「お姉ちゃん・・・世界でも頑張って!」
和「(来年こそは宮永さんと一緒にあのチームに入れるように)」
憧「で、でたー先輩の自慢話する奴~~」
レジェンド「私の世代の世界大会ではボロ負けで大敗した・・・」
レジェンド「でも・・・奇跡の世代と言われるこの子達なら・・・」
カツどん「どうだかな」
咏「わっかんねーぜー」
小走「でも私達は絶対に負けません」
小走「ニワカは相手にならんよ」
一同「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
END
Entry ⇒ 2012.08.06 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (2) | Trackbacks (0)
照「私たちの」菫「日常」
部員A「お疲れ様です!」
照「菫は?」
部員B「まだいらっしゃいません」
照「そう……ありがとう」
case1 教室
菫「あぁ、照。どうした?」
照「どうしたって……もう部活が始まる時間だけど。菫こそ、なんで一人で教室に残ってるの?」
菫「次の合宿の申請書を書いていたんだ。サボりじゃないぞ?」
照「それはわかってる。でも、そんなの部室でも出来る」
菫「……何だ、お前寂しかったのか?」
照「……そんなんじゃ」
照「……何」
菫「こっち、来てくれないか」
照「……」テクテク
菫「ふふっ」ギュウ
照「……人が来るかもしれない」
菫「嬉しいくせに」
照「別に?」ギュー
菫「身体は素直だな」
菫「ん……ちゅ、ちゅっ」
照「ちゅ……ん、ふっ……」
菫「……赤いな」
照「……もう、夕方だから」
菫「そういうことにしといてやるよ。……ほら」
照「んっ……ちゅ」
菫「抵抗しなかったじゃないか」テクテク
照「それは……また別」テクテク
菫「ほう、そうか。……お疲れ」ガチャッ
部員「「お疲れ様です!」」
case2 部室
誠子「くっそー!」
尭深「ん……好調」ズズ
菫「照、ちょっといいか?」
照「うん」
菫「ん……ちゅ……」
照「ぷはっ……ちょっと、菫。部室でこんなこと……」ヒソヒソ
菫「ちょっと口寂しくてな。ほら、尭深みたいな」
照「私はお茶じゃない……すぐ後ろで打ってるのに、馬鹿じゃないの」
菫「そうかもな。照馬鹿かも」グイッ
照「ふっ……ん、ちゅっ」
照「す、みれ……勝手、すぎ……っ」ヘナヘナ
菫「っと。どうした? 随分と敏感じゃないか」
照「誰の、せいだと……っ!」
菫「はいはい、すいませんでした」チュッ
照「んっ……反省、してないでしょ」
菫「私は悪いことをしたとは思ってないからな」
照「……ばか」
「「お疲れ様でした!」」
菫「照。ちょっと書類を出してくる」
照「私も一緒に行くよ」
菫「そうか? 尭深、誠子、悪いが戸締りを頼む」
case3 廊下
照「職員室涼しかった」
菫「相変わらず人当たり良かったなお前」
照「嘘は言っていない」
菫「はいはい。……何か、今日はやけに静かだな」
照「少し遅くなったし、生徒はもう帰ってるでしょ」
菫「……じゃあ、こんなことしてもバレないな」
菫「はむ、ちゅっ……ちゅ」
照「ちゅっ……んぅ、ちゅる……」
菫「壁に押さえ付けられるインターハイチャンピオン、か。絶景だな」
照「……ケダモノ」
菫「ほっぺ、赤くて……息も荒くて、かわいい」チュッ
照「……んっ」
菫「かわいい、かわいい」チュッ、チュッ
照「ぁ……だめ、菫、ここ……ろ、うか、でっ」
照「く……びっ、だめ……」
菫「首弱いなー、お前。胸元も弱いし」チュウゥ
照「吸……っちゃ!」
菫「ん、人の声がするな。ほら照、行くぞ」パッ
照「へ? あ、あぁ」
菫「なんだ? 物足りなそうだな」
照「……菫」
菫「そんな顔で睨んでも、かわいいだけだぞ」
菫「……それで、淡は明日には学校に来れるそうだ」
照「夏風邪は性質が悪いからね」
菫「部活にも来れるといいんだが、まあ無理はさせないようにしよう」
照「体調が悪いと、アレが小宇宙レベルになったりするのかな」
菫「それはそれで見てみたいけどな……それじゃ、ここで」
照「あ……、うん」
菫「……そんな顔するなって」チュ
照「ん……」
菫「また明日な」
照「……うん」
照「……」カリカリ
トントン
照「……?」
つ[メモ]
照「……」ペラッ
『ここにキスしてみろ → 』
照「……」ジー
菫「?」ニコニコ
照「……」チュッ
照「~……っ」ポイッ
菫(て・る)ヒソヒソ
照「……」チラッ
菫「……」チュッ
照「……っ!」プイッ
トントン つ[メモ]
照「……」ペラッ
『もう一回?』
照「……」
照「……」チュッ
菫「ドジだなあ、照は」
照「菫があんなことするからでしょ」
case6 保健室
照「おかげで酷い目にあった」
菫「見事なヘディングだったぞ?」
照「テニスの授業であることを除けば、ね」
菫「おまけにずっこけたしな。先生はいないみたいだし、消毒してやるよ」
照「菫、できるの?」
菫「そのくらいならな。ベッドにでも掛けてろ」
照「うん」ポス
照「……んっ!」ピクッ
菫「……。頭に、タンコブ出来てないか見てやるよ」
照「ああ、お願い」
菫「どれ……んー、少し腫れてるかもな」
照「どうしよう」
菫「ここも消毒してやるよ」トンッ
照「えっ……きゃっ」ドサッ
照「いきなり……っ、何するの」
菫「お前があんな声出すのが悪い」グイッ
照「私は何もしてな……んむっ」
菫「ちゅ……ぴちゅ」
照「……っ! ……っは!」
菫「保健室って、何でどこもかしこも真っ白なんだろうな。これじゃ興奮するだけだ」チュッ
照「菫……っ授業、は……じまっ」
菫「一限くらいサボってもいいだろう」チュ
菫「だから、声我慢しろよ」チュウッ
照「んぅっ……ちゅ」
「し、失礼しまーす……」カララ
照(淡っ!!?)ピクン!
菫(……ほう?)
照(ちょっと、菫。やめて。淡だ)
菫(だから?)
「あれ? なんか今、声が……気のせいかな」
照(ちょっと、すみ……っ!)
菫(……)チュ、チュッ
照「~……っ!」
「先生いないかぁ……ちょっときついんだけどな……」
照(っ!)
菫(……)パサッ……
照(服、は……っ!)
照(あっ……っ)ドクン
「どっちのベッドに……あぁ」トテトテ
照(だ、めだ……)ドクン
「こっち!」シャッ
照「~~~~っ!!」ビクビクビクッ!
照(あ……れ?)
菫(もう一つのベッドに寝たみたいだな。出るか)
菫「どうした? 頭、痛むか?」
照「別の意味でね。……本当に、死ぬかと思った」
菫「まぁ、実際は淡から見える位置に片手を出しておいたから、私たちのベッドに来ることは有り得なかったんだけどな」
照「!?」
菫「それにしても……ふーん?」ニヤニヤ
照「な、何」
菫「お前、意外と素質あるのかもな」
照「素質って、何のこと? 話が見えない」
照「うるさい」
菫「図星か」
照「うるさい」
菫「部室でキスしたときやけに敏感だったのも」
照「うるさい」
菫「かわいい」
照「うる……、さい」
菫「結局サボりになったな」ギュー
照「誰のせいだと思ってるの」ギュー
菫「お前がかわいいせいかな」
照「……ふん」
誠子「おー、淡!」
尭深「ん……三日ぶり」ズズ
淡「いやー、風邪なんて久々に引きましたよー」トテトテ
case7 部室(2)
淡「弘世先輩もお疲れ様です! すいません、大会もあるのに三日も休んじゃって……」
菫「いいよ、気にするな。それより体調はどうだ?」
淡「午前中は」
照「……」ピクッ
淡「ちょっときつかったんですけど、保健室で」
照「……」ピクッ
尭深「……?」ズズ
淡「一時間ほど寝たら、すっかり元気になりましたよ!」
淡「はい! ありがとうございます」
菫(ぷっ……くくっ……)プルプル
淡「宮永先輩も、お久しぶりですね」
照「えっ、あ、あぁ、うん」
淡「? どうしたんですか、俯いて」
照「い、いや、別に」
淡「どもりすぎじゃ……私、何かしました?」
照「!? そ、そんなことは、ない」
淡「そうですか……?」
淡「それもそうですね。それじゃ早速打ってきます!」
誠子「あ、あたしもあたしもー!」
照「……っ」キッ
菫「くくっ……」プルプル
尭深「……」ズズ……
菫「お邪魔します」
照「適当にくつろいでて。お茶持ってくる」
菫「お前の部屋に来るの久々だな……親御さんは?」
照「今日は遅い」ガチャッ
菫「そうか……」
case8 部屋
菫「それはこの式を代入して……」
照「あぁ、そうか」カリカリ
菫「……」ジッ
照「……、何?」カリカリ
菫「お前、肌白いなあ」
照「いきなり何だ……菫も白いでしょ」カリカリ
菫「いや……キスマーク目立つなあ、ってな」
照「 」ポキッ
照「……どこ?」
菫「何が?」
照「どこに付けたの?」
菫「首筋」
照「……っ、首は駄目だと言ったはず」カアァ
菫「髪を下ろしていればバレない位置だぞ? そんな風に、結んでいるとよく見えるけどな」
照「全然気付かなかった……じゃなくて、何かのはずみで見えたらどうするの」
菫「虫刺されとでも言っておけよ」
照「……はぁ」
照「何それ。いらない」
菫「まあまあ、いいからこっち来てみろ」
照「……」ポスッ
菫「まず跡が残ったところに息をかける」フゥッ
照「……っ」ピクンッ
菫「そしたら、優しく撫でてやる」サワサワ
照「……っ、ん……」
照「どんな、コツだ……っ」
菫「十分撫でたら、そこに軽いキスをして」チュッ
照「んっ……!」フルルッ
菫「最後に、耳元で」スッ
照「……?」
菫『愛してるぞ、照』ボソッ
照「……っ!!」ビクビクッ
照「どうもこうも……ない……っ」プルプル
菫「ほら、鏡見てみろよ」ヒョイ
照「あ、れ……? 本当にない……」
菫「だから言っただろ? すぐ消えるって」
照「すご……くない、すごくないけど」
菫「ということで」
照「え」
菫「このおまじないがあれば、どれだけキスしても大丈夫だな」ニコニコ
照「はっ……!?」
菫「いただきます」ドサッ
菫「親はいない、格好もラフ。据え膳食わぬは何とやらってな」チュッ
照「これは、ただの部屋着で……っ!」
菫「露出多いんだよ。誘ってるのかと思ったぞ」チュ
照「っぁ、んぅ……ちゅう」
菫「ふふ……ちゅ、ちゅ」
照「ん……ふぁ、ちゅっ」
菫「照はキス好きだな」
照「ふぁ……そんら、こと……」フルフル
菫「……っ、その顔は反則だ」チュッ
照「んぅ、ふ……」
照「はぁ、はぁ……」クテッ
菫「おーい、照? キッチン借りるぞ」
照「はっ……はぁ……」
菫「応答ナシ、と」ガチャッ
菫「お、起きたか。夕飯出来たぞ」
照「えっ? あ、うん」モソモソ
菫「しかし消耗してたな。そんなに良かったか?」
照「……っ、うるさい」カァッ
照「ごちそう様でした」
菫「じゃあ、私は片付けたら帰るかな」
照「……そう」
菫「……照? 何だ、どうした?」
照「……親が」
菫「ん?」
照「遅くなるのは、嘘。今日は帰らない。だから泊まっていって」
照「……嫌ならいい」
菫「嫌なわけないだろう。……にしても、ふふっ。最初からそう言えばいいのに」
照「別に、いいでしょ」
菫「なぁ。初めからそのつもりだったのか?」
照「……そうじゃなきゃ誘わない」
菫「……敵わないな、お前には」チュッ
照「焦ってたのか、あれ……ところで、あのおまじないって何なの?」
菫「ん? あれか? あれは嘘だ」
照「は?」
菫「キスマークがあんなので消えるわけないだろう。もともと無かったんだよ」ドヤ
照「……」プルプル
菫「あ、ちなみにさっき付けたのは本m」
照「うるさい」ギュルルルルルル
おわり
乙!
Entry ⇒ 2012.08.06 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
咲「SOSウイルス?」
「これを…これを撒けば私達は…」
「…」カチッ シュワァァァァ
清澄宿舎
目覚まし時計「起きろや」
京太郎「…もう朝か…今日は全国決勝かぁ」
京太郎「?」
京太郎「やけに静かだ…」
チーン ウィーン
京太郎「フロントにも誰も居ない…」
京太郎「…外は」ガチャッ
京太郎「!!」
女B「…」ユラァ
女C「…」ユラァ
女「ひぃぃぃ、た…助けて!」ガクガク
京太郎「襲われてる…?助けないと!」ピリリリリリッ
京太郎「!!電話…部長からだ」ピッ
久『須賀君!?今すぐ部室に来て!』
京太郎「ま、待ってください…今目の前で人が…」
久『諦めなさい!<奴ら>は普通の人間の力じゃ引き剥がせないわ!』
京太郎「そ…そんな」
久『早く!一人で居るより一度集まるのよ!』
京太郎「は…はい…」プツッ
女「お願い…」
京太郎「…す、すみません」ダッ
女「そんな!いやぁぁぁぁぁぁぁ」ガシッ ガシッ ガシッ
咲「あ…京ちゃん…」
優希「京太郎…」
久「ようやく来たようね…」
京太郎「…和は?」
まこ「…朝方洗濯物を回しに行ったきり電話も繋がらん」
京太郎「!!」
京太郎「あれは一体何なんです!?」
久「落ち着きなさい須賀君」
京太郎「ですがっ…すみません…」
久「<奴ら>が何かなんてまだわからないわ」
久「でも皆がこの部屋に集まるまでに得た情報を合わせると共通点がいくつかあるわ」
久「そして…」
京太郎「…そして?」
久「…」
京太郎「…部長?」
久「6.襲われた者は<奴ら>になる…ということよ」
京太郎「!!」
京太郎「そ…そんな…それじゃあ映画や小説に出てくるゾンビが実際に現れたって言うんですか!?」
久「ええそうよ、これは現実に起こってる事なの」
京太郎「くそっ!さっき襲われていた女の人も食べられてしまったって言うのか…俺が見捨てたばかりに…」ガンッ
咲「ひっ」ビクッ
優希「きょ、京太郎…」
まこ「物に当たるのはよさんか京太郎、それに食べられたわけじゃない…」
京太郎「…?だ、だってあいつらは人を襲うって」
久「襲うとは言っても食べたりするわけじゃないの」
久「<奴ら>は女性を性的に襲うのよ」
京太郎「!?」
京太郎「ど、どういうことですか…」
久「さっきこの部屋の窓から見たのよ」
久「追い詰められた女の人が<奴ら>に服を脱がされ何度も絶頂させられている所をね…」
久「そして絶頂に次ぐ絶頂で快感が限界を超え、一度気を失ったら最後」
まこ「次に目覚めた時はめでたく<奴ら>の仲間入りじゃ」
京太郎「…何か手はあるんですか?」
久「それなんだけど…須賀君」
咲「…」
優希「…」
京太郎「…?」
久「あ な た は 何 故 こ こ に 居 る の ?」
まこ「ここに来るまで見んかったんか」
まこ「 男 がどうなってるのかを」
京太郎「…!」
京太郎「い、言われてみれば…皆…」
まこ「そうじゃ、ホテルマンも清掃員も倒れていたはずじゃ…一人残らずな」
京太郎「ぐ、偶然です…何かの偶然です!」
久「そ、じゃあこの窓から下を見てみるといいわ」
京太郎「…!!」
京太郎「…サラリーマンも…学生も…」
久「男は皆倒れているわね」
京太郎「そんな!!じゃあ俺は一体!?」
久「貴方何かしたわね?」
まこ「信じてやりたいのは山々じゃが…これだけの条件が揃った以上どうしようもない」
京太郎「っ…咲!優希!」
咲「…」ビクッ
優希「…」ササッ
京太郎「…くっ!」
久「…<奴ら>になった人を治す唯一の方法があるわ」
京太郎「…!」
久「これよ」スッ
京太郎「…!栄養ドリンク?」
久「さっき見たの…廊下で白い防護服を着た人が一度<奴ら>になった優希にこれを飲ませているのを」
久「声をかけたら慌てて逃げて行ったわ…その時にコレを一本落としたのよ」
久「優希が目を覚ました時、<奴ら>になっていた時の記憶は消えていたんだけど」
久「心当たりあるんでしょう?」
京太郎「っ!俺は本当に何も知りません!」
京太郎「…?」
久「を見てみなさい」
京太郎「…M製薬…TV-001」
久「わかった?聞いたことのない会社だけど、そこに書かれている住所が本物ならここから歩いて2日よ」
京太郎「…」
久「嫌とは言わせないわ、ついてきてもらうわ」
まこ「…ほれ立たんか」ガシッ
京太郎「…はい」
イヤァァァァ キャァァァァ
久「まるで地獄ね」
まこ「じゃの、…でM製薬ってのはどっちじゃ?」
久「さっき携帯で調べたんだけどこっちよ」テクテク
京太郎「…」テクテク
咲「和ちゃん…大丈夫かなぁ…」
優希「きっと大丈夫だじぇ…」
久「<奴ら>はトロいから距離をとって歩けば平気よ、ついてきて」
咲優「は、はい(だじぇ)」
???「―――・・・」コソッ
イヤァァァァ キャァァァァ
久「まるで地獄ね」
まこ「じゃの、…でM製薬ってのはどっちじゃ?」
久「さっき携帯で調べたんだけどこっちよ」テクテク
京太郎「…」テクテク
咲「和ちゃん…大丈夫かなぁ…」
優希「きっと大丈夫だじぇ…」
久「<奴ら>はトロいから距離をとって歩けば平気よ、ついてきて」
咲優「は、はい(だじぇ)」
???「―――・・・」コソッ
女B「…」ユラッユラッ
咲「ひっ…」ガクガク
久「…こっちを抜けるのは流石にきついわね、この建物に入ってやり過ごしましょう」ガチャッ
咲「は、はい」タタタッ
まこ「ありがたいことに鍵が付いてるのう」スッ
「待ってくれ!」
久「!!」
久「ゆみ!!」
久「え、ええ構わないわ」チャッ
久「はやく!蒲原!」
智美「ま、まってくれーゆみちん…うわっ」ドテッ
久「蒲原!」
智美「う…足が…」ズキズキ
佳織「…」ユラァ
智美「か、佳織…落ち着こう、な?」
佳織「…」ガシッ
智美「あわわ…ゆみちん!」ズリッズリッ
ゆみ「蒲原!…くっ」ダッ
久「待ちなさい」ガシッ
ゆみ「は、離せっ蒲原が!」
久「無理よ…この距離じゃ間に合わない」
ゆみ「それでもだ!蒲原を見捨てることは出来ない!」グググ
まこ「悪いことは言わん…ありゃむりじゃ」ガシッ
優希「あ、あきらめるじぇ…」ガシッ
ゆみ「離してくれ!頼む、蒲原、蒲原あああ!」グググバタン ガチャッ
智美「…ワハハ…行っちゃったかぁ」
佳織「…」ビリィィィッ
智美「ワハ…はぁっ!?」クチュッ
佳織「…」クチュクチュクチュ
智美「やめっ…佳織っ…そんな乱暴な…ひあっ」ビクッ
佳織「…」スッ
智美「うぁっ…!?」チュッ
佳織「…」レロクチュチュパ
智美「―――!――――!!」ビクンビクン
智美(うあああっ頭がおかしく…)
智美(ワハ…ハ…)
久「無理よ」
ゆみ「何故!何故行かせてくれなかったんだ!」
久「…」
ゆみ「くそっ…くそぉ…うっ…ううっ…」ガクリ
ゆみ「かんばらぁ…」ポロポロ
久「蒲原さんを治す方法があるわ」
ゆみ「!!」バッ
久「一緒にくる?」
ゆみ「くそっ!!お前達が邪魔しなければ蒲原を助けられたかもしれないのに!」
久「無理よ」
ゆみ「何故!何故行かせてくれなかったんだ!」
久「…」
ゆみ「くそっ…くそぉ…うっ…ううっ…」ガクリ
ゆみ「かんばらぁ…」ポロポロ
久「蒲原さんを治す方法があるわ」
ゆみ「!!」バッ
久「一緒にくる?」
姫子「部長ぉーなんで新道寺中堅(略して新中:ずっとジュース飲んでた奴)の介抱を花田に任せたとですか?」
哩「…」
姫子「部長?」
哩「新中は…あいつはもう感染している」
姫子「!?」
哩「花田は…私らが逃げるまでの時間稼ぎたい…」
姫子「そ、そいぎーなんでうちの部の足速い子じゃなかとですか…部屋ん中逃げ回って時間稼ぐ手も」
哩「あいつは(意識が)トバん」
姫子「!?」
哩「この間の準決勝の後、先生の指示で一番点数を失った花田をバイブ椅子に拘束して放置したな」
姫子「は…はい…」
哩「あの時見張ってた美子が寝てしまって花田は一晩放置される事になった」
哩「だが花田は朝ば来てもよがってたらしいわ、聞けば一回も意識ば飛んだことはないらしい」
哩「あいつはトバん、永久的にヤツらを引き付けておける…故のおとり」
姫子「そ、そやけんあいつを介抱に…花田が聞くとマジショックやろうなぁ」
哩「悔しかよ…花田ぁ…すまん…」ポロポロ
姫子「ぶ、ぶちょぉ」グスッ
煌「聞いてしまった…うわぁショックぅ…」
煌「…なぁんてことはないですね」スバラッ
煌(私には誰かに必要とされる力がある…それは生き残れる力じゃなくても)
煌「私一人の犠牲で部の皆が無事逃げられる、そんなすばらなことはありませんね」
新中「…」ムクッ
煌「…しかし私はここで死ぬまでいかされ続けるのですね」
新中「…」ユラッ
煌「…気を失うことも出来ず…どーすんでしょコレ」ガシッ
新中「…」ビリィィィ
哩「…すまん、花田」ポロポロ
(煌「いいってことですよ…すばらです」)
哩「!」
哩「花田ぁぁぁぁ…グスッ」ガクッ
姫子「…」ポロポロ
まこ「そうじゃのう…いま何時じゃ」
久「んーと」パカッ
久「…あぁダメね、電池切れちゃってる」
京太郎「…夜の9時です」
久「…信用していいのね?」
京太郎「時計をつけてましたから…」
久「そ、暗いところを通るのはリスクがあるし、今夜はここで…」バァン
久「!?」
ゆみ「…?何の音だ」バァン
咲「ひぃっ」ガクガク
優希「あ…あ…」ガクガク
まこ「ど、どうしたんじゃお前ら…!」ビクッ
まこ「うああ…ああ…」
久「っ!まこ!」ダッ
ゆみ「…」ダッ
京太郎「…」
久「一体なにが…!!」
女達「…」バァン バァン バァン
バァンバァンバァンバァンバァンバァンバァン ピシッ
ゆみ「!…窓が割れるっ」
久「逃げるわよ!」ダッ
京太郎「こっちも…だめです…」ガクガク
久「なんですって!?」
ドア ガァンガァンガァンガァン
まこ「ど、どういうことじゃ、さっきまで<奴ら>こんなに元気じゃなかったろうに!」ガクガク
久「そんな…」
まこ「さっきまでこっちには目もくれず外をほっついとったじゃろうに」
優希「咲ちゃん…怖いじぇ」ギュッ
咲「…」ガクガク
パリィィィン
ぞるっ
咲「ひぃぃっ入ってきました…」ブルブル
優希「咲ちゃん!」
咲「あ、足が…」ガクガク
久「咲!」
まこ「ま、間に合わん!」
ヒュッ ドゴォッ
女「…!」ピューン
「若くして人生の岐路に立たされたなぁ」スクッ
咲「あ、貴方達は…」
「あいつら夜になったら動きが活発になるみたいやで」スッ
ゆみ「Aブロックシード校…」
「ついてきてください、この建物のマップは調べてますから」ポチポチ
まこ「何人ものプロを輩出した関西No1の高校」
「もー先輩らほんま人良すぎですわ」ハァ
久「――― 千里山高校!」
「安心しぃ、あいつらの動きはウチが<予測>したる」ゴァッ
穏乃「あ…あわわわ…」ガクガク
ンゴ「っ!うあぁぁっ!」ビクビク
憧「…」レロレロ
灼「…」ピチャピチャ
ンゴ「ふっ…うぅぅぅっ、にげっ…逃げるっ…のよ!」ビクビク
穏乃「あわわ…」ガクガク
憧「…」チュパッ
灼「…」ジュルル
ンゴ「何やってるの!早く!」ガクガクン
穏乃「く、玄さん達も連れてかなきゃ!」ダダダッ
ンゴ「…それでいいのよ…んああああっ」ビクン
穏乃「玄さん!!」
玄「…どうしたの?」
穏乃「憧と灼さんが…」
玄「そっかー…残念だねぇー…」
穏乃「え?…それだけですか?」
玄「うん、だって私達も」ジリッ
穏乃「…」ダッ
ダキッ ギュゥッ
宥「…あったかーい」ギュッ
穏乃「!宥さん…は、離して」
玄「感染しちゃった」ガシッ
穏乃「じゃ…じゃあなんで…言葉を…」
玄「わからないよー、眼が覚めたらここにいて」ビリビリビリッ
穏乃「!!」
穏乃(もしかして…新型…?)
玄「ふぅーむなるほどなるほどなるほどぉ」クチュクチュ
穏乃(玄さんの記憶を所持した…新型だ、誰かに知らせないと…)
穏乃「あああああああっ」ビクッビクッ
宥「暖かいの…いっぱーい」ギュゥゥゥ
穏乃「ああっ…はぁっ…はぁ…」ビクッ ビクッ
宥「…」クチュッ
穏乃「!!宥さんっ、今イったばっかりで…」ビクン
玄「…」ムギュゥ
穏乃「!!…ムー…ムー」ビクンビクン
穏乃(おっぱいで…息が…)ビクビクビク
宥「暖かいの…もっときてぇ…」クチュクチュ
ガチャッ
穏乃(み、見えない!)ムニィ
穏乃「ぶはっ」チラッ
ンゴ「…」ユラァ
憧「…」ユラァ
灼「…」ユラァ
穏乃「…」
穏乃(…ヤバイ、ヤバイヤバイヤバイ)
セーラ「どりゃぁ」バッキィ
竜華「容赦ないなー」タッタッ
久「ところで貴方達なんであんなところに?」タッタッタッ
泉「うちらが船久保先輩の逃走経路に則って逃げてる時にあいつらが窓叩いてんのが見えたんです」タッタッタッ
怜「ほんで<視て>みたら割れた窓の中に白糸台の先鋒がおったわけや」タッタッタッ
竜華「まあ実際は人違いやったけどな」タッタッタッ
咲「た、助かりました…ありがとうございます」タタッ
浩子「ところでさっきから気になってたんですけど、その腰にかけてるのTVちゃいます?」タッタッタッ
優希「!!知ってるのか?」トテテテ
泉「こんな大規模なパンデミックを起こそうと思ったらそれなりの施設が必要ですからね」
浩子「ウチがあらゆる製薬会社のサーバーに片っ端からハッキングしたんです」キラーン
ゆみ「ほ、本当にそんなことが可能なのか?」
浩子「そして一つの情報を得たんです…M製薬のSOSウィルス」
まこ「SOS?」
竜華「このウイルスは女が女にアレする病気を拡大させとる…これはウチらの予想なんやけど」
セーラ「ふっ」ズガァ
セーラ「正式名称は『Symbol Of Saki』略してSOS」
怜「この咲世界におけるシンボル…それは」
ゆみ「…百合か」
怜「…」コクッ
浩子「そのTVって言う解毒剤についてもサーバーから情報を持ってきてます」
浩子「その薬の正式名称はThe Vanguard」
優希「う゛ぁんがーど?」
ゆみ「…先駆者」
まこ「…前衛」
咲「…」
咲「…先鋒」
皆「!!」
竜華「…そや…そしてM製薬」
泉「船久保先輩の調べた情報の中で先鋒に誇りを持っていて、かつ百合の属性を広めたがるような人物Mは一人だけでした」
セーラ「お前らが戦った相手や…」
優希「まみむめも…ま…ま?ぜんぜんわからないじぇ…」
咲「み…み…」
久「…!!」ハッ
まこ「…みほ…こ」
泉「そうです」
浩子「風越女子高校…福路美穂子です」
一「だめだよ純君、歩が感染間際に入手した情報によると一応元に戻るらしいんだから」
純「元に戻ったら感染してるときの記憶もなくなるんだろ?」
純「だったら同じだ」バシッ
純「それにハギヨシがいない今お前らを守れるのはオレだけだっつーの」ベシッ
一「で、でもやっぱり怪我させると…」オロオロ
透華「せっかくわたくし達が直々に清澄の応援に来たというのに、ついてないですわねまったく」プンプン
智紀「…来たいと言い出したのは透華」ボソッ
透華「わ、わたくしのせいですのっ!?」
一「まあまあまあまあ」
純智一「!!」
純「な、なんだこの感じは…」
一「ま…まるで海の中に引きずり込まれるような…」
智紀「この感じ…」
透華「お逃げなさい!」ドンッ
純「うわっ、何するんだ」ガチャッ
一「透華!?透華!!」ドンドン
智紀「…鍵がかかっている」
透華「この龍門渕透華、龍門渕家の名誉にかけてメイド達に手は出させませんわ」
透華「…おはよう、衣」
透華(そんな…こんなに早く…っ)
純「お、おい!開けろ!」ガンガン
智紀「開かな…い…」グッグッ
透華「…っ…っ…ぁ…」ピクピク
透華(…もう声も出ませんわ)
衣「透華が逃げろと言っているのに…お前達はそこを開けようとする…」
衣「度し難い有象無象め…その閉塞された空間の中で」
衣「主の欣喜の絶叫を聞くがいい」グチュグチュグチュ
透華「――――――――っああああああああああああ!」
衣「満身創痍かと思っていたが本当に声が出るとは…まだまだ衣と遊んでくれるのか?」グチュグチュ
透華「――――――――――――」ビクンビクン
透華「まったく、いつ感染しましたの?」
衣「…昏鐘鳴の音が聞こえるか?」ズズズズ
透華「…」
透華(一歩も動けませんわ…なんてプレッシャーですの)
衣「…」ジリッ
一「透華!大丈夫なの!?透華!!」ドンドン
透華「…まだ衣はおこちゃまでしてよ、わたくしを絶頂に導くことなど不可能ですわ!」
衣「ころもはこどもじゃない」ビリッ
衣「…透華もまだ衣ではないか、つるつるだぞ」グチュッ
久「ここがM製薬…」
「咲さん!」
咲「!和ちゃん」
和「ご心配…お掛けしました…」
咲「無事だったんだね…」ガシッ
咲「!!」
セーラ「あかん、アイツ感染してるで」
咲「?そ、そんな…」
優希「で、でものどちゃん普通に話せてるじぇ」
浩子「…ウイルスが第二段階に移行してますね」
久「第二段階!?」
泉「はい、ウイルスが感染者の体内で一定時間過ごしたら第二段階になるんです」
竜華「脳内の性欲を刺激する部分だけを侵食していたそれはやがて脳全体へ…」
セーラ「すなわち記憶の乗っ取りや」
和「…」ダッ
セーラ「あかん!下がっとき!」バッ
怜「!!セーラ右や」
セーラ「!?」ガシッ
セーラ(なんやコイツ素早い…っ)クチュ
セーラ「んあっ…」ビクン
セーラ「だ、誰やお前…」フルフル
池田ァ!「そろそろ混ぜろよ」
久「!!」
優希「あれは風越の池田ァだじぇ!」
ゆみ「感染している!」
まこ「ここに池田ァがおるってことは高確率で…」バッ
美穂子「…」ズォォォォォ
美穂子「上埜さん…ずっと…探していました…」ズォォォォォ
美穂子「…」スッ
まこ「…なんてプレッシャーじゃ」
和「…咲さん」ジリッ
咲「ひっ」
浩子「どいといてください、ここは私が」スッ
竜華「船Q…」
浩子「順当に行ってれば副将戦で当たってた相手…ウチにも関西最強のプライドってもんがあるんです」
浩子「一年に負けとうないですしね!」ダッ
和「…」ダッ
和浩「…」シーン
まこ「…動かんの」
泉「お、恐らく脳内で数十手先まで分析し合ってるんです…」
まこ「そうじゃのう…」
フゥッ
竜華「!!」
竜華「な、なんや今の感覚…」
まこ「…こ、この不思議な感覚」
ゆみ「…」
ゆみ「誰もいないはずの場所に誰かがいるような気がする…か?」
まこ「…!」
咲「…?」
モモ「…さすが先輩っス」スゥゥゥ
ゆみ「モモ…お前も感染してしまったのか」
モモ「してしまったではないッス」
モモ「私は自ら望んで感染したッス」
セーラ「…っ」
セーラ(反撃やっ)クチュッ
池田ァ「に゛ゃっ!」
セーラ「…ふっ、脳内全部を乗っ取ったさかい、こっちから刺激を与えたら感じるようやな」
池田ァ「ふーっ」シャシャシャシャ
セーラ「俺はじわじわ責めるより」ダッ
セーラ「一気にイかせるほうが好きなんや!」ゴォッ
池田ァ「にゃああああああ」ゴァッ
まこ「なんじゃ!?急に消えおった!」
優希「見えない速度で戦ってるんだじぇ…!」
いつも通りだな
久「福路さん…」
怜「させへん」バッ
美穂子「!!」
美穂子「私と上埜さんの邪魔をする…イケナイ人です」ビカッ
怜「!!」
怜「なんや…あの目…しかもウチの弱いところが全て見透かされてるようや…」
美穂子「あなたから先に葬ってあげるわ」ゴォォォ
怜「くっ…一巡先を読むだけじゃ足りへん」ズォォォ
怜(恐らくアイツはウチの癖や仕草から1手先、2手先を読んどる…)
怜「二巡…いや…三巡先や!」ズオッ
竜華「あかん怜!!」
竜華「!?」ゴァァァァァ
泉「なんやこの風は…」ゴァアァァァ
咲「あ…あ…」
照「…」ゴォォォォォォォ
竜華「!このっ、準決勝ではよくも怜を…っ!」
泉「だめです先輩、まっすぐつっこんだら…」
照「ツモ」トルネード
竜華「っ…あああああああああああああああ」プシャアア
泉「先輩!!」
竜華「ぁ…ぁ…」ガクガク
照「まだ一本場だ」トルネード
照「ロン」ゴァァァァァ
竜華「ああああああああああ…っ…」ビクンビクン
照「この程度か…」
照「咲…次はお前の番だよ…」ニコッ
咲「…!!」ゾクゾクッ
モモ「でも先輩は…部長や…清澄の部長さんとばかり仲良くして」
モモ「…私には勇気がないから」
モモ「こうするしかなかったっス…」
ゆみ「モモ…」ギュッ
モモ「!!だめッス」
モモ「今の私はSOSウイルスに支配されてるッス」
モモ「やっぱり…大好きな加治木先輩を感染させたくないっす、離れてください!」
ゆみ「っ…はぁっ…」ピク
ゆみ「モモ…お前が今まで感じてきた不安や焦燥に比べれば…」
モモ「!!」
ゆみ「この程度の…んぅっ…どうってことっ…ない…」ビクビク
モモ「…先輩」
ゆみ「…すまないなモモ」
ゆみ「私は、やっぱり君が欲しい…」ビクッビクッ
照「驚いたな…まだ立てるとは…」
竜華「…」ガクガク
照「すこし見くびっていたようだ」
照「ではこちらも」ズアッ
竜華「!」
竜華(なんや…見られたらあかんとこまで見られてる気分や…)
竜華「…せやけどな」
照「…?」
竜華「こちとら怜に毎晩10回以上イかされとるんじゃい!!」カッ
照「…」
竜華「千里山の部長を…なめんなや!清澄が解毒剤を取りに行く時間だけでも稼いだるわ!」ダダダダダッ
照「…来い」ギュルルルルルルルル
久ま優咲「!!」
泉「行って下さい!ここは私ら千里山にまかせて!」
泉「解毒剤をとってきてください…」
泉「それぐらいの時間は稼いで見せます!!」
久「で…でも…」
泉「早く!」
久「わかったわ、でもコレだけは言わせて」
泉「…なんですか?」
久「貴方何もしてないじゃない!!」
泉「余ったんです!!」
久「…あったわ…これがTV」
まこ「じゃがこれはペットボトル一本にも満たないぞ、これを東京中…下手すると日本中の人間に摂取させるとなると…」
優希「これを見るじぇ!」
咲「どうやらこの機械に刺すと日本中に霧散させられるみたいです」
久「!…じゃあ早速」
「その必要はない…」カツ
まこ「!!」
優希「!!」
咲「!!」
久「あなた…あなたが…黒幕なのね…」
「…」
久「貴方がSOSウイルスを撒き」
久「そして皆を…」
「貴方達はひとつ大きな勘違いをしている」
まこ「なんじゃと!?」
「あの薬は…SOSウイルスは『Symbol Of Saki』等と言う名前ではない」
「あの薬は…あの薬は本来はもっと違った用途で生み出されたものなのだ」
「皆がそれぞれに対して…もっと関心を持ってくれる…皆の他人に対する関心…必要とする心…それを増長するための薬」
「私はもっと目立ちたかった…もっと…自身のキャラクター性を確立したかった」
咲「そ…それじゃあ…」
「あの薬の本当の名前は『Stand Out Status』目立つ地位…」
「だが…行き過ぎた関心は愛欲に…いずれそれは性欲になる」
「今では麻雀部の皆もあの様だ…意図せずしておこった拡大感染、私は罪悪感に苛まれた」
まこ「だ、だからせめて自分の周囲の人間だけは救おうと解毒剤を…」
久「で、でも何故優希にその解毒剤を…」
「…共に戦った仲だから」
久「…止めて欲しかったのね」
「そうかも知れない…でも他の感染者を見て想った…やはりこの研究は間違ってはいない、あらゆる犠牲の上にこの研究を成就させるのだ」
久「そう…あえて福路さんに解毒剤を飲ませなかったのは、私ひいては清澄への挑戦と取っていいのかしら?」
「…うむ」
睦月「仕事やスポーツ系の部活等、人間関係の表に出る事の多い男性は周囲への関心も周囲からの関心も私達よりも多い」
睦月「それゆえに愛欲、性欲を超えて脳のキャパシティを超えてしまった」
睦月「…だが須賀京太郎、お前だけは違った」
京太郎「…」
睦月「こうしてずっと一緒にいても知らぬ間に消え、皆から忘れ去られる…本編でも単行本一冊につき数コマだ…」
睦月「だからここまで気を保ったままこれた」
睦月「君なら分かってくれるだろう、この薬を完成させよう…君をこの事件の犯人だと決めつけ…ここまでスルーし続けてきた者達など捨てて…そして目立つんだ」
久「須賀君!」
まこ「京太郎!」
咲「京ちゃん…」
優希「きょ、京太郎…」
京太郎「…けんな」
睦月「?」
京太郎「ふざけんな!!」
睦月「!!」
京太郎「例え麻雀を打たせてもらえなくても」
京太郎「例え買出しばっか行かされても」
京太郎「例え置いてけぼりで皆合宿へ行ってしまっても」
京太郎「例えタコス買出し要員と言われようと」
京太郎「犬と言われようが」
京太郎「空気だろうが」
京太郎「フラグを無視しようが」
京太郎「…麻雀部の部員なんです!!」
睦月「!!」
京太郎「貴方だってそうでしょう」
京太郎「貴方がいなければ鶴賀は県予選にすら出られない」
京太郎「貴方がいなければ小鍛冶プロのカードを手に入れられなかった人だっている」
京太郎「貴方がいなければ面白いコラだって作られない」
京太郎「十分…目立ってるじゃないですか…」
睦月「…」ポロポロ
京太郎「津山さん…一緒に、世界を元に戻しましょう」
京太郎「幸い感染時の記憶は残りません」
京太郎「この解毒剤を撒いて…津山さんが世界を救った救世主になりましょう!」
睦月「…う…ううううう」ポロポロ
京太郎「津山さん…」ポンッ
睦月「うあああああああああ」
京太郎「…」
京太郎「え!?」
睦月「女は一定の人数に感染した後は粘液感染するようになっている」
睦月「だが男の場合意識を失った後ウイルスが外に出て次の男を捜す」
睦月「関心の量が少なかったから気を失わなかっただけで、この解毒剤を散布すると君はここ数時間の記憶を失うだろう」
京太郎「…そんな」
睦月「だが…君の思いは皆に届いたはずだ」
久「…」コクッ
まこ「またバシバシ雑用してもらおうかの」
優希「麻雀部へ帰るじぇ!」
咲「京ちゃん…ごめんね…」
京太郎「…」
睦月「…」カチッ シュウウウウウウ
京太郎「睦月さん…記憶は消えても…貴方のことは忘れませんよ」
睦月「…うむ」
まこ「すまんな京太郎、疑うたりして」
咲「ご、ごめんね京ちゃん」
優希「ごめんだじぇ…」
京太郎「いえ、いいんですよ。あの状況じゃ仕方ありませんし」
京太郎「何故か睦月さんのことも覚えてますしね」
睦月「…なぜだ」
まこ「ウイルスにすらスルーされおったか」
京太郎「ただ一つ気になるんですが…」
睦月「…?」
美穂子「上埜さん!!」ハァハァ
モモ「せぇんぱぁい!」ハァハァ
和「咲さん!!」ハァハァ
京太郎「本当にこれ解毒剤ですか?聞いてるように見えないんですけど」
睦月「う、うむ…」タブン
おわり
おっちゃんはもう寝ます
飽きたら落として下さい
Entry ⇒ 2012.08.06 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (2) | Trackbacks (0)