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咏「えりちゃん?」
憧「なんで私に聞くんですか…」
咏「なんかそういうの詳しそうだし」
憧「いい大人が高校生に頼らないで下さいよ…」
咏「だって慣れてそうだったし…知らんけど」
憧「どういう意味ですかそれ…」
憧(私ってそんなに軽く見えるのかな…)
咏「それにさ、あの大将の娘とも仲良い感じじゃね?知らんけど」
憧「シズとはただ幼馴染なだけで…」
憧「秘訣…ですか?」
咏「そうそう」
憧「別に小さいころから一緒にいるだけですし…」
咏「そういうのじゃなくてさ、もっとこう…今からでもできるやつじゃなきゃ」
憧「うーん…じゃあ例えば呼び方を変えてみるとかどうですか?」
憧「はい、今三尋木プロって針生アナのこと「針生さん」って呼んでるじゃないですか、それを例えば「えりちゃん」って風に変えてみるんです」
咏「……っ//」
咏「って、い、いきなりそれは難易度高過ぎじゃね?///」
憧「高くないです。仲良くなりたいならそれくらいやってください」
咏「で、でも…//」
憧「でもじゃないです。仲良くなりたいんですよね?」
憧(解説やってる時はあんななのに何でこんなとこは奥手なのかな…)
咏「と、とにかく…名前呼びは却下却下。普通もっと出来そうなのからじゃね?知らんけど」
憧「」イラッ
憧「…名前で呼ぶことも出来ないヘタレが針生アナと仲良くなる方法なんてあると思うんですか?」
咏「そ、それは…わっかんねーけど…」
憧「ムリだってば」
憧「何やってもムリだよムリムリ」
憧「仲良くなれない仲良くなれない仲良くなれない絶対に仲良くなれない」
憧「もう や め ち ま え」
咏「」ガシャアアアガクッ
憧(って言うわけにはいかないし、どうしよっか…)
咏「…どしたの~?考え込んじゃって」
咏「…だ、だからそれは恥ずかしいというかさぁ…も、もっと仲良くなってから…」
憧「このままじゃ一生仲良くなんてなれませんよ」
咏「それは…」
憧「とにかくやってみましょうよ、私もついてますから」
咏「…うん」
憧「――あ、ほらちょうどいいところに針生アナが…」
咏「……っ!!つ、次の機会がいいと思うなぁ…」
憧「あのー!針生アナウンサーさーん!」
咏「……ふぇっ!!」
憧「三尋木プロがお話があるそうで…」
咏(ま、まだ心の準備ができてないし…)チラチラ
憧(なに私の後ろにかくれてるんですか)グイグイ
えり「…いったい何をしてるんですか?」
咏「あ、あああ、あの、、、えっと、は、ははり…」チラッ
憧(え!り!ちゃ!ん!)キッ
えり「」?
えり「なんですか?」
えり(えりちゃん?)
咏「こ、これからら、いいい一緒に…お昼ご…飯行…かね?」
えり「…ちょうど時間も空いてますしいいですよ」
咏「ほんとに!!!」パアァァ
咏「じゃ、じゃあ行こ…っか」
えり「そうですね、どこに行くか決めてるんですか?」
咏「…ふぇっ!?…お店とか、し、知らんしぃ…」
咏「いいの!?」
えり「別にかまいませんよ」
咏(え、えりちゃん//の行きつけかぁ)ワクワク
………
えり「つきましたよ」
咏「なな、なかなかおっ…しゃれ~なお店…じゃね?わ、わっかんね~けど」
えり「ええ、わたしのお気に入りですから」
咏「…」
咏(お気に入りのお店に二人で…お気に入りの…)
咏(つまりあれってことだよね///知らんけど///)
咏「…///」
えり()?
憧(なんとなくきになってつけてみたけど…)
憧(今のところはなんとか問題なさそうね)
憧「…っ!?あ、灼!?何でここに?」
灼「たまたま通りかかっただけ」
灼「それより憧こそそんなこそこそして…」
憧「いいから隠れて!見つかっちゃう」
えり「それにしても今日の三尋木プロはなにか普段と雰囲気違いますね」
咏「えっ…!?えと…何か変だったり…?」
えり「いつもはもっとよくわかんないキャラだったりするじゃないですか」
えり「あれって外用のキャラなんですか?」
憧「ま、たしかにそう思うよね」
灼「それで気になって尾行してるってこと?」
憧「べ、別に気にになってなんか…」
灼「ふーん?」
憧「と、とにかく静かに…」
えり「そうですね、1アナウンサーとして見れば好きではないです」
咏(……っ、き、嫌…い)ズーン
えり「やっぱり言ってることが分かりずらいですし見てる人にも優しくないですから」
咏(嫌い…嫌……い嫌…い)
灼「たしかに不親切ではある」
咏(嫌い…嫌…い…き、…えっ!?)
えり「むしろ好きです」
咏「!!?」
咏(好き…!?好きって…好き!?)
えり「選手のことをちゃんと見て真剣に考えてる三尋木プロはすごいと思いますよ」
えり「できればそれをもっとわかりやすく解説に反映させてくれると嬉しいですけど」
えり「って三尋木プロ聞いてますか?」
咏「…っ!?ふぁい!わわわわわ私だってえりちゃんのことが…だだ大好きだから!!」ガタッ
えり「っ!?…どうしたんですか?突然立ち上がって…」ビクッ
憧「突然なに口走っちゃってんの!?」
灼「三尋木プロなんか勘違いしてる?」
えり()??
咏「そうだね~んっふっふ、えりちゃん、えりちゃん」ニマニマ
えり「…なんでしょうか?」
咏「なんでもないし~知らんし~」
憧「もう完全に浮かれちゃってるし…」
えり「では午後から別の仕事があるのでこのへんで」
咏「ま、またあえるよね?」
えり「…?一緒に仕事してるんですから会えると思いますよ」
咏「そっか~そうだよね~しらんけど//」テレテレ
灼「そうだね」
憧「…三尋木プロ!」スッ
咏「うぉっ!?憧ちゃんどうしてここに!?」
憧「たまたま通りかかっただけで…」
灼「憧は三尋木プロが気になって仕方がなかった」
憧「…ちょっとっ!なにいってんの!?」
憧(浮かれすぎてて言い出し辛いんだけど)コソコソ
灼(ここで言わないと三尋木プロのためにならない)コソコソ
咏「どうかしたの?知らんけど、っていうとこだけど聞いてあげるよ?」
咏「何言ってんの~えりちゃんが私のこと好きって言ったんだよ?」
憧「だからあの好きは恋愛的な意味じゃ…」
咏()???
咏「いや~あの時は一瞬嫌いとか言われてフリーズしちゃってさ~」
咏「まったくえりちゃんってツンデレ?知らんけど」
灼「やっぱり聞いてなかったんですね」
灼「あれは恋愛じゃなくどちらかと言えば尊敬の好きでした」
咏「つまり…どういうこと?」
咏「え…で、でも…だって好きって…」
灼「私だって麻雀部のみんなが大…好きだけど、恋人になりたいわけじゃない」
憧「灼…//」
憧(なんでこの人はこんな極端なの?中学生か)
憧「だ、大丈夫ですよ…一応好きってことなんだからラブに傾く可能性もありますよ」
咏「ほんとに…?」
咏「憧ちゃん…」
憧「そうと決まれば作戦を考えなきゃね」
灼「好感度なら決して悪くはない、ベクトルが違うだけ」
咏「恋愛対象として見られてなかったのか…」
憧「これから見られればいいんですよ!」
灼「とはいえ今日のあの状態の三尋木プロにも揺らがなかったのを考えると難しそう」
灼「だったらいい方法がある」
咏「ほんとにっ!?」
灼「針生アナにちゃんと告白すればいい」
咏「…っ!!?」
憧「ちょ、ちょっと灼!?」
憧「そうだよ灼、それに今告白したって…」
灼「別にこれでうまくいく必要はない」
咏憧()??
灼「告白して真剣に思いを伝えればどうしても意識せざるを得ない」
咏「で、でも告白なんて…恥ずかしいし///」
灼「どっちにしろ最後には告白しなくちゃならないんだし」
灼「告白しなきゃ一生片思いのままだよ」
咏「うぅ…憧ちゃん?」
憧「私も灼の言うとおりだと思う」
憧「最初呼び名を変えるときだって恥ずかしがってたけど言えたじゃないですか」
憧「大丈夫です!私たちもちゃんと見てますから」
咏「わかった。やってみる」
咏「どうなるかわっかんね~けど精一杯の気持ちをぶつける!」
憧「三尋木プロ…その意気です」
咏「いや…これから…やる!」キュッ
憧「」!!?
咏「やっぱさぁ…今言わなきゃ…決心が逃げてく気がするし、わかんねーけど」プルプル
灼(震えてる…やっぱしこわいよね)
灼(それに…こっちも)
憧(…)キュッ
灼「がんばって」
………
灼「三尋木プロ行ったよ」
憧「…うん」
灼「憧…」
憧「今じゃ…こんなに心が苦しくて…三尋木プロの恋がうまくいくことを願ってる私とうまくいかないことを願ってる私がいる…」
憧「どうして…どうして…なのかな」
灼「…憧」
憧「私はもう三尋木プロといられない」
憧「あの二人…とっても似合ってるし…」
憧「私は…」
憧「あ…らた?」
灼「…憧が誰よりも優しくていつも頑張ってるのは知ってるから」
灼「…だから」
憧「あ…らた…あら…たぁ」グスッ
灼「今は…私がそばにいるから」
…………
………
……
…
……
………
あのあと三尋木プロの告白はなんとうまくいったみたいで、今じゃすっかり夫婦みたいなものです。
憧もあの後はやっぱり落ち込んでたけどなんとか立ち直ったみたい
憧「あ!見てこの雑誌、三尋木プロのインタビュー載ってる、インタビュアーは針生アナかぁ」
灼「あのひともすっかり三尋木プロの相方みたいだね」
憧「やっぱこのふたりお似合いだなぁ、わたしじゃ勝てないや」ヘラヘラ
灼「そんなこと言って…」
わたしは知ってる。あの二人の影に咲くことのなかった小さな蕾を…
それでもつよく生きた小さな恋を…
終わり
こんな時間に読んでくれている人いるかわかんないけどありがとうございました
いいものを見させて貰った
すばらでした!
また書いてね!
咏えりも憧と灼の絡みも大好きだ
Entry ⇒ 2012.08.05 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
京太郎「まさかおれが迷子になるとは・・・」
京太郎「控え室の場所がわからなくなった」
京太郎「しかもウロウロしてたら現在地もわからなくなっちまったしな」
京太郎「このままじゃいつも馬鹿にしてる咲にまで笑われちまう…」
京太郎「くそっ、ここは一体どこなんだぁーーー!」
咏(落ち着きがないっつうか、あわててるっつうか、、、知らんけど)
咏(……)
咏(なんか知らんけど困ってるっぽいし)
咏(いち社会人として助けてあげちゃいますかな)
咏「おーいそこの男子高校せーい」
京太郎「??」
咏「そだよ~」
京太郎「何か用でも?」
咏「う~ん用事っつうか」
咏「なんか困ってそうだったからさ~、知らんけど」
京太郎「あっ、そうだった」
京太郎「選手の控え室ってどこにあるかご存知ですか?」
咏「控え室ならあっちの棟だからむこうの渡り廊下渡ったらすぐだよ~、知らんけど」
京太郎(どっちだよ…)
京太郎「分かりました、ありがとうございます!」
タッタッタ
咏「いいことしたわ~」
京太郎「すいません遅れました…」
タコス「犬め、一体どこに行ってたんだじぇ」
京太郎「いや、トイレが結構混んでてさ…」
京太郎(迷子になってたなんて言えないよな…)
咲「みんな心配してたんだよ?」
京太郎「わるいわるい」
TV<カイセツハミヒロギプロデス!
京太郎(ん?……あっ!)
京太郎(さっきのって三尋木プロじゃねえか!!)
京太郎(そうとは知らずにあいさつもせずに帰ってきちゃったな…)
京太郎(あとでもっかいお礼いいに行くか)
久「みんなご苦労さま、今日の試合はこれで終わりだから」
久「あとは自由行動でいいわよ~」
四人「はいっ」
京太郎(やっと自由行動か)
京太郎「咲」
咲「??」
京太郎「おれちょっと行ってくるとこあるからみんなにも言っといてくれ」
咲「うん、わかったよ!」
京太郎(たしかさっきはこのへんで会ったよな…)
京太郎(そんな都合よく見つかるわけないか…)
咏「」フラフラ
京太郎(いたっ!)
京太郎「三尋木プロ~!!」
咏「ん?」
咏「あぁ、さっきの男子高校生じゃん」
咏「私のこと探してたの?……知らんけど」
京太郎「はい、さっきのお礼をもう一度言っておきたくて…」
咏「ええ、そんなのわざわざいいのに~」
京太郎「そういうわけにはいきません」
京太郎「というわけで、先程はありがとうございました!」
咏「フフ…」
京太郎「??、なんかおかしかったですか??」
咏「いやぁ、なんか元気いっぱいで高校生っぽいな~って、知らんけど」
京太郎「そんなこと言ったら、三尋木プロだって高校生顔負けの若々しさじゃないですか~」
咏「えっ?」
咏「そ、そうかな~…エヘヘ」///
京太郎(照れてるとこ可愛いな…)
京太郎「はい、そこらへんの高校生よりよっぽど高校生らしいとおもいますよ?」
咏「大人をからかうのはよくないぞ~?」///
京太郎「そんなつもりありませんよ!」
京太郎「だからそんなつもりじゃないですって」
咏「そこまで言うかぁ…」
咏「むぅ…」
京太郎(急に静かになったな)
咏「ねぁ、きみ」
京太郎「??」
咏「お姉さんが晩御飯おごってあげようか?」
京太郎(おっ、何か出た…)
咏「いいっていいって」
咏「なんか知らんけど私いまちょーご機嫌だし!」
京太郎「いや、でも……」
咏「いいからいいから、ほら行くよ?」
京太郎(ここまで言ってるんだし、まぁいっか……)
京太郎「分かりました」
咏「やた~!」
京太郎「おれ長野から来たばっかでどんな店あるか知らないんですよね……」
京太郎「三尋木プロはいい店しらないんですか?」
咏「いや~まったくわかんね~」
京太郎(結構テキトーだな、この人)
京太郎「そ、そうですか……」
咏「う~ん、とりあえずそのへんのファミレスでもいこっか?」
京太郎「分かりました」
店員<イラッシャイマセー
咏「何食べんの~?」
京太郎「う~ん、俺はこのミートドリアですかね~」
京太郎「三尋木プロは??」
咏「私このハンバーグっ!!」ニコッ
京太郎(案外かわいいの食べるんだな~……)
京太郎「かわいいのたべるんですね~」
咏「えっ?」///
京太郎(しまった、おもっていたことがつい……)
京太郎「すいません、つい」
咏(高校生にかわいいっていわれた……)///
京太郎(うぅ、気まずい……)
京太郎「あの」
咏「??」
京太郎「み、水くんできます、三尋木プロもいりますか?」
咏「あ、うん、お願いしちゃおっかな~」
京太郎「じゃぁ、ちょっといってきます」
咏(しかも気の利くイケメン男子高校生に……)
店員<こちらハンバーグとミートドリアです。
咏「お、やっと来たね~」
京太郎「ですね」
咏「んじゃいっただきま~す」
咏「熱そうだね~」フーフー
京太郎(かわいい……)
咏「そいえばさ~」
京太郎「は、はい!」ビックンチョ
咏「どしたの?」
京太郎「いえなんでも……」
京太郎(かわいいな、とか思ってる時に話しかけられたからかなり焦った……)
京太郎「あぁ、そうでしたっけ?」
京太郎「おれは清澄高校の須賀京太郎です」
咏「清澄か、今日試合見たけどすごかったよね」
咏「特にあの大将なんか特に……」
咏「槓して引いてくるの全部有効牌とかありえなくね?知らんけど」
京太郎「確かに咲はすごいですよね」
京太郎「咲にはいっつもやられっぱなしで……」
~~~~~~~~~
咏「ふ~おいしかった」
京太郎「おれもおなかいっぱいですよ」
咏「結構話せてよかったしね」
京太郎「はい」
咏「それでさ~」
京太郎「??」
咏「また誘ちゃっていいかな~、なんつって」
京太郎「もちらんいいに決まってるじゃないですか!!」
咏(やた!なんか知らんけどつぎも誘って良さそうだ)
咏「そだね」
京太郎「おうちまで送ってきますよ?」
咏「う~ん私はタクシーで帰るからいいや」
咏「それより京太郎くんは大丈夫なの?ホテルの場所とか知らんけど」
京太郎「ホテルならここから近いんで大丈夫です」
京太郎「じゃぁ、また今度」
咏(次も誘うって行った割には連絡先しらなくね?)
咏「ちょっと待ったー!」
京太郎「??」
咏「私また誘うって言った割には京太郎くんの連絡先しらなくね?」
京太郎「おっとそうでしたね」
京太郎「……はい、これ俺のアドレスと番号です」
咏「ありがと」
咏「んじゃ暇なときとかにまた連絡すっから」
京太郎「了解です、じゃあまた」
咏「ばいば~い」
咏(なんか知らんけど連絡先ゲット!!)
prrrrrrrr
咏「ん?だれだこんな時間に」
咏「……もしもし」
針生『もしもし、三尋木プロですよね?』
咏「えりちゃんじゃん、どしたの?」
針生『今日の試合なんですが、会場の配電に問題が生じたらしく延期になりました』
咏「じゃぁ私たちは?」
針生『当然今日はフリーってことになります』
咏「そっか、わかった、ありがとねえりちゃん♪」
針生『はい、ではこれで』
ガチャ
咏「」
咏「なんか知らんけど暇になった……」
咏(……さっそく誘おうかな)
ピッピッピ
prrrrrrrrrrrrrr
京太郎『もしもし』
咏「あっ京太郎くん?おはよー」
京太郎『三尋木プロですか?』
咏「そだよ」
京太郎『おはよーございます、それでどうしました?』
咏「試合延期になったし多分暇だよね?知らんけど」
京太郎『まぁ暇ですけど……』
咏「それじゃさ、今日も二人でどっか行こうよ!」
京太郎『分かりましたじゃぁいつぐらいに会いますか?』
咏「そだね~、じゃぁお昼過ぎに会場近くの駅前で」
京太郎「了解です」
咏「またあとでね~」
京太郎(ちょっと早く着きすぎたかな?)
咏「お、京太郎くーん」フリフリ
咏「ごめんごめん、なんか知らんけど準備に時間かかっちゃって」
京太郎「そんなに待ってないんで大丈夫ですよ」
咏「なら良かった、じゃあ早速いこっか?」
京太郎「そういえば今日はどこに行くんですか?」
咏「うんとね、今日は新しい下駄買おうと思ってんだよね~」
京太郎「下駄ですか?」
咏「うん、それでその下駄を選んでもらおうと京太郎くんよんだんだよね」
京太郎「そういうことですか」
咏「そゆことそゆこと、じゃあさくっといっちゃおっか」
店員<イラッシャイマセー
咏「うっわ、なんか知らんけどいっぱい下駄あるし」
京太郎「夏だから結構ふえてるんじゃないですか?」
咏「そういうことか……」
咏「どれにしたらいいかわっかんねー」
京太郎(あそこにあるのとかよさげだな……)
京太郎「あれなんかどうですか?」
咏「ん、おぉけっこういいね」
咏「とりあえず履いてみよっかな」
咏「店員さーん」
店員「どうなさいました?」
店員「それではあちらの方におかけになってご試着になってください」
咏「ほーい」
咏「よいしょっと」
咏「どうかな?」
京太郎「浴衣にもあってますし」
京太郎「似合ってると思いますよ!」
咏「そ、そっか」///
京太郎(照れてるところかわいいな)
咏「じゃ、じゃあこれにしよっかな」
京太郎「えぇ!?もう決めちゃうんですか?」
咏「だ、だってほら京太郎くんが似合ってっるって言ってくれたし……」ゴニョゴニョ
京太郎(かわいすぎるだろこれは……)
京太郎「もうちょっと見てからにしませんか?」
咏「う、うんそうしよっか……」
京太郎(とかいいつつ今の下駄右手にキープしちゃうんだよな~)
京太郎(そういうところもかわいいんだけども……)
京太郎「もうちょっと奥の方とか見てみますか」
咏「いいね!」
店員<アリガトーゴザイマシター
京太郎「結局最初のやつ買っちゃいましたね」
咏「まぁ見て回るだけでも楽しかったしよくね?しらんけど」
京太郎「そですね」
ヒュ~~ドォ~ン
京太郎「?何の音です?」
咏「そいえば今日この近くで河川敷で祭りあるらしいよ、知らんけど」
京太郎「へぇ、ということは花火ですか、おもしろそうですね……」
咏(これは二人でお祭りに行くチャンスじゃね!?知らんけど)
咏「じゃあさ、今から行ってみる?」
京太郎「いいですね!」
咏(やった!)
京太郎「ついたはいいけど」
咏「人多くね?」
京太郎「これだけ多いと歩くのも大変そうだな……」
京太郎「すぐにはぐれちゃいそうですし」
咏「でもたこ焼き食べたいしなー……」
咏(あっ…)
咏(『手つなごっ!』とか言っちゃえばよくね?知らんけど)
京太郎「??」
咏「えっとはぐれちゃうって言うんならさ」
咏「うんと、その……」
京太郎「どうしたんですか?」
咏「だから、あの……て、手とかつなげばよくね?」///
咏「知らんけど……」///
京太郎(こんなにかわいらしい人の手を……)ゴクリ
咏「ダメ、かな……?」ウワメヅカイ
京太郎(これは反則だろっ!)
京太郎「ダメなわけないじゃないですか!」
京太郎「むしろこっちからお願いしたいくらいです!」
咏(良かった……嫌とか言われたらどうしようかと思った……)
咏「そっか、じゃぁ握るよ?知らんけど」
ギュッ
解説の時はこれくらい言ってるんじゃないの? 知らんけど
照れ隠しとかじゃないか?知らんけど
そうだったのか、知らんけど
京太郎(それにすごく柔らかいし)
咏(京太郎君の手おっきいな、それになんか握っててすごく安心する感じ)
咏(男の人ってみんなこんなんなのかな、知らんけど)
京太郎「とりあえずたこ焼き買って人が少ない場所で花火見ましょうか」///
咏「そ、そうしようか」///
京太郎「やっと買えた……」
咏「すっごい行列できてたね」
咏(その分いっぱい手つなげたから良かったんだけど……)
咏(でももちょっと手つないでたかったな)
咏(とか思ってみたり)
京太郎「あ、向こうに座れそうなところありますよ!」
咏「じゃあそこ行こっか?」
京太郎「ですね」
京太郎「やっと落ち着いて座れる」
咏「そだね」
ぐぅ~
京太郎「あっ……す、すいません」
咏「ずっと立ったままだったしお腹すいたよね」
咏(あっ!そうだ)
咏「しょうがないからお姉さんのたこ焼きをわけてあげよう」フフン
京太郎「ありがとうございます!」
京太郎「!!」
咏「食べんの?ほれあーん」
京太郎(これは……)
咏「そっか、熱すぎるか」
咏「フーフー」
咏「はいどうぞ」ニコッ
京太郎(役得すぎる!!)
これ見た目的には京ちゃんが捕まりそう
京太郎(おいしい……)
咏「どうかな?」
京太郎「すっごくおいしいです!」
咏「そ、そか……」///
咏(引かれたりしてないよね、知らんけど)
京太郎「あ」
京太郎「そろそろ大きい花火うち上がるみたいですよ」
咏「お、いいね~」
京太郎「きれいですね~」
咏「えっ?!」
京太郎「だからあの花火、すっごいきれいだなあーって」
咏「そ、そだよね」
咏(一瞬私のことかと思った……)
咏(京太郎くんは暇だからこうして付き合ってくれてるだけで)
咏(私のことなんかなんとも思ってなさそうなのにね、知らんけど)
咏「はぁ」
ヒュ~~ドォ~~~ン
京太郎「良かったですね、花火」
咏「うん」シュン
京太郎(なんか三尋木プロ元気ないな……)
咏「あのさ京太郎くん」
京太郎「?」
咏「ごめんね、この二日間連れ回したりしちゃって……」
咏「私に彼氏とかいたら京太郎くんを連れ回したりしなくてよかったんだけど」
京太郎「っ!」
咏「え?」
京太郎「だから一緒にご飯食べたり花火見たりするのおれじゃダメでしたか?!」
咏「ぜんぜん、むしろ京太郎くんじゃないといやなくらい……」
京太郎「それなら」
京太郎「これからも今日や昨日みたいに三尋木プロと一緒にいさせてください!」
咏(これって告白ってことでいいんだよね……)
咏「京太郎くんっ!」
京太郎「はい!」
チュウ
京太郎「!!」
咏「ぷはぁ」
咏「それで京太郎くんが一緒にいてくれるのは嬉しいけど、だけど」
京太郎「だけど?」
咏「その……ちゃんと大切にしてくないとお姉さん怒っちゃうからね?知らんけど……」///
京太郎「もちろん!絶対大切にします!」
咏「うん、よろしい!」///
咏「そ、それじゃ私もう行くから!バイバイ」ダッ
京太郎「え?ちょっ……」
京太郎(すごいスピードで走っていった……)
京太郎(顔真っ赤だったな)
京太郎(にしても……彼女か……)
京太郎(なんか嬉しすぎて叫びそうだ、てか叫んじまうか……)スゥゥゥ
京太郎「よっしゃぁああああああああああ!」
カン!
つまり後日談下さいお願いします
悪い疲れたから今日はキツイかも
またネタ思いついたらスレ立てるから勘弁してちょ
京太郎「なんだかんだで八月か……」
引用元: ・http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1343982484/
前スレの最後に後日談要望あったんでかくぴょん
京太郎「あぁ、あっついな~」
京太郎「風が全くないわけじゃないんだけどな~」
咏「仮に風がなかったとしても流石にこれは暑すぎなんじゃね?」
京太郎「どっか涼しいところにいきたいな~」
咏「そだねぇ……」
みたいな感じで
京太郎(そいえば隣町に結構大きいプールが出来たって聞いたような……)
京太郎「あの三尋木プロ……」
咏「どしたい?」
京太郎「プール行きませんか?」
咏「えぇっ!プール!」
咏(プールってことは水着だよね……)
咏「ううん!全然嫌じゃないよ!」
咏「嫌じゃないんだけど……」
咏(私お世辞にもグラマラスって体型じゃないしなぁ……)
咏(まぁどうせいつか行きたいって思ってたし)
咏(結局遅いか早いかの問題だし、まいっか)
咏「まぁいいかな」
京太郎「ほんとですか!」ガタッ
咏(そんなに喜ばれたら悪い気しないしね!)
咏「うん!」
京太郎「着いたみたいですけど、結構並んでますね……」
咏「やっぱオープンしたばっかだからじゃね?知らんけど」
京太郎「みたいですね、まぁとりあえずあっち並びますか」
咏「そだね」
~~~~~~~~~~~
係員「何名様ですか?」
京太郎「一般二枚d 咏「中学生一枚と一般一枚!」
係員「分かりました」
係員「入場料は1800円になります」
京太郎「どうも…」
係員「ごゆっくりおたのしみください」
京太郎(三尋木プロのおかげで安付いたな)
京太郎「そうですけど」
京太郎「てっきりおれは気にしてるんだと思ってましたよ」
咏「なにが?」
京太郎「三尋木プロがその、なんていうか、ちっちゃいのを……」
咏(ウッ…)グサッ
咏「いやぁ~、せっかく小さいんだから利用しないっと勿体無い気がするじゃん?知らんけど」
京太郎「ははっ、そうですよね~」
咏(うぅ……結構気にしてるのに……)
咏「う、うん、そだね…」
咏(いよいよか……)ゴクリ
~~~~~更衣室~~~~~~
咏(はぁ……)
咏(ちっちゃいって言われちゃったな……)ガクリ
咏(私だってできるなら小鍛冶プロみたいないい感じにエロチックな体つきがよかったのに……)
咏(しかも今から水着見せなきゃだし……)
咏(ほんとどうしよ……)
京太郎(三尋木プロの水着かぁ)
京太郎(どんなんなんだろ?)
京太郎(いつも浴衣姿しか見てない分ワクワクがおしよせてくるぜ!)
京太郎(あぁ~気になって仕方がない)
京太郎(さっさと着替え済ましていくか!)
京太郎(はやく来すぎたか)
京太郎(待たせるよりはましだし良しとするか……)
咏「お、おまたせ……」オズオズ
京太郎「そんなに待ってないですよ」
京太郎(あれ?)
京太郎「なんでタオル巻いて出てきてるんですか?」
咏「だって、京太郎くんがその……」
咏「ちっちゃいとかうからっ」///
京太郎「えっ」
京太郎(やっぱり気にしてたんだ……)
京太郎(さっきはデリカシーのないこと言っちゃったな……)
京太郎「その、すいません」
京太郎「で、でもおれとしてはただでかいだけっていうのよりは」
京太郎「三尋木プロみたいにその……」
咏「??」
京太郎「ちっちゃくてもしまっていてスレンダーな人の方が好きですよ?」
京太郎(おぉ、これは……)
京太郎(いかんいかん、俺のせいでこんなになってるのに……)
京太郎「もちろんです!」
咏「ちっちゃくてもいいん?」
京太郎「全然大丈夫です!」
咏(ちっちゃくてもいいんた……すっげー安心したわ~)ホッ
咏(でもこのまま許しちゃうのはちょっとなぁ)
咏(なにかやってやらないと気がすまないんだよねぇ……)
咏(むぅ……)
京太郎「急に黙ってどうしたんです?三尋木プロ?」
咏(そうだ!)
京太郎(やっぱりまだ怒ってるかな……)
咏「……だら許してあげる……」
京太郎「えっ?」
咏「だ、だから、私の事名前で呼んでくれたら許してあげるっ!!」///
咏「付き合ってんのに『三尋木プロ』ってのはどうなん?てな具合にさ」
咏「だから、京太郎くんは今日から『三尋木プロ』は禁止ね?」
京太郎「わ、分かりました」
咏「うんうん、じゃあさっそく『咏ちゃん』って呼んでみ?」
京太郎「え? ちゃん、ですか?」
咏「そうそう」
京太郎「年上に流石に年上に『ちゃん』は……『咏さん』なら大丈夫ですけど……」
咏(むぅ、まぁ名前で呼んでもらえればなんでもいっか……)
京太郎「分かりました」
京太郎(『咏さん』かぁ……間違えて『三尋木プロ』って呼んじゃいそうだな……)
咏「」ジー
京太郎「??」
京太郎(あ、そうか)
京太郎「咏さん」
咏「うん!どしたの?」ニコッ
咏(やた、なんか知らんけどやっと名前で呼んでもらえたー!)
京太郎「せっかく遊びに来てるんで早速いきますか?」
咏「そだねっ!」
京太郎(おぉ……)
京太郎(みひろ……じゃなくて咏さんはああ言ってたけど)
京太郎(腰とかキュって締まってるし、脚なんかスラッとしてるし)
京太郎(鎖骨も結構くっきり浮き出てたりして)
京太郎(すごい……エロいな……)
咏(京太郎くんなんか知らんけどめっちゃ見てるし)
咏「あの、京太郎くん?」
京太郎「へ?」
咏「そんなにまじまじ見られるとその、恥ずかしい……」///
京太郎(つい見入ってしまった)
京太郎「綺麗だったんでつい……」
咏「えっ」///
咏「そんなこと言ってもなにも出ないよ?」///
京太郎(なんか前もこのやりとりあったな)
咏「」チラッ
京太郎「??」
咏「京太郎くんおなかすいてたりする?」
京太郎(やっぱり何か出た……)
咏「遠慮しなくてもいいよ?なんか知らんけど私いますんごく機嫌いいから!」ニコッ
京太郎(さっきあんなことあっただけにおごってもらうのはな……)
京太郎「三尋木プロ」
咏「」ジトッ
京太郎「…じゃなくて、咏さん!」
咏「うん、なに?」
京太郎「流石にご馳走になるのはあれなんで…」
京太郎「あのスライダーでどちらが早くゴールできるかを競って」
京太郎「負けた方が向こうの売店でソフトクリームを二人分買ってくるっていうのはどうですか?」
咏「おっ、それおもしろそうだね♪」
咏「準備はいい?」
京太郎「オッケーです」
咏「じゃあいくよ?よ~い……」
咏「ドンっ!」
咏「よっ」 京太郎「せいっ!」
ツルっ
京太郎(あいたっ)
京太郎(スタートでミスちまった……)
ザバァーン
京太郎「くぅ、今日はちょっと調子が悪かっただけですよ……」
京太郎「でもまぁ、勝負は勝負なんでソフトクリーム買ってきますよ……」
咏「まって、私も行くっ!」
京太郎「え?ここで待っててもいいですよ?」
咏「でもほら、せっかく二人で来てるんだし二人で買いに行くほうがよくね?」
京太郎「まぁそうですね、じゃあ二人で行きますか」
咏「うん!」
京太郎「咏さんはどれ食べるんですか?」
咏「ん~、私は抹茶かな」
京太郎「じゃあ抹茶と普通のやつひとつずつ」
店員「かしこまりましたただ今お持ちいたします」
~~~~~~~~~~~
京太郎「おいしいですか?」
咏「すんごく美味しいよ」
京太郎「それは良かったです」
咏「そっちはどうなん?おいしい?」
京太郎「まぁおいしいですけど……」
咏「そ、そうなんだ……」チラッ
京太郎(食べたそうだな……)
咏「いいの?」
京太郎「いいですよ」
咏「じゃあお言葉に甘えて」
ペロッ
咏「おぉ、こっちはこっちで美味しいね!」
咏「じゃあお礼ということでこっちのも、ほい」
京太郎「え?」
咏「だからお礼だって、ほれほれ」
京太郎(かわいいな……)
京太郎「じゃあ一口だけ」
ペロッ
京太郎(それに咏さんの食べかけというのもあって……)
咏「どうかな?」
京太郎「すごくおいしいです!」
咏「そっか良かった……」
咏「じゃあささっとソフトクリーム食べちゃって次のところ行こっか」
京太郎「ですね!」
京太郎「つぎどこ行きます?」
咏「うんとね、次はあの流れるプールかな」
京太郎「分かりました」
~~~~~~~~~~
京太郎「じゃぁ入りますか」
咏「そだね」
咏「京太郎くん先に入っていいよ!」
京太郎「??」
京太郎(プールに先とか後とかあるのか?)
京太郎「じゃあお先に……」
ちゃぽん
咏(ニヤリ……)
ダキッ
京太郎「ニャバッち!!」ビクッ
咏「京太郎くん捕まえた!」
咏(にしてもおどろきかたすごいな……)
咏「えへへ、驚いた?」
京太郎「すごく驚きましたよ……」
京太郎(思わず変な声を出してしまった……)
咏「ごめんごめん、でも京太郎くんのこと驚かせたかったし」
京太郎「いや咏さん軽いしいいんですけど……」
京太郎(ってあれ?なんかここ急に流れが……)
京太郎(まずい、バランスがっ!!)
咏「うわっ、あぶなっ」
ザプーーーン
可愛くて年上でスター選手ですっごいお金もってそうな完璧超人
かわいい
京太郎「ぷはぁ」
京太郎「危なかった……ん?、咏さんはどこだ?」
咏「」プカーン
京太郎「あっ、咏さん!」
京太郎(マズイ、とりあえずプールから上げないと……)
咏(おお、このまま浮いてれば京太郎くんが助けてくれて)
咏(そのままじ、人工呼吸とかしてくれるんじゃね?)
京太郎「咏さん大丈夫ですか!?」
咏「」
京太郎(返事がない、これって結構まずいんじゃ……)
咏(むぅ、人工呼吸まだかな?)チラッ
京太郎(ん?……いま目開かなかったか?)
京太郎「咏さん?」
咏「」チラッ
京太郎(これ、もしかして……)
京太郎「咏さん、おきてますよね?」
咏「え?」
京太郎「本気で心配したんですから……」
咏(あぅ……悪い事しちゃったな)
咏「ご、ごめん……」シュン
京太郎(ぐはっ!、くそぅそんな顔されると怒れなくなる……)
京太郎「まぁ、無事だったからいいんですけど」
京太郎「でも今度からはこういうの止してくださいよ?」
咏「うん……」
咏(でも京太郎くんに人工呼吸して欲しかった……)
京太郎(少し落ち込んじゃったかな?)
京太郎「じゃあ気を取り直して次のとこ行きますか?」
咏「そだね……」シュン
京太郎「ふぅ、結構遊びましたね~」
咏「そだね、久しぶりに遊んだ、って感じだわ」
咏(人工呼吸できなかったのは残念だったけど……)
咏「そろそろ疲れてきたしもう行こっか?」
京太郎「そですね」
京太郎「今日は楽しかったですね~」
咏(人工呼吸、人工呼吸……)
京太郎「??」
京太郎「咏さん?」
咏「えっ?」
京太郎「今日は楽しかったですね」
咏「あ、うんでもやっぱり人工呼吸が……あっ」
京太郎「え?」
咏(人工呼吸で頭いっぱいだったからつい……)
京太郎(だからあの時……)
京太郎「えっと、なんかすいません……」
咏「京太郎くんは悪くないけどさ……」
咏「でもこっちとしては結構待ってたんだよね?」
京太郎「うぅ、申し訳ない……」
咏(あれ?京太郎くんまで落ち込んでね?知らんけど)
咏(あ、そだ)
咏「じゃあ京太郎くんがひとついうこと聞いてくれたら許してあげよう!」
咏「そそ、ひとつだけひとつだけ」
京太郎「で何をすれば?」
咏「うんとね、とりあえず目閉じて」
京太郎「分かりました」メヲトジル
咏「ちゃんととじてる?見えてない?」
京太郎「大丈夫です」
咏「そっかじゃあいくよ?」
京太郎「はい……」
京太郎(一体何されるんだ?)
チュウっ
京太郎「っ!」
咏「ぷはっ」
咏「フフフ、これで許してあげる!」///
京太郎「……」ポカーン
咏「あ、そうそう」
京太郎「??」
咏「私からのキスは京太郎くんからキスしてくれるまでお預けだからね?」
京太郎「え?」
咏「じゃ、そういうことで、がんばってね♪」
京太郎(また不意打ちをくらってしまった……)
京太郎(……)
京太郎(こういうのなら……まいっか……)
おしまい!
それではおいとまするぴょん!
また書いてねー
乙
Entry ⇒ 2012.08.04 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
咏「ねぇ針生さん、子供ってどうやって出来んの?」えり「」
えり「なんで……膝の上にのってるんですか……」
咏「そこに針生さんがいたから」フリフリ
咏「重かった? ごめんね~」フリフリ
えり「いえむしろ軽過ぎて怖いんですけど、体重何キロですか?」
咏「デリカシーないよ針生さん、女性に歳と体重は聞いちゃダメだって~」
咏「うわぁ~マジで!? うわぁ~」
えり「そんなにショック受けることですか?」
咏「なんかさ~、ヤじゃね? 歳はともかく体重は関係ないじゃん強さに」
えり「それにしても軽いですね、ちゃんと食べてます?」
咏「華麗にスルーしたね針生さん」
えり「どこが完璧ですかっ!」
咏「あと一日分○野菜飲んだ」
えり「間違ってます、根本的に間違ってます」ガクリ
咏「どこが~」
えり「まず栄養補助食品をメインにしないでください」
咏「うは~マジっすか」
えり「マジです。食生活改善しましょうよ、今からなら間に合いますから」
咏「いや~でもね~」
えり「歯切れがわるいですね」
えり「好きな物は?」
咏「肉だね、ハンバーグとか唐揚げ大好き」
えり「子どもですか、それじゃあ嫌いな物は?」
咏「ピーマンでしょ~人参でしょ~椎茸でしょ~茄子でしょ~」ユビオリ
えり「子どもですね」
咏「こんにゃくでしょ~鯖でしょ~、つか生臭い魚は全部無理でしょ~」
咏「両手両足合わせても無理かもしんね~」ケラケラ
えり「よく今まで生きてこれましたね」
咏「辛辣なコメントありがと~」フリフリ
えり「……」イラッ
咏「むりむり~人の食べる物じゃないよ~」
えり「苦くなくて、青臭くなかったら食べられるんですか?」
咏「しらんし」
えり「……」ガチイラ
咏「ないよ~針生さんとご飯行こうと思ってたし」
えり「なら好都合ですね、私の家に来ませんか?」
咏「……マジで」
えり「嫌でしたら外で食べますけど」
咏「イヤじゃないイヤじゃない、つか手料理? マジで?!」
咏「やった~、針生さんの手料理~」ソデブンブン
……
………
……
咏「隠れてない、ピーマンが隠れてないよ針生さん」
咏「同じだよね? 同じ野菜だよねソレ」
えり「似てますけど違います」
咏「騙された~針生さんに騙された~」シクシク
えり「泣き真似してもだめですよ」
咏「だよね~」ケロッ
咏「えっ、あーーーん」パクッ
えり「どうですか?」
咏「苦くない、むしろ甘い」
えり「青臭くもないですよね」
咏「うんうん」コクコク
えり「パプリカですから」
えり「肉厚で甘みがあって、火を通すとさらに甘みが増すんですよ」
咏「へぇ~針生さん物知り~」パクパク
えり(緑色のは本物のピーマンですけどね)
咏「ポタージュもうめ~」ゴクゴク
咏「マジで?! 全然気がつかなかった……」
えり「かぼちゃを多めに入れましたから、味がマイルドになってるんですよ」
咏「うは~凄いね針生さん」
えり「お口にあって良かったです」
咏「針生さんの料理美味しいな~また食べたいな~」
えり「三尋木プロの予定が合えばいつでも」
咏「うは~マジで? 愛されちゃってるね私~」ニヤニヤ
咏「え、」
咏「え、」
咏「えぇーーっ!?」
えり「よく胃袋を掴めっていいますよね、成功したようで何よりです」ニコッ
咏「」パクパク
えり「こちらこそ、不束者ものですが」フカブカ
咏「私さ~ずっと針生さんに好かれてないと思ってんだよね~」
えり「たしかに、最初は苦手でしたね」
咏「だよね」グサッ
えり「ちゃんと解説してくれませんし」
咏「」グサグサッ
咏「ごめん……」
えり「でも、チェックするとこはちゃんとしてて」
えり「それに気が付いたら、ただ不器用なだけなんだと思いだして」
えり「そしたらなんだか、愛おしく思てきたんです」
咏「……////」
咏「わ、私も針生さんのこと愛してるからね////」
えり「えりです、ちゃんと名前で呼んでください」
咏「え、え、えり……ちゃん……」
えり「はい、咏さん」
咏「なんかもう、恥ずかしい~」パタパタ
咏「え、えりちゃん……」
えり「はい」
咏「えりちゃん」
えり「はい」ニコッ
咏「えりちゃんえりちゃんえりちゃんえりちゃん、え~り~ちゃ~んっ!」
えり「まだ時間は沢山ありますから、だんだん慣れて行きましょうね咏さん」
咏「……うん、そうだね」
咏「で、なんでえりちゃんは余裕たっぷりなの?」
えり「わっかんねー」
おわり
咏えりすばらです!
えり「舌平目のムニエルですか、いいですよ」
健夜 (餌付けだ……)
恒子 (餌付けだ……)
靖子 (餌付けだ……)
郁乃 (餌付けやわ……)
まわりからは付き合ってるとは思われてない的なノリだとなお良い
咏「ここ最近はずっとえりちゃんの所に帰ってきてるからね~」フリフリ
えり「気が付いたら桐箪笥置いてありますしね」
咏「着物はやっぱ桐じゃなきゃね~、迷惑だった?」
えり「いえ、嫁入り道具みたいだと思いまして」
咏「////」
なんだかんだで初心だと良いよね
うたえり最高やな
Entry ⇒ 2012.08.04 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
豊音「麻雀の特訓のために部活の誰かをいじめる?」
豊音「ええっ!? そ、そんなこと絶対にできるわけないよー!!」
塞「まあ、やっぱりそうなるよね」
豊音「だってだってみんな本当にいい人達だもん!! 麻雀の特訓だとしても絶対にそんなことしないよー!」
塞「…うーん、トヨネはそこがダメなんだよね」
豊音「えっ?」
塞「前々から言おうと思ってたんだけど、トヨネはいい子すぎる」
豊音「ええっ? それって褒められてるのー…?」
塞「うん褒めてる。…だけどそれじゃダメなんだよ」
塞「トヨネはこの前の県予選決勝のこと覚えてる?」
豊音「う、うん、確か何年も連続で全国大会に出場してる学校と戦ったよね」
塞「その時さ、トヨネ相手からサインもらおうとしてたでしょ」
豊音「だって、超名門校のエースだよー! テレビで見てたからずっと憧れてたんだー」
塞「…普通対戦相手からサインはもらわないんだよ…」
塞「そのスターをボッコボコにしたのに?」
豊音「あっ…」
塞「まあ、こんな風に対戦相手にフレンドリー過ぎてもあんまりいいことはないの」
塞「もちろんそれは悪いことでもない。だけど勝負をするにあたってそれじゃあダメでしょ?」
豊音「う、うん…」
豊音「でもでも、それが誰かをいじめるっていうのには繋がらない気がするんだけどー…」
塞「確かにちょっと強引かもしれないけど、そうすることで相手に対して敵対心を持てるでしょ」
塞「トヨネは今のままじゃちょっと人懐っこすぎる。敵意っていうのを持たないと」
豊音「そ、そっか…」
塞「それにこれはトシさんからの命令でもあるし」
塞「そう。だからトヨネには拒否権が無いよ」
豊音「でもいくらトシさんの命令でも……」
胡桃「それなら大丈夫!」
白望「…ダルいけどみんな了承済みだから」
エイスリン「」コクコク
豊音「み、みんないつの間に!?」
胡桃「最初から居たよ!」
白望「物陰に隠れてた」
豊音「そうだったんだ…じゃ、じゃあ、私はみんなをいじめちゃえばいいのかな?」
胡桃「そういうこと!」
白望「うん、頑張って」
塞「いや、いじめるのを応援するのもおかしいでしょ」
胡桃「よし来ーい!」
塞「遠慮なんかしなくていいからね」
豊音「よーし!」
豊音「……」
豊音(……あ、あれ…?)
豊音(い、いじめるって何したらいいんだろ…?)
豊音(今までそんな怖いこと、したこともされたこともないからわからないよー…)
豊音(でもみんなが協力してくれるんだからやらない訳にはいかないし…)
豊音(う~ん…)
豊音(…あっ、そうだ、つまり私がされたら嫌なことをすればいいんだよね?)
豊音(…ということは……)
エイスリン「?」
豊音「や、やーい、このデカ女!」
塞「デカ女って…確かに嫌味にはなってるような気がするけど…」
エイスリン「デカオンナ?」
豊音「あ、あれ?」
白望「…トヨネ、自分がされたら嫌なことをしようって考えたでしょ」
豊音「な、なんでわかったの!?」
塞「それくらい誰だってわかるよ…で、胡桃はどう思った?」
胡桃「別に何も感じなかったよ。突拍子がなさすぎるもん」
胡桃「…ってなんで私に聞くの! 今のは誰かに言った感じじゃなかったじゃん!」
塞「ははは、ごめんごめん」
白望「…というわけでやり直し」
エイスリン「ガンバッテ! トヨネ!」
豊音「ええー…」
豊音(やっぱり相手が言われたら嫌なことを言ったりするのかなー?)チラッ
エイスリン「?」
塞「ん、何か思いついたみたいだね」
豊音(…ごめんなさいエイスリンさん!)
豊音「…こ、この……」
豊音「…このお絵かき魔!!」
エイスリン「? オエカキ、マ?」
塞「…はぁ」
胡桃「ぷぷぷ」
豊音「…あれ?」
エイスリン「オエカキマ、ナニ?」
白望「…うーんと、アーティスト、って意味かな?」
塞「あれ、何か書き始めた」
胡桃「…笑顔の絵?」
白望「エイスリン、完全に喜んじゃってるね」
塞「そりゃそうでしょ…また失敗したねトヨネ」
豊音「うぅ~ごめんなさい~……」
白望「…謝ることはないけどさ」
胡桃「ほら、もう一回頑張ってみよう!」
豊音「う、うん…」
豊音(言われたら嫌なことでもダメなんだー…)
豊音(うーんと、そうしたらもうその人のことを直接悪く言うしかないのかなー…?)チラッ
白望「…ねえ、もう止めない? ダルくなってきた」
胡桃「ダメだよ! これも全国大会に向けた特訓なんだから!」
白望「特訓になってるのかなあ…」
塞「…おっ、ほらトヨネが何か思いついたみたいだよ」
豊音(よ、よーし…)
豊音(きっとこれならいじめになるはず……ごめんね、シロ…)
白望「ん?」
豊音「…や、やーい! シロの人間充電器!」
白望「……」
胡桃「人間充電器って…」
塞「…くっ…くくっ……あははは!!」
エイスリン「?」
豊音「え? え?」
白望「…悪口になってないよ、それ。面白ニックネームみたくなってる」
塞「あははは!! あーっ、おっかしい!!」
塞「それが渾身の悪口って…」
胡桃「…やっぱり、こういうのはトヨネには向いてなかったかー」
塞「うん、そうだね」
エイスリン「ソウオモウ!」
豊音「じゃ、じゃあ…!」
塞「うん、これでこの特訓はおしまい。やっぱりこんなのじゃトヨネを変えるのは無理だよね」
豊音「…うう~、よかったよー…」
胡桃「ごめんね、無理させちゃって」
豊音「そんなことないよ! みんなが私のために協力してくれて嬉しかったよー!」
塞「ふふ、それじゃあトシさんに報告を…」
白望「…ちょっと待って」
塞「へ?」
白望「まだトヨネにいじめられてない人が居る」
胡桃「そういえば塞だけ何もされてない!」
塞「あれ? そうだっけ?」
胡桃「うん! 塞だけ卑怯だ!」
エイスリン「ヒキョウ!」
豊音「べ、別に私はもうこれでいいかなかなーって…」
白望「そういう訳にはいかない。全員平等にトヨネにいじめられるっていう約束だったし」
塞「あー…そんな約束したような」
胡桃「やっちゃえトヨネ!」
豊音「え、えーっと…」
塞「…やっちゃってよトヨネ。私だけいじめらてないっていうのも気持ち悪いしさ」
豊音「じゃ、じゃあやっちゃうよー…?」
塞「うん」
胡桃「これまでの経験を生かして!」
エイスリン「トヨネ!」
豊音「…さ、塞の……」
白望「…ふむ」
豊音「塞のボンバーマン!!」
白望「ぶふっ!」
胡桃「あははは!!」
エイスリン「ボンバー、マン?」
豊音「あっ…」
塞「な、なんで…」
豊音「ひっ」
塞「…なんで私だけちょっと本当に嫌な感じなのよ!?」
豊音「うわーん! ごめんなさーい!!」
塞「待て! トヨネ!」
塞「…と、まあこんな感じでした」
トシ「それ、最初からいじめじゃないわね」
塞「えっ」
カン
塞「ということでトシさんからダメ出しが入りました。やり直しだそうです」
豊音「ええー!? 私頑張ったんだけどなー…」
白望「…仕方ないような気もするけど」
胡桃「うん!」
豊音「…あ、そういえば結局みんなもいじめるってどういうことをすればいいのか知らなかったじゃん!」プンスカ
塞「いやー…だって私も経験したこと無いし…」
白望「そんなダルいこと知ってるわけないじゃん」
胡桃「私がそんなのを見つけたら絶対に注意するけどね!」
豊音「えー…」
塞「それじゃあ、次からはみんなで何をすればいいのか考えようよ。そうすれば豊音も大丈夫でしょ」
豊音「あっ! それ名案だよー!」
白望「…めんどくさい」
胡桃「シロも手伝うの! これも全国大会のためなんだから!」
白望「…うん、わかった」
豊音「ありがとーみんなー!」
豊音「…うーん、でも何したらいいのかわからないよー」
塞「確かに…どうしようか」
白望「…ねえ、やっぱり私帰って…」
胡桃「ダメ!」
白望「はあ…」
塞「あっ!」
豊音「何か思いついたの?」
塞「そういえば、いじめる相手には花をあげるっていうのを読んだことがある!」
豊音「は、花?」
白望「…それ本当?」
塞「うん。何かの本で読んだよ」
胡桃「ならさっそく花を買いに行こう!」
豊音「おー!」
白望「…本当に大丈夫なのかな」
豊音「あっ、この花とかちょーかわいいよー!」
胡桃「本当だ! エイちゃん喜びそうだね!」
塞「じゃあこの花にしようか。お金は割り勘でいいよね?」
豊音「うん!」
白望「…ねえ」
胡桃「ん? どうしたのシロ?」
白望「いじめなのに相手が喜ぶ花をあげるの?」
豊音「え? だってせっかくあげるんだったら喜ぶような花の方がいいよー!」
塞「うん、そうだよね。この花かわいいからエイスリンも喜ぶよ」
白望「…ならいいんだけど」
胡桃「すいませーん! お会計お願いします!」
・
・
・
エイスリン「ミンナ! オカエリ!」
豊音「えへへ、ただいまーエイスリンさん」
塞「あっ、もうエイスリン部室に来てたんだ」
胡桃「買った後も結構長居しちゃってたからね」
エイスリン「ドウシテタノ?」
豊音「…はい、これあげる!」
エイスリン「…オハナ?」
豊音「そうだよー! エイスリンさんが喜ぶかなって選んできたんだよー」
エイスリン「……」ブワッ
豊音「エ、エイスリンさん?」
塞「…あれ? まずい花を選んじゃったのかな?」
エイスリン「…アリガトウ」
豊音「へ?」
エイスリン「アリガトウ、ミンナ! タイセツ、ニ、スル!」
胡桃「喜んでもらえてよかったね!」
豊音「うん!」
塞「いやー、大成功だね。こんなに喜んでもらえるとは思わなかったよ」
白望「…何が大成功なの?」
塞「え? そりゃあエイスリンをいじめるのが……って、あれ?」
豊音「うん?」
胡桃「あれれ?」
エイスリン「?」
白望「…これどう考えてもいじめじゃないよね」
塞「し、しまったー!!」
豊音「えええー!?」
カン
まだ続くよ
塞「案の定トシさんからダメ出しをもらいました」
白望「そりゃそうでしょ…」
胡桃「他のやり方を考えないと!」
塞「うん、そうだね。花をあげるのは大失敗だったし…」チラッ
エイスリン「オミズヤリ!」ニコニコ
胡桃「かなり気に入ってもらえたみたいだね」
白望「…塞」ジー
塞「…はい、すいませんでした…」
豊音「あははー。でも困っちゃうね、私何にも思いつかないよー」
塞「うーん、私もだ。胡桃は?」
胡桃「何か思いつきそうなんだけど……ダメだー!」
塞「…いきなり八方塞がりだ」
エイスリン「ガンバッテ!」
塞「エイスリンは思いつきそうにないしなあ…」
エイスリン「?」ニコニコ
塞「どうしたの、シロ?」
白望「一つ思いついたんだけど…」
塞「ええ!?」
豊音「シ、シロが!?」
白望「…驚きすぎだと思うんだけど」
塞「あっ、ごめん。でもシロがそういうのを思いつくとは思わなかったから」
胡桃「うん! 意外!」
白望「……」
塞「ごめんごめん。それで何を思いついたの?」
白望「…確か、いじめる時は何か物を隠すらしい」
塞「物を隠す? 何を隠すの?」
白望「……さあ」
塞「え、ちょっと肝心なことを忘れないでよ! 思い出して!」
白望「……ダルい」
豊音「ま、まあ、とりあえず何かを隠すってことがわかったし一歩前進だよー!」
胡桃「そうだね!」
塞「それじゃ、何を隠す? 多分その人の所有物を隠せばいいんだと思うけど」
豊音「う、うーん…」
白望「…何でもいいんじゃない?」
胡桃「それはダメでしょ!」
塞「あー、じゃあこのモノクルを隠してよ」
豊音「え? でもでも、それって大切な物なんじゃー…」
塞「いいの。さっきの失敗の責任を取らしてよ」
白望「…じゃあ決まりで」
豊音「う、うーん…」
胡桃「塞がそう言ってるんだから、そうしようよ!」
豊音「…うん、それもそうだね。じゃあモノクル預かるよー」
塞「はい」
塞「うん、わかった」
豊音「いいって言ったら入ってきてねー」
塞「また後で」ガラガラ
豊音「……よし、それじゃあどこに隠そっか?」
胡桃「うーん、やっぱり簡単に見つからないところだよね」
豊音「それじゃあ黒板の裏とかはどうかなー?」
胡桃「あっ、いいかも!」
白望「……ねえ、何やってるの?」
豊音「え? 塞のモノクルを隠すところを考えてるんだよー? シロはどこがいいと思う?」
胡桃「塞はこういうの得意そうだからなー。難しくしないと!」
白望(…何か自分の考えてたのは違うことになってる気がする)
白望(……まあ、いいか。ダルいし)
白望「…どこでもいいと思うけど」
豊音「えー? それじゃダメだよー」
エイスリン「……」ムムム
エイスリン「ワカンナイ!」
豊音「あははー、そっかー」
胡桃「ねえねえ二人とも! ここなんてどうかな!」
豊音「あっ、いいかもー! 多分塞でもここならわかんないよー」
エイスリン「イイ!」
白望「……」
胡桃「よし、じゃあ隠して…っと、さっそく塞を呼ぼうか!」
豊音「うん!」
エイスリン「サエー! イイヨー!」
塞「ん、もう終わったの?」ガラガラ
豊音「そうだよー!」
胡桃「結構自信あるよ! 塞でも見つけられないと思う!」
塞「うーん、見つけられるかなー…」
塞「ありがとう、エイスリン。じゃあまずは……黒板の後ろはどうかな?」ゴソゴソ
塞「……うーん、無いかー」
豊音「あ、危なかったねー…」
胡桃「うん。さすが塞だ」
エイスリン「アブナイ!」
塞「え? じゃあこの近くにあるのかな?」
豊音「あっ!」
胡桃「しまった!」
塞「えーっと、この近くで何かを隠せそうなところは…」ゴソゴソ
豊音「はわわわ…そ、その近くには無いよ!」
エイスリン「ナイヨ!」
塞「ははは、逆にわかりやすくなってるよ」
豊音「うぅ~…」
胡桃「トヨネ、もう諦めよう…」
豊音「は、早すぎるよー…」
塞「ふふ、トヨネ達がヒントを出しすぎだよ」
エイスリン「オメデトウ! サエ!」
塞「うん、ありがとうエイスリン」
胡桃「さっきからエイちゃんはどっちの味方なの!」
エイスリン「エヘヘ」
豊音「それにしても面白かったね!」
塞「うん。こういうのも悪くないね」
胡桃「次は私が探すのやりたい!」
豊音「うん、いいよー! 今度は絶対に見つからないようにするんだからねー!」
塞「ふふふ、私の隠す場所を見抜けるかな?」
エイスリン「クルミ、ガンバッテ!」
胡桃「じゃあ教室の外で待ってるね!」
豊音「うん!」
胡桃「へ?」
塞「どうしたの? もしかしてシロもモノクル探したいの?」
白望「…そうじゃなくて、トヨネ達目的忘れてるでしょ」
豊音「目的?」
エイスリン「?」
白望「これ、いじめるために始めたことじゃなかったっけ」
胡桃「…あっ」
白望「いじめなんかじゃなくて、ただの宝探しゲームになってる」
塞「し、しまったー!!」
豊音「えええー!?」
カン
胡桃「トシさんは何て言ってたの?」
塞「…言わなくてもわかるでしょ」
豊音「トシさんちょー怖いよー…」
塞「…うーん、とは言っても、もうすること思いつかないよね」
豊音「うん、無理だよー」
エイスリン「ムリ!」
胡桃「ふっふっふー…この私にお任せあれ!」
塞「え? 胡桃何か思いついたの?」
豊音「そういえばさっき何か思い出せそうって言ってたね」
胡桃「うん!」
塞「それでどんなことを思い出したの?」
胡桃「昔テレビか何かで見たんだけど、いじめる人を仲間はずれにしてたよ!」
塞「仲間はずれかー…」
豊音「うわー! それっぽいねー!」
胡桃「でしょー!」
塞「じゃあそれで行ってみようか。ターゲットは…」
胡桃「シロでいいんじゃない? 今ちょうど居ないし」
塞「あれ、本当だ。どこに行ってるの?」
豊音「塞と入れ違いみたいにトイレに行ったよー」
塞「そっか、ならシロでいいか。さっきの責任も取ってもらうことで」
エイスリン「シロ、ナカマハズレ?」
豊音「うん、そうだよー」
エイスリン「?」
胡桃「ねえどうやって仲間はずれにする?」
塞「あー…やっぱり麻雀でいいんじゃない? 人数もぴったりだし」
豊音「了解!」
胡桃「さっそく麻雀の準備しよう!」
塞「まあ、そんな準備が必要なことでもないけどね」
豊音「あっ!」
塞(来たか…!)
エイスリン「シロ、オカエリ!」
塞(ん?)
胡桃「あっ、おかえり」
豊音「お、おかえりー!」
塞「よ、よし、じゃあ麻雀でもやろうか!」
白望「…えらく突然だね」
塞「そ、そうでもないよ! あっ、でも5人いるから全員は打てないね!」
胡桃「ほ、本当だ!」
豊音「た、大変だねー!」
白望「…今更何言ってるの? 元々5人しかいないんだからそんな驚かなくても…」
胡桃「し、仕方ないから誰か外れてもらおうか!」
塞「1人で寂しくしててもらおう!」
塞「そ、それじゃあ外れてもらうのは…」
白望「あっ、私でいいよ」
塞「え?」
豊音「あっ」
白望「ダルいし、昨日はいっぱい打ったから今日は外れてるよ」
胡桃「し、仕方ないね! シロには寂しくしててもらおう!」
白望「うん…?」
エイスリン「シロ!」
白望「どうしたの?」
エイスリン「!」バッ
白望「…バトンタッチしてる絵? 代わりにエイスリンがなるって意味?」
エイスリン「ウン!」コクコク
塞「ちょっ、エイスリン!」
白望「……うーん、私はいいよ。エイスリンが打ちなよ」
白望「うん。私は大丈夫だよ」
エイスリン「ソッカ!」ニコニコ
塞「じゃ、じゃあ麻雀始めよっか!」
豊音「うん!」
白望「…ダルい」
塞「あははー、麻雀面白いね!」チラッ
豊音「そ、そうだねー!」チラッ
白望「……」ダルダル
塞「…うっ」
胡桃「ぜ、全員でできないのがもったいないね!」チラッ
豊音「ほ、本当だよー!」チラッ
白望「……眠い」ダルーン
豊音「…むむ~」
塞「そ、そうかもねー!」チラッ
白望「…zzz」
胡桃(寝ちゃったよ…!)
塞(というかこれ…)
豊音(…いつも通りのことなんじゃないかなー…?)
エイスリン「ツモ! メンタンピンドラ2!」
塞「…あ、はい」
豊音「親ヅモかー…」
胡桃(ラス転落…)
・
・
・
エイスリン「シロ、オキテ!」
白望「……うーん…あれ?」
塞「もう下校時刻よ。いつまで寝てるのよ」
白望「…あー、ごめん」
胡桃「シロ、寝過ぎ!」
豊音「そういえば今日のエイスリンさんすごかったんだよー!」
塞「うん、シロでも危なかったかもね」
エイスリン「エヘヘ」
白望「そうだったんだ。じゃあ明日いっぱい打とうか」
エイスリン「ウン!」
胡桃「今日は全然麻雀打てなかったもんねー。まったく、誰のせいだか」チラッ
塞「ちょっと、私のせいじゃないでしょ! 言うならトシさんに文句言ってよ!」
豊音「あははー、それは怖いねー」
白望「…それじゃあ帰ろうか」
豊音「そうだね!」
トシ「まあ、こうなるわよねぇ」
トシ「…ふふ、あの子たちはあの子たちのままの方が強いってことかしら?」
トシ「頑張りなさい…」
カン
ちなみにエイスリンは仲間はずれの意味をわかっていませんでした
乙です。豊音ちゃん可愛い みんな可愛い 楽しかったです
宮守仲良しかわいい
Entry ⇒ 2012.08.03 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
怜「東京バナナ食べたくなってきたわ」
怜「あれ食べたいわ~」
怜「あのカステラみたいな生地の中にバナナのカスタード入ってる奴」
怜「あれなんて言うんやったっけなぁ、、、」
ほれ
怜「違うな、こんな名前やなかったはず、、、」
怜「もっとこう『東京のお土産』ってことがわかる名前やったきがするわ、、、」
怜「、、、、」
怜「あっ」
怜「思い出したわ、確か東京バナナやったはず」
怜「あかん、名前思い出したらますます食べたくなってきてしもたわ」
怜「確か竜華が駅のお土産屋に売っとる言うとったっけ、、、」
怜「ホテル出るんめんどいなぁ、、、」
グゥ~
怜「、、、」
怜「確か駅までは歩いて10分ぐらいやったっけ」
怜「しゃあないしちょっと行ってくるか、、、」
怜「やっと着いたわ」
怜「思ったより疲れたな、、、」
怜「さっさとこれ買って帰ろか」
怜(なんやあのレジの前長い列できとんなー)
怜(おっ、あっちのレジは空いとるやんけ)
怜(あっちのレジ並ぶか)
ドンっ
怜「あっ、すんません」
煌「いえ、こちらこそ申し訳ない、、、」
怜&煌「「!?」」
> 突然のすばら <
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
煌「そういうあなたは千里山の先鋒ではありませんか」
怜「それで、、、えーっと」
煌「花田煌です、堅苦しいのは苦手なので煌と呼んでもらって結構ですよ」
怜(いきなり下の名前か?!、、、)
怜「そ、それで煌はこんなとこらで何してたんや?」
煌「地元の知り合いのためにお土産を買いに来てたところですよ」
怜「なんや、こっちだけ下の名前で呼ぶんもあれやからこっちも怜でええで?」
煌「これは失礼、それで怜さんはここで何を?」
怜「こっちも煌とおんなじや」
怜「いうてもこれは自分のためのものやけどな」
煌「そうですか」
怜「そうやで」
怜&煌「「」」
怜&煌((気まずい、、、))
煌「そういえば怜さんはこのあと用事がありますか?」
怜(どうしたんや急に、、、)
怜「特にないけど、、、」
煌「それなら二人でこれからそこらへんでもぶらつきませんか?」
煌(あっ、、、)
煌(ただでさえ気まずいのに、、、)
怜(ふ、二人でか、、、)
怜(ほんまは気まずいし行きたくないんやけど、、)
怜(こんなにストレートに誘われたらことわりにくいわ、、、)
怜「ええな、それ!」
怜「それでどこ行くん?」
煌「そうですね~、怜さんはどこかいきたいところは?」
怜「うちは普段から外出歩かんから、、」
怜「こういう時どこ行けばええんかわからんねん」
煌「そうですか、、」
煌(困りましたね)
煌(私もこんな都会で遊んだことはあまりないですからねぇ、、、)
煌「そ、それならとりあえず服でも見に行きますか?」
怜「うん、わかったで」
煌「着きましたね」
怜「せやな、んじゃ早速見に行こか」
怜「ん?あれなんか煌にに合いそうなんとちゃう?」
煌「あれですか?ふむ、ああいう派手目のはわたしには似合わないと思いますが、、、」
煌「それよりあっちのなんて怜さんに似合うと思いますよ?」
怜「そやろか?ちょっと試着してみよかな?」
怜「店員さ~ん!」
店員「はい」
店員「あぁ、それならあちらの試着室をご利用ください」
怜「おおきに」
~数分後~
煌「着替え終わりましたか?」
怜「終わったんやけど、、、」
煌「??、どうかしたんですか?」
怜(なんかいざ見せるとなったらちょっと恥ずかしいわ、、、)
怜(ま、まぁ鏡見て変なとこもないし大丈夫やろ)
怜「いや、なんでも、、、」
怜「ほな見せんで~」
怜「ど、どうやろか?」
煌「これは、、、」
怜(煌なんやすごい顔してるわ~、やっぱ変なとこでもあったんか?)
怜「やっぱどっか変やろか?」
煌「いえそんなことはありません」
煌「とてもスバラです、すごくかわいいですよ?」
怜(か、かわいいて、、、さらっとそんなん言われたら照れてまうわ、、、)///
怜「そ、そうか、、そんならこの服買ってくわ、、、」///
怜(むぅ、、、)
怜(ちょっと仕返ししたろか、、、)
怜「店員さ~ん!」
煌「?」
店員「いかがなさいましたか?」
怜「ツレがあの服試着したいゆうてんねんけど、、」
煌「え、私別にそんなこといってまs」
店員「そうですか、それではどうぞこちらへ」
怜「うち煌がこの服着とるとこみてみたいわ~」
煌(うぅ、、、)
煌(正直この服が似合う自信はないですが、、、)
煌(ここまで来てしまったら着てしまったほうがよさそうですね、、、)
怜「煌まだ~??」
煌「少しお待ちください」
~数分後~
シャー←(カーテンオープン)
煌「どうでしょうか?」
怜(うっわ、予想斜め上を行く感じで可愛いやんけ、、、)
煌(怜さんが黙ってしまいましたね、、、)
煌(やっぱり似合ってないのでしょうか、、、}
煌「どこかおかしいでしょうか?」
怜「あまりにも可愛いもんやからなんかゆうん忘れっとたわ」
煌「っ!」
煌(か、かわいいですか、、、)
煌(普段そのようなことをあまり言われない分)
煌(なにか、こうグッとくるものがありますね、、、)
煌「ありがとうございますっ」///
煌「では私もこの服を買って行くことにします」///
怜(ふふ、めっちゃ赤くなっとるな、、)
怜(仕返し成功や!)
怜「ふぅ、結構おもろかったなぁ~」
煌「ですね、久しぶりいい買い物をしたきがします」
怜「せやな」
怜(おいしいもんもみれたしな)ニヤリ
煌「それでは次はどこに行きましょうか?」
怜「う~ん」
怜「あっ、あれ行ってみたいわ、あれ!」
煌「あれとは?」
怜「ゲーセンや、ゲーセンでプリクラっちゅうの撮ってみたいわ」
煌「では早速行きましょうか」
怜「せやな」
~イドウスンデー~
怜「おぉっ、これがプリクラかいな!」
怜「いっぱい種類あんな~、どれで撮ろうか?」
煌「私もあまりプリクラは詳しくないですからねぇ、、」
煌「とりあえずその一番手前ので撮りましょうか」
怜「そうしとくか」
煌「写真を撮るだけなのに大袈裟ですね」
怜「そういう煌もガッチガチやんけ」
煌「そ、そんなことはありませんよ」アセアセ
怜(おぉ、慌てとる顔もかわええなぁ、、、)
怜「お、そろそろ撮るみたいやで」
煌「みたいですね、、」
パシャリ
怜「一枚目はどんな感じなっとるやろか」
煌「なんか棒立ちって感じですね、、、」
怜「なんや味気ないなぁ、、、」
煌「??」
怜「せっかく二人で撮るんやし、腕組んでみん?」
煌「う、腕ですか、、、」
怜「せや」
煌(ま、まぁ棒立ちよりは見栄えもよさそうですね、、、)
煌「わかりました」
ギュッ
怜(こ、これは、、、)
怜(自分で言っといてなんやけどめっちゃ近いな、、、)
怜(なんかドキドキしてきたわ)///
煌(髪からもいい匂いがします、、、)
怜(あかん、煌の顔めっちゃ近いわ)///
怜「おっ、そろそろ二回目のシャッターやで」///
パシャリ
怜「二枚目どなったやろか?」
煌「そうですね、、、」
煌「っ!」
煌(顔が真っ赤なのがそのまま写ってしまってます、、、)
怜「どれどれ」
怜「あっ」
怜(うちの顔めっちゃ赤いやんけ)
怜(なんか言われたりせんやろか、、、)
煌(二枚目の感想についてはあまり掘り下げないほうが身のためですね、、、)
怜(二枚目についてはあんまりふれんほうがええな、、、)
怜「け、結構いい感じに取れたなぁ」アセアセ
煌「そうですね~」アセアセ
怜「お、なんか撮った写真にらくがきできるみたいやで~」アセアセ
煌「おもしろそうですねー」アセアセ
怜(なんとかバレずに済んだみたいやな、、、)ホッ
煌(バレずに済みましたね)ホッ
怜「煌の顔にらくがきしたるで!」
怜「ここをこうしてこうやっ」
煌「むむっ」
煌「やりましたね、、、」
煌「では私は怜さんのここをこうしちゃいます!」
怜「お、やりよったな~」
煌「とてもスバラでした」
怜「せやな~」
怜「ん?なぁ煌」
煌「どうしました?」
怜「次あれやってみたいわ~」
煌「あれは、、、太○の達人ですか」
怜「やったときあるん?」
煌「ええ、まぁ、、」
怜「そうなんや」
煌「週に9回程度ですがね、、、」
煌「望むところです」
チャリン
<キョクヲエラブドン!
怜「うちやったことないし煌が好きなん選んでええで」
煌「ではお言葉に甘えて、、、」
怜「ん??この曲難易度10って書いてあるで?大丈夫なん?」
煌「問題ありません」キリッ
怜「そんならええけど」
<コノキョクデアソブドン!
<フルコンボダドン!
怜「あかん、めっちゃ疲れたわ~」
怜「ふつうのノルマクリアも出来んだし、、、」
怜「それに比べて煌はすごすぎやろ!!」
煌「た、たいしたことないですよ」
怜「難易度10フルコンボて、ほんますごいわ」
煌「マイバチがあれば全良もできるのですが、、、」
怜「マ、マイバチて、、、」
怜「あっ」
煌「どうしました?」
怜「みんなに何も言わんとホテル出てきてるん忘れとったわ」
煌「それはまずいですね、、、」
怜「竜華からストーカーばりにメール来てるし、、、」
煌「ではきょうはこの辺にしときますか」
怜「せやなぁ」
煌「はい」
怜「今日はありがとな、ホンマ楽しかったで」
煌「それはなによりです」
煌「」
怜「」
煌「怜さん」
怜「どした?」
煌「私たちはあすの飛行機で福岡に帰ります、、、」
怜「そうなんか、、、」
怜(行ってまうんか、寂しいな、、、)
怜(もちょっとおればええんに、、、)
怜「あったら?」
煌「その、、、大阪の案内とかしてもらってもいいですか?」
怜「そんなんいいに決まっとるで!」
怜「その代わり、、、」
煌「??」
煌「はいっもちろんです!」
怜「そんなら約束やで?」
煌「約束です!」
~ユビキリユビキリ~
prrrrrrrr
煌「おっと、私の方も部員にさがされてるみたいですね、、、」
怜「あかんわぁ、しばらく煌に会えんと思うとなんか泣きたくなってきてしもた、、、」
煌「泣きたくって、、、もう泣いちゃってるじゃないですか」
煌「そんな顔しないでください、、、」
怜「そんなこと言われても寂しいもんはさびしいんや」
煌「ふぅ、しょうがないですね、、、」
チュッ
怜「っ!」
怜「え?今の、、、」
煌「また会うための約束の印ですよ」
怜「こんなんされたら泣き止むしかないやんか、、、」
煌「ふふ、泣き止んでもらえるなら私はずるくていいですよ」
煌「ではそろそろ行きますね」
怜「うん、また会おうな、煌」
煌「はい、また会いましょう、怜さん」
煌「ではっ」
怜(行ってしもたな、、、)
怜(近いうちに今日みたいに二人であそべるとええな、煌、、、)
END
しからばこれにて!
すばらっ!
おつおつ
Entry ⇒ 2012.08.03 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
咲「そ、そうなんだ…」和「ええそうです」
優希「いいじぇ。私は学食でタコスを買ってくるから咲ちゃんはのどちゃんと二人で待ってて欲しいじぇ」
咲「うん、わかった」
和「それじゃああの木陰に行きましょうか」
咲「そうだね」
和「ところで咲さん」
咲「ん?」
和「IPS細胞というので同性の間でも子供ができるらしいです」
咲「へぇ、そうなんだ」
和「そうですね」
咲「優希ちゃんまだかな」
和「まだかな、といえばですが」
咲「ん?」
和「IPS細胞というので同性の間でも子供ができるらしいです」
咲「はは、そうなんだ・・・」
和「ええ。興味深いですよね」
咲「そ、そだね・・・」
咲「遅いよー」
和「では食べましょうか」
咲「うわ~、和ちゃんのお弁当すごいねー」
優希「自慢じゃないが、のどちゃんは料理だけじゃなく成績優秀、その上おっぱいも大きいんだじぇ。正にお嫁さんにしたい女の子ナンバーワンなのだ」
咲「和ちゃんは男子にも人気あるもんね」
和「ですが・・・」
咲「ですが・・・?」
和「IPS細胞というので同性の間でも子供ができるらしいです」
咲「う、うん・・・(さっきも聞いたよ・・・)」
咲「そ、そうだよね。他の話をしようよ」
和「わかりやすく説明するとですね、私と咲さんの間にも子供はできるということです」
優希「えぇー!?うそー!?ほんとなのかのどちゃん!?」
和「本当です」
咲「で、でもこれは例え話でしょ?あはは、和ちゃんったら」
優希「なーんだ。てっきり咲ちゃんとのどちゃんが子供を作るのかと思っちゃったじぇ」
和「その可能性は否定できませんがね」
咲「えっ・・・」
和「IPS細胞は万能なんです」
優希「ふーん・・・」ムシャムシャ
和「万能なんです」キリッ
咲「う、うん、わかったよ・・・(なんでキリッとした顔で私に言うの・・・)」
優希「さーきちゃん!」
咲「わっ!?優希ちゃんかー。びっくりさせないでよ」
優希「ぼんやりしてる方が悪いんだじぇ!それより早く部活行こうじぇー」
咲「うん」
咲(部活の時間になればいつもの和ちゃんに戻ってるよね・・・?)
咲「何かあったのかな?行ってみよう」
まこ「おお、咲に優希。大変なんじゃ」
咲「どうかしたんですか?」
まこ「それがな、京太郎の奴が龍門渕に転校することになったんじゃ」
優希「えぇー!?じゃあ、これからは誰が私のタコスを買ってきてくれるんだじぇ・・・?」
久「自分で買いなさい」
咲「部長、本当なんですか?」
久「ええ、私もさっき知ったばかりなんだけどね。詳しくは須賀君に聞いてみたら?」チラッ
京太郎「みんな、すまない」
和「私は応援していますから」
咲(応援・・・?京ちゃん、勉強はそんなにできなかったはずなんだけどな・・・)
京太郎「前々から考えていたことだったんだよ咲」
咲「どういうこと?」
京太郎「以前県大会で俺がタコスを買いに行ったとき、龍門渕の執事さんにタコスの売ってるとこまで案内してもらったことがあっただろ?」
優希「あの時は助かったじぇ」
京太郎「その時からあの執事さんとは個人的に仲良くさせてもらってたんだ」
咲「う、うん」
京太郎「でも、俺もハギヨシさんも男同士だろ?だから色々と難しくてな・・・」
まこ「何がじゃ!」
京太郎「そんなときだった。和がそんな俺たちに知恵を授けてくれたんだよ」
久「その知恵っていうのが」
和「iPS細胞です」
京太郎「俺とハギヨシさんはその可能性にかけたんだ」
優希「そうだったのか・・・。京太郎はiPS細胞を知ってしまったのか・・・」
京太郎「ハギヨシさんの務め先の龍門渕のお嬢様にも相談したら、お父様の協力も取り付けてくれて、龍門渕全体で俺たちのバックアップをしてくれることになったんだ」
和「愛が全てを動かしたんですね」
咲「それで龍門渕に転校を・・・」
京太郎「本当ならもっと早くに話すべきだったんだが、どうにも照れ臭くてな・・・。悪い」
優希「水臭い奴だじぇ。でも、良かったな。私も応援してるじぇ?」
京太郎「ありがとな、優希」
咲(え・・・、え・・・?おかしいよこんなの・・・。なんでみんな受け入れてるの・・・?)
京太郎「俺です。ハギヨシさんには龍門渕家の執事っていう仕事があるんで」
まこ「なるほどのう。龍門渕高校に通いながらiPS細胞のアレをアレするんかい」
京太郎「ええ、そうなります。みなさんには短い間でしたが本当にお世話になりました」
久「体には気をつけるのよ?」
まこ「赤ちゃんが生まれたら顔見せるんじゃぞ?」
優希「龍門渕に行っても頑張るんだじょ!」
和「須賀君、元気で」
京太郎「咲、お前も今までありがとな」
咲「あ、うん。京ちゃんもお幸せにね」
咲(わわっ、雰囲気に流されて祝福の言葉を送っちゃったよ!こんなの絶対おかしいのに!)
久「行っちゃったわね・・・」
優希「あ、肛門に執事さんが車でお迎えに来てるじぇ」
和「大切にされてるんですね。羨ましいです」
まこ「清々しい男じゃったの・・・。須賀だけに・・・の」
和・久・優希・まこ「「「「HAHAHA」」」」
咲(えぇ~・・・。何でみんなこんな和やかムードなの~・・・?)
ヴヴヴヴヴ
咲「メール・・・?誰からだろ」
咲「和ちゃんが携帯持たせてくれたけどいまいち使い方がわかんないよー。・・・あ、部長からだ。えーと、内容は・・・」
「iPS細胞に気ヲツ」
咲「・・・これは?しかも文面も後半がカタカナだし途切れてるっぽい。携帯が壊れてるのかな?明日和ちゃんに見てもらおう」
咲「今日はもう遅いし寝よっと」
咲「Zzz・・・」
和「どうしたんですか咲さん?」
咲「なんか昨日部長からメールがあったみたいなんだけど、文面が途中で途切れてるみたいで・・・。せっかく和ちゃんが携帯持たせてくれたのに私壊しちゃったのかな・・・?」
和「・・・ちょっと貸してみて下さい」
カチカチ
咲「ど、どうかな・・・?」ドキドキ
和「!?」
和「・・・・・・・・・」
カチカチ
咲「や、やっぱり壊しちゃったのかな・・・?」
和「いえ、壊れていませんよ?というよりそんなメール自体来ていませんし」
咲「えっ・・・!?うそ・・・」
咲「ほ、ほんとだ・・・。部長のメールがない・・・」
和「夢でも見てたんじゃないでしょうか」
咲「そ、そうかも。あはは、ごめんね、わざわざ見てもらっちゃって」
和「いえ、構いません」
咲「せっかく和ちゃんがくれた携帯電話だから壊さないように大事にしてたし、壊れるなんておかしいと思ったんだー」
和「咲さん・・・///」
咲「じゃあ部室に行こっか」
和「ええ」
咲「ふふ、元気いいね」
優希「タコス食ったばっかだからな。それより早く麻雀しようじぇー」
咲「そだね」
和「それじゃあ卓と牌を準備しますね」
まこ「・・・・・・・・・」
咲「どうしたんですか染谷先輩?」
まこ「久なんじゃが、今日は授業もずっと休んでここで寝とるみたいなんじゃ」
部長「大丈夫も何も私は元気よ?今日は寝たい気分なだけで」
まこ「まったく、あまり心配させんでくれ」
咲「あはは、そんな日もありますよね。あ、そういえば部長。昨日の夜にメールとかくれました?」
久「メール・・・。そう、メール・・・。いえ、していないわ。きっと気のせいでしょう」
咲「ですよね。さっき和ちゃんに見てもらったんですけど、そんなメールありませんでしたし」
和「・・・・・・・・・」
優希「みんな、早く麻雀しようじぇー」
和「ええ、そうですね」
まこ「よし、じゃあ始めるとしようかのう」
部長何されたんだ・・・
まこ「そうじゃのう」
咲「じゃあ部室に鍵を・・・って、そういえば部長がいたんだった」
久「私が鍵かけてくからみんなは先帰っていいわよー」
優希「はーい。じゃあ帰ろうじぇー」
咲「う、うん・・・」
久「これが・・・」
和「風越の福路さんでしたっけ?彼女と上手くいくといいですね」
久「ええ、ありがとう」
和「それと、これを渡したんですからくれぐれも咲さんには・・・」
久「ええ。わかってるわ。これを手に入れた以上、貴女を動揺させる為に咲に何か・・・ってことはないから安心して」
和「本当に人が悪いんですね」
久「お互い様よ。これが手に入ると思ったら、嬉しさで今日は授業なんて出れる状態じゃなかったんだから」
和「まあ、龍門渕みたいにお金持ちじゃないとこれは手に入りませんからね。その点須賀君は上手くやれたんじゃないかと」
久「それじゃあ私はこれで。あ、もう清澄に来ることはないと思うから後のことは任せたわよ」
和「はい、任せて下さい」
和「バカな人・・・」クスッ
和「さあ、私は何も知りませんけど」
咲「校長先生の話は長いから困るよね」
和「そうですね」
咲「じゃあ体育館に行こっか」
咲「うっ、うぅ・・・。そんな・・・部長が死んだなんて・・・」グスグス
和「そうですね。私もまだ信じられません」
優希「これは朝会じゃ言ってない情報なんだけど、昨日の夜に部長はホテルで他校の女の子と一緒だったらしいじぇ」
咲「部長はそんな人じゃないよ!」
優希「で、でも、朝の新聞にも名前は公表されてないけど出てたじぇ・・・。死因は不明だけど、心中だったんじゃないかって・・・」
和「優希、咲さんが泣いてるんだから話題を考えなさい」
優希「ご、ごめんだじぇ・・・」
咲「ううん、もういいよ。私こそごめんね」
優希「みんなどうするんだじぇ?先生が麻雀部と学生議会の人はショックが大きいから休んでいいって言ってたけど」
咲「私は今日は帰るよ・・・。こんな泣き腫らした顔じゃ、ね・・・」
優希「そっか・・・。じゃあ私も帰るじぇ。みんなまた明日ー」
咲「うん・・・」
和「咲さん」
咲「何・・・和ちゃん・・・」
和「帰ったらどうするんですか?」
咲「特に考えてないけど・・・」
和「そんな悲しそうな咲さんを放っておくなんて私にはできません。今日は私と一緒にいてくれませんか?」
咲「・・・優しいんだね。うん、ありがとう。それじゃあ和ちゃんの好意に甘えさせてもらおうかな」
和「ええ。それじゃあ私の家に行きましょうか」
和「そんなことないですよ・・・。あ、そこで待ってて下さい。何か飲み物を持ってきますから」
咲「うん、ありがと」
和「お待たせしました」
咲「ううん、全然待ってないよ」
和「はい。外国の飲み物なので味はちょっとアレかもしれませんがどうぞ」
咲「わあ、珍しいものをありがとう。どれどれ・・・」ゴクッ
和「・・・・・・・・・」ニコニコ
咲「あはは、ほんとだ。なんか変な味がする・・・よ・・・」バタッ
和「意識を失ったみたいですね。さすが即効性・・・」
和「それより咲さん、知ってますか?」
和「iPS細胞があれば同性間でも子供が作れるんですよ・・・」
和「目が覚めたみたいですね咲さん」
咲「和ちゃん。ここは一体・・・」
和「私の家の地下室です。もっとも私の研究室みたいなものですが」
咲「ほんとだ、なんかすごいね。ところで和ちゃん、何で私手錠とかされてるの・・・?」
和「・・・咲さん。覚えてますか?iPS細胞のこと・・・」
咲(何で私を身動きできないようにしてるのかは答えてくれないんだ・・・)
咲「同性間で子供が作れるようになるんでしょ?それがどうかしたの?」
和「私の赤ちゃんを産んでくれませんか?」
咲「え・・・?ええー!?」
咲「で、でも、私たちまだ高校生だし・・・」
和「愛に年齢なんて関係ありません!」
咲「それはそうだけど・・・」
和「いいって言うまで帰しませんよ?」
咲「そんな・・・」
和「いっそのこと無理矢理というのも・・・。いや、無理矢理は・・・」ブツブツ
咲(ど、どうしよう・・・。和ちゃんちの地下室に閉じ込められて身動きもできない・・・)
和「咲さん、暑そうですね。地下だから熱がこもるんですよ」
咲「あ、うん」
和「気が付かなくてすみません。では脱がしますね」
咲「な、何でそうなるの!和ちゃん、お願いだからやめて・・・?」ウルウル
和「咲さん・・・」ドキドキ
咲「だ、誰か助けて・・・」
???「そこまでだじぇ!」
和「優希!?」
優希「チッ、覆面をしてたというのに一瞬でバレたじぇ」バッ
和「何で優希がここに・・・。家には鍵だってかけていたのに・・・」
優希「中学時代に合鍵を作っておいたんだじぇ。のどちゃんは鍵っ子だったからな。こっそり鍵を取って合鍵を作っておいたんだじぇ」
和「犯罪ですよ」
優希「のどちゃんのしてることの方が犯罪だじぇ。咲ちゃん、助けに来たじょ」
咲「優希ちゃん・・・」
優希「付き合いが長いからと、なんとなくかな」
和「なんとなく・・・?非論理的な・・・!」
優希「のどちゃんは中学の頃からiPS細胞iPS細胞って言ってたからな。私も咲ちゃんみたいに言われたことがあったけど、私にはのどちゃんの愛は重すぎたんだじぇ」
和「優希には冗談でしか言ってませんけど」
優希「とにかく、咲ちゃんと出会ってからののどちゃんは日増しに咲ちゃんへの愛をつのらせていったんだじぇ」
和「タコスのことしか考えてないと思ってましたけど、意外とそういうとこも見てたんですね」
優希「失敬な!」
咲「ほ、ほんとなの・・・?」
和「ええ。初めて出会って麻雀を打ったその瞬間から、咲さん。貴女は私にとっての王子様だったんですよ」
咲「・・・・・・・・・」
和「何で・・・。何で優希は私の邪魔をするんですか!?私は咲さんをこんなにも愛してるというのに!」
優希「愛・・・か・・・。ねえのどちゃん。その愛は一方通行なんじゃないのか?咲ちゃんの気持ちを確かめたことはあるのかじょ?」
和「そ、それは・・・」
優希「のどちゃん、咲ちゃんを見てみるじょ。和ちゃんにおびえてるんじゃないか?」
和「わ、私はこんなにも咲さんを愛してる・・・!だから・・・だから咲さんが私を受け入れないわけが・・・!」
咲「和ちゃん・・・」
咲「じゃ、じゃあ・・・」
和「私の子供を産むより、私に産ませる方がよかったんですよね?大丈夫です。私は咲さんを受け入れる準備はできていますから!」
咲「そ、そんなのおかしいよ・・・」
和「え・・・?え・・・?じゃ、じゃあ私は・・・私は・・・」
優希「のどちゃん。もうよそうじぇ?」
和「そんな・・・。咲さんが私を受け入れてくれない・・・?嘘だ・・・」
咲「和ちゃん・・・」
和「嘘よ。そう、これはきっと冗談・・・。そうですよね・・・?」
優希「目を覚ませこのおっぱい魔人!」バシーン
和「きゃっ」
優希「で、でも・・・」
和「うぅ・・・。私はただ咲さんが好きなだけだったのに何で・・・」グスッ
咲「和ちゃん、泣かないで」
和「咲さん・・・」
咲「子供を作るっていうのは簡単なことじゃないんだよ?だから、そういうのは責任が取れるようになってからじゃないとダメなの。わかるでしょ?」
和「はい・・・」
咲「それに、まだ付き合ってもいないうちから子供を作ろうなんておかしな話だし」
優希(・・・・・・ん?)
和「そうですね・・・」
和「わかりました・・・。でも、最後に一言言わせてください」
咲「何?」
和「私は責任はきちんと取る用意がありました」
優希「どういうことだじぇ?」
和「同性間で愛を育むというのはこの国ではまだそれほど受け入れられていることではない。だから今回は既成事実、愛の結晶を作ろうと急ぎすぎてしまいましたが」
咲「う、うん・・・」
和「私は赤ちゃんができたら二人で外国で挙式を挙げる用意も、そして暮らしていくお金だって用意していました」
優希「はぁ・・・。のどちゃんはわかってないじぇ!そんじょそこらの額ではそういうことはできないんだじょ!」
和「私はiPS細胞関連での特許や様々なことで20億以上用意してあります」
咲「20億・・・」
咲「う、うん、そうだね。和ちゃんも私が好きでやったことだし・・・。ちょっと強引だったけど・・・」
和「それじゃあ・・・!」パァァ
優希「え・・・、咲ちゃん、許しちゃうのか・・・?」
咲「うん。悪気があったわけじゃないしね。今回はやり方を間違えただけだよ」
和「咲さん・・・。好きです!大好きです!愛してます!」
咲「あはは・・・。でも、子供を作るのは高校生なんだしまだ早いよ。まずはお友達から・・・って、今がそうか。じゃあ恋人からで・・・」
和「あわわ・・・。し、信じられない・・・。私と咲さんが恋人同士・・・。優希、聞いた?」
優希「聞こえなかった」
咲「それじゃあ今回の件はこれで終わりということで」
和「は、はい」
咲「あ、もうこういう強引なことはしちゃダメだからね?」
和「わかってます!もちろんです!咲さんの言うことなら何だって!」
優希「納得がいかないじぇ・・・」
そして一年後、京太郎はハギヨシの子を授かった
高校を卒業した後は咲と和も結婚し、和は咲の子を産んだ
そう、全ては丸く収まったのだ
咲「赤ちゃんって柔らかいね」
和「そうですね」
咲「私たちの赤ちゃん・・・」
和「ねえ、咲さん。覚えてますか?」
咲「iPS細胞、でしょ♪」
和「ふふ」
咲「えへへ」
完
あと久も何だかんだで朝会のあと仮死状態から甦って福路美穂子と幸せに暮らした
面白かったよ!
京ちゃん×ハギヨシ→ゲイ、掘る→ゲイボルグ→投げ槍
そういうことでおやすみなさい
乙乙
Entry ⇒ 2012.08.02 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
竜華「いたずらごころ猫の手ほえるレパルダスや」
竜華「ふふん、すごいやろ。相手は手も足も出んっちゅう寸法や」
セーラ「もしかしてこのパーティでインハイ出る気か?」
竜華「当然や。これで優勝はウチらのもんや」
竜華「は? なんでや、対策さえされてへんかったら……」
セーラ「インハイはランダムマッチとちゃう、フレンド戦やで」
竜華「だからなんなん?」
セーラ「フレンド戦は時間制限がないんや」
竜華「あっ」
セーラ「どんだけ粘ろうとあんたのPPが尽きて負けや。
それに神速持ちのポケモンなんかごろごろおるやろ」
竜華「ああー、そうか……ええ作戦やと思ったんやけどなあ」
セーラ「だいたいそんな勝ち方しても恥ずかしいわ。
正々堂々勝負せいや」
竜華「そやなあ、はーあ」
セーラ「アホやなあ、竜華は……」
怜「…………」
竜華「怜ー、気分なおしに対戦しよー」
怜「私今ポケウッドやってるから」
そんなしょうもないもんやってたらアカンで」
怜「別にしょうもなくないわ、面白いで」
竜華「ダァホ、ポケモンは対戦ツールやで。
対戦以外の要素は全部ゴミや、不要や。蛇足なんや」
怜「はあ」
竜華「怜もポケモン対戦するためにこの部活入ったんやろ」
怜「私は皆で楽しくポケモンやれたらいいなあって」
竜華「甘い、甘いで怜。ポケモンは遊びやないんやから。
ポケウッドみたいなどうでもええもんやってる場合とちゃうで」
怜「えー、でもポケウッドでスターになったポケモンは星がつくんやで。
かっこええやろ」
竜華「星がつくからどないやっちゅうねん。ステータスが上がるんか?
努力値が上限突破するんか? 個体値が6Vになるんか? 高乱数引く確率が上がるんか?
技を急所に当てられんようになるんか? 流星群を3回連続で外さんようになるんか?
混乱やメロメロで行動不能になる確率が下がるんか? 違うやろ? 何も意味あらへんねん。
ポケモンにつく星なんかマーキングだけで充分や」
怜「何をいうてんのか分からへんわ」
怜「でも私、対戦用のポケモン全然育ててへんで」
竜華「そうなん? ちょっと見してみ」
怜「はい」
セーラ「ウルガモス、コジョンド、オノノクス……強いのいっぱいおるやん」
怜「でもそれただ適当に捕まえてレベル上げただけやし。
それやと強いポケモンにはならへんのやろ?」
セーラ「まあ、そやな」
竜華「なんやなもう、ポケモン買って対戦やらへんって……
何のために買ったんか分からんなあ」
セーラ「そこまで言わんでも」
怜「うーん、じゃあ対戦用のポケモン育てるわ……
どれが強いかとか教えて」
竜華「あんた、確かブラック2やったな」
怜「うん」
竜華「他のソフトは持ってへんの?」
怜「ブラック1は売ってしもたし、金銀リメイクは失くしてしもた」
それやったらラティオスとかクレセリアとか捕まえたらええわ」
怜「伝説のポケモンってバトルで使ってええの?」
竜華「なんや、そんな初歩的なことも知らんのかいな。
そのへん歩けば出てくるような伝説系は使ってもええねん」
セーラ「雑な表現の仕方やな……」
竜華「……まさかクレセリアもラティオスも、
厳選もせずに捕まえちゃったとか言うんとちゃうやろな」
怜「いや、まだ捕まえられてへんねん。
ラティオスをダイブボールで、クレセリアをヒールボールでゲットしようとしてんのやけど
なかなか上手くいかんでなあ」
竜華「そんなしょうもないことこだわらんでええわ!」
怜「大事なとこやで」
竜華「ボールなんかどうでもええねん、あんたマスボ持っとるか?」
怜「マスターボールはコバルオンとビリジオンに使ったよ」
竜華「あ、そう……じゃあマスボ1個分けるわ。
ついでに性格固定用にシンクロ持ちのポケモンも送るからこれでラティオス厳選せい」
怜「えー、マスターボールでラティオス~? なんかイメージ合わんわ~」
竜華「よっしゃ、じゃあそれ使うてさっさとラティオス厳選しいや」
怜「はいはい……えーと、夢の跡地夢の跡地」
セーラ「俺はラティオスよりラティアスのほうが好きやなあ」
怜「あ~、ラティアスも可愛いやんな~。映画は感動したわ~」
竜華「やかましい、無駄口叩いてんと厳選に集中せい!」
怜「竜華は見たことないの? 水の都の護神」
竜華「見とらんわ。ジラーチより前のポケモン映画なんかカスや」
怜「えー、そうかなあ」
セーラ(ジラーチから映画商法が始まったんやったな……)
竜華「で、どや? ラティオス捕まえたんか?」
怜「うん、性格もちゃんとおくびょうやで」
竜華「ステータスは?」
怜「えー……上から188、116、115、183、155、170」
竜華「ゴミやな、やり直しや」
セーラ「お前はジャッジさんか……」
竜華「は? これくらいポケモン好きなら誰だってできるやろ」
セーラ「種族値でポケモン当てるのはようやるけど実数値は……
しかも50とかじゃなく68っていう中途半端なレベルで」
竜華「うるさい、この程度はうちの部活の必修科目やで」
怜「えーと、リセットしてやり直したらええの」
竜華「そや、ちゃんと戦う直前にレポート書いたか?」
怜「そんなん昔からの常識やわ。伝説系と戦う前はレポートってな。
……よーし、またラティオスとご対面や」
竜華「今度こそ良い個体引きや」
怜「よし、捕まえた」
竜華「ステータスは?」
怜「えーと……上から205、147、133、200、171、175」
セーラ「おおー、さっきよりええ数字やんか」
竜華「なにそれ、ちょっとおかしくない? 性格ほんまに臆病か?」
竜華「なんや、ゴミ性格やないか。リセットや」
怜「ええ~、でも可愛いで。てれやさんのラティオスって」
竜華「ダァホ、何の能力にも上昇補正かからん性格に何の意味があんねん。
がんばりや、すなお、てれや、まじめ、きまぐれ、
何でこんなゴミ性格が5つもあんのかホンマに理解に苦しむわ!
RSの時代からゲーフリに要望出しまくってるけど全然改善されへん!
ホンマに厳選の邪魔やわ、こんな性格!!」
怜「なんかごめん」
セーラ「ゲーフリに要望ってお前……」
竜華「ほらっ、怜! とっととリセット、やり直しや!」
怜「えー。私このラティオス育てるわ~」
竜華「はあ!? 何を世迷言を言うとんねん!
そんなゴミみたいなラティオスどうしようもないわ、捨てえ!」
怜「あれや、出来の悪い子ほど可愛いって言うやろ」
竜華「アホ、出来の悪いポケモンに何の存在価値があんねん!
良い性格で良い個体じゃないと育てる意味なんかあらへんのや!
それが分からんのか!」
怜「あー、もう分かった分かった……捕まえなおせばええんやろ」
竜華「はあ? じゃあ対戦以外の何が楽しいんか教えてや。
ミュージカルはつまらんし、ポケウッドも面倒なだけやんか」
怜「うーん、そやなあ……あっそうや、フィーリングチェックしようや」
竜華「ふぃ、フィーリングチェック?」
怜「なんや、知らんのか? Cギアの赤外線通信で出来るんやで。
自分と誰かの相性をチェックできるねん」
竜華「ほ、ほーん…………」
怜「竜華、一緒にやろうや」
竜華「や、やらへんわそんなアホみたいなもん!」
セーラ(めっちゃやりたそうやないか……)
怜「しゃーないなあ……じゃあセーラ、やろ」
セーラ「おう、ええでー」
竜華「…………」チラッチラッ
怜「赤外線通信完了~」
セーラ「リズムに合わせて画面をタッチや~」トントントトン
セーラ「一緒に旅に出たらいいってよ」
怜「ええな~、旅行」
竜華「お、終わったんか? そんなしょうもないことやってんと
さっさとラティオスの厳選やり直さんかい!」
怜「はいはい、わかったって……あっ」
竜華「なんや」
怜「フィーリングチェックの前にレポート書かれちゃったから
ラティオス捕まえる前に戻れんようになってしもたわ……」
竜華「…………………」
セーラ「あはは、残念やったなあ」
怜「でもこっちとしては結果オーライな感じや。
ラティオスとミュージカルやろおーっと」
竜華「やめい!!」バンッ
怜「な、なんや」
竜華「じゃあもうそのラティオスでかまへんわ!
腐っても600族やからな、少々性格クソでもなんとかなるわ」
竜華「うん、もうそれでええからはよ努力値振りぃ」
怜「えー、努力値ー……?」
竜華「なんや、まさか努力値知らんとか言わへんやろな」
怜「知っとるよ、同じポケモン何百体も倒すんやろ?」
竜華「いつの時代のポケモン知識やねん!
今はそんな手間かからんわ、ポケルスにパワー系があればすぐや。
アベニューもあるしな」
怜「アベニューってジョインアベニュー?」
竜華「そうや、知ってるやろ」
怜「知ってるけど、そこでどうやって努力値ふるん」
竜華「道場があるやろ……まさか道場のランク上げてへんとか言わんやろな」
怜「道場なんか建ててへんわ」
竜華「はあぁぁ? 道場建てんで何を建ててんねん!」
怜「片方にクジ引きやさん4軒、もう片方に花屋さん4軒建ててるねん。
ほら、竜華のソフトの主人公もお店やってるで」
竜華「アホか、なんでそんなアホみたいな使い方してんねんアホ!!」
セーラ「ああ、木の実ジュースって昔はちょっとしたレアアイテムやったのに
疎まれる存在に変わってしもたな……」
怜「昔からのファンとしてはちょっと悲しいな」
竜華「やかましいわ、アホなこと言うてんとクジ引き屋なんか全部潰してまえ!
ほんでさっさと道場と保育所作らんかい!」
怜「えー、でもまだマスターボール当ててへんし~」
竜華「当たるか、そんなもん!」
セーラ「まあまあ、アベニュー使わんでも努力値は振れるやろ」
怜「そうやそうや。よう知らんけど」
竜華「ったく……分かったわ、じゃあアベニューは見逃しといたるから、さっさと努力値振るんやで」
セーラ「努力値の振り方は知ってんのか?」
怜「知ってるで。まずリゾチウムとかあげるんやろ」
竜華「まあ怜でもそれくらいは知ってるか」
怜「マックスアップ、タウリン、ブロムヘキシン、リゾチウム、キトサン10個ずつ……
あ、もう使っても効果ないって」
竜華「うおおおおおおおおおおおい!!」
ぜんっぜん分かっとらへんやないかい!!」
怜「え、この基礎ポイントってゆうんが努力値のことやろ?」
セーラ「まあ、それはそうやけどな」
竜華「ええか!? 努力値の全体の上限は510、ステータスごとの上限が255や、
普通は伸ばしたい2つの能力に特化させて努力値振るもんや!
そんでドーピングの薬は一回に付き10上げられるけど100までしか上げられへん、
全部使えんようになるまでやったら全部100で均等化されるだけやろアホ!!」
怜「え、え、え? 何? よう分からん」
セーラ「竜華……もっと分かりやすく説明したれよ」
竜華「はあ、はあ、はあ……まさか怜がこんな初心者やと思わんかったわ」
怜「ポケモンの育成って難しいんやなあ、私には無理やわ。
ミュージカルやろっと」
竜華「ミュージカルはもうええ! 努力値振り直しや、木の実持っとるか?」
怜「木の実ジュースなら山ほどあるけど」
竜華「アホ、努力値下げる木の実や。ちょっと見せい」バッ
怜「あっ」
竜華「なんや、しょぼい木の実ばっかりやんか」
竜華「またしょうもないことしよってからに……
努力値下げられへんのやったら育成しなおせへんやんか」
怜「じゃあもうええやろ、私にはそういう廃人プレイは向いとらんねん。
対戦だけがポケモンの楽しみとちゃうからな」
竜華「アホ、じゃあインターハイどないすんねん。
あんたに対戦覚えてもらわんと……」
怜「他にも部員おるやろ」
竜華「ウチはあんたの1ターン先を読む能力に賭けとんねん。
それさえあったらあんたは無敵や。あとは対戦のいろはさえ覚えたら」
怜「えー、メンドーやな」
竜華「そんなすごい力あんのに発揮せえへんのは勿体無いやろ。
な、うちと一緒に全国行こうや」
怜「嫌やって、私には対戦向いてへんって言うてるやん」
竜華「向いてるかどうかはやらんと分からへんやろ!」
怜「向いてへんと思うけどなあ……じゃあ一回対戦してみる?」
竜華「うん、やるやる! そのかわり手加減はせえへんからな!」
セーラ(露骨に機嫌良うなったな……)
怜「別になんでもええよ」
セーラ「ほー、怜のパーティなかなかやな」
怜「別にまともに育ててへんし、弱いと思うで」
竜華「よし、選出完了。あんたもはよ決定しいや」
怜「ああ、選ぶだけ選んで決定すんの忘れてたわ……ポチッとな」
りゅうかvsトキ
トキはカイリューを繰り出した
竜華「ふっ、カイリューか。こっちはマニューラや」
怜「マニューラって何タイプやったっけ……まあええか」
竜華(まあマルスケが厄介やけど、ねこだましで潰せるし……
さっき見た時に半減実もバッグになかった。ここは楽に突破できるな)
マニューラのねこだまし
相手のカイリューのドラゴンクロー ゴッゴッ
マニューラは倒れた
竜華「あ、あれっ!?」
しかし楽しそうだ
竜華「そ、そんな……マルスケ一辺倒の裏をかいた精神力カイリューやと……?
こんな高度なテクニックを使ってくるなんて……」
セーラ「ただ怜が初心者なだけやろ……」
怜「なんやねん、マルスケって。それよりはよ次のポケモン出し」
竜華「くそ、ここは慎重にいかんとアカンな……」
ゆけっ、ローブシン!
怜「ローブシンってたしか格闘タイプやろ。
飛行タイプに格闘タイプ出すって、竜華もたいがい初心者くさいな~」
竜華「アホ、んなことはローブシン倒してから言い!」
相手のカイリューのぼうふう
効果は抜群だ
ローブシンは混乱した
竜華「やばい、ちゃんと動いてやローブシン!」
ローブシンのれいとうパンチ
効果は抜群だ
竜華「た、耐えたやと? どんな努力値の振り方しとんねん!」
怜「危なかったわ~。よし、反撃やでカイリュー」
竜華(まあええわ、この程度ならマッハパンチで持ってける!)
ローブシンは混乱している
バシッ わけもわからず自分を攻撃した
竜華「ああっ、こんな時にぃぃぃっ!!」
怜「はっはっはー、運はこっちに味方しとるようやな。
カイリュー、ローブシンにとどめの攻撃やー!」
相手のカイリューのはかいこうせん
ローブシンは倒れた
セーラ「破壊光線ってお前……ロマン派やな」
怜「え? 破壊光線最強やろ」
竜華「く、くっそう……この程度の奴に2タテされるとは……」
怜「ほらほら竜華、最後の1匹はなんや」
ゆけっ、ハッサム!
怜「ハッサムって虫と鋼やったやんな? 弱点なんやったっけ」
竜華(怜のパーティに炎ポケモンはおらん……これでいけるはずや!)
相手のカイリューは攻撃の反動で動けない
怜「あれ? 相手を倒したら反動ないんとちゃうの?」
セーラ「それは初代だけやで……」
怜「そうやったっけ」
ハッサムのバレットパンチ
相手のカイリューは倒れた
竜華「はっはは、怜、これがウチの実力や! どや!」
セーラ「2体も倒されてるくせにドヤ顔ってカッコ悪いで……」
竜華「ほら、はよ2体目出しや!」
怜「うーん、ハッサム倒せるのはどっちのポケモンやろ」
竜華「こっちのハッサムは攻撃2段階上がってるからな、やわなポケモンじゃ受けきれんで」
怜「じゃあHP高い方にしよっと」
トキはソーナンスを繰り出した
竜華「ソーナンス……やと……?」
いや、こっちは攻撃力上がってるし一発で落とせるはず……
しかし怜のことやから何をやってくるか分からんな)
怜「このソーナンスな、マボロシ島で捕まえたやつを進化させてん」
セーラ「へー、マボロシ島ってルビサファのアレか? よう行けたなあ~」
怜「その時の記念のソーナンスやでー」
竜華(マボロシ島に行ったやと!? ウチなんかルビー・サファイア・エメラルドの3本を
プレイ時間カンストするまでやっても行けへんかったっちゅうのに……!)
セーラ「よう考えてみたら、怜とソーナンスってめっちゃ相性ええなあ。
相手が何をしてくるか読んでから技を選べるんやし」
怜「うん、このソーナンスのおかげでPWTも余裕やで」
竜華(怜には1ターン先を読む能力がある……うかつには動けへんけど……
いや、ここは大丈夫なはずや……力押しで倒しきれる!)
ハッサムのむしくい
相手のソーナンスはきあいのタスキで持ちこたえた
相手のソーナンスのカウンター
ハッサムは倒れた
竜華「あっ…………」
竜華「う、嘘や……対戦考察Wikiにはタスキ型なんか……」
セーラ「結局怜の勝ちか」
怜「なんや、大口叩いてた割に大したことないやん」
竜華「ち、ちゃう! 今のは運が悪かったんや!
カイリューの特性がマルチスケイルやったら、ローブシンが混乱してへんかったら、
ソーナンスの持ち物がきあいのタスキじゃなかったら勝ってたんや……」
セーラ「そんなこと言い出したらキリないやろ」
怜「そうやで竜華……なんで負けたんか分かるか?」
竜華「わからへん、ウチの戦略は完璧やったのに……」
怜「おまえがポケモンたちへの信頼と愛情を忘れとるからや!
それではどんなにがんばってもトップにはたてへんで!」
竜華「と……怜…………!!」
怜「ま、頑張って鍛え直しや……」
竜華「分かったわ、その時はまた……相手してや」
怜「気が向いたらな……」
セーラ「なんやこの茶番」
怜「まあ頑張って。私は出えへんから」
竜華「なんでやな、一緒に全国行こうや。
対戦して分かったけど怜にも素質あるって」
怜「嫌やわ、めんどくさい。
私は好きなポケモンと一緒にポケウッド極めるわ」
竜華「そんなん極めたかて何ともならへんやんか~」
怜「星がつくねん星が」
竜華「いらんわー、そんなもーん」
怜「もう、私に構ってんと竜華は自分でポケモンやってりゃええやろ」
セーラ「そうそう、楽しみ方は人によって違うんやからな」
怜「今の時期、他の高校も鍛えまくっとるやろ。
ぼさっとしてたら知らんうちに追いぬかれてまうで」
竜華「おお、そやな……今年こそあの白糸台を倒して優勝や」
セーラ「白糸台も今頃はみっちりポケモン漬けやろなあ」
怜「白糸台の人とミュージカルやりたいなあ」
セーラ「あの人らはそれこそ対戦にしか興味ないやろ……」
菫「なんだよいきなり……」
照「ほら、こっち向いて」
菫「DSで撮るのか? どうするんだ?」
照「ライブキャスターのミニゲームで顔写真を使えるから」
尭深「弘世先輩の顔を割りまくっちゃいますよ」
菫「先輩の顔をそんなことに使うな! 自分の顔でやれ!」
照「大丈夫だ、淡の顔も使ってる」
淡「いつの間に撮ったんですか……ていうかインハイに向けての練習はいいんですか?」
菫「うるさい、もうちょっとでメダルをコンプできるんだ。邪魔するな」
誠子「うーん、フォルム違いコピペロス出ないな~」ウロウロ
淡「この部活入ったの失敗だったな」
照「そうだ、ちょっと考えついたんだがいたずらごころ猫の手ほえるレパルダスってどうだろう」
淡「バカじゃないですか」
お わ り
一人フェスミッションむなしいです
おツ
また書いてね
Entry ⇒ 2012.08.01 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
亦野「おい、そこのあんた」 渋谷「ひっ」
亦野「おい、あんた」
渋谷(怖い……だれか助けて……)
亦野「おーい、聞こえないのか?」
渋谷(逃げなきゃ、このままじゃ殺される……!)
亦野「……って大丈夫か、顔が真っ青だぞ?」テヲノバス
渋谷「ひっ!」ジョバアア
亦野「……え?」
亦野「えええ!? ちょっとあんたなんで突然もらして」
渋谷「……ないで」
亦野「え?」
渋谷「殺さないでください……何でもしますから、命だけは……」ポロポロ
亦野(なんだこの状況は……あたしが何したっていうんだ……)
渋谷「ひっ……」
亦野「何もしないから、落ち着いて」
渋谷「あ……」
亦野「平気? 立てる?」
渋谷「あ……その……」
亦野「ん、無理しなくていい。とりあえずシャワー室行こう。持ち上げるよー?」
渋谷「あ、服汚れちゃう……」
亦野「いいっていいって」ヒョイ
渋谷(お姫様抱っこ///)
ロシアの暗殺部隊にいましたって言われたら信じる
渋谷「……///」
亦野(き、気まずい……)
渋谷(は、恥ずかしい……こんなとこ誰かに見られたら……)カアァ
亦野「あー、そんな周り気にしなくても大丈夫だよ。絶対見つからないから」
渋谷「え? それはどういう……?」
亦野「い、いや、ほら、あたしって運がいいんだ! だから平気だってことだよ! あは、あはは」
渋谷「は、はあ……」
亦野「そ、そういえばさ! まだ名前聞いてなかったね! あたしは亦野誠子。1年。あんたは?」
渋谷「私は1年の渋谷尭深です……」
亦野「そう、渋谷さんって言うんだ。いい名前だね。」
渋谷「あ、ありがとうございます……」
亦野「あーそうだ、同い年だし敬語はなしでいこう。いいよね?」
渋谷「は、……うん///」
シャアアアアアアアアア
渋谷「ふう……」ガチャン
亦野「ん、終わった?」
渋谷(うわあ、筋肉すごい……格闘技とかやってるのかな……)
亦野「それにしても……ほほう」
渋谷「あ、あの、あんまり見ないで……」
亦野「おっとすまんね。立派なおもちをお持ちだからついつい眺めちまった」ドヤア
渋谷「……///」カアァ
亦野「(スルーされた……)まあまあ、女同士だし恥ずかしがることもないだろう。それより、着替えそこに置いといたよ」
渋谷「ありがとう……ってこれは、スパッツ?」
亦野「あー、すまん。さすがに予備の下着は持ってなかったんだ。すまんがあたしのスパッツで我慢してくれ。」
渋谷「う、うん……(亦野さんのスパッツ直穿き///)」
亦野「あ、もしかしてパンツ穿いてない人だった? 最近じゃパンツ穿いてない人のほうが多いもんねー」
渋谷「わ、私はちゃんと穿いてる!」
渋谷「なに?」
亦野「えーと、その、なんだ、なんで急に漏らし……」
渋谷「~~~///」カアァ
亦野「あーすまん、デリカシーに欠ける質問だったな。忘れてくれ」
渋谷「うう……」
亦野(この子かわいいなあ)
亦野「うん?」
渋谷「亦野さんが怖かったから……」
亦野「あー……」
渋谷「あ、あのごめんなさい……」
亦野「いや、いいんだ。よく言われるし。まあ、目の前でお漏らしされたのは初めてだけど」
渋谷「うう……///」
亦野(かわいい)
渋谷「あ、私も……」
亦野「お、渋谷はどの部活を見に行くんだ?」
渋谷「麻雀部を……」
亦野「おお、私も麻雀部だ。」
渋谷「えっ……」
亦野「ん? どうした?」
亦野「ははは、それもよく言われるんだけどさ、あたしはそんなに運動神経よくないんだよ。」
渋谷「そうなんだ……」
亦野「あたしは麻雀部に入部するつもりだけど渋谷も?」
渋谷「うん……」
亦野「そっか、それじゃこれからは毎日一緒にいられるな」
渋谷「っ……!? そ、そうね……///」
亦野「って、なに赤くなってんだ?」
渋谷「な、なんでもない、そんなことより早く行こう……///」スタスタ
亦野「あ、待ってくれよー」
ガラッ ザワザワ ヒッ アノヒトコワイ タダモノジャナイワ ナグリコミ? ニワカハアイテニナランヨ
菫「ん? どうした? 騒がしいぞ」
モブ「あっ、弘世先輩! 大変です!」
菫「落ち着け、何があったんだ」
モブ「こ、殺し屋が来たんです!」
菫「はあ?」
モブ「本当なんです! 先輩も見ればすぐ……ひっ!」
菫「おい、どうした」
モブ「せせせ先輩、う、うし、後ろ……」
菫「後ろ? 後ろに何が……ってうわああああああああ!!!」
亦野「あのーどうしました? そんなに驚いて」
亦野「あのーよろしいでしょうか?」
菫「ななな何か用かな? うちは麻雀部だぞ? 道場はあっちだ」
亦野「いやいや、道場と麻雀部の部室間違えたわけではなくてですね」
菫「はっ! まさか白糸台麻雀部部長であるこの私の首を取りに!?」
亦野「いえ、入部希望です」
亦野「あっ、これが入部届ですか。わざわざありがとうございます」
モブ「いえいえ、これからよろしくお願いしますね、亦野さんと渋谷さん」
渋谷「よ、よろしくお願いします……」
渋谷(そ、そうなのかしらね……)ヒソヒソ
ガラッ
アッミヤナガセンパイヨ! ホントウ! リリシイ! ハヤクスミレセンパイトイチャイチャシテ!
照「みんな騒がしい……今日は新入生も来るんだから先輩らしく落ち着きを見せるべき」
ハーイ
照「ん……みんないい子」
亦野「へえ、あの人がインハイチャンプかあ。やっぱり画面越しとは迫力が違うなあ」
渋谷「あなたにそういってもらえれば本望でしょうね……」
亦野「こんにちは宮永先輩、新入部員の亦野です」オジギ
渋谷「こんにちは、同じく新入部員の渋谷です……」オジギ
照「ふむ……」
亦野「あ、あのなにか?」
照「あなたは敬礼とかするかと思った……」
亦野「え゛」
照「そっちのあなたは膀胱が弱そう……お茶には利尿作用があるから気を付けて」
渋谷「!?」
渋谷「そ、そうですよ。私も別にお漏らしなんか……その、小学校卒業するころには止まりました……」
照「そこまでは言ってないけど……」
亦野(パネエエエエ、さすがはインハイチャンプ!)
渋谷(この人なんなの? 亦野さんとは違う底知れなさが……)
照(ふふふ……思わせぶりなことを言ってミステリアスな先輩を演出! これで後輩からもモテモテね!)
照「おっと」ヒョイ
菫「モガッ」ビターン
照「菫……部室で走り回ってはいけないと何度も言ったはず」
菫「お前の体に比べれば些細なことだ!」
照「みんな許してあげてほしい……菫はときどき頭が悪くなる」
菫「殺し屋にエッチなことされなかったか!? 私が毎晩お前にするようなことされなかったか!?」
照「みんな許してあげてほしい……菫はときどき頭が悪くなる///」
亦野(二人とも仲がいいんだなあ)ヒソヒソ
渋谷(お、女の子同士で/// じゃ、じゃあ私も……)チラッ
亦野(おーい、渋谷? どうした?)ヒソヒソ
渋谷(な、何でもない……///)ヒソヒソ
亦野「了解しました」
渋谷「は、はあ……」
菫「ついさっき君たち二人の入部届が受理された。君たちは今日から伝統と実績の白糸台麻雀部員だ」
亦野「ありがとうございます」オジギ
渋谷「あ、ありがとうございます」オジギ
菫「これからは部の看板を背負って活動することになる。くれぐれも破廉恥な行為は謹んでくれよ」
亦野「りょ、了解しました……」
渋谷「は、はい……」
亦野(もしかしてこの一連の流れは弘世先輩流のギャグだったのかね?)ヒソヒソ
渋谷(そ、そうだといいけど……)ヒソヒソ
ハーイ
照「亦野と渋谷は私と菫と一緒にうとう」
亦野「はい」
渋谷「はい」
菫「ふふふ……照と一緒照と一緒照と一緒照と一緒照と一緒照と一緒……」
亦野「さあ行こう渋谷」ギュッ
渋谷「あ……///」
亦野「あ、ごめん、嫌だったかな……?」
渋谷「う、ううん! そんなことない!」ギュッ
亦野「そっか、じゃあ行こう!」
渋谷「うん!」
菫「ああ照、あの二人に負けないくらい愛し合おう……」
照「コークスクリュー」ゴッ
終わり
亦野さんと初めて会った渋谷さんがおもらしする話を書きたかっただけなんだ
読んでくれてありがとう&スレ立て代行、支援、保守に感謝
1年後
亦野「おー、尭深きたかー」
渋谷「ん、ところでこんなところで待ち合わせだなんて、何か用事でもあるの?」
亦野「あーそれがな、なんでも有望もとい超かわいい1年がいるから連れて来いと宮永先輩が駄々こねてな」
渋谷「宮永先輩はいつも通りね……その有望な1年っていうのは?」
亦野「大星淡とかいう金髪貧乳でクールな子らしい」
渋谷「菫先輩に刺されないといいけど……あ、あの子じゃない?」
亦野「お、それっぽいな。じゃあ声かけてみるか」
渋谷「あ、待って、私が」
「おい、そこのあんた」 「ひっ」ジョバアア
カン!
次回もキタイスルデー
Entry ⇒ 2012.08.01 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
やえ「鹿児島に対局中に居眠りするニワカがいると聞いて」
穏乃「はい、インハイの時も居眠りしていたそうです。間違いなくニワカですね」
やえ「そうか……ニワカか」
穏乃「その人、永水女子って所に在学中らしいですけど、やえさんは聞いたことあります?」
やえ「いや、知らんな」
穏乃「ならニワカ高校ですね」
やえ「ああ、ニワカ高校だ」
やえ「ああ、麻雀を冒涜してるな。ニワカによくあることだな」
穏乃「やえさん、この案件どうしますか?」
やえ「聞くまでもないさね」
穏乃「ってことは……」
やえ「ああ、これから鹿児島に発つ。高鴨、30秒で支度しな!」
穏乃「はいっ!」
穏乃「でもやえさんには驚かされますよ。まさか海を割って徒歩で行くなんて」
やえ「王者の歩みを阻むことなんて出来はしないのさ」
穏乃「やえさん……///」
やえ「さてと……ニワカを探そうかね」
穏乃「はいっ!」
やえ「王者が歩けば民が追従する……それは仕様のないことさね」
\ニワカ!/\ニワカ!/\ニワカ!/
やえ「ふふっ」
穏乃(でも私はやえさんと二人きりの方が……)
やえ「見るからにニワカ臭いな」
穏乃「ですね」
やえ「さて、麻雀部を探すとしよう」
穏乃(すごい……やえさんが敷地に足を踏み入れた瞬間、生徒たちが平伏して道が出来た……)
穏乃(やっぱりこの方に着いていけば間違いないんだ!)
やえ「ふふっ」
穏乃「どうやら本殿って所にいるみたいですね」
やえ「本殿……?高鴨、場所は分かるか?」
穏乃「いえ……」
やえ「なら、あそこにいるニワカに聞くとしようか」
初美「ふえ……?」
やえ「ああ、案内ご苦労」
初美「いえいえーお安いご用ですよー」
穏乃「さっ、行きましょう」
巴「ちょっと貴女方、一体誰の許しを得てここから先に進もうというのですかっ?」
穏乃「くっ……簡単には入れないか」
穏乃「やえさん、どうしましょ……簡単には入れそうもないですよ」ヒソヒソ
やえ「ふふ、私に任せていればいい」
巴「ここは分家の人間でも本家の許しがなければ入れない神聖な場所なんです。お引き取り願います」
やえ「大丈夫だ。私が許可しよう」
やえ「ふふ、ニワカ如きにこの私は止められんさ」
穏乃「やえさん……///」
\ニワカ!/\ニワカ!/\ニワカ!/
やえ「ふむ……ニワカの臭いが強くなってきたな」
霞「あらお客様かしら」
やえ「ここに対局中に居眠りするニワカがいると聞いてな」
霞「あらあら」
春「………」ポリポリ
小蒔「………」スースー
やえ「ああ、違いないな」
霞「それで……ここに何の御用かしら?」
やえ「そこのニワカと半荘1回打たせてくれ」
霞「でも小蒔ちゃんは今お昼寝の(ry」
穏乃「起きろーーーッ!」ユッサユッサ
小蒔「ひぅ……っ?」ビクッ
霞「この人たち、小蒔ちゃんと打ってみたいんですって」
小蒔「私と……ですか?」
やえ「ふふ、ニワカを正すのも王者の勤めだからな」
小蒔「はぁ……」
霞(小蒔ちゃん、完全に起きちゃったけど大丈夫かしら?)
春「………」ポリッ
やえ「ふむ……」
穏乃「やえさん、やえさん」ヒソヒソ
やえ「高鴨、どしたー?」
穏乃「よく見たらそこのおっぱい大きい人もニワカですよ」ヒソヒソ
やえ「なんだと?」
穏乃「倒牌をおっぱいでする物臭なんです。これはニワカポイント高いですよ」ヒソヒソ
やえ「確かに……おい、そこのニワカおっぱい。お前も入れ」
霞「あらあら……」
穏乃「やえさん、そこのう〇こ食べてる人も対局中にお菓子を食べてた噂がありますよ。これはニワカですね」
やえ「ああ、対局中にお菓子を食うなんて論外。ニワカだな」
春「………」ポリポリ
霞「じゃあこの4人でいいのかしら?」
小蒔「全力以上であたらせてもらいます!」グッ
やえ「ふふ、闘牌開始だ」
やえ「ふふ、お見せしよう……王者の打ち筋を!」タンッ
穏乃(流石やえさん!動きに無駄がない。お手本のような打牌だ!)
春「………」ポリポリ
小蒔「………」トンッ
やえ「ロン!」
小蒔「わっ……」
やえ「聴牌気配も察知出来んとはニワカだな。門混混老七対ドラドラ……16000」
霞(ふんふむ……この人のニワカの基準はどうなってるのかしら?)
やえ「ふふ、私の親番だな」タンッ
春「………」ポリポリ
小蒔「………」トンッ
やえ「チッ……これだからニワカは……ロン!」
小蒔「わっ……またですか?」
やえ「平和三色ドラ1……11600だ」
霞(今の小蒔ちゃんには荷が勝ちすぎる相手かしらね)
やえ「やはりニワカか」
穏乃「ニワカですね」
\ニワカ!/\ニワカ!/\ニワカ!/
やえ「ニワカは相手にならんよ」
\ニワカ!/\ニワカ!/\ニワカ!/
霞(このままこの人たちを帰したらここの評判が落ちそうね……)
霞(ふんふむ……どうしたものかしら)
やえ「ニワカが何の用?」
霞「小蒔ちゃん、お昼寝したばかりでまだ本調子じゃないの。少し時間を空けて再戦してもらえないかしら?」
穏乃「ニワカがやえさんに何度挑もうが結果は変わらないと思いますけど」
やえ「高鴨、そう言ってやるなよ。いいだろう……それではそちらの準備が出来次第、再戦といこうか」
霞「そう言ってもらえると助かるわ」
小蒔「……?」
霞「巴ちゃん!はっちゃん!いるー?」
巴「どうしたんですか?」
初美「何かあったんですかー?」
霞「私と小蒔ちゃんに一番いいのを頼む」
巴「……は?」
やえ「やはりな……」
穏乃「団体戦出場メンバー全員がニワカという異常事態ですよ」
穏乃「先ほど話した通り、対局中に居眠りするニワカ、倒牌をおっぱいでする物臭なニワカ、対局中にお菓子を食べるニワカ……それからドレスコードに引っ掛かるニワカと非処女巫女で点数表も把握していないニワカです」
やえ「ニワカの数え役満だな」
霞「大丈夫よ。問題ない」
小蒔「………」ゴゴゴ
初美「次は私も参加するですよー」
霞「ふふ……あの人たちは私たちを侮辱した。これは睾丸を潰すだけじゃ済まされないわね」
何故睾丸なん?
俺もよく分からん
支援
レベルたけーなおい
初美「お待たせしたですよー」
やえ「やっと来なさったか」
小蒔「………」ゴゴゴ
穏乃(あれ?このニワカさん、さっきと雰囲気が……)
初美「悪霊とかお見せしちゃいますよー」
霞「もしかしたら黄泉も見えるかも知れないわね」
小蒔「………」ゴゴゴ
やえ「では、闘牌開始だ」
初美(流石にこの状態の姫様と同卓するのは怖いですねー)
小蒔「………」ゴゴゴ
やえ「ふふ、先ほどとはまるで別人だな。ニワカにしては楽しめそうだ」
穏乃(やえさん、がんばれー!)
霞(小蒔ちゃんが張ったようね。倍満以上かしら)
霞(私が振ることはまず無いけれど、はっちゃんが少し不安ね……)トントン
初美(霞ちゃんからの合図……なるほどー姫様が高いの張ったですかー了解ですよー)
やえ「ふむ……」タンッ
小蒔「ロン……門清ドラ3。24000」
穏乃「えっ……!?」
やえ「成る程ね……一体何に怯えているんだか……減点10点だニワカめ」
初美(なんなんですかねー?この余裕)
霞(その余裕もすぐに氷付かせてかせてあげる……)
初美(私に北家が回るまでニワカさんはもつんですかねー?)ペシッ
やえ「ふふ、お見せしよう……王者リーチ!」
霞(あれだけデカイのを直撃された後にダブリーね……)
霞(ふんふむ……小蒔ちゃんはまだ張れてないようだし、潰しておきましょうか)トントン
小蒔「………」タンッ
初美(西を鳴かせろですかー了解ですよー)ペシッ
小蒔「……ポン」
やえ「チッ……ニワカが」
霞(これで私のツモがニワカさんに行ったわね)フッ
初美(霞ちゃんのツモは一色限定……他の二色で手作りしている私たちが霞ちゃんのツモを押し付けられたら、自力でツモれる道理なんてないんですよー)
やえ「ツモだ。メンタンピン三色ドラ2……8100・4100」
霞「なっ……?」
初美(なんなんですかーこの人……)
小蒔「………」ゴゴゴ
やえ「………」タンッ
霞(この人……容量が計れないわね……)トッ
小蒔「………」トッ
初美(でも九面降ろしてる姫様と、怖いの降ろしてる霞ちゃんが手作りのスピードで負けるわけないですよー)
やえ「おっと、ツモだ。門清……6000・3000」
初美(またですかー?)
霞(ふふ、はっちゃんが北家でニワカさんが親……これは座順に救われたわね)トッ
小蒔「………」トッ
初美(役満親被りさせてあげますよー)ペシッ
やえ「ニワカが……」ボソッ
初美(もちですよー)トントン
初美「それポンですよー」ガッ
やえ「…………」タンッ
霞「ふふっ」トッ
初美「それもポンですよー」
霞(……これで整ったわね)
初美(さぁきてくださいー)ゴッ
やえ「チッ……」タンッ
霞(ふふ、ニワカさんに直撃ならハコかしらね……)
小蒔「………」トッ
初美「………」フッ
初美「……ツモ」
初美「8000・16000ですよー」
穏乃「っ……小四喜!?」
穏乃(まさか……この人たち……通しでも使ってるのか!?)
穏乃「汚ないなさすがニワカきたない」
やえ「別に構わんさ」
穏乃「で、でも……!」
やえ「高鴨、私を誰だと思っている?まぁ、心配しなさんな」
穏乃「やえさん……」
やえ「通しを使っていようが所詮はニワカ。ニワカは相手にならんよ!」
\ニッワッカッ!/\ニッワッカッ!/\ニッワッカッ!/
穏乃「ハァイッ!ニッワッカッ!ニッワッカッ!ニッワッカッ!」
やえ「ふふっ」
小蒔「………」タンッ
初美(心配ですねー)ペシッ
やえ「………」タンッ
霞(さて……今のところ私がラス引いているのかしら)
霞(小蒔ちゃんもそろそろ起きそうだし、はっちゃんだけに任せるのも少し不安ねぇ……)
霞(苦手分野、いかせてもらおうかしら)
小蒔「………」タンッ
初美(霞ちゃん、怖い笑顔してますよー何を狙ってるんですかねー?)ペシッ
霞「ロン。門混一通發ドラドラ……24000です」ニコリ
初美「ふぅっ……」
霞(あらあら……)
霞(この親で決めたい所だけどそうは言ってられそうにないわねぇ)トッ
小蒔「………」ゴゴゴ
初美(姫様が大人し過ぎて逆に怖いですねー)ペシッ
やえ「………」トッ
霞(ふふ、高いのを和了られそうね)トッ
小蒔「……ツモ」タンッ
小蒔「タンピン二盃口門清……6000・12000です」
霞「はっちゃん!」
初美「あっ……」
やえ「このニワカは寝てたのか……?」
穏乃「眼を開けて寝れるなんて器用なニワカですね」
やえ「おい、高鴨」
穏乃「お任せあれ!」
穏乃「起きろーー!!!」ユッサユッサ
小蒔「ひぅ……!?」ビクッ
穏乃「対局中に居眠りするとかニワカポイント高過ぎですね!麻雀を冒涜してますよ!」
やえ「高鴨、そう言ってやるなよ」
小蒔「すみません……憑かれてるとたまに……」
穏乃「謝って済む問題じゃねーですよ!」
小蒔「でも……本当に申し訳ないのでここからは――全力以上であたらせてもらいます!」ゴッ
霞(あらあら……)
初美(姫様は完全にお目覚めですねー)ペシッ
やえ「ニワカめ……」タンッ
霞(二度寝には期待出来そうもないわねぇ)
霞(はっちゃん、後は私たちだけで……)トントン
小蒔「………」タンッ
初美(了解ですよー)ペシッ
やえ「………」タンッ
霞(ふふ、小蒔ちゃんかしら)トッ
小蒔「………」トッ
霞「あら……ロンだわ」
小蒔「わっ……」
霞「門混ホンチャン一盃口ドラドラ……16000お願いしますね」
小蒔「は…はひっ」
初美(霞ちゃん……姫様が使えなくなった途端、容赦ないですねー)
やえ「………」タンッ
霞(小蒔ちゃんには悪いけど、ね)トッ
小蒔「………」タンッ
初美(泣きそうな顔の姫様も中々イケますねー)ペシッ
霞(ついつい虐めたくなる顔してるわよねぇ……)
やえ「ツモだ。3000・6000」
霞(はっちゃん……この際、直撃やツモに拘らなくていいわ。いざとなれば小蒔ちゃんから毟りましょ)トントン
初美(了解ですよー)
霞(そうなればオーラス、ニワカさんははっちゃんに倍満直撃、ツモなら3倍満の条件になる……こちらははっちゃんか私が何でもいいから和了ればいいだけ……)
初美(この勝負、頂きますよー)
やえ「ニワカが……」ボソッ
初美「それもポンですよー」ガッ
穏乃「また……」
やえ「………」
霞「ふふ……」
初美(さぁ、きてくださいー南と西!)
霞(けど、あまり欲張れない相手なのよねぇ)
初美(役満和了り逃すのだけは避けたいですからねー)
やえ「………」タンッ
霞(はっちゃん、張ったようね……)トッ
小蒔「………」トッ
霞(あらあら……)
初美(やはり姫様から出ちゃいますかー)
初美「ロン。32000ですよー」
小蒔「は…はいっ」
やえ「………」フッ
初美「っ……!」
霞「………」
やえ「人一人も抱えられない小物……」
やえ「器が小さいからそんな発想に至るのだ……ニワカが」
やえ「王者ならどんなに足手まといであろうが、敵であるお前らだろうが抱えて飛んでみせるぞ?」
やえ「それが王者たる私の勤め」
穏乃「やえさん……///」
\ニッワッカッ!/\ニッワッカッ!/\ニッワッカッ!/
霞「私のことですか……?」
やえ「ああ、お前のことだ」
やえ「お前、絶二門縛りしてるんだったなぁ」
霞「ええ、まぁ……」
やえ「ならば私は絶三門だ!お見せしよう……王者の打ち筋を!!」
初美(ニワカさん、正気ですかねー?それってつまり字一色宣言ってことじゃないですかー)
やえ「ふふっ」
霞(不気味ね……)
初美(字牌を抱えて和了阻止しますかねー)
霞(ニワカさん、全然仕掛けてこないわねぇ)
初美(姫様から鳴き放題だったですよー)
霞(はっちゃん、字牌を何枚抱えてる?)トントン
初美(東2枚、南2枚、白3枚ですよー)トントン
霞(ふんふむ……私が中2枚、發2枚抱えてるから大三元は有り得ないかしら)
霞(となれば字一色七対子?それもはっちゃんが3枚抱えてるから和了目無しか……)
初美(つまりニワカさんは完全に和了れない訳ですねー)
霞(まぁ期待はしないけど聴牌しておきましょうか)トッ
小蒔「………」トッ
初美(こちらも張ったですよーツモり四暗東南待ち)ペシッ
やえ「………」タンッ
霞(4枚目の白……でもこれははっちゃんが3枚抱えてるから大丈夫のはず……)トッ
やえ「ふふっ」
霞「えっ……?」
初美「なっ……?」
やえ「ロンだ。字一色……32000」
霞(5枚目の白!?)
やえ「いや、4枚目だよ」フッ
初美(違いますよー)フルフル
やえ「ふふ、目が曇ってるんじゃないのか?この子は嘘をついてはいないよ」
霞「だったら……どうして――」
やえ「この半荘中ずっと同じ通しを使われていたらね……そりゃあ法則も見えてくるさね」
霞「ま、まさか……っ!」
やえ「そう、あれは私が出した偽の情報」
やえ「ニワカが……目が曇ってるよ」
やえ「そんなんだから大切なことにも気付けない……」
霞「………」
やえ「ニワカは相手にならんよ!」
やえ「もう一度いってやる……ニワカは相手にならんよ!」
\ニッワッカッ!/\ニッワッカッ!/\ニッワッカッ!/
穏乃「はいっ!」トトト
初美「………」
霞「………」
小蒔「霞ちゃん……初美ちゃん……」
咲見たことないけど、このかっこいい人見るために買うわ!
あ…
阿知賀編ってのは興味持たなくていいよ
初美「ちょっと胸に刺さる言葉ですねー……」
穏乃「そんな胸ないけどな」
霞「小蒔ちゃん、ごめんなさい」
小蒔「……えっ?」
霞「私、ずっと小蒔ちゃんのことを友達として……仲間として見れてなかったの。本家と分家……身分の違いから必要以上に親密になってはいけない、ってずっと自分に言い聞かせてた……」
初美「だから保身に走れば姫様を平気で切り捨てられた……」
小蒔「………」
霞「でも、ニワカさんに目が曇ってるって言われて気付いたの……ずっと小蒔ちゃんのことが好きだったことに」
初美「危なっかしくて放っておけない姫様も、分家の皆に分け隔てなく優しくしてくれる姫様も……私は全部まとめて好きですよー」
霞「何を今更って言うかも知れない……けど!」
初美「私たちと友達になってくれますか?」
小蒔「そんなの……そんなの決まってるじゃないですか――」
穏乃「そしたらニワカ卒業ですか?」
やえ「いや、ニワカのままだよ」
穏乃「じゃあ、ニワカを卒業するためにはどうしたらいいんでしょうか?」
やえ「そんなの決まってるじゃないか。私にずっとついてこい。そうしたらいずれ違う景色が見えるさ……」
穏乃「やえさん……///」
やえ「なぁ、高鴨……」
穏乃「何ですか?やえさん」
やえ「次はどんなニワカを探そうか――」
槓!
座順は姫様、はっちゃん、ニワカ先輩、霞さん
東ー:姫様→ニワカ先輩24000
東ー一本場:ニワカ先輩ツモ4100・8100
東二:ニワカ先輩ツモ6000・3000
東三:はっちゃんツモ8000・16000
東四:霞さん→はっちゃん24000
東四一本場:姫様ツモ6100・12100
南一:霞さん→姫様16000
南二:ニワカ先輩ツモ3000・6000
南三:はっちゃん→姫様32000
南四:ニワカ先輩→霞さん32000
最終収支
姫様:3200(-27)
はっちゃん:42800(+13)
ニワカ先輩:51200(+41)
霞さん:2800(-27)
か、かっこいい…///
かっこよすぎるやろー
かっこ良かったわー
また書いてね!
ん?どした?→いつもと様子が違う後輩に気がつく感の良さ
あれか、ジャージの子とその仲間か?→原因をすぐ予測し、推測を立てる頭のキレの良さ
> ジャージの子がさ、棚からパンを取るとき、見えたんだよぉ。 すごいマメ、ありゃそおーとう打ってる→動体視力と観察力の高さ、人の努力を認める所が人間出来てる。
ちなみに漫画版だと小走先輩の動体視力のおかげであんパンを取ってる事がわかり、穏乃はキャラスレであんパンが好き説、又はあんこが好き説、の二つの説が穏乃ファンの間で噂されている(穏乃はお店の売れ残った和菓子がおやつだったのかなという仮説が立てられる始末)
小走先輩は数少ない出番の中で後輩だけでなく、立場的に敵である穏乃に対しても気を回し、本編キャラの引き立て役まで担っている。先輩優しすぎ。
まっ心配しなさんなーわたしは小3の頃から、マメすらできない→不安がってる後輩を落ち着かせる為に、今までの努力の結果(右手の手のひら)を見せ安心感を与える。
ちなみにこの演出もアニメ版のみである。 アニメスタッフGJ。
ニワカは相手にならんよ!→小走先輩の今までの人生をすべて詰め込めた至高の名言
初瀬の応援に反応する先輩→歩きながらじゃなく、わざわざ止まってから手を振る律儀な一面も。そして右手を見せているのは昨日の事と関係していると思う。意味はおそらく初瀬しかわからないだろう。
ドラ筋の三面張……→松実玄の異常な場の支配がありながら綺麗なドラ絡みの三面貼聴牌。 ツモった牌を地にいれすぐ切る所から頭の中でどんな手にするかが既に出来てる。あと、先輩の河は整ってて対戦者に見やすい。
お見せしよう……\リーチ!/ 王者の打ち筋を!→綺麗な待ちから繰り出される綺麗な回転立直。 でもテンションが上がったリーチのお陰で少し河が乱れちゃう。 力が入っちゃったかわいい。
えっ、ええええ~→かわいい
敗戦後の中継で唯一二年生巽由華と抱きしめ合い、これからの晩生高校を後輩に託しつつ、悔しさで泣いてしまう女の子な先輩。お疲れ様です小走先輩。
なお、小走先輩自体の戦績は+15400で先鋒戦を終えている。 東一局で小走先輩が立直棒の1000点を場に供託した後、松実玄に親倍ツモ上がられたのでこの時点で-9000点である。
これを先鋒戦終了時(決勝戦ではないため半荘1回)には+15400に上げていたので、最低でも24400点を取り返している。
場は松実玄により支配されているため、ドラ・赤五萬・赤五筒2枚・赤五索が全く来ないので必然的に打点が下がってしまう。
おまけに赤五萬・赤五筒2枚・赤五索といった真ん中の大事な牌を松実玄に握られているため、その辺りの順子又は五萬五索の暗刻がものすごく作りづらくなりスピード面でも妨害がかかってしまう。
ドラ表示牌が数牌で六筒とか来た日にゃちょっとやってられない。 もちろん松実玄にもドラを捨てれない制約があるが、半荘で1回倍満クラスを上がれば大体持ち直せる上今回は親倍ツモ、8,000オールです(小走先輩は立直棒を払ってるため-9000)
それでも小走先輩は場の支配を知らずに+15400、やばい。 絶対早い段階で支配に気がついたと思う。 でないと松実玄にツモられて小走先輩もマイナス収支になっているはずである。
その上頭脳・顔面の偏差値が共に70、まわりにキャー頑張ってーと言われる人望。おまけに手が綺麗な小走先輩。
小走先輩はすごい。
だれか三行にまとめて
強い
凄い
かわいい
小走先輩は気遣いのできる優しい人で
麻雀もニワカを寄せ付けないし
偏差値は頭脳も顔面も70越えの完璧超人
ニワカは
相手に
ならんよ
Entry ⇒ 2012.07.31 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
やえ「長野に槓を多用するニワカがいると聞いて」
穏乃「そうなんですよ、やえさん。インハイの決勝で私が当たった相手なんですけど……」
やえ「あーあれか。対局中に服を脱ぎ出す子か」
穏乃「空気読まずに槓を連発するわ、全裸になるわで流石の私も苦笑いでした。あれはニワカに違いないです」
やえ「そこにニワカがいるなら正してやらんとな。王者の勤めだ」
穏乃「ってことは……」
やえ「今から長野へ発つ!高鴨、30秒で支度しな」
穏乃「はいっ!」
やえ「まー心配しなさんな……私は小三の頃からマメすら出来ない……ニワカは相手にならんよ!」
穏乃「やえさん……///」
穏乃(あれ?マメの話と強さの話って関係なくね?)
やえ「ふふ」
やえ「ふふ、王者の歩法は世界を縮めるからね。私にかかれば長野なんて5分で着ける」
穏乃「いつの間にか大所帯になっちゃいましたね」
やえ「王者が歩けば民が追従する……そういうもんさね」
穏乃「やえさん……///」
やえ「ふふ」
\ニワカ!/\ニワカ!/\ニワカ!/
やえ「へぇ、初めて来たけど中々いいとこじゃないの」
穏乃「とりあえず麻雀部に行ってみます?」
やえ「そうさね……」
穏乃(すごい……やえさんが敷地に足を踏み入れた瞬間、生徒たちがひれ伏して道が出来た……)
やえ「さぁ、行こうか」
穏乃「はいっ!」
やえ「ふふ、ニワカの匂いがするね」
穏乃「たのもー」
久「あら?お客さん?」
やえ「ここに槓を多用するニワカがいると聞いてね」
久「ニワカかどうかは知らないけど心当たりはあるわ。今、ちょうど打ってるところよ」
やえ「高鴨、どの子がニワカ?」
穏乃「奥の子です。名前は……」
穏乃(同い年……何て言ったっけ?……名前……確か――)
穏乃「ニワカです」
久「しかしすごい人数ね……」
穏乃「やえさんが歩けば着いていかずにはいられませんからね。必然というものです」
やえ「おい、花田。お前から見て奥の子はどう見える?」
煌「すば……ニワカです」
やえ「そう、その通りだ。ふふ、あーっはっはっはぁ」
和(何なんでしょうかこの人たちは……)
まこ(迷惑じゃのぅ……)
優希(迷惑だじぇ……)
咲「お客さん……ですか……?」
やえ「君がニワカか。ふふ、君と打ってみたくて奈良から来たんだ」
咲「はぁ……」
やえ「どうだろうか?」
咲「いいですよ……私でよければ。でも、私と打った子は皆……」
咲「この世の終わりを向かえるような顔をするんです……」
やえ「ふふ、それは楽しみだ」
やえ「そうさね……途中でハコられても興醒めだ。おい、花田」
煌「ニワカッ!」
やえ「後一人は……」
「私が入ろう」
やえ「ほぅ……」
咲「お、お姉ちゃん!?」
照「咲ちゃんにペロペロ出来ると聞いて」
咲「」
やえ「インハイチャンピオンを呼んだ覚えはないが……まぁいい、どうやらニワカではなさそうだ」
やえ「闘牌開始だ」
\ニワカ!/\ニワカ!/\ニワカ!/
照「………」
咲「………」
煌「ニワカッ!」
やえ「王者らしくリーチといこうか」
穏乃「でたー!やえさんのダブリー」
やえ「サービスだ。リー棒をいつもより多めに回しておいた」
照「………」チャッ
咲「………」タンッ
煌「ニワカッ!」タンッ
やえ「ツモだ。6000通し」
やえ(ふふ、またしても良形の5面張か)
やえ「お見せしよう。王者の打ち筋を!」
咲「槓……」
穏乃(親のダブリーに大明槓!?)
やえ「ニワカめ……」
煌「ニワカッ!」
咲「ツモ。嶺上開花赤3……8000です」
咲「ポン!」
咲「もいっこ槓!」
やえ「ふふ、本当に槓ばかりするんだね」
煌「ニワカッ!」
穏乃「ニワカですね」
照「………」
照「ツモドラ7。4000・8000」
穏乃(つまり次は倍満以上!?)
やえ「ふふ、なるほどね」
穏乃(はっ……もしかしてあのニワカはわざとチャンピオンに槓ドラを……?)
穏乃(やえさんに直接負けたらニワカと認めるようなもの。しかし、チャンピオンの圧勝で終わったとしたら?やえさんとニワカの勝負はうやむやになってしまう……)
穏乃「汚ないなさすがニワカきたない」
穏乃(チャンピオンのリーチ……この早い巡目でもう倍満以上を仕上げたのか!?)
穏乃「やえさん……」
やえ「ふふ、心配しなさんな……私を誰だと思ってる」
\ニワカ!/\ニワカ!/\ニワカ!/
やえ「おい、ニワカ」
咲「……?」
やえ「王者の槓というものを見せてやろう」
やえ「だが、その手も和了れなければ意味がない」
やえ「槓……っ!」ゴッ
咲「……!」
照「………」
やえ「ふふ、もういっこ槓」ゴッ
やえ「これでチャンピオンの手は死んだ。純カラというやつだ」
穏乃「流石やえさん!」
\ニワカ!/\ニワカ!/\ニワカ!/
やえ「やはりチャンピオンと言えどニワカだな。槓――」
やえ「ツモ!嶺上開花三槓子ドラ4……跳満」
やえ「どうだ?これが王者だ」
やえ「ニワカには分からんと思うがな……くくっ、あーっはっはっはぁ」
咲「………」ゴゴゴ
穏乃(ニワカが脱ぎ始めた……)
やえ「ほう……」
穏乃(ここからだ……ここから始まる。インハイ決勝の時に見た――)
照(咲ちゃんのストリップショーが!)
穏乃(嶺上開花の嵐が!)
久(あの子は咲の領域を侵した。咲は自分以外の者が槓をするのを極端に嫌っている)
久(また潰すのね。靖子とマホちゃんが牌を持てなくなった時のように……)
やえ「ふふ、ここからが本番ということか」
咲「………」ゴゴゴ
やえ「王者リーチ!」
咲「いいんですか?それ、生牌ですよ?」
やえ(っ……しまった――)
咲「槓……」
咲「もいっこ槓!もいっこ槓!もいっこ槓!」ゴッゴッゴッ
咲「ツモ。四槓子……32000です」
やえ「心配しなさんな。まだ南入したところだ……」
穏乃「やえさん!」
やえ「まだ親が残ってる……王者がニワカに勝つには充分すぎるさ」
咲「ところがどっこい!嶺上ツモ……8000・4000です」
やえ「なっ……」
たぶん6000くらい残ってる
穏乃(正直、これは厳しい……)
穏乃(この時点で二人の差は7万点以上……もう親が残ってないのにこの点差をひっくり返すなんてことは……)
穏乃(……でも!)
穏乃「やえさんなら……やえさんならきっと!」
「ニワカだし!」
「ニワカだじぇ!」
「ニワカですよー!」
\ニワカ!/\ニワカ!/\ニワカ!/
穏乃(聞こえますか?やえさん……この歓声が……)
穏乃(皆、やえさんのことが大好きなんです。だから……だから――)
穏乃「ニワカッ!ニワカッ!ニワカッ!」
やえ「ふふっ」
咲「………」
やえ「『ニワカに負けられない』、『後ろの声援に応えなければならない』ってのは王者の辛いところだな……覚悟はいいか?私は出来てる」
やえ「お見せしよう!王者の打ち筋をッ!!」
咲「……!?」
咲(この局面で安手?……いや、聴牌気配すらしてなかったはずなのに、どうして?どうして直撃されたの?)
穏乃(後ろから見てた私でも分からなかった……)
穏乃(やえさんはまだ2向聴だったはずなのに……)
穏乃(一体、何をしたんだ?)
やえ「ふふっ」
穏乃(なっ……ここに来てこんなことするなんて……)
穏乃(何かのミスか?いや、それとも何か別の狙いか?)
穏乃(ニワカの私には正直分からない……)
穏乃(何が目的なんだ?このノーテンリーチ……)
やえ「高鴨、心配しなさんな……晩成のツバメは――」
やえ「目にも映らぬ速さで天を舞う」
照「………」チャッ
煌「ニワカッ!」タンッ
やえ「槓……」
咲「なっ……」
穏乃(嶺上開花じゃないのか……)
咲(安牌なしか……)チラッ
咲(槓材の北はニワカ先輩の山にいる……ならこれは通る!)
やえ「ロン!」
やえ「リーチ裏1……3900」
咲(……また直撃!?)
穏乃(あのリーチ棒の回転が生み出す上昇気流によって他家の視界をほんの一瞬奪い、その隙をついての燕返し!)
穏乃(全自動卓で、しかも局の途中で燕返しなんて常人の発想の外……っ!)
穏乃(だが、裏を返せばそっくりそのままそれは付け入る隙となる……)
穏乃(事実、あのニワカは振り込んで信じられないって顔をしている……)
穏乃(この勝負、まだ分からない!)
やえ「さぁ、オーラスだ!」
穏乃(やえさん、私たちニワカに見せてやってください。王者の打ち筋を!)
やえ「………」
咲(役満直撃以外逆転はない……なら縦に伸ばすことは止めておこう)
やえ「ふふっ」
穏乃(あれ?やえさんの河に所々血が……)
穏乃(マメすら出来ないやえさんが対局中にどうして……?)
やえ「くっ……」ギッ
穏乃(まただ……また血が……)
穏乃(……!?よく見たらやえさんの指、血だらけじゃないか!)
咲(あれは一体……)
穏乃(やえさんの狙いは国士無双……)
穏乃(けど、もう……)
穏乃(河に白と中が4枚ずつ見えている……和了れる可能性は全くない……0……絶無……っ!)
穏乃(やえさん……!)
やえ「まだだ!まだ終わらんよ!」
やえ「王者リーチ!」
穏乃「やえさん!」
\ニワカ!/\ニワカ!/\ニワカ!/
咲(河に白と中が4枚ずつ見えてる……西は私が槓子で抱えている。国士は有り得ない……)
咲「麻雀って……楽しいよね。必死で追い上げてくる相手を絶望させるのがホント楽しいよ」
穏乃(………?)
咲「私から和了れなければ逆転はない。だから――オリる」
咲(西の槓子落とし……これで終局まで凌ぐ……!)
咲「えっ……?」
やえ「ふふ、有り得ないって顔してるな……」
やえ「だが、有り得ないこと理不尽なことが起こるのが麻雀。それも分からん内はまだまだニワカだ……」
やえ「国士無双!32000!」
咲(まさか……っ!?)
穏乃(そう……その白と中はやえさんが自らの身体を血に染めてまで造り出したものだ)
穏乃(牌の表面を削り、字を彫り込むだけじゃやえさんの指には傷すら出来ない……しかし、それでは中は造れない)
穏乃(だから敢えて自分の指に傷をつけた……!あの綺麗な指が自慢のやえさんが指に傷をつけたんだ……ニワカがどう足掻こうが勝てるわけがない……っ!)
やえ「ふふ、終局だ」
咲「………」
やえ「ニワカは相手にならんよ!」
穏乃「ニッワッカッ!ニッワッカッ!ニッワッカッ!」
\ニッワッカッ!/\ニッワッカッ!/\ニッワッカッ!/
やえ「もう一度言ってやろう。ニワカは相手にならんよ!」
ニワカ先輩:40800(+31)
咲:30200(±0)
照:18000(-12)
すばらっ!:11000(-19)
さ、咲さん・・・まさか・・・
照「咲ちゃん……ごめんね。お姉ちゃん、途中から流れを奪われて置物になってた」
咲「ううん、お姉ちゃんの所為で負けた訳じゃないから……」
照「咲ちゃん……」
咲「そもそもお姉ちゃんには期待すらしてなかったから」ニコッ
咲「部長……居たんですか……?」
咲「悔しいかどうかは分かりませんが次があるなら――」
咲「徹底的に叩き潰したいですね」ニコッ
穏乃「ニワカ卒業ですか?」
やえ「いや、ニワカのままだよ」
やえ「なぁ、高鴨……」
穏乃「何ですか?やえさん」
やえ「……次はどんなニワカを探そうか」
槓!
途中で7万点差以上と書きましたがあれはミスです。
どうでもいい話ですか。そうですか
座順はニワカ先輩、咲、照、すばらっ!
東一ニワカ先輩6000オール
東一1本番咲がニワカ先輩に満貫直撃リー棒込みで9300
東二照倍満ツモ
東三ニワカ先輩が照に跳満直撃リー棒込みで13000
東四咲がニワカ先輩に役満直撃リー棒込みで33000
南一咲が倍満ツモ
南二ニワカ先輩が咲に3200直撃
南三ニワカ先輩が咲に3900直撃
南四ニワカ先輩が咲に役満直撃
穏乃がニワカだったってことか
ん?どした?→いつもと様子が違う後輩に気がつく感の良さ
あれか、ジャージの子とその仲間か?→原因をすぐ予測し、推測を立てる頭のキレの良さ
ジャージの子がさ、棚からパンを取るとき、見えたんだよぉ。 すごいマメ、ありゃそおーとう打ってる→動体視力と観察力の高さ、人の努力を認める所が人間出来てる。
ちなみに漫画版だと小走先輩の動体視力のおかげであんパンを取ってる事がわかり、穏乃はキャラスレであんパンが好き説、又はあんこが好き説、の二つの説が穏乃ファンの間で噂されている(穏乃はお店の売れ残った和菓子がおやつだったのかなという仮説が立てられる始末)
小走先輩は数少ない出番の中で後輩だけでなく、立場的に敵である穏乃に対しても気を回し、本編キャラの引き立て役まで担っている。先輩優しすぎ。
まっ心配しなさんなーわたしは小3の頃から、マメすらできない→不安がってる後輩を落ち着かせる為に、今までの努力の結果(右手の手のひら)を見せ安心感を与える。
ちなみにこの演出もアニメ版のみである。 アニメスタッフGJ。
ニワカは相手にならんよ!→小走先輩の今までの人生をすべて詰め込めた至高の名言
初瀬の応援に反応する先輩→歩きながらじゃなく、わざわざ止まってから手を振る律儀な一面も。そして右手を見せているのは昨日の事と関係していると思う。意味はおそらく初瀬しかわからないだろう。
ドラ筋の三面張……→松実玄の異常な場の支配がありながら綺麗なドラ絡みの三面貼聴牌。 ツモった牌を地にいれすぐ切る所から頭の中でどんな手にするかが既に出来てる。あと、先輩の河は整ってて対戦者に見やすい。
お見せしよう……\リーチ!/ 王者の打ち筋を!→綺麗な待ちから繰り出される綺麗な回転立直。 でもテンションが上がったリーチのお陰で少し河が乱れちゃう。 力が入っちゃったかわいい。
えっ、ええええ~→かわいい
敗戦後の中継で唯一二年生巽由華と抱きしめ合い、これからの晩生高校を後輩に託しつつ、悔しさで泣いてしまう女の子な先輩。お疲れ様です小走先輩。
なお、小走先輩自体の戦績は+15400で先鋒戦を終えている。 東一局で小走先輩が立直棒の1000点を場に供託した後、松実玄に親倍ツモ上がられたのでこの時点で-9000点である。
これを先鋒戦終了時(決勝戦ではないため半荘1回)には+15400に上げていたので、最低でも24400点を取り返している。
場は松実玄により支配されているため、ドラ・赤五萬・赤五筒2枚・赤五索が全く来ないので必然的に打点が下がってしまう。
おまけに赤五萬・赤五筒2枚・赤五索といった真ん中の大事な牌を松実玄に握られているため、その辺りの順子又は五萬五索の暗刻がものすごく作りづらくなりスピード面でも妨害がかかってしまう。
ドラ表示牌が数牌で六筒とか来た日にゃちょっとやってられない。 もちろん松実玄にもドラを捨てれない制約があるが、半荘で1回倍満クラスを上がれば大体持ち直せる上今回は親倍ツモ、8,000オールです(小走先輩は立直棒を払ってるため-9000)
それでも小走先輩は場の支配を知らずに+15400、やばい。 絶対早い段階で支配に気がついたと思う。 でないと松実玄にツモられて小走先輩もマイナス収支になっているはずである。
その上頭脳・顔面の偏差値が共に70、まわりにキャー頑張ってーと言われる人望。おまけに手が綺麗な小走先輩。
小走先輩はすごい。
乙でした
次→やえ「鹿児島に対局中に居眠りするニワカがいると聞いて」
Entry ⇒ 2012.07.30 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (2) | Trackbacks (0)
桃子「先輩!」加治木「な、なんだモモ」
加治木(モモはなぜ怒っているんだ・・・?)
加治木「・・・昨日は久たちと映画館に行っていたが」
桃子「!? ・・・その久ってのは、もしかして清澄の部長さんっすか!?」
加治木「ああ、そうだが・・・」
桃子「・・・っ」
加治木「えっと、アメイジングスパイダーマンだったかな・・・」
桃子「楽しかったっすか!?」
加治木「あ、ああ・・・」
桃子「私も見たかったっす!」
加治木「そ、そうなのか・・・」
桃子「・・・」
加治木「・・・」
桃子「私も見たかったっす!!」プンプン
桃子「!?」
桃子「・・・いやっす!」プイッ
加治木「・・・なぜだ?」
桃子「自分の胸に聞いてみてくださいっす!」プンプン
桃子「・・・」ツーン
加治木「おいモモ」
桃子「・・・」ツンツーン
加治木「・・・なぜそんなに怒ってるんだ」
桃子「怒ってなんかないっす!」プンプン
加治木「いやどう見ても怒ってるだろう」
加治木「・・・はいはい、わかったよ」
桃子「・・・ふんっす」プイッ
加治木「・・・」
桃子「・・・」チラッ
加治木「・・・なんだ?」
桃子「!?」
桃子「な、なんでもないっす!」プイッ
桃子「・・・」ツーン
加治木「昼食をとらないか?」
桃子「!?」
桃子「・・・」
加治木「どうだ?」
桃子「ひ、一人で行ったらどうっすか!?」プンプン
桃子「・・・わ、私は今お腹いっぱいなんす! だからお昼とかいらないっす!」プンプン
加治木「そうなのか・・・残念だ」
桃子「・・・ほんとはそんなこと思ってないくせにっす・・・」ボソッ
加治木「ん、なにか言ったか?」
桃子「・・・な、なんでもないっすよ! さっさと行ってきたらどうっすか!?」
加治木「? ああ・・・」
加治木(昨日はファミレスだったから、今日は趣向を変えてラーメン屋にでも行ってみるか・・・)
加治木「・・・」スタスタ
桃子「・・・」スタスタ
加治木「・・・」ピタッ
桃子「・・・っ」ピタッ
加治木「・・・」
桃子「・・・」
加治木「・・・」スタスタ
桃子「・・・」スタスタ
加治木「・・・」ピタッ
桃子「・・・っ!」キキッ
加治木「・・・モモ」
桃子「・・・」サササッ
加治木「いやばれてるからな」
桃子「ステルっす!」
加治木「ステルスもしない」
加治木「すっとぼける気か」
桃子「私は桃子じゃないっすからね」
加治木「・・・ハァ」
桃子「・・・」
加治木「じゃあ今度こそ行くからな。もう知らないぞ」
桃子「勝手にすればいいっす」ベーッ
加治木「・・・」スタスタ
桃子「・・・」スタスタ
加治木「・・・」
桃子「・・・」
桃子「行く方角がたまたま同じだけっすから」ボソッ
加治木「・・・今返事をしたな?」
桃子「へ?」
加治木「やっぱりお前モモじゃないか」
桃子「!?」
桃子「い、今のは卑怯っす!」プンプン
加治木「うるさい、負けを認めろ」
桃子「うぅ・・・」グヌヌ
桃子「・・・っ」
加治木「だったら素直についてこい」
桃子「い、いやっす!」
加治木「この強情っ張りめ・・・ほらっ」グイッ
桃子「っ!?」
桃子「は、離せっす!」パシッ
桃子「・・・当然の報いっす」フンスッ
加治木「・・・」
桃子「・・・」ツーン
加治木「・・・ああ、わかったよ。じゃあ勝手についてくればいい」
加治木「・・・」スタスタ
桃子「!?」
桃子「だ、だから私はついてってるんじゃないっす!」ダダッ
加治木「・・・」チラッ
桃子「・・・」プイッ
加治木「・・・ここでいいか?」
桃子「・・・」ツーン
加治木「おいモモ」
桃子「・・・なんで私に聞くんすか?」
加治木「いやお前なあ・・・」
加治木「・・・じゃあ質問を変えるぞ。モモはラーメン好きか?」
桃子「・・・」
桃子「ど、どっちかと言われれば好きっす・・・」ボソッ
加治木「・・・そうか」フフッ
加治木「じゃあここにする」
ガラッ
加治木「はい 桃子「一名様っす」
「え?」
桃子「一名様ずつっす」
加治木「・・・」
「あ、そうなんですか。じゃあお好きなカウンター席にどうぞー」
桃子「はいっす」スタスタ
加治木「・・・まったくあいつは」
↑かじゅ モモ↑
加治木(まったく・・・とことん素直じゃない)
加治木「・・・」ペラッ
桃子「・・・」ペラッ
加治木「・・・モモ、決まったか?」
桃子「・・・」
加治木「モモはどのラーメンが好きなんだ?」
桃子「・・・」
加治木「・・・じゃあ私と同じやつな。すみません」
桃子「ま、待つっす!」
桃子「ああもう、先輩のバカっす!」ペラペラッ
「・・・ハイ、ご注文お伺いします」
加治木「私はこの特製つけ麺を」
「ハイ、特製つけ麺がおひとつ」
「・・・お連れ様は?」
桃子「今考えてるっす! あと、お連れ様じゃないっす!」
「・・・は、はい」
桃子「うむむ・・・」
加治木「モモ、早くしろ」
桃子「わかってるっすよ! ちょっと黙っててくださいっす!」ペラペラッ
加治木「・・・」
桃子「・・・むむ」
桃子「じ、じゃあこれで・・・」
「はい、ねぎラーメンがおひとつ。以上でよろしいでしょうか?」
加治木「はい」
「ご注文ありがとうございます~」
桃子「・・・」フンッ
加治木「無視するなよ」
桃子「・・・ねぎのラーメンっすよ」プイッ
加治木「なんだその適当すぎる回答は」
桃子「・・・店員に聞けばいいじゃないっすか」
加治木「なんだ、知らないのか」
桃子「い、いちいちうるさいっすね!」プンプン
加治木「ありがとう」
加治木「・・・おいしそうだな」
桃子「・・・先に食べていいっすよ」
加治木「ん、いや待つよ」
桃子「!」
桃子「か、勝手にすればっす!」プイッ
加治木「ああ、勝手にさせてもらうよ」
桃子「どもっす」
加治木「お、きたな。じゃあさっそく食べるか」
桃子「・・・」ズズッ
加治木「・・・おいモモ」
桃子「なんれふか?」モガモガ
加治木「・・・いや、なんでもないよもう・・・」
加治木「いただきます」カチッ
加治木「ん、うまいな」モグモグ
桃子「・・・」ズズッ
加治木「モモ、そっちはどうだ? うまいか?」
桃子「んぐ・・・まあまあっすね」
加治木「ほう、じゃあ相当うまいってことだな」
桃子「・・・どういう理屈っすかそれ・・・」ズズッ
加治木「モモは毒舌だからな。モモがまずいといえばそれはすなわち普通なんだ・・・」ズズッ
加治木「はは、かもしれないな」
加治木「・・・どれ」ヒョイ
桃子「あ、なに勝手にとってるんすか!」
加治木「ん・・・」モグモグ
加治木「ああ、ねぎラーメンのネギは油で揚げてあるのか」
加治木「なるほど・・・」ズズッ
桃子「ちょっと! なに自然に私のどんぶりから直に食べてるんすか!」
桃子「それとこれとは話が別っす!」ヒョイ
加治木「あ、お前!」
桃子「んん・・・」モグモグ
桃子「んぐ・・・つけ麺ってこういうのなんすね。少し味濃いけどなかなか悪くないっす」モグモグ
加治木「・・・まあいいか。食べたかったら好きに食え」
桃子「言われなくってもそうするっよ・・・」ズズッ
「アザッシタ-」
桃子「ふう・・・食った食ったっす」
加治木「値段もお手頃だしな。また来ようか」
桃子「そっすね!」
加治木「・・・」
桃子「どうしたんすか先輩?」
加治木「いや、お前いつの間にか機嫌直してたなあと思って」
桃子「!!」
桃子「だ・・・だ・・・」
加治木「だ?」
桃子「だ、誰っすかアンタ!///」ビシッ
加治木「いやそれはさすがに無理あるだろう」
加治木「いや待て待て」ガシッ
桃子「離してくださいっす!」ジタバタ
加治木「どうせまた私のあとをつけてくるんだろう」
桃子「そんなことした覚えないっすー!」ジタバタ
加治木「そしてまた私に何かたかる気だろう」
桃子「さっきのは先輩が勝手に払ったんじゃないっすかー!」ジタバタ
加治木「まあまあ落ち着けモモ、どうどう」
桃子「なんかバカにされてる気分っす!」プンプン
桃子「私はいつでも自分に正直っすよ!」
加治木「うーん、それも一理ある」
桃子「む、それはそれでまたバカにされてる気が・・・」
加治木「それで、どうなんだ?」
桃子「・・・っ」
桃子「・・・」ムム
桃子「そ、そっすね・・・」
桃子「せ、先輩が私についてきてほしいってお願いするなら・・・ついていかないこともないっすけど・・・///」
桃子「・・・えっ」
加治木「モモについてきてほしいとお願いすればいいんだな?」
桃子「ま、まあそうっすけど・・・」
加治木「じゃあ言うぞ」
桃子「・・・は、はいっす」
加治木「・・・」
桃子「・・・」ゴクリ
加治木「モモについてきてほしい」
桃子「お断りっす」
加治木「なっ!?」
桃子「ちゃんと言ってないじゃないっすか。先輩のそれはお願いじゃなくてただの願望っす」
桃子「それにその・・・心が篭ってないっす」
加治木「なんだめんどくさいやつだな」
桃子「じゃあもうついてかないっす!」プイッ
加治木「わぁかった、すまんすまん」
桃子「・・・むう」
桃子「・・・ならほら、ちゃんと言ってくださいっすよ」
加治木「・・・ああ」
桃子「・・・な、なんすか先輩」
加治木「・・・」
桃子「・・・」ドキドキ
加治木「・・・!」グイッ
桃子「なっ!?」
加治木「モモ、私についてこい!」ダダッ
桃子「な、なんすかそれーっ!」ダダッ
加治木「もうすぐだ・・・っ」タッタッ
桃子「ま、まったく・・・話が違うっすよ、先輩・・・っ!」
加治木「ははっ・・・お前にはこれくらい強引な方がいいと思ってなっ」
桃子「い、いくらなんでも強引すぎるっす・・・っ!」
加治木「反省はしていない・・・っ」
桃子「ほんと自分勝手な人っすね・・・っ!」
桃子「・・・」
桃子(・・・まあ、そういうところが好きだったりするんすけど、ね・・・)
桃子「・・・っ///」
桃子「ハァ、ハァ・・・こ、ここは・・・」
桃子「映画館・・・?」
加治木「ああ・・・お前行きたそうにしてただろう?」
桃子「・・・」
加治木「・・・どうした? 感動でもしたか?」
桃子「・・・っ」
ポカポカ
加治木「いたっ・・・なにするんだ」
桃子「っぐ・・・ば、バカじゃないっすか! なに自惚れちゃってるんすか!」
ポカポカ
加治木「や、やめろってモモ」
桃子「・・・っぐ」ゴシゴシ
加治木「モモ・・・お前まさか泣いて・・・」
桃子「・・・ば、バカっすね! 泣くわけないじゃないっすか!」
加治木「・・・」
桃子「イヤかどうかっすか・・・? そんなの・・・」
ダキッ
桃子「嬉しいに決まってるじゃないっすか!」
加治木「も、モモ・・・」
加治木「モモ・・・」ギュ
桃子「・・・っ」
桃子「・・・」ギュ
加治木「・・・」
加治木「・・・モモ、落ち着いたか?」
桃子「・・・っ・・・はいっす・・・」
加治木「・・・そうか」
桃子「先輩・・・私、寂しかったんす・・・」
桃子「もっと先輩に構ってもらいたくって・・・ただそれだけだったんす・・・」
加治木「モモ・・・」
加治木「もういいんだ・・・それに、ひょっとして私もお前に謝らなきゃならないんじゃないか・・・?」
桃子「・・・っ」
加治木「・・・お前が今日怒ってたわけを、どうか聞かせてほしい」
桃子「・・・」
桃子「昨日・・・何の日だったか覚えてるっすか・・・?」
加治木「・・・昨日? ・・・ん、いや・・・」
桃子「ふふ・・・やっぱり忘れられてたんすね」
桃子「先輩・・・昨日の7/26は、」
桃子「私、東横桃子の誕生日っすよ・・・?」
桃子「思い出してくれたっすか?」
加治木「いや・・・えっと、そうだった・・・のか?」
桃子「・・・なんすか、その今初めて聞きましたって言いたげな顔は」ムスッ
加治木「・・・今初めて聞いたぞ」
桃子「なっ、そんなの嘘っすよ! 絶対話したことあったっす!」
加治木「いや、さすがの私も同じ部員の誕生日は忘れないと思うぞ」
加治木「つまり私が覚えてないということは、そもそも私はモモから誕生日を教えてもらってなかったということだ」
桃子「そ、そんなことありえないっす! 私が先輩に誕生日教えないはずないじゃないっすか!?」
加治木「そうは言っても、私たちはまだ3ヶ月程度の付き合いだぞ?」
桃子「あ、なんすかそれ! ひどいっす!」
桃子「大事なのは時間じゃなくて、その時間をどうやって過ごしたかだって先輩も言ってたじゃないっすか!」
加治木「そ、そんなこと言ったか・・・? いやいや、というか話がどんどん逸れてってるぞ・・・」
加治木「・・・わ、わかったわかった。私が悪かったよモモ」
桃子「・・・ふんっす」プイッ
加治木「昨日してやれなかった分、今日は一日かけてお前に付き合ってやるから」
桃子「・・・」
加治木「それじゃダメか・・・?」
桃子「・・・っ」
桃子「と、特別に認めてやらないこともないっす・・・///」
加治木「モモ・・・」ホッ
加治木「・・・なんだ?」
桃子「来年も、再来年も、その次も・・・!」
桃子「ずーーーーーっと、私の誕生日を祝ってくれるって・・・そばにいてくれるって約束・・・してくれるっすか?」
加治木「・・・ああ、もちろんだ」ニコッ
桃子「・・・っ」ドキッ
桃子「じゃあ、先輩・・・今日は私をとことん連れ回してくださいっす」
加治木「わかった。任せておけ」
桃子「・・・っ///」
桃子(期待してるっすからね・・・先輩)
桃子「あの先輩・・・私、映画はやっぱりいいっす」
加治木「ん、急にどうしたんだ?」
桃子「だって・・・映画館は先輩のすぐ傍にはいられるっすけど、先輩とお話できなくなるじゃないっすか」
桃子「私、今日は少しでも長く先輩とお話していたいっす・・・!」
加治木「モモ・・・」
加治木「よし、わかった。じゃあ近場のショッピングモールをブラブラ歩くか?」
桃子「・・・はいっす!」ニコッ
何かを買ってもらったりとかそういうことは特になかったけれど、
それでも先輩と一緒に話しながら、アイスを食べたり、お洋服を見たり、ゲームをしたりする時間は、なにものにも代えがたい最高の“誕生日プレゼント”といえた。
そして日も沈みかけ―――
加治木「それはよかったよ。私もここまではしゃぎ回ったのは久しぶりだ」
桃子「それじゃまた、他の人が知らない先輩の顔を私が一人占めしたってことっすね」
加治木「ま、まあそうなる・・・のか」
桃子「・・・へへ、やったっす」グイッ
加治木「おわっ! も、モモ・・・っ!///」
桃子「一回くらいこういう恋人つなぎってやつ、してみたかったんすよね・・・っ!///」
加治木「は、恥ずかしいなこれ・・・///」
桃子「先輩、顔真っ赤っす・・・///」
加治木「お、お前だって・・・!///」
桃子「・・・へへ・・・///」
ギュ
「いらっしゃいませ」
加治木「・・・さ、モモ。好きなの選べ」
桃子「えー! ど、どれにしようか迷っちゃうっすよー!」パアァ
桃子「あ、これおいしそう! あ、これも!」
加治木「・・・ふふ」
桃子「先輩はどのケーキがいいと思うっすか!?」
加治木「私はいいんだよ。今日はお前のお祝いなんだから、お前が好きなように選べ」
桃子「じ、じゃあ・・・このフルーツタルトのやつにするっす!」ビシッ
加治木「じゃあ、これふたつお願いします」
「はい、ありがとうございます」
加治木「ほら、口のとこクリームついてるぞ」
桃子「あ、どうもっす・・・///」
加治木「しかしこれ本当においしいな。今度ケーキを買うときは、またあのお店にお世話になろう」
桃子「次は先輩の誕生日っすね」
加治木「ああ、そうだな。いつか知ってるか?」
桃子「12/21っす」
加治木「そ、即答だな・・・教えたことあったか?」
桃子「先輩のプロフィール情報はすべて網羅済みっす」
加治木「すべて・・・?」
桃子「もちろんスリーサイズも空で言えるっす」
加治木「なっ・・・! モモっ!」
桃子「大丈夫っすよ。二人だけの秘密っす♪」
加治木「うぅ・・・///」
桃子「・・・」
加治木「・・・モモ、そろそろ・・・」
桃子「イヤっす!」
加治木「・・・モモ」
桃子「もっと先輩と一緒にいたいっす! お話していたいっす!!」
加治木「・・・モモ、わがまま言うんじゃない。明日からだってまた会えるだろう」
桃子「・・・っぐ」
加治木「こら泣くな。お前には涙は似合わないぞ」
加治木「・・・」
桃子「でも・・・一度先輩から離れたら、もう二度とこの幸せが感じられないんじゃないかって、不安で・・・」
加治木「・・・モモ」
桃子「・・・バカなことだってわかってるっす。だって永久に残り続けるものなんてないんすから」
加治木「・・・」
桃子「・・・」
加治木「・・・モモ」
桃子「・・・」
加治木「・・・抱きしめてもいいか?」
桃子「・・・えっ」
ギュ
加治木「・・・どうだ? 今、モモは何を感じてる?」
桃子「・・・安心感・・・喜び・・・それから・・・」
桃子「・・・先輩のことが大好きって気持ちっす」ギュ
加治木「・・・奇遇だな。私も同じようなことを考えてた」
加治木「モモがそばにいると、なんだか心がリラックスできるんだ。素の自分をさらけ出すことができるというか・・・」
桃子「・・・先輩・・・///」
加治木「あと・・・モモは柔らかくてフニフニしてて、気持ちいい」
桃子「・・・先輩のスケベ」
加治木「そ、そういう意味じゃないっ! モモがすごくかわいいってことだよ!」
桃子「・・・嬉しいっす」
加治木「・・・モモ、永久に残り続けるものなんてないのかもしれない」
加治木「でも、ヒトってのはすごいよ・・・こうして好きな人と体を寄せ合うことで幸せをまた作り出してゆける」
桃子「・・・っ」
加治木「・・・私はずっとモモのこと好きで居続けるよ。だから安心していい。私がいる限り、モモを不幸になんかさせやしない」
桃子「・・・先輩」
加治木「・・・なんだ?」
桃子「・・・ありがとうっす」ギュ
加治木「・・・それじゃあまた明日な」
桃子「・・・はいっす。今日は楽しかったっす」
加治木「また二人でどこか行こうな」
桃子「楽しみにしてるっすよ!」
加治木「ああ」
桃子「・・・あ、先輩。少しだけここで待っててもらっていいっすか?」
加治木「構わないが」
桃子「すぐ戻るっすー!」ダダッ
加治木「転ぶなよー」
桃子「お、お待たせしましたっす・・・」
加治木「いや別に大したこと・・・って」
加治木「・・・っ!?」
桃子「えへへ・・・ど、どうっすか?」
桃子「これ昨日のために買ったワンピースっす・・・結局着る機会逃しちゃったんすけど、先輩にはどうしても見てもらいたくて・・・」
加治木「・・・」
桃子「・・・せ、先輩?」
加治木「え・・・あ、ああ! いや、すごく似合ってるよモモ!」
桃子「ほ、ほんとっすか? 嬉しいっす!」クルン
加治木「・・・」ゴクリ
加治木(い、一瞬見とれてしまった・・・)
加治木「なんだ? モモ」
桃子「・・・あ、あの・・・」モジモジ
加治木「・・・?」
桃子「・・・わ、私とその・・・きっ・・・///」
加治木「・・・き?」
桃子「・・・きっ・・・きっ・・・///」
加治木「・・・」
桃子「・・・きっ・・・きぃっ・・・///」カアァ
加治木(おもしろい顔だ・・・)
桃子「も、もう・・・いつまで待たせるんすか!?」プンスカ
加治木「・・・ん? 待たせるってなにをだ?」
桃子「・・・」
桃子(この人はどんだけ鈍感なんすか・・・)ハァ
加治木「おいモモ、今さりげなく先輩をバカにしなかったか?」
桃子「・・・」
加治木「モモ」
桃子「・・・ああもう、うるさいっすね!」ズイッ
チュ
加治木「・・・んんっ・・・///」
桃子「・・・んん・・・ぷはっ・・・///」
加治木「っ・・・はぁ・・・はぁ・・・も、モモ・・・!」
桃子「へへっ、うるさい口はこうやって塞いじゃうっすからね・・・///」
加治木「まったく、お前というやつはいつも強引で・・・!」
加治木(まあ、お前のそういうところに引かれたってのもあるが・・・)
桃子「それじゃ先輩、おやすみなさいっす!」
加治木「・・・ああ、おやすみモモ」
――――まったく、先輩ってば鈍すぎっすよね。
ダダダッ
後輩にリードさせるなんてちょっと情けないっす。
ガチャ
だけど――――
タタッ
そんな先輩も含めて、私は大好きになったんすよね。
ガララッ
桃子「先輩!」
桃子「大好きっすよ!!」
初めてのキスは、少し甘酸っぱかった。
カン
かじゅモモ成分が枯渇してたので自ら燃料投下。反省はしていない。
頼むから咲SS減らないでくれー
乙でした
大変すばらだった
乙乙
Entry ⇒ 2012.07.29 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
照「園城寺さんを妹にしてええええええええ」
淡「…………」
照「…………」
菫「…………」
淡「…………」
照「園城寺さんを」
菫「二度も言わなくていい。聞いた上で無視してるんだから」
照「そうか」
菫「…………」
照「千里山の先鋒、園城寺さん。覚えてる?」
菫「…………」
照「あの子をぜひとも私の妹にしたいと思う」
菫「…………」
照「どこで、どうすれば彼女を私の妹にできるのか」
菫「…………」
照「私も色々考えては見たんだが、いい案が浮かばなくて」
菫「…………」
照「なにか良いアイデアはないか?」
菫「…………」
照「なあ、聞いてるのか?」
菫「聞いてるわけないだろ」
照「ちっ……これだから菫は」
淡「え、こっちに振るんですか……」
照「園城寺さん、可愛いと思うだろう」
淡「まあ、そうですねえ……私はモニター越しに見ただけなんで
実際に見てどうなのかは知りませんけど」
照「モニター越しに見ても可愛いし、実際に見たらもっと可愛い。
あんなに可愛い生き物がいたのかって衝撃を受けた」
淡「はあ」
照「小柄な身体、儚げな表情、やわらかそうな髪……
それに声も可愛い。声優の小倉唯みたいな」
淡「さいですか」
照「あんな可愛い子を目の当たりにしたら、誰だって妹にしたいと思う。
そうだろう?」
淡「その理屈がちょっと意味不明なんですけど。
なんで可愛い子がいる=妹にしたい、になるんですか?」
照「は? 逆に聞くが、なんで妹にしたいと思わないんだ?
頭がおかしいんじゃないのか?」
菫「おかしいのはお前だお前」
照「友達になったところで休みの日に遊びに出かけるくらいだろう。
それに女同士の友情というものを私は基本的に信用してない」
淡「はあ」
菫「…………」
照「私が求めるのは、もっとこう……蜜月の関係なんだ。
友達程度ではない、恋人同士でも成し得ない。真に二人だけの世界。
血縁という何物にも代えがたい関係で結ばれているからこその絆。
何かもアニメでも言ってた。世界で一番美しいのは兄弟の絆だと」
淡「はあ、まあ……そうやって説明されると
分からなくもない、って気にはなってきましたけど」
照「そうか、ついに淡も分かってくれたか。同士が増えて嬉しい」
淡「同士になったつもりは全くないんですが」
照「さて、本題に戻ろう。
どうすれば園城寺さんを妹にできるかということだが」
菫「つーかお前もう既に妹いるだろ」
照「あっ、菫は私のこと無視するから同士に入れてあげませーん。
都合のいい時だけ話しかけないでくださーい」
菫「小学生かお前」
淡「園城寺さんをどうすれば妹にできるか、という……」
照「ああ、そうだった。
全国大会が昨日終了、千里山高校も早いうちに大阪へ帰ってしまうだろう。
そうなる前に手を打たないと」
淡「えっ、マジで実行に移す気なんですか?
ただ妄想と願望を語るだけではなく……?」
照「当たり前だろう。私は欲しいものは手に入れる女だ」
淡「手に入れられる側からしたらたまったもんじゃないと思いますが」
照「なあ、どうすればいい。
今この瞬間にも千里山が大阪に向かって出発するかもしれない。
早く何かアイデアを出せ、ほら、今すぐ」
淡「えー……んなこと言われましても」
菫「淡、無理して話に付き合うことないぞ。
そんなバカな先輩の妄言にのらなくてもいい」
淡「はあ……」
照「淡、菫と話すな。菫菌がうつるぞ」
菫「お前もうマジで小学校からやり直せよ」
なんなら法を犯しても構わないから」
淡「……うーん、率直な意見を述べさせて頂きますと……」
照「うん、なんだ」
淡「園城寺さんを妹にするのは不可能という結論に……」
照「その不可能を覆すのが淡の役目だ。。
白糸台高校チーム虎姫の大将だろ、お前は。何とかしろ」
菫「無茶苦茶だなお前」
淡「不可能を可能にするのは無理ですが、なんとか妥協点というか……」
照「妥協点……?」
淡「はい。園城寺さんを妹にするのはどう考えても無理なので、
一日一緒に遊びたい、とか一緒にディズニーランド行きたい、とか
そういう妥協点を探ってみてはどうでしょうか」
照「いや、しかし妹に出来ないなら意味ない……」
淡「100にこだわりすぎるあまり、70や50を得るチャンスを逃すのは馬鹿らしいと思いませんか」
照「ううむ……しかし……でも……」
菫(面倒見のいい後輩だなあ……)
淡「私もそのラインが一番現実的だと思います」
照「うん、まあ、そうだな……まずはここから始めて……
そしていずれは園城寺さんを妹に……」
淡「できるといいすねー(棒)」
照「よし、じゃあ早速園城寺さんを誘いに行くか」
淡「え、今から行くんですか?」
照「当たり前だ。こうしてるうちにも千里山一行が大阪に帰って
園城寺さんが私の手の届かない存在になってしまうからな。
善は急げ、思い立ったが吉日、急がば回れだ」
淡「そうですか、じゃあ頑張ってきて下さい。陰ながら応援してます」
菫「あんまり私たちの恥にならないようにしろよ」
照「うん、分かってる……それじゃ、行ってくる」
淡「いってらっしゃーい」
照「…………」
淡「……行かないんですか?」
照「……淡、ちょっとついてきてくれないか」
照「ほら、知ってのとおり私は口下手だろう」
淡「そんな自慢気に言うことじゃないと思いますが」
照「だから園城寺さんを誘うのだってうまくいくかどうか不安だし
千里山の人達に対して上手に接する自身もない」
淡「でしょうね」
照「しかし淡は人当たりがいいしコミュニケーションも上手だ。
そこで私のサポートをして欲しい。同士として」
淡「はあ……」
菫「ついていってやってくれ、淡……
こいつ一人じゃ何をやらかすか不安で仕方がない」
淡「あー、まあそうですね……じゃあ私も一緒に行きますよ」
照「おお、ありがとう。淡がいれば百人力だ」
菫「つーかお前、取材の時みたいな営業スマイル営業トークで喋れば
誰に対してだって上手くコミュニケーションできるだろうに」
照「あれは取材の場、マスコミ相手だからああいう演技ができるんだ。
一個人と一個人の対等な会話ではあんなふうに自分を偽るのは無理だ」
淡「典型的なコミュ障タイプですね……」
照「はあ、やっと着いた」
淡「ここですか、千里山の人が泊まってるホテル」
照「ああ、なかなか良いホテルだな」
淡「まあ私たちのところのほうが豪華ですけどね。
てゆーか、よく場所わかりましたね」
照「ああ、強豪校の追っかけをしてるファンの人がいてな。
その人から情報を聞きだしたんだ」
淡「へえー」
照「まあ、情報の見返りにスカートめくった写真撮らせてくれと言われた時は
さすがに気持ち悪かったがな」
淡「それファンじゃなくてただの変態カメラ小僧じゃないですか……」
照「スカートめくるのは無理だからふくらはぎの写真で我慢してもらった」
淡「結局撮らせたんですか!?」
照「まあ、いいじゃないか。そんな写真一枚で大事な情報が聞き出せた。
世の中ギブアンドテイク、持ちつ持たれつ。情けは人のためならずだ」
淡「嫌ですよ、そんな写真がへんな雑誌に載ったりしたら……」
照「1020号室らしいんだが……
ところで淡、大阪の人と話すときはやはりこちらも関西弁を使うべきだろうか」
淡「ヘタな関西弁使うと神経逆なでしますよ」
照「そうか……そういえば名探偵コナンでそんな話やってたな」
淡「あっ先輩、ちょっとトイレ寄ってもいいですか」
照「ん、ああ……早く済ませろよ」
淡「はーい」タッタッタッ
照「…………」
照「…………」
照「知らない建物の中に一人でいるのは心細いな」
「ソレデナー」「ホンマニー?」「ナンデヤナー」
ワイワイガヤガヤ
照「ん? あれは……」
フナQ「あれ? あの人もしかして……」
怜「み、宮永照? なんでこんなとこに……」
心の準備がまだ全然……しかしいつ見ても可愛い……)
フナQ「あのー、宮永さんですよね? 白糸台の……」
照「んっ、お。お、ああ、そ、そうですけろ……」
セーラ「何してるんや、こんなとこで」
照「そ、そそ、それはですね、えっと……あの……」
セーラ「あんたらが泊まってるホテル、ここと違うやろ?」
フナQ「なんかうちらに用なんですか?」
照「え、あ、ああ……なんというかその……」
フナQ「なんか要領を得んなあ。
言いたいことがあるんやったらはっきり言うてくださいよ」
照(やばいやばいやばい……予想外の事態に頭が真っ白だ……
こんな時のために淡を連れてきたのに肝心な時にいないんだから……!)
フナQ「? なんなんです?」
照「あ、ああ、いや、まあ……」
照(早く出てこい淡! いつまでトイレに篭ってる!
ウンコか? ウンコなのか!? こんな時に!!)
先に部屋戻ってるわ」
セーラ「おう、一人で大丈夫か?」
怜「うん、平気や」
照(いかん! このままでは可愛い可愛い園城寺さんが
自分の部屋に帰ってしまう……どうする?どうすればいい?)
照(今日のところは私も帰るか? この状態ではどうしようもない……
一人じゃ園城寺さんを遊びに誘うなんて出来ない……淡がいないと)
照(いや、そんな情けないことでどうする、宮永照!
こんなことでめげてちゃ園城寺さんのお姉ちゃん失格じゃないか!)
照(私だけでも、園城寺さんをお誘いしてみせる!
これは園城寺さんを私の妹にするための大事な一歩なんだ!)
照(しかし、何と言えばいい……口下手な私のことだ、
長台詞を喋ろうとしても確実に噛んでしまう……なるべくシンプルな方がいい)
照(今の私の気持ちを一言で表す、シンプルな言葉!
それは、それは……そうだ、もうこれしかない!)
照「園城寺さん!!」
怜「は、はい?」
照「園城寺さんを妹にしてええええええええ!!!」
セーラ「………………」
フナQ「………………」
怜「………………」
照「………………」
セーラ「………………」
フナQ「………………」
怜「………………」
照「………………」
淡「お待たせしちゃってすいません先輩……
あれ? なんで顔面蒼白なんですか?」
照「………………」
淡「そしてなんで千里山の人達がここにいて
しかも硬直してるんですか?」
怜「………………」
淡「私がいない間に何があったんですか……」
淡「な、なんですか」
照「フォロー頼む……」
淡「いや、無理ですよ!
流石の私もこの取り返しの付かない空気をどうにかできるほど
コミュニケーション能力高くないですよ!?
てゆーかマジで何があったんですか私のいない間に!!」
フナQ「あー……貴方、白糸台の……大将さんやな?」
淡「あ、はい……大星淡と申します」
フナQ「そこの宮永さんより貴方のほうが話できそうやな」
セーラ「ちょっと説明してくれへんか……宮永照が何をしたかったのか」
淡「それはいいですけど……
まずうちの宮永が何をやらかしたのか教えていただけませんか」
セーラ「園城寺さんを妹にしてええええええと大声で叫んだんや」
淡「うっわあ…………」
照「そんな露骨に引かないでくれ」
淡「引きますよ、誰だってドン引きですよ……
そして一番引いてるのは園城寺さんですよ」
セーラ「端から見てたらただのキチガイやったで」
フナQ「天才っていうのは、やっぱ他の部分がおかしいもんなんですかね」
淡「散々な言われようですね」
照「いたしかたなし……」
怜「で、結局何しに来たん? 私に用事か?」
淡「あっ、はい……実は……なんといいますか、
うちの宮永が、そちらの園城寺さんにお願いしたいことがあるそうで」
セーラ「お願いしたいこと?」
フナQ「妹にしたいってことですか」
照「はい、できれば」
淡「お前が喋るとややこしくなるからもう黙ってろよ」
照「はい……」
淡「えっとですね、ま、その……宮永が園城寺さんを気に入ったみたいで……
できれば園城寺さんを一日貸していただければと思いまして」
怜「えー」
千里山の方も、もう大阪にお帰りになるんですよね?
それなら別に断っていただいてもまったく構いませんので、ええ」
怜「大阪に帰るんは明日やで」
セーラ「今日は皆で東京見物行くことにしてたんや」
フナQ「でも園城寺先輩はまだ体調が万全やないんで部屋で休むって」
淡「あ、体調よろしくないんですか。
そういえば準決勝戦でお倒れになってましたよね……
お元気でないなら無理にとは言いませんので、
それではこれで失礼いたします、お騒がせしてすみませんでした」
セーラ「おう」
淡「さあ帰りますよ宮永先輩、帰ってお説教ですよ」
照「嫌だ」
淡「は?」
照「私が何のためにここに来たと思ってるんだ。園城寺さんを妹にするためだ。そうだろう?」
淡「だから無理だっつってんだろ」
怜「てゆーか同い年やから妹になるのはおかしいんとちゃう」
フナQ「そこですか問題は」
淡「…………」
照「園城寺さん、もう一度言わせて欲しい。答えを聞かせて欲しい。
さっきはテンパッて大変なことになってしまったが、
今度はちゃんと落ち着いて言うから」
怜「うん」
淡「宮永先輩……」
照「お、園城寺さん……今日でいい、今日一日だけでいいから……
私の……私の妹になってくれないか?」
怜「ええよ」
淡「えっ!? いいの!?」
フナQ「そんなあっさり決めてええんですか?」
怜「ま、今日私だけ暇やし、宮永さんとはもう1回、
改めてお話しとかしたいと思ってたからな……ちょうどええよ」
照「ついに悲願、念願、大願成就……!
今日一日だけだが、私は今、園城寺さんのお姉ちゃんになった……!」
セーラ「ははは、りゅーかが聞いたらどう思うやろな……」
竜華「何ふざけたこと言うてんの?」
フナQ「なんか負のオーラというか、殺気出てますよ!?」
竜華「宮永さん、やったっけ?
あんた誰の許可もろて怜に手ェ出してるんや? ん?」
照「園城寺さんと仲良くするのに、誰かの許可がいるのか?
貴方はたしか千里山の大将だったな……たしか清水寺さん」
竜華「清水谷や! 人の名前間違えんな!
とにかく怜に何か用事あるときはなあ、一回私を通してからにしてくれへんか!?」
セーラ「怜のマネージャーかお前は」
照「そんなことを言われても困るな。
園城寺さんは誰のものでもないんだから。なあ園城寺さん」
怜「そやなあ、お姉ちゃん」
照「お、お姉ちゃ……ブホォッ」
怜「竜華、そんな狭量なこと言うたらアカンよ。
私は今日宮永さんの妹になるって決めたんやから。
心配してくれるんは嬉しいけど、私はもう大丈夫やし」
竜華「でも、そんな人と二人で遊ぶやなんて……
だいたい宮永照は……はっ!?」
淡「………………」
竜華「あ、あ、あああ……あああああ…………」
セーラ「な、なんや!? どうしたんや竜華!!」
淡「ふふふ……思い出しますね大将戦……楽しかったなあ」
竜華「い、いや……いやあああああ……」
セーラ「おい、竜華! 大丈夫か!?」
フナQ「トラウマスイッチが入ってしもたみたいですね……」
セーラ「トラウマスイッチ?」
怜「ああ、そういうえば竜華……大将戦で珍しくボコボコにされてたな」
照「一体どんな打ち方したんだ、淡」
淡「まあちょっと本気出しただけで……てゆーか試合見てくれてなかったんですか!?」
照「ああ、ちょうどその時は園城寺さんのことで頭がいっぱいだった」
怜「あんたの先輩、平気で恥ずかしいこと言うなあ」
淡「最高にして最低の先輩ですよ」
竜華「あああ……あああああ…………」ガクガク
竜華「うう、うううう……」
淡「貸していただけますよね?」
竜華「わ、分かった! 貸す、貸すから!
そんな近づかんといてえええええええええ!」
セーラ「おお、竜華が折れた……」
フナQ「信じられんことですね……」
淡「先輩、これで清水谷さんの許可も取りつけましたよ」
照「ああ、ありがとう……
というか色々言ってたくせに結局協力してくれてるな」
淡「それはまあ……あれですよ、後輩の努めですよ。
でもこれは貸しにしておきますからね」
照「ああ、分かった。感謝する。
淡がいなかったら、今頃どうなってたか……」
淡「ホントにどうなってたでしょうね……」
怜「すまんな、竜華。戻ったら埋め合わせはするから」
竜華「あうう……」
他の人達にもそう伝えておいてくれ」
フナQ「はあ、分かりました。でもあんまり変なことしたらいけませんよ」
セーラ「ほら竜華、しゃきっと立たんかい」
竜華「腰が抜けてしもて……怜ぃ」
怜「何?」
竜華「帰ってきたら……今度はうちの妹にもなってな」
セーラ「何を言うてるんや……」
怜「まあ、気が向いたらな」
フナQ「さて、我々は東京見物に行きますか」
セーラ「スカイツリー行くで~」
フナQ「高いとこ好きですねえ先輩……」
竜華「怜~……怜~…………」
フナQ「ほらほら、いきますよ~」
竜華「あああぁぁぁ……」ズルズルズルズル
怜「おみやげ買ってきてや~」
淡「ここまで長かったですね」
怜「でも姉妹って言うたかて、何をするん?
普通に遊ぶだけやったらアカンの?」
照「それはこれから考える。
とりあえず部屋に戻ろうか」
怜「部屋って、私の部屋?」
照「いや、私たちのホテルに部屋を一つ確保してある。
まずそこで姉妹の語らいをしようじゃないか」
怜「へえー、白糸台の泊まってるホテルか。
ちょっと興味あるなあ」
淡「ちょ、ちょっと先輩」コソコソ
照「なんだ淡」
淡「どういうことですか、一部屋確保してるって……
もしかして園城寺さんと一泊する気ですか?
今日一日だけって言ってたのに……」
照「千里山が大阪に帰るのは明日だと言っていた。
何も問題はあるまい」
淡「なんでそう自分中心に物事を考えられるんですか……」
照「ここが私と園城寺さんのために用意した部屋だ」
怜「へえーっ、やっぱり凄いなあ~。
私らのホテルもけっこう広い方やと思てたけど……」
照「そうだろうそうだろう」フフン
淡「……じゃあ先輩、私は皆のところに戻ってますんで。
どうぞお二人でごゆっくり」
照「ああ、色々ありがとう。
何かあったらまた呼び出すかもしれないが、その時はすぐに駆けつけてくれ」
淡「嫌ですよ、人を何だと思ってるんですか……まったく」
ガチャバタン
照「…………」
怜「ま……口ではああ言いつつも、
実際には呼んだらすぐに来てくれる子なんやろな」
照「うん。淡は優しいからな……さてと」
怜「?」
照「ようやく二人っきりになれたな」
怜「なんや変な意味に聞こえるな……」
やはり改めて姉妹というのを意識すると、恥ずかしいから」
怜(もしかして宮永さんの言う『姉妹』って『お姉様』的な意味なんやろか……)
照「えーと……じゃあまず、姉妹の第一段階として……
お互いの呼び方を改めたいんだけど」
怜「呼び方か……私はもう宮永さんのこと、『お姉ちゃん』って呼んどるし」
照「ムッフフ……」
怜「お姉ちゃん」
照「ドゥフッ……」
怜「おね~えちゃん♪(ドギーマンみたいに)」
照「フッホホホホホ……オホォ」
怜「そろそろ本題に戻ろか」
照「そ、そうだな……」ニヤニヤ
怜「みや……お姉ちゃんがそんなニヤけ面するとは思わんかったわ」
照「まあ、私だって人の子だし笑うことだってある……」
怜「笑うのとニヤニヤはちょっと違う気もするけど」
怜「怜、でええよ。妹なんやから」
照「そうだな……じゃあ、呼ぶぞ」ゴホン
怜「そんな気合入れんでも……」
照「と…………怜…………」
怜「はい」
照「な、なんか……恥ずかしいな」
怜「いちいちそんな照れんでも……
普通にしてくれたらええよ、友達に接してるみたいに」
照「と言われてもな……友達と呼べる人間なんて特にいないからな」
怜「あ……そうなん」
照「ああ、まあ」
怜「……なんかごめん」
照「え、いや……」
怜「……」
照(あれ? なんか空気が重い?)
照「そ、そうだ、怜……準決勝で倒れてたけど、もう体の方は……」
怜「え、ああ、もう平気や……
病院で一晩点滴打ってもろたら良うなったよ」
照「そっか、なら良かった……
あの時は突然倒れるからさすがに驚いた」
怜「ま、それくらい凄い対局やったってことやな」
照「でもあの時はすまなかった……
なんというか……私が調子に乗りすぎたせいというか」
怜「何を言うてるんやな……
別にみや……お姉ちゃんが気に病むことなんかあらへんよ。
おたがい本気の勝負が出来て嬉しいくらいや」
照「そうか……? でも間接的には私のせいというか……」
怜「だから別に気にせんでええってば」
照「そうかな……」
怜「……」
照「……」
怜(空気が重いなあ……)
慣れてくるまでは気まずくなるのは仕方ないんかな……
なんか違う話題、違う話題……)
怜「あ、そうや……お姉ちゃんって、ほんまの妹もいるんちゃうの?」
照「本当の妹……? 私の妹は怜だけだよ」
怜「そうなん? 清澄の嶺上使い……宮永咲、やったっけ」
照「…………」
怜「あの人、宮永照の親族……っていうか、妹とかいう噂を聞いたで」
照「違う。そんな人のことは知らない」
怜「ふーん、でも結構似てる感じやけど」
照「違うって言ってるだろ。
宮永咲は私の妹なんかじゃない、私に妹はいない!」
怜「あ、ご、ごめん……」
照「あ、いや……すまない……」
怜「…………」
照(まずいな、プラズマズイ……園城寺さんと仲良くするつもりが……
なんでさっきからこんな重苦しい空気に……
こんなときはSOSだ、救世主大星淡の教えを請うしかない)
怜「あ、うん……」
照「ピッピッピッ……プルルルル」
淡『……あ、もしもし?』
照「淡、ちょっと今ヤバイ。空気がヤバイ。助けてくれ」
淡『は? 空気がヤバイ? 真空状態なんですか?
宇宙と繋がっちゃったんですか? 宇宙キターな感じですか?』
照「冗談を言ってる場合じゃない……
互いに話題のチョイスをことごとく間違えてるせいで気まずくて仕方がない。
地雷原をローラースケートで走ってるみたいな感覚だ」
淡『その喩えはよく分かりませんが。
姉妹なんだからそんな気を遣わなくていいんじゃないですか。フランクにいけば』
照「は? 私と園城寺さんは姉妹ではなく赤の他人同士だ。
気を遣わずに接せられるわけがないだろう」
淡『こんな時だけ現実的にならないでくださいよ』
照「で、どうすればいい」
淡『えー……じゃあ気分転換に2人で出かけたらどうですかあ』
淡『普通に友達と出かけるようにすればいいじゃないですか。
あ、友達いないんでしたっけ』
照「他人から言われるとムカつくな」
淡『あれ、でも時々弘世先輩と一緒に放課後に寄り道したりしてますよね。
園城寺さんともその時みたいに遊べばいいじゃないですか』
照「いや、別に遊ぶために寄り道してるわけじゃない。
菫とは一緒に本屋に行ったり、雀荘に行ったり、
マックや牛丼屋の新メニューを食べて品評会するくらいしか」
淡『あんたらホントに女子高生かよ……』
照「淡、私はどうすればいいんだ。
まともに会話も盛り上げられない、ろくに遊びも知らない……
そんな私が姉になろうとしたのがそもそもの間違いだったのか?」
淡『そんな思いつめないで下さいよ。
とにかく、目的は決めなくていいんで、とにかく二人で出かけて』
照「目的がないとグダグダにならないか?」
淡『大丈夫です、適当にウィンドウショッピングとかしてるだけでも結構楽しめますし』
照「ウィンドウショッピング? 商品見るだけで何が楽しいんだ?」
淡『あんた以外はみんな楽しんでんだよ!』
なんだよくいか女子高生グループじゃないか
雀荘…?
結局また気まずくなるんじゃ」
淡『いいですか、会話の基本はクエスチョンです。
とにかく相手に質問をぶつけるんですよ』
照「はあ」
淡『でもただ質問を繰り返すだけじゃ無味乾燥な会話にしかなりません。
なるべく相手の興味のありそうな話題の方へと誘導していくんです』
照「なんだか難しそうだなあ……」
淡『別に高度なテクニックじゃありませんよ。
それで、うまいこと相手の興味ある話題を引き出せたら、
それを参考にして次の目的地を決めて下さい』
照「目的地を決めるって言ってもな……
どこにどんなお店や施設があるかなんてわからないし……」
淡『それが無理なら適当にぶらぶらして帰ってくるだけでもいいですから。
とにかくこのまま部屋に篭っててもお互い気まずいだけですよ』
照「そ、そうだな……分かった、なんとか頑張ってみる」
淡『はーい、じゃあ切りますよー』
照「あ、待って……できれば私たちの後ろからついてきて」
淡『…………』
照「…………」
怜「…………」
照「……いやあ、まだまだ暑いなあ」
怜「そーやなあ、夏やしなあ……」
照(いかんな、まだ会話がぎこちない……
しかし、このお出かけで何としても距離を縮めてみせる!)
照(淡はちゃんとついてきてくれてるな……)チラッ
淡(私ってすげー優しいよなー)コソコソ
照(よし、淡さえいればちょっとくらい失敗しても大丈夫だ……
なんとか積極的にいかないとな)
照「おんj……怜、向こうの方にショッピングモールがあるんだ。
そこなら涼しいし、ちょっと行ってみないか」
怜「うん、ええな。とにかく暑いのはかなわんわ~」
照「怜は暑がりなのか?」
怜「そやなー、暑いと体力ゴリゴリ削られてく気がするわ」
照「そうか、ははは」
ザワザワザワザワ ガヤガヤガヤガヤ
怜「なんかめっちゃ人おるなあ……」
照「なるほど、全店連動で大規模なセールやってるみたいだな」
怜「うーん……」
照「と、怜は人ごみは苦手か?」
怜「そうやなあ、どっちかといえばあんまり好きやないな……
冷房もあんまり効かんようになるし」
照「最近はただでさえ節電節電で設定温度高めだからな……」
怜「まあ、でもこれくらいなら我慢するわ。とりあえずどっか見て回ろ?」
照「そうか? 無理しなくてもいいんだぞ」
怜「ううん、別に大丈夫やで」
照(と、園城寺さんは言っているが……どうすればいいだろう、あわえもん)
淡〈パッパッパッ パツパッパッパッ パッパッパッ〉
照(キッサテンニハイレ……か、よし、了解)
淡(覚えててよかった手旗信号)
すごいな
ちょっと喉乾いたし……」
怜「そうやな、あのお店は結構空いてそうやし……」
照「なんか済まないな、こんなに混んでるとは思わなくて」
怜「気にせんでええって。
私こういうところあんまり来たことないから、ちょっと新鮮やわ」
照「そっか、私もあんまり……というか初めてで」
怜「そうなんや」
照「ああ」
怜「じゃあ休みの日とか何してるん?」
照「土日も祝日もずっと部活だな……遊ぶ暇なんてないよ」
怜「へえー、やっぱり強いとこはそうなんやな~」
照「千里山も強豪校じゃないか……全国2位なんだから」
怜「まーな……でも私はずっと入院してて幽霊部員やったからな~」
照「でも退院してからはずっと練習漬けだったんじゃないのか?」
淡(ば、ばかな……宮永先輩が同年代の女子と普通に会話してる……だと……)
「おまたせしました、烏龍茶です~」
怜「あ、どうも」
照「この店は静かでいいな」
怜「外は人でごった返しとるけどなあ」
照「でもセールやってるんなら、色々安く買えるかもな」
怜「ああ、服とかなあ」
照「怜は普段はどういうとこで服買うんだ?」
怜「いっつも竜華に選んでもらってるわ」
照「仲いいんだな」
怜「まーな……お姉ちゃんは?」
照「まあ……色々かな。色々」
淡(色々って……普段服なんか全然買わないくせに……)
照(淡、これから服を見に行く。良さ気な店を教えろ。
私のセンスの無さがバレないようなレベルの店で頼む)チラッ
淡(知らん、適当に見て回れ)パッパッパッ パッパッパッパッ
ワイワイガヤガヤ
怜「いっぱいお店あるなぁ~」
照「そうだな……」
照(ここはやはりカッコつけてオサレなお店に入るべきか?
いやいやしかしここは分相応の……)
怜「あんまりオシャレなお店に入るんは、ちょっと気が引けるな」
照「う、うん、そうだな、そうだよな。
やっぱり高校生らしいお店にするべきだよな、うん」
怜「そやな~。でもこういうとこあんまり来いひんから、
自分にあった店ゆうんも、ようわからんわ」
照(うん、そうだな……なるべく派手じゃなくて、
人がいなくて、ゆっくり見て回れそうな店……)
照「そうだ、あそこなんかいいんじゃないか?」
怜「うん、そやね、あのお店見てみよ」
淡(ちょ、二人とも何やってるんですか! そこオバハン向けの店ですよ!)
淡(そんな店はいるな! おい、ちょっと気づけ!)パッパッパッパッパッパッパッパッパッ
照「……この店はちょっと失敗だったな」
怜「そうやな……まあオシャレでもなかったけど……
高校生らしい店でもあらへんかったな」
照「お互いにもっと早く気づけばよかったな……」
怜「そうやな、店内2週もせんで済んだな……」
照(入った時点で気づいたけど自分から提案した手前
やっぱり間違えた、なんて言ったらかっこ悪いし……)
怜(入った時点で気づいたけど宮永さんが選んだ手前
ちょっと間違ってるんちゃう?なんて言えへんし……)
照(いきなり危惧していた失敗が起こってしまった……
淡、どうすればこの失敗を取り戻せる? あれ、淡?)キョロキョロ
照(何処に行ったんだ、淡のやつ……本当に肝心な時に……)
怜「どうしたん、キョロキョロして」
照「ああいや、なんでもない」
怜「ほな、次はどこに……おっと」フラリ
照「と、怜!?」
怜「ああ、心配せんでもええよ……ちょっと目眩しただけやし」
照「ちょっと目眩しただけって……まだ体調悪いんじゃ」
怜「いやいや、元から病弱やしな。このくらいが私の普通やねん」
照「そうなのか……?」
怜「うん、普通普通。だから心配せんといて」
照「なら、いいんだけど……」
怜「ほな次どこのお店見に行く?」
照「そうだな……服屋はもうやめて、別のとこ行こうか」
怜「せやな、そのほうが賢明や」
照「じゃあ、本屋に寄ってもいいかな……欲しい本があるんだ」
怜「うん、ええよ」
照(そうだ、無理して背伸びした場所に行く必要なんてない……
普通でいいんだな、普通で。うん)
怜「あ、待って……ちょっと歩くん速………………」
照「ん……怜……?」
照「と、怜! おい、しっかりしろ!」
怜「あ、ああ……ちょっと貧血かな……歩きすぎたかも」
照「え、ど、どうしよう……どうしたら……」
怜「ちょっと休んだら……ようなるし……慣れとるから……」
ザワザワザワザワ ザワザワザワザワ
照(どどどど、どうしたらいいんだ……誰か呼べばいいのか?
お店の人とか? 救急車? 貧血で救急車呼んでもいいのかな……?
ど、どうしよう……淡、どこ行ったんだ……こんな時に……)
警備室
警備員「君ねえ、こんな人ごみの中でこんなもん振り回して……危ないでしょ?」
淡「すいません……反省してます……」
警備員「ぶつかりそうになったって言ってる人もいるからさあ……常識で考えたら分かるでしょうに」
淡「はい……ごめんなさい……」
警備員「君、高校生? 学校どこなの?」
淡「あ、学校は勘弁して下さい……許してください……すんません……」
照「…………………」
怜「…………………」
照「…………………」
怜「そんな気に病まんでもええで」
照「いや、でも……私のせいで、私が連れ回したせいで……
体調に気づけなくて……また倒れさせてしまった」
怜「また、か」
照「すまない……」
怜「謝らんでええってのに。
お店の救護室で寝かせてもらって、もう元気になったし」
照「でも……気を使わせてしまって」
怜「え、何?」
照「私に気を使って、体調が悪いのを言い出せなかったんじゃ……」
怜「いや、そんなことないって。
言わへんかったのは、み……お姉ちゃんと出かけたのが楽しかったから……
私が体調悪いって言うたら、そこでもう打ち止めになってしまうやろ」
怜「私なあ、友達と出かけるのなんかほとんどなくて……
あったとしても、私の身体に障らんようなところばっかりで……
今日みたいなお出かけはホンマに初めてで、楽しかったで」
照「でも、結果的にはこんなことになってしまった……
……私はお姉ちゃん失格だよ」
怜「……もう、そんなに思いつめんといてや」
照「…………」
怜「それにしても、ここのホテルの枕、硬いなあ~。
寝心地悪うてかなわんわ~!」
照「?」
怜「なあお姉ちゃん、ちょっと膝枕してくれへんか?」
照「ひ、ひ、膝枕……!? な、なんで!?」
怜「いっつも竜華にやってもろてるんや。
体の調子が良うない時は、よく竜華の膝枕で寝さしてもらうねん」
照「そ、そうなんだ……」
怜「せやから、お姉ちゃんにも膝枕してほしーなー」
照「うっ……」
怜「ふふ、ありがとう.……よいしょっと」
照「ど、どうだ……?」
怜「うん、そやな。なかなかええ感じやな……
高さもちょうどええし、柔らかいし、あったかいし」
照「柔らかいって……」
怜「……今日はホンマに楽しかったよ」
照「あんなんで、楽しかったのか?」
怜「内容は関係あらへんよ。誰と一緒にいたか、っていうのが大事なんやから」
照「誰と一緒にいたか、か……」
怜「そうそう」
照「……そういう人のことを友達と呼ぶのかな」
怜「多分、そうなんやろな……それよりお姉ちゃん」
照「な、なんだ」
怜「頭もなでなでしてくれな。膝枕の常識やで」
照「ほんまかいな……」ナデナデ
淡「ただいま戻りました……」
菫「ああ、お帰り。照と園城寺さんはどうだったんだ?」
淡「途中まで良い感じだったんですけど。
見失ったというか、見失わされたというか」
菫「なんだ、はぐれたのか……」
尭深「じゃあ賭けは不成立」
誠子「もともと不成立でしょ、みんな『宮永先輩が嫌われる』のほうに賭けてたんだし」
淡「なにげに酷いことやってますね」
尭深「いや、宮永先輩が嫌われれば淡に全額払わせる予定だった」
淡「それはマジで酷いですね」
菫「まあいいや、晩御飯にしよう。ご飯どうする?」
淡「私ルームサービスでいいです」
菫「ああ、そう。じゃあ私らレストラン行くから」
誠子「ここのホテルのご飯おいしいですよね」
尭深「お茶も美味しい」
菫「あ、照」
照「ああ……みんなも晩御飯か」
怜「どうも、こんばんは」
尭深「こんばんは……園城寺さん」
怜「はい?」
尭深「単刀直入に聞きますが、なぜうちの宮永なんかの妹に?」
誠子「何か弱味を握られてるとか、金品に釣られたとか……?」
照「菫、もしかして私って後輩に嫌われてる?」
菫「いじりだよ……多分」
照「なんで目をそらすんだ」
怜「お姉ちゃん、この人らが変なこと聞いてくるで」
照「そんな人らの言うことなんか聞かんでええで、向こうで食べよな」
怜「はーい」
菫「関西弁うつりすぎやろ」
照「ああ、いいよ。じゃあ怜のそのフライドポテトちょうだい」
怜「はい、あーん」
照「あーん」モグモグ
怜「お姉ちゃんのお刺身一切れちょーだい」
照「いいよ、あーん」
怜「あーん」
菫「あんなデレデレしてる照は初めてだ……」
誠子「ほんとに姉妹ごっこだけなんですよね……
なんかちょっと危ない関係に見えるんですけど」
菫「お姉ちゃんがお姉さまにならないことを祈るしかないが……」
尭深「このままいくとマリア様がストロベリィパニック」
誠子「全国1位2位のエースがレズカップルになるって、相当スキャンダラスですよね」
菫「嫌だなあ、新聞や雑誌にそんな形で名前出るのは……」
尭深「それはそれで面白いですけど」
怜「お姉ちゃんも鼻の頭にマンゴーソース付いてるで」
照「え、本当に? どこ?」
怜「ここや、ここ」フキフキ
照「あ、ありがとう」
怜「もう……お姉ちゃんはちょっと抜けたとこあるなあ」
照「ふふ、だから怜がそばについててくれないと」
怜「も~」
菫「…………………」
誠子「先輩、エビフライがタルタルまみれになってますよ」
菫「お、おおっ、しまった」
尭深「そんなに向こうが気になるんですか」
誠子「明日になれば終わるんですから、そんなにヤキモチ焼かなくても」
菫「や、ヤキモチなんかじゃないっ!!」
尭深「へえー、じゃあそういうことにしときます」
怜「そやな~、ゆずシャーベットにしよかな~」
照「そんなの食べたらお腹冷えちゃうだろ」
怜「そう? じゃあこっちのパフェにしよかな」
照「夜にそういうの食べると太っちゃうぞ」
怜「えー、じゃあどれにしたらええんよー」
照「白玉あんみつはどうだ? これなら……」
怜「お姉ちゃんが食べたいだけとちゃうのー?」
照「そんなことないよ、ちゃんと怜のことも考えてだな……」
怜「もう、嘘ばっかり~」
照「ほんとだよぉ~」
菫「ギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリ」
誠子「先輩、ほらもう部屋戻りますよ、先輩!」
尭深「その鬼の形相をやめて下さい、他の客がビビってます」
照「どうだった? ここのレストラン、なかなかレベル高いだろう」
怜「そうやなー、あんな高そうなもん食べたのも初めてやし……
ああいうメニュー自体も初めてやったわ」
照「というと?」
怜「いっつもは健康に配慮したメニューばっかりやしな。
栄養士さんがな、きっちり献立作って、そのとおりにせなあかんねん」
照「え、そ、そうだったのか? じゃあ今日の食事は……」
怜「いやいや、別に一日くらいかまへんよ。
それに味気ない栄養食ばっかりでもつまらんしな」
照「そう? 問題ないならいいんだけど……」
怜「ふふ、お姉ちゃんと一緒にいると、
いろいろ初めてのことが経験できて、ほんまに楽しいわ」
照「そ……そうかな。そう言ってくれると、姉冥利に尽きるというか……」
怜「姉冥利て……ていうか、これホンマに全部おごりでええの?
食事も、宿泊も……言うてくれたら、ちゃんとお金払うよ」
照「ああ、こっちから誘ったんだから、気にしないで。怜はゲストなんだから」
怜「うーん……でもなんか悪いなあ……」
私が好きでやってることなんだから」
怜「そうかな、まあそれならええけど……」
照「さてと、そろそろ風呂にはいるか」
怜「先に入ってええよ」
照「…………………」
怜「ん、どしたん?」
照「…………もし、怜がよければでいいんだが……」
怜「一緒には入らへんで」
照「こ、心を読まれた……!?
一巡先を読む力は麻雀以外にも使えたのか……」
怜「いや、なんとなく予測できたし」
照「そうか……」ガクリ
怜(まあ、何回も竜華に同じように誘われたことあるしな……)
照「じゃあ先に入る……はぁ」
怜(最強高校生宮永照もため息なんかつくんやな)
怜(もう一回会った時は、今度こそ麻雀で勝ったろうと思てたけど……
なんか今日一日一緒に遊んで、なんかどうでもよくなってきたな)
怜(それにしても、竜華やセーラ以外の友達と
こんなに長い時間一緒に過ごすなんて初めてやな)
怜(竜華か……今頃心配しとるかなあ)
プルルルルルル プルルルルルル
怜(あ、ちょうど竜華から電話や)
怜「もしもし~」
竜華『怜ぃぃぃ、あんた今どこにおるん? もう夜やで、はよ戻ってきい!』
セーラ『オカンかお前は……』
怜「あー、なんか泊まることになってるみたいやから。
今日は宮永さんとホテルに一泊するわ」
竜華『ホテル!? お泊り!? あかんで怜、そんなん許さへんで!
今すぐに帰ってきーや!! ええな!?』
怜「………………大将戦」
竜華『ひっ!?』
竜華『あ、あ、あああああばばばばばばば』ブクブクブク
セーラ『こらこら怜、そのへんにしといたってくれ……』
怜(これは結構便利やな……)
セーラ『で、怜は今晩そっちに泊まるんやな?』
怜「うん、ごめんな、わがまま言うて」
セーラ『いやいや、ええよ。怜も遊びたい時くらいあるやろしな』
怜「まあ、それだけやあらへんけどな……」
セーラ『ところで姉妹ごっこはまだ続いてるん?』
怜「なんだかんだで続いてるよ。お姉ちゃん呼びにも慣れてきたし」
セーラ『そっか。しっかしなんで宮永照は、怜を妹にしたがったんや?
浩子も不思議がっとったで』
怜「うーん、どうなんやろな。
なんか『妹』っていう存在に対して思うところがあるみたいやけど」
セーラ『ふーん。まあよう分からんけど、頑張って妹やってくれや』
怜「妹を頑張るっていうんも、なんか変な表現やな」
何日経っても返してくれなさそうやからなあ』
怜「あはは、それもええかもな」
セーラ『ようないわ、竜華が大変なことになるっちゅうねん』
怜「ふふ、それもそやな。まあ明日中に帰れるように頑張るわ」
セーラ『おう、明日のお昼にバスが出るからな、それまでに帰りや』
怜「分かった。ほな、おやすみ」
セーラ『おやすみ』プチッ
怜「……………………」
怜(妹を演じる、か……)
怜(宮永咲の……『実の妹』の話をした時のあの反応……
やっぱり宮永照は妹に対して何かあるんやな……)
怜(私というニセの妹を用意したのは何でや……
理由は、意味は、目的は何なんや……)
怜(擬似の妹として、擬似姉妹関係の中で、
宮永照にしてあげられることは何なんやろ……)
怜(宮永照は、何を求めてる……?)
菫「はーあ、いい湯だった」
淡「…………」
菫「ん、淡はもうオネムなのか?」
淡「はあ……今日はいろいろあって疲れたんで……」
菫「なんだ、せっかく家からゲームキューブとマリオパーティ持ってきたのに」
淡「バカじゃないですか」
菫「しゃーない、尭深と誠子をここに呼ぶか……」
淡「寝たいっつってんだろ」
菫「そういえば照と園城寺さんは同じ部屋で寝るのか?」
淡「へ? そりゃそうでしょう」
菫「ふーん、そっかそっか」
淡「なんですか、嫉妬ですか」
菫「いや、そんなんじゃないけど……あいつイビキと寝言が酷いんだよなー」
淡「え、そうなんですか?」
淡「唯一……?」
菫「それに加えて寝相も悪いからなあ。
隣で寝ようもんなら蹴っ飛ばされて目が覚めるし、布団は行方不明だし……」
淡「見てきたように言いますね」
菫「何度か照の家に泊まったことあるしな」
淡「へえ、そうなんですか」
菫「……なのになんで照は私のこと友達としてみてくれないんだろうな」
淡「ああ、まあ、その……強く生きて下さい」
菫「ちくしょー、酒だ、酒! 酒買ってこい淡!!」
淡「買えるわけないでしょ!!」
尭深「酒ならばここにございます!」
誠子「ビール日本酒発泡酒ワイン紹興酒焼酎ウイスキーブランデーなんでもありますよ!」
淡「いきなり入ってきた!?」
菫「よっしゃー、今日は朝まで酒盛りじゃー!」
淡「寝かせてくれえええええ!!」
照「うーん……むにゃむにゃ」ゲシッ
怜「いだっ!!」
怜(うう、また蹴られた……)
怜(何が『姉妹なんだから一緒のベッドで寝よう』や……
寝相は悪いしイビキはうるさいし……)
怜(もーやっとられんわ、自分のベッドで寝たる)
照「……我々の勝利だ……海も我々人間のものだ……
我々の海底開発を邪魔する者は、二度と現れないだろう……むにゃむにゃ」
怜(どんな夢見とるねん……)
怜(しっかしこんなアホみたいな顔でヨダレ垂らして
意味不明な寝言とイビキをわめきちらしてるとこ見てると
宮永照も一人の人間なんやなーって思うなぁ)
怜(麻雀してる時の冷酷かつ圧倒的な存在感……
そのイメージばっかりが先行しとるけど)
怜(彼女もただの少女であって……そしてただのお姉ちゃんなんや)
照「英雄ってのはさ……英雄になろうとした瞬間に失格なのよオオオ」
怜「あああ、もう、やかましい!」バフン
怜「…………」
怜「……朝か」
怜「ああ、そうか……宮永照と一緒に泊まってたんやったっけ……」
怜「お姉ちゃんのイビキ寝言がやかましすぎて寝られんわと思ってたけど
いつのまにか寝てたみたいやなあ」
怜「今何時や……8時前か」
照「すう……すう……」
怜「お姉ちゃん、朝やで~。起きや~」ユサユサ
照「う、うーん……」
怜「朝ごはん食べてしまうで~」
照「もうちょっと……寝かして……咲……」
怜「!!」
照「ん……あれ……ああ、怜か……おはよう……」
怜「あ、うん……おはよう」
照「うん?どうした?」
ちょっと顔洗ってくるわ」
照「ああ」
怜(宮永照は今たしかに咲って言うた……間違いなく宮永咲のことやろな……
そして宮永咲は、確実に宮永照の実妹)
怜(二人の間に何があったかは知らんけど。
なんか複雑な関係なんやろうなあ)
怜(私は擬似妹としてここにいる。つまり宮永咲の代わりなんや)
怜(宮永照は私を宮永咲の代わりにして何がしたい?
私は宮永照に何をしてあげられる……?)
怜(宮永照は私に色んな楽しみをくれた。
たった一日やったけど初めての経験も色々あった)
怜(私は宮永照にお返しをせんとあかん……)
照「あれ?そういえば昨日同じベッドで寝なかったっけ?」
怜「え、そうやったっけ……?多分思い違いやろ」
照「そうかな……確かに同じベッドで寝た気が……あれ、菫の時と勘違いしてるのか?」
怜「うん、多分そうや」
怜「お昼前には出んと間に合わへんかな」
照「そっか……じゃあもうあと3時間くらいしかないな」
怜「さみしい?」
照「そりゃさみしいさ。妹との別れはな」
怜「そっか。じゃあ帰る時間までは二人っきりで過ごそか」
照「いいのか?」
怜「うん、ご飯はルームサービスとればええし……
それに外出歩くんは好きじゃないしな」
照「そうだな……じゃあ時間までこの部屋で過ごそう」
怜「うん」
照「ほら」ポンポン
怜「ン、何?」
照「膝枕してあげる」
怜「えへへ、まさかお姉ちゃんの方から誘ってくるとはな」
照「ま、いいじゃないか」
照「光栄だな」
怜「頭ナデナデも忘れへんかったら、なおええんやけどな」
照「おっと、忘れてたよ」ナデナデ
怜「んふふ」
照「ところで清水谷さんとはずっと仲がいいのか」
怜「そうやな。中学の時からずっと。
私を全国大会までつれてきてくれたんも竜華や」
照「いい友達を持ったな」
怜「うん、大親友や。そのうち結婚も考えてる」
照「えっ!?」
怜「いや、まあ冗談やけどな」
照「ああなるほど……今のが大阪人のボケか」
怜「……それより、お姉ちゃん」
照「なんだ」
怜「宮永咲のことなんやけど……」
怜「ええよもう、隠さんでも……私は宮永咲の代わりなんやろ?」
照「…………」
怜「別に誰かの代用品にされたことを怒ってるわけやないで……
代用品なら代用品としてのつとめを果たそうと思ってた」
照「…………」
怜「でも色々考えてみたんやけどな……
結局何をしても一時の気休めにしかならへんと思うねん」
照「…………」
怜「お姉ちゃん……いや、宮永さん。
あんたホンマは……」
照「…………」
怜「宮永咲に戻ってきて欲しいんやろ」
照「…………」
怜「他人の家庭の事情に首突っ込むのは失礼かもしれへんけど。
でももう一度宮永咲のお姉ちゃんになりたいんやったら……」
照「……無理だよ」
嶺上開花で役満を和了りまくる咲に殺意すら覚えた
私と咲のあいだにはもうどうしようもない溝が出来てるんだ」
怜「そやから、誰かを妹の代わりにして傷を癒すんか?
そんなその場凌ぎのことをずっと続けるんか?」
照「…………」
怜「そんな偽物で満足なんか?違うやろ?」
照「……でも私の可愛い後輩が言っていたよ。
100を得られないなら70や50で妥協しろってね」
怜「それは100を掴もうとした人が言う言葉や。
あんたは最初っから妥協点に逃げてるだけやんか」
照「…………」
怜「宮永咲のお姉ちゃんやろ、あんたは……」
照「…………」
怜「ああ……こんなこと話してるうちにもう時間が来てしもたな……」
照「え、もうそんな時間か……」
怜「すまんな、宮永さん……最後にこんな辛気臭い話してしもて」
照「いや……園城寺さんの言うことは、全部合ってる。的確だ。的を射てる」
色々ありがとうな、ほんまに。お世話になった」
照「うん……」
怜「…………」
照「……あの」
怜「ん?」
照「また……会ってくれるか?
こんな、情けない私でも……嫌いにならずに、また……」
怜「別に嫌いになんかならへんよ。むしろちょっと好きになったくらいや。
ああ、チャンピオンもこんな人間臭い悩みがあるんやなーって」
照「そうか……」
怜「そやな……じゃあ今度は3人で会いたいな」
照「3人?」
怜「お姉ちゃんと、妹ふたりで、3人」
照「……うん、そうだな……分かった。
実現できるように努力するよ……ありがとう、園城寺さん」
怜「頑張ってや、お姉ちゃん」
私が愛してやまない存在であり、でももう二度とは戻ってこない人……
宮永咲の代用品として他人を利用するという私の最低な考えを
園城寺さんはすべて見透かしていた
それでも園城寺さんは私に愛想を尽かしたりしなかった
むしろ好きになったくらいだと言ってくれた
そしてさようならの代わりに頑張ってという言葉を残していった
擬似姉妹……私の臆病心とエゴによって生み出された歪んだ関係
こんなものは間違ってる
でもこのおかげで得られたものも確かにあったのだ……
私は答えなければならない
園城寺さんの気持ちに
そして何よりも自分自身の気持ちに……
怜「ただいま~」
セーラ「おー、やっと戻ってきたか」
怜「すまんなー、心配かけて」
泉「いやあ、その言葉は私らよりもまず清水谷先輩に…………」
竜華「ときいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」
怜「うわあ!?」
竜華「大丈夫やったか怜!? 何もされへんかったか!? 怪我とかしてへんか!?
何か買わされへんかったか!? お金取られたりしてへんか!? 盗撮されてへんか!?
事件や犯罪に巻き込まれたりしてへんか!? 何にも変わりないか!? 体調はどうや!?
寝る前に歯磨いたか!? 風邪とか引いてへんか!? 忘れ物してへんか!?
変なこと吹きこまれへんかったか!? ちゃんと寝られたか!? ご飯食べさせてもろたか!?
なんも危ないことしてへんやろな!? 虫に刺されてへんか!? 朝の占いで1位やったか!?
それよりなにより処女膜は無事かあああああああああああ!!!」
怜「やかましい!!」バシッ
竜華「あうっ」
怜「なんもされとらんわ、大声で処女膜とか言うな」
フナQ「ああ、はしたない……」
怜「宮永さんはそのつもりやったみたいやけど、
やっぱり流石に申し訳ないしな……大阪帰ってから白糸台に送金するつもりや」
セーラ「ま、そのほうがええやろな」
怜「何円になるかは分からんけどな」
竜華「なあ怜、ちょっと怜……聞いてる?」
怜「聞いた上で無視してる」
竜華「ひどっ!」
怜「で、何?」
竜華「もう宮永さんと会ったりしたらアカンで。
今度は何されるか分からへんからな!」
怜「別にそんな悪い人とちゃうって……
それにまた、多分会えると思うねん。近いうちにな」
竜華「えー……じゃあその時はウチも付いてくわ」
怜「…………大将戦」
竜華「もうそれ免疫ついたわ」
怜「早っ!」
照「ただいま」
淡「あー、おかえりなさい。園城寺さんは……」
照「千里山に帰ったよ」
淡「そうですか。で、どうでした? かわいい妹のいる生活は」
照「うん、まあなかなか良かったかな……それよりも」
淡「なんですか」
照「そこの菫はなんでそんなに具合悪そうなんだ」
菫「うう……うえっぷ」
淡「端的に言えば二日酔いですかね」
菫「はああ……くそっ、あいつらも同じくらい飲んでたのに、何で私だけ……」
淡「あの二人はお酒強いですし」
照「そうだ、菫」
菫「なんだ」
照「膝枕してやろう」
照「具合悪いんだろう。私の膝で休むといい、ほら」
菫「そんな恥ずかしい真似できるわけ無いだろ……」
照「別に恥ずかしくないだろ。ほらほら」
菫「いい、いらんいらん!」
照「なんだ、つまらん……」
淡「てゆーか何でいきなり膝枕なんですか……」
照「まあ、なんというか園城寺さんに教えてもらったというか……
そういえば園城寺さんと話してて思ったんだが」
淡「なんですか」
照「もしかして私と菫って友達ってことになるのか?」
淡(おおっ)
菫「て……照……! お前……」
照「ん? 間違ってる?」
菫「てるうううううううううううううううっ!!」ガバッ
照「うわっ!?」
照「離れてくれ暑苦しい」
淡「こんな喜色満面の弘世先輩初めて見た……」
菫「私は嬉しくて嬉しくてもううえええええええげろげろげろげろ」
照「うわああああああ!!」
淡「思いっきりゲロ吐いたー!」
菫「ようし照、やっと友達だと認め合えた記念に、
これからお互いのことを『てるてる』『すみすみ』と呼び合うことにしよう、そうしよう!」
照「絶交しようかな……」
淡「赦してあげて下さい……多分ちょっとテンションおかしくなってるだけだと思うんで……」
菫「よーしてるてる、家に戻ったら早速マックの新メニュー食べに行こうぜ!」
照「まずお前の吐いたゲロを全部掃除してから……うっうええええええ」
淡「も、もらいゲロですか!?」
尭深「宮永先輩帰ってきたんで……うわ、ゲロくさっ」
誠子「なんですかこの部屋、何があったんですか」
淡「まあ色々と……」
淡「先輩が吐いたゲロじゃないですか」
菫「てるてるもちょっと手伝ってくれ」
照「いや、私はこれから行くところがある……あとてるてるはやめろ」
淡「行くところって、どこ行くんですか? 今から?」
照「大事なところ……大事な人に会わなきゃいけない。
もう逃げないと決めたんだ」
淡「はあ、なんかよく分かりませんが、頑張ってください」
照「うん……それじゃ、行ってくる」
照(そう、取り戻すんだ。私の大事な妹を)
照(待ってろよ咲……お姉ちゃんが今からそこに行くからな)
照(今度は擬似姉妹なんかじゃない、本当の姉妹に……)
菫「ゲロ取れないなあ……」
お わ り
話が変な方向に行ってしまった気がしなくもないけど許せ
リンシャン牌を要求する
菫さんがぶっ飛んでるとは珍しい
またかいてね
Entry ⇒ 2012.07.29 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
竜華「怜、耳かきしたるわ」
竜華「今日も部活疲れたな~」ゴロン
竜華「何か面白い番組やってへんやろか」ゴロゴロ
竜華「この時間はニュース番組くらいしかないなー」
『次の話題です』
『最近耳かき専門店が続々とオープンし、巷で話題になっています』
『若者から中高年のビジネスマンまで、様々な層から…』
竜華「耳かき、か…」
竜華「…」
竜華「…よし!」ポンッ
竜華「怜、今日は屋上のベンチでご飯食べへん?」
怜「屋上で?」
怜「…そやなー」
怜「今日は天気も良いし、風も全然無いし」
怜「たまにはええかもな」
竜華「よっし、それじゃ行こか!」
怜「?」
怜「なんや、やけにうきうきやね」
竜華「べ、べつにそんなことあらへんって」
竜華「ごちそうさまでした!」
怜「ごちそうさまでしたー」
竜華「おなかいっぱい~」
怜「私もや」
怜「…ちょっと」
怜「横になりたいなあ」チラッ
竜華「…ふふっ」
竜華「怜、」ポンポン
怜「ん…」ゴロン
ナデナデ
怜「…~♪」
竜華「(くすっ…相変わらず幸せそうな顔するなあ)」
怜「なに?」
竜華「怜は、いつも耳かきは自分でやっとる?」
怜「耳かき?」
怜「んー…」
怜「子供の頃は親にやってもらっとったけど」
怜「中学生になったあたりからずっと自分でやってるなー」
竜華「私もや」
竜華「この歳になると、なんかもう恥ずかしくなってしもうて…」
竜華「えらい気持ち良かった覚えはあるんやけどなー」
怜「ふふっ…分かるわ、それ」
竜華「…最近、ちょっとしたきっかけでその記憶が蘇ってきてな…」
ゴソゴソ
竜華「じゃーん」
怜「?」
竜華「スス竹製高級耳かきや!」
竜華「怜」
竜華「気持ちようしたるで~」
怜「!」
怜「なんか恥ずかしいな…」
怜「耳の中じっくり見られることなんて普段ないし」
怜「その上、垢取ってもらうやなんて…」
竜華「それがええんやん」
怜「…分かったわ、好きにしてーな」
竜華「よーしっ!そんじゃ始めるで~」
竜華「(あんまりまじまじとは見たことなかったけど)」
竜華「(耳たぶやわらかそうで)」
竜華「(ちっちゃくて)」
竜華「(可愛い…)」
竜華「ほ、ほないくで、怜」
カリッ
怜「ん…」
怜「…」
カリッ
コリッ
スーッ…
怜「…~~!」ビクッ
怜「りゅーか…」
怜「待っ…」
竜華「ご、ごめん痛かった?」
怜「いや…」
怜「優しくしてくれるんは、ええんやけどな?」
怜「優しすぎて」
怜「くすぐったいわ…」
竜華「あ」
竜華「そっか…」
怜「そんなに気ーつかわんで」
怜「もっと強めにしてもええよ」
竜華「…なんかそのセリフ、ちょっとえっちやな…」
怜「…アホ」
カリッ
カリカリカリッ
怜「…!」
怜「…ぁっ…」
竜華「怜、今度はどうや?」
怜「…うん」
怜「気持ちええ…」
怜「な~…」
カリカリ
竜華「(…なんか…)」
竜華「(不思議やな)」
竜華「(こんな無防備な怜を、うちが為すがままにしてるなんて…)」
竜華「(普段見えない部分をいじくりまわして)」
竜華「(怜はその下で、めっちゃ幸せそうな顔しとる)」
竜華「(不思議…っちゅーか、嬉しいっちゅーか…)」
竜華「(ふわふわした、暖かい気分や)」
竜華「(いつも頭撫でたりしとるけど)」
竜華「(それとはまた別の…幸せやな…)」
竜華「(…そや)」
竜華「(左手余っとったな…)」
サラッ
ナデナデ
怜「っ…♪」
竜華「最後の仕上げや」
竜華「…ふー…」
怜「あっ…」ビクッ
竜華「ふっ」
怜「っ…!」
竜華「ふ~~~…」
怜「ひゃ…ぅっ…」ゾクゾク
竜華「…よし、これで右耳は終わりや」
怜「…っちょ…」
怜「…そんなに」
怜「息吹きかけんでも…」ピクピク
竜華「ご、ごめんごめん」
竜華「怜の反応が可愛かったもんやから、つい…」
怜「…わざとかいな!」
竜華「次反対いくでー」
怜「…お願いします」
カリッ
コリコリ
ナデナデ
竜華「フンフン~♪」
怜「(…今度は左手で耳かきして、右手で頭撫でとる…)」
怜「(なんちゅー器用な……)…~っ♪」
怜「(…なんか…)」
怜「(気持ちよくて…)」
怜「(ほわほわして…)」
怜「(眠くなってきたわ…)」ウトウト
怜「…」
竜華「…怜ー?」
怜「…」スー
竜華「あらら、寝てしもーたんか」
竜華「もう左耳も大体終わったんやけど…」
竜華「最後まで仕上げてから起きるの待とかー」
カリカリ
ゴソゴソ
フーッ
竜華「終わってしもた」
怜「…」スースー
竜華「まだ起きそうにないなー」
竜華「…」
怜「…」スヤスヤ
竜華「…怜の耳たぶ」
竜華「柔らかそう…」
竜華「触ったら、どんな感じなんやろ」
竜華「…ちょっとくらいなら、ええよね?」
プニッ
クニクニ
竜華「あっ」
竜華「柔らか…」
竜華「触ると色んな形に変わって」
竜華「楽しい…」
竜華「可愛いっ…!」
クニュクニュ
竜華「ま、まだ大丈夫やろか」
竜華「次はほっぺ…」
ツンッ
プニプニ
竜華「わ…」
竜華「怜の肌すべすべ…」
竜華「だけどおもちみたいな弾力もあって」
竜華「触ると目や口もちょっと動いて…!」
竜華「~~~っ!」キュンキュン
プニプニプニプニプニ
怜「…」
怜「(…そないされたら誰でも起きるっちゅーに)」
竜華「…」
竜華「(ど、どないしよ…)」
竜華「(…ほっぺにちゅーするくらいなら)」
竜華「(罰は当たらんのとちゃうやろか…)」
竜華「…」
怜「…?」
怜「(何もしてこなくなった…)」
怜「(ちょうどいいわ)」
怜「(急に上向いて、驚かせたろ)」
竜華「(…せっかくやし、目も閉じて)」
竜華「(唇に全神経を…!)」
竜華「…」ドキドキ
竜華「ん…」
怜「りゅー…」バッ
ちゅっ
怜「!!??」
竜華「……!?!?」
怜「…」パチクリ
竜華「…」パチクリ
怜「…んっ…」
竜華「っふ…」
竜華「…ぷはっ」
怜「…っ…」
竜華「…」
怜「…」
竜華「…」
怜「…」
竜華「…な」
竜華「なな、な…」
竜華「なんで…」
怜「…」
竜華「寝てたん、じゃ…」
怜「…ほっぺたいじくりまわしてくれてた頃から」
怜「起きとったわ」
竜華「!」
竜華「ご、ごめ…」
竜華「うち…」
竜華「怜があんまり、可愛かったから…!」
怜「…」
怜「…アホ」
竜華「…グスッ」
竜華「クスン…」
竜華「ヒック…」
怜「…」
怜「…反省してるなら」
怜「もうええって」
怜「それに」
怜「別に…」
怜「嫌やなかったし」
竜華「!」グスッ
怜「むしろ…」
怜「…」ゴニョゴニョ
竜華「…!!」グシグシ
怜「…」
怜「…今あんまり」
怜「顔見んといて…」カアッ
竜華「…」
竜華「と…」
竜華「とき~~!」ギュウウウ
怜「…ちょ、りゅ、竜華!」
竜華「…う、うち…勝手にこんなことして」
竜華「怜に…嫌われるんや…ないかって…」ウルッ
竜華「とき~~~……」ボロボロ
怜「はぁ…もう」
怜「私が竜華を嫌いになるなんて」
怜「あるはずないやろ?」
竜華「…とき…」
怜「…むしろ…竜華がどっか行ったら」
怜「私が許さへんよ?」
竜華「…うんっ」
竜華「ずっと…」
竜華「そばにおる…!」
怜「…そうや」
怜「今度は私にも、耳かきさせてや」
竜華「怜が…?」
怜「うん、でもな」
竜華「?」
怜「もしその時、竜華が途中で寝たりしたら」
怜「今度は私から悪戯させてもらうから…」
怜「覚悟しーや?」
竜華「!」
竜華「…ふふっ」
竜華「うんっ!」
おしまい
かわいすぎるやろ
またよろしく
Entry ⇒ 2012.07.29 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
怜「今日は私が膝枕したるわ」
竜華「…」トボトボ
怜「…」
竜華「…」トボトボ
怜「…」
怜「…竜華?」
竜華「…」
怜「竜華?」ツンツン
竜華「!」
竜華「な、なに?」
竜華「ん…」
竜華「今日ちょっと部員同士で揉め事があってな」
竜華「これは部長として何とかせなあかんと思って、仲裁に入ったんやけど」
竜華「なかなか収められなくて…」
竜華「情けないなー…参ったわ」
怜「ああ、なんかえらい大きな声聞こえたわ」
怜「うちの部で揉め事なんて珍しいなー」
怜「部長さんも大変やな…」
竜華「ん…」
竜華「これだけ部員がおれば、たまにはこういうこともあるんは仕方ないわ」
竜華「うちが望んで部長になったんやしな、弱音なんて言ってられへん」
竜華「なんや心配かけてしまったみたいでごめんなー」
竜華「気にせんでな」ニコッ
怜「…」
怜「(大所帯の千里山の部長で)」
怜「(勉強もいつもトップクラスやし)」
怜「(私の面倒まで見てくれとる)」
怜「(誰よりも頑張ってる子やのに、私には疲れてる素振りなんて全然見せたことなかったな)」
怜「(今日はよっぽど応えたんやろか…)」
怜「…竜華、ちょっとあのベンチで休んでいかへん?」
竜華「? ええけど…」
竜華「ほら、怜」ポンポン
怜「…」
竜華「?」
怜「竜華」
怜「今日は私が膝枕したるわ」
竜華「え」
竜華「…怜が?」
怜「せや」コクン
竜華「どないしたん?急に」
怜「たまにはええやん」
怜「な?」
竜華「…雪でも降るんちゃうやろか」
怜「…うっさいわ」
怜「ほら、竜華」ポンポン
竜華「…なんか」
竜華「いつもと立場逆にするだけで、えらい照れくさいな…」
怜「…はよせーへんと日が暮れてしまうで?」
竜華「ほ、ほな」
竜華「失礼するわ…」
フワッ
怜「あ…」
怜「(竜華の髪、めっちゃサラサラや)」
怜「(太ももに当たって)」
怜「(こそばゆいような、気持ちええような…)」
竜華「…不思議な気分やな」
竜華「なんや子供に戻ったみたいや」
怜「えらい大きなお子さんやな」
竜華「ふふっ」
竜華「でも…落ち着くわ」
竜華「怜の肌、あったかいなあ…」
怜「…なら良かったわ」
怜「竜華の膝枕には全然及ばんかもしれへんけど…」
竜華「そんなことあらへん」
竜華「うちはいらんお肉がついてしもーて…」
怜「何言うてんの、痩せられたらうちが困るわ」
怜「前に言うたやろ?」
竜華「くすっ…膝枕のソムリエさんやもんな」
竜華『ええか、細すぎず太すぎず筋肉質でもあかん』
竜華『適度な肉付きと程よい弾力!これらが絶妙にマッチングしてないのはただの足やー!(キリッ)』
竜華「…やったな?」
怜「せや!」
怜「それに当てはめると、うちの脚は40点くらいやろか…」
竜華「あはは」
竜華「…でもな、怜」
竜華「怜から見てどうかは知らんけど」
竜華「うちにとっては怜の膝枕…」
竜華「100点満点やで?」
怜「…!」かあっ
怜「…」
怜「竜華…」
怜「あんまりこっ恥ずかしいこと、言わんといてくれる?」
竜華「うわ、冷たっ!」
竜華「何?」
怜「頭、撫でてもええ?」
竜華「!」
竜華「…ええよ」
怜「…」そーっ
ポンッ
ナデナデ
竜華「んっ…」
怜「(竜華の髪)」
怜「(長くて、サラサラで)」
怜「(ほんまに綺麗)」
怜「(それになんかええ匂いもするし…)」
怜「(竜華、気持ち良さそう…)」
怜「(なんや私まで嬉しなってくるわ)」
竜華「人に頭撫でられるのなんて、何歳以来やろ」
竜華「撫でてもらうのって…ええもんやなあ…」
怜「せやろ?私はおかげさまで」
怜「いつもええ思いさせてもらってますわ」
竜華「ふふっ…」
怜「(私を撫でてる時、いつもどんな気分なんやろか)」
怜「(私は…)」
怜「(胸が高鳴って)」
怜「(愛おしくて)」
怜「(なんや逆に切なくなってくるくらいや…)」
怜「(膝枕されてる時は気にならんかったけど)」
怜「(竜華のスカートって、短いな…)」
怜「(この体勢だとおしり見えてしまいそうやわ)」ムラムラ
怜「(ここは殆ど人通らんからええけど…)」
怜「…竜華は優等生やし真面目やのに、なんでスカートはそない短いの?」
竜華「え?」
竜華「だって、長かったら怜に膝枕する時邪魔やんか」
怜「…それだけ?」
竜華「?せやでー」
怜「男の人にモテるようにとかやないの?」
竜華「…うち女子校やん」
竜華「…怜は」
竜華「うちが男の人と付き合ったら、いややないの?」
怜「…!」
怜「(竜華に…彼氏…)」
怜「(竜華に…)」
怜「(かれ…)」
怜「…」
怜「りゅ、竜華が好きになった人なら…」
怜「それで…」
怜「ええんと…」
怜「ちゃう…」
ポタッ
怜「な、なんや今日は夕方なのにあっついなあ」
怜「汗が止まらんわ…」
竜華「怜…」
竜華「…何も泣かんでも」
怜「あ、汗や言うとるやん!」
怜「…」
竜華「…」
竜華「うちはどこにも行かへんよ」
怜「!」
竜華「うちはずっと」
竜華「ずーっと」
竜華「怜専用の、膝枕や」
怜「…」
怜「ぷっ」
怜「なんやの、それ…」
竜華「日も暮れてきたなー」
竜華「そろそろ帰ろか」
怜「…そうやな」
竜華「怜」
竜華「ありがとうな」
怜「…ええよ、いつも面倒かけてばっかりやしな」
竜華「おかげで元気出たわ」
怜「またたまに私が膝枕したる」
竜華「うん」
竜華「…でもな、怜」
怜「?」
竜華「うちほんまに、ほんまに嬉しかったけど…」
竜華「うちは怜に膝枕してる時も」
竜華「さっきと同じくらい…幸せなんやで?」
怜「!」
怜「…」
怜「…なんや今日は恥ずかしいセリフばっかりやな、竜華」
竜華「ちょ…からかわんといて!」
怜「ふふっ冗談やって」
竜華「まったく…怜はいじわるさんやなー」
怜「さっき言ったこと、忘れへんでな?」
竜華「?」
怜「竜華はこれからもずっと」
怜「私専用の、膝枕や」
竜華「…ふふっ忘れへんよ」
竜華「むしろうちは怜のほうが心配やわ」
竜華「後でもっと良い膝枕が見つかった、なんて言わへんやろな?」
怜「…心配せーへんでも」
怜「竜華以上の膝枕なんて、宇宙のどこ探しても見つかる気せーへんわ」
竜華「ぷっ…えらい大げさやな」
怜「ほんまやって」
竜華「…ありがとう」
竜華「なに?」
怜「私、病弱やしいつまで一緒におられるかは分からんけど…」
竜華「…その病弱アピールやめ!」
怜「ごめん」
怜「…でも、私のできる限り精一杯長生きするから…」
竜華「…うん」
怜「ずっと」
怜「ずーっと…」
怜「一緒やで」ぎゅっ
竜華「…うん!」ぎゅっ
おしまい
いい怜竜だった
怜竜は萌えるわ
すばらでした
Entry ⇒ 2012.07.28 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
照「みんなが無視する」ションボリ
菫「・・・・」
照「何も言わないってことは、いいってことだよね?」
菫「・・・・」
照「そ、それじゃあ舐めちゃおっかな」チラッチラチラ
菫「・・・・」ハァ
照「す、菫ちゃーん?舐めちゃうよー?」アセアセ
菫「・・・・」
照「・・・・・」
照「なんて、怒られるのに・・・」
照「・・・・」
照「あ、淡」
淡「・・・・・・」ウツムキ
照「今日の淡のパンツの色は何色かなー?」
淡「・・・・」ションボリ
照「み、みちゃうよ?みちゃうよ?」
淡「・・・・・」ションボリ
照「・・・・うぅ」
照「スパッツの上からクンカクンカさせて!」アセアセ
亦野「・・・・」ウワノソラ
照「前からクンカクンカしてみたいなって!」アセアセ
亦野「・・・・」ウワノソラ
照「い、いいってこと?それいいってこと?」アセアセ
亦野「・・・・」ウワノソラ
照「渋谷!」
照「渋谷のおしっこのみたい!飲ませて!」アセアセ
渋谷「・・・・」
照「渋谷いつもお茶一杯飲んでるから一杯でるでしょ?!」アセアセ
渋谷「・・・・」
照「お、お願い!のませて!」アセアセ
渋谷「・・・・」
照「・・・・なんで、みんな無視するの?」ボソッ
菫「・・・・・」
淡「・・・・」ションボリ
亦野「・・・・」ウワノソラ
渋谷「・・・・」
照「わ、私のこと皆嫌いになっちゃった?」アセアセ
照「知ってる?こういうのイジメっていうんだよ?」アセアセ
照以外「・・・・・」
照「さ、さすがの私も泣いちゃうよ?いいの?泣いちゃっていいの?」アセアセ
照以外「・・・・・」
照「・・・・・・」
扉「ガチャ」アクデー
照以外「・・・・」
―――――
―――
―
照家 照部屋
照「・・・・私何かしてしまったんだろうか」
照「まさか、皆が何もなしに無視するなんて思えない・・・・」
照「・・・・昨日のこと思い出してみよう」
回想
照「菫」
菫「なんだ?」フリムキ
照「・・・」ペロッ
菫「んな?!」
照「・・・・てるぺろ☆」
淡「な、なんですってひゃあぁああ!」
淡「ひ、人の足勝手に舐めないでください!」
照「・・・・てるぺろ☆」
照「亦野」サワリ
亦野「やめてください」
照「渋谷」モミッ
渋谷「・・・・」ゴッ
照「・・・・痛い」
回想終了
照「・・・・何も変なことはしてないはず」
照「・・・・・うーん」
照「わ、わかった!」
照「私の誕生日が近いから」
照「皆でサプライズで何かしようってこと?!」
照「ひゃー///気づかなかったなんて////」テレテレ
照「これは千点取られましたわー」ペチンッ
照「・・・・・・・」
照「・・・・それにしてもお母さんおそい」
照「・・・・私のご飯・・・・」ションボリ
照「・・・・はぁ・・・今日はもう寝よ」
翌日
照「ふふふーん♪」
菫「・・・・」
照「菫ー」
菫「・・・・」
照「・・・・菫ー?」
菫「・・・・」
照「も、もうそんな無視なんてしないで」
菫「・・・・」
照「大丈夫!サプライズは気づいてない!」
菫「・・・・」
照「・・・・菫?」
菫「・・・・」
照「・・・・」
―――――
―――
―
照「・・・・また今日も皆に無視された」
照「・・・・私も怒った」
照「・・・・長野に帰って皆に私がどれだけ重要か思い知らせてやる!」
照「・・・・ということで帰ってまいりました」
照「・・・・ただいま」ガチャッ
照「咲ー?愛しのてるてるがかえってきたよー?」
咲「・・・・お姉ちゃん」
照「寂しかった?ねぇ寂しかった?私はとっても寂しかった」
咲「・・・・・」
照「愛しのてるてるを置いて部屋にいくなんて・・・」
照「咲の照れ隠しはかわいい」
照「咲がすでにかわいい」
照「世界一かわいい」
照「これが3C・・・」フムフム
照「入るよ咲」ガチャッ
咲「・・・・」モグリ
照「もう寝るの?お姉ちゃんもっと構ってほしい」ショボン
咲「・・・・お姉ちゃん」ボソボソ
照「なになに?ちゅー?ちゅーする?」
咲「・・・・私ね、お姉ちゃんの」
照「え?!もしかして告白?!ひゃー///」テレテレ
咲「変態さんなところは嫌だったけど」
照「・・・・」
咲「でも、お姉ちゃんは好きだよ・・・・」
照「・・・・私も、咲のこと好き」
咲「・・・・お姉ちゃん・・・・おやすみ・・・お姉ちゃん・・・」
照「・・・・おやすみ、咲」
照「・・・・・・・・私も一緒に寝る」ゴソゴソ
照「・・・・咲」
咲「・・・・」スースー
照「ありがとう、咲」ナデナデ
照「私、東京帰るね」ナデナデ
照「またね」チュッ
咲「・・・・」スースー
東京
照「・・・・咲に元気をもらったし」
照「それに、咲も元々だけど私の妻であり、彼女であり恋人になったし・・・・」
照「・・・・ちゃんと、菫たちと話そう」
照「・・・うん!」
照「・・・もう・・・夕方だもの・・・」
照「・・・・菫」
菫「・・・・」
照「ねぇ、話きいて」
菫「・・・・」
照「・・・・わかったそのままでもいいから」
菫「・・・・」
照「何で無視するか、私にはわからない」
照「だけど、ちゃんと言ってほしい」
菫「・・・・」
照「た、確かに今まで何度も怒られてきたのに」
照「何一つ変わってないっておもうかもしれない」
照「けど、今回は違う、ちゃんと反省する」
照「ちゃんと、考える変わってく」
照「だから、無視するのはやめて・・・・」
淡「・・・・はい」
照「お願い!菫!」
亦野「・・・・」コクッ
渋谷「・・・・」
菫「・・・・いくぞ」トテトテ
照「・・・・・なんで」
照「まって!まって菫!」
照「・・・・(絶対、今日こそは絶対)」
照「(・・・・追いかけよう!)」
照「菫たちどこに・・・・」
照「・・・・???」
病院
照「病院?誰か知り合いが?」ハァハァ
照「・・・・」
照「・・・・・(何だろう、頭が痛い)」
照「・・・・・いこう」タタタ
照「!」
照「淡の後ろ髪」タタタ
照「・・・・ばれないように」コソーリ
照「・・・・入ってく」
照「・・・・・」コソコソ
照「・・・・確かこの階は全部個室だったような」
照「・・・・私の知ってる人かな」コソコソ
302号室 宮永照様
照「・・・・んん?」ゴシゴシ
302号室 宮永照様
照「・・・・・はいぃ?」ゴシゴシ
302号室 宮永照様
照「ひょ・・・・ひょええええええええええええええ!」
照「(も、もしかして私がもう1人いる可能性が微粒子レベルで存在している・・・・?)」
照「(・・・ハッ!それなら今まで菫たちが私を無視することにも納得が・・・!)」
照「つまり・・・・菫達はこの(仮)偽宮永照を私と間違っている・・・」
照「・・・そして、私を(仮)偽宮永照だと思っているから無視を・・・・」
照「な・・・なんてこと・・・!」
照「わ、私が本物(?)なのに・・・」ギュル
照「・・・・いわなきゃ」ボソッ
照「・・・・そもそも私のことを間違えるなんて・・・・菫」ギュルル
照「・・・・ひどい」ギュルギュル
照「・・・・むむむむっ!」ギュルギュル
照「・・・・菫」ギュルギュル
照「菫ぇえええええ!」ッバーン
菫「・・・・淡」
淡「うぅ・・・すみません」グシグシ
亦野「・・・・っ」ショボン
渋谷「・・・・」ショボン
照「あれ?皆?あれ?というより寝てるの私?」
菫「・・・・何度きても、変わらないなここは・・・・」
淡「そう、ですね・・・・」
亦野「いつも五月蝿かった先輩はいつになったら戻ってくるんですかね・・・」
渋谷「・・・・うん」
照「(私にそっくりだ・・・・これは間違う・・・というより私自信?鏡を見てるみたい・・・)」
菫「はやく・・・起きろよバカ」
照「どういうこと?」
照「菫、今日のパンツかわいいね」
菫「?!いつみたんだ!早く忘れろ!」ペシンッ
照「いたっ・・・すぐ叩くのはよくない」
菫「まったく・・・・お前というやつは・・・・」
照「何度もきいた」
菫「何度もいってるんだからそろそろ覚えろ!」
照「菫はうるさ・・・・」
菫「なんだとっ?!」
照「・・・・」
菫「ど、どうした照」
照「・・・・・」タタタッ
菫「お、おいてrキキィイイイイイイイイイイイ
菫「?!?!」
菫「お・・・・・おい照!照!」
幼女「あ、あああ」ガクブル
菫「大丈夫か!」
少女「幼女!?大丈夫?!怪我は!?」
幼女「おね、少女お姉ちゃん」ガクブル
幼女「お、お姉ちゃんがお姉ちゃんが・・・あ、あああ・・・・」ガクガク
菫「そうだ、照!大丈夫か照!」
照「・・・・んん」
菫「よかった・・・いま救急車呼ぶそれまで耐えろ!」
照「・・・・こん・・・・ときも・・・きび・・・い・・・・」フフッ
菫「しっかりしろ!意識を保て!」
照「・・・・・ん・・・が・・・・ばる」
菫「すみません!事故です!けが人がいるんです!急いでください!場所は・・・・」
照「・・・・・・・」
回想終了
淡「・・・・弘世先輩のせいじゃ・・・」
亦野「・・・・悪いのは居眠り運転してた人です・・・」
渋谷「・・・・」コクッ
照「・・・・あー」
照「確かあの時は・・・・」
照「目の前に幼い頃の咲に似た子と・・・・私に似た子・・・」
照「すごく・・・・仲良く歩いててなんだか・・・懐かしくて・・・」
照「つい・・・・抱きつこうと向かってったんだったような・・・」
照「そっかー・・・そこに居眠り運転の車が突っ込んできたのか・・・・」
照「・・・・・あれ?じゃあ今の私は?」
照「・・・・私は・・・何・・・・?」
淡「そう、ですね・・・」
亦野「・・えぇ」コクッ
渋谷「・・・・それに」
菫「あぁ、そうか・・・今日妹さん・・・くるんだっけな・・・」
渋谷「・・・・」コクッ
菫「・・・・私達はそろそろ」
淡「・・・・はい」
菫「・・・・照、また来るからな」
菫「次きたときはちゃんと起きてろよ」
ガララ
照「・・・・とりあえずここにいたほうがいい・・・のかな?」
照「(私自身が何なのかわからないし・・・・・)」
照「・・・・うむむ」
咲「・・・・お姉ちゃん」
照「
」
咲「・・・・・」ストン
照「・・・・・」
咲「・・・・もう・・・私がきてあげたのに」
咲「・・・・」
咲「はやく・・・起きてよ・・・お姉ちゃん・・・」
照「起き照起き照!咲がきたら目覚めないわけにはいかない!」
咲「・・・・お姉ちゃん・・・」ギュッ
照「・・・・はぁ」
チク・・・タク・・・・チク・・・・タク
照「・・・・やけに時計の針の音が大きく聞こえる・・・・」
咲「・・・・・」ギュッ
照「・・・・(多分・・・今の私は抜け殻、魂?みたいなものなのかな・・・)」
照「・・・・・はぁ」
照「・・・・それにしても」
照「あの、泣き虫な咲が泣かないなんて・・・」
照「長野でたくさん泣いてくれたのかな・・・それとも・・・」
照「私なんて・・・どうでも・・・」ズーン
照「いや・・・そんなわけはない!咲はてるてるラブ!なはず!」ウンウン
照「・・・・・」
照「・・・・はやく戻りたい」
1日また1日と・・・
咲は、毎日私の病室にきてくれた
毎日、毎日・・・・
ろくに食事をしていないのだろうか・・・・?
あまりよく寝れていないのだろうか・・・・?
日がたつ事に、咲がやつれていく、そんな風に見えた
・・・・こうしていることで、私はたくさんの人に愛されていたんだなと、気がつかされた
姫松や阿智賀、千里山そして清澄
一緒に卓を囲った人たち、対局はしなかったもののIHに出場した人たち
たくさんの人が私の見舞いに来てくれた
咲「今日はわざわざお姉ちゃんの為に・・・ありがとうございます」ペコッ
白「・・・・」ハァ
豊音「いいよー・・・・それよりも宮永さんはー・・・・?」
咲「はい・・・まだ目が覚めなくて・・・」
豊音「そう・・・なんだ・・・」ショボン
塞「・・・咲さんも・・・体のほうは大事に・・・なんだかやつれて・・・」
エイスリン「・・・」コクコク
胡桃「・・・・ちゃんと自分の体も大事にしないと、めっ!」
咲「はい・・・ありがとうございます・・・・」
塞「・・・・」
白「・・・・・ダル」
塞「ちょっ・・・シロ!」
私が・・・昔あげた本を勢いよく落としたかと思えば小瀬川さんに
私が今まで見たこともない形相をして・・・飛び掛っていた
咲「・・・・」グググ
塞「ちょ・・・し、シロあ、あやまって!さ、咲さんも落ち着いて!」アセアセ
胡桃「ちゃんと謝らなきゃめっ!」
白「・・・・」
咲「・・・ダルいだなんて・・・・」ググク
エイスリン「ワ、ワワ」アワヷ
咲「ダルいだなんて!!そんなこというならお見舞いになんてこないで・・・!」グググ
咲「そんな・・・そんな気持ちで来るなら・・・こないでよっ・・・!」グググ
白「げほっ・・・」
豊音「あ、あわわわわー」
塞「豊音!なにやってるの!は、はやく咲さん引き剥がして・・・!」
咲「・・・・ハァ・・・ハァ・・・」
白「・・・げほっ・・・」
塞「大丈夫?!・・・ちゃんと謝らないと駄目だよシロ・・・」
胡桃「・・・・めっ!」
白「・・・げほっ・・・だって・・・」
エイスリン「・・・・」??
白「・・・・だって・・・・チャンピオン・・・・宮永照はどうせ、起きるんでしょ?」
塞「んな・・・」
白「来るときも私はいったじゃん・・・・ダルいって・・・」
白「こんなことで宮永照は死んだりしない・・・ちゃんと、どんなに時間がかかっても目をさます」
豊音「・・・・シロ」
白「・・・・だから起きてない今来ても仕方ないって・・・どうせ・・・ううん絶対目をさますんだから」
白「・・・だからこんな辛気くさいのはダルいって・・・こんなんじゃ起きたとき宮永照嬉しくないって・・・」
白「・・・・・」
咲「だって・・・お姉ちゃん全然起きないんだもん・・・」
咲「ぜんぜん・・・おきないんだもん・・・!」ポロポロ
咲「わた、わたしが、はなしかけても・・・!」ポロポロ
咲「なんにちたっても・・・!」ポロポロ
咲「ぜんぜん・・・おきてくれないんだもん!」ポロポロ
白「・・・・私は信じてるよ宮永照を」
咲「ふ・・・・うっ・・!」ポロポロ
白「・・・言葉足らずでごめん」ナデナデ
咲「うっ・・・くっ・・・」ポロポロ
白「・・・・我慢・・・しないで」ナデナデ
咲「う・・・あ・・・ああああああ!」ポロポロ
白「・・・・」ナデナデ
咲「おね、おねえちゃあん!おねえちゃああん!」ポロポロ
気丈に振舞ってどれだけ我慢していたかを痛感させられた
そして・・・
咲「うっ・・・・グスッ・・・」
咲「今日は・・・本当に・・・ありがとう、ございました」ペコリッ
白「・・・・なんでも1人で抱え込まないで」
豊音「そうだよー!皆がついてるよー!」
エイスリン「・・・」カキカキ
白「・・・・頼れってこと?」
エイスリン「・・・・b」グッ
塞「そうよ!大丈夫、大丈夫だから!」
胡桃「塞、ボキャ貧っ!」
塞「んなっ?!」
咲「・・・・あはは」ハハッ
久々に咲の笑った顔をみた
咲「・・・はい!」ペコッ
照「まぁ私ずっと起きてるんですけどね」
照「・・・・はぁ聞こえてない・・・よね・・・」
照「もうずーっと前からずーっとここでずーっとかわいい咲のほっぺをプニプニしたり」
照「咲の太もも舐めてみたり」
照「毎日咲のパンツチェックしてるのに・・・・」
照「・・・・・・はぁ・・・」
照「一体いつになったら戻れるんだろう・・・」
照「・・・・今日の咲のパンツは何色かな・・・?」
照「・・・・!!く、くまさんパンツ・・・!」
照「これは・・・超レアパン・・・!」
照「・・・・はぁ咲はかわいいなぁ・・・」
照「んっ・・・咲トイレかな・・・」
照「・・・・それにしても・・・・」
照「前に比べたら咲も表情穏やかになったし・・・」
照「・・・・よかった・・・うん」
照「・・・・はぁ」
照「・・・・・咲の座ったいすの臭いでも嗅ごう」クンカクンカ
照「んん?」
霞「・・・・あらあら」
照「・・・まぁどうせみえてないだろうし・・・続けよう」クンカペロペロ
小蒔「へ、ヘンタイさんです!」アワワ
巴「姫様はみちゃだめですよ・・・」ハァ
照「・・・・んん?」
初美「・・・・いや「んん?」じゃなくてなにやってるですかー?」
照「・・・みてわからないの・・・?」
初美「残念ながらりかいふのーですよー・・・」
照「・・・・咲の温もりが残ってる間に咲の座った椅子をクンカクンカしたりペロペロしてる」
初美「・・・そうじゃなくてですねー・・・・」
小蒔「ね、眠っていらっしゃるのも宮永さん・・・ですよね・・・・?ってことは・・・」
霞「見事に幽体離脱してるわね」ニコニコ
照「んんんっ?ってあれ?私・・・今話してる・・・?」
初美「まさかこういうことだったとは驚きですよー」
照「どゆことー?」
小蒔「そ、それはですね、えっと・・・えっと・・・」
巴「姫様・・・私たちが説明しますよ・・・」
霞「うふふっ・・・小蒔ちゃんは頑張り屋さんだものね」
初美「つまり、もう身体の外傷以外はこれといったことはないのにですねー」
照「うんうん」
初美「起きない理由はあなたが幽体離脱しちゃってるからですよー」
照「なんだってー!!」
初美「「なんだってー!!」じゃないですよー!」
初美「なにやってんですよー!」
照「いやだって・・・」
初美「はやく戻ってあげたほうがいいとおもうんですよー?」
照「・・・・戻り方とかよくわからない・・・////」テレッ
照「てるぺろ☆」
巴「流行らないです!」
霞「えぇ、さっきのはひどいわね」
小蒔「えっと、えっと!ど、どんまい?です!」
照「ひどい・・・」
霞「・・・そうね」
照「・・・・?」
霞「ちょっと・・・手荒になるけど、いれてあげましょう」ニコッ
照「ほ、本当?!」
霞「えぇ、ただ妹さんが戻ってきてからにしましょ」
霞「お姉さんが起きるのを誰よりも望んでいたはずですもの」ニコッ
小蒔「わー!霞ちゃん!」ギュッ
霞「うふふ」ニコニコ
初美「・・・・ナムナムですよー」
>霞「ちょっと・・・手荒になるけど、いれてあげましょう」ニコッ
お願いします!
霞「あらあらいいのよ」ニコッ
初美「それよりお話があるですよー」
咲「は、はい!なんでしょうか」アセアセ
―――――
―――
―
初美「・・・ってことですよー」
咲「ほぇ・・・」
咲「・・・・じゃ、じゃあ!お姉ちゃんは・・・!」
初美「すぐ目をさますですよー!」
咲「・・・・」
霞「・・・・あらあら」ウフフ
咲「よか・・・・よかった・・・・」ポロポロ
咲「よかった・・・・よかったぁ・・・」ポロポロ
小蒔「これ・・・つかってください」っハンカチーフ
霞「それじゃあ・・・すこしだけ時間を貰ってもいいかしら」
咲「・・・はい!」
霞「・・・ということで」
照「わくわくてるてる」
霞「宮永さん?」
照「はやく入れてくれるとうれしい、はやく咲とチュッチュしたい」
霞「・・・・・」
霞「・・・宮永さん」
照「なになに?はやくはやく」
霞「私達がここにきたとき・・・・」
初美「姫様はみちゃだめですよー」
巴「あわわ」カクシカクシ
小蒔「わわっ!真っ暗でなにもみえないです!」ワワワ
霞「よくも小蒔ちゃんに変なのみせてくれたわね」ゴゴゴゴゴゴ
霞「・・・・」ガシッ
照「・・・・!痛い!痛い痛い!浮いてる!私浮いてる!」
霞「・・・・」グググッ
照「割れちゃう!頭割れちゃう!」タップタップ
霞「・・・・・まぁけが人ですし」
霞「こうなったのも幼子を助けたからともきいてるし」
霞「このぐらいで許してあげるわ」ニコッ
照「・・・・」ヌケガラノヌケガラ
霞「それじゃあいれるわよ」ニコッ
グッ
咲「・・・・お姉ちゃん・・・?」
照「・・・・あたま・・・・いたい・・・・しに・・・そ・・・」
咲「お姉ちゃん・・・!お姉ちゃん!!」ポロポロ
照「咲・・・・おいで・・・」
咲「うっ・・・うぅぅぅぅうお姉ちゃん」ギュッ
小蒔「感動です・・・」グスッ
霞「あらあら」ニコニコ
巴「・・・・見てるこっちも頭痛がするレベルでしたね・・・」ボソッ
初美「あれを実際に食らったことがある私からするとですねー・・・」ボソッ
初美「一週間は痛みがひかないですよー・・・」ボソボソッ
巴「いっ・・・一週間・・・ってなにやったのハッちゃん・・・・」ボソボソッ
巴「そ、それだけ・・・?」ボソッ
初美「・・・・・姫様の・・・・」ボソッ
巴「あー・・・・」
照「咲・・・・さみしいおもいさせてごめんね」ナデナデ ズキズキ
咲「ばかぁ・・・お姉ちゃんほんとに・・・心配したんだから・・・」ポロポロ
霞「よかったわね」ニコッ
小蒔「さすが霞ちゃんです!」
咲「ほんとに・・・ほんとにありがとうございました・・・」ポロポロ
照「・・・・私からもありがとう・・・・」ズキズキ ナデナデ
照「だけど、ひどい・・・」ボソッ
霞「なにかいったかしらー?」ニコッ
照「う、ううんいってない」フルフル
咲「・・・・はい」グシグシ
霞「お姉さんね」
咲「・・・?」
霞「幽体離脱してここにずっといたっていったわよね?」
咲「はい・・・」
霞「私達が入ってきたとき、零体のままあなたが座ったイスの臭いをかいだり舐めたりしていたわ」ニコッ
霞「おもしろいおねえさんね」ニコッ
咲「・・・・・」
照「・・・・・」
咲「お姉ちゃん・・・・」
照「・・・・まって私けが人 今起きたところ」
咲「お姉ちゃんのバカ!もー!」プンチョカ
照「ひょえええええ!」
霞「うふふ」 初美&巴「鬼だ・・・・」 春「私の出番は・・・・?」ボリボリ
尾張
面白かったよ
面白かったで~
霞さん×てるてるの新しい可能性を感じた
後日談的なのをかこうとおもったが疲れた
全部即興だったから色々変なところあると思うけど、本当にありがとうですた
シロがかっこよかった
白糸台メンバーの反応も見たい所
菫「まったく・・・お前は本当に世話を焼かせる」
照「そんなこといって本当は寂しかったのを私は知っている」
菫「はっ・・・そんなわけあるか・・・」
照「毎日ハァ・・・・てため息ついてた」
菫「んな!?」
照「それに、病室にきて私がついていたのに・・・とかもいってた」
菫「おま・・・おきて・・・」
照「おきてない あとパンツが菫なのにひまわりパンツ」
菫「・・・・っ////」カァァア
照「かわいかったよ?」
菫「~~~~っ!」ゴンッ
照「・・・・・痛い」
照「淡なんてなきそうだった」
淡「?!」
照「パンツはいちご柄とパンタさんパンツをみた」
淡「なっ・・・なっ・・・////」
照「淡らしいかわいいパンツだった」
淡「う・・・・」
照「う・・・?うさぎちゃんパンツ?」
淡「うわあああああああああああああん!」ダダダダ
照「いっちゃった・・・」
菫「・・・」ゴチンッ
照「・・・・・痛い」
菫「お前は・・・・もうちょっと皆に迷惑かけたこと反省しろ」マッタク
照「・・・うん、わかってる。今回のことで私、すごいたくさん反省してる・・・」
菫「・・・・そうか」 照「うん、だからパンツみせ菫「ない」
おつ
また書いてね
Entry ⇒ 2012.07.27 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
大星「先輩がブラックで私は限界かもしれない」照「そうだな!!」
菫「おい 照はどうした?」
渋谷「またいつもの」オチャー
菫「……はあ 今年は何人の一年がやられるか」
大星「白糸台は麻雀部が強い」
大星「そこで一年レギュラーになって全国に私の名前を広める」
ガララ
照「」スタスタ
大星「あれは白糸台エースの宮永照?」
照「大星淡! 私は妹が欲しい!!」キリッ
大星「いや しらねーよ」
それが彼女との出会いだった
菫「ようこそ大星 私は3年の弘世 菫 君の入部を歓迎する」
大星「ありがとうございます」
菫「今年は1年が君1人しか入らなかったが 大丈夫か?」
大星「先輩には先に言っておきますが 私は麻雀部に入るからにはレギュラーを目指します」
大星「その為に先輩を蹴落とすことになろうとも躊躇しません」
菫「……」
照「大星 レギュラーになるために必要なことはわかるな? まずは上を一枚脱ごうか」フフッ
大星「主にあれを蹴落とすことには罪悪感の1つも感じないので」
菫「出来ることなら是非ともやってほしい」ハァ
【対話】
大星「ロン」
菫「大星 精が出るな」
大星「ありがとうございます」フゥ
照「大星 精が出るのか?」
大星「くたばれ糞野郎」
照「菫菫!! 大星が私に始めて話しかけてくれた!!」キャッキャッ
菫「あぁ お前入部してから一度も話しかけられてなかったもんな」
照「大星 私のことは気軽にお姉ちゃんと呼んでくれていいんだぞ」キリッ
大星「寝言は死んでから言ってくれませんか 不愉快です」
照「菫 大星は反抗期らしい」
菫「そうかよかったな」
【位置づけ】
照「最近 私のキャラが妹の咲のパンツを舐めるような変態キャラになっているんだが」
大星「違うんですか?」
照「私は妹全般なら誰でもいけるぞ」
大星「」
照「あっ! もちろん最近のオカズは大星ばかりだからな」オロオロ
大星「菫先輩 これを早くクビにしてください」
菫「善処する」
【自分には妹は……】
照「自分には妹はいない」キリッ
大星「いきなりなにを当たり前のことを 脳味噌を菫先輩のと入れ替えたんですか?」
照「なぜなら私にとって目に映る年下すべてが妹だから! 1人なんて選べない!!」
照「確かに咲にはそのことで寂しい想いをさせてしまった」
照「だが咲ならわかってくれる! この姉の愛は妹全員に平等に注がれるものだと!!」
大星「今は麻雀で勝てないんでぶん殴っていいですか?」
菫「後で問題になるから止めてくれ」
【去年は大将 今年は先鋒】
大星「あのアホが団体戦で去年は大将 今年は先鋒なのには理由があるんですか?」
大星「出来るだけ全国ネットであのアホの醜態を晒さないようにという配慮で大将だと思ってたんですけど」
菫「あいつにとってのインターハイは自分の妹を探す以外に意味はないらしい」
大星「糞虫ですね」
菫「それで去年 長野の龍門渕高校の大将の天江衣に目をつけていたんだ」
大星「そうなんですか」
菫「だが龍門渕は準決勝で敗れてな しかもあの臨海にトバされて」
菫「それで照がブチ切れた」
大星「それは……容易に想像がつきますね」
菫「決勝で臨海その他2校と当たったんだが 大将戦で戦った臨海の子は不運と言わざるえない」
菫「弔い合戦だとかわけのわからないことをのたまって全局照が海底であがる始末」
大星「それは……」
菫「今でも臨海の生徒に会ったら目線で殺されそうになるよ」フッ
大星「お気の毒に」
菫「それだけならいいんだが あいつは何を思ったのか試合が終わった後に優勝旗を持って消えてな」
菫「どこにいったかと思ったら天江衣に優勝旗を持って告白していた」
大星「うわあ」ヒキッ
菫「伝統ある白糸台の歴史に泥を塗ったとしてOBからも恨まれている」
大星「それであの性格が治らないとは 糞につける薬はありませんね」
【仲裁】
照「大星! 大星! このペンダントお姉ちゃんとお揃い!!」キャッキャッ
大星「……チッ」
菫「……仕方ないな おい照 大星も嫌がってるんだから止めてやれ」
照「うるさい! さては菫 私の妹を言葉巧みに奪うつもりだな!!」
菫「……はぁ」
菫「照お姉ちゃん! そのペンダント 私が欲しいな」ウワメヅカイ
照「フッ」ハナデワライ
大星「落ち着いてください! 菫先輩!!」
菫「離せ大星! 私はこいつをぶん殴らないといけないんだ!!」ジタバタ
【年上】
照「最近思ったんだが 年上からお姉ちゃんと呼ばれるのも許容範囲ではないのだろうか」
大星「そうですね とっとと地獄に落ちればいいのに」
照「はっ!? 違うぞ菫! お前はちゃんと守備範囲外の糞婆だから安心しろ!!」アタフタ
菫「嬉しいついでにぶん殴ってもいいか?」グッ
照「菫はどっちかというと面倒見がいいし お母さんといった感じだな」
大星「……糞に賛成するのはどうかと思いますけど 確かに母性がありますね」
菫「大星まで なにを言っているんだ!!」
照「特にところどころ見える白髪とか皺とかな」
大星「だから落ち着いてください!!」
菫「離せ!! 元凶をぶん殴らないと!!」ジタバタ
【糞】
照「恥ずかしながら 私はこの歳までス○トロプレイには縁がなくてな」
大星「縁がある方が恥ずかしいんですが」
照「妹とそういうプレイには興味があるんだが……」チラッ
大星「」プイッ
照「もちろん!! 大星に食べる食べさせるような趣味があるならお姉ちゃんはなんでもするぞ!!」フンス
大星「そんなものはないし もし食事中の読者がいらっしゃったらどうするんですか」
照「なにを言っているんだ大星 う○こだって立派なたべ――なにをする菫 やめっ!?」
カットされました
【本物の妹】
大星「そういえば糞にも奇跡的にも妹がいるんですよね」
大星「一緒に住んでないってことは糞は絶縁にでもあったんですか?」
菫「そこは詳しく知らないんだが 長野で行われた予選に妹さんも出ていたんだが 映像もあるし見てみるか?」
大星「是非とも」
衣『海底撈月!!』
大星「あれが噂の天江さんですか 確かに糞が好みそうな体系ですね」
池田『にゃーにゃーにゃー!!』
大星「どうして卓に畜生がいるんですか? これだから田舎は」
咲『すいません ちょっと脱いでいいですか?』
審判『えっ!? あぁ 脱ぐのは靴下か……』
咲『いえ 全部脱ぎますけど』ゼンラー
菫「あれが照の妹だ」
大星「姉が姉なら妹も妹と トンビはトンビしか生まないんですね」
大星「全国大会 順調に勝ち上がったら私があれと戦うんですか?」
菫「照を大将にして戦わせるよりマシだろう」
大星「放送事故姉妹なんて2つ名になりそうですね」
菫「妹の方は裸単騎を得意としている 裸単騎を仕掛けたら必ずといって和了る」
大星「糞と同じで変態行為がモチベーションに繋がるとか」
菫「変態だからと油断するなよ」
大星「むしろ変態駆除は大好きなので問題ありません」
菫「あぁそうだな」
【全国大会】
大星「どうして私が糞のトイレの付き添いなんて……」
照「連れションは姉妹の特権だぞ!!」
大星「」スタスタ
玄「お姉ちゃん待ってよー!!」
宥「はいはい」
照「大星 今のマフラーの手を見たか?」
大星「……いえ」
照「マメが大量にあった 恐らく妹を想ってナニをしていたんだろう」
大星「」
照「私は小3の頃からマメすら出来ていない ニワカは相手にならんよ」フッ
大星「」スタスタ
照「見せてやろう 王者のふうか――大星! 今良いところだから! お姉ちゃんキメセリフ言ってるから!!」
【二回戦】
実況「決まったーーー!! 宮永照選手! 他家をトバして準決勝進出ーーー!!」
大星「シードで一回戦は免除 二回戦も糞が圧差で勝って私たち出番ないですね」
菫「無駄に実力だけはあるからな」
照「それに早く終わらせた方が妹とイチャつけるだろう」キリッ
大星「準決勝も特に目立ったチームではありませんね 問題は決勝ですか」
菫「誰かさんに敵意満々な臨海が恐らく上がってくるからな」
照「それに咲も! 私の妹の咲も!!」
大星「とにかく 明日の準決勝をなんとかすると」
【準決勝】
照「よろしくお願いします」
玄「お任せあれ!」
すばら「すばらです!!」
怜「」ブツブツ
照(配牌はそこそこ いつものパターンであがる!!)ギュルギュル
玄「えっと……お姉ちゃん 私ドラが欲しいです」
照「」
菫「マズイ!! 止めろ照!!」
ロン!!
怜「リーチ 姉やん ウチ東が欲しいんやけど」
照「フフッ 妹の頼みならお任せあれ!!」パチンッ
怜「ロン!!」
すばら「お姉ちゃん すばらな牌が欲しいです」
照「そうだな これが姉の愛だ 受け取ってくれ」パチン
すばら「すばら!!」
菫「くそっ! 今年は他校も照の対策を講じてきたか」ドンッ
大星「くだらないように見えて実に効果的な策ですね」モシャモシャ
大星「下手をしたら前半だけで糞がトバされる可能性もあるわけで」モシャモシャ
菫「くっ!!」
大星「それでは……」ガタッ
菫「どこに行くんだ大星」
大星「トイレです」バタン
【休憩中】
玄「お姉ちゃん 今度ウチの温泉にも来てくださいね」
照「一緒に入ろうな」フフッ
怜「姉やんの膝枕気持ちええで」
照「私も怜の髪を撫でるのが癖になりそうだ」
すばら「すばらです!!」
照「そうだ すばらだな」
大星「なにをしているんですか」
照「なんだ大星か 見てわからないか? ここが桃源郷だ」
大星「……お お姉ちゃん」
照「――ッ!?」
大星「負けちゃうの?」
その時! 照の脳内に電流走る――ッ!!
【脳内】
大星『お姉ちゃん 優勝旗を床に敷いてなら……あわの初めてあげてもいいよ』
照「すまない大星……いや淡 後はお姉ちゃんに任せておけ」ゴォオオオオオ
玄怜すばら「「――っ!?」」ビクッ
菫「長かったな大星」
大星「少し激をしていました……腹に」
菫(なんか照に似てきたな なんて言ったら怒るか)
玄(なんか王者さん怖くなったけど……みんなの作戦があれば大丈夫)
玄「お姉ちゃん こっちの牌を――」
照「リーチ!!」ギュルギュル
玄「ひぃっ!?」ガクガク
実況「おおっと!! リーチ棒が回転しております!!」
すこやん「頭おかしいですね」
怜(1巡先を見たけど これなら大丈夫)トン
ゲートオブバビロン
照「大三元!!」ギュルギュル
怜「なっ!? なんでや!!」ガタッ
照「さあ次局に行くぞ」
怜(さっきのはマグレと仮定して もう妹作戦も通じへん)
怜(なら今度はダブルや!!)キュイイイイン
すばら「すばら!!」パチン
怜「リーチ!!」ズブッ
実況「おぉっと! 千里山 園城寺怜選手の必殺リーチだ!!」
怜(これならいける!!)
照「夢を見るのは勝手だが その牌ロンだ」バタン
エヌマ・エリッシュ
照「九連宝燈!!」
怜(もうなんやこいつ……)
照「怜 なにがなんだかわからないといった顔をしているな」
怜「当たり前や! そんな役満ばっかあがりよってからに!!」
照「所詮 妹でしかないお前にはわからないだろうな」ギュルギュル
イモウト
照「一流の姉は 次に引く必要牌すら創造出来る!!」
ツモ!!
シスタープリンセス
照「国士無双13連!!」
実況「決まったぁああああああ!! 王者の国士無双によって全員トビだぁああああああ!!」
照「妹は12人いても誰一人同じ妹はいない そしてそこに姉が加わることによってこの役の美しさは増す」
大星「あの糞 もう消えてくれませんかね」
菫「また私が校長に叱られるのか」
【決勝】
大星「決勝にして遂に私の出番が それでは行って来ます」バタン
菫「照 先鋒でも大して点を取らなかったんだが どうかしたのか?」
照「なんでもない 少し出かけてくる」バタン
実況「決勝戦! まずは清澄から全裸の化身! 宮永咲!!」
実況「次は阿知賀からは奇跡の逆転ガール! 高鴨穏乃!!」
実況「次は王者白糸台から1年生にしてレギュラー! 大星淡!!」
大星「この面子……相手に不足なし!!」
実況「そして臨海からは今年になって遠い地からやってきた留学生!!」
実況「テルテール・ミヤナーガ二世さんです!!」
テル「よろしくデース」テルテル
大星「おい ちょっとカメラ止めろ」
【謎のマスクの正体】
大星「なんで照先輩がマスクつけた上に他校で出場してるんですか?」
テル「そんな姉らしい人しりまセーン」
大星「頭痛くなってきた」ハァ
穏乃「長野に転校した私の幼馴染が魔王にNTRれてるわけがない」ギロッ
咲「土下座すれば今度触らせてあげてもいいけど」ニコォ~
実況「各選手! 試合が始まる前から熱い火花を散らしております!!」
実況「それでは! 試合開始!!」
咲「ポン! チー!!」パンッ
実況「おっといきなり咲選手裸単騎! そしていつの間にか服まですべて脱いでいる!?」
すこやん「速攻が武器みたいですね」
咲「ぜんらだよー」フリフリ
大星(清澄の裸単騎注意するに越したことは――)
テル「フッ その程度の速度でドヤ顔とはな 可愛いじゃないか」ゼンラー
実況「おっと!! テル選手もいつの間にか全裸になっているぞ!!」
テル「誰が裸単騎を教えたのか忘れたのか?」
咲「えっ! まさか……」
幼照『咲 お前には裸がよく似合う』フッ
幼咲『お姉ちゃん……』
咲「まさかあなたはお姉ちゃん!?」
大星「なんだ今の回想 そして謎の展開」
テル「フフッ お姉ちゃんか 今の私はテルテール! 妹に試練を与えるもの!!」
テル「さあ! 姉のマスクを剥がしたければマスク狩りデスマッチを受けるんだな!!」キリッ
大星「作品が違います」
ロン!!
咲「――えっ!?」
テル「どういうことだ!?」
穏乃「そろそろ混ぜろよ」ゼンラー
実況「穏乃選手もいつの間に全裸になって和了っていたぁあああああ!? これは一体!?」
すこやん「恐らく彼女はジャージの下はいつも全裸 だから他の2人よりも全裸になる速度が速かった」
実況「なるほど! これは彼女の作戦勝ちですね」
咲「なるほど これは全裸勝負」ゼンラー
テル「全裸デスマッチなんて家族麻雀以来だな」ゼンラー
穏乃「フフッ 私なんて毎日やってるよ」ゼンラー
実況「これは放送ギリギリの戦いになってまいりましたね!!」
すこやん「私がインターハイに出てた頃 全裸で私に役満を振り込ませた人がいた」
赤土「あの時は全員で全裸になるなんて発想 なかったな」フッ
灼「その時の映像 zipで早く」
アウトだよ!!!!!!!!!!!!!!!
咲「リーチ!!」
テル「くっ!? やる!!」
穏乃「私だって負けてられない!!」
実況「前半終了間際! ほぼ互角の戦いをしている3人に対して大星選手 全く目立ってないぞ!!」
大星(なんで決勝で私以外が全裸になってるの?)
大星(っていうか誰か止めろよ 全裸になってない私が馬鹿みたいじゃないですか)
大星(しかも3人とも速攻であがってくし どうやって止めたら……)
実況「前半終了!! それではこれより10分間の休憩を挟んで後半に……」
咲「穏乃ちゃんだっけ? 裸ジャージってどうなの?」ゼンラー
穏乃「やってご覧よ 気持ちいいから!!」ゼンラー
テル「それは是非とも体を使ってご教授願いたい」ゼンラー
ワイノワイノ
大星「――くっ!!(ここは私も全裸になる流れなのか?)」
菫「悩んでるみたいだな大星」
大星「菫先輩……」
菫「責任感が重いお前のことだ 勝つために全裸にならなくちゃいけないとか そんな風に考えてたんだろう」
大星「あなたはエスパーですか?」
菫「本当に思ってたのか……なあ大星 お前は入部してからなんだかんだいって照の面倒を見てきただろう」
大星「なにを……」
菫「今まで標的になっていた2年生や3年生がお陰でノビノビと練習が出来た だから負けたって誰もお前のことを恨みはしないさ」
大星「」
菫「それにだ 諦めるにはまだ早い お前は入部してから一番照の近くにいたんだ」
大星「最悪なことに」
菫「だから今の奴らの攻略法を探し出せるのもお前しかいないってことだ」
大星「……」
菫「精一杯やって 憎き照を倒して来い」
大星「はい」
【後半戦】
実況「さあ後半戦が始まりました!!」
大星「照先輩……もう容赦はしませんので」
テル「フフッ いい顔つきになったな」
大星「リーチ!!」パンッ
咲テル穏乃「「「!!!???」」」
咲「くっ……」ポロッ
大星「それロン!!」
実況「これは一体どういうことでしょうか 後半戦が始まってから大星選手以外あがれていません!!」
大星「カンッ」バチンッ
テル「あんっ……」ビクビク
すこやん「なるほど そういうことね」
実況「どういうことですか?」
すこやん「全裸になることによって速度は上がったけど その分外からの刺激には弱い」
すこやん「大星選手は牌やリーチ棒を叩き付ける振動で3人を攻撃しているの」
実況「なんと!? これは1人全裸にならなかった大星選手の作戦勝ちだぁああああああ!!」
大星「ロン!!」
テル「くぅううう……お姉ちゃんをイかせるとは」ハァハァ
咲「快楽には逆らえないってことだね」
穏乃「一思いにやりなよ」
実況「決着! 優勝は白糸台だぁああああああああ!!」
大星「」グッ
【エピローグ】
照「大星! 待ってくれ!!」ハァハァ
大星「どうしたんですか一体」
照「実はな テルテールの正体は私だったんだ」
大星「知っていましたけど」
照「それと優勝旗 これの上で大星の始めてを――」
大星「3年のあなたはとっとと引退してください目障りです」
照「なにを言っているんだ大星 私は卒業まで部に顔を出すぞ」
大星「先輩がブラックで私は限界かもしれない」
カン
とりあえず俺たちのエイスリンを泣かせたわかめは許さない
もうカレー食って寝ます おやすみなさい
Entry ⇒ 2012.07.26 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (2) | Trackbacks (0)
竜華「怜のセクハラがひどい」
怜「ツモ、2000,4000」
泉「う…」
セーラ「くっそ~!また怜の勝ちかー」
泉「やっぱり先輩には敵わんですわ…」
船Q「さすがですね」
怜「まだまだやって…うっ…」フラッ
泉「先輩、大丈夫ですか?」
セーラ「怜、あんま無理すんなよ?」
怜「う、うん…」
竜華「………」
セーラ「せやな」
部員達「「「「「おつかれさまでしたー!」」」」」
竜華「おつかれ!」
怜「おつかれさまー」
竜華「ほな帰ろうか」
怜「そ、そやね…」フラッ
竜華「…怜?」
怜「…あれ…(めまいが…)」
泉「先輩!」
セーラ「怜!大丈夫か!?」
怜「だ、大丈夫やって」
竜華「保健室いこか?」
怜「心配かけてごめんな」
怜「それより…」
怜「やっぱり竜華の膝の上が一番やなー」ごろりん
竜華「あ……ありがとう」
竜華「怜、具合のほうはどうや?」
怜「うーん…おかげさまでだいぶ気分良くなってきたで」
竜華「そっか、ほなら良かった」
怜「竜華の膝枕がある限りは死なれへんわ」
竜華「もう…縁起でもないこと言わんといて!」
怜「ごめんごめん」
竜華「………」
怜「………」
竜華「………」
竜華「…寝てしまったんやろか」
竜華「(…白糸台に勝つためとはいえ)」
竜華「(こんなちっちゃくてか細い体にエースなんて任せて本当に良かったんやろか)」
竜華「(あの白糸台の宮永照を相手にしたら、怜に一体どれだけの負担を強いることになるか…)」
竜華「(うちがもっと強かったら…)」
竜華「ごめんな、怜」
怜「…」
竜華「随分ぐっすり眠っとるなー」
竜華「やっぱり疲れがたまっとるんやろか」
竜華「日も暮れてきたけど起こすのは申し訳ないな」
竜華「しばらくこのままにしとこか」
竜華「…」
竜華「…怜の寝顔、可愛いなー…」
竜華「このままいつまでも見ていたいくらいや…」
竜華「…怜のくちびる、やわらかそうやなあ」
竜華「…」
竜華「……」
竜華「………」
竜華「…」ドキドキ
竜華「…」そーっ…
チョンッ
プニッ
竜華「あっ柔らか…」
竜華「ぷにぷにしてて」
竜華「つやつやしてて」
竜華「しっとりしてて…」
竜華「あかん」
竜華「もっと触りたい…」ムラムラ
竜華「うちは何考えとんのやっ…!」
竜華「うちらのせいで怜に負担かけとるのに!」
竜華「寝てる怜にいたずらして!」
竜華「怜の安眠を邪魔するなんて…」
竜華「最低やで!!」
竜華「うちのバカバカバカ!」ポカポカ
怜「…」
ペロッ
竜華「ひゃあぁっ!?」ゾクゾク
怜「いや…起きたら目の前に竜華の太ももがあったから」
怜「どんな味すんのやろと思って」
竜華「」
竜華「なっ…!」
竜華「そ、それはともかく怜、いつから起きとったん!?」
怜「竜華がなんや一人でぶつぶつ言ってるところから」
竜華「」
怜「さてな~?」
竜華「うっ…」
怜「竜華…別に気にせんでもええで?」
怜「しっかりお返しは貰ったしな」
竜華「っ…」
怜「やわらかくてすべすべしててちょっと甘酸っぱくて…」
怜「最高の特効薬やったで?」ニヤニヤ
竜華「…!」
竜華「と…と…」
竜華「ときのアホー!!」ダッ
怜「あ、竜華、ちょっと待ちーや!」
竜華「(もう…人の気も知らんで…怜のアホ!)」
キンコンカンコーン
竜華「あ、怜…」
怜「竜華…」
怜「…昨日はごめんな?」
竜華「あ、いやうちこそ勝手に先に帰ってしもうて…それに…」
怜「それに?」
竜華「あ、いや、その…」ゴニョゴニョ
怜「くすっ(顔真っ赤…かわいいなあ)」
怜「…天気良いし、屋上行ってごはん食べよか?」
竜華「そ、そやな!」
竜華「ごちそうさまでした、おなかいっぱいやー」
怜「私もや…竜華、膝貸してーな」
竜華「え…」
怜「だめなん?」
竜華「た、食べてすぐ横になると豚さんになってしまうでー?」
怜「え~、ええやん」
竜華「…もう、しゃーないなあ怜は…ほら」ポンポン
怜「ん…ありがとう」
怜「…」
怜「なあ、竜華」
竜華「なに?」
怜「うちな、三軍の頃は、私を支えてくれるみんなの力になれなくて本当に悔しかったんよ」
竜華「どしたん?急に…」
怜「ええから聞いて」
竜華「…」
怜「病院で生死をさまよって一巡先を視る力を手に入れた時、これならみんなの力になれるんやないかって思って嬉しかった」
怜「でも、それと同時に…怖かったんや」
竜華「なんで?」
怜「こんなの…私の力じゃないんやないかって」
怜「こんな力で勝てるようになったって、みんなは逆に私から離れていってしまうんやないかって…」
竜華「…」
怜「セーラや竜華に打ち明けて二人が私の力を素直に喜んでくれた時、私本当に嬉しかったんよ」
怜「だから私は私の出来る限りの力でみんなに恩返しがしたい、それは他の誰でもない私の一番の望みなんや…」
怜「せやから竜華…そんなに気負わんでーな」
竜華「怜…」
竜華「でもあんま無茶はせんといてな?」
竜華「うちらは、怜が体を壊してまで全国優勝することは誰も望んでないんやから…」
怜「…分かったわ竜華、ありがとうな」
竜華「…うん」
怜「あ、でもな竜華」
竜華「?」
怜「私に気は遣わんでええけど…」
怜「えっちなことするんは…」
怜「一言いってからにしてーや?」
竜華「……~~~!」
竜華「もうっ…」
竜華「怜のアホー!!」
おしまい
若干タイトル詐欺気味で申し訳ない…
すばらやで!
また書いてね!
怜竜すばら
Entry ⇒ 2012.07.26 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
照「失礼しまーす」???「入って、どうぞ」
照「暑いなあ」
照「大見得切って東京に飛び出してきたはいいものの・・・」
照「間違って黒糸台高校に入ってしまった」
照「可愛い娘ばかりと聞いていたのにおかしいなとは思ったんだけど」
照「とりあえず麻雀部があるらしいからそこに入ろう・・・ハァ・・・」
照「迷った・・・仕方がない人に聞いてみよう」
照「あのすいません、麻雀部の部室を探しているんですが・・・」
???「知ってるけど・・・もしかして入部希望かなにか?」
照「はい、そのつもりです」
???「幸先イイゾーコレ。俺は麻雀部の田所っていうんだよね、案内すんよ?」
照「本当ですか?私、新入生の宮永照と申します。ありがとうございます!」
照「失礼します」
田所「入って、どうぞ」
照「まだ誰もいらっしゃいませんね」
田所「まあ少し早くきたからね。しょうがないね」
田所「まずうちの部員さあ・・・監督入れて四人いるんだけど会ってかない?」
照「ええ、ぜひお願いします」
田所「GO監督お疲れ様です!こちら新入部員の宮永さんです」
照(この人・・・凄いパワーを感じる・・・)
照「宮永照と申します。よろしくお願いします」
GO「ハイ、ヨロシクゥ!」
GO「じゃあ他の部員もパパっと紹介オワらせるから」
照「木村君が同じ一年生ですね」
木村「よろしくお願いします」
田所「オッス!お願いしま~す♪」
三浦「そうだよ(便乗)高校二年生、18歳だゾ」
照「18で高校二年生・・・?あっ(察し)」
照(しかし女子部員は私だけか・・・)
照(田所先輩は性別が分かりづらいから女の子かもしれないけど・・・)
照(どっちにしてもインハイは諦めるしかないのかなあ)
木村「えっ、今からやるんですか?」
GO「ダイジョウブだって軽くやるだけだから安心しろよ~。ヘーキヘーキ、ヘーキだから。」
三浦「見たけりゃ実力を見せてやるよ(震え声)」
田所「いいよ来いよ!
照「ではお願いします」
照(木村君と三浦先輩はともかく)
照(GO監督程でないにしても田所先輩も相当打ってる・・・)ワクワク
照(まずは様子を見よう・・・)タンッ
木村(よし早速聴牌だ。ここは立直せずにいこう)タンッ
三浦「ポッチャマ・・・」タンッ
木村(白なかなかこないなあ)
三浦「あっ、そうだ(唐突)おい木村ァ! 」
三浦「さっき俺らの捨て牌、チラチラ見てただろ(因縁)」タンッ
木村「なんで見る必要なんかあるんですか(正論)」タンッ
田所「すっげえ白で待ってる。はっきりわかんだね」タンッ
木村(バ、バレてる・・・)
三浦「ロンだよ」
田所「ファッ!?」
照(木村君は典型的なデジタル打ち、三浦先輩は直感で打つタイプ)
照(そして田所先輩は私や咲と同じ異能の持ち主だ)
照(対象一人の手牌を把握する能力。ただし途中で変えられない・・・)
照(多少やっかいな能力だけど、私なら絶対に勝てる!)ゴッ
田所(この圧倒的オーラは・・・やべぇよ・・・やべぇよ・・・)
木村「東二局は宮永さんが親ですね」
照「お願いします」
照「ロン、1300」
田所「ま、多少はね…」
照「ツモ、1000・2000」
照「ロン、7700」
三浦「ポッチャマ・・・」
照「ロン、10200!」
木村「やめてよ(絶望)」
田所(強すぎィ!このままでは一年生に東場でトバされて終わってしまう)
田所(俺の能力『手牌レイプ』も通じないし・・・なんとか、なんとかしなければ)
三浦「お、そうだな」
照「え?ああ確かに今日は暑いですからね」
木村「確かにちょっと喉が渇きましたね」
三浦「そうだよ(便乗)」
田所「何か飲み物持ってくる。ちょっと待ってて」
田所(これしか、これしかないんだ・・・)サッー
田所「おまたせ!アイスティーしかなかったけどいいかな?」
照「すみません先輩に用意させてしまって」
田所「いいっていいって。飲んで、どうぞ」
照・木村「いただきまーす」ゴクゴク
照(あれ・・・眩暈が・・・なんで・・・)
田所「おっ、大丈夫か?大丈夫か?」
照「大丈夫です・・・」ガクッ
木村「大丈夫ですか宮永さん!?」
照「スースー」
GO「寝てるだけだ、安心しろ。とりあえず保健室に連れて行く。練習は中止ね」
GO「今日は解散。それと田所、お前は残ってろ」
田所「ファッ!?」デデドン
GO「宮永は特に問題ないという事で帰宅した。」
田所「・・・」
GO「お前を残したわけは・・・分かってるよね?」
田所「スイマセン!」
GO「謝る相手が違うだろう」
田所「うぅ・・・」
GO「明日中に宮永に自分のやった事を全て話して謝れ。それが出来なければ除名だ」
照「あっ、田所先輩!昨日はご迷惑おかけして申し訳ありません」
照「先輩が真っ先に介抱してくださって嬉しかったですよ」ニコッ
田所「宮永さん・・・俺は・・・」
照「照でいいですよ。上の名前で呼ばれるより下の名前で呼ばれる方が好きですから」
田所(俺は、なんてことを・・・)
田所(こんな可愛くていい後輩をつまらない意地で・・・)
照「先輩?どうかされましたか?」
照「・・・どういう意味です?」
田所「俺が昨日アイスティーに薬を盛った。勝負に負けたくなくてつい・・・」
照「・・・・・・!!」
田所「本当にすまなかった。許しt」
照「失礼します!」
田所「あっちょっと待ってくれよ~」
三浦「そうだよ(便乗)」
田所「・・・」
木村「そういえば宮永さんって下北沢の方に住んでいるらしいですよ」
木村「最近あそこ物騒なんで心配ですよ~」
木村「やたら不良がたむらしていて、歩いているとすぐ絡まれるとかで」
田所「・・・!」
田所「すまないが監督に今日は早退したと伝えてくれ。それとしばらく休むかもと」ダッ
木村「田所さん!ちょっと、サボリはまずいですよ!」
田所(でももし罪滅ぼしのチャンスがあるなら)
田所(絶対につかみたい!)
~下北沢~
照(最近やたら不良を見る気がするなあ)
照(治安悪くなった・・・?)
???「お金返してください!オナシャス!」
???「やだよ、おう」
照「事情は知りませんが返してあげたらどうです?」
不良「女の癖に俺に喧嘩売るとかバカじゃねーの(笑)?」
不良「喰らえやコラァ!」
照「仕方ありませんね・・・」
照「コークスクリュー!」ゴッ
不良「グフッ」バタッ
アメフト部員「ありがとうございました!」
照「いえ、気にしないで下さい」
照「!?」
不良C「お兄ちゃん達が谷岡さんやったのか?オイ、ゴルァ!オイ!」
不良D「おいやっちまおうぜ! お前!」
不良B「やっちまうか?」
不良C「やっちゃいますか!?」
不良D「やっちゃいましょうよ!」
不良B「 その為の右手 」
不良C「 あとその為の拳? 」
不良D「 金、暴力、SEX!」
照(マズイ・・・一度に三人相手は・・・)
照「・・・!」ギュ
???「暴れんなよ・・・暴れんな!」
不良B・C・D「なんだこのオッサン!」
照「田所・・・先輩・・・?」
田所「ホラホラホラホラ」バゴバゴバゴ
不良B・C「ゴホッ」バタッ
田所「†悔い改めて†」ズガッ
不良D「おぶぇ」バタッ
宮永「田所先輩・・・」
田所「この前は本当にすまなかった!」ドゲザッ
田所「一年生に麻雀に負けるのが怖くて・・・」
田所「俺は本当に酷い事をしてしまった」
田所「許してくれ。この償いは何でもする」
田所「え?(難聴)」
照「何でみんな、麻雀の事になると私に酷い事をするんですか!(涙声)」
照「妹も!先輩も!中学の時のみんなも!」
照「私はただ楽しく麻雀がしたいだけなのに!」
照「なんで・・・なんで・・・」グスッ
田所「宮永さん・・・」
田所「よし分かった」
田所「これから何としても部員を集めて、全国、行こう!」
田所「宮永さん君の才能は抜きん出ている」
田所「それは賞賛を呼ぶ一方で時として人間の弱い面も掘り出してしまう」
田所「それを見てしまって辛いのは君だけじゃなく本人も辛いんだ」
田所「だからみんな自分にケジメをつけたい、君に謝りたいと思ってるはずだ」
田所「そのための舞台として全国クォクォ生麻雀大会は適切じゃないかな」
照「みんなが謝りたいなんて・・・そんな訳・・・」
田所「宮永さん!頼む俺を信じてくれ!」
田所「過ちを犯してしまった自分だからこそ、分かるんだ!」
照「わ、分かりましたよ」
田所「ありがとう!宮永さん!」
照「あ、えっと・・・その・・・」
田所「ん?」
照「だから照、でいいですよ///」
田所「お、そうだったな」
田所「ありがとう、照!」
照「~!」
木村「インハイ出場を目標にしたそうで後三人女子部員を探すそうです」
木村「しかし中々女子部員は集まらず」
木村「やっと揃った時には二年の月日が流れていました(田所は留年しました)」
木村「しかしGO監督率いるチームの強さは短期間ながら練習試合などで他校に知れ渡り」
木村「黒糸台高校インハイ出場は大きなニュースになりました」
照「ロン、ロン、ツモ」
対戦相手「イク(小声)」
菫「ツモ、36000です」
対戦相手「ウィヒ!!(発狂)」
尭深「それ、ロンです」
対戦相手「やめちくり~(挑発)」
田所「ステロイドホモの独壇場っすよ^~」
対戦相手「汚い」
淡「全員飛ばして終了♪」
対戦相手 「こっちの事情も考えてよ(棒読み)」
木村「黒糸台高校の圧勝で終わりました」
トシ「あらGO監督、お久しぶり」
GO「お久しぶりっスね~」
トシ「初めて監督したチームがインハイ出場とは衰えてないようねえ」
霞「姫様、熊倉監督と一緒におられる方・・・!」
小蒔「ええ・・・いつも降ろしている神そのもののような・・・」ゾクッ
照「田所先輩!妹長野なんですけど・・・やっぱり来てますよ!」
田所「いいじゃん。良かったな良かったな。会いに行く?」
照「いえ、妹と決勝まで勝ち進んで・・・その時に会います」
田所「お、そうか」
照「先輩に会えたおかげで麻雀を楽しんでできるようになれました」
田所「ちょっと照れんよ~照だけに~(激寒)」
照「そういえば先輩、あの時」
照「何でもするって言いましたよね?」
田所「え、それは・・・(困惑)」
木村「こうして黒糸台は初出場で優勝、二人は幸せなキスをして終了」
Entry ⇒ 2012.07.26 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (6) | Trackbacks (0)
怜「……ん? ここは……?」照「病院だ」
照「ツッコミができるようなら大丈夫そうだな。一応先生を呼んでくるから、大人しくしていろよ」
怜「……どうなってんねん」
短いし、エロもないし、関西弁へたくそだけど、お付き合い頂けたらさいわいなのよー
照「どうですか? 先生」オロオロ
医者「もう問題はなさそうですね。明日には退院できるでしょう。でも今日一日は大事をとって安静にしていてください」
照「そうですか、それはよかった」パァ
医者「学校の方には私から連絡をしておきます。それではお大事に」
照「ありがとうございます」ペコリ
怜「……なんでアンタがウチの保護者みたいになっとるん?
てか外面はええなぁアンタ。いや、それ以前になんでチャンピオンがここにおんねん。竜華達は?」
照「質問が多いな。まあ混乱するのも判るが……」
試合の疲れが残っているのに、一晩中貴女に付き添っていて、体力も精神力も限界みたいだったから」
怜「竜華達には心配かけっぱなしやなあ。しかし一晩、試合から一日経ったんか……」
照「結果、気になる?」
怜「いや。ウチは全力を尽くしたつもりやし、チームのみんなの事も信じてる。せやからどんな結果でも後悔はないわ」
照「……千里山」
怜「あ、ゴメン。今のはちょっとウソやな。負けてたら流石に……悔しい」
照「なら私の口から言うべきではないな」
怜「せやな。喜びでも悔しさでも、みんなと分かち合いたい」
照「……お見舞い」
怜「お見舞い? なんや、知り合いでも入院しとるんか?」
照「……ボケているのか?」
怜「なんでやねん!」
照「それは私のセリフだ」
照「なんでって、対局相手が目の前で倒れたんだ。心配するのは当たり前だろう」
怜「常識外の強さを持つチャンピオンが当たり前を語りますか」
照「私は麻雀マシーンかなにかか……。私だって人の子だぞ」
怜「ふふふ、冗談やて。これでも結構喜んでるんよ?」
照「……釈然としない」
怜「なんや?」
照「……昨日は、申し訳ありませんでした」ペコリ
怜「チャンピオン……?」
照「昨日、私と対局して貴女は倒れた。だから……」
怜「ええんよ、そんな事は。そもそもウチが倒れたのはアンタのせいやないし。
だから顔上げてーなチャンピオン。それに、むしろウチは嬉しいんよ」
照「嬉しい?」
怜「本人に直接言うんはちと恥ずかしいけど……ウチ、アンタのファンなんやで?」
怜「せやで。まあ、アンタにしてみればぎょーさんおるファンの一人でしかないかもしれんけどな」
照「そんな事ない。それ以前に、面と向かってファンだなんて言われたのは初めてだ……」
怜「そ、そうなんか……」
照「ああ……」
怜「……」
照「……」
怜「本人に面と向かって訊くか、普通」
照「最初に面と向かって言ってきたのはそっちだ」
怜「せ、せやけど……」
照「……」ジィー
怜「わ、判った、話すわ」
照「構わない」
怜「……アンタの事を知ったんは、一昨年のインハイの時や」
怜「そん時ウチはまだ三軍選手で応援だけやったけど、セーラみたいに一年生なのにもうベンチ入りしているのもおって、ちょっとブルーになってたんよ」
怜「『あ~、やっぱウチって才能ないのかな~』って。そん時に出会ったんが、アンタや。びっくりしたで~」
怜「ウチと同じ一年生なのにレギュラーで大将。そんでもって団体戦でも個人戦でも優勝。それを聞いた時、嫉妬とかそういうんなしに、素直に尊敬できたんや」
怜「『ウチもいつかあんな風になりたい』ってな。それが原動力やった」
怜「でもおかげさんで一巡先が見えるようになって、レギュラー入るする事もできた」
怜「レギュラー入りできた時はホンマに嬉しかったで。『やっとウチも同じ舞台に上がれる』『あの人と戦える』てな」
怜「だから、全力のアンタと戦えて、ウチは幸せやった。だから、チャンピオンが謝る必要なんてないんよ」
照「……」
怜「どないしたん? チャンピオン」
照「いや、さすがに恥ずかしいなあ……と///」
怜「う、ウチもや……///」
怜「……ホンマかぁ?」ジトー
照「本当だ。久しぶりに苦戦させられたよ」
怜「軽く嫌味やなぁ。まあ、ほとんど新道寺と阿知賀のおかげやけどな。特に新道寺がおらんかったらとっくに誰かが飛ばさとった」
照「彼女は二回戦でも私の連続和了を何度も止めにきた。本当に強い心を持った選手だよ」
怜「せやな。今度アイツとも話してみたいなぁ。友達になれそうな気がするわ」
怜「なんでや、まだいたらええやん。もう少ししたら竜華達も来るやろうし、紹介すんで?」
照「だからだよ。今、貴女のチームメイトに会うワケにはいかない。邪魔者になるのもゴメンだしね」
怜「邪魔者だなんて事はないで? むしろウチはいてほしい」
照「私がイヤなんだ。感動の再会を端から見る者の身にもなってくれ」
怜「……それもそうやな」
照「それじゃあ……」
怜「な、なあチャンピオン」
照「まだなにかあるのか?」
怜「……明日、時間あるか?」
怜「なら明日、ウチに付き合ってくれへんか?」
照「え……?」
怜「いやならええんやけど……ほらウチ明日には退院できるみたいやし、東京見物したいなぁ~、と思うてな」
照「私は構わないが、チームメイトと一緒の方がいいんじゃないか?」
怜「ええやないか、せっかく友達になれたんやし」
照「とも……だち……」
怜「それに多分、明日は竜華達とはいたくないから……」
照「……ああ」
怜「やっぱりなぁ……。せやから頼むで、チャンピオン」
照「さっきは『喜びでも悔しさでも、みんなと分かち合いたい』とか言っていたクセに」
怜「分かち合いはするで? でも気持ちの切り替えは個々人の問題や。な、チャンピオン」
照「……はぁ、判ったよ。友達のよしみで引き受けてやる」
怜「さすがチャンピオンや!」
怜「う~ん、特にはないけど……せや、場所以外の要望も聞いてくれるか?」
照「なんだ?」
怜「新道寺と阿知賀の先鋒も呼んでもらえんやろか。あの子らとも少し話してみたいし」
照「判った、連絡してみる。しかし向こうにも用事があるだろうから、あまり期待しないでくれよ?」
怜「おおきにな、チャンピオン」
照「明日のお昼頃に迎えに来る。それと、私からも一つ要望を出してもいいだろうか?」
怜「なんや?」
照「チャンピオンはやめてくれ。友達なら名前で呼び合うものだろ? 怜」
カン!
一応東京見物編も書こうとは思っていますが、今日は寝させてくだしや
こんなssに付き合ってくれてありがとうございました
>>43
いや、恥ずかしながら処女作っす
照怜増えるといいよね~
でも怜すばらも捨てがたいね~
では、すばらっ!
これはもいっこだよねー
照怜もええな
Entry ⇒ 2012.07.25 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
豊音「皆でシロちゃんを監禁したよー」
エイスリン「し、シロ//…カワイイヨ…」
塞「し、シロ!逃げようなんて思わないでよ//」
胡桃「監禁されるシロ…はあはあ」
シロ「うぐっ…み、みんな…何でこんなこと…」
豊音「皆シロちゃんが大好きなのにシロちゃんが…ハアハア」
シロ「い、今なら誰にも言わないから…ウチに返して」ポロポロ
エイスリン「シロナイテル…ハアハアハアハアハア…カワイイ…」
塞「濡れてきた//」
みたいな
エイスリン「シロカエレナイ!」
塞「一生このままよ」
豊音「シロの身の回りの世話も全部私たちがやるんだよー?」
白望「……全部?」
胡桃「もちろん」
白望「じゃあお願いする」ゴロン
豊・エイ・塞・胡「えっ」
みたいに逆転するやつはよ
白望「ジュース頂戴」
豊音「オレンジジュースでいいー?」
白望「…うん」
白望「塞…焼きそばパン買ってきて」
塞「えっ…うん」
塞「ってこれじゃあパシリじゃないの!」
塞「豊音も素直に出すのやめる!」
白望「?」
胡桃「泣きじゃくるシロよね」
エイスリン「シロ ナキガオ ミセル!」
白望「だるっ…」
豊音「はいオレンジ持ってきたよー」
白望「…ん」
塞「シロの泣き顔……」ブツブツ
白望「豊音…おかわり」
豊音「どうぞー」
エイスリン「トヨネ! オレンジ!」
豊音「はーい♪」
塞「でもなかなかいい案だったと思わない?」
胡桃「シロはダメだったけど他の人なら使えるかも」
塞・胡「……」チラッ
塞「エイちゃんは……かわいそうね」
胡桃「となると…」チラッ
豊音「100%だねー」
豊音「…?」
白望「…どうしたの」
豊音「誰かに見られてるようなー…」
エイスリン「トヨネ ダイジョウブ?」
豊音「うん♪ありがとー」
塞「シローエイちゃんちょっと来て」
白望「?」
エイスリン「?」
塞「…」ゴニョゴニョ
白望「……だる」
エイスリン「トヨネ! ナク カワイー!」
塞「豊音、ちょっとこの部屋に入ってくれる?」
豊音「んー?なにするのー?」
胡桃「記念撮影よ」
豊音「あー!それいいかもねー」
豊音「あれ?カメラって誰が……」
ガシャン
豊音「あ…あれー?」
エイスリン「エヘヘ ダメー」
塞「今からシロの代わりに豊音を監禁します」
胡桃「じゃ頑張ってね」
豊音「そんなー!シロー助けてよー」
白望「だるい」
豊音「シロー……」グスッ
胡桃「いい感じに泣き顔が見れそうね」コソコソ
塞「作戦成功ね」コソコソ
エイスリン「トヨネ ナク?」
豊音「ぐずっ…なかないよ…」
豊音「あっ…私トイレどうすればいいのー?」
塞「……漏らす?」
豊音「なんで疑問系なのー!?」
エイスリン「トヨネ ガマン!」
胡桃(豊音が決壊するところ……)ハァハァ
豊音「うぅ……」
豊音「しないよぉ…」グスッ
豊音「お願い…謝るからここから出してー…」グスッ
胡桃「だーっめ」
豊音「エイスリンさん……」
エイスリン「トヨネ! パン オイトク!」
エイスリン「タベテ!」
豊音「ありがとー…?」
塞「おかえりー」
胡桃「じゃあそろそろ帰ろっか」
豊音「そうだねーもう遅いし」
塞「豊音は残るのよ?」
豊音「うん♪じゃあ……え?」
胡桃「監禁してるんだから当たり前でしょ」
豊音「ええぇえぇぇ!?」
塞「飲み物と食べ物は置いておくから」
胡桃「じゃあねー」
白望「…カギは私が預かる」
エイスリン「ハイ シロ」
白望「ん…」
豊音「待ってよぉ~……」グスッ
豊音「どうじよぉ…うぇぇぇぇん!」
豊音「開けてよぉ~……」
豊音「開けて……よぉー………」
豊音「シロぉ……」
豊音「うぅ…怖いよぉー……」グゥー
豊音「お腹すいたなー……」ゴソゴソ
豊音「……パン」
豊音「あっポッキーあったー」
豊音「……おいひぃ~」ポリポリ
豊音「……」グスッ
豊音「ふぇっ…ふえぇぇぇぇん!!」
豊音「寂しいよぉー!ぼっちはやだー」
豊音「もうやだよぉー!」
豊音「助け……て」
豊音「こんなことならシロを閉じ込めなきゃよかったー…」
豊音「ごめんなさぁ~い……うぇぇぇぇん」
豊音「どうしよー!開いてくれないかなー!?」ガチャガチャ
豊音「うわぁー!お漏らししたくないよぉ」ピョンピョン
カチャ
豊音「!」
ガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
豊音「ひーーー!」
豊音「お化けだー!!」
豊音「ごめんなさぁぁぁぁい!!」
カチャ
「ドア変えた方がいいかな」
白望「あ…大丈夫?豊音」
豊音「シロ……?」
豊音「シロぉ…」グスッ
白望「泣かないで。ダルいから」
豊音「うん……」グスッ
白望「塞たちも悪気はない……はず」
白望「許してあげてくれ」
豊音「うん…!」
白望「心配だったから」
豊音「え!?」
白望「泣きすぎてノド枯れてそうだし」
豊音「そんなに泣いてないよー!」
白望「…聞こえてたけど」
豊音「……あ」
白望「?」
豊音「トイレ行きたいかなーって」モジモジ
豊音「うん…さっきからずっと我慢しててー」
豊音「あのートイレ行ってきてもいいー?」ウルウル
白望「……」
豊音「……シロー?」ウルウル
白望(……可愛い)
豊音「ありがとー!」
白望「葛藤……だる」
豊音「シロー!何かして遊ぼうよー!」
白望「なにも持ってきてない…麻雀?」
豊音「麻雀は部活でできるしなー…うーん」
白望「ダルいし帰ろう」
豊音「ポッキーしかないよー」
白望「どんな?」
豊音「二人で両端くわえてどっちが多く食べれるかっていうゲームだと思うよー!」
白望「………」
豊音「早速やろうよー」
白望「だるっ」
豊音「はい♪」パクッ
白望「…ん」
豊音「……」ポキポキポキポキ
白望「……」ポキポキポキポキ
チュ
ちゃんちゃん
豊音「……!」カァ
豊音「ごっごめんねぇー!シロぉ!」ペコペコ
白望「いや別にいい……」ポリポリ
豊音「あぅ……」
白望「帰ろう」
豊音「うんー!」
白望「……泊まってく?」
豊音「えっ?」
白望「もう遅いし」
豊音「いいのー!?」
白望「おいで豊音」
豊音「背中流すー?」
白望「じゃあ…お願い」
豊音「うわーシロ胸大きいねー」
白望「そうでもない。豊音も大きい」
豊音「肌も白いし…シロだけにねー?」
白望「豊音それはつまらないな」
豊音「ごめんなさーい」ゴシゴシ
豊音(胸大きいなーちょっとくらいいいよねー?)
豊音「…」モミッ
白望「ん……!」
白望「…豊音」
豊音「ごめんなさい~」
豊音「そうかなー?」
白望「そう」
白望「湯船入ろう」
豊音「暖かいなー」
白望「少し狭いかな」
豊音「…私が大きいから……」グスッ
白望「悲しむことじゃない」
白望「私は大きい豊音が好き」
白望「…?好きだよ」
豊音「私も大好きだよー!」
白望「うんありがとう豊音」
豊音「……」ブクブク
豊音「」
白望「おい豊音ー」
白望「……のぼせてる」
白望「だる」
白望「私の服じゃあ小さいな…当たり前か」
白望「体のライン浮き出ちゃってるよ」
白望「なかなか起きないな…」ツンツン
豊音「ん~……」
白望「胸大きいな……だるっ」
豊音「くっ……ふ…」
白望「柔らかい」モミッモミッ
豊音「ん…ぁ…」
白望「癖になるな」モミッモミッモミッ
豊音「ぅあ……やっ…」
白望「……ふぅ」
白望「……寝よ」
豊音「あれ…寝ちゃってたのかなー?」ゴロッ
白望「……すぅ」
豊音「わっ!シロ顔近いよー!」
豊音「シロ…寝てるのかなー?」
豊音「この服……シロのかなー?」
豊音「……着せてくれたのかなー?」
豊音「着せてもらっちゃったって……恥ずかしいよー!」
豊音「……でもいいかなー」
豊音「トイレ行かせてくれないんじゃないかと心配したけどー」
豊音「ありがとうシロ♪」チュッ
白望「……だる」チュッ
豊音「ふぇ!?」
白望「いや起きた」
白望(トイレ行かせるかどうか迷ってたなんて言えないよなぁ)
豊音「あ、あのっいきなりちゅーしちゃってごめんねぇー!」
白望「いいよ別に」
豊音「あの服ありがとー」
白望「サイズ合わなくてごめん」
豊音「全然大丈夫だよー」
豊音「え、…うん、分かったよー」
チュッ
白望「……寝る」
豊音「シロー」
白望「…………嫌だった?」
豊音「全然!ちょーうれしいよー!」
白望「……だるい」ポリポリ
豊音「いやー……」ポッ
エイスリン「……」カキカキ
白望「くすぐり?」
エイスリン「トヨネ!クスグッテ
キク!」
胡桃「待てー!豊音ー!」
豊音「うわぁぁぁん!!」
白望「……だるっ」
ちゃんちゃん
乙!
Entry ⇒ 2012.07.24 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
豊音「ぼっちじゃないよー」
豊音「そもそもお友達がいないよー」
豊音「………あ、ツモだ」
豊音「………」
豊音「」クスン
豊音「ぼっちでもお友達が来てくれるんだもん」
豊音「………」
豊音「私も友達ほしいよー」
豊音「私にとっての麻雀は牌を一人で並べる遊びだよー」
豊音「ぼっちじゃないよー」
豊音「お友達がきたよー」
豊音「私には来ないけど……」
豊音「……裸単騎か」
豊音「お友達がこないよー」
豊音「………」
豊音「岩手寒いよー」
豊音「おっかける相手がいないよー」
豊音「おっかけたいけどー」
豊音「おっかける相手がいないよー」
アハハ
ウフフ
豊音「おいかけっこは楽しそうだよー」
豊音「……でも私なんかがおっかけても誰も楽しくないんだろうな」
豊音「この前なんか近所の女の子を泣かせちゃったし……」
豊音「おっかけたいよー」クスン
豊音「何度見ても楽しいよー」
豊音「皆で打って、皆と打って……」
豊音「私も……私もあそこに混ざりたいよー」
豊音「友達……」
豊音「こんな私にも友達作れるのかな……」
豊音「ここじゃ無理でも……外の世界に出れば……」
豊音「はは、何考えてるんだろ……そんなこと有り得ないのに……」
豊音「きっと一生分大切にするよー」
豊音「だって私にとって初めての友達は……」
豊音「たぶん一生涯の友達になりそうだから」
豊音「あれ……ここは……」
エイスリン「トヨネ!オキタ!」
胡桃「もうすぐ大将戦始まっちゃう!」
白望「なんかうなされてたけど大丈夫……?」
豊音「……大丈夫だよーだって私には……」
豊音「うん!がんばるよー」
豊音(だって……だって私はもうぼっちじゃないから)
豊音(今の私には皆がいる……皆がついてる)
豊音(あの頃の憧れがようやく叶ったんだ……)
豊音「まだまだ続けたいので負けるわけにはいかないよー」
豊音「私はぼっちじゃないよーお友達がいるよー」
槓!
ここから先出番あってほしいよー
塞「そ、皆で同じ大学行かないかって話になってね」
白望「……一緒に行く?」
エイスリン「コレカラモミンナイッショ!」
豊音「大学受験かー考えてもいなかったよー」
胡桃「嫌?」
豊音「ううん!そんなことないよー」
豊音「ちょーうれしいよー」
豊音「エイスリンさんはまず日本語から頑張らなきゃだねー」
エイスリン「ガンバル!」
白望「勉強ダルい……」
胡桃「それにしても……」
塞「シロが一番模試の成績が良いとはねー」
豊音「麻雀以外にも使えるんだねー」
塞「私は前の人を見つめたらその人を赤点にすることも出来なくは無いけどね」
白望「なんとも後ろ向きな……」
エイスリン「トヨネハ?トヨネハ?」wktk
豊音「教室中の生徒全員を赤点に……とか?」
胡桃(仏滅っ!)
豊音「向こうではやることなかったからねー」
胡桃「……となると」チラッ
塞「後は……」チラッ
エイスリン「ワタシ、ミンナトイッショノダイガクイケナイノカナ?」グスッ
豊音「大丈夫だよー」ギュッ
エイスリン「ア……」
豊音「エイスリンさんはぼっちじゃないよー皆がついてるから」
豊音「きっとなんとかなるよー」
白望「泣かないで……勉強ダル……頑張ろう?」
エイスリン「シロ!」
胡桃「エイちゃん、私とシロとトヨネが教えるから大丈夫!」
塞「私は!?勿論私だって教えるわよ」
エイスリン「クルミ!サエ!ミンナ、アリガト!」
豊音「………」ポロポロ
豊音「え……あれ……?」ポロポロ
胡桃「お腹でも痛いの?」
豊音「あはは……おかしいよね。悲しくも辛くも痛くもないのに……」グスッ
エイスリン「トヨネ……ダイジョウブ?」
豊音「ごめんね、大丈夫だよー」
豊音「そんなのがずっと続けばいいなって思ってた……」
豊音「でももうすぐ卒業って考えると悲しくて……」
豊音「皆で同じ大学行くって聞いてちょーうれしかったよ……」
豊音「でもでも……だからこそ誰か一人でも欠けたらって考えたらちょー不安で……」
豊音「まだまだ……これからもずっと……このメンバーでいたいよー」グスッ
塞「トヨネ……」
エイスリン「トヨネ!ワタシガンバルカラ!」
胡桃「私も!」
塞「これは落ちれないねー」
豊音「皆……」ポロポロ
白望「泣かないで……皆で同じ大学行こ?」
エイスリン「ミンナイッショ!」
豊音「うんっ!」
もいっこ槓!
留学制度ってよく知らないけども
一時帰国からのもう一回大学に留学や!
はよ
豊音「ううん、そんなことないよー」
エイスリン「サエトクルミハ?」
豊音「あっちは二人で大丈夫だ、って言ってたけどー」
エイスリン「タノシミダネーシロノタンジョウビ!」
豊音「うんっ!ちょーたのしみだよー」
どうすか
エイスリン「ウンッ!プレゼント!」
豊音「何あげたら喜んでくれるのかなー?」
エイスリン「」カキカキ
エイスリン「」サッ
豊音「ぬいぐるみ?そっかーいつも胡桃抱いてるからねー」
豊音「きっと喜んでくれるよー」
エイスリン「トヨネ!トヨネ!アレ!」
豊音「あー山女のぬいぐるみだーおっきいねー」
エイスリン「トヨネミタイデカワイイ」
豊音「私はこんなに可愛くないよー私みたいな大女が可愛いとか……ありえないかなーとかとか……」
エイスリン「エー?ソンナコトナイヨ?」
エイスリン「ザンネン……」
豊音「んーどうしたものかなー?」
エイスリン「トヨネ!コレハ?」
豊音「羊のぬいぐるみかー」
エイスリン「ドウカナ?」
豊音「モフモフちょーかわいいよー」
エイスリン「エヘヘ」ニコニコ
エイスリン「シロ、ヨロコンデクレルカナッ?」
豊音「きっと喜ぶよー」
エイスリン「ホント?」
豊音「本当に本当だよ!」
エイスリン「エヘヘ」
豊音(少し前までは考えられなかったことだよー)
豊音(本当にこっち来て良かった……毎日がちょー楽しいよー)
エイスリン「トヨネ!アルクノハヤイ……」
豊音「あ、ごめんごめん」
エイスリン「」サッ
豊音「えっ?手を繋ぐの?」
エイスリン「ダメ?」
豊音「ううん、そんなことない……そんなことないよー」ギュッ
エイスリン「エヘヘ、アリガト」ギュッ
豊音「あー…うん、こっちに出てきて良かったなーって」
豊音「向こうでは友達いなかったから……でもここにはシロがいて、胡桃も塞さんもいて、エイスリンさんもいる……毎日がちょー楽しいよー」
エイスリン「ワタシモ!」
豊音「……えっ?」
エイスリン「ワタシモトヨネトイッショ!」
豊音「日本に来て一人で不安だったけど……」
エイスリン「」カキカキ
豊音「そんな私にシロは声かけてくれて……」
エイスリン「」カキカキ
豊音「皆と出会えて麻雀部入って……」
エイスリン「」カキカキ
豊音「皆と麻雀して、全国大会出て……」
エイスリン「」カキカキ
豊音「皆で受験勉強して、同じ大学に受かって……」
エイスリン「」カキカキ
豊音「毎日がちょー楽しい……」
エイスリン「ウン!」ニコッ
豊音「本当に私と一緒だねー」
エイスリン「サエ!クルミ!」
豊音「えへへー」
胡桃「そっちはプレゼントは買えた?」
豊音「買えたよー」
エイスリン「ソッチハ?」
塞「もち」
豊音「シロの誕生日がたのしみだよー」
胡桃「だね!」
豊音「ダルいダルい言ってるけど、なんだかんだで優しいからねー」
エイスリン「ウン!シロヤサシイ!」
胡桃「毎日、シロに充電させてもらわないと調子狂う!」
豊音「あははー」
胡桃「ん!」
塞「エイスリンはシロに麻雀部に誘われて、試合で負けた時には慰められて……」
エイスリン「ウン……///」
塞「私とトヨネは試合中に様子を見に来て貰った、と」
豊音「それとねー初めて会った時、あまり喋らない子だなーって思ってたらねー」
豊音「『それで、いつ転校してくるの?』って言ってくれたよーあれは嬉しかったなー」
塞「なんという天然ジゴロ……」
エイスリン「ウン!」
豊音「ちょっとシロが羨ましく思うよー私の誕生日はまだまだ先だから……」
塞「お?それは盛大にやってほしいって前フリかな?」
豊音「そ、そんなことないよー」
胡桃「残念!」
豊音「でも……こんな風に誕生日を祝えてもらえたならそれはとっても嬉しいなって」
塞「トヨネ、誕生日楽しみにしてなよ~?きっと一生忘れられない思い出にするからさ」
胡桃「来年も!」
エイスリン「サライネンモ!」
塞「皆一緒なんだから。きっと楽しいよ!」
豊音「皆ぁ……ちょーうれしいよー」ポロポロ
もいっこ槓!
咲さん可愛いよ
まだ残ってたなんてそんなん考慮しとらんよ……
豊音「ちょー名残惜しいよー」
白望「卒業式とかダルい……」
クルミ「トヨネやエイちゃんが泣くのは想像出来るけど、シロは全く想像出来ない!」
エイスリン「タ、タシカニ!」
豊音「あははー」
エイスリン「ア……」シュン
胡桃「………」
塞「そういやそうだね……」
豊音「……じゃ、じゃあさ」
胡桃「……?」
豊音「今日はここでお泊まり会しようよー最後の思い出作りにっ!」
エイスリン「ソレイイ!」パァァ
塞「いいね」
胡桃「ん!」
白望「豊音、『最後』じゃないよ……『ここでの最後』……」
豊音「あ……うんっ!」
胡桃「大丈夫っ!シロに抱きついてれば暖かいから!」ダキッ
白望「ちょ……」
エイスリン「ワタシモ!」ダキッ
白望「エ、エイスリンまで……」
豊音「シロ、ちょー暖かいよー」ダキッ
白望「豊音……重……」
塞「ふふ、シロはモテモテですなぁ~」
豊音「うんー」ポロポロ
胡桃(まだ泣いてるっ!)
エイスリン「シロハズットネテタ」
白望「あー……うん……ダルい」
塞「シロは相変わらずかー」
胡桃「一度くらい泣き顔も見てみたい……!」
塞「そりゃ、バレたらマズイからね」
エイスリン「トテモワクワクスル!」
胡桃「それ分かるっ!」
豊音「ホントは悪いことだけどスリルがあって楽しいよーきっと皆と一緒だからだねー」
エイスリン「コタツ!」
塞「あー確かに」
豊音「ちょっと物置から出してくるよー」
塞「何で仕舞ってあったんだっけ?」
胡桃「シロが炬燵から出てこなくなるから!」チラッ
白望「………」プイッ
エイスリン「コタツ!コタツ!」
白望「ありがと、豊音」
豊音「えへへ、どういたしましてだよー」
塞「ねぇ、せっかくだからちょっと打たない?」
胡桃「静かに、ね!」
白望「………」タンッ
塞「このメンバーが揃ってから一年と少しだっけ……」チャッ
豊音「短いけど色々なことがあったよねー」タンッ
エイスリン「アッタアッタ!」
胡桃「皆で練習して、全国大会出て……」ペシッ
白望「ちょっと早めの卒業旅行して……」タンッ
塞「皆で受験勉強して……」チャッ
豊音「ホント、楽しかったよー」タンッ
塞「あーあれかー」チャッ
豊音「アレ?」
塞「ほら、留学の期間延長で色々したじゃない」
豊音「そんなこともあったねー」
胡桃「普段のエイちゃんからは想像出来ない声で親に電話して……」ペシッ
塞「英語だったから何言ってるかサッパリだったけどさ……」チャッ
豊音「不思議と話しの内容は分かったよねー」
エイスリン「ハ、ハズカシイ……」トンッ
白望「……でも、嬉しかった」タンッ
胡桃「うんっ!」ペシッ
塞「あらら」
エイスリン「シロ、ネチャッタ」
胡桃「私も眠い……!」
塞「そりゃもう夜中の2時だもんね。眠いはずだわ」
エイスリン「シロニシテハヨクオキテタ」
豊音「眠るのが惜しかったのかなー?」
胡桃「」スースー
塞「胡桃も寝ちゃったか……」
胡桃「」クークー
塞「」クークー
エイスリン「トヨネ、マダオキテル?」
豊音「起きてるよー」
エイスリン「ネムレナイ?」
豊音「ううん、寝るのが惜しい気がするだけだよー」
エイスリン「ワタシモ……」
豊音「エイスリンさんと私って似てるのかなー?」
エイスリン「エヘヘ、ソウダトウレシイ」
豊音「っと、エイスリンさんも寝ちゃったかー」
豊音「シロ、胡桃、塞さん、エイスリンさん……ぼっちだった私と友達になってくれたかけがえのない友達……」
豊音「高校生活はこれで終わっちゃうけど、まだ終わりじゃない……」
豊音「大学でも皆一緒……」
豊音「十年、二十年、三十年経ってもこのメンバーで集まりたいよー」
豊音「だって皆は私の――」
白望「」スースー
エイスリン「」スースー
胡桃「」クークー
塞「」スースー
トシ「あらあら……」
トシ「全く悪い子たちだね……」
トシ「本当は教師として叱ってやらなきゃなんだけどねぇ……」
トシ「今夜だけは特別だからね……」
トシ「皆、卒業おめでとう」
トシ「おやすみなさい」
胡桃「だねっ!」
エイスリン「マタミンナイッショ!」
白望「入学式ダルい……」
豊音「ねぇねぇ、皆!」
胡桃「ん!?」
塞「どったの?トヨネ」
豊音「校門くぐる時は皆でせーのでくぐろうよー」
エイスリン「ステキ!」パァァ
白望「……いいかも」
胡桃(恥ずかしいっ!)
塞「私達の変わらぬ友情を誓ってってとこかな?」
豊音「じゃーいくよー」
『せーの!』
豊音(たまにこれは夢なんじゃないかと思ったりもするよー)
豊音(でも、皆は確かにここにいる……ここにある……)
豊音(これまでも……これからもずっと一緒……)
豊音(だって皆は私の大切な友達だから……)
豊音「ぼっちじゃないよーお友達たくさんだよー」
もいっこ槓!ツモ!
姉帯さんちょーかわいいよ
Entry ⇒ 2012.07.23 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (2) | Trackbacks (0)
怜「お泊り」
――竜華の部屋
怜「なー竜華」
竜華「んー」ピコピコ
怜「暇ー」
竜華「ちょい待ってな、今オーラスやから」ピコピコ
怜「………」
怜(私と竜華は一応…つ、付き合うてるんやからナニかあってもええはずなのに)
怜(キスすらしてへん…というか前に竜華とキスしたのいつやったっけ…)
怜(……期待しとった私がバカやったんかな)
怜「竜華のあほ…」ボソッ
怜「………」
竜華「あ、ごめんな。何やったっけ?」
怜「……やることないし私もう寝るわ。竜華はゲームにお熱みたいやし」
竜華「え、ちょ」
怜「夜9時には寝なさいってお医者さんに言われとるしな」
竜華「いや絶対嘘やん!」
怜「ほなおやすみ」
竜華「ええー…」
怜「………」
竜華「ドンキーコングやろー」
怜「………」
竜華「うー、ほなディディーコングレーシングやろー」
怜「………」
竜華「ぐぬぬ…ならドンキーコンガならどうや!」
怜「………」
怜(なんでドンキー攻めなんやろ…)
怜「………」
竜華(あーもーうちのバカ! 怜と二人きり…しかもお泊りなんて緊張して仕方あらへんから
ゲームで気を紛らわせようとしてたらいつの間にか夢中になっとって…)
竜華(挙句の果てには怜を放ったらかしにして怒らせてえええええええ!!!!!)
竜華(あーうちのばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばか)
怜「………」チラッ
竜華「………」ドヨーン
怜(え、やりすぎた…?)
怜(…にしても落ち込み過ぎやろ)
怜「りゅーか」
竜華(ばかばかばかばかばかばかばかばか)
怜「りゅーかっ」
竜華「ふぇ!」
怜「…もう怒っとらんから」
竜華「え…」
怜(そんな姿見たら怒るもんも怒れへんやん…)
怜「!!」
怜(な、涙目とか反則やろ…)
竜華「ほんまにごめんな怜~」
怜「ええって。うちもちょい意地悪やったし…ごめんな」
竜華「元はうちが悪いんやから怜は謝らんでもっ」
怜「…よっこいしょ。まあお互い様っちゅーことで」
竜華「えへへ、せやな…」グスッ
竜華「う、うん。ごめんな…」
怜「寂しかったんやから」ギュゥ
竜華「ごっ、ごめん」アタフタ
怜「竜華さっきからごめんばっかりやな」クスクス
竜華「へっ!? ごめっ…あ」
怜「ふふ」
竜華(怜にバレてへんやろか)ドキドキドキ
怜「りゅーかめっちゃドキドキしとる」
竜華(バレてるうううううう)
竜華「しょ、しょうがないやん…。す、好きな人と二人きりでしかもお泊りなんて…」
怜「ぅ………」カァァ
竜華「ゲームも緊張してどうにかなりそうな気を紛らわせる為に始めたんやけど…」
竜華「だんだん熱中してもーて」アハハ...
怜(なんや意識しとるのはうちだけやなかったんか…安心したようなしてないような)ドキドキ
竜華(怜もめっちゃドキドキ言うてる…)
竜華「うん…」
竜華(ちゅーしたいなあ…)
竜華「な、なあ…」
怜「んー?」
竜華「ちゅーしても…ええ?」
怜「き、聞かんでもええわ…」カァァ
竜華「じゃ、じゃあするで…」
怜「ん」
竜華「………」
怜「………」
怜「………」
怜(またか)
竜華「………ん」
チュー
怜「っ……んぅ…」
怜(毎度のことやけどキスするまでのあの間は何なん…後で問い詰めたろ)
竜華「ふは…」
怜「……っはあ」
怜「わ」ギュッ
怜「……なあ竜華。キスするまでにやたら間が開くのは何でなん?」
竜華「あー…うーん…その…」
怜「ま、待つのも割りかし恥ずいんやけど」
竜華「うっ…。キ、キス顔っちゅーんやっけ…。怜のあの顔見ると頭が真っ白なってな…それで」
怜(初心い、初心すぎる)
怜「ま、まあ慣れすぎんのもそれはそれで寂しいけどな…にしてもあんたは初心すぎるわ」
怜(そこもかわええんやけど)
竜華「うぅ…ごめん」
怜「あ、謝ることやない! りゅ、竜華のそういうとこも好きやし…」カァァ
竜華「はうあ」
怜「でもな…前にも言うたと思うけど、りゅ、竜華になら何されてもええから…もっと…その」ゴニョゴニョ
竜華(なんかもういろいろとアカンわ…)
怜(ひどいことって)
怜「いやそんな脆くないわ…多分」
竜華「あはは…」
怜「………」
竜華「………」
怜「……うちは竜華とキス以上のことしたい」
竜華「ふぇ!?」
怜「りゅーかは? …したくないん?」
怜(我ながらずるいなぁ…)
竜華「う、うちかてしたい…けど」
怜「けど?」
竜華「が、我慢きかなくなるかもやし…」
怜「せやから我慢なんてせんでええって」ポンポン
竜華「うぅー…」
怜「今更何言うてるん。むしろ竜華以外考えられんわ…」カァァ
竜華「う、うん…。うちも怜じゃないと嫌や」
怜「………」
竜華「………」
竜華「ほっ、ほなベッド行こか…」
怜「そ、そやな」
怜「って最初からベッドに居るやん」
竜華「せ、せやった」アハハ
怜・竜華(大丈夫やろかうちら…)
・
・
竜華「ほ、ほな失礼して…」オシタオシ
怜「ん…」
竜華(お、押し倒したまではええけどこっからどうすればええん!?)
怜「………」
竜華「………」カチコチ
怜(何したらええか分からんって顔しとるな…。竜華こういう知識あんまりなさそうやからなぁ)
怜(まぁ私も入院してるときに読んだワイルド○ーズで得た程度の知識やけど)
怜(というか竜華完全に固まっとる…助け舟出したるか)
竜華「ひゃ、はいっ!」
怜「竜華のしたいようにしてええんよ?」
竜華(うちのしたいこと…したいこと……)
竜華「…じゃあまずちゅーしてええ?」
怜「せやから聞かなくてもええっちゅーに…」
竜華「ご、ごめん」
怜「ん」
竜華「………」
竜華「ん…ちゅ……」
怜(おお、竜華にしては頑張ったな)
竜華「………」
怜「はっ………んぅっ」
竜華「ん……」
怜(間髪入れずに2回目とか不意打ちやわ…竜華のくせにー)
怜「………はあ…はぁ」
竜華「あわわ…ご、ごめん!」バッ
竜華「だいじょ…んぅ!?」
怜(なんや悔しいから仕返ししたる…)
竜華「んん……」
怜(上手く出来るか分からんけど)
怜「………」
竜華「……んぅ?!」
竜華(と、怜の舌がっ)
怜(こんなんでええんやろか…)
竜華(…えーい、うちもっ)
怜「っ! ん…ちゅ…れろ……」
怜(なんやこの不思議な感覚…べろちゅーってこんな気持ちええもんなんか)
竜華(怜の舌とうちの舌が絡まって…あかん何も考えられなくなりそう)
竜華「…れろ……んん……」
怜「っは……はぁはぁ…」トローン
竜華「怜…大丈夫?」
怜「んー? 平気やで。…気持ちよすぎてどうにかなりそうやったけど」ギュゥ
竜華「そ、そか…。上手く出来てるか不安やったんやけど…」
怜「竜華って案外テクニシャンやったり」
竜華「え、そ、そなんかな?」
怜「こういうの初めてやしどんなんが上手い下手か分からんけどな。
でもうちは気持ちよかったから…」
竜華「あ、ありがとう。うちも…その…気持ちよかった」カァァ
怜「う、うん…」カァァ
竜華「う、うんっ」
竜華(いつだか浩子に見せてもろたワイルドなんちゃらを思い出すんや…)
竜華(……よし!)
竜華「む、胸、触るで…?」
怜「うん…」
ふにっ
怜「んっ」
怜(初っ端から声漏れてもーた…恥ずかし)
竜華(ここここここれが怜のおっぱい…!)
竜華(それに今の声って…)ドキドキ
怜「………」コクリ
プチ..プチ...
竜華「………」
竜華(綺麗…)
怜「そ、そないジロジロ見んといて…」カァァ
竜華「ご、ごめんっ。あんまり綺麗なんで見惚れてしもたわ…」
怜(さらっと恥ずかしいこと言いよるしっ)
怜「りゅーかのばかぁ…」プイッ
竜華(か、かわええ…。でも何でちょい怒っとるっぽいんやろ…?)
怜(これもなんや催促してるみたいで恥ずい…)
竜華「う、うん」
もみもみふにふに
怜「あっ…ん……」
竜華(ああ、この手にちょうど収まる感じ…堪らん)
竜華「…かわええ」チュ
怜「…んっ」
怜(く、首筋に息がかかってこそばい)
竜華(…………)
竜華「はむっ」パクリ
怜「ひゃあっ!?」
竜華「………」チューチューチュパチュパ
怜「んっ…す、吸わんといてぇっ」
竜華(もう片一方は手で…)
竜華「………」チュパチュパクニクニ
怜「んんっ、りゅ……かっ」
怜「っ………」カァァ
竜華(ありゃ、腕で顔隠してもーた)
竜華(…というかうち怜にひどいことしてへんやろか……?)
怜「………」ハァハァ
竜華「怜? 大丈夫…?」フッ
怜「っは…だ、大丈夫やから…続き…」
怜(止められたら生殺しもええところや…)
竜華「う、うん」
竜華(破壊力高すぎる…)
竜華「………」ペロペロ
怜「……あっん」
竜華(そろそろ次へ行ったほうがええんやろか…? む、胸ばっかり攻めんのもアレやし…)
竜華(流れは大体分かるけど…んー…やっぱりよう分からんしなぁ…)
竜華(下手なことして怜に何かあったら)アワワ
怜「りゅーかぁっ」
竜華「んー?」
怜「そ、そろそろ…その…」モジモジ
竜華「えっ、ああ、うんっ」カァァ
竜華(ええいっ)
竜華「…失礼します」
さわさわ
怜「ひぅっ……!」ビクン
竜華(ちょい触っただけやのにえらい敏感やな)サスサス
竜華(スボン越しでも分かるぐらい湿っとる…)クニクニ
竜華(…う、うちも人のこと言えんかもやけど)
怜「ぱ、パジャマの上からやなくてっ…」
竜華「う、うん」
竜華(いい加減理性利かなくなりそうや…)
怜「…ん」
竜華「………」ゴクリ...
竜華(こ、これが怜の…怜の…!)ドキドキドキ
竜華「………」ジー
怜「あんまり見んといてぇ…」モジモジ
竜華(はっ! また見惚れてもーた…。で、電気とか消したほうがええんやろか…)
竜華(あーもーわからーん! 色々考えてもしゃあない! 怜かわいい!)ヤケクソ
怜「ぅ…」
竜華「な?」ニコッ
怜(もうどうにでもなれ…)
怜「………」サッ
竜華「ええこええこ」ナデナデ
怜(…なんやさっきまでの竜華と違う。変なスイッチでも入ったんやろか)
怜「…子供扱いやめ」
竜華「照れとる怜も可愛いなぁ」ナデナデ
怜「…竜華のが可愛いで?」
竜華「ふぇ?!」カァァ
怜(と思ったけどいつもの竜華やった)
竜華(…よし、気を取り直してっ)
竜華「さ、触るでー…」
怜「………」コクリ
竜華「………」オソルオソル
クチュッ
怜「ひゃんっ…」ビクン
竜華「…やっぱりめっちゃ濡れとる」
怜「い、言わなくてええわっ」カァァ
竜華「あ、ご、ごめん」
怜「竜華のあほぉ…」
竜華(頬染めながら涙目でそないなこと言われても…なあ?)
竜華「…指、挿れてええ?」
怜「…ええよ、きて」
竜華「しんどかったら言ってな…?」
怜「ん…」
ヌッ
怜「っ……!」
竜華「ご、ごめんっ…大丈夫? 痛い?」アセアセ
怜「ん、へーきへーき」
怜「…まぁちょい痛いけど…竜華と繋がってるって実感出来るから」
竜華「…えへへ」
怜「ん。心配性やなあ、竜華は」
竜華「だって…。怜のことは大切やし、大事にしたいもん…」
怜「お、おおきに…」カァァ
竜華「…ん」
怜「あっ…やっ…」
竜華(不思議な感覚…今、怜の中にうちが居るんやな…)
竜華(…一本目はだいぶ濡れてたおかげで割りとすんなりいけたけど…もう一本ぐらいいけるやろか…)
竜華「………」クチュッピチャ
怜「んっ…やぁ…あぁっ」クネクネ
竜華(…ちょ、ちょっとだけ…)
竜華「……えいっ」ボソ
ヌヌッ
怜「ちょっ…いっ……ああんっ」
竜華「んっ…」
竜華(やっぱりちょいキツいな…)クチュクチュ
怜「だいじょ…ぶやからぁっ! もっとぉ…っ」
竜華「…うん」
竜華(あーもう辛抱たまらんっ)
竜華「…ときー」
怜「っはあ…なにぃっ……んっ」
ちゅー
竜華「んっ…ちゅ……れろ」
怜「んーっ…んんぅっ…ちゅ…」
クチュクチュッ...
ピチャピチャ...
怜「ぷはっ…」ゴックン
怜「りゅ、竜華…もうあかんかも…っ」
竜華「ええよ…イッて」グチュックチュ
怜「りゅーかっ…好きぃっ……あっ…ああああっ…っ………」ビクビクン
竜華「うちも好きやで、怜…」
怜「………」
竜華「と、怜ー?」
怜「………」
竜華「…こ、これがイくっちゅーやつなんやろか…」
怜「………」
竜華「うぅ…人によって失神するー言うんは聞いてたけど…えらい不安なってきた…」
竜華「ときー…」
怜「……んん」パチッ
竜華「怜ーっ!」ダキツキ
怜「わわっ…って何泣いとるん」
竜華「とっ、怜が気絶してもうたからっ…心配で…」グスッ
怜「全然平気やから…な?」ナデナデ
竜華「うんっ…うんっ……」
怜「しかし色々恥掻いたような…」
竜華「あはは…でもめっちゃ可愛かったで?」
怜「りゅーかのばか…」
竜華「ええ!?」
怜「まずなにその完全着衣。うちなんかほぼ裸やっちゅーのに」
竜華「えええ!?」
怜「せやから……な?」ニコッ
竜華「ええええ!?」
怜「なんや今日はめっちゃ調子ええねん」
竜華「うぅ」
怜「…うちも竜華にしたいんやもん…ダメ?」
竜華「うっ…」
竜華(こんなんずるいで…)
竜華「…おっ、お手柔らかにお願い…します……」ミツユビ
怜「うん…ありがとう」
怜(ちょろすぎるで竜華さん)
・
・
怜「よっこいしょ」
怜「おお、竜華を見下ろしとる」
竜華「怜は小ちゃいもんなぁ?」クスクス
怜「うっさい…」
竜華「背伸びしてちゅーしてくんのめっちゃ可愛いで?」
怜「………」
プチ..プチ...
竜華「ちょ、ま……え、怒らしてしもた?」
怜「お仕置きや…」
バイーン
怜「…相変わらずでっかいなあ」
竜華「そ、そないまじまじと…」
怜「シュークリームみたいやな」ボソッ
竜華「え? なに?」
怜「ん、こっちの話や。ほな…」
もにゅっ
竜華「ひゃっ…」
竜華「ちょっ…揉みすぎ…んっ」
怜「えー、だって好きなんやもん」モミモミ
竜華「す、好きって」
怜「あ、もちろん竜華の全部が好きやで?」
竜華「うぅ…」カァァ
竜華(よくもこう恥ずかしいセリフをポンと吐けるわ…)
怜(先っぽ勃ってきた…よし)
竜華「ひゃっ…あっ……」ビクッ
怜「………」チューチュー
竜華「す、吸わんでぇっ…!」
怜「りゅーひゃやっふぇうちにひてきたやん」チュパチュパ
竜華「あんっ…」
怜「…さすがに母乳は出ぇへんか。ちょっと期待しとったんやけど…」
竜華「で、出るかぁっ!」カァァ
竜華「へぇ、知らんかったわ…かがくのちからってすごいなぁ!」
怜「せやな。……竜華は欲しい? 子供」
竜華「うーん…うち結構世話したりすんの好きやけど…今はあんまり考えられへんかなぁ」
竜華「怜の面倒も見なくちゃあかんしー?」
怜「そ、そか…」カァァ
怜(竜華がいつの間にか成長しとる…)
・
・
竜華「と、とき…」
怜「?」
竜華「ちゅ、ちゅーして欲しい…」
怜「りゅーかは甘えたやなあ……ん」チュー
竜華「んっ……」
竜華「は……急にしたくなったんやもん…」
怜(可愛すぎるで…)
竜華「ん……」
怜「ほな失礼して…」バッ
竜華(え、えらい恥ずかしい…しかもスースーするぅ…)
さわさわ
竜華「あんっ……」
怜(思ったより濡れとる…)
怜(もしかしてさっきうちがやられとったときに竜華も…)
怜「ふふっ」
竜華「なっ何笑てはるんっ」
怜「んー、竜華が愛おしすぎて」クニクニ
竜華「あっ…あほ…」ビクッ
怜「挿れるで…?」
竜華「は、はよぉ…」クネクネ
怜(あーこれはアカン…)ムラムラ
ニュプッ
竜華「ぃっ……」
怜(案外きっついな…)
怜「竜華大丈夫? 痛ない?」
竜華「だいじょぶっ……」
怜「ん…ちょいほぐすで」
クチュクチュ
竜華「やっ…ああああっ……」
ニュププ
竜華「っ!?」
怜「りゅーか…」クチュクチュ
竜華「んっ…んぉ……ああっん」
ジワッ
怜(うぁ、うちもまた溢れてきた…やってるほうもやばいなぁ)
竜華(な、なんか変なっ…そ、そろそろイクんやろかっ)
怜(竜華もどんどん溢れてきとる…)
竜華「と、ときぃっ…うち、なんか変っ…」
怜(…勿体ないなぁ)
竜華「えっ……」
怜「………」ペロ
竜華「っ……」ビクッ
竜華「ちょっ……怜…あっ…何しとるんっ…き、汚いか…らぁっ…やめっ」
怜(愛液の味が甘いなんてどうせ嘘やろと思っとったけど…ほんまに甘い)ペロペロ
竜華「ときぃっ!」
怜「別に汚くなんか…さっきお風呂入っとったし。それに勿体ないやん、コレ」ネチョー
竜華「み、見せるなぁっ」カァァ
竜華(と、怜の舌がねじ込んでっ…もうアカンっ)
竜華「と、とき、だめっ…も、うちっ…あっ…っは…あああぁっ」ビクビクッ
怜「りゅーか? …イッた?」
竜華「………」グッタリ
怜「…みたいやな」
怜「確かに急に気ぃ失うんのはびっくりするなぁ…」
怜「…とりあえずいろいろ拭いとくか」
竜華「あれ…」パチクリ
竜華「怜…?」
竜華「とりあえず服着よ…」
ガチャ
竜華「!?」ビクッ
怜「あ、りゅーか起きとる」
竜華「う、うん、おはよう」
竜華「よかった、夢やなかった」ボソッ
怜「おはよー。あ、勝手に水注いできてもーたけど大丈夫やった…?」
竜華「うん、全然平気やで」
怜「そか。ごめんな、ありがとう」
竜華「ありがとう…」
怜「………」
竜華「………」
怜・竜華(も、ものすごく気まずい…)
怜(うち、今考えたらとんでもないことしたような…)カァァ
竜華(あわわわわ)カァァ
竜華「とっ…怜はシャワー浴びる?」
怜「あ、えっと、あ、朝入ればええかな~…」
竜華「ほなうちもそうしよ…今日はもう動きたくないわ…」
怜「う、ごめん…」
竜華「あ、怜のせいやのうて!」アタフタ
竜華「あ、あはは…」
竜華「…そろそろ寝よか。もう日付が変わりそうや」
怜「せやな。明日が休みでよかったわ…学校やったら起きられる気がせぇへん」
竜華「やな。ほな電気消すでー」カチッ
怜「ん。おやすみ竜華」
竜華「おやすみ、怜…」
・
・
怜・竜華(って…あないなことしといて寝られるわけないやん……)
怜「………」
竜華「………」
怜「……りゅーか? 起きとる?」
竜華「…起きとるよ」
怜「もしかして寝られへん?」
竜華「怜も?」
怜「うん…」
竜華「そりゃそうやよな…あんな」カァァ
怜「…夢やないよね?」
竜華「え?」
怜「たまに全部夢やないか思うん。幸せすぎて怖いっちゅーか…」
竜華「怜…」
竜華「…夢やないから安心せぇ」ギュ
怜「ん…」
竜華「こっち向きぃ」
怜「………」モゾモゾ
竜華「えへへ」
怜「な、なに」
竜華「怜はかわええなぁって」
怜「なにそれ…」
竜華「はう」
怜「ほら」
怜「…竜華は美人さんやし面倒見もええし……これから先心配やわ。どうも押しに弱いっぽいし」
竜華「そ、そないなことないと思うけど…それにうちは怜のが心配やわ…。
こんな可愛い子放っておくやつ居らんやろ」
怜「えー? もしそうやとしても私は竜華一筋やし?」
竜華「う、うちも怜一筋やし!」
怜・竜華「っぷ…」
怜「バカップルかうちら」
竜華「ふふっ、せやな」
竜華「怜のが甘えたやん」
怜「竜華とくっつきたくてしゃあないんや」
竜華「えへへ、うちもー」
竜華「…次にああいうこと出来るんはいつやろなぁ……」
怜「せやなぁ…というか意外にノリ気なんやな、竜華」
竜華「わ、悪い…?」
怜「ううん。うちもまたしたい」
竜華「…高校卒業したら一緒に住まへん?」
怜「え…」
竜華「そしたらいつでも…」
怜「うん…」カァァ
竜華「…そう受け取ってもろうても構へん」
怜「っ……」カァァ
ムギュー
竜華「怜が照れとるー」
怜「うっさい…」モゴモゴ
怜「竜華のせいで更に寝られんようなったわ…」
竜華「えー?」クスクス
怜「ん…私も好き」
怜「あー…なんや眠なってきた」フワァ
竜華「さっき更に寝られんようになったー言うたのはどこの誰や」
怜「竜華の腕の中に居るとめっちゃ安心するんやもん…」
竜華「そか…」ナデナデ
竜華「…怜もう髪伸ばさへんの?」
怜「んー分からん…りゅーかはどっちがええの」ウトウト
竜華「どっちも好きやから選べへんわ…って限界みたいやな」
怜「………」スースー
竜華「おやすみ、怜」チュ
セーラ「あいつらおっそいなー」
泉「部活始まってからもう1時間は経ちますよ…」
浩子「二人して遅刻…ほほう、これは…」
チュンチュン
怜「……部活あるん忘れとった」
竜華「Zzz…」
おわり
次は何書こう…
見てくれた方ありがとなー
Entry ⇒ 2012.07.23 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
京太郎「力が……欲しい!」
咲「はい、何とか優勝できてよかったです」
和「全国に向けて、さらに頑張りましょう」
まこ「その前に個人戦もあるがの」
優希「おー! この勢いで個人戦も代表取るじぇ!」
京太郎「……おう、頑張れよ!」
優希「京太郎、お前も一回くらいは勝ってみせるじぇ!」
京太郎「…………」
京太郎(きっと個人戦も、誰かは代表を取るだろう……それにひきかえ俺は……)
京太郎(自分なりに勉強はしてるつもりだし、時々みんな相手でも2位くらいなら取れることもある)
京太郎(だが……やっぱり咲みたいな力はない)
京太郎(これが才能なのか……? 俺はどんなに頑張っても、凡人の雑用係で終わるのか……?)
京太郎(みんなはあれほど活躍しているのに、俺は……)
京太郎(このまま……)
京太郎(このまま、終わりたくねぇ!)
まこ「ふぅ、やはり東場は優希には勝てんのう」
優希「京太郎、タコスを買ってくるじぇ!」
京太郎(俺にも……)
咲「ツモ、嶺上開花です」
和「うぅ、またですか……」
久「絶好調ね、個人戦も期待できるわ」
京太郎(俺にも、あんな力があれば……!)
衣「ハギヨシか、何用だ」
ハギヨシ「それが、衣様にぜひとも面会したいという客人が……」
衣「む……こんな夜にか。一体何者だ?」
ハギヨシ「それが、どうやら清澄麻雀部の方のようです。須賀京太郎と名乗っていました」
衣「清澄の……?」
ハギヨシ「いかがいたしましょうか?」
衣「……面白い、通せ」
衣「話はわかったが……なぜ、そこまでして強さを求める」
衣「お前は決して、清澄の麻雀部を退屈に感じていたわけではなかったのだろう?」
京太郎「……確かに、以前はそうでした。雑用は大変だったけど、嫌ではありませんでした」
京太郎「でも、気付いてしまったんです。自分が、みんなから取り残されているって」
衣「……そんなことをしなくとも、他の部員はおそらく今でもお前を認めて……」
京太郎「でも、それは麻雀の強さで……ではない」
衣「……呆れたものだ。結局のところ妬みや嫉みではないか」
衣「そのような感情で強くなったとしても、お前の幸福に結びつくとは思えぬ」
京太郎「それでも……お願いします、天江さん」
衣「…………」
衣「決定的なアドバイスを送ることはできない……せいぜい、もしかしたら程度だ」
京太郎「かまいません」
衣「京太郎と言ったな。お前は、麻雀を打つ時に何か覚悟はあるのか?」
京太郎「覚悟……ですか?」
衣「今までずっと負け続きなのだろう。だから『今度もどうせ負ける』『負けて当たり前』と思ってないか?」
京太郎「…………」
衣「勝つ気のない者に道は開けぬ。まず、勝つ気を持つことだ」
衣「たとえば……勝つための制約、目標、条件……など、様々なことを考えてみよ」
衣「思えば衣も……不自由と引き換えに、雀力を得たのかもしれぬな」
京太郎「……勝つための……」
京太郎(…………!)
京太郎「……はい」
衣「ならば、もう衣の助言は必要なかろう……せっかく来たのだ、一局ほど打っていくか?」
京太郎「いいんですか?」
衣「問題ない、ちょっとした戯れだ。ではハギヨシ、卓へ案内せよ」
ハギヨシ「かしこまりました。皆様もお揃いです」
智紀「……弱い……」
一「……弱いね……」
透華「……弱いですわ……」
京太郎「……これが今の俺の、全身全霊の力です。皆さんの足元にも及ばない、これが」
京太郎「でも……やってみせますよ。すぐに、強く……そう、天江さんよりも……」
衣「……ほう、ずいぶん大きく出たな」
京太郎「天江さん、皆さん。ありがとうございました」
京太郎(強くなるための、覚悟……勝つための制約、目標、条件……俺にはそれが欠けていた)
京太郎(優希はタコスを食べることで、東場に圧倒的な力を発揮する)
京太郎(あれはもしかして『タコスを食べなければ力が出せない』という制約を無意識に作ってたのでは?)
京太郎(咲は『勝つことも負けることも許されない』という条件に縛られることで、プラマイゼロや嶺上の力を得たのでは?)
京太郎(なら俺も、何かを食べなければ力が……いや、俺の雀力じゃそれでは生ぬるい!)
京太郎(もっと、強い覚悟が必要……そう……)
京太郎(何かを、犠牲にするような)
咲「おはよう、京ちゃん」
優希「あ、のどちゃんもあそこにいるじぇ!」
咲「おはよう、原村さん」
和「おはようございます。優希、宮永さん……須賀君もご一緒ですか?」
京太郎「……ああ。じゃあ教室行くから」スタスタ
和「あ……須賀君?」
優希「京太郎の奴、ずいぶんそっけないじぇ。咲ちゃん、何かあったのか?」
咲「さ、さぁ……」
優希「おー! タコスも水も準備かんりょ……あっ、手が滑ったじぇ!」バシャッ
和「きゃあっ!」
優希「うわっ、のどちゃんのおっぱいがスケスケだじぇ!」
咲「きょ、京ちゃん、見ちゃダメぇーっ!」
京太郎「……始めましょうか。和は着替えてきな」
久「……へ?」
優希「ど、どうしたんだじぇ京太郎!? のどちゃんのおっぱいだじょ!?」
京太郎「個人戦も近いんだ。時間は無駄にできない、それだけのことだろ」
和「す、須賀君……?」
まこ「……な、何があったんじゃ……」
久「須賀君が、和に興味を示さないなんて……雪でも降るのかしら……」
まこ「京太郎やるのぅ。今日はわしらといい勝負だったぞ」
京太郎「いい勝負……ですか?」
優希「京太郎もたまには勝つ時もあるのか、なかなかやるじぇ」
京太郎「……いい勝負じゃ、駄目なんだよ……」
咲「え? 何か言った?」
京太郎「……お先に失礼します。では」
京太郎(俺は、お前が好きだった。でも今は……それ以上に、麻雀が強くなりたい)
京太郎(麻雀と比べれば、恋心などチンケなもんだ。俺はもう、お前に一切興味を示さない)
京太郎(でも……まだまだ足りない。男子のレベルは高いんだ)
京太郎(みんなといい勝負程度じゃ駄目だ……和だけじゃ足りない。まだまだ、何かを捨てないといけない)
京太郎(最後に一体、俺に何が残るのか……いや、今は考えるのはよそう)
京太郎(……さよなら、和……)
京太郎「……そうか?」
咲「そうだよ。クラスの友達とも全然遊んでないじゃん」
咲「原村さんとも……優希ちゃんとも、染谷先輩とも、部長ともあまりお喋りしなくなったよね」
京太郎「気のせいだろ」
咲「嘘だよ……京ちゃん、何か隠してない?」
京太郎「…………」
優希「ま、また京太郎の勝ち……?」
久「……凄いわね、下手したらもう咲や和よりも強いんじゃないの?」
まこ「京太郎、一体どんな特訓をしたんじゃ?」
京太郎「別に、大したことは……はぁっ……してません、よ……」
和「須賀君、大丈夫ですか……? 具合悪そうですが……」
久「でも、これなら個人戦でもかなりのところまで……」
京太郎「かなりのところ……? 俺は優勝以外、考えてない」
京太郎「そう、勝たなきゃ駄目なんだ……勝って、優勝しなきゃ……」
咲「きょ、京ちゃん……」
久「えぇ!? な、何言ってるの!?」
京太郎「ご心配なく……雑用はメールででも連絡していただければ、ちゃんとやりますんで」
まこ「京太郎、やっぱりお前さん最近変じゃぞ!」
久「須賀君……どうして……」
京太郎「……麻雀部は、俺にとって大切なものなんです……」
久「だったら……」
京太郎「だからこそ、来ちゃ駄目なんです……それじゃ、また大会で……」
優希「京太郎……一体どうしたんだじぇ……」
咲「…………」
京太郎「ここ最近、ずっと体が重い……息が苦しい……」
京太郎「やっぱり……急激な強化に、体がついてこれなかったか……」
京太郎「だが大会は、もう近い……何とか、もたせないと……」
京太郎「…………」
京太郎「……今夜は、満月か……」
京太郎「行って、みなければな。龍門渕に」
衣「なっ……」
純「ば、馬鹿な……」
智代「満月の、衣に勝った……」
一「それも、つい最近まで初心者だったのに……」
京太郎「ぐぅっ!」
透華「ちょ、ちょっと大丈夫ですの!?」
京太郎「……いえ、問題ありません……」
衣「京太郎……お前は、一体どれほどのものを犠牲にしたのだ……」
京太郎「…………」
衣「そこまでして得る勝利に……一体、何の意味があるというのだ」
京太郎「……天江さんには、わかりませんよ。凡人の、苦悩は……」
京太郎「俺は、ただ……みんなと一緒に、戦いたいだけです」
衣「京太郎……」
京太郎「天江さん、皆さん。お世話になりました」
京太郎「絶対に……代表、取ってきますんで」
衣(須賀京太郎……あの強さは本物だ)
衣(このまま頂点へ駆け上がるか、地獄の業火に焼かれるか……衣にも分からぬ)
衣(だが……お前は言っていた。みんなと一緒に、戦いたいだけだと)
衣(京太郎……気付いているのか?)
衣(どの道を歩むにせよ、そこには……お前の望む『みんな』はいないということに)
京太郎「はは……もう、学校からの帰り道すらもきついな……」
京太郎「だが、勝たなきゃ……勝って、みんなに……」
京太郎「…………」
京太郎「……よぉ、どうした?」
京太郎「この時間は……部活じゃ、ないのか?」
咲「……部活よりも、京ちゃんが心配だよ」
咲「どうしたの……学校でもずっと一人だし、顔色だって……」
京太郎「でもさ……俺、強くなっただろ。優勝、狙えるくらい……」
咲「……強くなんか、ならなくていいよ。私は、いつもの京ちゃんが戻ってきてくれれば」
京太郎「……駄目だ。俺は、勝たなきゃいけない」
咲「どうして、そこまでして勝ちたいの!」
京太郎「……咲には、わからないだろうな。力のある咲には……」
京太郎「みんなに、取り残された者の気持ちは……」
咲「……京ちゃん……」
久「さて、集まったかしら」
優希「みんなで代表取るじぇー……って、あれは……」
まこ「……京太郎?」
京太郎「はぁ、はぁ……ひ、久しぶり……みんな」
和「須賀君……どうしたんですか? 真っ青ですよ……」
京太郎「だ、大丈夫さ……今日一日だけ、もたせてみせる」
京太郎「それより…部長、お願いがあります」
久「お願い?」
京太郎「どうしようもなく弱くて、いつもみんなの遥か後ろを歩いていた……俺の、戦いを」
咲「……京ちゃん……」
久「……わかったわ。でも、無理しちゃ駄目よ」
京太郎「ありがとうございます……それじゃ、みんなも頑張れよ……」
優希「京太郎……なんなんだじぇ……」
久「今は……私たちも、目先の大会に集中するしかないみたいね」
まこ「……じゃのう」
和「あれ……宮永さんは?」
咲「京ちゃん!」
京太郎「……何だ、咲。女子の会場は向こうだぜ」
咲「戻って、来るよね……」
京太郎「…………」
咲「いなくなったり……しないよね……」
京太郎「……ははっ、当たり前だろ。じゃないと誰が、お前の面倒見るってんだよ」
咲「……京ちゃん……」
京太郎「もう行くぜ。お前も……勝てよ、咲」
咲(京ちゃん……)
咲(京ちゃんは、ああ言ったけど……私はやっぱり、今の京ちゃんには勝ってほしくないよ)
咲(ただ、いつもみたいに……私の隣で、笑っていてくれれば)
京太郎(この日のために、全てを犠牲にしてきた……)
京太郎(みんな、負けるんじゃないぜ……俺も必ず、そこへ……)
京太郎(たとえ……)
『それでは、男子個人戦の一回戦を始めます!』
京太郎(この体が、壊れようと!)
和「部長、このご飯は……」
久「須賀君が買ってきてくれたのよ……頼んでないんだけどね」
まこ「……あんな状態でも、本来の仕事は欠かさないってことかの」
咲「あの……京ちゃんの、様子は……」
久「さっき男子の部を見てきたけど……一応、勝ち進んではいるわね」
和「一応……というのは?」
久「……フラフラだったわ。それこそ、今にも倒れそうなくらい」
優希「きょ、京太郎……やっぱり風邪なのか?」
久「……風邪なら、まだいいんだけど……それ以上の、何かのような気がしてならないのよ」
久「今は……何とも言えないけど」
咲「…………」
京太郎「苦しい……あと、何回戦えば……」
京太郎「いや……何回だろうと、関係ねぇ」
京太郎「十回だろうと、二十回だろうと……」
京太郎「立ち塞がる奴は……全員、倒してやる!」
和「ありがとうございます、優希」
まこ「部長も惜しかったのう」
久「残念ながら、届かなかったわね。ところで……男子の方は?」
まこ「……最後の半荘のようじゃ。ここで勝てば……京太郎が、代表じゃ」
久「そう……あの、須賀君が……」
優希「あんなに弱かった京太郎が、あと一勝で代表……」
まこ「信じられんのう……」
和「……みなさん、男子の会場に行ってみましょう。スクリーンで様子も見られるでしょうし」
咲「……うん……」
京太郎(俺も、すぐそこだ。驚いたかみんな、あの弱っちい男が今や全国目前だぜ)
京太郎(絶対に勝って、みんなと全国に……)
京太郎(あと一半荘なら……きっと体の方は、何とかなる……いや、何とかしてみせる……)
京太郎(だが今回に限っては、別の問題があるようだ)
京太郎(それは……)
「傀……と、呼ばれています。よろしくお願いします」
「さて……打(ぶ)つか」
『さぁ、ついに男子の部も最後の半荘!』
『赤木選手、傀選手、阿佐田選手、須賀選手! 代表の切符を手にするのは誰だ!』
京太郎(相手が、今の俺でも……勝てるかどうかわからない、化け物揃いだってことだ)
京太郎(いいぜ……やってやるよ!)
いやいやいやいや
哲也「これで南入だな」
京太郎「く……12000か。げほっ、げほっ……」
赤木「ククク……病院にでも行った方がいいんじゃねえのか?」
京太郎(さすがは決勝まで勝ち進んだ猛者……とても同じ、高校生とは思えない……)
京太郎(今の俺でも……敵いはしないのか?)
京太郎(ここまで、なのか……?)
まこ「それより、今にも倒れそうじゃ……」
咲「京ちゃん……」
衣「……清澄よ。あの男の様子はどうだ」
和「あ、あなたは……」
久「天江さん……なぜ、ここに?」
衣「む……そうか、勝ち進んでおるのか……馬鹿者め、無茶をしおって……」
まこ「お前さん……何か、知っとるんか……?」
衣「……京太郎は以前、衣を訪ねてきたのだ」
まこ「何考えとるんじゃ、あいつは! そんなことをして手に入れた強さに、何の意味がある!」
咲「……それでも、京ちゃんは勝ちたかったんです。私たちの、ように」
久「咲?」
咲「京ちゃんは、ずっと苦しんでいました。自分だけ、麻雀が弱いということに」
咲「団体戦で、優勝した時も……自分ひとりだけ、輪の外にいるような気分だったんだと思います」
咲「私は……」
咲「私は、京ちゃんのことを忘れたことなんか……一瞬たりともなかったのに」
和「宮永さん……」
『ついにオーラス、最終盤だ! トップは傀選手、このまま決まってしまうのか!』
衣「あの三人……今の京太郎でも太刀打ちできぬほどの、魑魅魍魎の類」
衣「このまま、終わってくれればよいのだがな」
久「まだ、何かあると?」
優希「で、でも……この点差じゃ、もうどうしようもないじぇ」
衣「……それはわからぬ」
衣「まだ……京太郎に、捨てるものがあれば」
咲「!」
京太郎(くっ、牌が重い……目も霞んできやがった……)
京太郎(みんなと共に、全国へ……行きたかった)
京太郎(全てを捨てても……やっぱり、届かないのか?)
京太郎(……いや……まだ、手はあったな……)
京太郎(全てを捨てたつもりだった。でも、それは違う)
京太郎(まだ、残ってたじゃないか……一番、大切なものが)
京太郎(…………)
京太郎(俺の、一番大切なもの……)
京太郎(それは……)
1、命
2、咲
3、両方
>>230まで集計
京太郎(でも、お前だけは……ずっと、俺の心の中にいた。捨て切ることができなかった)
京太郎(こんなになった俺でも……いつも心配してくれて、話しかけてきてくれた……)
京太郎(誰よりも大切な、幼馴染……)
京太郎(…………)
京太郎(ごめんな、咲……)
京太郎「リーチ」
優希「それ以前に……これではリーヅモタンヤオ、赤1。逆転には届かないじぇ」
久「……違うわ。須賀君は、悪い待ちを選んだんじゃない」
まこ「何じゃと?」
久「彼は……」
京太郎「……カン」
久「カンできる待ちを、選んだのよ」
京太郎(咲、見てるか?)
京太郎(今まで、ありがとな……)
京太郎(でも、これで……さよならだ)
咲「京……ちゃん?」
京太郎「ツモ。リーヅモタンヤオ赤1、嶺上開花」
京太郎「裏……8。逆転だ」
京太郎「はは、勝ったぜ……見てたか、みんな……」
咲「……京、ちゃん……だよね?」
京太郎「……その声、咲か……」
咲「…………」
京太郎「咲……俺は、勝つためにお前を捨てた」
京太郎「もう、お前とは……会話することもないだろう」
咲「……なんでなの……」
京太郎「…………」
咲「また、昔みたいにさ……頭なでたり、ほっぺたつついたりしてよ……」
咲「昔みたいに……笑ってよ……」
京太郎「……咲、今の俺とお前……どっちが強い?」
咲「……京ちゃんの方が、強いよ……ずっと」
京太郎「そうか……」
咲「私よりも、勝つことが大事なの……?」
京太郎「……あぁ」
咲「全然、一緒なんかじゃないよ……本当はわかってるんでしょ、京ちゃん」
京太郎「咲、ありがとな……お前は、最後の最後まで俺を……」
京太郎「でも、これが俺の選んだ道なんだ……だから……」
京太郎「さよなら、咲」
咲「京ちゃん、待って!」
咲「うっ……うぅ……」
咲「京……ちゃん……」
同僚B「かんぱーい! ふぅ、仕事あがりのビールはおいしーね!」
同僚C「これであとは彼氏でもいれば、言うことなしなんだけどね」
同僚A「こら、それは言っちゃだめ!」
咲「あははは……」
同僚B「あーあ、須賀プロみたいなイケメンの彼氏欲しいな~」
咲「……!」
同僚C「あまりの強さに、地獄の皇帝(ヘルカイザー)とか呼ばれてるんだっけ」
同僚A「でも友人とか全然いないって話聞くけど本当なのかな?」
同僚B「一匹狼って感じでカッコイイじゃん」
咲「…………」
同僚B「咲なんかは、彼氏とか好きな男とかはいないの?」
咲「……好きな人なら、いたよ……」
咲「でも……私がいると、あの人の邪魔になっちゃうから……」
同僚B「須賀プロといえばさ、咲って麻雀めっちゃ強かったんでしょ」
同僚C「え、そうなの?」
同僚B「高校の頃、全国とか行ったって聞いたんだけど」
同僚C「マジ? そんな強いなら、プロになればよかったのに」
咲「……私はプロには、なれないよ」
咲(プロになったら……)
咲(きっと、また顔を合わせちゃうから)
咲「何か面白い番組はないかな……」ピッピッ
咲「…………」
『須賀プロ、またもタイトル奪取!』
『まさに圧殺! 強い、圧倒的に強い! この強さは本物だぁーっ!』
『地獄の皇帝、ヘルカイザー京太郎!』
咲「京ちゃん……また勝ったんだ」
咲「本当に、強くなったね……」
咲(清澄のみんなで一緒に麻雀を打ってた日が、懐かしいよ)
咲(京ちゃんは……今の自分に、満足してるの?)
咲(いや、してるはずだよね……あんなに、強くなれたんだから)
咲(そう、京ちゃんが望んでいたように……)
咲(でも……)
咲「私は、寂しいよ……京ちゃん」
END
ちょっと悲しい終わりだったけど、良かったよ
京太郎(……まだ、捨てられるものがあったじゃないか……)
京太郎(それは……俺の命)
京太郎(もう、みんなには二度と会えなくなってしまう……)
京太郎(それでも……俺はみんなと、ずっと共にある)
京太郎(あの世から……一緒に、戦おう。全国の舞台で!)
京太郎「……いくぜ」ゴォッ!
アカギ「……へぇ」
傀「…………」
哲也「……こいつ……」
衣「まずい、あの馬鹿者……死ぬ気だ!」
和「ど、どういうことですか!?」
衣「京太郎の体から、溢れ出ている力……あれはまさに、京太郎の生命力そのもの」
衣「死と引き換えに……勝利を手にする気か……」
優希「そ、そんな!」
久「須賀君……なんで……」
京太郎(優希……もっとお前にタコス、作ってやりたかったぜ)
まこ「京太郎!」
京太郎(染谷先輩……いつも俺を気にかけてくださって、ありがとうございました)
久「須賀君!」
京太郎(部長……散々迷惑かけて、申し訳ありませんでした)
和「須賀君!」
京太郎(和……知ってるか? 俺、お前に憧れてたんだぜ)
京太郎(咲……)
京太郎(今まで、色々なことがあったな……どれもこれも、懐かしい日々だ)
京太郎(もっと……)
京太郎(お前と、一緒にいたかった)
京太郎「ツモ……数え役満……」
京太郎「逆、転……だ……」
咲「京ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
優希「まったく、京太郎のせいで雑用が大変だったじぇ!」
まこ「……それじゃ、もう行くかの」
咲「……私、もう少しだけここにいます」
久「咲?」
和「……部長、ここは一人にさせてあげましょう」
久「……そうね。じゃあ、先に行ってるわ」
咲「この一年、色々なことがあったよ」
咲「部長は卒業して、新入部員も入って……あ、私はお姉ちゃんとも会えたんだ」
咲「優希ちゃんはタコス係がいないっていつも不満たらたら。和ちゃんは相変わらずだけど、時々寂しそうだよ」
咲「……そうだ、あの決勝の牌譜……みんな、驚いてたよ」
咲「衣ちゃんも、見事だって褒めてた。えへへ、凄いね京ちゃん……」
咲「…………」
咲「……ねぇ、京ちゃん……」
咲「京ちゃんは……幸せだった?」
咲「……ううん、きっと幸せだったよね。じゃないとあんな素敵な牌譜、残せないから……」
咲「……でもね、京ちゃん……」
咲「私は、あんまり……幸せじゃない、かな」
咲「…………」
咲「……ぐすっ……」
咲「忘れないよ……京ちゃん」
咲「清澄高校の麻雀部には……須賀京太郎っていう、ものすごく強い男の子がいたこと……」
咲「絶対に……うぅっ……忘れないから……!」
咲「京ちゃん……!」
END
京太郎(命も……咲も……どちらも捨てる)
京太郎(もう、何もいらない。勝利の二文字さえあれば、それでいい)
京太郎(この勝負に……何もかもを賭ける!)
京太郎(……さぁ、いくぜ……みんな、見ててくれ)
京太郎(俺の人生の……最終幕だ!)ゴォッ
衣「……ッ! 馬鹿者が!」
京太郎(俺なんかに付き合ってくれて、ありがとうな……)
京太郎(でも、これで……永遠に、お別れだ……)
京太郎(これが俺の……手向けだ!)
京太郎「リー……」
(京ちゃん……)
哲也「ん? どうした?」
京太郎「……いえ……」
傀「……御無礼、ツモです」
『試合終了! 代表の切符を手にしたのは、傀選手だぁーっ!』
傀「……対局、ありがとうございました」
哲也「おう、お前もお疲……ん?」
京太郎「…………」グラッ
哲也「お、おい!」
ドサァッ
京太郎(天国か? 俺、死んだのか……?)
京太郎(みんなには……最後まで、迷惑かけっぱなしだったな……)
京太郎(でも……天国って、案外狭……)
京太郎(いや、違う……ここは、病院?)
衣「気が付いたか、京太郎」
京太郎「天江、さん……」
京太郎「そっか……俺、負けたんですね……」
衣「魔の領域から、人の世に舞い戻った感想はどうだ?」
京太郎「……不思議ですね。本当は、あの場で……燃え尽きるつもりだった」
京太郎「でも……その時、咲の声が聞こえた気がしたんです」
京太郎「そうしたら……最後の一歩を踏み出すことを、ためらってしまった」
衣「…………」
京太郎「俺は、勝利に飢えながら……やっぱり何も、捨て去ることができなかった……」
京太郎「結局、俺は……弱いままだったんですよ」
衣「……それは違うぞ。京太郎よ」
衣「衣だけじゃない。純も、智紀も、一も、透華も……清澄の面々も」
衣「誰もを魅了する……見事なものだった」
京太郎「…………」
衣「衣は忘れぬよ。この夜を、あの魔物ひしめく半荘を、あの数百打を」
衣「それを戦い抜いた……須賀京太郎という、誰よりも強き男のことを」
衣「あの試合を見ていた者は……あの時のお前の雄姿を、未来永劫忘れぬよ。きっと」
京太郎「天江さん……」
京太郎「……帰るんですか?」
衣「ふ……馬に蹴られたくはないんでな。では、また何処かで会おうぞ」
咲「はぁ、はぁ……京、ちゃん……」
京太郎「咲……」
京太郎「お、おい……」
咲「よ、よかった……京ちゃん……無事で、本当によかったよぉ!」
京太郎「咲……ごめんな」
咲「京ちゃん……! 京ちゃん……!」
京太郎「お前のおかげで……俺は、踏みとどまれた」
京太郎「もう、どこにも行かないよ……」
咲「京ちゃん……!」
京太郎「へいへい、了解です……」
和「ごめんなさいね、須賀君」
優希「京太郎、タコスちゃんと買ってくるんだじぇ!」
まこ「いつもながら、迷惑かけるのう」
京太郎「ははは……みんなはこれから全国大会なんですから、お気になさらず」
咲「京ちゃん」
京太郎「ん……咲、ついてきたのか?」
咲「えへへ……無理言って来ちゃった」
京太郎「やれやれ……じゃ、一緒に行くか」
咲「うんっ!」
京太郎「……あの個人戦のことなら、まぁ確かに惜しい気持ちはあるよ」
京太郎「でも……今になってわかった。俺は……やっぱりこれが、一番性に合ってるさ」
京太郎「もちろん、麻雀は強くなりたいけどな!」
咲「ふふ……一緒に頑張ろうね、京ちゃん」
京太郎「だけど、俺やっぱ馬鹿だから……また、馬鹿なことをするかもしれない」
京太郎「だからさ、咲……」
咲「……うん、いいよ」
咲「だから……ずっと、そばにいてあげるよ。何か月でも、何年でも……」
京太郎「……ありがとな、咲。」
京太郎「全国大会……俺の分まで頑張れよ!」
咲「うんっ!」
咲「……ねぇ、京ちゃん」
京太郎「ん……何だ?」
咲「……大好きだよ、京ちゃん!」
END
乙
すばらでした
Entry ⇒ 2012.07.22 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
白望「バレンタインとか…だる…」
白望(またこの日が来たのかぁ…)
白望「学校休もうかな…」
ピンポーン
白望(エイスリンか…)ボー
ピンポーン ピンポーン ピンポーン!
白望「はぁ…」ヨッコラショ
白望「ん…おはよ…」(何か何時もに増して元気だな…)
エイスリン「ガッコウ!ガッコウ!」グイグイ
白望「…わかったから引っ張らないで…だるい…」
校門前
A「あっ!小瀬川先輩だー!」
B「本当だ!おはようございます!小瀬川先輩!」
C「小瀬川さんおはよー!」
白望「おはよ…」(朝からみんな元気だな…だる…)
A「小瀬川先輩!今日何の日だか知ってますか?」
白望「…まあ」ダル
A「バレンタインですよ!バレンタイン!先輩に作って来たんです!」
ワタシモー コセガワサンウケトッテー
白望「…ありがと…」
白望(はぁ…毎年毎年のこととはいえ慣れないな…好意を無下にする訳にもいかないし…)
白望「…ん」
白望(これがなきゃ少しはだるく無いんだけど…)
エイスリン「…」
白望(ん?)
エイスリン「 …」カキカキ サッ
白望「…胸…と耳…?」
白望「…エイスリン…これってどういう…」
エイスリン「…シラナイ!シロ、ジブンデカンガエル!」サッ
白望「…あっ…」
白望「行っちゃった…何だったんだろ…」ダル
白望「…分からない…何か具合悪そうだったけど…」
胡桃「…ふふーん」ジロジロ
白望「…?何?」
胡桃「別にー…そんなにチョコ持って大変そうだなーって」
胡桃(やっと気づいたかな…)
白望「…エイスリン…チョコ食べたかったのかな …」
胡桃「 」カチン
白望「だったら面倒くさがらずに言えば…
胡桃「ばっかみたい!ずっとそうやってやってれば!」スタスタ
白望「…え?…」
白望「…今日のみんな、どうしたんだろう…だる…」
ガラガラ!
白望(…あれ?…)
白望「エイスリンがいない…だる…」
白望(あとこの机の上…)
チョコの山 ドサーン
白望「…朝から何なんだろう…」ダル
白望「…何だ豊音か…」グター
豊音「なっ、何だって言われるとチョット凹むよー…それよりハイ!」
白望「…ん?なにそれ?」
豊音「友チョコだよー!昨日頑張って作ったんだー!」
白望「…ふーん」ジロジロ
豊音「えっ、わっ、私の顔何か付いてる?まじまじ見られると緊張するよー」汗汗
白望「…いや、何か豊音ってそういうイメージ無かったし…」
豊音「そっ、そうかなー?私、友達にチョコあげるなんて初めてでさ…上手く作れてると嬉しいけど…」
白「…」ベリベリ
パクッ
白望「…」モグモグ
白望「…ちょっと変だけど…今までで一番美味しい」
豊音「本当!?シロにそう言って貰えるなんてちょーうれしいよー!」ピョンピョン!
白望(…可愛い…)
ナデナデ
豊音「えっ、な、ななな何で私撫でられてるの⁉」//
白望「…迷惑じゃ無かったら、今度また作って」
豊音「っ!」//
豊音「うん!ちょー腕によりをかけて、ちょー美味しいのを作るよ!」
それとも別の場所をナデナデしたんですかねえ
机に登る必要があるな
白望「…具合悪くて帰ったのかも…」
豊音「えっー!だ、大丈夫かな…エイスリンさん昨日あんなに張り切っ…フガモガ⁉」
塞「はいはいストーっぷ豊音はちょっと黙っててねー」
塞「今度はとは随分ご大層だな…」パッ
豊音「…うー、ちょー苦しかったよー…塞ー」
塞「あははごめんね豊音。でもさっきのことは黙ってて」
豊音「?わかったよー」
白望「?…」サッ
塞「…シロ、何この手?」
塞「なっ…!//ったく、これを天然でやるからエイスリンだって…」ブツブツ
白望「?」キョトン
塞「まあ言うだけ無駄か…ほら、一応持って来たよ」
白望「…ん。ありがと」バリバリ
塞「いいのか?まだそんなにチョコ余ってるけど」
白望「…麻雀部のみんなのは別腹。だるいけど…」
白望「…塞って味。真面目で、一所懸命さが伝わってくる…」レポートダルイ
塞「っ!またそーゆうことを…」ゴニョゴョ
豊音「あははー塞の顔ちょー真っ赤だよー」
塞「…うるさい」//
塞「あー、こほん。最初に言おうと思ってたんだが、今エイスリンはトシさんのところにいるから」
塞「…まあある意味病かもな。それも太刀の悪い感染病だ」
白望「?」
塞「この学校じゃ殆どの奴がかかってるから、二次災害はないけどな…」
豊音(それはちょっと無理があるよー…)
白望「二ヶ月だけど…」
塞「そう。私たち、大学はみんな同んなじとこに推薦で決まったからいいけどさ、エイスリンは…ニュージーランドに帰っちゃう」
白望(…あっ…)
塞「忘れてただろ?私もだよ。あんまり距離が近すぎて…いなくなっちゃうなんて想像出来なかった。私たちが大学決まって喜んでた時も、エイスリンは、少し寂しそうだった…」
塞「エイスリンも、本当はもっとみんなと思い出作りしたいはずだけどさ、私たち推薦合格とは言っても色々と手続きとかで忙しいし…きっと気を遣ってるんだと思う。だからこのバレンタインは、イベントらしい最後のイベントなんじゃないかな」
塞「私もちょっと気持ちが分かるよ。エイスリン、きっと誰よりも最初にシロに渡したい物があったんじゃないかな…」
豊音「シロ?」
白望「…今日はだるいから早退する…」
塞「ふふっ。全くしょうがないなーシロは。伝えとくから、早く行きなよ」
白望「…ん。ありがと」
塞「…ふー、疲れるなー。恋のキューピッドなんて柄じゃなかったか」
豊音「…塞はいいの?塞自身の気持ちは伝えなくて」
塞「私は…自分の立場は分かってるし。あのにぶちんと不器用の背中を押すぐらいの役割がちょうどいいよ。そういう豊音は?」
豊音「…ちょーつらいよー。私も、シロのことは大好きだし…でも、それ以上に宮守の麻雀のみんなが、私はちょーちょー大好きなんだー!」
塞「っあははっ!何それ。でもうん。私もそうだ。シロもエイスリンも、胡桃も豊音も、トシさんも。みんなでいるのが最高だよ」
塞「豊音はやっぱ涙もろいね…でも大丈夫。みんながずっと一緒に居たいって思ってる。インターハイ2回戦…あの時の想いはとどかなかったけど、今度はきっと…」
塞「うちには、普段はちょっとものぐさだけど、いざって時には頼りになる先鋒がいるし。信じて待とうよ」
エイスリン「……」コクコク
トシ「あの子は本当へんにモテるのよねー、どこがいいのかしら…」
エイスリン「!!シロ、ワルクイワナイデ!」
トシ「おやおや…さっきまで目の敵にしてたのに。本当にあの子が好きなのねぇ」
エイスリン「……」//
トシ「…本当にニュージーランドに帰るのかい?交換留学の期限が切れても、またビザを取って残ればいいじゃないか」
トシ「ファザー、マザー、バツマーク?…両親が許してくれそうにないってことかい?」
エイスリン「…」コクコク
トシ「そうかい…まあ人様の家の事情にまで口だす訳にはいけないね…あら?誰か来たね」
エイスリン「!!」パァッ
トシ「やっと王子様の登場かい…こっちは愚痴やら惚気やら聞かされて大変だったんだから」
白望「…惚気?」
エイスリン「!!トシサンウルサイ!」//
エイスリン「エッ!?」
トシ「はいはい。どうぞお好きなように」
白望「…そんなに硬く考えないで、たまには2人でさぼっちゃおうよ…」
エイスリン「!?」ドキ//
喫茶てるてる
カランコロン
?「いらっしゃいませ。お2人様ですね」営業スマイル
エイスリン「ココドコ?シロ?」
白望「学校だるい時とか、よく時間潰してるとこ」
エイスリン「シロ、ワルイコ!サボリヨクナイ!」
白望「この年で悪い子かあ…」
?「いつものでよろしかったですか?」
白望「ああ、はい…」
エイスリン「コーヒー?」
白望「冷めないうちに飲んで」
エイスリン「!オイシイ!」
白望「…店主が朝一番にコークスクリューで挽いてるらしい」
白望「行きつけの古書店…あーユーズドブックストアー?」
エイスリン「ココハ!?」
白望「ムービーシアター」
エイスリン「シロ!キョウハタノシカッタ!アイムハッピー!」
白望「そう…よかった」
エイスリン「デモシロズルイ!イツモヒトリデアソンデル!」
白望「…まだまだ、エイスリンに教えてない所は一杯あるよ…」
エイスリン「ワッツ?」
白望「あと、二ヶ月じゃ…足りないよ…」ボロポロ
エイスリン「シロ!?
シロ「エイスリン…」グスグス
エイスリン「シロ…」ギュッ
エイスリン「ダイジョーブ。ネッ?」
エイスリン「ハイ!」
白望「チョコ…ん。美味しい…」
エイスリン「ヨカッタ!ウレシイ」ダキッ
エイスリン「ナニ?シロ?」
白望「ニュージーランドまで着いて行くのはちょっとだるい…わがままだけど、ずっと一緒に居て欲しい…」
豊音「うわーん。卒業したくないよー」シクシク
胡桃「うるさいそこ!お祝いごとなんだから辛気臭くしない!」
塞「胡桃も少し涙目だけどね」ニヤニヤ
胡桃「そっ、そういうのいいから!」
トシ「もう卒業かい…早かったような短かったような…」
胡桃「ほっとけば?どうせまたいちゃいちゃしてるんだろうし」
塞「大学でも見せつけられるんだろうな…あれ…」
豊音「でもトシさんちょーすごいよー!エイスリンさんの両親を説得したあと、入学直前に合格させるなんてー!」
トシ「レジェンゴをプロに押しこむよりは楽だよ…やれやれ」
白望「走るのダルイ…負ぶってって…」
トシ「これで全員揃ったね」
豊音「遠野大学麻雀部、始動だよー!」
エイスリンの返事は各々脳内補完でオネシャス!
展開急だったり強引だったけど、見切り発車だったので勘弁
宮守ssもっと増えろ!姉帯さんちょー可愛いよー!
明日模試なので寝ます。読んでくれた人ありがとー!
宮守SSは良いな
宮守最高や…
レジェンドェ…
乙乙
Entry ⇒ 2012.07.22 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
憧「シズと宥ねえを二人きりにしてみた」
宥「こんにちは、なんか皆遅れるみたい・・・・」
シズ「そうですか」
宥「憧ちゃんはどうしたの?」
シズ「憧は掃除で遅れるみたいです」
宥「そっかあ」
宥「みんな遅いねえ~」
シズ「そうですね・・・・私たちだけで始めちゃいますか?」
宥「もう少し待ってみよ」
シズ「はい」
レジェンド「・・・・んで今度はあの二人か・・・・」
クロ「どうしてあの二人なの?」
憧「好奇心だよ好奇心♪」
アラタ「好奇心って・・・・・・」
シズ「私がやりますよ」
宥「ううん、いいの、私にやらせて」カチャカチャ
シズ「じゃ、じゃあお願いします」
宥「うん」
憧「ふむ・・・・・別に問題はないわね」
アラタ「というかあの二人は普通に仲良いんじゃ?」
クロ「ふむふむ、なるほど~」
シズ「ありがとうございます」ズズッ
宥「ど、どうかな?」
シズ「とても美味しいですよ」
宥「よかった~」
シズ「憧にも宥さんの淹れ方を見習って欲しいですよ」ズズッ
宥「そ、そうかな?」
シズ「聞いてくださいよ、憧なんて・・・・」
憧「あんの馬鹿シズゥ・・・・・」
宥「みんな遅いなあ・・・・」
シズ「流石に遅すぎますね」
宥「ど、どうしよう・・・・」オロオロ
シズ「私が見てきます、宥さんはここで待っていてください」ガタッ
宥「ま、待って私も行く」ガタッ
宥「ってあれ・・・」ガッ
シズ「あ、危ない!!」バッ
ドテンッ
シズ「だ、大丈夫ですか?」
宥「シズノちゃんがかばってくれたから私は平気、それよりシズノちゃんは?」
シズ「アハハ、これくらいなんともないですよ!!」
宥「よ、良かった~・・・ゴメンね・・・・」
シズ「気にしないでください!!」
アラタ「はるちゃん」ボソボソ
レジェンド「なした?」
アラタ「・・・・・」クイッ
憧「・・・・・・・・・・・」
レジェンド「おい・・・・憧」
憧(宥姉と・・・シズが・・・・・抱き合った・・・・・)
クロ「あ、憧ちゃん?」オロオロ
レジェンド「あー、こりゃ重傷だわ」
宥「う、うん」
アラタ「来た・・・隠れないと・・・・」
憧(何で手繋いでるノ?・・・・・・)
レジェンド「またこのパターンか」
クロ「は、早く隠れないと」
シズ「う~~ん」
宥「赤土さんたちいないね・・・・」
シズ「というか、他の生徒も誰もいませんね・・・・」
宥(うぅ・・・クロチャ~)
レジェンド「おい憧・・・・・もう止めた方が」
クロ「い、良いんじゃないかな?」
憧「・・・・・・・いや・・・・・続ける・・・・・」
アラタ「ど、どうして?」
憧「・・・・・・ここで辞めたら負けた気がするから・・・・だから最後まで続ける!!」
レジェンド(何にだよ・・・・・・というか私は帰りたいんだが)
シズ「もう日も暮れてきましたね・・・」
宥「う、うん」
シズ「今日はもう帰りましょう」
宥「そ、そうだね」
宥「鍵が閉まってる・・・・・・・」
シズ「な、なんで・・・・・・・」
全部レジェンドがやってくれました
シズ「はあ、携帯も圏外だしどうなってるんだ・・・・」
宥「うぅ・・・どうしよう・・・・」
シズ「今日はここに泊まりましょう、朝になればきっと大丈夫ですよ」
宥「そ、そうだね」
シズ(・・・・・どうすればいいんだよ憧)
シズ「もう7時か・・・・」グ~
シズ「あ・・・・・・・・・・・・・」
宥「シズノちゃん、お腹空いてる?」
シズ「な、べ、別に何でもないですよこのくr」グルル~
シズ「・・・・・空いてます」
宥「そっかあ、じゃあ私家庭科室で何か作ってくるね」
シズ「あ、えっと、じゃあ、その・・・お願いします」
宥「うん、任せて」
宥(私は先輩なんだから頑張らなくちゃ!)
クロ「あ、赤土さん・・・憧ちゃんの機嫌が・・・・」
レジェンド「知らん、もうほっとけ」
シズ「うわあ、良い匂い」
宥「じゃあ食べましょうか」
シズ「はい!いただきます!」
宥「どうぞ」
シズ「んまああああああああああいいいいいいい」
宥「よ、良かった~~、家族以外の人に食べさせるの初めてだから緊張しちゃった」
シズ「え、そうなんですか?」ムシャムシャ
宥「うん」
シズ「うわあ、クロさんが羨ましいです、こんな美味しい料理を食べてるなんて」
宥「ほ、褒めすぎだよシズノちゃん」
シズ「いえいえ、ホントのことを言ったまでですよ」バクむしゃ
クロ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・チッ」
宥「お粗末様です」
シズ「いやあ美味しかったです~」
宥「こ、こんなのでよければまた食べさせてあげる」テレテレ
シズ「是非、お願いします」
宥「う、うん」
憧(・・・・・・・・これは)
クロ(餌付け!!)
アラタ「はるちゃん、ご飯できたよ」
レジェンド「お、そうか、おーいメシだぞ~」
宥「?」
シズ「深夜の学校といえば・・・・」
宥「いえば・・・・?」
シズ「肝試しですよ!!」
宥「き、肝試し!?」
シズ「ちょっとだけ校舎を回ってきませんか?食後の運動もかねて」
宥「う~ん・・・ちょっとだけなら・・・・」
シズ「じゃあ行きましょう!!」
シズ「うわあ、なんかドキドキしますね」
宥「そ、そうかな?」
シズ「はい、今にもそこの影から幽霊でも出そうですね」
宥(うぅ・・・・来なきゃ良かったかも・・・・)
シズ「ゆ、宥さん?大丈夫ですか?」
宥(でも、後輩の子の前で変なところなんて見せられないよね)
宥「な、何でもないよ、進んでみよ」
シズ「はい!!」
憧「用意は出来てる?」
クロ「うん、ばっちしだよ」
憧「それじゃあ行きますか」
シズ「お、もうここまで来ちゃったか」
宥「やっと中間地点だね」ホッ
シズ「はい、じゃあ引き返しまs・・・・・」
宥「シズノちゃん?」
シズ(・・・宥さんの後ろの窓ガラスに・・・・・女の人が立って・・・)
バンッ←ガラスを叩く音
シズ「うわあああああああああああああああああああああああ」ダッダッダッ
宥「し、シズノちゃーん、ま、待ってよ~」タッタッタッ
シズ「宥さん早く早く~~~~~~!?」
クロ「えへへ、うまくいったね憧ちゃん」
憧(あれ、宥ねえはあんま驚いてなかったな)
憧「・・・クロ、ちょっとやり過ぎ」
クロ「え・・・何が?」
憧「シズ泣いてたじゃない・・・あそこまでやる必要ないでしょ」
クロ「だって憧ちゃんが立てた計画だよこれ」
憧「窓ガラスを叩くなんてシナリオに入れてない」
クロ「・・・・・・・・・・」
アラタ「はるちゃん・・・・・・」
レジェンド「やれやれ」
シズ「だ、大丈夫です、す、すみません」グスッ
宥「シズノちゃん・・・・・」ダキッ
シズ「ゆ、宥さん?」
宥「もう大丈夫だから、だから安心して」頭ナデナデ
シズ「・・・・はい、ありがとうございます」
宥(シズノちゃんって小さいなあ)
シズ(宥さんの胸・・・・あったかい)
憧「ちょっと」
クロ「出かけてきます」
レジェンド「待て」
シズ「はい」
宥「ってアレ、布団が1組しかないね」
シズ「わ、私は床で寝るんでだいじょうぶです」
宥「それじゃ風邪引いちゃうから一緒に寝よ?」
シズ「い、良いんですか?」
宥「もちろん」
シズ「じゃ、じゃあお言葉に甘えて・・・・」
宥「うん、おいで」
シズ「はい、大丈夫です・・・でも一つだけ聞きたいのですが」
宥「?」
シズ「何で抱きしめられてるのでしょう?」
宥「えへへ、クロちゃんとはいっつもこうして寝てるの、だから・・・・」
シズ「そ、そうだったんですか」
シズ(そういえば憧が泊まりに来た時もこんな感じだったかなあ)
宥「め、迷惑だったかな?」ウルウル
シズ「全然!!迷惑なんかじゃありませんよ」
宥「よ、良かった~、エヘヘ」ギュッ
シズ(宥さん良い匂いだなあ)
宥(シズノちゃんちっちゃくて可愛い)ギューッ
宥「何?」
シズ「今日はありがとうございました」
宥「ううん、私こそ楽しかったよ」
シズ「私もです」
宥「明日になったら元に戻ってるといいなあ」
シズ「きっと大丈夫ですよ!!」
宥「うん、そうだね・・・ふぁあ・・・・」
シズノ「おやすみなさい・・・・宥さん」
シズノは宥ねえの懐で朝を迎えましたとさ
あと、クロちゃんと憧は朝まで気絶してたとさ
END
ちょー乙だよー
あったか~い
Entry ⇒ 2012.07.22 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
和「いつかまた」咲「この木の下で」
健夜「惜しくも敗退した二校も健闘でしたね」
恒子「これで決勝のカードは決定しました!」
恒子「阿知賀女子、白糸台高校、清澄高校、宮守女子、全国の頂点に立つ高校はどこなのか」
恒子「これは目が離せません!」
ーーーーー
ーーー
ー
豊音「おつかれさまー」
咲「ありがとうございました」
霞「ありがとう……ございました……」
末原「お疲れさまでした……」
ガチャン
和「咲さん!」
咲「あ、和ちゃん!」
和「お疲れさまでした」ギュッ
咲「うん、みんなすごく強かったよ…」ギュッ
和「咲さん…」
咲「和ちゃん…」
久「とりあえず、出ましょうか?」
和「あっ、すみません!」アセアセ
久「さて…明日の決勝にそなえて…」
和「はい…練習を…」
久「パーっとご飯でも食べましょうか」
優希「さんせーだじぇ!もうお腹ペコペコだじょ」
まこ「さすがに疲れたしのう」
和「あ、あの…練習…」
久「英気を養うのも練習よ和」
咲「わ、私もお腹空いたよ」
和「ま、まぁ…咲さんがそう言うなら…」
まこ「なんじゃ和、えらい咲には甘いのう…」ニヤリ
優希「のどちゃんひどいじぇ!私というものがありながら…」ヨヨヨ
和「そんなんじゃありません!」
久「和、顔真っ赤よ?」
咲「あはは…」
まこ「おっかないのう…冗談じゃ」
和「全くもう…」
久「そうこうしてる間に料理が来たわよ」
優希「さすが部長だじぇ」
和「結局頼んでたんですね…」ぐぅー
和「…」
久「和…」
和「ま、まぁご飯を食べてからでも練習はできますからね」アセアセ
優希「二人とも早く座るじょ!」チンチン
咲「優希ちゃんお行儀悪いよ…」
久「あらごめんなさい、じゃ、いただきましょうか」
みんな「いただきまーす」
まこ「もぐ…こりゃ大したもんじゃ…」
和「もぐ……あ、美味しい…」
咲「おいしいよこれ」
久「気に入ってもらえて良かったわ」
咲「そういえば京ちゃんは?」
まこ「さっき龍門淵の執事とでかけていきおったぞ」
久「…」
久「みんな、ちょっといいかしら」
優希「どうしたんだじぇ」
まこ「なんじゃ、あらたまって」
久「今まで本当にお疲れ様。ここまで来れたのもみんなのおかげよ。」
久「本当にありがとう。明日の試合で最後だけど、絶対に悔いの残らないように頑張りましょう」
まこ「なーに言っとんじゃあんたは、らしくもない」
優希「言われるまでもないじぇ!」
和「当然です」
咲「絶対に勝ちます」
久「みんな…そうね、ごめんなさい…すこしナーバスになってたみたい…」
久「いつも通り、頑張りましょう」
みんな「はい!」
ーーーーー
ーーー
ー
久「食い意地はるからよ?」ナデナデ
まこ「まったく困ったやつじゃ…って咲と和はどこいったんじゃ?」
久「さぁ?二人で散歩でもしてるんじゃないかしら?」
外
咲「黙って出てきても大丈夫かなぁ?」
和「遅くならなければ大丈夫だと思いますよ」
咲「うん…」
和「…」
咲「和ちゃん…」スッ
和「ええ…」ギュッ
咲「星…」
和「?」
咲「見えないね」
和「そうですね…」
咲「長野の空は星がたくさんなのに…」
和「明日の試合が終わればまた帰れます」
咲「うん…」
和「どうかしたんですか?」
咲「お姉ちゃん…」
和「…」
和「…です…」
咲「え?」
和「大丈夫です」
咲「…」
和「大丈夫」ギュウ
咲「和ちゃん…」ヒシッ
咲「私…ちゃんとがんばれるかな…」
和「大丈夫。私がついています」ナデナデ
咲「うん…うん…」
和「勝ちましょう」
咲「うんっ…」
和「そして…」
和(ずっと…一緒に…)
咲「和ちゃん…?」
和「あ、ごめんなさい。そろそろ戻りましょうか」
ーーーーー
ーーー
ー
久「気にしなくてもいいわよ」
まこ「もっとゆっくりしてくりゃよかったのに」
久「あれ?あなたたち何かあった?」
和「いえ、何もありませんでしたよ?」
久「そう?前より親密になったような…手までつないじゃって」クス
咲「あっ」カァ
和「こ、これは!」バッ
久「ふふ…仲が良いのはいいことよ?」
咲「からかわないでくださいよ」アセアセ
久「あそこで倒れてるわ」
優希「もうだめ…食べられないじぇ…」
和「全く…ゆーきはだらしないですね…」
咲「ふふっ…」
和「私たちもそろそろ寝ましょう」
久「あれ?練習しなくていいの?」
和「明日にそなえて休んでおくことも大切ですから」
久「へぇ…そう。ならおやすみ」
咲「あ、和ちゃん、私も寝るよ」
ーーーーー
ーーー
ー
和「…」
咲「…」
和「咲さん?」
咲「うん?」
和「起きてますか?」
咲「うん、なんだか眠れなくて…」
和「くす…私もです…」
咲「緊張してるの?」
和「いえ…そういうわけではないのですが…なんだか、落ち着かなくて…」
和(負けたら…もう、咲さんとは…)
咲「そっか…私と同じだね…」
和「…」
咲「そっち行ってもいいかな?」
和「ええ…」
咲「んしょ…んしょ…」モゾモゾ
咲「ふう…」
和「咲さん…」ギュ
咲「和ちゃん…」ギュッ
和「すごく落ち着きます…」
咲「うん…」
和「…」
和(離れたくない…)
和「…ぐす…」ポロ
咲「和ちゃん?」
和「うぅ…ヒック…」ポロポロ
咲「あの…えっと…」オロオロ
和「ごめっ…なさいっ…」ポロポロ
咲「何かあったの?」
和「なんでもっ…ありません…」
和(今は…このままで…)
咲「うん…」ナデナデ
和「…ぐすっ…」
咲「…」ナデナデ
和「…」
咲「…」ナデナデ
和「…」スースー
咲「…」ウトウト
和「すーすー」ギュウ
咲「くぅ…くぅ…」
ーーーーー
ーーー
ー
健夜「長かった戦いも今日のこの一戦で全てが決まりますね」
恒子「果たして優勝を勝ち取るのはどの高校なのか!!」
恒子「試合開始はこの後すぐです!絶対に負けられない戦いが、そこにはある」
控え室
久「さて…いよいよね…」
まこ「流石にちょっと緊張するのう」
優希「心配ないじぇ!」
優希「この試合に次鋒戦は来ないからなっ!!」
久「すごい気合ね」
和「飛ばしすぎてバテないでくださいね」
咲「優希ちゃん頑張って!」
優希「おう!!任されたじぇ!」
アナウンス「先鋒戦開始10分前です。選手の方は対局室へお願いします」
優希「じゃ!行ってくるじぇ!!」
キィ…
シロ「あ」
シロ「よろしく…」
照「ええ」
玄「よ、よろしくおねがいします」
優希「よろしくだじぇ」
ーーーーー
ーーー
ー
健夜「やはり強いですね」
控え室
久「やっぱり強いわね…」
まこ「いっちょカタキとったるか!」
和「これは…」アゼン
咲「…」
ガチャ
優希「うぅ…」
優希「ごめん…だじょ…」
久「気にすることないわ。全体から見れば削られてないぐらいよ」
優希「うん…」
優希「白糸台の先鋒…すごい気迫だったじぇ…」
和「咲さん?」
咲「すぐに戻ってきますから」
久「大将戦には帰ってきてね」
咲「はい」ガチャ
廊下
咲「お姉ちゃん…」トコトコ
咲「…」
照「…」スタスタ
咲「あっ…」
咲「お、お姉ちゃん!!」
照「…」ピタ
咲「ぅ…」
照「…」スタ
咲「わ、私っ!!」
咲「絶対に負けない!!みんなで優勝したいから…だから…お姉ちゃんにも…」
咲「お姉ちゃんにだって負けないから!!」
照「…」フッ
照「…」スタスタ
咲「はぁ…はぁ…」
咲「今…笑ってた…?」
咲「少しだけ…笑ったよ、お姉ちゃん…」
咲「…」グッ
咲「うん!がんばろう!!」
ーーーーー
ーーー
ー
ガチャ
咲「遅くなってすみません」
久「あら、帰ってきたのね」
まこ「もうすぐ副将戦おわるぞ」
優希「咲ちゃんどこ行ってたんだ?」
咲「少しね…試合はちゃんと見てたよ」
恒子『副将戦終了です!白糸台が圧倒的リードを保ったまま大将戦です!』
久「いよいよね…」
まこ「正直かなり厳しいのう…」
久「私たちが取り返せればよかったんだけど…」
咲「大丈夫です…」
咲「絶対に…絶対に勝ちますから」
久「へえ…」
まこ「すごい気合いじゃのう…」
優希「あとは任せたじぇ…」
咲「行ってきます!」
ーーーーー
ーーー
ー
恒子「激戦を勝ち抜き、見事優勝を手にしたのは西東京代表、白糸台高校です!!」
健夜「3連覇の達成…これは高校麻雀史に名を残す記録になりますね…」
恒子「しかし清澄の宮永選手の追い上げは凄まじいものがありましたね…」
健夜「あと500点取っていれば優勝は清澄でしたからね」
恒子「選手の皆様、応援された方々、お疲れさまでした」
淡「はぁっ…はぁっ…」ポタポタ
淡(危なかった…本当に危なかった…)
淡(個人的な力量なら私の数段強い…)
淡(生きた心地がしない…)
咲「ありがとうございました!」スタスタ
淡「あっ…はい、お疲れさまでした」ビクッ
しず「ありがとうございました!負けちゃったけど…本当に楽しかった!」
豊音「また遊んでねー」
バタン
淡「はぁー…きつ…」
ーーーーー
ーーー
ー
咲(負けちゃったな…)
咲(でも不思議…あれだけ勝ちたかったのに、不思議と落ち着いた気持ちだよ)
咲「みんな、ごめんね」
照「頑張ったな、咲」
咲「…」
咲「えっ?」バッ
照「お疲れ様」ニコ
咲「お、お姉ちゃん…?」
照「うん?」
咲「私に話しかけてるんだよね…?」
照「それ以外の誰だっていうんだ?」
咲「あ…あの…」
咲「わ、私…お姉ちゃんにいっぱい話したいこと…」ポロポロ
照「おいで」
咲「うぅ…うわああああああん!!」ダキッ
照「んっ」ギュッ
咲「お姉ちゃん…私…私…」ポロポロ
照「つらい思いさせてごめんね…」
咲「ううん…いいの…もういいの…」
照「あなたにただ純粋に麻雀を楽しんでほしかった。それだけのことなの…」
照「私…すごく不器用だから…」
咲「うん…知ってるよ…」グス
照「そっか…」ナデナデ
照「うん…咲…」
和(咲さんを探していたら…)
和(咲さん…お姉さんと仲直りしたんですね…)
和「もう…心配することはありませんね」クルッ
和「…」スタスタ
和「…」ポロ
ーーーーー
ーーー
ー
まこ「そろそろ帰るかのう…」
和「…」
咲「そうですね…もう外も暗くなってきましたし」
優希「もうお腹ぺこぺこだじぇ…」
久「そればっかりじゃない」クス
まこ「あんたももう引退したのになんでおるんじゃ」
久「だーって暇なんだもん…別にいいわよね?和?」
和「…」
久「和…?」
和「…え?あ、なんでしょう?」
久「…なんかあった?」
和「いえ、少し考え事を…」
和「……」
久「?」
和「…あの」
まこ「なんじゃ?」
和「私、みなさんに伝えないといけないことが…」
久「急にどうしたの?」
咲「…」
優希「のどちゃん様子が変だじぇ」
和「私…実は…」
和「転校…するんです…」
まこ「なんじゃと…」
優希「そんな!そんなの嘘だじぇ!!」
咲「……え?」
和「いきなりですみません。実は前々から決まっていたんですけど…」
久「それで、いつなの?」
和「今週末には…」
優希「急だじぇ…」
まこ「まぁ都合もあるだろうしのう…」
咲「なにそれ…」
和「…」
久「咲?」
和「ごめんなさい…」
まこ「落ち着かんか!」ガシッ
咲「なんで……なにも教えてくれなかったの…?」クタッ
和「ごめんなさい…」
咲「もういい……もういいよ……」
優希「咲ちゃん…」
和「わ、私…」
咲「今までありがとう、さようなら」バタン
一同「……」
和「…」
まこ「そうじゃ、落ち着いたらまた元通りじゃ」
優希「のどちゃん…」
和「すみません、今日は帰ります」
和「明日からは部活も来ません。引っ越しの用意があるので」
久「…」
久「りょーかい…」
ーーーーー
ーーー
ー
優希「あれから二人とも一度も部活にこないじぇ…」
久「二人とも全く話もしていないの?」
優希「咲ちゃんが明らかに避けてるじぇ」
まこ「なんとまぁ…」
久「これはほっておけないわね…」ピポパ
久「もしもし?和?今から少し良いかしら?」
久「ええ、わかったわ。それじゃ」ピッ
久「さてと…」
まこ「どこか行くんか?」
久「部長最後の仕事よ」
優希「元部長…任せたじぇ」
久「じゃあちょっと言ってくるわ」
ーーーーー
ーーー
ー
和「みなさん、今までありがとうございました。短い間でしたが、この学校で過ごしたことは忘れません」
和「…」チラ
咲「!」プイ
和「新しい学校でも、この学校での思い出を糧に、頑張ります」ペコリ
パチパチパチパチ
先生「原村、向こうでもしっかりな」
モブ「原村さん今まで楽しかったよー!」
モブ2「またね!絶対忘れないからね!」
咲「……」
先生「それじゃ今日はこれまでな、気をつけて帰れよー」
ワーワー
モブ4「いいじゃん、やろーよ」
和「あの…今日は早く帰って来いと言われているので」
モブ3「そっか…じゃあ仕方ないね」
和「すみません…」
和「…」スタスタ
咲「…」
和「…」ピタ
咲「…」
和「咲さん」
咲「…」
和「咲さんと過ごしたことは一生忘れません」ジワ
咲「…」
和「ありがとうございました」ポロポロ
和「大好き」ダッ
咲「…」
咲「私も…だよ…」ポロポロ
ガラガラ
久「遅かったか!!」ズササッ
咲「ぶ、部長…ひっく…」グスッ
久「泣くくらいなら無視なんてしなけりゃいいのに…」
咲「だって…私も混乱して…どうしたらいいかわからなくて……」
久「じゃあちょっと新情報を」ヒソッ
咲「え?」
咲「…」コクコク
久「…」ヒソヒソ
久「ってことらしいわよ」
咲「そ、それって…」
咲「私…」
久「ん、行きなさい」
久「今ならまだ間に合うから」
咲「すみません!ちょっと行ってきます!」ダッ
久「がんばんなさい」ニコ
ーーーーー
ーーー
ー
和「はぁ…」
咲「和ちゃーーーん!!」ダッダッダ
和「さ、咲さんっ!!」バッ
咲「はぁ…はぁ…」
和「あの…」
咲「ごめんなさいっ!私ずっと誤解してた…」
和「もしかして…部長が?」
咲「うん」
久『和のお父さんは厳しいらしくてね、和は全国優勝ができなければ転校するという約束をしてたらしいわ』
久『今まで言わなかったのも父親にかなり食い下がってたみたいよ』
久『私たちに無駄な心配をかけないように、ね』
咲「和ちゃん…このままだったら私、一生後悔してたよ…」
咲「ほんとにごめんなさい」ペコ
和「こうして分かり合えましたから」
咲「和ちゃん…」
和「ここ…」
咲「ん?」
和「私たちが初めて出会った場所ですね」
咲「あ、ほんとだ」
和「咲さんはあそこの木の下で本を読んでいて」
咲「そこに和ちゃんが通りかかって」
咲「すごく綺麗だと思った」
和「ふふ…」
咲「えへへ…」
咲「え?」
和「いつかまた、この木の下で会いましょう」
咲「うん…その時までは、さよならだね」
和「はい、その時まで」
咲「私、これからも麻雀続けていくよ」
和「私もです」
咲「うん…」
和「…」
和「そろそろ…行きますね」
咲「うん、またね」
和「はい、さようなら」スタスタ
和ちゃんの姿が見えなくなると、私は堪えていた涙を止められなくて、声をあげて泣いた。
ーーーーー
ーーー
ー
久「お疲れさま、咲」
咲「お疲れさまです。先輩」
私は大学を卒業した後、久先輩の推薦で大手の薬品会社に入り、そこで麻雀を続けていた。
プロになる機会もあったけど、今一つ麻雀に対して本気になれなかった私は、麻雀だけは続けようと今の道を選んだのだ。
久「あなた入社してから働きすぎよ?明日から連休でしょう?」
咲「はい。そうですね」
久「たまには実家に帰ったら?お姉さんや両親も喜ぶわよ?」
お姉ちゃんやお母さんは私が高校生の時に、長野に帰ってきて一緒に暮らしていた。
お姉ちゃんは今、長野でプロの雀士としてテレビや雑誌に引っ張りだこになるほど活躍している。
咲「そうですね…うん、そうします」
久「ご家族によろしくね。じゃ、お疲れー」
咲「はい、さようなら」
咲「長野に帰るのなんていつぶりだろう…」
ーーーーー
ーーー
ー
咲「ただいま」
母「お帰りなさい。駅まで迎えに行ってあげたのに…」
咲「大丈夫だよ。それよりお姉ちゃんは?」
母「居間で待ってる。まだかまだかーってずっと言ってたわ」クス
照「ちょっと、変なこと言わないでよ」
母「あら、いたの?」
咲「あ、お姉ちゃん!ただいま」
照「お帰りなさい。咲」
母「疲れたでしょう?布団敷いておいたから、ゆっくり休みなさい」
咲「うん、ありがとうお母さん」
咲「お風呂行ったら寝るよ」
ーーーーー
照「咲、ちょっといい?」
咲「うん?どうしたのお姉ちゃん」
照「その…せっかく帰ってきたのにこんな話もなんだけどな…」
照「咲はプロになるつもりはないのか?咲の実力なら…」
咲「うん…」
咲「麻雀は好きだし、とても楽しいけど…なぜかな…」
咲「そこまで本気になれないんだ」
照「うん…」
照「それってさ」
咲「うん?」
照「ずっと前に言ってた女の子が関係してたり?」
咲「んん…そうなのかな?」
咲「うん…」
咲(あの日彼女と別れてから私の心は熱を失っていたのかもしれない。)
照「ま、ゆっくり考えればいい。まだ若いんだから」
咲「そうだね。そうするよ」
照「うん。ごめんね引き留めて、おやすみ」
咲「大丈夫、おやすみなさい」
ーーーーー
ーーー
ー
咲「ん…」
夢を見た
咲「ふぁ…」
夢の中の私は高校生で、初夏の訪れを感じさせる陽気を浴びて街路樹は白い花を咲かせていた。
その木の根元で私は本を読んでいて、白い花びらが本の上に落ちて。
その時私の後ろに人の気配を感じて、ふと振り返ったところで目が覚めた。
咲「夢…?」
それはとても懐かしい夢だった。
咲「そっか…夢か…」
咲「学校…行ってみようかな…」
私は家に置いてあった小説を一冊カバンに入れて、学校へと向かった。
道端のポストだったり、駄菓子屋さんだったり、昔から何もかもが変わっていなくて、安心感を覚えた。
学校に着くと、私は迷わずあの夢の場所へ向かった。
私が初めて彼女に出会った場所。
あの日と同じように街路樹は白い花を咲かせていた。
咲「うわぁ…懐かしいなぁ…」
その木の根元に腰をおろして、私はカバンから、持ってきた小説を取り出した。
何度も繰り返し読んだ本で、内容もよく覚えているけれど、そんなことは気にならなかった。
咲「…」パラ
咲「…」パラ
その時、白い花びらが本の上にふわりと落ちて来た。
人の気配を、感じた
振り向いて一人の美しい女性と目があうと、その女性は驚いたように目を見開いた。
女性「あ、あの…あなたは…」
咲「も、もしかして…和ちゃん…?」
和「さ、咲さん…」
みるみるうちに和ちゃんの目には涙が溜まっていく。私も泣いていた、と思う。
咲「和ちゃん!」
和「咲さん!」
私たちは強く抱き締めあった。私たちの間にある長い空白を埋めるように互いを求めた。
和「なぜ…ここに?」
咲「お仕事が休みで…なんとなく…」
和「私、この高校で先生をしてるんです。麻雀部の顧問なんですよ」
咲「そう、なんだ…」
和「約束、果たせましたね」
咲「約束…」
和『いつかまた、この木の下で会いましょう』
咲「うんっ!」
和「またここから始めましょう」
咲「うん…」
彼女と抱き合っていると私の中のもやもやした気持ちがどんどん晴れて行って、彼女への愛しさだけが残った。
白い花びらが、二人の再開を祝福するように、いつまでも降り続けていた。
fin
あるかもしれないこんなエンディング
読んでくれた人と支援保守くれたひとありがと
和咲増えろ
またかいてね!
Entry ⇒ 2012.07.21 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
久「遊びのつもりだったけど孕んじゃったなら話は別よ?」
久「要するにデキちゃったわけなんだけど、どうする?」
咲「……えっ、と……堕ろすか産むかですか?」
久「じゃなくて」
久「籍を入れるのはいつにするか、よ」
咲「」
久「?」
咲「いやいやいやいやいやいやいやいや」
咲「ちょっと待ってください」
久「咲?」
咲「…………えっ?」
咲「部長、デキちゃったんですか?」
久「…………」
咲「や、止めてくださいそんな目で見るの……」
咲「だって、いきなり結婚なんて……私たちまだ高校生なのに」
久「籍を入れるのはいつでもいいわよ? とりあえずは婚約の形で」
久「だから今日は話しに来たんじゃない」
咲「……えっと、うぅ……」
咲(やばっ、こいつマジだ……)
久「……そう、ね」
久「ごめんなさい。私も浮かれて話を急ぎすぎたかも」
咲(……よ、良かった)ホッ
久「明日、答えを聞かせて?」
咲「はやっ!」
咲「ぶ、部長。悪いですけど、私あなたとは結こ──んっ!?」ブチュー
久「──ん」チュー
咲「──」
咲「────っ」プハッ
久「……っん。咲」
咲「」ボー
久「明日、またゆっくり話しましょ?」ニコッ
咲「……は、はひ」トロン
久「」ゴロゴロ
久「」ゴロゴロ
久「……ふふっ」
久「咲、可愛い子……」クスクス
久「誰の子を孕んだかも分からないのに、私の言うことを信じて……ふふっ」ニヤニヤ
久「──……」ナデナデ
咲「うぅ、昨日はキスで誤魔化されちゃった……」トボトボ
咲「あの後ムラムラして考え事どころじゃなかったし、答えなんか出ないし……」
咲「いや、もう出てるんだけど……困ったなぁもう」イライラ
咲(──何で私がこんなことで……)ザワッ
咲「…………っ!」イライラ
咲「よし、今日は学校行かないっ!」ダッ
桃子「──ぅあっ、ふああああぁぁっ!!」ビクンビクンッ
咲「……んっ、ふぅ」ビクンッ
咲「良かったよ、モモちゃん」ニコッ
桃子「……はぁ、はぁ──うぅ」グスッ
咲「相変わらずえっちな身体だよね。それにまた感度良くなってない?」サワサワ
桃子「ふあぁっ!」ビクッ
桃子「はぁ、はぁ……や、約束……」
咲「?」
桃子「約束は、ちゃんと守ってるんすか……?」ハァハァ
咲「────ああ」
咲「うちの部長が加治木さんを狙ってるから、止めさせろってやつ?」
桃子「……っ!」ギリッ
咲「約束はちゃんと守るよ」ニコッ
桃子「っ!」ビクッ
桃子「……う、うぅ──」グスッ
咲「えへへ、まだ満足してないみたいだし、もう一回イッてみよっか」ガシッ
桃子「ひぅっ!」ビクッ
咲「やっぱり女遊びは楽しいなー」グイッ
────
咲「──あふぅ」ツヤツヤ
咲「ちょっとヤリ過ぎちゃったか。二人目とか流石にどうしようもなくなるし」
咲「しばらく他の子で遊ぶのは……ん?」
咲(……他の子と、遊ぶ……?)
咲「──ああぁっ!」ポンッ
ドンドン
久「来たわね」
咲「部長ぉっ!!」バターン
咲「騙しましたね!? よく考えたらその子が私の子って証拠なんかないじゃないですかっ!」
久「あら、気付いちゃったの? まぁでも、一番確率が高いのは貴女よ、咲」ニコッ
咲「!」カァ
咲「そ、そんなこと言っても誤魔化されませんっ!」
咲「その子がゆみさんとか愛宕さんとか滝見さんとか三尋木さんとかの子供の可能性がある以上、婚約なんか絶対しませんからねっ!」ビシッ
咲「──う、産むかどうかの判断は任せますけど、後のことは私知りません、よ……」フイ
咲「そもそも、部長が無節操に寝るから──」
久「それをあなたに言われたくないわねぇ?」ニヤニヤ
咲「……うえ?」
咲「」
久「私のもそりゃ褒められたもんじゃないけど、でも脅迫紛いのレイプで誰かと寝たことはないわよ?」
咲「──い、いや」ダラダラ
咲「それは、その……スタートがたまたまそうだったというだけで、二人とも相性良く今は満足してますし、デキてもないし──」
咲「も、問題ないでしょう?」ニコッ
咲「それより話をすり替えないで」
久「龍門渕さんも可哀想ね」
久「自分がセフレ兼財布だとも知らないで」
咲「」
咲「!」ビクッ
久「……どうなるかしらね?」ニヤニヤ
咲「────」
咲(……こ、殺される──)ガクガク
久(まだまだね、咲)
久(ここは「たとえバレてもどうにもならないくらい調教した」ってブラフかますところよ?)クスッ
咲(どうしようもないよ……結婚なんか嫌だけど、殺されるくらいならそっちの方が)
咲(それに部長なら浮気とか気にしないだろうし、場合によってはそっちの方が条件いいかも?)
咲「…………」
咲(私の子ならお姉ちゃんが世話してくれる)
咲(……あれ? むしろこれって──)
咲「アリ、なのかな……?」ボソッ
久「」ニヤッ
久(なら遠慮なく……?)
咲「う゛ーん」ナヤミチュウ
咲(──いやでも結婚……いや、部長の愛人も付録でついてくるならギリギリ……いやでも結婚──)グルグル
久(……踏みとどまったみたいね)
久(もう一押しだけど、もう私にはカードがないわ)
久(残念、ここまでだわ)ハァ
久「はいはい。咲、もういいわよ」
咲「ああ゛ぁー──あ?」
久「そこで止まったなら多分結論は一生出ないわ。私の負けよ」
咲「えっ、と……」
咲「じゃあ子供は」
久「っていうかそもそも私妊娠してないし」ケロッ
咲「はぁっ!?」
久「いい加減貴女を私のモノにしたくなってね。面白いシチュエーションだったでしょ?」
咲「なっ、ほっ──」ピクピク
咲「────はぁ」ヘナヘナ
咲(怒るべきところなのに、ホッとしてそれどころじゃないや)
咲(これも計算のうちなのかなぁ?)
久(計算通りだわ。これでセフレ関係は続けられる)ニコッ
久「しないしない。この手の遊びはやり過ぎると狼少年になっちゃうから」
久「だから次同じことがあったら、それは冗談じゃなくてマジだから」ニコッ
咲「……はぁ。もう、今日は疲れました」
久「送っていくわ。最近ご無沙汰だったし、たまにはゆっくりしましょう?」
咲「はいはい。いいですよ何でも。今日はお父さんもいないし」
久「やりぃ。それじゃ──」クルッ
久「今日の部活はここまで。戸締まりよろしくね!」キャピキャピ
まこ「」
優希「」
和「」ブクブク
京太郎「」ボッキン
完
乙
?
Entry ⇒ 2012.07.21 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
シズ「最近・・憧のセクハラがひどいんです」玄「え?」
玄「いきなりハードル高いよ!?」
穏乃「そのぐらいならまあ、よかったんですが」
灼「いいんだ……」
穏乃「その内、口にキスするようになってきて」
宥「2人は……、そういう関係なのかな?」
穏乃「ち、違いますよー!」
穏乃「で、口にキスぐらいなら、私もそう嫌じゃなかったんですけど……」
玄「ここから更にエスカレートするの!?」
穏乃「その……、だんだん、舌を入れてくるように……」
灼「ぶうううううっ!」
玄「わっ!? お茶かかった!」
灼「ごほっ、ごほ、ごほ! ご、ごめん玄、驚きすぎてむせた」
玄「うん……」
穏乃「ひと目がないからって、ことあるごとにキスしてきて」
灼「もう憧のことを前と同じには見れない」
穏乃「なんだかだんだん私も、口に舌を入れられるのが癖になってきちゃって……」
穏乃「どうしよー!?」
宥「と、当人同士が幸せなら、私はそれでもいいんじゃないかなって」
穏乃「それでも、口だけで済めばよかったんです」
玄「もう既に安全ラインを超えちゃってるのに、まだこれ以上があるの!?」
灼「具体的に時間を言われると、なんとなく生々しい……」
穏乃「そろそろ寝ようと私が言うと、憧は当然のように同じ布団に入ってきました」
宥「あ。それなら私と玄ちゃんもだよー。あったかぁいよね!」
玄「お、お姉ちゃん! 恥ずかしいから秘密って言ったのにー……」
宥「えへへ」
灼「それで、何があったの?」
穏乃「えっと……」
穏乃「……」
穏乃「や、やっぱりこの話は無しで!」
灼「ここまで言いかけてそれはあんまりじゃ」
玄「私も気になる気になるよ!」
穏乃「うー……。私が話したこと、憧には内緒にしてくれる?」
宥「もちろんだよ」
穏乃「それなら……」
穏乃「まず憧は、私のゆかたの帯に手をかけてきました」
灼「脱がせに……。まあ、そうなるか……」
宥「穏乃ちゃんは抵抗しなかったの?」
穏乃「もちろん嫌だったので、止めてと強く言いました!」
穏乃「そしたら……」
穏乃「憧、帯から手を離して、私の背中に手を回してきて」
穏乃「私をギュッと抱きしめながら、ごめんねシズ、ごめんねって、何度も謝ってきたんです」
穏乃「さすがに強く拒絶しすぎたかなーって、申し訳無くなってきました」
灼「よかった。さすがに見境なしってわけじゃないんだ」
玄「ふんふん」
穏乃「こっちもキツく言い過ぎたよって、憧に謝ったんです」
玄「おおー。仲直りだね!」
穏乃「すると憧は、私の耳元に口を当ててきて、そのままそっと囁くような声で……」
穏乃「好きだよ、シズ。好き。大好き……、って!」
穏乃「ああもーっ!」
穏乃「あんなこと言われたら、ドキドキして抵抗できなくなっちゃうってば!」
灼「ねえもうこれ、ただの惚気じゃない?」
宥「私がのんびり眠ってる間に、すぐ傍でこんなことが起きてたんだぁ……」
穏乃「えっと……、それで……」
穏乃「あー……」
穏乃「……」
穏乃「突然だけど、憧って……、かっ、可愛くないですか!?」
玄「うん。モテモテ女の子ーって感じだよね!」
灼「まあ……。雑誌とかに載ってそうなタイプ」
宥「お化粧をしなくても目がぱっちりしてるよね」
穏乃「ですよねですよね!」
穏乃「憧に好きって言われたことで、そういう憧可愛いよーって気持ちが爆発しちゃって!」
穏乃「つ、ついその……、私から憧の口に、キスしちゃって」
玄「ほほー!」
宥「わぁー……」
灼「いいなあ……」
宥「おかしく? どんな風になったのかな?」
穏乃「えーと。突然、黙りこくったかと思ったら……」
穏乃「しばらくしてから涙声で、シズからしてくれて嬉しい……、って」
玄「憧ちゃん可愛いですなー」
灼「だからもうセクハラでもなんでもない……」
穏乃「それからしばらくは、憧と色々な思い出話をしました」
穏乃「ちっちゃい頃、山をかけずりまわったこととか」
穏乃「秘密基地づくりで上級生と縄張り争いをしたこと」
穏乃「夏の川遊び」
穏乃「自由工作での合作が金賞をとったこと」
穏乃「理科の宿題だった星座観察を一緒にしたこと」
玄「2人とも仲良しだったもんねー」
灼「一方私は、孤独に受け付けの手伝いをしていた」
穏乃「憧が声のトーンを変えて、こう呟きました」
穏乃「もっとずっとシズと一緒にいたい」
玄「ここっ、告白だよそれ! 告白告白! 一大事!」
玄「むしろプロポーズ!」
玄「新婚旅行のご予約は松実館で!」
宥「玄ちゃん。落ち着いて……」
玄「はわわわわわ!!」
灼「それで……、続きは?」
穏乃「はっ、はい! えっと、どこまで話しましたっけ」
灼「憧が穏乃に、もっと一緒にいたいって言ったところ」
穏乃「そうだったそうだった!」
穏乃「ずっと一緒だよ、って返しました」
玄「ひゅーひゅー!」
穏乃「だけど憧は悲しそうに、無理だよ……、と」
玄「なんと!」
穏乃「憧は話をこう続けました」
穏乃「シズのこと、小学生の頃には既に好きだった」
穏乃「だけど、違う中学に入っても、シズと1番の仲良しを続けられる自信があったから……」
穏乃「だからこそ、中学選びでは麻雀を優先して、別の中学を選んだ」
玄「ふむふむ」
穏乃「だけど実際には、思いは忙しい日常の中に埋没していって、いつしかシズと疎遠になっていた」
穏乃「一度疎遠になると、ますます連絡取るのに勇気が必要になって」
穏乃「シズのこと好きなままでいたいのに、思い出す機会が減っていって」
穏乃「3年経つ頃には、シズは思い出になっていた、と」
灼「なんか……。少し、分からなくもない」
穏乃「今はまた元の仲良しになれたけれど、いつまた2人が離れてしまうかは分からない」
穏乃「あたし達は同性だから、同じ家庭に入ることもできない」
穏乃「いつか必ず距離が離れる時はくる」
穏乃「そうなる前に、シズの傍でシズのことを好きでいられる内に、少しでも大好きを表現したい」
穏乃「2度目の恋こそは精一杯の気持ちを伝えたいから……、と」
宥「憧ちゃん、本当に穏乃ちゃんのことが好きなんだねー」
灼「数年以上先の関係まで考えてるみたいだからね……」
穏乃「バーカバーカ!」
玄「え?」
穏乃「あ。違うんです! 玄さんに言ったんじゃなくて!」
穏乃「これ、憧にした返事です!」
玄「あっ、ああー! びっくりした!」
灼「とはいえあながち間違っても……」
玄「へ?」
灼「……なんでも」
宥「それはそうなるかも……」
穏乃「このままだとただ馬鹿にしただけになるので、私は憧にこう続けました」
穏乃「いつか必ず離れなくちゃならないんて、そんなの、お前の勝手な思い込みだ」
穏乃「2人が一緒にいたいと強く思えば、絶対一緒にいつづけられる……、って」
玄「そしたら憧ちゃんはどう言ったの?」
穏乃「えーと、確か……」
穏乃「きっと将来、色々大変だよ」
穏乃「周りの目だって厳しいはずだよ」
穏乃「シズ、後悔するかもよ」
穏乃「それでもいいの……?、だったかな」
玄「ふぅーむ。悩みどころですな」
穏乃「だから私、こう即答しました」
玄「おっとこれは失礼をば!」
穏乃「それがですねー」
穏乃「今考えれば、色々もっと上手い言い方もあったと思うんだけど……」
穏乃「私は難しい理屈をこねるのは苦手なんで……」
穏乃「ほらその……、あー、なんか恥ずいなー」
灼「今更照れることないって」
穏乃「そ、そうですよね!」
穏乃「んじゃ……、こほん!」
穏乃「愛してるよ、憧……、って言いました」
宥「わぁー……」
玄「なんだか私までドキドキしちゃったよー!」
穏乃「馬鹿、馬鹿、馬鹿! ……って、さっきの仕返しかよってぐらいに言ってから」
穏乃「あたしもシズのこと愛してる、と」
玄「どひゃー!」
穏乃「で、あんまり憧が可愛いので、ついつい頭を撫でたんです」
穏乃「そうしたら、大人しく撫でられるがままになってるので、ますます可愛くなってきて!」
穏乃「つ、つつ、つい……、憧のパジャマのボタンに、手が伸びてしまって……」
灼「セクハラ被害の話を聞いていると思っていたのにいつの間にか逆転していた」
穏乃「せっ、セクハラななんじゃないですよ!」
穏乃「だって憧は憧で……」
穏乃「いいよ。シズになら何されても、とか、言ってくるんですよ!」
灼「……ひょっとして真にセクハラを受けているのは、現在進行形で私達なのかも」
玄「おもちならウチのお姉ちゃんにおまかせだよー」
宥「くっ、玄ちゃん!」
灼「……ちっ」
穏乃「それで……」
憧「たっだいまー!じゃんけん敗者が買い出しから帰還したよー!」
憧「あーもう、外は暑かった。ここは涼しくていいねー」
玄「あ。憧ちゃん! 今ね、ちょうど憧ちゃんの話を」
憧「へ? あたしの話?」
穏乃「わああああああ! なんでもない!!」
灼「憧が何を買ってくるんだろうって、みんなで話してただけ」
憧「あ。そういうこと」
玄「え、違うよ? 憧ちゃんと穏乃ちゃんの」
宥「玄ちゃん。めっ」
玄「あれー?」
憧「だと思った」
憧「はいこれ、カップ麺だけど我慢してよ」
穏乃「おおー! さっすが憧!」
憧「あと、一応アンパンと、シズのすきなお菓子と、ジュースも」
穏乃「サンキュ憧! さっそくカップ麺食ーべよっと!」
穏乃「って、あら? お湯が出ない」
灼「そういえば昨日、ハルちゃんがお茶をたくさん飲んでたから、それで切れたのかも」
憧「んじゃ、あたし達の部屋のポットを使ってきなさいな」
穏乃「はーい。いってきまーす」
憧「……って、あれ? どうしたの皆、あたしの顔に何かついてる?」
玄「目と鼻と口がついてるよー」
宥「なっ、何もついてないよ」
憧「そう? その割には、3人ともあたしの顔を妙に見てるような」
憧「あ。まさか日焼け止め塗り忘れたから、顔の肌が赤くなってるとか!?」
灼「……本当に気のせいだよ」
憧「んー。そうかなあ」
玄「ところで憧ちゃん! 穏乃ちゃんにパジャマを脱がされてからはどうなったの?」
憧「え?」
憧「……え?」
灼「あちゃー……」
宥「玄ちゃぁん……」
玄「ぜひお聞きたいしたいです!」
憧「そういえばさっき玄が、あたしの話をしていたとかなんとか口走って……」
憧「……」
憧「……」
憧「うううぅ……」
灼(ちょっと!? 赤くなって俯いちゃうとか、憧ってそんなキャラだっけ!?)
憧「シズの馬鹿ぁ……」
宥「あ、あのね憧ちゃん。穏乃ちゃんも悪気があってのことでは……」
憧「そんなこと、宥姉に言われなくても分かってる……」
憧「でも……、でも……」
玄「穏乃ちゃんね! 憧ちゃんのこと何度も可愛いって褒めてたよ!」
憧「え……?」
憧「ほ、本当?」
玄「うん!」
憧「……シズったら、もう」
灼(よかった。なんとか持ち直した)
穏乃「たっだいまー!」
玄「おおー! 早いね!」
穏乃「お湯を入れてきただけで食べるのはこの部屋だからねー」
灼(げ。私とハルちゃんの部屋にラーメン臭がつく)
穏乃「ん? あれ?」
穏乃「憧、なんか様子が変だ」
憧「誰のせいだと思って……、馬鹿シズ」
穏乃「いきなり馬鹿って言われてもなんのことだか」
憧「……なんで昨夜のこと話しちゃうの?」
穏乃「げっ! バレてる!? やっぱ玄さん!?」
玄「え? あれ、言っちゃ駄目なことだったの……?」
宥「玄ちゃん……」
玄「ご、ごめんね穏乃ちゃん!」
憧「怒ってるに決まってる」
穏乃「や、やっぱりー……」
憧「だから罰として、その……、ごにょごにょごにょ」
穏乃「あ、うん! これからも一緒に寝るぐらいお安いご用だよ!」
憧「ちょっ!? せっかく小声で言ったのに! シズの馬鹿ー!」
灼「なんだかんだで……」
宥「ラブラブだね……」
玄「雨降って地固まるですな!」
その晩、憧と穏乃の部屋の室温は、他室より3度高かったという
おわり
おつかれさま
とてもすばらなものでしたよ
おつ
微笑ましい
乙乙
Entry ⇒ 2012.07.20 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
咲(やだ……痴漢……?)
咲(なっ何いったい……?)
サワサワ……
咲(やだ……痴漢……?)
サワサワ……
咲(そこは……ダメ………)
咲(ん……ハッ……)
なかなか。
評価する
咲(だっダメだよそんなところ……)
咲(おしっこ出るところだよ……)
咲(あ……パンツずらされちゃうよ……)
サワサワ……
咲(ん……た……助けて……)
咲「おっお姉ちゃん……」ジワ……
咲(あ……手が離れた……?)
照「何かあったのか?」
咲「う……ううん……何でも……」
咲(何もなくなったなら大事にしないほうがいいよね……)
和「咲さん……どうかしたんですか?」
咲「ん……和ちゃんも、何でもないよ。ごめんね」
和「そうですか……」
サワサワ……
咲(ま・・・・・・また?)
咲「うん、ごめんねお姉ちゃん……」
咲(うぅ……どうしよう)
咲(やだ……またパンツずらされちゃう)
クチュ…クチュ……
咲(どうしよう……音が漏れちゃうよ……)
和「おねえさん、そんな言い方ないと思います!」
咲「わ……和ちゃんいいんだよ。私が悪いんだから……ん……」
サワサワ……
咲(ん……もうダメだよ……声が漏れちゃうよ……)
和「部外者じゃありません! 私と咲さんは……その……親友です!」
クチュ……
咲(そこ……おしっこの出る穴だよ……そんなところいじられると……おしっこ漏らしちゃう……)
照「例え咲とおまえが親友でも、家族の事に口出しをするのはやめてもらおうか」
クチュクチュ……
咲(そ……そんなところまで指を入れちゃうの……!?)
咲「ん……あ、何でもない、何でもないよ……ん……」
和「咲さん? 具合でもわるいのでしょうか?」
咲「本当に大丈夫だから……」
咲(あ、そんなにこすらないで……どうしよう……)
サスサス……
咲(え……ふともも!? この人、両手で触ってきてるの!?)
咲(私……両手で大切なところさわられちゃうの・・・・・・!?)
コツ……
照「!?」
和「!?」
咲「ん……はっ……あ……あれ? お姉ちゃん、和ちゃん…急に怖い顔してどうしたの?」
咲(手が引っ込んだ?)
照「なんでもない、咲。どうやら調子が悪いようだな。混んで来たし、こっちに来い」
咲「あっ……」
咲(お姉ちゃんが守るように手を回してくれる……これならもう安全かも……)
咲「わっ」
咲(和ちゃんが後ろから抱きかかえるように……)
咲(和ちゃん……相変わらずおっぱい大きいなぁ……)
咲(前にお姉ちゃん後ろに和ちゃんがいてくれるなら、もう痴漢にあわないかな……)
和「親友が困っているんです。当たり前です」
照「妹が困っているんだ。姉なら当然だろう」
咲「うん。でもありがとう」
咲(やっぱりお姉ちゃんと和ちゃんは頼りになるなぁ……)
サワサワ……
咲(!!!)
咲(だってお姉ちゃんと和ちゃんが密着して守ってくれてるし……)
咲(手が入る隙間なんて……ん……)
照「どうした? 咲?」
咲「ん……なんでもない……」
クチュクチュ……
咲(そんな……さっきよりずっと激しい……よっ……はぁはぁ……)
咲「大丈夫だよ……本当に……大丈夫……だから……んはぁ……」
和「そうですか……」
サワサワ……
咲(あ、また両手……?)
咲(もう……もう我慢できないよ……)
照「咲……顔が赤いぞ、熱でもあるんじゃないか?」
咲「だ……大丈夫……だから……」ハァハァ……
照「ちょっと熱を測ってやる。上を向け」
和「おねえさん、いったいなにを!?」
咲(あ、お姉ちゃんがおでこをくっつけて……)
キュッ……
咲(いくっ…………!!)
咲「あっ…………!!」
照「……火照ってはいるが、熱は無いようだな」
咲「…………あ……う……うん」
照「もう着いたのか、意外と早かったな。咲、降りるぞ」
咲「はぁい……」ボー
和「足元気をつけてくださいね。手につかまってください」
照「ふらふらすると危ないぞ。手につかまれ」
咲「うん……ありがとう……あれ?」
咲「お姉ちゃん、和ちゃん……なんで手が濡れてるの?」
Fin...
もっと書いてもいいのよ
次、覚えている人がいるかどうかもわからん完結してない咲SSの続きでも書いてみるか
Entry ⇒ 2012.07.20 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (4) | Trackbacks (0)
淡「チーム内の雰囲気がピリピリしているのをなんとかしよう!」
淡「他の人達とコミュニケーションをとろうって感じじゃないし」
淡「渋谷先輩はお茶飲んでるだけだし亦野先輩もソファーでくつろいでるし」
淡「こんなことじゃチームとして成り立たない!」
淡「さて、この1軍専用部屋でどうせ4人無言でいるんでしょうけど私は負けませんよ」
ギィ
菫「……」
尭深「……」ズズー
誠子「……」
淡(予想通りの無言……というか戻ってきたチームメイトの後輩に一瞥すらしない……)
淡「よ、よーし今日も楽しく麻雀の練習がんばろー!」
照「……」ペラ
菫「……」
尭深「……」ズズー
誠子「……」
淡(おかしいな、麻雀部の1軍部屋だよねここ……)
照「……」ペラ
菫「……」
尭深「……」ズズー
誠子「……」
淡「あ、じゃあドンジャラとかしちゃいます?子供の頃やりませんでしたドンジャラ?」
淡「ってドンジャラなんておいてないですよねー」
照「……」ペラ
菫「……」
尭深「……」ズズー
誠子「……」
淡(早くもめげそう……)
淡「あ、あーえっと……麻雀は気分じゃないみたいですしここはガールズトークでもしませんか?」
淡「この前駅前の~」
照「……」ペラ
菫「……」
尭深「……」ズズー
誠子「……」
淡「で、すごく美味しくて~」
淡(先輩たち……目すら合わせようとしてない……めげたい投げたいつらいつらい)
照「……」ペラ
菫「……」
尭深「……」ズズー
誠子「……」
淡「トランプっていえばいろんなルールがありますけどやっぱり大富豪が一番人気なんですかね?」
照「……」ペラ
菫「……」
尭深「……」ズズー
誠子「……」
淡(転校したくなってきた……)
淡(となると宮永先輩にとりいってその気にさせれば……)
淡「宮永先輩、麻雀しましょうよ麻雀」
照「本読んでるから」ペラ
淡(麻雀部としてあるまじき発言……)
淡「まぁまぁそう言わずに後輩の私を鍛えるためってことでここはひとつ」
照「それなら菫と渋谷、亦野とやればいい……」ペラ
淡(インハイチャンプと思えない発言を……)
淡(こういう時は相手の趣味の話を聞いて、仲良くなってから……)
淡(なんで同じチームなのに仲良くなってからなんて考えないといけないんだろう……)
淡「宮永先輩、そんなに続きが気になるっていうその本はなんですか?」
照「小説……」ペラ
淡(くぅ……せめて恋愛とかホラーとかSFとかジャンルもつけて言って欲しい……)
淡「それとも実はロマンチックな恋愛に憧れての恋愛小説ですか?」
淡(なんとしても話を広げてみせる……)
照「麻雀小説」
淡「あー麻雀小説ですか」
淡(え?麻雀小説って何!?)
淡(そんな小説があったんだ……)
淡「え、えっとやっぱり宮永先輩って麻雀大好きなんですね」
照「麻雀が嫌いなのに麻雀部にいる奴なんているわけがないだろう」ペラ
淡「あ、はい……」
淡(じゃあなんで誰も麻雀しようとしてないの!?)
淡「私も麻雀好きですし読んでみたいので」
照「あぁ……」ペラ
淡「あ、オススメとか教えてもらえれば買って読もうかなって思うんですけど」
淡「オススメとかってあります?」
照「全部オススメ……」ペラ
淡(全部読んでるんだ……)
菫「……」
尭深「……」ズズー
誠子「……」
淡(みなさん無言……)
照「……」ペラ
淡(私が話しかけないと宮永先輩も無言に……)
淡(本当にめげそう……)
淡(宮永先輩と渋谷先輩はあんまりしゃべるイメージがないし……)
淡(弘世先輩は冷静だけどなにか言えばちゃんとしゃべってくれそう……)
淡(あと亦野先輩もおしゃべりしたら普通に話せそうな気がする……)
淡(おかしいな、気がするってもう数ヶ月一緒のチームなのに何もわからない……)
照「……」ペラ
菫「……」
尭深「……」コポコポ
誠子「……」
これって『ごきげんよう』みたいな席替えシステムを採用してるの?
照がアガる度にデカいサイコロ振ってるんだよ
なにこれこわい
淡「よーし麻雀する人手をあげて!」
照「……」ペラ
菫「……」
尭深「……」ズズー
誠子「……」
淡(どうしたらいいんだろう……)
淡「弘世先輩、お話しましょうよ」
菫「淡、もっと白糸台の生徒として落ち着きを持った方がいいぞ」
淡「え、あ、はい……ってそうじゃなくてお話しましょうよ」
淡(まさかいきなり駄目だしされるなんて思わなかった……)
淡(でもやっぱり話しかければ話はしてくれるみたい、こっちの目を見てるしなんかほっとしたかも)
菫「淡、お前は大将だ、今まで大将だった照の代わりとならないといけない」
菫「今後も白糸台が勝ち続けるためにもお前の力が~」
淡(語り出したら弘世先輩の話って長!?)
淡(弘世先輩って実はおしゃべりなんじゃ……)
菫「聞いているのか淡」
淡「あ、はい!」
菫「そうか、やはり永水や臨海だけじゃなく、ほかの学校にも~」
淡(そしてやっぱり長!?)
淡(長かった……)
淡「いやーやっぱり弘世先輩は頼りになるなぁ」
菫「そうか、まぁそれでお前が勝ってくれるならそれでいい」
淡(って会話終わっちゃった!?)
淡「亦野先輩」
誠子「……」
淡「あれ?先輩?」
誠子「……」
淡「……寝てる」
誠子「すぅ……すぅ……」
淡(座ったまま寝てるってどういうこと!?別にソファーまるごと空いてるし横になれば……)
淡(って寝てるんじゃしょうがない、次は渋谷先輩に話しかけてみよう)
尭深「……」ズズー
淡「あ、そういえばいつも渋谷先輩ってお茶飲んでますよね?」
淡「なんか和の心って感じでいいですよねー」
尭深「……///」
淡(あ、喋らないけど照れてるってわかりやすい……)
淡「それにちょっと猫舌なんであんまり熱いお茶は飲めませんし」
尭深「……///」
淡(照れたりするのはわかりやすいけど会話してくれないから広がらない……)
淡(うん、だって皆いつも無言だし)
淡(とにかく全員(寝ている人を除く)と話をすること自体はできたってことは一応仲良くなることは可能なはず)
淡(何かいい方法があれば……)
照「……」ペラ
菫「……」
尭深「……」ズズー
誠子「すぅ……すぅ……」
淡(相変わらずの無言……)
淡(こういう時はネットに相談してみよう!)
淡(>>105さんはきっといい案をくれるはず)
淡(ふんふむ……こういう時にネット友達が役に立つなんて思わなかった)
淡(たしかにいきなり抱きつかれたら反応せざるをえないよね)
淡「宮永先輩」ギュゥ
照「淡、苦しい……」
淡「あっとすみません」
照「突然何?」
淡「いや、先輩とスキンシップをと思いまして」
淡「さっき麻雀小説とかいってたのに」
照「ち、違う、これは小説中で麻雀をしている」
淡「先輩も可愛いところあるんですねー」
照「っ///」
淡「あ、でも私も恋愛小説好きですよ?やっぱり憧れちゃいますよね」
照「う、うるさい」プイ
淡(そっぽを向かれてしまったけどやりすぎちゃったかな……)
淡「先輩のオススメと交換してみませんか?」
淡「先輩のオススメとか興味ありますし、どうでしょうか?」
照「……考えとく」
淡(でも宮永先輩に少しだけ親近感がわいて話しやすくなった気がする)
淡(それにしても誰かと話している間、他の人が会話に参加したりもしないこの沈黙した空気自体をなんとかしないと)
淡(>>125さんならきっといい案を)
淡(い、いやいやさすがにそんな服を脱ぐなんて……)
淡(でも現状の私が話しかけた相手以外誰も反応しないこの沈黙した空気を吹き飛ばすには)
淡(全員が同時に驚くような事をするのは確かに手っ取り早そう……)
のどっち『確かに意中の方をドキドキさせる吊り橋効果はねらえそうですね』
淡(あ、賛成意見もでてる……うーん)
淡(靴下も服……だよね、靴下を脱いでみよう)
淡「……」ヌギヌギ
淡(もう片方の靴下も……)ヌギヌギ
淡(脱いでみたけど靴下じゃ空気が変わると思えない……うぅ……)
菫「おい、淡」
淡(今日初めて話しかけられた!?)
菫「脱いだ靴下はちゃんとたたんでおけ、まったく、こんなことじゃ大将戦が不安になりそうだ」
淡(なんだかお母さんみたいに小言言いながら私の靴下を弘世先輩がたたみ始めた!?)
淡(そしてやっぱりしゃべり始めたら長い!?)
淡「え、えーと空調の温度を下げてもらうと寝てる亦野先輩が風邪をひくかもしれませんし」
菫「なんだ、亦野はまた座ったまま寝ているのか」
菫「まったく、この大切な時期に変な寝かたをして体がおかしくなったらどうするんだ」ゴソゴソ
淡(毛布常備してあったの!?)
淡(というか体調管理以前に練習はしてなくていいんですか!?)
淡(案外楽しそうな性格の人が集まってるのかも……)
淡(この調子でどんどん1軍メンバーの空気を明るい感じにもっていければ)
―――――――――
淡「宮永先輩大量リードですね!お疲れ様です」
照「飛ばすつもりだったんだがな」
菫「気にするな照、後は私達がなんとかするさ」
尭深「負けない……」
誠子「実力ってものを相手に見せてあげますか」
照「あぁ、頼りにしている」
―――――――
淡(みたいな信頼しあっているような仲良しチームに!)
淡(よーし、どんどん聞いてみよう)
淡(もっと部内の空気を明るくできるように>>157さん案をください)
かじゅ『私の後輩の話になるがその後輩は影が薄くて誰にも気がついてもらえないと困っていたんだが』
かじゅ『それでも突然ダンスをすれば影が薄くても気がついてもらえたと言っていた』
淡(い、いやいやダンスを突然って結構恥ずかしいんですけど)
淡(だいたい踊るっていっても一人は読書に夢中、一人はお茶、一人は睡眠ですって)
淡(で、でもやってみたら案外なにかいい効果があったりして……)
淡(でもむしろ変なやつって思われるのはいやだし……)
淡(そもそもダンスなんて知らないし……)
淡(うーん……)
淡(す、すこしだけ踊ってすぐやめてみよう)
淡「……」フリフリ
照「……」ジィー
菫「……」ジィー
尭深「……」ジィー
淡(な、なんだかすごく見られてる!?)フリフリ
淡(せ、せめてなんで踊ってるのとか突っ込んでくださいよ先輩方!)フリフリ
照「……」ジィー
菫「……」ジィー
尭深「……」ジィー
淡「……」
照「……」ペラ
菫「……」
尭深「……」ズズー
淡(ダンスをやめた途端に興味を失うかのように……そんなに変なダンスだったのかな……)
淡(恥ずかしい……)
淡(ここにいる5人は皆麻雀が好きなはずなんだ、同じ物が好きなんだから絶対仲良くなれるはず)
淡(インハイ3連覇って重荷に潰されそうになってるだけでもっと仲良く楽しく出来るはず)
淡(そしてそれはインハイの重圧を知らない私だからこそできることのはず!)
淡(>>185さんお願いします)
これは…
淡(な、ななな///)
淡(そ、そんなのできるわけ!)
淡(で、でも先輩方ってもしかして普通の麻雀に飽きてきているんじゃ……)
淡(だとすれば脱衣麻雀なんかでも普段と違う刺激がって麻雀してくれるかも……)
照「……」ペラ
菫「……」
尭深「……」ズズー
誠子「すぅ……すぅ……」
淡「こういう日は脱衣麻雀にかぎりますね!というわけで脱衣麻雀しましょう!」
照「……///」ペラ
尭深「……///」
淡(さすがに誰ものってこない……)
淡「え?あ、はい」
菫「いいか?年頃の女の子が~」
淡(お母さんみたいなお説教が始まってしまうなんて……)
淡(いやまぁノリノリでしようって言われたほうが困るんですけど)
淡(でももう練習よりもとにかく普通に全員が仲良く慣れるようにすることを考えよう!)
淡(脱衣麻雀しようって行った時に宮永先輩と渋谷先輩は照れていた、そしてお母さんは叱ってきた)
淡(つまり亦野先輩(睡眠)以外は話を聞いているということ……)
淡(最初の状態よりかなりマシ……がんばろう!)
淡(>>220さんお願いします)
菫ちゃんの胸を揉む
みはるん『包容力のある胸なんてうらy……じゃなくて揉んでやればいいんです』
みはるん『そうすれば無視なんて出来ませんし反応しますよ胸が大きい人なんて』
淡(なんだか胸が大きい人にコンプレックスがありそうな人だなぁ……)
淡(胸を揉むって言っても……ある人なんて弘世先輩と渋谷先輩だけ……)
淡(渋谷先輩は熱いお茶を持ってるから危ないし……ってことは弘世先輩?)
淡(うーん、でも確かに反応は得られるだろうし会話になるかもしれないけど……)
淡(でも弘世先輩だとお説教されそうだし……)
淡(最初は少しウロウロして……落ち着かない感じをだして……)ウロウロ
淡(きを見て弘世先輩の胸を揉む……)
淡(お説教されそうでやっぱやだなぁ……)
菫「な!なな!?」
淡「あ、あははは弘世先輩すみません」
菫「もうお嫁にいけない……」
淡「ぅえ!?」
あわあわあーあ
もっとやれ
菫「うぅ……」
淡「えーと」チラッ
照「……」プイ
淡「……」チラッ
尭深「……」プイ
淡(助けはなしですか……)
菫「え?」
淡「それに私も故意に揉んでしまったわけではありませんし」
淡「いやもうそりゃあ弘世先輩が許せないっていうならどうしようもないんですけど」
淡「先輩がお嫁にいけないなんてこと絶対ありませんよ!」
菫「ほ、本当に?」
淡「はい、この中で一番お母さんに近いですし!」
菫「そ、そうか、すまない取り乱してしまったな」
淡「ほっ……」
最後フォローになってねぇw
菫「あぁそうだ、淡」
淡「?」
菫「いいか、転んでしまった時にとっさに何かを掴んでしまうのは~」
淡(やっぱり怒ってたー)
淡(もう部活が終わる時間……って宮永先輩は恋愛小説読んでるだけだし)
淡(弘世先輩ものんびりしてるし渋谷先輩はお茶、亦野先輩はずっと寝てた!)
淡(インハイ2連覇の麻雀部と思えないよこれ……)
淡(ここでなんとか皆さんのヤル気を引き出す方法を>>255)
淡(なんだかこののどっちって人勘違いしてる気がするけどさっきはいい方向に転がったんだよね)
淡「ってファーストキスをそんな簡単にできるわけないじゃん!」
照「な、なんだ突然叫んで……」
菫「そうだぞ淡……」
尭深「驚いた……」
誠子「ふぁ、え?何事?」
淡「あ、いやえっとですね」
淡(あれ?今全員と同時にしゃべってる!?)
淡「ちょっと考えていたりしてですね」
淡(あーもうなるようになっちゃえ)
照「なんだそんな事を考えていたのか」
淡「え?」
照「なるほど、それで今日は妙な行動がおおかったわけだ」クスッ
淡(み、宮永先輩が笑った!?)
淡「あ、いえ、えっと……やっぱりチームとしてはこう励まし合ったりとか」
照「生意気な後輩なのかと思っていたが可愛いところもあるじゃないか」
淡(生意気って思われてたんだ私)
照「なるほどな、それでずっと」クスクス
淡「わ、笑わないでくださいよ宮永せんp……あっ」コケッ
照「え?」
その先にいた弘世先輩の唇を奪い、そしてそれに驚いた弘世先輩が私をさらに突き飛ばし
その先にいた亦野先輩の唇を……
そして最後には渋谷先輩の……
それはもうまさに奇跡と言わざるをえないそんな偶然の繰り返し
ファーストキスどころか4回キスすることになった
というか4人ともファーストキスだったそうでその後仲良くどころか気まずい雰囲気になってしまった
どうしてこんなことになってしまったんでしょう……最初から素直にもっと仲良くしましょうっていえばよかったのでしょうか?
いえ、おしゃべりしましょうよとか、遊びましょうって仲良くしましょうって意味みたいなものだとおもうんだけどなぁ
そんな昨日の事を考えながら私は白糸台の1軍部室の扉を開ける
淡「えっと、おはようございます」
照「あ、あぁ淡か///」プイ
菫「お、おお、遅かったじゃないか///」プイ
尭深「///」プイ
誠子「ま、まぁ座ってくつろぎなよ///」プイ
淡(全員目をあわせてくれない……)
淡「どうしてこうなるのおおおおおおおおおお」
終われ
それにしても白糸台キャラの性格が楽しみだ
>>279
乙
白糸台たのしみや
Entry ⇒ 2012.07.20 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)