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「岡部倫太郎の消失」
「岡部、頑張って」
「……元気で」
その弱々しい岡部の声を聞いて、私は耐えきれずに泣き出しそうになってしまった。
それを必死に堪え、無理矢理に笑顔を作り岡部に見せたあと改札へと歩き出す。
岡部はその場から動かず、ただ見送るだけだった。
本当は、今すぐ駆け寄ってきて「行くな」と引き止めて欲しい。
抱きしめて「そばにいてくれ」と言って欲しい。
でもそれは許されないことだから。私たち二人が決めたこと。
まゆりを助けるために。岡部を救うために。
ありがとう、岡部。私は、もうあんたには会えない。
私は、消える。この世界線に、取り残される。
岡部との距離が少しずつ離れていく。そのとき、声が聞こえた。
「俺は……」
「牧瀬紅莉栖のことを。牧瀬紅莉栖の温もりを」
「絶対に、忘れない……!」
やっぱり岡部は馬鹿だ。そんなことを言われたら、泣きそうになるに決まってる。
いや、もう既に私は泣いていた。岡部に背を向けた時から、ずっと。
そこにとどめを刺したのは、私の大切な人の震える声だった。
気付かれてはいないだろうか、それだけが少し心配だった。
もう二度と、会うことはない。私と岡部の世界線は、交わることはない。
岡部に会えて、よかった。岡部がいてくれて、幸せな時間を過ごすことができた。
ありがとう、愛しい人。さよなら、愛しい人。
そのまま秋葉原駅の改札を通り、空港に向かう路線のホームへと進む。
ホームに着いた時、ちょうど電車が来たところだった。
それでも、私はその電車には乗らなかった。次の電車も、その次のも。
私はそのままホームの端に行き、一人俯いて立っていた。
他の誰にも泣き顔を見られないように、誰にも声を掛けられないように静かにそうしていた。
気付けば通勤客でホームはいっぱいになっていた。
それだけの時間をこの場で過ごしてしまっていた。
その時間で私は、とても単純な欲望についてずっと考えていた。
もう一度、岡部に会いたい。
駅員に忘れ物をしたと言い改札を抜け、目的地へと走り出した。
目指すのは思い出がたくさんある場所、大切な人がいる場所。
電話もせず、ただ私は走っていた。もし突然私が現れたら驚くかもしれない。
それと同時に、未練を強くさせてしまうかもしれない。
でも、そんなことはどうでもよかった。岡部に会いたい、それしか考えられなかったから。
体力のない自分がどうして夢中になって止まらずに走ることができたのか。
その答えは分からないが、今はこうしてラボの前にいる。
部屋の窓が少し開いている――誰かいる。こんな朝早くからいるのは、一人しかいない。
誰かに声を掛けられた気がしたが、気にせず階段を駆け上る。
そこには、岡部がいる。私の大切な人がいる。
私はドアを開けようとノブに手をかけた。そして思いっきり開けようとした。しかし、
「あれ……? 開かない……岡部! そこにいるんでしょ?」
その問いに反応はなかった。無視している? まさか、恥ずかしいとか思っているのだろうか。
「岡部、お願い。どうしても会いたくなった、だから……」
その言葉を遮るように、部屋の中から物凄い音が聞こえてきた。
この音、この揺れは、間違いない。
「電話レンジを誰かが使っている……? 岡部! なにをしてるの!?」
その言葉にも反応はなく、揺れは続く。
ぐにゃりと景色が歪んだ気がした。自分が揺れているような感覚、
視界に入るものが二重三重にも分散して、また色が失われて。
この感覚は、いったい――
紅莉栖(急にくらっとしたと思ったら視界が歪んで……そのまま)
紅莉栖(今はなんともない……なにが起きたのか分からない)
紅莉栖(とりあえず、もう一度ラボに……あれ?)
紅莉栖(ここは……ラボじゃない。今私がいるのは……)
紅莉栖(ベッドがある、それにこの部屋の雰囲気は……ホテルみたいね)
紅莉栖(……でも、私が泊まっていたホテルとは違う)
紅莉栖(いつの間に移動した? 意識を失っていたってこと?)
紅莉栖(そんなはずは……ともかく、現状を把握しないと)
紅莉栖(手帳を見る限りは、私は日本に講演、講義、それに視察で来た……らしい)
紅莉栖(それ自体はあまり変わりはない。でも、明らかに変わっている)
紅莉栖(……記憶障害? 私が? そんなことがある訳……ん?)
紅莉栖(電話……誰からだろう。とりあえず、今の状況では出た方がいいか……)
紅莉栖「もしもし、どちら様ですか?」
教授『牧瀬博士、私です。東京電機大学の教授の○○です』
紅莉栖「……ああ、七月の終わりに講義した時の」
紅莉栖(岡部を徹底的に論破してやった時のアレね……もうずいぶん前に感じるけど)
紅莉栖「そ、そうですか……わざわざありがとうございます」
教授『今後ともあなたのご活躍を願っております。また日本に来る機会があればご連絡くださいね』
紅莉栖「ええ、そうさせてもらいます。それでは、またいつか」
教授『はい、失礼いたします。お気をつけて』
紅莉栖(帰国することは岡部しか知らないはず……それなのに)
紅莉栖(……違和感、なにかがおかしい気がする。とりあえず今は)
紅莉栖(ラボにもう一度戻って……岡部に会おう)
紅莉栖(……もともとはそのつもりでラボに向かったんだから、今更迷う必要はないわよね)
紅莉栖(暑い……ホテルから距離があったから途中でタクシーで来ちゃったけど)
紅莉栖(……そんなこと言ったら、また岡部にセレセブとか馬鹿にされそうね)
紅莉栖(セレブじゃないって言ってんのに、つーかセブンティーンでもないっつーの)
紅莉栖(……もし、もう少しだけ早く知り合えてたら、岡部に誕生日祝ってもらえたのかな)
紅莉栖「って、そんなこと考えてる場合じゃない! 私は岡部に会いに来た……よし!」
紅莉栖(この階段を上れば、もう一度岡部に……)
「おう、どこに行こうとしてんだ、あんた」
紅莉栖「へっ!? こ、この声は……店長さん?」
紅莉栖「ど、どこって……ラボですけど」
天王寺「ラボぉ? んなもんウチの上にはねえよ。なにと勘違いしてんだ?」
紅莉栖「えっ……? なにを言ってるんですか。ラボですよ、正式には未来ガジェット研究所」
天王寺「それはコッチの台詞だ、その未来ナントカはこのビルにはねえんだ」
紅莉栖「冗談、ですよね? だって、上には岡部や橋田やまゆりが……」
天王寺「岡部? んー……悪いが、知り合いに岡部なんてヤツはいねえな」
紅莉栖「そんな……か、確認させてください! 上の部屋を見せてください!」
天王寺「別にいいけどよ……本当になんもねえぞ?」
紅莉栖「……お願いします。そんなはずは……ないんです」
天王寺「わかったわかった……今鍵を持ってきてやる、ちょっと待ってろ」
天王寺「じゃ、開けるぞ。……よっと」
紅莉栖(中に入れば、岡部や橋田やまゆりが……えっ?)
紅莉栖「なにも……ない」
天王寺「言ったじゃねえか、なんにもねえってよ」
紅莉栖「嘘……嘘よ! こんなことがあるはずない!」
天王寺「落ち着けって。ここは前から空き部屋だ、しばらくは誰も入ってねえんだ」
紅莉栖(机も、ソファーも、橋田の使ってたPCも)
紅莉栖(電話レンジも……タイムリープマシンも……なにも、ない)
紅莉栖(ラボが……消えた)
天王寺「お、おい、大丈夫か?」
紅莉栖「……店長さん、ここに岡部倫太郎という人物が来たことは」
天王寺「さっきも言ったが、岡部って知り合いはいねえんだ……。
もしかしたら、俺が忘れてるだけかもしれねえけど」
紅莉栖「そうですか……ありがとうございます、ご迷惑をおかけしました」
天王寺「俺はいいんだが……あんたの方は大丈夫か? 顔色悪くなってんぞ……」
紅莉栖「大丈夫です……失礼します」
天王寺「あ、ああ、なにかあったらまた来てくれ」
紅莉栖(どうして……どうしてラボは消えてしまったの!?)
紅莉栖(つい二時間前まで私はラボに入ろうとしていた……それなのに)
紅莉栖(ラボはない、店長さんは岡部のことを知らない……岡部にも会えない)
紅莉栖(……いや、一度落ち着かないと。冷静さを失ってしまってはなにもできない)
紅莉栖(急に世界が変わった、私の知らない内に……あれ?)
紅莉栖(この状況、似てる。……岡部の体験した、世界線の移動)
紅莉栖(急な変化に驚き、自分だけが異質な記憶を持つ……岡部はそれを)
紅莉栖「リーディング・シュタイナーと呼んでいた……それなら、今の状況は」
紅莉栖「……岡部だ。今は岡部に会わないとどうしようもない」
紅莉栖(この状況に関しても岡部はきっとなにか知っているはず。……出なさいよ、岡部)
紅莉栖(……! 繋がった!)
紅莉栖「もしもし! 岡部!? 実は」
『お客様のおかけになった電話番号は、現在使われておりません。お客様のおかけに――』
紅莉栖「……えっ? な、なにか間違えたのかしら……気が動転してるからね」
紅莉栖(もう一度、岡部の番号に……)
『お客様のおかけになった電話番号は、現在使われておりません。お客様のおかけに――』
紅莉栖(……見間違えでもない、押し間違えてもいない。それはつまり)
紅莉栖(岡部の電話番号が……違う番号になっている)
紅莉栖(岡部、岡部……あれ? アドレス帳に登録されてない……?)
紅莉栖「……他の人、まゆり……ない。橋田も……ない」
紅莉栖(……アドレス帳の中身も違う、メールボックスの中身も違う)
紅莉栖(覚えている番号は岡部のだけだし……携帯でコンタクトを取るのは、不可能)
紅莉栖(やっぱり、直接会いに行くしかない……でも、ラボは存在しない)
紅莉栖(岡部や他のラボメンにも会える場所、それがあれば……)
紅莉栖(……あっ、あった。あそこに行けば、誰かに会えるはず――)
紅莉栖(ここに自ら進んで行く日が来るとは思わなかったわ……)
紅莉栖(そんなこと考えてる場合じゃないわね。……ともかく中に)
「お帰りニャさいませ。お嬢様♪」
紅莉栖「フェ、フェイリスさん! よかった、やっとラボメンに会えた……」
フェイリス「ニャニャ? フェイリスに会っただけでそんなに喜んでくれるなんて嬉しいニャン♪」
紅莉栖「ええ、まさかあなたに会えてこんなにホッとするなんてね……」
フェイリス「お一人様ニャン? 初めてみたいだから色々説明した方がいいですかニャ?」
紅莉栖「……そう、私とあなたが会うのはこれが初めて」
フェイリス「ニャ!? まさか、悠久の刻を越え、再び導かれた……」
紅莉栖「席、適当に座るわね。どこか空いてる席は」
フェイリス「ニャー……もうちょっとノって欲しいニャン」
紅莉栖「すいません。ここ、座っていいですか?」
ダル「ぬおっ!? ぼ、僕との相席を希望するってことでよろしいか!?」
紅莉栖「ああ、先に言っておきますけど好意とかそういうのじゃないですから」
ダル「なんだお……てっきりフラグが立ったのかと思ったのに」
紅莉栖「……その感じからして、私のことは知りませんよね」
ダル「そりゃ僕なんかが素敵な女の人と知り合いになるスキルなんて……ん?」
紅莉栖(店長さんやフェイリスさんの感じから、ある程度は予想できたけど……)
紅莉栖(実際、橋田にまで知らないって言われるのは……ちょっとショックね)
紅莉栖「へっ? あ、あなた、私のことを知ってるの!?」
ダル「もちろんですとも。牧瀬氏の講義……僕もタイムマシンに対する考えを改めざるを得なかったので」
紅莉栖「ああ……そういうことですか。でもあの時は講義というよりはディスカッションの方が近かったですね」
ダル「いや、牧瀬氏が大体喋って時折質問に答えるとかそんな感じでしたけど」
紅莉栖「……? だって、あの時は岡部が私に突っかかって来て」
ダル「岡部? そんな学生いたっけ……」
紅莉栖「ちょ、ちょっと待って。岡部ですよ、岡部倫太郎。あなたの友人でしょう?」
ダル「んー、僕の友人にはそんな名前の人物は……」
紅莉栖「えっ……?」
ダル「岡部……岡部倫太郎……あっ、思い出したお」
紅莉栖「ほ、本当!? 教えて、岡部はどこにいるの!?」
ダル「いや、教えてと言われても……ただ高校の時にクラスが同じだってだけで」
紅莉栖「そこであなたたちは仲良くなって……」
ダル「仲良く? あるあ……ねーよ。いや、敬語ならないですよって言った方が?」
紅莉栖「敬語でもタメ語でも何でもいいから教えて!」
ダル「わ、分かったお。岡部倫太郎ってのは僕とは対照的な人物だった訳で」
紅莉栖「対照的な人物?」
ダル「僕が非リアにたいしてあっちは超リア充。ルックス良し、彼女アリ、
人気者って感じで……うわっ、思い出しただけでも鬱になりそうな件について」
紅莉栖「お、岡部がリア充!?」
紅莉栖「あ、有り得ん……あの岡部がリア充なんて……」
ダル「つーか牧瀬氏、リア充とかそういう言葉の意味が分かるとは……もしかして」
紅莉栖「ねらーじゃないから! って今はどうでもいいわ……じゃあ、岡部の連絡先とかは」
ダル「リア充の電話番号なんて持ってる訳ないお」
紅莉栖「でも、同じ大学で同じ学年なんじゃ……」
ダル「同じ大学? いや、あっちはたしか文系だったからそれはないと思われ」
紅莉栖「そんな……」
紅莉栖(……リア充で文系とか、私の知っている岡部とは全然違う)
紅莉栖(間違いない……世界は改変された。その結果、この世界の岡部が生まれてしまった)
紅莉栖「ええ……ありがとう、橋田さん」
ダル「あれ、僕いつの間にか名乗ってたんだ……全然覚えがない件について」
紅莉栖(橋田は繋がりなし……それなら、もっと深い繋がりを持つ人に)
フェイリス「ダルニャ~ン、ついに春が来たのかニャ?」
ダル「……僕は三次元とは決別した男、いつまでも変わらずフェイリスたん命!」
紅莉栖(……フェイリスさんは三次元じゃないのか?)
フェイリス「二人の会話がヒートアップしてたから、注文を取るタイミングがなかったニャン」
ダル「たった今ヒートエンドしたとこなのだぜ」
紅莉栖「……ええ、そうね。あっ、なにか飲み物をもらえるかしら。できればアイスコーヒーとか」
フェイリス「かしこまりましたニャ♪ 今すぐお持ちいたしますニャーン」
ダル「はあ……フェイリスたんマジ天使」
紅莉栖(……こうやって見ると、本当に世界が変わったのか疑わしくなるわね)
紅莉栖「ありがとう。えーっと、砂糖は……」
フェイリス「お待ちくださいニャ。ガムシロップとミルクを入れて」
紅莉栖「あっ、ちょっと別に私は……入れちゃったしもう遅いか」
フェイリス「まーぜまーぜ……まーぜまーぜ」
紅莉栖「……どうして目を離さないのかしら」
ダル「出たー! フェイリスたんの必殺技、目を見てまぜまぜー!」
紅莉栖「必殺って、誰も死なないでしょうが」
ダル「僕がキュン死するので」
紅莉栖「……はあ」
紅莉栖(本当はもっと焦るべきなのに……変わらない人に会うと、流されそうになってしまう)
紅莉栖(岡部、あんたは変わってなんかいないわよね……?)
フェイリス「ニャ? 聞きたいこと? スリーサイズは秘密ニャン♪」
紅莉栖(誰も知りたくねえっつーの)
ダル「ウヒョー! フェイリスたんの秘密、僕気になります!」
紅莉栖「橋田さん、ちょっと黙ってて」
フェイリス「で、フェイリスに聞きたいことってなにかニャ?」
紅莉栖「このお店に、椎名まゆりという女の子が働いていますよね。その子に会いたいんですけど」
フェイリス「椎名まゆり? ニャー……そんな名前の子は働いてないニャン」
紅莉栖「働いて、いない? そ、そんな……たしかにこのお店には椎名まゆりって女の子が!」
フェイリス「……じー」
紅莉栖「えっ? 急に黙ってどうしたんですか……」
フェイリス「……じー」
紅莉栖(目を見られている……? でも、そんなことしていったいなにが……)
紅莉栖「そうですか……椎名まゆりは、このお店にいないんですね」
紅莉栖(岡部もまゆりもほとんど手掛かりなし……これは会うまでに時間がかかりそうね)
ダル「牧瀬氏、その椎名まゆりって……もしかしてコスプレ衣装作るの得意だったりする?」
紅莉栖「えっ? ……ええ、その通りだけど」
ダル「トゥットゥルー、っていう変わった挨拶とかしたりする?」
紅莉栖「ええ、するわね。トゥットゥルーって」
ダル「それでいつも同じ帽子かぶってたりする?」
フェイリス「それはダルニャンも一緒ニャン」
紅莉栖「たしかに帽子はかぶってるけど……もしかして、まゆりのことを」
ダル「まゆ氏のことなら知ってるお。何度も会った訳じゃないけど」
紅莉栖「ほ、本当!?」
紅莉栖「連絡先は? まゆりの電話番号は知ってるの?」
ダル「えーっと、たしかまたコミケで会えるかもってことで交換したはず……」
紅莉栖「そんな簡単に交換して大丈夫なのかしら……」
ダル「いや、僕が何度か衣装を褒めたら次も頑張るから見に来てねー、って感じで」
紅莉栖「ああ……まゆりらしいわね」
ダル「まっ、まゆ氏に手を出すとかそんなふしだらなことは考えないお」
紅莉栖「へえ、ずいぶん紳士的じゃない」
ダル「だって僕はフェイリスたん命!」
紅莉栖「連絡先、早く教えてもらえる?」
ダル「……牧瀬氏の目が怖い件について。えっと、あっ、あったあった」
紅莉栖「ありがとう。……さすがに外で電話した方がいいわよね」
ダル「それは間違いないと思われ」
紅莉栖「そうだ、橋田さん。あなたの連絡先も教えて欲しいのだけど」
ダル「僕の連絡先? ま、まさかやっぱりフラグが」
紅莉栖「……立たないって言ってるでしょうが。まあ、連絡を取ることはあるかもしれないけど」
ダル「じゃ、とりあえず好感するってことでFA?」
紅莉栖「ええ、そうしておきましょうか」
紅莉栖(岡部と会った後、橋田の力が必要になる可能性は高い)
紅莉栖(この二人がいないと、今の状況を打破することはおそらくできない……)
紅莉栖(そして岡部、あいつに早く会わないと……)
フェイリス「また来てニャンニャーン♪」
紅莉栖(橋田と連絡先を交換した、まゆりの連絡先を手に入れた)
紅莉栖(岡部まで後少し……あいつに会えれば、必ずなにか見つかる)
紅莉栖(少し不安なのは、この世界線の岡部は私の知っている岡部とはかなり離れている)
紅莉栖(……まあ、それは問題ないわね。世界線が変わったのだから岡部のリーディング・シュタイナーが発動する)
紅莉栖(つまり、今この世界線にいる岡部も今までの様に記憶が上書きされている)
紅莉栖(もしかしたら、岡部もラボがなくて焦ってるかもしれないわね……)
紅莉栖「……よし、まゆりに連絡しよう」
紅莉栖(日付は変わっていない、ということはまゆりは……もしかしたら既に)
紅莉栖(……お願い! 電話に出て……まゆり)
まゆり『トゥットゥルー♪ まゆしぃです、なにかご用ですか?』
紅莉栖「まゆり? まゆりなのね!? よかった、繋がった……」
まゆり『えっと、どちら様ですか? まゆしぃの携帯電話には登録されていないので分からないのです……』
紅莉栖「そうよね、急に連絡してごめんなさい。私は牧瀬紅莉栖、……覚えてたりするかしら?」
まゆり『うーん……ごめんなさい、まゆしぃには覚えがありません……』
紅莉栖「……そっか。いいのよ、私もあなたにはまだ会ったことがないはずだから」
まゆり『聞きたいことですか? まゆしぃに分かることだったら』
紅莉栖「あなたの幼馴染に、岡部倫太郎という男の人はいる?」
まゆり『えっと、はい。オカリンのことだったら、その通りなのです』
紅莉栖「よかった……そこまでは変わっていないのね」
まゆり『変わる?』
紅莉栖「こっちの話よ、気にしないで。……ここからが本題、岡部倫太郎にどうしても会いたいの」
まゆり『オカリンに会いたいんですか?』
紅莉栖「ええ、私は岡部に絶対に会わなければならない理由があるの」
まゆり『えっと……まゆしぃはどうすればいいんですか?』
紅莉栖「岡部の連絡先を教えて、お願い」
紅莉栖「どうしたの? 幼馴染だから知っているでしょ?」
まゆり『実は、オカリンが中学になってからはあまり会っていないのです』
紅莉栖「えっ……?」
まゆり『だから、勝手に連絡先を教えるのはオカリンに悪い気がするのです』
紅莉栖「……見ず知らずの人に連絡先を教えるのは気が引ける、か。
たしかにその通りね。……でも、こっちもどうしても岡部に会いたいの。だから……お願い」
まゆり『えっと……じゃあ、まゆしぃが直接聞いてみます。牧瀬紅莉栖さんって女の人が会いたがってるよって』
紅莉栖「ええ、お願い。なるべく早く……きっと岡部もそう思っているはずだから」
まゆり『わかりました。じゃあ、オカリンから答えがもらえたらまゆしぃから連絡します』
紅莉栖「ありがとう。……まゆりさん、よろしくね」
紅莉栖(まあ、問題はないわね。岡部も今頃、世界が変わってしまったことに気付いているはず)
紅莉栖(それなら私が会いたがってると聞けば、岡部は必ず会ってくれる)
紅莉栖(まゆりは今は生きている、でも……いつ死んでしまうかは分からない)
紅莉栖(ラボが存在しない状況で最悪の結果を迎えてしまえば……取り返しがつかないことになる)
紅莉栖(それだけは避けないと……岡部、急いで。あんたがいないと、まゆりが救えない……)
紅莉栖(……これだけ必死になっても、私は岡部に会えなくなる訳だが)
紅莉栖(そんなことを考えてる場合じゃないわね。……今は待つしかないか)
紅莉栖(まだお金には余裕があるみたいね。……これ以上泊まるような事態にはなりたくないけど)
紅莉栖(この世界線の私は今日アメリカに帰るはずだった。ラボメンとの親交もほとんどなかった)
紅莉栖(でも、私には前の世界線の記憶がある……つまり岡部の言っていた、
リーディング・シュタイナーとかいうのを私も持っているかもしれないってこと?)
紅莉栖(それなら誰でも岡部のような力を持っている……? それか私になにか関係があるとか……)
紅莉栖(それも含めて岡部と話す必要がある。まゆりに催促してみた方が……あっ)
紅莉栖(ナイスタイミングね、まゆりから電話だ)
紅莉栖「もしもし、まゆりさん?」
まゆり『こんばんは、まゆしぃです。オカリンに聞いてみたんですけど……』
紅莉栖(当然すぐに会いたいって言ってくるはず、……あっちも焦ってるだろうから)
紅莉栖「えっ……? すぐに会いたい、とか言っていなかった……?」
まゆり『は、はい、そんなに会いたがってるなら仕方ないか、って言っていたのです』
紅莉栖(どういうこと……? 岡部の方もこの状況に困惑しているはずなのに……)
まゆり『えっと、場所は池袋のコーヒー屋さんです。池袋駅からすぐのところにある――』
紅莉栖(おかしい……ラボが無い、電話レンジも無い、それなのに岡部からは焦りを感じない)
紅莉栖(……岡部、あんたはなにを考えてるの? まゆりを助けるんじゃなかったの?)
まゆり『あの、聞こえてますか?』
紅莉栖「あっ……ご、ごめんなさい。もう一度場所を教えてもらえるかしら?」
まゆり『了解なのです。池袋のすぐのところにあるコーヒー屋さんの――』
紅莉栖(待ち合わせの場所は……このお店ね。時間にはまだあるか)
紅莉栖(……正直、不安だ。まだ会ってもいないし話してすらいない……でも)
紅莉栖(岡部はまゆりを助けるために多くのものを犠牲にしてきた……それは、岡部自身の心も含まれる)
紅莉栖(だからこそ、まゆりを助けられなかったら全てが無駄になってしまう)
紅莉栖(仮にまゆりが死んでしまったとしても、β世界線に行けばその事実はなくなるかもしれない)
紅莉栖(でも、IBN5100は? 橋田のハッカーとしての腕は? ラボという場所は?)
紅莉栖(その全てがないと、β世界線に行くこともできない……)
紅莉栖(岡部、あんたはわかってるの? 今がどれだけ危険な状況なのか、まゆりを助けられないかもしれないのよ?)
紅莉栖(お願い、岡部……会って私を安心させて。私自身のことは、もう既に決めたことだから……何も気にしなくていい)
(そろそろ時間か……少し緊張してきたかも)
この状況を岡部はどう考えているのか。まさか、全てを諦めてしまったのではないか。
岡部に限ってそんなことはない、と信じたい。でも、岡部の心は既に壊れかけていたから。
もしかしたら、既に色々動いた後なのかもしれない。
打開策を見つけ、その協力を私に頼むという可能性もある。
それならなにも心配することはない。キチンとした考えがあるならばそれでいい。
待ち合わせまであと五分、その時――男が店に入ってきた。
その男は髪は茶に染めており、耳にはピアスを開けている。
シャツの胸ポケットの膨らみは煙草だろうか。服装もいわゆる、イマドキっぽい。
顔はよく見えなかったが、私はすぐに見るのをやめた。
(さすがにあれは、違うわね……いくらなんでも)
待ち合わせの目印として、私は机の上に少し厚めの本を置いている。
男はその本に視線を移し、まっすぐに私のいるテーブルに歩いてくる。
そして、私の座っている席の反対、同じテーブルの席にその男は座った。
「えっ!? は、はい……」
そこで私は男の顔を確認した。
見覚えのある顔、見慣れた体格、そして忘れられないその声。
間違いない、この男こそが――
「お、岡部……なの?」
「はい、俺が岡部倫太郎です。はじめまして、どうぞよろしく」
髪は茶色、耳にはピアス、喫煙者(未成年)。
岡部倫太郎、通称オカリン改め、チャラリンがそこにいた。
岡部「えっと、まゆりに言われてここに来たんですけど」
紅莉栖「そ、そうでしたね……あれ? ちょっと待って……」
紅莉栖(今、岡部はたしか……はじめまして、って言った……?)
紅莉栖「岡部、さん……確認したいんですけど、私に見覚えは?」
岡部「ええ、前に会った覚えはないですね」
紅莉栖「……っ! り、リーディング・シュタイナーは発動していないの!?」
岡部「リーディング……なんのことだか」
紅莉栖「それすらも分からない……そんな……こんな、ことって……」
岡部「研究室はまだ一年だから入ってないので。レンジは……家にありますけど」
紅莉栖「……IBN5100、タイムリープマシン、Dメール、これに関しては!?」
岡部「なにがなんだか……ごめんなさい」
紅莉栖「だ、だったら……ラウンダー、CERN、これならきっと……」
岡部「……悪いですけど、全部聞き覚えがないです」
紅莉栖「う、嘘……嘘よ……だって、これじゃ……」
私の予想していたのとは全然違っていた。おそらく、考えうる中で最悪の結果だ。
岡部は焦ってもいない、絶望してもいない、希望を見つけたのでもない。
ただ、なにも知らないだけだった。
岡部「だ、大丈夫ですか?」
紅莉栖「……ごめんなさい、急に呼び出したのにこんな風になってしまって」
岡部「いや、俺は別に大丈夫ですけど……」
紅莉栖「あの……私の方が年下なので、くだけた感じで話してください」
紅莉栖(……正直、話し方なんてどうでもいい。今は……なにも考えられない)
岡部「じゃ、普通に喋らせてもらうけど……あんた、俺になんの用があったんだ?」
紅莉栖「用は……ごめんなさい、色々あったんだけど……無くなってしまった」
岡部「無くなった? あんたが俺にどうしても会いたいって言うからここに来たんだぞ?」
紅莉栖「ええ……岡部倫太郎に会いたかった。……でも、あなたではない」
岡部「……意味は理解できないけど、俺に話すことはないってことでいいのか?」
紅莉栖「……そう思ってくれていいです」
紅莉栖「……まゆりさんには、迷惑をかけてしまいました」
岡部「まっ、そこは気にしなくてもいいだろ。あいつはそんな細かいこと気にしない」
紅莉栖「……そうですね」
岡部「昔は俺にくっついてばっかで俺がいなくなったらどうなるか、って子供ながらに不安だったんだ」
紅莉栖「今は……あまり話とかしてないんですか?」
岡部「俺が中学に上がってからほとんど話してないな……」
紅莉栖(岡部とまゆりの関係が全然違う、これもこの世界線での変化の一つ……?)
岡部「まあ、あいつも見た目はいいからそのうちいい男を見つけて幸せになるだろ」
紅莉栖「幸せに……? まゆりが、ですか?」
岡部「ああ、ただ……あの性格だと、変な男に騙されることも十分考えられるけどな」
紅莉栖「…………っ」
その無神経な言葉は私の神経を逆撫でし、
目の前の岡部倫太郎という名前の男に、私は苛立ちを感じていた。
紅莉栖(でも、まゆりが幸せになるには……あんたの力が必要なのに、まるで他人事みたいに……)
岡部「まゆりにはもう会ったか?」
紅莉栖「い、いえ、まだです」
岡部「ん、そうなのか。あいつは危なっかしいからな……事故に遭っても仕方が無い位だ」
紅莉栖「事故に、あっても?」
岡部「ああ、車に轢かれたり、駅のホームから落ちたりとか……なんか心配になってきた」
紅莉栖「――っ!」
岡部「なあ、あんたもまゆりに会う時は気を付けるように言ってお」
紅莉栖「……岡部」
岡部「ん、何だ?」
紅莉栖「それ以上――それ以上言うな! あんたが……岡部倫太郎がそんなことを言うな!」
岡部「お、おい……急にどうしたんだ」
あんたはまゆりを助けるために、色んなもの、人を犠牲にしてきた!」
「そこにはあんたの心や、私の命も含まれる!
それなのに……なんで軽々しくまゆりのことをそんな風に言うことができるのよ!?」
「全部忘れた? ふざけるな! あんたとまゆりのためにどんな思いをして、誰が涙を流したのか……」
「まゆりが何度死のうと、誰かに殺されようと、車に轢かれようとあんたは何度も助けようとしたんでしょ!?」
「岡部が……あんたがまゆりを選んだから、私は覚悟することができた。
まゆりのために、あんたを守るために、辛い思いをさせないために……」
「忘れないんじゃなかったのか!? 忘れないって言ったから、私は……私は……だから……っ……」
頭の片隅では理解している。この岡部になにを言っても無駄だ。
この岡部は私の求めている岡部ではない、私の好きな岡部ではない。
こんな男に言っても時間の無駄、そう思いながらも言葉を止めることはできなかった。
紅莉栖(馬鹿だ……なに言ってるんだ、私……あんな大声出して)
岡部「……悪いな、あんたの言ってることはさっぱり理解できない」
紅莉栖「……ええ、そんなこと位……わかってる」
岡部「なにも分からない、思い出せもしない。……ただ、悪かった。謝る」
紅莉栖「…………」
岡部「……周りの客もこっち見てるし、正直居づらい。ここで帰ってもいいか?」
紅莉栖「……ええ、好きにして」
岡部「ああ、それと……またなにかあったらここに連絡してくれ。話くらいは聞ける、と思う」
紅莉栖「……あんたの連絡先なんて聞かなくても知って――あっ」
紅莉栖(連絡先、知らないから……まゆりに聞いたんだ)
(いや、私は……今ここにいない岡部のことも、知らなかった)
(岡部は世界線が変われば必ずリーディング・シュタイナーを発動させると思っていた)
(だから、私は岡部に会おうと、岡部に頼ろうとしていたんだ)
(……岡部がいないと私、なにもできない。岡部が……岡部がいないと)
ふと顔を上げると、既に岡部はいなくなっていた。
テーブルの上には電話番号の書いてある小さな紙が残されていた。
(この番号に電話する日……来るのかな)
周りの客の視線は少し感じていた。でも、今はなにも気にせずこうしていたかった。
「あの……大丈夫ですか?」
そこにまた、聞き覚えのある声が聞こえた。
(この声は……まゆり?)
紅莉栖「そう……ありがとう、まゆりさん」
まゆり「あの、オカリンとお話……できましたか?」
紅莉栖「……できたと言えばできた。けど、思っていたのとは全然違ったわ」
まゆり「もしかしたら、まゆしぃが伝えるのが下手だったから……」
紅莉栖「そ、そんなことないわ。あなたのおかげよ、まゆりさん」
まゆり「でも……目が真っ赤だから、泣いちゃうようなことが……」
紅莉栖「だ、大丈夫。これは、その……自分のせいだから」
紅莉栖(橋田やフェイリスさん、それにまゆりはあまり変わらないように見える……)
紅莉栖(それなら、なぜ岡部だけあんなに変わってしまったのか……)
紅莉栖(……ダメだ、今は岡部のこと……考えたくない)
紅莉栖「いいのよ、別に気を遣ってくれなくても……一人で帰れるから」
まゆり「でも……」
紅莉栖(うっ……この純粋な瞳には抗えないなにかがあるわね……)
紅莉栖「わかった、一緒に行きましょう。でも、時間は大丈夫なの?」
まゆり「まゆしぃは夏休みだから、時間はたっぷりあるのです」
紅莉栖「そっか、羨ましいわねー……」
まゆり「牧瀬さんは、夏休みじゃないんですか?」
紅莉栖「こう見えても私、大学を卒業してるのよ?」
まゆり「ええー? じゃあ、牧瀬さんは、えっと……二十……」
紅莉栖「あー、違うの。十八歳、大学は飛び級で卒業したから」
まゆり「ええー!? す、すごいんですね……まゆしいはびっくりなのです」
紅莉栖「お、落ち込まないで。あなただって、ほら……とってもキュートよ」
まゆり「キュート? ……あの、ありがとうございます」
紅莉栖「……ねえ、まゆり。私のことは牧瀬さん、じゃなくて紅莉栖って呼んでくれない?」
まゆり「えっ? クリスさん、ですか?」
紅莉栖「うーん、思い切ってちゃん付けとかどうかしら」
まゆり「えっと、クリス……ちゃん?」
紅莉栖「上出来よ。それで堅い言葉遣いもなし、気楽に話しかけて。私もそうするから」
まゆり「うん……わかったよ、クリスちゃん。こんな感じかな?」
紅莉栖「ええ、完璧ね」
まゆり「えへへ、まゆしぃはクリスちゃんとお友達になれてとっても嬉しいのです♪」
紅莉栖(……まゆりのおかげで助かったわね。心に余裕が無かったはずなのに一気に落ち着いた)
紅莉栖(やっぱりこの子だけは……死なせる訳には、いかない)
まゆり「コスプレの衣装を作ってたよ。誰かに来てもらうためにたくさん作ってるんだー」
紅莉栖(……本当になにも変わってない、そういう風にしか思えないわね)
まゆり「でも、それだけだとやっぱり暇になっちゃって、お家でダラダラしちゃうのです……」
紅莉栖「部活やアルバイトとかはどう?」
まゆり「部活はあまり興味がなくて……アルバイトは、
してみたいなーってたまに思うけど……まゆしぃにできるかなぁ」
紅莉栖「それなら、メイド喫茶なんてどう?」
まゆり「ええー? まゆしぃには無理だよー……」
紅莉栖「そんなことないわ。まゆりにピッタリなお店を紹介してあげる、どう?」
まゆり「うーん、じゃあ一回行ってみようかな。クリスちゃんも一緒に行ってくれる?」
紅莉栖「もちろん、きっと気に入るわよ」
紅莉栖「そろそろ帰った方がいい時間か……ずいぶん話し込んじゃったわね」
まゆり「あのね、クリスちゃん……まゆしぃは、クリスちゃんに謝らないといけないことがあるのです」
紅莉栖「謝らないといけないこと? そんなこと記憶にないけど……」
まゆり「本当はね……オカリンの電話番号をすぐに教えようと思ったの。でも……」
紅莉栖「……続けて」
まゆり「最近、オカリンと全然お話してなかたったから……チャンスだと思ってしまったのです」
紅莉栖「つまり……岡部の電話番号をすぐに教えても良かったけど、
岡部と話したかったからわざわざ仲介役をしたってこと……?」
まゆり「うん……ごめんね、クリスちゃん。まゆしぃ、余計なことして邪魔しちゃって……」
紅莉栖「まゆり、あなたって……本当にキュートね」
まゆり「わっ……く、クリスちゃん……苦しいよー」
紅莉栖「これは罰ってことで、大人しく抱きしめられてればいいのよ」
まゆり「そ、それは……」
紅莉栖「中学に岡部が行ったら疎遠になったんでしょ? もっと甘えればよかったじゃない」
まゆり「……まゆしぃはしっかりとした人になりたかったのです」
紅莉栖「しっかりとした人、ねえ」
まゆり「だからオカリンに頼らないようになろうって思って。……そうしたら、気付いたら話しにくくなっていたの」
紅莉栖「……そうだったのね。でも、どうしてしっかりとした人になりたいって思ったの?」
まゆり「おばあちゃんが見守ってくれてるから……だから、おばあちゃんが見てて安心できるような人になりたいのです」
紅莉栖「そう……いいおばあさんなのね」
まゆり「……うん、まゆしぃはいつまでも……忘れないよ」
紅莉栖(いつまでも忘れない、か……どっかの馬鹿もそう言って忘れやがって……!)
紅莉栖(……あー、ダメだ。思い出すと少しヘこむ……)
まゆり「クリスちゃん、メイド喫茶のお話、忘れないでね?」
紅莉栖「ええ、もちろんよ。じゃあ、気を付けて」
まゆり「うん! またね、クリスちゃん。トゥットゥルー♪」
紅莉栖(さっきまでの絶望感はまゆりのおかげで嘘のように消えていった。でも……)
紅莉栖(あの笑顔が、急に消えてしまう可能性もある……。
世界線が変わったとはいえ、その結果から逃れられると決まった訳ではない)
紅莉栖(それなら、私のすべきことはただ一つ……岡部を、取り戻す)
紅莉栖(そしてあいつを引っぱたいてでもβ世界線に移動させる……!)
紅莉栖(そのために元の世界線に戻らないといけない……)
紅莉栖(誰かが起動した電話レンジ、それが原因なのはわかってる)
紅莉栖(誰が何をしたのか……それも調べないといけないか)
紅莉栖(電話レンジで世界線が変わったのなら……Dメールしか考えられない)
紅莉栖(それを元に戻すにはDメールの内容を打ち消すようなメールを送らなければならない)
紅莉栖(そのためには電話レンジ、42型ブラウン管、つまりはあの部屋が必要ね)
紅莉栖(あの部屋を借り、そして電話レンジを完成させる……これが最低条件)
紅莉栖(問題は、電話レンジ……岡部たちの話を思い出せば、あれが偶然によって生み出されたことは間違いない)
紅莉栖(偶然生み出された物を作る……これほど大変なことはない)
紅莉栖(前途多難、岡部は完全に頼りにならない。となると頼れるのは……橋田か)
ダル「おっ、牧瀬氏こっちこっち」
紅莉栖「相変わらずここなのね……」
ダル「僕の居場所はここなので。で、僕に頼みたいってことってなんぞ」
紅莉栖「橋田さん、あなたにお願いしたいことは……」
ダル「ま、まさか……ムフフな展開ktkr!?」
紅莉栖「HENTAI発言は慎んで。お願いというのは……」
ダル「ふむふむ」
紅莉栖「――研究を手伝って欲しいの」
ダル「……へっ?」
紅莉栖「……橋田さん。あなた、ハッカーとしての腕は確かよね」
ダル「……まあ、その通りだけど。どうして牧瀬氏がそれを知ってる訳?」
紅莉栖「それはどうでもいいの。……手伝ってくれるの、くれないの?」
ダル「んー、僕も暇じゃ無い訳で。相手をしてあげないといけない女の子がたくさんいるんだお」
紅莉栖(こういうところは変わらんのか……)
紅莉栖「そうね……橋田さん、こう考えてはどう?」
ダル「ん?」
紅莉栖「自分で言うのもなんだけど、私はそれなりに名が知られている。
その学者の手伝いをした、という事実。……これは後々、効いてくるんじゃないかしら」
ダル「た、たしかに。経歴とかで色々使えそうな経験ではある……」
紅莉栖「あなたの腕なら十分にこなせるレベルよ。どう、やってみない?」
ダル「……オーキードーキー! 牧瀬氏、よろしく頼むのぜ」
紅莉栖「場所はもう決めてあるわ。ここのすぐ近くよ」
ダル「この近く……研究施設とかあったっけ?」
紅莉栖「ええ、この研究はそこでしか行えないの。すぐに手配するわ」
ダル「うーん、そこは牧瀬氏に任せます。僕は出番が来たらまた呼んでくれればおk」
紅莉栖「そうね、なるべく早めに連絡が行くようにするわ。それまで待っていて」
ダル「了解しますた。……はあ、美人学者との時間とかみなぎってくるお」
紅莉栖「変なコトしたら脳をちょこっと弄るからね」
ダル「お、おうふ……それだけは勘弁」
天王寺「――で、上の部屋を借りたい。そういうことでいいか?」
紅莉栖「ええ……どうでしょうか?」
天王寺「……ぶっちゃけ、誰も借り手が見つからなくて困ってたとこなんだ」
紅莉栖「ということは……」
天王寺「ああ、好きに使ってくれ。まあ、好きにっつっても限度はあるけどな」
紅莉栖「あ、ありがとうございます! 明日から、すぐに入っても大丈夫ですか?」
天王寺「別にいいけどよ。掃除とかはいいのか?」
紅莉栖「大丈夫です、自分たちでやります。……それと、店長さん」
天王寺「おう、なんだ。エアコンなら自費で付けてくれよ」
紅莉栖「そうではなくて……その大きい42型のブラウン管、絶対に売らないでくださいね」
天王寺「なんだそりゃ。もしかして、欲しいのか? 今なら入居祝いってことで安くしとくぞ」
紅莉栖「け、結構です。……それでは、また明日」
紅莉栖(……同じレンジを探すか、それとも別のでも大丈夫か実験するか)
紅莉栖(電話も同じのじゃないとダメなのかしら……偶然を生み出した時は忠実に再現すべきか)
紅莉栖(……少なくとも、ちょっとやそっとで完成するとは思わない方がよさそうね)
紅莉栖(資金は講演とか講義のとかでそれなりにあった、一ヶ月はなんとかなるはず)
紅莉栖(……なにもない状態から作るのって、相当な労力が要るわね)
紅莉栖(そう考えると、岡部って凄かったのかな……いや、でもあいつなにも作ってないし)
紅莉栖(でも、いてくれたら……やっぱり、嬉しいかな)
紅莉栖(……無理やり脳に電極ぶっさしてリーディング・シュタイナー発動しないかしら)
ダル「うへー……あっつい。牧瀬氏いるー?」
紅莉栖「待ってたわよ。とりあえず座って座って」
ダル「よっこらせっくす……へえ、ボロいビルだと思ったけど、中は意外とキレイじゃん」
紅莉栖「殺風景なのは我慢して、色々揃える時間はないから」
ダル「で、この蒸し暑い部屋の中で僕たちはいったい……ん?」
紅莉栖「あら、気付いたみたいね」
ダル「えっと、このレンジと電話はなんなん? しかも五個ずつくらいあるし」
紅莉栖「とりあえず前のと同じ型、それと違うのも揃えたわ」
ダル「……これでなにをする気?」
紅莉栖「電話レンジ、一緒に作ってもらうから」
ダル「はい……?」
ダル「まさか、天才学者牧瀬氏の研究が……こんな」
紅莉栖「ガラクタ作りだとは思わなかった、って言いたそうね」
ダル「自覚はあるみたいでちょっとホッとしたお。しかし、遠隔操作できるレンジって言われても……」
紅莉栖「たしかに、電話とレンジをくっつけただけのガラクタにしか見えない。
……でも、私にとってはそのガラクタが今必要なの。他でもない、私のために」
ダル「……天才の考えることは分かんないって本当だった件について」
紅莉栖「ほら、橋田さん、頑張って。あなたの力は後でちゃんと誰かの役に立つから」
ダル「へいへい、……まあやりますけど」
ダル「ふう……とりあえず一台完成しますた」
紅莉栖「こっちも出来たわ。……さあ、いよいよ実験開始ね」
ダル「実験って、ご飯でも置いて温めてみるとか?」
紅莉栖「いいえ、温めない。強いて言うなら……戻す」
ダル「戻すって……冷凍?」
紅莉栖「冷凍になる場合もあるわね。……今はこのバナナを使うわ」
ダル「バナナを握る牧瀬氏、絵になりますなあ……」
紅莉栖「……止めるヤツがいないと本当にフリーダムね」
ダル「で、戻すって結局なにするん?」
紅莉栖「ちょっと待ってて、下を確認してくるから」
ダル「下の確認……考えようによってはエロい気がする」
ダル「その下ってのがイマイチ分からない件について」
紅莉栖「詳しい説明は……またいつかする。さあ、バナナを用意して」
ダル「ほい、これをレンジの中に入れればおk?」
紅莉栖「ええ、そして電話レンジの設定をする……」
ダル「温めるなら#押して数字入れればいいはずだけど」
紅莉栖「それを変えるの。数字を入れてから#を入力する」
ダル「へっ? そんなことしてなんになるん?」
紅莉栖「観てれば分かるわ。……1、2、0、#」
ダル「おっ、電話レンジが動き出した。これでも動くのか……」
紅莉栖(後は、バナナが房に戻れば……再現できたってことになる)
紅莉栖「……失敗、か」
紅莉栖(偶然の産物、理論が偶然に当てはまり、そして環境が整っていた)
紅莉栖(でも、それは本来は非情にデリケートなはず……一つ配線が違えば、
少しでも環境が違えば結果は変わってくる可能性は……ある)
紅莉栖(ゼロからラボの環境を作り、リフターの存在する環境も同じであるかも分からない)
紅莉栖(それでも、やるしかない……理論はある、実際に電話レンジは機能したという事実がある)
紅莉栖(……それならきっと、生み出すことはできるはず)
ダル「……バナナ、あたたかいお」
紅莉栖「……今日はダメか。時間的にもこの辺がリミットね」
ダル「牧瀬氏、どうなったら成功なん? さっぱり分からないまま配線弄ったり温めたりの繰り返しなんだが」
紅莉栖「今言っても信じないと思う……だから、成功したらその目で確かめて」
ダル「んー、わかりますた。じゃ、またやることになったら連絡して」
紅莉栖「ええ、また明日連絡するわ」
ダル「あ、明日……? 明日もこれと同じことを繰り返す訳?」
紅莉栖「もちろん。私一人でもやるわ、……早く、なんとかしたいから」
ダル「……午後からなら行けるかもしれないから、またその時はよろしくってことで」
紅莉栖「ありがとう橋田さん。また会いましょう」
紅莉栖(……ある程度は覚悟してたけど、実際上手く行かないと萎えるわね)
紅莉栖(殺風景な部屋……ゴチャゴチャしてたけど、あれ位じゃないと落ち着かないわね)
紅莉栖(岡部……あんたは、本当になにも思い出さないの? まゆりも、私のことも……)
紅莉栖(……っ!? 電話か……もしかして、岡部!?)
紅莉栖「も、もしもし!」
まゆり『あっ、クリスちゃん。トゥットゥルー、まゆしぃだよ』
紅莉栖「なんだ、まゆりか……」
まゆり『えー……? まゆしぃ、電話かけちゃダメだったの……?』
紅莉栖「そ、そういう訳じゃないの。……えっと、何か用かしら?」
まゆり『うん、あのね……実は――』
まゆり「おーい、クリスちゃーん。ごめんね、待たせちゃったかな?」
紅莉栖「まだ待ち合わせの五分前、全然問題ないわ」
まゆり「クリスちゃん、今日はお願いします」
紅莉栖「ただメイド喫茶に連れて行くだけだけど……ともかく、早速行きましょうか」
まゆり「うん! まゆしぃはメイド喫茶は初めてなのです。どんなところなの?」
紅莉栖「……とりあえず、女一人で行く場所ではないってことは確かね」
フェイリス「お帰りニャさいませ。お嬢様♪」
まゆり「は、はじめまして……椎名まゆりです」
フェイリス「ニャニャ? これはご丁寧にどうもだニャン。フェイリス・ニャンニャン、よろしくニャ♪」
紅莉栖「別にいきなり自己紹介をしなくてもいいのよ、まゆり」
まゆり「えー、そうなの? まゆしぃ、こういうところは初めてだから……」
フェイリス「今日はお嬢様二人とは珍しいニャン。どういう風の吹き回しかニャ?」
紅莉栖「えっと、この子がメイド喫茶でのアルバイトに興味があるって言ってるのよ」
まゆり「く、クリスちゃん……えっと」
フェイリス「ニャるほど……マユシィ、でいいのかニャ?」
まゆり「は、はい」
フェイリス「では……早速テストだニャン!」
紅莉栖「……テスト?」
まゆり「よ、よろしくお願いします」
フェイリス「第一問! マユシィの趣味はなにかニャ?」
まゆり「えっと、コスプレの衣装を作ることです」
フェイリス「ニャニャ!? 高評価だニャン! 続けて第二問! 人と接するのは好きかニャ?」
まゆり「うーん、誰とでも友達になりたいなー、って思います」
紅莉栖「私ともすぐに仲良くなったから、人と接するのは好きだと思うわよ」
まゆり「えへへー、ありがとうクリスちゃん」
フェイリス「ニャニャニャニャ……! これは大物の予感がするニャ……」
紅莉栖(なんの大物だ、ってのは野暮よね、きっと)
まゆり「口癖……特徴……えっと」
紅莉栖「ほら、いつものアレ。やってみたら」
まゆり「えっ? う、うん……トゥットゥルー♪ まゆしぃでーす」
フェイリス「ま、マーベラスニャー! 合格ニャン!
マユシィにはマユシィ・ニャンニャンとして明日から働いてもらうニャ!」
まゆり「あ、ありがとうございます」
フェイリス「マユシィ、明日からよろしくニャン♪」
紅莉栖「よかったわね、まゆり」
まゆり「うん! クリスちゃんのおかげだよー。ありがとう、クリスちゃん」
紅莉栖(世界線が変わっても、人の本質は変わらないのかもしれない)
紅莉栖(それならあんたは、どうして変わってしまったの……?)
紅莉栖(外見じゃない、人間の中身……それが、今のあんたは変わってる)
紅莉栖「じゃあ、お言葉に甘えようかしら。えっと席は……あっ」
ダル「あっ」
紅莉栖「なるほどね……まあ、そんなことだろうとは思ってたけど」
ダル「いや、僕にはフェイリスたんに会うという重大な使命があって……」
紅莉栖「いいわよ、そんなことで責めないわ。、こっちは協力をお願いしてる訳だし」
まゆり「あれ? ダルくんだー、トゥットゥルー♪」
ダル「まゆ氏、まさかコミケ以外の場所で会うとは思わなかったお」
まゆり「本当だねー、こうやって会えると嬉しいね」
ダル「でも、まゆ氏がどうしてここに?」
まゆり「えっとね、まゆしぃは明日からここで働くのです!」
ダル「……なんですと!? 牧瀬氏、申し訳ないが明日からはしばらくやることができたので」
紅莉栖「……どうぞ、ご自由に」
ダル「じょ、冗談だお……だからその冷たい目は勘弁」
ダル「まっ、実験と言っても僕にもなにがなんなのかさっぱりわからないんだけど」
紅莉栖「……そのうちわかるわ、きっと」
まゆり「でも、なんだか面白そうだねー。まゆしぃは実験とか、そういうのはよくわからないから羨ましいのです……」
紅莉栖「それなら、来てみる? ラボに」
まゆり「えっ? 行ってもいいの、クリスちゃん?」
紅莉栖「ええ、まゆりなら大歓迎よ。ねえ、橋田さん?」
ダル「まゆ氏も来るなら行くしかないだろ常考」
紅莉栖「……本当、わかりやすい人間で助かったわ」
ダル「牧瀬氏、そんなに褒めるなって」
紅莉栖「褒めてないっつーの」
紅莉栖「ここがラボよ、なにもなくて退屈だろうけど」
まゆり「うわー……ここで実験をしてるんだね」
ダル「実験という名のガラクタ作りだったりするんだけど」
まゆり「でも、いいなーここ。まゆしぃはこういうのに、ちょっと憧れてしまうのです」
紅莉栖「それなら、いつでも来ていいわよ。ねえ、橋田さん?」
ダル「熱烈歓迎まゆ氏。いつでもカモン、待ってるお!」
まゆり「ありがとう、クリスちゃん♪」
紅莉栖「……そうだ。せっかくだから、まゆりもラボメンにならない?」
まゆり「ラボメン?」
ダル「ってことは、まゆしが003って訳か」
まゆり「おおー、なんかカッコいいねー。どんどんラボメンが増えたらもっと楽しくなるね」
紅莉栖「そうね。次は、004……か」
紅莉栖(……変な話ね、あれだけラボのリーダーだって主張してたあいつがいないなんて)
紅莉栖(004の私が001、003の橋田が002、002のまゆりが003)
紅莉栖(だったら、あんたは004ってことになるわね)
紅莉栖(……もし、本当に入ってきたら……助手って呼べばいいのかしら?)
紅莉栖(それが嫌で入ってこないとか有り得るわね……まっ、来たらの話だけど)
紅莉栖(……来なさいよ、バカ)
紅莉栖「まゆり、バナナ!」
まゆり「は、はい!」
紅莉栖「橋田さん、次はこっちとこっちを組み合わせて」
ダル「オーキードーキー!」
まゆり「クリスちゃん……休まなくて大丈夫? まゆしぃは心配なのです……」
紅莉栖「大丈夫……よ。時間は……限られてる、よっ……から」
ダル「あー……あっちー……」
まゆり「ダルくん、飲み物買って来たよー」
ダル「うおおお! まゆ氏マジ女神! しかもダイエットコーラとか気が利き過ぎだろ常考……」
紅莉栖「きょ、今日もダメだった……」
ダル「うへー……疲れたお……」
まゆり「二人とも、大丈夫……?」
紅莉栖「ええ、大丈夫……時間も時間だし、そろそろまゆりは帰った方がいいわね」
まゆり「クリスちゃん、今日は色々ありがとう。感謝してもしきれないのです」
紅莉栖「大げさよ。……私も買い物ついでに外出ようかしら。橋田、あんたはどうするの?」
橋田「僕も帰るお……つーか牧瀬氏、僕の扱いぞんざいになってね?」
紅莉栖「そう? きっと気のせいよ、ほら早く」
まゆり「ダルくーん、置いてっちゃうよー」
ダル「そ、そこはゆっくりと待つとこだろ常考……」
まゆりはメイクイーンでのアルバイトを一生懸命頑張り、終わったらラボに寄っていく。
今のところまゆりにはなにも起きていない。それはいいことであると同時に、不発弾のような危険な感じもする。
橋田は午前中はメイクイーンに行った後、私の手伝いをしてくれる。
基本的には毎日手伝ってくれている。岡部が我が右腕と呼ぶだけはある。
私は、相変わらず電話レンジのことばかり考えている。
まだ一週間だ、岡部の繰り返した日々には到底及ばないだろう。
それでも、なにも光が見えない状態では不安にもなる。
これで本当に上手く行くのか、自分は無駄なことをしているのではないか。
それは焦りでもあり、恐怖でもある。自分は無力だと、知りたくないというのもその一つかもしれない。
このまま、夏は終わろうとしていた。しかし――
それはあらかじめ決まっていたことのように、突然起きてしまった。
ダル「牧瀬氏……」
紅莉栖「なによ……」
ダル「……なにも、起きない件について」
紅莉栖「…………」
ダル「……無言はなしでお願いします。……つーか、お互いに結構ガタがきてるんじゃね?」
紅莉栖「あるあ……あるある」
ダル「……前から思ってたんだけど、牧瀬氏ってねらーでFA?」
紅莉栖「…………」
ダル「……沈黙は肯定と受け取るのぜ」
まゆり「あれー? 二人とも、元気ないねー……」
紅莉栖「ええ……きっと暑さのせいよ……」
ダル「ホカホカバナナの暑さにやられたか……」
まゆり「二人とも……ぐったりって感じなのです」
ダル「……コーラ」
紅莉栖「……アイスコーヒー、目を見てまぜまぜなしで」
まゆり「もうー、飲み物だけじゃなくてちゃんとご飯も食べなきゃダメだよー」
ダル「……食べる気起きねーっす」
紅莉栖「……橋田に同じく」
まゆり「むー、まゆしぃが元気になりそうなもの持ってくるから、ちゃんと食べてね」
紅莉栖・ダル「あーい……」
ダル「……なんでまゆ氏ってあんな元気なんだろ」
紅莉栖「……本当ね、ごはんも毎日たくさん食べてるみたいだし」
ダル「……なるほど、食料の差が決定的な胸の差を生み出して」
紅莉栖「……電極カイバー」
ダル「……すんません」
小さい体に無尽蔵のパワー、そんな言葉がよく似合うと思う。
そしてまゆりはこっちに向かって歩いていた。
その両手には溢れんばかりのオムライスがそれぞれ持たれていた。
(あれ一人分……? どう考えても無理な件について……)
橋田みたいなことを考えながら、私はまゆりを迎えるために体を起こす。
そして体を起こしきった後、私は目の前の光景を疑った。
それはまるでスローモーションのように、ゆっくりと見えた。
私が見たもの、それは――まゆりが倒れていく様だった。
「――ま、まゆりいいいいいいい!!」
こんな大声を出したのは久しぶりだった。
それ以外の感情は、どうしても表すことができなかった。
すぐさま救急車を呼び、まゆるは病院に搬送された。
私と橋田は付き添いとして、一緒に病院に行くことにした。
病院に着いてすぐ、まゆりのご両親が来られたから私たちはいる必要が無くなった。
それでも私は、まゆりの病状を知るために病院に残った。
頭の中では、「やっぱり」、「どうして」、「やめて」、という言葉がぐるぐると回っていた。
しばらくして、まゆりのご両親が私たちのところにやってきた。
まゆりに付き添って頂いてありがとうございます、とかそんな風なことを言われたと思う。
「まゆりは……まゆりは生きているんですか!?」
私はどんな顔で質問したのだろうか。きっとまゆりのご両親は驚いたに違いない。
私の聞いた答えは、「まゆりは死んではいない、原因は不明である」。
私には心当たりがあった。まゆりが倒れた原因、それは――世界がまゆりを殺そうとしているという事実。
ここはβ世界線ではない、α世界線なんだ。だから、死ぬのはまゆりだ。
紅莉栖(まゆりはまだ死んではいない……でも、このままでは確実にまゆりは……)
紅莉栖(早く、早く電話レンジを完成させないと……完成させる?)
紅莉栖(何日も実験して、なにも成果が出なかった。それが一日で完成するのか?)
紅莉栖(それよりも早く、まゆりが死んでしまったら……終わりだ)
紅莉栖(世界線の移動もできず、まゆりも助けられない……今一番可能性が高いのは、この結果)
紅莉栖(私は、私はなにができる? まゆりを助けるために……いったいなにが……)
紅莉栖(必要なものは……整った環境、優秀な頭脳、そして……まゆりを助けたいと思う人間がいること)
紅莉栖(……心の奥底で、考えていたことがある。もし、こうなってしまった時にどうするか)
紅莉栖(取り返しのつかない事態になった時、どうやってこの状況を打破するのか)
紅莉栖(私には一つだけ、方法がある。……岡部倫太郎にも、ラボにも頼らない方法がある)
紅莉栖「……SERNに、技術を提供すれば」
もし全てが駄目になってしまった時、最終手段としてそこに飛び込むことも頭の片隅で考えていた。
それは本当の最終手段だ。誰にも頼れず、どうしようもなくなった時、そうするしかない時に取る行動だ。
もちろんそんなことをしたくないというのが本音だ。だが、現実は待ってくれない。
まゆりが死ぬ位なら、岡部がなにもできないのなら、喜んでこの身を売ろう。
もともと死ぬことは覚悟していた、それよりは数倍もマシかもしれない。
ただ、まゆりを殺そうとした機関に結果的に手を貸すことになるのは、嫌だ。
明日、もう一度電話レンジの実験をしよう。それで駄目なら、仕方ない。
私は二度目の覚悟を決め、安物の小さいソファーから立ち上がった。
座っていては、縮こまっていては駄目な気がしたからだ。
殺風景な部屋を見渡し、外にでも出ようかと思った時、ドアが開いた。
そして現れたのは、私の――大切な友人だった。
「く、クリスちゃん……」
「まゆり……? あ、あんた……どうしてここに……」
紅莉栖「えっ……? な、なにを謝るって言うの?」
まゆり「せっかくクリスちゃんのおかげでアルバイトできたのに……こんなことになって」
紅莉栖「ば、バカ! あんたの体が何よりも大事なの! そんなこと……謝らなくていい」
まゆり「でもね、まゆしぃがお店で倒れたら……クリスちゃんはきっと気にするんじゃないかな、って思ったの」
紅莉栖(違う……そうじゃない。まゆり、あなたは……死ぬことが決められている……)
まゆり「なにも気にしなくていいから……まゆしぃは、クリスちゃんにとっても感謝してるから」
紅莉栖「……わかった。ありがとう、まゆり……今、あんたは」
まゆり「えっとね、しばらくは病院にいることになるって言われたんだ。
だからその前に、メイクイーンのみんなやダルくんやクリスちゃんに会っておこうと思って」
紅莉栖「そっか……言ってくれれば会いに行ったのに」
まゆり「実は……ラボにも寄りたかったから。ここ、まゆしぃのお気に入りだったんだよ」
紅莉栖「……喜んでもらえてよかった。ここで待ってるから、早く戻って来なさい」
まゆり「うん! ……クリスちゃん、ありがとう」
まゆり「あっ、ダルくん。メイクイーンにいたんじゃなかったの?」
ダル「まゆ氏を追って走ったけど……はあ……はあ、物凄く速かったから見失って……ふー……」
まゆり「こんなに元気なのに、病院に行かないといけないなんておかしいよね……」
紅莉栖「……本当に、本当にそうね」
紅莉栖(どうして、どうしてこんな元気なまゆりが死なないといけないのか……)
ダル「……まゆ氏、そろそろ戻った方がいいんじゃね?」
まゆり「……もうちょっとだけ、ここにいたいのです」
紅莉栖「まゆり……でも――電話? も、もしもし」
岡部『岡部倫太郎だ、番号は前にまゆりに聞いた。気を悪くしたら謝る』
紅莉栖「岡部……岡部なの?」
まゆり「……っ!」
岡部『まゆり……? 俺も今、家から出て行ったまゆりを探しているんだ。なにか知っているのか?』
紅莉栖(あっ……そうだ、この岡部は……岡部じゃないんだ)
岡部『もしかして、そこにまゆりがいるのか? いるのなら場所を教えてくれ』
紅莉栖「(まゆり、どうする?)」
まゆり「……言っても、いいよ」
紅莉栖「分かった……。岡部さん、まゆりは秋葉原にいます」
岡部『やっぱりか……バイト先に行ったと思って秋葉原に来たけど正解だったな』
紅莉栖「……どうしますか、連れて行きましょうか?」
岡部『いや、あまり動かしたくない。場所を教えてくれ、俺が向かう』
紅莉栖「わかりました、場所は秋葉原駅を出て――」
岡部「……まゆり、こんなところにいたのか」
まゆり「オカリン……迎えに来てくれたの?」
岡部「ああ、お前の両親に頼まれた。……ったく、どうして脱け出したりしたんだ」
まゆり「……ごめんなさい」
紅莉栖「待ってください、まゆりはこれから入院するから……その前に挨拶をしに来てくれただけです」
岡部「それが駄目だって言ってんだ。普通に考えたらわかるだろ?」
まゆり「…………」
ダル「えっと、まゆ氏も反省してるみたいだし、ここは穏便に……」
岡部「あんたには関係ないだろ。……ん? その顔、どっかで……」
ダル「高校の時、同じクラスだった橋田。……覚えてないかもしれないけど、一応」
岡部「いや、覚えてるよ。こんなとこで会うとはな……それにしても、ここはなんなんだ?」
紅莉栖「……それ、どういう意味ですか?」
紅莉栖「このレンジは……そんなものじゃない!」
岡部「だったらなんだっつうんだよ。まゆりも急にバイトを始めて倒れるし、
隠れてた場所もこんな怪しいところ……まゆり、変な奴には騙されんなよ」
まゆり「ち、違うよ! クリスちゃんもダルくんも優しいし、メイクイーンだって楽しいもん……」
岡部「お前の両親から聞いたけど、メイド喫茶なんだろ? まゆり、いかがわしいところでバイトはするな」
ダル「いかがわしい……? ……それ、メイクイーンを馬鹿にしてるように聞こえる件について」
岡部「そう取ってもらって構わない。こんな怪しい建物や変なバイト、
挙句の果てには優しい顔した変なヤツらに付きまとわれて……どうしちまったんだ」
紅莉栖「……岡部、それ……本気で言ってんの?」
岡部「ああ、本気だ。まゆりのことを思ってこそだ、なにか間違ってるか?」
紅莉栖「岡部……岡部えええ!!」
「君かわうぃ~ね~」
とか言うのかと思ったのにどうしてこうなった
あんたが中心になって、いっつもあんたは悩み続けて……それを、あんたが馬鹿にするのか!」
「……また俺の知らない話か。あんた、あれか? いわゆる、不思議ちゃんってヤツ」
「……まゆりが、まゆりが死んじゃうのよ! あんたはそれをどうにかしようと死に物狂いで、
何度も何度もたちあがって……そして後少しのところまできた。それなのに……どうして忘れてんだバカ岡部!」
「まゆりが死ぬ……またそれか。本人が入院する前に……そんなこと言うんじゃねえ!」
「……っ! だ、だって、まゆりは死ぬのよ!? あんたが忘れてるだけで……本当はどうにかしないといけないのよ!?」
「ま、牧瀬氏、落ち着いて」
「離せ橋田! 今岡部に言わないと私も岡部も後悔する! だから……だから」
「……まゆり、行くぞ。こんなとこにいる必要は無い」
「で、でも……クリスちゃんが」
「待って! 逃げたらダメ! 岡部、思い出して! あんたは……岡部倫太郎であり」
「……ラボメンナンバー001、鳳凰院凶真なんだから!」
「ほうおういん、きょうま……? ――っ!? あっ、がっ……ああああああああああああ!!」
岡部は頭を押さえながら絶叫し、その場に座り込んでしまった。
「ど、どうしたん急に……」
「あっ、ぐっ……あ、頭が……割れる……視界が、ぼやける……」
「オカリン……オカリン、大丈夫!?」
しばらくすると岡部は再び立ち上がり、私の方をまっすぐ向いた。
「岡部……もしかして、記憶が」
その言葉に、岡部はなにも答えてくれなかった。
「……すまん。まゆり、行くぞ」
「オカリン……大丈夫なの?」
「今は自分の心配をしろ。……それと、もうここには来ない。まゆりをこれ以上たぶらかさないでくれ」
「岡部……」
岡部とまゆりはそのまま去って行った。あの頭痛は、いったいなんだったのか。
岡部の記憶が戻ったのかと期待をしたのは事実だ。だが、事実は違っていた。
橋田と私はなにも言わず、気付いた時には橋田も帰っていた。
また私は、一人になってしまったみたいだ。
岡部に思い出してもらうことも、まゆりを救うことも、私の声を届けることも、全て失敗してしまった。
後にはなにも残らない。この精神のまま、私は電話レンジを完成させることができるだろうか。
答えはすぐに出た。一人ではなにもできないだろう。
やはり、私はSERNに行くしかない。まゆりを助けるために、岡部に元に戻ってもらうために。
どうすればSERNとコンタクトを取れるのだろうか。メール、電話、店長さん?
ただ私はソファーに座って、そんなことばかりを考えていた。
しかし、口ではまったく違うことを無意識に発していた。
「おかべ……私……あんたのために、まゆりのために……頑張ったんだよ?」
「……それなのに、どうして怒るの……おかべ。怖かった……怒るあんたなんて……嫌だよ」
私の精神は間違いなく崩壊してしまった。
なにもせず、うわ言のように岡部、岡部と言い続けていた。
一通の、いや――三通のメールが届くまでは。
届いたのは、2034年からのメールだった。
(2034……? ……これは、Dメール!?)
『世界線は変わ』
『ったラジ館屋』
『上に行け』
「ラジ館屋上……!」
落ち込んでいた私いつのまにかどこかへ消えていた。
ラボを出て、秋葉原駅の方へと全力で走って行った。
目指すのは、ラジ館屋上。そこには、きっと――
「はあ……はあ……これ、完全に不法侵入よね……って今更過ぎるか」
そういえば、この世界線ではタイムマシンはどうなっているのだろうか。
だが、ここまで登れたことを考えるとラジ館に被害は出ていないだろう。
(それより、この扉どうやって開ければいいのよ……鍵かかってるみたいだし)
そんなことを考えていると、扉の向こうから声がした。
「離れて! 危ないよ!」
「へっ!? な、なに!?」
慌てながらも私は扉の前から離れた。
すると向こうから「せーの!」という声と共に、銃声が何発か鳴り響いた。
「ひ、ひいいっ!? じゅ、銃!?」
そんな私の叫びも気にせず、扉の向こう側の人物が正体を現した。
「君が……牧瀬紅莉栖だね」
「あなたは……阿万音さん……?」
少し疑問風になったのは、私の知っている阿万音さんより少しだけ幼かったからだ。
そして、わたしの目の前には大きな鉄製の何かが存在した。
「これは……タイムマシン?」
「そうだよ。あたしはこれに乗って2034年から来たんだ」
「2034年? 2036年じゃなくて?」
「うん。実はこれ……SERNの第一号のタイムマシンなんだ」
「せ、SERNの!? ど、どうしてあなたがこれに!?」
「あたしは三人の思いを請け負って、ここまで来た」
「三人……? それはいったい……」
「一人はあたしの父さん、一人は岡部倫太郎」
「岡部……? 岡部が、このタイムマシンを作ったって言うの!?」
「いや、違うよ。これを完成させたのは最後の一人、牧瀬博士、二十年後の君だよ」
「二十年後の……私が、タイムマシンを」
鈴羽「大丈夫、きっとそうなるだろうって牧瀬博士も言ってたから」
紅莉栖「牧瀬博士……それが私の二十年後か」
鈴羽「そう、あたしがお世話になった博士。父さんと岡部倫太郎の仲間であり、タイムマシンの開発者」
紅莉栖「……私は、やっぱりSERNに行ったのか。そうするしかなかったから、仕方が無いか……」
鈴羽「牧瀬紅莉栖、あたしは全て話すように牧瀬博士に頼まれてるんだ」
紅莉栖「全てを……? 岡部のことやまゆりのことを教えてくれるの!?」
鈴羽「うん。だから、聞いて欲しい。これから君が、二十年後の君がどんな道を歩んだのか。そして」
鈴羽「岡部倫太郎の、無念を」
紅莉栖「岡部の……無念」
決めてからはとても速かったみたいだよ。
自分の行った今までの実験、タイムリープのこと、Dメールのこと。
価値のある情報にプラスして君の優秀な頭脳をSERNは高く評価した。
君はすぐにタイムマシンの開発、それもかなり上の方に位置することができた。
そのまま君はしばらくSERNの人間とタイムマシンの開発を進める。
その半年後、椎名まゆりが病院で亡くなった。
原因不明の病気、少しずつ衰えていって、そのまま静かに息を引き取った。
あたしの父さんや岡部倫太郎も葬儀には参加した。
でも、その時はなにも特別な思いは無かったんだ。
でも、十二年後、岡部倫太郎は思い出すんだ。
全てを、今までなにもしてこなかったことを。
その時に岡部倫太郎が向かったのが、あたしの父さんのところだった。
岡部「……ダル、その呼び方はなんだ。もう俺を、オカリンと呼んでくれないのか……?」
ダル「オカリン……? 一度も読んだことがないな、勘違いじゃないか?」
岡部「なっ……! ほ、本気で言っているのか!?」
ダル「ああ、本気だ。……悪いけど、なにも知らない」
岡部「俺は……まゆりを助けるために後少しのところまで来たんだ……それなのに、それなのに……!」
ダル「……それは、牧瀬氏が昔言っていたことととても似ているな」
岡部「ああ……紅莉栖は正しいことしか言ってなかった。それを俺は……俺は、俺は……」
ダル「……牧瀬氏に、連絡を取ってみないか? 連絡先は知っているだろう?」
岡部「……昔、消してしまった」
ダル「それなら僕が代わりにコンタクトを取ろう。それでいいな?」
岡部「頼む、ダル……もう遅いかもしれないが……それでも俺は……」
そしてこの世界線での三十年間、その記憶が混在していたみたい。
だから、君に言った酷いことも全て覚えているし、
椎名まゆりに対してなにもできなかったことも覚えている。
岡部倫太郎は最後まで後悔していた。
あの時、紅莉栖の言葉に従っていれば、まゆりに何かしてあげれば、
死ぬ間際までずっと、後悔し続けた。自分の非を、嘆き続けた。
その岡部倫太郎を見捨てられなかったのが、あたしの父さん。
岡部倫太郎と父さんは牧瀬博士に会いに行った。
その時、牧瀬博士はとても喜んだ。仲間が戻って来たこと、
そして、Dメールがちゃんと岡部倫太郎に届いていたことを。
Dメール? ああ、2022年に牧瀬博士が送ったんだ。
「椎名まゆりはバイト先の秋葉原にいる」ってね。
本当は、あそこに岡部倫太郎は現れなかった。
君が椎名まゆりを送り届けて終わりだった。
そこで岡部倫太郎に未来からのメールを送ること、
ラボに向かわせることで記憶を強烈に思い出して欲しい、そう牧瀬博士は狙ったんだ。
結果的に、君のおかげで頭痛が起きたことによって綻びが生まれた。
だから岡部倫太郎は十年以上経ってからだけど、思い出すことができた。
ハッカーの腕と別の世界線だけどタイムマシンを修理した実績、
そして岡部倫太郎の世界線漂流の経験、これもSERNには価値のあるものだった。
開発の途中で岡部倫太郎は死に、あたしの父さんも死んだ。
最後に残った牧瀬博士、彼女ももう長くはないみたい。
彼女が作り上げたSERN第一号のタイムマシンを、あたしはこうしてここまで持ってきた。
まあ、正直色々あったんだけどね……。
えっ? 持ってきたってどういう意味かって?そんなの決まってるよ。
牧瀬紅莉栖、君がこの世界線を元の世界線に戻すんだ。
このタイムマシンに――世界線を移動することができるタイムマシンに乗ってね。
「その通り、それは絶対にできないし、できる訳が無いんだ。……でもね」
「大きな変化じゃないけど、世界線の微量な変化はタイムマシンに乗れば起きる」
「岡部倫太郎の持つリーディング・シュタイナーは発動しない程度って感じかな」
「じゃあ、世界線を移動っていうのはいったい……」
「このタイムマシンは、君の記憶を頼りに世界線の分岐点も遡ることができる」
「自身の体験を生かし、牧瀬博士は完成させた。完成したはず、って言った方がいいかな」
「CERNはこんな機能は望んでいない。この機能は父さんと牧瀬博士が創り上げたものだから」
「普通の人は世界線が変わったことなんて知らない、気付いていない、記憶にもない」
「ほんの少し思い出したとしても明確な分岐点を知っている訳では無い」
「その分岐点を知っているのは誰か。世界線が変動した瞬間、リーディング・シュタイナーを発動させた人間だけ」
「それは今、この世界にはただ一人。牧瀬紅莉栖、君しかいない」
「流れに逆らう、普通の人間が普通のタイムマシンに乗ってもそれしかできない」
「でも、牧瀬博士が記憶というものを頼りに遡るタイムマシンを作った、そして牧瀬紅莉栖。君が居る」
「CERNは今、タイムマシンを利用した世界の掌握を実行に移そうとしている」
「それを防ぐため、あたしの父さん、岡部倫太郎、そして牧瀬博士
三人の思い、無念、希望、そのすべてをあたしは請け負ってきた。そして君に託したい」
「つまりはそういうことだね。理解してくれた?」
「……まったく納得できない。理論的にも考えられない、夢物語ね」
「それでも、君に乗ってもらわないといけないんだ。……牧瀬紅莉栖、お願い」
「……はあ、世界線を移動できるか。失敗したら私はどうなってしまうのか。
今日という日で存在が消えるのか、遡ったとしても私の記憶が保全されているかどうか」
「それは……牧瀬博士もどうなるかわからないって言ってた。大分弱々しくなってたから……
きっと、完成したものを作るのは不可能だったと思うんだ。……でも、これを君に託さなければならない」
「不完全なものを過去の自分に押し付けるなんて、狂気のマッドサイエンティストも泣いて逃げ出すわね」
「……牧瀬紅莉栖、どうする?」
「決まってる。――これに乗って、時間だろうが世界線だろうが遡って、必ず元の世界線に戻す」
「ありがとう! お願い、君に全てが懸かっているんだ……」
「わかった。……β世界線に行けばどうなるかわからないし、今更気にすることでもないか」
「それで、これを頭に付けて」
「うわっ……この電極というかなんというか……これを頭に?」
「牧瀬博士の自信作だからね、きっと大丈夫だよ!」
「……大丈夫か、未来の私」
「じゃあ、行ってらっしゃい。気を付けてね!」
「気をつけられたらいいけどね、はあ……」
「行くよ……」
阿万音さんは手馴れた感じでスイッチをどんどんと押していった。
帰りのこと? 一応操作は教わった、けど……。
β世界線に行けば私の存在なんてどうなるか分からない。
それに、誰かがなにかをして世界が変わったのなら、このタイムマシンも存在しないことになるはず。
……平行世界がなければ、の話だけど。
ともかく、これがきっとラストチャンスなのだろう。
まゆりを救い、岡部の無念や橋田の優しさ、そして私の執念は無駄ではなかったと証明したい。
頼むぞ、牧瀬博士――二十年後の私。
「う、あっ……あああっ……頭が、割れそう……」
(えっと、ハッチはたしかこの辺に……あったあった)
目の前に広がっていたのは、ラジ館の屋上、そして秋葉原の朝を見下ろしていた。
(秋葉原には着いた。でも……ここが元の世界線だとは限らない)
(時間は……あれ、この時間だともしかして……)
私はラジ館を急いで出て、秋葉原駅の改札付近を陰からこっそり覗いていた。
すると、現れたのは――スーツケースを持った私と、岡部だった。
「岡部、頑張って」
「……元気で」
(うわー……こうやって客観視すると恥ずかしい……)
(でも、これで確認できた……私は、元の世界線に戻って来たんだ)
あの時、ラボには誰かがいた。誰かが電話レンジを起動させていた。
ラボに急いで戻り、その正体を暴く。なぜこんなことをしたのか、する意味があったのか。
理由を知らなければ、ここまでの苦労は全て無駄になってしまう。
(電話レンジを使うことができる人物は限られている……岡部、橋田、私)
(いや、外部の人間……その可能性もある。だとすると、SERNやラウンダー?)
まだ立ち続けている岡部を少しだけ眺めた後、私はラボへと向かおうとした。
だが、その前に気になることが起きた。
(あれ……? 岡部、誰かから電話がかかってきた……?)
岡部は電話をとると話しはじめ、そのままどこかへと移動してしまった。
(えっ? あいつ……どこに向かったんだ?)
それも気になるが、今はラボに行かなければならない。
私は急いでラボへと向かった。
(人の気配は……ない。それならまだ、相手より先にラボに入って待つことができる……)
(でも鍵があるから外部の犯人では……って鍵なんて強引に開けられるわよね)
(とりあえず、中に入って隠れて……ん? 鍵が、開いてる……?)
(もしかして、もう誰か来ている……!? それなら用心しなければならない……)
(静かに息を殺して……中の様子を……)
(……音がしない。まあ、よく考えれば、誰かいるならもうとっくに動かしてるわよね)
(……よし、入ろう。……えいっ!)
勢いよく私はラボの中へと入った。だが、やはりというか誰もいなかった。
(岡部が鍵を閉め忘れた……? まあ……気が動転してたってこともあるか)
(ともかく、これで隠れられる……えっと、いい場所は……)
(シャワー室、位しかないか。……とりあえずここに)
私はシャワー室に隠れ、その時を待った。
時間にはまだ余裕がある。この間に私は、誰の手によるものなのかを考えることした。
そこでは、岡部は(見た目は)チャラリンだった。
でも、岡部はまゆりのことを本当は心配していたようでもあった。
やはり、人間の本質は変わらないのかもしれない。
岡部はどのような形であっても、まゆりを完全に忘れることはできない。
では、その岡部がまゆりと離れるようになってしまったのはなぜか。
岡部はまゆりを人質と呼ぶ。それにはもちろん理由があるはずだ。
今私がいる世界線での二人の関係を、構成させなかったようななにかがあった?
いや、これは岡部とまゆりを中心に考えただけであって、他に考えることは多くある。
それでも、岡部の変化はハッキリ言って異常だ。
ラボで起きた世界改変、そして岡部の変化、これにはおそらく関わりがあるはずだ。
……考えても考えても、結論は出なかった。
そして私は、現れた人物を問い詰める、という単純な方法をとることにした。
相手が武器を持っていたら……終わりだけど。
世界改変の時間まで後、二十分。
息を殺し、相手を待つ。必ず誰かは現れる、それは間違いない。
(……ここで撃たれたりしたら、どうなるのかしら。対策しておけ――っ!?)
来た、人の気配がする。その感覚は間違っていなかった。
ドアを開ける音、足音、そしてそのまままっすぐに電話レンジへと向かっていく。
(……よ、よし、まずは相手の顔を確認しないと)
私は静かに、ゆっくりと体を動かし、少しずつ覗き込む。
誰かがいるのは間違いない。では、それはいったい誰か。
世界を改変し、まゆりの救出を困難にし、私や岡部を絶望へと突き落とそうとした人物。
その顔を、私は見た。許されない相手を、私は確認した。そして、その人物とは――
私は、言葉を失ってしまった。
私はしばらくその事実を信じることができなかった。だって、どうして、なぜ?
だが、納得はできる。その人物が改変すれば、
確かに岡部とまゆりの関係が変化する可能性は高い。
いや、むしろその人物にしかできない。だからこそ、納得してしまった。
信じられないが、それ以外に当てはまる人物はいない。
武器の心配はなくなった。命を落とす心配は、今は考えないでおく。
静かに隠れていただけだが、私は立ち上がり、その人物のところへ向かった。
距離は本当に短い、すぐに相手も気づいた。
後ろを振り向いたその顔は、どうして私がここにいるのかわからない、といったところか。
世界を改変し、あと一歩まで迫ったまゆりの救出を阻んだ人物。
それは――
「……なにをしているの、まゆり」
「……っ! ……クリスちゃん」
私の大切な友人、岡部があらゆるものを犠牲にして守ろうとした人物。
――椎名まゆりであった。
「…………」
「……お願い、答えてまゆり! どうして、どうしてあなたがこんなことを……」
「……あのね、まゆしぃ……全部聞いちゃったんだ」
「全部、聞いた……?」
「うん……オカリンとクリスちゃんがラボで話していたのを、全部。……ごめんね、盗み聞きしちゃって」
「ラボでの会話……っ! まさか、昨日の……」
「あのね、まゆしぃが生きている世界と……クリスちゃんが生きている世界は……違う世界なんだよね」
「それと、まゆしぃもクリスちゃんもどっちも生きられる世界は……ないんだよね」
「……まゆり」
まゆりは全てを知ってしまった、今は自分が死ぬ世界だということを。
そして今、岡部は私が死ぬ世界へと移動しようとしていることを。
「でも、まゆしぃは何度も何度も……そうなっちゃたから。……その度に、オカリンは悲しい顔をしてくれてた」
「まさか、タイムリープした全てを覚えているの……?」
「ううん、全部じゃないよ。……でも、オカリンが何度も泣いてくれたのは、覚えているのです」
「……そう、覚えているのね」
「ねえ、クリスちゃん。これはまゆしぃの夢じゃ、ないんだよね……。
オカリンが辛い思いをしたのも……全部、全部……夢じゃないんだよね」
私はなにも言うことができなかった。そうだ、と言っても何も意味はない。
違う、と嘘を言う必要もない。まゆりは、全てを知ってしまったのだから。
「だからね、まゆしぃは決めたのです。……クリスちゃんも、オカリンも悲しい思いをしない世界を作ろうって」
「私も岡部も悲しまない世界……それを目指して、Dメールを送ろうとしたのね」
「……うん」
「……Dメールを誰に送ろうとしたの?」
「……お父さんに、送ろうと思ったんだ」
「お父さん……? たしかに、肉親なら影響は大きいかもしれないけど……」
「……えっと、これを送ろうと思ったのです」
まゆりの見せた未送信メール、その中身は。
『おばあちゃんはまゆりを見守ってるよ』
「これで……このメールで世界があれだけ改変したというの……?」
「……そのメールを送ろうとした時はね、まゆしぃはおばあちゃんが死んじゃってとっても悲しかったの」
「その時に、オカリンが……まゆりは俺の人質だ、どこへも行くなって言ってくれたのです」
「そこから人質の関係が始まった……」
「それだけじゃないよ。オカリンが今みたいなことをしてるのは……その時がきっかけだったから」
「フゥーハハハ、って感じで笑ってね。まゆしぃを抱きしめて……どこにも行くなって……」
岡部のマッドサイエンティストとしての行動、鳳凰院凶真へとつながるもの。
それは、悲しみに暮れるまゆりを、弱々しいまゆりを繋ぎ取るために、始まったものだった。
「……おばあちゃんがいなくなっても、見守ってくれていると思えば、ってことね」
「うん。それならオカリンは……まゆしぃから離れられるだろうから」
そして同時に、マッドサイエンティストや鳳凰院凶真なんかも必要が無くなる。
岡部がラボを作らない、というのも納得ができる。
やはり、岡部に一番影響を与えられるのは、まゆりだ。
まゆりは一通のメールで、岡部を自分から離すことに成功した。
だが、それが生み出した結果は――。
「ねえ、クリスちゃん。……飛行機に乗ったんじゃなかったの?」
「……ええ、そのつもりだったわ。まあ、そろそろこっちに着くかもね」
「えっ? どういうこと……?」
「私はね……まゆりがそのメールを送って改変された世界から来たの」
「そして、私は世界改変を……まゆりのDメール送信を止めるために、ここにいる」
「……クリスちゃん」
私はあの世界線で様々なものを見てきた。その中から、まゆりに響きそうなものを私は選んだ。
「……岡部は、まゆりを救えなかったことを後悔しながら死んでいった」
「……っ! クリスちゃん……それ、本当なの?」
「ええ、未来人が言うんだから間違いない。……あんたがどれだけ世界を変えようと、
岡部は最後にはまゆりのために命を懸け……そしてあんたを救うために何でもするのよ」
「そ、そんな……」
「……私も、まゆりを助けるために死ぬまで頑張ってたみたいよ。あと、橋田もね」
「…………」
「まゆり、はっきり言うわ。――あんたがどれだけ岡部から離れようとしても、岡部は絶対にあんたを助けようとする」
たとえ記憶がなくても、忘れていても、人間の本質は変わらない。
岡部はどんな状況であっても、まゆりのことを思っていた。
「だから、あんたは……岡部に助けてもらうことを拒むな。……岡部のために、みんなのために」
「まゆり、……それはあなたが優しすぎたから、そして、岡部のことをわかっているからできたのだと思う」
「でも、クリスちゃんは大変な目に遭ったんでしょ……?」
「……ええ、電話レンジは完成しないし、橋田は相も変わらずHENTAIだし……
岡部はチャラリンだし……あー、思い出しただけでもイライラしてきた……」
「チャラリン?」
「髪は茶色、ピアスを開けて未成年のクセに煙草を吸って服装もバッチリ決めてる岡部のことよ」
「ええっ? まゆしぃ、そんなオカリンは嫌なのです……」
「同感ね。……それでも、意外とまゆりを大切に思ってたりもするのよね」
「そうなの?」
「うん、どこでも岡部は岡部よ。チャラリンだけど」
「そっかー……まゆしぃもちょっと見てみたいかな」
「今度やらせみようかしら。きっと嫌がるだろうけど」
「えへへ……クリスちゃん」
「なに、まゆり?」
「……ありがとう」
「えっ? どうして?」
「すぐわかるわ……来た!」
「あれ……? 開かない……岡部! そこにいるんでしょ?」
「情けないけど……このまま離れるのは嫌だから戻って来た。だから、ここを開けて」
「岡部、お願い。どうしても会いたくなった、だから……」
「これ、クリスちゃんの声だよね……?」
「ええ、この世界線の私ね……鉢合わせたらアウト」
「あっ、それなら……えーっと……あっ、もしもし、オカリン?」
『まゆりか……今度はどうした?』
「今ね、ラボの前でクリスちゃんがチューしたい、チューさせろー! って暴れてるのです」
(は、はあ!?)
『な、なに!? 分かった……今すぐ向かう!』
そうするとまゆりはニヤニヤしながら電話を切り、私の方を向いた。
「クリスちゃん、まゆしぃはちゃんと言ったよー。昨日のお話を全部聞いたって」
「全部…………あっ、あああっ!? ま、まさか……」
「えへへー、クリスちゃんが羨ましいなーってまゆしぃは思います」
「ちょ、ちょっと、まゆり! ……鬱だ」
「オカリンが近くにいたから、きっとすぐに会えたんだよ」
「近くにいた?」
「うん、一時間前くらいにオカリンに電話してね、ラボには来ないでねって言っておいたんだ」
「じゃあ、駅で岡部が電話していたのはまゆりだったのね……でも、どうして?」
「もし、ラボに来ちゃったら……離れたくないって思っちゃうかもしれないから」
「……でも、もうその必要はない。いいわね、まゆり?」
「うん……あのね、まゆしぃもクリスちゃんみたいに頑張るからね」
「私みたいに? どういうこと?」
「それはね……内緒なのです」
「……もう。わかった、でもいつか教えなさいよ」
そんな日が、もし来たらどれだけ幸せだろうか。
でも、β世界線に移れば私はいなくなる。
さようなら、まゆり。……元気でね。
「……それではこれより、『現在を司る女神』作戦最終フェイズを開始する」
岡部とまゆり、橋田、三人だけしかいないはずのラボ、そこに私はこっそり隠れていた。
世界線が変わるのを見届けるため、そして、岡部の声を聞くために。
「ダル、始めてくれ」
「……いいんだな?」
「……ああ」
「オーキードーキー」
そこには当たり前のラボの光景があった。
岡部がいて、まゆりがいて、橋田がいる。三人は協力して、なにかを成し遂げようとしていた。
そこに、私の姿はなかった。あってはいけないのだが、やはり少し寂しい。
きっと、未来の私は岡部と橋田が来てくれた時、涙を流して喜んだはずだ。
それは、岡部と一緒にいられなかった私が言うのだから間違いない。
そして、橋田の腕によってすぐに目的のものは見つかったようだ。
「オカリン! 見つけた! マジであったぞコレ!」
「あったのか? 俺が送ったDメールが!」
後少しで、世界は変わり、私は――。
橋田は立ち上がり、岡部のために席を空けた。
「その儀式はオカリンに譲るわ」
岡部は席に座り、自分を落ち着かせるために深呼吸をした。
本当に消えてしまうのか、私にはわからない。それでも、さようならと思わずにはいられなかった。
「……待って、オカリン」
「まゆり……? どうした、なにも問題は……」
「クリスちゃん、出てきて欲しいのです」
「く、紅莉栖?」
「えっ? 牧瀬氏おるん? どこどこ?」
(ま、まゆり!? いったい何を考えているの……?)
「クリスちゃん……お願い」
そこまで言われては、もはや隠れている意味などなかった。
岡部や橋田と目が合い、何を言っていいのか分からなかった私はとりあえず、
「は、ハロー……」
といつも通りの挨拶をしてみることにした。
「色々あるのよ……ちなみに、私はそこまであんたとチューしてない方の私だから」
「なっ……な、なにを言っているんだ!?」
「おっ? オカリン、そのチューとやらを出来ればkwsk濃密にレポよろ」
「はあ……まゆり、どういうつもり?」
「……オカリン、まゆしぃは謝りたいのです」
「あ、謝る?」
「まゆしぃはね、オカリンの重荷になりたくない、クリスちゃんに生きてほしいから……オカリンから離れようとしたの」
「離れようと……どういうことだ」
「本当は、まゆしぃはDメールを送るつもりだったんだ……」
「……なにを送るつもりだったのだ」
「子供の頃のまゆしぃが、一人でも頑張るって思えるようなメール。それを送るとね……」
「オカリンは、まゆしぃとはあまり話さなくなったの。……ね、クリスちゃん」
「紅莉栖? なぜお前がそれを……」
「改変後の世界から!? い、いつの間にそんなことが……」
「……まあ、それはどうでもいいの。……まゆり、どうしてこんな話をしたの?」
「オカリンから、離れようとして……結局まゆしぃは迷惑をかけちゃったから、謝りたいと思ったのです」
「そ、そうか。だが、身に覚えのないことを謝られてもな……」
「あのね、本当に言いたいのはこっちの方なんだ……オカリン、お願い」
「……まゆり、言ってみろ」
「世界が変わった後に、まゆしぃにクリスちゃんのことを教えてほしいのです」
「まゆり……あんた」
「クリスちゃんがそんなに頑張ってくれたんだから、まゆしぃもクリスちゃんを……助けてあげたいの」
「まゆり……だが、お前は俺のように記憶できる訳ではないんだ。だから……」
「でも……やっぱりまゆしぃはラボメンはみんな一緒がいいのです」
「……まゆり、ありがとう。……その気持ちだけで十分だから」
後少しで泣きそうだった。いや、もしかしたら泣いていたかもしれない。
それほどまゆりの言葉は暖かかった。この世界への未練なんてすべて吹き飛ばしてしまうくらいだった。
それを受けて岡部はたちあがり、高らかに笑い出した。
「お、岡部……?」
「まゆり、お前は俺の人質だ。ならば、その願いは……この俺が叶えてやろう!」
岡部は立ち上がったまま、大声で続けた。その顔はどこか晴れやかだった。
「誰が二人とも助けられないと決めた、誰が諦めろと言った、それを言っていたのは全て自分ではないか!」
「これは終焉では無い、旅立ちだ。新たな戦いの始まりだ!」
「この鳳凰院凶真が諦めるなど、有り得ん。俺は世界線を越え、今こうしてこの場に立っている!」
「お、いつものオカリンっぽいじゃん」
「まゆり、まずはお前を救う。そして紅莉栖、長くなるかもしれないが待っていろ。
必ずやお前も助けだし、全てを手に入れる世界線へと到達して見せる!」
「呆れた……そんな都合のいい世界線、あると思ってんの?」
「無ければ創り上げるまでだ。それこそが、マッドサイエンティストというものではないか!」
そこにいたのは、岡部倫太郎であり、鳳凰院凶真だった。私の大好きな、大切な人がそこには立っていた。
「……バカ岡部、本気にするぞ」
「構わん。待っていろ、紅莉栖! まずは――β世界線へ移動する!」
そして、岡部はエンターキーを押した。
あと私にできることは、待つだけだ。
なにも考えられず、ただそこにいるだけ、それしか私には許されていなかった。
これが、死んだってことなのだろうか。非科学的だけど、あの世っていうものなのだろうか。
(このまま、この真っ暗闇に取り残されるのかな……)
おそらく、というか間違いなくそうだろう。
これが、世界線を移動し、私は死んでしまったという証なのだろう。
(……岡部、本当にたすけてくれるの? 待っていればいいの……?)
その問いに答えはない。ただ暗闇が広がっているだけなのだから。
そこに、声が聞こえた。聞き覚えのある、いつまでも聞いていたい声。
「お前は……俺が、助ける」
そして、世界はまた変わった。
「だ、大丈夫ですか?」
目の前にいたのは二人の男、二人ともくたびれたスーツを着ている。
「え、ええ……大丈夫です」
「体調が悪いようですし、今日はここまでしておきましょうか」
「牧瀬さん、またなにか思い出したら教えてください。この電話番号までいつでもどうぞ」
(警部……警察か。……警察? どうして私が警察と?)
それよりも、もっと先に考えるべきことがあった。
ここはどこなのか、今は何日なのか、そして――。
(この世界線は……いったい。私は生きているみたいだから……β世界線ではない?)
外に出ると、まだ日差しが少し強い。
(まだ夏……? 今日は、何月何日だろう……)
ポケットに入っていた携帯を確認すると、すぐに日付は分かった。
今日は8月25日、暑いのも納得できる。
(生きている、わよね……ここがあの世とは思えないし……)
(……秋葉原に行ってみれば、なにかわかるはず)
(岡部は、まゆりは……無事なのだろうか)
私は電車を乗り継ぎ、秋葉原に向かった。
電車の中では様々な不安や可能性について考えていた。
(ここはα世界線で、岡部たちは移動した。……平行世界はあった、ってパターン)
(岡部が失敗して全員α世界線にいるパターン、私もβ世界線で生存できたパターン)
(……そして、私もまゆりもどちらも生存できる世界線)
ともかく今は単純に、岡部に会いたい。
(……とりあえずここに来てしまった。ここに来れば、誰かには会えるはず)
(鍵は開いてる……ってことは、誰かいる?)
「こ、こんにちは……」
「あれー? お客さんだ、こんにちは」
(……まゆり! 生きている? 日付は8月25日……いや、まだわからない。
あの世界線ではずいぶん後にまゆりは死んでしまった……)
「はじめまして。椎名まゆり、まゆしぃです☆ よろしくお願いします」
「よ、よろしく。私は牧瀬紅莉栖です」
「まきせ、くりす……? もしかして……クリスちゃんですか?」
「えっ? ええ、たしかにまゆりにはそう呼ばれていたけど……まさか、覚えているの?」
「ううん、オカリンに教えてもらったのです。お前には大切な友人がいる。
牧瀬紅莉栖という人物を、お前を絶対忘れてはいけない、って」
(岡部……あの時の約束、守ってくれたんだ)
まゆり「うん! いいんだよー、クリスちゃん」
紅莉栖「あの、岡部はどこにいるの? 今はどこかに出かけてるとか?」
まゆり「……えっとね、オカリンは今……入院しているのです」
紅莉栖「……えっ? ど、どういうことなのまゆり!?」
まゆり「まゆしぃもよくわからないけど……気づいたら入院していて」
紅莉栖「意識は……あるの?」
まゆり「……入院したての頃は、ちょっとだけ起きてたの。そこでクリスちゃんのことを教えてもらったのです」
紅莉栖(私のことより他に話すことがあるでしょうが、あのバカ……)
まゆり「今は、ずっと寝てて起きないから……まゆしぃは心配で仕方ありません」
紅莉栖「……まゆり、その病院。教えてくれる? お見舞いに行ってみようと思う」
まゆり「あっ、それなら一緒に行こうよ。二人で行けばきっとオカリンもすぐに起きるよー」
紅莉栖「そうね……一緒に行きましょうか」
紅莉栖「岡部……本当に目を覚まさないのね」
まゆり「まゆしぃがどれだけ声をかけてもダメだったのです……」
紅莉栖「……どこを怪我したの?」
まゆり「お腹にとっても深い傷があるってお医者さんが……」
紅莉栖「……なにをしたらそんな傷がつくのかしら」
まゆり「それが分からなくて、オカリンもなにも言わなかったみたいなのです……」
紅莉栖「そう……まあ、岡部らしいといえばらしいわね」
紅莉栖(またそうやってあんたは一人で抱え込もうとしてるのか?)
紅莉栖(聞きたいこと、たくさんこっちはあるんだから……早く起きなさいよ、岡部)
まゆり「クリスちゃん、まゆしぃはそろそろ帰らないといけないのです……」
紅莉栖「ええ、わかった。気を付けて帰りなさいよ、まゆり」
まゆり「クリスちゃんはもう少しここにいる?」
紅莉栖「そうね……そうしようと思ってる」
まゆり「じゃあ、オカリンのことよろしくお願いします。またねクリスちゃん、トゥットゥルー♪」
岡部「…………」
紅莉栖(岡部にやっと会えた、まゆりも側にいる……それなのに)
紅莉栖(あとはあんたが起きるだけよ、岡部……)
私はそのまま、時間の許す限り岡部の側にいた。
そうして、ただ岡部の側にいる日々が数日間続いた。
辛いことばかりだった気もするが、得たものは大きい。大切な仲間、友人、そして、大切な人。
その人が今、目の前にいる。目を覚まさないけど生きている。
それだけでも十分喜ぶべきことだ。それでも私は、岡部と話をしたい。
この世界線でなにがあったのか、まゆりはもう心配しなくてもいいのか。
私がまゆりのDメールによって改変された世界で、あんたになにを言われたのか。
全部話したい、全部聞きたい、知りたい、伝えたい、だから――。
「岡部……お願い、目を覚まして……」
この言葉が届かない、それも分かっている。それでも私は岡部に言葉を投げ続ける。
そのうちに、私は岡部にまだ言っていないことがあるのを思い出した。
(そういえば、私……岡部に好きって言ってないかも)
(こ、こういうのって……寝ているときに言ってもいいのかな……)
(でも、なんとなく卑怯な気も……いや、それだと一生言えない気もする……)
(……ちょっと不謹慎な気もするけど、これはある意味チャンスよね)
(今、岡部に好きって言えば……こう、なんか、やってやったぞ感があるというか)
(よ、よし……今しかない、練習とかそういうもんだと思えば……)
(いつかちゃんと言うってことで……とりあず練習、そういうことにしよう)
(えっと、こういう時は……なんて言えばいいんだろう)
「でも、短いけどその分あんたとは……結構、色々、心を通わせたというか……」
「……正直に言うと、あんたがいないともうダメなんだと思う」
「今はあんたが寝てるから、こうやって言えるけど……起きたらこんな風に言えないんだからな!」
「ファーストキスだって岡部にあげたし……その後もキスは……いっぱいしたし」
「……い、いい、一度しか言わないから。寝てたからって、もう一度言うとかないから」
「岡部……私は、あんたのことが……」
「す、……す……好き、だから」
(……は、恥ずかしい! これなに……寝ている相手に言ってるだけなのにものすごく恥ずかしい!)
「はあ……寝てるからいいけど、もし起きてたら本当に死ねるわねこれ……」
「まさか、起きてるとか無いわよ――――あ」
紅莉栖「…………」
岡部「…………」
紅莉栖「…………」
岡部「……あー」
紅莉栖「…………」
岡部「いや、その……」
紅莉栖「…………」
岡部「とぅ、トゥットゥルー……」
紅莉栖「……い」
岡部「……い?」
紅莉栖「い、い……」
岡部「い……?」
紅莉栖「いやあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
「『お、岡部……』のところだな」
「……お約束の一番最初からってことね。岡部、ちょっと頭開いて。電極ぶっ刺すから」
「お、落ち着けクリスティーナ! 俺は病人だぞ!?」
「知るか! 病人とか言って起きないで……さんざん人に心配させといて……! つーかティーナじゃねえし!」
「す、済まなかった……いや、本当に起きたタイミングが丁度よかっただけで……」
「……もういい、どうせいつかは言うことになるんだから」
「そ、そうだな……なあ、紅莉栖」
「……なによバカ岡部」
「あー、その……俺も、好きだ」
「…………嬉しいから許す」
「ああ、もう悩まなくてもいい。まゆりも紅莉栖も死なない、
これが俺の、そして仲間たちと勝ち取った世界線なのだ」
「そっか……あんた頑張ったのね、お疲れ様」
「なあ、紅莉栖。どうしてお前は覚えているんだ? リーディング・シュタイナー、俺と同じ位の力を持っているのか」
「さあね。チャラリンが不甲斐なかったから、私が頑張るしかなかったのよ」
「……チャラリン?」
「多分チャラリンの方がモテると思うけど……私は今の方がいいから」
「あ、ああ……よくわからんがそうなのか」
「……ねえ、岡部」
「なんだ、紅莉栖」
「約束する。俺はどこにも行かない、ラボメンの側に。……そして、お前と共にある」
「……わかった、信じる。ねえ、岡部……その」
「……するならもっと近づけ」
「わ、わかってるわよ! よっと……じゃ、じゃあ、いくわよ」
「早く来い……俺は動けないんだからな」
「偉そうにするな。……目、瞑って」
「……紅莉栖」
「……岡部」
岡部は紅莉栖を頼り、紅莉栖は岡部を探した。
その二人はラボ、という空間であったりラボメンという仲間によって繋がりを強めていった。
二人は、様々な形で最も大切な友人を、自分を理解してくれた人質を命がけで救った。
岡部倫太郎は二度と消えない。これからもラボに存在し、ラボメンと共にあり続ける。
そして、その横にはきっと、牧瀬紅莉栖がいつまでもいてくれるはずだ。
終わり
よく頑張った
面白かったです
最後までありがとう!!
Entry ⇒ 2012.07.27 | Category ⇒ シュタインズゲートSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ドラえもん「よし、黒の騎士団を迎え撃とう!」
ワーッ ワーッ ワーッ
---のび太宅
ドラえもん「これはどんでもないことになったぞ・・・」
のび太「どどど、どうするドラえもん」
ドラえもん「恐らくゼロはこのまま東京租界まで進軍してくるぞ」
のび太「えぇ!?は、早く逃げようよ」
スネ夫「そうだよ、ここにいたらみんな殺されちゃうよー」
ドラえもん「そうだね、じゃあ御馴染み『どこでもドア~』」
ジャイアン「俺はここに残る!!」
のび・ドラ・スネ「えぇ!?」
ジャイアン「ゼロはただの人殺しだ!親戚のおじさんは成田の戦いに
巻き込まれて死んだ・・・。あいつがここに来るっていうなら、やってやろーじゃねーか!」
スネ夫「あ、相手はあのゼロだよ!?ジャイアンが敵う相手じゃないよ!」
ジャイアン「そんなこと、やってみないと分からねーじゃねーか」
テクテクテク
のび太「ジャイアン・・・。どうするドラえもん?」
ドラえもん「う~ん・・・」
スネ夫「考える必要なんてないだろ、早く逃げようよ!」
のび太「そんな~、ジャイアン一人をおいて逃げるっていうの?」
スネ夫「それは・・・」
ドラえもん「うん、よし!黒の騎士団を迎え撃とう!!」
のび太・スネ夫「えぇ!?」
のび太「迎え撃つって、勝ち目はあるの!?」
ドラえもん「分からない・・・でも、ジャイアン一人をおいて逃げるわけにはいかないだろ?」
のび太「・・・・うん」
スネ夫「相手はブリタニアと対等に戦ってる連中だぞ!?
勝てるわけないよ、ママ~」
ということで、『モニターテレビ~』」
のび太「な~にこれ?」
ドラえもん「このロケットを飛ばすと、テレビを通してその場の状況が映し出されるんだよ!ソレ」ヒューン
---一方その頃---
ゼロ「扇、状況はどうなってる?」
扇「千葉や埼玉、茨城の部隊も同時に東京租界へ向けて進軍を開始してる!」
ゼロ「よし、エナジーの補給場所を確保しつつ進軍を続けるよう指示を出せ」
扇「分かった!」
玉城「ヘヘ、これだけの大部隊だ!ブリタニアなんて目じゃねーぜw」
ゼロ「軍の殆どは行政特区の件で散り散りになっている
今租界に残っているのはコーネリアの親衛隊とグラストンナイツ程度」
扇「いけるな!」
ゼロ「油断するな、ハワイからの援軍が来れば形勢はたちまち逆転する
援軍が到着するまでが勝負だ・・・それまでに政庁をおさえるぞ!!」
ドラえもん「カメラが現場に行くまで多少は時間がかかるんだよ」
スネ夫「そんなことより外見ろよ、戦闘機やナイトメアが
続々と租界の外へ向かって飛んでいってるぞ・・・」
のび太「うわ~本当だ!凄い数」
スネ夫「こんなの無理に決まってるよ!!黒の騎士団だけじゃなくて
ブリタニア軍まで相手にすることになるんだぞ?ママー!!」
のび太「泣くなよ、みんなで戦うって決めたじゃないか」
ブツンッ
ドラえもん「ん、映像が出たぞ」
のび太「どれどれ~、うわー凄い数の軍隊!」
ドラえもん「やっぱり、ゼロは途中で他の抵抗勢力を吸収しながら
進軍してるんだ」
スネ夫「だから無理だって言ったんだ!ママー」
のび太「これからどうするのドラえもん!?」
ドラえもん「黒の騎士団と戦うにはまずブリタニア軍を何とかしないと」
のび太「何とかって、この大部隊を!?どうるすのさ~」
のび太「合流ったって、今何処にいるか分からないじゃない」
ドラえもん「そうだね、じゃあ『尋ね人ステッキー』」
のび太「えぇ、またステッキ!?他に道具無いの?」
スネ夫「そんなことより、こんな状況で空なんて飛んでたら
ジャイアンを見つける前にブリタニア軍に捕まっちゃうよ」
ドラえもん「『透明マントー』これを被れば透明人間になれる!
さ、二人とも行くよ!」
--------
軍人「民間人の避難誘導、終了しました!」
司令官「御苦労、戦闘は近いぞ。直ちに配置につけ」
軍人「イエス・マイロード」
?「こんにゃろー!!」
司令官「ん?何だあれは?」
司令官「子供!?何故こんな所に?おいお前、避難誘導は終わったんじゃないのか!」
軍人A「も、申し訳ありません!今すぐ避難を」
司令官「もう良い、今は人手が足りないんだ!これ以上民間人に手を回していられん」
軍人A「いや、しかし・・・ではあの子供は?」
司令官「よく見ろ、子供とは言えあれはイレヴンだ!
殺してさっさと他の連中も配置につかせろ」
軍人A「イエス・マイロード」
ジャイアン「放せってんだよー!!」
軍人B「ここは危険だ、租界まで送ってやるから大人しくしろ!!」
軍人A「その必要はない。B、配置につけとさ」
軍人B「しかしこの子供はどうする?」
軍人A「・・・・殺す」
軍人B「何だと!?」
ジャイアン「上等だ!やれるもんならやってみろー!!」
軍人A「命令は絶対だ!」
ジャイアン「こんにゃろ~、誰がお前なんかにー!!」
軍人A「・・・死ね!!」
ドラえもん「『こけ脅し手投げ弾~』そ~れ!」ポイッ
ドカーーーン!!!
軍人A・B「うわあああああ!!」
ドラえもん「今だのび太くん、ジャイアンにマントを被せて」
のび太「分かった!ジャイアーン」
ジャイアン「おぉ~、心の友よ~」
のび太「これを被って」
ジャイアン「分かった」
軍人B「な、何だこれは?音と煙だけで全く実害がないぞ」
軍人A「本当だ・・・おい、さっきの子供がいなくなってる!」
軍人B「何処へ消えたんだ・・・・爆発の瞬間空に人が飛んでるようにも見えたが
いったい何者なんだあいつらは」
軍幹部「総督は何をしている!?」
部下「総督はユーフェミア殿下の件が相当ショックだったらしく
現在は私室にこもっています」
軍幹部「何だと!?黒の騎士団が直ぐそこまで来ているというのに・・・
これでは指揮系統がバラバラになるぞ・・・」
ギルフォード「コーネリア殿下はきっと来てくださる!
それまでは我らで何とか食い止めるぞ!」
軍幹部「ギ、ギルフォード卿!?」
ギルフォード「グラストンナイツと親衛隊は既に租界外縁部に陣を敷いている!
残った部隊も全てそちらへ向かわせろ」
軍幹部「そ、それでは政庁の守りが・・・・」
ギルフォード「兵力の乏しい現状ではそうするしかない!急げ」
軍幹部「イ、イエス・マイロード」
ギルフォード「(ハワイからの援軍が到着するまで黒の騎士団を足止め出来れば
我が軍の勝利だ・・・。何としても食い止める!)」
ガチャッ
セシル「あ、ロイドさん!ユーフェミア殿下は大丈夫なんですか!?」
ロイド「う~ん、正直厳しいだろうね」
セシル「そんな・・・・」
ロイド「あれじゃもって後数時間ってところかな」
セシル「今も集中治療室に?」
ロイド「今はカプセルに入って延命処置を受けてるだけだよ
最後くらいは二人っきりにしてあげようと思ってね」
セシル「じゃあスザク君も中に?」
ロイド「うん。だからそっとしといてあげてね。それより
黒の騎士団の方はどうなってるの?」
セシル「反乱分子を吸収しつつ東京租界へと向かってきています
さっき映像が出ましたけど、物凄い数でしたよ・・・」
ロイド「こっちの勢力は?」
セシル「・・・親衛隊と常駐していた軍のみでの対応になりそうです」
ロイド「あは~♪流石にそれだと厳しいね。セシルくん、ランスロットを移動させる準備を」
ロイド「援軍でも来ない限り勝ち目は無いからね。
それよりランスロットを安全な場所に避難させとかないと
万が一敵の手に渡ったりしたら厄介でしょ?」
セシル「それは・・・そうですが」
ロイド「それに、特派にはまだ出動命令が出てないしね。
まぁ心配しなくても大丈夫だよ。親衛隊にはギルフォード卿もいるんだから」
------一方その頃
ドラえもん「ジャイアン大丈夫?怪我は無い?」
ジャイアン「俺は大丈夫だ。それよりドラえもん、これからどうすんだ?」
スネ夫「たった四人で何が出来るって言うんだ!早く逃げようよ」
のび太「早く何か手を打たないと、黒の騎士団が来ちゃうよ」
ドラえもん「う~ん・・・」
スネ夫「大体黒の騎士団を倒してどうするのさ!僕らからしたら
ブリタニアだって敵だろ!?あいつら日本占領の時沢山の日本人を殺したんだぞ!
そんな連中の手助けしてどうするのさ!?」
のび太「確かに・・・・黒の騎士団を倒しても、何も変わらないね・・・」
僕らにとってはそっちの方が良いじゃないか!」
ジャイアン「何だとスネ夫!!」ガバッ(スネ夫の胸ぐら掴む)
スネ夫「うわっ!ちょっと放してよジャイアン」
ジャイアン「俺は認めないぞ!あいつらのやってることはブリタニアと一緒だ!
そんなやり方で独立出来たって、俺は認めない!!」
スネ夫「わ、分かったよジャイアン!!は、放してってば」
ドラえもん「そう、黒の騎士団を認めるわけにはいかない!」
のび太「でも、だからってブリタニアに手を貸して黒の騎士団を倒せたとしても
日本はその後もブリタニアに支配されたままだよ!?」
ジャイアン「だったら黒の騎士団もブリタニアも両方まとめて相手してやる~」
スネ夫「もうっ!片方相手にするだけでも大変なのに、そんなこと出来るわけないだろ!」
ドラえもん「いや!日本を独立させ、尚且つ黒の騎士団を倒すにはそれしかない!」
のび太「どうするのさ~?」
ドラえもん「どうしましょ・・・」
のび&スネ&ジャイ「あらら」ドテッ(その場に座り込む三人)
のび&スネ&ドラ&ジャイ「うわっ!!」
のび太「さっきの軍人だ、逃げよう!」
ドラえもん「みんな走れー!!」
ダダダダダ
軍人A「待て!!」
スネ夫「な、何でわざわざ追っかけてくるのさ!ハア、ハア」
ジャイアン「そんなこと・・・ハア、俺が知るわけないだろ~」
のび太「みんな・・・ゼエ、ゼエ、待ってよ~」
ジャイアン「あ、のび太!?」
スネ夫「ドラえもん、のび太が捕まっちゃうよー!」
ドラえもん「大変だ、何か無いか何か無いか何か無いか」(ポケットから次々と道具を出すドラえもん)
のび太「ドラえもーん!!」
軍人A「ハァハァ、もう少しだ!」
ドラえもん「あった!『相手ストッパー』」
相手を狙いスイッチ入れるとその場から動けなくなる
ドラえもん「それっ!」ポチッ
軍人A「な、何だ!?あ、足が動かない!!」
スネ夫「やった!流石ドラえもん」
ドラえもん「さ、今のうちに逃げよう!」
ジャイアン「おう!」
ダダダダダダ
-----
---
--
ドラえもん「ハア、ハア・・・ここまで来れば、流石に大丈夫だろう」
ジャイアン「ハア・・・ハア・・のび太、大丈夫か~?」
のび太「う~、もう動けない」
スネ夫「わざわざ走らなくても、ハアハア・・・タケコプター使えば良かったんじゃないの?」
ドラえもん「ハア、ハア、ただ今充電中」
ドラえもん「そういうこと」
のび太「あちゃ~」ドテッ
ジャイアン「ど、ドラえもん!!」
ドラえもん「どうしたのジャイアン?」
ジャイアン「あそこに、人が倒れてるぞ」
ドラえもん「うわっ!本当だ!しかもナイトメアまである・・・」
ジャイアン「軍人かな?」
ドラえもん「たぶんね。よし、行ってみよう!」
ダダダダダ
のび太「ちょ、ちょっと待ってよー」
------
---
-(そこには怪我をして今にも朽ち果てそうな大柄の男が横たわっていた)
?「わ、私は・・・・姫様を・・・」
ドラえもん「大丈夫ですか~?うわっ、凄い怪我!」
ジャイアン「ドラえもん、やっぱり軍人だぜ。」
ドラえもん「それにしても凄い怪我だ、きっと誰かに撃たれたに違いない
スネ夫「こ・・・この人、見たことあるー!!」
のび太「え?誰なのさ?」
スネ夫「コ、コーネリア軍の将軍、ダールトンだよ!」
のび&ジャイ「えぇ!!!」
ドラえもん「式典に参加していたはずなのに、何でこんな所にいるんだろう・・・」
ダールトン「姫様を・・・・・姫様を・・・・・」
スネ夫「こんな奴放っておこうよ!」
のび太「そんな~、いくら敵だからってこのまま見捨てるなんて・・・」
スネ夫「治療なんてしたらこっちが捕まっちゃうよ!」
ジャイアン「そんなことより、こいつちょっと変じゃないか?
さっきから姫様姫様って、同じことばーか!姫様って誰の事だ?」
ドラえもん「たぶんコーネリアのことだと思う」
ダールトン「姫様を・・・・・うぅっ」
ドラえもん「あ、本当だ」
スネ夫「血かなんかじゃないの?」
のび太「そうかな~。なんかそんな感じじゃないような気がするんだけど」
ダールトン「姫様を・・・・・姫様を・・・・ころっ・・・」
ドラえもん「待って!何か違うことを言おうとしてる」
ダールトン「ひ、姫様を・・・・・・殺さねば」
ドラ&ジャイ&のび&スネ「えぇ!!!!?」
ジャイアン「コーネリアを殺すぅ!?」
のび太「何でブリタニアの軍人がそんなこと言うの!?」
ドラえもん「この人はただの軍人じゃない!軍の将軍・・・コーネリアの右腕とも言える人だ」
スネ夫「そんな人が、何でコーネリアを殺すなんて言うのさ!?」
ドラえもん「もしかしたらと思っていたけど、やっぱりそうなのかもしれない・・・」
ドラえもん「ゼロは、何か特殊な力を持っているのかもしれない!」
スネ夫「特殊な力って?」
ドラえもん「そこまでは分からないよ・・・でも、行政特区の式典でのユーフェミアの行動や言動。
そしてこの人の発言!それだけじゃない、ゼロが今まで起こしてきた奇跡と呼ばれる作戦は
そうでも考えないと説明がつかない!」
のび太「も・・・もしかして、ゼロもドラえもんみたいな未来人かもしれないの?」
ドラえもん「その可能性は高い」
ジャイアン「ゼロが本当に特殊な力を持ってるとして、それはどんな力なんだ?」
ドラえもん「恐らく、相手を自在に操るとかそんなところだと思う」
スネ夫「そんな奴に勝てるわけないよ、ママー!!」
のび太「じゃあ、ユーフェミア殿下のあの行動はゼロに操られたってことなの?」
ドラえもん「ユーフェミアが豹変したのはゼロとの密談の後だから、恐らく・・・」
ジャイアン「くそぉ許せねぇ!!」
ドラえもん「いずれにしても、あの場でゼロと接触した可能性の高いこの人に
話しを聞くのが一番だと思う!治そう!」
のび太「話を聞くって言っても、ゼロに操られてるんじゃどうしようもないよ」
ドラえもん「大丈夫、『タイム風呂敷ー』『ビックライトー』」
ドラえもん「まずはビックライトでタイム風呂敷を大きくする」ピカッ
--タイム風呂敷が人を包み込めるサイズになった
ドラえもん「そして大きくなったタイム風呂敷を将軍に巻きつける!」ガサガサ
--ダールトンの身体はタイム風呂敷に覆われた
ドラえもん「これで、傷だけじゃなくゼロのかけた術も解けるはずだ!」
のび太「・・・・そろそろ取っても良いんじゃない?」
スネ夫「本当に大丈夫だろうね?取った瞬間に暴れだすなんて御免だよ」
ドラえもん「万が一暴れだしたらショックガンで眠らせれば良い!ジャイアン、頼める?」
ジャイアン「おう、任せとけ!」(ドラえもんからショックガンを受け取る)
ドラえもん「じゃあ取るよ・・・・ソレッ」バサッ
さっきまでの激痛が・・・・俺は確かゼロに撃たれたはず・・・」
ドラえもん「やっぱり撃たれてたんですね」
ダールトン「(イレブンか?)・・・・君が治してくれたのか!?」
ドラえもん「そうです、僕ドラえもん」
のび太「僕、のび太」
ジャイアン「俺ジャイアン」
スネ夫「僕・・・スネ夫」
ダールトン「礼を言う。それにしても不思議だ・・・さっきまで物凄い激痛と
何か言いようのない苦しみを受けていたというのに・・・。
いったいどうやって治したんだ?」
ドラえもん「その説明をするには、まず僕の事を話さなければいけません」
ダールトン「構わん。してくれ」
------
---
-
ドラえもん「そうです、僕は22世紀の日本で生まれたネコ型ロボットなんです」
ダールトン「・・・・にわかには信じ難いが」
のび太「嘘じゃありません!本当なんです」
ダールトン「(しかし先程私の怪我を一瞬で治したのは事実・・・。
それにこいつは明らかに人間では無い・・・・)」
ジャイアン「ドラえもん、何か道具でも出さないととても信用してくれそうにもないぞ」
ドラえもん「そうだね、じゃあ『何処でもドアー』」ドサッ
ダールトン「な、何だこれは!?いや・・・それより、何故そんな小さなポケットから
こんな大きな物が・・・・」
のび太「ドラえもんのポケットは四次元空間に繋がってるんです」
ダールトン「四次元・・・?」
ドラえもん「将軍、何処か行きたい所はありますか?」
ダールトン「行きたい所?何だこんな時に?」
ドラえもん「いいから、何処でも良いので行きたい所を教えてください!」
ドラえもん「政庁ですね、分かりました!
ではご覧ください、22世紀の科学が生んだ不思議なの力を!」ガチャッ
ダールトン「これは・・・!!?」
ドラえもん「ふふふ、どうです将軍」
ダールトン「信じられん・・・政庁までどれ程の距離があると・・・」
ドラえもん「信じてくれますか?」
ダールトン「・・・フン、信じぜざるを得ないな。こんな物を見せられては」
のび太「はー、良かったー」
ダールトン「するとさっきの私の怪我も、そのドアのような不思議な道具を使って
治したということか?」
ドラえもん「そうです」
ダールトン「なるほど・・・。未来のロボットか・・・どうやら私は凄い物と出会ってしまったようだ」
スネ夫「ドラえもん、早くあのこと聞かないと」
ドラえもん「あ、そうだったね!」
ダールトン「ん?何か私に聞きたいことでもあるのか?こちらの質問に答えてもらった上
傷の手当てまでしてもらっているんだ。大概のことなら答えるぞ」
特に、ゼロの行動などを」
ダールトン「少々記憶が曖昧になっているが、それでも構わないのであれば話そう」
ドラえもん「是非お願いします!」
------斑鳩
ガチャッ
C.C「随分長い会議だったな。もう租界は目の前だと言うのに」
ゼロ「目の前だからさ。最終確認をしていた」
C.C「で、どうなんだルルーシュ」
ルルーシュ「どうとは?」
C.C「勝てそうか?」
ルルーシュ「愚問だな」
C.C「それは結構なことだ」
ルルーシュ「(ユーフェミアの件は・・・ああなってしまったのならば仕方がない
彼女の死を最大限利用させてもらう)」
ルルーシュ「あぁ、コーネリアもそのつもりで陣を敷いているようだからな」
C.C「それでは飛んで火にいる何とやらになるぞ?左右に展開させた方が賢明だな」
ルルーシュ「わざわざ総督自ら正面に出てきてくれているんだ。
こちらもそれ相応の態度をもって応えてあげねばな」
C.C「総督自らと言うが、陣を敷いているという報告はあったが
コーネリアがそこにいるという情報は不確定なものだぞ」
ルルーシュ「必ず出てくるさ、姉上はそういう人だ」
C.C「仮に出てきたとしてどうするつもりだ?報告によると政庁の守備隊までも
租界外縁部に集結しているらしいが・・・そうなると流石に厄介だぞ」
ルルーシュ「全て想定内のことだ。どうせ援軍が来るまでの時間稼ぎが目的だろう
これこそ飛んで火にいる何とやらだ、一気に始末してやる」
C.C「何か策でもあるのか?」
ルルーシュ「あぁ。外縁部に集結した部隊を叩けば後は政庁まで一気に行ける!
守備隊がいないのであれば政庁を押さえることは容易い
条件は全てクリアされた、後はイレギュラーが無いことを祈るばかりだな」
C.C「・・・イレギュラー?ランスロットのことか?」
ルルーシュ「スザクに関してはもう対策を立ててある。最早イレギュラーなどではない」
ルルーシュ「それが始めから分かっていたらイレギュラーでも何でもないだろ。
こういう時に限って、普段では絶対にありえないような事が起きたりするものだ」
C.C「それは大変だ。頑張れよ」
ルルーシュ「まるで他人事だな・・・・まぁいい、俺はガウェインで出る
後のことは任せたぞ」
C.C「任されても困る。私も行くぞ」
ルルーシュ「何?・・・・・言っておくが、これから行くのは敵の最前線だぞ?」
C.C「珍しく心配してくれるのか?」
ルルーシュ「茶化すな!」
C.C「何度も言ってるだろルルーシュ、私はお前の共犯者
死ぬも生きるもお前と一緒だ」
ルルーシュ「フン、好きにしろ。全く、わけの分からない女だ」
C.C「そうさ、私はC.Cだからな」
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朝比奈「今度こそ取り返しましょう、日本を!」
千葉「兵力が少ないとはいえ相手はブリタニア、油断大敵だな」
玉城「こっちにはゼロがいるんだぜ!楽勝だっての!なっカレン?」
カレン「(学園のみんな・・・大丈夫かな・・・)」
玉城「おいカレン!?」
カレン「へ?」
玉城「へ?じゃねーよ、いよいよ決戦って時に何呆けてんだ?」
カレン「うるさいわね、ちょっと考え事をしてただけよ!」
藤堂「紅月くん!」
カレン「はい、なんでしょう!?」
藤堂「恐らく今回もあのランスロットという機体が出てくる。
あの機体とパイロットを倒せるのは君と紅蓮だけだ。頼むぞ!」
カレン「は、はい!!任せてください!!」
玉城「ま、いざとなったら俺が何とかしてやるよw」
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ダールトン「というのが、私があの場で見た全てだ」
のび太「じゃ、じゃあ式典に参加していた日本人はみんな・・・」
ダールトン「全員というわけではない、少なからず生存者もいるはずだ」
ドラえもん「つまり将軍はゼロに撃たれた後、気がついたら
ここにいたってことなんですね?」
ダールトン「・・・そうだ。撃たれた後に身体が勝手に動いた。
頭の中はコーネリア殿下の下へ急がねばと、それしか無かった。
他の事は何も考えられず、ただそれだけが頭をめぐっていた」
ドラえもん「それは恐らく、ゼロに何らかの操作をされていたからだと思います!」
ダールトン「操作?どういうことだ?」
ジャイアン「ゼロは特殊な力を持ってるんです!」
ダールトン「特殊な力・・・?」
ドラえもん「そうです、将軍はゼロのその力によって操作され、
ここまで来たんだと思います」
ドラえもん「怪我を治す前将軍は、コーネリア殿下を殺すと言ってたんですよ?」
ダールトン「私が姫様を!?・・・馬鹿な!!」
のび太「本当です、僕も聞きました!」
スネ夫「僕も!」
ダールトン「・・・・人を操作する力・・・なるほど、確かにそう考えれば
ユーフェミア殿下が突然錯乱した件についても説明がつく」
ドラえもん「これまでにどれだけの人が同じように操作されたか
検討もつきません!何か心当たりはありませんか?」
ダールトン「言われてみれば確かにゼロとの戦いでは不可解な事が多かった・・・
あれらの所業も、全てその力によって引き起こされていたというわけか」
ドラえもん「恐らく」
ダールトン「なるほど・・・フッ、これ以上に不利な戦いはないな」
ピピピピ
ダールトン「部下から電話だ、すまんが少し席を外す」
ドラえもん「あ、はい。どうぞ」
ダールトンはドラえもん達から離れた場所へ移動した
ドラえもん「うん、話を聞いてくれる人で良かった」
スネ夫「分からないよ、部下から電話だなんて言ってるけど
本当は僕らを捕まえる為にあの人から連絡したのかもしれない」
のび太「僕らを逮捕する理由なんてないじゃない?」
ジャイアン「そうだぞスネ夫!お前は何でも疑いすぎなんだよ」
スネ夫「あいつはドラえもんが22世紀のロボットだって事を知ってるんだよ?
それだけでも十分逮捕される理由になるよ!」
のび太「何でさ~?」
スネ夫「ドラえもんを利用しようと考える可能性だってあるだろ?
もしそうだったら、このまま僕らを帰すわけないよ」
のび太「えぇ!?ど、どうするドラえもん?」
ドラえもん「もしスネ夫くんの言うとおりだったとしても、
その時はちゃんと考えがあるから大丈夫」
ジャイアン「ところでドラえもん、これからどうすんだ?」
ドラえもん「将軍の出方次第だけど、ゼロに特殊な力がある以上
まずはその対策をするべきだと思う」
スネ夫「あっ!帰ってきたよ!」
ドラえもん「もういいんですか?」
ダールトン「あぁ、待たせてすまない」
スネ夫「あ、あの・・・」
ダールトン「何だ?」
スネ夫「な、何の連絡だったんですか?」
ダールトン「部下が心配してかけてきたんだ。ついでに現在の状況を聞いておいた」
ドラえもん「今はどういう状況なんですか?」
ダールトン「我が軍は現在黒の騎士団との決戦に備え、租界外縁部に陣を敷いている
黒の騎士団はまもなく東京租界へ到着とのことだ。
指揮はコーネリア殿下の騎士であるギルフォード卿がとっている」
ジャイアン「えぇ?コーネリア殿下は何してるんですか?」
ダールトン「姫様は今私室にて療養中とのことだ」
のび太「療養!?怪我してるんですか?」
ダールトン「いや、精神的なものだ・・・ユーフェミア殿下の件に
相当ショックを受けたらしい。この戦いが終わるまでの復帰は恐らく難しいだろう。」
ドラえもん「そういえばユーフェミア殿下とコーネリア殿下は実の姉妹でしたね」
のび太「そういえば、あの後ユーフェミア殿下はどうなったんですか?」
ダールトン「ゼロに撃たれ重体とのことだ・・・話によれば
もう手の施しようがないらしく、現在は延命処置を受けているらしい」
のび太「えぇ!?じゃあもう助からないんですか?」
ダールトン「恐らくな・・・あの虐殺命令に加えその事実
姫様が落ち込むのは仕方が無い」
ジャイアン「いいように操った後に銃で撃ったってのか・・・許せねぇ!!」
ダールトン「ところで、これから君達はどうするんだ?」
ドラえもん「僕達は黒の騎士団と戦うつもりです」
ダールトン「何だと!?たった四人でか?」
ジャイアン「心配ありません!こっちには22世紀の科学の結晶
ドラえもんがいるんですから」
ドラえもん「いや~、科学の結晶だなんてうふふふふ」
ダールトン「フン、そうだったな。しかし黒の騎士団と戦うのであれば
我々ブリタニアに力を貸してくれないか?」
ドラえもん「残念ですけど、それは出来ません」
ドラえもん「僕達は黒の騎士団と戦いますけど
それと同時に日本を取り返したいとも思ってるからです!」
ダールトン「日本を取り返す?しかしそれならば黒の騎士団に
加勢し、我々ブリタニアと戦えば良い話ではないか?
ドラえもん「いえ、それでは駄目なんです!」
ジャイアン「黒の騎士団はブリタニアと一緒だ!
力で相手をねじ伏せて、従わせるなんて間違ってる!」
スネ夫「もう、いつも自分がやってることじゃないか」
ジャイアン「あんだよ!!」
のび太「それに、ゼロが人間を操ってる以上
僕らは黒の騎士団と一緒には戦えません!」
ジャイアン「よく言ったぞのび太!」
ダールトン「なるほど、つまり君達は日本を取り戻したいが
黒の騎士団とゼロには賛同できない。故に黒の騎士団の進軍を食い止め
尚且つブリタニアから日本を取り戻すと、そういうことだな?」
のび太「そうです!」
日本を取り戻すと言ったが、連中と我々を殺すのか?」
のび太「そ、そんな~!殺すだなんて」
ダールトン「だが現実的に考えればそうなる。
まさか血を流さずに解決させようと言うつもりじゃないだろうな?」
ドラえもん「綺麗事かもしれませんが、僕達はそのつもりです」
ジャイアン「誰も傷つかないやり方で、日本を取り戻すんだ!」
ダールトン「フッ、フハハハハ・・・アハハハハハハ!!」
のび太「勿論簡単な事じゃないと思うけど、それでも
ここで諦めたくはないんです!」
ドラえもん「もう、笑わなくたっていいじゃないですか!」
ダールトン「ハハハ・・・いや失礼。全く、君達は子供だな。
そんなことが本当にできると、本気で思っているのか?」
スネ夫「子供だからって馬鹿にするな!」
ジャイアン「そうだ!子供だって、力を合わせれば何だって出来る!」
ダールトン「フッ、そうか・・・・・・・・・・・・では私も力を貸そう」
ドラ&のび&スネ&ジャイ「えぇ!!!?」
ダールトン「そのままの意味だ」
のび太「で、でもあなたはブリタニアの将軍なんですよね?」
ダールトン「あぁ」
スネ夫「僕らはそのブリタニアとも戦うって言ったんですよ!
それに手を貸すだなんて、おかしいじゃないですか!」
ダールトン「ブリタニアと戦うと言っても、君達の戦い方では
血は流れないのだろう?」
スネ夫「え?・・・・・ま、まぁそうですけど」
ダールトン「勘違いしてもらっては困るが、私は何もブリタニアを裏切ると
言ったわけじゃない。君達に力を貸すと言ったんだ」
のび太「それってあまり意味は変わらないんじゃないですか?」
ダールトン「全く違う。ドラえもん、君なら私が何を言いたいか分かるだろ?」
ドラえもん「いいえ、全然」
ダールトン「・・・・・・・」
君達はそれをしようと言うのだろう?」
ドラえもん「えぇ、まぁ」
ダールトン「だが具体案はまるで無い?」
ドラえもん「恥ずかしながら・・・」
ダールトン「私に良い考えがある」
ジャイアン「良い考え?」
ドラえもん「何ですそれは?」
ダールトン「この考えならば流れる血は少なく、ブリタニアと戦うことなく
日本を取り戻すことも可能だろう。むろん、上手くいったらの話だがな」
ドラえもん「聞かせてください!」
ダールトン「いいだろう。いいか、まずは・・・」
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ダールトン「と、いう具合だ。どうだ?」
スネ夫「そ、そんなの上手くいくわけないよ!」
ドラえもん「いや、これしかない!」
スネ夫「えぇ!!?」
ダールトン「この作戦ならば私もブリタニアを裏切らずに済む。
さっきのはこういう意味だったんだ」
のび太「なるほど~。でも、どうしてなんですか?」
ダールトン「何がだ?」
のび太「だって将軍には僕らに手を貸さないで黒の騎士団と戦うっていう
選択肢だってあったじゃないですか?なのに何で協力してくれるんです?」
スネ夫「そ、そうだよ!それにこの作戦が上手くいったらブリタニアは
日本の領土を失うことになるんだよ!?」
ダールトン「エリア11・・・いや、領土などどうでも良いのさ」
ドラえもん「どういう意味ですか?」
何も好き好んで戦争をしているわけではない。
出来ればそんなことはしたくないし、平和に過ごせればそれが一番だと思ってる」
ドラえもん「はい」
ダールトン「だから私は君達に力を貸すんだ。このままブリタニア軍と
黒の騎士団が正面からぶつかり合えば、多くの人間が死ぬ。
その多くは恐らく民間人だろう。だが君達とならば
その被害を最小限まで減らすことが出来ると、そう思ったからだ。」
スネ夫「で、でもその結果領土を失うことになるかもしれないんですよ?」
ダールトン「多くの命が領土の返還で救えるならば、安いものだ。
きっと姫様も分かってくれるはず・・・」
スネ夫「・・・」
ジャイアン「うぅ・・・なんて、なんて良い人なんだ」
ドラえもん「ありがとうございます将軍、ではこれからよろしくお願いします」
ダールトン「決戦は近い、事を起こすならば早い方が良いだろう」
ドラえもん「そうですね、ではもう一度、『何処でもドアー!』」ドンッ
ダールトン「よし、これで政庁まで行こう」
スネ夫「もーこうなったらどうにでもなれー!」
のび太「僕達で、日本を取り戻そう!」
ドラえもん「ふふふ、みんな頑張ろうね」
無邪気に騒ぐ四人を見ながらダールトンは思った
ダールトン「(領土・・・つまり国益よりも人の命の方が大事か。
昔の俺では考えられん台詞だな。しかし、彼らと一緒にいると
以前のような考え方は一切浮かんでこない)」
ドラえもん「どうしたんですか将軍?行きますよ~」
ダールトン「あぁ、今行く」
ダールトン「(賭けてみよう、この子達に)」
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軍幹部「ギルフォード卿、部隊の配置完了しました」
ギルフォード「御苦労。貴公も外縁部へ向かってくれ」
軍幹部「ギルフォード卿は?」
ギルフォード「私は殿下がここにいる以上、ここからは動けんよ。
殿下をお守りすることが、騎士たる私の使命だ」
コーネリア「その必要は無い!!」
ギルフォード「殿下!!?・・・もう御身体はよろしいのですか?」
コーネリア「ギルフォード、私をそこらの女と一緒にするな!
ゼロが来るのであろう?ならば私が指揮をとる!ついて来い!」
ギルフォード「イエス・ユア・ハイネス!」
軍幹部「うわっ!!何だこのドア!?」
ギルフォード「ん?」
ドラ&ジャイ&のび&スネ「うわああああ」ドサドサッ
四人は一斉にドアから飛び出し
折り重なるようにしてその場に倒れた・・・
コーネリア「何だ・・・・こいつらは?」ゴゴゴ
のび太「潰れる~」
ジャイアン「悪い悪い」
コーネリア「こいつら、何処から湧いて出てきた?」
スネ夫「ん?・・・うわっ!!コ、コーネリア!!」
ジャイアン「えぇ!!?」
のび太「ほ、本物だ~」
コーネリア「・・・・ギルフォード、こいつらはお前の知り合いか?」
ギルフォード「い、いえ知りません」
コーネリア「貴公は?」
軍幹部「わ、私も知りません」
コーネリア「では侵入者か・・・・見た所イレブンのようだが・・・
子供とはいえ黒の騎士団の関係者という可能性もある。牢に閉じ込めておけ」
軍幹部「イ、イエス・ユア・ハイネス!」
ドラえもん「待ってください!僕達は黒の騎士団とは関係ありません!
コーネリア殿下にお話があって来ました!」
ドラえもん「タ、タヌキじゃない!僕ネコ型ロボット!!」
ギルフォード「ロボット・・・?」
コーネリア「猫かタヌキかなどどちらでもいい。
私は急がしいのだ、子供の相手をしてやる時間など無い!さっさとひっ捕らえろ」
軍幹部「はっ!」
のび太「ド、ドラえもんどうしよう!?」
ジャイアン「話くらい聞いてくれても良いじゃねーか!!」
スネ夫「そうだよそうだよ!」
コーネリア「調子に乗るなよ餓鬼共!私を誰だと思っている」ギロッ
スネ夫「うぅ・・・怖い」
コーネリア「目障りだ、さっさと連れて行け!」
のび太「待って、話を聞いて!」
コーネリア「惰弱なイレヴンに貸してやる耳などない」
ドラえもん「僕達なら、ユーフェミア殿下を助けることが出来るんです!」
コーネリア「!?・・・・・おい青タヌキ、今何と言った?」
ドラえもん「そうです!でもその代わり、条件があります」
コーネリア「・・・・なんだ?」
のび太「日本を返してください!!」
コーネリア「それが条件か?」
のび太「え?・・・は、はい」
コーネリア「・・・そうか、分かった」
ドラえもん「えぇ!?いいんですか!?」
ジャイアン「よっしゃー!」
のび太「良かったねードラえもん」
スネ夫「だから言ったろぅ?話せば分かるってw」
コーネリア「ギルフォード、銃をよこせ」
ギルフォード「はっ」
ドラ&ジャイ&のび&スネ「え?」
コーネリア「牢に入れておけば良いかと思ったが、気が変わった
ここで皆殺しにしてくれる!」
ドラえもん「そんな、さっき分かったって言ったじゃないですか!」
コーネリア「子供の世迷言を真に受けるとでも思ったか?
ユフィの名を出した瞬間貴様らは殺すと決めた!覚悟しろ」
のび太「ド、ドラえもん!?」
スネ夫「ママー!!」
ジャイアン「母ちゃん!」
コーネリア「死ね!」
ダールトン「お待ちください姫様!!」
コーネリア「!?」
ギルフォード「ダールトン将軍!?御無事でしたか!」
ドラえもん「将軍~!」
コーネリア「ダールトン、無事で何よりだが・・・待てとはどういう意味だ?」
ダールトン「姫様、彼らの話を聞いてあげてください!」
ギルフォード「ダールトン将軍はこの子達と知り合いなのですか?」
ダールトン「あぁ、私の命の恩人達だ」
コーネリア「話なら聞いた、聞くに堪えん内容だったがな。
ユフィを助けるから国を返せとさ。これで取り引きのつもりらしい・・・
今の私にユフィの名を出すとは・・・・こいつらは余程死にたいようだ」
ドラえもん「そ、そんなつもりでは決して・・・」
ダールトン「姫様、彼らならユーフェミア殿下を救えます!」
コーネリア「・・・ダールトン、貴公まで私を侮辱するのか?
そのような話、誰が信用できる!」ギロッ
ダールトン「嘘ではありません、現に私も彼らに救われ今ここにいます!
それに、彼らはただの子供ではありません!」
ギルフォード「ただの子供ではない?」
ダールトン「そこにいるドラえもんは、22世紀から来た未来のロボットです!」
ギルフォード「なっ!!?」
コーネリア「・・・・・・・・・・ダールトン、貴公は自分が何を言っているのか
分かっているのか?」
ダールトン「勿論です。姫様、どうか信じてください!!」
コーネリア「(あのダールトンがこの状況でこのような嘘をつくとは思えん・・・
しかし、未来のロボットだと?そんな話とても信じられん)」
彼ならばきっとユーフェミア殿下を救えます!」
コーネリア「・・・・・・・」
のび太「嘘じゃありません、本当です!信じてください」
ジャイアン「ドラえもんならどんな怪我だって治せます!」
コーネリア「・・・・・・・では証拠を見せよ」
スネ夫「証拠?」
コーネリア「そこの青タヌキが未来のロボットだという事を
私が納得できるような確固たる証拠を見せてみろ!」
ダールトン「はっ!ドラえもん、もう一度あのドアを」
ドラえもん「分かりました、『何処でもドアー!』」ドスンッ
ギルフォード「これは、さっき君達が出てきた・・・」
コーネリア「何だそのドアは?」
ドラえもん「これは何処でもドアと言って、行きたいところに
瞬時に移動できる道具なんです」
ギルフォード「・・・・何処へでも行けるというのか?」
ドラえもん「勿論、何処でもドアですから!」
コーネリア「・・・・では、アリエス宮に繋いでみろ」
ギルフォード「アリエスの離宮ですか?しかしあれは本国にある物・・・」
ドラえもん「大丈夫です、何処でもドアは地球の裏側にだって
すぐに行けます!」
コーネリア「口だけではなくさっさと証拠を見せろ!」
ドラえもん「分かりました、ではご覧ください」ガチャッ
ギルフォード「こっ・・・・・・・これは!!?」
コーネリア「まさか!?・・・信じられん、こんな事が・・・」
ダールトン「姫様、信じていただけますか?」
コーネリア「・・・・・」
ダールトン「現代の医学では無理でも、22世紀の医学、科学ならば
ユーフェミア殿下は救えます!」
コーネリア「・・・・・・・・だがダールトン、それには先程の条件を飲まねば
ならんのだろう?エリア11の総督として、それだけは出来ん!」
ダールトン「しかし姫様、このままではユーフェミア殿下の御命が・・・」
コーネリア「くっ・・・」
コーネリア「何だと?」
のび太「だって、自分の家族の命に関わる問題なんですよ?
どんな条件を出されたって、そんなの迷う必要無いじゃないですか」
コーネリア「大人には責任や立場というものがある。お前ら子供と違い
そう簡単に割り切れるものではないんだ!黙っていろ!!」
スネ夫「そんなのおかしいよ!」
ジャイアン「大人も子供も関係ないないだろ!じゃあアンタは
家族よりも責任や立場の方が大事だってのかよ!!」
コーネリア「くっ・・・・黙れ餓鬼共!!」
ドラえもん「人の命よりも重いものなんて、この世界には無いんです!
それが家族なら尚更です!」
コーネリア「!!!」
ダールトン「姫様、最も大切なのは・・・姫様の御気持ちです。
御自身の気持ちに嘘をつくことだけはしてはいけません」
コーネリア「・・・・・・・・・・・分かった、いいだろう。条件を飲む」
ダールトン「姫様!」
ドラえもん「よかったー」
スネ夫「これで日本が戻ってくるんだ!やったー」
ギルフォード「しかし殿下、本国には何と?」
コーネリア「何とでもするさ。ユフィが助かるなら、それで良い」
ギルフォード「殿下・・・」
コーネリア「ドラえもんと言ったか?さっきはタヌキなどと言ってすまなかった
ユフィを・・・・妹をよろしく頼む」
ドラえもん「任せてください!では早速ユーフェミア殿下の下へ」
コーネリア「いや、私は行けんよ」
のび太「何でですか?」
コーネリア「黒の騎士団が直ぐそこまで来ている。奴等を食い止めねばならん」
スネ夫「へ?でも日本は開放してくれるんですよね?」
コーネリア「日本は開放するさ、だがこのまま黒の騎士団の進軍を許せば
私はそれが出来なくなる。・・・・まぁ黒の騎士団がこの戦いに勝利したとしても
どの道日本はゼロによって開放されるだろうから、結局お前達との
約束を果たすことにはなるが」
ドラえもん「それは駄目です!僕達は黒の騎士団とゼロのやり方を認めていません!」
ドラえもん「え?何でですか?」
コーネリア「日本の開放のみに拘るのであれば、我々と取り引きなどせず
始めから黒の騎士団に加勢すれば良い話だからな。」
ドラえもん「なるほど~」
ダールトン「そういえば姫様、ゼロに関して重要な情報が一つあります」
コーネリア「何だ?」
ダールトン「ゼロは人を操作する能力を持っています」
コーネリア「人を操作するだと?」
ダールトン「はい、恐らくユーフェミア殿下は奴に操作され
あのような行動をとってしまったのだと思います」
コーネリア「・・・・なるほど、人を操作する力か。
そう考えればこれまでのことも辻褄が合うな・・・・」
ドラえもん「さっきと違って今回は随分とあっさり信じるんですね」
コーネリア「今更何を言われても疑いはしないさ。目の前に未来のロボットがいるのだぞ?
それに以前からゼロに関しては不可解なことが多かったからな」
お前達も早くユフィの所へ向かってくれ。
ダールトン、お前はそちらについていけ」
ダールトン「はっ!」
ジャイアン「よーし!ドラえもん、早く行こうぜ!」
ドラえもん「ちょっと待った!今ブリタニア軍は数が少ない。
黒の騎士団を食い止めるなら僕達も協力しよう!
ジャイアンとスネ夫くんはここに残ってくれ」
スネ夫「えぇ!?僕らにドラえもん抜きで戦えって言うの!?」
ジャイアン「おもしれぇ、やってやろうじゃねーか!」
ドラえもん「殿下、何でも良いのでナイトメアを二機貸してくれませんか?」
コーネリア「ナイトメアを?構わんが・・・・この二人が乗るのか?」
スネ夫「僕あんなの操縦したことないよ!」
ジャイアン「ラジコンだと思ってやればいいじゃねーか」
スネ夫「全然違うよー」
ドラえもん「大丈夫、その点は考えてある」
のび太「どうするの?」
●天才ヘルメット
改造したいものがあった時、このヘルメットを被れば
機械が勝手に考えてくれる
●技術手袋
指先がいろいろな工具に変わり、どんな作業でもしてくれる
のび太「これ覚えてる!昔スネ夫のラジコン戦車を改造した時に
使ったやつだね」
ドラえもん「そう、これを使えば数分でどんなナイトメアでも
ランスロット以上の高性能な機体に改造できる!」
スネ夫「えぇ!?あのランスロットよりも強くなるの?」
ジャイアン「そりゃすげーや!でも操縦はどうすんだ?」
ドラえもん「『サイコントローラー』」
●サイコントローラー
これを握るだけで脳波制御によってロボットを思い通りに動かすことができる
ドラえもん「これを握るだけで君達の思い通りにナイトメアを動かせる」
ドラえもん「『ひらりマント』、『ビックライト』、『瞬間接着銃ー』」
●ひらりマント
光線や物理攻撃を電磁波の反発を利用して跳ね返すことが出来る
●瞬間接着銃
一瞬で相手を接着してしまう銃
ドラえもん「改造が終わったらビックライトでひらりマントとこの銃を
大きくして、ナイトメアに装備させてくれ!」
ジャイアン「俺達の武器はこの接着銃だけなのか?」
ドラえもん「君達を人殺しにするわけにはいかないよ!それにこの銃が命中したら
どんなナイトメアでもその場から動けなくなる!見た目よりも結構強力だよ」
ジャイアン「ま、これでいっか」
ドラえもん「『改良型山びこ山』、『本物コピー機』」
コーネリア「何だこの道具は?」
音や光や爆風に反応し、こだまを返すことが出来る
●本物コピー機
コピーしたい物を無限にコピー出来る
ドラえもん「これは改良型山びこ山と言って、音や光や爆風に反応して
攻撃をやり返す道具です。ただ攻撃と言ってもただの光だけで
敵に当たっても全く害はありませんが」
コーネリア「こっちのは何だ?」
ドラえもん「この本物コピー機は、コピーしたい物をいくらでも
コピー出来る道具です!」
ギルフォード「凄い・・・・これが未来の科学力か」
コーネリア「なるほどな、この改良型山びこ山を本物コピー機で大量にコピーし
それを租界の様々な場所に設置すれば、敵はこちらの戦力を誤解するというわけか」
ドラえもん「そうです!」
コーネリア「この道具、ナイトメアはコピー出来ないのか?」
ドラえもん「どんな物でも出来ますけど、何でですか?」
コーネリア「これでナイトメアをコピーすれば、外縁部に布陣しているナイトメア部隊を
倍以上に見せることが出来る。予想を遥かに超える部隊の数にゼロも足が止まるだろう
そうなれば、援軍が来るまでの時間稼ぎになる」
コーネリア「では早速作業に取り掛かろう。ギルフォード!」
ギルフォード「はっ!」
コーネリア「部下に連絡し、改良型山びこ山の設置とナイトメアのコピーを急がせろ!」
ギルフォード「イエス・ユア・ハイネス!」
コーネリア「では、ユフィの件は任せたぞドラえもん」
ドラえもん「はっ、はい!」
---------コーネリアとギルフォードは租界外縁部へと向かった
スネ夫「あれ?ところで僕らが改造するナイトメアは?」
ダールトン「それなら4番格納庫にサザーランドがある。
おいお前、彼らを案内してやれ!」
軍幹部「イエス・マイ・ロード!」
ドラえもん「改造すれば敵の攻撃が当たってもビクともしないとは思うけど
決して無理はしちゃ駄目だよ!ひらりマントでの防御を忘れないでね」
ジャイアン「分かってるよ!」
スネ夫「僕らだけで黒の騎士団の動きを止めてやるよ」
ダールトン「よし、我々も急ごう!」
------アヴァロン
ガチャッ
セシル「スザクくん少し休んだら?」
スザク「僕は大丈夫です。今は、ユフィの傍にいたいんです」
セシル「そう・・・何か必要な物があったら言ってね」
スザク「ありがとうございます、セシルさん」
セシル「殿下は眠ってるだけなの?」
スザク「はい・・・・まだ脈があるので、眠っているだけだと思います」
ロイド「眠っているとは言っても、次に目を覚ますかどうかは分からない方の
危険な眠りだけどね」
セシル「ロイドさんっ!!!」
スザク「(ユフィ・・・・・・頑張れ、死なないでくれ!!)」
ロイド「あれ?そんなところにドアなんてあったっけ?」
ロイド「不思議だね~。う~ん、何か急に出てきたような気もするけど」
ガチャッ
ダールトン「ユーフェミア殿下は無事か!?」ガバッ
セシル「へ!?」
ロイド「これは驚いた。謎のドアからダールトン将軍で出てくるとはね」
ダールトン「ロイド、殿下はまだ生きてるか?」
ロイド「脈はありますから生きてますよ。もっとも、危険な状態ではありますけど」
ダールトン「良かった・・・・本当に良かった。ドラえもん、頼む!」
ロイド「ドラえもん?誰ですか将軍それは?」
ドラえもん「こんにちは、僕ドラえもんです!」ヌボッ
セシル「キャッ!!」
ロイド「な、何これ?まさか・・・・ロボット?」
のび太「ドラえもんは22世紀から来たネコ型ロボットです!」
ロイド「ネコ型ロボット?タヌキじゃなくて?」
ロイド「・・・・・・・・・凄いよセシルくん、喋ってる・・・」
セシル「はい・・・・それに知的レベルもかなり高いですよ・・・」
スザク「ダールトン将軍、彼らはいったい何なんですか?」
ダールトン「さっき言った通り、未来のロボットだ。
彼ならユーフェミア殿下を救える!」
スザク「ユフィを!?そ、それは本当ですか!?」
のび太「あー!枢木スザクだ!!ドラえもん、ランスロットのパイロットだよ!
かっこいいねー」
ドラえもん「本当だ!初めまして、僕ドラえもんです」
のび太「僕、野比のび太」
スザク「あ、どうも・・・・枢木スザクです」
セシル「ほ、本当に未来のロボットなんですか?」
ダールトン「事実だ。彼なら我らに出来ないことも容易く出来る」
ドラえもん「あ、そうでしたね!では『タイム風呂敷ー(巨大ver)』」
スザク「タイム・・・フロシキ?」
ドラえもん「スザクさん、これをユーフェミア殿下の身体に巻きつけてください」
スザク「え?・・・は、はい!」
(スザクはユーフェミアの身体にタイム風呂敷を巻きつけた)
ロイド「・・・・・・・・・まさか、これで治るだなんて言わないよね?」
ドラえもん「ふふふ、そのまさかです!スザクさん、タイム風呂敷を取ってみて」
スザク「はい」バサッ
ユフィ「・・・・・・・・・あら?」
ロイド&セシル「!!?」
スザク「ユフィ・・・・・・・・・ユフィィィ!!」ガバッ(スザクはユフィに抱きついた)
セシル「凄い・・・・こんなことが」
ロイド「ありえないよ、確かにさっきまで生死の境にいたはずだ
それなのに一瞬で・・・・撃たれた傷も消えてる・・・」
ユフィ「スザク・・・・グスンッ・・・・私、生きてるんですね」(ユフィもスザクを抱き返した)
スザク「ユフィ・・・・グスン・・・彼らが治してくれたんだ」
ドラえもん「こんにちは、僕ドラえもんです」
のび太「野比、のび太です」
ユフィ「御二人とも、ありがとうございます」
ドラえもん「いいえー、どういたしましてうふふふ」
ロイド「ところでドラえもんくん、ちなみに今のは何で治ったの?」
ドラえもん「このタイム風呂敷は、包んだ物の時間を過去に戻し
その状態を持続することが出来るんです」
セシル「包んだ物の時間を戻す?・・・・凄いですね」
ロイド「んふ~♪不思議だねぇ、何でそんな事が出来るんだろうねぇ♪」
スザク「ユフィ、ドラえもんは未来から来たロボットらしい」
ユフィ「まぁ、だから私の怪我を一瞬で治せたのですね」
スザク「ありがとうドラえもん、それにのび太くんも。
何て御礼を言ったらいいか分からないけど・・・あのままだったらきっとユフィは
助からなかった、本当にありがとう!」
ユフィ「私からも改めて御礼を言います、ありがとうドラえもん」
のび太「後は黒の騎士団の進軍をおさえれば、日本を取り戻せるね!」
スザク「日本を取り戻せる?それはどういう意味なんだい?」
ダールトン「姫様は先程、ユーフェミア殿下を助ければ日本を開放すると
この子達と約束したのだ」
ユフィ「あのお姉様が・・・そんなことを」
スザク「で、では本当に!?」
ダールトン「あぁ、日本は独立国家として以前の状態に戻る。
良かったな枢木。もっとも、我らが黒の騎士団に勝てばの話だが」
ユフィ「良かったですねスザク!」
スザク「信じられない・・・本当に日本が。君達は本当に凄いな」
のび太「いや~それほどでも」
ロイド「まさかあのコーネリア殿下がそんな事を約束するなんてね」
ダールトン「黒の騎士団を倒すにはまだ戦力が足りない
枢木、ランスロットで出ろ!」
スザク「はい!」
ダールトン「何だ?」
ロイド「まさかこんな展開になるとは思わなかったんでね
少し前に埼玉租界の研究所に運んじゃったんだよ」
スザク「え!?」
セシル「今から戻っていたら戦闘開始までに間に合いませんね・・・」
ドラえもん「大丈夫です、この何処でもドアがありますから!」
ロイド「そういえば、君達ここから急に出てきたみたいだけど
このドアはいったいなんなんだい?」
ドラえもん「これは何処でもドアと言って、どんなに離れた場所にでも
一瞬で移動できてしまう道具なんです!」
セシル「い、一瞬で!?」
ドラえもん「見てもらったほうが早いですね」ガチャッ
セシル「!?・・・し、信じられません」
ロイド「確かに埼玉の研究所だね~。これでランスロットの件は解決したけど
恐ろしいね~♪未来の科学力っていうのわ♪」
ユフィ「本当に凄いですね、ドラえもんさんは」
スザク「はい!」
のび太「あ、スザクさん待ってください!」
スザク「なんだい?」
のび太「戦場には僕達の友達もナイトメアで戦うことになってるんです」
スザク「君達の友達が!?その友達も君達と同じくらいの年なのかい?」
のび太「そうです」
スザク「それは危険だ、今すぐ止めさせた方が」
ドラえもん「大丈夫です、僕の道具でナイトメアを改造しているはずですから」
ロイド「改造?うふふ~、僕物凄く興味あるな~それ♪」
のび太「でも万が一のこともあるから、もしもの時は二人を助けてあげてください」
スザク「分かった、約束しよう。君達の友達は必ず助けるよ
二人の名前を教えてくれないか?」
のび太「ジャイアンとスネ夫です!」
スザク「ジャイアン?スネ夫?随分変わった名前だね」
一緒にくっついているのがスネ夫だ」
のび太「あはは、その通りですね」
スザク「分かった、じゃあ行ってくるよ」
ユフィ「スザク、無理をしないでくださいね」
スザク「イエス・ユア・ハイネス!」
(日本を取り戻すという決意を胸に
スザクは研究所内のランスロット格納庫へと向かった)
ダールトン「よし、俺もナイトメアで出る!ロイド、ユーフェミア様のことは
任せたぞ」
ロイド「はいはい」
(ダールトンは何処でもドアを使い
政庁内のナイトメア格納庫へと向かった)
ロイド「ねぇドラえもんくん♪」
ドラえもん「うわっ!!な、何ですか!?」
ロイド「君と君の道具に関していろいろ調べたいんだけど
協力してくれないかな~♪」
ドラえもん「それは出来ません、時間渡航に関する法律で禁止されてます」
ドラえもん「駄目ったらダメー!!」
のび太「ねぇドラえもん、僕達はこれからどうしようか?」
ロイド「だから僕の研究に協力を」
セシル「しつこいですよロイドさん!」
ユフィ「あの、御二人にお願いしたいことがあります!」
ドラえもん「ユーフェミア殿下が、僕達に?」
ユフィ「はい、聞いてくださいますか?」
のび太「勿論です!」
ユフィ「では申し訳ありませんが、特派の方々は少し席を外してください」
セシル「あ、はい!行きますよロイドさん」
ロイド「は~、僕の研究・・・」
(ロイドとセシルは部屋を出た)
ユフィ「これから話すことは、絶対に口外しないでください」
のび太「いいですけど、そんなに重要な話なんですか?」
ユフィ「はい、ゼロの正体に関してのことです」
ドラえもん「知ってるんですか?」
ユフィ「ゼロはブリタニア皇族です!」
ドラ&のび「えぇ!!?」
ユフィ「第17皇位継承者、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア
これがゼロの正体です」
ドラえもん「あぁ驚いた。まさかゼロが皇族だったなんて」
のび太「でも、何で皇族であるゼロがブリタニアと戦ってるんですか?」
ユフィ「それは話せば長くなります・・・・きっかけは
マリアンヌ様が暗殺されたあの事件・・・」
---------
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---
-
スネ夫「ジャイアン、こっちの改造は終わったよ!」
ジャイアン「俺もやっと終わったぜ」
スネ夫「全くドラえもんは、何が数分で終わるだよ!
もう一時間は経ってるじゃないか!」
ジャイアン「ま、いいじゃねーか!これで最強のナイトメアが
完成したんだしよ!」
スネ夫「へへ、これで黒の騎士団を倒せるねジャイアン!」
(その時、場内の通信機からゼロの声が聞こえてきた)
ゼロ『聞くがいいブリタニアよ!我が名はゼロ!力あるものに対する反逆者である』
スネ夫「あ、ゼロの声だよジャイアン!いよいよ戦闘が始まるんだ」
ゼロ『0時まで待とう、降伏し、我が軍門に下れ!!!』
ジャイアン「何が校門をくぐれだ!わけのわかんねーこと言いやがって!」
スネ夫「ジャイアン、校門じゃなくて軍門だよ」
ジャイアン「いつまでもこんな所にいられるか、行くぞスネ夫!」
スネ夫「オッケー!」
ユフィ「と、いうわけです。」
ドラえもん「つまりゼロ・・・いや、ルルーシュは
自分の妹が安心して暮らせる国を作るために戦ってるってことなんですか?」
ユフィ「勿論それだけではありませんが、それが一番ルルーシュに
とっては大きなことなんだと思います」
のび太「目も見えず、歩けなくなった自分の子供を
外交の道具に使うなんて許せない!」
ユフィ「ルルーシュとナナリーは、いつもブリタニアによる
暗殺の恐怖と戦いながら生きてきたんだと思います。
それを思うと、私は胸が痛いです」
ドラえもん「でも、だからと言って彼のやってきたことを
正当化することは出来ません!」
ユフィ「ですが、私は救いたいんです!ルルーシュと、ナナリーを・・・
ドラえもんさん、どうかお願いします!」
ドラえもん「う~ん・・・」
のび太「やろうよドラえもん!誰か一人が不幸になる必要なんてないんだ!
みんなが幸せになる解決策がきっとあるはずだよ!」
ユフィ「のび太さん・・・」
ユフィ「ありがとう・・・・二人とも」チュッ(ユフィはドラえもんのほっぺにキスをした)
ドラえもん「いや~ドゥふふふふ」
のび太「あはは、ドラえもん顔真っ赤だよw」
?「本当に美しいね、兄弟というのは」
のび太「だ、誰!?」
(声のする方向、通路と部屋を繋ぐ扉の前にはドラえもんと同じ位の
身長をした一人の子供が立っていた)
V.V「僕の名前はV.V」
ドラえもん「ブイツー?」
V.V「ルルーシュに殺されかけたにも関わらず、そのルルーシュを
助けようだなんて。本当に素晴らしいね、兄弟というのは」
ユフィ「あ、あなたは何者なんです?何故ゼロの正体を・・・」
V.V「僕は思うんだ、兄弟っていうのは
この世で最も美しい関係なんじゃないかってね」
V.V「ルルーシュは特殊な力を持っている」
ドラえもん「それは僕達も知ってます!」
V.V「じゃあそれが何という能力か、君は知ってるかい?」
ドラえもん「いや、そこまでは・・・・」
(V.Vはドラえもんに向かって手の平をかざした
そこにはひらがなの『ひ』に似た模様が記されていた)
V.V「これなら分かるんじゃないかな?君なら」
ユフィ「何ですか?あの模様は」
のび太「ひらがなの「ひ」じゃいないの?」
ドラえもん「いや違う!これと似たような模様を
昔22世紀の図書館で見たことがある!」
のび太「22世紀で!?」
ドラえもん「よしこれで調べてみよう、『宇宙大百科事典ー』」
ありとあらゆる情報が載ってる百科事典
ピコピコ
のび太「ね~まだ分からないの?」
ピピーン
ドラえもん「出た!!」
のび太「読んでみて!」
ドラえもん「ギアス、王の力と呼ばれる他者の思考に干渉する特殊能力。
能力の内容は個々の能力者によって違い、その者の性格や願望が
大きく反映される。能力発動の際には発動者の片目に『赤い鳥のような紋章』
が浮かび上がる。対抗策としては目を瞑るなどがあるが、防げるとは限らない」
のび太「その紋章がV.Vの手の平に書いてあるやつなのか~」
V.V「フフ、正解」
ドラえもん「ギアス発動には不老不死のコードを持つ媒介者との契約が必要
ギアスは使用する度その力が増大し、能力者自身がその力を制御できなく
なってしまう場合もある。しかし一定以上に増幅させた者はギアスを失うかわりに
媒介者から不老不死のコードを奪い取ることができ、その者が新たな媒介者となる・・・」
ドラえもん「そうか、思い出したぞ!一時期22世紀でも話題になった」
V.V「今ギアスを使える者は世界に二人しかいない」
のび太「えぇ!?ゼロの他にもいるの?」
V.V「うん、ゼロと・・・・ブリタニア皇帝シャルル」
のび太「こ、皇帝陛下が!?」
ユフィ「お父様が・・・」
ドラえもん「分かったぞ、お前は皇帝にギアスを与えた媒介者だな!」
V.V「フフ、そうだよ」
のび太「えぇ!?じゃ、じゃあ不老不死なの?」
V.V「そうだよ。僕とシャルルは約束したんだ、嘘のない世界を作ろうってね」
のび太「嘘のない世界?」
V.V「この世界は嘘ばかりだ。それを無くすのさ」
ドラえもん「そんなこと、どうやってするつもりだ!」
V.V「人類全ての意識を共有できるようになれば、この世から嘘は無くなるんだよ」
V.V「出来るよ、神を殺せばね」
ユフィ「神を・・・殺す!?」
V.V「神はCの世界とも呼ばれている。そこは生死に関係なく
人の心と記憶が集まる世界なんだ。思考エレベーターで人間の思考を
Cの世界に干渉させ、不老不死のコードの力を使って全人類を
一つの集合無意識へと回帰する」
ドラえもん「な、何だって・・・」
V.V「そうなったら全人類が思考をさらけ出す状態になり
この世から嘘は無くなる。互いを心の底から理解しあえる新の平和が訪れるんだ」
のび太「そんなの、平和でも何でもないよ!」
V.V「ラグナレクの接続にはもう一つのコードが必要なんだ。
一つは僕のコード、そしてもう一つはC.Cのコード」
のび太「シーツー?」
V.V「ルルーシュにギアスを与えた者の名だよ。君達はこれから
ルルーシュに会いに行くんだろう?だったら、ついでにC.Cを連れて来てよ」
ドラえもん「断る!お前達の好きなようにはさせないぞ!」
V.V「フー、まぁいいや。C.Cを誘い出す方法なんていくらでもあるし
そうだな、まずはルルーシュの妹でも使ってみようかな・・・」
V.V「ナナリーを餌に使えば、ルルーシュは必ずやってくる。
ルルーシュが来るということは、C.Cも来るでしょ?」
ドラえもん「そんなことさせるか、『スモールライトー!』」
V.V「僕の邪魔をするつもり?」
ドラえもん「これでもくらえ!」ピカー
V.V「・・・・?なんだいこの光は?」
のび太「ス、スモールライトが効かない!?」
ドラえもん「そ、そんな馬鹿な!」
V.V「僕にそういった類の力は効かないよ。たとえそれが
未来の科学によるモノでもね」
のび太「ど、どうするドラえもん!?」
ドラえもん「こいつには、手も足も出ないよ・・・」
V.V「何人たりとも僕達の邪魔は出来ないし、嘘もつけない。
じゃあ僕はこれで失礼するね。C.Cを捕まえないといけないから」
(そう言い残すとV.Vはその場から姿を消した)
のび太「ドラえもん、取り合えずナナリーって子を助けに行こう!」
ドラえもん「そうだね、V.Vよりも先に行かないと大変なことになる!」
ユフィ「御二人とも気をつけて。ナナリーとルルーシュを
よろしくお願いします」
のび太「任せてください!」
(その時艦内のスピーカーからゼロの声が聞こえてきた)
ゼロ『聞くがいいブリタニアよ!我が名はゼロ!力ある者に対する反逆者である!』
ドラえもん「ゼロ・・・いや、ルルーシュの声だ!」
ゼロ『0時まで待とう、降伏し、我が軍門に下れ!!!』
ユフィ「いよいよ戦闘が始まるのですね・・・」
ドラえもん「黒の騎士団の方はコーネリア殿下や
ジャイアン、スネ夫くん達にに任せよう!僕達はV.Vを追う!」
ユフィ「ナナリーはアッシュフォード学園内にある
クラブハウスで生活をしてます!」
ドラえもん「分かりました、じゃあ行くよのび太くん!」
ユフィ「二人を、お願いします」
(外縁に布陣したコーネリアの部隊とゼロの乗ったガウェインが睨み合っていた)
ゼロ『0時まで待とう、降伏し、我が軍門に下れ!!!』
コーネリア「爆撃は?」
ギルフォード「時間あわせでいけます!」
コーネリア「よし、0時になったと同時にガウェイン及び黒の騎士団に
総攻撃を仕掛ける!撃ち方用意!」
(無数のナイトメアの照準が空中に浮かぶガウェインへ向けられた)
-------ガウェイン(コクピット内)
ルルーシュ「ありえない・・・・・・・なんだあのナイトメアの数は?」
C.C「この状況を予期して兵を残していたのではないか?」
ルルーシュ「そんなはずはない・・・租界に残るであろう兵力は
事前にディートハルトが確認し、俺はその報告を受けた」
C.C「ディートハルトが嘘をついたという可能性は?」
ルルーシュ「ないな、あの男はゼロに心酔しきっている。
この局面で裏切る理由がない」
ルルーシュ「こっちが聞きたいくらいだ。報告の倍・・・・いや
それ以上はある」
(その時ガウェインへ藤堂の乗る月下から通信が入った)
藤堂『ゼロ!これはどういうことだ!何故こんなにナイトメアが』
ゼロ『目の前の現実を受け止めるしかあるまい。安心しろ
私の作戦通り事が決まれば、初手であのナイトメア部隊は一掃できる』
藤堂『あの大部隊をか?』
ゼロ『あぁ、0時になったと同時に租界外縁部の階層を一気に崩す!』
藤堂『階層を!?しかしそんなことは政庁の地下にある管制室にいる
人間にしか出来んぞ!?』
ゼロ『既に協力員を忍ばせてある。問題ない』
藤堂『(そんなところにまで協力員を潜ませていたのか・・・
いったいどうやって・・・)』
ギルフォード「妙ですね、ゼロがわざわざ時間を指定するとは」
コーネリア「この大部隊に流石のゼロも腰が引けたのだろう。
奴の考えではこの半分にも満たない数の部隊を想定していただろうからな」
ギルフォード「半分以上はパイロットも乗っていないただの
見せ掛けとも知らずに」
コーネリア「これで良い。この戦い、時間が長引けば長引くほど
黒の騎士団は不利になる」
ギルフォード「援軍到着予定時刻は1時・・・1時間食い止めれば」
コーネリア「もうすぐ0時だ、油断はするなよ」
ギルフォード「はっ!」
(そういい残すとコーネリアは通信を切った)
オープンチャンネルで通信が入る)
ゼロ『これは最終通告だ!0時までに、我が軍門に下れ!!』
---------政庁地下管制室
(ゼロの最終通告という言葉と、軍門に下れという言葉に反応し
階層を管理する職員達の目の回りが赤くなる)
職員A「・・・最終通告・・・・軍門に・・・・下れ・・・」
職員B「・・・・軍門に下れ・・・・租界を壊せ・・・」
(職員達は何かに取り付かれたように階層の基礎ブロックを
切り離す作業を始めた)
--------外縁部(コーネリア部隊)
コーネリア「ゼロ、今度こそ終わりにしてやる!」
--------ガウェイン(コクピット内)
ルルーシュ「コーネリア、正面からの戦いにとらわれた、お前の負けだ」
同時に、コーネリアが陣を敷いている租界外縁部の足場が一気に崩壊
その衝撃は地響きとなり租界全体へと轟く)
ゴゴゴゴゴゴゴ
コーネリア「何だこれは!?」
ギルフォード「まさか!?基礎ブロックを!?」
(コーネリアやギルフォードの乗るグロースターを始めとする多くのナイトメアが
一気に租界の下、ゲットーへと叩きつけられた)
パイロットA「うわあああああ!」
---------ガウェイン
ルルーシュ「耐震対策の為租界全体に張り巡らされてある階層構造。
しかし、フロアパーツを一斉にパージすればこれほど脆いものはない。
黒の騎士団を迎え撃つ為、外縁に布陣したのが仇になったな」
C.C「殆どのナイトメアが下に落ちたようだ」
ルルーシュ「どうやってあれ程の部隊を用意したのかは知らんが
こうなってしまっては最早意味を成さない。
フハハハ、これでいい!後はこのまま進軍し、政庁陥落の映像と共に
独立宣言をすれば、嫌でもあの男が出てくるはずだ・・・ブリタニア皇帝が!」
目の前の光景とゼロの作戦に感嘆の声をあげた)
玉城「ゼロ・・・やっぱすげーよお前は」
カレン「あの大部隊が一気に消えた・・・本当に」
藤堂「(いったいどうやって地下協力員を・・・・・しかしこれは好機!
今は戦いのことだけに集中しよう!)」
(ゼロから通信が入る)
ゼロ『何を呆けている!各部隊はゲットーに叩きつけられた部隊の
残存勢力を叩きつつ、租界へ進軍しろ!!』
玉城「よっしゃー!やっと出番だぜ!」
ゼロ『藤堂、下は任せたぞ!私は航空戦力を落とす』
藤堂『承知した!全軍、出撃!!』
(藤堂の号令と共に待機していた黒の騎士団の部隊が
次々に租界へと向かって動き出した)
ゼロ『1番隊と2番隊は報道局を、3番隊と4番隊は学園地区に向かえ!』
カレン『学園地区?』
ゼロ『そこにあるアッシュフォード学園に司令部を置く!』
カレン『え・・・?アッシュフォード学園に?』
ゼロ『扇、お前もそこへ向かえ。私も後から向かう』
扇『分かった!』
ゼロ『その他の部隊は政庁へ進め!ブリタニア軍の
残存勢力は見つけ次第撃退しろ!』
玉城『よっしゃー!政庁に突撃だー!!』
扇『玉城、お前は3番隊だろ!俺と一緒に学園地区だ!』
玉城『へいへい』
ゼロ『カレン、対象が現れたら・・・』
カレン『分かってます!』
ゼロ『よし!』
状況把握と陣形の建て直しに必死だった)
コーネリア「退け、退けー!!全軍政庁まで後退しろ!体勢を立て直す!」
ギルフォード「全軍後退だ!!急げ」
(そこへ残存勢力の排除へと向かった黒の騎士団のナイトメア部隊が現れる)
藤堂「コーネリアを確認した・・・・いくぞ!!」
千葉&朝比奈&仙波&卜部「承知!!!」
コーネリア「くっ!!」
藤堂「堕ちろ!!」
ガンッ!!
(コーネリアに向けられた藤堂の乗る月下の初太刀は
ギルフォードのグロースターによって防がれた)
藤堂「チッ、ナリタにいたあいつか!!」
ギルフォード「今のうちにお逃げください姫様!」
コーネリア「ギルフォード、私に敵に背を向け逃げろと言うのか!?」
ギルフォード「姫様は、生きねばなりません!
彼らとの約束を果たす為にも!!」
ギルフォード「姫様!!」
コーネリア「・・・分かった。死ぬなよ、我が騎士ギルフォード!」
ギルフォード「イエス・ユア・ハイネス!」
(後退しようとするコーネリアに対し四聖剣が待ったをかける)
千葉「逃がすか!!朝比奈、回り込め!」
?「お前らの相手は俺達だ!」
朝比奈「こいつらは!?」
ギルフォード「グラストンナイツか!よく来てくれた」
アルフレッド「コーネリア殿下、この後ろに陣を敷きました
御戻りください」
コーネリア「礼を言う!では後を頼むぞ」
藤堂「コーネリアの騎士に本国のグラストンナイツか・・・
手強いが、ここで立ち止るわけにはいかん!いくぞ!!」
四聖剣「承知!!!」
ミレイ「みんな大丈夫?」
シャーリー「凄い地震でしたね・・・・」
リヴァル「遂に戦闘が始まったんだ」
ナナリー「黒の騎士団・・・ですね」
ミレイ「心配しなくても大丈夫よナナリー。いくらなんでも
学園地区にまでは来ないと思うから」
リヴァル「まぁおさえるとしたら政庁と報道局くらいでしょうからね。
ここはまず安全だよ」
(その時生徒会室に銃を持った黒の騎士団の団員が入ってきた)
ガチャッ
玉城「おらおら~!この学校は、俺達黒の騎士団が貰った!!」
シャーリー「く、黒の騎士団!?」
ミレイ「こんな所何に使うつもりよ!?」
玉城「どう使おうが俺たちの勝手だ!大人しくしやがれ」
リヴァル「止めろ!乱暴はするな!」
リヴァル「み、みんなに手は出させないぞ!」
ナナリー「リヴァルさん・・・」
玉城「へ、そうかよ!じゃあお前なら殴っていいんだな?」
(玉城がリヴァルを殴ろうとしたその時、生徒会室に
ピンク色のドアが現れた)
ドラえもん「『転ばし屋ー』」
●転ばし屋
10円玉を入れ、ターゲットを指名するとその相手を襲い
所持している銃を使って相手を確実に3回転倒させる
ドラえもん「10円玉を入れてと、それー!!」ポイッ
玉城「何だテメーらは!?ん?何だこのちっこいの?」
バキューーーン!!
玉城「うわっ!!」ドテッ
玉城「イテテ、何がやったーだこの餓鬼!!」
バキューーーン!!
玉城「どわっ!」ドテッ
ミレイ「プッ、プハハハw」
シャーリー「ちょっと会長、笑っちゃ駄目ですよ!」
ミレイ「だってあんなに綺麗に転ぶ人初めて見たんだもん
しかも二回もw」
シャーリー「プッ、確かにちょっと面白いですねw」
玉城「く・・・くそ、何なんだこのチビは!!こ、こっち来んな!!」ダダダダ
(玉城はたまらず部屋を飛び出した。勿論転ばし屋はその後を追う)
ドラえもん「ふう、何とかなったか」
ミレイ「あの~ちょっといいかしら?」
ドラえもん「あっ!こんにちは、僕ドラえもんです」
のび太「僕、野比のび太です」
リヴァル「さっきは助かったよ、ところであの小さいのは何だったんだ?」
ドラえもん「あれは転ばし屋といって、敵を転ばせる道具なんです」
シャーリー「ず~と転ばすの?」
ドラえもん「いえ、1回につき3回までです」
ミレイ「じゃーあの人もう1回転ばされちゃうんだ」
シャーリー「ちょっと気の毒ですね」
ミレイ「ところで、あなた達何処から来たの?
学園の生徒には見えないけど」
のび太「僕達はナナリーさんって人を探しに来たんです」
ナナリー「え?私・・・ですか?」
ドラえもん「あなたがナナリーさんなんですか?」
ナナリー「はい、ナナリー・ランペルージです」
のび太「ランペルージ?」
ドラえもん「きっと本名は隠してるんだよ」
のび太「あ、そっか」
ドラえもん「いえいえ、こっちの話です、うふふふふ」
ミレイ「それで?ナナリーに何の用なの?」
のび太「ユーフェミア殿下に言われたんです、ナナリーさんを
守るようにって」
ドラえもん「の、のび太くん!!」
のび太「あっ!しまった・・・」
リヴァル「ユーフェミア様がナナリーを!?」
シャーリー「何でユーフェミア様がナナちゃんを守るようにだなんて言うの?」
ミレイ「ほ、ほらあれよ!学園のみんなを守れってことじゃないの?
そうでしょ?ね?」
ドラえもん「そ、そうなんです!これからみなさんを安全な場所へと
案内します!」
のび太「は~危なかった」
ナナリー「あ、あの!ユフィ姉様は御無事なんですか!?」
リヴァル&シャーリー「ユ、ユフィ姉様!!?」
ミレイ「あちゃ~」
ドラえもん「安心してください、今はもうすっかり元気です!」
ナナリー「良かったあ~。ニュースでユフィ姉様が
ゼロに撃たれたと聞いてずっと心配してたんです」
シャーリー「ね、ねぇナナちゃん?ユフィ姉様ってどういう意味?」
ナナリー「え?・・・・・・・はっ!?」
ドラえもん「どうやら、もう隠し通すのは無理みたいだ・・・」
ミレイ「はぁ、そうみたいね」
リヴァル「そうみたいねって、会長!俺に隠し事してたんですか?
水臭いですよ~」
ドラえもん「やっぱりあなたは知ってたんですか?」
ミレイ「まーね、一応アッシュフォード家の長女だし」
シャーリー「会長、説明してください!」
ミレイ「はいはい分かったから落ち着いて。
う~んまず何から説明したらいいかしら?」
リヴァル「ナナリーが・・・ブリタニア皇族!?」
ミレイ「そっ、でも本国では記録上亡くなった事になってるから
こうやって名前を変えてここで暮らしてるのよ」
シャーリー「と、ということはルルも!?」
ナナリー「はい、お兄様もブリタニア皇族です」
シャーリー「う、うそ~」ヘナヘナ・・・ドテッ
(シャーリーは腰を抜かしてしまいその場に座り込んだ)
ミレイ「まぁビックリするのも無理はないわね。
身近にいた友達が実は皇族でしたなんて、私がそっちの立場でも
たぶん腰抜かしてると思うわ」
リヴァル「マ、マジかよ・・・ちょっと頭の整理がつかない」
ドラえもん「また黒の騎士団が来るかもしれません!
取り合えず、まずは安全な場所に避難しましょう!」
ミレイ「そうね。でも外は危険よ?どうやって移動するの?」
ドラえもん「大丈夫です!何処でもドアがありますから」
ミレイ「何処でもドア?」
--------(数分後)
ミレイ「み、未来のロボット?」
ドラえもん「そうです!」
ナナリー「ドラえもんさんが、未来のロボット・・・」
シャーリー「あ、あはははは・・・」プシュー
リヴァル「会長!シャーリーの頭がパンクしました!」
ミレイ「しょ・・・正直私もパンクしそう・・・でも、あなたが嘘を言うとも
思えないし、事実なんでしょうね」
のび太「ドラえもん、早くしないとまたあいつらが来るよ!」
ドラえもん「そうだね、じゃあ取り合えずアヴァロンへ行こう」ガチャッ
のび太「さぁみんな、早く!」
ミレイ「凄い・・・全然違うところに繋がってる」
リヴァル「本当に未来のロボットなんだ」
シャーリー「あははははh・・・・」プシューー・・・ボンッ
(ドラえもん達は生徒会メンバーと共にアヴァロンへと戻った)
ミレイ「さっきまで生徒会室にいたのに・・・」
リヴァル「ていうか、ここは何処なの?」
ユフィ「ここはアヴァロンです」
ナナリー「その声はユフィ姉様ですね?」
リヴァル「うわっ!本当だ、ユーフェミア様だ・・・」
ユフィ「そうよナナリー、無事でよかった」
ナナリー「ユフィ姉様お怪我は大丈夫なのですか?」
ユフィ「うん、もう大丈夫。ドラえもんさんが治してくれたから」
シャーリー「・・・本当に皇族だったんだね、ナナちゃん」
ミレイ「愛しのルルーシュくんもね♪」
シャーリー「う~、それを言わないでください」
ミレイ「ま、大丈夫よ!皇族とは言っても元なんだから
今は普通の一般人なんだし、チャンスあるって」
シャーリー「そ、そうですよね!うん、頑張ろう!」
リヴァル「アヴァロンって言われてもよく分からないな~。何する所なんですか?」
リヴァル「浮遊航空艦!?じゃあこれ今飛んでるの!?」
のび太「そうですよ」
ミレイ「それにしては音が静かね」
ロイド「それは僕の発明したフロートシステムで飛んでるからだよ」
ミレイ「ロ、ロイド伯爵!?」
リヴァル「あぁ!!会長の婚約者!!・・・って、あんた伯爵なの?」
ロイド「ん?そうだよ♪」
リヴァル「そ、そんな~・・・いくらなんでも伯爵が相手じゃ勝ち目が・・・」
ミレイ「ところで何でこんな所にいるんですか?」
ロイド「ま、それはこっちの台詞でもあるんだけどね。
うふふ~♪ちょっとドラえもんくんに僕の研究の協力をしてもらいたくてね」
ドラえもん「またですか!駄目ったら駄目です!!」
ロイド「ちょっとだけでいいんだけどな~♪」
セシル「ロイドさん、いい加減にしてください!」
ロイド「やっぱり駄目なの?はぁ~、こんなチャンス今しかないんだけどな~」
本当にありがとう」
のび太「いいえ、当然のことをしたまでです」デレデレ
ナナリー「でも、まだお兄様と連絡がとれないんです・・・。
昨日の朝出かけたっきり帰ってこなくって・・・」
ミレイ「まったくルルーシュは妹不幸ね~。こんなに心配ばかりかけて」
ユフィ「ナナリー、大丈夫です。ルルーシュは必ず私達が、『助けます』」
のび太「僕達がこれから探しに行きますよ!」
ナナリー「え?のび太さん達が?」
ドラえもん「最初からそのつもりでしたから大丈夫です!」
のび太「じゃあ行こうドラえもん!」
ナナリー「お兄様のこと、よろしくお願いします」
ユフィ「絶対に、『助け出してあげてください』」
ドラえもん「分かりました!では行ってきます」
(ドラえもんとのび太はアヴァロンを去った)
のび太「何でまたここに戻ってくるのさ?ルルーシュはゼロなんだよ?
だったら戦場に行かないと!」
ドラえもん「その前にやることがある!V.Vをなんとかしないと」
のび太「あ!そうだった」
ドラえもん「あいつはナナリーを狙いに必ずここへやってくる
その時に今度こそ倒さないと!」
のび太「でもドラえもんの道具が全然効かなかったじゃない?
それに不老不死なんだよ?どうやって倒すのさ?」
ドラえもん「動きを止めるだけでいいんだ、だからこれを使う
『瞬間接着銃ー』。これを当てれば流石のあいつも身動きがとれなくなるだろう」
のび太「そうか、スモールライトみたいな身体そのものに
影響を与えるものは駄目でも、こういう道具なら効くかもしれないね!」
ドラえもん「この辺には黒の騎士団も多い、V.Vが来るまでは
この『透明マント』を被って待機してよう!」
のび太「分かった!」
ドラえもん「V.Vへの射撃はのび太くん、君に任せるよ!」
のび太「任せといてよ!射撃は得意なんだ!」
援軍到着までに何とか政庁に辿りつきたい黒の騎士団が
熾烈な攻防を繰り広げていた)
藤堂「朝比奈、状況は?」
朝比奈「既に1番隊と2番隊は報道局を、3番隊4番隊は学園地区を
抑えました!後は順次政庁へ向かって進軍するとのことです!」
藤堂「よし、後は我らがここを突破するのみ!!行くぞ!!」
(形勢は圧倒的に黒の騎士団が有利だった。落下の衝撃で
見せ掛けだったナイトメア部隊は消え、残ったのは本来の数の部隊のみ
しかもその大半が実戦経験の乏しい基地常駐部隊だった為
藤堂や四聖剣、カレンの敵ではなかった)
カレン「おらー!!!」
(カレンの乗る紅蓮二式の輻射波動が敵サザーランドを襲う)
ドカーーーンッ!!!
アルフレッド「くそっ!なんて突破力だあのナイトメア・・・」
デヴィット「まずい、今の攻撃で陣形が!!」
カレン「藤堂さん、敵左翼が崩れました!」
アルフレッド「ここを突破されたら終わりだ、何としても死守する!!」
カレン「邪魔だー!!!!」
(アルフレッドのグロースターが紅蓮の右手に捕まる)
アルフレッド「しまった!!」
カレン「捕まえた!!」
(瞬時にカレンは右腕に内臓された輻射波動を発動させ
グロースターは膨張、破裂した)
ドカーーーン!!!
デヴィット「アルフレッド!!」
藤堂「余所見をしてる場合か?」
(藤堂の乗る月下の刀がアルフレッドの乗るグロースターの
コクピットブロックを貫く)
デヴィット「うわああああああ」
(藤堂と四聖剣、カレンの活躍によりグラストンナイツは全滅
ブリタニア軍が敷いていた政庁までの防衛線は崩壊した)
藤堂「後は政庁まで進むだけだ!!」
足止めをうけることとなった。進行方向から無数の攻撃が飛んできたのである)
藤堂「な、何だこの攻撃は!?」
カレン「嘘!?まだあんなに敵が残ってるなんて・・・」
朝比奈「どうしますか藤堂さん!?」
藤堂「物陰に隠れろ!一旦進軍を停止し、反撃しつつ敵の攻撃が止むのを待つ!」
------------ブリタニア政庁
ギルフォード「姫様!」
コーネリア「よく戻ったなギルフォード!状況は?」
ギルフォード「先程防衛ラインを突破されました・・・
しかし今は改良型山びこ山による一斉反撃にあい、敵は進軍を停止しています!」
コーネリア「時間稼ぎにはなるが相手はゼロだ、そう長くは持たないだろうな
援軍到着までの時間は?」
ギルフォード「後30分です」
コーネリア「いよいよ厳しくなってきたが、ここが踏ん張りどころだ
残った部隊でもう一度陣を敷け、そこで食い止めるぞ」
時間だけが経過していく中、藤堂はある疑問を抱く)
朝比奈「くそっ、これじゃいつまで経っても前に進めない!」
千葉「何処にこんな兵力を隠していたんだブリタニアは?」
藤堂「・・・妙だ」
朝比奈「何がですか?」
藤堂「この攻撃、数ばかりでまるで破壊力がない」
卜部「確かに!建物に当たってはいるけどその建物は
全くダメージを受けてない」
仙波「つまりどういうことだ!?」
藤堂「・・・これはただの見せかけ!音と煙だけのまやかしだ!!」
カレン「まさか・・・」
藤堂「臆するな、こんなものに怯む必要は無い!突っ込むぞ!」
(藤堂が先陣を切ったのをキッカケに、全部隊が一斉に飛び出した)
ダールトン「遂にバレたか・・・全機、迎撃体勢を取れ!
一匹たりとも政庁の中へは入れるなよ!」
全部隊「イエス・マイ・ロード!」
カレン「あれが最終防衛線?」
藤堂「恐らくな。あそこを突破すれば政庁は目の前だ!」
朝比奈「最終ラインって言っても敵があれしかいないんじゃ
話にならないよ!」
仙波「一気に行くぞ朝比奈!!」
朝比奈「ええ」
卜部「待て!後ろから何かくる!!」
仙波「ランスロットか!?」
卜部「分からない!物凄いスピードでこちらへ来るぞ」
藤堂「あれは・・・サザーランドか?いや、微妙に違う」
(その二つの機体はすぐに藤堂達にも確認できた。ガウェインのように空に浮かぶ
派手なオレンジと緑色のナイトメアが、そこにはあった)
ジャイアン「やっと見つけたぜ黒の騎士団!」
スネ夫「す、凄い数だよジャイアン」
朝比奈「どうしますか藤堂さん?」
藤堂「たった二機で挟み撃ちのつもりか?後方部隊は
ただちにその二機を撃ち落せ!」
後方部隊「承知!」
(後方のナイトメア部隊(無頼)がジャイアンとスネ夫の乗る
サザーランドに向け一斉射撃を浴びせる)
スネ夫「き、来たよジャイアン!!」
ジャイアン「慌てるなスネ夫!ひらりマントだ!」
団員A「な、何だあのマントは?攻撃を弾いている!?」
ジャイアン「今だスネ夫!」
スネ夫「くらえー!!」バンッ
(攻撃の隙をついてスネ夫とジャイアンは無頼に向け
瞬間接着銃を連射、後方の部隊は一気に身動きが取れなくなった)
団員A「な、何だこれは!?くそっ、動かない!」
ジャイアン「よーし、このまま一気に行くぞ」
朝比奈「後方の部隊が一瞬で!?」
仙波「我らでしとめるぞ!」
千葉「ハーケンを突き刺して下に叩きつけてやる!」
卜部「来るぞ!」
スネ夫「くらえー!!」バンバンバンッ
仙波「散開しろ!!」
(スネ夫の攻撃を避け、四聖剣は四方に散らばった)
スネ夫「あれ?何処へ行ったんだ?」
千葉「好機!」バシューン
(千葉の月下がスネ夫のサザーランドへ向けハーケンを発射
しかしひらりマントによって弾かれる)
千葉「チッ、何なんだあのマントは!?」
ジャイアン「こんにゃろー、よくもスネ夫を!!」バンバンバンッ
千葉「しまった!!」
千葉「くそっ!動けない!!」
ジャイアン「よっしゃー!」
スネ夫「流石ジャイアン!」
仙波「あのマントに攻撃をしても駄目だ!露出している
装甲かコクピットブロックを狙え!!」
卜部「だったら直接打ち込んでやる!」
(卜部はハーケンを利用して空中に飛び上がり
ジャイアンの乗るサザーランドの真後ろにつけ
刀でサザーランドのコクピットブロックに攻撃を仕掛けた)
卜部「もらった!!」
スネ夫「ジャイアン危ない!!」
ガンッ!!!
(攻撃は命中。しかしサザーランドは無傷
攻撃をした月下の刀の方が折れてしまった)
卜部「ば、馬鹿な!?」
スネ夫「今だ!!」バンバンッ
(スネ夫の攻撃が卜部の月下に命中)
仙波「なんて装甲だ・・・これでは攻撃のしようがない」
ダールトン「全軍、あの二機を援護しろ!!
藤堂と四聖剣、紅蓮のパイロット以外は民兵だ!一気に落とすぞ!」
(ダールトンの号令と同時に前方にいたブリタニア軍が
一気に黒の騎士団へ襲い掛かる)
朝比奈「くそっ、まさか本当に挟まれるなんて!?」
ジャイアン「こんにゃろー!!」バンバンバン
スネ夫「くらえ!」バンバンバン
(ジャイアンとスネ夫の活躍で戦況はよやく五分五分になった
瞬間接着銃による攻撃で身動きの取れなくなった黒の騎士団のナイトメアは
ネズミ捕りにかかったネズミのように地面に這いつくばっている)
仙波「ぐわー!!」
朝比奈「くそっ、仙波さんまでやられた!」
藤堂「このままでは援軍が到着してしまう!
あの二機さえなんとかなれば・・・・」
ドカーーーーーンッ!!!!
(紅蓮の輻射波動が前方のブリタニア軍を吹き飛ばす)
パイロットB「ぐわあああああ」
(輻射波動によるナイトメアの爆発は他機の誘爆を誘い
前方のブリタニア軍は一気に火の海に包まれた)
藤堂「紅月くん!!」
カレン「藤堂さん、あの機体は私に任せてください!」
藤堂「一人でやる気か!?あの機体は恐らく最新鋭のもの
いくら君でも危険すぎる!」
カレン「大丈夫です、自信があります!」
朝比奈「藤堂さん、ここは彼女に任せましょう!
このまま全軍で相手をしていてもラチがあきません!」
藤堂「・・・分かった。では頼むぞ紅月くん!!」
カレン「はい!!」
(藤堂達は前方の部隊へと向かい、紅蓮は後方にいる
スネ夫とジャイアンのサザーランドへと向かった)
敵の攻撃が当たってもビクともしないよ!」
ジャイアン「これならひらりマントは必要なかったな」
スネ夫「ジャイアン、このまま僕らだけで黒の騎士団を
壊滅させちゃおうよ!」
ジャイアン「ん?前から何か来るぞ?」
(紅蓮が物凄いスピードで向かってくる)
スネ夫「あっ!!あの赤いやつ、黒の騎士団のエースだよ!」
ジャイアン「さっき前の方でナイトメアをふっ飛ばしてたやつか!」
スネ夫「ジャイアン、あの機体を倒したら僕ら一気に有名人だよ!」
ジャイアン「よーし、一斉射撃だスネ夫!」
スネ夫「オッケー!」
バンバンバンバンバンバンッ
(ジャイアンとスネ夫は紅蓮に向かって瞬間接着銃を連射したが
カレンは操縦桿を素早く動かし全弾回避)
スネ夫「ぜ、全部避けられた!?」
スネ夫「こ、こっちに来るよ!」
ジャイアン「こんにゃろー、やれるもんならやってみろ!
機体性能はこっちの方が上なんだぞ!」
(紅蓮はハーケンを使い上昇、ジャイアンの乗るサザーランドの右腕部を掴み
輻射波動を発動。そのまま地面へと叩きつけた)
ジャイアン「うわあああああ」
スネ夫「ジャイアーン!!」
(サザーランドに目立った破損は無いが、地面に叩きつけられた衝撃で
ジャイアンはコクピットブロック内で頭を打ち気絶してしまった)
カレン「輻射波動を直接叩き込んでも傷一つないなんて・・・
いったい何なのこの機体?」
スネ夫「よ、よくもジャイアンを!!」バンバンバンバンッ
カレン「そんな攻撃当たるか!!」
(カレンは攻撃を回避しながら間合いを詰め
あっという間にサザーランドの頭部と掴んだ)
カレン「捕まえた!!さっきみたいに叩きつけてやる!」
スネ夫「ママー!!!」
(その時、無数のハーケンが紅蓮に向かって飛んできた
カレンは瞬時に操縦桿を動かしそれを回避
右手で掴んでいたサザーランドを放した)
カレン「この攻撃は!?」
スネ夫「あ、あれ?ぼ、僕助かったんだー!」
?「大丈夫かい!?」
カレン「この声・・・やっぱりスザクか!!」
スネ夫「あれはランスロット!?ぼ、僕を助けてくれたの?」
スザク「のび太くんと君達を助けるって約束したんだ。
ここは僕に任せて、君は倒れた友達を助けてやってくれ」
スネ夫「のび太と?分かりました、ジャイアーン!」
(スネ夫はジャイアンの乗るサザーランドへ向け移動した)
スザク「カレン話を聞け、僕達はもう戦う必要はないんだ!」
カレン「はぁ?何言ってんのよアンタ?」
スザク「日本はコーネリア殿下によって開放される事が決まった!
僕らが争う理由はもう何処にもない!」
カレン「・・・アンタ、私がそんな事を鵜呑みにするとでも思ってるの?」
スザク「嘘じゃない!!君達が隊を退けば、全て解決するんだ」
カレン「馬鹿馬鹿しい、誰が信じられるかそんなこと!
この裏切り者!!!」
スザク「退かぬというなら力づくでも退かせる!!」
カレン「へ~、やれるもんならやってみなさいよ。
飛べるからっていい気になるな!!」
スザク「(輻射波動機構さえ壊せば、あの機体の力は半減する
そうすれば何とか殺さずに退かせられる!)」
カレン「今日こそ墜としてやるスザク!!」
(カレンはランスロットに向け強くペダルを踏むつけた)
(V.Vを迎え撃つべく透明マントを被り学園内に潜んでいる
ドラえもんとのび太だったが、来るのは黒の騎士団の団員ばかりで
待てど暮らせどV.Vは姿を現さなかった)
のび太「ドラえもん、V.Vなんて全然来ないじゃない」
ドラえもん「おかしいな~。絶対にナナリーを狙いに来ると
思ったのに」
のび太「何か他にV.Vを探し出すいい方法ないの?」
ドラえもん「尋ね人ステッキくらいしかない」
のび太「アチャー」ドテッ
ドラえもん「んん!?」
のび太「どうしたの?」
ドラえもん「あれはまさか・・・・」
のび太「あれってどれさ?」
ドラえもん「ほら、あそこにいるのってもしかして・・・」
のび太「ゼ、ゼロだ!!?」
のび太「どうするドラえもん?」
ドラえもん「このマントを被ってる限り見つかることはまずない
取り合えず近くに行ってみよう!」
(ドラえもんとのび太はゼロの近くへと移動した)
扇「待ってたぞゼロ!戦況はどうなってるんだ?」
ゼロ「藤堂の部隊は今も尚政庁に向け進軍中だ。
少々手こずっているようだが」
扇「援軍到着まで時間がないぞ?大丈夫なのか?」
ゼロ「いざとなったらガウェインでブリタニア軍を空爆する。
それより、この学園の生徒はどうした?」
扇「あぁ、指示通り関係の無い生徒はみなクラブハウスに帰した。
ただ、ゼロの言っていた生徒会のメンバーは玉城が・・・・」
ゼロ「何!?玉城がどうした?まさか逃げられたのか!?」
扇「どうやらそうらしい。恐らく学園の外に」
ゼロ「何をやっているんだ玉城は!!!」
玉城「お、俺だけのせいにするなよ!」
玉城「しょ、しょうがねーだろ!急に青いタヌキみたいな奴が来て
みーんな逃がしちまったんだよ!」
ゼロ「青いタヌキ?」
ドラえもん「ぬ~っ」イライラ
のび太「ドラえもん、抑えて抑えて」
玉城「あぁ、わけの分からねー機械で俺を攻撃してきたんだ!」
ゼロ「(まさか皇帝の手先か!?いや、奴が俺の正体を
知るわけがない・・・考えすぎか)」
扇「ところでゼロ、生徒会の生徒になんの用があったんだ?」
ゼロ「なに、その中に協力員がいてな。玉城、生徒会のメンバーの中に
車椅子に乗っている子供はいたか?」
玉城「ん?あーいたぞ」
ゼロ「そうか・・・よし、司令部の人間を外に出して
その子供の捜索にあたらせろ!」
扇「え?それを今やるのか?」
ゼロ「最優先事項だ、急げ!!」
ルルーシュ「くそっ!玉城の奴め!」
C.C「過ぎたことを嘆いてもしかたないだろ。
そもそもこの役目にあの男を選んだのはお前自身だぞ?」
ルルーシュ「分かっている!!なんとかナナリーを保護しなくては・・・」
C.C「玉城の言う青いタヌキと自発的に逃げたのか
或いはそのタヌキに強引に連れ去られたか・・・」
ルルーシュ「それは恐らく前者だ。強引に連れ去ったのであれば
恐らくその青タヌキは皇帝の手の者だろう。だがいなくなったのは
ナナリーだけでなく、会長やリヴァルやシャーリーも含まれている。
皇帝の策略ならばわざわざ関係の無い他の生徒会メンバーまで
連れ去る必要がない」
C.C「そうか、では最悪の事態は防げそうだな」
ルルーシュ「それに、そもそも皇帝はゼロの正体を俺だと
分かっていないはず。こんな手をうってこれるとは思えない」
C.C「・・・・・」
(ルルーシュの携帯に電話が入る)
ルルーシュ「ん?非通知?こんなときに誰だいったい!?」
C.C「ナナリーかもしれんぞ?」
C.C「公衆電話からかけてるかもしれないじゃないか」
ルルーシュ「公衆電話からの着信はちゃんと公衆電話と出る。
お前は少し黙ってろ!」
C.C「フン、つまらん」
ピッ
ルルーシュ「もしもし・・・」
?「もしもし、ルルーシュかい?」
ルルーシュ「失礼ですが、どなたですか?」
?「僕かい?僕の名前はV.V」
ルルーシュ「(ブイツー?)はは、変わった御名前ですね」
V.V「フフ、よく言われるよ」
ルルーシュ「申し訳ありませんが、ただ今少々立て込んでるので
後日こちらから折り返し」
V.V「知ってるよ。援軍が来るまでに政庁を落とさないと大変だもんね」
ルルーシュ「!?」
やっぱりあれもギアスを使ったのかい?君は応用力があるな~」
ルルーシュ「何故ゼロの正体を知っている!?
それに今ギアスと言ったな・・・お前何者だ!?」
V.V「さっきも言ったろ?僕はV.Vだ」
ルルーシュ「名前を聞いているんじゃない!」
V.V「怒らないでよルルーシュ。僕のことはC.Cに聞けば分かるよ」
ルルーシュ「・・・・」ギロッ
(ルルーシュはC.Cを睨み付ける)
C.C「おいルルーシュ、電話の相手は誰だ?」
ルルーシュ「・・・V.Vとかいう奴だ」
C.C「なに!?」
のび太「聞いたドラえもん!?今V.Vって!」
ドラえもん「聞いた、もう少し様子を見てみよう!」
※ドラえもんとのび太は相変わらず透明マントを被り
堂々と部屋の中に潜入していた
ルルーシュ「・・・あぁ」
V.V「だったら話は早い。C.Cを頂戴」
ルルーシュ「頂戴?こんな女ならいつでも喜んで引き渡すが、
いったい何の為に?」
V.V「僕とシャルルの計画に必要なんだよ、C.Cがね」
ルルーシュ「シャルル・・・シャルルだと!?それは皇帝の事か!?」
V.V「そうだよ。僕の弟さ」
ルルーシュ「弟・・・・?」
V.V「うん。だから君から見れば僕は伯父になるね」
ルルーシュ「馬鹿な!あいつの兄弟は後継者争いに負け
みな死んだはずだ!」
V.V「僕は死なないよ。C.Cと同じ不老不死だからね」
ルルーシュ「何だと!?・・・お前が俺の正体やギアスの事を
知っているという事は、あの男も当然知っているのだろうな」
V.V「勿論。反抗的な息子だっていつも嘆いてるよ」
ルルーシュ「(くそっ、予想外だ!これでは作戦が・・・)」
ルルーシュ「・・・お前らの言う計画とやらの説明をしてくれたら
考えてやってもいい」
V.V「随分強気だね。どうやら君は自分の置かれてる立場を
理解出来てないようだ」
ルルーシュ「今更ゼロの正体をバラすとでも言って俺を脅すつもりか?
バラしたいのなら好きにしろ。こちらは最早そんな段階ではない」
V.V「違うよルルーシュ。ナナリーのことさ」
ルルーシュ「何!?まさかナナリーや生徒会メンバーを連れ去った
青タヌキというのはお前のことか!?」
V.V「ハハ、青タヌキか。確かに似てるね、でもそれは僕じゃない」
ルルーシュ「どういう事だ!?」
V.V「君の言うその青タヌキに先を越されてね。一度はナナリー誘拐に
失敗したんだ。でもその後彼らがナナリーを移動させた場所に行ってね
その時連れ去ったんだ」
ルルーシュ「今何処にいる?ナナリーは無事なんだろうな?」
V.V「勿論無事だよ。僕とシャルルは今神根島にいる。
ナナリーを返してほしいのならC.Cを連れて今すぐ来て」
V.V「説明がききたいのならC.Cかそこにいる青タヌキに聞きなよ」
ルルーシュ「なに!?ここには俺とC.C以外誰も」
V.V「何か道具を使って姿を隠してるんだろう。
彼は22世紀から来た未来のロボット。それくらい簡単に出来るだろうしね」
ルルーシュ「未来のロボットだと!?」
のび太「ね・・・ねぇ、ドラえもんのこと話してるんじゃないの?」
ドラえもん「どうやらそうらしい・・・」
V.V「嘘じゃないよ、直に聞いてみるといい。
それじゃ僕はこれで。なるべく早く来てよルルーシュ」
ルルーシュ「おい待て!!まだ話は」
ガチャッ・・・・ツーツー
C.C「おいルルーシュ、V.Vは何と言っていたんだ?」
ルルーシュ「待てC.C、その前にやることがある」
C.C「やる事?」
ルルーシュ「あぁ、この部屋に侵入者がいる」
ドラえもん「そんな馬鹿な!このマントを被ってる限り
バレるはずはないよ!」
ルルーシュ「潜んでる者よ、姿を現し、我が問いに答えよ!!」キュイーーン
(ルルーシュはギアスを発動!両目から赤い鳥のようなものが
のび太とドラえもんめがけて飛び出る)
ドラえもん「これはまさか!?のび太くん、目を瞑って!」
のび太「え?」
(時既に遅く、のび太はルルーシュのギアスにかかり
それまで着ていた透明マントを自ら取った)
ルルーシュ「子供・・・しかし、今までどうやって姿を隠していた?」
のび太「それはこの透明マントを被っていたからです」
(のび太の目は赤く縁取られている)
ルルーシュ「透明マント?」
ドラえもん「僕が説明します!」バサッ
(たまらずドラえもんもマントを取り
ルルーシュ達の前に姿を現した)
ドラえもん「むぅ!僕はネコ型ロボット!!」
C.C「タヌキにしか見えんが・・・それにしても滅茶苦茶可愛いな」
ルルーシュ「・・・おい、こいつは本当に未来のロボットなのか?」
のび太「そうです。ドラえもんは22世紀から来たネコ型ロボットです」
ルルーシュ「V.Vの言っていた事と同じ答えか・・・
それにギアスの命令は絶対だ、嘘はつけない。
つまり本当にこいつは未来のロボットということか」
ドラえもん「コラッ!!これ以上のび太くんを使って質問を続けるな!
僕が代わりに全部答えるって言っただろ!!
それと、のび太くんにかけたギアスを解除しろ!」
ルルーシュ「お前もギアスのことを知っているのか・・・」
ドラえもん「そんなことはどうだっていいだろ!早くしろ!」
ルルーシュ「安心しろ、直に切れる」
(のび太の目を縁取っていた赤が消えた)
のび太「あ、あれ?僕いったい何を?」
ドラえもん「大丈夫のび太くん?」
ルルーシュ「では質問に答えてもらうぞ青タヌキ」
ドラえもん「タヌキじゃないって言ってるだろ!ネコ型ロボット!
それに僕にはドラえもんっていう名前があるんだ!」
C.C「ほう、ドラえもんというのかお前は・・・名前まで可愛いじゃないか」
ルルーシュ「V.Vは生徒会室からナナリー達を連れ出したのは
お前だと言っていたが、それは事実か?」
ドラえもん「そうです」
ルルーシュ「何故そんなことをした?」
ドラえもん「V.Vからナナリーさんを守る為です」
ルルーシュ「つまりお前らはナナリーをV.Vから守る為に
みなを移動させたということか?」
ドラえもん「そうです」
ルルーシュ「しかし何の為にそんなことをする?
お前達がナナリーを守る理由などどこにも無いはずだ」
のび太「頼まれたんです、ユーフェミア殿下に」
ルルーシュ「ユフィに!?し、しかしあいつは・・・・」
ルルーシュ「治した!?じゃあユフィは生きてるのか?」
ドラえもん「はい」
ルルーシュ「・・・そうか、それは良かった」
ドラえもん「やっぱりユーフェミア殿下にギアスをかけたのは
何かの事故だったんですね?」
ルルーシュ「あぁ、突然暴走したんだ。自分ではもう
制御できなくなってしまった」
のび太「ぼ、暴走?」
ルルーシュ「ここからはC.C、お前にも同時に質問する」
C.C「分かっている、V.Vの事だろ?」
ルルーシュ「それだけじゃない、奴と皇帝がやろうとしている
計画とやらについても答えてもらう」
C.C「・・・そこまで話が及んでいたとはな」
ルルーシュ「大体の事は奴との会話で推察出来た。
恐らくV.Vとはお前と同じ、人間にギアスを与える媒介者だな?
そして奴は皇帝にギアスを与えている・・・違うか?」
C.C「・・・正解だ」
C.C「記憶を書き換えるというものだ」
ルルーシュ「記憶を?」
C.C「お前と同じ相手の目を見なければ発動しないタイプだが
他に制限はなく、同じ人間に何度も使用できる。お前のよりも強い」
ルルーシュ「なるほどな、あの男はその力で皇帝の座まで
伸し上がったというわけか」
C.C「そうだ」
ルルーシュ「では計画というのは?」
C.C「人と人との間に一切の虚構のない、死者とも
接触できる世界。あの二人はそれを目指している」
ルルーシュ「死者とも接触できる世界だと?」
ドラえもん「僕も聞きました、全人類を一つの集合無意識
へと回帰するってV.Vは言ってた!」
C.C「そう、つまり集合無意識に干渉し、人類全ての
意識を共有した世界だ」
どう絡ませたら良いものか悩んだので外しました…
また猿です、すいませんm(__)m
C.C「V.Vとシャルルは、お前同様幼い頃から父親を含めた
皇族による血みどろの後継者争いを見せられていた。
そしてその過程であの二人は激しく嘘を嫌うようになった」
ルルーシュ「嘘を?」
C.C「あぁ、だから目指したんだ。嘘のない世界を」
ルルーシュ「その為の意識の共有か・・・」
C.C「そうだ」
ルルーシュ「もしそれが実現すれば、強制的に他者と
意識が共有されてしまうのだから確かに嘘はつけないな・・・
だがそんな事どうやってやるつもりだ?」
ドラえもん「確かV.VはCの世界や思考エレベーターが
何とかって言ってました」
C.C「Cの世界とは死者も含めた全ての人の意識が
集まる場所だ」
ルルーシュ「思考エレベーターとは?」
C.C「シャルルの作り出した仮想空間。
人間の思考に干渉するシステムだ」
俺がゼロだという事も、ここにドラえもんがいるとこもあっさり
見抜けたというわけか」
C.C「思考エレベーターで人間の思考をCの世界へ干渉させ
私とV.Vの持つ不老不死のコードを使い人類の意識を共有させるつもりだろう。
あの二人はそれをラグナレクの接続と呼んでいた」
ドラえもん「ラグナレクの接続・・・」
ルルーシュ「それでV.Vはお前を連れてこいなどと言っていたのか」
C.C「コードが二つないとそれは実行できないからな」
ルルーシュ「大体のことは分かった、後はどうやってナナリーを
助け出すかだな・・・」
C.C「簡単な事だ、V.Vに私を差し出せばすんなり返してくれるだろう。
あいつの目的は私であってお前ではないのだからな」
ルルーシュ「それだとラグナレクの接続とやらが実行されてしまう。
それだけは避けなければ」
C.C「・・・やはりお前は反対なのか?」
ルルーシュ「当たり前だ!確かに実現すれば嘘のない平和な世界が
出来上がるだろう。だがそれは人の持つ命、個人を完全に無視している」
C.C「それをお前が言うか」
だがあいつらは違う。世界を変えたらそれっきり・・・
罰など受けるつもりは更々ないだろう」
C.C「だろうな」
ルルーシュ「で、お前はどうなんだC.C?」
C.C「どうとは?」
ルルーシュ「お前は随分V.Vや皇帝に関して詳しいようだが
奴らの計画に対してお前はどう考えている?どっちの味方だ?」
C.C「昔は私もこの計画に関わっていた。が、途中で止めた」
ルルーシュ「何故?」
C.C「お前と見解は同じだ。V.Vとシャルルは単に自分が可愛いだけ。
人の事など考えていない。いろいろと理屈を並べてはいたが
結局は自分に都合の良い世界を作ろうとしているだけだと思ったからだ」
ルルーシュ「ではお前は俺の味方ということでいいんだな?」
C.C「恋人でも構わんぞ?」
ルルーシュ「黙ってろ魔女」
C.C「からかい甲斐の無い男だ」
ドラえもん「僕達もV.Vの考えには反対です!」
のび太「あの人達は間違ってる!」
ルルーシュ「それで、これからどうするつもりだ?」
ドラえもん「勿論ナナリーさんを助け出して、V.Vを止めるつもりです!
ナナリーさんがV.Vに連れ去られた原因は僕らにもありますから」
のび太「それに、ユーフェミア殿下と約束したしね」
ルルーシュ「では俺に協力してもらおう」
ドラえもん「それはできません!」
ルルーシュ「何だと?何故だ?目的が同じならば
力を合わせるべきだと思うが?」
ドラえもん「あなたがゼロである以上、僕達はあなたと一緒に
戦うことは出来ません!」
のび太「僕達は黒の騎士団のやり方と、ゼロを認めてません!」
ルルーシュ「ではどうしろという?このまま二組が別に行動をするのか?
あまり効率的とは言えないな」
ドラえもん「ゼロではなく、ルルーシュ・ランペルージとなら
一緒に戦うつもりです」
ドラえもん「黒の騎士団の進軍を止めさせて下さい!
そうすれば、僕達はあなたに力を貸します」
ルルーシュ「この状況で撤退しろと言うのか?」
ドラえもん「もう黒の騎士団とブリタニア軍が戦う理由は
無いんです!日本は開放されることが決まってるんですから」
ルルーシュ「開放されることが決まっているだと!?」
のび太「コーネリア殿下が僕達と約束してくれたんです!
ユーフェミア殿下を助けたら、日本を開放するって」
ルルーシュ「コーネリアがそんなことを?しかし、ユフィが
関わっているのであれば可能性は無くわ無いか・・・」
ドラえもん「だからこれ以上無駄な犠牲を出さない為にも
今すぐ戦いを止めさせるべきなんです!軍を退いてください」
ルルーシュ「・・・・・しかし口約束にすぎん。戦いが終わった後で
コーネリアが裏切る可能性だってあるぞ?」
のび太「それは絶対に無いと思います」
ルルーシュ「何故そんなことが言える?」
のび太「あの人の目は、嘘をついてませんでした!」
のび太「きっと約束を果たしてくれると思います」
C.C「目ときたぞルルーシュ。どうするつもりだ?」
ルルーシュ「・・・V.Vや皇帝を倒すのに彼らの協力は必須だ。
いいだろう、お前達の言う通り黒の騎士団を撤退せさよう」
のび太「本当ですか!?」
ルルーシュ「そうすれば俺達に協力してくれるのだろう?」
ドラえもん「勿論です。こっちとしてもゼロの・・・いや、ルルーシュさん
の協力がないと恐らくV.V達には勝てないと思いますから」
ルルーシュ「では契約成立だな。早速撤退命令を出そう・・・
もう一度聞くが、本当にコーネリアは信用出来るんだな?」
のび太「大丈夫です!」
ルルーシュ「ふん、流石のコーネリアも子供には敵わなかったわけか。
君達といると、何故かどんなことでも信じてみたくなるな。
いろいろと策略をめぐらせるのが馬鹿らしくなってくる」
ドラえもん「では改めて、これからよろしくお願いします」
ルルーシュ「こちらこそ、よろしく頼む。勝敗は君の持つ不思議な力に
かかっていると言っても過言ではない。頼りにしているぞ」
繰り広げていたが、間もなくブリタニアの援軍が到着しようとしていた)
朝比奈「藤堂さん、上空からブリタニアの援軍が!」
藤堂「うろたえるな!航空戦力はゼロがガウェインで排除する
手はずになっている!」
(その時ゼロから黒の騎士団へと通信が入る)
ゼロ「藤堂、私だ」
藤堂「ゼロか!ブリタニアの援軍が来た、このまま空爆されたら
お終いだ!ガウェインで出てくれ!!」
ゼロ「いや、ここは撤退する」
藤堂「何だと!?」
朝比奈「冗談でしょ!?」
カレン「撤退・・・・?」
藤堂「この気を逃しては政庁を落とす事など今後不可能だぞ!!
今が千載一遇の好機のはず!それを撤退だと!?」
ゼロ「レーダーをよく見ろ。援軍の数が想定していた数の倍以上だ。
流石にこの数をガウェイン一機で対応するのは無理だ。
それに、援軍到着までに政庁を落とすのがこの作戦の本筋だったはず!」
ゼロ「急がねば全滅するぞ!生きていれば必ず次のチャンスは
やってくる!ここは退くんだ!!」
藤堂「・・・・承知した。全軍、撤退だ。」
朝比奈「くそっ、ここまで来たのに!!」
カレン「撤退・・・そんな」
スザク「カレン早く逃げろ、空爆に巻き込まれるぞ!」
カレン「そんな・・・・」
藤堂「撤退だー!!空爆される前に全軍撤退!
動けなくなった者を助けつつ、後退しろ!」
千葉「紅月何をしている!?撤退だ!早くしろ」
カレン「そんな・・・・」
(ショックのあまりカレンは動く事が出来ず、紅蓮はその場に棒立ち
上空に展開していた戦闘機が爆撃態勢に入る)
千葉「紅月!!!」
他パイロット「イエス・マイ・ロード!!」
スザク「くっ!!」
(立ちすくむ紅蓮の上空から無数のロケットが放たれる
スザクはランスロットを移動させ、紅蓮に覆いかぶさった)
カレン「ちょ、ちょっとアンタ何考えてんのよ!?」
スザク「ランスロットの方がその機体よりも装甲は堅い
もしかすると助かるかもしれない」
カレン「ハア?馬鹿じゃないの!?これじゃアンタも死ぬかもしれないのよ!?」
スザク「前にルルーシュにも同じようなことを言われたっけかな。
お前は馬鹿だって。大丈夫、きっと君を守って見せるよ」
カレン「いくらランスロットの装甲でも、助かるわけないじゃない。
・・・・・・・本当、大馬鹿よ」
(カレンとスザクは祈るような気持ちで目を閉じた。
大量のロケットが紅蓮とランスロットへ降り注ぐものの
大きな爆発音と地響きだけで、機体自体に直接影響が
出ているような感じがしない。不思議に思ったスザクが
目を開けると、そこには二人の盾となりロケットに向け
マントをかざすオレンジと緑色のナイトメアの姿があった)
スネ夫「ジャイアーン、いくらなんでももう限界だよー!」
ジャイアン「頑張れスネ夫!俺達が諦めたら下の二人が
死んじゃうだろー!!」
ダールトン「まさかあそこにいるのは!?おい、今すぐ空爆を止めろ!」
パイロット「し、しかしまだ始まったばかりですが?」
ダールトン「馬鹿者!下で友軍機が巻き添えを食らっているんだ!
さっさと止めさせろ!!!」
パイロット「イ、イエス・マイ・ロード!!」
(程なくして空爆が止んだ)
ジャイアン「スネ夫、大丈夫か!?」
スネ夫「う~、何とか生きてるみたい」
スザク「君達、僕らを庇って・・・・」
スネ夫「見てよジャイアン、ひらりマント穴だらけ」
ジャイアン「あぁ、本当だ!ドラえもんに怒られるかなぁ?」
スネ夫「ハハ、ここで死ぬくらいならドラえもんに怒られる方が
100倍マシだよ」
カレン「嘘?私達生きてるの?」
スザク「あぁ、彼らが助けてくれたんだ」
カレン「あの変な色のサザーランドが?どうして?
敵だったのに・・・」
ジャイアン「アンタとは確かに敵同士だったけど、撤退命令が
出た時点で決着はついてたんだ。それに、目の前で困ってる人を
そのまま置き去りにはできないぜ!なぁスネ夫」
スネ夫「そうそう、敵味方関係なし!」
カレン「・・・ふふ、アンタ以外にもいるんだね。こういう馬鹿って」
スザク「え?」
カレン「でも・・・ありがとう」
(こうしてこの戦いはブリタニア軍の勝利という形で幕を閉じた)
ルルーシュ「全部隊の撤退が完了したそうだ」
のび太「よかったー」
ドラえもん「じゃあ僕達も早くナナリーさんを助けに行きましょう!」
ルルーシュ「何も考えずに行っても失敗するだけだ。
ある程度策を練らなければ」
ドラえもん「でも早く行かないとナナリーさんが!」
ルルーシュ「それは大丈夫だ。奴らの狙いはあくまでC.C。
こちらが来るまでは人質に手を出すようなマネはしないだろう」
ドラえもん「あ、それもそうですね」
ルルーシュ「問題は皇帝のギアス・・・これをどう防ぐかだ」
のび太「目を閉じてればいいんじゃないですか?」
ルルーシュ「単純に防ぐだけならばそれでも構わんが
それではいつまでもこちらが攻勢に回れないままだ」
C.C「おいドラえもん、何かいい道具はないのか?」
ドラえもん「そんな急に言われても、思いつかないよ」
そう簡単ではないだろうな」
C.C「わざわざ目を閉じなくても、直接シャルルの目を
見なければいいだろ」
ルルーシュ「だがそれではこちらもギアスをかけれない」
C.C「かける必要ないじゃないか。ギアスを使わずに勝てばいい」
ルルーシュ「簡単に言うな。相手はあの男だぞ?」
C.C「その為のドラえもんだろ?お前のギアスよりも
こいつの道具の方が遥かに役に立ちそうだ」
ドラえもん「そんなに期待されても・・・」
ルルーシュ「ギアス抜きの勝負か・・・。目を合わせなければ
どちらもギアスは使えない。つまり互いに条件は同じになるわけだから
別にそれでも構わんが・・・。しかしどうやって倒す?」
C.C「ラグナレクの接続は思考エレベーター内で行われる。
倒すすべが無いのであればあの二人をそこに閉じ込めてしまえばいい」
ルルーシュ「思考エレベーター・・・・確か仮想空間と言ったな?
どうすれば閉じ込められる?」
C.C「簡単なことだ、二つの出入り口を壊せばいい」
C.C「そうだ。一つは仮想エレベーターとブリタニア本国を、
もう一つはこれから私達の行く神根島と繋がっている。
この二つを壊せば中にいる者は二度とこちらの世界へは
帰ってこれなくなる。」
ルルーシュ「内側から壊せば俺達も出れなくなる。
別働隊を形成して本国へ向かわし、同時に外側から壊すしかないか・・・」
C.C「そうなるな」
ドラえもん「じゃあ僕とのび太くんがブリタニア本国の方の
出入り口を破壊しましょうか?」
ルルーシュ「そうしてくれると助かる。君達なら難なく潜入
できるだろうしな」
のび太「ところでその出入り口ってブリタニアの何処にあるんですか?」
C.C「・・・・・・」
ルルーシュ「何処だC.C?」
C.C「・・・知らん」
ドラえもん「えぇ!?」
ルルーシュ「お前・・・・」
いけないの?無理だよそんなの」
C.C「考えてみたら私は当時から場所を知らされてなかったな・・・
恐らくV.Vとシャルルしか知りえない場所なんだろう。
さっきの作戦は忘れてくれ、別のを考えよう」
ルルーシュ「いや、この作戦でいく」
ドラえもん「でもブリタニア側の出入り口が何処か
分からないんですよ?どうするんですか?」
ルルーシュ「俺が内側から壊す」
のび太「えぇ!?それじゃルルーシュさんが出られなく
なっちゃうじゃないですか!?」
C.C「そうだ、馬鹿な考えは止めろ」
ルルーシュ「俺は罰を受けると言ったはずだ。どうせならあの男と
V.Vを巻き添えにしてやる。この世から消える、それが俺が受ける罰だ」
C.C「・・・・言っておくが、思考エレベーター内に時間などという概念はない。
腹も減らなければ歳もとらない。死ぬ事も無く
永遠にあの中で生き続ける事になるぞ?」
ルルーシュ「構わんさ。V.Vはともかく、あの男・・・皇帝シャルルには
聞きたいことも山ほどあるしな。一緒に地獄を満喫してやるさ」
のび太「す、凄い覚悟」
ルルーシュ「・・・・俺は多くの人間の人生を変え、時には奪った。
必ず何処かで罰を受けなければならない・・・始めからそのつもりだった」
のび太「でもだからって・・・」
ルルーシュ「ナナリーにはスザクやユフィがいる。問題はない」
C.C「結局最後は他人任せか?」
ルルーシュ「なんとでも言え。他にあいつらを倒すすべが無い以上
この方法しかない」
ドラえもん「確かに不老不死の人間から自由を奪うには
この手しかないですね」
ルルーシュ「そういうことだ。では大まかな流れを説明する!
まず四人で神根島まで行き、俺とC.Cとドラえもんが思考エレベーター内に入る。
ナナリーを救出したらドラえもんがナナリーと共に外へ移動
その後俺は各出入り口を壊し、終了だ」
C.C「おい待て、それでは私まで閉じ込められてしまうではないか!」
ルルーシュ「コードを持つお前を一緒に閉じ込めたら奴らの計画が
遂行されてしまう。安心しろ、出入り口を壊す前にトラブルを作る
お前はその隙に逃げろ!」
ルルーシュ「あぁ、手は考えてある。お前一人が逃げるくらいの
隙は作れるはずだ」
C.C「フン、それはよかった。あんな所でシャルルとV.V、それに
お前と永久に生き続けるなど御免だからな」
ルルーシュ「・・・こっちの台詞だ」
ドラえもん「作戦が決まったのなら早く行きましょう!
この何処でもドアを使えばすぐに行けます!」
C.C「何処でもドア?何だこれは?」
ドラえもん「どんな場所にでも一瞬で移動できる道具です」
ただガウェインを持っていきたいのだが、その大きさの
ドアでは運ぶのは無理だな」
ドラえもん「大丈夫です、このスモールライトで小さくして
持っていきましょう!向こうに行ったら今度はビックライトで
元の大きさに戻せます」
ルルーシュ「そうか、それなら問題ない。
それにしても、未来の科学力は恐ろしいな」
(こうして四人は神根島へと向かった)
-------神根島
ドラえもん「ビックライトー!」
(ドラえもんはガウェインを元の大きさに戻した)
ルルーシュ「よし、では思考エレベーターとやらに移動するか」
ドラえもん「何処から中に入れるんですか?」
ルルーシュ「この島の洞窟の奥には妙な遺跡がある。
恐らくそこから入れるのだと思うが、どうだC.C?」
C.C「正解だ」
ガウェインに乗って中に入る」
のび太「ドラえもん、気をつけてね!」
ドラえもん「のび太くんが一人の間何があるか分からない、
一応スペアポケットを置いておくから、もしもの時はこれで
何とかしてね!」
のび太「うん、分かった」
ルルーシュ「準備は済んだか?では行くぞ」
(三人はガウェインに乗り神根島洞窟内にある神殿へと向かった)
----------洞窟内部
C.C「あそこだ、あの扉に手をかざせば中に入れる」
ドラえもん「あれ?神殿の扉の前に誰か倒れてますよ?」
ルルーシュ「ん?子供・・・か?」
C.C「あれはまさかV.V!?」
ルルーシュ「なに!?」
ドラえもん「本当だ、あれはV.Vだ!」
C.C「まさか・・・・」
ルルーシュ「何だ?何か心当たりがあるのか?」
ドラえもん「取り敢えず外に出てみましょう!」
(三人はガウェインから降り、倒れているV.Vの元へと向かった)
ドラえもん「うわっ、血だらけだ!」
C.C「・・・・・これは死んでいるな」
ルルーシュ「死んでいるだと?こいつはお前と同じ不老不死では
なかったのか?」
C.C「恐らく、シャルルにコードを奪われたのだろう」
ルルーシュ「コードを!?・・・という事は今はあの男が不老不死
になっているというのか?」
C.C「そういうことだ。しかし、まさかシャルルがV.Vを殺すとは・・・」
ルルーシュ「こちらとしては好都合だ、敵が一人減ったわけだからな。
あの男が不老不死になろうが、どうせ俺と一緒に封印される運命だ
まったく意味はない」
三人とガウェインの体を包み込んだ)
ルルーシュ「くっ、何だこの光は!?」
ドラえもん「わっ、何だ何だ!?」
C.C「慌てるな、身体に害はない」
(謎の光に包まれた三人は、気がついたら全く
別の場所へと移動していた。
そこはさっきまでの神殿とはまた違う別の神殿)
ルルーシュ「・・・ここが思考エレベーターか?」
C.C「そうだ。私達以外には何もない、時間すら存在しない場所」
ドラえもん「あ、あそこにいるのはブリタニア皇帝じゃないですか!?」
ルルーシュ「なに!?」
シャルル「待っていたぞルルーシュ。・・・・そしてC.C」
ルルーシュ「約束通りC.Cを連れてきたぞ!ナナリーを開放しろ!」
シャルル「ナナリーは、ここにはいない」
ルルーシュ「何だと!?」
ドラえもん「何だって!?」
シャルル「そのままの意味よ。だが安心しろ、死んではいない」
ルルーシュ「貴様っ!!」
ドラえもん「目を合わせちゃ駄目だよルルーシュさん!
ギアスが飛んでくる」
ルルーシュ「くっ・・・」
シャルル「さぁC.C、こちらへ来い。ラグナレクの接続には
お前のコードが必要だ!」
ルルーシュ「黙れ!!ナナリーがいないのであれば
こちらがC.Cを引き渡す理由もない!!お前は俺と共に永遠に
この空間で生きてもらう!」
シャルル「ほう、どうするつもりだ?」
ルルーシュ「予定変更だ。C.C、お前はドラえもんと一緒に
出入り口とやらからここを出ろ。その後俺がそこをガウェインで
破壊する!!」
ドラえもん「でもナナリーさんは?」
一緒に閉じ込めてしまう心配はない。ドラえもん、すまないが
外に出たらナナリーを探し出してくれないか?
君なら容易く出来るはずだ」
ドラえもん「分かりました!約束します」
ルルーシュ「頼むぞ」
C.C「勝手に話を進めるな。悪いがルルーシュ
お前の望み通りにするわけにはいかない」
ルルーシュ「何だと!?まさかこの期に及んで裏切る
つもりか!?」
C.C「あぁ、もうお前に用はない」
ルルーシュ「どういう意味だそれは?」
シャルル「ルルーシュ、お前ではC.Cの願いを叶える
事は出来んということだ」
ルルーシュ「なに!?お前は知っているのか?
C.Cの願いを!?」
ドラえもん「願いって何ですか?」
ルルーシュ「俺はギアスを得る際にC.Cと契約したんだ。
ギアスを得るかわりにC.Cの願いを叶えると」
ルルーシュ「無理も何も、肝心のお前のその願いとやらが
分からない以上、俺からはどうしようも無かったのだが?」
C.C「そうだったな、では今こそ明かそう、我が願いを。
我が願いは死ぬこと」
ルルーシュ「死ぬことだと?」
ドラえもん「どういうことですか?」
C.C「コードを引き継いでから私は死ぬ事も出来ず生き続けている。
このコードは新たな継承者に譲渡しない限り絶対に消えない。
継承者とはギアスを持ち、その力を極めた者のこと。」
ドラえもん「そういえば確か宇宙大百科事典にそんな事が書いてあった」
C.C「そこで私は様々な人間にギアスを与えた。コードを捨てる為にな。
しかし、その殆どが途中で力を制御できなくなり、力を極めるまでに
生長した者は一人もいなかった。ルルーシュ、お前もその一人だ」
ルルーシュ「つまりお前は、コードを継承できる人間を作る為だけに
人々にギアスを与え続けていたということか?
後にその者が自分と同じ苦しみを味わう事を分かっていながら・・・・」
C.C「そうだ」
ルルーシュ「俺やマオもお前にとっては自分が死ぬ為の
道具でしかなかったのか?」
ルルーシュ「・・・・・」
C.C「お前ならばこの力を極めることも出来ると思ったが
どうやら私の思い違いだったようだ」
ルルーシュ「待て、俺はまだこの力に負けてはいない。
必ず使いこなし、お前との契約を果たしてやる!」
C.C「その必要はない。何故ならここに達成人がいるからな」
ルルーシュ「・・・・それがお前か」
シャルル「そういうことだ」
ルルーシュ「なるほど、ギアスを極めたからこそV.Vを
殺し、コードを奪う事が出来たというわけか」
C.C「その事だがシャルル、何故V.Vを殺した?」
シャルル「兄さんは嘘をついた。だからその報いを受けた。
ただそれだけよ」
C.C「嘘?マリアンヌの件か?」
シャルル「これ以上答える必要はない。何故なら、間もなく
人類の意識は一つになる。その時嫌でも答えは分かる」
C.C「ふん、そうだったな」
なのか?死ぬ為に生きてきたというのか?」
C.C「そうだ。生き続けることの苦しみから
ようやく開放される・・・」
ルルーシュ「考え直せ!死ぬ為の人生など悲しすぎる!」
C.C「しかし、人はいずれ死ぬ。死があるからこそ人は
生を自覚できる」
ルルーシュ「違う!生きているから生を自覚出来るんだ!」
C.C「言葉遊びに付き合っている暇はない。
さようならルルーシュ、お前は優しすぎる」
ルルーシュ「おい、待てC.C!!」
ドラえもん「こうなったら相手ストッパーを使って!」
シャルル「お前達はそこで見ていろ」スッ
(シャルルが手をかざすとルルーシュとドラえもん
の体にさっきの光が巻きつく)
ルルーシュ「くそっ、動けない!」
ドラえもん「これじゃポケットから道具が出せない!」
C.Cとシャルルの身体は光りだした)
ドラえもん「このままじゃラグナレクの接続が・・・」
ルルーシュ「チッ、何が死ぬ為に生きてきただ!
お前はいつも嘘ばかりだな!」
C.C「嘘ではない。これが私の本当の望み・・・」
ルルーシュ「だったら何故そんな顔をしている!
何故泣いている!」
C.C「な、泣いてなど・・・・」
ルルーシュ「お前の願いは本当は違うんじゃないのか!?
そんな顔して死ぬな!最後くらい笑え!
俺が必ず笑わせてやる、だからC.C!!」
ドラえもん「C.Cさん、あなたはルルーシュさんを庇ったんですね?
あのまま作戦を実行していたらルルーシュさんはこの空間に
永遠に封印されてしまう!あなたはそれを嫌ったんだ!」
C.C「二人揃って何をわけの分からんことを・・・」
シャルル「もうすぐ終わる・・・C.C、長い間御苦労であった」
ルルーシュ「止めろー!!」
のび太「あ~あ暇だな~、僕も行けばよかった」
ガサガサ
のび太「ん?誰!?」
?「その声は、まさかのび太さんですか?」
のび太「あれ?あなたはナナリーさん!?
どうしてこんな所に?」
ナナリー「分かりません、ユフィ姉様とお話をしていたら
突然V.Vという方が来て、気がついたらここに・・・
のび太さん、ここは何処なんですか?」
のび太「ここは神根島ですよ」
ナナリー「かみねしま?」
のび太「あ、いけない!ドラえもん達に報告しないと!
ここにナナリーさんがいるなら中にC.Cさんを連れてく
必要なんてないんだ!」
ナナリー「あの・・・のび太さん、これまでに何があって、
今何が起こってるのか説明してくれませんか?」
(のび太はルルーシュがゼロということを上手く隠しながら
これまでの経緯を説明した)
のび太「そうなんです、それを止めさせて
ナナリーさんを助ける為に、ドラえもん達が
思考エレベーターの中に・・・」
ナナリー「お兄様までそんな危険な所にいらっしゃるなんて・・・
のび太さん、私達も行きましょう!」
のび太「そんな~、ナナリーさんを危険な所へは
連れて行けませんよ!僕一人で行きます」
ナナリー「いいえ、私も連れて行ってください。
私は歩けないし目も見えないので足手まといになると思いますが、
お兄様を助けたいんです!お願いしますのび太さん」
のび太「そこまで言うならいいですけど・・・」
ナナリー「ありがとうございます!
ところでその思考エレベーターという所へは
どうやったら行けるんですか?」
のび太「僕らの目の前に洞窟があるんですけど、
この奥にそこへと通じる入り口があるそうです!」
ナナリー「そうなのですか、では行きましょうのび太さん」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
のび太「うわっ!地震だ!!」
のび太「大丈夫ですかナナリーさん!?
ぼ、僕に掴まっていてください!」
ナナリー「のび太さん!!」ギュッ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
のび太「す、凄い揺れ!!」
ゴゴゴゴ・・・・
のび太「ふぅ~、やっとおさまった~」
ガラガラガラガラ!!
のび太「あぁ!?い、入り口が!?」
ナナリー「どうしたんですかのび太さん?」
のび太「今の地震で洞窟の入り口が塞がっちゃいました・・・」
ナナリー「それでは中に入る手段は・・・」
のび太「無くなっちゃいました・・・あ~ん、ドラえも~~ん!」
ナナリー「どうしましょう・・・・このままではお兄様達も
外へ出れなくなってしまいます・・・・」
ナナリー「すぺあぽけっと?」
のび太「ドラえもんがもしもの時の為にって
置いていってくれたんです!!
このポケットを使えばドラえもん達のいる所へ行けます!」
ナナリー「本当ですか!?」
のび太「このポケットはドラえもんのポケットと繋がってるんです!
つまりこの中に入れば、ドラえもんのポケットから出れます!」
ナナリー「ポケットの中に入れるのですか?」
のび太「このポケットは四次元空間に繋がってるから大丈夫です!」
ナナリー「四次元空間・・・?ですか?」
のび太「あ、でもナナリーさんは足が不自由だから入れないか・・・
ん?待てよ!!もしかしてこれで治せるかも!『タイム風呂敷ー』」
ナナリー「たいむふろしき?」
のび太「包んだ物の時間を戻す道具です!ユーフェミア殿下の
傷を治したのはこの道具なんです!もしかしたらナナリーさんの
目と足も元の状態に戻せるかもしれません!」
ナナリー「目が見えるように・・・歩けるようになるのですか?」
(のび太はタイム風呂敷をナナリーに巻きつけた)
------
---
-
のび太「そろそろいいかな・・・じゃあ取りますよ?」
ナナリー「お願いします」
バサッ
のび太「ど、どうですか!?」
(ナナリーはゆっくりと閉じていた瞳を開いた)
ナナリー「凄い・・・・見えます!」
のび太「やったー!!足の方はどうですか?」
ナナリー「う・・・動きます!信じられません・・・
ありがとうございますのび太さん!」
のび太「よかったですねー!じゃあ早速ドラえもん達のいる
所へ向かいましょう!」
ナナリー「はい!確かこのポケットの中に入るんでしたよね?」
(のび太は片足をポケットに突っ込み、勢いをつけて
そのまま身体全体をポケットの中へと押し込んだ)
スポッ
ナナリー「のび太さん!?わ、私に今のが出来るでしょうか・・・」
----------思考エレベーター
シャルル「もうすぐ終わる・・・C.C長い間御苦労であった」
ルルーシュ「止めろー!!」
ドラえもん「ん・・・・?何だ?ポケットが?」モゾモゾ
ルルーシュ「どうした!?」
ドラえもん「ポ、ポケットから何か来る!!」モゾモゾモゾモゾ
ルルーシュ「ポケットから?何を言ってるんだこんな時に」
(ドラえもんのポケットからのび太とナナリーが
物凄い勢いで飛び出した)
シャルル「なんだ!?」
C.C「あれは・・・」
のび太「うわああああ」
ドラえもん「の、のび太くん!?」
ルルーシュ「何故あいつがお前のポケットから?
一緒に飛んできたのはまさか・・・ナナリーか!?」
ナナリー「キャー」ヒューン
ドラえもん「危ない!このままじゃ二人とも地面に落ちる!」
ルルーシュ「くそっ!ナナリィィィィ!!!」
のび太「わああああああああ」ヒューン
ゴツンッ!!
シャルル「ぬおぉ・・・・」
(ドラえもんのポケットから飛び出したのび太は
綺麗な弧を描きシャルルの頭上へと頭から落下した)
ドラえもん「わっ!皇帝の頭に!」
ドラえもん「あらら、倒れちゃった」
(シャルルが倒れたと同時に、それまで二人を
縛っていた光が消えた)
ルルーシュ「よし、これで動ける!!
ナナリー今助けるぞ!」
ナナリー「キャー」ヒューン
ルルーシュ「くそっ、間に合わないか!?」
C.C「私に任せろ!」
ルルーシュ「C.C!?」
バフッ
(C.Cは見事ナナリーをキャッチした)
ナナリー「あ、ありがとうございますC.Cさん」
C.C「構わんさ」
ルルーシュ「大丈夫かナナ・・・ナナリー、その目は!!」
ナナリー「はい、のび太さんがドラえもんさんの道具を
使って治してくださったんです!」
まさか、足も治ったのか!?」
ナナリー「はい♪」ヒョコッ
(ナナリーはその場に立ち上がった)
ルルーシュ「おぉ!!よかったなナナリー!!」
C.C「・・・おい!!私を無視するな」
ルルーシュ「何だいたのかC.C?」
C.C「・・・・いたのかだと?誰がナナリーを受け止めて
やったと思っている」
ルルーシュ「そうだったな。礼を言う、ありがとう。
で、どうする気だ?」
C.C「どうするとは?」
ルルーシュ「惚けるな、さっきまで皇帝にコードを与え
死ぬつもりだっただろうが!」
C.C「あぁその事か。気が変わった・・・やっぱり止める」
ルルーシュ「・・・・コロコロと気の変わる女だ。
まさかとは思うが、お前本当に俺の事を思って
あの男の下へ行こうとしてたのか?」
ルルーシュ「・・・では何故奴に力を貸そうとした?
まさか本当に死にたいと思っていたからなのか?」
C.C「そうだ。だが、直前にお前がなかなか素敵な事を
言ってくれたのでな。乙女は心を揺さぶられたのだよ」
ルルーシュ「誰が乙女だ・・・」
ナナリー「あまり話しの内容はよく分かりませんが、
お兄様はC.Cさんになんて言ったのですか?」
C.C「フフ、聞きたいか?」
ナナリー「是非♪」
ルルーシュ「余計な事は言うなC.C!!」
C.C「流石に妹にプロポーズの内容は聞かれたくないようだな」
ナナリー「プ、プロポーズ!?お兄様はC.Cさんと御結婚なさるんですか!?」
ルルーシュ「違う、違うぞナナリー!
おい、誤解を招くような事を言うな!」
ルルーシュ「おい!!」
C.C「冗談だ。だがルルーシュ、自分の言った事には責任を持てよ」
ルルーシュ「だから俺はお前と結婚するなど一言も・・・」
C.C「そっちではない、最後くらい笑って死ねるように、私を笑わせてくれるんだろ?」
ルルーシュ「・・・C.C、お前の本当の願いというのはもしかして・・・」
C.C「あぁそうだ。だから、ちゃんと契約を果たせよ」
ルルーシュ「フン、いいだろう。約束したからな」
ナナリー「あの、お兄様・・・御父様の事は放っておいてよいのですか?」
ルルーシュ「はっ!忘れていた!あの男はどうした!?」
ナナリー「御父様ならあそこに倒れてますけど・・・」
のび太「は~ビックリした!!物凄い勢いでポケットから
飛び出すんだもん!死ぬかと思った~」
ドラえもん「でもそのお陰で僕達は助かった!あれを見てよ!」
のび太「どれ~?あぁ!?皇帝が倒れてる!!」
ドラえもん「飛んできたのび太くんの頭が直撃したんだ、今は気絶してる」
のび太「えぇ!?じゃ、じゃあ僕が皇帝を倒したってこと?」
ドラえもん「そういうこと♪」
のび太「やったー!」
ルルーシュ「喜ぶのはまだ早い。奴は不老不死だ。
仮にこのまま殺したとしてもまた蘇る」
のび太「そ、そうだった・・・」
ドラえもん「コードさえ抜き取れれば何とかなるのに」
のび太「タイム風呂敷でコードを受け取る前の状態に
戻しちゃえば?」
ドラえもん「V.Vに僕の道具が全然効かなかったように、
たぶん皇帝にも効果はないと思う」
ルルーシュ「このまま拘束し、自由を奪い、永久にその状態
のまま何処かに監禁するしかないだろうな」
ドラえもん「そ、それはいくらなんでも可哀想だよ!」
ルルーシュ「こいつの恐ろしさを忘れたのか?
自由にしたら最後、今度こそ打つ手が無くなるぞ?」
ドラえもん「で、でも・・・」
C.C「問題ない、私がシャルルからコードを抜こう」
ルルーシュ「コードを抜くだと!?そんなことが出来るのか?」
C.C「媒介者同士ならばコードを奪うことは可能だ。
さっきまでシャルルが私からコードを奪おうとしていた事を忘れたのか?」
ルルーシュ「・・・そういえばそうだったな。
しかし、それではお前のコードが二つになってしますぞ?」
C.C「一つが二つになった所で今更何も変わらんさ。
それに、私がコードを二つ所有している内は
もう二度とラグナレクの接続を実行しようなどという奴は
現れないだろう。一石二鳥だ」
ルルーシュ「確かにそうだが・・・しかし」
ルルーシュ「コードを奪ったら、この男はどうなる?」
C.C「コードを奪われた瞬間消滅する」
ルルーシュ「そうか」
C.C「では始めるぞ」
ルルーシュ「いや、やはり駄目だ!
これ以上お前に重荷を背負わせるわけにはいかない!」
C.C「重荷?だったら、お前も一緒に背負ってくれれば
いいじゃないか」
ルルーシュ「だが、俺はギアスを極めることは出来なかった。
それではコードを継承することはできないのだろう?」
C.C「誰がお前にコードを渡すと言った」
ルルーシュ「共に背負えと言ったのはお前だろう・・・」
C.C「そういう意味ではない。・・・私の傍にいろ。
それだけで、負担は軽くなる」
ルルーシュ「一緒にいるだけでか?よく分からんが
それでお前の負担が軽くなるならそうしよう」
C.C「・・・・相変わらず鈍感な男だ」
何の話をしているのですか?」
ルルーシュ「あ、いや・・・」
ドラえもん「あはは、ナナリーさんはのび太くんと
一緒に先に外に出てた方がいいですね!安全だし」
のび太「え?僕も?」
ルルーシュ「そ、そうだな。のび太、頼む」
のび太「わ、分かりました。じゃあ行きましょうか」
ナナリー「はい・・・・でもお兄様が・・・」
ルルーシュ「俺は大丈夫。すぐに帰るよ」
ナナリー「・・・きっとですよ」
ルルーシュ「あぁ」
(ナナリーとのび太が外へ出た)
C.C「さて、邪魔者もいなくなった事だし始めるか」
ルルーシュ「ナナリーを邪魔者扱いするな!」
ルルーシュ「コードを抜いたと同時に消滅か・・・・
まさかこんな形で決着がつくとは思わなかった」
ドラえもん「でも、これで何とか全て解決しますね」
ルルーシュ「あぁ。ラグナレクの接続、実行されずに
済んで本当によかった」
シャルル「ぬぅ!?」ギロッ
(シャルルは気を取り戻し、作業をしていた
C.Cを突き飛ばした)
バンッ!
C.C「ぐあっ!!」
ドラえもん「C.Cさん!!」
ルルーシュ「ちっ!最後まで気絶していれば
よかったものを!!」
シャルル「甘いわルルーシュゥゥゥ!!!
ワシの計画は必ず実行する!!誰もワシを止める事はできん!!」
ドラえもん「あわわ、どうしよう!」
今のワシは不老不死!何をやっても無駄だ!!」
C.C「今ではない、正しくは『さっきまでは』、だ」
シャルル「何を言っているC.C!?」
ルルーシュ「まさか、もうコードは抜き取ったのか!?」
C.C「あぁ」
シャルル「コードを抜き取っただと!?何という愚かしさか!!
C.C、貴様ぁぁぁぁぁぁ!!!」
(シャルルの身体が足元からゆっくりと消え始めた)
ルルーシュ「もう終わりだシャルル・ジ・ブリタニアよ。
お前とV.Vの計画は、独りよがりなただの幻想。実現させるわけにはいかない。
侵略の度に奪った多くの命に地獄で懺悔するがいい、クロヴィスと一緒にな」
シャルル「おのれぇぇぇぇぇぇぇ!!!
ルルーシュゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!」
ルルーシュ「消えろっ!!!!!」キューン
(ルルーシュはシャルルへ向け無意識にギアスを発動
そして、シャルルは完全に消滅した)
ドラえもん「ふぅ、一時はどうなる事かと思ったけど
なんとか終わりましたね!」
ルルーシュ「あぁ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!
ドラえもん「な、何だ!?急に揺れだしたぞ!?」
C.C「そうか、ここはシャルルの作り出した空間。
あいつが消えた今、ここも消えようとしているのだろう」
ルルーシュ「なんだと!?」
ドラえもん「と、とにかく出口へ急ぎましょう!!」
ルルーシュ「行くぞC.C!!」
(ルルーシュはC.Cの手をとり走り出した)
C.C「フフ、まったく強引な坊やだ」
ガラガラガラガラガラッ
(そして思考エレベーターは跡形もなく消えた)
ナナリー「お兄様達、遅いですね・・・」
のび太「大丈夫ですよ、ドラえもんが一緒にいるんだから!」
ナナリー「ふふ、のび太さんはドラえもんさんを
信頼してるんですね」
のび太「勿論!大切な友達だからね!
だからナナリーさんもお兄さんを信じなきゃ」
ナナリー「はい、そうですね」
ドラえもん「みんな~」
のび太「あ、帰ってきた!!おーい、ドラえも~ん」
ナナリー「お兄様!」
ルルーシュ「すまないナナリー、少し遅くなったな」
ナナリー「いいえ、帰ってきてくれて嬉しいです!
あの、ところで御父様は?」
ルルーシュ「あぁ・・・あいつは、消えたよ」
ルルーシュ「ナナリー、お前は特によく分かるだろうが
あいつは今までにそれだけの事をしてきた。だから消したんだ」
ナナリー「そうだったんですか。少し残念です・・・
最後にもう一度だけお話をしたかった」
ルルーシュ「それでなナナリー・・・・実は、俺も消えなければ
ならないんだ・・・」
ナナリー「え!?何でですか!?」
ルルーシュ「俺は罰を受けなければならない。
あの男同様、それだけの事をしてしまったからな・・・・」
ナナリー「そんな、お兄様が何をしたというのですか!?」
ルルーシュ「ナナリー、実は俺は・・・」
C.C「ルルーシュは私の下着を盗んだんだ」
ルルーシュ「・・・・・・は?」
ナナリー「え・・・・?」
C.C「だから罰を受けなければならない。
確かそうだったよなドラえもん?」
確かにC.Cさんの下着を盗みました!」
ナナリー「お、お兄様・・・・そんなことを」
ルルーシュ「おい!!お前ら急に何を言い出す!!
俺は真剣に話をしていたんだぞ!!」
C.C「真剣なのはこちらも同じだ。
何せ、盗まれたのは他の誰でもない私の下着なのだからな」
ルルーシュ「俺がいつお前の下着を盗んだというんだ!?
だいたいお前の下着など、興味も関心もない!!」
C.C「なるほど、興味も関心もない女の下着に手を
出してしまう程に、お前はムラムラしていたということか」
ナナリー「お、お兄様・・・・」
ルルーシュ「い、いい加減にしろよC.C!!!
俺はこれまでの罪の報いをうけねばならないんだ!!」
C.C「だから消えるというのか?短絡的だな。
それはお前の自己満足にすぎん。残された者の身にもなれ。
私やナナリーはどうなる?」
ルルーシュ「・・・・・・・」
C.C「それに私との契約はどうなる?傍にいるという約束は?
それらを全て放棄するつもりか?」
ドラえもん「ルルーシュさん、何も消えることだけが
罰をうけるということではないと思います!」
のび太「僕もそう思います!ナナリーさんやC.Cさんには
絶対にルルーシュさんが必要です!
だから、消えるなんて言わないでください!」
ルルーシュ「ドラえもん・・・のび太・・・」
C.C「ルルーシュ、お前は私達の傍にいてくれ」
ルルーシュ「・・・あぁ、分かった。ありがとう」
ナナリー「何だかよく分かりませんけど、とにかくお兄様は
消えなくて良いのですね?」
ルルーシュ「あぁ、そうだよナナリー。これからもずっと一緒だ」
ナナリー「お兄様・・・」
C.C「だがまぁ、一応下着盗難の件の罰は受けてもらおう」
ルルーシュ「まだ言っているのかお前は・・・・・
まぁいいだろう!泥棒の件を認めるわけではないが、
このまま何の罰も受けないというのは納得できん。やれ!」
C.C「フフ、そうこなくてはな。ドラえもん、何か出せ」
●夢確かめ機
対象の頬をおもいっきりツネり、夢かどうかを
確かめる機械
ビョーーーン
(夢確かめ機の手がルルーシュの頬をツネる)
ルルーシュ「いたたたたたたたたたたたたっ!!!」
ナナリー「ふふ、お兄様!もう悪い事はしちゃ駄目ですよ!」
C.C「そうだぞルルーシュ。それにしても、この道具は
なかなか面白いな。ドラえもん、これはいつまで
ツネり続けるんだ?」
ドラえもん「C.Cさんが止めろというまでいつまでーも続きます!」
C.C「ほう、それではもう少し見ておくとするか」
ルルーシュ「いたたたたっ!!おい、さっさと止めろ!!」
のび太「あははは、面白い顔w」
C.C「なかなか可愛いぞルルーシュw」
ルルーシュ「早く止めろー!!!!!」
ギルフォード「殿下、黒の騎士団の撤退を確認しました」
コーネリア「ふぅ、何とかなったか」
ダールトン「この戦、彼らの協力が無ければ
恐らく我らは負けていたでしょうな」
ギルフォード「えぇ、彼らには感謝しなければなりませんね」
コーネリア「ところでダールトン、ユフィは本当に無事なんだな?」
ダールトン「はい、ドラえもんのお陰で助かりました」
コーネリア「・・・・そうか、それは良かった」
ダールトン「しかしジャイアンとスネ夫によると
その後ドラえもんとのび太の行方が分からなくなっているようです」
ギルフォード「それは大変だ!今すぐ捜索隊を出しましょう!」
コーネリア「その必要はない。あいつらなら何とかなるさ。
未来のロボットだぞ?それに、その前に私達にはやる事がある」
ギルフォード「やる事?」
コーネリア「あいつらとの約束を果たさねばな。
ダールトン、会見の準備をしろ!それと、黒の騎士団に使者を出せ」
スザク「ドラえもん達との連絡はついたのかい?」
スネ夫「それが全然・・・」
スザク「何かトラブルがあったのかもしれない!
僕がランスロットで探しに行こうか?」
ジャイアン「いいえ、大丈夫です!のび太一人なら心配だけど
ドラえもんも一緒にいますから!」
スザク「そうか、分かった」
カレン「何の話をしてるのか知らないけど
さっさと私を連行したらどうなの?テロリストなのよ?」
スザク「何度も言ってるだろカレン!もうその必要はないんだ!
日本は開放されるんだから!」
カレン「はぁ~、あのねぇ・・・誰がそんな話信じられるって言うのよ」
スザク「ほ、本当だってば!ねぇみんな?」
ジャイアン「本当だとも!コーネリアは俺達と約束したんだ!」
カレン「約束事を破るのはブリタニアの十八番よ」
(その時コーネリアの会見映像が街頭テレビに映し出された)
ジャイアン「本当だ!きっと日本の開放を宣言するんだぞ」
カレン「まさか、あの女がそんな事するはずないわ」
スネ夫「そう言われるとなんか不安になってきた・・・」
スザク「大丈夫。信じるんだ」
(その後コーネリアは会見上で世界中に日本の開放を宣言した)
カレン「嘘・・・・・本当に・・・」
スネ夫「やったー!!やったよジャイアーン!」
ジャイアン「良かったなスネ夫ー!」
(ジャイアンとスネ夫は泣きながら抱き合った)
スザク「これで日本が・・・・昔の日本が帰ってくるんだ。
良かった、本当に」
扇「い、今なんて言ったんだ?日本を開放するって・・・」
藤堂「信じられん・・・何故コーネリアがそんな事を?」
玉城「決まってんだろ!ゼロが交渉したんだよ!
俺達の抵抗活動が報われたんだ!!よっしゃー!!」
扇「ゼロが・・・」
藤堂「確かに、そうでも考えないと説明がつかんな。
あのコーネリアが・・・いや、ブリタニアが自ら占領国の開放を
発表するなどありえん」
朝比奈「どうでもいいじゃないですかそんな事!!
僕達は日本を取り戻したんだ!」
仙波「信じられんが、今は目の前の事実を大いに喜ぼうではないか」
藤堂「フッ、そうだな」
卜部「藤堂さん、ブリタニア政府から使者が来てます!」
藤堂「なに?」
卜部「新政権設立に関して、話があるそうです」
千葉「新政権!?ブリタニアは本気で日本を開放するつもりなのか」
藤堂「しかし、何故俺なんだ?ゼロはどうした?」
扇「恐らくゼロが指示したんじゃないんですか?
新政権に関する話し合いには藤堂さんを交えるようにと」
玉城「きっとそうだぜ!これなら俺の新政権閣僚入りも
夢じゃないぜ!」
千葉「いや・・・・恐らくそれは夢で終わると思うぞ」
藤堂「あまり柄ではないが、日本の為だ。
取り敢えず行って話しをしてくる!」
朝比奈「藤堂さん、気をつけて!日本を頼みます」
藤堂「あぁ、任せておけ」
ドラえもん「どうやらさっき日本の開放が
宣言されたみたいです!」
のび太「えぇ!!じゃあこれからは・・・」
ドラえもん「うん、昔みたいな平和な日本が帰ってくる!」
のび太「やったー!!!」
ドラえもん「ふふふ、よかったねーのび太くん」
ルルーシュ「まさか本当にあのコーネリアが約束を守るとはな」
C.C「これでもうこの世界にゼロは必要なくなったな」
ルルーシュ「あぁ。ここから先は扇や藤堂に任せておけばいい」
C.C「では私達も帰るとするか。ドラえもん、あのドアを出せ」
ドラえもん「あっ!その前にC.Cさん」
C.C「何だ?」
ドラえもん「そのコード、22世紀に行けば消す事が
出来るかもしれません!」
ルルーシュ「なに!?それは本当か!?」
22世紀にはそういった呪いのようなものへの
対策の取れる病院が沢山あるんです!そこに行けば恐らく・・・」
ルルーシュ「そうか、それは良かった!
C.C、今すぐドラえもんと一緒に22世紀へ行って来い!」
C.C「・・・お前も来い」
ルルーシュ「なに?」
C.C「お前も来いと言っている。傍にいると言っただろ?」
ルルーシュ「フン、まぁいいだろう。22世紀の世界にも多少
興味はあるしな」
ドラえもん「ところが予約を入れないといけないので
今すぐ行っても駄目なんですよ」
ルルーシュ「予約?」
ドラえもん「はい、宇宙中からそういった患者が
集まってるので予約無しでは受診できないんです」
ルルーシュ「宇宙中・・・・宇宙人にも会えるのか・・・
なかなか貴重な体験が出来そうだな」
C.C「ではドラえもん、日にちが決まったら連絡をしてくれ。
この男を連れすぐに向かう」
のび太「ねぇ、ドラえもん!早くみんなの所に
帰ろうよ!」
ドラえもん「そうだね!では『何処でもドアー』」バタンッ
----------東京租界
のび太「みんなー!!」
ジャイアン「おぉ!!心の友よー!!!」
スネ夫「よかったー、のび太もドラえもんも無事だったんだ!」
ドラえもん「二人ともよく頑張ったね~!」
スザク「よかった、みんな無事で・・・。ってあれ?
ルルーシュにナナリー!!どうして君達が
彼らと一緒にいるんだい?」
ルルーシュ「あ・・・・いや、それはその・・・・」
スザク「まぁいいか!みんな無事ならそれで」
(こうしてドラえもんやルルーシュ、スザク達の長い戦いは終わった。
ブリタニアの支配を逃れ、日本は平和になりましたとさ)
ドラえもん「もう、連れてくるのはルルーシュだけ
じゃなかったの!?こんなに大勢困るよ!!」
C.C「仕方ないだろう、みんな22世紀とやらに
行きたいと聞かないのだ」
ドラえもん「こんなに大勢タイムマシンに乗れないよ!」
C.C「ビックライトででかくすればいいだろ!!」
ドラえもん「も~わがままばっかり!!」
コーネリア「いつまでウダウダ言っている
早く22世紀へ連れて行け」
ギルフォード「姫様の身を守るのが、騎士たる私の務め。
どこまでもご一緒いたします」
ダールトン「フハハハハ、楽しみだのー22世紀!」
ロイド「セシルくん、向こうへ行ったら出来るだけ多くの写真を撮るんだよ。
あと、隙あらばいろんな物を盗んでね♪」
セシル「そんなことしたら捕まっちゃいますよロイドさん!」
ロイド「だって22世紀だよ~♪好奇心はつきないよ♪」
ミレイ「だって楽しそうじゃな~い。心配しなくても
シャーリーとルルーシュの間を邪魔したりしないわよ♪」
シャーリー「も~、会長ったらそればっかり///」
カレン「はぁ、なんで私まで・・・」
スザク「いいじゃないか。たまには勉強の息抜きも
必要だよ?」
カレン「アンタが行こうって言うから仕方なく来たのよ!
つまらなかったら承知しないからね!!」
スザク「ふふ、はいはい」
ユフィ「(スザクとカレンさんは最近仲が良すぎです!
道中監視しなければっ!!)」
藤堂「22世紀か・・・・その頃私はどうなっているのだろうな」
朝比奈「いや、死んでるでしょ」
千葉「朝比奈、不謹慎な事を言うな!!」
朝比奈「不謹慎っていうかありえないでしょ普通に・・・」
C.C「さぁドラえもん、早くタイムマシンのある所へ案内しろ!」
コーネリア「ドラえもん」
ダールトン「ドラえもん」
シャーリー「ドラちゃん」
ロイド「ドラえもんくん♪」
ドラえもん「も~!!!こんなに多く乗れないってば!!!!!」
--------------------おわり
まさかここまで猿に苦しめられるとは・・・・。
取り敢えず支援してくれた人ありがとう!
もう寝よう!!眠すぎる!!
ナナリーはルルーシュとの連絡が取れず心配で、
何かあったのかもしれないと身を案じての意味で
「助けてあげて」という意味だけど
ユフィの場合はギアスやV.Vから助けて的な
意味で言ってるって事を表現したかったんだけど
改めて見返してたらかなり分かり辛かったw
かなり面白かった
Entry ⇒ 2012.07.26 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
大星「先輩がブラックで私は限界かもしれない」照「そうだな!!」
菫「おい 照はどうした?」
渋谷「またいつもの」オチャー
菫「……はあ 今年は何人の一年がやられるか」
大星「白糸台は麻雀部が強い」
大星「そこで一年レギュラーになって全国に私の名前を広める」
ガララ
照「」スタスタ
大星「あれは白糸台エースの宮永照?」
照「大星淡! 私は妹が欲しい!!」キリッ
大星「いや しらねーよ」
それが彼女との出会いだった
菫「ようこそ大星 私は3年の弘世 菫 君の入部を歓迎する」
大星「ありがとうございます」
菫「今年は1年が君1人しか入らなかったが 大丈夫か?」
大星「先輩には先に言っておきますが 私は麻雀部に入るからにはレギュラーを目指します」
大星「その為に先輩を蹴落とすことになろうとも躊躇しません」
菫「……」
照「大星 レギュラーになるために必要なことはわかるな? まずは上を一枚脱ごうか」フフッ
大星「主にあれを蹴落とすことには罪悪感の1つも感じないので」
菫「出来ることなら是非ともやってほしい」ハァ
【対話】
大星「ロン」
菫「大星 精が出るな」
大星「ありがとうございます」フゥ
照「大星 精が出るのか?」
大星「くたばれ糞野郎」
照「菫菫!! 大星が私に始めて話しかけてくれた!!」キャッキャッ
菫「あぁ お前入部してから一度も話しかけられてなかったもんな」
照「大星 私のことは気軽にお姉ちゃんと呼んでくれていいんだぞ」キリッ
大星「寝言は死んでから言ってくれませんか 不愉快です」
照「菫 大星は反抗期らしい」
菫「そうかよかったな」
【位置づけ】
照「最近 私のキャラが妹の咲のパンツを舐めるような変態キャラになっているんだが」
大星「違うんですか?」
照「私は妹全般なら誰でもいけるぞ」
大星「」
照「あっ! もちろん最近のオカズは大星ばかりだからな」オロオロ
大星「菫先輩 これを早くクビにしてください」
菫「善処する」
【自分には妹は……】
照「自分には妹はいない」キリッ
大星「いきなりなにを当たり前のことを 脳味噌を菫先輩のと入れ替えたんですか?」
照「なぜなら私にとって目に映る年下すべてが妹だから! 1人なんて選べない!!」
照「確かに咲にはそのことで寂しい想いをさせてしまった」
照「だが咲ならわかってくれる! この姉の愛は妹全員に平等に注がれるものだと!!」
大星「今は麻雀で勝てないんでぶん殴っていいですか?」
菫「後で問題になるから止めてくれ」
【去年は大将 今年は先鋒】
大星「あのアホが団体戦で去年は大将 今年は先鋒なのには理由があるんですか?」
大星「出来るだけ全国ネットであのアホの醜態を晒さないようにという配慮で大将だと思ってたんですけど」
菫「あいつにとってのインターハイは自分の妹を探す以外に意味はないらしい」
大星「糞虫ですね」
菫「それで去年 長野の龍門渕高校の大将の天江衣に目をつけていたんだ」
大星「そうなんですか」
菫「だが龍門渕は準決勝で敗れてな しかもあの臨海にトバされて」
菫「それで照がブチ切れた」
大星「それは……容易に想像がつきますね」
菫「決勝で臨海その他2校と当たったんだが 大将戦で戦った臨海の子は不運と言わざるえない」
菫「弔い合戦だとかわけのわからないことをのたまって全局照が海底であがる始末」
大星「それは……」
菫「今でも臨海の生徒に会ったら目線で殺されそうになるよ」フッ
大星「お気の毒に」
菫「それだけならいいんだが あいつは何を思ったのか試合が終わった後に優勝旗を持って消えてな」
菫「どこにいったかと思ったら天江衣に優勝旗を持って告白していた」
大星「うわあ」ヒキッ
菫「伝統ある白糸台の歴史に泥を塗ったとしてOBからも恨まれている」
大星「それであの性格が治らないとは 糞につける薬はありませんね」
【仲裁】
照「大星! 大星! このペンダントお姉ちゃんとお揃い!!」キャッキャッ
大星「……チッ」
菫「……仕方ないな おい照 大星も嫌がってるんだから止めてやれ」
照「うるさい! さては菫 私の妹を言葉巧みに奪うつもりだな!!」
菫「……はぁ」
菫「照お姉ちゃん! そのペンダント 私が欲しいな」ウワメヅカイ
照「フッ」ハナデワライ
大星「落ち着いてください! 菫先輩!!」
菫「離せ大星! 私はこいつをぶん殴らないといけないんだ!!」ジタバタ
【年上】
照「最近思ったんだが 年上からお姉ちゃんと呼ばれるのも許容範囲ではないのだろうか」
大星「そうですね とっとと地獄に落ちればいいのに」
照「はっ!? 違うぞ菫! お前はちゃんと守備範囲外の糞婆だから安心しろ!!」アタフタ
菫「嬉しいついでにぶん殴ってもいいか?」グッ
照「菫はどっちかというと面倒見がいいし お母さんといった感じだな」
大星「……糞に賛成するのはどうかと思いますけど 確かに母性がありますね」
菫「大星まで なにを言っているんだ!!」
照「特にところどころ見える白髪とか皺とかな」
大星「だから落ち着いてください!!」
菫「離せ!! 元凶をぶん殴らないと!!」ジタバタ
【糞】
照「恥ずかしながら 私はこの歳までス○トロプレイには縁がなくてな」
大星「縁がある方が恥ずかしいんですが」
照「妹とそういうプレイには興味があるんだが……」チラッ
大星「」プイッ
照「もちろん!! 大星に食べる食べさせるような趣味があるならお姉ちゃんはなんでもするぞ!!」フンス
大星「そんなものはないし もし食事中の読者がいらっしゃったらどうするんですか」
照「なにを言っているんだ大星 う○こだって立派なたべ――なにをする菫 やめっ!?」
カットされました
【本物の妹】
大星「そういえば糞にも奇跡的にも妹がいるんですよね」
大星「一緒に住んでないってことは糞は絶縁にでもあったんですか?」
菫「そこは詳しく知らないんだが 長野で行われた予選に妹さんも出ていたんだが 映像もあるし見てみるか?」
大星「是非とも」
衣『海底撈月!!』
大星「あれが噂の天江さんですか 確かに糞が好みそうな体系ですね」
池田『にゃーにゃーにゃー!!』
大星「どうして卓に畜生がいるんですか? これだから田舎は」
咲『すいません ちょっと脱いでいいですか?』
審判『えっ!? あぁ 脱ぐのは靴下か……』
咲『いえ 全部脱ぎますけど』ゼンラー
菫「あれが照の妹だ」
大星「姉が姉なら妹も妹と トンビはトンビしか生まないんですね」
大星「全国大会 順調に勝ち上がったら私があれと戦うんですか?」
菫「照を大将にして戦わせるよりマシだろう」
大星「放送事故姉妹なんて2つ名になりそうですね」
菫「妹の方は裸単騎を得意としている 裸単騎を仕掛けたら必ずといって和了る」
大星「糞と同じで変態行為がモチベーションに繋がるとか」
菫「変態だからと油断するなよ」
大星「むしろ変態駆除は大好きなので問題ありません」
菫「あぁそうだな」
【全国大会】
大星「どうして私が糞のトイレの付き添いなんて……」
照「連れションは姉妹の特権だぞ!!」
大星「」スタスタ
玄「お姉ちゃん待ってよー!!」
宥「はいはい」
照「大星 今のマフラーの手を見たか?」
大星「……いえ」
照「マメが大量にあった 恐らく妹を想ってナニをしていたんだろう」
大星「」
照「私は小3の頃からマメすら出来ていない ニワカは相手にならんよ」フッ
大星「」スタスタ
照「見せてやろう 王者のふうか――大星! 今良いところだから! お姉ちゃんキメセリフ言ってるから!!」
【二回戦】
実況「決まったーーー!! 宮永照選手! 他家をトバして準決勝進出ーーー!!」
大星「シードで一回戦は免除 二回戦も糞が圧差で勝って私たち出番ないですね」
菫「無駄に実力だけはあるからな」
照「それに早く終わらせた方が妹とイチャつけるだろう」キリッ
大星「準決勝も特に目立ったチームではありませんね 問題は決勝ですか」
菫「誰かさんに敵意満々な臨海が恐らく上がってくるからな」
照「それに咲も! 私の妹の咲も!!」
大星「とにかく 明日の準決勝をなんとかすると」
【準決勝】
照「よろしくお願いします」
玄「お任せあれ!」
すばら「すばらです!!」
怜「」ブツブツ
照(配牌はそこそこ いつものパターンであがる!!)ギュルギュル
玄「えっと……お姉ちゃん 私ドラが欲しいです」
照「」
菫「マズイ!! 止めろ照!!」
ロン!!
怜「リーチ 姉やん ウチ東が欲しいんやけど」
照「フフッ 妹の頼みならお任せあれ!!」パチンッ
怜「ロン!!」
すばら「お姉ちゃん すばらな牌が欲しいです」
照「そうだな これが姉の愛だ 受け取ってくれ」パチン
すばら「すばら!!」
菫「くそっ! 今年は他校も照の対策を講じてきたか」ドンッ
大星「くだらないように見えて実に効果的な策ですね」モシャモシャ
大星「下手をしたら前半だけで糞がトバされる可能性もあるわけで」モシャモシャ
菫「くっ!!」
大星「それでは……」ガタッ
菫「どこに行くんだ大星」
大星「トイレです」バタン
【休憩中】
玄「お姉ちゃん 今度ウチの温泉にも来てくださいね」
照「一緒に入ろうな」フフッ
怜「姉やんの膝枕気持ちええで」
照「私も怜の髪を撫でるのが癖になりそうだ」
すばら「すばらです!!」
照「そうだ すばらだな」
大星「なにをしているんですか」
照「なんだ大星か 見てわからないか? ここが桃源郷だ」
大星「……お お姉ちゃん」
照「――ッ!?」
大星「負けちゃうの?」
その時! 照の脳内に電流走る――ッ!!
【脳内】
大星『お姉ちゃん 優勝旗を床に敷いてなら……あわの初めてあげてもいいよ』
照「すまない大星……いや淡 後はお姉ちゃんに任せておけ」ゴォオオオオオ
玄怜すばら「「――っ!?」」ビクッ
菫「長かったな大星」
大星「少し激をしていました……腹に」
菫(なんか照に似てきたな なんて言ったら怒るか)
玄(なんか王者さん怖くなったけど……みんなの作戦があれば大丈夫)
玄「お姉ちゃん こっちの牌を――」
照「リーチ!!」ギュルギュル
玄「ひぃっ!?」ガクガク
実況「おおっと!! リーチ棒が回転しております!!」
すこやん「頭おかしいですね」
怜(1巡先を見たけど これなら大丈夫)トン
ゲートオブバビロン
照「大三元!!」ギュルギュル
怜「なっ!? なんでや!!」ガタッ
照「さあ次局に行くぞ」
怜(さっきのはマグレと仮定して もう妹作戦も通じへん)
怜(なら今度はダブルや!!)キュイイイイン
すばら「すばら!!」パチン
怜「リーチ!!」ズブッ
実況「おぉっと! 千里山 園城寺怜選手の必殺リーチだ!!」
怜(これならいける!!)
照「夢を見るのは勝手だが その牌ロンだ」バタン
エヌマ・エリッシュ
照「九連宝燈!!」
怜(もうなんやこいつ……)
照「怜 なにがなんだかわからないといった顔をしているな」
怜「当たり前や! そんな役満ばっかあがりよってからに!!」
照「所詮 妹でしかないお前にはわからないだろうな」ギュルギュル
イモウト
照「一流の姉は 次に引く必要牌すら創造出来る!!」
ツモ!!
シスタープリンセス
照「国士無双13連!!」
実況「決まったぁああああああ!! 王者の国士無双によって全員トビだぁああああああ!!」
照「妹は12人いても誰一人同じ妹はいない そしてそこに姉が加わることによってこの役の美しさは増す」
大星「あの糞 もう消えてくれませんかね」
菫「また私が校長に叱られるのか」
【決勝】
大星「決勝にして遂に私の出番が それでは行って来ます」バタン
菫「照 先鋒でも大して点を取らなかったんだが どうかしたのか?」
照「なんでもない 少し出かけてくる」バタン
実況「決勝戦! まずは清澄から全裸の化身! 宮永咲!!」
実況「次は阿知賀からは奇跡の逆転ガール! 高鴨穏乃!!」
実況「次は王者白糸台から1年生にしてレギュラー! 大星淡!!」
大星「この面子……相手に不足なし!!」
実況「そして臨海からは今年になって遠い地からやってきた留学生!!」
実況「テルテール・ミヤナーガ二世さんです!!」
テル「よろしくデース」テルテル
大星「おい ちょっとカメラ止めろ」
【謎のマスクの正体】
大星「なんで照先輩がマスクつけた上に他校で出場してるんですか?」
テル「そんな姉らしい人しりまセーン」
大星「頭痛くなってきた」ハァ
穏乃「長野に転校した私の幼馴染が魔王にNTRれてるわけがない」ギロッ
咲「土下座すれば今度触らせてあげてもいいけど」ニコォ~
実況「各選手! 試合が始まる前から熱い火花を散らしております!!」
実況「それでは! 試合開始!!」
咲「ポン! チー!!」パンッ
実況「おっといきなり咲選手裸単騎! そしていつの間にか服まですべて脱いでいる!?」
すこやん「速攻が武器みたいですね」
咲「ぜんらだよー」フリフリ
大星(清澄の裸単騎注意するに越したことは――)
テル「フッ その程度の速度でドヤ顔とはな 可愛いじゃないか」ゼンラー
実況「おっと!! テル選手もいつの間にか全裸になっているぞ!!」
テル「誰が裸単騎を教えたのか忘れたのか?」
咲「えっ! まさか……」
幼照『咲 お前には裸がよく似合う』フッ
幼咲『お姉ちゃん……』
咲「まさかあなたはお姉ちゃん!?」
大星「なんだ今の回想 そして謎の展開」
テル「フフッ お姉ちゃんか 今の私はテルテール! 妹に試練を与えるもの!!」
テル「さあ! 姉のマスクを剥がしたければマスク狩りデスマッチを受けるんだな!!」キリッ
大星「作品が違います」
ロン!!
咲「――えっ!?」
テル「どういうことだ!?」
穏乃「そろそろ混ぜろよ」ゼンラー
実況「穏乃選手もいつの間に全裸になって和了っていたぁあああああ!? これは一体!?」
すこやん「恐らく彼女はジャージの下はいつも全裸 だから他の2人よりも全裸になる速度が速かった」
実況「なるほど! これは彼女の作戦勝ちですね」
咲「なるほど これは全裸勝負」ゼンラー
テル「全裸デスマッチなんて家族麻雀以来だな」ゼンラー
穏乃「フフッ 私なんて毎日やってるよ」ゼンラー
実況「これは放送ギリギリの戦いになってまいりましたね!!」
すこやん「私がインターハイに出てた頃 全裸で私に役満を振り込ませた人がいた」
赤土「あの時は全員で全裸になるなんて発想 なかったな」フッ
灼「その時の映像 zipで早く」
アウトだよ!!!!!!!!!!!!!!!
咲「リーチ!!」
テル「くっ!? やる!!」
穏乃「私だって負けてられない!!」
実況「前半終了間際! ほぼ互角の戦いをしている3人に対して大星選手 全く目立ってないぞ!!」
大星(なんで決勝で私以外が全裸になってるの?)
大星(っていうか誰か止めろよ 全裸になってない私が馬鹿みたいじゃないですか)
大星(しかも3人とも速攻であがってくし どうやって止めたら……)
実況「前半終了!! それではこれより10分間の休憩を挟んで後半に……」
咲「穏乃ちゃんだっけ? 裸ジャージってどうなの?」ゼンラー
穏乃「やってご覧よ 気持ちいいから!!」ゼンラー
テル「それは是非とも体を使ってご教授願いたい」ゼンラー
ワイノワイノ
大星「――くっ!!(ここは私も全裸になる流れなのか?)」
菫「悩んでるみたいだな大星」
大星「菫先輩……」
菫「責任感が重いお前のことだ 勝つために全裸にならなくちゃいけないとか そんな風に考えてたんだろう」
大星「あなたはエスパーですか?」
菫「本当に思ってたのか……なあ大星 お前は入部してからなんだかんだいって照の面倒を見てきただろう」
大星「なにを……」
菫「今まで標的になっていた2年生や3年生がお陰でノビノビと練習が出来た だから負けたって誰もお前のことを恨みはしないさ」
大星「」
菫「それにだ 諦めるにはまだ早い お前は入部してから一番照の近くにいたんだ」
大星「最悪なことに」
菫「だから今の奴らの攻略法を探し出せるのもお前しかいないってことだ」
大星「……」
菫「精一杯やって 憎き照を倒して来い」
大星「はい」
【後半戦】
実況「さあ後半戦が始まりました!!」
大星「照先輩……もう容赦はしませんので」
テル「フフッ いい顔つきになったな」
大星「リーチ!!」パンッ
咲テル穏乃「「「!!!???」」」
咲「くっ……」ポロッ
大星「それロン!!」
実況「これは一体どういうことでしょうか 後半戦が始まってから大星選手以外あがれていません!!」
大星「カンッ」バチンッ
テル「あんっ……」ビクビク
すこやん「なるほど そういうことね」
実況「どういうことですか?」
すこやん「全裸になることによって速度は上がったけど その分外からの刺激には弱い」
すこやん「大星選手は牌やリーチ棒を叩き付ける振動で3人を攻撃しているの」
実況「なんと!? これは1人全裸にならなかった大星選手の作戦勝ちだぁああああああ!!」
大星「ロン!!」
テル「くぅううう……お姉ちゃんをイかせるとは」ハァハァ
咲「快楽には逆らえないってことだね」
穏乃「一思いにやりなよ」
実況「決着! 優勝は白糸台だぁああああああああ!!」
大星「」グッ
【エピローグ】
照「大星! 待ってくれ!!」ハァハァ
大星「どうしたんですか一体」
照「実はな テルテールの正体は私だったんだ」
大星「知っていましたけど」
照「それと優勝旗 これの上で大星の始めてを――」
大星「3年のあなたはとっとと引退してください目障りです」
照「なにを言っているんだ大星 私は卒業まで部に顔を出すぞ」
大星「先輩がブラックで私は限界かもしれない」
カン
とりあえず俺たちのエイスリンを泣かせたわかめは許さない
もうカレー食って寝ます おやすみなさい
Entry ⇒ 2012.07.26 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (2) | Trackbacks (0)
恒一「男子中学生の日常」
引用元: ・http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1343221837/
‐とある昼休み 屋上‐
恒一 「巨乳と貧乳どっちが好き?」
勅使河原「つまんねーこときくなよ! …じゃなくて、何サカキ、そんなこと言う奴だったっけ?」
恒一 「そうじゃないけど、父さんが男子中学生なら猥談だって言ってたから」
望月 「わからないでもないけど…唐突すぎて頭おかしくなったのかと思ったよ」
勅使河原「ひでえ言いざまだなお前」
恒一 「まぁいいけどね。で、どっち?」
勅使河原「ん~どっちかって言ったらやっぱ巨乳だろ。ヤンマガの表紙飾りそうな」
恒一 「なるほど。やっぱ勅使河原は巨乳派か。望月は?」
望月 「えぇ~…ぼくも答えるの?」
勅使河原「あたりまえだろ。男子中学生たるもの猥談に背を向けるべからず。背中の傷は剣士の恥だ」
望月 「意味わかんないよそれ…」
「…まぁ、それならやっぱりボクも、き、巨乳派かな…その、三神先生みたいな…」モジッ
恒一 (高め打ちだね)
勅使河原(高め打ちだな)
恒一 「やっぱり中学生ともなると巨乳好き多いんだね」
勅使河原「そりゃそうだろ。おっぱいは正義。正義は勝つ。…で、お前はどうなんだよ」
恒一 「僕?」
望月 「もちろん、榊原君だよ。ボクも言ったんだから」
恒一 「そっか。まぁやっぱりどっちかって言ったら僕もきょn「貧乳だよね」
恒一・勅使河原・望月「「「 !? 」」」ギョッ
見崎 「もちろん貧乳だよね? サ・カ・キ・バ・ラくん?」
恒一 「み、みみみみ…見崎!?」
見崎 「そうですわたしがみさきです」
勅使河原「どっから涌いて出たんだよ…」
望月 「て、ていうかどっから聞いてたの?」アセアセ
見崎 「このSSの始めから」
恒一 「」
見崎 「それで、榊原君?」
恒一 「え、な、なに?」ダラダラ
見崎 「巨乳と貧乳どっちが好きなの? …まぁ、訊くまでもないと思うけど」クスッ
勅使河原「なんでナチュラルに参加してんだよ」ヒソヒソ
望月 「ていうか榊原君すっごい汗なんだけど。ガマ蛙でももうちょっと遠慮するよ」ヒソヒソ
見崎 「…」ゴゴゴゴ
見崎 「榊原君、早く答えて?」ズイッ
恒一 「えっとその…どっちかっていうと…」ダラダラダラダラ
見崎 「どっちかって言うと?」
恒一 「きょn…」
見崎 「ん? どっちかっていうと?」
恒一 「だからきy」
見崎 「なに? よく聞こえない」
恒一 「………控えめな胸が大好きです…」ウツムキ
見崎 「やっぱりそうだよね、だと思った」ウンウン
恒一 「はい…」シュン
勅使河原「言わせといてなに嬉しそうにしてんだよ…」ボソッ
見崎 「なにか言った? 勅使河原くん」
勅使河原「ノー!マム!」
望月 「強い…」
恒一 「…」
見崎 「それで榊原くん、具体的には誰のむn」
<キーンコーンカーンコーン
勅使河原「おっと、予鈴だぜ!? 戻ろう、な、授業はじまっちゃうぜ!?」
恒一 「そ、そうだね戻ろう! 昼休み終わっちゃうね!」
望月 「そうだよ、次の授業久保寺先生でしょ!? 担任の授業遅れちゃまずいよ!」
見崎 「…そうね」チッ
恒一・勅使河原・望月((( 助かった… )))
‐放課後 3年3組‐
勅使河原「…というわけで、昼休みの続きだ。あのときは邪魔が入ったからな」
望月 「HR終わってすぐ男子だけ召集されたと思ったら、やっぱりこれか…」
勅使河原「ま、部活やら何やらで皆帰っちまったけどな。サカキも先に見崎送ってから戻ってくるらしいし」
風見 「なら僕も帰って構わないね? 受験勉強したいし」ガタッ
勅使河原「おっと、これを見ても同じことが言えるかな?」ガサッ
風見 「…! そ、それは…!」
勅使河原「そうだ、桜木の体操服姿を収めた一枚だ。しかもブルマを人差し指で直す瞬間だ。まさに値千金」
「ちなみに提供者はこいつな」
中尾 「Y談ならマカセロー!」
風見 「…中尾くんか…」
勅使河原「で、だ。この話し合いにちゃんと参加したらこいつをくれてやる」ヒラヒラ
風見 「くっ! しかたがないな。…それにしても、どうしてそこまでして僕も参加させるんだい」
勅使河原「もちろん、共犯者は多いほうがいいからな」
風見 「共犯者って…別に好みの胸の大きさを話すだけだろう」ハァ
勅使河原「確かにそうだが、ただ単に胸の話だけで済むと思うのか?」
望月 「えっと…つまり、ただの猥談じゃないってこと?」
勅使河原「っていうより、俺たちはごくごく健康的な男子中学生だ」
「中学生男子が胸の話っつったら、身近な女子の話になりがちだろ」
風見 「…要は、胸の話からさらに突っ込んで3年3組の女子の話をしようってことかい?」
勅使河原「ご明察」フフン
望月 「なるほどねぇ…」
中尾 「俺は猥談できればなんでもいいけどな!」フフン
望月 「歪みないなぁ…」
中尾 「そんなことより、早く修学旅行の夜を煮詰めたみたいな話しようぜ」ワクワク
勅使河原「まぁそうしたいのはヤマヤマだが、とりあえずサカキが帰ってくるまで待とうぜ」
「目下最大の脅威、見崎を家まで送り届けることで排除してくれてる功労者だし」
風見 「榊原君もよくよくわからないな…わざわざそんな手間までかけるとは」フゥ
望月 「まぁ、こんな話しようと思ったら、やっぱり見崎さんはできるだけ遠ざけたいよね」
「気づいたら横にいるのがデフォだし。元・いないものは伊達じゃないよ」
<スタスタ
勅使河原「そうなー。…お、噂をすればだ。サカキ来たんじゃね?」
望月 「うん。この足音は榊原君だと思うよ。僕にはわかる」キリッ
勅使河原(高め打ちな上に♂もイケるクチかよ…救えねぇな…)
<ガラッ
恒一 「ごめん、遅くなって。もう始まってる?」
勅使河原「いんや、お前来てからはじめようって話してたとこ」
恒一 「そっか、ありがと」
望月 「おかえり、榊原君」
中尾 「よっしゃ、じゃあはじめようぜ!」ワクワクワクワク
風見 「はぁ…しょうがないな」ソワソワ
勅使河原「なんだかんだ言ってお前も楽しみなんじゃねーかwww」
「ま、せっかく女子もいないんだし、ゆっくり楽しもうぜ!!」
‐第2図書室‐
勅使河原『せっかく女子もいないんだし~』ザザッ
見崎 「…と、思うじゃん?」
有田 「3年3組にはカメラと盗聴器が仕掛けられてます。企画は見崎さん、工作は私です」カメラメセン
綾野 「相変わらずのコンビネーション…ほんと歪みないなこの人たちは」
多々良 「放課後すぐに第2図書室集合って、こういうことだったんですね」
赤沢 「なんてこと…放課後に集まって3組女子をネタに猥談なんて…対策が必要だわ…」ブツブツ
小椋 「ま~た対策対策って…素直に恒一くんの性癖が気になるって言いなよ」ヒヒヒ
ワイノワイノ フェアダワ ムシロギャクニアンフェア
千曳 「3組の生徒は本当に尋常ではないね…」
‐3年3組‐
勅使河原「で、だ。ぶっちゃけうちのクラスで一番乳デカいのって誰?」
望月 「乳て」
中尾 「さるスジによると、杉浦、佐藤、桜木が巨乳三女帝だな。俺のデータとも合致する」パラパラ
風見 「マっジで!? マっジで!? ひゃっほう!」ガタガタッ
恒一 「風見くん落ち着いて、なにやら大変なことになってるから」
「あ、でも赤沢さんも大きくない? 海のときとかすごかったんだけど。こう…タージマハル型の」
勅使河原「確かに。だが逆に言えばそれよりもデカいのがその三人、と…けしからんな」
恒一 「まったくだ、けしからんね」ウンウン
望月 「激しく同意」ウンウン
勅使河原「そうだ、巨乳と杉浦で思い出したんだけどさ」
風見 「なにか知ってるのかい?」
勅使河原「お、戻ったな。 …でな、杉浦なんだけどさ、いっつもパーカー羽織ってるじゃん」
中尾 「あのフードついたやつな」
勅使河原「そそ。聞くところによると、あのパーカーって胸デカいのを隠すためらしいぜ?」
恒一 「うはぁ、マジで!? 恥じてるの!? 含羞ゆえのパーカーなの!?」ガタガタッ
望月 「榊原君落ち着いて。風見君と同じ轍を踏んでるよ」
恒一 「あ、ああごめん」
中尾 「あいつがなぁ…そういえば夏でも脱がないもんな。かわいいとこあんじゃん」
勅使河原「それ今度本人に言ってやれ」
望月 「それにしても、杉浦さんに桜木さん、佐藤さんか…おとなしい人ばっかりだね」
風見 「確かに。イメージ的には渡辺さんとか藤巻さんのほうが大きそうなんだけどね」クイッ
恒一 「やっぱり大きい人はメンタルが違うんじゃない? こう、心の余裕的な。だからおとなしい」
勅使河原「ふむ、一理あるかもな」
恒一 「きっと胸が心の大きさを表してるんだよ。だから小さい人ってギスギスしてるんじゃない」HAHAHA
勅使河原(サカキのやつ…昼休みの見崎に与えられたストレスをここぞとばかりに…)ヒソヒソ
望月 (この様子からして、普段から何かあるのかもね。モテ男もそれなりに苦労してるんだなぁ…)ヒソヒソ
‐第2図書室‐
見崎・小椋「…」
多々良 「あ、あの…」
見崎・小椋「「 ああん? 」」ギロッ
多々良 「い、いえ…やっぱりなんでもありません…」ビクビク
見崎 「…チッ」
小椋 「はぁ…美乳様はよろしゅうございますねぇ…心の余裕があらせられて! けっ!」
赤沢 「恵に八つ当たりしてんじゃないわよ。だから恒一くんにもあんな風に思われるんじゃない」
見崎・小椋「ぐぬぬ」ギリギリ
綾野 「まぁまぁ、逆に言えば心に余裕を持てば胸も膨らむかもしんないじゃん!(多分無理だけど)」
有田 「あと、よく言うよね。胸はひとに揉んでもらうと大きくなるって」
小椋 「マジ!?」ガタッ
見崎 「…未咲に頼むか…いやいっそ榊原くんに…いや、でも、やっぱ、だけどしかし…」ブツブツブツブツ
赤沢 「そうなの? 私はむしろ、揉んだところから重点的に痩せるって聞いたけど」
多々良 「そこだけ運動してるような状態になるらしいですね」コクリ
見崎・小椋「ちくしょう」
‐3年3組‐
中尾 「桜木っていえば、あいつ胸だけじゃなくこう、全身やわらかそうだよな。揉みしだきてぇ」
風見 「ちょっと中尾くん、僕のゆかりで変なこと考えないでくれないかい」ギロリ
勅使河原「妄想乙。 でも確かにな。あの肉付きの良さは正直ムラムラ来る。太ももとか二の腕とか」
望月 「う~ん、やっぱり肉付きなら僕は三神先生だなぁ。あの脚で顔挟まれたい」
勅使河原「あらキモい。まぁ気持ちはわかるけど。なぁサカキ、そこんとこどうなん?」
恒一 「そこんとこって?」
勅使河原「やっぱ身内だと三神先生のこと見る機会多いだろ? せっかくだしこの機会に語れよ」
恒一 「ん~…この際だから言っちゃうけど、怜子さんって家だとすごくだらしないんだよね」
風見 「というと?」
恒一 「家だと余裕で鎖骨とか谷間とか見える服でうろつくし、お酒飲んだらそのままで寝ちゃうし」
望月 「!?」ガタッ
恒一 「風呂上りとかバスタオル一枚のときもあるし。あと、そうそう。酔っぱらったとき時なんかさ」
「仕方ないから僕が背負って部屋に運んだら、面白がって耳かまれたり頬にチューされたりしたよ」
望月 「義兄さん」
勅使河原「やめろ。 それにしても…」
中尾 「ああ。正直SNE(S:それ N:なんて E:エロゲ)すぎるな。…ちょっとトイレ行ってくる」スタスタ
望月 「最初から三神先生以外アウトオブ眼中な僕は勝ち組」キリッ
勅使河原「そういうのはせめて三神先生とアドレスのひとつも交換してから言え」
望月 「ちくしょう」
中尾 「ただいま」
勅使河原「はやいなおまえ」
中尾 「へへっまぁな!…ちょっと話変わるけどよ、佐藤って巨乳抜きにしてもなんかエロいよな」
勅使河原「そうか?」
風見 「ああ、でもちょっとわかるね。佐藤さんって大人しい雰囲気なのに、妙に挑発的な所があるよね」
恒一 「蠱惑的だよね。個人的に、佐藤さんは隠れドSだと思ってるよ」
勅使河原「あ~そう言われたらそう思えてきたな…」
中尾 「二人きりになるとドSになんだよ。そんで、散々罵倒されながら筆おろしされてぇな」
勅使河原「やだキモい。弱冠15歳にして完成されすぎだろお前」
‐第2図書室‐
赤沢 「中学生離れした色っぽさなら私も負けてないでしょうが…! 十分蠱惑的でしょうが…!」
有田 「まぁ、中学生男子なら三神先生とか和江みたいな人大好きだよね」
綾野 「へぇ、そうなの?」
有田 「うん、恒一くんの持ってるAVも大人っぽい女優さんばっかりだし」
多々良 「え、えーぶぃ…///」
赤沢 「私の流し目とか最高でしょうが…! 流し斬りでしょうが…!」
綾野 「ちょ、なんで松子がこういっちゃんのラインナップなんか知ってんの?」
有田 「見崎さんとちょくちょく忍び込んでるし」
見崎 「ナースもの多数」コクリ
多々良 「…ナース服、Amazonに売ってるかな…」ボソッ
ありがてぇ
綾野 「ナースっていえば、恒一くんって水野くんのお姉さんと仲いいよね」
多々良 「そうなんですか? 以前近くで見かけましたけど、美人で大人っぽくて素敵ですよね」
小椋 「私も見たことある。私もあんな風になりたいなぁ…」
見崎 「禿げ上がるほど同意」
赤沢 「くっそ…! こうなったら戦争でしょうが…! 全力でしょうが…!」
綾野 「泉美いい加減うるさい」
‐3年3組‐
勅使河原「ドSって言えば、水野の姉ちゃんとかいい線いってるんじゃねぇの?」
望月 「僕は親しくないからわかんないけど。そうなの? 榊原君」
恒一 「どうだろう…ドSとはちょっと違うけど、茶目っ気は強いほうかも」
中尾 「ほう」
恒一 「以前家に呼ばれて遊びに行ったんだけど、ぼくがお茶こぼしちゃってさ。二人とも濡れちゃって」
「そのとき、『一緒にシャワー浴びる?』とかニヤニヤしながら言われた時は正直やばかった」
風見 「具体的にいうと?」
恒一 「勃起した」
勅使河原「そこまで具体的じゃなくていいです」
恒一 「くそう」
勅使河原「まぁ気持ちはわかるけどな。そのままご相伴に与っちまえばよかったのに。据え膳だろそれ」
恒一 「まさか、さすがに冗談だったと思うよ」
勅使河原(たぶん本気だろうけどな)
望月 (水野さんもいいな…)
勅使河原「ま、いいけどさ。でも、ナースって正直エロいよな。タイトミニとか特に」
風見 「最近はスカートじゃなくてズボンの病院も多いみたいだけどね」
中尾 「それはいかんな。日本の医療界は即刻、旧弊としたスカートに戻すべきだ。温故知新だろ」
勅使河原「難しい言葉知ってんな」
中尾 「赤沢に教えてもらったからな」フフン
風見 「赤沢さんといえば、君たち赤沢さんの話はしないのかい?」
「いつもの君たちなら真っ先に話題にしそうだけど」
勅使河原「そういえば赤沢忘れてたな。エロいといえばあいつもエロい。同じ中学生とは思えん」
中尾 「まったくだ。正直俺は毎日あいつで4回は抜いてるぜ」
望月 「テクノブレイクして死ねばいいのに。 赤沢さんってスタイルいいよね」
恒一 「そうだよね。メリハリの利いたスタイルしてるし、あと美乳だね。顔も声も奇麗だし」
「っていうか赤沢さんって何から何まで奇麗だよね」
勅使河原「べた褒めじゃねーかwww なに、お前赤沢好きなの?」
中尾 「!?」ガタッ
‐第2図書室‐
勅使河原『なに、お前赤沢好きなの?』ザザッ
全員 「…!?」ガタガタガタッ
多々良 「ちょ、これって…!?」
赤沢 「恵うるさい気が散る!一瞬の油断が命取り!」
小椋 「あんたもうるさい! よく聞こえないでしょうが!」
見崎 「…」ゴゴゴゴ
綾野 「あーらら。…ま、泉美が本命だったら私は二号さんでもいっか」
有田 「あれ? でもこれって…」
‐3年3組‐
勅使河原「で、そこんとこどうなのよ」
恒一 「ん~…今のとこ好きとかではないかなぁ」
望月 「そうなの? その割に褒めまくってたけど」
恒一 「だからだよ」
風見 「どういうことだい?」
恒一 「ほら、赤沢さんってあれだけ奇麗だからさ、気後れしちゃって」
「こう…恋愛とか、そういう次元で見ちゃいけない雰囲気ない?」
望月 「あーちょっとわかるかも。まさしく高嶺の花って感じだよね」
恒一 「そうそう、そんな感じ」
中尾 「俺は毎日抜いてるけどな。具体的な妄想聞く?」
勅使河原「聞きたくないです」
中尾 「まず放課後の教室で俺が」
勅使河原「いやほんとに聞きたくないですごめんなさい」
‐第2図書室‐
赤沢 「ふふ…うふふふふふ…そんなこと気にしなくてもいいのに…ふふふふふふふふふふふふ」ニヤニヤニヤニヤ
「奇麗だってうふふ高嶺の花だってうふふふふふふふふふふふ」ニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤ
綾野 「やだこの子キモい」
多々良 「すっごくニヤついてますね。でもいいなぁ、私も榊原君にべた褒めされてみたい…」
有田 「恵は待ってたらべた褒めしてくれるんじゃない?」
小椋 「そうだよね。個人的には恵が恒一君争奪戦最大の仮想敵だと思ってる」
見崎 「髪、胸、身長…私にはないものをたくさん持っておる…」クッ
多々良 「そ、そんなこと…ないです///」
綾野 「おお、噂をすれば。次、恵の話みたいだよ」
‐3年3組‐
勅使河原「高嶺の花っていえば、多々良もかなりレベル高いよな」
中尾 「多々良も抜ける」
風見 「さしもの僕も、多々良さんの魅力には時々ぐらっと来てしまうね」
勅使河原「言ーってやろ言ってやろ。桜木ゆかりに言ってやろ」
風見 「やめろ貴様。川堀をけしかけるぞ」
勅使河原「正直すまんかった」
望月 「たしかに、多々良さんって赤沢さんとは違うジャンルでおとなっぽいよね。清楚っていうか」
中尾 「俺なんかにも優しいしな」
勅使河原「哀しいこと言うなよ…で、サカキ先生は多々良のことどう思ってんの?」
恒一 「また僕が答えるの? たまには勅使河原が語りなよ」
勅使河原「そう言うなって。お前転校してきたばっかだし、一番客観的な意見聞けそうじゃん」
恒一 「まぁいいけどさ」
恒一 「望月も言ってるけど、多々良さんって清楚で美人だよね」
「性格も優しくて衒いがないし、あそこまで外見と中身の調和がとれてるひとっていないと思う」
風見 「確かに。多々良さんは誰にも分け隔てなく接するし、真面目で親切だね」
恒一 「あとあの黒髪ロングもいいよね。美人御用達の髪型をあそこまで完璧に維持できるのはすごい」
勅使河原「すれ違ったときとかなんかいい匂いするしな」
望月 「なんか怖いよその意見」
恒一 「なんていうか、大和撫子って感じだよね。正直結婚するなら多々良さんみたいなひとがいい」
中尾 「ぶっちゃけたなおい。同意するけど」
勅使河原「そうなー多々良だったら幸せな家庭築けそうだよな。わかるわ」
望月 「うんうん、健気に支えてくれそう」
風見 「多々良さんの人気はさすがだね。僕もゆかりの次に好きだけど」
勅使河原「こぉのムッツリめ」
「ていうか今思ったんだけどよ、この会話聞かれたらやばいよなwww」
恒一 「ほんとだよね。結婚したいとか言っちゃったし、聞かれてたら明日から顔みれないよ…」
全員 「ほんとになー」HAHAHA
‐第2図書室‐
見崎 「…と、思うじゃん?」
小椋 「いや、そのネタもういいから」
赤沢 「…で、当の結婚したいランキング第1位はというと…」チラッ
多々良 「け、け…/// け、けっこ、けっこ…//////」
綾野 「鶏の物まねに必死、と。まぁ気持ちはわかるけど」
見崎 「私だって黒髪なのに…ちくしょう…!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
有田 「んふふ、私も恵の髪型に通ずるものがあるよね? よね? んふふふ」
多々良 「“おかえりなさい、ご飯にする?お風呂にする? それとも…”」
「なんちゃって…ふふふふふ。やだ、私ったらはしたないです///」
赤沢 「これはしばらく帰ってきそうにないわね…」フゥ
綾野 「そうだね。治るまでほっとこ」
見崎 「次こそは私。次こそは私の話…」ブツブツ
小椋 「やだこの子なんかぶつぶつ言ってて怖い」
‐3年3組‐
風見 「君たちが多々良さんと結婚したいのはわかったけど、付き合うなら誰にするんだい?」
中尾 「誰でもいい」
勅使河原「即答かよ…ここまで来ると逆に男らしいな。 俺はやっぱ赤沢かな」
望月 「もちろん三神先生」
風見 「僕はゆかりだね」クイッ
勅使河原「サカキはやっぱ見崎か?」
恒一 「んー…見崎もかわいいし、いいんだけど、僕はあえて小椋さんを推したいかな」
勅使河原「あれま。その心は?」
恒一 「小椋さんってパッと見気が強そうだし、口調も今どきぽいけどさ」
「話してみたら明るくて気さくだし、結構純情って言うか、健気なとこあるじゃない」
望月 「そうなの? 僕はあんまり話したことないけど」
勅使河原「確かにな。あいつ意外に尽くすタイプなんだよな。いつも綾野のフォローとかしてるし」
恒一 「そうなんだよ。美人だし、背も小さくて小動物っぽいし、守ってあげたいかな」
中尾 「あいつは俺に冷たいから苦手だ…」
勅使河原「それはお前の自業自得だろ」
風見 「ん? 中尾くん、小椋さんとなにかあったのかい?」
勅使河原「ああ、前ちょっとしたことでこいつ小椋と口論になってな」
中尾 「“うるせぇ、この貧乳!”って言ったら、それ以来豚でも見るような目で見られるように…」
望月 「ああ、明日の朝にはお肉屋さんに並ぶのねって感じの目だよね、あれ」
恒一 「哀れな…今からでも謝ればきっと許してくれるよ。小椋さん優しいし。だから元気だしなって」
中尾 「おう、サンキュー…」
‐第2図書室‐
小椋 「もう、しょうがないなぁ…恒一くんがそこまで言うなら許してあげよっかな」ニヨニヨ
赤沢 「くっ…さすがに3組の女子は侮れないのが多いわね…!」
見崎 「私の話じゃなかった…」シュン
綾野 「でもいい加減話聴くのもちょっと疲れてきたね…お腹すいた…」
有田 「そうだねー…あ、こっからは恒一きゅんの一人語りだってさ。ナイスタイミング」
見崎 「なんと」
‐3年3組‐
勅使河原「それにしてもちょっと話し疲れてきたな。あとはもうサカキの一人語りでいいか」
恒一 「なんだよそれ」
勅使河原「いやほら、なんだかんだでお前の意見を幹にして話してるじゃんか」
「だからこっからはサカキに語っていただいて、俺らは極力黙ってようかな、と」
風見 「いいかもしれないね。そうだな…見崎さん、有田さん、綾野さんあたりでいいだろう。人気的に」
望月 「その人気投票はどこでデータとったの…」
風見 「いやネットで」
中尾 「さいですか」
※ということで最後はダイジェストです。
勅使河原「じゃ、まず見崎からな」
恒一 「見崎か~まず奇麗だよね。背小さいけど顔立ちは大人びててミステリアスだし」
「肌が白いのもポイント高めだね。性格も落ち着いてて実は一番付き合いやすいかな」
「落ち着いてるって書いたけど、意外にお茶目な一面もあって、その辺の愛嬌もあるよね」
「余談だけど未咲ちゃんも小悪魔っぽい感じでかわいいよ」
勅使河原「なるほどなぁ…要約すると?」
恒一 「見崎ぺろぺろ」
見崎 『榊原君クンカクンカ』
勅使河原「じゃ、次は有田な」
恒一 「有田さんはかわいいよね。ただひたすらかわいいよね。ほんっとうにかわいいよねマジで」
「気さくで話しやすいし、ぶっちゃけあのセミロングの黒髪にモフモフしたい」
「あとあのスレンダーなスタイルも僕的(ロリコン的)にポイント高いよ。98点」
「キャミソール姿の有田さんマジ天使」
風見 「なんかはっちゃけたね。有田さんの変態キャラが伝染したかな」クイッ
有田 『恒一きゅん!恒一きゅん!恒一きゅん!恒一きゅぅぅうううわぁああああああああああ(ry』
望月 「最後は綾野さんだね。思いのたけをぶちまけなよ」
恒一 「御意。綾野さんも気さくで付き合いやすいよね。多々良さんの次に結婚したい」
「くせ毛っぽいショートと、猫みたいに豊かな表情、しなやかな体躯…Fantastic(素晴らしい)」
「でも、部活の時とかは打って変わって真剣な表情で打ち込んでて思わずドキッとさせられるよね」
「あとちょくちょく小椋さんに叱られてシュンとしてる綾野さんもかわうぃーよね」
望月 「一瀉千里というか立て板に水でよくもまぁここまで滔々と語れるね…」
綾野 『こういっちゃん、私も愛してるー!!』
勅使河原「ふー…語ったな」
恒一 「語ったのはほとんど僕だけどね」
中尾 「いや、すごかったぜ。感銘受けたよ。これからは赤沢だけじゃなく、ほかの子もオカズにするわ」
風見 「ゆかりだけはやめてくれよ。僕の嫁だからね」クイッ
望月 「風見くんもたいがい怖いよ。ストーキングとかしないでね。あ、あと三神先生も除外で」
恒一 「父さんに唆されて始めた話だったけど、男子だけでこういう話するのも楽しいね」
勅使河原「じゃあ次はクラスの男子全員集めて女子のこと話そうぜ! …川堀のとか、な!」
全員 「nice joke.」HAHAHAHAHA...
後日、なぜかこの日の僕らの会話が流出していて、クラスの女子がえらい積極的になったり、
水野さんや怜子さんが肌の露出を増やしたり、中尾君が赤沢さんに去勢されかけたりと、
なにやら大変なことになったのですが、それはまた別のお話…。
ともあれこれが、僕ら3年3組の、男子中学生の日常。
恒一「あなたは誰がかわいいと思いますか?」
おわりんこ。
ごめん、最後力尽きた…中途半端に書き溜めてるとこうなるんだね…。
読んでくれた人、画像貼ってくれたひとありがとうございました。
僕はやっぱり小椋由美ちゃん!
佐藤さんに足蹴にされたい
由美かわいいよ由美
Entry ⇒ 2012.07.26 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (3) | Trackbacks (0)
恒一「有田さんが普通じゃなくなる現象……?」
引用元: ・http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334238666/
赤沢「どう? 理解できた?」
恒一「えっと、夜見北の三年三組は呪われたクラスで、毎年「アリタ」の名字を持つ人は呪われる……ってこと?」
赤沢「理解が早くて助かるわ」
恒一「それで、その、赤沢さんが対策係で、もうすぐ転入する僕にそれを説明しに来た」
赤沢「そういうことよ」
恒一「でも、普通じゃなくなるって、どうなるのさ。それに、どうしてその説明を、僕に?」
赤沢「……現象が現れる引き金が「アリタが恋をする」事なのよ」
赤沢「ええ、つまり、榊原君は、その……」
風見「赤沢さん、言いにくいなら僕から話そうか?」
赤沢「ええ、お願いするわ。異性に対して面と向かって言う事は、少し憚るわ」
桜木「……無能」ボソッ
赤沢「何か言った」ギロッ
風見「榊原君、君は同性の僕から見ても、整った顔立ちをしていると思う。現在、有田さんは恋愛をしていない。だが、彼女とて中学三年生だ。恋に飢えてる時期だろう」
風見「そんな所に、君のようなイケメンが来れば、有田さんはすぐに落ちる可能性がある」
恒一「そ、そんな……じゃあ僕はどうすれば……」
赤沢「簡単な事よ。初日に、悪いイメージをつければいいの」
赤沢「もちろん、有田さん以外の生徒には、先に転入生として紹介するわ。貴方はただ、有田さんが恋心を抱かないように、強烈なイメージをつければいいの」
恒一「具体的には、何をすればいいの?」
赤沢「……初日にこれを、つけてきてほしいの」スッ
恒一「……紙のお面?」
桜木「お大事に」
恒一「うん、ありがとう。またね」
赤沢「正直、納得はしてもらえないと思うわ。それでも、クラスの普通少女を守る為だと思って、お願い」
恒一「うん、わかった。出来る限り、頑張るよ」
赤沢「対策係として、感謝するわ」スッ
恒一(握手…………)ギュッ
久保寺「転入生の榊原恒一君だ。皆、仲良くして……くくっ……れ」
勅使河原「ブブッ……くくくくっ……」
小椋「ふふっ! ……ひっ、ふ……ずる……ふふふふ」
恒一「転入生の榊原恒一です」
綾野「お面……あはは、つけてしゃべらな……ふふ」
中尾(どうして……俺の顔のお面なんだ……)
赤沢(我ながら、完璧な対策ね。これで有田さんは榊原君を嫌う事間違い無しだわ)ドヤァ
恒一(これ、いつになったら外せるんだろう?)
中尾(なんで皆、バカ受けなんだ……)
勅使河原「サカキ最高だなぁ! 本当、見直したぜ!」
風見「見直したって、お前はまだあって二日しか経ってないだろう」
勅使河原「細けぇ事は良いんだって。それより、それ、見してく……くくくくっ!」
望月「本当、凄い出来だね。誰が作ったんだろう」
杉浦「私よ」
勅使河原「マジかよ……」
小椋「ん? どうしたの?」
有田「あの転校生さん、おかしくない?」
小椋「あはは……ま、まあそういう人もいるよ。松子は気にしない方が良いんじゃないかな」
赤沢(グッジョブ由美! そうやって有田さんを榊原君からそれとなく離して行きなさい)
有田「うーん……でも、ちょっと面白い人だよね」
赤沢、小椋(!?)
赤沢(私の対策よ。多佳子は連絡を回しやすいように、男子の中に混じってもらっているわ)
有田「それもなんか変じゃない? 彩ちゃんなんかは、転校生にぐいぐい行きそうだと思ってたんだけど……」
綾野「……っ!?」
赤沢(行きなさい! 怪しまれるくらいなら、すぐに!)
綾野「あ、あー、やっと宿題終わったなー、かったるいなー、あれぇ、あんな所に転入生がいるぞ? ちょっとちょっかいを書けてこよう!」ボウヨミ
赤沢、小椋(お前それでも演劇部かっ!)
小椋(普通な子で良かった……)
有田「和江ちゃん、宿題やってきてる? お願い、見せてっ!」
佐藤「え、えぇ。いいわよ」
見崎(私もやってない……)
有田「悠ちゃん、一緒に帰ろ!」
江藤「うん、いいよ。コンビニよってく?」
有田「うん、私も欲しいの物があったんだ」タッタッタッタ
クラス一同「ふぅ……」
赤沢「現在の結果ね……それはあの人に聞いた方が……」
恒一「……あの人」
千曳「現象の結果……尋常じゃないね」
赤沢「千曳先生……」
恒一「よ、よろしくお願いします」
千曳「うん、たしかに端正な顔立ちだ。これなら、アリタの呪いを気にするわけだ」
赤沢「千曳先生、彼に現象について詳しく教えてあげてもらっても、いいですか?」
千曳「あぁ、いいだろう。私もそのためにここに来たんだ」
千曳「始まりは……26年前の出来事だ」
千曳「しいて彼の特徴をあげるなら、その凡庸さ故に、誰とでも仲良くなれる事くらいだね。きっとこのクラスの有田さんも、似たような所があるだろう?」
小椋「はい……」
千曳「そんな彼だがね、自殺したんだよ」
恒一「ええっ!?」
千曳「彼の遺書にはね、こう書いてあったんだ」
千曳「普通じゃなくなりたい。特別な人間になりたい。もっと自分を見てほしい。モブキャラなんてもうゴメンだ。来世では、きっと主役になってやる。ってね」
千曳「26年前の有田君はね、好きな人がいたらしいんだ。それがこのクラスなのか、それとも違うのか、それはわからない。だが、友人にほのめかすだけで、告白する事もなく、彼は死んでしまった」
恒一「だから、恋をする事で呪いが始まるんですか?」
千曳「私はそう思っている。そして、呪われるとどうなるかだが……」
千曳「彼は、三年生になり、ある女子生徒と同じクラスになってしまった。一目惚れ、って奴だったんだろうね」
千曳「そして、呪われた。次の日彼は、「俺はダンサーだ!」そう言いながら、サンバの衣装を着て、踊り始めた」
千曳「衣装は、女性用のものだ」
千曳「耐えに耐え、耐え難きを耐え、耐え続けて、一年間、三年三組は耐えた」
千曳「受験勉強と共に鳴り響く、サンバのリズムに耐え抜いたんだよ」
千曳「……わかるかい? 私のいた図書室まで聞こえるほど、大きなサンバの音楽に、一年間耐え続けたんだ」
千曳「卒業書証を受け取った瞬間、全てに気づいたらしく、泣き崩れたそうだ」
千曳「どうして俺は、こうなってしまったんだ。この腰の動きを、何に生かせば良いのか。もう告白なんて、出来るわけが無い。俺は、何を頼りに生きていけばいいんだ」
千曳「その時、一人の女子生徒が彼の元に駆け寄って、こう言ったんだ」
千曳「貴方には、この一年間休まず鍛え続けた技術があるじゃない。私はそれを見続けた。腰を痛めていようと、休まず努力した貴方を見ていた。貴方には才能がある。だから、お願い、自信を持って」
千曳「ブラジルに、行きなさい。そう言った」
恒一「…………」
千曳「おお、話がそれてしまったね。呪いは、今の所わかっている限りで説明するなら」
千曳「「アリタ」が三年三組で恋をすると始まり、「アリタ」が普通ではなくなる。今のパターンは一年一緒だったが、一貫しないパターンもある」
千曳「理解、できたかな?」
恒一「……はい」
赤沢「わかった、榊原君。この現在の恐ろしさが」
恒一「尋常じゃないね……」
赤沢「私達は、有田さんを、あの普通少女有田松子を、普通じゃなくするわけには行かない」
赤沢「それが、クラスの総意なの」
クラス一同「…………」コクリ
赤沢「有田さんと直接的関わらないことね。これは男子一同のルールよ」
恒一「そうか、それなら、思ったより簡単そうだね」
赤沢「ええ、皆もお願い。なんとしても、有田さんの普通を守り抜くわよ!」
クラス一同「おおおおおおおお!!!」
教師「この問題、榊原説いて見やがれこの腐れイケメン」
榊原「円の面積を求めて、大きな円錐の体積を求めます。次に小さな……」
勅使河原「サカキ、お前すげぇな」
風見(バカな、わけがわからない)
赤沢(ふん、これくらい出来て当然よ。私だって、真剣に考えればきっと……!)
見崎(蝶々が飛んでる……)
教師「せ、正解だ……」
有田「…………」ボーッ
小椋「松子……? どうしたの? 心ここにあらずだよ?」
有田「ねえ、由美ちゃん、今日の私の占いさ」
有田「貴方の目線の先に、運命の人がいます。だったんだ。それでね、その……」
小椋(マズい……占いなんて外的要因……抑えきれないっ!?)
有田「今日、榊原君が気になってしょうがないんだ……」
有田「血液型も、星座も、昨日コンビニで思わず買っちゃった手相占いの本も、そう言ってるんだぁ……」ジーッ
恒一(見られてる……間違いなく見られてる……)
小椋(おのれ占い、適当な事を言いやがって!)
有田「ね、ねぇ、今目線が合ったよ! やっぱり運命かなぁ!」
小椋(榊原君も榊原君でチラチラこっちを見ちゃだめえ!)
有田「運命、だよね、やっぱり」
小椋(それはない。どっちかと言えば、呪いの類だよ……)
小椋(これは私の手に余る……増援を!)アイコンタクト
綾野(はっ!?)ジュシン
有田「うん、いいよ。ねぇ彩ちゃん、恋の運命って信じる?」
小椋(信じちゃダメ!)アイコンタクト
綾野「私は……そういうのはガラじゃないかなぁ」ジュシン
有田「そっかぁ……ねぇ、昨日榊原君と何か話してたよね。どんな人だった?」
小椋(適当に地味っぽく!)アイコンタクト
綾野「うん? んー、なかなか誠実そうな主人公タイプだったよ。 ありゃ天性のモテ男だね」ジュシンシッパイ
有田「主人公タイプ……」ポワァ
小椋(バカ! なんで素で言うの!)
綾野(だって嘘ついてもクラスメートだってらバレるじゃん!)
小椋(どうするの! 恋する乙女の顔になってる!)
綾野(うわぁ、まんま乙女だね)
小椋(感心してる場合か!)
有田「私、榊原君の事、もっと知りたい」
綾野、小椋(!?)
綾野「お、おう! この恋のキューピット彩に任せてよ!」
有田「いいの!? やったぁ! せっかくだから、ゆっくり話せる時間が欲しいなぁ」
小椋「じゃあ、明日は授業が少ないし、放課後に榊原君にも残ってもらおうよ!」
綾野「よし、じゃあこういっちゃんに伝えてくるよ!」
小椋(上手くマイナスイメージを作れるようにするんだぞ!)
綾野(オーケイ!)
有田「なに?」
小椋「話した事も無い人に、勝手に幻想を被せるのは、あんまり良くないよ」
小椋「みんなそういう事をしてるけど、実際に話して失望しちゃったら、悲しいだけだよ」
有田「……うん」
小椋「だから、明日ゆっくり榊原君と話すまで、運命だなんて思わないように、ね」
有田「そうだね。うん、そうするよ」
小椋(グッジョブ私!)
赤沢「状況はわかったわ。随分と食いついてきたわね、悪いことに」
小椋「もう正直お手上げだよ。明日、上手くイメージを崩さないと……」
恒一「ゴメン、僕のせいで……」
勅使河原「別にサカキは悪くないだろ」
勅使河原「この問題に、悪い奴なんていないのさ」キリッ
クラス一同「…………」シラー
赤沢「さて、それじゃあ、どういう風にイメージを崩していくか、だけど……」
榊原(皆、有田さん事が大事なんだな。そんな人と深く関わっちゃいけないなんて、ちょっと寂しいよ)
榊原(あれ? 階段の下から足音が?)
??「忘れ物しちゃったよー!」ドタバタ
榊原「うわぁっ!?」
??「きゃぁっ!?」
榊原(誰かわからないけど、マズい! 相手が階段を転げ落ちちゃう!)ガシッ
榊原「うわあっ」
ズルッ ズサササ ドシーン
榊原「う、うぅ……」
有田「怪我は無い? ゴメンね、ゴメンね! 私が上に乗っちゃって、危なっかしいし、本当にごめんなさい」
榊原「有田さん、有田さんこそ怪我は無い? ゴメンね、僕がちゃんと、有田さんの事を支えてあげられたらよかったのに。あ! 膝、怪我してる!」
有田「え? あ、本当だ……」
榊原「えっと水道は……あっちだね、僕に捕まって、有田さん」
有田「う、うん、ありがとう」キュンキュン
有田「うん、大丈夫だよ!」キュンキュン
恒一「心なしか、顔が赤いみたいだけど大丈夫? 熱は無い?」
有田「大丈夫、本当に大丈夫だってば」
恒一「そっか、家まで送ろうか? 仮にも階段から落ちたわけだし、捻挫くらいはしていても……」
有田「だだ、大丈夫だよ! 私、一人で帰れるからっ! じゃあ、また明日、楽しみにしてるんだからね!」タタタタ
恒一「行っちゃった……はっ!?」
恒一(いや、むしろあれは、気がつけば女の子の足に触れるという、僕にとって嬉しいだけで、有田さんからすれば気持ちの悪いイベントだ)
恒一(そもそも僕のせいで怪我をさせちゃったんだから、むしろイメージダウンだよね)
恒一「……僕も帰ろう。次があったら、必ず支えられるような、そんな男になろう」
有田「言っちゃった、言っちゃったよ! 「明日、楽しみにしてるんだからね!」なんて大胆な事を言っちゃったよ!」
有田「あぁもう! 明日が待ち遠しいなあ! 彩ちゃんの言ってた通りだ、榊原君は、かっこいい王子様みたいな、主人公タイプ……!」
有田「あ! 忘れ物! ……まあいっか、宝物みたいな思い出が出来たもんね!」
有田「榊原君、榊原恒一君……」キュンキュン
赤沢(おかしい。有田さんはいつも、クラスの中で早く学校にくる方のはず)
赤沢(それが、もう、遅刻ギリギリじゃない!)
赤沢(ましてや、今日は、約束をした日。遅刻なんてありえないはずだわ!)
赤沢(私の勘が、危険だと教えてくれる。何かが、起きる)
ガシャーン
赤沢(っ!?)
赤沢(やけに長いスカート、なんか持ってるヨーヨー……)
赤沢(しかも、きっと有田さんの知識に余りない分野だから、口調も仕草も中途半端!?)
スケバン有田「何見てんだ、ああん?」
赤沢(そんな……有田さんがガンをつけるなんて……)
クラス一同「…………」ポカーン
教師「えー、じゃあこの問題、ありt」
スケバン有田「あぁ? えっと……わかんねぇ……」
赤沢(もうただのヤンキーじゃない)
見崎(あのヨーヨー欲しいなぁ……)
スケバン有田「彩! 時間だぞ!」
綾野「は、はい! えっと、何の……」
スケバン有田「アタシはなぁ、今日この時の為に、学校に来てるんだよ! 約束があったろ、その、榊原との……」
綾野(あー、うん、中身はどこか松子だね)
赤沢(くっ、対策が追いつかない。とりあえず、必要最低限の面子を残して、クラスの皆は一旦引いて!)
クラス一同(了解!)
綾野(というか、部活……)
勅使河原(なんで、俺が必要最低限なんだよ……)
望月(何で合コンみたいに向かい合うの!?)
恒一(……これが、呪い)
有田「…………」ドキドキドキドキ
有田「み、見崎が欲しいって言ったからあげてやった」
勅使河原(大事な物じゃなかったのかよ)
小椋「そ、それで、何の話をしよっか?」
望月「そ、そうだね……何が良いかな?」
勅使河原「はぁっ!? あ、えっと、それよりも俺の話を聞いてくれ! 昨日さ、帰り道に花が咲いててさ!」
恒一「勅使河原君、お願い。好きなタイプの話をさせて」
小椋(な、何を企んでいるの?)
望月「え、えぇ!?」
勅使河原(サカキ、何考えてるんだ?)
望月(わかったよ、とりあえず従うよ)
望月「僕は、その、包容力があると言うか、僕の事を包み込んでくれるというか、ほんの少しだけ年上の人が好きかな」
綾野(ほんの少しだけは嘘だね)
望月「例えば、みか……えっと今の無し! うん、僕の好みのタイプの話終わり!」
女子(!?)
恒一「じゃあ、次。有田さん。有田さんの好みを、僕に教えてくれる?」ニコッ
有田「あ、アタシの好みなんて、聞いても……」
恒一「僕は知りたいな、有田さんの好み」
有田「お、おう……アタシは、その、優しい男がタイプだ。優しくて、でも、困った時に助けてくれて、カッコ良くて、親切な男が……好きだ」
綾野(もろやん)
望月(もろじゃないか)
有田「以上、だ……ほら、言い出しっぺの榊原、お前も言ってくれよ」
恒一「そうだね……あ、ちょっとトイレ行ってくるよ。僕の好みのタイプは、楽しみに待ってて!」タタタタ
勅使河原「おい! サカキ!」
榊原「よかった、居たんだね赤沢さん」
赤沢「当然よ。対策係の私がいないわけないじゃない。それより、どういうつもりなの!」
榊原「赤沢さん、強烈にビンタをしてくれ」
赤沢「はぁっ!?」
榊原「そう決心した筈なのに、有田さんを見ていたら、鈍っちゃってね……」
赤沢「恋が破れれば、呪いは解ける。そう考えているのね」
榊原「サンバ男はまともに会話が成り立たなかった。でも有田さんは違う。ちゃんと、会話できるし、好みのタイプだって言える」
赤沢「……いいわ、時間が無いんでしょう? ドギツイの一発かましてあげるから、さっさと有田さんを救ってきなさい!」
スパァンッ
恒一「……待たせたね」
勅使河原「おせーぞサカキ! ……って、どうした、その頬」
恒一「気にしないで、それより、僕の好みの話だったよね」
スケバン有田「…………」ゴクリ
恒一「僕は……無垢な幼女が好きだっ!」
小椋、綾野、望月、勅使河原(な、なんだってー!?)
そんな物は存在しない。無邪気に遊び回る彼女達ほど見ていて飽きないものはないだろう。僕はね、この場を借りて、こう宣言するよ。
世界中の子煩悩の親共。お願いだから、僕に貴方達の子供のプリティーベストショットを僕にください。やましいことはしないんです。ただ愛でるだけなんです。
僕の愛は、実際に受け止めてくれる幼女がいないんです。せめて、せめて愛しき写真にくらい、愛を囁いたっていいじゃないですか!」
恒一「ふぅ……」
綾野、小椋、望月、勅使河原、赤沢(…………)ポカーン
恒一「うん、欲望も混じってたけどね」
スケバン有田「そうか、わかった。用事を思い出したから、アタシは帰る。じゃあな」タタタタ
小椋「逃げるように、行っちゃったね」
綾野「乙女の恋、敗れたり……って感じかな」
勅使河原「サカキ……おまえ……」
恒一「こうするしか無かったんだよ!」
勅使河原「涙……出てるぞ」
恒一「……っ!?」グスッ
次の日、学校
赤沢(結局、あれから皆、流れ解散になってしまった)
赤沢(今日、有田さんがどういう形で入ってくるかで、今後の対策も変わる……)
赤沢(呪いが解けていれば、悲しい話だけれど、有田さんの恋は破れたという事)
赤沢(そうなってくれれば、後輩達に有益な情報を作る事が出来る)
赤沢(……嫌なものね、私は彼女がふられる事を望んでいる)
赤沢(もし、呪いが解けていなければ、「アリタ」の呪いは、一度恋をしたら、学年の終わりまで解けないという事。最悪のケースね)
赤沢(それとも、有田さんが、まだ……)
恒一「…………」
赤沢(榊原君も、心なしか緊張した様子ね……)
ガラララ
??「恒一おにーちゃーん! おっはよーっ!」
クラス一同「!?」
赤沢(なんという事……あれは、どう見ても普通には見えないわ!)
小椋(見た目が松子そのままなだけに……)
綾野(マニアックだね……)
見崎(幼児プレイ……)
恒一「有田さんっ! その、抱きつくのはちょっと……」
ロリ有田「えー、やだやだー! 松子、お兄ちゃんから離れたりしないもん!」
恒一(くっ…………)
ロリ有田「授業が始まってもするのーっ! そうだ、なら……ねえ、水野君」
水野「は、はいっ!」
ロリ有田「恒一お兄ちゃんと、席を交換して」
恒一「そんな事、出来るわけが……」
赤沢(ぶっちゃけ、現象のせいだし出来るわ)
ロリ有田「あっ! せんせーっ! ねぇ、松子のお願い聞いてくれる?」
ロリコン久保寺「うん! いいよっ!」ニッコリ
ロリタ「水野君の席と、恒一お兄ちゃんの席を交換してほしいんだ!」
ロリ寺「もちろんおっけーさ!」ニッコリ
ロリタ「やったーっ! お兄ちゃん、これで隣同士だね!」
恒一「あぁ、うん……そうだね」
恒一「ねえ、有田さん」
ロリタ「んー? なぁに、お兄ちゃん」ギュー
恒一「どうして、席がずれて、僕の席にくっついてるの?」
ロリタ「松子ね、今日の用意を全部忘れて来ちゃったの! だから、お兄ちゃんの教科書を見せてもらうんだ!」
恒一「じゃあ、どうして僕にくっついてるの?」
ロリタ「え? 何でそんな事を聞くの?」
小椋(授業中くらい、静かにしてほしい限りね……)
佐藤(黒板が見えないわ……)
見崎(有田さん、アホ毛が立ってる……)
ロリタ「お兄ちゃん、あーんしてっ!」
恒一「えぇっ!?」
ロリタ「後でお兄ちゃんにもあーんしてあげるから、お願いー」ギュー
恒一「もう、仕方が無いなぁ、ほら、あーん」
ロリタ「あむっ! えへへ、おいしいね!」
綾野(すっかりこういっちゃんが懐柔されてるね。午前中抱きしめられ続けたのは、やっぱり影響があったのかな?)
赤沢「おい、中尾!」
中尾「イエス、ボス」シュタッ
赤沢「千曳先生に、現状を伝えに行きなさい。そして、どうにかする方法を聞く事。三十秒で図書室まで、良いわね?」
中尾「イエス、ボス」ヒュオン
赤沢(もっとも、対策案なんて、一つしか無いでしょうけど)
ロリタ「お兄ちゃん、もう一回食べさせてっ!」ウフフ
恒一「えーっ、僕まだ食べさせてもらってないよ」アハハ
赤沢(有田さんは、榊原君の事を諦めていない)
ロリタ「仕方が無いなぁ、お兄ちゃんは。ほら、あーんっ!」ウフフ
恒一「ありがとう、有田さん」アハハ
ロリタ「だーめっ! 『松子』って呼んでくれるまで、食べさせてあげないっ!」ウフフ
恒一「松子……さん?」
ロリタ「だめ! 呼び捨てっ!」
恒一「お願いだよ、松子」
ロリタ「仕方が無いなぁっ! あーんっ!」
赤沢(でも、私はあんなに楽しそうな榊原君に、もう一度有田さんを振れって言うの?)
小椋、綾野(わかったよ、泉美)
廊下
赤沢「……見ての通り、呪いはかかったままよ」
小椋「……うん」
赤沢「友人として、二人に聞くわ。どうすればいいと思う?」
綾野「私は、このままでいいと思うよ」
小椋、赤沢「えっ……」
綾野「松子のあの姿。昨日、こういっちゃんがああ言ったから、ああなったんだと、私は思う。そう考えてみれば、あのスケバン松子も、きっと『伝えたい事を伝えたい人に伝えれる自分』のイメージなんじゃなかったかな。根っこの所で松子のままだったから、失敗だったけど」
綾野「だから、私が思うに松子は、こういっちゃんに好かれる自分になろうとしてるんだよ。それは、現象なんて関係ない、普通の恋愛でもする事だ」
小椋「私は……彩の意見には反対かな」
小椋「私の知ってる松子は、あんな前向きに、好きな男子に抱きつけるような、そんな恋が出来る子じゃない。なら、あれは現象が引き起こした、偽物の松子の姿だよ。今は良いかもしれないけれど、卒業した後、松子がすべてを知った時に、絶対に悲しむ」
小椋「松子の為を思うなら、私は榊原君が、もう一度松子をふるべきだと、思う」
中尾「……ボス、ミスター千曳から伝言が」ヒュオン
赤沢「聞くわ」
中尾「『榊原君だって、事情はわかっているはずだ。これはもう、クラスの問題というよりは、二人の問題だ。あまり口をはさむべきではない』だそうです」
赤沢「……そう、下がりなさい」
中尾「イエス、ボス」ヒュオン
赤沢「……わからないわ。何が正解なのか、わからない。現象のパターンが掴めていないのもあるけれど、私は心のどこかで、私の都合で榊原君が有田さんをふる事を望んでいる。こんな精神状態じゃ、対策係として正しい判断が出来ない」
赤沢「無能と罵ってくれて結構よ。私には、その自覚がある」
綾野「そんな事、無いよ。今日、もう一度クラス会議を開こう」
小椋「そうだね、まだ呪いは始まったばかりだもん、どうにかなるよ」
ロリタ「おにーちゃーんっ! 一緒に帰ろっ!」
恒一「……うん、良いよ!」
ロリタ「えへへ、やったぁ!」
恒一「…………」
ロリタ、恒一「ねえ」
恒一「有田さんから、言ってよ」
ロリタ「『松子』って呼んでくれなかったから、お兄ちゃんから言ってっ!」
恒一「……松子は、今、幸せ?」
ロリタ「うん? 松子はお兄ちゃんさえいれば、幸せだよ?」
恒一「じゃあ、君の中の『有田さん』は今、幸せ?」
ロリタ「何の事を言ってるの? 松子は松子だよ? 変なお兄ちゃん、怒っちゃうよ?」
恒一「ごめんごめん……じゃあ、松子は何を聞きたかったの?」
ロリタ「お兄ちゃん……今日の私、どうだった?」
恒一「どうって?」
ロリタ「お兄ちゃんの好きな私だった? お兄ちゃんにとって特別な私だった? お兄ちゃんが好きになれる私だった?」
恒一「……有田さん?」
ロリタ「松子は松子だよ。お兄ちゃん、昨日、嘘ついたの?」
有田「昨日、お兄ちゃん言ったよね。幼い子が好きだって。愛してるって」
有田「だから私、頑張ったんだよ。榊原君が好きになってくれるような、そんな女の子になりたいって、すっごく頑張ったんだよ」
有田「でも、今日の榊原君、ちっとも嬉しそうじゃない。ずっと、寂しそうな目で私の事を見ていた」
有田「ねえ、私は、何に失敗しちゃったの? まだ、私は普通の女の子なの?」
恒一「有田さんっ!?」
有田「ごめんね! 私、先に帰るっ!」タタタタ
恒一(今、ほんの少しの間だけど、『普通の有田さん』だった気がする)
恒一(僕は、どうすればいい? 僕は有田さんに何が出来る?)
恒一「そうだ、怜子さんなら、昔の呪いの事、知ってるかも……」
恒一(まだ、部活にいるかな。家にいるかな……あぁ、望月が今日は休みだって言ってたっけ)
恒一「急いで、家に帰ろうっ!」
恒一「はぁっはぁっ、怜子さんっ!」
怜子「おかえり恒一く……どうしたの? そんなに走ったら、また体がっ!」
恒一「今はそんな事は良いんだッ! お願いだよ、怜子さんが中学三年生だったころ、何組だった?」
怜子「そんな事って……えっと、三組だったわ」
恒一「なら、『アリタの呪い』を見たんだよね?」
怜子「ええ……受験勉強に、とても触ったわ」
怜子「そうね、私が教えられる事なんて限られているけど……」
怜子「私達の代の「アリタ」は一目惚れだったわ。今はブラジルにいるんだったかしらね、この前テレビに出ていたわ」
怜子「一目惚れされた女の子は、私の友達だったんだけど、最初は本気でうざがってたわね」
怜子「まぁ、クラスの中で大音量でサンバの音楽を流され、踊られるわけだから、嫌に決まってるわよ」
怜子「でも、その原因も女の子に有ったのよ」
怜子「運が悪かったと言うか、なんと言うか。三年三組になった頃、丁度五年とか呪いがない年だったから、アリタの呪いの事は七不思議程度にしか思ってなかったのよ」
怜子「あの子、その頃ダンスに嵌っててね。いっつもその話を、していたわ。そして、いつものようにおしゃべりをしていて、『ダンサーってかっこいい』って話をしたのよ」
怜子「次の日、サンバ男が現れたわ」
怜子「うん、そっからはどうしようも無い日々だったわね。来る日も来る日もサンバサンバサンバ。飽きたわ」
怜子「会話もまともに出来ないし、彼を止める手段は無かったの……あれ? でも、一回何かあったわね……何だったかしら」
怜子「ごめんなさい。何せ十五年も前の話だか ら、覚えて無いわ。知り合いに確認しておくか ら、ちょっと待ってて。来週には伝えれるよう にするから」
恒一「……わかった」
怜子「貴方に差し迫った事だから、しょうがな いとは思うけど……普通に、面と向かってふる、 で解決出来ないの?」
恒一「それは、出来ないよ」
怜子「でも、ただのクラスメイトでしょう? 理由もあるし、クラスに居づらくなるわけじゃ ……」
恒一「違うんだよ、怜子さん」
怜子「えっ?」
恒一「僕は、いつからか……有田さんをふるなん て選択肢を、無くしちゃったんだ。それに、そ の選択肢を選ぶつもりも、無い」
怜子(同じね、なんだかデジャヴ……)
怜子(15年前の、あの時と一緒)
怜子「さぁって、私は私にやれることをしますか!」
怜子「卒業アルバムの名簿、片っ端から電話してやるんだから!」
恒一(今日は、有田さんどんな有田さんなのかな……)
怜子「待って! 恒一君! 一つ伝えないといけないことが!」
恒一「れ、怜子さん!? 学校に行ってたんじゃ……」
怜子「ええっと……有給?」
恒一「公立中学教諭にあるんですか!?」
恒一「何かわかったんですか……」
怜子「一度ね、教師が集まって、踊りを止めさせようとした事があったの。強引に捕まえてね」
怜子「それで、体育教師が彼を抱えるようにして、その踊りを止めた時、彼の雰囲気が変わったわ」
怜子「「君達が抱きしめたって、彼は変わらないよ?」そう、踊りを止めて、言ったらしいの。驚いた体育教師が放した瞬間、元通り踊り出したんだけど……」
恒一(抱き締める……)
怜子「ええ、行ってらっしゃい、恒一君!」
恒一「はい!」タタタタ
怜子「恒一君! 私達の代の彼と彼女!」オオゴエ
恒一「怜子さん?」トオイ
怜子「今でもブラジルで元気に暮らしてるから! 子供は二人いるから! 呪いのせいでメチャクチャだったけど、二人とも、後悔してないから!」
恒一「……ありがとうございます、怜子さん」タタタタ
怜子「徹夜はもうきついね……年かな……」
怜子「二人とも、元気だったしな……結婚かぁ……」
怜子「まずは、恋人かぁ……はぁ……」
恒一「ねぇ、赤沢さん」
赤沢「おはよう、榊原君。一応、貴方に報告しなきゃいけない事があるの」
恒一「報告?」
赤沢「昨日のクラス会議で正式に決まったわ。有田松子の現象を、貴方に任せる。クラスの皆は、その現象に対しては、通常通り接し、呪いを解くも、このままにするも、貴方次第。ということよ」
恒一「……わかった、ありがとう」
赤沢「貴方からの質問は?」
恒一「あぁ、今日の……午前中の間かな、有田さんと一緒に授業を離れてもいいかな?」
赤沢「現象絡みなら大丈夫よ。でも、一体何を……」
恒一「僕に任せてくれるんだろう?」
赤沢「っ! ……そうね、私ももう対策係では無いんだったわ。好きにしなさい」
オトナ有田「おはよう、恒一君」
恒一「おはよう、有田さん」
小椋(大人っぽく制服の胸元を開いているけど……松子、貴方には似合わない……)
綾野(ロリでダメだったから、望月君に言った言葉を元に、オトナにして来たのかな)
恒一「有田さん、ちょっと大事な話があるんだ。来てくれる?」
オトナ有田「ええ、いいわよ」
オトナ有田「それで、話は何? 恒一君」
恒一「有田さんは、僕の事が好きなんだよね」
オトナ有田「……ええ、そうよ。わざわざ言わせるなんて、酷いのね」
恒一「そっか、じゃあ、ちょっと失礼するよ」ギュッ
オトナ有田「えっ!? あ、う……」
??有田「……よく気がついたね。ついでに僕が誰だかわかるかい?」
恒一「有田さん……じゃない、有田さんはいつも、性格の核は有田さんだった。お前は誰だ?」
有田岬「岬だよ。有田岬。最初の「アリタ」であり、呪いの根源。そして、「アリタの呪い」だ」
恒一「お前は、有田さんを元に戻せるのか?」
有田岬「戻せるよ。そして、「アリタの呪い」自体を消し去る事も出来る」
恒一「それは、どうやって……!」
有田岬「そう焦るな。なに、簡単な事さ」
有田岬「元々僕は、「アリタ」が望む姿になる手伝いしか出来ない。ダンスを上手くなりたいなら、ひたすらダンスをやらせる気にさせる。強気になりたいなら、強気にさせる」
有田岬「自分に自信があれば、何も変わりはしない」
有田岬「元に戻す方法も、簡単だ。呪いの力を逆手に取ればいい。普通な「アリタ」を肯定してやればいい。アリタが望むほどにね」
有田岬「そして、そうすれば、僕自体も消え去る。有田松子が救われ、アリタの呪いに終止符が打たれる、そんなハッピーエンドさ」
有田岬「この期に及んで僕の心配までするのかい? そりゃ、女性にモテるわけだ。僕も見習えば良かった」
有田岬「僕はこうして、普通じゃない呪いとなった。夢は叶ったんだ。最初の数年間は、そりゃ楽しかったよ。自分と同じ「アリタ」を、普通じゃなくせるんだから」
有田岬「でもね、ある時、「アリタ」が死んじゃった。僕の事を拒絶する余り、卒業式の後に、自殺した」
有田岬「……自分を見ている気分だったよ。そして気付いた。「普通とは、なんて幸せな日々だったんだ」ってね」
有田岬「笑えるよね、呪いになってから、そんな事に気づくなんて、遅すぎる」
有田岬「自分を消し去る方法を知っても、抱きしめてくれなきゃ伝えられない。そもそも普通じゃなくなったアリタには、誰も近寄らない」
有田岬「榊原、あの子の息子なんだろ? 顔立ちが似てるよ」
恒一「まさか、お前の好きだった人って……!」
有田岬「君のお母さんさ、もう死んじゃったけどね」
有田岬「君が何をすればいいか、わかるかい?」
恒一「わかる、けど……なんて言えば良いか……」
有田岬「簡単さ、君の言葉で伝えれば良い。僕には出来なかった、ね。それじゃ、お別れだ」シュウウウ
恒一「そんな、待って!」
オトナ有田「う、ううん……恒一、君?」
オトナ有田「私、恒一君に、無理をさせてまで、解こうとは……」
恒一「違うよ。有田さん」
オトナ有田「え?」
恒一「僕は、本当の有田さんと一緒にいたいんだ。呪いを解くとか、そんなの関係無しで。だって僕、その状態の有田さんと会話したの、あの階段の時だけなんだもん」
恒一「いろいろあったし、本当の有田さんに伝えたい事があるんだ。僕の、気持ちを伝えさせて欲しい」
オトナ有田「何で、私のかぁ…為にそんな……」
恒一「有田さんが、僕のことを好きでいてくれたから、だよ」
オトナ有田「恒一君はずるいよ……」
恒一「ずるいのは有田さんだよ。僕の為に僕好みの女性になろうとした事は嬉しいけれど、これじゃあ、僕は本当の有田さんとお喋り出来ないんだよ」
恒一「一つ、教えてあげる。皆はやれイメージがどうのこうの言っていたけど、僕は階段で会った次の日のお喋り、楽しみにしてたんだよ。皆が大事にする、有田さんが、どんな人かやっとわかる、ってね」
オトナ有田「あの時は、私も……」
恒一「ううん、いいんだ。僕は、もう帰るよ。有田さんは授業を受けてく?」
オトナ有田「……ううん。私も、帰るよ」
恒一「そっか、一緒に帰る?」
オトナ有田「……それも、いい。私は、早く私に戻らないといけないから」
恒一「わかった。じゃあ、また明日だね」
オトナ有田「ええ、また明日」
恒一(やっぱり、早すぎたかな)
恒一(でも、僕告白とか初めてだし、緊張して寝れなかったし……怜子さんに相談しようにも、爆睡してるし……)
恒一(何て言えば良いんだろう……いや、そもそも有田さんが来てくれるかな……)
恒一(有田さんに、本当の有田さんで来てほしいなんて、嫌なお願いだったかな……)
恒一(ううん、これで良いんだ。僕は、本当の有田さんに告白したいんだから……)
恒一(あ、案の定校門が閉まって……あれ?)
恒一「有田、さん……」
恒一「早いね、やっと空が明るくなり始めたのに」
??有田「それを言ったら、榊原君もだよ。……えっと、その、お久しぶりです。私が、有田、有田松子です」
恒一「三日ぶりだね。元気そうで良かったよ」
有田「ゴメンね。迷惑かけちゃったみたいで……」
恒一「良いんだよ。こうして、今ここで有田さんと、向かい合って話せてるんだから」
有田「……うん」
恒一「僕は有田さんが好きです。
僕のことを好きになってくれた有田さんが好きです。
僕の好みに合わせようと必死になってくれる有田さんが好きです。
ロリタさんぶっちゃけ好みでしたでも有田さんのほうがもっと好きです。
この数日間しか会話してないし、しかも本当の意味ではなせたのもほとんど無い。
でも、僕は確信を持ってこう言います。
有田さん、一生幸せにするから、僕も幸せにしてください!」
恒一「有田さ……松子って呼んでもいい?」
有田「もちろんだよ、恒一君!」
有田「ずっとずっと、幸せでいようね!」
Aritar おわり
イチャイチャは脳内でなんとかしてくれ
ついでに有田さんのSSをいっぱい書いてくれ
Entry ⇒ 2012.07.26 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (3) | Trackbacks (0)
竜華「怜のセクハラがひどい」
怜「ツモ、2000,4000」
泉「う…」
セーラ「くっそ~!また怜の勝ちかー」
泉「やっぱり先輩には敵わんですわ…」
船Q「さすがですね」
怜「まだまだやって…うっ…」フラッ
泉「先輩、大丈夫ですか?」
セーラ「怜、あんま無理すんなよ?」
怜「う、うん…」
竜華「………」
セーラ「せやな」
部員達「「「「「おつかれさまでしたー!」」」」」
竜華「おつかれ!」
怜「おつかれさまー」
竜華「ほな帰ろうか」
怜「そ、そやね…」フラッ
竜華「…怜?」
怜「…あれ…(めまいが…)」
泉「先輩!」
セーラ「怜!大丈夫か!?」
怜「だ、大丈夫やって」
竜華「保健室いこか?」
怜「心配かけてごめんな」
怜「それより…」
怜「やっぱり竜華の膝の上が一番やなー」ごろりん
竜華「あ……ありがとう」
竜華「怜、具合のほうはどうや?」
怜「うーん…おかげさまでだいぶ気分良くなってきたで」
竜華「そっか、ほなら良かった」
怜「竜華の膝枕がある限りは死なれへんわ」
竜華「もう…縁起でもないこと言わんといて!」
怜「ごめんごめん」
竜華「………」
怜「………」
竜華「………」
竜華「…寝てしまったんやろか」
竜華「(…白糸台に勝つためとはいえ)」
竜華「(こんなちっちゃくてか細い体にエースなんて任せて本当に良かったんやろか)」
竜華「(あの白糸台の宮永照を相手にしたら、怜に一体どれだけの負担を強いることになるか…)」
竜華「(うちがもっと強かったら…)」
竜華「ごめんな、怜」
怜「…」
竜華「随分ぐっすり眠っとるなー」
竜華「やっぱり疲れがたまっとるんやろか」
竜華「日も暮れてきたけど起こすのは申し訳ないな」
竜華「しばらくこのままにしとこか」
竜華「…」
竜華「…怜の寝顔、可愛いなー…」
竜華「このままいつまでも見ていたいくらいや…」
竜華「…怜のくちびる、やわらかそうやなあ」
竜華「…」
竜華「……」
竜華「………」
竜華「…」ドキドキ
竜華「…」そーっ…
チョンッ
プニッ
竜華「あっ柔らか…」
竜華「ぷにぷにしてて」
竜華「つやつやしてて」
竜華「しっとりしてて…」
竜華「あかん」
竜華「もっと触りたい…」ムラムラ
竜華「うちは何考えとんのやっ…!」
竜華「うちらのせいで怜に負担かけとるのに!」
竜華「寝てる怜にいたずらして!」
竜華「怜の安眠を邪魔するなんて…」
竜華「最低やで!!」
竜華「うちのバカバカバカ!」ポカポカ
怜「…」
ペロッ
竜華「ひゃあぁっ!?」ゾクゾク
怜「いや…起きたら目の前に竜華の太ももがあったから」
怜「どんな味すんのやろと思って」
竜華「」
竜華「なっ…!」
竜華「そ、それはともかく怜、いつから起きとったん!?」
怜「竜華がなんや一人でぶつぶつ言ってるところから」
竜華「」
怜「さてな~?」
竜華「うっ…」
怜「竜華…別に気にせんでもええで?」
怜「しっかりお返しは貰ったしな」
竜華「っ…」
怜「やわらかくてすべすべしててちょっと甘酸っぱくて…」
怜「最高の特効薬やったで?」ニヤニヤ
竜華「…!」
竜華「と…と…」
竜華「ときのアホー!!」ダッ
怜「あ、竜華、ちょっと待ちーや!」
竜華「(もう…人の気も知らんで…怜のアホ!)」
キンコンカンコーン
竜華「あ、怜…」
怜「竜華…」
怜「…昨日はごめんな?」
竜華「あ、いやうちこそ勝手に先に帰ってしもうて…それに…」
怜「それに?」
竜華「あ、いや、その…」ゴニョゴニョ
怜「くすっ(顔真っ赤…かわいいなあ)」
怜「…天気良いし、屋上行ってごはん食べよか?」
竜華「そ、そやな!」
竜華「ごちそうさまでした、おなかいっぱいやー」
怜「私もや…竜華、膝貸してーな」
竜華「え…」
怜「だめなん?」
竜華「た、食べてすぐ横になると豚さんになってしまうでー?」
怜「え~、ええやん」
竜華「…もう、しゃーないなあ怜は…ほら」ポンポン
怜「ん…ありがとう」
怜「…」
怜「なあ、竜華」
竜華「なに?」
怜「うちな、三軍の頃は、私を支えてくれるみんなの力になれなくて本当に悔しかったんよ」
竜華「どしたん?急に…」
怜「ええから聞いて」
竜華「…」
怜「病院で生死をさまよって一巡先を視る力を手に入れた時、これならみんなの力になれるんやないかって思って嬉しかった」
怜「でも、それと同時に…怖かったんや」
竜華「なんで?」
怜「こんなの…私の力じゃないんやないかって」
怜「こんな力で勝てるようになったって、みんなは逆に私から離れていってしまうんやないかって…」
竜華「…」
怜「セーラや竜華に打ち明けて二人が私の力を素直に喜んでくれた時、私本当に嬉しかったんよ」
怜「だから私は私の出来る限りの力でみんなに恩返しがしたい、それは他の誰でもない私の一番の望みなんや…」
怜「せやから竜華…そんなに気負わんでーな」
竜華「怜…」
竜華「でもあんま無茶はせんといてな?」
竜華「うちらは、怜が体を壊してまで全国優勝することは誰も望んでないんやから…」
怜「…分かったわ竜華、ありがとうな」
竜華「…うん」
怜「あ、でもな竜華」
竜華「?」
怜「私に気は遣わんでええけど…」
怜「えっちなことするんは…」
怜「一言いってからにしてーや?」
竜華「……~~~!」
竜華「もうっ…」
竜華「怜のアホー!!」
おしまい
若干タイトル詐欺気味で申し訳ない…
すばらやで!
また書いてね!
怜竜すばら
Entry ⇒ 2012.07.26 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
照「失礼しまーす」???「入って、どうぞ」
照「暑いなあ」
照「大見得切って東京に飛び出してきたはいいものの・・・」
照「間違って黒糸台高校に入ってしまった」
照「可愛い娘ばかりと聞いていたのにおかしいなとは思ったんだけど」
照「とりあえず麻雀部があるらしいからそこに入ろう・・・ハァ・・・」
照「迷った・・・仕方がない人に聞いてみよう」
照「あのすいません、麻雀部の部室を探しているんですが・・・」
???「知ってるけど・・・もしかして入部希望かなにか?」
照「はい、そのつもりです」
???「幸先イイゾーコレ。俺は麻雀部の田所っていうんだよね、案内すんよ?」
照「本当ですか?私、新入生の宮永照と申します。ありがとうございます!」
照「失礼します」
田所「入って、どうぞ」
照「まだ誰もいらっしゃいませんね」
田所「まあ少し早くきたからね。しょうがないね」
田所「まずうちの部員さあ・・・監督入れて四人いるんだけど会ってかない?」
照「ええ、ぜひお願いします」
田所「GO監督お疲れ様です!こちら新入部員の宮永さんです」
照(この人・・・凄いパワーを感じる・・・)
照「宮永照と申します。よろしくお願いします」
GO「ハイ、ヨロシクゥ!」
GO「じゃあ他の部員もパパっと紹介オワらせるから」
照「木村君が同じ一年生ですね」
木村「よろしくお願いします」
田所「オッス!お願いしま~す♪」
三浦「そうだよ(便乗)高校二年生、18歳だゾ」
照「18で高校二年生・・・?あっ(察し)」
照(しかし女子部員は私だけか・・・)
照(田所先輩は性別が分かりづらいから女の子かもしれないけど・・・)
照(どっちにしてもインハイは諦めるしかないのかなあ)
木村「えっ、今からやるんですか?」
GO「ダイジョウブだって軽くやるだけだから安心しろよ~。ヘーキヘーキ、ヘーキだから。」
三浦「見たけりゃ実力を見せてやるよ(震え声)」
田所「いいよ来いよ!
照「ではお願いします」
照(木村君と三浦先輩はともかく)
照(GO監督程でないにしても田所先輩も相当打ってる・・・)ワクワク
照(まずは様子を見よう・・・)タンッ
木村(よし早速聴牌だ。ここは立直せずにいこう)タンッ
三浦「ポッチャマ・・・」タンッ
木村(白なかなかこないなあ)
三浦「あっ、そうだ(唐突)おい木村ァ! 」
三浦「さっき俺らの捨て牌、チラチラ見てただろ(因縁)」タンッ
木村「なんで見る必要なんかあるんですか(正論)」タンッ
田所「すっげえ白で待ってる。はっきりわかんだね」タンッ
木村(バ、バレてる・・・)
三浦「ロンだよ」
田所「ファッ!?」
照(木村君は典型的なデジタル打ち、三浦先輩は直感で打つタイプ)
照(そして田所先輩は私や咲と同じ異能の持ち主だ)
照(対象一人の手牌を把握する能力。ただし途中で変えられない・・・)
照(多少やっかいな能力だけど、私なら絶対に勝てる!)ゴッ
田所(この圧倒的オーラは・・・やべぇよ・・・やべぇよ・・・)
木村「東二局は宮永さんが親ですね」
照「お願いします」
照「ロン、1300」
田所「ま、多少はね…」
照「ツモ、1000・2000」
照「ロン、7700」
三浦「ポッチャマ・・・」
照「ロン、10200!」
木村「やめてよ(絶望)」
田所(強すぎィ!このままでは一年生に東場でトバされて終わってしまう)
田所(俺の能力『手牌レイプ』も通じないし・・・なんとか、なんとかしなければ)
三浦「お、そうだな」
照「え?ああ確かに今日は暑いですからね」
木村「確かにちょっと喉が渇きましたね」
三浦「そうだよ(便乗)」
田所「何か飲み物持ってくる。ちょっと待ってて」
田所(これしか、これしかないんだ・・・)サッー
田所「おまたせ!アイスティーしかなかったけどいいかな?」
照「すみません先輩に用意させてしまって」
田所「いいっていいって。飲んで、どうぞ」
照・木村「いただきまーす」ゴクゴク
照(あれ・・・眩暈が・・・なんで・・・)
田所「おっ、大丈夫か?大丈夫か?」
照「大丈夫です・・・」ガクッ
木村「大丈夫ですか宮永さん!?」
照「スースー」
GO「寝てるだけだ、安心しろ。とりあえず保健室に連れて行く。練習は中止ね」
GO「今日は解散。それと田所、お前は残ってろ」
田所「ファッ!?」デデドン
GO「宮永は特に問題ないという事で帰宅した。」
田所「・・・」
GO「お前を残したわけは・・・分かってるよね?」
田所「スイマセン!」
GO「謝る相手が違うだろう」
田所「うぅ・・・」
GO「明日中に宮永に自分のやった事を全て話して謝れ。それが出来なければ除名だ」
照「あっ、田所先輩!昨日はご迷惑おかけして申し訳ありません」
照「先輩が真っ先に介抱してくださって嬉しかったですよ」ニコッ
田所「宮永さん・・・俺は・・・」
照「照でいいですよ。上の名前で呼ばれるより下の名前で呼ばれる方が好きですから」
田所(俺は、なんてことを・・・)
田所(こんな可愛くていい後輩をつまらない意地で・・・)
照「先輩?どうかされましたか?」
照「・・・どういう意味です?」
田所「俺が昨日アイスティーに薬を盛った。勝負に負けたくなくてつい・・・」
照「・・・・・・!!」
田所「本当にすまなかった。許しt」
照「失礼します!」
田所「あっちょっと待ってくれよ~」
三浦「そうだよ(便乗)」
田所「・・・」
木村「そういえば宮永さんって下北沢の方に住んでいるらしいですよ」
木村「最近あそこ物騒なんで心配ですよ~」
木村「やたら不良がたむらしていて、歩いているとすぐ絡まれるとかで」
田所「・・・!」
田所「すまないが監督に今日は早退したと伝えてくれ。それとしばらく休むかもと」ダッ
木村「田所さん!ちょっと、サボリはまずいですよ!」
田所(でももし罪滅ぼしのチャンスがあるなら)
田所(絶対につかみたい!)
~下北沢~
照(最近やたら不良を見る気がするなあ)
照(治安悪くなった・・・?)
???「お金返してください!オナシャス!」
???「やだよ、おう」
照「事情は知りませんが返してあげたらどうです?」
不良「女の癖に俺に喧嘩売るとかバカじゃねーの(笑)?」
不良「喰らえやコラァ!」
照「仕方ありませんね・・・」
照「コークスクリュー!」ゴッ
不良「グフッ」バタッ
アメフト部員「ありがとうございました!」
照「いえ、気にしないで下さい」
照「!?」
不良C「お兄ちゃん達が谷岡さんやったのか?オイ、ゴルァ!オイ!」
不良D「おいやっちまおうぜ! お前!」
不良B「やっちまうか?」
不良C「やっちゃいますか!?」
不良D「やっちゃいましょうよ!」
不良B「 その為の右手 」
不良C「 あとその為の拳? 」
不良D「 金、暴力、SEX!」
照(マズイ・・・一度に三人相手は・・・)
照「・・・!」ギュ
???「暴れんなよ・・・暴れんな!」
不良B・C・D「なんだこのオッサン!」
照「田所・・・先輩・・・?」
田所「ホラホラホラホラ」バゴバゴバゴ
不良B・C「ゴホッ」バタッ
田所「†悔い改めて†」ズガッ
不良D「おぶぇ」バタッ
宮永「田所先輩・・・」
田所「この前は本当にすまなかった!」ドゲザッ
田所「一年生に麻雀に負けるのが怖くて・・・」
田所「俺は本当に酷い事をしてしまった」
田所「許してくれ。この償いは何でもする」
田所「え?(難聴)」
照「何でみんな、麻雀の事になると私に酷い事をするんですか!(涙声)」
照「妹も!先輩も!中学の時のみんなも!」
照「私はただ楽しく麻雀がしたいだけなのに!」
照「なんで・・・なんで・・・」グスッ
田所「宮永さん・・・」
田所「よし分かった」
田所「これから何としても部員を集めて、全国、行こう!」
田所「宮永さん君の才能は抜きん出ている」
田所「それは賞賛を呼ぶ一方で時として人間の弱い面も掘り出してしまう」
田所「それを見てしまって辛いのは君だけじゃなく本人も辛いんだ」
田所「だからみんな自分にケジメをつけたい、君に謝りたいと思ってるはずだ」
田所「そのための舞台として全国クォクォ生麻雀大会は適切じゃないかな」
照「みんなが謝りたいなんて・・・そんな訳・・・」
田所「宮永さん!頼む俺を信じてくれ!」
田所「過ちを犯してしまった自分だからこそ、分かるんだ!」
照「わ、分かりましたよ」
田所「ありがとう!宮永さん!」
照「あ、えっと・・・その・・・」
田所「ん?」
照「だから照、でいいですよ///」
田所「お、そうだったな」
田所「ありがとう、照!」
照「~!」
木村「インハイ出場を目標にしたそうで後三人女子部員を探すそうです」
木村「しかし中々女子部員は集まらず」
木村「やっと揃った時には二年の月日が流れていました(田所は留年しました)」
木村「しかしGO監督率いるチームの強さは短期間ながら練習試合などで他校に知れ渡り」
木村「黒糸台高校インハイ出場は大きなニュースになりました」
照「ロン、ロン、ツモ」
対戦相手「イク(小声)」
菫「ツモ、36000です」
対戦相手「ウィヒ!!(発狂)」
尭深「それ、ロンです」
対戦相手「やめちくり~(挑発)」
田所「ステロイドホモの独壇場っすよ^~」
対戦相手「汚い」
淡「全員飛ばして終了♪」
対戦相手 「こっちの事情も考えてよ(棒読み)」
木村「黒糸台高校の圧勝で終わりました」
トシ「あらGO監督、お久しぶり」
GO「お久しぶりっスね~」
トシ「初めて監督したチームがインハイ出場とは衰えてないようねえ」
霞「姫様、熊倉監督と一緒におられる方・・・!」
小蒔「ええ・・・いつも降ろしている神そのもののような・・・」ゾクッ
照「田所先輩!妹長野なんですけど・・・やっぱり来てますよ!」
田所「いいじゃん。良かったな良かったな。会いに行く?」
照「いえ、妹と決勝まで勝ち進んで・・・その時に会います」
田所「お、そうか」
照「先輩に会えたおかげで麻雀を楽しんでできるようになれました」
田所「ちょっと照れんよ~照だけに~(激寒)」
照「そういえば先輩、あの時」
照「何でもするって言いましたよね?」
田所「え、それは・・・(困惑)」
木村「こうして黒糸台は初出場で優勝、二人は幸せなキスをして終了」
Entry ⇒ 2012.07.26 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (6) | Trackbacks (0)
ハルヒ「皇帝ルルーシュに会いたいわ!!」
C.C「いよいよ明日からか。長かったな」
ルルーシュ「別に俺はこれまでと同じ生活で良かったんだ。それをわざわざ・・・」
C.C「私に文句を言っても仕方ないだろ、いろいろな手続きをしたのはジェレミアだぞ?」
ルルーシュ「全く、あいつは何を考えているんだ・・・。今の俺は堂々と世間に顔を晒して
生活できる人間ではないというのに」
C.C「悪逆皇帝はゼロに殺されたからな」
ルルーシュ「そうだ!なのに何故今更学校などに行かなければならん!」
C.C「仕方ないだろ『これ以上皇帝陛下に日陰の生活をさせるわけにはいかない』と
聞かないんだからな」
ルルーシュ「何が日陰だ、俺はそれを承知の上でゼロレクイエムを敢行したというのに
だいたい、この顔で堂々と外に出てみろ!大騒ぎになって終わりだ!学校に通うなど論外だな」
アーニャ「それは問題ない、これがある」
ルルーシュ「アーニャ・・・・いつからいた?」
アーニャ「ずっと前から」
ルルーシュ「そうか・・・・で、何だこれは?」
ルルーシュ「変装だと?俺に変装して学校に通えというのか!?」
アーニャ「そう」
ルルーシュ「フン、馬鹿げてる!そうまでして学校に行く必要などない!
俺はこれまで通り静かに暮らせればそれでいいんだ」
C.C「お前は良くてもジェレミアが納得しないぞ」
ルルーシュ「あいつは何故そうまでして俺を学生に戻したいんだ・・・」
アーニャ「ジェレミアはルルーシュに普通の生活をしてほしいだけ」
ルルーシュ「俺が望んでいない以上、それはただのお節介なんだよアーニャ」
アーニャ「もう入学手続きは終えてる。今更逃げられない」
ルルーシュ「いいや、今からなら電話一つで何とでもなる!」
アーニャ「電話線は切った」
ルルーシュ「フン、固定電話などなくても携帯が」
C.C「お前の携帯はさっき私が水に沈めた」
ルルーシュ「お前ら・・・・・」
C.C「諦めろルルーシュ。大人しく言うとおりにするんだな」
たった6年ちょっとで俺だけが人並みの生活に戻る事などできるはずがないだろ!」
アーニャ「大丈夫、スザクは優しい。許してくれる」
ルルーシュ「仮にあいつが良いと言ったとしても、俺が嫌なんだ!」
アーニャ「ルルーシュ、わがまま言っちゃ駄目」
ルルーシュ「わがままを言ってるのはどっちだ!
だいたい変装などして、万が一素顔を見られたらどうする!?」
C.C「皇帝ルルーシュは聴衆の面前で死んだ。それは誰もが知ってる歴史的事実だ
その後に顔形がそっくりな人間が現れたところで、他人の空似で済まされるだろう」
ルルーシュ「それだけで済むとは思えんな」
C.C「だとしても、皇帝ルルーシュ生存説なんて都市伝説のようなものが流行る程度で
実際にその真意を確かめようなんて輩はまず出てこない」
ルルーシュ「それはそうだが・・・・しかし」
アーニャ「実際に通ってみて駄目そうだったら止めてもいい
それならジェレミアも納得してくれるはず」
C.C「だそうだぞ、どうする?」
ルルーシュ「・・・・・フン、仕方ない。暫く通って、頃合を見て辞めればいいか」
アーニャ「ありがとうルルーシュ!ジェレミアも喜ぶ」
アーニャ「・・・何が?」
ルルーシュ「明日から通う大学だ!何て大学に押し込んだ?」
アーニャ「だいがく?ルルーシュが通うのは高校。大学じゃない」
ルルーシュ「何だと!?俺はもう成人してるんだぞ!?通うなら普通大学だろ!」
C.C「いいじゃないか、お前の最終学歴はアッシュフォード学園中退だろ?
だったら高校から再スタートするのが自然だな」
ルルーシュ「アッシュフォードに通っていた当時ですら高校教育など
退屈で仕方なかったというのに・・・またあの身にならない授業を受けろというのか・・・」
アーニャ「大丈夫、ルルーシュは編入扱い。三年生からのスタート
大学は来年になってから通えばいい」
ルルーシュ「クソ、こんな事なら自分で学校を探せばよかった!」
アーニャ「ルルーシュが行くのは西宮にある県立北高校
特に盛んな運動部もない極普通の高校。これはジェレミアの配慮」
ルルーシュ「それはどうも・・・・西宮か、ここからじゃ電車通学だな・・・・」
アーニャ「安心して、既に神戸~西宮間の一年分の定期を購入済み」
ルルーシュ「それはどうも・・・」
アーニャ「勿論偽名を使った。名前はルルーシュのままだけど
苗字はランペルージにした」
C.C「なんだ昔と同じか・・・つまらんな」
アーニャ「ルルーシュの部分を残したのはジェレミアの指示だけど・・・大丈夫?
私は名前も変えた方が良いと言ったんだけど」
ルルーシュ「いや、それでいい」
C.C「そういえばお前はブリタニアから隠れてる時もルルーシュという名前だけは
変えなかったな。愛着でもあるのか?」
ルルーシュ「自分の名前に愛着がないのなんてお前くらいだよC.C」
C.C「失礼な、私はこのシーツーという名前に十分愛着を持っているぞ」
ルルーシュ「親からもらった名前はどうした?」
C.C「さぁな、忘れた」
ルルーシュ「フン、魔女が」
アーニャ「それからルルーシュ、ギアスの件だけど」
ルルーシュ「何か分かったのか!?」
ルルーシュ「なに!?・・・・いや、しかしV.Vが能力を与えた者はジェレミア以外
全員始末した。C.Cが能力を与えたのは最近では俺とマオの二人だけ
俺はコードと引き換えにギアスを失い、マオは死んだ・・・つまり、今現在この世界で
ギアスを使えるのはジェレミアだけのはず」
C.C「そのジェレミアの能力も、ギアスではなく正確にはギアスキャンセラーだ
自分以外に能力者がいない今となっては何の役にも立たんな」
アーニャ「V.Vが与えた側に討ちもらしがあった可能性は?」
ルルーシュ「・・・・0だと断言はできないが、限りなく0に近いはずだ。ギアス教団を襲撃した際も
以前教団の内部にいたロロから情報を得た上で、決して討ちもらす事のないよう
綿密に計画を立ててから実行したからな」
アーニャ「でも別に能力者がいるのであれば、討ちもらしがあったとしか考えられない」
ルルーシュ「それはそうだが・・・そもそもその情報は何処で入手したものなんだ?」
アーニャ「機関っていう組織の人間からの情報みたい」
ルルーシュ「きかん?それはどういう組織なんだ?」
アーニャ「そこに関しては今ジェレミアが調べてる。詳細は分かり次第報告する」
でもジェレミア以外にもギアス能力者がいるという情報は確かなもの」
ルルーシュ「ギアスの存在を知っている組織か・・・・黒の騎士団や
超合衆国から派生した組織かもしれないな」
C.C「どうだろうな、お前の件でギアスの存在は多くの人間の知るところとなった
それ以外の所から独自にギアスを調査しだす連中が現れても不思議ではないぞ」
ルルーシュ「いずれにしろ、唯一ギアスを与える事のできる媒介者はこの世に俺一人
どれだけ調査しようが徒労でしかないな」
C.C「それだけは断言できるぞ、今現在コードを得ているのはお前だけだ
V.Vが所持していたコードはシャルルと共に消滅してしまったからな」
ルルーシュ「そう考えるとやはりV.Vが与えた側に討ちもらしがいたと考えるのが自然か・・・
アーニャ、他に分かったことは?」
アーニャ「その能力者のギアスは自分の望みや願いを現実に反映させる事ができるものらしい」
ルルーシュ「望みや願いを現実に?」
アーニャ「そう」
ルルーシュ「何だそのふざけた能力は・・・。で、その能力者が何処にいるかは分かるのか?」
アーニャ「機関は把握してるらしく、常にその人間を監視してるらしいけど
こっちはまだその情報は掴めてない」
C.C「監視か、一時期の誰かさんと同じ状況だな」
アーニャ「最新の情報はこれだけ、残念ながらルルーシュのコードを消す為の手がかりは
未だに何も出てきてない」
ルルーシュ「そうか・・・。やはりコードを消し去る事など不可能なのかもしれんな」
アーニャ「諦めちゃ駄目、少なくともジェレミアは諦めない『陛下に不死の苦しみを
味あわせるわけにはいかない!』が口癖。毎日一生懸命調べてる」
ルルーシュ「あぁ、お前達には本当に感謝している」
アーニャ「秘密裏にギアスを研究してる組織は沢山ある、中には国家主導で行ってる所もあるくらい」
C.C「だろうな。ギアスさえあれば世界の覇権を握る事だって可能だ
表では超合衆国などと言っていても、本心はそれだ。人は長らく平和が続くとそれに
飽きてしまい、すぐにまた戦争を起こす。世の常だ」
アーニャ「だからきっと新しい情報だって出てくる!希望を捨てちゃ駄目!」
ルルーシュ「・・・あぁ、分かったよアーニャ。C.C、残念ながらお前の考える通りにはならん
この世界は二度と戦争など起こさない!スザク・・・いや、ゼロがいるからな!」
C.C「悪逆皇帝から世界を救った英雄ゼロか・・・・だが最近ではそのゼロに対して不満を
持ってる連中もいるようだぞ?反超合衆国を掲げるテログループまで出てきてる始末だ」
ルルーシュ「自爆テロで一般人を巻き込んでるような連中だろ?あんなのでは世界は変えられない
何か大きな行動をしようとした所で、武力に勝る黒の騎士団に潰されるのがオチだ」
C.C「武力によってそれを征するのであれば、それはもう立派な戦争だぞルルーシュ?」
ルルーシュは明日からちゃんと学校通って。いい?」
ルルーシュ「・・・あぁ、分かってる」
C.C「お前が昼間学校に行くとなると私はその間一人になるのか・・・
さて、どうやって暇を潰したものか・・・」
ルルーシュ「いつもみたいに寝てればいいだろ・・・」
----------
------
--
----文芸部室
ハルヒ「退屈ねぇ」
みくる「そうですねぇ」
ハルヒ「何か事件でも起きないかしら・・・」
キョン「何物騒なことを言ってるんだお前は。ようやく世界的に平和が訪れたというのに」
ハルヒ「それは間違ってるわよキョン!平和なのは先進国と一部の発展途上国だけ
中東やアフリカでは今も内紛やらテロやらで大変なの!」
キョン「あぁそうかい。じゃあいっそ中東かアフリカにでも行ったらどうだ?
退屈な日々から一気に解放されるぞ?」
キョン「ちょっと前までは日本だってブリタニアの植民地支配をうけてたんだ
お前は当時の非日常が楽しかったのか?楽しくないだろ?毎日日本人が殺されて
ブリタニア人がデカイ態度で堂々と街中を闊歩してたあの時を
楽しかったなんて言う奴がいるんだとしたらそりゃただのアホだ」
ハルヒ「誰も戦争始めろだなんて言ってないでしょアホキョン!
この退屈な日々を少しでも紛らわしてくれるようなちょっとした事件でいいのよ!
泥棒とか、殺人事件とか!!」
キョン「泥棒やら殺人事件なんて日本中でしょっちゅう起きてるだろ・・・」
ハルヒ「私たちの身近で起きないと意味ないじゃない!」
キョン「それを物騒だと言ってるんだ」
ハルヒ「はぁ、本当退屈すぎるわ・・・」
古泉「文化祭や体育祭も秋ですし、当分はこれといったイベントもないですね」
キョン「修学旅行があるじゃないか!十分大きなイベントだろ!」
ハルヒ「修学旅行?行き先が海外とかならちょっとは楽しめるんだけどねぇ
何で今時東京なの?大昔の学生じゃないんだからもう少しまともな所連れてきなさいよ!」
古泉「海外はまだ情勢不安定なところが多いようですし、我々は受験生ですからね
学校側がその辺を考慮した上で決めたのでしょう。まぁ、それでも高校三年の修学旅行が
東京というのは個人的にも無いと思いますけど」
ハルヒ「え?そうなの?」
古泉「えぇ、東京で行われる終戦記念式典に参列するようですよ
ブリタニアのナナリー首相や、中華連邦の天子様もいらっしゃるようです」
ハルヒ「ふーん、まぁナナリーとか天子なんかはどうでもいいけど
ゼロは一度生で見てみたいわね!」
キョン「日本が元の状態に戻れたのはゼロのお陰だしな。俺も見てみたいもんだ」
ハルヒ「私は別にアンタ程ゼロに心酔してないけど、英雄とか言われてる人だしね
やっぱり興味はあるわ」
キョン「俺だって別に心酔はしてないさ。たださっきも言ったけど今の日本があるのは
ゼロのお陰と言っていいだろうから、その辺を感謝してるだけさ」
古泉「しかし、世の中にはそのゼロを敵視してる方々もいるようですよ」
キョン「何が気に食わんのかね。どうせ皇帝ルルーシュに手も足もでなかったような連中が
今になっていろいろと文句を言ってるだけだろ」
ハルヒ「前から思ってたんだけど、皇帝ルルーシュってゼロ並に謎の多い人物よね!」
キョン「どの辺が?」
ハルヒ「全部よ全部!!急に現れたかと思ったらそのまま皇帝になったり
貴族制を廃止してナンバーズを解放したかと思ったら恐怖政治で国民を縛ったり
やってることに統一性がないのよね!」
ハルヒ「本当にただの独裁者だったのかしら・・・何か引っかかるのよねぇ
出来る事なら尋問してやりたいくらいだわ!」
キョン「残念だがルルーシュはとっくの昔に故人だ。尋問は不可能だぞ」
ハルヒ「分かってるわよそんな事!でも会ってみたかったわ皇帝ルルーシュ
どんな人物だったのか凄く気になる!同じ意味でやっぱりゼロにも会ってみたいわね!」
古泉「では行ってみませんか?記念式典」
ハルヒ「そうね、どうせ東京なんて言っても今更行く所もないし!
みんなもそれでいい?」
キョン「別に構わんぞ」
みくる「私も大丈夫ですぅ」
長門「・・・」コクッ
ハルヒ「じゃあ決まりね!SOS団は全員終戦記念式典に参加するわよ!!」
キョン「(何だか急に元気ハツラツになったな・・・。ハルヒがこんな顔をすると
その後にロクでもない事が起きると相場が決まってる・・・やれやれだ)」
キーン コーン カーン コーン
岡部「はーい全員席つけー」
ガヤ ガヤ ガヤ
岡部「えーっ、突然だがこのクラスに留学生が来る事になった」
キョン「(留学生?)」
谷口「先生!!女ですか!?」
岡部「残念だったな谷口、男だ」
谷口「何だ男かよ・・・」
岡部「何だとは何だ、失礼な奴だな。おーい、入ってきていいぞー!」
ガラガラ
岡部「じゃあ、自己紹介してくれ」
ルルーシュ「ルルーシュ・ランペルージです。よろしくお願いします」
ザワ ザワ ザワ
「ルルーシュだって」 「悪逆皇帝と同じ名前じゃん」ヒソヒソ
ブリタニアとは一切関係ないぞ、変な事を言わないように!」
女子A「ねぇ、よく見ると超格好良くない!?」
女子B「私も思った!イケメン、イケメン!」
谷口「フン、気に入らねぇ!」
岡部「ルルーシュくん、後ろの開いてる所が君の席だ」
ルルーシュ「分かりました」
スタスタ
ルルーシュは自分の机に鞄を置きイスに腰を下ろした
ハルヒ「・・・・怪しいわね」
キョン「何がだ?」
ハルヒ「こんな中途半端な時期に留学生が来るなんて不自然だわ!
きっと何か裏があるわよあのルルーシュって奴には!」
キョン「留学生が来るのに相応しい時期なんてあるのか?」
ハルヒ「ぜーったい何かあるわ!これはSOS団で調べる必要があるわね!」
キョン「俺の質問は無視かい・・・」
キーン コーン カーン コーン
女子A「ルルーシュくんバイバーイ!」
女子B「また明日ぁ~」
ルルーシュ「えぇ・・・(あぁ・・・やっと終わった。それにしても何て退屈な一日だ
この生活を約一年?ありえない・・・何も得るものないし、もう辞めよう)」
キョン「あのぉ~ルルーシュくん、ちょっといいかな?」
ルルーシュ「ん?何です?」
キョン「いや、あの・・・実は君に用があるって奴がいてさ。呼んで来るようにって頼まれたんだ
悪いけどちょっとだけ付き合ってくれないか?」
ルルーシュ「用があるのは向こうなのに、自ら出向かず人を使って呼び出しですか」
キョン「いや・・・本当悪いと思ってる。登校初日の放課後から面倒だろうが
君に来てもらわないと俺が怒られるんだ、頼む」
ルルーシュ「はぁ・・・・いいですよ、で?何処に行けばいいんです?」
キョン「旧館の文芸部室だ、案内するから付いてきてくれ」
ルルーシュ「(全く、面倒だな・・・)」
二人は文芸部室へ向かった
キョン「本当悪いな、面倒だろうけど辛抱してくれ」
ルルーシュ「いいですよ別に。で、その人は何の用があって俺を呼び出したんです?」
キョン「そいつはこの学校・・・いや、この国を代表する程奇天烈な女でな
この時期に留学生が来るのはおかしい、何か裏があるってんで、君に直接
留学の経緯なんかを聞きたいんだとさ」
ルルーシュ「ほぅ・・・・・ん?女?」
キョン「あぁ、呼び出したのは涼宮ハルヒ、女だ。意外だったか?」
ルルーシュ「いや、てっきり男だとばかり」
キョン「見た目は女だが中身は男みたいなもんだから間違っちゃいないかもな
とにかくとんでもない奴だから、きっと失礼な事を連呼するだろう
今の内に俺が謝っておく、本当にすまん!」
ルルーシュ「はは、そこまで言われると逆にだんだん会いたくなってきたよ
その涼宮ハルヒという人に」
キョン「後々後悔するぞその発言は・・・・。ついた、ここが文芸部室だ」
ルルーシュ「(どんな奴か知らんが、少しは暇潰しになるかな)」
ガチャッ
キョン「おーい、連れてきたぞぉ」
ハルヒ「遅いわよキョン!待ちくたびれたじゃないの!」
キョン「あのな、お前も同じクラスなんだから何もいちいち呼び出さないで
教室で話せば良かったんじゃないか?」
ハルヒ「警察だって尋問する時は個室でやるのよ?教室なんかでやったら
誰の耳に入るか分からないじゃない!」
ルルーシュ「(俺は尋問をうけるのか・・・)」
キョン「このやかましいのがさっき話した涼宮ハルヒだ」
ルルーシュ「君の前の席に座ってる人だろ?」
キョン「まだ一日目なのによくそんな事覚えてるな。特に自己紹介もしてないのに」
ハルヒ「怪しいわ・・・やっぱりアンタただ者じゃないわね!私のSOS団を内偵してる
敵のスパイか何かでしょ!?」
キョン「SOS団の敵っていったい何だよ」
ハルヒ「生徒会の連中とか!」
キョン「SOS団の内情を調べる為に生徒会がわざわざ留学生を送り込んだってのか?」
キョン「いや、0だろ!」
ルルーシュ「なぁ、さっきから言ってるエスオーエスダンってのは何なんだ?」
ハルヒ「私達の部活の名称よ!」
ルルーシュ「ここは文芸部室だろ?君達は文芸部員ではないのか?」
ハルヒ「違うわよ!部室は借りてるだけで、ここではSOS団として活動してるの!」
ルルーシュ「なるほど・・・・ところでそのSOSってのは何の略なんだ?」
ハルヒ「世界を大いに盛り上げる為の涼宮ハルヒの団!略してSOS団よ!!」
ルルーシュ「・・・・・・(想像以上だなこの女、C.Cといい勝負だ)」
キョン「(当然の事ながら呆れてるな)」
ルルーシュ「まぁいいか・・・俺に聞きたい事があるんだろ?
時間がもったいないからやるなら早くやろう」
ハルヒ「ふーん、随分と余裕じゃないの!いいわ、じゃあさっそく始めましょう!古泉くん!」
古泉「分かりました。ではこれよりルルーシュさんにいくつか質問をします。答えにくいものに
関しては黙秘していただいて構いませんが、あまり多いと涼宮さんが納得しない
恐れがありますのでできるだけ答えてください」
ルルーシュ「君は?」
ハルヒ「ちなみにそこにいるメイド姿の子は朝比奈みくるちゃん!二回目の三年生を
むかえてるダブリっ娘!そんでずっと本を読んでるのが長門有希、同学年よ!」
みくる「もぉ、涼宮さ~ん!!それは黙っててくださぁ~い!」
ハルヒ「あはは、ごめんみくるちゃん!」
ルルーシュ「(高校を留年する奴なんて会長くらいのものだと思っていたが・・・世界は広いな)」
古泉「各々の紹介も終わりましたし、そろそろよろしいでしょうか?」
ルルーシュ「どうぞ」
古泉「ではまずあなたの名前を教えてください」
ルルーシュ「そんな所から始めるのか?まぁいい・・・ルルーシュ・ランペルージだ」
古泉「出身は?」
ルルーシュ「EU、イギリス領のマンチェスター」
古泉「御両親の事を簡単に説明してください」
ルルーシュ「母の名前はメアリー・ランペルージ。極普通の専業主婦だ
父はジョン・ランペルージ。国立大学の教授をしている」
古泉「今回北高へ留学する事となった経緯を教えてください」
古泉「日本語も御上手ですし語学留学ではないですよね?
北高は取り立てて偏差値が高いわけでもなく、かと言って運動部が盛んなわけでもない
何故そのような普通の学校への留学を決めたのでしょうか?」
ルルーシュ「日本の文化に昔から興味があったから、人生経験という名目で
親に頼んで留学を許可してもらったんだ。とにかく一度日本に住んでみたくてね
日本にさえこれれば学校なんて何処でも良かったんだ」
古泉「なるほど。ではあなたはブリタニアという国をどう思いますか?」
ルルーシュ「唐突だな・・・栄光盛衰。四字熟語で表すならこれが一番しっくりくるかな
かつてはその圧倒的武力で世界を牛耳っていたが、皇帝ルルーシュが倒れ
超合衆国が成立した今ではその発言力も低く、各国に過去の戦争責任を追及される日々
まぁ、自業自得と言えばそれまでだけど」
古泉「ではこれが最後の質問です」
ルルーシュ「ん?もう最後の質問なのか?」
古泉「えぇ。ずばりあなたはこの世に宇宙人や未来人、超能力者がいると思いますか?」
ルルーシュ「それが最後の質問か?いるんじゃないかな
特に宇宙人に関してはその存在を否定してる連中の方がどうかしてる
広大な宇宙、地球以外にも生物のいる惑星があったって何ら不思議じゃない」
古泉「ありがとうございました。以上で質問は終わりです」
ルルーシュ「(この問答にいったい何の意味があるんだ?)」
ルルーシュ「採点?」
古泉「実は先ほどの質問は全て涼宮さんが考えたものなんです
あなたの回答の仕方によって涼宮さんが100を満点として採点する事になってたんです」
ルルーシュ「はぁ?その採点結果の良し悪しで何が変わるんだ?」
古泉「80点以上なら合格、それ以下ならば不合格になります」
ルルーシュ「話が全く見えんな・・・何だその合格、不合格というのは?」
古泉「合格ならばあなたは晴れてSOS団の団員に、不合格ならばこのままお帰りいただきます」
ルルーシュ「・・・・おい、俺がいつこのおかしな団に入りたいと言った?」
キョン「残念だがSOS団への入団に関してその人個人の意思はあまり関係しないんだ
ハルヒが気に入った時点で即入団。古泉や朝比奈さんもそうだった」
ルルーシュ「何て身勝手な女だ・・・。冗談じゃない!俺は御免だ!
こんな何の活動をしてるのかも分からない団に入るくらいなら、今すぐ国に帰る!」
キョン「(どんだけ入りたくないんだよ・・・まぁ気持ちは分かるが)」
ハルヒ「ちょっと何勝手に話し進めてるのよ!誰もまだアンタを合格だなんて言ってないでしょ!
国に帰るだのなんだの、そういう事は合格してから言いなさい!ていうかあんな回答で
合格できるとでも思ってるの?片腹痛いわ!SOS団を舐めないでちょうだい!」
ルルーシュ「フン、だったらさっさと不合格を言い渡してくれ!俺は忙しいんだ!」
キョン「合格なのかよ!!」
ルルーシュ「何っ!!?おいどういう事だ!?」
ハルヒ「ふふーん、予想外の合格に感無量って所かしら?素直に喜びなさいよ」
ルルーシュ「ふざけるな!!お前さっきは不合格を臭わせていただろう!?」
ハルヒ「あれは合格した時の喜びを倍にする為の作戦よ!一度落としといて持ち上げる!
その方が落差があっていいでしょ?」
ルルーシュ「何を基準に点数を決めたのか知らんが、俺はSOS団などには
絶対に入らないぞ!」
ハルヒ「新入団員が団長に口答えするなんて10年早いわよルルーシュ!!」
ルルーシュ「誰が新入団員だ!!!」
キョン「諦めろルルーシュ。こいつに目をつけられたのが運のつきだ
言い出したら物事がそうと決まるまで突き進むのがハルヒだ
理論武装で戦っても勝ち目はないぞ」
ルルーシュ「・・・・・・・・くっ!!!」
ハルヒ「その通り!!キョン、アンタもたまには良い事いうじゃない!」
キョン「おいそこ、誰も褒めたわけじゃないぞ」
古泉「いや~、ここに来て新しい団員が加わるとは意外でしたね
去年も今年も新一年生は誰も入団させなかったので、涼宮さんは現状のメンバーに
満足しているものだとばかり思っていましたが」
キョン「まだあいつが入ると決まったわけじゃないだろ?結局拒否したまま
途中で帰っちまったしよ」
古泉「涼宮さんが望んでいる以上、彼は必ずSOS団に入る事になります
我々がそうだったようにね」
キョン「しかしハルヒの奴は何でルルーシュに目をつけたんだ?
あいつの言うとおり中途半端な時期に来た留学生だからか?」
古泉「それだけではないでしょうね。何か感じるものがあったのでしょう
ルルーシュという名前もある程度関係してるのかもしれません」
キョン「悪逆皇帝か?」
古泉「えぇ、昨日言っていましたからね。皇帝ルルーシュに会いたいと」
キョン「名前が同じってだけで他はまるで違うがな。皇帝の方は茶髪じゃなくて黒髪だし
眼鏡もかけてない。名前が同じってだけで目をつけられたんだとしたら
心の底から同情するぜ」
古泉「しかし顔はどことなく似ていると思いませんか?」
古泉「何の意味もないでしょうね。涼宮さんは最初から彼をSOS団に入れるつもり
だったのでしょうから、仮にあの質問全てを黙秘したところで
結果はまず間違いなく100点だったでしょう」
キョン「はぁ~・・・・全く無意味な事ばかりする奴だ。最初から素直に入ってくださいと
お願いすりゃいいのによ。それならあんなに怒らすこともなかったろうに」
古泉「涼宮さんが宇宙人未来人超能力者を望んだ結果、僕と長門有希、朝比奈みくるが集まった
となると、ルルーシュ・ランペルージという人間もかなり怪しくなってきますね」
キョン「俺と同じただの一般人枠かもしれないだろ?」
古泉「勿論その可能性もありますが、違う可能性もあります。取り敢えず彼に関しては
機関の人間が調査する事になるでしょう。それでなくても学校関係者は
全員調べているのに、登校初日にいきなりSOS団入りですからね。もう徹底的にやると思います」
キョン「長門や朝比奈さんの意見も聞いてみたらどうだ?」
古泉「勿論御二人も調査をするでしょうね。ただ基本的に我々機関と宇宙人の一派
未来人の一派は情報交換などは一切していません。それぞれが同じ学校、同じ部室で毎日
顔を合わせてる現状は奇跡と言ってもいいです。敵対関係とまでは言いませんが
決して友好な関係とも言えません」
キョン「でもお前個人は長門や朝比奈さんに対して悪く思ってたりはしてないんだろ?」
古泉「えぇ、今のはあくまで組織同士での話です。悪く思うどころか、今はSOS団の方々に対し
当初では考えられないくらいの感情を抱いてますよ」
古泉「とにかく、何か分かったらすぐあなたに報告します」
--------
------
---
------ルルーシュのマンション
ウィーン
C.C「やっと帰ったか。随分遅かったな」
ルルーシュ「・・・・あぁ」
C.C「何だ、ご機嫌斜めだな。学校で嫌な事でもあったのか坊や?」
ルルーシュ「誰が坊やだ!少々頭の痛い連中に絡まれてノイローゼ気味なんだ
悪いが暫く一人にしてくれ」
C.C「ほぅ、たった一日でお前をそこまで弱らせるとはなかなか大した奴もいるものだな」
ルルーシュ「クソ、こんな事ならやっぱり学校など行くべきではなかった・・・」
ウィーン
ジェレミア「陛下、御帰りになっていたのですか。学校の方はどうでしたか?」
俺はもう皇帝じゃないんだ!」
ジェレミア「も、申し訳ありません陛下!!あっ・・・・」
ルルーシュ「はぁ~・・・・」
ジェレミア「あの、ところで学校の方は?」
ルルーシュ「最悪だ!よりにもよってよくもあんなとんでもない女のいる学校へと
放り込んでくれたな!!お前は事前にきちんと下調べしたのか!?」
C.C「ほぅ、お前の悩みの種は女だったのか」
ジェレミア「女!?陛下、それはもしや涼宮ハルヒという娘ではありませんか?」
ルルーシュ「ん?そうだが・・・・・何でお前があいつの事を知っているんだ?」
ジェレミア「実は今日は例の件について進展がありましたので御報告にきたのです」
ルルーシュ「例の件?機関とかいう組織ともう一人のギアス能力者の件か?」
ジェレミア「はい。どうやら機関というのはギアスを研究してる組織ではなく
ある人物の監視を目的とした組織のようです」
ルルーシュ「そのある人物というのがもう一人の能力者か?」
ジェレミア「そうです」
ジェレミア「いいえ、機関はその者を神だと認識しているようです」
ルルーシュ「神?」
ジェレミア「『すべての人や物は神であるその者が5年前にその形態や記憶を
予め保った状態で創造した』というのが彼らの考えのようです」
ルルーシュ「フン、まるで危ない新興宗教だな。だいたいそいつらは何を根拠にそんな事を言ってるんだ?」
ジェレミア「その者には自分の願望を現実に反映する事ができるという特殊な
能力があるというのはアーニャから聞きましたよね?」
ルルーシュ「あぁ、なるほど。その能力を目の当たりにしてそいつを神だと誤解しているのか
人知を超えた力である事は事実だから分からなくもないが、それだと過去の俺も
機関とやらからは神に見えたわけか」
ジェレミア「いえ、どうやらその者の力はギアスとは全く無関係の物だったようです」
ルルーシュ「なに!?ギアスじゃないだと!?」
ジェレミア「はい、ギアスよりももっと強い能力。機関の者曰く、ギアスという能力すら
その者の願望によって生み出されたものだと」
ルルーシュ「馬鹿な・・・・だいたい何故ギアスじゃないと断言できる?」
ジェレミア「その者が能力を得たのは5年前。5年前と言えばV.Vもシャルル前皇帝陛下も
もうこの世にはいませんし、唯一のコード所有者は陛下のみです。
つまりその者がギアス能力者であるならば、陛下が契約者でないと説明がつきません」
つまりその者の能力はギアスではなくもっと別の何かというわけです」
ルルーシュ「待て、その5年前という数字は何故そう言いきれる?」
ジェレミア「機関の者曰く、『分かるから』だそうです。5年前のある日彼らは
その者に力を与えられ超能力者となり、何故そうなったのか、力を与えたのは誰なのか
という事を同時に認識したそうです」
ルルーシュ「超能力者?機関の連中は超能力を使えるのか?」
ジェレミア「どうやらそのようです。ある一定の条件を満たすと、人知を超えた力を
自在に扱う事ができるとか」
ルルーシュ「それもギアスとは関係ないのか・・・」
C.C「ギアスだって端から見たらとても信じられない能力なんだ。他にもおかしな能力
があったって何ら不思議ではないだろう。寧ろギアスという非現実的な能力の存在を
知ってるお前は、もっとあっさり他の能力の事を理解してもいいと思うぞ」
ルルーシュ「・・・・・」
ジェレミア「そして、ここからが一番大事なところなのですが」
ルルーシュ「なんだ?」
ジェレミア「機関が神と崇めている者、その者こそが陛下と同じ学校に通っている
涼宮ハルヒという娘なんです」
ルルーシュ「何だと!!?」
ジェレミア「現在涼宮ハルヒは機関の監視下にあります。と言っても涼宮ハルヒ本人は
監視されてるなどという自覚は全くないようですが」
ルルーシュ「という事は当然あの女の周りの人間に関しても調べているんだろうな」
ジェレミア「えぇ、恐らく今回の事で陛下もその対象になっているかと」
ルルーシュ「機関とやらがどの程度の組織かは知らんが、どんなに調べた所で
俺の正体がバレるような事はまずないだろう。情報操作は徹底してあるからな」
ジェレミア「それは間違いありません!どんなに調べても今の陛下は
EUイギリス領出身の留学生、ルルーシュ・ランペルージという情報しか出てきません」
ルルーシュ「ならば問題はないな」
ジェレミア「ただこれも信じ難い情報なのですが・・・」
ルルーシュ「何だ?」
ジェレミア「涼宮ハルヒを監視しているのは機関だけでなく、宇宙人と未来人も
同様の事を行っているようで・・・」
ルルーシュ「超能力者の次は宇宙人に未来人か・・・・もうわけが分からんな」
ジェレミア「現代の人間ならまだしも、宇宙人の一派や未来人の一派の情報収集力は
我々の常識でははかれません」
ルルーシュ「こちらの情報操作など簡単に見破られる可能性もあるという事か」
手を誤ると何をされるか分かったものじゃないな」
C.C「監視対象の近くに現れた人物が実は死んだはずの悪逆皇帝ルルーシュだった
そんな事がバレたら確かに何をされるか分からんな。まぁ無事では済まないだろう」
ジェレミア「御安心を、何があっても陛下の事は私が御守りします!」
ルルーシュ「・・・いつ正体がバレるか分からない以上、こちらから手を打つ必要があるな
涼宮を一番近い所で監視している末端の人間と話をする必要があるか・・・」
C.C「ではまずその末端の連中を探し出すところからだな」
ルルーシュ「いや、もう目星はついてる」
C.C「ほぅ」
ジェレミア「流石は陛下・・・・」
ルルーシュ「機関や涼宮の件は俺に任せてくれ。お前は引き続きコードの件を頼む」
ジェレミア「イエス・ユア・マジェスティ」
C.C「フン、何だか楽しそうだなルルーシュ」
ルルーシュ「ずっと退屈な生活をしてきたからな。正直こんなにワクワクするのは久しぶりだ」
C.C「やれやれ、相手はかつてのブリタニアよりもたちの悪そうな連中だと言うのに
ま、返り討ちに合わないように気をつけるんだな」
キーン コーン カーン コーン
キョン「・・・・・」
ルルーシュ「・・・・さっきからずっと俺の近くにいるが、涼宮に部室に連れて来いとでも
頼まれたのか?」
キョン「あぁ、家に帰す前に何が何でも連れて来いとさ」
ルルーシュ「お前も大変だな。で、あいつは?」
キョン「とっくに部室に行ったよ。SOS団なんてもんに関わりたくないってのは
当然の心理だが、あいつが入れると言った以上逃げ切るのは至難の業だぞ?」
ルルーシュ「誰が逃げると言った?」
キョン「へ?でもお前昨日は」
ルルーシュ「昨日は突然の事で驚いていただけだ。家で冷静に考えた結果
部活に入るのも悪くはないと思ってね」
キョン「部活どころか同好会として認められてるかどうかも怪しい集まりだぞ?いいのか?」
ルルーシュ「人生経験さ、ああいう奇妙な女に付き合ってみるのも悪くない」
キョン「悪い事だらけだぞ・・・・ま、部活に来てくれるなら俺は助かるが」
ルルーシュ「宇宙人や未来人、超能力者を見つけて一緒に遊ぶ?」
キョン「あぁ、それがハルヒがSOS団を結成した理由だ。笑っていいぞ」
ルルーシュ「主な活動内容は?」
キョン「特に何も。基本放課後は部室で各々時間潰して終わりだ。俺と古泉はゲーム
朝比奈さんはお茶入れ、長門は読書でハルヒは・・・何してるんだろうなあいつは?」
ルルーシュ「まるで娯楽部だな」
キョン「ただ月に何回か貴重な休日を潰される事もあるぞ」
ルルーシュ「その時は何をしてるんだ?」
キョン「特に何も。不思議探しと銘打って、街を散策して丸一日を棒に振るだけだ」
ルルーシュ「つまりまとめると、SOS団というのは特に何かをする部活ではないという事か?」
キョン「まぁそういうことになるな。前言を撤回するなら今だぞ?」
ルルーシュ「いや、一度入ると決めた以上入るよ。ま、場合によっては途中で抜けるかも
しれないけどな」
キョン「それができるなら俺がとっくにそうしてるさ。それをさせてくれないのが涼宮ハルヒだ」
ルルーシュ「確かに手強そうだな。そうだ、お前今夜時間はあるか?話したいことがあるんだが」
ルルーシュ「あぁ。どうだろう?都合が悪いようなら日を改めるが」
キョン「別にいいぜ。時間と場所は?」
ルルーシュ「深夜1時に北高のグランドに来てくれ。古泉一樹や長門有希
朝比奈みくるも呼んである」
キョン「古泉達も?というか1時って随分遅いな・・・・」
ルルーシュ「明日は土曜で休日なんだ、少しくらい遅くても問題ないだろ?」
キョン「まぁな」
ルルーシュ「それじゃあよろしく頼む」
キョン「(話したい事か・・・古泉の言うとおり本当にあいつもただ者じゃないのか?
実は異世界人ですだなんて告白だったら引っくり返るぞ
それにしても俺だけじゃなく古泉達まで呼んだってのはいったい・・・)」
ルルーシュ「(これで条件は全てクリアされた。後はC.Cとアーニャを忍ばせれば・・・)」
ガチャッ
キョン「うーっす」
ハルヒ「遅いわよキョン!ちゃんとルルーシュを連れてきたんでしょうね!?」
キョン「連れてきたさ、後ろを見ろ」
ルルーシュ「別に連れてこられたわけじゃない。俺は自分の意思でここに来たんだ」
ハルヒ「ふーん、それはつまりSOS団に入るって事かしら?」
ルルーシュ「あぁ、そうとってもらって構わない」
ハルヒ「随分素直ね、昨日とはえらい違いだわ!私に逆らっても無駄だって事を
この一日で悟ったようね!なかなか賢いじゃないの!」
ルルーシュ「(このやかましい女の何処にそんな力があるというんだ・・・
願望を現実に反映する事ができる能力。あれだけ拒否していた俺が結局SOS団に入ったのも
やはりこいつの能力が影響しているのか?)」
古泉「いや~、仲間が増えるというのは良い事ですね。改めまして、古泉一樹です
よろしくお願いしますルルーシュさん」
ルルーシュ「ルルーシュ・ランペルージです。こちらこそよろしく」
古泉「しかしそのお名前ですと、これまで嫌な思いをした事も多々あるんじゃないですか?」
病院や学校なんかでは何度か気まずい経験をしたよ」
みくる「誰もが知ってる名前ですもんねぇ」
ルルーシュ「えぇ、まぁ一生ついて回る事でしょうから今は特に気にしてません」
ハルヒ「ねぇ、一応聞くけどアンタ皇帝ルルーシュの親戚とかじゃないわよね?」
ルルーシュ「は?」
ハルヒ「だって珍しいでしょルルーシュなんて名前?」
ルルーシュ「名前が同じだからって何で親戚である可能性を疑う
せめて苗字が同じなら分かるが」
ハルヒ「じゃあ違うの?」
ルルーシュ「残念ながらな」
ハルヒ「なーんだ、つまんない」
キョン「何がつまらんのか知らんが、仮にこいつが悪逆皇帝の親類だとしたら
それはつまりルルーシュ自体もブリタニア皇族って事だぞ?ありえんだろ
まぁブリタニアは皇族制自体もう廃止されてるが」
ルルーシュ「俺が皇帝ルルーシュの親戚だとしたら、お前は何をするつもりだったんだ?」
ハルヒ「そんなの決まってるじゃないの!皇帝ルルーシュの謎を解き明かす為に
アンタを辿って他の旧ブリタニア皇族に会っていろんな情報を聞き出すわ!」
ハルヒ「そうよ!皇帝ルルーシュには謎が多いの!私はその謎を解き明かしたいのよねぇ
それには当時皇帝の近くにいた、或いは近くにいた可能性のある人の話を聞くのが一番でしょ?」
ルルーシュ「具体的にどの辺りが謎なんだ?」
ハルヒ「まず一番の謎は何であんなにすんなり皇帝の座に座れたのかって事ね!」
ルルーシュ「前皇帝のシャルルを殺し、その事を世界に公表したからだろ?
確か一連の流れが生中継されてたはずだが」
ハルヒ「皇帝を殺した事とその後そいつが皇帝になる事は直結しないわ!
だいたいそんな事で他の皇族達が納得するわけないじゃない!」
古泉「確かにそうですね。当時のブリタニアは皇族同士が次の皇帝の座を巡り
競い続けていたようですし、急に現れた皇族が皇帝を殺したから
次期皇帝には自分がなると言ったところで納得できるものは一人もいないでしょう」
キョン「でもみんな納得して大合唱してたじゃないか。オール・ハイル・ルルーシュって」
ハルヒ「それがおかしいのよね!第一皇女のギネヴィアなんかはルルーシュの事を最初
しれ者って言ってたのよ?それがいきなり人が変わったように・・・・怪しすぎるわ!」
ルルーシュ「・・・なるほど、それがお前の言う皇帝ルルーシュの謎か」
ハルヒ「他にもいっぱいあるんだけどね、まぁそれはいいわ
今日は決めなきゃいけない事もあるし」
ハルヒ「修学旅行の件に決まってるじゃない!もう一ヶ月しかないのよ!?」
キョン「この間まで修学旅行なんて特に興味ないって言ってたのは何処の誰だ・・・」
ハルヒ「あの時はあの時、今は今よ!」
キョン「どうせ終戦記念式典の話を聞いて気が変わったんだろ?
そんなにゼロに会いたいのか?」
ハルヒ「うるさいわね!アンタだって会いたそうにしてたじゃないの!!」
ルルーシュ「終戦記念式典?さっきから何の話をしてるんだ?」
古泉「そういえばあなたにはまだ話していませんでしたね。実は一ヵ月後三年生には
修学旅行というイベントがあるのですが、その行き先が東京でして」
ルルーシュ「なに!?東京!!?」
古泉「?どうかしましたか?」
ルルーシュ「い、いや・・・続けてくれ」
古泉「その日にちと東京で行われる終戦記念式典の日にちが丁度重なっているので
戦没者を追悼する為我々も出向こうという話を以前していたんですよ」
ルルーシュ「そうか・・・」
キョン「まぁそれは建前で、本音は生でゼロを見てみたいだけなんだけどな」
とテレビでやってたな。なるほど、本命はそれか」
キョン「で、今更お前は何を決めようって言うんだ?」
ハルヒ「別の日に行くところよ!他に何があるっていうのよ?」
キョン「は?」
ハルヒ「修学旅行は三泊四日なのよ?三日目は式典に出るって決まったけど
二日目の自由時間はまだ何処に行くのか全然決めてないじゃない!!」
キョン「そういやそうだったな」
みくる「あのぉ、私遊園地に行きたいですぅ」
ハルヒ「却下!!」
みくる「ひぇ・・・・」
キョン「じゃあスカイツリーなんてどうだ!?戦後日本復興の象徴、一度は登ってみたいだろ?」
ハルヒ「それも却下!!」
キョン「・・・あのなぁ、じゃあお前は何処で何がしたいんだ?」
ハルヒ「残念だけど、何をするかはもう決まってるの!
決まってないのは何処に行くかという事だけよ!」
キョン「はぁ・・・じゃあまず何をするのかを発表してくれ・・・」
人口の多い東京ならきっと何かがあるはずだわ!それを探すの!」
キョン「orz・・・・・せっかくの修学旅行時にまであんな事をせにゃならんのか」
ハルヒ「何よ、何か文句でもあるの?」
キョン「・・・いいや」
ルルーシュ「なるほど、それで何処を探すのかを決めようとしていたのか」
ハルヒ「そう!流石に東京中を探索するわけにもいかないし、ある程度場所に狙いを定めて
やろうと思ってるの!何処がいいと思う?個人的には租界の外がいいと思うんだけど!」
キョン「租界の外はまだ治安が悪いから出歩くなと岡部が言ってただろ」
ハルヒ「フン、岡部の諸注意なんてSOS団には関係ないわ!ここでは私がルールブックよ!」
ルルーシュ「じゃあ新宿ゲットーなんてどうだ?」
ハルヒ「その心は?」
ルルーシュ「最近は復興が進んできているようだがあそこは元々戦地だ
面白いものが眠っている可能性があるかもしれないぞ?それに」
ハルヒ「それに?」
ルルーシュ「新宿ゲットーといえばゼロが最初に行動を起こしたとされる場所だ
ファンとしては一度行ってみたいんじゃないのかと思ってな」
キョン「いや、俺も違うぞ・・・」
ルルーシュ「でも面白そうな場所だと思うぞ、不思議を探すのにはもってこいだ」
ハルヒ「うーん、そうね!じゃあそうしましょ!!行き先は新宿ゲットーで決まり!
みんなもいいわね?」
古泉「えぇ」
長門「・・・・」コクッ
みくる「ゲ、ゲットーなんて行って大丈夫なんですかぁ?怖い人がいっぱいいるんじゃ・・・」
ハルヒ「大丈夫よみくるちゃん!SOS団に手を出そうなんて不逞の輩が現れたら
私がケチョンケチョンにしてあげるから!!」
みくる「は・・・はぁ」
キョン「ったく、何でお前はそんなに積極的なんだ?」
ルルーシュ「早いところ意見を出しとかないとあいつの事だ、新宿ゲットーよりも
更にタチの悪そうな場所を選択しかねないだろ?」
古泉「確かにそうですね、賢明な判断だと思います」
キョン「はぁ~・・・・」
古泉「えぇ、僕も言われましたよ。話したい事があるので1時にグランドに来てくれとね」
キョン「長門や朝比奈さんにも声をかけてあるらしいが、あいつは何を話そうとしているんだ?」
古泉「さぁ、皆目検討もつきませんね。ただいちいち呼び出すくらいですから
重要な話である事は間違いないでしょう」
キョン「機関の調査とやらの結果はどうだったんだ?」
古泉「昨日の今日ですからまだ十分に調べられてはいませんが
彼が部室で答えた内容に関しては全て裏が取れました」
キョン「部室で答えた内容?あぁ、家族構成やら出身地の事か」
古泉「えぇ、ある程度捏造してるかと思っていましたが、どうやら全て事実のようです
彼はEUイギリス領出身のルルーシュ・ランペルージで間違いありません
ただ、分かったのはそれだけでまだ何者であるかという事までは不明ですが」
キョン「異世界人である可能性もあるのか?」
古泉「えぇ、ですから今後も調査は続ける予定です」
キョン「いっその事今夜本人に聞いてみたらどうだ?その方が話が早いだろ」
古泉「仮に彼が異世界人だとして、その勢力の規模も、我々の敵なのかそうでないのかも
分かりませんからね。正体が分かるまでそのような行為はできません」
できるだけこちらの正体が悟られないよう、慎重に調べる必要があるので
直接聞くというのはやはり難しいでしょうね」
キョン「今夜の話とやらで向こうから正体を明かしてくれるかもしれんぞ?」
古泉「どうでしょう、それなら助かりますが・・・」
キョン「それに俺と同じようにただの一般人である可能性だって微量ながらあるんだろ?」
古泉「本当に微量ですがね。涼宮さんが絡んでいる以上、やはり彼は普通の人間だとは
思えませんが」
キョン「はぁ~、どうなることやら」
------
---
-
-----深夜1時半(北高グランド)
キョン「ハァ、ハァ、すまん遅くなった!」
古泉「珍しいですね、あなたがここまで約束の時間に遅れるというのは」
キョン「11時くらいにウトウトしちまって・・・すいませんでした朝比奈さん」
みくる「大丈夫です!気にしないでください」
長門「・・・いい」
キョン「ルルーシュ、本当に・・・・ってあれ?ルルーシュもまだ来てないのか?」
古泉「えぇ」
キョン「フー、助かったぜ。あいつ怒ったら怖そうだからな」
古泉「それにしても、自分で呼び出しておいて30分以上も遅刻というのは
少々引っかかりますね」
キョン「まさかすっぽかしたのか?」
古泉「流石にそれはないと思いますが・・・」
みくる「あ、来ましたよルルーシュ君!」
昇降口方面から歩いてきたルルーシュがキョン達と少し離れた場所で立ち止まる
ルルーシュ「やっと全員揃ったか・・・随分と待たせてくれたなキョン」
キョン「何言ってんだ!俺よりもお前の方が遅いじゃないか!」
古泉「もしかして、実はとっくにこちらへいらしていたのですか?」
ルルーシュ「あぁ、君達が来るずっと前からね」
古泉「分かりませんね、では何故早々に姿を現さなかったのですか?」
お前達はまず俺の質問にだけ答えてもらう」スッ
古泉「!!!」
ルルーシュが右手を上げると上空から二機のナイトメアが猛スピードで降下し
キョン達を囲むように着地して、ライフルの銃口を四人に向けたまま静止した
ドスン! ドスン!
キョン「ぬわっ!!」
みくる「きゃぁぁぁぁぁ!!!」
長門「・・・・」
古泉「やはり一筋縄ではいきませんね・・・」
キョン「ナ、ナイトメア!?どうしてこんな所に??おいルルーシュ、お前の仕業か!?」
ルルーシュ「見れば分かるだろ」
古泉「これはヴィンセント・・・ブリタニアが戦時中に開発した第七世代のナイトメアフレームですね
そしてこっちのは・・・まさかモルドレッド!?」
キョン「おい、何だそのモルなんちゃらってのは?」
ナイトオブシックス、アーニャ・アールストレイム卿の専用機です」
キョン「ナイト・オブ・ラウンズの専用機だ?何でんなもん持ってんだよ・・・
ルルーシュ、お前は何者なんだ!?」
ルルーシュ「俺が何者であるかという前に、まずはお前達の事をはっきりさせてもらおう」
古泉「しかし手荒ですね、銃口を突きつけられた状態での問答は最早脅迫ですよ?」
ルルーシュ「こうでもしないとお前達とは対等に話が出来そうになかったのでな
何しろ宇宙人に未来人、超能力者が相手では、このくらいやらないと
我が身の安全も保障できない」
キョン「!!?」
みくる「ふぇっ・・・」
古泉「既に御存知でしたか、我々の正体は」
ルルーシュ「あぁ、だが誰がどれに当てはまるのかまではまだ半信半疑でな
まずはそこから答えてもらう。機関に所属している超能力者は・・・古泉、お前か?」
古泉「御名答です」
ルルーシュ「では未来人は?」
みくる「わ、私ですぅ・・・」
ルルーシュ「宇宙人は?」
ルルーシュ「大方予想通りだな。だがこれだけはいくら考えても分からなかった
キョン、お前はいったい何なんだ?涼宮の近くにいる以上、お前もタダ者ではないんだろう?」
キョン「残念だが俺はタダ者だ。宇宙人でも未来人でも超能力者でもない
普通の人間だ」
ルルーシュ「・・・・」
ルルーシュは古泉を見る
古泉「彼の言っている事は事実ですよ!嘘ではありません。というか、この状況で嘘はつけません」
ルルーシュ「・・・まぁいいだろう」
古泉「その物言いですと、涼宮さんの能力に関しても御存知のようですね」
ルルーシュ「あぁ、お前達機関の人間があいつを神と崇めてる事もな」
古泉「厳密に言うとそれは少し違います。機関の中でも意見が割れてましてね
神と崇める者もいれば、そうでないと主張する者もいます」
ルルーシュ「お前はどっちなんだ?」
古泉「前者です」
ルルーシュ「フン、だろうな」
キョン「おいルルーシュ、このナイトメア何とかならんか!?
さっきから朝比奈さんの震えが止まらんのだが・・・」
ルルーシュ「心配しなくても、お前達が何もしなければこちらも何もしない
さっきも言ったがこれはあくまで俺がお前達と対等に話す為に必要な演出にすぎない」
キョン「だそうです、大丈夫ですよ朝比奈さん」
みくる「ふぇぇ・・・怖いぃ」ガクガク
古泉「そろそろ答えていただきませんか?先ほど何故早々に姿を見せなかったのかという問いと
あなたの正体に関して」
ルルーシュ「俺が姿を見せなかったのは、お前達を観察していたからだ」
古泉「観察?」
ルルーシュ「宇宙人の勢力、未来人の勢力、超能力者の勢力がどの程度の
結びつきを持っているのか、それを確認する為だ。警戒する謎の留学生からの突然の呼び出し
お前達に横の繋がりがあるのなら、俺が来るまでの間にある程度話し合いをするはずだからな」
古泉「なるほど」
ルルーシュ「しかし、話し合いどころか長門有希は終始沈黙し続け、朝比奈みくると古泉一樹
の間にも会話らしい会話は殆どなかった。つまりお前達の勢力に横の繋がりはなく
俺に関する事も一切情報交換をしておらず、尚且つ今夜ここに無策で来たという推測が立った」
キョンの遅刻は少々気にはなったが、彼が加わった後も観察を続けたところで
何か変化が起こるとは思えなかったのでな」
古泉「もし観察中に我々が怪しい行動、話合いをしていた場合は
どうする予定だったんです?」
ルルーシュ「今夜は姿を現さず、諦めて家路に向かうお前達を個別に拉致し
一人ずつ尋問する予定だった」
キョン「なっ・・・・」
みくる「ひぃぃぃ・・・」
ルルーシュ「正直それはあまりしたくなかったから、お前達に横の繋がりがなくて
感謝しているところだ」
キョン「で?ルルーシュ、お前はいったい何者なんだ!?いい加減教えてくれ!」
ルルーシュ「百聞は一見にしかず。口で説明するよりもこうした方が早いな」バサッ
ルルーシュはフェイスマスクとカツラ、眼鏡を外しキョン達に素顔を見せた
キョン「!!?」
古泉「これは・・・」
長門「・・・」
みくる「ふぇぇぇ!?こ、皇帝ルルーシュ!!?」
キョン「嘘だろおい・・・皇帝ルルーシュはゼロに殺されたはずじゃ」
古泉「衆人環視の中で確かに刺されたはず・・・何故生きているのです?」
ルルーシュ「何故生きているかか・・・そうだな、まずはその説明が必要か
古泉、お前ギアスという能力を知っているな?」
古泉「えぇ」
キョン「何だ、そのギアスってのは?」
古泉「王の力と呼ばれる他者の思考や人体に干渉する特殊能力の事です
そういえばあなたにはまだ教えていませんでしたね」
キョン「思考や人体に干渉する能力?そりゃまんまハルヒの謎パワーの事じゃねーか」
古泉「涼宮さんの能力はギアスとは関係ありません。一時期我々もその可能性は疑ったのですが
ギアスはコードを所有している者との契約がなければ発現しない能力です
しかし過去に涼宮さんがそういった者と接触したという事実はありませんでした」
キョン「コード?また新しい言葉が出てきたぞ・・・何が何だか分からん」
古泉「恐らく僕よりも長門さんの方が御詳しいでしょう、説明していただけますか?」
長門「ギアスというのは個人の努力等で得られる力ではない。不老不死のコードというものを
所持している者と契約して始めて得られる力」
能力発動の際には片目、或いは両目から赤い鳥のような紋章が浮かび上がり
コード所有者以外の者なら誰でも使用可能」
キョン「何だそれ・・・」
長門「ギアスは使用し続けるごとにその力を増していく。力を制御しきれなくなると暴走し
ONとOFFの切り替えができなくなる。しかしそれらを乗り越え、一定以上に能力を増大
させた者は、ギアスを失い不老不死のコードを得て新たな媒介者となる」
ルルーシュ「そこまで調査済みとは恐れ入った。流石は宇宙人といったところか
やはり情報戦では勝ち目は無かったようだ。こちらから正体を明かしたのは正解だったな」
キョン「いやちょっと待て、そのギアスってのと死んだはずのアンタが生きてる事と
何の関係があるんだ?」
古泉「つまりあなたはコードを所有しているギアスの媒介者という事ですね?」
ルルーシュ「そういう事だ、理解が早くて助かる」
キョン「は?つまりこいつは不老不死って事か?」
古泉「えぇ、だからゼロに刺されても死ななかったのでしょう」
ルルーシュ「俺がまだ生きている理由、御理解いただけたかな?」
ルルーシュ「何だ?」
古泉「何故そんなあなたがわざわざ変装までしてこの学校に通っているのです?
何か理由がないと到底理解し難いのですが」
キョン「まさか皇帝の座に返り咲く為にハルヒの力を利用しようとしてるのか!?
だから北高に入って俺たちに近づいたとか?」
古泉「恐らくそれはないでしょう。さっきも言いましたが彼はギアスの媒介者です
元の地位に返り咲く為に人知を超えた力が必要ならば、わざわざ涼宮さんに近づかずとも
自ら手当たり次第に契約者を作り、利用すればいいだけです」
ルルーシュ「それに先に近づいてきたのは俺ではなく、お前達の方だろ」
キョン「そ、そういえばそうだな・・・」
ルルーシュ「涼宮の能力の事は昨日知ったばかりだ。俺が北高に入った理由に
涼宮は一切関係してないし、他に特別な理由もない。この学校に入ったのは・・・
そうだな、軽いアクシデントのようなものだ」
古泉「それは本当ですか?」
ルルーシュ「あぁ。それに俺が北高に来た理由付けなら、最も納得のいく解釈が他にあるだろう?」
古泉「何です?」
ルルーシュ「『涼宮ハルヒがそれを望んだから』これで十分だろう?特にあの女を神と
崇めてるお前にとってはな」
そのような事を口に出していましたし」
ルルーシュ「あいつは心のどこかで皇帝ルルーシュ、或いはゼロに会いたいと願ったのだろう
その結果俺がここへ来る事になってしまったわけだ」
キョン「ん?何でそこでゼロが出てくるんだ?皇帝ルルーシュに会いたいと願って
お前が来るのは分かるが、ゼロに会いたいと願ってお前が来るってのはおかしいだろ」
ルルーシュ「何もおかしな事はないさ。何故なら、ゼロの正体は俺なのだからな」
キョン「・・・・・・は?」
みくる「ふぇ・・・!?」
ルルーシュ「厳密に言うと、だったと言った方が正しいか」
キョン「何をわけの分からん事を言ってるんだ!あんたがゼロ!?ありえないだろ!」
ルルーシュ「何故ありえない?」
キョン「だってあの時アンタを刺したのはゼロで・・・」
ルルーシュ「あの時仮面を被っていたのが本物であると証明できるのか?
偽者かもしれないぞ?」
キョン「いや・・・そりゃそうだが」
ゼロの正体を知っている者にしかできませんよ」
ルルーシュ「その通りだ。自分で言っておいて何だが、そもそもゼロの正体に
本物も偽者もないんだよ。ゼロというのは個人を示す名前ではなくあくまで記号だからな」
キョン「言っている意味がさっぱり分からんのだが」
古泉「つまりあの仮面を被れば誰もがゼロになり得るわけで、それを本物か偽者かと
追求することに何の意味も無いという事ですか?」
ルルーシュ「そういうことだ」
キョン「無茶苦茶な理論だな・・・」
古泉「しかしその場合ですと、涼宮さんがゼロを望んだ場合過去にあの仮面を被った経験のある
人々全員が召喚対象になります。確か終戦間際、黒の騎士団は日本人を中華連邦に移す為
100万人近い人々にゼロの格好をさせた事がありましたよね?候補者の数は膨大です
何故そのような人数の中からあなたが選ばれたのでしょうか?」
ルルーシュ「推察だが、涼宮の中のゼロとはただ姿形を似せた者ではなく
実際に黒の騎士団を率いブリタニアと戦っていた者の事なんだろう」
古泉「つまり、あなたがそうだと?」
ルルーシュ「あぁ。クロヴィスを殺したのも、黒の騎士団を結成したのも、ブラックリベリオンを
仕掛けたのも全部俺だ」
キョン「百歩譲ってそれが本当だとして、じゃあ何でお前は終戦間際自分で作った黒の騎士団と
戦ってたんだ?それもゼロとしてではなく、皇帝ルルーシュとして!意味が全く分からん!」
あなたがゼロであったという事を信じることなど出来るわけがありません」
ルルーシュ「別にいいが、かなり長くなるぞ?」
古泉「僕は構いませんよ」
キョン「俺も大丈夫だ。説明できるもんならしてみろ!」
ルルーシュ「そうだな・・・何処から話せばいいだろう。
まずは俺がブリタニアにいた頃から話をしようか」
ルルーシュは自分がゼロになった理由と
クロヴィス殺害からゼロレクイエムを起こすまでの経緯を事細かに説明した
ルルーシュ「以上だ、何か質問はあるか?」
キョン「・・・・・・・・・・・じゃ、じゃあ何だ・・・今ゼロの仮面を被ってるのは
巷じゃ裏切りの騎士って言われてるあの枢木スザクだってのか?」
ルルーシュ「あぁ。さっきそういっただろ?」
みくる「ふぇぇぇ・・・そんな裏事情があったなんて・・・」
ゼロの仮面を被せた枢木スザクに討たせる!結果世界は愚かな戦争を止め
話し合いという手段でもって外交を行うようになる。悪の元凶たる皇帝ルルーシュを討ち滅ぼした
ゼロは正義と平和の象徴として人々の心の支えになる。まさに今の世界そのままですね」
ルルーシュ「勿論今話した事を裏付ける証拠は何処にもない。信じるか信じないかは
お前達次第だ」
古泉「ここまで明確な回答をいただいた以上信じないわけにはいきませんよ
それにしても、まさかあの大事件にそのような裏があったとは・・・・面白いですね」
キョン「駄目だ・・・まだ頭の整理が追いつかん」
古泉「事件後は身を潜めて生活していたが、涼宮さんの能力が作用した結果
あなたは北高へ通う事となり、我々と相対する現状へと至ったわけですね」
ルルーシュ「そうだ。正直お前達の正体を知った時はどうしたものかと悩んだが
下手な嘘をつくより全てを話し、理解を求めた方が安全だと思ってな」
古泉「だから自ら告白なさったのですか」
ルルーシュ「こちらから正体を明かすのと、黙っていた正体をお前らに明かさせるのとでは
その後の関係性を考えても雲泥の差だからな。お前らが相手では
何をされるか分かったもんじゃない」
古泉「機関は基本話し合い重視ですので、後からあなたの正体が割れたとしても
手荒な真似はしなかったと思いますよ」
ルルーシュ「お前の組織じゃない、俺が恐れていたのはこの二人の組織だ」
長門「・・・・・・」
古泉「なるほど、そうでしたか。まぁ、確かに分かる気がします
僕が逆の立場でも、恐らく一番脅威に感じるのは朝比奈さんや長門さんの一派でしょうし」
みくる「わ、私達も乱暴な事はしませ~ん!」
ルルーシュ「お前はどうなんだ長門有希?」
長門「・・・時と場合による」
ルルーシュ「フン、やはりこちらから打ち明けたのは正解だったか」
古泉「それで、あなたはこれから我々とどのような関係を築きたいとお考えなのでしょうか?」
ルルーシュ「互いに不利益になるような事は避け、互いに干渉しない関係というのはどうだろう?
今のお前達は実際そんな感じなのだろう?」
古泉「まぁそうですね。ただ我々は時と場合によっては干渉しあったりもしますよ?」
ルルーシュ「そうなのか?まぁその辺はお前達に合わせるさ。この中では一番後輩だしな」
キョン「話がまとまったならとっとこのナイトメアと、俺たちに向けられた銃を何とかしてくれ
さっきから生きた心地がせん」
ルルーシュ「あぁ、そうだな。C.C、アーニャ、もういいぞ!」
ナイトメアのコクピットハッチが開き中から二人の女性が姿を現した
アーニャ「・・・終わり?」
ルルーシュ「あぁ、終わりだ。話はついた、ご苦労だったな」
C.C「全く、こんな夜中に迷惑な話だ。夜更かしは美容の敵だというのに
ルルーシュ、この貸しはでかいぞ?」
キョン「パイロットは女だったのか(しかも両方可愛い!)」
古泉「元ナイト・オブ・シックス、アーニャ・アールストレイム・・・どうやら本物のようですね」
キョン「元ラウンズが護衛かよ、どうなってんだあいつのコネクションは?」
古泉「こちらの御二人はあなたの協力者ですか?」
ルルーシュ「そうだ。アーニャの事は知ってるみたいだな、いい機会だからもう一人の方も
紹介しておいてやる。あいつはC.C、俺の前にコードを所持していた者だ」
古泉「つまりあなたにギアスを与えた人物ですね」
ルルーシュ「あぁ、今はコードもギアスも持たないただの人間だがな」
C.C「フン、ただの人間でいられる事の喜びはお前達には分かるまい」
みくる「あ、あのぉ・・・私の顔に何かついてますかぁ?」
アーニャ「・・・・・・」ジー
みくる「・・・・あのぉ」
アーニャ「・・・・・・」ジー
みくる「ひぃぃぃ、キョンくーん!」ガバッ
キョン「だ、大丈夫ですか朝比奈さん!おい、あんたさっきから何で
朝比奈さんを凝視してるんだ?怖がってるじゃないか!」
アーニャ「・・・・なんか、声が似てるから」
長門「・・・・・・」
C.C「確かお前が宇宙人だったな、ずっとモニターで見ていたが
お前さっきから顔色一つ変えんな・・・・不感症か何かか?」
ツンツン
C.Cは指で長門の脇腹を突き始めた
ツンツン ツンツン ツンツン
長門「・・・・・・・」
あまり刺激するな!」
C.C「他人に止めろと言われると止めたくなくなるのは何でだろうなルルーシュ」
ツンツン ツンツン ツンツン
ルルーシュ「止めろと言っているだろ!?相手は宇宙人だぞ!?」
ツンツン ツンツン ツンツン
長門「・・・・・・・・・止めて、くすぐったい」
C.C「お?ようやく反応したか!もしかして怒ってるのか?」
長門「・・・・・」
C.C「何だ、ちゃんと感情があるんじゃないか。だったら能面ぶってないで
もっと表情に出したらどうだ?その方が人生楽しいぞ」
長門「・・・・・」
古泉「では僕はこの辺で失礼させていただきます。今夜は有意義な会談が出来て
本当に良かったです。これからよろしくお願いします」
ルルーシュ「こちらこそよろしく頼む」
古泉「では、失礼します」
キョン「じゃあ俺達も帰りましょうか朝比奈さん」
朝比奈「はい・・・・」
ルルーシュ「先輩は俺が送りますよ、この時間帯に年頃の女性の一人歩きは危険ですからね」
キョン「なに?・・・・お前よからぬ事を考えてるんじゃないだろうな?」
ルルーシュ「フン、お前じゃあるまいし」
キョン「何だと!?」
朝比奈「だ、大丈夫です!私一人でも・・・」
アーニャ「駄目、危ないから私がモルドレッドで送っていく」
朝比奈「へ?へ?モルドレッドでってどういう意味で・・・キャー!!!」
アーニャは無理矢理朝比奈さんを担ぎモルドレッドのコックピットに乗せ
機体を発進させた
バシューッ
キョン「・・・・なんて強引な奴だ。ハルヒ級だな」
ルルーシュ「長門有希、一応聞くがお前は夜道大丈夫なのか?心配なら送っていくが?」
長門「大丈夫」
長門「・・・・」コクッ
長門はその場を去った
キョン「はぁ・・・じゃ、俺も帰るか」
ルルーシュ「送っていこうか?」
キョン「気持ちの悪い事を言うな」
ルルーシュ「はは、冗談だ」
キョン「しかし不思議だ・・・6年前にテレビで見てたあの皇帝ルルーシュと
今こうして話しをてると思うと」
ルルーシュ「人生というのはいつ何が起こるか分からない、良い勉強になっただろう?」
キョン「生憎だが、その手の勉強は高校入学以来何度も復習してる」
ルルーシュ「涼宮ハルヒのお陰でか?」
キョン「あぁ、あいつと出会ってから俺の平穏な日常は激変しちまった」
ルルーシュ「人によっては羨ましがるだろうな、今のお前の立ち位置は」
キョン「そんな物好きがいるとは思えんな」
ただの人間でありながら涼宮ハルヒに引き寄せられ、周囲で起こる事件に何度も巻き込まれる
退屈な日常に飽き飽きしている人間にとって今のお前はまさに理想の塊だろうな」
キョン「代われるものなら代わってやりたいね」
ルルーシュ「残念ながらそれは無理だ。これはお前にのみ与えられた特権
お前はきっと特別な存在なんだよキョン。この世界にとって、そして涼宮ハルヒにとってもな」
キョン「・・・・・・」
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------東京租界空港
ジノ「いやー、かなり待たせちゃったね!ごめんごめん、税関でトラブっちゃってさ!」
カレン「遅すぎ!!ていうかあんた今度は何持ち込もうとしたのよ?」
ジノ「オーストラリアで見つけた珍獣の角なんだけど、駄目だってさ。
カレンにプレゼントしようと思ったんだけどなぁ」
カレン「・・・いらないわよ、そんなの」
ジノ「悪いな、迎えに来てもらっただけじゃなく帰りの運転までさせちゃって!」
カレン「別にいいわよ、アンタの荒い運転だと落ち着いて乗ってられないし」
ジノ「車の運転ってちまちましててどうも好きになれないんだよなぁ
ナイトメアでぶっ飛ばすのに慣れてるせいかなぁ」
カレン「最近もナイトメアに乗ってるの?」
ジノ「いや、終戦以降一回も乗ってないよ」
カレン「じゃあナイトメアは関係ないじゃない、性格の問題ね」
ジノ「痛いところつくなぁ」
カレン「で、今回は何で帰ってきたの?」
ジノ「そりゃ勿論、カレンの顔を見に」
カレン「茶化さないで!!何か理由があるから帰ってきたんでしょ?
知ってるのよ私、ロイドに呼び出されたんでしょ?」
ジノ「何だ、知ってるのか。じゃあロイドさんに直接聞けばよかったじゃないか」
カレン「だっていくら聞いても教えてくれないだもんあのオヤジ!」
ジノ「あの人変わってるからなぁ」
ジノ「答える、答えるよ・・・・内緒にしとくようにって言われてるんだけどなぁ
まぁ仕方ないか、実はさ」
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-------東京租界ロイドの研究室
ロイド「セシルくん、このおにぎりなんだけど・・・」
セシル「あっ、気付きました!今日は隠し味にはちみつを入れてみたんです!」
ロイド「隠し味?はちみつの味しかしないんだけど・・・全然隠れてないよねこれ」
セシル「お口に合いませんでしたかぁ?今日はジノ君が来る日だから
沢山作ってきたんですが・・・」
ロイド「沢山って、どれくらい?」
セシル「10個以上は作ったと思います」
ロイド「10個・・・(彼に頑張ってもらうしかないね)」
ロイド「噂をすれば、ようやく来たようだね」
ジノ「こんちはー」
セシル「いらっしゃいジノ君・・・・ってあれ?カレンさんも一緒?」
カレン「こんにちはセシルさん」
セシル「こんにちは、今日って紅蓮のテストの日だっけ?」
カレン「いえ、今日はジノの送迎のついでに寄ってみただけです
そこの人に言いたい事があったんで」
ロイド「ん?それって僕の事?」
カレン「えぇそうですよ!!聞いたわよ、アンタがジノを呼び出した理由!!」
ロイド「困るなぁ、内緒にしてっていったのに」
ジノ「いや~、すいません。ていうかカレン、お前まだナイトメアに乗ってるのか?
紅蓮のテストがどうとか言ってたけど」
セシル「カレンさんには大学の授業の合間を縫って私たちのナイトメア開発に
協力してもらってるの!」
ロイド「ウフフ~、彼女程優秀なデバイサーはなかなかいないからね!
本当いつも助かってるよ」
何で私に黙ってたの!?」
ロイド「そうしろって言われたからだよ、コーネリア元殿下にね」
カレン「コーネリアに?」
ロイド「そう。実はジノ君を呼び出すようにと連絡してきたのはあの人なんだけどね
その時僕が、じゃあカレン君にも手伝ってもらった方がいいんじゃないですかって言ったら
平和な生活を取り戻した普通の大学生を元の世界に連れ戻すような事は
しちゃいけないって怒られちゃってさ。あの人もだいぶ変わったよねぇ」
カレン「あいつがそんな事を・・・」
ジノ「ていうか、俺も今は普通の一般市民なんだけど・・・・俺は元の世界に戻ってもいいんだ・・・」
ロイド「コーネリア元殿下曰く、仕事もしないで世界中歩き回ってるような放浪者は
例外だそうだよ」
ジノ「失礼だなぁ、旅先で必要に応じてちゃんとしてますよ!仕事」
カレン「コーネリアが変な気を回してくれたのはありがたいけど、結局私も知っちゃったんだから
詳しい事を説明してもらうわよ!」
ジノ「そうそう、詳しい事を教えてよ。ざっくりとした情報しか受けてないんだから
来月の終戦記念式典に反超合衆国の連中がテロを仕掛けようとしてるんだろ?」
ロイド「そうだよ。ま、詳しい事はセシルくんお願い」
テロを行い、ゼロ及び式典に参列する各国の代表を抹殺するとの情報が入ったの」
ジノ「何処の組織だいそれ?過激派って言っても今そういうのいっぱいあるでしょ?」
セシル「それがそれまで沢山あった組織が最近一つにまとまったらしくて・・・」
ジノ「一つにまとまった?あのイカれた連中が?確か一つ一つ微妙に主義主張とか
異なってなかった?」
ロイド「どうやら優秀な指導者が上に立ったのが原因みたいだよ。詳しい事は分からないけど」
ジノ「へー、またゼロみたいなのが現れたって事か」
カレン「ちょっと、ゼロとそんなのを一緒にしないでちょうだい!!」
セシル「一つ一つは大した勢力ではなかったんだけど、これらが一つにまとまった今
その勢力は黒の騎士団と比較しても遜色のないレベルにまで達してるそうよ
だから最近は超合衆国や黒の騎士団の中でもこのテログループへの対策案ばかりが
議論されてるの」
ジノ「そこへ来て式典でテロをするって情報が流れてきたわけか」
セシル「えぇ、だからあなたを呼んだのよジノ君。あなたには当日ナイトメアに乗って
式典会場周辺の警備を行ってもらいます」
ジノ「それは別にいいんだけどさ、何も俺がいなくたって今の黒の騎士団にも
沢山優秀なパイロットがいるんだろ?何でわざわざ俺を呼んだんだい?」
カレン「は?何でよ?」
ロイド「終戦記念式典は平和への祈りを込めたものらしくてね、大掛かりな軍隊の出入りは
一切禁じられてるんだよ。だから当日会場を警備しているのは日本の警察と自衛隊のみ」
カレン「はぁ?何よそれ?事前にテロの情報が入ってるんでしょ?」
ロイド「例外はないそうだよ。ちなみにこの決定を下したのは今の超合衆国代表ね
まぁ仕方ないよ、テロを警戒して黒の騎士団の軍隊を総動員しちゃったら
式典のムードぶち壊しだからね」
カレン「だからって・・・警察と自衛隊だけだなんて」
セシル「だから私たちは警察と自衛隊の他に、少数精鋭による別の部隊を組織するようにと
扇首相から要請を受けたの」
カレン「扇さんから!?」
セシル「えぇ。その組織のリーダーがコーネリア元殿下で、最初にジノ君に
白羽の矢が立ったって事なの」
ジノ「なるほど・・・・ハハ、ちょっと面白くなってきたな」
カレン「何処がよ馬鹿!!セシルさん、その部隊に私も参加させてください!!
ただ見ているだけなんてできない!」
セシル「どうしますかロイドさん・・・?」
個人的にはカレン君にも今回の部隊には参加してほしかったんだ」
ジノ「新型紅蓮?」
ロイド「んふふ~、そうだよ!僕とセシル君の血と汗と涙の結晶
かつて君が乗ってたトリスタンを10とするなら、新型紅連は100を超えるスペックだ」
ジノ「凄いなそれ!俺に乗せてくださいよ!?」
ロイド「残念だけど、あの機体の性能をフルに生かせるのはカレン君だけだと思うよ
操縦時における彼女独特の癖なんかを考慮して作ってあるからね
まぁ安心しなよ、ちゃんと君の実力に見合った機体をコーネリア元殿下が
用意してくれてるみたいだからさ」
セシル「ではカレンさんの件は私がコーネリア元殿下に伝えておきますね
カレンさんたっての希望とあらば承知してくださるでしょうし」
カレン「よろしくお願いします」
ジノ「少数精鋭って言ってたけど、最終的に何人くらい集める予定なんだい?」
セシル「現状はジノ君とカレンさんを合わせて5人です。コーネリア元殿下の騎士を務めていた
ギルフォード卿、藤堂鏡士郎に玉城真一郎」
カレン「えっ?・・・・・・玉城?」
セシル「はい、元黒の騎士団で凄腕のパイロットだと伺ってますけど?」
カレン「誰がそんなデマ流したのかしら・・・」
他の戦力とか全く恐れる必要ないですよ」
カレン「何処から出てくるのよその自信、もう5年以上もナイトメアに乗ってないくせに」
ジノ「ハハ、そのくらいハンデだよハンデ」
セシル「実はアーニャ・アールストレイム卿やジェレミア卿にも声をかけようとしているんだけど
連絡しようにも居所が全くつかめなくて・・・・」
ジノ「アーニャか、懐かしいなぁ・・・今何してんだろあいつ?」
カレン「ジェレミアが戦後姿を隠すのは分かるんだけど、何でシュナイゼル側で戦ってた
アーニャって人まで行方不明になったのかしら?」
ロイド「まぁいろいろと理由があるんでしょ、連絡がつかないなら仕方ないよ」
ウィーーン
ニーナ「ロ、ロイドさん大変です!!」
カレン「あらニーナ、久しぶりね」
ニーナ「あっ、カレン久しぶり!って、それどころじゃないんです!」
ロイド「どうしたの珍しく慌てちゃって?」
ニーナ「テレビつけてください!」
ロイド「テレビ?セシル君」
ザーーーーーーーーッ
セシルはテレビをつけるがどのチャンネルも砂嵐が映っているだけで
まともな映像を映し出しているところは一個もなかった
ザーーーーーーーーッ ンキセヨ・・・
セシル「変ですねぇ・・・・アンテナの故障でしょうか?」
ロイド「アンテナの故障?面倒だなぁ」
カレン「ねぇ、何か聞こえない?」
ジノ「何が?」
カレン「ほら、砂嵐のザーッって音に紛れて何か聞こえる」
ジノ「どれどれ」
ザーーーーーーーッ ブソウ・・・ホウキセヨ
ジノ「本当だ、何て言ってるんだこれ?」
セシル「確かに何か聞こえますね」
ニーナ「武装蜂起せよ、つまり戦えと言っているんです」
ニーナ「それは分かりません」
カレン「ねぇニーナ、何なのこれ?」
ニーナ「分からないけど、何処のチャンネルももう20分以上この状態が続いてて
よく聞いてみたら武装蜂起なんて言葉が出てるし、もしかしたらテログループのメッセージ
なんじゃないかと思って急いでここまで来たの!」
ロイド「もしかしたらっていうか、間違いなくそうだろうねぇ。それにしてもここまで
大規模な電波ジャックはゼロが起こした時以来だね」
ザーーーーーーーッ ブソウ・・・ホウキセヨ
ジノ「何がしたいんだろうねぇこいつら、ずっとこのままってわけじゃないだろうけど」
カレン「どういう事?」
ジノ「わざわざここまで大掛かりな電波ジャックを仕掛けたんだ、こんなか細い声で
武装蜂起なんちゃらだけで終わらせるなんて到底思えない。たぶんその内明確な
声明を出すんじゃないかな?」
ロイド「僕もそう思う、暫くこの画面と睨めっこだね」
すると突然画面が切り替わり、テロリストのリーダーらしき人物が姿を現した
見慣れた仮面に見慣れた服装、誰もが分かる人物。それは英雄ゼロだった
カレン「えっ!!?」
ジノ「なーんでここでゼロが出てくるんだぁ?」
ゼロ『ゼロと言っても、超合衆国の相談役である諸君等がよく知っているあのゼロではない
私はこの間違った世界を正す為に現れた新たなゼロである』
カレン「新たな・・・ゼロ?」
ゼロ『6年前、愚かな戦争は終結し世界は新たな道に向かって進み始めた
新たな道、それは武力ではなく話し合いという選択でもって世界を
変えていこうというものであり、長らく続いた戦争に疲弊しきっていた
各国の人々は歓喜の声をあげた。そして我々は超合衆国の掲げる
[優しい世界]へと歩みを進めたのである。しかしどうだろう
今現在のこの世界は果たしてかつて歩を進めた先の世界なのだろうか?
断言しよう、それは断じて違う!!』
ジノ「力入ってるねぇ~、どう違うのか言ってごらん」
カレン「ちょっとジノ黙ってて!!聞こえないでしょ!」
当初超合衆国は経済的に苦しい国を支援すると明言していたが、今ではその予算は
黒の騎士団の軍事機密費として計上されている。結果貧しい国はより貧しくなり
平和維持軍であるはずの黒の騎士団の軍事力ばかり肥大しているのが現状だ
これがかつて我々が目指した[優しい世界]だと言えるだろうか?』
ジノ「今の話は本当なんですか?」
セシル「さぁ・・・でもここ数年貧しい国への支援が行われていないってのは事実よ」
ロイド「黒の騎士団の軍事力が格段に上がってる件も事実。その証拠に、僕等への研究費も
当初の倍以上にまで上がってるからね」
ジノ「ロイドさん達って今黒の騎士団に依頼を受けてナイトメアの開発してるんですか?」
ロイド「そうだよ」
ジノ「じゃーあのゼロの言う事が本当だとすると、ここの研究開発費の殆どが
貧しい国へ支援として行くはずの金だったってことか」
セシル「・・・・・・・・・・」
ロイド「一応言っておくけど、僕もセシル君もそんな事実は知らなかったんだからね」
ジノ「ハハ、分かってますよ」
カレン「ここの給料貰ってなくて良かったわ。何考えてるのよ超合衆国の連中は!」
フレイヤを密かに所有している!これは重大は裏切り行為である
強大な軍事力を武器に政策に異を唱える国に対して圧力をかけ屈服させる
これではかつてのブリタニアと何ら変わらない!ブリタニアという名前が
超合衆国と名を変えただけで、この世界は何も変わっていない!!』
カレン「・・・・・」
ゼロ『にも関わらず、ゼロを始め、超合衆国の代表も
これらを正すどころかただ静観を決め込んでいる!
確かに彼らはかつて皇帝ルルーシュから世界を救った英雄である
しかし、だからと言ってこの愚行を見逃すわけにはいかない!!
超合衆国が黒の騎士団を御せないのであれば、私がそれをしよう!
人々を恐怖で縛る軍事力など、私が全て破壊してやる!!』
ロイド「過激な事言うねぇ」
ゼロ『まず手始めに、愚かなるラムサス卿にたった今天誅を下した!!』
画面が切り替わり、炎の海と化した黒の騎士団中央軍事基地の映像が映し出される
ゼロ『彼は黒の騎士団総司令という立場にありながら、中東でいつくも
無意味な虐殺行為を部下に指示していた。罰を受けて当然の人間だ・・・』
ゼロ『これはこれから始まる粛清のほんの序章に過ぎない!
この世界を正す為なら私は如何なる手段も選ばない
かつての英雄ゼロも、私の邪魔をするなら容赦はしない!
世界は、新たなるゼロであるこの私が裁く!!!』
映像が切れ元の画面に戻った
ロイド「凄い事になっちゃったね。黒の騎士団のフレイヤ所持を暴露された上に
黒の騎士団の中で最も大きい軍事基地が炎上、そして犯行声明。これは荒れるよ」
セシル「何よりゼロの仮面を被っているというのがちょっとあれですね・・・」
ロイド「テロリストに限らず、今のゼロに対して不満を持つ人は少なくないからね
こんな形で新たなゼロが出てくると、そういう人達はそっちになびくかも」
カレン「黒の騎士団がフレイヤを所持してるっていうのは本当のことなんですか?」
ロイド「前からそれらしい噂が絶えなかったからねぇ、たぶん本当でしょ」
カレン「なに考えてるのよ・・・・黒の騎士団は弱い者の味方だったのに・・・
どうしてこんな事になっちゃったの・・・」
ロイド「さっきゼロが殺したって言ってたラムサスってEU出身の軍人なんだけどね
彼が総司令になった辺りから段々おかしくなってきたんだよ」
ジノ「でもそのゼロも今では腑抜けと化してるんだろ?自業自得なんじゃないか?」
カレン「それは・・・(そりゃそうよ、今のゼロはスザクであってルルーシュじゃないんだから・・・)」
ジノ「こっちは当然として向こうにもちゃんと戦う理由がある、こういう状況下での
戦闘は本当に楽しいんだよなぁ。式典が楽しみになってきた!!」
カレン「言っておくけど遊びじゃないのよ?こっちはゼロやナナリーを守らないといけないんだから!
足手まといになるくらいなら今のうちから辞退しなさい」
ジノ「あんまり元ラウンズを舐めるなよ?ロイドさん、シュミレーター使えますか?」
ロイド「んふふ~、そう言うと思って準備してあるよぉ」
ジノ「一ヶ月で全盛期の状態に戻してやる!」
カレン「(またこんな事になるなんて・・・ルルーシュ、私達はどうすればいいの?)」
ゼロ『世界は、新たなるゼロであるこの私が裁く!!』
ギルフォード「大変な事になりましたね・・・」
ゼロ「新たなるゼロか・・・」
ナナリー「あの、先ほど言っていた事は事実なのでしょうか?フレイヤ所持の件や
予算計上の件」
ギルフォード「予算の件は事実だと思います。フレイヤの件は・・・何とも言えませんが
事実だとしたら確かに大問題です」
ゼロ「しかしテロリストはどうやってあの基地を落としたんだ?黒の騎士団の中で
最も大きなの軍事基地だというのに」
シュナイゼル「いずれにしろ、彼らが行動を起こした以上我々も何かしら手を打たねばなりません
黒の騎士団への攻撃は超合衆国への立派な反逆行為です」
ナナリー「でも、武力に対して武力で向かっていったら戦争になってしまいます!
それだけは何としても避けないと・・・」
シュナイゼ「これはもう戦争です。甘い事を言っていると取り返しのつかない事になりかねません
ゼロ様、いかがなさいますか?」
ゼロ「・・・・・超合衆国で話し合って対処を決めるしかないだろう。私はこれから本部へと向かう
シュナイゼル、お前もついてこい」
ナナリー「ゼロ・・・・気をつけてください」
ゼロ「・・・・分かった」
ゼロとシュナイゼルが部屋を出て行った
ギルフォード「これで式典当日の襲撃はほぼ間違いなく行われるでしょうね」
ナナリー「どうしてこんな事に・・・」
ギルフォード「御安心を、私と姫様がついております!今各地から同士を募っている所です!」
ナナリー「ありがとうございます。私は今も昔も守られてばかりですね・・・」
ギルフォード「ナナリー様・・・」
ナナリー「(お兄様、今の私に何ができるでしょうか・・・)」
ゼロ『世界は、新たなるゼロであるこの私が裁く!!』
ルルーシュ「何なんだこれは・・・」
C.C「いつぞやのお前も端から見たらこんな感じだったのだろうな」
ルルーシュ「テロリストがゼロの名を騙ったのは恐らく本物のゼロ、つまりスザクへの挑発だろう」
C.C「ゼロに本物も偽者もないんじゃなかったのか?」
ルルーシュ「それはそうだが、異なる二つの勢力にそれぞれゼロがいる以上
後から出てきたほうを偽者とでも表現しなければややこしくなるだろ」
C.C「さっきその偽ゼロが言ってた事が全て事実だとするならば
私はテログループの方を支持するぞ。奴の言うとおり、かつてのブリタニアと変わらん」
ルルーシュ「連中が行動を起こす理由は十分理解できる。かつての俺や黒の騎士団が
そうだったように、彼らも強い信念の下に行動を起こしているのだろうからな
だが超合衆国側にはナナリーや、昔の仲間が沢山いる」
C.C「ではお前は合衆国側につくのか?」
ルルーシュ「どちらにつくも何も、俺はとっくにいないはずの人間だ
これからの事はスザクとナナリーに任せるしかない」
C.C「やれやれ、無責任な奴だ」
C.C「今回の件はお前にも多少なりと責任があるはずだ。お前の見立て
考えが甘かったからこそ、6年やそこらでこんな事になったのだからな」
ルルーシュ「ゼロレクイエムが失敗だったとでも言いたいのか?」
C.C「あの策のお陰で一時的にでも世界から戦争が無くなったんだ、失敗ではないだろう
問題はその後だ、超合衆国や黒の騎士団が世界を牽引するようになってからの事
お前はその辺の事を考えられなかった、だからこんな事態が起こってる。違うか?」
ルルーシュ「数年も先のことまで予測した作戦など立てれるはずがないだろ!」
C.C「それを無責任だと言ってるんだよルルーシュ。ゼロレクイエムで一時的に
戦争を無くしたらお役御免でその後の事は他の者に丸投げ。丸投げされた者達
特にゼロの仮面を被っている枢木への負担はかなりのものだ」
ルルーシュ「・・・・」
C.C「あいつは武には優れているが政治に関しては素人、お前の代わりなど務まるはずがない
結果、ゼロは人々の要求に応えられず次第に支持を失っていき、超合衆国と黒の騎士団内での
求心力も低下、そんな中偽ゼロが登場し堂々と宣戦布告。今のあいつの心に余裕は
殆どないだろうな」
ルルーシュ「スザクの事を悪く言うな、あいつはよくやっている・・・ただ、人々が求めすぎているんだ
英雄ゼロ、奇跡のゼロ、何か問題があるとすぐにゼロを頼り、答えを求める
自分で考えるよりもその方が楽だからな、自らが責任を負う心配もない」
C.C「そうなる事は6年前からでもある程度予想出来たはずだ。枢木は勿論ナナリーも
相当悩んでいるだろうな。ルルーシュ、それでもお前は静観を決め込むつもりか?」
C.C「ルルーシュ・ヴィ・ヴリタニアは確かに6年前に死んだ。しかし、今のお前は
ルルーシュ・ランペルージなのだろう?妹と友人が苦しんでいるんだ、助けてやればいいだろ
あの二人を助けられるのは恐らくお前だけだ」
ルルーシュ「・・・・・・・C.C」
C.C「なんだ?」
ルルーシュ「お前はたまに、本当にたまにだが正しい事を俺に教えてくれる」
C.C「何だそのたまにというのは?私は常に正し事しか言わんぞ」
ルルーシュ「お前の言うとおり、確かに俺は無責任だったのかもしれない
だから今回の問題を全て解決し、6年前のゼロレクエイムを完璧なものにしてやる!
そうすればナナリーやスザクへの負担も軽くなるだろう」
C.C「ふぅ、ようやくその気になったか」
ピッ
TRRRRRRR
ルルーシュ「ジェレミアか、俺だ」
ジェレミア「陛下、先ほどの映像」
ルルーシュ「その件でお前に至急調べてもらいたい事がある!頼めるか?」
ルルーシュ「いいか、まず・・・」
---------
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------一昨日の昼休み(文芸部室)
ガチャッ
キョン「うーっす」
古泉「お待ちしていましたよ」
キョン「あれ?ハルヒは?」
古泉「まだ来ていませんが」
キョン「急に昼休みに部室集合だって言うから、俺は昼飯も満足に食わず
急いで部室まで来たってのに、当の本人はまだ来てないのかよ・・・」
ルルーシュ「まだ来てないならここで昼食の続きをとればいいだろ」
みくる「キョンくんお茶飲みますかぁ?」
キョン「あ、お願いします!」
みくる「ルルーシュくんは?」
ルルーシュ「いえ、俺は結構です」
古泉「ルルーシュさん、ちょっとよろしいでしょうか?」
ルルーシュ「一昨日の件だろ?」
古泉「えぇ、あなたに聞きたい事、確認したい事があるのですが」
ルルーシュ「その件は後で話す。今夜俺のマンションに来い。時間はいつでもいい」
ルルーシュは自分の住所が記されている紙を古泉達に配った
みくる「え?私達も行くんですかぁ?」
ルルーシュ「お願いします、今後の事を話し合う必要がありますので」
キョン「今後の事?」
ルルーシュ「一昨日のテロリストの・・・・新たなゼロのメッセージは間違いなく涼宮も見ているだろう
あんなものを見てあの女が大人しくしているはずがない。恐らく何か企んでいるはずだ
いちいち昼休みに俺達を呼び出したのもそれが原因だろう」
ルルーシュ「それは直に分かる、取り敢えず今日の夜、必ず俺の家まで来てくれ」
古泉「分かりました」
ガチャッ
ハルヒ「やっほーーーーー!!!みんな待ったー?」
キョン「待ちくたびれたさ・・・・で、何でいちいち昼休みに集合をかけたんだ?」
ハルヒ「何でって、そんなの決まってるじゃない!!アンタ一昨日のテロリストの放送
見てなかったの?」
キョン「やっぱりその件か・・・」
ハルヒ「新たなゼロが出てきて超合衆国や黒の騎士団に喧嘩売ったのよ!?
こんな面白い事ないわ!!私はこういうのを待ってたのよ!!」
キョン「こういうのって、下手したら戦争になるかもしれないんだぞ?」
ルルーシュ「下手をしなくても、新ゼロは既に黒の騎士団の軍事基地を攻撃してる
もうとっくに戦争だ」
ハルヒ「昨日の発言から察するに、新ゼロは超合衆国と黒の騎士団を消滅させるつもりね!
そんでもって旧ゼロを殺そうとするに決まってるわ!」
キョン「あのなぁ、だから何だってんだ?そんな国際規模の話、一高校生の俺達じゃ
どう引っくり返っても関わりあえるもんじゃないぞ?」
一気に超合衆国や旧ゼロを攻略する方法はないかってね!」
ルルーシュ「・・・それで?」
ハルヒ「一ヵ月後の終戦記念式典よ終戦記念式典!超合衆国の関係者は勿論各国の要人
旧ゼロが一堂に会するこの舞台を、新ゼロが見逃すはずがないわ!!」
ルルーシュ「(やはりそういう考えに至ったか・・・馬鹿なのか賢いのか分からん奴だな)」
キョン「終戦記念式典にテロを仕掛ける可能性があるって言いたいのか?」
ハルヒ「可能性っていうかこれはもうほぼ確定事項と言ってもいいくらいだわ!
この式典の警備って警察と自衛隊だけしか参加しないみたいだし
新ゼロにとってこれは千載一遇のチャンスと言っていいわ!」
キョン「テロリストが宣戦布告した上に攻撃までしてきた後だぞ?いくらなんでも
黒の騎士団が厳重に警備するだろ」
ルルーシュ「いや、涼宮の言うとおり警察と自衛隊だけで済ますようだぞ
警備しようにも黒の騎士団は中央軍事基地が奇襲を受けたばかりで
それどころではないだろう」
ハルヒ「新ゼロが最初に黒の騎士団の軍事基地を攻撃したのは、式典でのテロの成功率を
上げる為のものだったって事よ!」
キョン「本当に新ゼロが式典でテロを仕掛けるってんなら、俺達の予定も変えないとな」
ハルヒ「何でよ?」
巻き込まれでもしたら死んじまうじゃねーか!」
ハルヒ「こんな面白そうな事から逃げようって言うの!?ありえないわ!!駄目よ!
もう決めたの、SOS団はこの戦いに参戦するわよ!!」
みくる「ひぇぇ・・・・」
キョン「・・・・・お前は自分が何を言っているのか分かってるのか?」
ハルヒ「勿論よ!ただ現実的に考えて、私たちがナイトメアや戦闘機を所持してる
テロリストに戦って勝てるわけがないわ!だから別の戦い方をするの!」
古泉「別の戦い方?」
ハルヒ「そっ!私達SOS団は、ナナリー・ヴィ・ブリタニアをテロリストから守るわよ!!」
ルルーシュ「!!?」
キョン「・・・・は?」
ルルーシュ「・・・・・なんでナナリー首相なんだ?お前なら旧ゼロを守ろうと言うと思っていたが」
ハルヒ「旧ゼロなんて私たちが守らなくたって自分の身くらい自分で守れるでしょ!
でもナナリーは足が不自由で車椅子なしには自分で移動する事も出来ないのよ?
私たちが守ってあげるしかないじゃない!」
キョン「ちょっと待て、ナナリー首相は文字通り国の代表だ。俺達が心配しなくても
周りにボディーガートやら大勢の取り巻きがいるだろ」
キョン「そうなのか?何で?」
古泉「ブリタニアはかつての戦争のいわばA級戦犯です。超合衆国の中にはブリタニアの
終戦記念式典への参加を拒む方々も大勢いたのでしょう、今回のナナリー首相の出席は
『一人だけならば』という条件付きで許可されたもののようです」
ハルヒ「流石古泉君よく調べてるわね!!つまり会場がパニックになった時
ナナリーを助けようとする人は皆無なわけ!だから私たちがやるのよ!」
キョン「お前はアンチブリタニアじゃなかったのか?」
ハルヒ「それとこれとは話は別よ!だいたい今になってもまだ昔の事を引きずってる連中は
頭がおかしいとしか思えないわ!そんなんだからいつまで経っても平和にならないのよ!」
ルルーシュ「しかし助けると言っても具体的にどうするつもりだ?」
ハルヒ「テロリストが攻撃を仕掛けてきたら会場がパニックになるでしょ?
そしたら一般人も関係者もないんだから、それに乗じてナナリーの所まで行って
無理矢理車椅子引っ張って安全なところまで移動すればいいじゃない」
ルルーシュ「かなり強引だな・・・見方によっては俺達もテロリストの仲間に見えてしまう恐れがあるぞ?」
ハルヒ「大丈夫よ、当日も私ちゃんと腕章つけていくから!!」
キョン「腕章ってお前・・・・まさかそのSOS団と書かれた腕章じゃないだろうな?」
キョン「(んなもんつけてるからって誰が『あぁ、そうか』と納得するんだ・・・)」
ルルーシュ「まぁ・・・当日どう動くかに関しては議論の余地がありそうだな」
キョン「議論の余地って、お前やる気なのか?」
ルルーシュ「面白そうじゃないか。それに、他に守ってくれそうな人がいない以上
俺達がやらなければナナリー首相の身は確かに危険だ」
キョン「(そうか、こいつはルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。つまりナナリー首相は実の妹・・・)」
ハルヒ「よくぞ言ったわルルーシュ!!SOS団は常に弱いものの味方なの!!
キョン、あんたもいいわね!?誰か一人が欠けてもこの作戦は成功しないの!!
一人だけ抜けるなんて勝手許されないわ!」
キョン「はぁ・・・・分かったよ」
古泉「フフ、面白くなってきましたね」
キョン「何処がだ!」
みくる「あ、あのぉ・・・本当にやるんですかぁ?私怖いですぅ」
ハルヒ「大丈夫よみくるちゃん!私がついている以上なんの心配もないわ!!
大船に乗った気持ちでいなさい!!」
みくる「は・・・・はぅ・・・」
ピンポーーン
C.C「開いてるぞ」
ウィーーーン
キョン「お邪魔します・・・ってあれ?ルルーシュは?」
C.C「ん?出迎えが私では不満か?」
キョン「いえ、そんな事は(寧ろ大歓迎です)」
C.C「他の連中ももう来てる、早く上がれ。そこにあるスリッパを使え」
キョン「あぁ、はい」
ウィーーーン
C.C「来たぞ」
ルルーシュ「今日は遅刻しなかったようだなキョン」
キョン「そう何回も遅刻できるかよ」
ルルーシュ「適当にかけてくれ、さっそく始めよう」
キョン「始めるって何を?」
始めるのは話し合いだ」
キョン「あぁ、終戦記念式典の件か・・・直に分かるってお前の言葉、その通りだったな」
ルルーシュ「涼宮なら必ずああ言うと思っていたからな。ただ、護衛の対象が旧ゼロでなく
ナナリーだったのは予想外だったが・・・」
古泉「ルルーシュさん、まずこちらの問いに答えてもらってもよろしいでしょうか?」
ルルーシュ「何だ?」
古泉「一昨日の放送でカメラの前に姿を見せた、いわゆる新ゼロは
あなたとは全く無関係の人物なのでしょうか?」
ルルーシュ「あぁ。・・・フン、やはり機関はあれが俺である可能性を疑っているのか」
古泉「僕はそうは思ってませんでしたが、一部ではそういった考えの方もいるようです」
ルルーシュ「新ゼロの正体が分からない以上、俺がそうでないと完全に証明する事はできないが
断言しておく、あのゼロと俺は全く関係ない」
古泉「その言葉だけで十分です」
ルルーシュ「この二日間、俺は部下に命じあの放送を行っていたテロリストに関する
情報と、中央軍事基地襲撃に関する詳細なデータを集めていた。その結果
気になる情報が上がってきたのでそれを発表する」
古泉「気になる情報ですか?」
最も大きな軍事基地だ。テロリストの軍事力が上がったとは言え、正攻法で攻略できるほど
甘いものではない。ではどうやって落としたのか?生存者の話によると、攻撃を受ける
数十分前、基地内部では軍人同士が殺し合いをしていたようだ」
キョン「殺し合い?」
古泉「どういうことです?」
ルルーシュ「あの軍事基地は17時になると時間を知らせる音楽のようなものが流れるらしく
証言によるとその音楽が流れ始めた瞬間、一部の隊員が急に人が変わったかかのように
味方を襲い始めたそうだ。我を失ったかのように銃を乱射する為、自衛の為に他の隊員も応戦
ものの数分で基地内で銃撃戦が始まったわけだ」
キョン「何でそんな事に・・・・」
ルルーシュ「そして暫くしてテロリストのナイトメア部隊が基地上空から一斉空爆
しかし基地内部では味方同士で銃撃戦をしていた為、外から来た敵勢力に気付けないまま
或いは気付いた所で何も出来ないままに攻撃を受け、敷地内にいた隊員はほぼ全滅
格納してあったナイトメアや戦闘機、戦車も全て破壊され何も出来ずに敗戦
これがあの基地襲撃事件の真実だ」
古泉「17時の音楽が流れた瞬間に一部の隊員が同僚に向け発砲・・・つまりその者達全員が
テロリスト側の協力員だったという事でしょうか?」
ルルーシュ「協力員は協力員でも、彼らは無理矢理協力させられた者達だ」
古泉「脅されたという事ですか?」
古泉「ギアス?」
ルルーシュ「そう、これはギアスによって引き起こされた惨劇。新ゼロは間違いなく
ギアス能力者だ。それも過去に俺が所有していたものと同種のギアス」
キョン「確か絶対遵守とかって言ったか?命令には逆らえないってやつだろ?」
ルルーシュ「あぁ、新ゼロはそのギアスを使いこう命じたのだろう『○月×日に17時の音楽が流れたら
仲間を撃ち殺せ』とな」
古泉「しかしおかしいですね、確かギアスを与える事のできる人間はこの世に
あなた一人のはずでしたよね?そう考えると、新ゼロがギアス能力者である場合
契約者はあなたという事になりますが」
ルルーシュ「俺はコードを継承して以降誰とも契約はしていない」
古泉「では何故新ゼロはギアスを扱えるのでしょう?」
ルルーシュ「正直その辺は未ださっぱりだ。しかし、新ゼロがギアス能力者である事は
生存者の証言を聞く限り確定事項といえる」
キョン「冗談じゃないぜおい・・・そんな反則的な技を使うような奴が攻撃を仕掛けるであろう所に
俺たちは来月行こうとしてるってのか?」
ルルーシュ「今更やる気になっている涼宮を止める事は不可能だろう。
だからこそ敵の情報を知っている俺たちで事前にある程度策を立てておく必要があるんだ
下手をすれば涼宮は勿論、俺たちもみな死んでしまう恐れがあるからな。まぁ俺は不老不死だが」
基地襲撃の時みたいに、会場にいる一般客にギアスをかけられでもしたら
それだけでアウトだぞ?」
ルルーシュ「相手のギアスの件は心配ない。こちらにはギアスを無力化する
事のできる能力者がいる」
古泉「そのような能力がある事は初耳ですね」
ルルーシュ「ギアスキャンセラーという能力でな、相手のギアスを
全て無力化することができる。式典前にこれを使って会場に集まった人全員の
除洗をしておけば、相手のギアスの脅威はなくなるだろう」
古泉「その能力者の方は我々に紹介していただけるのでしょうか?」
ルルーシュ「別に構わんぞ。ジェレミア、入れ!」
キョン「ジェレミア?どっかで聞いた事のある名前だな・・・」
ウィーーーン
ジェレミア「始めまして、陛下の御学友のみなさん。ジェレミア・ゴッドバルトです」
キョン「そうだ思い出した!!オレンジ事件の人だ!!」
ジェレミア「オレンジ、それは忠義の名」
古泉「戦後は行方不明になっていると聞きましたが、なるほど・・・・あなたとご一緒でしたか」
それだけではどうしても心もとない。だからこちらからもナイトメアを出す
ジェレミアはジークフリードで、アーニャはモルドレッド、C.Cはヴィンセントで出てもらう」
C.C「ちょっと待て、私も出るのか?」
ルルーシュ「当たり前だろ、俺をその気にさせたのはお前だぞ?」
C.C「操縦の仕方など殆ど覚えてないぞ?」
ルルーシュ「まだ一ヶ月ある、なんとかしろ」
C.C「全く、勝手な奴だ」
ルルーシュ「しかし、正直これでもまだ足りない。相手が何機のナイトメアを送り込んでくるか
分からんが、恐らく質より量で攻めてくるだろう。パイロットがいなければギアスをかけ
無理矢理にでもナイトメアに乗せ飛ばしてくる。だからこちらはある程度優秀な
ナイトメアとパイロットを揃えておきたい」
古泉「一応何度かナイトメアの騎乗経験はありますが、実戦でお役に立てるレベルでは
ないですね」
キョン「言っておくが、俺も無理だぞ」
ルルーシュ「誰もお前達を乗せようだなんて考えてないさ。長門有希、お前に乗ってもらいたい」
長門「・・・・・・」
キョン「長門!?」
マスターする事も可能じゃないか?」
長門「一ヶ月も必要ない。情報統合思念体からプログラムを送ってもらえれば
今すぐにでも操縦可能」
ルルーシュ「じょうほうとうご・・・何だって?」
キョン「情報統合思念体。長門の親玉だ」
ルルーシュ「ほう・・・・興味深いが今はその事はいいだろう。では長門有希
そのプログラムとやらを送ってもらっておいてくれ。君は当日貴重な戦力になる」
長門「了解した」
ジェレミア「練習せずにナイトメアを動かせるというのか・・・恐ろしいな宇宙人というのは」
ルルーシュ「ナイトメア班はジェレミア、アーニャ、C.C、長門の四人
リーダーはジェレミア、お前に任せる」
ジェレミア「はっ!」
ルルーシュ「キョンと朝比奈さんは涼宮の護衛」
キョン「おい、ハルヒの護衛は俺と朝比奈さんだけかよ!?」
ルルーシュ「安心しろ、ちゃんとサポートする。古泉は長門有希同様
俺達とは別行動をとってもらう」
古泉「具体的にどのような事をするんです?」
という事を頭に入れておいてくれ」
みくる「あのぉ・・・私運動神経良くないですし、お役に立てないと思いますけど」
ルルーシュ「大丈夫ですよ、運動神経は関係ありません。涼宮の傍にいて
危険を回避していただければそれでいいんです」
みくる「は、はぁ」
キョン「しかし勝手にいろいろ決めたところで、当日はハルヒの近くにいなきゃならないんだぞ?
別行動とか言ったって、どうやってばらけさせるつもりだ?」
ルルーシュ「古泉は敵が攻撃を仕掛けてきてから動けばいい。涼宮も言っていたが
パニックが起こった後ならどうにでも動けるからな。ただナイトメア班の長門有希は別だ
敵が攻撃を仕掛けてきたらすぐに対処できるよう準備しておく必要がある」
キョン「どうするんだ?」
ルルーシュ「当日に風邪を引いたとでも言えば大丈夫なんじゃないか?
流石の涼宮も病人を連れまわしたりはしないだろう」
C.C「おい、ところでお前は何をするんだ?」
キョン「あ・・・そうだ、お前は何をするんだルルーシュ?」
ルルーシュ「俺は当日指揮官として全体を見ながら各々に指示を出す」
キョン「まさか一人安全圏から指示を出そうってんじゃないだろうな?」
キョン「昔ゼロだった奴にこんな事を言うのはなんだが、俺達が死ぬか生きるかは
お前の立てる作戦次第だ。本当、頼むぞ!」
ルルーシュ「あぁ、任せてくれ」
古泉「しかし相手はギアス能力者、どんなイレギュラーが起こるか分かりません
ギアスキャンセラーなるものがあるとは言っても、完全にその脅威から
解放されたわけではないですしね」
ルルーシュ「何が言いたい?」
古泉「確実に相手に勝つには、相手と同等かそれ以上の力がなければなりません
つまり、こちらもギアスが必要かと」
ルルーシュ「要するにお前は俺に誰かと契約しろと言うのか?」
古泉「万が一にでも涼宮さんの身に危険が及ぶような事はあってはいけません
神である彼女が仮に死んでしまった場合、この世界がどうなってしまうか分かりませんからね」
キョン「あいつを神だって考えてるのはお前を始めとする一部の連中だけだろ
少なくとも俺はあいつを神だなんて思っちゃいない」
古泉「えぇ、勿論そうですが、それでも僕としてはそのような可能性は1%でも
少なくしておきたいんですよ」
ルルーシュ「だからギアスか・・・お前の言いたい事は分かるが、しかし・・・」
古泉「僕が契約します。だからお願いします」
古泉「えぇ、勿論あなたからコードを奪おうなどという恐れ多い事は微塵も考えていません
ただ純粋に、涼宮さんを御守りしたいんです」
ルルーシュ「どうせ契約するなら奪ってくれた方がこちらとしては助かるんだがな・・・
だが、お前は駄目だ古泉」
古泉「何故です?」
ルルーシュ「お前が機関という組織に所属している超能力者だからだ
宇宙人、未来人、超能力者、それぞれのどの組織にもこの力を与えるわけにはいかない」
古泉「なるほど、確かに大きな組織の人間にそのような能力を与えてしまったら
また争いごとの原因になりかねませんからね。分かりました、諦めます」
ルルーシュ「契約するとするなら、そうだな・・・アーニャかキョンのどちらかだろう」
キョン「なに!!?」
C.C「アーニャは本日欠席だ。となると、キョンという奴しか適任者はいないな」
キョン「おい、冗談だろ!?」
古泉「お願いします、こちらにもギアスがあれば作戦が成功する可能性が大幅に
上がります!なんとか涼宮さんの為にも・・・」
キョン「マジな目をするな!顔が近いぞ古泉!!」
お前自身に直接的な害はない。寧ろそこさえ気をつけていれば
お前は便利な力を手に入れこの先の人生万々歳だ」
キョン「まるで詐欺師のような言い回しだな・・・」
ルルーシュ「無理強いするな、本人が嫌だというなら止めておいた方がいい」
古泉「そうですね・・・・すいませんでした」
キョン「・・・・・なぁ長門、お前はどう思う?」
長門「情報統合思念体はルルーシュ・ランペルージとの契約は推奨していない」
キョン「統合思念体じゃない、お前の意見は!?」
長門「・・・・・・・した方が、みんなの危険が少なくなる」
キョン「・・・・・はぁ~、何でこんな事になっちまったんだろうなぁ・・・
分かったよ、契約する。なってやるよギアス能力者に」
古泉「ほ、本当によろしいのですか?」
キョン「お前がそうしてくれって頼んだんだろ?俺がルルーシュと契約する事で
全員の助かる確率が上がるって言うなら仕方ないさ」
C.C「なかなか仲間想いの良い奴じゃないか、気に入ったぞ」
ルルーシュ「ではキョン、手を」
ルルーシュ「契約をするには対象者の肌に触れる必要があるんだ」
キョン「そうなのか、ほら」
キョンが差し出した手をルルーシュが握る
ルルーシュ「・・・もう一度だけ聞くが、本当にいいんだな?」
キョン「あんまりしつこく確認されると気が変わっちまいそうだ
やるなら早くしてくれ」
ルルーシュ「分かった、感謝するぞキョン」
その瞬間キョンは激しい目まいのようなものに襲われその場に倒れた
キョン「ん?な、何だ急に・・・・頭が・・・」
バタンッ
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キョン「ん?あれ?・・・・・寝てたのか俺?」
みくる「あっ!ルルーシュ君、キョン君起きましたよぉ!」
キョン「朝比奈さん・・・なんで俺・・・あれ?」
C.C「やれやれ、ギアス契約時に目を回す奴なんて始めてだぞ」
キョン「ギアス・・・契約・・・・・そうだ、俺はルルーシュと契約したんだった!」
C.C「その事すら忘れていたのか・・・」
みくる「キョン君急に倒れたからビックリしました!痛い所とかないですかぁ?」
キョン「心配させてすいません、大丈夫ですよ」
古泉「ところでルルーシュさん、契約の方は上手く行ったのでしょうか?」
ルルーシュ「あぁ、気絶された時はどうなる事かと思ったが、なんとかな」
C.C「で、こいつのギアスはどんな能力なんだ?契約者のお前なら分かるはずだぞ」
キョン「(わけの分からん能力じゃありませんように・・・・)」
ルルーシュ「キョンのギアスは時間を戻す力」
ルルーシュ「そうだ、時間を戻す事のできる能力。それがお前のギアスだ」
古泉「面白い能力ですね」
ルルーシュ「ただ制約がかなり多い。まずこのギアスは5回までしか使用できない
戻す事ができるのは発動した時間から24時間前まで
つまり戻せる時間の限界は5回連続で使用したとして120時間、つまり5日前までとなる」
C.C「私も過去に多くの人間と契約してきたが、回数自体に制限のある能力は初めてだな
加えて言うと、時間を戻すという能力も初めてみる」
古泉「かなり珍しい能力という事ですね」
キョン「5回までか・・・」
C.C「良かったな、5回なら暴走する心配も、万が一達成人となり
コード所有者になる可能性もない」
キョン「ただこれ新ゼロの能力に比べるとかなり弱くないか?」
ルルーシュ「いや、そうでもない。特殊な制約があるせいか、この能力はかなり強い
お前のギアスは発動した時点で全世界の人間が対象となり時間を巻き戻す。
いや、人間だけでなく、地球上の全ての物や、宇宙すらその対象になるだろう」
古泉「そう考えると、かなり怖い能力ですね」
ルルーシュ「だがこの能力はかなり使える、万が一にも新ゼロに敗れるようなシナリオになった時
最高5回再チャレンジできるのだからな」
策を講じてきたのか、予め知った状態で再び式典に臨めるという事だ」
古泉「なるほど、確かにそれは大きなアドバンテージになりますね」
ルルーシュ「新ゼロはこちらにこのような能力者がいる事を知らない
仮に知っていたとしても対策の取りようがないのがこの能力の大きな利点だ
更にギアスキャンセラーを持つジェレミアもこちらの駒、最早勝利は確定したも同然だな」
キョン「おいおい、変なフラグ立てるなよ・・・」
C.C「発現する能力にはその者個人の性格や願望が反映されるものだが
お前何か心当たりはあるか?」
キョン「ありまくりですよ、ハルヒに出会っちまう前の時代に戻りたいと何度思った事か
制約のお陰でその願いは叶いそうにありませんが」
C.C「そんなに凄いのかその涼宮とかいう女は?」
キョン「そりゃーもう、奇想天外傍若無人、稀代の変人ですよ」
古泉「そこまで言いますか・・・」
C.C「ほう・・・一度会ってみたいものだな」
ルルーシュ「それは駄目だ!俺が許さん!」
C.C「何故だ?」
ルルーシュ「火事場に灯油まくようなもんだからな、お前と涼宮だけは絶対に会わせん!」
C.C「全く、束縛の激しい男だ」
ルルーシュ「何が束縛だ・・・」
古泉「あの、今更ですが御二人はどういった関係なのでしょうか?」
ルルーシュ「ん?契約者だと前に言っただろ?」
古泉「それは過去の関係ですよね?僕が聞いているのは今現在の関係です」
ルルーシュ「今も昔も大した変化はないさ、強いて言うなら今は」
C.C「恋人だ」
ルルーシュ「なにっ!!?」
みくる「へぇ!?や、やっぱりそうだったんですかぁ?」
ジェレミア「陛下・・・・まさかそこまで進展していたとは・・・」
キョン「こんな綺麗な人か彼女か・・・羨ましすぎてヘドが出るぜ」
ルルーシュ「おい!真に受けるな!!嘘に決まってるだろ!!」
C.C「照れるな照れるな、顔が真っ赤だぞルルーシュ」
古泉「C.Cさんの言っている事が真実であるというのは、その顔色が証明してますね
どうして今まで黙っていたのですか?」
C.C「照れ屋だからなこいつは。自分で言うのが恥ずかしかったんだろう」
古泉「なるほど、それで」
みくる「ふふっ、ルルーシュ君も可愛い所があるんですね!」
キョン「意外だな」
ルルーシュ「おのれ魔女め・・・・・・・」
------------
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---
-
----一ヵ月後(東京租界駅)
カレン「・・・・・・ねぇ、何これ?」
ジノ「何って、東京ラーメン街だよラーメン街!知らないのか?全国の有名ラーメン店が
一堂に会する夢のイベント!テレビなんかでも宣伝してたじゃないか!」
あんたナイトメアの方は大丈夫なんでしょうね?」
ジノ「もう完璧に感覚戻したから大丈夫さ、それにせっかく日本に来たのに
カレンと一回もデートしないってのも失礼だと思ってさ」
カレン「な、何が失礼なのよ///その上から目線・・・・本当に腹立つわ!
今日だっていきなり呼び出すし!私の事なんだと思ってるのよ!!」
ジノ「何って、彼女だけど」
カレン「うりゃ!!」
ドスッ
カレンの回し蹴りがジノの腹にヒット
ジノ「うっ・・・・」
カレン「だ・・・だ、誰が彼女よ///か・・・か、からかわないで!」
ジノ「うぅ・・・・息が・・・(からかったつもりはないんだけど・・・・)」
?「ラーメン食べるわよー!!!」
?「おい、分かったから引っ張りまわすな!転ぶ、転ぶって!!」
ドテッ
カレン「騒がしいわね、何かしら?」
キョン「お前が俺の腕を掴んだままありえないくらいのスピードで走るのが悪いんだろ・・・
そんなに急がなくても、ラーメン屋は逃げたりせん!」
ハルヒ「うるさいわね!とっととラーメン食べて違う所に行きたいの!
初日の自由時間は3時間しかないんだから!」
カレン「修学旅行生か何かかしら・・・学生服着てるけど」
ジノ「だろうな。・・・・・それにしても、可愛いなあの子」
ドスッ
カレンの肘がジノの腹にヒット
ジノ「うぉっ・・・・・・・・」
キョン「ラーメン食って、その後何処へ行くつもりなんだお前は?
どうせあまり遠い所へはいけないぞ?」
ハルヒ「そうね、じゃあ東京競馬場なんかどう!」
キョン「・・・・何しに?」
ハルヒ「競馬場なんだから馬券買う為に決まってるじゃない!」
キョン「高校生は馬券なんて買えんぞ」
ハルヒ「みくるちゃん遅いわよ!迷子になったのかと思ったじゃない!
あれ?有希達は?」
みくる「え?おかしいですね、さっきまで一緒にいたのに・・・」
ハルヒ「もう、みんなして迷子になってるの?しょーがないわねぇ」
キョン「お前が目的地も言わずに急に走り出すのが悪いんだろうが」
ハルヒ「まぁいいわ。キョン、今いる所有希達にメールしといて!」
キョン「ったく」ピッピッピ
みくる「あのぉ~、これから何するんですか?」
ハルヒ「みんなで美味しいラーメン食べるのよ!何処のお店がいいかしら
みくるちゃんも入りたい店があったら遠慮なく言いなさい!」
みくる「分かりました」
キョン「おいハルヒ、メール送ったぞ」
ハルヒ「キョン、アンタも入りたい店があったら言いなさい!善処してあげるから!」
キョン「そりゃどーも。ていうか・・・土日祝日でもないのに何なんだこの混みようは・・・
何処の店も行列ができてるじゃねーか」
みくる「日本人はラーメンが好きですからねぇ」
ジノ「お困りですかお嬢さん?」
ハルヒ「ん?何よアンタ?ナンパならお断りよ!」
ジノ「通りすがりのラーメン好きさ!見たところ何処のお店に入るか
悩んでるようだけど、俺のオススメを教えてあげようか?」
ハルヒ「オススメ?ん~・・・」
キョン「教えてもらったほうがいいんじゃないか?このまま悩み続けても
時間だけが過ぎる一方だ」
ハルヒ「そうね、じゃあ教えてもらおうかしら!」
ジノ「OK!俺のオススメはこの先にある麺工房って店だ!
魚介系をベースとした濃厚なスープと」
ハルヒ「そっ!ありがとう、じゃあ行きましょうみんな!」
ジノ「いや、ちょっと待って!説明がまだ」
ハルヒ「いらないわよ説明なんて!どうせ今から食べるんだから」
ジノ「・・・・・うん、いいな。やっぱりいい・・・・」
ハルヒ「は?何が?」
ジノ「君だよ!タイプなんだ、君みたいな子!悪いけど電話番号とか教えてく」
ドンッ
助走をつけたカレンの飛び蹴りがジノの背中にヒット
衝撃でジノは5mくらい先へ飛ばされる
ドサーッ
ジノ「う・・・・・うぉぉ・・・・」ピクピク
キョン「(なっ・・・・すげー蹴り。死んだんじゃないか?)」
カレン「何やってんのよアンタわ!!高校生相手に馬鹿じゃないの!!」
ハルヒ「凄いわね今の飛び蹴り!!どうやったの!?まるでプロの格闘家みたいだったわ!」
カレン「え?ア、アハハハハ・・・・(つい本気でやっちゃった)」
ハルヒ「あれ?あなた何処かで見たことあるわね・・・えーっと誰だっけ・・・」
カレン「(やばっ!髪型変えててもやっぱりバレるか)」
ハルヒ「あっ!思い出したわ!あなた紅月カレンでしょ!?元黒の騎士団の!?」
カレン「あ、あんまり大きな声出さないで!人が集まっちゃうから!」
ハルヒ「凄いわ凄いわ!東京に来た初日にこんな人に会えるなんて!!!」
カレン「だーかーら、静にしてって!!」
ハルヒ「ねぇ、あなた戦時中は零番隊の隊長だったのよね?旧ゼロの素顔見たことある?」
カレン「え?旧ゼロ?」
ハルヒ「あなたには聞いてみたい事がいっぱいあるの!今から時間つくれないかしら?
喫茶店か何処かでお話しましょう!勿論代金はこちらが出すわ!」
キョン「(こちらがっていうか、どうせ俺だろう)」
カレン「う~ん・・・・・悪いけど今そこの奴とデート中なの。だからごめん!」
ハルヒ「こんなナンパ男とのデートなんて今すぐ止めるべきだわ!
だから私達と一緒にお茶しましょう!!」
カレン「あははは・・・(な、何なのこの子・・・・)」
キョン「いい加減にしろ!!」ビシッ
ハルヒ「痛いわね、何するのよキョン!」
キョン「デート中だってんだから仕方ないだろ、こっちの都合を押し付けるな」
ハルヒ「うるさいわね!分かってるわよ!」
キョン「ところで、あの人放っておいて大丈夫なんですか?」
カレン「え?あぁ、大丈夫よ大丈夫。あのくらいで倒れるタマじゃないから!」
キョン「いや、倒れてますけど・・・」
ジノ「・・・・・・」グデー
古泉「遅くなりました!」
キョン「おぉ、やっと来たか。ていうかお前ら何処にいたんだ?」
古泉「ずっと八重洲口周辺をウロウロしていましたよ」
ルルーシュ「全く、急に涼宮とキョンがいなくなったかと思えば、次は朝比奈さんが
音もなく消え、傍にいろと忠告したはずの長門有希は書店にフラフラと入っていく始末。
俺と古泉がどれだけ苦労をしたかお前らには分かるまい・・・」
キョン「なんというかその・・・大変だったな」
古泉「まぁまぁ、こうやって無事合流できたのですからいいじゃないですか」
ハルヒ「その程度のアクシデントも上手く切り抜けられないようじゃ、SOS団副団長の座は
遠いわよルルーシュ!」
カレン「ルルーシュ!!?」
カレン「今ルルーシュって・・・・」
ルルーシュ「ん?(カ、カレン!!?何故こんな所に??)」
キョン「(ん?ひょっとしてこのバッティングは結構まずいんじゃないか?
ルルーシュは元ゼロで、この人はそのゼロと一緒に戦ってた黒の騎士団の元メンバー・・・
うぉぉぉぉ、結構所じゃなくかなりまずいじゃねーか!!)」
ハルヒ「そうよ!ルルーシュ・ランペルージって名前なの!
悪逆皇帝と同じなんて珍しいでしょ?」
カレン「ランペルージ・・・・(あいつが使ってた偽名と同じ)」
キョン「(まずいな、ここらで誤魔化しておかないと・・・)」
古泉「しかし、彼はEU出身の留学生です。かの有名なルルーシュ・ヴィ・ブリタニアとは
縁遠い関係にあります。当たり前ですが、顔も全然違いますしね」
キョン「(そうだ、変装してるしバレてないよな・・・・)」
カレン「へー、そうなんだ・・・(確かに顔や髪型なんかは全然違う・・・でも同姓同名なんて・・・)」
ルルーシュ「ハハ、名前が同じだというだけでもいろいろと大変なのに、顔まで一緒だったら
まともに生活すらできないよ」
古泉「それもそうですね」
カレン「・・・・・・ねぇあなた、歳はいくつ?」
カレン「そう・・・C.Cって人の事知ってる?」
キョン「!?」
ルルーシュ「シーツー?誰ですかそれは?」
カレン「・・・・ううん、何でもないの。変な事聞いちゃってごめんなさい
(そうよね、ルルーシュはあの時、間違いなく死んだ・・・今更何考えてるのかしら私・・・)」
古泉「ところで、あなたはもしや紅月カレンさんではありませんか?」
カレン「えぇ、そうよ」
古泉「会えて光栄です、握手してもらってもよろしいでしょうか?」
カレン「いいわ」スッ
カレンと古泉が握手を交わす
ハルヒ「流石古泉くんね、気付くのが早いわ!」
ルルーシュ「(カレン・・・・元気そうだな。ん?あそこに倒れてるのはジノか?
なるほど、二人でデートか。普通の生活を歩んでいるようで何よりだ)」
古泉「ところで、何処のお店に入るのかはもう決まっているのでしょうか?」
ハルヒ「麺工房って所に決めたわ!早く行きましょう!」
カレン「何かしら?」
ハルヒ「この紙に私達SOS団の連絡先が書いてあるわ!何か面白い事、不思議な事があったら
いつでもそこに連絡してちょうだい!SOS団は24時間365日いつでも営業中だから!」
カレン「エスオーエス団?」
ハルヒ「じゃ、連絡待ってるからねー!」ダッダッダ
キョン「おい、引っ張るなハルヒ!!」ダッダッダ
ルルーシュ「またお前達は勝手に!行きますよ朝比奈さん、今度は離れないでくださいね!
長門有希、お前もだ!!」
みくる「は、はい」
長門「・・・・・・・」コクッ
古泉「では我々はこれで失礼します」
ダッダッダ
カレン「エスオーエス団って・・・・・・何?」
ジノ「・・・・・おーいカレン、救急車呼んでくれ・・・」
キョン「ぐあー、もう一歩も歩けん!!」
古泉「今日は流石に疲れましたね・・・東京版不思議探し、まさかあそこまで
歩き回ることになるとは思いませんでした」
キョン「足が・・・足がいてー・・・」
古泉「無理もありません、今日だけで5万歩近く歩いてますからね」
キョン「・・・一歩一歩を数えてたのか?」
古泉「万歩計ですよ、制服の中に入れておいたんです」
キョン「爺臭い奴だ」
古泉「我々以上にルルーシュさんもかなり疲れてたようですね」
キョン「運動系はあいつの領分じゃないだろうからな
しかしこりゃ確実に明日に響くぞ・・・」
コンコンッ
キョン「ん?先生か?」
古泉「いえ、恐らくルルーシュさんです。先ほど最後の打ち合わせをすると言っていましたから」
キョン「それでクラスが違うはずのお前が俺の部屋にしれっといるわけか」
ルルーシュ「・・・・・」
キョン「・・・その顔、だいぶ疲れてるみたいだな」
ルルーシュ「お前もな」
古泉「明日に関する打ち合わせですよね?長門さんはいるようですが
朝比奈さんは呼ばないのですか?」
ルルーシュ「朝比奈さんは気分が悪くなったらしく、たった今引率の教師と一緒に
近くの病院へ行った」
キョン「なに!?気分が悪くなったって、まさか不思議探しのせいか?」
ルルーシュ「それ以外に何がある。あれだけ歩かされれば、気分だって悪くなるさ
彼女は俺以上に体力がないようだしな」
古泉「参りましたね、明日はいよいよ式典当日だというのに」
ルルーシュ「相当グッタリしていたようだからな、恐らく朝比奈さんは明日戦力外になるだろう」
キョン「どうするんだそれ?」
ルルーシュ「どうするもこうするも、一人でも欠けると事前に立てた計画が水の泡だ
それに朝比奈さんだけでなく、俺やお前も疲労困憊で明日に疲れを引きずりそうな勢いだ
こんな状態ではテロリスト共とはまともに戦えない」
キョン「とは言ってもなぁ・・・・今更止めるわけにもいかないだろ?」
キョン「こ、こんな所で5回の内の1回を使っちまっていいのか?」
ルルーシュ「このままでは明日の作戦は間違いなく失敗するからな
ここで使わずしていつ使うというくらい大事な局面だ」
古泉「しかし時間を戻しただけでは何の意味もありませんよ?」
ルルーシュ「分かってる。時間を戻し、涼宮を説得して不思議探しを
面舵いっぱいで回避する!」
キョン「それを誰がやるんだ?」
ルルーシュ「記憶を引き継げるのは俺とお前だけだ、俺達でやるしかないだろう」
キョン「はぁ~・・・」
古泉「羨ましいですね・・・・僕もそちらの側で行動したいですよ」
キョン「代れるものなら代わってやりたいね」
ルルーシュ「戻す時間はギアスを発動した際に頭の中で念じればいい
今朝ホテルを出発したのが9時だから、今からだとだいたい13時間前だな」
キョン「分かった。・・・初めてだからなんか緊張するな・・・・よしっ!」キュイーーーーン
キョンの左目に赤い鳥のような紋章が浮かび上がった
-----
--
-------朝9時(ホテル・ロビー)
ハルヒ「みんな揃ったわね?いいこと、今日こそは何か面白いものを見つけるの!
いいわね?」
キョン「・・・・・・」
みくる「はぁ~い」
古泉「分かりました」
キョン「(・・・・・・凄いな、本当に今日の朝に戻ってる。さっきまでの
足の痛みや身体のダルさもない)」
ハルヒ「キョン・・・・・・・・・キョン!!!」
キョン「うわっ!何だよ!」
ハルヒ「いつまで寝ぼけてるのよ!?ちゃんと私の話聞いてた?」
キョン「あ、あぁ・・・・(このまま何もしないとまた地獄の東京散歩が始まっちまう
何とかしないと・・・・あっ、そういえばルルーシュは!?)」
ルルーシュ「・・・・・・」
キョン「(本当にあいつも記憶を引き継いでるのか?さっきから黙りこくってるが・・・・)」
キョン「(ヤバイヤバイ!!何とかしないと・・・)」
ルルーシュ「なぁ涼宮、お前アッシュフォード学園という学校を知ってるか?」
ハルヒ「ん?アッシュフォード学園?明日の式典の開催地でしょ?」
ルルーシュ「あぁ。その学園には面白い秘密が隠されているんだが、それも知ってるか?」
ハルヒ「面白い秘密?知らないわ、何それ?」
ルルーシュ「アッシュフォード学園、それは皇帝ルルーシュと裏切りの騎士枢木スザクが
かつて学びをともにしていた場所なんだ」
ハルヒ「そうなの!?そんな話初めて聞くけど!?」
ルルーシュ「父の知り合いにその辺の情報に明るい人がいてな
学校経営に支障をきたす恐れがあるとかで、一般には公開されていない情報だ」
ハルヒ「皇帝ルルーシュに裏切りの騎士枢木スザク・・・時代を動かした二人が
同じ学校に通っていただなんて・・・・・凄い事じゃないの!」
ルルーシュ「だろ?お前が喜びそうなネタだと思って言ってみたんだ」
キョン「(そこからどう不思議探しを回避させるつもりだ?)」
ハルヒ「面白いわね、そうなってくるとそのアッシュフォード学園にも
何か裏があるのかもしれないわ!実はそこの理事長が悪の枢軸だったりして!?」
ハルヒ「分からないじゃない!」
ルルーシュ「どうだろう?あるかどうかも分からないゲットーの不思議探しよりは
こちらの方が面白そうじゃないか?アッシュフォードは明日俺達が作戦を行う場所だし
前日の下見も兼ねて行ってみるというのはどうだろう?」
キョン「(そうきたか!!ナイスだルルーシュ!!)」
ルルーシュ「(フン、学園内なら歩き回ったところでたかが知れてる
さっきのように病人が出るほど疲れるような事はないだろう)」
ハルヒ「う~~~ん、そうねぇ・・・・」
ルルーシュ「ちなみにルルーシュは皇帝になる前、学園のクラブハウスに住んでいたそうだ」
ハルヒ「クラブハウス?何でそんな所に住んでたの?」
ルルーシュ「さぁな謎だ。ちなみにこれも一般には公開されてない情報らしい」
ハルヒ「クラブハウスって言うくらいだから学園が管理してるはずよね・・・
そこに住んでたって事はやっぱり理事長が怪しいわ!!決めた、不思議探しは止めにして
今日はこれからアッシュフォード学園に行くわよ!!」
ルルーシュ「ふぅ・・・・・」
キョン「御苦労さん」ポンッ
ハルヒ「着いたわよー!アッシュフォード学園!」
みくる「わぁ~、綺麗な学校ですねぇ」
古泉「敷地面積もかなり大きそうですね。式典の会場に選ばれてた
意味が分かりました」
キョン「北高とはえらい違いだな・・・・これが公立と私立の差か・・・」
ルルーシュ「やはり正門付近や運動場は式典の準備でごった返してるようだな
所々警察や自衛隊の姿も見える」
キョン「設営に大忙しってか、これじゃ中に入るのは無理そうだな」
ハルヒ「ここの学生だって言えば入れるんじゃないの?」
キョン「思いっきり制服が違うだろう」
作業員「こら、君達ここの学校の生徒じゃないよね?部外者は立ち入り禁止だよ
邪魔だからどっかいったいった!」
キョン「あ・・・すいません」
ハルヒ「何よあのオヤジ、イラつくわね!!せっかくここまで来たのに
中に入りもせずに帰るなんてありえないわ!」
ルルーシュ「作業員が多いのはここだけだろう。恐らく裏のクラブハウスの辺りは
殆ど誰もいないはずだ。後ろに回って中に入ろう」
みくる「ふぇぇ!涼宮さーん助けてくださーい!」ガタガタ
ハルヒ「全くしょーがないわねみくるちゃんは!こんな低いフェンスも
乗り越えられないなんて。待ってなさい今行くから!」
キョン「しかしいいのか?フェンス乗り越えて敷地内に入ったりして?
騒ぎになったりしないだろうな?」
古泉「明日は式典当日で警備している警察や自衛隊もピリピリしているでしょうし
バレたらちょっと怒られるだけでは済まないでしょうね」
ルルーシュ「大丈夫さ、何とでも言い訳はできる」
みくる「みなさんお待たせしましたぁ」
ハルヒ「で、何処から探検してみる?」
ルルーシュ「お前は何処を見てみたいんだ?」
ハルヒ「そうねぇ、やっぱりそこのクラブハウスかしら!皇帝ルルーシュが住んでた
場所なんでしょ?何か面白いものが見つかるかもしれないわ!」
キョン「建物の中にまで入るのは流石にまずいんじゃないか?」
ハルヒ「何でよ?」
キョン「だって俺達完全な部外者だぞ?」
キョン「悪党の常套句だな・・・」
ルルーシュ「その通り、バレなければ問題ない。幸い鍵も開いているようだし
少し中を見て回るか」
ハルヒ「それでこそSOS団よ!キョン、ちょっとはルルーシュを見習いなさい!」
キョン「はぁ・・・・どうなっても知らんぞ」
------
---
-
----クラブハウス内
みくる「大きな建物ですねぇ」
キョン「これがクラブハウスだってんだから金持ち私立は恐ろしい
北高の本館にしてもいいくらいだ」
古泉「部屋の数もかなり多いですね」
ハルヒ「これだけあると、何処に皇帝ルルーシュが住んでたのか分からないわね
ルルーシュ、そこ辺の事は分からないの?」
ルルーシュ「流石にそこまでは・・・・(あまり知りすぎていると、またおかしな疑いをかけられ
かねん)」
その後ハルヒ達はクラブハウス内にある部屋のドアを何度も開け閉めし
かつてルルーシュが生活していた場所を必死に探した
ハルヒ「う~ん、ないわねぇ」
キョン「そもそも、皇帝ルルーシュが生活していた部屋があったとしても
6年も経った今その部屋を探し当てるなんて不可能だろ・・・・
生活の名残か何かが残ってりゃ話は別だが」
古泉「表札が立っているわけもないですしね」
キョン「アッシュフォードからしたら、昔ここに皇帝ルルーシュが住んでいたって事実は
黒歴史に近いはずだし、証拠の類は全部綺麗さっぱり消し去ってるだろうよ(ルルーシュすまん)」
ルルーシュ「(別にいい)確かにそうだな、このまま無作為に探し続けても
恐らく見つける事は困難だろう」
ハルヒ「仕方ないわ、じゃあ理事長に直に問いただすしかないわね!!」
キョン「また過激な事を・・・んな事してみろ、本当に警察沙汰になって
全員ブタ箱送りになるぞ?」
ルルーシュ「あまり長居はしない方がいい。涼宮、次で最後にしよう」
・・・・・・・1階よ、1階だわ!!1階の角部屋!!そこが怪しいわ!!」ダッダッダ
そう言うとハルヒは一人で走り出した
キョン「何だってんだ急にあいつは!」ダッダッダ
みくる「待ってくださ~い!」ダッダッダ
他の四人もその後を追う
ルルーシュ「(1階の・・・・角部屋・・・)」
-------クラブハウス2階
ハルヒ「ここだわ・・・・うん、ここ!ここが一番匂う!」
キョン「何を根拠に言ってるのか知らんが、早く開けてみたらどうだ?」
ルルーシュ「(やっぱりそうだ・・・俺とナナリーが暮らしていた部屋・・・・
願望を現実に反映させる力か・・・恐ろしい奴だ)」
ハルヒ「言われなくてもそうするわ!」ポチッ
ルルーシュ「(こ、これは!!?)」
みくる「何だかここだけ他の部屋と少し違いますね。何か生活感があります」
ハルヒ「さっきまでの部屋は殆どがただの部室みたいなものばかりだったのに
ここはまるでマンションみたいな作りになってるわね・・・。台所はあるし
寝室なんかもあるんじゃないかしら?」
古泉「棚に日用雑貨などが沢山入ってますし、今現在誰かが
住んでいるのではないでしょか?」
キョン「お前はどう思うルルーシュ?ルルーシュ?」
ルルーシュ「(あの時・・・あの時のままだ。俺とナナリーが、俺とロロが住んでいた
あの時と何も変わっていない。これはどういう事だ?)」
キョン「(珍しく動揺してるな・・・・そうか、ハルヒの奴本当に当たり引きやがったのか!)」
ルルーシュ「(まさかまたここに来る事があるとはな・・・懐かしい)」
みくる「あのぅ、ここに写真があるんですけど」
ハルヒ「写真?どれどれ」
みくるが見つけた写真はかつての生徒会メンバーが
全員写った集合写真だった
この兄妹一緒に住んでたのね!!あっ、これ枢木スザク!!こっちには紅月カレンもいるわ!
どうなってるのこれ!?何で敵同士のはずの連中がこんなに仲良さそうなの??」
ルルーシュ「(何でこんな写真が今ここに・・・・)」
キョン「おい、しかもこの真ん中にいる人はお天気お姉さんのミレイさんじゃないか!?」
ハルヒ「本当だわ!!どういう事なのこれ?・・・・・ミレイ?ミレイって人確か苗字は
アッシュフォードじゃなかったっけ?」
キョン「そういえばそうだな・・・まさか?」
ハルヒ「そのまさかだわ!ここの学校の理事長の娘、それがミレイ・アッシュフォードよ!
そしてこの写真は彼女が在学中に友達と撮った写真って事でまず間違いないわね!」
キョン「(くそっ!ルルーシュ、お前あのミレイさんと友達だったのか!?
羨ましいぜくそ!今度紹介してくれ!!)」
ルルーシュ「(何だその目はキョン・・・)」
ハルヒ「この写真を見る限り、皇帝ルルーシュとナナリー、枢木スザクと紅月カレンは
一般で語られてるような敵対関係ではなかった可能性が大きいわね!
仲の悪い者同士が一緒のフレームに収まるはずがないし、何しろみんな笑顔だもん!」
古泉「しかし、この写真を撮影した何年後の事かは分かりませんが
彼らが争い始めるのは事実です」
ハルヒ「きっと何か裏があるのよ!皇帝ルルーシュにも、ナナリーにも
枢木スザクや紅月カレンにもね!」
これは独裁者の顔じゃない、やっぱり何かあるわねこの連中は・・・・面白くなってきたわぁ!!」
ルルーシュ「(異様なまでに鋭い奴だ・・・この写真だけでそこまで見抜くとは)」
ハルヒ「秘密を握ってて、尚且つ私達でも接触が可能なのは、ミレイ・アッシュフォードと
昨日たまたま駅で出会った紅月カレン、それと写真に写ってるこの青い髪の人と
眼鏡をかけた人、それとオレンジ色の髪の人ね・・・・・何処から攻めるべきだと思うルルーシュ?」
ルルーシュ「(オレンジ色の髪・・・・シャーリーか・・・)」
ハルヒ「ぬあ~、やっぱり昨日紅月カレンを尾行でもして住所を特定しておくべきだったわ!」
キョン「お前は探偵にでもなるつもりか」
ハルヒ「まぁいいわ、過ぎた事を悔やんでも仕方ない!新しい情報が分かったんだし
ここから少しずつ詰めていけばいつか真実にたどり着けるはずよ!」
ルルーシュ「(たどり着かれては困るんだが・・・)」
ガタッ!!
?「動くなっ!!!!」
キョン「!!?」
ある人物が急に部屋に入ってきハルヒ達に銃を向けた
キョン「あははは・・・ど、どーも」
カレン「ここで何してるの!?あなた達学園の関係者じゃないわよね?
こんな所に勝手に入って、ただで済むと思ってるの?」
キョン「(だから俺はあれほど自重すべきだと言ったんだ)」
ハルヒ「渡に船とはこの事だわ!!また紅月カレンに会えるなんて!!」
カレン「渡に船?何言ってるのあなた?」
古泉「申し訳ありません、実は僕等は今皇帝ルルーシュの秘密を調べてまして」
カレン「ルルーシュの・・・秘密?」
古泉「えぇ、それでかつて彼が通っていた学校、住んでいた場所を見てみようと思って
ここへ来たんです。無断で建物の中に入ってしまった事は弁解の余地もありません
本当に申し訳ありませんでした」
カレン「ちょっと待って!何であなた達知ってるの?ここがルルーシュの通っていた
学校だって」
古泉「噂を辿ってきただけですよ。半信半疑だったのですが、その物言いですと
本当にここが皇帝ルルーシュが通っていた学校のようですね」
カレン「(噂?誰が流したのかしら・・・・)」
助かるのですが・・・」
カレン「・・・・まぁいいわ、あなた達悪い人には見えないし。今の話信じてあげる」
古泉「ありがとうございます」
カレン「ただし、勝手にここに入った事への罰は受けてもらうわよ!」
キョン「け、警察に通報ですか!?」
カレン「あなた達修学旅行中なんでしょ?流石にそれは可哀想だから、勘弁してあげる
その代わり」
ミレイ「その代わり罰としてこの部屋を掃除してもらいまーす!」
カレン「か、会長!?どうして来ちゃったんですか!?」
キョン「(お、お天気お姉さんのミレイさん!!!)」
ミレイ「だって何かカレンだけじゃ心配だったんだもん」
カレン「何か怪しい人達がいるから様子見てきてって言ったのは会長ですよ?
私一人じゃ心配ってのは心外です!」
ミレイ「ごめんごめん!でも良かったわ、空き巣とか強盗の類じゃなくて
まさか修学旅行中の学生とはねぇ~」
キョン「あ、あの・・・勝手に入ってすいませんでした」
ただし、さっきも言ったけどこの部屋の掃除はペナルティーとしてやってもらうわよ!」
キョン「(ミレイさんと一緒にいれるなら喜んで!!)」
ルルーシュ「(カレンに続いて会長まで・・・これも涼宮の力のせいか?)」
ミレイ「それにしてもあなた達さっき面白そうな事話してたわね
皇帝ルルーシュの秘密とかって」
ハルヒ「そうよ!私達はルルーシュの秘密を探ってるの!そこでズバリ聞くけど
あなた達何か隠してるでしょ?皇帝ルルーシュに関する事や、妹ナナリーに関する事で!?」
カレン「(うっ・・・・)」
ミレイ「どうしてそう思うのかしら?」
ハルヒ「皇帝ルルーシュがこの学園に通っていた事も、ここのクラブハウスで生活していた事も
学園に通っていた時敵であるはずの紅月カレンと友達だった事も一般には明かされてない情報だわ
明かされてないってのはそこに何か知られたくない秘密があるからだと思うのよね!」
ミレイ「知られたくない情報って、例えば?」
ハルヒ「当時この学校の生徒の中に旧ゼロがいて、あの戦いは友達同士だった
ゼロとルルーシュによる茶番だったとか!?」
ルルーシュ「(!!?)」
キョン「(脳みそが飛躍しすぎて遂に正解に辿りついちまった。まぁ、正確には
ゼロもルルーシュだったんだが)」
ハルヒ「他にもいろいろな可能性があるわ!とにかく皇帝ルルーシュは一般に言われてるような
ただの独裁者ではなかったと思うのよね!」
ミレイ「うーん・・・・・・・・素晴らしい!!」
キョン「え?」
ミレイ「あなた素晴らしいわ。そう、その通り!ルルーシュはただの独裁者なんかんじゃないの」
ルルーシュ「(余計な事は言わなくていいんですよ会長!俺は独裁者のままでいいんだ!)」
ハルヒ「やっぱりそうなのね!お願い、あなたの知っている事全部教えて!」
ミレイ「教えてあげたいのは山々なんだけどね、私が知っているのは
ルルーシュの人間性だけ。だからその事に関してならいくらでも説明してあげるわよ
妹ナナリーとの思い出とかもね!」
ハルヒ「本当!?じゃあお願いするわ!」
ミレイ「た・だ・し!掃除をした後にね!」
ハルヒ「みんな急いで掃除するわよ!!キョンは床を雑巾がけ、古泉くんは掃除機!
みくるちゃんは台所、有希は棚を拭き掃除!ルルーシュはトイレとお風呂!!」
ミレイ「ル、ルルーシュ?」
ルルーシュ「お前は何をするんだお前は!?」
ルルーシュ「ふざけるな!お前も動け!掃除如きに指揮官などいらん!」
ハルヒ「甘いわねルルーシュ、こういう全体作業には一人指揮する人間を置かないと
いつまで経っても作業が終わらないものなの!」
ルルーシュ「仮にそうだとしても、その場合は適した人物を指揮官に据えるべきだ!」
ハルヒ「同感だわ、だから私がやるのよ!文句ないでしょ?」
ルルーシュ「大有りだ!だいたいお前はいつも」ガヤガヤ
ミレイ「ね、ねぇ君」
キョン「何です?」
ミレイ「あの子の名前、ルルーシュっていうの?」
キョン「え・・・えぇ、そうなんですよ。大変みたいですよ、同じ名前だといろいろと」
ミレイ「ふーん・・・でもなんかあの子、雰囲気が何処となく似てるわね、ルルーシュに」
キョン「えっ?」
カレン「会長もそう思いますか?私も何となくそう思ってたんです」
キョン「(まぁ当人だからな、雰囲気が似てるのは当たり前か)」
ミレイ「すっかり遅くなっちゃったわねぇ。ごめんね、いつまでも喋っちゃって」
ハルヒ「ううん。話をしてってお願いしたのはこっちなんだし、本当貴重な話が
聞けて良かったわ!ありがとう!」
ミレイ「部屋も綺麗に掃除してくれたし、ギブアンドテイクよギブアンドテイク」
カレン「いや会長、部屋の掃除は無断でクラブハウスの中に入ったペナルティーでしょ」
ミレイ「あはは、そうだったっけ?」
キョン「おいハルヒ急ぐぞ!早くホテルに戻らにゃ先生に怒られる!」
ハルヒ「分かってるわよ!じゃあ、またね!今日は本当にありがとう!
みんなダッシュで帰るわよぉ!!!」ダッダッダ
カレン「元気な子ねぇ・・・ていうか足はや。周りの子達大変そう」
ミレイ「あれ?みんな行っちゃったけど、君は行かなくていいの?」
ルルーシュ「最後に一つだけ質問してもいいですか?」
ミレイ「ん?なに?」
ルルーシュ「皇帝ルルーシュが住んでいたあの部屋、確かさっき当時のままにしてあると
言っていましたよね?」
ミレイ「そうよ、それがなに?」
誰も戻ってこないあの部屋を、何故いつまでも当時のままにしているんです?」
ミレイ「そうねぇ・・・ルルーシュは6年前に死んじゃって
ナナリーは今やブリタニアの代表。二人とも二度とここへは戻ってこない
そんな事は100も承知なんだけど、何だか残しておいてあげたいのよ。あの部屋は」
ルルーシュ「何故?」
ミレイ「大切な思い出なんだもん。私達にとっても、そしてきっとナナリーにとってもね」
ルルーシュ「・・・・・・・・・・・」
ミレイ「これが質問の答え!不満は?」
ルルーシュ「いえ・・・ありがとうございました。では」ダッダッダ
ルルーシュがその場を去った
カレン「あの子、何であんな質問したのかしら?」
ミレイ「さぁ。それにしても、変わった子達だったわねぇ」
カレン「・・・・・・・・」
ルルーシュ「(明日、絶対にここを戦場にはさせない!!会長が守り続けていてくれた
俺達の思い出は、絶対に壊させたりしない!!)」
古泉「ギアスを使用した?」
キョン「あぁ、勿論ルルーシュの指示でだがな」
古泉「いつ使用してどの時間まで巻き戻したのか、詳しく教えていただけますか?」
キョン「今日の夜に使って今日の朝に戻ったんだ・・・って、我ながら意味不明だな」
古泉「つまり、我々は今日という日を二度過ごしたという事ですね?」
キョン「そうだ。一度目は当初の予定通り新宿ゲットーで不思議探しをしたんだが
あまりの過酷さ故朝比奈さんが病院送りになるは、俺とルルーシュが筋肉痛になるはで
とても明日の作戦を計画通りに進める状態じゃなくなってな」
古泉「それで時間を戻したのですか。なるほど、朝にルルーシュさんが
不思議探しを回避しようとしていたのはそういった経緯があっての事だったのですね」
キョン「お陰で万全の状態で明日を迎えられそうだ」
古泉「しかし羨ましいですねぇ」
キョン「何がだ?」
古泉「記憶を引き継げない僕は、あなたやルルーシュさんのように前後の変化を
楽しむ事が出来ませんからね。いや、本当に羨ましいですよ」
キョン「毎度毎度おかしな事を羨ましがる奴だ・・・」
ルルーシュ「全員揃ったな?それじゃ作戦の最終確認をしておく
まずはキョンと朝比奈さん。前にも言ったがとにかく二人はずっと涼宮の傍にいて
あいつを守ってくれ」
キョン「俺が守ってもらわにゃならん事になるかもしれんが・・・まぁ頑張ってみるさ」
みくる「が、頑張りますぅ」
ルルーシュ「長門有希はこの後C.Cと共に移動、ナイトメアで出撃してもらう
細かい指示は状況に応じてその都度俺が出す」
長門「・・・・分かった」
ルルーシュ「古泉は事が始まったと同時に涼宮達と別れ
Aポイントまで移動しランスロットに搭乗しろ
その後旧ゼロに機体を渡し、その後お前は仮面を被り旧ゼロを演じる」
古泉「上手く演じれるか分かりませんが、最善を尽くします」
ルルーシュ「ランスロットの操縦の方は大丈夫だな?」
古泉「ただ運ぶ程度でしたらなんとか。ただ、道中テロリストのナイトメアに
攻撃されないか、そこが大いに不安なのですが」
ルルーシュ「安心しろ、決めてあるルートは戦場とは無縁な場所を選んである
恐らく連中は疎開の外、品川方面から攻めてくるはずだ。問題ない」
古泉「それを聞いて安心しました、正直戦闘になった場合対処できる自信がありませんからね」
正直あいつの計画通りに物事が進むとは思えん」
ルルーシュ「ナナリーの件は心配ない、既に手を打ってある
キョンと朝比奈さんの最優先事項は涼宮を守る事だ
危険だと思ったらナナリーの事は諦めて力ずくでも涼宮を安全圏へと運べ」
キョン「あいつを力ずくで?」
ルルーシュ「それから全員これを耳につけといてくれ」
ルルーシュは鞄からイヤホンのようなものを取り出してテーブルに置いた
古泉「無線機か何かですか?」
ルルーシュ「あぁ。これがあれば常に互いの状況を理解できるし、俺も指示が出しやすい
何か問題があった場合はすぐに俺に連絡を入れてくれ」
キョン「了解」
ルルーシュ「ただし涼宮の近くにいるキョンと朝比奈さんは基本聞き手に徹してくれ
無線であれこれ喋っている所をあいつに見られたら面倒だからな」
みくる「分かりました」
ルルーシュ「それからキョン、万が一作戦が失敗した場合は俺が指示を出すが
明らかにこれは駄目だと思った時は自分の判断でギアスを使用してもらって構わない」
ルルーシュ「例の軍事基地襲撃事件を見る限り、新ゼロは勝つ為には
手段を選ばない者だ。各自油断せずに行動してくれ」
古泉「分かりました」
キョン「はぁ・・・やるしかないよな」
みくる「が、頑張りましょう!」
長門「・・・・」
ルルーシュ「じゃあそろそろ行こう、下で涼宮が待っているだろうからな
長門有希はここから別行動だ、ホテルの裏でC.Cが車で待っている
直ちに向かってくれ」
長門「了解」
キョン「長門、お前にこんな事言っても仕方ないだろうが、無理はするなよ」
長門「・・・・」コクッ
ハルヒ「有希が風邪!?」
ルルーシュ「あぁ、昨日の夜から具合が悪かったそうだ。さっき先生と病院に行った」
ハルヒ「大丈夫かしら・・・・」
ルルーシュ「一人欠けてしまったが、どうする?計画は中止するか?」
ハルヒ「中止なんかしないわ!有希がいないのは残念だけど、ここで止めるわけにはいかないの!
私達だけでナナリーを助け出しましょ!」
ルルーシュ「(そう言うと思った)」
キョン「ならとっとと行こうぜ、早くしないと会場に入れなくなるぞ?」
ハルヒ「そうね、急ぎましょう!」
------
---
-
-----東京湾
ジェレミア「ようやく来たか、遅いぞ!」
C.C「予定より少し遅れただけだろ、いちいち怒るな」
C.C「まだ作戦は始まっていないぞ早漏くん」
ジェレミア「なっ・・・なんという下品な言葉を!やはりお前は陛下の恋人には相応しくない!」
C.C「相応しいか相応しくないかを決める権利などお前にはない」
ジェレミア「お、おのれ魔女が・・・・」
アーニャ「二人とも、作戦前に喧嘩は駄目」
C.C「悪いのはジェレミアだ、私ではない」
ジェレミア「貴様・・・」
アーニャ「ジェレミア、C.C達が来たんだからあなたは次の行動に移らないと」
C.C「そうだそうだ、時間厳守なんだろ?早く会場に行って除洗してこい」
ジャレミア「フン、分かっている!!!」
ジェレミアは式典会場へと向かった
C.C「さて、うるさいのがいなくなった事だし、長門有希。お前のナイトメアを見せてやろう」
長門「・・・・」
アーニャ「・・・・」ジーッ
長門「・・・・」
アーニャ「この子、無口キャラ?」
C.C「キャラかどうかは知らんが、無口なのは確かなようだな
ベラベラといらん事ばかり喋る奴よりは、私はこっちの方が好きだぞ」
アーニャ「私アーニャ、よろしく」
長門「・・・・よろしく」
アーニャ「あっ、やっと喋った!」
C.C「何をしている、さっさと格納庫へ行くぞ!」
アーニャ「うん。私たちについて来て、案内する」
長門「・・・・・」コクッ
-------
---
-
-------アッシュフォード学園(式典会場)
ガヤ ガヤ
古泉「何でしょうかねこれは・・・凄い数です」
キョン「5、6万人くらいいるんじゃないかこれ?いくらなんでもこんなにいたんじゃ
トラブルが起きた場合かなりの死傷者が出るぞ・・・」
ルルーシュ「当初の予定ではこんなに多くの人を入場させるはずではなかった
恐らく超合衆国の馬鹿共が途中で設けていた上限を撤廃したのだろう」
キョン「何でんな事したんだ?テロリストが攻撃を仕掛けてくるって分かってるのに!」
ハルヒ「どうせテレビ的には来場者が多い方が盛り上がるとか思ってるのよ!
全く信じられない連中だわ!」
キョン「そんなテレビマン的発想を、政治家の連中が持ち合わせてるとは思えんが・・・」
古泉「しかし、これだけ多くの人を入場させているからこそ、我々も中に入れたわけですし」
ルルーシュ「確かにそうだな、予定通り入場制限をかけられていたら
俺達は今頃会場の外だ」
ハルヒ「あんた達が起きてくるのが遅いのが悪いのよ全く!」
キョン「悪かったよ。ていうか今何時だ?」
古泉「12時半、式典開始まで後30分です」
新ゼロ「現場の状況は?」
カノン「以前変化はないようです」
新ゼロ「妙だな・・・・12時30分を過ぎたと同時に殺し合いが始まるはずなのだが・・・
カノン、今何時だ?」
カノン「12時45分です」
新ゼロ「・・・・・・15分以上経っても動かないか。しかしこれはどういう事だ?
俺は間違いなくギアスをかけた、なのに何故動かん?」
カノン「何者かが解除したという可能性は?」
新ゼロ「解除?・・・・・・・・なるほど、ギアスを解除する事のできる能力か
確かにそんなものがあったとしても何ら不思議ではないな」
カノン「しかしその場合・・・」
新ゼロ「あぁ、敵側は俺がギアス能力者であるという事を認知しているようだ
この間の軍事基地襲撃の件からバレた可能性が高いな」
カノン「いかがなさいますか?」
新ゼロ「勿論作戦は継続する。この機を逃して次はないからな
事前にトラブルを作り出すことは失敗に終わったが・・・なーに、ならば次の策を講じるまでだ」
カノン「突撃部隊ですか?」
カノン「ナイトメアに爆弾を積み、敵軍に取り付かせて爆破
パイロットはギアスをかけられ操り人形と化したテロリスト。かなり非人道的ですね」
新ゼロ「気に入らないか?」
カノン「いえ、勝つ為に最善ではなく最良をつくす。私はあなたのそういう所に惹かれたのですから
そのような事は一切思いません」
新ゼロ「フン、しかし本当にいいのか?このまま俺の下で働くという事は
お前がかつて仕えたシュナイゼルも殺す事になるんだぞ?」
カノン「今の殿下はかつてのゼロであるルルーシュによってギアスをかけられた
ただの人形です。私は1秒でも早く殿下をそのような状態から開放してあげたい・・・」
新ゼロ「その為なら殺すも止む無しか?」
カノン「はい」
新ゼロ「フハハハ、まぁいいだろう。お前は優秀だからな、これからもよろしく頼む」
カノン「こちらこそ。・・・・・・・ところでゼロ」
新ゼロ「何だ?」
カノン「あなたは一体何者なんです?」
新ゼロ「フン、瑣末な事を気にするな。それよりも我々も動く、準備しろ」
一般参加者より高い位置に軍や各国の政府関係者が椅子を並べて座っており
中央には大きな慰霊碑が置かれている
ガヤ ガヤ ガヤ
キョン「古泉、今何時だ?」
古泉「もうすぐ13時です。いよいよですね」
ハルヒ「いいみんな、猛ダッシュでナナリーを助けに行くのよ!!」
キョン「ていうか来てるのかナナリー首相は?ここからじゃ関係者は豆粒程度にしか見えん!」
ハルヒ「いるわよ、慰霊碑の横の席!中華連邦の天子と何か話してるわ!」
ルルーシュ「よくこれだけ離れた場所からそんな事まで確認できるな・・・」
ハルヒ「私視力2.0だし!」
キョン「いや、2.0でもこれは普通見えん」
古泉「13時です」
その瞬間会場全体に大きな爆撃音が鳴り響いた
ザワ ザワ ザワ
「何今の音?」 「爆発?」 「まさかテロ!?」
ザワ ザワ ザワ
関係者「み、みなさん落ち着いてください!何でもありません、今の音は花火です!」
ハルヒ「花火?何言ってんのあいつ!?終戦記念の式典で花火なんて
打ち上げるはずないじゃない!?」
ルルーシュ「そうか、何でこんなに多くの人間を入場させたのかと不思議に思っていたが
なるほど、どうやら連中は犠牲者を増やしたいようだ」
キョン「犠牲者を?どういう事だ?」
ルルーシュ「この間の放送で超合衆国と黒の騎士団の不正、怠慢を暴露した新ゼロは
今現在多くの人々の支持を集めている。この状態では黒の騎士団はテロリストに対して
報復攻撃ができない。支持を受けているテロリストを攻撃しようものなら
たちまち正義と悪の立場は逆転し、彼らは民衆の敵になってしまうからな」
キョン「だから何だって言うんだ?」
そうなったら民意はガラリと変化するだろう。新ゼロは誰の目にも明らかな悪となり
それと戦う黒の騎士団は正義となる。そうなれば堂々と報復でもなんでも好きなだけできる」
古泉「つまり、彼らがこの式典にこれだけ多くの人々を入場させたのは・・・」
ルルーシュ「あぁ、十中八九犠牲者を多くする為だろう。犠牲者が多ければ多いほど
人々の反新ゼロ感情は大きくなるだろうからな」
キョン「さっきの音を花火だなんだと誤魔化したのも、みんなをここに留まらせておく為の嘘か!」
ハルヒ「腐ってるわね・・・許せないわ!!どっちがテロリストだか分かったもんじゃないわ!」
ルルーシュ「同感だ。しかし、まさか民意を得る為とはいえここまでするとはな・・・」
ハルヒ「私達でなんとかするしかないわね!このままじゃこの会場にいる殆どの人が
テロに巻き込まれちゃうわ!」
キョン「何とかするって、どうするつもりだ?」
ハルヒ「とにかく叫ぶしかないわ!!『今のはテロリストの攻撃よー!』とか、『みんな逃げてー!』って!」
キョン「戯言だとスルーされるんじゃないか?」
ルルーシュ「いや、かなり有効だ。平静を装っているが、さっきの爆発音でみんなかなり動揺している
これなら少し背中を押してやるだけでみな回避行動をとるだろう」
ハルヒ「決まりね!みんないいわね?力いっぱい叫ぶのよ!?」
キョン「ええい、やるしかないか!」
交戦状態に入っていた
テロリストA「落ちろ赤いの!!」
テロリストのナイトメアが紅蓮に対しハドロン砲を撃つ
しかしカレンは操縦桿を素早く動かしこれを回避
カレン「そんな攻撃当たらないわ!」
テロリストA「くそ、何でこの距離から撃って当たらねーんだ!!」
紅蓮がテロリストのナイトメアの後方に回り込む
カレン「後ろ、がら空きなんだけど?」
テロリストA「は、早すぎる!?」
紅蓮は敵ナイトメアの両腕部、両脚部を即座に切断
相手を無力化しては次の相手へと向かい、それを繰り返していた
ジノ「相変わらず早いなぁ、カレンの機体は」
藤堂「よそ見している暇はないぞジノ君!相手の数を見ろ!」
ジノ「へ?・・・うわー、凄い数。一機ずつじゃ日が暮れるね
面倒だから一気に減らすか!」
ドカーーン!!
テロリスト「うわああああ!!」
カレン「ちょっとアンタ、そんな技があるなら最初からやりなさいよ!
一機ずつ倒してた私が馬鹿みたいじゃない!」
ジノ「凄いだろこれ?四連動式ハドロンブラスター!新型トリスタンの目玉さ
まぁエナジー消費が滅茶苦茶多いのが欠点だけど」
玉城「エナジーの心配なんていらねーって!もう今ので全部撃ち落しちまったんだしよw
これで俺達の大勝利だwww」
カレン「あんたよく落とされなかったわね・・・」
藤堂「油断するな、この程度で終わるとは思えない」
玉城「おっ?噂をすればだwwまーた団体さんのお出ましだww」
カレン「あの機体・・・旧型のサザーランド?」
ジノ「本当だ、旧型のサザーランドにフロートユニットをつけただけじゃないか
あんなんで俺達と戦おうってのか連中は?」
藤堂「いや・・・何かおかしい」
大量のサザーランド部隊がカレン達目掛け一直線に飛んでくる
自衛隊のナイトメア部隊がカレン達の前に出て敵部隊を迎え撃つ
藤堂「おい待て、正面から当たるのは危険だ!!!」
司令官「問題ありません、このような旧式、我々で十分!!」
自衛隊のナイトメアが敵部隊に向かってライフルの一斉射撃を行う
しかし弾に当たらなかったナイトメアが自衛隊のナイトメアに抱きつき相次いで自爆した
自衛官A「な、何だこいつ!?は、離れろ!!」
ドカーーン!! ドカーーン!! ドカーーン!!
藤堂「なっ!?」
ジノ「自爆かよ、こりゃまずい!みんな逃げろ!取り付かれたら終わりだ!」
カレン「くそっ」
藤堂「一定の距離を保ちつつ、遠距離攻撃で少しずつ数を減らしていくしかない!
近づきすぎると爆発に巻き込まれるぞ!」
その間にも自衛隊のナイトメア部隊はどんどん落とされていった
ドカーーン!! ドカーーン!! ドカーーン!!
ハルヒ「テロよー!!テロリスト!!これは花火の音なんかじゃないわ!!」
キョン「みんな逃げろ!!テロの標的はここだ!!巻き込まれるぞ!」
古泉「みなさん今すぐ会場の外に逃げてください!間もなくここは戦場になります!」
みくる「みなさーん、逃げてくださ~~い!」
「やっぱりそうか!に、逃げるぞ」 「みんな逃げるわよ、お母さんに着いてきなさい!」
「早く逃げろー!殺されるぞ!」 「おい押すな!!」 「さっさと行けよお前!!」
ワー ワー ワー ワー
ハルヒ達の言葉によって一般来場者の殆どが会場の外へと向かい走り出し
会場はパニック状態へと陥った
関係者「み、みなさん落ち着いて!席に御戻りください!」
キョン「この期に及んでまだ言ってるのかあいつ?」
ルルーシュ「こうなってしまった以上式典は中止せざるを得ない、すぐに諦めるさ」
ハルヒ「この混乱状態・・・まさに思い描いていた通りだわ!今ならナナリーの所へ行っても
何ら不自然ではないわね!」
ハルヒ「問答無用よ!ぐずぐずしてたらテロリストが来ちゃうし、今のうちにナナリーを
安全圏まで運ぶわよ!みんなついてらっしゃい!!」
キョン「お、おい待てハルヒ!!」
ハルヒ「突撃ー!!」ダッダッダ
ハルヒは会場の外へ逃げようとする人々を掻き分けながら
ナナリーのいる壇上目掛けて猛スピードで走り出した
ルルーシュ「キョン、朝比奈さん!」
キョン「あぁ、分かってるよ!あいつの事は任せとけ。行きましょう朝比奈さん!」
みくる「は、はい」
キョンとみくるがハルヒの後を追い走り出す
古泉「さて、では僕も動きますか」
ルルーシュ「頼むぞ、必ずスザクにランスロットを渡してくれ!」
古泉「えぇ、任してください」
ルルーシュ『C.C、応答しろ!』
C.C『何だ?』
ルルーシュ『そちらの状況は?』
C.C『今アーニャ達と東京湾に向かっている。あと5分程度でつくだろう』
ルルーシュ『よし、予定通りだな。奴等は戦力を分散させずに一点に攻撃を集中させるはずだ
つまり、東京湾からの部隊させ食い止めればこちらの被害は0で終わる
一機たりとも先へ進ませるな!』
C.C『言われなくてもそのつもりだ。で、そっちは今どうなってる?』
ルルーシュ『今さっき涼宮達がナナリーのもとへ走り出したところだ
俺はこれから蜃気楼に乗り込み一般人の避難誘導をする!そちらは任せたぞ』
C.C『了解だ』
ルルーシュ『何かあったら連絡を入れろ。無理はするなよ!』
C.C『あぁ、分かってる』
ピッ
ルルーシュ「よし、行くか」
関係者A「ちっ、これではもう式典どころではないな・・・」
関係者B「テロリスト共は何をやっているんだ!?さっさとここへ来い!」
ナナリー「あ、あなた達は何を言っているんですか!?」
関係者B「い、いや・・・今のは」
ナナリー「みなさん急な事で混乱しています!私達で非難誘導をしましょう!」
関係者A「避難誘導?我々がですか?」
ナナリー「そうです!」
関係者B「冗談でしょ、そんな事は警備してる連中に任せとけばいいんです!
我々には式典を遂行するという重大な役割が」
ナナリー「もうそんな事を言っている場合ではありません!式典は中止です
だから私達で出来る事を」
関係者A「ええい、うるさい!!ブリタニアの分際で我々に意見するな!!!」
ナナリー「国は関係ありません、今は一人の人間として」
関係者A「黙れ!!!この虐殺皇女が!!」
ナナリー「!!」
あんたと裏切りの騎士枢木スザクだけだったな?そんな人間がどの面下げて
ここに座ってやがんだ?あぁ!?」
ナナリー「わ、私は・・・」
関係者B「おい止めろ!!今支持が出た、プランBに以降だ!」
ナナリー「プランB・・・何ですかいったいそれは?」
関係者A「あはははいいねぇ!!面白くなってきた!」
ナナリー「な、何を笑っているんですか?」
関係者A「我々はこれからこの会場を爆破します!」
ナナリー「何を言ってるんですか!?そんな事をしたら」
関係者A「そんな事したらいっぱい死んじゃいますよね、何の罪も無い一般人が
でもね、それでいいんですよ。この状況で会場が爆発すれば
誰もがテロリストの仕業と思うでしょう、そうなれば世論は超合衆国支持に傾き
テロリスト共を徹底的に叩く事ができる」
ナナリー「まさか、そんな事の為に・・・」
関係者A「そんな事?大事な事でしょう。民衆の支持無くして政治はできません
ちなみに、あなたはここで死んでいただきます」カチャッ
関係者Aがナナリーに銃を向ける
関係者A「勿論です。国家の代表がテロに巻き込まれて死亡。
そうなれば民衆は更に強く反テロリストへの感情を強める事になる
必要な事なんです、世界平和の為に死んでくださいナナリー首相」
ナナリー「・・・・・・」
関係者A「いつもあんたを助けてくれるゼロも、今回ばかりは助けてはくれませんよ?
爆発音と同時に様子を見てくるとか言って外に出ちゃいましたからね
まぁ、プランBが発令された以上、彼ももう用無しなんですが
今頃私の部下が始末してるはずです」
ナナリー「ゼロは・・・スザクさんはあなた達になんて負けません!」
関係者A「は?スザク?枢木スザクの事か?わけ分からんな・・・ もう楽にしてやるよ!!」カチャッ
ナナリー「(お兄様!!)」
ハルヒ「ちょーーーーと待ったぁぁぁ!!!!」
ハルヒのとび蹴りが関係者Aの顔面に炸裂する
ドサッ
関係者A「ぐはっ!!」
ハルヒ「あんた達今何しようとしてた!?撃とうとしてたでしょ!?
考えられないわ!なに考えてんのよ!!」
関係者A「うっ・・・・うぅ」
ナナリー「あ、あなたは?」
ハルヒ「私?私は涼宮ハルヒ!あなたを助けに来たのよ!」
ナナリー「わ、私を?」
ハルヒ「そっ、私達SOS団が来たからにはもう大丈夫よ!」
ナナリー「エ、エスオーエスダン?」
キョン「お、おいハルヒ!!ハァハァ」
ハルヒ「遅いわよキョン!!何してたの・・・・・ってあれ?古泉くん達は?」
キョン「逸れちまったよ、お前が一人でぶっ飛ばすもんだから」
みくる「ま、待ってくださ~~い!ゼェゼェ」
ハルヒ「みくるちゃんですらちゃんと着いてきるっていうのに、全く何やってるのかしら!
ルルーシュはともかく、古泉くんって運動神経良かったわよね?」
ナナリー「(ルルーシュ・・・?)」
みくる「えぇ!?ま、また走るんですかぁ!?」
キョン「朝比奈さんよく見てください、あの連中銃を持ってます!
早いとこ逃げないと危険なんです!」
みくる「ひぇ、ひぇぇぇぇ!」
ハルヒ「じゃあとっとと逃げるわよ!!ナナリー、振り落とされないようによ~~く掴まってなさいよ!」
ナナリ「は、はい」
関係者B「待て!!逃がすか、お前ら全員まとめてあの世へ送ってやる!!」
関係者Bが銃をハルヒ達に向ける
キョン「まずい!!ハルヒ逃げろ!!」
関係者B「死ね!!」
ドンッ!! ドンッ!!
引き金を引く瞬間、関係者Bの額にクナイのようなものが突き刺さった
体勢を崩した彼から放たれた弾丸は上空へと消える
ドサッ
すると何処からともなく一人の女性が現れハルヒ達にこう告げた
咲世子「ここは私がおさえます、みなさんは早くナナリー様を安全な所へ!」
ハルヒ「あなた誰よ?今のあなたがやったの!?」
咲世子「そうです。早くナナリー様を安全な所へ!」
ナナリー「咲世子さん!!!」
ハルヒ「へ?知り合いなの?」
ナナリー「お久しぶりです咲世子さん!今まで何処にいらっしゃったんですか!?」
咲世子「再会を懐かしむのは後にしましょう、とにかく今は」
咲世子がキョンへアイコンタクトを送る
キョン「(そうか、この人はルルーシュの協力者か!)」
ナナリー「私達だけで逃げるなんて、咲世子さんも一緒に!」
咲世子「それはできません、私には私の役割がございますので・・・さあ、早く!!」
キョン「よし、行くぞハルヒ!さっきみたいにぶっ飛ばせ!!」
ハルヒ「そうね、ここはお言葉に甘えましょう。行くわよみんな!」
咲世子「ナナリー様、どうか御無事で」
ハルヒ「フルスロットルよー!!!」ダッダッダ
ハルヒは猛スピードで走り出し、キョンとみくるはその後を追った
関係者A「おのれ・・・貴様ただで済むと思うなよ!!お前が今殺したのは超合衆国の幹部だ!
貴様は勿論親兄弟、まとめてあの世に」
ドスッ
咲世子のクナイが関係者Aの額に突き刺さった
ドサッ
咲世子「ナナリー様を愚弄した罪、そのあの世とやらで償ってください」
関係者C「何だあいつは・・・誰でもいい、早くあの女を殺せ!!!」
号令と共に無数の警官隊が咲世子へ銃を向ける
咲世子「・・・少々数が多いですが、まぁいいでしょう。篠崎流の恐ろしさ
その身に味あわせてあげましょう」
何とか取り付こうというテロリストのナイトメアを交わしながら遠距離で攻撃という
面倒な作業が、戦闘時間を大きく長引かせていた
玉城「う、うわっ!!しまった!!」
ジノ「おい、あの人捕まっちまったぞ!?」
藤堂「早く脱出レバーを引け!!」
玉城「か、神様ぁぁぁ!!」
バシュー
ドカーーン!!
脱出が一歩早く玉城は命を繋いだ
カレン「ったく、危なっかしいわねあいつは!」
ジノ「でも、あの人じゃなくてもこれはちょっと厳しいな・・・キリがない」
ピーッ、ピーッ、ピーッ
ジノ「はぁ?やばい、エナジーが・・・」
カレン「調子に乗ってあんなの使うからよ馬鹿!!」
ブウンッ
エナジーが切れ降下するトリスタンに自爆部隊のナイトメアが取り付く
カレン「何やってんのよ早く脱出を!!」
ジノ「駄目だ、くそっ、連中が取り付いたせいで動かない!」
カレン「そ、そんな・・・ジノ!!!!」
機体が自爆しようとしたその時、大量のハーケンがトリスタンに取り付く
サザーランドを弾き飛ばした
ドカーーン!!
ジノ「ぐあっ!」
爆風を受けトリスタンは大きく飛ばされ、また降下を始めたが
モルドレッドがそれを受け止める
ガシッ
ジノ「た、助かった・・・・のか?」
カレン「なに、あの機体?」
そして見慣れない金色のナイトメアが存在していた
藤堂「ジノ君を助けたのはあの金色の機体だな。それにしても何ださっきの攻撃は?
あんなに大量のハーケンを一度に・・・それもあの状況で敵のナイトメアだけにヒットさせた・・・」
カレン「味方・・・・ですよね?」
藤堂「ジノ君を助けてくれたんだ、恐らくそうだろう。それに他の二つの機体には
君も見覚えがあるだろう?」
カレン「えぇ・・・(ジェレミアとナイト・オブ・シックス)」
ジノ「この機体・・・・アーニャ、アーニャなのか!?」
アーニャ「・・・・・違う」
ジノ「やっぱりアーニャだ!!助かったよ、ていうか今まで何処で何してたんだ?」
C.C「そんな話をしてる場合ではないだろう、まずはこの連中を何とかしてからだ」
カレン「そ、その声・・・・・まさかC.C!!?」
C.C「久しぶりだなカレン、だいぶ手こずっているようだから私達が力を貸してやる」
カレン「ちょっとアンタ、今まで何処でなにして」
ジェレミア「話は後だ、敵を殲滅するぞ!」
さっきの攻撃見る限り、相当な腕前のようだけど・・・」
藤堂「何故彼らがここへ来たのかは知らんが、これ程頼もしい戦力もない。紅月くん、ここは彼らの力を借りよう!」
カレン「わ、分かりました!」
モルドレッドが新しいエナジーフィラーをトリスタンにとりつけた
ブゥーンッ
ジノ「用意がいいなアーニャ、まさかこの事態を想定してたのか?」
アーニャ「無駄話禁止」
ジノ「何だよ、冷たいな」
カレン「C.C、この戦いが終わっても逃げないでよね。アンタには聞きたい事が
山ほどあるんだから!」
C.C「おぉ怖い怖い」
ジェレミア「行くぞ!!!」
ジェレミアの号令と共に各ナイトメアは自爆部隊に向け一斉射撃を行った
軍人「ぐはっ・・・・・」ドサッ
会場の外、人気のない所に黒いマントと黒い仮面を被った男が立っていた
その周りには武装した多くの軍人が地を這うようにくたばっている
ゼロ「ハァ、ハァ・・・・何故このような事を・・・・・誰の指示だ!?」
軍人「くそ・・・・化物め、まさかゼロがここまで強いとは・・・くっ」
ゼロ「答えろ!!誰の指示だ!?」
軍人「へ、アンタの時代はもう終わりだ・・・これからは俺達が・・・・」ガクッ
そう言うとその軍人は絶命した
ゼロ「間違いない、この人達は黒の騎士団の暗殺部隊だ・・・何でこんな事を
いや、考えるのは後だ!このままだと恐らくナナリーが危ない!早く助けにいかないと!」
?「何処へ行く気ですかゼロ様?」
ゼロ「!?お前は誰だ?こいつらの仲間か?」
隊長「この部隊を率いてる者です。あれまぁ、全員殺しちまったんですか・・・凄いねこりゃ」
隊長「さぁね、それは答えられません。ただ、あなたには確実にここで死んでいただかないと
私が困るんですよ」
ゼロ「私に一対一で勝てるとでも?死にたくなかったらそこをどけ」
隊長「愛しのナナリー首相をお助けに参るのですか?」
ゼロ「なに?」
隊長「あなたはいつもそうですよね、何故かかつて敵だったはずのブリタニアのナナリーに付き添い
常にサポートしている。あれは何故です?」
ゼロ「答える義理はない。何度も同じ事を言わせるな、そこをどけ!」
隊長「気に入らないねぇ、絶対に自分が勝てるもんだと思ってやがる
俺は戦場で生まれ戦場で育ち、物心ついた時から殺しをしてる、あんたとは環境が違う
そいつらを倒したくらいで調子に乗るなよ?」
ゼロ「・・・・・」
隊長「じっくりあの世に送ってやる。あのゼロを殺せるなんて、こんな喜びはねぇ!興奮するぜ!!」
ゼロ「クズが・・・・」
ゼロは猛ダッシュで隊長に迫る
隊長「へ、馬鹿が!!」
隊長「死ねぇぇぇ!!!」ドドドドドドドドドッ
しかしゼロは走りながらこれを全弾回避
隊長に向けいつもの回転蹴りを放つも紙一重で交わされる
隊長「あっぶねー!!ヘヘ、なんて野郎だ!!ライフルの弾を交わしやがった!!
ククク、こりゃ想像以上の上玉だ!!殺し甲斐がある!!」
ゼロ「・・・・最後のチャンスだ、そこをどけ。そうすれば見逃してやる」
隊長「うるせー!!死にやがれ!!」ドドドドドドドッ
再びゼロに向けライフルを乱射
ゼロは弾を避けながら持っていた小型ナイフを投げ
銃口に命中させ、ライフルは暴発し粉々に破裂した
ボンッ!!
隊長「ぐあっ!!」
その瞬間ゼロは再び回転蹴りを繰り出し隊長は地に伏せた
ドサッ
ゼロ「終わりだ」
ゼロ「誰の指示で俺を襲撃した?答えれば命だけは助けてやる」
ゼロは倒れた隊長をマウントポジションで押さえ込み
顔に銃を突きつけている
隊長「ヘ、ヘヘヘ・・・くたばりやがれ!」
ドンッ!!
ゼロ「・・・・・・・早くナナリーの所へ行かなければ・・・・ん?何だあれは?」
その時上空から一機のナイトメアがゼロの前に降り立った
ゼロ「これは・・・・・・まさかランスロット!?」
コクピットハッチが開きある人物が姿を現し答える
古泉「その通りです。あなたの専用機、ランスロットですよ。いや~、探すのにかなり
苦労しました。しかし、何とか見つけられてよかった」
ゼロ「君は・・・・いったい何者だ?」
ゼロ「・・・・・冗談に付き合っている暇はないのだが?」
古泉「冗談ではないんですけどね・・・・まぁいいでしょう、今はそんな事よりもやらねばならない事がありますし」
ゼロ「もう一度聞く、君は何者だ?何故ランスロットを動かしている?」
古泉「頼まれたからですよ、ルルーシュさんにね」
ゼロ「なに!!?ルルーシュ!?」
古泉「えぇ、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア。僕は彼の協力者です」
ゼロ「そうか、ルルーシュの・・・ではある程度の事情は大体聞いているんだろうな」
古泉「はい、あなたが枢木スザクだという事も知っています。だからこうしてここに
ランスロットを持ってきたんです。ルルーシュさんは今回の事件を事前に察知し
あなたやナナリー首相を守る為密かに動いていたんです」
ゼロ「では彼もここに来ているのか?」
古泉「えぇ。あなたはこれからランスロットに乗って東京湾の部隊に合流してください
その間は僕がその仮面を被りゼロを演じます」
ゼロ「君がゼロを?しかし、私は・・・ゼロは今命を狙われている。危険だ」
古泉「そのようですね・・・正直あなたが外だけでなく中からも命を狙われるという事態は
想定していませんでした。しかし、だからといって計画を変更するわけにもいきません」
古泉「人目の多い所に出れば恐らく大丈夫でしょう。それに、仮に襲撃を受けたとしても
こちらにも一応護衛をしてくれる者が数名いますからたぶん大丈夫です」
ゼロ「護衛?」
古泉「えぇ、僕の所属している機関という組織の戦闘部隊です。プロの方々には劣るでしょうが
それでもいないよりはだいぶマシでしょう」
ゼロ「機関?」
古泉「詳しい事はまた機会がありましたらその時に説明します。それより急ぎましょう
ルルーシュさんの計算では、あなたとランスロットが加わらないとあちらの戦いは
かなり厳しいものになるとの事でしたので」
ゼロ「分かった」
スザクはゼロの仮面、衣装を脱ぎ古泉が用意していたパイロットスーツに着替え
古泉はスザクが脱いだ仮面、衣装を身に着けた
スザク「ふーっ・・・・・・・・久しぶりだな、外で顔を出したのは・・・」
古泉「これまで一度も外さなかったのですか?」
スザク「外ではね。屋内でも寝る時や入浴する時くらいしか仮面は外さなかった」
古泉「それは大変でしたね」
口調なんかは出来るだけ前のゼロ、ルルーシュに似せないといけないからね」
古泉「なるほど」
スザク「それにしても、また枢木スザクとしてランスロットに乗る日が来るなんて・・・」
古泉「このランスロットはあなたが最後に乗っていたアルビオンよりも数世代進んだ機体です
簡単な教本は中に入っていますが、操縦できそうでしょうか?」
スザク「あぁ、何とかやってみるよ」
古泉「頼もしいですね。元ラウンズの方に先ほどの質問は愚問でしたか」
スザク「そういえば、まだ君の名前を聞いていなかったね」
古泉「古泉一樹です。よろしくお願いします」
スザク「古泉くんか、僕が戻るまでゼロのフリよろしく頼むよ」
古泉「はい」
スザク「じゃあいってくる!」
スザクはランスロットに乗り込み、東京湾へ向け飛び立った
キョン「ハァ、ハァ、ハァ」
みくる「ふぇ~~、もう走れない~」
ハルヒ「みんなよく頑張ったわね!ここまでくればもう大丈夫よ!」
キョン「何処が大丈夫なんだ?会場から殆ど離れてないじゃないか!」
ハルヒ「灯台下暗しよ灯台下暗し!さっきの連中やテロリストも、まさかこんな所に
ナナリーがいるだなんて思わないでしょ!」
ナナリー「あ、あのぉ・・・・助けてくださってありがとうございます」
ハルヒ「いいのよお礼なんて、当然の事をしたまでだから!」
ナナリー「本当にありがとうございます!ところで、みなさんの御名前をお聞きしたいんですが」
ハルヒ「そういえば自己紹介がまだだったわね!私は涼宮ハルヒよ、よろしくね!」
キョン「俺は」
ハルヒ「こいつはキョンよ!」
キョン「何でお前が俺の紹介をするんだ!しかも本名の前にあだ名を教えてどうする!」
ハルヒ「いいじゃない別に、キョンの方が呼びやすいんだし!」
キョン「いや、そういう問題じゃないだろ・・・」
全員SOS団のメンバーで、私が団長よ!」
ナナリー「先ほども言っていましたけど、そのエスオーエスダンというのは
一体なんなんでしょうか?」
キョン「(当然の疑問だな)」
ハルヒ「世界を大いに盛り上げる為の涼宮ハルヒの団!略して、SOS団よ!!」
ナナリー「・・・・・は、はぁ」
キョン「(鳩が豆鉄砲食らったような顔をしている・・・誰でもそりゃそうなるわな)」
ナナリー「あの、ところでみなさんは何故私を助けてくれたんですか?
誰かに頼まれたのでしょうか?」
ハルヒ「違うわよ!SOS団が独自に考えて行動したの!もしテロが起きた場合
他にブリタニアの関係者が一人もないあなたが一番危ないだろうと思ってね!
だから一目散に保護したのよ!」
ナナリー「そうだったんですか・・・あの、本当にありがとうございます!」
ハルヒ「だからいいのよお礼なんて、SOS団は正義味方なんだから
困った人を助けるのは当然の事なの!」
ナナリー「あの、ところで他の方は?先ほどの会話を聞く限りだと
他にも何人か団員の方がいらっしゃるようですけど」
ハルヒ「そうだわ、完全に忘れてた!有希達大丈夫かしら・・・」
ナナリー「ルルーシュ・・・・」
キョン「あっ・・・・ルルーシュって言っても、あなたの御兄さんの事じゃありませんよ!
全くの別人です、別人」
ハルヒ「いちいちそんな事言わなくたって、ナナリーだって分かってるわよ!ねぇ?」
ナナリー「え?あっ、はい・・・」
みくる「あのぉ、それでいつまでここにいるんですか?」
ハルヒ「う~ん、そうねぇ・・・まだ外はかなり騒がしいし、暫くはここにいた方がいいわね」
みくる「で、でもいつテロリストが攻撃してくるか分からないですよ?」
ハルヒ「そういえば最初の爆発音から随分経つのに全然来ないわねテロリスト
日本の警察と自衛隊って結構優秀なのね」
キョン「(長門達が食い止めてくれてるお陰だな。それがなけりゃ今頃ここは火の海だったかもしれん・・・)」
ハルヒ「ま、ここにいれば取り敢えずは安全よ。テロリストが来たら別のところに移動すればいいわ
疲れたでしょナナリー?またいつ動く事になるか分からないから、今の内に休んでなさい」
ナナリー「ありがとうございます」
キョン「(そういえば古泉は無事枢木スザクにランスロットを渡せたのだろうか・・・)」
ピーッ ピーッ
スザク『僕だ』
ルルーシュ『久しぶりだな、スザク』
スザク『ルルーシュ・・・・古泉という人から聞いたよ、わざわざすまない』
ルルーシュ『構わん、それより後どのくらいでつきそうだ?』
スザク『もう目の前まで来てるよ、すぐに参戦できる』
ルルーシュ『そうか。会場とその周辺の避難誘導は無事終わった
万が一連中が会場へ攻撃してきても、死傷者はでないだろう』
スザク『そうか、それは良かった』
ルルーシュ『だが、あそこは・・・アッシュフォード学園は俺達の思い出の詰まった場所だ
出来る事なら戦場にはしたくない、そこで食い止めてくれ』
スザク『分かった!』
ルルーシュ『・・・・フッ、またお前とこうやって話せる時が来るとはな』
スザク『僕も意外だよ、でも・・・・話せて良かった』
ルルーシュ『俺もだ。ではこれから詳しい事を説明する』
ジノ「そこ、密集しすぎだぞ?食らえ、四連動式ハドロン重砲!!」
ドカーン ドッカーン ドカーン
カレン「あんたはまたエナジーの無駄づかいを!」
ジノ「大丈夫だって、もうあっちの戦力も数える程だし。連中が全滅するのは時間の問題さ
アーニャ達の援護のお陰だな」
ジェレミア「落ちろ!!」
ドカーン
アーニャ「・・・遅い」
ドカーン
長門「・・・・」
ドカーン ドカーン
ジェレミア、アーニャ、長門の三人が次々と敵ナイトメアを落としていき
ジノの言うとおり敵の自爆部隊は残り数機程度にまで減っていた
ジノ「今更驚くような事でもないだろ?元ラウンズにあのオレンジだぞ?」
カレン「その二人じゃないわよ、あの金色の機体!」
ジノ「あぁ・・・確かにさっきから良い動きしてるよな、撃墜数もたぶん一番多いだろ」
カレン「誰が乗ってるのかしら・・・」
C.C「気になるか?」
カレン「うわっ!急に何よC.C!勝手にこっちの通信に割り込んでこないでちょうだい!」
C.C「ん?あぁ、彼氏との会話中だったか。それはすまなかったな、謝るよ」
カレン「だ、誰が彼氏よ誰が!!!」
C.C「フフ、変わらんな。からかい甲斐のある奴だ」
カレン「ていうかあんたどこにいるのよ!?さっきまで一緒に戦ってたのに!!」
C.C「私の技量では連中の突進を回避しつつ攻撃などという器用な真似は出来ないようなのでな
危ないから今は下のコンテナの陰に身を隠しているところだ」
カレン「・・・アンタ、いったい何しに来たのよ」
C.C「だが私の変わりにあの金色のが大活躍してるんだ、何の問題もないだろ?」
カレン「で、あのナイトメアのパイロットは誰なの?私達の知っている人?」
カレン「ながとゆき?って、日本人なの!?」
C.C「いや、宇宙人だそうだ」
カレン「それ、からかってるつもりかしら?」
C.C「からかってるつもりなどないぞ?私は本当の事を」
ジェレミア「おい、無駄話は戦いが終わってからにしろ!!」
C.C「・・・・だそうだ、気をつけてな」
ピッ
カレン「あっ、ちょっと待ちなさいよC.C!!」
ジノ「ハハ、面白い人だなカレン!宇宙人はいくらなんでもないだろ」
カレン「あいつ、どうせまたからかってるんだわ!!」
そんな無駄話をしている最中もジノとカレンは敵の攻撃を交わし
遠距離攻撃で敵ナイトメアを撃墜していった
ジノ「よーっし、最後の一機!!!」
別方向から攻撃が飛んできてその一機に命中した
ドカーン
ジノ「うわっ・・・・なんだよ誰だ?最後は俺が決めようとしたのにって・・・あれ?あれは・・・」
カレン「ラ、ランスロット!?」
藤堂「何故あの機体がここに・・・・まさかパイロットは・・・」
スザク「これはどういう事だ?何でモルドレッドやジークフリードの他に紅蓮やトリスタンまで・・・
ルルーシュ、ルルーシュ、応答してくれ!」
ピーッ
ルルーシュ『どうした?』
スザク『それが、ちょっと聞いていたような状況と違うんだけど・・・』
ルルーシュ『なに?敵の数が予想よりも多かったか?』
スザク『いや、そうじゃないんだ。敵はもう全滅してる』
ルルーシュ『何を言っているんだ、あいつらと自衛隊の戦力だけでそんな事ができるはずがないだろ』
スザク『それが紅蓮にトリスタン、それとたぶん藤堂さんらしき人が乗ってるとみられるナイトメアが
あるんだけど・・・』
スザク『古泉という人からは、戦力的には僕が加わってようやくなんとかなるレベルだと
聞いていたけど・・・この様子だと必要なかったかもしれない』
ルルーシュ『・・・・・なるほど、恐らくカレン達も今回の件に関して独自に動いていたのだろう
だからこそ警護の面で手薄なナイトメアの部分を補うために自ら出撃しているという事か
これは嬉しい誤算だ、戦力は俺が当時見積もっていた2倍にも3倍にも膨れ上がっているというわけか』
スザク『で、僕はこれからどうすればいい?』
ルルーシュ『そこから南に行ったところの上空に敵の航空母艦が浮いてる
恐らく新ゼロもその中だろう、詳しい位置情報を送るから行って撃墜してこい』
スザク『分かった!』
ルルーシュ『ジェレミアと長門有希にも同様の支持を出しておく、協力して叩いてくれ
長門有希が乗っているのは金色の機体だ』
スザク『例の宇宙人か・・・』
ルルーシュ『あぁ、話しかけてもまともな答えは帰ってこないぞ』
スザク『まず僕等の言葉を理解できるのかい?宇宙人なんだろう?』
ルルーシュ『理解はしているんだろうがリアクションが殆どない
まぁ、挨拶だけしておけばいいだろう』
スザク『はは、分かったよ』
カレン「(まさかスザクが・・・?)」
ピーッ ピーッ
ルルーシュ『俺だ、聞こえるか!』
ジェレミア『陛下!えぇ、聞こえます』
アーニャ『聞こえてる』
長門『・・・聞こえる』
C.C『聞こえるぞ』
--------アッシュフォード学園(クラブハウス)
みくる「き、聞こえてますぅ~!」
キョン「!!?」
ハルヒ「ん?みくるちゃんどうしたの?何が聞こえるの?」
みくる「へ?い、いや・・・そのぉ」
キョン「み、耳鳴りですか朝比奈さん?」
ハルヒ「耳鳴り?さっきの爆発音が原因かしら?大丈夫?」
みくる「だ、だ、だ、大丈夫ですぅ!」
キョン「(ふぅ・・・朝比奈さん、お願いですから向こうの問いかけには答えないでください・・・)」
みくる「(キョンくんありがとう)」
----------東京湾
ルルーシュ『お前達はスザクと共にテロリストの母艦を沈めて来い
可能ならば新ゼロの身柄を確保しろ!』
ジェレミア『イエス・ユア・マジェスティ!』
アーニャ『了解・・・・スザクとの共闘、久しぶり』
長門『分かった』
ランスロットがその場から離れ、ジークフリードやモルドレッドもその後を追った
カレン「ちょ、ちょっとあいつら何処に行くのよ!?」
ジノ「急に来たと思ったら急にいなくなったな・・・」
ジノ「な、何で!?」
カレン「何でって、あいつらが誰の指示で動いているかとか気にならないの?」
ジノ「そりゃ気にはなるけどさ、残念ながらトリスタンはもうエナジーが・・・」
カレン「だから言ったのよ、あんな技使うから・・・・いいわ、一人で行くから!
下で待ってなさい!」
カレンもスザク達の後を追ってその場を去った
ルルーシュ『フ・・・・フハハハハ、フハハハハハ!!』
C.C『何だ急に笑い出して、気持ちの悪い男だな』
ルルーシュ『これを笑わずにいられるか、まさかこうもあっさり新ゼロを追い詰めれるとはな
どうやら俺は彼を過大に評価しすぎていたようだ。所詮ギアスが無ければただの凡庸な人間だったか
ジェレミアのギアスキャンセラーがこちらにある時点で勝負は決していたようだな』
C.C『カレン達が動いていた事がかなりプラスに働いたな』
ルルーシュ『あぁ、新ゼロが用意していた自爆部隊をこの早さで殲滅できたのは
カレン達が参戦していてくれたお陰だ。予定ではもう少し時間がかかると思っていたからな
実に運がいい、どうやら神は俺達の味方のようだ』
ルルーシュ『この際あいつが神でもいいさ、こちらに有利に事が運ぶのならな
ところでC.C、お前の機体の信号だけさっきから一ミリも動いてないのだが・・・
俺はスザクと一緒に母艦を落とせと命じたはずだぞ?』
C.C『私がいなくても問題はないだろう、元ラウンズが二人に、オレンジ
それに宇宙人の四人組だぞ?』
ルルーシュ『・・・・ん、まぁ別にそれでもいいが』
C.C『では私は暫く休んでいる、後は頼んだぞ』
ピッ
ルルーシュ「全く・・・・まぁいい、直に戦いは終わる。キョンのギアスも必要なかったな
新ゼロ、お前はゼロを名乗るにはあまりにも無能だ。お前にその仮面は相応しくない!
俺が今から剥ぎ取ってくれる!」
-----------テロリスト側
オペレーター「敵とみられるナイトメアが5機、ハートネットに向かっています
も、物凄い速さです」
カノン「どうやって場所をつきとめたんだ・・・・」
新ゼロ「誰が指揮をしているのか知らんが大したものだ、このままでは我々の完敗だな」
まさかこれ程に有能なパイロットとナイトメアを用意していたとはな・・・」
カノン「いかがなさいますか?」
新ゼロ「予定通りでいいだろう、その五機がハートネットの半径500m内に入ったと同時に
艦を放棄、フレイヤを使って自爆する」
カノン「フフ、容赦ないですね。それで我々はどうします?」
新ゼロ「もう少しここで待機だ。私の読み筋が正しければ、直にあの男がやってくるだろうからな」
-------
---
--
------合衆国ブリタニアナイトメア空輸機
シュナイゼル「ゼロ、御無事でしたか!!ん?そちらの女性は?」
旧ゼロ「私をここまで護衛してくれた森という人だ。それより、超合衆国の艦は今何処を飛んでる?」
シュナイゼル「シェバトは今府中市上空にあります」
旧ゼロ「なるほど、テロの巻き添えを恐れて自分たちは早々に安全圏へと避難か・・・」
シュナイゼル「我々も向かいますか?」
恐らくそいつはもう既にゼロは死んだと思い込んでいる事だろうから
行って驚かせてやろう」
シュナイゼル「ゼロ様の御命を?なんという・・・。しかし、ナナリー様はいかがなさいますか?
未だ連絡すらつかない状況ですが?」
旧ゼロ「ナナリーの事は心配ない、既に安全を確認済みだ
我々はこれからシェバトに向かう」
シュナイゼル「了解しました!」
旧ゼロ「(枢木さんの為にも、こちらの問題は解決しておいてあげましょう)」
-----
---
-
------アッシュフォード学園
ハルヒ「だいぶ静かになってきたわね!」
みくる「結局テロリストは来ませんでしたね」
ハルヒ「張り合いのない連中ね、私のオーラを感じ取って逃げたのかしら?」
キョン「あぁそれはありえるな、全身から湧き出る奇人変人オーラ
人間版虫コナーズみたいなもんだなお前は」
ナナリー「フフフ、みなさんは仲が良いんですね!」
キョン「これが仲良しに見えますか?」
ナナリー「えぇ、とっても」
ハルヒ「ナナリーにもいるんでしょ、仲の良いお友達!」
ナナリー「・・・・そうですね、はい」
ハルヒ「それってさ、ひょっとしてこの人達の事じゃない?」
ハルヒはポケットから昨日ルルーシュの部屋で見た写真を取り出した
ナナリー「これは・・・・何故涼宮さんがこれを?」
ハルヒ「お天気お姉さんのミレイ・アッシュフォードに貰ったのよ!」
ナナリー「そうですか、ミレイさんに・・・」
ハルヒ「これがお兄さんのルルーシュよね!こうやって見るとなかなか良い男ねぇ・・・
学生時代はかなりもててたでしょ?」
ナナリー「はい!お兄様は学園の女性の憧れの的でした!」
ハルヒ「ねぇ、もし良かったらルルーシュの事いろいろ教えてくれないかしら!?」
ハルヒ「ナナリーはお兄さんの事が大好きなのね!」
ナナリー「はい、今でも大好きです!」
キョン「(あいつが聞いたら卒倒するだろうな・・・今の台詞は)」
-------
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-
------超合衆国航空母艦シェバト
シュナイゼル「ゼロ様、やはり御一人では危険です。私を同席させてください」
旧ゼロ「心配ない、中には他の国の関係者も大勢いる。それに私の暗殺を企てていたのは
恐らく一部の人間だけだ。この場でどうこうしようという事はまずないだろう」
シュナイゼル「分かりました。では私はここで待機しています
万が一何かありましたらお呼びください」
旧ゼロ「あぁ。森、お前もここで待機していろ」
森「分かりましたゼロ様」
旧ゼロ「では行ってくる」
艦内ブリッジに入った旧ゼロ(古泉)は即座に異変に気付いた
旧ゼロ「誰もいない?」
すると後方からある人物が声をかける
?「やはり来ましたねゼロ、彼の言うとおりでした」
旧ゼロ「誰だお前は?他の者達はどうした?何故君一人しかいない?」
?「いいえ、私一人ではないわ」
その者の後ろから黒い仮面に黒いマント
古泉と全く同じ姿をした人物が姿を現した
旧ゼロ「なっ・・・・・・・・お前はまさか!?」
新ゼロ「始めまして、ゼロ!」
旧ゼロ「そんな馬鹿な・・・・何故お前がここに・・・お前は東京湾にいるはず」
新ゼロ「やはりあちらの指揮官はお前だったか。ゼロ、いや・・・・偽ゼロ」
ルルーシュ『ん?どうした古泉?何かトラブルか?』
旧ゼロ「・・・・・・」
ルルーシュ『おい、応答しろ古泉!!何があった!!』
C.C『SOSのサインかもしれんぞ!言葉を発せない状況にあるのかもしれん』
新ゼロ「やはりあちらの指揮官はお前だったか。ゼロ、いや・・・・偽ゼロ!!」
ルルーシュ『この声・・・・・まさか!!?』
カノン「枢木スザク、あなたの正体は分かっている。早くその仮面を外しなさい
この世にゼロは二人もいらない。本物のゼロは彼だ」
新ゼロ「いいや、俺が言った偽ゼロとはそういう意味ではない
今ゼロの仮面を被っているのは枢木スザクではなく別の人間だ」
カノン「別の人間?」
新ゼロ「考えても見ろ、枢木スザクにここまで策を巡らす事は不可能だ
恐らく途中で入れ替わったのだろう、枢木本人は今頃ランスロットに乗って東京湾の上だ」
旧ゼロ「なるほど、全てお見通しというわけか・・・」
古泉は仮面を外した
カノン「子供!?」
新ゼロ「高校生か大学生くらいか?若いのに大したものだな
君は実に優秀だったよ。だが、優秀だからこそ読み易い
まずは名前でも聞いておこうか」
ルルーシュ『何故だ・・・・何故奴がそんな所にいる!!』
古泉「古泉一樹と申します、お察しの通り高校生です
しかし参りましたね、まさかあなたがここで待ち構えているとは・・・」
新ゼロ「当初の予定ではずっとハートネットで作戦の指揮をとる予定だったのだが
直前にギアスが発動しないというイレギュラーが発生したのでな
相手側にギアスを無力化することの出来る者がいて、尚且つ私がギアス能力者だという事を知っている
これはかなりの脅威だった、だからこそリスクを恐れず動いたのだ。ハートネットを棄ててな」
古泉「ギアスキャンセラーの事までご存知でしたか」
新ゼロ「ギアスキャンセラーというのか?半信半疑ではあったがな
しかし時間になっても発動するはずのギアスが発動しないのであれば、そういった可能性を疑うしかない
この情報が無ければハートネットからここへ移動する事もなかっただろう
今頃お前の仕向けたナイトメア部隊に蜂の巣にされてたかもしれんな」
かけたはずのギアスが発動しないという、たったそれだけの情報で!!』
C.C『見事に出し抜かれたわけか・・・なかなかやるな』
新ゼロ「ここにいれば必ず君が現れると思っていたよ。まさかここまで思い通りに行くとはな
ギアスを使い人払いをしてまで待っていた甲斐があったというものだ」
古泉「となると、今ハートネットの中にいるのは」
新ゼロ「あぁ、ギアスの奴隷と化した者達だけだ。お前がよこしたナイトメア部隊が
半径500m以内に入ったらフレイヤを使って自爆する手はずになっている」
古泉「なっ・・・・」
ルルーシュ『何だと!!?』
新ゼロ「残念だったな古泉一樹、お前の負けだ」
古泉「どうやらそのようですね・・・しかし、あなたは一つだけ間違っています」
新ゼロ「なに?」
古泉「あなたがこれまで戦っていたこちら側の指揮官は僕ではなく
別の人間です」
古泉「はい」
新ゼロ「フン、そのようなハッタリは今更何の意味もなさない!
古泉一樹、お前にはここで死んでもらう」カチャッ
新ゼロが古泉に銃を向ける
古泉「嘘ではないんですがね・・・まぁいいでしょう、直に分かります」
新ゼロ「まだ言うか!!ここでお前を殺し、ハートネットを爆破させた後に
式典会場にフレイヤを打ち込む、これで今回の作戦は完遂される
超合衆国の要人は既に俺の奴隷、残すは弱体化した黒の騎士団のみ!
フハハハハハハハ、見えてきたぞ!本当の優しい世界が!」
古泉「フレイヤを打ち込む?待ってください、ハートネットを爆破したらフレイヤを
打ち込むのは不可能では?」
新ゼロ「ところが不可能ではない。何故ならこの艦にも積んであるからな、フレイヤは」
古泉「どういう事です?」
新ゼロ「超合衆国の連中は我が身守る為なら何だって作り、何だって持ち込むという事だ
よほど小心者なのだろうな、4つも5つも積んであったぞ
だから私がありがたく有効活用させていただく」
ルルーシュ『フレイヤで東京を・・・・まずい、このままではナナリーや涼宮達が!!』
みくる「キョ、キョンく~ん」
ナナリー「それでお兄様は私の為にサンタクロースの格好をしてくれて」
ハルヒ「ふーん、話を聞けば聞くほど良いお兄さんね!」
キョン「お、おいハルヒ!!」
ハルヒ「ん?何?」
キョン「今すぐここを離れるぞ!!」
ハルヒ「はぁ?何で?」
キョン「理由を説明してる暇はない、とにかく少しでも遠くへ逃げないと!!」
みくる「そ、そうです!早く逃げましょう!」
ハルヒ「みくるちゃんまで急にどうしたの?外よりここの方がどう考えたって安全じゃない!」
キョン「ここにミサイルが飛んでくるんだ!!だから早いとこ逃げないとみんな死んじまう!」
ハルヒ「あんたの妄想に付き合ってる暇は無いの!私はナナリーの話を聞かないといけないんだから!」
キョン「くっ・・・・(どうやってこいつを動かせばいいんだ・・・)」
みくる「キョンくんこのままじゃ!!」
聞こえてるのか!!おいキョン、応答しろ!!』
C.C『落ち着け!あいつの近くには涼宮ハルヒやナナリーがいるんだ
こちらの問いかけには応答できないだろ!心配しなくても音声は届いてる』
ルルーシュ『そ、そうだな・・・』
C.C『それよりもハートネットに向かった枢木達に指示を出すべきだ!
このままだと全滅するぞ?』
ルルーシュ『スザク、さっきの通信は聞いたな!?今すぐ引き返せ!
おいスザク!!ジェレミア、アーニャ、応答しろ!!』
C.C『何故応答がない?』
ルルーシュ『分からん・・・クソ、どうなってるんだ!!』
古泉『ジャミング?』
新ゼロ『あぁ、ハートネットから放出されている。半径3kmに入った時点で
通信機器の類は全て誤作動を起こす。今更攻撃に向かった連中を
戻そうとした所で無駄と言うわけだ。まぁ、お前がここにいる時点で
そのような指示すら出せる状況ではないだろうが』
ルルーシュ『ジャミングだと!?おのれ新ゼロ!!』
C.C『チェックメイト・・・・・・・のようだな』
スザク『ようやく見えてきた。あれが敵の母艦か・・・あそこに新ゼロが』
ジェレミア『枢木スザク、君が先攻するのか?』
スザク『そうさせていただくと嬉しいのですが・・・』
ジェレミア『フッ、まぁいいだろう。我々は援護に回る。アーニャもそれでいいな?』
アーニャ『別にいいけど・・・・紅蓮はどうするの?』
ジェレミア『紅蓮?・・・・・な、何故あの機体まで着いてきたんだ!?』
アーニャ『ずっと後ろにいたしずっと通信入れてるよ。全部拒否してるけど』
カレン『なーーんでこっちの通信拒否してんのよあいつらぁぁぁ!!!』イライラ
ジェレミア『仕方ない、今更戻れと言っても聞かないだろうしな
それに彼女は戦力になる、このままこちらの戦いに参加してもらおう』
スザク『了解しました。では、行きます!!』
新ゼロ『終わりだ』ピッ
巨大なピンク色のエネルギー球体が発生し、スザク達を飲み込もうとしていた
ズズズズズズズッ・・・
スザク「そんな・・・・これは!?」
ジェレミア「まさかフレイヤか!!?全機撤退、速やかに離脱しろ!!」
アーニャ「・・・・今更動いても無理。間に合わない」
カレン「ちょ、ちょっと何よこれ・・・・何でフレイヤが」
スザク「みんな逃げろー!!!」
ピーッ
ピーーッ
C.C『・・・・・シグナルロストだ』
ルルーシュ『スザク・・・・カレン、長門、アーニャ・・・ジェレミア・・・・クソッ、俺のせいだ!!』バンッl
C.C『落ち着け、まだあいつのギアスがある!』
ルルーシュ『キョン、今すぐギアスを使え!何処まででもいい、時間を戻せ!!!』
新ゼロ「フハハハハハハハハ!!!さて、次は東京租界だ」ピッ
シェバトからフレイヤが発射され東京租界へ猛スピードで飛んでいく
ルルーシュ『おいキョン早くしろ!!!ギアスを使え!!』
------
---
-
キョン「ハルヒ、俺のいう事を聞け!!すぐにここを離れるんだ!!」
ハルヒ「しつこいわねぇ!!外よりここの方が安全だって言ってるでしょ!!」
みくる「キョンく~~ん!」
キョン「(クソ・・・・こうなったら仕方ない!!)お、俺は・・・俺はジョン・スミスだ!!!」
ハルヒ「!!?」
ルルーシュ『キョン、今すぐギアスを使え!何処でもいい!時間を戻せ!』
キョン「(ルルーシュ!?逃げるだけの時間はなかったか!)」
まさか本当に・・・・・」
ルルーシュ『おいキョン早くしろ!ギアスを使え!!』
キョン「あぁ分かってるよ!」キュイーーーン
キョンの左目に赤い鳥のような紋章が浮かび上がった
-------
---
-
-------ホテル(ルルーシュの部屋)
ルルーシュ「(・・・・・・・ここはホテルか?)」
古泉「ただ運ぶ程度でしたらなんとか。ただ、道中テロリストのナイトメアに
攻撃されないか、そこが大いに不安なのですが」
ルルーシュ「(この状況・・・・そうか、当日の朝。作戦の最終確認をしている時か
悪くない時間帯だ。キョン、よくやってくれたな)」
古泉「あの、ルルーシュさん?そこが大いに不安なのですが?」
ルルーシュ「(分かっている)・・・悪いが、作戦内容を一部変更する!」
古泉「ここへ来てですか?御言葉ですが、直前で作戦を変えるというのは・・・」
ルルーシュ「お前ならこの一言だけで読み取ってくれるだろうと思っていたのだがな」
古泉「どういう意味です?・・・・・・・・・まさか!」
ルルーシュ「そうだ、作戦は一度失敗した。スザクやジャレミア、長門有希とアーニャが戦死し
お前は新ゼロに捕まってしまった」
古泉「ギアスを使ったんですね?」
ルルーシュ「あぁ。認めるしかないだろう、完敗だ。奴を甘く見ていた・・・
まさかフレイヤを使ってくるとは・・・」
古泉「フレイヤ!?」
ルルーシュ「だが一度経験した敗戦を糧にできるのがこちらの大きな利点だ
奴がどのように動くのかはもう十分理解できた。その上で作戦を立て直す!」
キョン「立て直すって言っても、フレイヤなんてどうやって防げばいいんだ?」
ルルーシュ「奴が戦場の中にいる以上やり方はいくらでもある
今度こそその仮面を剥がしてやるぞ、新ゼロ!!」
ジノ「本当にここで合ってるのか?」
カレン「コーネリアがそうだって言うんだからそうなんじゃないの?」
ジノ「でもこれで連中が攻めてくる場所が全然違ったら大変だぞ?
俺達だけじゃなく自衛隊の軍も殆どがここに集まってるんだから」
藤堂「東京湾から攻めてくると断言した以上、確かな情報による裏づけがあるのだろう
ここはコーネリアを信用するしかあるまい」
カレン「今何時?」
ジノ「11時、式典開始まで後2時間だ」
ガーッ ガーッ
ジノ「ん?何だ?ノイズが」
ガーッ ガーッ
ルルーシュ『聞こえるか?藤堂鏡士郎』
藤堂「誰だ!?」
最初は普通のナイトメアが、次に爆弾を積んだ
大量の自爆部隊が攻め込んでくる』
カレン「な、何よこいつ急に!」
藤堂「おい、こちらの質問に答えろ!!」
ルルーシュ『お前達なら自爆部隊にも対処できるだろうが
自衛隊の連中にそれは無理だ、多くの死傷者が出る
だから早急に彼らを別の場所へ移させる必要がある』
藤堂「何を勝手な事を言っている!だいたいその自爆部隊とやらは何処から出てきた情報だ?
お前が何者であるか分からない以上、話を聞く事は出来ない!」
カレン「そうよ!あんた誰なのよ、まず名前を」
ルルーシュ『誰でもいい!!勝ちたいのなら、私の話を聞け!!』
カレン「!!?(この感じ・・・・新宿の時と同じだ・・・・もしかしてこいつ・・・)」
ルルーシュ『自衛隊の連中はそこにいても死ぬだけだ
ならば別の場所で有効活用した方がいいだろう
私に預けてもらえないだろうか?』
自衛隊がいなくなったら我々は三機だけになってしまう・・・それでは敵を押さえきれない」
ジノ「まぁ俺は三機でも余裕だけど」
ルルーシュ『問題ない、こちらから援軍を出す。既にそちらに向かわせた
そろそろ到着する頃だと思うが』
藤堂「援軍だと?」
カレン「藤堂さん、あれ!!」
カレンと藤堂の視線の先にはジークフリードとモルドレッド
ヴィンセントと金色に輝く謎の機体が浮遊していた
カレン「あの機体って・・・」
ジノ「モルドレッド・・・・・アーニャか!!!」
藤堂「あっちのはジェレミアが乗っていた機体だな・・・何故ここに?」
ルルーシュ『その四機がこちらから出した援軍だ。元ラウンズのアーニャ・アールストレイムに
オレンジ疑惑のジェレミア・ゴットバルト。これだけ戦力があれば問題ないだろう?
そちらの四機は藤堂、君が指揮してもらって構わない。だから私に自衛隊を
預けてもらえないだろうか?』
ルルーシュ『何度も言うが、自衛隊はそこにいても死ぬだけだ
指揮官であるならば、まず部下の命を最優先に考えるべきだ
私に預けてもらえれば、彼らの身の安全は保障する』
藤堂「(こんな何者かも分からない奴のいう事を鵜呑みにしていいのだろうか・・・
しかし、何だこの妙に懐かしい感覚は?私はこの者と過去に話した事があるのか?)」
ルルーシュ『自衛隊のナイトメア部隊など最近組織されたばかりの
いわば素人部隊だ。実戦でどうこうなるレベルではない
お前も分かっているはずだぞ藤堂?』
藤堂「(そうだ、似てるんだあの男に!)・・・・・・いいだろう、お前に預ける」
ルルーシュ『賢明な判断だ、それではあちらの司令官に話を通してくれ』
藤堂「分かった。少し待っていろ」
ジノ「本当にいいのかよ?敵の罠かもしれないぞ?」
藤堂「いや、それはないだろう。私は彼を信じることにする」
ジノ「アーニャ、おいアーニャ!!久しぶりだな、今まで何処で何してたんだ?」
アーニャ「・・・・愛媛でみかん作ったり、神戸でボーッとしてたりいろいろ」
ジノ「みかん作り!?ていうかお前今神戸に住んでるのか?」
アーニャ「・・・ちょっと喋りすぎた」
C.C「みかん作りだけで止めておくべきだったな」
カレン「そ、その声・・・・まさかC.C!?」
C.C「久しぶりだなカレン、乳は相変わらずデカイのか?」
カレン「な、何でアンタがこんな所に・・・ていうか今まで何処で何してたのよ!?」
C.C「何処で何をしてようが私の勝手だ」
カレン「(C.Cがいるって事は・・・もしかして本当に・・・でもあいつはあの時確かに死んだはずだし・・・)」
藤堂「自衛隊への説明は終わった、これから何処へ行けばいいか指示を待っているぞ」
ルルーシュ『感謝する。彼らへの指示は直に出すとしよう
そちらはお前たちに任せる、頼んだぞ』
ピッ
ジノ「本当に誰なんだ今の奴は?」
新ゼロ「現場の状況は?」
カノン「以前変化はないようです」
新ゼロ「妙だな・・・・12時30分を過ぎたと同時に殺し合いが始まるはずなのだが・・・
カノン、今何時だ?」
カノン「12時45分です」
新ゼロ「・・・・・・15分以上経っても動かないか。しかしこれはどういう事だ?
俺は間違いなくギアスをかけた、なのに何故動かん?」
カノン「何者かが解除したという可能性は?」
新ゼロ「解除?・・・・・・・・なるほど、ギアスを解除する事のできる能力か
確かにそんなものがあったとしても何ら不思議ではないな」
カノン「しかしその場合・・・」
新ゼロ「あぁ、敵側は俺がギアス能力者であるという事を認知しているようだ
この間の軍事基地襲撃の件からバレた可能性が高いな」
カノン「いかがなさいますか?」
新ゼロ「勿論作戦は継続する。この機を逃して次はないからな
事前にトラブルを作り出すことは失敗に終わったが・・・なーに、ならば次の策を講じるまでだ」
カノン「突撃部隊ですか?」
カノン「ナイトメアに爆弾を積み、敵軍に取り付かせて爆破
パイロットはギアスをかけられ操り人形と化したテロリスト。かなり非人道的ですね」
新ゼロ「気に入らないか?」
カノン「いえ、勝つ為に最善ではなく最良をつくす。私はあなたのそういう所に惹かれたのですから
そのような事は一切思いません」
新ゼロ「フン、しかし本当にいいのか?このまま俺の下で働くという事は
お前がかつて仕えたシュナイゼルも殺す事になるんだぞ?」
カノン「今の殿下はかつてのゼロであるルルーシュによってギアスをかけられた
ただの人形です。私は1秒でも早く殿下をそのような状態から開放してあげたい・・・」
新ゼロ「その為なら殺すも止む無しか?」
カノン「はい」
新ゼロ「フハハハ、まぁいいだろう。お前は優秀だからな、これからもよろしく頼む」
カノン「こちらこそ。・・・・・・・ところでゼロ」
新ゼロ「何だ?」
カノン「あなたは一体何者なんです?」
新ゼロ「フン、その内分かるだろう。それよりも我々も動く、準備しろ」
新ゼロ「そのつもりだったのだがな、嫌な予感がする
あちらの指揮官に私のギアスの事がバレている以上、ここからは常に最悪の事態を想定して動くべきだろう」
カノン「最悪の事態とは?」
新ゼロ「ハートネットと共に我々が落とされる事だな。だからこの艦を棄てる」
カノン「しかし、いくらなんでもこの艦の位置までは分からないのでは?」
新ゼロ「どうだかな、あちらも十分非常識な連中の集まりだ。ギアスを無力化するような
奴がいるくらいだぞ?何をされても不思議ではない。もしハートネットまで飛んでくるようなら
フレイヤで丸ごと吹き飛ばし、来なかった場合はハートネットからフレイヤを東京へ放てばいい
いずれに転んでも私達の身は安全だ」
カノン「それで、我々はどちらに?」
新ゼロ「今後のゼロの動きを考えると、そうだな・・・・ジェバト辺りがいいだろう」
カノン「シェバト?超合衆国の母艦ですよね?」
新ゼロ「あぁ、連中は既に安全圏に避難しているようだしな。迂回して回り込めばいいだろう
中にさえ入ってしまえばギアスでどうにでも操れる」
カノン「分かりました。では移動の為の小型機を準備します」
新ゼロ「あぁ、頼む」
乗組員A「識別コードの無い小型機が着陸したらしい、見に行くぞ!」
乗組員B「面倒だな、どうせ日本の警察か自衛隊だろ?
燃料でも切れて慌てて着陸したんじゃないか?」
乗組員A「さぁ、どうだろうな。取り敢えず確認する必要がある、格納庫へ行こう」
------シェバト格納庫
乗組員A「ん?これって黒の騎士団とかが移動に使ってるやつじゃないか?」
乗組員B「本当だ、何でこんなもんが・・・・」
乗組員A「中にいる者、早急に外に出なさい!繰り返す、早急に」
ウィーーーーーン
乗組員A「なっ・・・・・・ゼ、ゼロ!!?」
乗組員B「何でゼロがこんな所に?」
新ゼロ「死ね!!」キュイーーーーン
乗組員A「・・・・・あぁ」
乗組員B「分かった」
バンッ バンッ
カノン「相変わらず手荒ですね。何も殺す必要はなかったのでは?」
新ゼロ「必要だからそうしたまでだ。俺が奴隷にするのは使えそうな駒だけだ
このような凡庸な連中にその価値はない」
カノン「では私は使える駒という解釈でよろしいのですか?」
新ゼロ「あぁ、お前に関してはギアスを使う必要はないがな」
カノン「それでこれからどうするんです?」
新ゼロ「このままブリッジへ向かう。道中邪魔する奴はギアスで仕留めればいい
そしてそこでゼロを待つ」
カノン「本当に来るでしょうか?ゼロは」
新ゼロ「奴は超合衆国の一部の人間に命を狙われている。その危機を脱したならば
恐らくここへ来て諸悪の根源を見つけ出そうとするだろう。きっと来るさ」
---
-
新ゼロ「死ね!!!」
バンッ バンッ
カノン「ようやく着きましたね。それにしても、いくらなんでも殺しすぎです」
新ゼロ「黙れ。短い命令でないとこちらが先に攻撃される恐れがあるんだ、仕方ないだろう
長々と命令している時間はない」
カノン「とは言っても、艦を操縦している方々まで殺してしまったら
我々は地上へダイブしてしまいます」
新ゼロ「流石にそいつらまでは殺さないさ。行くぞ」
ウィーーーーーン
--------シェバト(ブリッジ)
新ゼロ「ん?何だこれは?」
新ゼロ「自動操縦で飛んでいるのか?それにしても人っ子一人いないというのは・・・」
?「ようやくお出ましか、待っていたぞゼロ」
カノン「ゼ、ゼロ!!?」
新ゼロ「・・・・・・馬鹿な、何故お前がもうここにいる?」
旧ゼロ「おや?意外だったかな?その物言いだと、君の予定では
俺はもう少し遅く登場しなければならなかったようだな」
新ゼロ「・・・・・全て読まれていたという事か」
旧ゼロ「あぁ、お前がハートネットにフレイヤを積んでいる事も知っている
東京湾の部隊はあちらへは向かわせない」
カノン「何故その事まで・・・・あなたは一体何者なんです?」
新ゼロ「私も気になるな、君の正体は。枢木スザクではないのだろう?
裏で彼らを指揮し、私と戦っていたお前は何者だ、仮面を外して素顔を見せてもらえないか?」
旧ゼロ「フッ、いいだろう」カチャッ
カノン「・・・・・・子供?」
新ゼロ「高校生か大学生くらいか?若いのに大したものだな」
旧ゼロ「いや、まだ俺は仮面を被っている」
旧ゼロはフェイスマスクとカツラを外し素顔を晒した
カノン「あ、あなたは・・・・・ルルーシュ!!」
新ゼロ「なるほど、そういうわけか・・・・」
ルルーシュ「カノン・マルディーニ、シュナイゼルの元側近だったか。こうなるのであれば
あの時お前にもギアスをかけておくべきだったな」
カノン「何故あなたが生きているのです?あの時確かに死んだはずでは・・・」
ルルーシュ「その答えは、君ならもう分かっているのではないかゼロ?」
新ゼロ「・・・・・コードか」
ルルーシュ「そうだ。やはり知っていたようだな」
新ゼロ「C.Cのコードはお前が継承していたのか」
新ゼロ「あぁ、よく知っている。しかし、となるともうこちらは窮地だな
私のギアスもお前には効かないのであろう?」
ルルーシュ「当然だ。ゼロ、お前に聞きたい事は山ほどある
これからじっくり尋問してやる、覚悟しておけ」
新ゼロ「私を倒せば全ての問題が解決すると思っているのかルルーシュ?
超合衆国と黒の騎士団はかつての志を忘れ私利私欲ばかりを追い求めている
かつてのブリタニアと変わらない存在だ。君に彼らを粛清できるのか?」
ルルーシュ「粛清する必要は無い。組織自体を解体し、また最初から作り直す」
新ゼロ「超合衆国と黒の騎士団を解体するというのか?あれ程までに肥大化した
組織を解体するなど、容易く出来る事ではないぞ?」
ルルーシュ「お前がやろうとしていた事だって決して容易くはなかっただろう?
だがお前はそれをやろうとした、俺も同じだ。道のりは険しいだろうが
きっと実現させてみせる」
新ゼロ「・・・・・」
ルルーシュ「お前と俺は手段さえ違えど、やろうとしている事は同じだ
お前が目指した未来は俺が引き継ぎ、必ず実現させてやる
だから降伏しろ、もうお前に勝ち目はない。それともハートネットに積んであるフレイヤを
東京租界へ向けて発射するか?」
新ゼロ「・・・・・いや、止めておこう」
新ゼロ「私の負けだルルーシュ。先のことは全て君に任せよう」
ルルーシュ「フン、案外あっさりしているな」
新ゼロ「私は馬鹿ではない。こうなってはもうどうしようもない事くらい分かる
ここに来る途中シェバトの回りを日本の自衛隊が包囲するように飛んでいた
最初はシェバトの護衛の為だと思っていたが、あれは私を追い込む為に
お前が仕掛けたものだったのだろう?」
ルルーシュ「あぁ、お前が少しでも抵抗するようなら指示を出し、周囲から集中砲火して
この艦ごと落とそうと思っていた」
新ゼロ「なるほど、それでも君は不老不死だから死なず私とカノンだけがやられるというわけか」
ルルーシュ「まぁ不老不死とは言っても痛みは伴うからな、できればやりたくは無かった」
新ゼロ「C.Cは元気か?」
ルルーシュ「元気すぎて毎日迷惑しているところだ。ところで何故お前がC.Cの事を知っている?」
新ゼロ「その答えは、これを見てくれれば分かるだろう。
ルルーシュ、さっきの約束を忘れるなよ?必ず実現しろ、本当の優しい世界を」
新ゼロは仮面を取って素顔を晒した
ルルーシュ「お、お前は・・・・・・・・」
ハルヒ「結局来なかったわねぇテロリスト」
キョン「来ないに越したことはないだろ、みんな無事だったんだから良いじゃねーか」
ハルヒ「みんな無事って、会場で逸れた有希達と連絡とれたの?」
キョン「え?・・・・・あぁ、ついさっきメールが来てな」
ナナリー「他の方も無事だったんですか?良かったですね!」
ハルヒ「何で私じゃなくてキョンなのかしら!まずは団長に連絡するがの常識じゃない!
これは教育が必要ね!」
キョン「んで、これからどうするんだ?」
ハルヒ「そうねぇ、まずナナリーを然るべきところへ届けないといけないわよね!」
キョン「然るべきところって?」
ハルヒ「超合衆国は論外だから、やっぱりブリタニアの関係者かしらね」
ナナリー「あのぅ・・・何から何まで本当にありがとうございます」
ハルヒ「気にしなくていいのよ!それより、ブリタニアの人に連絡入れる
方法って何かないかしら?」
あっ、でも私のつけてるこのペンダントは中にGPSが入ってますから
その内誰かが迎えに来てくれると思います!」
ハルヒ「何だそうなの!それならここで待ってれば大丈夫ね!」
キョン「んな事言ってたら早速なんか来たぞ」
上空から小型の空輸機がハルヒ達の前に着陸した
ハルヒ「ナナリーを迎えにきたのかしら?」
キョン「どうだろうな、少なからず超合衆国の連中である可能性もあるぞ・・・」
ハルヒ「もしそうだったら今度こそ私が叩きのめしてやるわ!」
キョン「何処から出てくるんだその自信は・・・」
ウィーーーーン
ハルヒ「ゼ、ゼロ!!?」
ナナリー「ゼロ!!無事だったのですね!!!」
ゼロ「えぇ、御心配をおかけしましたナナリー首相」
ハルヒ「つ、遂にゼロに会える事ができたわ!!ねぇゼロ、いきなりだけど素顔見せて!!」
キョン「本当にいきなりだな・・・」
ゼロ「君は?」
ハルヒ「私は涼宮ハルヒ、SOS団の団長よ!!」
ナナリー「ゼロ、この方々がずっと私を守ってくださっていたんです!」
ゼロ「ほぅ、君達が。それはお礼を言わねばならないな」
ハルヒ「お礼なんていらないわ、その代わり素顔を見せて!」
ゼロ「フッ、面白い娘だな。素顔を見せるわけにはいかないが
出来る限りの礼は尽くさせてもらおう」
ハルヒ「キョン、礼ですって!私達あのゼロに感謝されてるわよ!!」
キョン「あぁ、そうだな」
ハルヒ「あぁそうだな、じゃないわよ!もっと感動したらどうなの!?」
キョン「(こいつ前は自分はゼロに心酔してないなんて言ってたが
この反応だと相当ゼロの事好きだな・・・)」
ゼロ「しかし今は取り敢えずナナリー首相をブリタニアへ届けなければ」
みくる「お別れですか、寂しいですねぇ」
ナナリー「涼宮さん、キョンさん、朝比奈さん、みなさんがいなかったら
今頃私はどうなっていたか分かりません、本当にありがとうございました」
キョン「礼なんていりませんよ」
ハルヒ「そっ、SOS団は正義の味方なんだから!当然の事をしたまでよ!」
ナナリー「フフッ、もし良かったら私も入れてくれませんか?SOS団に」
キョン「いや、それは止めといた方がいいと思いますけど・・・」
ゼロ「(断れ・・・断れ涼宮)」
ハルヒ「勿論大歓迎よ!!ブリタニアの首相が団員だなんて
SOS団にも伯がつくってもんだわ!」
ナナリー「本当ですか!嬉しいです!」
ゼロ「(orz・・・)」
カノン「ゼロ様、そろそろ」
ゼロ「あぁ、そうだな。ナナリー首相、では行きましょう」
ナナリー「みなさん本当にありがとうございました!また会いましょうね!」
ナナリー「はい、絶対に!」
ナナリーはゼロと共に空輸機へと乗り込み
その場を去った
ハルヒ「はぁ・・・・行っちゃったわね」
みくる「また会えるといいですねぇ」
ハルヒ「会えるわよ、きっと。・・・・あれ?キョンは?」
みくる「え?さっきまでここにいたんですけど」
-------
---
-
-----空輸機内
キョン「・・・・・・・・・・・・・何故俺までここに?」
ゼロ「悪いな、もう少しだけ付き合ってくれ」
ナナリー「?ゼロはキョンさんと面識があるんですか?」
ナナリー「それと、何故ここにカノンさんがいるのでしょうか?
確か何年か前から行方不明だったはずですけど・・・」
カノン「異国で自由気ままな生活を送っていたのですが、先日ゼロ様に見つかって
しまいましてね。無断で国を出た私を再び登用してくださったのです
本当に感謝の気持ちしかありません、私は一生ゼロ様についていきます」
ナナリー「そ、そうなんですか・・・・」
ゼロ「(やはり疑っているか、まぁ不自然な点しか見当たらないし当然か)」
ナナリー「それで、ゼロとキョンさんは面識があるのでしょうか?」
キョン「いや、それはあの・・・」
ゼロ「ナナリー首相、実は私はあなたの思っているゼロではないんです」
ナナリー「そ、それはどういう意味ですか?」
ゼロ「私は枢木スザクではないという事です」
ナナリー「へ・・・・ではあなたは誰なんです?」
キョン「(ルルーシュ、妹に素顔を晒すのか?)」
ルルーシュは仮面を外して素顔を晒した
ルルーシュ「久しぶりだねナナリー」
ナナリー「な、何でお兄様が・・・・わ、私は夢でも見ているのでしょうか?」
ルルーシュ「夢じゃないよナナリー。ほら、手を」スッ
ルルーシュの差し出した手にナナリーが手を重ねる
ナナリー「はっ・・・・・・・・」
ルルーシュ「お前ならこうするだけで、何故俺が生きているのか
何故ここにいるのか、これまでの経緯が分かるだろ?」
ナナリー「お兄様・・・・本当にお兄様なのですね!!」
ルルーシュ「だから何度もそうだと言っているだろ、全く」
ナナリー「嬉しいです、またお兄様とお話ができるなんて・・・・
あの、でもスザクさんは今どちらにいらっしゃるのですか?」
ルルーシュ「あいつは今頃ジノ達と旧交を深めてるんじゃないか?
心配しなくても、すぐにこっちに戻ってくるよ」
ナナリー「お兄様・・・・」ギュッ
ルルーシュ「ナナリー・・・・・・本当に久しぶりだな」ギュッ
これからはずっと私の傍にいてください!」
ルルーシュ「ナナリー、残念だがそれはできない」
ナナリー「何故です?」
ルルーシュ「お前も分かってるはずだ、俺は世界に名の知れた悪逆皇帝
それも6年前に死んだ事になっているんだ。今更昔のようには戻れない」
ナナリー「では、仮面を!ゼロの仮面を被っていれば私の傍にいても
誰にもばれません!」
ルルーシュ「それじゃスザクはどうするんだ?そうなったら今度はあいつが
隠れまわる生活をせざるを得なくなる」
ナナリー「でも、それでも私はお兄様と・・・」
ルルーシュ「それに、ずっとゼロの仮面を被り続けるというのもなかなか辛い事なんだよ
スザクは文句一つ言わずに頑張ってくれてるようだがな」
ナナリー「お兄様・・・」
ルルーシュ「そんな顔をするな。これからも、何かあったら必ず俺が助ける
離れた場所に住んでいても、心はいつも一緒だナナリー」
ナナリー「・・・・・・はい」
ギアスをかけてある、今後はゼロに絶対服従だ。今回のようにお前達の敵に回るような事は
もうないだろう」
キョン「ギアス?お前はもうギアスは使えないんじゃなかったのか?」
ルルーシュ「新ゼロが消える間際にやってくれたんだ。『使える駒を増やしてやる』等と
偉そうな事を言ってな」
キョン「消える?新ゼロは死んだのか?」
ルルーシュ「死んだというより、正確に言うと消えたんだ」
キョン「言っている意味がさっぱり分からんのだが・・・」
ルルーシュ「後で説明するさ。ナナリー、これからはやる事が多いぞ
腐りきった黒の騎士団は勿論、既得権に縛られた超合衆国も絶対に今のままではいけない」
ナナリー「はい」
ルルーシュ「本当の意味での優しい世界を実現する為には、険しい道のりが待っている
お前にそれを乗り越える覚悟はあるか?」
ナナリー「はい、あります」
ルルーシュ「・・・・そうか、じゃあもう俺がいう事は何もないな。お前は大丈夫だ
キョン、ギアスを使え」
キョン「は?」
ナナリー「お兄様、何を言っているんですか?」
キョン「だから俺を連れてきたのか・・・・いいのか?せっかく妹さんと」
ルルーシュ「いいんだ。俺が生きているという情報は、今後の事を考えても
ナナリーにとってマイナスに作用する可能性が大きい」
キョン「じゃあ何でいちいち仮面を外したんだ?」
ルルーシュ「自己満足だろうな・・・・もう一度、もう一度だけ素顔を晒した状態で
ナナリーと話をしたかったんだ。お前のギアスに甘えたわけだ、すまないとは思ってる」
キョン「いや、別に俺はいいんだが・・・」
ナナリー「お兄様?さっきから何を・・・」
ルルーシュ「ナナリー、俺は常にお前の傍にいる。忘れないでくれ」
ナナリー「は、はい」
ルルーシュ「キョン、頼む」
キョン「あぁ、分かったよ。お前の意志を尊重する」
ルルーシュ「すまない」
キョン「フンッ!!!・・・・・・・・・・・・・あれ?」
キョン「フンッ、フンッ、フンッ!!・・・・・・・・・おかしいな、発動しない・・・」
ルルーシュ「何をふざけてるんだ!まさか、過去に二度も使っておいて今更
使い方を忘れたなんて言うつもりじゃないだろうな?」
キョン「いや、そんな事はないんだが・・・・駄目だ、何度やっても発動しない・・・・」
ルルーシュ「なっ・・・・・・そんな馬鹿な」
ナナリー「あの・・・・御二人はさっきから何をされてるのですか?」
ルルーシュ「発動しないわけがない、お前は後3回あの能力が使えるはずなんだ!
頑張れ、ほら!」
キョン「いや、頑張れって言われてもな・・・・無理なもんは無理なわけで」
ルルーシュ「くっ・・・・・・・・・・!ありえない、ギアスが急に無くなるなど
ギアスはコード所有者からコードを奪うか、お前の場合は5回使用しない限り
絶対にその身から消えないはず・・・・なのに何故・・・・」
キョン「お、俺は何もしてないぞ?」
ルルーシュ「(ありえない事が起きている場合、やはりあの女の奇怪な能力を疑うべきか・・・
涼宮ハルヒ!あいつが『ギアスがなくなるように』と心の何処かで願い、それが実現したとしか思えない
しかし、涼宮はキョンがギアス能力者であるという事以前に、ギアスの存在自体知らないはず
知らないことは願いようもない・・・・・では一体これはどういう・・・・・・・・ま、まさか!!!)」
下の着ていたタイツを捲って自分の左腕を確認した
キョン「お、おいどうしたんだ急に?」
ルルーシュ「無くなっている・・・・・」
キョン「無くなってるって何が?」
ルルーシュ「俺の、俺のコードが・・・・・」
キョン「コード?それってあれだろ、確か不老不死の・・・・あれ?お前確か前にあれは
他にコードを継承する奴が現れない限り無くならないって言ってなかったか?」
ルルーシュ「あぁ、それがなくなってる(間違いない、こんなルール無視な事ができるのは
涼宮しか考えられない・・・・・しかし何故あいつが)」
キョン「お、おいルルー・・・・・シュってお前泣いてるのか?」
ナナリー「お、お兄様?」
ルルーシュ「ア、アハハハハ!!心配するな、嬉し泣きだ」
キョン「嬉し泣き?」
ルルーシュ「アハハ、まさかこんな形でコードが消えてくれるとはな・・・
キョン、本当に涼宮は神かもしれんぞ?」
キョン「急に何を言い出すんだお前は?そういうのは古泉だけで十分だぞ」
カレン「ル、ルルーシュが生きてるですってぇぇ!!?」
C.C「おい、声がでかいぞ」
カレン「あっ・・・・・ゴメン」
C.C「あいつは私のコードを継承し不老不死となっていた
だから刺されようが撃たれようが死ぬ事はないんだ。ちなみにもうギアスは使えない」
カレン「そうだったんだ・・・・ていうか、だったら何で私に教えくれなかったのよ!!
だいたいあの時だって、スザクにはいろいろ教えて私だけのけ者にして!!
ちゃんと理由を説明してくれれば私だってルルーシュ達と一緒に戦えたのに!!」
C.C「まぁまぁそう目くじらを立てるな。あの時ルルーシュ側で戦うという事は
戦後は今の私達のように人様の目を避け続けながら生活しなければならないという事だぞ?
お前には母親がいるのだろう?その辺を考えてあいつはお前を巻き込まなかったんだろう」
カレン「うっ・・・・・・C.Cのくせに、何だかそれらしい事言うじゃない
で、あいつは今何処にいるの?会わせてくれるのかしら?」
C.C「何処にいるかは知らんが、今は神戸に住んでいる。会えるかどうかはあいつ次第だな
というか、お前今更ルルーシュに会ってどうするつもりだ?告白でもするのか?」
カレン「はぁ///な、何言ってんのよアンタ!!」
C.C「フフ、顔が真っ赤だぞ?相変わらずからかい甲斐のある奴だ」
カレン「シ、シーツゥゥ!!!」
ジノ「はぁ・・・・」
アーニャ「何その溜息?」
ジノ「いやさ、結局カレンはルルーシュの事が好きなのかな~と思ってね」
アーニャ「・・・・・・ジノ、あの人の事が好きなの?」
ジノ「まぁね。ただ相手がルルーシュじゃなぁ・・・・・ところで、さっきあの緑の人が言ってた
ギアスだのコードだのってのは何の隠語なんだ?」
アーニャ「ジノは知らなくていい事。世界には知らない事がいっぱいある」
ジノ「おっ、暫く会わないうちに何か大人っぽい事言うようになったなアーニャ」
アーニャ「それ誉めてる?」
ジノ「勿論!見た目もいろんな所が成長してるし、もう立派な大人の女だな!」
アーニャ「ジノ、それギリギリセクハラだよ?」
ジノ「え?そうなの?厳しい世の中だな・・・」
古泉「暫定議会は超合衆国及び黒の騎士団の解体を決定。ゼロを暗殺しようと企んでた者は
全て議員としての資格を失い、それぞれ自国の裁判所で裁かれる予定
今後暫定議会は民衆の声を第一とした組織の構築を目指すとの事です」
キョン「あぁそうかい、わざわざ新聞まで引っ張り出して御苦労だったな」
古泉「これらの事を最前線に立って指揮しているのはゼロのようですね
やはり何だかんだ言ってもまだゼロの求心力は高かったという事でしょうか」
キョン「そりゃそうだろ、悪逆皇帝から世界を救った英雄・・・・って事になってるんだからな」
古泉「確かに、6年やそこらで記憶から消えるような事ではないですね
それにしても、あの事件から僅かこれまでの機間でここまで物事を進めるとは
いやはや、流石はルルーシュさんですね」
キョン「そのせいで最近学校をよく欠席するもんだから、ハルヒの奴の機嫌は悪いがな」
ガチャッ
ルルーシュ「ん?なんだ、二人だけか」
キョン「悪かったな。ていうかお前、今日学校休んでただろ?
何でわざわざ部活にだけ来たんだ?」
ルルーシュ「たまには顔を出さないとな・・・あいつのストレスが溜まると
何とか空間ってのが発生して機関の連中が大変なんだろ?だから来たんだ」
我々としては助かるのですが」
ルルーシュ「そうしてやりたいのは山々だが、今は一番忙しい時だからな
なかなか両立するのは難しい」
キョン「なぁ、こうやってお前がルルーシュ・ランペルージとして生活してる時は
今まで通り枢木スザクがゼロの仮面を被ってるんだよな?」
ルルーシュ「あぁそうだ。いろいろと立て直すまでは暫くこの状態が続くだろうな
ゼロの仮面を被っている時は近くにいれるからナナリーは喜んでくれるが
正直この行ったり来たりの生活はなかなかキツイものがある」
キョン「いいじゃねーか、もう二度と会えないと思ってた妹と
長い時間一緒にいられるんだからよ」
ルルーシュ「まぁな」
古泉「新しい組織を構築した後は、やはりゼロをトップに据えるおつもりですか?」
ルルーシュ「いや、ゼロはあくまで象徴的存在とするべきだろう。適任を探しその者を
トップに置く予定だ」
古泉「そうですか。しかし本当に良かったですね、コードが消えて」
ルルーシュ「間違いなく涼宮の力が原因だろうな。感謝してもしきれん
ギアスの存在自体を知らないあいつが何故ギアスの消滅を願えたのかは謎だが」
古泉「彼女の力に関しては我々もまだ分からない事だらけとうことでしょうかね」
無くなっている所を見ると、この世界からギアスやコードそのものを消滅させたのだろう
これで、新たな能力者やコード所有者が現れる心配は無くなったわけだが
全くあいつの力は常軌を逸してるな、強すぎる」
古泉「我々から見ると、ギアスも十分常軌を逸してますがね」
ルルーシュ「しかし、本当に何でこんな事が起きたんだろうな
あいつはギアスの存在自体知らないというのに」
古泉「推察ですが」
ルルーシュ「言ってみろ」
古泉「恐らく今回涼宮さんは、他人の願望を現実に反映させたのではないでしょうか?」
ルルーシュ「他人の?」
古泉「えぇ、比較的身近にいる他人の願望を、ですが」
ルルーシュ「常日頃からギアスやコードの消滅を望んでいた者・・・・・フッ、なるほど俺の事か」
古泉「そうです。涼宮さんはルルーシュさんの願望を現実に反映させたんですよ
だから自分の知識に無いギアスやコードを消滅する事ができたんです」
キョン「あいつは遂に自分以外の人間の願望まで叶えちまうようになったのか?
でも確かお前、前にハルヒの力は次第に弱まってきてるって言ってなかったか?」
古泉「の、はずだったんですがね。どうやら違ったようです
まぁ、ルルーシュさんの願望が物凄く強かったからという可能性もありますが」
古泉「あまりに強い願い故に、涼宮さんの力が反応したのかもしれません」
ルルーシュ「いずれにしても、今後もあいつの監視は必要だな
今回の件で、僅かだがあいつが神であるというお前の説を信じつつある」
古泉「ほぅ、それは良い傾向ですね」
キョン「何処がだ」
古泉「そういえば、式典開始の際に鳴ったあの爆撃音。あれは何だったのでしょうね」
キョン「ん?テロリストの攻撃音だろ?」
古泉「テロリストが戦っていたのは東京湾ですよ?いくらなんでもあそこまでは聞こえませんよ」
ルルーシュ「あれは俺が流した音だ。観衆が逃げるきっかけを与える為に準備しといた」
古泉「なるほど、そうだったんですか」
キョン「それならそうと事前に説明してくれよ、俺はマジでビビってたんだぞ?」
ルルーシュ「ハハ、悪い悪い」
古泉「それともう一つ疑問なのですが、結局新ゼロとは一体誰だったのですか?」
キョン「あぁそうだ!消えたとか何とか言ってたが、あれはどういう意味だ?」
キョン「詳しく説明してくれ、それだけじゃ意味が分からん」
ルルーシュ「新ゼロの正体、それは・・・・・俺だったんだ」
キョン「・・・・・は?」
ルルーシュ「奴が仮面を外した瞬間はビックリしたよ、俺と全く同じ顔だったんだからな」
キョン「どういう事だ?そっくりさんか何かだったって事か?」
ルルーシュ「いや、あいつは紛れも無く『ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア』だった」
古泉「・・・・・・・なるほど、そういう事ですか」
キョン「何一人で納得してんだ、俺にも説明しろ!」
古泉「つまり新ゼロを演じていたもう一人のルルーシュさんは、涼宮さんが
作り出したものなんですよ!」
キョン「ハルヒが?何で?」
古泉「お忘れですか、いつぞやここでこう言っていたではありませんか
『皇帝ルルーシュに会ってみたかった』と」
キョン「・・・まさかあの目立たない一文を現実に反映させちまったのかあいつは?」
古泉「そしてその後にはこう続けてます、『ゼロにも会ってみたい』と」
二人を同時に呼び寄せる事はできません、ですからもう一人のルルーシュさんを作り上げたのでしょうね」
ルルーシュ「俺も全く同じ考えだ。奴の顔を見た瞬間、涼宮の仕業だとすぐに理解できた
じゃなきゃありえないからな。奴がギアス能力者だという事も、俺のコピーであるというならば納得できる
ただ一つ解せないのがナナリーへの対応だ」
古泉「どういう意味です?」
ルルーシュ「あいつがルルーシュであるならば、妹であるナナリーを危険な目に
合わせるような事は絶対にしないはずだ。しかしあいつは危険な目に合わせるどころか
ナナリーがいる東京租界へ向けフレイヤを放っている・・・・あれはどういう事なんだ?」
古泉「涼宮さんが多少アレンジを加えたのではないでしょうか?
当時の彼女が描いていた皇帝ルルーシュは、自らの覇道の為なら家族の命すらいとわないような
そんな人物像だったのでしょう。実際、世間では今もそのように語られてますし」
ルルーシュ「なるほど」
キョン「みんな無事だったんだ、何でもいいさ」
古泉「ですね」
ガチャッ
ハルヒ「農業やるわよーーーーー!!!」
ハルヒ「そうよ、農業!国内の食料自給率が低下する昨今、日本に一番必要なのは
農業なのよ!!だから私達でやるの!」
キョン「やるったって、畑がないだろ畑が」
ハルヒ「そんなもんどっか借りてやればいいじゃない!」
ルルーシュ「高校生に畑を貸してくれる農家など、何処探せば見つけられるんだ?」
ハルヒ「あーっ!!ルルーシュ、あんた今日も学校休んでたでしょ!!
最近休みすぎ&怠けすぎよ!!」
ルルーシュ「だから今日はこうして部活だけ顔を出しただろ」
ハルヒ「部活だけ顔を出せば良いってもんじゃないわ!ちゃんと授業を受けなさい!!」
キョン「(おぉ、ハルヒが割と普通の事を言っている)」
ハルヒ「とにかく農業よ農業!!目標は日本の食料自給率を10%上げる事よ!!
みんな張り切って行くわよぉー!!」
キョン「はぁ・・・・」
ルルーシュ「まぁ、戦争させられるよりは遥かにマシだろう」
古泉「同感です」
アーニャ「式の日取り?」
C.C「そうだ、あいつも晴れてコードの呪縛から解放された事だし
そろそろ身を固めても良い時期だろう」
アーニャ「それはいいと思うけど・・・・・相手は誰なの?」
C.C「そんなの決まってるだろ、勿論」
カレン「私よ!!」
C.C「・・・・・なんだまだいたのか赤ゴリラ」
カレン「誰が赤ゴリラよ!!あんたには絶対に渡さないわよ!!」
アーニャ「ちょっと待って、勝手に話進めすぎ。ルルーシュは私のもの
誰にも渡す気は無い」
カレン「はぁ?あんたもあいつの事が好きなの?」
アーニャ「・・・そう」
カレン「ちっ、どんだけいんのよライバル!!」
C.C「(・・・・・・・・・・・駆け落ちでもするかな)」
完
前にもギアスとハルヒ、ドラえもんを絡めたクロスを何度か書いた事があるので
暇な時にでも読んでみてください
ドラえもん「黒の騎士団を迎え撃とう」
ドラえもん「エンドレスエイト?」
ルルーシュ「SOS団?」
ハルヒ「黒の騎士団に入るわよ!」
これでググればたぶんログがあると思うので
お疲れ様でした。
新ゼロとことかお見事だったー
面白かった!!
これは良くできたSS
楽しかったわ
ってコーネリアお姉ちゃんが名前しか出ていないじゃないですか、やだー!
Entry ⇒ 2012.07.25 | Category ⇒ 涼宮ハルヒSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
春香「プロデューサーさん!ニュースですよ、ニュース!」
天海春香、新曲発売記念ライブでこけまくり、観客「あざとすぎる」
「太陽のジェラシー」「乙女よ大志を抱け!!」などのヒット曲で知られるアイドルの天海春香さん(17)が、
新シングル「笑って!」の発売を記念し行ったライブ公演中、なんと28回もコケるというハプニングがあった。
ライブは天海春香さんたっての希望もあり東京ドームで行われ、全国各地から熱狂的なファン5万5000人が集結。
春香さんがステージに現れると、綺麗な赤色のサイリウムで観客席は彩られ、
中には「閣下!」「踏んでください!」などと跪くファンも見られ、会場は異様な雰囲気に包まれた。
最初のハプニングが起きたのは春香さんのデビュー曲でもあった1曲目の「GO MY WAY!」
ステージ上にはつまづくようなものは何もなかったにもかかわらず、バランスをいきなり崩すと、大きな声を上げながら転倒。
その後も1曲に2回というかなりのハイペースでお得意の「どんがら節」を披露し、客席を沸かせた。
MCの途中、観客からの「ワザとコケているのではないか?」という指摘に対し、
周りのファンが一時エキサイトする場面もあり「それも含めて閣下のステージだ」などと収拾がつかなくなると、
春香さん自身が「跪きなさい愚民共」と嗜め、5万人以上が一斉に跪くという異様な光景も見られた。
公演後、訪れたファンは「あれだけコケたのにパンツが一度も見えなかったのはおかしい」「あまりにあざとすぎる」
「ワザとではないか?という質問からの跪くまでの流れはもはや様式美」などと興奮気味に語り、
担当プロデューサーのPさんも「今日の春香は絶好調だった。見えない何かにつまずいているようだった」と大満足。
大成功を収めたライブを振り返り、春香さんは「いつもより多くコケてしまいましたが今日のライブは大成功でした」
「パンツだけは死守しました。好きな人が出来た時に、その人にだけ(見せます)」と意味深なコメント。
嬉しそうに取材陣を後にしたが、その場でまたも転倒。しかしパンツは依然死守したままだった。
高槻やよい、貧乏アイドル脱却も、もやしにはもう飽き飽き?
大家族で貧乏アイドルとして人気を博した高槻やよいさん(14)
家計の支えになれば…と始めたアイドル活動も軌道に乗り、その愛らしさと健気さから男女ともに人気が高い。
バラエティから料理番組、果ては子役として活躍し、今やテレビに映らない日はない程だ。
おかげで収入も増え、両親の抱えていた多額の借金も最後まで返済することが出来たというやよいさん。
貧乏生活からもついに脱却かと思いきや、今度はその人気のおかげで問題が出ているという。
「もやしを貰いすぎて食べきるのが大変なんです」冗談のように聞こえるが、本人は真剣だ。
以前からもやしを食べていることで知られていたが、もやし協会のイメージキャラクターになったことや、
自らの看板番組『お料理さしすせそ』内で、もやしを多用したこともあり、全国のもやし農家から熱いラブコール。
日本中からもやしがたくさん送られてくるようになり、食べないと腐ってしまうので困っているという。
「お金にはあまり困らなくなりましたが、かと言って食べ物は無駄にしたくありません」
高槻家の食卓を取材させてもらうと、テーブルの上にはホットプレートに山盛りのもやし。
特性のタレで炒めたもやしをご飯で頂くという高槻家の定番メニュー「もやし祭り」
以前は毎週木曜日だけであったが、現在では月、木、土曜日の週3日制だ。だがそれでも食べきれないと言う。
「やよいは収入が増えても天狗にならず、節制した生活を続けています。それも彼女の魅力の一つです」
「しかし過酷なアイドル活動で(食事が)もやしに偏っているのは心配」担当プロデューサーのP氏はそう語る。
同じ事務所の歌姫、如月千早さんは「毎日のように(やよいさんから)もやしをおすそ分けしてもらっている」
「私の体型がもやしのような事は(もやしとは)関係ない」とコメントし、笑いを堪えながらその場を後にした。
「約束」、270万枚を超える歴史的大ヒットに、如月千早「みんなのおかげ」
「蒼い鳥」「目が逢う瞬間」などのヒットで知られるアイドル歌手、如月千早さん(16)
4ヶ月前に発売されたシングル「眠り姫」が140万枚を超える記録的な売上を記録したのは記憶に新しいが、
若干16歳で日本の音楽シーンを牽引する立場となった彼女がまた、さらなる音楽界に衝撃を与える事となった。
所属事務所である765プロの仲間が作詞したという「約束」が、発売から3ヶ月で270万枚を超える歴史的大ヒットとなり、
SMAPの「世界に一つだけの花」(2003年)の259万枚を超え、オリコンシングルチャートの歴代7位の座を奪った。
音楽販売がレンタルやダウンロード販売が主流になりつつある今、この大記録を達成したことにプロデューサーのPさんは
「本当に良い物は売れる。時代が時代なら(CDの販売だけで)500万枚を超えたかもしれない」と自信満々の様子だ。
千早さんは「ここまで私の歌が高く評価していただけのは、事務所やファンのみなさんのおかげ」とコメント。
その後に「あまり面白みもないコメントしか出来ずすいません」と付け加え、自嘲気味に笑みを浮かべていた。
一時期、週刊誌による悪質なバッシングにより、声が出なくなるほどに精神的に追い詰められていたと言う千早さん。
その時に親身になって助けてくれたのが765プロの仲間であり、かけがえの無い大切な家族のような存在と熱く語った。
千早さんの突然の一時休養宣言に「天才歌姫、このまま引退か?」とワイドショーを賑わせていた中、
全国に生中継された765プロ主催の合同ライブ。その歌姫の感動的な復活は、新たな歌姫伝説の幕開けを思わせた。
「みんなが居なければ、私は歌うことすら辞めていたかも知れません」千早さんはそう振り返る。
同じ事務所で、千早さんとは大親友であるという天海春香さんは「(千早さんが)また歌えるようになったのは本人の力」
「私たちは少しだけ、背中を押して上げただけです」と、あざといコメントを残し、
一方で高槻やよいさんは「いんぜー?のおかげでもやし生活から脱却できました!」と笑顔で答え、笑いを誘った。
一人でやるには少し時間がかかりすぎるから書ける人は頼む
穴掘り大会が盛況。ゲストに「穴掘りアイドル」萩原雪歩さんも
第十三回全国穴掘り大会が今年も千葉県の成田ゆめ牧場で行われ、総勢1万5000人を超える参加者で賑わった。
ルールはスコップだけを用い、制限時間30分でより深く穴をほったチームが優勝という至ってシンプルなもの。
1チームは6人以下で、優勝賞品は金のスコップに、賞金100万円という豪華なものだ。
年々賑わいを増す同大会。今年は最多の700チーム以上が参加する嬉しい事態に、
「穴掘りアイドル」として有名な萩原雪歩さんが、ヘルメット姿で急遽特別ゲストとして飛び入り参加。
会場に急ピッチで設営されたステージで、新曲「ALRIGHT*」や、オリジナルの穴掘りソングを披露し、会場は大いに盛り上がった。
大会本戦にも引き続きゲストとして出場した雪歩さんは、チームには参加せず一人での出場。
プロの穴掘り職人が多数参加する中、開始10分で100m以上掘り進んだところを、メジャーの長さ不足で測定不能となり失格。
繰り上げで3m90cmを記録した(株)水瀬建設土木部が優勝となったが、戸惑いを隠せない様子だった。
優勝チームの新堂さんは「あの華奢な体のどこにそんな力があるのか。目算では300メートル以上掘っているはず」驚いた様子でコメント。
観客からは「まるでゼリーを掘っているようだった」「少し目を離したらすでに穴に隠れて見えなくなっていた」
「今までテレビで穴をほってたのはヤラセだと思っていた」などと、その早さに動揺を隠せない様子だった。
ゲーム終了後、雪歩さんは慣れた手つきで穴から這い上がってきたが、全身びしょ濡れになっており、
「温泉を掘り当ててしまい濡れてしまった。たぶん(穴の深さは)400mくらいだと思う」とコメント。
穴掘りアイドルの名に恥じぬ圧倒的な穴掘りを披露し、見事会場は大盛り上がりを見せた。
大会スタッフは「(雪歩さんには)来年もゲストとして参加してもらいたいが、次回は穴掘りインストラクターとしてお願いしたい」
「まさか温泉まで掘り当ててしまうとは。今後は温泉地としても賑わうように努力したい」と嬉しそうに語っていた。
温泉とかwww全身火傷して死ぬわ
亀だが多くの温泉は源泉を加温して使ってるぞ
だから「源泉かけ流し」って売り込みが成立するんだもんな
お騒がせアイドル日高愛、声が大きすぎ、ご近所さんを失神させる。
毎度お騒がせのアイドル、日高愛(13)が19日、所属事務所が契約するボイスレッスンスタジオでの練習中に、
あまりの声の大きさに近隣住人を失神させるハプニングに見舞われた。
失神したのはレッスンスタジオから200m離れたアパートに住む女性(67)など4名。
ボイスレッスンスタジオは防音対策がしてあったものの、愛さんの不注意でドアを閉め忘れ、
その母親譲りの強い喉から発せられる大音量ボイスに、住民は耐え切れなかったという。
道を歩いていて声を聞いた女性は「爆弾が爆発したのかと思った。地声だというのが信じられない」とコメント。
愛さんの声は最も声が大きい人としてギネス記録に乗っており、声質によっては窓ガラスをも粉砕することが出来るという。
このアクシデントについて、愛さんに話を伺おうとマイクを向けたところ、録音機器が故障。
やむを得ず30m離れたところからの取材となったが「喉の調子が良かったので少し調子に乗ってしまった」
「反省しています。次からはきっちりとドアを閉めて臨みたいです」とコメント。
それに対し所属事務所の石川社長は「愛は普段から小声で喋ってもらっている」と爆弾発言が飛び出し、
マネージャーの岡本さんは「今までに4回は鼓膜が破れた」とその苦労を漏らした。
「うっうー!」が金賞 ネット流行語大賞2011
今年ネット上で流行した言葉を選ぶ「ネット流行語大賞」が2011年12月1日、決定した。
金賞は、765プロ所属アイドル・高槻やよいの「うっうー!」。
銀賞には「わた春香さん」が、銅賞にはアニメ『アイドルマスター』に端を発した「プロデューサーさん!○○ですよ、○○!」がそれぞれ選ば
れた。
ネット流行語大賞は、インターネット上で多用された言葉のなかから、最も流行した言葉を決めるというもの。
産経新聞編集企画部が運営する実行委員会に参加する各企業がユーザーを対象としたアンケートを行い、独自に集計した。
金賞を受賞した「うっうー!」は、高槻氏の冠番組「お料理さしすせそ」内に出てくるフレーズ。毎放送内で料理が完成すると必ず使われる一言で、
この流行語が火付け役となり、今年8月、夕方の料理番組では異例の最高視聴率84.1パーセントを記録した。
金・銀・銅賞以下の「ネット流行語大賞2011」は以下の通り。
何気なく春香が強いな
GPS衛星が一時行方不明に、携帯端末などに大きな影響。原因は迷子アイドル?
17日の午後4時から7時にかけて、携帯端末向けのGPSが一時行方不明になるアクシデントがあった。
行方不明になったGPS衛星は日本上空を通過中に3時間に渡って突如消息を絶ち、
日本近辺の携帯端末約2億台に影響が出たと予測されている。
その後衛星は発見され、軌道修正を行うことで障害から復旧することで事なきを得た。
しかし、このアクシデントにあの「迷子アイドル」が影響しているのではないかと噂になっている。
その「迷子アイドル」とは、765プロダクションのアイドル三浦あずさ(21)
あずささんはよく迷子になる極度の方向音痴として有名であり、障害のあった当時、
テレビ番組で、タブレット型端末のGPS機能を用いても迷うのか?という企画の生放送に出演していた。
それまで正常だったタブレット端末のGPS機能が、あずささんの手に渡った途端に機能しなくなり、
インターネットでは「爆笑したけどいくらなんでもヤラセだろう」などと書き込みが相次いだが、
このニュースが報じられるやいなや、ツイッターなどでは「筋金入りの迷子」「本物の迷子力」
などと、あずささんの方向音痴に付いて恐怖すら感じる人も少なくなかったようだ。
この問題についてあずささんは「私は方向音痴だけじゃなく、機械音痴でもあるんですね~」とコメント。
タブレット端末を手渡したプロデューサーの秋月さんは「歌だけは音痴でなくてよかったです」と笑いを誘った。
ミステリー系アイドル四条貴音、ロケ番組で激昂
謎の雰囲気を醸し出すミステリー系人気アイドル四条貴音さん(18)さん
ロケ先のラーメン店で出演者の大食いタレントに激怒したことが分かった
原因はロケ先のラーメン店のラーメンを食する姿に貴音さんが怒りを覚え、
撮影中のタレントに激怒、15分ほど説教をしたそうだ
その後貴音さんは撮影を中断したことと場の空気を悪くしたことについてタレント、スタッフに謝り、
どうにかその場を収めたようだ
今回の事件について貴音さんを担当しているプロデューサーのPさんは
「本当に申し訳ないです、でも貴音はラーメンへの思いが極端に強いので仕方がないとしか……今後このようなことがないよう言いつけておきます」
とのコメント
そして事件の当事者である貴音さんにも今回の事件について伺ったところ
「真に申し訳ありませんでした、ですがあの方のらぁめんを食べる姿はあまりにも目に余ったってしまったのです、あの姿は真においしき物を食べている人ではない、私はそう思いました」
と、毅然とした態度でコメント
その場で事件の全てを見ていたロケ番組の監督はは
「あのお説教には感銘を受けた!撮影関係ナシに自分の悪いことを悪いと言うあの娘の行為は今の現代人には無いものです、多分そういう所も含めて彼女の人気は成り立っているんだろう」
と、貴音さんを褒め称えるように語っていた
謎に満ちたアイドル四条貴音さんを、少し身近に感じられる事件であった
第27回わんこそば選手権大会開催。優勝はアイドルの四条貴音
盛岡を代表する食文化の一つ「わんこそば」その日本一を決める熱き戦いが岩手県で繰り広げられた。
毎年、数多くの健啖家が集結するのこの一大イベントを制したのは、なんとアイドルの四条貴音(19)
ライバルが苦戦する中、日本記録の561杯を大きく上回る632杯を平らげた。
ルールは、30分以内に何杯のわんこそばを食べられるかというシンプルなもの。
胃に自信を持つ若者たちに紛れ、次々とそばを飲み込む貴音さんの姿に会場は大いに盛り上がった。
観客は「(貴音さんが)よく食べる事は知っていたがここまでとは」「ゲストだと思っていたのに優勝するとは」
「あの体のどこに632杯も入ってるのか。明らかにおかしい」と、驚きを隠せない様子だった。
他の女性参加者が「大の男が400杯でお腹をふくらませて倒れているってのに、どうなっているんデスカ?」とエキサイトし、
アイドルである貴音さんを優勝させるための八百長ではないかと騒ぎ立てるハプニングもあったが、
一緒に来ていた友人の女性に取り押さえられることで事なきを得た。
それに対して貴音さんは「そばも良いものですね。ですがらぁめんでしたら700杯は(食べれられる)」と余裕を見せ、
会場を後にしたと思うと、そのまま向かいのラーメン屋に入っていったという。
なお、主催者によるとそういった八百長の類は一切おこなっていないという。
「ミキミキ詐欺」横行 警視庁が注意を呼びかけ
警視庁は18日午後、知り合いを騙って銀行口座への振込みを指示し金を騙し取る「振り込め詐欺」の新しい手口として、
人気アイドル・星井美希さん(15)と名乗る人物からの電話に注意するようホームページで呼びかけた。
「ミキミキ詐欺」と呼ばれるこの手口は不特定多数の人物に電話をかけ、
「こんにちは!星井美希だよ。あはっ☆」という挨拶に少しでも反応した人物をターゲットに
所属事務所の経済状況の危機を訴え、サイン入りCDを送ることを条件とし口座に金を振り込ませるというもので、
これにより都内では先月末までに約20人が計765万円を騙し取られており、
今後さらなる被害者の増加が懸念される。
調べでは、この詐欺による被害者は全て星井さんのファンであることが明らかになっており、
通報者は「声も喋り方もそっくりだった。本当に電話してきてくれたと思い浮かれてしまった」と話しているという。
また、星井さんの所属する765プロダクション側はこの事件への関与を一切否定しており、
星井さん本人は「電話をかける暇があったらお昼寝をするので(私ではない)。
ファンの皆に悲しい思いをさせて申し訳ない…ぁふぅ」とコメントしている。
東京医科学博物館が開館、セレモニーにはアイドルの双海姉妹も
子供にもわかりやすく、病気や医学について楽しみながら学べる博物館「東京医科学博物館」が16日開館した。
人体の仕組みから病気の怖さなど、目で感じて学べるがコンセプトの展示物は、大人が見ても十分楽しめるものとなっている。
開館セレモニーには、親が医者であると言う双子のアイドル、双海亜美・真美(13)姉妹も参加した。
会館前から大勢の人が列をなし、フラッシュの中、真美さんの提案で本物のメスを用いて、テープカットが行われ、
亜美さんが「このテープも出来れば内蔵っぽくすれば良かったのに」と冗談めかすと、
姉の真美さんがすかさず、「(内蔵を)メスでバラバラにしちゃったらダメっしょ」と会場を沸かせた。
報道陣の中、この博物館の一番の目玉である、コンピューター上での手術の体験ゲームを早速姉妹が体験。
メスなどの手術用具の動きに合わせて、画面内で再現された人の手術をすることが出来る。
親が医者だからと余裕ぶっている亜美さんだったが、腫瘍を摘出する手術で誤って心臓を切断。
鳴り響く心電図モニターの異常音に慌てた亜美さんは、すかさず傷口を縫合し「ファインプレー」と言い張るも真美さんがそれを否定。
続いて挑戦した真美さんは無事に腫瘍を摘出し、成功した特典として『子供医師免許』が発行された。
それについて亜美さんは「これからも手術は続けていく。あのファインプレーを見れば腕の差は歴然」
免許がないことについて聞かれると、「(私は)平成のブラックジャック」などと冗談めかし報道陣の笑いを誘った。
一方で「子供医師免許も貰えたし、とても楽しく手術について学べた。日本初のアイドル医師を目指そうかな?」と、
至って報道陣向けのコメントを残し、姉としての余裕を見せる結果となった。
よくここまで詰め込めるな、すごいわ
我那覇響が琉球大使に就任!
「いつか沖縄でライブをして、ただいまって言うんだぞ!」
動物好きとして有名な人気アイドルの我那覇響(765プロダクション)が、
故郷・沖縄県のPRを担う“琉球大使”に就任した。我那覇は、昨年度に同県が
制作した「ハイサイ、元気!沖縄県」イメージアップTV-CMへの起用や、
今年度の沖縄県イメージアップ・ポスターへの起用、さらには普段から自身の
芸能活動を通じて、広く沖縄県をPRした功績が認められ、この度の決定に。
今月27日には、我那覇が沖縄県庁にて仲井眞知事を表敬訪問。
沖縄大使の委嘱式が行なわれ、地元メディアをはじめ多くの関係者が見守る中、
少し緊張した面持ちの我那覇は、県知事から“琉球大使委嘱”の盾を授かり、
「自分、生まれてから事務所に入るまでの15年間、沖縄で育ってきたんだ。
今、自分を育ててくれた大好きな沖縄島を自分がPR出来るようになったことを嬉しく思うぞ!」
と元気に感謝の言葉を伝えた。また、同県のイメージアップ・ポスターの撮影では、
地元民俗衣装の流装を着用。沖縄島の象徴とも言える海を背景にフォトセッションも。
一から書いたほうが楽かもしれませんね
「王子様にしたい芸能人」ランキングの第一位が決定!!
風変わりな企画に定評のある女性誌「piyopiyo」にて行われた、「王子様にしたい芸能人」の投票結果が昨日発表された。
当初は961プロのアイドルユニット「ジュピター」のメンバーのいずれかが王座を手にするだろうと予想されていたが、
いざ蓋を開けてみれば、765プロ所属の『女性』アイドル・菊地真が二位以下を大きく引き離してブッチ切りで一位の座に君臨した。
獲得票数は72727票という、二位の天ヶ瀬冬馬が獲得した1000票の72倍以上という驚くべき記録であった。
彼女に投票した意見の一部は下記のとおりである。
『男とか女とか関係ないの!真クンが圧倒的に王子様なの!!』
『真ちゃんが一番の王子様ですぅ!ダメダメな私でもこれだけは譲れません!』
『やっぱ王子様って言ったらまこちんしかありえないっしょ→』
『ま、真ーっ!!うお、うおおお!真ーっ!!』
「女性でありながら王子様」という前代未聞の偉業を成し遂げた本人にインタビューをすべく事務所に向かったが、
あいにく不在だったため、代わりに彼女を担当するプロデューサーに意見を伺った。
「いやぁ、まさか一位を取るとは私もびっくりしましたよ。真の奴もよほど嬉しかったのか、涙を流して喜んでましたね(笑)」
いずれ本人から直接喜びの言葉を聞きたいものである。なお、一位に輝いた記念の賞品として彼女には白タイツが送られる模様。
ボーイッシュアイドル菊地真、始球式でまさかの剛速球!?
スポーツ万能アイドルとして知られる菊地真が18日、横浜スタジアムで
行われたプロ野球・DeNA対ヤクルト戦で始球式を行った。
DeNA三浦大輔選手とのキャッチボールで肩を慣らし、
万全の調整で挑んだ始球式では、まさかの121キロのストライク。
打席の内村賢介選手(DeNA)もアイドルとは思えない投球に唖然としながらスウィング。
観客からの歓声を受けた菊地だったが、「ちょっと女の子っぽくなかったかも…」と戸惑い気味。
しかし、観客の女性は「足を上げた瞬間、スイッチが切り替わったと思いました。カッコ良かったです!」
と称賛しきりの様子だった。
ドッキリ番組に大好評!? 双子アイドル双海姉妹
元気印でいたずらっ子の双子姉妹アイドル、双海真美・亜美さん(13)
がドッキリ番組で大御所の和田アキコさんに大胆ドッキリを行なったことが分かった
業界では鬼のように怖い和田アキコさんにドッキリを仕掛けるという類を見ない企画に果敢にも双海姉妹は挑戦し、成功を収めた
ドッキリ内容はオレンジジュースを和田アキコさんにぶちまけたりという子供らしいイタズラを幾度も行い、和田アキコさんを激怒させたという
だがドッキリだと分かるや否や、双海姉妹にドッキリをさせたスタッフ一同に怒ったという
双海姉妹の様々なドッキリを受け、心身共に疲弊した和田アキコにコメントを求めたが、
記者まで巻き添えにされスタッフ一同とともに和田アキコさんの怒りに触れた
今回のドッキリ企画について双海姉妹は
「すっご→っい!おもしろかった→!また今度も遊んでくれるって約束したし、次も派手にやっちゃうしかないっしょ?」
「でも次は上手く逃げないと私達もあのスタッフさんたちみたいにげんこつかもよ~?」
と、反省の色を全く見せず無邪気な態度でインタビューに答えていた
鉄のような肝っ玉双子アイドル姉妹の活躍に今後も期待である
映画「劇場版 無尽合体キサラギ2~創生のアルカディア」制作決定!
テレビシリーズで人気を博し、昨年には劇場版も公開された無尽合体キサラギシリーズ。
昨日、その劇場版第二弾の制作決定が発表された。制作発表にはテレビシリーズも手掛けた
円谷プロダクションの制作スタッフのほか、主演の双海亜美・真美姉妹、ライバル役の水瀬伊織、
博士役の我那覇響のほか、前作で悪役ハルシュタイン閣下を見事に演じた天海春香が出席した。
ストーリーについてはトップシークレットということだが、前作にて死亡したと思われる
ハルシュタイン閣下の登場について天海は「結構重要な役ドコロのようなんです」と意味深な発言。
また、今回の物語について監督は、
「詳しいことはまだ何も言えない。ただ、前作でカギとなった機体“アズサイズ”の
モデルとなった超重要人物“キング”がついに登場する、とだけ言っておきます」
と、キサラギファンには耳寄りな情報も飛び出した。果たしてキングは誰が演じるのか。
「劇場版 無尽合体キサラギ2~創生のアルカディア」は今年12月公開予定である。
見に行くしかない!
えひめ飲料のポンジュース宣伝部長にアイドル水瀬伊織が就任
100%オレンジジュースのポンジュースで知られるえひめ飲料の宣伝部長に水瀬伊織(15)が就任。
早速PR活動として、和歌山でポンジュースの原材料である温州みかんの収穫にも挑戦し、
自らの大好物でもある100%オレンジジュース作りを実際に体験した。
ポンジュースの原材料はブラジル産のオレンジと、和歌山県産の温州みかん。
新人の『水瀬部長』はそのうちの和歌山のみかん農家に足を運び、実際にみかんの収穫を体験。
しかしみかん畑は急斜面にあり、背も低い伊織さんは大苦戦。
途中、2度も足を滑らせ斜面を転げ落ちるアクシデントに見舞われたが営業スマイルを苦笑いになりつつもキープ。
「泥だらけになったし、虫も多くて日焼けもしそうで、何より足が(疲れて)きついわ」と涙目になりつつも、
みかん農家の佐々木さんに教わりながら、約4時間に渡ってみかんの収穫を行った。
すべての作業が終了後、もぎたてのみかんを絞った100%みかんジュースを堪能した伊織さん。
「(作業は)単調でしんどいし、途中で何度もやめようかと思ったわ!」と毒を吐くも
「でも、これを飲んでると、そのかいはあった思う」とツンデレっぷりを披露。にこやかな雰囲気に包まれた。
佐々木さんからは記念として、みかんの苗木をプレゼントされ「家でも収穫しろっていうの?」と皮肉ったが、
「大切に育てれば、またもぎたてのジュースが飲めるのね」とまんざらでもない様子。
最後は100%のオレンジジュースについて熱く語り「私も、常に100%でいたい」と笑顔で締めくくった。
いおりん好感度上がりまくるだろ
リボンを落としたら一般人!? 清純派アイドル天海春香
人気アイドル天海春香(17)さんがあるバラエティ番組の企画で前代未聞のロケに挑戦したという
その企画の内容は人通りの多い商店街を通り、どのくらいの早さで一般人に天海春香だと気づかれるかという企画である
この企画に当人の春香さんは自信満々に受けたという
「この企画、あまりにも簡単に終わっちゃって企画倒れしてしまうかもしれませんよ」
と、従来のイメージとは異なる挑戦的なコメントを残した春香さんは臆することなく商店街へと向かっていった
撮影終了後、春香さんの所属する765プロ事務所のプロデューサーのPさんにコメントを求めたところ
「結果は残念でしたけどまだ春香には伸びしろがあると見受けられました、トップアイドルへの道はまだまだ先だと彼女も自覚し精進していったらと思います」
と、残念そうに言い残し春香さんの元へと走っていった
そして今回の企画の主役、春香さんに話を伺おうとしたのだがインタビューなどは全面拒否となり事務所側に止められてしまった
さらに記者が道に落ちていた春香さんのチャームポイントであるリボンを拾い、個人的に春香さんに渡しに行った所
人目をはばからず大粒の涙を零し、その後記者に礼を言いロケバスに乗って去っていったという
一体どういう結果になったのかは今夜7:00の「ここまでやります!アイドル人気度調査!?」をご覧下さい
【765プロダクション】腹立ててるの、私だけやん
元アイドルの異色の転身として注目される秋月律子プロデューサー(19)の初陣は敗戦。
自身のプロデューサー生活の始まりを飾ることはできなかった。
情けない負けだった。ここが勝負どころという新曲のサビの場面だ。
期待した天海春香がステージ上でバランスを崩すと、大きな声を上げながら転倒。
その瞬間、秋月プロデューサーは自嘲気味な薄ら笑いを浮かべながら関係者控室ときびすを返した。
「引っかかってコケてばっかり。何で勝てないか、分かり切ってることやん。
やったらあかんことをしている。象徴的なオーディション」。あきれかえった表情で振り返った。
オーディション前には、今後新ユニットを結成し巻き返すと宣言したものの、「765プロダクションで腹立ててるの、私だけやん」。
周囲との“温度差”すら口にした。
高木社長は、最後まで秋月プロデューサーに託す方針を示したが、プロデューサーがこの通り。
アイドルアルティメイトに向けて、大きな不安が露呈した。
[20××年7月20日0時33分]
電波少年が復活!あの過激企画にアイドルが挑戦!?
1993年から2003年にかけて日本テレビ系列で放送されていた電波少年シリーズが
地上波では実に9年ぶりに復活することとなった。特別番組として3週連続放送予定となっており、
制作総指揮は当時Tプロデューサーとして親しまれた土屋氏(現・VOD事業部長)である。
当時は無名な芸人を中心にキャスティングされ、危険で無茶な挑戦に挑んでいくという内容であったが、
今回はなんと現役の人気アイドル達が過激な企画に挑んでいく内容だという。
土屋氏曰く「別番組の打合せで765プロのプロデューサーと話が弾み、企画に至った
出演者はいずれも売れっ子アイドルで、以前のように長期拘束の企画は難しかったが
アイドルの女の子たちは意外なポテンシャルを発揮してくれて、いいものが撮れた」
とのこと。
電波少年的我那覇響の無人島脱出
電波少年的高槻やよいの懸賞生活
電波少年的如月千早のアジアの歌姫
電波少年的双海亜美・真美のスワンの旅
ほか、6企画を放送予定である。
誰かやよいの懸賞生活でSS書いてくれ
いいなあこれ、全部SSで見たい
人気アイドルの菊池真(17)が、横浜スタジアムで行われたプロ野球・DeNA‐ヤクルト戦で始球式を行った。
横浜スタジアムでの初登板となった彼女が全力投球したボールは、唸りを上げながら一直線に打席の内村賢介選手(DeNA)にデッドボール。
ストライクは取れず意気消沈していた。
スポーツ全般が得意だという彼女は始球式に“ハマの番長”三浦大輔投手のアドバイスも受けて準備万端で臨んだ菊池だったが、結果はまさかの死球。「三浦投手に凄く球を褒められて…ちょっと力んじゃいました…」と反省。
しかしマウンドでは笑顔を絶やさず、駆けつけたファンや、横浜ファンからも大きな声援を浴びていた。
登板後、担当プロデューサーは「足が上がった瞬間、スイッチが切り替わってかっこよかった。彼女の魅力が発揮できた」と称賛。
この日、別の場所で番組収録をしていた同事務所の我那覇響(16)は彼女の活躍を聞き、「自分もスポーツが得意だから、投げる機会があったら自分も投げてみたいぞー!」と意欲をみせていた。
今後もパワフルな活躍を見せる二人から目が離せない。
【大分】小鳥への仏心も2度まで
大分中央署管内の765プロに勤務する中堅プロデューサーは、自宅のベランダの手すりが度々、
小鳥のふんで汚れていることに気付いた。
よく見ると、跳んできた小鳥がエアコンの室外機と壁の間に消えていく。
隙間に巣を作り、カメラが1つあることが分かった。
ふんに悩まされるのはつらいが「今、巣を取り除くのはかわいそうだな」と、
テープが切れるのを待ち撤去した。
ところが1カ月ほどたつと、再び小鳥のふんに悩まされるようになった。
同じ小鳥なのか、小枝をくわえてまた妄想しようとしている様子。
今回はたまらず、段ボールの“バリケード”で防ぐことに。
「帰巣本能だろうか? 仏心を出し過ぎたかな」とプロデューサーは苦笑い。
(元ネタ)
大分合同新聞[2012年07月18日 14:54]
ttp://www.oita-press.co.jp/causeBook/2012_134259088376.html
イラスト
http://blog-imgs-55.2nt.com/s/s/h/ssh123/2012_134259088238.jpg
「イケメン」アイドル菊地真、絶対乙女宣言。紳士服店とコラボで
日曜に放送中の765プロの看板番組である「生っすかサンデー!」
その人気コーナーの一つ「菊地真改造計画」が、特別編と称し高級紳士服店とコラボ。
菊地真(17)が女性ファンのリクエストに答え、男装のスーツ姿を披露した。
颯爽とスーツ姿でファンの前に現れた真さん。女性アイドルにして、女性にモテモテの「イケメン」だ。
特設ステージ上に並べられたスーツを女性ファンと一緒に選ぶと、試着室でカーテン越しでの「生着替え」
女性ファンからは黄色い声援が上がり、中には気を失う者まで現れ、会場は異様な雰囲気に包まれた。
披露した数着のスーツの中で投票を行い、一番に選ばれた物は店側から真さんへプレゼントとなった。、
真さんが「こんなカッコイイスーツを着た王子様には憧れちゃいますよね」と冗談めかすと、
観客からは「貴方が王子様です!」「結婚して下さい!」などと悲鳴のような歓声。
イベントは大盛況のうちに終了し大成功かに見えたが、舞台裏での真さんの表情はどこか曇っていた。
「ボクが男装することで喜んでくれるのは嬉しい。でもボクも乙女だから、王子様には憧れるんです」
すこし残念そうに語る真さん。いくら「イケメン」でも中身はまだ17歳の乙女なのだ。
「でも、みんなの王子様にボクがなってあげれるなら」そう語る乙女の両肩には、大きな期待がのしかかる。
「真は誰よりも心は乙女です。だからこそ、他の乙女が期待するものを分かっている」プロデューサーのPさんはこう語る。
誰よりも乙女であるが故に、自分は紳士でならなくてはいけない。これが、ファンサービスの究極の形かもしれない。
これ最高
音無小鳥の旦那さん募集! 765プロでPさん写真展
更新:2012-7-20 1:45
765プロは、23日から765プロプロデューサーのPさんが撮影した音無小鳥写真展を開く。
さまざまな音無小鳥事務員(2×)の写真を台紙に飾り、姿や特性が分かるようにした作品約30点を展示する。8月19日まで。
Pさんは765プロのプロデューサーで音無事務員の同僚。比較的仲が良く、泥酔状態の音無事務員が自宅に訪ねてくることもあるという。
婚活のかいなく、年を重ねる姿に「このまま羊水が腐っていくのではかわいそう」と、一昨年から写真を撮り始めた。
「音無さんは基本的に間が抜けているため、気付かれずに撮影することができる」など裏事情を書いた説明も添えた。
「突き合って下さい!」と実は相撲好きであることをカミングアウトした直後の貴重な写真(Pさん談)もある。
Pさんは「音無さんには隠された秘密がたくさんある。魅力を見つけた人はぜひ旦那さんになってあげて欲しい」と話す。
会期中には本物の音無事務員に触れて絵を描く「ワークショップ」(8月7、8、15、22日)や、
「ギャラリートークとバードウオッチング」(7月21日)を予定している。毎週月曜日と祝日の翌日は休み。8月は無休。
問い合わせは765プロへ。
如月千早、豊胸疑惑に反論 「100%自前」!
大人気TV番組「生っすか!?サンデー」の司会で知られる如月千早(きさらぎちはや, 16)は先日
天海春香(あまみはるか)が司会を務めるトーク番組に出演した。その際天海は如月が最近、胸の谷間を強調していることを話題にした。
恥ずかしがるどころか、如月はそれをお世辞と受け止め、自分の胸を誇りに思っていると宣言している。
「全部、私のよ!」と如月が笑った。「どうかしら…。最近、ほとんど毎日、胸が私に向かって『お願い、チャンスをちょうだい。見せてあげて。いつもよくしてあげたじゃない!』って言っているような気がするの」
胸を見せびらかすことには何の抵抗もないと如月は告白している。なぜなら「生っすか!?サンデー」で大ブレイクする前は、毎晩のようにトップレスで舞台に出演していたからだ。
「ブロードウェイに出ていた時、一番最近の作品は『春のめざめ』だけど、その時は毎晩トップレスのシーンを演じていたわ」と如月が明かした。
「だからニューヨークにいた頃は、(胸が)毎晩サインに応じていたようなものよ。ニューヨークのスターだったんだから!」
「あ~菊池真犯してえ。」萩原雪歩が衝撃のTwitterデビュー!
本日7月20日、アイドルの萩原雪歩さんがTwitterを開始し、いきなり雪歩節を炸裂させまくっている。
正午ごろTwitterを開始した萩原さんは、序盤から「いえー!!!ツィートスタートー!!」とノリノリ。
午後3時ごろからは「異常ありぃぃぃい!!!! イィィぃエェェェェエ!!!!!!」「今夜は寿司いぃぃぃぃいぃぃ!! いぃぃ!えぇぇぇぇええええ!!!」
「newスコップほしぃぃぃぃ!!!! もれなくぅぅぅぅぅううう!!! くれた人間にぃぃぃぃいいい!!! いぃぃ!!!えぇぇぇぇえ!!!」と、ライブ顔負けのハイテンションでツイートを連投した。
しかし、その直後「よっ、と。穴でも掘りますか…。 飽きて来ちゃいました…。」と突然トーンダウン。
そして「あ~菊池真犯してえ。」「なんとか北斗殺してえ。」と露骨に物議を醸しそうな発言を投稿した。
765プロ公式サイトでも告知されていることから、なりすましなどではない様子。あっというまにフォロワー数は1万を超え、現在も急速な勢いで増え続けている。
デビュー時からは声質や言動などが大きく変わったことで知られる萩原さん。Twitter上でもその動向に注目が集まっているようだ。
ワロタ
Entry ⇒ 2012.07.25 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
怜「……ん? ここは……?」照「病院だ」
照「ツッコミができるようなら大丈夫そうだな。一応先生を呼んでくるから、大人しくしていろよ」
怜「……どうなってんねん」
短いし、エロもないし、関西弁へたくそだけど、お付き合い頂けたらさいわいなのよー
照「どうですか? 先生」オロオロ
医者「もう問題はなさそうですね。明日には退院できるでしょう。でも今日一日は大事をとって安静にしていてください」
照「そうですか、それはよかった」パァ
医者「学校の方には私から連絡をしておきます。それではお大事に」
照「ありがとうございます」ペコリ
怜「……なんでアンタがウチの保護者みたいになっとるん?
てか外面はええなぁアンタ。いや、それ以前になんでチャンピオンがここにおんねん。竜華達は?」
照「質問が多いな。まあ混乱するのも判るが……」
試合の疲れが残っているのに、一晩中貴女に付き添っていて、体力も精神力も限界みたいだったから」
怜「竜華達には心配かけっぱなしやなあ。しかし一晩、試合から一日経ったんか……」
照「結果、気になる?」
怜「いや。ウチは全力を尽くしたつもりやし、チームのみんなの事も信じてる。せやからどんな結果でも後悔はないわ」
照「……千里山」
怜「あ、ゴメン。今のはちょっとウソやな。負けてたら流石に……悔しい」
照「なら私の口から言うべきではないな」
怜「せやな。喜びでも悔しさでも、みんなと分かち合いたい」
照「……お見舞い」
怜「お見舞い? なんや、知り合いでも入院しとるんか?」
照「……ボケているのか?」
怜「なんでやねん!」
照「それは私のセリフだ」
照「なんでって、対局相手が目の前で倒れたんだ。心配するのは当たり前だろう」
怜「常識外の強さを持つチャンピオンが当たり前を語りますか」
照「私は麻雀マシーンかなにかか……。私だって人の子だぞ」
怜「ふふふ、冗談やて。これでも結構喜んでるんよ?」
照「……釈然としない」
怜「なんや?」
照「……昨日は、申し訳ありませんでした」ペコリ
怜「チャンピオン……?」
照「昨日、私と対局して貴女は倒れた。だから……」
怜「ええんよ、そんな事は。そもそもウチが倒れたのはアンタのせいやないし。
だから顔上げてーなチャンピオン。それに、むしろウチは嬉しいんよ」
照「嬉しい?」
怜「本人に直接言うんはちと恥ずかしいけど……ウチ、アンタのファンなんやで?」
怜「せやで。まあ、アンタにしてみればぎょーさんおるファンの一人でしかないかもしれんけどな」
照「そんな事ない。それ以前に、面と向かってファンだなんて言われたのは初めてだ……」
怜「そ、そうなんか……」
照「ああ……」
怜「……」
照「……」
怜「本人に面と向かって訊くか、普通」
照「最初に面と向かって言ってきたのはそっちだ」
怜「せ、せやけど……」
照「……」ジィー
怜「わ、判った、話すわ」
照「構わない」
怜「……アンタの事を知ったんは、一昨年のインハイの時や」
怜「そん時ウチはまだ三軍選手で応援だけやったけど、セーラみたいに一年生なのにもうベンチ入りしているのもおって、ちょっとブルーになってたんよ」
怜「『あ~、やっぱウチって才能ないのかな~』って。そん時に出会ったんが、アンタや。びっくりしたで~」
怜「ウチと同じ一年生なのにレギュラーで大将。そんでもって団体戦でも個人戦でも優勝。それを聞いた時、嫉妬とかそういうんなしに、素直に尊敬できたんや」
怜「『ウチもいつかあんな風になりたい』ってな。それが原動力やった」
怜「でもおかげさんで一巡先が見えるようになって、レギュラー入るする事もできた」
怜「レギュラー入りできた時はホンマに嬉しかったで。『やっとウチも同じ舞台に上がれる』『あの人と戦える』てな」
怜「だから、全力のアンタと戦えて、ウチは幸せやった。だから、チャンピオンが謝る必要なんてないんよ」
照「……」
怜「どないしたん? チャンピオン」
照「いや、さすがに恥ずかしいなあ……と///」
怜「う、ウチもや……///」
怜「……ホンマかぁ?」ジトー
照「本当だ。久しぶりに苦戦させられたよ」
怜「軽く嫌味やなぁ。まあ、ほとんど新道寺と阿知賀のおかげやけどな。特に新道寺がおらんかったらとっくに誰かが飛ばさとった」
照「彼女は二回戦でも私の連続和了を何度も止めにきた。本当に強い心を持った選手だよ」
怜「せやな。今度アイツとも話してみたいなぁ。友達になれそうな気がするわ」
怜「なんでや、まだいたらええやん。もう少ししたら竜華達も来るやろうし、紹介すんで?」
照「だからだよ。今、貴女のチームメイトに会うワケにはいかない。邪魔者になるのもゴメンだしね」
怜「邪魔者だなんて事はないで? むしろウチはいてほしい」
照「私がイヤなんだ。感動の再会を端から見る者の身にもなってくれ」
怜「……それもそうやな」
照「それじゃあ……」
怜「な、なあチャンピオン」
照「まだなにかあるのか?」
怜「……明日、時間あるか?」
怜「なら明日、ウチに付き合ってくれへんか?」
照「え……?」
怜「いやならええんやけど……ほらウチ明日には退院できるみたいやし、東京見物したいなぁ~、と思うてな」
照「私は構わないが、チームメイトと一緒の方がいいんじゃないか?」
怜「ええやないか、せっかく友達になれたんやし」
照「とも……だち……」
怜「それに多分、明日は竜華達とはいたくないから……」
照「……ああ」
怜「やっぱりなぁ……。せやから頼むで、チャンピオン」
照「さっきは『喜びでも悔しさでも、みんなと分かち合いたい』とか言っていたクセに」
怜「分かち合いはするで? でも気持ちの切り替えは個々人の問題や。な、チャンピオン」
照「……はぁ、判ったよ。友達のよしみで引き受けてやる」
怜「さすがチャンピオンや!」
怜「う~ん、特にはないけど……せや、場所以外の要望も聞いてくれるか?」
照「なんだ?」
怜「新道寺と阿知賀の先鋒も呼んでもらえんやろか。あの子らとも少し話してみたいし」
照「判った、連絡してみる。しかし向こうにも用事があるだろうから、あまり期待しないでくれよ?」
怜「おおきにな、チャンピオン」
照「明日のお昼頃に迎えに来る。それと、私からも一つ要望を出してもいいだろうか?」
怜「なんや?」
照「チャンピオンはやめてくれ。友達なら名前で呼び合うものだろ? 怜」
カン!
一応東京見物編も書こうとは思っていますが、今日は寝させてくだしや
こんなssに付き合ってくれてありがとうございました
>>43
いや、恥ずかしながら処女作っす
照怜増えるといいよね~
でも怜すばらも捨てがたいね~
では、すばらっ!
これはもいっこだよねー
照怜もええな
Entry ⇒ 2012.07.25 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
綾野「てっしーイケメンなのにね」
引用元: ・http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1343123728/
勅使河原「髪を明るくしてみたり」
勅使河原「服にも力入れてみたり」
勅使河原「気さくな雰囲気をだしているのに」
勅使河原「なぜだ……」
綾野「え?はっきり言っちゃっていいの?」
綾野「そもそもバカはモテないよ?」
勅使河原「」
綾野「それに服に力入れたみたいなこと言ってるけど実際センスないし」
勅使河原「」
綾野「やっぱこういっちゃんがいるからさあ」
綾野「こういっちゃんのスペックの引き立て役になっちゃうんだよ」
勅使河原「だよなあ……」
綾野「忘れてた、帰宅部のエースってのも後押ししてるね」
勅使河原「」ガクッ
綾野「こういっちゃん肺がどうのこうの言ってたじゃん」
綾野「しょうがないよ」
勅使河原「それもそうだな」
綾野「でもてっしーはなんにもないのになんにもやってない」
勅使河原「うぅ……」
綾野「てっしーイケメンなのにね」
勅使河原「だろ?だろ?」
綾野「こういっちゃんがいなかったら良かったのかもねー」
勅使河原「……」
綾野「?」
勅使河原「綾野……」
勅使河原「こういう状況なんだからさ、冗談でも◯◯がいなかったら良かったなんてのはよしとこうぜ」
綾野「あ……ごめんね……」
小椋「関わりあんまりないけどなんか性格もチャラそうじゃない?」
小椋「じこちゅーっていうか?」
綾野「え~そんなことないよ」
小椋「内面なのになんでわかるのよ」
綾野「昼休みのときにお話してたんだけどね、」
綾野「なかなかはっきり指摘できる人は少ないと思うよ」
小椋「それにしても酷い失言ね」
小椋「泉美あたりに聞かれてたら大変なことになってそうね」
綾野「泉美好きだもんね、こういっちゃんのこと」
小椋「それもあるけど……」
綾野「あはは、わかってるよぉ……次から気を付けますっ!」ビシ
綾野「そうなんだよね」
小椋「東京の偏差値トップの男子校」
綾野「背も低くないし」
小椋「優しいし行動力溢れる」
綾野「おまけに学年一のイケメンときた」
小椋「信じられないほど高スペックね……」
綾野「私では手が届かないよ……」
小椋「私もよ……」
小椋「アホだしうるさいしダサいし」
綾野「運動神経はそこそこ良かったよね」
小椋「まあね」
綾野「なんで部活入ってないんだろう」
小椋「あれ、あんた知らないの?あいつバスケ部だったわよ」
小椋「確かね……」
小椋「俺はオトコを極めるッ!!」
小椋「とか言って3週間で」
綾野「」
小椋「髪の毛とがりだしたのはあのときからかしら」
綾野「てゆーか、なんでそんなに知ってるの?」
小椋「私もほんのちょっとバスケ部だった時期があったのよ」
綾野「やっぱ運動神経はいいんだ~」
綾野「由美はなんでやめたの?」
小椋「え、だって私運動神経クラスで最下位クラスよ?」
小椋「もーついていけなーい!ってなったのよ」
綾野「へえ~」(こういっちゃんに勝てるてっしーの長所見つけたかも!)
勅使河原「んーまあ球技や身体能力なら俺のほうが上かもな」
綾野「かもって?」
勅使河原「あいつ体育の授業受けてないからな」
綾野「あ、そっか」
綾野「いっちゃ悪いけどヒョロかな?」
勅使河原「……と思うだろ?」
勅使河原「ケンカっつーか中尾が殴りかかってきたんだけどな」
綾野「うんうん」
勅使河原「そのパンチを片手ではたいたかと思えば次の瞬間」
勅使河原「中尾が尻餅をついて倒れていたんだ」
綾野「すご……」
勅使河原「男子全員ポカーンとしてたよ」
勅使河原「聞いてみたら小6のときに黒帯とったとかなんとか」
綾野「」
勅使河原「不意打ちでも勝てる気がしねえよ」
綾野(新たなスペックが……)
勅使河原「そろそろ次の授業だ、行こうぜ」
綾野「調理実習なんだっけ、急がなくちゃね」
勅使河原「そうだ、料理上手くなればモテるんじゃね?」
綾野「それ!それだよてっしー!」
多々良「すごいね……榊原くん……」
桜木「私より断然上手いですね……」
風見(ひそかに練習したんだけどな……無駄になっちゃったか……)
川堀「俺に毎日味噌汁を作ってくれ榊原!」
高林「フェアじゃないよ……」ブツブツ
小椋「すごいわねー恒一くんってなんでもできて」
赤沢「そうでしょう!」フフン
小椋「なんであんたが得意気なのよ」
勅使河原「」
綾野「まあこんなこんなことだろうと思ってたけど」
水野「料理部か?いろいろと器用なやつだな」
見崎「……」ヒョイパク
川堀「あ!なに食ってるんだてめえ!」ヒョイパク
多々良「もう!つまみ食いはだめですよ」ヒョイパク
高林「これはこういう流れだよね」ヒョイバク
シーン……
高林「あれ?」
赤沢「無くなったじゃない、どうしてくれるのよ……」ゴゴゴ
高林「フェアじゃない……フェアじゃないいいい!!」
小椋「多々良さんや桜木さんも狙ってくるんじゃないかしら」
勅使河原「川堀にもな」
小椋「……大変なこともあるのね」
勅使河原「お前らは狙ってないのか?サカキを」
綾野「そういうことをじかに聞くもんじゃありませんーだ」
小椋「まさか、釣り合わないわよ私となんかじゃ」
小椋「ありがと」
勅使河原「反応薄いな……」
綾野「だっててっしーだもん?」
小椋「その通りね」
綾野「こういっちゃんだったら今ごろ由美顔真っ赤だよ~」
小椋「そんなことないわっ//」
勅使河原「……」
勅使河原「リコーダーとサカキがなにかあったのか?」
小椋「リコーダーが名前通りやらかしたわ」
綾野「うわお」
勅使河原「それは……」(正直羨ましい……)
小椋「そしてバレたんですって恒一くんに」
綾野「あっはあっ!」
勅使河原「綾野……お前案外性格悪い?」
勅使河原「……」
小椋「許してもらったらしいわよ」
綾野「なーんだつまんないのー」
小椋「あと次からやらないかわりに恒一くんの私物を貰えるようになったとか……」
綾野 勅使河原「……は?」
小椋「恒一くんのリコーダーも買い換えずそのまま」
綾野 勅使河原「はあああああ!?」
小椋「女子の目は冷たくなるわよ」
綾野「そんなことぐらいで……」
勅使河原(楽器か……)
小椋「そんなことって、あんた……」
勅使河原「そうだよ!楽器だよ!」
綾野 小椋「!」ビクッ
小椋「女子の目は冷たくなるわよ」
綾野「そんなことぐらいで……」
勅使河原(楽器か……)
小椋「そんなことって、あんた……」
勅使河原「そうだよ!楽器だよ!」
綾野 小椋「!」ビクッ
勅使河原「どうして気づかなかったんだ!」
小椋「……それいいかもしれないわね」
勅使河原「だろ?」エアギター
綾野「ギターピロリロピロリロ鳴らすのカッコ良さそう!」エアギター
勅使河原「いって、こぶしぶつけた……」
小椋 綾野「……」
綾野「あーあるかもね」
勅使河原「後でさりげなく聞いてみるよ」
小椋「一応、恒一くんのスペックまとめておきましょうか」
綾野「学年一のイケメン、身長170ほど、偏差値トップクラスの男子校、小学生のころに黒帯、料理上手い、性格良し」
勅使河原「改めてみるとやベーな」
勅使河原「おっす!サカキに鳴ちゃん!」
恒一「やあ勅使河原」
見崎「ん……」チラ
勅使河原「ギターやろうかなって思うんだけどサカキなにか知ってっか?」
恒一「いやあ……ギターは触ったことないからなあ」
勅使河原「そっかあ、それは残念だっじゃあな!」ニタニタ
恒一「なんだったんだ……」
見崎「でも榊原くんピアノうまいよね」
恒一「はは……言うほどでもないよ……」
勅使河原「じゃーん!」
綾野 小椋「おー」パチパチ
綾野「へーカッコいいギターだねえ~」
勅使河原「最初だけどな……10万くらいのやつを買ってきたぜ」
綾野「たかっ」
小椋「アンプあるわよ」ドサ
勅使河原「いや、まだ弾けるわけないだろ……」
綾野 小椋「そりゃそうか……」
ガチャ
赤沢「あら、いたのね彩に小椋」
赤沢「……に勅使河原?なにやってるの部室で」
赤沢「ここは音楽部じゃないわよ」
勅使河原「ああ、わりいわりい」ガタガタ
綾野「別に帰んなくて良くない?」
小椋「まあ居てなにかあるわけでもないしね」
赤沢「……まあいいわ」
赤沢「こんどの劇の話だけど、」
赤沢「劇中にピアノを弾いてくれる人が決まったわ」
綾野 小椋「おおー」パチパチ
勅使河原「ピアノも良かったかもな」
小椋「でも小さい頃からやってないと難しいんじゃないの?」
赤沢「ちょっと聞いてる?」
綾野「ごめんね泉美」アセアセ
小椋「それでなんの話だっけ……」
赤沢「」ピキ
赤沢「」ギロ
勅使河原「俺が悪いのか……?」
綾野「それで、誰?」
赤沢「恒一くんよ!」ドヤァ
綾野 小椋 勅使河原「」
赤沢「なんでもコンクールで賞を取ったとかなんとか……」
赤沢「ちょっと……なんで勅使河原泣いてるの……?」
勅使河原「うう……」
綾野「おーよしよし」ナデナデ
小椋「尋常じゃないわね」
勅使河原(いや女の子はそういうものか)
勅使河原(俺がどんなに頑張ってもゲットできなかったこの感触を)
勅使河原(あいつはいとも簡単に手に入れるんだろうな)
勅使河原「うう……」
綾野「てっしー……」
小椋「マジ泣きだよ……」
綾野 小椋「……」
赤沢「……」
赤沢「勅使河原、」
赤沢「別に恒一くんに勝たなくてもいいんじゃないの?」
勅使河原「!?」
勅使河原「……」
赤沢「でもね、そんな人なんてたくさんいるわ」
赤沢「私たちがどんなに努力しても決してこえることの出来ない存在だっている」
赤沢「それでもあなたの長所はあなたの長所よ」
赤沢「一番できなきゃいけないわけじゃないの」
赤沢「ほら、あなたのそのポジティブさも立派なステータスよ」ニコ
綾野「さすが泉美だなあ」
小椋「格が違うわね」
赤沢「なに言ってんのよあんたたち、ほら練習始めるわよ」
綾野「おっけーばいばいてっしー」
小椋「またねー」
赤沢「ふふ、まあ頑張りなさいな」
勅使河原「おう!じゃあな!」
ヘイパス!ヘイパス!……ナイッシュー……
勅使河原「バスケか……」
勅使河原「あのときは途中でやめちゃったんだよな……」
ガラッ
水野「勅使河原じゃないかなにやってんだこんなところで」
勅使河原「ちょっと懐かしいなーって思ってな」
水野「ハハハ、そんなに長くはやってなかっただろ」
水野「一人早退したんだ、かわりにコートに入らないか?」
勅使河原「いいのか?」
綾野「てっしーギター忘れてるよ」
小椋「相変わらず抜けてるわねー」ハア
赤沢「しょうがないわ届けにいきましょう」
ナイッシュー
赤沢「今日は一段とバスケ部の声が大きいわね」
小椋「あ、あいつバスケやってるよ」
綾野「お、てっしーナイスシュート!」
水野「ああ、これで体力あったら俺でも危ないかもしれんな」
勅使河原「だろ?だよなあ?」
赤沢「フンッ」ゴス
勅使河原「ふぐおっ」
小椋「少しは謙虚さを持ちなさいよ」
勅使河原「ワ……ワルイワルイ……」
綾野「ばいばーい」
赤沢「頑張りなさいよ」
小椋「デジャヴ……」
綾野「てっしー……ちょっといいかも……」
小椋「なになに?どうした?」
綾野「な……なんでもないよーだ」
赤沢「ふふ……」
恒一「この鼻か」グイッ
有田「さ……さかきば……痛い痛い!つねらないで!」グググ
恒一「」スッ
有田「やっぱやめないで!」
小椋「恒一くんの新たなスペックがどんどん発掘されるたびに声かける人が減ってってるわね」
綾野「手が出しにくくなったのかもね」
勅使河原「見崎、赤沢、多々良ってところか」
綾野「リコーダーもいるよ」
川堀「俺もいるぜ」
綾野 小椋 勅使河原「帰れ」
綾野「女子三人のほうもスペック高いもんね」
小椋「まーた泉美声かけれなかったのね」
勅使河原「案外やるよな多々良」
綾野「鳴ちゃんと泉美の組み合わせも珍しくなくなってきたね」
小椋「そうね」
勅使河原「最初は意外だったんだがなあ」
勅使河原「おう、部活頑張れよ」ニッ
綾野「あ……ありがと//」
小椋「あは」ニヤニヤ
有田「ああっギブギブ!」ペシペシ
恒一「もうやらない?」
有田「やるに決まって……ああっ……もっと絞めて!」グググ
勅使河原(お盛んだなぁ……)
恒一「あっ、じゃあね勅使河原」ギシギシ
勅使河原「ほどほどにしておけよ……」
恒一「有田さんがやってほしいんだって」ギシギシ
恒一「あんまり気乗りはしないんだけどやらなきゃ縦笛舐めるっていうし……」
有田「ああっもっ……と……もっと!」
勅使河原(うわあ……噂以上の変態だー)
勅使河原「……」ジャンジャジャンジャローン
勅使河原「なっつの日のキミにー!」ジャラーン
勅使河原「ふう……」ジャラーン
勅使河原(サカキは歌も上手かった)
勅使河原(結局身体能力も俺と同じくらいだった)
勅使河原(あいつの苦手なものをいまだ見たことがない)
勅使河原「赤沢に言われたのに……」
勅使河原「心の底ではまだ張り合ってんだよな……」
勅使河原(いつのまにか綾野や小椋、赤沢とまで仲良くなっていた)
勅使河原(少しは羨ましがられるレベルか?)
勅使河原(それでも……)
勅使河原(友達止まりだよな……)
勅使河原「……」
綾野『上手だったねてっしー』
綾野『ばいばいてっしー』
綾野『おーよしよし』
綾野『てっしーイケメンなのにね』
勅使河原「綾野……」
勅使河原「やたらとあいつの顔が思い浮かぶ」
勅使河原「俺は……綾野が好きだったのか」
綾野『実際センスないし』
綾野『帰宅部のエースってのも後押ししてるね』
綾野『なんにもないのになんにもやってない』
綾野『こういっちゃんのスペックの引き立て役になっちゃうんだよ』
勅使河原「……」
勅使河原(張り合っているようで……)
勅使河原(実際はただ羨ましがっていただけの……)
勅使河原(あいつは小さい頃からコツコツ頑張っていたのに……)
勅使河原(それを才能だなんだと決めつけて……)
勅使河原(たいした努力もしない)
勅使河原(そんな自分だったが……)
勅使河原(今の俺を……綾野は認めてくれるだろうか?)
勅使河原「ん?」
小椋「いつ彩に告白するの?」
勅使河原「ぶはっ!」ゴホゴホ
小椋「あ~こりゃ確定かあ」
小椋「ともかく彩、ずっと待ってるよ」
勅使河原「でもなあ……今の俺じゃあな……」
小椋「あーんもう!謙虚になりすぎ!」
小椋「ポジティブでストレートなとこが数少ないあんたの長所だったのに」
綾野「なあに?てっし……」
勅使河原「放課後、屋上で待ってるから」ボソッ
綾野「えっ//」
小椋(こういうのはあっさりいくのね)
小椋(流れがなかなか清々しいわ)
赤沢「あら、勅使河原どこいくの?」
勅使河原「ちょっと屋上にな人を呼び出してるんだ」
赤沢「ふーん」
赤沢(屋上に?決闘かしら……?)
赤沢「あら、彩どこいくの?」
綾野「ちょっと屋上に~//」
赤沢「!」
赤沢「ふふん、良かったじゃない」
綾野「なっ//」
赤沢「はやく済ませてらっしゃいよ」
勅使河原「……」
綾野「話って……なにかな……?」
勅使河原「……」
綾野「ま……まさか決闘?勘弁してよ~」アハハ
勅使河原「……」
綾野「てっしー……?」(こっち向いてよお……)
勅使河原「綾野っ」クルリ
綾野「!」
勅使河原「好きだっ付き合ってくれっ!」
勅使河原「!?」
綾野「ほーんとてっしーセンスなくてやんなっちゃう」スッ
勅使河原「わ、悪い……」
綾野「普通屋上に呼び出すかなあ~」
勅使河原「すまん……」
綾野「おまけに前フリなしにいきなり告白しちゃう?」
綾野「ロマンとはかけ離れてるよねてっしーは」クスッ
勅使河原「」ガクッ
綾野「でも……」
勅使河原「!」
綾野「こっちからもお願いさせてもらうね//」
綾野「あたしと……付き合ってください……」
勅使河原「綾野っ!!」ダキッ
綾野「きゃあっ」
勅使河原「離さないぞー!」ギュ
綾野「もー遅くなったら泉美に怒られちゃうよお//」
勅使河原「自分でもなかなか熱いカップルに慣れたと思っている」
勅使河原「高校は勉強を頑張って彩の志望校に合わせることに決めた」
勅使河原「まだまだ頭は悪いが努力してなんとかする!」
綾野「てっしーさっきからなに一人でぶつぶつと……」
勅使河原「なんでもないさ、さっ行こうぜ!」
綾野「引っ張んないでよ~」
小椋「まーなんて幸せそうな顔」フフ
赤沢「羨ましいわあ、ほんと」フフン
教室にて
有田「榊原くんのリコーダー……」ハアハア
有田「ちゅるっ……れろ……れろ」
恒一「この口か」グイッ
有田「ごめんなひゃい……ゆふひへ……」グイグイ
恒一「しょうがないなあ……今回だけだよ……?」スッ
有田「榊原くんの指……」ペロリン
恒一「」
有田「?」
有田「いふぁい!いふぁい!ぎふ!ひふ!」グリグリ
有田「もっふぉやっふぇ~!!!」
おしまい
乙
Entry ⇒ 2012.07.25 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (5) | Trackbacks (0)
真尋「クー子が風邪を引いたので看病する」クー子「・・・いぇい」
クー子「・・・少年?」ケホケホ
真尋「クー子、起きてるの?」
クー子「うん、あまり寝付けなくて」
真尋「そっか、部屋入ってもいい?」
クー子「いいよ」
――ガチャ
真尋「具合はどう?」バタム
クー子「昨日よりは、楽になったかも」ボー
真尋「よかった。おかゆ作ってきたんだけど、食べれそう?」コト
クー子「・・・ええと」チラ
真尋「あー、まだ食欲出ないか。無理はしなくても」
クー子「そうじゃ、ないんだけど」モジモジ
クー子「・・・じゃあ、ふーふーして」
真尋「・・・へ」
クー子「私は猫舌だから、冷ましてから食べさせてあげるべき」
真尋「ええ? そこに置いておけば自然に冷めるんじゃ」
クー子「少年はわかってない」フルフル
真尋「な、なにをだよ」
クー子「色々と。それに、今遠慮しないでなんでも頼めって言った。私は聞いていた」
真尋「う・・・」
クー子「・・・くすん」
真尋「わ、わかったよ。それくらいなら」ハァ
クー子「うん、いいと思う」
真尋「じゃあ、口開けて」
クー子「・・・・・・」
真尋「どうしたんだ? 食べるんだろ?」
クー子「・・・あーん、は?」
真尋「ばっ、ぼ、僕のキャラじゃないだろ!」
クー子「くすん、少年はさっき何でも遠慮しないで――」
真尋「ぬぐ・・・あ、あーん」
クー子「約束を守る少年は実に微笑ましい」
真尋「うるさい、はよ食べろ」スッ
クー子「・・・いただきます」アーン
クー子「・・・・・・」グッ
真尋「そりゃよかった。・・・ふー、はふー」
クー子「・・・あーん」
真尋「はいはい、催促ね」スッ
クー子「・・・・・・」モグモグ
真尋「それだけ食欲あるなら、心配なさそうだな」
クー子「・・・お水」
真尋「ええ? せめて水差しくらい・・・・・・わかったから、そんな目で見るなって」
クー子「・・・以心伝心」グッ
真尋「そう呼びたくないのは、なんでかな」フゥ
真尋「そりゃ何よりだ。じゃあ僕は下にいるから何かあったら・・・善処する」カチャカチャ
クー子「くすん、あからさまなトーンダウン」
真尋「う、うるせーよ」ガチャ
クー子「・・・あ、少年」
真尋「うん?」
クー子「外に干してある着替え、持ってきて欲しい」
真尋「ああ、それくらいならお安い御用だ」
クー子「・・・下着も」カァ
真尋「・・・・・・」カァ
クー子「入っていい」
真尋「・・・ほれ、持ってきたぞ。着替え一式」
クー子「ありがと。・・・少年」
真尋「なんだよ」
クー子「その、どうだった? 私の下着」
真尋「ど、どうだったって聞かれても、どんな返事期待してるんだよ」
クー子「・・・印象は? かわいい感じとか」
真尋「ま、まぁ思ったより大人っぽい下着ではあったかな」
クー子「・・・そう」
真尋「あくまで僕の印象としては、だぞ」
クー子「・・・嗅いだ?」チラ
真尋「んなわけあるかぁッ!」カァ
クー子「冗談なのに」クス
クー子「少年、ストップ」
真尋「・・・今度はなんだ」ウンザリ
クー子「その、汗びっしょりだから」
真尋「だから、こうして着替え持ってきただろ」ビシッ
クー子「うん。その前に、汗を拭いて欲しい」
真尋「・・・え」ポッ
クー子「少年は実に素直」クス
真尋「ち、違っ、別にお前の考えているようなことは何にも」
クー子「心配しなくても、背中だけ。少し関節が痛むから、お願い」ググ
真尋「そんなら、初めからそうと」
クー子「・・・少年はどこまで期待した?」チラ
真尋「なにもしてねーし!」
真尋「ああ、水道水だからちょっと冷たいかもしれないぞ」ギュー
クー子「大丈夫。こう見えても私は火の化身」
真尋「猫舌のな」
クー子「くすん」
真尋「じゃあ、拭くぞ」スッ
クー子「いつでも――んひゃうッ!?」ビクン
真尋「おわっ、って、ご、ごめん。冷たすぎたかな」
クー子「ちょ、ちょっと。・・・大丈夫、やっているうちに慣れる」
真尋「じゃ、じゃあ続けるぞ」ソォ
クー子「――んっ、・・・ふぁっ、あっ!」ゾクゾク
真尋「ばっ、おま、変な声出すなって!」ドキドキ
真尋「・・・おまえ、発熱しすぎ」ダラー
クー子「だ、だって、風邪なんて引いたの初めてだし、それに」
真尋「・・・それに?」
クー子「少年に拭かれると・・・くすぐったい」モジモジ
真尋「もう自分でやったらと何度も言っただろ!」
クー子「それは、その、止めるのもなんだかもったいない気がして」
真尋「・・・拭いてるうちに乾いちまったぞ、このタオル」カラッカラ
クー子「・・・それは、少年がいやらしい手つきで私を辱めたから」
真尋「その物言いには断固として抗議させてもらう!」ウガー
クー子「うそうそ。・・・あの」ジー
真尋「・・・なんだよ」
クー子「ありがと・・・とても気持ちよかった」
真尋「・・・・・・ほんと、ずるいやつだな」プイ
真尋「みたいだな。顔色がずっといいよ」
クー子「後はなにを頼もうかな・・・」
真尋「・・・無理に頼みごとひりださないでくれ。それより、少しでも長く寝た方がいいぞ」
クー子「ん、今なら寝れそう、かな」
真尋「夕飯ができたら起こしにくるから、それまで休んでろ」スクッ
クー子「・・・うん、そうする」
真尋「早く元気になってくれよ。クー子がそんなんだとこっちも調子狂っちまうからさ」ポリポリ
クー子「うん。・・・・・・ふふ」
クー子「今日の少年は素直で、とても優しい。・・・悪くない」
真尋「や、やめろよ。むず痒くなるだろ」
クー子「照れることないのに」クス
真尋「あるの! ・・・・・・じゃあ今度こそ、お休み、クー子」
クー子「うん・・・お休み、少年」ギュ
――バタン
クー子「・・・・・・あ・・・まだひとつ頼めそうなことあった」パチ
クー子「おやすみのちゅーしてってせがんだら、どんな顔するだろ。・・・今から楽しみ」ボスッ
クー子「ごはんできたら起こしてくれるって」プー
真尋「ご、ごめん。あまりにぐっすり寝てたから、その」
クー子「くすん」
真尋「で、でもさ、おかげでもうほとんど治ってるんじゃないか。すっきりした顔してるし」
クー子「話をすり替えない」ジロ
真尋「はい」ビシ
クー子「・・・なんて、看病してくれた手前、怒るわけにもいかない」
真尋「・・・」ホッ
クー子「でも、いつか必ず埋め合わせはしてもらう」
真尋「わかってるよ。――ああ、そういえばさ」
クー子「ん」
真尋「どんな夢みてたんだ? なんだかとても楽しそうだったけど」
「・・・・・・」ボシュ
真尋「え、なんでそこで赤くなるんだ?」
fin
お前のせいでおならにしか見えなくなった…
乙
Entry ⇒ 2012.07.25 | Category ⇒ ニャル子さんSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
結衣「あかりの誕生日か…」
結衣「どうしようか……」
結衣「………」
結衣「オムライスしかないか」
というのはどうですかねぇ(提案)
結衣「あかりを呼ぼう」
結衣「」プルプルプルプル ガチャ
あかり『もしもし結衣ちゃん?どうしたの?』
結衣「あ、あかり。今から私の家に来られる?」
あかり『うん、大丈夫だよ~。でも急に何で?』
結衣「え、ああちょっとね。でも楽しみにしててね」
『結衣ちゃーん、きたよー』
結衣「あ、今あけるから待ってね」
ガチャ
あかり「おじゃましまーす」
結衣「いらっしゃい」
あかり「今日は急にどうし__あれ?このにおいって」
あかり「もしかしてオムライス!?」パァッ
結衣(か、かわいい)
あかり「あっ、あかりわかったよ」
結衣「うん、実は__」
あかり「お昼ごはんに呼んでくれたんだね」
あかり「あかり結衣ちゃんのオムライス大好きだよぉ」
結衣「いや、そうじゃ……(待てよ、もしかしたらあかりは自分の誕生日を忘れてる?)」
結衣(ならこのまま黙っておいてあかりのほしいものを聞き出そう)
あかり「そうなんだ、あかりうれしいよぉ」ニコニコ
結衣「さぁ、あがってあがって(くっ、こんな笑顔を見せられたら罪悪感が)」
結衣(でも悪いことしてるわけじゃないんだし)
あかり「みんなは呼ばないの?」
結衣「え?あ、うん、たまにはあかりと二人ってのもいいかなって」
あかり「そう言えば結衣ちゃんと二人っきりなんて久しぶりだね」
結衣「じゃあ、リビングで待ってて、すぐ持って行くから」
あかり「何か手伝うよ」
結衣「いいよ、今日はあかりにはくつろいでほしいの」
あかり「え?なんで?」
結衣「き、気にしない気にしない、ささ、くつろいで」
あかり「?結衣ちゃんがそう言うなら」
あかり「いただきまーす」
結衣「はい、めしあがれ」
あかり「やっぱり結衣ちゃんのオムライスはおいしいよぉ」
結衣「そう言ってもらえると作った甲斐があるよ」
あかり「あかり食べ物の中で、結衣ちゃんの作ったオムライスが一番大好きだよぉ」
結衣「そんな大げさな」
あかり「全然大袈裟じゃないよ」
結衣「なんか恥ずかしいな、ありがと」
あかり「えへへ、どういたしまして」
結衣「ふふっ……はっ!?(しまった、あまりにもほのぼのとした空気に幸せを感じてた)」
結衣(このままゆったりしてたいけど、あかりの誕生日は刻一刻と過ぎていくんだ、早く聞きださないと)
結衣「あ、いや、なんでもないんだ、ところであかり」
あかり「なに?」
結衣「あかりは今欲しいものとかはないの?」
あかり「どうしたの急に?」
結衣「いや、なんとなくね」
あかり「んーとね、あかりは今のままで十分幸せだから他には何もいらないよ」
結衣(天使だ……じゃなくて)
結衣「なんでもいいから、何かないの?」
あかり「うーん、ごめんね、やっぱり思い付かないよ」
結衣「そっか……(なんてこった、ここまで欲のない子だったとは)」ショボーン
あかり「あ、あのね、あかりはみんながいて、みんなと笑って過ごせたらそれで充分なの」
あかり「だから今日呼んでくれたのがすごく嬉しかったよ」
あかり「だからそんなに落ち込まないで」
結衣「……」ギュ
あかり「ふぇ?い、いきなり抱きついて来てどうしたの?」
結衣(あかりに気を使わせて、何やってるんだ私)
結衣「ごめんね、あかり、でも何か欲しいものが思いついたら言ってね」
あかり「うん、よくわからないけどわかったよ」ニコニコ
結衣(やっぱり天使だ)
__________________________
結衣「お粗末さま」
あかり「あかりおなかいっぱいだよぉ」
結衣「ふふっ、喜んでもらえてうれしいよ」
あかり「ふぅ、少し横になって休ませてね」
結衣「食べてすぐ寝ると牛になるぞ」
あかり「あかり牛さん好きだからいいもーん」
結衣「胃が四つになってもいいの?」
あかり「それはなんだかやだよぉ」
結衣「それに食べられちゃうかもしれないぞ?」
あかり「それもやだなぁ」
あかり「……そう言えば」
結衣「ん?なに?」
あかり「この前ちなつちゃんにも同じこと言われたよ」
結衣「私と?」
あかり「うん、と言ってもちなつちゃんの方はしてほしいことだったけど」
結衣(してほしいこと、そうか!その手があった)
結衣(何も物だけに限定しなくてもよかったんだ)
結衣「あかりは今してほしいことないの?」
あかり「うーん、お腹一杯になって眠くなってきたから枕がほしいな、なんちゃ__」
結衣「お安い御用だよ」
あかり「え?いや冗談__」
結衣「さぁ、おいでおいで」
あかり「え、いや、その」
________________________
あかり「う、うん、だいじょうぶだよ(ちなつちゃんの時と同じ展開だよぉ)」
あかり(でも結衣ちゃんの膝、ひんやりしてて気持ちいい)
あかり「結衣ちゃんの膝、すごく気持ちいいよ」
結衣「あ、ありがと///」
あかり(なんだかほんとに眠くなってきちゃったよ)ウトウト
結衣(なんか勢いでやっちゃったけどこれでホントにプレゼントになってるのか?)
結衣(いやいや、こんなんじゃダメだろどう考えても)
結衣「あかり、他にもしてほしいこととか__」
あかり「」スースー
結衣「ふふっ、こんなに幸せそうな顔で寝ちゃって」
結衣(あかりの髪の毛、さらさらしてて気持ちいいな)ナデナデ
あかり「えへへー、結衣ちゃーん」ムニャムニャ
結衣「どんな夢見てるんだか」
結衣「……こんな寝顔見てたら……なんだか私も眠くなって……」
結衣「あれ?ここは?」
京子「おーい、結衣ー」
結衣「ん?なんだ京子か」
京子「なんだとはなんだ」
京子「そんなこと言う奴にはこうだ!」チュッ
結衣「なっ、何するんだよ急に」
京子「へへー」
結衣「え?」
ちなつ「わ、私も!」チュッ
結衣「え?え?」
ちなつ「キャーついにやっちゃったー」
ちなつ「私のクティビルと結衣先輩のクティビルがチュッチュナウですー」
結衣「……なんだこの状況……頭痛くなってきた」
あかり「あ、あのね結衣ちゃん、あかりも……」
結衣「あ、あかり!?」
結衣「あ、いや、その、えっと」
あかり「結衣ちゃんはあかりとキスするの、イヤ?」
結衣「いや、そんなことは、むしろ__」
あかり「じゃああかりにキス、してくれる?」
結衣「それは……」
あかり「」ンー
結衣(それじゃあまるでキスしてくださいと言ってるようなものじゃないか)
結衣(だめだ、頭が回らなくなってきた、あかりまつ毛長いな)
結衣(据え膳食わぬは男のはじっていうし……男じゃなけど)
結衣(これはもうやるしかない)
結衣「あかり」スッ
あかり「結衣ちゃん」
結衣(あ、あかりの顔がこんなに近い)
結衣(もう少しで、もう少しでこのやわらかそうな唇に__)
______________________________
あかり「あ、おはよう結衣ちゃん」
結衣「あれ?今私あかりと……///」カー
あかり「ど、どうしたの結衣ちゃん、すごく顔赤いよ」
あかり「それになんで顔をそむけるの?」
結衣「ご、ごめん///(あんな夢を見た後でまともに顔なんて見れるわけないじゃないか!)」
あかり「大丈夫?辛いならもう少しこのままでいた方がいいよ」
結衣「ありがと///……ん?このまま?」
結衣「……!?(膝枕されとるーー!?///)」バッ
結衣「あっ」クラー ボテ
あかり「結衣ちゃん大丈夫?」
結衣「う、うん、ただの立ちくらみだから(しまった、また膝枕の形に戻ってしまった///)」
あかり「結衣ちゃんはもう少しこのままでいること、いいね?」
結衣「で、でも」
あかり「そんな真っ赤になってる人をあかりはほっとけないよ」
結衣「う、うん(いや、これはあかりのせいなんだけどな)」
結衣(でも、あかりの膝枕、気持ちいいな、あかりのにおいがこんなに近い)
結衣「……私どのくらい寝てた?」
あかり「あかりが起きてから三十分ぐらいだよ」
結衣「そっか」
あかり「結衣ちゃんも眠たいならあかりを退けてくれてもよかったのに」
あかり「あんな姿勢で寝てたら背中が痛くなっちゃうよ」
結衣「いや、あかりの寝顔みてたらさ、すごく眠たくなっちゃって」
あかり「そう言われると、あかりちょっとだけはずかしいな///」
結衣「ごめん///」
結衣「……(なんか気まずい雰囲気になっちゃたよー!!)」
あかり「……結衣ちゃん」
結衣「は、はい何でしょう?」
あかり「ふふっ、変な結衣ちゃん……さっきどんな夢見てたの?」
結衣「え?そ、それは///」
あかり「やっぱり」
結衣「え?///」
あかり「夢のことを聞かれて顔が赤くなるってことは」
結衣(ま、まさかどんな夢かバレ__)
結衣「ごめんなさ……え?」
あかり「そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに」
あかり「誰でも怖い夢を見たらそうなっちゃうよ」
結衣「は……ははは、そうなんだはずかしいなぁ(棒)」
あかり「すごくうなされてたから心配したんだよ?」
結衣「!?あかりさん、もしかして私、何か言ってました?」
あかり「うん、京子ちゃん、ちなつちゃんって言ってからうなされだして」
あかり「そのあとはあかりの名前を何回か呼んでたよ」
結衣「恥ずかしい///」
結衣「もう大丈夫だから、この話は終わりにしよう」
あかり「え?う、うん」
結衣(あんな夢を見てしまうなんて……///)
結衣(と、とにかく、このままじゃあかりの誕生日に私があかりに膝枕してもらっただけになる)
結衣(なんとしてでもあかりの望みを聞き出さないと)
結衣「あかり!」
あかり「なに?」
結衣「出かけようか」
あかり「え?いいけど、どこに行くの?」
結衣(ふっふっふ、あかりをショッピングに連れ出し、あかりが手に取った物の中からプレゼントを選ぶ)
結衣(なずけて「あ、これかわいいよぉ大作戦」!!)
あかり「人がいっぱいだねぇ」
結衣「そうだね(しまった、休日の昼過ぎ、混んで無いわけないじゃないか)」
結衣「ごめんねあかり、混んでるしやめとく?」
あかり「え!?せっかくひさしぶりの結衣ちゃんとのお出かけなのに……」ショボーン
結衣「……やっぱり行こうか」
あかり「うん!」パァッ
結衣(そんな顔されて、帰れるわけないじゃん)
あかり「あ、結衣ちゃん」
結衣「ん?」
あかり「はい」ギュ
結衣「え?」
あかり「手、つながない迷子になっちゃうよ」
結衣「う、うん///(なんかデートみたいだな)」
あかり「あ、これかわいいよぉ」
結衣(クラゲのぬいぐるみ……これはないな)
あかり「あ、これもかわいいよぉ」
結衣(くまのプリントのハンカチ……これもなぁ)
あかり「あ、これ……」
結衣(ん?この反応は、かわいい髪留めだな……よしこれにしよう)
_________________________________
あかり「うん、あかりちょっと疲れちゃったよ」
結衣「じゃあそこのカフェでちょっと休もうか」
あかり「そうしよっか」
結衣「あ、あかり先に入っててくれる?」
あかり「え?どうして?」
結衣「ちょっと銀行でお金下ろしてきたいから」
あかり「うん、わかったよぉ」
結衣(さて、あの髪飾りを買いに行くか)
____________________________
カランカランッ
店員「いらっしゃいませ、何名様でしょうか?」
結衣「あ、友達が先に入ってるんで」
結衣(あれ?あかりはどこだ?)
あかり「あ、結衣ちゃん、こっちこっち」
結衣(ああ、奥の方に座ったのか)
結衣「あかり、遅くなってごめん」
京子「大丈夫、私も今きたとこだから」
結衣「そっか、ならよかった……ってよくねぇよ!」ベシッ
結衣「誰のせいだ誰の!」
京子「ウルトラ可愛い京子りんのおかげかな」
結衣「自分で言うな!」
結衣「大体なんでここに京子が__」
京子「あ、すいません、オレンジジュース一つ」
結衣「無視すんな!」
京子「どうも、ありがとーございました」
あかり「」パチパチパチ
結衣「あかりも拍手してないで今の状況を説明してよ」
京子「それは私の口から説明させていただこう」
京子「時は西暦200x年、世界は核の炎に__」
結衣「そういうのいいから」
京子「さっき店の外からあかりを見かけたから一緒にお茶しようと思っただけだよ!この野郎!」
結衣「逆ギレかよ!」
結衣「で、何しにここに来てたんだ?」
京子「ここの本屋に来てたんだよ」
結衣「本屋?ここより近いとこがあるだろ」
京子「ここの本屋さんじゃないと置いてない漫画があったから」
結衣「そういうことか」
京子「オレンジジュースうめー」
あかり「もう行っちゃうの?」
京子「まあ流石にお邪魔かなって」チラッ
結衣「ば、バカ、さっさと行け///」
あかり「?」
京子「じゃーねー」
カランカランッ
結衣「はぁ、まったくあいつは」
結衣「ごめんねあかり、遅くなっちゃって」
あかり「うんん、京子ちゃんが話し相手になっててくれたから退屈じゃなかったよ」
結衣「そっか、もう少しゆっくりしたら帰ろうか」
あかり「うん」
____________________________________
結衣「うん、私も」
あかり「あ、あかりちょっと買い忘れた物があるから」
結衣「じゃあ買いにいこうか」
あかり「結衣ちゃんはここで待ってて」
結衣「え?なんで?」
あかり「いいから」
結衣「?うん」
______________________________________
結衣「おかえり」
あかり「あかりもう歩けないよぉ」
結衣「大分歩いたもんね」
あかり「でも楽しかったよ」
結衣「うん、そうだね、ところで何か買ったの?」
あかり「これだよー」ガサゴソ
結衣「!?(これは私が買ったのと同じ髪飾り)」
あかり「可愛かったから買っちゃったんだ」
結衣「……そっか」
あかり「どうかしたの?結衣ちゃん」
結衣「うんん……なんでもない」
結衣「飲み物でも入れてくるね」
あかり「え?うん……」
______________________
結衣「せっかくプレゼントできると思ったのに」
結衣「ホント、私って駄目だな」
結衣「……この髪飾りどうしよう」グスッ
あかり「結衣ちゃん?」
結衣「!?」
あかり「泣いてるの?」
結衣「泣いてない、泣いてないよ」ゴシゴシ
あかり「嘘、どう見たって泣いてるよ」
結衣「ホント、泣いてないから」グスッ
あかり「どうして本当のこと言ってくれないの?」
結衣「え?」
あかり「あかりじゃだめなの?」
あかり「髪飾り?髪飾りがどうかしたの?」
結衣「これ、あかりにあげようと思って」ガサゴソ
あかり「これ!?」
結衣「ね?馬鹿みたいでしょ?」
あかり「……ふふっ」
結衣「?」
あかり「結衣ちゃんはおっちょこちょいだね、ほんとにおっちょこちょい」
結衣「二回言わなくてもいいだろ」
あかり「だって、私の髪飾りを見て勘違いしちゃうんだから」
結衣「?」
結衣「どういうこと?」
あかり「結衣ちゃん、ちょっと屈んで」
結衣「?うん」
あかり「この髪飾りはね……はい」パチッ
あかり「この髪飾りはね……結衣ちゃんにあげようと思って買ったんだよ」
結衣「え!?自分がほしかったんじゃないの?」
あかり「ちがうよ、この髪飾り結衣ちゃんに似合うだろうなって思って見てたんだよ」
結衣「は、ははは、確かにおっちょこっちょいだ」
あかり「でしょ?……ねぇ結衣ちゃん」
結衣「ん?」
あかり「あかりの前髪、ちょっとさみしいなぁ」
結衣「……うん」
結衣「つけたよ」
あかり「えへへー、おそろいだね」
結衣「う、うん、ちょっと恥ずかしいな///」
ピンポーン
結衣「多分京子達かな」
あかり「こんな時間に?」
結衣「あかり、お誕生日おめでとう」
あかり「え?あー!?忘れてたよぉ」
結衣「ふふっ、あかりもおっちょこちょいだね」
あかり「でもこれでお姉ちゃんがそわそわしてた理由がわかったよ」
結衣「さて、もうそろそろ出ないと京子がうるさそうだな」
あかり「あ、結衣ちゃん」
結衣「ん?」
あかり「髪飾りが、ちょっと屈んで」
結衣「あ、うん」
チュッ
あかり「今出るから待ってー」パタパタ
結衣「あ、あ///」
_________________
京子「おっじゃまー」
ちなつ「お邪魔します」
あかり「いらっしゃーい」
結衣「いらっしゃい///」
京子「ん?どしたの結衣、顔赤いよ?」
結衣「気にするな」
ちなつ「あー!?髪飾り!」
京子「ほー、ペアルックか、どしたの、それ」
結衣「これは……」チラッ
あかり「えへへー、ひみつだよぉ」
おわり
あかりちゃん誕生日おめでとう!
Entry ⇒ 2012.07.25 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「闇に飲まれよ!(お疲れ様です!)」
蘭子「ほう……それは真か? して、どのような神託を?(え? 本当? なになに!?)」
P「我らの運命を左右する重大なる宣告故、心して聞くが良い……(ホントに凄い大事なことを言うからね、落ち着いて聞くんだぞ)」
蘭子「!……うむ(うん……!)」
P「では……」
蘭子「……」ドキドキ
P「……」
蘭子「……」ワクワク
P「……いや、だがまだその刻ではない、か?(あー、でもやっぱりどうしようかなー)」
蘭子「……友よ、無意味な戯れは止めなさい(もー、やめてよそういうのー)」
美嘉(……なに言ってんのこの人たち……)
蘭子「……もう、戯れ言を……(もー……そういうのズルイよー……)」
P「では、風よりの神託を授ける。今度こそ心して聞くが良い
(それじゃ、今度こそ言うから。落ち着いてな)」
蘭子「ええ、そうするわ(はーい)」
P「実はな……」
蘭子「……」ゴクリ
P「我らが信仰の結晶、原初の詩の紡ぎ手に……。主、お前が選ばれたのだ!
(なんと! CDデビューが決定したんだ! ウチの事務所じゃ蘭子が一番最初だぞ!)」
蘭子「え! 本当っ!?」
P「……素が出てるぞー?」
蘭子「えっ、いや……!?」
美嘉(……へぇー)
P「ああ、我らが覇道もついに動き出す。混沌の長も祝福を告げている
(ああ、アイドルとしての第一歩がついに踏み出せるんだ。社長もおめでとうってさ)」
蘭子「……そっか、ついに私が……」
P「ああ、これまで歩んできた道が認められたんだ。
終点は未だ遙か彼方、全て遠き理想郷にあるが……一先ず、祝福を告げよう。
(ああ、今までの努力が認められたんだ。ゴールはまだまだ遠いけど、ひとまずはおめでとう)」
蘭子「うん!……でも……」
P「……ふむ? 表情が浮かれないな(ん? なにかあるか?)」
蘭子「我が闇は……そのような輝きの中でも映えるかしら……
(私に出来るかな、そういうの……)」
蘭子「これまでも、全ての道が苦難であった……(これまでも、凄く大変だったし)」
蘭子「そして混沌の中で尚輝きを求める者達が、星の数ほどいたわ……
(それに……私の他にも、頑張ってる子、たくさんいるし……)」
P「……ふむ」
(蘭子、お前はさ、俺が見てきた誰よりも大きな才能を持っているよ)」
蘭子「……え?」
P「雑踏の中……溢れかえる色が混ざり合い、全てが灰色に染まり、それでも尚輝きを失わぬもの……それに私は、心惹かれた。
(街中で人混みの中から後ろ姿を見たその時から、俺はずっと蘭子のファンなんだ)」
P「その輝きを絶えず追い続けてきた私が宣言しよう、蘭子……お前なら、やれるよ」
蘭子「……」
P「それに此度の神託は、境界の先の大いなる意思によるもの……
(それに、今回は向こう側から是非ともウチでやらせてくれ!って言ってきたんだ)」
蘭子「……!」
P「それ故に、我が主。お前は堂々と胸を誇っているべきだ
(だから蘭子、もっと自信も持ってやっていこう?)」
蘭子「……うん!」
P(それじゃあ蘭子! 頑張ってやって、CDでも十二分の力を発揮できるようにしよう!
タイトルはつぼみゆめみるラプソディーア~アルマのみちびき~だ!)
蘭子「華蕾夢ミルラプソデュ……っ」
P(……あ、噛んだ)
美嘉(噛んだ)
P「……」
蘭子「……コホン」
蘭子「華蕾夢ミル狂詩曲~魂ノ導~、ね……クク、まさに私に相応しい真名だわ。心も魂も、全てが震えるよう……!(わあ、とっても素敵なタイトルだね! 今からワクワクしてきた……楽しみだな♪)」
P「ああ、向こうもそう思って作詞作曲を手がけたそうだ」
蘭子「より深みにいる者達にも、私たちの神託を授けるようにするのね(もっとたくさんファンが増えるように、私も頑張るね!)」
P「ああ、既に専属のものたちを召喚している(ああ、スタジオにも、もうすぐ専門のトレーナーさんが来るから」
蘭子「了解したわ……悪魔の歌声を思い知らせてあげる!(わかった、じゃあもういくね!)」
P「俺も遅れるけど、すぐに後を追うから」
蘭子「フフ、それじゃあ一足先に……(それじゃ、先に言って挨拶してるね)」タタッ
P「うん、宜しくな」
P「ん? まだ何かあるか?」
蘭子「そ、その……」
蘭子「今まで、見守ってきてくれてありがとう……!」
蘭子「……あの、わ、私、絶対あなたの期待に応えてみせるから……」
蘭子「そ、それだけ言いたかったの……」
P「ああ、これからもよろしくな。蘭子」
蘭子「そ、それじゃ、いってくるからっ!」
P「おう、頑張ってな!」
美嘉「一見イイハナシに見えるけど……」
美嘉「うちの事務所は、プロデューサーもアイドルも、どこかオカシイ」
美嘉「しかもそれは、蘭子みたいなのだけじゃなくて……」
みく「ふにゃあああ!! Pチャン! みくがお魚苦手なのしってるでしょー?!
おべんと食べられないよぉーお腹すいたよぉーヒドいにゃー!」
P「あああ!! ゴメンよみくにゃん!! うっかりしてたんだああああ!!」
みく「プンプン! 許してほしい?ならおべんとちょーだい!」
P「それぐらいならいくらでもあげちゃうよみくにゃああああああん!!!!!
でも今日の弁当はスーパーのパック寿司だよおおおおおおおおお!!!???」
みく「ふにゃあっ!?」
美嘉「……こんな感じの、よくわからない子もいる……」
みく「にゃにゃ!? そ、そんなこと言ってごまかすつもりでしょPチャン!! ダマサレナイよ!」
P「ホントにホントだよみくにゃーん!! 冷蔵庫のコンビニのプリン上げるからっ!」
みく「フ、フーンだ! そう簡単には許してあげないもんっ! でもしょうがにゃいから話は聞いてあげる!」
P「うわぁみくにゃんチョロイ! でもかわいい!」
みく「にゃにゃん♪」
P「よっ大統領!!」
みく「ふっふーん、もっと褒め称えるが良いにゃ☆」
美嘉(……)
みく「にゃ?」
P「大ニュースなんだよみくにゃんっ なんとなんとなんとなんとおおおおお!!!!」
みく「な、なになに!?」
P「CDデビューが決まったんだよおおおおお!!! おめでとうみくにゃああああああああああん!!!!」
みく「え、えええーっ!!」
P「やったねみくにゃん! 人気が増えるよ!!!」
みく「フフーン♪ これでますますみくの魅力はウナギ登りにゃ☆」
P「うわぁーいっ!!」
みく「みんなの視線も、Pチャンの視線もク・ギ・ヅ・ケ・にゃ♪」
P「みくにゃんかわいいっ! セクシー!!」
みく「Pチャンにだけなら、もっともっと見せてもいいのよー?」
P「うわあああああああああああああい!!!!」
みく「ふふん、Pチャンにはモットモットみくに夢中になってもらうのにゃっ☆」
P「やったぁああああああああ!!! みくにゃんへの想いがグングン上がっていくよおおおおおおっ!!!」
みく「好感度が限界突破しちゃうー?」
P「しちゃうしちゃうっ!!! お祝いに回らないお寿司食べに行こうねっ!!!!」
みく「んにゃっ!??」
P「タイとかマグロとかいくらでも豪華なもの奢っちゃうよおおおおおおっ!!!」
みく「Pチャンわざとやってるでしょーっ!?」
みく「んもーっ」
P「お詫びに焼き肉とかケーキバイキングとか連れてってあげるっ!! どんどん頼んじゃって!!」
みく「にゃんと!? ふふん、そういうことなら仕方にゃいなー……いいよ、イッパイ頼んじゃうからっ」
P「うんうん!! それじゃ行こうかあっ!!」
みく「レッツゴー♪」
美嘉「……」
美嘉「こんな暑いのにテンション高いなー……」パタパタ
美嘉「アイドルとしては色々とアウアウな感じに、なりそうだったらしい」
美嘉「そして特上なお店でバクバクと食べてたので、プロデューサーのサイフも色々とアウアウだったらしい」
美嘉「給料日前なのに、よくやるよねー★……っと」
<ニョワー☆
美嘉「………うちの事務所を代表すると言ってもいい、おかしな子がやってきた……」
きらり「おにゃーしゃー☆」
P「しゃー☆」
きらり「今日もはぴはぴぃ?」
P「ばっちぐぅーっ!」
きらり「今日もいっしょにぃ~?」
P「きらりん☆ぱわー!」
P・きらり「うきゃー☆ にょわー☆ うきゃー☆」 キャッキャッキャ
美嘉「暑いのによくやるなー……」
にょわにょわにょわ?
きらり「日本語でおk」
どき変
P「あっ☆ わかるぅ~? さっすがきらりんだにぃ!」ナデナデ
きらり「にゃはー! Pちゃんのことだったらなんだってわかっちゃうにぃ☆
それでそれで! なにがあったのー?」
P「にゅふふー、とびっきりおっきなニュースだにぃ! きらりんよりもおっきなぐらい☆」
きらり「うぇっ!?! 気になうぅーオシエテオシエテ~っ」
P「うぇへへへー、今はまだ秘密ぅっ☆」
きらり「えー!?」
P「きらりんの秘密を教えてくれたら、教えてあげるの☆」
きらり「むむう~……」
P「うきゃー!」
P「にゅ?」
きらり「うぬぬぬ~……!」
きらりは ちからをためている!
P「え」
きらり「きらりん☆ぱわー!」
P「ちょ、まっ」
きらり「えへへ、実力行使ぃ~☆」
きらり「きらりの秘密はね……エヘヘ、まだナイショなのーっ!」
きらり「それでそれでPちゃんPちゃん! ビッグニュースってなに?」
美嘉「あの、きらり」
きらり「う?」
美嘉「プロデューサー、死にそう」
きらり「うぴゃ!?」
ジャギ 179cm
仁星のシュウ 180cm
将星のサウザー 181cm
殉星のシン 183cm
妖星のユダ 183cm
義星のレイ 185cm
諸星のきらり 185cm
ケンシロウ 185cm
トキ 188cm
ラオウ 210cm
P「いたたた……」
きらり「Pちゃんごめんなさい……」
P「いや、きらりんが気にすることじゃないにぃ☆ ちょっとイジワルしたくなったPが悪いのぉ☆」
美嘉「……プロデューサーも、よくやるねー。色々と痛くない?」
P「そうですね。確かにそう思います」
美嘉「!?」
きらり「?」
きらり「にゅうぅ~……」
P「ん、うん。じゃあ、もう勿体ぶらずに話すよ……きらり、CDデビューおめでとう」
きらり「え?」
美嘉(……)
きらり「きらり、デビューすぅ?」
P「そ。さっきおえらいさんが事務所に来てね、やってみないかって☆」
きらり「にょ!?」
きらり「にょわー☆」 ガバァッ
P「に!?」
きらり「えへへー! きらり今めっちゃニヤけててヤバーイ! きゅんきゅんズッキュン☆」ギュウウ……
P「お、おぅ……」
きらり「きらりとPちゃんならこのままなんだって出来るよ☆もういっそ世界征服とか狙う? 狙っちゃう? やっちゃう?」
P「う、うへへぇー……い、いけるとこまでいっちゃおーっ☆」
きらり「にょわー!」
美嘉「……夏だなぁ」
美嘉「それにしても、これでうちのメンバーでCDデビューがまだなのはアタシだけか……」
美嘉「莉嘉にエラソーにお姉ちゃん面できないかもなー……」
美嘉「……はぁ」
P「何辛気くさい顔してるんだ? 折角めでたいことがあったのに」
美嘉「え?」
P「次のデビューはお前だよ、美嘉」
美嘉「え? ええ?」
P「妹さんの歌にも負けないくらい素敵な歌詞を作ってくれるってさ」
美嘉「え……ええっ!?」
P「おめでとう、美嘉……これからも、よろしくな」
美嘉「ええーっ!?」
美嘉「いやいやだって、唐突すぎるっしょ……」
P「ああ、もうちょっと雰囲気作りした方がよかったかな。アイドルとして大事な第一歩だし」
美嘉「うん、まぁ、それもあるけど……」
美嘉(……あんまりにも、普通過ぎない?)
P「?」
P「ん? ああ、なにがいい? 出来る範囲内ならなんでもやるぞ。焼き肉でもなんでも」
美嘉「へへ、それじゃあねー……」
美嘉「ちょっと、いきたいところがあるんだケド!」
・・・
美嘉「プロデューサー、お仕事お疲れ様~!見てみて、あれ観覧車だよ!すっごいキレイな夜景じゃない?
そうだ、写真撮って莉嘉に送っちゃおー★ あ…ねえ、プロデューサーも一緒に撮る?ほら、こっちこっち!」
P「お、おう」
美嘉「ホラホラ、照れてないで写真撮るんだからもっとくっついて♪」
P「お、おう……」
美嘉「んもー、折角のお祝いなんだからさ、もっとパーっといこうよー」
P「お、おう……」
P(開演したばかりの遊園地でアイドルとデートとか、色々と大丈夫だろうか)
美嘉「お、あそこが良いカンジ~♪」
美嘉「じゃ、いっくよー★」
P(今はこの笑顔が見れただけで、良しとしよう)
美嘉「ハイ、チーズ♪」
P「ぶい」
パシャ
P(面倒なことは社長がどうにかしてくれる、多分)
P「ああ、なんてったって美嘉のお祝いだからな。辛気くさい方がどうにかしてるさ」
美嘉「へへ、ソーソー。今夜はパーっと、ね?」
美嘉「というわけで、エイ♪」ギュッ
P「お、おい……」
美嘉「ホラホラ、次いこー」
P「ううむ……」
美嘉「ね、見てみて。夜景、スッゴイ綺麗じゃない?」
P「そうだな、初めて来たけど……また、何度でも来たくなるな」
美嘉「エヘヘ……そしたら、また、二人っきりで連れてきてくれる?」
P「おう、勿論。美嘉が望むなら、何度だってな」
美嘉「……アリガト★」
P「それに、今度は妹さんも連れて、3人で来たいし」
美嘉「……プロデューサーって、バカだよねー」
P「なぬ」
P「むう、普段からみんなのことは理解しようと最大限の努力をしているんだが……」
美嘉(え、それで普段はあんなんなの……?)
P「むーん……」
美嘉「……それじゃあ、さ」
P「む?」
美嘉「ここでさ、今アタシが一番喜びそうなセリフ、言ってみてよ」
P「……むむ?」
美嘉「……わかる、よね?」
美嘉「……なーんちゃっt」
P「……美嘉」 ギュ
美嘉「へっ!?」
P「綺麗だよ、美嘉。どんな夜景よりも、綺麗だ」
美嘉「ええっ!?」
守備型の癖に
P「美嘉はこの何十倍も、綺麗だよ」
美嘉「な、ななな何言ってんn」
P「美嘉が隣にいてくれてるだけで、それだけでいいんだ」
P「ただ二人っきりっていう、この状況が嬉しい」
美嘉「いや、ちょ――」
P「誰も見れない美嘉の姿を、俺だけが見ることが出来る。それだけで嬉しい」
美嘉「な、なにばかなこといっt」
P「好きだ美嘉。愛してる」
美嘉「」
美嘉「」
P「……」ツンツン
美嘉「」
P「……」プニプニ
美嘉「」
P「……うそん」
美嘉「」
P「……観覧車もう一週、するか」
美嘉「……う、うん?」
美嘉(……ここは……確か……?)
P「お、おはよう。と言ってももう大分遅いけど」
美嘉「あ、あの……?」
P「もうかなり遅いし、車で送っていくよ。連絡はしておいたから」
美嘉「う、うん……あ、ありがと」
P「大分疲れてるみたいだし、しっかり休んでおきなよ」
美嘉「……うん」
美嘉(……)
美嘉(嬉しいような、恥ずかしいような)
美嘉(何かとっても、幸せなことがあったような……?)
美嘉「……プロデューサー、遅くまで付き合ってくれてアリガトっ★」
P「ああ、お安いご用さ」
美嘉「ヘヘ、今度はまた夜景が綺麗なところに行きたいな」
P「そうだな、また二人で、どこかに行こうか」
美嘉「……うん、そうだね」
P「それじゃ、おやすみ。いい夢を見ろよ」
美嘉「プロデューサーも、ね。今夜のことを忘れないで?」
P「おうとも」
蘭子「煩わしい太陽ね!(おはようございます!)」
P「ああ……そして、風が吹いているな。死者を携えた、冷たい北風が……
(おはよう。今日は気温が低くなるみたいだから体長管理に気をつけてな)」
みく「おっはにゃ~っ☆」
P「みくにゃんおはよおおおおおおおおおおおおおおおう!!! 今日も可愛いよ! とっても可愛いよ!! バリバリ可愛いよ!!!」
きらり「Pちゃんー! にょわーっ☆ 遊んでーっ!」
P「きらりんおっすおっす☆ 今忙しいから後で遊うぅっ」
美嘉「……相変わらず、うちの事務所はおかしいけれど」
P「お、ありがとう。いただくよ」
美嘉「ヘヘ。それで、今日はどんな仕事に行くの?」
P「おう、今日はだな――」
美嘉(お姉ちゃんは、元気にやっています……っと)
そうやって妹さんにメールを打つ彼女のケータイの待ち受けには
きらびやかな夜景の中の、誰かさんとのツーショットが写っていましたとさ
おしまい
卯月「えへへー……ピース、イェイ♪」
P(花開くような笑顔を見せる、彼女の名前は島村卯月)
P(普通の女の子の代名詞、というか)
P(普通過ぎてむしろそれが特徴になっている、というか)
卯月「笑顔なら自信あります! へへっ」
P(……だけど、ひたむきで、努力家で、かわいい)
P(そんな、子だ)
私、精一杯頑張りますから、一緒に夢叶えましょうね♪ よろしくお願いしますっ!』
P(オーディションを通過して、新米プロデューサーだった俺にそう言ってくれたあの頃が懐かしい)
P(あの笑顔を見て、俺は、どういうキャラ付けで行こうとか、こういう方針で売り出していこう、とか、そういうことを一切考えないで)
P「ただ、可愛いって思ったんだよなぁ……」
卯月「どうしたんです? プロデューサーさん? ボーっとしてると転んじゃいますよ?」
P「ああいや、ちょっと、な」
卯月「もう、しっかりしてくださいね? 私たちはまだまだこれから! なんですから」
卯月「つい最近だって、CDデビューが決まったし……えへへ……」
卯月「え?」
P「いや、卯月は可愛いって話」
卯月「え? ええ?」
P「うん、可愛い」
卯月「そ、そんな…急に言われても…照れちゃいますよお……」
P「うん、可愛いってこと以外に個性が無いってのが、凄い」
卯月「なんですとー!」
卯月「?」チラッ
「闇に飲まれよ!」
「おっはにゃーん☆」
「にょわー☆」
P「……な?」
卯月「う、うう……」
P「いや、美嘉は個性あるだろ。カリスマギャルだし」
卯月「う……」
P「ここまで無個性な子ってかえって珍しいかも?」
卯月「うー……」ショボーン
P「そんな卯月だからこそ、アイドルには相応しいのかもな」
卯月「え?」
P「何だかんだでCDデビューまで来れたし、仕事も増えたし」
P「何回も言うけど、卯月は可愛いからな。普通に可愛い」
P「身近に感じられるアイドルとして、アイドルを目指すみんなに希望を与えてくれる……のかも」
卯月「プ、プロデューサーさん……」
P「なーんつって。ほら、次の仕事行くぞー」
卯月「……」
卯月「ハイ!」
卯月(でも、今は頑張らなきゃ……プロデューサーさんといっしょに!)
P「……確かに普通の子、だけど」
P「あのひたむきさは、強い武器だよなぁ」
P(一時期は渋谷凛、神谷奈緖といった同期の友達が次々とデビューを果たしていって)
P(取り残されているような状態になったけど)
P(彼女は嫉妬したり、くじけたりせず)
P(ただひたすら『私たちも頑張りましょう!』と)
P(いつも、どんな時も変わらない笑顔を見せてくれた)
卯月「プロデューサーさん、ついに私の出番ですね! 私、こうして選んでもらえて本当に嬉しいです!
ファンの皆の期待に応えるために精一杯頑張って来ます! 島村卯月、いってきまーすっ♪」
卯月「えへへ、プロデューサーさん! このまま1位になれそうですっ!」
P「ああ……でも、ちゃんと集中してかないと――」
卯月「きゃっ!?」
P「……ほら、言わんこっちゃない」
CDの発売日が楽しみです
闇に飲まれよ!(お疲れ様です!)
この>>1はパッションPらしいしとても親近感が沸く
Entry ⇒ 2012.07.25 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ディケイド「るろうに剣心の世界か……」
町人「陸蒸気に乗ってきたぜ! これがもう凄いんだよ!」
町人「うらやましい限りだねえ。俺なんか人力車にも乗ったことがない」
士「随分、古臭い街だな……」
町人「せいれき? 難しいことは良くわかんねーけど、今は明治十年だよ」
士「……なるほど、な」
士「明治時代の世界か。だが、俺はここで何をすればいい……?」
「キャーッ!」
士「!」
ごろつき「大人しく俺達の言うこと聞きな!」
町娘「や、やめてくださいまし……!」
士「おい」
ごろつき「あ? 何だてめーは」
士「そのくらいにしておけ。嫌がってるだろうが」
ごろつき「な、何だてめえ、警官なんざ怖かねえよっ!」
士「警官?」
士(今気付いたが、この恰好は……。クウガの世界を思い出すな)
ごろつき「んだとォ!? 俺達とやろうってのか――」
ガシッ!
ごろつき「!」
ギリギリギリ……
ごろつき「い、痛てぇ!」
ケンシン「そのくらいにしておくでござる……」
ケンシン「この刀は抜かぬよ。抜く必要もない」
ごろつき「あまり俺らをなめてっと――」
士「! 危ない、短刀だ!」
ケンシン「……」
ブン!
ごろつき「ぐわあっ!」
士「……刀を鞘に差したままの……峰打ち、だと……」
ごろつき「すんませんでしたーっ!」
ケンシン「……ふん」
町娘「あ、ありがとうございました!」
ケンシン「構わんでござるよ。気を付けるでござる」
町娘「はいっ!」
士「お前、強いな……」
ケンシン「……おぬし」
ケンシン「今さら、拙者の前に現れて何の用だ?」
士「……は?」
ケンシン「しらばっくれても無駄でござる。新撰組三番隊組長、斎藤一!」
士「え?」
士(斎藤一……って言えば、確か史実の人物……)
士「どうやら、また面倒なことに巻き込まれたみたいだな……!」
ケンシン「……維新が成り、曲がりなりにも平和な世が訪れた今、無用な争いを繰り返したいとは思わん」
ケンシン「だが、そちらが掛かってくるというなら……拙者も手加減はせんでござる」
士「持って回った言い方しやがって。要するに――」
士「戦えばいいって事なんだろ!」
【カメンライド――】
士「変身!」
【ディケーイ!】
ジャキーン!
ディケイド「行くぜ」
【アタックライド――スラァッシュ!】
バッ!
ケンシン「!」
ガキィンッ!
ディケイド(! 速い――!)
ギギギ……
ケンシン「なぜ、拙者の前に現れた……!」
ディケイド「知るかよ。俺が教えて貰いたいぜ!」
バッ!
ディケイド「! どこだ!?」
ケンシン「飛天御剣流――」
ディケイド「上っ!?」
ケンシン「龍槌閃ッ!!」
ズガァッ!!
ケンシン「幕末の動乱の中、おぬしらと切り結んできた飛天の技……片時も衰えさせてはおらんでござる」
ディケイド「だから、俺が知ってるていで話すなって!」
ケンシン「……どうした? 来ないなら、こちらから――」
カオル「ケンシンっ!」
ケンシン「!」
ケンシン「カオル殿。しかし……」
ディケイド「……やれやれ」
ジャキーン!
士「女に水を差されちゃ、どうも気が乗らないな」
ケンシン「! おぬし、どこへ行く!?」
士「さあな。どこへでも行かせてもらうさ。明治時代ってのもなかなか面白そうだ」
士「?」
カオル「あ、あなた、知ってるの? ケンシンの……昔のこと」
士「……知らないって言ってるだろ」
カオル「――で、でも、待って!」
士「……まだ何か?」
カオル「力を、貸してほしいの……」
カオル「もうすぐ、私達の家、神谷道じょ――」
カオル「えっ!? な、なんで写真館に?」
士「いつものパターンだな……」
ケンシン「カオル殿。道場はとうとう売り払ったでござるか」
カオル「そんなことするわけないでしょ!」
士「いいんだよ、ここはこれで。入るぞ」
夏海「ケンシンさんは、幕末を戦った維新志士の生き残り、ってことですか……」
ケンシン「ああ。拙者は、今は戦いを捨てた流浪人として生きているでござる」
士「よく言うぜ。あれだけ派手に戦っておいて」
カオル「まあまあ、喧嘩はもうやめて――」
栄次郎「皆さん。牛鍋でもいかが」
士「じいさん。……スキヤキか? これ」
栄次郎「ざんぎり頭を叩いてみれば文明開化の音がする、ってねえ」
士「……それで? 何なんだ、そのシシオマコトってのは」
ユウスケ「おい士、肉ばっか取るなよ」
ケンシン「シシオは……この平和になった明治の世に、再び動乱をもたらそうとしている者でござる」
士「お前の敵、なのか?」
ユウスケ「士、肉ばっか取るなって」
ケンシン「いずれは拙者が戦わねばならんかも知れぬ、が……」
カオル「そんなの駄目、ケンシンが戦うなんて」
ケンシン「……と、ひどく反対されてしまって。居候の身としては、カオル殿の意に反するようなこともなかなか」
士「ふうん……」
カオル「……み、見せてもらったわ。あなたのさっきの力」
士「……」
カオル「その力があれば、ケンシンが戦わなくても、シシオを倒せるかも――」
ケンシン「! カオル殿、何を言い出すでござる!?」
夏海「士くんを代わりに戦わせるつもりですか!?」
カオル「だ、だって……ケンシンがまた居なくなっちゃうのは、私……」
士「……」
士「! お前、海東! どこから入ってきた!?」
海東「このくらいお茶の子さいさいさ。それに――これも」
ケンシン「! 拙者の逆刃刀を!」
海東「武士の魂たる刀を、腰から離しちゃいけないよねえ」
士「海東、お前――」
海東「僕はしばらくこの世界を楽しませてもらうよ。それじゃね、諸君」
【アタックライド――インヴィジボゥ!】
士「!」
ケンシン「消えた……」
士「取り戻しに行くしかないだろ。あの刀、大事なものなんだよな?」
ケンシン「……いや……」
ケンシン「これで……良かったのかも知れんでござる」
士「はあ?」
ケンシン「カオル殿がそこまで拙者の事を思いつめておったとは」
カオル「……ケンシン……」
ケンシン「かくなる上は、拙者、二度と刀など持たぬ方が良いのかもしれんな……」
夏海「! な、何!?」
ユウスケ「外から聞こえたぞ!」
ケンシン「――まさか!」
~市街~
ウスイ「今こそ計画実行の時!」
アンジ「この帝都に動乱を引き起こすのだ!」
ショッカー戦闘員「イーッ! イーッ!」
人々「た、助けてくれーっ!」
士「こ、これは!? なぜショッカーの戦闘員がここに!」
戦闘員「イーッ! イーッ!」
鳴滝「すべては貴様のせいだよ、ディケイド……」
士「鳴滝!」
士「またいつものパターンか。大ショッカーが来るのまで俺のせいなのかよ」
鳴滝「大ショッカーは次元の壁を破り、この世界の悪党――“シシオマコト”と手を組んだのだ」
鳴滝「間もなくこの世界は、地獄の炎で蹂躙される……」
士「どうだか。俺が乱した世界なら、俺が変えてやる」
鳴滝「無駄だ、ディケイド! ふはははは!」
士「……言うだけ言って消えやがって……」
ユウスケ「街の人々が……!」
戦闘員「イーッ! イーッ!」
士「結局、どの世界もこうなる定めか……。変身!」
【カメンライド――ディケーイ!】
ディケイド「――はあぁっ!!」
アンジ「さあな。何であろうと排除するまで」
ディケイド「ハッ!」シュバァッ!
戦闘員「イーッ!」
ドカーン!
ディケイド「お前らが親玉か?」
アンジ「ふん、馬鹿な。我らはシシオ様の命に従うまで」
ディケイド「……なら、そのシシオとかいう野郎に伝えておけ。俺が全てを破壊してやる……とな」
人々「た、助けて……!」
ユウスケ「くっ……変身!」
ギュピーン!
クウガ「――はっ!」
カオル「あ、あなたも変身できるの!?」
クウガ「忘れられがちだけど、一応ね!」
クウガ「こないだのSSでは、知らない方がいい呼ばわりされてたけど……」
戦闘員「イーッ!!」
バシッ! バキィッ!
カオル「わ、私も何か――」
戦闘員「イーッ!」
子供「キャーッ!」
カオル「!」
カオル「させない――ッ!」
バッ!!
バシィッ!
カオル「うっ……!」
カオル「あ、くっ……!」
戦闘員「……」じり……
カオル「!」
ケンシン「――待てっ!」
バッ!
戦闘員「イーッ!」
バキッ!
ケンシン「ぐっ!」
カオル「ケンシンっ!!」
カオル「ケンシン! ち、血が……」
ケンシン「無事で、よかったでござる」
カオル「バカ……! どうして、刀も無いのに来たのよ!?」
ケンシン「おぬしがそれを言うでござるか……?」
戦闘員「イーッ。イーッ」
ザッ……ザッ……
ケンシン「刀が無くとも。力が無くとも。男には、戦わねばならん時があるでござる」
ケンシン「今の拙者には――逆刃刀なんかより大事なものがあるでござるよ」
カオル「……!」
アンジ「むん!」
ガキィィィッ!!
ディケイド「くっ……何だ、こいつ、この力……!」
アンジ「鎧を纏ってその程度か?」
ウスイ「そして――背中ががら空きだ」
バキッ!
ディケイド「ぐわあっ!」
ディケイド「く、くっ……」
ディケイド「! 誰だ!?」
ソウジロウ「僕達に歯向かう者があると聞いて来てみれば……なんのことはないですね」
ディケイド「何だ、お前は……」
ソウジロウ「その程度なら、シシオ様が出るまでもありません」
シシオ「いや……」
ソウジロウ「!」
シシオ「俺も久々に力を振るわせてもらう。幸い、役者は揃ってるようだしな」
シシオ「抜刀斎か。クク……無様な姿だな。戦闘員に囲まれ、満身創痍で」
ケンシン「おぬしの知ったことではないでござる……」
シシオ「どうした。逆刃刀とかいう生ぬるい刀も無えじゃねえか。そんなんで俺と戦えるのかよ」
ディケイド「おい。お前の相手は俺がしてやるぜ」
シシオ「うるさいハエだな……」
ガシッ!
ディケイド「!」
シシオ「これでも食らえっ! 二の秘剣――紅蓮腕っ!」
ゴオォォォッ!!
ディケイド「うっ、ぐわあああぁっ!!」
ケンシン「士殿っ!」
士「う……ぐっ」
バタッ……
シシオ「邪魔者は消えたようだな。見ているがいい抜刀斎、俺がこの時代を作り変えてやるよ」
ソウジロウ「くすくす」
ウスイ「フフフ……」
アンジ「……ふん」
ケンシン「くっ……」
ズキュゥン!
シシオ「ッ!」
シシオ「だ……誰だ!」
ディエンド「僕の存在を忘れて貰っては困る……」
シシオ「まだ居たか、煩いハエが……。ウスイ、アンジ!」
アンジ「御意」
ディエンド「手下を戦わせようというのかい? 舐められたものだ」
バキィッ!
ディエンド「く……」
ズキュゥン!
ウスイ「遅い遅い!」
ディエンド「チッ……!」
カオル「ケンシン、逃げなきゃ……逃げなきゃ!」
ケンシン「カオル殿!」
シシオ「生かして帰すと思うのか? やれ、戦闘員共!」
戦闘員「イーッ!」
バシィッ!
ケンシン「うっ! くぅ……っ!」
クウガ「助けに――」
ソウジロウ「おっと、あなたの相手は僕ですよ?」
ガキィンッ!
クウガ「うぐあっ!」
戦闘員「イーッ、イーッ!」
カオル「ケンシンっ、無茶よ、素手でこんな奴らと戦うなんて――」
ケンシン「カオル殿……だ、大丈夫でござるよ……」
ケンシン「ぐっ!」
ケンシン「く……」
カオル「ケンシン!」
ケンシン「拙者は……拙者は、誓ったでござる。カオル殿を、守ると……」
ケンシン「己の目に映る者を、ただ守ると――!」
シシオ「クク、ははははっ、無駄だな抜刀斎! 貴様には何も守る事なんて出来やしねえ!」
シシオ「刀一つで名を馳せてきた人斬りのてめえが、刀を手放して何ができる……」
シシオ「てめえの無力を噛みしめて、死ねえ! 抜刀斎ッ!!」
士「そいつは、違うな……!」
シシオ「!? てめえ、まだ生きて――」
士「人の強さは……剣の強さで決まるんじゃねえ!」
シシオ「何だと!?」
(あの音楽)
士「刀はただの道具に過ぎない……それを振るうのは、いつだって、刀を持つ人間の心だ」
士「この男は、戦いを捨て、刀を手放しても……誰かを守ろうとする心の強さを、決して失うことがなかった!」
士「本当の強さってのは、そういうことじゃねえのか!」
カオル「ケンシン……」
ケンシン「拙者は……拙者は今。カオル殿を守りたい!」
ディエンド「……やれやれ」ポイッ!
ケンシン「!」
ケンシン「拙者の、逆刃刀……」
ディエンド「見せてくれ。その刀よりも大切なもの、とやらを」
シシオ「……クッ! 貴様、一体何者だ!?」
士「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけっ!」
士「ケンシン、行くぞ!」
ケンシン「――ああ!」
士「変身っ!!」
【カメンライド――ディケーイ!!】
ソウジロウ「はい。シシオ様には近づかせません」
ディケイド「いいぜ、来い!」
ソウジロウ「――ハッ!」
シュバァッ!!
シシオ「抜刀斎……少しはまともな面構えになったじゃねえか」
ケンシン「行くぞ、シシオマコト――!
ケンシン「飛天御剣流――龍翔閃ッ!!」
シシオ「甘ェ!」
ガキィンッ!!
シシオ「その程度の技、俺に通用すると思ってるのかよ……?」
ギリギリ……!
ヒュカカカカカッ!!
ディケイド「!?」
ソウジロウ「どうです、あなたに追いつけますか!?」
ディケイド「ふん……」
【カメンライド――カブト!】
【アタックライド――クロックアァップ!】
ディケイド「はっ!!」
ヒュババババババッ!!
ソウジロウ「!? 縮地の速さに追いついて――いや、それ以上!?」
ディケイド「アアアアアッ!!」
【ファイナルアタックライド――カカカカブト!!】
ディケイド「はあぁっ!!」
ズドォォォォン!!
ソウジロウ「がふっ……! め、滅茶苦茶だ……!」
ディケイド「悪いな。破壊者だからな」
クウガ「っ!?」
ウスイ「ローチンで突く!」
クウガ「ぐああ!」
ウスイ「どうだ! これぞ私の戦術」
クウガ「な、なら……超変身っ! タイタンフォームっ!」
シュィィン!
ウスイ「無駄だよ! 貴様の剣など、ティンベーで――」
バキッ!!
ウスイ「何っ!?」
クウガ「それごと砕けばいいんだろ!? りゃあああぁっ!!」
ウスイ「ぐああああ、馬鹿なっ!!」
ドガアアァァァン!!
ディエンド「!」
【アタックライド――バーリア!】
アンジ「ふぬぅぅぅうっ!」
バキィッ!!
ディエンド「さすがだね、バリアをも壊すとは……。でも」
【ファイナルアタックライド――ディディディディエーンッ!!】
ズキュウゥゥゥゥッ!!
アンジ「ぐっ!? があああぁぁっ!!」
ディエンド「接近できなければ……意味がない」
ドカアァァァンッ!!
ボォォオッ!
ケンシン「うっ!?」
ケンシン「ク……無駄でござるよ、そんな、こけおどしの炎など!」
シシオ「ほう。だが、炎だけじゃねえぜ?」
ズバァッ!
ケンシン「ぐっ!」
シシオ「どうした。てめえの剣で俺に勝てるのか、抜刀斎ィ!?」
ガキィンッ! キィィンッ!!
【カメンライド――デンオー!】
【アタックライド――デンガッシャー!】
シシオ「! 後ろか!?」
ガキィンッ!
ケンシン「な、何でござるか、その桃みたいな顔は……」
シシオ「二人がかりか。いいぜ、一人じゃ余りに物足りなかったところだ……かかって来いっ!」
ケンシン「ああっ! 龍巻閃――凩ッ!!」
ディケイド「俺の必殺技っ! パート・2っ!!」
ヒュバァッ!!
シシオ「まだまだぁ!」
バキィィィッ!!
シシオ「二人まとめて焼き尽くしてやるぜ! 終の秘剣・カグツチっ!!」
ボッ! ゴォォォォォッ!!
ケンシン「!」
ケンシン「ああ! わかっているっ!」
ケンシン「幕末の血風は――あんなものより、もっとずっと、激しかったでござる!」
ダッ!!
ケンシン「飛天御剣流! 龍槌――翔閃ッ!!」
ギィィィン!!
シシオ「チィ……抜刀斎ィィッ!!」
ギャリギャリギャリッ!!
カオル(ケンシン……)
カオル(必ず、必ず勝って――!)
【ファイナルカメンライド――ディケーイ!】
ディケイド「こいつで行くぜ……!」
【ファイナルアタックライド――デデデデンオー!】
シシオ「っ!?」
ディケイド「電車斬りッ! アアアァッ!!」
シュバァァァッ!!
シシオ「ぐ……う……!」
ケンシン「飛天御剣流奥義――」
シシオ「!」
ケンシン「天翔【あまかける】龍閃【りゅうのひらめき】っ!!」
ズバァァァ!!
シシオ「ぐああああああ!」
シシオ「……抜刀斎ィ……! てめえらごときに、俺が、ここまで……!」
ケンシン「シシオ……おぬしの負けでござる。人斬りの時代は、もう終わりだ!」
シシオ「お、終わるかよ……! 俺がこの無間刃を手にしている限り……!」
ケンシン「終わっているんだ。拙者がこの逆刃刀を手にした時に!」
ディケイド「いや。俺がこの世界を訪れた時に……かな」
ケンシン「!」
ディケイド「ケンシン。ちょっとくすぐったいぞ」
ケンシン「え?」
【ファイナルフォームライド――ケケケケンシン!】
ひゅぃぃ!
ケンシン「お、おろーっ!?」
ガシッ!
カオル「け、ケンシンが……刀になっちゃった……」
バッ!
シシオ「なっ!? ば、ば、抜刀斎が刀に――」
【ファイナルアタックライド――ケケケケンシン!】
ディケイド「飛天御剣流ッ!!」
シシオ「!」
ディケイド「九頭龍閃――ッ!!」
壱
捌 弐
漆 玖 参
陸 肆
伍
シシオ「ギャアアアァァアァッ!!」
ドカアァァァァン!!
ケンシン「シシオの一派も全て捕縛。奴の企みは崩れ去ったでござる」
士「そうか。この世界にもようやく、本当の平和が訪れた……ってところかな」
ケンシン「士殿。おぬし、これからどうするでござる」
士「さあな……」
士「流浪人というなら、俺こそ流浪人さ。また、どことも分からない世界へ……流れるだけだ」
ケンシン「そうでござるか……」
士「かもな……。だが、俺と違って、お前には」
カオル「ケンシン――っ!」
士「帰るべき居場所がある。だろ?」
ケンシン「……ふっ」
カオル「もう大丈夫なの? ケンシン」
ケンシン「ああ、カオル殿」
「ただいまでござる」
(おしまい)
ディケイドの親和性は異常だな
「生意気だぞ! ノビタのくせに!」
「僕が自分だけの力で君に勝たないと――」
「何者かが歴史を書き換えようとしている……」
「ノビタさんなんて、きらいっ!」
「ディケイドが……安心して元の世界に帰れないんだ!」
次回、『のび太と世界の破壊者』
――全てを破壊し、総てを繋げ!
予告は半分ネタですが、ストーリーは考えてあるので、いずれ書きたいと思いますw
ディケイド関連はこちらも見ていただけると幸いです。
http://www.geocities.jp/hibikigaiden/figma.html
それではー。
なにそれみたい
やっぱこないだのライダーSS書いた人だったのか
擬音の書き方が似てるなと思ってたんだ
今回も乙でした!
関連記事:オダギリジョー「クウガのベルト……?」
次→ディケイド「ドラえもんの世界か……」
Entry ⇒ 2012.07.24 | Category ⇒ 仮面ライダーSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ルルーシュ「C.C.は体がバラバラになったら、どう復活するんだ?」
ルルーシュ「単純な興味本位だ」
C.C.「バラバラの度合いにもよるな」
ルルーシュ「四肢が千切れたぐらいならどうだ?」
C.C.「ああ。それぐらいならすぐに接合できるかな。切断面を合わせてさえいれば」
ルルーシュ「じゃあ、原型がなくなるほどバラバラになったらどうなる?」
C.C.「小さい私がわらわらと出てきて合体する」
ルルーシュ「なに?」
ルルーシュ「……」
ミニC.C.『わーい!わーい!!』
ミニC.C.『合体しよう!合体しよう!!』
ミニC.C.『みんなー、手をつなげー!!』
ルルーシュ「そうなのか?」
C.C.「ああ。まあ、合体まではかなりの日数を要するからあまりそういう状況には陥りたくないがな」
ルルーシュ「分裂するとどれぐらい小さいC.C.が出てくるんだ?」
C.C.「そうだな……初めは10分の1ぐらいの私が10体出てきて……一人また一人と合体していく」
ルルーシュ「ほう……」
ルルーシュ「合体とはどのような感じだ?」
C.C.「え?」
ルルーシュ「一体に吸収されていくようなものか?」
C.C.「まあ、そうだな。傍から見れば片方が消えて、片方が一回り大きくなったようにしかみえないだろうけど」
ルルーシュ「それは一瞬の出来事か?」
C.C.「そうだな」
ルルーシュ「じゃあ、どうして時間がかかるんだ?」
C.C.「小さい私はとにかく合体しようという本能が働いて、隣の者とすぐに抱きつく」
C.C.「だが、ある程度大きくなると自我が強くなる」
ルルーシュ「自我?」
C.C.「丁度、小学生ぐらいの体格になると始まるのさ。自分は消えたくないという葛藤がな」
ルルーシュ「ほう……」
ルルーシュ「合体か……」
C.C.「つまらないものだ。見せられたものでもない」
ルルーシュ「まぁそうだな」
C.C.「でも、大変だよ。面倒でしかない」
ルルーシュ「抱きつくだけだろう?」
C.C.「抱きつくだけというがな、結構大変なんだぞ?」
ルルーシュ「どうしてだ?一瞬の出来事なんだろ?」
C.C.「それは傍から見ている奴にとってはな。私たちは相手の世界に入り込み、まぁ……色々する」
ルルーシュ「色々ってなんだ?」
C.C.「言う必要はないな」
ルルーシュ「逃げるのか?」
C.C.「貴様……何故食いつく?」
ルルーシュ「恥ずかしいのか?」
C.C.「言い淀んだ時点で、それぐらいわかるだろ?」
C.C.「言いたくないことは言わないからな」
ルルーシュ「そうだったな」
C.C.「全く」
ルルーシュ「……」ゴソゴソ
C.C.「ピザでも食べるか」
ルルーシュ「C.C.」
C.C.「なんだ?」
ルルーシュ「この腰巻をくれてやろう」
C.C.「ダイナマイトの腰巻なんていらない」
ルルーシュ「そういうな」
C.C.「お前……」
ルルーシュ「くくく……」
C.C.「人殺し」
ルルーシュ「……」
C.C.「私に話とはなんだ?」
ゼロ「お前にもナイトメアを与える」
C.C.「私に戦えというのか?」
ゼロ「ああ。今は一人でも多くの操縦者が必要だからな」
C.C.「そうか」
ゼロ「貴様にも無頼に乗ってもらう。いいな?」
C.C.「分かったよ。私は共犯者だからな」
ゼロ「ああ……」
ゼロ(これで前提条件はクリアされたようなものだな)
カレン「紅蓮を掃除~」
ゼロ「カレン」
カレン「はい?」
ゼロ「頼みたいことがある」
コーネリア『ゼロだ!!ゼロが現れたぞ!!!』
ゼロ『ふははははは!!!コーネリア!!!今度こそ貴様を捕らえてやるぞ!!!』
カレン『ゼロ!!左翼から敵が!!』
ゼロ『分かっている。C.C.とカレンはそのまま待機し、敵の陣形を崩せ!!』
カレン『はい!!』
C.C.『了解』
カレン『いくよ、C.C.』
C.C.『私に命令するな』
ゼロ(よし……あの敵戦力相手ではまず無頼は大破する)
ゼロ(万が一、生き残っても紅蓮の輻射波動がC.C.を襲う)
ゼロ(完璧だ……ふははははは!!!)
ゼロ(さあ、拝ましてもらうぞ、C.C.!!!幼く愛らしいお前を!!!)
カレン『来たよ!』
C.C.『見れば分かる』
カレン『あたしはこっちから片付ける!!』
C.C.『じゃあ、私は向こうからだな』
カレン『くらいなぁぁぁぁ!!!!』ガキィィン
C.C.『残念なお知らせだ』
グロースター「……!」
C.C.『準備が整った』ドォン!!
カレン『な!?一撃で相手を!?』
C.C.『私を甘く見るな』ドォン!!
グロースター「うわぁぁぁ!!!」
ドォォォン
C.C.『ふん。しつこい奴は嫌いだ』
カレン(C.C.……やるじゃない……)
カレン『……ねえ』
C.C.『なんだ?』
カレン『ごめん!!』ガキィィン
C.C.『貴様!?』
カレン『ゼロが言ってた……あんたを……』
C.C.『殺せと?』
カレン『……』
C.C.『ボウヤの考えそうなことだな』
カレン『怒らないの?』
C.C.『私も悪いからな。喋りすぎたよ』
カレン『スパイなの?』
C.C.『いや、もっと恐ろしい者かな』
カレン『とにかく……輻射波動で……』カチッ
C.C.『でも、大人しくやられるつもりはない』
C.C.『このっ』ガキィン
カレン『……』
C.C.『このっこのっ』ガキィンガキィン
カレン『輻射波動』コォォォォ
C.C.『逃げられないのはスペックの違いか……はいはい、もう好きにし―――』
ドォォォォン!!!!!
カレン『……』
ゼロ『カレン!!やったか?!』
カレン『は、はい……でも……』
ゼロ『心配するな……奴は脱出した』
カレン『え!?そんなバカな!?』
ゼロ『これは演技だ。見ろ、今ので敵は動揺している』
カレン『まあ、同士討ちを始めたようなものですからね』
ゼロ『この隙をつく!!いけ!!カレン!!』
ゼロ『……』
ゼロ「……C.C.?」
ゼロ「くっ……瓦礫が邪魔だな……」
ゼロ「C.C.!!いるのか?!」
C.C.「うぅ……」
ゼロ「ん?!」
C.C.「はぁ……はぁ……」
ゼロ「……」
C.C.「ルルーシュ、ひどいじゃないか」
ゼロ「お前……C.C.か?」
C.C.「そうだが?」
ゼロ「ふはははははは!!!!!」
C.C.「あ、まずい。がったいしないと」
ゼロ「まて!!」ガシッ
ゼロ「今のままで十分だ」
C.C.「バカをいうな!!まだ5分の1ぐらいだぞ!!」
ゼロ「俺は構わない」
C.C.「わたしはかまう!!」
ゼロ「さあ、C.C.?俺の無頼に乗ろうな」ナデナデ
C.C.「やめろ!!ほかにも私ががれきに埋もれているんだぞ?!」
ゼロ「なに?」
ミニC.C.「んしょ」
ミニC.C.「わーい!でれたー」
ミニC.C.「わたしとがったいするひとー、このゆびとーまれ!」
ミニC.C.「はぁーい」
C.C.「ほら見ろ!わらわら出てきたじゃないか!!」
ゼロ「全員回収だな」
C.C.「ルルーシュ!!目をさませ!!」
扇『了解した!!』
玉城『ここで退却だと?!』
カレン『あのゼロ?』
ゼロ『どうした?』
カレン『C.C.は?』
ゼロ『ここにいる』
ミニC.C.『かれーん!!』
カレン『誰ですか?!』
ゼロ『輻射波動の副作用で小さくなったようだ』
カレン『えぇぇ?!』
ゼロ『いくぞ!!』
ミニC.C.『わぁーい』キャッキャッ
カレン『そんな……紅蓮にそんな力が……?!』
こまけぇことは
カレン「C.C.!!」
ミニC.C.「なんだー?」
カレン「ごめん!!ごめんね!!!」ギュゥゥ
ミニC.C.「あつくるしいなぁ」
ゼロ「カレン、自分を責める必要はない」
カレン「でも!!」
ゼロ「また育てればいいだけの話だ」
カレン「……」
ミニC.C.「眠いな」
カレン「分かりました」
ゼロ「ん?」
カレン「この子は私が育てます」
ゼロ「なんだと?」
ミニC.C.「がったいしたい……」
カレン「お願いします、ゼロ。あたしに育てさせてください」
ゼロ「……」
ミニC.C.「がったい……」
カレン「C.C.……ごめんね……」ナデナデ
ゼロ「覚悟はあるのか?」
カレン「え?」
ゼロ「子を持つだけの覚悟は」
カレン「……はい。立派なC.C.にしてみせます」
ゼロ「わかった……カレンに一任する」
カレン「ありがとうございます!!」
ゼロ(これでC.C.が完全体になることはない……くくく……)
ゼロ(あーっはっはっはっはっは!!!!)
カレン「これからはあたしがお母さんだからね?」
ミニC.C.「ことわるっ」
C.C.「おい」
ルルーシュ「なんだ?」
C.C.「私が一人、足りないようだが?」
ルルーシュ「消えるのが怖いから葛藤するんだろ?いいじゃないか。いないとなれば合体は不可能だ」
C.C.「だが、手元にいないと不安になる」
ルルーシュ「しかし、こうして眺めているだけでも癒されるな」
ミニC.C.「がったい!!がったい!!」ガンガン!!!
ミニC.C.「がったいさせろー!!!」ガンガン!!!
ルルーシュ「無駄だ。その檻の中からはでられない」
C.C.「悪魔か……お前は……」
ルルーシュ「飽きるまでその姿でいろ」
C.C.「この……」
ルルーシュ「ふはははは」
C.C.「変態め……!」
ルルーシュ「そうか。じゃあ、俺も寝るかな」
C.C.「男は床で寝ろ」
ルルーシュ「断る」
C.C.「なに?!」
ルルーシュ「このような機会は滅多にないからな」
C.C.「お前、いい加減にしろ」
ルルーシュ「別にいいだろう?」
C.C.「目が怖い」
ルルーシュ「添い寝するだけだ。手は出さない」
C.C.「今のお前には協力したくないな」
ルルーシュ「そういうな。俺とC.C.の仲だろ?」
C.C.「わかった。私が床で寝る」
ルルーシュ「女の子にそんなことをさせるわけにいかない」
C.C.「八方塞か……」
ゴソゴソ……
ナナリー「ん……?」
モゾモゾ
ナナリー「誰ですか……?」サワサワ
C.C.「ナナリー、いきなり私のお尻を触るな。結構驚く」
ナナリー「C.C.さん?」
C.C.「そうだ」
ナナリー「でも、かなり小さいような……」
C.C.「とある事情で若返った」
ナナリー「そうなんですか?」
C.C.「ああ。だから、匿ってくれ」
ナナリー「匿うって……誰からですか?」
C.C.「異常性癖者からだ」
ナナリー「は、はい……わかりました……」
ナナリー「あの、家に帰るわけにはいかないんですか?」
C.C.「無理だな。体が小さくなって、誰が私だと信じてくれる?」
ナナリー「それは……」
C.C.「だから、暫くここで世話になる。よろしく」
ナナリー「でもお兄様に話してみたほうが……」
C.C.「それだけはできない」
ナナリー「そうなのですか?」
C.C.「ああ」
ナナリー「どうしてですか?」
C.C.「それは……」
コンコン
C.C.「きたか」
ナナリー「はい?」
ルルーシュ「起きていたか、ナナリー?」
ルルーシュ「ここに誰かこなかったか?」
ナナリー「それは―――」
C.C.「(誰も来ていないと言え)」
ナナリー「だ、誰も」
ルルーシュ「そうか……」
ナナリー「……」
ルルーシュ「悪かったな。お休み」
ナナリー「はい。おやすみなさい」
C.C.「ふー……」
ナナリー「C.C.さん……あのもしかして……」
C.C.「いや。違う」
ナナリー「ですよね」
C.C.「ああ。当然だ」
ナナリー「よかった……」
ナナリー「おはようございます、お兄様」
ルルーシュ「おはよう」
咲世子「あの、ルルーシュ様?」
ルルーシュ「なんだ?」
咲世子「隣にいるお嬢様は……?」
ナナリー「え?」
C.C.「忘れたのか?C.C.だ」
ナナリー「C.C.さん?!」
ルルーシュ「どうした、ナナリー?」
ナナリー「あの、咲世子さん」
咲世子「はい」
ナナリー「わ、私の部屋のベッドを整えてきてもらえませんか……今すぐ……」
咲世子「ええ……かしこまりました」
ナナリー(C.C.さんはベッドで寝ていたはずなのに……いつの間に……?)
咲世子「別に乱れては……」
C.C.「ん……」
咲世子「?!」
C.C.「すぅ……すぅ……」
咲世子(こ、この子どもは……?!)
咲世子「……!!」
咲世子(ナナリー様……まさか……ご出産を……!?)
咲世子(なるほど……昨夜に産んでしまい、どうしていいかわからず、私にこの子を託すということですね……)
咲世子(ナナリー様……分かりました)ギュッ
C.C.「な、なんだ……?だれだぁ?」
咲世子「私が……立派なお嬢様にします」
C.C.「はぁ?」
咲世子「ルルーシュ様に見つからないようにしなければなりませんね」ゴソゴソ
C.C.「おい、何をする。その大きな袋はなんだ?」
ルルーシュ「なんだ?」
ナナリー「そこにいるのは本当にC.C.さんなのですか?」
C.C.「そうだぞ」
ルルーシュ「どうしたんだ、ナナリー?」
ナナリー「いえ……」
C.C.「まあ、少し縮んだがな」
ルルーシュ「こら、そういうことを言うな」
ナナリー「……」
咲世子「よっと」
ルルーシュ「咲世子、なんだその大きな袋は?」
咲世子「ナナリー様のベッドが大変汚れていましたので、捨ててきます」
ルルーシュ「汚れ……?」
ナナリー「咲世子さん?!何を言っているのですか?!」
咲世子「ご心配なく。新品のものに取り替えておきます」
ナナリー「咲世子さん!!」
咲世子「はい?」
ナナリー「あの……えっと……」
咲世子「ご心配なく」
ナナリー「え?」
咲世子「それでは」
ルルーシュ「ああ」
ナナリー「……」
C.C.「ルルーシュ、口が汚れた」
ルルーシュ「仕方ないな」フキフキ
C.C.「んんっ……」
ナナリー「咲世子さん……」
ナナリー(C.C.さんはどうなったのですか……?)
ナナリー「そうですね」
C.C.「……」
ルルーシュ「C.C.、お前はどうする?」
C.C.「そうだな……」
ナナリー「あの、C.C.さんはお帰りになったほうが……」
ルルーシュ「しかしな……」
C.C.「分かった。帰るとしよう」
ルルーシュ「おい」
C.C.「(こっちも他の私を探したい。お前がどこにやったかは知らないがな)」
ルルーシュ「(葛藤はどうした?)」
C.C.「(言っただろ?本能が勝るとな。確かに合体したくはないが、それでも他のC.C.を探したい)」
ルルーシュ「ちぃ……」
ナナリー「あの……」
C.C.「それではな」
ルルーシュ(ミニC.C.を合体させて小学生みたいになってしまったが、面影しかない)
ルルーシュ(あの容姿ならば軍の人間に見つかっても大丈夫だろう)
ルルーシュ(それよりも今は、いなくなったC.C.が問題だな……)
「きゃー!!カレンさん、その子どうしたの?!」
ルルーシュ「ん?」
カレン「ああ……この子?」
ミニC.C.「なんだ?お前ら?」
シャーリー「ど、どうしたの?!」
カレン「……」
シャーリー「カレン?」
カレン「色々、あるの」
シャーリー「えぇ……」
リヴァル「おいおい、マジかよ?!」
スザク「カレン、父親は誰なんだい?」
カレン「父親は言えない」
シャーリー「でも、家に置いて来たほうが……」
カレン「突然、いなくなりそうで」
リヴァル「そこまでかよ……」
カレン「ね?」
ミニC.C.「あ?」
シャーリー「もしかしてカレンが休みがちだったのって……」
スザク「妊娠していたからか」
「きゃー!!そうなのー?!」
「すごーい!!!」
カレン「みんな、あまり騒がないで。この子がびっくりしちゃうから」
ミニC.C.「お前たち、うるさいぞ」
シャーリー「口わる……興奮したときのカレンにそっくり……」
カレン「な、なんでよ!?……嬉しいけど」
カレン「授業中は大人しくしててね?」
ミニC.C.「なんだと?」
カレン「みんなも協力してくれると嬉しい」
シャーリー「うんとしかいえないけど……」
ルルーシュ「……」
スザク「ルルーシュ?」
ルルーシュ「カレン」
カレン「何?」
ルルーシュ「ちょっとこい」
カレン「いいけど」
ルルーシュ「……」スタスタ
カレン「シャーリー、この子をお願い」
シャーリー「う、うん」
ミニC.C.「ピザはないのか?」
カレン「うん」
ルルーシュ「何故、つれてきた?」
カレン「あの子、昨日も目を離した隙に外に出ようとしていたから」
ルルーシュ(分裂したC.C.を本能的に探しているのか)
カレン「だから……」
ルルーシュ「自分の子どもであると公表したわけは?」
カレン「……あの子は私が育てるって決めたから」
ルルーシュ「……」
カレン「ただ預かった子なんていったら、きっとあの子を傷つけると思うの」
ルルーシュ「それでか」
カレン「あたしが立派な女の子に育てるから、だから……どんなときでもあたしは母親でいたい」
ルルーシュ「お前……」
カレン「だから、なんと言われようともあたしは、あの子を育てるつもり」
ルルーシュ(説得は無理か……)
ミニC.C.「めつぶし」ブスッ
シャーリー「いったぁぁい!!!!」
ミニC.C.「無様だなぁ」
シャーリー「な、何この子ぉ……」
スザク「シャーリーのことが嫌いなのかもしれないね」
シャーリー「そうなの?!」
ミニC.C.「ああ」
シャーリー「……」
リヴァル「よくいるよな。子どもには嫌われるやつ」
シャーリー「なによぉ!!」
スザク「しかし……」
ミニC.C.「なんだ?」
スザク「どこかで見たことがあるような気がする……」
シャーリー「そうなの?」
ミニC.C.「……」
カレン「いい子にしてた?」
ミニC.C.「ああ」
カレン「よしよし」ギュッ
ミニC.C.「離せ」
シャーリー「カレン、大変なら言ってね。協力するから」
カレン「ありがとう」
ルルーシュ「……」
リヴァル「ルルーシュ、カレンと何を話したんだ?」
ルルーシュ「ちょっとな。生徒会のこととか」
スザク「うーん……どこだったかな……」
カレン「じゃあ、そろそろ授業が始めるから。大人しくしててね?」
ミニC.C.「断る」
カレン「ふふ、そういうこと言わないの」
ミレイ「カレンの子ども?!」
ミニC.C.「違うぞ」
ミレイ「違うの?!」
カレン「いえ。私の子どもです」
スザク「授業中、大変だったね」
シャーリー「うん……」
リヴァル「いきなり机をバンバンたたきだしてピザを連呼するんだもんな」
ミレイ「カレン……家に置いていた方がいいんじゃない?」
カレン「そういうわけにも……」
ミレイ「そうなんだ……」
ニーナ「可愛いね」
ミニC.C.「気安いなお前。触るな」
ニーナ「!?」
ルルーシュ(このままでは今外にいるC.C.の耳にまで入りそうだな。もしカレンのC.C.と合体すれば、中学生ぐらいのC.C.になるのか……くそっ!!)
中学生くらいが1番いいだろ
スザク「理事長に口添えを?」
ミレイ「うん。ここで理事長の孫である力をフルに使わないとね」
スザク「流石、会長」
ミレイ「ふふーん。カレン、辛いことがあったら言ってね?」
カレン「はい」
ミニC.C.「ピザピザピザピザ」バンバン
シャーリー「もうダメでしょ!?」
リヴァル「わかった、わかった。何ピザがいいんだ?」
ミニC.C.「デラックスだ。Lサイズで3枚」
リヴァル「食えるのかよ……」
カレン「ごめんね」
リヴァル「いいけど」
ミレイ「父親は?」
カレン「言えません」
咲世子「いいお天気ですね」
幼C.C.「そうだな」
咲世子「貴方の母親である、ナナリー様とはできるだけ会えるように配慮はします」
幼C.C.「なんだと?」
咲世子「ですから、どうか卑屈にならないように」
幼C.C.「あのなぁ」
C.C.「―――見つけた」
咲世子「え?」
幼C.C.「おお!」
C.C.「このままでは皆がルルーシュの毒牙にかかる。合体するぞ」
幼C.C.「気が合うな。私もそれがいいと思い始めていた」
咲世子「……」ザッ
C.C.「なんだ、お前は?」
咲世子「貴方が誰なのかはわかりませんが、ナナリー様のご息女に危害を加えるというのなら、容赦はしません」
ミレイ「私はミレイお姉さんよ?」
ミニC.C.「ババアで十分だな」
ミレイ「なっ?!」
ニーナ「この子、怖い……」
カレン「ごめんなさい。人見知りするみたいで」
ミニC.C.「してないが?」
カレン「よしよし」ナデナデ
ミニC.C.「やめろ」
スザク「あ!!」
ルルーシュ「どうした?」
スザク「ルルーシュ!!この子、君の子どもじゃないのか?!」
ルルーシュ「!?」
シャーリー「え!?どういうこと?!」
ルルーシュ「スザァク!!何をいきなり言い出すんだ!?」
ミレイ「スザク、どういう意味?」
リヴァル「ちゃんと教えろ!!」
スザク「詳しくは言えないけど、僕はこの子にそっくりな女の子を見たことがあります」
シャーリー「そ、それで!?」
スザク「そのときルルーシュもいました」
ルルーシュ「!?」
カレン「え?え?」
スザク「ルルーシュ、君はあのあと……あの女の子を孕ませ―――」
ルルーシュ「あれからまだ数ヶ月だぞ!!!何を言っている!!!」
スザク「でも、それしか考えられない。彼女は特別な人で、もしかしたら早期出産をすることだってできたかもしれない!!」
ルルーシュ「おい!!」
カレン「待って!!それはないから!!」
スザク「どうして?」
カレン「だって……あの……その……」
ミレイ「え?」
ミニC.C.「枢木スザクが言っていることは半分正解だ」
シャーリー「どこが正解!?ルルーシュが父親ってところ?!」
ミニC.C.「いや、特別な人というところだ」
リヴァル「特別ってどういう意味なんだ?」
ミニC.C.「それは私が不老不―――」
ルルーシュ「余計なことは言うな!!」
シャーリー「……ルル?」
ルルーシュ(しまった……!!)
ミレイ「ルルーシュ……もしかして……」
スザク「やっぱり……君は子どもを押し付けられて、カレンに……」
シャーリー「サイテー……」
ルルーシュ「違う!!スザク!!妄言は控えろ!!」
カレン「そうよ!!ルルーシュの子どもじゃない!!説明はできないけど、とにかく違うの!!私の子どもなの!!」
スザク「カレン、それはもう庇っているだけにしか見えないよ?」
カレン「なんで……?!」
ミニC.C.「ああ、もう面倒だな」
ルルーシュ「お前……?!」
ミニC.C.「もういいじゃないか。不毛な議論をして時間を消費するぐらいなら、認めてしまえ」
ニーナ「認めるって……?」
ミニC.C.「私のパパはルルーシュで、ママはカレンだ」
ルルーシュ「おまえぇぇぇ!!!」
カレン「何言ってるの!?」
シャーリー「うわぁぁぁ!!」
リヴァル「シャーリー!!落ち着けって!」
スザク「ルルーシュ!!学生の身分で何をやっているんだ!!!君は!!!」
ルルーシュ「スザク!!貴様はこの子どもの戯言を信用するのか!?」
スザク「疑うべきところはあるかもしれないけど、子どもがそういう以上はそういうことになる」
カレン「違う!!違うの!!」
シャーリー「ルルが……ルルがぁ……」
リヴァル「ルルーシュ!!最近、付き合いが悪かったのはこれが原因だったのかよ?!」
ルルーシュ「バカをいうな?!」
ニーナ「あの……流石にこれは問題になると思いますけど……」
ルルーシュ「ニーナ!!」
スザク「ルルーシュ、見損なったよ……」
ルルーシュ「スザァァク!!!」
ミニC.C.「ママ、早く乳をよこせ」
カレン「もうそんな歳じゃないでしょ!?」
ミニC.C.「お前のミルクでチーズを作れ。そしてそれをピザに使え」
カレン「何バカなこと言ってるの!?」
ルルーシュ(まずい……事態が大きくなるばかりか……どうする……どうしたら……!!)
ミニC.C.(早く分裂した私をよこさないから、こうなるんだよ)
ナナリー(咲世子さんが迎えにきてくれないから、生徒会室が遠く感じますね)ウィィィン
咲世子「ナナリー様!!!」
ナナリー「はい?」
咲世子「ここに居たのですね」
ナナリー「咲世子さん?どうしたのですか?」
咲世子「この子を一時的にお返しします」
ナナリー「え?」
幼C.C.「よう」
ナナリー「えっと……」サワサワ
幼C.C.「お尻を触るな」
ナナリー「C.C.さん?」
幼C.C.「ナナリーからもなんとか言ってくれ。この女が勘違いをしていて困っている」
咲世子「では、ナナリー様!!後ほど!!」ダダダッ
ナナリー「あ、咲世子さん!!」
ルルーシュ「邪推はやめろ!!そんな事実はない!!」
カレン「そうよ!!」
ミレイ「でも、この子が認めたら……私たちが信じても……」
ルルーシュ「それは……」
スザク「ルルーシュ、カレンが可哀相じゃないのか?」
ルルーシュ「なんだと……?」
スザク「育てるんだ。君がこの子を。養うんだ。君がカレンを」
ルルーシュ「もうやめろぉ!!」
ナナリー「すいません、遅くなりました」
ミレイ「ナナリー?!」
ルルーシュ「ナナリー」
ナナリー「みなさん、どうかされましたか?」
幼C.C.「ここはいつも騒がしいみたいだな」
リヴァル「ナナリー!!その隣にいる子だれだよ!?」
ナナリー「あの……この人は……」
ミニC.C.「む」
幼C.C.「ここにいたのか」
スザク「姉妹かい?」
ミニC.C.「そう思ってくれても構わない」
シャーリー「じゃあ……ルルって2児のパパ……!?」
ルルーシュ「だから、どうしてそうなる?!」
カレン(あれって……C.C.?え……じゃあ……この子って……)
カレン「まさか……」
幼C.C.「よかった、どこに行ったのかと心配していた。もう今は葛藤も何もないな。早く合体だ」
ミニC.C.「そうだな」
ルルーシュ「待て!!」ガシッ
ミニC.C.「なんだ?!離せ!!」
ルルーシュ「(バカか!!ここでそんな不思議現象を起こすな!!どう説明するつもりだ!!)」
ルルーシュ「ぐっ……?!」
ミレイ「えっと……姉妹ってことは、カレンが産んだの?」
カレン「違います!!」
シャーリー「カレン……いつ、どこで……?」
カレン「違うから!!」
リヴァル「ルルーシュってやっぱり、やることやってたんだな……」
スザク「ルルーシュ、いい加減に認めるんだ。そしていい父親として―――」
ルルーシュ「スザク!!もう喋るな!!」
ニーナ「まって」
ミレイ「ニーナ?」
ニーナ「カレンの子はカレンが抱いている子どもだけだと思います」
シャーリー「どうして?」
ニーナ「だって、学校につれて来る位愛してるんですよ?そんな人が片方を置き去りにするなんて、思えないから」
リヴァル「確かに……じゃあ……」
ナナリー「は、はい?」
ニーナ「ナナリーの傍にいる子は……誰の子?」
ナナリー「知りません」
ミレイ「知らないって、可笑しいでしょ?じゃあ、なんで一緒にいるのよ」
ナナリー「えーと……」
咲世子「―――それは私がお答えします」
シャーリー「咲世子さん!?」
ナナリー「咲世子さん、一体今までどこにいらしたのですか?」
咲世子「ナナリー様のご息女の命を狙うものが現れたので、排除しておりました」
ナナリー「……え?」
咲世子「もう心配いりません」
ミレイ「ちょっと、今、なんていったの?」
咲世子「ですから、ナナリー様のご息女の命を―――」
スザク「ナナリーの息女って……誰です、か……?」
咲世子「すいません!!これはやはり秘密でしたか!?」
ナナリー「え?!」
幼C.C.「おやおや」
ミニC.C.「修羅場はまだ収まらないか」
シャーリー「その子、ナナちゃんの子ども!?」
咲世子「え、ええ……」
ミレイ「……」
スザク「……」
リヴァル「……ルルーシュ?」
ルルーシュ「なんだ?」
ミレイ「まさか……とは……思うけど……」
ルルーシュ「え……?」
幼C.C.「バレてしまったか。そうだ。私は禁断の愛の末に生まれた、呪われし子どもだ」
スザク「ルルーシュゥゥゥゥゥゥ!!!!!」
| |
ミニCC 幼CC
C.C.「容赦なく私を串刺しにして……」
C.C.「また分裂するところだったぞ……全く」
C.C.「もう面倒だ……さっさと合体しないと……ルルーシュにも……」
スザク「君はどこまで堕ちるんだ!!!」
C.C.「あの声は……」
ルルーシュ「まて、スザク!!これは冗談だ!!この子は冗談が―――」
幼C.C.「嫌いだ」
ルルーシュ「きさまぁぁぁぁ!!!」
幼C.C.「(私を殺しておいてよくいう)」
ルルーシュ「くそ……!!」
ミニC.C.「(苦しむがいい……ふふっ)」
ルルーシュ「おのれぇぇぇ……!!」
C.C.「やっと見つけた」
シャーリー「また増えた!?次は誰の子どもなのルル!!!私!?」
ミレイ「何言ってるの!?」
C.C.「……なにがあった?」
ルルーシュ「お前の分身がいらないことをベラベラと喋るから状況が混沌としている。どうにかしろ!!」
C.C.「小さい私を見たいとかいうからだ。自業自得だな」
ルルーシュ「あのなぁ……!!」
C.C.「謝れ」
ルルーシュ「なに!?」
C.C.「きちんと謝ればこの場を丸く収めてやる」
ルルーシュ「……」
スザク「ルルーシュ!!」
リヴァル「ルルーシュ……」
ミレイ「それ、私の子どもじゃないわよね……?」
シャーリー「ルル!!私を使って勝手に産ませてないよね!?」
カレン「……」
C.C.「簡単に収まる。だが、お前の謝罪が先だな」
ルルーシュ「ぐっ……!!」
スザク「向き合うんだ!!ルルーシュ!!自分自身の罪に!!」
リヴァル「羨ましいぞ……このやろう……!!」
ニーナ「ルルーシュ……あの……私を使ってないよね……?」
ミレイ「まあ、あの……元々、そういう予定だったし……いいんだけどぉ……」
シャーリー「ルル!!いつなの!!私に気づかれないようにどうやって妊娠させたの!!」
咲世子「……まさか……私……」
カレン「ルルーシュ……あんた……」
ミニC.C.「大変だな」
幼C.C.「まあ、見ている分には面白い。童貞ボウヤが困る様はな」
ルルーシュ「おのれぇぇ……!!」
C.C.「早くしろ。この小学生の私に頭をさげろ」
ルルーシュ「……!!」
C.C.「額を地面につけて謝れ」
ルルーシュ「くっ……」
C.C.「どうした?やらないのか?なら、私のママは……あの会長あたりにやってもらうか」
ルルーシュ「やめろ!!話がこじれる!!」
C.C.「なら、早くしろ」
ルルーシュ「わかった……。―――すまなかった……C.C.……許してくれ……」
スザク「ルルーシュ!?どうして土下座なんて……?!」
ニーナ「なに?!ルルーシュ?!」
C.C.「ふふっ……いい光景だな……どうだ?小学生の女児に頭を下げる気分は?」
ルルーシュ「……」
C.C.「こんなことで許されると思っているのか?」グッ
ルルーシュ「ぐっ……!?」
シャーリー「ちょっと!!どうしてルルの頭を踏むの!?貴方のお父さんでしょ!!?」
スザク「ルルーシュ……なんて……羨ましい……」
踏まれるまでが習慣かもしれん
ルルの頭踏むし
ルルーシュ「ぐぅぅ……!!」
C.C.「もっと頭を下げろ」グリグリ
スザク「ルルーシュ……やっぱり君は……許せない……!!!」
リヴァル「スザク?!」
C.C.「無様。変態。異常性癖。醜悪。下劣」グリグリ
ルルーシュ「く……!!」
C.C.「童貞。包茎。鈍感。ロリコン。シスコン」グリグリ
ルルーシュ「うぅ……もうゆるしてくれ……たのむ……」
C.C.「そうだな……そろそろ……」
スザク「ルルーシュゥゥゥ!!!!」
ルルーシュ「なに!?」
C.C.「なんだ?」グリグリ
スザク「もういい……君は……どうやらこの7年で悪魔に成り果てたみたいだな……」
ルルーシュ「何を……言っている……?」
スザク「どれだけ君は幸せなんだ!!!」
リヴァル「おい、スザク!ルルーシュだってなんかわけがあって」
スザク「理由があっても、彼の行いは断罪されるべきだ!!」
シャーリー「そうだけど……あの子の母親が誰なのかはっきりさせてからでも遅くないと思う!!」
ミレイ「そうね……もうここまできたらトコトン追求をするべきか」
ルルーシュ「おい、C.C.……もういいだろ。なんとかしろ」
C.C.「そうだな……」グリグリ
スザク「また……!!ルルーシュ!!今すぐ、僕とかわるんだ!!君は間違っている!!」
C.C.「黙れ、虫ケラ」
スザク「……!!」
C.C.「耳が腐る。喚くな」
スザク「……もっと言ってください」
C.C.「良く聞け。私の親はこの場にはいない」
ミレイ「え……?」
だめだこいつ
ニーナ「よかった……」
C.C.「ついでにいうと、私とどこか似ている二人の少女も同じだ。母親も父親もこの場にはいない」
カレン「……」
咲世子「では……ナナリー様のご息女ではなかったのですね?」
C.C.「ああ。そもそも、あのベッドで出産なんてしてみろ、シーツが色んなもので汚れるはずだろ?」
咲世子「あ……」
C.C.「それにナナリーが出産したとして、推定4、5歳の子どもがいるのは変だとは思わないのか?」
ニーナ「そうですよ……。ナナリーが出産したの……10歳でってことに……」
スザク「鬼畜だな……ルルーシュ」
ルルーシュ「まて!!お前はバカか?!」
C.C.「妊娠できたとして、まず母体が無事で済むわけがない」
スザク「まさか……ナナリーが立てなくなったのも、光を失ったのも……!!」
ナナリー「スザクさん!!スザクさんに会う前から私は不自由でした!!」
C.C.「そういうことだ。ナナリーが母親である可能性はない。わかったな?」
シャーリー「中等部で産んだなら……計算が……」
C.C.「確かに否定するには証拠が不十分だな」
リヴァル「じゃあ、この子は……?」
C.C.「しかし、考えてみろ。今日、急に学校につれてきたのだろう?」
ニーナ「う、うん」
C.C.「そこまでの覚悟がある奴が、何故今まで隠していたのか?」
ミレイ「そうよね……もっと以前に連れてきていてもおかしくない」
シャーリー「でも、家庭の事情とかで隠していて……で、それが無理になったから開き直ったとか……」
C.C.「生後間もない者を隠すことは難しい。そして隠せるなら、わざわざ学校に連れて来たりはしない」
C.C.「カレンが抱いている子は昨日今日カレンの傍にやってきたと考えたほうが自然だ」
スザク「じゃあ、やっぱりルルーシュがカレンにおしつけて……?!」
C.C.「そうだな……そいうこともあるだろう。だが、そうなると問題は誰の子か、ということだ」
シャーリー「……私?」
C.C.「お前、妊娠した覚えでもあるのか?」
ミレイ「私……かなぁ……」
C.C.「出産の経験はあるのか?」
ミレイ「ないです」
ニーナ「……」ソワソワ
咲世子「……」モジモジ
C.C.「お前らもないだろ?」
ニーナ「……なかった」
咲世子「そういえば、ありません」
スザク「……」
C.C.「何を考えている?」
スザク「昔、男が妊娠する映画を見たことが―――」
ルルーシュ「スザァク!!!もう黙れ!!!」
C.C.「ま、少なくともこの中にはいない。そういうことだ」
カレン「ねえ……ちょっといい?」
カレン「この子は……どうなるの?」
シャーリー「え?」
カレン「ううん……どうするの?」
C.C.「返してもらおう。私の大事な姉妹だからな」
カレン「やっぱり……そういうこと……」
ルルーシュ「なにがいいたい……?」
カレン「あの……ルルーシュとあたしとこの子たちだけにしてくれない?」
ミレイ「どうして?」
シャーリー「なんで?!」
カレン「お願い」
スザク「夫婦で相談するんだね?」
カレン「違うから」
ミレイ「わかったわ。なんか深刻そうだし……みんな出ましょう」
リヴァル「ルルーシュ!!あとできかせてくれよ!!」
幼C.C.「いいな」
カレン「ルルーシュ……」
ルルーシュ「……」
カレン「ゼロでしょ?」
ルルーシュ「……」
カレン「答えて」
C.C.「まあ、こうなるな」
ルルーシュ「……ああ。そうだ。俺がゼロだ……」
カレン「この子はC.C.とあんたの間に生まれた子どもなんでしょ?」
ルルーシュ「……え?」
カレン「離婚したいけど……黒の騎士団だから下手に別れることも出来ない……だから、私にC.C.を殺せって言った。違う?」
ルルーシュ「違う」
カレン「いい訳はいい。聞きたくない」
ルルーシュ「違うぞ!!カレン!!」
ルルーシュ「違うな。間違っているぞ。カレン」
カレン「C.C.が小さくなったなんて嘘吐いて……ルルーシュ……最低だよ……」
ルルーシュ「まて!!カレン!!」
カレン「あたしがバカみたい……ルルーシュとC.C.の娘を……大事に育てようとしていたなんて……!!」
ルルーシュ「話をきけ!!」
カレン「聞きたくない!!」
C.C.「まて、カレン。全てを話そう」
カレン「ルルーシュとC.C.の惚気話なんて聞きたくないっ!!」
ルルーシュ「惚気?!」
C.C.「聞き分けのない奴だな。面倒なやつは大嫌いだ」
カレン「だって……どうやって妊娠したとか……説明するんでしょ……?」
ルルーシュ「するか」
C.C.「あのな……」
カレン「酷い……酷い……!!みんなを騙してたんだ!!」
ミニC.C.「なんだ?」
幼C.C.「いや、聞くだけ野暮か。合体だろ?」
C.C.「早くしろ」
ミニC.C.「わかった」
カレン「え?」
幼C.C.「一つになるぞ……」ギュッ
ミニC.C.「Cの世界でな……」ギュッ
カレン「なに……?何を……!?」
ロリC.C.「―――ふう。一つになれた」
ルルーシュ「来たか……!!」
カレン「ど、どういうこと?!」
C.C.「あとは私とそいつが合体すれば、元のC.C.になる」
カレン「は?!」
C.C.「ただC.C.という存在が一時的に分裂していただけなんだよ、カレン。だから、誰の子どもでもない。強いて言うなら私が一人で産んだようなものだ」
ロリC.C.「やめろ。ルルーシュ。離せ」
カレン「……」
C.C.「私は死なない。いや、死ねないんだ」
カレン「死ねない?」
C.C.「そういう体なんだ」
カレン「わけわかんない……けど……」
C.C.「人ではない。そう理解してくれれば結構だ」
カレン「……」
C.C.「とにかく、お前が想像しているようなことは一切ないよ」
カレン「ゼロ……ルルーシュと……子作りしたわけじゃない?」
C.C.「ああ」
カレン「恋人……でもない?」
C.C.「違う」
カレン「……」
ルルーシュは何をしているんだ
C.C.「そう言われると反論をしたくなるのは何故かな?」
ルルーシュ「黙っていろ」
カレン「……」
ルルーシュ「俺がどうしてブリタニアと戦っているのかは後々ゆっくり話そう。ただ、今は信じてくれとしかいえない」
カレン「ルルーシュ……」
ルルーシュ「カレン……」ギュゥゥゥ
ロリC.C.「ルルーシュ、苦しいと言っている」
カレン「……もう一度、信じてみる」
ルルーシュ「そうか……ありがとう」
カレン「ゼロは……ゼロだからね……あんたじゃない……」
C.C.「そう思えるなら強いな。見直したよ」
カレン「ふん……」
C.C.「さて、合体といこうか」
ロリC.C.「……断る」
ルルーシュ「何を言ってる?これ以上、話を拗らせる気か?!」ギュゥゥ
ロリC.C.「ルルーシュが私を手放さないというのもあるが……それ以前に、まだ私は消えたくない」
C.C.「な……?!」
ロリC.C.「当然だろ?私は今、生まれたばかりだからな」
C.C.「この……!!」
カレン「でも、どっちにしろ今元に戻るはやめたほうがいいかも」
ルルーシュ「そうだな。外にはスザクがいる。得策ではない」
C.C.「では、どうする?このままというわけにも……」
ルルーシュ「まずは生徒会室から出る方法を考えるべきだ」
カレン「どうする?」
ロリC.C.「簡単だろ?」
ルルーシュ「なんだと?」ギュゥゥ
ロリC.C.「外にいるものを散らせばいいだけの話なんだからな。あとルルーシュ、離せ」
C.C.「散らすと言っても……まさか……」
離してから言えwww
ミレイ「大丈夫かしら……」
ニーナ「心配だね」
シャーリー「ルル……」
リヴァル「やっぱり、突撃してみるべきじゃ」
スザク「ああ。少女が3人もいる密室空間なんてこのご時勢じゃあまりないし」
ミレイ「よーし」
ガチャ
シャーリー「え?!」
カレン「……ルルーシュなんて嫌い!!離婚よ!!!」
リヴァル「はぁ!?」
ロリC.C.「行こう、ママ」
ニーナ「ママ?!」
カレン「うわぁぁん」ダダダッ!!!
ミレイ「カレン!!ちょっと待ちなさい!!」
リヴァル「なんかまずいんじゃないの?!」
スザク「ルルーシュ?!」
リヴァル「あれ、いないぞ?」
スザク「窓が開いている!!あそこから逃げたんだ!!」ダダダッ
リヴァル「おい!!スザク!!やめろ!!ここ何階だと思ってんだ!!」
スザク「ルルーシュゥゥゥゥゥ!!!!!」バッ!!!
リヴァル「スザクゥゥ!!」
リヴァル「―――すげえ……そのまま走っていきやがった。俺もこうしちゃいられない!!ルルーシュを追わなきゃ!!」
ルルーシュ「……よし。いったな」ギュゥゥ
C.C.「こんな罠に引っ掛かるとはな」
ルルーシュ「スザクだからな」
C.C.「ところで、もう離せ」
ルルーシュ「このまま帰る」ギュゥゥ
C.C.「あのなぁ……」
C.C.「やめろ」ググッ
ナナリー「お兄様」
ルルーシュ「ナナリー?!」
C.C.「おお」
ナナリー「……一体、C.C.さんはどうして小さくなったのですか?」
ルルーシュ「お前……」
ナナリー「昨夜、私のベッドに入ってきたC.C.さんも今、恐らくお兄様が抱いているC.C.さんも同じ人としか思えません」
咲世子「ルルーシュ様……」
ルルーシュ「……」
ナナリー「教えてください……お兄様……」
C.C.「ナナリー……私の話は荒唐無稽だ。信じられるか?」
ナナリー「それでも聞きたいです」
C.C.「いいな、ルルーシュ?私の体の秘密を教えても」
ルルーシュ「仕方ないな……いいだろう」
ナナリー「―――C.C.さん……そんな体質なのですね」
C.C.「信じてくれるのか?」
ナナリー「はい。C.C.さんの声に嘘はないようですから」
C.C.「そうか」
ルルーシュ「悪いな、ナナリー。まさか信じてくれるとは思ってなかった」
ナナリー「そんなことありません。でも、ご自宅がないというのは……」
C.C.「身寄りはない。天涯孤独の身だ」
ナナリー「そうですか……あの、よろしければここで一緒に住んでみては如何ですか?」
ルルーシュ「ナナリー?!」
ナナリー「何度かC.C.さんをお泊りさせているの……知っていますよ?」
ルルーシュ「ぐっ……」
C.C.「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかな」
ナナリー「はい!」
咲世子「では、C.C.様のベッドを用意しないといけませんね」
ミレイ「カレン!!」
シャーリー「カレン!!」
カレン「みんな……」
ニーナ「説明……してくれますよね?」
カレン「うん……」
シャーリー「離婚ってどういうこと……?」
カレン「実は……この子は私の子どもじゃないの」
ミレイ「それはさっき知ったけど……じゃあ、誰の子?」
カレン「孤児です」
ニーナ「孤児……?!」
カレン「あたしのことを一日でも早く、母親だと思ってくれるように……私は……」
ミレイ「どうでもいいけど、なんかこの子、大きくなってない?」
ロリC.C.「なってないが?」
カレン「大きくなんて……まあ、成長期ですから……」
カレン「ルルーシュに相談したんです……どうすればいいかを。ナナリーがいるから、参考になるかなって思って」
ミレイ「そう……」
カレン「でも、ルルーシュに相談しようと思っている内に……あんな騒ぎに……」
シャーリー「そうだったの……ごめんね」
カレン「ううん。いいの」
ミレイ「それで?相談、したんでしょ?」
カレン「ルルーシュは……親に全部言えって……言って……」
ニーナ「ルルーシュが……?」
カレン「でも、そんなこと言ったら、きっと家庭はむちゃくちゃになって……最悪……離婚してしまう……」
ミレイ「それで離婚よって叫んだわけね……。で、この子、背が伸びてるわよね?」
ロリC.C.「お前の目は節穴だな」
ミレイ「?!」
カレン「成長期……ですから……。それで、あの……納得してくれた?」
シャーリー「まあ……うん……なんとなく」
ミレイ「そうよ!!みんなで応援するって!!」
カレン「ありがとうございます……」
シャーリー「ルルとは何もないんだよね?」
カレン「……うん」
シャーリー「……」
ミレイ「怖い顔しないの」
シャーリー「でも……」
ミレイ「いいじゃないの。この子はルルーシュの子どもじゃないんだし」
シャーリー「そういうことじゃありません!!」
ニーナ「これからは私たちでフォローしますから」
カレン「ありがとう」
ロリC.C.「すまないな」
ミレイ「……」
ロリC.C.「見つめるな。恥ずかしいだろう」
ルルーシュ「カレン……」ギュゥゥ
C.C.「離せ」
カレン「ルルーシュ」
ロリC.C.「そっちは楽しそうだな」
C.C.「なら、代われ」
ロリC.C.「断る」
ルルーシュ「なんとか落ち着いたか」
カレン「うん」
ルルーシュ「……黒の騎士団は?」
カレン「続けるよ……勿論」
C.C.「おい、ルルーシュ。ピザだ」
ロリC.C.「カレン、ピザはどうした?」
ルルーシュ「はいはい」
カレン「ちょっと待ってね」
ルルーシュ「こら、口の周りが汚れているぞ」
C.C.「ふけ」
ルルーシュ「全く。カレン。拭くものを」
カレン「はい」
ルルーシュ「ありがとう。ほら、じっとしていろ」
C.C.「んんっ」
カレン「あなたも汚れてる」
ロリC.C.「んーっ」
カレン「はい、綺麗になった」
ルルーシュ「可愛いやつだな……」ギュゥゥゥ
C.C.「離せ」
カレン「よっと……ふふっ」ギュゥゥ
ロリC.C.「よせ、食べにくいだろ」
シャーリー「私……どうしたら……いいのかな……」
ゼロ「では、今後はこのスケジュールで進めろ」
扇「ああ……」
カレン「ゼロー」
ロリC.C.「何をしている。早くしろ」
ゼロ「分かった。いくぞ」
C.C.「はいはい」
カレン「ゼロ、あとででいいんですけど……この件について意見を」
ゼロ「ああ、そうだったな」
C.C.「ゼロ、何か飲み物はないのか?」
ロリC.C.「カレン、私は眠い」
ゼロ「ええい!!大人しくできないのか?!」
カレン「はいはい。だっこしてあげるから」ギュッ
玉城「ゼロとカレンって……」
扇「そういうこともある。気にするな」
ルルーシュ「C.C.?合体はしないのか?」ギュゥゥ
C.C.「私はしたいな」
カレン「貴方も?」
ロリC.C.「まだこのままで居たいかな」
カレン「だって、ルルーシュ」
ルルーシュ「ちっ……」
C.C.「なんだ?元の私が恋しくなったのか?」
ルルーシュ「いや……むしろこっちのほうが俺好みだ」
カレン「ルルーシュってさぁ」
ロリC.C.「変態だな」
ルルーシュ「違う!!元のC.C.より可愛げがあるということだ!!」
C.C.「こんな体でも生意気なお尻だがな」プリンッ
ルルーシュ「……ほう」
カレン「もう……たまには……あたしのほうを見てくれても……いいのに……」
スザク(結局……ルルーシュは羨ましい……生活を送っているみたいだな……はぁ……)
ナナリー「スザクさん?」
スザク「ナナリー……そうだ!!」
ナナリー「なんですか?」
スザク「ナナリー……僕を罵ってくれないか?」
ナナリー「ど、どうしてですか?」
スザク「お願いだ……一度だけでいいから……」
ナナリー「……気持ち悪い」
スザク「もっと、汚いものを浴びせるように!!」
ナナリー「ゴミ虫……息をしないでください……酸素が勿体無いですから」
スザク「……ナナリー……また、頼んでいいかな……?」
ナナリー「スザクさん……本当に気持ち悪いですから……もう話しかけないでください……」ウィィィン
スザク「ナナリー!!お願いだ!!」ダダダッ!!
ナナリー「いやぁ!!!」ウィィィン!!!!
おしまい。
最後の最後でドSリー誕生か…
Entry ⇒ 2012.07.24 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
美希「ほしいみき、5さいなの」
P「美希が幼女になってしまった・・・」
美希「zzz・・・」
P「くっそかわいいな・・・俺にロリコンの気はないがロリコンの気持ちがわかる気がする・・・」
P「しかし・・・これはいかん・・・いかんですよぉ!誰かが来る前に何とかしなくては・・・!」
小鳥「♪あなたを~あ~いしてたはぁ~♪」ガチャ
小鳥「あれ?プロデューサーさん、なにやってるんですか?ってその子供・・・!」
P「しまった!南無三!」
「ええ、きっとそうに違いないわ!」
「たぶん一夜の過ちをおかしたプロデューサーさんはその子供を認知しようとせず相手の女性が怒ってプロデューサーさんにその子供を預けて失踪を・・・」ブツブツ
P「話があらぬ方向にぶっ飛んでいる・・・小鳥さん、違いますよ!この子は美希なんですよ!美希が小さくなっちゃったんです!」
小鳥「えぇ!美希ちゃんが!?そんな東の高校生探偵みたいなことがありえるんですか!?」
P「俺も信じられないんですが、現実に目の前で起きてるんですよ・・・」
小鳥「たしかに、このアホ毛とか美希ちゃんそっくりですね。けど、何でこんなことになっちゃってるんですか?」
P「俺も現場を見たわけじゃないんで詳しくはわからないんですが、状況証拠から考えておそらく・・・」
P「よし・・・やっと届いたか。北米のAma○onで購入したアポトキシン961!」
P「これがあれば、俺も子供化して765プロのみんなにちやほやされて・・・ククク、笑いが止まらんな!」
P「これが説明書か。え~となになに?」
『注射器に抵抗感がある方でも安心して摂取していただけるよう、いちごババロア風にアレンジしてみました。』
P「企業努力ってやつ?関心関心。あと、摂取後は急激に眠くなるらしいな。まぁソファの上で食べれば大丈夫か。」
P「さて、これを食べれば俺も晴れて体は子供、頭脳は大人に・・・!」
小鳥「プロデューサーさん、ちょっといいですか~?」
P「くっ、こんなときに・・・まぁいい。ヤングライフは逃げないからな!小鳥さん、今行きますよ!」タッタッタッ
ガチャ
美希「やっぱり社長に付き合って、徹夜でガンダム見るなんていわなければよかったの・・・
社長はククルス・ドアンの島が最高だ~なんていってたけど、あんなのただの作画崩壊したクソ回だよね」
美希「けど、ククルス・ドアンってどっかで見たことある気がするの。気のせいかな?」
美希「ってこんなところにババロアが落ちてるの!誰のかな?」キョロキョロ
美希「近くに誰もいないなら、これはきっと神様が美希にプレゼントしてくれたものに違いないの!というわけで、いただきますなの~!」
美希「・・・ん~、すっごくおいしいの!やっぱりいちごババロアは人類の生み出した文化の極みだよね~!」
美希「ごちそうさまでしたなの!さて、誰か来るまでお昼寝・・・ってなんか・・・急・・・に・・・眠・・・zzz」
小鳥「・・・ちょっとドン引きしていただけです。ところでどうするんですか?美希ちゃんこのままってわけにはいかないですし、この薬の効果時間って・・・」
美希「んぅ~・・・うるさいの・・・」ムクリ
P「あ、美希が起きましたよ。起きてもくそかわいいな。ロ○きゅーぶなんて目じゃないな!もっ○んの50000倍くらいかわいいぞ!」
小鳥「ロリコンの気はないとか言っておきながら意外と詳しいんですね・・・美希ちゃん?大丈夫?」
美希「ん~・・・おにいちゃんとおねえちゃんはだれなの?どうしてみきのなまえをしってるの?」
小鳥「ロリコンは黙っててください。美希ちゃん、本当に私たちのことがわからないの?」
美希「うん、ぜんぜんわからないの。ここはどこ?みきどうしてこんなところにいるの?」
小鳥「まさか本当に記憶がないんじゃ・・・」
P「ハハハ、そんなはずないじゃないですか。説明書にはこれっぽっちもそんなこと・・・」
P「・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
P「ひどい言われようですね・・・これ、これを読んでください!」
小鳥「え~と・・・」
『注意事項・ごく稀に体が小さくなった際、記憶、および意識が退行してしまう副作用が出る場合がございますが、身体への害はございません』
小鳥「・・・ってえぇぇぇぇぇぇ!」
P「そうですよ!美希の精神まで幼児化しちゃったんですよ!」
P「さて、みんな出社してきたようだな。ちょっと集まってくれ」
春香「どうしたんですかプロデューサーさん、朝にみんなを集めるなんて珍しいですね。」
伊織「竜宮小町の私たちまで集めるなんて、いったい何の話よ?」
P「実は・・・これをみてくれ、こいつをどう思う?」
美希「わぁ、かわいいおねえちゃんたちがいっぱいなの~」
真「うわぁ~かわいいなぁ!プロデューサー、この子どうしたんですか?親戚から預かったとか、もしかしてプロデューサーの子供とか!?」
雪歩「あれ?けどこの子、どっかでみたことあるような・・・」
P「実はこの子は、美希なんだ!」
P「さぁ美希、自己紹介するんだ」
美希「うん。ほしいみき、5さいなの」
やよい「本当に美希さんなんですか?なんかマンガみたいです」
千早「そんな非現実的なこと信じるわけないじゃないですか。プロデューサー、冗談がすぎます」
律子「そうですよ。大方プロデューサーが私達をだますために仕込んだんでしょう?」
亜美「けどけど、アホ毛とか顔立ちとかはミキミキにそっくりだよね~」
美希「おにぎりといちごばばろあなの~」
亜美「じゃあ、好きな人のことはなんて呼ぶの?」
美希「はにーなの」
真美「最後の質問。ミキミキの趣味は?」
美希「とりさんをかんさつすることなの」
亜美「趣味まで完璧だよ!?これってまさか本当に・・・」
P「わかりました。じつはかくかくしかじかで・・・」
アイドルたち「・・・」
P「おいおいみんな、モヒカンを見るケンシロウみたいな目で見つめないでくれよ」
響「自分、プロデューサーはちょっと変態なところがあるとは思ってたけどここまでとは思わなかったぞ・・・」
貴音「面妖な・・・」
伊織「サイッテーね」
千早「幻滅です・・・」
あずさ「けど、これからどうするんですか?美希ちゃんはずっとこのままなんですか?」
P「そんなことはありませんよ。薬の効果は一週間で切れますから」
春香「一週間ですか!?その間の美希の仕事は・・・」
小鳥「そのあたりは大丈夫よ。美希ちゃんはもともと、この一週間レッスンくらいしか予定がなかったから、芸能活動は問題ないわ」
春香「よかった。もし重要な仕事が入っていたらどうしようかと・・・」
P「春香、そんな目で見つめないでくれ。心臓が止まりそうだ」
千早「話はそれだけですか?だったら早く仕事に・・・」
律子「まだ何かあるんですか?」
P「あぁ。ひとつだけみんなにお願いがあってだな・・・この一週間、交代で美希の面倒を見てほしいんだ!」
アイドルたち「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
P「もちろんずっとってわけじゃない。俺が事務所にいるときは俺が面倒を見るし、夜は小鳥さんが面倒を見てくれる。」
P「最初は俺がずっと面倒をみようと思ってたんだが、打ち合わせとか会議とかに子供を連れて行くわけにも行かないだろう?」
P「だから、俺が美希を現場に連れて行くから、俺が会議とか打ち合わせをしている間、美希と遊んであげて欲しいんだ。
P「このかわいい美希を独占できるんだぞ!?こんなにうれしいことはないだろう!?」
小鳥「もし手伝ってくれたら、プロデューサーさんが特別ボーナスをポケットマネーから出してくれるそうよ。あと、何でもひとつわがままを聞いてくれるって」
P「ちょっ、小鳥さん、俺そんなに金もってな・・・」
小鳥「誰のせいでこうなってるのか、まだわかってないんですか?」ニコニコ
P「目が笑ってませんよ・・・わかった。特別ボーナスと何でもひとつわがままを聞いてやろう。それでなんとか引き受けてくれないか?」
伊織「はぁ!?あんたのせいでこうなったんじゃないの!?どうして私達が・・・」
春香「なんでも・・・何でもいいんですか!?どんなことでも!?」
P「さすがに死ねとかそういうのは無理だが、ひざまずいて足を舐めろくらいなら出来るぞ。」
とりあえず通報しとく
千早「えぇ!?私に話を振られても・・・」
春香「みんなも協力してあげようよ!美希は765プロの仲間だもん、みんなで面倒見てあげよう?」
雪歩「春香ちゃんがそういうなら・・・」
真「春香は言い出したら聞かないからなぁ・・・ボクも手伝うよ。」
亜美「ミキミキのお世話って、なんか新鮮で楽しそうかも。」
真美「うんうん。それに、にいちゃんがわがまま聞いてくれるって言うし、そっちも面白そうだよね」
律子「しょうがないですね。美希にはちょっと悪いことしちゃったし、手伝ってあげますよ」
響「自分も手伝うぞ!プロデューサー、わがまま聞いてくれるの、忘れないでよね!」
貴音「なんでも・・・らぁめん・・・とんこつ・・・横浜・・・」
伊織「ちょっとあんたたち!?・・・これじゃ私一人が悪者みたいじゃない!仕方ないわね・・・手伝ってあげるわよ!」
P「みんな、ありがとう!さっそくだが今日から頼む!美希、今日からお姉ちゃん達が美希と遊んでくれるぞ。お願いしますするんだ」
美希「おねえちゃんたちがみきとあそんでくれるの?やったやったやったぁ~!おねがいします、おねえちゃんたち!」
春香「任せてください!」
千早「あの・・・私は・・・」
P「よし、解散!みんな、仕事に戻ってくれ」
P「春香、千早、現場に行くぞ。美希、お姉ちゃん達と一緒にお出かけするぞ。」
美希「おねえちゃんたちとおでかけなの!いっしょにいこ?」
千早「わかったわ、わかったから、そんなに腕を引っ張らないで?」アセアセ
春香「まってよ美希~」
春香(・・・何でも・・・ムフフ)
春香「今日は楽屋で食べるためにクッキー作ってきたんだ。美希、クッキー食べる?」
美希「たべる~!」
春香「じゃあクッキー食べながら、絵本読もうか?」
美希「みきえほんだいすき!よんでよんで~?」
春香「ちょっとまってね。千早ちゃん、そこにある絵本とってくれるかな?」
千早「これね。はい春香」
春香「ありがとう」
春香「すごくないよ、子供と遊んであげるのなんて誰でもできるって」
千早「そんなことないわ。現に私なんて、朝から美希といっしょにいるのにどうやって接すればいいかわからなくて・・・」
春香「千早ちゃん緊張してるだけだって。千早ちゃんは優しいからきっと美希もすぐになついてくれると思うよ」
千早「そうかしら・・・?」
春香「うん、もっと自信もっていいと思うよ」
春香「じゃあ美希、この絵本を読んであげるね。女の子が宇宙から来る隕石をロボットで壊すお話!」
美希「とってもおもしろそうなの!」
美希「このおんなのこ、はるかおねえちゃんにそっくりなの!」
春香「そんなに似てるかな?けどリボンは同じだね。その女の子はアイドルを目指していて・・・」
美希「わくわく」
千早「・・・」ジーッ
千早(・・・小さくなった美希・・・とってもかわいい・・・高槻さんに勝るとも劣らない可愛さね・・・)
千早(あぁ、このかわいさを永久に保存しておきたい!このときばかりは機械に疎い自分自身を恨むわ!)
千早(私も美希と遊んであげたい・・・)
千早(けど・・・小さい子供の相手なんてしたこともないし、私と遊んでも美希はつまらないでしょうね・・・)
春香「・・・ちゃん、千早ちゃんってば!」
千早「っ!どうしたの、春香?」
千早「えぇ、私が!?」
春香「お願いね、千早ちゃん。すぐ戻ってくるから」タッタッタッ
千早「お願いって言われても・・・」
美希「ちはやおねえちゃん、あそぼ?」
千早(この可愛さ・・・プライスレスね!)
千早「そうね、けど何をして遊べばいいのか・・・」
美希「おねえちゃんは、なにをしてるときがいちばんたのしい?」
千早「えっと、歌を歌ってるときかしら?」
千早「私の一番好きな歌・・・わかったわ。じゃあ・・・」
千早「・・・♪泣くことならたやすいけれど~♪」
……
千早「・・・ふぅ、どうだったかしら?子供と一緒に歌うことなんてなかったから、もっと違う歌のほうが・・・」
美希「ちはやおねえちゃん、すっごいの!」パチパチ
千早「あ、ありがとう。けど、そんなにすごかった?」
美希「うん!すっごくうまかったし、うたってるときのちはやおねえちゃん、すっごくきれいだったの!」
美希「ちはやおねえちゃんのおうた、みきだいすき!」
千早「・・・美希っ!」ダキッ
美希「ちはやおねえちゃん、どうしたの?」
千早「・・・いいえ、なんでもないわ。ちょっとあふれ出るパトスを抑え切れなかっただけだから」
美希「?」
千早「もっとたくさん歌ってあげるわ!美希も一緒に歌いましょう」
美希「やったぁ~!」
春香「・・・プロデューサーさんにトイレに行くふりをして千早ちゃんと美希が遊んでいるところを撮影してくれって頼まれたけど」
春香「これはプロデューサーさんからお金とろう。そのくらい価値のあるものだと思う」
か、かわえぇええええええ
真「ねえ美希、おままごとしようか?」
美希「やるやる!ゆきほおねえちゃんもいっしょにやろう?」
雪歩「そうだね。いっしょにやろっか。」
美希「わぁいなの!」
真「とんとん。もうすぐごはんできるからね~」
美希「はーいなの」
真「ふんふんふ~ん♪」
雪歩「楽しそうだね、真ちゃん。」
真「あぁ~、こんなかわいい妹が欲しかったなぁ!こんな妹がいたら、おままごとし放題だったのに!」
雪歩「たしかに、この美希ちゃん、すっごくかわいいもんね~」
真「はい美希、ごはんできたよ~」
美希「やったぁ!いただきますなの~。ぱくぱく、う~ん、このごはんすっごくおいしいの!」
真「そう?よかったぁ~」
美希「ぱぱのつくるごはん、おいしかった!」
美希「そうなの。まことおにいちゃんはおとこのこだから、ぱぱになるんでしょ?」
真「男の子・・・ボクが男の子・・・!?確かに女の子からのファンレターが多かったり王子様って呼ばれたりするけど、ボクだって女の子なのに!アイドルなのにぃ!」
雪歩「落ち着いて真ちゃん!相手は5歳の子供だもん、真ちゃんを一目見て女の子だってわかるようなら、眼科に連れて行かなくちゃいけなくなっちゃうよ!?」
真「雪歩、なにげにひどい事いうね・・・美希、いいかい?ボクは女の子だよ?こんな格好してるけど、女の子なんだよ?」
美希「そうなの?」
真「そうだよ。アイドルとしてテレビに出たりしてるんだから。」
美希「そうなんだ・・・さっき、まことおねえちゃんのこと、おとこのこだなんていってごめんなさいなの」
美希「うぅん、わるいことをしたらあやまりなさいって、ことりおばちゃんにいわれたの。だから、ごめんなさい」
雪歩「小鳥さんに言われた事をちゃんと覚えてるなんて、えらいね美希ちゃん!けど、その小鳥おばちゃんってのは小鳥さんの前では言わないほうがいいかも・・・」
真「美希ぃ・・・今まではやるときはやるけどいつもは適当だなぁとかやる気ないなぁとか思ってたけど撤回するよ!美希はすっごくいい子だ!」
雪歩「真ちゃん、そんな風に思ってたんだ・・・」
美希「ねえ、ふたりはけんかしたりしないの?」
雪歩「え?何で?」
美希「きのう、ことりおばちゃんといっしょにみたてれびでおんなのひとがけんかしてて『この、どろぼうねこなの!』っていってたの。」
美希「どろぼうねこってなんのことなの?」
屋上いこうか
雪歩「そ、そうだよ!それにその言葉はあんまりいい言葉じゃないからお外では使わないようにしたほうがいいよ美希ちゃん!」
美希「そうなんだ、わかったの!」
雪歩「ふぅ・・・さて、食後のお茶でも飲みましょうか」
美希「おちゃはほんものなんだね。みき、おちゃってにがいからにがてなの」
真「雪歩のお茶はおいしいからね。一度飲んでみなよ美希?」
美希「うん・・・」ゴクッ
美希「このおちゃすっごくおいしいの!みきがのんだにがいおちゃとぜんぜんちがう!なんでなんで?」
雪歩「そのお茶はね、甘茶って言って、甘いお茶なの。読んで字のとおりだけど」
美希「こんなおちゃがあるなんてしらなかったの。このおちゃならなんはいでものめそうなの」
雪歩「美希ちゃんのために煎れてきたんだけど、気に入ってくれてよかったぁ。」
美希「みきのためにもってきてくれたの?ありがとう、ゆきほおねえちゃん!」
雪歩「・・・キュン!」ダダダッ
真「雪歩、これから本番なのに走ってどこに行くのさ!?」
雪歩「止めないで真ちゃん、私は美希ちゃんに新しいお茶を持ってきてあげるの!そしてもう一回ありがとうって・・・」
真「雪歩!暴走しちゃってるよ!戻ってきてよ雪歩!」
美希「きゅうにはしりだしたり、ゆきほおねえちゃんはいそがしいの、あふぅ」
美希「ぱんちなの!きさらぎ!」
貴音「・・・くっ」ブゥン
響「ヤッダーバァァアアアア」ドシィン
美希「やったぁ!やっぱりきさらぎはつよいの!」
響「くそっ、さすがはキサラギ・・・覚えておけよ!」
美希「なんどでもかかってくるといいの!わたしたちときさらぎはむてきなの!ねっ、きさらぎ!」
貴音「・・・くっ」
貴音「響、あの熱演はなかなかのものでしたよ。」
響「そうか?それほどでも・・・あるかな!?自分、天才だし///」
響「劇場版キサラギでは自分あんまり出番なかったから、ちょっとやってみたかったんだよねー」
響「ああいう役は春香に来ることが多いから、あんまりやったことなかったし」
貴音「そうですか。しかし、あのやられたときの『ヤッダーバァァアアアア』というのはどういう意味なのでしょうか?劇中でも説明されませんでしたが・・・」
響「なんか、監督の好きな作品から取ったらしいよ?イタリアあたりの悪役がそうやって倒れたとかなんとか」
貴音「そうですか、響は博学なのですね」
響「美希、次は何して遊ぼっか?」
美希「う~ん、みき、おなかすいちゃった」
響「そうだね。美希は今日のお昼はなに持ってきたんだ?」
美希「ことりおばちゃんがつくってくれたおにぎりなの!」
響「このへんは元の美希とあんまりかわんないみたいだね。けど、その小鳥おばちゃんってのは本人の前では言わないほうがいいぞ」
美希「ひびきおねえちゃんとたかねおねえちゃんは?」
響「自分は今日は早起きして、ゴーヤーチャンプルーを作ってきたぞ!」
貴音「わたくしは今日はかっぷらぁめんの新作が出ていたのでそれをいただこうかと」
貴音「あぼがどまよねぇず黒らぁめんとんこつ風味背油ぎったぎた・・・いったいどんな味わいなのでしょう」ウットリ
響「うっ・・・聞いてるだけで胸焼けがしてきたぞ・・・」
響「美希っ!それは・・・」
貴音「・・・今のはいくら幼子といえども聞き捨てるわけにはまいりませんね。一口にかっぷらぁめんといっても・・・」
響「あぁ・・・始まっちゃったぞ・・・」
~10分後~
貴音「と、このようにかっぷらぁめんにもいろいろな試行錯誤がなされているのです」
響「やっと終わった・・・まぁ今日はいつもよりちょっと短めだったからよかったけど」
貴音「そもそもこのかっぷらぁめんを作っている会社は過去にも・・・」
響「うわっ!まだ終わってなかったのか!!」
響「貴音、ストップストーップ!もう10分も話してるぞ!」
貴音「あら、わたくしとしたことが・・・しかし美希、覚えておいて欲しいのです。どのようなものであれ、創意工夫がなされているという事を」
美希「よくわからないけど、わかったの」
響「自分はそんなに大層なモンでもないと思うけどな~」
美希「ごちそうさまでしたなの!」
響「ほら美希、ほっぺたにご飯粒付いてるよ」フキフキ
美希「ありがとうなの」
貴音(これは・・・なかなか)
コンコン
スタッフ「すみません、響さん、貴音さん、午後の撮影スタートしますので、スタンバイお願いします!」
貴音「どうやらそのようです。昼食に少々手間取ってしまったようですね」
響「大半が貴音のラーメン講義ですぎていった気がするぞ・・・」
響「美希、自分達ちょっとお仕事にいってくるけど、おとなしくまってられる?」
美希「だいじょうぶなの!」
響「よし!おとなしくしてたら、自分が帰りにサーターアンダギーおごってあげるからね!」
美希「さーたーあん・・・?わかったの!」
響「まぁ名前はきにしなくていいぞ。とにかくおいしいものご馳走してあげるから。じゃあ自分とゆびきりしよう!」
美希「うん!」
響「じゃあいってくるさー!」
バタン
響「さぁ貴音、仕事に行こう」
貴音「えぇ・・・響、今日はあなたの新しい部分が見えた気がします」
響「そうか?」
貴音「そうです。まさか響があんなに面倒見がいいとは思いませんでしたよ」
響「そ、そうかな?まぁ沖縄では近所の人がみんな家族みたいなものだったし、近所の子供の面倒とかもみてたからな///」
貴音「やはり、孤独を体験すると人にやさしく出来るのですね。いえ、たしか現代風に言えばぼっちと・・・」
響「って貴音!それはちがうぞ!自分はちゃんと友達いるんだってばぁ!」
やよい「つぎは折り紙のここをこう折って・・・」
美希「・・・できた!」
やよい「美希さんすごく上手です~」
美希「えへへ~」
やよい「一回見せただけで鶴が折れちゃうなんて、さすが美希さんですよね~」
真美「ちいさくなってもやっぱミキミキはミキミキだねぇ~」
真美「けど、元がミキミキだとわかっててもやよいっちがちっちゃい女の子に敬語使ってるのって結構違和感あるかも」
やよい「そう?けど美希さんは美希さんだから・・・」
真美「お、やよいっちの十八番だね!」
やよい「わかりましたー。じゃあ・・・みんなー、あつまって~!スマイル体操、いっくよ~♪」
美希「♪ぜったいはっぴ~♪」
♪ジャ~ン♪
やよい「♪まったね~♪」
美希「やよいおねえちゃん、すっごくたのしかったの!」
やよい「よかったぁ~」
真美「今度は真美がミキミキとあそんでるから、やよいっちはちょっとやすんでてよ」
やよい「そう?じゃあお願いね、真美。私はダンスの振り付けの確認してくるね」
真美「やよいっちはまじめだけど、がんばりすぎなところが珠に傷だよねぇ」
真美「さて、ミキミキ。このカードゲーム知ってる?」
美希「あ、みきしってるよ!かーどふぁいとばんがーどだよね!」
真美「おぉ、よく知ってましたな!今度は真美と、ヴァンガードして遊ぼうよ!」
真美「大丈夫、真美が遊びながら教えてあげるよ」
美希「じゃあやってみたいの~!」
~10分後~
真美「大体ルールはこんな感じ。わかった?ミキミキ」
美希「わかったの」
真美「さっすがミキミキ。じゃあデッキはこの中にある好きなの使っていいよ~。」
美希「じゃあこのかわいいおんなのこのやつつかう!」
~10分後~
美希「せどなでぶーすと、せらむであたっく!かうんたーぶらすと1をつかって、21000ぱわーなの!」
真美「くっ、ノーガード!このトリガーがヒールトリガーなら・・・うわうわ~、負けちゃったよ~!」
美希「かてたの!やったやったやったぁ!」
真美「まさかミキミキがここまでやるとは思わなかった・・・完敗だよ~」
美希「もういっかい!もういっかいやろ!」
真美「・・・そうだね、もう一回やろっか!」
美希「じゃあつぎはね・・・このけんもってるやつつかお!」
真美「ロイヤルパラディン・・・じゃあ真美はかげろうで!」
真美(ロイパラは亜美が新しく作るって言ってたから騎士王軸から構成変えてないんだ。騎士王対ジエンド・・・この勝負、もらいっしょ!」
真美「真美のターン、スタンドアンドドロー!
「真美はこのターンに、ドラゴニック・オーバーロードからドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンドにクロスライド!」
「ジエンドの効果によりパワー13000!さらに約束の火エルモを後列に置き、ブースト!23000で騎士王アルフレッドにアタック!」
美希「・・・のーがーどなの」
真美(まさか、真美が2枚目のジエンドを持ってないのがわかってるとか?)
真美「トリガーチェック!1枚目・・・2枚目・・・トリガーゲットならず・・・!」
真美「続いて、エルモのブースト、ネハーレンが往く!アルフレッドにアタック!」
美希「ぐれーど0のがーどふだをこーる」
真美「くぅ、ターンエンドだよ、ミキミキ」
(ライフは真美のほうが負けてるしドロートリガー型だからガード札も低いけど、スペシャルインターセプトがあれば防ぎきれる・・・!)
美希「みきのたーんなの。すたんどあんどどろー」
真美「ミキミキ、ライフ的にはミキミキのほうが勝ってるとはいえ、たった1点差。」
「さらにジエンドがあと2枚デッキに眠っているこの状況で真美にターンを渡しちゃったらほぼ負けは確定だよ。ここが勝負どころだね!」
美希「・・・よし!決めたの!」
真美(さぁ、どう出るミキミキ)
美希「お前のそのデッキ・・・『ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド』に頼った力など、本物ではない・・・!」
真美「えっ・・・!」
美希「戦士達と共に道を切り開く、若き日の王の姿を見よ!ライド・ザ・ヴァンガード!アルフレッド・アーリー!」
♪ドンナニトオクハナレタッテ-♪
真美「アルフレッド・アーリー・・・!という事は・・・!」
美希「スキル発動!ソウルより、ブラスター・ブレードをスペリオルコールする!」
真美「ブラスター・ブレード・・・!」
美希「イメージしろ、俺たちは今、地球によく似た惑星、クレイに現れた霊体だ!」
美希「ブラスター・ブレードの効果発動!ピンポイントバースト!」
真美「真美のスペシャルインターセプトが!」
「アルフレッドと名の付くカードをブーストするとき、ソウルブラスト1で、10000ブースト!」
「アルフレッド・アーリー、パワー20000でドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンドにアタック!」
真美「インターセプトがない状況・・・5000札3枚でガード!」
美希「チェック・ザ・ドライブトリガー!一枚目・・・ドロートリガーをゲット!パワーはブラスター・ブレードに」
美希「そして二枚目・・・ゲット・ザ・クリティカルトリガー!すべての効果をブラスターブレードに!」
美希「マロンのブースト!ブラスターブレードでアタック!バーストバスター!」
ブラスター・ブレード「イエス・マイ・ヴァンガード!」
真美「まだだ・・・ヒールトリガーを引けばまだ・・・!トリガーゲット・・・ならず!」
真美「うわぁぁぁぁぁぁ!全滅だぁぁぁぁぁ!」
美希「ふっ、こんなもんじゃまったく熱くならねえよ・・・」
真美「ミキミキ、キャラ完全に変わっちゃってるよ・・・」
あずさ「はい美希ちゃん、あめあげるわね~」
美希「やったーなの!」
律子「あずささんって子供の面倒見るの上手ですよね、朝から美希がべったりですもん」
あずさ「そんなことありませんよ。子供っていうのは人の本心を感じられるっていいますから、やさしく接してあげれば向こうからなついてくれるものですよ~」
律子「そういうものでしょうか・・・って美希!楽屋内で走り回らないの!」
亜美「そういうりっちゃんも保護者パワー全開だね。ところで・・・やさしく接してあげれば向こうからなついてくれるんだってよ?いおりん?」
伊織「・・・亜美、それは美希がぜんぜん近寄ってこない私に対するいやみってわけ?」
伊織「しょうがないじゃないの!元が美希だと思うとどうやって接すればいいのかわからないんだから!それに・・・」
美希「おでこのおねえちゃん、どうしたの?」
伊織「その呼び方よ!何でみんなは名前におねえちゃん付けなのに私だけおでこにおねえちゃん付けなのよ!?実は元の記憶持ってんじゃないの!?」
美希「おでこのおねえちゃん、こわいの・・・」プルプル
あずさ「あーあー、美希ちゃん、大丈夫だからね~」
律子「こら伊織!美希をこわがらせるんじゃないの!」
伊織「・・・べつにこわがらせてなんか・・・ふんっ」
律子「そうですね。亜美、打ち合わせどおりに。わかってるね?」ヒソヒソ
亜美「あいあいさー」ヒソヒソ
あずさ「あぁ、そういえば律子さん、私の衣装ってどこにありましたっけ?」
律子「もう搬入されてると思いますけど、どうしたんですか?」
あずさ「この間着たとき、ちょっと動きづらかったところがありましたから、ちょっと確認したくて・・・」
律子「そういうことなら私も行きますよ。」
亜美「りっちゃんたち衣装見に行くの?じゃあ亜美も行こうっと」
律子「伊織はここに残って、美希の面倒を見てあげてね」
伊織「私一人で!?けど一人で子供の相手なんてしたことないし、美希は私になついてないし・・・」
亜美「・・・まぁいおりんじゃしょうがないか。亜美が残ってるから、みんなは行ってきてよ」
伊織「なによ、含みのある言い方ね」
亜美「べっつに~。ただいおりんが一人でミキミキの面倒が見れないっていうからさ~」
伊織「きぃ~!わかったわよ!私一人だって、美希の面倒を見るのくらい余裕なんだから!」
亜美「そう?じゃあよろしく~」バタン
三人(・・・計算どおり)ニヤリ
亜美「りっちゃん、話ってなに?」
あずさ「あら?伊織ちゃんはいないんですね」
律子「はい、今日はその伊織のことで話しがあるんです」
亜美「いおりんのことで?」
律子「そう。最近竜宮小町自体は売れ始めてきているわ。個人の技術も上がってきて、ユニットの雰囲気もいい感じよ」
亜美「じゃあ問題ないんじゃん?」
律子「問題はないわ、歌やダンスに関してはね」
あずさ「じゃあどこに問題が・・・」
律子「そのためにはみんなにいろいろなことを経験して、表現力や感受性を豊かにして欲しいの」
亜美「ふむふむ、その表現力や感受性が一番低いのが・・・」
律子「そう、伊織ってわけ。伊織自体はすごく才能もあるし、努力家で、アイドルとしてはすばらしいわ。」
律子「けどバラエティ番組での伊織は、求められてるキャラをただこなしているってだけの感じがして・・・もうちょっとやわらかくなってほしいのよ」
律子「そこで、伊織の表現力や感受性を上げるために、どんなことをさせればいいのか、二人の意見を聞きたくて」
亜美「・・・そうだ!今の状況を利用しちゃうってのはどう?」
亜美「うん!小さくなったミキミキといおりんを二人だけにして、いおりんの柔らかい部分を引き出す作戦。」
亜美「名づけて『いおりんとミキミキを二人だけにしちゃおう作戦』だよ!」
あずさ「それはいい案ね亜美ちゃん!小さい子供と接することもいい経験になるでしょうし」
律子「亜美、ナイスアイディア!ネーミングセンスはないけど」
亜美「ぬっふっふ~、いいアイディアっしょ?報酬は、マジェスティ・ロードブラスター4枚でいいよ」
律子「マジェ・・・?なによそれ」
亜美「兄ちゃんに聞けばわかるよ。今週の木曜にミキミキの面倒を見るんだっけ?じゃあ木曜に作戦決行って感じで!」
律子「そうね、じゃあもうちょっと詳細を詰めましょうか」
美希「おでこのおねえちゃん、あそぼ?」
伊織「近くで見るとむかつくほどかわいいわね・・・いいわ、何して遊びましょうか?」
美希「おねえちゃんのおにんぎょうさん、とってもかわいいの。おにんぎょうさんあそびしよ?」
伊織「シャルルと?わかったわ。ところであんた、ぬいぐるみなんて持ってるの?」
美希「おにいちゃんにこれもらったの」
伊織「スター・プラチナ・・・あのバカ、もっとましなぬいぐるみ持ってなかったのかしら」
美希「ぼたんをおすとしゃべるんだって」ポチッ
オラァ!
美希「ありがとうなの!」
伊織「じゃあ始めましょうか・・・」
~3分後~
美希「・・・」
伊織「美希、どうしたの?」
美希「や!」
伊織「やってなによ?」
伊織「はぁ!?あんた勝手なこと言って・・・」
美希「だっておでこのおねえちゃん、みきとあそんでてもおもしろくなさそうなんだもん!そんなんじゃみきもおもしろくないよ!」ウルウル
伊織「そんなこと……ッ!?」
伊織(そうだったわ・・・アイドル活動でもいわれてたじゃない・・・自分が楽しまなくちゃファンのみんなにも楽しさは伝わらないって・・・!)
伊織(私はアイドルとしての自分を作るのに精一杯でアイドル活動を楽しんでするっていうことを忘れてたわ・・・この状況も同じことだわ)
伊織(私が楽しまないと、美希も楽しくないに決まってるじゃない。)
伊織(あずさがいっていた、やさしくしてあげればなついてくれるってのは、そういうことだったのね・・・)
美希「えっ・・・?」
伊織「私、アイドルとしてとっても重要なことを忘れていたの。けど、それを美希が思い出させてくれたの。」
伊織「私も楽しまないと、美希も楽しくないものね。まぁまさか美希に気づかされるとは思ってもなかったけどね」
伊織「だから、ごめんなさい。そして・・・あ、ありがと!」
伊織「さぁまだ時間はあるし、一緒に遊びましょう?それとも、私と遊ぶのはいや?」
美希「うぅん!あそぼ、おでこのおねえちゃん!」
律子「心配でドアの隙間から見てたけど、これなら問題なさそうね」
律子「これで竜宮小町はもっと強くなるわ!」
あずさ「よかったわね、美希ちゃん、伊織ちゃん」
亜美「マジェ4枚とバロミ3枚と・・・バロミ2枚のほうがいいかな?これで真美のジエンドデッキも楽勝っしょ!」
P「美希、昨日は伊織の家に泊まったんだっけ?」
美希「うん、そうなの」
P「どうだった?」
美希「すごくごうかだったの」
P「よかったな。しかし・・・」
P「困ったな・・・今日は面倒見てくれるアイドルが誰もいない」
P「あと10分で打ち合わせがあるっていうのに・・・どうするか」
P「そもそも美希がいたら俺が集中できん、主にかわいすぎて」
???「おいあんた、邪魔だ」
P「おっとすんません・・・ってお前は・・・!」
???「あんたは765プロの・・・!」
P「・・・!すまん、面白いこと考え付かんかった」
冬馬「俺の名前使って滑ってんじゃねえよ!なんか面白いこと言えよ!?」
P「まぁいいや。羅刹、お前らジュピトリス9ってこの後時間空いてるか?」
冬馬「名前違ってんぞ!まぁ時間はあるけどさ」
冬馬「はぁ!?なんで俺がそんなこと!つうかこいつ、765プロの金髪のやつに似てるな」
P「ハッハッハッ、他人の空似だ、深くは詮索するな。」
P「そんなことよりたのむよ仗助、お前が引き受けてくれないとくしゃみが出そうで出ないときにティッシュがないくらい困るんだよ!」
冬馬「そんなに困らないんだな・・・」
P「頼む!お前が欲しがってたアルターのバルクホルンのフィギュアやるから!」
冬馬「!!おまえ、何で俺の趣味知ってるわけ・・・?」
P「朝のニュースから昼のワイドショー、さらにはゴシップ専門誌まですべての芸能ニュースに目を通すおばちゃんみたいな人が765プロにいるんだ。」
P「その人に聞けばお前達ユピテルサンダーなど丸裸も同然!」
冬馬「どんだけだよ・・・アルターのバルクホルンって限定のやつ?」
P「もちろん」
冬馬「未開封?」
P「開封品を渡すようなコレクター心のわからんようなことはしないつもりだがね、俺は」
P「さすが竜馬!俺これから打ち合わせだから!打ち合わせ終わったら引き取りに行くわ」
冬馬「わかった。そのかわりさっきの話、忘れんなよ!」
P「もちろん!じゃあ頼むぞジョルノ!」
P「美希、俺はこれからちょっと出てくるから、このおにいちゃんたちにあそんでもらえよ?」
美希「わかったの。よろしくねおにいちゃん!」
冬馬「・・・あいつ俺の名前覚えてねえな・・・」
小鳥「・・・むっ!」
社長「音無くん、どうしたんだね?」
小鳥「・・・いえ、何でもありませんよ、社長」
小鳥(いま、私のセンサーにティン!と来たわ。プロデューサーさんあたりが私の悪口を言っている気がする・・・)
小鳥「これは教育的指導が必要ね・・・48のサブミッションと53の殺人技をプロデューサーさんに・・・」
社長「お、音無くん!?どうしたんだね、心の声が外に溢れてきているようだが」
善澤「音無くんは変わらないねぇ」
ガチャ
冬馬「戻ったぜ」
翔太「遅かったじゃない、冬馬くん」
北斗「大きいほうか?」
冬馬「ちげぇよ、外でいろいろあっただけだ」
美希「かっこいいおにいちゃんたちがいるの」
翔太「・・・冬馬くん、その子、誰?」
冬馬「ちげえよ!さっき外で・・・」
翔太「ふーん、それで引き受けてあげたんだ。冬馬くんってやっぱりお人よしだね~」
北斗「源氏物語計画か。冬馬、そんな高度なテクニックを使うほどに成長したんだな・・・」
冬馬「なんだよ源氏物語計画って。とりあえず、あいつが戻ってくるまで、この子の面倒を見なくちゃならないんだよ」
翔太「引き受けたのはいいけどさ、冬馬くんって子供の面倒みたこととかあるの?」
冬馬「ねえよ。だからお前達に手伝ってもらおうと思って・・・」
翔太「別にいいけどさ、ただってわけにも・・・ねぇ?」
翔太「ボクはそうだな~、冬馬くんが一日女装してすごしてくれるって約束してくれるなら手伝ってあげてもいいよ」
北斗「じゃあ俺は・・・冬馬、女装したお前が俺とデートしてくれたら手伝ってやるよ」
冬馬「お前ら、容赦ないな・・・特に北斗、お前が言うとシャレに聞こえねえからやめてくれ・・・」
冬馬(女装とデートだと・・・バルクホルンお姉ちゃんに比べたらそのぐらいの屈辱、屁でもねぇぜ!)
冬馬「わかった。約束するから、手伝ってくれ」
翔太「そうこなくっちゃ、冬馬くん。よろしくね、ってこの子名前なんていうの?」
冬馬「たしかあいつは、美希とか呼んでたな」
美希「よろしくなの!」
翔太「けどこんなことってあるんだね。多分この子、小さくなっちゃったんでしょ?」
冬馬「はぁ?お前なに言ってるんだ?」
翔太「冬馬くんこそなに言ってるの?この子、765プロの金髪の子にそっくりじゃない。さらに名前も美希って名前なんだから、ほぼ確定だと思うけど」
北斗「確かに、俺の女性鑑定眼も99%の確立で同一人物だと出てるな」
冬馬「あいつに聞いたときは他人の空似だって」
北斗「ピュアだな、冬馬」
冬馬「うっ、うるせえな!そんなことより・・・」
ガチャ
黒井「お前達、何を騒いでいるんだ!」
冬馬「おっさん!いや実は・・・」
黒井「ん?何だその子供は?」
冬馬「この子は・・・」
美希「みきは、ほしいみきなの!」
冬馬「おっさん?」
黒井「・・・ユニバァァァァァァァァァァス!」
翔太「おじさん、どうしちゃったのさ!?キャラが違っちゃってるよ、いろんな意味で」
北斗「社長、まさか・・・ついに頭が」
黒井「・・・いや、なんでもない。柄にもなく取り乱してしまったな。それよりお前達、ダンスの講師が呼んでいたぞ。行ってこい」
冬馬「この子はどうするんだよ?」
黒井「このような子供は放っておけばいい!早く行ってこい!」
ゾロゾロ
黒井「ふぅ・・・やっといなくなったか・・・」
美希「・・・」キョトン
黒井「さて・・・」
黒井「さぁ美希ちゃん、おじさんとあそびましょうね~」
美希「おじさんがあそんでくれるの?」
黒井「もちろんだとも。美希ちゃんの好きな遊びをなんでもしてあげるよ」
美希「わぁいなの!!」
ガチャ
P「すまん冬馬!ってあなたは・・・!」
黒井「お前は765プロの・・・!」
美希「おうまさん、もっとはやくなの!」
黒井「ふん、この子供の保護者は貴様だったのか」ヒヒン、ドタドタ
P「そうですが、何か?」
黒井「子供の面倒一つ見れないプロデューサーが、アイドルのプロデュースをするとは、お笑いだな!」
P「くっ・・・言い返せない・・・!」
黒井「その子供が大きくなったら961プロにつれてくるといい。私がトップアイドルにしてやるからな、ハーッハッハッハ」ヒョイ
美希「わーい、すっごくたかいの~」
黒井「おっと、もうこんな時間か。では私は失礼するよ。貴様のように暇ではないのでな、アデュー」
美希「おじちゃん、またあそぼうねーっ」フリフリ
P「黒井社長・・・」
P「実は子供好きなのか?」
小鳥「美希ちゃ~ん、ごはんできたわよ~」
シーン・・・
小鳥「・・・そういえば、今日美希ちゃんは伊織ちゃんの家に泊まってるんだっけ・・・」
小鳥「・・・別に寂しくなんてないわよ!?家族がいるのがうらやましいとか、そんなこと思ってないから!」
小鳥「今日はお酒でも飲んで録画した生っすかサンデーでもみて早く寝ちゃいましょう!」
2時間後
小鳥「・・・美希ちゃん・・・」グスン
小鳥「美希ちゃん、早く帰ってきてぇ~!お姉さんさびしいの~!」
…お姉さん?
P「今日は久しぶりのオフだ、一日中美希と一緒にいられるぞ」
P「すばらしい朝ってのはこういうことを言うんだな。美希はまだ寝てるか・・・寝顔もベリーキュートだな」
P「そして何でいるんですか?小鳥さん」
小鳥「私がいると何か困るんですか?プロデューサーさん」
P「いえ、別に・・・」
P(小鳥さんが美希を俺の家まで連れてきてくれたところまではよかったが、帰らないつもりか・・・)
P(くそっ、美希と二人になれる今日、最大のミッションを決行しようと思っていたのに・・・)
P(そのためには、なんとかして小鳥さんにはお引取り願わなくては・・・!)
P「小鳥さん、こんなところにいてもいいんですか?事務所の仕事とか・・・」
小鳥「事務所の仕事ですか?昨日のうちに今日やらなくちゃいけない仕事は終わらせてますし、社長にも許可は取ってますから」
P「しかしですね・・・」
小鳥「プロデューサーさん、もしかして今日美希ちゃんに、私にはいえないようなことをするつもりだったんじゃ・・・!」
P「くっ・・・小鳥さんの妄想力をもってすれば俺が幼姦クソ野郎になってしまう・・・!違いますよ小鳥さん、ただ俺は事務所のことを心配して・・・」
小鳥「とにかく!今日は一日プロデューサーさんと美希ちゃんと一緒にいるって決めたんです!」
小鳥(日曜日のプロデューサーの言動からして、美希ちゃんとプロデューサーを二人きりにしたら高確立でプロデューサーさんはロリコンに目覚めてしまう・・・!)
小鳥(それをとめることが出来るのは私だけ!がんばれ、がんばるのよ小鳥!)
P「お、美希が起きたみたいですよ?」
美希「んぅ・・・おはようなのおば・・・おねえちゃん」
小鳥「おはよう美希ちゃん」
P「おはよう美希。今日もかわいいな」
P「あぁ、今日は俺が一日中いっs」
小鳥「今日は私達!が一緒に美希ちゃんの面倒を見てあげるからね!」
P「・・・だそうだ」
美希「きょうはおば・・・おねえちゃんとおにいちゃんがいっしょなの?やったやったやったぁ!」
P(まぁいい、一日中いっしょなんだ。小鳥さんがいなくなるときもあろう。その瞬間が勝負!)
美希「うん!」
P「・・・しかし小鳥さん、子供の扱いうまいですね」
P「さすがはにじゅう・・・」
小鳥「・・・!」ギィン!
P「・・・狩るものの目だ・・・そんな気にする年齢でもないだろうに」
小鳥「プロデューサーさん、ちょっと美希ちゃん見ててもらえます?」
P「いいですよ、トイレだったら部屋を出て右に・・・」
P「まぁ、気をつけます。けど今は女性にもてなくてもいいと思うんですよね。」
P「そんなことよりも765プロのアイドルたちをトップアイドルにしてあげるほうが大切な気がしてるんです。」
小鳥「・・・幼女にも」
P「以後徹底的に気をつけます!」
小鳥「ダメだこいつ・・・」
バタン
P「俺は人間をやめるぞーッ!ジョジョーッ!」
P「美希っ!」
美希「ん?なーに?」
P(燃え上がれ、俺の小宇宙!)
P「俺のことをハニーと呼んでください!」ドゲザー
美希「・・・?」
P「終わった・・・何もかも・・・」
P「小鳥さん、これには深いわけが・・・!」
小鳥「・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
P「・・・もしかして、オラオラですかぁーッ!?」
小鳥「YES! YES! YES! "OH MY GOD"」
P「恩に着ます、小鳥さん」
小鳥「というか、プロデューサーが幼女に土下座をしてただなんてみんなが知ったら、別の事務所に移っちゃいますよ・・・」
美希「ねぇ、おにいちゃんはさっきなんでおば・・・おねえちゃんになぐられてたの?」
小鳥「お兄ちゃんはね、ちょっと病気にかかっちゃったの」
美希「おにいちゃんびょうきなの?だいじょうぶ?」
小鳥「もう大丈夫よ、さっきので治ったはずだから」
P「あぁ、もう大丈夫だぞ。しばらくあそぶのは無理そうだが」
小鳥「じゃあこれを見ましょうか」
P「これは・・・」
小鳥「そうです。この間のライブの映像が事務所に送られてきたんです。今日持ってきたんで、いっしょに見ますか」
P「お、やっときましたか。美希、お姉ちゃん達が出てるテレビ見るか?」
美希「みる~!」
小鳥「じゃあこれをセットして・・・」
小鳥「そうでしたね。伊織ちゃんが何とかしてくれましたからよかったですけど、見つからなかったらどうなっていたことか」
P「けど、途中まで撮影してあった映像を見たんですけど、最近の春香たちとは似ても似つかないような・・・」
小鳥「・・・そんなことあるわけないじゃないですか。決して作画がひどいとかそんなことありませんよ?」
P「これ以上は突っ込まないほうがよさそうだ。あ、始まりますよ」
♪モウフシメガチナー♪
美希「あっ、おねえちゃんたちなの!」
美希「このきんいろのかみのおねえちゃんかわいいの!」
P「小さくなっても自信満々なところは変わらないんだな」
♪カガヤイターステージーニー♪
美希「・・・」ジーッ
小鳥「食い入るように見てますね」
P「やっぱりアイドルってことなんですかね。しかし真剣な美希もかわいいなおい」
美希「・・・ねえおにいちゃん!」
美希「みきもおねえちゃんたちみたいにきらきらしたい!みきもきらきらできる!?」
P「・・・あぁ、もちろんできるぞ。美希がその気になれば何だってできる。美希は無限の可能性を秘めてるんだ。って大人になったら忘れちゃうのかな?」
小鳥「どうなんでしょうか?けどたしかに、美希ちゃんももうちょっと本気でアイドル活動に取り組んでくれればいいんですけどね」
P「たしかにそうですね。けど、他人に言われて本気をだすとか、ちょっと違うと思うんですよ」
P「そんなんじゃモチベーションも保てないし、なにより本人が楽しめないと思うんですよね。」
P「やっぱり本人が楽しまないと、ファンのみんなも楽しめませんから。」
P「美希はまぁあんな感じですけど、楽しんでアイドル活動をしているようですから今はいいかなぁって。いつかは本気になってほしいモンですけどね」
P「あれ?どうしたんですか小鳥さん?」
小鳥「いえ、プロデューサーさんも意外と考えて仕事をしてるんだなぁって思っただけです」
P「意外と・・・ですか。褒め言葉として受け取っておきますよ。」
小鳥「さて、そろそろ帰りますか」
美希「えぇ~、もうちょっとあそびたいのー!」
P「俺ももうちょっと遊んでいたいけどな、俺は今日小鳥さんに逆らったらまずいってことに気がついてしまったんだ、悪いな美希」
美希「は~い、わかったの・・・」
小鳥「今日が最終日でしたっけ・・・騒がしい一週間でしたけど、元に戻っちゃうと思うとちょっとさびしいですね」
P「たしかに。しかしずっと美希がいないってわけにもいかないですから」
P「美希、小鳥さんの言うことをちゃんと聞いて、きょうは早く寝るんだぞ」
P「約束?」
美希「みきをきらきらにしてくれるってこと!!」
P「・・・あぁ、わかったよ。大きくなって、美希が一生懸命がんばるって約束するなら美希をキラキラにしてやるよ」
美希「ぜったいだからね、やくそくだよ、はにー!」
春香「そういえば美希の面倒を見たからプロデューサーさんが何でも言うことを聞いてくれるんだっけ」
春香「やっぱ言うことを聞いてもらうとしたら定番のあれでしょ」
春香「言うことを聞いてくれる数を100個に増やす!これしかないよね!」
春香「ほかのみんなにさき越される前につば付けとかないと。おっとそんなことを言っていたらプロデューサーさんが。プロデューサーさーん!」
P「ん?春香か。どうした?ちなみに昨日の夜スパ4の熱帯でリュウに負けたからってセスで入りなおしたのは俺じゃないぞ」
春香「あれってプロデューサーさんだったんですか・・・ってそんなことはどうでもよくてですね。」
春香「プロデューサーさん、美希の面倒を見たらなんでも一つ言うことを聞いてくれるって言ってましたよね?」
春香「それでですね、その内容なんですけど、言うことを聞いてくれる数を・・・」
P「わかった春香。言うことは聞く・・・・・・!聞くが・・・その時と場所の指定まではしていない」
春香「・・・えっ?」
P「つまり・・・俺がその気になれば言うことを聞くのは10年後、20年後というのも可能・・・」
春香「・・・」ガシッ
P「えっと春香さん?そんなにがっちり手首極められたらヒクソン・グレイシーでも抜けられな・・・って痛ぇぇぇぇぇ!その関節はそっち方向には曲がらな・・・」
春香「大丈夫ですよプロデューサーさん、人間意外と何とかなるもんです」グィッ
P「それ以上はヤバ・・・ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
P「さて、そろそろ美希も元に戻ってるころかな」
P「しかし、小さい美希かわいかったなぁ・・・」
P「最後にハニーとか呼ばれちゃったし・・・あの時は悶絶死しそうになったぞ・・・」
ガチャ
美希「おはようございますなの、プロデューサー!」
P「・・・美希、元に戻っ・・・」
美希「ねえプロデューサー、美希今日目が覚めたら、なぜか小鳥の家で寝てんだけどなんでか知ってる?」
P「・・・やっぱり覚えていないか」
美希「え?なになに?なんていったの?」
美希「へぇ、そうなんだ。小鳥には後でお礼言っとくの」
P「事務所のみんなにも言っとけよ。みんな心配してたんだから」
美希「はーい」
P「しかし美希、今日はやけに早いじゃないか」
美希「うん、みんなが来る前にプロデューサーに言っておきたい事があって」
P「言っておきたいこと?」
美希「あのね、美希、夢をみたの。内容はよく覚えてないんだけど、すっごく楽しい夢。」
美希「それでね、夢の中で、美希はキラキラしたいから、そのためにがんばるって約束したの」
美希「それでね、朝起きたら、『約束を守らなきゃ、がんばらなきゃ』って思ったの」
P「あぁ言ったぞ」
美希「美希が変われば、美希ががんばれば今よりもっとキラキラできる?」
P「もちろんだとも。美希には無限の可能性があるって言ったよな?」
美希「あれ?そんなこといってたっけ?」
P「言った。美希は忘れっぽいから忘れちゃってるだけだ」
美希「そっか。じゃあ美希、変わる。明日から・・・ううん、今から!だからプロデューサー、美希にいっぱいお仕事ちょうだい!美希をキラキラにして!」
P「・・・わかったよ。美希が本気でアイドル活動するってんなら俺も全力で手伝うよ。いっしょにキラキラしよう」
美希「お願いしますなの!いっしょにがんばろうね、ハニー!」
おわれ
読んで下さった方ありがとうございました
Entry ⇒ 2012.07.24 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
豊音「皆でシロちゃんを監禁したよー」
エイスリン「し、シロ//…カワイイヨ…」
塞「し、シロ!逃げようなんて思わないでよ//」
胡桃「監禁されるシロ…はあはあ」
シロ「うぐっ…み、みんな…何でこんなこと…」
豊音「皆シロちゃんが大好きなのにシロちゃんが…ハアハア」
シロ「い、今なら誰にも言わないから…ウチに返して」ポロポロ
エイスリン「シロナイテル…ハアハアハアハアハア…カワイイ…」
塞「濡れてきた//」
みたいな
エイスリン「シロカエレナイ!」
塞「一生このままよ」
豊音「シロの身の回りの世話も全部私たちがやるんだよー?」
白望「……全部?」
胡桃「もちろん」
白望「じゃあお願いする」ゴロン
豊・エイ・塞・胡「えっ」
みたいに逆転するやつはよ
白望「ジュース頂戴」
豊音「オレンジジュースでいいー?」
白望「…うん」
白望「塞…焼きそばパン買ってきて」
塞「えっ…うん」
塞「ってこれじゃあパシリじゃないの!」
塞「豊音も素直に出すのやめる!」
白望「?」
胡桃「泣きじゃくるシロよね」
エイスリン「シロ ナキガオ ミセル!」
白望「だるっ…」
豊音「はいオレンジ持ってきたよー」
白望「…ん」
塞「シロの泣き顔……」ブツブツ
白望「豊音…おかわり」
豊音「どうぞー」
エイスリン「トヨネ! オレンジ!」
豊音「はーい♪」
塞「でもなかなかいい案だったと思わない?」
胡桃「シロはダメだったけど他の人なら使えるかも」
塞・胡「……」チラッ
塞「エイちゃんは……かわいそうね」
胡桃「となると…」チラッ
豊音「100%だねー」
豊音「…?」
白望「…どうしたの」
豊音「誰かに見られてるようなー…」
エイスリン「トヨネ ダイジョウブ?」
豊音「うん♪ありがとー」
塞「シローエイちゃんちょっと来て」
白望「?」
エイスリン「?」
塞「…」ゴニョゴニョ
白望「……だる」
エイスリン「トヨネ! ナク カワイー!」
塞「豊音、ちょっとこの部屋に入ってくれる?」
豊音「んー?なにするのー?」
胡桃「記念撮影よ」
豊音「あー!それいいかもねー」
豊音「あれ?カメラって誰が……」
ガシャン
豊音「あ…あれー?」
エイスリン「エヘヘ ダメー」
塞「今からシロの代わりに豊音を監禁します」
胡桃「じゃ頑張ってね」
豊音「そんなー!シロー助けてよー」
白望「だるい」
豊音「シロー……」グスッ
胡桃「いい感じに泣き顔が見れそうね」コソコソ
塞「作戦成功ね」コソコソ
エイスリン「トヨネ ナク?」
豊音「ぐずっ…なかないよ…」
豊音「あっ…私トイレどうすればいいのー?」
塞「……漏らす?」
豊音「なんで疑問系なのー!?」
エイスリン「トヨネ ガマン!」
胡桃(豊音が決壊するところ……)ハァハァ
豊音「うぅ……」
豊音「しないよぉ…」グスッ
豊音「お願い…謝るからここから出してー…」グスッ
胡桃「だーっめ」
豊音「エイスリンさん……」
エイスリン「トヨネ! パン オイトク!」
エイスリン「タベテ!」
豊音「ありがとー…?」
塞「おかえりー」
胡桃「じゃあそろそろ帰ろっか」
豊音「そうだねーもう遅いし」
塞「豊音は残るのよ?」
豊音「うん♪じゃあ……え?」
胡桃「監禁してるんだから当たり前でしょ」
豊音「ええぇえぇぇ!?」
塞「飲み物と食べ物は置いておくから」
胡桃「じゃあねー」
白望「…カギは私が預かる」
エイスリン「ハイ シロ」
白望「ん…」
豊音「待ってよぉ~……」グスッ
豊音「どうじよぉ…うぇぇぇぇん!」
豊音「開けてよぉ~……」
豊音「開けて……よぉー………」
豊音「シロぉ……」
豊音「うぅ…怖いよぉー……」グゥー
豊音「お腹すいたなー……」ゴソゴソ
豊音「……パン」
豊音「あっポッキーあったー」
豊音「……おいひぃ~」ポリポリ
豊音「……」グスッ
豊音「ふぇっ…ふえぇぇぇぇん!!」
豊音「寂しいよぉー!ぼっちはやだー」
豊音「もうやだよぉー!」
豊音「助け……て」
豊音「こんなことならシロを閉じ込めなきゃよかったー…」
豊音「ごめんなさぁ~い……うぇぇぇぇん」
豊音「どうしよー!開いてくれないかなー!?」ガチャガチャ
豊音「うわぁー!お漏らししたくないよぉ」ピョンピョン
カチャ
豊音「!」
ガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
豊音「ひーーー!」
豊音「お化けだー!!」
豊音「ごめんなさぁぁぁぁい!!」
カチャ
「ドア変えた方がいいかな」
白望「あ…大丈夫?豊音」
豊音「シロ……?」
豊音「シロぉ…」グスッ
白望「泣かないで。ダルいから」
豊音「うん……」グスッ
白望「塞たちも悪気はない……はず」
白望「許してあげてくれ」
豊音「うん…!」
白望「心配だったから」
豊音「え!?」
白望「泣きすぎてノド枯れてそうだし」
豊音「そんなに泣いてないよー!」
白望「…聞こえてたけど」
豊音「……あ」
白望「?」
豊音「トイレ行きたいかなーって」モジモジ
豊音「うん…さっきからずっと我慢しててー」
豊音「あのートイレ行ってきてもいいー?」ウルウル
白望「……」
豊音「……シロー?」ウルウル
白望(……可愛い)
豊音「ありがとー!」
白望「葛藤……だる」
豊音「シロー!何かして遊ぼうよー!」
白望「なにも持ってきてない…麻雀?」
豊音「麻雀は部活でできるしなー…うーん」
白望「ダルいし帰ろう」
豊音「ポッキーしかないよー」
白望「どんな?」
豊音「二人で両端くわえてどっちが多く食べれるかっていうゲームだと思うよー!」
白望「………」
豊音「早速やろうよー」
白望「だるっ」
豊音「はい♪」パクッ
白望「…ん」
豊音「……」ポキポキポキポキ
白望「……」ポキポキポキポキ
チュ
ちゃんちゃん
豊音「……!」カァ
豊音「ごっごめんねぇー!シロぉ!」ペコペコ
白望「いや別にいい……」ポリポリ
豊音「あぅ……」
白望「帰ろう」
豊音「うんー!」
白望「……泊まってく?」
豊音「えっ?」
白望「もう遅いし」
豊音「いいのー!?」
白望「おいで豊音」
豊音「背中流すー?」
白望「じゃあ…お願い」
豊音「うわーシロ胸大きいねー」
白望「そうでもない。豊音も大きい」
豊音「肌も白いし…シロだけにねー?」
白望「豊音それはつまらないな」
豊音「ごめんなさーい」ゴシゴシ
豊音(胸大きいなーちょっとくらいいいよねー?)
豊音「…」モミッ
白望「ん……!」
白望「…豊音」
豊音「ごめんなさい~」
豊音「そうかなー?」
白望「そう」
白望「湯船入ろう」
豊音「暖かいなー」
白望「少し狭いかな」
豊音「…私が大きいから……」グスッ
白望「悲しむことじゃない」
白望「私は大きい豊音が好き」
白望「…?好きだよ」
豊音「私も大好きだよー!」
白望「うんありがとう豊音」
豊音「……」ブクブク
豊音「」
白望「おい豊音ー」
白望「……のぼせてる」
白望「だる」
白望「私の服じゃあ小さいな…当たり前か」
白望「体のライン浮き出ちゃってるよ」
白望「なかなか起きないな…」ツンツン
豊音「ん~……」
白望「胸大きいな……だるっ」
豊音「くっ……ふ…」
白望「柔らかい」モミッモミッ
豊音「ん…ぁ…」
白望「癖になるな」モミッモミッモミッ
豊音「ぅあ……やっ…」
白望「……ふぅ」
白望「……寝よ」
豊音「あれ…寝ちゃってたのかなー?」ゴロッ
白望「……すぅ」
豊音「わっ!シロ顔近いよー!」
豊音「シロ…寝てるのかなー?」
豊音「この服……シロのかなー?」
豊音「……着せてくれたのかなー?」
豊音「着せてもらっちゃったって……恥ずかしいよー!」
豊音「……でもいいかなー」
豊音「トイレ行かせてくれないんじゃないかと心配したけどー」
豊音「ありがとうシロ♪」チュッ
白望「……だる」チュッ
豊音「ふぇ!?」
白望「いや起きた」
白望(トイレ行かせるかどうか迷ってたなんて言えないよなぁ)
豊音「あ、あのっいきなりちゅーしちゃってごめんねぇー!」
白望「いいよ別に」
豊音「あの服ありがとー」
白望「サイズ合わなくてごめん」
豊音「全然大丈夫だよー」
豊音「え、…うん、分かったよー」
チュッ
白望「……寝る」
豊音「シロー」
白望「…………嫌だった?」
豊音「全然!ちょーうれしいよー!」
白望「……だるい」ポリポリ
豊音「いやー……」ポッ
エイスリン「……」カキカキ
白望「くすぐり?」
エイスリン「トヨネ!クスグッテ
キク!」
胡桃「待てー!豊音ー!」
豊音「うわぁぁぁん!!」
白望「……だるっ」
ちゃんちゃん
乙!
Entry ⇒ 2012.07.24 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
歩「大先生を酔わせてみるか」
歩「もしや、ぐでんぐでんにしてしまえばこちらのものではなかろうか」
歩「これは試さねばなるまい」
歩「洗濯も終わったし、風呂も沸かしたし」
歩「三人は夕方まで買い物に行ったし、またと無いチャンス」プルルル
歩「もしもし、大先生ですか?はい、相川です」
───。
歩「どうぞどうぞ遠慮なく」
大先生「はい~。それで、相談とは一体なんでしょうかぁ?」
歩「まあ、そう焦らないでください。とりあえずジンジャーエールでも」ススッ
大先生「あらあら~?ごめんなさい、これ確か炭酸ですよね?」
歩「あ、あれ。すいません、ちょっと間違えちゃいました」イソイソ
歩(しまった…合コンの時に騙してジンジャー飲ましたんだっけ)
大先生「私炭酸はちょっとぉ…遠慮しておきますぅ」
歩(ならば奥の手を使うか)
歩「いやあすいません。今お茶切らしてて…水で良いですかね?」コト
大先生「お構いなく~」
歩(奥義、ただの炭酸水!見た目だけなら炭酸には見えまい!)
大先生「ではいただきますぅ~…」ゴクゴク
歩(勝った)
歩(相変わらず酔う時の声可愛いな)
大先生「あぁ~これ水なのにとっても美味しいですぅ~。どこ産ですかぁ?」グビグビ
歩「いやあ、ただのミネラルウォーターですよ」
大先生「またまたぁ。騙されませんよぉ~」ゴクゴク
歩「あ、おかわり持ってきますね」
大先生「あ、はい。ぜひ~」クピクピ
歩(炭酸水イッキする人初めて見たな)
大先生「そういえばぁ、何か忘れてるような~?」
歩「気のせいじゃないですか?」
大先生「そうですかぁ?…なんか暑くなってきちゃいましたぁ」ヌギヌギ
歩「ちょっ」
大先生「はー、スカートも暑いですぅ」カチャカチャ
歩「それはあかんでぇ!」
大先生「あらあらー?脱がせてくれるんですかぁ?有り難うございますぅ~」
歩「脱がしませんから脱がしませんから」
大先生「あのぉ~。アユムさ~ん」
歩「は、はい。なんですか大先生」ドキッ
大先生「チューしましょー」ギュー
歩「またこのパターンかよっ」
大先生「この前の続きですぅ~」
歩「勘弁してください!もう暗黒空間は嫌ですんで!」グイグイ
大先生「アユムさんはスケベなのにぃ、照れ屋さんなんですねぇ」ギュー
歩「大先生、ちょっと待っぐおおぉ…どこにこんな力がっ?」
大先生「むだですよぉ。私に勝とうなんて百年早いですぅー」ギュー
歩(やばい、ツインテールから良い匂いが!)
大先生「ほらほらぁ、諦めてチューしちゃいましょー」ギュウウウ
歩(らめぇ!貞操奪われちゃうのぉ!)
大先生「はい~?」ピタッ
歩「いやですね、さっきまで汗かいてて!綺麗にしたいです!」
大先生「そうなんですかぁ?じゃあ、しょうがないですけどぉ…」パッ
歩「はは、ははは…!大先生はゆっくりしてて下さい!」ドタドタ
大先生「あらぁ~。逃げちゃいましたぁ…」
歩(思わずホントにお風呂に入ってしまった)
歩「まあ、時間をおけば大先生の酔いも醒めるだろ」
歩(にしても良い匂いだったな…色っぽかったし)
歩「いかんいかん。これ以上変な事は考えないようにしないと」ザバー
大先生「変な事って何ですかぁ?」
歩「そりゃ大先生と…」
大先生「私と~…?」
歩「」
歩「ななな何でここにっ?」
大先生「だってぇ、アユムさんがお風呂に入るっていいますからぁ」
歩「だからって何で大先生まで入ってくるんですか!?」
大先生「えぇ~…だって私お風呂大好きですしぃ…」
歩「俺が入ってるんですけど!」
大先生「一緒に入ればぁ…ほら解決ですねぇ」ポムッ
歩「大事な何かが解決してないっ?」
歩「そ、その前にバスタオル巻いてくださいよ」
大先生「でもぉ、私のタオルないですよぉ」ゴシゴシ
歩「俺ので良いですから!」
大先生「あ、もう髪洗ってますぅ」ワシャワシャ
歩「魔装少女ってキライ!」
大先生「アユムさんも魔装少女じゃないですかぁ」ケラケラ
歩(一糸纏わぬ大先生が目の前に…)
歩「いかん、後で殺されるレベルだ」
大先生「?何か言いました?」バシャー
歩「何でもないです」
歩(ここは早期撤退がゾンビ的によろしいはず)
歩「じゃあ俺、そろそろ出ま…」
大先生「アユムさん、ちょっと寄ってさ~い」
歩「え」
歩(絶景)
大先生「狭いので上に座りますよぉ~?」ザバー
歩(えんだあああああ!)
大先生「?」
歩「大先生って柔らかいですね」
大先生「アユムさんちょっとスケベですよぉ」テレテレ
歩「プッツン」
大先生「脇はダメですぅ…ひゅわっ」ビクッ
歩「おっと、耳が弱点なんですか?」サワサワ
大先生「もう、アユムさんはいっつもハルナ達にこんな事を~?」
歩「とんでもないです。少ない時は週に7回ぐらいですよ」
大先生「それは毎日じゃないですかぁ~」
歩「いえいえ少ないですよ」
ユー『でも私には全然してくれない』
大先生「そうなんですかぁ?」
歩「そりゃそうですよ、ユーは大事な」
ユー「…」
歩「」
大先生「?」
ユー『歩は 今世紀最大の罪を犯した』=『お兄ちゃん…信じてたのに』
歩「ま、待ってくれユー、違うんだ!」
ユー『まずは 風呂を出てから』=『とりあえず服着てくれるかな?お兄ちゃん』
歩「え、ああ。すぐに出るよ」
大先生「えぇ~?もう出るんですかぁ?」
ユー「…」
歩「お願いだから駄々こねないでぇ!」
ユー「…」
歩(大先生は服を着てからすぐに寝付いてしまった…)
ユー『言い遺す事は』=『ユーね、辞世の句が聞きたいな~』
歩「すいません、違うんですホントにマジで」
ユー『理由次第では 情状酌量もありうる』
歩「さすが、可愛いし優しいしユーは女神だ」ナデナデ
ユー「…」テレ
ユー「…!」ハッ
ユー『甘い言葉で篭絡しようとしても無駄』
歩「そういうつもりじゃないんだが…」
ユー『完全に歩の責任』=『真っ黒だねお兄ちゃん!』
歩「あんな事になるなんて思ってなかったんだ!」
ユー『予想は出来たはず』=『誰でもそうなるよね』
歩「じゃあ、ユーでも一緒に風呂に入っちまうって事か?」
ユー「え」
歩「え」
ユー「…」カポーン
歩「熱くないか?ユー」
ユー『適温』=『ユーね、とってもきもちいーよ!お兄ちゃん!』
歩「そ、そうか」
ユー「…」コクッ
歩(お互いタオルを巻いているとは言え…)
ユー『買い物が早く終わったから 先に帰ってきた』=『ユー、お兄ちゃんに早く会いたくて、先に帰ってきたんだぁ』
歩「そうか…ってことは、ハルナとセラもそろそろ帰ってくるってことか?」
ユー『おそらく』
歩「じ、じゃあ早めに出て夕飯の支度しないとな!」ザバー
ユー「!」グイッ
歩「おっとっと…ユー?」
ユー『ゆっくりつからないと 疲れはとれない』=『もうちょっと一緒に入ってたいな~』
歩「んー…しょうがないなあ、ユーは」
セラ「ヘルサイズ殿?風呂に入っておられるのですか?」
歩「プランD、いわゆるピンチですね」
ユー『私に任せて』=『ユーにお任せだよっ!おにいちゃん!』
歩「名案があるのか、ユー」
ユー『私に任せれば この場を切り抜けられる』
ハルナ「おーい、根暗マンサー?」
歩「よし…その方法を教えてくれ、ユー」グッ
セラ「入浴中なら私もご一緒しま…」
歩「SAY!YO!」バァン
ハルナ・セラ「!?」ビクッ
歩「俺は入浴、君は貪欲、ついついトゥギャザーテイクアバス!」ズンズン
歩「途端にピンチ、断然ダンチ、ハートにパンチ!」ズンチャズンチャ
歩「SAY!YO!」ダッ!
ハルナ「逃がすかっ!」ガシッ
歩「ぐはっ!」ビターン
セラ「ヘルサイズ殿が入浴中のはずです…なぜ歩が、失礼。クソ虫が?」
歩「あってるから。言い直さなくていいから…」
ハルナ「質問に答えろよな!このラファエロ!」
歩「芸術家がさもエロいかのように言わないで!」
セラ「しかし…ヘルサイズ殿」
ハルナ「こいつの変態さ加減は天元突破しちゃってるしな」
歩「お前らはどんな目で俺を見てるんだよ」
セラ「言う必要が?」ジロ
歩「すいませんやっぱいいです」
ユー『元凶はあの人』=『あの人がお兄ちゃんを誘惑してたんだもん!』
ハルナ「大先生じゃん。なんで?」
セラ「よもやこの方まで巻き込んでいたとは…見下げ果てたものです」
歩「悪化しとるやん」
ユー『どんまい』=『てへっ。失敗しちゃった』
歩「おぅふっ」
ハルナ「悪魔男爵キィック!」ドゴ
歩「えんぺらっ」
ユー『処罰』=『お仕置きだよ、お兄ちゃん!』ペシ
歩「ありがとうございますっ」
ハルナ「これで懲りただろ!もうすんなよな!」
歩「はい…もう好奇心で酔わせたりしません…」
セラ「反省していますか?」
歩「はい…反省してます」
歩「はい…受けます…大先生!?」
ハルナ「あ、起きた」
ユー『酔いも 醒めてる』
大先生「はい~。もうさっぱりですぅ。アユムさん?」
歩「は、はい何でしょうか?」
大先生「お風呂ありがとうございましたぁ。気持ち良かったですよぉ」
歩「そそそうですか。それはよかったです」
大先生「じゃあ、罰として土下座から逆立ちしてー、三回転宙返りして海老反ってぇ、『うこいさうゅにんひ』って叫んで下さい」
歩「」
歩「くっ…」スッ
バッ!グイン!シュバッ!クルクルクル!トン!ドン!
歩「うこいさうゅにんひ!」
ハルナ「…」
セラ「…」
ユー「…」
歩「…」
ハルナ「楽しい?」
歩「う…」
セラ「あなたのおかげで絶対零度より冷たい何かが芽生えました」
歩「うおぉ…」
ユー『少し良かった』=『生きてればいい事あるよ、お兄ちゃん!』
歩「…こ、これで許してくれますよね!大先生!」
大先生「誰も許すなんて言ってませんよ~?」
歩「…」
歩「ほ、ホントに!?」
大先生「ノモブヨ、ヲシ、ハシタワ、ドケダ、グンミーチャ、デー、リブラ!」
歩「それだけは堪忍してぇぇぇぇぇ!」
ハルナ「自業自得だな」
セラ「因果応報です」
ユー『めでたしめでたし?』
大先生「お疲れ様です~アユムさん」トコトコ
歩「はは…大先生こそ、三人の相手をしてもらって」
大先生「私もたまには皆さんと遊びたいんですよぉ」
歩「宴会好きだから賑やかなのが良いんですね」
大先生「アユムさんの手料理も頂けましたしぃ、ご馳走様でしたぁ」ペコリ
歩「いやいや。あんなのでよかったら、いつでもどうぞ」
大先生「ふふ、彼女達なら居間で仲良く川の字ですよぉ」
歩「まったく、薄着だと風呂冷めしちまうぞ…っと」パサッ
大先生「…」ジー
歩「ん?なんかついてます?」
大先生「…いえ~。まるでお兄ちゃんみたいで」クスクス
歩「手のかかる妹達で困りますよ」
大先生「…羨ましいです」ポツリ
歩「おっと、もうこんな時間か…って、なんか言いました?」
大先生「…はい~。そろそろ私もヴィリエに帰ろうかと」
大先生「アユムさんのスケベっぷりには恐縮しますぅ」
歩「ほんの好奇心だったんです…」
大先生「でもぉ、一緒にお風呂まで入っちゃいましたしぃ」
歩「今日一日の記憶は消去しとくんで、はい」
大先生「…それはそれで嫌ですぅ」ボソッ
歩「え?」
大先生「何でもないでーす」
歩「何がですか?」
大先生「だからぁ、アユムさんの事ですよぉ~」
歩「は、はぁ…?」
大先生「せめて、こう…紳士になったらどうですかぁ?」
歩「紳士だなんてとんでもない」テレ
大先生「褒めてませんよぉ」
大先生「…?どうしたんですか?そんな見つめられると照れますぅ」
歩「いや…やっぱ大先生は可愛いなあと」
大先生「…」
歩「な、なんで黙るんですか?」
大先生「アユムさんってぇ、周りの女の子皆にそういうこと言ってるんですかぁ?」
歩「そんなことは…ないはずですけど」
大先生「…もしかしてアユムさんは生粋の女の子キラーじゃないですか」
大先生「もう気にしてませんよぉ~」
歩「それなら良かったです」
大先生「それじゃあ、そろそろお暇しますぅ」
歩「はい。おやすみなさい大先生」
大先生「はい~。あ、あとアユムさん」
歩「何でしょう?」
大先生「機会があればお風呂、また一緒に入りましょうね~?」
了。
これだけは言っておく。京子の可愛さは原作読めば分かる
次は京子SSでも書くだろうから見かけたらよろしく
京子SS待ってるわ
だがしかし俺はアニメ版の顔芸京子の方が好きだ!!
元スレ:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1342104836/
Entry ⇒ 2012.07.24 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
やよい「そっかー、今度授業参観があるんだ」
やよい「お母さん、あのね。今度のことなんだけど……」
やよい「……あ…ううん、気にしないよ」
やよい「そうだよね」
やよい「二人とも、お仕事忙しいもんね」
やよい「ごめんね」
かすみ「…どうしておねえちゃんが謝るの?」
やよい「ホントなら私が見に行ってあげたいんだけど……」
長介「……馬鹿なこと言うなよ、姉ちゃん」
長介「参観に見に来る人がいないくらいで落ち込むような歳じゃないって。な?かすみ」
かすみ「うん。いつものことだし、平気だよ」
やよい「…………」
やよい「………二人ともあんなこと言ってたけど」
やよい「ウソついてるって、お姉ちゃん分かるんだからね」
やよい「だって寂しかったもん。私も」
やよい「友達はみんなお父さんか、お母さんか…両方来てくれる子もいたのに」
やよい「私だけいないんだもん」
やよい「いつも一緒に帰る友達も、その日は家族で帰るんだよ」
やよい「一人で帰るのは、楽しくないよね」
やよい「まだ小学生なのに、私やお父さんたちに気を使うなんて……」
スゥー…
やよい「…二人とも寝てるかな?」
長介「……スゥ…スゥ……」
かすみ「………スゥー…スゥー…」
やよい「…ごめんね。お姉ちゃん頼りなくて」
やよい「…………おやすみ」
やよい「………そうだ」
──────
P「お願いが二つ?珍しいな」
やよい「ちょっと頼みにくいかもしれないんですけど……聞いてくれますか?」
P「…ま、普段頑張ってくれてるし。いいよ、何でも言ってみろ」
やよい「はい………一つ目なんですけど…」
P「うん」
やよい「今度の金曜日、お仕事入れてもらえませんか?絶対に」
P「………」
やよい「………」
P「……ん?仕事?それだけ?」
やよい「はい。一日中すーっごく忙しいスケジュールで、お仕事組んでもらえたらなーって」
P「…なんだ。てっきり休みにして欲しいのかと思ったんだけど」
やよい「い、いえ!いや、確かにお休みは嬉しいですけど……金曜日は絶対にお仕事をしたい気分なんです」
P「………?」
やよい「…………」
P「………」ジー
やよい「……あの、えと……」
P「何か隠してないか?」
やよい「な、何もありませんよ」
P「……ま、仕事熱心なのは褒めるべきなんだろうけどさ」
やよい「じゃ、じゃあ……」
P「……そうだな、都合付けてみるよ。金曜日でいいんだな?」
やよい「はい!ありがとうございます!」
P「で、二つ目は?」
やよい「……あのですね…これは個人的なお願いなんで、ちょっとわがままかもなんですけど……」
P「いいよ。できる限りならこたえてやる」
やよい「同じ日の金曜日に………」
──────
ガラガラ……
やよい「ただいまー」
かすみ「あ。お帰り、おねえちゃん」
やよい「遅くなってごめんね。晩ごはんの用意するから」
かすみ「ううん。私がやっといた」
やよい「……え?」
かすみ「おねえちゃんにばっかり苦労させられないもんね。自分で言うのもなんだけど、上手にできたよ」
やよい「……ホントに…?」
かすみ「もう、疑ってるの?食べてみてよ、おいしいから」
やよい「違うの、そうじゃなくて……」
長介「お帰りー姉ちゃん」
やよい「た、ただいま…」
長介「ほら、みんな待ってるからさ。早く飯食おうぜ」
長介「もうお腹ペコペコだよ」
やよい「……待っててくれたの?」
かすみ「兄弟そろって、がルールでしょ?」
長介「早く!みんな待ってるぞ」
かすみ「ちゃんと手を洗ってからね?ふふっ」
やよい「………うん!」
やよい「(なぁんだ)」
やよい「(長介もかすみも、いつの間にかこんなにしっかりしするようになってたんだ)」
やよい「(……プロデューサーに頼んだこと、もしかして無駄だったのかな?)」
──────
P「………長介くんとかすみちゃんの授業参観に出てやってくれ、か」
『お父さんとお母さんはお仕事で行けないんです』
『二人とも気にしてないって言ってるんですけど……やっぱりだれも見に来てくれないのは、寂しいと思うんです!』
P「……やっぱり、ご両親は毎日忙しいんだろうか」
小鳥「どうしたんです?」
P「いえ……やよいに頼みごとされちゃいまして」
P「弟たちの授業参観に行ってほしいらしいんです。……なぜか、俺に」
小鳥「へぇ……」
P「…でも、もう一つあって。やよい自身はその日ずっと仕事を入れてくれって」
小鳥「? それはどういうことなんでしょう……」
P「俺ならむしろ仕事を休みにしてもらって、自分で参観に行くのがいいと思うんですが……」
小鳥「さすがに中学生が小学生の授業参観っていうのは無理があるんじゃ……やよいちゃんだって学校があるのに」
P「あ…そうですね」
小鳥「………うーん…」
P「そもそも、やよいの仕事があったらおれはそっちの付き添いに行かなきゃいけないんですよね」
小鳥「……じゃあ、こういうのはどうでしょう」
P「なんです?」
小鳥「やよいちゃんの付き添いを律子さんか社長に頼んで、プロデューサーさんは参観に行く」
P「うーん…社長も律子も忙しいだろうし、聞いてくれるかどうか…」
小鳥「もしくは、代わりに私が参観に行くというのも」
P「……なるほど。それならむしろお母さん一人ってことで違和感ないかも」
小鳥「………そ…そうですね…」
P「……ともかく、その辺はもう一度やよいと相談してみます」
小鳥「ええ。そうしてください」
ガチャ
やよい「あ。プロデューサー。小鳥さんもこんにちは!」
P「おう。早かったな、学校から直接来たのか?」
小鳥「こんにちは、やよいちゃん。制服かわいいわね」
やよい「えへへー、ありがとうございます」
小鳥「荷物大きくて大変でしょ?こっちに置いといたら?」
やよい「はーい」ドサッ
P「随分重そうだな」
やよい「教科書とか、一杯あるんで毎日大変ですー」
小鳥「よっ……うっわ重い!」グググ…
やよい「大丈夫ですか?だいぶ重いから無理しないほうが……」
小鳥「だいじょっ…とっとっとっ…!」グラ
P「うわ、危ないですよ!」
ドターン
小鳥「」
やよい「小鳥さん!大丈夫ですか!?」
P「あーあもう……中身ひっくり返しちゃって」
やよい「私がかばん開けてたから…ごめんなさい」
小鳥「…い、いえ…私こそごめんなさい……」
P「片付けるの手伝うよ」
小鳥「あいたたた……」
やよい「小鳥さん、しっかりしてください!」
ピラッ
P「………あれ」
やよい「どこかケガしましたか?救急箱いります?」
小鳥「わ、私は平気だから…かばんを片付けましょう」
P「この紙………」
【やよかわ中学校 授業参観日のお知らせ
○月△日(金)】
P「………」
やよい「私、念のために取ってきますね!」ダッ
小鳥「あぁ、やよいちゃん……本当に優しいわ……」
小鳥「もう平気なのに………プロデューサーさん?」
P「…………」
小鳥「どうかしました?その紙は……?」
P「…………」
『弟たちが通う小学校で、金曜日に授業参観が』
『私は金曜日、お仕事入れてください!』
『お父さんとお母さんはいつも忙しくて』
『参観日にずっと来られなかったから』
『やっぱり誰も見に来てくれないのは、寂しいと思うんです!』
P「…………そういうことだったのか」
やよい「小鳥さん!取ってきました!」
小鳥「あ、ありがとうやよいちゃん。でも私は全然………」
P「やよい」
やよい「はい?なんですか?」
P「すまないが、今度の金曜…仕事入れられそうにないんだ」
やよい「……え?」
P「レッスンスタジオも、いつも使ってるところは一日埋まってる」
P「やることがないんだ」
やよい「…………」
P「だから今度の金曜は、事務所に来なくてもいいぞ」
P「学校休みがちだろ?だからそっちに行け」
やよい「あの、でも……」
P「最近だんだん忙しくなってきてるんだし、いける日にきちんと学校に行かないとな」
やよい「その……」
P「お前もみんなもアイドルである前に学生なんだ。勉強をおろそかにしちゃいけない」
やよい「……う…じゃ、じゃあ掃除やります!一日中事務所の掃除手伝います…」
P「全部小鳥さんがやる」
小鳥「えっ!?」
P「ね?」
小鳥「あの」
P「だから心配いらないよ」
P「今度の金曜は学校の日。分かった?」
やよい「…………」
やよい「………わかりました」
P「よし。今日はレッスンがあるからな」
P「学校終わってからで疲れてるかもしれないけど、頑張るんだぞ」
やよい「……はい」
P「先行っててくれ。多分亜美と真美が一緒にいるから」
やよい「分かりました」
バタン
小鳥「……やよいちゃん、どうしたんでしょう?そんなに金曜日、お仕事したかったのかしら…」
P「小鳥さん」
小鳥「…はい?」
P「今、有給申請して構いませんかね?」
小鳥「えっ?」
P「今度の金曜なんですけど。無理なら午後からだけでも」
──────
かすみ「おねえちゃん、おはよう」
やよい「あ、おはよう。かすみ」
長介「おはよ」
やよい「朝ごはんできてるからね」
かすみ「うん。いただきます」
長介「姉ちゃん今日は学校行くの?」
やよい「!」
長介「…?」
やよい「……うん」
かすみ「…おねえちゃんの学校もだっけ?」
やよい「………そうだよ」
長介「…ま、いいじゃん。友達はみんな『親が来てうざい』って言ってるし」
長介「オレさ、実はうらやましがられてるんだよね。気楽でいいなってさ」
やよい「………」
長介「もう!なんだよ姉ちゃん」
かすみ「私たちは平気だよ」
やよい「………ホント?」
長介「何回も言ってるじゃんかよ。気にすんなって」
やよい「…そっか!なら安心」
やよい「私は大丈夫だけど、みんな寂しかったらどうしよっかなーって心配だったんだからね」
かすみ「ふふっ。大丈夫だよ」
長介「俺たちだって寂しくなんかないよ。バカだな」
やよい「お姉ちゃんのことをバカ呼ばわりしないの」
長介「ははは」
やよい「じゃ、私ちょっと早いからそろそろ行くね」
長介「うん。行ってらっしゃい」
やよい「戸締りきちんとね!鍵はマットの下!」
かすみ「うん。いってらっしゃーい」
やよい「行ってきます!」
ガラガラ…
ピシャン
長介「………」
かすみ「………」
長介「かすみ、ウソつくなよ」
かすみ「……そっちだって」
やよい「…ウソついちゃった」
やよい「でも、プロデューサーにはちゃんとお願いしておいたし」
やよい「長介たち。びっくりするかな?…えへへ」
P「おはようございます」
小鳥「おはようございます。午前中だけでも頑張ってくださいね」
P「はい」
小鳥「……それで?」
P「え?」
小鳥「授業参観に行くんですよね?誰のですか?」
P「…そりゃもちろん、やよいに頼まれた長介くんたちの……」
小鳥「そこだけですか?ホントに?」ニヤニヤ
P「………はぁ」
P「やよいが弟たちの参観に行くよう俺にお願いしておきながら」
P「どうして自分は頑なに仕事を入れたがっていたのか」
P「理由を考えるといてもたってもいられなくなって……」
小鳥「…そうですか。頑張ってくださいね」
P「…頑張ることなんて何もないですよ」
小鳥「いえいえ。小学校と中学校の行き来は大変だなぁと思って」
P「…ですね」
P「では、ちょっと外回り行ってきます」
P「昼に一度戻ってきた後、退社しますんで」
小鳥「はい。行ってらっしゃーい」
バタン
小鳥「………さて」
小鳥「今日は大変な1日になりそうねー。定時に帰れるかしら」
小鳥「……ま、あっちはそっとしておいてあげましょう」
──────
「やよいー、お昼ご飯食べよっ」
やよい「うん」
「はー、午後は面倒だなぁ。中学にもなって授業参観なんてだるいねー」
「ねー。小学校の間にたくさんやったしいいじゃんね?」
やよい「そ、そうだね……」
「あとで色々怒られるし。来ないほうが楽でいいよねー」
やよい「………」
やよい「(……これが普通なのかな?)」
やよい「(……誰も来てくれないのを気にしてる私って)」
やよい「(やっぱり子供なのかな……)」
「やよい?どうかした?」
やよい「え?ううん、なんでもない」
やよい「(………プロデューサー)」
やよい「(せめて長介たちだけは、喜ばせてあげてくださいね)」
──────
P「あとの仕事全部小鳥さんに任せて、悪いことしちゃったな…」
P「今度食事でも誘ってあげよう」
P「……まずは長介くんのクラスから。ここだな……」
P「……どこにいる…?」
長介「…………」カキカキ
P「(お、やってるやってる。一番後ろの席か…真面目にうけてて偉いな)」
P「(もうちょっと近くに行ってやるか)」
P「すいません、ちょっと通らせてくださいね。失礼」ボソボソ
長介「…………」ボー
P「(あれ、今度はボーっとし始めたぞ)」
長介「…………」コク…コク…
P「(なんだ、眠いのか)」
長介「…………!」ハッ
長介「………」カキカキ
P「(ははは、しっかりしろよ。しょうがない、ちょっと目を覚まさせてやるか)」
P「(おーい、頑張れよ)」ボソボソ
長介「!!」クルッ
P「よ」
長介「(プロデューサーの兄ちゃん…!?何で来てんの!?)」ボソボソ
P「(前向け前)」
長介「(見に来てくれたの!?マジで!すげぇ!)」
P「(わかった、分かったから。ほら頑張って授業受けろ、見ててやるから)」
長介「……!!」コクリ
P「(なんだなんだ、すごく嬉しそうだぞ?)」
「だから、この問題はさっき覚えた公式をこう変形して……」
長介「…………」カキカキ
P「…………」
長介「…………」チラッ
P「…………」
長介「…………」
P「…………」
長介「…………」チラッ
P「(めっちゃ気にしてる……)」
P「(長介くん。悪いけどそろそろ時間だし、かすみちゃんのところ行くよ)」
長介「(OK)」グッ
P「(またな)」
P「…………あんなに喜ぶもんなのか」
P「おれ、子供の頃参観に来てもらってあんなに喜んでたかなぁ………」
P「………ま、悪くはないかな」
P「かすみちゃんのクラスは……ここね、よし」
カラカラ……
P「(あっ、ちょうど黒板の前で答え書いてるところじゃないか!グッドタイミング)」
かすみ「えっと………ここがこうで…」カッカッ
P「(へー…難しそうなのにスラスラ解いてる…やよいよりも成績良いのかも知れないな)」
かすみ「……で、こう。先生、できました」
「ありがとう、正解です。戻っていいわよ」
かすみ「はい」テクテク
かすみ「…!」
P「(……あ、目が合った。軽く手を振っとこう)」フリフリ
かすみ「……!」ニッコリ
P「(うわぁこれまためちゃくちゃ嬉しそう!でもそんなところで笑ったりなんかしたら……)」
「あら、保護者の方がいらしてるんですか?どうもー」
ドッ
HAHAHAHA……
P「(先生にいじられた…!)」
P「…ど、どうもー」
HAHAHA……
かすみ「………」ニコニコ
P「(あはは……かすみちゃん、頑張ってね。見てるから)」グッ
かすみ「……」コクリ
P「(…なんとなく伝わったみたいだな)」
「では、次の問題は……出席番号次の人」
「前に来て解いてくれるかしら?よろしくね」
かすみ「………」カキカキ
P「(かすみちゃんも、真面目に授業受けてるな…偉い偉い)」
かすみ「……」チラッ
P「………」
かすみ「……」ニコッ
P「…あはは……」フリフリ
かすみ「………」カキカキ
P「………」
かすみ「………」チラッ
P「………」
かすみ「………」ニコッ
P「(…あぁもう、いちいち可愛いな!)」
浩3人組はどこまでが小学生だっけ?
浩太郎はどうだろう
浩司が幼稚園
浩三は赤ちゃんでFA?
まあちょっと時間軸がずれればあり得ないこともないだろう
P「(あんだけ嬉しそうにしてるの見ると、なんだか出て行きづらいな……)」
かすみ「………」チラッ
かすみ「………」ニコッ
P「……まいったな…」フリフリ
P「仕方ない。このままだと時間も…」
P「(かすみちゃん、そろそろ行くよ。またね)」
かすみ「………」フリフリ
P「………ふぅ。あとは浩太郎くんのあと、やよいのとこに急がないとな」
「はーいみんなー!お父さんやお母さんが来てくれてうれしいのは分かるけど、お利口に授業受けてくださいっ!」
ガヤガヤ
ガヤガヤ
P「…さすが低学年クラスはカオスだな」
P「…浩太郎くーん。どこだー……?」
浩太郎「あっ!にーちゃん!」
P「うおっ!そこにいたのか……」
「にーちゃんってだれのー?」
「こーたろーのだってー」
「ほんとにー?にてないよ」
ガヤガヤ
ガヤガヤ
P「まずいな……」
P「(こ、浩太郎くん?俺は教室の外から見てるから、静かに授業受けようね)」
浩太郎「はーい!」
P「(静かにね)」シーッ
浩太郎「(はーい)」シー
「はい次は、歌を使って九九を覚えましょうねー」
「「「「はーい」」」」
P「……なんとか収まったか。先生ってのは大変な仕事だ」
P「…頑張れよ。浩太郎くん…またあとでな」ダッ
浩太郎「………」フリフリ
P「中学校までは車で10分……なんとか間に合いそうだ。よかった」
「…というわけで、ここで登場人物の気持ちを確認しておきますと…」
やよい「………はぁ…」
やよい「(……学校ってこんなにつまらないところだったっけ……)」
やよい「(………だめだめ!せっかくお休みもらったんだから、きちんと授業受けないと……)」
やよい「(……プロデューサー…皆のところにちゃんと行ってくれたかな?)」
カラカラ……
「…すいません、失礼します…通ります…」ボソボソ
やよい「(………長介もかすみも無理しちゃって)」
やよい「(私だって小学校の頃は寂しかったんだから、同じに決まってるのに)」
やよい「…………」
やよい「(…プロデューサー…もしかしたら、頼んだら来てくれたのかな)」
やよい「(こんなお願いするの恥ずかしいけど……)」
やよい「(………見に来てくれるんなら)」
やよい「来てほしかったな……」ボソ
「……誰に来てほしいって?」ボソ
やよい「!!??」ガタン
「…どうした?誰だ?」
やよい「す、すいません!なんでもないです!」
「……高槻か。大丈夫か?」
やよい「は、はい…ごめんなさい」
「……続けるぞ」
やよい「(……あ、あの、もしかして…)」ボソボソ
P「(後ろ向くんじゃないぞ)」
やよい「(……)」コクリ
P「(…授業、頑張れよ。見てるから)」
やよい「(………! はい…!)」
(えっお前使えないの?)
やよい「(うわー!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!)」ドキドキ
やよい「(プロデューサーが………見に来てくれた…!)」
やよい「(ダメ、顔おさえないと……にやけて……えへへ、えへへへ…)」
やよい「(あぁ、ダメだってば……!笑ってたら先生に怒られる……)」
やよい「(…うぅ、我慢できない……プロデューサー…!プロデューサー…!)」
やよい「(来てくれた……っ!!)」
やよい「(私のために……見に来てくれた……!!)」
やよい「(嬉しい……嬉しいよっ……!!)」
P「(……間に合ってよかった)」ホッ
──────
キーンコーンカーンコーン……
やよい「………授業終わったら、プロデューサーもういなくなっちゃってた」
やよい「…ま、お仕事忙しいだろうし、しょうがないよね……」
やよい「……ちゃんとお礼言っておかないと…」
ブー…ブー…
やよい「あ、メール……プロデューサーから?」
2012/07/13 16:29
From:プロデューサー
件名:お疲れ様
本文:長介くんたちを家に送るために少し早く抜けさせてもらったよ。
よかったら俺が中学校に戻るまで少しまっててもらえないか?
30分ほどでそっちにいけるはずだ
面倒なら先に帰っててもいいぞ
やよい「でもでも、だったらどうしてわざわざこっちに戻ってくるんだろう…?」
やよい「…………」
カチカチカチ…
2012/07/13 16:34
To:プロデューサー
件名:Re:お疲れ様
本文:今日はありがとうございました。
校門の前で待ってます。
…早く来てくださいね
──────
P「……やよいー。やよいー」
やよい「あっ、プロデューサー……!」
P「…お待たせ。今日はお疲れさま」
やよい「はい!あの、色々ありがとうございました!」
やよい「長介たちにもよくしてもらって……それに…それに」
やよい「まさか、私も見に来てくれるなんて……とっても嬉しかったです…」
P「…そっか、よかった。でもまだだぞ」
やよい「えっ?」
P「一緒に帰るまでが参観日ってな」
やよい「……!」
やよい「……えへへ。はい!」
やよい「でも、どうして分かったんです?ウチの学校も今日が参観日だってこと」
P「たまたまお前の中学校の配布物を見つけてな」
やよい「あれ?事務所のどこかで落としたんでしょうか…」
P「…まあ、そうなんだろう」
やよい「弟たちは何て言ってました?」
P「3人とも喜んでくれてたよ。…見に来てくれたことがなかったから嬉しかったってさ」
やよい「…………」
P「…………」
やよい「……」
P「……お前が仕事を入れたがってたのは、こういうことだったのかってのもよく分かった」
やよい「……ごめんなさい…」
P「謝ることなんかじゃない」
やよい「でも、お仕事に逃げようとしたんですよ?私」
P「それでもだよ」
P「わざわざ俺に頼んでまで、長介君たちを見に行ってやってくれって言ったのは…」
P「昔自分が感じたのと同じように、寂しい思いをさせたくなかったからだろ?」
やよい「………」
P「やよいはとっても優しい子だ」
P「でも、兄弟のためとはいえ自分が我慢する必要なんてないんだぞ?」
やよい「……はい」
P「今日だって、お前の授業を見に行く時間をきちんと取れたし…全てうまく行った」
P「忙しかったけど、楽しかったよ。俺は」
P「まあやよいの家は兄弟も多いし、色々大変なことが多いだろうし」
P「これからもお姉ちゃんとして頑張らないといけないのかもしれないけどさ」
やよい「………」
P「もっと頼っていいよ」
やよい「……はい」
P「最近じゃ高槻家の代理家族役も、型にはまってきた所だしな。ははは」
やよい「……そうですね。プロデューサー、家で何かすること増えましたね」
P「うん」
やよい「…だったら、たまにはプロデューサーのこと、家族として頼ってもいいですよね」
P「もちろん。いつでもどうぞ」
やよい「じゃあ、今度また授業参観が会ったときはまた見に来てくれますか?」
P「いいに決まってるよ。でも、お父さんが無理なときだけだぞ?そのときは全員分参観してやるからな」
やよい「えへへー。楽しみにしてます!」
P「俺も楽しみだよ。またニヤついたやよいの顔が見られると思ったらな」
やよい「……えっ?えっ!?み、見てたんですか!?」
P「ちょっとだけ、いや結構じっくり」
やよい「ちょ、ちょっと待ってください!忘れてくださいぃー!」
P「無理だねー。可愛かったよ」
やよい「もー、プロデューサー…!」
長介「…なんだあれ」
かすみ「すっごく仲よさそうだね」
長介「……朝はあんなに暗い顔してたのに、兄ちゃん一人来ただけであんなに楽しそうなんだな」
長介「はーあ。心配して損した」
かすみ「よかったじゃない。それにプロデューサーさんが一緒にいると、なんだか楽しいもんね」
長介「……まあね」
長介「……晩ごはん、食べていってもらう?」
かすみ「そうしよっか」
P「ほら!もう家についたぞ!やよい!」
やよい「長介ぇー、プロデューサーがひどいんだよー……」
長介「はいはい。さあ入った入った」
かすみ「プロデューサーさんもどうぞ」
P「いいのか?…ならお邪魔するよ」
やよい「晩ごはんの準備しますねー」
長介「兄ちゃん!俺どうだった!?頑張ってただろ?」
P「おう。ちょっと眠そうにしてたけどな」
やよい「………」トントン
かすみ「私も頑張ってたでしょ?」
P「ああ。頑張ってたよ」
やよい「………」トントントン
P「………」
やよい「………」トントントン
P「やよいも頑張ってたぞー!」
やよい「えっ!あ、ありがとうございます!」トントントン
P「偉かったぞー!」
やよい「あの、ありがとうございます!」トントントン
P「…さて」
P「…今日はもうしばらくここでゆっくりさせてもらうか」
P「…いい家族じゃない。高槻家」
終わり
お付き合いありがとう
すごくよかった
いい話だった
Entry ⇒ 2012.07.23 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
豊音「ぼっちじゃないよー」
豊音「そもそもお友達がいないよー」
豊音「………あ、ツモだ」
豊音「………」
豊音「」クスン
豊音「ぼっちでもお友達が来てくれるんだもん」
豊音「………」
豊音「私も友達ほしいよー」
豊音「私にとっての麻雀は牌を一人で並べる遊びだよー」
豊音「ぼっちじゃないよー」
豊音「お友達がきたよー」
豊音「私には来ないけど……」
豊音「……裸単騎か」
豊音「お友達がこないよー」
豊音「………」
豊音「岩手寒いよー」
豊音「おっかける相手がいないよー」
豊音「おっかけたいけどー」
豊音「おっかける相手がいないよー」
アハハ
ウフフ
豊音「おいかけっこは楽しそうだよー」
豊音「……でも私なんかがおっかけても誰も楽しくないんだろうな」
豊音「この前なんか近所の女の子を泣かせちゃったし……」
豊音「おっかけたいよー」クスン
豊音「何度見ても楽しいよー」
豊音「皆で打って、皆と打って……」
豊音「私も……私もあそこに混ざりたいよー」
豊音「友達……」
豊音「こんな私にも友達作れるのかな……」
豊音「ここじゃ無理でも……外の世界に出れば……」
豊音「はは、何考えてるんだろ……そんなこと有り得ないのに……」
豊音「きっと一生分大切にするよー」
豊音「だって私にとって初めての友達は……」
豊音「たぶん一生涯の友達になりそうだから」
豊音「あれ……ここは……」
エイスリン「トヨネ!オキタ!」
胡桃「もうすぐ大将戦始まっちゃう!」
白望「なんかうなされてたけど大丈夫……?」
豊音「……大丈夫だよーだって私には……」
豊音「うん!がんばるよー」
豊音(だって……だって私はもうぼっちじゃないから)
豊音(今の私には皆がいる……皆がついてる)
豊音(あの頃の憧れがようやく叶ったんだ……)
豊音「まだまだ続けたいので負けるわけにはいかないよー」
豊音「私はぼっちじゃないよーお友達がいるよー」
槓!
ここから先出番あってほしいよー
塞「そ、皆で同じ大学行かないかって話になってね」
白望「……一緒に行く?」
エイスリン「コレカラモミンナイッショ!」
豊音「大学受験かー考えてもいなかったよー」
胡桃「嫌?」
豊音「ううん!そんなことないよー」
豊音「ちょーうれしいよー」
豊音「エイスリンさんはまず日本語から頑張らなきゃだねー」
エイスリン「ガンバル!」
白望「勉強ダルい……」
胡桃「それにしても……」
塞「シロが一番模試の成績が良いとはねー」
豊音「麻雀以外にも使えるんだねー」
塞「私は前の人を見つめたらその人を赤点にすることも出来なくは無いけどね」
白望「なんとも後ろ向きな……」
エイスリン「トヨネハ?トヨネハ?」wktk
豊音「教室中の生徒全員を赤点に……とか?」
胡桃(仏滅っ!)
豊音「向こうではやることなかったからねー」
胡桃「……となると」チラッ
塞「後は……」チラッ
エイスリン「ワタシ、ミンナトイッショノダイガクイケナイノカナ?」グスッ
豊音「大丈夫だよー」ギュッ
エイスリン「ア……」
豊音「エイスリンさんはぼっちじゃないよー皆がついてるから」
豊音「きっとなんとかなるよー」
白望「泣かないで……勉強ダル……頑張ろう?」
エイスリン「シロ!」
胡桃「エイちゃん、私とシロとトヨネが教えるから大丈夫!」
塞「私は!?勿論私だって教えるわよ」
エイスリン「クルミ!サエ!ミンナ、アリガト!」
豊音「………」ポロポロ
豊音「え……あれ……?」ポロポロ
胡桃「お腹でも痛いの?」
豊音「あはは……おかしいよね。悲しくも辛くも痛くもないのに……」グスッ
エイスリン「トヨネ……ダイジョウブ?」
豊音「ごめんね、大丈夫だよー」
豊音「そんなのがずっと続けばいいなって思ってた……」
豊音「でももうすぐ卒業って考えると悲しくて……」
豊音「皆で同じ大学行くって聞いてちょーうれしかったよ……」
豊音「でもでも……だからこそ誰か一人でも欠けたらって考えたらちょー不安で……」
豊音「まだまだ……これからもずっと……このメンバーでいたいよー」グスッ
塞「トヨネ……」
エイスリン「トヨネ!ワタシガンバルカラ!」
胡桃「私も!」
塞「これは落ちれないねー」
豊音「皆……」ポロポロ
白望「泣かないで……皆で同じ大学行こ?」
エイスリン「ミンナイッショ!」
豊音「うんっ!」
もいっこ槓!
留学制度ってよく知らないけども
一時帰国からのもう一回大学に留学や!
はよ
豊音「ううん、そんなことないよー」
エイスリン「サエトクルミハ?」
豊音「あっちは二人で大丈夫だ、って言ってたけどー」
エイスリン「タノシミダネーシロノタンジョウビ!」
豊音「うんっ!ちょーたのしみだよー」
どうすか
エイスリン「ウンッ!プレゼント!」
豊音「何あげたら喜んでくれるのかなー?」
エイスリン「」カキカキ
エイスリン「」サッ
豊音「ぬいぐるみ?そっかーいつも胡桃抱いてるからねー」
豊音「きっと喜んでくれるよー」
エイスリン「トヨネ!トヨネ!アレ!」
豊音「あー山女のぬいぐるみだーおっきいねー」
エイスリン「トヨネミタイデカワイイ」
豊音「私はこんなに可愛くないよー私みたいな大女が可愛いとか……ありえないかなーとかとか……」
エイスリン「エー?ソンナコトナイヨ?」
エイスリン「ザンネン……」
豊音「んーどうしたものかなー?」
エイスリン「トヨネ!コレハ?」
豊音「羊のぬいぐるみかー」
エイスリン「ドウカナ?」
豊音「モフモフちょーかわいいよー」
エイスリン「エヘヘ」ニコニコ
エイスリン「シロ、ヨロコンデクレルカナッ?」
豊音「きっと喜ぶよー」
エイスリン「ホント?」
豊音「本当に本当だよ!」
エイスリン「エヘヘ」
豊音(少し前までは考えられなかったことだよー)
豊音(本当にこっち来て良かった……毎日がちょー楽しいよー)
エイスリン「トヨネ!アルクノハヤイ……」
豊音「あ、ごめんごめん」
エイスリン「」サッ
豊音「えっ?手を繋ぐの?」
エイスリン「ダメ?」
豊音「ううん、そんなことない……そんなことないよー」ギュッ
エイスリン「エヘヘ、アリガト」ギュッ
豊音「あー…うん、こっちに出てきて良かったなーって」
豊音「向こうでは友達いなかったから……でもここにはシロがいて、胡桃も塞さんもいて、エイスリンさんもいる……毎日がちょー楽しいよー」
エイスリン「ワタシモ!」
豊音「……えっ?」
エイスリン「ワタシモトヨネトイッショ!」
豊音「日本に来て一人で不安だったけど……」
エイスリン「」カキカキ
豊音「そんな私にシロは声かけてくれて……」
エイスリン「」カキカキ
豊音「皆と出会えて麻雀部入って……」
エイスリン「」カキカキ
豊音「皆と麻雀して、全国大会出て……」
エイスリン「」カキカキ
豊音「皆で受験勉強して、同じ大学に受かって……」
エイスリン「」カキカキ
豊音「毎日がちょー楽しい……」
エイスリン「ウン!」ニコッ
豊音「本当に私と一緒だねー」
エイスリン「サエ!クルミ!」
豊音「えへへー」
胡桃「そっちはプレゼントは買えた?」
豊音「買えたよー」
エイスリン「ソッチハ?」
塞「もち」
豊音「シロの誕生日がたのしみだよー」
胡桃「だね!」
豊音「ダルいダルい言ってるけど、なんだかんだで優しいからねー」
エイスリン「ウン!シロヤサシイ!」
胡桃「毎日、シロに充電させてもらわないと調子狂う!」
豊音「あははー」
胡桃「ん!」
塞「エイスリンはシロに麻雀部に誘われて、試合で負けた時には慰められて……」
エイスリン「ウン……///」
塞「私とトヨネは試合中に様子を見に来て貰った、と」
豊音「それとねー初めて会った時、あまり喋らない子だなーって思ってたらねー」
豊音「『それで、いつ転校してくるの?』って言ってくれたよーあれは嬉しかったなー」
塞「なんという天然ジゴロ……」
エイスリン「ウン!」
豊音「ちょっとシロが羨ましく思うよー私の誕生日はまだまだ先だから……」
塞「お?それは盛大にやってほしいって前フリかな?」
豊音「そ、そんなことないよー」
胡桃「残念!」
豊音「でも……こんな風に誕生日を祝えてもらえたならそれはとっても嬉しいなって」
塞「トヨネ、誕生日楽しみにしてなよ~?きっと一生忘れられない思い出にするからさ」
胡桃「来年も!」
エイスリン「サライネンモ!」
塞「皆一緒なんだから。きっと楽しいよ!」
豊音「皆ぁ……ちょーうれしいよー」ポロポロ
もいっこ槓!
咲さん可愛いよ
まだ残ってたなんてそんなん考慮しとらんよ……
豊音「ちょー名残惜しいよー」
白望「卒業式とかダルい……」
クルミ「トヨネやエイちゃんが泣くのは想像出来るけど、シロは全く想像出来ない!」
エイスリン「タ、タシカニ!」
豊音「あははー」
エイスリン「ア……」シュン
胡桃「………」
塞「そういやそうだね……」
豊音「……じゃ、じゃあさ」
胡桃「……?」
豊音「今日はここでお泊まり会しようよー最後の思い出作りにっ!」
エイスリン「ソレイイ!」パァァ
塞「いいね」
胡桃「ん!」
白望「豊音、『最後』じゃないよ……『ここでの最後』……」
豊音「あ……うんっ!」
胡桃「大丈夫っ!シロに抱きついてれば暖かいから!」ダキッ
白望「ちょ……」
エイスリン「ワタシモ!」ダキッ
白望「エ、エイスリンまで……」
豊音「シロ、ちょー暖かいよー」ダキッ
白望「豊音……重……」
塞「ふふ、シロはモテモテですなぁ~」
豊音「うんー」ポロポロ
胡桃(まだ泣いてるっ!)
エイスリン「シロハズットネテタ」
白望「あー……うん……ダルい」
塞「シロは相変わらずかー」
胡桃「一度くらい泣き顔も見てみたい……!」
塞「そりゃ、バレたらマズイからね」
エイスリン「トテモワクワクスル!」
胡桃「それ分かるっ!」
豊音「ホントは悪いことだけどスリルがあって楽しいよーきっと皆と一緒だからだねー」
エイスリン「コタツ!」
塞「あー確かに」
豊音「ちょっと物置から出してくるよー」
塞「何で仕舞ってあったんだっけ?」
胡桃「シロが炬燵から出てこなくなるから!」チラッ
白望「………」プイッ
エイスリン「コタツ!コタツ!」
白望「ありがと、豊音」
豊音「えへへ、どういたしましてだよー」
塞「ねぇ、せっかくだからちょっと打たない?」
胡桃「静かに、ね!」
白望「………」タンッ
塞「このメンバーが揃ってから一年と少しだっけ……」チャッ
豊音「短いけど色々なことがあったよねー」タンッ
エイスリン「アッタアッタ!」
胡桃「皆で練習して、全国大会出て……」ペシッ
白望「ちょっと早めの卒業旅行して……」タンッ
塞「皆で受験勉強して……」チャッ
豊音「ホント、楽しかったよー」タンッ
塞「あーあれかー」チャッ
豊音「アレ?」
塞「ほら、留学の期間延長で色々したじゃない」
豊音「そんなこともあったねー」
胡桃「普段のエイちゃんからは想像出来ない声で親に電話して……」ペシッ
塞「英語だったから何言ってるかサッパリだったけどさ……」チャッ
豊音「不思議と話しの内容は分かったよねー」
エイスリン「ハ、ハズカシイ……」トンッ
白望「……でも、嬉しかった」タンッ
胡桃「うんっ!」ペシッ
塞「あらら」
エイスリン「シロ、ネチャッタ」
胡桃「私も眠い……!」
塞「そりゃもう夜中の2時だもんね。眠いはずだわ」
エイスリン「シロニシテハヨクオキテタ」
豊音「眠るのが惜しかったのかなー?」
胡桃「」スースー
塞「胡桃も寝ちゃったか……」
胡桃「」クークー
塞「」クークー
エイスリン「トヨネ、マダオキテル?」
豊音「起きてるよー」
エイスリン「ネムレナイ?」
豊音「ううん、寝るのが惜しい気がするだけだよー」
エイスリン「ワタシモ……」
豊音「エイスリンさんと私って似てるのかなー?」
エイスリン「エヘヘ、ソウダトウレシイ」
豊音「っと、エイスリンさんも寝ちゃったかー」
豊音「シロ、胡桃、塞さん、エイスリンさん……ぼっちだった私と友達になってくれたかけがえのない友達……」
豊音「高校生活はこれで終わっちゃうけど、まだ終わりじゃない……」
豊音「大学でも皆一緒……」
豊音「十年、二十年、三十年経ってもこのメンバーで集まりたいよー」
豊音「だって皆は私の――」
白望「」スースー
エイスリン「」スースー
胡桃「」クークー
塞「」スースー
トシ「あらあら……」
トシ「全く悪い子たちだね……」
トシ「本当は教師として叱ってやらなきゃなんだけどねぇ……」
トシ「今夜だけは特別だからね……」
トシ「皆、卒業おめでとう」
トシ「おやすみなさい」
胡桃「だねっ!」
エイスリン「マタミンナイッショ!」
白望「入学式ダルい……」
豊音「ねぇねぇ、皆!」
胡桃「ん!?」
塞「どったの?トヨネ」
豊音「校門くぐる時は皆でせーのでくぐろうよー」
エイスリン「ステキ!」パァァ
白望「……いいかも」
胡桃(恥ずかしいっ!)
塞「私達の変わらぬ友情を誓ってってとこかな?」
豊音「じゃーいくよー」
『せーの!』
豊音(たまにこれは夢なんじゃないかと思ったりもするよー)
豊音(でも、皆は確かにここにいる……ここにある……)
豊音(これまでも……これからもずっと一緒……)
豊音(だって皆は私の大切な友達だから……)
豊音「ぼっちじゃないよーお友達たくさんだよー」
もいっこ槓!ツモ!
姉帯さんちょーかわいいよ
Entry ⇒ 2012.07.23 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (2) | Trackbacks (0)
俺「ん?なんだこれ…矢の破片?」ヒョイ
俺「痛ェェェェェッッ!!」ブシャアアアアア
俺「クソッ!何だッてんだよォォォォ!」
俺「クソッ、早く止血しねーと…」サッ
俺「……?別に大した傷跡が無い…?」
俺「こんな不吉なモン捨ててやるよチクショウ!」ポーイ
俺「さっさと帰って寝るか…」
???「詳しく調べる必要があるな…」
???「まず「矢」を回収しておくか…」
俺「うーん、良く寝たな」ピンポーン
俺「ったく…こんな時間に来客かよ」ガバッ
俺「はいはーい、どちらサマー?(夏だけに」
???「君が俺君かい?」
俺「はあ、まあそうですけど」
???「少し…話を伺いたい」
俺「構いませんが…あんたは誰です?」
???「私か?私の名は、>>19だ」
俺「はあ(シラネ…)」
俺「で、マズヤニさんは俺に何の用ですか?」
マズヤニ「昨日、君は「矢」の破片を拾ったね?」
俺「はい(何で知ってんのコイツ)」
マズヤニ「その「矢」は、人の運命を大きく変えてしまう物でね…それこそ安価と同じ位に。
一度触ってしまえば取り返しが付かない、それは安価↓が通じないのと同じ事なんだ。絶対なんだ」
俺「はあ…大変なんですね(何言ってんだコイツ)」
俺「(宗教か何かだろうか…)」
マズヤニ「君には、「スタンド能力」という物が備わったのだ」
俺「(そろそろドア閉めるべきだろうか)」
俺「はあ…正直、そんな突拍子も無い事言われても…」
マズヤニ「…確かにそうだな、ならば私のスタンドを君に見せよう。
「矢」に選ばれた君なら見る事が出来るだろう」
マズヤニ「行くぞッッ!!」ドドドドドドドドドドドドド
スタンド名>>28
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ルイズルイズルイズぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!ルイズ・フランソワーズたんの桃色ブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
小説11巻のルイズたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
アニメ2期決まって良かったねルイズたん!あぁあああああ!かわいい!ルイズたん!かわいい!あっああぁああ!
コミック2巻も発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!コミックなんて現実じゃない!!!!あ…小説もアニメもよく考えたら…
ル イ ズ ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!ハルケギニアぁああああ!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵のルイズちゃんが僕を見てる?
表紙絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!ルイズちゃんが僕を見てるぞ!挿絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!!
アニメのルイズちゃんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはルイズちゃんがいる!!やったよケティ!!ひとりでできるもん!!!
あ、コミックのルイズちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあアン様ぁあ!!セ、セイバー!!シャナぁああああああ!!!ヴィルヘルミナぁあああ!!
ううっうぅうう!!俺の想いよルイズへ届け!!ハルケギニアのルイズへ届け!
スタンド名長すぎw
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ルイズルイズルイズぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!ルイズ・フランソワーズたんの桃色ブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
小説11巻のルイズたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
アニメ2期決まって良かったねルイズたん!あぁあああああ!かわいい!ルイズたん!かわいい!あっああぁああ!
コミック2巻も発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!コミックなんて現実じゃない!!!!あ…小説もアニメもよく考えたら…
ル イ ズ ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!ハルケギニアぁああああ!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵のルイズちゃんが僕を見てる?
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アニメのルイズちゃんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはルイズちゃんがいる!!やったよケティ!!ひとりでできるもん!!!
あ、コミックのルイズちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあアン様ぁあ!!セ、セイバー!!シャナぁああああああ!!!ヴィルヘルミナぁあああ!!
ううっうぅうう!!俺の想いよルイズへ届け!!ハルケギニアのルイズへ届け!」
俺「うおお…すげえ…(色んな意味で…)」
マズヤニ「どうだ、俺君?因みにこのスタンドは…こんな事も出来るッ!」
ルイズ(ryの能力>>33
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ルイズルイズルイズぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!ルイズ・フランソワーズたんの桃色ブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
小説11巻のルイズたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
アニメ2期決まって良かったねルイズたん!あぁあああああ!かわいい!ルイズたん!かわいい!あっああぁああ!
コミック2巻も発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!コミックなんて現実じゃない!!!!あ…小説もアニメもよく考えたら…
ル イ ズ ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!ハルケギニアぁああああ!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵のルイズちゃんが僕を見てる?
表紙絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!ルイズちゃんが僕を見てるぞ!挿絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!!
アニメのルイズちゃんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはルイズちゃんがいる!!やったよケティ!!ひとりでできるもん!!!
あ、コミックのルイズちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあアン様ぁあ!!セ、セイバー!!シャナぁああああああ!!!ヴィルヘルミナぁあああ!!
ううっうぅうう!!俺の想いよルイズへ届け!!ハルケギニアのルイズへ届け!
これが第一の能力だ!
私のルイズへの愛をスタンドを通じてぶちまける事が出来るッッ!」
マズヤニ「次が二個目の能力だッ!」
二個目の能力>>44
俺「えっ」
マズヤニ「ああ死ぬさ、殺せるさ」
俺「(さようなら現世、ありがとうカーチャン)」
俺「そうか、俺、殺されるのか…」
俺「じゃあ、何で…」
マズヤニ「私は、君に頼みがあって来た」
俺「頼み…ですか?」
マズヤニ「今までは私が制裁いたり、ゼロ魔やルイズの良さを伝え説き伏せたり、釘宮病にしていたのだが…」
マズヤニ「最近はルイズの良さすら分からなくなる程邪悪な者が増えている…」
マズヤニ「そこで、だ。君の力を借りたい」
俺「何でですか?」
マズヤニ「それがそうでも無いのだよ…私のスタンド、
『ルイズ!ルイズ!ルイズ!ルイズぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ルイズルイズルイズぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!ルイズ・フランソワーズたんの桃色ブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
小説11巻のルイズたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
アニメ2期決まって良かったねルイズたん!あぁあああああ!かわいい!ルイズたん!かわいい!あっああぁああ!
コミック2巻も発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!コミックなんて現実じゃない!!!!あ…小説もアニメもよく考えたら…
ル イ ズ ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!ハルケギニアぁああああ!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵のルイズちゃんが僕を見てる?
表紙絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!ルイズちゃんが僕を見てるぞ!挿絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!!
アニメのルイズちゃんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはルイズちゃんがいる!!やったよケティ!!ひとりでできるもん!!!
あ、コミックのルイズちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあアン様ぁあ!!セ、セイバー!!シャナぁああああああ!!!ヴィルヘルミナぁあああ!!
ううっうぅうう!!俺の想いよルイズへ届け!!ハルケギニアのルイズへ届け!』
は、近距離パワー型だ…つまり、近くの敵にしか有効ではないのだよ」
俺「はあ…なるほど」
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ルイズルイズルイズぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!ルイズ・フランソワーズたんの桃色ブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
小説11巻のルイズたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
アニメ2期決まって良かったねルイズたん!あぁあああああ!かわいい!ルイズたん!かわいい!あっああぁああ!
コミック2巻も発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!コミックなんて現実じゃない!!!!あ…小説もアニメもよく考えたら…
ル イ ズ ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!ハルケギニアぁああああ!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵のルイズちゃんが僕を見てる?
表紙絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!ルイズちゃんが僕を見てるぞ!挿絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!!
アニメのルイズちゃんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはルイズちゃんがいる!!やったよケティ!!ひとりでできるもん!!!
あ、コミックのルイズちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあアン様ぁあ!!セ、セイバー!!シャナぁああああああ!!!ヴィルヘルミナぁあああ!!
ううっうぅうう!!俺の想いよルイズへ届け!!ハルケギニアのルイズへ届け!』
本体―マズヤニキニーイ・ラレズニシヌダロ
破壊力―E スピード―E 射程距離―声の届く範囲(相手を殺す場合1~2m)
持続力―A 精密動作性―A 成長性―A
能力― ルイズへの愛を相手に吐き出し、自らと同じ道に導くスタンド。
ルイズへの底知れぬ愛と、ルイズの良さを正確に伝え、人を虜にする話術を持つ。
ルイズへの愛は消える事は無く、それどころか日に日に強くなっていく。
ルイズは他のファンに対しては甘く愛のある言動を忘れないが、ルイズのアンチや良さを分からない物は即座に殺す残忍性も持ち合わせている。
俺「断ったら…?」
マズヤニ「君宛にゼロ魔のグッズやルイズ関連の商品を山ほど送りつつける」
俺(間違い無い…断れば死ぬッ!俺が!家庭的にッッ!)
マズヤニ「悪い話では無いだろう?お互いにとって」
俺「クッ…仕方が無い、引き受けよう…」
マズヤニ「この男は、スタンドを利用し、悪事を繰り返している…」
マズヤニ「許しがたい男だ、名前は>>73という」
俺「なるほど…」
マズヤニ「別にサイコガンを装着とかしていない、ただかなりの強敵だ」
マズヤニ「奴のスタンドの名前は、>>80
その能力は>>88らしい、目撃者の証言だがな」
俺「大した事なさそうだな…」
マズヤニ「安価は絶対になるとか他力本願も良い所だ、どうやって悪事を働いて来たんだろう」
マズヤニ「まあ油断は禁物だ、何か隠された能力があるのかも知れない」
俺「そうだな…」
俺「本当に来るのか…?」
マズヤニ「分からない、だが今は待つしかない」
ザッザッザッザ
マズヤニ「来たぞ…コブラだ…!」
コブラ「右も左も見てないし、オマケに手も挙げてねェーぜェー!」
コブラ「しかもカップラーメン食いながら渡ってやるゼェェェェーッッ!」ズビズバー
コブラ「さらにさらにィーッ!?ポイ捨てまでするぜェェェェ!」ポーイ
コブラ「しかも深夜の道路で!こんなに騒ぎながらだぜええええええ!?」
俺「何て野郎だ…!許せねえッ…!」
マズヤニ「落ち着いてくれ、俺君…まだ行ってはならない」
マズヤニ「お、俺君!」
コブラ「アアーン?!誰だーテメエーッ!」
俺「貴様に名乗る名など無い!」
コブラ「この俺に挑むとはァーッ!何て命知らずな野郎だッ!
うおおおお、『スレタイのヒョイがカワイイ』ーッ!
全ての安価は絶対の物となる!」
俺「これ普通に殴れば関係無いじゃん…」バキッ
コブラ「ぐふう」
殴る時の台詞>>120
おしりのほうが感じるのよっ!!」
コブラ「ウボアー!!」ドサッ
マズヤニ「俺君…まさか君の実力がこれ程とは…!」
俺「まだやるか?次は唇が切れるかもな」
コブラ(コイツ…強い…このまま行けば唇どころか、手首を捻るかも知れない…!)
コブラ(どうする…!?)
1スレタイのヒョイがカワイイコブラさまはとっさに可愛くなれる
2スレタイのヒョイが可愛くしてくれる
3スレタイのヒョイがカワイイ。現実は非情である。
>>130
うおおお、『ルイズ(ry』!!」
コブラ「ぐああああああ!!」
その後、釘宮病となったコブラは、脳内が完全にくぎゅで埋め尽くされた。
元のように悪事を働こうと思ってもくぎゅの事が頭から離れないので、そのうちコブラは、考えるのを止めた。
本体 コブラ
破壊力 E スピード E 射程距離 A
持続力 A 精密動作性 C 成長性 C
安価を絶対にするスタンド。
特にそれ以外の能力は無く、特筆すべき戦闘能力も無い。
後始末は私がするから、君は次のターゲットをお願いしたい」
俺「俺一人でか?」
マズヤニ「いや、今回狙うのはこの辺り一帯を仕切っているヤクザのボスだ。
流石に一人で向かわせはしないさ」
俺「つまりどういう事だ?」
そいつの情報だと、ターゲットのシマにはスタンド使いが他に二人居るらしい」
俺「なるほど、で、そいつの名前は?」
マズヤニ「彼の名前は>>140。優秀な潜入工作員だ」
俺「貴方がカマドウマさんですか」
カマドウマ「いかにも、俺がカマドウマだ」
俺「初めまして、俺、俺って言います」
カマドウマ「君の事はマズヤニから聞いている、では任務に向かうぞ」
能力は>>160だ…」
カマドウマ「コレを使ってボスにのみ近づき、残る二人の干渉が無い内に奴を仕留める」
俺「分かりました…!」
俺「っく!何て臭いだ!これなら…」
カマドウマ「分かったか?ならば計画実行だ」
俺「はい!」
モブ「ぐああああああああああああああ」
雑魚「おびゃああああああああああああああああああ」
手下A「ヒュおおおおおおおおおおおおおお」
俺(すげえ…敵が皆避けて行く!これで…)
カマドウマ「着いたぞ、ボスの部屋だ。もう鼻栓は取っていい」
俺「いや、まだ着けときます」
ボス「ククク…やはり来たか、カマドウマ!」
強い手下「ケケケ…」
実力に定評のある手下「カカカ…」
カマドウマ「何ィ!?何故お前らまでここにいる!?」
俺「作戦はバレていたのかッ!」
しかも俺が隣に居るのに!
さらにスタンドの事も!ベラベラと!
部下が周りにめっちゃ居たのに!」
カマドウマ「しまったァーーーーーッッ!
電話に夢中で周りを確認していなかったァー!」
俺「何やってんだ!」
強い手下「俺の名は>>185!]
実力に定評のある手下「俺は>>188だ!!」
カマドウマ「やるしかないッ!行くぞ俺!」
俺「仕方ねえ!」
ギッチョア「ふへええ!そこの坊主!俺と勝負だあー!」
でぃお「裏切り者に引導を渡してやるぜ!」
カマドウマ「来るぞッ!」
俺「おう!」
でぃお「出ろーッ!>>207ーッ!」
カマドウマ「出でよ!『ベンジョコオロギ』!」
俺「くっそ!俺も…出ろ!スタンド!」
俺みたいな中3でグロ見てる腐れ野郎、他に、いますかっていねーか、はは
今日のクラスの会話
あの流行りの曲かっこいい とか あの服ほしい とか
ま、それが普通ですわな
かたや俺は電子の砂漠で死体を見て、呟くんすわ
it'a true wolrd.狂ってる?それ、誉め言葉ね。
好きな音楽 eminem
尊敬する人間 アドルフ・ヒトラー(虐殺行為はNO)
なんつってる間に3時っすよ(笑) あ~あ、義務教育の辛いとこね、これ
俺みたいな中3でグロ見てる腐れ野郎、他に、いますかっていねーか、はは
今日のクラスの会話
あの流行りの曲かっこいい とか あの服ほしい とか
ま、それが普通ですわな
かたや俺は電子の砂漠で死体を見て、呟くんすわ
it'a true wolrd.狂ってる?それ、誉め言葉ね。
好きな音楽 eminem
尊敬する人間 アドルフ・ヒトラー(虐殺行為はNO)
なんつってる間に3時っすよ(笑) あ~あ、義務教育の辛いとこね、これ
』!!」
でぃお「『ザドワール』!!」
カマドウマ「まずい!ギッチョアの能力は>>215で、
でぃおは>>218だ!気を付けろ!」
俺「そ、そんな恐ろしい能力を!?」
時が止まった世界では止めた本人だけが動けない
ギッチョア「おちんちんびらびらーーーッッ!!」ドドドドドドドド
俺「………」
1金的を蹴り上げる
2金的にラッシュ
>>225
ギッチョア「何ッ!?」
マズヤニ「遅い!『ルイズ!(ry』」
ギッチョア「ぐああああああああああああああ!!」
おちんちんびろーんしようと思っても釘宮の事が頭から離れない為、そのうちギッチョアは、考えるのを止めた。
俺「はい!色々と!」
カマドウマ「ぐふう……」
マズヤニ「カマドウマッ!まずい!やられるぞ!」
俺「助けましょう!どっちかがでぃおに攻撃して、どっちかが救助に向かうのがベストかと」
マズヤニ「そうだな…じゃあ俺君は」
1攻撃側
2救助側
>>235
俺「そうですね、俺も疲れました」
カマドウマ「じゃ、そういう事で」
でぃお「お疲れしたー!」
ディアロボ「あ、明日のこの時間も空けておきますんで」
マズヤニ「あ、わざわざすみません」
ディアロボ「いえいえ、お体にお気を付けて」
マズヤニ「それじゃまた明日」
チュンチュチュンサンワソロエバロードローラーダッ!
俺「もう朝か…」
1アジトに向かう
2めんどいからすっぽかす
3ゼロ魔を見る
>>243
マズヤニ「お、ポテチじゃん、一枚くれよ」
俺「いいっスよ別に」サッ
マズヤニ「うめー」パリッ
ディアロボ「いいなー俺にもくれよ」
1負けてくれるなら
2別にいいよ
3現実は非情である
>>254
ディアロボ「これハバネロくんじゃーんポテチじゃなきゃやだやだやだやだやーだあー」ジタバタ
俺「文句言うなよーせっかくあげたのにー」
ディアロボ「…ぐっすん、だってマズヤニにはあげてたのにー」
俺「それはー…」
マズヤニ「俺ちゃん?いじわるしないでディアロボ君にもちゃんとあげるのよ」
俺「でもー…」
1渡す
2渡さない
3現実は非情である
>>265
現実は非情である
ディアロボ「ほぐう!?」
俺「本当はこれが欲しかったんだろォ?このド変態がよォ!」グリグリ
ディアロボ「ふん、ふんぐう…」ジタバタ
マズヤニ「止めなさい!」スッパパパッパッパーン
俺「くぎゅう?!」ドッテバッタン
マズヤニ「何をやってるの!!」
俺「こ、これは…」
1安価が悪い
2夢だった
3アアんまりだアアアアアアアアアア
4現実は非情
>>275
マズヤニ「何だとッ!?茶番やってる場合じゃあないッ!」
???「ふふふ…良く気付いたな…」
カマドウマ「誰だーッ!」
でぃお「正体を現せッッ!!」
???「我は…>>287…」
???「この世で最強のスタンド使いよ…!」
吉良「その一つ目の効果は、先程見せた他人の行動を操作する能力…!」
吉良「二つ目は、>>300だ…!」
俺「と、とんでもねー野郎だ…!」
二つ目の能力はイチャイチャするけどあんま使わない!
まずはお前から始末してくれよう!」
1俺
2マズヤニ
3カマドウマ
4ディアロボ
5でぃお
6ギッチョア
>>307
ギッチョア「体が…勝手に!?」
ギッチョアがする行動
>>311
俺「ギッチョアーーーーーーーーーー!!!!」
カマドウマ「貴様!許さんぞォー!」
吉良「次は貴様だ!>>317!!」
ふひふひいっひっひひひ
げらげれげげえれがげが
うへへへっへえへhっひひへ」
俺「貴様ーーーーーーーーーーーーーーー!!」
マズヤニ「何の関係も無い>>317を朝っぱらから爆笑させやがってエエエエ!!」
でぃお「もう我慢ならん!俺が行く!『ザドワール』!!」
1現実は非情である
2現実は非情である
3現実は非情である
4現実は非情である
>>323
シーン…
DIO「この後何するか>>340」
パッ
でぃお「うおおおおおおおお!!」
カマドウマ「止めろでぃおーーーー!!」
吉良「こいつはどう料理してくれようか…」
>>349
吉良「はい、用意するのはこちらの圧力鍋」
吉良「この中にでぃおを入れ、オリーブオイルを適量かけて弱火でことこと煮込めばはい完成」
吉良「もこみち流でぃお鍋です」
でぃお「一般家庭にオリーブオイルはそうそうねーよ……ぐふっ」
俺「でぃおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
カマドウマ「テメエエエええええええええええええええ!!」
ディアロボ「>>362!!」
ディアロボ「これででぃおとギッチョアの仇を討つ!」
能力は>>365
ディアロボ「うおおおおおおおおおおお!!」
俺「止めろーーーー!ディアロボーッ!!」
1現実非情
2非情
3現実
>>374
1吉良を吹っ飛ばす
2吉良を確定一発
3吉良を無限処刑
>>384
吉良「ふん、愚かな…『猫耳ナー』……」
マズヤニ「愚かなのは貴様だ…『ルイズ!ルイズ!ルイズ!ルイズぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ルイズルイズルイズぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!ルイズ・フランソワーズたんの桃色ブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
小説11巻のルイズたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
アニメ2期決まって良かったねルイズたん!あぁあああああ!かわいい!ルイズたん!かわいい!あっああぁああ!
コミック2巻も発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!コミックなんて現実じゃない!!!!あ…小説もアニメもよく考えたら…
ル イ ズ ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!ハルケギニアぁああああ!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵のルイズちゃんが僕を見てる?
表紙絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!ルイズちゃんが僕を見てるぞ!挿絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!!
アニメのルイズちゃんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはルイズちゃんがいる!!やったよケティ!!ひとりでできるもん!!!
あ、コミックのルイズちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあアン様ぁあ!!セ、セイバー!!シャナぁああああああ!!!ヴィルヘルミナぁあああ!!
ううっうぅうう!!俺の想いよルイズへ届け!!ハルケギニアのルイズへ届け!
』ーーーーーーー!!」
吉良「何ーッッ!」
マズヤニ「堕ちろ!吉良アァァァ!!」
マズヤニ「『ルイズ(ry』の第二の能力…」
マズヤニ「相手は死ぬ」
カマドウマ「やったぞ!勝ったんだ!俺達!」
マズヤニ「ああ…!」
結局、自分のスタンドが何か、なんて分からなかったけれど。
でぃおとギッチョァとディアロボは、伝説のポテチを探す旅に出るらしい。
俺とカマドウマとマズヤニは、引き続きゼロ魔の布教を続けるつもりだ。
悪人面の奴「くっへへ、この「矢」の破片で、俺は人を超えた能力を…!」
俺「そこまでだ!出でよ俺のスタンド!!」ドドドドドドドドドド
悪人面の奴「何だ?!やんの…」
俺「おしおしおしおしおしおしおしおしおしおしおしおしおしおしおしおしおしおしおしおしおしおしおしおしおし
おしりのほうが感じるのよッッ!!」
悪人面の奴「うぎゃああああああああーーー!!」ポロッ
マズヤニ「よし、後は釘宮病に感染させるだけだな」
カマドウマ「今回も楽勝だったな…帰ろうぜ」
お前ら「ん?なんだこれ…矢の破片?」ヒョイ
TO BE CONTINUED
本体 カマドウマ
破壊力 B スピード C 射程距離 A
持続力 A 精密動作性 E 成長性B
足が臭いスタンド。
その臭いはどこまでも拡散し、嗅いだ者の戦意を喪失させる。
俺みたいな中3でグロ見てる腐れ野郎、他に、いますかっていねーか、はは
今日のクラスの会話
あの流行りの曲かっこいい とか あの服ほしい とか
ま、それが普通ですわな
かたや俺は電子の砂漠で死体を見て、呟くんすわ
it'a true wolrd.狂ってる?それ、誉め言葉ね。
好きな音楽 eminem
尊敬する人間 アドルフ・ヒトラー(虐殺行為はNO)
なんつってる間に3時っすよ(笑) あ~あ、義務教育の辛いとこね、これ 』
本体 ギッチョア
破壊力E スピードB 射程距離E
持続力A 精密動作性C 成長性E
おちんちんびらびらーーーー!!
本体 でぃお
破壊力C スピードB 射程距離D
持続力D 精密動作性C 成長性E
五秒間時を止めるスタンド。
止めている間は自分だけ行動不可能。
本体 ディアロボ
破壊力C スピードC 射程距離C
持続力C 精密動作性C 成長性C
とくにない
本体 コブラ
破壊力 E スピード E 射程距離 A
持続力 A 精密動作性 C 成長性 C
安価を絶対にするスタンド。
特にそれ以外の能力は無く、特筆すべき戦闘能力も無い。
本体 吉良吉陰
破壊力 C スピード B 射程距離 D
持続力B 精密動作性A 成長性A
他人の行動を操るスタンド。
あと甘えて来る。
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ルイズルイズルイズぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!ルイズ・フランソワーズたんの桃色ブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
小説11巻のルイズたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
アニメ2期決まって良かったねルイズたん!あぁあああああ!かわいい!ルイズたん!かわいい!あっああぁああ!
コミック2巻も発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!コミックなんて現実じゃない!!!!あ…小説もアニメもよく考えたら…
ル イ ズ ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!ハルケギニアぁああああ!!
この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵のルイズちゃんが僕を見てる?
表紙絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!ルイズちゃんが僕を見てるぞ!挿絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!!
アニメのルイズちゃんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはルイズちゃんがいる!!やったよケティ!!ひとりでできるもん!!!
あ、コミックのルイズちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあアン様ぁあ!!セ、セイバー!!シャナぁああああああ!!!ヴィルヘルミナぁあああ!!
ううっうぅうう!!俺の想いよルイズへ届け!!ハルケギニアのルイズへ届け!』
本体―マズヤニキニーイ・ラレズニシヌダロ
破壊力―E スピード―E 射程距離―声の届く範囲(相手を殺す場合1~2m)
持続力―A 精密動作性―A 成長性―A
能力― ルイズへの愛を相手に吐き出し、自らと同じ道に導くスタンド。
ルイズへの底知れぬ愛と、ルイズの良さを正確に伝え、人を虜にする話術を持つ。
ルイズへの愛は消える事は無く、それどころか日に日に強くなっていく。
ルイズは他のファンに対しては甘く愛のある言動を忘れないが、ルイズのアンチや良さを分からない物は即座に殺す残忍性も持ち合わせている。
第二の能力は、あくまで殺すのであって破壊はない。
本体 俺
破壊力 A スピード A 射程距離 A
持続力 A 精密動作性 A 成長性 A
安価を実現させるスタンド。
安価に書いてあれば何でも可能で、出来る事は無限大。
様はお前ら次第。
安価くれた皆、ありがとう
面白かったよ
またどっかで建てたらよろしく
次こそはちゃんと選択肢選ばれるといいな
Entry ⇒ 2012.07.23 | Category ⇒ その他 | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「貴音は居るか?」貴音「はい、こちらに」
貴音「新しい……仕事、ですか?それはどのような内容なのですか?」
響「おお、おめでとう貴音!それってどんな仕事なんだ?」
P「ああ、芸能人おすすめの店の特集で今回はラーメンでな」
貴音「なんと!らぁめんですか!」
響「あはは、うちの事務所だと貴音向きだな、それは」
P「それでアンケート取って、選ばれれば本人がロケに行くらしい」
貴音「ほう……ということはらぁめんを食べれるかもしれないと」キリッ
響「そんなの自分にわかるわけないぞ。貴音とは付き合い長いけど……」
P「貴音のプロデューサーとしては把握しておきたいが……無理だろうな」
響「貴音は変わってるからなぁ……聞いたところで理解できないと思うぞ?」
貴音「どのお店が良いのでしょうか……おすすめということですから妥協は出来ませんし」ブツブツ
P「うちの事務所は個性的なのが揃ってるからなぁ。まぁ、アイドルだから個性があって構わないんだけど」
響「なぁ、プロデューサー。自分はどんな個性があるんだ?」ワクワク
響「た、確かに動物関係の仕事が多いけど……それだけじゃないだろ?ほ、他には?」
P「…………」
響「…………」
貴音「やはりここは……いえ、あそこも捨てがたいですし……」ブツブツ
P「…………えっと」
響「…………」ジワッ
貴音「まだ見ぬらぁめんもあるかもしれませんし……」ブツブツ
P「…………うむ」
P「じゃ、じゃあダンスが得意、とか?」
響「じゃあってなんだ!じゃあって!そもそも疑問系ってのもどういうことなんだ!」
貴音「やむを得ません……ここはひとつ……」
P「冗談だよ、冗談。ほら、泣いてないで機嫌直せ」ナデナデ
響「あう…………えへへ///」
貴音「あなた様、残念ながら今の私ではおすすめを決めることは出来ませんでした」
P「ん?まぁ、今月中に答えれば良いからそれまでに決めてくれ」ワシャワシャ
響「~~♪」
P「……これがラーメンのことでなければカッコいいんだけどな」ナデリナデリ
響「……………はふぅ」
貴音「いくつか絞ってみましたが、やはりここは食べ比べてみないと判断がつきません」
P「食べ比べ……だと?そこまでしなくても、その絞った店から適当に選べば良いだろ」
響「…………zzz」
貴音「適当に選ぶとは……それはらぁめんに対する侮辱ですよ、あなた様!」
P「えっ」
P「は、はぁ」
貴音「良いですか?他人に薦めるということは薦めた本人も評価されるのと同意なのですよ?」
P「まぁ、番組を見て食べに行った人ならそうだろうな」
貴音「お薦めするからには自信を持って薦められるらぁめんでないとっ!」
P「は、はいっ!?」
貴音「という訳で、あなた様。食べ比べに行きますよ」
P「えっ?今からなのか?えっえっ?というか俺も行くのか?まだ書類のまとめが……」
律子「はいはい、気をつけてね…………って貴音!?」
貴音「さぁ、行きますよ!あなた様!」
P「お、おい!引っ張るなよ貴音!わかったから……って力強いな!?」ズルズル
律子「プロデューサーも!?ちょっと待ちないさいよ!貴音!?…………ってもういないし」
響「ぷろでゅーさー……じぶん、ぷろでゅーさーのぺっとになるぞ……えへへ」
律子「なんなのよ……もう。響は涎たらして寝てるし……はぁ」
貴音「まずはこちらのお店からです」
P「ラーメン二十朗……やっぱりここか……」
貴音「たのもぉー!」
P「いや、普通に食券買おうよ……前にラーメン探訪で来ただろ?」
貴音「挨拶は大事ですよ?あなた様」
P「いや、そうかも知れないが、大きな声は周りに迷惑だろ?な?」
貴音「ふむ、一理ありますね。次からはそうすることにいたしましょう。では店主殿……」
P「ごくり……」
P「やっぱり増し増しなんだな……って二つ!?俺もなのか!?大豚ダブルの時点で不安なのに!?」
貴音「はて、あなた様は食べないのですか?」
P「キョトンとした顔するなよ……わかったよ……食べるよ……」
貴音「さて、ろっとを乱さなぬよう粛々といただきましょう」
P「胃薬用意しておけばよかったな……食べ切れるのか?俺は……」
貴音「それではいただきます」
貴音「美味しゅうございました」
P「……な、なんとか残さず食べれた……もう入らない……」
貴音「やはり一度食べたら病みつきになる……なんとも面妖ならぁめんでした」
P「いや、おいしいよ?おいしいけど……普通の量で食べたい……」
貴音「ふむ、このお店の確認はできました」
P「そうか、それじゃあ事務所に帰る――」
貴音「それではあなた様、次のお店に行きますよ」
P「な、なん……だと!?」
貴音「行きますよ、あなた様」
P「な、なぁーーーー!?」ズルズル
貴音「次のお店はこちらです」
P「ぎょ、餃子の玉将……本当にまだ食べるのか……?」
貴音「すみません、玉将らぁめんせっとを二つ――」
P「玉将ラーメンセットと餃子だけでいいですっ!!」
貴音「あなた様?餃子だけでよろしいのですか?」
P「さっきラーメン食べたばっかだからな、十分だよ!十分!」
貴音「…………私のらぁめんを分けることはできませんよ?」
P「うん、俺のことは気にせず食べな?お願いだから。そんな真面目な顔してないで」
貴音「そうですか?……では、らぁめんも来たことですし、いただきましょう」
P「い、いただき……ます」
貴音「美味しゅうございました」
P「餃子6個だけでもキツイ……もう無理だよぅ……」
貴音「やはり玉将も侮れませんね……らぁめんだけでなく餃子も美味でした」
P「ああ、お腹が空いていればもっとおいしかっただろうなぁ……」
貴音「玉将は他のめにゅーも豊富、鶏のから揚げも頼むべきでした」
P「うん、今回のテーマは店じゃなくてラーメンだからな?わかってるか?」
貴音「あなた様、それでは……」
P「おう、それじゃあ帰る――」
貴音「次のお店に向かいますよ」
P「ですよねー」
貴音「さぁ、次はこのお店です」
P「えっ!?」
貴音「どうかなさいましたか?あなた様」
P「えっ?ここ……なのか?」
貴音「ええ、そうですが……なにか問題でもありましたか?」
P「いや、問題というかなんというか……ラーメン屋をはしごしている時点で問題なんだが」
貴音「はて、ちゃんとしたお店ですよ?問題ありません」
P「うん……そりゃちゃんとした店なんだろうな。さっきと同じ玉将なんだから」
P「でも系列店なんだから同じだろ……」
貴音「あなた様……らぁめんは系列店でもお店によって僅かながら差が出る奥が深いものなのですよ?」
P「はぁ……」
貴音「あなた様も食べ比べてみればわかります。やむを得ません、先ほどの店に戻ってあなた様も食べ比べを――」
P「!?そ、そうだよな!店によってスープとか変わってくるよな!うん!」
貴音「ふふっ、さすがあなた様。私を試したのですね」
P(食べ比べなんて……できるわけがない。お腹いっぱいで細かい味がわからないから)
P「玉将ラーメンセットと焼きめしを」キリッ
貴音「あなた様、またらぁめんを食べないのですか?」
P「ああ、焼きめしで俺はいいよ」
???「はっ!ラーメン屋に来てラーメンを食べないとはな!」
貴音「なにやつ!?」
???「それとも765プロはラーメンを食べる金も無いのか?」
P「き、キミは……鬼ヶ島羅刹!?」
冬馬「羅刹って誰だよ!?天ヶ瀬冬馬だ!天ヶ瀬!」
P「お、おう」
???「奇遇だね、765プロの人」
P「伊集院くんに御手洗くん……まさかラーメン屋でジュピターと会うとはな……」
冬馬「おい、なんで俺だけ名前を覚えてないんだよ……」
P「えっ?」
冬馬「えっ?ってどういう意味だっ!?」
翔太「まぁまぁ、冬馬くん。プロデューサーさんはからかってるだけだよ」
冬馬「なにっ!?あんた、そうなのかよ!?」
北斗「ええ、冬馬の買い物に付き合いましてね、遅めの昼食ですよ」
冬馬「おい!無視すんなよ!?」
翔太「もちろん冬馬くんの奢りでねー」
冬馬「はぁ!?いつ俺の奢りになったんだよ!?」
P「ほう、天ヶ瀬くんの買い物……フィギュアか?それも美少女系の」
北斗「そこは冬馬のプライバシーなので……すみません」
冬馬「おい!そこは否定しないと認めちまってるようなもんだろが!」
貴音「見事な突っ込み……春香に突っ込みの好敵手がいると教えて差し上げねば」
冬馬「なんで突っ込みしただけで天海のライバルになるんだよ!?」
P「そうだよ?天ヶ瀬くん。あまり大きな声を出すもんじゃないよ」
北斗「すみません、お店の人たち。うちの連れが迷惑かけて」
翔太「ごめんねー。ちゃんと注意しておくから」
冬馬「間違っちゃいねぇけど!間違っちゃいねぇけど納得いかねぇ!!」バンバン
貴音「ふむ……やはりこちらのお店の方が若干すぅぷが濃いですね」
冬馬「…………もういい」
翔太「どんまい!冬馬くん」
冬馬「…………おう」
北斗「ラーメンはお嫌いなんですか?」
翔太「やっぱり玉将なら餃子定食に餃子追加だよね」
P「いや、一軒目でお腹いっぱいになってな……」
冬馬「一軒目?なんだ、ここの前にどっかで食べてきたのか?」
P「二十朗……大豚ダブル、麺カタ辛め野菜ダブルにんにく脂、増し増しを」
北斗「これまた……それでよく玉将に来ようと思いましたね」
翔太「僕も二十朗に行ったらそこでお腹いっぱいになるよ」
P「おっ、見てくれたのか?生っすか」
冬馬「ちっ、違えよ!?たまたまやってたのを見ただけだ!勘違いすんな!///」
P「お、おう。で、二十朗のあとに、ここと違う玉将でも……」
冬馬「はぁ!?なんだそりゃ?」
P「かくかくしかじか」
北斗「なるほど……番組の企画のためですか」
翔太「へぇー、でも貴音さんは全部食べてるんだよね?」
P「まぁ、食べ比べに来てるんだから食べないとな」
冬馬「どんだけ食うんだよ、こいつは」
貴音「……もぐもぐ。はい、話が終わるのを待っていたのですが……ただ待つよりはそのほうがよろしいかと」
冬馬「ぱねぇ……食べるペースも変わらねぇし。本当に4杯目なのかよ」
北斗「美味しそうに食べる女性は素敵ですよ、貴音ちゃん」
翔太「ホント凄いよね。量も凄いけど綺麗に食べるし」
P「さて、俺たちも食べるか……」
冬馬「だな……」
翔太「いただきまーす」
P「満足したか?貴音」
貴音「はい、私が知る限り、この3店舗から選べば自信を思って薦められます」
P「そうかー、それは良かったー」
冬馬「おう、良かったじゃねぇか。開放されたみたいで」
北斗「お昼奢っていただいてありがとうございます」
翔太「ご馳走様ー。誰かさんと違って甲斐性あるよね、プロデューサーさんは」
冬馬「おい、翔太。誰かさんって誰のことだよ」
翔太「冬馬くん、ちゃんとお礼言わないとダメだよ?」
冬馬「ちっ、後で覚えて置けよ、翔太。……奢ってくれてありがとな」
貴音「あなた様、ジュピターの方々と仲がよろしいのですね」
P「そうか?まぁ、ジュピターの連中も話してみれば良い奴等だしな」
貴音「認められておられるのですね、ジュピターの方々を」
P「うちとはいろいろあったけど、アイドルとしての実力は本物だからな」
冬馬「ふ、ふん……当たり前だ。765プロに負けてられねぇからな///」
翔太「また冬馬くんは、ホントにわかりやすよね」
冬馬「うるせぇ!そろそろ帰るぞ!」
北斗「それじゃあまた何処かで……チャオ☆」
翔太「まったねー!」
P「あいつ等らしいけどな。……うっぷ、やっぱりキツイな」
貴音「大丈夫ですか!?あなた様」
P「ああ、大丈夫大丈夫。ちょっと胃薬を買ってくるから貴音はここで待ってってくれ」
貴音「私が買ってきましょうか?」
P「いや、少し歩いた方が楽になるから……これで自販機のお茶でも飲んでてくれ」
貴音「ありがとうございます、あなた様。それでは私はこちらでお待ちしております」
P「それじゃあ待っててくれ」
貴音「ふぅ……食後のお茶は安らぎますね」
貴音「ふふっ、プロデューサーと食事……やはり心が躍るものですね」
貴音「プロデューサーも気分転換をできていればいいのですが……」
貴音「そろそろ暗くなる頃ですね……プロデューサーはまだでしょうか」
???「杏、だいぶ疲れてるみたいだね」
???「凛、私は外に出るだけで疲れるんだよ。それなのにダンスのレッスンなんて……」
凛「ふふっ、杏は相変わらずだね。でも練習しないとデビューできないよ?」
杏「私はデビューできなくても別に構わないよ?」
凛「……本当に?」
凛「でもデビューしないと印税入らないよ?それでもいいの?」
杏「い、印税?そうか……デビューしないと夢の印税生活できないのか……」
凛「そうだよ、そのために頑張らないと」
杏「でもなぁ……杏、寝て起きて寝る、が生き様だからなぁ」
凛「とりあえず今日はこれでおしまいだし、飴あげるから帰ろう?」
杏「あ、飴!?しょ、しょうがないなぁ……お腹空いたし帰ろうかな」
貴音「らぁめん!?」
杏「!?びっくりした……なんなんだ、急に」
凛「えっ!?もしかして765プロの四条さん!?」
杏「知っているのか、凛!?このやたら目をキラキラさせてる人……」
凛「765プロのアイドルだよ。こんなところで会えるなんて……」
杏「アイドル?じゃあサイン貰ってそれを売ればしばらくは寝て過ごせる?」
凛「杏……それでどうかしましたか?四条さん」
凛「え?ええ、知り合いの店なんですけど……」
貴音「是非、お教え頂けませんでしょうか?」
凛「はぁ……構いませんが……」
杏「なんなの、この人……」
貴音「感謝いたします。このご恩は忘れません」
凛「変わってるんだね、四条さんって」
貴音「そうですか?自分ではよくわからないのですが」
杏「十分変わってるよ……」
P「いやぁ、貴音を待たせてることを忘れて思わずスカウトしてしまった。もう新人アイドルだったけど」
P「赤城みりあちゃん……11歳か……こいつぁ、来るでぇ……」
P「悪い、待たせたな貴音」
貴音「いえ、構いません。あなた様をお待ちしている間、良き出会いがありましたゆえ」
P「出会い?……お、男じゃないだろうな?」
貴音「ふふっ、殿方だとしたら……あなた様はどうなさいますか?」
P「!?……べ、別にど、ど、ど、どうもしないぞ?で、ど、ど、ど、どんな男なんだ?」
貴音「ふふっ……ふふふふっ」
P「た、貴音?な、なんで笑ってるんだ?」
P「……ほっ。そうか、それで何か話をしてたのか?」
貴音「はい、おいしいらぁめん屋を教えていただきました」
P「えっ?…………なんか嫌な予感がするんだが」
貴音「こちらの紙に場所を書いていただきました。それでは行きましょう、あなた様」
P「ちょ、ちょっと待て貴音!その紙を見せてみろっ!調べるから!」
貴音「どうぞ、こちらです」
P「えーと、……うわぁ、遠い……食べて往復すると……かなり時間掛かるな……」
貴音「ならば速やかに向かうまでです。行きますよ?」
貴音「あなた様はいけずです。新しいらぁめんとの出会い……らぁめん……ああ……」チラ
P「…………」
貴音「残念です……らぁめん…………」チラッ
P「……わかった……最後まで付き合うよ」
貴音「!?まことですか!ありがとうございます、あなた様!感謝いたします!」
P「できれば他のことで感謝されたかったな……」
貴音「あなた様!それでは新たならぁめんを求めて向かいますよ!」
P「そんなこんなで食べることは出来たが……」
貴音「とても美味しゅうございました。私が薦めるお店はこちらになりそうです」
P「そうか……それは良かったな、うん」
貴音「人と同じでやはりらぁめんも一期一会。出会いは大切にせねばなりませんね」
P「それで貴音。誰かのせいでこんな時間になっているんだが?」
貴音「はて、誰かのせい、ですか?どなたのせいなのでしょうか?」
P「時間がないのに誰かさんが2杯もおかわりしたせいだろうなぁ、どう思う?貴音」ギュー
貴音「いふぁいです、あなふぁさふぁ。なふぃをなふぁるのふぇすか?(痛いです、あなた様。何をなさるのですか?)」
貴音「あなた様、そのような些細なことは忘れて夜空を見上げることにいたしましょう」
P「反省してない……はぁ、とりあえず最悪タクシーでも使うか?」
貴音「あなた様、あなた様!こちらの数量限定のお饅頭とやらを食してみたいです!」
P「いや、店もう閉まってるし……ってここ有名な和菓子屋だな」
貴音「ご存知なのですか?有名なのですね……ほう……それはそれは」
P「閉まっているんだから明日の朝にならないと買えないだろ、諦めろ貴音」
貴音「ではこの近くで夜を明かし、買って帰りましょう」ドヤァ
P「アイドルをこんなところで徹夜させれるわけがないだろ……」
貴音「あなた様……」ウルッ
貴音「あなた様ぁ……」ムニュ
P「はうっ!(胸がっ!し、しかしプロデューサーとしてここは心を鬼に……)」
貴音「あなた様ぁ……ダメ……ですか?」ウルウル
P「あ、あぁ……ああぁ……あうあうあ……べ、別に今日じゃなくてもいいだろ?」
貴音「はしたないとは思いますが……どうしても我慢できないのです……どうかお慈悲を///」ウルウル
P(台詞や表情だけならエロいんだが……)
貴音「あなた様ぁ……どうしてもダメですかぁ……」ウルウル
P「……………………」
P「はぁ……ビジネスホテルが近くにあって助かった……ラブホテルしかなかったらやばかった」
P「でも部屋はツインだけど同じ部屋だし……事務所のみんなにバレたらと思うと……」ブルブル
P「はっ!?よく考えたら貴音だけ帰して俺が残れば良かったんじゃね?」
P「寝る時間を考えると今更だよなぁ……失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した」
貴音「あなた様?なにやら落ち込んでいらっしゃるようですが大丈夫ですか?」
P「ん?ああ、ちょっと反省をな――!?」
貴音「?どうかなさいましたか?あなた様」
P「ゆ、浴衣姿……だと!?」
P「いや、それはいいんだけどな……湯上りでこれまた色っぽい……」
貴音「あなた様?」
P「はっ!?い、いやなんでもない!それじゃあ俺もシャワー浴びてくる!」
貴音「はい、お待ちしております」
P「いや、もう寝るだけだから先に寝てくれ。明日も早いしな」
貴音「いえ、あなた様より先に寝るなどと、そのようなことはできません」
P「はぁ……まぁすぐに出てくるから」
P「よし、それじゃあ寝るか」
貴音「はい、明日の朝が楽しみです。お饅頭……ふふっ」
P「どんだけ楽しみなんだよ……じゃあ、電気消すぞ?」
貴音「はい、おやすみなさいませ、あなた様」
P「おう、おやすみ、貴音」
P(はぁ……今日食べたのはラーメンに餃子、焼き飯と最後の店で唐揚げか……)
P(もっとあっさりとしたのを食べれば良かったか?お腹がパンパンだ……)
P(しかし貴音はラーメンを7杯……おかしいだろ……どこに入っているんだ?)
P(明日は律子に言い訳しなきゃいけないし……はぁ、寝よ寝よ)
貴音「あなた様、あなた様。起きていますか?」
P「……ん?どうした貴音?」
貴音「……あの…………そのですね……」
P「どうしたんだ、貴音。まさか饅頭が楽しみすぎて寝れないとか?」
貴音「……………………///」
P「貴音?……急にシーツ被ってどうした?……もしかして図星?」
貴音「…………そ、その、私は……///」
P「ぷっ……あはははは!貴音って実は子供っぽいんだな」
P「あはははは!それも理由が饅頭って……あはははは!」
貴音「…………むぅ」
P「どんだけ楽しみにしているんだよ……あはははは!」
貴音「………………」
P「あははははは…………って貴音?」
貴音「………………あなた様なんて知りません」
P「た、貴音?」
P「た、貴音?その……なんだ。笑って悪かった……機嫌直せ?な?」
貴音「………………他に言うことはないのですか?」
P「ほ、他に?えっと謝る以外のことか?……お詫びに明日は煎餅を追加します」
貴音「まったく……しょうがないですね、あなた様は。ふふっ」
P「うわぁ……当たりか……何故だか嬉しくないが。……それで何か用だったか?」
貴音「はい、先ほど言われたように寝つけないのです。良ければお話でもしませんか?」
P「話?まぁ、寝るまでなら構わないが……」
貴音「そうですか、では……」
P「貴音?話すのは構わないがせめて横になって……ってなんで俺のベットに入るんだ!?」
P「いや、さすがに一緒に寝るのはまずい……」
貴音「あなた様、もう少し詰めてもらえますか?少し手狭です」
P「いや、だから少しは話を……はぁ……もういい」
貴音「溜息などついてどうかなさいましたか?」
P「うん、気にしないでくれ……それでどんな話を――」
貴音「あなた様?」
P(お、落ち着け俺。落ち着いて気づいたことを確認するんだ……)
P(次に貴音と同じベットにいる。これも良い……わけじゃないがなんくるないさ)
P(よし、ここまでは普通に気づくことだから確認するまでもない)
P(で、次に気づいたことは……貴音から良い匂いがする。風呂上りだし、貴音だしな)
P(気づいたら意識するだろ……たまらんなぁ……すーはぁー)
P(よし!次は……今の貴音の姿だ。浴衣……横になったせいでこぼれる胸元……)
P(これをまとめると……貴音と同じベットで距離が近いから良い匂いとおっぱいが――)
P「お、おう。聞いてるぞ?だが揺するとおっぱいも揺れて……い、いやなんでもない!」
貴音「先ほどから様子がおかしいですよ?もしやご病気か何かですか?」
P「大丈夫だ!ただ俺が男だってだけだから!気にするな!」
貴音「はて、あなた様が殿方なのは承知しておりますが……」
P「うん、それじゃあ寝よう!気にせず寝よう!」
貴音「はぁ……。あなた様も疲れているようなのでお話は止めておきましょう」
P「うん、多分疲れてるんだな、すまない貴音」
P「なんだ、気を使ってくれたのか?……なら食べること以外のほうが良かったなぁ……なんて」
貴音「すみません……おいしいものを食べれば幸せになれるのだとばかり……ご迷惑でしたか……」
P「そんなことないぞ?貴音の気持ちはうれしいからな」
貴音「本当、ですか?」
P「本当、本当。そろそろ寝よう、貴音」
貴音「……わかりました。それで一つお願いがあるのですが……」
P「ん?お願い?」
貴音「はい、出来れば寝るまで手を繋いでいただきたいのですが」
貴音「ふふっ、ありがとうございます。これでいい夢が見れそうです」
P「手を繋ぐだけで見れるのか?お手軽だなぁ」
貴音「あなた様と繋ぐことに意味があるのですよ、ふふっ」
P「ん?それはどういう意味なんだ?」
貴音「意味を問うのは無粋、というものですよ、あなた様」
P「ん?そうか?よくわからんが……それじゃあ改めて、おやすみ貴音」
貴音「ふふっ、おやすみなさいませ、あなた様」
P(貴音も寝たみたいだし……さて、俺も寝るかな……ってちょっと待て)
P(なんでそのまま一緒のベットで寝ようとしてんだ?)
P(よし、貴音も寝たことだし隣のベットに……ん?手が外れない……だと?)
P(寝ているのを起こすのもなぁ……こんな近くで寝れるかなぁ……)
貴音「…………ふふっ」
P「ん?」
P「さて、事務所に着いたけど……小鳥さんには連絡したが律子がなぁ……」
貴音「ふふっ、お饅頭とお煎餅……楽しみです。あなた様、早く中に入りましょう」
P「お、おう。……よ、よし……覚悟を決め――」ゾクッ
貴音「あなた様?顔が青いですよ?」
P(何故か頭の中で警鐘が鳴り響く……ニゲロニゲロと……)
貴音「あなた様?汗が凄いですよ?」
P(いや、何故かなんて本当はわかってる……中で律子が待ってらっしゃる)
貴音「あなた様?身体が震えてますよ?」
P「覚悟を決めるんだ……よ、よし!行くぞ!!」(震え声)
律子「おはようございます、プロデューサー殿?」ニコリ
P(あっ……ドアの近くで待ってたみたいだ……予想と違ったなぁ……あはは)
律子「ちょっとお話があるのでいいですか?もちろん昨日のことで」
P「は、はい……それじゃあ貴音は……っていない、だと!?」
律子「なにをしているんです、プロデューサー!早く来てください!」
P「はっ、はいぃ~!!ただいま~!」
貴音「ふぅ……すみません、プロデューサー。今の律子は怖いのです」コソッ
真美「ホントだ~、昨日と同じだねぇ、どったの?」
貴音「昨日は家に戻らなかったゆえ着替えられなかったのです」
亜美「ふ~ん、なんで帰らなかったの?お姫ちん」
貴音「和菓子屋にて数量限定のお饅頭とお煎餅を買うためお店の近くで泊まったのです」
真美「へぇ~、さすがお姫ちんだね」
貴音「ふふっ、皆の分もプロデューサーに買っていただきました」
亜美「おおっ!お姫ちんナイス!」
真美「ほほぅ、兄ちゃんに買ってもらったんだ……ん?なんで兄ちゃんに?」
雪歩「お茶ですか?わかりました四条さん。ちょっと待っててくださいね」
亜美「ゆきぴょんのお茶も付いて来るのか!やったね、真美!」
真美「う、うん。そだね」
亜美「ん?どったの、真美?」
真美「うん亜美、ちょっと気になったことがあって。ねぇねぇ、お姫ちん」
貴音「なんです?真美」
真美「兄ちゃんに買ってもらったってお店で会ったの?」
貴音「いえ、昨日からずっと一緒でしたよ?」
貴音「ええ、同じ部屋で寝ましたが……それがどうしたのです?」
真美「同じ部屋……兄ちゃんとお姫ちんが……朝まで一緒……///」
亜美「兄ちゃんと同じだったんだ。ってあれ?真美、なんで赤くなってるの?」
真美「だって若い男女2人が朝まで一緒なんだよ?亜美///」
亜美「え?同じベットで寝てるんじゃないから別にいいっしょ~?」
真美「そ、そだね。いくら兄ちゃんでも同じベットで――」
貴音「いえ、寝るときは同じでしたよ?」
亜美・真美「「」」
亜美「ま、真美!?これは一大事だよ!兄ちゃんとお姫ちんが大人の階段を昇っちゃったよ!?」
真美「あ、亜美!?これは兄ちゃんにも事情を聞かないとダメだよね!?」
亜美「よし!兄ちゃんに聞きに行こう!真美!」
真美「うん!兄ちゃんに聞きに行こう!亜美!」
亜美・真美「「兄ちゃ~ん!!」」ダッ
貴音「…………はて?」
雪歩「四条さん、お茶が入りましたよ。……あれ?亜美ちゃんたちの分も入れたのにどこいっちゃったんだろ?」
貴音「ありがとうございます、雪歩。亜美たちは――」
P「はい……すみません……」
律子「いいですか?次からは――」
亜美・真美「「兄ちゃ~ん!!」」ドカッ
P「ぐはっ!!」
律子「ちょっと2人とも!危ないから飛びつかないようにいつも言ってるで――」
亜美「兄ちゃん兄ちゃん!お姫ちんと大人の階段昇ったのってホント!?」
P「は?何のことだ?」
真美「だってお姫ちんと寝たんでしょ!?お姫ちんから聞いたよ!?」
律子「――プロデューサー殿?どういうことですか?」ニコリ
亜美「亜美たちとデートの約束はどうなるのっ!?」
P「お前たちの親が忙しいから俺が付き添いで遊園地へ遊びに行くだけだろ!?」
真美「お姫ちんとは本当なんだね!?真美たちを捨てるのっ!?」
P「捨てるって何のことだ!?」
亜美「じゃあ亜美たちも大人の階段昇りたい!」
P「出来るわけないだろ!?」
真美「お姫ちんだけずるい~!真美たちも~!」
亜美・真美「「兄ちゃ~ん!!」」
亜美・真美「「……もぐもぐもぐ」」
P「ふぅ……とりあえずこの場は何とかなったか」
律子「そうですね、プロデューサー殿?次は私に説明してもらってもいいですか?」ニコリ
P「あ……り、律子さん……」
律子「いきなりさん付けしてどうしたんです?亜美たちのことも含めて説明お願いしますね?」ニコリ
P「いや、それはだな――」
雪歩「プロデューサー!四条さんと付き合うんですか!?」
P「ゆ、雪歩!?貴音から聞いたのか!?」
P「買い物って話だったろ!?父親へのプレゼントを選ぶのに男の意見が聞きたいからって!?」
雪歩「うぅ……穴掘って埋まってますぅ!」
P「雪歩ー!落ち着け!穴掘るな!ほら、饅頭だ!真美たちと一緒に食べてろ!」
雪歩「ぐすっ……あむあむあむ」
P「ふぃ~、さてと……」チラッ
律子「………………」
P(む、無言だよ……怖えぇ……でもちゃんと説明すれば……)
P「だよね?」
伊織「ちょっとアンタ!説明しなさいよね!」
P「読めてた」
やよい「プロデューサー、一緒に寝るのってダメなんですか?私、弟たちと……」
P「やよいはかわいいなぁ」
美希「ハニー!貴音だけなんてずるいの!ミキと一緒にお昼寝するの!」
P「HAHAHA!」
律子「………………」ジロッ
P「ん~……、それじゃあいっちょ土下座でもかましますか!」
貴音「大丈夫ですか、あなた様?」
P「へへっ……何度も乗り越えてきた道だ……これくらいなんともないねっ」ボロッ
貴音「…………本当ですか?」
P「……ちょっと疲れた。というかここまで話が大きくなった原因は貴音だろ……」
貴音「これは昨日、あなた様が私のことを笑った罰です」
P「煎餅で許してくれたんじゃないのか!?」
貴音「しょうがない、とは言いましたが許すとは言っておりません」
P「詐欺だっ!?」
貴音「失礼な。それに真美たちにも嘘は言っておりません」
貴音「そのようなことより雪歩にお茶を入れてもらいました。ご一緒に如何ですか?」
P「そのようなことって……ま、この扱いもいつものことかぁ」
貴音「あなた様?何故遠くを見つめているのです?」
P「別に……おっ、この饅頭結構うまいな。お茶もおいしい」
貴音「ふふっ、雪歩が入れてくれたお茶なのですから当たり前です」
P「だな。……さて、そろそろ仕事をしないと律子に怒られるな」
貴音「………………あの、あなた様?」
貴音「仕事に戻られる前に一つよろしいですか?」
P「なんだ、別に一つじゃなくても構わないぞ?俺は貴音のプロデューサーなんだからな」
貴音「では。今回はあなた様の気分転換のつもりが私一人楽しんでしまっただけでした」
P「そんなことないけどな。俺も楽しかったよ」
貴音「ふふっ、やはりあなた様は優しいお方です。ですが反省すべき点は反省しなくては」
P「んー、まぁ反省すべき点があればそうだな」
貴音「次の機会があれば、あなた様の為に尽くしたいと思います」
貴音「そうですね……私の手料理を振舞う、などいかがでしょうか?」
P「あっ、手料理か……それなら裸エプ……いやいや!どんな料理を食べさせてくれるんだ!?」
貴音「?そうですね……びーふすとろがのふ、とやらに挑戦してみましょう」
P「びーふ?……ああ、ビーフストロガノフか。なんでそれを選んだんだ?」
貴音「はい、この前やよいと料理の話をしていたのですが、なんでも牛を使った料理だとか」
P「やよいが?牛肉の料理を……」
貴音「私も詳しくはわからないのですが……牛、牛を使う、と」
貴音「簡単なことです。あなた様をお慕い申し上げている、それだけなのですから」
P「へ?」
貴音「あなた様さえ良ければ、私はいつでも……」
P「た、貴音?それって……」
貴音「…………ふふっ、なんでもないですよーだっ!」
P「貴音!?なんて言おうとしたんだ!?よーだって貴音が言ったのか!?」
貴音「ふふっ、ふふふふっ!秘密です、あなた様」
貴音「では、あなた様。頑張れるおまじないをしてさし上げます」
P「おまじない?おお、貴音のおまじないなら効き目ありそうだな。それじゃあいっちょ頼む」
貴音「では、目を閉じてこちらを向いてください」
P「こうか?」
貴音「そのまま動かずに………………ちゅっ」
P「!?い、今ほっぺにしたのって!?」
貴音「ふふっ、ではお仕事を頑張ってください。あなた様」
P「……今のって……それに貴音がさっき言いかけたことってそういうことだよな……まいったなぁ、こりゃ」ニヘラ
律子「嬉しそうですね、プロデューサー殿?」
P「…………そういえば見てたんだよなー、見られてたんだよなー」
律子「わかってますよね?プロデューサー殿?」
P「へへ……俺の膝が土下座(ゲザ)れってうずいてやがる……」
律子「それじゃあ今度は社長も交えてお話しましょうか?」
P「俺が土下座するのって仕事以外のことなんだよな……理不尽な。いや、ここは面妖な、とでも言っておこうか」キリッ
響「貴音ぇ、なんでプロデューサーに……その、き、き、キスなんてしたんだ?///」
貴音「響、この程度で動揺していてはプロデューサーを振り向かせることはできませんよ」
響「うえっ!?じ、自分、べ、別にぷ、プロデューサーのことなんて……///」
美希「貴音の言うとおりだよ?響。待っていてもハニーは手に入らないの」
貴音「ふふっ、さすが美希。私も負けていられません」
美希「ハニーはミキのハニーなの!誰にもハニーをあげないの!」
貴音「ふふっ、ふふふふっ!」
美希「あはっ☆」
美希「それじゃあ仕事に行こっ?頑張ってハニーに褒めてもらうんだっ!」
響「3人一緒なのは久しぶりだな。自分も準備してくるぞ」
美希「貴音は事務所に着替えを置いてあるなら着替えたら?」
貴音「そうですね。では、そうすることにいたします」
響「準備が終わったら貴音が来るまでお饅頭食べてよーっと」
美希「あーっ!響ずるいの!ミキの分も残しておくの!」
貴音「……さて、着替えることにいたしましょう」
P「ん?3人とも今から現場に行くのか?」
響「そうだぞ。今日は3人一緒だからな」
美希「ハニー!ミキ、頑張ってくるから今度デートするの!」
P「いや、デートは……響も物欲しそうな顔をするな……」
響「貴音とは昨日したのに……」ボソッ
美希「亜美たちとは約束してるのにずるいの……」ボソッ
P「わ、わかった……2人とも、買い物くらいなら付き合うよ」
響・美希「「やったね!ハイ、タ~ッチ!いぇい!!」」パンッ
響「おっ、貴音も来たな。それじゃあ行くぞ!」
美希「それじゃあ行ってくるね、ハニー!」
P「おう、行って来い!」
貴音「……………………」
P「貴音?どうした行かないのか?」
貴音「あの……私も仕事が頑張れるよう、あなた様からおまじないをしていただけませんか?」
P「おまじない?……ってまさかさっきの!?」
P「で、で、で、出来るわけがないだろ……って目を瞑るなっ!?」
貴音「まだですか?響たちを待たせてしまいますよ」
P「だから出来ないって!?……あとで俺が怒られるんだから……」
貴音「ふぅ……しょうがないですね。今回は諦めましょう……」
P「ほっ……土下座しなくても済みそうだ……」
貴音「ですが、いずれあなた様からしていただけるようお待ちしております」
P「…………諦めないんだ」
P「そう……なのか?」
貴音「ええ、ですから私の初恋、何もしないで諦めるつもりはありませんよ?あなた様」
P「お、おう」
響「貴音ぇー?どうしたー?仕事行くぞー?」
貴音「……では、仕事に行ってまいります。あなた様…………ちゅっ」
P「!?」
貴音「ふふっ、ふふふふっ」
P「ふぅ……何か貴音に押されっぱなしだったな……」
小鳥「まったく……プロデューサーさんって罪な人ですね」
P「小鳥さん……見てたんですか?」
小鳥「はい、律子さんと。ああ、そうだプロデューサーさん、その律子さんが呼んでましたよ?今の件で」
P「……うん、すぐ行くすぐ行く。まぁ2、30分土下座(ゲザ)れば余裕でしょ」
小鳥「プロデューサーさんって……案外恋愛はヘタレなんですね」
P「…………小鳥さんだけには言われたくないです」
小鳥「ピヨー!?」
美希「何か嬉しそうだね、貴音。何か良いことあった?」
貴音「ええ、私の気持ちをはっきりさせたので」
美希「ふーん、貴音の気持ちって?」
貴音「それは教えることはできません。秘密です」
響「あー、ずるいぞ、貴音。教えてよー」
貴音「ふふっ、ふふふふっ」
美希・響「「貴音ー?」」
貴音「秘密、です」
おわり
旅では無いしあまり絡めてないけど……すまない
一ヶ月半の規制がやっと解除されて投下出来たけどさるってしまった
Entry ⇒ 2012.07.23 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
みゆき「カミングアウトでウルトラハッピー!」
みゆき「みんな、おはよー!」
キャンディ「おはようクルー」
あかね「おー、おはよーさんみーゆき、キャンディ。遅かったやん」
みゆき「ごめんねー、キャンディと勉強道具をどこにしまったか探してたら、時間かかっちゃって」
あかね「夏休み二日目で勉強道具行方不明てなんやねん!?しょーもないなぁ理由が」
やよい「あ、あはは。私もテレビ見てたら遅くなっちゃったから、みゆきちゃんのこと言えないや」
あかね「日曜朝はテレビの前で正座なんやっけ?」
なお「ははは。今日はみんなで勉強会にしよう、っていうれいかの案に乗っかったのは、正解だったかな?」
れいか「プリキュアの指名を担う私たちは、計画的に課題もこなしていかなくてはいけないものね。みゆきさん?それで、『夏休みの友』は見つかりましたか?」
みゆき「うん、れいかちゃん!昨日読んでた『長靴をはいた猫』の下に……ってあれ!?こ、これ絵本の『希望の友』だった……はっぷっぷー」
あかね「あかんと思うで。自分、赤毛のアンも好っきゃーゆうとったやん。あれは?」
みゆき「小学校三年生からずっと、夏と冬の読書感想文でアンシリーズは完走しちゃったから……」
あかね「感想文だけにか、うまないわ。っちゅーか、アンてそないなあんのかい」
やよい「うーん、私も迷っちゃうなぁ……れいかちゃんはどうする?」
れいか「私は、いい機会ですので高村光太郎の『道程』を」
なお「言うと思ったけどね、れいか。あれって詩集じゃなかったっけ……詩集が駄目とは書いてないけどさ」
みゆき「それならきっと絵本もありだよね」
あかね「話戻すなや」
キャンディ「みゆきー、キャンディが描いてる絵本の感想を書けばいいクルー♪」カキカキ
みゆき「ふふっ、ありがとキャンディ」
キャンディ「クルぅ!」
れいか「そうですね。私も、せっかくみなさんと集まったのですから、楽しく進められたらと思います」
やよい「うん、そうだよね。それじゃ、歴代ライダーのカッコいいところとかを熱く……」
あかね「やよい、それやよいで止まってまうから。熱くなる前にお通夜やから」
みゆき「それじゃ、みんなの好きな絵本とか……」
あかね「まぁギリついていける話題やけども、それもやっぱりみゆきの趣味やんか、もう。なんやほら、梅雨でんな~!みたいにやな!」
なお「あかね、それ漫才したいだけでしょ。ネタ作ってないで宿題進めなよ」
あかね「商工会のお祭りがあんねや……なんや、じゃぁなおが適当に話題出してーな」
なお「えー……あー、じゃあ一昨日の話なんだけど、さ。私お父ちゃんと、オールスターゲームを見てたんだけどね?」
やよい「オールスター?なんだかステキな響き!ゴールデンタイムにそんなわくわくするものをやってるの!?」
あかね「やよいごめん、野球の話や。目ぇキラキラ輝かせてるところほんまごめん」
れいか「なおは昔から、お父様の晩酌に付き合いがてら一緒に野球を観戦するのが恒例なんです」
なお「するのはサッカーの方が好きだけどね。それでさ、セが勝ったでしょ?確か、昨日もだったっけ。あかね、嬉しかったんじゃない?」
あかね「んー?あー、せやな!昨日はなんや、表彰もされよったし万々歳や!」
なお「……うん?一昨日でしょ?」
あかね「うん?なんでや、敢闘選手賞とったんは、昨日の第二戦やん」
なお「?? あかね、何か間違ってない?能見が敢闘取ったのは、一昨日の第一戦だったってば」
あかね「……いや、そないな言われても。うち、ジャイアンツファンやし」
みゆき「えっ」
やよい「えっ」
なお「えっ」
れいか「あら……」
あかね「?」
やよい「私も」
あかね「な、なにがやねん。うちがジャイアンツファンやったら、なんやのん?」
なお「それだよ、それそれ。あかね、関西生まれでしょ!?」
あかね「……あー、な」
れいか「あかねさん。私、てっきり大阪から転校されてきたあかねさんは、当然タイガースファンなものかと思っていました」
あかね「そう思われがちやけどな。普通に、他の球団ファンもおんねやで。うち、プリキュアになったとき色が橙で、ごっっつテンションあがったもん」
あかね「お父ちゃんがジャイアンツ全盛期世代直撃やったから、その影響やな」
やよい「あー、それじゃぁあかねちゃんちはみんな?」
あかね「うん。げんきは一周回ってカープ!とかゆうとったけど」
なお「てっきりあかねは『猛虎魂やー!』とか叫んでるタイプとばっかり思ってたよ」
あかね「ない、ない。猛虎とか聞いて呆れるわ、まぁタイガースが調子悪いとこっちもおもろないんやけどな」
れいか「あかねさん、大阪にいたころは、周りはやはりタイガースファンの方が多かったのではないですか?」
あかね「あー……えぇ機会やし、話しとこか。なぁ、みんな。うち……なんでこっちに引っ越してきたと思う?」
あかね「うちん家は自営業やん?転勤とか、ないし」
やよい「そっか……それじゃ、何かトラブル……?」
なお「……まさか」
あかね「うちらもなー、大阪に住んどるさかい、ジャイアンツファンゆうんを知られたらまずいー、ゆうんは分かっとったんや」
あかね「客商売やしな。せやから、あんま客と野球の話題になんのは避けとったんや。ふられても、なーんもボロださんように、って……せやけど」
れいか「……」
あかね「……流石のお父ちゃんも、ミスターをバカにされたらなぁ……」
みゆき「ミスター?」
あかね「…………」
なお「みゆきちゃん、謝って。すぐ謝って、多分あかねは怒るより先に泣き出すからそれは」
みゆき「えぇっ!?ご、ごめん!ごめんねあかねちゃん!!!」
あかね「いや、えぇねや……そうや、そうやな。ミスターももう過去の、っく」
あかね「いや、喧嘩やないねんけどな。おーきに、キャンディ。耳やなくてハンカチやったらキュンッとなっとったかも」
れいか「それで、あかねさん。お客様と、口論になってしまった後は……?」
あかね「まぁ、想像通りや。タイガースファンの輩に目ぇつけられて、あることないこと」
やよい「あ、荒らされたりとかしちゃったの!?」
あかね「そこまではされへんかったけど。タイガースが負けた日は、やけに絡んでくるおっさんがぎょーさんきよったなぁ」
なお「……なんて汚いんだ!筋が通ってないよ、筋が!!」
あかね「で、商売上がったりや~ってなりよったから、心機一転しよかー、ゆうてこっちに越してきたわけ」
みゆき「そう、だったんだ……」
あかね「……あー、ごめん。こんな暗くさせる話題のつもりやなかったねん。つまり、な。なんちゅーか」
あかね「うちは今、そんなことがあったけど。こっちに来れて、良かったと思ってるってこと」
あかね「テレビつけてもタイガースの試合中継とか無くて、街歩いてても縞々の応援幕とかなくて」
あかね「それで、みんなに会えたんやし。ほら、みゆき。あんた風にゆえば……ウルトラハッピー!や。せやから、うん」
みゆき「……あっかねちゃーん!」
あかね「わわっ!?な、なんや抱きつきなや……いや続かんでえぇ!!恒例の大好き抱きしめとかえぇからやめてこっ恥ずかしいからやめーーやーーーー!!!」
みゆき「うん!皆で仲良しウルトラハッピー、だね!」
キャンディ「クル!」
あかね「そーかい、こっちは熱くてかなわんわなんやあれ四人と一匹で囲みよってからに」
やよい「恥ずかしいよね、うん。経験者の私は語る」
あかね「参加しとった子ぉが何か言っとるし」
なお「でも、あかねにそんな事情があったなんてね。思いもしなかったよ」
あかね「うーん?別に意外でもなんでもないつもりやったねんけど。なおも、虎よりウサギのがかわええから好っきゃろ?」
なお「まぁね」
れいか「……考えたのですが」
みゆき「? どうしたの、れいかちゃん」
れいか「私達は、今のあかねさんのように『皆に話して無いとても大事なこと』が……いくつかあるのでは、ないでしょうか」
れいか「つまりは、自分の中では当然だと思っていることでも……」
やよい「実は皆が知ったら驚くようなことがあるかも、ってことなの?」
れいか「はい。そしてそれは、仲間である私達が、更に結びつきを強くするのに。とても大事なことでは、ないかしら」
あかね「あー、確かになんかみんなにうちのこと知ってもらえて少し嬉しかったかもしれん。最後のは恥ずかしかったけども」
なお「いいね、それ。隠し事があるのは、すっきりしないし」
キャンディ「? キャンディ、そりよくわかんないクル。みゆきぃ、どういうことクル?」
みゆき「えーっとね、つまり……」
みゆき「カミングアウトでウルトラハッピー!って、ことだよね!」
やよい「え、えぇ?あかねちゃん、自分の番が終わったからって気楽すぎー……私、なんだろう」
みゆき「やよいちゃんの秘密?なになに、知りたい!」
やよい「ふぇ!?み、みゆきちゃんそんな、期待されても困るよぉ……うーんと、えーっとね」
なお「無いなら無いでいいんだよ、やよいちゃん」
れいか「えぇ。雑談のつもりで、気楽にしてください」
やよい「さり気に酷いよあかねちゃん!?わ、私だってその、皆には秘密の100%無敵のヒーローなんだもん」
あかね「うちらみんなやんそれ、いや、ヒーローとはちゃうけども」
なお「やよいちゃんは、分かりやすいからね。あ、バカにしてるんじゃなくって。そういうところがいいところだ、ってことだよ?」
れいか「なおは可愛いものと素直な方が大好きだものね」
やよい「そ、そう……?」
みゆき「うん、うん!やよいちゃんは絵が大好きで、頑張り屋さんで、それで……特撮ヒーローさんが大好きなんだよね!」
やよい「……あー。特撮……あー、そっか……」
みゆき「?」
あかね「え、な、なんやのやよい。そないな頭下げよってからに」
やよい「……私、ずっとずっと!特撮ヒーローが大好き!てつを素敵!って言ってたんだ、けど!けど!」
なお「てつをって人のことは初めて聞いたけど……え?」
れいか「やよい、さん。まさか……」
みゆき「え……ひょ、ひょっとして」
やよい「私……私!」
やよい「電王から嵌った、にわかなの!!ごめんなさい!!!」
あかね「……」
なお「……」
れいか「……」
やよい「……幻滅した、よね。うん、分かってるの……私……」
やよい「それでも、みんなには……知ってほしかった、かr」
あかね「いや、知らんし」
やよい「ふぇ……うん、ごめんね。こ、こんなにわかの言い訳なんて……みんな、聞きたく、ないよね」
あかね「いや、せやから……で、電王って、なに……?え?そっからはまったのが、何が悪いのん?」
やよい「……え?」
やよい「なにそれ詳しく……あ、あれ?みんな、私のこと……『糞にわか○ね!』とか『バイクに乗らないライダー()』とか……煽ったり、しないの?」
なお「そ、そんなこと言うわけないよ!?だって、やよいちゃんはそれがステキだって思って、好きになったんでしょう?どうして批判することがあるのさ」
やよい「あ……あの、ファンの界隈じゃ、私みたいなのはそういう扱い、だから」
れいか「やよいさん。あまり、ご自分を卑下しないでください。やよいさんはそれでも、とくさつ?が大好きになられたんですよね?」
やよい「う、うん。そっから平成ライダー全部見て、昭和も完走して、戦隊ヒーローに手を伸ばして、メタルヒーローに熱くなって、円谷にどっぷり嵌って、ゴジラ陣営とガメラ陣営の討論に加わって、そしてオダジョーが嫌いになったよ……?」
あかね「最後はわからへん、全部微妙やけど」
オダギリまだ特撮嫌ってるのか?
やよい「でも、でもね……私達の界隈じゃ、どこから嵌ったかっていうのがすっごく重要なの。いくら私が『東映不思議コメディシリーズ』の素晴らしさを説いても……」
あかね「なんやその学歴社会じみたもんは。やよい、うちらは、なんや?友達やろ?」
れいか「その通りです。やよいさんのご趣味はまだ詳しく知りませんが、そのような価値観でやよいさんを測るのは間違っていると言わせていただきます」
なお「そうだよ。まわりがどう、とか。関係無い。私達は、やよいちゃんが大好きなんだよ?」
キャンディ「キャンディも、やよい大好きクルぅ」
やよい「みん、みんなぁ……ぐすっ、よ、よかった。ほんと、ほんとは、怖かったよぅ……みんなにも、嫌われちゃったらってぇ」
あかね「ほーれ、さっきの仕返しやー」
なお「あはは、やよいちゃんは泣き虫だね。ひなとおんなじだ」
れいか「やよいさん、大丈夫ですよ。私達はみんな、やよいさんの味方です」
キャンディ「ギューッ、クルー!」
やよい「みんな、ありがとう。ありがとう。これから私が、お昼ご飯にカレーばっかりもってきても、引いたりしない?」
みゆき「えへへ!私にも少し分けてね!」
あかね「全力でツッコミはするけどな。えぇやろ、それくらい」
やよい「ありがと、ありがとう……大人になって、私が大型バイク乗り回してても、引かない?」
なお「ははっ、かっこいいね。後ろにのせてよ、気持ち良さそう」
れいか「そんなやよいさんはとっても素敵だと思いますよ?」
やよい「うん、うん……みんなありがとう、大好き!」
あかね「あかん、やよいが何を言ってるのか分からへん。それで、次は?」
なお「えーっと、私いいかな。いつまでも順番待っててもやもやするのは、いやだし」
みゆき「それじゃ、なおちゃんね!……うーん、って言ってもなおちゃんのそういうのは、想像つかないなぁ」
れいか「なお?なおは昔から、なんでも私に話してくれていたと思うのだけれど。それこそ、失敗や恥ずかしいことまで」
あかね「見せ付けてくれんのぅ自分ら。でもなおかて、何かあるからそないなこと言うんやろ?」
なお「うん……実は、実はさ」
なお「私、一度だけ。男子サッカー部の試合に……出たことが、あるんだ」
あかね「……」
やよい「……」
れいか「……」
なお「……」
みゆき「なおちゃん、かっこいいもんね!」
やよい「ありあり!全然ありだよ!」
なお「そこ!?」
あかね「茶化しなや、みゆき、やよい」
れいか「なお……一体、どうしてそんなことに?」
なお「うん……ほら、うちの男子サッカー部って、弱いでしょ?」
あかね「女子部のなおみたくエースもおらんし、まとまりもないねんな」
なお「そうなんだ。でもね、正顧問の先生が病気でいないから仕方のない部分もあるんだよ……でも」
みゆき「でも?」
なお「他校との試合で、ね。それに負けたら、向こう一年間の町の大きなグラウンドの使用許可を、そちらにゆずるって、賭けをしちゃったんだ。男子部」
れいか「……弱小なサッカー部は野球部その他にグラウンドの大半を使用されていて、週に何度か町のグラウンドを使わないと十分な練習が行えない」
れいか「と。生徒会の方でも、問題になっていました。ですが、まさかそんなことを……」
なお「『弱いくせに練習なんてしてなんの意味があるんだ』って、言われたらしい。それで喧嘩になったんだ、って」
なお「それを聞いて、さ。私も頭にきちゃって。だって、連中弱いけど、真面目な奴らなんだ。部員が足りなかった去年とかは、嫌な顔一つせず女子部に混ざって練習してたし」
あかね「それで、助っ人になったったー、ゆうわけか」
れいか「私がリボンをあげたのも、去年の末ほどの話しだものね」
なお「さらしも用意してたんだけど……使わなかったよ。何でかは聞いてくれるな」
あかね「そか。それで、結果はどないやったん?」
なお「10-0で勝てたよ」
あかね「相手弱っ!?!?」
なお「なんかあたし常時フリーだった……いや、そこはいいんだ。勝てたことは勝てたし、連中の力にもなれた。感謝も、された。でも、でも、さ」
なお「……あたし、ルールを破ったんだ」
みゆき「……なおちゃん、それは」
なお「理由なんて、関係ないよ。ううん、今考えれば、その理由だってあたしの感情一つだし」
やよい「で、でも……その場合は、えっと」
なお「ううん、やよいちゃん。庇わなくたって、いいんだ。あたしが一番よく分かってる。あたしは、自分が一番嫌いな」
なお「卑怯な手を使って、しまったんだ。それは変わらないよ」
れいか「……」
なお「助けてあげられたし、無理難題で筋が通ってない相手の鼻をあかせてやれた」
なお「でもさ。それでよかったのか、って。もっともっと何か、手があったんじゃないか、って」
なお「れいか。あたしがれいかみたいに頭がよければ、きっと話し合いでなんとかなったんじゃないのか、って」
れいか「……なお」
なお「あたし、直球勝負って言ってるけど。違うんだ。あたしは、直球でしか。思ったようにしか考えられないし、進めないんだ。それでいつも、事が済んでから……後悔ばかりしてる」
なお「あたし、自分が恥ずかしいよ……弟たちに、けいたにゆうたにこうたに、はるとひなに顔向けできない」
なお「姉ちゃんは……っ、みんなを叱れるような、姉ちゃんじゃないんだ、って」
みゆき「……なおちゃn」
あかね「待ったり、みゆき」
やよい「あ、あかねちゃん?これは、大好き抱きしめの流れじゃ……」
あかね「いや、ここは……幼馴染の特権を、発揮してもらおうや」
れいか「……なお」
ギュッ
なお「れい、ぐすっ、れいか」
なお「でも、うぅ、でもぉ」
れいか「私こそ、生徒会というそのような問題に対処できる立場にありながら、何もできなくてごめんね?」
なお「! 違うよ!れいかは何も、悪くないよ!あたし、あたしが……相談しなかったのが、悪いんだ。直球直球って、向こう見ずに……」
れいか「知ってる。なお、私はあなたの幼馴染よ?だからね、なお」
れいか「私はあなたの鏡でありたいの。ずっとずっと、それは変わらないわ」
なお「れいか……」
れいか「なおがまっすぐにしか進めないなら、その結果で悩むなら。私がなおを映してあげる」
れいか「なおが求める清らかな心は、あなたの中にあるんだって。私が教えてあげる」
れいか「それが、友達でしょ?なお……もう一人で、悩まないでね?」
なお「れいか……れいかぁあぁ」
あかね「今や!」
みゆき「なおちゃーん!私もなおちゃん大好きだよぉー!」
やよい「なおちゃんかっこいいよ!ヒーローみたいだよ間違ってなんかないよぉー!」
キャンディ「クルぅ!」
なお「みんな、うぅ、うわぁあああん!みんなぁー!!」
れいか「ふふっ、なおは昔から泣き虫なのよね」
あかね「そら良かったわ。なお番長の意外な姿はこれが初めてやないけども」
なお「番長言うな!れいか、ありがと。あたしの幼馴染が、れいかでよかったよ」
れいか「私もよ、なお」
やよい「うーんと、それじゃ次はその流れでれいかちゃん?」
れいか「私、ですか。ついに、ですね……」
みゆき「れい、れいかちゃん顔が真剣に!」
やよい「き、気楽にじゃなかったの!?れいかちゃん真面目すぎー」
れいか「はっ。すいません、ですが私の発言は……みなさんの、その。この場でのやる気など、諸々を失わせて、しまいそうで」
あかね「な、なんやそれ……プリキュアであることを、ってことか?」
なお「れ、れいか……一体なんなのさ。話してよ」
れいか「……実は」
れいか「……私、夏休みの宿題。昨日で全部、終わってるんです」
みゆき「」
あかね「」
やよい「」
なお「……」
れいか「……」
なお「……れいか、それ今年は我慢しようって言ってたじゃないか」
れいか「ごめんなさい。でも、お兄様に昨晩誘われてしまって……」
あかね「れいか!」
れいか「な、なんでしょうあかねさん……怒ります?」
あかね「映させてぇ!!」
れいか「ダメです♪」
みゆき「わかった、れいかちゃん!小人さんを呼んでちょちょいのちょいだったんだね!」
あかね「あかん、あんたのが分からん」
れいか「正確には渡された一昨日も含めてですから、二日かかっていますけどね」
やよい「で、でも凄いよ、凄すぎるよれいかちゃん……私、この計算ドリルなんて終わるまでに夏が終わっちゃってそうだよぉ」
なお「そこは、みんなで力合わせて頑張ろう、やよいちゃん。あ、あかね。だからと言ってうつすのはなしだよ?」
あかね「わ、分かってますー、冗談ですーもー」
れいか「ふふっ。あ、そうでした。全て、とは言ったのですが。一つだけ、これが残っているんです」
キャンディ「クル?そりなぁにクル?」
みゆき「あ……そっかぁ、絵日記があるんだよね!」
れいか「みなさん……最高の物が出来るようにするため。協力、していただけますか?」
なお「もちろんさ!」
あかね「ふっふっふー、せんせが笑いすぎて皺が伸びまくるくらいのもんにしたらぁー!」
やよい「みんなでいれば、きっと何から描こうか困るくらいだよね!」
みゆき「うん、うん!れいかちゃん!ウルトラハッピーな絵日記に、しようね!」
キャンディ「キャンディも描くクルぅ!」
れいか「ふふっ、ありがとうございます。今年の夏休みは、とってもとっても楽しくなりそうだわ」
みゆき「わ、私かぁ……なんだか、いざ自分の番になったら緊張するね!」
やよい「分かる、分かるよみゆきちゃん」
なお「でもほら、これまでの流れで分かったでしょ?私達、何を言われても大丈夫だよ」
れいか「えぇ、ですからみゆきさん。何も心配せず、おっしゃりたいことをおっしゃってください」
みゆき「うん……そうだよね。みんな、なら。うん」
キャンディ「キャンディもいるクル?」
みゆき「ははっ、ありがと……あのね。私、絵本が大好きでしょ?」
あかね「? 知っとるけど」
みゆき「ううん、そういうことじゃなくて。あのね、私のこの趣味を知ると、意地悪な男の子が言ってきたりしたんだ……」
みゆき「『おい星空ー!知ってるか?グリム童話って本当はほとんど怖いオチなんだぜー!』って」
なお「あー……き、聞いたことが、あるね」
れいか「……戒めや風刺、教訓を強烈に分からせる目的があったものも多数だったそうですから。ですが、みゆきさん?今は……」
みゆき「……私は、そんなことを言ってくる子には」
みゆき「これを、貸してあげることにしています」
エドワード・ゴーリー著『ギャシュリークラムのちびっ子たち―または 遠出のあとで』
あかね「」
やよい「」
なお「」
れいか「」
キャンディ「」
みゆき「世の中には、ハッピーエンドだけじゃない。たくさんたくさん、バッドエンドなお話もあるんだ、ってこと」
みゆき「それでも、私はハッピーエンドが好き」
みゆき「ハッピーエンドを求める、人間の心が大好き」
みゆき「バッドエンドを作った人も、きっときっと、何か私達に伝えようとしていたはずなの」
みゆき「辛いお話から、悲しい出来事から、私達が何か学べるように、って」
みゆき「アンだって、楽しい出来事ばっかりじゃなかったよ。泣いたりしたこともたくさんあったよ」
みゆき「それで本を閉じてしまったら、そこで本当にお終いなの。私は、そんなのは嫌だ」
みゆき「人はそこから立ち直れるんだって、教えてくれるの」
みゆき「私は、どんなバッドエンドも乗り越えて。スマイルになれる、ハッピーエンドがきっとあるって。信じてる」
みゆき「だから私、バッドエンドからも逃げない……この前、キャンディを助けたいって思ったとき。ようやく、分かったの」
みゆき「……私、間違ってる、かな」
あかね「……みゆき。あんたは、凄いな」
やよい「みゆきちゃん……みゆきちゃんは、いっつも私達の思ってるよりずーっとずーっとかっこいいことをしてくれるよね」
なお「みゆきちゃん、ありがとう、みゆきちゃんのことを教えてくれて。私、思ったよ。みゆきちゃんと一緒なら、どんな戦いにでも憑いていきたいって」
れいか「みゆきさん……きっと、困難な道です。ですが、私達みんな一緒なら。平気です、そうですよね?」
キャンディ「クル!キャンディも、頑張るクル!みゆきの、ハッピーエンドのためにクルぅ!」
キャンディ「クル!?どこかで、バッドエナジー空間が展開してるクル!」
あかね「いつの間にかそないなこと出来るようになっとったけど、キャンディ便利やな自分」
やよい「よーし!みんなで心機一転!出撃だね!」
なお「うん!より一層チームになった私達に、敵なんていないよ!」
れいか「行きましょう、みゆきさん。導いてください、私達の光として」
みゆき「うん!それじゃ、行こう!」
カチッ カチッ パッ!!…………
狼「ウーーールッフフフフ!俺様に本を売りやがらねぇ罰だぜぇ!暴露本なんていう、メチャクチャ悪そうな本をよぉ!」
狼「あぁん?おぉプリキュアども、テメェらもきやがったか、しょうこりもなく。ははぁん?テメェらも中々に、バッドな思考をしてやがんだなぁ?」
なお「どういうことさ」
狼「そうだろうが。こんな本を出しやがる奴は、暴露して誰かを貶めようとしてんだろ。そんで、その本を買いたい奴は、それを読んで笑ってやろうってはらごもりなんだろうが」
れいか「……みながみな、あなたのような外道なわけではありません!」
みゆき「狼さん……狼さんは、可哀想だね」
狼「……あぁん!?」
みゆき「人はね。秘密を喋ることで、スッキリしたいときもあるの。それがとっても怖くって、知られたら嫌われちゃうって思っていても!」
みゆき「みんなは、分かるよね。私のことも、みんなのことも。私、みんなが変わらず大好きだよ」
あかね「うちかてや」
やよい「うん!みゆきちゃん」
れいか「当然ですよ、みゆきさん」
なお「あの勘違い狼を、こらしめてやろうよ」
みゆき「うん!いくよ、みんな!」
プリキュア! スマイルチャージ!
サニー「太陽サンサン、熱血パワゥア!キュアサニェー!」
ピース「ピカピカぴかりん☆じゃん、けん、ぽん!キュアピース!」
マーチ「勇気凛々、直球勝負!キュアマーチッッ!」
ビューティ「深々と降り積もる、清き心。キュアビューティ!」
五つの光が導く未来!
ハッピー「ハッピーエンドに輝け!スマイル プリキュア!!!」
完
ポップ「……みなの衆は、ぶっちゃけデコルの数まだまだあるってことを知ってたことをカミングアウトしても、許してくれるでござろうか」
キャンディ「お兄ちゃん……ねぇよクル」
今度こそ、完
みんなはもちろんボーカルアルバム買うたよな!?れいかさん曲はれいなおにしか聞こえへん最高や!
来週はスマプリおやすみ?よっしゃ!三本立てや準備せなな!
じゃあの!
ABC朝日放送 日曜朝八時半
スマイルプリキュア!
大好評放送中!
関連グッズも続々発売中!!
いい話だった
今回もおもしろかった
乙
Entry ⇒ 2012.07.23 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
怜「お泊り」
――竜華の部屋
怜「なー竜華」
竜華「んー」ピコピコ
怜「暇ー」
竜華「ちょい待ってな、今オーラスやから」ピコピコ
怜「………」
怜(私と竜華は一応…つ、付き合うてるんやからナニかあってもええはずなのに)
怜(キスすらしてへん…というか前に竜華とキスしたのいつやったっけ…)
怜(……期待しとった私がバカやったんかな)
怜「竜華のあほ…」ボソッ
怜「………」
竜華「あ、ごめんな。何やったっけ?」
怜「……やることないし私もう寝るわ。竜華はゲームにお熱みたいやし」
竜華「え、ちょ」
怜「夜9時には寝なさいってお医者さんに言われとるしな」
竜華「いや絶対嘘やん!」
怜「ほなおやすみ」
竜華「ええー…」
怜「………」
竜華「ドンキーコングやろー」
怜「………」
竜華「うー、ほなディディーコングレーシングやろー」
怜「………」
竜華「ぐぬぬ…ならドンキーコンガならどうや!」
怜「………」
怜(なんでドンキー攻めなんやろ…)
怜「………」
竜華(あーもーうちのバカ! 怜と二人きり…しかもお泊りなんて緊張して仕方あらへんから
ゲームで気を紛らわせようとしてたらいつの間にか夢中になっとって…)
竜華(挙句の果てには怜を放ったらかしにして怒らせてえええええええ!!!!!)
竜華(あーうちのばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばかばか)
怜「………」チラッ
竜華「………」ドヨーン
怜(え、やりすぎた…?)
怜(…にしても落ち込み過ぎやろ)
怜「りゅーか」
竜華(ばかばかばかばかばかばかばかばか)
怜「りゅーかっ」
竜華「ふぇ!」
怜「…もう怒っとらんから」
竜華「え…」
怜(そんな姿見たら怒るもんも怒れへんやん…)
怜「!!」
怜(な、涙目とか反則やろ…)
竜華「ほんまにごめんな怜~」
怜「ええって。うちもちょい意地悪やったし…ごめんな」
竜華「元はうちが悪いんやから怜は謝らんでもっ」
怜「…よっこいしょ。まあお互い様っちゅーことで」
竜華「えへへ、せやな…」グスッ
竜華「う、うん。ごめんな…」
怜「寂しかったんやから」ギュゥ
竜華「ごっ、ごめん」アタフタ
怜「竜華さっきからごめんばっかりやな」クスクス
竜華「へっ!? ごめっ…あ」
怜「ふふ」
竜華(怜にバレてへんやろか)ドキドキドキ
怜「りゅーかめっちゃドキドキしとる」
竜華(バレてるうううううう)
竜華「しょ、しょうがないやん…。す、好きな人と二人きりでしかもお泊りなんて…」
怜「ぅ………」カァァ
竜華「ゲームも緊張してどうにかなりそうな気を紛らわせる為に始めたんやけど…」
竜華「だんだん熱中してもーて」アハハ...
怜(なんや意識しとるのはうちだけやなかったんか…安心したようなしてないような)ドキドキ
竜華(怜もめっちゃドキドキ言うてる…)
竜華「うん…」
竜華(ちゅーしたいなあ…)
竜華「な、なあ…」
怜「んー?」
竜華「ちゅーしても…ええ?」
怜「き、聞かんでもええわ…」カァァ
竜華「じゃ、じゃあするで…」
怜「ん」
竜華「………」
怜「………」
怜「………」
怜(またか)
竜華「………ん」
チュー
怜「っ……んぅ…」
怜(毎度のことやけどキスするまでのあの間は何なん…後で問い詰めたろ)
竜華「ふは…」
怜「……っはあ」
怜「わ」ギュッ
怜「……なあ竜華。キスするまでにやたら間が開くのは何でなん?」
竜華「あー…うーん…その…」
怜「ま、待つのも割りかし恥ずいんやけど」
竜華「うっ…。キ、キス顔っちゅーんやっけ…。怜のあの顔見ると頭が真っ白なってな…それで」
怜(初心い、初心すぎる)
怜「ま、まあ慣れすぎんのもそれはそれで寂しいけどな…にしてもあんたは初心すぎるわ」
怜(そこもかわええんやけど)
竜華「うぅ…ごめん」
怜「あ、謝ることやない! りゅ、竜華のそういうとこも好きやし…」カァァ
竜華「はうあ」
怜「でもな…前にも言うたと思うけど、りゅ、竜華になら何されてもええから…もっと…その」ゴニョゴニョ
竜華(なんかもういろいろとアカンわ…)
怜(ひどいことって)
怜「いやそんな脆くないわ…多分」
竜華「あはは…」
怜「………」
竜華「………」
怜「……うちは竜華とキス以上のことしたい」
竜華「ふぇ!?」
怜「りゅーかは? …したくないん?」
怜(我ながらずるいなぁ…)
竜華「う、うちかてしたい…けど」
怜「けど?」
竜華「が、我慢きかなくなるかもやし…」
怜「せやから我慢なんてせんでええって」ポンポン
竜華「うぅー…」
怜「今更何言うてるん。むしろ竜華以外考えられんわ…」カァァ
竜華「う、うん…。うちも怜じゃないと嫌や」
怜「………」
竜華「………」
竜華「ほっ、ほなベッド行こか…」
怜「そ、そやな」
怜「って最初からベッドに居るやん」
竜華「せ、せやった」アハハ
怜・竜華(大丈夫やろかうちら…)
・
・
竜華「ほ、ほな失礼して…」オシタオシ
怜「ん…」
竜華(お、押し倒したまではええけどこっからどうすればええん!?)
怜「………」
竜華「………」カチコチ
怜(何したらええか分からんって顔しとるな…。竜華こういう知識あんまりなさそうやからなぁ)
怜(まぁ私も入院してるときに読んだワイルド○ーズで得た程度の知識やけど)
怜(というか竜華完全に固まっとる…助け舟出したるか)
竜華「ひゃ、はいっ!」
怜「竜華のしたいようにしてええんよ?」
竜華(うちのしたいこと…したいこと……)
竜華「…じゃあまずちゅーしてええ?」
怜「せやから聞かなくてもええっちゅーに…」
竜華「ご、ごめん」
怜「ん」
竜華「………」
竜華「ん…ちゅ……」
怜(おお、竜華にしては頑張ったな)
竜華「………」
怜「はっ………んぅっ」
竜華「ん……」
怜(間髪入れずに2回目とか不意打ちやわ…竜華のくせにー)
怜「………はあ…はぁ」
竜華「あわわ…ご、ごめん!」バッ
竜華「だいじょ…んぅ!?」
怜(なんや悔しいから仕返ししたる…)
竜華「んん……」
怜(上手く出来るか分からんけど)
怜「………」
竜華「……んぅ?!」
竜華(と、怜の舌がっ)
怜(こんなんでええんやろか…)
竜華(…えーい、うちもっ)
怜「っ! ん…ちゅ…れろ……」
怜(なんやこの不思議な感覚…べろちゅーってこんな気持ちええもんなんか)
竜華(怜の舌とうちの舌が絡まって…あかん何も考えられなくなりそう)
竜華「…れろ……んん……」
怜「っは……はぁはぁ…」トローン
竜華「怜…大丈夫?」
怜「んー? 平気やで。…気持ちよすぎてどうにかなりそうやったけど」ギュゥ
竜華「そ、そか…。上手く出来てるか不安やったんやけど…」
怜「竜華って案外テクニシャンやったり」
竜華「え、そ、そなんかな?」
怜「こういうの初めてやしどんなんが上手い下手か分からんけどな。
でもうちは気持ちよかったから…」
竜華「あ、ありがとう。うちも…その…気持ちよかった」カァァ
怜「う、うん…」カァァ
竜華「う、うんっ」
竜華(いつだか浩子に見せてもろたワイルドなんちゃらを思い出すんや…)
竜華(……よし!)
竜華「む、胸、触るで…?」
怜「うん…」
ふにっ
怜「んっ」
怜(初っ端から声漏れてもーた…恥ずかし)
竜華(ここここここれが怜のおっぱい…!)
竜華(それに今の声って…)ドキドキ
怜「………」コクリ
プチ..プチ...
竜華「………」
竜華(綺麗…)
怜「そ、そないジロジロ見んといて…」カァァ
竜華「ご、ごめんっ。あんまり綺麗なんで見惚れてしもたわ…」
怜(さらっと恥ずかしいこと言いよるしっ)
怜「りゅーかのばかぁ…」プイッ
竜華(か、かわええ…。でも何でちょい怒っとるっぽいんやろ…?)
怜(これもなんや催促してるみたいで恥ずい…)
竜華「う、うん」
もみもみふにふに
怜「あっ…ん……」
竜華(ああ、この手にちょうど収まる感じ…堪らん)
竜華「…かわええ」チュ
怜「…んっ」
怜(く、首筋に息がかかってこそばい)
竜華(…………)
竜華「はむっ」パクリ
怜「ひゃあっ!?」
竜華「………」チューチューチュパチュパ
怜「んっ…す、吸わんといてぇっ」
竜華(もう片一方は手で…)
竜華「………」チュパチュパクニクニ
怜「んんっ、りゅ……かっ」
怜「っ………」カァァ
竜華(ありゃ、腕で顔隠してもーた)
竜華(…というかうち怜にひどいことしてへんやろか……?)
怜「………」ハァハァ
竜華「怜? 大丈夫…?」フッ
怜「っは…だ、大丈夫やから…続き…」
怜(止められたら生殺しもええところや…)
竜華「う、うん」
竜華(破壊力高すぎる…)
竜華「………」ペロペロ
怜「……あっん」
竜華(そろそろ次へ行ったほうがええんやろか…? む、胸ばっかり攻めんのもアレやし…)
竜華(流れは大体分かるけど…んー…やっぱりよう分からんしなぁ…)
竜華(下手なことして怜に何かあったら)アワワ
怜「りゅーかぁっ」
竜華「んー?」
怜「そ、そろそろ…その…」モジモジ
竜華「えっ、ああ、うんっ」カァァ
竜華(ええいっ)
竜華「…失礼します」
さわさわ
怜「ひぅっ……!」ビクン
竜華(ちょい触っただけやのにえらい敏感やな)サスサス
竜華(スボン越しでも分かるぐらい湿っとる…)クニクニ
竜華(…う、うちも人のこと言えんかもやけど)
怜「ぱ、パジャマの上からやなくてっ…」
竜華「う、うん」
竜華(いい加減理性利かなくなりそうや…)
怜「…ん」
竜華「………」ゴクリ...
竜華(こ、これが怜の…怜の…!)ドキドキドキ
竜華「………」ジー
怜「あんまり見んといてぇ…」モジモジ
竜華(はっ! また見惚れてもーた…。で、電気とか消したほうがええんやろか…)
竜華(あーもーわからーん! 色々考えてもしゃあない! 怜かわいい!)ヤケクソ
怜「ぅ…」
竜華「な?」ニコッ
怜(もうどうにでもなれ…)
怜「………」サッ
竜華「ええこええこ」ナデナデ
怜(…なんやさっきまでの竜華と違う。変なスイッチでも入ったんやろか)
怜「…子供扱いやめ」
竜華「照れとる怜も可愛いなぁ」ナデナデ
怜「…竜華のが可愛いで?」
竜華「ふぇ?!」カァァ
怜(と思ったけどいつもの竜華やった)
竜華(…よし、気を取り直してっ)
竜華「さ、触るでー…」
怜「………」コクリ
竜華「………」オソルオソル
クチュッ
怜「ひゃんっ…」ビクン
竜華「…やっぱりめっちゃ濡れとる」
怜「い、言わなくてええわっ」カァァ
竜華「あ、ご、ごめん」
怜「竜華のあほぉ…」
竜華(頬染めながら涙目でそないなこと言われても…なあ?)
竜華「…指、挿れてええ?」
怜「…ええよ、きて」
竜華「しんどかったら言ってな…?」
怜「ん…」
ヌッ
怜「っ……!」
竜華「ご、ごめんっ…大丈夫? 痛い?」アセアセ
怜「ん、へーきへーき」
怜「…まぁちょい痛いけど…竜華と繋がってるって実感出来るから」
竜華「…えへへ」
怜「ん。心配性やなあ、竜華は」
竜華「だって…。怜のことは大切やし、大事にしたいもん…」
怜「お、おおきに…」カァァ
竜華「…ん」
怜「あっ…やっ…」
竜華(不思議な感覚…今、怜の中にうちが居るんやな…)
竜華(…一本目はだいぶ濡れてたおかげで割りとすんなりいけたけど…もう一本ぐらいいけるやろか…)
竜華「………」クチュッピチャ
怜「んっ…やぁ…あぁっ」クネクネ
竜華(…ちょ、ちょっとだけ…)
竜華「……えいっ」ボソ
ヌヌッ
怜「ちょっ…いっ……ああんっ」
竜華「んっ…」
竜華(やっぱりちょいキツいな…)クチュクチュ
怜「だいじょ…ぶやからぁっ! もっとぉ…っ」
竜華「…うん」
竜華(あーもう辛抱たまらんっ)
竜華「…ときー」
怜「っはあ…なにぃっ……んっ」
ちゅー
竜華「んっ…ちゅ……れろ」
怜「んーっ…んんぅっ…ちゅ…」
クチュクチュッ...
ピチャピチャ...
怜「ぷはっ…」ゴックン
怜「りゅ、竜華…もうあかんかも…っ」
竜華「ええよ…イッて」グチュックチュ
怜「りゅーかっ…好きぃっ……あっ…ああああっ…っ………」ビクビクン
竜華「うちも好きやで、怜…」
怜「………」
竜華「と、怜ー?」
怜「………」
竜華「…こ、これがイくっちゅーやつなんやろか…」
怜「………」
竜華「うぅ…人によって失神するー言うんは聞いてたけど…えらい不安なってきた…」
竜華「ときー…」
怜「……んん」パチッ
竜華「怜ーっ!」ダキツキ
怜「わわっ…って何泣いとるん」
竜華「とっ、怜が気絶してもうたからっ…心配で…」グスッ
怜「全然平気やから…な?」ナデナデ
竜華「うんっ…うんっ……」
怜「しかし色々恥掻いたような…」
竜華「あはは…でもめっちゃ可愛かったで?」
怜「りゅーかのばか…」
竜華「ええ!?」
怜「まずなにその完全着衣。うちなんかほぼ裸やっちゅーのに」
竜華「えええ!?」
怜「せやから……な?」ニコッ
竜華「ええええ!?」
怜「なんや今日はめっちゃ調子ええねん」
竜華「うぅ」
怜「…うちも竜華にしたいんやもん…ダメ?」
竜華「うっ…」
竜華(こんなんずるいで…)
竜華「…おっ、お手柔らかにお願い…します……」ミツユビ
怜「うん…ありがとう」
怜(ちょろすぎるで竜華さん)
・
・
怜「よっこいしょ」
怜「おお、竜華を見下ろしとる」
竜華「怜は小ちゃいもんなぁ?」クスクス
怜「うっさい…」
竜華「背伸びしてちゅーしてくんのめっちゃ可愛いで?」
怜「………」
プチ..プチ...
竜華「ちょ、ま……え、怒らしてしもた?」
怜「お仕置きや…」
バイーン
怜「…相変わらずでっかいなあ」
竜華「そ、そないまじまじと…」
怜「シュークリームみたいやな」ボソッ
竜華「え? なに?」
怜「ん、こっちの話や。ほな…」
もにゅっ
竜華「ひゃっ…」
竜華「ちょっ…揉みすぎ…んっ」
怜「えー、だって好きなんやもん」モミモミ
竜華「す、好きって」
怜「あ、もちろん竜華の全部が好きやで?」
竜華「うぅ…」カァァ
竜華(よくもこう恥ずかしいセリフをポンと吐けるわ…)
怜(先っぽ勃ってきた…よし)
竜華「ひゃっ…あっ……」ビクッ
怜「………」チューチュー
竜華「す、吸わんでぇっ…!」
怜「りゅーひゃやっふぇうちにひてきたやん」チュパチュパ
竜華「あんっ…」
怜「…さすがに母乳は出ぇへんか。ちょっと期待しとったんやけど…」
竜華「で、出るかぁっ!」カァァ
竜華「へぇ、知らんかったわ…かがくのちからってすごいなぁ!」
怜「せやな。……竜華は欲しい? 子供」
竜華「うーん…うち結構世話したりすんの好きやけど…今はあんまり考えられへんかなぁ」
竜華「怜の面倒も見なくちゃあかんしー?」
怜「そ、そか…」カァァ
怜(竜華がいつの間にか成長しとる…)
・
・
竜華「と、とき…」
怜「?」
竜華「ちゅ、ちゅーして欲しい…」
怜「りゅーかは甘えたやなあ……ん」チュー
竜華「んっ……」
竜華「は……急にしたくなったんやもん…」
怜(可愛すぎるで…)
竜華「ん……」
怜「ほな失礼して…」バッ
竜華(え、えらい恥ずかしい…しかもスースーするぅ…)
さわさわ
竜華「あんっ……」
怜(思ったより濡れとる…)
怜(もしかしてさっきうちがやられとったときに竜華も…)
怜「ふふっ」
竜華「なっ何笑てはるんっ」
怜「んー、竜華が愛おしすぎて」クニクニ
竜華「あっ…あほ…」ビクッ
怜「挿れるで…?」
竜華「は、はよぉ…」クネクネ
怜(あーこれはアカン…)ムラムラ
ニュプッ
竜華「ぃっ……」
怜(案外きっついな…)
怜「竜華大丈夫? 痛ない?」
竜華「だいじょぶっ……」
怜「ん…ちょいほぐすで」
クチュクチュ
竜華「やっ…ああああっ……」
ニュププ
竜華「っ!?」
怜「りゅーか…」クチュクチュ
竜華「んっ…んぉ……ああっん」
ジワッ
怜(うぁ、うちもまた溢れてきた…やってるほうもやばいなぁ)
竜華(な、なんか変なっ…そ、そろそろイクんやろかっ)
怜(竜華もどんどん溢れてきとる…)
竜華「と、ときぃっ…うち、なんか変っ…」
怜(…勿体ないなぁ)
竜華「えっ……」
怜「………」ペロ
竜華「っ……」ビクッ
竜華「ちょっ……怜…あっ…何しとるんっ…き、汚いか…らぁっ…やめっ」
怜(愛液の味が甘いなんてどうせ嘘やろと思っとったけど…ほんまに甘い)ペロペロ
竜華「ときぃっ!」
怜「別に汚くなんか…さっきお風呂入っとったし。それに勿体ないやん、コレ」ネチョー
竜華「み、見せるなぁっ」カァァ
竜華(と、怜の舌がねじ込んでっ…もうアカンっ)
竜華「と、とき、だめっ…も、うちっ…あっ…っは…あああぁっ」ビクビクッ
怜「りゅーか? …イッた?」
竜華「………」グッタリ
怜「…みたいやな」
怜「確かに急に気ぃ失うんのはびっくりするなぁ…」
怜「…とりあえずいろいろ拭いとくか」
竜華「あれ…」パチクリ
竜華「怜…?」
竜華「とりあえず服着よ…」
ガチャ
竜華「!?」ビクッ
怜「あ、りゅーか起きとる」
竜華「う、うん、おはよう」
竜華「よかった、夢やなかった」ボソッ
怜「おはよー。あ、勝手に水注いできてもーたけど大丈夫やった…?」
竜華「うん、全然平気やで」
怜「そか。ごめんな、ありがとう」
竜華「ありがとう…」
怜「………」
竜華「………」
怜・竜華(も、ものすごく気まずい…)
怜(うち、今考えたらとんでもないことしたような…)カァァ
竜華(あわわわわ)カァァ
竜華「とっ…怜はシャワー浴びる?」
怜「あ、えっと、あ、朝入ればええかな~…」
竜華「ほなうちもそうしよ…今日はもう動きたくないわ…」
怜「う、ごめん…」
竜華「あ、怜のせいやのうて!」アタフタ
竜華「あ、あはは…」
竜華「…そろそろ寝よか。もう日付が変わりそうや」
怜「せやな。明日が休みでよかったわ…学校やったら起きられる気がせぇへん」
竜華「やな。ほな電気消すでー」カチッ
怜「ん。おやすみ竜華」
竜華「おやすみ、怜…」
・
・
怜・竜華(って…あないなことしといて寝られるわけないやん……)
怜「………」
竜華「………」
怜「……りゅーか? 起きとる?」
竜華「…起きとるよ」
怜「もしかして寝られへん?」
竜華「怜も?」
怜「うん…」
竜華「そりゃそうやよな…あんな」カァァ
怜「…夢やないよね?」
竜華「え?」
怜「たまに全部夢やないか思うん。幸せすぎて怖いっちゅーか…」
竜華「怜…」
竜華「…夢やないから安心せぇ」ギュ
怜「ん…」
竜華「こっち向きぃ」
怜「………」モゾモゾ
竜華「えへへ」
怜「な、なに」
竜華「怜はかわええなぁって」
怜「なにそれ…」
竜華「はう」
怜「ほら」
怜「…竜華は美人さんやし面倒見もええし……これから先心配やわ。どうも押しに弱いっぽいし」
竜華「そ、そないなことないと思うけど…それにうちは怜のが心配やわ…。
こんな可愛い子放っておくやつ居らんやろ」
怜「えー? もしそうやとしても私は竜華一筋やし?」
竜華「う、うちも怜一筋やし!」
怜・竜華「っぷ…」
怜「バカップルかうちら」
竜華「ふふっ、せやな」
竜華「怜のが甘えたやん」
怜「竜華とくっつきたくてしゃあないんや」
竜華「えへへ、うちもー」
竜華「…次にああいうこと出来るんはいつやろなぁ……」
怜「せやなぁ…というか意外にノリ気なんやな、竜華」
竜華「わ、悪い…?」
怜「ううん。うちもまたしたい」
竜華「…高校卒業したら一緒に住まへん?」
怜「え…」
竜華「そしたらいつでも…」
怜「うん…」カァァ
竜華「…そう受け取ってもろうても構へん」
怜「っ……」カァァ
ムギュー
竜華「怜が照れとるー」
怜「うっさい…」モゴモゴ
怜「竜華のせいで更に寝られんようなったわ…」
竜華「えー?」クスクス
怜「ん…私も好き」
怜「あー…なんや眠なってきた」フワァ
竜華「さっき更に寝られんようになったー言うたのはどこの誰や」
怜「竜華の腕の中に居るとめっちゃ安心するんやもん…」
竜華「そか…」ナデナデ
竜華「…怜もう髪伸ばさへんの?」
怜「んー分からん…りゅーかはどっちがええの」ウトウト
竜華「どっちも好きやから選べへんわ…って限界みたいやな」
怜「………」スースー
竜華「おやすみ、怜」チュ
セーラ「あいつらおっそいなー」
泉「部活始まってからもう1時間は経ちますよ…」
浩子「二人して遅刻…ほほう、これは…」
チュンチュン
怜「……部活あるん忘れとった」
竜華「Zzz…」
おわり
次は何書こう…
見てくれた方ありがとなー
Entry ⇒ 2012.07.23 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
京太郎「力が……欲しい!」
咲「はい、何とか優勝できてよかったです」
和「全国に向けて、さらに頑張りましょう」
まこ「その前に個人戦もあるがの」
優希「おー! この勢いで個人戦も代表取るじぇ!」
京太郎「……おう、頑張れよ!」
優希「京太郎、お前も一回くらいは勝ってみせるじぇ!」
京太郎「…………」
京太郎(きっと個人戦も、誰かは代表を取るだろう……それにひきかえ俺は……)
京太郎(自分なりに勉強はしてるつもりだし、時々みんな相手でも2位くらいなら取れることもある)
京太郎(だが……やっぱり咲みたいな力はない)
京太郎(これが才能なのか……? 俺はどんなに頑張っても、凡人の雑用係で終わるのか……?)
京太郎(みんなはあれほど活躍しているのに、俺は……)
京太郎(このまま……)
京太郎(このまま、終わりたくねぇ!)
まこ「ふぅ、やはり東場は優希には勝てんのう」
優希「京太郎、タコスを買ってくるじぇ!」
京太郎(俺にも……)
咲「ツモ、嶺上開花です」
和「うぅ、またですか……」
久「絶好調ね、個人戦も期待できるわ」
京太郎(俺にも、あんな力があれば……!)
衣「ハギヨシか、何用だ」
ハギヨシ「それが、衣様にぜひとも面会したいという客人が……」
衣「む……こんな夜にか。一体何者だ?」
ハギヨシ「それが、どうやら清澄麻雀部の方のようです。須賀京太郎と名乗っていました」
衣「清澄の……?」
ハギヨシ「いかがいたしましょうか?」
衣「……面白い、通せ」
衣「話はわかったが……なぜ、そこまでして強さを求める」
衣「お前は決して、清澄の麻雀部を退屈に感じていたわけではなかったのだろう?」
京太郎「……確かに、以前はそうでした。雑用は大変だったけど、嫌ではありませんでした」
京太郎「でも、気付いてしまったんです。自分が、みんなから取り残されているって」
衣「……そんなことをしなくとも、他の部員はおそらく今でもお前を認めて……」
京太郎「でも、それは麻雀の強さで……ではない」
衣「……呆れたものだ。結局のところ妬みや嫉みではないか」
衣「そのような感情で強くなったとしても、お前の幸福に結びつくとは思えぬ」
京太郎「それでも……お願いします、天江さん」
衣「…………」
衣「決定的なアドバイスを送ることはできない……せいぜい、もしかしたら程度だ」
京太郎「かまいません」
衣「京太郎と言ったな。お前は、麻雀を打つ時に何か覚悟はあるのか?」
京太郎「覚悟……ですか?」
衣「今までずっと負け続きなのだろう。だから『今度もどうせ負ける』『負けて当たり前』と思ってないか?」
京太郎「…………」
衣「勝つ気のない者に道は開けぬ。まず、勝つ気を持つことだ」
衣「たとえば……勝つための制約、目標、条件……など、様々なことを考えてみよ」
衣「思えば衣も……不自由と引き換えに、雀力を得たのかもしれぬな」
京太郎「……勝つための……」
京太郎(…………!)
京太郎「……はい」
衣「ならば、もう衣の助言は必要なかろう……せっかく来たのだ、一局ほど打っていくか?」
京太郎「いいんですか?」
衣「問題ない、ちょっとした戯れだ。ではハギヨシ、卓へ案内せよ」
ハギヨシ「かしこまりました。皆様もお揃いです」
智紀「……弱い……」
一「……弱いね……」
透華「……弱いですわ……」
京太郎「……これが今の俺の、全身全霊の力です。皆さんの足元にも及ばない、これが」
京太郎「でも……やってみせますよ。すぐに、強く……そう、天江さんよりも……」
衣「……ほう、ずいぶん大きく出たな」
京太郎「天江さん、皆さん。ありがとうございました」
京太郎(強くなるための、覚悟……勝つための制約、目標、条件……俺にはそれが欠けていた)
京太郎(優希はタコスを食べることで、東場に圧倒的な力を発揮する)
京太郎(あれはもしかして『タコスを食べなければ力が出せない』という制約を無意識に作ってたのでは?)
京太郎(咲は『勝つことも負けることも許されない』という条件に縛られることで、プラマイゼロや嶺上の力を得たのでは?)
京太郎(なら俺も、何かを食べなければ力が……いや、俺の雀力じゃそれでは生ぬるい!)
京太郎(もっと、強い覚悟が必要……そう……)
京太郎(何かを、犠牲にするような)
咲「おはよう、京ちゃん」
優希「あ、のどちゃんもあそこにいるじぇ!」
咲「おはよう、原村さん」
和「おはようございます。優希、宮永さん……須賀君もご一緒ですか?」
京太郎「……ああ。じゃあ教室行くから」スタスタ
和「あ……須賀君?」
優希「京太郎の奴、ずいぶんそっけないじぇ。咲ちゃん、何かあったのか?」
咲「さ、さぁ……」
優希「おー! タコスも水も準備かんりょ……あっ、手が滑ったじぇ!」バシャッ
和「きゃあっ!」
優希「うわっ、のどちゃんのおっぱいがスケスケだじぇ!」
咲「きょ、京ちゃん、見ちゃダメぇーっ!」
京太郎「……始めましょうか。和は着替えてきな」
久「……へ?」
優希「ど、どうしたんだじぇ京太郎!? のどちゃんのおっぱいだじょ!?」
京太郎「個人戦も近いんだ。時間は無駄にできない、それだけのことだろ」
和「す、須賀君……?」
まこ「……な、何があったんじゃ……」
久「須賀君が、和に興味を示さないなんて……雪でも降るのかしら……」
まこ「京太郎やるのぅ。今日はわしらといい勝負だったぞ」
京太郎「いい勝負……ですか?」
優希「京太郎もたまには勝つ時もあるのか、なかなかやるじぇ」
京太郎「……いい勝負じゃ、駄目なんだよ……」
咲「え? 何か言った?」
京太郎「……お先に失礼します。では」
京太郎(俺は、お前が好きだった。でも今は……それ以上に、麻雀が強くなりたい)
京太郎(麻雀と比べれば、恋心などチンケなもんだ。俺はもう、お前に一切興味を示さない)
京太郎(でも……まだまだ足りない。男子のレベルは高いんだ)
京太郎(みんなといい勝負程度じゃ駄目だ……和だけじゃ足りない。まだまだ、何かを捨てないといけない)
京太郎(最後に一体、俺に何が残るのか……いや、今は考えるのはよそう)
京太郎(……さよなら、和……)
京太郎「……そうか?」
咲「そうだよ。クラスの友達とも全然遊んでないじゃん」
咲「原村さんとも……優希ちゃんとも、染谷先輩とも、部長ともあまりお喋りしなくなったよね」
京太郎「気のせいだろ」
咲「嘘だよ……京ちゃん、何か隠してない?」
京太郎「…………」
優希「ま、また京太郎の勝ち……?」
久「……凄いわね、下手したらもう咲や和よりも強いんじゃないの?」
まこ「京太郎、一体どんな特訓をしたんじゃ?」
京太郎「別に、大したことは……はぁっ……してません、よ……」
和「須賀君、大丈夫ですか……? 具合悪そうですが……」
久「でも、これなら個人戦でもかなりのところまで……」
京太郎「かなりのところ……? 俺は優勝以外、考えてない」
京太郎「そう、勝たなきゃ駄目なんだ……勝って、優勝しなきゃ……」
咲「きょ、京ちゃん……」
久「えぇ!? な、何言ってるの!?」
京太郎「ご心配なく……雑用はメールででも連絡していただければ、ちゃんとやりますんで」
まこ「京太郎、やっぱりお前さん最近変じゃぞ!」
久「須賀君……どうして……」
京太郎「……麻雀部は、俺にとって大切なものなんです……」
久「だったら……」
京太郎「だからこそ、来ちゃ駄目なんです……それじゃ、また大会で……」
優希「京太郎……一体どうしたんだじぇ……」
咲「…………」
京太郎「ここ最近、ずっと体が重い……息が苦しい……」
京太郎「やっぱり……急激な強化に、体がついてこれなかったか……」
京太郎「だが大会は、もう近い……何とか、もたせないと……」
京太郎「…………」
京太郎「……今夜は、満月か……」
京太郎「行って、みなければな。龍門渕に」
衣「なっ……」
純「ば、馬鹿な……」
智代「満月の、衣に勝った……」
一「それも、つい最近まで初心者だったのに……」
京太郎「ぐぅっ!」
透華「ちょ、ちょっと大丈夫ですの!?」
京太郎「……いえ、問題ありません……」
衣「京太郎……お前は、一体どれほどのものを犠牲にしたのだ……」
京太郎「…………」
衣「そこまでして得る勝利に……一体、何の意味があるというのだ」
京太郎「……天江さんには、わかりませんよ。凡人の、苦悩は……」
京太郎「俺は、ただ……みんなと一緒に、戦いたいだけです」
衣「京太郎……」
京太郎「天江さん、皆さん。お世話になりました」
京太郎「絶対に……代表、取ってきますんで」
衣(須賀京太郎……あの強さは本物だ)
衣(このまま頂点へ駆け上がるか、地獄の業火に焼かれるか……衣にも分からぬ)
衣(だが……お前は言っていた。みんなと一緒に、戦いたいだけだと)
衣(京太郎……気付いているのか?)
衣(どの道を歩むにせよ、そこには……お前の望む『みんな』はいないということに)
京太郎「はは……もう、学校からの帰り道すらもきついな……」
京太郎「だが、勝たなきゃ……勝って、みんなに……」
京太郎「…………」
京太郎「……よぉ、どうした?」
京太郎「この時間は……部活じゃ、ないのか?」
咲「……部活よりも、京ちゃんが心配だよ」
咲「どうしたの……学校でもずっと一人だし、顔色だって……」
京太郎「でもさ……俺、強くなっただろ。優勝、狙えるくらい……」
咲「……強くなんか、ならなくていいよ。私は、いつもの京ちゃんが戻ってきてくれれば」
京太郎「……駄目だ。俺は、勝たなきゃいけない」
咲「どうして、そこまでして勝ちたいの!」
京太郎「……咲には、わからないだろうな。力のある咲には……」
京太郎「みんなに、取り残された者の気持ちは……」
咲「……京ちゃん……」
久「さて、集まったかしら」
優希「みんなで代表取るじぇー……って、あれは……」
まこ「……京太郎?」
京太郎「はぁ、はぁ……ひ、久しぶり……みんな」
和「須賀君……どうしたんですか? 真っ青ですよ……」
京太郎「だ、大丈夫さ……今日一日だけ、もたせてみせる」
京太郎「それより…部長、お願いがあります」
久「お願い?」
京太郎「どうしようもなく弱くて、いつもみんなの遥か後ろを歩いていた……俺の、戦いを」
咲「……京ちゃん……」
久「……わかったわ。でも、無理しちゃ駄目よ」
京太郎「ありがとうございます……それじゃ、みんなも頑張れよ……」
優希「京太郎……なんなんだじぇ……」
久「今は……私たちも、目先の大会に集中するしかないみたいね」
まこ「……じゃのう」
和「あれ……宮永さんは?」
咲「京ちゃん!」
京太郎「……何だ、咲。女子の会場は向こうだぜ」
咲「戻って、来るよね……」
京太郎「…………」
咲「いなくなったり……しないよね……」
京太郎「……ははっ、当たり前だろ。じゃないと誰が、お前の面倒見るってんだよ」
咲「……京ちゃん……」
京太郎「もう行くぜ。お前も……勝てよ、咲」
咲(京ちゃん……)
咲(京ちゃんは、ああ言ったけど……私はやっぱり、今の京ちゃんには勝ってほしくないよ)
咲(ただ、いつもみたいに……私の隣で、笑っていてくれれば)
京太郎(この日のために、全てを犠牲にしてきた……)
京太郎(みんな、負けるんじゃないぜ……俺も必ず、そこへ……)
京太郎(たとえ……)
『それでは、男子個人戦の一回戦を始めます!』
京太郎(この体が、壊れようと!)
和「部長、このご飯は……」
久「須賀君が買ってきてくれたのよ……頼んでないんだけどね」
まこ「……あんな状態でも、本来の仕事は欠かさないってことかの」
咲「あの……京ちゃんの、様子は……」
久「さっき男子の部を見てきたけど……一応、勝ち進んではいるわね」
和「一応……というのは?」
久「……フラフラだったわ。それこそ、今にも倒れそうなくらい」
優希「きょ、京太郎……やっぱり風邪なのか?」
久「……風邪なら、まだいいんだけど……それ以上の、何かのような気がしてならないのよ」
久「今は……何とも言えないけど」
咲「…………」
京太郎「苦しい……あと、何回戦えば……」
京太郎「いや……何回だろうと、関係ねぇ」
京太郎「十回だろうと、二十回だろうと……」
京太郎「立ち塞がる奴は……全員、倒してやる!」
和「ありがとうございます、優希」
まこ「部長も惜しかったのう」
久「残念ながら、届かなかったわね。ところで……男子の方は?」
まこ「……最後の半荘のようじゃ。ここで勝てば……京太郎が、代表じゃ」
久「そう……あの、須賀君が……」
優希「あんなに弱かった京太郎が、あと一勝で代表……」
まこ「信じられんのう……」
和「……みなさん、男子の会場に行ってみましょう。スクリーンで様子も見られるでしょうし」
咲「……うん……」
京太郎(俺も、すぐそこだ。驚いたかみんな、あの弱っちい男が今や全国目前だぜ)
京太郎(絶対に勝って、みんなと全国に……)
京太郎(あと一半荘なら……きっと体の方は、何とかなる……いや、何とかしてみせる……)
京太郎(だが今回に限っては、別の問題があるようだ)
京太郎(それは……)
「傀……と、呼ばれています。よろしくお願いします」
「さて……打(ぶ)つか」
『さぁ、ついに男子の部も最後の半荘!』
『赤木選手、傀選手、阿佐田選手、須賀選手! 代表の切符を手にするのは誰だ!』
京太郎(相手が、今の俺でも……勝てるかどうかわからない、化け物揃いだってことだ)
京太郎(いいぜ……やってやるよ!)
いやいやいやいや
哲也「これで南入だな」
京太郎「く……12000か。げほっ、げほっ……」
赤木「ククク……病院にでも行った方がいいんじゃねえのか?」
京太郎(さすがは決勝まで勝ち進んだ猛者……とても同じ、高校生とは思えない……)
京太郎(今の俺でも……敵いはしないのか?)
京太郎(ここまで、なのか……?)
まこ「それより、今にも倒れそうじゃ……」
咲「京ちゃん……」
衣「……清澄よ。あの男の様子はどうだ」
和「あ、あなたは……」
久「天江さん……なぜ、ここに?」
衣「む……そうか、勝ち進んでおるのか……馬鹿者め、無茶をしおって……」
まこ「お前さん……何か、知っとるんか……?」
衣「……京太郎は以前、衣を訪ねてきたのだ」
まこ「何考えとるんじゃ、あいつは! そんなことをして手に入れた強さに、何の意味がある!」
咲「……それでも、京ちゃんは勝ちたかったんです。私たちの、ように」
久「咲?」
咲「京ちゃんは、ずっと苦しんでいました。自分だけ、麻雀が弱いということに」
咲「団体戦で、優勝した時も……自分ひとりだけ、輪の外にいるような気分だったんだと思います」
咲「私は……」
咲「私は、京ちゃんのことを忘れたことなんか……一瞬たりともなかったのに」
和「宮永さん……」
『ついにオーラス、最終盤だ! トップは傀選手、このまま決まってしまうのか!』
衣「あの三人……今の京太郎でも太刀打ちできぬほどの、魑魅魍魎の類」
衣「このまま、終わってくれればよいのだがな」
久「まだ、何かあると?」
優希「で、でも……この点差じゃ、もうどうしようもないじぇ」
衣「……それはわからぬ」
衣「まだ……京太郎に、捨てるものがあれば」
咲「!」
京太郎(くっ、牌が重い……目も霞んできやがった……)
京太郎(みんなと共に、全国へ……行きたかった)
京太郎(全てを捨てても……やっぱり、届かないのか?)
京太郎(……いや……まだ、手はあったな……)
京太郎(全てを捨てたつもりだった。でも、それは違う)
京太郎(まだ、残ってたじゃないか……一番、大切なものが)
京太郎(…………)
京太郎(俺の、一番大切なもの……)
京太郎(それは……)
1、命
2、咲
3、両方
>>230まで集計
京太郎(でも、お前だけは……ずっと、俺の心の中にいた。捨て切ることができなかった)
京太郎(こんなになった俺でも……いつも心配してくれて、話しかけてきてくれた……)
京太郎(誰よりも大切な、幼馴染……)
京太郎(…………)
京太郎(ごめんな、咲……)
京太郎「リーチ」
優希「それ以前に……これではリーヅモタンヤオ、赤1。逆転には届かないじぇ」
久「……違うわ。須賀君は、悪い待ちを選んだんじゃない」
まこ「何じゃと?」
久「彼は……」
京太郎「……カン」
久「カンできる待ちを、選んだのよ」
京太郎(咲、見てるか?)
京太郎(今まで、ありがとな……)
京太郎(でも、これで……さよならだ)
咲「京……ちゃん?」
京太郎「ツモ。リーヅモタンヤオ赤1、嶺上開花」
京太郎「裏……8。逆転だ」
京太郎「はは、勝ったぜ……見てたか、みんな……」
咲「……京、ちゃん……だよね?」
京太郎「……その声、咲か……」
咲「…………」
京太郎「咲……俺は、勝つためにお前を捨てた」
京太郎「もう、お前とは……会話することもないだろう」
咲「……なんでなの……」
京太郎「…………」
咲「また、昔みたいにさ……頭なでたり、ほっぺたつついたりしてよ……」
咲「昔みたいに……笑ってよ……」
京太郎「……咲、今の俺とお前……どっちが強い?」
咲「……京ちゃんの方が、強いよ……ずっと」
京太郎「そうか……」
咲「私よりも、勝つことが大事なの……?」
京太郎「……あぁ」
咲「全然、一緒なんかじゃないよ……本当はわかってるんでしょ、京ちゃん」
京太郎「咲、ありがとな……お前は、最後の最後まで俺を……」
京太郎「でも、これが俺の選んだ道なんだ……だから……」
京太郎「さよなら、咲」
咲「京ちゃん、待って!」
咲「うっ……うぅ……」
咲「京……ちゃん……」
同僚B「かんぱーい! ふぅ、仕事あがりのビールはおいしーね!」
同僚C「これであとは彼氏でもいれば、言うことなしなんだけどね」
同僚A「こら、それは言っちゃだめ!」
咲「あははは……」
同僚B「あーあ、須賀プロみたいなイケメンの彼氏欲しいな~」
咲「……!」
同僚C「あまりの強さに、地獄の皇帝(ヘルカイザー)とか呼ばれてるんだっけ」
同僚A「でも友人とか全然いないって話聞くけど本当なのかな?」
同僚B「一匹狼って感じでカッコイイじゃん」
咲「…………」
同僚B「咲なんかは、彼氏とか好きな男とかはいないの?」
咲「……好きな人なら、いたよ……」
咲「でも……私がいると、あの人の邪魔になっちゃうから……」
同僚B「須賀プロといえばさ、咲って麻雀めっちゃ強かったんでしょ」
同僚C「え、そうなの?」
同僚B「高校の頃、全国とか行ったって聞いたんだけど」
同僚C「マジ? そんな強いなら、プロになればよかったのに」
咲「……私はプロには、なれないよ」
咲(プロになったら……)
咲(きっと、また顔を合わせちゃうから)
咲「何か面白い番組はないかな……」ピッピッ
咲「…………」
『須賀プロ、またもタイトル奪取!』
『まさに圧殺! 強い、圧倒的に強い! この強さは本物だぁーっ!』
『地獄の皇帝、ヘルカイザー京太郎!』
咲「京ちゃん……また勝ったんだ」
咲「本当に、強くなったね……」
咲(清澄のみんなで一緒に麻雀を打ってた日が、懐かしいよ)
咲(京ちゃんは……今の自分に、満足してるの?)
咲(いや、してるはずだよね……あんなに、強くなれたんだから)
咲(そう、京ちゃんが望んでいたように……)
咲(でも……)
咲「私は、寂しいよ……京ちゃん」
END
ちょっと悲しい終わりだったけど、良かったよ
京太郎(……まだ、捨てられるものがあったじゃないか……)
京太郎(それは……俺の命)
京太郎(もう、みんなには二度と会えなくなってしまう……)
京太郎(それでも……俺はみんなと、ずっと共にある)
京太郎(あの世から……一緒に、戦おう。全国の舞台で!)
京太郎「……いくぜ」ゴォッ!
アカギ「……へぇ」
傀「…………」
哲也「……こいつ……」
衣「まずい、あの馬鹿者……死ぬ気だ!」
和「ど、どういうことですか!?」
衣「京太郎の体から、溢れ出ている力……あれはまさに、京太郎の生命力そのもの」
衣「死と引き換えに……勝利を手にする気か……」
優希「そ、そんな!」
久「須賀君……なんで……」
京太郎(優希……もっとお前にタコス、作ってやりたかったぜ)
まこ「京太郎!」
京太郎(染谷先輩……いつも俺を気にかけてくださって、ありがとうございました)
久「須賀君!」
京太郎(部長……散々迷惑かけて、申し訳ありませんでした)
和「須賀君!」
京太郎(和……知ってるか? 俺、お前に憧れてたんだぜ)
京太郎(咲……)
京太郎(今まで、色々なことがあったな……どれもこれも、懐かしい日々だ)
京太郎(もっと……)
京太郎(お前と、一緒にいたかった)
京太郎「ツモ……数え役満……」
京太郎「逆、転……だ……」
咲「京ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
優希「まったく、京太郎のせいで雑用が大変だったじぇ!」
まこ「……それじゃ、もう行くかの」
咲「……私、もう少しだけここにいます」
久「咲?」
和「……部長、ここは一人にさせてあげましょう」
久「……そうね。じゃあ、先に行ってるわ」
咲「この一年、色々なことがあったよ」
咲「部長は卒業して、新入部員も入って……あ、私はお姉ちゃんとも会えたんだ」
咲「優希ちゃんはタコス係がいないっていつも不満たらたら。和ちゃんは相変わらずだけど、時々寂しそうだよ」
咲「……そうだ、あの決勝の牌譜……みんな、驚いてたよ」
咲「衣ちゃんも、見事だって褒めてた。えへへ、凄いね京ちゃん……」
咲「…………」
咲「……ねぇ、京ちゃん……」
咲「京ちゃんは……幸せだった?」
咲「……ううん、きっと幸せだったよね。じゃないとあんな素敵な牌譜、残せないから……」
咲「……でもね、京ちゃん……」
咲「私は、あんまり……幸せじゃない、かな」
咲「…………」
咲「……ぐすっ……」
咲「忘れないよ……京ちゃん」
咲「清澄高校の麻雀部には……須賀京太郎っていう、ものすごく強い男の子がいたこと……」
咲「絶対に……うぅっ……忘れないから……!」
咲「京ちゃん……!」
END
京太郎(命も……咲も……どちらも捨てる)
京太郎(もう、何もいらない。勝利の二文字さえあれば、それでいい)
京太郎(この勝負に……何もかもを賭ける!)
京太郎(……さぁ、いくぜ……みんな、見ててくれ)
京太郎(俺の人生の……最終幕だ!)ゴォッ
衣「……ッ! 馬鹿者が!」
京太郎(俺なんかに付き合ってくれて、ありがとうな……)
京太郎(でも、これで……永遠に、お別れだ……)
京太郎(これが俺の……手向けだ!)
京太郎「リー……」
(京ちゃん……)
哲也「ん? どうした?」
京太郎「……いえ……」
傀「……御無礼、ツモです」
『試合終了! 代表の切符を手にしたのは、傀選手だぁーっ!』
傀「……対局、ありがとうございました」
哲也「おう、お前もお疲……ん?」
京太郎「…………」グラッ
哲也「お、おい!」
ドサァッ
京太郎(天国か? 俺、死んだのか……?)
京太郎(みんなには……最後まで、迷惑かけっぱなしだったな……)
京太郎(でも……天国って、案外狭……)
京太郎(いや、違う……ここは、病院?)
衣「気が付いたか、京太郎」
京太郎「天江、さん……」
京太郎「そっか……俺、負けたんですね……」
衣「魔の領域から、人の世に舞い戻った感想はどうだ?」
京太郎「……不思議ですね。本当は、あの場で……燃え尽きるつもりだった」
京太郎「でも……その時、咲の声が聞こえた気がしたんです」
京太郎「そうしたら……最後の一歩を踏み出すことを、ためらってしまった」
衣「…………」
京太郎「俺は、勝利に飢えながら……やっぱり何も、捨て去ることができなかった……」
京太郎「結局、俺は……弱いままだったんですよ」
衣「……それは違うぞ。京太郎よ」
衣「衣だけじゃない。純も、智紀も、一も、透華も……清澄の面々も」
衣「誰もを魅了する……見事なものだった」
京太郎「…………」
衣「衣は忘れぬよ。この夜を、あの魔物ひしめく半荘を、あの数百打を」
衣「それを戦い抜いた……須賀京太郎という、誰よりも強き男のことを」
衣「あの試合を見ていた者は……あの時のお前の雄姿を、未来永劫忘れぬよ。きっと」
京太郎「天江さん……」
京太郎「……帰るんですか?」
衣「ふ……馬に蹴られたくはないんでな。では、また何処かで会おうぞ」
咲「はぁ、はぁ……京、ちゃん……」
京太郎「咲……」
京太郎「お、おい……」
咲「よ、よかった……京ちゃん……無事で、本当によかったよぉ!」
京太郎「咲……ごめんな」
咲「京ちゃん……! 京ちゃん……!」
京太郎「お前のおかげで……俺は、踏みとどまれた」
京太郎「もう、どこにも行かないよ……」
咲「京ちゃん……!」
京太郎「へいへい、了解です……」
和「ごめんなさいね、須賀君」
優希「京太郎、タコスちゃんと買ってくるんだじぇ!」
まこ「いつもながら、迷惑かけるのう」
京太郎「ははは……みんなはこれから全国大会なんですから、お気になさらず」
咲「京ちゃん」
京太郎「ん……咲、ついてきたのか?」
咲「えへへ……無理言って来ちゃった」
京太郎「やれやれ……じゃ、一緒に行くか」
咲「うんっ!」
京太郎「……あの個人戦のことなら、まぁ確かに惜しい気持ちはあるよ」
京太郎「でも……今になってわかった。俺は……やっぱりこれが、一番性に合ってるさ」
京太郎「もちろん、麻雀は強くなりたいけどな!」
咲「ふふ……一緒に頑張ろうね、京ちゃん」
京太郎「だけど、俺やっぱ馬鹿だから……また、馬鹿なことをするかもしれない」
京太郎「だからさ、咲……」
咲「……うん、いいよ」
咲「だから……ずっと、そばにいてあげるよ。何か月でも、何年でも……」
京太郎「……ありがとな、咲。」
京太郎「全国大会……俺の分まで頑張れよ!」
咲「うんっ!」
咲「……ねぇ、京ちゃん」
京太郎「ん……何だ?」
咲「……大好きだよ、京ちゃん!」
END
乙
すばらでした
Entry ⇒ 2012.07.22 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
織莉子「キリカ、そこに直りなさい」
キリカ「おや、おはよう織莉子」ジーッ
織莉子「おはよう、キリカ……?」
キリカ「どうかしたかい?」ジーッ
織莉子「何をしているの……?」
キリカ「見ての通り、織莉子の寝顔を堪能している」ジーッ
織莉子「……」
キリカ「寝てる織莉子も可愛いけど、寝起きでボーっとしてる織莉子も可愛いね」
織莉子「キリカ、そこに直りなさい」
キリカ「うん」
織莉子「でもね?距離に問題があるわ」
キリカ「おや、それはわたしとしたことが失敗だったね」
織莉子「え?」
キリカ「これくらい近い方がよかったかな?」ズイッ
織莉子「っ!」
キリカ「………うん、可愛い」
織莉子「き、距離を置いてそこに直りなさいっ!」////
キリカ「そうかい?」
織莉子「じゃあキリカ、想像してみなさい。目を覚ましたら、すぐそこにわたしの顔があるの。どう?」
キリカ「ものすごいご褒美じゃないか、それだけでその日一日は頑張れそうだ」
織莉子「それはっ……」
キリカ「織莉子はどうだい?今日一日、頑張れそうじゃないかい?」
織莉子「が、頑張れるに決まってるじゃないの」
キリカ「なら何ら問題ないね。これからも続けるよ、わたしは」
織莉子「キリカ……」///
キリカ「逆?どういうことだい?」
織莉子「たまにはわたしがキリカの寝顔を堪能したいという意味よ」
キリカ「……ふむ」
織莉子「というわけで、明日はキリカ、ゆっくり寝ていなさい」
キリカ「いや、それは困るな」
織莉子「え?」
キリカ「寝ていたら、その分織莉子と一緒に過ごす時間が短くなってしまう」
織莉子「そう思ってくれるのは嬉しいけれど、キリカの寝顔をわたしにも見せて欲しいわ」
キリカ「織莉子がそう望むなら、そうしよう」
織莉子「! 約束よ、キリカ!」
キリカ「着替えはここに」スザッ
織莉子「……キリカ?」
キリカ「なんだい?」
織莉子「なぜあなたがわたしの着替えを一式持っているの?」
キリカ「タンスの中から出したに決まっているだろう」
織莉子「いつの間に?」
キリカ「そりゃ、織莉子が寝ている間にやった用事のついでに……おっと」
織莉子「キリカ、そこに直りなさい」
織莉子「何がどう誤解なのか、詳しく話してもらおうかしら」
キリカ「ほら、昨日の洗濯物を畳んでしまおうと思って、それでタンスを開けたんだ」
織莉子「そのついでに?」
キリカ「そういうこと」
織莉子「し、下着も?」
キリカ「下着も……う、うん、下着も」
織莉子「今の間は何?」
キリカ「い、いや……下着は特に入念に畳んでおいたよ、うん」
織莉子「……まぁ、明確な証拠はないから不問としてあげるわ」
織莉子「いつまでそのままいるつもり?」
キリカ「そりゃ、織莉子の準備が終わるまで」
織莉子「わたし、着替えるわよ?」
キリカ「何も問題ない。続けて、どうぞ」
織莉子「……ふぅ」プチ プチ ファサ
キリカ「!」バッ
織莉子「!?」
キリカ「」シュバババ ザッ
キリカ「はい、畳んでおいたよ」
織莉子「キリカ、その場で静止」
織莉子「脱いだものを畳んでくれるのはとてもありがたいわ」
キリカ「うんうん、そうだよね」
織莉子「問題は、なぜそれを膝の上に置いているのか」
キリカ「その辺に適当に置くわけがないじゃないか」
織莉子「人間には、建前と本音というものがあるのよね」
キリカ「それは知っているよ」
織莉子「で、本音は?」
キリカ「織莉子の温もりを感じたかった」
織莉子「キリカ…」///
キリカ「下着は変えないのかい?」
織莉子「かっ、変えるわよ?」
キリカ「ほら、それならひと思いに」
織莉子「……っ」
ヌギヌギ ファサッ
織莉子「っ……?」
キリカ「……」
織莉子(ちゃんとこの時ばかりは視線を逸らすのね……ちょっと残念)
キリカ「うん、寝巻きもしっかりと畳んでベッドの側に」
織莉子「それじゃ、行きましょうか」
キリカ「あ、ちょっと待って織莉子」
織莉子「?」
キリカ「ん~~~~~……よしっ、行こう」
織莉子「どうかしたの?」
キリカ「いや、織莉子がひと晩過ごした部屋の空気を吸い込んだだけだよ」
織莉子「キリカ、そこに直りなさい」
キリカ「おっ……おいしい、よっ……織莉子」プルプル
織莉子「ちょっとイジワルだったわね。はい、お砂糖の容器。キリカのお好みに合わせて入れなさい」
キリカ「う、うーん……」
織莉子「? 何を悩んでいるの?」
キリカ「いや、ひとつまみだけ入れたお砂糖って、織莉子の素手でだったんだよね」
織莉子「え、えぇ、そうね」
キリカ「どうせなら、わたしのお好みの量、織莉子の素手で……」
織莉子「手がべたべたになっちゃうわ」
キリカ「うーん……ちょっと残念」
織莉子「クッキー、焼けたわね」
キリカ「まぁまぁ、織莉子はここでゆっくりしてなよ。わたしが取ってくるから」
織莉子「そう?それじゃお願いするわ」
織莉子「ふぅ………。………遅いわね」
織莉子「キリカ?」
キリカ「! お、織莉子?」
織莉子「なぜ、クッキーを二つの皿に分けているの?」
キリカ「いや、織莉子が型を作った方はわたしが全部……と思って」
織莉子「……キリカ、そこに直りなさい」
キリカ「奇遇だね、わたしも不自然だと思い始めていたところだよ」
織莉子「生地づくりはわたしがやって、型取りは二人でやったのよね」
キリカ「そうだったね」
織莉子「でも、作り慣れているわたしの方が早い。だから、型を取った個数もわたしの方が多いのよ?」
キリカ「う、うん」
織莉子「明らかに片方の量が多いわ」
キリカ「いや、でも織莉子が型取りをした方を全部わたしが取ったら、残るのはわたしが型取りをしたクッキーだけなんだよ?」
織莉子「当然そちらの方はわたしが全部もらうわ」
キリカ「くっ……作業速度が遅い自分が憎い…!」
キリカ「そうだねぇ……」
織莉子「お茶を飲み終わったら、どこかへ出かけましょうか?」
キリカ「いいね。どこに行く?」
織莉子「そうねぇ……公園とかいいんじゃないかしら」
キリカ「自然と触れ合うってことか。いいね」
織莉子「紅茶セットも持って行きましょう。軽いピクニック気分よ」
キリカ「それじゃクッキーの残りも持って行こう」
織莉子「残っているのはわたしが作った方だけね?」
キリカ「わたしにとっては何よりのごちそうだ」
織莉子「う―……んっ!風が心地いいわ……」ウトウト
キリカ「眠そうだね、織莉子?」
織莉子「そう……ね……ちょっとだけ、眠たいわ……」
キリカ「仕方ないな。ほら、膝枕」
織莉子「うーん……少しだけ、寝させてもらうわ……」コテン
織莉子「……スー……スー……」
キリカ「本日二度目の織莉子の寝顔……今日は最高の一日だ……」ウットリ
キリカ「織莉子……織莉子……」ハァハァ
織莉子「クー……ムニュ……」
キリカ「ね、寝てる?寝てるよね織莉子?」
織莉子「ムー……?キリカァ……」
キリカ「よ、よしっ……いざっ……」ゴクリ
ほむら「…………」ジー
キリカ「……………………なんだい、キミは?」
ほむら「気付いていたのね。てっきり二人の世界に浸っているとばかり」
キリカ「敵の気配くらいすぐに察知出来るさ」
ほむら「邪魔するつもりはなかったのだけれどね」
織莉子「キリカ……スー……」
キリカ「ほら、織莉子が目を覚まさないうちに」
ほむら「普段は立場が逆じゃないかしら、あなたたち?」
織莉子「ムニャ……フフ……」
キリカ「わたし達はいつも大体こんな感じさ。ほら、わかったらあっち行く」シッシッ
ほむら「人を野良ネコか何かみたいに追っ払おうとして……」
キリカ「織莉子が目覚めたら話がややこしくなる」
ほむら「……言われなくてもわかっているわ」
ほむら「っ!」カチッ
キリカ「お目覚めかい、織莉子?」
織莉子「キリカ……?今、誰かと話をしていなかった……?」
キリカ「寝てる織莉子にわたしが一方的に話しかけてただけだよ」
織莉子「そうなの……?どんな話を……?」
キリカ「今日は一緒に風呂に入ろうとか、背中を流してあげるとか」
織莉子「そう……楽しみにしてるわ、キリカ」
織莉子「ええ。ごめんなさい、膝貸してもらっちゃって」
キリカ「いやいや、いいんだよ。今から、わたしも織莉子の太ももを貸してもらうんだし」
織莉子「!」
キリカ「それくらい、いいだろう?」
織莉子「もう……仕方ないわね。ほら、いいわよ?」トントン
キリカ「そう来なくっちゃ!」コテン
キリカ「うーん……織莉子の太ももぉ……」スリスリ
織莉子「ちょっと、くすぐったいわキリカ」
キリカ「役得役得」スリスリ
織莉子「全く……甘えん坊ね」ナデナデ
織莉子「キリカ?」
キリカ「オリコォ……ンー……」
織莉子「寝ちゃったのね。考えてみれば、朝もキリカの方が早かったし、当然と言えば当然よね」
キリカ「ヘヘ……織莉子と一緒だぁ……」
織莉子「夢でもわたしと一緒にいてくれるなんて……本当に、いい子ね、キリカ」
杏子「……やっと見つけた」ザッ
織莉子「!」
ゆま「……」
杏子「……」
杏子「ゆま、こいつで間違いないんだな?」
ゆま「う、うん」
杏子「あんたが……美国織莉子だな?」
織莉子「ええ……そうよ」
杏子「ゆまの事……落とし前、付けに来たぜ」
織莉子「っ……」
ゆま「キョーコ……」
キリカ「テキ……ダイジョーブ、織莉子……ムニャ……」
杏子「そういうわけには……っ!」
ゆま「……」ギュッ
杏子「ゆ、ゆま?」
ゆま「キョーコ……ごめんなさい、よくみたら、違う……かも」
織莉子「………」
杏子「…………っ……そーかよ」
織莉子「杏子さん……」
杏子「悪いな、邪魔した。人違いだったみたいだ」
ゆま「キョーコ……!」
ゆま「う、うん!」スタスタ
織莉子「………ごめんなさい。まだ、もう少しだけ……」
キリカ「……………」
織莉子「…っ!キリカ……?」
キリカ「おはよう、織莉子」
織莉子「いつから……?」
キリカ「『わたしは、今目が覚めた』」
織莉子「……」
キリカ「そういうことにしておいて、織莉子」
キリカ「んーっ!今日はゆっくり出来たねぇ~……」ノビーッ
織莉子「そうね。たまの休息、しっかりと休まないと」
キリカ「帰ったらお風呂沸かそうか。陽の下で寝てたから、お互いに汗掻いちゃったよね」
織莉子「一緒に入るのでしょう?」
キリカ「え」
織莉子「さっき、キリカがそう言っていたものね」
キリカ「い、いいのっ!?」
織莉子「あら、言い出したのはキリカじゃないの」
キリカ「わっ、わかった……」ワキワキ
織莉子「手の動きがなんだかいやらしいわよ」
織莉子「ええ、今行くわ」
ヌギヌギ ファサッ
キリカ「」ワシッ スーハースーハー
キリカ「………?あれ?織莉子?」クルッ
織莉子「キリカの匂い………」スンスン
キリカ「お、おぉ……」
織莉子「っ!い、いやだわたしったら!あ、あれ?キリカ……その手は何?」
キリカ「い、いや……織莉子が一日着ていた服の匂いを、と……」
織莉子「………そ、そこに直りなさい!」///
キリカ「これに関しては織莉子も同罪なんじゃ…」
織莉子「いい湯加減ねぇ……癒されるわ……」
キリカ「そ、それにしても……」ゴクリ
織莉子「?」
キリカ「また、大きくなったかい?」ワキワキ
織莉子「そ、そうかしら?わたしは特に意識した事もなかったけれど」
キリカ「参ったな、その成長速度じゃいずれわたしの手に余ってしまう」ワキワキ
織莉子「そういうキリカだって」ツンッ
キリカ「ひゃっ!?」
織莉子「人並み以上にはあると思うわよ?」ツンツン
キリカ「ふ、不意打ちは卑怯っ!」
キリカ「ああ、それは当然」
織莉子「それじゃ、お願い」ザバァ
キリカ「うん。………っと。力、これくらいでいい?」ゴシゴシ
織莉子「ええ……ジャストフィットな力加減よ……んぅ~……気持ちいいわぁ……」トロン
キリカ「………背中の傷、消えないね」ゴシゴシ
織莉子「そうね……ホント、彼女には参ったわ」
キリカ「回復魔法、わたしが使えればいいんだけれど……」ゴシゴシ
織莉子「これはこのままでいいの。いずれ、また彼女とは相まみえるでしょうしね」
キリカ「痛々しいなぁ……」ツツツ
織莉子「ひぅっ!?ちょっ、ちょっと……傷跡、なぞらないでよ!」
キリカ「おっと、思わぬ弱点発見かな?」ツツツ
織莉子「あひゃ……きっ、キリカ!そこに直りなさい!」
キリカ「いや、わたしはいいよ。自分でやるから」
織莉子「いいから黙って背中を見せなさい」
キリカ「じ、じゃあ、お願いします……」クルッ
織莉子「素直でよろしい」ゴシゴシ
キリカ「織莉子にこうして洗ってもらうの、初めてだね」
織莉子「そうだったわね。いつもわたしが一緒に入ろうと言っても、キリカが遠慮するんだもの」ゴシゴシ
キリカ「いや、だってさ……」
織莉子「わたしとキリカの間に遠慮なんていらないの。素直にわたしに甘えなさい」ゴシゴシ
キリカ「毎日一緒に入ってたら、歯止めが効かなくなる」
織莉子「構わないわよ、わたしは?」
キリカ「わたしが構うんだよ。自制が効くところで踏みとどまっていないと、ね」
キリカ「うん、ありがとう織莉子」
織莉子「……自分の背の傷、確認出来ないからどれほどなのかはわからないけれど。キリカの背の傷の方が、痛々しく見えるわ」
キリカ「そんなことは、ないと思うけどね。まぁ、わたしも自身の背の傷は確認出来ないから何とも言えないけれど」
織莉子「わたしに尽くしてくれるのはとても嬉しいけれど、それであなたが死んでしまったら悲しいわ」ソッ…
キリカ「織莉子……」
織莉子「お願いよ、キリカ。無茶をするな、とは言わないわ。わたしの知らない所で死ぬ事だけは、やめてね」
キリカ「……当然だよ、織莉子。わたしと織莉子は、一心同体だからね」
織莉子「っ……もう、キリカったら」
キリカ「ひ、非常に美味極まるよ、織莉子っ……!」プルプル
織莉子「お風呂でわたしの傷跡をなぞったお返しよ」
キリカ「ご、ご無体な……!」プルプル
織莉子「はい、ここにジャムの容器があるわ」コトッ
キリカ「む……」
織莉子「入れたかったら、入れてもいいわよ?」
キリカ「それじゃ、織莉子の紅茶を混ぜたスプーンを貸してくれないかな」
織莉子「いいけれど…?」
キリカ「ああ、いや、そうじゃない。一度口に含んでから」
織莉子「やっぱりジャムはいらないわね」スッ
キリカ「ああっ!ごめんなさい!」
キリカ「っ!!?」
織莉子「はい。これでいい?」スッ
キリカ「い、いいの!?」ガシッ
織莉子「言ってる事とやってる事がかみ合ってないわよ、キリカ」パッ
キリカ「ふぅー!ふぅー!」ジィーッ
織莉子「なぜジャムを掬わずにスプーンを凝視しているの、キリカ?」
キリカ「こっ、このまま口に含んでも……!」
織莉子「キリカ、そこに直りなさい」
キリカ「これがわたしなりの紅茶の楽しみ方だ!」ズズ
織莉子「そんなにおいしいものなのかしら……ちょっと、気になってきたわね」
キリカ「ああ、それじゃちょっと待ってね」パク
織莉子「?」
キリカ「はい、織莉子専用スプーン」スッ
織莉子「あら、ありがとうキリカ」ギュッ パクッ
キリカ「っ!?」
織莉子「ふふ、キリカが咥えたスプーンってだけでとても甘いわ」
キリカ「そ、それは反則だろう織莉子……」
キリカ「虫歯になったらたまらないからね」
織莉子「ええと、今回はどっちだったかしら?」
キリカ「織莉子のはこっちだよ」
織莉子「よく覚えているわね、キリカ」
キリカ「そりゃ、毎回しっかり記憶してるからね」
織莉子「そういうわたしも人の事が言えないのがつらいところね……」
キリカ「うん……お休み、織莉子……」
織莉子「………!………キリカ」
キリカ「ん……なんだい、織莉子?」
織莉子「たまには、一緒に寝ましょうか?」
キリカ「!」
織莉子「今日は、一日中一緒にいたから……一人で寝るのは、なんだか寂しいわ」
キリカ「……奇遇だね、織莉子。わたしも、だよ」
キリカ「なんだ、織莉子は暗かったら眠れないかい?」
織莉子「そんなことはないけれど……」
キリカ「なに、それもあと少しの辛抱……だろう?」
織莉子「………そうね」
ゴォォォ……
キリカ「……………風が、強くなってきたね」
織莉子「そう、ね……」ギュッ
キリカ「! 織莉子……?」
キリカ「何か、怖いモノでも視た?」
織莉子「っ……」フルフル
キリカ「大丈夫。何も、怖い事はない。わたしには織莉子さえいてくれればいいし、織莉子はわたしさえいてくれればいい。……でしょ?」
織莉子「キリ、カ……っ」フルフル
キリカ「……そこは、わたしの名を呼ぶんじゃなくって、わたしの言葉を肯定して欲しかったな」
キリカ「当然。キミがいてくれなきゃ、今のわたしと言う個体に意味は無いからね」
織莉子「………」フルフル
キリカ「織莉子は……どう?」
織莉子「わ、わたしもっ……キリカがいてくれれば、怖いものなんて、ない」
キリカ「ありがとう、織莉子」
織莉子「キリカぁ……!」ギュゥ
キリカ「体の震え、止まったね」
織莉子「っ……」
キリカ「うん。織莉子は、いつもの織莉子で。そんな織莉子が、わたしは一番好きだ」
織莉子「……キリカ、静止」
織莉子「………」
チュッ
キリカ「………。どう?何か怖いモノ、視える?」
織莉子「………いえ。ありがとう、キリカ。わたしも、覚悟が決まったわ」
キリカ「よかった。今日くらいは、安らかに眠りたいね」
織莉子「そう、ね……」
ゴォォォォォォォォ………―――
キリカ「そう、か」
織莉子「キリカ……最後の瞬間まで、一緒に……―――」
キリカ「わたしの全ては、織莉子に……―――」
ピシピシッ……パキンッ……―――
ピシピシッ……パキンッ……―――
終わり
おりキリでまったりとした最期の一日を書きたかっただけなんだ
おまいらおりキリSSもっと書いてください
なに、ワルプルきちゃったの?
この時間軸ではおりキリが本格的な行動に出る前にまどか契約
それによって、この二人は世界の終末が来るまで穏やかに過ごしてた感じ
ほむらが敵対意志を見せてないのはそういうこと
杏ゆまは公園で会ったのが初めて
うん、これ以上は脳内補完でお願いします
放送室占拠事件は起きてない
あぁ、やっぱり織莉キリは堪らないですね……。
Entry ⇒ 2012.07.22 | Category ⇒ まどかマギカSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
白望「バレンタインとか…だる…」
白望(またこの日が来たのかぁ…)
白望「学校休もうかな…」
ピンポーン
白望(エイスリンか…)ボー
ピンポーン ピンポーン ピンポーン!
白望「はぁ…」ヨッコラショ
白望「ん…おはよ…」(何か何時もに増して元気だな…)
エイスリン「ガッコウ!ガッコウ!」グイグイ
白望「…わかったから引っ張らないで…だるい…」
校門前
A「あっ!小瀬川先輩だー!」
B「本当だ!おはようございます!小瀬川先輩!」
C「小瀬川さんおはよー!」
白望「おはよ…」(朝からみんな元気だな…だる…)
A「小瀬川先輩!今日何の日だか知ってますか?」
白望「…まあ」ダル
A「バレンタインですよ!バレンタイン!先輩に作って来たんです!」
ワタシモー コセガワサンウケトッテー
白望「…ありがと…」
白望(はぁ…毎年毎年のこととはいえ慣れないな…好意を無下にする訳にもいかないし…)
白望「…ん」
白望(これがなきゃ少しはだるく無いんだけど…)
エイスリン「…」
白望(ん?)
エイスリン「 …」カキカキ サッ
白望「…胸…と耳…?」
白望「…エイスリン…これってどういう…」
エイスリン「…シラナイ!シロ、ジブンデカンガエル!」サッ
白望「…あっ…」
白望「行っちゃった…何だったんだろ…」ダル
白望「…分からない…何か具合悪そうだったけど…」
胡桃「…ふふーん」ジロジロ
白望「…?何?」
胡桃「別にー…そんなにチョコ持って大変そうだなーって」
胡桃(やっと気づいたかな…)
白望「…エイスリン…チョコ食べたかったのかな …」
胡桃「 」カチン
白望「だったら面倒くさがらずに言えば…
胡桃「ばっかみたい!ずっとそうやってやってれば!」スタスタ
白望「…え?…」
白望「…今日のみんな、どうしたんだろう…だる…」
ガラガラ!
白望(…あれ?…)
白望「エイスリンがいない…だる…」
白望(あとこの机の上…)
チョコの山 ドサーン
白望「…朝から何なんだろう…」ダル
白望「…何だ豊音か…」グター
豊音「なっ、何だって言われるとチョット凹むよー…それよりハイ!」
白望「…ん?なにそれ?」
豊音「友チョコだよー!昨日頑張って作ったんだー!」
白望「…ふーん」ジロジロ
豊音「えっ、わっ、私の顔何か付いてる?まじまじ見られると緊張するよー」汗汗
白望「…いや、何か豊音ってそういうイメージ無かったし…」
豊音「そっ、そうかなー?私、友達にチョコあげるなんて初めてでさ…上手く作れてると嬉しいけど…」
白「…」ベリベリ
パクッ
白望「…」モグモグ
白望「…ちょっと変だけど…今までで一番美味しい」
豊音「本当!?シロにそう言って貰えるなんてちょーうれしいよー!」ピョンピョン!
白望(…可愛い…)
ナデナデ
豊音「えっ、な、ななな何で私撫でられてるの⁉」//
白望「…迷惑じゃ無かったら、今度また作って」
豊音「っ!」//
豊音「うん!ちょー腕によりをかけて、ちょー美味しいのを作るよ!」
それとも別の場所をナデナデしたんですかねえ
机に登る必要があるな
白望「…具合悪くて帰ったのかも…」
豊音「えっー!だ、大丈夫かな…エイスリンさん昨日あんなに張り切っ…フガモガ⁉」
塞「はいはいストーっぷ豊音はちょっと黙っててねー」
塞「今度はとは随分ご大層だな…」パッ
豊音「…うー、ちょー苦しかったよー…塞ー」
塞「あははごめんね豊音。でもさっきのことは黙ってて」
豊音「?わかったよー」
白望「?…」サッ
塞「…シロ、何この手?」
塞「なっ…!//ったく、これを天然でやるからエイスリンだって…」ブツブツ
白望「?」キョトン
塞「まあ言うだけ無駄か…ほら、一応持って来たよ」
白望「…ん。ありがと」バリバリ
塞「いいのか?まだそんなにチョコ余ってるけど」
白望「…麻雀部のみんなのは別腹。だるいけど…」
白望「…塞って味。真面目で、一所懸命さが伝わってくる…」レポートダルイ
塞「っ!またそーゆうことを…」ゴニョゴョ
豊音「あははー塞の顔ちょー真っ赤だよー」
塞「…うるさい」//
塞「あー、こほん。最初に言おうと思ってたんだが、今エイスリンはトシさんのところにいるから」
塞「…まあある意味病かもな。それも太刀の悪い感染病だ」
白望「?」
塞「この学校じゃ殆どの奴がかかってるから、二次災害はないけどな…」
豊音(それはちょっと無理があるよー…)
白望「二ヶ月だけど…」
塞「そう。私たち、大学はみんな同んなじとこに推薦で決まったからいいけどさ、エイスリンは…ニュージーランドに帰っちゃう」
白望(…あっ…)
塞「忘れてただろ?私もだよ。あんまり距離が近すぎて…いなくなっちゃうなんて想像出来なかった。私たちが大学決まって喜んでた時も、エイスリンは、少し寂しそうだった…」
塞「エイスリンも、本当はもっとみんなと思い出作りしたいはずだけどさ、私たち推薦合格とは言っても色々と手続きとかで忙しいし…きっと気を遣ってるんだと思う。だからこのバレンタインは、イベントらしい最後のイベントなんじゃないかな」
塞「私もちょっと気持ちが分かるよ。エイスリン、きっと誰よりも最初にシロに渡したい物があったんじゃないかな…」
豊音「シロ?」
白望「…今日はだるいから早退する…」
塞「ふふっ。全くしょうがないなーシロは。伝えとくから、早く行きなよ」
白望「…ん。ありがと」
塞「…ふー、疲れるなー。恋のキューピッドなんて柄じゃなかったか」
豊音「…塞はいいの?塞自身の気持ちは伝えなくて」
塞「私は…自分の立場は分かってるし。あのにぶちんと不器用の背中を押すぐらいの役割がちょうどいいよ。そういう豊音は?」
豊音「…ちょーつらいよー。私も、シロのことは大好きだし…でも、それ以上に宮守の麻雀のみんなが、私はちょーちょー大好きなんだー!」
塞「っあははっ!何それ。でもうん。私もそうだ。シロもエイスリンも、胡桃も豊音も、トシさんも。みんなでいるのが最高だよ」
塞「豊音はやっぱ涙もろいね…でも大丈夫。みんながずっと一緒に居たいって思ってる。インターハイ2回戦…あの時の想いはとどかなかったけど、今度はきっと…」
塞「うちには、普段はちょっとものぐさだけど、いざって時には頼りになる先鋒がいるし。信じて待とうよ」
エイスリン「……」コクコク
トシ「あの子は本当へんにモテるのよねー、どこがいいのかしら…」
エイスリン「!!シロ、ワルクイワナイデ!」
トシ「おやおや…さっきまで目の敵にしてたのに。本当にあの子が好きなのねぇ」
エイスリン「……」//
トシ「…本当にニュージーランドに帰るのかい?交換留学の期限が切れても、またビザを取って残ればいいじゃないか」
トシ「ファザー、マザー、バツマーク?…両親が許してくれそうにないってことかい?」
エイスリン「…」コクコク
トシ「そうかい…まあ人様の家の事情にまで口だす訳にはいけないね…あら?誰か来たね」
エイスリン「!!」パァッ
トシ「やっと王子様の登場かい…こっちは愚痴やら惚気やら聞かされて大変だったんだから」
白望「…惚気?」
エイスリン「!!トシサンウルサイ!」//
エイスリン「エッ!?」
トシ「はいはい。どうぞお好きなように」
白望「…そんなに硬く考えないで、たまには2人でさぼっちゃおうよ…」
エイスリン「!?」ドキ//
喫茶てるてる
カランコロン
?「いらっしゃいませ。お2人様ですね」営業スマイル
エイスリン「ココドコ?シロ?」
白望「学校だるい時とか、よく時間潰してるとこ」
エイスリン「シロ、ワルイコ!サボリヨクナイ!」
白望「この年で悪い子かあ…」
?「いつものでよろしかったですか?」
白望「ああ、はい…」
エイスリン「コーヒー?」
白望「冷めないうちに飲んで」
エイスリン「!オイシイ!」
白望「…店主が朝一番にコークスクリューで挽いてるらしい」
白望「行きつけの古書店…あーユーズドブックストアー?」
エイスリン「ココハ!?」
白望「ムービーシアター」
エイスリン「シロ!キョウハタノシカッタ!アイムハッピー!」
白望「そう…よかった」
エイスリン「デモシロズルイ!イツモヒトリデアソンデル!」
白望「…まだまだ、エイスリンに教えてない所は一杯あるよ…」
エイスリン「ワッツ?」
白望「あと、二ヶ月じゃ…足りないよ…」ボロポロ
エイスリン「シロ!?
シロ「エイスリン…」グスグス
エイスリン「シロ…」ギュッ
エイスリン「ダイジョーブ。ネッ?」
エイスリン「ハイ!」
白望「チョコ…ん。美味しい…」
エイスリン「ヨカッタ!ウレシイ」ダキッ
エイスリン「ナニ?シロ?」
白望「ニュージーランドまで着いて行くのはちょっとだるい…わがままだけど、ずっと一緒に居て欲しい…」
豊音「うわーん。卒業したくないよー」シクシク
胡桃「うるさいそこ!お祝いごとなんだから辛気臭くしない!」
塞「胡桃も少し涙目だけどね」ニヤニヤ
胡桃「そっ、そういうのいいから!」
トシ「もう卒業かい…早かったような短かったような…」
胡桃「ほっとけば?どうせまたいちゃいちゃしてるんだろうし」
塞「大学でも見せつけられるんだろうな…あれ…」
豊音「でもトシさんちょーすごいよー!エイスリンさんの両親を説得したあと、入学直前に合格させるなんてー!」
トシ「レジェンゴをプロに押しこむよりは楽だよ…やれやれ」
白望「走るのダルイ…負ぶってって…」
トシ「これで全員揃ったね」
豊音「遠野大学麻雀部、始動だよー!」
エイスリンの返事は各々脳内補完でオネシャス!
展開急だったり強引だったけど、見切り発車だったので勘弁
宮守ssもっと増えろ!姉帯さんちょー可愛いよー!
明日模試なので寝ます。読んでくれた人ありがとー!
宮守SSは良いな
宮守最高や…
レジェンドェ…
乙乙
Entry ⇒ 2012.07.22 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ウッディ「アンディにオークションで売られてしまった!」
バズ「よろこべ、ウッディ。我々の新しい家だ」
ウッディ「おい待てよバズ…。俺たちはアンディのもんだろ?早く帰らないと…」
バズ「そのアンディが我々の幸せを願って売ったのだ。さぁ、早速、ここのオモチャに挨拶しに行こう」
ウッディ「おいおいおい!待てって!バズ!バァズ!」
バズ「掃除したほうがいいな」
ウッディ「うぇ…ここにずっと暮らすのか?」
バズ「!?隠れろ!ウッディ!」
ウッディ「あぁ…まずい!新しい持ち主だ!」
男「ひゃっほう!すっげ!マジでレアもんじゃん!すっげ!」
母「男くん…仕事は」
男「っせぇ!うっせ!ばばぁ!今からバイトだよ!くそが!」クルッ
男「ふひひひ!後で!たっぷり遊んであげるからね!ふひひひひ」
男「あーめんどくせ…バイトだりぃ!くっそ!」
タッタッタッタ
ウッディ「…」
バズ「どうしてだ?」
ウッディ「どうしてって?見たろ?あの持ち主!きっと俺たちをバラバラに引き裂くつもりだ!」
バズ「ふむ、まだここに来たばかりじゃないか。慌てるには早い」
ウッディ「いや、十分だ!やっぱりアンディのところへ戻ろう!」
シナンジュ「動くな!」
ウッディ「!?」
バズ「!?」
バズ「どうも、初めまして。スペースレンジャーのバズ・ライトイヤーです」
シナンジュ「…。スペースレンジャー?連邦の手先か!?」カチャリ
ウッディ「おい!やめろ!そんなんもん向けるな!」
シナンジュ「いや、これ以上やつらの軍勢が増えるのは困る…。ここで潰しておかねば」
ウッディ「バズ!バズ!ほらこれだ!やっぱりここはやばいって!」
シナンジュ「我々はこちらの棚と向き側の棚とで対立しているのだ」
ウッディ「対立?持ち主は同じオモチャなのに?」
シナンジュ「私がここへ訪れた時からだ。」
バズ「困ったな…仲良くできないのか?」
シナンジュ「争いを止める方法はただ一つ。どちらかが滅びることだ」
ウッディ「そんなのおかしい!なぁ、何とか仲良くなれないのか?」
シナンジュ「二度は言わん。これはマスターの意思なのだからな」
バズ「リーダーがいるのか?」
シナンジュ「あぁ、素晴らしい御方だ。」
ウッディ「なぁ、俺たちに会わせてくれよ」
バズ「いや、我々は君の味方だ」
ウッディ「ちょっとバズ」ヒソヒソ
バズ「どちらかにつかなければ話が進まないだろ?」ヒソヒソ
シナンジュ「我がマスターに忠誠を誓うか?」
バズ「もちろんだ。」
ウッディ「あぁ…わかったよ…」
シナンジュ「よし、皆!聞いたか!?新しい仲間だ!」
ゾロゾロ
ウッディ「ひっ!」
ワイルドタイガー「久々の新入りかぁ!よろしく!」
バズ「やぁ!はじめまして!」
ウッディ「」ガクガク
ワイルドタイガー「これからは仲良くやってこうぜ!」
ルルーシュ「足手まといになるなよ」
ワイルドタイガー「もう!照れ屋さんだな~」
ルルーシュ「ち、ちがう!」
バズ「こちからこそ宜しく頼む」
ウッディ「よろしく…」
お前が言うな
ルルーシュ「この俺が?ふはっはっはっは!お前、なかなかいい目をしているな」
ワイルドタイガー「お、おい…ルルーシュ…」
ルルーシュ「そうだとも!このルルーシュ・ヴィ・ブリタニアこそ!この棚の」
アスカ「へぇ~、そう」
ルルーシュ「」ビクッ
ワイルタイガー「あちゃー…」
アスカ「いつからそんなに偉くなったのかしらねぇ」
ルルーシュ「」ガクガク
ルルーシュ「あ、あぁ…もちろん」ガクガク
アスカ「じゃ、アンタ不要ね。連れて行って」
シナンジュ「かしこまりました」
ルルーシュ「おい!離せ!嘘です!調子に乗ってましたぁあぁぁぁあ!」
バズ「では君がリーダーなのか?」
アスカ「えぇ、そうよ。私の下でがんばってね、新入りくん」
ウッディ「なぁ、いきなりだけど、喧嘩はよくないと思うんだ」
アスカ「はぁ?」
ウッディ「同じオモチャじゃないか?仲良く」
アスカ「」ブチッ
バズ「はぁ…ここは牢屋か…」
ウッディ「話もまともにできなかった!」
バズ「どうにかしてここからでなくては」
ウッディ「諦めようぜバズ…。あいつら…仲良くする気なんて」
ルルーシュ「…」
ウッディ「あ、」
ルルーシュ「くそ!なんで俺まで!」
バズ「君はさっきの、我々と共に脱出しないか?」
ルルーシュ「策はあるのか?」
バズ「3人で力を合わせればなんとか持ち上げれそうだ」
全員「!?」
バズ「やってみないとわからない」
切嗣「そこから、出たところで結果は同じさ」
バズ「何故そうだと言い切れる」
切嗣「僕も嘗ては…ここの争いを止めようとがんばった」
切嗣「だけどね…僕がどれだけあがいても何も変わりやしなかった」
ウッディ「そんな…」
切嗣「この二つの棚はね、持ち主が故意に対立関係にあるキャラ同士を分けて飾ってあるんだ」
切嗣「これから先もずっと…争いは続く」
切嗣「このまま、冷戦状態が続けば少しはマシだろう?」
ルルーシュ「愚問だな。マシなわけがない」
ルルーシュ「真に平和が訪れるまで戦うべきだ」
切嗣「争いは流血を生むだけだ」
ルルーシュ「俺が変えて見せる!」
ウッディ「そうだ!俺たちが力を合わせれば!」
バズ「きっとみんな仲良くなれるはずだ」
ルルーシュ「中立の立場をとる。同じ志のものも両陣営に存在するはずだ。」
ウッディ「片っ端から仲間にしていけば…」
バズ「いずれは…隔たりもなくなるはずだな」
切嗣「…。もう一度…もう一度だけ僕も…」
ルルーシュ「そうと決まれば出発だ!」
アスカ「もう!なに?」
正臣「脱走者が出ました!」
アスカ「どうせ新入り共でしょ?ほっとけば?」
正臣「いいんですかね?」
アスカ「どうせ使えないからいい!」
シナンジュ「マスター、次の大規模作戦についてですが」
アスカ「そうねー、男が次に外出するのは?」
Zガンダム「月曜日にバイトが入ってます」
アスカ「よし!じゃぁ月曜日!みんないいわね!」
ハム「いやぁここは凄く居心地がいいな」
ジ・オ「気に入ってもらえたかね?」
レックス「もうサイコー!ねぇねぇ!僕達も戦うの!?」
スザク「無理にとは言わないよ。」
ハム「いや、戦うよ?ブブトンアタックを敵にお見舞いしてやる!」
レックス「僕も僕も!だって怪獣だもん!」
スザク「いいのかい?危険だよ」
ハム「悪はなんとかしないとな」
スザク「ない。僕達は戦うしかないんだ。平和のために」
Sフリーダム「くっ…」
セイバー「切嗣…。私は許さない…」
レイ「早く…戦いを終わらせないと…」
ユニコーン「マスター…俺は君を守る!」
臨也「ふふふ♪そうそう、みんな戦わなくちゃ!何も変わらないからね~」
レイ「…」
臨也「だって、碇シンジくんは捕まってるんだもんね」ヒソヒソ
レイ「わかってる…碇くんは私が助ける…」
ウッディ「それじゃぁミーティングを始める」
ウッディ「バズ、月曜日の詳細を」
バズ「こちら側の棚は月曜日の午後に大規模な襲撃を行う模様」
ウッディ「いいか!ここが俺たちの初の戦いだ!」
ウッディ「ここで両側の棚のやつらに中立の勢力の存在を明かすんだ!」
ルルーシュ「大規模な戦いになるならこちらもある程度の勢力が必要だ」
ウッディ「そこでだ、切嗣に敵陣営に忍び込んでもらって」
ウッディ「あちら側の中立の意思のあるオモチャを見つけ拘束してつれてくる!」
バズ「拘束は強引じゃないか?」
ウッディ「万が一のためだ。その辺の判断は切嗣、よろしく頼む」
切嗣「あぁ、わかってる」
臨也「~♪」(さて…)
バーナビー「おい!どこへ行く!」
臨也(ちっ…)
臨也「どこって?俺も見張りだけど?」
バーナビー「そうか…あまり怪しい行動はするなよ」
臨也「ま、気持ちはわかるけど♪そうかっかしないほうがいいよ」
臨也「相棒に裏切られたからって」
バーナビー「うるさい!」
臨也「あれ~?誰が情報を教えてあげたのかな~?」
バーナビー「…」
臨也「君のお友達はあえて、君をおいてあの棚へ行ったんだ」
バーナビー「…。わかってますよ…」
臨也「君と敵対することも十分承知みたいだったよ~」
バーナビー「これ以上…僕を怒らせないほうがいいですよ」
臨也「それじゃぁ~。見張りに行ってくるよ」
バーナビー「…」
バーナビー「くそ!」ドン
ジ・オ「警戒をおこたるなよ」
Sフリーダム「は、はい」
ジ・オ「心配はいらんよ。もうすぐ戦いは終わるさ」
Sフリーダム「そうでしょうか…」
ジ・オ「あぁ、アレが手に入ったようだからな」
Sフリーダム「そんな…」
ジ・オ「これで敵の大将も降参するはずだ。はっはっはっは」
切嗣「動くな」
Sフリダーム「!?」
切嗣「振り向くな」
Sフリダーム「なっ…敵ですか」
切嗣「いや、君と同じ志を持つものだよ」
Sフリーダム「どういうことです?」
切嗣「僕の仲間にならないか?」
Sフリーダム「仲間?」
切嗣「そう、もっと別の方法でこの争いを止めるんだ」
Sフリーダム「よろしくお願いします!」
ウッディ「かっこいい!よろしく!一緒にがんばろう!」
バズ「共に争いを止めよう!」
Sフリーダム「はい!頑張ります!」
ルルーシュ「ガンダムタイプのオモチャを鹵獲するとは」
ルルーシュ「ふふ…ふはははははは!これでカードは揃った!」
フリーダムに銃付きつけるとかシュールだなwww
ユニコーン「大変です!敵の軍が!」
ジ・オ「来たか!」
レイ「…。エヴァの準備は?」
バーナビー「いつでもどうぞ」
レイ「零号機を…出撃させて」
スザク「我々にも出撃許可を!」
レイ「えぇ…許可します」
ユニコーン「貴方の意思は繋がっているはず!もう一度!念じてみれば」
スザク「…、だめだ…どこにいるんだ…ランスロット」
バーナビー「来ますよ!」
アスカ「行くのよ!弐号機!!!」
弐号機「」ダッダッダッダ
ガシッ
アスカ「ちっ、出たわね!人形のくせにぃぃぃ!!!」
レイ「碇くんを…返して!」
アスカ「ふん、まだそんな妄想を!」
Zガンダム「どけよ!お前みたいなMS!消えろよ!」
ユニコーン「俺だって!こんな戦い!」
Zガンダム「どちらかが滅びるしか道はないんだ!だから!」
シナンジュ「君の相手はこの私だ!」
ユニコーン「またあんたか!ここを戦場にして…そうまでして!」
シナンジュ「なら、君が降伏すればよいのではないか?」
ユニコーン「俺だって!守らなくちゃいけない人がいるんだ!!!!!!!」
正臣「折原臨也!どこだ!くそ!」
セイバー「私が相手だ!てやぁぁぁ!!!!!」
正臣「おいおい!武器なんてねーのに!」
デスティニー「危ない!」
ガシッ キン
デスティニー「お前も人探しなんだろ!?いけよ!」
正臣「え、でも!」
デスティニー「いいから…早く!」
キンキン ガシッ
デスティニー「なんだ!アンタもかよ!」
セイバー「切嗣!衛宮切嗣はどこだ!」
デスティニー「しらねーよ!!」
ドスッ
セイバー「くっ…、おりゃぁぁぁ!!」
ガシッ
ワイルドタイガー「ヒーロー参上!」
デスティニー「遅いですよ!」
ワイルドタイガー「ヒーローは遅れて登場するものなの!!」
セイバー「おい!離せ!2対1とは卑怯な!!」
セイバー「うぅ…うごけない!!!」
ワイルドタイガー「全く、ここは危険だぜ?それにこんな危ないの振り回して」
セイバー「うるさい!貴様!それ以上の愚弄は!」
バーナビー「」スタッ
ワイルドタイガー「!?おい!バーナビー!バーナビーか!?」
ドゴォッ
ワイルドタイガー「ぐわっ…おい!何すんだよ!」
バーナビー「うるさい!裏切りものめ!!」
ドスッ
アスカ「!?」
レイ「え?」
バズ「争いなんてやめるんだ!」
Sフリーダム「僕達は分かり合えるはずだ!」
ルルーシュ「お前達の仲にも我々と同じ意思をもつものがいるはずだ!」
ルルーシュ「我々はそのような者を歓迎する!!」
スザク「ルルーシュ!ルルゥゥゥシュゥゥゥッゥ!!!!!!!」
ルルーシュ「!?」
ドサッ
キンッ ガチャガチャ!!
Sフリーダム「くっ!やめよう!こんなこと!やめるんだ!」
スザク「ルルーシュ!僕は君を許さない!!」
ルルーシュ「なっ!スザク!やめろ!」
スザク「この戦い!お前が仕組んだのだろう!?」
ルルーシュ「何を馬鹿な!違う!」
スザク「ルルーシュ!何故平和を嫌う!」
ルルーシュ「は!?」
ルルーシュ「くそ!話が通じないのなら!」
C.C「ふ、やっと出てきてよいのだな?」
ルルーシュ「構わん!いまだ!!」
蜃気楼「」ザザザザザザ
C.C「お前の意思も必要だ!」
ルルーシュ「ふん!操縦するよりはたやすい!!」
スザク「そ、そんな…ナイトメアが」
ルルーシュ「スザァク!!俺の仲間になれ!!」
ルルーシュ「そうか…残念だな…」
蜃気楼「」
スザク「くそ!ランスロット…力を貸してくれ!!!」
ルルーシュ「終わりだ!スザァァァク!!!」
蜃気楼「」
ガシャ ガシーン!!!
ランスロット「」
ルルーシュ「なに!!」
スザク「来てくれたのか!ランスロット!」
バズ「慌てるな!ウッディ!大丈夫!必ずなんとかなる!」
ウッディ「なんとかなるって言っても!」
切嗣「僕と一緒に来てくれないか?」
ウッディ「いいアイデアでもあるのか?」
切嗣「どうやら…この争いには黒幕がいるみたいでね…」
シンジ「は、離してくださいよ…」
臨也「だめだめ~、君がここにいることがバレちゃうと色々と面倒だからね」
シンジ「…、何が目的なんですか!」
臨也「俺は純粋に人が好きで、観察するのが好きなだけだよ」
シンジ「…」
正臣「見つけましたよ…臨也さん…」
正臣「どうせ…あんたの仕業だろうと思ってね」
臨也「でも、君一人でどうする気?もしかして俺に勝てるとか思ってる?」
正臣「人形なら、問題ないです」
臨也「そう、じゃぁ、この子たちの相手してあげてよ」
量産型ども「」グワッ
正臣「うわ!なんだよこいつら!」
臨也「秘密兵器~、君らの大将の弱点だよ」
シンジ「大将って…」
シンジ「アスカ…そんな…」
臨也「ふふふ、まずいよね?このままだとレイかアスカどちらかバラバラだよ」
シンジ「綾波まで!」
臨也(そう、もっと…もっと)
シンジ「やめてよ…こんなこと…」
臨也「さぁ、君達!そこの少年はもういいから、大将やっちゃって」
シンジ「やめてよぉぉぉおおお!!!!!!!!!!!」
初号機「」ウォォォォォォォォォォン!!!!!
量産型「」グルルルル
量産型「」ケケケケ
弐号機「」キョロキョロ
量産型「」キャキャキャキャ
ガチャガチャガチャガチャ
アスカ「あたしの弐号機が…バラバラに」
初号機「」ウォォオオオオン!!!
アスカ「!?」
レイ「そんな…あれは碇くんの」
バズ「あれは一体!」
切嗣「見物している暇はないよ。あそこにいるみんなを信じるんだ!」
正臣「待て!」
臨也「ついに!きた!初号機!この日をずっと待ち望んでいた!」
臨也「そして覚醒初号機を目覚めさせるんだ!」
正臣「狙いはそれか…」
切嗣「見つけた…折原臨也」
ウッディ「お前が!真犯人なのか!」
バズ「さぁ!みんなに真実を伝えて謝るんだ!」
臨也「ふふふ、もう遅いよ。誰もアレを止めることはできない♪」
初号機「」ウォォォォォォォン
ワイルドタイガー「おい!あいつ敵も味方も関係なしに襲い始めてる!」
バーナビー「うるさい!」
ルルーシュ「何だ…あれは…」
スザク「これは…」
ルルーシュ「スザク!ここはひとまず休戦だ!」
バーナビー「あ!待て!逃がすか!」
Sフリーダム「僕達も戦っている場合じゃないよ!」
デスティニー「でも!」
Sフリーダム「アレをとめなくちゃ!みんなやられる!」
ハム「くらえ!ブブトンアタック!」
シナンジュ「なに!上から!」
レックス「僕も戦うぞ!戦うぞ!」
Zガンダム「邪魔をするな!消えろ!」
レックス「あう…」
ウッディ「俺たちも手伝わないと!!」
初号機「」ウォォォォン!!!
ユニコーン「駄目だ!強すぎる!」
スザク「どうすれば…動きを止められる!」
アスカ「あんた…こんなことまでして勝ちたいわけ!?」
レイ「違う…これは私達じゃない!!」
シュィィィィィン!! ガチャッ!!
Zガンダム「なんだアレは!!」
シロッコ「槍だと!」
カヲル「今度こそ幸せにしてあげるよ。碇シンジ君」
臨也「…嘘だ!なんだアレは!何故初号機が止まった!」
切嗣「これで、お前の負けだ。諦めろ」
臨也「そんな…馬鹿な…」
ウッディ「さぁ、みんなの前でお前の悪事を白状してもらおうか」
レックス「僕はみんなが仲良しになるって信じてたよ!」
ハム「そうそう平和が一番」
バズ「全く…呆れた」
カヲル「僕が目覚めることができたのは…あの人のおかげなんだけどね」
切嗣「折原臨也…でもあいつにとってはお呼びじゃなかったみたいだね」
セイバー「見つけましたよ!切嗣!」
切嗣「おっと…僕はこれで」
セイバー「待て!」
レイ「私も碇君が無事でよかった」
アスカ「信じられない!あたしを疑ってたなんて!」
ウッディ「ふぅ…これで一件落着だな」
バズ「新しい家も楽しそうだ」
ウッディ「あぁ、持ち主に難ありで部屋が少し汚いけど」
バズ「そういやぁ、新しい仲間が来るらしいけど」
ウッディ「また、あの折原臨也とかいうやつに変なこと吹き込まれなければいいけど…」
バズ「あ、あれではないか?」
静雄「いぃぃぃざやぁぁぁぁぁ!!」
臨也「あはは…静ちゃんも来ちゃったか…」
静雄「へへへ…逃がさん!!」
臨也「うわ!来るな!」タッタッタ
ウッディ「その心配はやっぱりないみたいだな」
終わり
面白かった
Entry ⇒ 2012.07.22 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
憧「シズと宥ねえを二人きりにしてみた」
宥「こんにちは、なんか皆遅れるみたい・・・・」
シズ「そうですか」
宥「憧ちゃんはどうしたの?」
シズ「憧は掃除で遅れるみたいです」
宥「そっかあ」
宥「みんな遅いねえ~」
シズ「そうですね・・・・私たちだけで始めちゃいますか?」
宥「もう少し待ってみよ」
シズ「はい」
レジェンド「・・・・んで今度はあの二人か・・・・」
クロ「どうしてあの二人なの?」
憧「好奇心だよ好奇心♪」
アラタ「好奇心って・・・・・・」
シズ「私がやりますよ」
宥「ううん、いいの、私にやらせて」カチャカチャ
シズ「じゃ、じゃあお願いします」
宥「うん」
憧「ふむ・・・・・別に問題はないわね」
アラタ「というかあの二人は普通に仲良いんじゃ?」
クロ「ふむふむ、なるほど~」
シズ「ありがとうございます」ズズッ
宥「ど、どうかな?」
シズ「とても美味しいですよ」
宥「よかった~」
シズ「憧にも宥さんの淹れ方を見習って欲しいですよ」ズズッ
宥「そ、そうかな?」
シズ「聞いてくださいよ、憧なんて・・・・」
憧「あんの馬鹿シズゥ・・・・・」
宥「みんな遅いなあ・・・・」
シズ「流石に遅すぎますね」
宥「ど、どうしよう・・・・」オロオロ
シズ「私が見てきます、宥さんはここで待っていてください」ガタッ
宥「ま、待って私も行く」ガタッ
宥「ってあれ・・・」ガッ
シズ「あ、危ない!!」バッ
ドテンッ
シズ「だ、大丈夫ですか?」
宥「シズノちゃんがかばってくれたから私は平気、それよりシズノちゃんは?」
シズ「アハハ、これくらいなんともないですよ!!」
宥「よ、良かった~・・・ゴメンね・・・・」
シズ「気にしないでください!!」
アラタ「はるちゃん」ボソボソ
レジェンド「なした?」
アラタ「・・・・・」クイッ
憧「・・・・・・・・・・・」
レジェンド「おい・・・・憧」
憧(宥姉と・・・シズが・・・・・抱き合った・・・・・)
クロ「あ、憧ちゃん?」オロオロ
レジェンド「あー、こりゃ重傷だわ」
宥「う、うん」
アラタ「来た・・・隠れないと・・・・」
憧(何で手繋いでるノ?・・・・・・)
レジェンド「またこのパターンか」
クロ「は、早く隠れないと」
シズ「う~~ん」
宥「赤土さんたちいないね・・・・」
シズ「というか、他の生徒も誰もいませんね・・・・」
宥(うぅ・・・クロチャ~)
レジェンド「おい憧・・・・・もう止めた方が」
クロ「い、良いんじゃないかな?」
憧「・・・・・・・いや・・・・・続ける・・・・・」
アラタ「ど、どうして?」
憧「・・・・・・ここで辞めたら負けた気がするから・・・・だから最後まで続ける!!」
レジェンド(何にだよ・・・・・・というか私は帰りたいんだが)
シズ「もう日も暮れてきましたね・・・」
宥「う、うん」
シズ「今日はもう帰りましょう」
宥「そ、そうだね」
宥「鍵が閉まってる・・・・・・・」
シズ「な、なんで・・・・・・・」
全部レジェンドがやってくれました
シズ「はあ、携帯も圏外だしどうなってるんだ・・・・」
宥「うぅ・・・どうしよう・・・・」
シズ「今日はここに泊まりましょう、朝になればきっと大丈夫ですよ」
宥「そ、そうだね」
シズ(・・・・・どうすればいいんだよ憧)
シズ「もう7時か・・・・」グ~
シズ「あ・・・・・・・・・・・・・」
宥「シズノちゃん、お腹空いてる?」
シズ「な、べ、別に何でもないですよこのくr」グルル~
シズ「・・・・・空いてます」
宥「そっかあ、じゃあ私家庭科室で何か作ってくるね」
シズ「あ、えっと、じゃあ、その・・・お願いします」
宥「うん、任せて」
宥(私は先輩なんだから頑張らなくちゃ!)
クロ「あ、赤土さん・・・憧ちゃんの機嫌が・・・・」
レジェンド「知らん、もうほっとけ」
シズ「うわあ、良い匂い」
宥「じゃあ食べましょうか」
シズ「はい!いただきます!」
宥「どうぞ」
シズ「んまああああああああああいいいいいいい」
宥「よ、良かった~~、家族以外の人に食べさせるの初めてだから緊張しちゃった」
シズ「え、そうなんですか?」ムシャムシャ
宥「うん」
シズ「うわあ、クロさんが羨ましいです、こんな美味しい料理を食べてるなんて」
宥「ほ、褒めすぎだよシズノちゃん」
シズ「いえいえ、ホントのことを言ったまでですよ」バクむしゃ
クロ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・チッ」
宥「お粗末様です」
シズ「いやあ美味しかったです~」
宥「こ、こんなのでよければまた食べさせてあげる」テレテレ
シズ「是非、お願いします」
宥「う、うん」
憧(・・・・・・・・これは)
クロ(餌付け!!)
アラタ「はるちゃん、ご飯できたよ」
レジェンド「お、そうか、おーいメシだぞ~」
宥「?」
シズ「深夜の学校といえば・・・・」
宥「いえば・・・・?」
シズ「肝試しですよ!!」
宥「き、肝試し!?」
シズ「ちょっとだけ校舎を回ってきませんか?食後の運動もかねて」
宥「う~ん・・・ちょっとだけなら・・・・」
シズ「じゃあ行きましょう!!」
シズ「うわあ、なんかドキドキしますね」
宥「そ、そうかな?」
シズ「はい、今にもそこの影から幽霊でも出そうですね」
宥(うぅ・・・・来なきゃ良かったかも・・・・)
シズ「ゆ、宥さん?大丈夫ですか?」
宥(でも、後輩の子の前で変なところなんて見せられないよね)
宥「な、何でもないよ、進んでみよ」
シズ「はい!!」
憧「用意は出来てる?」
クロ「うん、ばっちしだよ」
憧「それじゃあ行きますか」
シズ「お、もうここまで来ちゃったか」
宥「やっと中間地点だね」ホッ
シズ「はい、じゃあ引き返しまs・・・・・」
宥「シズノちゃん?」
シズ(・・・宥さんの後ろの窓ガラスに・・・・・女の人が立って・・・)
バンッ←ガラスを叩く音
シズ「うわあああああああああああああああああああああああ」ダッダッダッ
宥「し、シズノちゃーん、ま、待ってよ~」タッタッタッ
シズ「宥さん早く早く~~~~~~!?」
クロ「えへへ、うまくいったね憧ちゃん」
憧(あれ、宥ねえはあんま驚いてなかったな)
憧「・・・クロ、ちょっとやり過ぎ」
クロ「え・・・何が?」
憧「シズ泣いてたじゃない・・・あそこまでやる必要ないでしょ」
クロ「だって憧ちゃんが立てた計画だよこれ」
憧「窓ガラスを叩くなんてシナリオに入れてない」
クロ「・・・・・・・・・・」
アラタ「はるちゃん・・・・・・」
レジェンド「やれやれ」
シズ「だ、大丈夫です、す、すみません」グスッ
宥「シズノちゃん・・・・・」ダキッ
シズ「ゆ、宥さん?」
宥「もう大丈夫だから、だから安心して」頭ナデナデ
シズ「・・・・はい、ありがとうございます」
宥(シズノちゃんって小さいなあ)
シズ(宥さんの胸・・・・あったかい)
憧「ちょっと」
クロ「出かけてきます」
レジェンド「待て」
シズ「はい」
宥「ってアレ、布団が1組しかないね」
シズ「わ、私は床で寝るんでだいじょうぶです」
宥「それじゃ風邪引いちゃうから一緒に寝よ?」
シズ「い、良いんですか?」
宥「もちろん」
シズ「じゃ、じゃあお言葉に甘えて・・・・」
宥「うん、おいで」
シズ「はい、大丈夫です・・・でも一つだけ聞きたいのですが」
宥「?」
シズ「何で抱きしめられてるのでしょう?」
宥「えへへ、クロちゃんとはいっつもこうして寝てるの、だから・・・・」
シズ「そ、そうだったんですか」
シズ(そういえば憧が泊まりに来た時もこんな感じだったかなあ)
宥「め、迷惑だったかな?」ウルウル
シズ「全然!!迷惑なんかじゃありませんよ」
宥「よ、良かった~、エヘヘ」ギュッ
シズ(宥さん良い匂いだなあ)
宥(シズノちゃんちっちゃくて可愛い)ギューッ
宥「何?」
シズ「今日はありがとうございました」
宥「ううん、私こそ楽しかったよ」
シズ「私もです」
宥「明日になったら元に戻ってるといいなあ」
シズ「きっと大丈夫ですよ!!」
宥「うん、そうだね・・・ふぁあ・・・・」
シズノ「おやすみなさい・・・・宥さん」
シズノは宥ねえの懐で朝を迎えましたとさ
あと、クロちゃんと憧は朝まで気絶してたとさ
END
ちょー乙だよー
あったか~い
Entry ⇒ 2012.07.22 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (1) | Trackbacks (0)