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ディケイド「るろうに剣心の世界か……」

引用元: ・http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1343048811/
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:06:51.91 ID:o/DomUHE0

士「……どうやら、新しい世界に来たみたいだが」


町人「陸蒸気に乗ってきたぜ! これがもう凄いんだよ!」

町人「うらやましい限りだねえ。俺なんか人力車にも乗ったことがない」


士「随分、古臭い街だな……」


4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:08:04.49 ID:o/DomUHE0

士「オイ、お前。今は西暦何年だ?」

町人「せいれき? 難しいことは良くわかんねーけど、今は明治十年だよ」

士「……なるほど、な」



士「明治時代の世界か。だが、俺はここで何をすればいい……?」



「キャーッ!」


士「!」


8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:10:46.54 ID:o/DomUHE0

ごろつき「へっへっへ、上玉じゃねえか……」

ごろつき「大人しく俺達の言うこと聞きな!」

町娘「や、やめてくださいまし……!」


士「おい」

ごろつき「あ? 何だてめーは」

士「そのくらいにしておけ。嫌がってるだろうが」


ごろつき「な、何だてめえ、警官なんざ怖かねえよっ!」

士「警官?」


士(今気付いたが、この恰好は……。クウガの世界を思い出すな)


10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:12:59.29 ID:o/DomUHE0

士「まあ、やめとけって」

ごろつき「んだとォ!? 俺達とやろうってのか――」


ガシッ!
ごろつき「!」

ギリギリギリ……
ごろつき「い、痛てぇ!」



ケンシン「そのくらいにしておくでござる……」


11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:14:59.25 ID:o/DomUHE0

ごろつき「な、何だこの野郎っ、刀なんか差しやがって!」

ケンシン「この刀は抜かぬよ。抜く必要もない」

ごろつき「あまり俺らをなめてっと――」


士「! 危ない、短刀だ!」


ケンシン「……」


ブン!
ごろつき「ぐわあっ!」



士「……刀を鞘に差したままの……峰打ち、だと……」


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:15:59.67 ID:o/DomUHE0

ごろつき「ひ、ひええっ!」

ごろつき「すんませんでしたーっ!」


ケンシン「……ふん」

町娘「あ、ありがとうございました!」

ケンシン「構わんでござるよ。気を付けるでござる」

町娘「はいっ!」


士「お前、強いな……」

ケンシン「……おぬし」


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:18:21.46 ID:o/DomUHE0

士「俺の出番を奪ったことは、その強さに免じて許して――」

ケンシン「今さら、拙者の前に現れて何の用だ?」

士「……は?」


ケンシン「しらばっくれても無駄でござる。新撰組三番隊組長、斎藤一!」

士「え?」



士(斎藤一……って言えば、確か史実の人物……)


士「どうやら、また面倒なことに巻き込まれたみたいだな……!」


18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:20:15.45 ID:o/DomUHE0

士「どういうことだ? 俺はお前の敵なのか?」

ケンシン「……維新が成り、曲がりなりにも平和な世が訪れた今、無用な争いを繰り返したいとは思わん」


ケンシン「だが、そちらが掛かってくるというなら……拙者も手加減はせんでござる」

士「持って回った言い方しやがって。要するに――」



士「戦えばいいって事なんだろ!」


【カメンライド――】

士「変身!」


【ディケーイ!】

ジャキーン!


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:21:49.85 ID:o/DomUHE0

ケンシン「な!? そ、その姿は一体――」

ディケイド「行くぜ」


【アタックライド――スラァッシュ!】
バッ!

ケンシン「!」


ガキィンッ!

ディケイド(! 速い――!)


21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:23:54.02 ID:o/DomUHE0

ギィンッ!
ギギギ……

ケンシン「なぜ、拙者の前に現れた……!」

ディケイド「知るかよ。俺が教えて貰いたいぜ!」


バッ!

ディケイド「! どこだ!?」


ケンシン「飛天御剣流――」


ディケイド「上っ!?」


ケンシン「龍槌閃ッ!!」


ズガァッ!!


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:26:49.39 ID:o/DomUHE0

ディケイド「くっ……! 生身だからって、油断できないようだな……!」

ケンシン「幕末の動乱の中、おぬしらと切り結んできた飛天の技……片時も衰えさせてはおらんでござる」

ディケイド「だから、俺が知ってるていで話すなって!」


ケンシン「……どうした? 来ないなら、こちらから――」



カオル「ケンシンっ!」

ケンシン「!」


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:29:02.18 ID:o/DomUHE0

カオル「もうやめて、戦いなんて!」

ケンシン「カオル殿。しかし……」


ディケイド「……やれやれ」


ジャキーン!

士「女に水を差されちゃ、どうも気が乗らないな」

ケンシン「! おぬし、どこへ行く!?」

士「さあな。どこへでも行かせてもらうさ。明治時代ってのもなかなか面白そうだ」


25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:30:32.29 ID:o/DomUHE0

カオル「待って!」

士「?」


カオル「あ、あなた、知ってるの? ケンシンの……昔のこと」

士「……知らないって言ってるだろ」


カオル「――で、でも、待って!」

士「……まだ何か?」



カオル「力を、貸してほしいの……」


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:32:16.95 ID:o/DomUHE0

~~~

カオル「もうすぐ、私達の家、神谷道じょ――」



カオル「えっ!? な、なんで写真館に?」

士「いつものパターンだな……」

ケンシン「カオル殿。道場はとうとう売り払ったでござるか」

カオル「そんなことするわけないでしょ!」


士「いいんだよ、ここはこれで。入るぞ」


30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:35:39.72 ID:o/DomUHE0

ユウスケ「……つまり、ここは明治十年の世界で」

夏海「ケンシンさんは、幕末を戦った維新志士の生き残り、ってことですか……」


ケンシン「ああ。拙者は、今は戦いを捨てた流浪人として生きているでござる」

士「よく言うぜ。あれだけ派手に戦っておいて」

カオル「まあまあ、喧嘩はもうやめて――」


栄次郎「皆さん。牛鍋でもいかが」

士「じいさん。……スキヤキか? これ」

栄次郎「ざんぎり頭を叩いてみれば文明開化の音がする、ってねえ」


31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:39:13.18 ID:o/DomUHE0

グツグツ……

士「……それで? 何なんだ、そのシシオマコトってのは」

ユウスケ「おい士、肉ばっか取るなよ」

ケンシン「シシオは……この平和になった明治の世に、再び動乱をもたらそうとしている者でござる」

士「お前の敵、なのか?」

ユウスケ「士、肉ばっか取るなって」

ケンシン「いずれは拙者が戦わねばならんかも知れぬ、が……」


カオル「そんなの駄目、ケンシンが戦うなんて」

ケンシン「……と、ひどく反対されてしまって。居候の身としては、カオル殿の意に反するようなこともなかなか」

士「ふうん……」


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:42:52.94 ID:o/DomUHE0

士「で? 俺に力を貸せってのは?」

カオル「……み、見せてもらったわ。あなたのさっきの力」

士「……」

カオル「その力があれば、ケンシンが戦わなくても、シシオを倒せるかも――」


ケンシン「! カオル殿、何を言い出すでござる!?」

夏海「士くんを代わりに戦わせるつもりですか!?」


カオル「だ、だって……ケンシンがまた居なくなっちゃうのは、私……」

士「……」


35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:45:51.46 ID:o/DomUHE0

海東「いいじゃないか、士。そのくらい手伝ってあげなよ」

士「! お前、海東! どこから入ってきた!?」

海東「このくらいお茶の子さいさいさ。それに――これも」


ケンシン「! 拙者の逆刃刀を!」

海東「武士の魂たる刀を、腰から離しちゃいけないよねえ」

士「海東、お前――」


海東「僕はしばらくこの世界を楽しませてもらうよ。それじゃね、諸君」

【アタックライド――インヴィジボゥ!】

士「!」

ケンシン「消えた……」


36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:47:50.14 ID:o/DomUHE0

ユウスケ「ど、どうするんだ!? 俺が食べない内に肉もなくなっちゃってるし!」


士「取り戻しに行くしかないだろ。あの刀、大事なものなんだよな?」

ケンシン「……いや……」


ケンシン「これで……良かったのかも知れんでござる」

士「はあ?」

ケンシン「カオル殿がそこまで拙者の事を思いつめておったとは」

カオル「……ケンシン……」

ケンシン「かくなる上は、拙者、二度と刀など持たぬ方が良いのかもしれんな……」


40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:51:58.86 ID:o/DomUHE0

ドカーン!

夏海「! な、何!?」

ユウスケ「外から聞こえたぞ!」


ケンシン「――まさか!」




~市街~

ウスイ「今こそ計画実行の時!」

アンジ「この帝都に動乱を引き起こすのだ!」


ショッカー戦闘員「イーッ! イーッ!」


43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:53:08.96 ID:o/DomUHE0

人々「キャーッ! ワーッ!」

人々「た、助けてくれーっ!」



士「こ、これは!? なぜショッカーの戦闘員がここに!」


戦闘員「イーッ! イーッ!」



鳴滝「すべては貴様のせいだよ、ディケイド……」

士「鳴滝!」


44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:53:43.51 ID:LwSXeHdH0

おのれ…


46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:55:51.67 ID:o/DomUHE0

鳴滝「貴様がこの世界に来たことで、全てのバランスが乱れてしまった!」

士「またいつものパターンか。大ショッカーが来るのまで俺のせいなのかよ」

鳴滝「大ショッカーは次元の壁を破り、この世界の悪党――“シシオマコト”と手を組んだのだ」


鳴滝「間もなくこの世界は、地獄の炎で蹂躙される……」


士「どうだか。俺が乱した世界なら、俺が変えてやる」

鳴滝「無駄だ、ディケイド! ふはははは!」


士「……言うだけ言って消えやがって……」


47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:57:38.05 ID:o/DomUHE0

カオル「! な、何これ!?」

ユウスケ「街の人々が……!」


戦闘員「イーッ! イーッ!」


士「結局、どの世界もこうなる定めか……。変身!」


【カメンライド――ディケーイ!】

ディケイド「――はあぁっ!!」


49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 22:59:46.01 ID:o/DomUHE0

ウスイ「むっ。何だ、あれは?」

アンジ「さあな。何であろうと排除するまで」


ディケイド「ハッ!」シュバァッ!
戦闘員「イーッ!」

ドカーン!

ディケイド「お前らが親玉か?」

アンジ「ふん、馬鹿な。我らはシシオ様の命に従うまで」

ディケイド「……なら、そのシシオとかいう野郎に伝えておけ。俺が全てを破壊してやる……とな」


51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:01:11.47 ID:o/DomUHE0

戦闘員「イーッ! イーッ!」

人々「た、助けて……!」


ユウスケ「くっ……変身!」

ギュピーン!
クウガ「――はっ!」


カオル「あ、あなたも変身できるの!?」

クウガ「忘れられがちだけど、一応ね!」


クウガ「こないだのSSでは、知らない方がいい呼ばわりされてたけど……」


53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:02:53.31 ID:o/DomUHE0

クウガ「行くぞっ!」

戦闘員「イーッ!!」

バシッ! バキィッ!

カオル「わ、私も何か――」


戦闘員「イーッ!」

子供「キャーッ!」


カオル「!」


カオル「させない――ッ!」

バッ!!

バシィッ!
カオル「うっ……!」


54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:04:02.74 ID:o/DomUHE0

戦闘員「イーッ。イーッ」

カオル「あ、くっ……!」

戦闘員「……」じり……
カオル「!」


ケンシン「――待てっ!」

バッ!

戦闘員「イーッ!」

バキッ!
ケンシン「ぐっ!」


カオル「ケンシンっ!!」


57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:06:16.28 ID:o/DomUHE0

ケンシン「カオル……殿」

カオル「ケンシン! ち、血が……」

ケンシン「無事で、よかったでござる」


カオル「バカ……! どうして、刀も無いのに来たのよ!?」

ケンシン「おぬしがそれを言うでござるか……?」


戦闘員「イーッ。イーッ」

ザッ……ザッ……

ケンシン「刀が無くとも。力が無くとも。男には、戦わねばならん時があるでござる」


ケンシン「今の拙者には――逆刃刀なんかより大事なものがあるでござるよ」

カオル「……!」


58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:07:43.03 ID:o/DomUHE0

ディケイド「ハッ!」

アンジ「むん!」

ガキィィィッ!!

ディケイド「くっ……何だ、こいつ、この力……!」

アンジ「鎧を纏ってその程度か?」

ウスイ「そして――背中ががら空きだ」

バキッ!
ディケイド「ぐわあっ!」


ディケイド「く、くっ……」


59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:09:58.60 ID:o/DomUHE0

ソウジロウ「くすくす。くすくす」

ディケイド「! 誰だ!?」


ソウジロウ「僕達に歯向かう者があると聞いて来てみれば……なんのことはないですね」


ディケイド「何だ、お前は……」


ソウジロウ「その程度なら、シシオ様が出るまでもありません」


シシオ「いや……」

ソウジロウ「!」

シシオ「俺も久々に力を振るわせてもらう。幸い、役者は揃ってるようだしな」


60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:12:58.48 ID:o/DomUHE0

ケンシン「! あれは――シシオマコトっ!?」


シシオ「抜刀斎か。クク……無様な姿だな。戦闘員に囲まれ、満身創痍で」

ケンシン「おぬしの知ったことではないでござる……」

シシオ「どうした。逆刃刀とかいう生ぬるい刀も無えじゃねえか。そんなんで俺と戦えるのかよ」


ディケイド「おい。お前の相手は俺がしてやるぜ」

シシオ「うるさいハエだな……」


ガシッ!
ディケイド「!」

シシオ「これでも食らえっ! 二の秘剣――紅蓮腕っ!」

ゴオォォォッ!!
ディケイド「うっ、ぐわあああぁっ!!」


62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:15:26.48 ID:o/DomUHE0

クウガ「士っ!?」

ケンシン「士殿っ!」


士「う……ぐっ」

バタッ……


シシオ「邪魔者は消えたようだな。見ているがいい抜刀斎、俺がこの時代を作り変えてやるよ」

ソウジロウ「くすくす」

ウスイ「フフフ……」

アンジ「……ふん」


ケンシン「くっ……」


63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:17:43.32 ID:o/DomUHE0

【アタックライド――ブラァストッ!】
ズキュゥン!

シシオ「ッ!」


シシオ「だ……誰だ!」


ディエンド「僕の存在を忘れて貰っては困る……」


シシオ「まだ居たか、煩いハエが……。ウスイ、アンジ!」

アンジ「御意」


ディエンド「手下を戦わせようというのかい? 舐められたものだ」


64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:20:23.37 ID:o/DomUHE0

ウスイ「食らえ! ティンベーとローチンの基本戦法!」

バキィッ!
ディエンド「く……」

ズキュゥン!
ウスイ「遅い遅い!」

ディエンド「チッ……!」



カオル「ケンシン、逃げなきゃ……逃げなきゃ!」

ケンシン「カオル殿!」


シシオ「生かして帰すと思うのか? やれ、戦闘員共!」

戦闘員「イーッ!」


65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:22:50.57 ID:o/DomUHE0

戦闘員「イーッ!」

バシィッ!
ケンシン「うっ! くぅ……っ!」


クウガ「助けに――」

ソウジロウ「おっと、あなたの相手は僕ですよ?」

ガキィンッ!
クウガ「うぐあっ!」


戦闘員「イーッ、イーッ!」

カオル「ケンシンっ、無茶よ、素手でこんな奴らと戦うなんて――」

ケンシン「カオル殿……だ、大丈夫でござるよ……」


68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:26:20.33 ID:o/DomUHE0

バキッ!ズバァッ!
ケンシン「ぐっ!」


ケンシン「く……」

カオル「ケンシン!」

ケンシン「拙者は……拙者は、誓ったでござる。カオル殿を、守ると……」


ケンシン「己の目に映る者を、ただ守ると――!」



シシオ「クク、ははははっ、無駄だな抜刀斎! 貴様には何も守る事なんて出来やしねえ!」


シシオ「刀一つで名を馳せてきた人斬りのてめえが、刀を手放して何ができる……」


シシオ「てめえの無力を噛みしめて、死ねえ! 抜刀斎ッ!!」


69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:31:49.75 ID:o/DomUHE0

士「いや……」


士「そいつは、違うな……!」


シシオ「!? てめえ、まだ生きて――」


士「人の強さは……剣の強さで決まるんじゃねえ!」

シシオ「何だと!?」



(あの音楽)

士「刀はただの道具に過ぎない……それを振るうのは、いつだって、刀を持つ人間の心だ」


士「この男は、戦いを捨て、刀を手放しても……誰かを守ろうとする心の強さを、決して失うことがなかった!」


士「本当の強さってのは、そういうことじゃねえのか!」


71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:34:20.64 ID:o/DomUHE0

ケンシン「本当の……強さ」

カオル「ケンシン……」

ケンシン「拙者は……拙者は今。カオル殿を守りたい!」



ディエンド「……やれやれ」ポイッ!
ケンシン「!」


ケンシン「拙者の、逆刃刀……」

ディエンド「見せてくれ。その刀よりも大切なもの、とやらを」



シシオ「……クッ! 貴様、一体何者だ!?」

士「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけっ!」


士「ケンシン、行くぞ!」

ケンシン「――ああ!」


士「変身っ!!」

【カメンライド――ディケーイ!!】


72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:38:59.50 ID:o/DomUHE0

シシオ「チッ……ソウジロウ。相手をしてやれ!」

ソウジロウ「はい。シシオ様には近づかせません」


ディケイド「いいぜ、来い!」

ソウジロウ「――ハッ!」

シュバァッ!!


シシオ「抜刀斎……少しはまともな面構えになったじゃねえか」

ケンシン「行くぞ、シシオマコト――!

ケンシン「飛天御剣流――龍翔閃ッ!!」

シシオ「甘ェ!」

ガキィンッ!!

シシオ「その程度の技、俺に通用すると思ってるのかよ……?」

ギリギリ……!


74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:41:33.80 ID:o/DomUHE0

ソウジロウ「縮地――!」

ヒュカカカカカッ!!
ディケイド「!?」

ソウジロウ「どうです、あなたに追いつけますか!?」


ディケイド「ふん……」

【カメンライド――カブト!】
【アタックライド――クロックアァップ!】

ディケイド「はっ!!」


ヒュババババババッ!!
ソウジロウ「!? 縮地の速さに追いついて――いや、それ以上!?」

ディケイド「アアアアアッ!!」


【ファイナルアタックライド――カカカカブト!!】

ディケイド「はあぁっ!!」

ズドォォォォン!!

ソウジロウ「がふっ……! め、滅茶苦茶だ……!」

ディケイド「悪いな。破壊者だからな」


75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:45:36.30 ID:o/DomUHE0

ウスイ「ティンベーで弾き――」

クウガ「っ!?」

ウスイ「ローチンで突く!」

クウガ「ぐああ!」


ウスイ「どうだ! これぞ私の戦術」

クウガ「な、なら……超変身っ! タイタンフォームっ!」

シュィィン!

ウスイ「無駄だよ! 貴様の剣など、ティンベーで――」

バキッ!!
ウスイ「何っ!?」

クウガ「それごと砕けばいいんだろ!? りゃあああぁっ!!」

ウスイ「ぐああああ、馬鹿なっ!!」


ドガアアァァァン!!


76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:47:58.43 ID:o/DomUHE0

アンジ「食らえ、二重の極みっ!」

ディエンド「!」


【アタックライド――バーリア!】
アンジ「ふぬぅぅぅうっ!」

バキィッ!!

ディエンド「さすがだね、バリアをも壊すとは……。でも」


【ファイナルアタックライド――ディディディディエーンッ!!】
ズキュウゥゥゥゥッ!!
アンジ「ぐっ!? があああぁぁっ!!」


ディエンド「接近できなければ……意味がない」


ドカアァァァンッ!!


78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:50:59.67 ID:o/DomUHE0

シシオ「一の秘剣、焔霊っ!」

ボォォオッ!
ケンシン「うっ!?」


ケンシン「ク……無駄でござるよ、そんな、こけおどしの炎など!」

シシオ「ほう。だが、炎だけじゃねえぜ?」

ズバァッ!
ケンシン「ぐっ!」

シシオ「どうした。てめえの剣で俺に勝てるのか、抜刀斎ィ!?」

ガキィンッ! キィィンッ!!


【カメンライド――デンオー!】
【アタックライド――デンガッシャー!】
シシオ「! 後ろか!?」


ガキィンッ!


80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:55:56.34 ID:o/DomUHE0

ディケイド「俺、参上……ってな」

ケンシン「な、何でござるか、その桃みたいな顔は……」


シシオ「二人がかりか。いいぜ、一人じゃ余りに物足りなかったところだ……かかって来いっ!」


ケンシン「ああっ! 龍巻閃――凩ッ!!」

ディケイド「俺の必殺技っ! パート・2っ!!」

ヒュバァッ!!

シシオ「まだまだぁ!」

バキィィィッ!!

シシオ「二人まとめて焼き尽くしてやるぜ! 終の秘剣・カグツチっ!!」

ボッ! ゴォォォォォッ!!

ケンシン「!」


81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/23(月) 23:59:42.75 ID:o/DomUHE0

ディケイド「怯むな、あんな炎に!」

ケンシン「ああ! わかっているっ!」


ケンシン「幕末の血風は――あんなものより、もっとずっと、激しかったでござる!」

ダッ!!

ケンシン「飛天御剣流! 龍槌――翔閃ッ!!」

ギィィィン!!
シシオ「チィ……抜刀斎ィィッ!!」

ギャリギャリギャリッ!!



カオル(ケンシン……)

カオル(必ず、必ず勝って――!)


82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/24(火) 00:04:27.50 ID:WImaa1aJ0

【クウガ! アギト! リュウキ! ファーイズ! ブレーイ! ヒビキ! カブト! デンオー! キバ!】
【ファイナルカメンライド――ディケーイ!】

ディケイド「こいつで行くぜ……!」


【ファイナルアタックライド――デデデデンオー!】

シシオ「っ!?」

ディケイド「電車斬りッ! アアアァッ!!」


シュバァァァッ!!

シシオ「ぐ……う……!」


ケンシン「飛天御剣流奥義――」

シシオ「!」

ケンシン「天翔【あまかける】龍閃【りゅうのひらめき】っ!!」


ズバァァァ!!
シシオ「ぐああああああ!」


84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/24(火) 00:08:40.61 ID:WImaa1aJ0

シシオ「ぐ……ぅ、ば、馬鹿な……」


シシオ「……抜刀斎ィ……! てめえらごときに、俺が、ここまで……!」



ケンシン「シシオ……おぬしの負けでござる。人斬りの時代は、もう終わりだ!」

シシオ「お、終わるかよ……! 俺がこの無間刃を手にしている限り……!」

ケンシン「終わっているんだ。拙者がこの逆刃刀を手にした時に!」


ディケイド「いや。俺がこの世界を訪れた時に……かな」

ケンシン「!」

ディケイド「ケンシン。ちょっとくすぐったいぞ」

ケンシン「え?」


【ファイナルフォームライド――ケケケケンシン!】

ひゅぃぃ!
ケンシン「お、おろーっ!?」


ガシッ!


カオル「け、ケンシンが……刀になっちゃった……」


86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/24(火) 00:13:11.50 ID:WImaa1aJ0

ディケイド「覚悟、シシオマコトっ!!」

バッ!
シシオ「なっ!? ば、ば、抜刀斎が刀に――」


【ファイナルアタックライド――ケケケケンシン!】

ディケイド「飛天御剣流ッ!!」


シシオ「!」


ディケイド「九頭龍閃――ッ!!」



     壱

  捌    弐

漆    玖   参

  陸    肆

     伍



シシオ「ギャアアアァァアァッ!!」



ドカアァァァァン!!


87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/24(火) 00:16:49.03 ID:WImaa1aJ0

………。


ケンシン「シシオの一派も全て捕縛。奴の企みは崩れ去ったでござる」

士「そうか。この世界にもようやく、本当の平和が訪れた……ってところかな」


ケンシン「士殿。おぬし、これからどうするでござる」

士「さあな……」


士「流浪人というなら、俺こそ流浪人さ。また、どことも分からない世界へ……流れるだけだ」

ケンシン「そうでござるか……」


89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/24(火) 00:19:57.72 ID:WImaa1aJ0

ケンシン「おぬしと拙者は、案外、近い者同士だったのかもしれんでござるな」

士「かもな……。だが、俺と違って、お前には」



カオル「ケンシン――っ!」



士「帰るべき居場所がある。だろ?」

ケンシン「……ふっ」



カオル「もう大丈夫なの? ケンシン」

ケンシン「ああ、カオル殿」




 「ただいまでござる」




                              (おしまい)


90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/24(火) 00:20:21.39 ID:+3FBH6Uu0



91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/24(火) 00:21:00.31 ID:ptFgoX0t0



ディケイドの親和性は異常だな


94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/24(火) 00:26:05.64 ID:WImaa1aJ0

次回、仮面ライダーディケイド!


「生意気だぞ! ノビタのくせに!」


             「僕が自分だけの力で君に勝たないと――」


   「何者かが歴史を書き換えようとしている……」


         「ノビタさんなんて、きらいっ!」


 「ディケイドが……安心して元の世界に帰れないんだ!」




次回、『のび太と世界の破壊者』

――全てを破壊し、総てを繋げ!


96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/24(火) 00:32:37.86 ID:WImaa1aJ0

ありがとうございました。
予告は半分ネタですが、ストーリーは考えてあるので、いずれ書きたいと思いますw

ディケイド関連はこちらも見ていただけると幸いです。
http://www.geocities.jp/hibikigaiden/figma.html

それではー。


95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/24(火) 00:30:25.77 ID:Mx74WdKJ0

うおっつ

なにそれみたい


97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/24(火) 00:37:37.16 ID:twcyy00l0

>>96
やっぱこないだのライダーSS書いた人だったのか
擬音の書き方が似てるなと思ってたんだ

今回も乙でした!


関連記事:オダギリジョー「クウガのベルト……?」


次→ディケイド「ドラえもんの世界か……」


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