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幼馴染「いちゃいちゃしたい」
幼馴染「ふにゃ…ふわあぁ…うーん、まだ眠いよぅ…」ムニャムニャ
男「幼馴染、起きて」ユサユサ
幼馴染「むー…じゃあ、起きるからちゅーして?」
男「……」
男「…まったく、もう」
グイッ
男「……」ンー
幼馴染「……」ンー
男「!」
幼馴染「!」
バッ!
幼馴染母「男くん、幼馴染のこと起こしてくれた?」
男「い、いえ、何でもありません」
幼馴染母「そう?ならいいんだけど…」
幼馴染「お、起きたよーママ」
幼馴染母「幼馴染、あんたいい加減一人で起きれるようになりなさい。男くんに頼りっぱなしじゃダメよ」
幼馴染母「まったく…朝ごはんできてるから、早く着替えて、降りてらっしゃい」
バタンッ
幼馴染「……」
男「……」
男「…多分」
幼馴染「……」
男「……」
幼馴染「…ちゅー、する?」
幼馴染「……」
グイッ
男「……」ンー
幼馴染「……」ンー
男「!」
幼馴染「!」
バッ!
幼馴染母「男くん、朝ごはん食べてく?」
幼馴染「お、男が部屋から出ないから着替えられないの!」
男「あ、あの、僕朝ごはん食べてきたので、いりません」
幼馴染母「そう?分かったわ…幼馴染、早く降りてらっしゃいよ」
バタンッ
男「……」
幼馴染「…ちゅー、する?」
男「……」フルフル
幼馴染「…だよね」
幼馴染「うん、ごめんね。ならべく早く済ませるから」
男「別に、気にしなくていいよ」
ガチャ、バタン
幼馴染「……」
プチプチ
幼馴染「今日は男と、どれくらいいちゃいちゃできるかなぁ…」
プチプチ
幼馴染「……」
幼馴染「おはよう、パパ、ママ」
幼馴染父「おはよう、幼馴染」
幼馴染母「あ、やっと降りてきた。ほら、早くごはん食べちゃいなさい」
幼馴染「はーい」
カチャカチャ、モグモグ
幼馴染「…ママ、また今度、お料理教えてくれる?」
幼馴染母「別にいいわよ。男くんに作ってあげるの?」
幼馴染「!!」
幼馴染母「ふふっ、あなた男くん好きねぇ」
幼馴染「も、もうっ…」
幼馴染母「…ふふっ」
カチャカチャ、モグモグ
幼馴染母「忘れ物ない?ハンカチ持った?ティッシュは?」
幼馴染「大丈夫。持ってるよ」
幼馴染母「ん。じゃあ男くん待たせても悪いから、早く行ってあげなさい」
幼馴染「はーい」
男「ううん、それじゃ、行こっか」
幼馴染母「二人とも気をつけてね。いってらっしゃい」フリフリ
男「はい、いってきます」
幼馴染「いってきまーす」フリフリ
男「……」
幼馴染「……」
男「…幼馴染のお母さん、来てないよね?」
幼馴染「…うん、忘れ物もして無いハズだし、大丈夫」
幼馴染「……」
キュッ
男「……っ///」
幼馴染「…えへへ」
ぷに、ぷに
幼馴染「男、くすぐったいよー」
男「あっ、ごめん。つい…」
幼馴染「あ、そういう意味じゃなくて…もっと触ってくれてもいいよ」
幼馴染「…えへへー」
男「……///」ドキドキ
…ぷにっ
友「幼馴染ちゃん、男くん、おはよう」
幼馴染「!」
バッ!
友「あれ?今二人で手つないでなかった?」
幼馴染「つ、つないでないよ!?」
幼馴染「うん、そう」
友「…まあ、いっか」
男(ほっ…)
友「それより、さっき変なネコがチンゲン菜――」
幼馴染「へー、そうなんだー――」
幼馴染(うう、せっかくの男とふたりっきりになれるチャンスなのに…)
男「友さんってば――」
幼馴染(ああー!学校着いちゃうよ、もーっ!)
教師「よーし、お前ら席につけー」
友「それじゃまた後でね、幼馴染ちゃん、男くん」
幼馴染「うん、また後でね」
幼馴染(結局、全然男といちゃいちゃできなかった…)
そこ気にしてどうすんだよwwwww
幼馴染(付き合ってるのがばれて、からかわれたりするのが嫌だから…)
幼馴染(知り合いの前では、ならべく一緒にいないようにする、ってことになってるけど…)
幼馴染「……」チラッ
男「……」
幼馴染(…やっぱり、淋しい)ジー
男「……」
友(幼馴染ちゃんが男くんのことすげえにらんでる…)
男(視線を感じる…)
幼馴染(ちゅ、ちゅーしたり…したい、けど…)ジー
幼馴染(…は、はずかしい///)ジタバタ
教師「幼馴染、具合でも悪いのか?」
幼馴染「なんでもないです!」
幼馴染「は、はい!すいません!」
教師「まったく…」
幼馴染「…はぁ」
男(幼馴染…)
教師「だから、つまり――」
幼馴染「…ふぅ」カリカリ…
教師「よし、じゃあ気をつけて帰れよ」
幼馴染(はぁー、やっと学校終わった…)
幼馴染(これでやっと、男と…)チラッ
男「……」ゴソゴソ…
男「友さん、ゴメン。今日も幼馴染とおつかい頼まれてるから…」
友「そっかー…二人とも大変だね。毎日のようにおつかい頼まれて」
幼馴染「せっかく誘ってくれてるのに、いつもゴメンね。じゃ、また明日ね」フリフリ
友「うん、また明日ー」テテテッ
幼馴染「あ、あのさ、男…学校からちょっと離れたところに、小さな公園あるでしょ?」
幼馴染「帰る前にちょっと寄りたいんだけど…いいかな?」
男「ん、別にいいよ」
幼馴染「ありがとう、男」
男(…着いた、けど…うーん、あいかわらず何も無い公園だなあ…)
幼馴染「…あっ、あそこのベンチに座ろっか」
男「…うん」
テクテクテク…トスッ
幼馴染「え、ええとね、公園に用事があるわけじゃないんだけど…」
男「…?」
幼馴染「そ、その…今日はまだ、あんまりいちゃいちゃできてないから…」
幼馴染「今、公園に誰もいないし…こ、ここで、いちゃいちゃしていけたら、なぁ…って思って…」
幼馴染「は、恥ずかしいけど…ガマンできなくなってきたんだもん…」
男「……」
幼馴染「お願い…ちょっとだけ、ちょっとちゅーするだけでいいから…」ウルウル
男「……っ」
幼馴染「男…んっ」
ちゅうっ
男「…ちょっとだけだからね」
幼馴染「…うんっ!」
ちゅ、ちゅちゅ、ちゅちゅちゅちゅ…ちゅっ
男「むにゅう…ん、むにゅ…」
幼馴染「…ん、そうだね…もうやめないとね」
男(結局、30分くらい延々とちゅーしちゃった…///)
幼馴染「ふー、やっと男といちゃいちゃできたよ…」
男「満足できた、幼馴染?」
男「あんなにちゅーしたのに…」
幼馴染「だって、今日はまだ…」
幼馴染「…ううん、最近ずっと、男といちゃいちゃできてなかったんだもん」
男「……」
男「なかなか、二人っきりになれる機会、なかったもんね」
ナデナデ
男「…でも、今はもうそろそろ家に帰らないと」
幼馴染「うん、わかってる」スクッ
男「……っ」
…キュッ
幼馴染「…えへへー」
男「…じゃ、一緒に帰ろっか」
幼馴染「今日さ、国語の宿題出たでしょ?」
男「うん、そうだけど、それが?」
幼馴染「宿題、一緒にやらない?」
テクテクテクテク…
男「えっ?別に一人でやっても…あっ」
幼馴染「ううー…」ウルウル
男「…ご、ごめん。一緒にやろっか」
幼馴染「うんっ!」キラキラ
男「ん、分かった。準備してまってるね」
幼馴染「準備!?ベッドの準備!?」キラキラ
男「な、何を言ってるの…」
テクテクテクテク…
テクテクテクテク…
幼馴染「えへへ、えへへー」
男「…ん、そうだね」
…パッ
幼馴染「……」
男(…なごりおしい)
幼馴染「お家、隣同士で良かったよね」
男「どうして?」
幼馴染「だって、こうやって一緒に帰っても、変に思われないから」
男「…うん、そうだね」
男「うん、また後で」フリフリ
ガチャ、バタン
男「……」
テクテクテクテク…
男「お母さん、ただいま」
男母「おかえりなさい、男」
男「今から幼馴染来るから」
男母「あら、幼馴染ちゃんが?」ニコ
男母「あらあら、そうなの」ニコニコ
男「…なんでニコニコしてるの?」
男母「なんでもないわよ~」ニコニコ
男「…そ、そう?まあ、別にいいけど」
男「何?」
男母「幼馴染ちゃんと仲良いわねぇ」
男「…べ、別に…普通だよ」
男母「あら、そう?」ニコニコ
男「な、何言ってるの…」
男母「幼馴染ちゃんかわいいんだから、他の男の子にとられちゃうかも…」
男「し、知らないよっそんなの」
テテテッ
男母「幼馴染ちゃんは大変ね…」
男母「……」
男母「それとも、大変じゃないかしら?」
男母「…うふふ」ニコニコ
カタ、パタ…コトン
男「…ふう、片付けはこんなとこかな。後は…」
男(…ベッドの、準備…)
男「……っ///」フルフル
男「!」
男ー!幼馴染ちゃんきたわよー!
男「い、今行くよ!」
男「……っ」イソイソ
幼馴染「おじゃましまーす」
男母「幼馴染ちゃん、いらっしゃい」
トテットテットテッ…
男「幼馴染、いらっしゃい」
男「うん…その、もう準備できてるから、部屋来て」
幼馴染「ん」
トテトテ…
男母「…うふふ」ニコニコ
男「…さて、それじゃあ」
幼馴染「いちゃいちゃしよっか!」キラキラ
男「宿題やるんじゃなかったの?」
幼馴染「えっ、宿題なんて別に一人でできるじゃん」
幼馴染「だって…宿題一緒にやろう、なんて、ただの口実だもん…」
幼馴染「男と二人っきりになりたかっただけだもん…」
男「……っ」
グイッ
男「…いちゃいちゃ、しよっか」
幼馴染「…うんっ!」
男「……」ンー
幼馴染「……」ンー
男「!」
幼馴染「!」
バッ!
男母「幼馴染ちゃん、これお菓子とジュース」
幼馴染「し、してません!」
男「何もしてないよ!」
男母「あら、そう?」
幼馴染(うう…今朝と同じだ…)
幼馴染(急に部屋に来るかもしれないって考えたら、あんまりいちゃいちゃできないよね…)
幼馴染(…はぁ。今日もこのまま、男といちゃいちゃできないのかなぁ)
男母「そうそう…男、あのね…」
幼馴染「…?」
男「…え?」
幼馴染「……!」
男母「多分一時間くらいで帰ってこれると思うけど…」
男「う、うん。別に大丈夫…」
男「お、幼馴染?」
男母「幼馴染ちゃんごめんなさいね。何もおもてなしできなくて」
幼馴染「いいえ!そんな、気にしないでください!」
男(幼馴染が挙動不審だ…)
男「行ってらっしゃい」
幼馴染「行ってらっしゃい!」ブンブン
バタンッ
男母(…幼馴染ちゃん、なんだか妙に元気だったわねぇ)ニコニコ
男「……」
幼馴染「…もう、行ったよね?」
男「…うん」
幼馴染「……っ」
男「…幼馴染?」
幼馴染「…いちじかん。おばさんが帰ってくるまで、一時間しかないから」
男「…うん、そうだね」
ギュウッ
幼馴染「男と、いちゃいちゃしたいの」
ギュウウッ
男「……」
男(幼馴染…)
男(その分二人っきりだと、遠慮なく甘えてくるんだよね…)
幼馴染「んふー…」クンカクンカー
男(そういう所もかわいいよ、幼馴染…)キュン
ナデナデ
男「いっぱい、いちゃいちゃしよっか」
幼馴染「…うん!」キラキラ
男(…幼馴染、かわいい)
…ちゅっ
ちゅううっ
男「…んっ…ん、はむっ」
ちゅう、ちゅ、ちゅううう…
幼馴染「んむ…むっ、にゅう…」
男「幼馴染…」
幼馴染「あっ…ま、待って、男」
男「…何?」
幼馴染「ちゅーもいいんだけど、その…」
男「うん、そうだね…それが?」
幼馴染「だから、その、今のうちに…え、えっち…しない?」
男「!!」
幼馴染「最近、全然できなかったし、さ…」
幼馴染「…ダメ?」
男「…ぼ、僕も」
幼馴染「!」
男「僕も、幼馴染と…え、えっち、したい」
男「幼馴染…」
幼馴染「来て…男…」
男(…ベッドの準備、しといてよかった)
男「……///」フルフル
ちゅ、ちゅっ…ちゅうう、ちゅうううう…
男「ふあっ、ん、む…はむ、にゅ…」
ぎしっぎしっぎしっぎしっ
幼馴染「やっわっ、ふわああ…あう、んっ」
ぎしっ…ぎしっ…
男「幼馴染…あむっ…」
男「うん、そうだね…そろそろお母さん帰ってくるし、もうやめよっか…」
幼馴染「んー、分かった」
男「…ねえ、幼馴染」
幼馴染「なにー?」
幼馴染「…うん。満足できた」
男「そっか、よかった」
ナデナデ
幼馴染「…えへへ」
男「どうかした?」
幼馴染「…なんだか…眠く…ふあぁ…」ムニャムニャ
男「…まったく、もう」
男「…うーん、でも…僕も…眠く…」ムニャムニャ
男母「ただいまー」
男母「男ー、幼馴染ちゃん、二人で大丈夫だったー?」
パタパタ
男母「アイス買って来たけど、食べるー?」
男母「…返事がないわねえ」
男母「宿題するのに集中してるのかしら…」
男母(…ちょっと様子を見てみましょう)
パタパタパタ…
男母「男、入るわよ…あらっ」ニコ
男「……」zzZ
幼馴染「くぅ…くぅ…」zzZ
男母「二人並んで、ベッドでお昼寝なんてしちゃって…ふふっ、仲良しね」ニコニコ
男母「…きっと宿題もせずに遊んで、つかれて寝ちゃったのね」
男「…んー」zzZ
幼馴染「くぅ…くぅ…」zzZ
男母「…うふふっ。まったく、もう」
男母「やっぱり、小学4年生ね」
男母「二人とも、まだまだ子供だわ」ニコニコ
幼馴染「んっ…男…だい、すきぃ…」zzZ
男「幼馴染…大好き…むにゃ…」zzZ
オワリ
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幼馴染「ふにゃ…ふわあぁ…うーん、おはよう、男」
うん
同設定でどうしてももう一本書きたくなったから書いた
でももう書かない
今から20レス程度のオマケ投下する
幼馴染「…しょちょう、来ちゃった」
男「……」
幼馴染「……///」
男「……!!!?」ガタッ
幼馴染「しょちょうだって、初潮。ほら、保健体育の授業で…」
男「う、うん…分かるけど…分かるけど…うあぁ…///」
ジタバタ、ジタバタ
幼馴染「…うう」
男「うん…そうだよね…うん」
幼馴染「…そのままえっちしたら…あ、赤ちゃん、できちゃうかも、知れないから…」
男(…赤ちゃん…僕と、幼馴染の…)
男「~ッ!!」フルフル
男「い、いや…別に幼馴染が謝るようなことじゃ…ないし…」
幼馴染「…その、それでね」
男「?」
幼馴染「…男に相談したいことがあるんだけど」
幼馴染「あのね…赤ちゃん…できちゃうのは困るけど…」
幼馴染「…え、えっちは、したいじゃない?」
男「……」
男「…うん」
男「…ああ…うん、そうだね」
男「こ、こ、コン…///」
男「…あれ、要るよね」
幼馴染「…うん」
男「うん…何?」
幼馴染「…あれ、一緒に買いにいかない?」
男「……」
男「…え、ええ!?」
幼馴染「だ、だって…一人で買うのは心細いし…」
幼馴染「それに…は、恥ずかしいよ」
男「確かにそうかもしれないけど…でも…」
男(二人で買うのも、恥ずかしいような…)
幼馴染「……」
男(…それなら…一人よりは二人の方が…いい…かな?)
男「…うん、分かった。じゃあ一緒に買いに行こっか」
幼馴染「…うんっ」
店員「ッシャッセー」
男「……」キョロキョロ
幼馴染「……」ソワソワ
男(いつも行ってる…近所のコンビニ…)
男(なのに…なんだか妙に緊張する…)
幼馴染「…男?」
男「あ、ああ…うん。それじゃ、レジ行こっか」
幼馴染「…うん」
幼馴染「……///」
コトッ
店員「ッズカリッシャー…」
店員(…なん…だと…?)
店員(え?これ近藤さん?え?この子たち、え?)
男(って言うか、ひょっとして、これ…二人で…これ…買うのって…)
男(「今から僕たちえっちします!」)
男(…って言ってるようなものなんじゃ)
男(い、いや、実際は今からえっちするわけじゃないけど、今日は…これを買いに来ただけだけど…)
男(どのみち今更止めることなんてできないし…サッとお金払ってサッと帰るしか…うああ…)ソワソワ
幼馴染(男の様子がおかしい…恥ずかしいから?)
男(幼馴染は…気付いてないのかな…ああ、もう…早く終われー!)
店員「アリャシャッター」
男「……ッ///」ソソクサ
幼馴染「……///」ソソクサ
店員(…チクショウ…ウゼェ…リア充カップルウゼェ…)ボロボロ
幼馴染「うん…すっごく、ドキドキした…」
幼馴染「…でもこれで、せいりさえ終わればいつでもえっちできるね」
男「…う、うん」
幼馴染「…でも、ほんとは…」
幼馴染「ほんとは、こういうの付けないで、そのままえっちして…」
幼馴染「男との赤ちゃん、作りたいけど…」
男「…お、幼馴染…っ///」
幼馴染「……」
幼馴染「大人になったら、子作りしてくれるのね!?」キラキラ
男「そ、それは…その…///」
男「…うん、するよ…こ、子作り」
幼馴染「……!」
幼馴染「えへへっ、えへへっ!」
男「幼馴染…」
男(幼馴染、すごくうれしそう…)
男(かわいいなあ…)
幼馴染「私も、男の事ずっと好きでいるから!」
男「…まったく、もう」
男「そんなの、当たり前だろ」
男「今までも、これからも。僕はずっと幼馴染のこと愛してるよ」
オワリ
幼馴染「お、男!男!こっち来て!」
グイグイ
男「ど、どうしたの幼馴染?」
幼馴染「いいから!すごいものがあったの!」
バァーン!
男「これって…コンドームの自販機!?」
幼馴染「そう、そうなの!びっくりだよね!」
男「こ、こんな便利なものがあったなんて…」
男「そうだね!幼馴染のおかげだよ!ありがとう!」
ギュッ ギュッ
ワーイワーイ
モブ(…なんであの子たちはコンドームの自販機の前で抱き合ってるのかしら)
オワリ
まさか小学生だとは思わなんだがwwwww
Entry ⇒ 2012.06.16 | Category ⇒ 幼馴染「」SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
恒一「こういっちゃん!」綾野「綾野さんと人格が入れ換わった…」
恒一(綾野)「彩、僕は彩のことが大好きだよー///」ベタベタ
綾野(恒一)「あはは…」
見崎、赤沢、多々良、小椋、有田「」
綾野(恒一)「……」
綾野(恒一)「(今、僕と綾野さんの人格は入れ換わっている…)」
はよ
綾野(恒一)「(正直、心当たりは…)」
綾野(恒一)「(無い)」
綾野(恒一)「(今朝、目が覚めたら…)」
~~~~~~~~~~~
綾野(恒一)「えっ!?鏡に映ってるの、綾野さん…!?」
~~~~~~~~~~~
恒一(綾野)「おトイレ…」ムニャムニャ…
恒一(綾野)「……」
恒一(綾野)「なんか付いてる…」
恒一(綾野)「こ、こういっちゃーん!!!」
綾野(恒一)「!?ぼ、僕が僕の名前を呼びながら走ってこっちに…!?」
綾野(恒一)「…ってことは」
恒一(綾野)「あれ…こういっちゃんの家から私が出てきた…?」
綾野(恒一)「綾野さん…なんだね?」
恒一(綾野)「え、えっと…」
恒一(綾野)「こういっちゃん…なの…?」
綾野(恒一)「あぁ、会えて良かった…」
綾野(恒一)「状況は良くは無いけど…」
恒一(綾野)「??」
恒一(綾野)「ええーっ!?じゃあ、私とこういっちゃん、中身が入れ換わっちゃったのぉ!?」
綾野(恒一)「信じがたいけど、目の前に自分がいることを考えると…」
綾野(恒一)「それが有力だね…」
恒一(綾野)「わぁー…そっかぁ、そうだったんだぁ…」
恒一(綾野)「どうりで、おトイレの時に…」
恒一(綾野)「ぶら下がってるなぁーって…」
綾野(恒一)「」
恒一(綾野)「って…あっ…」
恒一(綾野)「あ、あはは…///」
恒一(綾野)「え、えーっと!その!」
恒一(綾野)「な、なかなかご立派なモノをお持ちで!!」
綾野(恒一)「わ、わかった!わかったからもう言わなくて良いって!」
綾野(恒一)「(く、クラスメートの女の子にこんな形で自分のモノを見られちゃうなんて…)」
綾野(恒一)「(これは一刻も早く元に戻る方法を見つけないと…!)」
恒一(綾野)「……」
恒一(綾野)「ねぇ、こういっちゃん?」
綾野(恒一)「あっ、ご、ごめんね!?粗末なモノ見せちゃって…!」
恒一(綾野)「いやいや別にそれは大丈夫なんだけど…」
綾野(恒一)「いや、大丈夫なんかじゃ…」
恒一(綾野)「えっと…そのぉ…」モジモジ
綾野(恒一)「?」
恒一(綾野)「こ、こういっちゃんも…私の姿でおトイレとか済ませちゃった…?///」
綾野(恒一)「」
恒一(綾野)「……///」モジモジ
綾野(恒一)「ご、ごめん…綾野さん…」
恒一(綾野)「…!」
恒一(綾野)「そ、そっかぁー…///」
恒一(綾野)「まぁ、仕方ないよ!生理現象だもん!」
恒一(綾野)「わ、私もこういっちゃんの見ちゃったし…」
恒一(綾野)「むしろ私の方こそ、なんかごめんね!」
恒一(綾野)「下着とか、そんなに可愛いモノじゃなくて…」
綾野(恒一)「い、いや!全然!むしろ良いと思うよ!」
恒一(綾野)「えっ…」
綾野(恒一)「あっ…」
恒一(綾野)「あ、あはは…///ありがとー…///」
綾野(恒一)「(な、何を言っているんだ僕は……)」
綾野(恒一)「(こんな感じで僕と綾野さんの人格は入れ換わったんだけれど…)」
綾野(恒一)「(思い返してみても何が原因なのかはさっぱりだ)」
綾野(恒一)「(間違いなく昨日、眠りにつくまでは僕の身体だったしなぁ…)」
綾野(恒一)「(正直、誰かに相談しようにもこんな夢物語的な話を信じてもらえるとは思えない)」
綾野(恒一)「(だから原因がわかるまでは、お互いに今の身体を演じて過ごそうって決めたわけなんだけど…)」
恒一(綾野)「ねぇ、彩?難しい顔してないで、僕と楽しくおしゃべりしようよー///」ベタベタ
綾野(恒一)「こ、こういっちゃんてば…べ、ベタベタし過ぎー…」
恒一(綾野)「そんなことないよー。東京ではこれが普通なんだよー///」ベタベタ
綾野(恒一)「(勘弁してくれ…綾野さん…)」
綾野(恒一)「ううっ…」
オイオイサカキドウシタンダ…?サカキバラクンガアヤノサンニベタベタスルナンテ…
フツウギャクジャナイ?フダンアヤノサンガベタベタシテルカラ、コレハフェアダネ
綾野(恒一)「(く、クラスの視線が痛い…)」
綾野(恒一)「(綾野さん…演劇部ならもっと僕を僕らしく演じてくれ…)」
恒一(綾野)「(うーん!こういっちゃんの姿でこういっちゃんにベタベタするのってなんか新鮮!)」
恒一(綾野)「(まぁ、ベタベタしてるは自分の身体なんだけどね…)」
恒一(綾野)「(でも、こうやって既成事実を作っておけば…)」
恒一(綾野)「(元の身体に戻った時に、本物のこういっちゃんに…///)」
「ちょ、ちょっとそこの二人!!」
綾野(恒一)「あか……泉美…」
恒一(綾野)「泉美?どうしたの?」
赤沢「!?」ドキーン
綾野(恒一)「ちょ!?」
恒一(綾野)「あっ…じゃなかった。赤沢さん…」
赤沢「(こ、恒一くんに名前で呼ばれちゃった…)」ドキドキ
赤沢「……///」
赤沢「(い、いや、そんなことよりも!!)」
赤沢「あ、彩!ここは学校なのよ!少しは自重しなさい!」
赤沢「こ、恒一君だって困ってるわよ!」
恒一(綾野)「そんなことないよ?」ベタベタ
綾野(恒一)「あや…こ、こういっちゃんってば…」オロオロ…
赤沢「~っ!!」
赤沢さんだからさ
赤沢「傍目から見ればそう見えるわ!」
赤沢「でも、恒一くんが自分の意思でこんなことするわけなんてないじゃない!」
赤沢「きっと、彩に何か弱みを握られて仕方なくベタベタしてるに違いないわ!!」
見崎、多々良、小椋、有田「うんうん」
綾野(恒一)「(するどい!けど、違うんだよなぁ…)」
恒一(綾野)「むっ!ちょっと、それは彩に失礼だよ!!」
恒一(綾野)「僕がしたいから彩にベタベタをしてるだけだよ!」
恒一(綾野)「責めるなら僕を責めてよ!」
赤沢「こ、恒一くん…」タジッ…
綾野(恒一)「(いや、それで僕の身体が責められるのはちょっと…)」
恒一(綾野)「この際だからハッキリと言っておくよ…」
赤沢「えっ?」
綾野(恒一)「えっ、ちょっと待って、何を言うつもりなの?」
恒一(綾野)「僕、榊原恒一と綾野彩は…」
恒一(綾野)「お互いの裸も既に見せあった恋人同士なんだ!!!」ドーン
赤沢「」
綾野(恒一)「」
見崎、多々良、小椋、有田「」
マ、マジカヨ…イツノマニ、ソコマデススンデタンダ…
オタガイニミセアッテルノガ、フェアダネ
恒一(綾野)「何を言ってるの、彩」
綾野(恒一)「い、いや、それはぼく…私の台詞で…」
恒一(綾野)「今朝、トイレで見たじゃない」ニコッ
綾野(恒一)「」
見崎、赤沢、多々良、小椋、有田「」
オ、オイ…トイレッテドウイウコトダヨ…
イッショノトイレニハイッテ、ミセアイッコシタッテコト…?
トイレハヌグバショニハチガイナイ、フェアダネ
綾野(恒一)「えっ、いや、その…!」
綾野(恒一)「う、嘘かと言われれば、嘘じゃない…かな…」
赤沢「」
綾野(恒一)「あっ…しまった…!」
恒一(綾野)「ほらっ!彩もこう言ってることだからさ!」
恒一(綾野)「もう、彩が弱みを握っているとかそういう酷いこと言うのは止めてあげてね?」
恒一(綾野)「僕は本当に彩のことが好きなんだからっ♪」キャピ
綾野(恒一)「う、ううっ…」
綾野(恒一)「(こ、これは…取り返しのつかないことになってきたんじゃないか…?)」
勅使河原「いやー、驚いたぜー…」
勅使河原「てっきり、サカキは見崎とデキてるもんかと…」
恒一(綾野)「あはは…確かに見崎とは仲は良かったけどさ…」
恒一(綾野)「でも、恋人にするなら明るくて元気な綾野さんかなーって!」
勅使河原「あー、なるほどなー。確かにアイツが恋人なら毎日退屈しなそうだしな」
フェア林「フェアな関係だね」
恒一(綾野)「(わかってるじゃない、てっしー☆)」
見崎「……」ズーン
恒一(綾野)「ん、なに?いきなり耳打ちしてきて…」
勅使河原「そのー…なんだ…」
勅使河原「お互いの裸を見たってーのは…マジなんか…?」
恒一(綾野)「……」
恒一(綾野)「…うんっ///」テレッ
勅使河原「うお、マジかよ…!流石は都会人だなサカキ…!」
勅使河原「そ、そのよー…」モジモジ
勅使河原「どんなだった…?アイツの裸?」
勅使河原「俺だけに教えてくれねーか…?」
恒一(綾野)「……」
恒一(綾野)「ご立派なモノがついてたなぁ…///」
勅使河原「おおぅ…!」
勅使河原「(綾野って脱いだら、すげーんか…!)」
小椋「彩、アンタが恒一くんの恋人なのは親友として百歩譲って認めるわ」
小椋「でも、それだけで済むと思っていないでしょうね?」
綾野(恒一)「あ、あはは…な、なにかな…?」
小椋「何かなって…」
小椋「ナニに決まってるでしょう!!」バンッ!
綾野(恒一)「ひっ!?」
小椋「…で、どうだったのよ…あの人の裸は…」ヒソヒソ
綾野(恒一)「えっ…」
小椋「私、失恋しちゃったんだし…それぐらい良いでしょ…?」
綾野(恒一)「えっ…」
綾野(恒一)「(小椋さんが…僕のことを…)」
綾野(恒一)「(綾野さんの冗談がキッカケとはいえ、これは思いもよらぬ…)」
綾野(恒一)「……」
綾野(恒一)「そうだよっ!!!冗談じゃないか!!!」
小椋「わっ!?ど、どしたの、彩…?」
綾野(恒一)「(僕と綾野さんは別に付き合っているわけじゃない!)」
小椋「あ、彩…?」
綾野(恒一)「ごめん、由美!由美の告白…いつかちゃんと返事するから!!」ダッ…
小椋「えっ…」ドキッ
小椋「…って、ちょっと、彩…?」
小椋「……」
小椋「「(なんで、ドキドキしてるんだろう…わたし…)」ドキドキ…
恒一(綾野)「あっ、彩♪」
綾野(恒一)「ごめんね、てっしー。ちょっと、こういっちゃん借りるね」
勅使河原「あぁ、別に構わねぇよ」
勅使河原「聞きたいことも聞けたしな…」マジマジ…
綾野(恒一)「」
勅使河原「(全体的に引き締まってる感じはあるが、脱いだら出るとこ出るってことか…)」マジマジ
恒一(綾野)「僕になにか用、彩?」
綾野(恒一)「……」
恒一(綾野)「…彩?」
綾野(恒一)「…屋上に行こう、こういっちゃん」
恒一(綾野)「う、うん…」
恒一(綾野)「(こういっちゃん…なんか怒ってる…?)」
恒一(綾野)「はぁーっ!やっぱ教室だと神経使うねー!」
恒一(綾野)「何度、「こういっちゃーん!」って呼ぼうとしたかわからないもん!」
恒一(綾野)「そういうこういっちゃんは何度もボロを出しそうになってたねー♪」ニシシ
綾野(恒一)「……」
恒一(綾野)「こういっちゃん…さっきからダンマリしててどったの…?」
恒一(綾野)「心なしか顔も怒って見えるよ…?って、私の顔だけど…」
綾野(恒一)「綾野さん」
恒一(綾野)「あっ、やっと喋ってくれた☆なになに?」
綾野(恒一)「どうして僕達が付き合ってるだなんて冗談を教室で言ったの?」
恒一(綾野)「えっ…?」
綾野(恒一)「だって、そうでしょ?」
綾野(恒一)「僕と綾野さんは別に恋人同士なんかじゃない」
恒一(綾野)「…っ」ズキッ…
綾野(恒一)「それなのに僕の身体を使ってあんなこと言うなんて…」
綾野(恒一)「僕は今の状態を真剣に悩んでいるのに…」
恒一(綾野)「ち、違うの!こういっちゃん…!」
恒一(綾野)「確かにあれは冗談だったけど…ホントに冗談ってわけじゃ…!」
恒一(綾野)「だって、私は…!」
綾野(恒一)「僕の身体を利用して…僕を困らせるようなことばっかりして…」
恒一(綾野)「私はっ…!」
綾野(恒一)「正直…綾野さんには…がっかりしちゃったよ…」
恒一(綾野)「…っ!!」
綾野(恒一)「もう少し…」
恒一(綾野)「……」
綾野(恒一)「…綾野さん?」
恒一(綾野)「…ごめんなさいっ…!」ダッ…
綾野(恒一)「…って、綾野さん!?話はまだっ…!」
綾野(恒一)「(行っちゃった…)」
綾野(恒一)「(でも、あれぐらい言わないとわかってくれないだろうし…)」
綾野(恒一)「……」
綾野(恒一)「(とりあえず、まずは元に戻ることよりも周りの誤解を解くべきかな…)」
「今の話だと、あなたが榊原くんってこと?」
綾野(恒一)「!?」
綾野(恒一)「み、見崎……さん…」
見崎「見崎、でいいよ」
見崎「だって」
見崎「あなたが榊原くんなんでしょ?」
見崎「そして、今出て行った榊原くんが、綾野さん」
綾野(恒一)「…聞いてたの?」
見崎「最初からね」
見崎「二人して、何をわけのわからないことを話してるんだろうって思ったけど」
見崎「確かに貴女が榊原くんで、榊原くんが綾野さんなら教室でのことも納得がいくわ」
見崎「人格が入れ換わってるなんて、にわかには信じがたい話だけどね」
綾野(恒一)「……」
見崎「大人しい綾野さんはともかく、誰かにベタベタしてる榊原くんはキライ」
見崎「何があったのか、話してもらえる?」
見崎「ふーん…朝、起きたら突然か…」
綾野(恒一)「見崎は信じてくれるの…?こんな馬鹿げた話…」
見崎「信じるしかないでしょう?」
見崎「教室であれだけベタベタしてたと思ったら」
見崎「二人っきりになったら自分で自分の名前を呼んで真剣な話をしているんだもの」
見崎「演劇の練習にも見えないしね」
綾野(恒一)「あはは…それもそうだよね…」
綾野(恒一)「普通は何かある、って思うよね」
見崎「……」
見崎「(教室で凄く動揺しちゃったのは、ないしょ)」
綾野(恒一)「漫画みたいに頭をぶつけた…ってわけでもないし…」
見崎「……」
見崎「ねぇ、榊原くん」
見崎「解離性同一性障害、って知ってる?」
綾野(恒一)「解離性…それって多重人格のこと…?」
見崎「ざっくりと言ってしまえば、そうだけどね」
見崎「この現象に何か理由を付けるとするならば」
見崎「そういった可能性もあるかもしれないわ」
見崎「そういった可能性もあるかもしれない」
見崎「あくまで入れ換わっているっていう症状的な意味でね」
見崎「本当に多重人格なわけではないでしょう?」
綾野(恒一)「まぁ、それはそうだけど…」
見崎「大切なのは解離の部分」
見崎「こうでありたい、と願い、「自分」の人格を切り離し…」
見崎「そして別の人格へと交代する」
見崎「そして交代した人格がまた「自分」として生きていく…」
綾野(恒一)「……」
見崎「ねぇ、榊原くん」
見崎「綾野さんに、なりたい、と願ったことはない?」
見崎「……」
綾野(恒一)「いや、僕にはないよ…」
見崎「そっか」
見崎「でも、綾野さんはわからない」
綾野(恒一)「(綾野さんが、僕に…?)」
見崎「まぁ、これはあくまで私の推測」
見崎「なんの根拠も無いわ」
綾野(恒一)「……」
綾野(恒一)「ありがとう、見崎」
綾野(恒一)「僕、もう一度綾野さんと話してみるよ」
鳴「…そう」
綾野(恒一)「(考えにくいことだけど、今日の振る舞いを見る限りではその線は否定は出来ない…)」
綾野(恒一)「(…あの、恋人宣言ももしかしたら…)」
見崎「ねぇ、榊原くん?」
綾野(恒一)「ん?なに、見崎?」
見崎「その…」
見崎「……」
見崎「…綾野さんとはホントに恋人同士なの?」
綾野(恒一)「えっ…」
見崎「……」
鳴ちゃんかわいい
見崎「そう…」
綾野(恒一)「今、僕は誰とも恋人ってわけじゃない」
綾野(恒一)「けれど、これから先はどうなるかはわからない」
見崎「…それは綾野さんとはいずれ恋人同士になるかもしれないってこと?」
綾野(恒一)「綾野さんとは限らないさ」
綾野(恒一)「綾野さんかもしれないし、小椋さんかもしれない…」
綾野(恒一)「見崎とだって、遠い未来に恋人になるかもしれない」
見崎「……!」
綾野(恒一)「二人が両想いだったら、ね」
綾野(恒一)「だから、僕はまずは自分の身体に戻ってそういう可能性も潰さないようにしないといけない」
綾野(恒一)「僕の恋愛は僕の身体でちゃんとしたいからね」
見崎「……」
見崎「…そうね」
綾野(恒一)「あはは…そんな真面目な感じに聞こえたかな…」
綾野(恒一)「なんか言ってて、軽い奴にも見られるかなって思っちゃったけど…」
見崎「両想い、って言ったじゃない」
見崎「相手の気持ちも自分の気持ちも考えられる…」
見崎「そういうのは、キライじゃない」
綾野(恒一)「見崎…」
見崎「ほら、早く行ったら?」
見崎「早くしないとまた榊原彩が暴走するかもしれないよ?」
綾野(恒一)「あはは…これ以上は困っちゃうな…」
綾野(恒一)「よし…!じゃあ行ってこようかな!」
綾野(恒一)「ありがとう、見崎!元の姿に戻ったらまた一緒にお昼食べようね!」ダッ…
見崎「……」
見崎「(天然、ジゴロ…)」キュン
勅使河原「ん?サカキか?教室には戻ってきてないぜ?」
綾野(恒一)「そうなんだ…」
フェア林「ケンカでもしたのかい?それはフェアじゃないね」
綾野「(教室にカバンは置いてある…帰ったわけではないと思うんだけど…)」ダッ…
勅使河原「そろそろ授業も始まるし…もしや、サカキの奴サボリか?」
勅使河原「って、綾野…!?お前、どこ行くんだ!?」
勅使河原「そろそろ授業はじまんぞ!」
綾野(恒一)「てっしー、ごめーん!」
綾野(恒一)「次の時間、私とこういっちゃんサボるから適当に代弁しててー!!」タッタッタ…
勅使河原「代弁しとけって…おい…」
勅使河原「……」
勅使河原「なぁ、フェア林…」
フェア林「君もサボって僕に代弁させるの?それはフェアじゃないよ」
綾野(恒一)「(彼女が行きそうな場所なんて、わからないぞ…)」
綾野(恒一)「(サボリの定番といえば、屋上だけどさっき出て行ったばかりだし…)」
綾野(恒一)「(じゃあ、中庭…?いや、「いないもの」じゃない今、中庭はサボるには目立ち過ぎる…)」
綾野(恒一)「(だとすれば、どこに行けば…)」ブルッ…
綾野(恒一)「……」
綾野(恒一)「(そ、その前にちょっと…トイレに…)」
綾野(恒一)「……」
綾野(恒一)「トイレ…」
綾野(恒一)「……」
綾野(恒一)「いや、まさかなぁ…」
綾野(恒一)「(ていうか、男子トイレの前で考え込んでる女の子ってどうなんだ…)」
綾野(恒一)「(まぁ、中身は僕なんだけどさ…)」
綾野(恒一)「(…うん!流石に男子トイレは無いよ!)」
綾野(恒一)「(休み時間は仕方ないとしても、授業中なら綾野さんでも女子トイレを選ぶよ!)」
綾野(恒一)「……」
綾野(恒一)「(じゃあ、僕は女子トイレを捜しまわるのか…?)」
綾野(恒一)「(まぁ、姿は綾野さんだし…別に入るだけなら何もおかしくは…)」ブルッ…
綾野(恒一)「……」
綾野(恒一)「(とりあえず、男子トイレの個室で用を済ませておこう…)」
綾野(恒一)「……」
綾野(恒一)「(いつも使用してるはずなのに、綾野さんの姿だとなんかいけないことをしている気分になる…)」
綾野(恒一)「(早いとこ、済ませちゃおう…)」
綾野(恒一)「(綾野さん、ごめん…また下着を見ちゃうことになるけど…)」
綾野(恒一)「(…って、あれ?)」
綾野(恒一)「(奥の個室、使用中だ…)」
綾野(恒一)「(まぁ、授業中にたまに腹痛になるときってあるよね)」
綾野(恒一)「(それじゃ、僕は手前の個室に…)」
「ん…ぁんっ…」
綾野(恒一)「……」
綾野(恒一)「…えっ」
綾野(恒一)「(これはきっと排便時に前立腺が刺激されてしまって、つい声が出てしまった名も知らない男子…)」
綾野(恒一)「(決して僕の姿をした綾野さんが喘いでいるわけでは…)」
恒一(綾野)「はぁ…こういっちゃん…」
綾野(恒一)「」
綾野(恒一)「あやのさーん!!??」ドンドンドンドン!!!
恒一(綾野)「ひゃっ!?」ビクッ
恒一(綾野)「こ、こういっちゃん…?」ソロー…
綾野(恒一)「…!」
バタン!
恒一(綾野)「きゃっ!?」
綾野(恒一)「……」ハァハァ…
恒一(綾野)「えと…こういっちゃん…?」
綾野(恒一)「あ、綾野さん…」
恒一(綾野)「な、なぁに…?」
綾野(恒一)「わかるよ…僕にだってそういう時もある…」
綾野(恒一)「でもね、綾野さんは女の子なんだ…」
綾野(恒一)「僕の姿で、そういうことをするのは…」
恒一(綾野)「えっ…で、でも…」
恒一(綾野)「おしっこ…漏らしちゃったら…迷惑かけちゃうし…」
綾野(恒一)「……えっ?」
恒一(綾野)「そ…そうだけど…?」
綾野(恒一)「で、でも…なんか声を出してて…」
恒一(綾野)「だ、だって…男の子のモノから出すのって慣れないから…」
恒一(綾野)「ちょっと場所を直そうとして触ったら、つい…」
綾野(恒一)「……」
綾野(恒一)「…僕の名前を呼んでいたのは?」
恒一(綾野)「えっ…そ、それは…こういっちゃん怒らせちゃったなぁって…」
恒一(綾野)「このまま嫌われちゃったら、やだなぁって思ったらつい…」
綾野(恒一)「……」
恒一(綾野)「…ていうか、こういっちゃん…今は確かに私はこういっちゃんの姿だけどさぁ…」
恒一(綾野)「女の子のおトイレ事情に深く突っ込んでくるなんて…」
綾野(恒一)「……」
恒一(綾野)「…こういっちゃんのえっち」
綾野(恒一)「うぐっ!」
やめてっ
ひどいよ…
綾野(恒一)「…って、てっきり思っちゃったんだよ…」
恒一(綾野)「……」
綾野(恒一)「…綾野さん?」
恒一(綾野)「こ、こういっちゃんのばかー!へんたいっ!!」
恒一(綾野)「私、そんなはしたない女の子なんかじゃないもんっ!」プンプン
綾野(恒一)「ごめん!本当にごめん…!」
恒一(綾野)「まったくー!」
恒一(綾野)「こういっちゃんは私の身体でそういうことしちゃおうと思っちゃったわけ!?」
綾野(恒一)「いや、そんなことは!微塵も!」
恒一(綾野)「そんな全力で否定しなくても良いじゃん!」
綾野(恒一)「ええっ!?」
綾野(恒一)「ううっ…」
恒一(綾野)「…でも、そういう私も男心をわかっていなかったんだよね…」
綾野(恒一)「えっ…?」
恒一(綾野)「…ごめんね、こういっちゃん」
恒一(綾野)「好きでも無い女の子から…ううん…」
恒一(綾野)「自分の姿で恋人宣言なんてされたって迷惑なだけだよね…」
綾野(恒一)「綾野さん…」
恒一(綾野)「えへへ…私、実はちょっと浮かれちゃってたんだ…」
恒一(綾野)「大好きなこういっちゃんの姿になれて…」
綾野(恒一)「……」
恒一(綾野)「でも、こういっちゃんにとっては私は友達の一人でしか無くて、いつもこういっちゃんの周りにはたくさんの人がいて…」
恒一(綾野)「どことなく距離、感じてたんだぁ…」
綾野(恒一)「……」
恒一(綾野)「だったら、いっそのこと私が私じゃ無くて、こういっちゃんなら!って思ったの!」
恒一(綾野)「二人で一つの身体なら、いつも一緒だし距離も感じない…」
恒一(綾野)「まぁ、それだとベタベタ出来なくなるのが欠点なんだけどさー」アハハ
恒一(綾野)「だから、こういっちゃんと私の中身が入れ換わった時は嬉しかったなぁ…」
恒一(綾野)「ベタベタするのは自分の身体だけど中身はこういっちゃんなんだもん!」
恒一(綾野)「それにこういう状況ならイヤでも一緒にいる時間も増えるじゃん?」
恒一(綾野)「それが嬉しくて…だから、ちょっと調子に乗っちゃった…」
恒一(綾野)「でも、普通に考えたらそれは身体の持ち主であるこういっちゃんにとっては迷惑でしかなかったよね…」
恒一(綾野)「ごめんね、こういっちゃん…」
恒一(綾野)「私、バカだから…そこまで…頭回んなかった…」グスッ…
綾野(恒一)「(綾野さん…)」
綾野(恒一)「(綾野さんは僕のことが本当に好きで…)」
綾野(恒一)「(僕になれたらと本当に想っていたんだ…)」
綾野(恒一)「(それなのに僕は…彼女に厳しく当たってしまった…)」
恒一(綾野)「ひっぐ…ううっ…!」グスッ…
綾野(恒一)「(もしもこの現象の原因が本当に見崎の言った交代人格によるものならば…)」
綾野(恒一)「(僕は…どうしたら良い…?)
恒一(綾野)「ひっぐ…ごめんなさい、こういっちゃんっ…!」
綾野(恒一)「(僕が…)」
綾野(恒一)「(僕が彼女に出来ることは…)」
恒一(綾野)「ひっぐ…!うぇぇっ…!」
綾野(恒一)「…ごめん。謝らなくちゃいけないのは僕の方だ」
綾野(恒一)「僕はただ自分の姿で勝手なことをされるのを恐れていただけで…」
綾野(恒一)「綾野さんの気持ちを、全然考えてあげられてなかった」
綾野(恒一)「綾野さんの良い面を悪い面だけでとらえちゃった…」
恒一(綾野)「ひっく…うぅ…」
綾野(恒一)「…好きになってくれてありがとう」
綾野(恒一)「こんな僕で良かったら…」
「僕の、恋人になってください」
恒一(綾野)「い、今、なんて言ったの…?」
綾野(恒一)「こんな僕で良かったら…」
綾野(恒一)「綾野さんの恋人にしてください、って…」
恒一(綾野)「えっ…えっ…?」
恒一(綾野)「それ、ホントに言ってるの…?私がかわいそうだからとかそんなんじゃなくて…?」
綾野(恒一)「綾野さんだって、冗談じゃこんなことは言えないでしょ?」ニコッ
恒一(綾野)「…!」ドキッ
恒一(綾野)「…で、でもぉ…」
恒一(綾野)「私、こういっちゃんにたくさん迷惑かけて…」
綾野(恒一)「迷惑なんてかけてくれたってかまわない」
恒一(綾野)「えっ?」
綾野(恒一)「ひたむきで」
綾野(恒一)「笑顔の綾野さんが好きなんだ」
綾野(恒一)「今回のことで、その気持ちに気づいたんだ」
綾野(恒一)「泣いてる綾野さんは、見たくないよ」
恒一(綾野)「こ、こういっちゃん…!」
恒一(綾野)「こういっちゃーん!!!」ガバッ!
綾野(恒一)「わっ!?」
恒一(綾野)「私も!私もこういっちゃん、大好きだよぉ!!!」
綾野(綾野)「うん…ありがとう…綾野さん…」ギュッ
小椋「上手くいっちゃったみたいね」
見崎「……」
小椋「信じるも何も私は彩とは親友だし」
小椋「彩の姿をした榊原くんと話した時から二人の中身が違うって気づいてたわよ」
小椋「だから失恋したって告白紛いのことも言ったんだし」
見崎「…そう」
小椋「そういう見崎さんは、ちゃんと榊原くんに気持ち伝えたの?」
見崎「私は、もう今さら、かな」
見崎「榊原くんが幸せなら、それでいい」
小椋「そっか」
小椋「…良かったら今日、失恋したもの同士うちに来て飲む?ジュースしかないけど」
見崎「…紅茶はある?」
小椋「確かあったかな…っていうか、そろそろ男子トイレ前から離れない?」
綾野(恒一)「本当だよ…僕としても今さっき気づいた気持ちだから実感が無いのもあるけど…」
恒一(綾野)「えー!実感ないのは困るなー!せっかく両想いになれたのにー!!」
綾野(恒一)「だから、どんどん実感できるようになる為に、これから綾野さんのことをもっと好きになっていくよ」
恒一(綾野)「…!」ドキーン
恒一(綾野)「も、もう…!こういっちゃんたら…///」
綾野(恒一)「……」
綾野(恒一)「(普通なら可愛いと思うところなんだけど…)」
綾野(恒一)「(冷静になると僕の姿なんだよなぁ…)」
恒一(綾野)「…ねぇ、こういっちゃん?」
綾野(恒一)「あ、えっと…なにかな?」
恒一(綾野)「その…ね…」
綾野(恒一)「うん?」
恒一(綾野)「…キス、してほしいなぁ…?」
綾野(恒一)「……えっ」
綾野(恒一)「いや、ダメっていうか…その…」
綾野(恒一)「あ、綾野さんは良いの?僕…綾野さん…だよ…?」
恒一(綾野)「そりゃ、私は私の姿でこういっちゃんとキスしたいのはやまやまだけどー…」
恒一(綾野)「一応、私とこういっちゃんの姿でキスするわけだし…それはそれで良いかなって///」
綾野(恒一)「ま、まぁ…確かにそうかもしれないけど…」
恒一(綾野)「だ・か・ら・ぁ…はいっ」ンッ…
綾野(恒一)「うぅっ…!」タジッ…
綾野(恒一)「(僕が…いや、綾野さんが目を閉じて待っている…)」
綾野(恒一)「(これはもう…覚悟を決めるしか無いのか…)」ゴクリ…
恒一(綾野)「……」ンー
綾野(恒一)「……」
綾野(恒一)「(ええい!ままよ!!)」
恒一(綾野)「(このキスの次は、ちゃんと自分の姿で…こういっちゃんと…)」
チュッ…
綾野「……」
恒一「(…して、しまった…自分のキスを…)」
恒一「……」
恒一「…って、あれ…?」
綾野「(えへへ…こういっちゃんと私の身体がキスしちゃった…///)」
綾野「……」
綾野「…って、あれ?」
恒一「綾野、さん…?」
綾野「こういっちゃん…?」
恒一&綾野「……」
恒一&綾野「…も」
恒一&綾野「…戻ったあぁぁぁぁ!!!」
恒一「う、うん!間違いなく僕だと、思う…!」
綾野「おおぉー…?」
綾野「……」
綾野「……」ペロン…
恒一「ちょ、ちょっ!?あ、綾野さん!?」
恒一「(い、いきなりスカート捲って、何を…!?)」
綾野「あっ、ナニが無くなってるー」
恒一「確認しなくて良いから!しかも僕がいるところで!」
綾野「…夢じゃないんだよね?」
恒一「…多分」
綾野「こういっちゃん…私に好きっていってくれたよね…?」
恒一「…うん」
綾野「~っ!」ウズウズ…
恒一「……」
恒一「おいで、綾野さん」
綾野「っ!!」ダッ…
綾野「こういっちゃーん!!!」ガバッ…
恒一「……」ギュッ…
綾野「こういっちゃーん///」
恒一「(…うん、僕じゃなくて間違いなく綾野さんだ…)」
恒一「(良かった…元に戻れて本当に良かった…)」
恒一「…多分、綾野さんが心から自分の姿に戻りたいと願ったからじゃないかな?」
綾野「うーん…そうなのかなぁ…でも、きっとこういっちゃんが言うんならそうだよね!」
恒一「(まぁ、見崎の受け売りだけどね…)」
恒一「(本当に解離性同一性障害の一種だったのか確かめる術は無いし…)」
綾野「あっ、ところでさーこういっちゃん!」
恒一「ん?なに、綾野さん?」
綾野「えーとね…」
綾野「キス、しようっ!!」ンー
実際に付き合うことになったので、人格が戻った今も綾野さんは人目を気にせずにベタベタとしてくる
綾野「こういっちゃーん!!」ベタベタ
恒一「彩…教室ではあんまり…」
ヤッパアヤノガスルノガフツウダヨナー
サカキバラクンハガツガツイメージダモンネ
アレガホントウニフェアナカンケイダネ
見崎「今日はうちに来ない?紅茶が結構余ってるの」
小椋「いくいく。今日もうちのクラスのバカップルを肴に愚痴りましょうか」
多々良「あ、あの…」
有田「私達も…良いかな?」
最近、見崎、小椋さん、多々良さん、有田さんでグループを作って話している姿を良く見かけるんだけど…
共通点はなんだろう?
「朝か…」
「顔を洗いに…洗面所に…」
「……」
「…えっ!?」
赤沢(恒一)「鏡に映っているの…赤沢さん!?」
~~~~~~~~~~~~~
赤沢家
「…おトイレ」ムニャムニャ…
「……」
恒一(赤沢)「…なんか付いてる」
このお話は綾野さんと僕が付き合ってから始まる、また別のお話
ていうか、もう勘弁してください
おわり
乙
Entry ⇒ 2012.06.16 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「ただいまー」 美希「おかえりなさいなの!」
P「じゃあ、美希で」グイ
美希「ふあ」ポス
P「あー…落ち着く」グリグリ
美希「えへへ」
P「……」
美希「……」
P「…やっぱ、ご飯で」グゥー
美希「ミキも」グゥー
美希「秘密なの。もうすぐできるから、待っててほしいな」
P「はいはい、と」
美希「~♪」
P「……」
美希「? ハニー、どうしたの?」
P「いや、エプロン姿、やっぱいいなぁ、って」
美希「ハニーが好きなら、事務所でもエプロンつけよっか?」フリフリ
P「やめて。落ち着かない」
美希「だいじょうぶ。ハニーはゆっくりしててほしいな」
P「待ってても暇なんだよ」
美希「今日くらい、ゆっくりしててもいいのに」
P「慣れてないからな」
美希「うーん、じゃあお茶淹れて」
P「はいよ」コポコポ
P「どの辺が特製なんだ?」
美希「えっとね、ネギとツユとギョクとラブがダクダクなの!」
P「卵で肉が見えないんだが」
美希「ハニーへの思いがいっぱい溢れてるの。これは凄い逸品なの」
P「重すぎて胃がもたれそうだ」
美希「おにぎりは明日の朝だよ?ちゃーんと用意も出来てるの」
P「ほう、それは頼もしい」
美希「ハニーの為なら当然なの」
P「えらいえらい」ナデナデ
美希「あふぅ」
P「だから言ったのに」
美希「こぼれるの…」
P「明らかに盛り過ぎたな」
美希「…ごめんなさいなの、ハニー」
P「なんで謝るんだ」
美希「だって…お店の方が美味しそうだから」
P「まあ、見た目だけなら店の方が美味そうだよな」
美希「……」シュン
美希「…ホント?」
P「ああ」
美希「お汁も玉ねぎも、お店の方が美味しそうだよ?」
P「美希のラブが詰まっているからな」
美希「あ…」
P「ラブダクの特製牛丼なんだろ?それに勝るものなんてないさ」
美希「…うん!」
美希「あ、ミキなの」
P「お、本当だ。懐かしいな」
美希「今見てもまだまだなの。もっとできるのに」
P「これ、何年前だろうな?」
美希「まだ髪が長いから…3~5年くらい前のかも」
P「ぶれすぎだろ」
美希「些細な問題なの」
美希「ミキも結構思い切ったの。でも切って良かったな、って」
P「手のかかる子どもって印象だったなぁ、最初は」
美希「ミキなんか、最初そこの人だったの」
P「冷静に考えなくても酷いよな」
美希「あはっ!そこの人、ミキお茶欲しいな!」
P「やめて、傷つくから」コポコポ
美希「お粗末様でした」
P「美味かったよ。お世辞とか抜きに」
美希「まだまだ改善の余地あり、なの」
P「あ、下げるついでに洗っちゃうな」
美希「あー!!駄目なの、ミキがやる!」
P「何もそんな意地にならなくても」
美希「片付けるまでが料理なの。今日はミキに全部任せてほしいって思うな」
P「うーん、じゃあ、まかせた」
美希「まかせてなの!」
美希「ふぅ」ポスン
P「……」
美希「……」
P「……」グイ
美希「ふあ」
P「……」ギュー
美希「ハニー」
P「ん?」
美希「んーと…何でもない」
P「そっか」グリグリ
美希「あ、この子知ってるの」
P「会ったことあるのか?」
美希「うん。胸おっきいから、凄く目立ってた」
P「…確かにデカいなぁ」
美希「あれで16歳らしいの」
P「最初美希見た時も思ったが、ホント何食べてるんだろうな」
美希「少なくともミキのは勝手に大きくなったの」
P「そうだな…なるべく胸の露出は押さえていくかな」
美希「なんで?」
P「一部の人気は出るだろうけど、その後が難しそうだからな。他の強みを伸ばしたい」
美希「ミキもおっきいよ?」
P「必要以上に見せなくてもいいってことだよ」
美希「ふーん…じゃあ、今度の写真集は見せていこうかな」フニフニ
P「美希が良いならそれでいいけど」
美希「…やっぱり恥ずかしいからやめるの」
P「そっか」グリグリ
P「何が?」
美希「こうして…ハニーとご飯食べて、テレビ見て…隣で一緒にいるの」
P「そっか」
美希「ステージにでて、ライブで歌って…キラキラするのも、好きだけど」
美希「こうやってゆっくりするのも、すごく好き」
P「そっか」
美希「…『そっか』ばっかりなの」
P「そっか」
美希「またなの!もー」
美希「時間が過ぎるのは早いの」
P「先風呂入るか?」
美希「んー…折角だから一緒にはいろ?」
P「何が折角なんだよ」
美希「なんでだろ?」
P「俺に聞くなって」
美希「じゃあ、入る?」
P「まぁ、いいぞ」
P「はー…」
美希「あふぅ…」
P「湯船につかるの久々だ」
美希「そうなんだ?」
P「大体シャワーで済ませちゃうからなぁ」
美希「ゆっくりつかった方が良いと思うな。おふろは命の洗濯なの」
P「どこかで聞いたセリフだな。だが一理ある」
P「まあ、そうだな」
美希「お姉ちゃん言ってたよ。ぽーっとするのは、頭の整理に必要だって」
美希「あと、お風呂はアイデアの宝庫なんだって」
P「ぼーっとする時間かぁ…そういや最近なかった気がするな」
美希「じゃあ、今日は貴重な機会だね」
P「有難く満喫するとするか」
P「そうなのか?」
美希「うん。凄くしっかりしてるって感じ。」
P「人の髪なんて洗わないからわからん」
美希「あ、白髪見っけ」プチ
P「いてっ。…それホントに白髪か?」
美希「うん。ほら!」
P「ホントだった。てっきり泡かと」
美希「も、もうちょっと丁寧に洗ってほしいの…」
P「あ、悪い。これくらい?」ワシャワシャ
美希「ん、それくらい」
P「…前から思ってたけど、この毛どうなってるんだろうな」
美希「どれ?」
P「この、一本だけ立ってるやつ。すぐ元に戻るし」ペタ
美希「ずっと前からそんな感じなの」ピョコ
P「あー…ふやける」
美希「……」
P「……」
P「…なあ、美希」ピーン
美希「なぁに?」
P「風呂入ってると、書く物欲しくならないか?」
美希「たまに思うの」
美希「あ、ハニー。ちょっと待っててね」グイグイ
P「それにしても柔らかいなー」
美希「日々の鍛練のたまものなの」
P「難しい言葉を使うとハゲるぞ」
美希「ミキそこまでバカじゃないもん!」
P「いや、冗談だって!」
美希「もー…あ」
美希「ハニーすっごいかたいの!もうちょっと伸ばした方が良いって思うな」グググ
P「分かったから!分かったからいきなり伸ばすのはやめてぇぇぇぇ!!」
グキッ
美希「あ」
P「」
美希「だ、大丈夫?」
P「ああ…そこまで痛くないし、大丈夫」
美希「流石にやり過ぎたの」
P「高い授業料と思えばいいさ」
美希「後でミキがマッサージしてあげるの」
P「……まぁ期待しておく」
P「それじゃあ、明日のスケジュール確認、始めるぞ」
美希「―――はい!」
美希「任せてなの。ハニーの名前、バリバリ売ってくるの」
P「売るのは俺の名前じゃないだろうに」
美希「じゃあ、ミキのついでに、ね」
P「…明日は無理だけど明々後日なら、9時には事務所に居れると思う」
美希「必ず行くから待っててほしいな」
美希「」クシュクシュ
P「」ガラガラガラガラ
美希「」ブクブクブク
P「」ペッ
美希「」パシャ
P「ニカッ」
美希「にーっ」
P「お、ネギついてるぞ」
美希「えっ、ウソ?」
P「ウソ」
美希「もー、ハニーのいじわる」
美希「変な声出し過ぎなの…」グイグイ
P「効いてるんだよ…うぁ、そこっ」
美希「ふふん。ミキの力を思い知ったか、なの!」
P「ここまで上手くなってるとは予想以上だった」
美希「ハニーの為に勉強したの!」
P「いじらしくて涙が出そう」
P「変な声出すなって」
美希「だって、自然に…んぁっ」ピクン
P「柔らいのになぁ」
美希「ハニー上手過ぎなの…どこで勉強したの?」
P「さあ?」
美希「あはっ、ミキ知ってるの。事務所の本棚の上から三段目の」
P「おっと」グッ
美希「わきゃー!!痛い、痛いのー!!」
P「もうちょっとだけ待ってくれ。これだけ確認するから」
美希「それ、みんなのスケジュール?」
P「ああ」
美希「明日は雪歩とやよいと…高音と一緒なんだ」
P「ダンスマスターが近いからな。一度レッスン見ときたくて」
美希「3人とも大丈夫だと思うな。むしろ身内が敵になりそうなの」
P「贅沢な悩みだったら大歓迎だ」
美希「んー、やっぱり狭いの」モゾモゾ
P「もっと大きいサイズ買うべきかなぁ」
美希「ミキはこのままの方が良いな。落ち着くもん」
P「押し出しそうで怖いんだよ」
美希「えへへ、ハニーの匂い」スー
P「汗臭いだけだと思うけどな」
美希「ハニーはホント女心が解ってないの…」
P「よく言われた」
P「なんだ?」
美希「おやすみのキス、してほしいな」
P「Zzz」
美希「あからさまに寝ないでなのー!」
P「何も聞こえない、もう寝てる」
美希「ひどいの!せめてこっち向いてなの!」
P「はいはい、わかりました、よっと」グイ
美希「やった!ハ、むぅっ」
美希「お礼を言われるようなこと、何もしてないよ?」
P「それでも…ここ最近忙しかったから、さ」
P「晩飯作りたい、って言ってくれて、嬉しかった」
美希「うん…でも」
P「ん?」
美希「次はもっと、頑張るから。期待しててほしいの」
P「そっか…次か。そうだよな」コツン
美希「……ん」
P「ああ」
P「おやすみ、美希」
美希「おやすみ、ハニー」
おしまい
美希とPが可愛すぎる病にかかって思わず投下した。特に反省はしていない
ひとまずここで一度終わりにして、また抑えきれなくなったら投げます。
もっと覚醒美希の露出が増えてもいいと思うの。
やばいかわいすぎる
待ってる
Entry ⇒ 2012.06.16 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
岡部「やはり年下は恋愛対象として見れんな」紅莉栖「」
まゆり「」
ルカ子「」
フェイリス「」
鈴羽「……よしっ」
萌郁「……」グッ
岡部(なんだ? ラボ内の空気が変わったような……)
ダル「ラボメン全員集まってる中でそれを言えるとか、さすがオカリン……」
ダル(オカリンに女性の好み聞いて牧瀬氏たちの反応を楽しもうって思ったけど……)
紅莉栖「……年下、い、い、一歳差はセーフよね。うん、そんなに変わらないし」
まゆり「お、オカリンとまゆしぃは幼馴染みだから、と、年の差とかあんまり関係ないのです」
ルカ子「ぼ、僕はおか、凶真さんの弟子だから、ね、年齢なんて関係ないよね」
フェイリス「だ、大丈夫ニャン。フェイリスは200歳以上生きた猫の化身だから、凶真より年上だニャン。だ、大丈夫、うん……大丈夫ニャン」
鈴羽「みっともないね(笑)」
紅莉栖「は?」
萌郁「……哀れ」
フェイリス「き、聞き捨てならないニャン」
ダル(これは思った以上に厄介になりそうだお……)
岡部「なんだ?」
ダル「なんで年下がダメなん? 確かに同い年や年上の女の子の魅力も分かるけど、年下もなかなかいいもんなのだぜ」
紅莉栖「橋田gj」
まゆり「ダルくん、ナイスなのです」
ルカ子「いいですよ、橋田さん!」
フェイリス「さすがダルニャン!」
鈴羽「……父さん、余計な事を」
萌郁「……」ギリッ
ダル(四人敵に回すより、二人敵にした方がましだお……)
紅莉栖「Ktkr」
まゆり「うんうん」
ルカ子「そうです岡部さん」
フェイリス「年下が年上に適わない通りはないニャ!」
岡部「だがな、やはり男なら包容力のある年上の女性に甘え、恋愛の価値観が近い同い年の異性と恋をしてみたいとは思わないか?」
ダル「禿同」
紅莉栖「は?」
まゆり「ダルくん……」
ルカ子「橋田さん……」
フェイリス「ダルニャンに裏切られたニャ……」
ダル(しまった……オカリンの言葉に思わず同意してしまったオワタ)
萌郁「橋田、くん……ないす」
ダル(こ、これで四人を敵に回してしまった……こ、このままじゃマズいお)
岡部「それにダル。お前の彼女、阿万音由季も年下ではないだろ?」
ダル「た、確かに……」
岡部「ならお前も存分に理解している筈だ。年下以外の魅力をな。寧ろ、彼女持ちであるお前の方が、よく分かっているのではないか?」
ダル「そりゃ、もうっ! 由季たんのお陰で毎日がウルトラハッピーだお!」
岡部「うむ、実に素晴らしいではないか。彼女は気兼ねなくお前と関係を築いている。俺も付き合うなら気兼ねない関係でいたいものだ」
紅莉栖「……橋田」
まゆり「ダルくん……酷いよ」
ルカ子「こ、このままじゃ岡部さんが、僕に振り向いてくれなくなる……」グスッ
フェイリス「岡部さん……」
鈴羽「諦めなよ、キミたちの負けだ」フフン
萌郁「諦めは、肝心……」
紅莉栖「はああしいいだああああ」
ダル(こ、このままじゃ牧瀬氏たちにロボトミーにされる……)ガクブル
ダル「で、でもさ、オカリン。その甘えたり~とか、恋愛の価値観が近い~云々は年下の女の子でも問題ないんじゃね?」
岡部「……なに? どういう事だ、ダル」
ダル「オカリンは年下とか、年上って概念に捕らわれすぎてる。おんにゃの子と付き合うならもっと見識を広める必要があるお!」
岡部「概念に捕らわれる……俺が?」
ダル「そうだお!」
紅莉栖「よしっ」
まゆり「そうです、その通りなのです」
ルカ子「頑張って、橋田さん!」
フェイリス「上手くいったら今度メイクイーンでサービスして上げるニャン!」
鈴羽「……父さん」
萌郁「……」ギリッ
ダル「だからお前はアホなのだああああ!!」ビシィ
岡部「だ、誰がアホだ!?」
ダル「年下に甘える……そのギャップ萌に気付かないオカリンをアホ呼ばずして何と呼べばいいの?」
岡部「ギャップ、萌……なるほど、盲点だった」
ダル「例えさ、オカリンに普段は自分がよく面倒を見る昔馴染みの年下の女の子がいたとする」
まゆり「ふぇ?」
岡部「ふむ」
ダル「昔から過保護なくらいその子に付きっきりで、その子はオカリンによく甘えてくる」
まゆり「ま、まゆしぃはそんなにオカリンに甘えてないよぉ」
ダル「その普段甘えてくる女の子に逆に甘えてみる。オカリン、想像してみるお」
岡部「逆、甘える……」
岡部「な、なあ。ちょっといいか?」
昔馴染み『うん? なあに、オカリン』
岡部「その、だな……」チラチラ
昔馴染み『ん~? どうしたの~?』
岡部「あ、いや、やっぱりいい……」
昔馴染み『うん? あっ! そっかあ。ねえ、オカリン。膝枕、していいよ?』ポンポン
岡部「なっ、別に俺はそんな事したいなど、一言も」
昔馴染み『いいから、いから、おいで~』
岡部「……ぐぅ、お、お前がどうしても言うなら仕方ない」ポスッ
昔馴染み『えへへ、オカリンは甘えん坊さんなのです』ナデナデ
岡部「そ、そんな事は断じて……んっ、」
昔馴染み『えへへ』ナデナデ
――――
ダル「……どう?」
岡部「……悪くはない、な」
岡部「……頭を撫でてもらえると尚、良し」
まゆり「ひ、膝枕!? こ、子供の時はよくやったから、いまやっても大丈夫だよね、えへへ」
ダル「ほらほら、甘えるのに年下なんて関係ないっしょ?」
岡部「今回の極端な場合だ。年上や同い年の優位性に変わりはない。甘えるのは……まあ、年下でも認めてやろう。だが、同い年での価値観の近い恋愛は年下にはできん」
ダル「ほう……んじゃ、また例え話なんだけどさ」
岡部「今度はなんだ」
ダル「年下だけど7月25日生まれで12月生まれのオカリンと年齢は同じで年度違い程度の年の差の女の子が居たとする」
紅莉栖「ちょっ!?」
岡部「ふむ」
ダル「オカリンとその子は普段からよく口論なったりするけど、妙に似てる部分もある。互いに童貞処女で恋愛の価値観が近い二人が恋人同士になった時の様子を想像してみるお」
岡部「価値観の近い年下と恋人同士……」
7月25日生まれ『ね、ねえ、岡部』
岡部「どうした?」
7月25日生まれ『その、私たちさ、付き合って結構経つと思わない?』
岡部「そうだな。もう半年くらいになるな」
7月25日生まれ『だからさ、その……そろそろいいかな、って』
岡部「そろそろって何が?」
7月25日生まれ『き、キス以上の事……』
岡部「なっ!?」
7月25日生まれ『な、なによっ、そんなに驚かなくてもいいじゃない……』
岡部「貴様、今まで散々渋っていたではないかスイーツ(笑)処女」
7月25日生まれ『う、うっさい! あんたも童貞のくせに! その、渋ってたのは、あんたとの関係を大事にしたいから、その……』
岡部「分かっている。俺もお前との関係は大切にしたいと思っている。だから、その……お前がいいと言うのなら」ギュッ
7月25日生まれ『岡部……』
岡部「紅莉栖……」
――――
ダル「どう?」
岡部「ふむ、こらはこれで中々……」
あ、あくまでオカリンの脳内での7月25日生まれがくりすで再現されてるだけだ
紅莉栖「つ、付き合える!? お、岡部と……ふふっ、ふふふ、ふぅーはははは! 岡部! 最初はキスだけだからなっ、ま、まあ? 勢い余ってキス以上ちゃったら仕方ないけど、ふふっ」
ダル(つーか、オカリンいい加減牧瀬氏たちの言葉に気付けお……いくらなんでも都合が良すぎるだろ、その耳)
岡部「ま、まあ……あくまでも、その条件なら付き合えるかもしれない、というだけで、別に実際に付き合う訳では……」チラチラ
紅莉栖「ふぅーはははは!」
ダル(……なるほど、オカリンは最初から現実逃避してたか)
岡部(恥ずかしいから止めてくれ、紅莉栖)
紅莉栖「阿万音さん、あなたのラボ唯一の同い年属性は確かに素晴らしかった! そのスパッツも! おさげも! だがしかし! まるで! 全然! この私には及ばないのよね! ふぅーはははは! 悔しいでしょうね」
鈴羽「……牧瀬、紅莉栖!」ギリッ
ダル「そ、そだね。オカリンの見識が広まった事だし、そろそろ……」
ルカ子「橋田さん……」ジー
フェイリス「へー、マユシィやクーニャンのステマはするのにフェイリスはしニャいんだ」ジー
ダル「ま、まだ年下の魅力は残ってるお! せっかくだしオカリンにはその魅力を余さず紹介するんだぜ」
岡部「そ、そうか、では年下の魅力とやら、是非ご教示願おうではないか!」
萌郁「……」ウンウン
ダル「ふっ」
岡部「な、なにが可笑しい!?」
ダル「年下に包容力がないと、いつから錯覚していた?」
岡部「なん、だと……?」
萌郁「……!?」
ダル「オカリン……そうやってまた年下、年上と区切って自分の見識を狭めているお。甘えるのと同じで、包容力に年上も年下も関係ないお!」
岡部「……それのどこに包容力があるのだ」
ダル「まあ、最後まで聞けって。その子とオカリンは同居してるんだお」
岡部「ふむ」
フェイリス「凶真とフェイリスの愛の巣だニャン!」
ダル「んで、オカリンはある日疲れて帰ってくる。そこでオカリンを迎えたのは猫耳を外した普段とは違う一面を持った女の子だったんだお」
岡部「ほぅ」
留未穂「岡部さんをお出迎えかあ……ふふっ」
ダル「明るいメイドの時の彼女とは違って一面で、オカリンを癒やしてくれる彼女。普段とのギャップを含めたその包容力を想像してみるお」
岡部「……普段とのギャップを含めた包容力か」
岡部「……ただいま」
猫耳を付けたメイド『お帰りニャさい、凶真っ。ウニャ? どうかしたのかニャ? 元気ないニャ』
岡部「ああ、今日は最近いろいろとあってな……少し疲れた」
猫耳を付けたメイド『お風呂とお夕飯はどうするニャ?』
岡部「今はいい……休ませてくれ」
『岡部さん……』ギュッ
岡部「……っ」
猫耳を外したギャップあるメイド『一人で悩まないで。あなたには、私が付いている』
岡部「……留未穂」
猫耳を外したギャップあるメイド『あなたがいつまでも私の王子様であるように、私はいつまでもあなたの味方だから』
岡部「すまない……」
猫耳を外したギャップあるメイド『もう、謝らないでよ』
岡部「そう、だな……ありがとう、留未穂。愛してる」
留未穂「私も、大好き。岡部さん」
――――
岡部「いや、確かに悪くない。寧ろ魅力的なのだが……」
ダル「なんか不満でもあるの?」
フェイリス「えっ?」
岡部「いや、これの場合……包容力云々の魅力よりも猫耳を付けたギャップ持ちのメイドの魅力ではないか?」
フェイリス「はにゃ!?」
ダル「……」
岡部「なるほど、ダル。お前がメイクイーンに入り浸る理由が少しだけ分かった気がする」
フェイリス「ふにゃ……お、おかべさん」
ダル(フェイリスたんが素の状態との境界線が崩壊してる……)
岡部「なるほど、年下にも包容力を持つ可能性があると認めよう。そしてそれは時にして年上の包容力すら上回る事があるのだと」
ダル「そ、そうだお。これで年下の魅力は伝わった?」
岡部「ああ、十分すぎるほどな」
ダル「そっか、それなら……」
ルカ子「……」ジー
ダル「つ、次は年下ならではの魅力を紹介するお!」
ダル「ひたむきに、素直に想いを寄せてくれる年下」
岡部「!?」
ダル「例えば、健気で素直で家事全般が出来て見た目も可愛い子がオカリンを慕っていたとするお」
岡部「……男か?」
ダル「もち」
岡部「うむ、続けろ」
ルカ子「!?」
ダル「自分は男だからオカリンに想いを伝えられない。でも好き。その子はいつしか我慢できなくなってオカリンに告白するんだお。そこを想像してみ」
岡部「健気な年下に告白か、ふむ……」
健気で素直な男の娘『岡部さんの事が、す、好きですっ』
岡部「ルカ子……」
ルカ子『ご、ごめんなさい、男なのに、気持ち悪いですよね。でも、ぼく、どうしてもこの想いだけは、我慢できなくて、うぅ……』ポロポロ
岡部「それがどうした」ギュッ
ルカ子『えっ?』
岡部「男とか、女とか、そんな事はどうでもいい。そう言ったの、覚えているか?」
ルカ子『も、もちろんです』
岡部「ならば言葉の通りだ」
ルカ子『じゃ、じゃあ』
岡部「ああ、俺も好きだ、ルカ子」
ルカ子『岡部さん……』
――
ダル「どう?」
岡部「いや、どう? と言われてもだな……」
ダル「健気な年下の子からの告白。なかなか来るっしょ?」
岡部「いや、まあ来る、というか……確かに、年下からの告白は悪くないな」
ルカ子「っ!?」
岡部「しかも、見た目も性格もいいのだから断る筈がない」
ルカ子「お、おかべさんっ」
岡部(女だった場合に限るが……)
岡部「長かったな」
ダル「んで、オカリン。感想は?」
岡部「ああ、お前のお陰で年下も例外的な場合、恋愛対象として見る事ができるようになった」
紅莉栖「岡部と付き合える……ふへへ」
まゆり「オカリンに膝枕かー懐かしいね~」
フェイリス「おかべさんが、これからはわた、フェイリスを恋愛対象に……ふふっ」
ルカ子「男とか、女とか、そんなの関係ないですもんね」
鈴羽「……」
萌郁「……」
ダル「あ~もうっ、今日は精神がすり減ったお! 帰って由季たんに慰めてもらお、ぐへへ」
まゆり「まゆしぃ、もうすぐバイトだから帰るね」
フェイリス「ニャニャ、フェイリスもお仕事ニャ。一緒に帰ろっか、マユシィ」
ルカ子「ぼ、ぼくも神社のお手伝いがあるので」
紅莉栖「私もそろそろ帰るわ。それじゃあね、阿万音さん。今日は楽しかったわ(笑)」
バタン
鈴羽「……」
萌郁「……」
鈴羽「……」
萌郁「……」
岡部「あ~、その、だな」ポリポリ
岡部「……確かに、ダルの言った通り年下も悪くないと思った」
鈴羽「うぅ……」グスッ
萌郁「……」
岡部「だが」
鈴羽「えっ?」
岡部「それでも俺が好みなのは年上と同い年だ。それに変わりはない」
萌郁「ほん、と……?」
鈴羽「じゃ、じゃあさ! 同い年の魅力とか、教えてよっ!」
萌郁「年上の、も……教えて」
岡部「それは言っただろう。年上は包容力、同い年は恋愛の価値観が近い同士で」
鈴羽「他には!?」
岡部「ほ、ほか!?」
鈴羽「うんっ、ほかにはなんかないの?」
萌郁「私も、他の、知りたい……」
岡部「きゅ、急にそんな事を言ってもだな」
鈴羽「一番の?」
岡部「俺が年上と同い年が好きな理由でもある」
萌郁「聞きたい」
岡部「どうしてもか?」
鈴羽「あたしも聞きたいなあ」
岡部「そうか、では覚悟して聞くがいい!」バサッ
萌郁・鈴羽「「……」」ゴクリ
萌郁「えっ?」
鈴羽「そ、それって、つまり……」
岡部「ふ、フゥーハハハ! これは最重要機密に値する情報だ。口外すれば命はないものだと思え! では、さらばだ!」
バタン
鈴羽「……」
萌郁「……」
鈴羽「桐生萌郁」
萌郁「……なに?」
鈴羽「言っとくけど、謙るつもりはないよ?」
萌郁「私も、……ない」
鈴羽「あはははっ」
萌郁「……ふふっ」
終わり
読んでくれた人、ありがとニャンニャン
自分が惚れた相手なら年齢なんて関係ないよね!
Entry ⇒ 2012.06.16 | Category ⇒ シュタインズゲートSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
セイバー「食べ物が・・・ない・・・?」
アイリ「それがねー、財布をどこかに落としちゃったみたいなの。お屋敷の冷蔵庫も見たんだけど誰かが食べちゃったみたいで空になってしまっているし・・・」
セイバー(食べるんじゃなかったー!!)
セイバー「で、では明日から私たちの食べるものはないということですか・・・・・・」
アイリ「そうなっちゃうわね。困ったわ、切継と連絡が取れるというこの携帯も使い方は分からないし…」
アイリ「でも幸い私もセイバーも何も食べずとも生きてはいける体ですから、しばらくの間は辛抱してちょうだい。次に切継が帰ってきた時にまた頼んでおきますから」
セイバー「つ・・・次に切継と会うのは・・・?」
アイリ「状況によるでしょうけど二、三日は後のことじゃないかしら。それに、切継もいそがしいでしょうから些細なことであまり煩わせたくはないの」
セイバー「み、三日もご飯抜き・・・!!!」
セイバー「・・・」
セイバー「アイリスフィール」
セイバー「古来より戦場においてまず狙うのは兵糧でした。私たちも兵糧を奪われないよう必死に戦ったのもです」
セイバー「食糧とはすなわち戦の生命線。兵糧がきれることは戦いにおいて死を意味します」
セイバー「すなわち私たちは今この聖杯戦争において最大の危機を迎えているわけです」
アイリ「え?そんな大げさなことでm」セイバー「最大の危機を迎えているわけです!!!!」
アイリ「え、ええ・・・そうね・・・お願い・・・・・できるかしら・・・」
アイリ(セイバーが怖い・・・)
セイバー「任せてください!!!!」
セイバー「では行ってまいります!」
アイリ「まってセイバー」
アイリ「へそくりっていうのがしてみたくて、ポケットの裏に千円だけ隠しておいたんだったわ。これを使って」
所持金1000円
セイバー「1000円ですか・・・。私ひとりだけで使っても一食100円・・・」
セイバー「おにぎりだけですか、全然足りません・・・」
セイバー「やはりどうにかして金を稼ぐ必要がありますね」
セイバー「ん、あそこにみえるのは>>10」
アーチャー「ん?どうしたセイバー、いつもの威勢がないではないか」
セイバー「どいてください、私はお金を稼ぐのに忙しいのです」
アーチャー「・・・」
アーチャー「ハハハハハハハ、こいつは傑作だ。騎士王が金に困るとはな」
セイバー「ムッ、そんなあなたはお金を稼いだことはあるのですか」
アーチャー「無論だ。この世の金は全てオレのものだ、気が向けばオレの手の中にもどってくるさ」
セイバー「そういえば貴方は現代の服を持っていますが、そのお金はどこで手に入れたのです」
アーチャー「簡単なことよ、そこのパチンコ屋とか言うのの中に入れば金はいくらでも増える」
アーチャー「今も持ち金が少なくなってたので軽く10倍にしてきたところよ、なんなら特別に賜ってやってもいいぞ?」
セイバー「遠慮しておきます。しかし、パチンコとはいいことを聞きました。礼を言いましょう」
アーチャー「なに、構わんさ。ではオレはもう少し現世を見て回ることとしよう」
だが今のマスターのせいでセイバーの幸運は…!
セイバー「ひとまずアイリのへそくりの1000円を全て換金してしまいましょう。なに、どうせすぐに10倍になるのです」
・・・
・・・・・・・・・
セイバー「おお!何かよくわかりませんが、確変とかいうのがきました!!!」
セイバー「今がチャンスです。一気にたたみかけましょう!」
・・・・・・
セイバー「玉が最初の倍になりました!アーチャーもたまにはいいことを言いますね」
隣のおじいさん「嬢ちゃんいい台を選んだなぁ…。俺もその台にしておけばよかったよ」
隣のおじいさん「はぁ~今日はさっぱりだ、持ち金もなくなっちまった」
セイバー「・・・なんなら変わりましょうか?」
隣のおじいさん「え、えええ!いいのかいっ?!」
セイバー「困っている人を見捨てるのは騎士道に反します」
セイバー「それに、私の幸運があればどの台だろうと関係ありません」ドヤッ
持ち金 (2000円)
店員「ありがとうございましたぁ~」
セイバー「あと1000円・・・!あと、1000円さえあれば・・・っ!!」
セイバー「くぅっ、歯がゆいものですね・・・・・!!これはどうにかしてリベンジを果たさなければなりません」
セイバー「それはともあれ無一文になってしまいました」
セイバー「これではおにぎりどころかチロルチョコすらたべられません・・・」
セイバー「どうにかして金を手に入れなければなりませんね」
セイバー「おや、あそこにみえるのは>>30」
アーチャー「セイバーか。金は何倍になった?パチンコというのもたまには乙なものであったろう?」
セイバー「・・・アーチャー。英霊としてこのような頼みをするのは気が引けてなりませんが」
アーチャー「ん、どうした神妙な顔をして」
セイバー「少々ツキがわるかったようで軍資金がそこを尽きてしまったのです。そこで少々支援をいただけないでしょうか?」
セイバー「な、なに、今回はたまたま運が悪かっただけですから、次のパチンコで10倍勝ちした暁には倍にして返します」
アーチャー「ふむ・・・」
アーチャー「・・・いいだろうセイバー。特別に三万円ほど賜ろうではないか」
セイバー「本当ですか!?」
アーチャー「しかし、本当に倍にしてかえしてくれるのであろうな?」
セイバー「もちろんです、騎士の誓いにかけて」
アーチャー「だが、もしも・・・万が一だが、返さなかった場合はどうする?」
セイバー「・・・そんなことはありえませんが・・・そうですね、その時は何でもあなたの願いを一つ聞きましょう」
アーチャー「」ニヤッ
セイバー「かたじけない・・・!!」
セイバーの所持金 30000円(借金30000円)
・・・
セイバー「さて、リベンジです!!」
セイバー「騎士に撤退の二文字はありませんから、もちろん全額換金します」
セイバー「台ももちろん先ほどと同じ台にします!」
台「」
セイバー「待たせましたね、パチンコ台よ」
セイバー「今度こそ貴方には敗北の二文字を味わってもらいますよ」
店員「ありがとうございました~」
セイバー「こ、こんな馬鹿な話が・・・」
セイバー「一度の当たりを見ることすらなく、三万円が消し飛んでしまいました・・・」
セイバー「ふ、ふふふふふふふふふふふふふふふ」
セイバー「私の闘志に火をつけてしまいましたねパチンコよ」
セイバー「いいでしょう!今は笑いなさい!ですが、最後に笑うのは私です!!」ビシッ
凛「ママーあの人一人で笑ってるよー」
葵「しっ、見てはいけません」
セイバー「・・・・・・///」
セイバー「ごほん」
セイバー「それはさておきまた無一文になってしまいましたね」
セイバー「どうにかして・・・おやあれは>>50」
セイバーの所持金 0円(借金30000円)
セイバー「キャスタ・・・(会いたくない奴とあってしまった)」
セイバー「何か用ですか?あと街中でその単語を出すのはやめてもらいたい」
旦那「これは失敬、ジャンヌよ。用件はありませんが私は貴方の僕。あなたがお困りのことがあればなんなりとお呼びつけくださって結構ですよ」
セイバー「お困りのこと・・・?」
旦那「ええ、何でも構いません。なんなら敵のサーバントを撃破してその首を献上いたしましょうか?」
セイバー「いや、そんなことは今はどうでもいい」
セイバー「しかし、そうですね。キャスターあなた今いくらもっていますか?」
旦那「金・・・ですか?そうですね今はざっと10万ほどでしょうか?」
セイバー「じゅ・・・本当ですか!?」
旦那「ええ、いやなに龍之介の作品を高く買い取ってくれるいい理解者があらわれましてね。これから祝杯をあげようとしていたのですよ」
セイバー(龍之介・・・?それがキャスターのマスター?芸術でもたしなんでいるのでしょうか?)
セイバー(いや今必要なのはそんな情報ではありません。肝心なのはキャスターが大金を持っているということです)
セイバー(しかし、キャスターから借りていいものでしょうか?既にアーチャーにも借金をしていることですし・・・)
セイバー(もし借りるとしてもいくら借りましょうか・・・?>>65)
セイバー「やはりなにもありませんでしたキャスター。ひきとめてしまって申し訳ない」
旦那「そんなことはございません。ジャンヌと話せただけで私めにとっては至福のひとときでございました」
旦那「・・・」
旦那「あーそういえば昔ジャンヌに一万円借りてましたね?」
セイバー「え・・・いや、私はジャンヌでは・・・」
旦那「ここで返しておきましょう」
セイバー「・・・」
旦那「では私はこれで」
セイバー「キャスター、なかなかの人物だ」
セイバーの所持金 10000円(借金60000円)
セイバー「さて、人から金を借りないとなると稼がなくてはなりませんね」
セイバー「どうしましょう?>>85」
セイバー(しかし、仮にも王である私が靴磨きなどしていいものでしょうか・・・・)
セイバー「」ぐぅぅぅ
セイバー「今はなにより金を得ることが先決です」
セイバー「さっそく駅前にいきましょう!」
・・・・
セイバー「そこのお方、靴によごれがついています。これではせっかくいいスタイルなのに台無しですよ」ニコッ
男性「お、おお」
セイバー「私、靴磨きをしているものです。今では300円ですがいかがですか?」ニコニコ
男性「あ~~お嬢ちゃんみたいな綺麗な子にそんなこと言われたんじゃ断れないなぁ~」
セイバー「毎度ありです」ニコニコ
・・・・
セイバー「なんとか3000円稼ぎましたが、まだまだ足りませんね」
セイバー「あ、そこのお方靴もコートもボロボロですよ。せっかくだから磨いt」切継「セイバー、なにをしている・・・・・・・・・・・・・・」
5000円くらいなら払うわ
セイバーちゃん!
マスターに話しかけてもらえたよ!
セイバー(言えない・・・金に困って靴磨きをしていたなんて絶対に言えません・・・)
切継(思わずしゃべってしまった・・・)
切継(アイリはどこだ・・・というかこのサーバント今靴磨きとかしてなかったか・・・・・・?)
セイバー「・・・」
セイバー「なんでもありません!!私は私なりに聖杯戦争を戦っているだけです!!」
セイバー「では失礼します!!」ダッ
切継「なっ・・・」
切継(・・・・・・やっぱりあのサーバント駄目だ・・・)
・・・・・・・
セイバー「はぁはぁはぁ・・・」
セイバー「どうやら切継はうまくごまかせたようですね。流石私、ナイス機転です」
セイバー(考えてみればせっかく切継に出会えたのですから資金をもらえばよかったのでしょうか・・・?)
セイバー(いや、もし私がアーチャーに借金をしていると知られたらさらに切継との溝が深まることになる)
セイバー「まぁ過ぎたことを考えても仕方ありません。靴磨きはもう限界でしょうし、次は>>115をしましょう」
セイバーの所持金 13000円(借金60000円)
セイバー「そうなると、もう少しみずぼらしい格好に着替えないといけませんね」
・・・・・・・
セイバー「そこのお方・・・どうかお恵みを・・・」
通りすがりの男「あ?うるせえな、ばk・・・ほぉ、なかなかかわいいじゃねーか嬢ちゃん」
通りすがりの男「なんならお恵みと言わずおじさんが三万円ぐらいくれてやろうか・・・へへっ」
セイバー「ほ、本当ですか!?」
通りすがりの男「ただ何もせずに三万はくれてやれねぇなぁ・・・」
セイバー「交換条件ですか、一体何を?」
通りすがりの男「いわなくたって分かるだろ?ちょっとおじさんと遊んでほしいだけさ」
セイバー(私の体が目当てですね。こんなゲスの相手なんてまっぴらごめんです!)
セイバー「」ぐぅぅぅぅぅぅううううう
通りすがりの男「ははっ、お腹すかしてるのか?なんならおいしいご飯もごちそうしてやってもいいぞ」
セイバー「うぅっ」
セイバー(ちょっと突き合うぐらい構わない気がしてきました・・・。どうしましょう>>135)
通りすがりの男「ぎゃああああああああああああああああああ」
ウェイバー「ちょっ・・・ライダーやりすぎだって!死んだらどうするつもりだ!」
ウェイバー「というかなんでそっち轢いてるんだよ!せっかくセイバーを倒すチャンスだったのにぃ・・・」
ライダー「なに、しっかり加減はしてあるさ。まぁ静かにしておれ」
ウェイバー「もういいよ・・・好きにしろ・・・」ハァ
ライダー「まったく珍妙な格好をしていると思えば、乞食の真似事とは名に聞く騎士王が聞いてあきれるわい」
ライダー「貴様は王の器ではないとはいったが、まさかそこまで品がないとは思わなんだったぞ」
セイバー「ライダー・・・」
ライダー「大体な、セイバー。欲しいものがあるならわざわざくださいと頭を下げんでも奪えばいいではないか」
セイバー「奪う・・・」
ライダー「そう、略奪だ。略奪はいいぞぉ。胸がすかっとする」
ライダー「ほれ。こいつの財布だ。おお!なんと五万もはいっておる。」
ライダー「こいつもこれで少しは懲りるであろう」
セイバー「ライダー・・・かたじけない」
ウェイバー「セイバーを倒すんじゃないのかよぉ~僕たちなんのためにきたんだよぉ~~」
ライダー「闇討ちなどそんなちっぽけなことをしてどうする。ではな、セイバー」
セイバー「ライダー!!」
ライダー「なんだ?礼ならいらんぞ?」
セイバー「いや、それでも是非受け取ってほしい。これはせめてもの私の気持ちだ」
セイバー「エクス・・・」ピカアアアアア
セイバー「カリバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!」
ライダー「」
ウェイバー「」
セイバー「ふ、ふふふふふふふ」
セイバー「最初からこうしておけばよかったのですね」
セイバー「略奪とはいいことをききました。。。ふふふふ」
セイバーの所持金 63000円(借金60000円)
セイバー「ああああああああああああなんででないんですか!!!絶対この台はおかしいです!!このっ!このっ!!」
セイバーの所持金 160円(借金60000円)
台「ビービー」
店員「お、お客さま。台を殴るのはどうか勘弁してください」
セイバー「うるさい」シャキン
店員「ひっ」
セイバー「今すぐこの台を出るようにしなさい。さもなくば店が吹き飛びますよ?」
店員「ひいいいいいいいいい、わかりましたあああああああ」
・・・・
セイバーの所持金 80000円(借金60000円)
セイバー「八万ですか。途中で警察さえこなければもっと稼げたのでしょうが・・・」チッ
アーチャー「どうだセイバー?金は用意できたか?」
セイバー「アーチャー」
セイバー「いや、どうにも用意ができませんでした。覚悟はできています」
アーチャー「ハハハハハこれはいい!最高だ!」
セイバー「しかし、流石にここでは恥ずかしいので、あちらの丘で一時間後にまっていてもらえないでしょうか?」
アーチャー「本来ならばオレを待たすなど不敬極まりないが・・・今日のオレは機嫌がいいからな。特別に許してやろう」
一時間後
アーチャー「セイバーの奴、いつまで待たせるつもりだ」ソワソワ
セイバー「お待たせしましたアーチャー」
セイバー「エクス・・・」ピカアアアアア
セイバー「カリバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!」
アーチャー「」
セイバー「貴方にくれてやる金は1文たりともありません」
セイバー「さて、死体からゲートオブバビロンの鍵でも探しますか・・・」ゴソゴソ
切継「」ガタガタブルブル
セイバー「おや、みていたのですか切継。よろしければあなたも鍵探しを手伝ってほしいのですが・・・」
切継「ぜ、全力でお手伝いさせていただきます!!」
旦那「ジャンヌがまさかそんな・・・」
龍之介「だ、旦那。どうしたの?抜け殻みたいになって」
旦那「龍之介、我がマスターよ。もう私にこの聖杯戦争を戦う希望はありません」
旦那「すまない、龍之介」
龍之介「なにをいってんだよ旦n・・・あ、あれ?旦那どこに・・・行った・・・?」
・・・・・・・・。
雁夜「バーサーカー!!おい、バーサーカーどこいった!!」
雁夜「ぐっ虫があああああああああああああああああああああ」
雁夜「あ」
雁夜「」
・・・・・・・。
アサシン<<切継「ぜ、全力でお手伝いさせていただきます!!」>>
綺礼「どんな男かと思えば・・・ただのヘタレだったか」
綺礼「となれば、もはやこの戦争を戦う意味はないな」
---「令呪を持って命ずる。すべてのアサシンは今すぐに自害せよ」
おしまい
そこまでに(ry
SSF
Entry ⇒ 2012.06.16 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
鳴「ご飯」恒一「はいはい」
鳴「買い物行く?」
恒一「外雨降ってるよ」
鳴「雨は嫌いじゃない」
恒一「びしょ濡れになった見崎を拭くのは僕なんだけど?」
鳴「…嫌?」
恒一「それくらい自分でやってほしいかな」
鳴「うん。いいよ」
恒一「豚骨と塩どっちが好き?」
鳴「豚骨」
恒一(まあどうせ僕のも分けたげる羽目になるんだろうけど)
恒一「そういう見崎こそ」ズルズル
鳴「…成績落ちたりしたら東京戻った後大変じゃない?」ゴクゴク
恒一「かもね」ズルズル
鳴「もう…」ゴチソウサマ
鳴「…そういう意地悪、嫌い」プイッ
恒一「あはは。ごめんごめん」
鳴「これは没取です」
恒一「どうせ元から貰うつもりだった癖に」
鳴「いいから」アーン
恒一「はいはい」アーン
恒一「もう眠くなったの? まだ昼間だよ」
鳴「昨日夜更ししてたから…。榊原君が電話してくるからだよ」
恒一「よく言うよ。僕が眠いって伝えても『もうちょっと』とか言ってたの見崎じゃない」
鳴「榊原君は眠くないの?」
恒一「僕はもともと睡眠時間短いから」
恒一「ここで寝ないでよ? ほら、部屋戻ろ」
鳴「うん…」クテー
恒一「あーもう」ダキッ
鳴「んぅ…」キュッ
恒一「そのまま掴まっててよ」
鳴「はーい…」ギュ
鳴「Zzz」
恒一「熟睡してるし…。このまま梯登るの危ないしなぁ」ウーム
鳴「さかきばら、くん…」ムニャムニャ
恒一「はいはい」ナデナデ
(仕方ない。このまま適当に座っておこう)
鳴「…ん」
恒一「あれだけ食べてるのに栄養は何処に…」ジー
鳴「Zzz」
恒一(…胸はないな)
恒一「いかんいかん。…これでいいかな」ペラッ
鳴「…ぁ、むにゅ」モゾモゾ
恒一「…」ペラッ
鳴「Zzz」ギュー
恒一(集中できん…)モンモン
「あれ? 何で部屋に…」
恒一「Zzz」
鳴「寝てるの?」ツンツン
恒一「ん…」
鳴(かわいい)
恒一「くー…」ネムネム
鳴「いたずらとかは…まあ榊原君だし。ないよね」
恒一「Zzz」
鳴「…」ナデナデ
鳴「…」プニプニ
鳴「!?」グニグニ
鳴「…」オソルオソル
鳴「…」ペシペシ
鳴「あ」
恒一「…起きてたんだ」ゴシゴシ
鳴「おはよう榊原君」
恒一「おはよう見崎」
鳴「うん」
恒一(股間が痛いような…何故?)
鳴「30分前ぐらいかな」
恒一「そっか。なら離れてれば良かったのに。暑いでしょ?」
鳴「榊原君こそ。私床でも寝れるよ?」
恒一「体痛くなるじゃない」
鳴「気にしないよ」
恒一「僕は気にするんだよ」
鳴「…そっか」
鳴「どうしたの?」
恒一「ん? いや少し汗の匂いが…」
鳴「!?」バッ
恒一「今更遅いよ」
鳴「えっち」
恒一「いや僕が汗臭いって話だから」
恒一「いいの?」
鳴「沸かして来るから待ってて」テクテク
恒一「ありがとー」
鳴『どう?』
恒一「いいお湯だよ。見崎ん家のお風呂は広くていいねー」
鳴『そう。なら良かった』
恒一「見崎も入る?」
鳴『いいの?』
恒一「ごめん冗談です」
恒一「見崎?」
鳴「…」ガララ
恒一「ぶっ!?」
鳴「詰めて」グイグイ
恒一(タオル巻いてるけど! けど!)ドキドキ
恒一「…」ドキドキ
鳴「榊原君」
恒一「な、何?」
鳴「見せてあげようか?」
恒一「なっ!?」
恒一「…見崎」
鳴「ん?」
恒一「その、正直言って見たい」
鳴「素直でよろしい」
恒一「…」ドキドキ
鳴「…はい」
恒一「…」
鳴「…」
恒一「…もういいよ」
鳴「そう」モドシモドシ
恒一(だよね水着ぐらい着てるよねあああああ何言ってんだよ僕!)
恒一「…ごめんなさい」
鳴「これからは私以外の子に軽々しく『裸見たい』とか言わないことね」
恒一「うん…うん?」
鳴「?」
恒一「…見崎には言っていいの?」
鳴「…あ」
恒一「も、もうあがろうか」
鳴「う、うん///」
恒一「普通の無いの?」
鳴「普通のは私の」
恒一「じゃあフルーツで」
鳴「はい」
恒一「いただきます」ゴクゴク
鳴「いただきます」クピクピ
恒一「いいよ。二人だし、ババ抜きでいいよね」
鳴「うん」シャカシャカ
恒一「義眼でジョーカー探知は駄目だからね。勝てないから」
鳴「…ちぇ」
恒一「…」
鳴「――これ」ピッ
ジョーカー「やっほー」
鳴「ぐぬぬ…」シャッフル
恒一(真ん中のカードが一枚だけ飛び出してる…)
鳴「さぁ」
恒一(…右端でいいか)ピッ
鳴「あ」
恒一「お、当たりだ。はい、見崎の番」
恒一「どうしたの? 迷う必要ないよね?」
鳴「ぐ…」
恒一「はよ」
鳴「…いじわる」ピッ
恒一「あがり。僕の勝ちだ」
鳴「もう一回」
恒一「えー」
鳴「いいから」
恒一「はいはい」クスッ
恒一「そう?」
鳴「そうだよ。この前だって私が寝てた時勝手にこっちの眼見たでしょ」
恒一「お、起きてたの? ていうか意地悪なのかなそれ」
鳴「意地悪って言うか、悪戯って言うか…」
鳴「謝るくらいなら、ちゃんと言ってくれればいいのに」
恒一「嫌がられるかなって思ってさ。もうしないよ」
鳴「…別に、榊原君ならいいけど」
恒一「そ、そう?」
鳴「特別に、ね」
恒一「また騙されそうだから止めとく」
鳴「ほら、そういう所が意地悪」
恒一「そうなの?」
鳴「こっち見て」グイッ
恒一「わっ」
恒一「…」
鳴「…」
恒一「…」
鳴「…何か言って」
恒一「…」ナデ
鳴「んっ…」ピクッ
恒一「綺麗だよ」ボソッ
鳴「榊原、君…」
恒一「…」スッ
鳴「…」ギュッ
霧果「あら、何してるの?」ガチャ
霧果「…お邪魔しましたー」スタスタ
恒一「…」
鳴「…」
恒一「…お約束だよね」ハァー
鳴「そうね」フー
鳴「どうしよ…。いないものなんだし、明日の気分かな」
恒一「そっか。ま、明日も朝に来るから、その時決めよう」
鳴「うん」
恒一「じゃ、またね」
鳴「…待って」クイッ
恒一「ん?」
恒一「…ここ、外だけど」
鳴「じゃあ中に戻ってから」
恒一「もう。ここでいいよ」チュッ
鳴「んっ…」
恒一「満足した?」
鳴「…うん。気を付けてね」バイバイ
恒一「おやすみ」バイバイ
霧果「…」ジー
霧果「鳴」
鳴「なんですか?」
霧果「…榊原君は、いい子よね」
鳴「? はい。そうですね」
霧果「お母さん悲しいけど、応援するから。頑張って」グッ
鳴「なっ!?」
霧果「押し倒されないなら押し倒しちゃいなさい」
鳴「///」
鳴「え、えっと…」
霧果「榊原君、誰かに取られちゃうわよ? いいの?」
鳴「…だめ、です」
霧果「ま。鳴が一発押せばイチコロよ。頑張りなさい」
鳴(押し倒す…)ドキドキ
恒一「おはよう」
鳴「おはよ」
恒一「学校どうする?」
鳴「…今日も雨だし、いいんじゃない?」
恒一「だと思った。朝ご飯食べた? お弁当作って来たけど」
鳴「朝は済ませたよ。でも食べる」
恒一「あれ? もういいの?」
鳴「もうって、全部食べたよ?」
恒一「いや、いつもなら僕のもよこせって言うからさ」
鳴「よこせなんて言ってないよ」ムッ
恒一「そうだっけ?」
鳴「もう…」
恒一「?」
鳴「…」ドキドキ
恒一(あー何か企んでるな)
鳴(大丈夫…だよね?)
恒一(やっぱりお弁当欲しいのかな?)
鳴「…」ソワソワ
恒一「…」ウーン
鳴「…」ジー
恒一「…」カキカキ
鳴「…」コソコソ
恒一「あの…」
鳴「!」ビクッ
鳴「な、なんでもない。榊原君は勉強?」
恒一「うん。流石にね」カキカキ
鳴「どれくらいで終わる?」
恒一「あとは答え合せぐらいかな。なんで?」
鳴「…ちょっと、話たいかなって」
恒一「暇?」
鳴「うん」
恒一「そっか。ちょっと待ってね」
鳴「じゃあこっち来て」クイッ
恒一「? うん」
鳴「ここ座って」ポンポン
恒一「はいはい」
鳴「…」
恒一「それで、なんの話しようか」
恒一「珍しいね。いつもは僕がしてるのに」
鳴「あのね? 榊原君って、好きな娘いる?」
恒一「…ん?」
鳴「好きな人はいるの?」
恒一「それ、今更言う事?」
恒一「…いるけど」
鳴「誰?」ズイッ
恒一「勘弁してよ…」
鳴「言ってくれなきゃ嫌いになる」
恒一「…見崎」
鳴「ちゃんと言って」
恒一「――見崎が、好きだよ」
恒一「は、恥ずかしがるなら言わせるなよ…」
鳴「榊原君、真っ赤だよ?」
恒一「見崎もね。で?」
鳴「?」
恒一「見崎は好きな人いるの?」
鳴「榊原君」
恒一「…ごめん。ちょっと待ってね///」ウツムキ
恒一「もう…どういう意味があってこんな」
鳴「確認、かな」
恒一「確認?」
鳴「うん。分かってたけど、一応、ね」グイッ
恒一「へ?」ドサッ
恒一「…」ボーゼン
鳴「こうするなら、ちゃんと言わないと駄目かなって思って」
恒一「…なるほど」
鳴「…嫌?」
恒一「嬉しいけど、うん…」
鳴「嬉しいんだ」クスッ
鳴「榊原君がしてくれないから、私がするの」
恒一「…そっか」
鳴「そうだよ」
恒一「じゃあ次は僕がするよ」
鳴「期待してる」
チュ
恒一「ん、見崎…」
鳴「んむ…ふ、ぁ…んちゅ」
恒一「見崎、見崎…」
鳴「しゃかきびゃら、くん…ちゅっ、ちゅ」
恒一「…ふぅ」プハ
鳴「ん、ぅ…」ポワーン
鳴「…」
恒一「…しないの?」
鳴「したよ?」
恒一「?」
鳴「?」
鳴「これで?」
恒一「…えっと、この先と言うか、その…イヤーンな感じの」
鳴「イヤーン?」
恒一「ちょ、ちょっと待って。え? え?」
鳴「うん」
恒一「き、キスも、した」
鳴「うん///」
恒一「つ、次は?」
鳴「次? 霧果は押し倒したら好きにしていいって…」
恒一「霧果?」
鳴「あ」
鳴「あ、あのね? 榊原君を押し倒して、キスしたかったの」
恒一「あ、はい」
鳴「うん…」
恒一「…」
鳴「…」ウズウズ
鳴「…まだ」チュッ
チュッチュ
恒一(まぁ、いいか。今度ゆっくり教えよう。次は僕のターンだし)ナデナデ
鳴(幸せ♪)チュッ
霧果「…っち。今度こそは…」
happy☆end?
やっぱりほのぼのSSもいいな
Entry ⇒ 2012.06.16 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
アカギ「ククク……ポケモンでハワイだ…」
神の見えざる力で引き寄せられるかの様に……
とある少年の元へ……!
少年「……」ピラ
チラシ『ポケモンワールドチャンピオンシップス 開催地:ハワイ』
開催地…ハワイ……!
地上に残された唯一の理想郷…ハワイ……!
少年「ククク……」
後にポケモン界を震撼せしめる少年……赤木しげる…
……これがその始まり
アカギ「ククク……ポケモンでハワイだ……」
そして見つける……
棚に陳列された廃人への片道切符……ポケットモンスターBW2
だが……!
アカギ「……」テクテク
アカギ意外にもこれをスルー……!
まさに狂気……!
店を出たアカギが手にしたのは……ポケットモンスター『赤』……!
赤木の……『赤』……!
アカギ「ポケットモンスター赤木」ニヤ
アカギ、無法の一人ボケ……!
ハワイへ行くための第一関門…ジャパンカップ…
上位2名のみが日本代表としてハワイへの切符を手にする狭き門…!
欲望渦巻く幕張メッセに、アカギが降り立った…!
アカギ「……」
このときアカギはポケモンを数分プレイし、
オーキドから「ポケモンを持たずに草むらに入るな」という簡単な説明を受けただけで
ポケモンバトルなど一切知らない、ド素人以前の状態だったという……
アカギ「ああ…」
黒服「では、こちらに必要事項を記入して下さい」
アカギ「はいはい…」カキカキ
このときアカギ意外に素直
男B「ハッサムに交代!」
アカギ「……」ジー
他の参加者の試合を見物するアカギ……
そして……
アカギ「!?」
アカギ、その類稀なる感性で微かな違和感に気付く……!
①なんか過去に自分がプレイしたポケモンより画面が綺麗(白黒じゃない)
②なんかゲームボーイの形が違う(画面二つ)
この二つの符号が意味するものはひとつ……!
荷物をその場に残し席を立つ男……
無用心…!
アカギ「……」スッ
アカギ、ソフトごとDSを奪取……!
これじゃ泥棒……!
アカギ「……」スッ
なんとアカギ自分のGBを荷物へ投入……!
無法の免罪符……!
格差の等価交換……!
アカギ「……」ダッ
一目散にその場を離れるアカギ……人混みの中へ消える……
使用するポケモンを選ぶため、入手したROMを起動……!
『つづきから カイジ プレイ時間999:59』
『5V1Uメタグロス』
『めざ草ニョロトノ』
アカギ「ククク…なるほど……凡夫だ…」ピコピコ
『ラティアス達をまとめて逃しますか?』
アカギ「人をはめることばかり考えてきた人間のボックス…痩せたポケモン…」ピコピコ
『ばいばい ラティオス達』
悪魔…!!
黒服「それではアカギさん、スタンバイお願いします」
アカギ「ああ……」
結局アカギが選んだポケモンは
『スピアー』
『クイタラン』
『ゴローニャ』
『リーフィア』
『バイバニラ』
『カモネギ』
ゴミ……!!
アカギの初バトル……
アカギの前には最初の供物…生贄…
黒沢「よろしくお願いします」
アカギ「よろしく……」
黒服「それでは、バトル開始!」
ついに始まる…最強伝説アカギ……!!
アナウンス『ピンポンパンポーン』
アナウンス『伊藤カイジ君のDSを見つけた方は至急係の者へお知らせ下さい』
蓋を開けてみればアカギ怒涛の16連勝……!
参加者100万人を押し退け、決勝進出……!
この時点でハワイ確定……!
アカギ「……」ニヤ
アカギうれしそう…!
しかしここで不可解な疑問……
何故あのゴミポケ共でアカギはここまで勝ち残れたのか……?
黒服(実況)「いやーアカギ君のバイバニラはすごいですねー」
黒服(解説)「はい。なんせ先制の爪の発動率と絶対零度の命中率がここまで10割ですからねー」
狂気の沙汰……!!
黒服「準備はいいですか?」
カイジ「ああ…始めてくれ…」
アカギ「いつでもどうぞ…」
黒服「決勝戦!赤木しげるvs伊藤開司!ファイッ!」
テレレレレレレレ…
アカギ画面『えんどう が しょうぶ を しかけてきた !』
カイジ画面『カイジ が しょうぶ を しかけてきた !』
カイジ「!?」
アカギ「ククク…どうしました…『えんどう』さん…」
カイジ「これ…これは俺の……!」
黒服「何をやっているんだ!離れろ!」ガシ
カイジ「こいつ…盗んだんだ…!俺のROMを…今日のために地下でコツコツ育てた俺のポケモン達を…!」
ざわ… ざわ…
試合一時中断…!
アカギのROMを調べるカイジと黒服……
カイジ「いない…!俺のメタグロス…バンギラス…!マルチスケイルカイリューも…!」
カイジ「半分以上逃がされてやがる……!」
アカギ「ククク…元々これは俺のROM…最初からそんな奴らはいなかったのさ……」
白を切る悪魔……!
黒服「相手の戦術を盗み見る行為と見なし、カイジ、お前を失格にするぞ!」
カイジ「ふ…ふざけるなよ…!戦争だろうが…」
カイジ「疑ってるうちはまだしもそれを口にしたら…戦争だろうがっ…!」
アカギ「あらら…」
カイジ「俺は育て屋に6vメタモンとロトムを預けている…!」
アカギ「?」
黒服「ふむ、それが確認出来れば、これがお前のROMだと認めて」
黒服「アカギを失格にする!」
アカギ「!」
このときアカギに電流走る…!
カイジ「あ」
刹那…ROMを奪い取るアカギ…そして……!
パ キ ッ
カイジ「あ…ああ~~~~~…!」
アカギ…ROMを割る…!!
違法ダウンロードのことではない…!
物理的にROMを割る暴挙……!!
物理割れ厨……!!
アンタ鬼や
どっちにしろ失格じゃねーかwwwww
アカギ掴む…失格を躱す無法の理…!
黒服「カイジ選手!不戦勝!」
勝負有り……!
優勝カイジ
準優勝アカギ
二人揃ってハワイへ……!
黒服「Congratulation…!」
黒服「おめでとう…!」
黒服「おめでとう…!」
すべてのポケモントレーナーに……おめでとう……!
第一部 ジャパンカップ編 完
第一部wwwww
改造じゃ大会には出られんし
トリックなどない・・・!
10割の秘訣・・・それはアカギの持つ天運・・・・・・!
ここはその開催地…常夏の楽園ハワイ……!!
今、その大地に二匹の魔物が降り立った……
カイジ「ついたぞ…ハワイだ…!」
アカギ「……」ウキウキ
優勝賞品のBW2を二人で分け合い、今日までポケモンを語らい…共に励む仲…
カイジ「まずは…ホテルへ向かおう…!」
アカギ「……」ウン
カイジ「俺達の試合は明日だ…それまで自由行動にしよう…!」
アカギ「……」ヤッタ
アカギと別れたカイジ……部屋に篭り最後の調整……
戦術の推敲……勝利への飽くなき執念……!
一方アカギ……猛ダッシュでビーチへ……
無表情でハシャギ狂う……自己の開放……!
ポケモンワールドチャンピオンシップス…当日……!
がっ…!
カイジ「あいつ…どこにもいねぇ…!」
カイジ「俺のROMを持って…どこかへ消えやがったっ…!」
アカギ消失……!
カイジのROMもろとも消失……!!
覚めない悪夢……疑心に満ちる心……
カイジ「…はっ!ひょっとして…もう会場に向かったんじゃ…!」
カイジ藁をも掴む思いで会場へ……
カイジ「はぁ…はぁ…」
会場の隅々まで探索するすカイジ……だがっ……!
カイジ「うっ……ううっ……」ボロボロ
遂にアカギ現れず…!
それもそのはず……何故ならアカギは……!
アカギ「ククク…」ビュイーン
ここ……!!
飛行機の中……!!
日本へ帰る飛行機の中……!!
勉強、仕事を返上し、卵を産み続けた大きいお友達…
そんな彼らが、夢焦がれたポケモンワールドチャンピオンシップス…
ポケモンファン夢の舞台……それを……
あろうことか放棄……!!
常軌を逸したドタキャン……!!
アカギ「クク…どうするんだ…この木刀…」ブンブン
アカギ機内でお土産の木刀を振り回す……!
迷惑……!
それが達成されれば…ポケモンバトルなど用済み……!
しかし……
アカギ「ポケモン…面白い……狂気の沙汰ほど面白い……!」ピコピコ
アカギ、ポケモンを気に入る……
機内でプレイ……音量MAX……
迷惑……!
アカギ「へぇ…6vか……」ピコピコ
ポケモンはその面白さ故…幾人もの人生を喰い物にしてきた魔物……
例えばアカギがポケモンではなく……麻雀……!
仮に麻雀に興味を示していたのなら……
アカギは間違いなく、裏社会の伝説として君臨したであろう……!
ポケモンが麻雀界の逸材を奪ったのだ……!
アカギ「今度は素早さ逆vか……」ピコピコ
アカギ「?」ピコピコ
少女「き、機内でそんな大音量でゲームをしたら、他のお客さんに迷惑ですっ!」
注意されてしまったアカギ……
アカギ「あらら…」パタン
このときアカギ以外に素直……
少女「え…?」
アカギ「やるよ……」グイグイ
なんとさっきまで遊んでいた自分のROMを差し出すアカギ……!!
少女へのサプライズプレゼント……!
常人には理解不能……!!
困惑する少女……
アカギ「俺はROMをもう一つ持ってるから……」
微妙に会話が噛み合わないアカギ……
しかもそれはカイジのROM……!
少女「で…でも」
少女姉「おーい、咲!何をしている、早くこっちに来い!」
咲「あ、お姉ちゃんが呼んでる…」
咲「……」
咲「じゃあ、このゲーム貰ってくね……」
咲「ありがとう……」タッタッタッ
アカギ「ククク……」
後に咲と呼ばれたあの少女は…ポケモン界で『魔王』の称号を手にし……
アカギの前に立ちはだかる……!
アカギがそのことに気付いていたかは定かでは無い……
もし、咲がポケモンではなく麻雀を好きになっていたら……
間違いなく麻雀界の魔王となっていたであろう……
ポケモンが麻雀界の逸材を奪ったのだ……!
カイジ「くそっ…くそっ…何で俺ばっかり…こんな目に……!」ボロボロ
カイジ号泣……
人目も憚らず大の大人が号泣……
たかがゲームごときで号泣……
これには現地のハワイアンも失笑……
ハワイアン「HAHAHA!」
カイジ「あっ…あんたは……!」
まさに僥倖……!
カイジの前に現れた人物……
それは……!
ジュンイチロー「そんなに泣きじゃくって、どうかしたのか?」
カイジ「小泉ジュンイチロー元総理……!」
それはまさに各国の威信をかけて戦う場所……戦場……
当然応援に来る…各国のお偉いさん……!
カイジ「……!……!」カクカクシカジカ
事のあらましを説明するカイジ……
ジュンイチロー「話は分かった…」
ジュンイチロー「カイジ君、君にこれを託そう」スッ
カイジ「こ…これはっ……!」
手渡された『真っ白』なROM……
ただのポケットモンスターホワイトではない……
総理専用ROM…ポケットモンスター『純白バージョン』……
その名も『ポケットモンスタービギニングオブザコスモス』……!
カイジ感涙……
カイジ「ありがとうございます……ありがとうございます……」ボロボロ
ジュンイチロー「もう泣くなカイジ君。君は国民の期待を一身に背負った戦士(ポケモン廃人)だろ」
カイジ「はい……!」ボロ…
ジュンイチロー「さあ行け!世界に日本男児のポケモン魂をしらしめてこい!」
カイジ「はい……!」タッタッタッ
カイジ駆ける…未来はカイジの手の中……!
波乱に満ちたポケモンワールドチャンピオンシップスは
カイジの優勝で幕を閉じた……
小泉ジュンイチロー元総理……
彼も本来なら麻雀でライジングサンとかをしていたはずの人物……
ポケモンが麻雀界の逸材を奪ったのだ……!
そしてその運命に翻弄された麻雀界の逸材(になる予定だった人)達の物語……
後に語られる狂気のポケモンバトル……
雀卓を囲んだアカギ・カイジ・咲・ジュンイチローによる狂気のポケモンバトル……
その行く末を、このときアカギ今だ知らず……!
おわり
乙
なかなか面白かったぜ
Entry ⇒ 2012.06.16 | Category ⇒ ポケモンSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
凌牙「スマイルプリキュア?」Ⅳ「イェイイェイイェイですねえ」
凌牙「またふざけたことを言いやがって! お前の発言すべてがイラッとくるんだよ!!」
Ⅳ「まあまあ。あ、ジャイアントキラーの効果発動しますね。あとダイレクトアタック」
凌牙「チッ、エアロシャークが!」
Ⅳ「フハハハ! お前はすでにウルトラハッピーの糸に操られたデク人形だ!!」
凌牙「え?」
Ⅳ「え?」
Ⅳ「何かおかしなことを言いました?」
凌牙「いや……ウルトラハッピーの糸ってなんだよ」
Ⅳ「ウルトラハッピーの糸でしょうねえ」
凌牙「……。俺のターン、ハンマーシャークの効果でキラーラブカを特殊召喚。シャークサッカーの効果発動」
Ⅳ「教えてあげようか凌牙。気になるんだろう?」
凌牙「うるせえ! お前に教わることなどない! 沈め!!」
凌牙「魔法カード・浮上を発動! ビッグジョーズを復活させる!」
凌牙「ブラックレイランサー! アニメ版エアロシャークをエクシーズ召喚!!」
Ⅳ「ふはは、手加減ないねえ凌牙。そうでこないとなあ! ぶっ倒しがいがないってもんだぜ!!」
凌牙「ほざいてな! 俺はエアロシャークの効果を発動する!」
エアロシャーク「クケエエエエッ」ドドドッ
Ⅳ「ぐおおおっ!?」【LP4000→3200】
凌牙「どうだ! そのおかしな頭も、少しはスッキリしただろ!」
Ⅳ「くく、言うようになったもんだな凌牙。この程度のダメージ、なんてことはない!」
凌牙「ふっ。ならバトルだ! 俺はアクアジェットでエアロシャークの攻撃力をあげ、ジャイアントキラーに攻撃する!!」
エアロシャーク「クケエエエエッ」【ATK2900】
ジャイアントキラー「……」【ATK1500】
ドオオオオッ
Ⅳ「うおおおおっ!!」【LP3200→1800】
凌牙「思い知ったか、Ⅳ!! これが俺の復讐の力!! 怒りが、憎しみが、俺の糧となる!!」
Ⅳ「フフハハハ!! 煮えたぎってきたぜえっ!! シャァアアーク!!!」
凌牙「……!」
Ⅳ「悪いが、ジャイアントキラーが戦闘に敗れたことで手札からモンスターを召喚させてもらう」
凌牙「モンスターだと?」
Ⅳ「このモンスターは、自分のモンスターが戦闘に敗れた時にそのモンスターをリリースすることで、手札から特殊召喚できる!!」
Ⅳ「現れろ! キュアピース!!」
キュアピース「ぴかぴかピカリン じゃんけんポン♪」チョキ!
キュアピース「キュアピース!!」
シャーク「きゅ……なんだって?」
凌牙「なんだそのモンスターは! 見たことないぞ!」
Ⅳ「当たり前だ。このカードはトロンが俺のために作ってくれたカードだからな」
Ⅳ「このカードで凌牙! 貴様を倒す!!」ドン☆
凌牙「くっ……卑怯な奴だぜ」
Ⅳ「なんとでも言え! トロン……いや、あの人のためなら!! 俺はこの手をいくら汚しても、かまわない!! 俺のターン!!」
Ⅳ「メインフェイズ時、キュアピースの効果を発動する!!」
凌牙「!」ゴクリ
凌牙(トロンが奴のために作ったカード……一体どんな強力な効果なんだ……!?)
Ⅳ「俺はお前とジャンケンをする!!」
凌牙「……は?」
凌牙「おい、どういうことだ!」
Ⅳ「そういう効果だ。キュアピースの」
凌牙「誰がお前なんかとジャンケンをするかよ!」
Ⅳ「効果だから仕方ないだろ。さあ、ジャンケンだ」
凌牙「チッ、しょうがねえ。だが絶対に勝つ! 最初は……」
Ⅳ「ぴかぴかピカリン!」
凌牙「!?」
Ⅳ「じゃんっ、けんっ、ぽおんっ☆」パー
凌牙「なっ、え? うっ」グー
Ⅳ「フハハハ!! 俺の勝ちだな!」
凌牙「ジャッジー!!」
Ⅳ「今度はなんだ」
凌牙「今の掛け声はなんだ! 意味がわからねえし、痛すぎるぞ!」
Ⅳ「俺の家ではああやってやるんだよ」
凌牙「どんな家だ!」
Ⅳ「うるせえな。Vなんてノリノリだぞ」
Ⅳ「とにかく俺の勝ちということで、効果を発動させてもらう」
凌牙「チッ、しょうがねえ。だが次は勝つぜ」
Ⅳ「ピカリンじゃんけんに勝利したプレイヤーは、デッキからカードを三枚ドローできる! ドロー!!」
Ⅳ「さらに、ドローした中に『キュア』と名の付いたモンスターがある場合、そのモンスターを特殊召喚する!」
シュワン
キュアサニー「キュアサニー!」
キュアマーチ「キュアマーチ!」
凌牙「一気に二体のモンスターを……」
Ⅳ「まあ残りは墓地に送られるがな」
Ⅳ「キュアサニーの効果を発動! このカードは、このカード以外のフィールドに存在する『キュア』と名の付いたモンスターの攻撃力の合計、攻撃力があがる!」
キュアサニー「ハアアアッ」【ATK1300→3000】
凌牙「攻撃力3000だと!?」
Ⅳ「いけえ、キュアサニー! エアロシャークを攻撃!! サニー・ファイヤー!!」
キュアサニー「ファイヤアアッ」
凌牙「くうっ!!」【LP2500→2400】
Ⅳ「さらにキュアマーチでブラックレイランサーを攻撃! このカードは戦闘時、攻撃力が倍になる!」
キュアマーチ「ウオオオッ」【ATK1200→2400】
Ⅳ「プリキュア・マーチ・シュート!!」
キュアマーチ「シュウトオオッ」
凌牙「ぐああああっ!?」【LP2400→2100】
Ⅳ「まだだ! キュアピースの攻撃が残っているぞ、凌牙!!」
凌牙「く、このままじゃあ……」
凌牙(俺は、負けるのか? 復讐のために、これまでどんな手を使ってでもハートピースを集め、本選にも出場したのに……)
凌牙(俺は、負けちまうのか!?)
凌牙(嫌だ嫌だ! 負けるなんて、あいつに負けるなんて! あいつは、Ⅳだけは俺が倒さなくちゃならねえんだ!!)
凌牙(俺は! 俺は!!)
リョウガ……
凌牙(! この声は……シャークドレイク!?)
シャークドレイク「俺を受け入れろ、凌牙。そうすればお前はこのデュエル、勝利を得ることができる」
凌牙(嫌だ! 俺はナンバーズを、お前を使うわけにはいかねえ!!)
ドレイク(何故だ。俺を使えば、お前は絶大な力を手に入れられるというのに。俺と一つになれ!)
ドレイク(お前には力が必要なのだろう? ならば、俺を使え! 俺を使って、奴を倒すのだ!!)
凌牙(黙れ!! 俺はもう、ナンバーズに飲み込まれない!!)ドン☆
ドレイク(チィッ……)スウウ
凌牙(消えたか……)
???「ならよお、バッドエンドはどうだ?」
凌牙「お前は!?」
ウルフルン「ウルッフフ、俺はウルフルン! 世界をバッドエンドにするために働いてる!」
凌牙「バッドエンドだと……?」
ウルフルン「お前、いいバッドエナジーを出してるじゃねえか。見込みがある」
凌牙「何を言ってやがる!」
ウルフルン「お前に力をくれてやる、って言ってんだよ!!」バッ
ウルフルン「世界よ! 最悪の結末、バッドエンドに染まれええ!!」
ウルフルン「白紙の未来を、黒く塗り潰すのだあああっ!!」
凌牙「シャー子、すまねえ。お前を守れなかった……」
ウルフルン「ウルッフフ!! 鮫の発したバッドエナジーが! 悪の皇帝ピエーロ様をっ! 蘇らせていくのだあああああっ!!!」
Ⅳ「おい、凌牙!」
凌牙「……」
Ⅳ「くくっ、恐怖のあまり声も出なくなっちまったか? まあいい」
Ⅳ「キュアピース! プレイヤーにダイレクトアタックだ!! ピース・サンダー!!」
キュアピース「ヒャアッ フオオオオッ」【ATK500】
凌牙「……伏せカード、オープン」
Ⅳ「なにいっ!!」
凌牙「永続罠、『バッドエンドへのカウントダウン』!!」
凌牙「このカードは相手の攻撃を無効にする! その後、プレイヤーの装備カードとなる!!」
Ⅳ「プレイヤーの装備カードになる罠だと!?」
凌牙「うおおおっ!! 俺の白紙の心が、黒く塗り潰されていくぜええええっ!!」ゴアアアッ
凌牙「このカードを装備したプレイヤーは、ハッピーエンドを受け付けない!!」
Ⅳ「……!!」
Ⅳ(どういう……ことだ……)
凌牙「俺のターン! 強欲なアカンベェを発動!! デッキからカードを二枚ドローする!!」
凌牙「そして手札から、ウルフルンを召喚するぜ!!」
ウルフルン「ウルッフフ」【ATK2000】
Ⅳ「ウルフルンまじウルフルン!!」
凌牙「ウルフルンの効果発動! 攻撃力を200下げて、デッキからアカンベェを特殊召喚する!!」
アカンベェ「あかんべえ~!」
凌牙「ウルフルンはアカンベェをリリースすることにより、攻撃力が700ダウンする! 俺はアカンベェをリリース!!」
Ⅳ(馬鹿かこいつ!)
Ⅳ「俺にダメージを与えられないコンボに何の意味がある!!」
凌牙「意味ならあるぜ! ウルフルンの効果でもう一度アカンベェを召喚!!」
アカンベェ「あかんべえ~!」
凌牙「そしてアカンベェをリリースする!!」
ウルフルン「ウルッフフ」【ATK1100→200】
凌牙「そしてまたアカンベェをデッキから特殊召喚」
アカンベェ「あかんべえ~!」
Ⅳ「これでウルフルンの攻撃力が0に……。何がしたい、凌牙!?」
凌牙「分からないのか?」
Ⅳ「なに……?」
凌牙「ウルフルンには隠された効果があるんだ!」
Ⅳ「隠された、効果……だと……?」
凌牙「ウルフルンの攻撃力が0になった時! ウルフルンの真の力が目覚める!!」
凌牙「ウルフルンは攻撃力が0の時、ぶっ壊れる!!」
ウルフルン「ウルファアア……」ドバッ
凌牙「そしてウルフルンがこの効果で破壊された場合、デッキからこのモンスターを特殊召喚する」
凌牙「現れろ、ウルフルン―oresama saikyo u―!!」
ウルフルン―oresama saikyo u―「I'm your o-kami」
凌牙「ウルフルン―oresama saikyo u―が特殊召喚に成功した時、フィールド上の『キュア』と名の付いたモンスターを全て破壊する!」
Ⅳ「なんだと!?」
凌牙「ウルフーズブレス!!」
ウルフルン―oresama saikyo u―「ウルファアアアッ」
キュアピース「イヤアアッ」
キュアサニー「ヌアアッ」
キュアマーチ「ウアアッ」
Ⅳ「馬鹿な! 俺の、プリキュアが!! ぜん、めつめつめつめつ……」
凌牙「ウルフルン―oresama saikyo u―でプレイヤーにダイレクトアタック!!」
ウルフルン―oresama saikyo u―「ウルファアアアッ」
Ⅳ「チッ、罠カード! ギミックボックス!!」
ギミックボックス「ヒヒヒヒヒヒヒヒ」ATK2400
凌牙「俺はカードを伏せてターンエンドだ」
Ⅳ「く……俺のタ」
トロン「命拾いしたね、Ⅳ」
Ⅳ「トロン!?」
トロン「見ていたよ、君のデュエル。僕のあげたカードを使ってくれているみたいで何よりだ」
Ⅳ「ああ。あんたの言うとおり、プリキュアのカードで凌牙を……」
トロン「倒せないよ、凌牙は。君ではね」
Ⅳ「どういう意味だ! トロン!!」
トロン「君の知っているとおり凌牙の使っているカードは、僕が今一番はまっているアニメ『スマイルプリキュア!』の悪役であるウルフルンだ」
Ⅳ「見ればわかる、それがなん……まさか!?」
トロン「うん。察しの通り、僕が凌牙のデッキにあのカードを入れたのさ」
Ⅳ「……ッ!!」
Ⅳ「……なんでだよ」
トロン「君より凌牙の方が、プリキュアが似合うからね」
Ⅳ「トロォオオオン!!! どうしてだああああ!!!!」
Ⅳ「俺はわざわざチャンピオンの仕事も休んで、プリキュアのショーを見に行って動画を撮った!! なのにあんたはⅢが録画したアニメの方に夢中だった!!」
Ⅳ「年甲斐もなく、毎日コンビニに通いプリキュアの商品を買いあさった! だがVがボックス買いをしてて、あんたは俺に目もくれなかった!!」
Ⅳ「ゲーセンにも行った! チャンピオンがUFOキャッチャーに十万も注ぎ込むってなんなんだよ!!」
トロン「僕がいつそんなことを頼んだんだい? 君はただ、僕がプリキュアにはまっているのを見て勝手にやっただけだろう」
トロン「そういうのを独りよがりと言うんだ。君は少々やりすぎるところがあるよ、反省した方がいい」
Ⅳ「くっ……、だがトロン! わかってくれ!! 俺がやったのはあんたのためだ!! あんたのために、グッズをかき集めたんだ!!」
Ⅳ「そして、俺もいつの間にかプリキュアにはまっていた!」
Ⅳ「キュアハッピーかわいい! キュアサニーかっこいい! キュアピースあざとい! キュアマーチイケメン! ビューティさんまじビューティ!!」
Ⅳ「俺はプリキュアが好きなんだよぉおおおお!!!」
Ⅳ「トロン! 凌牙より、あんな奴なんかより、俺の方がプリキュアを愛してる!! プリキュアが似合うのは俺だ!!」
Ⅳ「トロォオオオオオオオオオオオン!!!」
トロン「……気持ち悪い」
Ⅳ「っ!!?」
トロン「君、何も分かってないよ。僕はプリキュアが好きなんじゃない」
トロン「僕は女子中学生が悶え苦しみ、絶望に堕ちるバッドエンドが見たいだけだよ? キャラが好きだなんて、誰も言っていないじゃないか」
トロン「だから君が買ってきたフィギュアも食玩もキュアデコルも、全部捨てたよ。おしゃれキャンディなんか、今はアストラル世界で愉し~く暮らしているんじゃないかな?」
Ⅳ「ト、ロン……嘘……だろ?」
トロン「本当だよ! 西村ちなみに僕は凌辱モノ、だぁ~いすきっ!!」
Ⅳ「テメエエエエエエエエエエエエ!!!」
Ⅳ「ふざけるなあっ! ふざけるなよおおおっ!!」
Ⅳ「みゆきちが! あかねが! やよやよが! なおちゃんが! れいかさんが!! バッドエナジーを放出してるところが見たいっていうのか!! トロォオオオオオン!!!!」
トロン「見たいよおっ! 最高じゃないか! それこそウルトラハッピーだろう!?」
Ⅳ「ふざけるなあああああああっ!! ウルトラハッピーなんて軽々しく口にするんじゃねええええ!!!」
トロン「いいじゃないか、誰がどう使おうと。……恐い恐い、君みたいなプリオタを怒らせるとこれだ」
Ⅳ「黙れええええええ!! あんたにっ! プリキュアをどうこう言う権利はない!!」
Ⅳ「今まで、俺はあんたの言うとおりに動いてきた! おかしいと思うことも、どんなに非道なことも、なにもかもだ!!」
Ⅳ「だがなあ、気付いたんだよ!! あんたの命令通りに働くのは間違っているって!!」
Ⅳ「何故だと思う!? それは、プリキュアを観たからだ!!」
Ⅳ「プリキュアを観ていると、心が癒される! まばゆい光に照らされる! この闇の精神が浄化されいくんだ!!」
Ⅳ「プリキュアのおかげで、俺は間違いに気付いた! だからあんたにもプリキュアの力で間違いに気付いてほしかった!! でも、駄目だったみたいだ!!」
Ⅳ「プリキュアの浄化の力でも、あんたを昔の優しい父さんに戻せない!! なら、こうするしかないだろ!?」
トロン「ふふ、どうするんだい? この僕を亡きものにしてしまうとか?」
Ⅳ「違う!! プリキュアの力が駄目なら……!!」ピカアアッ
トロン「この光は……!?」
Ⅳ「俺が希望を与え、人々の一番美しい顔を守る存在に……父さんの優しさを取り戻せる存在に……」
Ⅳ「俺がプリキュアになればいいんだぁあああああああああああ!!!」カッ!!
レディー!
Ⅳ「プリキュア、スマイルチャージ!!」
ゴー!
Ⅳ「お前たちの変身は素晴らしかった! 決め台詞もかわいさも!」
Ⅳ「だが! しかし! まるで全然!! この俺のあざとさには程遠いんだよねえ!!!」
サービス「ギラギラさんざめく銀河美少年! キュアサービス!!」
Ⅲ「……!」ピクッ
Ⅲ(Ⅳ兄様、ついになったんですね……プリキュアに!)
V「ありえない」
トロン「Ⅳ……いや、キュアサービス……。君は……」
サービス「見ていてくれ、トロン。凌牙は俺がこの手で倒す!」ドン☆
サービス「待たせたな、凌牙! デュエルの続きだ!!」
凌牙「来い! フォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
サービス「俺の名前はⅣじゃない! 本当の名前は、キュアサービスだぁああああ!!!」
サービス「俺の、ターン! サービシング・ドロー!!」
キャンディ『キュア決闘者のデュエルはすべて必然! ドローカードさえも、決闘者が創造するクルぅー!!』
サービス「勝利もまた、俺の手の中に!!」
サービス「俺は手札から魔法カードを発動! 『五つの光が導く未来』!!」
サービス「このカードの効果により、ギミックボックスをリリースしてデッキから攻撃力0の光属性モンスターを五体特殊召喚する!!」
みゆき「ウルトラハッピー」
あかね「オチナイヤーン」
やよい「ズバットサンジョウ」
なお「ムシイヤー」
れいか「ヒトノイッショウハ」
凌牙「そんな雑魚モンスターで何ができる?」
サービス「雑魚モンスターなんかじゃない! 女の子は誰だって、プリキュアになれるんだよおおっ!!」
サービス「手札から速攻魔法! 『目覚める力! プリキュア、スマイルチャージ!』を発動!!」
サービス「フィールドのそれぞれのモンスターをリリースすることにより、手札デッキ墓地からプリキュアたちを特殊召喚する!! プリキュア、スマイルチャージ!!」
キュアハッピー「ハッピー!」
キュアサニー「サニー!」
キュアピース「ピース!」
キュアマーチ「マーチ!」
キュアビューティ「ビューティ!」
凌牙「五人のプリキュアが、揃った……!!」
ウルフルン―oresama saikyo u―「イギャアアアッ」
凌牙「! どうした、ウルフルン!?」
サービス「プリキュアが五人揃った時、闇属性モンスターの攻撃力は半分になる!」
ウルフルン―oresama saikyo u―「イギャアアアッ」【ATK2400→1200】
サービス「そしてプリキュアは攻撃するときに一体となる!! ゴプリキュア、ウルフルン―oresama saikyo u―に攻撃だああっ!!」
ゴプリキュア「レインボーヒーリング!!」【ATK3200】
ウルフルン―oresama saikyo u―「イギャアアアッ」
凌牙「うがあああっ!!?」【LP2100→100】
凌牙「ぐ、があっ……」ビクビク
サービス「立て、凌牙。お前のターンだ!」
凌牙「ぐっ……もう、俺に勝ち目は……」
サービス「っ、……ふざけるな! 立て! まだ可能性はあるだろ!?」
凌牙「笑わせるな、キュアサービス。もう沸騰して、蒸発しちまったぜ……俺の戦意は……」
サービス「なんだ、その弱気は! どうした凌牙! 俺が憎いんじゃないのか!? お前の妹を傷つけた俺を倒すんじゃないのかあっ!!?」
サービス「お前の心は、いつもいつでも煮えたぎってるだろうがああああああっ!!」
サービス「いい加減立ち上がれよ、立ち上がれええっ!! 今こそ浮上の時だろおお!?」
凌牙「キュアサービス……てめえ……」
サービス「お前のターンだ、凌牙」
凌牙「俺の、ターン……ドロー!!」
サービス(それでいい)
サービス「この瞬間、キュアハッピーの効果を発動する! バッドエンドと名の付いたカードをすべて破壊するッ!!」
サービス「破壊するカードは……『バッドエンドへのカウントダウン』!!」
凌牙「……っ!」パリイイン
サービス「凌牙、ハッピーエンドは目の前にある!!」
凌牙「う、おおおっ!! 俺は手札からエネミーコントローラーを発動! アカンベェをリリースして、キュアビューティのコントロールを得る!!」
キュアビューティ「コレモマタヒトツノミチ」
凌牙「キュアビューティの効果、発動おおっ!! 手札が五枚になるようにデッキからカードをドローする! そして手札を全て捨てて、墓地のモンスターを全て除外する!!」
凌牙「除外したモンスターのうち、一体のモンスターエクシーズを特殊召喚する! キュアビューティはそのモンスターのオーバーレイユニットとなる!!」
凌牙「俺が復活させるモンスターは……」
トロン「ふふっ、ここはブラックレイランサーあたりが妥当なんじゃないかなあ?」
凌牙「トロン……!」
トロン「アニメ版エアロシャークでも構わないよ。ただし、あのモンスターだけはやめた方がいい」
凌牙「……黙れ。あいつは今まで俺とともに戦い、何度も俺のピンチを救ってきた。俺がここまで勝ち残ってこれたのは、あいつのおかげだ!」
凌牙「俺はこのモンスターを! 復活させる!!」
凌牙「浮上せよ! 潜航母艦エアロ・シャーク!!」
エアロシャーク「クケエエエエッ」
トロン「馬鹿な……! モンスターエクシーズの中でも飛び抜けて弱い産廃の糞モンスターを、わざわざ復活させるなんて!!」
サービス「嬉しいぜ、凌牙。本気で戦ってくれて」
凌牙「ああ、お前は俺が倒す! そしてトロン!!」
トロン「!」
凌牙「エアロシャークを糞モンスターと言ったな! 俺のモンスターを侮辱することは、絶対に許さねえ!!」
エアロシャーク「リョウガ……」ウルッ
凌牙「エアロシャークは俺の、エースモンスターなんだ!!」パアアアッ
レディー!
凌牙「プリキュア、スマイルチャァアアアアージッッ!!」
ゴー!
凌牙「俺は誰にも負けねえ。誰にも操られねえ」
凌牙「俺は俺だあああああああっ!!」
シャーク「イライラと煮えたぎる憎き心! キュアシャーク!!」
トロン「凌牙、君もまた……」
サービス「プリキュアだったようだなあ! 凌牙あああっ!!」
V「メラメラ働く 地獄の労働者、キュアイケメンの私も!」
Ⅲ「おやめください、キュアニート!」
シャーク「力が漲ってくる……! 今なら誰にも負ける気はしねえ!!」
サービス「俺もだ! かかってこい、凌牙! いやキュアシャーク!! 愉しいデュエルをしようぜ!!」
シャーク「ふっ、望むところだ! 俺はこの日のために!! すべてを捧げてきた!! 行くぞ、エアロシャーク!!!」
エアロシャーク「ああ、相棒よ!!」
シャーク「俺は、俺自身とエアロシャークでオーバーレイ! 二人の光が導く未来でオーバーレイネットワークを構築!!」
シャーク「カオス・エクシーズ・チェンジ!!」
エアロシャーク「クケエエエエエエエッ」
シャーク「シャークビングだ! 俺ええええっ!!」
ビュワアアアアッ!!
シャーク「すべてを深き海に包み込め! その双頭でなにもかも食い尽くすがいい!!」
シャーク「爆誕せよ! キュアカオスNo.00! 潜航母艦エアロシャーク・オメガ!!」
エアロオメガ「ピギエエエエエエエエエエッ」
サービス「……こい、キュアシャーク!!」
シャーク「ああ! エアロシャーク・オメガのモンスター効果発動!! オーバーレイユニットを一つ使い、ゲームから除外されているモンスターの数×100ポイントのダメージを相手に与える!!」
シャーク「さらに! それに加えて、このカードの攻撃力分のダメージを相手に与える!!」
エアロオメガ「ピギエエエエエエエッ」【ATK1900】
シャーク「プリキュア・エアロ・ブリザァアアアアドッッ!!!」
ドドオオッ!!
サービス「ぐう、ああああああああああああっ!!?」【LP0】ビー
サービス「ぐはっ……」バタリ
シャーク「ほら、立てよ」
サービス「……キュアシャーク、俺は……」
シャーク「もういいんだ、キュアサービス。俺は気付いた……」
シャーク「真に倒すべきは、お前にあんな命令をしたトロン! あいつってことに!! お前の、プリキュアの浄化の力で気付けたんだ!!」
サービス「シャーク……すまなかった」
シャーク「だがサービス、罪は償ってもらう。全身火傷の妹だ、貰ってくれる奴はそういないだろ?」
サービス「ああ、すまない……ふつつか者だが!」
シャーク「ふっ、お前はビューティのグッズを献上すればそれでいい」
サービス「……ビューティ派か」
シャーク「あなたの一番のファンの顔を忘れたか! キュアビューティ!!」
サービス「俺はキュアピースが好きだ」
V「私はあかなおを推そう」
Ⅲ「みゆれいが至高です、V兄様!」
トロン「高貴なウルみゆを忘れてはいけないよ」
サービス「……もう、俺は深い眠りにつくだろう。シャーク、お願いだ」
シャーク「分かっている。俺が救う! お前もお前の家族も! トロンも!!」
シャーク「すべてが終わったら、一緒にプリキュアでも見ようぜ! フォオオオオ!!」
サービス「ああ、凌牙……」バタリ
シャーク「……俺は救う。すべてを! この命に代えても!」
キャンディ「クルぅ~!」ドンッ
シャーク「ぐおっ!?」
シャーク「なんだ、テメエは!」
キャンディ「キャンディはキャンディクル! そりより、チミが七人目のプリキュアだったクルぅー!」
シャーク「そうか、お前がキャンディ……」
キャンディ「キュアシャーク、キャンディと一緒にメルヘンランドを救ってほしいクルぅ!」
シャーク「分かったぜ。すべて救うと決めたばかりだ! 世界だって救ってやる!!」
キャンディ「頼もしいクルぅ~! じゃあまず他の五人に合流するクルぅー!!」
キャンディ「今戦ってるところクルぅ!!」タタッ
シャーク「ああっ!」タタッ
ウルフルン「ウルッフフ、お前たちは今日で終わりだ! プリキュア!!」
アカンベェ「あかんべえー!」
サニー「くうっ……」
マーチ「今日のアカンベェは、強すぎる……」
ピース「五人が力を合わせても、勝てないなんて……」
ビューティ「必殺技も使い果たしてしまいました……」
ハッピー「大丈夫だよ、みんな! 今キャンディが新しいプリキュアを迎えに行ってくれてる! 六人いれば、絶対に勝てる!!」
ウルフルン「六人いようが、百人いようが! 俺様がお前らなんかに負けるかよ!!」
アカンベェ「あかんべえ~!」
キャンディ「ハッピー! みんな~!!」
ビューティ「キャンディ!」
サニー「戻ってきたんか!」
ハッピー「あっ、その人が新しいプリキュア?」
シャーク「キュアシャークだ」
ハッピー「よろしくね! 仲間が増えて、ウルトラハッピー!!」
ウルフルン「テメエは……」
シャーク(ここから俺の物語が始まる……。Ⅳ、お前ならこんな時こう言うだろう)
『俺たちのファンサービスは、まだ始まったばかりだ……!!』
シャーク「煮えたぎってきたぜ! デュエル!!」
<更なるファンサービスへ!!>
おわり
あの世界にプリキュアがいれば、先週はこうなってたはずクルぅ!
ありがとござましたクルぅ
デュエリストは誰でもプリキュアになれるんだな
案の定のキュアシャークェ…
Entry ⇒ 2012.06.15 | Category ⇒ 遊戯王SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
藍染「砕けろ、鏡花水月」
一護「どうした・・・?」
藍染「砕けろ!鏡花水月」
一護「?」
藍染「鏡花水月!」
一護「終わったか?」
藍染「待て。鏡花水月!鏡花水月!」
一護「月牙天・・・」
藍染「黒崎一護もう少しだけ待ってくれ」
一護「早くしろよ」
藍染「鏡花水月!鏡花水月!鏡花水月!」
藍染「あっ!返せ!」
一護「俺に任せとけよ」
藍染「おい。やめろ」
一護「気にするな。斬魄刀何てこうやって」
藍染「折れるからやめろ。黒崎一護!」
一護「・・・」
藍染「どうした・・・?」
一護「わりぃな藍染。折れちまった」
藍染「鏡花水月・・・そんなバカな・・・」
山本「で?」
藍染「いやもうこうなったら死神に戻ろうかなって・・・」
京楽「いいんじゃないかい山爺」
浮竹「先生。許してあげましょう」
一護「悪かったな藍染。ほらこれやるから」
藍染「黒崎一護・・・すまん・・・すまん・・・」
大前田「おい!それは俺様の!」
一護「藍染が可哀想じゃねえか。殺すぞデブ」
大前田「・・・ちっ」
藍染「世話になったな」
グリムジョー「二度と戻ってくんじゃねえぞ」
藍染「ああ・・・」
グリムジョー「礼ぐらい言えよ」
藍染「すまん」
ウルキオラ「用が済んだらとっとと帰れ」
藍染「・・・頼みがあるんだけど」
ウルキオラ「言ってみろ」
藍染「ついてきてくれないか」
ウルキオラ「・・・」
グリムジョー「草ボーボーだな。おい」
藍染「・・・どうなってるんだ?」
雛森「誰かさんが裏切ったりしたからですよ」
藍染「ひ、雛森くん!副隊長の君がしっかりしないから!」
雛森「いたたた・・・誰かさんに刺された傷が・・・」
ウルキオラ「大丈夫か」
雛森「はい・・・いたた」
藍染「やめろ!もういいだろ!」
藍染の事どう思ってたんだろ
グリムジョー「は?威張んなよ」
ウルキオラ「お前がすればいい」
藍染「こら!私は」
雛森「隊長が裏切ったりするから次々と隊士が・・・」
ザエルアポロ「だからこんなに荒れ果ててるんだ」
藍染「わかったよ。私がやるから!箒貸せ」
グリムジョー「自分で持って来いよ」
藍染「ぐぬぬ・・・」
藍染「なんだ・・・これは・・・?」
藍染「ゴミ置き場になってるじゃないか!雛森くんちょっと来てよ」
グリムジョー「何か呼んでるぜ」
雛森「無視しときましょう」
ウルキオラ「来た」
藍染「ふざけるな!何で私の部屋がゴミ置き場なんだ!」
雛森「ちょうどいいかなって思いまして」
藍染「酷すぎる・・・何だ君は・・・私のこと尊敬してたんじゃ」
雛森「ふざけないでください」
藍染「お仕置きが必要だなこれは」
雛森「シロちゃん・・・呼びますよ」
藍染「・・・気張って掃除しとこ・・・」
雛森「早く終わらせてくださいね」
グリムジョー「犬?」
ザエルアポロ「シロちゃん・・・つまり犬だ。そんな名前の死神はいない」
ウルキオラ「さすがは十刃の頭脳。破面一の天才」
グリムジョー「頭いいな。お前」
ザエルアポロ「ふふふ」
雛森「?」
ウルキオラ「犬か」
グリムジョー「そういえばヤミーの犬に噛まれてたよな藍染って」
ザエルアポロ「死神にも犬にも破面にも嫌われてるんだろな。あいつ」
藍染「仕方ないだろ。分別しないと」
グリムジョー「どけ藍染。俺が虚閃でぶっ飛ばしてやる」
藍染「やめて!全部吹き飛ぶから」
雛森「自分の部屋だけで時間をかけないでください。まだやる事はあるんですから」
藍染「手伝えよ!」
ウルキオラ「ここは俺の虚閃で・・・」
雛森「赤火砲」
藍染「あちちちちちちち」
雛森「これで全てのゴミは燃えましたよ。早く別の場所をしてください」
グリムジョー「すげえ!何だ今の」
ザエルアポロ「鬼道だろうなあれは」
グリムジョー「鬼・・・道・・・?」
ウルキオラ「働け」
藍染「くっそ・・・」
ザエルアポロ「見ろよウルキオラ」
ウルキオラ「・・・」
ザエルアポロ「グリムジョーが鬼道習ってる」
ウルキオラ「あの短気が人から技を習うとはな」
ザエルアポロ「兄貴たちに教えたら涙流しそう」
藍染「・・・」
ウルキオラ「サボるな」
藍染「はい・・・」
ウルキオラ「トロトロするな」
藍染「仕方がない・・・ギン!要!」
ザエルアポロ「・・・?」
ウルキオラ「ふぅ・・・」
藍染「ギン!私の声が聞こえないのか!要!私だ!」
ザエルアポロ「ダメだこれは」
ウルキオラ「完全に馬鹿になったか・・・」
藍染「ギン!要!居るんだろ!返事してくれ!」
ウルキオラ「まーたバカなこと言ってる」
藍染「滲み出す」
ウルキオラ「黒棺か」
ザエルアポロ「避難しよ。おいグリムジョー!」
藍染「あちゃああああああああ」
雛森「これが蒼火墜です」
グリムジョー「すげえな。俺にもできんのか」
雛森「はい」
ウルキオラ「立て。真面目に掃除しろ」
藍染「・・・」
ウルキオラ「ダメだ」
藍染「そ、そんな・・・」
ウルキオラ「働け」
藍染「ふざけるな!ウルキオラ。お前は何様だ!」
ウルキオラ「ウルキオラ様だ」
藍染「くっ・・・」
ウルキオラ「お前のアホらしい遊びに付き合ってやったんだ。掃除しろ」
藍染「何て奴らだ・・・誰かこいつらを成敗してくれ・・・」
グリムジョー「できた!」
雛森「早速試し撃ちしてみましょうか」
グリムジョー「的はどれだ」
雛森「ほら。あの箒持ってる人がちょうどいいですよ」
グリムジョー「よし!」
藍染「や、やめろ!グリムジョー落ち着け!」
藍染「た・・・助かった・・・」
ザエルアポロ「次は買い物だ。行け」
藍染「・・・は?」
ザエルアポロ「僕たちはお客様なんだ。行って来い」
藍染「雛森くんに言えよ!」
ウルキオラ「忙しそうだろ。ふざけるな」
藍染「行かん!絶対に行かん!」
ザエルアポロ「ウルキオラ。虚閃したい気分だろ」
ウルキオラ「手が滑って虚閃が出そう。出そうかな」
藍染「はい。行きます」
市丸「イヅル。あっちの道からいこ」
吉良「それがいいですね」
藍染「ギン!」
市丸「アカン。気づかれた」
藍染「助けてくれよギン!」
市丸「イヅル。先に行ってて」
吉良「あっ。わかりました」
市丸「何の用や?僕忙しいよ」
藍染「私を助けてくれ!」
市丸「嫌や」
藍染「そ、そんな・・・」
市丸「僕とアンタは友達か?ちゃうやろ?」
藍染「ギン・・・お前まで」
ウルキオラ「帰ってきたら殴ってやろう」
ザエルアポロ「どこ行くんだ雛森・・・さん」
雛森「祝勝会です」
ウルキオラ「?」
雛森「長きに渡る破面との戦いが終わりましたからね。皆さんも行きますか?」
グリムジョー「行っていいんすか」
雛森「はい!」
ウルキオラ「黒崎一護とか居るんだろうな・・・あと井上織姫も。ヒヒヒ」
ザエルアポロ「藍染はほっといて行こうか」
グリムジョー「行こうぜ雛森さん」
ウルキオラ「井上織姫・・・フヒヒヒ」
グリムジョー「別にいいだろ」
ウルキオラ「井上織姫は」
一護「井上?居ないぞ」
ウルキオラ「・・・帰るか」
グリムジョー「待てよウルキオラ。凄いの見つけたぜ」
ウルキオラ「何だ」
グリムジョー「ほらあれ」
狛村「・・・」
ウルキオラ「犬だな」
グリムジョー「あれがシロちゃんだと思う。強そう」
ウルキオラ「こっち見たぞ。目を逸らせグリムジョー」
狛村「?」
涅「嫌だネ」
グリムジョー「さっきの犬の隣に何か付いてるぞ」
ウルキオラ「ヤクザだ」
グリムジョー「ヤクザまで従えてるのかシロちゃんは」
ウルキオラ「侮れない犬だ・・・」
一護「何の話してるんだお前たちは」
グリムジョー「観察だ」
一護「は?」
グリムジョー「死神観察だ」
白哉「・・・」
ウルキオラ「随分と背が高くなったな」
グリムジョー「誰だよ」
ウルキオラ「朽木ルキアだ。俺にはわかる」
一護「違う違う。兄貴だよルキアの」
ウルキオラ「兄貴」
グリムジョー「似てる・・・遠目で見たら似てる」
一護「あんまり白哉に近づかない方がいいぞ。怖いからな」
ウルキオラ「そうしとく」
一護「おいおい。あんまり・・・」
ウルキオラ「こら少年」
日番谷「何だよ」
グリムジョー「お前みたいなガキが何でウロウロしてるんだ」
ウルキオラ「帰らないとお母さんが心配してるぞ」
日番谷「俺はガキじゃねえ!日番谷冬獅郎だ」
グリムジョー「自己紹介はいいから。こっち来い」
雛森「あっ。シロちゃん!」
グリムジョー「いかん。伏せろウルキオラ!」
ウルキオラ「・・・奴め・・・いつの間に」
グリムジョー「・・・」
一護「どうした?」
ウルキオラ「魔犬だ」
藍染「・・・」
藍染「あれ・・・?どうしたんだあいつら」
藍染「置手紙がある・・・何々」
「私たちは出かけますから来ないでくださいね。雛森桃」
藍染「何だこれは!ご丁寧に場所まで書いておいて来るなだと!」
藍染「嫌がらせかってんだよ。あのアマ」
藍染「・・・と言っても下手に逆らうとあいつらが・・・」
藍染「小さな悪戯をしておこうか・・・」
ウルキオラ「何を喜んでるんだお前」
藍染「大変なんだよ。空き巣が入ってさ」
グリムジョー「留守番一つもできねえのか。てめえは」
藍染「すまん」
雛森「何か盗まれたのですか?」
藍染「・・・うーん・・・君の下着」
雛森「えっ!」
藍染「参ったね・・・ふふふ」
グリムジョー「笑ってる場合じゃねえだろ」
藍染「は、はい・・・」
藍染「あっ!よく見たらタンスに名前が書いてあるぞ」
グリムジョー「な、なんて書いてあるんだ・・・」
ウルキオラ「ひばんたにふゆ・・・ダメだ難しい」
ザエルアポロ「日番谷冬獅郎って読むんだ」
グリムジョー「ひつがや・・・とうしろう・・・」
藍染「あいつめ!よくもやったな。だからあの男は信用できんのだ」
雛森「・・・」
ザエルアポロ「倒れた」
グリムジョー「雛森さん!しっかりするんだ」
藍染「相変わらず脆いなこの娘は」
日番谷「は、離しやがれ!」
グリムジョー「この馬鹿!」
ウルキオラ「この歳で下着を盗むなんて親が泣いてるぞ」
日番谷「殴るな!何だよお前たちは」
藍染「日番谷隊長・・・ダメだよ下着を盗んじゃ」
日番谷「ふざけるな」
グリムジョー「吐け!」
一護「帰っていいか?」
ウルキオラ「黒崎一護。また遊びに来い井上織姫を連れて」
一護「チャドじゃダメか?」
ウルキオラ「ダメだ」
ザエルアポロ「考えてみればそうだよね。君もあの場に居たんだから」
グリムジョー「なら誰がパクったんだよ」
一護「藍染でいいんじゃね?」
グリムジョー「それでいいか」
ウルキオラ「井上織姫の写真とか・・・」
一護「今度持ってきてやるから。もう帰るぞ」
ウルキオラ「・・・おい」
藍染「私は知らんぞ!」
雛森「もういいです新しいの買いますから・・・死ねばいいのに」
藍染「・・・」
日番谷「殺すぞ藍染」
藍染「悪かった・・・本当に悪かった・・・」
グリムジョー「うるせえな!」
ウルキオラ「少しは黙れよ」
ザエルアポロ「藍染。ほらよ」
藍染「何だこれ」
ザエルアポロ「飲め」
藍染「ゴクッ」
グリムジョー「何を飲ませたんだ」
ザエルアポロ「睡眠薬」
ウルキオラ「一撃で眠りについた」
ウルキオラ「姉弟だな」
ザエルアポロ「苗字が違うだろ」
ウルキオラ「きっと両親が離婚して離れ離れになったパターンだ」
ザエルアポロ「そんな辛い過去が・・・」
グリムジョー「悲しい話だぜ」
ウルキオラ「よく見たら何か似てるだろ」
グリムジョー「耳とかな」
ザエルアポロ「あと目と口も」
ウルキオラ「それが姉弟の証拠だ」
藍染「・・・おはよう」
グリムジョー「おはようじゃねえだろ!死ね」
ウルキオラ「飯だ」
藍染「私のために・・・お前たち・・・」
ウルキオラ「自惚れるな」
グリムジョー「起きろ」
藍染「・・・チッ」
グリムジョー「何舌打ちしてんだてめえは!」
藍染「す、すまん。私が悪かった・・・」
グリムジョー「うるせえな。お前は特別にあそこだ」
藍染「地べた・・・だと・・・?」
雛森「3分で食べてくださいね」
藍染「無理だよ!何言ってんの君は」
雛森「できますよね?下着盗めるぐらいだから3分なんて」
藍染「・・・」
雛森「3分過ぎたらグリムジョーさんが虚閃を撃つみたいですよ隊長」
グリムジョー「食えよ」
藍染「いただきます・・・」
雛森「3分15秒。残念ですね」
グリムジョー「覚悟はいいな藍染」
藍染「嫌だ!待ってくれ!」
ウルキオラ「大人しくしろ」
ザエルアポロ「動くなよ」
藍染「あわわわ・・・」
一護「おいウルキオラ」
ウルキオラ「来たか」
一護「ほら写真だ」
ウルキオラ「・・・トイレ行ってこよ・・・」
グリムジョー「お前も暇だな」
一護「うるせえ」
雛森「そちらの方は?」
一護「チャドだ」
チャド「・・・」
雛森「チャド・・・?」
チャド「茶渡泰虎」
グリムジョー「ウルキオラどこ行ったんだ」
ザエルアポロ「自分磨き」
グリムジョー「好きだよなあいつも」
一護「・・・」
ウルキオラ「次は下着とか・・・」
一護「いや無理だろ」
ウルキオラ「ただとは言わん。ほら」
一護「・・・仕方ねえな。帰るぜチャド」
グリムジョー「・・・どうした黒崎」
一護「チャド・・・?」
雛森「あの人ならさっき煙のようにすーっと」
一護「また消えたのか・・・チャド・・・」
ウルキオラ「頼むぞ黒崎」
雛森「寝てる間に捨てときました」
藍染「捨てた・・・だと・・・?」
雛森「はい」
藍染「どうしてだ!」
グリムジョー「それはてめえが隊長でも何でもないからだよ」
ウルキオラ「今日から隊長は雛森さんだ」
ザエルアポロ「君は一番下っ端だよ藍染」
藍染「どういう事だ・・・どうなってるんだ!」
雛森「よく考えてくださいね藍染元隊長」
ウルキオラ「・・・」
ザエルアポロ「グリムジョーが副隊長か」
藍染「待てよ!許されると思ってるのか!」
雛森「ちょっと黙っててください」
藍染「・・・」
グリムジョー「おい」
藍染「は、はい」
グリムジョー「何ビビってんの?」
藍染「・・・」
ウルキオラ「気安く呼ぶな」
藍染「雛森くん。お前たちより弱いんだよ?本当に隊長でいいの?」
ウルキオラ「お前は何もわかってないな・・・座れ」
藍染「はい」
ウルキオラ「あのグリムジョーが他人に敬語使ってさん付けしてるんだ。何故かわかるか?」
藍染「知らん」
ウルキオラ「心だ」
藍染「心・・・だと・・・?」
ウルキオラ「そう心だ」
藍染「どういう意味」
ウルキオラ「心だ。次に質問したら虚閃だ」
藍染「うん。心だろ。知ってるよ」
か
雛森「そうですね。自由にしててください」
グリムジョー「自由?」
ウルキオラ「自由って言っても暴れるんじゃないぞ」
グリムジョー「お前・・・俺の事アホだと思ってるだろ」
ウルキオラ「うん」
グリムジョー「てめえ・・・」
雛森「二人とも喧嘩しないでください。藍染元隊長も止めないと」
藍染「えっ・・・」
ザエルアポロ「ほら行けよ」
藍染「や、やめるんだ!二人とも!」
ザエルアポロ「死んだな」
雛森「そのうち生き返ると思いますよ」
藍染「ゴミ扱いするな!」
雛森「・・・はぁ」
グリムジョー「昨日の続きだ。掃除しろ」
藍染「・・・」
グリムジョー「死にたいのか?」
藍染「死にたくない」
グリムジョー「なら掃除しろ」
藍染「やるよ!やりますよ!」
グリムジョー「わかればいいんだ」
藍染「いつか返り咲いてやる・・・」
雛森「はい?」
ウルキオラ「現世に行きたい」
藍染「行って来い行って来い」
ウルキオラ「・・・黙れ」
藍染「・・・」
雛森「と言われましてもね」
ウルキオラ「行きたい」
グリムジョー「我儘言うなぶち殺すぞ」
ウルキオラ「行きたい」
グリムジョー「どうするんすか」
雛森「・・・」
雛森「阿散井くん現世に詳しいから」
恋次「ところで何でこのおっさんが」
藍染「お、おっさん・・・」
グリムジョー「現世ってあれだろ。いいよな」
恋次「ああ。いいぜ」
ウルキオラ「ふふふ」
ザエルアポロ「楽しそうだな」
ウルキオラ「ちゃんと案内しろよ恋次」
恋次「馴れ馴れしいなこいつ・・・」
グリムジョー「気にすんな」
藍染「そうだぞ黒崎一護」
一護「お前は帰れ」
藍染「えっ何で」
恋次「俺帰るから頼んだぞ一護」
一護「おい!」
ウルキオラ「行こう黒崎」
一護「どこにだよ」
ウルキオラ「わかるだろ」
ウルキオラ「なん・・・だと・・・?」
一護「でも下着なら。ほらよ」
ウルキオラ「・・・」
グリムジョー「どうした」
ウルキオラ「嬉しくて・・・」
ザエルアポロ「泣くなウルキオラ」
ウルキオラ「帰ろう隊長」
雛森「もういいんですか?」
藍染「雛森くん!変態だ!ウルキオラは変態なんだ」
雛森「それで?」
藍染「それだけ・・・」
雛森「うるさいですよ」
藍染「ごめんなさい」
ウルキオラ「やらん」
藍染「雛森くん。もうこいつら帰そうよ」
雛森「藍染元隊長の方が不愉快だから」
藍染「私が!?」
雛森「はい」
藍染「どこら辺が」
雛森「全てです」
藍染「全て・・・だと・・・?」
雛森「そうですよ」
藍染「そうだ!飯に毒を盛ろう」
グリムジョー「何だブツブツ言って」
雛森「無視しておきましょう」
グリムジョー「そうっすね」
藍染「くっくっく」
ザエルアポロ「不気味だな・・・」
雛森「トイレらしいです」
グリムジョー「もう二時間も入ってやがる」
藍染「ほら作ったぞ」
グリムジョー「何だてめえ。これは?」
藍染「晩御飯」
雛森「私はいいです・・・藍染元隊長のは生理的に・・・」
グリムジョー「俺もいらねえ」
ザエルアポロ「僕も」
藍染「食べてよ!ねえ!」
グリムジョー「いらねえって言ってんだろ」
藍染「・・・チッ」
ウルキオラ「ああ腹減った・・・おっ!こんな所に食い物が」
ウルキオラ「・・・うぐっ!」
藍染「やった!」
ウルキオラ「・・・」
藍染「まずは一人・・・フフフ」
ウルキオラ「・・・」
雛森「ウルキオラさん!」
ウルキオラ「はい」
藍染「嘘・・・だろ・・・?」
グリムジョー「大丈夫っすよ雛森さん」
雛森「?」
ウルキオラ「毒を出そう・・・おげえええええええええええええええええ」
雛森「うわぁ・・・」
ウルキオラ「俺は脳と心臓以外はすぐに再生するから」
雛森「は、はい」
ウルキオラ「ほらもう再生してる」
藍染「すっかり忘れてた・・・」
藍染「そ、それは・・・」
グリムジョー「てめえは俺たち4人を殺す気でいやがったな」
藍染「違うよ。たまたま毒が入ってたんだよ!」
雛森「嘘ですね」
ザエルアポロ「殺そうか」
藍染「私の話も聞け!」
グリムジョー「ぶち殺す」
ウルキオラ「それがいい」
藍染「やめて」
ウルキオラ「パンツもある」
グリムジョー「どっちだっていいんだよ」
ウルキオラ「欲しいのか?やらないぞ」
グリムジョー「ムカつく・・・こいつムカつくんだけど」
藍染「ひ、雛森くん。君も隊長ならこの場を」
雛森「・・・生きてたんですね」
藍染「ほら君も下着をあげたらどうだ!雛森くん」
ウルキオラ「・・・」
グリムジョー「表に出ろ」
ザエルアポロ「大変な事になっちゃったね」
藍染「クスクス」
ザエルアポロ「どちらかと言うとウルキオラの方が強いんですよね」
雛森「でもお二人は4と6番ですからそれ以上に強い人たちが」
ザエルアポロ「あれはあそこに居る馬鹿が本質を見ずに付けた番号で」
雛森「藍染元隊長ってどこ行ってもクズなんですね」
藍染「ぐぬぬ・・・」
ザエルアポロ「実際問題あの二人がトップクラスなのですよ」
雛森「へえー」
ウルキオラ「待て」
グリムジョー「何だよ。かかって来いよ」
ウルキオラ「派手に暴れると隊舎がハチャメチャになる」
グリムジョー「どうすんだよ」
ウルキオラ「あれにしよう・・・」
グリムジョー「早撃ち虚閃だなウルキオラ」
ザエルアポロ「僕たち十刃が考えたゲームです」
雛森「?」
ザエルアポロ「こう背中合わせになって10数えて」
藍染「いやいや。それでもムチャクチャになるんじゃ」
雛森「少なくとも他の隊舎が吹き飛びますからね」
ザエルアポロ「全て藍染の責任にすればいい」
藍染「やめろ二人とも!やめるんだ!」
グリムジョー「行くぞウルキオラ」
ウルキオラ「ああ」
白哉「・・・」
藍染「許してくれよ狛村隊長」
狛村「・・・」
グリムジョー「やべえよ・・・」
ウルキオラ「あの魔犬まで・・・」
雛森「隠れていてください。全てあの人に被せましょう」
射場「おどれのおかげで狛村隊長が死にかけたんやぞ!」
藍染「すみませんでした!」
雛森「虚閃は禁止です。わかりましたか?」
グリムジョー「はい」
ウルキオラ「・・・はい」
藍染「何とぞ何とぞ!」
雛森「行きましたよ」
藍染「こら!お前たちのおかげで指詰められかけたんだぞ」
ウルキオラ「それで?」
藍染「・・・もう怒ったぞ!」
ウルキオラ「だから?」
藍染「倒す。もう許さない!」
グリムジョー「斬るのはいいんすよね?」
雛森「斬るのはセーフです」
ウルキオラ「バラバラにするか」
藍染「嘘だから今の全部冗談だから!」
グリムジョー「聞こえねえな」
ウルキオラ「帰るぞ」
藍染「ひ、雛森くん・・・」
雛森「そこで一生這いつくばってください」
藍染「とほほ・・・」
雛森「虚閃は絶対にダメですよ」
グリムジョー「うっす・・・」
ウルキオラ「こいつはバカだからもっときつく言っておかないと」
雛森「それなら・・・指切りです」
グリムジョー「ゆ、指切るのか?」
ウルキオラ「指切りだって」
ザエルアポロ「写真撮って兄貴に送ってやろ」
ウルキオラ「嘘付いたら針千本」
グリムジョー「うるせえ!あんなガキみたいな事だと思わなかったんだ」
ウルキオラ「フッ」
グリムジョー「笑ってんじゃねえ!」
ザエルアポロ「・・・クスクス」
グリムジョー「てめえら!」
ウルキオラ「おっと虚閃は禁止のはずだ」
グリムジョー「チッ」
ウルキオラ「プッ」
グリムジョー「ぶっ殺す!ウルキオラ!」
藍染「そうか。奴ら虚閃を禁止にされたのか」
藍染「他にも禁止にしてもらおう・・・」
藍染「ついに私の時代が来たんだ!」
藍染「ヒッヒッヒ」
藍染「私が可哀想だとは思わないのか!」
雛森「思いませんよ。寧ろ死んでほしいです」
藍染「なら私を殴ったり蹴ったりするのは禁止とか言ってよ」
雛森「無理です」
藍染「良いと言うまで私は帰らん!」
雛森「殺しますよ」
藍染「・・・えっ?」
雛森「死にたいんですか?」
藍染「・・・帰る」
雛森「いい心がけですね」
藍染「・・・ゾッとした・・・」
藍染「誰か私の代わりに手ごろな奴隷は居ないものか・・・」
藍染「・・・」
藍染「居ない・・・」
藍染「・・・誰も居ない」
グリムジョー「おい」
藍染「腹を蹴る事ないじゃないか!」
グリムジョー「起きろ」
藍染「・・・私の腹を蹴るのを禁止になったららしいぞ」
グリムジョー「言ってる意味がわからねえ」
藍染「腹だけではないぞ!私に対する暴力は一切禁止だ」
グリムジョー「勝手な事言ってんじゃ」
藍染「雛森くんの命令だグリムジョー」
グリムジョー「・・・本当かよ」
藍染「うん」
グリムジョー「・・・」
ウルキオラ「おい掃除は」
藍染「グリムジョーがやってるよ」
ウルキオラ「斬ろうかな・・・斬っちゃうか・・・」
藍染「斬るのは禁止なんだぞ!」
ウルキオラ「お前が嘘を付くからだ」
藍染「本当だよ!」
ウルキオラ「プライドの高い奴が・・・」
藍染「してるんだよ」
ウルキオラ「なん・・・だと・・・?」
グリムジョー「雛森さんが掃除は当番制になったって」
ウルキオラ「・・・」
藍染「ほら言っただろ」
ウルキオラ「そうか」
藍染「お前も守るんだぞ」
ウルキオラ「言っとくけど俺はグリムジョーほど単純じゃない」
藍染「雛森くんに怒られても知らないよお前。ヘヘヘ」
ウルキオラ「・・・俺は井上織姫派だから」
藍染「嫌な予感が」
ザエルアポロ「マジか」
ウルキオラ「・・・」
グリムジョー「どうした?」
ウルキオラ「藍染に騙されてるぞ」
グリムジョー「俺もそこまでバカじゃ」
ウルキオラ「なら雛森さんがあんなダメ男のために俺たちに負担を負わせると思うか」
ザエルアポロ「確かにね」
グリムジョー「あの野郎!」
ウルキオラ「・・・」
それに比べてヨン様ときたら・・・
グリムジョー「うるせえ!」
藍染「雛森くんも見てないで!」
雛森「グリムジョーさん。好きな風にやってください」
グリムジョー「いいんすか!」
雛森「虚閃でやってもいいですよ」
グリムジョー「覚悟しろよ藍染」
藍染「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
ウルキオラ「どうせ怪我してもすぐ治るだろ」
藍染「な、なんだよ」
ザエルアポロ「斬魄刀って擬人化するみたいだね」
藍染「えっ!?」
雛森「そうか藍染元隊長には思い出が無いんですよね・・・」
藍染「教えてくれ!」
雛森「お買いもの行って来てくれたら・・・」
藍染「行くから!」
雛森「はい。ここに書いてありますから。お釣りは勝手に使わないでくださいね」
グリムジョー「厄介払いできたっすね」
雛森「邪魔ですからあれ」
ウルキオラ「斬魄刀の話。教えてくださいよ」
雛森「はい」
ウルキオラ「大変ですね」
雛森「私はほとんど寝てましたからね・・・」
グリムジョー「あいつのせいっすよね」
雛森「そうです。刺されたりシロちゃんと戦わされたり・・・」
ザエルアポロ「こんな小柄なのにあんな大型犬を・・・」
ウルキオラ「やっぱりこの人は強い」
グリムジョー「さすがは雛森さんだぜ」
ザエルアポロ「あそこで缶蹴りしてます」
グリムジョー「おいハゲ。缶を素手で持つな」
一角「ああん!?誰がハゲだコラ!」
射場「喧嘩したらアカンって言ってるやろ!」
恋次「隙だらけっすよ」
グリムジョー「ほら見ろ!恋次に蹴られたじゃねえか!」
一角「うるせえよ!」
弓親「いい歳して缶蹴りだなんて・・・美しくないね」
ウルキオラ「弓っちもやりたいんだろ」
弓親「弓っち・・・だと・・・?」
藍染「来る日も来る日も草刈り・・・」
雛森「3人が来てもう1年ですね」
ウルキオラ「死神や破面にとっての1年なんてね」
檜佐木「おいウルキオラ。何だよ用事って」
ウルキオラ「檜佐木の斬魄刀でこの雑草を」
檜佐木「断る」
ウルキオラ「・・・吉良なんて毎日ここに来ては雑用してるんだぞ」
藍染「檜佐木くん!ほら手伝ってよ」
檜佐木「こいつは刈り取っていいのか」
ウルキオラ「いいよ」
藍染「えっ・・・」
ウルキオラ「ならやめろ」
ザエルアポロ「楽しそうだ」
雛森「お客さんですよ」
グリムジョー「客?」
スターク「久しぶり」
藍染「スターク!久しぶりだな」
スターク「・・・触るな」
藍染「お前まで言うか!」
スターク「ちょっといいか」
グリムジョー「?」
ウルキオラ「バラガン爺さんが」
ザエルアポロ「あんなに元気だったのに」
スターク「爺さんももう歳だから・・・急に」
グリムジョー「急すぎる。あの爺さんが!」
スターク「もう長くは無いらしいぜ」
ウルキオラ「それで」
スターク「後継者を」
藍染「そうか私が王に・・・」
スターク「若いグリムジョー、ウルキオラ、ノイトラ、ザエルアポロの中から選ぶらしいぜ」
藍染「私は?」
スターク「・・・誰だお前?」
ザエルアポロ「我儘言うなよ」
ウルキオラ「・・・」
グリムジョー「雛森さんや恋次や一角と別れるなんて俺は嫌だ!」
藍染「私から見たら是非とも消えて欲しい・・・」
ウルキオラ「・・・爺さんは俺たちを孫のように可愛がってくれた」
ザエルアポロ「爺さん・・・」
ウルキオラ「帰る時が来たのかもしれんな」
ザエルアポロ「悲しいけど・・・グリムジョー?」
ウルキオラ「どこ行ったんだあいつ」
藍染「神よ・・・こいつらを消してくれ・・・神よ」
雛森「どうかしましたか?」
グリムジョー「雛森さん」
雛森「?」
グリムジョー「爺さんが死にそうっす」
雛森「お爺さんが?」
グリムジョー「俺。ここに居たいっす。帰りたくないっす」
雛森「一度帰った方がいいですよ」
グリムジョー「帰ったら二度と戻って来れない気がするんすよ」
雛森「・・・」
グリムジョー「どうしたらいいんすか俺」
グリムジョー「・・・」
雛森「お爺さん。死んじゃったら二度と会えないですよ?」
グリムジョー「知ってるっす」
雛森「会いに行きましょうよグリムジョーさん」
グリムジョー「でも俺」
雛森「行ってください。お爺さんのために」
グリムジョー「爺さん」
雛森「三人が帰って来るまで私ずっと待ってますよ」
グリムジョー「俺。行くっす」
藍染「涙目のグリムジョー・・・クスクス」
グリムジョー「・・・」
ザエルアポロ「寂しくなるね」
ウルキオラ「俺たちが居なくなったら雛森さん一人に」
雛森「平気です」
藍染「私は残るから心配するな」
グリムジョー「最後の飯だ。味わって食おうぜ」
ウルキオラ「ああ・・・」
ザエルアポロ「・・・」
雛森「しばらくどこか行っててくださいね」
藍染「うん・・・」
一角「ハゲじゃねえって言ってんだろ!」
グリムジョー「弓っちも」
弓親「その呼び方やめろ」
グリムジョー「恋次」
恋次「おう」
グリムジョー「雛森さんはいい人だ。だから」
恋次「任せとけ」
グリムジョー「射場」
射場「?」
グリムジョー「シロちゃんにヨロシク」
射場「誰じゃシロちゃんって」
狛村=シロちゃんはいつになったら誤解が解けるんだwwwww
一護「帰るんだってな」
ウルキオラ「・・・」
一護「ウルキオラ。お前に合わせたい人が居るんだ」
ウルキオラ「朽木ルキアだな・・・?」
一護「違う」
ウルキオラ「石田雨竜」
一護「違う」
ウルキオラ「でも石田もルキアも居るから」
白哉「人の妹を呼び捨てに・・・」
一護「井上!お前の出番だ」
織姫「は、はい!」
ウルキオラ「ありがとう・・・ありがとう・・・」
檜佐木「・・・」
ザエルアポロ「げ、元気で」
檜佐木「お、おう」
涅「へぇ帰っちゃうんだネ」
ザエルアポロ「マユリさん」
檜佐木「仲いいのお前」
ザエルアポロ「それなりにね」
涅「あげるよ。これ」
ザエルアポロ「マユリさん・・・気持ち悪いけどいい人だアンタは・・・」
檜佐木「知らんぞ絶対にその中身はあれだ・・・」
藍染「私は残るよ。ここに」
吉良「死なないかな・・・」
雛森「燃やして凍らせて首を撥ねたら死ぬんじゃないかな?」
藍染「えっ!」
雛森「シロちゃんと吉良くんも手伝ってね」
日番谷「いいぜ」
吉良「綺麗サッパリ終わらせよう」
藍染「やめて!」
日番谷「お前のせいで雛森刺したんだよな。殺されかけたし」
吉良「貴方のおかげで雛森くんと戦わされたり」
雛森「死んでください藍染元隊長」
藍染「ひえー」
ウルキオラ「黒崎一護、井上織姫、石田雨竜、朽木ルキアまたな」
黒崎「素直に井上だけに言えばいいだろ」
ザエルアポロ「いい所だったここは」
雛森「お元気で」
グリムジョー「忘れねえっす。雛森さんやみんなの事を」
ウルキオラ「俺たちが帰って来るまでに大きくなっててくださいね。胸を」
ザエルアポロ「ありがとうございました雛森さん」
雛森「私ずっと待ってますからね3人の事を!」
藍染「帰ってくるな・・・帰ってくるな・・・」
グリムジョー「帰ってくるっすよ。俺たちは・・・」
バラガン「どうした?」
ウルキオラ「・・・あれ」
ザエルアポロ「元気じゃないか!」
バラガン「若い奴が居ないと暇で暇で」
ノイトラ「そうだぜ俺を差し置いて!」
グリムジョー「ネリエルの尻でも追っかけてろ」
ウルキオラ「戻っていいのか・・・?」
バラガン「後1000年は余裕だ!」
スターク「見事に騙されたな3人とも」
グリムジョー「ざけんな!」
ウルキオラ「言って良い事と悪い事があるんだぞ!」
スターク「悪い悪い」
恋次「ああ」
日番谷「・・・」
藍染「平和だ・・・平和だ・・・」
雛森「元気にしてるかな」
グリムジョー「元気っすよ」
ウルキオラ「うん」
ザエルアポロ「阿散井恋次。相変わらず暇そうだね」
恋次「お、お前たち・・・何で」
グリムジョー「手違いだ」
恋次「手違い・・・だと・・・?」
ウルキオラ「はい凄いですね。拍手拍手」
藍染「・・・」
グリムジョー「戻って来たっす俺たちは」
雛森「はい!そちらの方は」
ウルキオラ「ノイトラ。筋金入りの変態です」
ノイトラ「誰がだ!」
ザエルアポロ「お前だよ」
グリムジョー「こいつも入隊させてやってください」
雛森「いいですよ。また賑やかになりますね」
藍染「・・・平和が崩れ去った・・・」
ウルキオラ「終」
乙
>>1乙
雛森が可愛くて良かった
Entry ⇒ 2012.06.15 | Category ⇒ BLEACH SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
幸子「プロデューサーさん、聞いてます?」 P「……」
P「あ、あぁ。ごめんごめん」
幸子「さっ、次いきますよ~」
P「………」
……
…
幸子「ふぅ、たくさん買いましたね……あれ、もう疲れたんですか?」
P「ん……いや」
幸子「ふふ、今日はありがとうございました。プロデューサーもこんなにカワイイボクの隣を歩けて幸せだったでしょう?」
P「……幸子」
P「明日からはプライベートであまり話しかけないでくれ」
幸子「………え?」
P「じゃあな。また明日」
幸子「そ、それって……どういう」
ガチャッ
凛「おはようございます」
P「おう凛、おはよう」
卯月「おはよーございます!」
P「おはよう!」
ガチャ
幸子「おはようございます……あっ、プロデューサー」
P「……ああ、おはよう」スッ
幸子「!」
凛&卯月「はい!」
幸子「な……なんで……」
幸子「(い、今、明らかに他の方との反応が違ったような……)」
P「……………」
………
……
…
卯月「はい!ありがとうございました!」
凛「ありがとうございました」
P「ん!じゃあな!」
幸子「あ、あの……プロデューサー。昨日の言葉の意味は……」
P「……すまん、ちょっと急いでるから」スッ
ガチャッ バタン!
幸子「えっ……?あの」
幸子「…………え……あ……」
これ
幸子「『話しかけないでくれ』って……確かに言ってたような」
幸子「な、何かの聞き間違いですよね!そうですよ、カワイイボクとの会話を拒否するなんて!」
幸子「……(それにしては、今日もすごい避けられてたような……)」
幸子「……とにかく、明日はボクとの仕事があるはず。聞いてみないと」
幸子「おはようございますプロデューサー。あの、以前の」
P「ああ幸子。すまんが時間が無いんだ。向こうのスタジオでちょっとやらなきゃいけないことがあって」
幸子「え、あ」
P「先に行ってるけど、幸子は時間通りで大丈夫だから。じゃあ後でな」タタッ
幸子「…………」
幸子「い、忙しいなら仕方ないですね!」
スタッフ「ハイOKでーす!お疲れさまです」
幸子「ふう……どうでしたか?ボクの美貌に酔いしれても良いんですよ!」ドヤッ
P「………ああ」
幸子「(こ、こっちを見てすらいない……)そ、それでプロデューサー。ちょっと聞きたいことが」
P「さあ次はCMの収録だ。近場だし先に行っててくれ」スッ
幸子「……あ、はい」
幸子「さあどうです?カンペキなボクの演技!見てくれましたか?」ドヤァ
スタッフ「すいませーん!ちょっといいですか?」
P「ああ、はい。こっちはOKです!」サッ
幸子「う……」
P「はい……はい。大丈夫です。それじゃあまた後で」
幸子「あの!」
P「ん?ああ……後でな」
幸子「うぐ………」
……
…
幸子「さ、さあプロデューサー、次のお仕事はなんですか?」
P「ん……ああ、今日の分はこれで終わりだな」
幸子「え……」
P「おつかれ。明日と明後日は休みだから」
P「じゃあ」
幸子「ちょ、ちょっと待ってください!あの、以前のは」
P「ん?」
幸子「この前の、もう話しかけないでっていうのは……」
P「……ああ」
P「言葉通りの意味だよ」ガチャッ
バタン
幸子「え……え……」
P「みんなおはよう。今日は新しいアイドルがうちのプロダクションにきてくれてたんだ」
P「さっ、自己紹介だ」
肇「みなさん、はじめまして……藤原肇です。この憧れの世界に来れてとても嬉しいです。
色々な経験を積んで、がんばります。ご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくおねがいします」
卯月「よろしくお願いします!」
凛「よろしく」
きらり「にゃっほーい!よろしくね☆にょわー!スゴい肌キレイ!!」
幸子「よ……よろしくおねがいします。ボクが色々教えてあげますよ」
P「肇はまだデビューしたばっかりだから、これから俺がしばらくつきっきりになると思うけど、みんなもよろしくな」
幸子「え………」
幸子「(最近のプロデューサー………やっぱり)」
P「そう、うまいぞ!」
肇「ありがとうございます」
凛「ねえプロデューサー、ここってどうするの?」
P「ああ、それはな……」
卯月「おつかれさまでーす!また明日!」
P「ああ、またな!」
幸子「(ボクのこと、無視……してる?)」
幸子「(それだけじゃなくて、仕事の時でもすごくそっけなくなってる)」
幸子「(一体、なんで……どうして)」
幸子「……う……」
P「よし、今日はこれぐらいにしとこう。みんなお疲れ様!」
「「「おつかれさまでーす」」」
幸子「(なん……で)」
幸子「(だけど、どう質問しても聞いてくれないし……あまりボクとも顔を合わせてくれない)」ブツブツ
スタッフ「輿水さん?あのー……」
幸子「あ、はい!」
スタッフ「大丈夫ですか?さっきの場面なんですが……」
幸子「あ、あ……ごめんなさい」
幸子「一体何が……はっ」
幸子「何か、ボクへのサプライズがあるのかも!きっと、何か準備してるのを悟られないようにしてるんですね!」
幸子「ふふ……そうですかそうですか、ならば許してあげないこともないですよ!」
幸子「おつかれさまでーす!」
P「えぇ……はい、じゃあそれで。はい。お願いします。では」プツッ
幸子「ふふ……プロデューサー、そろそろじゃないですか?」
P「……?」
幸子「ふふ、隠さなくてもいいですよ!ここ数日、ボクに冷たかったのは何か訳があるのだと!
そして、それはボクへ何かサプライズがあるからなのでしょう!?」
P「…………」
幸子「何かプレゼントですか?ボクの心の準備はバッチリですよ!さぁ!あ、でもバッチリだとサプライズの意味ないですかね、ふふ」
P「……何の話だ?もう行くからな」ガタッ
幸子「え」
バタム
幸子「………え………」
幸子「なんで……?じゃあ、一体、どうして………」
幸子「プロデューサー……ちょっと前は、普通に話しかけてくれてたのに」
幸子「うっ………ふ………う」ぐすっ
幸子「ボクが……ボクが何かしましたか……?」
幸子「(あ……謝らないと……心当たりは、無いけど……)」
幸子「おはようございま……あっ」ドンッ
P「………おはよう」スッ
幸子「う……プロデューサー、あの」
P「……」スッ
幸子「あ………」
・お仕事中
幸子「(最近、プロデューサーと一緒にやるお仕事が少ない気がします……)」
幸子「(そのせいで、話す機会も無くなって)」
卯月「あれ、輿水さん?」
幸子「あ……島村さん」
卯月「どうしたの?最近、元気無いような……」
幸子「あ……う」
幸子「お、お気持ちはありがたいですがほっといてください!ボクはまだまだ余裕です!」
タタタ……
卯月「……?」
P「うん、だいぶよくなってきたな……その調子だぞ、肇」
肇「ありがとうございます。ですがまだまだですよ」
肇「これからも、ご指導よろしくおねがいしますね……?」
P「ああ、もちろんだ」
幸子「……(最近のプロデューサー、藤原さんとずっと話してる)」
幸子「(仕事だけじゃなくて、プライベートな事だって……)」
幸子「うぐ……」
肇「それでは、今日は失礼します」
P「おう、また明日な」
幸子「ぷ、プロデューサー!今ちょっと良いですか!?」
P「……俺も今日はもう帰る」
幸子「わ、わかりました。ですが、謝らせてください!!」
P「……」
幸子「ここ最近、プロデューサーがボクに素っ気ない事についてずっと考えてました。
ボク、何か悪い事したんですか?でしたら、謝ります!ごめんなさい!」
幸子「仕事だって、ミスもしてないはずです!ですが、仕事以外の所で……ボクが何か、やったのでしょう!?」
幸子「ですから……ですから、前みたいに……」
P「……別に、何も謝られるような事はされてないぞ」
幸子「……!で、でしたら」
俺の方も不備は無いはずだ」
幸子「い……いえ、あの、そうではなくて」
P「じゃあな、この後用事あるから」
バタン
幸子「……うっ……ぐす」ガクッ
幸子「どうして……ですか……うぐっ……ふ、ぅ」グスッ
幸子「ふぇぇ……うう……うぇぇ……」
幸子「(プロデューサーは一向に会話してくれなくなり)」
幸子「(ボクはというと、ずっとプロデューサーのことばかり考えるようになりました……)」
スタッフ「それじゃあ、一旦休憩になりまーす」
幸子「………」
凛「………大丈夫?」
幸子「え、ああ……はい」
P「…………………」
P「いよっし、今日もこんなもんだな……」
きらり「にょわーっ!Pちゃんおつかれーっ!」ガバッ
P「おわぁ!ちょちょ、抱きつくんじゃない!」
きらり「一緒にハピハピすぅー!」ぐいぐい
幸子「(……!)」
幸子「(ぷ、プロデューサー……事務所で諸星さんと抱き合ってる)」
幸子「(な、なんで……?なんで……?)」
幸子「(え……ま、さか)」
幸子「っ!」ダダッ
P「ん?今何か音が……」
きらり「?」
幸子「うぐ……く、う……ふぇ……」
幸子「(もう……アイドルなんて……)」
「ねえ君、かわいいじゃん?」
「俺たちと遊ぼうぜ」
幸子「え……あ……」
「なあ、この子ってアイドルの輿水幸子じゃねえ?」
「うっそ、マジじゃねえか!」
幸子「え……え……?(な、何ですか……この人たち)」
「さっ、行こうぜ!」
幸子「いえ、あの……(こ、怖い!)」
「ん?どうしたの?とりあえずあっちにオレらの車あるからさ、行こうぜ!」ポンッ
幸子「い……いやっ、触らない、で……」
P「あのー……すいません」
「あ?誰?」
幸子「ぷ、プロデューサー!」
P「その子!うちの大事なアイドルなんで!」
幸子「!」
「は?なに?あんた、プロデューサーか何か?」
P「失礼します!」サッ
P「さぁ行くぞ幸子ぉぉおおおおお!!」抱きっ!
幸子「ちょ、ちょちょっとプロデューsきゃああああっ!」ガバァ
P「失敬!」ドヒューン
「は、はええ……」
「なんだったんだあいつ」
P「ふぅ……ここまでくれば大丈夫か」
幸子「……」ポカーン
P「ああ、悪かったな。大丈夫か、幸子?」スッ
幸子「あ……あ……」ジワッ
幸子「うぇ……ふぇ……ふぇええ……ぅぁぁぁ……」
P「お、おお?大丈夫か?あいつらに何かやられたか?ケガは?」
幸子「い、いえ……だ、ぐすっ だい、じょうぶ……うわぁぁぁぁん」
P「おお、おおいおい」
幸子「言うことっ、聞きますからぁ……もっと素直になります、から……えぐ」
P「わ、わわかったから、とりあえず泣き止んでくれー!」
幸子「うぐっ……う、う……」
P「てい」ぽんっ
幸子「う……、な、なんで頭に、手を……」
P「お前が泣き止むまでな」なでなで……
幸子「……!///」かぁぁぁ……
幸子「うぐっ……ぐすっ」
P「落ち着いたか?」
幸子「ぷ、ぷろでゅーさ、うぐっ……ごめ、ごめんなさいぃ……な、なんで……」
P「なんで?」
幸子「ふぇ、ぐすっ、だって、さいきん、冷たかったのは、ボクのこと、嫌いに、きらいになったんじゃないかって」
幸子「も、もうボクの事なんか、どうでもいいんだって思って」
幸子「だ、だから……さっき、、助けてもらって、うっ……すごく、うれしかったぁぁ……~~ぅ、うぁぁ……」
P「……ああ、その事な」
幸子「……ふぇ?」
P「ここ数日、お前に素っ気ない態度というか……あれにはまぁ、ちょっとした訳があってな」
…
……
………
杏「輿水幸子?まあ確かに調子に乗ってる感はあるよね」
P「んん、やっぱりそうか」
P「確かにここ最近は能力もあがったし、がんばってるとは思うんだけどなあ」
杏「プロデューサーが構い過ぎなんだと思う」
P「そ……そうか?」
P「キツい事いうな杏は……でも、今は本当にノってる時だからつまずいて欲しくないんだ」
杏「んじゃあ一回プロデューサーから距離を置いてみるとか」
P「距離?」
杏「必要以上に構うんじゃなくて、無視してみるとか」
杏「その方がおもしr……いや、輿水幸子のためになると思う!」
P「んん……そうだな。あいつがちょっと落ち着いてくれるためにも……」
杏「んじゃあついでにプロデューサー、杏のこともほっといてくれれば……」
P「お前はもっとダメになるだろ!さあLIVE行くぞ!」
杏「ぐえええええええ」
…
……
………
幸子「え……あ」
P「だから、お前の事を嫌いになったなんてもちろんあり得ないぞ。安心してくれ」
幸子「っ!ぅ……///」かぁぁ
P「さっき絡まれてた時なんて、いつものお前だったら軽くあしらってたと思ってたんだが、そうもいかなかったしな」
幸子「プロデューサー……あ、う」
幸子「ゆ、許して……許して、あげます。だから……」
幸子「ま、前みたいに……ボクと、お話、してください……おねがい、します」ビクビク
P「………はー」ポリポリ
P「そんなの当たり前だろ。こっちこそ本当に悪かったな。ごめん」
幸子「……!」
幸子「……うぐ、ふぇっ ふぇぇぇぇん……よかったぁ……よかっ、よかったぁ……」
P「ま、また泣くのか!?」
幸子「プロデューサー、もう絶対に離れないで、くださいね……えぐ。これからも、よ、よろしくです……」
P「ああ、こっちこそよろしくな!」
幸子「………////」
P「さっきからすごい顔が赤いけど、大丈夫なのか……?」スッ
幸子「あ、あああだいじょうぶです!ですから! それ以上近寄らないでください……///」ボソボソ
P「??」
幸子「ほらプロデューサー!おそいですよ!」
P「にしたって、この荷物の量は……」
幸子「今日もボクに一日付き合ってくれるんでしょう?このあいだのライブ、大成功でしたからね!」
P「ま、まあな……」
幸子「あ、お金の心配ならいりませんよ。ボク、こう見えてもけっこう持ってますので」
幸子「それに、プロデューサーはお金を貯めててくれていいんですよ?きたるべき時のために♪」
P「きたるべきって……?」
幸子「だ、だから こ、今度は、プロデューサーがこのボクに合うように魅力を身に付ける番です!
もっと楽しませてください!」
P「あ……ああ。んじゃあそろそろ、今後のためにも事務所に戻ろう!」
幸子「前、ボクの事を担いだ時、密かに胸を触りましたよね……?」ボソッ
P「うっ!あ、あの時は触ってしまったかもしれないけど、何より必死だったし……不可抗力というか」
幸子「いいです、許してあげます!その代わり……」
幸子「これからずっと、ボクとプロデューサーが世界一ってことを証明するの、手伝ってくださいね!」
おわり
挙げて落とす腹パンまだ?
そんな輿水ちゃんも良いと思いました
>>67
それは他の人に任せる!!!!
やっぱりハッピーエンドじゃないとな!!!!
最後の一行見えない
いちゃらぶはよ
乙! 闇に飲まれよ!
面白かった
Entry ⇒ 2012.06.15 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
クー子「…少年と精神を入れ替えた」
真尋「ふわぁ~あ…」ムクッ
真尋「あ、あれ?なんか体がヘンな感じだぞ…」
クー子「…おはよう、少年」ガチャッ
真尋「あぁ、おはようクー……えぇっ!?」
真尋「ぼ、僕!?僕が…いる!?」
クー子「…少年と精神を交換してみた」
真尋「何やってんだお前!?」
クー子「…私の体、大切に扱って欲しい」
真尋「うわあああああああああああああ!!!」
真尋「本当に何やってんだよお前!?一体何をどうやって…!!」
クー子「…イースの偉大なる種族を脅したら割と簡単に精神交換機を貸してくれた」
真尋「何やってんだあいつ!?」
真尋「あぁもう…!せっかくニャル子の体から解放されたのに…!!」
クー子「…少年は、私の体…イヤ?」
真尋「嫌に決まってんだろ!!」
クー子「…でも、私は少年の体…意外と気に入った」
真尋「え?」
クー子「…流石男の子、なかなか力もあるし…」ニヤリ
クー子「…少年の見た目なら、ニャル子も」ボソッ
真尋「…え?ちょ…お前、何を考えて…?」
クー子「…少年、ニャル子と私のらぶらぶちゅっちゅのために犠牲になって欲しい」
真尋「ふざけんなあああああああああああああ!!!」
クー子「…ふざけてない、私は真面目にニャル子と唾液の交換とかしたい…!」
真尋「それをふざけてるってんだよ!!」
真尋「そんな目で見るなよ…!」
クー子「…少年、協力してくれるなら私の体をあげてもいい」
クー子「…私の体をどう扱うも少年の、自由」
クー子「…だから、少年の体…ちょうだい?」
真尋「やらん!!返せ!!」
クー子「…そう」
クー子「なら…!ころしてでもうばいとる……!」ギランッ
真尋「!?」ビクッ
真尋(や、やばいっ…!フォーク…!)ガサガサ
真尋「あっ…!!」
真尋(お、落ち着け僕…!ニャル子の体だった時はニャル子みたいに動けたんだ!)
真尋(今の…クー子の体なら宇宙CQCが使えるはず…!)
真尋(なんとかして反撃をッ…!)
クー子「えいっ」サクッ
真尋「うわあああああああフォーク痛いいいいいいい!!!?」
クー子「…体は私でも精神は少年、所詮戦いを知らぬこども…」フッ
真尋「いってえ…!」ゴロゴロ
真尋「う、うわ!?なんで縛るんだよ!?」
クー子「…ニャル子と私のスーパー明るい家族計画タイムを邪魔されたら、困る…」
クー子「…だからしばらくここで大人しくしていてほしい」
真尋「止めろー!!誰の体だと思ってるんだよ!!」
クー子「…さっき、くれるって」
真尋「言ってねえ!!」
クー子「…よし拘束完了、じゃあね…少年」ガチャッ
真尋「ま、待って…!!待てええええええええええええ!!」
クー子「………♪」バタン
真尋「ちくしょう!急いでこの縄をとかないと!……ん?」ジタバタ
真尋「…しめた!フォークが落ちてる!」
真尋「なんとかしてアレを拾って、縄を切らなくちゃ…!」ジタバタ
真尋「…あ、あともう少し…!!」ジタバタ
ヒョイッ
真尋「あ!?フォーク…!」
ハス太「…………」
真尋「…ハス太?」
ハス太「まひろくんっ!フォークが落ちてたよ、危ないよね!」
ハス太「……………」
真尋「早くしないと僕の体が危な……ハス太?」
ハス太「…クー子ちゃんに言われたんだ!」
ハス太「『…少年をこの部屋から出しちゃダメ』って」
真尋「…冗談だろ?」
ハス太「『…少年をこの部屋から出さなければ何をしてもいい』って…」
ハス太「……今のまひろくんはクー子ちゃんの、女の子の体なんだよね?」
ハス太「これで僕もまひろくんと、ちゃんとした形で合体できるッ…!!」
真尋「お、落ち着けハス太!これ、クー子の体だぞ!?」
ハス太「クー子ちゃんだけど中身がまひろくんなら関係ないよねっ☆」
真尋「ニャル子ー!!助けてえええええええええええ!!!ぎゃあああああああああ!!!」
ハス太「まひろくぅん…!」ハァハァ
クー子「…今のうちにニャル子の部屋にっ」ダッ
…
クー子「ニャル子っ!」ガチャッ
ニャル子「あ、真尋さんっ!!何かあったんですか!?」
クー子「…え?」
ニャル子「クー子の悲鳴が聞こえたんですよ!何かあったんじゃねーかと思いまして…!」
クー子「…べ、別に問題ない」
ニャル子「はい?」
クー子(おっと…ちゃんと少年らしくしなくちゃ)ゴホン
クー子「…別に何もなかったよ、ニャル子」ニコッ
ニャル子「?まぁそれならいーですが」
クー子「え?」
ニャル子「いえ、てっきり悲鳴の件で私の部屋に来たのかと思いまして…」
ニャル子「他に何か用事があるんじゃねーですか?」
クー子「あ、あぁ!うん!そうだったよ…」
ニャル子「…?」
クー子「ニャル子、実は…」
ニャル子「はい?」
クー子「僕は…ニャル子の事が…!」ドキドキ
ニャル子「えっ?」ドキッ
ニャル子「……………」ドキドキドキ
クー子「くっ…!」ガクッ
ニャル子「ま、真尋さん!?大丈夫ですか!?」
クー子(む、むねが爆発しそう…!うまく言えない…!)ゼェハァ
クー子「にゃ、ニャル子…!」ハァハァ
ニャル子「真尋さん…落ち着いてください」ギュッ
クー子「……!」ドキッ
ニャル子「…なんとなく、何を言いたいのかは分かります」
ニャル子「えへへ…夢みたいです」グスッ
ニャル子「私って幸せ者ですねぇ、真尋さん…!」
ニャル子「私も真尋さんと同じ気持ちですよ…?」
クー子「……………」
クー子「…………!」ドキドキ
クー子(ニャル子…!ニャル子がこんなに近くに…!!)ドキドキ
クー子(あぁ…!ニャル子柔らかい…!かわいい…!!)ドキドキ
クー子(ちゅっちゅしたいぺろぺろしたいくんかくんかしたいぎしぎししたいあんあんしたいちゅーちゅーしたいけっこんしたいよニャル子ぉ…!)ドキドキドキ
ニャル子「…静か、ですね」
クー子「あ、あぁ…クー子とハス太はゲームでもしてるんじゃないかな?」
クー子「…二人っきりだな」
ニャル子「はい…そうですね」ドキドキ
クー子(にゃ、ニャル子の手…あったかいよぉ…)ギュッ
ニャル子「あっ…?」ビクッ
ニャル子「えへへ…こ、これっていわゆる恋人繋ぎって奴ですかね?」
ニャル子「実はずっと憧れちゃったりしてたんですよねー…」
ニャル子「…真尋さんからしてくれるなんて、本当に嬉しいです…」
ニャル子「………真尋さん」
ニャル子「…大好きですっ」
クー子「………………」
クー子(ちがう)
クー子(ニャル子が、私の手を握ってる…)
クー子(でもこれは、少年の体…少年の手…)
ニャル子「真尋さん?顔色が悪いようですが…?」
クー子「………ッ!!」
クー子(私の事を『真尋』だなんて呼ばないで…!)
クー子「…………ニャル子っ!」ガバッ
ニャル子「わああ!?」ドサッ
クー子「ニャル子、ニャル子っ…!!」
ニャル子「ま、真尋さんっ!?」アタフタ
クー子(こんなことをしても何にもなりはしない…)
クー子(私じゃ、少年には…八坂真尋にはなれない)
クー子(この体で何をしても、ニャル子は私の名前を呼んではくれない…!)
クー子(でも私の…クトゥグアの体じゃ…!ニャル子と触れ合うことすらできない…)
クー子(ニャル子と抱き合えない、ニャル子と手を繋げない、ニャル子と結婚できない)
クー子(私の想いは届かない)
クー子「ニャル子ぉ…!」グスッ
ニャル子「……………?」
クー子「好き…すきなの、ニャル子…!」ポロポロ
ニャル子「……ひょっとして、クー子……ですか」
クー子「…………うん」
ニャル子「あ、あんた何やってんですか!?それ真尋さんの体じゃ…!!」
クー子「だって!!こうでもしなきゃニャル子は…!!」
クー子「…ニャル子はいつでも少年の事ばっかり…!」グスッ
クー子「なんで…?なんで少年なの?なんで私じゃないの?」
クー子「もし私が男の子だったら、クトゥグアじゃなければ…!」
クー子「ニャル子は…!ニャル子は…!私のこと…!」
ニャル子「好きになんてなりませんよ」
クー子「え………」
ニャル子「………」
ニャル子「もしあんたが男の子で、クトゥグアじゃなかったとしても」
ニャル子「私はあんたの事を好きにはならないと思います」
クー子「…ニャル子は、私の事嫌いなの?」
ニャル子「…違いますよ」
ニャル子「私は、真尋さんが好きなんです!!」
クー子「……………!」
ニャル子「もしクー子が、私好みの超絶イケメン御曹司のニャルラトホテプ星人だったとしても」
ニャル子「それでも、私は真尋さんに恋をしていたと思うんです」
クー子「そこまで、少年の事を…?」
ニャル子「はい…私は真尋さんが大好きですっ!」
ニャル子「クー子、ごめんなさい…」
ニャル子「私には真尋さんしかいねーんです、クー子とは付き合えないんですよ」
クー子「………うん」
ニャル子「…私の事は諦めてください」
クー子「……やだ」
ニャル子「は?」
クー子「なぜなら…私はニャル子が好きだから…!!」クワッ
ニャル子「はあああ!?あんた今盛大にフラれたんですよ!?」
クー子「…私にはニャル子しかいない…!」ハァハァ
ニャル子「鼻息荒い!!」
クー子「例えニャル子が私を好きになってくれなくても…!」
クー子「…私はニャル子が好きっ…!」
クー子「…うん、勝手にする」ピトッ
クー子「…勝手に、ずっと好きでいる」
クー子「諦めないよ、ニャル子」
ニャル子「真尋さんの体で引っ付かないでください!っていうかさっさと元の体に…!」
クー子「…あー、それは無理」
ニャル子「ってなんでですかー」
クー子「あっちが一段落つかないと…私、馬に蹴られて死にたくない」
ニャル子「?」
ハス太「まひろくううううううううううううううううん」
真尋「来るなああああああああああああああああ」
おしまい
Entry ⇒ 2012.06.15 | Category ⇒ ニャル子さんSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
貴音「決めぽぉず、ですか」
亜美「そうそう、アレみたいな!」
真美「はるるんと言えばあのポーズ、みたいなとこがあるっしょ?」
真美「真美たちに欠けてるのはキャラクターを象徴する決めポーズだと思うんだよね」
美希「だってそうでしょ? 春香って歌も踊りも顔も平凡なのにミキたちを差し置いてセンターなんだよ?」
亜美「つまりはるるんには歌と踊りと顔の平凡さを補って余りある何かがあるってことになるっしょ」
雪歩「なにげにひどいこと言ってるような……」
真美「そこで真美たちは調査に乗り出したわけ」
美希「そして長きにわたる研究の結果ついにひとつの結論が導き出されたの」
雪歩「でも私たちみんなライブであのポーズやってるし春香ちゃんの専売特許というわけじゃないよね?」
美希「雪歩は認識がヌルいの」
雪歩「ええー……」
真美「ライブでみんなでやってもそれは所詮はるるんの添え物、あるいはパチモノとしか見られない!」
雪歩「そうかなあ……」
亜美「ゆきぴょんは人がいいですなあ」
美希「そんなことではこの弱肉強食の芸能界で生き残れないの」
雪歩「なんで私がたしなめられる流れになってるんだろう……」
亜美「たしかにガチで決めポーズと呼べるのははるるんのアレだけだけど」
真美「ここにいないメンバーはみんなそれに近いものを持ってるんだよ、お姫ちん」
雪歩「この顔ぶれってそういう基準で集められてたんだ……」
美希「あんなのは律子のパクリなの。オリジナリティがないと今はよくてもこの先行き詰まるの」
雪歩「そんなつもりでやってるわけじゃないのに……うう」
美希「カビの生えた元アイドルの遺産に頼ってるようではハニーに教えてもらうまでもなく未来はドドメ色なの」
雪歩「そこまで言われるようなことだったの!?」
真美「まあまあ、ゆきぴょんも真美たちと一緒に新しい決めポーズを考えて生まれ変わろうよ」
亜美「んっふっふっふ~、よっくぞ聞いてくれました」
真美「では我ら三人の研究結果をここに披露して進ぜよう!」
美希「まずは千早さんから見ていくの」
亜美「そんな千早お姉ちゃんが好んで行う数少ない動作のひとつが」
真美「サビの盛り上がりに合わせて手のひらを上に向けた腕を前に出してスーッと持ち上げていくアレ」
雪歩「でもアレってわりとみんな歌ってるとき普通にやるものなんじゃ?」
貴音「そうですね。わたくしも振り付けになくても歌に身が入ると無意識に出てしまうことがあります」
美希「やれやれなの。これだから二人は甘いの」
美希「もはやあのポーズは千早さんの決めポーズと言ってしまっても過言ではないの」
雪歩「……オリジナリティがどうとかいう話はどこにいったの?」
美希「千早さんにケチをつけるのはいくら雪歩でもミキ許さないよ?」
雪歩「…………」
真美「やよいっちと言えばガルウィング! ガルウィングと言えばやよいっち! まさに代名詞!」
貴音「それは否定いたしませんが、しかしアレはそもそも決めぽぉずの類なのでしょうか」
美希「キマっているかどうかとかは問題ではないの」
雪歩「どういうこと?」
雪歩「んー……一生懸命さとか礼儀正しさとか飾らなさとか幼さの残るかわいらしさとかかな? ……あ」
真美「そう。いまゆきぴょんが挙げた要素がガルウィングには全部入ってる」
美希「ガルウィングを一発かますだけで自分のキャラクターを鮮やかに押し示せるの。これは強いの」
貴音「なるほど……百万言を連ねるよりも効果的というわけですね。まさかそれほどのものだったとは」
雪歩「真ちゃんにはこれという決まったポーズはないと思うんだけど?」
亜美「さすがまこちんを語らせたら765プロ一のゆきぴょんだね、にゅふふ」
美希「でもまだまだなの。しょせんアマチュアの観察眼なの」
雪歩「なんで何か言うたびにけなされる流れになるんだろう……」
美希「実は構成要素はごく限られていてその組み合わせやアクセントを変えているだけなの」
貴音「基本になるのは手を差し伸べる・拳を突き出す・上段蹴りといったあたりですか」
真美「お~、さすがお姫ちん。理解が早いね~」
亜美「まあまこちんは真王子というイメージ自体が決めポーズみたいなものでちょっち反則気味なんだけどね」
美希「響の場合はそれでは弱いの。いくらアクションをアピールしても真クンの二番煎じになってしまうの」
雪歩「でも響ちゃんには動物という武器があるじゃない?」
真美「いっつも動物頼みってわけにはいかないっしょ~。アイドルなんだし、自分の魅力で勝負しなくちゃ」
亜美「だがしかし! そんなひびきんにもナンバーワンなポーズがあることを亜美たちは見つけてしまった!」
貴音「はて? そのようなものがありましたでしょうか」
亜美「んっふっふっふ~。あるんだな、それが」
貴音「響の挨拶を? 面妖な。ですがそうおっしゃるのでしたらやってみましょう」
貴音「はいさい! 自分、我那覇響だぞ! ……まさかこの手を挙げるだけの仕草のことですか?」
亜美「そのとおりい~」
美希「ただ手を挙げて軽く振る、たったそれだけなの。でも765プロの他の誰がやっても響ほどハマらないの」
雪歩「…………」(←765プロのアイドルをひとりひとり当てはめて想像中)
雪歩「た、たしかに……。正直、侮ってたかも。響ちゃん、すごい」
雪歩「あずささんと言えば、手を頬に当てたり両手を合わせながら首を傾げてあらあら?」
美希「あんなのは決めポーズでもなんでもないの。ただの癖なの。それも悪い癖なの。オバサン臭いの」
雪歩「言いたい放題だね……」
雪歩「……ヘタレ?」
美希「雪歩にだけは言われたくないの。好きだけど怖いものは怖いの」
雪歩「……はっ。ひょっとして美希ちゃんがさっきから私にきつく当たってくるのって」
美希「雪歩は単にツッコミやすいだけなの」
雪歩「うう、ひどいよ美希ちゃん……」
貴音「美希の雪歩に対するあの態度もつんでれというものなのでしょうか」
亜美「ん~、違うっしょ。ミキミキは裏表がないからあれは本音で言ってると思う」
真美「まあ心を許してるから言いたいこと言えるんだけどね。だって真美たちはみんな765プロの」
亜美・真美「「仲間だもんげ!!!!」」
貴音「それは置いておいてあずさの話に戻りましょう」
亜美「さすがはお姫ちん。華麗にスルーしたね」
真美「真美たちにできないことを平然とやってのける。そこにしびれるあこがれるゥ!」
雪歩「あ、髪を敬礼するみたいにひょいって上げるアレじゃないんだ」
美希「脇を見せるところがあざといから認めたくないの。ここは譲れないの」
美希「で、手を広げるポーズに話を戻すけど誰にもあの大らかさは醸し出せないの。これは胸の大きさの問題ではないの」
貴音「わたくしではあずさのあの包容力には到底及びませんね」
美希「そういうことなの。母性と言い換えてもいいの」
美希「特に潜在的に胎内回帰願望を持ってるようなキモいマザコンには効果絶大なの。イチコロなの」
真美「ミキミキ絶口調だね~」
雪歩「伊織ちゃんもパフォーマンスが多彩すぎてこれはというポーズは思い浮かばないなあ」
雪歩「響ちゃんの動物と同様にウサちゃん使うのは無しだとすると……投げキッスとか?」
美希「違うの。正解は髪をかき上げて光を目標へと収束させる人間反射衛星砲のポーズなの」
雪歩・亜美・真美「「「…………」」」
美希「……冗談なの。ハズしたのはわかるし謝るからそんなジト目でミキを見ないでほしいな」
貴音「……いまのは冗談だったのですか」
美希「貴音はいいヤツなの」
真美「でもポーズじゃないけどそれと同じくらい必殺の効果を発揮する技があったというわけ」
美希「それがウインクなの。ミキたちもやるときはやるけど、でこちゃんのウインクの破壊力にはかなわないの」
貴音「言われてみれば、たしかに伊織のういんくの印象はわたくしどもの中でも群を抜いておりますね」
雪歩「コケティッシュな伊織ちゃんにはこれ以上ないくらい似合ってるものね」
貴音「……驚きました。まったく参考になりません」
亜美「でしょでしょ~?」
雪歩「結局みんな普段から自然にやってる動作がそのまま決めポーズになってるって感じだもんね」
貴音「そういう特定の動作がこれといって無いわたくしとしては厳しい現実です」
雪歩「お茶やラーメンすするのは決めポーズには向かないですしね……」
貴音「そんなものがありましたでしょうか?」
真美「お姫ちんなら人差し指を立ててとっぷしいくれっとです、ってやるアレだね」
美希「ただ、アレはアレでキャラ固有のポーズにはなってるんだけど」
美希「ぶっちゃけおとなしすぎてインパクト的にお話にならないの」
雪歩「小さく上げて大きく落とすんだね……」
貴音「要するに決めぽぉずという意味では何も無いも同然ということに変わりはないのですね」
美希「ハニー!」
雪歩「プロデューサー!」
亜美・真美「「兄ちゃん!」」
貴音「おられたのですか、あなた様。いつから聞いていらしたのですか」
P「真美たちに欠けてるのは決めポーズだと思う、とか言ってたあたりからだな」
真美「ほとんど最初からじゃんか→!」
亜美「それなのにずっと黙って聞き耳立ててるなんて兄ちゃんイケズだよう」
P「それにこんな簡素な仕切りで区切られてるだけの空間で聞き耳立てるもなにもあるもんか。まる聞こえだったぞ」
雪歩「そ、そうだったんですか」
美希「まあそれならそれで説明する手間が省けてちょうどいいの。ハニーの意見を聞きたいの」
P「いいだろう。そもそもそのつもりで口を挟んだんだしな」
P「間違っているのはその先だ。そこまでわかってるのになんで身についてない新しいポーズをつくろうとするんだ」
美希「? どういう意味かわからないの」
P「真の分析パートで言ってただろう」
P「形がかっちりと定まっているわけではないけどちゃんと決めは成立しているみたいなことを」
雪歩「……そういえばそんな話でしたね」
P「つまりこれという形が無いのがいまのおまえたちの自然体だというならそれがおまえたちの決めポーズだということだ」
P「たとえば、貴音なら何を考えているのか読み取れない神秘的なたたずまいだな」
P「真王子のイメージ自体が真の決めポーズだというあの解釈はそのまま貴音にも当てはめることができる」
P「下手な小細工なんて必要ない。それだけのオーラというか雰囲気が貴音にはあるんだ」
貴音「あなた様……」
P「作為的な型をつくるということは白地の上にそういう色をつけるということだ」
P「少なくとも今はまだ雪歩には雪歩でない色に染まってほしくはない。雪歩のファンもきっとそう思っているはずだ」
雪歩「……型にはまった私は私ではないということですか?」
P「その型が本当に雪歩がつくりあげたものならそれは雪歩自身だよ」
P「アイドルとして成長していけばいずれおのずから見い出せるだろうはずのものだ」
P「今はそのときのために白のままで進んでいけばいいと俺は思う」
雪歩「はい、わかりました。ありがとうございます、プロデューサー」
真美「真美は~?」
P「亜美と真美がアイドルとして示すものは無限の可能性だな」
P「同じ相手に同じイタズラを何度も仕掛けてもつまらないだろう?」
P「どうしたらもっと面白くなるか二人はいつも考えている。それと同じさ」
P「型にはまらないのがおまえたちのスタイルなんだ。特定のポーズはかえってその邪魔になる」
亜美「わかった、帝王の拳に構えはないってことだね!」
真美「敵はすべて下郎なんだね!」
P「誰が聖帝になれと言った」
美希「満を持して大トリを飾るの」
P「そうだな……はっきり言って美希は天才だ。アイドルになるべくして生まれてきたような申し子だ」
美希「えへへ、もっと褒めてほしいの」
P「精進を怠らなければ万能のスーパーアイドルとして本当に頂点を極めることも夢じゃない器なんだ」
P「今からひとつやふたつのポーズにこだわることはない」
美希「わかったの。制圧前進あるのみなの」
P「だからなんで南斗鳳凰拳にハマってるんだおまえたちは」
貴音「よくわかりました。良きあどばいすをいただけて幸いでした」
雪歩「これからもよろしく指導してくださいね、プロデューサー」
亜美「要するに決めポーズがなくて負け組だと思っていた亜美たちこそが」
真美「実は勝ち組だったってことだよね」
美希「決めポーズなんかに頼ってる春香たちはしょせん雑魚にすぎなかったの」
P「さっきも言ったがこの狭い事務所では社長室以外での会話はその気になれば全部聞き取れる」
美希「? それがどうしたのなの」
雪歩「…………まさか」
P「そう、そのまさかだ」
ジャーンジャーン
亜美・真美「「げえっ、律っちゃん!!」」
律子「ええ、ずっとね。話は全部聞かせてもらったわ」
春香「どうせ私は平凡な顔の雑魚ですよ、雑魚」
響「自分、アクション頑張ってるのに二番煎じとかひどいぞ」
律子「カビの生えた元アイドルについて詳しく聞かせてもらおうかしらね」
あずさ「オバサン臭いってどういうことかしら~」
伊織「誰が人間反射衛星砲よ、まったく」
亜美「全部ミキミキの発言だから!」
美希「裏切りツインズなの、自分たちだけ逃れようだなんて許されないの」
律子「安心しなさい、逃がす気なんてさらさらないから」
美希・亜美・真美 ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
春香「亜美~? 嘘はいけないなあ。亜美も私の顔のこと平凡って言ってたよね~?」
亜美「はるるん怖いよ~、ごめんなさいもう言いません許して~」
律子「雪歩、貴音。美希の尻馬に乗って言わなくてもいいようなことを口にしなくて命拾いしたわね」
春香・響・あずさ・伊織「「「「うんうん」」」」
雪歩「ゆ、許された」
貴音「まこと、口は災いのもとなのですね……」
真美「え~? ゆきぴょんたちだけずるいよ律っちゃ~ん」
律子「シャラップ! あんたたちは完全に人馬一体だったでしょうが!」
千早「だからといって喜んでいいような話でもないと思うわ」
やよい「うっうー、なんか申し訳ない気分ですぅ」
真「ボクの場合ボーイッシュな部分ばかりがピックアップされて微妙に複雑ではあるんだけどね」
小鳥「今日も765プロは元気いっぱいでにぎやかでした。最後はみんな笑いながら家路につきました」
小鳥「明日もまたみんなが楽しく仲良く過ごせる一日でありますように」
【おしまい】
拙文におつきあいいただきありがとうございました
いやあ、読むのと書くのとでは大違い
自分でやってみてSS職人の皆様を見る目が変わりました
アイデアがわけばまたチャレンジしてみたいと思います
乙!
雪歩かわいいよ雪歩
やっぱ皆最初は大変だよな!
SS書いたこと無いけど
Entry ⇒ 2012.06.15 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
さやか「魔法少女たちはみんなあたしの嫁になるのだ~!」
まどか「はい!」
さやか「え?」
まどか「結婚式はいつにしよっか?さやかちゃん!」
さやか「ま、まじ?」
まどか「まじ!」
まどか「さやかちゃんが嘘つくわけないって私知ってるよ!」
さやか「うっ」
まどか「まさか正義の味方さやかちゃんが結婚詐欺なんてするわけないよね!」
さやか「詐欺っ!?これ詐欺だったの!?」
まどか「実はさやかちゃんと結婚すること、パパやママにも話したんだぁ///」
さやか「」
まどか「驚いてたけど祝福してくれたよ。さやかちゃんなら任せられるって///」
さやか「」
まどか「クラスのみんなも祝福してくれたよ!」
さやか「みんなにも喋ったのかよ!?」
上条「お幸せにー!ひゅーうっ!」
まどか「ありがとーありがとー!」
さやか「」
さやか「え…あびぃっ!?」バターン
まどか「きゃー!さやかちゃんさやかちゃん!」
ほむら「あなたがまどかと結婚なんて認めないわっ!大体女同士で結婚なんてできないのよ!?」
仁美「ぶー!ぶー!」
上条「引っ込めーっ!」
ほむら「」バンッ!
上条「うっ!」
中沢「上条が撃たれたっ!救急車ー!」
まどか「さやかちゃん大丈夫?」
さやか「あご外れそうになったよ…」
まどか「私たちのこと、ほむらちゃんだけ認めてくれなくて…」
まどか「他のみんなは応援してくれるんだけど…」
さやか「転校生のほうがまともだと思うんだけど…」
まどか「でもきっとほむらちゃんは今は戸惑ってるだけだよ。落ち着いた頃には認めてくれるよ」
さやか「う、うん…」
さやか(かといって恭介にふられたから好きな人がいるわけでもないんだけど…)
ホワンホワンホワーン
回想
仁美「恨みっこなしで一緒に告白しましょう!」
さやか「よ、よしきた!」
仁美「好きです上条くんっ!」
さやか「こ、ここ恋人になってくださいっ!」
上条「すまない…僕は百合しか認めていないんだ…」
仁美「!!」
さやか「!?」
恭介「それは僕にも含まれる!正直イチャイチャしたいしおっぱいも揉みたい!」
さやか「うわ…」
恭介「そのジレンマを解消するため、僕の出した結論は…」
仁美「ゴクリ」
恭介「そう!僕が女の子になればいいのさっ!」
仁美「アリですわ」
さやか「なんて不純な動機なんだ…」
上条「女の子になった時の練習もしてるよ」
上条「さやか、タイが曲がっていてよ?(裏声)」
さやか「気持ち悪い!」
上条「だから僕とイチャイチャしたいのなら…僕が女の子になるまで待っていてほしいんだ」キリッ
さやか「百年の恋も覚めた」
仁美「恋人は無理ですけど…上条ちゃんとは素敵なお友達になれそうですわ」
ホワンホワンホワーン
さやか(まどかはこんなに慕ってくれてるし…全部あたし次第なわけだ…)
まどか「新婚旅行はどこにしよっか?私の家?それともさやかちゃんの家?」
さやか「まどかは手軽だね」
まどか「だってお金ないし」
ほむら「…………」コッソリ
ほむら(私の願いはまどかの幸せ…でもよりによって相手が美樹さやかだなんて…)コッソリ
ほむら(美樹さやかの態度ははっきりしないし、あいつまどかを幸せにする気あんのかしら?)コッソリ
ほむら(…しばらく様子を見ましょう)コッソリ
まどか「私が奥さんかな?それともさやかちゃん?」
さやか「どっちも奥さんじゃね?」
まどか「さやかちゃん帰ろー」
さやか「うん」
仁美「わたくしは上条くんのお見舞いにいってきますわ」
さやか「あいつも何度も入院して大変だね」
仁美「ですわね」
病院
仁美「上条くん。例のブツですわ」
上条「うおぉぉぉ!この写真はっ!さやかと鹿目さんが保健室でイチャラブ!」
上条「十枚もらおう!いくらだいっ!?」
仁美「十万円で」
上条「あっはっはっは!これだから僕の性転換費用が全然貯まらないんだよ!あっはっはっは!」
さやか「まどか、あんまりくっつかれると歩きにくいよ」
まどか「夫婦ならこれくらい当然だよ~」
さやか「ははは…」
まどか「にへ~」ギュー
さやか(やべーな。まどか超可愛いじゃんか)
さやか(まどかを悲しませたくはないよなぁ…)ナデナデ
まどか「くすぐったいよ…ふふ」ギュー
ほむら(ま、まどかがとろけてるわ…なんて幸せそうな顔…)コッソリ
ほむら(とりあえず写真ね)パシャパシャ
まどか「え」
さやか「ごめんまどか!先帰ってて!」
まどか「えー…私さやかちゃんと一緒に帰りたいよ」
さやか「すぐ帰ってくるから!家で待ってて!」
まどか「あ、なんかお仕事にいく旦那さんみたい!」
さやか「へ?そ、そうかな」
まどか「やっぱりさやかちゃんが旦那さんだね!じゃあ奥さんの私はさやかちゃんの帰りを待ってるよ!」
さやか「わかった!」
まどか「いってらっしゃーい」ヒラヒラー
ほむら(?…美樹さやかと別れたみたいね)コッソリ
ほむら(まぁ私は引き続きまどかの写真を)パシャパシャ
さやか「はぁはぁ…いた、魔女!」
杏子「あっ?さやか来たのかよ!」
さやか「杏子じゃんか。じゃあ加勢するよ!」
杏子「ひ、必要ねぇよ!」バッ
杏子(あいつが見てるんなら…格好いいとこ見せないとな…)
さやか「無茶すんなよ…あっ…」
杏子「うわっやば!」
さやか「杏子!」
さやか「だから無茶すんなって言ったのに」パァ
杏子「悪かったよ…」
杏子(はぁ…かっこわるいとこ見せちまったなぁ)
さやか「気を付けてよね?…あたしにとって杏子は大事な人なんだからさ」
杏子「え…それどういう…」
さやか「これからはいつでもあたしを呼んでよね?一緒にいてあげるから!」
杏子「い、いつでも…?」
さやか「そっ!いつでも!」
杏子「……本当?」
さやか「嘘なわけないじゃん!」
杏子「…………」
さやか「…え?」
杏子「だから…あたしといつも一緒にいてくれよ…!」
杏子「ご飯食べるときも魔女と戦うときも…ね、寝るときも…」
さやか「…えーと…」
杏子「なっなんだよ!嘘じゃないっていっただろ!」
さやか(危ないときに呼び出してって言ったつもりだったんだけど…あたしまた変なこと言っちゃった!?)
杏子「だ…だめ…なのか…?」
さやか「い、いいよ!いいに決まってんじゃん!だから泣くなって!な?」
さやか「も、もちろん!」
さやか(嫁になるとか結婚するとかじゃないし…大丈夫だよね?)
杏子(やった…さやかに告白できた…!)
杏子「じゃあ住むところも一緒だよな!」
さやか「えぇっ?いやそれは…うちは無理だと思うし…」
杏子「じゃああたしの泊まってるホテルにこいよ!な!」
さやか「それも無理だと思うし…どうしようか…」
まどか「よいしょ…」
知久「上手じゃないかまどか」
まどか「えへへ…私が奥さんになるんだから料理くらいできるようにならないとね」
まどか(さやかちゃんが帰ってくるのが楽しみだなぁ…私の手料理に喜んでくれたりするかな…)
まどか(さすがあたしの嫁だ!ちゅっ!…みたいな感じかな)
まどか「てぃへへへ…」
ピンポーン
知久「誰かきたね」
まどか「はーいっ!さやかちゃーん!」ガチャンコ
さやか「や、やぁ…」
杏子「…よー」
まどか「…杏子ちゃん?」
さやか「魔女と戦うとき杏子と会ってね…」
まどか「…で、ついてきちゃったの?」
杏子「あたしとさやかは一緒だからな」
まどか「!?」
さやか「ハハハハ…」
杏子「ほんとはさやかと二人っきりがいいんだけど…今だけはまどかもいることを許してやろう」
まどか「!?」
さやか「ハハハハハハ…」
さやか「いただきまーす…」
杏子「いただきますっ」
まどか「…いただきます」
タツヤ「いははきまふ」
杏子「もぐもぐ…うまい!うまいなさやか!」
さやか「う、うん!これまどかが作ったの?おいしいよこれ!」
まどか「そ、そう?頑張って作ったんだぁ…えへへ…」
杏子「…おいさやか。あたしも褒めてくれ」
さやか「へ…どこをさ…」
杏子「まどかばっかりさやかに褒められてずるいっ」
さやか「えー…」
まどか「…さやかちゃんのために作ったのに杏子ちゃんがどんどん食べてく…さやかちゃんのなのに…」ブツブツ
タツヤ「まろか怖っ」
知久(なんか雰囲気悪いな…女子学生に囲まれた食卓なのに…)
杏子「よし、じゃあもう帰るかさやか」
まどか「え、ちょっとまってさやかちゃん!今日は泊まってかない?」
杏子「無理だよなさやか。夜も遅いし」
まどか「夜道は危ないよさやかちゃん。今日は泊まってこうよ」
杏子「親も心配するし、やっぱ帰るよなさやか」
まどか「私、ちゃんとさやかちゃんのママに電話したし、泊まるよねさやかちゃん」
さやか(発言する隙がない…)
まどか「さやかちゃん!お風呂沸いたよ!」
さやか「へ?あたしが一番?」
まどか「当然だよ…だ、旦那様だから…///」
さやか「え、あ、でも知久さんに悪いんじゃ…」
まどか「パパは最後でいいって。女子学生が3人入った後の残り湯に浸かりたいんだってさ」
さやか「…………」
杏子「そういうことなら先に入っちまおうぜさやか」
まどか「杏子ちゃんはまだ入っちゃだめだよ!」
杏子「あたしとさやかは風呂入るときも一緒なんだー!」
まどか「じゃあ私だってさやかちゃんのお背中お流し致したいもんっ!」
さやか「お風呂くらいゆっくり入らして…」
まどか「お、お風呂あがりのさやかちゃん…」ドキドキ
杏子「いい匂いする…」クンクン
さやか「か、嗅ぐなっ。次、まどかか杏子入ってきなよ」
まどか「…杏子ちゃん先にどうぞ?」
杏子「いやまどかが先にいってこいよ」
まどか「わ、私は後でいいよ。杏子ちゃん魔女退治で汗かいてるでしょ?」
杏子「いやあたしは突然お邪魔した立場だし、あんたより先に入るのは申し訳ないだろ」
まどか(う…お風呂あがりのさやかちゃんと二人っきりになれるのにぃ…)ドキドキ
杏子(まどかの家にいる以上、さやかにくっつけるのは今だけ…)ドキドキ
知久「二人とも。今お風呂に入ればさやかちゃんの残り湯を独り占めできるよ?」
まどか「」ガタッ
杏子「」ガタッ
さやか「おいっ!」
さやか「あたしはどこで寝ればいいの?」
まどか「…私のベッドで一緒に寝よ?」
さやか「あ、あはは…なんか照れるなぁ」
杏子「あたしは?」
まどか「押し入れ」
杏子「ドラえもんかよ!?いやだ!」
まどか「じゃあどこがいいの?」
杏子「あたしもさやかとベッドで寝る」
まどか「3人はさすがに狭いよ」
杏子「?あたしとさやかの2人だろ?」
まどか「むむむ!私のベッドなのにー!」
俺のベッドかな
一緒に寝てやるよ独りぼっちは寂しいもんな
まどか「え…」
杏子「ちょ…」
さやか「いやあたしってドラえもんにぴったりじゃん?青いし。…よいしょっと」ガラッ
まどか「いや…あの…さやかちゃん…」
杏子「えと…待てよさやか」
さやか「では!良い夜を!」ピシャッ
まどか「……」
杏子「……」
まどか「…寝よっか」
杏子「…うん」
さやか(やべー!押し入れの中真っ暗でこえー!これじゃ眠れないよー!)ガタガタ
さやか「さやさや…」グースカピー
まどか「さやかちゃんの寝顔可愛いなぁ…」
さやか「むにゃ…もう食べられないよ…」グースカピー
杏子「なんつーベタな寝言だよ…可愛いなおい」
さやか「ん…うんー?」パチクリ
まどか「あ、おはようさやかちゃん」
さやか「うひゃっ!?なんで二人とも押し入れ覗きこんでんのっ!?」ビクッ
まどか「そりゃあ覗くでしょ。ねぇ?」
杏子「覗く覗く。なぁ?」
さやか「その一体感はなんなのよ…」
タツヤ「うまいうまい」
まどか「おはようパパー」
知久「おはよう。ご飯出来てるよ」
さやか「ありがとうございまーす!」
杏子「うまそーだな」
知久「制服もちゃんと洗って用意しておいたよ。勿論パンツも」
さやか「…そ、そうですか…」
まどか「さすがパパ!専業主夫っ!」
知久「いやぁほんと専業主夫やっててよかったよ」
さやか「おうっ」
杏子「よしきたっ」
まどか「…杏子ちゃんは学校ないでしょ」
杏子「なにいってんだ。さやかが学校いくならあたしもついてく」
まどか「にゃ!」
さやか「それはさすがに…」
杏子「なんとかなるだろ」
和子「あら?今日はなんだか1人知らない子がいるような…」
杏子「気のせいだろ」
和子「…そうかしら?まぁいいや」
杏子「なんとかなったな。なんか席も1つ空いてたし」
さやか「それ入院した恭介の席…」
まどか「さやかちゃん!はいあーん!」
杏子「こっちださやか!あーん!」
さやか「い、いやまどかのおべんとはともかく、杏子のお菓子って…」
杏子「ん?腹に溜まればいいだろ?」
さやか「ちゃんと栄養あるやつ食べようよ」
杏子「んー…菓子パンでも買ってくるかぁ。よしいくぞさやか」
さやか「え、でもまどかが…」
杏子「あたし達はずっと一緒だろ?ほらいこう!」
まどか「あ…さやかちゃん…」
さやか「ご、ごめんまどか。すぐ戻ってくるね…」
まどか「……うん」
杏子「だ、だって…さやかが近くにいないと不安になるだろ…」
さやか「この様子だとトイレにまでついてきそうで怖いな」
杏子「ついてくに決まってるだろ」
さやか「お、おいおい…あんたは寂しいと死んじゃうウサギちゃんかよ」
杏子「…だってお前がまどかに取られちゃうかもって思うと」
さやか「え?」
杏子「…だってお前はあたしの恋人だろ…?」カァッ
さやか「えぇっ!?」
杏子「…えぇっ!?」
さやか「い、いや…いつから…?」
杏子「昨日あたしの告白オーケーしてくれただろ!?忘れたのかよ!?」
さやか(あれ告白なの!?嘘っ!?世間の告白の仕方はこんなにバリエーション豊かなの!?)
さやか(う、浮気じゃん!?)
さやか「うわぁぁぁ!あたしって奴はぁぁぁ!」
杏子「お、おいさやか!?」
さやか「なんて最低なことを…!うわぁぁぁー!」
杏子「お、落ち着けよさやか…あたしなんか嫌なこと言ったかな!?」
さやか「うぅ…ごめん…1人にして…」
杏子「え…」
さやか「ごめん杏子!」ダッ
杏子「あ、さやか…!」
さやか「浮気って犯罪になるのかな…あたしってもしかして悪人…?」
さやか「うわぁー!あたし死ねよ!うぅぅぅ…」グスッ
ほむら「…口を閉じなさい美樹さやか。うるさいわよ」
さやか「て、転校生…」グスグス
ほむら「見てたわよ…昨日から」
さやか「…え?」
ほむら「まどかの家の窓から全部見てたわ」
さやか「え……ストーカー…」
ほむら「」バチンッ!
さやか「いだっ!」
さやか「うん…」
ほむら「まどかを幸せにしないどころか悲しませてどうするのよっ!」
さやか「うん…!」グスッ
ほむら「あなたには心から幻滅したわ。もう死んだらどうなの?」
さやか「…お父さんお母さんごめんなさい…」チャキ
ほむら「ちょっ!?ちょちょちょちょっとぉっ!?」バシッ
さやか「あうっ…」カランッ
ほむら「ほ、ほ、本気で死のうとしないでよ!?びっくりしたじゃない!!」ドキドキ
ほむら「ば、ばかっ!命は大事にしなさい!」
さやか「うぅ…」
ほむら「はぁっ…あなたは極端すぎるのよ…悪いことに潔癖というか…」
さやか「だって…」
ほむら「…さっきは私も言い過ぎたわよ…婚約っていってもあなた達はまだ子供じゃないの。そんなに重く考える必要はないと思うわよ」
さやか「…転校生ぇぇ…」
さやか「…だよね…」
ほむら「どうするの?」
さやか「…やっぱりまどかか杏子のどちらかを選ぼうと思う。1度結婚とか告白とかオーケーしちゃったけど、どっちもと恋人になるなんて間違ってるよ」
さやか「断ったほうには…絶対に嫌われちゃうけど…あたしが悪いんだもん。しょうがないよ」
ほむら「…あなたって基本馬鹿のくせに変に真面目なのね。ちょっぴり見直したわ」
さやか「だってこれ以外の選択肢がないじゃん」
ほむら「ハーレムって発想は?」
さやか「ないっ!」
まどか「あ、さやかちゃん!おかえりなさいっ!」ニコッ
さやか「た、ただいま!」
まどか「えへへ…この挨拶やってみたかったんだ…///」
さやか(…なんて乙女なんだまどか…!愛でたくなるだろ…!)
まどか「あれ?杏子ちゃんは?」
さやか「え、帰ってきてないの?」
まどか「うん」
さやか「そ、そっか…探してきた方がいいかな」
まどか「…うん、そうだね。杏子ちゃん喜ぶと思う」
さやか「まどか、何度もごめん…」
まどか「気にしないで。杏子ちゃんだって私と同じくらいさやかちゃんのこと好きみたいだし…」
さやか「ありがとうまどか」
さやか「どこいっちゃったんだろ…杏子…」
さやか「あーもー…あたしってほんと馬鹿なんだから…」
杏子「…………」
杏子「久しぶりに学校いったけど、楽しかったな…」
杏子「あたしもまどかみたいにさやかと通えればよかったんだけどな…」
杏子「…さやかに、1人にしてって言われちゃったな…」
杏子「やっぱあたしうざかったかな…さやかにフラれちゃった…」
杏子「……ごめんなさやか…」
まどか「結局杏子ちゃん見つかんなかったの?」
さやか「うん…」
ほむら「もう美樹さやかのことなんて嫌いになったんじゃない?」
まどか「杏子ちゃんがさやかちゃんのこと好きじゃなくなるなんて私には…」
ほむら「じゃあ諦めたんじゃないの?どっちにしろよかったじゃない美樹さやか」
さやか「え?」
ほむら「わざわざあなたから振る必要がなくなったじゃない」コソッ
さやか「…別に杏子を選ばないって決めたつもりはないんだけど…」コソッ
さやか「てかあんたはあたしとまどかが結婚してもいいの?」コソッ
ほむら「私はまどかが幸せになればそれでいいし、あなたがまどかを選ばなかったとしても私が幸せにするからどっちでも同じよ」コソッ
さやか「へ、へー…」
まどか「…ぶー。二人でこしょこしょ話はやめてよう」
まどか「……でも学校の外にいるんじゃ探しようが…」
ほむら「杏子のいきそうな所を探してみれば?」
さやか「杏子の行きそうな所って……だめだ。食べ物屋くらいしか思い付かん」
ほむら「杏子に詳しい人に聞けばいいじゃない」
さやか「杏子に詳しい人…………ふむ」
ピンポーン
マミ「はーい」
さやか「お邪魔しまーす」
さやか「マミさんとお話したいことがあって…」
マミ「私と?」
さやか「はい。マミさんは頼りになりますから」
マミ「そ、そうかな?えへへ…」
さやか「突然来ちゃいましたけど大丈夫すか?」
マミ「大丈夫ー!さ、入って入って!」
QB「やぁさやかじゃないか」
さやか「あれ、QBいたんだ」
QB「マミのいるところにこのQBあり、さ」
さやか「どもです。おかまいなく」
QB「僕にもよろしく頼むよマミ」
マミ「はいはい」
QB「…で、今日は何のようでここにきたんだいさやか。マミと僕の午後のひとときを邪魔をしていいほどの用事かい?」
さやか「うん…
QB「わかったよ。この僕にいってみな?人生の大先輩である僕がなんでも助言してあげよう」
さやか「いや、QBに用事はないから」
QB「…………」
マミ「お待たせ。はい、お茶とケーキよ」
さやか「わぁっ!おいしそう!」
マミ「ふふ、喜んでもらえてよかった!」
QB「…………マミ?マミ?僕のこれはなんだい?」
マミ「水道水とキャットフードよ?」
QB「…………」
さやか「めちゃうまっすよ。マミさんはお菓子作りも完璧で羨ましいなぁ」
マミ「やだもう…照れちゃうわ」
QB「……」モシャモシャ
マミ「QBもおいしい?」
QB「も、もちろんさマミ!マミが汲んでくる水道水は何よりも美味だよ!」
マミ「水道水は誰が汲んだって同じでしょ?」
QB「…………う、うん」
さやか「…はっ?こんなことをしてる場合じゃないんですよマミさんっ!」
マミ「ほぇ?」
さやか「杏子が大変なんですよ!」
マミ「な、なんですって!?」
さやか「助けにはいかなくていいですけど…」
マミ「助けにいかなくていいのね!?じゃあピンチではないの!?」
さやか「いや…ピンチなのはピンチかもです」
マミ「やっぱりピンチなのね!?」
さやか「あとあたしの方もピンチかもです」
マミ「美樹さんもピンチなのね!?助けなきゃ!」
さやか「いや助けなくていいです。話を聞いては貰いたいですけど」
マミ「話を聞けばいいのね!?私に出来ることはある!?」
さやか「座ってください」
マミ「はいっ!」ペタン
さやか「んーと…なにから話せばいいのか…」
マミ「へぇ…鹿目さんは美樹さんのお嫁さんだったのねぇ…」
さやか「いやまだお嫁さんではないですけども」
マミ「え?お嫁さんじゃないの?なら美樹さんの言ってること間違ってるじゃな~い」
さやか「まぁ、はい。冗談で言ったつもりでしたので…」
マミ「え?冗談なの?どうして?」
さやか「どうしてって言われましても…まどかをからかいたかったというか…まどかの恥ずかしがる姿が見たかったというか…」
マミ「だめじゃない女の子をからかっちゃ。めっ!よ」
さやか「はい…すいません…」
マミ「それで?」
さやか「そういう冗談を言ってたらまどかから結婚しようって言ってきて…」
マミ「え?結婚したの?」
さやか「いやまだしてないですけど」
マミ「まぁ」ドキドキ
さやか「だからあたしが言った冗談の通り、あたしのお嫁さんになりたいってことらしくて」
マミ「冗談が本当になったってことね?」
さやか「はい。いやまだ結婚はしてないですけど」
マミ「ふふっ。馬鹿ねぇ美樹さんは」
さやか「はい」
マミ「冗談っていうのは本当になっちゃったら冗談って言わないのよ?」
さやか「……え、あ、まぁそうなんですけども…」
マミ「でしょ?むふう」
マミ「佐倉さんね?もしかしてピンチなの!?」
さやか「いえ、まだピンチではないです」
マミ「ピンチではないのね?……ふぅ。一安心」
さやか「で、杏子が魔女と戦ってまして」
マミ「やっぱりピンチなのね!?」ガタッ
さやか「ピンチではないです」
マミ「まぁ。やるじゃない美樹さん」
さやか「あ、ありがとうございます」
マミ「自分が危ないときに助けにきてくれる…そういうシチュエーション、素敵よね?」
さやか「ですかね」
マミ「えぇ!もし私だったら好きになっちゃうかも!……ふふっ、なーんてねっ」
さやか「続きを話していいですか?」
マミ「どんどん話してちょうだい!」
さやか「それで…ほら、杏子って意地っ張りな奴ですから…人に頼ろうとしないじゃないですか?」
マミ「そうそう!そうなのよ美樹さん!あの子ったらついこないだね?捨てられたわんこちゃんを見つけてきて」
さやか「あの、マミさん。その話長くなります?」
マミ「それがそうなのよ!すぐには語り尽くせないいい話なのよ!」
さやか「聞きたいですけど、あとにしてもらって構いませんか?」
マミ「いい話なのに…」
マミ「なんて言ったの?なんて言ったの?」
さやか「あたしが一緒にいてあげるから、いつでも呼んでよ……だったかな…?ちょっと恥ずかしいですけど…」
マミ「それどっちが言ったの?」
さやか「え、ですからあたしが」
マミ「あ、そうだったわね」
さやか「あたしは…魔女と戦うときにピンチならいつでも呼んでってニュアンスで言ったつもりだったんですよ」
マミ「ニュアンス?美樹さんなのに難しい言葉使うわね?」
さやか「別にあたしが難しい言葉使ってもいいじゃないですか」
マミ「あ、なんか怒ってない美樹さん?ごめんなさい、そんなつもりじゃなかったのよ。本当よ」
さやか「そしたら杏子が違う意味で捉えちゃったみたいで」
マミ「え?違う意味ってどんな?」
さやか「それを今から言いますから。黙って聞いててくださいよ」
マミ「あ、ごめんなさい。まだなんか怒ってる?」
さやか「怒ってないです」
マミ「あら!佐倉さん、美樹さんのこと大好きだものね」
さやか「え、えぇ…あとになってからわかったんですけど、杏子はあたしのことが好きだったみたいで…」
マミ「ほらねっ!私の言った通りでしょ美樹さん?ね!?」
さやか「そうですね。マミさんすごいすごい」
マミ「えへへ」
さやか「それで…杏子がついてくる形でまどかの家に行ったんですよ」
マミ「え?でも鹿目さんも美樹さんのこと好きなのよね…?」
さやか「はい…」
マミ「だ、だめじゃない美樹さん!そんな二人の想いを弄んで!」
さやか「…その時は杏子があたしのことが好きだって知らなかったんですよ…ただ単に寂しかったからあたしと一緒にいたかったのかなぁって思ってて…」
マミ「…なんだか美樹さんって鈍感ねぇ…」
さやか「マミさんに言われるくらいだからほんとにそうなんでしょうね…」
マミ「第一部完!ってとこね!」
さやか「喉乾いたんでお茶ください」
マミ「はいはいー美樹さんすごい喋ってるものね」
さやか「誰のせいですか」
マミ「?誰のせいなの?」
さやか「あ、いえなんでもないです」
マミ「はい。どうぞ」
さやか「ずず…はぁ…」
マミ「ささ、続き続き」
さやか「…はい」
マミ「そうね。学生だものね」
さやか「そこに杏子がついてきたんですよ」
マミ「あら?佐倉さんも学生だったかしら?違うわよね?そこが間違いだわ」
さやか「いや、間違いですけど…ついてきちゃったんです」
マミ「でも間違いだわ」
さやか「別に間違い探ししてるわけじゃないですから。杏子は学生じゃないけどついてきたんです。以上」
マミ「ほぇ」
さやか「…杏子はあたしとずっと一緒にいたかったみたいですから」
マミ「それはさっき聞いたわ?」
さやか「あ、あたしの話ちゃんと聞いてたんですね」
マミ「聞いてたわよ!失礼ね!」プンスカ
マミ「あら、仲良しね」
さやか「杏子の昼御飯がお菓子みたいで」
マミ「んまっ!あのこったらまた不健康な!」
さやか「はい。ですから菓子パンを買いにいこうってことになって」
マミ「菓子パンよりもちゃんとしたおべんとを食べるべきだわ。お野菜の入ったやつね」
さやか「そのとおりですけど」
マミ「あ!菓子パンといえば牛乳よね?特にあんぱんと牛乳の組み合わせは最高だわ」
さやか「おい、マミ」
マミ「えっ?」
さやか「失敬。マミさん」
マミ「美樹さんと佐倉さんは一緒だものね。ふふ」
さやか「問題はそのとき起きたんですよ」
マミ「やっとね!?私の出番ね!?まず私は何をすればいいかしら!」ガタッ
さやか「座ってください」
マミ「はいっ!」ペタン
さやか「そのときの杏子との会話で…あたしは杏子に告白をされてたんだと気付きました」
マミ「気づいちゃったのね!?」
さやか「そうとは知らずにあたしがオーケーしちゃったから、当然杏子はあたしのこと恋人だと思ってたわけですよ」
マミ「え?美樹さんと佐倉さんは恋人だったの?」
さやか「え、だからそうだと言ってるんですよ。いや勘違いからそうなっちゃったんですけどね?」
マミ「あ、あなたには鹿目さんという婚約者がいるじゃないっ!」
さやか「…はい。その時に気付きました…あたしは二股してるんだって」
マミ「気づいちゃったのね!?」
マミ(廊下は走っちゃいけないのよ?美樹さん)
マミ(でもこれを今言うのは野暮というやつね。それくらい私にもわかるわ)
さやか「自分が情けなくなって…死にたくなって…」
マミ「ちょ、ちょっと待ちなさい!死ぬのはダメよ!そんなことは私が許さないわよっ!?」
さやか「あ、はい。このとおり死んではいないですよ」
マミ「死んでない!?あ、そうね!生きてるわね!美樹さん確認よーし!」ビシッ
さやか「指差し確認ですね」
マミ「むふう!」
さやか「…転校生が助けてくれたんです…あたしのこと…」
マミ「…………」
さやか「あたしを許してくれた…それだけで、なんか救われた気がしたんです」
マミ「…………」
さやか「それまで真っ暗だった視界がだんだんと鮮明になって…今まで見えなかったことが見えるようになったんです」
マミ「…………」
さやか「だから…転校生には感謝してます」
マミ「……なるほどね。美樹さんも辛かったわね…」
さやか「マミさん…」
マミ「……それで、転校生ってだあれ?」
さやか「え?あ、はいすみません。気づきませんでした。ほむらのことです」
マミ「あぁ暁美さんのことね?もーそういってくれなきゃわかんないわよーっ」
さやか「すみません…あたしの不注意でした」
マミ「わぁ!?びっくりした!」
さやか「あたしはまどかのところに戻ったんですけど、杏子がいなかったんですよ!」
マミ「そうなの!?それは大変ね!」
さやか「はい!学校中探しても見つからないんです!」
マミ「そ、それも大変だわっ!」
さやか「だからおそらく…杏子は学校の外に行ったと思うんですけど、マミさんならどこにいったかわかりますか!?」
マミ「私がわかると思う!?」
さやか「はい、そう思って訪ねてきたんですが、今となっては全く思いません!!」
マミ「正解っ!」ニッコー
さやか「うわぁぁぁぁぁ!なんであたしはマミさんなんか訪ねてきたんだぁぁぁぁ!!」ジッタンバッタン
マミ「み、美樹さん落ち着いてっ!」
杏子「はぁ…失恋したあとってお腹すかないって聞いたんだけど…お腹すいたなぁ…」
杏子「…マミんちでも寄るか」
ガヤガヤ
杏子「…ん?客でもきてんのか…?」ガチャ
さやか「うがぁぁぁぁ」
マミ「美樹さん!弱い自分に負けないで!自我を取り戻すのよっ!QBも押さえるの手伝って!」ギュウーッ
QB「よしきた!QB分身の術!」
QB2「さやかー!マミのおうちで暴れるんじゃないよーっ!」
さやか「おらっ!」
QB3「きゅぷぁっ!」グシャッ
QB4「QB3っ!」
杏子「……なにがどうなってんだ」
QB5「ん?やぁ。杏子じゃないか」
杏子「ばっ…」
マミ「佐倉さん!」
杏子「やべ…逃げろっ!」
さやか「あぁ逃げられちゃう…マミさんっ!捕獲っ!」
マミ「はいっ!」シュルンパシッ
杏子「うわー!はなせー!」
さやか「まったくもう…なんで逃げたのさ?」
杏子「…………」プイン
さやか「あたし達は、ずっと一緒なんじゃなかったの?」
杏子「!……だって…」
さやか「え?」
杏子「強引にさやかにくっついてさ…邪魔だったよな?あたしなんか…」
さやか「杏子…」
杏子「まどかにも迷惑かけたしさ…図々しかったよなほんと」
マミ「佐倉さん…」
杏子「あたしは所詮よそ者だもんな。まどかみたいに幼なじみでもないし、ほむらみたいに同じクラスでもないし…」
QB「杏子…」
杏子「そもそも学校も通ってないもんな?…はは、あたしみたいな奴なんか一緒にいちゃいけねぇよ…」
QB2「杏子…」
杏子「…なにが違うんだよ」
さやか「だってあたしは杏子にずっと一緒にいてほしいと思ってるもん!」
杏子「え…!?」
さやか「一緒にいちゃいけないなんて言わないでよ…あたし、杏子といて楽しいし嬉しいんだよ?」
杏子「でも…さやかはあの時、1人にしてほしいって…」
さやか「あれは…杏子に酷いことしちゃってたから…」
杏子「酷いこと…?」
杏子「け、結婚んん!?」
さやか「うん…あたしも断らなかったし、そもそもあたしの冗談から始まったことだからあたしが悪いんだけどね」
さやか「それともう1個…」
杏子「な、なんだ?」
さやか「杏子の告白…あれ、告白とは思わないでオーケーしちゃったの」
杏子「…………え?」
さやか「だ、だから…その…杏子がずっと一緒にいよう…っていうの」
杏子「…え、あぁ…あ、そうだよな…わかりづらかったよな…」
杏子「えっ!?てことはあたし、勝手にさやかと付き合ってるって思い込んでたってことか!?」
さやか「えと…」
杏子「…ーっ!?///」
さやか「お、お互い様だよ…勘違いしてたのはあたしも同じなんだしさ…」
杏子「…そうだな。お互い様だな」
マミ「そうね。あなた達がどっちもお馬鹿さんだったって話ね」
さやか「……いや、まぁ」
杏子「……そうなんだけどさ」
マミ「?」
さやか「…マミさんに言われると本気で傷つくね」
杏子「同感だ…」
さやか「へ?」
マミ「鹿目さんと佐倉さん。どちらかと結ばれるんでしょう?」
杏子「い、いやあたしは…まどかの後から告白したんだし…まどかに悪いよ」
マミ「あら?そんなことで諦めちゃうの佐倉さん。恋っていうのはね…?戦争なのよ…?」
杏子「…恋したことねーくせに」
マミ「んまっ!失礼しちゃうわね!」プンス
さやか「…もちろんまどかと杏子、どっちかと恋人になろうと思ってる」
杏子「さ、さやか…」ドキドキ
さやか「こんなあたしを好きでいてくれてるんだもん。あたしだってどっちも大好きだ。どっちとも仲良くしたい」
さやか「でもやっぱり…それはいけないことだから、あたしは1人を選ぶよ」
さやか「……あたしは」
なのでまどかか杏子にしたいんですがどっちがいいですかね
下5
多数決
無理ならハーレム
さやか「…へ?」
マミ「美樹さんは真面目過ぎよ!あなたが鹿目さんも佐倉さんも愛せるって言うなら何も問題はないじゃないっ!」
さやか「あ、ありますよ!だって二股は悪いことだもの!」
マミ「あ、なら三股するのはどうかしら?」
さやか「!?」
マミ「三股しちゃったら、二股くらいで悩んでるのが馬鹿らしくなっちゃうでしょ?」
さやか「なにその屁理屈!てかあと1人は誰っすか!」
マミ「はいっ!はいっ!」ピョンピョン
さやか「は!?」
さやか「ふふふじゃねーよ!恋がしたいなら同級生の男の人にでも告白すればいいじゃないっすか!なんであたしに…」
マミ「いやね美樹さん。私の口から言わせる気?男の子よりも美樹さんの方が格好いいからに決まってるじゃないの」
さやか「え、えぇ…///」
杏子「あ、照れてる」
さやか「…な、なんであんたは冷静なのよ…あたしが三股してもいいっていうの?」
杏子「あたしは…まどかやマミならかまわないよ。むしろ誰か1人を選ぼうとして、あたしが選ばれないほうがよっぽど嫌だ」
さやか「杏子…」
杏子「いいじゃねーか三股でも。さやかはあたしたちみんなのこと…あ、愛してくれんだろ…?///」
さやか「う…うん…///」
さやか「は、はひ」
杏子「さ、さやかちゃん?」
マミ「恋人ですもの。下の名前で呼びたいじゃない…きゃっ///」
マミ「ね、ね?さやかちゃん。私のことも呼び捨てにしていいからね?」ギュッ
さやか「お、おっぱいが当たってますよ…///」
マミ「当ててるの」
杏子「ま、魔性の女だ…」
「こらーっ!!」
まどか「私です!てぃひひ」
ほむら「そして私」ニュッ
さやか「ひっ!?ど、どこに潜んでいた転校生!?」ビクッ
ほむら「私ほむら。あなたの後ろにいたの。ずっと」
さやか「怖っ!!」
ほむら「まどかを呼んだのも私。ちなみに今の会話全部まどかも聴いてたから」
まどか「私…さやかちゃんに捨てられちゃったのかなって不安になって…そしたらさやかちゃんのすべてが知りたくなって…さやかちゃんの一言一言を一字一句聴いてたの…」
ほむら「私があなたの後をこっそりついてってケータイ越しにまどかに聴かせていたわ」
さやか「怖っ!!超怖っ!!なにこのストーカーコンビ!!」
さやか「ごめんまどか…」
まどか「ううん。私もちょっと強引だったし」
ほむら「まどかを悲しませるような発言をしたら撃ち殺してやろうかと思ったけど…まぁ合格にしておいてあげるわ」
さやか「あ、ありがとうございます…」
ほむら「合格ついでに1つ朗報よ。なんと私があなたの第4婦人になってあげるわ」
さやか「………えっ…」
ほむら「なによその顔は。巴マミにはそんな顔しなかったのに。おっぱいないからって馬鹿にするんじゃないわよ」
さやか「いや…一番意外だったから…」
さやか「え…家を建てるとこまで想定してんの…」
ほむら「あなたが建てるのよ旦那」
さやか「…………」
ほむら「あなたたちは一緒に住むけど、私だけ仲間外れ。ひとりぼっち。そんなの嫌!私もまどかと暮らしたいっ!」ホムダダッコ
さやか「駄々こねるなよ…」
ほむら「しかしあなたと私がくっついちゃえば全て丸く収まるのよ。オーケー?」
さやか「そこに愛はあるの?」
ほむら「ないわ」キッパリ
さやか「う…」
ほむら「……」
ホムホワンホワーン
さやか「…転校生が助けてくれたんです…あたしのこと…あたしを許してくれた…それだけで、なんか救われた気がしたんです」
さやか「だから…転校生には感謝してます」
ホムホワンホワーン
ほむら「……ふん。当たり前よ」
さやか「でもあたしは結構転校生のこと、好きだけどね」
ほむら「っ!?///」
さやか「転校生は高嶺の花だもんなぁ。あたしなんか好きになるわけないか」
ほむら「…いい加減名前で呼びなさいよ」
さやか「へ?」
ほむら「ほむらっ!」
さやか「ほ、ほむら」
ほむら「よし」
さやか「な、泣かさないよ…四人とも、全員」
マミ(やーん…少女漫画みたーい…///)キューン
さやか「こうなったら責任とる!あたしが必ず幸せにしてやる!」
ほむら「どうやってよ?」
さやか「魔法少女たちはみんなあたしの嫁になるのだ~!」
まどか「み、みんながお嫁さん!?」
さやか「おう!あたしが全員養ったる!」
さやか「まどかは嫁1号!杏子は嫁2号!以下省略っ!」
ほむら「おい」
QB「僕は嫁何号になるんだい?」
マミ「QB。あなたはペットよ…」
QB「そんなぁっ!?」
マミ「た、例えば…?」ドキドキ
さやか「石油王っ!!」
ほむら「駄目だこの馬鹿」
まどか「じゃ、じゃあ…さやかちゃん…」
さやか「ん?」
杏子「あたしたちのこと…よろしく頼むな?」
まどか「」チュッ
杏子「」チュッ
もう終わり
眠くてテンションおかしいー
おやすみなさい
Entry ⇒ 2012.06.15 | Category ⇒ まどかマギカSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
妹「兄さんは私のことが嫌いなのですか?」
妹「答えてください」
兄「…」
妹「兄さん!」
兄「妹…」
妹「はい、なんですか?」
兄「まず服を着なさい」
妹「それは私の自由です」
妹「兄さんだってよくするじゃないか」
兄「お前は女の子なんだからもっと恥じらいをだな」
妹「女として見てくれてるんですね」
兄「そういう意味じゃなくてな」
妹「ところでさっきの質問に答えてください」
兄「…」
妹「最近兄さんは私を避けているような気がします」
兄「…」
妹「どうしてですか」
兄「…これまでのお前の行動を振り返ってみろ」
妹「代わりに私のパンツを入れてあるから大丈夫です」
兄「いやいや、そういうことじゃ…」
妹「実際兄さんも最初に自分の引き出しに妹のパンツが紛れていた時、叫んで喜んでいたじゃないですか」
兄「喜んでないし!びっくりしたからだろ!」
妹「その後辺りをキョロキョロ見てから、匂いをかいでたじゃないですか」
兄「いやかいでないよ…」
妹「認めてもいいんですよ、私が好きだと。兄妹としてでなく、異性として好きだと」
兄「何でお前一人で話ポンポン進めてんの?」
妹「質問に答えれば着ましょう」
兄「………」
妹「なぜ私を避けているんですか」
兄「なんていうか、お前最近行動が淫らだし」
妹「淫らとはまた卑猥な表現を」
兄「敬語使ってるのに行動がビッチだし」
妹「失礼な」
兄「だからまぁ、清楚に振舞って欲しいというか」
妹「兄さんはそういうのがタイプなんですか?」
兄「いやタイプとかじゃなくて、とりあえずその淫らな言動をやめてくれればいい」
妹「ふむ…」
妹「…!」
兄「そんなことしても誰の為にもならないんだし、妹は清楚な方が可愛いよ」
妹「…」
兄「まあ、少しずつ直していけばいいよ。ゆっくりでいいから」
兄「もうこんな時間か、そろそろ寝るか。おやすみ」ガチャ
バタン
妹「………馬鹿」
妹(あなたの気を引く為に、わざと、執拗にあなたにすりよったじゃありませんか)
妹(それなのに、「誰の為にもならない」とか、「変な目で見られる」とか)
妹(あなたの為にやっているんです)
妹(あなたに気づいてもらうならどんな目で見られてもいいんです)
妹「何で…何で気づいてくれないのですか」
妹「私はどうすればいいのですか…?」グスッ
兄(いつから、あんな風になってしまったんだろう)
兄(俺が、ダメな兄だからなのだろうか…)
…
…
妹「うぅ…、ぐすっ」ポロ ポロ
妹(どうすれば…、一体、どうすれば…)
妹「…ふぅ、ふぅ」
妹(やっぱり、諦めることは出来ません)
妹(今まで通り、今まで通り…)
妹(頑張れば、きっと報われるんです…)
…
…
兄「…」
兄(あいつ、結局部屋に閉じこもって出てこなかったな…)
兄(…明日は休みだし、ケーキでも買ってきてやるか)
兄(今日はもう寝よう)
パチッ
兄「ん…」モゾモゾ
兄(朝…)
妹「ん…」モゾモゾ
妹(朝…)
兄「」
妹「…ふふ」
妹「昨夜は激しかったですね…」ポッ
兄「…」
兄(やっぱり、ケーキは無しだな…)
妹「…」ニコニコ
妹「…おや?」
兄「ん?」
妹「兄さん、まだ私に欲情しているのですか?」
兄「え?」ビンビン
兄「っ!?」
兄「こ、これはっ、違っ…!」
妹「よしよし」ナデナデ
兄「な、撫でるな!!」
妹「すごく喜んでますよ…?」
兄「う、うるさい、早くその手を離…」
妹「可愛い精子棒…」ナデナデ
妹「…あれ、大きくなった」
妹「『精子棒』なんて呼ばれて、興奮してるんですか?」
兄「あーっ、もう!」
兄「うるさい!」グイッ
妹「うぁっ」
兄「…」
妹「に、兄さ…」
兄「…」
妹「…ぅぅっ」
タタタッ
…バタンッ
兄「…」
兄(はぁ…、どうしようかなぁ…)
兄(どうすれば、あいつを…)
…
…
妹「ぐすっ、ぐすっ、えぐっ…」
妹「うぅーっ、ぅぅっ…」ポロ ポロ
妹(どうすれば、兄さんは、私を見て…)
妹「うぅっ、ぅ…っ」ポロ ポロ
…
…
「うぅっ、ぅ…っ」
兄「…」
兄(妹…)
兄「…」コンコン
兄「な、なぁ」
兄「ゲームしよう?」
「…ぐすっ、ぐすっ」
兄「…」
兄(こんなに傷つけてしまったとは…)
兄(…)
兄「…よし」
妹(私の気持ちを分かってくれない兄さんなんて)
妹(兄さんなんて…っ)
妹「!」
妹(玄関の音…?)
妹(兄さん、どこか行っちゃったの…?)
妹(…)
妹(見捨てられた…)
妹「あぅぅ…っ、ぅ…っ」ポロ ポロ
兄(早くしてやらんと、どんなことするか分からんからな…)
兄(急がねば…)タッタッタッ
…
…
妹(好きな人と一緒に居られなくなってしまうのなら、生きている意味はあるの…?)
妹(私は、兄さんが好き)
妹(だけど、兄さんは…)
妹(…)
妹(もう、死にたい…)
妹(小さいときは、あんなに仲良く…)
妹「…」
ガチャッ
妹「!」
兄「はぁ、はぁ…」
兄「ただいま」
妹「…っ」プイ
妹「…」
妹(兄さんは、私のことが嫌い)
妹(だから、さっきも一人で出て行った)
妹(今も、こうやって無理して話しかけて…)
兄「妹」
妹「…」
兄「ケーキ食おう」ポム
妹「…」
妹「…?」
妹「…」
妹「兄さ…」
兄「ごめんな」ナデナデ
兄「一緒に食べような」
妹「…」
妹「…」ポロ ポロ
妹「…っ」
妹「帰ってきたときに、息切れしてたのは…」
妹(私のために、急いでくれたから…?)
兄「チョコケーキいっぱい買ってきたぞ」パカッ
妹「うぅ…っ」
ギュッ!
兄「おわっ!?」
妹「…」ギュゥ
兄「一緒に食べよう、な?」
妹「うん…」ギュゥ
…
…
妹「…ます」
兄(…まだちょっと落ち込んでるな)
兄「…ん」
妹「…?」
兄「あ…」
兄「あーん…」カァァァ
妹「…」キュン
兄「は、はよ食べろっ」
妹「…」
妹(兄さん…)
妹「あーんっ」
兄「…」
妹「もぐもぐ…」
妹「…美味しいです」
妹「…」ニコニコ
兄「…」
妹「どうしました…?」
兄「な、何でもないっ」
兄「ん?」
妹「あーん」
兄「…っ!?」
妹「早く、早く」
兄「…」
兄「…あー」カァァァ
妹「…」
妹「あむっ」
兄「あ!」
妹「えへへー…」モグモグ
兄「…」
妹(好き…)
妹「…」ニコニコ
兄「…だな」
妹「え?」
兄「幸せ…、だな」モジモジ
妹「に、兄さ…」
兄「ずっとこうしてたい」
妹「…」キュゥ
妹「…?」
妹「…」モゾモゾ
兄「…」
キュッ
妹「ぁ…」
妹(肩を、強く抱かれて…)
兄「…」
妹「…」
妹「…?」
兄「これ以上、何かしたいか…?」
兄「股間を触らないと、気が済まないか…?」
妹「…」
妹「兄さん…」
兄「裸を見せないと、気が済まないか…?」
妹「…」ウルウル
兄「…」
兄「俺も、お前が、…好き、だ」
妹「…」ポロ ポロ
兄「…だから」
兄「あんなことは、して欲しくなかったんだ…」
兄「俺が好きなのは、お前のカラダじゃない」
兄「…お前なんだ」
妹「ぅぅ…っ」
兄「お前は…?」
妹「…」
妹「兄さんが、好き…」ギュッ
妹「…」ギュゥゥ
兄「なぁ、妹」
妹「…」
兄「こっち、見てくれ」
妹「…」
兄「…」
チュッ
……ギュッ
おわり。
Entry ⇒ 2012.06.14 | Category ⇒ 兄弟姉妹「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
小鳥「ちょっと!どうしたの、その包帯」やよい「…」
小鳥「え?」
やよい「もう、誰も傷つけたくはないんだよ!」
小鳥「よくわからないけど、そんな巻き方じゃ治る傷も治らないから、ほら見せて」
やよい「や、やめろ!私に触るなっ!」ジタバタ
小鳥「あ、こら!暴れないの!」
小鳥「伊織ちゃん!ちょっとやよいちゃんを抑えつけて!」
やよい「はーなーせえ!」
小鳥「みせなさいー!」
伊「ちょっと、小鳥!やよいが嫌がってるじゃないの!放しなさいよ!」
小鳥「え、ちがっ」
やよい「ふっ…」タタタ
小鳥「あ、待って!やよいちゃん!」
伊織「えーっと…つまり何?」
伊織「アンタはやよいの包帯を直してあげようとしただけで、別にやましい気持ちはなかったの?」
小鳥「その通りよ…というより、やましい気持ちって…」
伊織「そんなことはいいとして、どうしちゃったのよ、あの子」
小鳥「うーん…噂に聞く中二病ってやつかしら」
伊織「ちゅうにびょう…?」
小鳥「ええ、第二次性徴期の男の子が主な発症者で、そのレベルはSランクからFランクに分けられる病気よ」
伊織「つまりどういう病気なのよ」
伊織「痛い子…何、じゃあやよいは春香みたいになっちゃったってわけ?」
小鳥「春香ちゃんはそこまで痛い子じゃないと思うけど…」
伊織「で、直るのよね?」
小鳥「ええ、個人差はある見たいだけど、大体1年くらいで治るみたいよ」
伊織「1年…大丈夫なのよね、お仕事とか」
小鳥「それは…」
小鳥「お、落ち着いて!ね?」
伊織「あ…ごめん…」
小鳥「正直、定義自体が曖昧なところもある病気なの」
小鳥「だから、私には何とも…」
伊織「そう…私、ちょっとあの子と話してくるわ」
小鳥「ええ、そうしてあげて」
小鳥「多分屋上の方に逃げたと思うわ」
やよい「ふんっ、くららん…」
伊織「何がくだらないのよ」
やよい「!」ビクッ
伊織「アンタ、その腕大丈夫なの?小鳥も心配してたわよ」
やよい「怪我など…5秒もあれば治る」
伊織「じゃあなんで包帯なんてしてるのよ」
やよい「これは、みじゅ…自らの力を封じ込めるためだ」
やよい「じゅうろく」
伊織「みかん潰すのがやっとじゃないの」
やよい「あ、握力など関係ない!私の腕には…」
伊織「アンタの腕が何よ」
やよい「私の腕には…魔獣を封印した呪印がある」
伊織「…は?」
伊織「意味わかんないんだけど…」
伊織「百歩譲って事務所でならまあいいけど、お仕事ではとりなさいよ?」
やよい「ば、ばか!そんなことしたら一般人が…」
伊織「包帯なんて巻いてたら、ファンが心配するわよ」
やよい「くっ…」
伊織「(もしかして千早もちゅうにびょうってやつなのかしら)」
伊織「いっぴき何?」
やよい「わんちゃん」
伊織「かわいいわね…」
やよい「ふん、そんなことはどうでもいい」
やよい「お前も死にたくなければ私に近づかないことだな」
伊織「お前って誰よ…」
やよい「…え?」
やよい「え…えと…だから伊織……ちゃん…」
伊織「何?もしかして私のこと言ってたの?」
伊織「この私をお前呼ばわりするなんてアンタも偉くなったものね」
やよい「あ、あの…」
伊織「何で突然お前なのよ?一応私、アンタより歳上なのわかってる?」
やよい「で、でも!伊織ちゃんだって小鳥さんのこととか呼び捨て…だし」
伊織「今は小鳥の話はしてないでしょ?どうしてそうやって話を逸らそうとするのよ」
伊織「だから何よ、言ってみなさいよ」
やよい「私は……うぅ…」グスッ
伊織「何?泣いたら誤魔化せるとでも思ってるの?」
伊織「世の中そんなに甘くないんだから、わかってる?」
やよい「ごめん…なさい……」グスン
伊織「何にごめんなさいしてるのかわかって言ってるの?」
やよい「えと…えと……い、伊織ちゃんにごめんなさい…?」オロオロ
やよい「ぁ…ぅぅ…」
小鳥「い、伊織ちゃん!」
伊織「何よ、今二人で話してるんだから邪魔しないで!」
小鳥「なかなか戻ってこないから見に来てみたけど…案の定ってところかしらね」
小鳥「ちょっと取り乱しすぎよ、伊織ちゃんらしくもない…ほら、深呼吸して?」
伊織「え、ええ…」スーハー
伊織「…はぁ、ちょっと落ち着いたわ……確かに私もちょっと言い過ぎたかもしれないわね…」
伊織「ごめん…」
やよい「…え?」
伊織「私もちょっと熱くなり過ぎたわ」
やよい「あ…」
伊織「でも、勘違いはしないでちょうだい、私は別にアンタが嫌いだから怒ったわけじゃないの」
伊織「い、いつものアンタの方が私は好きだから…」
やよい「伊織ちゃん…」
伊織「で、でも!アンタが悪いのは事実よ!小鳥にだって心配かけて!」
伊織「ほら、小鳥にちゃんと謝りなさい?」
小鳥「いい友達を持ったわね、やよいちゃん」
やよい「…はい!それから、小鳥さん…迷惑かけてごめんなさい!」
小鳥「はい、よく言えました」
伊織「…じゃあ、もう包帯とっても大丈夫よね」
やよい「!」ビクゥ
小鳥「そうねそんな巻き方だと蒸れちゃうし、下手したら跡が残っちゃうから早めに取っちゃったほうがいいわね」
伊織「何よ、もしかして自分じゃとれないの?」
伊織「いいわ、私がとってあげるからじっとしてなさい」スルスル
やよい「わ!だ、だめ!やめて!伊織ちゃん!」
伊織「もうとれちゃったわよ?」
やよい「あ…うぅ…」
小鳥「えっと…腕に書かれているコレは何かしら…?」
伊織「…文字?」
みないで
いや
伊織「刺青…じゃないわよね」
小鳥「え、ええ、多分油性のマジックじゃないかしら」
伊織「で、何なの、これ?」
やよい「それは…暗黒龍の…」
小鳥「うっ…」プルプル
伊織「餡子くりゅう…?和菓子かなにかのこと?」
小鳥「暗黒…龍…」プルプル
やよい「」
伊織「あんこく、りゅう…?暗黒龍…何よ、その安いRPGにでも出てきそうなのは」
やよい「伊織ちゃん…」グスッ
伊織「な、何よ」
やよい「伊織ちゃんなんて大っ嫌い!うわあああああああん」タタタッ
伊織「あ!ちょっと!どこ行くのよ!!」
なーかしたー
伊織「アンタはいつまで笑ってるのよ…」
小鳥「だって…だって暗黒龍よ!」
小鳥「よりにもよって龍!しかも暗黒!」
伊織「はぁ?」
小鳥「すーはぁ…んぶっ」
伊織「ちょ!汚いじゃないの!いきなり噴出さないで!」
伊織「もうアンタは落ち着くまで休んでなさい…」
伊織「あの子、どこ行ったのかしら…」
-------女子トイレ
やよい「うぅ…とれないよぉ…」ゴシゴシゴシ
伊織「やっと見つけたわよ」
やよい「あ…伊織ちゃん……助けて…」
伊織「んな!真っ赤じゃないの!ずっと擦ってたわけ!?」
やよい「うぅ…ひりひりするよぉ……」
伊織「そりゃ油性じゃ早々とれないわよ」
やよい「私、このままずっと暗黒龍の呪いかかったままなの…?」
伊織「これアンタが書いたんでしょうが…」
やよい「そうだけど…」
やよい「伊織ちゃんちに…?」
伊織「ええ、うちにあるの使えば何とかなるでしょ、きっと」
やよい「そういうものなのかなぁ…」
伊織「そういうものよ、少なくともアンタの家よりは色々あるだろうし」
やよい「確かに今日はおうちに誰もいないから大丈夫だけど…」
伊織「じゃあ決まりね」
やよい「いつ来ても広いね、いおりちゃんち!」
伊織「まあそうね、広すぎるのもちょっと悩みものだけど」
やよい「それで…どうしよ、この呪印」
伊織「油性マジックには油っぽいものがいいって聞いたことあるけど…」
やよい「油…?サラダ油ならわたしのおうちにもあるけど…」
伊織「お肌荒れちゃわないかしら?」
やよい「うーん…わかんない」
伊織「…ということで、調理場からマーガリンを借りてきたわ」
やよい「マーガリン?」
伊織「ええ、何かコレがいいらしいわよ」
やよい「ふぅん」
伊織「で」
やよい「で?」
伊織「部屋でやるのもなんだから、お庭いきましょ」
やよい「え…」
やよい「そうじゃないんだけど…」
やよい「伊織ちゃんちのお庭、色んな人いるよね?」
伊織「え?ええ、まあそうね」
やよい「私の腕に呪印あるよね?」
伊織「そうね」
やよい「見られちゃうよね?」
伊織「そうかもしれないわね」
伊織「私は別にいいけど…」
やよい「私はやだよ!伊織ちゃん以外の人に呪印見られちゃうなんて!」
伊織「そ、そう」
やよい「そう!」
伊織「じゃあ、お風呂でやる?」
やよい「やる!」
伊織「ホントに?」
やよい「ホントに!」
伊織「伊織様最高です」
やよい「何言ってるの?」
伊織「何でもないわ…」
やよい「んしょっと」ヌギヌギ
伊織「何で下まで脱ごうとしてるのよ」
やよい「え?だってお風呂入るんだよね?」
伊織「マジックで書いた呪縛を消したいんでしょ?」
やよい「呪印!」
伊織「はいはい、なんでもいいから早めにやっちゃうわよ」
やよい「よろしくお願いしまーっす!」
やよい「はぅうん///伊織ちゃん!そこダメ!くすぐったい…」
伊織「何で脇まで書いてるのよ…」
やよい「だって…そうしないと呪印の効果が…」
伊織「はいはい、わかったから」
やよい「あう///」
伊織「にしても、マーガリンで意外ととれるものなのね」
やよい「え…?」
伊織「大体取れたわよ、薄く残ってはいるけど、あとは自然にとれるんじゃないかしら?」
やよい「そっか…」
伊織「何でちょっと悲しそうなのよ…」
やよい「そ、そんなことないよ!ありがと、伊織ちゃん!」
伊織「これに懲りて、もう変なマネはしないことね」
やよい「おっはようございまーっす!」
小鳥「はい、おはよう」
伊織「はぁ、昨日の疲れがまだ残ってるわ…」
小鳥「昨日は結局伊織ちゃんのおうちにお泊りしたの?」
やよい「はい!一緒にお風呂入ったりトランプしたりして楽しかったです!」
小鳥「そう、それはよかったわね」
伊織「よくないわよ、この子ったら夜中まで」
やよい「い、伊織ちゃん!その話は駄目だよ//」
伊織「やよいったら、暗いだの怖いだのさびしいだの言って夜泣きしちゃって」
伊織「全く、子供じゃないんだから」
やよい「も、もう!秘密って約束したのに!」
伊織「はいはい、ごめんごめん」
小鳥「そう…濃厚なイチャイチャはなかったのね…」ボソッ
やよい「?」
小鳥「何でもないわよ、なんでも!」
伊織「テレビ局から?」
小鳥「ええ、何でもスタジオの関係で、明日収録予定だった番組を今日にしてほしいって」
伊織「また突然ね…別に今日は特段お仕事ないからいいけど」
小鳥「じゃあ、お願いね」
伊織「ええ、わかったわ。で、いつ出ればいいの?」
小鳥「今」
伊織「ああそう…」
やよい「役員会ですか?」
小鳥「やよいちゃん、昨日あったことを事細かに教えてくれないかしら!」
やよい「こ、小鳥さん、鼻息が荒いです…」
小鳥「いいのよ!そんなことより…ね?お願い!」
小鳥「いくら奥手の伊織ちゃんだって、一夜を共に過ごして何もしないはずないもの」
やよい「昨日は…そうですね…」
小鳥「い、伊織ちゃんったら大胆ね…//」
小鳥「で、やよいちゃんは気持ちよかったの?」
やよい「えーっと、その…あんなことされたの初めてだったので…」
やよい「気持ちよくなかったって言うと嘘になっちゃうかもですけど…すっごくくすぐったかったです」
小鳥「優しくしてもらえたのね!」
やよい「はい?」
やよい「夜ですか?えっと、お風呂入ってトランプして、すぐ寝ちゃいました」
小鳥「寝るときはもちろん一緒だったのよね?」
やよい「私の為にお部屋も用意してくれたんですけど…寂しかったので…」
小鳥「やよいちゃんったら甘えんぼさんなのね」
やよい「えへへ//」
小鳥「それでそれで?」
やよい「ってこ、これ以上はだめです!」
小鳥「そんなに激しかったの!?」
やよい「え、えと…確かにたくさん泣いちゃいましたけど…」
小鳥「是非ともいろいろ聞きたいところだけれど…」
小鳥「確かにこれ以上聞くのは野暮ってやつね…」
やよい「?」
小鳥「ありがと、やよいちゃん、当分おかずには困りそうにないわ!」
やよい「え?私今日は予定だけ確認したら何もないですけど…」
小鳥「そうだったわね」
小鳥「…暇ね」
やよい「そうですねぇ」
小鳥「お茶でも飲む?」
やよい「あ、私淹れてきますよ」
やよい「温まりますぅ…」
小鳥「そうねぇ、やよいちゃんの淹れてくれるお茶って、毎回温度加減が絶妙なのよね」
やよい「えへへー!ありがとうございまーっす」
やよい「でも、やっぱり師匠には負けます」
小鳥「師匠って?」
やよい「雪歩さんです!知ってますか?雪歩さんって、お茶のことになると結構怖いんですよ」
小鳥「そうなの?」
やよい「はい、信じられないかもですけど、こう…なんていうのかな…とにかく怖いんです」
小鳥「見かけによらず、意外な一面もあるのね」
やよい「はい!」
小鳥「それにしても…やることないわね」
やよい「はい…」
小鳥「ひゃく?」
やよい「やっぱり何でもないです!」
小鳥「そういえば、やよいちゃん、どうして昨日はあんな口調だったの?」
やよい「えと…その話はもうやめてもらえると嬉しいです…」
小鳥「そ、そうね、誰にだって思い出したくない過去の1000や2000はあるものね」
やよい「小鳥さんにも忘れ去りたい過去ってあるんですか?」
小鳥「え?ええ、まあ…」
やよい「教えてくれませんよね?」
小鳥「ごめんね…」
やよい「暇ですね」
小鳥「そうねぇ…」
小鳥「やよいちゃんは、伊織ちゃんのこと好き?」
やよい「え?大好きですよ」
小鳥「そう…私のことは?」
やよい「好きですよ」
小鳥「じゃあ、春香ちゃんのことは?」
やよい「大好きです」
小鳥「えっと…じゃああずささんのことは?」
やよい「いっぱいお菓子とかくれるので大好きです」
小鳥「そう…」
小鳥「それにしても…」
やよい「暇ですねえ」
やよい「あ、伊織ちゃん、お帰りなさい」
小鳥「あら?もう終わったの?」
伊織「ええ、番組の一コーナーだけだからすぐ終わったわ」
やよい「ねえねえ、伊織ちゃん」
伊織「ん?なぁに?」
やよい「あのね…」
伊織「ええ」
やよい「暇」
伊織「は?」
伊織「暇ならレッスンにでも行きなさいよ…」
やよい「レッスンは疲れちゃうし…」
伊織「何よそれ…」
やよい「だからね、何か面白いことないかなーって」
小鳥「伊織ちゃん、今度は雑誌の取材だって」
伊織「…どこで?」
小鳥「今ここはちょっと散らかってるから…社長室でお願いできるかしら?」
小鳥「律子さん連れてってもいいから」
伊織「はぁ、わかったわ…」
やよい「どんなゲームですか?」
小鳥「やよいちゃんくらいの女の子が恋をするお話よ」
やよい「へえ、やってみてもいいですか?」
小鳥「ええ」
小鳥「エンターキーとクリックだけで読み進められるから、すぐになれると思うわ」
やよい「はい!ありがとうございます」
伊織「はぁ、随分かかったわ…」
小鳥「お疲れ様、お茶飲む?」
伊織「ええ、いただくわ」
やよい「い、伊織ちゃん!」
伊織「何よ」
やよい「か、勘違いしないでよね!伊織ちゃんのことなんか、これっぽっちも好きじゃないんだから!」
伊織「そうだったの?」
やよい「バカ…///」
やよい「わ、私は伊織ちゃんと違ってぜんっぜん暇じゃないんだからね!」
やよい「遊んで欲しいなんてこれっぽっちも思ってないんだから!」
伊織「そう、じゃあ私はテレビでも見ながらゆっくりさせてもらうわ」
やよい「バカ…///」
伊織「さっきから何なのよ、それは…」
小鳥「はい、お待たせ」コト
伊織「ん、ありがと」
伊織「ん?」
やよい「バカ…///」
伊織「さっきから人のこと馬鹿馬鹿って…」
伊織「アンタはそんなに私を怒らせたいわけ?」
小鳥「ち、違うの!これは、ゲームに影響されて…」
伊織「ゲーム?」
小鳥「ええ、ツンデレ美少女がメインヒロインのギャルゲ」
小鳥「昨日の中二病の件もあるし、もしかしたらと思って…」
伊織「前々から言おうと思ってたんだけど、やよいに変なこと吹き込まないでくれるかしら?」
やよい「ま、待って!伊織ちゃん!私がやりたいって言ったから小鳥さんが貸してくれたんだよ?」
伊織「そうなの?」
やよい「うん!」
伊織「でも、どうして?」
やよい「えと…伊織ちゃんにもっと好きになってもらいたかったから…かな」
伊織「バカ…///」
小鳥「いい?やよいちゃん、これがホンモノのツンデレってやつよ」
やよい「す、すごいです…今胸のあたりがキュンってしました」
小鳥「あ、その選択肢は気を付けてね、下の選ぶと即バッドエンドだから」
やよい「そうなんですか!?助かりました!」カチカチ
伊織「だから、変なこと吹き込むなってあれほど…」
春香「…」ガチャ
小鳥「ちょっと!どうしたの、その眼帯」
春香「お前らには関係のないことだ…」
伊織「今日も765プロは平和ね…」
おわる
それでも読んでくれた人ありがとう
何かあればしばらくは多分起きてます
おつ
Entry ⇒ 2012.06.14 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
岡部「ラボメンガールズを抱きしめて愛してると囁いたらどうなるか」
紅莉栖「助手じゃねーし、なによ?」
岡部「ちょっとこっちに来い」
紅莉栖「はあ?なんでよ」
岡部「いいから、早く来い。クリスティーナ」
紅莉栖「ティーナって言うな。もう、何なのよ」テクテク
紅莉栖「ほら、これでいい?」
ぎゅっ
紅莉栖「ふえ?」
岡部「……紅莉栖、愛してる」
岡部「愛してる、紅莉栖」
紅莉栖「………」
紅莉栖「はああああああああ!!!?」
紅莉栖「な、なななな、な、なにを言っとるんだお前は!?」アセアセ
岡部「紅莉栖……」
ぎゅっ
紅莉栖「はうっ……」
岡部「……愛してる」
紅莉栖「わ、私も……」
ぎゅっ
紅莉栖「私も岡部の事が大好きっ!あ、愛してるんだからな!」
紅莉栖「う、うん……まさか岡部の方から告白してくるなんて思わなかった」
岡部「あ、ああ」
紅莉栖「えへへ……」
岡部「………」
岡部(……バカな)
岡部(想像以上にクリスティーナの好感度が高い……なぜだ)
岡部(……事の始まりはダルだった)
岡部(奴め、自分は美人の彼女を持ってるくせに、事あるごとに俺の事を腐れリア充だのリアルギャルゲ主人公だのと罵るのだ)
岡部(毎日罵られ続けた俺はついに限界を迎え、ダルに向かってこう言った)
岡部(そこまで言うなら俺が腐れリア充リアルギャルゲラノベエロゲ主人公だと証明してみせろ、と)
岡部(それを聞いたダルが提案した検証方法がこれだ)
岡部(ラボメンガールズを抱きしめ、愛してると囁いたらどうなるか)
岡部(売り言葉に買い言葉……俺はその提案に乗った)
岡部(この検証方法で三人以上脈ありな反応をすればダルの勝ち。それ以外なら俺の勝ち)
岡部(紅莉栖、萌郁、鈴羽は出会って間もない。まゆりは幼馴染みだし、フェイリスがそんな事にウブな反応をするとは思えない。ルカ子に関しては男だ。俺は自分の勝利を信じて疑わなかった)
岡部(あの時の俺に言ってやりたい、迂闊な事をするなと!)
紅莉栖「岡部には、その……まゆりや漆原さんが居るから、私から告白しないって決めてた」
岡部(ルカ子は男だ……)
紅莉栖「でもっ!」
ぎゅっ
岡部「っ!」
紅莉栖「岡部から、あなたからの告白なんだから、仕方ないよね……ふふっ」
紅莉栖「あ、でも、両思いになれたからって勘違いするなよっ!」
岡部「勘違い?」
紅莉栖「その……き、」モジモジ
岡部「木……?」
紅莉栖「き、キスは!三回目のデートからなんだからなっ!」
岡部「」
紅莉栖「そ、それまでは手を繋いだり、ハグするまでだから!分かった!?」
岡部「あ、ああ」
検証結果その① 助手
抱きしめて愛してると囁いたら、抱きしめ返されて告白された
――
岡部「……どうしてこうなった」
ダル「一番最初に好感度MAXどころかゲージ振り切ってる牧瀬氏に挑むとか、さすがオカリン!僕たちに出来ない事を」
岡部「うるさい!こ、今回は助手が、紅莉栖がスイーツ過ぎたのが原因なのだ」
ダル「わざわざ渾名を訂正してる辺り、オカリンも牧瀬氏の告白に相当動揺してるお」
岡部「くっ……だがまだ一人目だ!たまたま紅莉栖が俺に、その……こ、好意を抱いてたにすぎん。二人目などありえん」
ダル「あっ、タイムリープはなしだお。あとDメールも。電話レンジ使えないようにしといたから」
岡部「ふ、ふん、分かってる。誰がそんな卑怯な真似をするか。鳳凰院凶真に敗走はないのだ、フゥーハハハ……」
岡部(終わった……)
岡部(紅莉栖に告白された以上、二人目に脈ありの反応されるとまずい……)
岡部(次のラボメンガールズは慎重に選ばなければ……)
岡部(まゆり、ルカ子は危険すぎる。だが、紅莉栖のように一番安全だと思っていたら結果が真逆だった例もある)
岡部(一見、安全に見える指圧師やフェイリスが地雷である可能性もある……)
岡部(ならば……!)
鈴羽「あっ、岡部倫太郎!ちぃーすっ」
岡部「今日は一人で店番か?」
鈴羽「そだよ、店長は綯を連れてお出かけ。んで、あたしがいつも通り一人で店番してるんだ」
岡部「ベンチに座って空を見てるのが店番になるのか」
鈴羽「だってやる事ないんだししょうがないじゃん。お客さん来ないか、店の掃除も終わって、自転車の整備も済まして、やる事ないんだよ」
岡部「そうか」
岡部(大丈夫だ。この軽い感じなら、バイト戦士であれば成功する。ダルよ、勝つのは俺だ!)
岡部「鈴羽、隣いいか?」
鈴羽「えっ?」
鈴羽「君があたしの事、名前で呼ぶなんて珍しいね」
岡部「そうだったか?」
鈴羽「うん、なんか新鮮な感じ」
岡部「そうか、では改めてバイト戦士よ。隣座るぞ」
鈴羽「ちょ、ちょっと待って!」
岡部「な、なんだ?」
鈴羽「もー、なんでわざわざ言い直したのさ」
岡部「……名前で呼んだ方がいいか?」
鈴羽「そりゃあ、いつもの変な呼び名よりはずっといいよ」プイッ
岡部(呼び名を気にしているのは紅莉栖だけだと思っていたが……こいつもか)
岡部「分かった、鈴羽。これでいいか?」
鈴羽「うんっ」
岡部「さて、では隣座るぞ」
鈴羽「うん、……あれ?な、なんか近くない?」
岡部「気のせいだ」
鈴羽「そ、そうかな……うん、そうだね、へへ」
岡部(さて、位置に着いた。あとは検証を開始するだけだが……相手はあの鈴羽だ。下手をすれば迎撃される可能性がある)
岡部(隙を見計らって素早く、行動しなければ……)ゴクリ
岡部「……」
鈴羽「……」ソワソワ
岡部「……」ジー
岡部(鈴羽の動きを見ろ。隙を、隙を見つける……)
岡部「……」ジー
鈴羽「ね、ねぇ。岡部倫たr」
岡部(今だ!)
ぎゅっ
岡部(抱きしめたいなあ、鈴羽ぁ!!)
むぎゅー
鈴羽「えっ、ちょっ、岡部倫太郎!?ど、どしたの?」
岡部「鈴羽……」
鈴羽「あっ、……」ピクッ
鈴羽「み、耳元で喋らないでよ……な、なんかこそばい」
岡部「愛してる」
鈴羽「えっ?」
岡部「鈴羽、お前を愛してる」
岡部(この反応……大丈夫だ。紅莉栖の時と違う!いける!)
岡部「鈴羽……」
ぎゅっ
鈴羽「やっ、だ、ダメだって、ここ、外だよ……?」
岡部「愛してる……」スズハノオサゲニユビヲカラメル
鈴羽「ほ、本気……?」
岡部「俺は、お前を……」
鈴羽「嬉しい!オカリンおじさんっ……!」ガバッ
岡部「えっ……?」ドサッ
岡部(押し倒された……?)
鈴羽「えへへ、なあに?オカリンおじさんっ」
岡部「お、おじさんは止めろと言っただろう」
鈴羽「ごめん、でもなんだか興奮しちゃって」ハアハア
岡部(コーフン?あれ?なんでこの娘、息が荒くなっているのだ?)
鈴羽「安心して、オカリンおじさん」ハアハア
岡部「だ、だからおじさんは止せと言って」
鈴羽「未来じゃ26歳差なんて特に問題ないから!」ハアハア
岡部「は?」
鈴羽「父さんは反対するかもしれないけど、多分母さんはあたしの味方だから安心して!」ハアハア
岡部「だ、だから何の話だ……」
鈴羽「あたしね、物心付いた時からずっと、ずっと……オカリンおじさんが大好きだった」
岡部「……えっ」
鈴羽「でも、26歳も年が違うし、オカリンおじさんはあたしの事をずっと子どもだと思ってたから……」
鈴羽「でも違った!オカリンおじさんは、あたしを異性として意識してくれた!」
すごくいい
岡部「おい!なぜ俺の白衣を脱がすのだ!?」ジタバタ
鈴羽「えへへ、無駄だよ。オカリンおじさん。未来でもあたしはオカリンおじさんに腕相撲で負けた事がなかったからね」
岡部「す、鈴羽!?ま、待て!待つんだ!これ以上はマジでヤバい!」ジタバタ
鈴羽「もー無駄だって。それに据え膳食わなきゃなんとやらってね。オカリンおじさん、覚悟ー!」ガバッ
岡部「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
――
鈴羽「んっ……ふぅ」
岡部「」ビクンビクン
鈴羽「えへへっ……オカリンおじさんっ」ダキッ
岡部「はぅ」
鈴羽「……大好き」
岡部「うっ、あ……」
鈴羽「あはは、やっぱりオカリンおじさんって体力ないねー」
鈴羽「まっ、これからは毎日あたしとトレーニングするから問題ないか。ねっ、オカリンおじさん」
岡部「」ピクッピクッ
検証結果その② バイト戦士
抱きしめて愛してると囁いたら、襲われた
ダル「……」
岡部「あ、あの、だな」
ダル「もちろん……責任、取るよな?」
岡部「いや、その……」
ダル「お?」ダルノコノテガマッカニモエル!
岡部「む、無論だ!フゥーハハハ、は、は」
ダル「んで、次は誰いくの?」
岡部「ま、まだやるのか!?」
ダル「もうこの際、オカリンには自分の鈍感さを自覚してもらう必要があるお。じゃないとさらなる犠牲者が出るお」
岡部「……」
岡部(失敗した失敗した失敗した俺は失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した鈴羽と性交した失敗した失敗……)
岡部(……次はよく考慮した上で選ぶ。まゆりとルカ子は除外だ。あまりに危険すぎる)
岡部(そうなると残りは萌郁か、フェイリスか……)
岡部(萌郁は表情から感情が読めんし、メールの文体もあれだから俺をどう思っているのか分からん……)
岡部(フェイリスの奴もあまり読めんが、俺にじゃれてくるのはフェイリス・ニャンニャンというペルソナを被っている際の設定だ。鳳凰院凶真というペルソナを被る俺にはよく分かる)
岡部(ならば、奴の正体である秋葉留未穂が俺の事を想っている事はないだろう)
岡部(よし、次の相手は決まった)
フェイリス「おかえりニャさいませ、あっ、凶真だ!今日はダルニャンと一緒じゃないのかニャ?」
岡部「ああ、たまには一人で来るのも悪くないかと思ってな」
フェイリス「ニャニャ~ん♪やっと凶真もフェイリスの魅力に気づいたのかニャ?嬉しいニャン!」
ぎゅっ
岡部「ええい、離れろ猫娘!」ブンブン
フェイリス「ウニャ~凶真はなかなかデレてくれないのニャン」
岡部(読み通りだ。フェイリスは自分からスキンシップしてくるような奴だ。こいつに抱きしめて愛してると囁いたところで大した反応はしないだろう)
フェイリス「フニャ?今日あと30分くらいで上がる予定だニャン」
岡部「ふむ、そうか」
フェイリス「それがどうかしたのかニャ?」
岡部「ああ、少しお前に用があってな。終わった後、少しいいか?」
フェイリス「フェイリスに用……?ま、まさか凶真、奴が復活したのかニャ!?」
岡部「ああ、今回は少々厄介でな。フッまさかこの俺が猫娘の手を借りねばならんとはな」
岡部(……奴ってなんだ)
フェイリス「ニャるほど、確かに奴に関しての会話はここでは危険だニャ……結界張った聖域で話すのが安全ニャン」
岡部(聖域ってどこだよ……)
岡部「ああ、そういう事だからまた後ほど打ち合おう」
フェイリス「了解だニャ……」
岡部「ふぅ」
岡部(……いけるな)
フェイリス宅
フェイリス「ささっ、凶真!ゆっくりしていくニャン」
岡部「お、お邪魔します」
岡部(……どうしてこうなった)
フェイリス「さあ、凶真。話すニャ!ここなら高度な結界が張っているから敵に感づかれる心配はないニャン」
岡部(結界の張った聖域……つまりフェイリスの家か)
岡部「あ、ああ。そうだな、何から説明しようか……」
岡部(……ちょっと待て、ここで検証をするのか?)
フェイリス「凶真……奴の復活は世界の終わりを意味してるニャ。フェイリスも力を貸すニャ!」
岡部(フェイリスの母親は今日はまる一日中留守にしているらしい)
フェイリス「凶真……?」
岡部(つまり、フェイリスと二人きり……)
フェイリス「………」トテトテ
岡部(どうする?ここは引くか?あまりにこの状況は危険すぎる。迂闊な事をすれば……)
フェイリス「……」ジー
岡部「って、うわ!?フェ、フェイリス!?いつの間に目の前に!?とううか近いぞ!」
フェイリス「フニャ~……ニャるほど。凶真の目的、しかと見極めたニャ!」
ぎゅっ
岡部「えっ?」
フェイリス「凶真……」ボソ
岡部「こ、こら、耳元で喋るなっ、と、吐息がかかって」
フェイリス「あむっ……」
岡部「はひっ!?」ビクン
フェイリス「ひょうまぁ……」ハムハム
岡部「み、耳たぶを、や、やめ……」
フェイリス「んっ」チュプ
岡部「はぅ」
フェイリス「凶真……愛してる」
岡部「!?」
フェイリス「フェイリスは凶真の事、愛してる」ぎゅっ
岡部(ば、馬鹿な!?なんだよこれ……なんだよこれ!!)
フェイリス「凶真は、フェイリスの事、どう思ってるのニャ?」
岡部「ど、どうって……」
フェイリス「ニャフフ、ここ赤くなってるニャン」ツンツン
岡部「つつくな!くっ……」
岡部(しまった……確かフェイリスは相手の考えを読む事ができると言っていたな)
岡部「なっ」
フェイリス「もうっ、凶真が悪いんだニャン。フェイリスを出し抜こうなんて100年早いなニャン」フフン
岡部「ぐぬぬっ……」
フェイリス「……でも、冗談っていうのは冗談だけどね」ボソ
岡部「何か言ったか?」
フェイリス「ニャーんでもないニャン。ニャハ、凶真は修行が足りないのニャン」
岡部「くっ」
岡部(……まあいい、これで一応フェイリスはなしだ)
岡部(だが、やられっぱなしでは鳳凰院凶真の名が廃る!)
岡部(これから先は検証ではなく、俺個人の仕返しだ。よって手段は選ばん!)
岡部「フェイリス」
フェイリス「ウニャ?ニャーに、凶真。いまから仕返しをしようとしたって無駄だニャン♪フェイリスには凶真の考えが手に取るように分か――」
岡部「では、秋葉留未穂で岡部倫太郎の考えは読めるか?」スッ
留未穂「あっ!か、勝手に猫耳取らないでよっ」
岡部「留未穂……」ぎゅっ
留未穂「ふぇ?」
岡部「岡部だ」
留未穂「えっ?」
岡部「今はただの岡部倫太郎だよ、秋葉留未穂」
留未穂「岡部、さん……」
岡部「ああ、そうだ」
留未穂「ど、どうして抱き付くの?」
岡部「……」ペロッ
留未穂「ひゃい!?」ビクン
岡部「……仕返しだ」ペロッペロッ
留未穂「ん、やっ、く、首筋はだめっ、こ、こそばいよぉ」ビクン
留未穂「そ、そういう問題じゃないよ」ビクン
岡部「ふふっ、お前も顔が真っ赤だな」フニフニ
留未穂「ひっ、ひっはらないへ~」
岡部「柔らかいな」フニフニ
留未穂「ひゃう……」
岡部「……留未穂」
留未穂「な、ま、まだやるの?」
岡部「愛してる……」ボソ
留未穂「っ!」
留未穂「り、倫太郎、さん……」キュン
岡部「……ふふっ」
留未穂「ふえ?」
岡部「冗談だ。さて、仕返しもこれくらいしてや――」
ちゅっ
留未穂「んっ……」
岡部「んむっ!?」
留未穂「ぷはっ、ふふっ、仕返しのし、か、え、し、だよ」ペロッ
岡部「……お前には適わんな」
検証結果その③ フェイリス
抱きしめて愛してると囁こうとしたら、抱きしめられて愛してると囁かれた
検証結果その④ 秋葉留未穂
ひたすらいちゃついた
――
岡部「ふふん、どうだ?ダル」ドヤァ
ダル「……なんでドヤ顔なの?」
岡部「フェイリスは『なし』だった。そうだろ?」
ダル「なし、というか先読みされるなんて予想外すぐる……つーか、オカリン。フェイリスたんに何キスしてんだお、僕の拳が光って唸るお?」
岡部「違うなあ、ダル。間違っているぞ!」ビシィ
ダル「なん、だと?」
岡部「俺がキスしたのはフェイリスではない!秋葉留未穂だ!フゥーハハハ!」
ダル「だめだこいつ……」
岡部(残っているのは、まゆり、ルカ子、指圧師の三人か)
岡部(今までまゆりとルカ子を避けていたが……俺の考え過ぎではないか?)
岡部(まゆりはあくまでも俺の幼馴染みで人質であるし、ルカ子は弟子だ。二人が俺を想っているなんて、少し自意識過剰ではないのか?)
岡部「ふむ……では次はあいつの所に行くか」
ルカ子「あっ、岡部さんっ!こんにちは」ペコリ
岡部「岡部ではない!鳳凰院凶真だと言ったら何度分かる」
ルカ子「す、すみません!凶真さん」
岡部「まあ、いいルカ子よ。それより今日は新しい修行をするぞ」
ルカ子「あ、新しい修行ですか?分かりました。直ぐに五月雨を持ってきます」
岡部「待て、ルカ子。五月雨はいい」
ルカ子「えっ?でも修行をするのでは……」
岡部「今日の修行は五月雨を使用せずにするものなのだ」
ルカ子「そ、そうだったんですか」
岡部(それに慕ってくれているとは言っても師弟関係としであり、決して恋愛感情などではない筈だ)
ルカ子「凶真さん、その新しい修行というのはどういう内容なんですか?」
岡部「うむ、五月雨を使った今までの修行は言わば外面を鍛える為の修行だ。しかし、今日行う修行は内面、つまり精神を鍛える修行なのだ」
ルカ子「精神を、鍛える修行……」ゴクリ
岡部「ルカ子よ、お前は毎日の鍛錬のお陰で確かに強くなった。だがしかし!まだその内面には不安な要素が残っている」
ルカ子「僕の内面にある不安な要素……」
岡部「今日の修行でお前のその要素を取り除く。いいな?」
ルカ子「は、はい!」
ルカ子「……」ゴクリ
岡部「ではルカ子よ!まずは俺の目の前まで来い」
ルカ子「はいっ!」スタスタ
岡部「よし、ではそのまま目を瞑れ」
ルカ子「こ、こうですか?」パチ
岡部「うむ、それでいい」
岡部(これで条件は全て揃った。これより検証を開始する!)
ぎゅっ
ルカ子「ふぇ?」
岡部「ルカ子……愛してる」
ルカ子「ええ!?」
岡部「俺は、お前を愛してる」ムギュー
ルカ子「あ、あの、その、ぼ、僕は」アセアセ
岡部(まあ、確かにいきなり同性に愛してるなどと言われたら動揺するか……どうやらルカ子もこの反応だと『なし』だな)
ルカ子「ぼ、僕はやっぱり受けがいいです!」
岡部「えっ」
岡部「う、うしろ?」
ルカ子「あっ、でも岡部さんが受けがいいって言うなら攻めでもいいですよ?ただ、前はあまり使った事がないのでちゃんとイけるかどうか……」アセアセ
岡部「」
ルカ子「あ、あの、ちゃんとローションとかは僕が持ってるので安心して下さい!初めてだと、やっぱり最初は辛いと思うので……」
岡部「」
ルカ子「ぼ、僕は一人でシててもうすっかり馴染んでいるので、いつでも岡部さんを受け入れますよ?えへへ」
岡部(あ、あれ、おかしいな……ルカ子を抱きしめてるとさっきからルカ子の何か固いものが俺の五月雨をつついてる)
ルカ子「んっ、はあ、はあ……は、初めては僕のお部屋で良いですか?」ユサユサ
岡部「る、ルカ子?なぜさっきから腰を揺らしているのだ?」
ルカ子「はぅ、んっ、そ、その方がい、色んな道具とかありますから、んっ、岡部さんも、はあ、はあ、きっと喜んでくれると、……うっ」
グチュ
岡部「……」
岡部「お、おかしいな、なんがスボンが湿ってる。残尿か?いやだなあーフゥーハハハ、は、は、は」
ルカ子「ふぅ…あ、また、くるっ…うっ」
ビチョ
岡部「……」
ぎゅっ
岡部「ぬあっ!ルカ子、な、何をする!?」
ルカ子「な、ナニって……はぅ、岡部さん大胆です」
岡部(こいつの恥じらいの基準が分からない……)
ルカ子「岡部さん、岡部さん」ユサユサ
岡部「だ、だから俺の股関にお前のをこすりつけるなっ」
岡部(は、袴の間からルカ子の五月雨がはみ出て……)
ルカ子「岡部さん、僕も岡部さんの事、愛してるます……」ユサユサ
岡部「ルカ子……」
ルカ子「岡部さん……うっ」ドビュ
岡部「……」ビチャ
検証結果その⑤ ルカ子
抱きしめて愛してると囁いたら、ヘッドショットされた
――
岡部「」
ダル「オカリン……」
岡部「何も言うな」
ダル「……現時点で三人以上。つまり僕な勝ちだお」
岡部「違うなダル」
ダル「お?」
岡部「貴様が提示したのはラボメンガールズを対象とした検証だ。つまりルカ子は含まれていない」
ダル「まあ、確かそうだお。でもそれだとオカリンがるか氏に検証した意味なくね?」
岡部「………」
岡部「つ、次だ!次の検証に移る!」
岡部(どちかか一方でも脈ありの反応をすれば俺の負け、か……)
岡部(俺は諦めない。最後まで抗い続ける)
岡部(次の相手はもう決まっている)
岡部(閃光の指圧師、桐生萌郁……)
岡部(俺を想っているとは思えないが)
岡部(……行くか)
ガチャ
萌郁「……」
岡部「うむ、来たか。指圧師よ」
萌郁「……」カチカチ
ブーブー
『こんちは(^o^)岡部くん(^^ゞ私に用事ってなにかな?(・・?』
岡部「相変わらずだな貴様は……口で話せ」
萌郁「……何か、用?」
岡部「まあ、大した用事ではないのだが」
萌郁「……」カチカチ
ブーブー
『ふふっ(^o^)用事って、もしかしてお姉さんと二人きりになりたかったとか?(^_-)岡部くんって、意外と大胆だね(>_<)』
岡部「……ああ、そうだ」
萌郁「………えっ?」
萌郁「……っ」カチカチ
ブーブー
『もうヽ(*`Д´)ノ岡部くん!お姉さえをからかっちゃダメだぞ?('-^*)ok』
岡部(このメールの態度なら特に行為を抱いている様子はない……いける!)
岡部「萌郁……」
ぎゅっ
萌郁「あっ……」
岡部「……愛してる」
萌郁「えっ」
岡部「俺はお前を愛してる、萌郁」
ブーブー
岡部「……」
萌郁「メール、見て……」
岡部「生憎だがこの体勢ではケータイを見れないな」ぎゅっ
萌郁「あっ……」
岡部「……」
岡部(さて、どうなる……?表情は特に変化ない。紅莉栖や鈴羽たちのような反応もない)
萌郁「……」
岡部(よし、勝ったな)
萌郁「わ、わた、し……うぅ」グスッ
岡部「なっ!?」
萌郁「私、も……岡部くんが、好き」
萌郁「岡部くん、が……私の事、好きになってくれるなんて」グスッ
岡部「な、何故泣く!?」
萌郁「分からない……嬉しい、から、かな?」グスッ
岡部「も、萌郁……」
萌郁「それに、誰かに……愛してるって、言われたの、岡部くんが初めてだから」
ぎゅっ
岡部「はぅ……」
岡部(ま、まずい!この感触はマズいぞ!早く離れなければ我が右腕が暴走してしまう!)
萌郁「もう、遅い……」ムギュー
岡部「おうふ」
萌郁「最初に、抱き付いてきたのは……岡部くん、でしょ?」
岡部「た、確かにそうが……」
萌郁「もっと、こうしていたい……岡部くん、と、ずっと」ムギュー
岡部「あぅ」
萌郁「岡部くん、岡部くん、岡部くん、岡部くん……」
ドサッ
岡部(ま、まずい!?押し倒された!このままでは鈴羽の二の舞に……)
岡部「くっ、俺は同じ轍は踏まん!」グルン
萌郁「あっ」ドサッ
岡部(よし形成逆転だ。上を取った!あとは起き上がって離れれば)
ガチャ
Mr.ブラウン「おい、岡部!さっきからドタバタうるせいぞ!?一体なにやって……」
岡部「あっ」
萌郁「あっ」
Mr.ブラウン「……わ、わりぃ、邪魔したな」
バタン
アア、タダノプロレスゴッコダ。サア、ナエジャマシチャイケナイシオトーサントデカケルカ
ワーイ
萌郁「………」
岡部「………」
萌郁「えい……」グルン
岡部「ぬわっ!?」ドサッ
萌郁「これで、問題ない……よね」
岡部「ま、待て萌郁、早まるな!これはその、検証だったんだ!」
萌郁「……えっ?」
岡部「確かにお前は大切なラボメンだ!掛け替えのない仲間だ!だが、その、さっき言った愛してるという言葉は……」
ちゃっ
岡部「んむっ!?」
萌郁「んっ、岡部くんが……私を、大切にしてくれるなら……問題、ない」
萌郁「だから続き……」ヌギヌギ
岡部「待て!それ以上はダメだ!」
萌郁「続き……」
岡部「だ、だから!」
萌郁「……だめ?」
岡部「………」
検証結果その⑥ 萌郁
抱きしめて愛してると囁いたら、押し倒されて依存された
――
岡部「失敗した失敗した失敗した性交した失敗した性交した失敗した性交……」ブツブツ
ダル「オカリン、これで分かったでしょ?自分がリアル鈍感ラノベギャルゲ主人公の腐れリア充だって」
岡部「……ああ」
ダル「やっと自覚したか」
岡部「ああ。お前の言うとおりだった……俺の負けだ。煮るなり焼くなり好きにしろ」
ダル「ん?いま好きしていいって言った?」
岡部「……お前、実は両刀とか言うなよ」
ダル「ショタや男の娘は余裕だけどオカリンはノーサンキュ!だお」
岡部「安心した」
岡部「無茶な要求は止めろよ」
ダル「はい、これ着けて」スッ
岡部「これは……タイムリープマシンのヘッドセット?」
ダル「オカリンには検証前の2日前に戻ってもらうんだお。今回の検証でオカリンが悔い改めて、これからは無自覚にフラグを乱立する事はなくなると思われ」
岡部「ダル……」
ダル(まあ、本音は今回の検証が牧瀬氏達にバレたら収拾つかなくなって僕にまで被害が及ぶから、それを避けるためだけど……)
ダル「さあ、オカリン。行ってこい。行ってリア充と自覚して安易なフラグ乱立を止めるんだお」
岡部「ああ、分かってる。ありがとう、ダル」
ダル「準備はできてる。いつでも跳べるお」
岡部「では、行ってくる。跳べよおおおおおおおお!!」
岡部「ぐうっ、……はあ、はあ」
岡部(今日の日付は……検証を行う前だ。よし、タイムリープは成功だ!)
まゆり「ど、どうしたの?オカリン、息が荒いけど……大丈夫?」
岡部「まゆりか、ああ。問題ない。少し機関からの攻撃を受けただけだ」
まゆり「よかった~いつものオカリンだ♪電話に出た瞬間急に顔色が悪くなったから、まゆしぃ心配したよ」
岡部「済まないな、心配をかけて」ポンポン
まゆり「えへへっ、オカリンが元気ならそれでいいのです」
まゆり「……? どうしたのオカリン」
岡部(まあ、いまさら試すつもりはないがな。大体、まゆりに抱き締めて愛してるなど……)
岡部「うん?」
まゆり「ん~?」
岡部(愛してる云々は兎も角、抱き締めるくらいなら、ガキの時散々していたな)
岡部「ふむ、まゆりよ。ちょっといいか?」
まゆり「なあに、オカリン」
ぎゅっ
まゆり「ほえ?」
岡部「あっ、すまん。少し確かめたい事があってな。嫌、だったか?」
まゆり「ううん、嫌じゃないです……えへへ」ムギュ
岡部「……ふむ」
まゆり「その、確かめたい事って、まゆしぃを抱き締めたら分かるの?」
岡部「まあ、な」
岡部(まゆりの顔が少し赤い……抱き締めてるとまゆりの鼓動が早くなってるのも分かる)
まゆり「きょ、今日のオカリンは少し大胆なのです」モジモジ
岡部(まゆりも俺の事を……好き、なのだろうか)
サッ
まゆり「あっ……」
岡部(ダルに自重しろと言われたばかりだからな。それに検証の経験もあ。これ以上、抱き締めるのはまずいだろう)
まゆり「んー……」
岡部(くっ、あからさまに不満そうな顔をしている……)
岡部「まゆり」
まゆり「なあに」
岡部「その、お前は俺の人質だ」
まゆり「オカリン……?」
岡部「そして大切な幼馴染みだ」
まゆり「!?」
まゆり「うんっ!まゆしぃは、これからもずっとオカリンの人質なのです」
岡部(まゆりは、もしかしたら俺の事が好きなのかもしれない)
岡部(だが、俺自身がまゆりの事をどう思っているか分からない以上、その想いに答える事はできない。それはあの検証で知った他のラボメンガールズも想いに対しても同じだ)
岡部(これからは彼女たちの想いを考え、接していかなければならない)
真面目というかヘタレだなオカリン
――
岡部「ダルよ、お前のお陰で俺は気付いた」
ダル「急にどしたん」
岡部「俺、リア充だったんだな……」
ダル「……えっ、なに?自慢っすか」
岡部「そうではない!俺は気付いたのだ!ラボメンガールズたちの想いに!」
ダル「えっ?オカリンいつから鈍感ラノベ主人公から狼系青年誌主人公にクラスチェンジしたん?」
岡部「あの検証の結果は無知だった俺が築いてしまった歪み……それをこの鳳凰院凶真が断ち切る!」バサッ
岡部「違う!そうではない。ラボメンガールズたちとの関係を再構築するのだ!」
ダル「つまり……どういう事だってばお」
岡部「……今、俺とラボメンガールズとの関係は非常に危ういバランスを保っている」
ダル「というと?」
岡部「俺が抱き締めて愛してると囁いた場合、そのまま押し倒されるレベルの危うさだ」
ダル「抱き締めて愛してると囁く時点でバランスも糞もないだろ常考……天秤に錘のせるどころか爆弾投げ込んでふっとばすレベルだろ」
ダル「どゆうこと?」
岡部「例えば、まゆりは俺にとって人質というポジションだ」
ダル「いや、幼馴染みポジションだろ」
岡部「人質というポジションで恋愛感情が育まれるか?否!断じて否!まゆり自らが人質ポジションだという事を改めて自覚すれば、これ以上フラグは立たない!」キリッ
岡部「ふんっ、既に実証済みだ!」
ダル「えっ、マジで?」
岡部「今日、まゆりに試したら昔のように人質の関係に戻った」
ダル「昔のようにって、どんな?」
岡部「どんなって、手を繋いで外を色々と出歩いただけだ」
ダル「………はっ?」
岡部「勘違いするなよ。人質が逃げないよう監視するのが俺の役目だからな。昔はそうして手を繋いで逃げられないようにしていたのだ」
ダル「………」
岡部「あと、家まで送ったりもしたな。人質だから、最後まで監視するのは当然だからな」
ダル「Oh……」
岡部「フゥーハハハ!いける、いけるぞ!この調子で他のラボメンガールズも自分の立場を改めて理解させてくれる!」
ダル「ここまで鈍いとは……やはり鈍感か」
――
ガチャ
岡部「紅莉栖!話がある!」
紅莉栖「なによ、急に大声出すなっ!……って、あれ、名前呼び?」
岡部「紅莉栖、お前は俺の助手だ!」
紅莉栖「だ、だから助手じゃないと言って」
岡部「いいや、助手だ!貴様が何を言おうとも、牧瀬紅莉栖は俺の助手なのだ!一生な!逃れることはできん!」ビシィ
紅莉栖「お、俺の助手!?そ、それに一生って……」
岡部「それだけだ。これからも俺の助手として励むがいい。ではな!」
バタン
紅莉栖(俺の助手=俺の嫁? ……つまり一生、俺の助手=一生、俺の嫁?)
紅莉栖「岡部の、嫁……」
紅莉栖「ふふっ、」
紅莉栖「ふぅーははは!」
――
ブラウン管工房前
鈴羽「あっ、ちぃーす。岡部倫太郎」
岡部「鈴羽か、ちょうどいい」
鈴羽「あれ? 君があたしの名前で呼ぶなんて珍しいね、へへ」
岡部「お前はラボメンだ!」
鈴羽「えっ?そ、そうだけど急にどしたの」
岡部「そして俺にとって大切な仲間だ」
鈴羽「た、大切な、仲間……」
岡部「時間の差など関係ない。どの時代においてもお前は俺の大切なラボメンだ。それを忘れないように、以上だ!ではな」サッ
鈴羽「あっ!ちょ、もう行くの?……ちぇ、暇だったから話相手が出来たと思ったのに」
鈴羽「……時間の差なんて関係ない、か」
鈴羽「えへへ……」
鈴羽「26歳差でも受け止めてくれるよね……オカリンおじさんっ」
――
フェイリス「ニャニャ、凶真!奇遇だニャン。仕事が終わったから、今からラボに向かうつまりだったニャン」
岡部「ちょうど良かった。お前を探していたところだ」
フェイリス「ニャ? フェイリスにご用かニャ? もしかして告白かニャン♪」
岡部「先に謝っておく、済まない」
フェイリス「ウニャ?ニャンで……」スッ
留未穂「わ、私の猫耳があ!お、岡部さん、何するの!?」
岡部「フェイリス……いや留未穂よ」
留未穂「えっ?」
岡部「ラボメンの称号はフェイリス・ニャンニャンにのみ与えられたものではない。お前も、秋葉留未穂も俺にとって掛け替えのないラボメンであり、大切な仲間だ」
留未穂「きゅ、急になにを……」
岡部「その事を肝に銘じておくがいい。用事はそれだけだ。ではな」サッ
留未穂「あっ!猫耳返してよっ……行っちゃった」
留未穂「……ふふっ」
留未穂「……秋葉留未穂があなたにとって大切であるように、私にとってもあなたはとっても大切な人なんだよ? 岡部さん」
――
ルカ子「あっ、岡部さん!こんにちは」
岡部「岡部ではない」
ルカ子「す、すみません!凶真さん」
岡部「うむ、そうだ。ルカ子よ、たまに俺とお前がどういう関係か忘れていないか?」
ルカ子「ええ!? ど、どういう関係って僕っ凶真さんは、その……」モジモジ
岡部「師弟関係だ!」
ルカ子「は、はい!凶真さんが師匠で、僕がその弟子です」
岡部「そうだ!お前はラボメンであり、そして同時に俺にとってたった一人の弟子……唯一無二の存在だ」
ルカ子「ぼ、僕が岡部さんにとって唯一無二の存在!?」
岡部「ああ、そうだ。その事を余りお前は自覚してなさそうだったから。改めてそれを教えにきたのだ」
ルカ子「唯一無二……」
岡部「ではルカ子、また日々の修行を続けるがいい。さらばだ!」サッ
ルカ子「は、はい!ご教示ありがとうございました!」ペコリ
ルカ子「……唯一無二、岡部さんにとっての」
ルカ子「そ、それってつまり……お嫁さん?」
ルカ子「……はぅ」ムクムク
――
萌郁「あっ、岡部、くん……」
岡部「萌郁……ちょうど探していたところだ。お前で最後だからな」
萌郁「……」カチカ
岡部「萌郁、お前に改めて伝えておく」
萌郁「………なに?」
岡部「お前は俺たちの仲間だ」
萌郁「……?」
岡部「ラボメンは仲間であり、そしてラボはお前の居場所でもある」
萌郁「っ!? 私の、居場所……」
岡部「そうだ。ラボはお前の居場所でもあるのだ。いつでも顔を見せにくるがいい」
萌郁「岡部、くん……」
岡部「伝えたい事は以上だ。ではな」サッ
萌郁「………」
萌郁「私の、居場所……」
萌郁「ラボは、私の居場所……岡部、くんは、私の居場所……」
――
岡部「フゥーハハハ!どうだダル!見たか!?俺の見事なラボメンガールズとの関係の再構築ぶりを!」
ダル「いやもう見事だお、オカリン」
ダル(そのフラグ建て能力はもう見事としか言いようがないお)
岡部「そうだろ、そうだろ!これも全てはあの検証結果の経験、そしてダル、お前のお陰だ。感謝している」
ダル(あれ?僕、オカリンに全力でフラグ建てろなんて言ったっけ)
岡部「見ておくがいい、数日後には全てが変わっている!まあ、俺にとっては造作もない事だったがな!フゥーハハハ!」
ダル(……帰って由季たんとデートしよ)
岡部「馬鹿な……どうしてこうなった」
まゆり「えへへ、ずっと人質ってことは……まゆしぃはオカリンのお嫁さんになるしかないよね。仕方ないね。えっへへ~♪」
岡部「あ、いや、ずっと人質ってそういう意味では……」
紅莉栖「わ、私から告白するつもりはなかったけど、岡部の方から一生嫁宣言されちゃったら、仕方ないわよね」
岡部「よ、嫁宣言!?し、知らん!知らんぞ俺は!?」
紅莉栖「ふふっ……ママに報告しないと。いつか、パパにも報告できる日がくるかな。ううん、大丈夫。岡部と、倫太郎と一緒ならきっと大丈夫」
岡部「いや、だから嫁宣言なんて……」
ぎゅっ
岡部「す、鈴羽!? きゅ、急に抱きつくでない!」
鈴羽「えへへっ、26歳差なんて未来じゃよくある事だから安心して」
岡部「は、はあ!?」
鈴羽「あたしの時代の父さん達にはまだ報告してないけど、この時代の父さん達にはもう報告しといたから!」
岡部「ど、どういう事だ……」
由季「岡部さん。未来の私たちの娘、よろしく頼むね」
ダル「オカリン、15年後に殺す」
岡部「」
フェイリス「きょーまっ」ダキッ
岡部「こ、今度はフェイリスか!?」
フェイリス「ニャハハハ、凶真お困りのようだニャン」
岡部(っ! フェイリスは他の連中と反応が違う……やはり、俺は間違っていな)
フェイリス「うにゃ……」ジー
岡部「な、なぜ俺の顔を凝視する……何かついているのか?」
フェイリス「もうっ、凶真ってば本当ににぶちんだニャン」
岡部「な、なにをっ!」
留未穂「でも、そんな岡部さんが、私は大好きなんだけどね」
ちゅっ
岡部「なっ」
留未穂「ふふっ」
岡部「こ、今度は誰だ!? 後ろから抱きつくな! 危ないだろ……ん?」
岡部(なんだ? 臀部のあたりに何かを押しつけられてる感覚が……)
ルカ子「岡部さん、岡部さん」ハア、ハア、ハア、ハア、ハア
岡部「る、ルカ子、だと……?」
岡部(で、ではまさかこの臀部を刺激する物体の正体は……!)
ルカ子「ぼ、僕嬉しいです! はあ、僕は、はあ、岡部さんの、くっ、唯一無二……お嫁さんになれるなんて」ユサユサユサユサヨサ
岡部「よ、嫁!?だ、誰がそんな事を」
ルカ子「うっ」ドプッ
岡部「」
つ、突き出すってナニを!?(ハァハァハァ
おまえだよ
岡部(アトラクタフィールドの収束とでも言うのか)
萌郁「……」
岡部「今度はお前か指圧師……」
萌郁「岡部、くん……」
岡部「もういい、好きしろ」
萌郁「んっ……」コクリ
ナデナデ
岡部「……」
萌郁「……」ナデナデ
岡部「何をしているのだ……? 萌郁」
萌郁「岡部くんの、頭……撫でてる」ナデナデ
萌郁「……元気、なさそう、だから」
萌郁「……」カチカチ
ブーブー
『お姉さんが岡部くんを励ましてあげるよヾ(^▽^)ノほら、あたまなでなで~( ´∀`)』
萌郁「なで、なでー……」ナデナデ
岡部「……」
岡部「……ふっ、お前と会って今初めて年上だと実感できたぞ?」
萌郁「……む」カチカチ
ブーブー
『ひど~いΣ( ̄□ ̄)!そんな悪いこにはお仕置きだぞっ('-^*)ok』
萌郁「わしゃ、わしゃー……」ワシャワシャ
岡部「おわっ!? こ、こら!止めろ!」
萌郁「わしゃ、わしゃー……」ワシャワシャ
岡部(これがアトラクタフィールドの収束なら、タイムリープでは結果は変えれない)
紅莉栖「け、けこーんはあんたが大学を卒業してからよね。こ、子供は二人くらい? ま、まあ倫太郎が欲しいって言うなら私も、ど、努力するけど」
岡部(Dメールを送れば、恐らくは今回の事態をなかった事にできるだろう)
鈴羽「26歳差かあ~やっぱり体力は今のうち付けておいた方がよさそうだね! オカリンおじさんの体、持ちそうにないし。それじゃ、早速明日から実技を兼ねた体力作りを二人でしよっか?」
岡部(だが、それは彼女たちの想いに対しての逃げだ)
留未穂「私の王子様なんだから、みんなには簡単には渡さないよ。ねっ、岡部さん♪」
岡部(俺はこいつらの、ラボメンのリーダーなのだ。その俺が仲間の想いから逃げるのか?)
ルカ子「男とか、女とか、そんなのは関係ない。岡部さんは僕にそう言ってくれました!だから、僕はもう性別に捕らわれません。ずっと岡部さんの弟子として、嫁としてお供しますっ」ムクムクムクビンビンカットビング
岡部(逃げだと? あってはならない。そうだ、俺はラボメンNo.001鳳凰院凶真! 逃げなど、ありえん!)
岡部「ふふっ、フゥーハハハ! そうだ! 何を迷っているのだ俺は!」
岡部「まゆりも紅莉栖も鈴羽も留未穂もルカ子も萌郁も! ラボメンが俺に想い向けているのだ! ならばっ! この俺が受け止めなくて誰が受け止めると言うのだ!」
岡部「いいだろう! 貴様たちの想い、全て受け止めてやる!」
まゆり「オカリン!」
紅莉栖「倫太郎……」
鈴羽「さっすが、オカリンおじさん! 悪徳非道だね~」
留未穂「みんな、私は負けないよ?」
フェイリス「譲る気はないニャ!」
ルカ子「凶真、さんっ……」ドプッ!!!
萌郁「岡部くん、と、一緒……これからも、ずっと」
岡部「そうだ! これが! これこそがシュタインズ・ゲートの選択だ!」
終わり
保守してくれた人、読んでくれた人、あるがとニャンニャン
でもこれだけは言わせてくれ。
この世界線のルカ子は早めに去勢すべき
だーりんのまゆしぃ可愛すぎワロワロホスピタル
たった今だーりん全ルート制覇したんだがまゆり可愛すぎるだろ常考
Entry ⇒ 2012.06.14 | Category ⇒ シュタインズゲートSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
あずさ「プロデューサーさんは、どうして私に敬語なのかしら?」
P「さぁ、どうしてでしょうね。でも、気にするほどのことじゃないと思いますけど」
あずさ「そうでしょうか?」
P「社長や音無さんには敬語なわけですし。特別、あずささんだけのものじゃないですよ?」
あずさ「目上の人や年上の人なら敬語もわかりますけど……その」
P「はい……」
あずさ「私、まだ21でプロデューサーさんより年……下なんですよ?」
あずさ「プロデューサーさん……」
P「あっ、いや、そういう意味じゃないんです。とても21の女の人には見えないっていうか」
あずさ「……」シュン
P「あぁっ! 違います、違います。今のは言葉のあやです」
P「俺が言いたいのは、あずささんは21歳に見えないくらい大人っぽいということです」
P「はい、とても」
あずさ「う~ん。自分では、あまりそうは思わないんですけど」
P「いえいえ、あずささんは大人っぽいですよ」
P「俺が21の時に周りにいた女の人は、うるさい人が多かったですよ。女子大生とか」
P「でも、あずささんはそういう人達に比べておっとりしてるからでしょうか。とても落ち着いているように見えるんですよ」
あずさ「だから、大人っぽく見えるんですか?」
P「少なくとも俺は」
P「さっきも言いましたけど、大人っぽいからですよ。言い方は悪いですが、大人っぽいっていう表現は実年齢より高く見えるってことです」
あずさ「うぅ……はっきり言われると少し辛いです」
P「す、すみません……」
P「えっと、つまり、俺の中であずささんは年下のようには扱えない。かといって、友達感覚っていうのも仕事の関係上、違う気もします」
P「それで、あずささんには敬語を使っているというわけです」
あずさ「そうだったんですか……」
P「なんですか?」
あずさ「だとしたら、私よりも大人っぽい子もいると思いますけど」
P「例えば?」
あずさ「う~んと、そうですね。貴音ちゃんかしら」
P「貴音ですか。そうですね……貴音は四条の家の教えで立ち振る舞いとか上品ですし、物腰も穏やかですよね。確かに大人っぽいですね」
P「でも、貴音は何か違うんですよ」
P「異質っていうか、掴みどころがないっていうか、とにかく不思議な子ですよね。あの喋り方もあって」
P「そういう部分が強いですから、あまり大人っぽさを感じないんですよ」
P「むしろ、美味しそうに何かを食べてる時の貴音には子供っぽさを感じますよ」
P「千早ですか? 確かに千早のストイックさと歌への盲目的なまでの姿勢は、他の子達とはかけ離れてますね。同年代とは思えないくらいに」
あずさ「プロデューサーさん、そんな言い方」
P「あぁ、別に貶してるわけじゃありませんよ。職人気質って言いたいだけです」
P「凄いですよね。あの歳で、自分の中に「歌」っていう絶対的な柱を持っていて、おまけに目標に向かって足を止めることもしないで走り続けている」
P「本当に16の高校生ですか?」
あずさ「プロデューサーさんは、千早ちゃんに敬語を使わないんですから」
P「そうですね。歳がそれなりに離れてますから、敬語に違和感が出てしまうのもありますけど……」
あずさ「けど?」
P「千早に敬語を使ったら、俺が媚びてる様に感じてしまう気がして。多分、千早はそれを凄く嫌がると思います」
P「千早は仕事上、対等な付き合いを望んでますから。なら、俺もそれに合わせるべきかと……」
P「はい、なんですか」
あずさ「千早ちゃんは、対等な付き合いを望んでいるから、プロデューサーさんはそれに合わせて敬語を使ってないんですよね?」
P「はい、あずささんの言う通りです」
あずさ「千早ちゃんの要望に合わせてるってことですよね?」
P「そうなりますね。まぁ、アイドルの要望を叶えるのもプロデューサーの仕事ですから。トップアイドルになりたいというなら、叶えてあげるわけですし」
あずさ「あの、それって私にも当てはまりますか?」
あずさ「プロデューサーさんは、私のプロデューサーではないですけど、私の要望を叶えてくれますかということです」
P「あぁ、そういうことですか。構いませんよ、別に」
あずさ「ほ、ほんとですか!」ガシッ
P「えっ、えぇ。俺は、765プロのプロデューサーですから。765プロ所属のアイドルである、あずささんの要望を叶えるのは当然だと考えています」
あずさ「プロデューサーさん……」
P「あっ、でも伊織みたいにジュース買ってこいみたいなのは勘弁してくださいね」
あずさ「ふふ、わかってます」
P「それで、あずささんの要望って何なんですか?」
あずさ「そうですね。私のプロデューサーさんへの要望は……」
あずさ「私に敬語を使わないことです!」
P「はい?」
あずさ「そんなに難しく考えなくていいですよ。プロデューサーさんは、普段私以外の女の子に使っている言葉使いで私に接してくれればいいですよ」
P「な、なるほど。でも、それだとあずささんに失礼な気が……」
あずさ「プロデューサーさん!」
P「は、はい!」
あずさ「私のお・ね・が・い聞いてくれないんですか?」
P「うっ、うぅ……わかりました」
あずさ(美希ちゃんの言う通り、本当に押しに弱いのね)
あずさ「はい、お願いします」
P「……」
あずさ「プロデューサーさん?」
P「すみません。いざ、やろうとすると緊張して」
P「スーハーッ」
P「よし、OK。いきますよ?」
あずさ「は、はい。よろしくお願いします~」ドキドキ
P「おはよう、あずささん。今日の調子はどうだ?」
あずさ「……」ムスッ
P「あれ、どうしたんですか。あずささん?」
P「えっ……」
あずさ「プロデューサーさん、それ全然違います」
P「だ、ダメ出しですか」
あずさ「また敬語に戻ってますよ」
あずさ「それに、なんであずさ「さん」なんですか?」
P「えっと、あずささんはあずささんでs……だから」
あずさ「プロデューサーさんは、他の子に「さん」づけで呼んでますか?」
P「いや、違いま……違うぞ」
あずさ「それじゃあ、どうするべきか解りますね?」
P「……」コクッ
P「おはよう……」
P「あ、あ、あず……」
あずさ(……大事な場面で中々決めてくれないのよね)
あずさ「プロデューサーさん」ギュッ
P「……!」
あずさ「おはようございます」ニコッ
P「……」
P「あぁ……おはよう、あずさ」
P「どうしたんだ、あずさ?」
あずさ「何でもありません。呼んでみただけです」
P「そうか……」
P「……」
あずさ「……」
P「あずさ……」
あずさ「はい、なんですか。プロデューサーさん」
P「呼んでみただけだよ……」
あずさ「ふふ……」
P「ははは…」
P「あずさ……」
あずさ「プロデューサーさん……」
P「あずさ……」
P(なんでだろうな)
あずさ(ただお互いを呼び合っているだけなのに)
P(凄い恥ずかしいというか、こそばゆい)
P(でも……)
あずさ(不思議な感じ。暖かい何かが胸に流れ込んでくる)
P(目の前にいるこの人が)
あずさ(とても愛おしい……)
P「っ!」
P(顔を突き出して……えっ、これってあれか。つまり、そういうことなのか)
あずさ「……」
P(あずさの唇……凄く艶やかだ)
P(っていうか、近づいてきてないか)
あずさ「んっー……」
P(このままあずさとキスするのは簡単だ。あずさを受け止めるか、俺の方から重ねにいけばいい)
P(でも、それでいいのか? 運命の人を見つけるために、この世界に入った彼女の唇。それを俺が……)
あずさ「んっ~」
P(あぁ、無理だ。あずさの唇は、俺の葛藤をぶっ壊す位に魅力的だ)
P(かわせない……)
あずさ「きゃあああああっ!」バッ
P「うおおおっ!」バッ
千早「おはようございます。プロデューサー、あずささん」
P「あっ、あぁ、千早か。おはよう、調子はどうだ?」
千早「そうですね、特に問題はありません」
P「そ、そうか、それなら今日の仕事もバッチリだな」
千早「はい、本日もよろしくお願いします」
千早「ところで、さっきお二人の悲鳴が聞こえたのですが。何かあったんですか?」
P&あずさ「ギクッ……」
千早「あれ……ですか?」
P「そ、そうだ。こんなボロな事務所だからな。出たんだよ、茶色くてカサカサって動くあれ」
千早「あっ、な、なるほど……あれですか」
P「それを見て、驚いて声を上げたんだ。なっ、あずさ」
あずさ「えっ、えっと……そ、そうなのよ。私、怖くて思わず」
千早「そういうことだったんですね」
P(よし、上手くごまかせた。これぞ、パーフェクトコミュニケーション)
P「あぁ、なんだ。今日のスケジュールについてか、それなら今日は午前から」
千早「いえ、そうじゃありません」
千早「プロデューサー、さっきあずささんのことをあずさって呼び捨てで呼んでましたよね?」
P「えっ……そ、そうだったか。驚いてたから、あまり覚えて」
千早「言ってました。私、耳には自信があります」
P(うっ……今だけは千早の耳ざとさが辛い)
P「そ、それは……あれだよ、あれ。小学生の頃とかあったろ。先生のことをお母さんとか呼んじゃうやつ。あれと一緒だ」
千早「……」ジトッ
P(うわぁ、これ絶対に信じてないよなぁ)
あずさ「……えぇ、そうですね。プロデューサーさん」
P(そこで意味深に寂しそうな顔しないでください、あずささん)
千早「……」ジトッ
P(ほらぁ、こうなるから)
P「千早……」
千早「……真剣な顔。やっと話す気になったんですね」
P「あぁ、その通りだ。俺は、千早に伝えなきゃいけないことがある」
千早「……」
P「千早……」
千早「はい……」
P「……」
P「足元にいるぞ。茶色いあれ」
千早「えっ?」
P「ちょっ、千早!?」
千早「いや、いや、いやあああっ!」
P「ち、千早。落ち着いてくれ、もういないから」
千早「えっ……」
P「もういないよ。千早が驚いたおかげで直ぐに逃げたみたいだ」
千早「そ、そうですか……」
P「どうだ、千早。わかったろ?」
千早「な、何がですか?」
P「凄く驚いて余裕なかったろ。さっきの俺もそうだったんだ。だから、俺はあずささんのことをあずさって呼んじゃったんだよ」
千早「た、確かに自分で経験をするとどれだけ錯乱するか理解できました」
P「そうだ。つまり、そういうことだ」
千早「はい…」
千早「あっ、すみません///」
P(千早の体、細いけど柔らかかったなぁ。ごまかしの嘘で得するとは、ラッキーだな
あずさ「……」
P「……っ!」バッ
あずさ「……」
P「あっ、あずささん」
あずさ「あらあら~」
P「あれは、俺たちのことを誤魔化すためについた嘘が偶然……そう偶然起きたことなんです」
P「決して他意はないですよ?」
あずさ「……」
P「……参ったな。あの、どうしたら許してくれますか?」
P「うわぁ、食いついてきた。意外に現金なんですね」
あずさ「何か言いましたか、プロデューサーさん?」
P「いえ……なんでもありません」
P「そうですか。それで、何をして欲しいんですか?」
P(まぁ、あずささんなら常識の範囲で言ってくれるだろう)
あずさ「あの……プロデューサーさん」
P「はい……」
あずさ「プロデューサーさん、私にさっきの続きをしてくれませんか?」
P「……」
あずさ「……///」
あずさ「冗談でこんなこと言えません」
P「それもそうですね……」
あずさ「プロデューサーさん、私では嫌ですか」
P「……嫌なら、あの時に避けるなり突き放すなりしてますよ」
あずさ「プロデューサーさん……」
P「いいんですか、俺で?」
あずさ「プロデューサーさんじゃなきゃ嫌です」
P「あずささん……」
あずさ「……」ドキドキ
P「……」スッ
あずさ「あっ……」
あずさ(私の頬にプロデューサーさんの手……暖かい)
P「目……閉じて下さい」
あずさ「は……はい」
あずさ「……」
チュッ……
あずさ「えっ……おでこ」
P「すいません、今の俺にはこれが精一杯みたいです」
あずさ「そんな酷いです、プロデューサーさん」
P「どこにキスするかは、言われませんでしたから」
あずさ「むぅ……」
あずさ「はい……」
P「すみません。本当のところ、俺自身もまだ気持ちが固まっていないんです。何せ突然のことですからね」
P「あずささんへの気持ちが、憧れなのか好きなのか。はっきりとは、わからないんです」
P「あずささんと一緒にいるときの心地よさが、他の子達にも同じ様に感じているんです」
あずさ「まぁ、プロデューサーさんって意外に節操がないんですね」
P「うぐっ……」グサッ
P「あっ、そういえばそうですね。やっぱり、あずささんにはこっちの方が良いですね」
あずさ「それじゃあ、最初と話が違います」
P「そう言わないで下さい。やっぱり自然に弾む会話が何より良いわけですから」
あずさ「それは、そうですけど……う~ん、何だか上手く誤魔化されただけのような気もします~」
P「そんなことありませんよ」
P「そうですね。俺が俺自身の意志であずささんを好きになって、あずささんを本当の意味で支えになれた時でしょうか」
P「俺の隣にあずささん。あずささんの隣に俺……そういう関係です」
あずさ「随分と先が長いんですね」
P「すみません。こういうのは、ちゃんと納得するまでやる性分なんです」
あずさ「ふふ、いいんです。私、待つのは得意ですから」
P「えっ?」
あずさ「私も頑張らないとプロデューサーさんをとられちゃいますから」
P「??」
あずさ「私も頑張って、プロデューサーさんに合ういい女の人にならなきゃいけない……ということです」
P「そうですか……」
P「約束ですか……」
あずさ「はい。もし、プロデューサーさんが私のことを好きになって、私の隣にいたいって心から感じた。その時は……」
P「その時は……」
あずさ「……」
あずさ「やっぱり、いいです」
P「えぇ、あっ、あずささん!」
あずさ「ふふ、この続きが聞きたかったら……私のこと、好きになって下さい」
P「そ、そんなぁ……」
あずさ「ふふふ……」
プロデューサーさん。もし、プロデューサーさんが私のことを好きになって、私の隣にいたいって心から感じたその時は……
私のこと「あずさ」って呼んで、ちゃんと唇にキスしてくださいね♪
fin
Entry ⇒ 2012.06.14 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
田中恵子「恋する」薫「ハニカミ!」
某遊園地にて
薫「いや~!今日は絶好の遊園地日和ってやつね~!」
田中「うんっ!ホント、晴れて良かったよ~」
薫「なーんて、お決まりの会話なんてしてたら時間がもったいないと思わない?」
田中「あ、あはは…」
薫「ほらほら、早く早く!」
薫「せっかくのデートなんだし今日は時間いっぱい楽しみましょうよ!」
田中「えへへ、そうだね!」
橘「…と、その前にちょっと待った!」
薫「せっかく人がノリノリで遊園地に乗り込もうって時に…」
橘「そっちこそ、もう今日のルールを忘れたのか?」
薫「ルールって…それって、もうやるの?」
薫「別に遊園地の中に入ってからでも良いじゃない」
薫「ねぇ、恵子?」
田中「……」
薫「…恵子?」
田中「私は今からでも全然構わないんだけど…///」モジモジ…
薫「なんでまんざらでもない顔してるのよ…」
薫「…ったく」
薫「わかったわよ~」
薫「まぁ、あたしも恵子相手なら全然問題無いし」
薫「はい、恵子」スッ…
田中「あっ…」
田中「うんっ!」ギュッ…!
【ハニカミルール】
デート中は必ず手を繋がなければいけない
薫「恵子!誕生日おめでと~!」
田中「あっ、ありがと~」
田中「覚えててくれて嬉しいな~」
薫「も~、あたしが恵子の誕生日を忘れるわけないじゃないの」
薫「恵子はあたしの一番の親友なんだからさ!」
田中「薫…」
田中「えへへ…ありがとう♪」
薫「ふふっ♪」
橘「そんな二人に!」
橘「僕からのプレゼントがあります!」
薫「わっ!?」
田中「ひゃっ!?」
田中「び、びっくりした~…」
橘「そんなことよりも田中さん」
橘「誕生日おめでとう!」
橘「そして、これは僕からの誕生日プレゼント!」ハイ
田中「えっ?」
田中「あっ、ありがとー…!」
薫「唐突過ぎるでしょ…」
橘「ほら、薫にも」ホイ
薫「ん?なんで、あたしにもなのよ?」
橘「良いから、ほら」
田中「えーと…」
田中「遊園地の招待券?」
薫「ていうか、ペアチケット?」
薫「純一、アンタこれどうしたのよ?」
橘「あぁ、商店街の福引きで当てたんだ」
田中「ええっ!?凄いね!」
橘「一等ハワイは無理だったけど遊園地ぐらいなら僕の力を持ってすれば…」
薫「どんな力よ…いや、凄いけどさ」
田中「でも、せっかく橘くんが当てたのに私が貰っちゃっても良いの?」
薫「いや、恵子に渡すのはともかくよ」
薫「どうせなら純一と恵子で行ってくれば良いじゃないの」
田中「ええっ!?」
橘「いや、僕は僕でちゃんと自分でチケットを買って付いていくよ」
薫「……」
薫「…はぁ?」
橘「僕は二人の思い出を残す為のカメラマン役として付いていくってことさ!」
薫「…その心は?」
橘「田中さんは少女漫画が好きだよね?」
田中「え?う、うん…」
田中「好きだけど…」
橘「そういうことさ」
薫「いや、わかんないんだけど」
橘「つまり、僕からの誕生日プレゼントは遊園地のペアチケットだけじゃない!」
橘「田中さんには少女漫画でありそうな思わずはにかんでしまうロマンティックなシチュエーションをプレゼントするんだ!」
薫「…!!」
田中「…?」
薫「いやいや、やっぱり良くわかんないんだけど」
橘「二人には僕が用意したハニカミプランを所々で実行してもらう」
田中「(ハニカミプラン?)」
橘「僕はそんな二人の姿を写真に収める!」
薫「…えーと」
薫「つまり、あたしと恵子に恋人ごっこをさせて…」
田中「ええっ!?恋人!?」
薫「アンタはその姿を写真に残したいと」
橘「そういうことだな」
薫「……」
橘「写真の流出は絶対に無いから!」
橘「ちゃんと僕のお宝として…!」
ドコッ!
橘「ぐふっ!?」
薫「ごめん、なんか殴りたくなった」
田中「薫と…恋人…」
田中「……」
田中「(わ、悪くないかも…///)」
薫「遊園地っていうのは悪くは無いわね!」
橘「ぐ…ぐーで殴るのは反則だろう…」
薫「ねぇ、恵子?今度の日曜日とかは…」
田中「……」
薫「…恵子?」
田中「は、はいっ!」
田中「わ、私なんかで良ければ…///」
薫「…はぁ?」
橘「……」
橘「(これは次の日曜日が待ちきれないな…)」
薫「しっかし、まさかホントに自腹で付いてくるとはね…」
橘「当たり前だろう」
橘「年に一度の田中さんの誕生日なんだ」
橘「多少の出費なんか惜しくないよ」
薫「……」
薫「…あんた、恵子のこと狙ってるわけ?」
橘「いや、GAME OVERになるからそれは出来ないよ」
薫「なんの話よ」
橘「背景だと思ってくれて構わないから!」
橘「二人は存分に遊園地を楽しんでくれよ!」
田中「は、背景だなんて…」
薫「…まぁ、確かにこれ以上話してる時間も惜しいっちゃ惜しいわね」
薫「純一が良いって言ってるんだから今日は二人で存分に楽しみましょ?」
恵子「うーん…良いのかなぁ?」
橘「良いの、良いの!」
橘「あっ、そうだ!」
橘「せっかく手も繋いだことだし入口の前で1枚撮っとこうよ!」
橘「今日は二人で遊園地に来ました~!」
橘「…的な感じで!」
薫「アンタ、最高に気持ち悪いわよ」
薫「まぁ、最初の1枚目だしね」
薫「確かに入口の前で撮るのも悪くは無いか」
薫「恵子もそれで良い?」
田中「わ、私は薫が良ければ…」
薫「そっか。んじゃ、ここで撮りましょうか!」
田中「う、うん!」
橘「……」
橘「(よし!ついにハミカミプラン決行だ!)」
薫「(遊事前に純一から、なんか紙を渡されてたけど…)」
薫「……」
薫「(まぁ、恵子相手ならいっか)」グッ…
田中「ひゃっ…?」
指令①
薫は最初の写真を撮る時に田中さんの肩を抱き寄せてあげる
田中「か、薫…?///」ドキドキ…
薫「(むぅ…)」
薫「(友達感覚で無意識にやってることはあるけど…)」
薫「(こう…意識的にやると…結構恥ずかしいわね…)」
橘「(良いぞ!二人ともとても良い表情だ!)」
橘「(付き合い始めて間も無いカップルがちょっとステップアップしようと大胆になってみたけど…)」
橘「(やっぱり照れくさい!)」
橘「(いやー我ながら思わずはにかんでしまうな!)」
田中「(そんなのいつものことなのに…)」
田中「(こ、こんな風に抱き寄せられると…///)」ドキドキ…
薫「じゅ、純一!」
薫「は、早く撮りなさいよ!」
橘「あぁ、今撮るよ」
橘「…よし、二人ともこっち向いて!」
橘「撮るよー!」
カシャ
橘「…よし!」
橘「(1枚目でこの出来なら2枚目、3枚目はもっと凄い出来になるぞ!)」
薫「……」テクテク…
田中「……」テクテク…
田中「(うわー…)」
田中「(私、まだ顔熱いよー…)」
田中「(最初に手を握った時はそうでも無かったのに…)」
田中「(なんだか今はそれだけでも…)」
薫「(ヤバイわね…)」
薫「(あたし、意識しちゃってるわけ?)」
薫「(恵子相手に…?)」
薫&田中「あ、あのさ…!」
薫&田中「…!!」ドキッ
田中「なぁに、薫…?」ドキドキ…
薫「い、いやいや…恵子こそ…」ドキドキ…
薫&田中「……」
田中「(うぅ~…言葉に詰まっちゃうよ~…)」
田中「……」
田中「(…あっ、そうだ!)」
田中「(事前に橘くんから渡された紙…)」
田中「(確かにこれに…)」ガソゴソ…
田中「…!」
田中「(え、ええっ!?)」
田中「(で、でも…このままの状態でいるよりは…)」
田中「(よ、よし!)」
田中「か、薫!」
田中「メ、メリーゴーランドに行かない?」
薫「メリーゴーランドねぇ…」
田中「い、いやだった…?」
薫「いや、そういうわけじゃないんだけどさ」
薫「この歳になってメリーゴーランドの前に並ぶ女子校生二人ってどうなんだろって思ってさ」クスッ…
田中「……」ポカン
田中「ふふっ…確かにそうだね」
田中「でも素敵な恋人とメリーゴーランドとか憧れたりしない?」
薫「えー私はジェットコースターとかの方が…」
田中「えー」
橘「(よしよし、緊張もとけて良い雰囲気になってるぞ!)」
橘「(これで後は田中さんがハニカミプランを無事に遂行してくれれば…!)」
橘「(きっと田中さんにロマンティックなムードをプレゼントしてあげることが出来るはずだ!)」
田中「う、うん…」
薫「どうする?どれに乗ろっか?」
薫「無難に馬車とかに…」
田中「……」ドキドキ…
薫「…恵子?」
田中「か、薫!」
薫「な、なに!?」ビクッ…
田中「私…白馬に乗りたい…!」
薫「…~///」ドキドキ…
田中「あぅ…///」ドキドキ…
指令②
田中さんは薫とメリーゴーランドの白馬に乗って後ろから思い切り抱きしめる
田中「(ど、どうしよー…)」
田中「(これ絶対、心臓バクバクいってるのばれてるよ~!)」バクバク…
薫「(…多分、これも純一の出した指令ね)」
薫「(あたしへの指令じゃなくて良かったわ…)」
薫「(じゃなきゃ絶対に恵子に心臓の音、聞かれてたもん…)」ドキドキ…
橘「(いや、これも実に良いぞ!)」
橘「(田中さんが前のめりになって思い切り薫に抱きついてる姿が実に良い!)」
橘「(ベストショットは…ここだ!)」
カシャ
薫「…///」
田中「…///」
薫「あ、あはは…」
薫「なんか童心に帰ったーっていうか、なんていうか…」
田中「……」
田中「ねぇ、薫…?」
薫「な、なに…?」
田中「私の心臓の音…」
田中「聞こえてた…?」
薫「…!!」ドキッ…
薫「え、と…」ドギマギ…
田中「……」ジッ…
薫「…うん」
薫「ずっと聞こえてたよ…」
田中「…!」
田中「(や、やっぱり聞かれてたよ~…)」
薫「で、でも!」
田中「えっ?」
薫「あたしも!」
薫「あたしも、ずっと心臓バクバク!って鳴りっぱなしっだった!」
薫「多分、恵子と同じ…いやそれ以上に…!」
田中「薫…」
田中「そ、そうなんだ…///」
薫「う、うん…///」
薫「(いやー…流石に取り乱し過ぎでしょ、あたし…)」
薫「(相手は恵子なのに…)」
薫「(いや…)」
薫「(なのに、じゃなくて…)」
田中「…薫?」
薫「えっ、あっ…」
薫「ど、どしたの?」
恵子「あっ、そろそろお昼だし…」
恵子「ご飯でも食べたいなって思ったんだけど…」
薫「あっ、もうそんな時間か~」
薫「恵子と一緒だと時間が経つの早いわね~」
恵子「ホント?嬉しいなぁ」ニコッ
薫「…!」ドキッ
薫「(こんな当たり前の言葉にも反応してる…)」
田中「あっ、待って薫!」
田中「私、今日お弁当作ってきたんだ!」
薫「えっ、お弁当?あたしの分まで?」
田中「うんっ!」
田中「だからベンチに座って食べよ?」
薫「……」
田中「…薫?」
薫「アンタってば、どんだけ健気な良い子なのよ…」
田中「ふぇっ?」
橘「(まさか手作り弁当とは!)」
橘「(流石、田中さん!)」
橘「(これは次のハニカミプランも捗るぞ!)」
田中「はいっ!これ、薫のぶんね!」ハイッ
薫「いやー手作りお菓子は貰ったことはあったけど…」
薫「まさか手作りお弁当まで貰うことになるなんて…」
田中「あはは」
田中「薫の為を想って早起きして作りましたっ」ニコッ
薫「…~///」ドキッ
田中「……」
田中「…!」
田中「(わ、私…なに普通に恥ずかしい台詞を言っちゃってるの~!?)」
薫「(健気…純粋…いや、違う…)」
薫「(最早、そんな言葉では表せない…)」
薫「(田中恵子は…田中恵子…!)」
薫「(しっかし、恵子の笑顔は…ホント反則ね…)」ドキドキ…
田中「あ、ど、どうぞ!」ドキマギ
パカッ…
薫「…おー」
薫「(おにぎり、ハンバーグ、オムレツ、プチトマト…)」
薫「(シンプル…だけど王道…)」
薫「(とても美味しそうだわ)」
薫「これ全部恵子が作ったの?」
田中「あっ、ハンバーグとオムレツはちょっとお母さんに手伝ってもらって…)」
薫「ってことは実質全部手作りなのね」
薫「どれ、早速一口…」
田中「あっ、ま、待って薫!」
薫「ふぇっ?」
薫「……」
薫「(…これはまさか)」
田中「…薫はどれから食べたい?」
薫「…オムレツかしらね」
田中「そ、そっか」
田中「それじゃあ…」ヒョイ
田中「あ、あーん…」
指令③
田中さんは薫に食事を「あーん」して食べさせてあげる
薫「(これも王道過ぎでしょ、純一!!)」
橘「……」
橘「(…いいなぁ、女の子からの「あーん」…)」
田中「…薫?」ウルッ…
薫「うっ…」
薫「あ…」
薫「あーん…///」」
田中「…!」
田中「はい、召し上がれっ」スッ…
薫「んっ」パクッ
薫「んぐんぐ…」モグモグ…
田中「ど、どうかな…?」
薫「……」ゴクン
田中「……」ドキドキ…
田中「も、もしかして…」
田中「お、美味しくなかった…?」ショボ…
薫「すっごい美味しいじゃないっ!」
田中「わぁっ!?」ビクッ
薫「何よ、恵子ったら!」
薫「健気で純粋でいじらしいだけじゃなくて…」
薫「料理までこなしちゃうなんて…」
薫「もうどこに行っても良いお嫁さんになれるわよ、アンタ!」
田中「えっ…」
薫「ん…?」
田中「良い…お嫁さん…?///」
薫「あっ…///」
薫「いや、今のは…!」
薫「いや、確かにそういう意味なんだけど…!」
田中「えへへ…///」
田中「薫にそう言ってもらえるなんて凄く嬉しいな///」ニコッ
薫「~!!///」ドキーン
薫「(だ、ダメだ…)」
薫「(最初はいつも通り友達のノリで出かけて…)」
薫「(純一のくだらないプランも軽いノリでこなしていくつもりだったのに…)」
薫「(なのに…あたし…)」
橘「(よし!やはり手料理を「あーん」は信頼と実績のイベントだな!)」
橘「(二人の雰囲気も良いし、これなら最後の指令も…)」
橘「(…っと写真、写真と)」
カシャ
薫「はぁー!今日はたくさん遊んだわねー!」
田中「えへへ、そうだね」
薫「……」
田中「……」
薫「…ねぇ、恵子」
田中「…なぁに?」
薫「最後に観覧車に乗らない?」
薫「きっと今なら頂上から見える夕日が綺麗よ」
田中「…うんっ」
田中「私も薫と観覧車に乗りたい…」
橘「(さぁ、ついに最後のハニカミプランだ…)」
橘「(このプランは写真にきちんと収めることが出来ないのが残念だけど…)」
橘「(きっと今の二人なら…!)」
薫「……」
薫「(最後の純一からの指令…)」
薫「(この指令…軽い気持ちなら出来るかもしれない…)」
薫「(けど、今の私には…)」
田中「…薫」
薫「…ん?」
薫「あ…ど、どしたの?」
恵子「私ね…」
恵子「今日一緒に遊園地に行ったのが薫で良かったよ」ニコッ
薫「…!」
薫「(…そうね、軽い重いはただの言い訳に過ぎない…)」
薫「(あたしがしなきゃいけないこと…)」
薫「(あたしが、恵子としたいこと…)」
薫「そうね…」
係員「どうぞー」
恵子「ねぇ、薫?」
薫「ん?どしたの?」
恵子「隣に座っても…良い?」
薫「……」
薫「ええ、もちろんよ」ガタン…
恵子「えへへ、良かった」ガタン…
橘「(頑張れよ…薫、田中さん…)」
薫「……」
田中「……」
薫「ねぇ、恵子?」
田中「なぁに、薫?」
薫「朝も言ったけど今日は絶好の遊園地日和だったわよね」
薫「だって、もう夕方なのにあんなに遠くの景色まで見えるんだもの」
田中「ふふっ、そうだね」
田中「そんな日に、こうして一緒に遊園地で凄く嬉しかったよ」
田中「招待券をくれた橘くんには感謝だね!」
薫「…そうね」
薫「(アイツがいなければ、今頃私達はこうして過ごしていることは無かった)」
薫「(親友として日々を過ごしていくだけ…)」
薫「(けど、今は…)」
薫「ええ、そうね…」
田中「……」
薫「……」
薫「…恵子」
田中「…うん?」
薫「目、瞑ってもらっても良い?」
田中「……」
田中「…うん」
薫「……」スッ…
チュッ…
田中「……」
田中「…?」
田中「…え?」
薫「…純一もよくこんな物、用意出来たわよねー」
指令④
観覧車の頂上で薫は田中さんにプレパラート越しにキスをする
田中「……」
田中「…えへへ」
田中「た、橘くんも凄いねー」
田中「夕日をバックにガラス越しのキスなんて確かにロマンティックそのものだよ!」
田中「ホント…ロマンティック…」
薫「……」
田中「ね、ねー!」
田中「た、橘くんも少女漫画とかよく読んだりするのかなー?」
薫「ホント、少女漫画やラブロマンスの映画かってーのよ」
田中「えっ?」
薫「恵子」
田中「な、なに?」
薫「あたしさー」
薫「アンタのこと、好きよ」
薫「……」
田中「え、えっと…」
田中「わ、私も薫のことは好…」
薫「それは親友として?」
田中「えっ?」
薫「それとも恋愛対象として?」
田中「か、薫…」
薫「あたしはいつからわからないけどさ…」
薫「アンタのこと恋愛対象として好き」
薫「ずっと前からだったかもしれないし、今日芽生えた感情かもしれない」
薫「けど同性、異性とか関係無くたまらなくアンタのことが好きなの」
田中「薫…」
薫「…恵子はどう?」
薫「こんなあたしを気持ち悪いとか思っちゃう?」
田中「そ、そんなことない!」
田中「わ、私も…!」
田中「薫のことが好きっ…!」
薫「…!」
田中「今日1日一緒にいて、ずっとドキドキしっぱなしだった…」
田中「それは普段、教室で一緒にいる感情とは違う…」
田中「もっと特別な…」
田中「…うん!そうだよ!」
田中「私、田中恵子は…!」
田中「棚町薫って女の子に恋をしてるの!!」
薫「恵子…」
薫「あたし、ガサツだけど一応女の子なのよん?」
田中「薫こそ…私なんかで良いの?」
田中「私、地味で何のとり得も無い普通の女の子だよ?」
薫「…バカね」
薫「そう思ってんのはアンタだけよ…」グッ…
田中「あっ…」
薫「…もう、プレパラートは必要ないわね」
田中「…!」
田中「…うんっ」
田中「私…薫とキス…したい…」
薫「あたしもよ…」スッ…
チュッ…
薫「…///」
田中「…///」
橘「お疲れ様、二人とも」
薫「純一…」
田中「橘くん…」
橘「薫、ちゃんと僕が用意したプレゼントは田中さんに届けてくれたか?」
薫「…まぁ、やれるだけのことはやったつもりよ…///」
橘「そうか」
橘「田中さんは僕からプレゼント、喜んでもらえた?」
田中「…うんっ///」
田中「私、あんなに素敵な誕生日プレゼント初めてだったよ!」
田中「ありがとう、橘くん!」
橘「そっか、気に入ってもらえて良かった」
薫「……」ギュッ…
田中「……」ギュッ…
橘「今さら伝えるまでも無かったかな?」
田中「えへへ…///」
薫「そうね。むしろここから始まりみたいなもんだし」
橘「ははっ、それもそうだよな」
薫「ていうわけで、純一…」
薫「そのカメラ、よこしなさい」ニコッ
橘「…えっ?」
薫「なんでもなにも」
薫「なんであたし達カップルの写真をアンタに持ち歩かれなきゃいけないのよ?」
田中「そんな…カップルだなんて…///」
橘「で、でも!今日の企画をしたのは僕であり!」
橘「僕には二人の初々しい写真を一人で部屋眺めるぐらいの権利は…!」
ドコッ!
橘「ぐはっ!?」
薫「あたしの恵子を性的な目で見られたらたまんないわ」
薫「はい、カメラは没収」ヒョイ
純一「だ、だから…グー…は…」
純一「…ぐっ」バタリ…
田中「えと…良いのかなぁ…?」
薫「良いのよ、コイツにはこれぐらい方が」
薫「てんきゅ、純一♪」
橘「……」
薫「って、聞こえてないか…」
田中「えーと…橘くん、どうするの…?」
薫「まぁ、そのうち起きて、ちゃんと一人で帰るでしょ」
薫「今は恵子との二人きりの時間を楽しみたいわ」
田中「薫…///」
薫「さぁ、帰りましょ!」
田中「うんっ!」
香苗「橘くん!私にもハニカミプランやって!」
香苗「相手は無論あの人ね!」
橘「えっ…香苗さん、なんでハニカミプラン知ってるの?」
香苗「まぁ、風の噂でね!」
香苗「とにかくお願い!この通り!」
橘「……」
橘「ぐーで殴らないしカメラも没収しない?」
香苗「へ?」
おわり
乙
乙
Entry ⇒ 2012.06.14 | Category ⇒ アマガミSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
月「で……であ…でぁー…TH…であのて……?」
ワイワイ ガヤガヤ
月「…………」
月「……ダメだ、サッパリ読めない」
パラッ
月「……ほ、ほ…ほぅー…ほぅー…と…うせ……いt……」
女子(あの人ほーほー言いながら気持ち悪い顔してる……)
月「……どうして日本語じゃないんだよ」
月「ぷっ、でも今はパソコンで翻訳ができる時代なんだよね」
月「よし…帰ったら自室のPCでgoogle翻訳でもしてみるか」
「おーい!月ー!早く帰ろうぜー!」
月「あぁ、今行くよ」
月「ただいまー」
幸子「あら、おかえり月…模試はどうだったの?」
月「受けなかったよ」
幸子「なっ!?どうして受けなかったの!?あれだけ受けなさいって言ったのに…」
月「ははは、母さん…僕が模試なんて受けると思う?」
月「それじゃ、僕は部屋でマリオゴルフをするからこれで」
幸子「お父さんに言いつけますからね!!」
バタン
月「ふー……さて、パソコンを起動、っと」
~30分後~
月「くそっ……全部英語だから打つのに時間掛かったよ」
使用方法
・このノートで記述されている名前を持つ人間は死ぬ。
彼/彼女の名前を書くときに作家が自分の心に人の顔を持っていない場合、このノートでは有効になりません。
したがって、同じ名前を共有する人々は影響を受けません。
・死亡の原因は人の名前を書いて40秒以内に書き込まれた場合、それは起こります。
・死の原因が指定されていない・場合には、人は単に心臓発作で死んでしまう。
・死因を書いた後、死の詳細は次の6分40秒で記述する必要があります。
月「……?」
月「……」カチッ カチッ
1.き‐じゅつ【記述】
[名](スル)1 文章にして書きしるすこと。また、書きしるしたもの。
「見聞したことをつぶさに―する」2 《 description 》事物の特質を、事実そのままに正確かつ組織的にしるしのべること。
月「なるほど……」
月「彼/彼女の名前を書くときに作家が自分の心に人の顔を持っていない場合……?」
月「なにを言ってるんだ、こいつは……」
月「この行は飛ばして……」
月「死亡の原因は人の名前を書いて40秒以内に書き込まれた場合、それは起こります。……」
月「死の原因が指定されていない・場合には、人は単に心臓発作で死んでしまう。……」
月「死因を書いた後、死の詳細は次の6分40秒で記述する必要があります。……」
月「……つまり、こういう事か?」
月「このノートに名前を書かれたら死ぬ……」
月「そして、その名前を書かれた人物を心の中で思い浮かべて……合掌」
月「そうすれば、なんやかんやで40秒後に……病気で亡くなる」
月「死の…カチッ……しょうさい、か」
月「つまり、詳しく書くと病気以外で無くなる、ということだね」
月「ぷっ、がんばってキーボードをカタカタして損したよ」
月「マリオゴルフしよっ、と」
月「…くそっ!!どうして玉が入らないんだよ!!」
月「もうやめだ、やめ……」
月「……」チラッ
月「……」テクテク
月「……」パラッ
月「……」カキカキ
クッパ 死ね
月「………」
カチッ カチッ カチッ ・ ・ ・
月「……チッ、やっぱり偽物じゃないか」
月「あ、そういえば合掌してなかったな……」
クッパ 死ね(←さっきは合掌してませんでした)
月「……」パンッ
カチッ カチッ カチッ ・ ・ ・ 。
月「……はぁ、死ぬわけないよな」
<ライトー、ゴハンヨー
月「わかった、今下に降りるよー!」
バタン
リューク「……」
月「ふー、食べた食べた……」
リューク「おい」
月「……!?う、うわぁああああああ!!!デーモン…」「静かにしろ」
月「むぐっ!?」
リューク「落ち着いたか?」
月「…フー…フー……」コクッ コクッ
月「ぷはっ!誰だよお前!!なに人の部屋でコスプレしてるんだよ!!」
リューク「ククク……俺は死神だ、これはコスプレなんかじゃない」
月「死神……?」
リューク「そうだ」
月「ちょっと待ってくれ、今ググるから」
リューク「…………」
リューク「―――、という訳だ…しかし拾い主がこんなにも馬鹿だったなんてな」
月「うるさい…それで、その死神様が僕に何の用だよ?」
リューク「ククク……お前に選択肢をやろう」
リューク「まず、そのノートは本物だ」
月「はぁ?これが本物だって?クッパは死ななかったぞ」
リューク「クッパ……?」
月「あぁ、そうだよ…ほら、あの画面に映ってるトゲトゲの甲羅を背負ってるキャラクター」
リューク「……はぁ、わかった…俺が直々にデスノートの使い方を説明してやる」
リューク「二度は説明しないからな、ちゃんと聞いておけよ」
月「そういうことだったのか……もっと分かりやすく書いてくれてもいいんじゃないか?」
リューク「人間界で一番ポピュラーな英語で説明を付けたんだが……」
月「はぁ!?ここは日本なんだよ!!英語ならアメリカにでも落とせよ!!」
リューク(ダメだこいつ……最悪な奴がノートを拾ったかもしれない)
月「……それで、さっき選択肢がなんだって?」
リューク「あ、あぁ……その前に聞いておくが…お前、このノート使うか?」
月「くれるのか?貰えるなら、僕が貰うよ」
リューク「そうか……俺はデスノートと俺に関する記憶を消す事もできる」
リューク「そうすれば、お前はそのノートを拾い、こうして俺と出会った事を忘れてこれからを過ごすだろう」
月「いや、使い方がわかれば鼻から手が出るくらいほしいくらいだ…感謝するよ、リューク」
リューク(鼻から……?)
リューク「まぁいい、それじゃー今からそれはお前のものだ」
リューク「あと、これも覚えておいてくれ」
月「はぁ……ちょっと待ってくれ、頭がおかしくなりそうだからまた今度じゃダメか?」
リューク「いや、これは今話しておきたいんだが……」
月「うるさい、お前の名前をこのノートに書くぞ」
リューク「ククク、月……俺はデスノートじゃ死なない…死神だからな」
月「へぇー」 カキカキ
デューク 家から落ちる
月「……」ニヤニヤ
リューク(……)
月「……あれ、何も起きないな」
リューク「だから言っただろ?俺はデスノートじゃ死なないって」
リューク「それに、俺の名前を間違ってるんだ…俺は『リューク』だ」
月「ふ、ふーん…まぁ知ってたけど」ケシケシ
リューク「消しゴム……」
リューク「お前……本当に大丈夫か?」
月「うるさい、死神に心配されるほど僕も落ちぶれちゃいないさ」
リューク(十分落ちぶれてるだろ、お前……)
月「はぁ……何か面白いテレビでもやってないかな」ピッ
TV『警視庁は犯人を音原田九郎、無職…』
月「……試しにこいつでも殺してみるか」
リューク「ククク……」
音原田九朗
リューク「……おい」
月「なんだよ?僕は今楽しみにしてるんだけど……」
リューク「ここ、字を間違えてるだろ?これじゃ死なない」
月「いちいちうるさいな、こんなの同じようなもんだろ」
音原田九朋
リューク「……もういい、言っておくがこれじゃ死なないからな」
月「朋……この字、いいな」
月「ダブルライト……僕の子供の名前候補にしておこう」
リューク「……」
月「さて、僕はマリオゴルフでもするかな」
リューク「なんだ、それ?」
月「リュークもやるか?ここに2コンがあるけど…」ゴソゴソ
――
――――
――――――
リューク「ウホッ」
月「くそっ!!やられたっ!!!」ガタッ
~1週間後~
リューク「……なぁ」
月「なんだ?リューク……僕はこれから最近発売したみんゴル4をプレイするんだけど」
リューク「お前さ、もう少しノートを使わないのか?」
月「はぁ……わかってないね、リュークは」
リューク「?」
月「人の命は重いんだ……名前を書くだけで命を落とす、なんてのはあってはいけない」
リューク(……拾った日はすぐに名前を書いてたじゃねえか)
リューク「ククク……ならヒーローになるのはどうだ?」
月「ヒーロー?」
リューク「そうだ、犯罪者をノートで裁く…デスノートがあれば俺はできると思うがな」
月「僕が……ヒーローに……?」
リューク「そうだ……凶悪犯罪者の名前と顔をわかっていれば、お前は…いや、お前なら裁ける」
リューク「そのデスノートでな…まぁ、ヒーローというよりダークヒーローだな」
月「……ダークヒーロー…月…?」
リューク「これは悪魔で助言だ、やるやらないはお前が決めろ」
月「…………」
リューク「みんゴル4をやらないのか?なら俺は一人でやるが…」
月「すまない、リューク…僕にはやる事が出来た」
リューク「ククク……なら仕方無いな、俺はりんごでも食べながら一人でみんゴルをしてよう」
月「あ、それは僕のりんごだぞ」
リューク「え……」
『ICPOの皆さま、Lです』
『この事件はかつて無い大規模で難しい…そして、』
『絶対に許してはいけない凶悪な大量殺人犯です!!』
――
――――
――――――
リューク「月……随分飛ばしてるな」
月「おかげで手が痛いよ…もう名前は書きたくないね」
リューク「ククク……ホールインワンだ、月」
月「くそっ!手加減くらいしろよ!!僕は手が痛いんだよ!!」
月「もう1回だ、リューク!!」
粧裕『おにいちゃーん!TVで面白いのやってるよー!!』
月「面白いの……リューク、ゲームはここまでだ」カチッ
リューク「あっ!消しやがった!!」
月「電気代の節約だよ」ニヤニヤ
ピッ
TV『しかし、お前のしている事は…悪だ!!』
月「うおっ」
リューク「なんだ、これは?」
月「いや、僕にもわからないよ……」
TV『……』
月「…………?」
リューク「?」
TV『……?キラ、お前は悪だ!!』
月「……キラ?誰の事だ?」
リューク(いや、お前の事だろ……)
TV『………失礼しました』
月「まったく、リューク…みんゴル4の続きだ」
L「各地方に流したが……殺されなかった、か」
L「キラ…お前は日本に居ると思ったが……違ったのか……?」
~ 数日後 ~
粧裕『お兄ちゃん、居るー?』
月「居ないよー!」
ガチャッ
粧裕「あっ、やっぱり居るじゃん」
月「なんの用だよ?」
リューク「おい、ライ…」「静かにしてくれ!僕は今真剣なんだ!!」
粧裕「あ、それみんゴル4だ!私にもやらせてよー」
月「お前は僕が買ってから一ヶ月後にプレイ可能っていつも言ってるだろ?」
粧裕「ぎゃっ、お兄ちゃんのケチー……あ、なにこれ?」
月「そのノートカッコいいだろ?僕のなんだ」
リューク(……)
粧裕「え…きゃあああああああああああ!!!!」
月「ど、どうした粧裕!?」
粧裕「お、お兄ちゃん!!あそこに変な人が立ってるよ!!」
月「え?粧裕にも見えるのか……?」
リューク「はぁ……月」
リューク「そのデスノートに触った人間は俺の姿が見える」
粧裕「う、嘘……喋った……?」
月(馬鹿!そういう事は早く言えよ!!)
粧裕「お、お兄ちゃん……この人は誰……?」
月「あ、あぁ…その…海外から来た僕の友達なんだ」
粧裕「海外?一体どこの民族を連れて来たの……」
月「ほら、民族って瞬間移動とか得意でさ」
粧裕「はぁ?なにいってるの?」
月「と・に・か・く!!名前はリューク!!終わり!!」
粧裕「う、うん……リュークさん、か」
リューク「くく……よろしくな」
月「あと粧裕、この事は誰にも言わないでくれ…僕たち2人だけで飼おう」
リューク(飼おうって……)
粧裕「で、でもエサ代とかも掛かるし…」
月「りんごをたまに食べさせてあげるだけでいいんだ…!頼む!母さんや父さんには言わないでくれ!!」
粧裕「……わかった、内緒にしておくね」
月「粧裕……!」
粧裕「5000円」
月「……」
~ 次の日 ~
月「よし、行くか」
リューク「行くかって…学校か?」
月「あぁ、まずは気に入らない学校の奴らを殺していくよ」
リューク「おい、人の命は重いんじゃなかったのか?」
月「何言ってるんだ、僕が嫌いな奴は軽いに決まってるだろ」
リューク(……月って面白ッ!!)
月「さぁ、行くよリューク」
月「ふー……大体こんなもんか」
リューク「ここ、漢字を間違えてるぞ」
月「あ、ほんとだ」ケシケシ
リューク「それにしても、いいのか?30人も書いちゃって」
月「あぁ、このノートがある限り僕は見つからないよ」
リューク「ククク……」
キャー イヤー!! ドウシター!!
月「はぁ……帰りは遅くなりそうだ」
リューク「だな」
L「この学校で心臓麻痺が30人……?」
L「やっと手掛かりが掴めたぞ……キラ」
L「私が正義だ!!」
―
月「ただいまー」
幸子「ら、月!良かった…平気だったのね……」
月「ははは、なにを言ってるだ母さん?」
幸子「ほら、TV見て……」
TV『――高校で、30人の生徒が死亡…』
月「ど、どうしてTVに僕の高校が…一体なにが起きているんだ……?」
リューク(やっぱ馬鹿だ、こいつ……)
月「くそっ!!まさかニュースになるなんて思わなかったよ!!!」
リューク「そりゃあ1日で生徒30人が心臓麻痺で死んだらニュースになるだろ」
月「はぁ……完全に予測範囲外だったよ……」
リューク「それで、どうするんだ?」
月「しばらくデスノートは使わないよ、逮捕怖いし」
リューク(あんなに自信満々に見つからないって言ってたじゃねえか……)
月「ま、お休みって所かな……リューク、マリオパーティーしよう」
リューク「お、いいね」
― 一週間後 ―
先生「え…えぇー……転校生を紹介します……」
月(こんな時期に転校生か……まぁ気に入らなかったら殺すだけだ)
L「流河早樹と言います、皆さんよろしくお願いします」
先生「えぇー、では…あそこの席の隣でいいか?」
L「はい、構いませんよ」
月「……よろしく」
L「よろしくおねがいします」
先生「えぇー、では…」
L(夜神月……夜神総一郎の息子、か……)
L「月くん、…教科書を見せてもらってもいいですか?」
月「あぁ……ほら、これ」
L「ありがとうございます……月君、君は警察庁 夜神総一郎局長の息子でしたね」
L(しかし、わからないな……局長の息子がどうしてこんな底辺高校に……?)
月「父さんを知ってるのか?」
L「はい……月君、単刀直入に言いますね」
月「なんだよ?」
L「私はLです」
月「……ごめん、Lってなんだ?」
L「……」
月「確かに僕もマクドナルドのポテトを頼む時はLだけど…」
L「……」
月「あ、そういえばLと言えば僕のパンツもLだったね、流河もそうなのか?」
L「……」
L(……な、何が何だかわからない……)
月「……どうした?」
L「い、いえ…その、なんでもありません」
L(おかしい……どういうことだ……?)
L(夜神月はキラではない……?いや、しかし…)
リューク(クク……こいつは月の馬鹿さ加減を知らないようだな)
月「おい、そこまで言われたら気になるだろ?Lってなんだよ?」
L「……」
月「はぁ…だんまりか」
L「……すいません、正直言うと月君がキラじゃないかと私は疑っていたのです」
月「僕がきらら?確かに妹のまんがタイムきららを読むのは好きだけど…」
L「わかりました、もう結構です…喋らないでください」
嫌われたwwww
先生「―――――、であるからして」
月「…………」
L(こんな授業内容…猿でもわかる……)
L(しかし、月君がキラじゃないとなると次のターゲットは……)
月「はぁー、誰か殺そうかなー……」
L「……!!」
L「……月君、さっきなんて言いました?」
月「え?僕、なにか言ったか?」
L「言ったでしょ、『誰か殺そうかなー』って」
月「あぁ、こっちの話だから気にしないでくれ」
L(……これはキラからの挑発か?)
L(いや、しかしこの馬鹿に心臓麻痺を起こせるとは到底思えない……)
L「……月君、放課後に月君の家へ遊びに行ってもいいですか?」
月「ははは、僕の家?別にいいけど妹目当てだったら許さないぞ」
L「可愛い妹さんが居るんですか?」
月「あぁ、夜神粧裕って妹が居るんだけど…」
L(夜神粧裕、か……一応ターゲットに入れておこう)
L(夜神月……お前は本当にキラなのか……)
― 月の家 ―
月「ただいま母さんー」
L「お邪魔します」
幸子「あら、おかえり月…その隣の人は友達?」
月「あぁ、Lって言うんだっ」「流河です、よろしくおねがいします」
幸子「わかったわ よろしくね、流河君」
L「はい、よろしくおねがいします」
月「それじゃ僕たちは僕の部屋に行くよ、こっちだ」
L「わかりました……」
L(夜神幸子……夜神総一郎の妻……)
月「なにする?マリパ?マリゴ?」
L「マリオパーティーでもしましょうか」
月「わかった、用意するから少し待っててくれ」
L(……怪しい物は特になし、か)
月(デスノートは僕のお宝本の隠し場所に置いてある……だから触られないだろうな)
――――
――
―
月「くそっ!!!やられた!!!!」
L「月君、あなたはワンパターンです…これじゃ、負けるのも納得ですよ」
月「うるさい!!もう1回だ!!」
L対策じゃなくて家族対策だろうなwww
粧裕『お兄ちゃーん』
ガチャッ
粧裕「……あれ?お友達?」
L「……初めまして、月君の友達の流河と言います」
粧裕「え!?流河!?好きな芸能人の名前とそっくりじゃん……」
月「それで粧裕、なんの用だよ?」
粧裕「うん、りんごを買ってきたからリュークにあげようと思ったんだけど…」
リューク「ウホッ」
月「はぁ……リューク、粧裕の部屋へ行って流河に見つからないよう食べてくれ」
リューク「わかった、それじゃあ行こうぜ」
L(私に見つからない様……?この兄弟はなにを言ってるんだ……)
月「さぁ、邪魔者も消えたし続きをしようか」
L「……待って下さい、質問をしてもいいですか?」
月「なんだ?あっ、もしかしてたった今思いついた僕の打倒流河攻略…」
L「違います、……月君、あなたと妹さんは何か隠し事でも…」
月「ん、あぁ、父さんと母さんに内緒でな…絶対に言わないでくれよ?」
L「……私も月君が良ければ仲間に入れてもらえませんか?」
月「いや、それはダメだ流河……これ以上、この事を広められたら困るからね」
L「誓います、私は口が裂けてでもその秘密を言いません」
月「……はぁ……わかったよ」
月「今、ペットみたいなのを飼ってるんだ……死神を、ね」
L「わかりました、もう結構です」
L「今日はとても楽しかったです、月君」
月「あぁ、またいつでも来てくれ」
L「それでは、また明日」
月「気を付けて帰れよ」
ガチャン
月「ふー……完璧だな、抜かりは無かった」
月「それにしても粧裕の奴、僕の友達が来てるのにリュークの話題を出すなよ……」
月「まったく、僕が居なかったら今頃どうなってたのかわからない」
月「さて、デスノートを取りだして……」
月「…………」
月「暇だし紙飛行機でも作るか」ビリッ
月「…………」
月「……よし、完成だ」
月「名前は「神飛行機」っと……」
―――――
L(…………)
L(…………夜神月はキラじゃない)
L(しかし、何かが引っかかる……)
L「…………」
L「……ワタリ、今から学校の門まで向かいます…そこで合流しましょう」
L「…………」コツン
L「ん……?」
L「紙飛行機……?」ペラッ
L「…………!」
L「これは!!心臓麻痺を起こした犯罪者と生徒達!!!」
L「…………どういうことだ…もうめちゃくちゃだ……」
― 次の日 ―
月「おはよう、流河」
L「おはようございます……月君、少し私とお話しましょう」
月「ん?話ってなんだよ?」
L「この紙を見てください……私が帰っていたら、このような紙が飛んできました」ピラッ
L「見覚えとかは無いですか?」
月「あ、それ僕の紙飛行機だ…なんだ、流河が拾ったのか」
L「この書かれている名前を見てください」
L「ここに書かれている名前は死亡した犯罪者達と、死亡したここの生徒達です」
月「!」
L「……どうしました?月君」
月「流河……それ」
L「はい」
月「どうして開いたんだ……?」
L「え?」
月「どうして開いたんだよ……せっかくの僕の紙飛行機が……」
L「月君……?」
月「あぁー、ほら!ここに折り目が付いてるじゃないか!!これじゃ上手く飛ばないだろ!!!」
L「……っ!?」
L(これは月君が書いたものではない……?)
L(指紋鑑定からは夜神月が出てきた…どういうことだ……まさか、)
月「ここをこう折ってこうするんだ、聞いてるか?流河」
L(まさかこいつ……落ちてる紙で紙飛行機を作っただけだというのか……?)
L「……月君、この名前に見覚えはないんですね?」
月「名前…………流河」
L「はい」
月「字が汚くて読めないんだけど……一体誰が書いたんだ?」
L「…………」
意図しない所で捜査かく乱しまくりだよ
L「……わかりました、これは月君の物じゃないんですね?」
月「あぁ、こんな汚い字…まったく、一体どこのどいつが書いたんだ……」
L「本当に見覚えありませんね?」
月「見覚え無いよ……まるで僕の書く字じゃないか」
L「……!」
L「月君……ノートを見せてもらってもよろしいですか?」
月「僕の?何に使うんだよ」
L「見せてください、これまでの授業の参考にしたいんです」
月「は、はぁ……わかったよ」
L(……掴んだ)
L(これでこの紙飛行機に書かれた字と酷似していれば……)
L(夜神月……お前はキラだ!!)
月「ほら、これが僕のノートだ……あんまりジロジロ見ないでくれよ?」
L「……ありがとうございます」
L(……)ゴクリ
L「……」ペラッ
月「?どうした?」
L「……月君、どうしてノートが真っ白なんですか?」ペラッ ペラッ
月「え?そりゃあ僕、ノートは執らない主義だし……」
L「ふざけないでください、返します、ありがとうございました死ね」
月(Lは途中でお腹が痛くなって保健室に行くし……誰かになんかされたのか?)
月「母さんただいまー」
幸子「あ、おかえり月…部屋の掃除しておいたわ」
月「はぁ、もう僕も高校生だし部屋の掃除くらい自分でやるよ」
幸子「あら、そう?あ、庭に来て!今リューク君と粧裕とお父さんとで焼き芋してるのよー」
月「へぇー、焼き芋ねぇー……ん?ちょっと待って?いまリュークって言わなかった?」
幸子「それがお父さんと一緒に月の部屋を掃除してたら、怪しいノートを見つけちゃってねえ」
月「え……母さん!!そのノートいまどこ!!」
幸子「え?あそこよ?」
デスノートと月のお宝本「……」パチ…パチ…
総一郎「こんな卑猥な本、こうしてやる……!」
リューク「おっ、帰ったか月……デスノートが燃えてるが俺は何もしてないぞ……それと芋っておいしいな」
月「な、……な…なんてことを……!!」
月「リューク!これは一体どういうことだ!!」
リューク「いやそれがさ、お前のお父さんとお母さんがデスノートに触れちまったんだよな」
リューク「それで俺の姿が見えて最初は驚いてたが…お前の妹のコイツが説得してくれた」
粧裕「いえい♪」
リューク「それでお前のお父さんとお母さんがお前の部屋を掃除してたから俺が手伝ってやったんだ」
リューク「そしたら追い出すどころか一緒に焼き芋パーティーをしないか?なんて言うからさ」
月「…………」
リューク「俺と粧裕で芋を買いに行ったんだ、もちろんりんごもな」
リューク「芋とりんごを買って家に帰って来るともう枯れ葉を集めて準備してたんだ」
リューク「ま、流石の俺でも落ち葉の中に隠れている物を透視するのは不可能だ」
リューク「落ち葉の中にデスノートと月のお宝本があるとは死神の俺でも予想ができない」
リューク「ま、そういうことだ」
月「……」
リューク「それにしても月、人間界の芋っておいしいんだな」
幸子「ふふ、リューク君はたくさん手伝ってくれたからね、たくさん食べていいわよ」
リューク「ウホッ!」
総一郎「最初は私も驚いたが……月、ペットを飼うならまずは父さんと母さんに相談しなさい」
月「はぁ……」
月「父さん、僕の芋は?」
L「……………」
L「はぁ……また一からやり直しか…仕方ない、この紙に書いて整理するとしよう」
L「まずは私が一番キラだと思う夜神月と私の関係から筆記していこう……」
夜神 月
↑ 疑い
L=Lawliet
L「……………」
L「うぐっ……!」ドクン
完
乙
原作通りだ
Entry ⇒ 2012.06.13 | Category ⇒ デスノートSS | Comments (3) | Trackbacks (0)
あずさ「プロデューサーさん、この時期って……」
あずさ「違いますよ、プロデューサーさん」
P「あれ、間違いでしたか?」
あずさ「プロデューサーさん、私の格好みて気づかないんですか?」
P「あずささんの格好……ですか? 綺麗な純白のウエディングドレス……あっ」
あずさ「わかったみたいですね」
P「はい、ジューンブライドですね」
あずさ「はい、その通りです~」
P「道理で最近は、ウエディングドレスのモデルや式場の広告写真の撮影の仕事のオファーが多かったわけだ」
あずさ「もしかしてプロデューサーさん、忘れていたんですか?」
P「そっかジューンブライド、6月の花嫁かぁ……」
あずさ「6月に結婚すると、幸せになるって言われていますよね」
P「どうしてでしょうね?」
あずさ「う~ん、どうしてでしょう?」
P「おまじないか何かみたいなものですかね」
あずさ「そうかもしれませんね」
あずさ「でも、素敵じゃないですか……」
P「内容が前向きですからね」
あずさ「プロデューサーさんは、おまじないとか占いとか、そういうのを信じていますか?」
P「そうですね、運の良いときだけ信じちゃいます」
あずさ「まぁ、プロデューサーさんたら……ふふっ」
あずさ「どうしたんですか?」
P「いや、何ていうか自分が結婚しているイメージがわかなくて」
あずさ「プロデューサーさんは、結婚願望がないんですか?」
P「そういうわけじゃありませんよ。ただ……」
あずさ「ただ?」
P「今は、仕事に忙殺されて相手を探すことも出来ませんから」
Prr……Prr……
P「ほらねっ。はい、Pです。あっ、社長、先日の件についてですが……」
あずさ「……」
Pi……
P「よし、これで問題はなさそうだな」
P「すみません。話の途中で抜けちゃって」
あずさ「あのプロデューサーさん……プロデューサーさんはお仕事で忙しいですよね。だから、相手の方を探すのは」
P「そうですね。これから、みんなの人気が上がっていけば仕事も今以上に忙しくなって、探す時間が益々なくりますね」
あずさ「はい」
P「そうなると、やっぱり職場結婚しかないのかな……」
あずさ「え……っ!」
あずさ「あう……」
P「そうなると消去法で……事務員の音無さんか、同じプロデューサーの律子か」
P「う~ん、悩むな」
あずさ「そ、そんな……ダメですよ!」
P「えっ……あれ、俺、声に出てましたか?」
P「いや、違いますよ」
あずさ「ほっ……」
P「ただ、現実を見た場合にそれが一番可能性として高いっていう話ですよ」
P「歳が離れすぎているというわけでもなく、付き合うのに支障がない。それでいて、俺と既に交友関係もある」
P「そうなると、この二人になりますよね」
あずさ「……」
P「はい」
あずさ「プロデューサーさんは、それでいいんですか?」
P「ん……どういうことですか?」
あずさ「結婚って、その相手と一生を歩んでいく約束をすることですよ」
あずさ「嬉しいときも、辛いときも全部を分かち合うんです」
あずさ「そんな大切なパートナーを、そんな風に決めてしまっていいんですか?」
P「……」
P「俺の運命の人ですか……」
あずさ「はい、きっとその人はプロデューサーさんのことを待っているんです。プロデューサーさんが、自分のことを見つけてくれるって信じて……」
あずさ「だから、結婚相手をそんな風に決めないで下さい。それじゃあ、選ばれた人も選ばれなかった人もあまりにもかわいそうですよ」
P「あずささん……」
P「俺はただ、音無さんと律子を値踏みしているだけでした。そんな気持ちで結婚したって上手くいくわけない」
P「大事なのは、俺が相手のことをどう思っているかってことですよね」
あずさ「はい……」
P「ありがとうございます、あずささん」
あずさ「いいんですよ」
あずさ(たとえ、プロデューサーさんの運命の人が私じゃなくても……)
あずさ(私はプロデューサーさんのことが好きだから)
あずさ「私はプロデューサーさんに幸せになって欲しいだけですから……」
あずさ「プロデューサーさん……」
P「俺も、あずささんに幸せになって欲しいですよ」
P「あずささんにもいるんですか、運命の人?」
あずさ「はい。私、もう運命の人を見つけました」
P「へぇ……そうですか」ズキ
P(あれ、俺……いま)
あずさ「そうですね……その人はいつだって、私のために頑張ってくれる人で」
あずさ「私が道に迷って俯いてしまった時も、優しく手を差し伸べてくれたんです」
あずさ「手を握った時の、あの胸の高鳴りは今でもはっきりと覚えています」
あずさ「あぁ、この人が私の運命の人なんだなって感じました」
あずさ「悔しい……ですか?」
P「俺、自分で言うのもなんですがあずささんに一番近くにいる男だと思っていたんですよ」
P「でも、その人はあずささんにそれだけ思われているなんて……同じ男として悔しいですよ」
あずさ「プロデューサーさん……ふふっ」
P「な、なにが可笑しいんですか?」
あずさ「だって、プロデューサーさん……いえ、なんでもありません」
P「?」
あずさ「あら、時間みたいですね」
P「そうみたいですね。頑張ってきてください」
あずさ「はい、運命の人に気づいてもらえるように、はりきって行ってきます~」
P「あっ……」
P(行ってしまう、あずささんが……)
パシッ……
あずさ「えっ……」
P「あっ、すみません……」
あずさ「どうしたんですか?」
P「な、なんでもありません。それより、早く行ってあげてください……って、引き止めたのは俺でした」
あずさ「プロデューサーさん、大丈夫ですよ」
P「あずささん?」
あずさ「私、プロデューサーさんの元から離れていったりなんかしませんから」
羨ましすぎる
P(ホントに幸せそうだな……)
あずさ「……」
あずさ「……!」
P(あっ、こっちの視線に気づいた)
あずさ「……」ニコッ
P「……っ!」カァッ
あずさ「……」ニコニコ
P「運命の人……か」
P「もしかして、俺の運命の人って……」
P「……」ジッ
P「小指を見つめても赤い糸は見えないか……見えたらたどって、その人の元へ行くんだけどな」
あずさ「ホントですか。それなら、良かったです」
P「えぇ、見ているこっちも幸せになれそうな素敵な笑顔でしたよ」
あずさ「そんな……私……///」
P「ところで、あずささん」
あずさ「はい、なんでしょう?」
P「えっと……この後、お時間空いてますか?」
あずさ「えっ……それは」
P「い、いや……その一緒に夕飯なんてどうかなって」
P「ほ、ほら、俺達って仕事以外は基本的に関わりがないじゃないですか?」
P「だから、その……親睦を深めると言いますか、お互いにを知るというか」
P「あっ、いや、あずささんが嫌なら構いませんよ」
あずさ「ぷっ……」
P「あ、あずささん?」
あずさ「プロデューサーさん、慌てすぎです……くすっ」
あずさ「そうですね、ご一緒していいですか?」
P「もちろんですよ。誘ったのは俺なんですから」
あずさ「お店、期待していますね」
P「うっ……ハードルを上げないでくださいよ」
あずさ「大丈夫です。プロデューサーさんなら、きっと出来ますから」
P「そこまで期待されたなら、応えなきゃいけませんね」
P「どうですか?」
あずさ「とても素敵なお店です~。プロデューサーさん、ここにはよく来るんですか?」
P「いえ、たまに来る程度です。でも、お気に入りの店ですよ。料理も美味しいですから」
P「とりあえず、座りましょう……すみません、テーブル席で二人お願いします」
あずさ「何に乾杯しますか?」
P「そうですね……今日のあずさの仕事の出来に乾杯!」
あずさ「かんぱ~い……んっ」
あずさ「あっ、美味しい」
P「喜んでもらえて嬉しいですよ」
あずさ「プロデューサーさんは、プロデューサーをやる前もお仕事していたんですね」
P「あ、当たり前じゃないですか。働いて金を稼がないで、どう生活しろっていうんですか」
あずさ「主夫とかあるじゃないですか?」
P「養ってくれる相手がいませんよ……」
P「どういう意味ですか?」
あずさ「だって、プロデューサーさん、女の子の扱いがとっても上手ですから」
P「何か女好きって言われてるような気がするんですが」
あずさ「でも、事務所のみんなもプロデューサーさんのことを慕っていますよ」
あずさ「男の人に興味のなかった美希ちゃんまで慕っているくらいです」
あずさ「実際、どうなんですか? 今まで誰かとお付き合いしたことは……」
P「さて、どうだったかな……」
あずさ「むぅ……プロデューサーさん、はぐらかしちゃダメです」
P「そう言われてもですね……」
あずさ「私ですか」
P「そうですよ。あずささんだって、アイドル始める前があるんですから」
P「誰かと付き合いとかなかったんですか?」
あずさ「……ましたよ」
P「えっ……」
あずさ「お付き合いならありましたよ……」
あずさ「あっ、いや、付き合いって言っても1日だけの話なんです」
P「い、1日?」
あずさ「高校の頃に……先輩の方と一緒にデートへ行ったんです」
あずさ「その時の私、緊張して何も出来なかったんです……」
あずさ「でも、その日の終わりに別れようとって言われたんです」
P「……」
な!
先輩バカすぎるな
P「そうですね……確かに黙ったままの人と一緒にいても良い気分ではないですね」
あずさ「……っ!」
P「でも、それに関しては先輩が悪いと思いますけどね」
あずさ「えっ……」
P「だって、そうじゃないですか。あずささんが緊張しているんだったら、まずその緊張をほぐしてやらないと」
P「そう言ったケアもせずに、あずささんを振り回して……それでつまらないから別れようなんて身勝手な話ですよ」
P「別れてもらって正解ですよ。そういう人って、あずささんが好きなんじゃなくて、あずささんと付き合っている自分に酔っているだけですよ」
P「いるじゃないですか、他人に自分のものをひけらかして自慢したがる人。それと一緒ですよ」
P「俺なんて、あずささんと一緒にいるだけで嬉しいですよ」
あずさ「ぷ、プロデューサーさん!」
P「何か無性に腹が立ってきた。すいませーん、注文いいですか!?」
あずさ「……」
P「どうしたんですか?」
あずさ「プロデューサーさんって優しいなって思っただけですよ」
P「優しいですか?」
あずさ「そうですよ。今だって私のために怒ってくれましたから」
P「勝手に怒ってるだけですよ」
あずさ「私にとっては違うんです」
P「いえいえ、こちらこそ」
あずさ「でも、いいんですか。お支払……」
P「気にしないでください。これも男の甲斐性って奴です。まぁ、奢るのが当然なんて思われたら、それはそれで癪ですが」
あずさ「わ、私は……」
P「分かってますよ。あずささんは、そんな人じゃないです」
あずさ「私に……なんでしょう?」
P「楽しかったですか?」
あずさ「……はい、とても」
P「そうですか、俺も楽しかったですよ。あずささんの事を色々と知ることが出来て」
あずさ「プロデューサーさん……」
ギュッ……
P「んっ?」
あずさ「あっ……これは」
P「……まぁ、気持ちはわかりますよ。俺もやりましたし」
あずさ「……」
P「心配しないでください、俺はいつまでもあずささんのプロデューサーですよ」
P「あずささんの元から離れていったりなんかしません」
あずさ「だったら……私を……」
あずさ「私を家まで送ってください」
あずさ「プロデューサーさんの言葉が嘘じゃないって教えてください……」
P「……そうですね。元々、あずささんをこんな時間まで付き合わせてしまったのは俺ですから」
あずさ「プロデューサーさん!」
P「それに、こう暗いと道もわかりづらいです。あずささんが迷子になったら俺の責任ですもんね」
あずさ「……」
ギュッ……
P「あ、あずささん?」
あずさ「それなら……私が迷子にならないようにしっかり握っていてください」
P「あずささん……」
あずさ「絶対に離しちゃダメですよ?」
P「はい……」
あずさ「……」
P(あずささん、顔が整っていて……やっぱり綺麗だよな)
あずさ「……!」
P(やばっ、気づかれた)
あずさ「……///」
P「……///」
あずさ「……」
あずさ(プロデューサーさんの手……大きくて暖かい)
あずさ(もう少し、強く握ってもいいかしら……)
ギュッ……
P「……っ!」
あずさ「……」ドキドキ
P「……」
ギュッ……
あずさ「……!」
あずさ「……///」
あずさ(も、もうちょっと近づいても大丈夫よね)
あずさ「……」
P「……!」
P(あずささんがこんな近くに……あと腕に)
ムニッ……
P(これが765プロ最大の、あずささんの……)
あずさ「……///」
あずさ「は、はい……」
P「そ……それじゃあ」
あずさ「はい……」
P「……」
あずさ「……」
P「あの、あずささん……」
あずさ「はい……」
P「手、離してくれませんか?」
あずさ「……!」
あずさ「あ、あら嫌だ。私ったら……」
P「あずささんが頼んだんですよ……」
あずさ「ふふっ、そうでした……」
あずさ「あの、プロデューサーさん」
P「はい、なんですか?」
あずさ「いつか、また今日みたいに私を家まで送ってくれませんか」
P「えぇ、いいですよ。俺は、あずささんのプロデューサーですから、しっかりと送らさせていただきます」
あずさ「プロデューサーさん……」
あずさ「はい」
P「今週、俺とデートしましょう」
あずさ「え、えぇええっ! で、デートですか」
P「はい、デートです」
あずさ「でも……私……」
P「デートに対して、嫌な思い出があるのに俺はこうしてデートに誘う……まぁ、良いとは言えないですね」
あずさ「だったら……」
P「だったら、俺があずささんのデートの思い出を塗り替えちゃいます」
あずさ「塗り替える?」
P「そうです。俺、デートであずささんを楽しませるだけの自信ありますよ」
あずさ「プロデューサーさん……」
P「あずささんのデートに対する思い出を良いものにしましょう。だって……」
P「デートって本来は楽しいものでしょう?」
あずさ「はい……」
あずさ「ぷ、プロデューサーさん……」
P「なんですか……」
あずさ「あの……その……」
P「安心してくださいよ。俺は約束を守る男です。何なら指切りでもしますか?」
あずさ「え……」
P「ほら、あずささん。指出してください」
あずさ「は、はい……」
あずさ「嘘ついたら針千本の~ます、指きった」
P「これで心配ありませんね」
あずさ「はい……」
P「じゃあ、あずささん。おやすみなさい」
あずさ「はい、プロデューサーさんも……」
P「……」
P「やっぱり、赤い糸は見えないか……でも」
P「繋がっていた気はしたかな……俺の運命の人に」
あずさ「プロデューサーさんとデート……」
あずさ「ふふっ……」
あずさ「顔、緩んでいるの自分でもわかるわ……」
あずさ「でも、誰もいないから良いわよね……」
あずさ「ふふっ……」
P「あずささんを待たせちゃ悪いから、早めに家を出たつもりだけど」
あずさ「……」
P「何で迷わず来れ……じゃなかった、もう来てるんだ」
P「時間まで、まだ結構あるぞ……」
P「あずささ~ん」
あずさ「あっ、プロデューサーさん」
P「随分と早いですね……」
あずさ「いえ、私もさっき来たばかりですから」
P「んっ……あずささん。その荷物は?」
あずさ「あっ……これは」
P「持ちましょうか?」
あずさ「いえ、大丈夫です。そんなに重いものでもないので」
P「中身は……っと、詮索は余計ですね」
あずさ「後でわかりますよ」
P「そうですね、一応はプランは立てていますけど」
P「あずささんの希望があるなら、そちらを優先しますよ」
あずさ「いえ、大丈夫です。今日はプロデューサーさんにお任せします」
P「なるほど……」
あずさ「よろしくお願いします~」
P「任せてください。では……」
P「あずささん、お手を……」
あずさ「……」
あずさ「はい……プロデューサーさん」
あずさ「ネクタイですか?」
P「えぇ、そうです……仕事が忙しいせいで禄にオシャレをする時間もないですから」
P「せめて、仕事着でつけるネクタイくらいはオシャレしたいなって……」
あずさ「いけない人ですね、プロデューサーさん」
P「そう言わないでください」
あずさ「う~ん、そうですね。これなんか、どうでしょう?」
P「う~ん、俺はこっちの方が良いと思いますけど」
あずさ「でも、プロデューサーさん。こういう色のネクタイ、多くないですか?」
P「あぁ~、確かに言われてみればそうかもしれません。ついつい、偏っちゃうんですよね」
P「っていうか、よく知ってましたね」
あずさ「た……たまたまですよ」
あずさ(チェックしていたなんて言えないわ……)
あずさ「きっと似合いますよ」
P「そこら辺のあずささんのセンスは信用していますよ。あずささんの服装はオシャレですから」
あずさ「ちゃんと着けてきてくださいね」
P「えぇ、わかってますよ……持ち腐れにしたら、選んでくれたあずささんに失礼ですから」
P「あずささん、お昼はどこで……」
あずさ「それなら大丈夫ですよ」
P「何がですか?」
あずさ「ちゃんと用意してあるんですよ」
P「あっ……その荷物って」
あずさ「はい、お弁当です~」
あずさ「はい、プロデューサーさんに食べてほしくて」
P「ありがとうございます」
あずさ「ふふっ……お礼の言葉は、食べてから言ってください」
あずさ「風が気持ちいいですね」
P「えぇ、お昼を食べるには絶好ですね」
あずさ「プロデューサーさん、座ってください」
P「シートまで、用意いいですね」
あずさ「プロデューサーさん、そんな所に立っていないで座ってください」
P「おぉ……これはスゴいですね」
P「色とりどりで、盛り付けも綺麗
食べるのがもったいないです」
あずさ「それじゃあ、作った意味がありませんよ」
あずさ「はい、プロデューサーさん……箸ですよ」
P「ありがとうございます。それじゃあ、早速いただきます」
P「美味しいですよ、これ……」
P「んぐ……んっ」ガツガツ
あずさ「ぷ、プロデューサーさん、そんなにかき込んだら!」
P「ん……っ!」
P「んん~、んんぅううん~っ!」
あずさ「プロデューサーさん、お茶、お茶をどうぞ!」
P「んぐ、んぐ……ぷはっ!」
あずさ「もう、プロデューサーさん!」
P「す、すみません……」
あずさ「もっとゆっくり食べてくださいね、お弁当は逃げたりしませんから」
P「そうでした。こんなに美味しい弁当を早く食べ終わらしちゃうなんてもったいないですもんね」
ゴロン……
あずさ「プロデューサーさん。食べてすぐに寝ると牛になりますよ」
P「平気ですよ……ふぁ」
あずさ「眠いんですか?」
P「えぇ、少し……」
P「はい……」
ポンポン……
あずさ「その……どうぞ」
P「……」
P「良いんですか、膝の上?」
あずさ「別にいいですよ」
P「結構、寝ちゃうと思いますよ」
あずさ「私、待つのは得意ですから……」
P「……っと」
あずさ「どうでしょうか?」
P「ん……柔らかく気持ちいいですよ」
P「……」
P「ぐぅ……」
あずさ「おやすみなさい、プロデューサーさん」ナデナデ
あずさ「プロデューサーさんの寝顔……可愛い」
あずさ「……」ナデナデ
あずさ(今なら、何かしても起きないかしら……)
あずさ「だ、だったら……」
P「……」
あずさ「……」
あずさ「……」
あずさ「しちゃった……」
あずさ「私、プロデューサーさんにキスしちゃった」
あずさ「んっ……」
あずさ「……」
あずさ「さっきより長くやっちゃった……」
あずさ「えへへ……」フニャ
あずさ「あっ……おはようございます、プロデューサーさん」
P「……」
あずさ「プロデューサーさん?」
P「あっ、いや……目が覚めたら、あずささんの顔が目の前にありましたから」
P「見惚れていました……」
あずさ「プロデューサーさん……///」
P「あずささん、起こしてくれて良かったんですよ」
あずさ「起こすの悪いと思いましたから」
P「気にしなくていいんですよ」
あずさ「それなら、プロデューサーさんも気にしないでください」
P「それを言われたら何も言えませんね」
あずさ「ふふっ……」
P「……何か良いことあったんですか?」
あずさ「えぇ……とっても」
P「すみません、せっかくのデートだったのに。俺、寝てるだけでしたね」
あずさ「そんなことありませんよ~」
P「でも……」
あずさ「プロデューサーさんは、この間言ってくれましたね。私と一緒にいるだけで嬉しいって……」
P「はい」
あずさ「それは、私も同じ気持ちなんですよ……」
あずさ「私もプロデューサーさんと一緒にいる……それだけで」
あずさ「とても心が満たされていくんです……」
P「あずささん……」
P「あずささんも、俺に言ってくれましたね。俺に運命の人がいるって」
あずさ「はい……」
P「俺は……俺の運命の人、だいぶ待たせちゃっていたのかもしれません」
あずさ「プロデューサーさん……」
P「近すぎて、気づけなかった……でも今なら言えます」
P「あずささん……」
あずさ「はい……」
P「俺は、あずささんが、運命の人だって信じています」
P「だから、あずささん……俺と一緒に歩いてください!」
あずさ「……」ポロポロ
P「あっ、あずささん!?」
あずさ「嬉しい……」
P「あずささん……」
あずさ「私、ずっとその言葉を待っていたんですよ」
あずさ「だから、待っていようって決めたんです」
P「……」
あずさ「でも、やっぱり待っているだけって辛くて……」
あずさ「そういう考え方なら、プロデューサーさんが私を見つけてくれなかった時に傷付かないですむから……」
P「……」
ギュッ……
あずさ「プロデューサーさん……」
P「もういい、もういいんですよ、あずささん。俺はこうしてあずささんを見つけたんです」
P「すみません……待たせてしまって」
P「泣かないでください……」
あずさ「あっ……涙」
P「あずささんには、笑っていて欲しいんです」
P「あずささんが笑顔だと、俺も元気になれますから」
あずさ「プロデューサーさん……」
あずさ「何ですか……」
P「キスしていいですか?」
あずさ「……」
P「あの……あずささん」
あずさ「聞かなきゃしてくれないんですか?」
P「……」
あずさ「んっ……」
P「やっぱり綺麗ですね、ウエディングドレス」
あずさ「プロデューサーさん……」
P「今年もこの仕事が……というか去年より増えましたよね」
あずさ「嬉しいです~」
P「それだけ魅力的になったことですよ」
P「そうむくれないで下さいよ……」
P「一応、俺たちにも世間体ってやつがあるんです」
P「アイドルとプロデューサーっていうのは、本来は結ばれないんですから」
あずさ「プロデューサーさんなら、そんなこと」
P「気にします。そういうのって軽く見てると危険ですよ」
あずさ「はう……」
あずさ「えっ……」
P「あずささん、手を出してもらえますか?」
あずさ「はい」
P「あっ、右じゃないです。左手をお願いします」
あずさ「プロデューサーさん。これ……」
P「えぇ、給料3ヶ月分ってやつです」
あずさ「……」
P「宝石はその輝きは失うことがないって言います」
P「それと一緒で、俺のあずささんへの想いも変わらないものだと誓います」
あずさ「いえ、値段よりもプロデューサーさんの想いが込められているという所が嬉しいです」
あずさ「プロデューサーさん、私は幸せです」
P「俺も幸せです……」
P「だから、この幸せを守っていきたいです」
あずさ「プロデューサーさん……」
P「でも、俺一人じゃ難しいと思います」
P「だから、これからも隣で支えてくれませんか?」
あずさ「……」
あずさ「……」
はい、いつまでも隣にいさせてくださいね……あなた
fin
とても良かった
Entry ⇒ 2012.06.13 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
岡部「空から男が!」 ムスカ「私はムスカ大佐だ!」
それを送った途端周りの景色が歪み──
立っていられないほどの目眩
消えた人並み、パタリと止んだ雑踏
混乱して空を見上げれば
”それ”は浮かんでいた
いや、降りてきていた
時が歩むのを放棄したかのように
岡部「空から男が!」
ゴトッ
男「ウグッ・・・」
岡部「な、なんなのだこの男はっ!」
岡部(サングラス・・・首元にはスカーフ・・・そして・・・茶色のスーツ・・・だと?)
男「グ・・・ウゥ」
男「へぁっ!? ここは・・・ら、ラピュタは・・・ラピュタはどうした! どうなった!」
岡部「なぁにを言っている、おい貴様何者だ! なぜい──」
男「私はムスカ大佐だ! 政府の密命を受けてラピュタを調査中だったのだ!」
岡部「なにっ!?」
パカッ
岡部「俺だ! あぁ、ついに機関のエェイジェントに接触した! 奴は奇妙な力を持っている」
岡部「なに、心配するな・・・むざむざやられる俺ではない、分かっている、逃しはしないさ、必ず機関の陰謀を暴いてやる。 エル・プサイ・コングルゥ」
岡部「おい貴様ァ──」
岡部「って、あれ? いないではないか・・・」
ガチャリ
テレビ「秋葉原のラジオ会館に墜落した人工衛星についてはただいま調査中であり──」
岡部「ダル! 大変だ!」
テレビ「付近にも多数の瓦礫などが降ってきていて大変危険な状態となっているため──」
ダル「おー、オカリン! 今秋葉が大変なことになってるみたいすなー!」
テレビ「都は事態が収まるまで付近一帯を封鎖することを決定──」
岡部「さっきメールした通りだ!」
ダル「あぁ、あれっすか、牧瀬紅莉栖が何者かに刺されたとか」
岡部「違う! そうじゃない! ってそっちも大変だがそうじゃないんだ!」
岡部「空から男が降ってきた!」
ダル「はー? またそれっすか、妄想乙! っていうか空から男とか誰得、どうせなら女の子っしょ常考」
岡部「確かに見たんだよ! 俺は!」
ダル「オカリン・・・あなた疲れてるのよ、もういい休め・・・!」
岡部「ダルゥ!」
岡部「あれからずっと探しているがあの男は見つからない・・・」
岡部「やはりあれは幻覚か何かだったというのか?」
岡部「いやいや! あんなリアルな幻覚があってたまるか!」
岡部「@ちゃんで情報を探ってみるか」
1:最近ゲームがつまらない 32
2:全裸にされて放置食らった男だけど質問ある? 69
3:ジョン・タイターってどこいったんだよ 12
4:ID腹筋は正義、夏までにバキバキの体を手に入れろ 345
5:科学者だけど好きな人できたったwwww 8
6:本格的に夏が俺たちを殺しにかかってきてる件 265
岡部「あるワケないか・・・」 ボサボサ
岡部「ハッ! あ、あいつは!」
ムスカ「くそう・・・! ラピュタラピュタラピュタ!」
岡部「おい貴様ァ!」
岡部「貴様・・・この前のことを説明してもらおうか」
ムスカ「何のことかね」
岡部「とぼけるでない、俺は見たのだ! 確かに!」
岡部「貴様が空から落ちてくるのを!」
ムスカ「あれは飛行石の力。 石は持ち主を守り、いつの日にか天空の城ラピュタへ帰る時の道標となる」
ムスカ「私どもの機関はラピュタの調査を行なっていて──」
岡部「そんな・・・バカな・・・」
パカッ
岡部「俺だっ! 機関のエェイジェントに再び接触した!」
岡部「あぁ、奴はやはりとんでもない力を秘めていたようだ・・・」
岡部「そして何より、牙城ラピュタの存在が明らかになった」
ムスカ「なんだと?」
岡部「思った以上に事態は深刻・・・だが心配するな、今回も切り抜けてみせるさ」
岡部「エル・プサイ──」
岡部「コゾーではなぁぁい! 俺は鳳凰院凶真! 世界の支配構造の変革を望むものなり!」
ムスカ「なにぃ?」
ムスカ「言葉をつつしみたまえ! 君はラピュタ王の前にいるのだ!」
岡部「フハハァ! 面白い、貴様は今日からラボメンNo.009だ!」
ムスカ「ラボメン? 聞きなれない言葉だが」
岡部「ラボラトリーメンバーの略だ、貴様には我が研究所の一員となってもらい、我がラボに尽くしてもらう!」
ムスカ「ラピュタ王を使役するなど愚かしいにも程がある。どけ! 小僧にかまってる暇などない!」
岡部「フゥーッハッハッハ! 面白い男どぅあ、気に入ったァ!」
まゆり「オカリントゥットゥルー」
ムスカ「」
岡部「む、まゆりか」
岡部「機関のエェイジェントだ、今ラボへの勧誘を行なっている!」
まゆり「わわー、新しいラボメンさんー?」
まゆり「はじめましてー、ラボメンNo.002、椎名まゆりでーす」
ムスカ「・・・素晴らしい」
岡部/まゆり「ん?」
ムスカ「古文書にあった通りだ! この娘こそ聖なる娘だ!」
ムスカ「小僧! さっきの話、詳しく聞かせてもらおう」
岡部「だから小僧ではなぁぁい!」
ガチャリ
岡部「諸君! 話を聞けぃ!」
まゆり「ダル君、クリスちゃん、トゥットゥルー」
紅莉栖「はろー」
ダル「おぉ、まゆ氏にオカリン・・・ってその人はだれぞ?」
紅莉栖「あら、初めまして、牧瀬紅莉栖です」
岡部「機関のエェイジェントだ。だが改心しラボメンNo.009として──」
ムスカ「お静かに!」
ムスカ「私はムスカ大佐だ、政府の命によりラピュタの調査を行なっている」
ダル「は?」 紅莉栖「え?」
ムスカ「ラピュタ王として君臨し世界を支配するつもりだったが気が変わった」
ムスカ「チンケな研究所だが私の力を貸してやろう!」
岡部「なっ、チンケだとぉ!」
ダル「いや、僕も今初めて見たお・・・類友ってやつ?」 ヒソヒソ
ムスカ「もちろん、私が政府の密命を受けていることもお忘れなく」
岡部「ちなみにニーズヘッグ・ストーンの魔力により飛行能力を有している!」
紅莉栖「はぁ・・・なんだか岡部がもう一人増えたみたい」
ムスカ「このムスカ大佐が来たからにはこのラボの繁栄は約束されたようなものだ」
岡部「見ろこの溢れでるメァーッドを! このやる気を!」
岡部「これこそ我がラボに必要な存在! まさにシュタインズゲートの選択!」
ムスカ「期待してくれたまえ、はっはっはっはっは」
岡部「フゥーッハッハッハ!!」
ムスカ「はっはっはっはっは」
ムスカ「まゆり君、何を作っているのかな?」
まゆり「今度のコミマ用のコスだよー」
ムスカ「コス?」
まゆり「色んなお洋服着てポーズ決めたりするんだー」
ムスカ「ふむ、まゆり君は綺麗な服を着るのが好きなんだね」
まゆり「ちがうよー、まゆしぃは作るのせんも──あれれー、どっか行っちゃった」
ムスカ「来たまえ、ぜひ見てもらいたいものがあるんだ」
まゆり「んんー? わわー、お洋服がいっぱいだー」
ムスカ「君にプレゼントだ、気に入っていただけたかな?」
まゆり「で、でもぉ・・・」
ムスカ「流行りの服は嫌いですか?」
岡部「や、やめろっ! そんなことをしたら秋葉が・・・! 秋葉が血の海になるぞ!」
ムスカ「旧約聖書にあるソドムとゴモラを滅ぼした天の火だよ」
岡部「貴様というやつはぁぁぁ!」
ピッカー ガシャーン
ダル「雷厨乙、そんなん当たるわけないっしょ」 ガスッ ビカァァー \ キラーン /
ムスカ「なっ! ラーマヤーナではインドラの矢とも伝えられているラピュタの雷鎚が!」
紅莉栖「スマブラでブツブツ厨二病発言・・・なんかもう岡部そっくりですね」
岡部「おいクリスティーナ。俺をこんな厨二病と一緒にするでない」
ボシュウゥゥ
ムスカ「くそ~! スネーク何をしている!! 煙幕か!!」
ダル「オカリンの厨二病についていけるとかマジパネェッス」
ムスカ「終点とは上出来じゃないか!! ここへ来い!!」
紅莉栖「はぁ・・・ある意味岡部以上かも」
ダル「オーキードーキー、unk準備だお」
ムスカ「一人では戦えないというのかね、全く君というやつは」
グギャー ギャー
紅莉栖「あぁもうあっちいったりこっちいったり! おとなしくしててよね!」
ムスカ「立てクルペッコ亜種! 鬼ごっこは終わりだ!!」
グェッ グェッ グェッ グェッ グェッ
\ ピカーン /
ムスカ「あーがぁー!! 目がぁ、目がぁー!!」
紅莉栖「・・・静かにして欲しいんですけど」
岡部「フゥーハハハ! 狂気のメァーッドハントゥアー鳳凰院凶真ここに颯爽と登場せりっ!」
ムスカ「目がぁー! あーーー! あー!」
紅莉栖「また五月蝿いのがきた」 ガクッ
ムスカ「この体が金属なのか年度なのか、それすら我々の科学力では分からないのだ」
まゆり「んんー?」
ムスカ「・・・何だこれは! 木の根がこんな所まで・・・一段落したら全て焼き払ってやる」
ムスカ「ここもか、あっ、くそー!」
ムスカ「あった! おー・・・見たまえ、この巨大なライフエネルギーを」 ドヤァ
ムスカ「今からこれを──」 ティウンティウンティウンティウンティウンティウン
まゆり「あー、針に落っこちちゃったねー」
ムスカ「・・・」
岡部「では次は俺の番だな、コントローラーをよこせぃ!」 パッ
ムスカ「何をする! くそー! 返したまえ、いい子だから! さあ!」
岡部「こと・わる!」
ムスカ「まだか! 早くしろ!」
ムスカ「はっはっは」 シャー
ムスカ「はっはっは」 カサッ カサッ
ムスカ「はっはっは」 トポポポポポポ
ムスカ「はっはっは・・・」
ムスカ「3分間待ってやる!」
紅莉栖「カップラーメンくらい静かに作れないんですかあなたは」
ムスカ「安心したまえクリスティーナ君、ちゃんと君の分も作っている」 ピリリッ
紅莉栖「あ、ありがとうござ──じゃなくて、あなたまでティーナって付けないでください!」 シャー カサッカサッ
ムスカ「次はお湯だ!」 トポポポポポポ
紅莉栖「だめだこいつ、早く何とかしないと」
岡部「フゥーッハッハッハ! 見ろ人がゴミのようだ!」
ムスカ「ほう? あっはっは! 人がゴミのようだ! はっはっはっは!」
ダル「ちょ、まじあの二人シンクロしすぎ」
ムスカ「素晴らしい! 700年もの間、王の帰りを待っていたのだ!」
フェイリス「ニャフフ、凶真もムーニャンも高い所がお好きみたいだニャ」
ダル「いや、あれはただ単に厨二病が感染しあってる状態だと思われ」
ムスカ「岡部君、君を誤解していた、許してくれたまえ、君は実に話が分かる男だ」
岡部「おぉかべではなぁい! 俺の真名は、鳳凰院凶真だと何度いえば──」
ムスカ「私も古い秘密の名前を持っているんだよ、岡部君」
ムスカ「私の名前は、ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ」
岡部「長い、却下だ!」
ムスカ「へぁっ!?」
ガチャリ
鈴羽「ちーっす」
ムスカ「なんだ君は。ここから先はラボメンしか入れない聖域なのだ」
鈴羽「え? えーっと・・・あたしもラボメンなんだけど」
ムスカ「これは失礼、入りたまえ」
鈴羽「あたしは阿万音鈴羽、よろしくね?」
ムスカ「私はムスカ大佐だ」
鈴羽「む、ムスカ大佐ぁ!?」
ムスカ「さあ、何をためらうのです、中へお進み下さい」
鈴羽「う、うん」
岡部「みなのもの、宴であーる!!」
まゆり「わーい、お祝いお祝いー」
ダル「ピザうまっ、はふっあつっ!」
ムスカ「今日のために私の好物である赤ワインとカマンベールチーズを用意させて頂いた」
鈴羽「へぇー、美味しそうじゃん!」
ムスカ「はっはっはっはっは、諸君、思う存分味わいたまえ」
紅莉栖「ちょ、私たちは未成年だ!」
岡部「うおっほん・・・ムスカよ、粋な計らいではあるが助手の言うとおりだ」
ムスカ「脅えることはない、紳士の嗜みというやつだよ、さ、まゆり君、ついであげよう」 トポポッ
岡部「えぇーい! 堂々と飲まそうとするなっ!」
マキセクリスノバカー
チョーット ワタシガナニシタッテイウノヨー
ケンカハヤメタマエ
チョ マキセシモアマネシモ オサエテオサエテ
岡部「フッ・・・」
まゆり「ねーねー、オカリン・・・どうしたの?」
岡部「なんでもない、まゆりこそどうした?」
まゆり「なんだか不思議だね、春の頃はオカリンとっても寂しそうだったのに」
岡部「えっ・・・?」
まゆり「ラボはいつも静かで、オカリンのパソコンの音しか聞こえなくて」
まゆり「それが今では ダル君、クリスちゃん、るかちゃん、鈴さん、萌郁さんフェリスちゃん、ブラウン店長さんに綯ちゃん、後ムスカさん」
まゆり「もう大丈夫だね、まゆしぃが人質じゃなくても」
テレビ「爆破の予告があったため、現在運転を見合わせているのは次の路線です──」
一同「えっ」
ムスカ「爆破予告とは・・・せっかくの宴に水をさしてくれたな、品の無いことをしてくれる」
鈴羽「橋田至! ・・・SERNへのハッキングはどうなってるの!?」
ダル「えっ? SERNと直接回線でつながってるお?」
鈴羽「──! みんな! いますぐ・・・!」
鈴羽「・・・ごめん、あたし帰る」
ガチャリ バタン
紅莉栖「なんなの? 彼女」
ダル「ちょ、一体どうしたん?」
ムスカ「これからが楽しい時間だというのに」
まゆり「鈴さーん、途中で帰っちゃうなんて酷いよぉ」
思い浮かんだのは二通の脅迫メール
胸騒ぎ──
紅莉栖「ねぇ岡部? あんた顔色悪いけど──」
バタン ダダダダダダダ カチャカチャカチャ
男A「動くな!」
男B「全員両手をあげろ!」
岡部「え・・・」
コツッ コツッ コツッ コツッ
岡部「お、お前は・・・」
まゆり「萌郁・・・さん?」
萌郁「タイムマシンはSERNが回収する」
紅莉栖「SERN!? どういうこと!?」
萌郁「岡部倫太郎、牧瀬紅莉栖、橋田至、三名は一緒に来てもらう」
萌郁「必要・・・ない・・・」
萌郁「FBFBFBFBFBFBのため・・・」
萌郁「」
萌郁「FBの・・・」
パーン
乾いた銃声
女の手から舞い上がる黒い物体
誰もがその物体から目を離せないでいた
ただ一人を除き
それが銃だと分かる前に──
パーン
男A「ぐぁ!」
ムスカ「あっはっは、私と戦うつもりか」
萌郁「こ、殺せ!」
ガチャ
ガスッゴスッ
男B「ごはっ」
ムスカ「おや? これはこれは天は我らに味方してるのかね?」
ムスカ「これは僅かだが心ばかりのお礼だ、とっておきたまえ」
パーン
男C「がはっ」
岡部「モアッド・スネーク!」 ボシュウウウウウ
シュウウウウ
男D「くそ!」 ダダダダ
男E「く! なんもみえねえ!」
萌郁「殺せ! 殺せぇー!」
ムスカ「逃げるぞ、まゆり君」 ガシッ
まゆり「え? あ、ちょっと──」
ムスカ「バカどもにはちょうどいい目くらましだ」
岡部「ダル! 紅莉栖! お前らも早く!」
岡部「はぁ・・・はぁ・・・ま、待ってくれ」
まゆり「オカリーン・・・大丈夫? 怪我はない?」
岡部「俺は大丈夫だ、まゆりこそ大丈夫か?」
まゆり「まゆしぃなら大丈夫・・・ダル君たち大丈夫かなぁ・・・」
ムスカ「はぐれてしまったものは仕方がない、急ぎたまえ、追手が来るかもしれん」
岡部「なんなんだよあいつら・・・鈴羽も一体・・・」
ムスカ「携帯で連絡を取ろう、私は橋田君に、まゆり君は紅莉栖君、岡部君は阿万音君にかけてくれたまえ」
ムスカ「もっとも、電話に出られる状況であればいいがな」
岡部「くっ・・・!」
ピッピッ
岡部「出てくれ・・・!」
──「な、なんとか・・・阿万音氏とムスカ氏がいなかったら今頃みんちだお・・・」
まゆり「クリスちゃん! 大丈夫!? ねえどこにいるの?」
──「分からない・・・闇雲に逃げてきたから・・・ねえまゆりは大丈夫なの? 岡部は!? 皆は!?」
──「岡部倫太郎! 大丈夫だった!?」
岡部「鈴羽! 無事だったか!」
ムスカ「どうやら皆生きているようだな、携帯をスピーカーモードに切り替え情報を共有するぞ」
ピッ
ムスカ「私はムスカ大佐だ、謎の集団によりラボが強襲された、緊急事態につき私が臨時に指揮をとる」
ムスカ「集団は我々を狙っている、姿を表した瞬間を仕留めろ」
──「ちょっと・・・そんな無茶言わないでよ・・・」
──「詳しく説明すると長くなる、あいつらはラウンダー、SERNの手先だよ」
──「あ、阿万音氏・・・。 あいつらだ。 追手がきたお・・・」 ヒソヒソ
──「ゴメン、後で説明する! 橋田至、逃げるよ!」
ツーツー
岡部「あ、おい!」
──「ねえ、岡部たちどこにいるの? 一人じゃ心細いよ・・・」
ムスカ「○○小の近くだ、しかし我々と合流するより君は警察に行ったほうがいい」
ムスカ「いや待て、やはり御茶ノ水のホテルに戻りたまえ」
──「で、でも・・・じゃあ岡部達は・・・?」
岡部「俺達もなんとか逃げ切ってみせる、紅莉栖も早く逃げてくれ」
──「分かった・・・無茶だけはしないでね?」
ピッ
まゆり「ねえねえ、警察に行ったほうがいいんじゃないかなぁ・・・」
岡部「そんな・・・・・・いや! それよりなんでSERNにバレたんだ!」
ムスカ「橋田君が不用意に打った暗号を解読されたのでは?」
岡部「それは無いはず・・・ダルもハッキングがバレるようなヘマはしてないと・・・」
ムスカ「・・・ともかく、これを」 カチャ
岡部「じゅ、銃・・・っていうか、お前も何者なんだよ・・・」
ムスカ「私はムスカ大佐であり、ラピュタ王として君臨する男だ」
ムスカ「正確にはラピュタ王として君臨するはずだった、だがな」
まゆり「ねぇねぇ、まゆしぃ達どうなっちゃうの・・・?」
岡部「心配するなまゆり、お前は俺が命に変えても守ってやる!」
ムスカ「言葉を慎みたまえ、今は逃げることに集中した方がいい」
岡部「でも逃げると言ったってどこへ・・・」
岡部(柳林神社に匿ってもらうか?)
岡部(駄目だ! そんなことをしたらるか子まで巻き込むことになる!)
ラウンダーA「いたぞ! こっちだ」
ムスカ「くそ、見つかったか、逃げるぞ」
パーン パーン
ラウンダーA「うがっ!」
ラウンダーB「相手は発砲してきている! 殺しても構わん!」
岡部「くそっ! まゆりっ手を離すなよ!?」 ガシッ タタタタタ
まゆり「あっ」 タタタタタ
ムスカ「急げ!」
ダァン
パーン
パーン
ラウンダーC「グッ!」
ジュウセイ!?
エ、チョ、ナニ? エイガノサツエイ?
ザワザワ
岡部「おいムスカ! ここは人通りがある! 銃は駄目だ!」 タタタタタ
ムスカ「ちっ、仕方ない」 タタタタタ
まゆり「クリスちゃんとダル君・・・鈴さん・・・大丈夫かなぁ・・・」 タタタタ
ムスカ「今は自分の身の安全だけを考えたまえ」 タタタタタ
まゆり「オカリーン、大丈夫・・・?」
岡部「久しぶりに走ったから・・・はぁ・・・息が上がった・・・はぁ・・・だけだ」
ムスカ「撒いたようだな、人ごみに紛れてやり過ごすぞ」
ザワザワ
岡部「これからどうする・・・どこに逃げるんだ」
ムスカ「私は秋葉に詳しいわけではない、君たちに任せるしか無い」
まゆり「電車で遠くに逃げるのはどうかなぁ・・・?」
岡部「そ、そうだ! 電車で都内を出れば奴らも簡単には──」
ムスカ「待ちたまえ、先ほどの爆破テロ予告のせいで電車は止まっているはずだ」
岡部「──! そうだった・・・まさか爆破予告もあいつらの・・・」
ムスカ「かもしれんな」
岡部「ならばどこに逃げれば・・・」
岡部「この分では地下鉄にも奴らの包囲網が──」
カチャ
ラウンダーD「岡部倫太郎だな、黙って付いてこい、声を出したら撃つ」 ヒソヒソ
岡部(く、くそ・・・!)
ムスカ「どうした岡部君」
まゆり「オカリーン?」
男「おおい! 何立ち止まってんだよ!」 ガスッ
ラウンダーD「うぐっ」
岡部「逃げるぞまゆり! ムスカ!」 ガシッ ガシッ タタタタタ
まゆり「オ、オカリーン!?」
ムスカ「ま、待ちたまえ!」
岡部「あの雑居ビルに入ってやり過ごそう!」
──「いや、いない! だがここらへんにいるはずだ! 探せ!」
ヒョコッ
ムスカ「思った以上に敵さんの鼻は利くようだな」
岡部「まだうろついてるのか」
ムスカ「どうやらこの辺りに潜んでいると思われてるみたいだ」
まゆり「オカリン・・・ムスカさん・・・あのね・・・?」
まゆり「まゆしぃが足手まといになっちゃったら、その時は逃げてね?」
岡部/ムスカ「バカを言うな」
ムスカ「私をあまり怒らせない方がいいぞ! 当分三人で行動するのだからな」
岡部「そうだぞまゆり、俺達がお前を置いて逃げるなんて・・・そんなこと、絶対にありえない」
まゆり「そっかぁ・・・ごめんね二人とも。変なこと言っちゃって。まゆしぃも頑張らなきゃ、だよね」
──「分かった!」
ムスカ「まずい、こっちに来る」
岡部「えっ!?」
ムスカ「階段を登るぞ、隠れる所を探す」
カツカツカツ
カツカツカツ
カツカツカツ
ビュウウウウ
まゆり「屋上・・・まで来ちゃったね」
ムスカ「ろくに隠れるところもないとはな」
ラウンダーD「いたぞ!」
岡部「──!」
ラウンダーE「捕らえろ! もし抵抗するようなら殺しても構わんとの命令だ!」
ムスカ「食い止めろ!! まゆり君は床に伏せていたまえ!!」
パーン パーン
ラウンダーB「撃ってきてい─うがっ!」
ダーンダーン
岡部「く、くそぉぉぉ」
パーンパーンパーンパーン
ラウンダーD「うっ!」
ダーン
ムスカ「私の腕を舐めてもらっては困る」
パーン
ラウンダーE「がはっ!」
まゆり「オ、オカリーン・・・」
ダァン
まゆり「わわー!」
ムスカ「ラウンダーの残りだ、もう一匹隠れているぞ」
岡部「くっそぉ!」
パーン ダァン
ムスカ「」
パーン
──「くっ・・・」
カランカラン
シーン
ムスカ「ラウンダー出てこい! でないと目玉をくり抜くぞ!」
岡部「ラウンダーめぇぇぇ!」 ググッ
ムスカ「撃つな捕らえろ!!」
岡部「くっ」
ムスカ「これはこれは桐生萌郁ではないか」
萌郁「・・・」
岡部「桐生・・・萌郁・・・」
まゆり「萌郁さん・・・」
岡部「なぜだ! なぜ俺達を付け狙う!」
ムスカ「言え小娘!」
萌郁「・・・理由は3つ」
萌郁「ひとつ。君たちは知ってはいけないことを知った」
萌郁「ふたつ。タイムマシーンを作り上げた」
萌郁「みっつ。世間に公表しようとした」
タタタタタタタタタタ
ラウンダーFがあらわれた!
ラウンダーGがあらわれた!
ラウンダーHがあらわれた!
ラウンダーIがあらわれた!
ラウンダーJがあらわれた!
カチャ カチャ チャキ
まゆり「ひぅっ・・・」
岡部「くそ・・・」
萌郁「これ以上抵抗するなら・・・容赦はしない・・・」
ムスカ「相手は自動小銃、こちらは弾も少ない、負けだな」
ダル「ひぃっ・・・ひぃっ・・・ふぅっ・・・」
鈴羽「ちょっとぉ、頑張ってよ橋田至!」
ダル「あ、阿万音氏と違って僕はぁっ・・・体力がはぁっ・・・ないんだお・・・」
ラウンダーK「いたぞ! 橋田至と女だ! 一緒にいる!」
ラウンダーL「橋田至は捕らえろとのことだ、女は殺せ!」
鈴羽「見つかっちゃったみたいだよ」
ダル「え、ええー・・・? もうだめぽ・・・」
鈴羽「・・・分かった、橋田至はどこかに隠れてて!」
ダル「え、ちょ、阿万音氏? 阿万音氏ぃ!?」
ラウンダーK「うおっ!?」
ラウンダーL「速いぃ!?」
ダァン ダァン
鈴羽「そんなの!」
鈴羽「当たらないよっ!」
ゴッ
ラウンダーK「ぐぇっ」
鈴羽「はっ!」
ドォッ ガシャアン
ラウンダーK「」
ラウンダーL「こいつっ!」
ダァンダァンダァン
ゴシャッ
ラウンダーL「ぬわーーっっ!!」
鈴羽「止めっ!」
コキャッ
ラウンダーL「」
鈴羽「ふうっ、ざっとこんなもんかな」
鈴羽「さて、と。もう大丈夫だよ橋田い──」
ゴッ
男「おーおー、また派手にやらかしやがって」
鈴羽「げほっ・・・げほぉっ・・・!」
鈴羽「・・・そんっ・・・なっ・・・」
ガスッ
鈴羽「あうっ・・・!」
男「修羅場くぐってきてるみてーだけどよ、油断はだめだぜぇ? バイトォ」
ピッ
天王寺「えぇ、牧瀬紅莉栖、橋田至の両名は捕らえました。タイムリープマシンも確保しました。えぇ」
天王寺「・・・謎の女・・・ですか? えぇ・・・いえ、こいつはもう一人のターゲットを捕らえるための餌に使おうかと」
天王寺「えぇ、分かりました」
天王寺「──という訳だバイト、おめーにゃこれから──」
天王寺「って、どこ行きやがった、あいつ」
天王寺「おいおい、まだ動けたのかよ・・・」
ムスカ「相手は自動小銃、こちらは弾も少ない、負けだな」
萌郁「・・・岡部倫太郎・・・こっちに来て」
岡部「くっ・・・」
岡部(こいつらはまゆりとムスカを殺す気だ!)
岡部(しかし俺が行かなくてもいずれは・・・)
ムスカ「まゆり君、岡部君、私が”降参”と合図したら屋上から飛び降りろ」 ヒソヒソ
まゆり「えぇー・・・?」 ヒソヒソ
岡部「そ、そんな・・・ここは5階だぞ」 ヒソヒソ
萌郁「・・・早く、こっちに」
岡部「何か策があるのだな」 ヒソヒソ
ムスカ「分かった、認めよう」
カランカラン
ムスカ「”降参”だ」
岡部「まゆり! 捕まれ!」 ガシッ
まゆり「わわ──」
萌郁「──!」
岡部「うおおおお!」
ムスカ「あっはっはっはっは!」
バッ
トビオリヤガッタ!
岡部(くぅうう・・・!!)
まゆり(オ、オカリン!!)
ムスカ(飛行石よ! その力を示したまえ!) グッ
バシュウウウウウ
岡部「こ、これは・・・」
まゆり「う、浮かんでるー!」
ムスカ「前にも説明しただろう、石は持ち主を守る、と」
ウ、ウイテヤガル
ストッ ストッ ストッ
ナニシテル ウテー! オイカケロ!
ムスカ「急ぐぞ、すぐに奴らが降りてくる」
岡部「あ、あぁ・・・」
ブーブー
岡部「着信・・・鈴羽からだ!」
──「岡部倫太郎!」
岡部「鈴羽! 無事か!?」
──「あたしは大丈夫、それより聞いて!」
──「ゴメン! 橋田至が捕まった! 後・・・多分牧瀬紅莉栖も」
岡部「な、なんだと」
──「それとタイムリープマシンも取られたみたい」
岡部「くっ! タイムリープマシンがっ!?」
──「落ち着いて聞いて、あたしは──くっ・・・追手が!」
岡部「鈴羽ァ!」
──「お願い! 今すぐラジ館の屋上に行って」
──「そしてタイムマシンの中に──ウッ!」
鈴羽「た、タイムマシン!? お前何言って──!」
──カターン カラカラカラ
岡部「おい鈴羽! 鈴羽ァ!」
岡部「くそ・・・鈴羽・・・! 携帯落としたのか・・・!?」
まゆり「オカリーン、鈴さんどうしちゃったの?」 ジワッ
岡部「未来を変えるって・・・どういうことだ?」
ムスカ「彼女は何を言ってたんだね、事態は思わしくないようだが」
岡部「ラジ館にタイムマシンとか・・・未来を変えるとか・・・」
ムスカ「・・・罠だとしたらどうする? 彼女は明らかに何かを知っている」
岡部「馬鹿な! それなら最初の襲撃の時に俺たちを助ける意味はないじゃないか!」
岡部「俺はラボメンを信じ──」 ハッ
岡部(・・・桐生・・・萌郁)
岡部「鈴羽は・・・鈴羽は命がけで俺たちを守ってくれた」
岡部「そして今も必死に何かを俺に伝えようと・・・」
岡部「俺は鈴羽を信じる!」
ムスカ「君は人がよすぎる、岡部君の悪いクセだ」
岡部「それにダルと紅莉栖も捕まったらしい、放ってはおけない!」
まゆり「ダ、ダル君とクリスちゃんが?」 ジワッ
岡部「行くぞ! ラジ館屋上だ!」
ムスカ「・・・分かった、私が先導する、付いてきたまえ」
ムスカ「お前達はここで待て」
キョロキョロ
ヒョイッ ヒョイッ
ガチャリ
ムスカ「来い」
カツカツカツ
カツカツカツ
カツカツカツ
カツカツカツ
~ラジ館屋上~
岡部「人はいないみたいだな」
まゆり「鈴さん・・・大丈夫かなぁ」
ムスカ「油断はするな」
岡部「これ・・・タイムマシンだったのか・・・」
ムスカ「ともかく、中を確認するんだ」
岡部「あ、あぁ・・・確かハッチの横にスイッチが」
パカッ
岡部(あ、あった、ホントにあった!)
ガァン! ガァン!
まゆり「ひぅっ・・・」
岡部「!?」
ムスカ「まずい、もう追手か・・・岡部君、急ぎたまえ! ドアが持たない!」
岡部「え、えーっと、パスワード!?」
岡部「・・・そんなの聞いてないぞ!!」
ガァン! ガァン! ガァン!
ムスカ「まだか、早くしろ!!」
岡部「パスワードがわからないんだよ!」
ガァァン! ガランガラン
ムスカ「くそ、破られたか」
男「カギなんて掛けやがって、もう逃げられねぇぞおい」
岡部「そ・・・そんな、なぜあなたがここにいる!」
男「よぉ岡部、もう抵抗すんなよ? おめーらの仲間はもう捕まってる」
まゆり「そ、そんな・・・ブラウン・・・店長さん?」
岡部「まさか・・・」
天王寺「タイムリープマシンもSERNが回収した、後はおめーだけだ岡部」
岡部「まさかあなたがSERNの犬だったとはな!」
天王寺「あ? おめーに何が分かる」
まゆり「じゅ、銃・・・」
岡部「殺させない! まゆりは俺が! 殺させない!」
岡部「うわあああああ!」
天王寺「ちっ」
ゴスッ
岡部「ぐっ・・・!」
まゆり「オカリン!」
ガッ
ズサァ
岡部「」
天王寺「おっと、力入りすぎちまったな、生きてっか?」
チャキッ
ムスカ「彼なら安心したまえ、あの石頭は私のより頑丈だよ」
天王寺「てめえ・・・」
まゆり「オカリン! 大丈夫!?」
岡部「う・・・ぐ・・・だ、大丈夫だ・・・」
天王寺「ったくよぉ、うちのバイトといい、なんだってんだよおめーら」
天王寺「M4」
ダァン
ムスカ「へぁっ!?」
萌郁「・・・」
岡部「桐生・・・萌郁・・・!!」
ムスカ「ぐはぁっ・・・!」
岡部「く・・・そぉ!」 チャキッ
天王寺「やらせるかよ!」
まゆり「ダメ! オカリン!」
パーン
まゆり「お・・・かり・・・」
岡部「まゆり・・・なんだよこれ・・・」
岡部「なんだよこれぇぇぇっ!」
天王寺「ったく、手こずらせやがって」
天王寺「おい岡部、これ以上の抵抗はむい──」
ガスッ
萌郁「ぐっ!」
天王寺「M4!?」
鈴羽「パスワードはOSHMAM!!」
岡部「!?」
天王寺「てめえバイトォ!」
鈴羽「早く! 岡部倫太郎!」
天王寺「ちっ!」
鈴羽「させない!」
ガッ ガスッ
天王寺「ぐぁっ!」
プシュー
岡部「開いた!」
岡部「これが・・・タイムマシン! ハッ!」
岡部「これは・・・電話レンジ? いや・・・似てるけど少し違う」
岡部(やっぱりタイムリープマシンだっていうのか!?)
──「早く!」
ムスカ「・・・飛ぶ気か?」
岡部「ムスカ! 生きてたのか!」
ムスカ「・・・君にまゆり君が救えるかね」
岡部「こういう言葉がある”飛ばねぇ豚は、ただの豚だ”と」
バチバチバチバチ
岡部(まゆりは必ず・・・助けるっ!)
岡部「とぉべよぉぉぉぉぉぉ!!」
ブゥゥゥゥゥン
鈴羽の正体は分からない
しかし俺達の味方であることは確かなようだ
まずはあいつから話を聞かなくては
タイムマシンについて、鈴羽の正体について
SERNがラボを襲う前に・・・
まゆりが殺される前に・・・
~ラボ~
岡部「はうぁっ!」
紅莉栖「岡部・・・どうしたの? 変な声出しちゃって」
ムスカ「君のアホづらには心底うんざりさせられる」
ダル「ちょ、ムスカ氏毒舌すぎワロタ」
岡部「三人とも、今すぐラボから離れるんだ!」
紅莉栖「え、ちょ」
ムスカ「どこへ行こうというのかね!?」
岡部「いいから離れるんだ!」
岡部(電話もつながらない・・・! くそっ!)
岡部(どこにもいない・・・後数時間でラボが襲われるっていうのに!)
紅莉栖「こんなところで何してる?」
岡部「紅莉栖・・・ムスカ・・・」
紅莉栖「ちょ、初めて名前を呼んだな」
紅莉栖「聞かせろ、何があった? ──いや、何が起きる?」
岡部「えっ」
ムスカ「電話を取った直後の君の様子がおかしかったのでね、紅莉栖君と話しあった結果、こう推測した」
紅莉栖/ムスカ「未来からタイムリープしてきた、と」
ムスカ「ならばさっさと逃げればいいものを」
岡部「だめだ! どこへ逃げようとあいつらは追ってくる!」
岡部「電車も止められた・・・逃げ場はない・・・」
ムスカ「岡部君、君を誤解していた、許してくれたまえ」
ムスカ「君がまゆり君を守るために奮戦してくれたとは知らなかったんだ」
紅莉栖「じゃあ今からでもタイムリープすれば・・・」
鈴羽「それじゃあ未来は変わらない」
岡部「鈴羽! お前今までどこに!」
鈴羽「ゴメンね、話を聞くつもりはなかったんだけど・・・」
鈴羽「きっとあたしのせいだ、あたしが甘えてたせいで・・・」
岡部「鈴羽、一体お前は何者なんだ・・・」
鈴羽「あたしはジョンタイター、2036年から来たタイムトラベラーだよ」
Ω ΩΩ<な、なんだってー
鈴羽「2036年ではSERNが支配するディストピアが構築されている」
鈴羽「そんな未来を変えるためにあたしはタイムトラベルしたんだ」
鈴羽「ちなみに岡部倫太郎とムスカ大佐はテロリストとして有名」
岡部/ムスカ「なんだと!」
鈴羽「岡部倫太郎とムスカ大佐は飛行石の力を使用して空中要塞ラピュタを作り上げた」
鈴羽「レーダーにも観測されず、燃料も要らない、SERNですら容易に手を出せなかったみたいだね」
鈴羽「牧瀬紅莉栖は・・・タイムマシンの母として崇められていた」
紅莉栖「えっ・・・」
鈴羽「でも話を聞く限りでは、SERNに開発を強要されてたのかな・・・」
鈴羽「話が脱線したね」
鈴羽「・・・2036年ではアトラクタフィールド理論が提唱されていてね」
鈴羽「その理論によると──」
鈴羽「そうタイムリープじゃ未来は変えられない」
鈴羽「椎名まゆりを助けるには・・・未来を変えるには、ダイバージェンス1%の壁を超える必要があるんだ」
ムスカ「どういうことだね?」
鈴羽「岡部倫太郎、君がはじめに送ったDメールがSERNのエシュロンに引っかかったんだ」
岡部「あのメールか!」
鈴羽「それがきっかけでSERNは君たちに目をつけた」
鈴羽「でもSERNがそのメールに気づくのはもうちょっと後なはず」
岡部「未来は変わる! まゆりが助かるってことだな!」
鈴羽「うん、でもそれにはIBN5100が必要」
紅莉栖「どうして?」
鈴羽「SERNサーバー内のデータは独自のプログラムが使われていてIBN5100を使わないと解析できないんだよ」
鈴羽「だから今からあたしがタイムマシンを使って君たちにIBN5100を託すよ」
ムスカ「その必要はない」
一同「「「えっ」」」
ムスカ「私は暗号解読の天才であり、一瞬にして相手の暗号を解読する能力を持っているのだ」
鈴羽「暗号解析とはちょっと違うような気がするけど・・・大丈夫なの?」
ムスカ「言葉を慎みたまえ、君はラピュタ王の前にいるのだ」
ムスカ「君は黙って協力したまえ」
ムスカ「読める・・・読めるぞ! ここをこうして・・・へぁっ!?」
ダル「あった! オカリンマジであったよこれっしょ!?」
鈴羽「す、すごいね君たちって」
岡部「ダルの技術力は世界一だからな」
ムスカ「私の功績も忘れないでくれたまえ」
紅莉栖「にしても最初のDメールか・・・えーっと」
バルスバルス
ってちがうわ
!本当に人間
岡部/ムスカ「こ・・・これは」
ムスカ「立て、鬼ごっこは終わりだ!」
紅莉栖「こんなところにいたのね」
岡部「・・・」
紅莉栖「どうしたのよ、突然クラッキングをやめるなんて言い出して」
紅莉栖「タイーホフラグが立ったんでビビったんですね分かります」
ムスカ「説明してもらおう、なぜ君が・・・いや、なぜこのメール私の携帯に送られたのかを」
パカッ
バルスバルス
ってちがうわ
!本当に人間
岡部「!」
岡部「ムスカ・・・お前の携帯に送られていた・・・というのか」
岡部「俺はあの日・・・7月28日・・・」
岡部「ま、牧瀬紅莉栖が血まみれ・・・? どういう事だ・・・」
パカッ
宛先:ダル
本文:牧瀬紅莉栖が何者かに刺されたみたいだ
ピッ
岡部「しかも外へ出てみれば瓦礫やらなんやら降ってきている」
岡部「くそ・・・変なことに巻き込まれたな」
ブーブー
本文:はぁ? なんの冗談よそれ、また厨二病っすか?
ヒュウウウウウ
グシャアア
岡部「」
岡部(ひ、人!? 人が・・・空から・・・な、なんだよこれ)
岡部(茶色のスーツ・・・原型をとどめてない・・・肉の塊・・・)
岡部「うぇぇええぇぇっ」
岡部「はっ・・・はっ・・・」
宛先:ダル
本文:大変だ!空から人間が降ってきた!
ブーブー
本文:だから厨二病はいいっつに!
てゆか空から降ってくるなら女の子以外認めない
それとこれから電話レンジの調整あるんでオカリンの相手してる暇ないし
宛先:ダル
本文:バルスバルス
ってちがうわ!本当に人間が降ってきた!
なんなら証拠も見せる!
そう送ろうとして──
岡部「くそ、手が震えてアドレス消してしまった・・・」
ピッピッピッ
岡部「確か・・・これで合ってたよな?」
それを送った途端周りの景色が歪み──
岡部「空から男が!」
ムスカ「おー、見たまえ、この巨大な飛行石を、これこそラピュタの力の根源なのだ!!」
ムスカ「素晴らしい!! 700年もの間、王の帰りを待っていたのだ!!」
シータ「ムスカ・・・あなたは一体」
ムスカ「君の一族はそんなことも忘れてしまったのかね!?」
ムスカ「黒い石だ!!伝承の通りだ!!」
ムスカ「読める!! 読めるぞ!! はっ、へぁっ!?」 ブーブー
ムスカ「メール?」
ムスカ「なになに・・・バルスバルス・・・?」
飛行石「はいよ」
ピカーーーーー
ムスカ「うわぁぁぁぁ!」
ウウウーウ ウーウーウー
岡部「あの時落ちてきて死んだ人間はムスカ、お前だよ・・・そのスーツ・・・間違えるはずがない」
ムスカ「・・・私が死ぬ・・・だと?」
岡部「つまりDメールを消せば・・・あのメールをなかったことにすれば」
岡部「β世界線にたどり着くということは・・・紅莉栖とムスカが死ぬ」
紅莉栖「・・・」
岡部「まゆりを助けることは・・・二人を見殺しにすることなんだよ・・・」
ムスカ「にわかには信じがたい話だよ、この私が死ぬなんて」
紅莉栖「ホントよね」
紅莉栖「でも・・・」
ムスカ「君にも実感があるのかね」
紅莉栖「えぇ、夢にしてはあまりにもリアルすぎるというか・・・痛みとか絶望感が」
ムスカ「しかしこのままではアトラクタフィールド理論によりまゆり君の死が約束されている」
紅莉栖「そう・・・なのよね」
紅莉栖「岡部・・・」
岡部「答えは見つけられない・・・タイムリープマシンでもう一度やり直して──」
ガシッ
岡部「!?」
ムスカ「どこへ逃げようというのかね」
紅莉栖「逃げたって・・・逃げたって辛くなるだけよ!」
岡部「む、ムスカ! 紅莉栖!」
紅莉栖「ねえ岡部、まゆりを助けて」
岡部「それでいいのか! β世界線に行ったら・・・死ぬんだぞ!」
紅莉栖「ムスカとも話しあったけど、あんたはまゆりを助けるべきなのよ」
ムスカ「私にはもはやラピュタ王などに興味はない、私たちは元々死んでいた、元に戻るだけだ」
岡部「けど・・・けど!」
ムスカ「君も男なら、聞き分けたまえ」
岡部「聞けるかよ・・・! そんなこと!」
ムスカ「・・・分間待ってやる」
岡部「えっ?」
ムスカ「3分間待ってやる! その間に決めろ」
岡部(そんなこと・・・できるわけないだろっ!)
ムスカ「」 チラッ
ムスカ「時間だ! 答えを聞こう!」
ガターン
岡部「まゆり!?」
紅莉栖「まゆり・・・」
ムスカ「聞いていたのかね、悪い子だ」
まゆり「まゆしぃの代わりに二人が死ぬなんて絶対やだ・・・よぉ」
岡部「・・・俺はお前たちを・・・助けられない」
まゆり「オカリン!」
紅莉栖「それでいいのよ・・・」
ムスカ「私は滅びぬ、何度でもよみがえるさ」
岡部「分かっている」
岡部(紅莉栖、ムスカ・・・すまない・・・)
ピッ
ブゥゥゥゥゥン
岡部「ぐうぅうう!!」
岡部「はぁ・・・はぁ・・・!」
ダル「オカリーン、どうしたんだお?」
まゆり「だいじょーぶー?」
岡部「なあまゆり・・・ラボメンNo.4と9は・・・だれだ?」
まゆり「うーん、ラボメンは003までじゃないかなぁ?」
岡部「この俺狂気のマッドサイエンティストである鳳凰院凶真は! SERNのあらゆる攻撃に対し!」
岡部「時空を支配することによって完全に勝利したのだ! これこそがシュタインズゲートの選択!」
まゆり「オカリン・・・もういいんだよ、その口調続けなくても」
まゆり「オカリンはオカリンのために泣いてもいいんだよ・・・?」
岡部「電話レンジはもういらない・・・あの機械があったことでたくさんの人が傷ついた」
岡部「これでいいんだよな・・・」
\ ⊂[J( 'ー`)し
\/ (⌒マ´
(⌒ヽrヘJつ
> _)、
し' \_) ヽヾ\
丶_n.__
http://www.youtube.com/watch?v=LXoMgHR2BEc
 ̄ (⌒
⌒Y⌒
岡部「俺が・・・紅莉栖を殺した・・・」
鈴羽「オカリンおじさん、しっかりしてよ! たった一回の失敗で諦めちゃダメ!」
岡部「だめだよ・・・アトラクタフィールド理論で紅莉栖は死ぬ・・・もうだめなんだよ・・・」
──「探したぞ、こんな所にいたのかね」
ダル「だ、だれぞ?」
まゆり「え、えっと、誰かなぁ?」
岡部「!? なぜ・・・お前がここにいる!」
ムスカ「言っただろう、私は滅びぬ、何度でもよみがえると」
ムスカ「私は手荒なことはしたくないが、あの少女の運命は君が握っているんだよ」
ムスカ「君がなら、あの少女を自由の身にしてやれるんだ」
岡部「おまえ! もしかして記憶が!?」
ムスカ「おぼろげではあるがね」
ムスカ「それともその大砲で私と勝負するかね!?」
パズー「シータと二人っきりで話がしたい」
シータ「パズー!」
ムスカ「3分間待ってやる!!」
ムスカ(なん・・・だこれは・・・)
ムスカ(前にも言ったことがある・・・ような)
ムスカ「時間だ・・・答えを・・・」
カランカラン
ムスカ「聞く前に話すことがある。降参だ」
シータ/パズー「「えっ」」
兵士「あ、ムスカ! 貴様よくもこの俺を全裸放置しやがったな!」
兵士「てめーも味わえ! つーか服よこせ!」
ムスカ「構わん、贖罪になるのかは分からんが、服の一着や二着提供しよう」
兵士「おら! 後で返せっつっても返さねーからな!」
シータ「きゃっ、見ちゃダメェ!///」
パズー「シータ!」
兵士「けっ、いいスーツじゃねーかよ!」 ツルッ
兵士「」
ヒューーーー
岡部「ふふふ・・・ふはは・・・」
岡部「フゥーッハッハッハ!」
岡部「なるほど・・・アトラクタフィールド理論・・・やぶれたりっ!」
鈴羽「え、えっと?」
岡部「やはりこの俺、狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真に敗北の二文字はないようだな!」
ダル「おぉ、いつものオカリンに戻った」
まゆり「でもでもー、まゆしぃはこっちのオカリンのほうが好きなのでーす」
岡部「俺は狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真!」
岡部「世界を騙すなど、造作も無い!」
ムスカ「素晴らしい!! 最高のショーだとは思わんかね!?」
岡部「あえてもう一度いおう!」
岡部「世界を騙すなど、造作も無ぁい!」
おしまい
ムスカ「この石がラピュタの在り処を示すカギなのだ!」
岡部「うむ! 必ずや我がラボでラピュタを探し当ててみよう!」
岡部「なぜならっ! 機関はそこまで迫っているのだから!」
紅莉栖「厨二病二人・・・頭痛いんですが」
まゆり「ラボも賑やかになったねー、えっへへー」
ダル「1+1が2じゃないことを実感するお・・・」
ムスカ「石の使い方が分かればラピュタを探すなど造作も無い!」
岡部「フフフゥッ、石の呪文ならこの俺の頭の中に!」
ムスカ「どんな呪文だ、教えろ! その言葉を!!」
エル・プサイ・コングルゥ
そしてgdgdですまなかった
息がピッタリでワロタ
次は紅の豚とコラボだな
イイハナシカナー
Entry ⇒ 2012.06.13 | Category ⇒ シュタインズゲートSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
真尋「ニャル子を前から抱きしめたらどうなるか」
ニャル子「わひゃっ!?ま、真尋さんいきなりどうしたんですか!?」
真尋「………」ギュッ
ニャル子「あ、あーなるほど!遂に真尋さんもデレ期に突入したんですね分かります」
真尋「………」ギュゥゥ
ニャル子「あ、あの……」
真尋「…………」
ニャル子「え、えーっと、この状態は何といいますか、ちょびーっとだけ恥ずかしいかなーって」
真尋「…………」
ニャル子「あ、あぅぅ………」
真尋(可愛い)
真尋「………」
ニャル子「もしもーし」
真尋「………」
ニャル子「な、何か反応してくださいよぅ……」
真尋「………」
ニャル子「な、何か言ってくれないと襲っちゃいますよーっ!」
真尋「………」
ニャル子「真尋さんの貞操の危機、です、よー……」
真尋「………」
ニャル子「あうあうあう……」
真尋(可愛い)
真尋「………」
ニャル子「そろそろ私としましても、このままの態勢はキツくなってきたといいますか……」
真尋(そろそろ離してやるか)スッ
ニャル子「あっ………」
真尋「あー、すまなかったな、いきなり変なことして」
ニャル子「い、いえいえいえ!!あの!私は全然OKといいますか!寧ろばっちこぉいって感じで!その!」
真尋「……ぷっ、耳まで真っ赤だぞ?お前」
ニャル子「ふぇ?…いや、これはあの、そのぉ……」プシュゥゥ
真尋「もうすぐみんなも帰ってくるな、夕食作るから着替えてこいよ」
ニャル子「は、はいぃ……」
真尋(普段積極的に攻めてくる女の子は逆に急なこちらからの攻めに対しては弱い事がある)
真尋(どうもニャル子もそうらしい)
真尋(最近僕ばっかりあいつにドキドキさせられてて癪だからな)
真尋(偶にはこっちから攻めてドキドキさせてやるとするか)
真尋「そうか?」
真尋(もう復活したか…流石の速さだな)
真尋(さて、次の攻め手は……ん?)
真尋「おいニャル子、ご飯粒ついてるぞ」
ニャル子「ふぇ?何処にですか?」
真尋「ほら、ここだよ……ん」ペロッ
クー子「!!!!!」ガタッ
ハス太「!!!!!」ガタガタッ
頼子「あらあらうふふ」
クー子「し、少年、なんということを……」
頼子「今日のヒロくんは中々大胆さんね」
ニャル子「……ま、真尋さんが私の頬をぺ、ペロッて……えっ?」
真尋「なんだ、ご飯粒ついてたからとってやっただけだろ?」
真尋(正直かなりこっちもドキドキしたけどな)
ニャル子「いや、そりゃそうなんですけど、あの、その……はぅぅ」
クー子「に、ニャル子が赤くなってる…これは殺人的な可愛さ…ハァハァ」
ハス太「あ、あー!僕もご飯粒が口元についちゃったー(棒)」
真尋「いや、やらんからな」
ニャル子「ふぅ……」
ニャル子「今日の真尋さんは一体全体どうなさったんでしょう」
ニャル子「急に私に抱きついてきたり私の頬をぺ、ペロッて、したり……」
ニャル子「………えへへ」ニヘラ
ニャル子「…はっ!私とした事が何をこの程度の事で喜んでるんですか!」
ニャル子「私が目指すのはあんなことよりもっと先の先!」
ニャル子「真尋さんとのゴールイン!」
ニャル子「なんだかよく分かりませんが真尋さんもデレてくれたみたいですし明日からは更に頑張っちゃいますよーっ!」
ニャル子「………」
ニャル子「真尋さんがペロッて…えへへ」
ニャル子「はっ!いけないいけない…」
ニャル子「……えへへ」
ニャル子「はっ!いけない、素数でも数えて落ち着きましょう2、3、5、7……」
・
・
・
クー子「…少年、私が様子を見てくる…」ハァハァ
真尋「おいまて」ガシッ
クー子「……どうして止めるの」
真尋「お前に行かすのは色々と心配過ぎるからな」
クー子「……離して、早くしないとニャル子の一糸纏わぬ姿が拝めない」
クー子(…私はニャル子がのぼせてないか心配なだけ)
真尋「本音と建前逆になってんぞ」
クー子「…ちぇ」
真尋「…仕方ない、母さんはまたバイトで出てるし僕が見に行くか」
真尋「扉の外から話しかければ問題ないだろ」
真尋(まさかさっきので本気になって体を念入りに洗ってるとか…ない、よな…)
真尋「おーい」
真尋「………」
真尋「まさか本当にのぼせてたりして……」
「うぅぅ……」
真尋「!ニャル子!?」ガラッ
ニャル子「きゅう……」グッタリ
・
・
・
・
真尋「気がついたか?」
ニャル子「あれ…ここ……」
真尋「僕の部屋だよ」
ニャル子「あれ…私……」
真尋「中々風呂から上がってこないと思ったらのぼせてたんだよ」
ニャル子「…それで真尋さんが部屋まで?」
真尋「服着せるのは偶々運よく母さんが忘れ物したとかで帰ってきたからやってもらったけどな」
ニャル子「…ありがとう、ございます」ニパッ
真尋「う、べ、別にそれくらい構わねーよ」
真尋「なんだ?」
ニャル子「その…お願いが…」
真尋「一緒に寝たりはしないからな」
ニャル子「な、なんでですかぁ!」
ニャル子「ほら、私今フラフラなんですよ?今一人で寝たらクー子に襲われちゃうかもしれません……」ヨヨヨ
真尋「十分過ぎるほど元気じゃねーか」
ニャル子「うぅ……」ウルウル
真尋「うっ………」
ニャル子「………」
真尋「…何もしないってんなら、別にいいぞ」
ニャル子「本当ですか!?」
真尋「…あぁ」
ニャル子「やったー!ありがとうございます真尋さん!」
真尋「ただし何かしたらフォークで刺すからな、絶対だからな!」
真尋「おい、狭いからもう少し詰めろよ」
ニャル子「おっとこれは失礼しました」ピトッ
真尋「うわっ!こ、こっちにくっつくなよ!」
ニャル子「えー?いいじゃないですかー、へるもんじゃなし」
真尋「…離れないとフォークで」
ニャル子「…それとも、真尋さんは私にくっつかれるの、嫌、ですか?」
真尋「うっ……」
ニャル子「真尋さんが嫌なら、いいんですよ?離れますし、なんならベッドからだって出て行きます」
ニャル子「…無理は、してほしくないですから」
真尋「…あーもう分かったよ、今日は特別に認めてやる」
ニャル子「……ありがとうございます」
ニャル子「えへへ…♪」ギュッ
真尋(なんかもう単に僕がデレてるみたいになってる、ような……)
真尋「……結局本当に何もしてこなかったな、意外だ」
ニャル子「……」スヤスヤ
真尋「…黙ってりゃ、可愛いのにな」
真尋「………」ホッペツンツン
ニャル子「………んぅ……」
真尋「…はっ、何をやってるんだ僕は」
真尋「…いや、お前の考えてるような事実は一切なかったからな?」
クー子「…でも少年、ニャル子と一緒に寝たんでしょ?」
真尋「あー、まぁ…成り行きでな」
クー子「…なのに何もしなかったの?」
真尋「僕はお前とは違うからな」
クー子「……少年、もしかしていーd」
真尋「それ以上いけない」
真尋「うぉわっ!?」
ニャル子「んふふー、真尋さーん♪」スリスリ
真尋「だっ!ちょ、離せよ!」
ニャル子「えへへ、お断りします♪」
真尋「あ、おまっ、どこ触ってんだ!」
ニャル子「ふへへ、ここかー?ここがええのんかー?」
真尋「だーもういい加減に…しろっ!」グサッ
ニャル子「バイアランっ!?」
真尋「ふんっ」
ニャル子「デレたんじゃなかったんですか?真尋さーん……」
真尋「べ、別にデレてなんかねーよ!あれくらいで調子に乗るなよ!」
ニャル子「ぐぬぬ…道のりはまだ長いようですね……」
真尋「……あ、そうだこれ」スッ
ニャル子「ふぇ?これは?」
真尋「何って見りゃわかるだろ、弁当だよ」
ニャル子「…もしかして真尋さんが?」
真尋「か、勘違いするなよな!毎日お前の作った得体の知れない弁当ばっかりだと、ほら、アレだから偶には僕が作っただけなんだからな!」
ニャル子「真尋さん……」ジーン
ニャル子「お昼は絶対一緒に食べましょうねっ!」
真尋「お、おう」
クー子(…しかし少年がニャル子にデレたとなると、これは由々しき事態)
クー子(……というか、私のこの蚊帳の外っぷりは一体…)
ハス太(…僕は更に蚊帳の外なんだよ…クー子ちゃん……)グスッ
珠緒「おはよーニャル子ちゃん、今日はなんだか機嫌いいね?」
ニャル子「んっふふー、それがですね珠緒さん、今日のお昼はなんと…」
珠緒「なんと?」
ニャル子「真尋さんのぉ!愛妻弁当なのですよ!」
珠緒「な、なんだってー!」
余市「おはよう八坂くん」
真尋「あぁ、おはよう」
余市「ニャル子さん、なんだか今日はいつもに増して元気だね」
余市「何かいいことでもあったのかい?」
真尋「あーまぁほっとけほっとけ」
アイサイベントウナノデスヨー!
余市「あ、お弁当作ってあげたんだね」
真尋「あ、あいつ……」
ニャル子(早くお昼になりませんかねー♪)
真尋(ったく……あいつ、喜び過ぎだろ…)
ナイトゴーント「」チラッ
ニャル子「さぁ真尋さん待ちに待ったお昼休みですよ!早く屋上に行きましょうよぅ!」
真尋「わかったわかった、だからちょっと落ち着けって…」
ニャル子「これが落ち着いてられるかってんですよ!」ガシッ
真尋「うわっ、ちょ、引っ張るなって、うぉわぁぁ!」
珠緒「…なんか真尋くんとニャル子ちゃん仲良くなった?」
余市「そうかい?僕は前からああだったと思うけど」
珠緒「ま、喧嘩するほどなんとかって言うもんねー」
ニャル子「さぁて、いよいよ真尋さんの愛妻弁当の御開帳ですよ!」
真尋「大袈裟だなぁ、食事ならいつも作ってやってるだろ?」
ニャル子「いえいえ!このお弁当は真尋さんがわざわざ私の為に早起きして作ってくれたんですから!」
ニャル子「こんなに嬉しいことはありません!」
真尋「ったく…」
ニャル子「ではでは!いっただきまーs」
ドゴォォ
ナイトゴーント「グルルルルル」
真尋「ナ、ナイトゴーント!?なんでいきなり……」
ナイトゴーントB~Z「グルルルルル」バッサバッサ
真尋「お、おいニャル子!」
ニャル子「………」
真尋「…ニャル子?」
ニャル子「………」
ベン・トー「」グシャグシャ
ニャル子「……いや、そんなことどうでもいいです」
ニャル子「……よくも真尋さんの折角作ってくださったお弁当をこんなにしてくれやがりましたね」
ニャル子「…………る」
真尋「に、ニャル子?」
ニャル子「塵一つ残さず消滅させてやる……!」ギリッ
真尋「……!」ゾクッ
その姿はまさしく戦鬼というか、狂戦士というか、覚醒した初号機というか…
兎に角今まで見てきた中でも一番凄惨だった
真尋「お、おいニャル子…大丈夫か?」
ニャル子「……うぅ」
真尋「?」
ニャル子「グスッ、ふぇぇぇぇん………」
真尋「!!」
ニャル子「うぁぁぁぁぁぁん……!」
ニャル子「ヒック、違う…違うのぉ……!」
真尋「じゃあ一体……」
ニャル子「真尋さんの、真尋さんの作ってくれた、お弁当がぁ……」
真尋「…なんだ、そんなことか」
ニャル子「でも、でもぉ…グスッ」
真尋「それなら……ほら」
ニャル子「…ふぇ?」
真尋「僕の分があるから二人で分けよう、な?」
ニャル子「…真尋さぁん……」
真尋「は、はぁ!?なんで僕がそんな」
ニャル子「うぅ……」
真尋「ぐっ……わ、分かったよ!」
真尋「…ほら、あーん」
ニャル子「あー……んっ」
ニャル子「もぐもぐ……えへへ、私今、
とっても幸せです♪」ニパッ
真尋「!……そ、そーかよ、そりゃよかったな」
真尋(…くそっ、またドキっとさせられてしまった……)
真尋「んぁ、昼休みも終わりか」
真尋「急いで戻らないと…」
ニャル子「あ、ちょっと待って下さい真尋さん!」
真尋「あぁ?どうしたんd」
チュッ
真尋「!!!!!」
ニャル子「今日のお弁当と私のわがままを聞いてくれたお礼と…昨日の仕返しです!」
真尋「お、お前…っ!」
ニャル子「じゃ、先に戻ってますねーっ!」
真尋「あ、おい!……」
真尋「…結局僕は受け体質なのか」
真尋(ぐぬぬ…こっちがドキドキさせるつもりがドキドキさせられっぱなしだ)
真尋(何か手はないものか……)
ニャル子「真っ尋さーんっ!一緒に帰りましょう!」
真尋「ん?あ、あぁ…クー子とハス太は?」
ニャル子「クー子の奴は新作ゲームの発売日、ハス太君はルーヒーの手伝いか何かで先に帰っちゃいましたよ」
真尋「そうか…」
真尋(二人きりか…これはチャンス、だな…)
真尋(上機嫌だなぁ、ニャル子の奴……)
真尋(あ、そうだ)
真尋「えいっ」ギュッ
ニャル子「ひゃっ、ど、どーしたんですか真尋さん!?急に手なんて握って」
ニャル子「い、いえいえいえ!嬉しいに決まってるじゃないですか!…ただちょっとびっくりしただけですよぅ!」
真尋「ん、そうか……」
ニャル子「………」
真尋「…………」
通行人B「これ見よがしに手なんて繋ぎやがって……爆発しろ」
真尋(い、勢いでやったが…恥ずかしい……)
ニャル子「か、カップルですって真尋さん…たはは、照れちゃいますね」
真尋「お、おう……」
真尋(かと言って今更離すのも……そうだ)
真尋「な、なぁニャル子」
ニャル子「あ、なんでしょう?」
真尋「今日はちょっと回り道して帰らないか?」
ニャル子「え……は、はい!」
真尋「………」
ニャル子「………」
真尋(き、気まずい……)
ニャル子「…あの、真尋さん?」
真尋「な、なんだよ」
ニャル子「えっと、昨日今日とどうなさったんですか?」
真尋「!…何のことだよ」
ニャル子「いつも私につっけんどんな態度の真尋さんがどう言う訳か私に抱きついたり頬を舐めたり、朝からお弁当作ってくれたり…」
ニャル子「それに私がその、ほ、ほっぺにちゅーしても、何時もならフォークが飛んでくる筈が何もなかったり…」
ニャル子「最初は本当にデレたかと思いました…けど真尋さんのガードが祖龍の皮膚より硬い事は誰よりも私がよく知ってますから」
ニャル子「…何か、あったんですか?」
真尋「な、何もねーよ!」
ニャル子「まぁ、私としてはデレた真尋さんも大歓迎なのですが」
ニャル子「…でも」
ニャル子「でも、無理してるなら、止めて下さいね?」
真尋「え……」
ニャル子「私は真尋さんが大好きですから、優しくしていただけるのはとっても嬉しいです」
ニャル子「けど、無理したり気を遣ってそうなさってるのなら…嬉しくなんてありません」
ニャル子「大好きな人に無理させてるのは辛いですから、ね?」
真尋「ニャル、子……」
真尋(確かにこいつは宇宙人でいつも振り回されっぱなしだけど、それでも僕の事をこんなに好きでいてくれてるのに)
真尋(それなのに、僕は……)
ニャル子「…じゃ、帰りましょっか」
真尋「……ッ」ガバッ
真尋「違うから!」
ニャル子「え……」
真尋「別に…ええと、少なくともこれは、無理とかしてないから」
真尋「僕の、純粋な気持ちだから…!」
ニャル子「……真尋さん……」
真尋「……ぐっ、そ、それは…」
ニャル子「…冗談ですよ、ちょっと意地悪でしたかね?」
真尋「お、お前……」
ニャル子「…じゃ、本当に帰りましょっか?」
真尋「あ、うん…」
真尋「?なんだよ」
ニャル子「手、繋いで帰りましょ?」
真尋「………そうだな」ギュッ
真尋「なんだ?」
ニャル子「私、真尋さんの事が大大大大だーい好きです!」
真尋「……そうかよ」
ニャル子「…あれ?いつもみたいに『僕はお前の好きじゃない』とか言わないんですね?」
真尋「うっ、うるせーよ!」
ニャル子「おやおやぁ?もしかして本当にデレ期到来ですかー?」
真尋「だー!違う!違うからな!」
真尋(…今は)
真尋(いつか、僕の気持ちに整理がついた時には)
真尋(こいつみたいに、素直に気持ちを表現出来るようになれたら、いいな)
ニャル子「真尋さん!だーい好きです!」
真尋「あーはいはい…ったく」
つづく(?)
ニャル子さんエンドはまた改めて自分でスレ立てして書きたいと思います
というか保守してる人にニャル子さんへの愛を見た…乙ですた
ん?続きがあるみたいだしそんとき期待する
ニャル子かわいい
Entry ⇒ 2012.06.13 | Category ⇒ ニャル子さんSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
春香「プロデューサーさん…勉強教えてください」
P「この時期だと確か河○塾のやつか?」
春香「はい…」
P「ああ、確かにあれは難しいよな~」
春香「プロデューサーさん、受けたことあるんですか?」
P「まあな」
春香「ど、どんな感じでした?」
P「どんなって言われても…う~ん、全国順位が6ってぐらいだったな」
春香「」アゼン
春香「」
P「おい…」
春香「」
P「おい…」
春香「プロデューサーさんなんて
科学者にでもなってればよかったじゃないですか!!うわ~~ん…」ダダダ
P「あっ、待て春香!」
春香「プロデューサーさんに勉強教えてもらおうと思ったけど…」
春香「あんなにできるんじゃどうせバカにされるだけだよ…」
P「そんなことないぞ」
春香「ぷ、プロデューサーさん!」
春香「ホントイヤミニシカキコエマセン」
P「うぐッ…まあいい…」
P「勉強できたってな才能を生かせなければ意味がないんだ」
P「現に俺は生かせなかった」
P「でもな春香お前は生かせる才能があるじゃないか、みんなを笑顔にする才能が!!」
P「それでもお前が勉強できるようになりたいならそれでいい…」
春香「わ、私は
>>19 ,1勉強なんかよりトップアイドルになりたいです
2勉強一筋で行きます!
3両立させてみせます」
P「そうか、じゃあ今日から特訓するか!」
春香「ととと、特訓!?」
P「ああ、そうだ」
P「確か春香は高2だよな?」
春香「そうですけど…」
P「よし、約2年もあれば十分だ。トップアイドルにさせてやるし、東大にも合格させてやる!」
春香「ととと、東大!?」
P「早速特訓しに行くぞ!ついて来い!」
春香「はわわ…、待ってくださいよプロデューサ~~さん!!」ガッ
ステーン
春香「イチチ…」
春香「ここって、プロデューサーさんの家の一室…。しかもトレーニング器具がいっぱい…」
春香「だからプロデューサーさん良い体つきしてるんですね!!」
P「そ、そうかな…///えへ、えへへ…///」
春香(か、かわええのう///)
P「そんなことはどうでもいい」キリッ
P「今日から春香にトレーニングをしてもらう」
春香「トレーニング??」
P「大ありじゃボケぇぇぇぇ!ホント、大ありだぞ!大あり!オオアリクイ」
春香(つまんね)
春香「そ、それで何をするんですか?」
P「先ずは左手を右手と同じ感覚になるまで鍛えてもらう」
春香「どうしてですか?」
P「左手を鍛えることによってダンスは左右均等になり綺麗になる
さらには勉強もできるようになる」
P「言っただろ、トップアイドルにさせてやるし、東大にも合格させてやる!って 」
春香(うぅ…)
>>35 1信じてついてく
2胡散臭いからやめとく
P「よしじゃあトレーニング開始だ!」
こうして私のトレーニングは始まった
く/!j´⌒ヾゝ
.ん'ィハハハj'〉
ゝノ゚ ヮ゚ノノ
_, ‐'´ \ / `ー、_
/ ' ̄`Y´ ̄`Y´ ̄`レ⌒ヽ
{ 、 ノ、 | _,,ム,_ ノl
'い ヾ`ー~'´ ̄__っ八 ノ
ヽ、 ー / ー 〉
`ヽ-‐'´ ̄`冖ー-く
千早「最近の春香ダンス上手いわね」
美希「ほんとなの、特に今まで左手がふらふらしてたのになんかシャキッとしてるの」
春香(よっしゃ!)ガッツポーズ
春香「はい!おかげさまで」エヘヘ
P「じゃあ、次のステップに入ろう」
春香「次のステップ?」
P「ああ、今度から春香にはこの鉛筆で左右の手別々に○×を書いてもらう」
春香「え~…そんなチマチマしたの嫌ですよ。それになんでそんな重そうに持ってるんですか」
P「ふっ、鉛でできてりゅからさ」キリッ
春香(あ、今噛んだ…キメ顔で噛んだ…ぷくく)
P「これをやることによって左右バラバラな動きもできるようになりダンスにキレが出る
更に勉強もできるようになる」
春香(なんか言ってることメチャクチャ…
>>50 1でもついてく
2もうやだ
P「つらいと思うが頑張れよ春香!」
こうして私のトレーニングはまだまだ続いた
千早「最近の春香、更にダンス上手くなったわね」
美希「ほんとなの、なんか今までよりキレがあるの」
春香(よっしゃ!)ガッツポーズ
春香「いえまだまだです」
春香「あ、そういえば明日テストあるんです!」
春香「前回のテストはお仕事でできなかったので今回で挽回したいんです」
春香「でも勉強しないでこんなことばっかりやってるので正直不安です…」
P「安心しろ今までこんなチマチマしたトレーニングで集中力がついたはずだ」
P「その集中力はきっと授業でも発揮されてるはずだぞ?」
春香「言われればそんな気が…」
P「だろ?それにお前には必殺技がある」
春香「必殺技?」
,。、_,。、 ,。、_,。、 はーッ!!
\ .く/!j´⌒ヾゝ く/!j´⌒ヾゝ
\ ∧,, ん'ィハハハj'〉 . ん'ィハハハj'〉 ..\ | / /
ゞ ⌒ヽ/ノ゚ ヮ゚ノノ ゝノ゚ ヮ゚ノノ ゞ ⌒ヾ∠_________-ニ ̄ ̄ ヽ
<( >> ⊂ ) '/^rォiつ⊃( =- )
//,, ノ\fくんi〉 fくんi〉 //_ く ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ --=____ ノ
/ ,/ | | し'ノ し'ノ / / ∨N \
なんじゃこりゃwww
春香「う~ん…」
P「ま、頑張れ」
P「あ、あとこれはお守りに持ってってくれ
俺が小学校から使ってる鉛筆だ」
春香「小学校から!?にしては長いですね…」
P「ふっ、何を隠そうこれは
書いても書いても擦り減らないというあの幻の四菱ハイユニ!!」
春香「???」
P(これがジェネレーションギャップというやつかああぁぁぁぁーーーーー!!!)
春香(やっぱ不安だなぁ…)
春香(最初は数学か…一番苦手なのに…)
先生「それじゃ配るぞ。裏面のまま後ろに回せ。問題用紙は3枚な。時間は60分だぞ」
春香(さ、3枚…)
キーンコーンカーンコーン
先生「はじめえええぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
春香()ピラ
春香(量多すぎだ…)
春香(難しいけど解けてるぞ!まさかいつもより授業集中できてたから?)
20分後
春香(ふぅ…、やっと一枚終わった)
左手「」ピク
春香(そういえばさっきから左手が疼く…)
『P「お前には必殺技がある」』
『P「今までトレーニングしたことを思い出せ」』
春香(…)
春香(そういうことだったんですかプロデューサーさん…)
春香(ふふふ…あははははははは」
先生「うるさいぞ天海!!」
春香「すみません…」
春香(秘儀!!)
春香「答案二枚がえしぃぃぃ!!!」
先生「うるせ獲ええ得ええええェぇェぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!!!!!!!」
P「よかったじゃないか」
P「あとセンターでは叫ばないようにな」
春香「///」
春香「プロデューサーさんテストが返ってきましたよ…」プルプル
春香「やりました…やりました…」
P「おお!!どれ見せてみろ」
数学全問○ 名前なし 0点 その他90点以上
春香「私はやりました…やってしまいました…」
P「センターでは記入漏れの無いようにな」
春香「はい…」
春香「はい…」
P「そう落ち込むなよ、それにな」
P「大体の高校はなその高校のレベルに合わせて平均点が40~60点になるように作ってるんだぞ」
P「それが全部90点以上!すごいじゃないか!!」
春香「そ、そうですか…///えへ、えへへ…///」
P(チョロくわいい///)
P「授業に集中し分からないことがあったらすぐに先生に聞く」
P「そして課題をやり、予習復習をやる」
P「これをキチンとこなせば誰だってできるようになる、春香も実感しただろ?」
春香「はい!私プロデューサーさんについてきてよかったです!信じてきてよかったです!」ポロポロ
P「おっと泣くのはまだ早いぞ!泣くのは目標を達成してからだ!」
春香「はい!!私これかずーっとずーっとプロデューサーさんについて行きます!!///」
P「任せろ!俺が一生春香を引っ張ってってやる!」
こうして春香のトレーニングが続くのであった
そして春香がトップアイドルに東大に受かるは神のみぞ知る
おわり
この安価違うのだったらどうなってたやら
センターで見事成功し東大の試験
P「頑張ってこいよ!」
春香「はい…」ガクブル
P「そう緊張すんな、やれるだけのことはやった」
春香「そ、そうですね!」
春香「それじゃ行ってきます!Pさん」
P「頑張れよ!」
春香(いけないいけない弱気になっちゃ…)
春香(やれるだけのことやったんだもん…トレーニングのあと勉強しっかりしたもん)
春香(今の私ならなんだってできる!!)
試験官「合図があったら始めてくれ」
シーン…
試験官「始めえ得ええええェぇェぇェぇ!!!!!!!」
春香(秘儀!答案二枚が…え…)
春香(何この現文の量の多さ二枚びっしり書かれてる…)
春香(こんなの答案二枚返しがあってもムリだよ…)
春香(…)
春香(いや今の私ならなんだってできる!!)
ググッ
試験官(なんだあのリボンの子は…)
試験官(眼が両端に寄った…!?)
試験官(まさか問題用紙を一度に両方見てるとでもいうのかあああぁぁぁぁぁぁ!!)
春香「やった…」プルプル
P「え?」
春香「やりましたよ…Pさん…ついにこの私がやってしまいましたよ…」プルプル
P「それってまさか…」
春香「Pさんの目で確認してください…」プルプル
P「やった…春香のやつやりやがった…!」
春香「プロデューサーさん…泣いても…泣いてもいいですか?」ウルウル
P「ああ、俺の胸で好きなだけ泣け!!」
春香「うわ~~~ん」ポロポロ
P「ふふっ」ナデナデ
おわり
Entry ⇒ 2012.06.13 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
雁夜「葵よりも桜の方が可愛くね」
桜「お、おじさん、何、してるの……」
雁夜「あ、違うんだ、これは、ちょっと、ね」
桜「わたしの名前、いってた?」
雁夜「ち、違うんだ。サフランって言っただけだよ」ニコ
桜「……」サササササッ
雁夜(行ったか。ふぅ、何とか誤魔化せた)
雁夜「しかし見れば見るほど桜の方が可愛い。大きくなったらこれはもう絶対美人だな」
雁夜「吸血鬼、盗み見とは関心しないな」
臓硯(え? バレとる?)
雁夜「俺と桜の仲を引き裂いたら、殺すぞ」ギロッ
臓硯(……今ここで殺さなければいけない気がするのう……)
臓硯「バレとったか。しかし雁夜よ、桜はもう生娘ではないぞい。それまだ子供ではないか」
雁夜「構わない。俺がありとあらゆる愛を注いでやるから」
臓硯(こんなんが子孫だと思いたくないのう……)
雁夜「吸血鬼、さっきのを見なかったのか?」
臓硯「?」
雁夜「おじさん素敵!って目だった。桜は確実に俺に惚れてる。フフフッ」
臓硯「」
雁夜「聖杯戦争に勝ったら、『桜と俺が永遠に結ばれる』と言う願いを叶えよう……」
臓硯「……」
雁夜「お前の願いは次の聖杯戦争で叶えてやるから、まぁ我慢しろ」
臓硯「フンッ、まぁ少しの間様子を見させて貰うとするかのう」
臓硯(心配じゃから後をつけるとするかのう)スゥ
雁夜「や、やぁ桜……」
桜「えっ」ビクゥ
雁夜「な、何か飲みたいものとかないかい? (俺の)ミルクとかそういうのさ」
桜「べ、べつに、いいです……」
雁夜「遠慮しなくて良いんだよ……」スゥ
桜「い、いいです」サッ
雁夜(チッ、頭をぽんぽんしてやろうと思ったら逃げやがった)
桜「……ごめんなさい」
雁夜「ど、どうして謝るんだい」
桜 タッタッタッタッ
臓硯(どうやら安心して良さそうじゃの。桜は確実に雁夜を嫌っておる)
雁夜「……まったく、桜は照れ屋さんだなぁ」
臓硯(……超度級のバカとはこいつの為にある言葉かもしれんのう)
雁夜「あともう少しだ」ブツブツ
ガリガリガリガリ
臓硯「何しとるんじゃ」
雁夜「ふんっ、見て分からんのか。結婚指輪を作ってる」
臓硯「は?」
雁夜「桜と俺の結婚指輪さ……」ガリガリガリ
雁夜「俺と桜は結ばれるのだから……フフフッ」
臓硯「……現実を教えてやろう。良いかえ雁夜、桜はお前を嫌っておる」
雁夜「……え、全然聞こえない何て言ったの?」
臓硯「だからのう、桜は」
雁夜「あっ、ダメだ全然聞こえない」
雁夜「……あぁ、好きにさせて貰うよ……桜ぁ……」
桜「……」チラッ チラッ
雁夜「さくらぁ……」ガリガリガリ
桜「あ、あの……よびました?」
雁夜「っ!? い、居たのかい、桜」ニパァ
桜「あ、いや」
雁夜「おいで桜。俺の膝の上にでも座ると良い」グイッ
桜「やっ……」パシッ
桜「あっ……ご、ごめんなさい……」
雁夜「いや……良いんだよ桜」
士郎「「さーくーらーちゃーん!あーそーぼ!」」
雁夜「外から、声が聞こえる……誰だ」
桜「し、士郎くんの声だ!」
雁夜「誰だい?」
桜「おさんぽしてるときに仲良くなったんです……行かなきゃ」
雁夜「ダメだ」グイッ
雁夜「あっ、」パッ
桜「……ご、ごめんなさい。やっぱり行かないです……」シュン
士郎「さーくーらーちゃーん! いないのー!」
雁夜(俺は……こんな桜は見たくない……笑顔の桜が良いんだ……)
桜「……」シュン
雁夜「いや、ごめん。行くと良い。大事な『友達』なんだろう」
桜「……良いん、ですか」
雁夜「あ、あぁ。行くと良い。『友達』の所に」
雁夜(俺も心の狭い恋人ではない。それぐらい許すさ)
桜「士郎くーん!今いくー!」ニパァ
雁夜(良い笑顔だ……俺はこの笑顔が見たかったんだ)
桜 タッタッタッタ
雁夜(どこの馬の骨かは知らんが、小僧、感謝する)
雁夜(まぁもっとも、桜は俺のものだがな)
士郎 オッ、桜 キョウ モ カワイイ ナ
桜 エッ、ホントウ ニ? アリガトウ////
雁夜「と、友達だからああいう表情を見せているに過ぎないはずさ……」チラッ
桜 エッ
士郎 オレ ハ シロウダ オマエハ
ワカメ 桜 ノ 兄サ
雁夜「ん? あのワカメ頭……確か甥っ子の、ワカメ」
ワカメ 桜 ノ 分際 デ 色気ヅキヤガッテ
ドガッ
桜 イタッ ビエエエエエン
雁夜「あんのわかめええええええええ」
ワカメ テメェ! ヤッタナ!
雁夜「待ってろ桜ァアアアアアアア」ドドドドドドドドドッ
バァアアアアアン
士郎「だ、誰だ!」
桜「びえええええん」
ワカメ「何だ我が家から逃げ出したウンコじゃないか」
雁夜「おいワカメてめぇ桜泣かせたなオイコラ」ドガッ
ワカメ「グエェエエ びえええええええん」ワンワン
雁夜「ふん、甥っ子の分際で生意気な事するからだボケ」
雁夜「さぁ、桜、もうあんし……」
士郎「だいじょうぶか桜!」サスサス
桜「ありがと士郎くん……」ヒックヒック
雁夜「」
雁夜「あっ、いや、良いんだ……ハハッ」
桜「……」ひっくひっく
士郎「あるけるか?桜」
桜「うん」
テクテクテク
雁夜(俺って一体……)
ワカメ「おじーちゃーん! ウンコがぼくの事いじめるよぉおおおお!」ビエエエエン
臓硯「……雁夜、ちょっと来なさい」
臓硯「ワカメをいじめるのは、許さんぞい」
雁夜「聞くが、桜とワカメ、どっちが大事だ?」
臓硯「そりゃ桜じゃろ。珍しい固体なんじゃから」
雁夜「なら別にワカメなどどうなっても良いだろう」
ワカメ「えっ」
臓硯「それもそうじゃな。ま、殺さん程度にな」
ワカメ「はえ」
雁夜「ふん、ガキをいたぶる趣味はない」
雁夜「桜ぁ……君の心は俺から離れていくばかりなのかい……」
コンコン
雁夜「吸血鬼……空気読めよ……」
桜「さ、さくらです……」
雁夜(何か、もう全部がどうでも良くなってきた……)
雁夜「桜かい……士郎くん、だっけ。彼は良いね、強い子だ」
雁夜(俺何言ってんだ)
雁夜「彼の様なボーイフレンドは大事にするんだよ」
雁夜(あーあ)
雁夜「……何がだい」
桜「た、たすけていただいて」ガチャ
雁夜「……入って良いと言っていないのに、勝手に入るのは礼儀に反するよ、桜」
桜「ご、ごめんなさい……」
桜「な、ないてるんですか……?」
雁夜「目に、ゴミが入っただけさ……今日ももう遅い、寝た方が良い」
桜「あっ、はい、お、おやすみなさい」
雁夜「あぁ、おやすみ、桜」
雁夜「……俺は、泣いていたのか……」
雁夜「……鏡で見てみるか」ヒョイ
雁夜「フフフフッ、フハハハハハ」
雁夜「……号泣してるじゃないか、俺……」
雁夜「クソッ! クソッ!」
桜(わるいおじさんじゃ、無いんだ……)タタタタッ
ワカメ「ひぃいい、さ、桜ァ」ビクゥ
桜「ひっ」ビクゥ
ワカメ「お、俺に近づくな、分かったか、ぜ、絶対だぞ……」スススススッ
ワカメ(こ、こいつと関わるとまた殴られるかも知れん……)
桜 コクコク ススススッ
臓硯(ワカメは左壁に、桜は右壁に背をくっ付けながらすれ違うとはこれまた珍妙な光景じゃのう……)
臓硯(ちと可愛そうかのう)
士郎「さーくーらーちゃーん!」
雁夜「フハハハハっ、ボーイホレンドのお出ましときたモンダミン」
雁夜「ブハッ、今のちょっと面白くなかった?」
臓硯(壊れるのは聖杯戦争が始まってからにして欲しいんじゃがのう……)
雁夜「ハヒッ、フヒ……」ヒックヒック
コンコンコン
桜「お、おじさん、あ、遊びに行ってきます……」
雁夜「……気をつけるんだよ……」ヒックヒグッ
桜(まだ泣いてる……どこかいたいのかな)
雁夜「もう聖杯戦争とかどーでもいーや」
臓硯「ちょっとちょっとそれは困るぞい」スゥ
雁夜「うおっ!!」
臓硯「折角色々用意してたと言うのに」
雁夜「……でも、もう桜の心に俺はいない……」
臓硯(最初からいなかったと思うんじゃが)
臓硯「気にするでない。女の心は秋の空とはわしが作った言葉じゃ」
雁夜「……そんなどうでも良いぷち情報とか誰得だよマジで」
桜「今日はね、お花のかんむり作りたいな」
士郎「良いけど、そんなのつくってどうするんだ?」
桜「おじさんね、元気ないから、あげたら喜ぶかなって」
士郎「おじさんって、昨日たすけてくれた人か?」
桜「うん」
士郎「そっか、きっと喜ぶよ! かわいい桜がつくるんだからさ」
桜「うん////」
雁夜「あーあーもうやーだー」
臓硯「ハァ……」
雁夜「部屋から出るの面倒くせぇ」
臓硯「良いから行くんじゃ」シッシッ
雁夜「はいはい俺は邪魔なんだろ知ってるよ出て行きますよハイハイ」
臓硯「ハイは一回じゃ。あ、それと夕飯までに帰ってくるんじゃぞ」
雁夜「ハーイハイ」スタスタスタ
雁夜「ったく、口るせぇな」テクテクテク
ドカッ
雁夜「何だ?」
凛「なにぼーってしてんのよ! 死ね!」
雁夜「ひぐぅうううう」
雁夜「き、金たまはやべぇ……」
凛「って、おじさん?や、やっばい、逃げないと……」タタタタタッ
雁夜「な、何だアイツ……赤服ツインテールのガキィイイ!」
雁夜(しかしどっかで見た事ある気がする……)
雁夜「し、しかし、ひぎぃい金たまぁああああ」
臓硯「何じゃ内股で歩きおって」
雁夜「ちょっとな……」
臓硯「女にでもなりたくなったかのう」
雁夜「ち、違う」
臓硯(聞かないでおいてやるかのう……)
雁夜「べ、ベッド……」ヒョコヒョコ
ドサッ
雁夜「ふ、ふぅ……ったく、酷い目にあった……」
雁夜「そうかっ、凛ちゃんか!」
雁夜(でもあんなに暴力的な子だったっけ?)
雁夜「うーむ謎は深まるばかりだ……」
雁夜「まぁ良いさ……きっと見間違いか何かさ……」
コンコン
雁夜「誰だい……俺はもう眠くて仕方ないんだ……」
桜「さ、さくらです」
雁夜「桜……もう寝なさい。夜も遅い」
桜「お、おじさんにこれ、ど、どあの前に置いておきます」
桜「お、おれいです。おやすみなさい」タッタッタッタッタ
雁夜「花の、かんむり?……」カサァッ
雁夜「手紙?」
おじさん、ありがとう!
雁夜「桜……」
しろうくんといっしょにつくりました。
雁夜「oh......」
雁夜「……被って、見るか」ヒョイスポ
雁夜「はははっ、何だか、途端に間抜け面になったなぁ」
チュンチュン
凛(昨日雁夜おじさんにしつれいなことしちゃった……謝らないとだよね)
凛 コソコソコソ
雁夜「いざーすーすーめーやーキッチン」
凛「へたくそ……」
雁夜「ん? 今、どこかで誰かが俺の歌をへたくそと言った様な気が……」
凛(えっ、聞こえちゃったの……出るに出れないよぉ)
雁夜「気のせいか」
雁夜「ハァ……」ギコギコ
凛(昨日蹴ったところがまだ痛むのかな……)
凛(謝らないと……よし!)
ヒョイ
凛「雁夜おじさ~ん!」
雁夜「ん?凛ちゃんかい……」
凛「お、お久しぶりです!」
雁夜(お久しぶりって事は、昨日のは凛ちゃんじゃなかったのか……)
凛(やっばー……お久しぶりって、昨日の謝りづらいよ)
凛「え、えーと」
凛(かくじつに疑われている……)
凛「ち、ちぇすしてました!」
雁夜「あ、そうなのかい。ごめんね。何か」
凛「い、いえ!」
雁夜「そうだ、凛ちゃん、お腹すいてないかい?」
凛「え?」
雁夜「何か甘いもの奢ってあげるよ」
凛「い、いいんですか?」ゴクリッ
凛「はい!」
雁夜「はははっ、凛ちゃんはいつも元気だね」
凛「でも、ほんとにいいんですか?」
雁夜「あぁ良いよ。特にお金使う用もないしね」
雁夜「凛ちゃんの笑顔が見れればそれで良いさ」
凛「えっ/////」
雁夜「どうかしたかい」
凛「いえ//////」
雁夜「はははっ、本当においしそうに食べるねぇ」
凛「あっ、食べ方、汚かったですか?」
雁夜「いやいや、そんな事ないよ。綺麗に食べれてるよ」
凛「あ、ありがとうございます////」パクパクパク
雁夜「ただちょっと早く食べ過ぎてる様な気もするけれどね。そんなに急いで食べると
お腹冷えちゃうよ」
凛「大丈夫です!多分」ゴロゴゴロ
凛「っ!?」
凛(でも大丈夫って言っちゃったし……)
雁夜「どうかしたかい?」
凛「……い、いえ」ヒョイ……パ……ク
雁夜(何か様子がおかしいな……お腹でも壊したかな)
凛(おなかいたいって恥ずかしくていえないよぉ……)
雁夜「な、何か冷や汗かいてるけど、本当に大丈夫かい?」
雁夜(どうにかしないとな……女の子だし、恥ずかしくて言い出せないんだろう)
雁夜(かくなる上はっ!)
雁夜 パクパクパクパク
凛「っ!?」
雁夜「あ、い、いたたたた、い、一気に食べたら、お腹痛くなっちゃった……」
雁夜「り、凛ちゃんは大丈夫かい?」
凛「……わ、私もちょっと、痛い、です……」
雁夜「あたたた、じ、じゃあ一緒だね、あっ、トイレ行かないと!ごめんね」タタタタッ
なんという紳士
雁夜(ふぅ……さて、今のうちに正○丸買ってくるか)タタタタッ
凛「うー、まだお腹痛い気がする……」テクテク
雁夜「お帰り、お腹大丈夫?」
凛「あっ、はい、一応……」
雁夜「これを飲むと良い。お薬だよ。苦いけどね」
凛「あ、ありがとうございます」ヒョイゴクン
雁夜「……何だか、ごめんね」
凛「か、勝手に食べちゃったの私ですし、あ、謝らないでください……」
凛「に、にがぁ……」
雁夜「はははっ、でも良薬口に苦しと言うからね。きっと効くよ」
凛「は、はい……」
雁夜「さぁ、乗って」スッ
凛「え?」
雁夜「歩いたら、もっと具合悪くなるかも知れないからね」
凛「で、でも、おんぶなんてもうそんな歳じゃ」
雁夜「ハハハハッ、大丈夫だよ。凛ちゃんは軽いからそんなに苦でもないしね」
凛「////」
凛「じ、じゃあちょっとだけ」ダキッ
凛「むにゃむにゃ」スヤスヤ
雁夜「しかし、何の不安も無さそうに眠るなぁ凛ちゃんは」
雁夜「俺がロリコンだったら大変なことになっちゃうぞ」
凛「雁夜おじさぁん……むにゃむにゃ」
雁夜「悪い気はしないな……」
葵「あっ、雁夜君。背中のは……凛?」
雁夜「葵さん……あっ、ちょっと静かに。凛ちゃんが起きちゃう」
葵「凛重かった?」
雁夜「いや、全然、凄く軽いよ。ただ、そのちょっとこれから行かなきゃいけない所があって」
雁夜(このまま遠坂家に行くと時臣と会ってしまうからなぁ)
葵「そう、じゃあ」モゾモゾ
雁夜「ごめんね凛ちゃん」ゴソゴソ
雁夜「それじゃあ」
葵「またね」
葵「……雁夜くんも好かれたものね……」
雁夜「ふぅ……」
臓硯「どうした雁夜。いつになく純真な瞳じゃな」
雁夜「少しだけ、心が洗われた気がした」キラキラ
臓硯「……」
臓硯(とうとうクルクルパーになってしもうたのかのう……)
桜「……」チラッチラッ
雁夜「あっ、桜。お花のかんむりありがとうね……」
桜「う、ううん」ブンブン
凛「雁夜おじさん無職になったから冬木市に戻ってきたってお母さんから聞いたわ」
凛「きっとすんごく落ち込んでるはず」
凛「私が何とかして慰めてあげないとっ!」グッ
士郎(ん? うわぁ、すんごい可愛い子だなぁ)
士郎「ね、ねぇ」
凛「?」
士郎「き、君、お名前何て言うの?」
凛「……知らない人とお話するなって言われてるの……」
凛(あっ、このへたくそな歌、雁夜おじさんだっ!)
雁夜「ん?」
雁夜(あそこに居るのは……凛ちゃんと……確か、桜と一緒にいた、士郎くんだな)
雁夜(プレイボーイだなぁ~俺とは天と地の差だ)
雁夜「まぁ良いか俺はどうせ死ぬまで童貞だ」
雁夜「士郎くんとやら、俺の分まで頑張ってくれ」
凛「か、雁夜おじさ~ん!」
凛「き、今日暇ですか!」
雁夜「う~ん」
雁夜(少年少女の間柄に割り込むのも気が引けるしなぁ)
雁夜「ごめんねぇ用事があるんだ」
凛「そうですか……」シュン
雁夜「ほら、ボーイフレンド待たせてないで、彼と遊んできなさい」
士郎////
雁夜「あっ、そっか。ほら、お金」サッ
雁夜「おじさん今無職だから、千円しかあげれないけどね」
雁夜「いやでも、子供だと、ほら、お小遣いとか使うのも一大事だろう?」
凛「こども……」シュン
雁夜「なぁに大丈夫さ! おじさんねぇ、すぐに職見つけるからね」
雁夜「お年玉とか、期待してて良いよ」
雁夜「じゃあ士郎、くん、だっけ?」
士郎「は、はい」
雁夜「凛をよろしくね」ニコッ
士郎「は、はいっ!」
雁夜「じゃあね」テクテク
凛「……」
士郎「り、凛、ちゃん?」
凛「雁夜おじさん……」シクシク テクテク
士郎「な、泣いてるの? な、なんで?どこか痛いの?」
凛「ついてこないで!」
士郎「っ!? 泣いてる女の子を放ってなんておけないよ!」
士郎「凛ちゃん……」
雁夜「あ~げ~た~ら~コロォッケだ~よ~」
雁夜「はぁ、コロッケ食いたい」
雁夜「しかし一番空腹なのは心の方だ」
雁夜「心の隙間を誰か埋めてはくれぬものだろうか」
雁夜「はぁ」
雁夜「思えば俺の人生、ロクなもんじゃなかったな」
雁夜「幼馴染にストーカーしたかと思えばその娘の桜を好きになってみたり」
雁夜「はぁ」
葵「どうしたの? 凛」
凛「雁夜おじさんがぁあああ」
葵「……雁夜君が、何かしたの?」
凛「わたしのことこどもだってぇえええ」
葵「へ?」
凛「うわああああん」
葵「えーと、つまり、凛は、雁夜君に子供扱いされたくないと」
凛「うん」ヒックヒック
葵「う~ん」
葵(それはちょっと無理なんじゃないかな~)
雁夜「はぁ、財布の中身も既に無くなりつつあるというのに」
クルッポー
雁夜「公園の鳩の為にエサを買ってしまった」
クルッポー
クルッポォオオオオオオ クルッポオオオオオ
用務員「アアン? お前さん、何やっとんじゃ!」
雁夜「え?何って、鳩にエサ」
用務員「勝手にやるんじゃないよ全く! 鳩がたむろしちまうと、羽は落ちるわ糞はたまるわで
わしらの仕事が増えるんじゃ!」
雁夜「は、はぁ、すいませんでした……」
用務員「フン!今回だけは大目に見ちゃる。とっとと鳩にエサやっちまいな」
雁夜「あ、ありがとうございます」
雁夜「ほら、お食べ」ポイポイ
士郎(でも、泣いてたし、何とかして元気にさせてあげたいなぁ)
士郎「ん? 何だろうあの鳩の群れ……って、あの人、確か桜ちゃんの所の……」
士郎「エサ、あげてるんだ……そっか、鳩!」
士郎「す、すいませ~ん!」
雁夜「ん? あぁ君かい。士郎くん」
士郎「い、いきなりですいませんけど、お、お願いがあって」
雁夜「……何だい、お金以外の相談なら乗るよ」
士郎「あの、その鳩のえさ、譲ってくれませんか?」
士郎「いえ、実は、あの、凄く好きな子が、泣いてて、何とか元気にしてあげたくて」
雁夜「……」
士郎「それで、鳩とか集まってきたの見せたら、元気出るんじゃないかなって」
雁夜「……なるほど」
雁夜「ほら、持って行きなさい」サッ
士郎「あっ、ありがとうございます!」ペコ
タッタッタッタ
雁夜「一生懸命な子だなぁ」
葵(雁夜君?子供に鳩のえさあげたりなんかして大丈夫なのかしら。無職なのに)
凛「ぶらんこで遊ぶの飽きちゃった……」ギィ ギィ
士郎「り、凛ちゃん!」 ハァハァ
凛「っ!?」
士郎「ちょっ、ちょっと来て!」グイッ
凛「ちょ、ちょっと!」
タッタッタッタッ
凛「何、何するの!」
ジョロロロロロロオ
雁夜「ふぅ、スッキリ。さて、と?」
士郎「はぁはぁ。見てて、凛ちゃん!」ポイポイ
クルッ、ポ クルッ、ポ パクパク
凛「鳩、さん」
士郎「可愛いでしょ!このエサあげると、近寄ってくるんだよ!凛ちゃんもあげてみなよ!」
凛「う、ん」
雁夜(……凛ちゃんたちが居なくなるまで、出ないでおこう。でもトイレくっさぁ……)
凛「た、食べたぁ!」
士郎「可愛いでしょ?」
凛「うん!」ニパァ
士郎「凛ちゃんはもっと可愛いよ!」
凛「え? あぁ、ありがと」
凛(いきなり可愛いとか言ってくるのは危険な男ってテレビでやってた……)
凛(危険な男の子ね、この男の子は……)
士郎(ゆ、勇気を出して言ったぞ!君の方が可愛いって!テレビだと女の子は
これでイチコロだって言ってた!)
雁夜「はぁ」
用務員「わけぇの。ため息ばっか付くと幸せが逃げるぞ」
雁夜「うぁお! な、何してるんですか!」
用務員「何って掃除だよ。見て分からんか」
雁夜「あっ、いや」
雁夜(掃除してるのにこの臭さとかヤバくないか……)
雁夜「ご苦労さまです」
用務員「おうよ」
雁夜「は、はぁ」
用務員「ガキの恋愛の助け舟出してやるとはな」
雁夜「は?」
用務員「見てたぞ。あの男の子に鳩のエサ、くれてやってただろ」
雁夜「え、えぇまぁ」
用務員「今時、そんな粋なこと出来るヤツぁいねぇ」
雁夜(何か良く分からん勘違いされてるなこれ)
凛「私、もう帰らなきゃ」
士郎「ま、待って!」
姉御系か…
凛「やっ、手、離して!」
士郎「お、俺は!君が好きなんだ!」
雁夜「……さぁて、お邪魔虫はそろそろ居なくならないと」ササササッ
凛「……えっ?」
士郎(い、言ったぞ……)
凛(今、おじさんが……ウソでしょ……)ボロボロ
士郎(う、うれし泣き!?成功!?)
凛(か、勘違いされちゃう! 私、違う!やだぁああ)ボロボロボロ
雁夜おじさんと藤ねえがくっつく展開を
出番が欲しいのは分かるけど少し落ち着こうか虎
雁夜「はぁ」
キリトゥグ「ん? アレは、確か間桐の……」
キリトゥグ「……ずいぶんと疲れきった顔をしているな……」
雁夜「何かなぁ……死にたい」
キリトゥグ(放っておいても害は無さそうだな)ササササッ
雁夜「ガンダムとか乗って見たいなぁ」
桜「……」
雁夜「ん? 桜かい?」
桜「」ビクゥ
桜「し、士郎くんが……」
雁夜「士郎くん?あ、あぁ、彼なら確か凛ちゃんと……」
桜 ピク
雁夜(……もしかしてヤバかった?)
雁夜「いや、気のせいだったかも知れない。彼なら、鳩にエサやってるよ」
桜「そ、そうですか」ニパァ
雁夜「ただ、エサやりに夢中な様だったからね、今日はそっとしておいてあげよう」
桜「は、はい」
雁夜「じゃあ帰ろうか」
タタタタタタッ
士郎「そ、そんなっ!」
士郎(これは……何かの間違いだよ……)ショボン
テクテクテク
桜「……あっ!」コケ
雁夜「大丈夫かい?」パシ
桜「あ、ありがとうございます」
雁夜「いやいや、気をつけないとね」
凛「おじさん、どこ行ったんだろ……」キョロキョロ
雁夜「危ないからね、手繋ごうか」
雁夜「嫌なら、そう言ってくれて構わないよ」
桜 フルフル
桜「ち、ちょっとだけ」ギュ
雁夜「さぁ、帰ろうか」ニコッ
雁夜(全てがどうでも良くなってきた……)
雁夜(桜と士郎くんの恋、応援するかな)
雁夜(いや、そういえば士郎くんは凛ちゃんが好きなんだよな?)
雁夜(俺は一体誰を応援すれば良いんだ?)
雁夜 ウーン ウーン
桜「ま、まだ具合悪いんですか?」
雁夜「あ、いや、そうじゃないんだ。ちょっとね、考え事を」
雁夜「大人になるとね、色々考えてしまうんだ」
凛「えっ、さく、ら?」
凛「……」
凛「桜は、おじさんの所に行ったから、」
凛「おじさんとは、何でもなくて」
凛「……家族だから、手繋いでるだけ、だよね」
凛「……」ヒックヒック
凛「きっとそうなんだぁ」ボロボロボロボロ
雁夜「むっ!」
雁夜「今、誰かの視線を感じた様な……」バッ
凛「ひっくひっく」
葵「凛、どうしたのこんな所で」
凛「おじさんとられちゃううう」ヒックヒック
葵「……大丈夫、雁夜君は、きっと凛の事大切に思ってると思うよ」
凛「一番じゃないとやらああああ」ヒックヒック
葵「あらら」
葵(雁夜君……何時の間に罪作りな男に……)
士郎「次だ、次! 男は、何回もアタックしないと」ヒック
士郎「だめだって……」ヒックヒック
臓硯(妙に達観しているというか、悟りを開いておる……)
臓硯(いきなりやっぱやーめーたとか言い出さないといいんじゃが)
臓硯(まぁ、ワシは5次に賭けるつもりじゃから、別に雁夜がやめてくれても構わんのだが)
臓硯(ふむ……)
雁夜「親父、ただいま」
臓硯「う、うむ」
臓硯(呼び方が急に……)
臓硯(一体どういう心境の変化なんじゃ……)
雁夜「ワカメ、あの時は殴って悪かったな」
ワカメ「や、やっと謝罪かよ」ビクビク
雁夜「でも女には暴力を振るうなよ」
ワカメ「う、ウンコが偉そうに説教たれるな!」ビクビクビクン
雁夜 スゥ
ワカメ「ワヒィイイ」ドザァアアア
雁夜「何もしないさ」ポンポン
ワカメ「はへ?」
桜(ざまぁ見ろクソワカメヘッド)
次の日
雁夜「さて、何をしようか」
雁夜「就職活動とか、やる気が起きないな」
雁夜「あぁ、おはようございます」
近くの爺さん「ん、おはよう」
雁夜「いやぁ、調子どうですか」
近くの爺さん「全然さ。息子は東京に行ったきり帰ってこんしな」
雁夜「おーバイクか」
近くの爺さん「あぁそうじゃった!」
雁夜「はい?」
近くの爺さん「東京に行った息子がのぅ、上京するのに持ってはいけんからとバイクを処分
しててくれと置いて行ったんじゃ」
近くの爺さん「雁夜くん、良かったら貰ってやってくれないか」
雁夜「い、いいんですか。そんな大切そうな」
近くの爺さん「何構わんさ」
雁夜「はい」テクテク
近くの爺さん「これじゃこれ。何ていうバイクなのかは知らんのじゃが、雁夜くん
知っとるかい?」
雁夜「ふうむ……cb400sfですか。悪くはないバイクですね」
近くの爺さん「おぉ、知っとるのか」
雁夜「え、えぇはいまぁ」
近くの爺さん「ならほれ、カギもあるし、書類もホレ」ポイ
雁夜「いやでも、頂いても本当に良いんですか?」
雁夜「それなら、ご好意に甘えさせて頂きます」
カチ クル
雁夜「まさかのバッテリー切れ」
雁夜「すんません、これどれくらい動かしてないですか?」
近くの爺さん「えーと、二年くらいかのう」
雁夜「……すんませんこれ運ぶの手伝っていただけますか」
近くの爺さん「軽トラに積んでも大丈夫かのう」
雁夜「大丈夫です。すいませんなんか」
雁夜「しかし、二年も放置してたとなると、これはもうキャブとかオーバーホールしなきゃ
いけないだろう」
雁夜「……」
雁夜「親父、工具買うから小遣いくれ」
臓硯「……いくらじゃ」
雁夜「5万くらい」
臓硯「……高っ」
臓硯「ほれ」ポイ
雁夜「すまないな」ピリリ
雁夜「っ!?親父、10万も、良いのか?」
臓硯「もってけ泥棒と言う言葉があってのう」
雁夜「……」
臓硯「ふん」
雁夜「さて、工具も買った事だし、直すとするか」
それともおじさんほしさに凛が始めちゃうか
雁夜「うげぇえええガソリン腐ってる……匂いがやばい」
雁夜「半端なくヤバイ」
桜(なにやってるんだろう……)
臓硯(もうコイツ放っておいたほうが良いのかもしれん)
雁夜「はぁ、意外と修理って大変なんだよなぁ」
カチャンカチャン
士郎 ジー
雁夜「ん?」
士郎「あっ、いや、機械とか」
雁夜「好きなのかい?」
士郎 コク
雁夜「……手伝うかい?」
雁夜(桜も喜ぶだろう)
士郎「いいの?」
雁夜「あぁ、良いよ」
士郎 パァアア
士郎「分かんない」
雁夜「これはね、キャブレターと言うんだ。ガソリンタンクから、ここを経由してエンジンに
ガソリンが行くんだ」
士郎 コクコク
雁夜「……説明するよりも、実際やった方が早いかもね」
雁夜「さぁ、やってみようか」
カチャカチャチャ
雁夜「このこいろいろとおかしい」
雁夜「これは将来は工学博士だね」
雁夜「君の将来はこれしかない」
士郎「そう、かな?」
雁夜(いやだってこれもう天才でしょう)
雁夜「取りあえず今日はここまでね」
士郎「続きは何時ですか!」
雁夜「士郎くんの都合の良い日に再開するよ」
士郎「じゃあ明日!」
雁夜「レストア作業が全部終わってしまった……」
雁夜「一週間はかかると思ってたんだが」
雁夜「まさかの士郎君の天才ぶりのおかげで助かったよ」
士郎「俺も色々勉強できて楽しかったです!」
桜 ジー
雁夜(桜も喜んでた様だし、バイクも早く治ったし、結果的に大成功かな)
雁夜「士郎君、君はプレゼントがある」
士郎「何ですか!」
バッ
士郎「これって……」
雁夜「モトクロッサーだよ」
雁夜「少年向けのだけどね」
士郎「い、いいんですか」
雁夜「うん。手伝ってもらったからね」
雁夜(親父の金だし)
士郎「うわぁー嬉しいなぁ!」
ブロロロロロ
士郎「いや、勉強までさせてもらった上に、何か頂いちゃって、本当ありがとうございます!」
雁夜「いやいや、良いんだよ」
雁夜(この子が有名になったら、俺雑誌とかに乗るのかな)
雁夜(この子を導いた男、とかって感じに)
雁夜(……そんな先の事考えても、意味ないか)
雁夜「じゃあね。暇な時にでもまた桜と遊んでやってくれ士郎くん」
士郎「あ、ハイ!」
ブロロロロロロ
雁夜「少し寄り道してこうかな」
雁夜「あっ、そこのファミレス」
雁夜「凛ちゃんがお腹壊しちゃった所だ」
葵「ん? あっ、雁夜くーん!」
雁夜「ん?葵さんだ。何だろう」キキィー
雁夜「葵さん、どうかしたのかい」
葵「あーその、凛とさ、遊んであげたりとか、したくない?」
雁夜「?」
雁夜「……それなら、士郎くんがいるさ」
葵「士郎?」
雁夜「あぁ、凛ちゃんと相思相愛の男の子だよ」
雁夜「大人が子供の大切な時間を奪っちゃ、ダメだろう」
葵(……何がなんだか分からないわ……)
雁夜「凛ちゃんに士郎くんと仲良くやる様に伝えておいてくれないか」
雁夜「おじさんは、余計な首突っ込まないからって」
葵(……童貞をこじらせるとこうなるのね……)
凛「え?」
葵「雁夜くんから、凛に宜しくって伝えてくれって言われたわ」
凛「ほ、本当に?」キラキラ
葵「あと、何か、士郎くん?が凛と相思相愛だから、おじさんは首突っ込まない、とかも言ってたけど」
葵「凛、何かあったの?」
凛「……やっぱり、雁夜おじさん勘違いしてるんだ……」ショボン
葵「勘違い?」
凛「……その男の子にね、好きだって言われたんだけど、その時におじさんもたまたま居て……」
葵(まさかの修羅場)
葵(そういえば、鳩のえさあげてたけど、あの子が士郎?くん?)
凛「私どうしたら良いのかな……」
葵「……」
葵「取りあえず雁夜君とお話してきたら」
凛「でも」
ピポパポ
葵「あ、雁夜くん?」
雁夜「あ、葵さん、何か用?」
雁夜「え」
雁夜(ナンバー貰ってきて保険もかけたから、本当は公道走りたいんだけど)
葵「無職でしょう?」
雁夜「えっ」グサッ
葵「空いてるよね?」
雁夜「……ハイ」
葵「じゃあ明日一時に○○に来てね」
雁夜「行って、何を」
葵「凛とデートしてきて」
凛「えっ/////」
葵「じゃあね」ブチ
葵「凛、頑張ってね」ニコ
凛「そんな急に……」
凛「明日何着てこう……」ニパァ
雁夜(行けなくなった事にして代わりに士郎くんでも呼んでおこうかな)
雁夜「デートと言うのは、愛し合っている二人が行うものだよ。それに相手はまだ子供だしなぁ」
葵(とか童貞くさいこと考えてそうね雁夜君)
雁夜「今思考を誰かに読まれた気がする……」
雁夜「ハァ」
雁夜「ため息の数だけ幸せが逃げる、か」
雁夜「ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ」
雁夜「さぁ、どれぐらい幸せが逃げたかな」
雁夜「はぁ……」
雁夜「もう朝か」
雁夜「結局士郎くんには連絡できなかった」
雁夜「だって俺士郎くんの家の電話番号分かんないだもん」
雁夜「家なら分かるけど、まさか夜中に行くわけにもいかないしなぁ」
雁夜「……凛ちゃん、俺見たいなおじさんと遊んでもなんも面白くもないと思うんだけどなぁ」
雁夜「俺に出来る事なんてなぁ」
雁夜「あっ、そうだ」
雁夜「凛ちゃん、こんにちは」
凛「か、雁夜おじさん!こ、こんにちは!」
雁夜「ごめんね、バイクなんかで来ちゃって」
凛「い、いえ!」
雁夜「……大丈夫かい?」
凛「は、はい!」
雁夜(ううむ、どうにも緊張している様だ……やっぱりおじんと一緒というのは精神的に
嫌なものなのだろう)
葵「陰から応援しているわ」
雁夜「どこか行きたい所とか、あるかな」
凛「お、おじさんと一緒なら、どこでも!」
雁夜(ううむ、地味に困るなこれは。童貞には荷が重い)
凛「……」
雁夜「……バイクがどうかしたかい」
凛「おじさん、バイク乗るんですね」
雁夜(えっ、今頃)
凛「……うしろ、乗って見たいです」
雁夜「えっ、ダメだよ」
凛「何でですか」
雁夜「……ほら、僕、こんなだからさ、後ろに人乗せたことなくて、危ないから」
凛「誰も、後ろに乗せたことないんですか?」
雁夜「え? うん」
凛「絶対乗せてください!」ニコッ
雁夜(いみがわからない)
凛「はい!」
雁夜「……ちょっとまっててね」
タッタッタッタ
タタタタッ
雁夜「はい、メット買ってきたから被って」
雁夜(安全運転すれば大丈夫だろう……)
凛「そっちがいいです」
雁夜「え? でもこっちは俺が被ってたのだから、匂いとか」
凛「そっちがいいです!」
雁夜「大きさとか」
凛「……」グス
凛 コクコク
雁夜「……はい」
凛 ニパァアア
雁夜(しっかし、この買ってきたメットえらくキツイ……まぁ小さめの買ったからなぁ)
雁夜「凛ちゃん、メットの大きさ大丈夫?」
凛「だ、だいじょうぶでぇす」スーハースーハー
雁夜(このメット外れなくなったらどうしよう)
凛「は、はい」ポン
雁夜「あっ、肩じゃなくて、腰の所に腕を回して」
凛「えっ、は、はい」ガシィ
雁夜(い、意外と力あるのね凛ちゃん)
凛(思いっ切り抱きついとこ)
雁夜「じゃあ発進するねー」
葵「えっ、バイクで移動するの? ち、ちょっと、後追えなくなっちゃう……」
お腹とか叩いてくれれば良いから」
凛「は、はい」
ブロロロロロ
葵「ち、ちょっとぉおおおおおお」
雁夜「……」
凛(風が、気持ち良いな……)
凛(そういえば、謝り損ねちゃったな。確か、ここ蹴っちゃったんだよね、私)さわさわ
雁夜(は?ちょ、ちょっと凛ちゃん、どこ触って)
凛(ん? 何か、ある? 蹴った所為で、腫れ物が出来ちゃった、とか……?)
凛「わっ」
雁夜「り、凛ちゃん、どうかした?」
凛「えっ、いや」
雁夜「調子悪いとか、無い?」
凛「いえ、全然!絶好調です!」
雁夜「あの、そのさ、なるべく、手は用がある時以外はこう、さわさわとか
しないでくれると助かるかなぁと」
雁夜(ちょっと勃っちゃったし……)
雁夜(オナニーとは別問題だよこれは)
雁夜(人としての尊厳の問題だ)
凛(やっぱり触れると痛むんだ……あ、謝らないと……でも、嫌われたくない……)
凛(……黙っとこ)
雁夜「大丈夫かな?」
凛「はい!」
雁夜「じゃあ行きまーす」
ブロロロロ
雁夜(おっ、いつぞや見かけた事のあるバイクライダーだな)
雁夜「女だったのか」
凛「女?」ピク
雁夜(しかし、バイクの二人乗りって会話が無いものなんだなぁ。走ってると声全然
拾えないし。何でバイク用のトランシーバーが売ってるのか分かった気がする)
セイバー(ん? フフフッ、小さなお姫さまを乗せたナイトと言った所でしょうか)
セイバー(今日は良いものが見れましたね)
凛「……」ギュ
雁夜(道路交通法的に)
雁夜「ま、いっか」
凛「まい?」
凛(誰?)
凛(気のせいかな)
凛(きっとそう)ギュギュ
雁夜(何だかさっきから凛ちゃんの抱きつき具合が強くなっていってる気がする……)
雁夜(怖いのかな? もう少し速度落とそうかな)
雁夜(子供の喜びそうな所……ダメだ分からない……)
雁夜(遊園地とかで良いのかな)
雁夜(そういや最近冬木市にも遊園地が出来たとか言ってたっけ)
雁夜(よし……行こう……)
ブロロロロロロ
凛(おじさんの匂い)スーハースーハー
雁夜(何か今寒気が……)ブルブル
凛(やっぱりこっちのヘルメットにして正解だった……)スーハースーハー
凛「えっ、ここって」
雁夜「いや、最近出来たって聞いたから、どうなのかなって思って」
凛(……遊園地って、そんなにこどもじゃないもん……)
雁夜(やばい、全然メットが外れない。これヤバイ)グイグイ
雁夜(うぉおおおおおおおお)スポッ
雁夜(取れた……)
雁夜「……ちょっと、来て見たくてね。ほら、全然そういうの俺わからないから、女の子とデート
するって言ったら、遊園地くらいしか思いつかなかったんだ」
凛(デート/////)
雁夜「凛ちゃんは嫌だったかな」
凛(おじさんと一緒ならどこでも/////)
雁夜「そっか、良かったよ」
雁夜(やっぱり子供は遊園地が嬉しいんだな)
雁夜(葵さんも何を考えているのだろうか。凛ちゃんの大切な時間を俺になぞ使わせるなんて)
雁夜(良く分からないな)
士郎「桜ちゃん! 早く早く!」
桜「士郎くんまって~」
士郎「仕方ないな桜は、ほら」ギュ
桜(士郎くんと手握っちゃった////)
士郎「今日は、遊園地だ!」
桜「お、おかねとか大丈夫なの?」
士郎「お父さんがチケットくれたんだ! 友達と一緒に行ってこいって」
士郎「いろいろ悩んだんだけど、桜と一緒に行こうかなって」
桜「……ほんとに?」
士郎(本当は凛ちゃんと行きたかったんだけど、探しても見つからなかったし)
桜「ありがとう!」ニパァ
桜(私と士郎くんって、もしかして、そうしそうあいってやつなのかな……)
桜 デレデレ
士郎(でも凛ちゃんどこに居るんだろ……)
士郎(お話したいなぁ)
士郎(……俺のファーストキスは凛ちゃんにあげようってきめたからな)
士郎(ぜったいに俺の事好きになってもらうんだ)
士郎(前のは、なにかの間違いだ。たぶん)
凛「えーっと、アレが良い!」
雁夜「んん? コーヒーカップね。良いよ」
雁夜「これを回すとね、カップも確か回るんだよね」
凛「うん!」グルグル
雁夜「はははっ、上手だねぇ」
雁夜「よーし、おじさん本気出しちゃうぞぉ」グルルルルルルルン
数分後
雁夜「おえっぷ」
凛「おじさん……大丈夫?」
雁夜(しかし凛ちゃん凄いな……具合悪くならなかったのか)
雁夜「ふぅ」ドサッ
雁夜「おじさんここで座って休んでるから、凛ちゃん好きなものに乗ってきて良いよ……」
凛 フルフル
雁夜「折角なんだし、遊ばないとさ……」
凛「おじさんと一緒に遊びたい……」ギュ
士郎「遊園地についたけど、桜何に乗りたい?」
桜「お馬さん!」
雁夜「でも、おじさんちょっとまだ休まないとかな」
凛「か、観覧車乗りたい……おじさんも休めると思うし」
雁夜(何だか、凛ちゃんに悪い事したなぁ。遊びたい盛りだと言うのに。せめて観覧車
くらいは一緒に乗ってあげるとしよう)
雁夜「そうだね、じゃあ、乗ろうか」
時臣「凛がおめかししているものだから、何事かと後をつけてみれば」
時臣「間桐の次男坊と一緒とは、これは一体……」
ギルガメッシュ「フッ、くだらん。生娘が色を知ったくらいで何を騒ぐ」
時臣「しかし王よ、娘が……」
ギルガメッシュ「ええいごちゃごちゃと煩い! 好きにさせておけ」
ギルガメッシュ「……ほう、あの娘、とんでもない病に伏しているな」
時臣「王よ、冗談が過ぎるのでは?」
ギルガメッシュ「見てみるが良い」
時臣 チラッ
凛 ウフフフ デレデレ
ギルガメッシュ「あの恍惚の表情、微かだが確かに掴んでいる男の裾を、ばたばたと動く足を」
ギルガメッシュ「恋の病の症状ではないか!」
時臣「なっ!」ガガーン
ギルガメッシュ「あやつらの恋慕の情さえもな」
ギルガメッシュ「邪魔立ては許さんぞ、時臣」
時臣「お、王がそう仰るのなら……」オロオロ
時臣(しかし、どうにかして邪魔したい……)
ギルガメッシュ「では我は勝手にさせて貰う」シュ
時臣(今この時ばかりは居なくなった事に感謝します王よ)
時臣「さて、どう邪魔したものか……」
雁夜「じゃあ観覧車に行こうか」
時臣「観覧車、だと」
時臣(もう二人の仲はそこまでに?)
時臣「見損なったぞ、間桐の次男よ。まさか幼子に手を出す変態だとはな」
時臣「まさか凛の方から好意を持ったなど、そんな事はあるまい」
時臣「お、王よ、勘違いです。ただ、見ていただけです」
ギルガメッシュ「ふむ……まぁ良い。今は信じてやろう」スゥ
時臣(ふぅ、危なかった)
時臣「とにかく、観覧車にのる前にどうにかして阻止しなければ……」
凛 デレデレ
時臣「しかし、もし邪魔が成功してしまったら、凛からあの笑顔が消えるかも知れない」
時臣「……難しい判断ではあるな」
時臣「……いや、というかおかしいだろう。小学生と三十路手前の男はダメだろう」
時臣「オファ!」
ギルガメッシュ「あれくらいの歳になれば、子供の一人も孕めるだろう」
時臣「えっ」
ギルガメッシュ「我の時代ではあれくらいのおなごになれば嫁となるなど当たり前であった」
ギルガメッシュ「何も問題はない」
ギルガメッシュ「見よ、美しいではないか。穢れ無きおなごの汚れ泣き恋」
時臣「王……」
桜(士郎くんと一緒にあそべてしあわせぇ……)
士郎「ハハッ、ん?」
雁夜 アシモト キ ヲ ツケテ ネ
凛 ウン!
士郎「凛、ちゃん」
桜「士郎くん! 次観覧車乗ろう!」
士郎「えっ、う、うん……」
士郎(これって、運命だよな。多分)
士郎(そうに決まっている)
士郎(神様が、俺にくれたチャンスなんだ!)
桜(士郎くんから誘ってくれるなんて、きっとわたしと士郎くんはうんめいの赤い糸で
むずばれてるんだ)
桜「/////」
士郎「ごめん、ちょっとトイレ行って来る」
タッタッタッタッタタタ
凛「えっ……」
雁夜「あぁ、士郎くん。こんにちは」
凛「……誰?」
士郎「えっ」
雁夜「えっ」
士郎「鳩の」
凛「……あ、あぁ、いきなり腕つかんできた痴漢さんね」
士郎「ちがっ」
雁夜(凛ちゃんにとっての痴漢の定義が何となく気になるな……)
桜は相変わらずかわいい
凛「私今日忙しいの」
士郎「そっか……」
雁夜「えっ、別に良いんじゃない」
凛「え、だって」
凛(おじさんとのでーと)
士郎「……」
士郎「ま、また今度誘うから! じゃあな!」タッタッタタタタタ
士郎(次だ次、次こそぜったいOKをもらうぞ!)
士郎「ごめん桜、お待たせ」
桜「ううん! ぜんぜんまってないよ!」
葵「運動、苦手なんだけど……」ゼェゼェ
葵「さて、どうなってるかな」チラッ
凛(おじさん、私と一緒にいるのいやなのかな)シュン
雁夜「どうしたの凛ちゃん、元気ないね」
雁夜「疲れちゃった?」
凛「……雁夜おじさんは、わたしの事、嫌いなんですか」
雁夜「そんな事ないよ。凛ちゃん見たいな可愛い子が嫌いな人なんて居ないよ」ニコ
凛「ほ、ほんとーですか!」ニパァ
雁夜「ははっ、本当だよ」
葵(どうやら良さそうな雰囲気ね)
切嗣「分かった。よいしょっと」
イリヤ「ヨイショとかおじんくさい」
切嗣「はははっ」
凛(いいなーだっこ)
イリヤ「むっ、そこのついんてーる! 切嗣はわたしのだからね!」
切嗣「いきなり何を言い出すんだい」
切嗣「すみませんどうも」
雁夜「い、いえ……」
凛(おじさん、だっこ……)チラッ
切嗣の願い叶ってないか
切嗣(どちらからも事を起こす気配は見られなかった)
イリヤ「はやく次ー!」
切嗣「はいはい」
切嗣(放っておいても良いだろう。特に間桐の方は、ガンダムに乗りたいとか言い出す
くらいには無害だ)
雁夜(親子かな……にしては、髪の色とか似てなかったけど)
凛 ジー
雁夜「……凛ちゃん、何か食べたいものでも、ある?」
キャスター「それはもう決まっているでしょうリュウノスケ」
龍之介「……本当に、やるのか?」
キャスター「穢れ無きようじょを犯さなければ、私のアソコは静まらないのです」
龍之介「旦那ってそこまで性癖広かったのか」
キャスター「はぁ、いまさらですよ。リュウノスケ」
龍之介「そんでそんで、俺は何をすれば良いんだ」
キャスター「うーんそうですねぇ、あ、あの子」
キャスター「あのツインテールの子をさらってきてください」
ギルガメッシュ「それもとびきりのな」
キャスター「……」ブルルルル
キャスター「リュウノスケ、帰りますよ」
龍之介「はぁ? どうしてだよ旦那」
キャスター(今、もの凄い殺気が……)
龍之介「ここまできたらやるっきゃねぇだろ旦那! 俺行ってくらぁ!」
タッタッタッタ
キャスター「り、リュウノスケェ!」
龍之介「ふべし!」ドグゥ
ギルガメッシュ「ふん、今日の所はこれぐらいにしておいてやるか」
龍之介「お、おで、今、な、なにがおこったの」
キャスター(だから帰りますよって言ったのに……)
凛「?」
雁夜「凛ちゃん、どうかした?」
凛「……ううん。それより、その、」
雁夜「なんだい?」
凛(だ、だっこって言えなかった……)
凛「は、はぐれちゃうと、大変だし」
凛「だめ、ですか?」
雁夜「……いいや、そんな事ないよ。じゃあ、はい」ギュ
凛「あっ」ニパァアアア
雁夜「じゃ、先に観覧車でいいかな?」
凛「はい!」
ギルガメッシュ「人の恋路を邪魔するヤツは我が一人残らず消し去ってやる」
龍之介「こ、こいじって何の事れすか……」
キャスター「はぁ、まったく。龍之介けっこう重いですねぇ……」ズルズルズル
雁夜(観覧車に入ったものの、二人きりの空間と言うのは、中々に緊張するなぁ)
凛(な、何とかして距離縮めないと!)
ギルガメッシュ「ふっ、せいぜい涙ぐましい努力でもしてあがけよ小娘」
ギルガメッシュ「きっとキサマには良い結果が出るだろう」
ギルガメッシュ「そろそろ我も行くとするか」スゥ
時臣(って言ってまたヌゥって出てくるんですね。英雄王ギルガメッシュよ)
イリヤ「あー観覧車ー!乗りたいー!いけーキリツグガーZ!」
切嗣「よーし、キリツグガーZ発進ー」トコトコトコ
やだ・・・微笑ましい///
凛(おじさんって言っちゃ、だめだ!)
凛「かり、雁夜さん」
雁夜「どうかした凛ちゃん」
凛「か、雁夜さんは」
雁夜「おじさん、で良いよ。おじさんな年齢だしね」
凛「そ、そんな事ないです」
雁夜「……ありがとう」ニコッ
凛(どうしよう……)
雁夜「凛ちゃん、学校の方は調子どう?」
凛「た、楽しいです」
凛(おじさんと一緒の方がもっと楽しいけど////)
雁夜「……それは良かった。凛ちゃん、君はね、これから色々なことを学んでいくと思う」
雁夜「そして、色々な人と出会うんだ。きっと良い恋人にもめぐり合うだろう」
雁夜「そうだ、今、好きな男の子とかいないのかい?」
凛「えっ……と……」
凛「……す、好きな男の人は、います」
雁夜(士郎くんの事かな?)
雁夜(凛ちゃんも士郎くんを好きとなると、他にも士郎くんを好いていそうな女子が居そうだな……)
雁夜(そういえば、俺が小学校の時もいたっけな。すごくモテてる男の子)
雁夜(羨ましいねぇ……)
雁夜「そっか。きっと、素敵な男の子なんだろうね」
雁夜「凛ちゃんが好きになったんだもの」ニコッ
凛「で、でも、その人は、私が好きだって、多分気づいていなくて」
雁夜「大丈夫! 凛ちゃんくらい可愛ければ、押せばすぐだし」
凛「で、でも、押しても、ぜんぜんだめで」
雁夜「凛ちゃんの気持ちに気づかないとは、そいつはとんだ極悪人だね……」
凛「はい、極悪人です……気づいてもらえないから、私苦しくて……」
雁夜(俺もあんな性格だったら、いまだに童貞なんて事態には陥ってなかったのかもな)
雁夜(あと少しで別の意味での魔法使いになれちゃうよ……)
雁夜「……それは大変だったね……何か、出来る事はないかな」
凛「あっ、あの、じゃあ、その、ぎゅっ、て、抱きしめてください……」
雁夜「え?」
凛「おねがい、します」
雁夜(凛ちゃん、きっと父親の温もりを求めているんだ……時臣め、こんな可愛い娘に
何という仕打ちを……)
雁夜「分かったよ……」ギュッ
時臣「そ、それは真ですか王よ!」
時臣「間桐のクソッタレめええええええ」
ギルガメッシュ「落ち着け時臣」
ギルガメッシュ「娘の恋慕を応援すると決めたのだろう?」
時臣(いや別に応援するとは言ってない)
葵(頑張ったのね、凛)
葵(結婚までまだ10年はかかるだろうけど、それまできちんと愛を育むのよ)
凛(おじさんの匂い……すごくいいぃ……)
雁夜「な、何か鼻息荒いけど、凛ちゃん具合大丈夫ぶ?」パッ
凛「やっ」ギュ
雁夜「おおっと」
雁夜(時臣め……娘をこんなに寂しらがせるとは、まさに鬼畜……)
ギルガメッシュ(壊れたか)
時臣 ゴソゴソ ピポパ
時臣「警察ですか、今三十路手前の男が女児を……」ヒョイ
時臣「えっ?」
ギルガメッシュ「ふんっ!」バキッ
時臣「お、王、どうしました」
ギルガメッシュ「時臣、キサマの方こそどうしただ。娘の思いを無碍にするつもりか?」
ギルガメッシュ「羽虫のごとく握りつぶされてもおかしくはない思いを、守り、育んでいる勇ある
小さき者から、その全てを奪い取ろうとしているのだぞ、キサマは」
時臣「……」
ギルガメッシュ「キサマの個人的な、醜き嫌悪の感情と、清らかな沢水のごとき娘の思い、どちら
にこそ価値があるのか、少しは考えて見るのだな」
時臣「英雄王……」
時臣(しかし、やはり小学生と三十路手前という組み合わせは間違っていると思う……)
桜「今日はいっぱい遊んだね!」
士郎「う、うん!」
士郎(凛ちゃん……)
凛「……」ギュ
雁夜「……おんぶしようか?」
凛「……だっこが良いです」
雁夜「……そっか」ヒョイ
凛「きゃっ」
雁夜「腕を、首に回して。落ちると危ないからね」
凛「は、はい」
雁夜(凛ちゃんまだ小さいせいかな。回す腕がいっぱいいっぱいで、顔近い)
時臣「くっ、……英雄王、私はもう耐えられません……先に帰ります……」ダダダダダッ
ギルガメッシュ「血涙とは……時臣……」
雁夜「やっぱり軽いね、凛ちゃんは」
凛「あ、ありがとうございます」ニコッ
雁夜「……凛ちゃんはさ、笑うと、もっと可愛くなるよね」
雁夜「その笑顔で世界中の人々を幸せにする為に生まれてきたのかもね」
凛「……私は、一人だけ、一人だけを幸せにできたら、それでいいです」ニパァアア
雁夜「ありがとう」
凛「あっ、いやっ、そんな」
ギルガメッシュ(……ふむ、どれ、一つ手助けしてやるとするか)ヒュン
雁夜「うわっと」コケッ
凛「キャッ!」ドデン
雁夜「っ!?」
凛「//////」チュ
ギルガメッシュ「我にかかれば、事故にみせかけた接吻など朝飯前だ」
凛「は、はい大丈夫です。お、おじさんが下になってくれたから……」
雁夜(まさか、こんなアクシデントががおきるなんて……)
雁夜(凛ちゃん、俺とキスなんてしたくなかっただろうな)
凛(は、はじめてキスした! し、しかも、おじさん相手に!)
凛「/////////」
雁夜「あの、何か、ごめんね。凛ちゃん」
凛「いえ、嬉しかったです////」
雁夜「え?」
凛「いえ、あの、」
雁夜(きっと混乱してるんだな……今日はもう帰った方が良いのかも……)
雁夜「怪我とかしてたら大変だし、今日はもう帰ろう」
葵(凛、やるじゃない)
凛「は、はい……」
雁夜(まだ遊んでたかったかな?)
凛(おじさんとキスまで出来ちゃった……/////)
雁夜「それで、悪いんだけど、やっぱりヘルメットこっちの小さいの被って貰っても良いかな」
凛「はい」
雁夜(何だか、大人しい……)
凛(さっきまでおじさんが被ってたから、こっちにもおじさんの匂いが……)
雁夜「さて、ここまでで大丈夫かな」
雁夜「今日は、その、何て言うか、ごめんね」
凛「いえ、全然。むしろ、嬉しかったです」
雁夜(やっぱりこけた時にどこか打ってしまったのだろうか……)
凛「また、でーとしてくださいね!」ニパァ
雁夜「何時でもどうぞ」
凛「ばいばいおじさーん」タッタッタッタタタタ
雁夜「元気だねぇ……」
雁夜「ん?」
凛(キスまでしたんだから、いけるよね……)ドキドキ
凛「おじさーん!」クルッ
凛「だーいすき!」
雁夜「へ?」
凛「すっごいすっごいだーいすき!」
凛「おっきくなったら結婚してくださーい!!!」クル タタタタタッ
葵(とうとう言ったわね……凛……)
雁夜「はははっ、冗談、かな」
雁夜「こけた時、凛ちゃんやっぱりどこかぶつけたのかな」
葵「雁夜くん、それは違うわ」
雁夜「うわおっ!」
雁夜「あ、葵さん……」
葵「凛はね、結構前から雁夜くんの事が好きだったの」
葵「私ずっと相談にのってたんですもの」
葵「歳の差なんてね、恋と愛の前では無力なのよ」
雁夜「……」
葵「それに、あんな凛、初めて見たわ」
葵「すごく一生懸命に悩んで、悩んで」
葵「雁夜くんはそういう凛を見ていないから不安になるのよ」
葵「私は見ていたから、本当に好きなんだって分かったわ。おままごとの恋じゃないって」
葵「まだ7歳なのに、大人の恋をしてしまったのよ、凛はね。責任取らなければいけないわよ、雁夜くん」
雁夜「……」
雁夜「嫌いではないです」
葵「なら、良いじゃない」
雁夜「でも」
葵(まったく、これだから童貞は)
葵「じゃあ、こうしましょう。凛が16になってもまだ雁夜くんの事が好きなら、即結婚」
葵「そうじゃなくなったら今まで通りで」
葵「これなら誰も不幸にはならないわ」
臓硯.「何じゃまだ誰も帰ってこんのかい……」
雁夜(度重なる特訓の所為で、もう俺はボロボロだ……)
雁夜(どうせ10年も生きる事は叶わないだろう)
雁夜「分かった。凛ちゃんが10年経っても俺の事を好きでいてくれるなら、その時は
俺もその気持ちに答えるよ。さすがに、それぐらいまで大きくなったのであれば、年齢差が
どうこうというのは、言い訳にしかならないから」
葵「そうっ、良かった! 凛に教えてこなくちゃ!」タタタタタッ
雁夜「……」
テクテクテクテク
雁夜「ただいま……」
雁夜「……親父、俺、あとどれぐらい生きていられるんだ」
臓硯.「どれぐらいって、そうじゃのう……分からんのう……」
雁夜「えっ」
臓硯.「殺すつもりで苛め抜いたハズなんじゃが、意外としぶとく生きとるし、白くなった
髪もいつの間にか黒く戻ってるし」
雁夜「……」
臓硯.「さぁ、分からんのう」
臓硯.「それで結局、聖杯戦争に参加はするんじゃな?」
雁夜「いや……考えさせてくれ……」
雁夜(俺は、どうすれば良いんだ……)
雁夜(そもそも何で俺聖杯戦争に参加するっつったんだっけ)
雁夜(あぁ、そうだ、桜を助けて、葵さんの高感度あげてって)
雁夜(でももうそんな二人もどうでも良い)
雁夜(聖杯戦争に参加する意味なんて、あるのか)
雁夜「zzzzz」
雁夜「そういえば親父の言った通りだな……すっかり白くなってた髪が、黒くなってる」
雁夜「顔の蚯蚓腫れの様なものもすっかり引いてるな……」
雁夜「そういや、桜の方を好きになってから、鍛錬さぼりまくってたからな……」
雁夜「桜を助けたら、もう二度と会えなくなる気がして、努力が嫌になったんだ……」
雁夜「……」
雁夜「しかし、いくら容姿が元に戻ろうと、何時死ぬか分からないのは変わらない、か」
雁夜「……少しだけ、自分の為に生きてみるか」
臓硯.「心は決まったかのう、雁夜」
雁夜「……すまない、親父。今回の聖杯戦争は、参加出来ない……」
臓硯.「ふぅむ。まぁよい。もともと期待はしとらん」
臓硯.「……どういう心境の変化かは知らんが、決めたのなら、拒む理由はない」
雁夜「本当に、すまないと思っている」
臓硯.「気にするでない……」
雁夜「……」
臓硯.「まずは基礎の基礎からかのう……」
臓硯.「なぁに、ゆっくり鍛えるさ……」
雁夜「……次また聖杯戦争があるならば、必ず参加して、勝ち残って見せる」
臓硯.(子を愛でる気持ち、ここ数百年も忘れておったわい……)
臓硯.「その時は期待しようかのう……」
雁夜「……出来れば、遠坂のサポートに回りたい」
臓硯「遠坂の、ふむ……」
臓硯「まぁ、良いじゃろ。聖杯戦争とはどういうものか、その目で見てくると良い」
臓硯「次の戦争への糧になるじゃろう」
臓硯「話はワシから時臣につけておこう」
雁夜「親父、すまない……」
時臣「それで君は私の所へ来たという事か雁夜くん」
雁夜「はい、どうぞ宜しくお願いします」
時臣「ふむ。礼儀は知っている様だね」
雁夜「……」
時臣「何故だか分かるかね」
ギルガメッシュ「愛娘がほれた男だからという低俗な理由だろう」ヌゥ
時臣「……王よ」
ギルガメッシュ「ではな」スゥ
雁夜「……」
時臣「しかしだ、協力してくれるというのであれば、やぶさかではない」」
時臣「間桐家の申し出、断る理由も無い」
雁夜「はい」
凛 ジー
時臣(り、凛、出てくるんじゃない)
凛(お、おじさんだ////)
凛(お話したいな)
雁夜「どうかされましたか」
時臣「いや、何でもない」
時臣「とかく、何かあればこちらから連絡しよう。まだサーヴァントも出揃ってはいない」
時臣はキレイに殺されてしまい、凛は大変落ち込んだが、雁夜の支えもあって
何とかなった。というかもっと惚れた
ちなみに士郎くんはやはりキリトゥグとキレイちゃんの争いに巻き込まれて孤児になって
キリトゥグに引き取られました
ただたびたび雁夜の所に遊びに来てはワカメと喧嘩してましたけど
桜ちゃんはやっぱり士郎にほれたままの様です
それから10年がたちました
凛「なにお母さん」
葵「もう17、だっけ」
凛「そうだけど」
葵「雁夜くんと凛がした約束、覚えてる?」
凛「/////」ボンッ
葵「凛ったらねぇ、『うん、10年後も絶対雁夜おじさんの事好きだよ!』ってね」
凛「お、覚えてない!」カァアアア
葵(分かりやすいわねぇ……)
葵「あらあら良い所に」
凛「な、何でもないです!////」
雁夜「はははっ、嫌われちゃったかな」
凛「き、嫌いになんてなりません!」
雁夜「ありがとう」ニコッ
凛「い、いえ/////」
士郎「凛! ガッコ送れちまうぞ!」
凛(げぇ、士郎……早く消えないかなアイツ……)
士郎(俺はぜって諦めねぇ!)
送っていかなくても良さそうだ」
凛「い、いえ、今日もおじさんのバイクで送って欲しいです」
雁夜「いやいや、でも士郎くんが」
凛「おじさんが良いです」
雁夜「……」
凛「お、覚えてますか。10年前の、約束」
雁夜「……」
凛「わ、私が、10年経ってもおじさんの事大好きだったらって、」
凛「えっと、あ……はい」シュン
雁夜「……凛ちゃん」ポイ
凛「わっと、ヘルメット……」パシ
雁夜「士郎くん、すまないね、凛はもう学校に行ってしまったんだ!」
士郎「あ、雁夜おじさん! それマジっすか!? 待ってくれー!凛!」ドタドタドタ
雁夜「では、送ろう」
凛「は、はい!」
慎二「お世辞を言っても何も出ないよ」
一成「いや、素晴らしい、礼儀正しさに加えて、気品まである」
慎二「そうかな」
慎二(クソー、あの出戻りウンコに無理やり仕込まされたからなぁ……)
慎二(誰かをいじめようとするとあいつの拳が脳裏を横切って、吐き気がしてしまう)
一成「ホント、体も良い感じだし」サワ
慎二「ヒッ!」ビクゥ
士郎「オハヨウ!」
士郎「っと、そういや、凛は」
一成「あの女狐ならどっか行ったぞ」
士郎「そっか……」
桜「せんぱ~い!」
士郎「桜! どうした?」
桜「お、お弁当作ってきたので、よ、良かったら食べてください!」
士郎「……良いのか、桜?」
桜「は、はい!先輩に食べて貰うために作りましたから!」
一成「慎二、お前の妹だろう。挨拶くらいしたらどうなんだ」
慎二「いや、いい……」
一成(ははーん、兄妹と言うのは、中々難しい間柄だからなぁ)
慎二(あいつにちょっかいかけると出戻りに怒られんだよなぁ……近づかないのが正解だ……)
桜「あっ、兄さん、いたんですね」ニヤリ
慎二「フヒッ……」ビクゥ
一成(どことなく、怯えてる様にも見える……)
士郎「ありがとうな、桜!」
桜「はい!」ニパァ
桜「それじゃあ、私教室に戻りますので」
一成「うむ、良い子じゃないかお前のガールフレンドは」
一成「ううむ、しかし、あの女狐だけはダメだ士郎」
士郎「だとしても、俺は惚れてしまったんだ!」
一成「素直に、桜ちゃんにしておけ」
ガララララララ
凛 テクテクテ
士郎「あっ、おーい凛!」
凛「何?」
士郎「ちょっと話しようぜ」
凛「え、嫌だ」
凛「ふーん」
士郎「……なぁ、俺の何がダメなんだ?」
凛「生理的に」
士郎「それはさすがにウソだって分かるぜ」
士郎「何かあるなら言ってくれ!治すから!」
凛「えーと、じゃあ老けてみて」
士郎「へ?」
キーンコーンカーンコーン
宗一郎「では授業を始める」
士郎(まだだ!まだチャンスはある!)
慎二(あー家に帰りたくないなぁ)
一成(慎二のケツぷにぷにしてたなぁ)
凛(早く帰っておじさんと話しないと……)
葵「あら雁夜くん、まだ掃除の途中でしょう。お手伝いしてくれるんじゃなかったの?」
雁夜「ごめんよ葵さん。ちょっと急用がね」
葵「……そう、なら仕方ないわね」
ブロロロロロロロロ
葵(多分指輪買いに行ったのね……憎いことをするわね雁夜くんも)
葵「『覚えてるよ。サッ』」
葵「とかやる気ね、アレは」
雁夜(まさか、この指輪を使う時がくるとは……)
雁夜(渡すことはないと思って、しまっていたが……)
雁夜(完全オーダーメイド、ピジョンブラッドの宝石を使った、婚約指輪)
雁夜(念のため、何て言っていたが、きっと私は心のどこかでそうあって欲しいと
思っていたのだろうな……)
雁夜「まったく、私ときたら……」
士郎「凛!一緒に帰ろうぜ!」
凛「アンタ弓道部行かなくて良いの?」
凛「桜が待ってるわよ」
士郎「なぁに桜はモテモテだから俺がいなくてもしっかりやれるさ」
凛「桜はアンタからだけモテモテでいたいのよ」
士郎「でも俺が好きなのはお前なんだよ、凛」
凛「へー」
士郎「……凛、どうしてだ。どうしてなんだ」
凛「……何回も言うけど、仕方ないでしょ。士郎見ても全然胸がドキドキしないし、何か
してあげたいとも思えないし、一緒に居て安心とかもしないし」
付き合って見ようぜ」
凛「好きでもないのに付き合うとか出来ないでしょ」
士郎「付き合ってみてから出来る恋愛もあるって、本に載ってたし」
凛「それで?」
士郎「だから、俺とさ」
凛「無理」
士郎 ガガーン
凛「と言うか、ちゃんと士郎を好きでいてくれる子がいるんだから、そっちを向くべきだと思うけど」
士郎「頼む」ドシャアアアア
凛「ち、ちょっと、土下座とかやめてよ……」
士郎「それだけ本気なんだ!10年間もずっと好きなんだ!」
凛「か、顔あげて」
士郎「じゃあ付き合ってくれ」
凛「それは、無理だけど……」
士郎「……ほかに、好きな男でも居るのか……?」
凛「……」
士郎「どうなんだよ!」
士郎「あへ?」
士郎「……だ、誰だよそいつ、10年も一緒の俺よりも、お前の事分かってるヤツなんているかよ」
凛「……ナイショ」
士郎「おい、せめて誰か言えよ!」
桜「せ~んぱ~い!」
士郎「さ、桜ぁ!?」
桜「練習行きましょう!」ズルズルズル
葵「お帰り、凛」
凛「あれっ、雁夜おじさんは?」
葵「なぁに、待てないくらい好きなの?」
凛「ちょ/////って、////いや、その、うん……」ボン
葵(やっと素直になったのね……)
葵「雁夜くんとちゅっちゅっしたいのね?」
凛「……はい」カァアアアア
慎二「せめてパパが生きててくれたなら……10年前の事故だか何だか知らないけど
勝手にくたばるなよっ!」
慎二「クソッ」ケリッ
慎二「って、捨て猫……」
ネコ「ミャーミャー」
慎二「……ふん、待っていろ」ダダダダッ
慎二「一成、お湯借りるぞ」
一成「あ、あぁいいけど、急にどうした」
慎二「あと牛乳もな」
慎二「じゃあな」ダダダダッ
一成「い、一体何だったんだ……」
ダダダダッ
慎二「ほら、飲め」
慎二「俺もお前と同じさ。帰る所がないんだ」
慎二「お前と俺は、一心同体さ……」ソッ
ネコ「ミギャー!」ダダダッ
慎二「まさかネコに嫌われるとは……」
葵「別に良いのよ、明日も来てくれるんでしょう?」
雁夜「ええ。全部手伝う、と言う約束でしたし」
葵「だってよ、凛。良かったわね、凛の大好きな雁夜くん明日もきてくれるって!」
凛「え、お、おじさん来てるの?」ドタドタドタ
雁夜「やぁどうも。今朝ぶりだね」
凛「あっ、朝は、送ってもらって、ありがとございました」
凛「……そ、それで今朝の続きなんですけど」
雁夜「……うん」
凛「すごいすごい大好きです!」
凛「だ、だから」
雁夜「……」
凛「そのっ……」
雁夜「……凛ちゃん、左手の薬指借りるよ」スッ
凛「えっ……」
スポッ
雁夜「これが、私の答えかな」
凛「……」ジー
雁夜「と言っても、もう四十手前の行き送れたおっさんじゃ、やっぱり嫌かな」
凛「としは、かんけー、ないです……」ヒックヒック
涙拭けよ時臣
子ギル「間桐の次男を殺す算段立ててましたからね」
キレイ(そのためだけに私は利用されたというのか……)
子ギル「この世の女性の幸せと笑顔は全て僕のものですから」
子ギル「十年越しの想いの叶った女性の涙交じりの笑顔は筆舌しがたいほどに美しいですね」
子ギル「それに比べて時臣ときたら、血涙流しながら殺人の計画とは……」
子ギル「まぁ一件落着と言う事で一つ」
fin
葵(良かったわね、凛)
面白かった
いいもん見たわー
面白かったよー乙!
Entry ⇒ 2012.06.12 | Category ⇒ FateSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
伊織「アイドル全員でプロデューサーを全力で落とす」
P「真ー、悪いが今俺は仕事中d」カタカタ
真「大人しくして下さいね、っと!」ガシッ
P「ぐぇっ!?」
真「ふんっ」ギュウウウウ
P「……ぐ、が………!い、息がっ………!!」バタバタ
P「」チーン
真「やーりぃ!」グッ
伊織「やーりぃ、じゃないでしょ……ホントバカね、あんた」
雪歩「は、はい」スタスタ
P「今日はな、近くの――」
雪歩「……えいっ」ドンッ
P「うおっ……!?」グラッ
ガタンドスンバタンドンガラガッシャーン
伊織「……何?あんたらそんなにプロデューサー殺したいわけ?」
雪歩「ええっ!?だ、だって、伊織ちゃんが落とせって言うから……」アワワワ
伊織「誰が階段から落とせっつったのよ!」
P「ん?どうした、やよい?」
やよい「この五円玉をじっと見てください!」ビシッ
P「?」
やよい「あなたは眠くなーる、眠くなーる、眠くなーる………」
P「…」
やよい「あなたは眠くなーる、眠くなーる、眠くなーる………」
P「…」キリッ
P「…」パチクリ
やよい「あなたは眠くなーる、眠くなーる、眠くなーる………」
P「…」パチクリ
やよい「グスッ……あ、なたは、眠く、なるっ……なるんですっ………」
P「!…………ぐがー」
やよい「!……伊織ちゃん!ほら!」
伊織「ちゃんと眠りに落ちてるわね。よくやったわ、やよい」ナデナデ
P「み、美希……」
美希「もう、ガマンできないの……」スルスル
美希「……ミキはね、ハニーだけのアイドルになりたいから……」ヌギヌギ
美希「そのためだったら、何だってしちゃうの!」スッポンポン
P「美希……」
美希「だから、一緒に落ちて………ね?」
P「分かった……美希と一緒なら、どこまでだって堕ちてやるさ」キリッ
美希「やぁん………はにー、はげしぃ………」Zzz
伊織「ヨダレ垂らしまくって……一体どんな夢見てんのよ」
伊織「へぇ、それじゃ見せてもらおうじゃない」
prrrrr prrrrr ピッ
P「はい、こちら765プロ……あ!いつもお世話に……」
P「……はい、そうでしたか………いえいえ……ありがとうございました」ピッ
響「プロデューサー!どうしたんだ?」
P「響……こないだお前が受けたオーディションなんだが、不合格だった」
響「グスッ……ゔぅぅぅっ………み゙、見゙だが、い゙お゙り゙ー!」ポロポロ
伊織「あんたが落ちてどうすんのよ……」ナデナデ
亜美「んっふっふ、これは愚問ですね~……そう思わないかい?スティンガーくん」
真美「全くもってその通りだね~、コーウェンくん」
伊織「大した自信があるようね……じゃ、やってみなさいよ」
真美「そんじゃ早速、兄ちゃんの机をガサ入れ開始→!」ゴソゴソ
亜美「亜美は兄ちゃんのロッカーをガサ入れするぜぃ!」ゴソゴソ
P「あっ!こ、こら!お前たち何をやってるんだ!!」
亜美「ヒャッハ→!こっちはコミックLOなるものを発見しちまったぜぇ!」ゴソゴソ
P「!!!」
千早「勝手にプロデューサーの私物を漁ったりしたらいけません」ヒョイ
亜美「ああー!千早お姉ちゃんそれ返してよー!」
真美「それ真美達が見つけたものなんだよー!」
千早「へぇ……プロデューサーも、漫画読んだりするんですね」ペラッ
P「うわああああああやめろおおおおおおおおお!!!」
真美「………」
千早「……あの……こ、これ、返しますね」ササッ
P「……………」
亜美「……あの、いおりん」
真美「……判定、どうよ?」
伊織「……誰がプロデューサーの評判落とせって言ったのよ……」
伊織「いや、無理でしょあんたには」
春香「フフフ……今日の春香さんはちょ~っと違うんですよ~?」フフン
伊織「…」イラッ
春香「他の子とは一味も二味も違うところ、見せてあげましょう!」ビシィ
prrrrr prrrrr ピッ
P「はい、こちら765プロ……あ!いつもお世話に……」
P「……はい、そうでしたか………いえいえ……ありがとうございました」ピッ
P「春香……こないだお前が受けたオーディションなんだが、不合格だった」
春香「どう?」ドヤッ
伊織「は?」
春香「私がオーディションに不合格……それはつまり」
春香「プロデューサーさんの腕が落ちたって事なんですよ!」ドヤァ
伊織「………」
春香「…?」
伊織「………」
春香「(い、伊織……まるで養豚場のブタでも見るかのような目をしてる……!?)」
春香「(『可哀想だけど明日の朝にはお肉屋にならぶ運命なのね』って感じの……!)」
伊織「貴音、あんたもやってみる?」
貴音「そうですね……」
貴音「あなた様」
P「ん?どうした?」モグモグ
貴音「どうか、そのまま動かず――」
ペロッ
P「!!?」ガタタッ
P「あ、ああ………ありがとう、貴音」ポケー
貴音「どうでしょうか」
伊織「……あんた、大胆すぎるわよ」
貴音「?汚れを落として差し上げただけなのですが……」
伊織「えっ」
貴音「えっ」
P「なんだ、律子」
律子「あずささんの不採用のグラビア写真がいくつかあるんですけど~」ヒラヒラ
P「」ガタッ
律子「欲しいんですか?」
P「……い、いや?別に?」プルプル
律子「あら、こんな所に何故か電卓が」ピッピッピッ
P「ぐっ……す、少し高すぎやしないか」
律子「あらら、何だか突然、社長に用事ができちゃったかも」
P「……律子、黙ってこれを受け取ってほしい」ニギッ
伊織「……誰も金を落とせなんて言ってないんだけど」
律子「あ、いたいた!あずささーん、ちょっといいですかー」
伊織「!?」
P「あ、あずささん!?」ギクッ
あずさ「ちょっとお聞きしたいことがあるんですが~……」
P「な、何でしょう?」
あずさ「実は、雑誌に提出用の、私の写真が……紛失、しちゃったみたいなんです」
P「……何、だと……」
P「………」プルプル
あずさ「?……プロデューサーさん?」
P「い、いや、何でもありませんよ!?」
P「……あ、もしかして~……こ、この写真、じゃないかなぁ~?」ピラッ
あずさ「あ、これです!どうもありがとうございます~」
P「あははは……は、はは………はぁ」ガックリ
伊織「………罠に落とせとも言ってないんだけど」ヒソヒソ
律子「罠?『たまたま』、『うっかり』、『写真を落としちゃった』だけよ」ヒソヒソ
伊織「ド汚くできてんのね~、あんたって」ヒソヒソ
続きはよ
伊織「……あたしが何よ?」
律子「スーパーアイドルの伊織ちゃんに、あのプロデューサーを落とせるのかしらね?」
伊織「はぁ?何であたしがそんな事しなきゃなんないのよ……」
律子「ふーん……じゃあ、一番落とすのに自信がないのって、実は……?」ニヤニヤ
伊織「!……そ、そんなことある訳ないじゃない!」
伊織「あたしにかかれば、あんなプロデューサーなんてイチコロよ」フンス
律子「あらそう。じゃ、お手並み拝見させていただくわ」
伊織「うー……なんだかうまく乗せられたような……」
P「ん?」カタカタ
伊織「きょ、今日のあたしを見て……どう思う?」
P「どう思うって……今日も可愛いんじゃないか、伊織は」カタカタ
伊織「そ、そう……そうよね~、このあたしが可愛くないわけないわよね~」
P「もういいか?今忙しいんだ」カタカタ
伊織「…」イラッ
P「何だよ……今日はやけに突っかかってくるんだな」クルッ
伊織「わ、悪かったわね」
P「で?伊織は俺に何をしてほしいんだ?」
伊織「……あたしを見て、どうも思わない?」
P「はぁ?」
伊織「その……ムラムラする、とか……」
P「……あのなぁ、俺はプロデューサーだぞ?」
P「アイドルの身体眺めて一々欲情してたら仕事にならんでしょうが」
P「思わねーよ……大体お前まだ中学生だろ?それって犯罪じゃないのか?」
P「そういう事を思った時点でペドだぞ?ロリコンだぞ~?」ヘラヘラ
伊織「うっ……」
P「まぁ、確かに伊織はアイドルとして魅力的ではある……」
P「が!女として俺を誘惑しようなんざ、百年早い!」ビシッ
伊織「…」ムカッ
P「子供は子供らしく、オレンジジュースでも飲んでるこった、ハハハ」ポンポン
伊織「っ~~~!」ムカムカッ
P「……ん?」
伊織「もうあたしは立派な大人よ!」
伊織「だからちゃんとあたしを大人として扱いなさいよ!!」バンッ
P「ほう………じゃあ伊織を、大人として扱えばいいんだな?」
伊織「そ、そうよ……何か文句ある?」
P「いいんだな?」ガタッ
ガシッ
伊織「えっ……?」
P「何って、襲ってほしかったんだろ?」
伊織「そ、そうだけど!……で、でも、どうせあんたにそんな度胸なんて、あるはずn」
P「あると、言ったら?」グイッ
伊織「あっ……」
バターン
伊織「ちょっ………い、いいいきなり、押し倒すぅ!?」ドキドキ
P「大人として、扱ってほしいんだろう?」
伊織「ば、馬鹿ぁ!?あんなの……じょうだんに、きまっ……て………」ドキドキ
P「……もう一度聞こうか。伊織は、俺に、何をしてほしいんだ?」キリッ
伊織「うぅ……あ、あたしは……あたしは、その………」ドキドキドキドキ
P「ん~?聞こえんなぁ」
伊織「………き、キス………」
P「……聞こえんなぁ~?」
伊織「………お、おとなの……キス………///」プシュー
P「ふむ……舌を絡めるアレか?フレンチキス?」
伊織「………///」コクッ
伊織「(……ほ、ホントにやるの……!?)」ドックンドックンドックンドックン
P「…」ゴソゴソ
伊織「(……そ、そうよ、あたしはもうおとな、なんだから……これくらい………)」ドックンドックンドックンドックン
P「……舌を、出せ」
伊織「(………こ、これくりゃい……にゃんでも………)」ドックンドックンドックンドックンドックンドックンドックンドックン
伊織「…………ん…………///」プルプル
カシャ ピローン
P「小鳥さん!画像の確認を!!」シュバッ
律子「っ!」ガタッ
小鳥「ダメです律子さん!ただいま審議中、審議中ですっ!」ババッ
小鳥「………oh………」
伊織「……な、何……?」パチ
小鳥「ウィナァァァァッッ!プロデューサーさんッッッ!!」
P「っしゃあぁぁぁぁぁっ!!」グッ
律子「……そ、そんなバカなぁっ……!!」ガクッ
伊織「……へ……?」ポカーン
小鳥「前半のそっけない振りから、後半の強気な推し……あれは破壊力抜群すぎますよ」ジュルリ
P「律子ォ!約束通り、明日の昼食代!律子の奢りだかんな!!」ビシィ
律子「ぐぎぎぎ……く、悔しいぃぃ~……!!」
小鳥「それにしてもすごい演技でしたね、プロデューサーさん」
P「俺のPはプロフェッショナルのPでもあるんですよ、小鳥さん」キリッ
はよ
P「こちとらアイドルに四六時中接するのが仕事ですからね」キリッ
P「俺の自制心は鋼鉄製ですよっと」キリリッ
律子「(……あずささんのグラビア写真はあんなに欲しがってた癖に……!)」ギリッ
P「……まぁ、そういう訳だから。怖がらせて悪かったな、伊織……伊織?」
伊織「………人の気持ちを賭けの対象にして、そんなに楽しかった………?」グスッ
P「」
小鳥「」
律子「」
伊織「こうなるって知ってて、あたしをけしかけて……」
律子「うっ……!」
伊織「グスッ……そっか……あたしの気持ち、プロデューサーに弄ばれちゃったんだ………」ポロポロ
P「……そ、そそその、何だ……伊織には、本当に、悪いことをした……すまん」
小鳥「さ、最初に思いついた私が悪いんです!」
小鳥「伊織ちゃんに逆に迫ったらどうなるかなぁ、なんて……ご、ごめんなさい伊織ちゃん!」
律子「わ、私も悪かったわ……こんなんじゃ、あなたのプロデューサー失格よね……」
伊織「みんなして、あたしをからかって……ヒック………ひどいよ………」ポロポロ
小鳥「心の汚い大人ですんませんしたぁ!!」ドゲザァ
伊織「ヒック……グスッ……じゃあ、あたしの言うこと、何でも……聞いてくれる……?」
P「ああ、何でも聞いてやる!聞いてやりますとも!……なっ?」アセアセ
小鳥「は、はい!もちろん!」アセアセ
律子「………」
P「お、おい、律子……!」
律子「……………」
伊織「……グスッ……」ポロポロ
律子「…………ああもう、分かったわよ……好きにしたらいいわ」
伊織「それじゃ、律子は明日からあたしの荷物持ち、お願いね~」ケロッ
小鳥「(わ、私達は……あまりにも、浅はかだった……!)」ガタガタ
P「(雰囲気に呑まれ……!その無垢な泣き顔に、騙されてしまった……!)」ガタガタ
小鳥「(彼女の真に恐るるべきは、その表現力の高さ……!)」ブルブル
P「(俺達は、たかが中学生相手と思い、忘れていた……!)」ガタガタ
小鳥「(……忘れちゃ、いけなかったんだ……!)」ブルブル
P小鳥「「(水瀬伊織が、アイドルであるということを……!!)」」ガクガク
律子「……こんなこったろうと思ったのよ……」ハァ
なにそのごほうび
小鳥「さ、流石にそれはちょっと」
伊織「出来ないなんて、言わないわよねぇ~」ニコッ
小鳥「……ピヨ~……」シクシク
伊織「……で、プロデューサー♪」クルッ
P「な、なんだ……?」ビクビク
伊織「その携帯で撮った画像、今すぐ削除」
P「ええっ?い、いや、これは記念に」
伊織「え?」ニコッ
P「わ、分かった、すぐ消そう(……め、目が笑ってない……)」カチカチ
伊織「そぉ・れぇ・とぉ♪」
P「!?」
P「(真にはシメ落とされ、雪歩には階段から突き落とされ、やよいの催眠術にかかり……)」
P「(美希はレッスンをすっぽかし、響と春香はオーディションに落ち……)」
P「(真美達に私物を公開され、千早にはドン引きされ……)」ドヨーン
P「(貴音には汚れを取ってもらい、律子には金を取られ、あずささんに写真を持って行かれ……)」
P「(そして最後は伊織に泣き落しを食らった……振り返れば、壮絶な一日だった)」ガックリ
P「(そして、今日は――)」
伊織「だぁから、言ったじゃない?荷物持ち、お願いねって」
伊織「ほら、何チンタラしてんのプロデューサー!次行くわよ!」
P「ひぃぃぃ……お、お前どんだけ買う気なんだよぉ……」
伊織「そりゃもちろん……気の、済むまで♪」ニコォ
P「」ゾクッ
伊織「あんたは今日一日、この伊織ちゃんの財布なんだからね~」フフン
P「(………ふ、不幸だぁ………)」シクシク
伊織「こうなったら、意地でも落としてやるんだから……にひひっ♪」
小鳥「……画像の保存先は小鳥フォルダに、と……」カタカタ
小鳥「フフフフフ……まだまだね、伊織ちゃん……」カタカタ
小鳥「……え?私は落とさないのかって?」
小鳥「うーん……私は落とすより、落とされたいですね~、なんて」テヘッ
小鳥「………誰か落としてよぉ………」グスッ
おわり
乙であった
Entry ⇒ 2012.06.12 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
岡部「デスノート?」
岡部「DEATH NOTE・・・ 直訳して死のノートか・・・下らん」
~五日後ラボ~
岡部「フフ、欲しい物は手に入った」
リューク「その様子だと随分気に入ってるみたいだな」
岡部「う、うわっ!?」
リューク「何故そんなに驚く。ノートの持ち主死神リュークだ」
岡部「し、死神・・・、ノ、ノート?」
リューク「ん? お前デスノート拾ったんじゃないのか?」
岡部「デスノート・・・あの黒いノートか!」
リューク「そうだ、使ってないのか?」
岡部「え、英語が読めんのだ、俺は」
リューク「ククッ、それは失敗したな」
岡部「死神・・・俺を・・・殺すのか?」
まゆり「トゥットゥルー」
紅莉栖「はろー」
ダル「あれ? オカリンなんで床なんかに座ってるん?」
岡部「──! に、逃げろ! 今すぐ逃げるんだ!」
紅莉栖「おい、いきなり厨二病はよせ」
ダル「朝っぱらから飛ばしすぎだろ常考」
リューク「気をつけろ、今ノートに触れた奴には俺が見える」
リューク「他の奴にばれたくなければ──」
岡部「ちょ、ちょっとこのノートに触れ! 早く!」
ダル「はー? ちょ、なんなん? マジで」
ダル「ってうわあああああああああああ!」
紅莉栖「え、ちょ・・・橋田まで何して──きゃあああああああああ!」
紅莉栖「ば、ば、ば、ばけっ──」
岡部「どうだ! これで俺を信じる気になっただろ! 死神なんだよ! 紛れもなく!」
リューク「ククッ」
まゆり「まゆしぃも見たいなー」
まゆり「わわー!」
まゆり「コスじゃないよねー? 本物の死神さんかなぁ?」
リューク「コス? 良く分からないが俺は本物の死神だ」
まゆり「そうなんだー、すごいねー、えっへへー」
岡部「お、おいまゆり!」
リューク「ククッ、俺を見て驚かない人間が居るとはな」
紅莉栖「ま、まゆり! だめ! 近づいちゃダメ! は、離れなさい!」
リューク「安心しろ、俺はお前たちに何もしない」
岡部「本物なのか・・・このノート」
紅莉栖「キラはこのノートを使って犯罪者を裁いていたのね・・・信じがたいけど」
ダル「でもこうして死神も居る訳だし、信じない訳には行かないっしょ」
まゆり「まゆしぃはあんまり危ない事しないでほしいなー」
岡部「ちなみに前のキラはどうなったのだ? 半年ほど前から犯罪者の裁きは止まったようだが」
リューク「前の持ち主は死んだ」
一同「えっ」
リューク「キラを追うSPKという組織に正体がバレてな、ククッ・・・」
紅莉栖「そ、そうだったのね・・・でもノートによる殺人の特定なんて恐れ入るわね」
ダル「すげー、SPKまじパネェっす!」
岡部「ま、まさかこの鳳凰院凶真が選ばれし者とでも言うのか!」
リューク「ククッ、自惚れ──」
岡部「違いない! これこそがシュタインズゲートの選択ッ!!」 バサッ
紅莉栖「んなわけあるか」 ダル「んなわけないっしょ」
まゆり「たとえ悪い人でもオカリンは人を殺したりなんかしないと思うなー」
ダル「そうそう、オカリンに人殺しなんて絶対できないっつの」
紅莉栖「岡部ってチキンだからね」 ドヤァ
岡部「ぐっ! う、うるさい! 貴様らこの俺をなんだと思っているっ!」
リューク「ふー、なんだこれ、こいつら面白」
岡部「む・・・ならば死神よ! 貴様・・・何故ノートを落とした」
岡部「ご丁寧に使い方まで書いて”間違って落とした”などとほざくのではあるまいな」
リューク「何故かって?」
リューク「退屈だったから」
岡部「退屈・・・だと?」
リューク「前の所有者が死んでからと言うもの退屈で仕方がない」
リューク「死神界はどこまで行っても不毛、毎日毎日同じ事の繰り返し」
リューク「死神が言うのもおかしいが、正直生きてる気がしないってやつだ」
リューク「俺はやはりこっちに居る方が面白いと踏んだ」
紅莉栖「し、死神界・・・興味深いわね」
ダル「死神界も案外人間界と似たようなもんなんすなー」
まゆり「ねーねー、死神界にもレイヤーさんっているのかなぁ?」
岡部「ふむ・・・」
リューク「ククッ、リンゴもこっちの方が美味いしな・・・」
紅莉栖「ちょ」
ダル「まじ?」
まゆり「おぉー、新しいラボメンだー」
リューク「ラボメン? なんだそれ、ラーメンの仲間かなんかか?」
岡部「ラボラトリーメンバーの略だ! 貴様にはこのラボのために働いてもらおう!」
岡部「貴様に拒否権はない! フゥーッハッハッハッハ!」
リューク「ククッ、強引なやつだな」
岡部「良いか、ラボの長であるこの鳳凰院凶真に忠誠を誓うのだフゥーッハハハ!」
リューク「おいダル、マリオテニスやんね?」
ダル「ちょ、見たら分かるっしょ? 今エロゲ中だっつに」
リューク「なんだよおめー、女の裸の絵なんて見てても面白くねーだろ」
ダル「まだまだリューク氏はわかってないでござる」
ダル「これは二次元の素晴らしさについて小一時間語る必要がありますな」
リューク「二次元? なんだそりゃ」
ダル「見たまえ彼女たちのこの表情を!」
リューク「ククッ、これがなんだってんだよ」
ダル「ロリ顔でちょいエロ、3次元には到底到達できない至高の領域!」
ダル「これぞ萌! ディスイズ萌! うおおおおおー!」
リューク「人間にも色んなのがいるな、面白!」
リューク「あぁ、これ? 禁断症状みたいなもの。 ここんとこリング食ってないから」 グググ
まゆり「リンゴー?」
リューク「そう、人間界のリンゴすげー・・・ジューシーっていうの? なぁ、リンゴないか?」
まゆり「んー、リンゴはないけど、バナナならあるよー? 食べる?」
リューク「バナナか」
まゆり「はい、どーぞ。 あーん」
リューク「・・・・・・」 モグモグ
リューク「おっ、美味い」
まゆり「でしょー」
リューク「リンゴほどじゃないけどいけるな、コレ」 モグモグ
まゆり「まだまだあるよー」
リューク「ククッ、助かるぜ」 モシャモシャ
紅莉栖「ちょ、あんたまでティーナってつけんな!」
リューク「でも凶真はそう呼んでるじゃないか」
紅莉栖「あれは勝手にあいつが・・・っていうか凶真じゃなくて岡部倫太郎だから」
リューク「ククク・・・そうなのか? 人間て面白」
紅莉栖「あんなのが普通だと思わないでくれる? あいつが特別変なだけよ」
リューク「その割にはお前ら仲いいじゃん、好きなんだろ? あいつの事」
紅莉栖「は、はぁーー!? そ、そ、そそんなわけなかろーが!」
紅莉栖「っていうか大体死神が人を好きだとか嫌いだとか語ってもらっちゃ困るんですけどー!」
紅莉栖「ホント困るんですけどー!! 大事なことなので二回言いました!」
紅莉栖「1回開頭して中身覗いてみたいわよほんっとに!」
リューク「ククッ、やっぱり人間て面白」
岡部「む、なんだ死神!」
リューク「お前、デスノート使わないの? せっかく俺が落としてやったのに」
岡部「バァカを言うな! この鳳凰院凶真、世界の支配構造の変革を望みこそすれ、殺人を犯すほど間抜けではなぁい!」
リューク「ふーん、そうなのか」
リューク「だったら目の取引について話しておく必要もないかな」
岡部「目・・・だと?」
リューク「あぁ、取引すると人間の名前が見えるようになる目だ」
岡部「魔眼・・・と言う訳か」
岡部「しかぁし! すでに俺には魔眼リーディングシュタイナーが備わっている!」
岡部「そんなものは必要なぁい!!」 バサァ
岡部「過去を改変しても記憶を保ち続ける魔眼、俺だけに備わりし特殊能力どうあ!」
リューク「ククク・・・なんだそれ」
岡部「羨ましいかー? 羨ましいだろー」
岡部「しかし翼だったら本気で取引を考えていたかもしれない」
岡部「翼を持って自由に空を飛ぶ、なんて実にメァッドではないかフゥーッハッハッハ!」
リューク「ククッ、やっぱり人間ってやつは面白!だ」
岡部「くどぉい!」
岡部「昨日も言っただろう」
岡部「この鳳凰院凶真、恐怖による独裁など望んではおらん!」
岡部「俺が望むのは支配構造の変革でありクァオス!」
リューク「ククッ、あいつとは大違いだぜ」
岡部「・・・前の所有者とやらか」
リューク「神世界の神になる、とかほざいてたが無様に死んでいった」
リューク「まっ、楽しませてもらったけどよ、ククク」
岡部「新世界の神・・・か。 フン、愚かな」
岡部「たとえそんな奴が現れたとしてもこの鳳凰院凶真が必ずや野望を打ち砕いて見せるわフゥーッハハハ!!」
リューク「おめーにゃ無理だ、凶真」
岡部「な、なにおうっ!」
リューク「Dメール? なんだそれ」
岡部「過去に送れるメールだ」
岡部「我々は人類史上初のタイムマシンの発明に成功したのだフゥーッハハハ!」
ダル「初じゃなくね? SERNに先越されてるし」
リューク「そんなものあるのかよ、人間ってすげっ」
岡部「ちなみに俺は魔眼の力で過去改変後も記憶を持ち続けることが出来る」
リューク「ふーん」
岡部「これぞ選ばれし者の特権、まさにシュタインズゲートのせん──」
紅莉栖「はいはい厨二病乙!」
リューク「ククッ・・・ちょっと待っててくれ」
岡部「む、なんだ死神! 実験の進行を妨げるなど──」
リューク「良いから待ってろ」
リューク「あった、まだ残ってるかな?」 パカッ
リューク「ククッ・・・残ってやがる」
~ラボ~
リューク「待たせたな」
岡部「遅いぞ死神っ!」
リューク「ククッ、悪いな」
リューク「なぁ、そのDメールってやつ、俺に送らせてくれないか?」
岡部「なんだと?」
リューク「良いじゃないか、俺もラボメンなんだろ?」
岡部「そうだが・・・しかし死神が過去を変えてどうするつもりだ?」
岡部「ほぉう?」
リューク「きっとお前の望んだカオスって世界とやらが訪れるぜ」
岡部「面白い! ならば送らせてやろうではないか!」
紅莉栖「放電始まった!」
岡部「いけい死神っ!」
リューク(ククッ・・・ライト、お前ならこのメールで何かしら悟るだろう)
リューク(それでもあいつらに負けるんであればそれまでの奴だったと言うまでだ)
リューク「じゃあな、凶真、色々面白かったぜ」 ポチッ
岡部「!?」
ブゥゥゥゥゥゥン
岡部「ぐぅうぅ!」
岡部「リーディングシュタイナーが発動した! 過去が変わったんだ!」
岡部「何が変わったんだ? ・・・おい! リューク!」
ダル「は? リュークって誰ぞ?」
岡部「死神リュークだ! 何を言ってる! さっきまでそこにいたではないか!」
紅莉栖「はぁー? 死神? 厨二病乙」
岡部「ま、まゆり・・・ラボメンNo.009は・・・誰だ?」
まゆり「んー? 009・・・はいないよー?」
岡部「リュ、リュークが消えた?」
岡部「バカな・・・」
紅莉栖「いくら犯罪者だからといって酷い話よね」
まゆり「まゆしぃもいけないことだと思うなー」
岡部「な・・・に・・・言ってる」
岡部「キラが復活している・・・だと?」
紅莉栖「何言ってるのあんた、今やキラは世界を支配しているといっても過言ではないじゃない」
岡部「そん・・・な」
紅莉栖「ちょっと岡部?」
岡部「リューク・・・もしかして前の所有者に?」
まゆり「オカリーン?」
岡部「ふふふ・・・」
ダル「オ、オカリン? どったの? マジで」
岡部「ふはは、フゥーッハッハッハ!!」
アリだな
岡部「この俺に挑戦状・・・と言う訳か」
岡部「ノートによる殺人・・・という手段は分かっている」
岡部「良いだろう、新世界の神とやら!」
岡部「この狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真が!」
岡部「貴様の野望を打ち砕いてやる!!」
岡部「世界を貴様の好きになど──させはしない!」
岡部「フゥーッハッハッハ!!」
紅莉栖「おわり」
まゆり「ちゃんちゃん」
前半のワクワクを返せ
頼むわ…
月(ニア・・・日本警察の者・・・SPK、そして魅上)
月(魅上は目として残しておいてやるつもりだったが、奴は明らかに僕の思考とズレていた)
月(しかし解せないのはあの日未来から送られてきた自分のメール・・・)
月(一体どういうことだ? 僕が送ったということなのか?)
リューク「おい月、キラを阻むものはいなくなった、これからは新世界の創造を見せてやるって言ってたが浮かない顔してるじゃないか」
月「あぁ、どうやらまだ解決しなくてはいけないことが残っているみたいだ」
リューク「ククッ、そいつは面白いじゃないか、ノートの存在を知る奴はもう居ないんだろ?」
月「まぁね、でも油断は出来ない」
月「キラが新世界の神として降臨し続けるためには少しでも不安要素はなくしておかなくちゃならない」
月(たとえ──どんな些細なことでも、だ)
岡部(殺人の方法がノート・・・と言うだけでどのような人間が裁きを行なっているのか全く検討もつかない)
岡部「ええーい! これでは拉致があかんではないか!」
岡部(どうすれば特定できる・・・いや・・・特定するとなればこちらも接近せねばいけない)
岡部(ある程度こちらの情報も向こうに渡すのは覚悟せねばなるまい・・・)
岡部(最悪Dメールを送れば過去改変・・・)
岡部「バカな! 心臓麻痺になってからでは遅いのだ!」
岡部「フフ、死神よ、中々面白い挑戦状ではないか!」
岡部「だが灰色の脳細胞を持つこの鳳凰院凶真を敵に回したことを後悔するのだなフゥーッハッハッハ!」
岡部「とりあえずは飯だ飯、腹ごしらえしなければどうにもならんからな」
岡部(俺が犯罪者になってみるか? 殺人に必要なのは顔と名前・・・)
岡部「いや、バカを言うな! 犯罪者になったらその時点で負けではないか!」
岡部「何かいい手は・・・」
岡部「思いつかん・・・」
岡部「暇つぶしに@ちゃんねるでも見るか」
1:キラ様応援スレだよ 123
2:キラって調子乗ってるよね 326
3:おはようと言えば今日一日幸せになれるスレだよ 25
4:おい!ここはID腹筋スレだ!早く逃げろ! 34
5:キラに殺して欲しいやつを書き込むスレ 502
岡部(なんだこれは・・・@ちゃんまでキラ一色ではないか!)
岡部(確かに半年前までキラが世界の法として成り立っていた感はあったが・・・)
岡部(人を殺し、恐怖による独裁など・・・ディストピアそのもの・・・! 許せん! キラ!)
岡部「・・・・・・試してみるか?」
リューク「なんだよ、パソコンの画面なんて覗いて」
月「ここにキラの殺人方法はノートだと断言している奴がいる」
リューク「へぇ・・・まだ知ってる奴がまだいたのか」
リューク「でも警察関係者の中にもノートの存在知ってる奴いるんじゃなかったか?」
月「抜かりはないよリューク、あの時の人間もちゃんと始末しておいた、彼らのせいでFBIやSPKにノートの存在を知られたからね」
月「仮に知っていたとしても・・・だ」
月「こいつの書き込んだ内容はあまりに詳しすぎる、あまりに知りすぎている」
月「これは一度ノートを手にしたことがある人間」
月「使ったことがあるのかは別として・・・ね」
リューク「ふーん、まぁお前が言うならそうなんだろ、俺にはよく分からんないが」
月「あのメールを送った奴と同一人物かどうかはまだ分からないが・・・」
月「こいつは確実に消しておかなきゃならない」 ギリッ
月「・・・警察の権限を使って書き込んだ奴の情報を開示してもらうよ」
リューク「良いのかよ、そんな事して」
月「こいつの意図はキラを探し出す事、でなければ自らを危険に晒すような事はしないはずだ」
リューク「探しだしてどうするんだろうな、そいつ」
月「分からない、ミサの時のようにキラに好意を抱いている可能性もあるが・・・」
月「こいつの書き込みを見る限りはキラについて嫌悪・・・そう、キラを憎む者」
月「断定は出来ないが、こいつはいずれ脅威になる、必ず潰しておかなきゃいけない」
リューク「ククッ、また顔も名前も分からない相手と戦うのか」
月「フ、エルの時もニアの時も勝ったじゃないか、今回も勝ってみせるよリューク」
リューク「まぁせいぜい面白いもんを見せてくれよ、ライト」
月「情報は集まった」
月「大檜山ビルの二階からアクセスされている」
リューク「お、早いな」
リューク「早速殺しに行くのか?」
月「バカだなリューク、アクセスの場所が分かっただけで誰が書き込んだのかすら分かっていない」
月「まだこいつの情報はほぼ0と言っていいほどだ、ここで動くのは早計すぎるよ」
リューク「じゃあどうするんだよ」
月「・・・」
月「ハッキングを仕掛ける」
リューク「へぇ、久々にライトのハッキングスキルが活かされるわけか」
月「まだまだ衰えてはいないよリューク」
月「さあ、観念して僕の前に晒すんだ」 カタカタカタ
ダル「はぁはぁ・・・ねねちゃんはぁはぁ・・・」
岡部(あれから数日経った・・・)
岡部(レスの流れは悪くなかった。今や世界の方であるキラを叩くようなレスばかりしたからな)
岡部(しかし、今日まで反応はない・・・やはり@ちゃんなど見てないということか?)
ダル「んお!?」
岡部「どうしたダル」
ダル「ちょ、今リアルタイムにハッキング受けてるお」
岡部「なんだと!」
ダル「ククク、僕を相手にするなんて飛んで火に入る夏の虫、返り討ちにしてやるお!」
岡部(キラか・・・? それとも@ちゃんにいた奴らか・・・? ともかく今はダルに・・・)
岡部「ダル! 頼んだぞ! なんとしても尻尾をつかむのだ!」 ガシッ
ダル「え? ええ? 突然どうしたん?」
岡部「良いから集中してくれ! 命にかかわる!」
ダル「良く分かんないけどオーキードーキー!」 カタカタカタカ
リューク「ククッ、相変わらずだなライト」
月「向こうも気づけてはいないはず」
月「@ちゃんねるの書き込み1つ取ってもプロクシーも使っていない、書き込んだ相手はほとんど素人と言ってもいいほどじゃないかな?」
リューク「そういうフリをしているんじゃないか?」
月「そうかもしれないね」
月「でもバレるようなヘマはしないよ」
月「仮にバレたとしてもこのPCには僕を特定するような情報もない」
月「さらに・・・」
ダル「くっこいつ手強いお・・・何十にもサーバー経由して上手く正体隠してる!」
岡部「ダル頼む! お前だけが頼りなんだ!」
ダル「わかってるお!」
岡部「相手を特定できたらなんでも言う事を聞いてやる! なんならフェイリスとの一日デートでも構わん!」
ダル「さすがオカリン! 僕が考えてることを平然と言ってのける! そこに痺れる憧れるぅ! ってこいつマジ手強い」
ダル「あ・・・逃げられたお・・・バグ仕掛けるのは失敗」
岡部「くっ! そんな・・・どうにかならないのかダル!」
ダル「この僕が・・・」
ダル「どんな敵にも負けるはずがない、そんな風に思ってた時期が僕にもありますた」
岡部(ラボのPCからのアクセスだと特定してハッキングを仕掛けてきた・・・そして今PCの内部を見られた・・・)
岡部(予め俺たちラボの皆の正体がばれるような情報はできるだけ消してきたつもりだが・・・)
岡部(すでに居場所も知られている・・・! 危険だ!)
岡部(Dメールを・・・送るか? あの書き込みをなかったコトにするか?)
岡部「だめだ! リスクは重々承知のはず・・・もう少し様子を見るしか無い・・・のか?」
ダル「でも転んでもただでは起きないのだぜ?」
岡部「なんだと!」
岡部「さすがダルだ! して成果は!」
ダル「うん、大元のアクセス先は特定できたと思われ」
岡部「本当か!」
岡部「ふふふ、ふはは、フゥーハハハ!」
ダル「ちょ、耳元で叫ぶなし!」
パカッ
岡部「俺だ! あぁ、やってくれたよ、さすがマイフェイバリットライトアームだ」
岡部「心配は要らない、いざとなればこの鳳凰院凶真、右腕の封印を解こう」
岡部「うむ、作戦は順調だ・・・そちらもくれぐれも苦労してくれ、エル・プサイ・コングルゥ」
ダル「嘘だろ・・・」
岡部「おい、どうした」
ダル「オカリン何やったん?」
岡部「おい、どうしたんだと聞いている!」
ダル「警視庁からだお・・・アクセス」
リューク「そうなのか?」
月「あぁ、あまり使えそうな情報はないな・・・」
月「いわゆる18禁ゲームのデータばかりだった」
リューク「ククッ、なんだそれ」
月「」
月「くそ! やられた!」 ガタン!
月「こんな屈辱は生まれて二度目だ・・・!」
リューク「お、落ち着けよライト・・・」
月(くそ・・・僕をおちょくっているのか・・・?)
月(素人丸出しかと思えばPCに情報を残すヘマをしない・・・)
月(油断はできない!)
岡部「と言うことは@ちゃんの書き込みをみて警察がハッキングを仕掛けたってことか!?」
岡部(今や日本警察はキラを全支持・・・、俺の書き込みでタイーホ?)
岡部「いや、そんなバカな! あんな書き込み程度で逮捕されてたまるか!」
ダル「ちょ、オカリンなんのことよ」
岡部「いや、キラに関して誹謗中傷の旨の書き込み・・・をしたのだが」
ダル「うへ、まじかよ、それはマズイってオカリン」
岡部「そ、そうなのか?」
ダル「僕もキラには反対だけどさ、今日本でキラの事否定した日には賛同派にフルボッコ確実だお、まじで」
ダル「つーか日本だけじゃないと思われ」
岡部「そこまでキラの考えが浸透しているとはな・・・半年前は半々くらいだったはずだが・・・」
ダル「でもよく考えてみればおかしな話かも」
岡部「ん・・・? 何がだダル」
岡部「それもそう・・・か」
岡部(と言うことはキラは警察内部にいて、今のがキラ! もしくはその手の者!)
岡部(決めつけは早計だが・・・そう考えるのが自然・・・)
ダル「オカリーン、やばくね?」
ダル「何にせよ警察からハッキングとか普通じゃないし、何より僕が勝てない相手とかやばすぎ」
岡部「中々言うではないかダル」
岡部「しかし俺も逃げるつもりはない」
岡部「キラについて再び勉強しておく必要がありそうだな」
ダル「っていうか何? オカリンキラ特定しようとしてんの? それこそやばくね?」
ダル「だってキラってどうやって人殺してるか分かんねーし、顔と名前だけで殺せるって話じゃん」
岡部「心配要らん」
岡部「殺人方法についてはもうすでに調べがついている」
ダル「うそー! まじかよ! どうやってるん?」
岡部「話せばお前も巻き込むことになる・・・」
ダル「水くさいのだぜ?」
岡部「ダル・・・」
ダル「僕だって一応キラ否定派だし。 それにさっきのハッキングのお礼もしてやんなきゃですしおすし」
岡部「フ・・・さすがはスーパーハカー、やられっぱなしでは終われんという訳か」
ダル「その通りだお! 傷付けられたプライドは10倍にして返す! 後ハッカーな!」
岡部「ならば話そう──」
リューク「ククッ、大分落ち着いてきたみたいだなライト」
月「あぁ、冷静さを欠いていたらやられる相手みたいだしね」
月「けど、こいつは必ず殺す」
月「キラを・・・僕を敵に回したことを公開させた後でね・・・」
リューク「で、どうするんだ? 大した情報は得られなかったんだろ?」
月「心配するなリューク、すでに手は打ってある」
ダル「今の話が本当だったらラノベ作家になれるお!」
岡部「だが事実だ、確かにDメールを送る前はキラは死んでいた」
岡部「そして死神もほんの少しの期間ではあったがラボメンだった・・・」
ダル「ちょ、死神までラボメンにしたんすか、オカリンまじぱねぇっす!」
ダル「でもノートに名前を書いたら死ぬ・・・とかチートすぎだろ常考」
岡部「俺も実際に試した事はない・・・がそれくらいではないとキラの殺人は不可能だ」
ピンポーン
岡部「!?」
ダル「!?」
ダル「ちょ、もしかしてキラ!?」
警官A「警察の者ですがー、いらっしゃいませんかー?」
岡部「け、警察!?」
ダル「ちょ、や、やばいってオカリン・・・僕達殺されちゃうお・・・」
岡部「馬鹿な事を言うな、ここは日本だぞ! あんな書き込み1つで殺されては──」 ガンガンガン
警官B「いらっしゃいませんかー?」
岡部「ヒィッ」
岡部(どうする・・・Dメールを送るか?)
岡部(銃で頭を吹き飛ばされようものなら・・・タイムリープもDメールも使えない・・・)
岡部(どうする・・・どうする!)
警官A「近くで爆破予告があったのでお話を聞きたいんですがー」 ガンガンガン
岡部「へ?」
ダル「へ? 爆破?」
警官A「あぁ、居たんですね」
警官B「えーっと、この部屋を借りてる方ですよね?」
岡部「は、はぁ、そうですが、さっき爆破って・・・」
警官A「えぇ、この付近を爆破するって予告あったんですよ」
岡部「は、はぁ!?」
警官B「いやね、イタズラの可能性は大きんだけど、万が一って事もあるからさ」
警官A「ちょっと避難ついでに話聞かせてくれないかな」
ダル「な、なーオカリーン・・・やばくね?」 ヒソヒソ
岡部(どうする・・・さっきの警察からのハッキング・・・関係あるのか?)
岡部(迂闊なことは出来ない・・・しかし爆破予告とは・・・もしかして大檜山ビルもろとも俺たちを吹き飛ばすつもりか?)
岡部(そんなバカな、そんなところにキラの正義はない!・・・いや正義などとは言いたくないが)
警官A「はい、できるだけ早くね、あ、避難場所は近所の小学校になるから」
ダル「ちょ、行くのかよオカリン!」 ヒソヒソ
岡部「万が一本当だったらどうしようもない」 ヒソヒソ
岡部(電話レンジも持って行きたい所だが・・・贅沢は言えないな)
岡部(大丈夫だ・・・キラに必要なのは名前と顔、以前は顔だけでも殺せるキラも存在したはずだが)
岡部(ダルの話によれば今のキラは顔だけでは殺せない・・・すなわち目を持っていないということだ)
岡部(偽名を使えば・・・)
岡部(ってバカか俺は! 警察相手に偽名なんてすぐバレる!)
警官B「おーい、早くしてくれ! 次の住宅も回んないといけないんだから!」
岡部「は、はい!」
リューク「お」
月「大檜山ビルの契約主は岡部倫太郎とかいう大学生」
リューク「じゃあそいつを殺すのか」
月「バカを言うな」
リューク「え?」
月「続きがある、おとなしく聞いてろリューク」
月「岡部倫太郎はあの部屋に未来ガジェット研究所という小さなサークルを立ち上げてる」
リューク「サークル?」
月「一言で言えば、ある目的を達成するための集まり・・・かな」
月「そしてそのサークルには複数人の出入りがある・・・!」
リューク「へぇ、そうなのか」
月「調書によればその人数は8人」
リューク「8人、結構多いじゃないか」
月「そうだな、サークルの所長、岡部のイニシャルからOと名付けよう」
リューク「Oって・・・半分決めつけてるな、良いのかよ」
月「構わないよ、名前なんてどうでもいい」
リューク「どうするんだ? 全員殺すのか?」
月「それはしない」
月「出来れば罪のない一般人にまで手を出したくないからね」
リューク「ククッ、ヨツバの社員はあっさり殺したのにな」
月「脅されてたとはいえ彼らは自社の利益のために罪のない人を殺したからね」
リューク「でもOが複数、もしくは8人全員だったらどうするんだ?」
月「その可能性は十分にある」
月「ノートの存在を知らない者は殺さないが・・・」
月「存在を知るものは・・・殺す!」
月「何がだ死神」
リューク「爆破予告であぶり出すなんて回りくどい事せずにビルごとふっ飛ばしちまえば良いんじゃないのか?」
月「おいおい、長い付き合いなのに分かってないなリューク」
月「Oはノートで殺す」
リューク「ククッ」
月「キラを・・・僕をおちょくった罰だよ」
月「必ずノートで殺してやる・・・眼の前でノートにそいつの名を刻み」
月「そいつが命乞いをする所を見てやる」
リューク「やっぱり悪趣味だぜライト」 ククク
月「だまれ死神」
月「もはやキラは法であり正義であり、神なんだ」
月「その神を侮辱するという事がどういう事か」
月「思い知らせてやる!」
岡部(何か関係があるのか?)
ダル「オ、オカリーン・・・今日は僕もう帰るお・・・」
岡部(ダルは憔悴し切っている・・・)
ダル「ま、なんか分かったら連絡くれお」
岡部「分かった、気をつけて帰れよ」
ダル「オカリンもあんま無茶すんなよ?」
ガチャリ バタン
岡部(向こうは俺の名前までたどり着いている可能性がある・・・)
岡部(思った以上にまずい・・・タイムリープするか?)
岡部(待て、ここでタイムリープしても正体は分からない、警察内部に居る可能性だけだ)
岡部(キラに必要なのは顔と名前・・・)
岡部(ならば少なくとも顔を隠していれば?)
岡部(待て待て! 顔を隠していたら俺がキラを追っている者だとばれるではないか! 考えろ・・・)
岡部(これだけ参ってるってだけでもまずいんだ! この俺の挙動が怪しければ一気に疑いが増す・・・! 普段通り・・・普段通りだ)
月「そして今日お前は警察の訪問、爆破予告でかなりのプレッシャーを感じたはず」
月「この僕が・・・キラが迫っていることに対してどれだけ持つかな?」
リューク「じわじわと追い詰めて反応見るってか」
リューク「仮にもお前をハメた奴がそんな簡単にしっぽを出すかね?」
月「く! 黙ってろリューク!」
月「今思い出しても吐き気がする・・・!」
月(あぁいう存在こそキラによる裁きを受けるべきなんだ!)
月(O・・・絶対僕が殺してやるからな・・・!) ギリッ
リューク「で、どうするんだ?」
月「彼らラボのメンバーに尾行をつける、爆破予告の犯人の可能性が高い・・・と」
リューク「いたずらで終わったんじゃないのか?」
月「まだ警戒態勢を取らせているよ」
月「後は・・・出来ればメールや電話の記録を通信会社に提示してもらいたいが現時点では難しい」
リューク「ククッ、まあ面白いものが見れるのを期待してるぜ」
パカッ
カチカチカチカチ
ダル「・・・今日はエロゲやる気にもならんお」
ダル「あ・・・メール、オカリンから?」
件名:くれぐれも普段通りでいろ
本文:奴が接触してくる可能性が高いからな
ダル「奴って・・・いつもだったら厨二病乙!で済ませる所が今はシャレになってないお・・・オカリン」
ダル「いつも通り・・・いつも通り」
ダル「エロゲですね分かります」
ダル「はぁはぁ・・・はぁはぁ・・・」
ダル「うん、なんだか頑張れる気がしてきたお!」
月「ラボのメンバーの情報が集まってきた」
リューク「へぇ、どんな奴らなんだ?」
月「岡部倫太郎、ラボの所長、東京電機大学一年生、たまにおかしな言動をする事がある」
月「椎名まゆり、私立花浅葱大学附属学園2年生、こいつもおかしな言動をする」
月「橋田至、東京電機大学一年生、卑猥な言葉を連発する」
リューク「そいつじゃないのか?」
月「可能性はある・・・がまだそうと決まったワケじゃない」
月「牧瀬紅莉栖、アメリカのヴィクトル・コンドリア大学脳科学研究所所属研究員、18歳にして飛び級で大学を卒業してる」
リューク「それってすごいのか?」
月「かなりな」
月「桐生萌郁、フリーター・・・みたいだがいつも街をうろついている、正直何をしているのか全く分からないそうだ」
月「漆原るか、私立花浅葱大学附属学園2年生、女のような容姿だが男だ」
月「秋葉留未穂、私立金糸雀学園2年生、秋葉一帯の大地主でメイクイーン+ニャンニャンというメイド喫茶も経営している」
月「そして・・・唯一尾行が取れなかった相手がいる」
>こいつもおかしな言動をする
>卑猥な言葉を連発する
あらためて酷いな
月「全くだよ! 一体どうやったらこんな濃い奴らが集まるんだ全く!」
月「クソ、これじゃあどいつがOだか分からない!」
月「全く不便だよ、日本の警察ってやつは! 盗聴器も仕掛けられないんだから!」
リューク(いつも冷静なライトが逆ギレか・・・相当きてるな)
月「ただの捜査員を必要以上に接近させるわけには行かない・・・」
月「爆破予告の容疑者として尾行といっても疑いが無ければ続けさせる事は難しくなってくる・・・どうすれば・・・」
月「何か・・・何か次の手を」
岡部「フゥーハハハハハァ! まゆりよぉ、今日はどうしたのだ?」
まゆり「トゥットゥルーオカリーン」
岡部「ハハフゥー! ジューシー唐揚げNo.1か! 今日もよく食べるなまゆりよ!」
まゆり「お、オカリーン・・・?」
岡部「オカリンではない、俺は鳳凰院だと何度言ったら分かるのどぅあフゥーハハハ!!!」
ワロタ
リューク「お?」
月「この中で一番Oの可能性が薄いのは・・・」
月「漆原るか!」 リューク「秋葉留未穂!」
月「何言ってるんだリューク」
月「秋葉留未穂は秋葉の大地主として都市開発にも携わっている」
リューク「そ、そうなのか?」
月「ただの高校生であるはずがない」
リューク「で、どうするんだよ」
月「漆原るかに僕自ら接触する」
リューク「ウホッ!」
※デスノートは人間の寿命をもらう設定なので収束さんの影響はうけないかな? どうなのかな?
なるほど
紅莉栖「ちょっとなにあれ、普段の3割増しくらいで鬱陶しいんだが」
ダル「まあオカリンにも色々あるんだお」
紅莉栖「なによそれ、あんたなんか知ってるの?」
ダル「し、知らないお! 僕は知らない、それでもやってないんだお!」
紅莉栖「・・・怪しいわね」
岡部「クリスティーナよ、どうした! 何!? ダルのプレイするエロゲをプレイしたいと!?」
紅莉栖「は、はぁ!?」
岡部「この天才HENTAI少女め! 素直に頼めばダルも貸してくれるぞ? ん?」
紅莉栖「んなわけあるか! っていうか堂々とセクハラはよせ!」
岡部「顔が赤いぞThe ゾンビ! バナナでも食べたいのかフゥーハハハ!」
紅莉栖「う、うっさい! あぁ・・・もう心配して損した・・・」
るか「ふんふーん・・・」 サッ サッ
るか「お掃除おしまい・・・」
るか「今日もいい天気・・・だなぁ・・・」
月「やぁ、こんにちは」
るか「あ、こんにちは・・・参拝の方・・・ですか?」
月「いや、違うんだ。僕はフリーのライターをしていてね」
るか「ライター・・・ですか?」
月「あ、申し遅れました、僕はこういう者です」 スッ
るか「天城 高雅・・・さん、ですか」
月「そう、東京の神社について色々記事を書いてるから、話を聞かせて欲しいんだ」
月「いや、出来れば君にお願いしたいな」
るか「え・・・ボク・・・ですか?」
月「そう・・・君みたいな綺麗な方にお願いしたいんだ」
リューク「ククッ、そいつ男じゃなかったのか?」
月(黙ってろ死神、気が散る)
月「だめかな?」
るか「え・・・えっとその・・・ボク・・・」
月(こいつは男なのに容姿も性格は女そのもの・・・そして岡部倫太郎に思いを寄せている・・・との報告があった)
月(つまりは同性愛者!)
月(フフフ、男だろうとオトしてみせるさ・・・)
るか「あ・・・あの顔が・・・ち、ちか──」
月「お願いだよ、君に頼みたいんだ」
るか(あ・・・この声・・・岡部さんの・・・)
いや男だから寝取りは出来ないよな
なんだこれ
月「──!」
るか「あ・・・ご、ごめんなさい・・・ボク・・・」
リューク「ククッ、完全に空回りじゃないか」
月(お、女を殴りたいと思ったのは二度目だ・・・いや、男だった・・・くそ、動揺するな!)
月「す、少しだけでいいんだ、頼むよ」
るか「わ、分かりました・・・それじゃあボクが答えられる事なら・・・」
月(万が一・・・万が一こいつがOだったらズタズタして殺してやる・・・!)
るか「あの・・・天城さん・・・?」
月「い、いやなんでもない、それじゃあ取材を始めよう!」
るか「はい・・・地元の方に感謝の意も込めて・・・」
月「ハハ、それじゃあこの神社は毎年参拝客でいっぱいなんだね」
──────────────────────────
月「このご神木? いたずらされたのって」
るか「そうなんです・・・去年の冬・・・くらいに・・・」
──────────────────────────
月「ふーん、じゃあラボにはあんまり遊びに行けないんだ」
るか「はい・・・勉強の方が忙しくて・・・中々」
月「その年じゃ仕方ないよね、僕にもそんな時期があったなぁ、ハハハ」
リューク「ククッ、いつまで三文芝居続けてるつもりだ?」
月(だから黙っていろ死神!)
月「さっき聞いた話じゃ結構ラボに人いるみたいだけど、何人いるのかな?
るか「は、はい・・・」
月「ハハ、困ったお父さんだね、僕の父さんだったら息子に女装なんか絶対させない、絶対殴られる」
るか「厳しい方・・・なんですね」
月「頭にクソが付くほどの真面目だったよ」
るか(あ・・・あれ? 今僕のことを男だって・・・)
月「あ、ごめんごめん、ついつい話し込んじゃったね、協力してくれてありがとう」
るか「い、いえ・・・お役に立てたのなら・・・」
月「助かったよ、必要な情報は手に入った」
るか「良かったです・・・」
月(クク、どうしてこう女ってやつはチョロいんだ・・・ってだが男か)
月「五月蝿いぞリューク」
月「だがその通りだ」
月「尾行を巻いた女の名前は阿万音鈴羽、これは後で調査に回す」
月「そして何より興味深い情報が得られたよリューク」
リューク「なんだ? 興味深い情報って」
月「あぁ、奴らは・・・」
月「タイムマシンを持っている」
月「あのおん・・・男から聞いた話では過去に送れるメールだ」
月「にわかには信じがたい・・・いや、以前の僕なら信じなかっただろう」
リューク「ククッ、未来から来たメール・・・か」
月「あぁ、何故あんなメールが送られてきたのか知らないが・・・」
月「恐らくは奴らが・・・奴らの中の誰かがメールを送り僕に助言した」
月(しかしそうなると分からない、何故僕を助けるようなメールを・・・?)
月(くそ・・・Oめ・・・また僕はおちょくっているのか! なんだってんだ!)
月「過去に送れるメール・・・か、一体どうやったらそんなものが」
リューク「ククッ、それよりマズイんじゃないのか?」
月「何がだ」
リューク「過去に干渉できるならそれこそ迂闊な行動は出来ないってことじゃないか」
月(確かに・・・)ギリッ
月(メールを送ることでどのようにして過去が変るのか・・・どれだけの変化が期待できるのか・・・)
月(それが分からないことには・・・)
ダル「オカリン飛ばしすぎだろ常考」
岡部「う、うるさいダルよっ」
ダル「なぁ、そこまで気を張らなくても良いんじゃね」 ヒソヒソ
岡部「馬鹿な事を言うな、今も奴の手がラボに及んでいるのかもしれんのだぞっ!」 ヒソヒソ
ダル「でも明らかにオカリンのテンションおかしいっしょ」 ヒソヒソ
岡部「ぐぐぐ・・・」
紅莉栖「・・・」 チラッ
月「阿万音鈴羽・・・戸籍なしだって?」
リューク「どういうことだ?」
月「そんなこと! 僕が聞きたい!」
リューク「わ、悪い」
月「クソ・・・どうなってる・・・」 ギリッ
月(次の手は・・・)
ブラウン管が好きなら大丈夫
フェイリス「おかえりニャさいませー、ご主人様ー!」
月「デュフフ、ただいまでござる!」
フェイリス「ニャフフ、今日のご主人様は初めてのご来店なのニャ」
月「ここがメイド喫茶でも有名なメイクイーンですね分かります!」
リューク「おいライト、お前自分のためならホントなんでもするよな」
月(黙れ死神! 僕だってこんな事はしたくないんだ!)
フェイリス「お席まで案内するニャーん」
月「よろしくお願いします! 全力で!」
月(クソ・・・変に思われないためにはこうするしか無い)
月(少しでも警察の人間だと疑われることがマズイんだ)
月(プレッシャーをかけるためにあえて警察内部の人間だとバラしたまでは良いが・・・こんな結果になるとは)
月「コポォ!フォカヌポゥ!」
月「アイスコーヒーおながいします!」
フェイリス「かしこまりましただニャ、しばらくお待ち下さいなのニャ」
月「はぁ・・・」
リューク「ククッ、楽しそうだなライト」
月「僕は楽しくない!」 ヒソヒソ
リューク「俺は色んなライトを見れて楽しいぜ」
月(メイド喫茶なんていつか規制してやる!)
フェイリス「どうぞー、おまたせしましたニャー、アイスコーヒーになりますニャ!」 カタン
月「あ、ありがとうだお!」
フェイリス「ニャフフ、素敵な笑顔をくれてフェイリスも嬉しいのニャ」
フェイリス「お名前はニャンて言うのかニャ?」
月「一ノ瀬トキヤです! トキヤって呼んでください! ふひひ!」
フェイリス「ニャフフ、ガッテンニャ、トキニャン!」
月(ガッテンしてないじゃないかこの女・・・!)
月(なんだよそれ!)
フェイリス「ニャニャ、どうかしたのかニャ?」 マゼマゼ
月「なんでもないですはい! 今日のアニメにフェイリスたんのような天使がいたのでそれを思い出してたんです!」
フェイリス「──!」 マゼマゼ
フェイリス「ニャフフ」
月「・・・?」
フェイリス「トキニャンは嘘が下手なのニャ」 マゼマゼ
月(は? なんだと?)
フェイリス「なんでそんな嘘を付くのかフェイリスには分からニャいけど・・・」
フェイリス「メイクイーンはご主人様にくつろいでもらうのが第一なのニャ」
月(しまった・・・キャラが濃かったか?)
フェイリス「トキニャンすごく疲れた顔をしてるのニャ」
月「──!」
フェイリス「でもこのコーヒーを飲んで癒されて欲しいのニャ!」
...ィ7'´:彡刈/ヽ乂ミ:ー.ミー.、_
///イ´:_/:/::::::://:i:!、:\:\::\
. //:::,/::::イ/:/:::::/://}:l:::lヽ:ヽ:::ヽ:::ヽ
. /::/:,:イ/'´::::,//:::/:/,:イ:::l:::l::::i::::i::i::!::i:li
〃::/:/:/:/::::/:!:l/:/:::/:::!:::;!:::l:::::!:::l::l:::i::l::l!
/:/:/;イ:/!::!:::/::!:l:://〃:/:/il::::l:::i:l:::l::l::::l::l::ll
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|:::::::l:!':l::ハ:l才:;ィ:!//:::::;イi::::/;イ::小:::ハ::l::lリ::i:!l:::ll
|:i::i::!l::!://!/ィ:! !〃::/::ハ//// i:::/:::!:l::!:::;':,:l:l:!! コポォ!フォカヌポゥ!
|:l:::!:!l::!':/弋ト、./'/',::::!.ィ弋:フ7;イ::::!//!//.}:i::!
!ハ:::!:!:!;' `  ̄/ ヾ! --´/ ;:::イ::!//.、j:l::!'
iト::!:::l ! /'´:/:/´〉.ノ:l:!
|| l:トハ // ´才i::!'
. ! ヾ!ハ ` ´ /'`T´l:l::!リ
ヽ 、 ‐- __ _ ' l:.:!!.l
ヽ 、_ / Ⅵ:!ーァ-、
ヽ / 才´ \
iヽ. ィ .‘ \
!: :  ̄ . イ /ー‐、_
.-‐、_',: : : : i '⌒ヽ. / `ー、_
/ ヾ.: : : .: l l:.:.:.:.:.入 / 才´ `ー、
/ i、: : : . . : : ! !:.:./ i `ー、 / _.才´ .. -‐--ミ、
/ /l ヽ: : : : : // ' / / / ヽ/ //./ / ヽ
/ _才⌒ヽ /: : } }: : : ノ/ / ' / !// / i
/:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:::! l: : : : : . . . / / / l /// -‐ !
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::) !: : : : : : : i ! / ! //´ / !
:., -― ´`ー、_::::ゝ !: : : : : : :i .! ___ 〃 / l
やwwwwめwwwwwろwwwwwwww
AAにセリフ付けただけなのになぜこんなに笑えるのだろうか
フェイリス「そうだったのかニャ」
月(下手なことは喋らないほうが良い)
月「ある事を調べてまして・・・行き詰ってしまったから気分転換に新しい事をしてみようと思ったんです」
月「ほら、まず行動しないと変わらない・・・って言いますよね」
月(これが今の僕に言える限界!)
フェイリス「・・・」 ジー
フェイリス「トキニャンが何を調べてるのかはわからニャいけど」
フェイリス「フェイリスはトキニャンの事を応援するのニャ」
月「ハハ、ありがとうございます」
カタッ
月「これは?」
フェイリス「サービスニャ」
月(オムライス・・・か)
リューク「ククッ、世界がヤバい」
月「・・・」
リューク「もしかして思いの外あの猫耳メイドに情が移っちゃったとか?」
月「そんな訳ないだろ」
月「次の手を考えていたんだ、Oを潰すためのな」
リューク「なんだよ、あんなコト言われてぼーっとしてたから躊躇すると思ってたのに」
月「馬鹿な事を言うな、僕はもう女に振り回されるのはイヤなんだ」
月(それにしてもあの女・・・一体何者・・・)
月(僕の演技は完璧だったはず! いわゆるネット上やTV上のステレオタイプのオタクを完璧に演技した・・・!)
月(それなのに僕の・・・僕の嘘を見破った)
月(超能力者・・・?いや、そんなものあってたまるか!)
月(もしやすでに過去にメールが送られて・・・?)
月(くそ! 考えれば考えるほど頭がぐちゃぐちゃになる!) ボサボサ
ダル「グガガガー・・・ンゴッ」
まゆり「あれれー? オカリンとダル君寝てるの?」
紅莉栖「疲れて寝たみたい」
まゆり「なんだか今日の二人は・・・変だったよー」
紅莉栖「確かに・・・私も感じてた」
まゆり「どうしたのかなぁ・・・」
紅莉栖「なんだかいつもの厨二病って感じじゃないのよね・・・」
まゆり「まゆしぃ心配だよぉ・・・」
紅莉栖「心配してても仕方がないわ、二人が話してくれるの・・・待ちましょ?」
まゆり「そうだねー」
紅莉栖(岡部・・・なんで話してくれないのよ・・・)
リューク「ククッ、顔が怖いぞライト、ハンサムな顔が台無しじゃないか」
月「あまり外で話しかけるな、お前と違って僕の声は他の人間に聞こえるんだ」 ヒソヒソ
月「こうして小声で話してるだけでも・・・ハッ!」
リューク「お? どうしたんだライト」
月「あの女・・・確か桐生萌郁」
リューク「ん? あぁ、あの女も確かラボメンだっけ」
月(阿万音鈴羽に次いで正体が分からないラボメン・・・家族や身寄りはなし・・・)
月(こいつに接触するのは漆原るかや秋葉留未穂以上に危険だ)
月(接触するとしても椎名まゆりの方が断然可能性は──)
萌郁「・・・」 カチカチカチカチカチ
月「携帯・・・メール・・・」
萌郁「・・・」 カチカチカチカチカチ
リューク「おい、どうしたんだよライト)
月(見た所普通の携帯のようだけど)
月「確か桐生萌郁には携帯依存症の気があったはず」 ヒソヒソ
リューク「それがどうかしたのか?」
月「もしあれがDメールを送れる携帯だとして奴がOだとしたら・・・」 ヒソヒソ
月「あんな携帯・・・一時も手放したくはない」 ヒソヒソ
月「特にキラから追われている身であればなおさらだ。 僕と戦う上で絶対のアドバンテージになるのはDメールなんだから」 ヒソヒソ
リューク「へぇ、確かにありえなくはないかもな」
月(どういう原理でDメール・・・過去にメールが送れるのかは分からない)
月(しかし奴に接触・・・いや、接触はしないまでも後をつけて情報を探るくらいはしないとOには勝てない!)
月(尾行を巻いた阿万音鈴羽とは違い桐生萌郁に尾行は成功している、やってやるよO!)
リューク「あいつもオトせばいいじゃん」
月「バカを言うなリューク、あいつがOだったとしたらナンパだろうが怪しまれる!」 ヒソヒソ
月「今回ばかりは絶対に悟られてはいけない、これはそういう戦いなんだよ、分かったら黙って見とけ死神!」 ヒソヒソ
月(全く収穫がないじゃないか!)
月(何が目的なんだ・・・)
月(まさか既に過去にメールを送って僕を監視・・・!?)
月(いや、まだ僕はヘマをしていないはず! 大丈夫だ、バレてない) ゴクリ
月(違う、そういう考えじゃダメなんだ! 未来の僕がどういう行動をしたか・・・それすら考えて動かなくちゃいけないんだ!)
リューク「お、喫茶店に入ったな」
月「僕達も入るぞ」 ヒソヒソ
月(携帯依存症ならトイレに行った時も携帯を手放すことはしないはず)
月(さて、どうする)
萌郁「・・・」 カチカチカチカチカチ
月(またメールを打っているのか・・・しかしあんなにメールをして一体何を)
リューク「お、動くのかライト」
月(自然に・・・自然に・・・)
月(後もう少し・・・あの女の後ろから・・・)
月(画面を・・・)
リューク「ククッ、歩き方がたどたどしいぞライト」
月(見えた!)
──FBFBFBFBFBFBFBFBFBFBFBFB
FBFBFBFBFBFBFBFBFBFBFBFB
FBFBFBFBFBFBFBFBFBFBFBFB
FBFBFBFBFBFBFBFBFBFBFBFB
FBFBFBFBFBFBFBFBFBFBFBFB
FBFBFBFBFBFBFBFBFBFBFBFB
FBFBFBFBFBFBFBFBFBFBFBFB
FBFBFBFBFBFBFBFBFBFBFBFB
月「──!」
月(な、何をやっているんだこいつは!) グラッ
月(まずい・・・動揺するな、もし本当にOだったら・・・)
月(とにかくここはトイレに行く人間として自然な行動を取らなくては)
月「はぁ・・・はぁ・・・」
月「なんなんだ一体」
スゥ
リューク「ようライト、収穫はあったのか?」
月「それが全くといって良いほどだよ」
月(くそ! あれがDメールというやつなのか? 全く意味がわからない!)
月「とにかく、コレ以上接触してるのは危険だな、やはり桐生萌郁、あいつは怪しい」 ギリッ
月「帰って作戦を──」
ガチャリ
萌郁「・・・!」 ハッ
月(な、桐生萌郁!)
月(ば、馬鹿な・・・僕の行動に違和感を感じて──?いや、そんなはずは・・・!)
萌郁「きゃ、きゃあああ!」 ダダッ
月「なっ!?」
リューク「ウホッ!」
月「に、逃げるぞリューク! 痴漢で捕まるなんてキラとして捕まるより許せない!」 ダッ
ガチャッ
店員「あ、お客さ──」
月「代金ここ置いておきます!」 バン!
店員「ちょ、ちょっと!」
月「はぁ・・・! はぁ・・・!」
リューク「ククッ、いつも冷静なお前にしては珍しいミスだな」
月「バカを言うな・・・キラを追っているかもしれないOとの接触でプレッシャー、過去に送れるメール、さらにはあんなメールを見せられたらいくら僕でも・・・」
リューク「なんて書いてあったんだ?」
月「FBの二文字がいくつもだ、全く訳がわからない! クソ!」
リューク「聞いたことがあるぞ、それメンヘラってやつだな、ククク」
岡部「む・・・しまったいつの間にか寝てたみたいだな」
岡部「ん? 書き置き?」
起きたらコレでも食っとけ!
後くれぐれも無茶だけはすんなよ!
紅莉栖
疲れてるみたいだし起こさないでおくね?
あんまり危ない事しちゃだめだよ?
まゆしぃ☆
岡部「フ・・・あいつらめ、カップラーメンとバナナとは・・・全然合わんではないか」
ガチャリ
鈴羽「岡部倫太郎、大変だよ」
岡部「ど、どうしたバイト戦士! 何かあったのか!」
岡部「な、なんだと!」
岡部「キラなのか!?」
鈴羽「恐らく」
岡部「な、なんだと・・・くっ、皆が! 皆が危ない!」
鈴羽「待って! あたしの話を聞いて!」 ガシッ
岡部「離せ! まゆりが!紅莉栖が! 皆が!」
鈴羽「追いついてってば!」
鈴羽「お願い・・・話を聞いて」
岡部「わ、分かった、しかしお前・・・」
鈴羽「あたしは2036年から来たタイムトラベラーだよ」
岡部「な、なんだって!?」
岡部「ディストピア・・・2036年・・・だと!?」
鈴羽「そう、人々は支配に怯え死んだような目をしている・・・、あたしはそんな未来を変えるためにやってきたんだよ! 力を貸して岡部倫太郎!」
岡部「ば、ばかな、そんな事いきなり言われて信じる事など・・・」 グラッ
鈴羽「本当なんだ・・・本当なんだよ」
岡部「まさか俺が・・・俺がリュークにあんなメールを送らせたから・・・」
岡部「2036年もにもなってキラの支配が続いている・・・だと?」
鈴羽「心配しないで岡部倫太郎、策は・・・ある」
岡部「それは本当か鈴羽!」
鈴羽「うん君たちのラボの人たちに話を聞いてみて・・・」
鈴羽「今なら多分・・・遭ってるはずだから」
岡部「──!」
岡部「るか子!」
るか「あ、おか・・・じゃなくて凶真さん!」
岡部「るか子! 大丈夫か! 何かされてないか!?」
るか「え・・・それってどういう・・・」
岡部「怪しい奴に遭ってないか!?」
るか「怪しい・・・ですか?」
岡部「なんでもいいんだ!」
るか「えーと・・・」
るか「あ、そういえば・・・」
岡部「なんだ! 何か思い出したのか!」
るか「はい・・・あの・・・天城さんというフリーのライターだったんですが・・・」
るか「は、離れてください!」 ドッ
月「──!」
るか「あ・・・ご、ごめんなさい・・・ボク・・・」
リューク「ククッ、完全に空回りじゃないか」
月(お、女を殴りたいと思ったのは二度目だ・・・いや、男だった・・・くそ、動揺するな!)
月「す、少しだけでいいんだ、頼むよ」
るか「わ、分かりました・・・それじゃあボクが答えられる事なら・・・」
岡部(あいつなのか?) コソッ
月「あ、ごめんごめん、ついつい話し込んじゃったね、協力してくれてありがとう」
るか「い、いえ・・・お役に立てたのなら・・・」
月「助かったよ、必要な情報は手に入った」
るか「良かったです・・・」
岡部(ラボの情報を聞きだしている・・・だと?)
岡部「いや待て、尾行がばれたら元も子もない・・・相手はキラなんだ、もっと慎重に・・・だ」
~タイムリープ後メイクイーン・ニャンニャン~
岡部(あれからしばらく時間を潰しフェイリスにも話を聞きに行った結果・・・怪しい人物に接触したという話を聞けた)
岡部(来た! またあいつだ!)
フェイリス「おかえりニャさいませー、ご主人様ー!」
月「デュフフ、ただいまでござる!」
岡部(なんだあいつ・・・全然キャラが違うじゃないか!)
月「これは?」
フェイリス「サービスニャ」
月(オムライス・・・か)
岡部(間違いない・・・あいつはラボメンに接触を図っている・・・と言うことはあいつがキラか? 待て、キラかどうか決め付けるのは早い・・・キラに手下がいないとも限らんのだ)
萌郁「・・・」
岡部(またラボメンに近づきやがって・・・) ギリッ
岡部(少なくともキラに関わりのある者・・・それは間違いないはず)
月「──!」
月(な、何をやっているんだこいつは!) グラッ
月(まずい・・・動揺するな、もし本当にOだったら・・・)
月(とにかくここはトイレに行く人間として自然な行動を取らなくては)
岡部(萌郁の携帯を見て動揺・・・?)
岡部(ってあいつ今女子トイレ入りやがった!)
岡部(どうする・・・聞き耳を立ててみるか・・・?)
岡部(しかし女子トイレの扉で聞き耳というのも・・・)
岡部(男子トイレ! 運が良ければ聞こえるかもしれない!) タタッ
岡部(・・・聞こえる)
──「とにかく、コレ以上接触してるのは危険だな、やはり桐生萌郁、あいつは怪しい」 ギリッ
岡部(・・・まずいな、萌郁にノートを知る存在としての疑いが掛かっている!)
岡部(いや・・・そうじゃない、いずれは俺にも・・・それにダルにも疑いがかかってしまうはず)
岡部(ラボメンは俺が・・・守る!)
~ラボ~
岡部「・・・」
ガチャリ
鈴羽「岡部倫太郎、大変だよ」
岡部「分かっている」
鈴羽「へ?」
岡部「お前やラボメンに尾行がついてるのは既に分かっている。 だから教えろ、貴様の策というやつを」
岡部「あぁ、お前が未来から来たことも・・・2036年がディストピアになっている事も知ってる」
鈴羽「良かった、なら話は早いや」
岡部「あいつは・・・キラなのか? ラボの皆に接触したあの男は」
鈴羽「それは分からない」
岡部「なぜだ!」
鈴羽「なぜって・・・」
鈴羽「君は・・・2010年8月12日、明日には死亡してるんだ・・・」
岡部「な、なんだと? この俺が?おい、冗談だろ・・・?」
鈴羽「冗談なんかじゃないよ」
岡部「バカな・・・と言うことは俺はキラに負けたということではないか・・・」
岡部「フフ・・・何が世界の支配構造を変革だ・・・鳳凰院凶真だ・・・キラに屈して・・・いや、キラを復活させたのは俺じゃないか・・・」
鈴羽「ま、待ってよ岡部倫太郎! 諦めるのはまだ早い!」
鈴羽「キラ・・・あるいはキラの側近と対峙し一度ノートを奪ってる、それだけは確かなんだ」
岡部「俺が・・・ノートを?」
岡部「と言うことは俺はどうやって死んだんだ?」
鈴羽「・・・心臓麻痺」
鈴羽「キラは恐らく複数のノートを持っている、それは裁きが続いていることからも分かる」
岡部「なら俺がノートを奪ったとしても無駄死・・・だったのか・・・」
鈴羽「そうじゃない、そうじゃないよ」
鈴羽「ノートは・・・そう2036年まで・・・」
鈴羽「父さんと牧瀬紅莉栖・・・が保管していた」
鈴羽「そして今ここにあるのが・・・君が・・・明日ノートに書かれて死ぬ君が命がけで奪ってきたノート」 バサッ
岡部「──!」
岡部(確かに死神リュークが落としたのと同じ)
鈴羽「ここを見てよ岡部倫太郎」
岡部「──!?」
岡部「し、しかしこれでは・・・」
鈴羽「キラはノートによる殺人を正義としている、それは初めて現れた時から2036年まで変わってない」
岡部「・・・」
鈴羽「そして・・・キラは・・・キラに殺人を認めさせる方法でしか負けは認めない」
鈴羽「それに岡部倫太郎も人殺しなんて・・・したくないでしょ?」
岡部「あぁ、キラには・・・奴には死んでもらっては困るからな・・・」
岡部「奴には自分のした行為をじっくり後悔させてやらねばらならんっ!」
岡部「しかし・・・その前に」
岡部「俺を敵に回したことから後悔させてやるフゥーハハハ!!」
鈴羽「あはは、元気でたみたいだね」
岡部「フフ、この俺を・・・誰だと思っている!!」
岡部「俺は狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真!! キラを倒すなど造作も無い!! フゥーッハッハッハァ!」
リューク「どうした、小休止か?」
月「・・・」
リューク「にしても・・・メイドカフェとはな」
月「・・・」
リューク「なんだよ、結局ハマってんじゃねーか」
リューク「あれほどメイドカフェなんて潰してやるーとか言ってたじゃないか」
月「リューク、僕は次のターゲット、椎名まゆりを観察しにきたんだ、あまり話しかけるな」 ヒソヒソ
まゆり「こんにちニャンニャン、トキニャンだったかニャン?」
月(その呼び方はもうやめて欲しいんだけどな・・・吐き気がする!)
月「コーヒー、それとオムライスください」
リューク「ククッ、それにしてもラボの奴らはレベルの高い女ばかりだな、死神目から見ても美人が多くて羨ましいぞ」
月(死神目から見て美人ってどういう感覚だよ、全く笑えないよリューク)
まゆり「んー? どうしたのかなぁ?」
月「いえ、大したことじゃないんですが聞きたいことがありましてね」
まゆり「聞きたいことー? まゆしぃに答えられる事ならなんでも答えるよー」
月「そうですか、では──」
岡部「ちょっと邪魔するぞ」 ドカッ
まゆり「わわ、オカリンだー」
月(岡部・・・倫太郎・・・!)
リューク「おっ・・・ククッ・・・」
月(なんだ・・・このタイミングでこいつが・・・)
岡部「まゆり、コーヒーを頼む」
月「いきなりなんですか? 失礼な方ですね」
岡部「いや、何、俺の幼馴染に馴れ馴れしくしてもらっては困るのでね」
月(嫉妬故の行動か? くそ・・・一体どうなっている、狼狽えるな・・・ボロを出すんじゃない)
岡部「うるさぁぁい!」
月「──!?」
ザワザワ
岡部「この俺を誰だと思っている! 世界の支配構造を変革する男! 鳳凰院凶真だ!」
月(なんだこいつ・・・ふざけてるのか?)
月「言ってる意味がわから──」
岡部「ぬあらばぁ! 貴様は無能というわけどぅあ、この鳳凰院凶真の崇高な思想についていけない、これを無能と呼ばずしてなんと呼ぶのだフゥーハハハ!」
月「・・・」 ギリッ
月(こいつ・・・!)
リューク「ククッ」
まゆり「他のご主人様たちに迷惑がかかるのです」
岡部「うむ、それもそうだな」
岡部「おい貴様、場所を移すぞ」
月「な、なんで僕が──」
岡部「聞きたくはないのかぁ? ノート・・・について」
月「──!」
月(こいつ・・・Oだ)
月(しかし何故名乗ってきた・・・何かあるのか?)
月「ノート? ハハッ、なんだよそれ」
岡部「しらばっくれるな、貴様がキラ・・・いや、もしくはキラに近いものだという証拠は挙がっているぅ!」
月(──バカな! バレた・・・? この男には接触していないはず・・・クソ・・・Dメールの効果・・・なのか?)
月「やっぱり言ってる意味が分からない、僕がキラ? 冗談もほどほどにしてくれよ」
岡部「ここなら誰にも話は聞かれない」
岡部「さぁ、思う存分話しあおうではないかぁ!」
月「く、なんなんだよ僕をキラって決めつけて! いい加減にしろ!」
岡部「ならば一昨日ラボメンに近づいた訳を話してみるがいい、聞いてやらんでもないぞ」
月(やはりバレているのか・・・?)
岡部「ご丁寧に偽名まで使ってラボメンに探りを入れているのはすでに調査済みだ! フゥーッハッハッハ!」
リューク「クク・・・なあおい、完全にバレてるんじゃないのか? ライト」
リューク「Oが他にいるにしても、こいつもう殺した方がいいんじゃないか?」
月(うるさい!黙って見とけ!)
月「そこまでバレているとはね・・・分かった話そう、僕は警察の人間なんだ、偽名を使ったのは捜査の一環で」
岡部「フ、俺にも偽名を使おうとしうのか? ライトとやら」
月(馬鹿な──! 名前まで・・・? なぜだ)
岡部「俺にはお前がキラだと思っているよライト」
リューク「ククッ、ダメじゃん、もうキラってばれてる」
リューク「もう殺せってライト」
月(バカを言うな、O全てを殺すまで慎重に!)
岡部「今のは・・・ライトがキラだと見なしても構わんのだろう?」
岡部「なぁ、死神よ」
月「──!」
リューク「ウホッ!?」
月(馬鹿な・・・)
岡部「久しいなリュークよぉ! 貴様に俺の記憶があるのか分からんが俺には貴様の記憶、バッチリとあるぞ?」
月(リュークの名前まで・・・どういう事だ? リュークが裏切って・・・? いや、リュークは中立のハズ・・・)
リューク「お、俺お前のことなんか知らない」
岡部「それもそうだろう、貴様の魔眼は人間の寿命を見るものであって世界の記憶を保つものではないからなフゥーッハッハッハ!!」
月(目の取引も知っている・・・ノートを持っている!? まさか他に死神が!?)
リューク「お、おいどういう事だよライト」
月(僕に聞くな!) ギリッ
岡部「フ、良い加減口を開いたらどうだぁ? ん? キラ、もしくはその”下僕よ”!」
月「」 プチッ
岡部「下僕だとしたら哀れだな、キラにこき使われて、今お前はここで無様に醜態を晒すのだから!」
月「」 ブチブチ
リューク「えっ!? いや、そんなことしねーって」
岡部「フゥーハハハ! やっと口を開いたなライトよ!」
月「その笑い方・・・腹が立つ」
岡部「ん? そうか? だったらもっと言ってやろうフゥーハハハ!」
岡部「フゥーハハハ! 今ここにラグナロックの勝敗は決したのだ! このふぉうおういんきょうむぁが人類の悪、キラを打ち砕くことによってなフゥーハハハハハhげほっげほ」
岡部「あ、キラではなく下僕だったか? いやすまん、間違え──」
月「く・・・」
月「ふふ」
月「ふはは」
はははははははははははははははは
はははははははははははははははは
はははははははははははははははは
はははははははははははははははは
はははははははははははははははは
はははははははははははははははは
はははははははははははははははは
岡部「──!」
月「僕がキラだ」
月「ならばどうする」
月「今貴様は僕の前に顔を晒している」
月「それがどういう意味か分かっているのか?」
岡部「・・・もちろんだとも」
岡部「だがこの鳳凰院凶真! 貴様の野望を打ち砕くことなど造作も無い!」
月「ふん、まさかその”鳳凰院凶真”という偽名を使っているから大丈夫、とでも思っているのか?」
岡部「なに?」
月「お前の名前は岡部倫太郎、鳳凰院凶真なんてただの設定だ! もうとっくに調べは付いている! そんな事も気づかなかったのか!?」
岡部「気づいていたとも」
月「──なに!?」
岡部「さあ、どうした、書かないのか? 書けよ・・・所詮お前は負ける運命」
月「なら望みどおり書いてやるよO!!」 カチッ
月「岡部倫太郎岡部倫太郎岡部倫太郎!!」
月「どぉーうだ!! 僕の! ノートの切れ端に書いてやったぞ!」
岡部(だ、大丈夫だ・・・俺は・・・死なない!)
月「僕が切れ端を仕込んでるとは思わなかったのか! ノートは切れ端でも使える! そんな事も知らなかったのか!」
岡部「それは知らなかったよキラ」
月「さんじゅうはち」
月「さんじゅうきゅう」
月「よんじゅう!」
月「はははは! そうだ! キラに逆らうからそうなるんだよ!」
月「安心しろ、お前の仲間もいずれそっち側に送ってやる」
岡部「くぁ・・・」 ドサッ
月「ははははははははははは」
リューク「お、おいライト」
月「どうした死神、大体お前が僕のことをキラなんて呼ぶからこんな事態に──」
岡部「鈴羽! 今だ!」
ガシャーン
鈴羽「オーキードーキー!」
月「な、おまえは阿万音鈴──」 ゲシッガッガスッ
月「ぐぁ・・・」
鈴羽「コレ? コレあたしのタイムマシン、あたしは2036年から来たんだよ」
月「──!? にせんさんじゅ・・・馬鹿な!」
月「こいつら物理的タイムトラベルまで・・・」
月「そうじゃない、何故お前が生きている岡部倫太郎・・・!」
岡部「言っただろう、俺はお前の野望を打ち砕く、と」
月「そんな事を聞いてるんじゃない! ノートに名前を書かれても死なない人間なんていない!」
月「何かトリックが・・・トリックがあるはずだ・・・」
鈴羽「ちょっとー、静かにしなってー、君はもう現行犯なんだから」
月「う、うるさい! お前はいつまで僕を・・・こんな!」 ググググ
月「リューク、書け」
リューク「え?」
月「こいつらの名前を書けって言ってる!」
月「僕がキラだとばれたのはお前のせいでもある、さあ早く書け!」
リューク「しょうが無いな~」
リューク「まぁ、あんまり期待するなよ、ライト」
月「──? どういうことだリューク!」
リューク「だって岡部倫太郎は紛れもなく本名」
リューク「ということはあれを済ませてる可能性がある」
月「あれ・・・? あれってなんだよ!」
リューク「ククッ・・・」
リューク「ほらよ、書いたぜ」
橋田鈴羽
鈴羽「──! やっぱり本名ばれるんだ・・・」
リューク「さんじゅうはち」
リューク「さんじゅうきゅう」
リューク「よんじゅう」
鈴羽「・・・!」
鈴羽「良かった、成功したんだね」
月「な、なんでだよ! 何故死なない!」
岡部「このノートに書いてある」
月「そ、それはデスノート!?」
岡部「今日死ぬはずだった俺が未来のダル・・・紅莉栖に託し、そして再び俺の元へと帰ってきたデスノートだ」
岡部「そしてこのデスノートのルールには」
岡部・鈴羽・リューク「”顔を思い浮かべて4回名前を書き間違えられた人間に対し、以後デスノートは効かなくなる”」
岡部「と書いてある」
月「ば──!」
世界が変わるな
月「一歩間違えれば自分が死ぬんだぞ!」
岡部「俺はすでに一度死んだ身だ、ラボの皆を守るためなら命など惜しくはない、もっとも死ぬつもりなど毛頭も無かったがな」
鈴羽「あたしも、ディストピアが構築されているみたいが変われば自分の命なんて捨てる覚悟だったからね」
月「ばかな・・・ばかな・・・何故お前ら他人のために命を捨てられる・・・」
岡部「貴様にも仲間がいれば・・・あるいは」
リューク「ククッ、ライト、お前の負けみたいだな」
月「なんだと?」
リューク「デスノートは効かない、身動きは取れない、キラだと自白済み」
リューク「どう見てもお前の負けだよ」 ククク
月「な、ならばお前が殺せ! ノートじゃなく! お前の手で!」
リューク「バカを言うなよライト、それをやったら俺は死神界で罰が下る。それも特級だ」
リューク「つまり死ななきゃならない。とてもじゃないがライト、お前のために死ぬ気にはなれないぜ、ククッ・・・」
月「リューク!」
…
シーッ
月「ば──やめ──」
岡部「待てーい!」
リューク「ん?」
岡部「殺すのは駄目だ」
リューク「おい、なんでだよ、こいつはキラでお前らの敵なんだろ?」
岡部「こいつにはしっかりと罪を償ってもらう、死神であろうと殺すことを許さんっ!」
月「なんだと?」
岡部「いつになるか分からんが貴様がシャバに出た暁にはラボメンとして迎えてやっても良い」
月「バカなことを・・・言うなよ・・・」
岡部「仲間の素晴らしさ・・・知らずに死ぬのは惜しいだろ」
リューク「でもよー、こいつが死ぬまで待つなんて無理だぜ、さっさと殺──」
リューク「ってなんか前もこんなコト会った気がするな、ふーなんだこれ、面白?」
岡部「だったら所有権を無くさせればいい」
鈴羽「ちょっと岡部倫太郎ー、こいつは大量殺人犯で──」
月「捨ててやるよ・・・」
リューク「お?」
月「ノートなんか捨ててやる!」
リューク「はいよ」
月「良いか、岡部倫太郎、お前はいつか必ず僕が地獄に送ってやる、デスノートを再び手にして! その時はノートでなんて殺さないからな! ははははは!」
鈴羽「こんなコト言われてるよー? 大丈夫?」
岡部「やれるものならやってみろ」 フフッ
ぐにゃああああ
岡部「くっ・・・これはリーディングシュタイナー!」
岡部「そうか・・・ディストピアが・・・構築されない世界線へ・・・」
鈴羽「お別れみたいだね・・・岡部倫太郎」
鈴羽「ありがとう、未来・・・変えてくれて」
岡部「鈴羽!」
岡部「はっ・・・ここ・・・は」
月「何やってるんだよ倫太郎」
岡部「お前・・・ライト!」
月「何驚いてるんだよ変なやつだな、ハハッ」
月「さっきラボのメンバーとして入ったもらったのにもう忘れたのかよ」
岡部「ラボメンだとぅっ!?」
岡部(キラ・・・じゃないよな?)
岡部「おい、貴様・・・ノート・・・知らないか?」
月「ノート? なんのことだよ」
岡部「いや、分からなければいいんだ・・・」
月「じゃあとりあえず」
月「メイクイーン行こうぜ、ふひひ」
おしまい
まゆりがほとんど出なかったのもそうだよ
ごめんごめんね
乙っした
乙
Entry ⇒ 2012.06.12 | Category ⇒ シュタインズゲートSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
星空みゆき「海水浴でウルトラハッピー!」
みゆき「・・・」ワクワク
やよい「・・・」ワクワク
キャンディ「・・・」ワクワクル
なお「・・・」フムフム
れいか「・・・」ウーン
みゆき「うわあ、すっごーい!」
やよい「何度見てもかっこいい!」
キャンディ「美味しそうクルー!」
なお「ほんと、あかねの腕前はプロ級だね」
れいか「・・・どうしたらいいのかしら」ウーン
れいか「えっ? あ、ごめんなさい。無意識に声に出していたのね」
みゆき「れいかちゃん、何か悩み事?」
あかね「ウチに出来る事やったら何でも手伝うで?」
やよい「わたしも!」
キャンディ「キャンディもクル!」
みゆき「えー!? れいかちゃん、もう2学期の事を考えてるの!?」
あかね「しゃーないやろ、れいかは生徒会の副会長やもんな」
やよい「れいかちゃんは偉いなあ」
なお「だけど、まだたっぷり時間はあるんだし、ゆっくりと考えていけばいいと思うよ」
れいか「なお・・・ありがとう。そうしますわ」
みゆき「ねえ、みんな! 夏休みになったら海に泳ぎに行こうよ!」
あかね「なんや自分、いきなりやな」
みゆき「だって、もうすぐなんだよ! みんなでいっぱい遊ぼうよ!」
やよい「海水浴か~、水着を買わないといけないなあ」
れいか「海水浴って、私、初めてなんです」
みゆき「えー! れいかちゃん、海水浴に行った事無いの!?」
れいか「意味は知っているのですが、恥ずかしながら行った事は・・・」
なお「みゆきちゃん、そんな事言わないの」メッ
みゆき「あっ、ごめんね? れいかちゃん」
れいか「いえ、気になさらないで下さい」
やよい「海水浴って言うのはね、海に位って泳いだり、砂浜で遊んだりするんだよ」
キャンディ「楽しそうクル! キャンディも一緒に行くクル!」
あかね「行くのはええんやけど、喋ったりしたら皆にバレてまうで?」
なお「一番いいのはペットのフリをするのがいいかな」
みゆき「うーん、それしか方法は無いかあ。キャンディ、少しの間だけ我慢出来る?」
キャンディ「クル~、キャンディも泳いだり遊んだりしたいから、ちゃんと我慢するクル~」
れいか「いい子ですよ、キャンディ」ナデナデ
キャンディ「クル~」
あかね「土日は人がぎょーさんおるやろうし、平日にしよか?」
みゆき「それだったら荷物を置く場所も広く取れそうだし、そうしようよ!」
やよい「じゃあ、場所はわたしが探してみるね」
れいか「お任せしてよろしいのですか、やよいさん?」
みゆき「あー! やよいちゃん、それ私のセリフー!」
やよい「ごめんね、みゆきちゃん。ちょっと真似したくなっちゃった」テヘペロ
みゆき「はっぷっぷ~」
なお「みんな、行くまでにちゃんと準備をしておく事。いいね?」
みゆき・あかね・やよい・れいか・キャンディ「「「「「はーい!」」」」クルー!」
れいか「なお、水着を選ぶのに付き合ってもらえませんか?」
なお「もちろん! 私も新しい水着が欲しかったから、今度二人で一緒に行こう!」
れいか「ええ!」
アカオーニ「アーッカッカッカ! オレ様アカオーニ♪」
ウルフルン「うるせーぞ!アカオーニ!」
アカオーニ「何を言ってるオニ! お前だって歌っているオニ! だから文句を言われる筋合いは無いオニ!」
ウルフルン「オレのと一緒にしてんじゃねーぞ!」
アカオーニ「勝手に言ってるオニ! 今から赤江アナに会うから静かにしてろオニ!」つテレビ
ウルフルン「こいつ、ピエーロ様を復活させる事を忘れてんじゃねーだろうな?」スタスタ
アカオーニ「・・・お! 赤江アナが映っているオニ!」
赤江アナ『今日は沢山の人で賑わっている○○海水浴場から中継を・・・』
アカオーニ「海水浴オニ?」
赤江アナ『泳いだり、遊んだり、人それぞれの楽しみ方で・・・』
アカオーニ「とっても気持ち良さそうオニ! オレ様も泳ぎに行くオニ!」
アカオーニ「それじゃあ今から行くオニー!」
マジョリーナ「やれやれ、うるさいのが出ていっただわさ」
マジョリーナ「って、私の出番はたったのこれだけだわさ!?」
ジョーカー「そのようですねええ?」
みゆき「海だー!」
あかね「やっと着いたでー!」
キャンディ「キャンディ、こんなに広い海を見たの初めてクルー!」
やよい「だいぶ時間かかっちゃったね」
なお「でも、平日だけあって、人がそんなに多くなくてよかったよ」
れいか「それに、とても綺麗な海ですね。やよいさん、わざわざ探して頂いてありがとうございます」ペコッ
やよい「そんなー、お礼を言われるほどでも無いよー!」
やよい「でも、ちょっと嬉しいな」
あかね「みゆきー! 先に場所を取らなアカン・・・って、もう行ってもうた」ハァ
なお「仕方ないな、みゆきちゃんは。ここは私とあかねでやっておくから、れいかとやよいちゃんも先に着替えて来なよ」
れいか「そんな、お二人だけに任せてしまうのは・・・」
あかね「そんなん気にせんでええって。力仕事はウチらに任せときー!」
れいか「そうですか・・・では、お先に着替えて来ますね」
やよい「れいかちゃーん、早く行こう!」
みゆき「キャンディ、どうかな? 可愛いかな?」
キャンディ「とっても可愛いクルー!」
キャンディ「キャンディも着替えるクルー! みゆき、スポーツデコルを使うクル!」
みゆき「えっと、この前手に入れたデコルだね」
<レッツゴー スポーツ!>
キラァン!
キャンディ「お着替えクルー!」
みゆき「キャンディ、かっこいー! まるで水泳選手みたい!」
れいか「お二人とも、お待たせいたしました」
みゆき「うわぁ! やよいちゃんもとっても可愛いよ! れいかちゃんもその水着すっごく似合ってる!」
やよい「そう!? ママといっぱい選んだんだよ!」
れいか「私もなおと二人で選びました」
みゆき「あかねちゃん、かっこいいー!」
やよい「あれ? あかねちゃんは、更衣室で見かけなかったけど……」
あかね「むっちゃ楽しみにしとったからな、家を出る前からもう服の下に水着を着とったんやー!」
みゆき「凄いね、あかねちゃん!」
れいか「なかなか用意周到ですね。……なおは?」
あかね「なおやったら、後から着替えに行ったはずやけど……お、来たで」
みゆき「なおちゃんも、かっこいいよ!」
やよい「うん! スタイルがいいからとっても似合ってる!」
れいか「なお、私の出番は選んだ水着を着てくれてありがとうございます」
なお「ありがとう、れいか。でも、ちょっと恥ずかしいかも」
れいか「何をおっしゃっていますか!? とっても似合っていますわ!」
みゆき「はは……、れいかちゃんが凄いね」
あかね「なおの事になったら人が変わるからな」
やよい「……スケッチ、スケッチ」スラスラ
キャンディ「みんな揃ったから、いっぱい遊ぶクルー!」
みゆき・あかね・やよい・なお・れいか「「「「「おー!」」」」」
みゆき「みんなー! あそこの岩まで競争だよー!」スーイ
あかね「よっしゃー! 誰にも負けへんでー!」スーイ
キャンディ「キャンディも頑張るクルー!」スーイ
なお「あかね! 私も負けないよ!」スーイ
れいか「私もですわ!」スーイ
やよい「みんな、待ってえ!」ブクブク
あかね「日野ちゃん、スペシャルアタックやー!」バシッ!
なお「くっ……、バレーじゃさすがに、あかねには敵わないか」
あかね「当たり前や! ビーチバレーもウチの得意分野やからな!」
みゆき「あかねちゃん、頼りになるー!」
れいか「なお、私達も負けてはいられませんわ!」
なお「うん!」
やよい「みんなー! 頑張れー! ……バレーだけにね」ニコッ
キャンディ「今のはどうかと思うクル」
やよい「頑張れー! ……バレーだけにね!」ドヤッ
キャンディ「何で二回言ったクルー!?」
みゆき「疲れたー!」
あかね「せやな、ぎょーさん遊んだもんな」
キャンディ「キャンディ、おなかがすいたクル~」グウー
なお「それじゃあ、ご飯でも食べようか?」
れいか「ですが、どこかに食事が出来る所があるのですか?」
やよい「大丈夫だよ。海の家って言って、ご飯を食べたり、横に寝転んで休憩出来る所があるんだよ」
れいか「そのような所があるとは……勉強不足ですね」
みゆき「れいかちゃんは真面目だなあ」
あかね「ええと……あそこにあったで!」
なお「じゃあ、そこにしようか」
海の家 れもん
みゆき「あかねちゃん、人混んでるかな?」
あかね「ちょい待ちい……結構空いてるみたいやな」
やよい「よかったあ、みんな座れるね」
キャンディ「キャンディ、もうおなかペコペコクル~」グウー
なお「それじゃあ、中に入ろうか」
れいか「そうしましょう」
イカ娘「何でゲソ?」
やよい「ゲソ?」
あかね「なんや、ウチらは客やで? はよう案内してや」
イカ娘「そんなに威張らないで欲しいでゲソ! それに言葉使いが下品でゲソね」
あかね「何やと! ウチを馬鹿にしとんのか!? お前の方こそゲソゲソって何やねん!?」
なお「あかね、ちょっと落ち着きなよ」
あかね「せやけど、こいつが!」
れいか「あなたも落ち着いて下さい!」
イカ娘「これでも喰らえで……ゲソ!?」ゴツン
栄子「お前の方が先に喧嘩売っただろうが。とっとと謝れ」
イカ娘「私は悪くないでゲソ!」
栄子「姉貴が知ったらどうなると思う?」
イカ娘「ひっ……御免なさいでゲソ……」シュン
イカ娘「仕方無いでゲソね? 許してやろうじゃなイカ!」
あかね「」ピクピク
みゆき「あかねちゃーん、落ち着いてー!」
やよい「えーと、わたし達ご飯を食べに来たんですけど……」
栄子「あー、ごめんごめん。じゃあ、そこの席に座ってもらっていいかな?」
れいか「分かりました」
あかね「ウチはみゆきと同じやつでええで」
やよい「わたしもみゆきちゃんと一緒でいいよ。キャンディ、二人で分けて食べようね?」
キャンディ「そうするクル!」
なお「私とれいかも、みゆきちゃんが選んだやつにするよ」
れいか「みゆきさん、お願いします」
みゆき「ええー!? 何で私に任せるのー!?」
あかね「まあ、定番やったらラーメンとかやな」
やよい「ラーメンかあ……重たいのはちょっと……」
なお「他と言ったら焼きそばとかね」
れいか「焼きそば……ですか。別にここでなくても食べられるのでは?」
あかね「れいかは分かってへんなー。海を目の前にして食べるから美味いんやで?」
キャンディ「何でもいいから、早く食べたいクルゥ……」グウー
みゆき「どうしようかな……」
みゆき「じゃあ、ラーメ……ん?」
栄子「はーい。注文決まった?」
みゆき「そうじゃないんですけど、あそこに書いてあるおすすめのイカスミスパゲティーって何ですか?」
栄子「ああ、あれね。ここでしか食べられない特別なスパゲティーなんだ」
あかね「ホンマなん?」
やよい「スパゲティーかあ、それならキャンディも食べやすそうでいいかな」
キャンディ「キャンディ、おなかがグウグウクル~」グウー
なお「なんだか面白そうじゃない?」
れいか「私、イカスミスパゲティーなんて初めてです」
栄子「イカスミスパゲティー5つね。イカ娘~、出番だぞ」
イカ娘「えー、またでゲソか? あれはかなり体力使うでゲソよ」
栄子「頑張って売り上げに貢献してくれ」
イカ娘「……分かったでゲソよ」
なお「あの子が作るんですか?」
栄子「いやいや、作るのは姉貴であって、仕上げにイカ娘の出番なんだよ」
れいか「よく分かりません」
みゆき「わあー、来た来た!」
なお「結構美味しそうだね!」
やよい「キャンディの分も取り分けてあげるね」
キャンディ「やよい、ありがとうクル~」
あかね「でも、見た目はスパゲティーにイカスミがかかっただけやん」
れいか「何か特別な味付けをしているのでしょうか?」
みゆき「とりあえず食べてみようよ!」
みゆき「それでは……」
みゆき・あかね・やよい・なお・れいか・キャンディ「「「「「「いただきまーす!」」」」」クルゥ!」
みゆき「……美味しい!」
あかね「ホンマや! こんなん食べた事あらへん!」
やよい「うわあ~、とっても美味しいよ!」
なお「弟や妹にも食べさせてあげたいな」
れいか「私、このような味を召し上がったのは初めてです」
イカ娘「当たり前でゲソ! 私のイカスミだから美味しいのは当然でゲソ!」
あかね「アンタのイカスミって、何ゆうてんの?」
イカ娘「これを見てみるでゲソ!」ピュッ
イカ娘「このイカスミを使って作ったでゲソよ!」
あかね「そんなんウソやろ、どうせ手品かなんかとちゃうん!?」
イカ娘「だったら、身を持って味あうでゲソよ!」ピュッピュッ
あかね「うわわ! 何すんねん! 危ないやろ!」
イカ娘「まだまだでゲソ!」ピュッピュッ
みゆき「あかねちゃーん!」
やよい「あわわ、どうすればいいの?」
れいか「お二人とも、落ち着いて下さい!」
あかね「ウチが悪かったから! 謝るから! もうやめてーや!」
イカ娘「邪魔するなでゲソ! もうちょっとで……」
千鶴「イカ娘ちゃん、皆の迷惑になるからやめましょう?」ギロッ
イカ娘「ひっ」
千鶴「分かってくれたかしら?」ニコッ
イカ娘「分かったでゲソ! もうやめるでゲソ!」
千鶴「いい子ね、イカ娘ちゃん」
イカ娘「」ガクガクブルブル
やよい(うわぁ~、あの人なんか怖いな~)
千鶴「何か言ったかしら?」キッ
やよい「いえいえいえ!」ブンブン
キャンディ「やよいも怯えているクルゥ」ボソッ
みゆき「えーー! 地上を侵略しに来たのーー!?」
イカ娘「そうでゲソ!」ドン!
あかね「キャンディ、バッドエンド王国の幹部って他にもおったんかいな?」ボソッ
キャンディ「キャンディは知らないクルゥ」ボソッ
イカ娘「そこのお前、何独り言を言っているでゲソ?」
あかね「いや、何でもあらへんで?」
れいか「侵略と大きな事をおっしゃっていますが、どうしてそのような事を?」
イカ娘「私の住んでいた海底は地上の人間が出したゴミによって荒らされてしまっているでゲソ。だからそんな人間を排除する為に、この地上を侵略する事にしたでゲソよ」
あかね「半分は八つ当たりみたいやな……」
やよい「……」
やよい「……凄いよ! まるでスーパーヒーローみたい!」
あかね「いやいや、侵略するてゆうとるんやで!?」
やよい「だけど、悪い事をしているのは地上の人でしょ? そんな悪い人をやっつけるんだからヒーローだもん!」
イカ娘「私は全人類を敵にしているでゲソが……なんだかお前とは気が合いそうでゲソ!」
やよい「ほんとう!? わたし達お友達になれるかな?」
イカ娘「当たり前でゲソ! 私と一緒に侵略しようじゃなイカ!」ゴツン
イカ娘「お、おおう……」プルプル
栄子「他人を巻き込むな」
れいか「いえ、海底をゴミで汚す、と言うのは私も許す事は出来ません」
なお「そうだよ、自分達の都合で汚すなんて筋が通ってないよ、筋が!」
あかね「それは、ウチも同感や」
みゆき「自然を壊すなんて全然ウルトラハッピーになれないよ!」
イカ娘「みんな、ありがとうでゲソ!」
千鶴「そんなイカ娘ちゃんをこの『海の家 れもん』で居候として預かっているのよ」
イカ娘「居候じゃないでゲソ! ここは地上侵略の為の拠点でゲソ!」
栄子「お前が壁に穴を開けて、その弁償代として働かされているくせに」
イカ娘「それは言わない約束でゲソ」
イカ娘「そうでゲソね……いつもは……あっ!」シュン
男「ふう、飲んだ飲んだ……ゴミは捨てちまえ」ポイッ
男「じゃあ帰るとするか……痛え!」バチッ
なお「うわっ! 髪の毛が伸びた!」
栄子「こら、何攻撃してんだ」
イカ娘「だってでゲソ……」
栄子「まあ、お前の気持ちも分からん訳ではないが、攻撃はするなって」
男「何って、ただ空き缶を捨てただけだろ」
イカ娘「ゴミはゴミ箱にすてればいいじゃなイカ!」
男「他の奴だってそこいらに捨てているじゃねーか。何で俺だけに言うんだよ?」
れいか「あなたの方こそ何をおっしゃっているのですか?」
あかね「そうや、目の前で捨てて見逃すなんてそんなん出来へん!」
やよい「ちゃんと捨てないと駄目だよ!」
キャンディ「そうクル!」
男「ん?」
イカ娘「今、狸のおもちゃが喋ってなイカ?」
なお「気のせいだよ、気のせい!」
みゆき「キャンディ、喋っちゃ駄目だって」ボソッ
イカ娘「それよりも、早く拾ってゴミ箱に捨てなイカ!」
男「あー分かったよ、捨てればいいんだろ!」ポイッ
男「けっ……」タッタッタ
みゆき「はっぷっぷー、あんな事するの許せないよ」
イカ娘「話の続きだったでゲソね。今みたいに捨てられたゴミを拾って、この砂浜を綺麗にしたりしているでゲソよ」
れいか「素晴らしい行動ですね」
あかね「そうしようと思っとるやつってなかなかおらんからな」
なお「どうかしたんですか?」
千鶴「さっき連絡があって、海にクラゲが大量発生したらしいから泳いじゃ駄目よ?」
みゆき「えー、また泳ごうと思ってたのにー!」
れいか「これならどうしましょうか……」
やよい「あの、ちょっといいかな?」
あかね「やよい、どないしたん?」
やよい「イカちゃんの話を聞いて考えたんだけど、泳げないならこの砂浜を綺麗に掃除しない?」
やよい「うん。そうは言っても、ゴミを拾うだけの簡単な事なんだけど……」
イカ娘「いい心掛けでゲソ! 私も手伝っていいでゲソか?」
やよい「もちろん! 遊ぶ所が汚いのってなんか嫌だし……」
あかね「よー見たら、あちらこちらでゴミが捨てられとんな」
みゆき「よーし、みんなでお掃除しよう!」
千鶴「わざわざ遊びに来てくれたのに、そんな事をしてもらうのは悪いわ」
れいか「気になさらないで下さい。これは私達自ら決めた事ですから」
なお「汚れているのをほったらかしにするのは気分が悪いですし」
やよい「もちろんです!」
キャンディ「クル!」
千鶴「だったら栄子も手伝ってあげてね?」
栄子「私はいいんだけど、店はどうする気なんだ? 姉貴が一人になってしまうし」
千鶴「それなら大丈夫よ。もう少ししたら、渚ちゃんと鮎美ちゃんが来てくれるから」
栄子「そういえばそうだっけ。じゃあ、後は姉貴よろしく」
千鶴「ええ」
みゆき「それじゃあ、お掃除頑張ろー!」
あかね・やよい・なお・れいか・キャンディ「「「「「おー!」」」」クルー!」
アカオーニ「やっと海に着いたオニ!」
アカオーニ「さっそく入るオニ!」ザバーン
アカオーニ「ふう……冷たくて気持ちがいいオニね……って痛!!」チクッ
アカオーニ「今のは何オニか!?」チラッ
アカオーニ「これはクラゲオニ! 周りに沢山泳いでいるオニね!」
アカオーニ「せっかくのバカンスだったのにオニ、よくも邪魔してくれたオニ!」
アカオーニ「こうなったら腹いせに、ここに居る奴等からバッドエナジーを集めるオニ!」スッ
アカオーニ「白紙の未来を黒く塗りつぶすオニ!」
ゼンゼンタノシクナイヨ… イカチャンニフリムイテモラエナイ…
アカオーニ「がはははっ! 人間どもの発したバッドエナジーが!」
アカオーニ「悪の皇帝、ピエーロ様を蘇らせていくオニ!」
キャンディ「クルー!」
みゆき「みんな! 上を見て!」
あかね「あいつはアカオーニ!」
なお「こんな所まで現れて!」
れいか「イカ娘さん! 栄子さん!」
イカ娘「全然侵略出来ないでゲソ……」ドヨーン
栄子「いつになったら夏が終わるんだ……」ドヨーン
みゆき「ああっ! 二人まで!」
あかね「とりあえず、今は変身や!」
みゆき「うん! いくよ、みんな!」
「「「「「プリキュア! スマイルチャージ!」」」」」
<ゴー!>
<ゴー! ゴー! レッツゴー!>
ハッピー「キラキラ輝く未来の光! キュアハッピー!!」
サニー「太陽サンサン 熱血パワー! キュアサニー!!」
ピース「ピカ ピカ ピカリン ジャンケンポン!」チョキ
ピース「キュアピース!!」
マーチ「勇気リンリン! 直球勝負! キュアマーチ!!」
ビューティ「深々と降り積もる清き心……キュアビューティ!!」
「「「「「五つの光が導く未来! 輝け! スマイルプリキュア!!」」」」」
サニー「それはこっちのセリフや!」
アカオーニ「今日は赤っ鼻でいくオニよ! 出でよ、アカンベェ!」
アカンベェ「アカンベェー!」
ピース「うわわ、クラゲがアカンベェなっちゃった!」
マーチ「あの触手が厄介だね。みんな気をつけて!」
ビューティ「はい!」
ハッピー「うん!」
アカンベェ「アカンベェー!」シュバッ
サニー「うわあ、いっぱい来たで!」
ビューティ「落ち着けば避けられます!」
マーチ「だけど、いくらなんでも多すぎるよ!」
ピース「ひゃあ! ひええ!」
キャンディ「みんなー、頑張るクルー!」
ハッピー「避けるので精一杯だよ! ……ん? あそこに人が!」
サニー「何やて!?」
マーチ「この中で動ける人が居るっていうの!?」
ハッピー「千鶴さん!?」
ビューティ「何であの人は動けるのですか!?」
千鶴「その声はみゆきちゃん達なの?」
ハッピー「あ、はい! ……あーまたやっちゃった!」
サニー「いつまでそれをやってんねーん!」
アカオーニ「何でだオニ! あの女にはバッドエナジーが無いオニか!?」
千鶴「あなたがこんな事をやっているの?」ギロッ
アカオーニ「この女怖いオニ……アカンベェ、まずはそいつからやっつけるオニ!」
アカンベェ「アカンベェー!」シュバッ
マーチ「千鶴さん、危ない!」
キャンディ「早く逃げるクル!」
千鶴「……」チャキッ
バサッ サクッ グサッ
ハッピー「ええー! 何でー!?」
サニー「生身なのに何でこんなに強いん!?」
ピース「すごーい!」
千鶴「この海を荒らすなんて、覚悟は出来ているわね?」チャキッ
アカオーニ「オニィ……アカンベェ! もっと触手を出すオニ!」
アカンベェ「アカンベェー!」シュバッシュバッ
マーチ「ああっ! さっきより攻撃が激しくなった!」
千鶴「まだまだ!」バサッバサッ
ビューティ「千鶴さんも負けてはいませんわ!」
アカオーニ「アカンベェ! お前はこんなもんじゃ無いオニ! 本気を見せるオニ!」
アカンベェ「アカン……ベェ!!」シュバッシュバッシュバッ
キャンディ「とんでもない数クル!」
千鶴「これじゃ……捌ききれない!」ドカッ
千鶴「きゃああ!!」ドカーン
サニー「大丈夫かー!?」
千鶴「……」
マーチ「……頭を打って気を失ってるみたいだ」
アカオーニ「今がチャンスオニ! やるオニ!」
アカンベェ「アカンベェー!」シュバッシュバッ
ビューティ「皆さん、うしろ!」
ガシッ ガシッ ガシッ ガシッ
ハッピー「うわっ!」
サニー「しもた!」
マーチ「後ろから攻めるなんて直球勝負じゃないよ!」
ビューティ「私とした事が……」
ピース「みんなー、大丈夫ー!?」
サニー「見たら分かるやろー!? 大丈夫やあらへんー!」
キャンディ「4人が捕まってしまったクル!」
ピース「どうしたらいいの? みんなが捕まってるから必殺技も使えないし……」
ピース「みんなを盾にするなんて卑怯だよ!」
アカオーニ「卑怯オニか? その言葉はオレ様にとって誉め言葉オニ!」
ギラギラ サンサン
アカオーニ「……それにしても暑いオニね。こんな時は水分補給オニ!」つ缶ジュース
サニー「どこから取り出してんねーん!」
アカオーニ「んぐんぐ……ぷふぁーオニ!」
アカオーニ「この空き缶は邪魔オニね……放り捨てるオニ!」ポイッ
ハッピー「せっかく綺麗にしているのに捨てないで!」
ビューティ「なんて事を!」
アカオーニ「お前達人間だっていっぱい捨てているオニ!」
イカ娘「ゲソ……?」
マーチ「確かにあんたの言う通りかもしれない」
ピース「だけど、綺麗にしようと思ってる人だっていっぱい居るんだよ!」
アカオーニ「それは屁理屈オニ! アカンベェ、キュアピースをやっつけるオニ!」
アカンベェ「アカンベェー!」シュバッ
ピース「ひゃあ!」
アカオーニ「人間どもをバッドエンドに支配して、ついでにゴミに汚れた世界にしてしまうオニ!」
イカ娘「ゲソ……はっ!」
イカ娘「私は何をしていたでゲソ……ってこれは何が起こっているでゲソ!?」
イカ娘「その声はやよいでゲソか!?」
ピース「そうだよ! イカちゃんは早く逃げて!」
イカ娘「そんな事出来ないでゲソ! 友達を見捨てるのは出来ないでゲソ!」
ピース「イカちゃん……」
イカ娘「そこのお前でゲソ!」
アカオーニ「オレ様の事オニ?」
イカ娘「そうでゲソ! 今すぐこんな事をやめるでゲソ!」
アカオーニ「やめろと言われてやめる奴はいないオニ! アカンベェ、そいつもまとめてやってしまうオニ!」
アカンベェ「アカンベェー!」シュバッ
イカ娘「地上を侵略するためにもやられる事は出来ないでゲソ!」シュバッ
チャキン チャキン カッ ガッ
サニー「せやけど、アカンベェの手数が多すぎる!」
マーチ「このままだとジリ貧だよ!」
ビューティ「イカ娘さん!」
アカンベェ「アカンベェー!」ガシッ
イカ娘「しまったでゲソ!」
アカオーニ「やっと捕まえたでゲソ! おっと喋りが移ってしまったオニ!」
イカ娘「離さなイカ!」
アカオーニ「そんな事出来ないオニ! このまま締め付けるオニ!」
アカンベェ「アカーンベェー!」ギュウウ
イカ娘「うわわ!」
イカ娘「そんなの決まっているでゲソ! 私は絶対に侵略を成功させたいでゲソ!」
アカオーニ「地上はピエーロ様のものになるオニ! 諦めるオニ!」
イカ娘「出来ないでゲソ! この海を守ろうと戦ってくれる皆の為にも負けられないでゲソーー!!」
ピカッ!
ハッピー「この光って!?」
サニー「ウチらの時と同じや!」
マーチ「それじゃあ!」
ビューティ「イカ娘さんも!」
ピース「プリキュア!?」
イカ娘「この光は何でゲソ!? それにこれは何でゲソか!?」
キャンディ「ちみが新しいプリキュアクルーー!」
イカ娘「うわあ! 狸のおもちゃが喋ってるでゲソ!」
キャンディ「やよいと同じ事言ってるクル」
キャンディ「そんな事よりも、ちみの仲間を守りたいという強い心がプリキュアの力を目覚めさせたクル!」
キャンディ「プリキュアになってアカンベェと戦うクル!」
イカ娘「プリキュアって、やよい達が変身しているやつでゲソ?」
キャンディ「そうクル! キュアデコルをスマイルパクトにセットして『プリキュア・スマイルチャージ』って叫ぶクル!」
イカ娘「スマイルパクトってこれの事でゲソね。何だかよく分からないでゲソが、やってみようじゃなイカ!」
イカ娘「プリキュア・スマイルチャージでゲソ!!」
<ゴー!>
<ゴー! ゴー! レッツゴー! スクイッド!>
スタッ
キュアスクイッド「スイスイ泳ぐは、海からの使者! キュアスクイッドでゲソ!」
サニー「ホンマに変身しよった!」
マーチ「ビューティ、スクイッドってなに?」
ビューティ「直訳すると、イカですね」
サニー「そのままやん!」
スクイッド「本当に変身してしまったでゲソ!」
スクイッド「でもスクイッドとは呼びにくいでゲソね……決めたでゲソ!」
キャンディ「スクイッド、どうしたクル?」
スクイッド「私の名前はキュア娘でゲソ!」ドンッ
キャンディ「勝手に変えちゃ駄目クル!」
ピース「キュア娘ちゃんのほうが断然可愛いーー!!」
アカオーニ「とりあえず、アカンベェ! 二人ともやっつけるオニ!」
アカンベェ「アカンベェー!」シュバッ
キャンディ「こうなったら仕方ないクル! ピース、キュア娘と二人で協力するクル!」
ピース「うん! 一緒に闘おうキュア娘ちゃん!」
キュア娘「分かったでゲソ!」
キュア娘「ゲソオオォ!!」ドカッ
アカンベェ「アカーン!」ドサッ
アカオーニ「何だとオニ!?」
ハッピー「凄い! キュアデコルちゃん!」
ビューティ「さらに強くなっています!」
キュア娘「私の触手を喰らうでゲソ!」
シュバババッ! スパッスパッスパッスパッ
アカオーニ「しまったオニ! プリキュアに逃げられたオニ!」
サニー「おおきに! キュア娘!」
マーチ「ありがとう、キュア娘ちゃん!」
ピース「うん! ……ほおおぉ!!」
キュア娘「そうすればいいでゲソね! ゲソオオォ!!」
アカオーニ「今だアカンベェ! その隙を狙うオニ!」
アカンベェ「アカンベェー!」シュバッ
サニー「卑怯やで!」
マーチ「筋が通ってないよ、筋が!」
アカオーニ「何とでも言うオニ!」
アカンベェ「アカンベェー!」シュバッ
ピース「ほおおぉ! ……ひゃう!?」ビクッ
ビューティ「ピース!!」
キュア娘「ゲソオオォ!!」ピカーン
キュア娘「力が溜まったでゲソ!」
キャンディ「キュア娘! 必殺技を放つクル!」
キュア娘「プリキュア! スクイッド! イーーンク!!」ブシュウウウ
サニー「口から放ってるやん!」
マーチ「これってさっきのイカスミ!?」
アカオーニ「何だオニ!? 前が見えないオニ!」
アカンベェ「アカンベェ!?」
ビューティ「アカンベェ達の動きが止まりました!」
ハッピー「今だよ、ピース!」
ピース「うん! プリキュア……わわわ!? ピースサンダーーー!!!」バリバリバリ
アカンベェ「アカアアンベェェェェ!!!」シュワアア
アカオーニ「何だオニニニ!? いつもより痺れるオニニニ!?」ビビビビビビ
ビューティ「クラゲは体の99%が水分です! ですからピースの電撃はいつもより効果があるのです!」
マーチ「解説ありがとう、ビューティ!」
キラァン
キャンディ「こりは、ほうきデコルクルー!」
アカオーニ「まだビリビリするオニィ……今度こそ必ずやっつけるオニよ!」シュンッ
キャンディ「イカ娘のスマイルパクトは消えてしまったクル」
みゆき「もしかしたら1回だけの変身だったのかな?」
キャンディ「そこの所はよく分からないクル」
なお「千鶴さん、イカ娘ちゃん、この事は……」
千鶴「ええ、分かっているわ。誰にも言わないって約束するわ」
イカ娘「私もでゲソ!」
あかね「おおきに!」
れいか「ありがとうございます」
栄子「あれ? 私は何をしていたんだっけ」
イカ娘「掃除に疲れて眠ってしまっただけでゲソよ」
栄子「マジで?」
みゆき「そろそろ帰らなくちゃ」
やよい「鬼さんが襲ってきたのは残念だけど」
あかね「退治出来てよかったわ」
れいか「早く荷物をまとめましょう。電車に乗り遅れてしまいます」」
イカ娘「バイバイでゲソー!」
みゆき「さよーならー!」
あかね「楽しかったでー!」
なお「イカスミスパゲディー美味しかったよー!」
れいか「いい思い出になりましたー!」
イカ娘「やよい! みんな! また遊びに来てくれなイカー!?」
やよい「もちろんだよー! イカ娘ちゃん! ばいばーい!!」
キャンディ「バイバイクルー!」
栄子「今、ぬいぐるみが喋らなかったか?」
千鶴「栄子ちゃんの聞き間違いよ」
栄子「そうなのかな?」
千鶴「イカ娘ちゃん」
イカ娘「何でゲソ?」
千鶴「今日のあの子達みたいに、この海を綺麗にしようと考えている人達も居るわ。それでも侵略しようと思う?」
イカ娘「当たり前でゲソ! でも、やよい達はそうでゲソね……私の部下として地上の一部を分け与えてもいいでゲソね」
栄子「何だそりゃ」
千鶴「私達も店仕舞いして家に帰りましょう。今日の晩御飯はイカ娘ちゃんの大好きなエビフライよ」
イカ娘「やったでゲソー!!」
みゆき「あー、楽しかった!」
あかね「アカオーニは余計やったけどな」
やよい「またイカちゃん達に会いに行こうね?」
れいか「……」
なお「もちろん! れいか?」
れいか「皆さん、ちょっとよろしいですか?」
キャンディ「れいか、どうしたクル?」
れいか「この前、私が相談していた、2学期に生徒会で行う催し事なのですが、皆で町の清掃活動を行うというのはどうでしょうか?」
あかね「せやな、さっきの砂浜でもぎょーさんゴミが落ちとったし」
やよい「やっぱり綺麗な町なのはいいもんね」
なお「そうだね、出来る範囲はイカ娘ちゃんから見たら小さいかもしれないけど」
みゆき「私達は出来る事をしっかりとやろう!」
れいか「ありがとうございます、皆さん」
キャンディ「ちょうど、ほうきデコルが手に入ったから、皆で使うクル!」
みゆき「よーし! それじゃあ、皆で頑張ろうー!」
みゆき・あかね・やよい・なお・れいか・キャンディ「「「「「「おー!!」」」」」クルー!!」
終わりクル
あかねの関西弁は難しいクル
今度は手短に仕上げるクル
見てくれた人ありがとうクル
Entry ⇒ 2012.06.12 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
さやか(29)「杏子の奴遅いなぁ…」
杏子「おーい!」パタパタ
さやか「あ、来た来た。まったく、すっごい久しぶりに会うってのに遅刻しないでよ。」
杏子「悪ぃ悪ぃ、仕事の打ち合わせが思ったより長引いてさ。これでも強引に切り上げて抜けてきたんだぜ?」
さやか「流石、やり手の女社長は大変だねぇ…ん?髪、下ろしてんの初めて見た…かも。」
杏子「そうだっけ?こないだ契約したスポンサーがくれたトリートメント試してみたら髪さらっさらになってさー♪最近下ろしてんだ。」
さやか「本当だー…ちょっと触ってい?」
杏子「いいぜ♪そういうさやかこそ、そのペンダントかわいいじゃん?」
さやか「あ、これ?安物だよwで、いいお店用意したんだって?」
杏子「おう!早速行こうぜ!」
さやか「私は…ブルーマンデーがいいな。」
杏子「マスター、コスモポリタンとブルーマンデーお願い。」
さやか「それにしても、静かでいい感じのバーだね。大人な雰囲気ってやつ?」
杏子「まぁアタシ達ももうアラサーだし。こないだ見つけて以来お気に入りでさ。」
さやか「イメージ的には赤提灯で焼鳥って感じなのにw」
杏子「うっせぇ!…あ、きたきた。じゃ、久しぶりの再会に。」
さやか「乾杯。…あ、このブルーマンデー美味しい。」
杏子「だろ?酒もうまくなきゃ薦めないよ。」
さやか「あはは。流石、昔から世間の厳しい風に吹かれてるだけあるね。」
杏子「…褒め言葉で受け取っとくよ。」
杏子「運が良かったっていうかなんていうか…ま、この性格だからなんとかなったって思ってるけどね。」
さやか「この性格?」
杏子「基本的に人間不信。自分のことしか考えてないって性格。」
さやか「…確かに、昔っからそうだもんね。それでケンカっ早くて、すぐ突っ掛かってきて…」
杏子「うっ…あ、あの頃はお互いまだ子供だったじゃねーか;」
さやか「……そのくせ面倒見よくってさ。同い年なのにお姉ちゃんっぽいっていうか…優しいんだよね、杏子は。そりゃ会社起こせば皆ついてくのも納得だよ。」
杏子「ななな…何言ってんだよバーカ//コスモポリタンおかわり!」
さやか「私もブルーマンデーおかわり!」
さやか「ぜーんぜん。この前も職場の人に誘われて合コン行ってきたんだけどさー。」
杏子「お。面白そうじゃねーか。」
さやか「なーんかパッとしない男ばっかで…わたしに釣り合うような男はいなかったよ(笑)」
杏子「あっはっは(笑)」
さやか「そーゆーアンタこそ、言い寄ってくる男はいっぱいいるんじゃないの?」
杏子「そりゃ、アタシみたいないい女ほっとかれるわけないじゃん?…って、そんなことねーよ。たまーに金と体目当ての男が言い寄ってきたりするけどね。みんな突っぱねてる(笑)」
さやか「あはは(笑)」
さやか「そうだね…殺し合いで始まった付き合いがこんなになるとは思わなかったよ(笑)」
杏子「そりゃお互い様だろ?あれから15年も経ってんだもんなぁ。」
さやか「マミさんは今イギリスだよね。」
杏子「そ。5年くらい前に集まった時に言ってたじゃん?紅茶の鑑定士の勉強するって。ちょっと前にメールしたんだけどさ、頑張ってるみたいだったよ。」
さやか「そっか…じゃあマミさん帰ってきたら、また集まって美味しい紅茶飲ませてもらおうよ。あの頃みたいにさ。」
杏子「そうだね…で、ほむらは医者か。」
さやか「昔の自分みたいな身体が弱い人達を助けたいって言って、すっごい勉強してたもんね。」
杏子「アイツも一直線な性格だもんなぁ。」
さやか「それに比べて私は大絶賛婚活中のコンビニ店員…か……」orz
杏子「何自虐ってんだよ…大体、さやかの場合は今こうして生きてるってことが奇跡的じゃねーか。コスモポリタンおかわり。」
さやか「まぁね…ブルーマンデーおかわり。」
さやか「私もびっくりだよ。気がついたら普通に家のベッドの上にいたんだから。」
杏子「…今でもわかんねーの?あの時何があったか…」
さやか「………ちょっとだけ、うっすら記憶…あるよ。」
杏子「…」
さやか「なんか…行かなきゃって思った場所に辿り着いたらさ、声が聞こえてきたんだ。」
『…やっぱりさやかちゃんはこっちにきちゃダメ。さやかちゃんの環る場所はココじゃないよ。』
さやか「…ってさ。多分神様の声だったんだろうなぁ。」
杏子「環る場所…ねぇ。神様も粋なことしたよ、本当に。」
さやか「それで気づいたら自分の部屋にいて…ソウルジェムもグリーフシードもなくなってた。なんか長い夢見てた感じだったな…」
杏子「長い夢か…そーだな、アタシ達の青春は本当に長い夢だったのかもな…」
さやか「やっぱりわかる?」
杏子「ソウルジェム…元アタシ達の本体。懐かしいね。」
さやか「うん…フラッと入った雑貨屋で見つけてさ。あ、これ…って。気がついたらレジに持って行ってたんだ。」
杏子「…あの頃のことは未だにわかんないことだらけだけど…一つだけ、一番気になってることがあんだよね。」
さやか「ん…?」
杏子「ほむらが言ってた『まどか』って名前さ…」
さやか「あ…やっぱりアンタも気になってたんだ。」
杏子「まぁね…」
さやか「わたしも…マミさんも言ってた。『聞いた時は誰?って思ったけど、時間が経つにつれて懐かしいような気になってくる』って。」
杏子「なんなんだろうね…忘れたってわけじゃなく、思い出せないってわけじゃなく…」
さやか「……」
杏子「それでも不思議と嫌な感じじゃないんだよ。わかんなくてイライラするとかじゃなくてさ…さやかとかマミさん、ほむらのこと考えた時と同じ感じがする。」
さやか「わたしも同じだな……あと、ありがとうって感じ。」
杏子「…『まどか』…か……」
杏子「アイツって?」
さやか「キュゥべえ…インキュベーター。」
杏子「あぁ…;何してんだろ。またアタシ達みたいなの探し回ってんじゃねーの?」
さやか「まっさかー(笑)…って、否定出来ないね…;」
杏子「本当、悪趣味な奴だったよな……でも…」
さやか「ん?でも…?」
杏子「なんか、この歳になるとアイツの言ってたこと、やってたことも一理あるのかな…って気はしてくるよ。間違っても同意はしねーけど。」
さやか「まぁね…今になってもっかい会ってみたいって気もしなくもない…かな。」
杏子「だね…ま、万が一会ったらタダじゃおかねーけどな(笑)」
さやか「わっかる(笑)」
杏子「まぁな。それは事実だから仕方ねーもんな…関わったどころか元凶じゃん。アイツは。」
マスター「失礼、こちらをどうぞ。」
杏子「え?アタシ達おかわり頼んでねーよ?」
マスター「こちらはあちらに座ってたお客様からです。先程お立ちになられましたが…それと、こちらも渡してくれとのことでした。」
さやか「カード…?」スッ
『わけがわからないよ』
杏子&さやか「「!?」 」
さやか「ななな!マスター!どんな人だった!?」
杏子「つーか人間じゃなかったよな!?白いウサギみたいな餅みたいな!」
マスター「そ、それが思い出せないのです…確かについ先程までそちらにいたのは間違いないのですが…」
杏子「あの野郎…;」
さやか「わけがわからないっての…;」
杏子「………まぁ、ありがたくいただいとくか。」
さやか「そう…だね。」
杏子「あー、久しぶりにたくさん飲んだなー!」
さやか「本当に!夜風が気持ちいい…♪」
杏子「だなー。…最近さ、こうして飲んで夜風に吹かれてると自分が大人になったんだなって実感すんだよね。」
さやか「確かに…わかるなー。」
杏子「あの頃と違って自分の金で食いもん食ったり酒飲んだり…いろいろ欲しい物買ったり。思えば遠くに来たなって。」
さやか「老け込んだんじゃないの?(笑)」
杏子「うっせぇ!(笑)」
さやか「でもさ…これからわたし達もいい男見つけてお嫁さんになって、子供できたり…おばあちゃんになったりするんだろうなって考えると、まだまだ欲しいもの沢山あるよね。」
杏子「そうだよな…アタシの言いたいこと言いやがって(笑)まだまだアタシ達の願い事はこれからだ!ってね!」
さやか「そうだよ!ね、もう一軒行かない!?」
杏子「おう!そう言うと思って明日は完全フリーにしといたんだ♪」
さやか「よーし、夜通し飲むぞー!」
杏子「おー!」
\アハハハハ♪/\キャハハハハ♪/
『……さやかちゃんも杏子ちゃんも大人になったんだね』
『ほむらちゃんもマミさんも、みんなそれぞれの道を歩いてる……』
『……こういうの見てるとちょっとだけ、一緒に騒ぎたいなって思っちゃう…かな』
『でも…さみしくないよ』
『だって……私はいつも、ずっとみんなと一緒に歩いてるんだから』
『だから……』
『がんばってね、みんな!』
>>1が(29)で、こないだ15年振りにあった仲間と飲んでた時の雰囲気を元ネタにして勢いで書きました
かなり希望妄想を入れたのでいろいろ矛盾や適当な部分がありましたが…読んでいただいた方々、ありがとうございました。
個人的にべぇさんにはほむほむとアルティメットまどっちに調教されて多少は人間の価値観も覚えてる…ってなってて欲しい。覚えてるだけで理解はしてないって感じで
Entry ⇒ 2012.06.12 | Category ⇒ まどかマギカSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
響「ケータイ取り出しポパピプペー」
響「なななな何を急に言ってるんだプロデューサー!?」
屋上いこうか
響「二回も言わなくても聞こえてるよ!そう言う意味で聞き直したんじゃないさー!」
P「じゃあ何が言いたいんだ」
響「いや、ほら……ぷ、プロデューサーがアイドルとデートなんておかしいだろ?それにデートするなら美希とかもっと可愛くて楽しそうな女の子の方が……」
P「俺はな響。お前とデートがしたいんだ。プロデューサーとアイドル?知らんわそんなもん。そんな訳でこの後暇か?」
P「わかってるけど響から聞きたいんだよ。この後暇か?デートしよう」
響「確かに暇だけど……プロデューサーは仕事あるんじゃないのか?」
P「響とデート行くために速攻で終わらせたに決まってるだろ」
響「プロデューサー頑張り過ぎさー……」
響「……変な所には連れていかないで欲しいさ……」
P「あたぼうよ!よし!行くか!」
響「あぁっ、ちょっと待ってよプロデューサー!自分まだ靴ちゃんと履いてないさー!」
P「とりあえずご飯にしよう。ちょっと早いけど晩御飯だ」
響「その後は?」
P「動物園」
響「はい?」
P「動物園」
P「まぁ……ちょっとくらい大丈夫だろ。それに昼間だとほら……響のファンがいたら面倒だろ?」
響「それはそうだけど……」
P「まぁまぁとりあえずご飯食べようや響さんや」
響(……何か誤魔化してないか?)
P「いやー美味かったな。久しぶりにちゃんと晩御飯食べたよ」
響「いつもは食べれてないのか?」
P「最近はお前らが売れてきて忙しいからなぁ……嬉しい悲鳴だよ」
響「プロデューサーが悲鳴をあげて倒れたら誰も嬉しくないぞ……本当に大丈夫なのか?」
響「……あっ!そうだ!」
P「どうしたんだ?」
P「えっ…それは凄く惹かれるものがあるけど、響に迷惑じゃないか?それこそお前だって忙しい訳だし。今日はたまたま時間があったが」
響「忙しいって…プロデューサー程じゃないさー。それにいっつも自炊してるし、プロデューサーの分が増えるくらいなんて事ないさー!」
P「うーん……じゃあお世話になろうかな」
響「本当か!?」
P「うん。だけど無理はするなよ?」
P「それもそうか……っと、動物園に到着だ」
響「な、なんか人多くないか?こんな時間に」
P「俺たちも人のことは言えんが……そうだな。予想外だ」
響「とりあえず中に入ろうよ!早くしないと動物達が寝ちゃうよ!」
響「?」
P「あーいや無理だな」
響「何がだ!?」
P「いや、背低いから子供料金でいけるかなーと思ったけど。無理だな」
響「へ?なん……ってどこ見てるんだプロデューサー!セクハラだぞ!」
P「いやこれは不可抗力だろ」
P「胸が?」
響「身長が!」
P「そうだなー。じゃあ早く動物園入るかー」
響「なんか納得いかないぞ……」
響「プロデューサー!毒ガエルですよ!毒ガエル!」
P「似てないからな。しかもなんで毒ガエルなんだよ」
響「綺麗じゃないか?赤とか青とか黄色とか。黒い体に色んな色が浮かんで、まるで花火みたいだ!」
P「……カエルはなぁ。いや苦手とかじゃないけど好んで触りたくはないな」
響「まぁ普通はそうなのかなぁ……」
P「だいたい見て回ったか?」
響「うん!自分満足だぞ!今日はありがとうなプロデューサー!」
P「満足してくれて嬉しいが今日はこれで終わりじゃないんだなぁ……」
響「へ?まだ何かあるのか?」
P「おう。ついて来い」
P「いんや。出口前の広場まで。今何時だ響」
響「えっ?えと……もう少しで8:30だ。2時間以上いたんだな。気付けは空も真っ暗だ」
P「OKOKいい感じだ」
響「これから何かあるのか?」
P「勿論。響、あれ見てみ?」
響「あれ?どこだー?なんも見えないぞプロデュー」ヒューーーーー
ドン!
響「サっ!?ななななななんだ!?」
P「あー低かったな」
響「何が!?」
P「ほらもう一個くるぞ響!」
響「え?」
響「……花火だ」
P「おう。本日のメンイディッシュだ。綺麗だろ?」
響「……うん。凄く綺麗」
P「…………えーと。なぁ響」
響「なんだプロデューサー」
響「……へ?」
P「いやだから…結婚しよう」
響「二回も言わなくてもわかってるさー!」
P「じゃあなんで聞き返したんだよ」
響「いや…急でびっくりしたっていうか……きっと誰でも聞き返すさー」
響「えと……自分もプロデューサーのことその……あぁもう!プロデューサー!ご飯作ってあげるって話したけど!自分しっかりお金取るからな!」
P「えっ?いや今このタイミングで急に言われても困るが…幾らだ?」
響「そうだな……最低でもプロデューサーの生涯賃金の半分は貰うさー」
おわり
これからはROMになろう
響好きには殺されても文句言えない
おやすみなさい
またチャレンジしてほしいさー
Entry ⇒ 2012.06.12 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
桐乃「兄貴ー、寒いからパーカー貸して」
京介「…あんだよ」
桐乃「ソレ、貸してくんない?」
京介「ソレじゃわかんねぇよ」
桐乃「ハァ?あんたが着てるパーカーに決まってんでしょ」
京介「分かるか!」
桐乃「いいから貸してよ」
京介「ヤダよ、何で俺が貸さなきゃなんねーんだよ」
こんなんでいいなら書いてくわ
京介「おい!引っ張るな伸びるだろうが!」
桐乃「ちょっとくらい伸びてもいいでしょ!」
京介「アホかお前は!」
桐乃「い・い・か・ら・は・や・く!」
京介「だー!わかった、わかったから離せ!」
桐乃「はやくしてよ」
京介「んだよ…ほら、あとで返せよ」
桐乃「ふん。あたし部屋に戻るから。絶対入ってこないでよ!」
京介「誰が入るかよ。なんなんだよアイツ、わっけわかんねぇ…」
桐乃「うへへへへ」
桐乃「京介の匂いが付いてるパーカーゲットしちゃった!」
桐乃「くんかくんか」
桐乃「うへへへへ」
携帯<デンワー
桐乃「ったく、こんなときに誰なの…あやせ?」
桐乃「もしもし、どったのあやせ?」
あやせ『あ、桐乃?今から加奈子と遊びに行ってもいいかな』
桐乃「あー、うん、いいよ」
あやせ『ありがとう桐乃、じゃぁ今から行くね』
桐乃「うん、わかった」
桐乃「いきなりなんて珍しいなぁ…。あ、パーカー隠さないと」
京介「あんだよ」
桐乃「今から加奈子とあやせが来るから、どっかいっててくんない?」
京介「あ?あやせと加奈子なら別に俺が居てもいいだろ」
桐乃「よくないの!」
京介「今日のお前はいつにもましてよくわかんねぇな…」
桐乃「いいから!」
京介「今からだと行くとこねぇし」
桐乃「ぐぬぬ…」
京介「…ちょっと散歩でもいってくら。なんかいるかよ」
桐乃「…アイス」
京介「あいよ、行ってくるわ」
桐乃「っと、お茶用意しないと」
<ピンポーン
桐乃「はーい」
あやせ「いきなりごめんね、桐乃」
桐乃「いいのいいの、入ってー」
加奈子「おじゃましまーす」
あやせ「お邪魔します」
あやせ「いつもきれいにしてるよね、桐乃って」
桐乃「そんなことないよー」
あやせ「加奈子も見習わないとダメだよ?」
加奈子「へいへーい」
桐乃「で、今日はいきなりどしたの?」
あやせ「ちょっと相談があって」
桐乃「相談?あ、先に飲み物取ってくるね」
あやせ「ありがとう」
加奈子「はやくしろよー」
加奈子「あん?」
あやせ「ここ、お兄さんの匂いがするんだけど」
加奈子「はぁ?ここ桐乃の部屋だぜ?」
あやせ「そうだよね、気のせいだよね…でもベッドの下から…」
加奈子「ベッドの下?あ、パーカー落ちてね?仕方ねーからこの加奈子様がたたんでやんよー」
あやせ「加奈子、そのパーカーって…」
加奈子「桐乃のなんじゃねーの?趣味わりーけど」
あやせ「それ、お兄さんのだ」
流石あやせ
桐乃「おまたせ…って何してんの加奈子」
加奈子「パーカー落ちてたからたたんでやったんだよ。えらいっしょ?」
あやせ「ねぇ桐乃、なんでここにお兄さんのパーカーがあるの?」
桐乃「えっと、それは…」
あやせ「ここ、桐乃の部屋だよね?どうして?」
桐乃「ま、間違えてここに入ったんじゃないの?」
あやせ「ふぅん…間違えて…ね」
加奈子「あん?間違えて入ってたんならしゃーねーべ?」
桐乃「そう、仕方ない!」
あやせ「…なら仕方ないか」
加奈子「なんでこんなに空気がつめてーの?」
桐乃「…」
加奈子「なーんか居づれー空気だなオイ。なぁ、相談があったんじゃねーの?」
あやせ「あ、そうだったね」
桐乃「そ、相談ってなんなの?」
あやせ「お兄さんのことなんだけど」
桐乃「あ、アイツの?」
あやせ「お兄さんって黒猫さんと別れたんだよね?」
桐乃「う、うん、そうみたいだよ」
あやせ「今は付き合ってる人はいないんだよね?」
桐乃「ちょ、ちょっとまってあやせ、どうしてそんなこと聞くの?」
加奈子「好きだからじゃねーの?」
あやせ「ちょ、ちょっと加奈子!」
加奈子「嘘ついてもしゃーねーべ?あたしも結構好きだし」
桐乃「ちょっ…」
あやせ「…加奈子、一体どういうことなの?」
加奈子「こえーよ!結構気が利くし、冴えねー顔してるけどよく見ると結構カッコイイじゃん?」
あやせ「…そう」
桐乃「あ、アイツはあたしの兄貴なんだし、その…」
加奈子「兄貴って当たり前だろ?」
あやせ「…ねぇ2人とも、ここは勝負しない?」
桐乃「勝負?」
桐乃「そ、そんな勝手な」
加奈子「いーんじゃねーの?手っ取り早くて」
桐乃「加奈子まで…」
あやせ「あくまでお兄さんに決めてもらうことにしましょう」
加奈子「どーいうルールで行くんだよ?」
あやせ「そうね…皆で温泉に行って、そこでお兄さんに決めてもらいましょうか」
桐乃「お、温泉?」
あやせ「そう、温泉」
桐乃「わー、すっごいね」
あやせ「硫黄のにおいもするし、来たって感じがするね」
加奈子「なんかくせーし。さっさと旅館いかね?」
京介「…なぁ、」
桐乃「なに?」
京介「そろそろ説明してくんねーか?いきなり、今度の休みに温泉行くから。って言われてもだな」
あやせ「私とじゃいやなんですか?」
京介「イヤ、そういうわけじゃないんだけどさ」
加奈子「じゃあいーじゃねーかよ。細かいこと気にしてるとハゲるぞー」
京介「ハゲねーよ!俺は理由が知りてーんだよ!」
京介「いや、まぁそうなんだけどよ…」
あやせ「まぁまぁ、今日は楽しみましょうよ」
京介「…そうだな、せっかく温泉に来たんだし、楽しむとするか!」
あやせ(うふふ…)
桐乃(京介はあたしのなんだから…)
加奈子「なぁ、温泉饅頭食いてー」
京介「あん?仕方ねーな」
京介「…なぁ、でかくないか」
あやせ「せっかくですもの、いいところに泊まりたいじゃないですか」
京介「え?今日泊まるの?」
桐乃「いまさら何言ってんの?」
京介(やっべぇ、ドキドキしてきた…)
加奈子「饅頭うめー」
京介「…お前はいいよな」
加奈子「あん?やらねーぞ」
京介「くわねーよ!」
--部屋
あやせ「うわー、広いですねお兄さん!」
京介「ほんとにここに泊まっていいのか…?」
桐乃「いいに決まってんでしょ」
あやせ「お兄さんは何も気にしないでくださいね」
京介「そうはいってもだな…」
あやせ「ね?」
京介(上目遣いは反則じゃねぇのあやせタン!)
京介「あ、ああ分かった」
桐乃「…キモ」
京介「あ、ああそうだな」
桐乃「ここ露天風呂あるんだよねー」
あやせ「さぁ、行きましょうお兄さん!」
京介「ちょ、押すなって」
桐乃「うひひ、超楽しみー」
加奈子「あ、置いてくなって!」
桐乃「早く行こうよ」
加奈子「さっさとはいろーぜ」
京介「お、おう」
--露天風呂
京介「ま、さすがに混浴じゃないわな…混浴じゃないよな?」
京介「やっべぇ、ドキドキしてきたじゃねぇか…」
京介「…ええい!うだうだしていても始まらねぇ!」
京介「いざ!」
京介「マイラブリーエンジェルあやせタンキターーー!」
あやせ「な、なんですかいきなり」
京介「いや、すまん、取り乱した…って前隠せ前!」
あやせ「で、ですが温泉ですし…」
京介「いいから隠せって!さすがにいろいろとマズイ!」
あやせ「なにがマズイんですか…?」
京介「早く!」
あやせ「わ、わかりましたよもう…」
京介「ったく…で、あの2人は?」
あやせ「順番です」
京介「順番?なんの順番なんだよ」
あやせ「気にしないでください。それより温泉につかりましょうよ」
京介「あ、ああそうだな」
京介「…まぁいいけど」
あやせ「失礼しますね、お兄さん」
京介「あの、あやせさん?」
あやせ「な、なんでしょう?」
京介「あの…あたってるんですが…」
あやせ「あててるんです」
京介「そ、そうですか…」
京介(耐えろ俺のムスコ!)
京介「な、なんですか?」
あやせ「…なんでもありません」
京介(腕に抱きついてきてしかも上目遣い…生きててよかった…)
あやせ「きゅ、急に泣き出さないでください!」
京介「あ、ああスマン」
あやせ「ねぇお兄さん、1つ聞きたいことがあるんですが」
京介「あん?」
あやせ「桐乃がお兄さんのパーカーを持ってたんですが」
京介「ああ、なんか無理やり俺の着てるヤツを取っていってな」
あやせ「そうですか…」
京介「あやせさん、目がマジ怖いっす」
京介「時間?」
あやせ「ええ、時間です。では後で」
京介「なんなんだ一体…」
京介(ああ、でもやわらかかったな)
京介「ってなに考えてるんだ俺!」
桐乃「なにキモイ顔してんの?」
京介「のわ!つ、次は桐乃か」
桐乃「文句でもあんの?」
京介「いんや、なんも。前隠せ前」
桐乃「い、いいじゃん別に」
京介「よくねぇよ!」
京介「…見てたのか」
桐乃「当たり前じゃん」
京介「なんてこった…」
桐乃「そんなことより、こっち来て」
京介「あんだよ」
桐乃「体洗ってあげるって言ってんの!」
京介「あ、ああ…前隠せ」
桐乃「いいじゃん。それよりここ座って」
京介「へいへい」
京介「おう」
桐乃「…昔はこうやってお風呂入ったことあったっけ」
京介「ちっさいときなー。あのときのお前は可愛かったよ」
桐乃「…なに?今は可愛くないって言ってんの?」
京介「いでででで、強くこすんな!そんなこと誰もいってねぇよ!」
京介「お前は今も昔もかわんねぇよ」
桐乃「…そっか」
京介「いや、前は勘弁してくれ」
桐乃「いいじゃん、あたしが洗ってあげるんだから前向け!」
京介「いや、今はマズイんだって!」
桐乃「はぁ?意味わかんない。いいから早く前む…」
小京介「やぁ」
桐乃「ば…ば…バカじゃないの!?キモ!」
京介「うるせぇ!」
桐乃「うるさい!バカ!バカー!」
京介「あー…いっちまった」
京介「いや、助かったのか…?」
京介「…まぁ、順番的に加奈子だろうとは思ったさ。前隠せ」
加奈子「んだよこまけーな。つーかあんまり見てなかったけど桐乃になにしたんだ?」
京介「なんでもねぇよ」
加奈子「お、泡だらけじゃん」
京介「桐乃に洗ってもらってた最中だったからな」
加奈子「ふーん、じゃあ加奈子が前洗ってやんよ」
京介「いらねーよ」
加奈子「んだよ、じゃあ頭でも洗ってやるか」
京介「なんで上から目線なんだお前は」
京介「ああ、頼むわ」
加奈子「ふんふふーん」
京介「意外とうまいな」
加奈子「だべ?」
京介「ああ、すっげー意外だわ」
加奈子「んだとー?ほらお湯かけるぜ」
京介「ああ」
加奈子「よし、どうだ、さっぱりした?」
京介「ああ、サンキューな」
加奈子「へへ、いいってことよ!」
加奈子「理由はいえねー。言うとあやせに怒られっから」
京介「そうかよ」
加奈子「んでー、京介よー、加奈子に欲情したりしねーの?」
京介「するかバカ」
加奈子「んだよー、ちょっとぐれーしてもいいんだぜー?」
京介「ひっつくなって」
加奈子「ちょっとぐれーいーじゃん。ほれほれ」
京介「せ、背中にくっつくな!」
桐乃「…キモ」
加奈子「ちぇ、終わりかー」
京介「なんだったんだいったい…」
あやせ「いいじゃないですか、さぁみんなでゆっくりはいりましょう!」
京介「へいへい…」
あやせ「いいお湯だったね」
桐乃「うん、後でもう一回入りにいこっか!」
あやせ「そうだね」
京介「俺は疲れたぜ…」
加奈子「んじゃ、もっかい入りに行くか?」
京介「いや、マジ勘弁してください」
あやせ「あ、もうすぐ晩御飯の時間ですね」
加奈子「腹減ったー」
桐乃「もうちょっとなんだから我慢しなよ」
加奈子「へーい」
加奈子「おー!超うまそうじゃん!」
あやせ「加奈子、はしたないよ」
京介「すげぇ豪華じゃね?」
あやせ「きにしないでください」
桐乃「んじゃ、いっただっきまーす」
「「「いただきまーす」」」
加奈子「うめー!」
あやせ「まったく、加奈子ったら…」
京介「いや、でもコレマジでうめぇよ」
桐乃「はー、超おいしい…」
あやせ「もぐ…あ、ほんとですね」
京介「あんだy…むぐっ」
加奈子「それうまくねー?」
京介「おま…お、たしかにうめーな」
加奈子「だべ?」
桐乃「…」
あやせ「…」
加奈子「おめーのソレちょっとくれよ」
京介「あ、コラてめぇ、俺の取るんじゃねぇよ」
京介「むぐっ」
桐乃「こ、コレもおいしいって!」
京介「むぐぐ」
あやせ「どうですかお兄さん!」
京介「そんなにたくさん食えねぇよ!」
あやせ「そ、そうですよね」
京介「でもまぁ全部うめぇな」
京介「も、もう食えねぇ…」
加奈子「食った…」
あやせ「おなかいっぱいですね」
桐乃「そうだねー」
京介「で、そろそろ聞かせてくれないか?」
あやせ「何をですか?」
京介「俺をここに連れてきた理由だよ」
あやせ「それは…」
桐乃「その…」
加奈子「いっちまおうぜー」
あやせ「…そうだね、実はですね」
あやせ「と、いうわけなんです」
京介「おま…全員俺のこと」
あやせ「ええ。大好きです」
桐乃「あたしも。妹とか関係ない」
加奈子「加奈子も好きだぜー?」
京介「マジですか?」
桐乃「マジにきまってんじゃん」
京介「……」
加奈子「で、誰選ぶよ?」
京介「いきなり言われてもな」
加奈子「んだよ、ヘタレかよ?」
京介「ちげーよ!」
桐乃「じゃあなんなのよ」
あやせ「こうしましょうお兄さん、私たちもう一度温泉に入ってきますから、その間に決めておいてください」
京介「…」
あやせ「いいですか?」
京介「ああ、分かった」
あやせ「じゃあ、いってきますね」
加奈子「もっかい風呂かよー」
桐乃「あとでアイス買ってあげるし」
加奈子「マジで?ラッキー」
京介「どうにもならないんじゃね?選ばないとあやせに刺されそうで怖ぇ」
京介「…」
京介「電話して相談、してみるか。あいつに」
京介「ああ、もうどうしていいか俺にはわからん」
麻奈実『んー、自分の気持ちに正直になったらいいとおもうよー?』
京介「やっぱそうなのかなぁ」
麻奈実『うん、きょうちゃんが選んたんだもの、皆納得してくれるよ』
京介「…わかった。サンキュー麻奈実」
麻奈実『ううん、私はいつでもきょうちゃんの味方だからね』
京介「ありがたいぜ」
麻奈実『じゃあ、がんばってね、きょうちゃん』
京介「ああ」
あやせ「戻りました」
桐乃「誰かと電話してたの?
京介「いや、別に」
加奈子「ふーん」
京介「…ああ、決まった」
桐乃「全員とかなしだかんね」
京介「分かってる」
加奈子「まぁ、誰になっても加奈子は別にかまわねーし」
あやせ「じゃあお兄さん。誰を選んだんですか?」
京介「俺は---」
加奈子「は?」
あやせ「はい…?」
桐乃「は?マジで?」
京介「ああ、大マジだぜ」
あやせ「どういうことなんですかお兄さん」
京介「おちつけあやせ!理由があんだよ!」
あやせ「理由ってなんですか早く教えてくださいお兄さん」
京介「怖ぇ!マジ落ち着いてください!」
桐乃「あやせ、理由聞こうよ」
あやせ「…そうだね桐乃」
加奈子「んで、なんで加奈子なのさ?」
あやせ「私でも楽しく過ごせますよ」
京介「いや、なんつーか…あやせとじゃラフな付き合いはできそうにないんだよ」
あやせ「どういうことですか?」
京介「束縛されそうでな…実際今も超ビビリながら話してるんだぜ」
あやせ「…」
京介「桐乃は、妹だからな」
桐乃「妹だけどさ…」
京介「大事な妹なんだ、兄妹の関係でいたいんだよ」
桐乃「…そっか」
加奈子「見る目あんじゃねーか、さすがだぜ」
京介「本心だよ」
加奈子「へへ、なんか嬉しいな」
京介「ま、恋人としてよろしくな、加奈子」
加奈子「ったりめーじゃん!あ、そだ、ちょっとこっちむけよ」
京介「なん…」
加奈子「んっ…へへ、キスしちまった」
京介「…へっ、マセガキめ」
あやせ「桐乃ー…」
桐乃「あやせ、仕方ないよ…」
加奈子「あの時私を選んだこと後悔してない?」
京介「あたりまえだろ?」
加奈子「そっか」
桐乃「遊びに来たよー!」
あやせ「お邪魔します」
加奈子「あ、いらっしゃーい」
桐乃「あれ、あの子は?」
京介「遊びに行ってるよ」
桐乃「ちぇ、せっかく会いにきたのに…」
あやせ「まったく…ずっとそうなんだから」
加奈子「ねぇ…こんな生活がずっとずっと続けばいいね」
京介「ああ、そうだな!」
加奈子編 おわり
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あやせ「ほ、本当ですかお兄さん!」
京介「ああ、本当だぜ」
桐乃「ま、あやせじゃ仕方ないか」
加奈子「ま、加奈子は誰でもよかったんだけどなー」
あやせ「嘘じゃないんですよね?」
京介「ああ、嘘じゃない」
あやせ「よかった…」
桐乃「よかったね、あやせ」
あやせ「うん!」
加奈子「存分にいちゃいちゃしろよな」
京介「ばっ…」
あやせ「もう!」
桐乃「にゃはは、いくよ加奈子」
加奈子「うーい」
京介「あ、ああ、そうだな…」
あやせ「あ、あの…」
京介「な、なんだ?」
あやせ「その…キスしてくれませんか?」
京介「え…えええ!?」
あやせ「だめですか…?」
京介「…よし、分かった」
京介「…」
あやせ「…あの、お兄さん?」
京介「あ、ああ、スマン」
あやせ「…仕方ないですね。…んっ」
京介「んぐっ…」
あやせ「ん…んう…」
京介「…はっ、ちょ、あやせさん?」
あやせ「おにいさん…お兄さん…」
京介「こいつはやべぇな…」
京介「お、おちつけあやせ!」
あやせ「落ち着いていますよおにいさん。凄く落ち着いています。ええそれはとっても」
京介「ぜんぜんおちついてねーよ!」
あやせ「お兄さん…」
京介「ま、まて」
あやせ「待てません。んっ…」
京介「んぐっ…」
京介「んぐ…ぐ…」
あやせ「あむ…」
京介(あ、もうどうでもいいかもしれない)
あやせ「はぁ…おにいさん…」
京介「あやせ…」
加奈子「ういーっす!ってあれ、早かった?」
あやせ「…」
京介「…」
桐乃「ちょ、加奈子はやいって言ったじゃん!」
京介「あ、あやせさん?」
あやせ「ふふふ…」
加奈子「あれ、コレって死亡フラグってやつじゃね?」
京介「あ、あやせ…?」
あやせ「加奈子早かったね、何買ってきたの?」
加奈子「あん?アイスとーお菓子とージュースとー」
桐乃「お、怒ってないの?」
あやせ「怒るわけ無いじゃない」
桐乃「よかったー…」
京介「は、はい」
あやせ「また、今度ゆっくりしましょうね」
桐乃「ウチでやるのはやめてよ、バカ兄貴」
京介「なっ…」
あやせ「ああ、そうだ加奈子」
加奈子「なに?」
あやせ「今日はベランダで寝てね?」
加奈子「なにー?なんで加奈子がベランダで寝なきゃ」
あやせ「かーなーこー?」
加奈子「…はい」
加奈子「うう、寒い…zzz」
桐乃「んー…ばか…zzz」
あやせ「…おにいさん」
京介「なんだ?」
あやせ「その…本当に私でよかったんですか?」
京介「当たり前だろ?いまさら何言ってんだよ」
あやせ「…浮気したらぶち殺しますからね」
京介「分かってるよ」
あやせ「本当ですか?」
京介「ああ」
あやせ「…信じます」
京介「ありがとうな」
あやせ「あなた、ご飯ができましたよ」
京介「ああ、すまねぇな」
娘「ごはんー!」
京介「おー、そうだぞー、ごはんだぞー」
私は京介と結ばれ、そして娘を授かりました。
いろいろと困難はあったけれど、親友や周りの人々に支えられて。
願わくば、この幸せが永遠に続きますように…。
あやせ編 おわり
--桐乃だ
桐乃「…うそでしょ」
あやせ「桐乃…」
加奈子「桐乃かー、んでも恋人になれなくねー?」
京介「…そうなんだよな」
桐乃「えと、あの…」
京介「ま、おいおい考えればいいじゃねぇか」
桐乃「う…し、仕方ない」
あやせ「よかったね、桐乃」
桐乃「うん、ありがとうあやせ…」
桐乃「…は?」
加奈子「選ばれたのが桐乃なら今までとかわんねーじゃねぇか…よ!」
桐乃「うぷっ…」
あやせ「加奈子…」
京介「おい、加奈子」
桐乃「やったなー!このー!」
加奈子「うひー、あたんねーよ!」
桐乃「ちょこまかすんじゃなーい!」
加奈子「ひひひ、それー!」
桐乃「わっ!」
あやせ「うぷっ…」
加奈子「あ、やべ」
京介「ふいー、枕投げでいい汗かいたわ…」
桐乃「…ねぇ」
京介「あん?」
桐乃「なんで、私なの・・・?」
京介「なんでって…俺の大事なヤツだからに決まってんじゃねぇか」
桐乃「…そっか」
京介「ああ。妹だとか血が、とか関係ねーよ。桐乃は桐乃じゃねぇか」
桐乃「バカ…」
京介「ん?なんだって?」
桐乃「バカッ…んっ」
京介「ん…」
桐乃「…はぁ…。とりあえず、コレで我慢してあげる」
京介「…サンキューな」
京介「あん?」
桐乃「もう一回、してもいい…?」
京介「…ああ」
桐乃「ありがと。…んっ」
京介「ん…」
桐乃「ん…ちゅ…ひた、らして…」
京介「おう…ん…く…」
桐乃「はむ…んっ…ちゅ…」
京介「んぐ…」
桐乃「…はぁ。ん、満足した」
京介「お前な…」
京介「おう」
桐乃「それ、小さくしてからあがってきなよ」
京介「うるせーよ!」
桐乃「うひひ、部屋で待ってるからねー」
京介「ったく…あんなんされたらイヤでもでかくなるっつーの」
京介「…さて、どうしようか」
小京介「ん?」
京介「ただいまーって…加奈子はどうした?」
あやせ「あ、お兄さん。加奈子ならあそこですよ」
加奈子「むぐー!むぐぐー!」
京介「布団で簀巻きにされてやがる」
桐乃「いやー、私も戻ってきたときびっくりしたわー」
あやせ「加奈子が悪いんですよ」
京介「ははは…」
あやせ「さて、私もお風呂入ってきますね」
京介「おう、いってらっしゃい」
桐乃「いってらっしゃい」
加奈子「むぐー!」
桐乃「何言ってるかわかんないし…頭でも…よっと」
加奈子「ぷはー!マジあの女こえー!」
京介「お前が悪いんじゃねーのか?」
加奈子「加奈子は悪くねーよ!いいから全部解いてくれ!」
桐乃「はいはい…っと」
加奈子「はー、やっと自由になった…」
京介「おつかれさん」
加奈子「疲れたしもう寝る…おやすみ」
京介「おう、お休み」
桐乃「おやすみ」
桐乃「寝るのはや!」
京介「疲れてたんだろ」
桐乃「あやせ相手にしてたからね」
京介「さて、もうすぐあやせも帰ってくるし、寝る準備でもするか」
桐乃「それなんだけどさ…」
京介「ん?なんだよ」
桐乃「一緒の布団で寝てもいい…?」
京介「おう、いいぜ」
桐乃「ありがと、京介」
京介「おう」
あやせ「破廉恥です!私たちもいるんですよ!?」
京介「おちつけ!何もしねーよ!一緒に寝るだけだよ!」
あやせ「本当なの、桐乃?」
桐乃「うん、寝るだけ」
あやせ「…わかりました。何も言わないでおきます」
京介「さっき言ってたじゃねぇか」
あやせ「なにか?」
京介「いえ、なにも」
あやせ「桐乃…ふふふ…zzz」
加奈子「さされ…zzz」
京介「なんつー夢見てるんだ…」
桐乃「ね、京介」
京介「なんだ?」
桐乃「後悔、してないよね?」
京介「当たり前だろ。風呂でも言ったじゃねぇか」
桐乃「そっか…うへへ」
京介「ま、今日はゆっくりねようぜ」
桐乃「うん、分かった」
京介「おやすみ、桐乃」
桐乃「おやすみ、京介」
桐乃(いいにおい…大好きだよ、京介)
京介「おし、帰る準備はできたか?」
加奈子「まってって、加奈子の髪留めしらねー?」
京介「そこにあんだろ?」
加奈子「おお、マジだ」
あやせ「よく見ないとダメだよ」
加奈子「へーい」
桐乃「ほら加奈子行くよー」
加奈子「まてって!…うし、行くか!」
京介「よし、じゃあ駅まで向かうか」
加奈子「ふいー、やっとついた…」
あやせ「15分くらいしか歩いてないでしょ?」
桐乃「加奈子はもうちょっと体力あったほうがいいかもね」
加奈子「うっせーなー」
京介「もうすぐ電車来るみたいだし、ちょっとジュースでも買ってくるわ」
桐乃「あ、あたしも行く」
加奈子「加奈子達のも買ってきてー」
京介「あいよー」
あやせ「…zzz」
加奈子「…zzz」
桐乃「肩寄せあって寝てるね」
京介「なんだかんだ言って仲良いんだな」
桐乃「あたりまえでしょ」
京介「そうだな」
桐乃「ねぇ、京介」
京介「なんだ?」
桐乃「家着いちゃったらさ、キスとかできないのかな」
京介「どうだろうな、親父とお袋に見つかったらやべぇのは事実だからなぁ」
京介「桐乃…」
桐乃「私は帰っても京介とキスしたいし、その先だって…」
京介「桐乃…」
桐乃「私は京介が好き。好きなんだから…」
京介「ああ、わかってる」
桐乃「…んっ」
京介「ん…」
桐乃「…いろいろ頑張ろうね、京介」
京介「ああ」
桐乃「ねぇ京介」
京介「なんだよ」
桐乃「パーカー、貸してくんない?」
京介「しかたねぇな、ホラ」
桐乃「えへへ、ありがとう京介」
京介「ん」
桐乃「ね、京介。こっちむいて」
京介「ん?」
桐乃「んっ…ちゅ…」
京介「んん…」
桐乃「ふふ、またしようね、京介」
俺は思ったね。
俺の妹が最高に可愛いってな
桐乃編 おわり
読んでくれてありがとう
実に良かった
乙です
Entry ⇒ 2012.06.12 | Category ⇒ 俺妹SS | Comments (1) | Trackbacks (0)