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田中恵子「恋する」薫「ハニカミ!」

引用元: ・http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1339577847/
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 17:57:27.43 ID:cRPizCdS0

6/17 日曜日

某遊園地にて

薫「いや~!今日は絶好の遊園地日和ってやつね~!」

田中「うんっ!ホント、晴れて良かったよ~」

薫「なーんて、お決まりの会話なんてしてたら時間がもったいないと思わない?」

田中「あ、あはは…」

薫「ほらほら、早く早く!」

薫「せっかくのデートなんだし今日は時間いっぱい楽しみましょうよ!」

田中「えへへ、そうだね!」


橘「…と、その前にちょっと待った!」



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 18:00:42.95 ID:cRPizCdS0

薫「…って、なによ~純一?」

薫「せっかく人がノリノリで遊園地に乗り込もうって時に…」

橘「そっちこそ、もう今日のルールを忘れたのか?」

薫「ルールって…それって、もうやるの?」

薫「別に遊園地の中に入ってからでも良いじゃない」

薫「ねぇ、恵子?」

田中「……」

薫「…恵子?」

田中「私は今からでも全然構わないんだけど…///」モジモジ…

薫「なんでまんざらでもない顔してるのよ…」


5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 18:03:38.40 ID:cRPizCdS0

橘「ほら、田中さんもこう言ってるわけだし」

薫「…ったく」

薫「わかったわよ~」

薫「まぁ、あたしも恵子相手なら全然問題無いし」

薫「はい、恵子」スッ…

田中「あっ…」

田中「うんっ!」ギュッ…!

【ハニカミルール】

デート中は必ず手を繋がなければいけない


7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 18:08:34.30 ID:cRPizCdS0

~~6/13 水曜日~~

薫「恵子!誕生日おめでと~!」

田中「あっ、ありがと~」

田中「覚えててくれて嬉しいな~」

薫「も~、あたしが恵子の誕生日を忘れるわけないじゃないの」

薫「恵子はあたしの一番の親友なんだからさ!」

田中「薫…」

田中「えへへ…ありがとう♪」

薫「ふふっ♪」




橘「そんな二人に!」

橘「僕からのプレゼントがあります!」

薫「わっ!?」

田中「ひゃっ!?」


8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 18:13:22.21 ID:cRPizCdS0

薫「純一…アンタどこから湧いてきたのよ…」

田中「び、びっくりした~…」

橘「そんなことよりも田中さん」

橘「誕生日おめでとう!」

橘「そして、これは僕からの誕生日プレゼント!」ハイ

田中「えっ?」

田中「あっ、ありがとー…!」

薫「唐突過ぎるでしょ…」

橘「ほら、薫にも」ホイ

薫「ん?なんで、あたしにもなのよ?」

橘「良いから、ほら」

田中「えーと…」

田中「遊園地の招待券?」


10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 18:18:35.91 ID:cRPizCdS0

薫「あたしのも招待券…」

薫「ていうか、ペアチケット?」

薫「純一、アンタこれどうしたのよ?」

橘「あぁ、商店街の福引きで当てたんだ」

田中「ええっ!?凄いね!」

橘「一等ハワイは無理だったけど遊園地ぐらいなら僕の力を持ってすれば…」

薫「どんな力よ…いや、凄いけどさ」

田中「でも、せっかく橘くんが当てたのに私が貰っちゃっても良いの?」

薫「いや、恵子に渡すのはともかくよ」

薫「どうせなら純一と恵子で行ってくれば良いじゃないの」

田中「ええっ!?」

橘「いや、僕は僕でちゃんと自分でチケットを買って付いていくよ」

薫「……」

薫「…はぁ?」


11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 18:24:08.76 ID:cRPizCdS0

薫「つまり、どういうことなのよ?」

橘「僕は二人の思い出を残す為のカメラマン役として付いていくってことさ!」

薫「…その心は?」

橘「田中さんは少女漫画が好きだよね?」

田中「え?う、うん…」

田中「好きだけど…」

橘「そういうことさ」

薫「いや、わかんないんだけど」

橘「つまり、僕からの誕生日プレゼントは遊園地のペアチケットだけじゃない!」

橘「田中さんには少女漫画でありそうな思わずはにかんでしまうロマンティックなシチュエーションをプレゼントするんだ!」

薫「…!!」

田中「…?」


薫「いやいや、やっぱり良くわかんないんだけど」


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 18:28:57.16 ID:cRPizCdS0

橘「つまりだ」

橘「二人には僕が用意したハニカミプランを所々で実行してもらう」

田中「(ハニカミプラン?)」

橘「僕はそんな二人の姿を写真に収める!」

薫「…えーと」

薫「つまり、あたしと恵子に恋人ごっこをさせて…」

田中「ええっ!?恋人!?」

薫「アンタはその姿を写真に残したいと」

橘「そういうことだな」

薫「……」


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 18:32:21.74 ID:cRPizCdS0

橘「安心してくれ!」

橘「写真の流出は絶対に無いから!」

橘「ちゃんと僕のお宝として…!」

ドコッ!

橘「ぐふっ!?」

薫「ごめん、なんか殴りたくなった」

田中「薫と…恋人…」

田中「……」

田中「(わ、悪くないかも…///)」


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 18:36:16.87 ID:cRPizCdS0

薫「まぁ、ハニカミなんちゃらってのはともかく…」

薫「遊園地っていうのは悪くは無いわね!」

橘「ぐ…ぐーで殴るのは反則だろう…」

薫「ねぇ、恵子?今度の日曜日とかは…」

田中「……」

薫「…恵子?」

田中「は、はいっ!」

田中「わ、私なんかで良ければ…///」

薫「…はぁ?」

橘「……」

橘「(これは次の日曜日が待ちきれないな…)」


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 18:40:19.20 ID:cRPizCdS0

~~~~~某遊園地~~~~~~

薫「しっかし、まさかホントに自腹で付いてくるとはね…」

橘「当たり前だろう」

橘「年に一度の田中さんの誕生日なんだ」

橘「多少の出費なんか惜しくないよ」

薫「……」

薫「…あんた、恵子のこと狙ってるわけ?」

橘「いや、GAME OVERになるからそれは出来ないよ」

薫「なんの話よ」


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 18:45:59.38 ID:oA/ANEH40

大将最高に輝いてるぜ


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 18:46:05.12 ID:cRPizCdS0

橘「まぁ、今日は僕はただのカメラマン!」

橘「背景だと思ってくれて構わないから!」

橘「二人は存分に遊園地を楽しんでくれよ!」

田中「は、背景だなんて…」

薫「…まぁ、確かにこれ以上話してる時間も惜しいっちゃ惜しいわね」

薫「純一が良いって言ってるんだから今日は二人で存分に楽しみましょ?」

恵子「うーん…良いのかなぁ?」

橘「良いの、良いの!」

橘「あっ、そうだ!」

橘「せっかく手も繋いだことだし入口の前で1枚撮っとこうよ!」


21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 18:51:07.93 ID:cRPizCdS0

田中「えっ、ここで撮るの?」

橘「今日は二人で遊園地に来ました~!」

橘「…的な感じで!」

薫「アンタ、最高に気持ち悪いわよ」

薫「まぁ、最初の1枚目だしね」

薫「確かに入口の前で撮るのも悪くは無いか」

薫「恵子もそれで良い?」

田中「わ、私は薫が良ければ…」

薫「そっか。んじゃ、ここで撮りましょうか!」

田中「う、うん!」

橘「……」

橘「(よし!ついにハミカミプラン決行だ!)」


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 18:58:28.59 ID:cRPizCdS0

薫「(…そーいえば)」

薫「(遊事前に純一から、なんか紙を渡されてたけど…)」

薫「……」

薫「(まぁ、恵子相手ならいっか)」グッ…

田中「ひゃっ…?」

指令①
薫は最初の写真を撮る時に田中さんの肩を抱き寄せてあげる

田中「か、薫…?///」ドキドキ…

薫「(むぅ…)」

薫「(友達感覚で無意識にやってることはあるけど…)」

薫「(こう…意識的にやると…結構恥ずかしいわね…)」

橘「(良いぞ!二人ともとても良い表情だ!)」

橘「(付き合い始めて間も無いカップルがちょっとステップアップしようと大胆になってみたけど…)」

橘「(やっぱり照れくさい!)」

橘「(いやー我ながら思わずはにかんでしまうな!)」


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 19:01:55.60 ID:cRPizCdS0

田中「(か、薫が近い…)」

田中「(そんなのいつものことなのに…)」

田中「(こ、こんな風に抱き寄せられると…///)」ドキドキ…

薫「じゅ、純一!」

薫「は、早く撮りなさいよ!」

橘「あぁ、今撮るよ」

橘「…よし、二人ともこっち向いて!」

橘「撮るよー!」

カシャ

橘「…よし!」

橘「(1枚目でこの出来なら2枚目、3枚目はもっと凄い出来になるぞ!)」


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 19:06:41.00 ID:cRPizCdS0

~~~~~~~~~~~~

薫「……」テクテク…

田中「……」テクテク…

田中「(うわー…)」

田中「(私、まだ顔熱いよー…)」

田中「(最初に手を握った時はそうでも無かったのに…)」

田中「(なんだか今はそれだけでも…)」

薫「(ヤバイわね…)」

薫「(あたし、意識しちゃってるわけ?)」

薫「(恵子相手に…?)」

薫&田中「あ、あのさ…!」

薫&田中「…!!」ドキッ


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 19:11:12.45 ID:cRPizCdS0

薫&田中「あ、あはは…」

田中「なぁに、薫…?」ドキドキ…

薫「い、いやいや…恵子こそ…」ドキドキ…

薫&田中「……」

田中「(うぅ~…言葉に詰まっちゃうよ~…)」

田中「……」

田中「(…あっ、そうだ!)」

田中「(事前に橘くんから渡された紙…)」

田中「(確かにこれに…)」ガソゴソ…

田中「…!」

田中「(え、ええっ!?)」

田中「(で、でも…このままの状態でいるよりは…)」

田中「(よ、よし!)」

田中「か、薫!」

田中「メ、メリーゴーランドに行かない?」


29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 19:17:43.37 ID:cRPizCdS0

~~~~~メリーゴーランド前~~~~~~

薫「メリーゴーランドねぇ…」

田中「い、いやだった…?」

薫「いや、そういうわけじゃないんだけどさ」

薫「この歳になってメリーゴーランドの前に並ぶ女子校生二人ってどうなんだろって思ってさ」クスッ…

田中「……」ポカン

田中「ふふっ…確かにそうだね」

田中「でも素敵な恋人とメリーゴーランドとか憧れたりしない?」

薫「えー私はジェットコースターとかの方が…」

田中「えー」



橘「(よしよし、緊張もとけて良い雰囲気になってるぞ!)」

橘「(これで後は田中さんがハニカミプランを無事に遂行してくれれば…!)」

橘「(きっと田中さんにロマンティックなムードをプレゼントしてあげることが出来るはずだ!)」


32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 19:22:05.76 ID:cRPizCdS0

薫「さてと…順番が回って来たわね」

田中「う、うん…」

薫「どうする?どれに乗ろっか?」

薫「無難に馬車とかに…」

田中「……」ドキドキ…

薫「…恵子?」

田中「か、薫!」

薫「な、なに!?」ビクッ…

田中「私…白馬に乗りたい…!」


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 19:26:04.33 ID:VlIOskDs0

紳士百合に目覚めたのか


36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 19:29:02.82 ID:cRPizCdS0

~~~~~~~~~~~~~

薫「…~///」ドキドキ…

田中「あぅ…///」ドキドキ…

指令②
田中さんは薫とメリーゴーランドの白馬に乗って後ろから思い切り抱きしめる

田中「(ど、どうしよー…)」

田中「(これ絶対、心臓バクバクいってるのばれてるよ~!)」バクバク…

薫「(…多分、これも純一の出した指令ね)」

薫「(あたしへの指令じゃなくて良かったわ…)」

薫「(じゃなきゃ絶対に恵子に心臓の音、聞かれてたもん…)」ドキドキ…



橘「(いや、これも実に良いぞ!)」

橘「(田中さんが前のめりになって思い切り薫に抱きついてる姿が実に良い!)」

橘「(ベストショットは…ここだ!)」

カシャ


37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 19:31:55.30 ID:cRPizCdS0

~~~~~~~~~~~~~~~~

薫「…///」

田中「…///」

薫「あ、あはは…」

薫「なんか童心に帰ったーっていうか、なんていうか…」

田中「……」

田中「ねぇ、薫…?」

薫「な、なに…?」

田中「私の心臓の音…」

田中「聞こえてた…?」

薫「…!!」ドキッ…


38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 19:36:29.08 ID:cRPizCdS0

薫「あー…」

薫「え、と…」ドギマギ…

田中「……」ジッ…

薫「…うん」

薫「ずっと聞こえてたよ…」

田中「…!」

田中「(や、やっぱり聞かれてたよ~…)」

薫「で、でも!」

田中「えっ?」

薫「あたしも!」

薫「あたしも、ずっと心臓バクバク!って鳴りっぱなしっだった!」

薫「多分、恵子と同じ…いやそれ以上に…!」

田中「薫…」

田中「そ、そうなんだ…///」

薫「う、うん…///」


40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 19:41:28.42 ID:cRPizCdS0

~~~~~~~~~~~~~~~

薫「(いやー…流石に取り乱し過ぎでしょ、あたし…)」

薫「(相手は恵子なのに…)」

薫「(いや…)」

薫「(なのに、じゃなくて…)」

田中「…薫?」

薫「えっ、あっ…」

薫「ど、どしたの?」

恵子「あっ、そろそろお昼だし…」

恵子「ご飯でも食べたいなって思ったんだけど…」

薫「あっ、もうそんな時間か~」

薫「恵子と一緒だと時間が経つの早いわね~」

恵子「ホント?嬉しいなぁ」ニコッ

薫「…!」ドキッ

薫「(こんな当たり前の言葉にも反応してる…)」


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 19:45:41.69 ID:cRPizCdS0

薫「それじゃあ、売店にでも行く?」

田中「あっ、待って薫!」

田中「私、今日お弁当作ってきたんだ!」

薫「えっ、お弁当?あたしの分まで?」

田中「うんっ!」

田中「だからベンチに座って食べよ?」

薫「……」

田中「…薫?」

薫「アンタってば、どんだけ健気な良い子なのよ…」

田中「ふぇっ?」



橘「(まさか手作り弁当とは!)」

橘「(流石、田中さん!)」

橘「(これは次のハニカミプランも捗るぞ!)」


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 20:28:56.69 ID:cRPizCdS0

~~~~~~~~~~~~~~

田中「はいっ!これ、薫のぶんね!」ハイッ

薫「いやー手作りお菓子は貰ったことはあったけど…」

薫「まさか手作りお弁当まで貰うことになるなんて…」

田中「あはは」

田中「薫の為を想って早起きして作りましたっ」ニコッ

薫「…~///」ドキッ

田中「……」

田中「…!」

田中「(わ、私…なに普通に恥ずかしい台詞を言っちゃってるの~!?)」

薫「(健気…純粋…いや、違う…)」

薫「(最早、そんな言葉では表せない…)」

薫「(田中恵子は…田中恵子…!)」

薫「(しっかし、恵子の笑顔は…ホント反則ね…)」ドキドキ…


53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 20:34:11.47 ID:cRPizCdS0

薫「あ、開けてもいいかしら?」ドキマギ

田中「あ、ど、どうぞ!」ドキマギ

パカッ…

薫「…おー」

薫「(おにぎり、ハンバーグ、オムレツ、プチトマト…)」

薫「(シンプル…だけど王道…)」

薫「(とても美味しそうだわ)」

薫「これ全部恵子が作ったの?」

田中「あっ、ハンバーグとオムレツはちょっとお母さんに手伝ってもらって…)」

薫「ってことは実質全部手作りなのね」

薫「どれ、早速一口…」

田中「あっ、ま、待って薫!」

薫「ふぇっ?」


54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 20:38:30.70 ID:cRPizCdS0

田中「え、えーと…///」モジモジ

薫「……」

薫「(…これはまさか)」

田中「…薫はどれから食べたい?」

薫「…オムレツかしらね」

田中「そ、そっか」

田中「それじゃあ…」ヒョイ

田中「あ、あーん…」

指令③
田中さんは薫に食事を「あーん」して食べさせてあげる

薫「(これも王道過ぎでしょ、純一!!)」



橘「……」

橘「(…いいなぁ、女の子からの「あーん」…)」


55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 20:42:15.85 ID:cRPizCdS0

薫「…えと」ドギマギ

田中「…薫?」ウルッ…

薫「うっ…」

薫「あ…」

薫「あーん…///」」

田中「…!」

田中「はい、召し上がれっ」スッ…

薫「んっ」パクッ

薫「んぐんぐ…」モグモグ…

田中「ど、どうかな…?」

薫「……」ゴクン

田中「……」ドキドキ…


56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 20:47:17.95 ID:cRPizCdS0

薫「……」

田中「も、もしかして…」

田中「お、美味しくなかった…?」ショボ…

薫「すっごい美味しいじゃないっ!」

田中「わぁっ!?」ビクッ

薫「何よ、恵子ったら!」

薫「健気で純粋でいじらしいだけじゃなくて…」

薫「料理までこなしちゃうなんて…」

薫「もうどこに行っても良いお嫁さんになれるわよ、アンタ!」

田中「えっ…」

薫「ん…?」

田中「良い…お嫁さん…?///」

薫「あっ…///」


57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 20:47:23.55 ID:oA/ANEH40

大将のプランすげー


59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 20:52:29.48 ID:cRPizCdS0

田中「…///」

薫「いや、今のは…!」

薫「いや、確かにそういう意味なんだけど…!」

田中「えへへ…///」

田中「薫にそう言ってもらえるなんて凄く嬉しいな///」ニコッ

薫「~!!///」ドキーン

薫「(だ、ダメだ…)」

薫「(最初はいつも通り友達のノリで出かけて…)」

薫「(純一のくだらないプランも軽いノリでこなしていくつもりだったのに…)」

薫「(なのに…あたし…)」



橘「(よし!やはり手料理を「あーん」は信頼と実績のイベントだな!)」

橘「(二人の雰囲気も良いし、これなら最後の指令も…)」

橘「(…っと写真、写真と)」

カシャ


61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 20:56:57.19 ID:cRPizCdS0

~~~~~~~~~~~~~~~~~

薫「はぁー!今日はたくさん遊んだわねー!」

田中「えへへ、そうだね」

薫「……」

田中「……」

薫「…ねぇ、恵子」

田中「…なぁに?」

薫「最後に観覧車に乗らない?」

薫「きっと今なら頂上から見える夕日が綺麗よ」

田中「…うんっ」

田中「私も薫と観覧車に乗りたい…」



橘「(さぁ、ついに最後のハニカミプランだ…)」

橘「(このプランは写真にきちんと収めることが出来ないのが残念だけど…)」

橘「(きっと今の二人なら…!)」


62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 21:02:16.38 ID:cRPizCdS0

~~~~~~観覧車前~~~~~~

薫「……」

薫「(最後の純一からの指令…)」

薫「(この指令…軽い気持ちなら出来るかもしれない…)」

薫「(けど、今の私には…)」

田中「…薫」

薫「…ん?」

薫「あ…ど、どしたの?」

恵子「私ね…」

恵子「今日一緒に遊園地に行ったのが薫で良かったよ」ニコッ

薫「…!」

薫「(…そうね、軽い重いはただの言い訳に過ぎない…)」

薫「(あたしがしなきゃいけないこと…)」

薫「(あたしが、恵子としたいこと…)」


63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 21:05:11.14 ID:cRPizCdS0

恵子「…私達の順番だね」

薫「そうね…」

係員「どうぞー」

恵子「ねぇ、薫?」

薫「ん?どしたの?」

恵子「隣に座っても…良い?」

薫「……」

薫「ええ、もちろんよ」ガタン…

恵子「えへへ、良かった」ガタン…



橘「(頑張れよ…薫、田中さん…)」


69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 21:18:31.73 ID:cRPizCdS0

カタンカタン…

薫「……」

田中「……」

薫「ねぇ、恵子?」

田中「なぁに、薫?」

薫「朝も言ったけど今日は絶好の遊園地日和だったわよね」

薫「だって、もう夕方なのにあんなに遠くの景色まで見えるんだもの」

田中「ふふっ、そうだね」

田中「そんな日に、こうして一緒に遊園地で凄く嬉しかったよ」

田中「招待券をくれた橘くんには感謝だね!」

薫「…そうね」

薫「(アイツがいなければ、今頃私達はこうして過ごしていることは無かった)」

薫「(親友として日々を過ごしていくだけ…)」

薫「(けど、今は…)」


70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 21:21:33.71 ID:cRPizCdS0

田中「もうすぐ頂上だね…」

薫「ええ、そうね…」

田中「……」

薫「……」

薫「…恵子」

田中「…うん?」

薫「目、瞑ってもらっても良い?」

田中「……」

田中「…うん」

薫「……」スッ…

チュッ…

田中「……」

田中「…?」

田中「…え?」


71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 21:27:10.55 ID:cRPizCdS0

田中「薫、これ…?」

薫「…純一もよくこんな物、用意出来たわよねー」

指令④
観覧車の頂上で薫は田中さんにプレパラート越しにキスをする

田中「……」

田中「…えへへ」

田中「た、橘くんも凄いねー」

田中「夕日をバックにガラス越しのキスなんて確かにロマンティックそのものだよ!」

田中「ホント…ロマンティック…」

薫「……」


73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 21:31:08.83 ID:cRPizCdS0

薫「そうね…それはあたしも認めるわ」

田中「ね、ねー!」

田中「た、橘くんも少女漫画とかよく読んだりするのかなー?」

薫「ホント、少女漫画やラブロマンスの映画かってーのよ」

田中「えっ?」

薫「恵子」

田中「な、なに?」

薫「あたしさー」



薫「アンタのこと、好きよ」


74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 21:34:51.13 ID:cRPizCdS0

田中「えっ…?」ドキッ…

薫「……」

田中「え、えっと…」

田中「わ、私も薫のことは好…」

薫「それは親友として?」

田中「えっ?」

薫「それとも恋愛対象として?」

田中「か、薫…」

薫「あたしはいつからわからないけどさ…」

薫「アンタのこと恋愛対象として好き」

薫「ずっと前からだったかもしれないし、今日芽生えた感情かもしれない」

薫「けど同性、異性とか関係無くたまらなくアンタのことが好きなの」

田中「薫…」

薫「…恵子はどう?」


75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 21:39:41.96 ID:cRPizCdS0

薫「同性のことを好きになっちゃう…」

薫「こんなあたしを気持ち悪いとか思っちゃう?」

田中「そ、そんなことない!」

田中「わ、私も…!」

田中「薫のことが好きっ…!」

薫「…!」

田中「今日1日一緒にいて、ずっとドキドキしっぱなしだった…」

田中「それは普段、教室で一緒にいる感情とは違う…」

田中「もっと特別な…」

田中「…うん!そうだよ!」

田中「私、田中恵子は…!」

田中「棚町薫って女の子に恋をしてるの!!」

薫「恵子…」


76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 21:44:46.39 ID:cRPizCdS0

薫「…恵子、良いの?」

薫「あたし、ガサツだけど一応女の子なのよん?」

田中「薫こそ…私なんかで良いの?」

田中「私、地味で何のとり得も無い普通の女の子だよ?」

薫「…バカね」

薫「そう思ってんのはアンタだけよ…」グッ…

田中「あっ…」

薫「…もう、プレパラートは必要ないわね」

田中「…!」

田中「…うんっ」

田中「私…薫とキス…したい…」

薫「あたしもよ…」スッ…

チュッ…


78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 21:49:47.68 ID:cRPizCdS0

~~~~~~~~~~~~~~

薫「…///」

田中「…///」

橘「お疲れ様、二人とも」

薫「純一…」

田中「橘くん…」

橘「薫、ちゃんと僕が用意したプレゼントは田中さんに届けてくれたか?」

薫「…まぁ、やれるだけのことはやったつもりよ…///」

橘「そうか」

橘「田中さんは僕からプレゼント、喜んでもらえた?」

田中「…うんっ///」

田中「私、あんなに素敵な誕生日プレゼント初めてだったよ!」

田中「ありがとう、橘くん!」

橘「そっか、気に入ってもらえて良かった」


80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 21:53:41.33 ID:cRPizCdS0

橘「さてと…これにてハニカミプランは全て終了になったわけだけど…」

薫「……」ギュッ…

田中「……」ギュッ…

橘「今さら伝えるまでも無かったかな?」

田中「えへへ…///」

薫「そうね。むしろここから始まりみたいなもんだし」

橘「ははっ、それもそうだよな」

薫「ていうわけで、純一…」




薫「そのカメラ、よこしなさい」ニコッ

橘「…えっ?」


82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 21:59:09.31 ID:cRPizCdS0

橘「えっ…な、なんでだよ…?」

薫「なんでもなにも」

薫「なんであたし達カップルの写真をアンタに持ち歩かれなきゃいけないのよ?」

田中「そんな…カップルだなんて…///」

橘「で、でも!今日の企画をしたのは僕であり!」

橘「僕には二人の初々しい写真を一人で部屋眺めるぐらいの権利は…!」

ドコッ!

橘「ぐはっ!?」

薫「あたしの恵子を性的な目で見られたらたまんないわ」

薫「はい、カメラは没収」ヒョイ

純一「だ、だから…グー…は…」

純一「…ぐっ」バタリ…

田中「えと…良いのかなぁ…?」

薫「良いのよ、コイツにはこれぐらい方が」


83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 22:02:02.71 ID:cRPizCdS0

薫「まぁ、でも感謝してるのはホントよ」

薫「てんきゅ、純一♪」

橘「……」

薫「って、聞こえてないか…」

田中「えーと…橘くん、どうするの…?」

薫「まぁ、そのうち起きて、ちゃんと一人で帰るでしょ」

薫「今は恵子との二人きりの時間を楽しみたいわ」

田中「薫…///」

薫「さぁ、帰りましょ!」

田中「うんっ!」


85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 22:04:21.24 ID:cRPizCdS0

後日

香苗「橘くん!私にもハニカミプランやって!」

香苗「相手は無論あの人ね!」

橘「えっ…香苗さん、なんでハニカミプラン知ってるの?」

香苗「まぁ、風の噂でね!」

香苗「とにかくお願い!この通り!」

橘「……」

橘「ぐーで殴らないしカメラも没収しない?」

香苗「へ?」

おわり


86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 22:09:23.49 ID:oA/ANEH40

周りがカップルだらけになって気まずくなるぞこりゃ


88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 22:12:53.97 ID:7gMGCjsJ0

良い仕事したのに……


89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/13(水) 22:17:25.10 ID:jaAezto4i



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