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綾乃「歳納京子のお腹にベイビーが!?」
綾乃「ふうっ、思ったより早く帰れたわね」テクテク
綾乃「家に着いたらまずお風呂に入ろうかしら…、ん?」
綾乃「私の前を歩いてる人って、もしかして…!?」
京子「」テクテク
綾乃「て、てててて天使!?」
綾乃「かっ、かわゆああああああ!!」
綾乃「……!?」ハッ
綾乃「な、なによっ、ただの歳納京子じゃない!」
綾乃「でも、いったいどこへ行くのかしら…?」
綾乃「アイツの家ってこっちの方角じゃないわよね」
綾乃「船見さんの家でもなさそうだし…?」
綾乃「……?」ウーン
綾乃「ま、まあ別にっ、歳納京子がどこへ行こうが私には関係ないけどっ」
綾乃「でっでも私には副会長として生徒の安全を確かめる義務があるし」
綾乃「し!仕方ないわね!本当に仕方ないわね!もうっ!」
綾乃「」コソコソ
綾乃「」コソコソ
京子「」テクテク スッ
綾乃「!!」
綾乃(どこかの建物に入ったわね…)
綾乃(誰かのお家かしら?それともお店?)
綾乃(それにしてもこんな場所にアイツの行きそうな所なんて…)チラリ
『七森産婦人科』デーン
綾乃「ウ、ウボアアアアー!!」ゴロンゴロン
綾乃「ほええええええええ!?」
綾乃「ドッキリ!?ドッキリテクスチャーかしら!?」
綾乃「は、ははははは…」
綾乃「い、いやっ!わたし疲れてるのよ!」
綾乃「きっと目の錯覚よ!ちょっとした見間違いなのよ!」
綾乃「よーしっ」ゴシゴシ
綾乃「……」ゴシゴシゴシ
綾乃「」チラッ
『七森産婦人科』デデーン
綾乃「アッバアアアアー!!」ゴロンゴロン
綾乃「お、おおおおお…」プルプル
綾乃「おわ、おわおわおわおわ…」
綾乃「お分かりいただけただろうか…」
綾乃「中学生が入った建物に、あるはずのない『産婦人科』の文字が…!」
綾乃「それではもう一度、スローでご覧いただこう…」
綾乃「……」
綾乃「って!やめやめ!!心霊番組ごっこなんてやめやめ!!」
綾乃「きっと…」
綾乃「きっと歳納京子は真剣に悩んでいたはずだもの…!」
綾乃「それでも普段通り明るく振舞って」
綾乃「きっと心の中では苦しんでいたのね…」
綾乃「歳納京子…あなたって人は…」
綾乃「でも…、ひとつ、ひとつだけ教えてほしいの…」
綾乃「…」スゥウウウ
綾乃「父親は!!??相手は誰だおおおおおおおお!!」
綾乃「ウオオオオオオオオオオ!!」ガツンガツン
綾乃「フナミか!!フナミ・ユイか!!!!」
綾乃「ヒイロオオオオオオオ!!」ゴロンゴロン
綾乃「…!だ、だめよ私!しっかりしなくちゃ!」
綾乃「悔やんでいる場合じゃないわ、現実を受け止めなきゃダメ」
綾乃「…で、でもちょっと待って」
綾乃「ひょっとして人違いだったりしないかしら…」
綾乃「そ、そうよ!背格好とか髪型は似てたけど」
綾乃「世の中にはそっくりさんなんて大勢いるもの!」
綾乃「きっとたまたまその人が七森中の制服を着てただけだわ!」
綾乃「……」
綾乃「ないない」ブンブン
綾乃「ちょっち待っちーちゅうがくせいー」
綾乃「って!ちょっちどころじゃないわよ!早く出てきなさい歳納京子!」
綾乃「それとも、本当に私の気のせいだったの…?」
ガチャリ
綾乃「!」
綾乃(だ、誰か出てきた!)
『それじゃあ、今日はありがとうございました』
『ええ、帰り気をつけてね』
綾乃「あ…あれは…!」
綾乃「て、天使!?」ドキーン
綾乃「い、いやいや違うわ歳納京子よ」ハッ
綾乃(はあ…、残念だけどあれは間違いなく本人ね…)コソコソ
綾乃(やっぱり妊娠……なのかしら)
綾乃(……)
綾乃(いや!決めつけるにはまだ早いわ!家の用事か何かってことも!)
京子「」ピポパ
京子「あ、もしもしお母さん?うん、行ってきたよー」
綾乃(!! ほ、ほら!)パアッ
綾乃(やっぱりそうだったのよ!もうっ、人騒がせな…)
京子「うん、すっごい元気だったよ!赤ちゃん!」
綾乃(ぐああ!!もう転がる元気もないわよ!!!)ゴロンゴロン
綾乃(非情っ…!人生っ…!人生の非情っ…!)ギリギリ
綾乃(見えないっ…!涙で明日が見えないっ…!)
綾乃(……)グイッ ゴシゴシ
綾乃(歳納京子…、世間の風当たりは厳しいと思うけど)
綾乃「強く、生きるのよ…」
綾乃「…」クルッ スタスタ
・・・・・・・・・・・・・・
京子「そう、もうすぐ目が開くんだって」
京子「そしたら家に連れて行ってもいいって言われた」
京子「それにしても、すっごい小さいんだねー子猫って」
綾乃「あれから家で一晩中考えたけど…」
綾乃「これからどうやって接すればいいのかしら、歳納京子に…」ハァ
千歳「綾乃ちゃん?朝からため息って、何かあったん?」
綾乃「千歳…」
綾乃「うん、実は昨日ね…、歳納京子が産婦人科に…」
千歳「さんふじ…え、ええっ!?」
綾乃(あっ!やばっ!いくら千歳にでもこれは秘密よ!)
綾乃「ま、まままま間違えたわっ!」
綾乃「えっと、その、さん、さんふ、サンフランシスコよ!!」デデーン
千歳「日帰りで海外に!?」
千歳「あらー、夢にまで歳納さんが出るなんて純情な綾乃ちゃんらしいわー」
綾乃「も、もうっ千歳!」バシーン
綾乃(あ、危ない…、なんとかごまかせたわね)フウッ
綾乃(もしこの話が広まったら、きっと歳納京子は学校中で好奇の目にさらされる)
綾乃(千歳には悪いけど…、アイツが困ってる顔なんて、見たくないもの)
綾乃(わ、私は、最後まであなたの味方よ…!な、なんちゃって!)カァッ
綾乃(や、やだ私ったら何を考えて…!で、でも…)クネクネ
千歳(な、なんかわからんけど綾乃ちゃんが可愛いで!!)ビュー
綾乃(まあ、気づいた素振りもなかったし、大丈夫だと思うけど)
京子「みんなおっはよー」ガラガラッ
綾乃(!!)ビクッ
京子「お、いたいた」ツカツカ
綾乃(ええっ!なんで私に向かって来るのよ!歳納京子!)ドキドキ
京子「」ツカツカツカ ピタッ
綾乃(な、なに?なになになに!?)
京子「綾乃ぉー!!」バーン
綾乃「ハ、ハイーッ!!」ガタッ
京子「あとで体育館裏に来い」
綾乃「ハ、ハイーッ!!」
綾乃(ってええええええ!?)
綾乃(ど、どうしようどうしよう)アワワ
綾乃「ご、ごごごご」
綾乃「ごめんなさいっ!歳納京子!」
京子「なに?ごめんで済んだらなもりは何人も要らないぞ!」
結衣「おいコラ」バシ
京子「あたっ」アウチ
結衣「ごめんね綾乃、コイツの悪ふざけだから気にしないで」
綾乃「…へっ?」
京子「ごめんごめん、昨日のドラマでやってたセリフ真似したんだー」
綾乃「そ、そうなの…?」ホッ
綾乃「えっ?」
京子「ゆうべ私のゴッドハンド輝がこれを発掘したんだー」ガサゴソ
綾乃「輝ってだれよ」
京子「うーん…、あ!あった!はい、綾乃」ピラッ
綾乃「あ、ありがとう…、って!!このプリントとっくに締切過ぎてるじゃない!」
京子「あーやっぱり?2ヵ月くらい遅れちゃったね」テヘヘ
綾乃「もうっ!笑い事じゃないわよ…ハッ!?」ピキーン
綾乃(『2ヵ月遅れちゃった』…)ブツブツ
綾乃(『2ヵ月』…『遅れた』…つまりこれは)
綾乃(『妊娠2ヵ月』っていうメッセージ!!?)ドーン
綾乃(それで私にだけ本当のことを教えてくれた?)
綾乃(と、歳納京子……!!)チラ
京子「」ボケー
綾乃(私を頼ってくれているのね…)ドキドキ
綾乃「歳納京子!」
京子「ほ、ほえ?」パチクリ
綾乃「…負けちゃだめよ」グッ
京子「お、おお?」
京子「な、何に…?」
結衣「眠気?じゃないかな…」
京子「わかめご飯うめぇ!!」ガツガツ
結衣「よく食うなお前」
京子「だってわかめが絶滅したら二度とコレ食えないんだぞ!」
結衣「何万年生きる気だよ」
綾乃「……」ジー
綾乃(やっぱりお腹の赤ちゃんが栄養を欲しがっているのね)
綾乃(デザートのプリン、分けてあげようかしら…)
綾乃(で、でも1ヵ月楽しみに待ったプリンだし…ぐぬぬ)
千歳(やーん綾乃ちゃんったら歳納さんばっかり見てるわー)ドバドバ
京子「わかめ!」クワッ
結衣「なんだその返事」
綾乃「こっ、これ、あげるわよ…」サッ
京子「……おおっ?」
京子「これは、牛乳!?くれるの?ホントに?」
結衣「あれ、綾乃って牛乳きらいだったのか」
綾乃「えっ、今日はお腹いっぱいなのよ、あ、あとご飯も半分あげるわ」
京子「やったー!!」
結衣(餌付けでもする気なのか…?)
教師「で、教科書92ページの公式は~」ウンヌン
綾乃「」カリカリ
結衣「」カリカリ
京子「…おえっぷ」
結衣「お、おい京子…、大丈夫か」ヒソヒソ
京子「ぐ…きぼぢわるい」
結衣(メシ食い過ぎだバカ)
結衣「あの、先生、歳納さんが気持ち悪いそうなので保健室連れてきます」
綾乃「!!!!!」ドキーーン
綾乃(つ、つわり!!!!)ガーン
京子「た、たぶん…うぷっ」
結衣「平気です、コイツ食べ過ぎただけなんで…」
教師「そ、そう、気を付けて連れて行ってあげてね」
教師「ハイ、じゃあ授業に戻るわよー、次は…」
綾乃(船見さん、うまくごまかしたわね…)
綾乃(でも、つわりだと疑っている人が私のほかにいるかもしれない)
綾乃(私の役目はその疑いを晴らすことよね)
綾乃(任せておきなさい歳納京子!)ガッツ
教師「杉浦さーん、拳握ってないで問3解いてー」
ワイワイ ガヤガヤ
綾乃「さーて、変な噂が流れていないか監視よ」
女子A「昨日の晩御飯がニシンだったんだけどー」
綾乃「!」ビクッ
女子B「このまえニンジンでゼリーつくったらさあー」
綾乃「!!」ビクッ
綾乃(もうっ、まぎらわしい会話ばっかりね…)
千歳「そうや綾乃ちゃん!うち、プケモンの新作買ったんやけどー」
綾乃「任信の話は禁止だァー!!!」 (※任天堂信者のこと)
千歳「言葉狩り!?」
千歳「あれ?そういえば今朝も、歳納さんが産婦人科に行ったとか言ってへんかった…?」
綾乃「ふえっ!?」ドキ
千歳「怪しいなあ…、もしかして綾乃ちゃん昨日歳納さんと何かあったんちゃう?」
綾乃「ひぇえ!?ち、違うのよっ!誤解!誤解よ!」
千歳「ま、まさか…!!」ゴゴゴゴゴゴゴ
綾乃(やばっ、気付かれちゃった…!?)
千歳「!!!!」トッ゙ブシュウウウウ
綾乃「どんな妄想したのか知らないけど、たぶん違うわよ…」
千歳「」ピクピク
綾乃「妊娠がどうたらって言ったのもみんな気のせい…、そう!気のせいよ!」
千歳「そ、そうなん…?でもなんか敏感に反応してへんかった?」
綾乃「い、いや!そんなことないわよっ!」
千歳「うーん?」
綾乃(ごめんなさい千歳…、でもこればっかりは本当のことを話すわけには…!)
綾乃「ほら千歳、生徒会に行…」
女子C「ねーねー、あれって年号いくつだったっけ、ほらあのー、日清戦争!!」
綾乃「妊娠戦争!!?」クワッ
女子C「ひぃ!」
千歳「言ったそばから!?」
綾乃(昨日は過敏に振る舞いすぎていたみたいね…)
綾乃(意識せず普段どおりに過ごさないと、また千歳に怪しまれるわ)
綾乃(そもそも歳納京子のことだもの、どんな問題もうまく乗り越えるはずよね)
綾乃(だからアイツのことは気にせず、私は勉強や生徒会に集中するのが一番よ!)
綾乃(よぉーし!まずは勉強よ勉強!歳納京子のことなんて気にしないんだから!)
綾乃(絶対に歳納京子のことなんて気にしないんだから!!)
綾乃(……)
京子「おっはよー」ガラガラ
綾乃「歳納京子ぉー!!!」ガッタァーン
綾乃(しまったつい!!)ガビーン
綾乃「へ、へえっ?いや、そ、そう!もっと早く登校しなきゃダメよっ!」
結衣「ごめんね綾乃、いつも京子が出てくるの遅くてさ…」
綾乃「しょ、しょうがないわね、まったくもう…」
京子「あ、そうだ結衣!綾乃にも聞いてみようよ、あの話のこと!」
結衣「え?ああ、いいかも」
綾乃「ん?へっ?なんの話?」キョトン
京子「ねー綾乃、綾乃はさー」
京子「子どもの名前、何がいいと思う?」
綾乃「ヌッ!?」ブホッ
京子「うん、さっきまで結衣と話してたんだけどね」
京子「実は今度私の家にさー…」
京子「って綾乃、聞いてるー?」
綾乃「ベ、ベイビイ…?」ガクガク
京子「べいびー?うーん、いい名前だけどなんか赤ちゃんみたいだぞ?」
結衣「そりゃそうだろうが」ベシ
綾乃「ベ…ベ…」
綾乃「ベビベビベイベベイベベイベベイベ」ガクガクガクガク
結衣「HOTEIみたいになってるけど!?」
結衣「あ、おかえり」
京子「ほらほら、綾乃も決めるの手伝ってよー」
綾乃「え!?ええっと、ちょっと待って…」
綾乃(て、ていうかそもそも、私が決めていいの…?)
京子「あ!ポチとかどうかなー!」
綾乃「え、ええっ!?」
結衣「えー?なんか違くないかそれ」
綾乃(じ、人名にポチ!!!DQNネームにも程があるわよ!!)
綾乃(よ、よかった…船見さんはまともね)
京子「えー?ガリガリ君並みに平凡な名前じゃんそれ」
結衣「なんじゃそら」
京子「ん!思いついた!ラムレーズンの「ラム」ちゃん!どうだっちゃ?」
綾乃(!!!また変な名前を…!)
結衣「…あ、いいかも、なんか可愛い」
綾乃(うそ!?いいの!?これって二人の子供の名前よね!?)
綾乃(……??)
綾乃(だっておかしいもの!)
綾乃(子供の名前って普通は二人だけで考えるものよね)
綾乃(それなのに、私にも決めるのを手伝えなんて…)
綾乃(それにこの二人…、人につけるような名前を考える気ないじゃない!)
綾乃(これって……もしかして?)
綾乃(……)
綾乃(私に名づけて欲しいって言ってるの…?そのためにわざと変な案を…?)
綾乃(つ、つまり…)ゴクリ
綾乃(私が本当の親だってこと!!!!???)ドッキーン
結衣「ん?なに?綾乃」
綾乃「私が名付け親になっても…いいの?」
京子「なに言ってんだよー綾乃!」
京子「いいに決まってんじゃーん!!」
綾乃「!!!!!!!!!!!!!」ドギューン
綾乃「う、う、う…」
綾乃「ウオオオオオオオオオ!イエスイエスイエス!!」フォウフォウ
結衣「!?」ビクゥ
京子「綾乃!急にどうした!!」
綾乃(心が幸せで満ち足りていくわ…)
綾乃(これが親心か…!!)キラキラ
綾乃「はあっ…、まぶしい、光がまぶしいわ…」
綾乃「そうだ!いい名前を思いついたわ」
綾乃「『全てを照らす光』という意味の…」
綾乃「メルエム、というのはどうかしら」ウフフ
結衣「王の名前を!?」ギョッ
京子「本当にどうしたんだ!綾乃!!」
京子「あ、時間だ!まあ適当に考えといてよー、マリオとかピカチュウみたいなの」
結衣「なんで任天堂で縛ってんだ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
<授業中>
綾乃(……)ムムム
綾乃(オーソドックスに、親の名前から一字ずつ取ってみたらどうかしら…)
綾乃(京子…、綾乃…、京…綾…、きょうあや…京綾!!!)
綾乃(……!!!!!!)ジーン
綾乃(す、素晴らしい…!!今日の、今日の私は……)
綾乃(阿修羅すら凌駕する存在よ!!!)ガッターン
教師「はい杉浦さーん勝手に立たないでー」
綾乃「ふぇっ!?あ、はい!」
綾乃(や、やだ…、恥ずかしい…、あ、でもここ昨日予習したし大丈夫よね)
綾乃「」オホン
綾乃「『第2章 家庭を築く』」
綾乃「赤ちゃんは女性と女性の間に生まれ、家族の一員となりますが…」
教師「あれっ!?」
綾乃「女性は母親に、もう一方の女性は父親として社会から認められ…」
教師「杉浦さん男は!?なんで排除しちゃったの!?」
綾乃「???」
教師「す、杉浦さんは生徒会で疲れてるみたいですので、続きは私が読みますね…」
綾乃(そうよ!女どうしで妊娠なんてあるわけないじゃない!!)
綾乃(で、でも…、ということは…?歳納京子の相手って一体誰なの…?)
綾乃(…え?まさか私、今までものすごい勘違いを…!?)
綾乃(も…もしかして…もしかして…!!!)
教師「…というわけです、ね?いいわよね杉浦さん?」
綾乃「しょ、処女受胎ってこと…!?」ワナワナ
教師「はあ!?」
綾乃「」プシュー
千歳「あ、綾乃ちゃん!みんなすぐ忘れるって!気にしたらあかんよ!」
綾乃「もうダメ…、あんなこと発言するなんて…爆発してしまいたいわ…!」
千歳「だ、大丈夫!ほら、今日は生徒会欠席してゆっくり休めばええねん」
綾乃「ち、千歳…、ありがと」
綾乃「でも私、このあと歳納京子と話をするつもりだから、それが終わったら…」
千歳「そうやね、終わった後で家に帰ってゆっくりしてな」
綾乃「ええ、家に帰ってちゃんと自爆するわ」
千歳「ん!?おかしいで!!」
綾乃「…」ドキドキ
綾乃(歳納京子に確かめなくちゃ、本当のことを…)
綾乃(それで私の勘違いだったときは、精一杯謝りましょう)
綾乃(…)ドキドキ
綾乃(こういう時って…、いやに緊張しちゃうわね)
綾乃(よ、よーし入るわよっ…)
結衣「綾乃!」
綾乃「ひぃっ!」ビク
綾乃「まことにすいませんでした!!!」ドゲザ
結衣「速攻で土下座!!」
結衣「あ、ああ、やっぱり…?私もちょっと変だなって思ってたんだ」
綾乃「船見さん…、わかってたのね、ごめんなさい迷惑かけて…」
結衣「ああ、いいよいいよ、別に気にしないで」
結衣「それより綾乃の様子が心配だったんだけど、そういうことなら納得だよ」
綾乃「もうっ、私ったらダメよね、変な勘違いして」
綾乃「まさか歳納京子が妊娠してるなん…」
結衣「えっ!?うそ!!妊娠!?」クワッ
綾乃「あれ!?予想のななめ上だったの!?」ガビーン
結衣「綾乃は、京子が地球外生命体を飼う気だって誤解してたもんだと」
綾乃「ん!?そっちのほうが無理あるんじゃない!?」
綾乃「あっ、そういえば歳納京子は…?私、アイツにも謝らなきゃ…」
結衣「ああ、京子なら先に帰ったよ、今日は大事なお客様が……おっと」
結衣「私がバラしちゃつまんないか、真相は京子の家に行って確かめてみて」
綾乃「??」
・・・・・・・・・・・
あかり「ちなつちゃん!部室の外で結衣ちゃんが妊娠がどうとか言ってるよぉ!!」
ちなつ「ヴォオオオ!!私との子供ですよねえええええ!!!」ゴロンゴロン
綾乃「」ドキドキドキ
綾乃(船見さんに言われて来てみたけど、一体何があるのかしら)
綾乃(それにしても緊張するわ…、今日は心臓が忙しい日ね)
綾乃(…よしっ)ゴクリ
ピンッ ポーン
『はーい』
綾乃(わっ、歳納京子の声…!)
綾乃「あっ、杉浦綾乃ですっ!あのっ…」
『お、綾乃ー!ドア開けて上がって上がってー』
『ただし0.5秒以内ね』
綾乃「なんでスパイアクションを要求されるの!?」
綾乃「はあ…はあ…、お、お邪魔します…」ハァハァ
京子「おいおい、無茶な突入はやめてくれよー」
綾乃「アンタが言ったんでしょうが」
京子「へへーごめんごめん、でもそうしないとこの子が外に出ちゃうからさ」
綾乃「この子…?あっ!もしかしてそのお腹に抱っこしてるのって…!」
子猫「」モゾモゾ
綾乃「きゃっ、か、可愛い…」
京子「さっきもらってきたんだー」
綾乃「うふふ」ホッコリ
京子「へへっ」ホッコリ
京子「あれー?言わなかったっけ、この猫ちゃんのことだよー」
綾乃「……な」
綾乃「なによそれ~…」ヘタッ
京子「お母さんの知り合いの人が、よかったら1匹引き取らないかって」
綾乃「…七森産婦人科ね」
京子「え、綾乃って未来から来た人!?」ギョッ
綾乃「違うわよっ!いやそのっ、偶然あなたが産婦人科に入るところを見て…」
綾乃「そ、それで私てっきり、その…妊娠してるものだと勘違いしちゃって…」
京子「うおっ、そ、それはまた…」
京子「千歳クラスの妄想力をお持ちのようで…」
綾乃「はうっ」カァッ
京子「うーん、許しがたいですなー、どうしましょうかなー」
綾乃「うう…」
京子「まあいっか、許してやろう!ねー、アヤちゃん」ネー
子猫「」モゾモゾ
綾乃「ほ、ほんとう…!?って今の、その子の名前?」
京子「そうだよー、『アヤ』ちゃんって言うんだー」
綾乃(う、ううううううそ!うそ!USO!!それって私の『綾』!?よね!?)キャアアアア
京子「『アニメじゃない~夢を忘れた古い地球人よ~』の略だよ」
綾乃「うそ!?」ガビン
京子「ほんとのことさ」
綾乃「へっ?い、いいの?」
京子「おうともよ!はい、そーっと」ヨイショ
綾乃「そーっと…、わっ、すごくちっちゃい」
綾乃「体すべすべねー、かわいい」ナデナデ
綾乃「……ね、ねえ」
京子「んー?言っとくけどあげないよー?」
綾乃「いや、あのっ…!ま、またこの子を見に…、来ていいかしら…?」
京子「なんだよー、そんなの当ったりまえじゃん!!」
綾乃「!!!!!」パアッ
綾乃(イヤッホオオオオオウ!!!私の時代キタ!!)ガッツガッツガッツ
京子「そう!そうなんだよ!私も最初に見たときそう思ったんだよね」
綾乃「すごく素敵ねー」
綾乃(幸せ!いま私幸せ!なんか幸せ物質が体中を駆け廻ってるわ!!うふ!うふふ!!)
綾乃(ああっ!何か幸せ過ぎて高揚感みたいなものが鼻先に集まってき…た…?)ムズムズ
京子「なんかそのしっぽがさー、綾乃の髪型に似ててかわいいなーと思って」
京子「アヤって名前にしたんだけどねー」
綾乃「ふぇっ!?え!?えええ!?」ドキ
綾乃「い、今なんてっ…むむ」ムズムズ
綾乃「ひっちゅ」クシュン
京子「ん?」
綾乃「え?」
綾乃「は…、ひっちゅ」クシュン
京子「もしかして綾乃って、猫の毛とかダメだった…?」
綾乃「い、いやいやいやいやそんなことは…ひっちゅ」ブシュ
綾乃「……」
京子「……」
・・・・・・・・・・・・・・・
<1週間後 京子宅>
ピンポーン
京子「おー綾乃!入って入ってー」
綾乃「お、お邪魔します…」ドキドキ
京子「それにしても綾乃はよっぽどアヤちゃんと遊びたいんだなー」
京子「ガスマスクつけてまで来なくてもいいのにー」
綾乃「し、仕方ないでしょ!本当に可愛いんだからっ!!」シュコー
支援感謝ひっちゅ
可愛かった
Entry ⇒ 2012.07.30 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
結衣「あかりの誕生日か…」
結衣「どうしようか……」
結衣「………」
結衣「オムライスしかないか」
というのはどうですかねぇ(提案)
結衣「あかりを呼ぼう」
結衣「」プルプルプルプル ガチャ
あかり『もしもし結衣ちゃん?どうしたの?』
結衣「あ、あかり。今から私の家に来られる?」
あかり『うん、大丈夫だよ~。でも急に何で?』
結衣「え、ああちょっとね。でも楽しみにしててね」
『結衣ちゃーん、きたよー』
結衣「あ、今あけるから待ってね」
ガチャ
あかり「おじゃましまーす」
結衣「いらっしゃい」
あかり「今日は急にどうし__あれ?このにおいって」
あかり「もしかしてオムライス!?」パァッ
結衣(か、かわいい)
あかり「あっ、あかりわかったよ」
結衣「うん、実は__」
あかり「お昼ごはんに呼んでくれたんだね」
あかり「あかり結衣ちゃんのオムライス大好きだよぉ」
結衣「いや、そうじゃ……(待てよ、もしかしたらあかりは自分の誕生日を忘れてる?)」
結衣(ならこのまま黙っておいてあかりのほしいものを聞き出そう)
あかり「そうなんだ、あかりうれしいよぉ」ニコニコ
結衣「さぁ、あがってあがって(くっ、こんな笑顔を見せられたら罪悪感が)」
結衣(でも悪いことしてるわけじゃないんだし)
あかり「みんなは呼ばないの?」
結衣「え?あ、うん、たまにはあかりと二人ってのもいいかなって」
あかり「そう言えば結衣ちゃんと二人っきりなんて久しぶりだね」
結衣「じゃあ、リビングで待ってて、すぐ持って行くから」
あかり「何か手伝うよ」
結衣「いいよ、今日はあかりにはくつろいでほしいの」
あかり「え?なんで?」
結衣「き、気にしない気にしない、ささ、くつろいで」
あかり「?結衣ちゃんがそう言うなら」
あかり「いただきまーす」
結衣「はい、めしあがれ」
あかり「やっぱり結衣ちゃんのオムライスはおいしいよぉ」
結衣「そう言ってもらえると作った甲斐があるよ」
あかり「あかり食べ物の中で、結衣ちゃんの作ったオムライスが一番大好きだよぉ」
結衣「そんな大げさな」
あかり「全然大袈裟じゃないよ」
結衣「なんか恥ずかしいな、ありがと」
あかり「えへへ、どういたしまして」
結衣「ふふっ……はっ!?(しまった、あまりにもほのぼのとした空気に幸せを感じてた)」
結衣(このままゆったりしてたいけど、あかりの誕生日は刻一刻と過ぎていくんだ、早く聞きださないと)
結衣「あ、いや、なんでもないんだ、ところであかり」
あかり「なに?」
結衣「あかりは今欲しいものとかはないの?」
あかり「どうしたの急に?」
結衣「いや、なんとなくね」
あかり「んーとね、あかりは今のままで十分幸せだから他には何もいらないよ」
結衣(天使だ……じゃなくて)
結衣「なんでもいいから、何かないの?」
あかり「うーん、ごめんね、やっぱり思い付かないよ」
結衣「そっか……(なんてこった、ここまで欲のない子だったとは)」ショボーン
あかり「あ、あのね、あかりはみんながいて、みんなと笑って過ごせたらそれで充分なの」
あかり「だから今日呼んでくれたのがすごく嬉しかったよ」
あかり「だからそんなに落ち込まないで」
結衣「……」ギュ
あかり「ふぇ?い、いきなり抱きついて来てどうしたの?」
結衣(あかりに気を使わせて、何やってるんだ私)
結衣「ごめんね、あかり、でも何か欲しいものが思いついたら言ってね」
あかり「うん、よくわからないけどわかったよ」ニコニコ
結衣(やっぱり天使だ)
__________________________
結衣「お粗末さま」
あかり「あかりおなかいっぱいだよぉ」
結衣「ふふっ、喜んでもらえてうれしいよ」
あかり「ふぅ、少し横になって休ませてね」
結衣「食べてすぐ寝ると牛になるぞ」
あかり「あかり牛さん好きだからいいもーん」
結衣「胃が四つになってもいいの?」
あかり「それはなんだかやだよぉ」
結衣「それに食べられちゃうかもしれないぞ?」
あかり「それもやだなぁ」
あかり「……そう言えば」
結衣「ん?なに?」
あかり「この前ちなつちゃんにも同じこと言われたよ」
結衣「私と?」
あかり「うん、と言ってもちなつちゃんの方はしてほしいことだったけど」
結衣(してほしいこと、そうか!その手があった)
結衣(何も物だけに限定しなくてもよかったんだ)
結衣「あかりは今してほしいことないの?」
あかり「うーん、お腹一杯になって眠くなってきたから枕がほしいな、なんちゃ__」
結衣「お安い御用だよ」
あかり「え?いや冗談__」
結衣「さぁ、おいでおいで」
あかり「え、いや、その」
________________________
あかり「う、うん、だいじょうぶだよ(ちなつちゃんの時と同じ展開だよぉ)」
あかり(でも結衣ちゃんの膝、ひんやりしてて気持ちいい)
あかり「結衣ちゃんの膝、すごく気持ちいいよ」
結衣「あ、ありがと///」
あかり(なんだかほんとに眠くなってきちゃったよ)ウトウト
結衣(なんか勢いでやっちゃったけどこれでホントにプレゼントになってるのか?)
結衣(いやいや、こんなんじゃダメだろどう考えても)
結衣「あかり、他にもしてほしいこととか__」
あかり「」スースー
結衣「ふふっ、こんなに幸せそうな顔で寝ちゃって」
結衣(あかりの髪の毛、さらさらしてて気持ちいいな)ナデナデ
あかり「えへへー、結衣ちゃーん」ムニャムニャ
結衣「どんな夢見てるんだか」
結衣「……こんな寝顔見てたら……なんだか私も眠くなって……」
結衣「あれ?ここは?」
京子「おーい、結衣ー」
結衣「ん?なんだ京子か」
京子「なんだとはなんだ」
京子「そんなこと言う奴にはこうだ!」チュッ
結衣「なっ、何するんだよ急に」
京子「へへー」
結衣「え?」
ちなつ「わ、私も!」チュッ
結衣「え?え?」
ちなつ「キャーついにやっちゃったー」
ちなつ「私のクティビルと結衣先輩のクティビルがチュッチュナウですー」
結衣「……なんだこの状況……頭痛くなってきた」
あかり「あ、あのね結衣ちゃん、あかりも……」
結衣「あ、あかり!?」
結衣「あ、いや、その、えっと」
あかり「結衣ちゃんはあかりとキスするの、イヤ?」
結衣「いや、そんなことは、むしろ__」
あかり「じゃああかりにキス、してくれる?」
結衣「それは……」
あかり「」ンー
結衣(それじゃあまるでキスしてくださいと言ってるようなものじゃないか)
結衣(だめだ、頭が回らなくなってきた、あかりまつ毛長いな)
結衣(据え膳食わぬは男のはじっていうし……男じゃなけど)
結衣(これはもうやるしかない)
結衣「あかり」スッ
あかり「結衣ちゃん」
結衣(あ、あかりの顔がこんなに近い)
結衣(もう少しで、もう少しでこのやわらかそうな唇に__)
______________________________
あかり「あ、おはよう結衣ちゃん」
結衣「あれ?今私あかりと……///」カー
あかり「ど、どうしたの結衣ちゃん、すごく顔赤いよ」
あかり「それになんで顔をそむけるの?」
結衣「ご、ごめん///(あんな夢を見た後でまともに顔なんて見れるわけないじゃないか!)」
あかり「大丈夫?辛いならもう少しこのままでいた方がいいよ」
結衣「ありがと///……ん?このまま?」
結衣「……!?(膝枕されとるーー!?///)」バッ
結衣「あっ」クラー ボテ
あかり「結衣ちゃん大丈夫?」
結衣「う、うん、ただの立ちくらみだから(しまった、また膝枕の形に戻ってしまった///)」
あかり「結衣ちゃんはもう少しこのままでいること、いいね?」
結衣「で、でも」
あかり「そんな真っ赤になってる人をあかりはほっとけないよ」
結衣「う、うん(いや、これはあかりのせいなんだけどな)」
結衣(でも、あかりの膝枕、気持ちいいな、あかりのにおいがこんなに近い)
結衣「……私どのくらい寝てた?」
あかり「あかりが起きてから三十分ぐらいだよ」
結衣「そっか」
あかり「結衣ちゃんも眠たいならあかりを退けてくれてもよかったのに」
あかり「あんな姿勢で寝てたら背中が痛くなっちゃうよ」
結衣「いや、あかりの寝顔みてたらさ、すごく眠たくなっちゃって」
あかり「そう言われると、あかりちょっとだけはずかしいな///」
結衣「ごめん///」
結衣「……(なんか気まずい雰囲気になっちゃたよー!!)」
あかり「……結衣ちゃん」
結衣「は、はい何でしょう?」
あかり「ふふっ、変な結衣ちゃん……さっきどんな夢見てたの?」
結衣「え?そ、それは///」
あかり「やっぱり」
結衣「え?///」
あかり「夢のことを聞かれて顔が赤くなるってことは」
結衣(ま、まさかどんな夢かバレ__)
結衣「ごめんなさ……え?」
あかり「そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに」
あかり「誰でも怖い夢を見たらそうなっちゃうよ」
結衣「は……ははは、そうなんだはずかしいなぁ(棒)」
あかり「すごくうなされてたから心配したんだよ?」
結衣「!?あかりさん、もしかして私、何か言ってました?」
あかり「うん、京子ちゃん、ちなつちゃんって言ってからうなされだして」
あかり「そのあとはあかりの名前を何回か呼んでたよ」
結衣「恥ずかしい///」
結衣「もう大丈夫だから、この話は終わりにしよう」
あかり「え?う、うん」
結衣(あんな夢を見てしまうなんて……///)
結衣(と、とにかく、このままじゃあかりの誕生日に私があかりに膝枕してもらっただけになる)
結衣(なんとしてでもあかりの望みを聞き出さないと)
結衣「あかり!」
あかり「なに?」
結衣「出かけようか」
あかり「え?いいけど、どこに行くの?」
結衣(ふっふっふ、あかりをショッピングに連れ出し、あかりが手に取った物の中からプレゼントを選ぶ)
結衣(なずけて「あ、これかわいいよぉ大作戦」!!)
あかり「人がいっぱいだねぇ」
結衣「そうだね(しまった、休日の昼過ぎ、混んで無いわけないじゃないか)」
結衣「ごめんねあかり、混んでるしやめとく?」
あかり「え!?せっかくひさしぶりの結衣ちゃんとのお出かけなのに……」ショボーン
結衣「……やっぱり行こうか」
あかり「うん!」パァッ
結衣(そんな顔されて、帰れるわけないじゃん)
あかり「あ、結衣ちゃん」
結衣「ん?」
あかり「はい」ギュ
結衣「え?」
あかり「手、つながない迷子になっちゃうよ」
結衣「う、うん///(なんかデートみたいだな)」
あかり「あ、これかわいいよぉ」
結衣(クラゲのぬいぐるみ……これはないな)
あかり「あ、これもかわいいよぉ」
結衣(くまのプリントのハンカチ……これもなぁ)
あかり「あ、これ……」
結衣(ん?この反応は、かわいい髪留めだな……よしこれにしよう)
_________________________________
あかり「うん、あかりちょっと疲れちゃったよ」
結衣「じゃあそこのカフェでちょっと休もうか」
あかり「そうしよっか」
結衣「あ、あかり先に入っててくれる?」
あかり「え?どうして?」
結衣「ちょっと銀行でお金下ろしてきたいから」
あかり「うん、わかったよぉ」
結衣(さて、あの髪飾りを買いに行くか)
____________________________
カランカランッ
店員「いらっしゃいませ、何名様でしょうか?」
結衣「あ、友達が先に入ってるんで」
結衣(あれ?あかりはどこだ?)
あかり「あ、結衣ちゃん、こっちこっち」
結衣(ああ、奥の方に座ったのか)
結衣「あかり、遅くなってごめん」
京子「大丈夫、私も今きたとこだから」
結衣「そっか、ならよかった……ってよくねぇよ!」ベシッ
結衣「誰のせいだ誰の!」
京子「ウルトラ可愛い京子りんのおかげかな」
結衣「自分で言うな!」
結衣「大体なんでここに京子が__」
京子「あ、すいません、オレンジジュース一つ」
結衣「無視すんな!」
京子「どうも、ありがとーございました」
あかり「」パチパチパチ
結衣「あかりも拍手してないで今の状況を説明してよ」
京子「それは私の口から説明させていただこう」
京子「時は西暦200x年、世界は核の炎に__」
結衣「そういうのいいから」
京子「さっき店の外からあかりを見かけたから一緒にお茶しようと思っただけだよ!この野郎!」
結衣「逆ギレかよ!」
結衣「で、何しにここに来てたんだ?」
京子「ここの本屋に来てたんだよ」
結衣「本屋?ここより近いとこがあるだろ」
京子「ここの本屋さんじゃないと置いてない漫画があったから」
結衣「そういうことか」
京子「オレンジジュースうめー」
あかり「もう行っちゃうの?」
京子「まあ流石にお邪魔かなって」チラッ
結衣「ば、バカ、さっさと行け///」
あかり「?」
京子「じゃーねー」
カランカランッ
結衣「はぁ、まったくあいつは」
結衣「ごめんねあかり、遅くなっちゃって」
あかり「うんん、京子ちゃんが話し相手になっててくれたから退屈じゃなかったよ」
結衣「そっか、もう少しゆっくりしたら帰ろうか」
あかり「うん」
____________________________________
結衣「うん、私も」
あかり「あ、あかりちょっと買い忘れた物があるから」
結衣「じゃあ買いにいこうか」
あかり「結衣ちゃんはここで待ってて」
結衣「え?なんで?」
あかり「いいから」
結衣「?うん」
______________________________________
結衣「おかえり」
あかり「あかりもう歩けないよぉ」
結衣「大分歩いたもんね」
あかり「でも楽しかったよ」
結衣「うん、そうだね、ところで何か買ったの?」
あかり「これだよー」ガサゴソ
結衣「!?(これは私が買ったのと同じ髪飾り)」
あかり「可愛かったから買っちゃったんだ」
結衣「……そっか」
あかり「どうかしたの?結衣ちゃん」
結衣「うんん……なんでもない」
結衣「飲み物でも入れてくるね」
あかり「え?うん……」
______________________
結衣「せっかくプレゼントできると思ったのに」
結衣「ホント、私って駄目だな」
結衣「……この髪飾りどうしよう」グスッ
あかり「結衣ちゃん?」
結衣「!?」
あかり「泣いてるの?」
結衣「泣いてない、泣いてないよ」ゴシゴシ
あかり「嘘、どう見たって泣いてるよ」
結衣「ホント、泣いてないから」グスッ
あかり「どうして本当のこと言ってくれないの?」
結衣「え?」
あかり「あかりじゃだめなの?」
あかり「髪飾り?髪飾りがどうかしたの?」
結衣「これ、あかりにあげようと思って」ガサゴソ
あかり「これ!?」
結衣「ね?馬鹿みたいでしょ?」
あかり「……ふふっ」
結衣「?」
あかり「結衣ちゃんはおっちょこちょいだね、ほんとにおっちょこちょい」
結衣「二回言わなくてもいいだろ」
あかり「だって、私の髪飾りを見て勘違いしちゃうんだから」
結衣「?」
結衣「どういうこと?」
あかり「結衣ちゃん、ちょっと屈んで」
結衣「?うん」
あかり「この髪飾りはね……はい」パチッ
あかり「この髪飾りはね……結衣ちゃんにあげようと思って買ったんだよ」
結衣「え!?自分がほしかったんじゃないの?」
あかり「ちがうよ、この髪飾り結衣ちゃんに似合うだろうなって思って見てたんだよ」
結衣「は、ははは、確かにおっちょこっちょいだ」
あかり「でしょ?……ねぇ結衣ちゃん」
結衣「ん?」
あかり「あかりの前髪、ちょっとさみしいなぁ」
結衣「……うん」
結衣「つけたよ」
あかり「えへへー、おそろいだね」
結衣「う、うん、ちょっと恥ずかしいな///」
ピンポーン
結衣「多分京子達かな」
あかり「こんな時間に?」
結衣「あかり、お誕生日おめでとう」
あかり「え?あー!?忘れてたよぉ」
結衣「ふふっ、あかりもおっちょこちょいだね」
あかり「でもこれでお姉ちゃんがそわそわしてた理由がわかったよ」
結衣「さて、もうそろそろ出ないと京子がうるさそうだな」
あかり「あ、結衣ちゃん」
結衣「ん?」
あかり「髪飾りが、ちょっと屈んで」
結衣「あ、うん」
チュッ
あかり「今出るから待ってー」パタパタ
結衣「あ、あ///」
_________________
京子「おっじゃまー」
ちなつ「お邪魔します」
あかり「いらっしゃーい」
結衣「いらっしゃい///」
京子「ん?どしたの結衣、顔赤いよ?」
結衣「気にするな」
ちなつ「あー!?髪飾り!」
京子「ほー、ペアルックか、どしたの、それ」
結衣「これは……」チラッ
あかり「えへへー、ひみつだよぉ」
おわり
あかりちゃん誕生日おめでとう!
Entry ⇒ 2012.07.25 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
京子「私達なりの別れ」
・・・・・・・・・・
「私達……別れようか」
背筋が凍りついた。
だって、突然のことだったから。
今日、私達は映画見に行ったり、買い物をしたり、
はたから見れば仲のいい女の子同士が遊んでいる、ように見えるけど
確かに、私と結衣はデートをしていた。
なのに――
「別れよう?やっぱりさ、ダメなんだよ……女の子同士で付き合うなんて」
結衣は真剣な表情で、優しく、それでいて切なさを含めた声色でそう言った。
「え?結衣から告白してきたじゃん、勝手すぎるよ」とは言えずに、
「そ、そうだね……分かった」
としか言えなかった。
結衣のことは大好きだ。
でも、この表情をした結衣は多分何を言っても折れないから。
そこで私が「嫌だ」と駄々をこねても、何の解決にもならない。
むしろ、幼馴染という関係には戻れなくなる。
「じゃあ、明日から……幼馴染の関係に戻ろっか」
「うん……」
沈黙が訪れる。
いつもなら、こんな沈黙も心地いいものだったけど、
今の沈黙はただ切なさが募るだけ。
でも、お互い何も言わない。
そろそろ、帰ろうかなと思っていたところ――
「勝手だと思うけど、ごめんな……元に戻るのは明日からだから」ギュ
結衣に抱きしめられた。
「京子、これは私の最後の我が儘だから……許してくれ」
そう言って、結衣は私にキスをし、そのまま振り返らず去っていった。
私のファーストキスは、涙の味だった。
結衣と私が付き合い始めたのは、高校2年生の林間学校の時。
高校生にもなって、林間学校があるとは思わなかった。
けど、案外この林間学校は生徒から人気があった。
「林間マジック」
というものが、この学校では代々伝わっていたからだ。
林間マジック、と言っても本当にマジック……手品を発表することではない。
ましてや、マジックペンのことでもない。
林間マジックというものは、簡潔に言うと、
林間学校中に告白すると成功する、という言い伝えだ。
なぜ、マジックかは分からないけど、その林間マジックで私と結衣は付き合うことになった。
付き合い始めは、お互い顔を見合わせると照れてしまって逸してしまうし、
周りからは喧嘩したのではないか、と心配されたりもした。
でも、恋人という関係になれてからは
幼馴染の時よりもスキンシップをとったし、手つないだりもして、なかなか充実していた。
高校3年生になってからは、受験ということもあり、
あまりデートしなくなったが、その分一緒に勉強をした。
そんな風にすごして、付き合ってから半年がたった。
半年のうちに、結衣とはいろんなことをした。
でも、キスだけはしなかった。
私が拒んだからだ。
以前に、結衣の顔が近づいてきた時に
私は咄嗟に結衣を突き飛ばしてしまった。
結衣を拒んだわけではない。
本当に、驚いただけだった。
正直に、突き飛ばしてしまった理由を言った時、
結衣は、
「驚かせてごめんね、次やった時優しくするから驚かないでね?」
と、悲しげに笑ってそう言った。
次はやってこなかった。
私からやってあげれば良かったんだけど、
私と同じような反応されたら、と思うと怖くてできなかった。
多分、結衣もそう思ってやってこなかったんだと思う。
そして、結衣との最初で最後のキスをした。
胸があつくなって、苦しくて、その場にしゃがみこんで静かに泣いた。
・・・・・・・・・・
翌日
「おはよう、京子」
「お、おはよう……」
朝、京子の家に迎えに行った。
幼馴染として。
多分、ちゃんと挨拶出来てたと思う。
だけど、京子は昨日のこと引きずっていたのかな……。
目の下にクマができていた。
ごめんな……。
「あ、結衣ちゃん、京子ちゃんおはよう」
「おはようございます!」
あかりとちなつちゃんとも合流した。
あかりもちなつちゃんも、私と京子がいる高校へ入学した。
他にも、生徒会メンバーや千鶴さんも同じ高校だ。
「あれ?京子ちゃん、元気なさそうだけど……どうかしたの?」
あかりは周りの様子をしっかり見てるから、こういうことにもよく気がつく。
「あ、うん……ちょっとね、寝不足ってとこかな」
「そっかぁ、ちゃんと睡眠をとらなきゃだよ?」
やっぱり、京子は私のせいで寝れなかったのか……。
私が、京子に別れを告げた理由、それは――
~~~~~
デート前日
「結衣、そこに座りなさい」
突然、父がそんなことを言った。
「嘘であって欲しいが、お前、歳納さんとこの娘さんと付き合っているのか?」
頭の中が真っ白になった。
「どうなの?……結衣?」
隣で母も心配そうに訊いてきた。
「…………」
「否定はしないんだな?」
「…………」
私は何も答えられなかった。
どう答えたら良いかわからなかったからだ。
「単刀直入に言う、別れなさい、同性と付き合うなんて世の恥さらしだ」
父は言った。そして、こう続けた。
「船見の名を汚すんじゃない、お前はこの家のたった1人の娘なんだぞ、
自覚をもちなさい」
父の言う言葉はもっともだった。
確かに、同性間で付き合うことは普通ではない。
でも、それを知っていてもなお、私は京子に告白したのだ。
京子が好きだから。
なのに、大げさかもしれないが、その勇気や頑張りを
全否定されるのは許せなかった。
「嫌です、別れません」
「…今なら、まだ間に合うのよ?」
間に合っていたのなら、私は京子と付き合っていない。
間に合わなかったから、京子に告白した。
絶対口に出して言えないけど、私にとって歳納京子は大きい存在なのだ。
だから――
「とにかく、私は京子と別れるつもりはないので」
パチンッ
「っ!」
初めて父に殴られた。
「頭を冷やしないさい」スタスタ
と言って、私を押入れに閉じ込めて去っていった。
大人は自分勝手だ。都合の悪いことがあるとすぐに手をだす。
そんな人になりたくないと思った。
そして、数時間後
「結衣?ご飯持ってきたわよ」
母がご飯を持ってきてくれたようだ。
だけど、今はそんな気分ではない。
「あのね、結衣……」
また説教か、と思ってため息をついた。
「京子ちゃんとのことなんだけどね、結衣は京子ちゃんのこと本当に好き?」
当たり前だ。私は頷いた。
「だったら、京子ちゃんのこともちゃんと考えて欲しいの」
ちゃんと、考えた結果だって。
京子も私のことが好きだ。
だから、別れない。
「結衣、今日お父さんに言われたこと……すごい悲しかったでしょ?
辛かったでしょ?いつかは、京子ちゃんにもこういうことが起きると思うわ
京子ちゃんも1人っ子よね……だったら尚更」
何が言いたいの?
「酷な話だと思うけど、親から反対される――全てを否定される――悲しみより、
恋人から別れを告げられる悲しみの方がまだ軽いと思うの」
「…………」
「私が言うのもなんだけど……結衣はもう、親から反対される悲しみを知ったでしょ?
それを京子ちゃんにも――」
「もういいっ!」
聞きたくない。聞きたくなかった。
母の話はもっともだ。
結局、私が選んだ道は同時に京子にも悲しみを背負わせる道で、
かと言って、別れるという道も京子に悲しみを与えてしまう。
でも……。
……私は、自分の無力さを思い知った。
そして、私は――
「……分かった、京子と別れます」
~~~~~
自分では、京子の悲しみを共に背負って
京子と幸せに過ごせる自信がなかったから。
いや、悲しみを知った時点で、本当の幸せにはなれないと思う。
そんなこと言ってしまうと、
私が京子に告白した時……京子のことが好きになった時から
私は間違った道を歩んでしまったことになるのかな?
でも、もう終わった恋だ。
京子のことは多分、ずっと好きでいると思うけど、
これからは、幼馴染として過ごさなきゃならない。
もう、戻れないから。
「先輩方、また放課後です!」
「またあとでね~」
そんなこと思っているうちに、もう学校についていたのか。
そういえば、去年から、私達は娯楽部として放課後を過ごしている。
それも、生徒会……綾乃や千歳のおかげだ。
まぁ、正式な部活ではないんだけど。
・・・・・・・・・・
放課後
「歳納さん~、ちょっと時間ええ?」
結衣と、部活に行こうと思って教室を出たところ、
千歳に話しかけられた。まぁ、話の内容はなんとなく……。
「お、おう」
「じゃあ、さきに部活行ってるぞ?」
結衣はそう言って部室に向かった。
「で、話は?」
「ずばり言うで?船見さんと何かあったん?」
おぉ……。さすが千歳。もう、気づいたのか。
「別れたよ」
「やっぱり……、にしてもさっぱりしてるな~……歳納さんからなん?」
さっぱりしてるのか?そんなことない。
そう見えるのなら、私は自分を褒めるよ。
「いや、結衣から」
「えっ……ちょっと驚いたわ~、まさか船見さんが……」
「うん、私も驚いたよ
でも、しょうがないことだし」
そう、しょうがないことなのだ。
私は、結衣の別れを受け入れたのだから。
「しょうがないことって言ったけど、歳納さんはそれでええの?」
「……うん」
「本当に?」
「…………い、いいわけないよ」
いいわけないじゃん!
まだ、結衣から別れの理由すら聞いてないんだよ?
「だったら、ちゃんと話し合わなきゃいけへんな?」
千歳はそう言って微笑んだ。
今、千歳と話してて気づいたけど、
理由きいてないじゃん!!
別れがあまりにも急すぎて、忘れてた……。
帰り道
私は、部活へ行かず結衣たちが帰るのを待った。
1人で頭の整理をしたかったから。
また、別れることには変わりないと思うけど、
せめて理由が聞きたかったから。
そして、今私と結衣の2人きり。
「結衣、ちょっと公園よらない?」
「いいけど……」
話すなら、公園でゆっくり話し合いたい。
「ちょっと、話し合おうよ」
「何について?」
「私たちについて、かな」
「もう、話すことはないと思うんだけど……」
私は、息を吐いた。
そして、大きく息を吸った。
「理由!」
「は?」
「理由が知りたいの!結衣が別れを告げた理由」
「…………」
結衣は、黙ってしまった。
言いにくいこと、なのかな……。
でも、絶対聞き出してやる!
「…………」
「結衣~?早く教えてくれないと……、
結衣の恥ずかしいこと皆に暴露するよ?」
結衣がずっと黙っていたもんだから、脅してみた。
「……っ//」
あ、恥ずかしがった。
「お願い、教えて?納得ができないんだ」
「……それは――――」
結衣の告白が続いた。
主な理由は、親に反対されたから。
親としては、そうなるだろうな~と1人納得する。
でも――
「結衣、ぶっちゃけて言っちゃうね?
私の親、結衣と付き合ってること知ってたよ?」
「えぇぇぇええええ?!」
あ、驚いた。まぁ、そうだよね。うん。
結衣と付き合い始めてから、数週間のうちに
親にバレた。と言うのも、私が、口を滑らしたからだけど。
~~~~~
「~~~~♪」
「あら、京子機嫌がいいじゃないの、何かいいことでもあったの?」
「うん!結衣がね~、デートに誘ってくれたからっ!…………あ」
「デート?!」
「あ、いや……」
うっかり言ってしまった。
「え?!結衣ちゃんと付き合ってるの?女の子同士で?!」
ヤバい。……まずは、否定しなきゃ。
「……ち、ちが」
「否定しなくてもいいのよ?お母さんは、応援するからね?!」
呆気にとられた。
まさか、応援されるとは……。
「じゃあ、今日はお赤飯ね!お父さんにも言っとくけど、多分大丈夫よ
恋に性別なんて関係ないものっ、確かに日本では認められてないけど、
同性愛が認められている国もあるのよ?」
「あ……はい」
「だからね、今のうちにそういう恋を経験しときなさい、
さっき言ったことと矛盾しちゃうけど、
結婚とかの話になっちゃうと、さすがに許せないかな
でも、ほら、どうせ高校で付き合った子が結婚まで続くことは稀だし、ないとは思うんだけど」
お母さん、言ってることむちゃくちゃですが。
「とにかく、今は今!未来は未来!
女の子との恋愛は珍しいのよ?!いつか、別れると思うけど
その時まで、精一杯恋しなさい!」
……びっくりしたぁ。
お母さん、さっぱりしすぎ!
というか、絶対好奇心とかでしょ!
はぁ、素直に喜べばいいのかわかんないよ。
でも、結衣には言わないほうがいいかな……。
~~~~~
「って、ことがあったから」
「ま、マジですか」
結衣は、案の定呆然としている。
まぁ、この話を聞いたからね……。
一般世間ではあり得ない会話だと思う。
「でも、良かった、ちゃんと理由がきけて……うん、
これで、心おきなく幼馴染に戻れるよ」
「そっか……、私達これでよかったのかな」
「分かんないけど、私はよかったと思うよ」
うん。こんな清々しい別れは、これから先経験することないだろうから。
別れを告げられた時は、悲しみで一杯だったけど、
なんか、吹っ切れた。一日で吹っ切れるのはどうかと思うが、
女の子同士だからこそ、別れても……今度は、友達からやり直せる。
結衣と付き合えて本当によかった。
「結衣、ありがとうね」
・・・・・・・・・・
京子の話を聞いた。驚いた。まさか、親公認だったとは……。
このこと、私の親には言わないほうがいいよな。
母が言ってたこと実際ハズれてたし……。
また、ややこしくなりそうだし。
……京子の話を聞いたとき、私は少し期待してしまった。
京子が、恋人であることを望むのを。
でも、京子は別れを選んだ。
案外、未練が残ってるのは私の方だったりして。
けど、確かにこれは恋だった。
私は自分の無力さを呪って、別れを選んだんだけど
むしろ、この選択で良かったと思う。
まぁ、親に感謝する気はないけど……癪だし。
何か、親に説教され殴られ1人悲しんで……
すごい遠回りしたけど――
「京子、ありがとう」
・・・・・・・・・・
後日
あれから、私達は幼馴染として過ごしている。
もう、ギクシャクするようなこともないし、
むしろ……恋人だった頃よりは、心も体も楽かな~なんて思い始めた。
でも、それもちゃんとした思い出で、
いつか大人になった時に、結衣と一緒に懐かしみたいな。
これからも、そんな日々を送っていたい。
「おい、京子何ぼーっとしてんだ?ほら、早く勉強しろよ」
むー、せっかく人がいい感じにまとめてるのにさー。
「はいはい、今からやりますよーだ」
そんな感じで今は、受験勉強頑張ってます。
結衣と同じ大学にいくために!
おわり
以上です。
ぶっちゃけ、「ファーストキスは涙の味だった」
っていう言葉が使いたかっただけです(笑)
たまには、こういう結衣と京子もいいと思ったんですが……難しいですね。
読んでくださった方ありがとうございます!
Entry ⇒ 2012.07.19 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
あかね「安価であかりを追いかけたい」
あかね「はぁ……。今日もあかりは可愛かったわぁ……」ホワ
あかね「晩御飯のときも、明日のお出かけが楽しみだって嬉しそうに話してたわね」
あかね「お出かけ……。ちょっと、いえかなり気になるわ」
あかね「あの期待に胸をふくらませた様子、今までに無い感じだったもの」
あかね「これまで、妹を尾行するだなんて、人としてどうかと思って踏みとどまってきたけれど」
あかね「明日はついに実行することになりそうね……」
あかね「そうと決まれば明日に備えてリラックスしなくちゃ」
あかね「あかりのパンツをかぶって、妹本を読む……。ふふ、至福のひと時……」ホワ
【翌日】
あかり「行ってきまーす」
あかね「気をつけるのよー?」 ハーイ
あかね「……」
あかね「帽子にサングラス、そしてマスクで顔を隠して、と……。よし、尾行開始ね」
【数十分後】
あかね(あっかりあっかり歩くあかり可愛い……)ホワ
あかね(立ち止まったわ。目的地に着いたのかしら……。あれは、>>5)
あかね(え!?ビックサイト!?え、ここは富山のはず……よね?)
あかね(!せいぜい数十分しか経過してないと思っていたけど……数時間経過してる)
あかね(あかりに夢中になりすぎて時間の経過も移動方法も忘れたっていうことなの?)
あかね(特急にでもいつの間にか乗ったのかしら……)
あかね(……)
あかね(だとしたら、一人で特急に乗れちゃうあかりすごいわ!)
あかね(後でほめてあげなくちゃ、ふふ)
あかね(それに……あかりが視界にいるっていう事実は確かに真実)
あかね(そう、経過なんてどうでもいいわ)
あかね(目的はあかりが今日なにをしようとしているのかなんだから)
あかね(!?……誰かあかりに近づいてくる。あれは>>10?)
あかね(京子ちゃん、結衣ちゃんと……、たしかちなつちゃん、吉川さんの妹さんね)
あかね(でも妙に顔が赤いように見えるけど……、
待ち合わせに遅刻しそうだから走ったのかしら?)
あかね(……こういう時のために読唇術をマスターしてはいるけど、
さすがに同時に4人は難しいわね)
あかね(リスクはあるけど、もうちょっと近づきましょうか)ササッ
あかね(この距離ならなんとか聞こえるわね……)
あかね(とりあえずこの場は京子ちゃんが仕切ってるようね。なんて言ってるのかしら)
京子「>>17」
あかね(?……目の前にいるのに何を言っているのかしら京子ちゃん)
ちなつ「こんなところに来てまでそのネタやるんですか?」ハァ
結衣「そうだぞ京子。……って、お前まさか、いつもの影薄いネタであかりを見なかったことにして
先に着いたフリして、遅刻をごまかすつもりじゃないだろうな?」
京子「ぎくっ。そ、そんなことあるわけないじゃないか結衣くん。あはははは」
あかり「もうっ、ひどいよ京子ちゃん!せっかく東京まで来たのに!」プンスカ
あかね(影薄い……え、誰が?……あかり?)
あかね(あのいつもキラキラしてて誰もが見惚れちゃうあかりのことじゃないわよね……)
あかり「あかり主人公なんだからね!影薄くなんてないよっ」プリプリ
あかね(……京子ちゃん。いつも私のあかりをそんないじりかたしてたのね)プルプル
あかね(お、おちつくのよあかね。おしおきは後にしないとバレちゃうわ)
京子「あはは、ごめんごめん!ジュースおごるから許して。な?」
あかり「わーい!じゃああかりプカリね」
あかり「それで、これからどうするの?」
京子「それはだなー。>>27」
あかり「え?///」
あかね(え?突然手を繋いで……あれって、恋人繋ぎ、よね?)
あかね(そ、そういうことなの!?あかりと京子ちゃんは、その、こ、恋人同士!?)
あかね(さっきの度を越した冗談も、深い仲である二人だからこそ許されてるってこと?)
あかね(そ、そんな……)ガーン
あかね(いつかは巣立ってしまう覚悟はしていたけれど、まだ中一よ?)
あかね(まだ数年は猶予があると思ってたのに……!)
あかね(……でも恋人に会うのなら昨日の嬉しそうな様子も納得が行くわね)
あかね(あ、移動を始めたわ。どこに行くのかしら)
あかね(もう帰ろうかしら……)
あかね(い、いいえ、諦めるのはまだ早いわ。帰るのは恋人の確証を得てからでも遅くない!)
あかね(……建物に入っていったようね)
あかね(なにかイベントをやってるみたい)
イベント内容>>35
よくやった
あかね(『あかりを愛でる会』……)
あかね「あかりを愛でる会!?」
あかね(い、いけない、つい大声を出しちゃったわ……)
あかね(え?この『あかり』っていうのは、私の『あかり』のことよね……?)
あかね(あかりは可愛すぎるから七森中でファンクラブくらい余裕で作られているかとは思っていたけど)
あかね(まさか全国規模になっていたとは……!)
あかね(あかり……我が妹ながら恐ろしい子。みんなあかりの虜なのね)
あかね(情報収集が疎かになっていたみたい。
身近にあかりがいる生活に満足しているからかしら)
あかね(……まだ恋人つなぎしてるわね。……あら?揉めてる様ね)
ちなつ「京子先輩ばっかりずるいですよ!」
結衣「今度は私の番だぞ!?」
京子「だってあかりが離してくれないんだも~ん。ね、あかり?」
あかり「>>42」
結衣「ほ、ほんと?聞いただろ?あかりが私のこと好きだって言ったぞ!」
ちなつ「いくら結衣先輩でもこれだけは譲れません!私を好きって言ったんですよ!」
京子「ささ、あの二人は仲良くしてるみたいだから私といっしょに行こ?」
あかね(……みんな自分勝手ね。あかりは誰も傷つけないようみんなが好きって言ったのに。
あかりの優しさを理解しないなんて、悲しいわね)
あかね(それに、あかりが一番好きなのはお姉ちゃんたる私なんだけどね、ふふ)
あかね(……そんなことしている間に会場に着いたようね)
あかね(これは……!)
会場内の様子 >>49
あかね(これは……、誰もいない!?)
あかね(ど、どういうことなの)
京子「ようこそ、あかりを愛でる会へ!」
あかり「え、誰もいないよ?あかりのその……ふぁ、ファンのみんながいるんじゃ」
京子「それはただの口実、あかりをぬか喜びさせたとしたら、ごめん」
結衣「そう。ここは私たちがあかりを愛でまくる会」
ちなつ「そして、あかりちゃんを一番愛でているのは誰なのかを決める会」
あかり「え?え?」
京子「つまりだ!いつも中途半端な態度を取っているあかりに
誰が一番好きなのかを決めてもらう会なんだよ!!」
あかり「ええええええええ!?」
あかね(な、なんですって!?)
京子「さあ、決めてもらうよ、あかり……」ユラーリ
あかり「>>58」
京子「あかり……。コムケの行われるこの聖地なら、と思ったんだけどやっぱり無理だったのか」
結衣「あかり、そうだよな。あかりは優しいから決められないよな?」ギュ
あかり「ゆ、結衣ちゃん?///」
結衣「だって一人を選ぶってことは、残り二人を拒むってことだもんな……」キラキラ
あかり「結衣ちゃん……///」ホワー
京子「おい!結衣お前なに理解してる振りして口説いてんだ!」
ちなつ「いつも以上にイケメンじゃないですかー!ずるいです!」
ちなつ「こうなったら……、>>68」
京子「私だって負けてられない!>>70」
結衣「受けて立つよ。>>72」
京子「完璧イケメンモードじゃないか!あんな結衣初めてみたぞ!?
本気ってことなのか……!」ゴクリ
ちなつ(妄想の中の結衣先輩に近い!?)ドキドキ
結衣「まあ今あかりは私の目の前なんだけどね。止められるかな?」
結衣「あかり……」ハムッ
あかり「……んっ!///」
ちなつ「きゃー!耳たぶ甘噛みって……う、羨ましい!するのもされるのも!!」
京子「やりやがったな結衣!うおおおおおお、とうっ!!」
結衣「あ、あれはルパンダイブ!?まずいっ、角度タイミングともにバッチリだ!!」
ちなつ「くっ、そうはさせませんよ!私の早着替えを見なさい!変身!!」
京子「!み、ミラクるん!?……し、しまった!!」
結衣「うわっ!こ、こっちに来るな!!」
ドガーン
あかり「……う、うぅ、いたたた。なんでこんなことに……」グスッ
あかね(あかりが泣いてる……!?>>80)
京子「……ってー。おい、結衣邪魔だどけよー!」
結衣「お前こそどけよ!」
ちなつ「今のうちよ!あかりちゃーん!」ダダッ
謎の声「待ちなさい!!」
3人「だ、誰!?」
シュタッ
謎の人「私よ」
京子「あかりの姉ちゃ、いやお姉さん!!」
結衣「え?帽子にサングラスかけた上マスクしてるのによくわかるな……」
ちなつ「えっ嘘っ!?」ガクガク
あかね「よくわかったわね、京 子 ちゃん?」ニッコリ
京子「ひっ」ゾクッ
京子「ど、どうしてここに……!?」
あかり「お姉ちゃーん!」グスグス
あかり「うう~、怖かったよう」ギュー
あかり「で、でもどうしてここに?」グス
あかね「ふふ」
あかね「お姉ちゃんはね、大好きなあかりがピンチの時にはどこにいようとすぐに駆けつけるのよ」
あかね「例え……富山から東京だろうと、ね」ニコ
あかり「……!お姉ちゃん!あかりもお姉ちゃん大好き!!」ギュー
あかね「ふふ。あかりったら」
あかね「さて、3人にはちゃーんと『お話』しないとね?」
3人「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
あかり「待ってお姉ちゃん」
あかね「あかり?」
あかり「>>90」
あかね「え!?」
京子(うわー、すっごい爆弾投げたな)
あかね「う、嘘、よね?お姉ちゃん絶対入っちゃ駄目って言ったもの」アセアセ
あかり「ごめんね……、あかりどうしてもお姉ちゃんの部屋が見たくなってつい……」
あかり「あかり、悪い子だよね……」クスン
あかね「そ、そんなことないわよ!あかりが悪い子だなんて、絶対に無いわ」
あかり「よかったぁ!お姉ちゃんならそう言ってくれるって思ってた!」パァ
結衣「ど、どうなってんだこれ?」
ちなつ「よくわかりませんが、助かったってことでしょうか?」
京子「私たちを助けてくれた……のかも」
あかね(うう……、あかりを見てもその心が読めない。あの部屋に入ってどう思ったの?)
あかね(自分からじゃ怖くて聞けない……。
あかりが追求してこないならこのままでも)
あかね「そ、それじゃ帰りまsy」
あかり「あかりね。お姉ちゃんの部屋を見て思ったんだ。>>102」
あかね(……!こ、これ以上、言わないで……お願い、あかり)
あかり「お姉ちゃんはあかりのことが大好きなんだ、って」
あかね「え……?」
あかり「最初はね、すっごくびっくりしたんだぁ」
京子(そりゃそうだろうなぁ……)
あかり「でもね。お部屋にいっぱいあったあかりの写真には、
あかり自身が知らなかった表情がたくさんあって驚いたり」
あかり「あかりが描かれてる抱き枕もぼろぼろになってて
たくさんお姉ちゃんが抱っこしてくれたんだなぁって思ったり」
あかり「書きかけの日記にも、あかりのことばっかり書かれてて」
あかり「お姉ちゃんは、あかりよりあかりを知っててくれてるんだって思ったら」
あかり「胸の奥がキュってなって、嬉しい気持ちでいっぱいになっちゃって」
あかり「それからあかり、お姉ちゃんといると、ちょっとドキドキするようになっちゃったんだ……」
あかり「あかり、おかしくなっちゃったのかな?
お姉ちゃんを見て、ドキドキするなんておかしいよね?」
あかね「あかり……。>>112」
あかり「え?」
あかね「きっと、お姉ちゃんの部屋へ入った時の驚きがまだ少し、続いちゃってるだけよ」
あかり「そ、そんなこと、ないよ!このドキドキは、びっくりしたドキドキとは違うよ……」
あかね「あかり。お姉ちゃんはあかりのことが大好きよ」
あかり「あかりだって……!」
あかね「でもね。それは妹として、家族として、好きなの」
あかり「え……」
あかね「ごめんね、あかり。お姉ちゃんの部屋のせいであかりが勘違いしちゃって」
あかり「違うよ!あかり感じたもん!お姉ちゃんの部屋で、
お姉ちゃんがあかりに、こ、恋してくれてるって、感じたんだもん!」
あかり「それなのに……酷いよ!お姉ちゃんなんか……大っ嫌い!!」ダッ
あかね「……」
京子「……あかり」
京子「いいんですか?これで」
あかね「いいのよ、これで。……いいのよ」ニコ
京子「ここにいるみんなわかってた!あかりには、ずっと一番好きな誰かがいるってことを」
京子「私も、結衣も、ちなつちゃんも……!」
京子「それでも諦めきれなくて、こんな場所を用意してまであかりの一番になりたくて」
あかりを泣かせてまで競ったのに」
京子「その一番の人は……」
京子「かっこよく登場して、おいしいところを掻っ攫って、あのあかりに告白までされて」
京子「私たちも、この人ならって思えた瞬間、ごめんなさい、だって」
京子「笑えないよそんなの!!」
京子「こうやってかっこつけるのが大人だっていうなら、私は絶対にならない!」
京子「お姉さんがあかりを放っておくなら、いいよ!私が無理矢理にでも恋人にしてやる!」
京子「傷心のあかりにつけこめるなんて、こんなチャンス二度と無いもんね!」
京子「……。いいんですね?私、本気ですよ?」
結衣「京子……」
ちなつ「京子先輩……」グスッ
あかね「……>>140」
私はもうあの家にはいられないだろうから
おいぃぃぃぃぃ
うわあああああああああ
私はもうあの家にはいられないだろうから」
京子「自分をごまかした上にあかり自身からも逃げる……、そう言うんですね」
京子「……」
京子「お姉さんなら……お姉さんならいいかって少しでも思った自分が恥ずかしいよ!」
京子「もうこれ以上あかりを放っておけない!」
京子「あかりー!!」ダダッ
結衣「ちなつちゃん……私たちも行こう」ダッ
ちなつ「……はい!」
ちなつ「私のお姉ちゃんは、お姉さんのこと『自慢の友達』って言ってました」
ちなつ「でもきっと、今のお姉さんを見たら……悲しい気持ちになると、思います」
あかね「……」
ちなつ「……失礼します」ダダッ
あかね「……ふふ。独りぼっちになっちゃった」
あかね「だって……。だって仕方ないじゃない!」
あかね「私とあかりは……家族、なんだもの!!」ポロポロ
あかり「京子ちゃん……」
あかり「えへへ……、振られちゃった」
あかり「初恋が実らないって話、ほんとなんだねぇ」
京子「あかり……」ウルッ
京子「……」グシッ
京子「安心しろ、あかり!あかりの分までお姉さんに言いたいことぶちまけてやってきたから!」
あかり「あはは、京子ちゃんたら」
あかり「でも……お姉ちゃんのことは、悪く思わないでね」
あかり「きっとあかりのことを思って、ああ言ったんだろうから……」
京子「あかり……。お前、強いな」ナデ
京子「私だったら、相手のことなんて考えてる余裕なんて、きっと無いよ」
あかり「ううん、強くなんか無いよ。ただ……あかりは信じてるの」
京子「信じてるって……なにを?」
あかり「お姉ちゃんは、あかりの幸せを一番に考えてくれてる、ってこと」
あかり「あかりにとっての一番の幸せは、お姉ちゃんに本当の意味で、
『大好き』って言ってもらうことだって」
京子「はあ……、なんというか」
あかり「?」
京子「付け入る隙がないっつーの!」
京子「泣いてるあかりをなぐさめて、京子ちゃん好き好きー!
って状態にしてやろうと思ったのに」ハァ
あかり「あははっ、ごめんね京子ちゃん」
京子「でもあかりが笑ってくれててよかった」
京子「泣いてるあかりなんてやっぱり見たくないからなあ」
あかり「……」パチクリ
あかり「……ふふ、お姉ちゃんがいなかったら、惚れちゃってたかも」
京子「お、お前///そんな冗談言えるようになったのかよ!」
結衣「おーい」
ちなつ「あかりちゃーん」
あかね「……はぁ。帰りましょっか」
あかね「家を出るならバイト増やさないといけないわね」ハァ
オネエチャーン
あかね「あかり?」
あかり「お、お姉ちゃん……、
可愛い妹を放っておいて、一人で帰っちゃうの?」ハァハァ
あかね「え?……だ、だって私あかりに酷いこと」
あかり「あかり、大丈夫だよ!お姉ちゃんに振られて、
初恋は終わっちゃったけど、もう新しい恋見つけたから!」
あかね「……そう。よかったわね」ニコ
あかり「あかりね。いつもにこにこして、あかりを優しく見守っててくれるお姉ちゃんしか知らなかったけど」
あかり「でも今日は、かっこいいお姉ちゃん、怒ってるお姉ちゃん、慌ててるお姉ちゃん、
そして……悲しそうな、お姉ちゃん。いろんな新しいお姉ちゃんを見ることが出来たよ」
あかり「だからね。あかり、その新しいお姉ちゃんにまた恋しちゃった!」
あかね「え……!」
あかり「あかり、このくらいじゃ負けないんだから!」
あかり「行こっ、お姉ちゃん」グイッ
あかね「あっ、あかり、引っ張らないで」
あかり「早く早く!京子ちゃんたちが待ってるんだから~」グイグイッ
あかね「も、もう。仕方の無い子ね……。ふふふ」
あかりに引かれる腕を見ながら思った。
小さい頃、私についてまわっていた甘えん坊のあかりが、
もう一人でちゃんと歩いていっているんだと。
私を引っ張っていけるくらいの強さを、持っているんだと。
そして、このままあかりに引っ張られていたい、そんな甘えたような
気分を味わいながら、東京を後にした。
どんどん成長していくあかりに、嬉しさと、ほんの少しの寂しさを感じながら
帰りの電車の中、寝ているあかりの頬にキスをした。
さっき、自分が隠したはずの恋心を抑えきれずに。
おわり
付き合ってくれた人たちありがとう
安価スレにしては上手くまとまったな
こうなることを誰が予想しただろうか
ラスボスではなくヒロインのあかねさんも素敵です
乙
Entry ⇒ 2012.07.15 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ちなつ「…京子先輩って、襲い甲斐がありますよね……?」
ちなつ「……」
京子先輩が私の家にやって来た。
結衣先輩に「今日は用事があるから」と、部屋から追い出されたらしい。
図々しくも、部屋に入って来ると同時に漫画を物色し、今はベッドの上でそれらを読んでいる。
ちなつ「それにしても、どうしてわざわざ私の家に来るんですか?」
京子「だって~。あかりも出かけるって言うし、それならちなつちゃんの家に行こうかと」
自分が一番最後の選択肢というのに、何となく少しムッとする。
ちなつ「全く……。自分の家で大人しくするっていう考えは無いんですか」
京子「うにゅ?」
ちなつ「可愛く言ってもダーメ!」
アハハと笑いながら京子先輩は漫画に目を移した。
京子「ちなつちゃんって漫画のチョイスがすごくいいよね」
ちなつ「はいはいそーですか……」
京子「うんうん、そんなちなつちゃんが大好き!ちなちゅー!」
ちなつ「やめいっ!」
思わず溜息が出る。
そんな京子先輩に一泡吹かせてやりたい……
ちなつ「私は京子先輩のこと嫌いですけどね」ツン
京子「またまた~。お互い愛を誓い合った仲ではないか」
チラっと京子先輩の様子を伺う。
口ではいつも通りに振舞っているが、目が泳いでいた。
そんな動揺している姿が少し楽しくて、演技を続けてみる。
ちなつ「そんな事ばっかりしていると、色んな人に嫌われちゃいますよ」
京子「そ、そんな……。えと……」
京子先輩の声に余裕が無くなる。
普段色んな人からどんなツッコミを受けても無問題。
だけど、「嫌い」と直球で言われると堪えるみたい。
京子「ちなつちゃんは私のこと、嫌いじゃ…ないよね…?」
ちなつ「……」ゾクッ
京子「…あ、あの……、返事をしてくれると、嬉しいな……」ニコ
京子先輩が弱々しく微笑む。
いつもとは打って変わって、まるで小動物のよう。
先輩をいじめて興奮しているなんて、私って嫌な奴だ…。
京子先輩が寝転がっている体勢から、ベッドの端に座り直した。
うん。
逃がさない。
ちなつ「」グイ
京子「わっ」ドサッ
無言で京子先輩を押し倒す。
ふふ、そんな弱々しい目で見つめられると……。
ゾクゾクするじゃない……。
京子「ち、ちなつちゃん?」
ちなつ「…京子先輩って襲い甲斐がありますよね……?」
私は人差し指と中指を京子先輩の口に入れ込んだ。
京子「あふっ、ひ、ひなふひゃん」
彼女の柔らかい舌を2本の指で弄ぶ。
普段は軽口ばかり叩いている口内を蹂躙する。
京子「どおひへ…、あぅっ。んん」
力なく押しのけるような、ささやかな抵抗。
いや、そんなの抵抗のうちに入らない。
だって私の指を噛んでしまえば済む話だ。
ちなつ「京子先輩って本当はとっても優しいですよね……。そんな所、私は好きですよ」
そう言って指を少し奥へ突っ込む。
京子先輩の身体がピクッと震えた。
ちなつ「安心して下さい。吐かせるようなマネはさせませんから……」
しばらく指を突っ込んでいると、京子先輩の目から涙が溢れてきた。
多分、生理的な現象なんだろうけど、まるで私が彼女を支配したみたいで興奮してくる。
京子「」コクコク
微かに首を縦に動かす。
でも、やめない。
ちなつ「京子先輩……、可愛い……」
段々と、彼女がグッタリしていくのが分かる。
体力を奪われて、ダランとした温かい身体が私の下に存在していた。
少し指を動かすと、京子先輩の呼吸が浅く、速くなった。流石に本当に苦しそう。ちょっとやりすぎたかな。
…目元を濡らして、口から涎を垂らしながらハアハアしている姿は、誰かに犯されたようにしか見えない。
私はゆっくりと指を引き抜いた。
ちなつ「京子先輩」
そう言って、私は自分の指を舐め上げた。
京子先輩は虚ろな目をしてそれを眺める。
京子先輩をいじめてゾクゾクするなんて今まで無かったはずなのに……。
この既視感はなんだろう……?
私は彼女の服を捲り上げる。
ちなつ「京子先輩の下着、可愛いですね」
京子「うぅ、恥ずかしいよ……///」
もはや興奮材料にしかならない言葉を無視してブラを外すと、小ぶりの胸が姿を現した。
私は両手を胸の上に置き、ゆっくりと円を描くように撫で回す。
京子「んっ」ビクッ
ちなつ「京子先輩……。気持ちいいですか?」
京子先輩は答えない。ただ、目をつぶって荒い息を吐くだけだ。
私は耳元で囁いてみる。
ちなつ「京子先輩…、気持ちいいのは分かっているんですよ……。ねぇ…もっと……自分を解放しましょうよ……」フゥ
京子「ひっ」ゾクゾク
耳に息を吹きかけると京子先輩が小さく悶えた。分かりやすい反応。
まだだ…。これからジワジワと彼女を快楽の沼に引き込んで、決して抜け出せないようにしてやる。
ゆっくり、じっくり……。ね。
京子「あっ」ビクン
ちなつ「可愛いです…京子先輩」
段々と快感に支配されていく。
そんな「堕ちる」様子を感じ取りながら、耳元でささやき続ける。
ちなつ「ふふ、京子先輩……、すごく気持ちよさそう……」
京子「やっ……、んっ」ゾク
ちなつ「私の言葉に耳を傾けてくださいね。京子先輩」
ちなつ「京子先輩は今、とても気持ちいい……。歳納京子はすごく気持ちがいい……」
京子「はぁはぁ」ゾクッ
ちなつ「ほら…、京子先輩は気持ちがよくて堪らない……。そうですよね?」
京子「んんっ」ゾクゾク
ちなつ「気持ちいい……、溶けちゃいそう……。もう、そのことしか考えられない……」
耳を舐めると、彼女は小さく声をあげる。
京子「やぁ…」ゾクゾク
ちなつ「ふふ。ねぇ……、今度は『気持ちいい』って、声に出してみましょう……?京子先輩ならきっと出来ます」
ちなつ「気持ちいいって声に出すと、京子先輩はもっともっと、気持ちよく、なれますよ……」
京子「んっ……あっ」ハァハァ
ちなつ「声に出すと、今私は気持ちいいんだって実感できますし、本当の自分に気付くことができるんですよ」
ちなつ「快楽を欲している自分に……ね」
ちなつ「京子先輩が気持ちいいと、私もすごく幸せで、気持ちよくなれるんです」ニコ
今のは別に間違っている訳では無いんだけど、なんだか京子先輩の優しさを利用しているみたい。
京子先輩、本当は周りのことをすごく考えている人だから…。
私ってやっぱり黒いのかな…?
ちなつ「さぁ、私に続けて言ってみてください。『気持ちいい……』」
京子「はぁはぁ」
京子「……き、気持ちいい……」
京子「気持ちいいよぉ……」ゾクゾクッ
息を荒げながら涙目で答える。
気持ちいいと言った時、彼女の身体が小さく跳ねるのが分かった。
京子先輩って絶対Mっ気あるよね……。
ちなつ「ふふ、よく出来ました。そう、京子先輩は今とっても気持ちがいいんです。とっても……」
私はそれまで胸を撫で回していた両手を止めた。
そして親指と人差し指で乳首を優しくつまみ上げ、コリコリと動かす。
京子「あんっ!」ビクッ
京子「やんっ……あぁっ!」ビクンッ
ちなつ「ねぇ、京子先輩。こっちを向いて下さい」コリコリ
京子「そ、そんなの恥ずかしいよぉ……んっ」
ちなつ「だぁめ。ほら、こっちへ顔を向けて下さいよぉ」
京子「うぅ……あんっ」ハァハァ
京子先輩が恥じらいながら私の顔を見つめる。
乳首をコリコリされて、とろっとろの顔で喘いでいる姿を見ただけで、私の方がイってしまいそう……。
ちなつ「はぁはぁ、京子先輩、すごくえっちな顔してます」
京子「やぁっ!……あっ!」ビクンッ
ちなつ「切ないでしょう?堪らないでしょう?京子先輩っ」
京子「はぁはぁ、ちなつちゃぁん」
ちなつ「あぁ…すごくいいです……京子先輩」
京子先輩が誰にも見せたことがない顔、こんなにいやらしくて可愛い顔を独占している……。
もっと、もっとよがらせてあげたい……。
何だか人の乳首を舐めるのって、想像してた以上にドキドキする……。
京子「やぁ……んっ」ビクッ
舌の表面で先端をゆっくり撫で上げると、京子先輩は溜息のような声を漏らし、舌先でチロチロ舐めると切なそうに身体をモジモジさせる。
そして軽く甘噛みすると小さく声をあげて身体を震わせた。
そんな反応一つ一つが愛おしい。
ちなつ「京子先輩、キス、しましょう?」
京子「はぁ、はぁ……」
否定も肯定もされない。私はそれを肯定だと受け取って、そのまま京子先輩と唇を合わせた。
ちなつ「んっ」
京子「んぅ」
温かくて柔らかい。唇って身体の中でもすごく敏感な箇所だって聞いたことがある。
もっと深く繋がりたくて、舌を入れてみる。
京子「っ!」ビクッ
少し驚かれたけれど、すぐに私を受け入れてくれた。
京子「んん、んむ、ちゅ」
ちなつ「ぷはっ」
京子「ぷはっ」
はぁはぁ、とお互い荒い息をつくも、少し時間を置いてから再びキスをする。
途中から抑えきれなくなって膝を京子先輩の大事な部分に押し付けながら、自分のを相手の太ももに擦り合わせた。
必死に脚を絡ませ合う姿は、きっと中学生に似つかわしくないだろう。
ちなつ「んっ、ふっ、ちゅ」
京子「ふぁ、んんっ、んぁ」
キスの合間合間に喘ぎ声が漏れてきて、それが更なる興奮を生む。
お互い服と下着を取り去って、胸を合わせ、抱きしめるような形でキスを繰り返す。
ちなつ「んっ、はぁはぁ」
京子「はぁはぁ。ち、ちなつちゃん」ギュ
私の名前を呼んでぎゅっと抱き締めてくれる京子先輩。
彼女の乱れた吐息を肌で感じる。
京子先輩……。最後までしてしまったら、どんな可愛い反応をみせてくれるのかな……。
右手を彼女の秘所に滑りこませる。
京子「あんっ!」ビクッ
京子先輩の身体が跳ねる。
ソコ自体は穏やかな快感がゆるゆると続いていただけだから、直接的な刺激は今が初めてのはずだ。
割れ目に沿って何度も撫で上げる。
京子「や、あ、ダメッ。んっ」ビクン
ちなつ「今さらダメも何も無いですよね、京子先輩」ニコッ
京子「やぁっ、あんっ、そ、そんなぁ、んんっ」
私は京子先輩の言葉を無視して秘所を刺激し続ける。
京子「だ、だってぇ、ちなつちゃんの前で、あんっ」
京子「ぃ、いっちゃうの、はずかしいっ///」
ちなつ「今から最高に気持ちよくなれます。そうですよね、京子先輩?」
京子「やぁっ、あんっ」ゾクゾクッ
ちなつ「……イっちゃえ」
耳元でそう囁いて、手の動きを加速させた。
京子「あっ、あっ、もう、だめっ」ビクッ
京子「あっ、あっ、やぁ、あっ、あぁ!」ビクンッ
京子「――――――――――――っ!!!」ビクビクッ
京子「っはぁっ、はぁっはぁ」
ぎゅっと私の身体を抱き締めて、京子先輩はそのまま達してしまった。
私が、京子先輩をイかせたんだ……。
京子先輩はまだ荒い呼吸を続けている。恐らく余韻に浸っているのだろう。
ちなつ「…」
でも、私はまだ物足りない……。
京子先輩が余韻に浸っているうちに……・
ちなつ「んっ」クチュ
右手で自らを慰める。京子先輩に見つかるかも、だとか。そんな事を考えている余裕は無かった。
ちなつ「はぁはぁ」クチュクチュ
このまま……。
もうちょっとで……。
ちなつ「あっ」
京子先輩が起き上がって私の右手を抑えた。
ちなつ「あのっ…その、こ、これは……」
京子「いいよ」
京子「私がしてあげる」ニコッ
ちなつ「そんな……」
京子「へへっ。ちなつちゃんには、いっぱい気持ちよくしてもらったからね。お返しだよん」
そんないたずらっぽい言動とは裏腹に、京子先輩の手つきはとても思いやりがあって。
何度も何度も耳元で優しく名前を囁いてくれて。
「喘がされる」っていうのはやっぱり恥ずかしかったけれど、それでも今までで一番満たされた絶頂を迎えることが出来た。
ちなつ「えっ」
京子「だってさ」
京子「私、初めてだったのに……」
ちなつ「」
京子「ちなつちゃん……」ギュッ
ちなつ「きょ、京子先輩……」ドキッ
京子「責任、とってくれるよね?」ニコッ
ちなつ「せ、責任って……」
京子「私、これからちなつちゃんの側にずっといるから」
京子「ちなつちゃんのこと、いっぱい楽しませて、いっぱい幸せにするから」
京子「ちなつちゃんはそれを受け入れること!」
ちなつ「…」
京子先輩、何だか重いです……。
ちなつ「あああああああああ」アタマカカエ
京子「……いいよね!ちなつちゃんっ」ニコッ
本当は優しくて思いやりのある京子先輩なら。
一緒になってもいいような気がして。
でも、素直にハイと答えるのは気に食わなかったから、
今はそっぽを向いて軽く頷くだけにしておいた。
終わり
ちなつちゃんにはもっと鬼畜なことをさせようかと思っていたのですが、かなりマイルドな感じになってしまいました。
次はひまさくで書いてみたいですね。
割とノーマルな感じでいくか、ややMッ気のある櫻子ちゃんでいくかは考え中。
乙やで
Entry ⇒ 2012.07.14 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ちなつ「結衣先輩、王様ゲームしましょうよ!」
ちなつ「あ、その、嫌だったらいいんですけど……」
結衣「ううん、ちなつちゃんからこういう事をしようって、なんか新鮮だったから」
ちなつ「ふふ、いつもは京子先輩が遊びの内容考えてましたもんね」
結衣「そうそう、だからちょっとビックリしただけだよ」
ちなつ「そうですか、良かったぁ……」ゴソゴソ
結衣「あかりと京子の他にも生徒会の人が来たら盛り上がりそうだね、ふふ」
ちなつ「結衣先輩、どうぞお先に割り箸引いてくださいっ!」ニコッ
結衣「ふ、二人きりで王様ゲームするの!?」
ちなつ「えっ?」
結衣「えっと、べつに変なことを言ったとは思わないけど」
ちなつ「はぁ、良かったてっきり嫌われちゃったのかと……」グスッ
結衣「嫌いになるなんてとんでもないよ、らしくないよちなつちゃん」
ちなつ「……そうですよね、もっと押せ押せで行きますよ!」ニコッ
結衣「……ふふ、いつものちなつちゃんだね、良かった」
ちなつ「さぁやりましょう、何でもありの王様ゲームですよっ!」
結衣「あはは……ほんとにやるんだ」
ちなつ「……きゃっ、いきなり私ですね♪」
ちなつ「どんなことにしようかな、えーっと、うふふ」ニコニコ
結衣「……楽しそうだなぁ、ふふ」
結衣「まぁちなつちゃんと交友を深めると思えば、悪いことでもないよね」
結衣「そんなハードなことをするってこともないだろうし――」
ちなつ「王様と一番がキスしちゃいます……」モジモジ
結衣「……」
ちなつ「あわわわわっ、おでこくっ付けてもらえるなんて……」
結衣「キスって、あのキスだよね?」
ちなつ「……は、はい、たぶんそのキスですっ」カァー
結衣「分かった、……王様ゲームの命令は絶対だもんね」
ちなつ「……ごくっ」
結衣「それじゃ今から釣りに行こうか」ニコッ
ちなつ「えっ?」
結衣「キスは天ぷらにすると美味しいよね、よく実家の食卓に出たんだ」
結衣「でも自信ないな、そもそもキスってこの時期釣れるんだろうか……?」
ちなつ「……もう結衣先輩、そっちのキスじゃないですよ!?」
結衣「……ほ、ほんとにするの?」
ちなつ「……お、王様ゲームは絶対ですから」
結衣「……で、でも、私そんなことしたことないし」
ちなつ「私だってキスなんてしたことないですよっ!!(大嘘)」
結衣「……」ジトッ
ちなつ「はっ、はぅ、そんな見つめないでください……」
結衣「ちなつちゃん、去年の夏あかりとお家の玄関先でしてなかったっけ?」
ちなつ「……」グスッ
ちなつ「実は転んだときあかりちゃんに覆いかぶさってしまって……」
ちなつ「故意では無かったんです、……お互い納得いかないままで」
結衣「……ちなつちゃん」
ちなつ(ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……)
本番もちゃんとやらないといけないもんね…
ちなつ「あっ、……はぁ、結衣先輩」
結衣「ゴメンね疑ったりなんかして、……ただ分かってほしいんだ」
ちなつ「……?」
結衣「……私やっぱりそういうことするのまだ怖くて」ギュッ
結衣「あはは、私の方が一つ上のお姉さんなのに情けないよね」
ちなつ「……結衣先輩、声震えてます」
結衣「わ、私にとって、初めてのキスだから……」
結衣「……」ギュッ
ちなつ「わっ、ぷ……えへへ、温かいなぁ」
結衣「自分の意思でしようとするのは、これが初めてってことだよ」
ちなつ「ふふ、あのときは大変でしたね……」
結衣「……最後に聞かせてほしいな」
結衣「私で本当にいいのかな、……他にしたい人がいるんだったら」
ちなつ「……鈍すぎますよ、したくないならこんなゲーム提案しません」ギュッ
結衣「……そっか」
結衣「……」ドキドキ
ちなつ「結衣先輩の匂いっ、頭くらくら、しちゃいます……」
結衣「……あれ、ちなつちゃん、王様と一番がキスするんだよね?」
ちなつ「はい、えへへ……幸せ」スリスリ
結衣「私が引いたこの割り箸二番なんだけど」
ちなつ「……は?」
ちなつ「えっ、え、そんなのウソですよぉ……」グスッ
結衣「おっちょこちょいだなぁ、次やるときは気を付けようね」
ちなつ「……」
ちなつ「も、もう一回王様ゲームしますよね、ね?」
結衣「もちろんだよ、ちなつちゃんも気が済まないだろうし」ニコッ
ちなつ「結衣せんぱ~い……」グスッ
ちなつ「それじゃお互いもう一回割り箸を引いて……」
京あか「こんにちはー、遅れてゴメンねっ!」ガラッ
ちなつ「……」
あかり「ふふ、暑いのによくやるよね京子ちゃんも」
ちなつ「……ふふ」ジワッ
ちなつ「あはは……」ポロポロ
京子「ち、ちなつちゃん、笑いながら泣いてどうしたの!?」
ちなつ「あははっ、そうですよねこれが日ごろの行いですよね!」
あかり「……ゆ、結衣ちゃん、なにかあったの?」
結衣「……いやー、こればっかりは説明できないかな」
結衣「あまりイジワルしちゃダメだよ、まったく」
京子「あはは、愛情の裏返しさあかり」
あかり「そ、そんな愛情いらないよぉ……」グスッ
結衣「……」チラッ
ちなつ(そうだよね、これはきっとウソを付いた罰かな)
ちなつ(私があかりちゃんのことを押し倒したのに、偶然だなんて)
ちなつ(……こんな悪い子には、神様もプンプンかな)
ちなつ(あと少しだったのに、……もうチャンスなんてないかもしれないのに)
ちなつ「っ……」ジワッ
結衣「ちなつちゃん、具合でも悪いの……?」
ちなつ「えっ、えへへ、大丈夫ですよっ、ちょっとゴミが」クシクシ
結衣「でもとっても辛そうだよ、ほんとになにもない――」
ちなつ「……ほ、放っておいてくださいよ、平気ですから!!」
結衣「……ご、ゴメン」
ちなつ「あっ……わ、私ちょっと用事あるんで学校の方に行ってきます」スッ
バタンッ……
あかり「そうだねぇ、何があったんだろうね~」
結衣「……」ズズッ
京あか「……」ジッ
結衣「な、なぁに二人とも、私の顔に何かついてるかな?」
京子「ちなつちゃんとケンカでもした?」
結衣「……し、してないよ」
あかり「それならどうしてあかりたちから目を離すの?」
結衣「……逸らしてなんかないよ~」
あかり「そうだねぇ、ちょっと涙ぐんでたね」
結衣「……」ズズッ
京あか「……」ジッ
結衣「もう、私の顔見ても面白くないだろ……」
京子「ちなつちゃんに何かひどいことでもしたの?」
結衣「……分からない」
あかり「心当たりはあるんだ?」
結衣「……」
あかり「それなら結衣ちゃんが隣にいてあげなきゃ」ニコッ
京子「……今日だけだからね」
結衣「えっ?」
京子「今日一日だけはちなつちゃんのこと貸してあげる!」
結衣「もー、お前はちなつちゃんのなんなんだよ……」
京子「えへへ……上手い言葉が思いつかないなら、側にいてあげるだけでもいいと思う」
あかり「うんうん、きっと喜んでくれるよ」
結衣「……」
結衣「ふふ、あまりため息ついてたら幸せも逃げちゃうよ」
ちなつ「うひゃあっ!?」ビクッ
結衣「わっ!……ご、ごめん驚かせちゃったかな」
ちなつ「……」フルフル
結衣「風邪とか引いてないよね、……ほんとに心配で」
ちなつ「大丈夫ですよ、体はいたって健康ですから!」
結衣「……」ホッ
結衣「ちなつちゃん、ちょっとこっち来てくれるかな」グイッ
ちなつ「へっ!?」
結衣「きっと喜んでくれる、秘密の場所があるんだ」グイグイ
ちなつ「あわわわっ、結衣先輩どこ行くんですか~」
結衣「……先生に見つかったらきっと怒られちゃうかも、ふふ」
バタンッ!
ちなつ「わぁ、きれいな夕日……」
結衣「屋上なんて普通は立ち入り禁止なんだけどね、……二人だけの秘密だよ」ニコッ
ちなつ「……結衣先輩」
ちなつ「はい……」
結衣「……やっぱり、まだその顔してる」
ちなつ「えっ?」
結衣「私じゃちなつちゃんを笑顔には出来ないのかな……」
ちなつ「いえ、……私、結衣先輩にウソついてしまったんです」
結衣「……」
ちなつ「自分がしたことなのに、偶然だって最低な言い逃れしてしまって……」グスッ
結衣「……」ギュッ
ちなつ「あっ……」
ちなつ「わ、わたしっ、悪い子で、……ひっ……ウソつきでっ……」グスッ
結衣「ちなつちゃんは悪い子なんかじゃないよ、絶対に」
ちなつ「でっ、でも……」ポロポロ
結衣「本当に悪い子だったら正直に言ったりしないからね……」ギュッ
結衣「誰もちなつちゃんを責めたりなんかしない、……だから泣かないで」
ちなつ「……うっ、う……」グスッ
結衣「誰だって多かれ少なかれウソを付くことはあると思うんだ」
結衣「ふふ、私だって何回もあるしね」
ちなつ「……ほんとですか?」
結衣「お母さんに怒られるのが嫌で、ネギを食べたふりして庭に捨てたり……」ボソッ
ちなつ「……ぷっ、ふふ」
結衣「ちなつちゃん、いま笑ったでしょ!?」
ちなつ「……そのあとちゃんと謝りましたか?」
結衣「うん、やっぱり隠し事するのはモヤモヤしちゃって……」
結衣「……うん、どんなことをしたのかは聞かないけど、それがいいと思うよ」
結衣「あかりは優しいから、きっと分かってくれる……」ギュッ
ちなつ「はい……えへへ、ありがとうございます」ニコッ
結衣「良かった、やっとちなつちゃんの笑顔が見られたね」
ちなつ「みなさんにいらない心配かけちゃいましたね、戻りましょうか!」
結衣「……ちょ、ちょっと待って」
ちなつ「どうしたんです、早く行かないと京子先輩がぐずっちゃいますよ」ニコニコ
結衣「さっきははぐらかせてゴメンね、……ちなつちゃん」スッ
ちなつ「えっ、えっ、綺麗なお顔が近づいて、キス――」
ガッツン!!
結ちな「……」ヒリヒリ
結衣「……ご、ごめんなさい」
ちなつ「ぷっ、あはははは、目を閉じるタイミングが早すぎますよ~」
結衣「そ、そんな笑わなくても……」カァー
結衣「うん……」
結衣「すぅ……はっ……」チュッ
ちなつ「んっ……」ギュッ
ちなつ(やっぱり、結衣先輩のことを好きなんだろうな)
ちなつ(誰よりも優しくて、誰よりもカッコよくて、……でもちょっと頼りなくて)
ちなつ(大人みたいで子供みたいな、そんな結衣先輩が……)
ちなつ(憧れなんかじゃない、これは恋してるってこと)
ちなつ(……大好き)ギュッ
結衣「ゆ、夕日のせいだから、絶対そう……」
ちなつ「……」ギュッ
結衣「帰るんじゃなかったのかな、ふふ」
ちなつ「あと五分だけでいいんです、それで満足ですから」
結衣「……本当に五分だけでいいの?」
ちなつ「結衣先輩ってけっこう意地が悪いですよね……」ギュッ
ちなつ「……初心なくせに」
結衣「……ふふ」
ちなつ「……?」
結衣「ちなつちゃんって私に対しては堅苦しいところがあったから」
結衣「今みたいにちょっと憎まれ口を叩いてくれるのが……」
ちなつ「……やっと隣に立てたんです、今までは一歩下がってましたから」
結衣「これからも出来ればそうしてくれるとありがたい、かな」
ちなつ「分かりましたっ、これからはもう容赦しませんからね?」ギュッ
結衣「……ふふ」
ちなつ「……隙あり」チュッ
結衣「あっ……もう、不意打ちはダメだよ、めっ」
ちなつ「それじゃあ、前もって言ったらいくらでもしていいんです?」
結衣「うー……なんか振り回されてるな、私」
ちなつ「ふふ、結衣先輩への態度は変わっちゃいますけど……」スッ
結衣「ち、ちなつちゃん、あまり立ち上がったら先生に見つかるよ!?」
ちなつ「見つかってなんぼのもんです……すぅ」
ちなつ「結衣先輩、だあああああああいすきいいいいいいいいいい!!!」
ちなつ「……あはは、すっきりしたー!」
ちなつ「いいんですよ、そっちのが好都合です」
ちなつ「……この気持ちだけは、ずーっと変わりませんから」ギュッ
結衣「……うん」
ちなつ「何年でも何十年でも、私はずーっと待ってますからね」
結衣「……」フルフル
結衣「わたっ、わたしも、ちなつちゃんが――」
おしまい
乙
結ちなすばら
Entry ⇒ 2012.07.12 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ちなつ「最近、京子先輩の可愛さに気づきました」
完!!!
あかり「ふ、ふーん」
ちなつ「こないだもね、お菓子食べてる時、ちょっと指が油っぽくなったから舐めてくださーいって言ったの」
ちなつ「あ、勿論、冗談でだよ?」
あかり「う、うん」
ちなつ「そしたらさ、京子先輩、顔を赤らめて、私の指を、ちゅぱちゅぱって……」
ちなつ「舐め始めたの!」
あかり「へ、へえー」
ちなつ「どれだけ私のこと好きなんだろうね、京子先輩って」
ちなつ「あー、もー、涎でべちょべちょじゃないですか、京子先輩どうしてくれるんですかこれ」
ちなつ「って言ったらね」
あかり「ち、ちなつちゃん、それは酷いよぉ」
ちなつ「酷くないって、だって、京子先輩こういうの言われて喜ぶんだもん」
ちなつ「でね、でね、私にそう言われたら京子先輩困った顔して」
ちなつ「自分の制服で私の指拭いてくれたの」
ちなつ「その時の拭き方がね、もう、私の事が好きなんだーって判るような拭き方で」
ちなつ「そう、まるで芸術品を拭くかのように丁重に……」
あかり「……」チュー
ちなつ「あかりちゃん?ジュースばっかり飲んでないでちゃんと聞いてよ?」
あかり「あ、あはは、ごめんね、ちなつちゃん」
あかり(指舐めてもらうのとか、十分スキンシップなんじゃ……)
ちなつ「あかりちゃん?」
あかり「あ、うん、聞いてるよちなつちゃんっ」
ちなつ「それで、あの……ちょっと言いにくいんだけど」
あかり(さっきのより言いにくい事なんだ……)チューッ
ちなつ「私の、おっぱいをね、京子先輩に吸って貰ったの」
あかり「ぶふーっ!」
あかり「ごほっごほっ……ご、ごめん、ちなつちゃんっ」
あかり「……って言うか」
あかり「おっぱい?」
ちなつ「うん、おっぱい」
ちなつ「だって、京子先輩、いつも甘えた声でちゅっちゅーって言いながら胸に飛び込んでくるし」
ちなつ「だから、あの、私のおっぱい吸いたい願望でもあるのかなって……」
ちなつ「だから、あの、あくまで……ほら、ペットにあげるご褒美的な意味で、ね?」
あかり「お、おっぱい、吸ってもらったの?」
ちなつ「///」コクン
あかり「ふ、ふーん……」
ちなつ「だって、京子先輩、凄く、その……ソフトな感じで……」
ちなつ「赤ちゃんがお母さんをおっぱいを吸うみたいな感じで、あの……吸ってくれたから……」
ちなつ「私も、ああ、京子先輩可愛いなって……思っちゃって……」モジモジ
ちなつ「こういうの、母性本能って言うんだよね?恋愛感情とかじゃないと思うの……」
ちなつ「だから、だからね!思わず京子先輩を抱きしめちゃっても変な事じゃないの!」
あかり「……う、うん」
あかり「し、信じてるよっ」
ちなつ「ちょっと待ってて、証拠見せるから……」ゴソゴソ
あかり(……証拠?)
ちなつ「ほら、携帯の待ち受けにしてるんだ」スッ
あかり「え……」
ちなつ「ね?ね?この京子先輩、母性本能感じる顔してるでしょ!?」
あかり(ち、ちなつちゃんのおっぱいも映ってるよぉ///)
ちなつ「もう、大変だったんだから、慰めるの」
あかり「そ、そっか……」
ちなつ「だってね、謝っても、宥めても、全然泣きやまないんだよ?」
あかり「うん、京子ちゃんを泣きやませるには、ちょっとコツがいるしね」
ちなつ「そんなコツなんか判んないよぉ」
ちなつ「まあ、京子先輩を撫で撫でしてあげたら、泣きやんでくれたんだけどね」
あかり(あ、その辺はあかりと一緒の慰め方だなあ)
ちなつ「お尻とか、特に喜んでくれてたよ」
あかり「……え?」
あかり「あ、あの、ちなつちゃん?お尻って……」
ちなつ「もー、やめてよあかりちゃん、お尻の話好きなの?」
あかり「ち、ちがうよぉっ///」ブンブン
ちなつ「けど、京子先輩のお尻って、こう、キュッと締まってて、これがまた可愛いんだ」
ちなつ「触るとひゃんひゃん鳴いてくれるし」
あかり「///」
んっ、やっ、やだっ、ちなつちゃんっ、そ、そんなのっ
あかり「……!?」
ちなつ「あ、京子先輩からの着信だ」ピッ
ちなつ「はい……はい、あ、大丈夫です」
ちなつ「も、もう、変な事言わないでください、怒りますよ?」
ちなつ「駄目です……怒りました……」
ちなつ「許してほしいです?」
ちなつ「……そんな悲しそうな声出さないでください、今回だけは許してあげますから、ね?」
ちなつ「はいはい、怒ってませ怒ってません」
ちなつ「ふふふ、もう、京子先輩ったら」クスクス
ちなつ「はい、じゃあ、15時に公園で、はい」
ちなつ「別に楽しみになんてしてないですよ、仕方なくですっ」
ちなつ「はいはい、車には気をつけますって、お母さんですか京子先輩は」
ちなつ「はーい、じゃあ、また2時間後に」
あかり「ちなつちゃん、京子ちゃんとデート行くの?」
ちなつ「……は?」
あかり「2時間後に公園でって言ってなかった?」
ちなつ「い、言ってたけど、デートって何?」
ちなつ「どーして私が京子先輩とデートしないといけないの?」
あかり「ち、ちがうの?」
ちなつ「違うよ!全然違う!結婚式と初デートくらい違う!」
あかり(え、そ、それってどっちも大切だと思うんだけど……)
あかり「う、うん」
ちなつ「あの時のお礼として、京子先輩が映画に連れて行ってくれてご飯食べさせてくれてゲーセンとか寄って遊んでくれて」
ちなつ「最終的には夜の公園でちょっとお話しようってだけの事なの」
ちなつ「ぜんっぜんデートじゃないから」
ちなつ「たんに先輩後輩で一緒に遊んでるだけだから!」
あかり「わ、わかったよ、ごめんね、ちなつちゃん……」
ちなつ「誤解が解けて嬉しいよ、あかりちゃん」
あかり「え、ちなつちゃんのお洋服は何時も可愛いよ?」
ちなつ「んー、けど、京子先輩って割と良く走るから、それについて行くにはスカート短すぎるかなって……」
あかり「あ、じゃあ、一旦お家に帰って着替えてくればどうかなあ?」
ちなつ「けど、長すぎると色々不便なんだよね……太股に引っかかってめくりにくくなるし……」
あかり(めくれにくくて何か困る事とかあるのかなあ……)
ちなつ「……よし、このままでいいや」
あかり「う、うん」
あかり「……」チューッ
ちなつ「……」チラッ
あかり「ちなつちゃん?」
ちなつ「え、なに?」
あかり「時計、気になるの?」
ちなつ「う、うん、そだね、何だか今日は時間経つの遅い気がしてっ」
あかり「まだ、さっきから5分しか経ってないよ?」
ちなつ「うん……」ソワソワ
ちなつ「え?」
あかり「ごめんね、ちなつちゃん、あかりもう帰るね!」
ちなつ「え、え、そんな突然……」
あかり「えへへ」
ちなつ「……も、もう、しょうがないなああかりちゃんは、一つ貸しね!」
あかり「うん!」
あかり「じゃあ、ちなつちゃん、京子ちゃんによろしくね!」トテトテ
ちなつ「あかりちゃん、ばいばーい!」ブンブン
ちなつ「あ、あ、京子先輩ですか!?私ですっ!」
ちなつ「あの、予定の時間、ちょっと早めてもいいですか……?」
ちなつ「ち、違いますよ、別に早く会いたいとかそんな事はひとかけらも!ひとかけらも思ってませんからっ!」
ちなつ「……」
ちなつ「あ、じゃあ、今から行きますから!はい!」パァッ
ちなつ「京子先輩、遅刻したらジュースおごりですからね!」
ちなつ「~♪」ピッ
ちなつ「さて、いそごっと♪」スキップ
ちなつ「……」
ちなつ「……京子先輩、遅いなあ」ソワソワ
ちなつ「何やってるんだろ、事故とかにあってないといいんだけど……」ソワソワ
ちなつ「……電話してみようかな」ソワソワ
『だーれだっ』サッ
ちなつ「あっ……」
ちなつ(まあ、そこが可愛いんだけど……)
ちなつ「えーと、誰だろ、結衣先輩?」
『ぶっぶー!』
ちなつ「あかりちゃん?」
『ちがうー!』
ちなつ「……ごめんなさい、判んないです」
『ふえ……』
ちなつ「……」クスッ
ちなつ「さ、じゃあそろそろ映画行きましょうかね」
『え、ちょっと待って、答は?答は?』
ちなつ「……急がないと、おいてっちゃいますよ」
ちなつ「きょーこせんぱい」
京子「……うん!」
私の可愛い京子先輩
私が自分の気持ちに素直になれる日まで
もう少し、この関係でいてくださいね
完
この終わり方でも十分満足だわー
でもこのラストならチーナエロくしないほうがよかった気もする
まぁ現状はセフレ状態と見れなくもないけど
Entry ⇒ 2012.07.10 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
あかり「わぁいお姉ちゃん」
シュバババ
あかね「あらあかり、あかえりなさい」ニコニコ
あかり「あ、お姉ちゃん、今日は早いんだね」
あかね「ええ、今日は午後が休講になったの、あかりも今日は早いのね」
あかり「うん、今日は部活はお休みだよ~」
あかね「そうなの」
あかり「でも明日はみんなでプールいくんだ~」
あかね「まあ、楽しそうね」
あかり「えへへ、楽しみだよぉ」
あかね「そうよ、でもまだちょっと時間があるから、どうしようかと思ってたの」
あかり「だったら、ちょっとお願いしてもいい?」
あかね「ええ、なにかしら?」
あかり「明日のおやつとか買いに行くの、一緒にきてほしいんだ~」
あかね「いいわよ、じゃあお姉ちゃんそのままバイト行くから、バイトの用意も持って行くわね」
あかり「わぁい!」
ゆるゆりに男はいらん
え、お兄ちゃんだったの
初期設定
>>10
初期設定ではお兄ちゃんだっただけで
実際にお兄ちゃんがいるわけではないけど、
お兄ちゃんの方が色々と面白い話作れそう
姉はワンパターンすぎる
誌上掲載では「お兄ちゃんの部屋」っていう札が貼ってある部屋があった
コミックス、アニメで無かったことになった
あかね「まずはどこに行くの?」
あかり「ん~とね、お菓子屋さ~ん」
ウイーン、イラッシャイマセー
あかり「なにがいいかな~」
あかね「いろいろあって迷っちゃうわね」
あかり「全部持って行きたいぐらいだよぉ」
あかね「まあ、あかりったら欲ばりさん」
あかり「あ、いもチップス!」
あかね「いもチップスはお姉ちゃんも好きよ」
あかり「じゃあこれにしよっと、お姉ちゃんは何味?」
あかね「お姉ちゃんはのりしおかな」
あかり「じゃあのりしおと、あかりはうすしおにするよ」
あかね「あら、お姉ちゃんの分も買ってくれるの?」
あかり「うん、ついてきてくれたお礼だよぉ」
あかり「えへへ、じゃあ買ってくるね」
あかね「ありがとう」
あかり「おいもさんを買うよ~うすしおさんだよ~♪」アッカリアッカリ
あかね「」ニコニコ
~店の外~
あかり「おやつとかって言ってたけど、他に何買うのか忘れちゃった」
あかね「じゃあ、今度はお姉ちゃんがお返しにケーキごちそうしてあげる、この近くにおいしいお店があるのよ」
あかり「わぁい、いいの?やったあ!」
あかね「うふふ」
あかり「すごい、フルーツてんこもりだ~!」
あかね「ね、おいしそうでしょ?あかりなら気に入ってくれると思ったわ」
あかり「いただきま~す」パクッ
あかね「」ニコニコ
あかり「おいひ~、あかり幸せものだよぉ」キラキラ
あかね「」ニコニコ
あかり「お姉ちゃんも一口食べてみてよ、これすごくおいしいよ」
あかね「あら、いいの?」
あかり「いいよぉ、はい、あ~ん」
あかね「まあ、あかりったら」パク
あかり「ね、すごくおいしいでしょ?」
あかね「うん、とってもおいしい」
あかり「今度みんなに教えてあげよ~っと」
あかね「」ニコニコニコ
あかり「」モグモグ
あかね「ねえあかり、学校は楽しい?」
あかり「うん、すっごく楽しいよ」
あかね「あかりは娯楽部に入ってるのよね、どんな部活なの?」
あかり「え~っとね、みんなでお話したり、お茶のんだり、マンガよんだりするんだ」
あかね「そう、いいわね」
あかり「部員はね、結衣ちゃんと京子ちゃんと、あとちなつちゃんっていう同級生の子がいるよ」
あかね「ちなつちゃん?」
あかり「そう、すっごくかわいくてね、髪の毛がもふもふしてるの」
あかね「こないだお泊りに来た子かしら?」
あかり「そうだよ~、ってあれ、お姉ちゃんあの日ちなつちゃんに会ったっけ?」
あかね「ううん、お母さんから聞いたのよ」
あかり「ちなつちゃんはね、あかりの大事なお友達なんだ~」
あかね「そう、あかりがそう言うんだから、きっととってもいい子なのね」
あかね「??」
あかり「そのちなつちゃんね、結衣ちゃんのことがとっても大好きなんだ」
あかね「あらあら」
あかり「それでよくあかりが相談にのってあげるんだよ、あかり結衣ちゃんとは幼馴染だしね」
あかね「あかりが恋愛の相談にのるの?」
あかり「そうだよ」
あかね「ちょっと頼りないわね、あかりは鈍感さんだから」クスッ
あかり「ひどいよぉ、あかりだってやる時はやるんだから!」プリプリ
あかね「うふふ、はいはい」
あかり「もぉ、信じてよぉ!」
あかね「じゃあ、そのうちお姉ちゃんも相談に乗ってもらおうかな」
あかり「お安い御用だよぉ」エッヘン
あかね「まあ、頼もしいわ」ニコニコ
あかり「」モグモグ
あかね「あかりは、好きな子とかはいないの?」
あかり「う~ん、あかりはまだそういうのとかわかんないかも…」
あかね「そっか」
あかり「でも、娯楽部のみんなは大好きだよ」
あかね「」ニコニコ
あかり「お姉ちゃんは?」
あかね「え?」
あかり「お姉ちゃんは好きな人とかいるの?」
あかね「そうねえ、お姉ちゃんはあかりのことが好きかな」
あかり「えへへー、あかりもお姉ちゃん大好きだよぉ」
あかね「うふふ」ニコニコ
あかね「」ニコニコ
あかり「もしそうなったら、お姉ちゃんに相談していい?」
あかね「ええ、いつでも」ニコニコ
あかり「わぁい、ありがとう」
あかね「」ニコニコ
あかり「お姉ちゃんも、恋の悩みがあったらいつでもあかりに相談してね」
あかね「ええ、頼りにしてるわ」ニコニコ
あかり「えへへー」
あかね「」ニコニコ
あかり「あ、いけない!お姉ちゃんもうすぐアルバイトの時間じゃない?」
あかね「そう、ね、そろそろ出よっか」
あかり「うん、今日はごちそうさま」ペコリ
あかね「いいのよ、こちらこそごちそうさま」ニコニコ
あかね「わざわざ送ってくれてありがとう、気を付けて帰るのよ」
あかり「うん、こちらこそ今日はありがと」
あかね「久しぶりにあかりとゆっくりお喋りできて楽しかったわ」
あかり「あかりもだよぉ、あ、いもチップス休憩時間に食べてね」
あかね「ええ、楽しみ」
あかり「あ!」
あかね「どうしたの?」
あかり「虫よけスプレー買うの忘れてたよ!」
あかね「あら、だったらお姉ちゃんのを貸してあげる」
あかり「ほんと?」
あかね「帰ってから渡すわね」
あかり「わぁい、ありがとぉ」
あかね「じゃあ、お姉ちゃん行くからね」
あかり「うん、行ってらっしゃい」
あかね「どうしたの?」
あかり「お姉ちゃんが中に入るまで見送ってるよ」
あかね「そう、嬉しいわね」ニコニコ
あかり「頑張ってね」
あかね「ええ、頑張るわ」トコトコトコ
あかり「ばいばーい」
あかね「ばいばい」トコトコトコ
ウイーン
あかね「おはようございまーす」
オハヨウゴザイマース
トコトコトコトコ
クルッ
あかね(まあ、あかりったらあんなに笑顔で手を振って)ニコニコ
あかね(気を付けて帰るのよ)ノシ
あかね(うふふ)ニコニコ
あかね(さ、頑張らなくちゃね!)
~おわり~
おやすみなさい
9巻であかあか読みたいよぉ
あかあか最高
Entry ⇒ 2012.07.09 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
京子「結衣にモンスターボール投げるとどうなるのかな」
ちなつ「いやいや、いきなりなに言ってるんですか……?」
京子「まぁまぁ、いつもキバキバ言ってるし捕まえられるかもよ」
京子「ふふん、ここにしっかりボールも準備したし」ゴソゴソ
結衣「こんにちはー、遅れてゴメンね……」
京子「きたな結衣、覚悟っ!」ピュー
結衣「うわっ、なんだよ京子!?」
ちなつ「どうせ無理ですよ、あとでゲンコツですね……」
シュルシュルルルルル……ポンッ!
京子「わーいっ、野生の結衣を捕まえたぞ!」ニコニコ
ちなつ「……えっ」
ちなつ「そ、そんなことより結衣先輩はどこへ行ったんですか!?」グイグイ
京子「くっ、くるし、嬉しいけど苦しいっ……!」
京子「ちなつちゃんまず落ち着こうよ、ね?」
ちなつ「これが落ち着いていられますかっ!」
京子「結衣はここのモンスターボールにいるから安心して」ニコッ
ちなつ「だからそれが有り得ないって……はぁ、もう疲れました」
京子「結衣捕まえちゃった……えへへ♪」
京子「あ、うん……それじゃ出てきて、結衣!」
ポワッ……
結衣「……?」キョロキョロ
ちなつ「結衣先輩特に何もなさそうですね、良かったぁ……」
結衣「キバキバ、キバァ……」
京子「あはは、結衣ってば寝ぼけてるな、よしよし」ナデナデ
結衣「あ、あれ、京子……」
結衣「ううん、心配してくれてありがとう」ニコッ
ちなつ「はぁ……いいなぁ、私も結衣先輩欲しいです」
京子「だめだめ、これは私の百合モンなんだから」
ちなつ「な、なんですか百合モンって!?」
京子「ちなつちゃんにもモンスターボール貸してあげるよ、ふふ」
ちなつ「貰ってもどうしようもないんですけど……」
京子「ちなつちゃんの百合モンが結衣に勝ったら、……譲るよ」ボソッ
ちなつ「!?」
京子「うんうん、でも結衣は強いよ~」ニコニコ
ちなつ「……」チラッ
結衣「キバァ、キバキバ……」ニコッ
ちなつ「か、可愛すぎます、私のモノに……」
ちなつ「その言葉に二言はありませんよね、絶対ですよ!?」
京子「はいはーい、頑張っていい百合モン捕まえてきてね~」
ちなつ「よおおおおおし、頑張ります!!」ドヒューン
京子「ふふ、ほんと結衣は可愛いなぁ、甘えん坊さんだもんね」
結衣「京子、なんかいろいろツッコミ入れたいんだけどさ」
京子「うん、さっきからウズウズしてたでしょ」
結衣「なんかもうどうでもいいや、好きにして」ギュッ
京子「そりゃ頭の中パニックにもなるよね、あはは……」
結衣「……負けたら京子と離ればなれになっちゃうの?」
京子「いや、一回捕まえた百合モンはずっとその人のモノだよ」ニコッ
結衣「……おい、ちなつちゃんに土下座しろ」
結衣「……モノって言い方がなぁ」ポリポリ
京子「ふふ、まんざらでもないって顔してるじゃん」
結衣「……うるさい」
京子「ちぇー、ほんと素直じゃないんだから」
京子「……お?」ゴソッ
結衣「特に体で変わった部分は無さそうだな、良かった良かった」
京子「百合モン図鑑があったんだ……!」
京子「えへへ、結衣のこと調べちゃおうっと♪」ピッ
船見結衣 寂しがり屋百合モン
たかさ 160cm
おもさ ××kg
ツッコミタイプ
一人暮らしを始めたのは京子との時間が欲しいから。
しっかり者に見えて、寂しがり屋さん。寂しい夜は寝る前に京子の写真を見る。
なんだかんだ言って京子が好き。
京子「……」
結衣「あ、その図鑑ポケモンでよく見るよね、どれどれ」
京子「だーめ、これは百合モンマスターの私だけが見ていいの!」
結衣「あっ……なんだよもう」
結衣「あのさ、私の項目変なこととか書いてなかったよね?」
京子「ふふふ、さぁてどうだろうね」
京子「ま、結衣が私にゾッコンだったのは昔からわかってたし」ニコニコ
結衣「変なの……」
結衣「マスターがこっちに甘えてどうするんだよ……ふふ」
京子「百合モンとマスターの絆を深めるためには当然のことです」
結衣「絆とか今さらだと思うけどなぁ……」
結衣「でも百合モンバトルって具体的にどんなことするの?」
京子「それはもちろん自分の技を使って百合百合するのよ」
結衣「自分の技……?」
京子「そうそう、結衣の技は確か、えーっと……」
京子「お、ちなつちゃんやーっと来たかな」
結衣「……わ、私の技は?」
ちなつ「くふふ、最高の百合モンゲットしてきましたよ……!」
ちなつ「さぁ京子先輩、正々堂々と百合モンバトルの開始です!!」
京子「面白い、その勝負受けて立つよ」ニコッ
結衣「……大丈夫かなぁ」
京子「一番高いのがちなつちゃんで、結衣は4番目くらいだよ」
結衣「……自覚は無いんだけどな」
ちなつ「くふ、くふふふ……」
結衣「ちなつちゃん自信たっぷりだね、気を引き締めなきゃ」
京子「うーむ、相手が綾乃だとちょっと分が悪いかな……」
結衣「あ、やっぱり相性の良しあしとかあるんだ?」
京子「あるというか、ダジャレ連発されると結衣に勝ち目はないね」
結衣「……なるほどね、あはは」
京子「来るよ、結衣!」
結衣「……」ゴクッ
ポワワン
あかり「……?」
結京「あー……」
京子「これは悪いけど負ける気しないよ」
あかり「えっ、いきなり出てきてこの仕打ちはあんまりだよぉ!?」
結衣「あかり、不憫な子……」
あかり「うぅぅぅぅ、あかりには状況が呑み込めないよぉ」シクシク
結衣「よしよし、いい子だから泣かないの」
あかり「あっ、……ぇへへ結衣ちゃ~ん」スリスリ
結衣「ふふ、百合モンバトルは殴る蹴るとかはないみたいだから安心だね」
あかり「そうなんだ~、結衣ちゃんとお喋りしてればいいのかな?」
結衣「たぶんそんな感じかな、案外楽そうだね」
結あか「ねー」
ちなつ「……私が百合モンになれば良かったんだ」ガクッ
あかり「結衣ちゃん、大福あるからどうぞ、あ~ん……」
結衣「あ~ん、あむっ、ふふ美味しいね」
京子「くそっ、命令もしてないのに百合百合するなコラッ!」
ちなつ「そうですよまったくもう!……先手必勝あかりちゃん、まるくなる、よっ!!」
あかり「……!」ガタッ
結衣「うわっ、ついに始まっちゃうのか……」
京子「なるほど、まずは手堅く防御力を上げるか……」
ちなつ「あかりちゃん、どんどん丸くなって防御力を上げるのよ!」
あかり「はーいっ、ぇへへ……猫さんもビックリの丸さだよぉ」ゴロゴロ
結京「……」
結衣「か、可愛いかも……」
京子「むかっ、なーに鼻の下伸ばしてるんだよ!」ツネッ
結衣「いたたたたたたっ、……マスターが私に攻撃してどうするんだよ」
京子「だまらっしゃい、ほんっと隅に置けないんだから……」ムスッ
ちなつ「あ、あかりちゃん、ネコちゃんみたいで可愛いな~……」ナデナデ
結衣「……和むな」
京子「ええい、敵に情けは無用だよ結衣、のしかかりだっ!」
結衣「……!」
結衣「あ、あかりゴメン……命令は絶対なんだ」トサッ
あかり「……あっ、ゆ、結衣ちゃん」
結衣「重くないかな、平気?」
あかり「……ううん、温かくてなんか落ち着くなぁ」ギュッ
あかり「ふふ、結衣ちゃんとお昼寝なんて子供の時以来だね」
結衣「お昼寝じゃなくて、今は百合モンバトルだよ」
あかり「……うん、たくさん百合百合しないとね」
ちなつ「……あかりちゃん、あまえる」
あかり「結衣ちゃん、あかり今度お泊りしていいかな?」ニコッ
結衣「えー、どうしようかな……」
あかり「お願い、あかり何でもするから……」ギュッ
結衣「……ふふ、あかりのお願いだったら断れないな」
結衣「あかりは甘えん坊だなぁ、お小遣いでも欲しいの?」
あかり「……ううん、それよりずっとこうしていたい」
結衣「嬉しい私もだよ、あかり」ニコッ
京子「……からみつく」
結衣「……」スルスルッ
あかり「あ、はぁ……結衣ちゃん、なんかいやらしいよぉ」
結衣「だって命令なんだもん、私の足とあかりの足を絡ませるかしかないよね」ギュッ
あかり「うっ、う、結衣ちゃんの、吐息が……首に……」カァー
あかり「う、うん、ほんと?」
結衣「ふふ、ただ相手が悪かったね、それが敗因かな」スリスリ
あかり「やっ、だ、ダメだよ、そんなところ擦り付けたら……」
結衣「そんなところってどんなところかな、言うまで止めてあげないよ?」
あかり「うぅぅ、結衣ちゃんイジワルだよぉ……」カァー
結衣「可愛い子にはイジワルしたくなるんだよ、ゴメンね」ギュッ
あかり「ふぁっ……ん……」
京子「……押してるか、あのたらしめ」
ちなつ「……マズイ、あかりちゃん、てんしのキッス」
結衣「ふふ、べつに無理して背伸びする必要はないよ」ギュッ
結衣「あかりにはやっぱりされるがままが似合ってる――」
あかり「んっ……」チュッ
結衣「……!」
あかり「んっ、んー……はむ……」チュッ
結衣「……あっ……ん……」ギュッ
あかり「はっ……はぁ……」
結衣「あっ、あかり、あか」
あかり「まだっ、足りないもん、……んっ」チュッ
結衣「……!」
あかり「ふふん、あ、あかりだって、主人公なんだから」
結衣「うんっ、うん……」
ちなつ「……押してますね」
京子「……尻軽、したでなめる」
結衣「わ、私だって、あかりなんかに負けるか」
あかり「あかりには勝てないよぉ、百合力はあかりの方が上みたいだねっ」ニコッ
結衣「……ふふ、後悔するなよ」
あかり「あははっ、くすぐったいよぉ……」
結衣「むかっ、なんか余裕あるなあかりのやつ」
結衣「……」グイッ
あかり「あわわわわわっ……」
結衣「ふふ、可愛い声いっぱい聞かせてね」ペロッ
あかり「ちょ、ちょっと、太もも舐めるのは反則……ひぅっ……!」
あかり「やぁっ、はぁ……んっ……」ビクッ
結衣「……可愛い、あかりの声もっと聴かせて」
あかり「結衣ちゃん、結衣ちゃんっ……」ギュッ
結衣「ふふ、これはもう私の勝ちかな、あかり……」ペロッ
あかり「んっ、んん……!」
あかり「も、もう参りました、あかりの負けだよぉ……はっ、はぁ……」ビクッ
結衣「……お疲れさま、いい百合モンバトルだったよ」チュッ
あかり「うっ、うん、……結衣ちゃんもね」チュッ
京子「……あ、そ」
あかり「ちなつちゃんゴメンね、負けちゃったよぉ……」シクシク
ちなつ「……ふーん、そ」
結衣「あの京子、そのゴルフクラブはなに……?」
あかり「ち、ちなつちゃん、その木刀で何するつもりかな……?」
京ちな「お仕置き」ニコッ
おしまい
何て身勝手な百合モントレーナーだw
Entry ⇒ 2012.07.08 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
あかり「異端審問を始めます」
ちなつ「あ、あかりちゃん!? なによこれえ!」
あかり「静粛に」
あかり「吉川ちなつ、13歳、中学生、未婚。間違いありませんね」
あかり「あなたには黙秘権があります。質問に答えるか否かは自由ですが、いずれの場合もあなたにとって有利にも不利にもなります」
ちなつ「なんなのよぉ・・・」
結衣「はい」
ちなつ「結衣せんぱい!?」
結衣「被告、吉川ちなつは、『コミック百合姫』にて連載中の『ゆるゆり』作品世界内において、『ゆるい百合』という作風に反し、」
結衣「同性同士の恋愛感情の吐露、直接的及び間接的な性描写を行い、」
結衣「読者、視聴者及び作品内人物の意向に反する形で自らの欲望を満たそうとしたため、起訴に至った次第です」
あかり「弁護人、公訴事実に間違いはありませんね」
綾乃「はい」
ちなつ「綾乃せんぱいまで・・・」
結衣「はい」
ちなつ「ちょっと待ちなさいよあかりちゃん!」
ちなつ「結衣せんぱいもっ!」
あかり「被告は静粛に。古谷さん、彼女にこれを」
ひまわり「はい」ガムテペタリンコ
ちなつ「むぐう」
あかり「では検察官」
結衣「姉ともこの影響で茶道部を希望するも、同中学2年歳納京子のすすめによりごらく部へ入部」
結衣「同部在籍の2年Y・Fに好意を持ち、デートやキスを迫ることもあり」
ちなつ「ほ、ほれはゆひせんぱいの・・・」
ひまわり「おだまり」ペシ
ちなつ「むぐう」
結衣「その様子を同中学2年Y・F及びK・Tに見せつけるなど」
結衣「強姦、強制わいせつ罪、公然わいせつ罪など多数」
結衣「よって被告、吉川ちなつを異端と認定し、火刑を求めます」
ちなつ「むぐう!?」
綾乃「いいえ」
あかり「では検察官、尋問の用意を」
結衣「はい」
ひまわり「ふふっ」
ちなつ「!?」
ちなつ「いたた、痛いよ向日葵ちゃん!」
あかり「静粛に」
結衣「被告人、あなたは某月某日、自宅に被害者A・Aを呼び出し、Y・Fについて尋問し」
結衣「練習と称してキスを迫り、強姦目的で追い掛け回し、その様子を公に晒した。違いますか?」
ちなつ「そ、それは誤解です結衣せんぱい!あれは誤解なんです!」
結衣「誤解とは、どういう意味でしょうか」
結衣「あなたのいう誤解とは、つまり、あなたの本来の目的はA・Aではなく」
結衣「あなたの行為の対象は、他にいた、という意味ですか?」
綾乃「異議あり!」グワ
綾乃「検察は、被告人が強姦、その他の行為を行ったという証拠を提示していません!」
あかり「検察は、被告の異端行為の証拠を提示してください」
結衣「わかりました」
結衣「では証人を召喚します」
あかり「許可します。証人を入廷させてください」
結衣「では」
ガララ
京子「はい」
ちなつ「京子せんぱいまでっ・・・」
京子「はーい」アハハ
綾乃「としのうきょっ・・・!!」モガ
ひまわり「はい、お静かに」
結衣「歳納さん、あなたは被告が異端行為を行ったというその日、彼女の家に行きましたね」
京子「イッたよー」アハハ
あかり「検察側証人は、真摯な態度でのぞむように」
京子「はあい」シュン
京子「私とゆ、Y・Fは、その日確かに被告人の自宅へ行きました」
京子「えっとー・・・」
京子「東京帰りのおみやげをあげようと思って、インターホンを鳴らしました」
京子「でも何回か押しても出なくってー」
京子「玄関に鍵がかかっていなかったので開けたんです。声も聞こえたし」
京子「だったよねーゆいー?」
結衣「・・・続けてください」
京子「っちぇー」
京子「そうしたら・・・」
京子「ちなつちゃん・・・被告が、あか、A・Aを押し倒して・・・」
京子「さみしげなひとみで、唇を濡らして・・・」
「あ、あかん、めがね・・・」
「池田せんぱい、血!鼻血!」
スッ
「あ、おおきにー」
あかり「静粛に、静粛に」カンカン
綾乃「証人は検察と親しい人物であり、証拠能力が著しく低いと思われます!」
結衣「そんな事実はありません」
京子「そんなっ」
あかり「異議を却下します。証人は証言を続けてください」
綾乃「くっ!」
京子「A・Aは、なんというか、事後? そんなかんじで、放心状態でした」
ブッ
「事後・・・綾乃ちゃんと、歳納さんが、事後・・・」ホワァ
結衣「証言は以上ですね?」
京子「うん」コクリ
結衣「以上のことから、被告はA・Aに対し異端行為を行ったことは明白です!」バシッ
綾乃「くっ、被告への尋問の許可を求めます」
ちなつ「尋問!? 尋問ってなに!?」
あかり「許可します」
綾乃「吉川ちなつさん」スッ
ちなつ「は、はい」
綾乃「あなたが七森中学2年、Y・Fさんに好意をいだいていることは事実ですか?」
ちなつ「・・・」チラ
結衣「・・・」
ちなつ「は、はいっ」
ちなつ「い、いいえ!」
結衣「異議あり」
結衣「被告が同性に対し肉体的欲求を抱いていることは先ほどの証人の証言から明白であると思われます」
綾乃「異議あり!」
綾乃「先ほどの証言は、被告がキスを求めた証拠にはなっても、肉体を求める異端行為を欲したという証拠にはなりえません!」
綾乃「被告は純粋に、『キス』という行為への興味からA・Aを押し倒す形になってしまったのであって」
綾乃「肉体的欲求を求める、『ガチ』な百合ではなく、まだ異端の範疇外である『ゆるい』百合であるといえます」
綾乃「そうですね!? ちなつさん!」
ちなつ「わたしは!ただ純粋に!」
ちなつ「結衣せんぱいとっ!」
綾乃「ストップ!」
綾乃「どうでしょうか、審問官殿!」ガタッ
あかり「・・・」
あかり「弁護側の異議を認めます」
ザワザワ
あかり「各自話し合いをして、午後の部へと備えてください」
あかり「ではこれにて閉廷」カンカン
ザワザワ
ちなつ「い、いったいぜんたいなんだったの・・・」ヘナヘナ
ひまわり「吉川さん、あなたは目をつけられてしまった・・・ですわ」
ちなつ「向日葵ちゃん・・・」
ちなつ「これはいったいどういうことなの!?」
ひまわり「異端審問会、それは・・・」
ひまわり「『ゆるゆり』作品世界のとある流れに異を唱える者が発案した絶対的権力組織・・・」
ちなつ「と、とある流れ・・・?」ゴクリ
ひまわり「それは・・・・ガチ百合」ジャーン
ちなつ「ガチ?」
ひまわり「ゆるい百合空間にガチを持ち込んだことで、あなたは目をつけられてしまった・・・ですわ」
ちなつ「目をつけられた・・・だ、だれにっ!?」
カンカン
あかり「古谷さん、ちょっと」
ひまわり「は、はいっ、ですわ」
ひまわり「では・・・ご武運を、ですわっ」タタタッ
ちなつ「あ、まって、向日葵ちゃん!」
綾乃「吉川さん・・・」スッ
ちなつ「杉浦せんぱい・・・」ジワッ
綾乃「私はあなたの味方よ、吉川さん!」
綾乃「私たちのこの『気持ち』を、異端などと・・・」
綾乃「そんなバッサリ切り捨てたりさせるものですか!」
綾乃「・・・」チラッ
京子「・・・」ホケー
ちなつ「池田せんぱい・・・?」
ちなつ「そういえば千夏せんぱいどこにいたんですか」
千歳「大室さんといっしょに傍聴席にいてん、それよりこれ、お腹すいてるやろ?」プァーン
ちなつ「すっぱ!」
ちなつ「た、たくあん・・・」
千歳「疲れたら塩分とらんとあかんでなあ」
ちなつ「あ、ありがとうございます・・・」
綾乃「私、がんばるからね!」
ちなつ「あ、杉浦せんぱい! その・・・」
ちなつ「結衣せんぱいが検察ってことは・・・」
ちなつ「わたしを起訴したのは・・・」
綾乃「・・・ええ」
綾乃「・・・船見さんよ」
ちなつ「・・・」
カンカン
あかり「検察、弁護人は位置についてください」
結衣「・・・」
綾乃「・・・」
京子「・・・」メチャイボイボー
ちなつ「・・・』ゴクリ
あかり「検察側、先ほどの弁護側の申し立てに異議はありますか」
綾乃「・・・」
結衣「・・・いいえ」
ちなつ「!」
綾乃「!」
あかり「許可します。証人は入廷してください」
ガララ
京子「ちーっす」
ちなつ「またかよ・・・」
京子「さっきも言ったじゃーん」アハハ
結衣「では歳納さん、証言をお願いします」
京子「はーい」
京子「あれは、あたしの同人誌を読んでくれた一年生が来た日の部活のことでした・・・」
京子「あたしは、同級生のY・Fさんとあたしを主人公にした紙芝居を描いたんです」
京子『もう、心臓どきどきだよぉ・・・』
京子『でも、この想いは知ってほしかったんだ・・・』
京子『だってこの想いは・・・特別なんだもん!』
Y・F『京子!・・・よかった、待っててくれたんだ』
京子『きゃあっ、結○ー!』
Y・F『これ、さっき読んだ・・・』
京子『あたし、○衣が大好き!』
Y・F『ありがとう、京子・・・私も大好き・・・』
京子「はい」
結衣「もちろん、親友同士の冗談として。ですよね、京子さん」
京子「ええー??どーかなー」フンフン
結衣「・・・」
結衣「そうですね?」
京子「ハイ」
京子「結、Y・Fさんの、『大好き』というセリフのあとでした」
京子「被告人は、紙芝居をまっぷたつに叩きわったのです」
京子「空手チョップです」
結衣「歳納さんと、Y・Fさんが同性恋愛をしている紙芝居、もちろんジョークですが、それを見て、被告人は激怒した」
結衣「ですね?」
京子「はい」
綾乃「被告人は歳納京子とY・Fさんとの恋愛関係を勘ぐって激怒したのではなく、勝手な妄想をかきなぐった歳納京子に対して」
綾乃「義憤にかられたからこその行動ではないでしょうか!」
結衣「異議あり」
結衣「それは弁護人が判断するものではなく、さらにまだ証人の証言は終わっていません」
結衣「証言の核たる部分はまだ先なのです」
あかり「検察側の異議を認めます。弁護側は、憶測の異議で証言を妨害しないように」
綾乃「くっ・・・」
あかり「証人は証言を続けてください」
京子「はーい」イボイボー
結衣「それがこれです」パラ
キャー
あかり「」
「審問官殿が白目を・・・」
「失神なされた!」
ナントイウコトダ・・・
ドウイウコトナノ・・・
ヒアブリだ!
コンナジャアクナ・・・ヒアブリニシロ!
カケイダカケイ!
綾乃「こ、これは・・・」
ちなつ「なんで、とってもうまくできたのに・・・」
ヒーアブリ!ヒーアブリ!
ひまわり「い、いったん閉廷!閉廷!」
ひまわり「審問官殿が目を覚ますまで休廷とします!ですわっ」カンカンカン
ちなつ「杉浦せんぱい・・・」
綾乃「あの絵は、ほんとうに吉川さんが?」
ちなつ「はい、とってもよくできてると想いませんか?」ニコ
綾乃「え、ええ・・・そうね」
結衣「・・・」
綾乃「これは、まずいわね・・・」
あかり「・・・し、失礼しました」
あかり「では、開廷します。証人は、証言を再開してください」
京子「はーい」
京子「被告人の描いた紙芝居は、Y・Fさんに対しての恋愛感情を示すものでした――」
『今日も白馬で草原を駆け抜ける王子様(Y・F)』
『見知らぬ風景をながめていると、ひとりの少女(>>61)が視界に入る』
『それはとてもみすぼらしい娘(被告)だった――』
あかり「う・・・」
ひまわり「お気を確かに、審問官殿」
『けれどその少女の笑顔はどんな宝石よりも美しく――』
『まるで稲妻に打たれたように痺れる王子様・・・』
『気がつけば少女の前に仁王立ち』
『目と目があったその瞬間に――』
『心がトキメキ、胸がドキドキ、思考はパラダイス!』
『たちまち二人は恋に落ちるエターナル!』
結衣「彼女の絵は、暗喩に満ちており、まさに異端そのものといっても差し支えないでしょう」
オーソウダソウダ
イタンダイタンイタンヤネン
あかり「静粛に」カンカン
綾乃「い・・・異議ありっ!!」
綾乃「それこそ、憶測での物言いです。証拠能力皆無!ノンノンノートルダムよっ!!」
結衣「ぶふっ」
ブーブー
アレハアクマノエガイタモノダ
マジョダマジョ!マジョッコミラクルン!!
マジョヲヒアブリニシローー!
あかり「静粛に、静粛に!」カンカンカン
あかり「審問会を妨害することは死罪に値します」
あかり「静粛に!」カンカン
シーーーン・・・
綾乃「ふう・・・なんとかしのいだわね」
ちなつ「なんだか大変なことに・・・」
ひまわり「・・・」チラ
結衣「・・・」
京子「フンフーン」アカリイボイボー
結衣「・・・」
結衣「・・・いいえ」
綾乃「えっ・・・」
結衣「証言はまだ終わっていません」
綾乃「まだなにかあるっていうの・・・っ!?」
京子「ハーイ」
京子「被告人の紙芝居を止めたあと、あたしたちはごらく部の活動を続けることにしました」
京子「その日は・・・粘土で遊ぼうということになったんです」
京子「A・Aさんはうさぎ、Y・Fさんはギョーザ、被告人は・・・なんだかよくわからないもの」
京子「そしてあたしは、魔女っ子ミラクるん・・・に見せかけた、被告人の人形を作っていました」
京子『ふふーん、あ○り』
A・A『生首」ーっ!?』
京子『鼻水、よだれ、お団子バズーカ』
A・A『もー!あか○をもてあそばないでよーっ!』
京子『あはは、ごめんごめん、別のものつくるよ』バシ
・・・
京子『うーん、油粘土くたくただから立たないなあ』
A・A『京子ちゃんすごーい』
被告『ミラクるんですか?』
Y・F『器用だなー』
京子『ミラクるんとみせかけて、ちなつちゃん!M字開脚!!』ジャーーン
被告『やめてください!お嫁にいけないじゃないですか!!』
京子『アハハッハー』
被告『うええんせんぱい!
わたしがM字開脚を見せるのは
せんぱいだけですよーっ!!!』
綾乃「!」
あかり「!」
ひまわり「!」
ちなつ「!」
結衣「被告が、Y・Fに対して――」
結衣「肉体的、性的な、異端的欲求を持っていたことは、まったくもって、明らかです」
綾乃「あ、ああ・・・」
ちなつ「そ、それは、だってっ・・・」
あかり「・・・」
綾乃「く、くぅっ・・・!」
ちなつ「・・・」
・・・ゴクリ
あかり「・・・弁護側、なにか異議は」
綾乃「・・・」
綾乃「そそそれは、友達どうしの冗談の範疇です!」
綾乃「そんな言葉のアヤを!揚げ足取りのように!罪に、異端行為に結びつけることなど!」
綾乃「できるはずがありませんっ!!!」
結衣「・・・このあとに、被告人が、Y・Fと一緒にお風呂へ入る想像をして昏倒するくだりがありますが・・・」
結衣「必要でしょうか?」
あかり「・・・」
ひまわり「・・・審問官殿?」ソワソワ
シンモンカンドノガ・・・
カンガエテイラッシャル・・・
イヨイヨ・・・
ハンケツガクダルゾ・・・
ヒアブリ・・・ヒアブリダ・・・
ソーダ・・・ヒアブリ
ヒーアブリ・・・ヒーアブリ・・・
カケイダ・・・カケイ!
ヒーアブリ!ヒーアブリ!!ヒーアブリィ!!!
マジョニテッツイヲー!!!!!
結衣「はい、以上です」
京子「バイバーイ」
あかり「では弁護側、異議の申し立て、または、証人の召喚などは必要ですか?」
綾乃「・・・」
綾乃「・・・っ」
あかり「弁護側」
綾乃「・・・い、以上です・・・」
ちなつ「っ」
千歳「!」ハラハラ
あかり「では・・・」
あかり「被告人、吉川ちなつさん、意見陳述をお願いします」
あかり「お互いの弁論に対しての意見はありますか?」
ちなつ「意見って・・・」
ちなつ「・・・」チラ
結衣「・・・」
ちなつ「・・・うう」
あかり「被告人」
ちなつ「いえ、ありません・・・」
ザワ・・・
マジョヲヒアブリに・・・
シンモンカンドノ・・・ツ!!
オネガイダ、マジョヲ・・・
あかり「被告訴人、七森中学1年、吉川ちなつを」
ひまわり「・・・」
綾乃「・・・うっ」ジワ
あかり「私、審問官赤座あかりは、異端として認めます」
ワアアアアアアアア!!!
ヤッタ、ヤッタアアアア
あかり「規定により、異端者には火刑が――」
ピッ
ひまわり「ん?」
ひまわり「なんですの、この音は・・・」
ピッ
京子「ほへ?」
ピッ
綾乃「・・・なにが?」
ピッ
ちなつ「う、ぐす・・・・え?」
ピッ
結衣「・・・」
ピッ
結衣「!!!」
ピーッ
カッ
「ばっくはつだーっっっ!!!」
ドゴォォォォン
あかり「な、なにごとですか!!!」
ウワアアァン
ナンダバクハツシタゾーッ
ニゲ、、ニゲローーー!!!
「ひまわりぃ!」
ひまわり「えっ・・・?」
「あったしだーっっ!!!」
ちなつ「櫻子ちゃん!?」
櫻子「はははーっ、正義の味方、サクラーコー参上!」
あかり「い、異端審問会を妨害するとは・・・」
あかり「死罪に値します!三段すっ飛ばしで火刑の処します!」
櫻子「西垣せんせー特製爆弾が決まってるうちに、ちなつちゃん!」
結衣「異端と認められたあの子が、なぜこうやすやすとここにっ!」
櫻子「内部に協力者は残しておくものさ、船見せんぱい!」
櫻子「ひまわりっ!」
ひまわり「!」
櫻子「いつまでそこにいるつもりなの!」
ひまわり「わ、わたくしは審問官殿の助手・・・っ!」
ひまわり「あなたのことなど、知りません!ですわっ」
櫻子「ひまわりぃ!」
櫻子「あたしは、ひまわりのことが」
櫻子「大っ好きだーっ!!」
ひまわり「!?」
櫻子「そんなの!かんけーないもんねー!!」
千歳「大室さんと古谷さん・・・ひまさく・・・意外と・・・いや、最高やぁ」ブハッ
ひまわり「ああああなたはなにをっ・・・」
櫻子「ひまわりのクッキーが食べれなくなるなんて!」
櫻子「おっぱい許すまじー!!って怒ることもできなくて!」
櫻子「ニンジンとピーマンたべさせっこもできなくなるなんて!」
櫻子「あたし、そんなの、絶対嫌だもんねーっ!!」
あかり「全員、火刑に処します」
ボワッ
ひまわり「し、審問官殿がっ」
ちなつ「あかりちゃんが、燃えてる・・・っ」
あかり「うおお・・・おおおっ」アッカリーン
京子「あかりがあんなに目立ってる・・・」
櫻子「この日、この時のために、あたしたちは・・・魔物を用意したんだァ!!」
櫻子「千鶴さん!アレの用意を!!」
千鶴「ラジャ」ピョコ
結衣「まずい、あれはっ・・・」
ヒューン
千歳「なんやのー?」パク
千歳「ほあー・・・」
千歳「あかりちゃん・・・」ビクンッ
千歳「あっかりちゅあーん!!」ルパンジャンプ
あかり「ほあー!」ボアアア
千歳「むちゅうう・・・・・」チュウウウ
千歳「いやああん、あかりちゃんとキスしてもーたー!!」キャーハキャーハ
結衣「お泊り会の、あの血みどろの惨事が、ふたたび!?」
あかり「ほああああ!」ボワアアアア
アツイ!!アヅイイイイイイ!!!
ヤケル!シンモンカンドノ!
オレハイタンジャナイ!!ユルシテー!!
あかり「はっ」ボワァ
千歳「目立ったあかりちゃんもかわええなぁ・・・」ムチュウウウ
ひまわり「!」
櫻子「ガチとかユルイとか、異端とか異端じゃないとか!」
櫻子「もう関係ない!」
櫻子「あたしは!ひまわりが!大好きなのーっ!!」
ひまわり「ダメ、それは!ですわっ」
櫻子「ちなつちゃん!船見せんぱいに!」
櫻子「さあ思いの丈をー!!」
ちなつ「わ、わたしは・・・」グス
ちなつ「結衣せんぱいのことがっ・・・!」
ちなつ「すっ――」
「だめだよ」
ちなつ「えっ・・・」
結衣「それはダメだよ」
結衣「ダメなんだ!」
結衣「ガチなゆりなんていらない!!」
結衣「いらないんだ!!」
結衣「異端審問会は必要・・・必要なんだっ・・・!!!」
綾乃「船見・・・さん?」
結衣「第五次異端審問会・・・それも必要なんだ」
結衣「次の被告訴人は――」
結衣「綾乃・・・君だよっ!」
あかり「させるかあああああ」ボワッ
ア、アヅイィィ
千歳「あ、あかりちゃ、あ、はあ、はあ、熱い・・・」ムチュウウ・・・
櫻子「ま、魔物がおされてるっ・・・!」
千鶴「姉さん!」
ひまわり「・・・櫻子」
櫻子「!」
ひまわり「あかりちゃんの弱点なら、私が知っていますわ」ズシ
櫻子「ひまわり、今のあかりちゃんに近づいたら・・・っ」ガタ
ひまわり「・・・たとえこの身が焼けようとも」
ひまわり「今のあかりちゃんを止められるのは・・・」
櫻子「ひまわり!」
ひまわり「櫻子・・・私も、あなたのこと、嫌いじゃ・・・ありませんわよ」
綾乃「次の被告訴人が、私・・・」
結衣「・・・」
結衣「心当たりは、あるでしょう?」
ちなつ「せんぱいぃ・・・」グス
結衣「だめなんだ・・・異端審問会は必要なんだ!」
結衣「だって・・・っ!」
京子「うん?」ホケー
綾乃「と、歳納京子がどうかしたの?」
ちなつ「せんぱい・・・?」
結衣「だって・・・異端審問会で、ガチなゆりを駆逐して・・・」
結衣「そうしないと、ごらく部が・・・いつまでもこのまま、みんなともだちのままでいられないじゃないかァっ!!!」
結衣「いつまでもこのままでいたいんだ」
結衣『放課後に部室へ集まって」
結衣「部活動なんて、ごらく部なんて、まともに活動なんかしてないけどっ・・・!」
結衣「でも、いつも、のんびりおしゃべりして・・・あかりと、京子と、ちなつちゃんと、私でっ・・・」
結衣「みんな、と、ともだちのままっ!ともだちのままで!」
結衣「誰かが誰かと恋人同士になるなんてっ・・・」
結衣「なにかが、変わってしまいそうで!」
結衣「でもそれは、親友として・・・いつまでも親友として・・・!」
結衣「だから異端審問会は・・・必要なんだっ」
結衣「だってここは・・・ゆるいゆりの世界なんだから!!」
千歳「あ、あかり、ハアハア、あっかりちゃーん」ムチュウ
・・・
結衣「必要なんだ・・・」
ちなつ「それは・・・」
ちなつ「でも、それでも・・・わたしは・・・」
ゴォォッ
ちなつ「!」
あかり「ほあー」アッカリーン
結衣「!」
綾乃「危ないっ・・・!」
ちなつ「結衣せんぱい・・・?」
結衣「うう・・・」
ちなつ「ど、どうしてわたしを・・・かばうなんて、わたしは、異端じゃないんですか!?」
結衣「わかんないよ・・・」
綾乃「船見さん!」
結衣「でも、たぶん、私の守りたかったもののなかには・・・」
結衣「ちなつちゃんも、いたんだよ・・・」
あかり「ほあー」アッカリーン
綾乃「船見さん、避けて!」
「たあああああああ」
あかり「はうっ」シューン
ちなつ「あ、あれは、あかりちゃんの後頭部に・・・こぶ!?」
結衣「あれは、私が作ったこぶなんだ・・・」
結衣「あかりを審問官にするために・・・っ」
ひまわり「いまあるこぶはふたつ・・・ひとつはあかりちゃんを審問官に変え、もうひとつは今私がつくったもの」
ひまわり「おそらくこれだけではだめ、まだ・・・まだこぶが!必要ですわ!」
櫻子「ひまわり!だめっ!
アヅイイイ
ヤケルウウウ
シンモンカンドノオオオ
ひまわり「あ、あれ・・・?」
ひまわり「予想以上にダメージが・・・くっ!」
櫻子「ひまわり、それ以上やったら焼けちゃうよぅっ!」
千歳「むっちゅうう、おばあちゃん、チョコは怖いなぁ・・・」
綾乃「も、もう限界なんだわ・・・」
ちなつ「そ、そんなぁ!」
結衣「・・・」
結衣「私が、いくよ」
結衣「異端審問会も・・・それが機能し続けるのも・・・」
結衣「どこかで破綻するなんてずっとまえからわかってた」
結衣「大室さんを告訴したときから・・・そう」
結衣「私のわがままを通すために、私が守りたかったことを通すために、大切なものを捧げてしまう」
結衣「気づくべきだったんだ!」
結衣「あきらめるべきだったんだ・・・っ!」
結衣「だって、私が告訴してしまったのはっ・・・」
結衣「私が、私のそばに、いてほしいひとたちだったのに・・・っ!」
結衣「今度はあかりをもとにもどす」
結衣「私が変えてしまったものを戻すんだ!」
ちなつ「待って、結衣せんぱいっ!」
ダッ
結衣「え・・・?」
「みずくさいなあ」
「私も一緒だよっ」
結衣「・・・っ!」
結衣「うん、うんっ!」
結衣「ごめん、みんな、ごめん、ごめんなさいっ――」
「「たああああっっっ!!!」」
あかり「あっかりーん・・・」シュウウウウ・・・
ちなつ「大好き、大好きですっ!」
ちなつ「だからふたりとも――」
「帰ってきて――」
――
1か月後
――
あかり「それでは裁判を始めます」
綾乃「裁判長、そのまえに冒頭手続を」
あかり「ぼうとう!? え? え?」
ちなつ「あかりちゃんがんばー」キャッキャ
綾乃「被告人への人定質問です。まあ、被告人の紹介ってとこかしら」
あかり「なるほど・・・えーっと、被告人!歳納京子さん!」
京子「はーい」イボイボー
あかり「14歳、中学生、みこん・・・好物はラムレーズン。間違いありませんね!」
結衣「好物は余計だよあかり」アハハ
あかり「そ、そっか!」
あかり「あ、あなたにはもくひけんが・・・うんたらかんたら・・・?」
綾乃「はい」
綾乃「被告、歳納京子は昨日、ごらく部部室内において、七森中学1年吉川ちなつに対し多数のセクハラ行為を行い」
綾乃「さらにその後、生徒会室において、備え置きの冷蔵庫の中から、同じく七森中学2年、杉浦綾乃の名前入りプリンを無断で持ち出し」
綾乃「わずか数分で完食するという暴挙にでた疑いがかけられているので、強制わいせつ罪及び窃盗の罪により、生徒会の仕事手伝い2週間を求刑します」
千歳「とかいってー綾乃ちゃん、ほんとは生徒会室で一緒にいたいだけなんやろー?」ウフフ
綾乃「そそそそんなこたーないわよ!!」」バシバシ
あれから一ヶ月が過ぎ、異端審問会なる組織は解体された
そして・・・
――
あかり「えっと・・・では、弁護側!」
結衣「はい」
あかり「こうそじじつに間違いはありませんか?」
結衣「はい、ありません」
あかり「では検察、冒頭ちんじゅつを・・・」
――
そしてここに、新たな罪人が生まれようとしている
――
京子「ふええん」
京子「あれ!? 弁護士って、あたしの無罪を照明するんじゃないの!?」
結衣「だって京子、おまえが食べたのは本当だろ! だからこうして必死に減刑を・・・」
京子「ショック!」
――
結衣せんぱいと京子せんぱいは帰ってきてくれた・・・
――
ちなつ「はい」
綾乃「事件当時の詳細を教えて下さい」
ちなつ「はい・・・グス」
京子「あれうそなきじゃね?」
あかり「せーしゅくに」カンカンカンカン
ちなつ「部室のなかでふたりきりでいたら、きゅうにミラクるんがどうとか言い出して・・・結衣せんぱいがいなければどうなっていたことか・・・」シクシク
ちなつ「こう、胸を、ぐわっと」
――
あかりちゃんは後頭部にこぶが3つあること以外は元通り
たまに目付きがおかしいときもあるけれど・・・
――
京子「ええ感触じゃった」ニヒヒ
京子「あれ?なんであたし自分の弁護士に追い詰められてんの!?」
結衣「量刑を減らすには私が尋問して、反省しているのか確かめるのも重要なのです」
――
結衣せんぱいと京子せんぱいは、審問会が現れるまえとちっとも変わらない様子で帰ってきた
わたしは結衣せんぱいが好き
だけど、ごらく部のみんなも、この学校のみんなも大好き
――
あかり「それでは判決を言い渡します!」カンカン
――
結衣せんぱいが望んだように何も変わらないなんてことはなく、
わたしや櫻子ちゃんたちが望んだように大きく変わるなんてこともない、
ゆるやかな変化をしながら、今日もごらく部は活動していくのだと思う
――
あかり「被告、歳納京子は――」
みんなみんな、だいすきだよっ!
――
あかり「有罪、生徒会への1週間労働提供を命じます」
綾乃「よっしゃあー!」
京子「そんなー!」
結衣「まあ妥当かな」
櫻子「ひゃっほいひまわりがクッキー焼いてきたぞー!」
ひまわり「こら櫻子おまちなさい!」
――これにて閉廷――
おやすみなさいもう寝る
乙
Entry ⇒ 2012.07.05 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
結衣「京子ときょうこ」 京子「結衣とゆい」
ゆい「なんだここは!それにだれだお前ら!」
きょうこ「ゆいぃ…こわいよぅ…」グスッ
結衣「大丈夫だから。落ち着いてきょうこ…」
京子「ゆい、私たちは敵じゃないよ…」
ゆい「なんで名前しってるんだ!ますますあやしいやつ!」
きょうこ「で、でも…このおねえちゃん…ゆいににてるかも…」
結衣「うん…まずはお話を聞いてもらえるかな…?」
京子「大丈夫…私たちは怪しい人じゃないから」
ゆい「ま、まあ話だけならきいてもいいけど…」
きょうこ「ちょっとこわいけど…わるい人じゃなさそうだし…」
結衣「ありがとう」
京子「じゃあ話すから聞いててね」
30分ほど前…
結衣「失礼しまーす…」ガラッ
京子「おじゃましまーす♪」
西垣「おぉ、よく来てくれたな」
りせ「…………」
西垣「『こんにちは』だそうだ」
結衣「それで、用ってなんですか?」
西垣「まあその前にゆっくりお茶でも飲むといい」
りせ「………」スッ
結衣「あ、ありがとうございます…」
京子「ありがとうございまーす」
ゴクッ
西垣「……」ニヤッ
京子「ふーっ…」
結衣「っと…まったりしてる場合じゃなかった」
結衣「何か用事があったんですよね?」
西垣「あぁ…とりあえずは5分ほどゆっくりしててくれ」
西垣「すぐにわかるはずだ…」
京子「あーい…」グデー
結衣「?」
5分後
結衣「あれっ?京子…体…光ってない…?」
京子「光るってそんな…。うわっマジだ…」
京子「っていうか結衣も光ってるけど」
結衣「えっ?」
西垣「ふっふっふ」ニヤリ
西垣「どうやら成功みたいだな」
結衣「どういうことですか!」
西垣「先ほどのお茶に薬を混ぜておいたのさ…」
西垣「そして…その薬を飲んだ者は…」
結衣「飲んだ者は…?」ゴクリ
京子「………」ゴクリ
西垣「体が光る!!!」バーン
「「…………」」
「「はい……?」」
京子「それだけ…?」
西垣「それだけとはなんだ!」
西垣「素晴らしい発明じゃないか!」
西垣「これで暗い夜道でも安心だ!」
りせ「………!」グッ
西垣「そうだろう!わかってくれるか!」
結衣「はぁ…まったくこの人たちは…」
京子「んっ?」
パァァァァァァァ
京子「なんかさっきより光ってるんだけど…」
結衣「うわぁ…嫌な予感しかしない…」
パァァァァァァァ
ドガーーン!!!
結衣「ケホッ…京子……平気か…?」
京子「うん…なんとか……ゴホッ…」
京子「あっ光らなくなってる…」
結衣「本当だ…よかった…」
西垣「まさか爆発するとは…大丈夫か…松本?」
りせ「………」
西垣「そうかよかった…」
京子「えっ…!」
結衣「ん?どうした京…」
結衣「えっ…!これってもしかして…」
「「私たち!?」」
結衣「寝てるけど…これは…」
京子「どう見ても昔の私たち…だよね?」
西垣「これは一体…」
結衣「とりあえず状況を整理しようか」
結衣「今分かってることは…」
結衣「おそらく薬の効果で昔の私たちがここにいる…」
結衣「これがタイムスリップなのか…別の何なのかは不明…」
結衣「薬の効果が切れる時間も不明…」
結衣「以上」
結衣「なんも分かってないじゃん!!!」
西垣「そうだ、焦りは良くないぞ」
りせ「………」
結衣「はあ…もう…」
西垣「たしか船見は一人暮らしだったな」
西垣「幸い明日は土曜日だ。今日はこいつらの面倒を見てやってくれ」
西垣「私は解決策を調べてみる」
りせ「………」
西垣「そうか、一緒に頑張ろう」ナデナデ
りせ「……///」
結衣「はあ…どうしよう…」
京子「とりあえず二人が起きてからだねー♪」
結衣「やけに嬉しそうだな…」
京子「いやーなんていうか…」
京子「昔は結衣と言えばカッコいい!って感じだったけどさー」
京子「今見ると超可愛いじゃん!」
結衣「か、可愛いってなんだよ…///」
京子「いや今の結衣も可愛いよー」ニヤニヤ
結衣「ふざけてないでこの後の事を考えろよ…///」
京子「本気なんだけどなー。まあいいや、とりあえず今日泊まるねー」
京子「さすがに結衣一人じゃ大変でしょ」
結衣「そうだな…ありがとう」
結衣「おっ…起きたみたい…」
結衣「と言うわけなんだけど…」
京子「信じてくれるかな?」
ゆい「うーん…」
きょうこ「……」
ゆい「そうだ!ちょっときょうこ…」ゴニョゴニョ
きょうこ「う、うん、そうだね…///」
結衣「?」
京子「?」
ゆい「とぉーっ」ギュッ
京子「わっ」
きょうこ「え、えーい///」ギュッ
結衣「おっと」
ゆい「うん!きょうことおんなじだ!」ギュー
きょうこ「ゆいぃ」ギュー
結衣「えっ?どういうこと?」ナデナデ
京子「さ、さあ…?」ナデナデ
ゆい「おんなじにおいがするー」
きょうこ「えへへー」
結衣「匂いって…」
京子「あぁ…そういえば」
結衣(京子の匂いってなんか好きなんだよな…)
京子(結衣って抱きつくといい匂いするんだよね…)
((ずっと昔から変わらない…))
((私の大好きな……))
((あれ?ってことはもしかして…))
京子(結衣も私の匂いを…?)チラッ
結衣(京子も私の匂いを…?)チラッ
((顔が真っ赤なんだけど…///))
ゆい「あははー。ふたりともかお赤ーい」ニヤニヤ
きょうこ「ほんとだー」ニコニコ
「「そ、そんなことない…///」」
結衣の家
ゆい「すげー!」
きょうこ「わぁー」
京子「すごいだろー!」
結衣「なんでお前が自慢気…」
きょうこ「結衣カッコいいー」
京子「カッコいいー!」
ゆい「中学生ってすごいんだなー!」
京子「すごいだろー!」
結衣「なんださっきから」ベシッ
京子「いやぁ…なんとなく」ヘヘ
結衣「とりあえずご飯作っちゃうから…」
結衣「二人のことみててね」
京子「まっかせなさい!」
きょうこ「あ、あの…」
結衣「ん?」
きょうこ「わたしも…てつだえないかな…?」
結衣「きょうこ…」
結衣「ありがとう…じゃあお願いしようかな」ナデナデ
きょうこ「うん、がんばる!」
京子「あっ…」
京子(懐かしいなー。昔はずっと結衣が手を引いてくれたっけ…)
京子「……」ニコッ
京子「よーし!何しよっか!」
ゆい「じゃあオセロで勝負だ!」
ゆい「どれだけつよくなったか見てやる!」
京子「別にいいけど…」ニヤッ
京子「私強くなったよー?」ニヤニヤ
ゆい「きょうこに負けた…」ガクッ
京子「どうだ!」ヘヘーン
京子「もう結衣には負けないんだから!」
ゆい「くやしいけど…」
ゆい「がんばったんだな!エライ!」ナデナデ
京子「ありがとー。結衣のおかげだよ」
ゆい「なにいってんだ!きょうこががんばったからだよ!」
京子「そうだね…。でもやっぱりありがとう」ナデナデ
結衣「よーしできたぞー」
きょうこ「できたー♪」
京子「ごはーん!」
ゆい「ごはん!」
結衣「それでは…」
「「「「いただきまーす!」」」」
京子「うまい!」
結衣「どれどれ…うん、美味しい」
ゆい「……」モグモグ
きょうこ「……」ジーッ
ゆい「おいしい!」
きょうこ「……!」パァッ
きょうこ「よかった…!」
きょうこ「あ、ありがとう…」
きょうこ「あの…結衣…///」モジモジ
結衣「ん?あぁ…はい」アーン
きょうこ「あーん」
きょうこ「……」モグモグ
きょうこ「えへへ…おいしい…///」
京子「ずるーい!結衣ー!私にも!」
結衣「はいはい…」アーン
京子「あーん」
京子「……」モグモグ
京子「うめぇ!」
ゆい「はい!」アーン
きょうこ「あ、あーん///」
きょうこ「……」モグモグ
きょうこ「ありがと…ゆい///」
きょうこ「じゃあ…はい…!」アーン
ゆい「え!?わたしはいいよ…///」
ゆい「しょうがないな…///」
ゆい「あ、あーん…///」
ゆい「……」モグモグ
ゆい「お、おいしいよ…///」
きょうこ「えへへー♪」ニコニコ
京子「攻められると弱いのは昔からだったね」ニヤニヤ
結衣「うるさい…///」
京子「お風呂ターイム!」
結衣「自分と二人ずつが一番いいかな?」
京子「えー…。いいじゃん!みんなで入ろうよ!」
結衣「さすがに四人は厳しくないか?」
京子「いけるいけるー♪」
京子「よっしゃいくぞー!」
「「「おー!」」」
結衣「まったく…」クスッ
結衣「さすがに湯船に四人はキツいな…」
京子「うん…」
京子「でもキツくても入れるってすごいよね」
きょうこ「おっきいおふろー♪」
ゆい「おふろー♪」
ゆい「そういえば大人のわたしたちは…」
京子「ん?」
ゆい「まだ結婚してないの?」
京子・結衣『…!!!』
京子「けっ、結婚って…!?」
結衣「な、なんで…!?」
ゆい「おおきくなったらきょうこと結婚するって…約束したのに…」
きょうこ「うん!わたしゆいのお嫁さんになるんだー♪」
きょうこ「でも…ゆい…」
きょうこ「結婚は16さいにならないとできないんだよ?」
ゆい「そっか!だからまだできないのか!」
ゆい「なるほど…!きづかなかった…」
京子・結衣(………///)テレテレ
きょうこ・ゆい『……』スヤスヤ
京子「寝ちゃったね…ふたりとも…」ナデナデ
結衣「まあまだ子どもだしね…」ナデナデ
京子「ねぇ…結衣…」
京子「さっきの…覚えてた…?」
結衣「いや、正直さっきまで忘れてたけど…」
結衣「だいぶ思い出したよ…///」
京子「私も…///」
京子「結婚かぁ……」
結衣「うん…結婚ねぇ…」
(わたしたち結婚できないんだって……)
結衣「……!」
京子「どうしたの…?」
結衣「思い出した…」
結衣「あの頃のこと…それから忘れてた理由も…」
京子「忘れてた…理由…?」
結衣「ちょうどこの頃の私たち…」
結衣「多分このすぐ後だと思う」
結衣「私たちは…」
結衣「………」
結衣「私たちが『普通』じゃないって知った」
結衣「女の子同士じゃ結婚できないことを知った」
京子「…!」
きょうこ「ゆい…」
ゆい「なんでだよ!」グスッ
ゆい「わたしなら…」
ゆい「わたしが一番きょうこをしあわせにできるのに!」
ゆい「わたしが一番きょうこを好きなのに!」ポロポロ
結衣「そして私たちは…幼いなりに真剣に話し合って決めたんだ」
京子(私も…思い出した…)
ゆい「よしこれでいいな…」
きょうこ「………」
ゆい「……」
ゆい「ふたりとも結婚の約束はわすれるんだ…」
ゆい「好きだったこともわすれて」
きょうこ「……」
ゆい「わすれて…」ポロッ
ゆい「男の子を好きになる…」
きょうこ「……」ポロポロ
ゆい「男の子と恋をして…『普通』の結婚をする…」
ゆい「それが『普通のしあわせ』なんだから…」
ゆい「だから…」
結衣「だから今日から私たちはただの幼馴染みになるんだ…」ポロポロ
きょうこ「……」
きょうこ「やっぱり…やっぱりいやだよ…」グスッ
結衣「京子…しょうがないんだよ…」
結衣「私たちは一緒にいても幸せになれないんだ…」
結衣「私じゃ京子を幸せにできないんだ…」
結衣「私は京子に幸せになってほしい…」
結衣「泣いてほしくない、笑っていてほしい」
結衣「大丈夫、これからは幼馴染みとして支えるから…」ニコッ
結衣「京子が泣かないでいられるように」
結衣「幸せだって笑っていられるように…」
きょうこ「わかった…」
京子「私強くなる…もう泣かない」
京子「いつか…結衣がいなくなっても平気なように…」
京子「ちゃんと幸せになれるように」
京子「そして…」
京子「結衣も幸せになれるように……………」
京子「………」
結衣「………」
京子「ねぇ…結衣」
京子「結衣にとっての幸せってなに?」
結衣「幸せ…」
京子「この時結衣は『普通の幸せ』って言ってたよね」
京子「私にとっての幸せってさ…」
京子「私が幸せって感じる時には…」
京子「絶対に結衣が隣で笑ってくれてるんだ」
結衣「……!」
京子「どんなに楽しいことよりも…」
京子「結衣が一緒にいることが幸せって思うんだ」
京子「もしこれが『普通』じゃないって言うなら」
京子「私は『普通』なんかじゃなくていい」
京子「誰かに笑われたって、気持ち悪いって言われたって関係ない」
京子「だからさ…」
京子「私と結婚しよう」
京子「たしかに正式な結婚はできないけど…」
京子「私は、好きな人とずっと一緒にいるって誓うこと」
京子「それを結婚って言うんだと思ってる」
京子「だから私と結婚してほしい」
京子「ずっと一緒にいてほしいんだ」
結衣「ありがとう…」
結衣「京子の言葉で気づけた…」
結衣「私も京子が隣で笑っていると幸せなんだ…」
結衣「もう他には何もいらないって思えるくらい…」
結衣「これが私にとっての『普通の幸せ』なんだって」
結衣「だから私からもお願い…」
結衣「私と結婚してください」
結衣「ずっと一緒にいてください…………」
翌朝
prrrrr
結衣「はい、船見です…あ、先生」
西垣「ああ、調べて分かったことなんだが…」
西垣「おそらくタイムスリップのようなものではなく」
西垣「お前たちから生まれたものだろう」
結衣「はあ…」
西垣「それと効果は元々の光る薬と同じく24時間…」
西垣「今日の16時頃には消えると思われる」
結衣「そう…ですか…」
結衣「ありがとうございました、それでは…」
西垣「ああ、ではまた…」ガチャン
結衣「ふー…」
京子「そっか…もうすぐお別れなんだね」
結衣「ああ…」
京子「というかさー」
結衣「ん?」
京子「元々は24時間光らされる予定だったんだね…」
結衣「そういえば…危なかったな…」
京子「まあでも感謝しないとね!」
結衣「そうだな…」
結衣「起きたら二人にもお礼しなきゃ」
京子「うん…そうだね」
京子「という事で…」
結衣「私たち…」
「「結婚しました」」
ゆい「おおおーー!」
きょうこ「おめでとうー」ニコニコ
ゆい「あれ、でも…結婚ってまだできないんじゃなかったっけ?」
結衣「私たちにとって大事なのはそんなルールじゃなくて…」
京子「ずっと一緒にいることだから!」
結衣「だからこれからも一緒にいようねって意味での結婚」
ゆい「まあよくわかんないけどおめでとー!」
きょうこ「おめでとー!」
結衣「ああ、あと…」
京子「二人とも…」
「「本当にありがとう」」
ゆい「???」
きょうこ「???」
京子「よーし!今日も遊ぶぞー!」
「「「「おー!」」」」キュゥー
きょうこ「……///」
「「「……」」」
結衣「まずはお昼ご飯だね」クスッ
きょうこ「うぅ…///」
京子「じゃあ今日はみんなで作ろうよ!」
京子「次はババ抜きだー!」
京子「今度は神経衰弱!」
京子「次はこれだー!」
京子「次は…………」
16時
結衣「もうそろそろお別れか…」
京子「このまま寝かせといてあげよっか」
結衣「そうだね、きょうこは泣いちゃいそうだし」クスッ
京子「この時はまだ結衣に甘えきってる頃だしねー」
結衣「そうだな…すごいくっついて寝てるし」
ゆい「zzz」スースー
きょうこ「ん…ゆい…zzz」ギュッ
結衣「ふふ…」
京子「えへへ…」
パァァァァァァァ
「「あっ…」」
シュンッ
京子「……」
結衣「……」
結衣「ふふ、今もあんまり変わってないんじゃないか?」ポンポン
京子「だって…だって……」ポロポロ
結衣「大丈夫だよ…私はずっと一緒にいるから…」
結衣「もういなくなるなんて考えなくていいんだよ…」ギュッ
結衣「まったく、しょうがないな京子は」クスッ
京子「またたくさん甘えてもいいの…?」
結衣「いいよ」
京子「泣いちゃってもいいの…?」
結衣「そしたら慰めてあげる」
京子「もう…」
京子「一人で泣かなくてもいいのかな…」
結衣「ああ…!もう一人じゃない…!」
結衣「いつだって私がそばにいる…」
結衣「ずっと隣で笑ってるから…」
結衣「私が幸せにしてみせる…!」
結衣「いや…」
結衣「二人で一緒に幸せになるんだ!」
おしまい
乙
Entry ⇒ 2012.07.04 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
あかり「みんなが大好き」
結衣「なんでまた…」
京子「まあいいじゃん」
京子「ってことでジャンジャン書いて入れてってね」
ちなつ(好きなタイプは?っと…)カキカキ
ちなつ(これを結衣先輩が引いたら…)
(結衣『好きなタイプ?もちろんちなつちゃんだよ』キラキラ)
(結衣『おっとこれじゃ好きな人になっちゃったね』キラキラ)
ちなつ(なんてことになったりして!キャーどうしよう♪)
あかり(みんなのことがもっと知りたいなぁ♪だから…うん!たくさん入れとくよぉ♪)カキカキ
あかり(あ、あとこれも書いてみようかなぁ♪)
結衣(話題って言ってもなあ…)
結衣(無難に夏休みとかにしとくか。もうすぐだし)カキカキ
京子(って言っても大して無いんだよね)
京子(まあいいや、適当にミラクるんっと)カキカキ
京子(あとは…ちょっと真面目に将来の夢でも入れとくか)カキカキ
京子(あかり用にこれも入れとこっかな)ポイッ
京子「ということで一人ずつ引いてこっか」
京子「じゃあまずはあかりから!」
あかり「わぁい楽しみ♪」ガサゴソ
あかり「えいっ。えへへ、なんだろぉ♪」ピラッ
クーポン券
あかり「ちょっとぉ!京子ちゃんでしょこれ!」プンプン
京子「よかったなあかり!それがあるとスーファミが安く買えるんだぞ!」
あかり「いらないよぉ!って言うか今さらスーファミって!」
京子「まあ期限切れてるけどね」
結衣「何人が知ってるんだろうね、あのクーポン券…」
ちなつ「どうなんでしょうね…」
京子「じゃあ最後は私だね」
京子「とりゃっ」バッ
あなたにとって私って何?
京子「なんだこれ…あかりっぽい字だけど…」
あかり「あ、昨日のテレビで言ってた言葉なんだけどね」
あかり「よくわからなかったけどすごく耳に残っちゃって」
あかり『あなたにとって私って何なのよ!』
あかり「ってすっごく怒ってたんだぁ」
あかり「で、なんとなく入れてみたんだけど…」
結衣「よくわからないけど私たちにとってのあかりについて話せばいいのかな?」
あかり「…!それだと恥ずかしいからみんなにしようよ!」
あかり「みんながみんなにとって何なのか、紙に書くって言うのはどうかなぁ?」
ちなつ「いまいちわかってないけど…とりあえずやってみます?」
京子「んじゃまあ書いてみますか、5分くらいでいいよね」
結衣(うーん、まずはあかりから…)
結衣(まあ幼馴染みで大丈夫)カキカキ
結衣(ちなつちゃんは…)
結衣(後輩だけだと冷たいかな…)
結衣(でもそれ以外になぁ…、可愛いって付けとけばいっか)カキカキ
結衣(京子…?京子はなんだ…?)
結衣(幼馴染み?親友?なんか違う気がするなぁ…)
結衣(家族…?いや近い気がするけどなんか恥ずかしいし///)
結衣(やばっ!時間ないし!あぁもうこれでいいや!)カキカキ
ちなつ(まずは結衣先輩!)
ちなつ(これはもう王子様しかないわね!)カキカキ
ちなつ(京子先輩は…先輩でいいや)カキカキ
ちなつ(あかりちゃんは…うん、友達で)カキカキ
ちなつ(あぁ…結衣先輩…。大好きですぅ)
あかり(京子ちゃんと結衣ちゃんは幼馴染みだし、ちなつちゃんは友達っと♪)カキカキ
あかり(できたよぉ。えへへ…ん?)
あかり(もしかしてこれじゃすっごく冷たく見える?)アセッ
あかり(どうしよう、たしかに幼馴染みと友達だけど…)
あかり(それだけじゃなくてみんな大好きだし大切だし…)
あかり(うわーん!時間ないよぉ!)
あかり(そうだ!これしかないっ!)グシャグシャカキカキ
京子(あかりはアッカリーンでいいだろ)カキカキ
京子(ちなつちゃんは…やっぱりミラクるん!)カキカキ
京子(結衣は…結衣…?)
京子(結衣はなんだろ?いじるものも無いしな…)
京子(幼馴染みって一言なのもなあ…)
京子(いっか。結衣は結衣で!)カキカキ
あかり→アッカリーン
ちなつちゃん→ミラクるん
結衣→結衣
結衣「!」
あかり「ちょっとぉ!」プンプン
ちなつ「いや正直上二つは予想してましたけど…」
ちなつ「結衣先輩のはどういうことですか?」
京子「ちなつちゃんはミラクるん!ってまでは簡単だったんだけど…」
京子「結衣はなんだろうって考えたら…」
京子「結衣は結衣だ!…と思いました!」ニコッ
結衣「なんだよそれ…///」
京子「照れちゃってー。可愛いなあ結衣にゃん♪」
結衣「照れてる訳じゃなくてさ…///」
ちなつ「そこ!いい雰囲気にならないでください!」
結衣先輩→王子様
京子先輩→先輩
あかりちゃん→友達
ちなつ「キャー♪結衣先輩ー♪」
結衣「あ、ありがとう…」
京子「ちょっとちなちゅー!私はただの先輩なのー?」
ちなつ「はい」
京子「即答!?」ガーン
あかり「あかりもちなつちゃんは一番のお友達だよぉ」ニコニコ
ちなつ「はぁ…本当にいい子だね…」ナデナデ
あかり「えへへ…」ポワーッ
ちなつ「あ…」
ちなつ「ま、まあ…京子先輩にも…色々と感謝してますし…」
ちなつ「ただの先輩ってだけじゃなく…結構…す…す…///」
ちなつ「き、嫌いじゃないですよ!」
京子「……!」
京子「ち、ちなちゅー!私も好きだよー!」ガバッ
ちなつ「す、好きだなんて言ってません!」
結衣「二人は仲良いね」クスッ
あかり「うんっ!あかりも嬉しいよぉ」ニコニコ
ちなつ「違いますってば!」
ちなつ「次いきましょう次!結衣先輩のが見たいです♪」
結衣「私は…」バンッ
あかり→幼馴染み
ちなつちゃん→可愛い後輩
京子→京子
京子「!」
結衣「あかりは大切な幼馴染みだし…」
あかり「あかりも結衣ちゃんが大好きだよぉ」ニコニコ
結衣「ちなつちゃんは可愛い後輩だし…」
ちなつ「可愛いだなんてそんなっ」キャー
京子「ちょっと!なんだよ私のところの『京子』って!///」
結衣「お前も同じことしてただろうが!///」
結衣「家族が近い気がするけど恥ずかしいなとか!」
結衣「そんなこと考えてたら時間なくなるし!」
結衣「ギリギリで出てきたのがこれだったんだよ!」
結衣「で、お前も同じこと書いてるし!」
結衣「うわー恥ずかしいー!」
京子「こっちだって恥ずかしいわ!」
あかり「二人とも本当に仲がいいよね」ニコニコ
ちなつ「そうだね…」ハァ
結衣「大体京子はさ………///」ゴニョゴニョ
京子「それを言ったら結衣だって………///」ゴニョゴニョ
ちなつ「いつまで二人してイチャついてるんですか!」
あかり「あ、えぇっと…うんっ」バンッ
みんな大好き
三人「あぁ…」
あかり「なにその反応!?」
結衣「いや…」
京子「なんというか…」
ちなつ「ねぇ…」
三人「あまりにも納得しすぎて」
結衣「私はあかりらしくていいと思うよ」
京子「うん、あかりっぽい」
ちなつ「これでこそあかりちゃんって感じ」
あかり「よくわからないけど…えへへ、ありがとぉ」ニコニコ
三人「やっぱりいい子だ…」
京子「んじゃ帰りますかー」
あかり「あっ、ちょっといい?」
ちなつ「どうしたの?」
あかり「さっきは書いただけで言えなかったから…」
あかり「あかりはみんなが大好きだよ」
あかり「みんなといるととっても楽しいし…」
あかり「だから…ずっと一緒にいたいって…」
あかり「今がずっと続けばいいなぁって思うんだぁ…」
ちなつ「私はそんなの嫌だ」
三人「!!!」
あかり「……」
あかり「……」ジワッ
あかり「ごめんね…あかりとずっと一緒なんて嫌だったよね…」
京子「……」
結衣「ちょっとちなつちゃ…」
ちなつ「そうじゃなくて!」
ちなつ「私は今がずっと続くなんて嫌だって言ったの!」
ちなつ「……」
ちなつ「私は…ごらく部に…」
ちなつ「最初はただ結衣先輩に会いにきてた…」
ちなつ「京子先輩は苦手…いやむしろ嫌いなくらいだったし…」
ちなつ「あかりちゃんは…なんだこの変な子はって…」
ちなつ「だけど今は違う」
ちなつ「みんなと一緒にいて…みんなのことをたくさん知って…」
ちなつ「私はみんなのことが…このごらく部が…好きになった」
ちなつ「時間が進めば先輩たちは卒業してしまうけれど…」
ちなつ「ずっと一緒にはいれないけれど…」
ちなつ「それでも私は…」
ちなつ「そんな風にこれからも変わっていきたい…」
ちなつ「みんなをもっと好きになりたい…」
ちなつ「前に進みたいって思う」
「…………」
ちなつ「それに…」
ちなつ「ずっと一緒にはいれないって思うからこそ」
ちなつ「私は今を…」
ちなつ「先輩たちのいる今を一生懸命楽しみたい」
あかり「…!」
ちなつ「一緒にいることを当たり前なんて思っちゃいけないって」
ちなつ「こんな風に毎日一緒にいれるってことは…」
ちなつ「とても大切でとても幸せなことなんだって」
ちなつ「だから今を大切にしなきゃいけないんだよ」
ちなつ「いつか別れがあるから…この毎日は永遠じゃないから」
ちなつ「今を楽しんで…そして…前に進まなきゃ」
ちなつ「『今をずっと一緒にいたい』じゃなくて」
ちなつ「『この先もずっと一緒にいたい』って思わなきゃ」
あかり「ちなつちゃん…」ポロポロ
ちなつ「さっき私を一番の友達って言ってくれたよね」
あかり「うん…」グスッ
ちなつ「私だってそう思ってるんだから…」
ちなつ「私だってずっと一緒にいたいって思ってるんだよ」
あかり「ちなつちゃん…」
あかり「ありがとう…ちなつちゃん…」ポロポロ
ちなつ「ほら泣かないの」クスッ
ちなつ「大丈夫だから…」ギュッ
ちなつ「うん…」ナデナデ
あかり「また二人に置いてかれるのが…」
あかり「そしたら…ちなつちゃんもいなくなっちゃうんじゃないかって…」グスッ
ちなつ「大丈夫…先輩たちはあかりちゃんを置いてったりしないよ」ポンポン
ちなつ「ただちょっと前を歩いてるだけ…」
ちなつ「あかりちゃんならすぐ追いつけるよ…」
ちなつ「それに私も一緒なんだから」
ちなつ「二人で一緒に歩こうよ」
あかり「うん…うん…!」
京子「私たちは学年が違うから…」
京子「また離れちゃう時がくるけどさ…」
京子「ちなつちゃんがいるから大丈夫だよね?」ウルウル
結衣「ああ…」
結衣「あの二人ならずっと一緒にいられるよ」ポンポン
京子「よかった…またあかりを置いてくことになっちゃうって思ってたけど…」
結衣「うん…そうじゃなくって…」
結衣「ちょっと先に行って待っててあげるんだ」
結衣「今度は二人を…」
京子「うん…」グスッ
京子「結衣ぃ…」
京子「私たちも…」
京子「私たちも一緒にいられるよね?」ポロポロ
結衣「全く、しょうがないな京子は」クスッ
結衣「当たり前だろ?」
結衣「大丈夫…ずっと一緒だよ」ギュッ
結衣「落ち着いた?二人とも」
京子「うん…ありがと…」グスッ
あかり「うん…」グスッ
ちなつ「まったく、手がかかりますね」クスッ
結衣「本当にね」クスッ
結衣「ちなつちゃん」
ちなつ「はい」
結衣「あかりをよろしくね」
結衣「でもちょっと危なっかしいところもあるから…」
結衣「一緒にいて見守ってあげてほしいんだ」
ちなつ「そんなの当たり前です…だって…」
ちなつ「私とあかりちゃんは一番の友達ですから」ニコッ
結衣「そうだね…ありがとう」ニコッ
結衣「そうだ三人とも」
結衣「今日泊まりに来ない?」
結衣「このまま色々話したい気分なんだけど」
ちなつ「はいっ是非っ♪」
あかり「あかりもたくさんおしゃべりしたいなぁ」ニコニコ
京子「よし!じゃあ今日は朝まで語り明かすぞー!」
『おぉー!』
おしまい
結京ってお互いの関係を書かせたら名前を書きそうだよねって書き始めたのに
なぜかちなつがイケメン化した
本当に4人が純粋に関わればいいよね
Entry ⇒ 2012.07.03 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
京子「睡眠薬」
結衣「ごちそうさま」
結衣「んじゃお茶いれてくるね」
京子「あ、ありがとー」
結衣(よし…この睡眠薬を…)サーッ
結衣「はいどうぞ」スッ
京子「ありがとー」
京子(甘いな結衣!)
京子(バレバレだよん)
京子(ちなみに私のことが好きなのもね♪)
京子(告白してくれるのずっと待ってたのに…)
京子(まさかそこまで思い詰めてるとは!)
京子(まあ、ここで問い詰めるのも面白そうだけど…)
京子(ここはあえて…飲んだふりをして…)
京子(眠った私に何をするつもりなのか確かめてやろう!)ニヤニヤ
京子(あー、何されるんだろ…)
京子(ついに…ついに結衣から…!)
『京子、好きだよ』
京子(なんて言われたり…///)
京子(もしかして…キ、キスとかされちゃったりして!)キャー
京子(決めた…!)
京子(そこまでいったら起きて…)
京子(私も好きだよってやり返してやろう♪)
京子「なんでもないよーん♪」
京子「んじゃいただきまーす」ゴクッ
京子(どうだ!この完璧な飲んだふり!)
京子「いつものちなつちゃんのお茶も美味しいけど…」
京子「結衣のお茶も私好きだよ」
結衣「そうか?まあそれならよかった…」
京子「結衣ー。ゲームやっていい?」
結衣「いいよ。じゃあ私は先に洗い物してきちゃおうかな」
京子「あっそうか、手伝うよ」
結衣「ううん、大丈夫だからゲーム始めてていいよ」
結衣(立ってる時に寝られたら危ないし…)
京子「そう?じゃあお言葉に甘えちゃうね」ニコッ
京子(……)
京子(よし…この状況で…)
京子(いかにもゲーム途中で寝てしまったかのように見せかける!)
京子(机にうつぶせがバレにくいかな?)
京子(コントローラーを持って…)
京子(こんな感じかな…)ダラー
京子(完璧だ!いつでもかかってこい!)
結衣「京子?」
京子(きた!)
結衣「寝てる…?」
京子(寝てます!)
結衣「おーい」トントン
京子「zzz」
結衣「睡眠薬って本当に効くんだ…」
京子(飲んでないけどね!)
結衣「………」
結衣「綺麗な髪…」サラサラ
京子(あ、くすぐったい…)
結衣「薬なんか使ってごめんね…」ナデナデ
結衣「絶対寝ててくれないと言えないから…」
結衣「……」
結衣「好き…」
京子(きたよ!きてますよこれ!)
結衣「ずっと昔から…」
結衣「ずっと、ずっと好きだった」
京子(きたきたー!)
結衣「京子の笑ってる顔が大好き」
結衣「京子とずっと一緒にいたい」
結衣「だから…」
結衣「これでおしまい」
京子(………!?)
結衣「これで…全部…」
結衣「諦めるんだ…」ポロッ
結衣「きっと京子は…」
結衣「私を幼馴染みとしてしか見てない…」
結衣「それに…」
結衣「女の子同士だなんて…受け入れてくれるわけがない…」ポロポロ
結衣「この想いを…伝えてしまって…」
結衣「もし…京子に否定されたら…」
結衣「京子に…気持ちわるいって…言われたら…」
結衣「幼馴染みにも戻れなかったら…」
結衣「私はきっと…」ポロポロ
結衣「だからこれで私の初恋はおしまい」
結衣「京子が目覚めたらいつも通り幼馴染みとして…」
結衣「うん、いつも通り…」
結衣「ただの幼馴染みでいいから…」グスッ
結衣「今だけは…まだ…」
結衣「もう少しだけでいいから…」
結衣「一緒にいさせてよ…」ポロポロ
結衣「ダメだなぁ私…」グスッ
結衣「よし!顔洗ってしっかりしなきゃ!」スッ
タッタッタッ……
京子(………)
京子(諦めるって…これでおしまいってなんだよ…!)
京子(なんで起きてあげなかったんだ…!)
京子(起きて…一言だけ…)
京子(たった一言言うだけでよかったのに…)
京子(それだけで結衣を…)
京子(結衣を泣かせることなんかなかったのに!)
京子(今まではずっと泣いてる私を結衣が慰めてくれたんだ…!)
京子(今、結衣が泣いてるなら…!)
京子(今度は私が!)
結衣「あれっ起きてたの?」
京子「結衣、真面目な話するからここ座って」
結衣「どうしたの急に?」
京子「まず最初に…私知ってたよ」
結衣「知ってたって何を…?」
京子「結衣が私のことが好きなことも、お茶に薬を入れたことも」
結衣「……!」
結衣「………」
京子「次は…謝らなきゃいけないこと…」
結衣「!……嫌だ…」
京子「あのね…」
結衣「やめてくれ!」バンッ
京子「……!」
結衣「もういいから…もうやめてよ…」
結衣「これ以上…聞きたくない…」ポロポロ
結衣「謝るってことはそういうことなんだろ…?」
結衣「そんなの…聞きたくない…!」
京子「違うよ結衣…大丈夫だから…」ギュッ
京子「私を信じて…」
京子「今話さなきゃいけないんだよ…」
京子「だから…ちゃんと聞いて…」
結衣「………」
京子「大事なことは結衣に任せて…」
京子「全部結衣がしてくれるって思ってた…」
京子「ごめんね…」
京子「それから…さっき…」
京子「結衣が泣いてるのに何もしてあげられなくってごめん…」
京子「私が泣いてる時はいつだって慰めてくれたのに…」
京子「結衣が泣いてる時に私は…何もできなくて…」
京子「たった一言言うだけでよかったのに…」
京子「ごめん…」
京子「だから…さっき言えなかった代わりに全部言うよ」
京子「ちゃんと聞いてほしい」
結衣「……」
京子「私は…」
京子「結衣が大好きです」
結衣「!!!」
京子「ずっとずっと好きでした」
京子「……」
京子「なのに…」ポロッ
京子「結衣も私のことが好きだって知ってから…」
京子「嬉しくて…すごく嬉しかったのに…」
京子「私から告白すればよかったのに…」
京子「結衣から告白してほしいなんて勝手な考えをしてた…」ポロポロ
京子「結衣があんなに悩んでるなんて知らなくて…」
京子「結衣の気持ちを考えもしないで…」
京子「本当に最低なことをしちゃった…」
京子「ごめん…」グスッ
京子「謝るから……だから…」
京子「諦めるなんて言わないでよ…」
京子「嫌いにならないでよ…」
京子「お願いだよ…結衣…」ポロポロ
結衣「嫌いになんか…なるわけない…」
結衣「想いが通じたのに…」
結衣「嫌いになんかなるわけない!」
京子「結衣…」
結衣「だから私もちゃんと言うよ」
結衣「ずっと好きでした……私と…」
結衣「付き合ってください」
京子「ホントにありがとう…あと…」
京子「ホントにごめんね…気づいてあげれなくて…」ポロポロ
結衣「私はもう大丈夫だから…」
結衣「ありがとね…京子…」ギュッ
京子「結衣…!」ギュッ
結衣「……」クスッ
結衣「ほらもう泣き止みなって」ポンポン
京子「うん…」グスッ
京子「あー、結局結衣に慰めてもらっちゃったな…」
結衣「今はこれでいいんじゃないかな」クスッ
京子「もう立ち直ってるし…」
結衣「カッコわるいところたくさん見せちゃったからね」ナデナデ
京子「またそうやってカッコつけようとして…」ムー
京子「これからはそういうの禁止!」
結衣「そうだね…これからは一人で抱え込まないようにするよ」
京子「二人ならきっと大丈夫!」
京子「これからは私も頼ってもらえるようにがんばるから!」
京子「だから…」
京子「これは今までのお返し!」
チュッ
結衣「………」
結衣「はっ?」
京子「今のはお返し!」
京子「今までもらったいろんなことの…」
京子「今までのありがとうの気持ち!」
京子「そしてこれからも…」
京子「ありがとうとか…好きとか!!」
京子「たくさん伝えていくからなー!」
おしまい
みたいなのを見て書きました
甘甘にしようとしたのに変な方行ってごめんなさい
Entry ⇒ 2012.07.02 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
結衣「笑顔」 京子「笑顔!」
結衣「またあの先生は…」
京子「ってことでいきまーす!」
ゴクッゴクッ
京子「おぉ…!」
結衣「おぉ…」
結衣「すごいな、10センチぐらい伸びたんじゃないか?」
京子「いやー結衣より目線が高いって新鮮だなー。それに5年後の私綺麗!」
結衣「自分で言うか。まあ…確かに綺麗だけど…///」
京子「珍しい!結衣がデレた!」
結衣「いや、でもホントに綺麗だと思うよ。大人っぽくなってるし」ニコッ
京子「おぉう…、真面目にそんなこと言われると恥ずかしいな…///」テレテレ
結衣「そっちが照れるとこっちも恥ずかしくなるんだけど…///」テレテレ
結衣「それで、なんでこんな薬を作ってもらったの?」
京子「えっ?」
結衣「さっき先生に会ったとき京子にお願いされて作ったって言ってたから気になって」
結衣「ちなみに私も貰ったんだ。爆発もしないようだし私も使ってみようか…」
京子「ダメーッ!!!」ダンッ
結衣「なっ!?」ビクッ
京子「絶対ダメッ!!」
京子「あっ…。と、とにかくダメなのっ!」
結衣「もしかして…作ってもらった理由と関係してたり…?」
京子「そ、そんなことないよっ」アセッ
結衣「そうか、なら私も使ってみるね」スッ
京子「だからダメだってば!」
結衣「だったら理由ぐらい教えてよ。私だって自分の姿見てみたいし」
結衣「言えないってことは何かイタズラでも考えてるのか?」
京子「そうじゃないけど…」
結衣「じゃあどうして?」
京子「恥ずかしいんだよっ!」
結衣「恥ずかしいって…」
結衣「あんまりそこは成長しなかったみたいだね…」ジーッ
結衣「可哀想に…」ウルッ
京子「違うっ!残念そうに見るなっ!なんで泣いてんだっ!」
結衣「それで私だけ大きくなってたら悲しくなるもんね…。わかった、使わないよ」グスッ
京子「だから違うっていってんだろ!」
京子「わかったよ!言えばいいんだろ、言えば!」
京子「身長が結衣よりも大きくなりたかったの!」
京子「………」
結衣「えっ?それだけ?」
京子「そうだよ!」
結衣「ごめん、恥ずかしいの意味がわかんない」
京子「あぁもうこうなったら全部言うからな!ちゃんと聞けよ!」
結衣「う、うん…」
京子「その前にちょっと落ち着かせて…」スーハー
京子「よしっ、じゃあ話すね…」
京子「ねぇ結衣…私が泣き虫をやめようと思ったのってどうしてだと思う?」
結衣「そういえばちゃんと聞いたことなかったな…」
京子「結衣は…」
京子「結衣はずっと私を守ってくれたよね」
京子「いじめっこや近所の怖い犬だったり…他にもたくさん」
結衣「そうだな…」
京子「私の手をいつも引いてくれた」
京子「家で一人だった私を外に引っ張ってくれて」
京子「たくさんの楽しいことを教えてくれた」
結衣「うん…私も楽しかったよ」
京子「小学生になってもっと明るくなりたいって思った時はずっと支えてくれた」
京子「結衣が支えてくれたから私は友達もできたし前だけを見て歩いてこれたんだよ」
結衣「それは…京子が頑張ったから…」
京子「こうやって結衣は私にたくさんのことをしてくれた」
京子「だからさ、恩返ししなきゃなって思ったんだ」
結衣「恩返し…?」
京子「そう」
京子「結衣を守ってあげたい」
京子「今の私にできるのは寂しい時に一緒にいることくらいしかないけど」
京子「結衣の手を引いてあげたい」
京子「結衣がしてくれたみたいにたくさんの楽しいことに」
京子「結衣を支えてあげたい」
京子「結衣が何かを頑張ろうとした時は前だけを見れるように」
京子「でもさ、そんな時にこっちが泣いちゃったらダメじゃん?」
京子「だから結衣が安心して頼ってくれるように泣き虫はやめようって」
京子「そんなことを考えたんだよね」
結衣「そっか…ありがとな、京子」ナデナデ
京子「えへへ。それでね、ひとつだけどうしても返せないことがあって」
結衣「返せないこと…?」
京子「そう…それはね…」
京子「昔から結衣って私が泣いてるとギュッてしてくれたじゃん?」
結衣「あぁ…最近はめったにないけどな」
京子「あれが私大好きでさ、暖かいし安心するしなんかいい匂いするし」
京子「なんか、泣いてちゃダメだって、頑張ろうって勇気をもらえる気がしてさ」
京子「で、そう思うのはなんでだろうって考えたんだけど」
京子「結衣が私より大きいからじゃないかなって思ってね」
結衣「え、もしかしてそれが薬を作ってもらった理由?」
京子「うん」
京子「だっていつまでたっても結衣の方が大きいからさ」
京子「だからここらへんで大きくなって抱きしめてやろうかと」
京子「ということで飛び込んでおいで!」バッ
結衣「いや、私別に泣いてないんだけど」
京子「いーからいーから」
結衣「まあたまにはいいか…」スッ
京子「よしよし、いい子ですねー」
ギュッ
結衣(暖かい…。それにすごく落ち着く…)
結衣(うん…私のこの想いは昔から変わらない…)
結衣(ありがとう。勇気もらえたよ)
結衣(伝えてしまったら今までの関係が壊れてしまうかもしれないけど…)
結衣(もう一緒にいられないかもしれないけど…)
結衣(でも……今…)
結衣(今…伝えるんだ!)
京子「どんな感じ?」
結衣「うん…安心するかも…」
結衣「ありがと」パッ
京子「これで目的を達成したぜー」
結衣「おめでとう」
結衣「じゃあついでだし私の話も聞いてくれるかな」
京子「おぉ、なんでも聞いてあげよう」
結衣「まずはありがとう」
結衣「色々考えてくれて」
結衣「いつも泊まりに来てくれて」
結衣「今私を引っ張ってくれて」
結衣「おかげで今は寂しさなんか感じる暇もないくらい楽しいよ」
結衣「いつもは言えないけど本当に感謝してる」
京子「へっへーん。いいっていいって」ニッ
結衣「それとね…」
結衣「私は京子に何かをしてあげたなんて思ってないよ」
結衣「全部私がしたいことをしてただけ」
結衣「私が京子の笑顔が見たいだけなんだよ」
結衣「いじめっ子や犬から守った時に京子は泣きながらでも『ありがとう、結衣』って笑ってくれた」
結衣「一緒に遊んだ時は『楽しいね、結衣』って」
結衣「小学校にあがってから京子はどんどん明るくなってたくさん友達もできた」
結衣「笑顔でいる時間が増えていくのを一番近くで見てた」
結衣「私にとって何よりも嬉しいことだった…」
結衣「私は京子の笑顔が…大好きなんだよ…」
結衣「だから…」スッ
ゴクッゴクッ
京子「あっ…」
結衣「目線が同じだね」ニコッ
京子「うん…おんなじ…」
結衣「私はね、どちらかが守るんじゃなく」
結衣「どちらかが引っ張るんじゃなく」
結衣「どちらかが支えるんじゃなく」
結衣「ずっと隣で、手を繋いで、支えあって歩いて行きたい」
結衣「笑っていたいと思ってる」
結衣「だから…これからも…」
結衣「私と一緒に笑っていてください」
結衣「私の大好きな笑顔をたくさん見せてください」
結衣「ずっと、ずっと好きでした」
結衣「私と…付き合ってください!」
京子「………」
京子「…ありがとう…」
京子「あり…がと…」ポロッ
京子「ずっと言えなかった…」ポロポロ
京子「言って…嫌われたらどうしようって…」
京子「それが怖くって…」グスッ
京子「本当にありがとう…」
京子「私も結衣が好き…」
京子「結衣の優しいところもかっこいいところも」
京子「ちょっと寂しがり屋なところだって…全部…」
京子「結衣の全部が好き…」
京子「結衣の笑顔が大好き…」
京子「こんな私でよかったら一緒にいてください…」
京子「一緒にたくさん笑ってください…!」ポロポロ
結衣「ふふ…」
結衣「笑ってよ…笑顔が好きだって言っただろ?」クスッ
京子「結衣だって…泣いてるくせに…」グスッ
結衣「泣いてなんかないよ…私はちゃんと笑ってる…」ポロポロ
結衣「こんなに嬉しいのに…泣くわけないだろ…」グスッ
京子「うん…そうだね…。私も…笑ってるよ…」ニコッ
結衣「うん…私の大好きな笑顔だ…」ポロポロ
京子「結衣も…私の大好きな笑顔だよ…」ポロポロ
ギュッ
京子(あぁ…わかった…)
京子(身長の差なんか関係なくって…)
京子(結衣だからこんなに好きなんだ…)
((ありがとう…))
((これからもよろしくね…))
5年後
京子「結衣ー!今日はなんの日でしょう!?」
結衣「何の日って…」
結衣「そりゃあ付き合いはじめた日だろ?」
結衣「ほらケーキも準備してあるよ」
京子「ふっふーん。それだと70点くらいかな?」
結衣「他にも何かあったっけ?」
京子「ヒントは5年前!」
結衣「5年前…。あぁそうか。西…」
京子「西垣ちゃんの薬で、成長した姿がちょうど今日の私たちなんだよ!」
結衣「言わせろよ…」
京子「いや~、懐かしいね」
結衣「本当にあの時見たまんまになったな」
京子「あの時の結衣はかっこよかったなー」
結衣「京子のおかげだけどね」ニコッ
京子「あらあら…すっかりデレちゃって」
京子「そうそう、ずっと気になってたことがあるんだけどさ」
結衣「なに?」
京子「結衣が薬飲んだ時私より身長大きかったり、逆に小さかったりしたらどうしたのかなーって」
結衣「あぁ…今思えばたしかにどうしたんだろうな」
結衣「でもあの時はなんか自信があったんだ」
結衣「京子に抱きしめられて、告白しようって決心したら」
結衣「絶対に同じくらいになるって、ならないなんてあり得ないって思ったんだ」
結衣「そうなったら嬉しいなとはずっと思ってたしね」
結衣「まあ違ったら別の言葉が出てくるだけだとは思うけど」
結衣「あの時も夢中で喋ってただけだしさ」
京子「そっか…ありがとね」
結衣「んじゃとりあえず…」
「「かんぱーい」」
京子「うまい!」
結衣「毎年カレーとケーキだけど本当にいいの?」
結衣「レパートリー増えたから言ってくれれば違うのも作るのに」
京子「いいの。結衣のカレー好きだし」
京子「それに…あの頃の気持ちを忘れないでいられる気がするしね」
結衣「たしかにカレーばっかだったもんな」
京子「あとオムライスと麻婆豆腐!」
結衣「うん、泊まり来たときその3つでローテーションしてた」
京子「他のも好きだけどその3つは殿堂入りって感じ?」
京子「あ、明日は麻婆豆腐がいい!」
結衣「電気消すぞー」
京子「はーい」
結衣「………」
京子「………」
結衣「京子…」
京子「ん…?」
結衣「ありがとう…ずっと一緒にいてくれて…」
京子「ううん…私こそありがとう…」
結衣「これからもたくさん笑っていられたらいいな…」
京子「いいな、じゃなくて笑ってるの。私たちはずっと」
京子「この先…何十年たっても」
京子「おばあちゃんになって、シワだらけになっても」
京子「ずっと、ずーっと、一緒に笑っているんだよ」
結衣「そっか…そうだな。ずっと一緒に笑っていよう」
結衣「京子」 京子「結衣」
『愛してる』
結衣「ふふ…」
京子「えへへ…」
結衣「おやすみ…」
京子「おやすみ…」
((また明日もたくさん笑おうね…))
おしまい
みてくれた人ありがとう。あと結衣スレの人たちもありがとう
あしたもがんばる
乙
Entry ⇒ 2012.07.01 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
京子「結衣って私のこと好きでしょ?」
京子「いやーはたから見れば絶対そうなるって」
結衣「そもそも有り得ないだろ、私が京子を好きになるって」
京子「そうなのかなぁ……」
結衣「そうそう、ちょっとは考えて物を言いなよ……」チュッ
京子「んっ……」
京子「あっ、あの、今のはなに?」
結衣「ただのキスでしょ、いつものことじゃないか」
京子「……」
京子「えっ、私のせいなの!?」
結衣「だって有り得ないでしょ、私が京子を好きになるなんて」
京子「……まぁそうなのかな、本人がそう言ってるんだし」
結衣「そうそう、京子、……もう一回口貸して?」クイッ
京子「あっ……」
結衣「ん……はむ……」チュッー
京子「んっ、んぅ……はっ……」チュッ
結衣「んっ……、ごちそう様」
京子「……いっ、いつものキスだね」
結衣「うん、こんなの今更だよね、キスするなんて」
京子「わ……私のこと、嫌い?」
結衣「ううん、嫌いではないよ」ギュッ
京子「好きでもないと」
結衣「うん」
京子「どういうことなの……」
結衣「……」チュッ
京子「んぅ……はぁ……」チュッ-
結衣「……んっ、ごちそう様」
京子「……ぃ、ゆい」ギュッ
京子「すっ、好きだから、キスするんでしょ?」
結衣「……」チュッ
京子「っ、ぅ……はっ……」
結衣「……これでもう変なこと言わない?」
京子「やっ、やだ、結衣から好きって聞くまで――」
結衣「……」ギュッ
京子「んっ……えへへ……結衣のぎゅー大好き」
京子「結衣の心臓からどきどきって、聞こえる……」
結衣「……」チュッ
京子「はむっ……んっ……」
結衣「だって京子が変なこと言うんだもん」
京子「はぁ……」
京子「もういいや、ちょっとこのままひざ枕させて」ゴロン
結衣「好きじゃないよ、ただいつも通りいっぱいキスしただけ」
京子「……はいはい、早く頭も撫でて」
結衣「……ふふ」ナデナデ
京子「いま笑ったよね」
結衣「笑ってないよ」
結衣「……」ナデナデ
京子「幼馴染でも、それが同性でも好きになるのはおかしくない」
結衣「へぇ、そうなんだ」
京子「だから結衣が私を好きになっても――」
結衣「んっ……」チュッー
京子「やぁっ、んんっ……はっ……」
結衣「……ご、ごめん調子乗ってキスしすぎた」
京子「いいよ別に、私もまんざらでもないし」
結衣「……えへへ」
京子「いま笑ったよね、絶対えへへって言った」ジッ
結衣「笑う場面でもないだろ、何言ってるの?」
京子「……」ムスッ
京子「結衣、私すき……」
結衣「……」ンー
京子「焼き、を食べたい」
結衣「あ、あぁそうだな、すき焼きね……」
京子「ほっ、ほんと!?」
結衣「ちょうどタイムセールで買ったお肉もあったんだ、もちろん国産の」
京子「しかも国産かよ……」ゴクッ
京子「ずいぶん羽振りがいいじゃないの、一人でそんなものばかり食べ……」
結衣「京子のためだけに買ってきた」
京子「えっ?」
結衣「京子の笑顔が見たいから買ってきた、でも京子のことは好きじゃないよ」
京子「……いや、もう慣れたけどねこういう展開」
京子「あいあーい、適当にごろごろしてるよん」ニコッ
結衣「いや悪いんだけど隣に立っててくれないかな」
京子「へっ、でも私はお料理とかあまり出来ないけど……」
結衣「知ってるよそんなの、隣に突っ立ってるだけでいいんだ」
京子「えへへ、もう結衣ってば私がいないと……」
結衣「京子が隣にいないと寂しい、でも京子のことは好きじゃないよ」
京子「……はいはい、隣にいないと寂しいって聞けただけで満足です」
結衣「そうかな、京子の方が可愛いと思うけど」サクサク
京子「なっ、でもどうせ私のことは好きじゃないんだろ」プクー
結衣「……で、でも嫌いじゃないから」
京子「分かったよもう贅沢言わない、できれば結衣の口から聞きたかったけどね」
京子「……たったの二文字なのに」
結衣「……」チュッ
京子「んっ……って、今のは何のキス?」
結衣「しょんぼりしてる京子が可愛いから、ついキスしちゃった」
京子「……な、なんだそれ、新しいパターンやめてよ」
京子「何ていうかさ、お料理の腕前上がったよね結衣」
結衣「今日はただ単にすき焼きだから、でしょ?」
京子「ううん、そういう補正抜きでも絶対上手くなったよ」アムッ
京子「……おいちぃ~」ニコニコ
結衣「美味しいものを作れば京子の笑顔が見られるもん、そのおかげかな」
京子「……でも京子のことは好きじゃないよ」
結衣「うん、……あ、京子、あ~ん」スッ
京子「あ~ん、はむっ、えへへ……はぁ……素直になろうよ結衣」
結衣「お粗末さま、食べるだけじゃなくてちゃんと運動もしないとね」
京子「……うーむ、同じもの食べてるのになんで結衣はお腹掴めないの」フニフニ
結衣「こらこらっ、あははっ、ひっ、く、くすぐったいよ……」
京子「……ずるい」
結衣「京子のために体型維持のジョギングしてるからね、そのおかげかな」
京子「私に好かれるために?」
結衣「うん、でも私は京子のこと好きじゃないけどね」スタスタ
京子「……クールあまのじゃく素直デレ?」
結衣「京子ーお風呂沸いたから先に入っちゃって」
京子「んー、結衣も一緒に入ればいいじゃん」
京子「……えへへ、なんちゃって」ニコッ
結衣「後で行くよ、お皿洗ってからすぐ行くね」
京子「あっ、来ちゃうんだ……」
京子「はっ、はやく、結衣が来る前に浴槽に!」
ガラガラ
結衣「お待たせ、湯加減はどうかな」
京子「せ、せーふ……」チャポン
結衣「うん?……よく分からないけど、湯加減はオッケーってことかな」
京子「……さ、さすがに裸見られるのは、恥ずかしいっ」
京子「あ、結衣も一応隠すだけの理性はあるんだ……残念」
結衣「な、なんだよ理性って……」
京子「……」
結衣「ちょ、ちょっと待て、凝視するのは無しだろさすがに」
京子「……もう一緒に入られないかもしれないから、目に焼き付けるの」ジッ
結衣「うっ……京子が入りたいならいつでも一緒に入ってやるから……」
京子「えっ!?」
京子「その調子であの二文字も言っちゃいなよ!」ザバッ
結衣「まぁ京子のことは別に好きじゃないけど」
京子「いや、お風呂一緒に入る方が恥ずかしいだろ!!!」
京子「ほんっとワケが分からないよ、まったくまったく……」ブツブツ
結衣「そんな仁王立ちしてるけど……裸を隠さなくて、いいの?」
京子「あっ……うわっ!?」ザブン
京子「……見た?」
結衣「見てないし、仮に見たところで京子の裸とか興味ないし」
結衣「……」ツー
京子「……鼻血、出てるけど」
結衣「……見てない」ツー
結衣「んー、そりゃあ京子の裸を見れば鼻血も出るか……」ポー
京子「……好きな子の裸だからね」
結衣「……」チュッ
京子「んっ……!?……あっ、はぁ……んっ……」
結衣「……ぷはっ」
京子「くそっ、久々だから忘れてた、禁句だったんだ……えへへ、まぁいいけど」
京子「……お風呂でキスってすごいことしてるよねぇ、ほんと」シミジミ
結衣「ほら、あまり長湯しちゃうとのぼせちゃうよ」
京子「……はーい、もっと結衣とお風呂入りたかったな」ザバッ
結衣「っ!?」
京子「……あっ、ゆ、結衣のえっち、変態!!」
結衣「いや、形のいいお尻だよ、本当にきれい」ツー
京子「せ、せめて嘘でも見てないって言えよっ!」
結衣「……な、なにも見てない」ツー
京子「……はぁ」
京子「……うるさい、変態」
結衣「なっ、なんだよその言いぐさは……」
京子「……あ、パジャマも洗ってくれたんだ」モソモソ
結衣「当たり前だろ、京子喜んでもらいたいもん」
京子「……結衣」
結衣「うん?」モソモソ
京子「どうして私にいつも優しくしてくれるの?」
結衣「……」
京子「……そっか」
結衣「小さいころから京子の面倒見るのが私の役割みたいなの感じてたし」
京子「っ……!」グスッ
結衣「だから京子は何も気にしなくてもいいよ、私が好きでやってるんだから」ニコッ
京子「……いい、もういいよ、ありがと結衣」ガラッ
京子「お布団先に敷いてるからね、これくらいは私もできるから」
バタンッ
結衣「京子……」
結衣「……京子、もう寝てるの?」
京子「……ゴメンね私今日はもう疲れちゃった」
結衣「ううん、なんか様子が変だったからちょっと心配だったんだ」
結衣「風邪とか引いてないよね、辛かったらすぐ言うんだよ」
結衣「……おやすみ」モソモソ
京子「……」
京子「辛いけど、風邪薬とかじゃ治らないから……」グスッ
京子「……結衣、まだ起きてるよね?」モソモソ
結衣「んっ、もう少しで寝るところだった……」
京子「そっか、えへへ、最後の最後にさ、結衣に聞きたいことがあって」
結衣「ふふ……明日の晩御飯はお刺身でも食べたいの」
京子「……これが最後、結衣って私のこと好きでしょ?」
結衣「っ……」
結衣「…………」チュッ
京子「んっ、やだっ、もう止めてよっ!!!」ドン
結衣「きょ、京子……」
京子「わたし結衣が何考えてるか分からないよ……えっ……ひぐっ」
京子「どうして好きって、言ってくれないのっ?」ギュッ
結衣「わ、私は……」
京子「もういらないっ、ぜんぶいらないよ、……」ポロポロ
京子「優しくされるのも、キスされるのも、辛くなるだけ……だから……」グスッ
結衣「……ゴメン、京子」
京子「……ううんっ、分かってくれたらならそれでいいから、さ」
京子「……えへへ、そっか」
京子「……ありがとう、わがまま言っちゃってごめんね」
結衣「ずっと、ずーっと、長い間我慢してたんだ」
京子「せめて今日だけはこのまま、最後でいいから……」ギュッ
結衣「……何年間も抱え込んでた」
結衣「幼馴染なのに、同じ女の子なのに……」
結衣「好き、じゃ片づけられないくらい京子のことが大好きなんだ」ギュッ
京子「……えっ?」
結衣「ふふ、私の性格は京子が一番よく知ってると思うんだけど」
京子「ゆっ、結衣は、あまり嘘つかない……」グスッ
結衣「……正解」チュッ
京子「っ……んっ……はむっ……」ギュッ
結衣「はっ……待たせてゴメンな、京子」
京子「最後の最後でギリギリセーフだったね、ふふ」
京子「あーもう暑苦しい……」
結衣「好き好き大好き、愛してる……♪」ギュッ
京子「なにそれ、一休さんのOP?」
結衣「そ、そっちじゃねーよ、バカ!」
京子「……えへへ、まだ足りないからもっと好きって言って?」
結衣「……こっちも数年分溜まってるんだ、いくらでも言ってやる」ギュッ
京子「いやーん……」
京子「有り得ない、マジで夜通し愛の言葉ささやいたよこの人」カァー
結衣「……まだ足りないです」ギュッ
京子「も、もう勘弁して、こっちの身がもたないから!」
結衣「……ま、これからゆっくりでもいいか」
京子「へへ、そうそう、それでいいんだよ」
結衣「……ふふ」
結衣「んー?」
結衣「……そう言えば京子から好きって聞いてないな」
京子「はいはい、愛してるよー結衣」
結衣「……えへへ」
京子「……好きって言う照れ隠しでキスするって、どうなの?」
結衣「……それは突っ込まないで」
終わろう
乙乙
お疲れ様
Entry ⇒ 2012.06.27 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
櫻子「向日葵に飼われるのもいいかな」
向日葵「寄り道ですの? まあいいですけど」
櫻子「ほんと? やったー」
向日葵「まったく、櫻子は子供ですわね」
櫻子「なんだとー!」
櫻子「ちょっとねー」
向日葵「な、なんですのよ」
櫻子「ひ・み・つ」
向日葵「全然可愛くないですわ」
櫻子「なんだとー!」
向日葵「こっちですの?」
櫻子「えっへへー」
向日葵「何がありますの?」
櫻子「行ってからのお楽しみだよ」
向日葵「……なんですのよ」
櫻子「えへへ」
向日葵「新しくオープンしたのかしら」
櫻子「みたいだね、ちょっと見ていく?」
向日葵「そうですわね」
櫻子「わっ、獣臭い」
向日葵「動物の臭いって言いなさいよ」
櫻子「見て見て向日葵、猫だよ」
向日葵「か、可愛い……」パァ
櫻子「……」
向日葵「え? いえ、そんなことは……」
櫻子「えー、でも顔にそう書いてあるよ?」
向日葵「私は別に……」
櫻子「本当にそうかな?」
向日葵「うう……そう、ですわね」
向日葵「楓、そう楓がそんな事言ってたような」
櫻子「楓がそんな我侭言うわけ無いじゃん」
向日葵「」
櫻子「あっそ、まあいいや」
向日葵「まったく櫻子は」
櫻子「猫もいいけど、犬も可愛いね」
向日葵「そうかしら」
櫻子「え?」
向日葵「……何か言いたそうですわね」
櫻子「いや、向日葵ネコ好きなのかなって」
向日葵「」
櫻子「えー、もうちょっと触りたい」
向日葵「行きたいところがあったんでしょう、行きますわよ」
櫻子「はーい」
向日葵「そろそろ何があるか教えなさいよ」
櫻子「しょうがないなー向日葵は」
向日葵「しょうがないのはどっちよ……」
櫻子「ほら、見えてきたよ」
向日葵「あらっ」
向日葵「……」
櫻子「どうだ、向日葵!」
向日葵「よくこんなところ見つけましたわね」
櫻子「えへへ」
向日葵「綺麗ですわ」
櫻子「そう? 頑張って見つけたかいあった」
向日葵「桜と……向日葵が……一緒に」
櫻子「すごいよね、珍しいこともあるもんだ!」
向日葵「ええ、本当一緒に咲いているなんて……不思議で、素敵ですわ」
櫻子「なにはしゃいでるんだよ向日葵」
向日葵「ここまでいらっしゃい櫻子」
櫻子「向日葵が壊れた!?」
櫻子「待ってよ、向日葵ー」ズルッ
櫻子「アブッ!」
向日葵「だ、大丈夫ですの!?」
櫻子「転んじゃった……」
向日葵「あぁ、汚れちゃって」パンパン
櫻子「うぅー、ありがとひまわ……クシュ」
向日葵「大丈夫?」
櫻子「うー、花粉吸っちゃったかも」
向日葵「花粉症ですの?」
櫻子「違うけど、くしゅ……くしゃみ止まんない」
向日葵「うーん、今日はもう帰ります?」
櫻子「そうしたほうが、くちゅっいいかも……へくちっ」
撫子「お帰り」
花子「お帰りだし」
櫻子「へーちょ」
撫子「風邪でもひいた?」
花子「櫻子が風邪!? 天変地異の前触れだし!」
櫻子「いや、ひいてないから」
撫子「そう、でも温かくして寝るぐらいはしなよ」
櫻子「はいはい、はくちょい!」
櫻子「向日葵の笑顔……えへへ」
櫻子「向日葵がちょっと壊れてたけどああいう向日葵もいいな……」
櫻子「なに言ってんだろ私、えへへ」
櫻子「くしゅ」
櫻子「くしゃみ止まんないや……さっさと寝よ」
櫻子「おやすみ」
櫻子「ふあ、よくねた」
櫻子「うーん、まぶしい」
櫻子「カーテンしめわすれたかな」
櫻子「ん?」
櫻子「てんじょうどこいった?」
櫻子「ていうかそと!?」
櫻子「なに!? なにこれ?」
櫻子「こんなところで、ひとりでいるなんてちょっとこわ……くなんかない!」
櫻子「あ……はなばたけがみえる」
櫻子「ここにいてもしかたないしとりあえずいどうしてみるか」
櫻子「よっと……ちょっとたかいな」
櫻子「ふんっ!」スタッ
櫻子「わたしがいたばしょ、なんなんだろ」
櫻子「え?」
櫻子「『拾ってください』な、なんじゃこりゃあー!」
櫻子「というよりわたしがちいさい!」
櫻子「どうなってんのこれ……わたしふつうにねてただけなのに」
櫻子「ええー……?」
櫻子「それになんなんだよ、このひろってくださいって」
櫻子「むしろひろえよ!」
櫻子「こんなもんかきかえてやる!」
櫻子「『拾え』うん、これでよし! まんぞくまんぞく」
櫻子「ってなんのかいけつにもなってないよ」
櫻子「あれ、もしかしてあめふってきた?」
櫻子「うわっ、どうしよ……」
櫻子「あまやどりできそうなところないし……」
櫻子「ダンボールのなかにもうふあったからそれで……」
櫻子「はぁ……さむい」
櫻子「さむいよ……ひまわり……」
向日葵「傘を持ってきていてよかった」
向日葵「花畑を見に来たはいいけど、雨だと台無しですわね」
櫻子「あっ、ひまわりー!」
向日葵「あら……声?」
櫻子「ひまわりーここだよー」
向日葵「この声もしかして……」
櫻子「わたしだよー、ひまわりーたすけてー」
向日葵「猫ですわ!」
櫻子「え?」
向日葵「まあ可愛い」
櫻子「もしかして、ことばつうじないの?」
向日葵「にゃあにゃあ鳴いて……まあまあまあ」
櫻子「ひまわりー、わたしだよーきづいてよー」
向日葵「拾えって自分で捨てておきながら酷い飼い主さんですわね……」
向日葵「かわいそうに……大丈夫ですの?」
櫻子「ひまわりー……くしゅん!」
向日葵「この雨じゃやっぱり寒いですわよね……」
櫻子「さむいよー……こうなったらひまわりにひろわれるなんてのも……」
櫻子「ひまわりー、ひろえよ」
向日葵「うーん、ウチで飼うわけにもいかないですし……」
櫻子「え」
櫻子「わたしのせわするやくめをわすれたか!」
向日葵「な、なんですの? 急に怒りだして……」
向日葵「なんだかちょっと生意気ですわね……」
櫻子「なんだとー!」
向日葵「ふふ……なんだか櫻子みたい」
櫻子「え、きづいた? きづいたのひまわりー、わたしだよー」
向日葵「なんてね」
櫻子「にゃー……」
向日葵「……そう思うとなんだか放って置けないですわね」
櫻子「ひまわりー」
向日葵「風邪ひいたら大変ですものね、ええそうですわ……よいしょ」
櫻子「わー、たかいたかい」
向日葵「ふふ、ビックリしてる……可愛いですわね」
櫻子「ひまわりー、おうちつれてってー」
向日葵「あんっ、なに慌てているんですの?」
櫻子「ひまー」
向日葵「落っこちちゃいますわよ? ほら、落ち着いて」
櫻子「はーい」
櫻子「くすぐったいよ、ひまわり」
向日葵「可愛いですわー」
櫻子「にゃにするのー」
向日葵「ふふ……えいえいっ」
櫻子「なんかへんだぞひまわりー」ベシッ
向日葵「痛いっ、猫パンチですわ」
櫻子「なんなんだよもー」
向日葵「遊び道具とかも用意したほうがいいですわよね」
櫻子「なになにひまわりー」
向日葵「……あった♪」
櫻子「どしたのひまわり」
向日葵「ほーら、ねこじゃらしですわ」フリフリ
櫻子「ねこだからってなめん……」ウズ
向日葵「ねこちゃーん」フリフリ
櫻子「なめ……な……」ウズウズ
向日葵「好きじゃないのかしら?」フリ
櫻子「うにゃー!」
向日葵「可愛い……」
櫻子「これがねこのほんのう……けっしてさからえないしろものなのか……」
櫻子「ひまわりー、さくらこ、さくらこだよ」
向日葵「うーん……櫻子……」
櫻子「そうだよーさくらこだよー」
向日葵「に、似てるから……さくにゃこ……」
櫻子「さくらこだっていってんだろ!」
向日葵「ひゃあ! さくにゃこが急に暴れて!?」
櫻子「ふーっ!」
向日葵「わっわっ落ち!」
櫻子「わぁ!?」
向日葵「っ……と、ふう……危ないところでしたわ」
櫻子「あ、ありがとひまわりー」
楓「お姉ちゃんおかえりなさい」
向日葵「ただいま楓」
楓「お姉ちゃんそれどうしたの?」
向日葵「これは……」
櫻子「これってなんだよ! しつれいきわまりないなひまわりは」
楓「猫さん?」
向日葵「ええ、捨て猫ですわ……どうにも放っておけなくて」
楓「そっかー、わぁー可愛いの」
櫻子「かえでー、わたしだよー」
楓「触っていい?」
楓「わぁい」
向日葵「小さいけど元気いっぱいですのよ」
楓「そうなんだ、櫻子お姉ちゃんみたいだねなの」
櫻子「どういういみだよ!」
楓「わぁ、肉球ぷにぷになの」
櫻子「くすぐったい!」
向日葵「ころころしてて可愛いですわね」
楓「えへへぇ」
櫻子「くすぐったい!」ブルブル
向日葵「あぁ!」
楓「床がビショビショになっちゃったの……」
楓「楓はお掃除してるね」
向日葵「よろしくお願いしますわ」
楓「楓に任せてお姉ちゃん」
櫻子「おふろ!?」
櫻子「ひまわりとおふろ!?」
向日葵「さくにゃこ、お風呂大丈夫かしら?」
櫻子「それってつまり……はだかになるってこと!?」
向日葵「暴れたりしないといいですけど」
櫻子「にゃ、にゃああああああ!」
向日葵「あぁっ、暴れましたわ!?」
櫻子「そんなこといわれてもいっしょにおふろなんて!?」
向日葵「大丈夫ですわよ、怖くないですからね」
櫻子「はだか……はだか? あれ、よくかんがえたらわたし……」
向日葵「あら、気持ちが通じたのかしら、おとなしく……」
櫻子「ふくきてない! はだかじゃん!?」
向日葵「また暴れて……お転婆ですわね」
向日葵「本当、櫻子ソックリですわ」
櫻子「にゃー!」
櫻子「あばれたらさむくなってきた……」
向日葵「まあ大変ですわ、早くシャワーを」
櫻子「うー」ブルブル
櫻子「さむいよーひまわりー」
向日葵「温度は、このくらい……かしら?」
櫻子「あついっ!」
向日葵「あっ、ちょ……ちょっと熱かったかしら?」
向日葵「ご、ごめんなさいさくにゃこ」
櫻子「ひどいよーひまわりー」
櫻子「あっ、あったかーい」
向日葵「シャワーしても暴れないんですのね」
向日葵「聞き分けいいですわね、櫻子もこれくらい素直ならいいんですけど」
櫻子「だれがききわけわるいだって!」プニッ
向日葵「ひゃんっ」
櫻子「お、おっぱいきんしー!」プニプニッ
向日葵「も、もうさくにゃこはエッチな猫ちゃんですわね」
櫻子「だ、だれがエッチだって!?」
向日葵「なんだか急にうなだれましたわね……」
櫻子「もしかしてひまわり、いっつもそういうふうにおもってたのかな」
向日葵「お風呂が気持ちいいのかしら?」
櫻子「え……えっちなこだって///」
向日葵「ふふ、可愛い」ナデナデ
櫻子「にゃー」
櫻子「もういいよー」
向日葵「出ましょうね、さくにゃこ」
櫻子「はーい」
向日葵「湯冷めしないように拭いてあげないと」
櫻子「ふいてー」
向日葵「ふきふき……と、はいさくにゃこブルブルー」
櫻子「ぶるぶる!」
向日葵「水気も取れましたわね」
櫻子「いいゆだった!」
向日葵「どうしましたの? 擦り寄ったりして」
櫻子「ペコいペコいにゃー」
向日葵「お腹でも空きました?」
櫻子「そうだよー、ペコいよー」
向日葵「猫って何をあげたらいいのかしら、にぼし……とか?」
櫻子「キャットフードはかんべんしてほしい」
向日葵「にぼしなら確かあったような……」
櫻子「ふつうのならなんでもいいよー」
向日葵「持って来ましたわ」
櫻子「やったー」
櫻子「ペコいよーひまわりー」
向日葵「あーん」パクッ
櫻子「なんでひまわりがたべてるんだよ!」
向日葵「んー……ちょっと塩気が多い気がしますわ……」
櫻子「しおけ?」
向日葵「湯にさらしたほうがいいですわよね」
櫻子「ペコいよ? ひまわりー」
向日葵「ちょっと待っててくださいね?」ナデナデ
櫻子「にゃー」
櫻子「ペ……ペコい……」
向日葵「ごめんなさいね、あーん」
櫻子「あーん」
向日葵「美味しい?」
櫻子「うまい!」
向日葵「ふふ、喜んでるみたいですわね、よかった」
櫻子「ただのにぼしなのにこんなにうまい!」
向日葵「慌てなくてもまだまだありますわよ」
櫻子「ひまわりー、もっとー」
向日葵「はいはい」
向日葵「あら、アクビ……可愛いですわ」
櫻子「ねむいよーひまわりー」
向日葵「猫はよく寝ますものね」
櫻子「おやすみひまわり」
向日葵「毛布とかかけた方がいいのかしら?」
向日葵「近くに置いておけば必要ならたぐり寄せますわよね」
櫻子「ひまわり?」
向日葵「はい、毛布」
櫻子「にゃー」
向日葵「おやすみなさい、さくにゃこ」
櫻子「あさー?」
向日葵「ん……おはようさくにゃこ」
櫻子「ひまわりーおはよー」
向日葵「朝起きて、猫がいる……新鮮ですわね」
櫻子「ひまわりー」
向日葵「ふふ、可愛い」
櫻子「にゃー」
向日葵「お腹空きました?」
櫻子「ちょっとペコい」
向日葵「はい、お食べ」
櫻子「もぐし! うまい!」
櫻子「ひまわりがっこいくのー?」
向日葵「大人しくしていますのよ、さくにゃこ」
櫻子「にゃ」
向日葵「ふふ、わかったのかしら?」
櫻子「おとなしくするとおもった? ざんねん! あばれんぼうのさくらこちゃんでした!」
向日葵「行ってきます」ワシャワシャ
櫻子「にゃん♪」
櫻子「どこになにがあるかな?」
櫻子「ここは……?」
櫻子「したぎだ!」
櫻子「ひまわりのやつ……またさいずがおおきく……?」
櫻子「いや、わたしがちいさくなっただけか」
櫻子「やっぱりおおきくなってる!」
櫻子「おっぱいきんし!」
櫻子「……あきた」
櫻子「ひまわりはがっこういっちゃうし」
櫻子「……ねるか」
櫻子「ねこはにじゅうじかんねるとかいうし」
櫻子「うー……にゃー」
楓「……」
櫻子「ん?」
楓「……」
櫻子「どうしたかえで?」
楓「……あそぼっ!」
楓「いい? さくにゃこちゃん」
櫻子「ひまだしいいぞ、かえであそぼう」
楓「あそんでくれるの?」
櫻子「にゃー」
楓「えへへぇ」
櫻子「なにしてあそぶー?」
楓「撫で撫でしていい?」
櫻子「むしろわたしがなでてやろう!」トトト
楓「わっわっ、木登りなの」
櫻子「よしよし」ポフポフ
櫻子「ん、そうかわるい」タッ
楓「えへへ、猫パンチだったの」
櫻子「ねこぱんち!?」
楓「かわいいの」
櫻子「あれか、もっとねこっぽくしたほうがいいのか?」
楓「どうしたの、さくにゃこちゃん?」
櫻子「にゃんにゃかにゃかにゃかにゃんにゃかにゃかにゃかにゃんにゃかにゃかにゃかにゃん!」ワキワキ
楓「あはは、おもしろいの」
櫻子「そうかおもしろいか」
楓「どこ行くの、さくにゃこちゃん?」
櫻子「たんけんだ!」
楓「ついて来いって言ってるの?」
櫻子「そうだよー」
楓「わぁ、なんだか櫻子お姉ちゃんみたいなの」
櫻子「ほんにんだからな」
楓「えへへぇ、さくにゃこお姉ちゃんなの!」
櫻子「なるほど」
櫻子「なんかくいものないのー?」
楓「あ、そういえば昨日の晩ご飯はさくにゃこお姉ちゃんのおかげで」
楓「にぼしのお出汁がよく効いててとっても美味しかったの!」
櫻子「そうか、よかったな」
楓「えへへぇ」
櫻子「かえでー、なにかない?」
楓「お鼻クンクンしてるの、お腹空いたの?」
櫻子「にゃー」
楓「冷蔵庫ににぼしあったの、はい」
櫻子「もぐしっ! うまい!」
楓「さくにゃこお姉ちゃん可愛いの」
櫻子「にゃん」
楓「おトイレなの」
櫻子「せまいなー」
楓「どうしたの、さくにゃこお姉ちゃん?」
櫻子「せまいとこはなんかおちつく」
楓「さくにゃこお姉ちゃん、お花摘みたいの?」
櫻子「いまはいいや」
楓「あっ、どこ行くの?」
楓「えへへぇ、さくにゃこお姉ちゃんの大冒険なの」
櫻子「せいとんされててあまりたんけんしがいがないな」
楓「えへへぇ」
櫻子「あっ! かみぶくろ!」
櫻子「にゃー!」ズシャー
櫻子「まったく、そうじがいきとどいてないな、ひまわりは」ヒョコ
楓「出たり入ったりして……可愛いの」
楓「お姉ちゃんおかえりなさい」
櫻子「おかえりーひまわりー」
向日葵「さくにゃこもただいま」
櫻子「がっこうどうだったひまわりー」
向日葵「お部屋に戻りますわよさくにゃこ」
向日葵「……タンスが荒らされている!? もう、おイタしちゃ駄目ですわよさくにゃこ」
櫻子「ねーがっこー……あれ? よくかんがえたらわたしむだんけっせきじゃん!」
櫻子「どうしよう! ねーひまわりどうしよー!」
向日葵「ふー、今日も櫻子の相手は大変でしたわ」
櫻子「え?」
櫻子「わたしはここにいるよーねーひまわりーわたしはここだよー」
向日葵「櫻子ったら今日は一段とテンション高かったですわ」
櫻子「ひまわりー?」
向日葵「はしゃいじゃって、いつにも増して落ち着きがなくて」
向日葵「ふふ……」
向日葵「あっ、でもさくにゃこの事はまだ話してませんのよ」
櫻子「……」
向日葵「だって、さくにゃこって名付けたと知ったら」
向日葵「きっと櫻子、怒りますものね」
櫻子「わたし……わたしは……」
櫻子「うー! よくわかんない! せなかムズムズする!」
向日葵「あらさくにゃこ、背中でも痒いんですの?」
櫻子「とどかないー!」
向日葵「……なかなか不器用ですわね、ほら掻いてあげますわ」
櫻子「ありがとーひまわりー」
向日葵「ふふ、どういたしまして」
櫻子「もうふ?」
向日葵「必要ありませんの?」
櫻子「うーん、せっかくだからわたしはこのあかのもうふをえらぶぜ!」
向日葵「あら、いるんですの?」
櫻子「いるよー」
櫻子「わーい!」
向日葵「急にテンションあがりましたわね」
櫻子「もうふもうふー」
向日葵「もみもみするのが好きなんですの?」
櫻子「もみもみ! もうふもみもみ!」
向日葵「楽しい?」
櫻子「たのしー」
櫻子「んー?」
向日葵「ふふ、夢中になっちゃって……可愛いですわ」
櫻子「にゃっ」
向日葵「電気消しますわよ」
櫻子「ねるのひまわりー?」
向日葵「おやすみなさい」
櫻子「おやすみー」
櫻子「……なーんて」
櫻子「ねこはやこうせいなんだ、ひまわりにいたずらしちゃうもんね」
櫻子「なにしてやろうかなー」
向日葵「むにゃ……ふふ、さくらこー……」
櫻子「……やっぱやめた、なんだよわたしのゆめなんかみて、もう///」
櫻子「ひまわりのねがお……かわいいなー、えへへ」
あかり「おはよぉ向日葵ちゃん」
ちなつ「おはよう、櫻子ちゃんは?」
向日葵「私が櫻子の家に迎えに行った時にはもう出た後でしたの」
ちなつ「珍しいこともあるもんだね」
あかり「でも、櫻子ちゃんまだ来てないよぉ」
向日葵「そうなんですの?」
櫻子「あああああああああ!」
向日葵「!?」
櫻子「もう! なんなの! なんなんだよ!」
櫻子「うるさいうるさい!」
向日葵「なんですの!? とりあえず落ち着きなさいよ!」
櫻子「私をペット扱いするな!」
向日葵「な、なんだか櫻子の様子がおかしいですわ……」
向日葵「とりあえずどうにかして気を逸らして……」
櫻子「あああああー!」
向日葵「櫻子、私猫を飼い始めましたのよ」
櫻子「!?」
向日葵「だから、その、今日見に来ません?」
櫻子「……行く!」
向日葵「ふう……櫻子が単純で助かりましたわ」
向日葵「名前?」
櫻子「猫」
向日葵「あ、聞いても怒りません?」
櫻子「どんな名前つけたんだよ」
向日葵「……さくにゃこ」
櫻子「ふーん、ちゃんと名前つけたんだ」
向日葵「怒りませんの?」
櫻子「そっかそっか」
向日葵「?」
櫻子「ひまわりだーおかえ……」
櫻子「わたしだ! ちがう! わたしはわたしだ!」
櫻子「じゃあ、このわたしは……だれだ!」
櫻子?「……」
向日葵「着替えてくるからちょっと待っててくださいな」
櫻子「なにこれ……なにこれ!」
櫻子?「さくにゃこ……だって、ふふ」
櫻子「だれだよおまえ! そのからだはわたしのだ!」
櫻子?「私の? 違う、今は私のものだよ、この身体は私の身体!」
櫻子?「わかるも何もないよ、私はあなただったんだから」
櫻子「ど、どういうこと?」
櫻子?「櫻子の体の持ち主は猫の身体に、だったら猫の身体の持ち主は?」
櫻子「ねこの? もしかして!?」
櫻子?「そう、元々猫だったんだもん、猫の言葉はわかるよ」
櫻子「にゃ、にゃんだってー!?」
猫「ふふーん、この身体は私のもの、悔しい? 悔しい?」
櫻子「ぐぬぬ……」
向日葵「なに猫と喧嘩してますのよ……」
櫻子「ひまわりー、こいつにせものだよー」
猫「うるさい!」ビシッ
向日葵「ちょっと櫻子! 暴力を振るうんじゃありませんわ!」
猫「別にいいじゃんこんなヤツ!」
櫻子「なんてこというんだ!」
向日葵「いいわけないでしょう、そうやって首根っこつかむのはやめなさい」
猫「うー!」
櫻子「ひまわりのいうとおりだ!」
向日葵「なんてこと言いますの! こんなに可愛いのに」
櫻子「か、可愛い……//」
猫「か、可愛い……//」
向日葵「ほら、離しなさい」
猫「やだ! 向日葵には私がいるもん! こんな猫いらない!」
向日葵「な、何言ってますの///」
櫻子「だまされないでーひまわりー」
猫「そんなことないもん!」
櫻子「にせものだー!」
向日葵「さくにゃこをこっちに渡しなさい」
猫「こんな猫より私を優先してよ!」
向日葵「な、何言ってますの……?」
向日葵「あなた、やっぱり変ですわよ」
猫「変じゃないもん!」
櫻子「にゃー!」
向日葵「いいから、さあ!」
猫「きらい! きらいきらいきらい! 人間なんか嫌い!」
向日葵「な、なんのことですの?」
猫「私のこと捨てた人間なんかダイッキライ!」
向日葵「何言ってますの、櫻子!」
猫「私はやっぱり誰にも必要とされてないんだ!」
向日葵「え?」
櫻子「そんなことない!」
向日葵「さくにゃこ?」
猫「うそだ!」
櫻子「うそじゃない! あめがふって、すてられてたところをひろってくれた!」
櫻子「あったかいおふろにもいれてくれた! おいしいにぼしもたべさせてくれた!」
櫻子「いっぱいいっぱいなでてくれた! もうふだってもみもみさせてくれた!」
猫「毛布もみもみ!?」
櫻子「なんども、なんどもかわいいっていってくれた!」
櫻子「おまえのことをすきでいてくれるひとがいる! ひまわりがいる!」
櫻子「だから、ひまわりを、じぶんをひていなんかするな!」
猫「さくにゃこ……」
向日葵「櫻子が猫と会話してますわ……」
猫「向日葵……ありがと」
向日葵「なんですの、突然」
猫「私のこと可愛がってくれて」
向日葵「かわっ/// な、何言ってますのよ!?」
猫「名前もつけてくれて」
向日葵「……?」
猫「私、猫なの」
向日葵「はぁ?」
櫻子「まあとうぜんのはんのうだね、だれだってそーなる、わたしもそーなる」
向日葵「み、見てましたの!?」
猫「違うよ、捨てられていたのは私だから、だから知ってた」
向日葵「にわかには信じがたいですわ……」
櫻子「いれかわっちゃったんだよー」
向日葵「さくにゃこ?」
猫「身体が入れ替わっちゃった、だってさ」
向日葵「そ、そんなオカルトありえませんわっ」
猫「え?」
向日葵「な、なんですの?」
猫「向日葵のブラ、サイズあがったの?」
向日葵「変えたばかりなのに、なんで知ってますの!?」
猫「さくにゃこが言った」
向日葵「ま、まさかそんな……でも確かにさくにゃこがタンスを荒らしてましたわね……」
櫻子「まさかじゃないよー」
向日葵「本当に?」
櫻子「さすがひまわりー」
猫「流石向日葵」
向日葵「でも、それを知ってどうなりますの?」
向日葵「櫻子が猫になったのを知ったところで、元に戻せますの?」
櫻子「うーん……」
猫「うーん……」
櫻子「まあ、なんとかなるよ、ぜったいだいじょうぶだよ」
猫「なんとかなるよ、絶対大丈夫だよ」
向日葵「どうして、そうも楽観的ですの……?」
櫻子「ねこだからね」
猫「猫だからね」
猫「……」
向日葵「? 今なんて言いましたの?」
猫「ばかみたいなこと」
櫻子「なんだとー!」
向日葵「ふふ、櫻子らしいですわね」
櫻子「ひまわりーひどいー」
猫(朝目が覚めて、すべてが元通りになっていたとしても、私は後悔しない)
猫(だって私のことを愛してくれる人がいるってもう知っているから)
櫻子「カーテン閉め忘れたかな」
櫻子「あれ?」
櫻子「なんか変な感じ」
櫻子「なんだろ……あっ、戻ってる!」
櫻子「向日葵に報告しなきゃ!」
櫻子「おーい、向日葵ー!」
向日葵「なんですの? 朝っぱらから騒々しい」
櫻子「戻った! 私人間に戻ったよ!」
向日葵「戻ったって……あなたいつ人間やめてましたのよ」
櫻子「え?」
向日葵「いつまでも寝ぼけてるんじゃないですわよ」
櫻子「え、ええ……?」
向日葵「櫻子?」
櫻子「向日葵! 一緒に来て!」
向日葵「と、突然なんですの!?」
櫻子「こっち!」
向日葵「こっちって……?」
櫻子「花畑!」
向日葵「どうして突然あそこに行きますのよ?」
櫻子「そっか、それは覚えてるんだ、夢じゃないんだ!」
向日葵「あら?」
櫻子「え?」
櫻子「無くなってる!」
向日葵「花畑がどこにもありませんわ……」
櫻子「どういう……こと?」
向日葵「確かに、ありましたわよね?」
櫻子「そ、そんな……」
櫻子「全部、夢? 本当に、夢だった……の?」
向日葵「どういうことかわかりませんけど、休憩して落ち着きましょう?」
櫻子「う、うん……」
櫻子「向日葵……」
向日葵「櫻子……」
櫻子「うん……」
向日葵「……っ、雨降って来ましたわね」
櫻子「雨……?」
向日葵「傘を持ってきていてよかった」
櫻子「傘……持ってきてたんだ」
向日葵「ええ、でもどうしてかしら? 雨が降るなんて思ってもなかったのに」
向日葵「な、なんですの!?」
櫻子「こっち!」
向日葵「なんですのよ」
櫻子「大変、急がないと……!」
向日葵「なにごとですのよ……あら、ダンボール……?」
櫻子「見つけたの!?」
猫「にゃー」
向日葵「捨て猫……ですの?」
櫻子「いた、いてくれた!」
向日葵「かわいそうに……」
向日葵「自分勝手に捨てておいてなんて飼い主ですの、図々しい!」
向日葵「あっ、まさか櫻子、あなたが捨てたんじゃないでしょうね」
櫻子「そんなわけないじゃん! 一人はとっても寂しいのに……」
向日葵「じょ、冗談ですわよ……あなたが優しい子だって事は私が一番良く知ってますもの」
櫻子「えへへ」
猫「にゃ!」
向日葵「この子、元気いっぱいですわね」
櫻子「ね、向日葵……この子、私達で飼わない?」
向日葵「……そうですわね、それもいいかも……しれないですわね」
櫻子「それじゃあ、この子の名前は――」
おしまい
乙乙
乙ぱい
二人とも可愛い
乙
猫解体
Entry ⇒ 2012.06.20 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
向日葵「思い出の場所?」 櫻子「探しに行こう!」
櫻子「…………」ぐだぐだ
向日葵「…………」カキカキ
向日葵「ん。櫻子、せめてそこの問題だけでも終わらせてしまいなさい?」
櫻子「んー」
向日葵「なんの本を読んでるんですの?」
櫻子「…………」ぱたむ
向日葵「ちょっと、見せてくれたっていいじゃない」
櫻子「私たちのさー」
「思い出の場所って、どこかな」
櫻子「思い出の場所だよ。あるじゃんそういうの」
向日葵「いや、あるじゃんって言われても……ありましたっけ」
櫻子「そういうのって誰しも持ってるもんじゃん。私たちにはどっかないかな」
向日葵「えーっと……」
櫻子「だってさ、私たちキスもしたんだよ? だから思い出の場所のひとつふたつ持ってなきゃさー!」
向日葵「恥ずかしいことをさらっといいますわね……というかそれ、その本見て思いついたんですの?」
櫻子「あー……まあ」
向日葵「ほんと本に影響されやすいですわね……でも考えてみたこともありませんでしたわ。思い出の場所なんて」
向日葵(あなたそういうの好きですわよね……)
向日葵「私はいいですわ」
櫻子「はぁ!? なんで!?」ガバッ
向日葵「だって、あてもなく歩き回るなんて……」
櫻子「いいじゃん! 私たちの思い出の場所なんだから一緒に探さなきゃ意味ないし!」
向日葵「私だってそんなに暇じゃありませんもの……」
向日葵「どこかいい場所見つけたら、教えて下さいね」
櫻子「なにそれー! 冷たすぎない……?」
向日葵「見つかったら、ちゃんと私も行きますから」
櫻子(ま、まったく向日葵は……)
櫻子(大切なことなのに……///)
櫻子「いいよ。今度探してくるもん!」
向日葵(本当に、子供っぽさの抜けない子ですわね……)
*
向日葵「お肉が安くて助かりましたわねー」とことこ
向日葵「あれ、そういえば今度給食じゃなくてお弁当なんでしたっけ?」
向日葵(どうしましょう。家にあるもので大丈夫かしら)
向日葵(………あら?)
???「…………」
向日葵(誰かしら。この幼稚園はもう閉まってる時間のはずなんですけど……)
向日葵(……って、あれは……!?)
向日葵「さ、櫻子!?」
櫻子「おわっ、向日葵」
櫻子「なんでー? 私たちここの卒園生なんだからいいじゃん!」
向日葵「だからって、閉まってる門を乗り越えてまで入ったら通報されちゃうかもしれませんわよ。ほら、出なさい」
櫻子「うー……ちょっと、あとちょっとだけ」
向日葵(もう……)
向日葵「よいしょっ」
櫻子「あー向日葵も入ってるー」アハハ
向日葵「何年ぶりかしら……ここは。こんな遊具ありましたっけ?」
櫻子「なにそれ、めっちゃ楽しんでんじゃん! 人にダメとかいっといてさ!」
櫻子「んー……悪くはないんだけど」
わたしたちの、はじまりの場所。
櫻子「ちょっと子供っぽすぎないかなぁ」
向日葵「まあ……そうかもしれませんわね」
櫻子「あーここ。向日葵よくここで泣いてたよね」
向日葵「や、やめなさいよ……///」
櫻子「中とか入れないかな?」
向日葵「セコム来ますわよ」
櫻子「何!? それは避けたい!」
櫻子(このブランコ……)
櫻子(向日葵は他の子に話しかけるのが怖くて、私が手伝ってあげないとブランコを借りられなかったんだっけ)
櫻子(……ひまちゃん)
向日葵「櫻子、そろそろ帰りましょう」
櫻子「もう! 人がせっかく思い出にひたってんのに!」ギャーギャー
向日葵「私ちょっと恥ずかしい思い出しかないんですけど……」
向日葵「…………」
櫻子「うそ! うそだよ! 泣くなよ……」
向日葵「櫻子は昔の方が頼もしかったですわね」
櫻子「…………」
向日葵「ちょ、ちょっと……冗談ですわよ?」
~
櫻子「んー。もうちょいいろいろ探してみるかー」
向日葵「見つかるまでやるんですの?」
櫻子「当たり前じゃん!」
向日葵(はぁ……)
向日葵「あらそう」
櫻子「作ってよ!」
向日葵「私は私の家のことで忙しいんですわ。撫子さんに作ってもらいなさい」
櫻子「ねーちゃんの作るのより向日葵のやつの方が美味しいんだもん」
向日葵(え……///)
櫻子「だから作って? ほらほらひき肉が見えてますよー」ガサガサ
向日葵「こ、これはだめですわ! うちの今日の夕飯の分しかありませんから!」
櫻子「まったくもう仕方ないなー向日葵は……じゃあここは櫻子様が引きますよ」
向日葵「何様……?」
*
向日葵「あら……?」
向日葵「こんにちは、花子ちゃん」
花子「あっ、ひま子ねーちゃん」
花子「あれ? 櫻子先にいっちゃったけど」
向日葵「櫻子?」
花子「一緒だったんじゃないの? さっき向こうに櫻子いたから」
向日葵「や、ちょっとわかりませんわ……行ってみようかしら」
~
向日葵(こ、こっち……小学校)
向日葵(もしかして……)
向日葵「櫻子!」
櫻子「えっ? なんだ向日葵ついてきたの?」
向日葵「さっきそこで花子ちゃんに教えてもらったんですわよ……今度はここ?」
櫻子「小学校は入っても大丈夫だよね」
向日葵「あの、私まだ制服なんですけど……先生に見つかったら厄介ですわ」
櫻子「いいよいいよ、入っちゃえ」
向日葵「もう……」
向日葵「櫻子あそこで盛大に転んで泣いてたことありましたわよね」
櫻子「そんなことあったっけ!?」
向日葵「ありましたわよ……何年生のときかは忘れましたけど」
櫻子(…………)
櫻子(その頃は、もう向日葵の方が頼りになってたのかな)
櫻子(ひまちゃんが、向日葵になったのはいつだっけ)
櫻子(くそ……思い出したいのに……)
櫻子(なんでそこだけポッカリと……)
櫻子「えっ……あ、何?」
向日葵「いや……何か思いつめたような顔してるから」
櫻子「う、うん……」
忘れたくないことばっかり、忘れてくんだ。
櫻子(……でも、向日葵を見てると、何か浮かんでくるものがある)
櫻子(もっと向日葵を見ていられたら、いつかピースが埋まるときがくるかもしれない)
櫻子「ここも、幼なすぎたかな」
向日葵「そうですわね。ちょっと弱いというか……他にもっといい場所があるような気がしますわ」
*
向日葵「あっ、赤座さん。櫻子見ませんでした? まだ生徒会の仕事が残ってるのにどこか行ってしまったまま帰ってこなくて……」
あかり「櫻子ちゃんなら教室で見たよ~」
向日葵「教室? 忘れ物かしら」
~
櫻子「…………」
向日葵「あ、いた。櫻子なにやってるんですの? 急にどこかへいったりして……」
櫻子「ん、ごめん」
向日葵「うわ、この時間の教室は真っ赤ですわね。夕陽がすごい……」
櫻子「綺麗だよね」
櫻子「あったりまえじゃん! 私本気なんだから!」
向日葵「はぁ……本気なのは構いませんけど、仕事ほったらかして行くのは流石に困りますわ? せめて終わってからに……」
櫻子「だってこの夕焼けがないとダメなんだもん」プン
向日葵「…………」
机の上に座る櫻子は、赤い日に染まり、いつもより大人っぽく見えた。
櫻子「でもさ、ここって明日も明後日も来るじゃん? 来なきゃいけない場所じゃん?」
櫻子「それってちょっと思い出の場所っぽくないというかさー……迷ってるんだよね」
向日葵「確かにそうですわね……学年変われば教室も変わりますし」
向日葵「……まあ、なくはないですわね」
櫻子「そんなのやだ! 離れたくない……!」
向日葵(そ、それは私だって同じですわ……)
向日葵「いやほら、まだ決まったわけじゃありませんわ? 一緒になれる可能性だってちゃんとありますもの」
櫻子「そ、そうだよね……よし! 向日葵お寺行こう! 神様にお願いしてこなきゃ!」ダッ
向日葵「いや待ちなさいよ! まだ仕事残ってますから! それに神様にお願いするならお寺じゃなくて神社ですわ」
向日葵「西垣先生にそれを決める力があるかどうかはわかりませんわね……」
櫻子「つかえないなー西垣せんせー!」
西垣「なんだ大室、私にいいたいことがあるようだな」ニヤニヤ
櫻子「ぎゃーー! せっ、先生いつからそこに!?」
西垣「古谷が大室を抱きしめていたとこからだ」ハッハッハ
向日葵「そんなことしてませんけど!?///」
*
ガチャ
櫻子「向日葵ーいくぞー」
向日葵「……は? いきなり来て何言ってるんですの? 行くってどこに?」
櫻子「思い出の場所探しに決まってんじゃん! さっさと準備してきて、ほら」シッシッ
向日葵「いや私最初に言ったと思うんですけど、探すのはあなたに任せますわ。いい場所が見つかったら、教えてくださいねって」
櫻子「はあ? だって向日葵今のところ探しにいったとこ全部一緒についてきてたじゃん。本当は一緒に来たいんでしょ?」
向日葵「い、今までのは全部偶然見かけたりしただけですわ? ほんとにたまたまですから……」
櫻子「…………」
向日葵「用事は特にありませんけど……」
櫻子「……今暇?」
向日葵「…………」
櫻子「暇なんじゃん! だったらいいじゃん! ほら行くよ!」
向日葵「くっ……仕方ありませんわね……///」
櫻子「なんだーやっぱり向日葵って意外と暇人だよねー。ひまわりだけにひま人ってか」ニヤニヤ
向日葵「ほんとに偶然ですから! た・ま・た・ま! 今日は暇だったってだけですからね! あと名前は関係ありませんわ!」
櫻子「わかったから早く準備してこーい」
向日葵(くぅっ……!///)
向日葵「で、今日はどこにいくんですの?」
櫻子「いや? まだどこって決めたわけじゃないけど」
向日葵「えっ? 決めてないんですの?」
櫻子「どこか決めてから行くわけじゃないもん。適当に歩いて探してるよいつも」
向日葵「はぁ……私あてもなく歩くの好きじゃないんですけど」
櫻子「ぐだぐだいうなー! ちゃんといい場所が無いか探しながらあるくの!」
向日葵(そんなので見つかるのかしら……)
向日葵「ちょっと、もう結構来たんじゃありません?」
櫻子「んー……こっちってあんまり来ないから思い出の場所的なのは無いかもね」
向日葵「……あの、あなたがこっちの方に進んでくからついて来てるんですのよ?」
櫻子「あ、公園だ!」
向日葵「あら? この公園……」
櫻子「ここ前にきたとこじゃん! また来ちゃったね!」
向日葵「ということはここは学校の裏ですわね。なんで同じ間違いを繰り返してるんでしょう……とりあえず寄りましょうか」
向日葵「あ、足が……」モミモミ
櫻子「……ここは思い出の場所かなあ?」
向日葵「どうかしら……思い出って迷子になった思い出しかないんですけど」
櫻子「確かにそうだね」
ワン!
櫻子「うわっ!? ……え、犬……?」
向日葵「こ、この犬紐とかついてませんわよ? 逃げてきちゃったのかしら」
櫻子「おー犬とか久しぶりだー! こっちこっち」ぽんぽん
向日葵「どうしましょう……飼い主さんが探してるかもしれませんわね」
櫻子「向日葵、えさ!」
向日葵「そんなに都合よく持ってるわけないでしょう」
櫻子「むー……よし、こっちこい! 水があるぞ!」
ワンワン!
向日葵(……櫻子に犬は似合いますわね)クスッ
あかり「あっ、向日葵ちゃん!」
向日葵「赤座さん!? どうしたんですのこんなところで」
あかり「あのね、さっき犬が逃げちゃったって困ってる人がいたから、私も一緒に探してるんだけど……見なかった?」
向日葵(す、すごい……赤座さん良い人すぎますわ)
あかり「あーそうかも! 写真と一緒!」
櫻子「おーあかりちゃん! またここで会ったねー」
あかり「この子だ……うん! 櫻子ちゃん、この犬ね、今飼い主さんが探してるの!」
櫻子「あっ、そうだったの?」
あかり「ちょっと私この子連れてくね? ごめん二人とも~」
向日葵「いえいえいいんですのよ。 早く飼い主さんの元に返してあげるのが一番ですわ」
櫻子「じゃーねー」
櫻子「いやーすごいね。ここにくるとあかりちゃんに会えるのかな」
向日葵「私たちがあてもなく歩き回ってる間にも赤座さんは人助けを重ねていると考えると……やっぱり赤座さんってすごすぎますわ」
櫻子「なんか面白い思い出が増えたね。よかったよかった」
あかり「お待たせ二人とも~」
櫻子「おかえりー」
あかり「みてみて? これ、飼い主さんがドーナツくれたの! みんなで食べよ~」
櫻子「うぉーミスド! やったー超ついてるー!」
向日葵「なんか特に何もしてないのに悪いですわね……///」
あかり「だってこんなにたくさんあるよ? みんなで分けないと丁度よくならないよぉ」
向日葵「そうですか? じゃあひとつ……」
櫻子「ポンデうめー!」
櫻子「あーうまかったー」
向日葵「これから夕飯なのにちょっと食べすぎちゃった気もしますわね……大丈夫かしら」
櫻子「はっ! 今日私料理当番だった! 向日葵つくって?」
向日葵「私もうちで作らないといけないんですの。ちゃんと自分でやりなさい」
櫻子「けちいなー……大体今日だって私が誘わなかったらドーナツ食べられなかったんだぞ? そのお礼ということでさ!」
向日葵「お礼をねだるんじゃありません……だいたいただ歩き回って偶然犬を見つけて、いろんな偶然が重なってのドーナツだったんですから櫻子のおかげでもなんでもないですわ」
櫻子「私が向日葵を家から連れ出したのは偶然じゃないでしょ?」
向日葵(あっ……)
向日葵「しっ、仕方ないですわね。今日は少しくらい手伝ってあげますわ///」
櫻子「やった!」ぐっ
向日葵「手伝うだけですからね? ちゃんとあなたが主な作業をするんですのよ? 私の家での仕事が無くなったわけじゃないんですから」
櫻子「うんうん。それでもいいよ」
向日葵「もう……」
*
楓「おねえちゃん、楓もう寝るの……」
向日葵「あらごめんなさいね。でも私もう少しだけ課題がありますので……机の明かりだけは使いますわよ?」
楓「うん、ありがとうなの!」
~
向日葵「…………」カキカキ
向日葵(櫻子はちゃんとやっているかしら……って、そんなわけありませんわね)
向日葵(はぁ、まったく……)
櫻子「よっ」
向日葵「えっ……さ、櫻子!? 何しにきたんですのこんな時間に!」
櫻子「泊まりにきた! っつーか何この部屋暗い! まだ9時だぞー」かちっ
向日葵「ちょっと! 楓がもう寝てるんですのよ!」ヒソヒソ
櫻子「あーそっかそっか……悪いね」
向日葵「……で、何? 泊まる?」
櫻子「そうそう。布団出すけどいい?」
向日葵「いや、っていうか……」
スーッ
櫻子「 ∵ 」
向日葵「今日クリーニングに出しちゃったから布団無いんですけど……」
向日葵「…………」
向日葵「もう、仕方ありませんわね……」
櫻子「きたぁ……!」ニヤニヤ
向日葵「変なことしたら叩きますからね」
櫻子「変なことって何?」
向日葵「言わせるんじゃありません」ぽこっ
向日葵「で、なんで急に泊まりに?」
櫻子「だからほら、思い出の場所さがし」
向日葵「えぇ……?」
櫻子「いぇーす」ぶいっ
向日葵「ありえないでしょう」キッパリ
櫻子「なんで!? 思い出たくさんあるよ!?」
向日葵「自分の部屋が思い出の場所っていうのも違うでしょう! じゃああなた自分の部屋は候補として考えてみましたの?」
櫻子「私の部屋?」
向日葵「…………」
櫻子「…………」
櫻子「考えてなかった……」ばたっ
向日葵(バカですわ……)
向日葵「じゃあ今日はいったい何しにきたんですの」
櫻子「いいじゃんか、普通に泊まりにきたってことでさ」
向日葵「ま、まあ……///」
櫻子「ところでそれ何やってんの?」
向日葵「……課題ですわ」
櫻子「…………」
向日葵「早く帰って持ってきなさい。見てあげますから」
櫻子「かたじけない……」
櫻子「はーやっと終わったー」
向日葵「もう11時まわってるじゃありませんの……寝ましょうか」
櫻子「!」ばっ
もぞもぞ……
向日葵(?)
櫻子「ほら……こっちおいで?」ぽんぽん
向日葵「バカじゃありませんの……?/// それ私のベッドですし」
櫻子「一回やってみたかったんだよこれ!」
向日葵「どこで覚えてくるんですの全く……」もぞもぞ
櫻子「と言いながらも入るんだね」
向日葵「だから私のベッドですから」
櫻子「ちょっとちょっと、そっち向いて寝る感じ?」
向日葵「だ、だって顔合わせで寝るなんてそんな……///」
櫻子「いや仰向けでしょ」
向日葵「あ……なるほど」
櫻子「まあ私は向かい合わせでもいいけどね」
向日葵「……あなたって最近なんか積極的というか……グイグイ来ますわよね」
櫻子「いいじゃん! 私たちキスもしたんだからさ!」
向日葵「ちょっと、恥ずかしいからあまり言わないで欲しいんですけど……///」
櫻子「えー」ぶーぶー
向日葵「だいたいあなたあの時泣き止まなくて大変だったじゃないの」
櫻子「それは言うな! 恥ずかしい!」
向日葵「むちゃくちゃですわね……」
向日葵「私たちが付き合ったからどうこうとかじゃなくて、今まで通りでいたい」
向日葵(私と櫻子の距離のままでいたい……)
向日葵「櫻子のことが嫌いになったとか、そういうのじゃありませんわよ? ただ……」
向日葵「……あら?」
櫻子「zzz………」スゥスゥ
向日葵(嘘でしょ……)
向日葵「もう! バカ櫻子……!」ぷに
向日葵(まったく……///)もぞもぞ
櫻子(……ふふ。ありがとう、向日葵)
*
ピンポーン
撫子「おお、ひま子」
向日葵「櫻子います?」
撫子「それがさ、なんか今朝からいないんだよね。どこ言ったんだろ。もうお昼過ぎたのに」
向日葵(ま、また思い出の場所さがしかしら……)
撫子「もうそろそろ帰ってくるんじゃないかとは思うけど、ごめんね」
向日葵「いえ。ちょっと時間置いてまた来ますわ」
向日葵(そんなに、大事かしら……思い出の場所って)
向日葵(って、それは……私が最初に行かないって言ったからか)
向日葵(でもこの前誘ってくれたときは、嬉しかったし、楽しかった)
向日葵(こんな思いするなら、一緒に行けばよかった……///)
向日葵「せっかくクッキーだって焼きましたのに、これじゃ冷めてしまいますわ」がさがさ
向日葵(……どうせあの子は、お昼も食べずに探してるんでしょうね)
向日葵(もうひとつ、カップケーキでも作ろうかしら)
ウ"ーン……
向日葵(…………)
向日葵(な、なんなの? さっきから胸が重い……)グッ
向日葵(どうしたのかしら私……なんか嫌な予感というか、変に緊張しているというか……)
向日葵「う、ぅ……」がくっ
向日葵(櫻子に……会いたい……)
楓「おねえちゃん、どうしたの!?」
向日葵「えっ! な、なんでもありませんわ?」
楓「うそなの……顔真っ白なの!」
向日葵「え、そんなに……??」
楓「手も冷たいの……どうかしちゃったの?」
向日葵「いえ、私は大丈夫だと思うんですけど……」
向日葵「ふふ、心配しなくても大丈夫ですのよ楓……私はなんともありませんわ」ぽん
楓「そ、そう?」
向日葵「ええ」
どくん、どくん。
向日葵「…………」
向日葵(なぜ……チャイムを鳴らすのが怖い……)
向日葵(櫻子、いるかしら)
~♪
向日葵「あ、あら。メール……」
向日葵(え、撫子さんから?)
[ 櫻子がまだ戻ってこないんだけど、どこ行ったか知らない?
とくに書き置きとかもないからさ、もう暗くなるし……
しかも部屋見たら櫻子携帯忘れてったみたいでさ、連絡手段無いんだよ。
何か知ってたら教えてくれる? ]
向日葵「っ……!」
櫻子になにかあったんだ。
直感的にそう思った。
向日葵「櫻子!」だっ
どうにも嫌な胸騒ぎがしていた。
櫻子が、どこか遠くへ行ってしまう感覚に襲われた。
迷子になって帰れなくなっているのかもしれない。
事故にあってしまったのかもしれない。
全部の可能性が、リアルに想像できてしまう。
向日葵「嫌……いやっ! 櫻子!」
頭がいっぱいで、自分がどこに向かっているのかもわからない。
ただただ、あてもなく走った。
息がつまりそうになる。
叫び出したい。足は止まらない。
たまった涙を風で飛ばし、ただ走った。
櫻子のことだけを考えながら。
櫻子「………んー」
やばい。真面目にやばい。
櫻子「どこなんだここは……」
櫻子「完全に迷子だなこれは」
櫻子「こっちが山だから、私の家は……あれ?」
櫻子「やべーわからん! というかお腹すいたー!」
櫻子「……どうしよう、このまま迷子のまんまだったら」
櫻子「あー、そんときは誰かの家に電話借りればいいのかな」
櫻子「でも他の家に迷惑かけたらねーちゃんに怒られるしなぁ……どうしよう」
櫻子「あ! 向日葵にもらった鈴があったな!」チリン
櫻子「…………」
櫻子「ま、まあこれ鳴らしたところでって話だけどさ……///」
タッタッタッ……
櫻子「?」
向日葵「櫻子!」
櫻子「うぉー! 向日葵来たー!」
櫻子「すげーすげー! 向日葵の鈴鳴らしたら向日葵が来てくれたー!」
向日葵「うっ、ううぅぅ……」
櫻子「えっ!? お、おい何で泣いちゃうんだよ……」
向日葵「櫻子……よかった……!」
櫻子「喋るな喋るな。走った後だと息できなくなるぞ」ぽんぽん
櫻子(向日葵がこんなに疲れてるの見たことない……)
櫻子「お、あそこにベンチあるじゃん。座ろっか」
櫻子「…………」
向日葵「…………」ぎゅっ
櫻子「ちょっと、痛いよ」
向日葵「…………///」
櫻子(目が赤い……泣いたんだな。そんなに心配させちゃったんだ)
櫻子「ごめんね」
向日葵「……いいですわ」
櫻子「よく私がここだってわかったね」
向日葵「神様が教えてくれたんですわ」
櫻子「神様ねぇ」
向日葵「…………///」
櫻子「今回、全然収穫なかったよ」
向日葵「……構いませんわ。でももし次に行くときは、私を誘って頂戴」
櫻子「やっぱり一緒に来たいんじゃん」
向日葵「そうですわね」
櫻子(……素直だな)
櫻子「私がいなくなるとでも思った?」
向日葵「………ええ」
櫻子「そっか……」
向日葵「…………」
櫻子「え、もしかして向日葵にもわかんない……!?」
向日葵「だ、だって私神様の声を聴くのに必死でここがどこだかなんて……」
櫻子「もう神様ネタはいいからさ! これじゃ助けに来てくれたのにあんまり状況変わんないじゃん!」
向日葵「ネタじゃありませんわ! 本当に何も考えずに走ってたらここに……走ってるときの記憶なんて全然ありませんもの」
櫻子「んー困ったなぁ……これじゃ二人とも迷子だ」
向日葵「ところで携帯ならありますわ」
櫻子「でかした!」
向日葵「撫子さんもすごく心配してましたわ」
櫻子「げ……怒られるかな」
向日葵「貸しなさい」バッ
櫻子「あ! 勝手にかけるな!」
向日葵「いいじゃない、私の携帯ですもの」
櫻子「かけるのは私のねーちゃんだぞ!」
向日葵「撫子さんは私のお姉さんでもありますわ!」プルルル
向日葵「あ、もしもし撫子さんですか? 櫻子を無事に保護しましたわ」
櫻子「一緒に迷子になってるんだから保護されたわけじゃ……」
向日葵「はい……はい」
向日葵「櫻子に代わってって」
『バカ!! どこほっつき歩いてんのさ!』
櫻子「うるっさ……」
向日葵(受話器持ってないのにここまで聞こえますわ……)
櫻子「仕方ないじゃんよ! そう! ……え? 頭は関係ないだろこらー!」
向日葵(何話してるかだいたい想像つくのが面白いですわね)
櫻子「そう! そうなの。……んーとね、なんか山の方」
櫻子「わかんないんだよ。こっち来たことないから……」
「行ったことないとこに一人でいくんじゃないよ」
櫻子「え?」
向日葵「な、撫子さん!?」
撫子「よかった。二人とも無事だね」
櫻子「え、なんで!? 電話しながら探してたの!? でもう見つけてくれたの!?」
櫻子「答えになってない!」
撫子「よし帰ろう。花子たち待ってるよ」
櫻子「あー……まあ何はともあれ助かったからよかったー」
向日葵(撫子さん……本当はどうやって見つけてくれたんですの?)ヒソヒソ
撫子(あの子昔からご近所冒険が好きだったからね……靴にGPS発信仕込むなんていつものことさ)
向日葵(え……)
櫻子「なに、なんの話?」
撫子「あんたが可愛くて仕方ないって話」
櫻子「ええっ!?///」
向日葵「し、してませんわ! してませんわ!」
向日葵「面白いとこ?」
櫻子「帰るんじゃないのかよ」
撫子「どうしても見せたいんだよね」
撫子「私の思い出の場所」
櫻子・向日葵「!!」
聞くまでもないよね。
ここで生まれて、ここで出会った全て。
生まれてからほとんどの時間を一緒に過ごしている私たち。
いろんな思い出があるでしょ?
その全てが、ここからなら見渡せるんだ。
撫子「凄いでしょ?」
櫻子「うわぁ……!」
向日葵「綺麗………」
夕日に照らされた町の全てを、撫子の高台は映していた。
今日も、迷子になってよかったね。
スタスタ……
櫻子「んー……」
向日葵「何悩んでるんですの?」
櫻子「思い出の場所さがし! ねーちゃんにあんなの見せられちゃったら……あれよりすごいの見つけなきゃいけない感じするじゃん!」
向日葵「ふふ……」クスクス
向日葵「ちなみに私はもう見つけましたわ」
櫻子「うそ!? え、どこどこ!?」
向日葵「ここですわ」ぴたっ
櫻子「……は?」
櫻子「えーっと……///」
櫻子「こんなしょぼい道端?」キョトン
向日葵「そうじゃありませんわよ、ここ!」
櫻子「いやだから、ここただの通学路じゃん」
向日葵「櫻子の隣ですわ」
櫻子「あ……」
向日葵「いろいろ回ってわかりました。私は櫻子が隣にいれば、どんな場所でも構わない」
向日葵「私の思い出の全部は、あなたの隣にあったんですわ」ぎゅっ
櫻子「じゃあ、私の思い出の場所は向日葵の隣ってことか」
櫻子「…………」
櫻子「……っふふ、あはははははは!」
向日葵「わ、笑わないでくださるっ?」
櫻子「だって向日葵今めっちゃかっこつけてたんだもん! 」
向日葵「別にいいじゃない!///」
櫻子「いやーかっこよかったよ向日葵」
向日葵「……なんかバカにされてる感じになってきましたわ」
櫻子「バカにはしてないよ!」
向日葵「ええ……私も離れませんわ」
櫻子「私がちょっとでも離れたら向日葵泣いちゃうもんね」
向日葵「はぁ!?/// そんなことありませんわ!」
櫻子「この前泣いてたじゃん!!」
向日葵「あれは、まさか自分の住んでる町で迷子になるほど頭が足りない櫻子が可哀想で仕方なくて涙が出てしまったんですわ」
櫻子「うそつけー!! 一緒に帰れなくなってたくせにー!」
向日葵「別に私本当は帰り道ぐらいわかってましたわー櫻子と違って!」
向日葵「なっ……!?///」
櫻子「あー流石に神には勝てないわー……いくら私でも神には勝てないわー」
向日葵「かっ、神様をバカにしないでくださる!?」
櫻子「神様(笑)」
向日葵「その口塞いであげましょうか」
櫻子「え? キスで?」
向日葵「窒息死させてあげますわ」ゴゴゴ
櫻子「一瞬嬉しいかと思ったけど怖いわ!」
櫻子「え?」
向日葵「ここどこですの?」
櫻子「あ、あれ!? 私たち普通に通学路歩いてて……」
向日葵「…………」
櫻子「…………」
向日葵「櫻子のせいで迷子ですわー!」
櫻子「ちょっ、私のせいにすんなー!!///」
~fin~
Entry ⇒ 2012.06.19 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
京子「結衣とあかりって本当に仲がいいのかな?」
京子「いや、ちょっと冷静になって考えてみたんだけどね」
京子「あの2人が仲良くしてるところってイメージ湧かなくて」
ちなつ「京子先輩の杞憂です、普通に会話だってありますし」
京子「……例えば?」ズイッ
ちなつ「な、何気ない日常会話とか……」
京子「ありがとうあかりとか、おはよう結衣ちゃんくらいだよね?」
ちなつ「た、確かに挨拶くらいしか会話してるの見たことないかも……」
京子「でしょでしょー?」
ちなつ「当たり前じゃないですか、仮にも幼なじみですよ!」
京子「うん、だからその割には絡みが少ないなぁって思ったワケで」
ちなつ「……確かにそうかもしれませんね」
ちなつ「でもあかりちゃんは誰とでも仲良く出来ますし……」
京子「結衣も物腰は落ち着いてるけど、社交的なほうだもんね」
ちなつ「それでもあの2人が仲良く絡んでいるところがイメージしずらいです……」
京子「うーん……」
京子「……最近はあまり2人で絡んでいるのを見ないなぁ」
ちなつ「でもあかりちゃん、結衣先輩のオムライスべた褒めしてましたよ?」
京子「うーん、でもあかりはいい子だから何でも褒めるよ」
ちなつ「か、考えすぎですって絶対!」
京子「私もそうだと思いたいけどね……」
京子「ん……くふふ、いいこと考えちゃった!」
ちなつ「嫌な予感しかしませんけど……」
ちなつ「と、盗聴器でもしかけるつもりですか!?」
京子「いやいや、かなりアナログな方法だけどさ」
京子「……」トコトコ
京子「よし、私たちのローファーと荷物を押入れに入れてっと……」ドサッ
ちなつ「……」
京子「さぁちなつちゃん、私と一緒に押入れに籠ろう!」
ちなつ「はぁ……?」
京子「だってだって、狭いんだも~ん♪」スリスリ
ちなつ「もーいい加減に……」
ガララッ
京子「……くふふ、大きな音出すとここにいるのばれちゃうよ」
ちなつ「……あとでゲンコツですからね」
京子「ゲンコツで済むなら安いモノだ!」ニコッ
ちなつ「はぁ……ほんとにこの人は」
結衣「また道草でも食ってるのか」
結衣「ふぁ~……」ノビー
結衣「ん、一人だと手持ち無沙汰だなぁ」
結衣「ちなつちゃんのお茶が飲みたいけど、自分で淹れようかな」
ちなつ「私ならここにいますよ結衣先輩――」
京子「ちょ、ちょっとばれるから落ち着いて!」グイッ
ちなつ「もごもごもが……!」
<ヒヒ~ン……
結衣「なんだ馬か、それならしょうがないね」
結衣「確かここに紅茶があったような気が……」ゴソゴソ
京子「ふぃー、もしもの時のための物まねが役に立ったね」
ちなつ「いや、押入れに馬って……」
京子「ちなつちゃん、あまり大きな声出しちゃダメだよ?」
ちなつ(結衣先輩もツッコミすぎて疲れてるんだろうなぁ……)ホロリ
あかり「……あれれ、まだ誰もいないのかなぁ?」
結衣「こんにちはあかり、いまお茶淹れるから座っててね」ヒョコッ
あかり「あ、結衣ちゃん!」
あかり「えっと、あの、あかりも手伝おうか?」
結衣「ううん、今日くらいは私がお茶当番やらせてよ」
あかり「はーい、それじゃあよろしくね」ニコッ
あかり「結衣ちゃんのお茶楽しみだよぉ~♪」
京子「さてさて、無難な会話から始まりましたね解説のちなつさん」
ちなつ「お互いの出方を探り合っているんでしょうねぇ……」
ちなつ「こんなことより結衣先輩のお茶飲みたいです~」グスッ
あかり「紅茶なんてエレガントでエキセントリックだね~」
結衣「エキセントリックて……」
あかり「んー、茶葉のほのかな甘みがお口に広がるよぉ」ズズッ
結衣「ふふ、そんな洒落たコメントはいらないって」
あかり「ぇへへ、でも結衣ちゃんもお茶淹れるの上手だね」
結衣「気持ちだよ気持ち、あかりのためを想って淹れました……」
あかり「えっ!」
結衣「なんてね、ただのパックだしそれくらい私でも出来るって」
あかり「も、もう結衣ちゃんってば……」ズズッ
あかり「あ、それならあかり今日クッキーあるんだよ~」
あかり「調理実習で作ってみたの、良かったらどうぞ!」
結衣「へぇ、あかりの手作りか」
あかり「結衣ちゃんを想って作ってみました……」
結衣「なっ……!」
あかり「なーんてね、さっきのお返しだよぉ~」ニコニコ
結衣「もう……、あかりにやられるとはね」
結衣「それじゃいただきます」ハムッ
あかり「ほんと?良かった~!」
結衣「甘さもちょうどいいし、サクサクで紅茶によく合うね」
あかり「ふふ、結衣ちゃんお口にかけら付いてるよぉ」
結衣「あ、ついクッキーが美味しいから夢中になって……」
あかり「ぇへへ……」
京子「あら、なにやらとっても和やかな雰囲気」
ちなつ「だから杞憂って言ったじゃないですかぁ……」
京子「でも出るに出れないんだよね、てへへ」ギュムッ
ちなつ「てへへじゃないですよ~もう……」
あかり「うーん、お掃除とかやってるのかなぁ」
結衣「どうだろうね……」
結衣「ちなつちゃんはともかく、京子は優先的に掃除をサボるからな」
あかり「あはは、それもそうだね~」
結衣「……ふふ」
あかり「ん、あかりの顔に何か付いてる結衣ちゃん?」
結衣「なんかあかりと2人で話したの久々だなぁと思って」
あかり「あ、言われてみれば……」
あかり「そうだねぇ……」
あかり「ふふ、でも案外会話の間が持つよね?」
あかり「もうちょっと気まずいかなぁって思ったけど」
結衣「お、おいコラ!!」
あかり「冗談だよぉ、あかりだってたまにはおちょくったりしちゃうもんね」ニコニコ
結衣「……あかりが言うと冗談に聞こえないんだよなぁ」
あかり「ぇへへ、結衣ちゃんとお話しするの楽しいなぁ~」
結衣「……ふふ、私もだよ」
結衣「へ、あぁもちろんいいけど」
結衣「なんか積極的だね、隣に座ってくるなんて」
あかり「……ゆ、結衣ちゃん」ススッ
結衣「ちょっと顔が近いよあかり!」
あかり「あのね、こんなこと言うのおかしいって分かってるけど……」
あかり「結衣ちゃんお願い……」ギュッ
結衣「あ、あかり?」
京子「……これは?」
ちなつ「う、ウソですよねそんなの……」
結衣「お、落ち着いてよあかり」
あかり「数学の宿題教えてよぉ~、全然分からなくて……」
結衣「……」コツン
あかり「あいた、なんでいまあかりは小突かれたの!?」
結衣「自覚がないのが怖いよ、ほんと……」
結衣「はぁ、ほら宿題持っておいで、教えてあげるから」
あかり「わーい、あかり結衣ちゃん大好き~」
京ちな「つるセコ~」
ちなつ「びっくりしたなぁ……そうだ、あとで私にも宿題教えて下さいね」
京子「えぇ……」
ちなつ「……大声出しますよ、京子先輩に無理やり連れ込まれたって」
京子「手伝わさせていただきます!」
ちなつ「ん、素直なのはいいことですね京子先輩」ナデナデ
京子「あ、えへへ……くぅ~ん」
ちなつ「ふふ、いい子いい子」
あかり「うんうん」
結衣「なもりの公式で、百合は美しいっていうのが導けるんだけど」
あかり「うーん……?」
結衣「その時の右辺が、百合は儚いっていう項になるんだ」
あかり「ふむふむ……」
結衣「それで、こいつをこうして」
あかり「ぇへへ、ふー……」
結衣「あ、んっ……!」ピクッ
あかり「だって結衣ちゃん耳たぶキレイだったからつい……」
結衣「にしたって急に耳に息吹きかけるなよ……」
あかり「でもどうしてビクってしちゃったの?」
結衣「いや、急にやられたら誰でもなるって」
あかり「そうかなぁ、あかりにも今度やってみてね!」
結衣「はいはい、早く次の問題やるよ」
あかり「うんっ!」
ちなつ「結衣先輩は耳が性感帯みたいですね……ふふふ」
京子「わ、私も耳が……あとおへそとか」スリスリ
ちなつ「はいはい、ふー」
京子「んっ、ちなつちゃん……」
あかり「結衣ちゃんのおかげで宿題終わりそうだよぉ!」
結衣「あかりって結構魔性の女になるのかもな……」
あかり「以上より、百合は美しい=百合は儚いが導け……」
結衣「あかり……」フー
あかり「きゃ、きゃああ!?」ビクッ
あかり「はっ、え、え……?」
結衣「ぷっ、だから言っただろ?誰でも耳は敏感なんだよ」
あかり「ゆ、結衣ちゃん……」ジワッ
結衣「ちょ、ちょっとなにも涙ぐまなくても!」
結衣「あれが普通なんだよ、人によっても差はあるけど」
あかり「こ、怖かったよぉ……」グスッ
結衣「……ゴメンねあかり、ちょっとおちょくるつもりだったんだけど」
結衣「……」ギュッ
あかり「あ、う……」
あかり「もうちょっと強くぎゅーってしたら許してあげる」ニコッ
結衣「ふふ、現金だなぁ、最初はあかりからやってきたのに」ギュッ
あかり「んー……ぇへへ」
ちなつ「いいですよ、その代わり語尾にわんを付けること」
京子「わんわん、京子わんわんだー!」
ちなつ「ぷっ、もうほんと可愛いですね京子先輩は」ナデナデ
京子「えへへ、ちなつちゃん大好きー……」
ちなつ「しかしまぁ、ほんとベタ惚れなんですね私に」
京子「そんなの今さらじゃないか~わん♪」スリスリ
ちなつ「ま、まぁ悪い気はしないですけど……」
京子「お、デレたかな」ニヤッ
ちなつ「む……」
<ふふ、結衣ちゃんはココがいいんだぁ?
<それじゃあもっと、もっとしてあげるからね
<あ、あかり……
<あっ、や、気持ちいいよ……
<結衣ちゃんってばそんな声出してほんとに気持ちよさそう……
京子「ちょ、ちょっとなにこの声!?」
ちなつ「え、え……」
ちなつ「京子先輩、もっと詰めて下さいよ!!」
京子「ちょ、ちょっとそんな押さないでちなつちゃん……」
ちなつ「せめて結衣先輩の美声をこのケータイに収めるんです!」グイグイ
京子「きゃ、きゃああ!私のスカート捲れちゃってるから!!」
ちなつ「結衣先輩結衣先輩……」グイグイ
京子「そ、そんなに擦り付けないでぇ……」
京子「ていうか、そんなに押入れのふすま押したら!」
バッターン……
京ちな「あ……」
結あか「え、え?」
結衣「あ、う……あかりのマッサージ気持ちいいなぁ」
京子「ま、マッサージ……」
ちなつ「良かった、ただのマッサージだったんだ!」ギュッ
京子「あ、ん、だからスカート……」
あかり「2人とも制服が半脱ぎの状態で抱き合ってたの?」
ちなつ「えっ?」
結衣「うひゃぁ……」
結衣「あ、あかりちょっと私たち先に帰ろうか」グイッ
あかり「あわわ、結衣ちゃんちょっと引っ張らないでよぉ!」
ガララッ
結衣「いや、まぁ仲がいいというか……」
あかり「でもでも、押入れで抱き合って何してたんだろう……」
結衣「えっ!?」
結衣「……あ、あかりにはまだ早いと思う」
あかり「へっ?」
結衣「うーん、まさかあそこまで京子とちなつちゃんが進んでたとは……」
あかり「結衣ちゃん、なんのお話し?」ユサユサ
結衣「びっくりしたなぁホント……」
あかり「ちょ、ちょっと無視しないでよぉ!」
あかり「うんうん」
結衣「その、こ、恋人どうしってワケで……」カァー
あかり「そっかぁ、あの2人は恋人さんだったんだぁ!」
あかり「ふーん、ぇへへ……」
結衣「にしてもホント進んでるんだなぁ最近の子って……」
あかり「ええええええええええええええええええ!?」
結衣「わっ!」ビクッ
あかり「だ、だって京子ちゃんとちなつちゃんが恋人って!!」
あかり「それじゃ、あの押入れで抱き合ってたのって……」アタフタ
結衣「やば……」
あかり「2人でおしくらまんじゅうでもしてたの?」
結衣「……」ズコッ
結衣「いや、まぁあながち間違ってもないのかな……」
あかり「あんなに密着してすることと言ったらそれしかないもんね~ぇへへ」
結衣「あかりがあかりで良かったよ……」
あかり「ぇへへ、あかりも今日はこっちの道だよぉ」
結衣「ん、何か用事でもあるのかな」
あかり「ちょっと結衣ちゃんのお家に用事があって」ニコッ
結衣「……え?」
あかり「京子ちゃんとちなつちゃんが恋人になったよね?」
結衣「うん、まぁそうだね」
あかり「だから結衣ちゃんが寂しい思いをするだろうなぁと思って……」
あかり「今日はあかりが側にいてあげるよぉ、ふふ」
結衣「……あかり」
あかり「……」ニコニコ
結衣「ほ、ほんとだからな、京子とちなつちゃんがくっ付いたからって……」ギュッ
あかり「ふふ、結衣ちゃんの手は正直みたいだね」
結衣「うっ……」
結衣「……ほんとはとっても嬉しいよ、あかりの気遣いが」
結衣「素直じゃないから、ありがとうって恥ずかしくて言えなくて」
あかり「結衣ちゃんが素直じゃないのは知ってるよぉ、ぇへへ」ギュッ
結衣「……ちゃっかり恋人繋ぎだし」
あかり「ふふ~ん♪」
結衣「ただいまーっと、あかりは適当にくつろいでてね」
あかり「あ、えっと、もう一回お外から帰って来てくれるかな?」イソイソ
結衣「へっ……」
あかり「いいから、早く早く~!」
結衣「……?」
ガチャ ガチャッ
結衣「ただいまー」
あかり「結衣ちゃん、お帰りなさい」ニコッ
結衣「あ……ふふ、ただいまあかり」
結衣「……『あ』かるい、『か』わいい、お『り』こうさん」
結衣「ふふ、本当にいい名前だよねあかりって」
あかり「ちょ、ちょっと褒めすぎだよぉ……」
結衣「あーもう、ちょっとさっきからおかしいな私」
結衣「さっきのお帰りなさいがホントにキュンときた……」
あかり「1人暮らしは寂しいもんね、ふふ」
結衣「でも今は寂しくないかな、あかりが隣にいるし」
あかり「うんうん、素直が一番だよぉ」ニコニコ
結衣「……そうだな、素直が一番」
あかり「ふふ、気にしすぎだよぉ」
あかり「あかりは結衣ちゃんのオムライスが世界で一番好きだもん」ニコッ
結衣「……そういうことを笑顔で言うもんなぁ」
あかり「あ、結衣ちゃんほっぺちょっと赤いね」
結衣「うるさい……じゃ、じゃなくて」
結衣「こほん……」
結衣「ありがとうあかり、私もあかりの笑顔が世界で一番好きだよ」ニコッ
あかり「ぇっ、えぇ!?」
結衣「……あれ、素直が一番だよね」
あかり「はむはむ、オムライス美味しいよぉ~♪」
結衣「なんか胸が苦しいな、ドキドキする」
あかり「結衣ちゃん、あ~ん……」
結衣「はむ、あむ……」
結衣「なんだろうこの気持ち、検討が付かないなぁ」
あかり「結衣ちゃん、ほっぺにご飯粒付いてるよぉ」スッ
結衣「あ……」
あかり「あむっ、なんか恋人さんみたいだねあかりたち……」
結衣「なんで、どうしてドキドキするんだ……」
あかり「ふふ、結衣ちゃんは甘えん坊だね」ナデナデ
結衣「あ、う、こんなの私のキャラじゃないのに……」
結衣「あかり、なんかおかしいんださっきから」
あかり「うん?」
結衣「なんかさっきから顔が熱くて、胸がドキドキして……」
あかり「うんうん」
結衣「あ、あかりの顔もまともに見れないんだ」
あかり「ぇへへ、可愛いなぁ結衣ちゃんは」
あかり「結衣ちゃん、別に無理をすることはないよ」ナデナデ
あかり「あかりはどこにも行ったりしないからね」
結衣「うん……」
あかり「結衣ちゃんもどこにも行ったりしないよね?」
結衣「行かないよ、ずっと側にいる」
あかり「そ、それじゃ……」
あかり「指切りげんまん、ウソついたら針千本~♪」
結衣「ぷっ、普通そこはキスとかくると思うんだけどなぁ……」
結衣「あかりらしいな、……針千本のーます♪」
あかり「ぇへへ」 結衣「ふふ」
結衣「あ、あぁ大体の事情は分かったよ」
あかり「もー、あかりと結衣ちゃんは仲良しさんだよぉ」
京子「そうだよな、こっちの考えすぎで良かったよ」
ちなつ「……というか、お二方みょうにくっ付いてないですか」
結あか「えっ、そうかな」
ちなつ「さ、さり気なく手も握ってますし」
結衣「……ふふ」
京子「むむ、こっちも負けてられないね」ギュッ
ちなつ「張り合わなくていいですから!」
あかり「もう結衣ちゃんってばしょうがないんだから」ニコッ
結衣「ん、やっぱりあかりの隣は落ち着くな……」
結衣「……素直が一番だねあかり」
あかり「ふふ……そうだね!」
おしまい!
よかったです!!!!!!!!!!
素晴らしい
X⌒´ -─=ミ 、>'⌒ヽ. | |
/'⌒_ {/⌒ヽ `'く⌒ソ } | あ |
, -==ァ' / 丶 くミ. | か |
┌─────┐ フ { (⌒{/)┐:′: | :ト、 Vヘ ヽ | り .|
| | ッ 人 _∨ //)i: :. ト、 :∟斗 } V´ | っ .|
│ 罪 │ /:/ う|入 、 |⌒:{ ,Y } | た |
│ な │ ⌒〉 爪{ヘ| \ト{ -=彡|i } V. | ら .|
│ 女 │ rァ′ / !小 -=彡 , '' |i ハ/ jハ | |
│ : .| |:\ .ハ 从 ヽ '' _ ノ ノ/ /}八{ └─────┘
│ : .| |.:.:.:.\}:V \>==- . __ . イ > //∧
| | (⌒ ノ |:.:.:.:.:.:.:7` <{///////><//////∧_
└─────┘ {_ノ |:.:.:.:.:.:/_r==vヘ//////////////////,ハ
Entry ⇒ 2012.06.10 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
結衣「綾乃はごらく部を潰すんじゃなかったのか?」
綾乃「…えっ?」
結衣「えっ、じゃないよ」
結衣「なに平然とごらく部でお茶飲んでるんだよ」
結衣「違うだろ! それは綾乃の本来とるべき行動じゃないだろ!?」
結衣「私だって、綾乃とは仲良くなりたいと思ってたよ?」
結衣「けどさ、それはあくまでごらく部に敵対意識を持ってた頃の綾乃なんだよ」
結衣「今の綾乃からはなんのオーラも感じないんだよ! わかる?」
綾乃「え、ええ…。なんとなく、私が船見さんに怒られてるのは分かるわ」
綾乃「え、ええ…。まぁ、好きと言えば…好きかしら?///」モジモジ
結衣「違うだろ! そこは『そ、そそそんな訳ないでしょー!!?///』だろ!?」
結衣「もうバレバレだからって開き直っちゃ駄目なんだよ、そこは」
綾乃「は、はあ…」
結衣「綾乃はいつまでもツンデレキャラでいなきゃ」
結衣「それが綾乃の魅力の8割をしめてるんだから!」
綾乃「そ、そうね…。そうかもしれないわ」
綾乃「だ、だって! 私が歳納京子に告白したら、関係が崩れちゃうじゃない!?」
結衣「それは綾乃が気にすることじゃないよ」
結衣「フラれるのが怖いっていうなら別だけどさ」
綾乃「うぅ…」
綾乃「船見さんは私にどうしろって言うのよ」
結衣「なんとかしろって言ってるんだよ」
結衣「このままだと恋人にもライバルにもなれず、ただの友達で終わるよ」
綾乃「ただの…友達……」ゾワッ
結衣「綾乃だって、急に千歳辺りに告白されたら困るだろ?」
綾乃「そ、そんなこと有り得ないわよ!!」
結衣「ほら、そうなるだろ?」
綾乃「……っ」
結衣「私は別にそれで構わないんだけどさ」
結衣「綾乃はいい友達だし」
綾乃「船見さん…」
綾乃「分かったわ! 私、歳納京子に告白してみる!!」
綾乃「どうせ駄目もと、当たって砕けろよっ!!!」
結衣「おお、さっきまで腑抜けてたのが嘘みたいだ」
綾乃「ひっ!!?」ビクッ
京子「おんや~? 結衣と綾乃が2人きりなんて珍しいね?」
結衣「今日は京子が遅れたからな」
京子「へへへ、面目ないッス★」
綾乃「はわわわわわわ…///」カァァ
綾乃「(ふ、船見さん!!!)」
結衣「(なに? 私は手助けしないぞ)」
綾乃「(えぇぇ!!?)」ガーン
結衣「(ここで私が焚き付けたら綾乃が引き返せなくなっちゃうだろ?)」
結衣「(無理だと思うなら告白しなくていいから)」
綾乃「(そんなぁ…)」
綾乃「ひぃぃぃぃぃ!!!///」ビクッ
京子「京子ちゃんを差し置いてヒソヒソ話なんて、罰金バッキンガムよぉ~」
綾乃「ちょ、ちょっと! あなた、人が一生懸命考えたギャグを無断で――」
京子「んん~?」ジトッ
綾乃「あう…///」ボッ
結衣「はぁ…。駄目か」
結衣「ほら、2人ともいつまでも立ってないで座りなよ」
京子「うん、そだね。ほれ、綾乃も♪」グイッ
綾乃「あぁ~もう、引っ張らないでよぉ…」
京子「ぷはぁ~、生き返るぅ~♪」フルフル
結衣「おいコラ、おっさんか」
結衣「ていうか、よくお茶をそんな飲み方出来るな」
京子「お茶なら余裕っしょ? もしこれに炭酸でも入ってたら分からないけど」
結衣「炭酸茶…。これはひどい」
綾乃「……」
京子「…綾乃、前から気になってたんだけどさぁ」
綾乃「な、なによ?」
京子「私と結衣と綾乃の3人きりだと急に無口になるよね。なんで?」
綾乃「そんな、なんでって言われても…」
京子「はぁ~?」
京子「なんだよ、水くさいなぁ~。そんな遠慮要らないよ」
京子「だって私たち、友達同士だろ?」
綾乃「」
結衣「うわぁ…」
京子「えっ? えっ? 私、なんか変なこと言った!?」
結衣「いや、別に京子は悪くないよ」
結衣「ただ、京子の何気ない言葉が綾乃に重くのしかかってるようで」
京子「?」
綾乃「あはははは…手遅れ、手遅れだわ……」
綾乃「そうね、さよならね。ふふ…」
結衣「はぁ…」
結衣「京子は先帰ってて、私は綾乃と少し話してくから」
京子「えぇ~!? そんな、私に1人で帰れって言うの!!?」
結衣「1年の教室に行けば、あかりやちなつちゃんが居るだろ?」
京子「おっと、そうでした」
京子「いや~、最近1年組は放課後もなんかやってるみたいで顔出さないよね」
京子「みんな、なにやってるんだっけ?」
結衣「なんか、社会の宿題で近場のお店の調査とか…」
結衣「私もよく分かんないから、その辺聞いてきなよ」
京子「了解です、結衣隊長!! ばっびゅ~~ん★」ダッ
ガラピシャ
綾乃「あぁ、あそこで私があともう少しだけ勇気を出して告白していれば――」
結衣「仕方ないよ。まさか、さっきのがラストチャンスだなんて誰も思わないし」
綾乃「終わっちゃったのね。私の恋…」
結衣「いや、綾乃が本気ならまだ分からないよ」
綾乃「どういう…こと?」
結衣「一度、今の関係を壊すんだよ。友達をやめて、京子のライバルに戻ろう」
綾乃「…そんなこと、出来るかしら?」
結衣「大丈夫だよ。綾乃は綾乃なんだから、やり直せるよ」
綾乃「船見さん…」
綾乃「分かったわ! 私は歳納京子の友達をやめて、歳納京子を倒してみせる!!」
結衣「うん、綾乃はそうでなくちゃ」
千歳「あっ…」
綾乃「戻ったわよ、千歳!」
千歳「綾乃ちゃん」
千歳「戻ったって、ごらく部の子らと帰らなくてええの?」
千歳「せっかく仲良くなったんに…」
綾乃「ああ、それなんだけど」
綾乃「私、ごらく部を潰すわ!!」グッ
千歳「……」
千歳「…へっ?」
綾乃「大体、あそこは元々茶道部の部室でしょ」
綾乃「いくら廃部したからって勝手に使っていい道理は無いわ!」
綾乃「そんな行為はこの生徒会副会長杉浦綾乃が許さないんだから!!」
綾乃「部室の無断使用は罰金バッキンガムよっ!!!」
千歳「綾乃ちゃん!」パァァ
千歳「あぁ…、綾乃ちゃんが輝いとる」
千歳「歳納さんにデレデレな綾乃ちゃんもええけど」
千歳「やっぱウチは生徒会副会長としての綾乃ちゃんが好きやねん!」
綾乃「当たり前よ!」
綾乃「これでまた情けをかけたら、益々ナメられちゃうわ!!」
綾乃「私の目指すべきものは友達じゃなくて、ライバルなのよっ!!!」
千歳「はは~ん、歳納さんのライバルに戻ってから告白する気なんやね?」ニヤニヤ
綾乃「な、なに馬鹿なこと言ってるのよーーっ!!?///」カァァ
ビターン
千歳「あぁ…、綾乃ちゃんビンタも衰えてへん」ピクピク
千歳「ウチ、お供するで! 今の綾乃ちゃんにならどこまでも着いて行くわ!!」
綾乃「見てなさいよ、歳納京子!」
綾乃「私を友達扱いしたことを後悔させてあげるから!!」
京子「うぅ…。誰か私の噂でもしてんのかな~?」
結衣「…あれ、京子?」
京子「おー、結衣ー! やっと来たかー!!」
結衣「やっと来たかって…」
結衣「なに? 私のこと待ってたの?」
京子「うん!」
結衣「どうして?」
京子「いや~、私があかり達と帰ったら結衣が1人ぼっちになっちゃうしさ」
結衣「京子…」
京子「えへへ、惚れ直した?」
結衣「調子に乗るなよ、馬鹿」コツン
京子「てへっ」
結衣「…でも、ありがと」
京子「ふふふ。口元緩んでるぞ、結衣にゃん♪」ツンッ
結衣「なんの替え歌だよ、それ」
京子「ところで、綾乃とはなに話してたの?」
結衣「綾乃と私の2人の秘密」
京子「えぇぇぇぇぇ!!?」ガーン
結衣「気になる?」
京子「べ、別に~」
結衣「言わないよ」
京子「いいよー、後で綾乃から聞き出すから」
結衣「あー、うん。それがいいかも…」
京子「?」
京子「だって私たち――」
結衣「『友達同士じゃないのかよー!?』だろ?」
京子「……」
結衣「…当たりか。まぁ、そうだよな」
京子「結衣…?」
結衣「んっ?」
京子「なんでもない」
京子「なんでもないけど、隠し事されたのムカつくからやっぱ1人で帰る!!」ダッ
結衣「なんだよ、それ!?」
結衣「おいコラ! 待てよ、京子!! 京子!!!」ダッ
結衣『――いつか、私たちの関係にも答えは出るだろうからさ』
結衣『それまではいいよな。…綾乃』
お わ り !
Entry ⇒ 2012.06.08 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
綾乃「生徒会から全校生徒にお知らせする事があります」
~2-5教室~
結衣「お、綾乃の放送はじまったね」
京子「ああ、例の遅刻撲滅週間の放送だっけ?綾乃も頑張るなあ」
千歳「生徒会のみんなで持ち回りで放送するんよ~」
京子「お昼ご飯とかどうするの?」
千歳「んー、お昼休みが終わる5分前にもう一回放送せなあかんし」
千歳「放送室で食べることになるやろね」
京子「ふーん」
結衣「ほら、綾乃の放送聞いてあげようよ」
『その状況を踏まえ、今週は遅刻撲滅週間とすることにしました』
『お昼休みは1時までですが、5分前には注意を促す放送を流しますので』
『それまでには教室へ戻るようにしておきましょう』
『生徒会からのお知らせでした』
『それではみなさん、良い昼食を』
ガタンガタンッ
京子「へへへーん」
結衣「……え、なんでお前が得意げなの?」
京子「だって私のライバルだもんね~♪」
千歳「……ふふふ」ホンノリ
『ふぅ……何とか無事に終わったけど、緊張したわ』
京子「……ん?」
結衣「あれ……?」
『こんな調子だと、2回目の放送で失敗しちゃうかも……』
結衣「……京子、これって」
京子「うん、放送切り忘れてるみたいだね~」
千歳「綾乃ちゃん、おっちょこちょいやなあ……」
結衣「はぁ……どうする?今から放送室に行って綾乃に教えてあげる?」
京子「うん、このままじゃ綾乃可哀そうだし」
千歳「じゃあ、うちが……」
『そうだ、アレをしてリラックスしよっと……』ゴソゴソ
『えっ、と、歳納京子、どうしてここにっ!?』
京子「……え」
結衣「え……」
京子「わ、私まだ教室にいるのに……え?」
『へへへー、綾乃が頑張ってるから応援に来ちゃった!』
『そ、そんなの、必要ないわよっ!』
『ふーん、ほんとに?』
『ちょ、と、歳納京子……顔が近いわ……』
『本当は、緊張してガチガチだったんじゃない?』
『そ、それは……』
京子「な、なにやってるの、綾乃っ///」
『……大丈夫だよ、綾乃、私が緊張の解けるおまじないしてあげるから』
『……と、歳納京子……何を……』
『綾乃の可愛い唇に……おまじないしてあげるの……』
『あっ……』
『……ほら、顔をあげて』
『……としのう、きょうこ……』ンッ
『……』
『……』
『……』チュ
結衣「な、なにこの沈黙」
『どう?緊張解けた?』
『え、ええ……あ、ありがと』
『ふふふ、キスされた時の綾乃の顔、可愛かったよ……』
『そ、そんな……わたし、可愛くなんて……何時も、怒ってるし』
『……なら、笑ってよ、綾乃、私の為だけに……』
『としのうきょうこのためだけに……?』
『……うん、いいでしょ?』
『も、もちろんよ……だから、だから、もう一回……』
『もう、綾乃は甘えん坊だなあ』
『……』
『……』チュッ
向日葵「///」プルプル
ちなつ「///」プルプル
あかり「///」プルプル
櫻子「す、杉浦先輩、すげえ///」
櫻子「ね、ねえ、向日葵、私たちも、ああいう事やんないといけないのかな!?」
向日葵「え、な、なに言ってるんですのっ///」
『……ふぅ』
『そんな展開になってくれれば苦労しないんだけどね……』ハァ
『緊張は解けたけど……歳納京子のお人形相手にこんな事をしても、むなしいだけよね……』ポイッ
『……』
『……こんなに歳納京子の事が好きなのに』
『……』
『どうして気づいてくれないんだろ……』
西垣「ははは、杉浦、なかなかやるなあ」
りせ「///」
『はぁ……今頃、歳納京子は船見さん達と楽しく食事してるんだろうなあ……』
『……私も、船見さんみたいに歳納京子を甘やかせてあげたい……』
『お家に泊めてあげて、ご飯作ってあげて、一緒にお風呂入って、一緒の布団で寝て』
『そうやって、新婚さんみたいに2人っきりで過ごせたらなあ……』
クラス「「「…………」」」ジー
結衣「ち、違う、新婚さんとかじゃ無いからっ!」
結衣「きょ、京子からも何か言ってよっ!」
結衣「って、あれ、京子?」
『けど……周りの子が本当に困ってると、ちゃんと優しくしてくれる……』
『頭が良くて、明るくて、元気で、笑顔が可愛い……』
『歳納京子……』
『それに引き換え、私は、何時も怒ってるし、素直になれないし、成績だってずっと勝てないし』
『私なんかのことを、好きになってくれる可能性なんて無いわよね……』
『……はぁ』
バーンッ
京子「あやの!」
綾乃「ふえ!?と、歳納京子!?」
京子「……」トテトテ
綾乃「な、何しに来たの?お昼ごはんは?」
京子「……綾乃」
綾乃「な、な、な、なによ、顔が、ち、近いわよ///」
綾乃「は、はいっ///」
京子「何時も、頑張ってる綾乃が好き」
綾乃「……え」
京子「目標に向けて、一生懸命努力してる綾乃が好き」
綾乃「と、としのう……」
京子「私が忘れ物をするとさり気無くフォローしてくれる綾乃が好き」
綾乃「……きょうこ?」
京子「綺麗なポニテも好き、ずっと触りたいと思ってた」
京子「怒ってる顔も好き」
京子「たまに向けてくれる笑ってくれてる顔も大好き」
京子「注意してくれてる厳しい声が、最後は優しい声になるのも大好き」
京子「私なんかとは、釣り合わないかなと思ってた」
京子「けど、けど、大好きな綾乃ともっと一緒に居る時間を増やしたくて、それで……」
京子「プリントとか、わざと忘れて、綾乃に迷惑かけちゃってたの……ごめん……」
綾乃「と、歳納京子が……私のことを……」
京子「うん、全部、ぜーんぶ、好き」
京子「だーーーいすき!」
綾乃「……!」
京子「綾乃」ギュ
綾乃「あっ……」
京子「綾乃の気持ちは、もう知ってるの……」
綾乃「ふえ、わ、私の気持ちを……?」
京子「うん……」
綾乃「私が……あの、歳納京子の事が好きだって、事を?」
京子「……うん」
綾乃「ど、どうして……」
綾乃「……は?」
京子「だから、さっきから全校放送で全部流れてるし」
綾乃「……あの、歳納京子、ごめんなさい、何を言ってるのか、意味が……」
京子「綾乃が架空の私といちゃいちゃしてる様子とかも全部流れてたよ?」
綾乃「な、な、な……」
『なん!』
クラス「「「///」」」
結衣「///」
千歳「……」ドクドク
『です!』
あかり「///」
ちなつ「///」
向日葵「///」
櫻子「///」
『ってー!』
西垣「うん、シメサバうまい」
りせ「///」
京子「綾乃、落ち着いて、どうどう」
綾乃「こ、これが、落ち着いてられますかっ///」
綾乃「う、うそでしょ、わたしの、わたしの秘密の楽しみが全校放送でっ///」
京子「まあ、いいじゃない、綾乃だけじゃかわいそうだったから私も付き合ってあげたんだし」
綾乃「え?」
京子「私の愛の告白も、放送されちゃってるから、ね?」
綾乃「あ……」
綾乃「え、け、けど、私、生徒会副会長だし、そのっ、そ、そんなっ……///」モジモジ
京子「綾乃は、私とカップルになるの、イヤ?」
綾乃「え、そ、そんな……い、いやじゃないわよっ///」
京子「じゃ、いいよね……」
綾乃「ちょ、だから、歳納京子、顔が……」
京子「ね?」
綾乃「近い……わ……」
チュッ
『んっ、ちゅっ、あっ……としのうきょうこっ』
クラス「「「//////」」」
結衣「//////」
千歳「……」ドクドクドクドク
『綾乃、可愛い……ちゅっ』
あかり「//////」
ちなつ「//////」
向日葵「//////」
櫻子「//////」
『だ、だめっ、やっ、くすぐったいわ、としのうきょうこっ』
西垣「ん?松本、羨ましいのか?」
りせ「//////」ブンブンブンッ
西垣「あははは、松本は照れ屋だなあ」
綾乃「も、もう、しょうがないわねっ///」
京子「あのね、綾乃」
綾乃「……なあに、歳納京子」ナデナデ
京子「これからはプリントとか忘れないようにするよ……だから……」
綾乃「じゃあ、私は、歳納京子がプリント忘れてなくても会いに行くことにするわ……」
京子「うん、ありがと……」スリスリ
綾乃「私の方こそ……来てくれて、ありがとう、歳納京子……」ナデナデ
その日の放課後、京子ちゃんと綾乃ちゃんは生徒指導室で一杯怒られました
京子「いやあ、昨日は大変だったよね~」
結衣「ああ、千歳も病院に担ぎ込まれたりしてたしね……」
結衣「というか、良く怒られるだけで済んだなあ……」
京子「うん、西垣ちゃんや会長さん、それに他の生徒の子達も応援してくれたしね」
結衣「そっか……」
あかり(うう、思い出しちゃうから京子ちゃんの顔まともに見れないよ///)
ちなつ(京子先輩、大人!大人ですっ///)
京子「ありゃ、綾乃、どったの」
綾乃「……」トテトテ
京子「ん?」
綾乃「もう、放課後は生徒会室に来てくれるって言ったじゃないっ」ペタッ
京子「あっ……」
綾乃「忘れちゃったの?」ギュ
京子「あ、綾乃、あの、皆見てるし、その、抱きつくのは、ね?」
綾乃「何言ってるのよ、あんな放送流れたんだから、今さら照れること無いわよ」ムギュー
結衣「///」
あかり「///」
ちなつ「///」
京子「わ、判ったから、綾乃、生徒会室に行こ、ね///」
綾乃「ええ、一緒の椅子を2人で使いましょ?そうすれば仕事しながらぎゅって出来るし」
京子「え、え、生徒会室にはひまっちゃんとか櫻子ちゃんとかいるんだよね!?」
綾乃「え、そりゃあ居るわよ、生徒会室だもの」
京子「う、うう///」
綾乃「歳納京子は、私にぎゅっとされるの、嫌?」
京子「い、いやじゃないけど///」
綾乃「私のこと、大好き?」
京子「う、うん、大好き///」
綾乃「私も、私も歳納京子のこと、大好き……!」ギュー
毎日毎日、いっぱい愛されて
綾乃ちゃんがいないと暮らしていけない身体にされましたとさ
めでたし、めでたし
Entry ⇒ 2012.06.07 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
結衣「手乗りアッカリーン……?」
結衣「んー、今日は日曜日だからもうちょっと寝る……」パッ
結衣「……ふふ、二度寝最高」
結衣「すぅ……」zzz
<ユイチャン アサダヨ〜
結衣「んー、頭の上に乗らないのあかり……」
<ダッテ オキテクレナインダモン!
結衣「あ、頭の上に乗る!?」ガバッ
結衣「おはよう、あかり……」
結衣「あのさ、いろいろ言いたいことはあるんだけどね」
ミニあかり「キャッキャ♪」
結衣「とりあえず私の頭の上から降りてくれるかな……」
ミニあかり「エー……」
結衣「エーじゃないの、落ちたら危ないでしょ」スッ
ミニあかり「エヘヘ アカリダヨ!」
結衣「まさに手乗りあっかりーんって感じかな……」
ミニあかり「アッカリーン アッカリーン!」
結衣「ふふ、ほっぺたふにふにだね……」ツンツン
ミニあかり「ンムムムム……」
ミニあかり「アマリ ツンツンシチャ ダメダヨォ〜」
ミニあかり「ソ、ソンナコト……ナイモン……」
結衣「今日くらいはワガママ言わせてよ、ね?」
結衣「あぁ、ほんと可愛い……」ツンツン
ミニあかり「ムムム、アカリ オコッチャウカラ!」
結衣「ふふ、その小さい体で何ができるのかな」
ミニあかり「ハムハム……カジカジ……」
結衣「うわ、指先甘噛みされてる……」キュン
ミニあかり「ヒッ!……ユイチャン オコッテル?」
結衣「あぁ、ゴメンね大きい声出して……」
結衣「あかりが可愛すぎてちょっと熱くなっちゃった」
ミニあかり「……エヘヘ」
ミニあかり「ユイチャン モ カワイイヨ!」ヨジヨジ
結衣「ふふ、私の体によじ登るのが好きみたいだね」
ミニあかり「ウン!」
10センチぐらい?
結衣「ゴメンね、やっぱり頭の上はダメだよ」スッ
ミニあかり「ソンナ〜……」
結衣「ここならどうかな、胸ポケットだけど」ススッ
ミニあかり「アッ、ココ アカリ ダイスキ !」
結衣「あかりが落ちて怪我でもしたら大変だもんね」
ミニあかり「ウン……ユイチャン ワガママ イッテ ゴメンネ」
結衣「ううん、分かってもらえて良かった」ニコッ
ミニあかり「ア……ゴ、ゴメンネ……」
結衣「いやいいんだ、それより居心地はどうかな」
ミニあかり「ンー、マァマァ カナ〜」
結衣「ふふ、顔はニコニコして満足って感じだけどね」ツンツン
ミニあかり「エヘヘ、トッテモ イイ キブン ダヨ !」
結衣「そっかそっか、それは良かった」
結衣「ふふ……」
結衣「どうしてそんな小さくなったとか、いろいろ聞きたいけど」
結衣「きっと夢でも見てるんだろうな……」
ミニあかり「ン、ドウシタノ ユイチャン ?」
結衣「ううん、なんでもないよ」フニフニ
ミニあかり「ンー……ユイチャン サワリスギ ダヨォ」
結衣「ん、だって本当に可愛いんだもん」
ミニあかり「ア、アリガト……」
結衣「うん?何か言ったかな、聞こえないよ」
ミニあかり「ナ、ナ、ナンデモナイヨ!」
結衣「何かあったら言ってね、その体じゃ不便だろうし」
結衣「ふふ、今日は遊びに来てくれてありがと」ツンツン
ミニあかり「エヘヘ……」
結衣「大切なお客様だからしっかりおもてなししないとね」
ミニあかり「ウウン オカマイナク !」
結衣「ふふ、小さくてもお腹の虫はいるみたいだね」
ミニあかり「ウゥゥ、ハズカシイ ヨォ……」
結衣「うーん、そのサイズに合った料理はちょっと難しいかな」
結衣「かといって何もあげないワケにはいかないし……」
結衣「……あ、そうだ買い置きのビスケットがあるんだ」
ミニあかり「ビ、ビスケット!」
結衣「うん、それなら細かく砕けて食べやすいだろうし」
ミニあかり「ワーイ ワーイ !」
ミニあかり「ア、エット……」
結衣「あれ、お腹空いてるんだよね?」
ミニあかり「ココダト ユイチャン ノ オヨウフク ヨゴレチャウ カラ」
結衣「そっか……」
結衣「あかりは本当にいい子だね、テーブルの上で食べようか」スッ
ミニあかり「ヨット !」
結衣「ふふ、上手上手」
結衣「あかり、あまりがっついたらノドに詰まるよ」
ミニあかり「エヘヘ、ハーイ !」
ミニあかり「ハムッ、アムアム……」
結衣「さてと、本当にどうしたもんかな」
結衣「このまま手乗りアッカリーンを飼うワケにもいかないし」
結衣「というかそもそも手乗りアッカリーンってなに……?」
ミニあかり「アカリ ハ アカリダヨ !」ニコッ
結衣「……そりゃそうだよね、可愛いなぁ」
ミニあかり「フフフ ユイチャン モ オナカ ナッタネ !」
結衣「……うるさい」ツンツン
ミニあかり「キャー クスグッタイヨォ ♪」
結衣「ふふ……そっか、もうお昼になっちゃたんだ」
結衣「オムライスでも作ろうかな、卵余ってるし」
結衣「あかりはここで大人しく待っててね、危ないから」
ミニあかり「エー、ムネポケット ハ ダメナノ ?」
結衣「うーん……」
ミニあかり「ウンウン」
結衣「あかりが間違ってフライパンに落っこちる可能性もあるんだ」
ミニあかり「ヒィィィィ……!」
ミニあかり「ウッ、イヤ、イヤダヨォ……」グスッ
結衣「うん、だからテーブルで大人しく待っててほしいんだ」
結衣「すぐ終わってくるからね、約束だから」フニフニ
ミニあかり「ウンッ、エヘヘ……」
結衣「にしても、夢みたいなこともあるもんだな」
結衣「よっと……」
結衣「早く作ってあかりのところに行かなきゃね」
結衣「……よしっ、出来た」
ミニあかり「キャァァァァァァァァァァァァ……!!」
結衣「えっ!?」
結衣「ティッシュペーパーにくるまって何がしたいんだ、あかりは」
結衣「まったくもう、体小さいんだから気を付けなきゃダメでしょ……」スッ
ミニあかり「プハッ、コ、コワカッタ ヨォ……」
ミニあかり「ダ、ダ、ダッテ イキ モ ウマク スエナクテ……」グスッ
結衣「あぁ、大丈夫だよ、もうずっと側にいてあげるから」
ミニあかり「ウッ、ユイチャン……」
結衣「……怖かったよね、周りが全部大きくなっちゃうんだもん」
結衣「本当にゴメンな、泣くほど怖い思いさせちゃって」
結衣「でももう大丈夫だよ、ずーっとあかりの側にいるから」
結衣「……」ナデナデ
ミニあかり「ン、エヘヘ、ナラ ユルシテ アゲル !」
結衣「ふふ、さっきまで泣いてたくせに」
ミニあかり「ムム ナイテナンカ ナイヨォ……」
結衣「一件落着かな、それじゃいただきます」
結衣「最近毎日食べてる気がする……あむっ……」
ミニあかり「デモ ユイチャン ノ オムライス ハ オイシイヨ !」
結衣「そうなのかなぁ、この間みんなに食べさせたとき」
結衣「ふふ、結構好評だったもんね」
ミニあかり「ソウダヨォ モット ジシン モッテ !!」
結衣「……」ツンツン
ミニあかり「ヤーン クスグッタイ 」
結衣「ふふ……」
ミニあかり「エヘヘ アカリ ハ アカリ ダモン !!」
結衣「うん、そうだね……」
ミニあかり「アムアム……、エヘヘ ビスケット オイシー♪」
結衣「あかり、今日は来てくれて本当にありがとう」
結衣「ちょっとホームシック気味だったんだ、正直」
ミニあかり「ソウナンダァ……」
ミニあかり「ソレナラ アカリ ガ ズーット ソバニ イルネ 」ニコッ
結衣「ふふ、ちゃんとお家にも帰らないとダメだよ」
結衣「ビスケット一枚でお腹いっぱいなんだ、ふふ」
結衣「これなら食費は安く収まりそうだね」
ミニあかり「デモ マイニチ ビスケット ハ チョット……」
結衣「うん、もちろんそこはしっかり考えておくよ」
結衣「あまり手の込んだことはできないけどね」
ミニあかり「ユイチャン キタイ シテルヨ !」
結衣「こらこら、プレッシャーかけるのはやめてよ」ツンツン
ミニあかり「エヘヘ……」
お姉ちゃん的な意味でかなりデンジャラス
結衣「んー、なぁにあかり」ツンツン
ミニあかり「エヘヘ、モー クスグッタイ カラ ダメダヨォ」
ミニあかり「フダン カラ モット アカリ ニモ カマッテ ホシイナ……」
ミニあかり「ア、ヤッパリ ナンデモナイ !!」
結衣「ふふ、そっか」
結衣「確かにあかりとは接点あまりなかったもんね」
結衣「正直に言ってくれてありがと、約束だからな」
ミニあかり「エヘヘ ヤクソク ダヨ !」
ミニあかり「ユイチャン ネムイノ ?」
結衣「んー、ちょっと早めに起きちゃったからね」
結衣「でもあかりがいるから、お昼寝なんかしないよ」
結衣「絶対に、寝ない……」
ミニあかり「ダメダヨ ガマン ハ ヨクナイ カラ 」ニコッ
結衣「……そっか、それじゃお言葉に甘えて」
結衣「どこにも行かないでね、側にいてよ」
ミニあかり「……」
結衣「あかりが隣にいると安心する、もう眠くなってきた」ニコッ
結衣「ん……」
ミニあかり「ユイチャン ヤクソク ダヨ」
ミニあかり「アカリ トモ モット アソンデネ !!」
結衣「うん、約束だよ、絶対だからな……」
ミニあかり「フフ アリガト !」
ミニあかり「……ソレジャ、アカリ ハ モウ イクネ」
結衣「えっ……」
ミニあかり「ゴメンネ デモ ショウガナイヨ……」
ミニあかり「キョウハ タノシカッタヨォ」
ミニあかり「マタ ドコカ デ アエルヨネ !」
結衣「あ、あれ、体が動かない……」グスッ
ミニあかり「ユイチャン ナカナイデ……」
結衣「あかり、やだ、行かないで、お願いだから」
ミニあかり「バイバイ ユイチャン 」ニコッ
結衣「あ、あかり……ひっく、やだ、よ……」ポロポロ
・・・
・・
・
あかり「ちょ、ちょっと結衣ちゃん……」モジモジ
京子「あはは、結衣のやつどんな夢見てるんだろう」
ちなつ「むー、さっきからあかりちゃんことばかり呼んでます」
京子「くふふ、寂しいなら私の胸においで!」ガバッ
ちなつ「って、自分から飛び込んでるじゃないですか!」
結衣「いやだよ、ずっと側にいてよ、あかり……」
あかり「……ぇへへ、よく分からないけどなんか嬉しいかも」ナデナデ
結衣「ん……」
あかり「ふふふ、おはよう結衣ちゃん、ぐっすりだったね」
あかり「どんな夢を見てたのかなぁ、あかりの名前を呼んでたけど……」
結衣「夢……?」
あかり「結衣ちゃん、寝ぐせ付いちゃってるよぉ」クシクシ
結衣「ん……」
あかり「なんか嬉しかった、夢の中であかりと遊んでたのかな」ニコニコ
結衣「あかり、ちょっとゴメンな」ギュッ
あかり「ひょ、ひょえっ!?」
結衣「ちょっと不思議な夢を見てたんだ……」
結衣「あかりが手乗りサイズになって私のお家に来る夢」
あかり「ぷっ、あはははは、なにそれ〜」
結衣「ふふ、だよね笑っちゃうよな」ギュッ
あかり「んー、寝ても覚めてもあかりのことばかり考えてるね……」
あかり「なんちゃって」ニコッ
結衣「……ふふ」
結衣「結衣ちゃん、さよなら……って」ギュッ
あかり「そうなんだ……」
結衣「もうあかりに会えないかなって、そう思ったら……」
結衣「……ほんとに辛かった、涙が出るくらいに」グスッ
結衣「ゴメンな、急にハグなんかしたりして」
あかり「ううん……ずっと側にいるよ、あかりは」
あかり「結衣ちゃんのすぐ隣にいるからね、だから安心して」ナデナデ
結衣「……ありがと、あかり」
あかり「違うよぉ、結衣ちゃんからくっ付いてきたんだもん」ギュッ
結衣「えー、そうだっけ」
あかり「ぇへへ、あかりも結衣ちゃんの隣にいるの好きだよ」
結衣「……そ、そっか」
あかり「あ、照れてるね結衣ちゃん!」
結衣「むむ、あかりが私をからかうなんて100年早い」
あかり「ふふ、それじゃ100年後もずっと一緒にいなきゃね」ニコッ
結衣「……いちいち可愛いこと言うなあかりは」
あかり「ふふ、今日は楽しかったなぁ」
あかり「結衣ちゃんってば、タガが外れたように甘えるんだもん」
あかり「ぇへへ、甘えん坊な結衣ちゃんも可愛いかったけど……」
あかり「ふぁ〜……」
あかり「むにゃ、今日はいい夢を見れそうだよぉ」
あかり「結衣ちゃんの夢とか、ふふ」
あかり「おやすみなさ〜い……」
あかり「んー、あと5分だけお願い……」
ミニ結衣「アカリー チコクシチャウヨ 」
あかり「結衣ちゃん、お布団の上に乗らないでぇ……」
ミニ結衣「オイコラ ! オイコラ !」
あかり「えっ……」
ミニ結衣「オハヨウアカリ ガッコウ イクヨ 」ニコッ
あかり「えええええええええええええええええええええええ!?」
おしまい!
手乗りアッカリーンはどこで売ってますか?
乙
Entry ⇒ 2012.05.30 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
京子「ありがとう、おねえちゃん」
綾乃「あ、あれ…?私……」
綾乃(ここは……学校の近くの…)
綾乃(おっかしいな、さっきまで学校にいたはずなのに…)
綾乃「と、とにかく学校に戻らないと…」
??「ぐすっ……ひっく…」
綾乃(あら…?女の子……?)
綾乃(……なんだかほっとけないわね)
??「……!」ビクッ
綾乃「あ、大丈夫よ。怖がらないで」
??「……」
綾乃「えっと…どうしたのかしら?」
??「…友達と、あそんでて…だけど、はぐれちゃって…」
綾乃「友達と…?」
??「ぐすっ……ゆいぃ…あかりちゃぁん…」
綾乃(……ん!?)
綾乃「ね、ねえ、もしかしてその友達って船見さんと…赤座さん?」
??「え?う、うん…」
綾乃「もしかしてあ、あなたのお名前は…」
??「わたし…としのうきょうこ…」
綾乃「え……」
綾乃(ええ〜〜〜〜っ!!?)
綾乃(どことなく歳納京子に似ているとは思ったけれど、まさか本当に…)
きょうこ「おねえちゃん…?」
綾乃「あの…今日って何年の何月何日かしら…?」
きょうこ「え?ええと、今日はね…」
綾乃(…そんな、どうなってるの……?夢でも見ているのかしら……)
きょうこ「お、おねえちゃん……」
綾乃「あ、な、なぁに?」
きょうこ「ゆいとあかりちゃんのこと、知ってるの…?」
綾乃(夢だろうがなんだろうが、こんな悲しそうな歳納京子を見過ごすわけにはいかないもんね)
綾乃「…ええ、知ってるわ。もちろん、歳納きょ…京子ちゃん、あなたの事もね」
きょうこ「わたしのことも…?」
綾乃「京子ちゃんっ」ギュ
きょうこ「わぁっ!?」
綾乃「お姉ちゃんが絶対にお友達を見つけてあげるからね!心配はノンノンノートルダムよっ!」ニコッ
きょうこ「う…うんっ、ありがとうおねーちゃん(の、のーとる…?)」
・
・
綾乃「そこまで遠くまでは行ってないだろうし、すぐに見つかるはずよ」
きょうこ「うん…」
綾乃「ほらほら、元気だして!ねっ」
きょうこ「う、うんっ」
綾乃「……」
綾乃(なんだか意外ね…)
綾乃(あれだけ破天荒で底抜けに元気な歳納京子が)
綾乃(小さいころはこんなに内気な子だったなんて…)
綾乃(一体何が歳納京子をあそこまで変えたのやら…)ハァ
綾乃(まあでも、あのめちゃくちゃなところもひっくるめて歳納京子が好…って、何考えてんのよ私はっ///)
綾乃「えっ!?あ、な、ななな、なんでもないわよっ///」
きょうこ「くすっ、へんなおねえちゃん」
綾乃「ぐっ……」
綾乃(まったく、あなたのせいでこんなに悩んでるっていうのに…)
綾乃(…まあ、少しでも元気がでたようでなによりだわ……)
綾乃「ふふっ…」
きょうこ「……?どうしたのおねえちゃん」
綾乃「だって…さっきからずっと結衣ちゃんのお話しかしてないんだもの」
きょうこ「え?そ、そうだっけ…?」
綾乃「そうよ。あなたのお話の中心にはいつも結衣ちゃんがいる」
きょうこ「そ、そうかな…えへへ…///」
綾乃「結衣ちゃんのこと、大事なんだね」
きょうこ「うん!ゆいのこと、だいすきだよ!」
綾乃「……」
綾乃「…そっか」
きょうこ「あ…ゆ、ゆいにはないしょだよ…?///」
綾乃「うん…言わないよ」
綾乃「……」
綾乃(船見さん、か……)
・
・
綾乃「…公園か。少し休もっか」
きょうこ「うん…二人とも、どこ行っちゃったのかなぁ…」ジワ
綾乃「京子ちゃん…」
綾乃「大丈夫、二人だってあなたの事を一生懸命探してるに決まってるわ。絶対に会えるから元気出して」
きょうこ「う、うん…」
??「あ!あんた、この前の!!」
綾乃「ん?」
きょうこ「あっ…!」
綾乃(この特徴的なピンクの髪…も、もしかして、吉川さん…?)
きょうこ「ふぇ、ち、ちがうよぉ…」
綾乃「復讐?」
ちなつ「うるさい!ひきょうものめ!これでもくらえっ!」ポイッ
きょうこ「ひっ…」
綾乃「危ない!」パシ
ちなつ「な!?」
綾乃「こらっ!石なんて投げちゃ危ないでしょ!」
ちなつ「ううっ…!」
ちなつ「なによ!うるさいわね!かまととぶってんじゃないわよ!!」(※意味はわかっていない)
綾乃「は、はぁ…?」
綾乃「あ、あなたねぇ…」
ちなつ「なによ!よこれんぼー!まけぐみー!うれのこりーっ!!!」(※意味はry)
綾乃「……」ビキビキィ
ちなつ「(自主規制)ー!(検閲削除)ー!それからそれから…」
綾乃「」ガシィ
ちなつ「ひっ……!?」
綾乃「少しおしおきが必要なようね……」にこぉ〜〜〜〜〜〜っ
ちなつ「……!!?」ゾクッ
ヒギャァァァァァァ……
綾乃「…はっ!私としたことが…」
きょうこ「お、おねえちゃんこわい……」ガクガク
??「あ、いたいた!きょうこーっ!」
??「きょうこちゃ〜ん」
綾乃「あら…?」
きょうこ「あ!ゆい!あかりちゃん!」
ゆい「あ!あいつはこの前の…!」
ゆい「おいお前っ!」
ちなつ「……はっ!」パチ
ちなつ「あ、ああぁあぁ、あ……!」ガタガタブルブル
ちなつ「いやああああああっ!!おばあちゃああああ〜〜〜〜ん!!」ピューッ
ゆい「?なんだあいつ…」
きっとそうなんだよ
ゆい「わぁっ」
きょうこ「うわ〜〜〜ん!よかったよぉ〜〜〜〜っ!」ギュウゥゥ
ゆい「きょうこも無事でよかったよ…ほんと、なんともなくて…」
あかり「あ〜っ!ゆいたいちょーが泣いてる〜〜〜っ!」
ゆい「う、うるさいぞあかりっ」
綾乃「……」
綾乃(そっか、歳納京子と船見さん、こんなに小さい頃から……)
きょうこ「えっとね、このおねえちゃんが助けてくれたの!二人を一緒に探してくれたんだよ!」
ゆい「そっか…おねえちゃん、きょうこを助けてくれてありがとう!」
きょうこ「ほんとにありがとうおねえちゃん!」
あかり「ありがとうございましたぁ!」
綾乃「…………」
ゆい「よーし、行くぞ二人ともー!」
きょうこ「うんっ」
あかり「わ〜い」
綾乃「あ…………」
綾乃「ま、待っ…………」
−−−−
−−
綾乃「……ん」
千歳「お?綾乃ちゃん起きた?」
綾乃(あれ…?生徒会室?)
千歳「綾乃ちゃん、だいぶお疲れやね〜。ぐっすりやったで〜?」
綾乃「あ…ご、ごめんね千歳…」
千歳「ええよええよ、今日はうちがやっとくからゆっくりしててな?」
綾乃「で、でも…」
千歳「ええからええから〜」
綾乃「…もう……」
綾乃「……」
綾乃(歳納京子と船見さん、二人とも小さい頃からあんなにお互いを想ってて…)
綾乃(夢だって分かってるのに、実際の昔の二人を見ていたようで…)
綾乃(こんなの…これじゃ、私なんかがかなうわけが……)
綾乃「……っ」ジワ
千歳「…綾乃ちゃん?」
綾乃「え……」ポロッ
千歳「あ、綾乃ちゃんどうしたん!?どこか痛むん!?」
綾乃「あ……ち、違っ…ぐす…ごめんなさ…わたしっ……」
千歳「綾乃ちゃん、落ち着いて…」
綾乃「ごめん、なんでもないの…ただ、ちょっと変な、夢見て……」
千歳「そっか…綾乃ちゃん、もう大丈夫やで」ギュ
綾乃「……」
・
・
綾乃「はぁ……」
千歳「綾乃ちゃん、大丈夫?」
綾乃「うん、顔洗ってきたらちょっとすっきりしたわ」
綾乃「迷惑ばかり掛けちゃってごめんね、千歳」
千歳「も〜さっきからあやまってばっかりやで?うちは何ともないから気にせんといてや綾乃ちゃんっ」
綾乃「う、うん…ごめ」
千歳「ほ〜らっ」
綾乃「あ…」
千歳「ふふっ」
綾乃「…あははっ」
綾乃「歳納京子…」
綾乃(うん…夢なんかでいちいち沈んでちゃだめよね)
綾乃(しっかりしなくっちゃ…!)
綾乃「…まったく、歳納京子はしょうがないわね!」
綾乃「ほら千歳、早速ごらく部に乗り込むわよ!」
千歳「お、すっかりいつもの綾乃ちゃんや」
綾乃「よ〜し!覚悟なさいよ歳納京子ー!!」
千歳「待って〜綾乃ちゃ〜んっ」
おしまい
Entry ⇒ 2012.05.22 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
櫻子&向日葵「大人エレベーター!」
櫻子「えっ?」
向日葵「こわれちゃうっ……もっとやさしく、やさしく……」
櫻子「は、はじめてだからよくわかんないんだって……えーっと」
向日葵「リズムも大事ですわ」
櫻子「んっ、んっ、んっ」
向日葵「そう………で、こっちの手も動かしながら……」
櫻子「あっ……ああっ……!」
櫻子「すごい! これすごい!」
向日葵「これを続けていけば……」
櫻子「おー卵焼きになってきたー!」
櫻子「わほー楽しいー♪」
私の頭にこのカチューシャが乗ってから早一週間。
あれから櫻子は、本当に毎日料理の練習をしている。その度に付き合わされるとは思っていなかったが、こうして頑張る櫻子を見ていたいという気持ちが心のどこかにあるのも確かだった。
柔らかそうなその髪には、私があげたピンがついている。
向日葵(ちょ、ちょっと撫子さんともいろいろありましたけど……/// 前より優しくなった気もしますわ)
向日葵「あっ櫻子、電話」
櫻子「向日葵出て! 私いま無理!」
向日葵「そんな……」
櫻子「大丈夫大丈夫。そんな大した内容じゃないと思うから適当に話合わせといて?」
向日葵「し、仕方ありませんわね……」
ガチャ
向日葵「はい、えーっと、大室です」
向日葵「ど、どちらさまでしょうか?」
『先日はどうも』
向日葵(誰かしら……)
『大人エレベーターでご一緒させていただきました、エレベーターガールです。本日はあなたに……』
向日葵「えっ!?」
その名前を忘れるわけがない。
何故、今、電話で?
あの時の…… エレベーターガール?
大声を出してしまった私を櫻子が見ている。
EG「……あれ? もしかして古谷向日葵さんですか?」
向日葵「な、なんで私の名前を!?」
EG「古谷さんは……あ、今回は私が担当か。でもとりあえずまずは大室さんに代わっていただけますかね」
向日葵「…………」
頭が急にいっぱいになる感覚に襲われる。が、辛うじて声が耳を素通りするのを防いだ。
櫻子「だ、誰?」
心配そうな目でこちらを見る櫻子。私は今どんな顔をしているのだろうか。どんな風に映っているのだろうか。どんな顔をすればいいのか。
向日葵「大人エレベーターの……エレベーターガールさん……」
櫻子「…………」
ああ、この顔だ。
私もこんな顔をしているんだろう。
櫻子「これたのむ」
向日葵「え、ええ……」
卵焼き用の小さなフライパンを受け取り、まだまだ不格好なそれを皿に乗せる。
ついこの前、櫻子とデパートにいった時だ。どこかへ行ってしまった櫻子を探して迷っていた私の前に現れた、古めかしいあのエレベーター。
それに乗っている間は、夢を見ているのと同じ。
進まない時間の中で、幻のような何かを見せられる。
23歳の杉浦先輩、23歳の池田先輩、18歳の吉川さん。
向日葵(櫻子も、乗っていたんだ)
あの顔は、そう。
向日葵(私と同じ夢を、見ていた……)
両手で受話器を持っている櫻子。この角度からでは、髪に隠れてその表情がわからない。
何の話をしているのだろうか。
エレベーターガール?
噛み合わないことがひとつある。
向日葵「私の知っているエレベーターガールは……」
小さな、二人の女の子。
見慣れた面影の二人の女の子。
向日葵(相手は私の名前を知っていて……さっきの言葉……担当がなんとかとか……)
向日葵(私の時とは違う、櫻子のエレベーターガールさんってこと?)
櫻子「あっ、あの! あなたの正体は!」
向日葵「…………」
かちゃり
櫻子「…………」
向日葵「……櫻子……?」
櫻子「向日葵、ちょっとさ、話したいことがいっぱいあるんだ……!」
向日葵「!」
嬉しそうな笑顔。
向日葵(そう……そうですわね)
向日葵「私も……話したい」
あのときのことを。
櫻子「それを買ったときなんだよ?」
向日葵「このカチューシャを……」
櫻子「さっきの人が言ってた。向日葵も、乗ってたんだってね」
向日葵「ええ。櫻子があのとき、いきなりどこかにいくもんですから……探してたら、見つけて」
櫻子「あーそっかそっか。ごめんね」エヘヘ
向日葵「夢を見るんですのよね」
櫻子「そうそう。」
櫻子「え? んーと、歳納先輩と船見先輩の階とー、あかりちゃんの階とー」
向日葵「うそ!? 私は……杉浦先輩と池田先輩、あと吉川さんに……」
櫻子「えーいいな! 私も会いたかった!」
向日葵(………ふふ)
向日葵「……どうでした? そっちの先輩たちは」
櫻子「すごい綺麗でさー、でも、そこまで変わってなかったり……あ、あかりちゃんは大っきくなってた!」
向日葵「赤座さんが……?」
向日葵「ちょ、ちょっと………///」
櫻子「あ……ご、ごめん///」
櫻子「は! っていうかこんなことしてる場合じゃなかった! あのね、今度は私たちが…… "大人" になるんだって!」
向日葵「大人に……?」
櫻子「えっと、だから……私たちはこの前先輩達に会いに行ったでしょ? 今度は私たちのところに人が来るっていうか……」
向日葵「え、私も?? 私帰った方がいいんじゃありません?」
「ご説明致します」
櫻子・向日葵「!」
どこから入ったのか、どこから現れたのか。部屋の角に、あの服の女性が立っている。
向日葵「あ、あなたが櫻子の……」
櫻子「ど、どこから……!?」
EG「時間が惜しいです。話を進めます」
やっぱりだ。ハットを深くして顔が見えない。
EG「今回のデータファイルです」
櫻子「これって………」
[ 大室 撫子 (オオムロ ナデシコ) ]
年齢:5
性別:女
家族状況 父母
母親が現在産婦人科にいる。
櫻子「ねーちゃんの……」
向日葵「五歳で……まだ、櫻子が生まれていない……?」
櫻子「というか何この紙スカスカ! 全然書いてないじゃん! ほとんど白紙!」
EG「それはターゲットの今回抱えているであろう悩みを最低限に知るためだけの資料です。 その他はすべてプライバシーということで守らせていただいております。 "これ" は決してその人の過去を知るための機会ではありませんので」
櫻子「じゃあ、これは……」
櫻子「私の……こと……」
向日葵「撫子さんの……初めての妹ですからね」
櫻子「っていうか、これはあなたの……!」
EG「それでは」
櫻子「あっ、待ってよ!」
EG「大人として、頑張ってくださいね」
櫻子「だって……これはあなたのことじゃ……!」
櫻子「ちょっと!!」ガチャッ
櫻子「!」
向日葵「い、いない……」
櫻子「…………」
櫻子「ねーちゃん……」ぴらっ
向日葵「櫻子、どういうことですの?」
櫻子「さっきの人、私のエレベーターガールさんは……ねーちゃんだもん」
向日葵「えっ………」
そういえばあの背丈……わずかな仕草……
だが、声が違う。
向日葵(いや、でも……!)
あのとき、私のエレベーターガールだって、花子ちゃんと楓にそっくりだって気づいたのは最後の最後だった。
向日葵(……無い話じゃない)
向日葵「だんだん、このエレベーターのことがわかってきたような気がしますわ」
櫻子「……私も」
ガチャ
撫子「……………」モジモジ
櫻子「あっ!」
向日葵(撫子さん……!)
撫子「だ、だれ……? ここ、わたしのおうち……」
櫻子「あっ、えーっと……」
向日葵「こんにちは、撫子ちゃん」
撫子「えっ……なんでわたしのなまえしってるのっ??」
櫻子「……くわしい話は、座ってからにしようか。ほら、ここ……」
撫子「こっ、こわい……! おかあさん……!」ダッ
向日葵「ま、待って!」
櫻子「大丈夫、おねえちゃんたち怖くないから……!」
撫子「…………」
撫子「!!」
櫻子「おねえちゃんたちが悩みを聞いてあげる。だから……ほら」
向日葵「そうだ。私お茶淹れますわね」
撫子「…………」
櫻子「撫子ちゃんのお悩みを、教えてくれるかなっ?」
撫子「…………うぅっ」ぐすっ
櫻子「あっ……」
撫子「うわあああぁぁぁぁ……あああああああ……」
櫻子「ど、どしたの? なかないで、ほら……」ヨシヨシ
櫻子「ほら……よしよし」さすさす
撫子「ううぅぅん……うっ……うっ……」
撫子が泣くところを見たことは……ないような気がする。
別に今までそれを心配するわけでもなければ、泣かせてみようとも思わなかった。
でもこの子は……
櫻子(ねーちゃんは……全然泣かない人だと思ってた……)
向日葵(………子供の心は、不安定……)
櫻子「………落ち着いたかな?」
向日葵「はい、あったかいお茶ですわ……」
撫子「…………」
向日葵「あ、あとお茶菓子がなかったんですけど、これを……」ことっ
櫻子「なっ! こ、こんな卵焼き出してどうすんだよっ……!///」
向日葵「だってこの他に良さそうなのが無くて……」
すっ
櫻子「あっ……」
撫子「…………」あむっ
撫子「…………あまい」ニコ
櫻子「そ、そう!? よかったー」
向日葵「ふふふ……」
櫻子「……うん」
撫子「わたし、ちゃんとおねえちゃんができるように、ひとりでおるすばんできるようになったり、もっともっといいこにならなくちゃいけないの……おとうさんにいわれた」
撫子「このまえ、おかあさんにあいにいった……おかあさん、すごいいたそうにしてて……」
撫子「でも、わたしがいいこにしてたら、おかあさんがんばれるっていってたから……わたしはがんばらなくちゃいけないの!」
撫子「もっともっとがんばって……そしたら……!」うるうる
櫻子「よ、よしよし……」さすさす
向日葵「…………」
今現在撫子がどんな環境に置かれているか、詳しいことはわからない。
櫻子(私が生まれる時のねーちゃんは……)
向日葵(まだ……一人で……)
撫子「…………」ひくっ
櫻子(私は……花子が生まれるとき、すっごい嬉しかったのを覚えてる。でも……こんなねーちゃんみたいな感じじゃなかった)
櫻子(それは、ねーちゃんがいて、向日葵もいたからだと思う)
櫻子(私には……ねーちゃんの気持ちがわからない……)
櫻子(というか……)
この子の悩みって、何?
向日葵(………何かひとつ、っていうことじゃない。この子は全てが満たされていないのだから)
向日葵(そういうひとつひとつが重なってできた……漠然とした大きな不安)
向日葵(時間にまかせて薄れるのを待つしかない、ただ泣いて待つことしかできない……)
それが、この子の悩み。
櫻子(どうすれば……)
向日葵(何をしてあげれば……)
櫻子「あのさ……」
撫子「……?」
櫻子「どんな妹が欲しい?」
向日葵「櫻子………」
撫子「…………」
撫子「たのしい妹」
櫻子「楽しい……?」
撫子「いっしょにあそびたいの。わたし……いつもつまんない」
向日葵「…………」
撫子「そうなの?」
向日葵「……ええ。あなたはきっと妹さんたちに頼られる、良いお姉ちゃんになりますもの」
櫻子「心配することなんて、なんにもないんだから」
撫子「……そうなのかな」
櫻子「……!」
櫻子「そうだ! 今からお姉ちゃんが、おまじないをかけてあげるよ!」
撫子「おまじない?」
向日葵(な、何言ってるんですの櫻子?)ヒソヒソ
櫻子(いいからいいから……ちょっと私に任せてよ)
櫻子(私にだって……できるはず)
櫻子「…………」
櫻子「ちょ、ちょっと向日葵上の部屋行ってて。なんか恥ずかしい」
向日葵「え? 別にいいじゃない見ていたって」
櫻子(私が嫌なの! うまくできるかわかんないし!)ヒソヒソ
向日葵(わかりましたわよ……)
櫻子(盗み聞きもダメだぞ!)
撫子「…………ふふ」クスクス
櫻子「あっ/// え、えーと……いくよ?」
目を閉じて。
手をとって。
「大室撫子さん、あなたは……」
向日葵(おまじないってなんなのかしら……櫻子がそういうのやってるの見たことないんですけど)
向日葵(…………)
向日葵(撫子さん……)
〜
私は……
あんたたちの、おねえちゃんだよ。
あんたたちが困ったことがあったら、できる限りのことはしてやる。それがねーちゃんってもんだ。
ひま子が、『おねえちゃん』って呼んでくれたら、どんな悩みだって一緒に解決してやるからね。
〜
向日葵(あの言葉……)
向日葵(………おねえちゃんか……)
向日葵「えっ……!?」
あてもなくうろついていた向日葵は玄関まで来たのだが……そこにあるものは明らかにおかしかった。
ドアが……ない。その先に……
それは、見たことがないわけではなかった。だって、そのドアがあったはずの場所の先は……あのエレベーターの中の光景なのだ。
向日葵(ここに繋がっていたのね……)ソロソロ
EG「あ」
向日葵「あっ」
EG「……まあ、今はここにいなければならないのが私の役割なので」
向日葵「……あれ? 帰っていいと言うまでエレベーターって現れないんじゃないんですか?」
EG「……当然のことですが、あらゆる物事が簡単に世から消えることはありません。全ての物事は姿を変えて循環を続ける。それと同じ。……これは、ただターゲットから "見えないようにしている" だけなんです」
向日葵「は、はぁ……理屈はわかりましたけど、時間をとめたり昔の人を連れてきたりしてるものですから、消すことぐらい簡単なのかと」
EG「…………」
向日葵「…………」
EG「…………まだ何か?」
向日葵「あ、あなたは……」
EG「……私は大室撫子であると言われればそうであるし、大室撫子でないと言われてもまたそうである」
向日葵「撫子さんであって……撫子さんでない……?」
EG「この姿に意味はあります。それはあなたたちがこの世界に最も入りやすいという点を求めた結果なのです」
向日葵「つまり……」
EG「あなたたちは大室撫子に似た存在であるときに、最も「受け入れ難いものを素直に受け入れることができる」と我々は判断したのです。もっとも、あなたは最初は違う担当でしたがね」
向日葵(我々って誰なのかしら……)
向日葵「あなたは……撫子さんの形を借りているだけだと」
EG「その通りです」スッ
向日葵「!」
ハットをとる。その顔はまさしく撫子のものであった。ただ服装が違うだけ。
向日葵「ふふ……声は似てないんですのね」クスッ
EG「完全に大室撫子になるつもりはありません。それだと逆に様々な支障が生じる……っと、来ましたね」
ガチャ
櫻子「気をつけてね」
撫子「うん……ありがとうおねえちゃん」
向日葵「あ、あら、終わったんですの?」
櫻子「……あはははは」
撫子「ふふふっ……」クスクス
向日葵(何があったのかしら……気になりますわ)
向日葵(でもこの子……さっきまでの泣き顔が綺麗に直ってる……)
撫子「あ……まって!」
撫子「おねえちゃん、きょうはありがとう」
櫻子「いいのいいの。これは夢なんだから」
撫子「あのね、いってなかったことがあるの」
いもうとのなまえ、きまったんだって。
そう……なんていうの?
さくらこ。
おおむろ、さくらこ。
撫子「かわいいでしょ?」ニコッ
……ええ。とても。
櫻子「……っあー、少し疲れちゃった」ぽすん
向日葵「教えてくださいな。おまじないって何をやったんですの?」
櫻子「言えない言えない」
向日葵「言えないようなことを?」
櫻子「うーん……恥ずかしい」
向日葵「は、恥ずかしいことを!?///」
櫻子「……たぶん考えてるのと違うと思うよ」
櫻子「ところでさ、私たちって、大人なの?」
向日葵「あ、あ〜……」
櫻子「……そういうことか」
向日葵「……あのエレベーターガールさん、やっぱり撫子さんじゃないみたいでしたわ」
櫻子「ふーん……もうそれはどうでもよくなったゃったかな」
櫻子「向日葵覚えてる? 花子が生まれたとき、楓が生まれたとき」
向日葵「えーっと……まあ、少しなら」
櫻子「あの時はさ……」
〜To be continued〜
Entry ⇒ 2012.05.21 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
結衣「京子やちなつちゃん…あかりにまでフラれたよ!」
結衣「いくら普段好きだ好きだと言っても、実際付き合うとなると違うのかな?」
結衣「…もう私の人生ゲームオーバーだよ」
櫻子「だ〜か〜ら〜…なんで私についてくるんだよう、このおっぱい魔神!!」
向日葵「帰る方向が同じだけよ! あなたこそ、歩幅合わせないで下さいな!!」
櫻子「ぐぬぬぬぬ…」
向日葵「むむむむむ…」
結衣「はぁ…」
櫻子「あっ、船見先輩が溜め息ついてる…どうしたんだろう?」
向日葵「ハッ!!」
向日葵「…櫻子、わたくし急用を思い出したので安心して帰っていいですわよ?」
櫻子「わ、私も! ついでに片しておくから先帰れよ!!」
向日葵「むむむむむ…」
櫻子「ぐぬぬぬぬ…」
さくひま「「…ふんッ!!」」プイッ
結衣「…ああ、大室さんか。どうしたの?」
向日葵「船見先輩こそ、どうされたんですの? 酷く落ち込まれてるようですが」
結衣「古谷さんもか。いや、なんでも無いよ」
櫻子「怪しい…」ジトッ
結衣「えっ」
向日葵「1人で抱え込まず――さっ、わたくしに打ち明けて下さいな!」
結衣「う〜ん…あまり他人に言いふらすようなことじゃ無いんだけど……」
櫻子「私、他人なんだ…」シュン
結衣「へっ?」ドキッ
向日葵「櫻子はともかく、先輩にとってわたくしは他人…なんですの?」
結衣「そういう訳では――仕方ない、ちゃんと話すよ」
結衣「…みんなには内緒だよ?」
ひまさく「「はい♪♪」」
結衣「」ズーン
向日葵「ちょっとはつつしみなさいよ、櫻子っ!!」バキッ
櫻子「がふっ」
結衣「そういうことだから…」
結衣「でも、打ち明けたら少し楽になったよ。2人共、ありがとね」ニコッ
さくひま「「あっ…///」」ドキキン
櫻子「せ、先輩!! 私、前から言おうと思ってたんですけどッ!!!」ガバッ
結衣「わっ」
向日葵「しまっ――」
櫻子「私、船見先輩のこと大好きです!! 結婚して下さい!!!」
結衣「……」
結衣「……」
結衣「…はい?」
結衣「そうじゃなくて、私のこと好きって……えっ?」
櫻子「3年前の全校集会で、場所を忘れて迷ってた私を助けてくれましたよね?」
結衣「ああ、そんなことあったね…」※
櫻子「あれからずーーーーーっと、船見先輩のこと好きなんですッ!!!///」
結衣「そ、そうなんだ……じゃあ、大室さん私と――」
向日葵「待って下さい!! わたくしなんて、5年前から好きでしたわ!!!」
結衣「えぇぇ!!?」
向日葵「5年前のマラソン大会、怪我したわたくしを運んで下さいましたよね?」
向日葵「その…ゴールまで……お、おおお、お姫様抱っこで!!!///」カァァ
結衣「あぁ…。そんなこともあったなぁ……」※
結衣「えっ、じゃあ、2人共わたしのこと好きなの?」
ひまさく「「はい!!///」」
結衣「おおう、28年も先輩やってると人間関係も変わるもんだなぁ…」※
※ゆるゆりはサザエさん方式です
28年も連載するなんて
櫻子「はっ!? 船見先輩、私と向日葵なら私の圧勝でしょッ!!!」ギュッ
結衣「!!」ドキッ
結衣(子供みたいな自由な性格も手伝って、普段全く意識してなかったけど…)
結衣(こうして見ると、大室さんって凄く可愛いなぁ。その上目遣いは反則だよ)
向日葵「な゛っ!? 抜け駆けはズルいですわよ!!!」ムギュ
結衣「!!」ドキッ
結衣(どっちかと言うと小さい子が好きだから、普段全く意識してなかったけど…)
結衣(こうして見ると、古谷さんも凄く可愛いなぁ。あと、なんか妙に柔らかい)
櫻子「船見先輩、こんなパイだけおっぱいより私を選んで下さい!!!」ギューッ
向日葵「櫻子と付き合ったら疲れますわよ!? どうか、わたくしを!!!」ムギュー
結衣「えっと…えと……あ〜」
結衣(さっき3連続でフラれたばかりなのに、この状況一体なんなんだよ!!?)
さくひま「「えっ!!?」」ガーン
結衣「やっぱりさ、こんな好きって言われたから付き合うなんてのは駄目だよ!」
結衣「いや、駄目って言うか…その……2人に失礼だから」
櫻子「そんなの、私気にしませんし!!」ブーブー
向日葵「そうですわよ! そんな理由でわたくし達、2人共をフるなんて…」
結衣「だから、フるとかじゃないって!!」アセアセ
櫻子「あーもう! じゃあ、船見先輩が私のこと好きになればいいんですね!?」
結衣「えっ」
向日葵「あら、その通りですわね。櫻子にしては冴えてるじゃありませんの?」
櫻子「こっちは命がけなんだよう!!!」
向日葵「わたくしだって、人生かけてますわ!!!」
櫻子「ぐぬぬぬぬ…」
向日葵「むむむむむ…」
結衣「す、凄い押し…私もこのくらい言えれば良かったのになぁ……」
向日葵「わたくし達、先輩から離れませんから!」ムギュ
結衣「わ、分かったよ。でも、飽きたらいつでも離れていいからね?」
ひまさく「「はい♪♪」」
櫻子「それじゃ、これから船見先輩の家へ直行ですね!!」
結衣「…えっ、そうなるの?」
向日葵「こら、櫻子――」
向日葵「まずは家からお着替えを取りに、でしょ?」
櫻子「あっ、そっかー」
結衣「えぇぇ、そうなるの!!?」ガーン
ガチャ
櫻子「ただいまー」
結衣「…大室さん、家に来るの初めてだよね?」
向日葵「お、お邪魔します…///」カチコチ
結衣「はは、古谷さんはそんな緊張しなくていいからね」
向日葵「は、はい…///」モジモジ
櫻子「すぅーはぁー…向日葵がブリってる間に、先輩んちの空気独り占めしてやる」
向日葵「ハッ!!」
向日葵「櫻子には負けませんわよ!! 先輩の香りはわたくしのものですわ!!」
向日葵「すぅーはぁー!! すぅーはぁー!!」
櫻子「すぅーはぁー!! すぅーはぁー!!」
さくひま「「すぅーはぁー!! すぅーはぁー!! すぅー!! はぁー!!」」
結衣「ちょっ、そんな、2人共やめて…///」カァァ
結衣「あっ」
向日葵「待ちなさいよ、櫻子! …先輩の家はわたくしが守りますわ!!」ダッ
結衣「あ〜…」
結衣「部屋の案内なら私がするのに」
結衣「しょうがないなぁ…。私は2人に飲み物でも用意しておこう」スタスタ
―――――
――――
―――
結衣「2人共、なかなか戻って来ないな…」スタスタ
結衣「お〜〜い、大室さん、古谷さん?」ガラッ
櫻子「先輩のパンツはぜ〜んぶ私の物だし!!!」
向日葵「では、ブラはわたくしの物でいいんですのね!!?」
結衣「よか無いよ」
櫻子「ぷはぁ〜、生き返る〜♪」
向日葵「ちょっと、櫻子。行儀が悪いですわよ!」ムギュギュ
結衣「…け、喧嘩するなら私を挟まないで」
櫻子「あぁーっ!! 向日葵め、私に突っかかる振りして先輩にくっついたなぁ!?」
結衣(はは、そんなまさか…)チラッ
向日葵「い、言いがかりですわっ!! わたくしは、そんなこと…///」ムギュ
結衣(いつもの喧嘩じゃない!!?)ガーン
櫻子「ふ〜んだ、私なんか先輩の膝に頭乗せちゃうも〜〜ん!!」コテン
結衣「ちょっ、ファンチ零す!」ビクッ
櫻子「んん…先輩の膝、ひんやりしてて気持ちいい……///」スリスリ
結衣(大室さん顔が熱い……2人共、私のことホントに本気なの!?)
向日葵「そんなに冷えたきゃ、ペットボトルでも抱いてなさいよ!!」ポイッ
櫻子「ごふっ」
コテン
結衣「お、大室さん!!?」ビクッ
向日葵「櫻子なんかほっといて、わたくしをお膝に置いて下さいな///」ピトッ
結衣「ははは…」
結衣(古谷さんって、大人しそうで結構やんちゃするなぁ)
櫻子「ひぃ〜まぁ〜わぁ〜りぃ〜〜!!!」ムクッ
結衣「あっ、大室さん、お腹大丈夫?」
櫻子「よくも、夢の膝枕を邪魔してくれたなぁ〜〜??」キュッキュッ
結衣「聞いて無い……って、大室さんそれ開けちゃ駄――」
櫻子「へっ……?」プシュッ
結衣「あっ」
ボシュシュシュシュシュシュ!!!
結衣「はぁ…」
櫻子「先輩、虹、綺麗でしたね♪」ピットリ
向日葵「なにが虹よ!! 天井拭くのにどれだけ時間がかかったことか…」ムギュギュ
結衣「お風呂狭いんだから仲良く――っていうか、仲良くしなくても苦しい…」
向日葵「ほら、先輩が苦しんでますわよ! 櫻子は湯船から出なさいよ!!」バシャッ
櫻子「はぁぁ!? 向日葵のおっぱいが場所取ってるんだろう!!?」バシャシャ
向日葵「む、胸は関係無いでしょう…?///」タプタプ
結衣(あるよっ!!!)
櫻子「向日葵のおっぱいデカすぎキモい。私は先輩くらいのが好きです///」スリスリ
結衣「や、やめなよ、大室さん…///」ビクッ
向日葵「いい加減にしなさいよっ!!!」ドスッ
櫻子「もがっ!?」ゴボゴボ
結衣(お風呂は1人ずつねって、入る前にちゃんと言ったのに――)
ゴォォ
結衣「おわっ!!?」ビクッ
櫻子「せんぱ〜い、私に先輩の髪乾かせて下さいよ〜♪」ゴォォ
向日葵「あなたはまたぁ!!!」
結衣「私は後でいいから、先に古谷さんに回してあげなよ」
向日葵「船見先輩…///」キュン
櫻子「ちぇっ――ほら」
向日葵「……」ゴォォ
向日葵「」スッ
結衣「おわぁ!!?」ビクク
向日葵「ふふっ、先輩の髪を乾かせる日が来るなんて……幸せですわ///」ゴォォ
櫻子「ああん、私が乾かすぅ〜!!!」
結衣「お、大室さんはまた次の機会にね……はぁ〜」
結衣「はい」
パクッ
櫻子「えへへ、美味しいです///」ニコッ
向日葵「――って、あなたが食べさせるんじゃないんですの!!?」ガタッ
櫻子「だってぇ〜…」
結衣「私はどっちかというと、されるよりしたい側だからさ」
向日葵「で、ではっ!! わ、わた、わたくしにも…その……///」モジモジ
結衣「ふふ、いいよ。はい、あ〜ん」スッ
向日葵「あ、ぁ……ッ///」プイッ
結衣「えっ」
向日葵「先輩に向かって口を開くなんて恥ずかし過ぎますわ!!///」ボッ
結衣(古谷さん、可愛い…)
櫻子「じゃあ、も〜〜らいっと♪」パクッ
結ひま「「あっ」」
向日葵「…櫻子。あなた、それワザとなんですの?」
櫻子「へっ?」キョトン
結衣「2人共、パジャマよく似合ってるね。可愛いよ」ニコッ
向日葵「そ、そんな…可愛いだなんて……///」ポッ
櫻子「先輩のパンダも超可愛いですよっ!!」
結衣「えっ…あ、ありがと///」テレ
櫻子「あぁ〜、先輩照れてるぅ〜――へへっ♪」ニコニコ
向日葵「」ムッ
向日葵「ほら、櫻子! サッサと自分のお布団敷きなさいよ」
櫻子「なんで、向日葵が仕切ってるんだよう!?」
櫻子「私、先輩の言うことしか聞かないし!!」ピトッ
向日葵「わたくしだって、先輩に言われればなんだってしますわよ!!」ピトト
ひまさく「「さぁ、先輩! 早く指示をっ!!」」グイッ
結衣「…もう寝よ?」
結衣「……」
さくひま「「……」」
結衣(案の定、3人並んで寝るのか…)
結衣(ていうか、さっきまであんなノリだったのに2人共ヤケに静かだなぁ)
結衣(もう寝ちゃったとか…?)ゴロン
櫻子「///」ジーッ
結衣「わっ///」ボッ
結衣(こっちは駄目だ!! 古谷さんの方に――)ゴロロン
結衣「!!」
向日葵「っ!!?///」ビクッ
結衣「わぁ!!///」ゴロロロン
結衣(か、顔…凄く近かった……もう少しで古谷さんとキスするとこだったよ)
結衣「くっ…///」ドキドキ
結衣(もうこれは仰向けになって目を瞑るしか無いか……そうしよう!)ツムリ
向日葵「(…櫻子、起きてますか?)」
櫻子「(うん、起きてる…)」
向日葵「(先輩、わたくし達のどちらかを好きになってくれたかしら?)」
櫻子「(少なくとも、私の方が向日葵より好きになって貰えたと思うよ)」
向日葵「(な゛っ!!?)」
櫻子「(えへへ、明日も明後日もこれからずーっと先輩に甘えちゃうもん♪)」ギュッ
向日葵「(そんなこと言って、先輩に迷惑かけてるだけじゃない!?)」
向日葵「(やっぱり櫻子に船見先輩は渡せませんわ!!)」ムギュ
櫻子「(私だって、向日葵だけにはぜーったいに渡さないから!!)」ギューッ
向日葵「(むむむむむ…)」
櫻子「(ぐぬぬぬぬ…)」
ひまさく「「(フンッ!!)」」プイッ
櫻子「先輩、もう少しゆっくり歩きましょうよ〜?」ギュッ
結衣「ははは、これ以上ゆっくり歩いたら遅刻しちゃうよ」
向日葵「先輩、やはり放課後は娯楽部へ行きますの?」ムギュ
結衣「うん。フラれたから行かないなんて訳にはいかないし……気まずいけどね」
櫻子「生徒会に入りましょうよ! それなら、ずっと一緒に居れますし♪」ギューッ
向日葵「まぁ! それは名案ですわね。…わたくしからも、お願いしますわ」ムギュー
結衣「うん。考えておくよ…」
あかり「あっ、結衣ちゃんが櫻子ちゃんと向日葵ちゃんと腕組んで歩いてるよぉ」
京子「…っ!! 昨日、結衣をフッたばかりなのに――なんだ、この感情は!!?」
ちなつ「わ、私も……こんな気持ち、20年振りですっ!!!」
京子「よーし!! 今から、結衣を取り返しな行くぞぉ〜!!!」ダッ
あかちな「「おぉ〜♪♪」」タッタッタ
お わ り !
チーナは連載8年目であかりか京子に転んだのか…
結衣ちゃんごらく部のなかで京子ちゃんの優先順位最後なのねwww
Entry ⇒ 2012.05.18 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
結衣「たまには私からイタズラしてみよう」
結衣「へぇ珍しく気が利くね京子」
京子「ちょっとその言いぐさはあまりじゃないか……」
結衣「ふふ、冗談だよ」
結衣「……何だかんだ言って京子は優しいもんな」
京子「へへへ、なんか褒められるとこそばゆい」
京子「ささ、早く食べないとガムが冷えちゃうよ」ニコッ
結衣「ガムが冷えるか、でもほんとありがとな……」スッ
バチーン!
結衣「んなっ!?」
京子「いやー、面白いよねこのガムパッチン」
京子「ぷぷぷ……大成功」ニヤッ
結衣「……こ、コイツ」
結衣「はぁ、お前の優しさにキュンとした自分が恥ずかしいよ」
京子「昔とすっかり逆になっちゃったねーえへへ」
京子「結衣も昔はやんちゃだったもんなぁ」ナデナデ
結衣「頭撫でるなよ……」
結衣「昔はよくケンカしたり、イタズラばかりしてたもんね私」
結衣「……ふふ」
京子「ちょっとその笑顔が怖いんですけど……」
結衣「いやいや、京子を取って食おうってワケではないし」
京子「……なんの話し?」
結衣「……げほっ」
結衣「げほっ、けほ、ごほっ!!」
京子「ちょ、ちょっと結衣!?」
結衣「ふぅ……ゴメンな最近ちょっと体が変なんだ」
京子「具合とか悪いの?」
結衣「うん、なんか変な咳が止まらなくて」
結衣「渇いた咳というか、みょうに息苦しかったり」
京子「ムリしちゃ駄目だからね、風邪かもしれないし……」
結衣「……風邪ならいいんだけど」
京子「えっ……」
結衣「ほら早く帰ろうよ、日が暮れちゃうから」
京子「あ、うん」
結衣「……手、繋いでいいかな」
京子「へっ?」
結衣「まぁ嫌だと言っても繋いじゃうけど」ギュッ
京子「へへへなんからしくないなぁ、積極的で」
結衣「たまにはいいだろ、けほっ……」
京子「結衣その咳ほんとに大丈夫なの?」ポンポン
結衣「ありがと……けほ……げほっ!」
京子「ゆ、結衣ぃ……」グスッ
京子「でもいつも健康な結衣がそんな咳するのって……」
結衣「……なぁ京子」
結衣「今度2人でどこかへ行きたいね」
京子「ん、それって旅行みたいな感じ?」
結衣「うんうん、どこか遠いところに行ってさ」
京子「えへへ、そりゃあいいかも」
結衣「……最後に京子との思い出欲しいんだ」
京子「へ?」
結衣「あ、それじゃ私こっちの道だからまたね」
結衣「……げほ、気を付けて帰るんだよ」
結衣「宿題もしっかりね、どうせやらないと思うけど」ニコッ
京子「む、それくらい自分でやるよ!」
結衣「ふふ、毎日そう言ってる気がするけど」
結衣「……私たちもいつまでも一緒にいられるワケじゃないし」
結衣「宿題くらいはちゃんとやらないとダメだよ?」
京子「えっ、え!?」
結衣「……ばいばい、京子」
京子「あ……」グスッ
結衣「……ふふ」
結衣「ぷっ、あははははははは!!」
結衣「はー可笑しいなぁ、京子ってば涙ぐんでたよね」
結衣「可愛いなぁ、ほんと可愛いよ京子は」
結衣「……にしてもベタすぎる」
結衣「急に咳き込んでいかにも病気アピールとか」
結衣「それでも明日への布石にはなったのかな」
結衣「イタズラかぁ、ふふ」
結衣「やんちゃだった頃を思い出すなぁ……」
結衣「京子とあかりを助けるためにケンカとかはしてたけど」
結衣「……京子にゾッコンなのかな、ほんと」
結衣「ケンカをする理由が女の子を助けるためって……」
結衣「私も一応女の子なのにね」ポリポリ
結衣「……ま、どうでもいいか」
結衣「最近独り言増えたなぁ、寂しいのかも」
結衣「おやすみ隅田川……」
結衣「ぷふっ、おやすみ隅田川……」ピクピク
京子「ん……」
結衣「うわっ、クマが凄いことになってるけど……」
京子「あはは、ちょっと考え事しちゃってさぁ」
結衣「そっか、あまり無理しちゃダメだよ」
結衣「けほっ、げほ、はぁ……」
京子「……ゆ、結衣がそれ言うなよぉ」ジワッ
結衣「ふふ、宿題は見せてあげるからそんな涙ぐむなって」
京子「そ、そうじゃなくて……」グスッ
結衣「ん、おーいあかり、早く起きなよー」ピンポーン
ガチャッ
あかり「ぇへへ、今日はしっかり準備万端だもんね〜」
結衣「そうきたか、新しいな……」
京子「うひゃぁ……」
あかり「ど、どうしたの鳩が豆鉄砲喰らったような顔して?」
京子「ジャケットをワンピースの下に着てどうするんだよ……」
あかり「あ……」
結衣「あかりー、ダッシュじゃないと間に合わないよ」
あかり「はっ、はぁ……ぶっひぇ……」
結衣「ふふ、あかりがおっちょこちょいなのは変わらないな」
京子「こりゃ遅刻か、あかり今度ジュース驕りね」ニコッ
あかり「うぅぅ、朝は頭が上手く働かなくて……」
結衣「……げほっ!」
あかり「あれ、結衣ちゃんが咳き込むなんて珍しいね」
結衣「ん、ちょっと疲れてるのかもね」
京子「……」
結衣「いいの、若いうちに苦労しておかないとな」
あかり「もー結衣ちゃんってばお年寄りみたいだよぉ」
結衣「……はは、げほっ」
京子「……」ギュッ
結衣「おっと、朝から手を繋いでくるなんてね」
京子「無理しなくていいからね、ゆっくり歩いていこうよ」
京子「……結衣のペースでいいよ、朝から走る必要なんてないもん」
結衣「……京子」
あかり「ふふ、京子ちゃんは優しいなぁ」
あかり「あ、あかりのお団子ムニムニしないでよぉ」
京子「しっかり反省すること、オーケー?」
あかり「イエッサー、京子ちゃん隊長!」
結衣「……くすっ」
結衣「なんか和むなぁ、あかりと京子の会話って」
結衣「京子、わざわざ気を遣ってくれてありがとね」
京子「……ううん、今まで迷惑かけてきたのは私だし」
結衣「……立派だよ京子は、私がいなくてもきっと大丈夫」
京子「だ、だからそういうこと言うなよ……」グスッ
結衣「京子と同じチームか、頑張ろうね」
京子「わ、私いっぱい頑張るから!」
結衣「へっ?」
京子「だから結衣はここでじーっとしてていいよ、あまり動かないで……」
モブ「船見さん、いつもみたいに決めちゃって!」シュッ
京子「って、結衣には絶対に渡さん!!」バッ
モブ「ちょ、ちょっと京子ちゃんがパスカットしてどうするの!?」
京子「そして私が自分で決めてやる!」シュッ
パスンッ……
結衣「す、すごい……」
京子「結衣〜私もやればスポーツも出来るんだよ、あはは!」ピョンピョン
結衣「凄いけど……」
<京子ちゃーん、ドンマイドンマイ! <ゴール間違えるなんて可愛い!
結衣「京子が入れたのは敵のゴールだから……」
京子「あ……」カァー
結衣「大丈夫だよ、これくらいすぐ逆転できるって」
京子「もうやだぁ……」
結衣「でもさっきの京子とってもカッコ良かった、最後まで頑張ろうよ」
京子「……おうっ!」
結衣「いやいや、疲れてるのは京子も同じでしょ」
京子「……」ジッ
結衣「な、なに……?」
京子「結衣が寝付くまでずーっと見つめてるから」
結衣「ちょ、ちょっと照れるから止めて京子……」
京子「ふふん、なら早く目を瞑ってお休みするんだな」
結衣「……わ、分かったよ」
京子「ん、よろしい」
京子「薄目使ってもバレバレだから、結衣」カキカキ
結衣「あ、うん……」
京子「ふむふむ、あの先生もうちょっと字綺麗に書いてほしいなぁ……」
結衣「……」
結衣(やっぱり京子なりに気を遣ってくれてるんだろうな)
結衣(……ほんと可愛いやつだよ、京子は)
結衣(さすがに良心が痛んできたけど、最後までイタズラは続けさせてもらおうかな)
京子「んへへへ……結衣ぃ」zzz
結衣「おいコラ」
結衣「……」ギュッ
結衣「京子の右手借りるからね、どうせ使わないでしょ」
結衣「今日はいろいろとありがとう、カッコ良かったよ」
京子「んー……」zzz
結衣「ふふ……」
結衣「さてと、京子のためにノートでも取ってやるか」
結衣「……」カキカキ
結衣「それじゃ先に部室行ってるからね」
京子「あのね、急に走ったりしちゃ絶対ダメだよ?」
京子「あとは絶対に安静にしてること」
結衣「わ、分かってるって……」
京子「すぐ掃除終わらせて向かうからね、いい子にしてるのよ」
結衣「なんかキャラ変わってないか……」
京子「そりゃあれだけ具合悪そうにされたらねぇ……」
結衣「ん、それじゃ先に行ってるよ」
京子「おうっ!」
結衣「こんにちはーっと、まだ誰もいないみたいだね」
結衣「ふふ、それなら好都合だ」
結衣「……」イソイソ
結衣「えっと、制服に血の塗料を塗って……」
結衣「うーん、ちょっと大げさすぎるかな」
結衣「まぁあとで漂白剤でも使えばおちるよね、きっと」
結衣「ふんふん……」ペタペタ
結衣「……あかりが見たら卒倒するな、こりゃ」
結衣「もごもぐももも……?」
結衣(食べ物を粗末にするのは気乗りしないけど)
結衣(まぁこれくらい許してくれるよね、きっと)
結衣(いや、そもそも次来るのが京子じゃなかったら……)
結衣(この計画はおじゃんだよね)
結衣「もごごごーもぐぐもごー!」(京子ー早く来てくれー!)
結衣(あ、良かった京子の声だね、助かった)
結衣(さてとこのイタズラも大詰めかな……)
ガララー
京子「結衣ー待たせちゃってゴメンね、今お茶淹れる――」
結衣「ごほっ、げほ!……はっ、はぁ」ポタッ
結衣「はっ、ぁ、きょ……こ……」
京子「や、だ……こんなの、こんなのウソでしょ」ジワッ
京子「そ、そんなのどうでもいい!!」
京子「どうして……もっと早く言ってくれなかったの?」グスッ
結衣「……だって、そんなことしたら京子が悲しむから」
京子「わたし、は、えぐっ、もっとゆい……」
京子「えっ、ひっく、結衣と一緒にいたいよぉ」ポロポロ
結衣「……京子、ワガママ言っちゃダメ」
結衣「もう一緒にいられないっていうのは、薄々分かってるでしょ」
結衣「……げほっ!!」
京子「うっうぅぅ……」ギュッ
京子「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁん……」
結衣(あーこれ収拾つかないなぁ、うんそういうパターンだ)
京子「さ、最後なんて言わないでよぉ、おねがいっ……」ギュッ
結衣「なんとなく分かるんだ、だんだん力が抜けていく」
京子「やだ、いやだよ!!」
結衣「……知ってるかな」
結衣「私ずーっと京子のことが好きだったんだ」
京子「……知ってるよそんなの」
京子「ばれないとでも思ってたの?……結衣は馬鹿だ、大馬鹿」ニコッ
結衣「げほっ、バカとは失礼だなぁ……」
結衣「……うん」
結衣「凛とした瞳、綺麗な金髪、透き通るような白い肌」ナデナデ
結衣「ほんと、もう忘れられそうにないかもな」
京子「……これは私の最後のお願いだからね」ギュッ
結衣「京子の最後のお願い……?」
京子「私の顔を一生忘れられないように、結衣とキスさせてほしい」ニコッ
結衣「えっ!?ちょ、ちょっとキスはダメ!」
京子「……は?」
結衣「せめて口をお水で洗わせてくれないかなぁ……なんて」
京子「うっさいなぁ、ムードがあるだろムードがさ〜」
京子「……んっ」チュッ
結衣「んんっ……ぁ」
京子(結衣のくちびるは柔らかいなぁ)
京子(髪をかき撫でると、結衣の匂いがいっぱいに広がって)
京子(全部私のモノだよ、結衣の血液も)チュッ
結衣「っ……はぁ……んぅ……」
結衣「はぁ……きょ、こ……」ギュッ
京子(結衣って血液もまるでトマトみたいに美味しいんだね)ギュッ
京子(……トマト?)チュッ
結衣「んんっ!」
結衣「はっ、はぁ……京子、強引すぎ……」ギュッ
京子「ちょいとお口周り失礼」ペロッ
結衣「こ、こらぁ、くすぐったいからダメぇ……」
京子「ふむ、あむ、ちゅっぺろ」
結衣「もー、犬じゃないんだからさ」
京子「……」
京子「ねえねえ結衣、どうして吐血がトマトの味なの?」ニコッ
京子「結衣の血液はトマトで出来てるの?」ゴゴゴゴ
結衣「あぁ、終わった……」
京子「結衣ってさ、もしかしてバカなの?」
京子「制服にも塗料塗っちゃって、ほんとバカでしょ」
結衣「……そ、そんなバカバカ言わなくても」グスッ
結衣「私だってイタズラしたくなる時もあるんだよ……」
京子「モノには限度ってのがあるでしょ、ん?」ツネッ
結衣「いはい、いひゃいよ!ほっぺつねっちゃだめぇ……」
京子「……本当に結衣の体は健康なんだよね」
結衣「ほっぺ以外は健康そのものです……」ヒリヒリ
結衣「……分かったよ、煮るなり焼くなり好きにして」
結衣「結構頑丈だし、サンドバック代わりにはなるよ」
京子「……」ギューッ
結衣「あ、……京子?」
京子「よかった、ほんとに良かったよぉ……」ポロポロ
京子「ゆい、ゆいぃぃ!」グスッ
京子「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああん……」
結衣「はぁ、ほんと馬鹿だな私って……」ギュッ
結衣「大丈夫、もうどこにも行ったりしないから泣き止んで」
京子「ひと、ひとつはっ、私より長生きするっことっ、ひぐっ……」
結衣「うん……」ギュッ
京子「ふたつめはっ、浮気を絶対にしなっいこと……」
結衣「しないよそんなこと、こんなに可愛い子が目の前にいるんだもん」
京子「んっ……えへへ」ギュッ
結衣「ありがとう京子、今なら自信を持ってはっきり言えるよ」
結衣「大好き、愛してる、ずっと私の側にいて下さい」
京子「まったく……しょ、しょうがないな、結衣はっ」
結衣「あ、それ私のセリフなんだけど」ギュッ
京子「へへへ、結衣のモノは私のモノー♪」
結衣「というか私たち歳もとらないらしいね」
京子「それじゃ、ずっと結衣と一緒にいられるってこと?」
結衣「まぁそうなるかな……」
京子「へへへ、それも悪くないな」
結衣「……京子、ほっぺこっちに向けて」
京子「んー?」
結衣「一時間に一回キスする、今決めた」チュッ
京子「あっ……えへへ、なら私もするー!」チュッ
結衣「ふふ、イタズラはほどほどに、だね」
京子「だね、私も気を付けるよ」ニコッ
おしまい!
使いまわしても別にいいよね
楽しみにしているよ
Entry ⇒ 2012.05.15 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
京子「モノより思い出!」結衣「新婚さんごっこ?」
京子「さて、結衣さん」
結衣「んー?」
京子「誕生日おめでとう」
結衣「ありがとう」
京子「結衣と同い年の期間が終わってしまいました」
結衣「そうだね」
京子「ワタクシ歳納京子。このたび結衣さんにも喜んでいただけるようなプレゼントをご用意いたしました」
結衣「……あまり期待はしてないけど」
京子「まぁまぁ聞いて驚け!見て笑え!」
結衣「……」
京子「モノより思い出!」
京子「プレゼントは可愛い可愛い新妻京子ちゃんとの新婚さんごっこです!」
京子「何その冷たい反応」
結衣「おやすみ、京子」
京子「いやん、結衣さん。何かお忘れではなくて?」
結衣「……?」
京子「おやすみのキッスだよ」チュッ
結衣「ちょ!!!」
京子「新婚さんごっこはもう始まっているのだよ、あ・な・た(ハート)」ギュッ
結衣「そんなにひっついてくるなよ!寝にくい」
京子「キャ、もう照れちゃって」
結衣「……付き合いきれない」
結衣「寝る」
京子「……おやすみ、結衣」
京子(結衣って寝付きいいなぁ)
京子(結局今年もおんなじだー)フニフニ
京子(自分が欲しいコト……喜んでくれてたら嬉しいけど、どうだろうね)フニフニ
京子(結衣の誕生日にかっこつけて自分がしたいことやるっていうのも……なぁ)
京子(何ネガティブになってるんだ私!今日だけは結衣の可愛い新妻なんだから!)
京子(……だからね、結衣)チュ
京子「えへへ(これくらい普通なんだよ)」
**
結衣「まったく、京子はいきなりなんだったんだ」
結衣「新婚ごっこって……また、何考えてるんだか」
結衣(って、あれ?隣で寝てるはずの京子がいない)
結衣「京子っ!」
京子「おはよう、あなた」
結衣「……」
京子「もう、お寝坊さんなんだから」ツーン
結衣「……」
京子「まだちゃんと目覚めてないかー」
京子「しょうがないな、結衣は」チュー
京子「何って、ほっぺにおはようのちゅーを……あっ!もしかして唇の方が良かった?」
結衣「じゃなくて!えっ!なにこれドッキリ?」
京子「寝る前に言ったじゃん!プレゼントは新婚ごっこ。新妻の可愛い私」
結衣「あ、あれ、まだ続いてたんだ」
京子「今日が結衣の誕生日なのに寝る前だけなわけないじゃん」
京子「今日は可愛いあなたの新妻、京子ちゃんが、結衣に尽くすことがプレゼントだもん」
結衣「あ……うん」カァー
京子「照れちゃって、可愛い」
結衣(完全に京子にペースを握られた)
京子「もうすぐ朝ごはんできるから」
結衣「え、京子が作ってくれてるの?珍し……」
結衣「そろそろ自分に可愛いつけるのやめないか?」
京子「それは断る!」
結衣「キャラブレ過ぎだろ」
京子「まぁまぁ、テレビでも見て待っててよ」
結衣「あ、うん」
結衣(しかし……なんなんだあの白エプロンは)
結衣(料理をしてるからか髪も珍しくポニテにしてるし)
結衣(少し大人っぽく見えるし、可愛いし、色っぽい)
結衣(く……京子のくせに)
**
結衣「はーい」
京子「やっぱり朝はご飯だね」
結衣「ご飯に、鮭に、味噌汁……」
京子「今日のために練習したんだぞ☆」
結衣「だ、だからキャラ……」ドキドキ
京子「さ、食べよ?」
結衣「いただきます」
京子「いただきます」
結衣「……」モグモグ
京子「……」ジー
京子「ほんと?よかったぁ!頑張った甲斐があったよ!お昼と夕飯も楽しみにしてろよ」
結衣「お、おう(キャラが……)」
京子「……もしかして期待した?」
結衣「なにを?」
京子「あーんってやるの」
結衣「ブッ!!ゲホゲホ」
京子「まったく結衣はムッツリなんだから……」
結衣「ケホケホ」
京子「お楽しみはとっておくものだよ」
結衣「期待してないって」
結衣「聞けよ!」
結衣(……よく見たら、京子の指、絆創膏だらけだ)
京子「うん、我ながら天才的センス!」
結衣(頑張ったんだろうな……)
結衣「京子」
京子「なに?」
結衣「おいしいよ、ありがとう」ナデナデ
京子「……ど、どういたしまして」ドキドキ
**
京子「おそまつさま」
結衣「片づけくらいやるよ」
京子「今日は私がやるからいいの」
結衣「そ、そう」
結衣(……なんか悪くないな)
結衣(料理しなくていいとか片づけしなくていいとかじゃなく)
結衣(新妻、京子、か……)
♪〜
結衣「ん」
結衣「あ、あかりからだ」
結衣「他にも着てる」
結衣「えっ!?」
京子「可愛い可愛い私というものがありながら」
結衣「ただの誕生日おめでとうっていうメールだよ」
京子「それでも!それでも……」
京子「今日だけは携帯電話使用禁止……」
結衣「わ、わかった」
結衣「ごめん、心配掛けて」
京子「ううん、私信じてたもん!結衣は浮気なんかしないって」
結衣「私は京子だけだよ」ナデナデ
京子「えへへ」
京子(京子だけだよだって!ごっこでも嬉しいなぁ)
結衣「お昼も京子が作ってくれるんでしょ?」
京子「うん」
結衣「それまでどう過ごそっか?」
京子「あんまり考えてなかったなぁ……とりあえず午後は少し出掛けて帰りに夕飯の材料を買おうかと」
結衣「じゃあゲームでもしようかな」
京子「うーん……それじゃあいつもと変わらないから」
**
京子「……どうかな?」
結衣「もう少し強くしてもいいよ……あっ!」
京子「ここ……?」
結衣「いいょ……」
京子「結衣は少し痛いくらいの方がいいんだ」
結衣「人をMみたいに言うな……っふぅ……」
京子「ほら、ちょっと痛いくらいがいいんじゃん」
京子「体は正直だよなぁ」
結衣「ま、たく……だれのっ、せいでっ」
京子「とぎれとぎれで必死な結衣可愛い」
京子「まだだよ」
京子「結衣の体もまだ満足してないでしょ?もちろん私もまだ満足してないし」
結衣「勝手に、しろ……」
京子「ふふふ、なんだかんだで好きなんじゃん」
結衣「う、うるさい」
京子「じゃあ今度はこういう体勢になって」
結衣「うん」
京子「よいしょ」
結衣「おい」
京子「この方がやりやすんだって」
結衣「おいっ!」
京子「よし!」
結衣「あ、ちょ……どこ触って……」
京子「……」
結衣「も、ぅ……が、我慢できない」
京子「え……?」
結衣「あははははっは!」
京子「結衣?」バッ
結衣「くすぐったいってば」
京子「ふっふっふっ」
結衣「京子?」
京子「結衣は今の状況を分かってる?」
結衣「え、うつ伏せてる私のお尻の上に京子が乗ってる……?」
京子「そう……つまり……」
京子「結衣は私から逃げることができない!!」コチョコチョコチョコチョ
結衣「ちょっ!きょ……あははっは」
京子「それそれー」コチョコチョ
京子「え、ごめ」スッ
結衣「なんてな」バッ
京子「え?え?」
結衣「お返しだ」コチョコチョ
京子「あふ……あははは、ゆ、結衣ぃ」
結衣「脇腹弱いよなー」コチョコチョ
京子「も、もう……あはは、結衣は、仕方、ふっ、ないんだからあっははっは」
**
京子「ふぅ……」
結衣「なんか疲れたね」
京子「結衣がやめないのがいけないんだぞ」
結衣「もうお昼だもんな」
京子「笑いすぎて腹筋割れたら責任とってね」
結衣「こっちのセリフ」
京子「……じゃあ、お昼作るから待ってて?」
結衣「うん」
京子「ふんふーん♪」
京子「やっぱり新妻と言えば白いエプロンかなって」
結衣「かわいいよ」
京子「え……そ、そりゃあ」ドキドキ
結衣「……エプロン自体が」
京子「なんだよ」ブー
結衣(恥ずかしくなってごまかしてしまった)
**
結衣(……そ、そりゃあ、京子ともし結婚できたら、最高だろう)チラ
京子「ふんふーん♪」カチャカチャ
結衣(今年の誕生日は、本当に私が欲しいもの……だな)
結衣(……今日だけだけど)
結衣(今日だけかぁ……こんなに今日一日幸せに過ごしちゃったら)
結衣(明日から物足りなくなりそうで、むなしくなりそうで、怖いなぁ)
結衣(うーん……)
結衣「あ、うん」
京子「考え事?」
結衣「大したことじゃないよ」
京子「悩みがあるなら聞くよ?だって私、結衣の可愛い新妻だもん」
結衣「だからそろそろ自分に可愛いつけるの……」
京子「そんなに私、可愛くない?」
結衣(ぐぅ……なんだその上目づかい、反則だろ)
京子(く……結衣がなにも言わない。はずしちゃったかな)
結衣「……」
結衣「うん」
京子「いただきます」
結衣「いただきます」
京子「あ、あーんは夜までお預けね!」
結衣「待ってないし」
**
結衣「んー?」
京子「片づけも終わったことだし、出掛けましょうよ」
結衣「ほんとにキャラぶれぶれだな」
京子「ほら、行くよー」
結衣「やれやれ」
京子「はいっ」
結衣「……?」
京子「新婚さんのデートだよ?手繋ぐのが当たり前じゃん」
結衣「え、外で繋ぐの?」
結衣「……指絡めるなよ」
京子「恋人繋ぎは譲れません!」
結衣「はぁ……」
京子「デートって言ってもその辺をぶらぶらと散歩するだけなんだけど」
京子「こっちの方が雰囲気出るでしょ」
結衣「ま、まぁ……」
京子「よっしゃ行くぞー」
結衣「だから、キャラ……もう何も言うまい」
**
京子「幸せだねー」
結衣「……(これは新妻キャラのセリフなのかな?)」
京子「結衣?」
結衣「う、うん」
結衣(なんか舞い上がってた自分が馬鹿みたいに思えるな)
京子「ふんふーん♪」ルンルン
結衣(京子にとっては、ただの‘ごっこ’遊びなんだから)
京子「ふへへ」
結衣(京子は、楽しそうだけど)
京子(恋人繋ぎ!恋人っぽいよなー)
京子(うー……幸せ!)
結衣(……はぁ)
京子(へへへ)
**
京子「いつも通りが幸せなのだよ、結衣」
京子「そ・れ・に……コレはいつも通りじゃないし」
結衣「恋人繋ぎ……ね」
京子「おばあちゃんになっても、結衣と二人で縁側でお茶できたらいいよね」
結衣「……誰の可愛いお嫁さんになってるんだろうな、京子は」ボソ
京子「え?なに?」
結衣「なんでも」
京子「そろそろスーパー行こうっか」
結衣「何作るの?」
京子「秘密」
京子「あ。……不覚」
結衣「何作るの?」
京子「オ、オムライスを」
結衣「ふーん」
結衣「……」スルッ
京子「え……?」
結衣「そろそろこの設定やめないか?」
結衣「朝も昼も作ってもらったし、夕飯は私が作るよ」
京子「どうして?」
結衣「もう新婚さんごっこはおしまいってこと」
京子「り、離婚ってこと?」
結衣「離婚って、おまえ……」
京子「イチャラブから一転離婚の危機へ……起承転結の転とは……おぬしもなかなかやりおるのぅ」
結衣「……さて、卵はっと」スタスタ
京子「え?え?どうして?ほんとに?」
京子(……やっぱり嫌だったのかな)
結衣(でも一時の幸せに浸ったらあとが惨めじゃないか)
京子(普段じゃできないから今日だけって思ったのに)
結衣(変に意識しすぎて、気持ちが抑えきれなくなって、京子に迷惑かけたら嫌だし)
京子(やっぱり私、迷惑なのかな)
結衣「……」
京子「……」
結衣(気まずい)
京子(何を話せばいいかわからない)
**
京子「おかえり」
結衣「……」
京子「ごめん……結衣!」
京子「やっぱり私迷惑かな?」
結衣「……っ迷惑なんかじゃ」
京子「悪いとこがあるなら言ってよ!私直すから、絶対……直すから」
結衣「何をそんなに…」
京子「結衣と一緒にいたいもん!だから直すよ!なんだってするよ……」
京子「だから捨てないでよ……」
京子「でもさっき……」
結衣「はぁ……」
結衣「ほんと言うとね、私も幸せだって思ってたよ」
京子「思ってた……?」
結衣「だけどこれはあくまで‘ごっこ遊び’なんだろ?」
結衣「……そう考えると、なんだか空しくなっちゃって」
京子「……結衣」
結衣「やっぱりいつも通りがいいんだと思うよ」
京子「うー……うん」
京子(いつも通りってそれはつまり、親友のままってこと?)
京子「……実家に帰らせていただきます」ダッ
結衣「え、ちょっ、京子!」
結衣「行ってしまった」
結衣「……二人分の食材、どうすればいいんだよ」
京子(‘ごっこ遊び’って思うと虚しい……か)
京子(でもそれって。あぁ、でも。)
京子(私の思いあがりだよね……)
**
結衣(結衣と一緒にいたいもん、か)トントントン
結衣(そのためだったらなんだってするって……ばかじゃないの、京子は)カチャカチャ
結衣(これじゃまるで、京子が私のことを……)ジュー
結衣(そんなわけないって)
結衣(あ……結局二人分作ってしまった)
結衣「明日の朝、食べるか」
ピンポーン
結衣「こんな時間に誰だろ?」
結衣「……!」
結衣(画面いっぱいに謎の……箱?)
?「幸せを届けに来ましたー」
京子「幸せを取りに行っただけだよ」
結衣「今開けるから」
京子「待って、結衣」
結衣「なに?」
京子「画面越しの方が話しやすいから」
京子(すぐ逃げられるし)
京子「あ、あの……」
結衣「……」
京子「あのね、」
結衣「うん」
結衣「うん」
京子「……私」
京子「あの……」
結衣「どうしたの?」
京子「……っ」
京子(言うんだ京子!お前ならやれる!)
京子「あの!私!」
結衣「うん」
京子「私……」
結衣「うん」
京子「……」
京子(い、言えない)
京子「っ!ワタクシ歳納京子はっ!!」
京子「船見結衣のことが好きです!!大好きです!!!!」
結衣「え……?」
京子「新婚さんごっこじゃなくて、本当に新婚さんになりたいです!!!!」
結衣「ちょ、京子」
京子「今日の結衣へのプレゼントは結局私が欲しいことだったんだけど」
京子「本当は、今日だけじゃなくて、この先もずっと……」
京子「高校生になっても、大学生になっても、社会人になっても、おばあちゃんになっても」
京子「ずっと結衣の隣にいたいです!いさせてほしいです!!!」
結衣「京子!!」ギュッ
京子「ゆ、結衣」
結衣「私も京子のことが好きだよ」
結衣「新婚さんごっこ楽しかった」
結衣「でも、ごっこじゃ嫌だった」
結衣「本当になろう?」
京子「結衣……」
結衣「結婚しよう、京子」
京子「……嬉しい」ギュッ
「おめでとう!」
「涙が出てきたわ」
「若いころを思い出すわ」
結衣「……」
京子「……」
結衣(幻聴だろうか)
京子(祝福の嵐が聞こえるんだけど)
「二人は婚前交渉とかしたの?」
「こらっ、そんなこと今聞いちゃだめでしょ」
結衣(……まさか)
京子(そっか、ここ……)
「見せつけちゃってもう」
結京「わーーーーーーーー!!!」
バタン
結衣「はぁはぁ」ドキドキ
京子「……」ドキドキ
結衣「家の前だってこと、忘れてた」
京子「わ、私も。必死で」
結衣「…おかえり、京子」チュッ
京子「ん……ただいま、結衣」
京子「結衣ってば、大胆」
結衣「新婚だからね」
京子「そっか」
結衣「いつか本当にできるといいね」
結衣「結婚式?」
京子「船見結衣は歳納京子を一生愛することを誓いますか?」
結衣「……誓います」
京子「……」ニコ
結衣「歳納京子は船見結衣を一生愛することを誓いますか?」
京子「もちろん!誓います」
結衣「……京子」
京子「うん」
――――それでは誓いのキスを……
**
京子「うん!」
京子「あ、約束通り、あ、あーんしてあげるね」
結衣「う、うん」
京子「はい、あーん」
結衣「あーん……」カァー
京子「……どう?」
結衣「味がよくわからん」
京子「ぷぷ」
結衣「ほら、あーん」
京子「あ、あーん」
京子「何と言いますか、恥ずかしくて味がわかりません」
結衣「だよなー」
京子「でも、よくわかんないけど」
結衣「うん?」
京子「し……幸せの味がする……なぁんて」テレッ
結衣「……それは、分かる気がする……」
京子「ふへ」
結衣「ふふ」
結衣「んー」モグモグ
京子「せっかくの日曜なのに」
結衣「ゴクン。あー、それは大丈夫」アーン
京子「パクッ」
結衣「こういう展開までは予想してなかったけど」
京子「うん」モグモグ
結衣「京子が泊まりに来ることは分かってたから」
結衣「実家には明日帰るってことで話をつけたんだ」
京子「ふむ」ゴクン
京子「やっぱり結衣は私にゾッコンだなって」ニシシ
結衣「……」
京子(あれ、ツッコミがない)
結衣「ゾッコンだよ」
京子「なっ」
結衣「……こんなこと言うの今日だけだからな」
京子「う、うん」
結衣「最初は私が守ってあげなきゃいけない、そういう存在だった」
結衣「私がいなくちゃだめなんだって」
結衣「京子が変わって行く。私から離れていく。」
結衣「それが分かってきた時、気付いたんだ。寂しいって」
結衣「娯楽部作って、やっぱりまだ二人で一緒にいられるってなったら嬉しくなった」
結衣「京子が他の人と一緒にいる未来が嫌だった。どんなに京子が幸せだったとしても」
結衣「親友なのにおかしい、って思って、色々考えて……分かった」
結衣「京子には私が必要じゃなくて、私に京子が必要なんだって」
結衣「思えば、ずっと前から、小さいころから好きだったんだ」
結衣「今日までずっと、この14年のほとんど、私は京子でできてたんだ」
結衣「ずっと、京子にゾッコンだった。……だったっていうのは変だな」
結衣「昔も今も、この先も……ずっと京子にゾッコンだ」
結衣「あぁもう言わないつもりだったのに」
京子「……私も」
結衣「え?」
京子「結衣にゾッコンだよ」
京子「……いつも結衣に守ってもらってたでしょ?」
京子「いつも結衣の後ろにいたでしょ?いつも結衣の背中見てたんだ」
京子「いつかこの背中が遠くに行っちゃう気がして怖かった」
京子「そう思って……強くなろうって思って……吹奏楽部にも入ってみたけど」
京子「結衣がいないと寂しくて……」
京子「結衣と一緒にいたくて、娯楽部作ってさ」
京子「思えば、私も小さいころからずっと……結衣のことが好きだったんだ」
京子「泣き虫じゃなくなってもさ、私には結衣が必要なんだ。これまでも、これからも」
京子「私も、昔も今も、これからも……ずっと結衣にゾッコンだよ」
結衣「……」カァー
京子「……」カァー
京子「そ、そうだね」
結衣「……」
京子「ちょっと待って」
結衣「なに?」
京子「あーん」
結衣「あ、あーん」
**
京子「うん」
京子「さてと……告白やらプロポーズやらで存在が忘れられてるこれの出番だ」ガサゴソ
京子「……!!!!」
京子「あああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
結衣「ど、どうした京子!?」
京子「うぁ……」
結衣「京子……?」
京子「な、なんでもない!」バッ
結衣「え、ど、どうした?」
京子「こ、来ないで!」
京子「うぅぅぅ」
結衣「これは……」
京子「今日のために昨日作ったのに……」
結衣「京子が私に?」
京子「……」グス
京子(せっかく結衣のために作った誕生日ケーキが……)
京子(さっきのごたごたのうちに、ぐちゃぐちゃに……)
結衣「ありがとう、京子」
京子(結衣……)
結衣「パクッ」
結衣「おいしいよ、京子」
結衣「ほら」
京子「パク」
結衣「おいしいだろ?」
結衣「ちょっと崩れちゃってるけど、京子が私のために作ってくれたってこと自体が嬉しいし」
京子「うぅ……結衣は優しすぎるよ」
結衣「気を使ったとかじゃなくて、本当にそう思ったから」ギュッ
結衣「おいしい」
京子「……ハッピーバースデー結衣」
結衣「ありがとう」
京子「なんか結局ちゃんとしたプレゼントあげてないね」
京子「ケーキのこと?」
結衣「ケーキもだけどもっと重くて、大切で、素敵なプレゼント」
京子「……なんだろ」
結衣「京子だよ」ギュウ
京子「……」
結衣「京子と、京子と一緒に過ごす未来っていう何にも変えられないプレゼント」
京子「……結衣」
結衣「あー幸せだなぁ」カァー
京子「うん!私も幸せだ―」
**
結衣「電気消すよ」
京子「うん」
京子「しかし……」
結衣「ん?」
京子「付き合うを通り越して結婚とは……」
結衣「あ、まぁ」
京子「実際に結婚ってなると難しいかもしれないけど」
京子「絶対離れないって、ずっと一緒だって約束」
結衣「うん。ずっと大好きだって、約束」
京子「えへへ」
結衣「ふふ」
結衣「んー?」
京子「今日って、その……」
結衣「なに?」
京子「新婚初夜なわけじゃん」
結衣「!」
京子「あの……さ、」
結衣「……待った待った待った」
京子「……」
京子「そ、そうだよね」
京子(私ってそんなに魅力ないかな)
結衣「そんな顔するなって」
京子「え?」
結衣「今日はいろいろあったし、その……心の準備が」
京子「……ふひ」
結衣「なんだその笑い方」
京子「結衣は可愛いなって」
結衣「な、なんだよ」
京子「結衣、可愛いー」
結衣「な……」カァー
京子「へへへ」
結衣「私の可愛い新妻さんだ」
京子「……」カァー
京子「あぁもう!恥ずかしくて眠れなくなったらどうするんだよ」
結衣「子守唄でも歌おうか」
京子「え、うん?ん?」
結衣「なんてね」
結衣「そろそろ寝ようか?」
京子「うん、じゃあさ、眠れるように腕枕してよ」
結衣「え?」
京子「結衣に抱きしめられてるとドキドキするけど、落ち着くんだ」
結衣「京子は甘えん坊だな」スッ
京子「えへへ」
結衣「え?」
京子「結衣と、結衣と一緒に過ごす未来!」
結衣「うぁ……」カァー
京子「私はこの世で一番の幸せ者だなー」
結衣「私も一番の幸せ者だな」
京子「そろそろ寝よっか」
結衣「明日は学校だしね」
京子「寝坊すんなよ」
結衣「お前がな」
京子「結衣がキスしてくれたら起きるよ」
結衣「はいはい、考えとくよ」
京子「新婚さんなんだからおはようのキッスくらい普通だろ」ブー
京子「……!!」
結衣「おやすみ、京子」ギュッ
京子「ふ、不意打ち禁止!」チュ
京子「おやすみ結衣!」ギュ
結衣(まさか誕生日にこんな素敵で、重くて、幸せなプレゼントがあるとは思わなかった)
京子(あー、幸せだなぁ。新婚さんごっこやって本当によかった)
結衣(明日、ご近所さんの目がちょっと怖いけど)
京子(結衣の誕生日なのに私もすごく大切なプレゼントを貰っちゃった)
京子(ずっと愛してる)
結衣(悲しみも、喜びも二人で分かち合って)
京子(いろんな壁があっても二人なら大丈夫)
結衣(京子が好き。愛してる)
京子(結衣が好き。愛してる)
(これまでも、これからもずっと……)
おしまい
間に合ったか微妙なとこだけど
甘々を目指したけど難しい
こんな深夜に付き合ってくれてどうもです
おやすみなさい
だがそれがいい
乙
乙でした
Entry ⇒ 2012.05.14 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
あかり「子どもの日!」
あかり「お姉ちゃんも出かけちゃって家にいてもやることないし」
あかり「こういうときはお散歩だよね」
あかり「ハンカチよし、ティッシュよし、お財布もバッチリ」
あかり「それじゃあ行ってきまーす」
あかり「でもこんなにいいお天気なんだし、適当にぶらぶらしてるだけでも楽しいかも」
あかり「……んー、だけどひとりだとちょっとさびしいかなぁ」
あかり「誰か結衣ちゃんのお家にでもおじゃましようかな?」
あかり「そうときまればさっそく連絡を……って携帯電話忘れちゃったよぉ」
あかり「どうしよう……」
??「ヒック、どうしよう……」
あかり「?」
まり「お姉ちゃん誰?」ヒック
あかり「結衣ちゃんのお友達の赤座あかりだよ」
まり「……ミラクるんのお姉ちゃんと一緒にいた人?」ヒック
あかり「そうそう。覚えててくれてよかったよぉ」
あかり「とりあえずティッシュで顔を拭こうか」
まり「ありがとうお姉ちゃん」ヒック
あかり「ところでどうしてこんなところで泣いてたのか教えてくれるかな?」
まり「あのね、今日はね、おやすみだから、結衣お姉ちゃんの所に行こうと思ったの」
あかり「うんうん」
まり「でもね、お姉ちゃんの家どこにあるか分からなくなっちゃって」
あかり「そっかぁ、まりちゃんは結衣ちゃんのお家に行きたかったんだね」
あかり「それじゃああかりが結衣ちゃんのお家まで連れて行ってあげるよ!」
まり「でも知らない人について行っちゃダメってお母さんが……」
あかり「うーん、そっかぁ」
あかり(まりちゃんにも覚えてもらえないくらいあかりって影薄いのかな……)
あかり(いやいや、たぶん違うよね!)
あかり(まりちゃんの知らない人って言葉に悪気はないはず……うん)
あかり「だったら結衣ちゃんにまりちゃんの事を迎えに来てもらおうか」
まり「ほんと!?」
あかり「うん。まりちゃんが寂しがってるって知ったら結衣ちゃんすぐに飛んできてくれるよ」
まり「うにー!」
あかり「向こうの公園に公衆電話があったから、そこで結衣ちゃんに連絡しよう」
あかり「まりちゃん、そこまでだったらお姉ちゃんと一緒に来てくれるかな?」
まり「うん! お姉ちゃん優しいね!」
あかり「えへへ、照れるよぉ」
あかり「じゃあはぐれないように手をつないでいこうか」
まり「うにー!」
あかり(去年まではお姉ちゃんたちに祝われてばっかりだったけど)
あかり(もうあかりも中学生だもんね!)
あかり(お姉さんとしてまりちゃんの事を無事に送り届けて見せるんだから!)
あかり「到着だよぉ」
まり「公園でっけー」
あかり「公衆電話はっと……あそこだ」
まり「」ソワソワ
あかり「それじゃあまりちゃん結衣ちゃんに電話しに行こ……?」
まり「」ソワソワ
あかり「少し公園であそぼっか」
まり「いいの!?」
あかり「うん、お天気いいし楽しいよお」
まり「うにー!」
あかり(それに結衣ちゃんのお家からスーパーに行く時にはこの公園の前を通るはずだし)
あかり(もしかしたら連絡しなくても会えるかもしれないし)
あかり(今はとにかくまりちゃんを楽しませてあげよう)
あかり「まりちゃん、何かやりたい遊びある?」
まり「まりねー、シーソーやりたい!」
あかり「しーそー?」
まり「お姉ちゃん一緒にやろう!」
あかり「う、うん」
あかり(まりちゃんとあかりじゃシーソーに乗ってもうまくいかないだろうし)
あかり(でもまりちゃんはすごく楽しみにしてるみたいだし……)
あかり「どうしよう……」
??「どうしよう」オロオロ
あかり「?」
あかり「楓ちゃん?」
楓「あ、お姉ちゃんのお友達の……?」
あかり「うん、向日葵ちゃんのお友達の赤座あかりだよ」
楓「古谷楓です」ペコリ
あかり「楓ちゃんはしっかり者だね」
楓「えへへ」
あかり「ところで楓ちゃんはこんなところでどうしたの?」
楓「そしたらここの公園で櫻子お姉ちゃんに会って」
楓「二人とも喧嘩しちゃってどこかにいっちゃったの……」
あかり「そうなんだ……」
楓「でも、二人を責めちゃだめなの」
楓「お姉ちゃんも櫻子お姉ちゃんもお互いに素直になれないだけで仲良しだから」
楓「おじゃま虫の楓が身を引くのは当たり前の事なの」
あかり「へ、へぇ。そうなんだ」
楓「そうなの」
あかり(なんだかあかりより大人っぽいよぉ)
楓「でもそれまで一人ぼっちだからどうすればいいか分からなくて」
あかり(楓ちゃん……)
まり「だったら一緒に遊ぼう?」
あかり「まりちゃん……うん、一緒に遊ぼうよ楓ちゃん!」
楓「でも、えっと、その子は?」
あかり「この子はあかりの友達の親戚の子でね」
楓「現代社会につかれて幼児誘拐に手を出したの?」
あかり「違うよぉ!」
まり「まり!」
あかり「まりちゃんっていうの」
まり「うにー!」
あかり「二人よりも三人の方が楽しいし向日葵ちゃんたちが戻ってくるまで一緒に遊ぼう?」
楓「分かったの」
楓「あかりお姉ちゃんがまりちゃんに手を出さないように見張るためにも一緒に遊ぶの」
あかり「あ、ありがとう楓ちゃん」
まり「それじゃあ一緒にシーソーやろう!」
楓「はいなの!」
あかり(向こう側に二人乗ってるのにあかりの方に傾いてるよぉ……)
楓「気にする必要はないの。あかりお姉ちゃんは成長期だから」
あかり「……ありがとう、楓ちゃん」
――ブランコ――
まり「うーにー!」
あかり「うわぁ! まりちゃんそんなに漕いだら危ないよお!」
――ジャングルジム――
まり「くらげパンツだー」
あかり「ひゃあぁ、見ないで!」
楓「楓のパンツと同じなの」
まり「次は何やろっか」
楓「えっとね、楓はね」
あかり「二人とも少し休憩しない?」
あかり「ジュース買ってあげるよぉ」
まり「ほんと!?」
楓「いいの?」
あかり「うん、なんてったってお姉さんだからね!」
あかり(ここまで振り回されてるだけだった気もするけど)
まり「うに!」
あかり「さすがにウニのジュースはないよぉ」
楓「楓はオレンジジュースがいいの」
まり「じゃあまりも同じのにする!」
あかり「それじゃああかりも……」
楓「そういえばこの前お姉ちゃんが『赤座さんが公園でブラックコーヒーを飲んでましたわ』っていってたの」
あかり「やっぱりのどが乾いたらブラックだよね!」
まり「すげー! 結衣お姉ちゃんみたい!」
あかり「あはは……」
楓「ブラックコーヒーが飲めるなんて大人なの!」
まり「あかり姉ちゃんカッコイイ!」キラキラ
櫻子「あかりちゃんカッコイイ!」キラキラ
あかり「えへへ、それほどでも……って櫻子ちゃん!?」
向日葵「赤座さん楓がご迷惑をおかけしましたわ」
楓「お姉ちゃんたち帰って来たの」
あかり「あかりも楓ちゃんと遊べて楽しかったし」
向日葵「でも楓の面倒を見てもらったのは事実ですし、今度クッキーでも差し上げますわ」
あかり「わぁ、向日葵ちゃんのクッキーおいしいから楽しみだよぉ」
櫻子「あかりちゃんだけずるい!」
向日葵「あなたにもあげるから赤座さんにお礼言いなさいな」
楓「今度楓が作ってあげるの」
まり「ほんと!?」
楓「もちろんなの! お友達のしるしなの」
まり「うにー!」
結衣「良かったねまりちゃん。新しいお友達ができて」
まり「結衣お姉ちゃんだ!」
結衣「いや、親戚の子だよ」
結衣「それよりあかりありがとね、まりちゃんの相手をしてくれて」
あかり「ううん、ほんとはもっとはやくに結衣ちゃんに連絡しなくちゃいけなかったんだけど」
結衣「あかりが謝ることないよ。まりちゃんも楽しかったみたいだし、ね?」
まり「まり、あかりお姉ちゃんと楓ちゃんと遊べて楽しかった!」
あかり「あかりもまりちゃんたちと遊べて楽しかったよぉ」
あかり「楓ちゃんも付き合ってくれてありがとうね」
向日葵「それでは私たちはそろそろ帰らないといけませんので……」
櫻子「あかりちゃんまた学校でね!」
あかり「うん、バイバイ!」
結衣「私も一度家に帰るよ。まりちゃんのお母さんたちが心配してるみたいだしさ」
あかり「うん、またね。結衣ちゃん、まりちゃん」
まり「うにー!」
あかり「そろそろお姉ちゃんも帰ってきてるだろうし、あかりもお家に帰ろう」
あかり「今日は楽しかったなぁ」
あかり「子どもの日に小さい子の相手をするなんてあかりってばすごく大人っぽい!」
あかり「なんちゃって」
あかり「向日葵ちゃんや結衣ちゃんに比べるとあかりってまだまだ子どもだもんね」
あかり「早く大人になりたいなぁ」
あかり「お姉ちゃん、ほんとに?」
あかね「ええ、まりちゃんも楓ちゃんもすごく楽しそうにしてたじゃない」
あかね「二人が楽しめたのはあかりっていうお姉さんがいたからよ?」
あかり「えへへ、そうかな……ってなんでお姉ちゃんがそのこと知ってるの?」
あかね「……」
あかね「そんなことよりも今日の晩御飯はちらし寿司よ!」
あかり「わぁいあかりちらし寿司大好き!」
おしまい
Entry ⇒ 2012.05.10 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
向日葵「私のおねえちゃん」
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撫子「はーい……ああ、ひま子」
向日葵「撫子さん、櫻子は?」
撫子「部屋かな……ちょっと見てくる。上がってて?」
向日葵「ありがとうございます」
〜
向日葵「あら? これは……」
向日葵「撫子さん、これ……」
撫子「あっ///」
向日葵「スコーンですか?」
撫子「あー、ま、まあね……ちょっと私も、お菓子くらい作れないとダメかなって思って」
向日葵「いいと思いますわ。きっと皆喜びますわよ」
撫子「んー……でもやっぱりお菓子って難しいんだね。いまいちサクッとしなかったり……味にムラがあったり……」
撫子「ちょっと、もう一回作ってみるからさ、なんか間違ってたりしたら教えてくれない?」
向日葵「え、ええ……わかりました」
向日葵(撫子さんならなんでも上手にこなすと思いますけど……)
撫子「これと、これと……」
向日葵「あっ、塩も少し……」
撫子「えっ? 塩?」
向日葵「ええ、味にはあまり関係ありませんけど……最終的な食感を良くするためには塩の塩基というか、必要で……」
撫子「お菓子に塩なんて使うんだ……! 確かに本には書いてあったけど……甘くしたいから抜いちゃってた」
向日葵「す、少しだけいれましょう……」
向日葵「あ、あの……」
撫子「??」
向日葵「そこは、手でやった方がいいと思います……」
撫子「そうなの?」
向日葵「手でやって……粉っぽさが残るというか、さらさらになるように感触を確かめながら……こう……」すっ
撫子「あっ…………」
向日葵「あっ、ああっ! すみません私さっきから出しゃばってしまって……///」
撫子「えっ! あ、いや、続けて? 今すごいためになってるからさ」
向日葵「は、はい、すみません……///」
向日葵「大丈夫かしら。あったまってますわね」
撫子「どういうこと?」
向日葵「予熱というか……最初からオーブンを温めた状態でやった方がより……って」ハッ
撫子「そ、それはさっき私が焼いたから……最初は予熱なんて考えてなかった……」
向日葵「あ、あらら……」
向日葵「ああああの! 別に失敗とかではありませんから、気にせずに、段々と覚えてけばいいんだと思いますわ!」アセアセ
撫子「いやいやいや、もっと色々教えて? 私やっぱりこういうの苦手だったんだ。ひま子すごい参考になるね」
向日葵(わ、私ったら何をやってるんでしょう……///)
向日葵「あとはこれで焼いて……色を見ながら、調節していく感じですわ」
撫子「……すごい。最初と全然違う。こりゃあ私の作ったこれは美味しくないはずだね」
向日葵「そっ、そんなことありませんわ! こっちも美味しいですわ!」ぱくぱく
撫子「あ、あはは……」
向日葵「…………///」もぐもぐ
撫子「櫻子がひま子を頼りにしてるのがわかった気がする……本当に頼りになる」
向日葵「わっ、私なんて、そんな……/// 撫子さんの方が全然……」アワアワ
撫子「…………」じーっ
向日葵(うぅっ……///)
撫子「あ、ところで、今日は家に何の用で来たの?」
撫子「エプロン? あの子が……?」
向日葵「ええ、あの子、作ってくれたら毎日でも料理練習するって言ってましたし……」
撫子「………何から何までごめんね。ほんとあの子、ひま子に世話かけ過ぎだよ……」ハァ
向日葵「でっ、でもそれは私がやりたくてやってるだけですから、撫子さんはお気になさらず……///」
向日葵「あっ、私ちょっと焼き加減見てきますね!? あははは……」
撫子「…………」
向日葵(な、撫子さんに悪いことしちゃってるかな……)ソワソワ
がばっ
向日葵「ひゃあっ!?///」
撫子「…………」
向日葵「あっ、あのあのあの撫子さん何を……///」
撫子「こういう……」
向日葵「え?」
撫子「こういう妹も欲しかったなぁ……」
向日葵「えっ!?///」
撫子「無いものねだりだけどさー……ひま子みたいな妹がいたらいいなーって、結構前から思ってたんだよね」ふー
向日葵(ちょっ、耳元くすぐったい……///)
撫子「ひま子にとってさー」
「私って、何?」
撫子「ひま子にとって、私って何なの?」
向日葵「どうしたんですの撫子さん……!?」
撫子「答えて」
向日葵「っ!///」
撫子「ひま子にとっての、わ・た・し」ツンツン
向日葵(お、おかしい! 撫子さんがおかしい!)
向日葵「な、撫子さんは……」
櫻子の、お姉さん。
撫子「…………」
向日葵「…………」
撫子「………やっぱ、そっか」
向日葵「あ、あああっ、でもっ! でもっ!」
撫子「…………ひま子の?」
向日葵「は、はい……」
撫子「どういうこと? 詳しく教えて?」
向日葵「ちょっ、そこくすぐったいからダメですっ……!///」
撫子「どういうこと? どういうこと?」チョイチョイ
向日葵「あっ……ああっ……////」
ピーッ♪
向日葵「あ、できた……」
撫子「…………」(チッ……)
撫子(わっ……いい香り……!)
向日葵「丁度いい感じみたいですわ」
向日葵「どうぞ!」
撫子「ん……」
さくっ
撫子「…………///」
撫子「食べてみればわかるよ?」
向日葵「!」
撫子「あーん」
向日葵(そっ、それ撫子さんが半分食べたやつ……!///)
撫子「あーん……」
向日葵(も、もうやるしか……!)
向日葵「あっ、あー……///」
ぱくっ
向日葵「ん……おいし……」
撫子「間接だね」
向日葵「んぐっ!?///」
撫子「あっはははは……詰まった?」
向日葵「ん、だ、大丈夫です……///」
向日葵「…………」
撫子「ほい、あーん」
向日葵(また!?///)
向日葵「うっ……ううう///」
向日葵「あ、あーん……///」
撫子(可愛いなぁ……)
さくっ
撫子「あ、電話だ。ごめんね? 出ていい?」
向日葵「え、ええ……お気づかいなく」
撫子「もしもし?どした?……
向日葵(ど、どうしたのかしら今日の撫子さんは……///)
向日葵(確かに普段からちょっとお茶目なとこがたまにあったりする人だけど……クールでしっかりしてるお姉さんで……)
向日葵(か、間接……///)
向日葵(い、いけないいけない!)フルフル
撫子「あ、ねー聞いて? 私ね、新しい妹ができたの」
向日葵(………は?)
撫子「ちょっと新しい妹に代わるね?」
向日葵(えっ? えっ!?)
撫子「はい、電話」
向日葵「いやいや『はい電話』じゃないでしょう!? なんで私が電話に……」
『えーほんとに新しい妹さんなの!? お名前は!?』
向日葵「え、えっと……向日葵と申します……///」
『……あれ? お隣さんの?』
向日葵「あっ……そ、そうです!」(なんで知ってるんだろう……)
『なるほどーそういうことかー……ごめんねぇ変なことに巻き込んじゃって』
撫子「あーメープルがかかっちゃったー(棒)」
向日葵「なっ、何やってんですの撫子さーん!!?」
『ど、どしたのっ? 大丈夫!?』
撫子「……んっ………」ペロペロ
向日葵「あっ……あぁぁ……///」びくうっ
『もしもし!? ちょっと!?』
『こら! なでしー!浮気は許さ
ピッ
撫子「ふふ……甘いね……」
向日葵「なっ、だめ……こんなのっ……!」
とさっ
撫子「シャツ脱ぐ?」
向日葵「ぬ、ぬぎません! やめてください!」
撫子「あらら……ごめんね」
撫子「いやー、でもひま子は私の妹なんだからさ、このぐらい普通じゃない?」
向日葵「撫子さん妹たちにこんなことするんですの!?」
撫子「花子は私にバニラアイス乗っけてきたことがあったよ」
向日葵「うそ……」
撫子「でも流石に今のはやりすぎたな。ごめんごめん、お風呂入ろっか」
向日葵「 "入ろっか"!? 一緒に入るんですの!?」
向日葵「そ、そうではなく……それなら家に帰って浴びますから……!」
撫子「私が原因なんだから私にせめてもの償いをさせてよ。お願い」だきっ
向日葵「それなら最初からやらないでくださいよ!」
〜
しゃー……
向日葵「…………」
撫子「ふう……」
向日葵(ま、まさか一緒にお風呂なんて……///)
向日葵「たぶん、櫻子と一緒に私も入ってたときだと……」
撫子「……背中、流してあげる」
向日葵「えっ、そんな……///」
撫子「…………」わしゃわしゃ
向日葵(うう………///)
撫子「あのさ、『おねえちゃん』って呼んでくれない?」
向日葵「えっ……?」
向日葵「そ、そんなの……」
撫子「呼んで?」はむはむ
向日葵「だっ、だから耳は食べ物じゃ……///」
撫子「呼んでくれるまではみつづけます」はむはむ
向日葵「お、おねえちゃん!!」
向日葵(お風呂場だから声が反響して……///)
撫子「もっかい」はむ
向日葵「お、おねえちゃんっ!」
撫子「……もっかい」んむ
向日葵「おねえちゃーん!!///」
撫子「いやー楽しかった」
向日葵「…………」(こんなの櫻子に見られたらなんて言えば……///)
撫子「それにしても櫻子遅いねー。どこで何してんのかな」
向日葵「あ、あの……私これ置きにきただけですから、そろそろ帰っても……」
撫子「ふーん……まあいいや。トイレ行ってくる」
「ん? 向日葵ー来てるのー?」
向日葵「!」
向日葵「あ、あれ!? 櫻子帰ってきてたんですの!?」ガチャ
撫子「…………」
向日葵「…………」
撫子「ひまわりー」
向日葵「う、うそ……」
撫子「うまいでしょ、櫻子のマネ」ニヤニヤ
向日葵「…………」
向日葵「な、なっ!/// 別に撫子さんが呼んだときだって来ますわ!」
撫子「ほら、『撫子さん』じゃないでしょ?」
向日葵「っ……」
向日葵「お、おねえちゃん……///」
撫子「そうそう」なでなで
ガチャ
撫子「あ」
向日葵「あ」
櫻子「…………」
向日葵「いっいやこれはけっしてあやしいかんけいとかそういうのではなく」アワアワ
撫子「…………」
櫻子「ねーちゃん……?」
撫子「おかえり」
櫻子「? ただいま……」
撫子「…………」スタスタ
向日葵(あ、あら……?)
向日葵「い、いえ特には……///」
櫻子「うそ! 私に隠し事してない!?」
向日葵「そ、そんなこと…………あ、というか貴方今まで何してたんですの!?」
櫻子「私は……これ」ガサッ
向日葵「??」
向日葵「あっ……///」
向日葵「わ、私も! 私も櫻子に渡すものがあってきたんですわ!」
櫻子「えっ? なになに?」
ハイ、コレ
ウワーアリガトー!
「…………」
向日葵(結局櫻子の料理を監督することになるとは……)
向日葵「まあ、いいんですけど」
向日葵(これで櫻子がやる気を出してくれたら、それで……)
向日葵「撫子さん? ご飯ができましたわ」コンコン
向日葵(……あら?)
向日葵「撫子さん??」
シーン……
向日葵(…………)
ガチャ!
向日葵「へっ!? きゃああ!!」
どさっ ぎゅっ
撫子「…………」
向日葵「なっ、撫子さん!? 抱きしめるなんてそんな……///」
撫子「ひま子……」
向日葵「は、はい……??」
撫子「私は……」
アンタたちの、おねえちゃんだよ。
向日葵「!」
撫子「ひま子が、『おねえちゃん』って呼んでくれたら、どんな悩みだって一緒に解決してやるからね」
向日葵「っ……」
撫子「ふふふ……」なでなで
向日葵「…………///」
〜
向日葵「おねえちゃん、ご飯できたよ……?」
櫻子「うん……すぐ行く」
〜fin〜
Entry ⇒ 2012.05.08 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
結衣「あ、あかりって誰がすきなのっ」バッ
あかり「ゆ、結衣ちゃんと京子ちゃんがすきだよぉ…」
結衣「ほ、ほんとに?!」ウズウズ
あかり「う、うん…」
結衣「…」ニヤニヤニヤニヤニヤ
あかり「(なんか結衣ちゃん…顔こわいなぁ…)」
あかり「な、何結衣ちゃん」
結衣「ほ、頬スリスリしていい?」
あかり「う、うん…」
結衣「やった!…えへへ…えへへ…」スリスリ
結衣「(やっぱりあかりはかわいいなぁ)」デレデレ
結衣「(一生くっついていたいくらい…)」デレデレ
あかり「(結衣ちゃんうざいよぉ…)」
あかり「な、何かな結衣ちゃん」
結衣「私と京子……どっちの方が好きなんだ?」
あかり「えっ」
結衣「じーっ」
あかり「あかりは……」
結衣「あかりは?」
あかり「ふたりとも大好きだから、どっちがだなんて決められないよぉ」
結衣「…………」
あかり「えっ? そんなことないよぉ」
結衣「恥ずかしいのは分かるけどさ、私とあかりの仲じゃないか。あかりの気持ち、教えて欲しいな」
あかり(本当にふたりとも同じぐらい大好きなんだけどなぁ……。今日の結衣ちゃん、なんか変)
あかり「そ、そういう結衣ちゃんはどうなの? 誰が好きなのか教えて欲しいな」
あかり「ぶーっ、どうでもよくなんてないよぉ。あかりだって結衣ちゃんのこと気になるよ」
結衣「えっ……!?」ドキッ
あかり(何だか結衣ちゃんの顔が真っ赤に……?)
結衣「あ、ああああかりは私のことがそんなに気になるのか?」
あかり「もちろんだよっ」
あかり(だって結衣ちゃんはあかりの大事な大事なお友達だもん!)
結衣「そうか。嬉しいなぁ……」
結衣「私が?」
あかり「怖い顔したかと思えば、いきなり嬉しそうな顔になったり……変なの」
結衣「あちゃー、そんなに顔に出てるのか。自分では気づかなかったよ」
あかり「結衣ちゃんって何でも出来るように見えて、どこかおマヌケな所があるよね」
結衣「言うじゃないか、あかり。そんな子にはこうしちゃうぞ」
あかり「あはっ! あははははっ! 結衣ちゃんだめっ。そこ、くすぐっちゃ……あんっ! だ、だめだってばぁ……」
結衣「おっと、私としたことが……つい京子みたいなことをしてしまったよ。ごめんごめん」
結衣「あはは……反省してます」
あかり「うーん、あかりには反省してるように見えないかも」
結衣「そんなことないって。悪かったよ」ニヤニヤ
あかり「ニヤケ顔で言っても説得力皆無だよっ!」
結衣「にやけてなんか……」
あかり「にやけてるもん。そんな結衣ちゃんにはお仕置きでーす!」
結衣「え……ちょ、ちょっとあかり!?」
あかり「今度はここをこーしてあーしてそーして……」
結衣「わ、私が悪かった! だからそろそろ……あはぁんっ!」
あかり「それじゃあこれぐらいで……あっ」ツルッ
どんがらがっしゃーん
結衣「あいたたた……」
あかり「うーん……大丈夫、結衣ちゃん?」
あかり(転んだ勢いで結衣ちゃんの上にのしかかる感じになっちゃった。怪我なんてしてないよね……?)
結衣「あ、あぁ。なんとかね……って、うわっ!」
あかり「どうしたの結衣ちゃん。どこかぶつけちゃった?」
結衣「い、いやそうじゃなくて……」
結衣(あかりの顔が目の前に、というか私とあかりの体が密着してるじゃないか)
あかり「なぁに、結衣ちゃん」
結衣「さっきの質問の答え、聞かせてくれないかな」
あかり「さっきの質問って……結衣ちゃんと京子ちゃんのどちらが好きかって言うこと?」
結衣「うん」
あかり「さっきも言ったけど、私はふたりとも同じぐらい……わっ!」
あかり「いきなりあかりの手を掴んでどうしたの、結衣ちゃん?」
結衣「私の胸の音、聞いてくれないか……ほら」
あかり(結衣ちゃんの胸、思ったより大きいなぁ。それにどくんどくんってしてる……)
あかり「も、もしかして結衣ちゃんって……」
結衣「うん。恥ずかしいんだけど、私は……」
あかり「心臓が病気になっちゃったの!?」
結衣「違うって」
結衣「それはね……」
あかり「それは……?」
結衣「あかりのことが大好きだから」
あかり「?」
結衣「あはは……やっぱりピンと来ないよね」
あかり「うん。だってあかりも結衣ちゃんのこと大好きだけど、胸はこんなにどくんどくんしてないし」
結衣(今のって何気にごめんなさい宣言にも聞こえるよね)
あかり「違うって?」
結衣「あかりが抱いてるのは友達として好きってものでしょ?」
あかり「うん」
結衣「私が抱いてるのはさ、それ以上っていうかなんていうか……恋人みたいな、感じ」
あかり「えぇっ! あかり女の子だよっ! 結衣ちゃんも女の子だよね……?」
結衣「やっぱ変だよね。でも私はあかりが大好きなんだ、恋人になりたいぐらいに」
あかり「結衣ちゃん……」
結衣「別に謝らなくていいよ。おかしいのは私の方なんだから」
結衣「あかりに打ち明けることができてすっきりとしたしね」
あかり「結衣ちゃん。本当に、本当にごめんなさーい!」ダッ
結衣「待って、あか……」
結衣「…………」
結衣「行っちゃった、か」
結衣「京子……」
京子「ん? 何かあったの?」
結衣「えっ?」
京子「結衣、なんだか悲しそうな顔してるじゃん」
結衣「なんでもないよ」
京子「まぁ結衣がそう言うんならいいけどさー」
京子「というか! なぜちなつちゃんがいないのだー!」
結衣「いきなり大声だすなって……というかあかりはスルーか」
京子「あ、あぁ……忘れてた」
結衣「ひどい部長だな、まったく」
京子(あかりと何かあったかと思ったんだけど、ハズレかな?)
京子「えー、一人じゃつまんなーい」
結衣「ごめん」
京子「何があったかは聞かないけどさ、あんまり抱え込むなよ?」
結衣「ん、ありがと。それじゃ……」
京子「…………」
京子「さて、何をするかな」
あかり「結衣ちゃん、あかりのこと……好きなんだ」
あかり「あかりも結衣ちゃんのこと好きだけれど……それは結衣ちゃんの好きとは違う」
あかり「でも、恋人って男の人と女の人がなるものだよね」
あかり「うーん、実はそうじゃないのかなぁ」
あかり「あかり、恋とかしたことないからよく分からないよぉ」
あかり「明日から気まずくなりそうだなぁ……はぁ」
京子「おっ、あかり」
ちなつ「おはよ、あかりちゃん」
あかり「おはよう京子ちゃんにちなつちゃん。あれ、結衣ちゃんは……?」
京子「なんか用事があるってさ」
ちなつ「結衣先輩に会えないなんて……チーナ、大ショック」
京子「安心したまえ。ちなつちゃんにはこの私がついているぞ! さぁ、私の胸に飛び込んできたまえー」
ちなつ「お断りします。行こ、あかりちゃん」
あかり「あはは……」
京子「そんじゃ、放課後ねー」
あかり「うん、あとでね」
ちなつ「早く結衣先輩に会いたいな……」
あかり(ちなつちゃんは結衣ちゃんのことがすごく好きだけれど、もしかしてその好きっていうのも……)
あかり(結衣ちゃんのためにあかりをキスの練習に使うぐらいだからなぁ。きっとそうなんだよね……)
ちなつ「どうしたのあかりちゃん、ため息なんかついて」
あかり「ちなつちゃんって、結衣ちゃんの恋人になりたいの?」
ちなつ「えっ! そりゃまぁ……うん、そうだよ。わたし、結衣先輩のこと大好きだもん」
あかり「そっか。ごめんね、いきなり変なこと聞いちゃって」
ちなつ「ううん。でもなんでこんな質問したの?」
キーンコーンカーンコーン
あかり「あ、チャイムなっちゃった。急ご、ちなつちゃん!」
ちなつ「う、うん」
櫻子「今日は竹輪の磯辺揚げだー!」
向日葵「少しは静かになさい、櫻子」
櫻子「えー! だって竹輪の磯辺揚げだよ?」
向日葵「わけがわかりませんわ……」
櫻子「あ、それよりもちなつちゃん!」
ちなつ「なに?」
櫻子「ちょっと耳貸して」
向日葵「吉川さんに変なこと吹きこむんじゃないでしょうね」
櫻子「違うってば。ちなつちゃん……」ゴニョゴニョ
ちなつ「っ!?」
あかり「わっ、ちなつちゃんの顔がまっかっかに……」
櫻子「うーん、それを言っていいかどうかはちなつちゃんにおまかせかな」
向日葵「はぁ? 一体どういうことですの、吉川さん」
ちなつ「えっと……誰にもいわないって約束してくれる?」
向日葵「えぇ、約束しましょう」
ちなつ「あのね、実は私……結衣先輩のことが好き、なの」
向日葵「! そ、それはその……友達以上、という意味で?」
ちなつ「うん……」
櫻子「朝にちなつちゃんとあかりちゃんが話してるのを偶然聞いちゃって。周りには私以外居なかったから大丈夫だと思うけど」
ちなつ「あかりちゃんがいきなりあんな話降ってくるから……もう」
あかり「ごめんね、ちょっと気になっちゃって」
ちなつ「女が女を好きになるなんて、変だっていうのは分かってるんだけどね」
櫻子「そうかな、別にいいんじゃない?」
向日葵「そうですわ! 私はむしろ応援いたしますっ!」
ちなつ「そう言ってくれるのは嬉しいんだけど、ちょっと声が大きいかも」
向日葵「ハッ! 私としたことがつい……」
櫻子「これだから向日葵は……やれやれだね」
向日葵「なんですって、櫻子のくせに!」
あかり「まぁまぁ、櫻子ちゃんも向日葵ちゃんも落ち着いて……」
向日葵「なーに年寄り臭いこと言ってるんですか櫻子。もう……」
櫻子「向日葵は好きな人とかいるの?」
向日葵「それは言えませんわね」
櫻子「言えないってことはいるってことだね。へー、向日葵に好きな人が……」ニヤニヤ
向日葵「勝手に決めつけないでくださる? そういう櫻子はどうなんですの」
櫻子「うーん……恋とかそういうのはない、かな」
櫻子「何で残念なの?」
向日葵「それは……中学生にもなって恋をしてないだなんて、櫻子は可哀想だなぁと思いまして」
櫻子「なにをー! 私は向日葵に負けてるだなんて認めないぞ!」
向日葵「誰も勝ち負けだなんて言ってないでしょ」
櫻子「ふんだ! 見ててよ向日葵。向日葵の好きな人よりもっと素敵な人を見つけてやるからね!」
向日葵「…………」
櫻子「ん? どしたの、いきなり黙って」
向日葵「な、何でもありませんわ! さ、早くご飯を食べましょう」
櫻子「ん?」
あかり「好きな人に告白してフラれたら……その人と、今まで通りの関係でいられると思う?」
櫻子「なんだか恋する乙女の質問って感じだね、あかりちゃん」
向日葵「ちゃかさないの」
ちなつ「あかりちゃん、それはもしかして私が結衣先輩にフラれるって思ってるってこと?」
あかり「違うよぉ。なんとなく気になっただけ」
ちなつ「それならいいけど。まぁ正直な所……難しいんじゃないかな」
向日葵「そうですわね。今まで通りっていうわけにはいかないでしょうね」
櫻子「えー、ふたりとも後ろ向きだなぁ。そりゃ恋人としてだけ見てればそうかもしれないよ」
櫻子「でもさ、恋人としてだけじゃなくって、友達としても大事な人なら大丈夫だと思うんだけど」
向日葵「そう? 告白するっていうことは恋愛感情を持ってるわけでして……友達としてだけ付きあおうとしても、どこかに恋愛的な物を抱いてしまうと思うのだけれど」
ちなつ「はぁ……結衣先輩に告白するべきか、しないべきか……」
向日葵「あ、ごめんなさい吉川さん」
ちなつ「ううん、謝らないで。私も向日葵ちゃんと同じような考えだから」
あかり(はぁ……ごらく部、行きたくないなぁ)
ちなつ「あかりちゃん、部室に行こ?」
あかり「うん……」
ちなつ「あれ、もしかして調子悪いの?」
あかり「そういうわけじゃないんだけど」
ちなつ「何だか今日のあかりちゃん、ちょっと変かも……って変なのはいつもか」
あかり「えぇっ! ひどいよぉ、ちなつちゃん」
ちなつ「あ、つい口が滑っちゃった」
あかり「もう、いじわる! 先に部室行っちゃうんだから!」
ちなつ「あ、まってよあかりちゃーん」
京子「おぉ、来たかちなつちゃーん!」
ちなつ「抱きつかないでください、鬱陶しいです」
あかり「あの、あかりもいるんだけど……」
京子「ん〜? あかりも私の愛のハグが欲しかったのかな?」
あかり「あ、それはいらないかも」
京子「ガーン! あかりにまで拒否されるなんて……もうだめだ、死のう」
あかり「えぇっ! 死んじゃダメだよ京子ちゃん!」
京子「ハグ、してほしい?」
あかり「えっ、それは……」
京子「してほしいよね?」
あかり「して、ほしい……かも」
京子「もう、あかりは甘えん坊さんだなぁ!」ガバァ
京子「そうだ! あかりをハグしてる場合なんかじゃなかった!」ポイッ
あかり「ひどいっ!?」
京子「結衣のやつ、調子悪いみたいで早退しちゃったんだよね……」
あかり「えっ……」
ちなつ「結衣先輩が?」
京子「うん。今から結衣の家に行こうと思うんだけど、どうする?」
ちなつ「行くに決まってるじゃないですか! ね、あかりちゃん?」
あかり(もしかして、昨日あかりが結衣ちゃんの告白を断ったから……?)
あかり(そうじゃないとしても、あかりが結衣ちゃんの家に行ったら迷惑じゃ……)
あかり「あかりは……」
ちなつ「え? それってどういうことなの……?」
京子「結衣とケンカでもしたのか?」
あかり「ケンカっていうわけじゃないけど……とにかくもうあかりは結衣と会っちゃダメなの!」ダッ
ちなつ「あかりちゃん!? 待って……」
あかり「ごめんなさい、ごめんなさい……結衣ちゃん」
あかり(あかり、昨日から逃げてばかりだよ……)
あかり「京子ちゃん!?」
京子「私から逃げようだなんて百年早いぞ、あかり」
あかり「離して、離してよぉ……!」
京子「離さない。あかりこそ話してよ」
あかり「あかり、何も掴んでないもん」
京子「そうじゃなくて、結衣との間に何があったかを話してってことなんだけど……」
あかり「あ」
京子「やれやれ……早とちりですなぁあかりさんや」
ちなつ「なんで?」
あかり「結衣ちゃんに内緒で話していいことじゃないって思うから」
あかり「結衣ちゃんが良いっていうなら話すよ」
京子「結衣の家には行く、ということでいいのかな?」
あかり「うん……あかりは結衣ちゃんとお話ししなきゃ、だめだもん」
あかり(本当はすぐにでも逃げたいけれど……それじゃ絶対に後悔する気がする)
あかり(って京子ちゃんが捕まえてくれなかったら、絶対に逃げてたのに、何言ってるんだろ)
ちなつ「ピンポン連打しないでくださいよ、京子先輩」
京子「分かってるって」
ぴんぽーん
京子「……反応がない」
ぴんぽーん ぴんぽーん
ちなつ「まさか結衣先輩の身に何かが!?」
ぴんぽーんぴんぽーんぴんぽーんぴんぽーん
京子「ちょ……ちなつちゃん、連打しちゃだめだって」
ちなつ「結衣先輩の身に何かあったらどうするんですか京子先輩!」
ぴんぴんぴんぴんぴぴんぽーん
結衣『うるさいぞ京子!』
結衣『人のせいにするなよ。こんなことをやるのはお前ぐらいだろーが。ねぇちなつちゃん?』
ちなつ「えっと、その……ごめんなさい」
結衣『ちなつちゃんが……嘘だろ』
京子「まったく、とんだ濡れ衣だよ! 謝罪を要求する!」
結衣『日頃の行いが悪い』
京子「やけに時間かかってたね。大きい方?」
結衣『そっかぁ、京子はその愉快なお口を縫って欲しいんだな?』
京子「妙に生々しい表現はやめてください」
結衣『とりあえず開けるよ』ガチャ
あかり「結衣ちゃん」
結衣「あかり……」
あかり「あのね、あかり、あかり……」
結衣「ここで立ち話もあれでしょ。上がってよ」
あかり「う、うん……」
ちなつ「結衣先輩、お身体の方は大丈夫なんですか?」
結衣「あー、うん。大丈夫だよ」
京子「早退する時の結衣、すごく調子悪そうだったから心配だよ。お茶なんていいって」
結衣「だいぶ落ち着いたから大丈夫だって」
京子「そっか。じゃあラムレーズンちょうだい!」
結衣「調子に乗るな」
京子「けちー」
あかり「いただきます」
京子「うっまーい! もういっぱーい!」
結衣「もっとゆっくり飲めよ……」
京子「和菓子が食べたくなるなぁ」
結衣「お前はどこまで図々しいんだ」
京子「冗談だって。それじゃ、そろそろ本題に入るとしますか」
チーナが好きなのはミルクティーと抹茶だわ
結衣「……あかりにはどこまで聞いたの?」
京子「何も……あ、違うか。結衣とあかりに何かがあった、っていうのだけは知ってる」
結衣「そっか。あかり、京子とちなつちゃんに話していい?」
あかり「あかりは結衣ちゃんがいいなら、いいよ」
結衣「分かった。それじゃ、昨日あったことを話すとしよう――」
ちなつ「そんな……」
京子「結衣が早退した理由っていうのは……」
結衣「昨日のことをふと思いだしたら、気分が悪くなってね。情けない話だけど」
あかり「結衣ちゃん、その……」
結衣「謝ったりしちゃだめだよ。あかりは何も悪いことなんてしてないんだから」
あかり「でも」
結衣「いいの。むしろ謝ったりしたら怒るかもよ」
ちなつ「そう、ですね」
京子「ちなつちゃん……」
結衣「明日はちゃんと集合場所に行くから」
京子「寝坊したら置いて行くぞ?」
結衣「それはこっちの台詞だっての。それじゃあね」
京子「おう」
ちなつ「お邪魔しました、結衣先輩」
あかり「お邪魔しました……」
ちなつ「はい?」
京子「明日になれば、いつも通りのごらく部が戻ってくる」
ちなつ「それはどうでしょうね……私は結衣先輩のことが好きだったけれど、結衣先輩はあかりちゃんのことが好きで」
ちなつ「でも結衣先輩はあかりちゃんにフラれて……」
ちなつ「いつも通りのごらく部が戻ってくるなんて、ありえませんよ」
ちなつ「別に誰が悪いっていうわけじゃなくて、ほんのささいなすれ違いが起きてしまっただけ」
京子「私たちの友情って、そんなにもろいものじゃないと思うよ」
ちなつ「いきなり立ち止まってどうしたの、あかりちゃん」
あかり「ごめん京子ちゃん、ちなつちゃん……先に帰ってて」
京子「いいけど……何するの?」
あかり「あかり、今日は結衣ちゃんの側にいたい」
ちなつ「告白断ったのに、そういう中途半端なことはしないほうがいいと思うけど」
京子「うーん、ちなつちゃんの言う通りだと思うぞ」
あかり「分かってる。でも……」
京子「ま、止めたりはしないけどさ。行こう、ちなつちゃん」
ちなつ「……はい」
京子「言ったよー。それがどうかしたの?」
ちなつ「先輩は今回のことにあまり関わりがないから、そんなことが言えるんですよ……」
京子「うーん、そうでもないんだよねー」
ちなつ「え?」
京子「だってさー、私はちなつちゃんのことが好きだし」
ちなつ「いや、京子先輩の好きと私や結衣先輩の好きでは違うんじゃ……」
京子「違わないんだな、これが。私は恋愛的な意味でちなつちゃんのことが大好きだよ。キスしたいなぁ……とか思ってるし」
ちなつ「京子先輩……?」
京子「でも、友達としてもちなつちゃんのことは大好き!」
京子「ちなつちゃんだって結衣のことを、結衣だってあかりのことをそう思ってるんじゃないかな」
ちなつ「いやいや……みんなが京子先輩と同じような考えっていうわけじゃないんでしょう」
京子「そりゃそうだけどさ……まぁ、なんとかなるって。マイペースでいきましょー」
ちなつ「はぁ……本当にお気楽ですね、京子先輩。まぁ先輩のそういう所、嫌いじゃないですけど」
あかり(戻ってきたはいいけど、インターホンを鳴らす勇気がなかなか出ない……)
あかり(指がぷるぷる震えて前に進まないよぉ……)
あかり(…………)
あかり(あれ? 何か聞こえる……)
結衣「うぅっ……ぐすっ……」
あかり(結衣ちゃん……泣いてる)
結衣「あかり……胸が張り裂けそうなぐらい好きなのに……なんで、なんでだよぉ……うぅ、うわぁぁぁあんっ!」
あかり(ごめんね、ごめんね……)
あかり(でも恋とかそういうのじゃなくて……)
あかり(…………)
あかり「そうじゃなくても、結衣ちゃんの告白を受け入れてれば……」
あかり「結衣ちゃんがこんなに苦しい思いをすることもなかったのかな」
あかり「あかりが、あかりが結衣ちゃんの恋人になってれば……!」
結衣「それは違うんじゃないかな」
あかり「結衣ちゃん!?」
結衣「途中から声にでてたぞ」
あかり「えぇっ!」
結衣「まったく……盗み聞きとはあまり関心しないぞ」
あかり「ご、ごめんなさい! 盗み聞きしようとしたわけじゃなくて、インターホンを鳴らす勇気がなかなかでなくて……」
結衣「そんなことだろうとは思ったけどね」
あかり「少し、お話できるかな」
結衣「泣きすぎて多分ひどい顔してるから……このまま扉越しでいい?」
あかり「うん」
結衣「…………」
結衣「さっきも言ったけどさ、私のためにっていうなら……それは何か違うと思うんだ」
結衣「そんな理由で付き合い始めても、きっと長続きしないよ」
あかり「そうかな? あかりはそういう理由でも、いいんじゃないかって思うよ」
あかり「あかりと結衣ちゃんが付き合うことで結衣ちゃんが幸せになるなら、あかりもとっても幸せになると思う」
結衣「でもそれじゃああかりの気持ちはどうなるのさ。さっきから私のことばかり……」
あかり「結衣ちゃんが嬉しければ、あかりも嬉しいって言ってるのに……」
結衣「そんな考えじゃ私は納得できないぞ。二人とも幸せだとしても、私のことばかり優先しているじゃないか」
あかり「じゃあ、結衣ちゃんは逆のことを考えてくれればいいんじゃないかな」
結衣「逆?」
結衣「もちろんだよ……あ、そういうことか」
あかり「うん。あかりは結衣のことをたっくさーん考えて、結衣ちゃんはあかりのことをたっくさーん考えて……」
あかり「そうすれば、ふたりともとっても幸せになるんじゃないかな」
結衣「あかり……うぅ、うぅっ……」
あかり「え、ど、どうして泣くの結衣ちゃん!?」
結衣「何でだろ。嬉しいはずなのに、涙が止まらないや……」
あかり「結衣ちゃん……あ、あれ? 何で? あかりも、あかりも涙が止まらないよぉ……」
結衣「あかり?」
あかり「うー、寒くなってきた。そろそろお部屋に入れてぇ」
結衣「あっ、ごめん。すぐに開ける」ガチャ
あかり「ぷっ……結衣ちゃんすごい顔してる」
結衣「あかりだって泣きすぎて顔が真っ赤だぞ」
あかり「もう、結衣ちゃんのいじわる!」
結衣「あかり……」
あかり「だ、だだだだだめだよぉ結衣ちゃん! キスはまだだめ!」
結衣「えぇっ、そんなぁ」
あかり「こういうものには段階があるんだよっ!」
あかり「結衣ちゃん家にお泊りするの、久しぶりだなぁ。二人きりっていうのは初めてだね」
結衣「たまに京子が一人で泊まりに来るけどな」
あかり「そうなんだー。いいなぁ」
結衣「そこは嫉妬するところだと思うんだけど」
あかり「え?」
結衣「いや、なんでもないよ。それじゃ、電気消すぞ」
あかり「うん」
結衣「あかりの身体も温かいぞ」
あかり「えへへ……誰かの身体を抱きしめて寝るなんて初めてだよぉ」
結衣「そうだな。緊張して眠れないかも」
あかり「明日は学校だから寝坊しないようにしないとね」
結衣「そうだな。おやすみ、あかり」
あかり「おやすみなさい、結衣ちゃん」
京子「おやおやー? お二人で登校とは仲が良いですなー」ニヤニヤ
ちなつ「あかりちゃん……これ、どういうことなのかなぁ?」
あかり「えっとね……」
結衣「私とあかりは付き合うことになったんだ」
ちなつ「ええええええええええええええっ!」
京子「おめでとー」
あかり「あはは……」
京子「大丈夫、ちなつちゃんには私がついてるから!」
ちなつ「…………」
京子「やっぱりスルーですか。厳しいねぇ」
ちなつ「ま、まぁ考えておいてあげますよ」
京子「えっ! 本当? やったー!」
ちなつ「考えておくって言っただけです。そんなに嬉しそうな顔しないでください」
京子「だって嬉しいんだもーん」
ちなつ「ったく、すぐに調子に乗るんだから京子先輩は……」
あかり「京子ちゃんらしいけどね」
結衣「まぁな。それじゃ……行こう?」
あかり「うん!」
あかり(結衣ちゃんの手は、あかりよりほんの少し大きくて、とっても温かくて……大好き)
京子「なにー! よーし、私達も手をつなぐぞちなつちゃん!」
ちなつ「お断りします」
京子「えーっ! もう、恥ずかしがり屋だなぁちなつちゃんは」
ちなつ「別に恥ずかしいわけじゃないので」
京子「じゃあ繋ごうよ!」
結衣「おい……そろそろ置いてくぞ」
ちなつ「待ってくださいよ結衣先輩!」
京子「あぁっ! いきなり走らないでよちなつちゃんっ!」
あかり「京子ちゃんも早く早くー!」
おわり
素晴らしい
千歳「微笑ましいな〜って、綾乃ちゃん?大丈夫?」
綾乃「え、ええ…ちょっと立ちくらみが…」
千歳「…ほ、保健室とか…行く…?」
綾乃「…い、いいわよっ」フラッ
千歳「…」
綾乃「…」
綾乃「としのーきょーこぉ…」ボソッ
千歳「綾乃ちゃん…」
綾乃「…どうしてなのよ…」グスン
千歳「…しゃ、しゃーないって、な?綾乃ちゃん。ぷ、プリンおごってあげるからその…」
綾乃「…千歳も!鼻血でなくなって辛いんじゃないのっ」
千歳「…そ、そうやなぁ…うちも最近調子悪いことは悪いんやけど…」
綾乃「…あああ、としのーきょーことしのきょーこどうしてあんな吉川さんと…」
綾乃「あんな吉川さんと!吉川さんは罰金バッキンガムよ…」グスン
千歳「せ、せやけど吉川さんのこと悪く言うたらあかんで綾乃ちゃん…だってこれは歳納さんが―…」
綾乃「…わかってるわよ!としのーきょーこが吉川さんずっと好きだったってことくらい!」
綾乃「…でも…!でも…!このままじゃ終われないわよ…っ」グスン
綾乃「こんなバッドエンドは罰金バッキンガムよ…」
千歳「…そうやなぁ。綾乃ちゃん…」
綾乃「…ん?」チラッ
千歳「…やりなおしたい?」
千歳「…うん、わかった。やりなおそっ、綾乃ちゃん」グイグイ
綾乃「えっ、ちょ、ちょっと千歳〜?!」
千歳「…ついてきてついてきて!ええもんがあんねん!」
綾乃「な、なにこのでっかい装置…」
千歳「…みての通り、タイムマシンやで!」
綾乃「え、ええ〜!? …エェー?!」ビックラタマゲタッ
綾乃「で、でもこんなものなんで千歳が…」
千歳「西垣先生から借りたねん!!今日一日は貸してくれるって!」
綾乃「そ、そう」
千歳「…どうする?綾乃ちゃん。過去に戻る?」
綾乃「も、戻るわよ! じゃ、じゃあとりあえず―」
千歳「…そうやな、じゃあ>>1の時間までもどろか」ポチットナっ
1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/05(木) 19:02:39.28 ID:Zh/6kqVx0
結衣「ねぇ!あかり!あかり?!」
あかり「ゆ、結衣ちゃんと京子ちゃんがすきだよぉ…」
結衣「ほ、ほんとに?!」ウズウズ
ポンッ
綾乃「うわっとどっこいっ」
綾乃「…ってこ、ここは…?! ち、千歳…?」
千歳「…ワープ成功やな!」テクテク
綾乃「え、ええ…(まさか本当にタイムスリップできるなんて思わなかったわ…)」
綾乃「…で、ど、どうすればとしのーきょーこは吉川さんと―」
千歳「…そうやなぁ…」
千歳「…そうやなぁ。あっ。も、もしかしたら綾乃ちゃん」
綾乃「ん?」
千歳「最初に付き合い始めた赤座さんと船見さんに、なんか秘密があるんかも!」
千歳「もしかしたらそれでバランスが崩れて歳納さんは吉川さんと〜…ってのもあるかもしれん!」
綾乃「…! た、確かにそれは言えてるかも…!と、言うことはまず船見さんのフラグを折れば―」
千歳「…なきにしもあらずやねっ」ドヤァ
綾乃「よし!ならいくわよ〜!千歳〜!船見さんをバッキンバッキンガムよ!!」タッタッタッ
結衣「あ、あかりって誰がすきなのっ」バッ
結衣「ねぇ!あかり!あかり?!」
あかり「ゆ、結衣ちゃんと京子ちゃんがすきだよぉ…」
結衣「ほ、ほんとに?!」ウズウズ
あかり「う、うん…」
結衣「…」ニヤニヤニヤニヤニヤ
あかり「(なんか結衣ちゃん…顔こわいなぁ…)」
結衣「あ、あかりっ」
あかり「な、何結衣ちゃん」
結衣「ほ、頬スリスリしていい?」
綾乃「話は聞かせてもらったわよ〜!船見さん!」ガラガガラガラ
千歳「おじゃまします〜」
結衣「…えっ??! えっ?! な、何で綾乃と千歳が…っ?!」
綾乃「頬すりすりなんて罰金バッキンガムよ!!船見さん!」バッキン
なんかすげー
綾乃「船見さん?!」バッキン
結衣「ちょ、ちょっと待って綾乃、か、考えさせて」
結衣「(た、確か今日京子は日直の仕事…で、ちなつちゃんは今日は用事でごらく部に来れない)」
結衣「で、ごらく部によく来る綾乃と千歳は、今日はちょうど生徒会の仕事が立て込んでてごらく部来れない…)」
結衣「(…そういう日だからこそ、あかりとほんとに二人っきりになれる…と思って)」
結衣「(い、今からあかりにこ、告白するつもり…なんだけど)」
結衣「(もしかして私が日付の計算を誤った?! で、でも何回もカレンダーみて確認はしたし…)」
結衣「(う〜ん…なんでだ、なんで綾乃と千歳が今日ここに…)」ウ〜ンウ〜ン…
綾乃「い、いいわよっ」
結衣「…生徒会の仕事は?どうしたの?」
綾乃「きょ、今日は休憩の日なのよっ」ヒヤヒヤ
結衣「…じゃあ明日は?」
綾乃「あ、明日はふつーにあるわよっ」ヒヤヒヤ
結衣「そ、そう…」
結衣「(おかしいな…確か明日は二年生の研究授業で、生徒会はないはず…)」
結衣「(…でも綾乃は明日生徒会ふつーにあるって言った…なんでだろ…)」
結衣「(…さすがに生徒会副怪鳥の綾乃が、生徒会の日程間違えるなんて…なぁ…)」ギロッ
綾乃「な、なによ船見さんっ」
結衣「…なんでもない」
千歳「…う、うちもなんでもないでっ」
結衣「…うん」
結衣「ま、待って。い、一緒にいこっ。わ、私もトイレ行きたかったんだっ」
あかり「…じゃあいっしょにいこっか」ニコッ
結衣「う、うん」デレっ
ガラガラガラガラ…
千歳「…デレとるな、船見さん」
綾乃「ええ!と、いうことはこの時から完全に船見さんは赤座さんのことを…っ」
千歳「そうやね」
綾乃「…なんとしてもフラグをつぶなさいとっ!」
櫻子「ムキーッ!杉浦先輩と池田先輩遅い〜!」
向日葵「そうカッカしなさいな。先輩たちならもう時期きますわよっ」
櫻子「えーでももう30分以上も遅刻してるしー」ブーブー
向日葵「…すぐにきますわよ。…櫻子も手動かしなさいな。今日の仕事が終わりませんわよっ」
櫻子「ムキーッ!めんどくさいからやだー!」
向日葵「…まったく櫻子は」ヤレヤレ
ジャーッ…
あかり「えへへ、あかりおトイレ我慢してたからたくさんでちゃったよぉ」ニッコリ
結衣「お、おう(この表情のあかりもかわいい…)」ニヤニヤ
あかり「? 結衣ちゃんどうしたの?あかり今何か変なことした?」
結衣「い、いやべつにっ」
あかり「う、うん」
結衣「…」チラチラ
あかり「…?」
結衣「…」ジィーッ ニヤニヤニヤニヤニヤ
あかり「(今日の結衣ちゃん何か怖いよぉ…)」
あかり「うん(友達として)だいすきだよぉ」ニッコリ
結衣「ほ、ほんとに?!」
あかり「うんうん!」
結衣「…えへへ」バッ
あかり「ちょ、ちょっと結衣ちゃん?!て、手首つかまないでよっ」
結衣「…えへへ、えへへ…」ズルズル
あかり「ちょ、ちょっと結衣ちゃん?! …お、おトイレはさっき行ったしだいじょB」
ガチャン
結衣「…えへへ、えへへ」エヘヘ
あかり「ちょ、ちょっと結衣ちゃん?!」
結衣「…頬すりすり」
あかり「…?」チラッ
結衣「…ほ、頬スリスリさせてくれたらここどいてあげるよ」ニッコリ
あかり「…わ、わかったよぉ…ほ、頬スリスリしていいよ」
結衣「…えへっ、えへへ、えへへ」スリスリスリスリスリスリ
あかり「…、…」
結衣「(やっぱりあかりはかわいいなぁ)」デレデレ
結衣「(一生くっついていたいくらい…)」デレデレ
あかり「な、なに結衣ちゃん」
結衣「き、ききききききキス、とかしないっ?」
あかり「…えっ?」
結衣「…あ、あかりって私のこと好きじゃないの?」
あかり「だいすきだよぉ」
結衣「じゃ、じゃあキスしようよっ」
あかり「えっ」
結衣「えっ」
あかり「(…えっ?さ、最近は友達同士でキス…とか普通なのかな…)」
結衣「(なんだよあかり…それって結局私を恋人としてみてくれてないってことじゃんか…)」ウルウル
あかり「だいすきだよぉ」
結衣「恋人として?友達として?」
あかり「こ、こい…びと?あかり女の子同士の恋はよくわかんないや」
結衣「そ、そう…」
結衣「…」タッタッタッタッ…
あかり「あっ!ちょっと結衣ちゃん?!待ってよぉ」タッタッ…
結衣「(…やっぱりあかりは、私の事恋愛対象にみてくれてないんだ…)」グスン
結衣「(なんで…なんでなんだよ・・・・っ!ああ、ああああ!!!)」タッタッタッ
〜ごらく部〜
綾乃「…二人ともトイレ遅いわねっ」
千歳「そうやね。暇やね」
綾乃「ええ」
千歳「おっ。帰って来たんとちゃう?」
綾乃「ええ」ワクワク
結衣「…」テクテク
綾乃「(船見さん…ずいぶんと目が赤いわね)」ボソッ
千歳「(赤座さんにふられたんとちゃう?)」ボソッ
綾乃「(ええ、そうねっ。これで船見さんと赤座さんのフラグはバッキンバキバキよ!)」ボソッ
千歳「(うんうん)」ボソッ
結衣「…じゃ、あかりがきたら先帰ったって、いっといて」
綾乃「ええ!」
結衣「…ばいばい…」テクテク
ガラガラガラ…
綾乃「…どうやら作戦は大成功みたいね!!!!」ドヤァ
千歳「そうやねっ!!この調子やね!!」
あかり「…」ドンヨリ
ちなつ「…あかりちゃん?どうしたの?」
あかり「ちょ、ちょっと寝不足で―…」
ちなつ「そ、そう」
あかり「うん…」ドンヨリ
ちなつ「(あかりちゃん何かあったのかな…)」
〜放課後・ごらく部〜
京子「よーし!今日は一番乗りだなっ!」
ちなつ「あれっ、京子先輩、結衣先輩は?」
京子「結衣―…は、今日は学校来てないみたいですね」
ちなつ「そ、そうですか…チーナショックですぅ…」ガーン
京子「ちなつちゃんには私がいるじゃないか!さあ!飛び込んできたまえこの胸に〜!」
ちなつ「お断りします!!」
ちなつ「う〜ん掃除当番でもないし…何してるんですかねー」ズズズーッ
京子「う〜ん…」ズズズーッ
ちなつ「…そういえば、今日何で結衣先輩学校休んでるんですか?」
京子「う〜ん、詳しくは聞いてないけど」クルッ
ちなつ「はい」
京子「病気とかそんなんじゃないみたいだよ〜。昨日電話かけても咳とかしてなかったし」
ちなつ「へぇ〜。じゃあ何で結衣先輩休んでるんですかね?」
京子「さぁ〜な〜?」
結衣「…ううう…うう…」
結衣「なんであかりは…なんであかりは…私の事…恋愛対象にみてくれないんだよ…」
結衣「…女が女を好きになる…って、そんなにありえないこと…なのかなぁ…」
結衣「…はぁ」ウルウル
結衣「あかり…あかり…あかり…あかり…あかりぃ…」グスン
結衣「ぁぁ…ぁ…かりぃ…こんなにすきなのに…どぉして…」グスン
結衣「…」ウルウル
ガラガラガラ…
あかり「…みんなあっかり〜ん…」どよーん…
京子「うわっ!あかり、どうしたの!!そのテンション…!」
あかり「…えへへ、えへへ…」
ちなつ「あかりちゃん、今朝からずっとこの調子なんですよ」
京子「そーかー」
あかり「…えへへ、えへへ…」
京子「…あかり、結衣と何かあった?」
あかり「え、あ…な、なんでもないよっ」ヒヤヒヤ
ちなつ「(あったんだ…あかりちゃん嘘言うの下手だなぁ…)」ボンヤリ
京子「…昨日結衣と、なんかあったんだな?」
あかり「な、なんでもないって!」
京子「ほらほら〜!なんでも相談したまえ〜?!この京子様がどんな無理難題でも解決に―」
あかり「…からかわないでよ!!」
あかり「そ、それは…」
京子「…言えないような、こと…なの?」
ちなつ「…」ジィーッ
あかり「…」コクッ
京子「…そう」
あかり「…うん。みんな…ごめん…ね?」ウルウル
京子「…結衣ん家いこう!」
あかり「え、で、でででもぉ…」ウルウル
ちなつ「ええ!」
あかり「うう…」ウルウル
京子「…仲直り、しようぜっ」
あかり「で、でも…それでもあかりは…あかりはやっぱり…!」
京子「…うんうん。わかった、わーったからはやく結衣ん家いくぞ〜!お〜!」
ちなつ「お〜!」
あかり「お、お〜…。…」
綾乃「じゃあ今日の仕事はこれこれこれとあーでこーで、で、頼んだわよっ」
千歳「堪忍な〜?今日はほんまごめん〜うちら用事やね〜んおさき〜」
向日葵「わかりましたわ」
櫻子「…」ぷすーっ
櫻子「ああもう!二日連続杉浦先輩と池田先輩がいない!仕事が進まない!」
向日葵「しょうがありませんわ。先輩方にもどうしても外せない用事だったんじゃありませんの?」
櫻子「…そ、そりゃー…そう…だと思うけどさ〜」プンプン
向日葵「こらっ。櫻子。そちらの束だけ進みが遅いですわよ」
櫻子「キィーッ!向日葵のおっぱいばか〜!」
向日葵「おっぱいばか?!ばかとはなんですばかとは〜〜!」
櫻子「やったな〜?!!」
ピンポーン ピンポーン…
京子「あれっ…おっかしーなぁ…結衣でないや」
ちなつ「う〜ん、チーナ心配です〜」
あかり「あ、あかりも心配だよぉ…」ウルウル
京子「携帯に何度かけてもつながんないし、どうしちゃったんだろ結衣…」
ちなつ「…、…」ドンヨリ
あかり「…」シュン…
京子「しょーがないなー。今日はもうかえろっか〜。な〜…」
ちなつ「ええ…」
あかり「う、うん…」
あかり「?!」ビクッ
京子「ん?どったのあかり〜」
ちなつ「あかりちゃん?」
あかり「(こ、これってもしかして―結衣ちゃんの泣いてる声―かなぁ…?)」
あかり「(…でもぉ…いやだよぉ今結衣ちゃんに会ったりなんかしたら…帰ってきまずいよぉ…)」
京子「? あかりはやくかえるぞ〜」
あかり「(…でも!やっぱりこのままじゃ…あかり…なんか…いや!)」
あかり「(女の子が女の子好きになってたからって…そんなの…そんなの…)」
あかり「(やっぱり結衣ちゃんの気持ちにちゃんと答えてあげたいよぉ…)」
ちなつ「…あかりちゃん?」
あかり「…やっぱいいや。先行ってて」
京子「お、おう」
ちなつ「ええ」
あかり「…結衣ちゃん」
あかり「…結衣ちゃん…今私、結衣ちゃん家の前だよ、っと…」メルメル…
あかり「…、…」
あかり「(女の子が女の子を好きになる…って、よくわかんないけど…)」
あかり「(でも…好きなのは同じだから…ちゃんとあかりもこたえてあげたいよぉ…)」
あかり「(あかりは…あかりは…結衣ちゃんのことが…っ)」ドキドキ
ガチャン
結衣「…あ、あかりぃ…?」ポロポロ
あかり「結衣ちゃん?!」
綾乃「ふぅ!やっと追いついたわね!ここが船見さんの家の前…」コソコソ
千歳「そうやな。ここが正念場やな、綾乃ちゃん!」
綾乃「ええ!ここのフラグ…さえ立たなければ、としのーきょーこは吉川さんなんかには…!」
千歳「うんうん」
あかり「あ、あのねっ。あのねっ」
結衣「…あか…り…やっぱ…り…わ、私のこと…す、すきじゃ…」ポロポロ
あかり「…あ、あかりはだいすきだよ!? 結衣ちゃんのこと!」
結衣「…と、ともだち…と…し…て…だろ?」ウルウル
あかり「う、うん…」
結衣「…あ、あああ…」ポロポロ
あかり「結衣ちゃん…」
あかり「…ご、ごめん…」
結衣「うう…ううう…」ウルウル
綾乃「やった!やったわよ!」
千歳「うんうん。あとは歳納さんだけやな。歳納さんとこみにいく?」
綾乃「ええ!」サササッ
あかり「あ、あかりは…その、やっぱり女の子が女の子を好きになること、よくわかんないの」
結衣「うう…そう…だよ…な…。ごめん…ごめん…あかり…」
あかり「でもね?結衣ちゃん。好きじゃないけど、なんていうか。その…その…」
結衣「…あかりぃ…だいすきだぁ…だいすき…すき…」グスン
あかり「えへへ。何だかぽかぽかな気分になっちゃった」エヘヘ
結衣「…あ、あかり…ぃ?」ウルウル
あかり「…あかり、その、なんていうか、人を好きになるって、よくわかんないの」
あかり「でも…、昨日からずーっと、ずぅーっと、結衣ちゃんのこと考えてると」
あかり「何だか胸がドキドキするの。それで、今好きって言われたらすごいぽかぽかな気持ちになっちゃった」
あかり「…これは…その…なんなのかあかりにはよくわかんないよぉ」
あかり「だから…あかり、結衣ちゃんのこと、なんていうか、その…その…」
結衣「…い、今すぐには言えない、…ってこと?」グスン
あかり「う、うん…だ、だから…その…」
結衣「…うん。わかった…。待つ…待つよ…」グスン
あかり「ご、ごめん結衣ちゃん…」
あかり「…結衣ちゃん?!何か言った?」
結衣「な、なんでもっ。あっ、そうだプリン焼いたんだ、食べてかない?」ニッコリ
あかり「うん!」
ちなつ「結衣先輩大丈夫ですかね〜」
京子「大丈夫大丈夫!結衣とあかりの事だし、明日には仲直り仲直り!」
ちなつ「…だといいんですけどね〜…」
京子「…ちなつちゃんはやっぱり私より結衣のほうがいい?」
ちなつ「当たり前です!」
綾乃「ふう!こっちも着いたわね!きっとこっちも完璧なはずよ!」
千歳「せやな!」
京子「…ちなつちゃんは、結衣の事、ものすごく心配?」
ちなつ「心配です!結衣先輩がいなくなったら、私どうすれば…」ウルウル
京子「…そっか。…じゃあ今、寂しい?」
ちなつ「ちょ、ちょっとは…その…寂しい…です」
京子「…だったら私の胸に飛び込んできたまえちなつちゃーん!」デデン!
ちなつ「…、きょ、今日だけですからっ」
京子「へへっ」
ちなつ「きょ、今日だけですからっ」ギューッ
京子「うんうん」ギューッ
ちなつ「…、…」ギューッ
ちなつ「わ、私が厚着してるからじゃないんですか?」
京子「…うんうん?違うよ?ちなつちゃん抱きしめてると…なんていうか、体の芯から温かいんだ」
ちなつ「そ、そーですか?」
京子「ち、ちなつちゃんは…ど、どう」
ちなつ「…温かいですよ?京子先輩って意外に体の線細いんですね〜」サワサワ
京子「こ、こらっ ちなつちゃん、へ、変なとこさわらないでっ」ゴワゴワ
ちなつ「♪」
京子「…、…」ギューッ
ちなつ「…」ギューッ
京子「…手、とかさ、つないで帰らない?今日」
ちなつ「え〜。もうちょっとギューってしてからでいーです」
ちなつ「♪」ポカポカ…
京子「…ほ、惚れた?私に!」
ちなつ「だ、だから今日だけですってばー!」
京子「うわ〜!デレた〜!ちなつちゃんがデレた〜!…で、私のこと、好きになった?」
ちなつ「ま、まあちょっとは。ちょっとはですよちょっとは!!」カァーッ
京子「うわ〜!デレた〜!ちなちゅがデレた〜!」ニッコリ
綾乃「えっ。こ、これって…」
千歳「あかん。ふ、フラグ立ってしもた」
綾乃「ど、どうすればフラグを…」
千歳「…綾乃ちゃん。これは…もうあきらめるしか…ないで…」カタポン
綾乃「そ、そうね…。…。…。…。…」
京子「な、なに?」
ちなつ「や、優しくしてくれたごほーびに、キスしてあげます!」チュッ
京子「?! ん…」
ちなつ「…きょ、今日だけですからねっ///」
京子「あ、ありがと…」デレデレデレ
綾乃「ああもう!ディープキスまでしちゃったじゃにゃい!!」グスン
千歳「こらこら綾乃ちゃんあんまり大きな声だしたら、歳納さんにバレ―」
京子「あっ。綾乃じゃん。そこで何してんの?」
綾乃「えっ、あっ、あっ、ああああー!!」タッタッタッ
千歳「ほなまたな〜?」タッタッタッ
京子「?」
綾乃「ああもう!あんなんじゃとしのーきょーこと吉川さんが付き合うまで秒読みじゃない!」
千歳「しゃ、しゃーないなぁあればっかりは…もう…」
綾乃「ああもう!タイムスリップした意味がないじゃない!」バッキンバッキン
千歳「せやなぁ。もしかしたらな?綾乃ちゃん?人の恋路は邪魔したらあかんとかそういうことなんかも―」
綾乃「ああもう!やり直すわよ!私は!待ってなさいとしのーきょーこー!!」
千歳「う、うん…」
〜生徒会室〜
櫻子「ああもう!今日もぜんっぜん仕事が終わりそうにない!」イライラ
向日葵「…そうですわね…」グッタリ
向日葵「…そうですわね。ちょっと一息いれ―」ガタッ
櫻子「うわ〜!だっせー向日葵転んでやんの〜!」
向日葵「…さ、櫻子、こ、これって…?!」
櫻子「うわっ なにこれ」
西垣先生「…そうだ。タイムマシンだ」スッ
向日葵「(急にでてきたからびびりましたわ…)」
西垣先生「そうだ。これはタイムマシンだ。もっぱら試作品だけどな」
櫻子「おーすげー!使ってみてもいいですか?」
西垣先生「ああ!」
向日葵「さ、櫻子が行くなら私もいきますわっ」マスワッ
西垣先生「う〜ん、試作品だからな。まあ一か月くらいかな」
櫻子「一か月か〜へぇ〜すげぇ〜!」
西垣先生「ま、このタイムマシンに乗っても過去は変えられないけどな!」
向日葵「そ、そうなんですか…」
向日葵「(なんだか哲学的なものを感じますわ…)」
櫻子「よし〜、じゃあえっとね、えとね…二日前に戻りたいです!」
櫻子「杉浦先輩と池田先輩がいる時間軸なら、仕事も楽そうだし!」
向日葵「いいですわね。それになさい!」ワクワク
西垣先生「…おし、っと。じゃ、何かあったらすぐ戻ってくるんだぞ?」
櫻子「はい!」
向日葵「わかりましたわ!」
>>1に戻る おわり
本編(>>1〜)↓
↑ 綾乃ちゃんタイムスリップ
↑ ↓
櫻子タイムスリップ(二日前へ)
無限ループへ!
実はこのスレ立てた>>1だけど乗っ取り返ししたたたたたっwwww
乙ですたwww
いずれにしても体制はこのままなのね
乙でした
Entry ⇒ 2012.05.01 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
綾乃「たった一つのお願い」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334074568/
綾乃「んー…」
時刻は放課後の部活活動時間、生徒会室副会長は生徒会室の長机で頬杖をつきながら悩んでいた
千歳「どないしたん?綾乃ちゃん」
綾乃「…」
千歳「あ、歳納さん絡みやろ?」
綾乃「…え?ま、まぁね…」
千歳「やっぱりなぁ、うちなら話聞いたるよ?」
綾乃「ありがとね千歳」
千歳「ええってええって、話してみ?」
『テストで私が勝ったら茶道部部室から退去してもらう』と。
千歳「で、勿論綾乃ちゃんは歳納さん達から本当に部室を取り上げようなんて思てる訳なく…」
綾乃「でも折角勝てたんだから何かしたいじゃない?」
千歳「そうやなぁ…」
あかり「ドロー2!」
京子「ドロー2!」
結衣「ドロー2」
ちなつ「ドロー2」
あかり「うう…酷いよぅ…」
結衣「あかり不憫な子」
京子「手札が20枚超えてるのなんて始めて見た…」
ちなつ「あかりちゃん、少し泣きそうになってます」
あかり「ごめんねみんな、あかりが弱すぎるんだよね…」
京子「あかりは前向きだなー」
京子「我輩は飽きたぞ!」
結衣「数秒の間に何があった」
ちなつ「確かにやることないですもんね」
京子「なんか楽しいことないかねぇ」
結衣「うーん…」
結衣「お泊り会でもするか?」
千歳「『私の言う事なんでも一つ聞きなさい!』とかどや?」
綾乃「まずは鼻血を止めなさいな」
千歳「あはは、冗談や」
綾乃「でもそれなら歳納京子と少し近づける、かな…」
千歳「ま、そう早よう決めんくてもいいんちゃうかな?」
綾乃「そうかもしれないわね…」
千歳「そやそや、とりあえず仕事片付けてからまた考えよや」
綾乃「そうね、さて…」
ダダダ ガラッ
京子「綾乃~っ!」
綾乃「とっとと歳納京子っ!」
千歳「歳納さんどうしたん?」
『お泊り会しようぜ!』
千歳「で、綾乃ちゃんはどうするん?」
綾乃「船見さんの家、と言っても歳納京子と一夜を共にするのよね…」
千歳「一夜って…」ブファ
綾乃「ちょ!千歳鼻血の量が半端じゃないわよ!?」
千歳「だ…大丈夫や…」ガタガタ
綾乃「とっ…とりあえず…」
千歳「行くん?」
綾乃「そうね…」
ちなつ「お泊り会なんて楽しみすぎますぅ~!」
結衣「ちなっ…ちなつちゃん腕痛いよ」
あかり「あかり、結衣ちゃんが一人暮らししてるなんて始めて聞いたよぉ」
京子「実は私はよく泊まりに行ってるんだけどね!」
結衣「お前は押し掛けてるだけだろ」
ちなつ「うふふ…結衣先輩のお家…愛の巣…ぐふふ…」
あかり「ちなつちゃん、目が怖いよぉ…」
結衣「まぁとりあえず買い出しとか色々しなくちゃいけないよね」
綾乃(買い出しにみんなで行く事になったけど…)
綾乃(歳納京子が来たらなんて挨拶すればいいのかしら… おはよう! っていうのもなんか…)
千歳「綾乃ちゃん?」
綾乃「はぇ!?」
千歳「まーた歳納さんのこと考えてたんやろ?」
綾乃「…」
千歳「顔真っ赤やで?」
綾乃「もう、千歳ったらからかい過ぎよ!」
千歳「あはは、許してや」
京子「おーい、綾乃ーっ」
綾乃「!」
結衣「ちなつちゃん、だから腕痛いよ…」
ちなつ「えへへ…結衣先輩のお家…」
京子「おはよう、綾乃ー」
綾乃「おっ…おおお遅かったじゃない!」
京子「え?そうかなぁ…」
結衣「お前が起きるの渋るからだぞ、京子」
京子「何を言っているか分かりませんな」
結衣「おいこら」
千歳(綾乃ちゃん、相変わらずやなぁ…)
あかり「いいお天気だなぁ」
.
.
.
京子「レッツゴー!」
あかり「おーっ!」
七森スーパー
京子「何にする~?結衣」
結衣「綾乃と千歳は何が食べたい?」
千歳「そうやなぁ…ここは人数おるしホットプレート出すのなんかどやろか?」
結衣「千歳がそういうのは珍しいな」
千歳「そやろか?」
京子「んじゃ、綾乃は何食べたい?」
京子「?そんなにホットプレートがいいの?」
綾乃「え、ええまぁ」
綾乃(あなたが焼いてくれたのが食べたいわ、なんて言えるわけないわよね…)
京子「あかりとちなっちゃんもそれでいいー?」
ちなつ「結衣先輩の作ってくれるものならなんでも食べますぅ!」
結衣「あはは、どうも…」
あかり「あかりもそれがいいなぁ」
京子「んじゃ、食材探しに行くかー」
綾乃「…」
京子「たっだいまーっと」
結衣「お邪魔します、だろ」
ちなつ「綺麗で広くていい匂いですね!流石結衣先輩のお部屋…」
あかり「わぁ~凄いねぇ結衣ちゃんのお部屋」
千歳「それにしても一人暮らしなんて凄いわぁ、船見さん」
結衣「でも殆ど毎日京子が泊まりに来るから一人暮らしってわけでもないかも」
京子「えへへ、結衣にゃん一人だと泣いちゃうもんね?」
結衣「いや泣かねえよ」
ちなつ「京子先輩ずるいです!卑怯です!」
京子「はっはっはっ、結衣と私は家族みたいなものなのだからねー」
あかり「結衣ちゃんと京子ちゃんって昔から本当に仲いいもんねぇ」
綾乃(私も…昔から歳納京子と友達だったら…)
京子「さて、これは困りましたね結衣さん」
結衣「流石にホットプレート出すにはベランダ小さすぎるな…」
千歳「そんならキッチンでフライパンつこうてやればええんちゃう?」
結衣「んー…仕方ないかな…みんな、それでいい?」
ちなつ「問題なしです!」
あかり「あかりはみんなとご飯食べられるならいいよぉ」
綾乃「え…ええ」
千歳(これは助け船を出す必要があるようやな…)
京子「でもみんなで料理するにはちょっと狭くない?」
結衣「んー…キッチンは2人が限界かもな」
千歳(ここやッ!)
千歳「歳納さんが焼いたんが食べたくなってきたなぁ!急になんでやろなぁ!」
京子「え?私?」
千歳「そやそや、船見さんが料理出来るんは綾乃ちゃんに作ってもろたおかゆで知っとるし、ここは歳納さんの作ったんも食べてみたいなぁ思てな」
結衣「言われてみればそうだな」
ちなつ「結衣先輩にいつもまかせっきりでしょうしね、羨ましいです…」
千歳「な?歳納さん頑張りー」
京子「ええー…まぁ焼くだけだからなんとかなりそうだけど…」
綾乃「え!?ちょっ…千歳何言って‥」
京子「おお!確かに綾乃なら結衣くらい料理できそうな感じするし…」
綾乃「そっそそそんなことは…」
京子「いいからいいから!キッチン行こうぜー!」
綾乃「ちょっ…」
綾乃(歳納京子が私の手を…)
京子「んじゃ、皆の衆待っているがいい!」
あかり「待ってるよぉ」
千歳( 計 画 通 り )
京子「さて、キッチンに到着!」
綾乃(キッチンが狭くて歳納京子が近い…)
京子「あ、綾乃これ」
綾乃「これって…?」
京子「エプロンだけど?いつも料理する時結衣が着けてるからねー」
綾乃「そ、そうなの?あ…ありがと」
京子「エプロン装着完了しました!」
綾乃「…」
京子「んー?どしたの綾乃」
綾乃「可愛い…」ボソッ
京子「え…あ…ありがと」
綾乃「!い、今私なんか言ったかしら!?」
綾乃「あわわわわわ…」
京子「そんなにあたふたしなくても…」
綾乃(おおち落ち着くのよ…杉浦綾乃)
京子「?まぁいいや、早速焼こうぜー!」
綾乃「そ…そうね」
一同「ごちそうさまでしたー!」
あかり「お野菜美味しかったぁ」
千歳「色々美味しかったわぁー」
結衣「京子も料理出来るんだな」
京子「焼いただけで褒められるのもあれだな」
ちなつ「お腹いっぱいでなんだか眠くなってきました…」
京子「牛になるよー、ちなつちゃん」
ちなつ「牛になったら結衣先輩にお世話してもらうからいいですよーだ」
結衣「えぇ…?」
千歳「あれ?綾乃ちゃん?」
綾乃「…」
千歳(完全に固まってしもてる…一緒に料理は少し刺激が強すぎたみたいやな…)
結衣「あ、もうこんな時間か」
京子「さぁちなつちゃん!お風呂入ろうか!ね!」
ちなつ「いやです!絶対京子先輩とは入らないです!」
京子「そんなに恥ずかしがらなくてもいいのにぃ」
ちなつ「恥ずかしがってないですし顔近いですよ!」
ちなつ「私が裸を見せるのは結衣先輩だけですからね…」
結衣「いや見せなくてもいいよ…」
京子「ちぇー…んじゃ一人で入って来るからいいよーだ」
あかり「いってらっしゃーい」
.
.
.
千歳「結局綾乃ちゃんは恥ずかしゅうて歳納さんとお風呂いかれへんかったの?」
綾乃「流石に…無理よ…」
千歳「…」
綾乃「千歳が私のために頑張ってくれてるのは凄く分かるし、ありがたいけど…」
千歳「んー」
綾乃「千歳?」
千歳「私的にはすこーし残念やけど、綾乃ちゃんが一番幸せな方法で歳納さんと仲良うなるんが一番やしな」
綾乃「…うん、ありがとね、千歳」
綾乃「うん…その…」
千歳「?どないしたん?」
綾乃「これからも、よろしくね、千歳」
千歳「…なにいうとんのや、当たり前やろ?」
綾乃「うん、そうね」
京子「おーい、お二人さん!寝ないのかーい?」
あかり「ベランダにいると風邪引いちゃいますよぅ」
結衣「ちなつちゃん、1人用の布団に2人はちょっとキツイと思うよ…」
綾乃「もう!愛しのって…」
千歳「あはは、すまんすまん …あ」
綾乃「どうしたの?」
千歳「冷蔵庫に食後に食べよう思てたアイスクリーム入れっぱなしやったわ」
千歳「ええねんええねん、明日の朝食べるわ」
綾乃「?」
千歳「さ、お布団行こうやー」ガラガラ
京子「お、おっかえりーん」
結衣「そろそろ電気消すぞー」
あかり「おやすみぃ」
ちなつ「結衣先輩…あったかいですぅ…zzz」
綾乃「…」
千歳「zzz」
綾乃(…やっぱり寝れないわ…)
綾乃(歳納京子が近くで寝てると思うと…)チラ
綾乃(あれ、歳納京子がいないわ…)
綾乃(んー…ベランダに座ってるのは…)
綾乃「歳納京子」
京子「ん、綾乃か」
綾乃「そ、そんなところに座ってたら風邪引くわよ?」
京子「んーどうも月明かりが気持ち良くてね」
綾乃「た、確かにいうほど寒くはないけど…」
京子「綾乃もここに来なよ」
綾乃「へ!?わ、私は別に…」
京子「えーいいじゃん、ホラ」
綾乃「ちょ、ちょっとトイレ!」バタバタ
京子「…ん」
綾乃(ベランダに体操座りで月明かりに照らされつつなんかすっごい遠い目してるし…)
綾乃(…でもこ、こここっ告白するなら…)
綾乃(今しかない…かも…)
綾乃(千歳に相談出来ればいいんだけど…寝ちゃってるし…)
綾乃(自分じゃどうやって話せばいいかなんてわかんないわよ)
綾乃(歳納京子…)
綾乃(と、とりあえずアイスでも食べて心を落ち着かせましょう、そうしましょう)
綾乃(買っておいたアイスはっと…)
綾乃(…?これ千歳のアイスかしら)
綾乃(なんか紙が貼ってあるけど…)
綾乃「たっただいま…」
京子「あ、持ってるのアイス?丁度食べたかったんだよね」
綾乃「あの…その…」
京子「ん?どうしたの?」
綾乃「その…スプーンは二つあるんだけど…」
京子「だけど?」
綾乃「肝心のアイスが1つしかなくて…」
綾乃「ラムレーズンなんだけどね…だから…その…」
綾乃「いっ…い、いい一緒に…」
京子「一緒に食べよ?」
綾乃「え?あ、そう!それよ!それ!」
京子「おっけーおっけーい、それじゃ、スプーン頂戴?」
綾乃「ええ…」
京子「さ、座って座って」
綾乃「お、お邪魔します…」
綾乃「そう…ね」
京子「何回食べても飽きないや」
綾乃「いつも食べてるわよね」
京子「よくみてるねー、もしかして私のファン?」
綾乃「え!?いいい一体突然なにを…」
京子「あはは、なんつってなー」
綾乃「まったくもう…」
京子「あ、綾乃」
綾乃「?」
綾乃「え!?」
京子「えへへ、一回こういうのやってみたくてさー」
綾乃「しっ…仕方ないわね」
京子「…?顔真っ赤にしてどうしたの?」
綾乃「なんでもないわよ…」
京子「…ほら、あーん」
綾乃「あーん…」
京子「どう?美味い?」
綾乃「そっ、それなりに世界で一番美味しかったわ!」
京子「…プッ あはは!言ってることがメチャクチャだよ」
綾乃「え…私今なんて!?」
京子「それなりに世界で一番美味しかったわ! って」
綾乃「…」
京子「…」
京子 「あのさ」
綾乃「な…なによ?」
京子「綾乃さ、」
京子「私のこと好き?」
綾乃「…は?」
綾乃「いや、あの、え?」
京子「私は、好きだよ、綾乃のこと」
綾乃「好きって…言っている意味が…」
京子「だから、好きだよって」
綾乃「好きって、あなたが、私を…?」
京子「うん」
綾乃「っでも!船見さんは…」
京子「結衣?結衣は好きとかそういうのじゃないというか…」
京子「小さい頃から一緒だと、もう家族みたいなものっていうかね」
綾乃「つまり…?」
京子「私が、女の子として好きになったのは綾乃が始めてというか…」
綾乃(状況が理解できないわ)
綾乃「ん?というと歳納京子は私の事が…?」
京子「うん、大好き」ニコ
綾乃「…ビックリしすぎて驚きたくても驚けないわ…」
京子「でも、綾乃が私のことが好きじゃないならそれでもいいの、気持ちを伝えられただけで十分」
京子「それとも女の子が女の子を好きになるのって気持ち悪いかな…?」
京子「うん、何?」
綾乃「この前の定期テスト、私が勝ったら茶道部室から退いてもらうわよって言ったじゃない?」
京子「えへへ、コムケ前だったから惨敗だったね」
綾乃「それでね、茶道部室からは出て行かなくてもいいわ…」
京子「うん」
綾乃「その代わり…その代わりね…」
京子「…」
綾乃「え…?」
京子「…綾乃、こっち来て?」」
綾乃「うん…」
ギュ
京子「頑張って、綾乃」
綾乃「…うん」
京子「うん」
綾乃「中学に入りたての頃、一人ぼっちだった私に声をかけてくれたあなた」
京子「ははは、懐かしいね」
綾乃「娯楽部なんて部活勝手に作って、楽しそうにしてるあなた」
綾乃「私も入りたかったわよ…」
京子「それじゃ、今からでも…」
綾乃「それは無理」
京子「…千歳、ね」
京子「親友以上恋人未満家族、みたいなね」
綾乃「そして千歳と一緒に、あなたと一杯思いで作ろうって頑張ったり」
京子「うん…」
綾乃「そして今」
綾乃「だからね、聞いて?」
京子「…何?」
綾乃「部室退去なんてしなくてもいいわ…」
綾乃「その代わり…お願い一つ聞いてくれてもいい?」
京子「うん…勿論」
綾乃「私と…」
京子「…」
綾乃「キスしてください」
終わり
乙
おつでした
Entry ⇒ 2012.04.26 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)