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結衣「京子を惚れさせる24の方法」
結衣「京子、晩御飯できたよ」
京子「お、今日のおかずは麻婆茄子か!うまそうだな」
結衣「あ、京子はおかず抜きね」
京子「え~なんでだよ!」
結衣「だって、『秋茄子は嫁に食わすな』っていうだろ?」キリッ
京子「結衣///」ポッ
京子「今日の部活は『劇場版ミラクるん』の鑑賞会をします!」
ちなつ「その映画前も見たじゃないですか」
京子「いい映画は何回見てもいいもんなんだよ」
あかり「おもしろいよね、ミラクるん」
結衣「しょうがないな」
ミラクるん『後は頼んだよ……ガクッ』
ライバるん『ミラクるん!ミラクるん!』
京子「うっ……うっ……」ポロポロ
あかり「京子ちゃんまた泣いてる」
ちなつ「はぁ、よっぽど好きなんですね」
あかり「あ、どうしたの?結衣ちゃん」
結衣「うおおおお!こんなもん!こうしてやる!」ミラクルンドンキ―!!
ドカグシャーン!!
京子「あああああああ!!ミラクるんのブルーレイディスクとプロジェクターが!!何すんだよ、結衣!!」
ちなつ「どどど、どうしたんですか!?結衣先輩!?」
あかり「何やってるの!結衣ちゃん!」
結衣「京子を泣かせるやつはなんであろうと許さない!」キリッ
京子「結衣///」ポッ
あかり「……」
ちなつ「……」
京子「結衣~なんで年賀状送ってくれなかったんだよ~」
結衣「え?ちゃんと送ったつもりだったけど」
京子「あかりとちなつちゃんはちゃんとくれたのに、あたしってあなたにとってその程度の女だったのね!!」
結衣「あ~そんな冗談いいから。おかしいな確認してみるよ」
京子「どうだった?」
結衣「あ、ごめん間違って『船見京子』って書いてたみたいだ。まいったな」キリッ
京子「結衣///」ポッ
京子「あ~あつ~」ダラダラ
結衣「ほんと暑いな」
京子「こんな時はラムレーズン♪ラムレーズン♪」
パカッ!
京子「あれ?結衣、ラムレーズンないの?」
結衣「捨てた」
京子「この前来た時はまだ……え!?今なんて」
結衣「捨てた」
京子「おい!なんでだよ!」
結衣「家の中だけでも……京子の一番のなりたかったからさ」キリッ
京子「結衣///」ポッ
結衣「うーん、どうしたもんかな」
京子「なにうなってるの?」
結衣「あ、京子。実は今やってるゲームが詰まっててさ」
京子「へー珍しい。結衣がゲームで詰まることもあるんだな」
結衣「うん、今までやったゲームで一番難しいよ」
京子「なんてタイトル?」
結衣「『歳納京子』っていうゲームなんだけど」キリッ
京子「ゆ、結衣///」キュン
結衣「風邪ひいちゃったし……」ゴホッ
ピンポーン!
京子「結衣~うどん買ってきたから作ってやるよ」
結衣「悪いな」
京子「じゃーん!京子ちゃん特製うどん完成!」
結衣「うん、おいしい」
京子「さあ星いくつだ!」
結衣「8745732645863529851336597542423つだな」
京子「そ、そんなに///」キュン
小さいころ
トテン
きょうこ「わーん!いたいよー」ポロポロ
あかり「京子ちゃん大丈夫?」
ゆい「きょうこ!ないちゃだめだ!」
きょうこ「だってひざすりむいちゃったし……」
結衣「じゃあ、ちょっとかしてごらん」
きょうこ「え?」
結衣「」ペロペロペロペロペロペロペロペロ
きょうこ「ひゃん!」
結衣「もう痛くないでしょ?」
きょうこ「うん、ありがとう///」
結衣「いえ、こちらこそごちそうさまでした」キリッ
あかり(お、おやびん……いや結衣さん……)
一年前
京子「結衣~こないだ見つけた鍵さ~茶道部室の鍵だったよ」
結衣「じゃあ職員室に返したら?」
京子「いや、あそこは私たちの秘密基地にします!」
結衣「秘密基地?」
京子「名付けて『ごらく部』!」
結衣「そこは『二人の愛の巣』だろ」キリッ
京子「え///」キュン
京子「結衣~遊びに来た……って結衣どうしたの!?」
結衣「う~京子か~」グテ―
京子「どうしたんだ!?また風邪!?」
結衣「ウィ~ヒック」
京子「って酒!?なんだよこの空き瓶の山は!」
結衣「ら、ラム酒……」
京子「未成年のくせに……なんでこんな無茶なことを」
結衣「ふ、ふふふ……ら、ラムレーズンになりたかったのさ」キリッ オェー
京子「な///って吐いてる!吐いてる!」
綾乃「歳納京子!部室の無断使用は罰金バッキンガムよ!」
結衣「綾乃!」ドン!
綾乃「え、船見さん……って何よこの大金!」
結衣「ば、罰金払うから……私と京子の居場所を奪わないでくれ!」キリッ
京子「結衣///」キュン
綾乃「……なんかごめんなさい」
千歳「」ブバー
京子「ごらく部のみんなをRPGのパーティーに例えたら何になるかな?」
結衣「あかりが白魔導師でちなつちゃんが黒魔導師……京子が剣士で私がガンナーかな」
京子「えー結衣が剣士で私がガンナーって気がするけど」
ちなつ「結衣先輩って騎士って感じですもんね」
結衣「京子」
京子「え、なに」
結衣「バキューン!」キリッ
京子「ゆ、結衣///」キュン
ちなつ(こ、これは破壊力がやばい///)キュン
あかり(……え?あかりが変なの?)
綾乃「歳納京子!またプリント提出できてないじゃない!」
京子「ああ、悪い悪い」
結衣「綾乃!」ガタッ
綾乃「え、船見さん急にどうし」
チュー
綾乃「ん///」
結衣「ここは私に任せて早くいくんだ!」キリッ チュー
京子「結衣///」キュン
千歳「」ブッシャー
京子「あ~暇だな~」
結衣「今日はなんか持ってきてないの?」
京子「わたしだって何も思いつかない時もあるよ!あ~なんかこう大事件とか起こらないかな」
結衣「京子!」ガタッ
京子「え、急にどうし―」
チュー
京子「ん///」
結衣「ほら、『大事件』起こしてやったぞ」キリッ
京子「ゆ、結衣///」キュン
ちなつ「なななななななな」ガタガタガタガタ
あかり(だ、大事件だ……)
京子「あ~今日は最悪の日だ~」
あかり「今日登校してるとき車に泥はねられちゃったもんね」
京子「それに宿題提出してなかったから罰として大量に課題だされたし、給食にラムレーズンはでないしもう最悪だ~」
ちなつ「いや、今朝のことはともかく宿題は自己責任だし、給食にラムレーズンなんて出ませんよ」
結衣「京子!」ガタッ!
京子「え、急にどうしたのゆ」
チュー
京子「ん///」
結衣「京子の最悪の日なんて私のキスで最高にしてやるよ」キリッ
京子「結衣///」キュン
ちなつ「あ~今日は最悪の日だな~」チラッ
あかり「……なんかもういいや」
ゲーム『テーレッテッテー♪レベルアップ!』
京子「結衣、レベル上げその辺でいいんじゃない?」
結衣「まだまだ」ピコピコ
京子「だって、もうレベル45じゃん。いくらなんでも先に進んだ方が……」
結衣「京子を守り続ける限り、私のレベルアップに終わりはないんだよ」キリッ
京子「ゆ、結衣///」キュン
結衣の家
ピンポーン!
京子「ちわ~」ガチャ
結衣「『ただいま』だろ?」キリッ
京子「え///」キュン
京子「あかり!ごらく部入部おめでとう!」
あかり「わーい!祝え祝え!」
結衣「私が愛でるのは京子だけで十分なのに」キリッ ペロペロ
京子「あ、あかりが見てるよ///」キュンキュン
あかり「退部するわ」
京子「あ~あづい~ゆい~なんか飲み物~」
結衣「今麦茶沸かしたばっかりだから熱いし、氷もまだできてないからもうちょっとまって」
京子「あ~なんでもいいから飲ませろ~」
結衣「」プチン
京子「あ、結衣?怒ってるの……ってなんで服脱いでるのさ!」
結衣「そんなに飲み物のみたきゃ私のおっぱいでも吸ってろ!!」キリッ ポロン
京子「え、ああ……い、いただきます///」キュン
京子「あかりとちなつちゃんまだ~」
結衣「掃除当番だって」
京子「じゃあ二人来るまでしりとりね」
結衣「ああ」
京子「じゃあしりとりの『り』からね。リンゴ!」
結衣「京子愛してる!」キリッ
京子「ゆ、結衣……それ二つの意味で反則だよ」キュン
京子「第二期始まったじゃん?」
結衣「そうだな」
京子「『ゆるゆり♪♪』の『♪♪』ってどう読めばいいの?」
結衣「ゆるゆり~京子と私のストーリー~じゃね?」キリッ
京子「……」
結衣「あ……あれ?」
京子「……」キュン
結衣「フッ」キリッ
一期11話
京子「結衣の馬鹿!」
京子「ちなつちゃん好き!」
京子「あと、アッカリーン!」
ドンッ!
結衣「なんで私には好きって言ってくれないんだ!!」キリッ ブチキレ
京子「ヒッ!ゆ、結衣も好き……だよ///」キュン
ちなつ「私たちいらなくね?」
あかり「……うん」
結衣「また今度の同人誌もミラクるん?」
京子「うん、やっぱりミラクルんの同人誌が書いてて一番楽しいし……」
ガタッ!
結衣「なんで……」
京子「ゆ、結衣?」
結衣「なんで私と京子の百合同人じゃないんだ!!」キリットブチキレ
京子「結衣ったらもう///」キュン
小さいころ
きょうこ「……」
きょうこ「うう……きょうこわいテレビばんぐみみちゃったからねむれないよ……」
京子母「……」スゥースゥー
きょうこ「おかあさんはさきにねちゃったし……うう……こわいよお」
ガタッ!
きょうこ「ヒッ!」ビクッ
ブロロロロロロ
きょうこ「おばけ!?そ、そんなわけ……きっとくるまのおと……でもこんなよなかになんで」
ブロロロロブゥゥウゥンブゥウーン
キョウコ キョウコ キョウコ
きょうこ「ひっ……わ、わたしをよんでる……い、いったいだれ!?」
YUI「ピーターパンさ!」キリッ
KYOKO「YUI!」
YUI「どうだい?これから夜のドライブっていうのは」
KYOKO「でもわたしこんな格好だし……」
YUI「誰も見てないさ……月以外はね!」キリッ
京子母「ヒュ―」
第一期11話
京子「今日でごらく部は廃部にします」
あかり「ええ!?」
ちなつ「じょ、冗談ですよね?」
結衣「……」
京子「部室の無断使用なんて許されないわ」
京子「結衣ならわかってくれるよね」
結衣「嫌だ」
京子「え」
結衣「確かに前のお前は他人を振り回してばっかりだったけど」
結衣「でも私は前の京子の方が好きだ」
結衣「お前のくれる楽しいが好きだったんだよ……」
ちなつ「駄目ですよ……京子先輩はもう以前の京子先輩じゃ……」
結衣「ならこっちにも考えがある」
京子「え?」
結衣「お前が前の性格に思わず戻ってしまうくらいの情熱的なキスをしてやるよ」キリッ
京子「え!?」
あかり「」
ちなつ「」
ジュルジュルジュルジュルジュルジュルジュルチュー!!!!!!!!
きょうこ「ゆい~//////」キュン
結衣「おやおや、情熱的過ぎてさらに前の性格になったか」
結衣「まあいいか」キリッ
きょうこ「ゆい///」
あかり・ちなつ「」
終わり
あかり編・綾乃編にご期待ください
乙りん
乙
乙
面白かったわ
しかしコブラは反則だろww
Entry ⇒ 2012.09.14 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
菫「なに?はやりんの握手会だと!?」
菫「………」ジー
「\ハッヤリーン/」「はぁーい!はやりの麻雀教室、はっじまるよ~」
菫「えっ?何だって?」
照「………」
菫「………」ジジー
「はやりマイッチング~」
尭深「先輩方、また部室に遊びに来たんですか……」
照「あ、尭深に誠子……うん、お邪魔してる」
尭深「菫さんは相変わらず、高画質ではやりさんを見れるからってここに来てるわけですね?」
菫「………」ジー
誠子「人に見られるのが恥ずかしいって理由で部室に入室制限かけるし……HAHAHA!ボスには困ったもんデス!」
「今度、はやりの握手会をするよ!皆もきてきてきてね~☆」
菫「握手会……」ホゥ
照「へぇ、瑞原プロの握手会ねぇ……」
誠子「ボスを誘って行ってみたらどうです?」
照「え……?」
尭深「ほら、二人で遊びに行きたいって言ってましたし」
照「ふんふむ……」
菫「………」ジー
「それではまた来週☆」
菫「照、どうした?」
照「その……なんだ……瑞原プロの握手会に二人で行かないか?」
菫「なんだって!?」
照「だから瑞原プr 菫「行くっ!」
菫「はやりんに会いに行くっ!」
照「」
尭深「大友とか言われるの恥ずかしいですからね」プフ
菫「それにほら……誰かを誘おうにも恥ずかしいし……」モジモジ
誠子「ボス、引退してから丸くなりましたね」
尭深「うん……まるで別人」
菫「だからね……照が誘ってくれてすっごく嬉しい!」
照(……私の知ってる菫はどこいった)
菫「うるさいな、自覚はある」
照「ほら、笑って笑って」ホッペタギュム
菫「ひだだだだだ……」
菫「おまへこそ普段は大概じゃにゃいか」ホッペタギュム
照菫「ぐぬぬぬぬ……」
尭深「……微笑ましい」ズズズ
照「え?なんで?」
菫「あいつに話したら弄り倒されるに決まってる」
照「そんなことないと思うけど……」
菫「いや、前に淡にプリキ 淡「こんにちはー!」
淡「あ、テルーにスミレさん!遊びに来てくれたんだぁ」
照「うん」
淡「んで、淡がなんだって?」
照「実はな……」
菫「うぉい!」
菫「くっ……こうなるから嫌だったんだ」
照「その……ごめん」
菫「こんなところにいられるか!私は帰るぞ!」
淡「あ、帰っちゃった……」
アリですね
照「淡も一緒に行きたい?」
淡「……やめとく。テルーと遊びに行きたいけど、テルーはスミレさんと二人きりで行きたいんだよね?」
照「……まぁね」
淡「だったら、今回は淡は我慢するよ」
照「そう……それじゃあ私も帰るよ」
淡「あ、テルー」
照「……ん?」
淡「いっぱい楽しんできてよね!」
照「うんっ!」
菫「待ち合わせの一時間前に来てしまった……」
菫「昨夜も興奮してあまり寝られなかったし……」
菫「隈とか出来てないよね?はやりんに会うのに恥ずかしくない格好だよね?」
菫「うぅ~今から緊張してきちゃった」
菫「照の奴……まだかな?」ソワソワ
菫「………」キョロキョロ
菫「………」マエガミトトノエ
菫「………」ミダシナミトトノエ
照「なんだあの可愛い生き物」
照「とりあえず淡に写メ送っておこう」
照「か、わ、い、い、ス、ミ、ス、ミ、っと……送信」
菫「遅いぞ、照!」
照「いや、待ち合わせの時間ぴったりだよ!?」
菫「あ……」
照「なるほどね……菫は一時間前から待ってたのか」
菫「ど、どどどうしてそれを」
照「えっ?ホントだったの?カマかけただけだったんだけと……」
菫「あうあう……」カァァ
照「はいはい」
菫(あぁもう!嬉しすぎてにやけちゃうじゃないか!)
菫(はやりんに会えるのもそうだが、何よりあの照が誘ってくれたことがすっごく嬉しい!)
菫(あの照がだよ?麻雀以外何やらせてもダメな照がだよ?どうして誘ってくれたかは分からんが、とにかく嬉しいっ!)
菫(……っと、こんな顔を照には見せられんな)キリッ
菫「はやりんの握手会だならな。当然だ」
照「でも、私たちくらいの歳の子はいないね」
菫「そうだな……って、あそこにいるぞ?」
霞「あらあら……すごい人ね」
初美「ホントですねー」
初美「大体、何でこんなに人気あるんですかねー?おもちの大きい人は頭わr 霞「はっちゃん……?」
初美「おばさんやめちくり~」
照「菫、何を言ってるんだ?あれはどう見ても親子連れじゃないか」
菫「えっ?」
照「人混みに酔ってきた……」ウプッ
「皆!せーので牌のおねえさんを呼んでね!」
「\ハッヤリーン/」
菫「ハッヤリーン!」
「はぁーい☆」
菫「照、はやりんきた!はやりんきたよ!」
照「そっか……よかったね」
菫「はっやりーん!は、はーっ、ハヤヤーッ!!ハヤーッ!!」
照(病気だ……)
「世界一ちょーかわいいよー」
照(瑞原プロが出てきた瞬間、明らかに子供じゃないのが目立ってきたな。うわっ……子供たち引いてる……これが大きな友達か)
照「菫、私は後ろの方で見てるから」
菫「照、はやりんこっち見た!こっち見たよ!?私、ちゃんと笑えてるかな?」
照「………」
霞「あらあら?宮永さん?」
初美「チャンピオンが何でこんなとこにいるですかー?」
照「あぁ……永水の石戸じゃないか」
霞「あらあら……お友達の付き添いでここに?」
照「まぁね。そっちは娘さんの付き添い?」
霞「」ピシッ
初美「私たちは姫様の付き添いですよー」
照「ロリ咲可愛い……」ギュー
霞「あらあら」
霞「しかしすごい熱気ね……小蒔ちゃん大丈夫かしら?」
初美「心配ですよー」
照「あ、菫からメールが……なになに『どうしよう照……私の心をシャープシュートされちゃった』」
照「…………」
照「はいはい削除削除」
小蒔「ただいま戻りました」
初美「おかえりなさいですよー」
霞「小蒔ちゃん、おかえりなさい」
小蒔「あれ?宮永さんもご一緒でしたか。お久し振りです」
照「神代か……個人決勝以来だね」
小蒔「宮永さんもはやりさんのファンだったんですか?」
照「いや、私はただの付き添い」
小蒔「そうですか……」シュン
照「私の友達の方は大ファンみたいだけどね」
菫「照!探したぞ!せっかくはやりんが間近で見れるというのに……仕方のない奴だな」
照「……噂をすれば」
菫「あぁ、会場で意気投合した宮守の姉帯さんとエイスリンさんだ。お前と違って話の分かる人達でな」
豊音「ちょー楽しかったよー」
エイスリン「タノシカッタ!」
霞「あらあら……すごい偶然ね」
初美「びっくりですよー」
小蒔「豊音さんとエイスリンさん、お久し振りです」
豊音「あ、神代さんだーちょー久し振りだよー」
エイスリン「ヒサシブリ」
豊音「私も貰ったよー」
エイスリン「ワタシモ!」
照「そ、そうか……それは良かったね」
豊音「宮永さん!?サインください!サイン!」
小蒔「緊張して何も話せませんでした……」シュン
霞「あらあら……」
初美「ま、予想はしてましたけどねー」
小蒔(この右手ではやりさんと握手しちゃったんですよね……しばらく洗わないでおこう)ホゥ
初美「いいですねー」
小蒔「それは楽しそうですっ!」
豊音「ちょー行きたいよーエイスリンさんも行くよね?」
エイスリン「ウンッ!」
菫「そうだな……いっぱい叫んできたから何か飲みたいと思ってたところだ」
霞「……決まりですね」
照(すっごい顔が弛んでる……)
菫「照もはやりんと握手すれば良かったのに……勿体ないなぁ」ニッコニッコ
照「菫、顔がにやけてるぞ?」
菫「そ、そうかなぁ~?」ニッコニッコ
照「あぁ、ひどい顔になってる」
菫「えっ?嘘……私、顔引きつってた!?」
照「いや、普段と違いすぎるんだよ……」
照(ま、菫が嬉しそうでなによりだが)
霞「本日は皆様お疲れ様でした」
「お疲れ様でした~」
菫「今日は柄にもなくはしゃいでしまったな」
豊音「あははー」
小蒔「しかし、間近で見るとやはり違いますね。なにかこう……テレビで見るのとひと味違うといいますか」
エイスリン「オモチドハクリョク!」
菫「実際に話してみてますます好きになってしまったよ。なんといいますか!心が洗われるというか」
豊音「はやりんいいよーちょーいいよー」
霞「そうねぇ」
菫「はやりんの手は柔くてすばらだったな」
豊音「ちょーすばらだよー」
エイスリン「スバラ!」
小蒔「握手した瞬間、まさに天に昇るような心地でしたねっ!」
菫「私なんか心をシャープシュートされてしまったよ」
豊音「この温もりをさえあればずっと大安だよー」
霞「そうねぇ……私たちが引退してから少し落ち込んでたみたいだったから」
照「そうだったんだ……」
霞「宮永さんのところは?」
照「引き継ぎはあらかた終わってるかな?安心して任せられる後輩がいるしな」
初美「六女仙が3人も抜けたら、うちは来年はどうなってしまうんですかねー?」
初美「来年の麻雀部はどうなるんですかねー?って話ですよー」
エイスリン「アッ……」
照「………?」
霞「ふんふむ……」
エイスリン「ライネンダレモイナクナル……」
初美「それはなかなかのなかなかですねー」
エイスリン「トヨネ!」
豊音「そんなのちょー寂しいよー」
霞「宮守の方は全員引退することになりますからね……」
エイスリン「………」
菫「そう悲観することでもないだろ」
照「菫……少しは空気を読んでよ」
菫「別に後輩に何かを残すために麻雀をしてるわけでもなし、部がなくなったとしても思い出までなくなることはない、そうだろ?」
菫「自分自身が楽しめたならそれでいいじゃないか。そう割り切って考えないと辛いだけだと私は思うがな」
菫「確かに別れは寂しいものだが、二度と会えなくなる訳でもない。会おうと思えばまたいつでも会えるさ」
エイスリン「ホントニ……?」
菫「あぁ……そう簡単に繋がりは消えんよ。何かで繋がってる限りな」
菫「それは麻雀だったり、絆だったり、はやりんだったり……」
菫「泣くなよ……はやりんにいっぱい元気貰ってきたんだろ?」
小蒔「はい……」
エイスリン「ワタシ……ニュージーランドカエッチャウケド、マタアエルカナ?」
菫「はやりんがニュージーランドでイベント開くなら、私がすぐにでも飛んでいくさ」
エイスリン「ウン!」
豊音「今日のことは一生忘れないよー」
菫「当然だろ?なんたってはやりんと握手出来たんだからな。忘れようものならシャープシュートするならな」
豊音「えへへー」
菫「少なくとも私たちははやりんという名の絆で繋がってるんだ。別れなどあるはずがない」
「イエス!はやりん!!」
初美「部活の話してたはずなのに、いつの間にかよく分からない方向に話が進んじゃってますねー」
霞「はっちゃん、しっ!」
照「繋がり、か……」
菫「………」クークー
照「菫、寝ちゃったか……まぁ、あれだけはしゃげば当然だけどね」
照「繋がりがある限り別れなどない、ね……」
照「そんなこと言う癖に、私と咲の時は鬱陶しいくらい手回ししてきたのにね」
照「……でも、菫がいなかったら咲とも仲直りすることなんて出来なかった。意固地で意気地無しの私の背中を押してくれた菫がいなかったら、ずっと咲との繋がりは壊れたままだった」
照「ずっと私の世話を焼いてくれてた菫……」
照「3年間、ありがとね」
菫「電車の中で恥ずかしい独白するなよ……」
照「なっ……菫、起きてたの!?」カァァ
菫(照れる照……)
最後1レス落とす前寝ちゃったぜ槓!
Entry ⇒ 2012.09.14 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
優希「決めた、京太郎に会いに奈良へいくじょ!」
和「……それだけじゃないんですけどね」トンッ
咲「部長はもう卒業だもんね」トンッ
和「ええ、しかし一気に二人減ると寂しく感じますね……」
咲「うん……」
優希「京太郎は、来年度から共学になる阿知賀にいくんだったっけか」
咲「阿知賀って和ちゃんのいた学校の高等部だよね?」
和「はい、穏乃や憧も夏以来連絡とってないので詳しくはわかりませんが」
優希「むむむ……」
和「もうすぐ春休みですね……染谷先輩もお店の手伝いや部活にあまりこれないらしいです」
優希「むう……暇だし京太郎に電話してみるか」
てるるる
京太郎「もしもし?」
優希「京太郎か?私、優希様だじぇ」
京太郎「お前が電話かけてくるなんてめずらしいな」
優希「ふふん、そちらは私がいなくて寂しかろう?だからかけ……」
「なになに?彼女サンからの電話ー?」
「へー、恋人とかいたんですね!」
京太郎「ちょ、うるせえ、ちげーよ!」
優希「ぁ……」
京太郎「ワリ、周りがちょっとうるさいけど気にしないでくれ」
優希「いや、元気そうで、なにより…だ……ところで、今どこにいるんだ?」
京太郎「ん?今は阿知賀の麻雀部にいるけども……」
優希「そ、そうか……」
「須賀さんの恋人私気になります!」
京太郎「おい、ちげーっての」
京太郎「ったく……そっちはどうだ?」
優希「ま、まぁ……ぼちぼち……じゃ、またいつか掛け直す!」
和「どうでした?」
和「そうでしたか」
優希「む~……」
和「まぁ、親の都合での転校は仕方のないことです」
優希「のどちゃん……」
優希「そうだ、この春休みに奈良まで行ってそいつらの顔を拝んでやるじぇ!」
咲「は、話が飛躍してるけど……」
優希「私は奈良へ旅立つ!」
和「待ってください」
優希「じょ!?」
優希「お、お小遣いで……」
和「往復で何万円かかると思ってるんですか」
優希「う……うぐ……」
和「それに泊まる場所とかも決めないといけないでしょう?」
優希「京太郎の家に泊まるとか……」
和「はぁ……仕方ないです、私もついて行きます」
優希「本当か!?」
和「私も穏乃や憧、玄さんに会いたいですからね」
咲「わ、私はお留守番してるね…迷子になりそうだし」
優希「咲ちゃんはいかんのか?」
咲「うん、私はいいよ」
和「そんなにはしゃがなくても……」
優希「ふんふ~ん♪」
優希「……」ウトウト
優希「すぅ……」
優希「ついたじょ!」
和「やっぱりあの時と変わってませんね……」
優希「で、のどちゃんはどこに宿をとったんだじょ?」
和「宿は……松実館にしときました」
優希「ほほう……」
優希「おうともよ!」
和「阿知賀学院……」
優希(京太郎……)
和「麻雀部は……ここですね」
優希「やってるみたいだじぇー」
和「そうですね」
優希「よ~し……た~の~も~!!」バァーン
穏乃「おおう!?」
優希「京太郎を出さんかー!」
和「ちょ、優希……」
京太郎「……」ポカーン
憧「お、スガくんの彼女が登場?」
優希「おい犬、人様に迷惑かけてないだろうなー」
京太郎「こいつ彼女ちゃいます!それと俺は犬じゃないだろ!」
優希(ッ……)ズキ
憧「へー」ニヤニヤ
京太郎「……ニヤニヤしないでください」
憧「えーだってー」ニヤニヤ
玄「憧ちゃん、須賀君いじめちゃダメだよ……」
和「……驚きました、すっかり溶け込んでますね」
穏乃「いえいえ、今まで女しかいなかったんで助かりますよ」
京太郎「ハハハ……ありがとうございます……」
優希「……」
京太郎「それと来るならちゃんと言ってくれてもよかったのに……」
和「須賀くんに連絡いってなかったんですか?」
憧「ぁ……忘れてた☆」
京太郎「ひでえ!」
優希「……」
優希(仲、よさそうだじぇ……)
和「まぁ、せっかくここまできたんですから打ちましょう」
穏乃「和が打つなら私はいる!」
灼「じゃ、私は見てるね」
和「優希、はいりましょう」
優希「……おう!」
優希「くぁぁ~……のどちゃんはやっぱ強いじょ……」
和「優希が甘いだけです」
優希「ガ~ン……」
穏乃「和は相変わらず強いけど……片岡さんも東場の爆発力とんでもないですね!」
優希「ふっ、私はそれが取り柄だからな……」
穏乃「もう一回、いいですか?」
優希「かかってこい!」
灼「じゃ、今度は私も」
玄「わたしも入りたいなー」
わいわい
和(ついてきてよかったですね……ん)
和「須賀君はやらないんですか?」
京太郎「あぁ、今はそんな気分じゃなくてな」
和「はぁ」
和「え、松実館ですけど……」
京太郎「だよな……そこしかないもんな……」
和「……?」
憧「あー、スガくんあそこに一時的だけど泊まらせてもらってるんだっけ?」
京太郎「あぁ、実家は改修工事のせいでなー」
和「い、いつまで!?」
京太郎「春休みが終わる頃には工事も終わるとか言ってたけど……」
和「そ、そうでしたか」
京太郎「へっ?」
京太郎「お世話にはなってるけど流石にそんなことはしねーよ」
和「そうですか……」ジトー
京太郎「してないですよ?」
和「まぁいいです」
憧「あらあら……」
和「ハッ!?」
和「違います!これは違いますから!」
憧「ふーむふむ、なるほどー」
和「あぁぁぁぁ……」
京太郎「玄さん、熱中してるのはいいんですけど時間大丈夫ですか?」
玄「あー、そろそろ帰らないと!!」
灼「じゃ、今日はここまでだね」
穏乃「はーい」
玄「和ちゃん、うちに泊まるんでしょ?」
和「あ、はいそうですね……」
優希「おう、もう終わりか」
玄「ではみなさんまた明日であります!」
和「帰り道はいつも二人で……」ジトー
京太郎「タスケテー」
玄「?」
和「優希、どうしたんですか?」
優希「へ?なんでもないじょ」
和「なんか元気ないように見えましたけど……」
京太郎「やっぱり長野じゃないと落ち着かないのか?ん?」
優希「こんのバカ犬!私がそんな子供なわけないだろうが!」
優希「がるる……」
和「相変わらずですね、この二人は」
玄「見てて和んじゃうね」
和「ですね」
和「ここも変わってないですね、あの頃をおもいだしますよ」
玄「ふふ、たしかに」
宥「玄ちゃんおかえりー……」
玄「ただいまお姉ちゃん、今日泊まる二人もいるよー」
宥「うん、ではこちらへ……」
優希「おー、うまいじょ!」ガツガツ
和「……食べすぎないでくださいよ」
玄「す、すごい食べっぷり……」
優希「腹八分で止めるから大丈夫だじぇー!」
玄「は、ははは……」
和「おいしかったですね」
優希「もうここに住みたいくらいだじぇー」
和「もう、そんな無理があること言って……」
優希「まぁいいじゃないかー!」
和「……そうですね」
優希「のどぱいを拝めそうじゃ……ふひひひひ」ワキワキ
和「……」スッ
優希「冗談です」
カポーン
優希「ふひー…長旅だったから疲れたじぇ……」
和「でも、こういうのも悪くはないですね」
優希「そうだな……あいつの楽しそうな顔も見れたし……ぐすっ」
和「……優希?」
優希「な、なんでもないじぇ」
優希(あいつだって楽しそうにしてた、これで……いいんだよな)
優希「逆上せちゃうから先にあがるじぇ」
和「はい」
優希(諦めなきゃ、いけないよね……)
そして私の周りには、二人の子供と一人の―――
優希「ん、夢か……というか何時の間に寝て……」
優希「……トイレ」
和「すぅ……すぅ……」
優希「ん、ここは……」
優希(……見てもバチは当たらないよね?)スー
京太郎「ぐー」
優希(……)
優希(やっぱり私がここにくることは京太郎にとって邪魔なんじゃないだろうか)
優希(……)グッ
優希(甘えるのは、これで最後にしよう)
優希「だから、一度くらいは許してください」
優希(……)
優希「……んっ」
優希「ごめんね」
優希「さて、部屋に戻って寝ないと……」
優希(おやすみなさい)
優希「おう、楽しかったじぇ!」
和「ええ、みんな元気にしてたのでよかった」
咲「京ちゃんはどうだった?」
優希「……楽しそうにしてたじぇ」
咲「……そっか」
優希「でも、踏ん切りはついたから大丈夫だじぇ」
優希「私、プロになった後アイツに想いを伝えようと思う」
和「応援しますよ」
咲「私も応援するよ!」
優希「ありがとうみんな」
優希(その時にはもう手遅れかもしれないけれど私は信じたい――――そう思った)
カン!
乙
乙乙
京太郎の側からの描写が欲しかった気もする
Entry ⇒ 2012.09.14 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
摩耶花「はあ、なんで折木なんかと同棲してるんだろ」
摩耶花「だいたいあんたはぁ」ヒック
折木(この酔っぱらいめ)
折木(言い返したら長いからな)
折木(省エネのためには黙って聞くしかない)
折木「…」
摩耶花「いい感じ見えたのに…」
摩耶花「私なんかさ…ふくちゃんに返事を延々とはぐらかされてさ」
摩耶花「そうやって返事を伸ばすだけ伸ばされて、結局ふられたのよ…?」ヒック
折木(確かにあれはさすがの俺でも酷いと思ったが…)
摩耶花「振るにしてもさすがに高校卒業するまでには返事くれると思ったのに…」グスッ
摩耶花「大学も卒業間際になって突然言われてもさぁ…」
摩耶花「こっちはもうその気だったのよ…ふくちゃんがはっきり言わないだけでほとんど付き合っている状態だと思ってた」
折木「」ビクッ
折木「き、聞いてるよ…」
摩耶花「あんたからはどう見えた?」ヒック
折木「どうって何が…」
折木「」ビクッ
折木(テーブルを叩くなテーブルを…テーブルさんと空き缶さんが怖がるだろうが…)
折木「あ、ああ…すまん…そうだな…少なくとも大学に入ってからのほうがより親密に見えたな…」
折木「いろいろ旅行とかにも行ったりしたんだろ」
折木「…確かにただの友達というには仲が良すぎるように見えたかな…俺は事情を知っているからあれだが」
折木「何も知らない人から見るとふたりは付き合ってる…と見えてもおかしくないな。うん。そうに違いない」
折木(そう答えないと俺の身が危ない)
折木「…」
摩耶花「それなのに…そっ、それなのに…」ジワッ
摩耶花「うっ…うう…」グスグス
折木「おい…泣くなよ…」
摩耶花「うるさいっ…!」グスッ
摩耶花「…」カシュ ゴクゴク
折木「その辺にしておけよ…」
摩耶花「ふう…もう、諦めはついたわ。ふくちゃんに恨みはない。今の涙は自分の不甲斐なさに対してよ…結局私には魅力がなかったのよね…」ヒック
折木「…」
摩耶花「そりゃ振られてから何週間かはご飯も喉を通らないくらいショックだったし…何もしたくなかった」
摩耶花「ダメだね私…ダメダメだ」
折木「…そ…んなことはない、と思うがな俺は…」
摩耶花「…」ヒック
折木「俺は部外者だから、里志がどうとか、お前がどうとか、何も言う資格はないがな…」
折木「高校に入ってからは少しはお前のことも知ることができた、気がする」
折木「お前は…十分に魅力のある女だと思う」
摩耶花「…それよ」
折木「えっ」
折木「訳の分からないって…」
折木(そういえばあの時も何故かうちに乗り込んできてヤケ酒を飲んでいたな…散々部屋を散らかして帰って行ったっけな)
摩耶花「それから少し経ってからよ、私がよくここに来るようになったのは…」
摩耶花「何考えてるの折木」
折木「」
折木(…酷い言われようだ)
摩耶花「私をどうする気なの」ヒック
摩耶花「今あんたは傷心の女に優しい言葉をかければホイホイ付いてきてヤれるとか考えてるんでしょ」
摩耶花「あんたがちーちゃんと付き合ってればこんなことにならなかったのよ」ヒック
摩耶花「さすがの私もあんたに彼女が居れば乗り込んだりしなかったわよ」
摩耶花「全部あんたが悪いのよ。なんで追い出さないのよ」ヒック
折木「…」
摩耶花「…」
折木「…知ってるよ。何度睨まれたことか」
摩耶花「でも高校に入ってから少しは見直すようになった」
摩耶花「高校に入ってからは折木変わったよね。ちーちゃんのおかげかな?」ヒック
折木「…」
摩耶花「あんた、なんだかんだ言いながら、そんな私にも良くしてくれたし…」
摩耶花「まぁそれでもふくちゃんには全然敵わなかったけど」ヒック
折木「…」
摩耶花「ふふっ」ゴクゴク
摩耶花「だからさ…早く、追い出してよ」ヒック
摩耶花「そうやってまたここに泊まるのよ…」
摩耶花「いい加減こんなことしてちゃいけないってわかってる」グスッ
摩耶花「でも…今は折木に背中を押してもらわないと前に進めそうにないの」
折木「…」
摩耶花「それに…早く追い出してもらわないと…好き、になっちゃいそうだから…」グスッ
摩耶花「…」
折木「俺は…今、お前を外に放り出すことはしたくない」
折木「それは面倒だからとかじゃなく、お前を見ているととてもそんな気にならない」
折木「いくらお前に頼まれても、な…」
摩耶花「うう…追い出して…追い出してよぉ…」グス
折木「…いいから今日はもう寝ろ…」
折木「…」
折木(本当にこいつは小さいな…こんなの、追い出せるわけないだろう…)
摩耶花「うぅっ…うぅ…」グスグス
摩耶花「すぅ…すぅ…」
折木「寝たか…」
折木(…)
折木(こんなことを思うなんて、伊原の言った通り俺も変わったんだろうか)
折木(伊原の寝顔はかわいい、なんて言ったら)
折木(昔の自分が聞いたら全力で否定するかもしれないな)
折木(…俺も寝よう)
チュン…チュチュン…サンワソロエバ…
折木(ううん…朝か…)
折木(頭が重い…俺も少し飲みすぎたかな…)
折木(…腕も重い、なんだ)
折木(伊原が腕に絡みついている…だと)
摩耶花「…」
摩耶花(昨日はあれから飲んで…あっ)
摩耶花「…お、おはよう」
折木「…ああ、おはよう」
折木「ところで伊原、俺の腕を開放してほしいんだが」
折木「そう、頼む」
摩耶花「…」
摩耶花「…」ぎゅっ
折木「…おい」
摩耶花「このままがいい」
折木「…」
折木「ちょ…こっちへ寄ってくるな」
摩耶花「ひどい」
摩耶花「やっぱり私には魅力がないのね…」
折木「ばっ…そういう話じゃなくてだな…」
摩耶花「折木…やっぱり私のことは嫌い?」
摩耶花「…そっか」
折木「だからもう起きよう。朝飯を買ってくるよ、作るのは面倒だしな」
摩耶花「…」
摩耶花「んしょ」
折木「お、覆いかぶさるなっ!」
折木「あのなぁ…じゃあ俺の上からどいてください」
摩耶花「いやー♪」ぎゅっ
折木「はぁ…どうするつもりだ」
摩耶花「…」
折木「…」
摩耶花「ねぇ…折木はキスしたことある?」
折木「はあ?」
摩耶花「…」
折木「…無いよ。俺には彼女が出来たことがないって知ってるだろ?」
摩耶花「そっか。実は私もないんだ」
摩耶花「無いわよ。わかるでしょ?」
折木「里志ならそうだろうな…」
摩耶花「…」
折木「…」
摩耶花「ねぇ…キス…していい?」
折木「!?」
摩耶花「…」
折木「お前…それでいいのか」
摩耶花「折木がいいなら…」
折木「…」
折木(俺はどうすれば…)
折木(俺が拒めばこいつは里志ではない俺の知らない男のところへ行ってしまうのだろうか)
折木(想像するだけで非常にエネルギーを消費しそうだな、これは…)
折木(こいつを泊め始めた時からもう答えは出ていたのかもしれない)
摩耶花「!」
折木「伊原…」
摩耶花「…んっ」チュッ
折木「ん…」
折木(唇が…やわらかい)
折木「…」
摩耶花「…もういっかい」
折木「ああ…」
摩耶花「んっ…んぁ…」チュ
折木(し、舌!?)
摩耶花「ふぁ…」ピチャ
折木「んっ…はぁはぁ…」
摩耶花「ぷはっ…はぁはぁ…」
折木「お、お前…」
折木「全部って…」
摩耶花「…」ゴソゴソ
折木「やっやめろ!脱がすな!」
摩耶花「ふふっ…観念しなさいっ!」
折木「うわぁあ~っ」スッポポーン
摩耶花「どうせこういうことを期待していたんでしょ?いやらしい!」
折木「待て、誤解だ!それは朝になったら若い男は誰もがなる生理現象で…」
摩耶花「?いいから、さっさと脱がせなさいよ」
折木「…へっ?」
折木「…いいんだな」ゴクリ
折木「…」プチッ プチッ
摩耶花「…」
折木「…」スルスル
摩耶花「あっ…」
摩耶花「あんまり見ないで…」
折木「伊原…んっ」チュッ
摩耶花「んんっ……」
摩耶花「…ぷはぁっ…はぁはぁ」
摩耶花「うん…」
折木「胸、触るぞ…」
摩耶花「優しくね…」
折木「ああ」
折木「…」モミ
折木「…」コリコリ
摩耶花「あっ…うぁっ…ん…」
折木「…」ペロ
摩耶花「ひゃぅっ…」
折木「大丈夫か伊原ぁ」チロチロ
俺は千反田えるの豪農ファックがみたいんだよ!
青姦か?
えるたそ「はぃ…折木さん…!今年も…んっ…立派な…ぁう…お米がっ…収穫…できますっ…!」
わろた
折木「気持ちいいのか」クリクリ
摩耶花「んっ…うん…」
折木「…」チュパ
折木(次はどうするか…)
折木(耳、か…)
摩耶花「ぅあっ…!み、みみ…」
折木「嫌か?」
摩耶花「い…やじゃない…んっ」
折木「…」ペロ
摩耶花「んぅ…!」
折木(次は…へそか)
折木「…」ペロッ
摩耶花「ちょっ!…あっ」
折木「…」チュパチュパ
摩耶花「折木ぃ…」
折木(まさか俺の下で乱れる日が来ようとは…)
摩耶花「はぁっ…」
折木(さて…)
折木「脚…開くぞ」
折木「じゃあやめるか」
摩耶花「えっ…それはダメ…」
折木「…」グイッ
摩耶花「ぁ…」
折木「…濡れてるな」
折木(確か…もっと濡らさないといけないんだろう)
折木「さわるぞ」クチュ
摩耶花「ひゃっ…」ビクッ
折木「…」クチュクチュッ
摩耶花「ぅあっ…んっ…くぅ…」
摩耶花「はぁっ…あぁっ…ふぁ…」
折木(…舐めてみたらどうなるかな)
折木「…」ペロ…
摩耶花「ぁんっ…お、折木っ…なぁっ…何を…」ビクン…
折木「何って…気持ちよくないか。俺も初めてだからな…」チロチロ
折木(この突起がいいんだったかな…)ペロ
摩耶花「っやぁ!…そ、そこは…だっだめ…」
折木(今更ダメと言われても…もう止まらん)ピチャピチャ
摩耶花「ぁ…はぁっ…」
摩耶花「お…折木っ…ゃ…激し…って…ばぁっ…んっ」
折木「…」グチュグチュ
摩耶花「も…もダメ…ぅあ…ぃ…いっちゃ……」
折木「はぁっ…はぁっ…」グチュグチュグチュグチュ
摩耶花「ひゃぅ…あっんっ…ふぁっ……~~っ!!」ビクビクン
折木「ふぅ…伊原…大丈夫か…」
摩耶花「…ぅん………」
折木「…その…ここまでやっておいてあれなんだが…本当にいいのか」
摩耶花「…い、いまさら聞かないでよ…」
折木「すまん…」
摩耶花「折木は…だれでもいいの」
摩耶花「たまたまこういう状況になったのが私ってだけで…」
折木「…心配するな。伊原じゃなきゃこんなことはしないよ。お前がいいんだ」
摩耶花「折木ぃ…」
摩耶花「そ、そんな大きい…の…入る、かな…」ドキドキ
折木「ゆっくりやる…痛かったら言ってくれ」
摩耶花「や、優しくねっ…」ドキドキ
折木「ああ…んっ」
ズッ…
折木「大丈夫か…」ズチュ
摩耶花「い…っ…」ジワ…
折木「いったんとめるか…?」
摩耶花「いっ、いい…私は…大丈夫…だからっ…」
折木「もう少しだ…奥まで入れたらとめる」ズブ…
折木「頑張ったな…奥まで入ったぞ…少し休もう」
摩耶花「…」ぎゅっ
折木「お前の中…温かいぞ」
摩耶花「うん…」
折木(マズい…少し動いただけで発射してしまいそうだ…ここはしっかり鎮めなければ…)
折木「いいのか?無理はしなくていいんだぞ」
折木(鎮まれ…俺の燃料棒…!)
摩耶花「ううん…大丈夫…」
折木「そ、そうか。じゃあ動くぞ…」ズッ
摩耶花「んっ…」
摩耶花「はぁっ…ふぁ…んぅっ…!」
折木「んっ…」ズッチュズッチュ
摩耶花「は、あっ、んっ…」
折木「伊原…腰が止まらない…」ズッズッズッ
摩耶花「ふぁ…きっ…もちいい…よっ…おれ…きっ…」
摩耶花「やっ、あっ、あぁん…」
折木(今はただ…こいつが愛おしくて仕方がない…)
摩耶花「うぁ、んっ…はぁっ…」
折木「伊原…俺もう…そろそろ…」ズッズッ
折木「うぁ…はぁっ…伊原っ…」ズチュズチュ
摩耶花「んっ…折木…す、好きっ…」ぎゅっ
折木「…っ…俺も…好き…だ…伊原っ…」ズッズッ
摩耶花「うん…はぁっ、あっ…」
折木「あぁ、もう…でっ…いくっ…うぅっ」ドクンドクン
折木(ヤバいぞこれは…自分でするのとは比べ物にならんほどの量じゃないか…?)
折木(女って…すごいな…)
摩耶花「はぁっ…はぁっ…折木…」
折木「ああ…」
摩耶花「たくさん…出した、みたいね…な・か・に」
折木「!!?」
仕方ないね
折木「い、い、伊原、その…あの…」
摩耶花「ふふっ、ばーか。私は気づいていたけどね」ぎゅっ
折木「んっ、な、ならどうして…」
摩耶花「折木だから…かな」ニコ
折木「伊原ぁ…」ぎゅっ…
折木「じゃあ…抜くぞ」ヌプ
摩耶花「…うん…んっ…」
折木「ははっ…す、すまん…どろどろだ…」
摩耶花「…」
折木「ちょっとティッシュ持ってくるよ…」
摩耶花「ま、待ってっ」
折木「ん?」
折木「!?おっお前何くわえてっ…」
摩耶花「むぐ…」ジュブジュブ
折木「お、おい…あっ…」
摩耶花「…ぉ掃除……ぇら…」ジュブ…
折木「そんなの、どこで…はぁっ」
摩耶花「…結局、今日まで役に立たなかったけど」
折木「…変な漫画でも読んだか」
摩耶花「っるっさい!」ジュブジュブジュブ
折木「ぅあっ…はぁっ…」
折木(なんか地味に上手いぞこいつ…)
摩耶花「ふふっ…なんかまたおっきくなってきたよ?」ペロ
摩耶花「…」ングング
折木「…はぁっ…んっ…」
摩耶花「…」ジュブ
折木「あぁ…はぁ…」
摩耶花「…」ヌチュヌチュ
摩耶花「…」チュパチュパ
折木「おいっ…」グイ
摩耶花「…いいよ我慢しないで」
折木「し、しかし…」
摩耶花「んぐ…」ジュブジュブ
摩耶花「ぅあ…」
折木「はぁ…はぁ…わ、悪い…顔に…」
摩耶花「ううん…いいの」
摩耶花「…飲んじゃった」コクン
折木「伊原…」
折木「先にシャワー浴びてこいよ」
摩耶花「ありがと。そうする」
折木(それにしても)
折木(やってしまったな…)
折木(これからどうなるんだろう、俺達は…)
摩耶花「折木、あがったからシャワーいいよ」
折木「ああ」
ジャー
折木(だが…あんなことまでしてしまったら)
折木(小学校からの付き合いが)
折木(死ぬまで続くことになるのは間違いなさそうだな)
折木「ふぅ…」
摩耶花「あ、折木、あがった?」
折木「ああ。どうした?」
摩耶花「朝食…って言ってもたいぶ遅いけど」
摩耶花「買ってくるのもいいけど、なんか自分で作りたくなっちゃったのよね」
折木「…」
折木(でも…こいつとなら、何も心配することは無いのかもな)
折木「ああ、ぜひ頼むよ」
お わ り
Entry ⇒ 2012.09.14 | Category ⇒ 氷菓SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
P「貴音のとっぷしーくれっとを暴こう!」
P「どこで産まれ、なにをしてきたのか、それは彼女以外誰も知らない……」
P「まぁミステリアスなのはいい。俺だって、ミステリアスな女は嫌いじゃあない」
P「だが、これは行きすぎている!もっと貴音のことが知りたい!」
P「俺はそんな貴音のとっぷしーくれっとを暴きたい!その一心で、立ち上がったのだ!」
P「まずは……貴音の家がどこにあるのかを知ろう!」
P「どんな所に住み、どんな生活を送っているのかを知るのも、アイドルプロデュースには欠かせないことだ!」
P「それなのに……それなのに!担当アイドルの家も知らないなんて、そんなのってないよ!」
P「それにいざという時、家を知らないとなにかと不便だからな」
P「そう!だからこれは、決してやましい気持ちなのではないのだっ!!」
P「おっ、帰るのか?送っていくぞ」
貴音「いえ、それには及びません。あなた様の手を、煩わせるわけにはいきませんので」
P「そんなこと気にしなくてもいいだぞ?もっと俺に甘えてもいい」
貴音「ふふっ……では、そのお気持ちだけ、受け取っておきましょう」
P「むぅ……強情な奴だな」
貴音「別にそのようなわけでは……申し訳ありません」
P「あっ、いや……まぁいい。とにかく、気を付けて帰るんだぞ」
貴音「えぇ、分かっております。心配には及びません」
P「それじゃあ、また明日」
貴音「はい、それでは失礼致します」
P「まぁここまでは予想通りだ!そんな簡単に、貴音のとっぷしーくれっとなんて、暴けるわけがないっ!」
P「へへっ、腕が鳴るぜ……それでこそ、俺が認めたアイドルだ」
P「だがしかぁーっし!貴音は気付いてなかったようだな……」
P「俺がもう、本日の仕事はとうに終わらし、ずっと○×ゲームに興じていたということをっ!!」
P「ふっ……俺の手のひらの上で転がされてるようじゃあ、まだまだだな、貴音」
P「おっと、いけない。そろそれ出ておかないと貴音を見失ってしまう」
P「さぁ!それでは今から、貴音をストーキングを開始しよう!!」
P「おっ!いたいた!へへっ……優雅に歩いてやがる……俺にストーキングされているとも知らずによぉ!!」
P「さぁ、ここからは簡単だ!単にストーキングをし、貴音の住処を見つけるだけだからなっ!」
P「まさか、こんな形で伊賀忍者の末裔たるこの血が、役に立つとはな……」
P「さぁ!レッツ隠密活動だっ!!」
貴音「あんみつかつ丼……なんとも面妖な……」
P「あんみつかつ丼じゃない!おんみt……」
P「」
P「えっ」
P「えっ、なんで……えっ、えっ」
貴音「はて……なにをそのように驚いていらっしゃるのですか?」
P「えっ、いやだって……なんでいるの?」
貴音「あなた様がわたくしの名前を言っていたので、てっきり呼ばれたものかと……」
P「いや別に呼んでないけど……ていうか、聞こえてたの?」
貴音「えぇ、それはもうはっきりと」
P「いやでも、結構離れてたぞ?俺そんな大声出してた?」
貴音「大きいと言えば、大きかったと思います。ですが、大声というわけではありませんね」
P「そうかーマジかー……っていやいや!違う違う違うっ!!」
P「聞こえない!絶対聞こえないって!あんだけ離れてたんだからっ!!」
貴音「わたくし、耳は良いほうですので」
P「耳がいいのレベルじゃない!圧倒的……!圧倒的地獄耳……!!」
貴音「じ、地獄……それは少々、言い過ぎではないでしょうか?」
貴音「それは……空腹でしたので……」
P「あっ、そうなの?それじゃあ……なにか食べに行く?」
貴音「よ、よろしいのですか!?それではらぁめんを……」
P「あっ、ちょっと待って。財布確認するから……」
貴音「らぁめん♪らぁめん♪♪らぁめん♪♪♪」
P「……ごめん、やっぱ今日は無理だ」
貴音「えっ……な、何故ですか!?」
P「お金が42円しかなかったんだ。これじゃあ、なにも食べられないよ」
貴音「な、なんとっ!そのようなことが……」
P「今日は真っ直ぐ家に帰ろう?食べに行くのはまた今度ってことで」
貴音「今回は縁が無かったようですね……はぁ……」
貴音「はい、それではお気を付けて」
P「貴音も気を付けてな」
貴音「それと、あなた様に一つ忠告があります」
P「えっ?なに?社会人のくせに、金持ってなさすぎってこと?」
貴音「いえ、そういうわけでは……とにかく、女性の後を付けるは、褒められた行為ではありませんよ」
P「つ、付けてたって、バレてたのか!?いつから!?」
貴音「それはとっぷしーくれっとです。ふふっ……それでは」
P「いやちょっ……あれっ!?いない!?なんでっ!?」
P「……くそっ!暴くどころか増えてしまったじゃないか!!」
P「だが、俺は諦めない!戦いはまだ始まったばかりだっ!!」
P「今日こそは、貴音のとっぷしーくれっとを暴いてやる!」
P「そうと決まれば、早速作戦を……」
ブォオオオオオオン ブォオオオオオオオオオオン
P「な、なんだこの爆音は!?」
ブォオオオオオオン オォン……
P「と、止まった……?なんだったんだ一体……」
P「ま、まぁいい!この程度の爆音、都会では日常茶飯事だ!!」
P「こんな些事で心を乱しているようじゃあ、アイドルのプロデューサーなど務まるはずもないっ!」
P「さぁ!心も新たに、作戦を練り直そう!」
P「直接貴音に聞くしかない!もうこれっきゃない!!」
P「逆に、どうして今までそうしなかったのか!わけがわからないよ!」
P「とにかく、貴音が来たら早速聞いてみよう!」
貴音「随分と、盛り上がっているようですね」
P「えっ!?た、貴音!?い、いつの間にっ!?」
貴音「つい先程ですよ」
P「そ、そうか……にしても、音もなく背後にいるのは辞めてほしいな」
貴音「も、申し訳ありません……挨拶をしても、気が付いていなかったようでしたので、つい……」
P「あっ、そうだったのか。ごめんな」
貴音「いえ、謝るほどのことではありませんよ」
貴音「聞きたいこと、ですか?わたくしに答えられることならば、よいのですが……」
P「むしろ、貴音にしか答えられないことなんだ」
貴音「わたくしにしか?はて、一体どういう……」
P「ズバリッ!貴音のとっぷしーくれっとを全部教えてくれっ!!」
貴音「わ、わたくしのとっぷしーくれっとを……?」
P「そうだ!どうしても知りたいんだ!頼むっ!!」
貴音「……わたくしのとっぷしーくれっとは、本にすると十万三千冊ほどございます」
P「えっ」
P「じ、重篤な影響って……?」
貴音「……運が良くても、一生気が狂ったまま、人生を歩むことになります」
P「そ、そんなに……?マジで?」
貴音「はい……あなた様に、その覚悟がございますか?」
P「えぇーっと……ま、また今度にしようかな!アッハハハ!!」
貴音「……そうしたほうがよろしいでしょう。実に賢明な答えです」
貴音「ふふっ……みすてりあすな女はお嫌いですか?」
P「いや、別に嫌いじゃないぞ。あぁ、全く嫌いじゃない。だけど、ものにはなんでも限度ってものがある」
P「さすがに、秘密が多すぎたら受け止めきれないよ」
貴音「そ、そうですか……」
P「……ん?どうかしたのか?」
貴音「い、いえ!なんでもありません……どうかお気になさらないでください」
P「そうか、それならいいんだけど……」
貴音「………………」
P「………………」
ガチャン
貴音「!」
P「!」
P「えっ?ぶ、ぶが……なにそれ?」
貴音「あっ、わ、わたくしです!」
伊織「えっ!?あれ、あんたのなの!?」
貴音「はい、いかにもわたくしのものですが……それがなにか?」
伊織「い、いや別になにもないけど……とにかく、ちょっと動かしてくれないかしら?律子の車が止められないのよ」
貴音「そのようなことに……分かりました。では、今すぐに」
伊織「それじゃ頼んだわよ。はぁ……」
P「なぁ伊織、そのブガなんとかってなんなの?」
伊織「あぁ、アンタいたの。車よ、車」
P「あぁ、車か……えっ!?く、車っ!?」
伊織「知らないわよ、そんなこと!でもまぁ……そうなんじゃないかしら?」
P「嘘だろ……いつの間に、免許なんて取ったんだ……」
伊織「まぁ18歳なんだし、免許くらい持ってても不思議じゃないでしょ?」
P「いやまぁそうだけどさ……ところで、そのブガなんとかって外車なのか?」
伊織「そうよ。ついでに言うと、めちゃくちゃ高いわ」
P「外車だもんな、そりゃあ高いだろうけど……いくらくらいなの?」
伊織「私は車に詳しくないからよく分かんないけど、確か……2億円くらいじゃなかったかしら?」
P「はぁ!?にっ、ににに2億!?!?なにそれっ!?そんな車あんの!?」
伊織「あるのよ、不思議なことにね」
伊織「爆音?そんなのがあったの?」
P「あぁ、こうブォーンって感じで。びっくりしたもんだ」
伊織「へぇー……でもなんでまた、急に車で来たりしたのかしら?」
P「寝坊……とか?」
伊織「おっちょこちょいな理由ね、それは」
貴音「いえ、寝坊ではありませんよ」
P「あっ、そうなの……って」
伊織「きゃああああ!!!ち、ちょっとアンタねぇ!!」
貴音「二人とも申し訳ございません……どうにも癖になってしまっているようで……」
伊織「や、やっと落ち着いてきたわ……まったく、心臓に悪いんだから!」
貴音「伊織……なんとお詫びを言ったらいいのか……」
伊織「い、いいわよ別に。これくらい、どうってことないんだからっ!!」
P「ところで、貴音。どうして今日は車で来たんだ?」
貴音「それは……とっぷしーくれっとです」
P「またかっ!便利な言葉だなぁ、おいっ!!」
P「なんだというんだ、一体!どういうことなんだ!!」
P「ふざけんな、バカヤロー!!」
P「……いい、もういい。怒るのはもう辞めにしよう」
P「今日は折角の休日だ。気分も新たに、貴音のとっぷしーくれっとを探るための作戦を考えよう!」
P「その前に、ご飯を食べよう。腹が減っては戦は出来ないからな!」
ガラガラ
貴音「あら、あなた様。おはようございます」
P「」
P「えっ」
貴音「これはまた、しんぷるな疑問を提示いたしましたね」
P「いや、うん……ていうか、どうやって入った!?」
貴音「それはとっぷしーくれっとです」
P「くそっ!やっぱりか!そんなこったろうと思ったよ!!」
P「それで……マジでなんでいるの?」
貴音「最近、あなた様はわたくしのとっぷしーくれっとを探ろうとしているようですね」
P「な、なぜそれをっ!?」
貴音「小鳥嬢から話は全て聞きました!」
P「くそっ!さすがに事務所で叫びすぎたか……」
貴音「それと、これは小鳥嬢からの伝言なのですが……」
P「伝言?そんなのあるの?」
貴音「えぇ……『貴音ちゃんだけじゃなくて、私にもかまってほしいピヨー!』とのことです」
P「それを貴音を通して俺に伝えてくるとは……やはり小鳥さんは、なかなかな人だな」
P「な、なら……?」
貴音「わたくし自らがあなた様の元へ赴き、それを阻止してみせようと思ったのでございます!!」
P「な、なにィィィーーーーーー!?!?!?!?」
貴音「ふふふっ……わたくしとて、ただでとっぷしーくれっとを暴かれるわけにはいきません!!」
P「くっ……!貴様ぁ……一体なにをする気だ!?」
貴音「あなた様に直接なにかをするわけではありませんよ?」
P「えっ、そうなの?」
貴音「えぇ、ですが……わたくしのがぁどは殊更、堅くなることでしょう」
P「これ以上堅くなられたら、俺はもうどうしようもないじゃないか!」
貴音「この際、諦めてみては如何でしょうか?」
P「……諦めない!運命に負けたくないんだっ!!」
P「諦めの悪さだけで、ここまで来たようなもんだからな」
貴音「ふふっ……それでこそあなた様です」
P「……なんかあまり褒められてる気がしないな」
貴音「そんなことありませんよ?」
P「そうなの?それじゃあまぁ……ありがたく受け取っておくよ」
貴音「そうして頂けると、わたくしとしてもありがたいですね」
P「ところで……今日は一時休戦にしないか?」
貴音「えっ?休戦、ですか?」
貴音「……そうですね。わたくしとしても、本日は宣戦布告の宣言をしに参っただけですので」
P「それじゃあ早速、なにか食べに行こう!」
貴音「そ、それはつまりらぁめんをですか!?」
P「そうだな……この前は行けなかったし、ラーメン食べに行こうか」
貴音「真ですかっ!?らぁめん♪らぁめん♪♪らぁめん♪♪♪」
P「……貴音ってさ、自分で料理とかしないの?」
貴音「えっ?それは……とっぷしーくれっとです」
P「いや、これくらいは教えてくれてもいいんじゃないかな!?」
P「……いや、なにを悩んでいるんだ、俺は!もう突き進むしかないじゃないか!!」
P「そうだ!突き進むんだ、俺は!もう後戻りなんて出来ない!!」
P「小鳥さん!あなたもそう思いますよね!?」
小鳥「ピヨッ!?え、えぇ……それでいいんじゃないでしょうか?」
P「ありがとうございます!小鳥さんにそう言ってもらえると、百人力ですっ!!」
小鳥「百人力……そんなこと言われると、照れちゃいますよ……」
P「よしっ!そうと決まれば、早速作戦だっ!!」
小鳥「えっ?いやちょっと……プロデューサーさーん?」
小鳥「はぁ……あの性格、なんとかならないのかしら?」
P(そう!そうこれは、あの時と同じ作戦だっ!!)
P(よもや、俺が同じ作戦を仕掛けてくるとは、貴音も思うまい……)
P「フフフ……これで俺の勝ちだ!フゥーハハハ!!」
貴音「あ、あなた様?どうかされたのですか?」
P「えっ!?いや!なんもないぞ!?なんもないぞ、うんっ!!」
貴音「それならば、よろしいのですが……」
P「それで、貴音はそろそろ帰らないのか?」
貴音「わたくしは、あなた様が帰宅してから、帰還しようと思っておりますので」
P「な、なぜそんなことを?」
貴音「またわたくしの後を付けるおつもりでしょう?」
P「なっ!?ど、どうしてそれを!?」
貴音「あなた様の魂胆など、わたくしには全てお見通しです」
P「……どうやら、ガードを堅くしたっていうのは、本当のようだな」
P「俺が帰るのも、貴音が帰ったあとからだ」
貴音「ならばこのままでは、どちらとも帰還することが出来ませんね」
P「そうだな。これぞまさに平行線ってやつだ」
貴音「………………」
P「………………」
貴音「あなた様は……」
P「ん?どうした?」
貴音「あなた様はなぜ、そうまでしてわたくしの秘密を知りたがるのですか?」
貴音「不安、ですか?」
P「あぁ……貴音に信頼されていないんじゃないかって」
貴音「そんなっ!決して、わたくしはあなた様のことを……」
P「俺だって分かってるよ、それくらいのことは。でも……やっぱり不安なんだ」
P「貴音は一向に、俺になにも教えてくれない……こんなに時間が経ってもだ」
P「ちゃんと、示してくれないと安心できない。そんな弱い人間なんだよ、俺は……」
P「まぁこんなことを、本人に言うもんじゃないんだけどな……許してくれ」
P「ごめんな、こんな奴が担当で……」
貴音「ですからっ!謝るのはもう……分かりました」
P「えっ?分かったって……なにが?」
貴音「わたくしのとっぷしーくれっとの全てを、教えることは出来ませんが……家くらいならば……」
P「ほ、本当かっ!?本当にいいのかっ!?」
貴音「え、えぇ……ですから、もう二度とわたくしがあなた様を信頼していないなどと、思うことはよしてください」
P「あぁ、もう二度とそんなことは思わない!それよりも、早く向かおう!」
貴音「あ、案外立ち直りが早いのですね……ではまず、目を瞑ってください」
P「目を?どうしてそんなマネを……」
貴音「お願いです。目を瞑って頂かなければ、わたくしの家へと案内出来ないのです!」
P「なにやら事情があるんだな……分かった。……ほら、これでいいか?」
貴音「はい、ありがとうございます。それでは参りましょう」
P「ごめんな、こんな奴が担当で……」
貴音「ですからっ!謝るのはもう……分かりました」
P「えっ?分かったって……なにが?」
貴音「わたくしのとっぷしーくれっとの全てを、教えることは出来ませんが……家くらいならば……」
P「ほ、本当かっ!?本当にいいのかっ!?」
貴音「え、えぇ……ですからもう二度と、わたくしがあなた様を信頼していないなどと思うことはよしてください」
P「あぁ、もう二度とそんなことは思わない!それよりも、早く向かおう!」
貴音「あ、案外立ち直りが早いのですね……ではまず、このあいますくを付けてください」
P「アイマスク?どうしてそんなマネを……」
貴音「お願いです。あいますくを付けて頂かなければ、わたくしの家へと案内出来ないのです」
P「なにやら事情があるんだな……分かった。……ほら、これでいいか?」
貴音「はい、ありがとうございます……それでは参りましょう」
P「お掛け?座ればいいんだな……うわぁ!」
貴音「だ、大丈夫ですか!?」
P「あ、あぁ……ちょっと驚いただけだから……」
貴音「そうですか……それでは、しぃとべるとをお掛けしますね」
P「シートベルト?ってことは車なのか……俺は今、に、2億円の車に乗ってるんだな……」
貴音「そう緊張することはありませんよ?どうぞおくつろぎください」
P「く、くつろげるか!庶民なめんなよ!」
貴音「ふふっ……それでは参ります」
P「お、おう……よろしく頼む」
P「あぁ、着いたのか。アイマスク外してもいいか?」
貴音「えぇ、どうぞ外してください」
P「じゃあちょっと……どれどrデケェ!!えっ!?なにこれ!?」
貴音「そ、そんなに驚かれるものでしょうか?」
P「いやだって、これ豪邸じゃん!俺、こんな家見たの初めてだよ!」
貴音「豪邸……そうなのですか?」
P「あぁ、間違いない!でも、どうして貴音がこんな豪邸を?」
貴音「それはとっぷ……辞めましょう。今日はなるべくあなた様の質問に答えることにいたします」
貴音「この家は、四条が持つ日本の別荘の一つなのです」
P「1つ?それじゃあ……ほ、他にもこんな家がまだあるのか!?」
貴音「えぇ、他にもいくつかありますね」
P「1個くれっ!!」
貴音「そ、それはなりません!」
P「お邪魔します……はぇー、中も広いな」
貴音「それではこちらへ……」
P「なぁ、ここには1人で住んでるのか?」
貴音「えぇ、そうですが……なにか?」
P「いや、1人だと掃除とか大変じゃない?」
貴音「確かに大変ではありますね。全ての部屋を掃除するとなると、五日はかかります」
P「い、五日……たまげたなぁ……」
P「……なぁ貴音、俺もここに住んでいい?」
貴音「えっ!?そ、それは……わたくしとしてはその……で、ですがっ!いやしかし……」
P「いや、そんな悩まなくていいよ。ちょっとした冗談だから」
貴音「じ、冗談だったのですか!?もう……」
P「そうだなぁ……貴音の家も見れたことだし、今日はもう……」
貴音「お帰りになられるのですか……?」
P「えっ?いやまぁ……貴音に任せる!」
貴音「わ、わたくしにですか?」
P「あぁ!帰るにも貴音の力が必要になるし、もし疲れてるなら無理はさせられないもんな!」
貴音「あなた様……では、今宵はどうぞお泊まりになってください」
P「」
P「えっ」
貴音「あの……なにかおかしなことを言いましたでしょうか?」
P「あっいや……ちょっと休憩してから、帰るものかと……」
貴音「今の流れでそれは、少々不自然に思いますよ?」
P「そうなの?それじゃあ……お、お世話になります……」
貴音「はい、どうぞごゆるりとおくつろぎください」
貴音「なりません!お客人にそのような粗相を働くなどっ!!」
P「そんなこと気にしないでいいよ。そもそも、急に泊まることになったんだし」
貴音「いいえ、なりません!四条の人間として、そのような狼藉を働くわけにはっ!!」
貴音「あなた様には今宵、こちらの部屋で睡眠を採って頂きます!」
P「これはまた随分と広い部屋だな……1人だと落ち着かなさそうだ」
貴音「それならば、ご安心してください」
P「ご安心?どういう意味なんだ?」
貴音「わたくしもこの部屋で、あなた様と一緒に眠りますので」
P「」
P「えっ」
貴音「何故、そこまで頑なに拒否を……」
P「そ、それはまぁ……ほら!色々あるんだよ、色々っ!!」
P「とにかく俺は、貴音とは違う部屋で寝るからな!分かったっ!?」
貴音「……分かりました。あなた様がそこまで仰るのであれば、わたくしはそれに従うのみです」
P「どうやら、分かってくれたみたいでありがたいよ……」
貴音「ですが……寝相が悪く、気が付いたらあなた様と共に寝ていたという場合は、仕方がありませんよね?」
P「どこにドアとドアを飛び越える寝相があるんだっ!それはもう夢遊病じゃないかっ!!」
貴音「では早速、お休みになられますか?」
P「いや、寝るのはまた後でいいや……それより、どこか落ち着ける場所ないか?」
貴音「落ち着ける場所……それなら丁度良いところがございます」
P「本当か?それならちょっと、案内してくれないかな?」
貴音「えぇ、お安いご用です。ではこちらへ……」
P「ごめんな、なんかさっきからわがままばっかで……」
貴音「お気になさらないでください。いつもはわたくしたちのわがままを、聞いて頂いているのですから」
貴音「この程度のわがままは、わがままとは言えません」
P「そうか……やっぱり、貴音は良い子だなっ!」
貴音「良い子……わたくしは所詮、良い子止まりなのでしょうか……」
P「ん?どうかしたのか?」
貴音「いえ、なんでもありません。もうすぐ着きますよ」
P「ここは……ベランダ?」
貴音「いえ、ばるこにぃというものですよ」
P「バルコニー……ベランダではないのか。にしても、どうしてここへ?」
貴音「ここから見る月は、真、素晴らしいものですので、あなた様にも是非にと……」
P「月?あぁ……確かに綺麗だな」
貴音「えぇ……今宵の月は、殊更格別に綺麗ですね……あなた様と共に、見上げているからでしょうか」
P「……俺にとっては、月なんかより貴音のほうがずっと綺麗だよ」
貴音「えっ!?あ、あっあああっあなた様っ!?い、いいい今のはどういう……」
P「さぁ?とっぷしーくれっとです」
貴音「あっ、あなた様ぁ!!そう、はぐらかさずにちゃんと答えてくださいっ!!」
P「言えないな、だってとっぷしーくれっとだもん。悩むがいいさ、若者よ」
貴音「もう……あなた様はいけずです……」
貴音ムズすぎワロタ
だがそれもまた魅力
乙
Entry ⇒ 2012.09.14 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
春香「冬馬くんって私の事好きなの?」
春香「好きなの?」
冬馬「な、なななななんで俺が、お、お前のこ、ことなんぅt」
春香「好きなんでしょ?」
冬馬「バッ、お、おま、すっすすすす、す、好きなわけね、ねぇだろぉ!? ババババッカじゃねぇの!?」
春香(カワイイ)
冬馬「バッ、だからおま……ち、ち、ちげーって!」
春香「じゃあ嫌い?」
冬馬「えっ」
春香「嫌いなんだ?」
冬馬「き、きき嫌いってわけじゃ……ねぇけどよ」
春香「じゃあ好き?」
冬馬「バッ、お、おま、すっすすすす、す、好きなわけね、ねぇだろぉ!? ババババッカじゃねぇの!?」
春香(カワイイ)
冬馬「えっ?」
春香「ん?」
冬馬「い、今なんt……い、いや! やっぱいい」
春香「んー?」
冬馬「な、なんだよ! か、顔近付けんじゃねぇ!」
春香(カワイイ)
春香「そこでばったり会ったから」
冬馬「だ、だったら別についてこなくてもいいだろ」
春香「まあ暇だったしね」
冬馬「そ……そうかよ」
春香「…………」
冬馬「……ッ……」
春香「…………」
冬馬「さ、さりげなく近寄ってくるんじゃねぇ!」
春香(カワイイ)
春香「え? なんで?」
冬馬「いや、だからお前、アイドルが……」
春香「アイドルが?」
冬馬「アイドルが、その、えっと……」
春香「ふんふん、それでそれで?」
冬馬「だから、その、男とふ、ふた、二人で……」
春香「二人で?」
冬馬「あ、あるっ、歩いてたりするとこを、その、見られたらだな……!」
春香「見られたら……か~ら~の?」
冬馬「だっ、だからっ、その……」
春香「ニヤニヤ」
冬馬「……カッ、カッ、カップルってやつに、み、みれらああああああもういい!!」
春香(カワイイ)
春香「……ふーん……」
冬馬「な、なんだよ」
春香「…………」
冬馬「……ぐっ……」
春香「…………」
冬馬「……おい、おまっ……」
春香「…………」
冬馬「う、上目遣いしながら寄ってくんな!! ていうかなんかいえよ!! あーもう!!」
春香(カワイイ)
春香「汗凄いね」
冬馬「おま、お前のせいだろ……」
春香「え? 私なんかした?」
冬馬「…………もういい」
春香「まあでも、確かに暑いね」
冬馬「えっ」
春香「ブラウスのボタンもうちょっと外そうかな」
冬馬「!」
春香「もちろん嘘だけど」
冬馬「……!」
春香「ニヤニヤ」
ピッ ゴトン ピッ ゴトン
冬馬「ほらよ」
春香「くれるの?」
冬馬「あ、暑いからな」
春香「ありがと!」
冬馬「……ッ、べ別にこんなの、れ、礼を言われるほどの事じゃn」
春香「冬馬くんは私のどういうところが好きなの?」
冬馬「ブフォッ!?」
春香「わあ! 大丈夫?」
冬馬「バッ、げほ、おま……バッカ、ごほっ、げほっ……い、いきなり何てことききやがる!?」
春香「いやあ、そろそろはっきりさせておいた方が良いかなと」
冬馬「意味わかんねぇよ!?」
春香「なんでそう意地を張るかな」
冬馬「は、張ってねーよ!」
春香「…………」ジー
冬馬「……ッ」
春香「…………」ジー
冬馬「……ぐっ……」
春香「…………」ジー
冬馬「……だあーもう!! だから無言で上目遣いで見るのをやめらっちゃられら!!」
春香(カワイイ)
春香「え、駄目だった?」
冬馬「え、いや、べ、別に……駄目じゃねぇけどよ」
春香「ていうか冬馬くんも、私の事下の名前で呼んでいいよ」
冬馬「えっ」
春香「?」
冬馬「お、俺は別に……いいよ」
春香「……あー、そっか」
冬馬「な、なんだよ」
春香「冬馬くんって、女の子を下の名前で呼んだことないんだ」
冬馬「!? な、なななわけねぇだろ!?」
春香「じゃあ呼んではい。はーるーか。はーるーか」
冬馬「あ、煽んじゃねぇよ!! っこ、心の準備くらいさせろ!!」
春香(カワイイ)
春香「冬馬くんの~ちょっといいとこ見てみたい!」
冬馬「だ、だから煽んな!! こっちは緊張してんだ!」
春香「あ、緊張してるんだ」
冬馬「? な、何だよ?」
春香「べっつにぃ~」
冬馬「なんかむかつくな……まあいいや、じゃ、じゃあ呼ぶぞ!」
春香「うん」
春香「…………」
冬馬「…………」
春香「…………」
冬馬「…………」
春香「…………」
冬馬「…………はr」
春香「あのさ」
冬馬「あっ」
春香「あ、ごめ……」
冬馬「…………」
春香「…………」
春香「だって冬馬くんがなかなか呼ばないから」
冬馬「今まさに呼ぶとこだっただろうが!」
春香「じゃあ早く呼んでよ」
冬馬「お、おう……呼ぶとも」
春香「…………」
冬馬「…………」
春香「…………」
冬馬「は……春香」
春香「何? 冬馬くん」
冬馬「え? いや……呼んだだけ、だけど……」
春香「………はぁ~」
冬馬「な、なんだよそのリアクション! お前が呼べって言ったんだろうが!!」
春香「まあそうですけどぉ~……はぁ~」
冬馬「ぐっ……」
冬馬「なんで俺が責められる流れになってんだよ……」
春香「で、まだ答え聞いてないんですけど?」
冬馬「あ? 何のだよ」
春香「冬馬くんは私のどういうところが好きなの? っていう質問の」
冬馬「ブッ! お、おまっ、バッ……!」
春香「ん?」
冬馬「だっ、だからそれそ、そそういうのは……」
春香「んー?」
冬馬「だ、だからそのっ……て、だからさりげなく顔を近付けてくんなああああもう!!」
春香(カワイイ)
冬馬「だからなんで俺が……」
春香「そんなしょうがない冬馬くんのために質問を変えてあげるよ」
冬馬「……なんでお前そんな上から目線なんだ……?」
春香「冬馬くんは私のどこがかわいいと思う?」
冬馬「えっ」
冬馬「顔」
春香「え」
冬馬「…………あ」
春香「…………っ」
冬馬「…………いや、えっと」
春香「…………」
冬馬「…………その」
春香「……か……」
冬馬「……か?」
冬馬「え!? ちょ、おい」
冬馬「…………」
冬馬「……行っちまった」
冬馬「……ったく、散々人を振り回しておいて……一体何様なんだっつーの」
冬馬「…………」
冬馬「……俺も帰るか」
冬馬(あーくそっ……なんか妙に落ち着かねぇ……)
冬馬(何であんなこと答えちまったかな……)
冬馬(大体あいつが答えを急かしやがるから……ん?)
ピロリロリ~ン♪
冬馬(……メール? ……北斗から? 一体なんだってんだ……)
ピッ
From:伊集院北斗
To:天ヶ瀬冬馬
チャオ☆
ついさっき、駅で765プロの天海春香ちゃんを見かけたよ!(o≧▽゚)o
彼女、なんかしらないけどすっごくイイ笑顔でスキップしてた☆(*´∀`)♪
機嫌よさげだったし、今アタックしたらオトせるかなあ~???
------------------------------------------------------------------------
冬馬「……あのバカ」
了
Entry ⇒ 2012.09.14 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
義姉「お姉ちゃんは心配なのです」男「はぁ」
男「座ってるけど」
義姉「揚げ足を取るのはよくありませんよ」
男「とってないけど」
義姉「こほん。今何時ですか?」
男「12時半だねぇ」
義姉「……」
男「……」
義姉「お姉ちゃんがどれだけ心配したと思ってるんですか!?」
男「ええ!?」
男「え?うん、まぁ大体は」
義姉「言ってみてください!」
男「17歳高校生」
義姉「そうです!高校生です!高校生が夜遊びなどごんどごうだんなのです!」
男「言語道断ね」
義姉「揚げ足をとらないでください」
男「とってない」
義姉「とにかく」
男「はぁ」
義姉「高校生の本文は勉強です」
男「はぁ」
義姉「それが……貴方は、貴方は!」
男「え?何が?」
義姉「カラオケですって!?」
義姉「どういうことですか!どういうことですか!」
男「どういう事と言われても」
義姉「貴方と初めて出会ってから13年」
男「……」
義姉「血は繋がらないものの、精いっぱい姉として、よそ様に誇れる弟にと育ててきたものです」
男「姉ちゃん当時5歳だよね?重すぎない?」
義姉「そうしてあなたはめきめきと成長し、私の唯一の自慢となってくれました」
男「他に自慢あると思うんだけど」
義姉「それが何ですか!この体たらくは!」
男「この程度で!?」
義姉「この程度とはなんですか!こういうことが不良になる第一歩なんですよ!?」
男「大げさな……」
男「姉ちゃんの場合捕まるもんね」
義姉「捕まりません!もうR-18 だって買えるんです!」
男「え?買ったの?」
義姉「買うわけないじゃないですか!あんな破廉恥な!」
男「ですよね」
義姉「とにかく、私のようにこう、夜九時以降は出歩かないという」
男「流石に早すぎない!?スーパーでももうちょっと開店してるよ!」
義姉「何を言ってるんですか!?夜中に出歩きでもして『おうちどこ?ちょっと警察まで来ようか』
と言われることだってあるんですよ!?」
男「それは姉ちゃんだけな?」
男「……具体的には?」
義姉「えっ」
男「いや、危険と言われても、正直俺からすれば何が危険なのやら……」
義姉「たとえば、『おじょうちゃん飴あげるからちょっとこようか』とか言っちゃう変態さんとか」
男「ねーから。183cmに対してそれはねーから」
義姉「もしくは、サブマシンガンで武装した変態さんとか」
男「それは変態さんの域を超えてる上に日本にはほぼ生息しないから」
義姉「常に全裸で徘徊している変態さんとか……」
男「発見次第蹴ればいいかな」
義姉「……」
男「……」
義姉「揚げ足をとらないでください!」
男「揚げ足の意味わかってる!?」
男「違うよ!足ってついてるじゃん!足の天ぷらだとしても性質が悪いよ!」
義姉「……とにかく、変態さんがいて危険なのです!」
男「別に俺からすれば危険じゃないんだけどなぁ」
義姉「それは慢心というものです!」
男「使い方が違うのか、それとも実際に間違っているのか」
義姉「多少身長が高いからといってうぬぼれてはいけません!」
男「あげないよ」
義姉「ください!」
男「あげないってば」
義姉「とにかく、油断と慢心は大敵なのです!己の弱さこそが真の敵なのです!」
男「いや、こんなタイミングで無駄にいい事言われても」
義姉「……では、試してみますか?」
男「え?」
義姉「貴方が、どれだけ甘いかをです!」
男「はぁ」
義姉「お姉ちゃんが、変質者に扮して襲い掛かります」
男「はぁ」
義姉「その時、貴方は全力でふりはらってください」
男「(そんな事したら姉ちゃん死にかねないしやんわりほどくか)」
義姉「では!3、2、1……Q!」
男「Q!?」
義姉「さぁ歩いて!」
男「あ、おう……」
テクテクテク……
バッ
義姉「がおー!」
男「がおー!?」
ガバッ
男「……え」
義姉「が、がおー……」
男「……」
義姉「食べちゃうぞー……」
男「あああああああああもう姉ちゃん可愛いなちくしょおおおおおおお!!」
ガバーッ
義姉「きゃああああああ!?」
男「はぁっ!つい余りの可愛さに米俵よろしく担いで部屋に持って帰るところだった!」
スト
義姉「い、いきなり持ち上げないでください!」
男「ごめんごめん、つい」
義姉「うう……ちょっと出たじゃないですか」
男「何が?」
義姉「黙っててください!!」
男「……え?微塵も」
義姉「なんでですか!」
男「むしろあんな変態さんならウェルカムだよ!お持ち帰りしちゃうよ!」
義姉「変態さんをテイクアウトするような弟に育てた覚えはありません!」
男「確かにそんな風に育てられた覚えはないね!」
義姉「……変態さんの恐ろしさが、まだわからないというんですか!?」
男「というか変態に対してビビることないしね。こっちは鍛えてるし」
義姉「……確かに、しっかりした腕ですよね」
ぺたぺた
男「だろー?」
ぺたぺた
義姉「……」
男「……」
ぺたぺた
義姉「……」
ぺたぺた
男「……あの?姉ちゃん?」
義姉「ほぅあっ!?何ですか!?」
男「いや、いつまで触ってるのかなーと」
義姉「思いのほかさわり心地がよかったもので」
男「持って帰る?」
義姉「いいんですか!?」
男「そこでそう答えちゃうあたり末期だね」
義姉「ですよねぇ……腕なんて取り外し不可ですし」
男「まぁ腕枕くらいならできるけど」
義姉「えっ」
男「えっ」
義姉「……」
義姉「……」
男「……」
義姉「……ぷはぁああっ!」
男「!?」
義姉「煩悩との戦いに打ち勝ちました。今日は一人で寝ます」
男「あ、そう……」
義姉「……」プルプル
男「プルプルしてるけど大丈夫!?」
義姉「大丈夫です、泣いて……泣いてなんか」グス
男「ちょっと!泣かないで!お願い!!」
義姉「いいですか」
男「はい」
義姉「お姉ちゃんをアイスごときで釣ろうなど」
男「はい」
義姉「しょうばせんしんです!」
男「笑止千万ね」
義姉「だから次はないと思っていてください!」モソモソ
男「(アイス食べる姉ちゃんも可愛い)」
男「うん」
義姉「夜遊びなどはもってのほかだ!」
男「うん」
義姉「私はこう言いたかったわけです」
男「なるほど」
義姉「で」
男「うん」
義姉「それについて」
男「うん」
義姉「何か反論はありますか!?」
男「うん」
義姉「まぁなくて当然ですよね。だって私お姉ちゃんですし……
ってあるの!?」
男「うん」
男「(オロオロする姉ちゃん可愛い)じゃなくて、
もう高校生なんだから、流石に夜遊びくらいはどうかなーって」
義姉「何を言ってるんですか!」
男「え」
義姉「高校生の本文は勉強!遊びに現を抜かしている場合などではないのです!」
男「俺大学もA判定だけど」
義姉「ええっ!?」
男「勉強教えてくれたのは姉ちゃんだったと思うけど……」
義姉「ああ確かに、そんな思いでもちらほら……」
男「教え方がうまいせいか、一度教えてもらったとこは忘れないんだよね」
義姉「む、むむ……」
男「何その惰性前提!?」
義姉「大切なのは結果じゃありません、過程です!」
男「受験じゃ一番意味ないよそのセリフ
義姉「とにかく、学生のうちは『ああ頑張ったなぁ、勉強したなぁ、充実したなぁ』
と思える生活をすべきです!」
男「そう思えるサークルまたは部活に入れられれば楽なんだけど
義姉「それはこう……自分次第というか」
男「……」
義姉「運命次第、というか……」
男「スケールがでかくなってきたなぁ」
義姉「とにかく、学生のうちは勉強して快感を感じるべきです!」
男「その表現をやめようか。特に姉ちゃんは危ない」
男「いや、勉強に魅力を感じる方が少数派だから」
義姉「!?」
男「そんな普通にびっくりされても」
義姉「だ、だってだって……楽しいじゃないですか、勉強」
男「……一応聞くけど、どのあたりが?」
義姉「頑張れば結果が伴うところです」
男「伴わなかった事って何?」
義姉「牛乳さんは私の身長に関して協力的になってくれませんでした」
男「あー……」
男「いい子すぎる!」
義姉「だから実は今はとっても眠いんです!」
男「それは見ればわかるよ」
義姉「とっても苦手なコーヒーさんに頼らざるを得なかったのです!」
男「ああ、そう……」
義姉「にがかった……」
男「いちごミルク買ってこようか?」
義姉「えっ!?」
男「……」
義姉「……はっ!ダメです!夜中に買い物などごんごごうごん!」
男「言語道断ね」
義姉「?」
男「はい、飴どうぞ」スッ
義姉「!!」
男「……」
義姉「あ、ありがとうございます……」
パク コロコロ
義姉「~♪」
男「(可愛い)」
義姉「……むふー」コロコロ
男「(可愛い)」
義姉「……っはぁ!あ、飴でお姉ちゃんをごまかそうったってそうはいきませんよ!」
男「惜しい!」
男「?」
義姉「……ふ」 コクリ コクリ
男「(……ああ!もう一時だから限界なんだ!お子様だから!)」
義姉「……ふぁっ!ね、寝てましぇんよ!」
男「わかったわかった、俺が悪かったからもう寝よう」
義姉「し、仕方ないでしゅね!しょこまで……」コクリコクリ
義姉「はっ!そこまで言うなら今日の所はゆるしゅてあげまふ!」コクリコクリ
男「(半分寝てるのに本当に良く頑張るなぁ……)」
義姉「……」ポンポン
男「……え?何?」
義姉「今日はお姉ちゃんの部屋で寝てください」
男「え!?何故!?」
義姉「貴方がこっそり抜け出さないように見張ります」
男「いやいや!大丈夫だって!抜け出すとかありえないから!」
義姉「信じられません!さぁ!」
男「(ね、姉ちゃんと同じベッドで寝ろと……!?)」
義姉「大丈夫ですよ、私ちっちゃいから二人くらいなら余裕です」
男「そこじゃなくって!ていうかたまに姉ちゃんが俺のベッドに侵入してるからサイズは知ってる」
義姉「あ、あれは起こそうとしたらついつい寝てしまっただけです」
男「(週1くらいであるんだけどね)」
義姉「さぁ!」ポンポン
男「ぐぬぬ……」
男「(……否!耐えられない!!今日のところは心を鬼にして、一人で寝るぞ!)」
男「……いや、俺一人で寝たいから、自分の部屋に帰るよ」
義姉「えっ……」ウルウル
男「ごめん姉ちゃん!!俺が間違ってた!!さぁ寝よう!」
義姉「はーい!」ウキウキ
男「(涙目の上目使いに勝てる男なんていません!!)」
義姉「さ、寝ましょう!」
男「……」
義姉「……」
男「……」
義姉「……どうか?」
男「(顔近ぁっ!!)」
男「ね、姉ちゃん……こっち向くの?」
義姉「え……駄目でした?」ウル
男「全くそんなことないよ!!むしろありがとう!!」
男「(しかしこれどうなんだ……?鼻くっつきそうなんだけど……あ、そっか、俺が寝返り打てば)」
ゴロン
義姉「あっ……」シュン
男「……」
義姉「……」シューン
義姉「わーい♪」
男「(畜生!!!畜生!!)」
義姉「さ、寝ますよ。それとも子守唄でも歌いましょうか?」
男「それは流石にいいや」
義姉「ふふ、もう高校生ですもんね」
男「(姉ちゃんはいいとこ小学生だけどな)」
義姉「今何か失礼なこと考えました?」
男「(エスパーかよ!!)」
男「いや……姉ちゃんはこの世界で創造されたものの中で最も美しいなって思ってただけ」
義姉「えっ……」
義姉「もー……照れちゃいます」
男「(かわああああああああああああ!)」
義姉「ね、寝ますよ!」プイッ
男「(顔真っ赤かわあああああああああ!!)」
義姉「朝ですよー」ユサユサ
男「むーん……」
義姉「起きてくださいー」ユサユサ
男「あと五分……」
義姉「……」
カプ
男「ほぅわっ!?」
義姉「おはようございます」ニコー
男「ちょ、今何」
義姉「さ、朝ごはん食べますよー」
男「え、あ、うん……」
義姉「当然です!」
男「おはっす」
義母「今日はスクランブルエッグとトーストと牛乳だからね。今日こそ大きくなるといいね」
義姉「今日こそ大きくなります!」
男「(まぁ……姉ちゃんのちっさいのは母さんの遺伝なんだけどな)」
男:183
父:185
義母:148
義姉:135
義母「はいいってらっしゃい」
男「てきま、俺姉ちゃんのおかげで遅刻したことないな……」
義姉「当然ですよ!早寝早起きは学生の基本です!」
男「(夜更かしした日もちゃんと6時に起こしてくれなくてもいいんだけど)」
「おはよーっ!!」ガバーッ
義姉「うにゃあっ!?」
義姉友「おはよう!おはよう!!ああ、今日も可愛いなぁ!」スリスリ
義姉「うああ……やめてくださいよぉ」
男「おはようございます。朝から元気そうで何よりです」
義姉友「おはよ。いやぁむしろ元気を貰ってるって感じ?」
男「なるほど、わかります」
男「おはよ。おうよ、羨ましいだろ」
義姉「小学生じゃないですよ!?」
義姉友「ああ、可愛い……」スリスリ
男友「まぁそこで羨ましいという発言が出てくるのは真性のロリコンとお前くらいじゃないか」
男「俺を真性のロリコンと一緒にするなよ、俺は140cm以上の人類に存在意義を感じてないだけだ」
男友「それを真性のロリコンっていうって知ってたか?」
男「えっ!?」
義姉「えっ……ろ、ロリコンさんだったんですか!?」
男「え?違うよ」
義姉「なんだ違うんですか……」
男友「(扱いやすいな)」
義姉友「(ちょろいなぁ)」
義姉「……」プルプル
義姉「……」プルプル
義姉「……黒板の上の方に手が届きません」
先生「おい鈴木、教室の奥に設置してある脚立持って来い」
鈴木「ウィィィッス!!」
――――――キーンコーンカーンコーン
ガララー
義姉「あの……すみません」
生徒A「(可愛い)」
生徒B「可愛い)」
男友「どうかしました?」
男「あれ?姉ちゃんじゃん」
義姉「あ!よかった、今日は一緒にお弁当を食べようと思いまして」
男「ファッ!?何事!?」
男「(姉ちゃんはすぐ本に影響されるからなぁ……)」
男友「(え?姉弟ものの官能小説貸したらどうなんの?)」
男「(やめとけ)」
義姉「さぁ行きますよ!いきますよ!」ズンズン
男「ちょっまっせめて弁当持たせて」
生徒A「(いいなぁ)」
生徒B「いいなぁ」
生徒C「ウォォォ!!ロリ敬語姉キターッ!!!」
――――屋上
男「……ここ立ち入り禁止じゃあ」
義姉「私、マスターキーもらってるんですよ」
男「ファッ!?」
義姉「『お前なら悪用しないだろう』ということで先生から借りてます!委員会権限です!」
義姉「むむ、それは人聞きが悪いですよ。私は貴方の風紀が乱れているのを更生させるためにこの場所を借りているのです」
男「それは言い方の問題のような気が」
義姉「いいんです!揚げ足をとるとモテませんよ!」
男「まぁモテないということはないんだけど」
義姉「えっ」
男「え?」
義姉「……」ウルウル
男「え!?」
義姉「も、もう彼女とかいるんですか……」
男「え!?」
義姉「カラオケというのも嘘で……本当は彼女さんと夜な夜な不純異性交遊にいそしんでいたんですか……?」
男「違う違う!話が飛躍しすぎ!彼女なんていないって!」
義姉「本当ですか!?」
男「もちろんだよ!てかできても不純なことはしないっていうか」
男「なんで!?」
義姉「そうですよね……いつか彼女作って、家に連れ込んで昼間から盛んに活動したりするんですよね」
男「ちょ、姉ちゃん!?」
義姉「『夜の自由研究』とか言って女体の観察結果をレポートに記したりするんですよね……」
男「なにそのひん曲がった想像!?ほぼ全ての学生は絶対にそんなことしないよ!AVの見すぎだよ!」
義姉「オーディオビジュアルの見すぎ?」
男「ああちょっと違う!姉ちゃんにAVは早かった!」
義姉「むむ、なんですか、私の知らない言葉でお茶を濁そうとするのは感心しません!詳しい意味を説明してください!」
男「ええっ!?」
義姉「さぁ!」
男「……あ、アダルトビデオ」
義姉「えっ?」
男「だ、だからAVは……アダルトビデオの略称で、えっちなビデオの事っていうか……」
義姉「……」カァァァァァッ
義姉「しゃ、しゃあおひるごはんをたべましょふ」カクカク
男「(うわぁ顔真っ赤で凄い動きがかくかくしてる)」
義姉「そ、そうですよね……、もも、もう高校生ですもんね、そそそういうことに興味があったりなかったりしなくもないというか……」
男「……」
義姉「……お姉ちゃんじゃダメですか!?」
男「ええ!?」
義姉「なんというかこう、貴方がその淫らな欲求をこう世間にぶつけてしまう前にお姉ちゃんが!お姉ちゃんがっ……!」
男「ちょ、落ち着いて!」
義姉「……きゅー」パタン
男「あ」
義姉「……」
男「あまりの事に、脳がオーバーヒートしたんだな……」
義姉「……」キュー
男「……可愛い」 ナデナデ
義姉「(お昼休みの記憶が飛び飛びです)」
義姉「(何かあったんでしょうか……?)」
先生「おい、この問題わかるか?」
義姉「あ、はい。4√3分の1です」
オォォ……
先生「流石だな。答え聞くときには任せるわ」
義姉「え?あ、はぁ……」
義姉「むむ……」
義姉「……帰りましょう!」
男「何か小学生が下駄箱にいるって聞いたから来てみれば」
義姉「帰りましょう!」
男「やっぱか。準備するから待ってね」
義姉「待ちます!」
男「……」
義姉「……」
男「(やべぇこれ小学生を連れて帰ってるお兄ちゃんだ)」
義姉「……お姉ちゃんは考えました」
男「へ?」
義姉「貴方にもいつか、彼女さんが出来、結婚していくのだと」
男「うん」
義姉「その時私は、涙をのみながらも祝福するのだと」
男「え?あ、うん」
義姉「そして私は……その人の……」
男「?」
義姉「な、なんて呼ばれたらいいんですか!?義義姉ちゃんですか!?それとも普通に義姉ちゃんですか!?
もしくは一周まわってお姉ちゃんですか!?」
男「そこっ!?」
義姉「だって気になるじゃないですか!義理の姉って一回までならまだしも二回目だとどうなるんですか!?完全に血のつながりがないとは言い切れないじゃないですか!」
男「ただいま」
義姉「ただいまです」
義母「おかえりー」
義姉「お母さん」
義母「ん?どうしたの?」
義姉「私って、義理の妹ができたらなんと呼ばれればいいんですか!?」
義母「!?」
男「つまり、俺が結婚して自分が義理の義理の姉になったらなんて呼ばれればいいか悩んでるんだって……」
義母「……その時は、一周まわって、お姉ちゃん?」
義姉「ですよね!」
男「違うだろっ!?」
男「~♪」カチャカッチャ
男「やっぱエロサイト巡回は捗るなぁ」
ガチャー
義姉「こんこん」
男「のうわぁっ!?ちょ、入る時はノックくらい!」
義姉「今口でしました!」
男「可愛いけどそれは駄目!」
義姉「えー」
男「とりあえずどうしたんだよこんな急に」
義姉「スキンシップを兼ねて、勉強しましょう!」
男「えぇ?」
義姉「最近の貴方の生活はたるんでいます!ここでしゃきっとやり直すべきです!」
男「別に俺成績に問題ないんだけど」
義姉「ダメです!もっと上を目指すべきです!」
義姉「え?ここから一番近い所に決まってるじゃないですか」
男「決まってるんだ」
義姉「決まってますよ。一人暮らしとかありえません。発狂します」
男「そこまで一人暮らし嫌い!?」
義姉「え、貴方はもしかして……一人暮らしを?」
男「大学が遠ければそうなるかな」
義姉「ダメです!!一人暮らしなんて!!不良になりますと言っているようなものじゃないですか!!」
男「何故!?」
義姉「とにかく!一人暮らしだけは絶対にダメです!どうしてもというのであれば、お姉ちゃんも一緒に住みます!」
男「ええ!?(歓迎だけど!)」
義姉「貴方が夜な夜な非行に走らないかどうか監視します」
男「(お姉ちゃんと二人暮らしってのも悪くないかもな)」
義姉「今何か、素敵な事考えませんでした?」
男「いや別に良からぬことは……ん!?」
男「え、いや……その」
義姉「それならいいですよ!オールオッケーです!」
男「あれ?」
義姉「じゃあここから一番遠い大学にしましょう!どこですかね?北海道大学?」
男「遠!なんとなく実家に帰ることすら許されない距離!」
義姉「長期休暇のみですね」
男「まぁ、俺はなんにせよ、姉ちゃんと同じ大学に行くんだから、そんなに上を目指しても意味ないっていうか」
義姉「え?」
男「ん?」
義姉「今なんて?」
男「そんなに上を目指しても意味ないっていうか」
義姉「その前!!」
男「なんとなく実家に帰ることすら許されない距離!」
義姉「その後!!」
義姉「……え?」
男「いや言葉のままだけど……」
義姉「……来てくれるんですか」
男「え?ああ、うん」
義姉「……」
男「……?」
義姉「そうですか……じゃあ私、部屋に帰りますね」
男「え?」
義姉「あの大学なら、そこまで勉強する必要はないですしね」
スタスタ
ガチャ
バタン
男「……?」
カチャ……
ソローリ ソローリ
ー! -!!
男「……?姉ちゃんの部屋から凄い声が聞こえる」
カチャ……
義姉「うっきゃあああああああああ!!嬉しいよぉ!嬉しいよぉ!!」
義姉「また一緒に通える!また一緒にご飯が食べられる!」
義姉「大学でも一緒だよぉ!ずっとずっと一緒だよぉー!!」
義姉「きゃーーーっ!!」バタバタ
パタン……
男「……さ、勉強するか」
男「(その日)」
男「(俺は初めて、抜くことなしに賢者モードになりました)」
男「あとごふ……」
男「やっぱ起きよう」
義姉「正しい判断ですよ」
男「……てか、今日土曜日じゃん」
義姉「それが?」
男「学校休みじゃん」
義姉「ああっ、もう半ドンはないんですね」
男「姉ちゃんも土日休みの世代だろ。半ドンとか知らないだろ」
義姉「まぁ、そんなことは置いておいて、休みの日だからといってだらだらするのは良くありませんよ」
男「ふーむ……」
義姉「さぁ、起きてラジオ体操でもしましょう!」
男「……おやすみ」
義姉「ああっ!?」
男「んー……?」
義姉「……」モゾモソ
男「……?」
義姉「……」
男「……」ドキドキ
義姉「……ん」
男「!?」
義姉「れろ……ん……む……んちゅ」ペロペロ
男「ほうあああああっ!!耳を執拗に舐めないで!?」
義姉「起きました?」
男「起きる!起きるよ当然起きる!てか人の耳舐めるって何考えてんのさ!」
義姉「これも必要なのです」
男「あのねぇあんまりひどいと俺も姉ちゃんの耳舐めるよ!?」
義姉「どうぞ?」
男「えっ……」
義姉「昨日お風呂に入りましたから、綺麗ですよ?」
男「ええっと……その……」
義姉「あ、やっぱり嫌ですか?それなら」
男「な、舐めます!舐めたいです!」
義姉「??」
男「……ん」レロッ
義姉「ひゃうんっ!?」
男「ん……はぁ、はぁ」
レロレロ ピチャッ
義姉「あ、ふぁっ……んッ!?」ビクンッ
バッ
義姉「だ、駄目です!ここ、これ以上は、なんか駄目です!」
男「……これでわかった?」
男「よし。わかってくれたなら嬉しい。俺は寝る」
義姉「……うー」
男「どうしたのさ?」
義姉「え、いや別に……」
男「何かあるんじゃないの?言わないと伝わらないよ?ほら」
義姉「……どうせヒマなら、お買いものでも行きたいなー、なんて」
男「……」
義姉「?」
男「行こう!今すぐ行こう!さぁ!!」
義姉「まだお店開いてませんよ!?」
義姉「当然です!学生の本分は早寝早起きです!」
男「流石に本文は勉強だと思うけど」
義姉「揚げ足をとるのは……」
男「今のは確かに揚げ足かなぁ?」
義母「まぁ、揚げ足というより正論ではあるわね」
男「で、今日はどこに行くの?」
義姉「決めてませんでした……」
男「じゃあいっそのこと、そのへんぶらぶらして回る?」
義姉「はい!」
男「……(こうしてると)」
義姉「~♪」
男「(小学生の年の離れた妹を連れてる兄みたいだな)」
義姉「今失礼な事考えましたよね」
男「えっ」
男「こうしてるとカップルみたいだね」
義姉「あぅぅ……」カァ
男「自分で言っておいて!?」
義姉「客観的にみると恥ずかしいものです」
男「ああ、そう……」
義姉「とりあえず服でも見ましょう」
男「そうだね(まぁここが子ども服専門店なのはおいておこう)」
男「あ、姉です」
義姉「今年で18になりました」
店員「……え?」
男「あ、これこの人の学生証です」
店員「……え?手の込んだおままごとじゃなくて?」
男「あ、いえ、一応事実です。信じがたいとは思いますが」
義姉「……どうせちっちゃいですよ」
男「大丈夫だから!そこが姉ちゃんの良さだから!」
店員「当店全力を尽くしてお似合いの品を選ばせていただきます!」
義姉「も、もうちょっと露出度が低いのがいいですね……」
男「最近の小学生はどぎついの着てるんですねぇ」
店員「ではこちらはどうですか?落ち着いた大人っぽいデザインで(ませた小学生に)非常に人気が高い商品です」
義姉「あ、じゃあこれで!」
店員「お買い上げありがとうございます」
――――
義姉「~♪」
男「やけにごきげんだね」
義姉「えー?だって一緒に服買いに行くなんて、久しぶりじゃないですか」
男「そうだっけ?」
義姉「そうですよ」
男「まぁ、今日は存分に楽しめばいいよ」
義姉「そうですね!」
男「早く!姉ちゃん早く食べて!」
義姉「……食べきりました!」
男「姉ちゃんアイスついてるよ」
義姉「え?どこですか?」
男「口の端のほう」
義姉「取れました?」
男「いやまだ」
義姉「……あーもう!とってください!」
男「えっ」
男「……」
フキフキ
男「はいとれたよ」
義姉「……あー、そうとるんですね」
男「どうすりゃ良かったのさ」
男「(逆になる未来しか見えない)」
イラッシャイマセー
―――――
グオオオ!
義姉「きゃあああああああああああああああああ!!!」
ガバッ
男「おうっ!?」
義姉「いやっひやあああああああああああああ!」ビクビク
男「(い、いくらなんでも怖がりすぎだろ……」
義姉「ぎゃああああああああああああ!!」
――――
義姉「少しも怖くありませんでしたね」
男「どの口が!?」
男「グオオ」
義姉「ぎゃあああああああああああっ!!」ビクビクッ!!
男「……」
義姉「……」
男「行こうか」
義姉「もー!」
――――
男「いやぁ久々にショッピングモール回るのも悪くないね」
義姉「そうですねぇ。普段あまりない発見ができました……って!?」
男「ん?どうか?」
義姉「大変ですよ!?もう八時です!」
男「ええ俺ら7時間もぶらぶらしてたの!?」
義姉「早く帰らないと不良です!」
男「……」
義姉「……はぁ!?」
男「別に姉ちゃんとでも、10時くらいまでは大丈夫でしょ」
男「(俺だったら見た目のおかげで何時まででもいられるんだけど……)」
義姉「こ、こんな時間からカラオケなんて」
男「まぁまぁ、スキンシップの一環として」
義姉「ええ、ちょ、ちょっと!」
スッ
店員「……え?」
男「彼女の学生証です」
店員「……え?18歳?……え?」
男「いけます?」
店員「……え?あ、はい。18歳なら問題ないです」
義姉「むぅ……」
店員「じゃあ、21番のお部屋になります」
男「はーい」
義姉「……むぅ」
男「まだすねてんの」
義姉「違います」
男「?」
義姉「これで私も不良になってしまったのかぁ……と、感慨ぶかくおもってるのです」
男「いや、これで不良は早い……」
義姉「じゃあどこからが不良のラインなんです!」
男「朝帰りかな」
義姉「朝帰り!?」
男「その名の通り朝に帰宅すること。カラオケでオールとか」
義姉「そんなのやんきーですよ!不良より駄目です!」
男「不良とヤンキーの差が気になる」
男「そりゃあまぁね。友達づきあいってものがあるし」
義姉「……一人で?」
男「今言ったよね!?友達とだよ!」
義姉「……女友達と二人で、こんな狭いところに?」
男「いや男友達だよ!二人きりでもないし!」
義姉「……ああ、そうなんですか!」
男「いくらなんでも姉ちゃんの想像は突飛すぎだよ」
義姉「いや、これが当然のかんがえですよ!?」
男「それはない、それだけはない」
男「あー、それはない。逮捕される」
義姉「補導ではなく!?」
男「ああ補導かも。でも正直ここまでだともはやお母さんに連絡ってレベルだよね」
義姉「大学生活が……」
男「大学はバイトもあって夜遅くなるもんねぇ」
義姉「私はバイトに採用されるのでしょうか」
男「それは……」
義姉「……」
男「……うん」
義姉「何か言ってください!」
義姉「やんわりと不可能と言われたような気がします」
男「否定ができない……」
義姉「……まぁ、あまりバイトをする気はありませんでしたしね」
男「何で?」
義姉「貴方と過ごす時間が減っちゃうじゃないですか」
男「えっ」
義姉「……え?」
男「……」ドキドキ
義姉「……あ」ドキドキ
男「ね、姉ちゃん……」ドキドキ
義姉「……はい」ドキドキ
プルルルルルルー
義姉「へぁっ!?」ビックゥ!!
男「あ、もしもし?」
男「そろそろお時間です、だってさ」
義姉「あ、あはは!私たち、ほとんど歌ってないですね!」
男「まぁいいんじゃない?こういうのも」
義姉「あ、あは!で、ですよね!あはは!」
男「……」
義姉「……」
男「い、行こうか」
義姉「……はい」
義姉「……きょ、今日は!」
男「おう!?」
義姉「た、楽しかった、ですね……」
男「……う、うん」
義姉「……」
男「……」
義姉「ま、また!」
男「おう!?」
義姉「また!行きたいですね!」
男「え、あ、うん!」
義姉「……その」
男「……うん」
男「うん」
義姉「もし仮に」
男「うん」
義姉「二人とも、クリスマスが暇だったら……」
男「……」
義姉「そ、その時は」
男「……」
義姉「ふたりで、また、どこかに、行きませんか?」
男「……え」
義姉「い、嫌なら別に」
男「そんなわけないだろ!」
義姉「っ」
男「喜んで、お供させてもらうよ」
義姉「……約束ですからね!」
終わり?
あとさるった
寒いからパンツ履くわ
Entry ⇒ 2012.09.13 | Category ⇒ 兄弟姉妹「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
衣「咲が欲しい」
透華「…………は?」
衣「だから、咲が欲しいと言っているんだ」
一「咲って……清澄の大将の?」
衣「ほかに誰がいると言うんだ?」
純(ますますわからねぇ……)
透華「あ、ああ! 麻雀を一緒にやりたいということですわね!」
透華「衣のためならそれくらいお安い御用ですわ! 明日の放課後、すぐに清澄に使いのものを……」
衣「確かに再び卓上で矛を交えるのもいいが、衣が言っているのはそういうことじゃないぞ」
一「え……じゃあ一緒に遊びたいとか……」
衣「違う、衣は咲を伴侶としたいのだ」
透華「」
智紀(やっぱりそう言う意味……)
透華「……そ、そうですわよね」
透華「衣が初めて自分で作ったお友達ですもの」
透華「そろそろ『親友』にステップアップしてもいい頃ですわよね、オホホ……」
衣「とーかの国語の成績は良かったと記憶しているんだが、気のせいだったのか?」
一「えっと……具体的にはどういうことをしたいの……?」
衣「うむ、いろいろとしてみたいことはあるが、やはり情交は外すことができないな」
透華「」
一(ああ…………)
純(これはマズイ)
智紀(新鮮なネタが入荷した)
透華「……」
透華「申し訳ありませんが、私少々疲れているようでして……」
透華「どなたか通訳を頼めませんこと?」
純「いやぁ……そのまんまの意味だろ」
純「つまりあの嶺上使いとヤりた 透華「ハギヨシ」
ハギヨシ「はっ」ガシッ
純「いやっ!? ちょっと待て! 俺は聞かれたから答えただけだろ!」
純「俺は何も悪くな」バタンッ
透華「申し訳ありませんが、私少々疲れているようでして……」
透華「どなたか通訳を頼めませんこと?」
一(無かったことにされた……)
智紀(見た目的にはおねロリになるんだけど、実際はほぼ同い年というのが最高)
一「えっと、つまり……宮永さんともっともっと仲良くなりたい、ってことだよね?」
衣「確かに大きくずれてはいないが、ころ 透華「そうですわよね!」
透華「そう、そういうことでしたら、私は助力を惜しみませんわ!」
衣「おいとーか、人の話は最後ま 一「と、とにかくさ!」
一「仲良くなるにしても、まず段階を踏んでいくことが大切だと思うんだ」
一「だから、まずはそのために色々とやっていかなきゃいけないことがあるんじゃないかな」
衣「そうだな、確かに一理ある」
衣「なら衣はまず>>25」
① 咲とデートする
② ほかの人で練習する(名前も併記)
③ その他
衣「咲をデートに誘おうと思う」
透華「あら、遊ぶ約束をするんですのね?」
透華「なら、今電話をかけさせますわね。ハギヨシ」
ハギヨシ「こちらに」スッ
一(純くんはどうなったんだろ……)
透華「では明日、宮永さんをここ(衣屋敷)にお呼びするということで」
衣「いや、衣は咲と街へ出てデー 透華「あ、もしもし、夜分遅くに失礼します」
一(だめだ、完全に脳内フィルターが働いてる)
智紀「衣」チョンチョン
衣「ん? どうした」
智紀「後で街へ出かけられるように手を打ってあげる」ボソボソ
衣「本当か!」
智紀「声が大きい……」
智紀(こんな好機、みすみす逃すわけには行かない)
一(こっちはこっちで話を厄介な方へ……)
智紀「とにかく、私がデートスポットを纏めておいてあげるから」ボソボソ
智紀「明日はそれに沿って行動すれば、間違いなし」ボソボソ
衣「感謝するぞ」ボソボソ
一(ボクは……どうしよっか……)
透華「衣、明日の10時頃こちらへつくように手配しましたから、寝坊しないようになさいね」
衣「うむ、助かるぞ、とーか!」
智紀「じゃあ衣は早く寝るみたいだし、私も今夜はこれで」
透華「あら、もう行きますの? おやすみなさい」
一(透華に付いて衣と宮永さんがくっつかないようにするか)
一(ともきーと一緒に衣の応援をするか……)
>>37
妨害or応援
一(ボクだって透華のことが……好き、なわけだし)
一(女の子同士の恋愛だからって、衣の恋が実らないのは嫌だな)
一(それに、これを機に透華が衣離れしてくれるかもしれないし)
一「透華、ボクも今日は先に寝させてもらっていいかな?」
一「明日はしっかり準備をして、宮永さんをもてなさないといけないしね?」
透華「それもそうですわね……」
透華「では私も今日は休むことにしましょうか」
透華「ハギヨシ、では明日のことをよろしく頼みますわよ」
ハギヨシ「畏まりました、おやすみなさいませ」
――廊下――
一(しまった、もしかしたら萩原さんが直接宮永さんを迎えに行くかもしれない)
一(萩原さんは多分、透華の味方だ……)
一(どうしよう……一度宮永さんがここに来ちゃったら、きっともう透華の監視の目から離れられない)
智紀「そう、それが一番の問題」
一「」ビクッ
智紀「私たちに用意されてる手段は多くはない」
智紀「それでも、衣の恋は成就させてあげなくては……」ゴゴゴ
一(なんだろう……麻雀やってる時以上の、凄まじい気迫を感じる……)
一「そ、それはいいんだけど、どうしたら……」
智紀「>>60」
① ハギヨシ懐柔を試みる
② 衣を朝一で咲のところに送り届ける
智紀「透華の手が回る前に、衣を宮永さんのもとへ送り届けるしかない」
一「でも……ここから清澄周辺まで結構距離があるよ?」
智紀「心配いらない……二輪の免許を持っているし、ガレージにはサイドカー付きの愛車がある」
一(全然知らなかった……そしてイメージと全く合わない……)
智紀「一は寝る前に衣にこの話を」
智紀「私は準備を整える」
智紀「作戦決行は、明日の朝4時、裏門のところへ集合」
一「衣は起きられるのかなぁ……」
智紀「起きられなかったら、旅行カバンに詰めて持ってくればいい」
一(完全に誘拐犯だよ……)
~翌朝4時~
――裏門への道――
衣「むにゃむにゃ」スヤスヤ
一(予想通り起きられなかったから、リュックに入れて持ってきたけど……)
一(ってか流石に重い……純くんが手伝ってくれればよかったんだけど、部屋にいなかったし)
一(それにしても……無事にたどり着けるんだろうか……)
?「そこまでです」
一「!?」
純「どうかお引き返しください」
一「??? あれ? 純くん……だよね?」
一(え、どういうことこれ? なんか雰囲気が別人なんだけど)
純「衣様が不純同性交友に走らないように見張れとの、透華お嬢様からのお達しがありました」
一(マズイ……目が完全にイってる……)
一(ハギヨシ素敵滅法をくらったんだ、きっと……)
純「さぁ国広さん、今ならお咎めなしで済ますことができます……」
一(どうする……どうするボク!?)
>>80
① 洗脳の解除を試みる
② 智紀の助けが来るまで粘る
一(とりあえず衣を下ろそう……)ドサ
一「純くん……」
純「飽くまで抵抗する気ですか……」
純「不本意ではありますが……力ずくで取り押さえさせていただきます」
一(抵抗するにしても、肉体的にボクが不利なのは明らか……)
一(なら、何とかして純くんの洗脳を解く!)
一(でも、相手はあの萩原さんによって洗脳されている)
一(生半可な刺激じゃない……もっと本能に訴えかけるような衝撃を!)
純「参ります……」ダッ
一(来たっ!)
純「……」ガシッ
一(わざと掴ませると同時に……倒れながら相手の軸足を払うっ!)
純「!」グラッ
一(こちらに倒れ込んでくる純くん……目標は……)
一(唇!)チュゥ
純「!?」ドサッ
一・純「「んんっ……むぅ」」
一(ごめん透華……これも衣のためなんだ……)
一(純くん……元に戻って!)
智紀 「……」●REC
一「ぷはっ」
一「はぁ……はぁ……」
一「って、ともきー!?」
智紀「良い絵が撮れた」グッ
一「いやいやいやいつからいたの!?」
一(既にリュック(衣入り)背負ってるし!)
純「……いったいどういうおつもりですか?」
一(効いてなーい!)
智紀「ふんっ」ウィリイイィィィ!
純「!?」ドガァ!
一「ええぇーーー!?」
智紀「さあ、早く乗って。ハギヨシさんが来る前に」
一「ちょっとともきーバイオレンス過ぎない!?」
ブロロロロロロロロ……
衣「う~ん」スヤスヤ
智紀「宮永咲の家まであと30分ほど」
一(純くん、大丈夫かな……)
一「っていうかこれ、おまわりさんに見つかったら確実に捕まるよね?」
智紀「この時間のこの道路は、いつもの巡回ルートではないから、見つかる可能性は低い」
一(なんで知ってるんだろう)
一「でもさ、このままだと6時前には着いちゃうよ?」
一「宮永さんの準備も必要だと思うんだけど」
智紀「心配ない。>>100」
① 連絡は済んでいる
② 衣に夜這いさせる
智紀「衣に夜這いさせる」
一「ブッ!」
智紀「既成事実を作ってしまえば、透華も口出しできなくなる」
一「もうともきーがぶっ飛びすぎてて、何を言っていいのかわからないよ……」
一「ちょっとだけ後悔してきたかも……」
智紀「私に協力することを選んだ時点で、既にこちらの道に足を踏み入れてる」
智紀「もう、後戻りはできない」ニコッ
一(せ、背筋が……)ゾクッ
智紀「着いた」
智紀「衣、起きて」ユサユサ
衣「ぅうん? ……ここは」
智紀「宮永さんの家の傍。これから衣には夜這いをかけてもらう」
衣「咲の……いえ……」
衣「ハッ!」
衣「そうか! 今咲の家まできたところか!」
智紀「衣の獲物は目と鼻の先。気を引き締めて」
衣「食べ放題というわけだな! さすがともきだ!」
一(どんどん加速している……衣も受け入れちゃうんだ……)
一「夜這いってことは、どこかから侵入するんだよね?」
一「まさか玄関から入るわけにもいかないし……」
衣「こっちだ! こっちから咲の匂いがするぞ!」
智紀「夏場だから、網戸の状態」コソコソ
衣「咲だ! 咲が寝てるぞ!」コソコソ
智紀「じゃあ衣、今から持ち上げて部屋の中に入れる」
智紀「あとは好きなように楽しんできて」
智紀「あ、できればある程度イかせたあと、焦らしておねだりを引き出してくれると嬉しい」
智紀「あと、このバッグの中には秘密の道具が入ってるから、持っていくといい」ズシッ
衣「よくわからないが、とにかく咲を悦ばせればいいんだな」
智紀「そういうこと、じゃあいってらっしゃい」グイッ
衣「……」ソロリソロリ
智紀「一、これで中の様子を撮っておいて」スッ
一「え、ともきーはどこかに行くの?」
智紀「宮永さんのお父さんと“お話”してくる」
一「」
衣(気持ちよさそうに寝ている……)
衣(そっと布団に入って……)ゴソゴソ
衣(えへへ、あったかい……)
衣(……これから、咲と……)
衣(い、いざとなると、緊張するな……)
衣(ま、まずは接吻からするのがマナーなのだろうか)ドキドキ
衣(咲の唇……)ゴクリ
一(良かった……衣は純情だったみたい)
衣(咲……)
チュ
ジリリリリリリリリリリリ
衣・一「!?」
咲「うぅん……」ゴソゴソ
咲「朝……」ポチ
咲「ふあぁぁぁぁ……」ノビー
咲「……って、あれ?」
衣「えへ……」ニコッ
咲「衣……ちゃん?」
コンマ判定 >>135
00~79 「衣お姉さんだ!」
80~99 「えいっ!」(押し倒す)
衣「衣お姉さんだ! 私は咲より年上だぞ!」
咲「あはは、そ……そうだったね……」
咲「で、でもさ……仲のいい人は下の名前に“ちゃん”付けで呼んでるから」
咲「“衣ちゃん”じゃ、だめ……かな?」
衣「っ」キュゥゥン
衣「こ、ころもは別にそれならそれで……」モジモジ
咲「えへへ、でさ、衣ちゃん」
衣「うん?」
咲「な、なんでここに居るのかなぁ……って」オズオズ
衣・一「」
智紀「衣が咲さんが来るのを待ちきれなかったの」ガラッ
咲「!?」ビックゥ
衣「と、ともきー!」
咲「え、あれ? な……なにがどうなってるの?」
智紀「宮永さんのお父さんに入れてもらった」
智紀「お父さんは今“お休み”になられてる」
咲「そ、そうなんですか……」
一(ああ……純くんに次ぐ犠牲者が……)
衣「さ、咲! それより早くデートへ行こう!」
咲「え!? デートって……っていうか龍門渕さんの家に行くんじゃ……」
智紀「龍門渕家で急なパーティが開かれることになった」
智紀「だから、申し訳ないけど今日は街でブラブラすることになった」
咲「街でブラブラ……ですか」
衣「咲は衣とデートするのは……嫌か?」ウルウル
咲「そんなことないよ! ただ、なんか……その」
衣「?」
咲「寝起きのみっともないとこ見られて……恥ずかしくなってきたというか///」
衣・一(か、かわいい……)キュン
智紀(これは完全にネコの顔。やはりロリ×おねこそ至高)
咲「えっと……衣ちゃんたちは、朝ごはんは……?」
衣「まだ食べてないぞ?」
智紀「私はカロリーメイトが」
一(ボクはお腹減ったな……)
咲「その……ご飯食べていきます?」
>>150
① 衣「咲の手料理!」
② 智紀「(追手の危険が)どうせだから外食に」
智紀「せっかく外出するんだから、外で食べよう」
咲「え……でもわたしそんなに贅沢できるほどお金が……」
衣「心配するな! 衣に全部任せておけばいい!」
咲「でも……」
衣「好意を素直に受けるのも、礼儀のひとつだと思うが?」
咲「……うん、じゃあとりあえず朝ごはんは衣ちゃんに頼っちゃおうかな」
衣「わーい!」
一(ボクはどうなるんだろう……)
>>160~170
デートプラン募集
とりあえずハミレスに行こうか
咲「ハンバーグ、久々に食べた気がする」モグモグ
衣「タルタルうまうま」モグモグ
咲「それにしても、沢村さんは一緒じゃなくて良かったのかな」
衣「衣と咲のデートだからな! きっと気をつかってくれたに違いない!」
咲「あはは」
――外――
智紀「いい雰囲気。これなら今日中に合体も可能」ズルズル
一「なんでボクたちはカップ麺なの……」ズルズル
智紀「完全なる観測者に徹すること、それがこの道の常識」キリッ
一「えー」
咲「あ、衣ちゃん、人参も食べないとダメだよ?」
衣「こ、衣はお姉さんだから食べなくても平気なんだ」
咲「お姉さんなら、食べられると思うんだけどな……」
衣「む……うむむ」
咲「ほら、あーん」ヒョイ
衣「! あ、あーん」パク
咲「ほら、ちゃんと食べられた」
衣「うぅ……まずい……」
咲「そんなこと言っちゃダメだよ?」
衣「苦手なものは苦手なんだ……」
智紀「」ガタッ バシャ
一「あっづうううううぅぅ!?」
咲「美味しかったね」
衣「今度は人参の入っていないエビフライとハンバーグのセットを頼もう……」
咲「だめだよ、好き嫌いは体に悪いよ?」
衣「……次も、咲が食べさせてくれるなら……考えてやらんこともない」
咲「……ふふ、可愛いなぁ」ナデナデ
衣「な、こ、衣を子供扱いするなぁ……」
智紀「おかしい…… 「ソース付いてるよ→ペロッ」のコンボが無いだなんて……」
一(相当重症だよね、ともきー……)
まぁ若いからな
咲「次はどこに行こっか?」
衣「衣はどこでもいい……(っは、そういえばともきが「相手の趣味にあった場所を」と)」
衣「さ、咲は麻雀以外の趣味とかはあるのか?」
咲「うーん、読書は大好きだなぁ」
咲「麻雀部に入る前は、本ばっかり読んでたし」
衣「よし! では本屋に行こう!」
智紀「衣……その調子」
一(なんか、羨ましいな……)
――木間書店――
咲「あ、この本新刊出てたんだ!」
咲「これ、この前映画化されたやつだ! 時間がなくてチェックできなかったんだよね」
衣「……」
衣(咲が楽しそうなのはいいんだが、あんまりにも夢中になりすぎてて、ちょっとさみしいな……)
衣(ちょっとくらい構ってくれても……)トテトテ
咲「この作家さん、筆が遅いから、シリーズ終わるのかどうか心配なんだよね……」
一「あぁ、衣が……」
智紀「いや、待って欲しい。これはふたりの関係における最初の試練でありスパイスに(ry」
衣(思えば、最初は家に来る予定だったのに、無理やり連れ出してしまった)
衣(やはり、自分勝手すぎたのだろうか……)
衣(今まで透華が敷いてくれた軌道の上をただただ歩いてきただけだったから)
衣(こういった時にどうすればいいのかわからない……)
衣「はしゃぎすぎてしまったのか……」ボソッ
咲「こーろもちゃん!」ギュ
衣「わ! わ! さ、咲!?」
咲「ごめんね、本に夢中になっちゃって」
衣「べ、別に咲が楽しければ衣はそれで……」
咲「ダメだよ。だってこれは『二人のデート』なんでしょ?」
衣「……うんっ!」パアァ
智紀「ハァハァハァハァ」●REC
一(なんだかんだで上手くいってるなぁ)
衣「もういいのか?」
咲「うん、欲しい本はだいたい買えたしね」
衣「衣が買ってやると言ったのに……」
咲「そこまで衣ちゃんには頼れないよ」
咲「その代わり、ちょっと行きたいところがあるんだけど、着いてきてくれる?」
衣「? 衣は別に構わないが……」
咲「じゃあ、こっち行こっか」ギュッ
衣(あ、手……)カァ
智紀「衣はあの手を1週間は洗わない。断言する」
一(清と汚の対比が激しい……)
――アクセサリーショップ――
咲「ここだよ」
衣「うわぁ」キラキラ
衣「すごいぞ咲! こんなに煌びやかなところは初めて来たっ!」
咲「いろんな石を使ったアクセサリーがあるんだよ」
咲「宝石みたいに高いわけじゃないけど、どれもみんな綺麗でしょ?」
咲「うーん、どれがいいかなぁ……」
衣「この黒い石など、とても気品があって素晴らしいな!」
咲「衣ちゃん、ちょっといい?」
衣「ん?」クル
咲「うん、やっぱり衣ちゃんにピッタリ!」
咲「衣ちゃんは海底で和了るでしょ? だから月の形をしたネックレスが似合うと思って」
咲「やっぱり、すごく似合ってるよ」ニコッ
衣「あ……」パァァ
衣「な、なら、衣は咲にこれを買ってやるぞっ!」ビシッ
咲「え、このブーケの……って、高っ!」
衣「遠慮するな! 衣が海底なら咲は嶺上だろう?」
衣「そっちだけ受け取るのを拒むなどということは許されないぞ!」
咲「え、う……うん」
咲「じゃぁ……ありがたくもらっちゃおう、かな?」
衣「うむ、そうだぞ、素直なのが一番だ」
衣「あ、店員さーん! あのケースノナカノ……」
智紀「もう死んでもいい」ダラダラ
一(透華にあげるなら、やっぱり水をモチーフにしたものがいいよね……)
咲「二人でネックレス買っちゃったね♪」
衣「今日はずっとつけていなくちゃダメだぞ!」
咲「わかってるよ、ふふ」
咲「あ、あれ、あの人……」
>>207
①かじゅモモ
②部キャプ
③その他カプ
咲「部長と……風越の」
久「あら、咲じゃない」
美穂子「あ、確か……宮永さん、と天江さん?」
咲「は、はい……どうも」ペコッ
衣「お前たちは、どうしたんだ?」
久「見て分からない? 美穂子とデートしてるのよ」
美穂子「う、上埜さんっ!」
久「別に隠すことじゃないでしょう?」
衣「そうか、なら衣たちと一緒だな!」
久「あら、咲……あなたたちそういう関係だったの?」
咲「そういうというか……なんといいますか……」
衣「照れることはないぞ咲!」
咲「う、うん」
久「へぇ……」ニヤニヤ
久「そういえば、向こうにあるケーキ屋さん」
久「今二人で行ってきたんだけど、カップル割りやってるわよ」
久「2割引になるから助かっちゃった。あなたたちも行ってくれば?」
咲「え、部長はカップル割を?」
久「そうなんだけどね、美穂子が恥ずかしがっちゃってさ~」
美穂子「う、上埜さんがいきなりキスしてくるから……」
久「だって、カップルだって証明しなくちゃいけなかったじゃない」
咲「き、キス……」カァァ
衣(今朝寝ている隙にしたんだけどな……)
美穂子「そ、そんなにくっつかれると恥ずかしいです!」
咲「……」ポカーン
衣「よし、咲、一緒に行こう!」グイ
咲「あ、ちょ……」
――カフェ『赤い糸』――
衣「このケーキセット二人分、カップル割りで!」
咲「ちょ、こ、ころもちゃん!」
店員「畏まりました、では……」
衣「キスすればいいんだな!」
咲「え、ちょ、ちょっと待って衣ちゃん!」
店員「い、いえ、こちらは特に条件はございませんので」
咲・衣「「え?」」
衣「で、では衣たちがカップルだということはどうやって証明するのだ!?」
店員「自己申告で結構でございますが……」
咲(よかった)ホッ
衣(うう……せっかく大義名分を得たと思ったのに……)
店員「ではこちらのケーキセットを二つ、カップル割りでよろしいでしょうか?」
咲「あ、はい、お願いします」
店員「畏まりました、少々お待ちください」
智紀「」スッ
一「待って、どこに行く気」ガシッ
智紀「あの店員とお話(ry」
一(っていうか、竹井さん……ただキスしたかっただけだったんだ……)
衣「美味!」モグモグ
咲「ほんとに美味しいね、また今度みんなと来てみたいな」モグモグ
衣「……みんなと?」
衣「咲は、衣以外ともデートするのか?」ウルウル
咲「い、いや! そういうことじゃないよ!?」
咲「ただ、友達として他の人と来たいなぁって」アタフタ
衣「そうか! そういうことなら全く問題はないな!」
咲「はは……あ、衣ちゃん、クリーム付いてるよ」キュ ペロ
衣「む、そうか、すまないな」
智紀「キt 一「はい、大人しくしてようね」
咲「これからどうしよっか?」
咲「朝一番で行動し始めたから、もう一通り回っちゃったよね……」
衣「まだ、正午を少し回ったところだしな……」アフゥ
咲「衣ちゃん、もしかして眠いの?」
衣「むにゅう……そんなことは……あふぅ」
咲「時間ならたくさんあるわけだし、そこの公園でちょっとお昼寝していく?」
衣「む……そうだな……」フラフラ
咲「あ、ちょっと衣ちゃん! 危ないよ!」
咲「衣ちゃん、ここに横になっていいよ」ポンポン
衣「おお、咲が膝枕をしてくれるのか!」
衣「しかしそれだと咲が……」モジモジ
咲「私はさっき買った本を読んでるから平気」
咲「さ、遠慮しないで?」
衣「……では、好意に甘えるとしよう……」ゴロン
衣「咲……咲は楽しかったか……?」
咲「うん、すっごく楽しかったよ? 久しぶりに女子校生っぽいことができたかな」フフフ
衣「そうか……なら……よ、か……」
衣「……」スゥスゥ
咲「ふふふ」ナデナデ
智紀「完璧……ここまでの流れは完璧」ハァハァ
一(っていうか、これはボク達が暇だよね)
一行動安価
>>255
あかんwwwww
一(っていうか、ボクも眠たいよ……)ウツラウツラ
一「ねぇともきー、ボクもどこかでちょっと寝てきていい?」
智紀「向こうの方に個室の漫画喫茶がある」
智紀「私はここで観察してるから、そこで寝てくればいい」
一「わかったよ、何かあったら連絡してね」
一(さすがに疲れたよ……)
一「って、うわ!」
一(気づかなかったけど、透華から山ほど着信が)ブルブル
一(透華……怒ってるんだろうなぁ……)
一(っていうか、透華は衣に対して過保護すぎなんだよ!)プンプン
一(ボクだって……透華の家族……)ズキッ
一(そう、透華にとってボクは家族なんだよね)ズキズキ
一(透華……もっとボクのこと見てよ……)
一(今日の二人みたいに、もっと触れ合いたいよ……)
一(そ、それで最終的には……こ、衣みたいに情を……)カァァ
一(や、やっぱりボクは……抱かれたい……かも)
一(手錠とかで、その、拘束されたりして……)ジュン
一(はぁ……とうかぁ……)クチュ
**************************
一「……はっ!」ガバッ
一「そ、そっか、ボク……一人で……シて……」カァ
一「って、今何時!?」
一(良かった……まだ2時間くらいしか経ってないし、連絡も入ってない)
一(そろそろ戻ろっかな……)
ピカピカピカ
一(着信……透華…………じゃない、ともきー!?)
一「も、もしもし?」
智紀『まずい、ハギヨシさんがこちらに接近してる』
一「え? え? どうやって場所を……って、はっ!」
智紀『そう、ころたんレーダー……!』
智紀『衣はもう起きて、宮永さんと予約していたホテルへ向かった』
智紀『衣のGPSは私が受け取ったから、撹乱するために移動している』
智紀『これで当分は……ッチ』
一「と、ともきー?」
智紀『マズイ……完全に見つかった……』
一(あわわ……ど、どうしよう……)
ハギヨシ『沢村さん……衣様と宮永様はどちらに……』
智紀『素直に言うと思ってるんですか?』
智紀『まぁ、強いて言うなら……』
智紀『あなたの手の届かない、安全な場所にいますよ』ニヤッ
ハギヨシ『……あなたには前々から期待していたのですが……まさかこんな形で対立することになろうとは』
智紀『それはこっちのセリフ……』
智紀『どうしてあなたほどの人が、今回のような透華の指示に従っているのかわからない』
智紀『せっかく巡り会えた同士だと思っていたのに……』
智紀『失望した』
一(え、なにこれ、どういうこと?)
ハギヨシ『私は一人の百合男子である前に、龍門渕に仕える執事なのです……』
ハギヨシ『これは変えることのできない真実です』
ハギヨシ『それゆえに、透華お嬢様の命に従うことが自らの願望に優先するのは当然のこと』
一(何を言っているのかわからない……)
智紀『ならばこの場で雌雄を決するのみ』
智紀『衣と宮永さんの濃厚「ピーーーーーーーーーーー」を邪魔したいのならば』
智紀『まずは私を倒してからにして欲しい』
ハギヨシ『やはり、引く気は無いようですね……』
ハギヨシ『よろしい、ならば全力でお相手しましょう』
ハギヨシ『参ります……』
一(ど、どうしよう……僕は一体どうすれば……)
>>275
① 「付け入る隙はある……ともきーを助けて、ハギヨシさんと戦いに行こう!」
② 「悪いけどともきーの屍……超えさせてもらうよ!」
一(萩原さんの本当の願望が衣の恋愛成就にあるのなら)
一(付け入る隙はある! 行こう!)ダッ
――どこかの路地裏――
智紀「はぁ……はぁ……」
ハギヨシ「終わりですか……沢村さん……いや」
ハギヨシ「壁サークル『茶ッ婦愛(さっふぉー)』の筆頭作家「トモキー」さん?」
智紀(ま、まだ終わるわけにはいかない……)
智紀(なんとしても時間を稼いで……衣の想いを成就させなければ……)
一「ともきー!」
智紀「は、一……」
ハギヨシ「国広さん……」
一「萩原さん……」
ハギヨシ「姿が見えないと思っていましたが、やはりそちら側についていましたか……」
ハギヨシ「今ならまだ間に合います、どうか衣様と宮永様の向かった場所を教えてください」
一「萩原さん、なんであなたは自分の気持ちに嘘をつくんですか……?」
ハギヨシ「……執事が主のために己を殺すことは、当然のことだと思いますが」
一「……ウソですね、あなたの目にはいつもなんの迷いもない」
一「でも今その瞳は、かつて見たことがないくらい揺れ動いている」
一「それは、萩原さんが自分を殺しきれていない証拠にほかなりません!」
ハギヨシ「……」
コミケが開催するまでの場つなぎじゃない! 百合アニメが放映されるまでの時間稼ぎじゃない!
他の何者でもなく! 他の何物でもなく!
あなたの力で、百合ップルが誕生する瞬間を守るって誓ったんじゃないんですか!
ずっとずっと現実(リアル)で見たかったんでしょう! 同人誌みたいにアニメみたいに
命をかけて、襲いかかる現実から女の子たちを守る、百合男子になりたかったんでしょ!
だったらそれは全然終わってない!! 始まってすらいない!!
ちょっとぐらい長いプロローグで絶望しないでください!!
――手を伸ばせば届くんです。いい加減始めましょうよ、百合男子!」
ハギヨシ「私は……」
コンマ判定 >>285
00~79 「私は……間違っていたのかもしれません……」
80~99 「それでも、主の命は守らねばなりません……!」
ハギヨシ「私は……間違っていたのかもしれません……」
ハギヨシ「百合男子として……そして何よりも衣様にお仕えするものとして」
ハギヨシ「あのふたりの仲を、たとえ透華様に逆らってでも取り持つべきだった……」
一「大丈夫です……まだ間に合いますよ」
一「だって、萩原さんとボクたちは、分かり合えたじゃないですか……」
ハギヨシ「国広さん……」
ハギヨシ「……透華様を説得しに行ってきます。こちらのことはお任せ下さい」
智紀「ハギヨシさん……」
ハギヨシ「衣様のこと、よろしくお願いします」スタスタ
一「ハギヨシさん……」
智紀「私たちも行こう、そろそろスイートルームにディナーが運ばれてくる時間のはず」
智紀「万が一にでも撮り逃したら、今までの苦労が水の泡」
一(ともきー……)ガクッ
――スイートルーム――
衣「さぁ咲! 今宵は存分に楽しんでくれ!」
衣「あまり堅苦しくても咲に悪いと思ってな、ビュッフェ形式にしてもらった!」
咲「こ、こんなに豪華なもてなしをされるなんて思わなかったよ……」
衣「今日は二人の初デート記念日だ」
衣「出し惜しみなどしていられないからな」
智紀「良かった、上手くいっている」
一「わざわざ対面のホテルの部屋を取っておくとか、いったいどれだけ情熱をかけてるの?」
智紀「宮永さんの好物に睡眠薬を仕込んでもらっておいた」
智紀「このままいけば、すぐに昏睡レイプを収めることができる」ワクワク
一「最低だこの人」
~20分後~
咲「あ、れ……なんだか眠くなってきた……」
衣「大丈夫か、咲?」
咲「う、うん……ちょっとだけ休ませてもらってもいいかな……?」
衣「衣は一向に構わないぞ、ゆっくり休むといい」
咲「うん、ごめん……ね……」ドサッ
咲「……」スゥー
衣(こ、これがともきの言っていた「据え膳状態」か……)ゴクリ
衣(い、いっても良いん……だな?)オズオズ
智紀「そう、そこ、さあ一気に」●REC
一(ほんとに良いのかな、こんなやり方……)
衣(ま、まずはキスから……)
衣「ん……」
咲「……」パチッ
衣「……」
咲「……」
衣「……起きていたのか」
咲「うん……」
衣「ともきが『咲はすぐ寝るから』って」
咲(やっぱり盛られてたんだ……)
咲(原村さんに盛られまくって、耐性がついていたとは言えない……)
智紀「Bull shit !!」ガンッ!
一(良かった……)
衣「」ビクッ
咲「衣ちゃんは……その、私としたい……の?」
衣「咲は……嫌なのか?」
咲「……」
>>300
① 「その前に、まだ聞いてないことがあると思うんだけど?」
② 「……ごめん」
咲「その前に、まだ聞いてないことがあると思うんだけど?」
衣「え?」
咲「衣ちゃんは、どうして私と……したいと思ったの?」
衣「それは咲のことが……はっ!」
衣「さ、咲のことが好きだからだ! 衣は……咲のことが大好きなんだ!」
衣「ひとりぼっちだと思い込んで、月夜の帳に引き籠って、周りのものを傷つけることしかできなかった衣を」
衣「光の下に連れ出してくれた」
衣「だから衣は……咲のことが欲しい!!」
咲「えへ……面と向かってそう言われると、照れちゃうな……」
咲「……うん、私も衣ちゃんのことが大好きだよ」
咲「いいよ、衣ちゃん……来て?」
衣「咲……さきぃ!!」ガバッ
智紀「YEAAAAAAAAAA 一「はいそこまで」ゴキッ
智紀「」ダラーン
一「こっから先は、余計なギャラリー不要だよ」
一(衣……よかったね)
*************************
一(その後、衣は宮永さんの家に引っ越し、一緒に暮らし始めた)
一(透華はかなり渋っていたけど、ボクや萩原さんの説得と、衣と透華の距離が離れることを喜んだ透華のお父さんのおかげで、衣の願いはかなった)
一(衣は原村さんと激しい対立を繰り広げたみたいだけど、今は宮永さんと平穏に暮らしている)
一(それにしても、衣の恋が実って良かった……)
一「次はボクが頑張る番、かな?」
カンッ!
安価のおかげでハッピーエンドに持ってくることができた
衣系カプのSSがもっと増えますように
衣が幸せなのはとてもいいことだけど、とーかがなんか不憫
はじめちゃん頑張れ
咲さんかわいい!!
衣もかわいい!!
Entry ⇒ 2012.09.13 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「美希とイチャイチャ禁止令が出た」
P「何を?」
律子「デートがスキャンダルになったじゃないですか」
P「え」
律子「それにすら気付いてなかったんですか」
P「くそっ! 悪徳記者に尾行されてたのか!?」
律子「とにかく、これからは美希と場所をわきまえずにイチャイチャするのは禁止です」
P「……!!」
律子「そんな世界の終わりみたいな顔をしても駄目です」
P「律子は俺に死ねと!?」
律子「そんな大袈裟な」
美希「ハニー!」
だきっ
P「あんまりだよ……」ぎゅー
美希「どうしたの、ハニー?」すりすり
P「イチャイチャするの、禁止だって」
美希「……!!」
律子「それを止めなさいと言っているんです」
美希「そうなの!」
律子「まずは抱き合うのを止めなさい」
P「わかったよ…」
美希「はーい…」
P「あ、困った」
律子「はい?」
美希「磁石みたいに、くっついちゃったの」
律子「……」
P「それは困ったなぁ」
美希「ミキと一緒にいるの、困る?」
P「そんな訳ないだろ」なでなで
美希「えへへ…」
バシッ
P「いたっ!」
美希「あう…!」
律子「……だから、それを止めなさい」
律子「…?」
P「『イチャイチャ』の基準を決めようじゃないか」
律子「イチャイチャの基準ですか」
P「おはようとおやすみのキスはイチャイチャには含まれない」
律子「含まれます」
P「なんで!?」
美希「意義あり!」
美希「てへっ☆」
P「可愛いやつめ~」
美希「えへへ~」
律子「……とにかく、キスは駄目です」
P「なっ…!」
美希「そんな……」
律子「アイドルとプロデューサーがキスなんて論外です」
P「俺のライフワークを取り上げるなんて!」
美希「ミキ、寂しくて死んじゃうの!」
P「……は?」
美希「ちょっと何言ってるのかわからないの」
P「無視しろって言ってるようなもんだぞ!」
美希「ハニーに無視されたら…ミキ泣いちゃう」
P「こんな可愛い娘を泣かせる気か!?」
律子「……はぁ…」
P「まず朝にモーニングコール」
美希「一時間くらいおしゃべりするの」
P「事務所に着いたらおはようのキス」
美希「基本なの!」
P「その後は適当にくつろいで…」
美希「ハニーの膝の上は座り心地がいいの」
律子(頭痛くなってきた……)
美希「トーゼンだね!」
P「ね!」
P「そのあと、お疲れ様のキスをして」
美希「ハニーとちゅーすると疲れなんて消えちゃうの」
P「そして、俺の家に行って…」
美希「ハニーとハニーするの」
律子「……はい?」
P「美希とミキするんだ」
律子「訳がわからない」
美希「あーん、してるんだよ」
P「一緒にシャワーを浴びて」
美希「ハニーのハダカ…逞しいの」
P「家まで車で送って…」
美希「たまに車の中でハニーするの」
P「たまにミキしちゃう」
P「最後に、おやすみのキスをする」
美希「で、寝る前にハニーと電話でお話するの」
P「まあ、こんなもんかな」
律子「全部アウトです」
P「は?」
美希「それはおかしいと思うな!」
P「セーフしか無かっただろ!」
美希「そうなの!」
律子「え…私がおかしいんですか?」
P「うん」
美希「そうなの」
律子「健全?」
美希「そうなの」
律子「それなら…その、ミキとかハニーとかは何ですか?」
P「せ…」
律子「ストップ! ストーップ!!」
律子「それだけは絶対に駄目です!!」
P「えー」
美希「えー」
P「俺は男だ」
律子「え? あ、はい」
美希「ミキは女なの」
律子「そうね」
P「なら……なぁ?」
美希「ねー?」
律子「はぁ……もういいです」
P「律子の説得に成功したぞ!」
美希「やったね!」
P「それは駄目だ!」
美希「ミキ、それは良くないって思うな」
律子「何なんですか…もう」
美希「アイドルなの!」
律子「そうじゃないの!」
P「口調移った」
美希「あはっ」
律子「ぐっ……!」
律子「……」
律子(一度本気で殴っても許されるかしら…?)
P「アイドルである限り、美希との熱愛報道陣は避けたい」
律子「だったらイチャイチャしないで下さいよ」
美希「これはイチャイチャじゃなくてスキンシップなの」
P「パーフェクトコミュニケーション!」
律子(堂々巡りね……)
美希「ハニーとお家でハニーしないと」
P「そうだな」
P「いっぱいミキしような」
美希「うん!」
P「それじゃ、お疲れ様」
美希「なの」
バタン
律子「……」
律子「はぁ、ダーリンとダーリンしたいなぁ」
お前じゃねえ座ってろ
律子「…」
律子「貰い手なんていないわよ…」ぐすん
律子「ステキな出逢い、ないかなぁ?」
律子「今ならイチャイチャし放題ですよー……」
律子「はぁ…」
小鳥「イチャイチャし放題と聞いて!」
律子「わっ!?」
おわり
その時までさようなら
Entry ⇒ 2012.09.13 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
姫子「こん眺めは……」煌「ええ……すばらです」
煌(これこそ私たちが探し求めてきた桃源郷……)
姫子(世界の闇ば太ももという光が打ち消しちょるばい……)
煌(驚きの眩しさ……すばらです!)
哩「姫子!花田!部活の最中に何しとっと?」
姫子「ごめんなさい、ぶちょー」ゴンッ←雀卓に頭ぶつけた音
煌姫子「あいてっ!」
哩「お前ら……インハイ前に弛んどるんじゃなかと?」
仁美「」チュー
美子「………」
煌「いえいえ、そんなことないですよ?」
姫子「そうですよ、ぶちょー」
煌「そうですね……強いて言うなら広大な砂漠を潤すオアシスが」
姫子「荒廃した世界に降り立った天使がいたとです」
哩(頭ぶつけておかしくなったか?)
煌「すばらでしたね、姫子さん!」
姫子「うんっ!すばらだったよ花田!」
煌「あはは」
姫子「うふふ」
哩「お前ら……」プルプル
煌「はいっ!」
姫子「分かりました、ぶちょー!」
哩「雀卓の下さ一体何が……」モゾモゾ
美子「わわっ!哩ちゃん、お尻見えてる!」
仁美「」チュー
姫子「まったくもって!」
煌「これでは部活に集中出来ませんね……すばらくないことです」
姫子「ぶちょーばあげん目で見てしまうなんて……私、最低ばい」
煌「いいえ……すばらなものをすばらだと感じる姫子さんは何も間違ってませんよ」
姫子「花田ぁ……」
煌「姫子さん、私たちは同好の士ですよ?」
姫子「」ガシッ
煌「」ガシッ
煌「それはすばらですね。しかし、膝枕も捨てがたい」
姫子「もちっとしてて!」
煌「プルッとしてて!」
姫子「すべすべで!」
煌「すばらで!」
姫子「はぁ……ぶちょーの太ももが眩しすぎて生きるんが辛い」
煌「同感です」
煌「すばらです!」
哩「よしっ、再開すっとよ」
煌(しかしこの眺めはすばら……)モゾモゾ
姫子(眩しい……眩しすぎて目が~目がぁ~)モゾモゾ
哩「お前らぁ……」プルプル
仁美「」チュー
仁美「」チュー
美子「姫子ちゃんも煌ちゃんもインハイ前だから緊張してるのかな?」
哩「何とかしてやれればいいが……」ムムム
美子(哩ちゃんの太ももに夢中とはちょっと言いづらいかな……)
仁美「」チュー
煌「おおぅ……それはすばら!」
煌「私は部長が校舎裏で迷い猫を膝の上に乗せてたのを見ましたね」
姫子「なにそれ見たい!」
煌「情報を交換出来る友がいるというのはすばらなことです」
姫子「花田は私の最高の友達たい!」
煌「ふふっ」
姫子「うふふ」
姫子「うんっ!」
姫子「こんにちはー」
煌「皆さんお揃いですね!すばらです!」
哩「姫子、花田……」
姫子(ぶちょー……どげんしたとですかね?)
煌(ええ……何か様子がおかしいのは太ももを見れば一目瞭然です!)
仁美「」チュー
哩「うぅ……///」カァァ
煌(どうしたということでしょう……)
姫子(ぶちょーが頬ば染めとるばい)
煌(でも、太ももは紅潮してませんね)
哩「なぁ姫子、花田……私がお前たちにしてやれることはなかと?」モジモジ
煌姫子「……!?」
姫子(なかなかのなかなかばい……)
哩「あの……その……お前たちもインハイ前で緊張しとっと?最近、お前たちの様子がおかしいのは知っとる……なぁ、私が部長として何かしてやれることはなかと?」
煌(これは……棚からすばらというやつですね)
姫子「あのー何でもよかとでしょうかねぇ?」
哩「あぁ……私に出来ることなら」
姫子(花田ぁ……)グッ
煌(姫子さん!)グッ
哩「ひぅ……っ」ビクッ
煌「すばらです!」
哩「そ、そうか……すばらか」
煌「それではお言葉に甘えて……」
哩「………」ドキドキ
煌「そうですね……部長の膝の上に座りたいです」
哩「これでよかと?」
煌「えぇ、すばらですよ」
姫子(花田ん奴ぅ……羨ましか……)
煌(ふふ、姫子さんの言ってた通りすばらですね)
煌(座り心地のすばらな膝の上、耳に僅かばかりかかる部長の吐息、重力に逆らうよう私のお尻を弾く部長の太もも……)
煌(スカート越しでも分かる……この太ももの肌触りが!)
煌(すばらぁ~すばらぁ~)
哩「花田……これで満足したと?」
煌「部長、そちらを向いてもよろしいでしょうか?」
哩「……えっ!?」
煌(部長の顔も見れるこの姿勢……すばらです!)
姫子(ぐぬぬ……花田ん奴ぅ~ぶちょーの首に腕ば回しよって……調子乗ってぇ~)ギギギ
煌(ふふ、ちょっと伸ばせばキスも出来てしまいそうですね)
哩「……っ!?」ビクッ
姫子「ダメぇーーーっ!」ドンッ
煌「すばらっ!?」
姫子「ぶちょー!次は私の番ですね?」
煌「いたた……こんなのすばらくない……」
姫子「………」モジモジ
哩「姫子は何にすると?」
姫子「えっとぉ……その……」モジモジ
哩「ん?」
姫子「ぶちょーに膝枕してもらいたかとです!」
姫子「えへ、えへへ……」モゾモゾ
煌(みるみる姫子さんの顔が緩んでいきますね……すばらです!)
姫子(ぶちょーの太もも……もちもちっとしてて、やわっこくて、すべすべで……)
姫子(このまま蕩けてしまいたいです……)
姫子(花田が言ってた通りすばらだったと)
姫子「ぶちょー……頭なでなでしてもらってもよかとでしょうか?」
哩「こ、こうか?」ナデナデ
姫子「ふにゅー……」ゴロゴロ
煌「大変すばらでしたよ。部長!」
哩「そ、そうか……それはなによりだ」
煌「さぁ!今日も張り切って部活といきましょうか!」
姫子「やりましょー!」
哩「そうだな」
煌(でもこの眺めはホントすばら……)モゾモゾ
姫子(ふぉぉぉぉ……)モゾモゾ
哩「………」プルプル
煌「えぇ、すばらでした」
姫子「はぁ……またぶちょーにしてもらいたいよぅ」
煌「かつての偉い人はこう言いました」
姫子「……?」
煌「長期的自己実現で福楽は得られない。幸せは刹那の中にあり、と……しかし、永遠に生きる幸せの形があってもいいんじゃないでしょうか?」
姫子「どういうこと……?」
煌「写真に収めましょう。あの最高にキラキラでワクワクなすばらな光を!」
煌「でしょう?すばらでしょう?」
姫子「すっごくすばらだよそれ。でも、安物のカメラば使うんは……」
煌「えぇ、最高品質の……ハイエンドのカメラでなければあの太ももに相応しくない」
姫子「なら、結構な額が必要になるか……」
煌「私たちは麻雀部員、金がなければ雀荘にいけばいいじゃない」
姫子「それもそうだね」
煌「ツモ!すばらです!」
姫子「ふふ、こん調子ならすぐに目標額までいけそうだね」
煌「えぇ、すばらなことです」
「先生、お願いします!」
姫子(代打ちば連れてきたんか……)
煌(勝ちが過ぎたようですね……ここが勝負所です!)
咲「けど、私はレアだよ?」
咲「ツモ……嶺上開花四槓子四暗刻大四喜字一色」
煌「……は!?」
姫子「……は!?」
「一局スリーキルゥ……」
「こっちも商売なんでね……勝ちが過ぎるいけない子にはお仕置きしなきゃな」
煌「あ、あぁ……」ガタガタ
姫子「ぶ、ぶちょー……」ガタガタ
咲「………」
美子(短信を三回、長信を三回、短信を三回……これってもしかして……)
美子「哩ちゃん!姫子ちゃんと煌ちゃんが……」
哩「あぁ、分かってる。美子、仁美……ちょっとあいつらを迎えに行ってくる」
仁美「」チュー
美子「うんっ!」
哩「私、出番ぞ!」
いつも思うけどこのAAかわいすぎ
「さぁ、ちょめちょめして負け分払ってもらおうか」
姫子「ちょめちょめ……」カタカタ
煌「そんなのすばらくない……」カタカタ
咲「………」ピクッ
「どうかされました?先生」
哩「姫子!花田!」ガラッ
煌「すばらっ!」
哩「全く……心配ばかりかけて」ダキッ
煌「ごめんなさい……」
姫子「ぶちょー……」
哩「怪我はないな?良かった……」
「お、おいっ!」
哩「この子らを連れて帰りたいんだが、構わないな?」
「そいつは出来んな……そいつらの負け分をまだ貰ってない」
「アンタが代わりにちょめちょめしてくれんなら話は別だがな!」
「ふひひ……」
「それとも先生と戦って負け分をチャラにするかい?」
哩「いいだろう……この子らの為だ、誰であろうが相手になってやる!かかってこい!」
咲「ふふ……かかってこい、ね……」
「先生!」
咲「興が醒めちゃったよ……あなたの好きにしていいよ」
哩「……悪いな。姫子、花田帰るぞ」
「ちょっ、先生!?」
咲「うるさいなぁ……麻雀楽しませるよ?」
「ひ、ひぃっ……」ガタガタ
これが脅迫になるとは流石魔王
なんて恐ろしい言葉だ
煌「すばらぁ~」ヒーン
哩「もう二度とこんなバカな真似はするなよ?」
姫子「ぐすっ……ひっく……はい……」
煌「もうしませんの……」
哩「ホント……心配したんだからな……」
姫子「ぶちょー……」
哩「ホント良かった……大事なくて……」
姫子(もうぶちょーの太ももば写真に収めなくったっていい……だって、ここにあるんだから……)
哩「さ、美子も仁美も待ってる……帰るぞ」
煌姫子「……はいっ!」
槓!
すばらでした!
Entry ⇒ 2012.09.13 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
哩「グーチョキパーでーグーチョキパーでー何作ろー?何作ろー?」
(両手を頬にやって指を前に向ける)
哩「はーなーだー♪はーなーだー♪」
姫子「ぶちょーが壊れたー!?」
※方言がわからんですが許せる人のみどうぞ
姫子「そやけんぶちょー、私には頭おかしくなったようにしか見えんとです」
哩「そいは、お前が花田へのリスペクトが足りとらんから…」
姫子「花田へのリスペクト!?暑さでどうにかなったとですか!?」
哩「私は極めて正常よ」チョキチョキ
姫子「」
仁美「」チュー
姫子「あ、先輩」
哩「どうした、美子」
美子「当人が……」
煌「おはよーございまーすっ!」すばらっ
哩「」
煌「おや……」
哩「は、花田、こ、こいは訳ばあってな、決して馬鹿にしとうは……」チョキチョキ
哩「へ?」
姫子「は?」
仁美「」チュー
煌「よもや……よもや!私の敬愛する部長が私なんかの真似をして下さるとはっ!すばらです!感激ですっ!」
哩「花田……わかってくれたか……っ私の……私のリスペクトば……っ」ジーン
姫子「」
姫子「どうして花田が仕切りよるん……あいつ副部長でも無いやろ……」
哩「このムード作り、明るさ、やる気……よし、私は次期部長に花田ば推薦すっとよ」ガッツポ
姫子「」
姫子「どうしてそうなるとですか!あいつは麻雀トバんだけで腕前は素人に毛が生えた程度ですよ!?」
哩「部長に必要なんは、みなば引っ張ってけるかどうか……あいつは、そいば持っとる」
姫子「でも部長で麻雀が強くないのはおかしいとです!」
哩「やけど、実際そういうとこもある」
智美「へっきし!」
桃子「風邪っすか?」
佳織「智美ちゃん……大丈夫?」
智美「ワッハハ……こりゃあ誰かに噂されてるなあ……ゆみちんかな」ズルズル
智美「そういやゆみちん進路希望がうんたら言ってたなー」
桃子「たぶんそれっすよ」
佳織「智美ちゃんそっちは行かなきゃ大丈夫じゃないよ!」
睦月「うむ…」ウム
哩(うちもそうやし……な)
姫子「どうして、私じゃなかとですか……」
哩「……」
姫子「私……私っ、部長に憧れて……必死こいて麻雀頑張って……同じ学校受けて……っ」
哩「……」
姫子「そして今回、大将任されるまでなって。みんなの、部長の信頼をやっと勝ち取ったんやと思った……それなのに」
姫子「そいぎ……なんで簡単に花田の奴に部長任すとか言うとですか……っ!」
哩「姫子……すまん」
哩「完全なえこひいきよ」シレッ
姫子「何馬鹿なことすっぱり言い切りよるですかぁあこの人ぉ!!?」ガビーン
姫子「やけん私、諦めんとですよ。ぶちょーに認めて貰えるまで」ギリリ
哩(う~ん……認めてはいるんやけどね)
煌「部長~!一緒に打ちませんかっ」すばらっ
哩「おお……花田からご指名とは、光栄やね」
姫子「~~…………っ」メラメラ
煌「すば…らっ?」びくっ
煌(さ、殺気……ですか?)
哩「花田」
煌「はいっ」しゃきっ
哩「ちょっくらトイレに付き合え」
煌「えっ……そ、それってまさか」
哩「連れションよ」
煌「いやいやいやいや!言わなくてもわかりますって!」あわわわ
姫子「……」
哩「……花田、部活後予定空いとる?」ジャー
煌「ええ、まったくもってすっきりすっぽりですが」
哩「部長命令ぞ。私に付き合え」フキフキ
煌「すばらっ!?な、な、なにを……そんな、唐突にっ」
哩「嫌か?」
煌「いやいやいやいや!そうでは無いです確実に!ただ」
哩「ただ…何ね?」
煌「私なんぞに、その、務まる…かな、って」
哩「……」
煌「そんな私が、部長に釣り合うかどうかが」
ハナギュッ
煌「ひゃあ!?」
哩「まったく……お前は何ば聞いとったと」
煌「……」口ぱくぱく
哩「こいは部長命令ぞ。……ハナからお前に選択肢なんぞ無か」
煌「ぶ……部長……」
哩「少しの間、私にお前ば預けてくれんか」
煌「……嬉しいことです!」
哩・煌「「そんなすばらなことはない」」
煌「!」
哩「ぷっ」
煌「ふふ」
アハハハハハ……
アハハハハハ……
??「うう…っ」
煌「う、う~」てくてく
哩「どうした花田」テクテク
煌「や、やっぱり、すごく緊張してしまって」
哩「今からそんな調子じゃ、店まで保たんぞ?」
煌「はい~……」ぷしゅー
哩「」
哩(ダメやね……やっぱこいつ、掛け値なしで可愛いわ…)
煌「あ、この喫茶店」
哩「知っとう?」
煌「あ、ハイ。来たことはあると思います」
哩「なら、気負う必要ば無かね」
煌(ああ……部長と喫茶店。夢みたいですね)すばらっ
煌「あ、私アイスコーヒーで」
哩「砂糖とミルクは」
煌「え~と抜きで」
哩「……花田、お前甘いのダメやったっけ」
煌「いえ?そんなことはないですけど」
哩「そいじゃどうしてブラックにすっとよ?」
煌「え…と、その」
煌「砂糖とミルクを抜くと、10円安くなるので……」てへ
哩「……はぁ」
哩「お前は阿呆か」
煌「なっ」がーん
哩「そんな雀の涙みたいな値段で我慢してどうすっとよ……」
煌「でも、手持ちがややアレなもので…」
哩「……」イラッ
店員「はい」
哩「アイスコーヒーとクロワッサンば2つずつで」
店員「かしこまりましたー少々お待ちくださいませー」カタカタ ジャー
煌「ぶ、ぶぶ部長!私の話聞いてましたか」
哩「やかましい」ズビシ
煌「はうっ」
哩「私が出すけん……そんなら問題無かとよ」
煌「部長……」
哩「」イラッ
煌「誰かに出してもらうなら、し・か・も 好きな人なら尚更!会計を安くしなければ申し訳が……」
哩「花田っ!!」ガッ
煌「ひゃ、ひゃいっ!?」
哩「他の客の迷惑になるけん……先座っとれ……!」ゴゴゴゴ
煌「は、はいぃ」あわわわ
哩「……」カチャカチャ
煌「あ……あのぅ」ちらっ
哩「なんね」カタン
煌「ありがとう、ございます」ぺこ
哩「……もとより私のワガママに付き合ってもろうとる。礼ば言われる筋合い無かよ」
煌「いや、その、……なんて言いますか」
煌「すばら過ぎて、なんだか……ありがとうしか、出てこなくて。言葉が」
哩「……」
煌「えへへ、変ですよね」もじもじ
哩「いや」
哩「良かと……思う」
煌「……」もむもむ
哩「……」ゴクゴク
煌「……」ちゅー
仁美「」チュー
哩「!?」ビクッ
煌「? どうしました?」
哩「いや……気のせいやと思う……多分」
煌「?」
煌(加えてコーヒーのすっきりした喉ごし、絶妙に合わさった苦味と甘味、まろみとコク)
煌「すばらですね……!部長」
哩「ああ、すばら……しいな」ハッ
煌「!」
哩「……っ」ワタワタ
煌(部長っっすばらです~~っ!!)きゃっ
哩「はい(千円札)」
店員「千円お預かりします~」ガチャガチャチーン
煌「あ、あの」
店員「お釣りの方160円です」チャララ
哩「どうも」
店員「またのお越しを~」
煌「ぶ、部長」
哩「なんね」
煌「せめて私の分のコーヒー代、出させてくださいっ」
哩「くどい」
煌「でも」
哩「くどい!」クワッ
煌「ひゃわわっ」
煌「聞いてました!いや聞いてましたけども!このままじゃ私、申し訳がたたな……」
哩「そいじゃその分、支払ってもろうとすっとよ(ネクタイを掴み引き寄せる)」グイッ
煌「ふわあっ!?っん……!」びくっ
哩「…………(顔を寄せる)」
煌「ち、近い、ですよ、部長、あっ」
煌「」
??「」
煌「っん……んん……っ!」ふるふる
哩「っふ……これで、おあいこよ」
煌「……す……」
煌「すば……ら……っ!」うるうる
哩「な、泣くほど嫌やったと!?」
煌「ふぁ、ファースト……キス……(唇に手をやり)」
哩「えええッ!?そ、そいはもらい過ぎたッ」
煌「ふえぇ……すばら……すばら過ぎますよお……」ぽろぽろ
哩「花田……」
哩(嫌や無かってん良かと……泣いてるとこば、初めて見よった……ごめんな…花田)ギュッ
哩「な、なんね…?」
煌「…………」ふるふる
(涙を袖で拭う)
哩「……そ、その」アセアセ
煌「…………責任、取ってくださいねえっ!」ぱああっ
哩「」ズギューンッ
哩「花田ーッ!」ギュムム
煌「ぶっ、部長っ!く、くるし、でっ、すっ」
哩「愛しとるぞーッ!!」ギリギリギリギリ
煌「す……すば…………らっ」がくっ
煌「は、はい……部長は……?」
哩「……もう、落ち着きよった。恥ずかしか、話とよ」カアァ
煌(恥ずかしがる部長……すばらです)
リーン リーン
煌「虫の声、綺麗ですね」
哩「……ああ」
煌「星空も」
哩「…ああ」
煌(……この時が)
煌(このすばらな時間が、このまま一生続けばいい――――。)
煌「そう言えばこの道、電灯無かったですね」
哩「電灯……」
煌「電灯でんくそくらえで、ヒューズば先端に持ってくる」きりっ
哩「馬鹿にしよっと?」ガッ
煌「ごめんなさいごめんなさいっ」ひえー
哩「そう言や、聞いとったんやっけね……私と、姫子の話」
煌「…盗み聞きするつもりは無かったんですけどね」
哩「良かとよ。こちらの不注意ば原因やった……あれは、…お前だけには聞かれとう無かった」
哩「本当に済まんかった……」シュン
煌「何を仰いますか!私は逆に感謝までしてますよっ!」すばらっ
哩「感謝…?」
煌「先生のそのお考えがあったからこそ、私は代表に選ばれ…。全国の場に立てました。嬉しいことです」
哩「そいけん」
煌「良いんですよ。……私は、確かにみっともない結果しか残せませんでしたが」
煌「部長と……みんなと同じ舞台に立てたこと。本当に嬉しかった」
哩「…花田?」
煌「部長の手、暖かいですね」
哩「心が冷たいからな」
煌「そんなことはないです!」
哩「初めは」
哩「……初めは……この気持ち。ただの同情やと思ってた」
煌「同情でもありがたいですけどねえ」
哩「やけど、違っとった。お前ば気にかけて、目で追って、そっから、少しずつ惹かれよった」
煌「……」にこ
煌「……すばら」
哩「花田。いや……煌。今更かも知れんが……伝えさせて欲しかよ」
哩「……」フゥ
哩「……」スゥッ
哩「好きです。私と、付き合ってください」
煌「……」じ~ん
煌「あの、その」
哩「今度自分のことば卑下して我慢したら、キスじゃ済まさん」
煌「ひっ!?」
煌(逃げ道、塞がれちゃいましたね)
煌(でも)
哩「姫子?」
煌「あの方は、ほぼ間違いなく部長に心を寄せてます。……あの方の気持ちを、無碍には出来ないと思うんです」
哩「……」
煌「ねぇ部長……」
煌「鶴田さんは私より可愛くて麻雀も強くて、よっぽどすばらなしっかり者さんです。だから、私じゃなくても」
哩「煌」ダキッ
煌「はひっ!?」どきっ
哩「言っとったよな?自分ば卑下して我慢したら今度はキスじゃ済まさんと」
哩「問答無用」グイ
チュッ
煌(すっ……すばら~っ!セカンドキスも部長だなんて!ってあれ?)
煌(キスじゃ済まさんって言ってましたけど……キス、してますね)
クチュ
煌「んぅっ!?」
哩「ちゅ、ん、ちゅぷ」(煌の手を取り指を絡ませる)
煌(あ、あっ、あっ…、あたま、とけそ)
哩「ちゅぅ……っ」
煌(舌、舌が、すわれてっ、ふ、ふにゃあ…っ)
哩(煌……凄い蕩けた顔、しとる)
哩(たまらん……っ)
煌「はぁ……はぁ……っ」
哩(唾液の橋出来よる……エッロ……)
哩「…もしかして……誘っとった…?」
煌「ち……っちがいま…すよぉ……もおっ」かあぁ
哩(ああ)
哩(本当可愛いな、煌)ニヘ
煌「……わっかりました。もう、自分に嘘は付きません。他人も関係ありません」
哩「……ん。それでいい」ギュ
哩(本心からの結論なら、例え振られても構わん……それが煌の選びよった道ならば)
煌「私……花田煌は、本日、この時を以て」
ぎゅう
哩「!(手を……)」
煌「白水哩さんの隣に、立候補いたします!」びしっ
煌「さて、多数決を取りましょう。賛成の方は手を挙げて!」ばっ
哩「……」スッ
煌「…ありがとうございます」
煌「……では、過半数を超えましたので、これを可決としま」
??「反対ィィイッッ!!」
哩・煌「」
煌「あ……鶴田、さん…?」
姫子「花田の奴にぶちょー渡すくらいやったら、私、私ぐふっ」
美子「空気読みィ!」ズビシッッ
仁美「」ズズズ
哩「」
姫子「はい……」
哩「正直、見損なったとよ……お前が、ここまでデリカシーの無か奴やったとは」
姫子「返す言葉も無かとです……」
美子「まったく、私は止めよったのに」
哩「美子。お前も同罪ぞ」
美子「ええ!?」ガーン
哩「ええ!?や、なか!後輩の犯罪行為ば見逃す奴があるか!」
美子「止めよったんに~」
哩「結果止まっとらんから言っとる!大体お前は~……」ガミガミ
煌「あ……あはは~……どうしたら良いんでしょ、コレ……」
仁美「」ズズ
それカンッ!
哩「まったく、本当に空気ば読めん奴らよ」
姫子「ごめんなさいぶちょー…」
哩「もうええけどさ……」
煌「……」しゅん
哩「……煌」サッ
煌「部長…?」
哩「手。…繋いでくれんか」ワキワキ
煌「」ぱああっ
煌「はいっ、哩さん!」ぎゅううっ
もいっこ、カン!
煌「良いんじゃないでしょうかね~、昨日は…それはもう今まで生きてきた中でも大変すばらな1日でしたから!」すばらっ
哩「お前がそう言うてくれて、助かるとよ」ニコ
煌(すばら~っ!部長…いやさ、哩さんの笑顔いただきました~っ!)
姫子「私は諦めんとですよ…ぶちょー…!」メラメラ
美子「いや、もう手遅れやて」
仁美「」ゴクリ
嶺上開花、対々和、三槓子、ドラ6!
三倍満ですっ!
煌「ん~ふふ~♪早起き出来たし、天気も良いしっ!今日はとてもすばらですっ!」
煌「待ち合わせの時間まで、後二時間ですか……ん~っ待ちきれないっ!もどかしいっ!」
煌「いっそのこと、もう一時間くらい早く行って困らせちゃいましょうかね~」
煌「……でも、あのお人ならそれくらいの時間にでも、普通に待っててくれてそうですね」
煌「よし決まりっ!一時間早く着くように準備しましょうっ!」
煌「今日も特別すばらな日にしましょうね……哩さんっ」すばらっ!
四槓子
拙い文章ですが見てくださった方々ありがとうでした
哩煌は俺のジャスティス
おやすみなさい
Entry ⇒ 2012.09.13 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
美希「大好きはにぃ♪」
P「ドア越しだから見えないよ美希」
美希「じゃあ開けて欲しいって思うな?」
P「Pやだって思うな」
美希「えー、どうして?」
P「美希だって何故か自分ん家の前でふるふるフューチャー☆歌ってる変な人居たら入れないだろ?」
美希「うんっ」
P「ちょっと自分の立場で考えてごらん?」
P「朝変な歌声で目が覚めたら自分の住所を知らないはずの自分のファンが家の前に居るんだよ」
美希「さすがのミキでもこわいの…」
P「だよね?だから帰ろうね」
美希「ヤ!」
P「この娘はもうっ」
P「ごめんな見てやれなくて」
美希「見たらきっとハニーきゅんきゅんってすると思うな」
P「そうだな俺きゅんきゅんし過ぎて体調悪くなるかもな」
美希「見て見てハニー♪」ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
P「こら美希インターホンを倍プッシュするな!」
美希「うんっはやくはやく~」
P「よおしじゃあPドアあけちゃうぞー」ガチャ
P「」バタン
美希「あれ、ハニーどうしちゃったのー?」
美希「うんっハニーの聞きたいこと何でも聞いて!」ガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
P「なんでウェディングドレスなんだい美希」
美希「ハニーのためなの!」ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
P「どうしよう会話のキャッチボールができない」
美希「ハニー開けて開けて」ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
P「俺ん家の前で嬉しいのはわかるけどドアガチャはやめて」
美希「えっとね、ミキとハニーってらぶらぶでしょ?」
P「うん、ちがうね」
美希「だからもう一緒に暮らすしかないなーって思ったの!」
P「俺にわかるような説明じゃないよねそれ」
美希「愛なの!」
P「アイドルはどうするんだ?俺との約束は?」
美希「前も言ったよ?ミキ欲張りだから全部ほしいの!」
P「今じゃなくてもいいと思わないか?」
美希「今すぐなの、もう待てない♪約束したよね?キスをちょうだい♪」
P「ふるふるフューチャー☆で返事すんな」
P「そりゃ安アパートにウェディングドレスは浮くわ」
美希「はやく入れてほしいな」カリカリ
P「家帰るっていうのはどうだろう」
美希「お家ここなの」
P「親泣くぞ」
P「…」
美希「寒くなってきたの」
P「あーもう」ガチャ
美希「あ、ハニー♪」
P「上着羽織れ、貸してやるから」
美希「入れてくれないの?」
P「うん、チラッとスタンガンみたいなの見えたからやめた」
P「ああ、そういえばこの間持たせたな」
美希「ね、入れて?」
P「しゃーないな」ガチャ
美希「えへへ、またハニーの顔見れたの♪」
P「ついでにお前俺ん家入ったとして何するわけ?」
美希「ハニーの赤ちゃ「」バタン
美希「ハニー開けてほしいの」カリカリ
P「それを実践していいのはオトナの人だけなんだぞ?」
美希「そうなの?ミキのクラスの子何人か知ってるみたいだったよ?」
P「やな時代だよ」
美希「ミキね、他の人はゼッタイヤだけどハニーとだったらやってみたい!」
P「成人男性としてお断りします」
美希「ミキ、ハニーとやりたい!」
P「こーら、女の子が大声でやりたいやりたいって言わないの」
P「いまどこから『でも』がでてきたんだ」
美希「恥ずかしがってミキにつれない態度とるけど、ミキのこととっても大事にしてくれるところ♪」
P「まあな」
美希「だからハニーの赤ちゃん欲しいけど今日は我慢するね?」
P「今日は?」
P「え、何いきなり」
美希「おしえて欲しいの」
P「それ聞いたら帰ってくれるのか?」
美希「ハニーの愛を感じたら考えるの」
P「うーん」
P「人なつこい可愛らしい笑顔も(担当アイドルとして)魅力的だし、飽きやすいところもあるけど頑張ると決めたらとことんがんばるところも(担当アイドルとして)美点だな」
P「後は何ごともマイペースにこなせるところも(担当アイドルとして)感心するし、何より一途に俺なんかを想ってくれるところが(担当アイドルとして)好きだよ」
P「うん担当アイドルとしてね」
美希「はやくいっしょになろ?ハニー♪」
P「帰ってくれんだよね?」
美希「愛がふたりを引き寄せるの!」
P「いや帰ってくれんだよね?」
P「いたいいたいドアに挟まっていたい」
美希「ハニー、ハニー」
P「ちょっと引っ張んないでください」
美希「えへへちゅっちゅっ♪」
P「助けて大家さんウェディング姿のストーカーがキスしてきまちゅっちゅっちゅぱ」
美希「えっ、今のまだ準備運動だよ?」
P「おっさん殺しな娘っ子だよっ」
美希「本番はねー、もうちょっと暗くなってからなの!」
P「へえ、ドア開けないけどな」
美希「もうっハニーの照れ屋っ♪」
P「せやな」
P「はしゃぎすぎるから」
美希「ハニーおにぎりたべたい」
P「悪い子には作ってあげない」
美希「おにぎり…」
P「ああもう、ちょっと待ってろ」
美希「あ、ハニーのおにぎりの匂い」
P「ほら食え」
美希「えへへ…ミキね、ハニーのことやっぱり大好き♪」
P「調子いいやつだなぁ」
P「良かった良かったこれで帰れるな」
美希「うんっはやく入れてほしいの!」
P「お前の家はここじゃないの」
美希「えー、ここミキとハニーの家だよ?」
P「俺だけの家な、さあ本当に帰んないとみんな心配するぞ?」
P「俺には美希が何言ってるかわかんないよ」
美希「ハニー、そろそろ暗くなるからお家いれて?」
P「お前を家に入れたら俺の貞操終わりかなって思ってる」
美希「でも将来的にはしなきゃいけないんだよ?」
P「なんで俺ら子作り確定みたいな話になってんの?」
P「大変だじゃあはやく帰らないと!」
美希「すぅ…はにぃ」
P「美希、寝てるのか?」
美希「すぅすぅ」
P「風邪引くぞ~」
美希「はにぃ…はにぃ…」
P「はぁ…しゃーない」
美希「はにぃ…すぅすぅ」
P「やばいなこれは、起きたら俺終わるな」
美希「んんっ…」
P「ファンが見たら大変なことになるなこの図」
P「まあ抱き枕にされてる時点でかなり終わってるんですけどね」
P「ぐう」
美希「あれ、ハニー?」
美希「寝ちゃってるの?」
美希「はにぃ♪」ぷにぷに
美希「むー、起きないとつまんないよハニー」
美希「ハニーがおいしそうだから舐めてたの~!」
P「おえっ」
美希「むー、ミキそんなにばっちくないって思うな」
P「誰だって顔中舐め回されたらやだろ」
美希「ハニーにならいいよ」
P「うんお前はそういう子だったな」
P「十年後も俺が好きだったら考えておいてやるよ」
美希「えーっ今じゃだめなの?」
P「うんダメ」
美希「ミキ、絶対ハニーのことキライにならないよ?」
P「じゃあ待てるだろ」
美希「ドレス…着てきたのに」
P「…」
美希「ほんと…?」
P「うん、十年後が楽しみだ」
美希「えへへ、ハニーがそう言ってくれただけで満足なの!」
P「ほんと調子いいやつだなぁ、まあ今日は遅いから泊まってけよ」
美希「わあい!ハニー大好きなの~♪」
P「ははは、夜這い禁止な」
美希「えへへ楽しそう…ミキの夢かなぁ」
美希「あっダメだよ、パパは今寝てるの!」
美希「ハニーが何時の、どんな願望を見てるのか今のミキにはわからないけど」
美希「はやく戻ってきてねハニー」
「幸せな現実に」
何故か最後の台詞からホラー臭がwwww
乙
Entry ⇒ 2012.09.13 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
咲「部長と5秒以上見詰め合うのは危険だよね」
洋榎「……」
久「……」ジー
洋榎「……な、なんやねん」
久「いえ、別に何も?」
洋榎「なんもないんやったら見るなアホ……」
久「ふふ、ごめんなさい」ジー
久「なに?」ジー
洋榎「喧嘩売っとるやろ?」
久「そんなことないわよ。洋榎が可愛いから見ていたいだけ」
洋榎「なっ……」
久「ふふ、あなた以外とウブよね。そういうところのギャップも可愛い」
洋榎「お、お前もう帰れ! だいたいなんでウチの部屋にしれっとおんねん!」
久「だって暇なんだもん。合同合宿なんて夜はやることないんだもん」
洋榎「まあ確かにそやけども……」
洋榎「っ……だ、だから! 見つめてくんなアホっ!」
久「ただ見てるだけじゃない、どうしてそんなにも恥ずかしがるの」クスクス
洋榎「じろじろ見られて気悪くせえへんヤツなんてそうおるかい……」
久「私は別に気にしないわよ? どれだけ見つめられても」
洋榎「……ほう、言ったな? それじゃ睨めっこで勝負や! ウチが勝ったら自分の部屋に戻ること、ええな?」
久「あら、面白そうね。いいわよ」
久「ふふ、絶対に負けないからなんでもいいわよ」
洋榎「そこまで言われたからにはこっちも負ける訳にもいかんな……勝負や、久」
久(こんなくだらないことで本気になれる洋榎が素敵だわ)
久「で、睨めっこはもう始まってるってことでいいのよね?」ジー
洋榎「まあ、スタートの合図なんていちいち要らんしな」ジー
久「それもそうね。洋榎がどれくらいまで持つか楽しみだわ」
洋榎「こっちのセリフや」
洋榎(……ヤバい、めっちゃ気恥ずかしい)
久「……」ジー
洋榎(久が顔を背ける未来が想像出来んというか、早々に限界が来てる気がするというか……)
久「ふふ、ねえ洋榎。目を背けるのはアリなのかしら?」
洋榎「あ、アリや! 顔はちゃんと向けてるんやからな!」
久「りょーかい」ジー
久(この状態の洋榎を観察するのってすごく楽しいかも……)
洋榎(アカン……ウチが折れんかったら何十時間でもこの状況が続きそうな気がする……)
久「……」ジー
洋榎(てかなんやねんコイツ……なんでここまで堂々と出来るねん、意味分からん……)
久(気まずそうな様子で顔を赤くして、視線をうつむけさせて……可愛い)
久(このまま進展が無いのもあれだし、少しからかってみようかしら)
久「ねえ洋榎。あなた好きな人とかいる?」
洋榎「は、はぁぁ!? いい、いきなりなんやねん!?」
久「だから、好きな人いるの洋榎?」
久「うーん、前から気になってたし、特に理由はないけど」
久「それで、どうなの洋榎? 好きな人いるの? 付き合ってる人とかも」
洋榎「そんなもんおるかアホ!!」
久「そっか。それじゃあ私にも十分チャンスがあるってことね」
洋榎「……は?」
久「ま、別に洋榎に好きな人がいても関係ないといえば関係なかったんだけど」
洋榎「え……さ、さっきの、どういう……」
久「ところで。この勝負で洋榎が勝ったら私は自分の部屋に戻るわけだけど」
久「私が勝ったら洋榎は何をしてくれるのかしら?」
洋榎「っ……!?」
洋榎「……ウチはどこで寝るねん」
久「一緒に寝ればいいじゃない。きっと気持ちいいわよ?」
洋榎「ほ、ホンマなに考えとんねんお前……」
久「今は洋榎のことで頭がいっぱいだわ。本当に好きになっちゃったのかも」
洋榎「っ……冗談は休み休み言えアホ……」
洋榎「ふんっ……そう簡単に思い通りになってたまるか」
久「相変わらず目は合わせてくれないけど」
洋榎「……な、なあ久。たぶんこの勝負、決着つかんと思うねん」
久「そうかしら? 私的にはあともう一押しだど思うんだけど」
洋榎「そ、そんなことないわ! どない押されてもウチは揺るがん!」
洋榎「とにかく。終わらん勝負続けても時間の無駄や。ここは、その……引き分けで手を打たんか?」
久「ふむ。引き分けね。その場合私はどうなるのかしら?」
久「却下するわ」
洋榎「なんでやねん!」
久「だって今、明らかに私が優勢なのにそれじゃあ損だわ」
洋榎「うっ……じゃあどういう条件やったらええねん」
久「うーん、そうね……洋榎が私にキスしてくれたら引き分けでもいいわ」
洋榎「……却下やアホ」
久「それじゃあキチンと決着をつけましょうか」ニッコリ
洋榎(このまま勝負を続ければウチは負ける……負けて久と一緒に寝るんか、今キスして帰らせるか……一体どうすれば……)
久(ふふ、悩んでる悩んでる。楽しいわ♪)
洋榎(……負けるのはやっぱり嫌や。負けを認めるくらいやったら、引き分けにして適当な場所にキスして帰らせるのが一番……)
久「あ、そうそう。引き分けにするなら、キスはちゃんと唇にしてね?」
洋榎「はあ!?」
久「そりゃそうでしょ。だってキスだもん」
洋榎「お、お前頭おかしいんとちゃうか!? ウチら女同士やぞ!?」
久「むしろ女同士だから気軽だと思うんだけど、洋榎にとってはそうじゃないのかしら?」
洋榎「そそ、そんなわけあるか!」
久「なら問題ないわね」
久「ふふ、さすが洋榎。そうでなくっちゃ面白く無いわ」
洋榎「覚悟せえよ久……! もう目線そらしたり弱気吐いたりせんからな……!」
~数分後~
洋榎「……な、なあ久」
久「?」
洋榎「やっぱりさ……その……もう一度話し合って穏便に……」
久「目線そらしてるわよ? 洋榎」
久「私は楽しいから別にいいけど……洋榎が嫌ならギブアップすればいいんじゃないの?」
洋榎「……言い出しっぺやのに負け認めるなんて嫌や」
久(変な意地張って、子供みたいで可愛い)
久「えっと、洋榎は負けを認めたく無くて、でもこのまま長くゲームを続けるのも私の条件で引き分けにするのも嫌なのよね」
洋榎「せや」
久(ここまで虫の良いことってそう言えるものじゃないわね……)
久「それじゃあ……気持ちよく負けさせてあげるわ」
洋榎「へ?」
洋榎「きゃあ!?」
久(洋榎の上に覆い被さってっと)
洋榎「なっ、ななな……!?」
久「ねえ洋榎……キス、したことある……?」
洋榎「はぁ!?」
久「無いんだったら……私が初めての相手ね」
洋榎「ちょ……おまっ……」
洋榎「っ~~~!!」
久「はい、私の勝ち」
洋榎「……は?」
久「だってほら、私が顔近づけたとき、目をつむりながら顔を背けたじゃない」
久「だから私の勝ち」
洋榎「……」ポケー
久「ふふ、洋榎ってあんなにも可愛い顔も出来るのね。なんだか良いもの見ちゃった」
洋榎「ふざけんなぼけえええっ!!!」
久「うっ……」キーン
洋榎「もう帰れ!! 出てけ!! アホ! ボケ! 乙女心弄んで……このド外道っ!!」バシッバシッ
久「痛い、痛いっ。枕で叩かないで洋榎」
洋榎「やかましい!! 天誅やこの畜生!! 卑怯過ぎるやろ!!」
洋榎「それでもやっていいことと悪いことがあるやろ!」
洋榎「あ、あんな風に押し倒してキスするフリするなんて……!」
洋榎「このっ、ボケっ、アホっ!」バシッバシッ
久「ふふ、ごめんなさいってば……あっ、洋榎」
洋榎「はぁ、はぁ、はぁ……?」
久「顔、真っ赤よ?」
洋榎「っ~~~!?」
久「あはは、痛い痛い痛い」バシッバシッ
洋榎「はぁ、はぁ、はぁ……」
久「落ち着いた? 何か飲む?」
洋榎「なんもいらん! てか誰のせいやと思ってんねん……」
久「あんなに怒るとは思わなくて。もしかして洋榎ってそういうことまだしたことないの?」
洋榎「しょ、処女で悪いか! てか高校生なんやから当たり前やろ!!」
久「当たり前かどうかは分からないけど、キス一つであそこまで動揺されるとは思わなかったから」
洋榎「くっ……もうええ。次あんなふざけた真似したらどつき回すからな」
久「了解♪」
洋榎「はぁ、無駄な汗かいてもうた……風呂入ってくる」
久「お風呂?」キュピーン
久「はは、分かってるって。覗いたりしないから」
洋榎「当たり前や。……もし覗いたら半殺しやからな」
久「もう、怖いこと言わないでよ。……ところで、私ここに居てもいいの?」
洋榎「……まあ、手段は卑怯でも負けは負けやし。約束は守る」
久「さすが洋榎♪」
洋榎「その代わり! 変なことした瞬間退場! 寝るときは久は床! ええな?」
久「うーん、床かぁ……」
洋榎「……敷き布団くらい用意したるから」
久「心遣い嬉しいわ。一緒に寝れる方がもっと嬉しいけど」
洋榎「……アホ」
~浴室~
洋榎「はぁ……」
洋榎(にしても久が何をしたいのかまったく分からん……)
洋榎(なんかウチのこと好きみたいな雰囲気出したり、冗談でキスしようとしてきたり……)
洋榎(ウチをからかってるだけやったらあまりにタチ悪いな……)
洋榎(変なことするなと釘刺したものの、久のことやから信用ならん……)
洋榎(……早めにあがろ)
洋榎「……あれ。ウチの脱いだ服ない。てか用意したのもないし下着も……」
洋榎「ってなんやこのやたらデカイTシャツ……こんなもん誰が……」
洋榎「ま、まさか……」
久「はいはい。って洋榎、あなたちょっと口が悪すぎない? 女の子なんだからもっと慎みを持たないと」
洋榎「誰が慎み無くさせとんねん! ってそんなことより、ウチの着替えもろもろ持ってったのお前やろ!?」
久「ええ、そうよ」
洋榎「即答て……」
久「だって嘘ついても仕方ないし」
洋榎「……今やったらまだ許したる。だからウチの着替え持ってこい」
久「ふふ、やだ♪」
洋榎「」
久「もう、そんな怖い声出さないでよ。ちょっとしたイタズラだし、着替えもちゃんと部屋に置いてあるから」
久「それに、代わりの服ちゃんと用意してあるでしょ? 洋榎にピッタリだと思うの」
洋榎「……なんやねんこのアホみたいに大きいTシャツ。どっから持って来た」
久「宮守の姉帯さんから借りて来たの。洋榎に着せたら可愛いかなー、って思って」
洋榎「……」
久「ね、だから早く着替えて出て来てちょうだい」
洋榎「ふざけんなボケ!! こんなもん着れるわけないやろ!!」
洋榎「……久、悪いことは言わんから早くウチの服持ってこい。な? こんなことして誰が得するんや」
久「今、私はすごく楽しいわよ?」
洋榎「久ァ……! このことはしっかり覚えとけよ……! 絶対に許さんからな……!」
久「ふふ、洋榎の可愛い姿が見れるなら本望だわ」
洋榎「くっ……」
洋榎(このまま駄々こねてると、自分が着させるとか言い出しかねん)
洋榎(ここは一端これを着て、さっさと着替え回収するのが一番か……)
洋榎(うぅ、悔しい……! 久の思い通りに動くのが癪に触ってたまらん……!)
久「うふふ」
洋榎(……なんやねんこれ。ウチが来たらワンピース状態やん……微妙に丈短いし……)
洋榎(くそぉ……! おのれ久め……! 一発どつかな腹の虫がおさまらん……!)
洋榎「久!」
久「あ、やっと出て来た。……ふふ、やっぱりすごく似合ってる。丈は短そうだけど」
洋榎「ウチの着替え返せ……!」
久「そんなに怖い顔しないでよ。あ、一枚写メ撮っていい? すごく可愛いのにもったいないわ」パシャ
洋榎「りょ、了承得る前に撮るヤツがおるかアホ! 今すぐ消せ!」
久「あんまり動いたら下が見えちゃうわよ?」
洋榎「っ!?」
洋榎「くぅぅ……!」
久「ふふ、その顔も可愛いわ」
久「分かってるって。はい、これ」
洋榎「お、おぅ……?」
久「ごめんね、子供みたいなイタズラしちゃって。ちょっと魔が差しちゃっただけだから」
洋榎(えらいすんなり返すんやな……返して欲しかったら~しろ、とか言われると思ったんやけど……)
洋榎「ま、まだ許したわけやないからな! 着替えたあと一発どついたるから待っとけよ!」
久「……」
洋榎(着替えを持って、また浴室横の洗面所に戻ろうとしたそのとき)
久「……」ギュッ
洋榎「へ?」
洋榎(久に、後ろから抱きしめられた)
久「そんな無防備な背中、私に見せたらダメじゃない」
久「我慢出来なくなっちゃう……」
洋榎「ひ、久……? な、なにを言って……」
久「洋榎、とても良い匂い……肌も柔らかくて、温かくて……」
久「はは、どうしよう……私、自分が思ってるよりも洋榎のこと好きみたい」
洋榎「……は?」
久「洋榎……好き。大好き……」
久「洋榎の好きはどういう好き?」
洋榎「えっ……」
久「こういう好き?」
洋榎「っ!」
洋榎(く、首筋にキスっ……)
久「ん……」
洋榎「っ~~~!!」
洋榎「ひゃ!?」
久「洋榎……」スリスリ
洋榎「や、やめろアホ! 何考えてんねんお前!?」
久「洋榎のことを考えてる」チュッ
洋榎「やっ……」
久「私ね、人に好きになられることは今まで何度もあったけど……」
久「こんなにも人を好きになるのは初めてなの」
久「ねぇ、どうしよう洋榎……私、我慢出来ない……」
洋榎「ひ、久ぁ……!」
洋榎「ひっ……やっ、やめろボケ!!」
洋榎「ウチら女同士やぞ!? 頭のネジ飛んだか!?」
久「愛に性別なんて関係ないわ。……それに、ネジを飛ばしたのは洋榎だしね」
洋榎「しょ、正気か久……? こ、こんなことっ……」
久「洋榎は嫌?」
洋榎「あっ」
久「私にこういうことされるの」
久(むう、やっぱちょっと強引過ぎたかも……まだ理性が働いてるって感じね)
久(でも、分の悪い勝負だからこそ燃えるわ)
洋榎「久、もう離せって……今やったら許したるから……」
久「やだ……離れたくない……」
洋榎「お前なぁ……」
洋榎「……どないせえっちゅうねん……」
久「洋榎が私を受け入れてくれればいいわ」
洋榎「受け入れろ言われてもんなこと出来るわけないやろ……」
洋榎「久やからとかじゃなくて……」
久「私が女だから?」
洋榎「……」
久「じゃあ、私が男だったら洋榎は受け入れてくれたの?」
洋榎「……たぶん」
久「そっか……」
洋榎(久が、離れて……)
久「ごめんね、変なことしちゃって。もう帰るわ」
洋榎「え?」
洋榎「!」
久「あはは、ちょっと頭に血が上ちゃってたみたい」
久「今日のこと、忘れろなんて言えないけど……あんまり意識しすぎてくれないと助かるわ」
久「じゃあね」
洋榎「ま、待て!」
久「……なに?」
洋榎「……なんで泣いとんねん、お前……」
久「ふふ、らしくない? でも、私だって女の子だもん。悲しいときに涙は出るわ」
洋榎「っ……」
久「私でもこういうことで泣いちゃうんだな、って」
洋榎「……」
久「女の子を泣かせたことはたくさんあるけど、まさか自分が泣かされるなんてね……」
久「思ってたより、ずっと辛い……」
洋榎「久……」
久「どうしよう洋榎、涙、止まらな」
洋榎「お前それ嘘泣きやろ」
久「あ、ばれた?」
洋榎「……」
久「うーん、大阪の人は情に深いって聞いたんだけど、これもダメかぁ……」
洋榎「お前もう帰れや!!」
洋榎「ウチをそこらの女と一緒にすんなアホ……」
洋榎(わ、割とマジで騙されかけたけど……カマかけてみるもんやな……)
久「大体のお堅い子はこれで大丈夫だったんだけどなぁ」
洋榎「今までどない女遊びしてきたねん……はぁ。なんか気抜けたわ」
久「でも洋榎が好きって気持ちは本当よ?」
洋榎「はん、今まで何人の女にそう言ってきたのやら」
久「あはは……」
久(本当に手強い)
久「布団取りに行きましょうか」
洋榎「この期に及んでまだウチの部屋で寝ようとしとんのかお前は……」
久「もちろん。約束はちゃんと守ってくれると思ってるから」
洋榎「くっ……あんな勝負せんかったら突き返してるところやで……」
久「あは♪」
久(こういう妙に律儀なとこに付け入れそうね)
久「それじゃあ行きましょうか」
洋榎「の前にや」
久「?」
洋榎「このふざけた服の件について落とし前つけんとなぁ……」
久「あ、あはは……」
久(本当に手強いわー)
――――――
久「痛い……」
洋榎「自業自得や」
久「何も本気で殴らなくていいじゃない……たんこぶ出来たわ」
洋榎「ウチをからかった罰や。ふざけたこと言ってきた分もな」
久「洋榎が好きって言ったこと? 別にふざけてなんかないし、本気よ?」
洋榎「っ……! ホンマしれっと恥ずかしいこと言うなぁ、お前は……」
久「思ってることを口に出してるだけだわ。嘘も言ってないしね」
洋榎「嘘泣きはするようやけどな」
久「うるって来たのは本当よ? 私が男だったらなー、って思うと悲しくもなったし」
洋榎「……」
洋榎「……ええ性格しとるわ」
久「ふふ、洋榎もね。こんなにも恋愛で燃えてるのは生まれて初めてだわ」
洋榎「その情熱を是非とも麻雀に向けてくれ、頼むから……」
久「だって拒まれてる理由が私にあるならまだしも、女同士だからって理由なんかじゃねー」
久「すごく気持ちよくなれるのに」
洋榎「なっ……なに言うとんねんお前!?」
久「ふふ、洋榎にもいつか知ってもらいたいわ……」
久(あと数時間後くらいに)
洋榎「謹んで遠慮願うわ……」
―――――
洋榎「はぁ、酷い目にあったわ……」
久「まあ、私たち二人が一緒に敷き布団なんて探してればね」
洋榎「どうしてくれんねんホンマ……絹たちの前であんなこと言いよって……」
久「いやー、なんか面白そうだったから、つい」
洋榎「あの状況のどこが面白そうやねん! あんな血相変えた絹初めて見たわ……」
久「ふふ、洋榎ってやっぱりモテるのね。ますます手に入れたくなったわ」
洋榎「もうお前黙れ」
洋榎「おいコラ! なんで今の会話の流れで部屋の鍵締めんねんおかしいやろ!!」
久「だって誰か入ってきそうじゃない」
洋榎「誰か入ってきたら困るようなことをするつもりなんか? おぉ?」
久「まあまあ。さっきあんなことがあったし、私も怖いの。寝込みを襲われるようなことになると」
洋榎「寝込み襲われるようなこと抜かしたお前が悪いやろ……」
久「ま、洋榎なら守ってくれるって信じてるけど♪」
洋榎「はぁ……」
久「はーい」
洋榎「……ウチのベッドに上がってきた瞬間追い出すからな」
久「もう、そんな堅いこと言わないでよ」
洋榎「ってなんで早速あがってきとんねん!?」
久「だってこのベッド結構広めだし、二人でも十分寝れるわよ」
洋榎「なんのために敷き布団用意したか考えろアホ!」
久「私と洋榎の関係をアピールするため?」
洋榎「」
洋榎「お、おい久!」
久「何もしないってば。意識しすぎよ? 洋榎」
洋榎「信用出来るわけないやろ!」
久「もう、じゃあどうすればいいの?」
洋榎「大人しく下で寝ろ」
久「嫌」
洋榎「話進める気あんのかコラ!」
久「本当に何もしないから。信用出来ないなら私にこれ付けていいわ」
洋榎「? なんやねんこのふわふわしたの……」
久「手錠」
洋榎「……」
洋榎「てかウチに使う気で用意したやろ!?」
久「まあそうだけど」
洋榎「おい! ちょっとは否定しろや!」
久「だってこんなもの持ってるなんて明らかにやましい気持ちがあるってことじゃない。言い訳のしようがないわ」
洋榎「あ、あのなぁ……」
久「まあ別になんでもいいじゃない。とにかく、私がこれを付ければ洋榎に何も出来ないでしょ?」
久「何も出来ないなら一緒に寝てくれるでしょ?」
洋榎「どんだけウチと一緒に寝たいねん……」
久「こんなもの自分に付けろって言うくらいよ」
洋榎「はぁ……」
久「やた♪」
洋榎「久の考えることがホンマに分からんわ……」カチャカチャ
久「洋榎と一緒に寝たい、それだけしか考えてないわ」
洋榎「さいで……ってこれ結構頑丈やな……」
久「ふわふわのおかげで手首も痛くならないし、よく出来てると思うわ」
洋榎「てか本来何に使うねんこれ」
久「そりゃ、そういうことでしょ」
洋榎「そ、そういうことって……」
絹恵「お姉ちゃん!!」バァン
絹恵「そんなに女に騙されたらあか……ん……」
洋榎「」
久「♪」
洋榎「な、なんで……か、鍵は……」
久「えへへ」
洋榎(こ、コイツ……!!)
末原「はぁ、はぁ……ちょっと待ちって絹ちゃん……」
末原「……」
洋榎「ち、違う。誤解や絹、恭子……こ、これは久が……」
絹恵「」
末原「ほどほどにしといてくださいね? この子連れ帰っときますんで、まあ、その……」
末原「ごゆっくり……」
洋榎「恭子ー!?」
久「ふふ、なんか誤解されちゃったわね」
洋榎「帰れ。今度こそ帰れ。もう絶対に許さん……!」
久「なんでそうなるのよ。鍵は洋榎が締めて欲しく無さそうだったから空けただけじゃない」
洋榎「嘘付け! 絶対にこうなるってこと計算してやったやろ!」
久「やあね、そんなこと出来るわけないじゃない」
久「さて、早く寝ましょう。明日のことは明日考えればいいわ」
洋榎「いけしゃあしゃあとそんなことを……! ウチの人望と信頼を返せボケ!!」
久「いいじゃない。18歳にもなって恋人の一人もいないほうが人望なくなるわよ?」
洋榎「やかましい!」
久「ほら、クールダウンして。興奮してちゃ寝れないわよ?」
洋榎「誰のせいやと思ってんねん……」
洋榎「はぁ……」
久「うふふ」
久「腕は使えなくでもキスくらいなら出来るわね」
洋榎「その状態で放り出したろか?」
久「ふふ、冗談よ」
洋榎「そもそもなんでウチと一緒に寝たいねん……」
久「好きな人と一緒にいたいと思う気持ちは普通でしょ?」
洋榎「……だからそういうこと言うのやめえ」
久「あぁ。焦れったいわ。洋榎が目の前にいるのに何も出来ないなんて」
洋榎「なんかされたら困るっちゅうに……」
洋榎「……」
久「……」スッ
洋榎「ひゃっ」
洋榎「お、おいコラっ……」
久「これくらい別にいいじゃない」
洋榎「よくあるかアホ。ひっついてくんな……」
久「せっかく一緒に寝てるんだからこれくらいさせてよ」
久「はぁ、洋榎良い匂い……手が使えたら間違いなく犯してるわ」
洋榎「……背筋さぶなるようなこと言わんとってくれ」
洋榎「……アホ言え。ウチにそんな趣味はない」
久「据え膳食わぬはなんとやらよ?」
洋榎「んな腹壊しそうな据え膳があってたまるか」
久「むぅ」
洋榎「はよ寝ろよ」
久(なんか悔しい)
久(でも……楽しいかも)
久「……」スリスリ
洋榎(今日はなんだかんだ振り回されっぱなしやったし、このまま気持ちよく夢の中に……)
久「……」クンクン
洋榎「……おい」
久「?」
洋榎「なにやっとんねん。てか顔近い」
久「頑張ればキス出来そうね。どうしましょう」
洋榎「はぁ。よっぽど寝る気ないらしいな……」
久「だってもっと洋榎と話したいもの」
洋榎「ホンマにそれだけか?」
久「さあ?」
久「私は洋榎と話してたら楽しいわ」
洋榎「さいですか」ハァ
洋榎(……ここまでまっすぐ好意向けられるってのも、初めてやな……)
洋榎「……なあ久。ウチのこと好きってホンマなんか?」
久「もちろん。愛してるわ」
洋榎「……その清々とした態度が胡散臭いねん」
洋榎「なんちゅうか、役者がドラマで臭いセリフ吐くような感じに似てるというか……」
久「つまり、洋榎は私の好きって気持ちが信じられないってこと?」
洋榎「……まあ。大体あっとる」
洋榎「どうしたって信用できん。そもそもウチと久は出会って数ヶ月も経ってないやろ?」
洋榎「そんな出会って間もないヤツに急に言い寄られてもやな……」
久「でもこうやって一緒に寝てくれるくらいには仲良くなれたじゃない」
洋榎「せやけどもやな……」
洋榎「……久、遊んでそうやし」
久「え」
洋榎「こう、星の数ほどの女を手込めにしてそうというか……ウチもその中の一人にされそうというか……」
久「風評被害だわ……」
洋榎「嘘付け!」
久「なんで嘘だと思うのよ……」
洋榎「恋愛経験ない割りには手慣れ過ぎとる。お前みたいな処女がおるか」
久(なかなか鋭い……)
久「た、確かに恋愛経験がないと言えば嘘になるわ」
洋榎「ほれ見ろ」
久「ただ、それは私を好きになっちゃう子の相手をしてるだけであって……」
洋榎「やっぱり遊んどるやんけこのスケコマシ!!」
久「うっ」
洋榎「何をどう勘違いしとるんか説明してみいアホ」
久「私は今まで言い寄られることはあっても、一度も自分から言い寄ったことはないわ」
久「つまり、私が本気で好きになったのは洋榎が初めてなの」
洋榎「なっ」ドキッ
久「こうやって自分からアタックするのも初めて。本当よ?」
洋榎(……た、確かに。恋愛経験はあるけど自分からアプローチすることはなかったから、こんなネジの飛んだことしてくるってのは納得がいくような……)
久「だからこう、言葉の重みはないかもしれないけど、私の好きって気持ちを蔑ろにされるのは……ちょっと悲しいわ」
洋榎「うっ……ご、ごめん」
洋榎「……」
洋榎(ってなんやこの空気……)
洋榎「え、えと、まあなんや。久がウチのこと好きなんは……信じる」
久「ホント? じゃあキスしましょう」
洋榎「なんでやねん! お前はサルか!!」
久「むぅ。洋榎はガードが固いのね……」
洋榎「最初から股開いとるような女どもと一緒にすんなアホ……」
洋榎「……アホ。分かったからはよ寝ろ……」
久「洋榎がぎゅって抱きしめてくれれば、ぐっすり眠れるような気がするんだけど」
洋榎「どんだけ厚かましいねん。一緒の布団で寝てるだけ感謝しろ」
久(一向にデレが来ない……)
久「はぁ。抱きしめてくれないならくっつく」
洋榎「……暑いからやめい」
久「やだ」
洋榎「なんでお前がヘソ曲げんねん……」
洋榎「はぁ……友人としては好きやでー」
久「恋愛対象としては?」
洋榎「……何度も言うようにウチにそういう趣味はないし持つ気もないわ」
久「あらら」
洋榎「……ただ、久とはこれからも良い友人であり続けたいとは思うかな」
久「嬉しいような悲しいような」
洋榎「そこは素直に喜んどき」
久「良い友人とならキスくらい……」
洋榎「放り出すぞ」
洋榎「今度はなんや……」
久「私、ご存知の通り洋榎が好きだから、その、あんまり一緒にいるといつか我慢出来なくなっちゃうと思うの」
洋榎「……己の身を守りたければ突き放せってか?」
久「まあ、つまりはそういうことよね」
久「……私も洋榎と一緒にいたいから自重するようには努めるけど、何かの拍子に爆発しちゃうかもしれないし。だから、その……」
洋榎「……アホ。くだらん心配すな」
久「え?」
洋榎「貞操奪われそうになったらこっちがボコボコにして目覚まさせたる」
久「洋榎……」
洋榎「だから。その……変なこと考えんな。一緒にいたいんやったら好きなだけ一緒におったらええやろ。ウチは絶対に拒んだりせえへんから」
久「……ふふ」
洋榎「な、なんやねん」
久「ありがとう、洋榎。愛してるわ」
洋榎「……だからそういうことゆーなって」
久「ふふ、そうね。私も今日はこれで満足だわ」
洋榎「今日はってなんやねんそれ……明日以降ももう満足せえ」
久「嫌よ。いつか絶対に洋榎とキスしてえっちするんだから」
洋榎「……こんだけ言ってもブレんのやな久は……」
久「待つのは馴れてるから。洋榎が私を受け入れてくれるようになるまでなんて、きっとすぐよ」
洋榎「きっとすぐ、ね……ウチは死ぬまでありえんように思えるわ……」
久「案外触れ合えば一瞬だったりするのよ? 恋に落ちるのって」ギュ
洋榎「……へ?」
洋榎「なっ……!!」
久「ふふ、やっと気付いた?」
洋榎「ひ、久お前っ……!?」
久「手錠の鍵について言及しなかったのが洋榎の最大のミスね」
久「ま、そのことを意識させないためにわざわざ部屋の鍵を開けておいたんだけど」
洋榎「や、やめろ! 離せボケ!!」
久「ふふ、洋榎は私が暴走したら止めてくれるのよね」
久「……止められなかった場合は、どうなるか知らないけど」
洋榎「ッ……!?」ゾクッ
久「ふふ、さっきの洋榎の言葉で爆発しちゃった」
洋榎「ふあっ……!?」
洋榎「や、やめろアホぉ!! 胸触るなぁ!!」
久「柔らかい……良い匂い……あぁ、洋榎、好き、大好き……」サワサワ
久「うなじも、とっても綺麗……」
洋榎「ひぁぁ……!!」ゾクゾク
久「んっ……ふふ、おいしい……」
久「っと」ガシ
洋榎「なっ!?」
久「酷いじゃない、殴ろうとするなんて」
洋榎「このっ……離せ……!!」
久「こんな悪いことしようとする手は……」
久「こうしないとね♪」カチャン
洋榎「!?」
久「さて、左手も頂こうかしら」
洋榎「こ、コイツ……!」
久「ごふ!? お、女の子に向かって本気で膝蹴り入れるなんてぇ……」
洋榎「はぁ、はぁ……! 貞操の危機やぞ!? 必死にもなるわ!!」
久「ごほっ、ごほっ……! うぅっ、いたい……」
洋榎「なっ」
洋榎「す、すまん。大丈夫か久……? さすがに感触良過ぎたと思ったんや……」
久「ごめんなさい……少し手を貸してくれたら嬉しいわ……」
洋榎「こ、こうか?」
久「そう、そんな風に」カチャン
洋榎「……おい」
久「ふふ、騙されやすい洋榎も好きよ?」
久「油断は禁物ってね。あとさっきの膝蹴りは本当に痛かったわ」
洋榎「これ外せやボケ! ご丁寧に後ろ手にかけおって!」
久「正直ここまで上手くいくとは思わなかったわ。洋榎が優しくて本当に良かった」
洋榎「くっ……!」ギリ
久「ふふ、その反抗的な目がたまらない……」
洋榎「ウチに指一本でも触れてみろ! 蹴り飛ばしたるからな!!」
久「蹴られるってことが分かってるなら、足くらい掴めるわよ?」
洋榎「なっ……こ、こっちくんな!!」
久「 むやみやたらに足を振り回したら疲れると思うんだけど…… 」
――――――
洋榎「はぁ、はぁ、はぁ……!」
久「……これで終わりね、洋榎」トンッ
洋榎「きゃっ……」ドサッ
久「呆気ない。どんな高い壁でも、頭と道具を使えばすぐに上れちゃうのね」
洋榎「や、やめろ久……この先はホンマに洒落にならん……今やったらまだ戻れる、だからっ……」
久「戻る、か……」
久「ただ戻っていつまでも前に進めないくらいなら、私はどこまででも前に進んでみたいわ」
洋榎「ひ、さ……」
久「こんなにも誰かを愛おしくなるなんて……こんな気持ち、初めて」
久「顔を近づけてすることなんて一つしかないと思うけど?」スッ
洋榎「や、やめっ……」
久「教えてあげるわ」
久「女同士でも気持ち良くなれるってこと」
洋榎「んっ……!?」
「んぁ、んんっ……」
――――――
「んっ……はぁ、はぁ……ぁ……」
久「……どう? 初めてのキスの感想は」
洋榎「くたばれ……このクソレズ……!」ギリッ
久「……ごめんね。洋榎。本当に、ごめん」
洋榎「……なんでやねん……」
洋榎「謝るくらいやったら……泣くくらいやったら……最初からすんなや!!」
久「……」
久「……」
洋榎「なんで久が辛そうな顔しとんねん……泣くのは普通ウチやろ……ホンマ、意味分からん……」
久「……キスしたときね、すごく切なくなったの」
久「洋榎の唇も体も、今は全部私のものなのに」
久「心だけは手に入らないんだなぁ、って」
洋榎「……なに当たり前のこと言うとんねん、アホ」
洋榎「ウチのもんは全部ウチのもんや。久になんかやらん」
久「ふふ、それでこそ私が好きになった洋榎だわ」
洋榎「……ウチに拒否権なんてないやろ」
久「それもそうね」スッ
洋榎「ん……」
「……んぁ……ん……」
久「……柔らかい」
洋榎「……」
久「ごめんね洋榎。もうすぐ終わるから、あと少しだけ……」
洋榎「……泣くのやめろ。涙が顔にかかって気持ち悪い……」
久「ふふ、こんな時でも口が悪いのね、洋榎は。でも優しい……」
洋榎「やかましい……」
――――――
久「……手錠、外すわね」
洋榎「……あぁ」
久「ありがとうね。なんか、私の我がままに付き合わせちゃって。これ以上は本当に何もしないから」
洋榎「当たり前や。……これ以上しようもんなら大声出して本気で暴れるわ」
久「キスしたときそれをしなかったってことは、少しは期待してもいいのかしら?」
洋榎「自惚れんな、アホ」
久「ふふ、頭と道具で手に入れられるものはむなしいだけね」
洋榎「……んなもん使わんと正々堂々かかってこい」
久「!」
洋榎「殴り飛ばしたるから」
久「ふっ……あはは。キスよりもそっちの方が満たされそうだわ」
洋榎「暑いし窮屈やからくっつくなて……てかこの期に及んで一緒に寝る気なんか……」
久「この期に及んで突き放しもせず逃げ出しもしない洋榎の方がよっぽどだと思うわ」
洋榎「うっ」
洋榎(ぐうの音も出んとはこのことか……)
久「おやすみなさい。今日は最高の一日だったわ」
洋榎「おやすみ。最低の一日やったわ」
久「また明日もよろしくね、洋榎」
――――――
洋榎「ん、んぅ……」
洋榎「ん?」
久「……」スゥスゥ
洋榎(なんで久がここに……あ、そういえば昨日一緒に……)
洋榎「はぁ……。気持ち良さそうに寝て、ずいぶんとええ身分やな」
洋榎「……」
洋榎「……」ナデナデ
久「んぅ……」
洋榎「……」
『―――案外触れ合えば一瞬だったりするのよ? 恋に落ちるのって』
洋榎「……」
久「……」
洋榎「……んなわけあるか、アホ」
終わり
途中で消えまくって保守させて申し訳なかったです
支援ありがとうございました
すばらだった
最高だった
Entry ⇒ 2012.09.12 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
伊織「あんた、自分にいくらまでなら出せる?」
伊織「だからあんたがいくらかって聞いてんの」
P「いくらって何だ」
伊織「値段」
P「値段?何の」
伊織「だからあんたのよ」
伊織「そう」
P「ちなみになんでそんなん聞くの」
伊織「買うために決まってるでしょ?」
P「ちょっと意味が分からない」
伊織「あんたが欲しいから買いたいって言ってんでしょ!」
伊織「言ってみなさいよ」
P「人の生命、プライスレス。買えるものは水瀬カードで」
P「人はねぇ、お金で買えない価値があるんだよ伊織?」
伊織「ふーん、で早く値段言いなさいよ。一億?二億?」
P「ねえ聞いてた俺の話?」
P「不満だらけですけど」
伊織「今の家より更に大きな居住空間を用意するわ」
P「確実に持て余すなそれ」
伊織「あんたは働かず、ただ遊んでればいい。これでどう?」
P「お前ん中の俺は喜々としてヒモになるような男なのか」
P「何でだよ」
伊織「あんたを独り占めするからに決まってるでしょ。にひひ、いい考えだわ」
P「俺のプロデューサー生活に生き甲斐持ってるんでお断りします」
伊織「それだけは無理ね」
P「じゃあ交渉決裂ね、はい終わり。はよ仕事行け」
P「え、ごめんきいてなかった」
伊織「あんたにだけなんだからね…?」
P「お前何ひとりで照れてんの?」
伊織「うっさいわね今あんたに誓いのキスするとこなんだから邪魔しないでよ!」
P「こいつ妄想結婚式してやがる…早く、早くなんとかしないと」
P「安心しろ俺はいつでもプライスレスだ」
伊織「なんだタダなの」
P「値段つけられないくらい高いの」
伊織「じゃあローン組むわ。あたしの人生全部使うっていうのはどう?」
P「あのさあ…」
伊織「あんたに値段が無いならあたしにだって値段ないんだから」
P「そういう問題じゃないよね」
伊織「ならどういう問題よ」
P「人を金で買おうってのがまずおかしいだろ」
伊織「どうしても欲しいんだから仕方ないじゃない」
伊織「まず好きなだけあんたに甘えるわ」
伊織「それであたしに甘えたいときは徹底的に甘やかすの」
伊織「あと一日中くっついてたいし、して欲しいときにチュッてさせる」
伊織「それからあんたの欲しいものも何だってあげて」
伊織「その代わりあんたはあたしとずっと一緒なのよ」
P「おえっ砂糖吐きそう」
P「なになに?一日イチャイチャは三十分おき、チュウは一分まで?」
伊織「そうっ♪」
P「いやドヤ顔されてもわからん」
伊織「はあ?あんたのためにイチャイチャの時間にインターバル作ってあげたんでしょ!?しっかりしなさいよ」
P「何で俺が悪いみたいになってるのか」
P「だろ?伊織もこんな男好きにならないようにな」
伊織「もう遅いしそういうとこもひっくるめて愛してるんじゃないバカなのプロデューサー?」
P「おかしいなあお前の言葉から愛を感じないよ」
伊織「なんですってぇ!」
P「ただのスイミン不足だな」
伊織「あんたのシャツが落ちてたら拾って帰るくらいなんだから!」
P「この失踪したシャツはお前が犯人か」
伊織「いっつもあんたの飲み終わりのペットボトル回収してるんだからっ!」
P「きたね」
伊織「もうあんたの家にカメラ隠すとこもないしっ!」
P「もうやだこの変態」
P「あんたがいい加減にしなさいよ」
伊織「なんであんたはあたしのものにならないわけ?」
P「自由恋愛って知ってる?」
伊織「知ってるわよバカにしないでよね!」
P「あ、知ってたんだ」
伊織「ただあんたが他の人間を見ないであたしの一番近くにいて」
伊織「いっぱいいっぱいラブラブして誰にも邪魔されないで」
伊織「あたしと赤ちゃんを作って家族みんなで静かに暮らしたいだけなのっ」
P「無茶いうなよ」
P「なぜ買われる前提なのか」
伊織「あ、赤ちゃんができるための…をしてくれる度に百万円のボーナスはどう?」
P「金のために中田氏とか世も末だな」
伊織「お金はあたしからの感謝の気持ちを表している記号に過ぎないわ。あたしたちには愛があるじゃない」
P「たちって伊織と誰を指してるんですかね」
伊織「何よ」
P「人を人が金で買う自体おかしいんだよ」
伊織「じゃあどうすればいいの?」
P「自力で俺を振り向かせる」
伊織「あんた振り向かないじゃない」
P「まだ伊織の頑張りが足りないからだな」
P「うん」
伊織「じゃあ逆は?」
P「うん?」
伊織「わたしがあんたにわたしを売る」
P「いりません」
伊織「あんたが払う必要ないわよ。買ってくれたら全財産あげるわ」
P「おや鍵が開いている」
P「伊織か」
伊織「お帰りなさい」
P「部屋が札束で埋まってますけど」
伊織「これお代ね」
P「マイナスいくらだよこれ」
伊織「さあ?わたしの全財産よ」
P「じゃあ出てこうか」
伊織「褒めてんのよ、いっぱいくっつけるじゃない」
P「いやです」
伊織「その要望は聞けないわ」
P「所有物に意見を言われる俺」
P「結局俺んちに泊まりやがった」
伊織「いいじゃない別に、これからの日常なんだから」
P「返品したいです」
伊織「無理」
P「お金払いますから」
伊織「ふうんそう、じゃあ倍額で返金しなさいね」
P「ごめんなさい無理です」
P「いや」
伊織「これじゃ家庭内別居じゃない」
P「お前の家庭内別居の基準は五分単位なのか」
伊織「いいから早く出てくっつかせて」
P「トイレくらいゆっくりさせて」
P「はい」
伊織「なんで怒ってるかわかるかしら」
P「全然わかりません」
伊織「あんたわたしに隠れてこんなとこに泊まってたのね」
P「そもそもお前と同居してないから隠れてるつもり無かったんだけどね」
伊織「早く帰るわよ」
P「ホテル代勿体無いからやだ」
P「いやです」
伊織「このホテルの持ち主の命令なんだけど」
P「仰る意味がよくわかりませんが」
伊織「買い取ったの、あんたが居たから」
P「あれ、家にある金は俺のなんだよね?」
伊織「あんたわたしのこと買ってないんでしょ?あれはまだわたしのお金よ」
P「ああ、そうか」
P「いいこと考えた。ここに伊織が住む、俺が家に帰る」
伊織「意味ないじゃないそれ」
P「仰る通りです」
伊織「早くオトナのキスしなさいよね」
P「仕方ないなぁ」
伊織「…楽しみにしてるんだけど」
伊織「ちょっと聞いてんの!」
伊織「あれ?またトイレ?」
伊織「なんだまた逃げたの」
P「家に鍵かけてるだけだし」
伊織「開けなさいよ、開けないと酷いわよ」
P「今度は家の鍵でも買うか?売らないけど」
伊織「ちょっと待ってなさい」
伊織「ただいま、大家の伊織ちゃんよ♪」がちゃ
P「」
P「えっ事務所」
伊織「何しに?」
P「何って仕事」
伊織「はあ?あんたの仕事はわたしとイチャイチャすることでしょ?」
P「ははっ大丈夫かお前」
P「めんどくさい大家だなあ」
伊織「今日の家賃払いなさいよ」
P「隣の人の家賃徴収してこい、きっと大喜びだぞ」
伊織「ここもうあんた以外住んでないわよ?」
P「え」
P「しゃーないな」
伊織「やっぱりあんたの膝の上は最高ね」
P「今日は一日中外出してたな?何やってた」
伊織「にひひ、ちょっとね」
P「ちょっとなんだよ」
P「よし、早く事務所に行って社会復帰しないと」
P「あれ?開かない」
伊織「それ、溶接されてるからもう開かないわよ?」
P「!?」
伊織「ああ、ご飯とかは大丈夫。ここの小窓から業者が入れてくれるから」
伊織「耐震防火防浸水改築済みよ」
P「逃げることは出来ないのね」
伊織「周りが廃墟になってもこのアパートだけ建ってるくらいの性能よ?これでダメなら諦めてちょうだい」
P「ハイテクな牢獄だね」
P「なんかもうどうでもいいや」
伊織「最初からそうすれば良かったのよ」
P「わかったわかった早く甘えろよ」
伊織「うんっ」
P「さよなら俺の人生」
Entry ⇒ 2012.09.12 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ルルーシュ「ナナリーの望む世界には俺が邪魔だ」カレン「はい」
ルルーシュ「もう、いらないんだ。ゼロも、俺の戦いも―――」
ルルーシュ「俺は今までナナリーのためにやってきたというのに……」
カレン「やっぱりここに居たのね、ルルーシュ。私、あなたに―――。あっ!それ!」
ルルーシュ「リフレイン。カレンも知ってるだろ?懐かしい昔に返れる」
カレン「ふざけないで!!一度失敗したくらいで何よ!また作戦考えて、取り返せばいいじゃない!!いつもみたいに命令しなさいよ!ナイトメアに乗る?!それとも囮捜査!?なんだって聞いてやるわよ!!」
ルルーシュ「だったら、俺を慰めろ。女ならできることがあるだろ?」
カレン「……何をやればいいの?」
ルルーシュ「ゼロが……俺が実の妹のナナリーに否定されたんだぞ。わかるだろ?」
カレン「ごめん。全然、わからないんだけど。私がルルーシュの妹になればいいの?」
ルルーシュ「なんだ。わかっているじゃないか」
カレン「しっかりしろ!!ルルーシュ!!」パシンッ!!
カレン「今のあんたはゼロなのよ!?私たちに夢を見せた責任があるでしょ!?だったら、最後の最後まで騙してよ!今度こそ完璧にゼロを演じきってみせなさいよ!!」
ルルーシュ「……」
カレン「……」
ルルーシュ「……ナナリーは俺をぶったことはないし、そんな現実を突きつけるようなことも言わない」
カレン「そうなの?」
ルルーシュ「それに俺を呼ぶときはお兄様だった」
カレン「……ごめん」
ルルーシュ「もう一度だ」
カレン「しっかりしろ!!お兄様!!」パシンッ!!!
ルルーシュ「なんでぶつんだ!!!痛いだろうが!!」
カレン「あ、ごめん……つい……」
ルルーシュ「出来損ないの妹め……!!」
カレン「ちょっと!!私なりに頑張ってるんですけど!!」
カレン「そうだけど……」
ルルーシュ「なら、もっと妹らしく振舞ったらどうだ?ええ?」
カレン「いや、だって、私はお兄ちゃんって呼んでたし……相手はルルーシュだし……」
ルルーシュ「なら、カレンのやりやすいようにやってくれ」
カレン「じゃあ……」スッ
ルルーシュ「もうぶつなよ」
カレン「あ……。そっか」
ルルーシュ「全く」
カレン「しっかりして!!お兄ちゃん!!私がいるじゃない!!」
ルルーシュ「……」
カレン「……どう?」
ルルーシュ「いいから続けろ」
ルルーシュ「……」
カレン「私は……がんばっているお兄ちゃんが好き……」
ルルーシュ「そうだったのか」
カレン「だから、いつものお兄ちゃんに戻ってよ……お願い……」
ルルーシュ「……」
カレン「どう?」
ルルーシュ「一押し足りないな。そんなことで兄は奮起しない」
カレン「お兄ちゃん!!肩もんであげるよ!!」
ルルーシュ「別にこってない」
カレン「じゃあ、どうしろっていうのよ!!」
ルルーシュ「貴様!!兄に対して肩もみしかしなかったのか!!?」
カレン「うん」
ルルーシュ「これは呆れる。お前、本当に妹だったのか?」
ルルーシュ「もっとあるだろ。兄を喜ばすためにやっていたことを俺にやればいい」
カレン「肩揉みぐらいなんですけど」
ルルーシュ「いいや。もっとあったはずだ」
カレン「えー……?」
ルルーシュ「本当に思いつかないのか?」
カレン「バレンタインにチョコレートは手作りであげたことあるけど」
ルルーシュ「……ほう?」
カレン(反応した!)
ルルーシュ「では、チョコレートが手元にあるとして、俺に渡してくれ」
カレン「わかった」
カレン「―――お兄ちゃん、今日バレンタインだよね」
ルルーシュ「そういえばそうだったな」
カレン「はい。お兄ちゃん、ハッピーバレンタイン。―――こんな感じね」
ルルーシュ「……おい。本気で言っているのか?」
ルルーシュ「ナナリーはもっと恥ずかしそうに渡してくれていた」
カレン(知らないわよ)
ルルーシュ「お前のはお世話になった人に義理チョコを渡したようにしか見えない」
カレン「実際、義理だけど」
ルルーシュ「馬鹿者!!」
カレン「は、はい!すいません!!」
ルルーシュ「限りなく本命に近い義理だろうが」
カレン「なんで?」
ルルーシュ「なっ……?!」
カレン「妹って別にそこまでお兄ちゃんのこと想ってないっていうか……。勿論、家族としては好きだけど……」
ルルーシュ「もういい。リフレインを使う」
カレン「ダメダメ!!何言ってるのよ!!」
ルルーシュ「もう……俺には……これしかないんだ……放っておいてくれ……」
カレン(どうにかしないと……。でも、どうしたら……!!)
カレン「……!!」
ルルーシュ「そうなると……ゼロには戻れないな……」
カレン「お、お兄ちゃん!!」
ルルーシュ「どうした?」
カレン「私の……食べて……ほしい、な……なんて……えへへ」
ルルーシュ「カレン……」
カレン「お兄ちゃん、大好きだからね」
ルルーシュ「俺もだ」
カレン「……」
ルルーシュ「やればできるじゃないか、カレン。それが妹だ」
カレン「こんな妹いないって」
ルルーシュ「いるんだよ」
カレン「どこに?」
ルルーシュ「俺の近くにいたんだ……今はエリア11の総督だがな……」
ルルーシュ「カレン、もっと妹成分を俺にくれ」
カレン「どうやって?」
ルルーシュ「実の兄にしてきた妹的行動を俺に示せ。それで俺はゼロに戻ることができる」
カレン「ホントに?」
ルルーシュ「ああ」
カレン「んー……何かあったかなぁ……」
ルルーシュ「……」
カレン「あ、思い出した。じゃあ、向こうから始めましょうか」
ルルーシュ「何をするつもりだ?」
カレン「―――おにいちゃーん!!みてみて、テストで100点とったのー!!」テテテッ
ルルーシュ「……!」
カレン「ほめてっほめてっ」
ルルーシュ「お前、それ何歳の時の話だ」
カレン「9歳ぐらい」
カレン「お兄ちゃん、どうどう?すごいでしょー」
ルルーシュ「流石はカレンだな。偉いぞ」ナデナデ
カレン「えへへ」
ルルーシュ「……」ナデナデ
カレン「えへへ」
ルルーシュ「おい」
カレン「なに?」
ルルーシュ「俺がお前を癒してどうする?俺はお前に癒されたいんだぞ」
カレン「なんでよ?今ので癒されなかったの?」
ルルーシュ「……ナナリーはそういうこと言ってきたことがあまりなかったからな……扱いに困る」ナデナデ
カレン「大体、あってるけど」
ルルーシュ「そうか」
カレン「うん」
ロロ「兄さん!!僕の頭も撫でてよ!!」
カレン「そうなの?もう限界なんですけど」
ロロ「全然、ダメじゃないか。これじゃあ僕のほうが妹だよ。ね、兄さん?」
ルルーシュ「カレン、貴様ではやはり妹になれなかったな……。残念だが、俺は過去の妹に縋る他ない」
カレン「だから、リフレインはだめ!!やめて!!」
ルルーシュ「止めるな!!貴様に分かるのか!!最愛の妹に拒絶された兄の気持ちが!!!」
カレン「分からないけど」
ルルーシュ「妹失格だな!!」
カレン「だって、あとお兄ちゃんとの思い出って言ったら宿題みてもらったり、風邪引いたとき看病してくれたり、一緒にお風呂入ったり……」
ルルーシュ「おいおい。カレン……」
ロロ「はは。全然ダメじゃないか」
カレン「妹だもん。そんなのしか……
ルルーシュ「後半はゼロを目覚めさせるための大きな一歩になるだろ」
カレン「え?お風呂?それはちょっと、恥ずかしいし……」
カレン「何が?」
ルルーシュ「風呂なんて俺も気恥ずかしくて、たとえ誘われても俺から断る」
カレン「へー。そうなの?」
ルルーシュ「兄として当然のことだ」
カレン(なんだ。ちゃんとお兄ちゃんしてるんだ)
ロロ「流石は兄さん!!だから、僕と一緒にお風呂入ってくれないんだね!!納得したよ!!」
ルルーシュ「だが、風邪の看病は違う」
カレン「風邪?」
ルルーシュ「妹が病に倒れ、心配する兄。二人きりの寝室で兄は妹の安らかな寝顔を見る。兄が傍にいることで安心しているその顔に妹は愛しいと強く感じる」
カレン「そう……。まぁ、分からなくもないけど」
ルルーシュ「それだけではない。風邪を引けば汗をかく。しかし、シャワーは浴びないほうがいいから、タオルで汗をふく。着替えもさせないといけない。それは兄の役目だ」
カレン「それで?」
ルルーシュ「赤面しながらも兄に身を任せるしかない妹。……どうだ?」
カレン「だから、お兄ちゃんだから任せるんであって、そんな恋人に任せるみたいな気持ちにはならないんだけど」
カレン「すいません!!」
ルルーシュ「妹にとって兄とは最も近い異性だろうが!!意識しないわけがない!!!」
カレン「確かに意識はするけど、家族の裸なんて普通みたくないでしょ?ましてや妹のなんて……」
ロロ「違います!!普通は興奮します!!妹でも弟でも!!」
ルルーシュ「黙れ!!!」キュィィィン
ロロ「ァ……ぁ……」
ルルーシュ「いいか、カレン。妹だからこそ、兄に裸をみられたくない。そう思うはずだ!!!」
カレン「お兄ちゃんだって妹の裸は見たくないでしょ」
ルルーシュ「何故だ?」
カレン「見たいの?」
ルルーシュ「……いや。見たいとかそういうことではない。論点をすりかえるな」
カレン「変えてないけど」
ルルーシュ「とにかくカレン。看病をさせてくれ。兄としてな」
カレン「いいけど。脱がないわよ?」
ルルーシュ「カレン、大丈夫か?」
カレン「お兄ちゃん……。うん、もう平気……ごほっ……」
カレン(私、何やってるんだろう……。ゼロに戻ってきてもらうためとはいえ……)
ルルーシュ「ほら、無理はするな。カレン」
カレン「うん……」
ルルーシュ「汗、かいただろ?今、俺がふいて―――」
カレン「じ、自分でできるから!!もう私、高校生よ!?」
ルルーシュ「関係あるか。なんだ、俺に裸を見られるのが恥ずかしいのか?」
カレン「あ、当たり前でしょ」
ルルーシュ「おかしいな。昔は一緒にお風呂にだって入っていたじゃないか」
カレン「も、もう!いつの話してるの?!お兄ちゃん!!」
ルルーシュ「ははは」
カレン「……もういい?」
ルルーシュ「バカか。ここからだろう」
カレン「いいってば」
ルルーシュ「たまにはお兄ちゃんをさせてくれよ」
カレン「……じゃあ、いいけど……。変なところ触らないでね」
ルルーシュ「触ったら怒るか?」
カレン「当たり前!!このスケベ!!」
ルルーシュ「昔はよくお医者さんごっこもしたじゃないか」
カレン「ナナリーと?」
ルルーシュ「しなかったか?産婦人科とか」
カレン「しない!というかあんたナナリーになにさせてるのよ?!」
ルルーシュ「児戯だ。何を怒っている?」
カレン「あんたはお兄ちゃんじゃない!!」
ルルーシュ「なんだと?そうか義妹のほうが燃え上がるといいたいのか?」
カレン「そういう意味じゃないから!!兄としてはあんたはサイテーってこと!!ナナリーだってそういうあんたのことが嫌いだったんじゃないの!!」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ「うっ……うぅぅ……」
カレン「え?」
ルルーシュ「もう……ぃぃ……リフレイン……を……使う……俺は……使ってやる……!!」
カレン「あ……えっと……」
ルルーシュ「妹に二度も……うらぎら……れた……うぅぅ……」
カレン「え……あの……そんなつもりは……」
ロロ「ァ……!!ァァ……!!!」
ルルーシュ「俺にはもう信じられる妹がいない……いないんだぁ……」
カレン「ご、ごめん!!お兄ちゃん!!私が悪かったから!!」
ルルーシュ「もういいんだ……俺は最低の兄だ……ああ、そうだ……自覚だってしていたさ……」
カレン「お兄ちゃん……ごめんね……酷いこといって……。本当は大好きだから……」
ルルーシュ「嘘をつくなぁ!!」
カレン「嘘じゃないってば!!」
ルルーシュ「もういい……もういいんだ……」
ルルーシュ「……っ」
カレン「そんな泣き言ばっかりなお兄ちゃんなんて本当に嫌いになるわよ!!いいの?!」
ルルーシュ「……ああ。兄を三度もぶつ妹なんて、俺はいらない」
カレン「そんな?!」
ルルーシュ「俺には妹が……いない……」
カレン「ここにいるでしょ。ほ、ほら、自慢の妹、カレン・ランペルージだよ、お兄ちゃんっ」
ルルーシュ「……」
カレン「えへっ」
ルルーシュ「ただの異性にしか見えない……うぅぅ……」
カレン「さっきまで妹だったのに……」
ルルーシュ「リフレインだな。これでゼロはいなくなる……終わりだ……ははっ……」
カレン「ちょっとまって!!まだ使わないで!!お願い!!私に考えがあるから!!だから、少しだけ時間をちょうだい!!」
ルルーシュ「……いいだろう」
カレン「はぁ……よかった……」
カレン「―――ってわけなの!!」
C.C.「大変だな」
カレン「協力してよ!あんたはルルーシュの共犯者でしょ?!」
C.C.「だからってなぁ……」
カレン「私だけじゃ限界なの。C.C.、あんたの力が必要なの!!」
C.C.「私に妹をやれと?笑わせるな」
カレン「C.C.!!」
C.C.「神楽耶に頼め」
カレン「無理に決まってるでしょ?!ルルーシュは今、仮面を外してるんだから!!」
C.C.「……」
カレン「C.C.……」
C.C.「いいのか?私ではあいつの求める妹にはなれないぞ、きっと」
カレン「二人の妹に挟まれたらきっとルルーシュは元気になると思う」
C.C.「そうかな……」
ルルーシュ「……」
カレン「お兄ちゃん。ただいま」
ルルーシュ「……おかえり」
C.C.「……よう」
ルルーシュ「C.C.か。なんだ?」
C.C.「にーにー。一緒にお家にかえろぉ」
ルルーシュ「……」
カレン「……」
ロロ「ぁぁぁ……」
C.C.「にぃにぃ、ねえってばぁ」
ルルーシュ「……寄るな、気持ち悪い」
C.C.「帰る」
カレン「ま、待って!!私はいいとおもった!!ホントホント!!」
C.C.「離せ。私は穴を掘ってそこに入る」
C.C.「じゃあ私にあった呼び方なんてあるのかな?あるなら言え。最初から言ってくれないと困るな」
カレン「そんな顔を真っ赤にされても……」
C.C.「黙れ」
カレン「C.C.は呼び捨てのほうが似合ってるかも」
C.C.「兄を呼び捨てにするのか?」
カレン「そうそう」
C.C.「アイツにとってそれは理想の妹か?」
カレン「わかんないけど。にーにーよりはいいと思う」
C.C.「……ルルーシュ」
ルルーシュ「なんだ?」
C.C.「早く立て。帰るぞ」
ルルーシュ「黙れ」
C.C.「分かった……。今日は私が手料理を振舞ってやる。美人の妹に作ってもらえるんだ、嬉しいだろ?」
ルルーシュ「……C.C.。妹のつもりか?」
ルルーシュ「ほう?」
カレン(反応した?!)
C.C.「ほら、美人で可愛い妹の料理にありつけるんだぞ?こんなところで油を売るな」
ルルーシュ「悪いが今は妹欠乏症でな。立ち上がれそうに無い」
C.C.「重病だな……」
カレン「ホントに」
ルルーシュ「リフレインという劇薬を投与しなくてはならないんだ……だから……」
C.C.「ルルーシュ……。昔のお前はそんなんじゃなかったよ」
ルルーシュ「C.C.……」
C.C.「いつも私のことを庇ってくれたルルーシュはどこにいったんだ?」
C.C.「クラスの男の子からいじめられているときに、助けにきてくれたあのヒーローはどこにいったんだ?!」
カレン(いじめられてたんだ)
ルルーシュ「お前……」
C.C.「ルルーシュ……お兄ちゃん……戻ってきてよ……」
C.C.「お兄ちゃん!!」
ルルーシュ「カレン!!」
カレン「はい!」
ルルーシュ「少しだけやる気が沸いてきた」
C.C.「まぁ、当然だな」
カレン「やった」
ルルーシュ「だが、まだ俺の心は空虚なままだ」
C.C.「一緒に風呂か」
カレン「それ、ダメだって」
C.C.「じゃあ……」
ロロ「ァァ……ィイ……!!」
ルルーシュ「ナナリー……」
カレン「C.C.!!ルルーシュとナナリーは日頃、どんなことしてたの?!」
C.C.「兄妹に注視したことなんてなかったからな。そういわれても……」
ルルーシュ『ナナリー』
ナナリー『愛しています』
ルルーシュ『俺もだよ』
ナナリー『では、おやすみのキスを……してもらえますか?』
ルルーシュ『構わないよ。ほら……』
ナナリー『ふふっ……』
C.C.「―――のようなことは何度か見たが」
カレン「キ、キス……?!」
C.C.「大変だなぁ。カレン?」
カレン「C.C.もするんでしょ?!」
C.C.「私は遠慮する。お前に譲るよ。役得だな」
カレン「そんな!?」
ルルーシュ「やはりリフレインしか……ないのかもな……」
C.C.「早くしないとあいつ、打ってしまうぞ?」
C.C.「ゼロに帰ってきて欲しくないのか?」
カレン「欲しいけど」
C.C.「なら、言って来い」
カレン「でも……!!」
C.C.「愛していると言ってから、おやすみのキスをしてって言うんだぞ?」
カレン「そんなこと!!」
C.C.「ほら、言って来い」
カレン「ちょっと?!」
ルルーシュ「打つか……」
C.C.「急げ。間に合わなくなるぞ」
カレン「あぁぁ!!もう!!―――お兄ちゃん!!」
ルルーシュ「ん?」
カレン「あ、愛してるー!!!!キスしておやすみなさいして!!!」
ルルーシュ「……どういうことだ?」
カレン「どういうこともなにも!!キスよ!!キス!!」
ルルーシュ「キスをせがむ妹か……」
C.C.「お前好みだろ?」
ルルーシュ「ふふ……ふふはは……ハハハハハ!!!!」
C.C.「何がおかしい?」
ルルーシュ「あれはナナリーだからこそだ」
C.C.「何?」
ルルーシュ「お前たちでは無理だな」
カレン「どういうことよ?」
C.C.「ナナリーのキスはそれほどのものだったということだろ」
カレン「はぁ?!」
ルルーシュ「ナナリーのキスに勝るキスなど真似できるわけがない。やめてくれ」
カレン「私のよりナナリーのほうが上手いってこと?」
ルルーシュ「そうだ」
ルルーシュ「なんだと?」
カレン「私のあなた、キスしたことある?」
ルルーシュ「いいや」
カレン「なら、分からないじゃない」
ルルーシュ「そうだな」
C.C.「ルルーシュ、次女がここまで言うんだ。比較のためにもキスさせてやれ」
ルルーシュ「そうだな。では、カレン」
カレン「……」
ルルーシュ「おやすみのキス……するか?」
カレン「上等」
C.C.「……」
ルルーシュ「じゃあ……」
カレン「……っ」
ロロ「アァァ……エ……ロ……!!」
カレン「お、にいちゃん……」
ルルーシュ「んー……」
カレン「―――しっかりしろ!!ルルーシュ!!!」パシンッ!!!
ルルーシュ「……?!」
C.C.「あーあ」
カレン「はぁ……はぁ……」
ルルーシュ「貴様……」
カレン「あ……。で、でも、私はナナリーより、キスは上手いから。それは、うん。絶対」
ルルーシュ「もういいよ。俺にはリフレイン・ランペルージという末の妹がいるからな」
カレン「ちょっと!?」
C.C.「余計なことをするからお兄ちゃんが殻に閉じこもったぞ。どう責任をとる?」
カレン「だって!!あんなのでキスしてもうれしくないでしょ?!」
C.C.「お前、唇も処女か」
カレン「違う!!お兄ちゃんとしたことあるから!!!」
ルルーシュ「勿論です、お兄様」
ルルーシュ「それは嬉しいな……頼むぞ……」
C.C.「なんだ、カレンの兄もルルーシュと同じシスコン坊やだったのか」
カレン「ちょっと!!変なこといわないで!!」
C.C.「したことあるんだろ?どっちからしたんだ?ん?」
カレン「そ、そんなの……言う必要ないでしょ……」
C.C.「なぁんだ。ブラコンとシスコンかぁ」
カレン「違うってば!!」
C.C.「キスしたくてしたんだろ?」
カレン「別にいいでしょ!!兄妹だし!!」
C.C.「兄妹だからキスしてもいいのか?」
カレン「そうよ」
C.C.「それで、お兄ちゃんに調教されたと?おやすみのキスぐらい挨拶みたいなものだもんな」
カレン「そ、そうね……」
ルルーシュ「ああ」
カレン「なに?」
ルルーシュ「カレン・ランペルージよ」
カレン「私は紅月カレンよ!!」
ルルーシュ「今は違うだろうが!!!」
カレン「は、はい!すいませんでした!!」
ルルーシュ「キスは挨拶という概念の持ち主だったのか?」
カレン「そ、そうですけど」
ルルーシュ「じゃあ、俺にもできるな。おやすみのキスという挨拶が」
カレン「いや……寝る前じゃないと……キスする意味がないから」
ルルーシュ「分かった。C.C.」
C.C.「なんだ?」
ルルーシュ「俺の枕になれ」
C.C.「寝るためか。いいだろう」
チラッ
どうぞどうぞ
C.C.「これでいいか?さあ、抱き枕にでもしろ」
ルルーシュ「カレンのキスを貰ったらな」
カレン「ルルーシュ……!!」
ルルーシュ「カレン、キスをしよう」
カレン「……」
ルルーシュ「これは兄妹愛だよ。カレン?何を怖がることがある?」
カレン「でも……」
ルルーシュ「さぁ……」
カレン「うぅ……」
ルルーシュ「ゼロに戻ってきて欲しいんだろ……?」
カレン「……っ」
ルルーシュ「カレン……」
カレン(ゼロのため……ゼロのため……ゼロのため……ゼロの……)
ロロ「……!!」キュィィン
ロロ「ァァ!!ゥゥ!!」
C.C.「なんだ?」
ロロ「ゥゥ!!ァァ!!!」
C.C.「なんだと?どうせなら私のほうがマシだと?しかし……」
ロロ「ィィ」
C.C.「断る」
ロロ「ァァ?」
C.C.「なんでもだ」
ロロ「ぁぁ……」
C.C.「貴様……!!この私を捕まえて生娘だと?呆れすぎて怒りの火が灯ったぞ」
ロロ「ぁぁ?」
C.C.「いいか?私は既にルルーシュとはキスを済ませている。何でもない。だからこそ、カレンに譲ったんだ」
ロロ「ハっ」
C.C.「ふっ……いいだろう。嘘じゃないことを証明してやる。ギアスを解け」
カレン(お母さん……私……今から……キスします……)
カレン(ナオトお兄ちゃんのほっぺにしかしたことないけど……ナナリーにだけは、なんか負けたくないの……だって……年下だし……)
カレン(なにより……あんな大人しそうな子よりも下手なんて設定は、カレン・シュタットフェルトにはないから……!!)
C.C.「おっそいな」
カレン「え?」
C.C.「もういいよ。私がする」
カレン「なんでよ?!」
C.C.「唇バージンは大事にとっておけ。生憎、私は売り切れた」
カレン「売り切れ?!」
C.C.「おやすみ、ルルーシュ」
ルルーシュ「C.C.……」
C.C.「目を閉じろ……」
カレン「まった!!妹はお姉ちゃんのあとでしょ?!」
C.C.「誰が妹だ誰が。お前が妹だろ」
C.C.「おま……!?」
カレン「だから、私のあと」
C.C.「残念だが、お前は永遠に私の後だ」
カレン「は?」
C.C.「なぁ?ルルーシュお兄ちゃん?」
ルルーシュ「え……あ……」
カレン「ちょっと、ルルーシュ。C.C.とキスしたことでもあるの?」
ルルーシュ「……妹だからな」
カレン「ああ、妹だから。兄妹じゃあ仕方ないわね」
ルルーシュ「そうだろう?フハハハ……」
カレン「ふざけるな!!いつしたんだ?!ルルーシュ!!!」
ルルーシュ「……っ」ビクッ
カレン「こっちの気もしらないで……!!」
ロロ(よし。揉め始めた。これで全部有耶無耶になる……)
ルルーシュ「まて、カレン。お前では荷が重い」
カレン「ふんっ。黒の騎士団なんて弾けさせてやるー」
ルルーシュ「カレン!!落ち着け!!」
カレン「これが落ち着いていられるか!!」
C.C.「カレン、女の嫉妬は醜いぞ?」
カレン「うるさい!!」
C.C.「って、どうしてお前と喧嘩しなければならない。胸部の脂肪以外は私の圧勝だというのに」
カレン「この言わせておけばぁ……!!」
ルルーシュ「まて、俺のファーストキスはそもそもナナリー……」
カレン「いつ?」
ルルーシュ「俺が10歳ぐらいのときか」
カレン「ノーカンね」
C.C.「同感だ」
ルルーシュ「まて、ではいつからカウントする?」
カレン「あらあら、C.C.さん?女の嫉妬は醜いでしょう」
C.C.「嫉妬ではない。客観的な意見だ」
カレン「嫉妬でしょう?妹に」
C.C.「ふん。万年、銅メダリストめ。いや、5位入賞かな?」
カレン「……ねえ、ルルーシュ?」
ルルーシュ「なんだ?」
カレン「C.C.とは何回、キスしたのよ?」
ルルーシュ「一回だけだが、それが?」
カレン「余裕ね!!」
ルルーシュ「何がだ?!」
カレン「今から3回連続でキスするから」
C.C.「そう来たか。まあ、お前にはそんな度胸なんてないだろうがな」
カレン「そうかしら?キスは挨拶だし」
C.C.(ちっ……こいつ、本当に慣れているのか……)
ルルーシュ「おい……カレン……」
カレン「今更、怖気づかないでよね」
ルルーシュ「違う。お前……手が振るえているぞ」
カレン「黙ってろ」
ルルーシュ「はい」
カレン(何よ。キスぐらい。お兄ちゃんに何回もしたんだから、なんともないわ)
カレン「いい、ルルーシュ?おはよう、ただいま、おやすみ。の三種類だからね。これぐらい妹だったらするでしょ?」
ルルーシュ「そこまでは……」
カレン「する」
ルルーシュ「ああ、するな」
カレン「よし」
C.C.「おいおい、ルルーシュ。私と一回しかしていないと言ったか?」
ルルーシュ「バカか。話をややこしくするな」
C.C.「お前とは……5回以上しているだろ?」
ルルーシュ「いっ?!」
C.C.「なぁ?」
ルルーシュ「いつだ……!!お前とは……!!」
C.C.「出会ったときに一回。行政特区日本のときに一回。ブラックリベリオンで一回。再会したときに勢いで3回。あ、6回だったな」
ルルーシュ「待て!!何故、そんな水増しをする!!」
カレン「全部、私が裏で大変な目にあっているときじゃない……!!」
C.C.「6回だろ?ルルーシュ?」
ルルーシュ「そんなにしていないだろ!!」
C.C.「少なくとも3回はした」
ルルーシュ「記憶違いだ!!」
C.C.「じゃあ、2回にまけておいてやる。とりあえず1回ではない」
ルルーシュ「何を言っている?」
C.C.「どうだ?場所も日も違うところで私は2回もキスをしてやった。お前はただ1回のうちに3度唇をくっつける作業をするだけろ?お前の負けだな」
カレン「このぉ……!!!」
カレン「ふっ……C.C.?舌は入れた?」
C.C.「なに?」
カレン「どーせ、小学生がするようなしょぼいキスでしょ?」
C.C.「遠吠えが心地いいな」
カレン「ルルーシュ?」
ルルーシュ「額から吹き出ている汗をどうにかしたらどうだ、カレン?」
カレン「そんなことより。妹なんだから、舌とか絡ませてキスしても不思議じゃないでしょ?」
ルルーシュ「なに?」
カレン「そうよね?」
ルルーシュ「そうだな」
カレン「そうなの?!」
ルルーシュ「何を驚いている?」
カレン「あ、ううん。別に。じゃあ、今からおはよう、いってっきます、ただいま、おやすみ、いただきます。のキスするから。あと、それぞれで場所を変えましょう」
C.C.(小娘が……小生意気な……。今のカレンならやりかねない……。どうする……)
カレン(まだなんかあるの……?!いい加減にしなさいよ!!これ以上は……!!)
ルルーシュ「確かにな……」
C.C.「えーと……そうそう、唇以外にもキスしたもんな」
カレン「はい?!」
ルルーシュ「おい」
C.C.「まぁ、妹だもんな。それぐらいはする」
カレン「どこにしたのよ?」
C.C.「あ、足の裏とか」
カレン「……どっちが?」
C.C.「もちろん、私がルルーシュにだよ。濃厚な足裏キスしてやった。気持ちよかったな?」
ルルーシュ「お前……」
カレン「ナナリーにそこまでさせたってこと?!」
ルルーシュ「させるわけないだろ!!」
C.C.「義妹に妹だからな。義兄の足の裏ぐらい口付けして当然だ」
C.C.(さあ、これ以上ハードルの上げようがない。これでカレンが私を舐めることもない。私はこういう小娘に舐められるのが嫌いだ)
ロロ(どうしてみんな、帰らないんだ!!)
カレン「わかった……。ルルーシュ」
ルルーシュ「カレン?!目の焦点があっていないぞ!!大丈夫か?!」
カレン「わ、私……お兄ちゃんの……胸にキスする……から……」
ルルーシュ「流石にナナリーもそこまではしないぞ!!」
カレン「私はするんだ!!義妹だから!!」
C.C.「お、おい。無茶するなよ」
カレン「足の裏?はっ。ダッサ」
C.C.「ふ、ふふふ……私はなぁ、カレン?太ももにキスしたこともある。というか、ほぼ股間だったな」
カレン「ぶふっ?!」
C.C.「どうだ?もう張り合うのはよせ、よせ。こっちも限界だ」
ルルーシュ「C.C.、お前……泣いているのか?」
C.C.「泣いてないぞ。何を言っている」
C.C.「バカか?そんなことできるわけ―――」
カレン「ほら、お兄ちゃん。脱いでよ。キスするから」
ルルーシュ「カレン!!いい加減に正気に戻れ!!何故、意地の張り合いになっている?!」
カレン「だって!!C.C.が2回もキスして、しかも足の裏とかこ、股間とか言うからぁ!!」
ルルーシュ「C.C.もだ!!あることないこというな!!」
C.C.「全部ある!!キスは2回、いや2.5回はした!!」
ルルーシュ「いつの話だ?!」
C.C.「神根島とバベルタワー、あと、今」
ルルーシュ「タワーのあれはカウントするのか?」
C.C.「おい」
ルルーシュ「だが、バベルタワーのこそノーカウントだろ?記憶を戻すための儀式だったのだろ、あれは」
C.C.「違うぞ」
ルルーシュ「じゃあ、どうしてキスをした」
C.C.「したかったからだ」
C.C.「ふふーん」ドヤッ
ルルーシュ「……そうか」
カレン「やっぱり2回はしたの?!」
ルルーシュ「そうなるな……」
カレン「しっかりしろ!!ルルーシュ!!!!」ドゴォ!!!!
ルルーシュ「ぐふぅ?!」
カレン「はぁ……はぁ……」
ロロ「……!!」
C.C.「ほら、どっちにしろお前は私に勝てない。全てにおいて出遅れている」
カレン「お兄ちゃん」
ルルーシュ「な、なんだ……?」
カレン「どうしたらゼロに戻ってくれるんだっけ?」
ルルーシュ「妹エネルギーが満タンになったらだ……」
カレン「じゃあ、今から満タンにするから。息とめて、目を瞑って」
カレン「いくわよ」
C.C.「おい!」
カレン「私の唇で上書きしてやるー」
C.C.「そんな言い方するな!!」
カレン「もう遅い!!」
ルルーシュ「カレン、震えているぞ。やめておけ」
カレン「ここまで来て、やめられるか!!」
ルルーシュ「そうだな。では、妹らしく。頼むぞ」
カレン(C.C.の2回分より濃厚で長いキスしたらいいんでしょ……。5秒……いや、10秒はしてやる!!)
C.C.(まずいな。カレン、目が据わっている……)
ルルーシュ(この妹たち……怖い……)
ロロ(兄さんの唇……もう……傷物だったのか……)ガクッ
カレン「おにいちゃん!!キスだぁ!!」
C.C.「残念なお知らせだ、私がキスすることに決まった。たった今なっ!」
C.C.「キスしていない歴0年の私に歯向かうのか?これだから唇処女は」
カレン「お兄ちゃんとしたっていったでしょうがぁ!!」
C.C.「あー、そうか。ブラコンだもんなぁ」
カレン「ブラコンじゃない!!」
C.C.「臆面も無くお兄ちゃんと言えるわけだ」
カレン「あんたのにぃにぃ~ってどこ産よ。気持ち悪っ」
C.C.「分かっていないなぁ。現実にいなさそうな妹のほうが男は喜ぶんだよ」
カレン「あーはいはい。どうせ妄想でしょ?」
C.C.「ふふふ……おいおい、お前、なんだその言い草は?」
カレン「あんたみたいな傲慢な女に靡く男なんていないでしょ?!あー、そうかぁ、お兄ちゃんはこの可愛くない妹に強引に不意打ちキスされたんでしょ?したくてしたんじゃないんでしょ?」
C.C.「強引じゃない合意の上だ!!失敬な!!」
ルルーシュ「……」
C.C.「否定しろ!!お兄ちゃん!!」
カレン「ほーら。強引なキスなんてしてないのと一緒。そんなのただの変態ね。何がキスしていない歴0年よ。あんたはただの唇素人じゃない」
C.C.「侮辱もここまでくると清清しいなぁ……!!」
カレン「この色魔」
C.C.「強引にキスの一つもできない小娘に言われたくないな!!」
カレン「無理やりに唇を奪いような賊が偉そうなこと言わないで!!」
C.C.「この……!!」
カレン「C.C.……!!」
ルルーシュ「―――もういい!!!!」
C.C.「ふん……」
カレン「す、すいません」ビクッ
ルルーシュ「ストレスで妹欠乏症が加速する」
C.C.「ハゲるのかな?」
ルルーシュ「ああ。その通りだ」
カレン「あの……」
ルルーシュ「見苦しいことはするな。俺の妹なんだろう、お前ら。ただお兄ちゃんと呼べばいいものでもないぞ」
カレン「あんたもでしょ」
ルルーシュ「そこまでいうなら、白黒つけろ。己が持つ妹の力でな」
C.C.「どうするのかな?」
ルルーシュ「俺が守ってあげたくなる妹を演じろ。そしてどちらがより妹らしいのか俺が審判を下す」
C.C.「面白い」
カレン「いいよ」
ルルーシュ「よし……。一発勝負だ。いいな?」
C.C.「望むところだ」
カレン「何をしたらいい?」
ルルーシュ「俺と過ごす休日を考えろ。より妹らしい考えだったほうを正妹にする」
C.C.(もらったな)
カレン(本当の妹だった私にとってはラッキー問題ね)
ロロ(声がでない!!僕にも参加資格はあるはずなのに!!!)
ルルーシュ(落ち着いたか。よかった)
カレン「ちょっと!!」
ルルーシュ「いいだろう」
カレン「なんで?!」
C.C.(これはアイディア勝負。先に仕掛けたほうが勝つ)
C.C.「おい、ルルーシュにぃ。明日は……暇か?」
ルルーシュ「ああ。特に予定は入っていないな」
カレン(寸劇にしないとダメだったのね……あぶなぁ)
C.C.「そ、そうか……。じゃあ、あの……映画でもどうだ?」
ルルーシュ「映画?見たいものでもあるのか?」
C.C.「ああ。悪いか?」
ルルーシュ「俺といって楽しいか?友達でも誘えばいいだろ?」
C.C.「いいだろ。私の勝手だ。映画のあとは喫茶店で映画の感想言い合って、それから、服を買う。もちろん、ルルーシュにぃのお金でな」
ルルーシュ「目的はそれか。困った妹だな全く」
C.C.「うるさいっ。―――とまあ、照れ隠しで最後に余計なことを言って断られたらどうしようと内心焦った妹を演出してみた。ルルーシュ好みだろ?」
ルルーシュ「悪くないな」
C.C.「だろ?」
ロロ(そんな?!)
カレン「……」
C.C.「お前では私を越えられない」
カレン「お兄ちゃーん」
ルルーシュ「どうした?」
カレン「今日、休日でしょ?暇なの?」
ルルーシュ「別に予定はないな」
カレン「ふーん。彼女いないもんね」
ルルーシュ「黙れ」
カレン「じゃあ、今日も私が1日恋人になってあげる。だから、テレビゲームでもしようか?」
ルルーシュ「こんな可愛くない恋人なんていらないな」
カレン「モテないお兄ちゃんのために恋人になってあげてるのに、文句いうな。―――はい。一時でもお兄ちゃんの恋人でいたい妹を演じてみた。どう?自信はあるけど」
カレン「それほどでも」
ロロ「ァァ!!」
ルルーシュ「どうした、ロロ?まだいたのか?」
ロロ「ゥゥゥ!!ゥゥ!!」
ルルーシュ「何を言っているのかさっぱり分からない」
ロロ「ァァ!!」
C.C.「人語で話せ」
ロロ「……ェ」
ルルーシュ「では、発表する」
カレン「……」
C.C.「……」
ルルーシュ「より妹らしく、そして妹エネルギーを補給してくれたのは―――」
ルルーシュ「カレン!!C.C.!!!両名だ!!!」バッ!!
カレン・C.C.「「え?」」
カレン「ちょっと!!白黒つけろって言っておいて引き分けって納得できないんですけど!!」
C.C.「そうだ。お前に相応しい妹を演じてやったんだぞ?まさか、この期に及んでまだナナリーが一等賞とか言わないだろうな?」
ルルーシュ「言わない。というより、ナナリーは実の妹だ。別格なんだよ」
カレン「じゃあ、尚更しっかりとジャッジしてよ!!」
ルルーシュ「そんなに妹になりたいのか?」
カレン「え?」
ルルーシュ「俺の妹になりたいのか?」
カレン「あれ、そういえばゼロに戻る決心してくれたらそれでいいんだっけ?」
ルルーシュ「そのはずだっただろ」
カレン「そうよね……」
C.C.「私としたことが目的を見失うとはな……」
ルルーシュ「嬉しかったよ、二人とも。可愛い妹を演じてくれて。まぁ、ナナリーには及ばないがな」
カレン「やっぱり比較するんじゃない!!」
C.C.「デリカシーのない男だな」
ルルーシュ「それに何より……」
カレン「ちょっと、C.C.!!なんでルルーシュと2回もキスしたの?」
C.C.「したかったからだ。何度も言わせるな。あと2.5回だからな」
カレン「じゃあ、私もしたくなったらしてもいいのね?」
C.C.「ああ。いいぞ。やれるならヤレ。そのかわり、私もやる」
カレン「みてないよね。いつか25回ぐらいやってやる」
C.C.「それはいい。楽しみにしておくか。結局0回で蹲って泣くお前の姿をな」
カレン「ふんっ!!」
ルルーシュ「守りたい義妹が傍に2人もできたからな……」
カレン「ねえ、ルルーシュ。とりあえず、復帰祝いにキスしてあげる」
ルルーシュ「カレン、唇が乾燥しているぞ?」
C.C.「はははははは」
カレン「笑うな!!」
ロロ(兄さん!!まってよ!!にぃぃさぁぁん!!!)
ゼロ「待たせたな!!諸君!!」
神楽耶「ゼロさまー!!おかえりなさいませー!!」
ゼロ「留守にして申し訳ない」
神楽耶「そんなことありませんわ」
藤堂「ゼロ。総督が何か会見を始めるようだ」
ゼロ「なんだと?」
ナナリー『―――行政特区日本を設立します。黒の騎士団……ゼロも参加してください。お願いします』
ゼロ「……!!」
カレン「ナナリーが行政特区を……」
C.C.「……」
玉城「どうせまた罠に決まってるぜ!!」
神楽耶「ゼロ様、どうされますか?」
ゼロ「すこし、休む……」
カレン「ゼロ!?」
神楽耶「ゼロ様?」テテテッ
ゼロ「神楽耶様……」
神楽耶「お元気ないようですわね。いつもの呪文、おかけしましょうか?」
ゼロ「お願いします」
神楽耶「がんばれっ、おにぃたまぁー!ふぁいっ、おー!!」
ゼロ「フハハハハハ!!!!よし!!行政特区日本に参加しよう!!奇跡を見せてやろう……百万の奇跡を!!!」
神楽耶「おにぃたまぁ!すてきぃー!!」ギュッ
ゼロ「ハーッハッハッハッハッハッハッハ!!!!!流石は神楽耶様!!私の妹エネルギーはすぐに充填されました!!」
神楽耶「よくわかりませんが、ゼロ様が元気になるのでしたら嬉しいですわ」
ゼロ「できれば、二人の時は……」
神楽耶「ごめんなさぃ、おにぃたまぁ……」
ゼロ「これが……妹……だ……!!」
カレン「フーン」
C.C.「そうか。あれだけ苦労しても神楽耶だと一言でいいのか。この差はなんだ?見た目かな、ルルーシュ?」
ゼロ「あ、こら!!C.C.!!何を言っている!!バカか!!」
カレン「ルルーシュ、どういうこと?何時間も妹演じた私たちはなんだったの?ねえ?」
C.C.「お前、私たちが恥も外聞も捨てて妹を演じていたのに気がつかなかったのか?」
ゼロ「まて……落ち着け……」
カレン「ねえ、神楽耶様なら一言で回復する理由……教えてくれない?」
C.C.「是非、知りたいな」
ゼロ「……」
神楽耶「ゼロ様……?あの、これは一体……?」
ゼロ「神楽耶様、私に戦う力を……ください……」
神楽耶「はいっ。―――おにぃたまぁ!まけないでぇー」
ゼロ「よぉーし!!!これで私は無て―――」
カレン「弾けろ!!!ブリタニアァァ!!!!」バキィ!!!!
ゼロ「がぁ?!」
神楽耶「ゼロ様の仮面が割れた……?!」
カレン「ロリコン」
C.C.「シスコン」
ゼロ「待て……誤解だ……。今のはそれほどショックではなくて……だな……」
神楽耶「ゼロ様ぁ!!」テテテッ
ゼロ「待て!!カレン!!C.C.!!」
神楽耶「あ……」
ゼロ「しまった……!!仮面が……!!」
神楽耶「ゼロ様。お怪我はありませんか?」
ルルーシュ「神楽耶様……。何も言われないのですか」
神楽耶「だって、ゼロ様はゼロ様ですもの。中身なんてどうでもいいですわ」
ルルーシュ「……」
神楽耶「あ、今は……私の兄ですわね。こんなにもかっこいい兄がいるなんて、私は幸せですわ。しかも、兄と夫婦なんて妹としては至れり尽くせりですし」
ルルーシュ「神楽耶様……あなたと言う人は……。好きです」
神楽耶「私もですわ」
ルルーシュ「カレン?!」
神楽耶「ルルーシュ様というのですか?」
ルルーシュ「ええ、そうです」
神楽耶「ルルにぃっておよびしても?」
ルルーシュ「神楽耶様の好きに呼んでください」
神楽耶「やったぁ」
C.C.「追ってきてくれるかと期待をしていたら、この有様だ。立て、ルルーシュ」グイッ
ルルーシュ「まて!円卓につこう。冷静になるんだ!武力では何も解決しない」
カレン「至って冷静ですけど」
ルルーシュ「嘘だ。青筋を立てているぞ」
C.C.「久々に血管が切れそうだよ。ルルーシュ?」
カレン「ゼロ。貴方のことは尊敬しているし、これから先もついていくつもりですが……。ルルーシュ、あんただけは許さない」
ルルーシュ「なに?!」
C.C.「行政特区に参加するんだってな。そこでやるか、おしおきを。なぁ、ゼロリコン?」
ナナリー「ゼロは来てくれるでしょうか」
スザク「来ます。必ず。わざわざゼロだけの国外追放という条件を出してきたのですから」
ナナリー「そうですね」
ざわざわ……
ナナリー「どうしたのですか?」
ローマイヤ「あれは?!」
ヴィンセント「……」ゴォォ
アーニャ「ナイトメア」
ジノ「まさか、攻撃する気じゃないだろうな?」
スザク「いや、それはないよ。ナイトメアのアームにゼロが乗っている」
ゼロ「……」
ナナリー「ゼロ……」
ゼロ「こんにちは」
ナナリー「は、はい。こんにちは」
スザク「おりてこい!!ゼロ!!」
ゼロ「……日本人とは、民族とは何だ?」
スザク「何?」
ゼロ「言語か、土地か、血の繋がりか」
スザク「違う。それは……心だ!」
ゼロ「私もそう思う。自覚、規範、矜持。つまり!!文化の根底たる心さえあれば、住む場所が異なろうと、それは日本人なのだ!!!」
スザク「……」
ゼロ「では、ナナリー総督。妹とは何でしょうか?」
ナナリー「はい?」
ゼロ「家族か、記号か、血の繋がりか」
ナナリー「違います。それは……愛です」
ゼロ「私もそう思う。愛情、矜持、禁断。つまり!!兄妹の根底たる愛さえあれば、血の繋がりが濃いくとも、それは妹なのだ!!!または兄!!!」
ナナリー「……はい」
スザク「何が言いたい?!」
スザク「ロリコンだ」
ゼロ「私はそうは思わない!!!」バッ!!!
スザク「……」
ゼロ「これも愛だ!!!愛情、矜持、禁断。つまり!!心の中に確固たる意志と自覚があれば少女を愛しても問題はない!!!」
ナナリー「それで?」
ゼロ「そう言う者たちもまた民族であることは変わりがない。どこに行こうとも生きていける!!!」
スザク「だが、迫害される!!」
ゼロ「そうだ!!少女を深く愛するが故に蔑まれる!!同じ民族から!!!まるでお前だけが異なる場所の住人だと言わんばかりに!!」
スザク「ゼロ……?」
ゼロ「しかし!!誰も知らぬ土地へ行けば、その者でも受け入れてくれる!!!何故なら自覚、規範、矜持があれば!!その土地でまた新たな民族になれるからだ!!!」
ナナリー「まさか……ゼロ……あなたは……」
ゼロ「そう!!私は!!!総督!!そしてアーニャ!!!」
アーニャ「なに?」
ゼロ「私は君たちのような少女しか愛せないのですよ!!!―――そう!!私の名はゼロリコン!!!!」バッ!!!
ジノ「別人か?!」
ゼロ「違うな。間違っているぞ。ゼロは記号に過ぎなかったが、ゼロリコンは私個人を表す名。固有の存在であることを示す名!!」
アーニャ「ゼロリコン……記憶にする価値なし」
ナナリー「ゼロリコンさん。貴方はここでそれを告白し、どうされるおつもりなのですか。今まで築きあげてきた全てが無くなってしまうほどの独白ですよ」
ゼロ「その通り。だから、条件を出したでしょう?」
スザク「え……。ま、まさか!!お前!!」
ゼロ「そう!!この発表!!私の正体を晒した以上、この場所には居られない!!!仮面をつけていても恥ずかしいからな!!!!」
ナナリー「国外追放にしてくれというのは、あなたを誰も知らない土地へ……行くと……?」
ゼロ「そうです」
スザク「なんで……どうして……」
ゼロ「悪魔を二匹、怒らせてしまった。どうやら私は禁忌に触れすぎたようだ」
ナナリー「どこへいくのですか?!」
ゼロ「分かりません。どこか遠くへ行きます。そう……心穏やかになれる場所を……」
スザク「ゼロォォ!!!お前は!!逃げるのか?!ゼロリコン!!!!」
スザク「じゃあ、逃げるな!!ロリコンであることに胸を張れ!!少女しか愛せない、だから逃げる?そんなことでユフィを殺した責任から逃れるな!!!!」
ゼロ「うるさい!!」
ナナリー「ゼロ……」
ゼロ「ナナリー総督」
ナナリー「早く、行ってください」
ゼロ「……」
アーニャ「少女の敵、ゼロリコン」
ゼロ「……」
ジノ「それだけの覚悟があるなら確かにどこに行っても生きて行けるな」
スザク「僕は必ず、お前を追い詰める……!!」
ゼロ「さらばだ。―――いくぞ」
ヴィンセント「……」
ナナリー「……ゼロリコン。さようなら。二度と顔を見せないでください」
ゼロ「―――ンナナリィィィ!!!!」
スザク「煙幕?!」
ジノ「なんだ、なんだ?!」
ゼロ「……」
ゼロ「……」
ゼロ「……」
スザク「これは……!?」
ナナリー「どうしたのですか?」
ゼロ「我々は!!ゼロリコン!!!」
ジノ「待て!!それは固有の名前なんだろ?!記号じゃないって言ってたぞ!!!」
ゼロ「よっしゃ!!国外追放されたぜー。いくぞー!!!」
ゼロ「「「おー!!!」」」
アーニャ「百万のゼロリコン……こわっ」パシャ
ナナリー「射殺しますか?」
スザク「それは……ダメです……総督……」
ゼロ「……」
玉城「おーい、ゼロリコーン。整備おわったぜー」
ゼロ「ああ」
扇「ロリコン。物資の補給だけど」
ゼロ「私が引き継ぐ」
藤堂「ゼロ」
ゼロ「藤堂」
藤堂「今度、天子様を見に行こう」
ゼロ「……」
カレン「いい演説だったわよ、ルルーシュ?」
ゼロ「そ、そうか」
C.C.「痺れたぞ?ゼロリコン」
ゼロ「……ああ」
カレン「少しは懲りた?反省しているなら、私はもうあなたを許しても……」
ゼロ「神楽耶さまぁ!」
神楽耶「お待ちしておりましたわっ♪」ギュッ
ゼロ「フハハハハハ!!!いやぁ、お待たせしてすいません」
神楽耶「しばらくはゆっくりできるのでしょう?」
ゼロ「ええ。神楽耶様とご一緒できます」
神楽耶「では、明日朱禁城に行きませんか?天子様がゼロ様に会いたいと」
ゼロ「天子様が?!」
藤堂「……!!」ガタッ!!!
南「やったぁ!!!」
ディートハルト「ふむ。明日の予定は全てキャンセルにしておきましょう……」
ラクシャータ「天子様かぁ。唾でもつけておこうかなぁ」
神楽耶「あの……そんなに大勢は……」
ゼロ「そうだぞ!!迷惑だろ!!!私と神楽耶様だけで謁見する!!!」
ディートハルト「ゼロ!!そんな!!どうかご慈悲を!!ゼロォ!!!」
ゼロ「そんなことあるわけがない」
カレン「もう一回、仮面粉砕してあげましょうか?」
ゼロ「ナナリーは一人で歩いている……。自らの理想に……」
C.C.「……」
ゼロ「ナナリーの望む世界には俺が邪魔だ」
カレン「はい」
C.C.「異議なし」
ゼロ「だが、それでも俺は―――」
神楽耶「ゼロ様ぁ。いえ、ルルにぃ。行きましょう?」
ゼロ「理想に生きるっ!!!」
カレン「―――弾けろ!!!ブリタニアァ!!!」バキィ
C.C.「―――私を失望させるなっ!!!」バキィ
神楽耶「ゼロ様ぁ!!!」
END
おまわりさんこいつら全員です
しかしギアスの世界ってロリとはっきり言えるロリは天子様だけなんだよな…
他の3人は全員15歳だし
世界はロリコンに優しくないのだよ
Entry ⇒ 2012.09.12 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
尭深「今年もたくさん収穫できそう……」
照「これ、おいしそう……」
誠子「勝手にとったら尭深がかわいそうですって」
尭深「……」
照「ごっごめん」
尭深「……もう少しでハーベストタイムなので、その時におすそわけ……」
照「尭深……」ジーン
淡「いいなぁ……」
尭深「淡にも」
淡「やったー! たかみーだーい好きっ!」
誠子「……」
菫「……」
コソコソ……
菫「クソッ! 私も欲しいって言い出せなかったが、本当は欲しかったんだぞ!」
菫「よし、誰もいないな……」
菫「これは……葡萄か」ジュルリ…
菫「よし、これを頂いておこう……」
菫「貰うものを貰ったら撤退だ!」
コソコソ……
誠子「弘世先輩……」
・翌朝
尭深「葡萄が減ってる……」
淡「ホントだ……ひどーいっ!」
尭深「ぐすっ……」
菫「……」
誠子「弘世先輩」
菫「ドキッ!? ……なんだ、亦野か……」
誠子「尭深の葡萄、盗まれたらしいですね」
菫「……ああ、そうらしいな」
誠子「世の中には酷いことをする人もいるもんだ」
菫「あ、ああ……」
誠子「尭深、可愛そうに……。せっかく育てた葡萄を……。泣いてたなぁ」
菫「……」
誠子「先輩知ってますか? 今年台風が来ましたよね?」
菫「あ、ああ、そうだったかな」
誠子「尭深、その時何をしていたと思います?」
菫「さあな。台風だから部屋に閉じこもってコロッケでも食べていたんじゃないか?」
誠子「……葡萄が折れないように、一晩中シートをかけて固定してたんですよ」
菫「!!!」
菫「尭深……」
誠子「そのあとお見舞いに行ったんですけどね。尭深のやつ、笑ってましたよ」
菫「な、なんで?」
誠子「葡萄が無事でよかった……って」
菫「……」
誠子「そんだけです」
ザッザッザ……
菫「……」
菫「たかみ…………」ポロッ……
菫「尭深! すまない!」フカブカー
尭深「?」
菫「実は葡萄、盗んだの私なんだ!」
尭深「!?」
菫「照と淡が葡萄を貰えるって聞いて……羨ましくなって……それでわたしも……グスッ……でも言い出せなくて……」
キュッ
菫「……尭深?」
尭深「ハーベストタイムには、もっと美味しい葡萄をおすそわけします……」
菫「尭深……グスッ……すまない……うわぁぁ――――――――――――んっ!!!!!」
誠子「……やれやれ」
誠子「それにしても弘世先輩にもあんな一面があったんだなぁ……」シミジミ
タッタッタ…
尭深「――まって」
誠子「ん? 尭深?」
尭深「……はぁっ……はぁっ……追いついた……」
誠子「そんなに息を切らして、急用か?」
尭深「そうじゃないけど……お礼を言おうと思って……」
誠子「お礼? 礼を言われることなんてしたっけな?」
尭深「……それでもいい。ありがとう……」ペコリ
誠子「……やれやれ、礼を受け取っておけばいいんだな?」
尭深「うん……それに、ハーベストタイムも……」
誠子「ハーベストタイム? それって俺にも……」
尭深「うん、楽しみにしていて……」
誠子「それは確かに……楽しみ、だな!」
淡「おいしそーっ! 見てみてテル! これ! たかみーこれもいい?」
尭深「…」コクッ
照「じゃあ私はこの高いのを……っと」
菫「危ないぞ、私が取ってやる」
照「おっと、すまないな」
菫「尭深! このへんは全部収穫か?」
尭深「……うん、食べごろ」
誠子「美味しいぶどう酒ができそうだなぁ……」
尭深「だめ……」
誠子「……じゃあ葡萄ジュースで」
尭深「それなら、いい……」
尭深「私も手伝うから、みんなで一緒に食べよう……」
カンッ!
亦野さんかっけえ
Entry ⇒ 2012.09.12 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
小鳥「小鳥と雛」
小鳥「ふわぁ……休みだからって寝過ぎたかしら……」
小鳥「今日は何しようかなぁ……買い物に行こうか、家でゴロゴロしようか」
小鳥「……ゴロゴロしよう」
小鳥(なんか年々、外出する気力が衰えてる気がする……マズいわ)
小鳥「……とにかく陽の光を浴びましょう。脱・引きこもり!」
ガラガラ
小鳥(あら? ベランダに何か……)ヒョイ
小鳥「卵……?」
小鳥(親どころか、それらしき巣も見当たらない)
小鳥「うーん……傷も無くて無事みたいだし、ほっとくわけにもいかないわね……」
小鳥「」キョロキョロ
小鳥(親鳥さん、もしいたらごめんなさい!)
小鳥「……っていうかこれ、本当に本物の卵なのかしら?」
小鳥「それに、勝手に鳥って決めつけてたけど、蛇とかトカゲって可能性も……」
小鳥「うーん……」
響「それで、自分のとこに来たと」
小鳥「ごめんね、響ちゃん。他に頼れる人が居なくって……」
響「別にいいよ。今日、予定なかったし」
響「で、これなんだけど、雀の卵だと思うぞ」
小鳥「あ、やっぱり?」
響「これ、孵したいのか? …………見たところ、不可能じゃないけど難しいと思う」
小鳥「……できれば」
響「っていってもなぁ……さすがの自分も孵卵器は持ってないし、そもそも野鳥を拾ったときには鳥獣保護法で届け出が……でもこの際そんなこと言ってる場合じゃないかぁ……」ブツブツ
小鳥(な、なんか響ちゃんが賢く見える!)
小鳥「?」
響「すぐ戻るー。卵、冷やしちゃダメだぞ」
小鳥「わ、わかったわ」ギュッ
…………
響「お待たせ。はいこれ」
小鳥「? 何これ?」
響「即席の孵卵器。発泡スチロールに電気あんか入れただけだけどね」
小鳥「お、おお……」
小鳥(な、なんか響ちゃんが頼もしく見える!)
響「じゃあ、これから小鳥と小鳥のための『卵の孵し方講座』、始めるぞ」
小鳥「お願いします!」
響「まず、さっき渡した孵卵器で卵を温めるわけだけど、そのとき注意することは三つ……温度、湿度、酸素だ」
小鳥「ふむふむ」
響「温度は38度を保つように。湿度は適度、って感じなんだけど、それは発泡スチロールの中に水の入ったコップとか濡れタオルを入れておけば大丈夫だぞ」
響「あ、電気あんかが濡れて火事にならないように注意はしてね」
小鳥「はい!」メモメモ
響「で、温度と湿度を保つために蓋をするんだけど……そのとき空気穴を開けなきゃダメだぞ。卵も生き物だからな」
小鳥「……ごくり」
響「『転卵』っていって、2~3時間に一回は卵を転がしてあげないといけないんだ」
小鳥「2~3時間に一回……」
響「当然、夜も定期的に起きなきゃダメだぞ。……ピヨ子、できるか?」
響「まあ……今じゃ自動転卵機なんてものもあるけど……」
小鳥「大丈夫。やってみせるわ」
響「……なんか、やけに気合い入ってるんだな。そんなに孵したいのか?」
小鳥「うん、なんとなくだけど……ほっとけないから……」
響「うーん、2週間から3週間ってとこかな?」
小鳥「そう、じゃあやっぱり……もしかしたら……」
響「?」
小鳥「な、なんでもないわ。それじゃ、ありがとうね」
響「あ、うん。また何かあったらいつでも相談に乗るぞ! 自分、こんなときしかピヨ子の役に立てないからな」
小鳥「ひ、響ちゃーん! ちょっとあなた良い子すぎるわー!」グスッ
響「ほ、ほら、泣いてないで! 頑張るんだぞ!」
小鳥「うん! じゃあ、またね!」
ガチャ バタン
響「………」
響「ごめん、ピヨ子……自分、全然良い子なんかじゃないぞ……」
その夜
小鳥「さて、いっちょがんばりますか!」
小鳥「」ジー
卵「…………」
小鳥「……眺めてても仕方ないか。TVでも観ましょう」ピッ
小鳥「お、真ちゃんが出てる。そっか、今日放送日だったっけ」
観客『キャー! カッコイイー! マコトサマー!』
真『あ、あはは……どうも』
小鳥「また"こういう"番組なのね。プロデューサー、この後文句言われたんだろうなぁ」クスクス
小鳥「さてと……」カシュッ
小鳥「…………」
小鳥「何ビール開けてんの私ぃぃぃ!」
小鳥「……っぷはぁ!」
小鳥「…………何飲んでんの私ぃぃぃ!」
小鳥「落ち着くのよ小鳥。これしきで私の意志は揺るがない!」
…………
小鳥「」ウトウト
小鳥「はっ! ダメよ小鳥! 小鳥の命がかかってるの!」
小鳥「……でも、ちょっとだけ仮眠を」
小鳥「今は11時過ぎだから……1時くらいに起きれば……」
小鳥「だいじょ…ぶ……」
小鳥「すぅ……すぅ……」
小鳥「うーん……むにゃ……」
小鳥「……はっ! い、今何時!?」ガタガタッ
小鳥「……い、1時……」
小鳥「勝った……!」
小鳥「…………ぐぅ」
小鳥「って寝たら意味ないでしょぉぉぉ!」
翌日 765プロ
響「初日からそれじゃ、先が思いやられるぞ……はぁ」
小鳥「面目ない……」グッタリ
響「でもその様子だとちゃんと頑張ったみたいだな」
小鳥「はい、頑張りました……」
響「……ちょっと寝た方がいいんじゃないか?」
小鳥「はい、ちょっと寝た方がいいと思います……」
響(大丈夫かな……)
P「おはようございます」
響「はいさーい、プロデューサー」
P「おはよう、響。……? 音無さん、どうかしたのか?」
響「起こさないであげてくれ。死ぬほど疲れてる」
P「お、おう。何かあったのか?」
響「んー、育児疲れ……かな」
P「!?」
響「まあまだ生まれてすらいないけどね」
P「!!??」
小鳥「……ふぁっ!? し、しまった! がっつり寝ちゃった!」
小鳥「どどどどうしよう!」
P「おはようございます」
小鳥「お、おはようございます! 仕事中に大変失礼しました!」
P「いえ、疲れてるみたいだし、構いませんよ。……そうだ、響からこれを預かってます」
小鳥「? メモ?」
ーー9時と11時にコロコロしておきました。響
小鳥「」グスッ グスッ
P「な、何泣いてるんですか?」
小鳥「い、いえ……一家に一人響ちゃんの時代かと思って……」グスッ
P「?」
小鳥「?」ゴシゴシ
P「もし本当なら、産休とか頼んだ方がいいんじゃないですか?」ボソボソ
小鳥「……サンキュー?」
P「とにかく、今日の分の事務は終わらせておいたのでゆっくりしててください」
小鳥「早っ! まだお昼ですよ!?」
P「今後も無理は控えてくださいね? 手伝えることは極力手伝いますから」
小鳥「は、はい……」
小鳥(仕事と子育て(?)、両立してみせる!)
二日目
小鳥「おはようございます!」
やよい「小鳥さん、おはようございまーす!」
五日目
小鳥「おはようございます」
亜美真美「おっはよー、ピヨちゃん!」
十日目
小鳥「おはようございます……」
千早「おはようございます、音無さん。あの、顔色が………」
小鳥「おはよ……ございま……」フラフラ
響「みるみる弱っていってるじゃないか、ピヨ子……」
P「今更だが、育児どうこうっていうのは鳥の卵のことだったんだな。てっきり小鳥さんが妊娠したもんだと……」
響「相手もいないのに?」
P「それ以上いけない」
P(何人かに言いふらしちゃったことは黙っておこう)
小鳥「響ちゃん……プロデューサーさん……ごめんなさい。音無小鳥、そろそろ限界です……」
P「は、はい。ソファで横になっていいですよ」
小鳥「……」ドサッ
響「泥のように眠り始めたぞ……」
小鳥「ごめんね、響ちゃん……家まで泊まりに来てもらっちゃって」
響「乗りかかった船、ってやつだぞ」
小鳥「そういえば響ちゃんのペットたちは大丈夫なの?」
響「みんな大人しいし、餌の場所はハム蔵といぬ美が知ってるから大丈夫だよ」
小鳥「? ハム蔵といぬ美がみんなに餌をあげるってこと?」
響「うん。自分が留守の時はどっちかに頼んでるんだ」
小鳥(常々思ってたけど、響ちゃんのペットって何者なの? いやペットなんだけど)
響「だーめ! そんな元気なら自分来なくてよかったんじゃないか? っていうかこの前もお酒飲んで失敗しかけたんでしょ?」
小鳥「そんな殺生な!」
小鳥「休みの前! しかも明日は誕生日! そんな日に飲まずしていつ飲むの!?」
響「……ちょっとだけだぞ」
小鳥「ありがとうございます!」
響「言っとくけど、自分はジュースだからな」
小鳥「うーん……小鳥が一羽……小鳥が二羽……」ウトウト
響「なあ、自分がいるからって油断してないか?」
小鳥「それだけ響ちゃんのことを信頼してるのよ。言わせないで恥ずかしい」キリッ
響「うっ……ま、まあ、自分完璧だからな! もっと頼ってくれて構わないぞ!」
小鳥「……ちょろい」
響「聞こえてるぞ!」
小鳥「あ、日付変わった」
響「誕生日おめでとー、ピヨ子」
小鳥「……また一つ年を取ってしまった……」ズズズ...
響「暗くなり過ぎだろ! 今夜たるき亭で誕生会なんだから、そんな顔してたらみんな悲しむぞ?」
小鳥「♪誕生日を迎える度に 何を祝うのかずっと謎だった……」
響「いいから! そういうこと考えなくて!」
小鳥「♪見えなくなってしまったものは 二度と帰らないと知ったとき……」
響「続きを歌うな!」
響「……ね、ねえピヨ子」
小鳥「?」
響「実は自分、ピヨ子に謝らなくちゃいけないことが……」
小鳥「ん……?」ゴシゴシ
響「本当に今更なんだけど……って、聞いてる?」
小鳥「今、卵動かなかった?」
響「……見間違いじゃないのか?」
ピシッ
小鳥響「!?」
小鳥「何これ!? 生まれるの? 生まれそうなの!?」
響「う、嘘……そんなまさか……!」
シーン
小鳥「あ、あれ? 止まっちゃった?」
響「触っちゃダメだぞ! 今……きっと頑張ってるんだ……」
小鳥「かれこれ2時間経つわ……」
響「でも地道にだけど、殻は破ってるぞ……」
ピシピシッ
小鳥「よしっ! そこだ! いっけぇぇぇ!」
響「ピヨ子うるさい!」
パキッ
小鳥「で……」
響「出た……」
いいぞもっとやれ
いいからさっさと書けw
小鳥「な、鳴いた! 今鳴いたわ!」
響「まだ目も開いてないのに、早すぎないか……?」
小鳥「細かいことはいいのよ! 宴よ! 酒持ってこんかい!」グビグビ
響「うおぉぉい! 飲み過ぎだぞ!」
シーン
小鳥「ね、ねえ、鳴いたっきり動かないけど、大丈夫かしら?」
響「……ま、まだ触っちゃダメだ」
響「…………」
小鳥「ね、ねえ、響ちゃん……」
響「やっぱり……」
小鳥「え?」
響「……ごめん、ピヨ子。自分、ピヨ子に謝らなくちゃいけないんだ」
響「その前に……」スッ
小鳥「あ……」
響「この子、ちゃんと弔ってあげないと……」
小鳥「……響ちゃんは、わかってたの?」
響「……わかってたっていうと嘘になる」
響「あの子は生まれてくることもできないと思ってた」
小鳥「……」
響「卵、ベランダに落ちてたんでしょ? いや、 置かれてたのかな」
小鳥「置かれてた……?」
響「親鳥はね、『この卵はダメだ』って判断すると巣から離す習性があるんだ。大抵は巣からたたき落とすだけなんだけど、時々自分で遠くに運ぶ親鳥もいる」
響「仕方ないことなんだよ。ほっておけば、他の元気な子に悪い影響がでちゃうかもしれない」
響「現に自分が卵を見たときはもう……」
小鳥「……それが謝らなくちゃいけないこと、なの?」
響「うん……言い出せなくて、ごめん……」
小鳥「謝る事じゃないわ。むしろ響ちゃんには色々と感謝しなきゃいけないもの」
小鳥「……全然、そんなことないわ」
響「あの子、最期に鳴いたでしょ? それだってあり得ないことなんだ。卵から出てのどができあがるまで、少し時間がかかるはずなんだよ」
響「きっと、ありったけの力を振り絞って殻を破って……最期の力を振り絞って小鳥に伝えたんだ」
響「ありがとう、って」
小鳥「……きっと、そうなのね。響ちゃんがそういうなら」
小鳥「もう、何で響ちゃんが泣くのよ」
響「だって……」
小鳥「貴重な体験、させてもらったわ」
小鳥「誕生日おめでとう、雛。短い間だったけど、ありがとう」
響「……?」グスッ
小鳥「ふふっ、あの子につけようと思ってた名前。小鳥と雛でお揃いでしょ? ちょっと期待してたとはいえ、まさか誕生日までお揃いになるとはね」
響「良い、名前だな……ハム蔵と同じくらい」
小鳥「……微妙な褒め方ね」
響「き、聞こえてるからな!?」
一同「誕生日おめでとー!」パチパチパチ
小鳥「ありがとー!」
真美「それでピヨちゃん、今年何さ……」
小鳥「小川さーん、とりあえず生お願いしまーす!」
亜美(逃げた……)
真(逃げた……)
小鳥「ほ、ホントだ! 嬉しいなー!」
伊織(露骨に話題を逸らしたわね……)
小鳥「? あら、これは……」
小鳥(手編みの、鳥のぬいぐるみ……)チラッ
響「」ソワソワ
小鳥(……ありがとう、響ちゃん)ニコッ
響「!」パァァァ
P「お、おい。確かにそうだが、一応適度に頼むぞ……」
社長「まあまあ、無礼講といこうじゃないか。時に君……」
P「?」
社長「私は今日、財布を忘れてしまってね。いや失敗失敗!」
P「しゃ、社長ぉぉぉ!」
アハハハハ ガンバレプロデューサー!
小鳥「あはは……ん?」
あずさ「? どうしたんですか、小鳥さん?」
小鳥「いえ、プレゼントは非常にありがたいんですが……」
小鳥「このマタニティーグッズの山は何の冗談ですか?」
一同「えっ」
終わり
一日遅れでごめんねピヨちゃん
いい響も見れたし、すごくよかったー
ひびきんが完璧可愛くて良かった
響が動物博士になったけど、まあ多少はね
Entry ⇒ 2012.09.12 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
C.C.「ルルーシュ。 お前、死んだらしいぞ」
C.C.「ルルーシュ! 起きろ、大ニュースだ!」
ルル「朝から騒々しいぞ…。 もう少し眠らせろ」
C.C.「二度寝する前に話を聞いておけ、損はさせないつもりだ」
ルル「どうせお前の事だから『ピザ激安』とかいうCMでも見たんだろう…」
C.C.「違う。 全く、お前は私を何と思っているんだ?」
ルル「ピザ食いNEET魔女」
C.C.「ほぅ、お前のカードを破産させるくらいピザを食ってやろうか?」
ルル「一体どんな脅しだ……」
ルル(……そして、俺はいつの間に見知らぬ部屋のベッドで眠っていたんだ)
ルル「そこまでお前が執着するニュースとは珍しいな。
いいだろう、話してみろ」
C.C.「ルルーシュ。 お前、死んだみたいだぞ」
ルル「何……だと……!?」
C.C.「先日の昼過ぎとの事らしい」
ルル「いったい誰が殺した?」
C.C.「先の大戦で死んだと思われていたゼロに、だ」
ルル「死因は?」
C.C.「胸を剣で一突き。 出血多量によるショック死だと報道されていた」
ルル「ほぅ…一突きで仕留めたのか。 ゼロは相当の腕利きだな」
C.C.「ああ、それはもう色々な奴からお墨付きな程度にはな」
C.C.「解放軍と市民により即救助された」
ルル「黒の騎士団の面々は?」
C.C.「同上だ」
ルル「今日の朝食は?」
C.C.「フレンチトースト。私が作ったんだぞ」
ルル「味の方は?」
C.C.「味見などするか。目分量に決まっているだろう」
ルル「…ちなみにシュナイゼルはどうなった?」
C.C.「助けられた恩義が云々で、ゼロに忠義を誓う声明を昨晩のうちに発表した」
ルル「それで、俺は誰だ」
C.C.「ルルーシュだ」
ルル「そうか…殺されたのは誰だったか?」
C.C.「ルルーシュだな」
ルル「とんでもない事件が起こったものだな」
C.C.「ああ、お前が寝ていた間に世間はとんでもない事態になっているぞ」
C.C.「ああ。予想以上にお前が乗ってくれて大満足だ」
ルル「いつの間にかゼロ・レクイエムを俺はやり遂げていたのか」
C.C.「お見事だったぞ」
ルル「お前から賞賛を貰えたとなれば、相当なものだったのだろう」
C.C.「……ん?」
C.C.「ルルーシュ、お前」
ルル「なんだ」
C.C.「ゼロ・レクイエムの事を覚えていないのか?」
ルル「……」
C.C.「一応確認しておくが、どういった理由でここにいるのか理解しているか?」
ルル「…大体の予想はつくが確証が持てない」
C.C.「覚えてないのか? お前、刺されてからずっと眠っていたんだぞ」
ルル「言われてみれば先日の記憶が曖昧だな」
C.C.「ちなみに、どの辺りまで覚えている?」
ルル「ほとんど覚えていない。
うろ覚えながら、ナナリーと少しだけ喋った…気がするだけだ」
C.C.「そうか。 会話は出来たか?」
ルル「…ああ。 記憶や感覚は曖昧だが、何かしら会話を交わせたと思う」
しかしてゼロ・レクイエムを含めた全ての事象が
本当にあったことならば、一つ大きな問題があるのだが」
C.C.「お前が抱える問題なぞお見通しだ」
ルル「ほぅ、やけに自信ありげだな」
C.C.「当たり前だろう? 私はC.C.だからな」
C.C.「ズバリ空腹だな。待ってろ、今すぐ朝食持ってきてやる」
ルル「……大ハズレもいいところだ」
C.C.「私にかかれば簡単な事だ」
ルル「ところで、C.C.。キッチンに置いてある失敗作の山だが」
C.C.「それは後で私が食べる分だからな。 決して失敗作なワケじゃないぞ」
ルル「よく言ったものだな…」
C.C.「ふん」
ルル「お前には勿体無いくらいの量だ。俺が全部食うから後で持ってこい」
C.C.「だ、だからアレは私が食べる分だと…!」
ルル「いいから持ってこい」
C.C.「あ、アレは本来私の分だが、お前がそういうなら持ってきてやろう」
ルル「そういう事にしておいてやろう」
C.C.「…美味しくなくても知らないからな」
ルル「お前が作ったんだろう? 不味いのか?」
C.C.「そんなワケないだろう。 しっかり味わって食えよ」
ルル「せいぜい期待させてもらおう」
C.C.「……腹、壊すなよ」
ルル「おい、C.C.」
C.C.「なんだ」
ルル「昼はいらん」
C.C.「…完食したのか」
落ち着いた頃にでも俺の質問に答えてもらうぞ」
C.C.「却下だ。私は忙しい」
ルル「ゲーム機をTVへ繋ぐ作業を忙しいというのか、お前は」
C.C.「重労働だぞ?」
ルル「こんな事が重労働なら、数千万人単位で過労死する輩が出るぞ」
C.C.「いいじゃないか。
どうだ、折角の機会だから一緒にゲームでもするか?」
ルル「馬鹿を言え。俺にそんな時間が…」
C.C.「時間が?」
ルル「……時間が、あるのか?」
C.C.「ああ、あるんだぞ。 心からゆっくり休める時間が」
こういうのには慣れていないが、お前がそう言うなら付き合おう」
C.C.「ふん、今日の童貞ボーヤは素直だな」
ルル「ただ、何事も慢性的に遊ぶのでは面白くない」
C.C.「私は楽しいぞ?」
ルル「俺が面白くないんだ。
…ちょっとした賭けでもしながら遊んでみるか」
C.C.「内容次第だな」
ルル「なに、簡単なことだ。
俺が勝てばお前に質問、お前が勝てば俺に命令。
シンプル故に分かりやすいだろう?」
C.C.「おい、ルルーシュ」
ルル「なんだ?」
C.C.「お前に対する命令は何でもいいのか?」
ルル「内容次第だな」
C.C.「おやおや、いきなり保守的とはらしくないな。
要するにお前は負けなければいいんだ。
最初から『内容次第』と逃げているようでは男がすたるぞ?」
ルル「自分の事を棚に上げておいてよく言えるな…」
C.C.「私はか弱い女だからな。 よって先ほどの理屈は私にはまかり通らん」
ルル「…まぁいい。言い出したのは俺からだからな、その条件で受けてたとう」
ルル「C.C.、俺にチェスで敵うと思っているのか?」
C.C.「聞きたい事があるのだろう?」
ルル「……ふん」
Win:ルルーシュ
ルル「当然ながら俺の勝ちだ」
C.C.「…ここまでコテンパンにされると若干腹が立つな」
ルル「…拗ねるな」
ルル「まずは一つ。俺の疑問の基盤となる質問だ」
C.C.「言ってみろ」
ルル「『ゼロ・レクイエムは予定の通り成功したのか?』」
C.C.「その質問にはYesと答えよう。
完璧だった。本当に、一部の狂いもなく、完璧に達成された」
ルル「……そうか」
ルル「まだ題目はチェスでいいのか?」
C.C.「ああ、それでいい」
Win:ルルーシュ
C.C.「………」
ルル「不貞腐れるな、さっきよりも10分長く対局出来たじゃないか」
C.C.「…バレバレだ。もっと分かりにくい手の抜き方をしろ」
ルル「…善処する」
C.C.「いいだろう」
ルル「『今俺たちが居る場所、ココはどこだ?』」
C.C.「確かに記憶の曖昧なお前にとっては重要な質問だな。
ここはジェレミアの隠遁地となる予定のミカン畑。そこの宿舎だ」
ルル「また随分と立派な宿舎だな」
C.C.「皇帝時代のお前から貰った給与の半分で土地と家を買ったそうだ。
随分と優遇してくれて感謝がうんたら、とアイツは言っていたぞ」
ルル「…そうか」
C.C.「外を見てみろ。見事なオレンジ農園だろう。
アレは全部ジェレミアが栽培しているらしい」
ルル「今さらながら自分の業の深さを噛み締めているよ」
C.C.「気にするな、アイツは忠義の名とかで結構受け入れているぞ」
ルル「俺の勝ちは揺るがないが良いのか?」
C.C.「その鼻をへし折ることに快感を覚えるのが私だ」
ルル「面白い、やってみろ」
Win:ルルーシュ
C.C.「………!」
ルル「大人気なかったのは謝罪するから涙ぐむな」
C.C.「ふん、上等だ。何でもこい」
ルル「『何故ここには俺とお前しかいない?』」
C.C.「簡単な事だ。ジェレミアとアーニャが農作業に出て留守にしているからだ」
ルル「…ナイトオブラウンズが何故ここにいるんだ」
C.C.「色々あってジェレミアが養うことになったようでな。
この話は長くなるから、次の機会にでもゆっくり話してやる」
ルル「ふん、何でも来い。負けるつもりは毛頭無いがな」
C.C.「では、このゲームで高得点を取った方が勝ちとしよう」
ルル「次に選んだジャンルは『ガンシューティング』か。
この程度の題目なら楽勝だろう」
C.C.(…負けっぱなしは性に合わんからな。目にもの見せてやる)
ルル「今から始めるゲームのタイトルは何なんだ?」
C.C.「デスクリムゾン、だ」
Win:C.C.
ルル「おい、何だこれは」
C.C.「何がだ?」
ルル「何が? なにもかもに決まっているだろう!?
だいたい何だ、このコンバット越前とやらは!
コードネームに本名の一部を使う馬鹿がいるか!!」
C.C.「落ち着け、そんな熱くなるな」
ルル「他にも設定やらゲームの当たり判定やら、不満な部分を上げたらキリが無い…!」
C.C.「クソゲーたる所以がそこだからな」
ルル「それに、何よりも」
C.C.「ん?」
ルル「なんでお前は平然とエンディングまで辿り着いてるんだ!?」
C.C.「ふふん。当たり前だ、私を誰だと思っている?」
ルル「くそぅ…無駄に勝ち誇るその顔が腹立たしい……!」
ルル「仕方ない。ルールはルールだからな」
C.C.「『コーヒー淹れてこい』」
ルル「人を小間使いと思っていないか、お前」
C.C.「黙れ敗者。とっとと私のために精魂込めてコーヒー作れ」
ルル「くっ、い、淹れてくるから待っていろ! すぐに再戦だ!」
C.C.「おい、ルルーシュ」
ルル「何だ!?」
C.C.「間違っても睡眠薬入れて、私に変なことしようとするなよ?」
ルル「…手が滑って下剤が投与されたら悪かったと先に謝っておくよ」
C.C.「ほぅ、やるじゃないか。及第点を与えれる程度には美味いぞ」
ルル「褒められても嬉しくないのが不思議だな」
C.C.「変なものは入れてないだろうな?」
ルル「お前はまず俺に対する猜疑心を脱ぎ払うことを善処しろ」
C.C.「ゲームは先ほどと一緒で構わないな?」
ルル「構わないわけないだろう。さっさと別のゲームに切り替えろ」
C.C.「ふん、文句ばかりは一丁前だな」
ルル「その台詞はどの口が言うんだ」
C.C.「じゃあ、シューティングでのスコアアタックはどうだ?」
ルル「ほぅ、パターン構築が主となるタイプか。俺は構わんぞ」
C.C.「ジャンルは縦スクロールSTGでいいな」
ルル「いいだろう。
ところで、何というタイトルのゲームなんだ?」
C.C.「怒首領蜂・大往生だ」
Win:C.C.
ルル「ス、スコア差が圧倒的すぎるぞ…」
C.C.「なんだ、張り合いの無い奴め」
ルル「C.C.、貴様…このゲーム、やり込んでいるなっ!」
C.C.「答える必要は無い」
ルル「年寄りは大変だな」
C.C.「喧しい。 私はまだピチピチだ」
ルル「その表現がすでに…いや、なんでもない」
C.C.「うむ、今から横になるんで黙って手を動かせ」
ルル「はいはい…」
ルル「ん?」
C.C.「変なところ触るなよ」
ルル「触らん」
C.C.「絶対だぞ」
ルル「触らん」
C.C.「手がすべったとか無しだからな」
ルル「触らんと言っているだろう」
C.C.「…真顔で返答されると、それはそれで腹が立つな」
ルル「…一体なんなんだ」
ルル「パズル系ならば有り難いんだが」
C.C.「却下。 お前に分がありすぎてアンフェアだ」
ルル「だとすればお前に何か案はあるのか?」
C.C.「そうだな、日本を列車で徘徊しながらモノを買い続けるゲームはどうだ?」
ルル「その言い回しだとモノポリーを連想するな」
C.C.「大体あっている。 桃太郎電鉄というタイトルのようだ」
ルル「またしても初めてプレイするゲームか。
C.C.、ちなみにお前これをどの程度やりこんでいるんだ?」
C.C「一人で閻魔を3人相手どって余裕で勝てる程度だ」
ルル(基準がいまいちよく分からんが、大したことはなさそうだな…)
C.C.「さて、これはプレイ年数が選べるが何年くらいで戦ってみるか?」
ルル「適度に遊べる程度で頼む」
C.C.「了解した。 では10年くらいで遊ぶか」
Win:C.C.
ルル「くっ……惜敗か…!」
C.C.「ルルーシュ、お前の敗因は一つ。
機動力を疎かにして農林物件ばかりを買い漁ってしまったことだ」
ルル「ふん、次の機会には見返してやるからな」
C.C.「せいぜい楽しみにしておこう」
罰ゲームの題目が浮かんでこないな」
ルル「ではいいじゃないか、パス1で」
C.C.「却下だ。 せっかくならこの権限を十二分に使わせてもらおう」
ルル「ん?」
C.C.「二度も繰り返さんぞ」
ルル「いや、しっかり聞こえてはいたんだが」
C.C.「だったら早くしろ」
ルル「そんな事でいいのか?」
C.C.「充分だ」
ルル「手の内側に画鋲とか仕込んでいないだろうな」
C.C.「なんだその絶妙に陰険な手法の嫌がらせは」
ルル「…欲の少ない奴だな」
C.C.「…いや、私にとっては欲張りなくらいだよ」
ルル「C.C.、ちょっと待て。
こんなに長時間ゲームをやったことが無い身としては、流石に疲れたぞ」
C.C.「なんだ、もうへばったのか。 だらしない奴め。
私なんて某RPGでは天鱗を求めて丸二日ポータブルを手放さなかったぞ」
ルル「見事なまでに廃人じゃないか」
C.C.「そのくらい私の持つ気概を見習ってみろ」
ルル「ああ、反面教師としてな…」
ルル「ちょっと待て、まだあと一つだけ聞きたいことがある。
最後に一戦だけやるぞ」
C.C.「ほう? 題目は?」
ルル「シンプル・イズ・ベスト。 ジャンケンだ」
ルル「奇遇だな。 俺もグーを出すつもりだ」
C.C.「それでは引き分けてしまうだろう」
ルル「だったらお前が変えればいい」
C.C.「却下だ。 お前に言われてホイホイ意見を変えるのはプライドが許さん」
ルル「じゃあ俺がパーを出せば万事解決だな」
C.C.「ま、まぁそういう事になるな」
ルル「もういいな? それではいくぞ」
ルル「ジャンケン!」
ルル&C.C.「ポン!」
ルル:グー
C.C.:チョキ
Win:ルルーシュ
C.C.「ふ、不覚……」
ルル「C.C.、一つだけコツを教えておいてやる。
この手のゲームで心理戦に勝つには、まず引き分けを狙っていくことだ」
で、お前が私に聞いておきたいことは何だ?」
ルル「最後に一つ、大事な質問をする。正直に答えてくれ」
C.C.「いいだろう」
本当にゼロ・レクイエムは終わったんだろう」
C.C.「ああ、お前達は見事にやり遂げている」
ルル「そうなると、大きな矛盾が一つだけ生じるんだ」
C.C.「…言ってみろ」
ルル「C.C.、『俺は何故こうして生きている?』」
C.C.「……」
C.C.「…どこかの物好きがコードを与えたからだ。
お前に死んでほしくないと願った愚か者が、そうしたんだ」
ルル「Cの世界だったか」
C.C.「ああ、そこでは過去に死した人と会話も出来る」
ルル「その為には自分も死人になっているのが条件だがな」
C.C.「お前、そこで会いたい人や謝りたい人がいるんだろう?」
ルル「……ああ」
C.C.「私がコードを与えたことにより、しばらくそこへ行けなくなったわけだ」
ルル「……」
ルル「なんだ?」
C.C.「…私を恨んでくれて構わないんだぞ」
ルル「……」
C.C.「お前は全ての罪を抱える覚悟でスザクに殺されることを望んだ。
しかして、私の勝手なエゴでお前はこうして生きている」
ルル「……」
C.C.「言うなれば、お前の誇りに泥を塗ったようなものだ」
ルル「……」
ルル「……」
C.C.「だから一向に恨んでくれて構わない。
そうされるだけの理由が私にはあるし、お前にはそうする権利がある」
ルル「……」
C.C.「お前が望むのならば、何でもしよう。
私はただ…お前に死とは別の救いを見つけてほしかったんだ」
ルル「…なんでもする、だと」
C.C.「…そこだけを抜粋するか貴様」
C.C.「あ、ああ! なんでも聞いてやろう」
ルル「C.C.、それでは…」
C.C.(な、何をこいつは願うのだろうか…)
ルル「ならば、C.C.」
ルル「俺と一緒に来い」
C.C.「……は?」
だからこそ、自由な時間が出来たら俺は旅がしてみたくてな」
C.C.「まるで仕事に疲れたOLの発想じゃないか」
ルル「五月蝿いぞ。
で、だ。 やはり旅をしようにも一人だと退屈しそうでな。
お供のような奴が一人は欲しかったんだ」
C.C.「…そこで私に白羽の矢が立ったわけだ」
ルル「感謝はすれど恨むことなど何も無い」
C.C.「いいのか?」
ルル「Cの世界にはいつでも行ける。 この現状も縁と受け取ろう」
C.C.「確かに言った」
ルル「二言は?」
C.C.「無い」
ルル「だとすれば話は早い。
俺をこういった現状においたお前への責任は、それが一番ベストな形だろう」
ルル「この後に及んで質問か。 まぁいい、何だ?」
C.C.「そ、その…私なんかで、いいのか?」
ルル「愚問だな。 お前がいいんだ」
C.C.「そうか。 そこまではっきり言うのは清々しいな」
ルル「ふん、今さら体裁を取り繕ってどうする。
忘れたか? 俺とお前は…」
C.C.「共犯者だから、か…」
C.C.「ふふん、それなら確かに遠慮は要らんな」
C.C.「ああ、シャルルの王位を継承したその瞬間にな」
ルル「そして、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアも死んだ」
C.C.「ああ、華奢な男が持つには重過ぎる大罪を背負ってな」
ルル「だが、俺は生きている」
C.C.「ああ、…生きている。 お前は、こうして生きている」
ルル「とりあえずは、この優しい世界で余生を楽しむとしよう」
~とあるのどかな農道にて~
女「……」
男「……」
女「ギアスという名の王の力は、人を孤独にする」
男「……」
女「ふふっ。 少しだけ違っていたな」
男「……」
女「なぁ、ルルーシュ」
男「……ふん」
―END―
C.C.かわいかった
Entry ⇒ 2012.09.12 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
デスガイド「右手に見えますのは精気を吸う骨の塔…キャァッ!?」
TOUR BUS「いや…ちょ、落石があったのか車輪が乗り上げちゃった」
デスガイド「えぇー!?どうするんですか!こんな所で!」
デスガイド「来るべき10月の為に、こうして1人寂しく日本語ガイドの練習してたのに…」
TOUR BUS「ゴメン、俺まだ日本じゃ出ないからモチベーション上がらなくて…」
デスガイド「ちょ、初耳なんですけど!」
TOUR BUS「いや…言ったら怒るじゃん?」
デスガイド「当たり前じゃないですかー!どうするんですか!こんな所で立ち往生なんて…」
TOUR BUS「住人に説明するしかないんじゃないかな」
場所:アンデットワールド
TOUR BUS「そうだね、アンデッドじゃなくてアンデットだね」
デスガイド「誤植ネタは結構です!…アンデットって…正直、あんまりいい印象ないんですけど…」
TOUR BUS「なんで?」
デスガイド「いや、なんか頭悪そうだし…見境無く襲って来て食べられそうな…」
TOUR BUS「あー、確かにそういうイメージあるわ」
TOUR BUS「でも此処にはそいつらしかいないぞ?」
デスガイド「うぅ…石をどかせるのにどれくらいかかりそうですか?」
TOUR BUS「まぁどんなに頑張っても丸1日はかかっちゃうかな」
デスガイド「オウフ…」
TOUR BUS「おいおい、ATK1000が笑わせてくれるよwwww」
デスガイド「アナタもATK1000じゃないですか!棚上げしないでください!」
デ・ザード「?もし、そこの」
デスガイド「うひゃい!?」
デ・ザード「この辺りは地盤が弱くなっている、あまり長時間居ない方がいい」
デスガイド(ひ、ひぃい…!アンデット族の……あれ?)
デスガイド「アンデットじゃ…ない?」
デ・ザード「ふむ、私は確かに魔法使い族だが…仕えるべき君主は不死王唯1人と定めている」
デ・ザード「どうだね、一先ず安全な場所に移動しないだろうか」
デスガイド「は、はぁ…」
リッチー「ほう、それは災難であったな」
デスガイド(め、メッチャ使われた…あんな高い塔を歩かせる奴があるか…!!)
デスガイド「実はバスが巨石に乗り上げてしまってどうにもこうにも動けず…」
リッチー「ふむ、それは災難であったな…」
デ・ザード「如何でしょう、動けるようになるまで此処で暫し休んでもらっては」
デスガイド「はいぃ!?いえいえ結構です!そんな悪いですから!」
リッチー「む、遠慮する事はないのだぞ?」
デスガイド「え、遠慮じゃありませんし!!」
リッチーロード「王よ、彼女は男達だらけの空間で泊まる事に身を感じているのでは?」
リッチー「おぉ、成程!!」ポン
リッチー「安心するがよい、此処にいる男共は皆枯れておる!」ハッハッハッハ
デ・ザード「枯れ果てすぎて骨でありますからな」
リッチー「ウワッハッハッハッハッハッハ!」バンバン
デスガイド(な、何が面白いんでしょう…!)
パンプキング「ほっ、愛しの妻が居る男が言ってくれるのう」
ワイトキング「ふ、私は妻一筋の男ですゆえ」
キング☆スカル「でもデスガイドちゃんよぉ、こんな骨の家なんざ行きたくねぇよな?」
ワイトキング「骨の塔とて骨でありましょう!」ガタン
蘇生ハ・デス「それだけではない、お前の住居は蜘蛛の巣が張っておろう」
ワイトキング「…何か問題がありましょうか?」
蘇生ハ・デス「汚いわ!!掃除をしろ掃除を!!」
パンプキング「じゃからこうして骨の塔に集まっとるワケじゃからのう」
リッチー「おいお前達!種族違いの客人がいる前で麻雀を続ける無礼はやめよ!」
パンプキング「自分がハコって抜けたからと言って何を当たりちらしとるんじゃwww」
リッチー「むっぎぃー!!」
デスガイド「……あ、あのー…私TOUR BUSの中で寝泊りしますから…」
リッチー「いや待たれよ、客人を追い出したとあってはアンデット王族としての沽券に関わる!」
キング☆スカル「じゃあアレだ、吸血鬼連中の家はどうだ?ヴァンパイア・レディは女だろ?」
パンプキング「屋敷も清潔にじゃしのう」
ワイトキング「こちらを見るのは止めて頂きたいゴースト王!」
蘇生ハ・デス「どうかな…?ヴァンパイア・レディはバイセクシャルと聞いた事があるが」
キング☆スカル「ハハwwじゃあデスガイドちゃん食われっちまうなァ!」
デスガイド「く、食われる!?」ビクゥ
キング☆スカル「おうよ、食われちまうぜぇ?怖ぇだろ?ケッケッケッケ!」
リッチー「スピード王よ!悪戯に客人を怖がらせるでないわ!」
デスガイド「あわわわ…」
蘇生ハ・デス「…あ」
蘇生ハ・デス「ゾンビ・マスターに預けるのはどうだ?」
リッチー「あー…アレも確かに女子であったな」
ワイトキング「忘れておられたのですか…」
リッチー「覚えておるわッ!!」
パンプキング「嘘じゃよ、絶対嘘。嘘ダメ、絶対」
リッチー「ちと記憶から飛んでいただけに過ぎぬ!!」
ワイトキング「ゴホンッ、しかし…ですなぁ…」チラッ
デスガイド「………?」
蘇生ハ・デス「育ちも良さそうで礼儀正しいこの娘を」
キング☆スカル「あの悪ガキに預けるってのか…?」
リッチー「一番住んでいる場所は無難であろう…」
キング☆スカル「…まぁ…」
デ・ザード「委細承知」ザッ
リッチー「というワケじゃ、これからお主にはゾンマスの所へ行ってもらう」
デスガイド「えぇ!?ちょっと!別に私は…」
リッチー「安心するがよい、皆気のいい連中ばかりでな」ニコッ
リッチーロード「ニコッとしておりますが、骨ゆえ分かりませぬぞ」
リッチー「おぉ!そうであった!!」ハッハッハッハッハ
デスガイド(だから全然笑いのツボが分からない…!!)
……………
………
…
ゾンマス「クソ面倒臭ぇ…」
龍骨鬼「何言ってんだよ…超役得じゃねーか!!女の子泊められるなんて!!」
ゾンマス「俺にはなーんの得もねぇよボケ!!」
龍骨鬼「俺に言われても困るって言うかー、不死王に言ってほしいって言うかー」
ゾンマス「その間の抜けた喋り方やめろクソッタレ!!」ゲシッ
龍骨鬼「あーもちょっと右、右の後頭部お願いしまーす」
ゾンマス「ッ…このこの!バカ!バーカ!バァーッカ!!」ドガドガドガッ
龍骨鬼「あーATK1800の頭皮マッサージ気持ちいいわー…」
ゾンマス(疲れた……)ハァハァ…
デスガイド「あ、あの…」
ゾンマス「あ゙?」
龍骨鬼(ウホッ!いい悪魔…)
デスガイド「やっぱり…迷惑ですよね…?」
ゾンマス「…………チッ」ボリボリ
ゾンマス「いいよ、別に。狭いけど文句言うんじゃねぇぞ…」
デスガイド「はい?」
ゾンマス「…いや、乗れよ。コイツの上に」クイクイッ
龍骨鬼「そうそう、俺の背中に股を開いて跨r」ドムッ
ゾンマス「それ以上喋るんじゃねぇこのクソ強姦野郎!!」
龍骨鬼「もごっふ!上唇を引っ張るな上唇を!!」
デスガイド「あのー…ほ、本当に乗るんですか?」
ゾンマス「早くしろっつってんだろボケ!!」
デスガイド「ひ、ひぃっ……!」ビクゥ
ゾンマス「……。その代わり、頭は俺の特等席だからお前その後ろな」
デスガイド「は、はい…」イソイソ
龍骨鬼(ふぁっふぁー!!役得役得!!!)
龍骨鬼「よォ、馬頭鬼」
ゾンマス「よォ馬頭鬼」ニタニタ
馬頭鬼「おぉ…お前らホントにセットだよな」
ゾンマス「いやいや、今日はトリオなんだぜ?ほら、出て来いよ」グイッ
デスガイド「ど、どうも…」
馬頭鬼「」
馬頭鬼「惚れた」
ゾンマス「ぶっふwwwww」
馬頭鬼「あ、新しいアンデットの方ですか!どうもっす!俺、馬頭鬼って言います!!」ズザザッ
デスガイド「ど、どうもです…デスガイドです、あと…悪魔族です」
馬頭鬼「!!?こ、効果は!効果はアンデットと関係ありますか!?」
デスガイド「ないです…」
馬頭鬼「」
ゾンマス「ひゃっひゃっひゃっひゃwwwは、腹痛ぇwwww」
龍骨鬼「ヴァンパイア・レディとかワイト夫人とかゾンマスがいるじゃん」
馬頭鬼「誰一人として『おにゃのこ』って感じがしねーよ!!」
ゾンマス「別にまんま『女の子』が来たってテメェにゃ靡かねぇっつーの」ケラケラ
馬頭鬼「分からないだろぉ!分からないだろぉー!!」
デスガイド「あの…よく分かりませんけど…頑張って下さいね!」
馬頭鬼「LP4000 → LP0」トゥトゥトゥトゥトゥ…ティトゥン
ゾンマス「うっは!オメェ結構えげつねぇなァ、ガイドちゃんよォ」ニヤニヤ
デスガイド「え、えぇ!?」オロオロ
龍骨鬼「お前らどっちもド悪党だよ…ホレ、お前の家着いたぞ」
ゾンマス「おーう、ご苦労ご苦労」
デスガイド「は、はい…」ヨイショヨイショ
龍骨鬼「なぁなぁ、俺も入っていい?」
ゾンマス「はぁ?テメェ入れたらますます家が狭くなっちまうじゃねぇかよ」
龍骨鬼「いいじゃねーかよ、別に減るモンじゃねぇだろ?」
ゾンマス「減りはしねぇが狭くなるンだよ、馬鹿が!」
デスガイド「あの…そう喧嘩しないで…!」
ゾンマス「別に喧嘩じゃねぇよ、いつもこんなモンだ」
龍骨鬼「そうだな、いつもこんなモンだな」
デスガイド(やっぱりアンデット族怖いです…)
ゾンマス「まぁ来いって、寝床くらいは用意できっからよ」ガチャ
………
…
馬頭鬼「…はぁ、デスガイドちゃん…可愛かったなぁ…」トボトボ
馬頭鬼「龍骨鬼の野郎…あんな可愛い子を背中に乗せやがって……!!」
茫漠の死者「誰が可愛い子だって?」
馬頭鬼「うおぁあッ!?な、なんだよ茫漠かよ…」
茫漠の死者「なぁなぁ、誰が可愛い女の子だって?」
馬頭鬼「うっせーなぁ…悪魔族の可愛い子が来てるんだよ」
茫漠の死者「マジかよ、どうして?」
馬頭鬼「知らねぇけど…今はゾンマスの家に居るんじゃねぇか?」
茫漠の死者「へぇ…見に行ってみようかなー、マジで可愛いの?」
馬頭鬼「マジで可愛いよ、マジで」
死霊「…聞いちゃったぜェ…?」
馬頭鬼「うおっ!?魂を削る死霊!」
死霊「俺が広めに広めてやるぜェ!!」シュバッ
茫漠の死者「うわ、面倒な奴に聞かれたな…」
馬頭鬼「お、おい待て!!どうして居るのかも分からねぇんだぞ!!」
死霊「居る事、それ自体が重要じゃねぇか!なぁ兄弟!」
馬頭鬼「兄弟じゃねーよ!!ふざけんな!俺が疑われるんだぞ!?」
茫漠の死者「疑われるも何もお前が言い出したんじゃねぇか」
馬頭鬼「そりゃそうだけど!!」
死霊「諦めろ!兄弟ィ!!」シュババババッ
馬頭鬼「だから兄弟じゃねーっつってんだろぉぉお!!」
……………
………
…
ゾンマス「けっ、殺風景なだけだぜ」
デスガイド「え?…そ、そうでしょうか…」
ゾンマス「つーかその敬語を止めろ、俺ァ慣れてねーんだよ、その敬語ってのに」
デスガイド「そ、それは…申し訳ありません…」
ゾンマス「やめろっつってんだろ!分からねぇのか!!」
デスガイド「ひっ…」ビクリ
ゾンマス「…………」
ゾンマス「…チッ、悪かった!悪かったよ…!」
デスガイド「あの…やっぱり迷惑ですよね?」
ゾンマス「………」チラッ
デスガイド「………?」
ゾンマス「そんな事ねぇって。…今から予備の布団持ってくるからよ」
ゾンマス「…………」ガサゴソ
ゾンマス「…………」ガサゴソ
ゾンマス「…可愛いなァ、あの子…」
ゾンマス「女の子っぽい恰好してっからかな?いや、でも顔立ちもかなり…」
ゾンマス「……髪の毛もサラサラだったな…」
ゾンマス「じゃあ俺は?…服装も素っ気無ぇ、髪の毛は整えてねぇし」
ゾンマス「…そもそもバリバリに硬いしなー、髪の毛…」
ゾンマス「…………」ハァ
デスガイド「あのー、準備手伝いますか?」ヒョコ
ゾンマス「ひゅい!!?テ、テメェ急に入って来るんじゃねぇよ!!」
デスガイド「ひぃ!すみませんすみません!!」
ゾンマス「敬語やめろォ!!」
デスガイド「すみませーん!!」
デスガイド「でも…」
ゾンマス「俺は他人の家に行ったらなーんにもしねぇぜ?客として当然のように振舞う」ケケケ
ゾンマス「だからテメェもそれでいいんだよ、分かったかタコ」
デスガイド「ううぅ…タコかボケかどっちかにしてください…」
ゾンマス「んじゃボケタコだ、1つンなったろ」
デスガイド「まとまっただけじゃないですか!!」
ゾンマス「にひひひひひひ!!…ん?」
デスガイド「どうしました?」
ゾンマス「…なんか…地鳴りが聞こえねぇか?」
デスガイド「へ?」
ゴブゾン「可愛い女の子は何処だぁー!!」
黒騎士「ゾンマスちゃんの家に居るって話っすよゴブリン・ゾンビ先輩!でもゾンマスちゃんもかわいっすよね!!」
ゴブゾン「おうよ闇竜の黒騎士!ただしゾンマスは性格が最悪だ!!」
黒騎士「えぇー!そこがいいんじゃないっすか!!」
再生ミイラ「逞しすぎるよお前!!」
不乱健(女……!女………!!)
黒騎士(つーかコイツ、誰っすかね…)
~・~・~
ゾンマス「うわぁなんか来るよなんか来る、アホな男共が」
デスガイド「ひえぇ…」
デスガイド「ゾンマスさん!あんな量一度に相手できませんよ!!」
ゾンマス「え……?1人なら大丈夫なの…?」
デスガイド「え、えぇ…1人くらいならあしらえるかと…」
ゾンマス「あ、あぁ!そういう事な!!」
ゾンマス(やべぇやべぇ、実はヤり手なのかと思っちまった…俺の馬鹿…)
デスガイド「?」
ゾンマス「しゃーねぇなァ…追い出すか…おい、そこの本棚からそれ取ってくれ」
デスガイド「?これですか?」
ゾンマス「あぁそっちじゃねぇよ、その右だ」
デスガイド「これですか?お、重っ……!なんですかこの本…!」
ゾンマス「んー…」
ゾンマス「生者の書だ」
デスガイド「えぇー…」
ゾンマス「んん…アロロロ ホロロウ アロロ ロロカロア…ア、アールニーロ…アルル エリ…」
デスガイド「なんか最後人名じゃありませんでしたか!?」
ゾンマス「エロイムエッサイム!!」ズアァアッ
デスガイド「きゃぁああー!?」
~・~・~
黒騎士「な、なんすかアレ!!」
ゴブゾン「うぐぉお!?」
絶望「突如として闇より出だしました」ズモオォオオ
再生ミイラ「ぜ、絶望さんだァー!!」
リターン・ゾンビ「俺達が100回死んでも勝てやしねぇ!!」
絶望「ダメだよー、こっちに来ちゃダメ…ん?」
不乱健「……通せ…!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
絶望(参ったねぇ…あの不乱健って子、僕のATKとDEFどちらでも太刀打ちできないじゃないか)
絶望「でもねー、僕もゾンビ・マスターちゃんに生者の書で呼ばれた手前後には引けないんだよね……!!」ゴォォオッ
不乱健「俺、女の子、会う…!!お前、倒す……俺も、引けない………!!」ズオォォオオッ
ドゴォォォォオオオ…ン……!!
絶望「…グフッ……!!」ズッシャァア
ゴブゾン「ぜ、絶望先生が!!」
再生ミイラ「押し負けた!?」
不乱健「ウォォオオオオオオオッ!!!」ダッダッダッダッダ
ゾンマス「う、うわ!来ちまった!!」
デスガイド「ひぃいい!!?」
不乱健「デ、デスガイド!俺と!付き合っt」
デスガイド「無理です」
不乱健「」
ゾンマス(あ、前より食い下がらなくなってやがる)
デスガイド「えぇー…」
再生ミイラ「お、俺からもお願いします!こいつゾンマスにもガガガ・ガールにも振られて傷心なんです!」
デスガイド「えぇ!?そ、そうなんですか…?」
ゾンマス「………あー、どうだったろ…」視線ソラシ
ゴブゾン「女の子と仲良くなるって不乱健じゃなくフランケン・シュタインからのこいつの夢なんです!」
ピラタ「俺からも頼むよ!ゾンマス、ほらお前も!!」
ゾンマス「んな!?なンで俺が巻き込まれてんだ!勝手にドガドガ家の中入ってきやがって!」
ワイト「アタシからもお願いです、こいつに希望を持たせてやってくだせぇ!」
王族親衛隊「デスガイド殿!どうか不乱健氏にお慈悲を!!」
デスガイド「え、えぇー……じゃあ、お友達から…」
下級アンデット「うおおおぉぉぉおぉおおおおー!!」
不乱健「お、おお…おおぉぉおお…!!」
さまようミイラ「俺も居るぜ!」シュバッ
ピラタ「何処彷徨ってたんだよお前」
不乱健「お、お前ら…優しい…!」グスッ
ゴブゾン「なに言ってんだ不乱!水臭いぜ!…で」
デスガイド「え?」
ゴブゾン「こいつと友達になっておいて俺等とは友達にならないって事はないんでしょ?」
デスガイド「え?え??」
黒騎士「あー、そうっすね、そりゃそうっすね!マジっすね!!」
再生ミイラ「あるわー、そういうのってあるわー」
デスガイド「え、ええええ!?」
さまようミイラ「じゃあそういうワケっどへ!?」ゲフゥッ
ゾンマス「そこまでにしとけテメェ等……」ゴゴゴゴゴゴゴ
下級アンデ「ひぃ!?」
黒騎士「いやゾンマスちゃんも下級アンデットじゃないすか!」
ゾンマス「俺はいいンだよ俺は!!」ドゲシッ
黒騎士「ご褒美キマシタワっす!!」ドゴホォ
ゾンマス「つーか別に永住するワケじゃねぇんだよデスガイドは!!さぁ帰れ帰れ馬鹿共!」
ゴブゾン「ちぇー、折角可愛い女の子がアンデットワールドに来ると思ったのになぁ」
ゾンマス「来るのはペインペインターだ、せいぜい嘆けアホ」
ハーヤレヤレ
帰リニファミレス寄ロウゼ
暑イワー、プールトカ行キテェー
ゾンマス「はぁ…行ったか…」
デスガイド「…あ、嵐みたいな人達ですね…」
ゾンマス「そうかァ?あんなモンだろ」
デスガイド(アンデット族はやっぱり過激なんですね…)
ゾンマス「……でもオメェ、マジで可愛いよなぁ…」
デスガイド「え?」
デスガイド「可愛いと…思いますよ?」
ゾンマス「へっ、バーカバーカ」
デスガイド「んな、なんでですか!本当の事を言ったのに!!」
ゾンマス「俺はそういうんじゃねーんだよ」
デスガイド「じゃあどういうのなんですか!」
ゾンマス(…どういうのなんだろ…)
ゾンマス「とにかく、布団敷いたから夕飯にしようぜ、なぁ?」
デスガイド「むー…」
ゾンマス「そんなムクれんじゃねぇよボケ、色々話しようぜ?」
ゾンマス「なんせテメェはガイドらしいからなァ、さぞかし旅して回ってんだろォ?」
………
…
レディ「というワケで、ゾンマスちゃんの家に行きましょぉ?」
ロード「…何が『というワケ』なのかね、レディ」
レディ「嫌だわぁ、天下のヴァンパイア・ロード様がそんな事もお分かりにならないの?」
ロード「その妻のヴァンパイア・レディが堂々と浮気をしようとしているのだが」
レディ「浮気じゃないわよぉ、私は決して浮ついた気持ちで女の子を手篭めにしたりしないもの」キリッ
ロード「キリッではないよ、キリッでは」
レディ「いいじゃなぁい、ケチな旦那様ねぇ」
ロード「普通だと思うがね」
銀ゾンビ「てか普通に屋敷の外に出ないでくだせぇ…」
ロード「おや…青眼の銀ゾンビ、居たのかね」
レディ「夫婦のいちゃこらを出歯亀はよくないわねぇ」クスクス
銀ゾンビ「それなら見えない所でやってくだせぇや!!」
レディ「貴方だってご存知でしょう?」
ロード「海外では随分と暴れたという話は聞き及んでいるよ。だが我々アンデットとは無縁な力だ」
レディ「そんな事無いわよぉ、今は誰がどんな悪用方法を考えるか分からないんだから」
ロード「…その辺りの話はプレーヤーにお任せするとするよ」
銀ゾンビ「あっしらOCG組には関係のねぇ話ですからね…」
レディ「ねぇねぇ、会いに行きましょうよぉ」
ロード「明日にはバスの調子も良くなるだろう。その時の見送りで顔を合わせればいいのだよ」
レディ「もう!本当ケチね!」ムスゥ
ロード「そんな顔をしてもダメだ」スッ
レディ「あんっ…もう、顔が近いわよ…」
銀ゾンビ「あーもー部屋ん中でやってくだせぇよ…」
黒い貴族「盛んですなカース・オブ・ヴァンパイア殿」
カース「そうですなぁノーブル・ド・ノワール殿」
銀ゾンビ(ほら見られてるし)
………
…
ゾンマス「へぇ、暗黒界って場所があんのか」
デスガイド「はい、皆さん顔は怖いんですが凄くいい人達なんですよ」
デスガイド「ジェノサイド・キング・サーモンの卵を取りに行くのに全員が力を合わせて…」
ゾンマス「卵でかよwwww」
デスガイド「サーモンを討ち取れる暗黒界の方は極少数らしいのです…」
デスガイド「特に狩人のブラウさんって方と仲良くなりまして…えへへ!」
ゾンマス「んだよ、惚れてんのかァ?」ケケケケ
デスガイド「そ、そういうんじゃありません!!」
ゾンマス「あーそーでーすかー」
デスガイド「もう!ゾンマスさん!!」
ゾンマス「へぇー」
デスガイド「魔轟神という方々らしいのですが…あまりにも紛争が絶えないので、近々停戦協定を結ぶとか」
ゾンマス「どこも大変だなァ、オイ」
デスガイド「アンデットの方々は争いは…?」
ゾンマス「別に何もねぇよ、俺達はただ生き返って馬鹿やっての繰り返しだからな」
ゾンマス「そりゃ戦う時もあるが…別に死んだりしねぇから真面目にやらねーしよ、ケケ」
デスガイド「ほへー…」
ゾンマス「昔はハ・デスのおっさんは敵勢力だったみてぇだけど…」
ゾンマス「裏切りにあって、アンデット側に着いたんだよ」
デスガイド「あれ?裏切ったのってもしかして深淵の冥王さんですか?」
ゾンマス「知ってるのか?」
デスガイド「えぇ、あの人とも割りと仲がいいので…」
デスガイド「え、えぇえ!?」
ゾンマス「『受けよ我が新たなる奥義!デストラクト・ポーション!』とかなんとか言ってやがったぜ」
デスガイド「い、嫌ですよ!そんなの喰らいたくありません!」
ゾンマス「じゃあ黙ってた方が無難だ。………」
ゾンマス「でも俺が言っちまうかもしれねぇなぁ、ひゃっひゃっひゃww」
デスガイド「ゾ、ゾンマスさーん!!」
ゾンマス「ひっひっひっひっひ…!オメェからかい甲斐あるよ、俺が保証してやんよ」
デスガイド「ひ、酷いですー!!」
ゾンマス「知ってるぜェ?ケケケケケケ!!」
ゾンマス「!…………」
デスガイド「…ゾ、ゾンマスさん?」
ゾンマス(女扱い…された時…アレは…)
ゾンマス「嫌だったなぁ…」
デスガイド「え?な、何がですか?」
ゾンマス「俺は別に女らしくなりたいとも思ってねぇし、女扱いがいいとも思ってねぇよ」
ゾンマス「ただ馬鹿共と一緒に馬鹿がやれりゃそれでいい、分かるか?」
デスガイド「…うーん……」
デスガイド「確かにそれは本心っぽいですけど…」
ゾンマス「本心に決まってんだろ、バーカバーカ!」
デスガイド「『服装も素っ気無ぇ、髪の毛は整えてねぇし…そもそもバリバリに硬いしなー、髪の毛…』」
デスガイド「と言って落ち込んでいたのも本心ですよね?」
ゾンマス「ブフッ!!!」
デスガイド「んぎゃぁ!お米飛ばさないでくださいお米!!」
ゾンマス「つーか言ってねぇし!捏造すんじゃねぇクソッタレ!!」
デスガイド「ちょ、苦しいです苦しいです!あと『いつ聞いてた』と言った後に『言ってない』は無理があります!」
ゾンマス「あっ」
ゾンマス「と、とにかく俺は知らねぇよ!!」
デスガイド「具体的に言うとお布団を用意していt」
ゾンマス「あーあー!聞こえねぇー!なんも聞こえやしねー!!」
デスガイド「恥ずかしい事じゃないですよ?」
ゾンマス「俺にとっちゃあ裸を見られる以上に恥ずかしい事なんだよボケ悪魔!!」
デスガイド「そうなんですか?じゃあ、裸見せてくださいよ」ガシッ
ゾンマス「え?ちょ、…いやいや嘘嘘、冗談だからちょっと待ってマジでごめんマジで…!」
デスガイド(思った通り…)
デスガイド(ATK1800ですがDEFが0の為…)
デスガイド(ゾンマスさん、押しにめっちゃ弱いです…!)
ゾンマス「オメェ馬鹿か!?食われてたまるか!つーか見ても楽しくねぇよ!胸そんなでかくねぇし!!」
デスガイド「胸、ですか…」
デスガイド「ふふ」ドヤァ
ゾンマス「てんめぇええ……!!」プルプル
デスガイド「でかくないって言うより、ほぼ無いですよね?」
ゾンマス「あるわボケェ!!A寄りのBだよ文句あるかクソッタレ!!」
デスガイド「うはぁ可愛らしい☆」
ゾンマス「ッ~~~~~!!テメェでてけ!寝床没収!もう知らねぇ!!」
デスガイド「嫌ですよーっと!」
ゾンマス「くォのッ…クソ女ァァア……!!」
~・~・~
ロード「楽しそうにやっているではないかね」
レディ「…………」カシャカシャカシャカシャカシャカシャ
ロード「もう写真を撮るのはやめたまえよ…」
デスガイド「ねぇゾンマスさん」
ゾンマス「ん?なんだ?」
デスガイド「本当に私の髪の毛がサラサラで羨ましかったんですかー?」
ゾンマス「うっせうっせ!バーカ!!」
ゾンマス「……そうだよ」
デスガイド「…ふっふっふっふ…」
ゾンマス「テメェ何がおかしいんだコラ…!」
デスガイド「そうやってふとした時に見せる女の子っぽい所で、きっと他のアンデットさんはメロメロですよ!」ガバチョ
ゾンマス「はぁ?馬鹿を言うな…って、くっつくな暑ィ!!まだまだ夜中も猛暑だよクソッタレー…!!」
……………
………
…
よ く じ つ 。
デスガイド「スースー…スースー…」
ゾンマス「んん~…ッ!シャワーでも浴びて寝汗流すか……」
デスガイド「では私も」ススッ
ゾンマス「ギャァアッ!?テ、テメェ起きてたのかよ!!」
デスガイド「シャワー浴びるんですよね?私も寝汗かいちゃいました」
ゾンマス「一緒に入るワケねぇだろ!!このボケ悪魔!!」
デスガイド「あれあれ?いいんですか?そういう事言うとサラサラへの憧れを皆さんにバラしますよ?」
ゾンマス「テメェ…最初は俺等アンデットにビビってたくせになんだその態度の変わり様は…」
デスガイド「慣れというやつですね!」
ゾンマス「クソ迷惑だぜバッキャロウ…」ゲンナリ
デスガイド「同性同士で恥ずかしがる事なんてありませんよー?」
ゾンマス「ある!少なくとも俺ァあるんだよ!」
―ガラガラッ
龍骨鬼「オーッス、ガイドちゃんはおるかねー?」
ゾンマス「助かったぜ龍骨鬼…後でフォーチュンレディの里行こうな…」
龍骨鬼「うわっほーいマジで!?とりあえずおはよう!!」
龍骨鬼「まぁそれはともかくとして!TOUR BUSが乗り上げた岩の撤去終わったらしいぞ!」
デスガイド「え、ホントですか!?」
龍骨鬼「うん、マジマジ。いつでも出発できるってよ」
デスガイド「うーん…」チラッ
デスガイド「もう一泊しちゃおっかなー」
ゾンマス「帰れ!」
デスガイド「酷いですゾンマスさん…昨日はあんなに抱き合って…」
龍骨鬼「え?」
ゾンマス「誤解を生む言い方すんじゃねぇ!」
ゾンマス「テメェも鼻の下伸ばしてんじゃねぇよコラァ!!」ドガスッ
龍骨鬼「痛くありませーんwwwww」
ゾンマス「あぁあああああ昨日ッからイライラが全然取れやしねぇえ…!!」
ゾンマス「悪魔族だったテメェを呪うがいいぜ」
デスガイド「いや、別に呪いはしないですが…およ?」
龍骨鬼「おー、総出でお見送りか」
黒騎士「どうっすか!どうっすか真紅眼の不死竜さん!マジかわいくねっすか!?」
不死竜「だから俺は人型じゃ欲情しねーんだって。なぁバーサーク・デッド?」
バーサーク「俺に言うんじゃねぇよ」
ワイトメア「おやおや、あれは確かにお美しい方ですな」
レディ「デスガイドちゃーん!初めましてー!」ブンブン
ロード(此方は一方的に会いに行っているがね…)
デス・ラクーダ「ブルルゥン」
ネクロフェイス「バーブー!バブバブー!」
酒呑童子「おーよしよし…」
デスガイド「1日振りです!いつでも発進できますか?」
TOUR BUS「大丈夫そうだね、全速前進ってやつさ!」
デスガイド「そうですか…では、気を取り直して行きましょう!」
デスガイド「ゾンマスさん…改めて本当に有り難う御座いました」
ゾンマス「んな…何を畏まってやがんだいきなり…」
デスガイド「…顔、赤くなってますよ?お礼言われなれてないんですか?」
ゾンマス「う、うるっせェ!!バカボケ!タコ!!」
ゾンマス「……………」
ゾンマス「……またな」
デスガイド「はい!精気を吸う骨の塔は観光名所ですから!ガイドコースですしまたきっと会えますよ!」
デスガイド「その時はまた泊めてくださいね!」
ゾンマス「嫌だよバーカ」
デスガイド「いつでもどうぞ、という意味で受け取っておきまっす!」
ゾンマス「ざっけんな!!」ギャーギャー
龍骨鬼「元気でなーデスガイドちゃーん!」
不乱健「俺、ずっと友達…!」
ゴブゾン「ゾンマスとどんな会話したか教えろー!!」
馬頭鬼「後でゾンマスの弱点とか教えてくれー!!」
ゾンマス「黙れー!!」
デスガイド「それでは皆さん!!」
デスガイド「またお会いするその時まで!!」
ブロロロロロォォォー…
龍骨鬼「…行っちまったなー…」
ゾンマス「…………」
ゾンマス「…ありがと、楽しかったよ…」
……………
………
…
クリッター「アンデットって怖い場所ってイメージがあるんですけど」ハイハーイ
デスガイド「そんな事はありませんよ、暗黒界の方々も怖いと一般的に言われていますが、そうでないでしょう?」
ダーク・リゾネーター「それはそうだけど、頭悪そうじゃないかー?」
デスガイド「それも偏見です、皆さんホントにいい人達ばかりですし…」
デスガイド「私も沢山の友人がおります!!」
フレア・リゾネーター「え、そうなんですか?」
デスガイド「はい、それはもう!…あっと…、」
デスガイド「さぁ、右手を御覧くださーい!」
デスガイド「右手に見えますのは精気を吸う骨の塔…キャァッ!?」
ドガンッ!!
クリッター「うわぁ!?な、なになに!?」
TOUR BUS「いやーゴメンゴメン…なんかまた乗り上げちゃったみたい…」
デスガイド「えぇー!?」
ダーク・リゾネーター「なんだなんだ?」ゾロゾロ
フレア・リゾネーター「どーしたんだぁ?」ゾロゾロ
……………
………
…
ゾンマス「…………」
デスガイド「お久し振りです」ニヒッ
ゾンマス「…………」バタン
デスガイド「あぁ!ちょっと!酷いですゾンマスさん!開けてくださーい!」
デスガイド「私だけわざわざ他の観光客とは別に「ゾンマスさんの家でお願いします」って言ったんですよー!」ガチャガチャ
ゾンマス「ざーけーんーなーよーもーう!!」
デスガイド「…クスン、さすがにアンデットワールドで野宿する勇気はありません…」さめざめ
デスガイド「お腹空いたよぅ…」
デスガイド「…………」チラッチラッ
―ガチャリッ
ゾンマス「…入れよクソッタレ……」バリバリ
デスガイド「!」
デスガイド「では!お邪魔しますゾンマスちゃん!」
ゾンマス「『ちゃん』付けするんじゃねェッ!!」
-・-・-
デスガイド「右手に見えますのは精気を吸う骨の塔…キャァッ!?」
おしまい。
無限ループってこわくね
Entry ⇒ 2012.09.11 | Category ⇒ 遊戯王SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
皇帝「ど、ど、ど、ど、童貞ちゃうわ!」
皇帝「ど、ど、ど、ど、童貞ちゃうわ!」
側近「どうしたんですか、いきなり」
皇帝「今、俺に向かって、童貞といっただろう!」
側近「童貞ではなく、皇帝陛下と申し上げたんですよ」
皇帝「あ、そうだったのか……すまんな」
側近「いえいえ」
側近「でも皇帝陛下って──」
側近「童貞ですよね」
皇帝「童貞っていった方が童貞なんだぞっ!」
側近「残念ながら、私はもう捨てました」
側近「妻も子もいますからね」
皇帝「ぐぬぬ……」
側近「まあまあ、落ち着いて下さい」
側近「陛下は先代である父君がご病気で退位されて即位されましたから、まだお若い」
側近「お世継ぎのことを考える時期もないですし、焦ることはありませんよ」
皇帝「父を含め、歴代皇帝は成人する前に童貞を捨ててきたと聞く」
皇帝「──が、俺はすでに成人の儀式をしたが未だに童貞だ」
皇帝「このままではマズイ」
皇帝「今のうちに捨てておかないと、ズルズルいってしまう気がするのだ」
側近「ならばせっかく皇帝の座にあるのです」
側近「権力を行使して、女性を城に呼び寄せてはどうです?」
側近「例えば隣国の王は、正妻や側室など、幾人もの女性と交わってますよ」
側近「なぜです?」
皇帝「こちらから女性を呼び寄せたら、俺がリードしなければならないだろう」
皇帝「未経験である俺に、そんな大役を果たせるハズがない!」
側近「だったら──」
側近「ボク童貞なんで手取り足取り教えて下さい、っていえばいいじゃないですか」
側近「なにせ国で一番偉いんですから、きっと優しく教えてくれますよ」
皇帝「ダメだ!」
皇帝「そんなの……みっともなさすぎる!」
側近「いいソープを紹介しますよ」
皇帝「ダメだっ!」
側近「どうしてです?」
皇帝「なにしろ、一生に一度のことだ」
皇帝「できればプロは避けたい……!」
側近「強いこだわりがあるんですね」
皇帝「うむ……」
皇帝「最近読んだ恋愛小説にこういうのがあった」
皇帝「ある国の王子が、身分を隠して町を歩き回るのだ」
皇帝「そこで王子は町民である美少女と出会う」
皇帝「身分のちがい、城内の権力闘争、さらには迫りくる敵国──」
皇帝「さまざまな試練が二人を襲うが」
皇帝「二人はみごと結ばれ、幸せになるという内容だ」
側近「その小説がどうかしたのですか?」
皇帝「まだ分からんのか?」
皇帝「俺は──ああいうのがやりたいんだよっ!!!」
側近(だいぶこじらせてるな、この人……)
側近「もしかしたら、小説のようないい出会いに恵まれるかもしれませんよ」
側近(ま、ないと思うけど)
皇帝「おお、ナイスアイディアだ!」
皇帝「よぉし……」
皇帝「さっそく召使に命じて、庶民っぽい服を集めさせるか」
女召使「よいしょ、よいしょ」
女召使「町で買ってきた服をお持ちしましたです!」ドサッ
女召使「ご命令通り、なるべく庶民的な服を選びました!」
皇帝「うむ、ご苦労」
女召使「しっかし、皇帝陛下ともあろう方がこんな服をどうするんですか?」
皇帝「着て、城下を歩いてくる」
女召使「なんのために?」
皇帝「童貞を……捨てるためだ!」
女召使「ほうほう」
皇帝「──どうだ?」
女召使「おぉ~似合ってますよ! かっこいいです!」
皇帝「うむ、そうか」ニヤッ
皇帝「よし、では出かけるとするか」
女召使「陛下、一言だけ」
皇帝「なんだ?」
女召使「陛下は立派な方です。童貞がどうとか、あまり気にすることないですよ」
皇帝「嬉しい言葉だが、そうもいかぬ」
皇帝「皇帝が童貞では格好がつかないからな」
皇帝「では行ってくる」ザッ
女召使「頑張って下さい!」
皇帝(ふ~む、見慣れているハズなのに、庶民として来ると雰囲気がちがうな)
皇帝(せっかく変装しているのだ)
皇帝(童貞を捨てる前に、俺が民にどう思われているか聞いてみるか)
皇帝「おい、そこの」
町民「ん、なんだよ」
皇帝「数年前、この国の皇帝が代替わりしただろう」
町民「ああ、したな」
皇帝「どう?」
町民「皇帝なのにえらぶってないし、政治もしっかりやってるし」
町民「先代が倒れられた時はどうなるか心配だったけど、あの方なら大丈夫だろ」
皇帝「ハハハ、照れるな」
町民「いや、別にアンタは褒めてないよ」
皇帝「あ、そういえば、そうだったな」
皇帝(ほっ、評判がいいみたいでよかった……)
町民「ただ──」
町民「童貞なのが玉にキズだけどな!」
皇帝「え!?」
町民「なんだよ」
皇帝「な、なんで皇帝が童貞……と知ってるのだ?」
町民「なんでって、常識じゃん」
皇帝「え!?」
町民「城下じゃ、だいぶ広まってるよ」
皇帝「え、え!?」
町民「というか、城下じゃ知らない奴はいないんじゃないかな」
皇帝「え、え、え!?」
町民「下手すりゃ子供だって知ってるかも……」
皇帝「え~~~~~っ!?」
女「皇帝はすばらしい方よ、童貞だけど」
老婆「陛下はええ男じゃなぁ、童貞じゃがのう! ひょっひょっひょ!」
中年「皇帝陛下? 童貞だが、いい君主だと思うぜ」
旅人「色んな国を見てきたが、彼はまちがいなく名君だね。童貞ではあるけどね」
幼女「陛下はえらくって、かっこよくって、チェリーなんだよ」
主婦「皇帝陛下っていい人だけど、雰囲気が童貞っぽいわよねえ」
少年「俺も大きくなったら、皇帝みたいな“どうてい”になるんだ!」
オカマ「皇帝陛下っていい男よねえ、童貞らしいし狙っちゃおうかしら」
皇帝「──どういうことだ、これは!?」
側近「今この国は平和ですし、こういう醜聞が流布しやすいのでしょうね」
側近「まあいくら隠しても、皇帝が童貞なのは事実ですし」
側近「君主としては評価されてるようですし、よかったじゃないですか」
皇帝「よくない!」
側近「民が君主に親近感を持つというのはいいことですよ」
皇帝「親近感ってレベルじゃないぞ!」
皇帝「くっそぉ~……! どうしてこうなったんだ……!」
皇帝「俺を童貞呼ばわりする者は、いっそ罰してやろうか」
側近「皇帝侮辱罪、でですか?」
皇帝「いや、国家機密漏洩罪でだ」
側近「もう国家機密でもなんでもないですよね」
皇帝「うわぁ~~~~~っ!」
皇帝「性質やら業績やらを反映して“~帝”と名を冠せられるだろう」
側近「お父上である先代は、慈悲深い方ですので“慈帝”」
側近「先々代は農業に力を入れたので“農帝”といった具合ですね」
皇帝「うむ、それで少し思ったんだが」
皇帝「もしかしてこのままいくと、俺は“童帝”にされてしまうのでは……」
側近「童帝……ぷっ」
皇帝「笑うな!」
側近「いいじゃないですか、絶対歴史に残りますよ……ぷぷっ」
側近「ぷぷっ、ぶっ! ど、童帝……ぶふっ! ふふふっ!」
皇帝「笑うなぁぁぁ!」
皇帝「はぁ……」
女召使「どうでしたか?」
女召使「童貞、捨てられましたか?」
皇帝「いや……色々あってな。結局捨てられなかった」
女召使「そうですか……」
皇帝「だが、俺は諦めてはいない! いつか必ず……捨ててみせる!」
女召使「さっすが陛下です!」
皇帝「ありがとう」
皇帝「もし捨てられたら、真っ先にお前に伝えるからな」
女召使「はい!」
皇帝(こうなったら、あんまり気が進まないが父上に相談してみるか……)
皇帝「父上」
先代「どうしたのじゃ、童貞息子」
皇帝「うぐっ」ピクッ
皇帝「いきなりそれですか、あなたのどこが慈悲深いのか理解に苦しみます」
先代「事実をありのままにいってやるのも、慈悲というものじゃよ」
先代「ほっほっほ」
皇帝「くっ……」
皇帝「まあいいです。ここに来たのは他でもありません」
皇帝「どうすれば童貞を捨てられるか、相談に来たのです」
先代「お前、まァ~だ初体験は素人がいいとか、ドラマチックに捨てたいとか」
先代「無謀極まりないワガママをいっておるのか」
皇帝「当然でしょう! 一生に一度のことなのですから!」
先代「う~む、まあそうじゃな」
先代「ドラマチックに童貞を捨てたいのなら、やはり押しの一手じゃな」
先代「お前は優秀だが、ガンガン押すというタイプではないからのう」
皇帝「ガンガン押していく……」
皇帝「つまり男らしさに欠けている、ということですか」
先代「う~ん、まあそういうことになるんかのう」
皇帝「……なるほど」
皇帝「父上、アドバイス感謝いたします!」
軍団長「側近殿」
側近「これは軍団長殿、どうかしましたか?」
軍団長「先ほど皇帝陛下が、甲冑を借りに来られたのですよ」
側近「甲冑を……?」
軍団長「なんでも“男らしさの象徴といえば甲冑だ”などとおっしゃられて……」
軍団長「もちろんお貸ししましたが、なにかご存じないでしょうか?」
側近「いや、私はなにも──」
兵士「軍団長!」
軍団長「どうした!?」
兵士「城下町で不審者を捕えたので、報告に参りました!」
兵士「はい、甲冑を着込んで“だれか俺の童貞をもらってくれ”と連呼しておりました」
兵士「幸い、町民に危害を加える様子はなく──というか無視されてました」
兵士「かなり抵抗しましたが、兵数人がかりでなんとか取り押さえました」
軍団長「うむ、ご苦労だったな」
軍団長「新手の変態というやつか。まったく困ったものだ」
側近(まさか……)
皇帝「ハハハ、すまんな」
側近「…………」ギロッ
皇帝「……すみませんでした」
皇帝「男らしく童貞を捨てようと思いまして……」
皇帝「考えに考えた結果、あのような行動に出た次第でして……」
側近「町民に正体がバレてたら大変でしたよ!」
側近「あ~……ったく!」
側近「当分は、童貞がどうとかは忘れて下さい!」
側近「真面目にやっていれば、あなたはまちがいなく良き君主となれるのですから!」
皇帝「はい……」
皇帝「はぁ……」
女召使「陛下、どうしました?」
皇帝「いや、童貞を捨てたい一心で、とんだバカをやってしまってな……」
皇帝「死にたい……」
女召使「なっ、なにをいってるんです!」
皇帝「いや、わりと本気だ」
皇帝「今回の件は、いいきっかけだったかもしれないな」
皇帝「玉座にふんぞり返って、この国の未来に想いをめぐらせていると」
皇帝「たまになにもかもどうでもよくなるんだ」
皇帝「国も、民も、部下も、自分自身さえも──」
皇帝「なにもかも捨ててしまいたくなるんだ」
女召使「じゃあまず、あたしが先に死にます」
皇帝「は?」
女召使「うぅ……っ!」ググ…
皇帝(自分で自分の首を!?)
女召使「うえぇ……」グググ…
皇帝「おい……なにをしているんだ! やめろっ!!!」
皇帝「バカ! なにを考えてるんだ!」
女召使「す、すみません……」
女召使「でも……陛下が本気で全てを捨てるというのなら」
女召使「無能ではありますが、召使であるあたしが第一号になるべきかと……」
皇帝「…………」
皇帝「すまんっ!」ギュッ
女召使「ちょ、陛下!?」
皇帝「俺は間抜けだった」ギュゥゥ…
皇帝「たかだか童貞を捨てられぬくらいで、全てを捨てるなどと!」
皇帝「童貞さえ捨ててないのに、全てを捨てるというのもバカげた話だ」
皇帝「俺は生きる!」
皇帝「生きて必ずや童貞を捨ててやる!」
皇帝「そしてこんな最低男に命を賭けてくれたお前には──」
皇帝「全権を賭して、俺が必ず最高の男をあてがってやる!」ギュゥゥ…
女召使「へ、陛下……」
女召使(ちょっと苦しいけど、気持ちいい……です……)
皇帝「この制度は煩雑すぎる。もう少し簡略化すべきだろう」
皇帝「地方都市からの報告が滞っているな。一度自ら視察してみるか……?」
皇帝「あの地域は慢性的な水不足だ。用水路の開発を急がせろ」
皇帝「盗賊団の動きがだいぶ掴めた。軍団長に討伐隊を組織させろ」
皇帝「なにっ、隣国の王子が結婚しただと!? お、俺より年下なのに……くそっ!」
~
側近「陛下、近頃は今までにもまして政務に励んでおられますな」
皇帝「まあな」
側近「あの事件なら、もう気にすることはありませんよ」
皇帝「ああ、分かっている」
皇帝(──というか、暇をしているとあの事件を思い出してしまうからな)
皇帝(それに……仕事をバリバリやってると部下の能力が見えてくる)
皇帝(女召使をめとるにふさわしい男を、俺が見極めてやる!)
<帝国城>
側近「皇帝陛下、大変です!」
皇帝「どうした?」
側近「地方都市で、反乱が起こった模様です!」
皇帝「反乱……!?」
皇帝「たしかあそこには、行政官を派遣していたな」
側近「はい、行政官のいる役場を徒党を組んだ住民が襲撃したとのことです」
側近「幸い、行政官は手勢とともに逃れてきたため無事でしたが──」
皇帝「……分かった。とにかく、行政官に話を聞いてみるとしよう」
皇帝「反乱が起こったと聞いたが、状況を説明してもらえるか?」
行政官「ははっ!」
行政官「ヤツらは三日前の夜、役所に襲撃をかけてきたのでございます」
行政官「むろん警備もいたのですが、反乱軍の勢いに押されてしまいました」
行政官「しかし、どうにか私と手勢は脱出に成功いたしました」
行政官「現在も、ヤツらは役所にたてこもっているものと考えられます」
皇帝「うむ……」
側近「なんということだ……!」
行政官「私はいわば皇帝陛下の手足として、地方都市に派遣されたのです」
行政官「これは明らかな反逆行為でございます!」
行政官「大至急! 討伐軍の編成をお願いしたい!」
皇帝「反乱軍とやらの主張は?」
行政官「え? な、なぜそんなことを──」
皇帝「反乱軍とて、まさか暇だから反乱を起こしたのではあるまい」
皇帝「なにか理由があるはずだろう」
行政官「……皇帝を倒すだの、自分たちが国を変えるだのと叫んでおりました」
皇帝「…………」
側近「おのれ……!」
皇帝「側近の意見は?」
側近「地方都市の情勢は堅調だと報告が入っております」
側近「反逆に至る要因があるとは考えにくい」
側近「まして皇帝陛下を打倒するなどと、口にするだけでも許せぬ暴挙!」
側近「私も行政官と同様、彼らを反逆者として処理すべきと考えます」
皇帝「うむ」
側近「ただちに軍を派遣して討伐すべきでしょう」
側近「これを許せば、陛下の威厳は失墜し、国が乱れます」
側近「陛下の温和な気質は理解しておりますが、ここは心を鬼にするべきかと」
皇帝「…………」
皇帝「側近、軍団長に命じて討伐軍を組織させろ」
皇帝「明日中には出動させるように」
側近「はっ!」
行政官「おおっ……! ありがとうございます!」
軍団長「──これは陛下の温厚なる性質につけこんだ、悪質な反乱である!」
軍団長「役所にたてこもる賊どもを、我が軍の誇りにかけて叩き潰すのだ!」
ワアァァァァァ……!
~
側近「頼むぞ」
側近「陛下に落ち度があるならともかく、同情の余地などまったくない!」
行政官「側近様のおっしゃるとおりでございます」
行政官「どうか手心など加えぬよう、お願いいたします」
軍団長「無論です」
女召使「城内は地方都市の反乱の話題で持ちきりですよ」
女召使「どうしてこんなことになっちゃったんですかねぇ……」
皇帝「心配するな」
皇帝「明日には軍が出動する。軍団長らがすぐに解決してくれるだろう」
女召使「……そうですね!」
女召使「では、失礼します。おやすみなさい!」スタスタ
皇帝「おやすみ」
皇帝「…………」
<帝国城>
側近(さて、昼には討伐軍を出動させねばならん)
側近(皇帝陛下からも、兵たちを鼓舞してもらわないとな)
側近「…………」キョロキョロ
側近(そういえば、今日は朝から陛下の姿が見えないな……)キョロキョロ
召使「側近様」
側近「なんだ?」
召使「側近様宛に封書が届いております」
側近「おお、ありがとう」
側近(郵便を介した形跡もない)ビリッ
側近(ということは、直接城の郵便受けに手紙を入れたということか)
側近(だれだ、こんなことをするのは……)ガサガサ…
側近「どれどれ……」
『側近へ ちょっと反乱軍のところに行ってくる。 皇帝より』
側近「ふうん……」
側近「…………」プツン
側近「なにをやってやがるんだ、あの童貞はァ!!!」
パカラッ パカラッ
皇帝「──今頃、側近のヤツ激怒してるだろうな」
女召使「本当ですよ、まったく!」
皇帝「……で、なんでお前がついてくるんだ」
女召使「だってあたしの仕事は皇帝陛下のお世話をすることですから!」
皇帝「はぁ……」
皇帝(反乱軍、か)
皇帝(行政官の話だけだと、どうにも腑に落ちない点が多すぎる)
皇帝(もしそれが分かれば、和解も可能かもしれん)
皇帝(側近を始めとした重臣たちはみな、激怒していたから)
皇帝(俺から和解案など出しても、“甘い”といわれてしまうだろう)
皇帝(それに──)
皇帝(地方都市では、俺の童貞は知られていない)
皇帝(反乱軍にも女はいるはず)
皇帝(正体を隠して現地に出向き、うまい具合に解決した後──正体を明かす)
皇帝(惚れられて、抱いて、童貞卒業!)
皇帝(イケる!)
皇帝(これは……ドラマチックに童貞を捨てるラストチャンスなんだ!)
女召使「へーいーか」
皇帝「!?」ビクッ
女召使「こんな夜遅くに、ど~こに行くんです?」
皇帝「ちょ、ちょっと地方都市までな」
女召使「ほうほう」
女召使「じゃあ、あたしも行きます」
皇帝「は!?」
女召使「あそこは遠いですし、道も険しいですよ」
女召使「絶対あたしが必要になりますって!」
皇帝「……分かった、ついてくるがいい」
女召使「ありがとうございますっ!」
パカラッ パカラッ
皇帝「そういえば、久しく馬には乗っていなかったな」
皇帝「しっかり俺につかまっているのだぞ」
女召使「はいっ!」ギュッ
皇帝(背中に胸が……! これはいかん!)
女召使「皇帝陛下の背中、おっきいですね!」
皇帝(俺のナニもおっきくなっている……!)
パカラッ パカラッ
皇帝の独走が、側近を通じて重臣たちに伝えられる。
軍団長「なんですと!?」
行政官「皇帝陛下がお一人で!?」
ドヨドヨ……
側近「召使も連れてはいるだろうが……護衛にはならん。マズイことになった」
行政官(ま、マズすぎる……!)
行政官「……軍団長殿!」
軍団長「なんでしょうか」
行政官「私にも、緊急時には兵の指揮権がございます」
行政官「先行部隊として、100騎ほどお貸し下さい!」
側近「たしかに行政官の方が、地方都市への道は詳しい」
側近「陛下が反乱軍と接触するまでに、追いつけるかもしれん」
側近「行政官の先行を認めよう」
側近「反乱軍の討伐より、陛下の確保を優先的に頼む」
行政官「ありがとうございます!」
行政官(よし!)
皇帝(しまった……!)
皇帝(時間を考えずめいっぱい飛ばしてきたから、寝る場所とメシのこと忘れていた)
皇帝(仕方あるまい、今夜はメシ抜きで寝るか……)グーキュルル…
女召使「陛下! 陛下!」タタタッ
女召使「木の実と野草とキノコを採ってきました!」
皇帝「お、おい……なんかマズそうだが食えるのか?」
女召使「大丈夫です!」
女召使「調理しますんで、ちょっと待ってて下さいね」
火をおこし、木の実を砕き、野草をちぎり、キノコを裂く。
皇帝(す、すごいな……)
女召使「ありがとうございます!」
皇帝「……しかし、お前にこんなサバイバル能力があるとは意外だったぞ」
皇帝「連れてきて正解だった」
女召使「あたしが住んでた村は貧しかったですから」
女召使「あ、でも、先代様や陛下のおかげでだいぶ豊かになったんですよ!」
皇帝「……ありがとう」
皇帝「お前のいうとおり、この国にはまだまだ貧しい地方がある」
皇帝「地方都市もそうだが、俺が行ったことすらない土地も多い」
皇帝「こうやって馬でも飛ばさねば、通行すらままならんからな」
皇帝「今回の反乱も、きっとそういうところが起因しているはずだ」
皇帝「できれば平和的に解決したいものだが……」
女召使「陛下……」
女召使「おやすみなさい!」
皇帝(草で作った布団か……。こういうのも新鮮だな)ガサ…
女召使「すぅ……すぅ……」
皇帝(可愛い寝顔をしてるな……)
皇帝(コイツ、こんなに可愛かったのか……)
皇帝(──っていかんいかん!)
皇帝「ぐぅ……」
……
………
先代皇帝「どうじゃ、息子は」
側近「非常に優秀で、次々に知識を吸収していきますよ」
側近「ただ……皇后様が亡くなられてから、精神的に塞いでいるようで……」
側近「特に女性には心を開かなくなってしまい……」
先代皇帝「ふむぅ……」
先代皇帝「やむをえん部分もあるが、アイツはいずれ上に立つ身」
先代皇帝「このままではいかんな」
先代皇帝「そういえば、この前城で雇われたいといってた女の子がいたと聞いたが」
側近「はい」
先代皇帝「その子に、息子の世話係になってもらうというのはどうじゃ」
少女召使「今日から太子の召使になりました」
少女召使「よろしくお願いします!」
皇太子「ふん」
皇太子(新しい召使が来たと思ったら、俺よりも子供じゃないか)
皇太子(父上はなにを考えてるんだ)
皇太子「いいか、俺は女が嫌いだ」
皇太子「なぜなら母上より、すばらしい女などいないからだ」
皇太子「徹底的にイジメ抜いてやるから、覚悟しろよ」ギロッ
少女召使「はいっ!」
皇太子(はいっ、って……アタマ大丈夫かコイツ)
……
…
皇帝「……ん」
皇帝(朝か……)
皇帝(ずいぶんと懐かしい夢を見たな)
女召使「むにゃ……」ゴロン
皇帝「オイ、起きろ。討伐軍に追いつかれてしまう」ユサユサ
女召使「は、はい!」
女召使「うわっ、よだれが! す、すみません!」ジュル…
皇帝「いや、お前はそれでいいんだ」
女召使「へ?」
皇帝「なんでもない」
パカラッ パカラッ
皇帝「どうどう」
皇帝「この辺は、まったく道が整備されていないな」
皇帝「城下と地方都市を行き来する人が少ないのも無理はない」
皇帝「しかしこの分なら、今日中にはたどり着けそうだ」
女召使「着いたらどうします?」
皇帝「一般人を装って、役所に向かう」
皇帝「いったい地方都市でなにが起きているのか、たしかめねばならん」
<地方都市>
皇帝「なんだこれは……」
女召使「なんというか……静かな町ですね」
皇帝(……活気がまるでない)
皇帝(まだ日も高いというのに、どこを見ても暗く沈んでいる)
皇帝(本当にここは城下町と同じ国なのか……!?)
皇帝(最新の報告では地方都市の財政は順調だと聞いていた)
皇帝(税収も特に落ちているということはなかった)
皇帝(これはいったいどういうことだ……!?)
女召使「陛下……お顔が真っ青ですけど……大丈夫ですか?」
皇帝「え、ああ、大丈夫だ。ちょっと驚いただけだ」
皇帝「気を取り直して、役所に向かおう」
<役所>
女召使「あのぉ~」
農民「なんだ、おめえたちは!?」
皇帝「皇帝だ」
農民「皇帝!?」
女召使「陛下!」ボソッ
皇帝「い、いや……童貞だ」
農民「なんだ童貞だべか、ビックリしただよ」
皇帝「ここに地方都市の住民が立てこもっていると聞いてな」
皇帝「俺たちも協力したいと思い、やってきたんだ」
農民「そりゃあ、ありがたいことだ」
農民「どうぞ入ってくれい」
ワイワイガヤガヤ……
女僧侶「どうぞ、こちらですわ」
皇帝(おお、やはり女がいた! 童貞喪失も夢ではなくなってきたな!)
皇帝(……というか)チラッ
皇帝(反乱軍と聞いてたから多少は身構えていたのだが)
皇帝(軍というか、本当にそこらの住民が集まっただけって感じだな)
リーダー「アンタは国中を旅している童貞とのことだが……」
リーダー「なんのためにここにやってきたんだ?」
皇帝「一童貞として、今回の反乱に興味があってな」
リーダー「反乱? なんのことだ?」
皇帝「ここの行政官が、すでに皇帝に報告している」
皇帝「地方都市の住民が結集して、帝国に対して反乱を起こしたと」
リーダー「な、なんだって!?」
ザワザワ……
リーダー「本当なのか、それは!?」
皇帝「ああ、まちがいない」
皇帝(俺が皇帝だしな)
リーダー「くそっ、なんてことだ!」
女商人「まんまとやられたわね」
女商人「あの行政官に……!」
皇帝(おお、またもや女!)
皇帝「いったいなにがあったのか説明してくれないか?」
リーダー「童貞に話したところで、今さらどうにもならないが……」
リーダー「いいだろう、話してやろう」
リーダー「やってくる人間なんてほとんどいない」
女商人「だからこそ、前の皇帝はここに行政官を派遣したのよ」
女商人「手の届かないところをきちんと統治できるようにってことで」
農民「最初はよかったんだがよ……」
農民「だんだんと、アイツは王様みたいに振る舞うようになったんだべ」
女僧侶「苛烈な重税をかけ、地方都市の税として国に納めた後──」
女僧侶「残りを全て自分の懐に入れるようになったのですわ……」
リーダー「いわゆるピンハネだな」
リーダー「他にも陸の孤島なのをいいことに、やりたい放題だ」
リーダー「おかげで、ここ数年で地方都市はあっという間に干からびてしまった」
女召使「そ、そんな……」
皇帝「…………」
リーダー「バレるわけがない」
リーダー「地方都市の住民はこの土地を出られないよう監視されていたし」
リーダー「ヤツの部下もみんな甘い汁を吸っていた」
リーダー「首都のヤツらも行政官を信頼しているのか、ここに来ることはなかった」
リーダー「我慢の限界に達したボクらは、役所に襲撃をかけたんだ」
リーダー「警備の兵はいるし、行政官も剣の使い手だから、用心して夜中にね」
リーダー「もちろん、役人を殺せば大問題だ。ハナから殺すつもりなどなかった」
リーダー「拘束して、帝国城に連れていくつもりだった」
リーダー「するとヤツは涙を流し──」
リーダー「“全てを皇帝に話してくるから許してくれ”“それまで役所を預ける”」
リーダー「──といった」
リーダー「ヤツが善政を敷いていた時期も知ってる我々は」
リーダー「その言葉を信用したんだが──」
皇帝「行政官はまんまとお前らを反乱軍にしたというワケだ」
女召使「なんだか……思ってたのとだいぶちがいますけど……」
女召使「どうしますか、陛下……?」
皇帝「決まってるだろう」
皇帝「住民と行政官の言い分がこうも食い違う以上、どちらかが嘘をついている」
皇帝「住民と行政官、両方を裁判の場に出して正式に裁く」
皇帝「……十中八九、嘘をついてるのは行政官の方だろうがな」
皇帝「来て正解だった」
皇帝(俺の目論み通り、どうやら平和的解決ができそうだ)
皇帝(そして解決したら正体を明かし、童貞を──)
すると──
農民「た、大変だべ!」
リーダー「軍が!?」
女商人「私たちを反乱軍として叩き潰すつもりね……!」
女僧侶「そ、そんな……」
ガヤガヤ……
役所のそばには、帝国軍が迫っていた。
女召使「兵隊がいっぱい来てますね……」
女召使「でもへっちゃらですよね! なんたって、ここには陛下がいますから!」
皇帝「…………」
皇帝「いや、これはマズイかもしれんな」
女召使「え?」
行政官「役所に立てこもるヤツらは、皆殺しにするのです!」
行政官「後から本隊を率いてくる軍団長殿の手を煩わせてはなりません!」
新兵A「はいっ!」
新兵B「はいっ!」
新兵C「しかし、皇帝陛下の捜索はいかがいたしましょう?」
行政官「…………」
行政官「どうやら知らぬうちに、追い抜いてしまったようですね」
行政官「今は陛下のことは忘れ、反乱軍の駆除に集中するのです!」
行政官「君たちのような新兵に活躍の場を与えてやるのですから、存分に働きなさい!」
新兵C「はいっ!」
皇帝「……それに新兵ばかりだ。多分、俺の顔なんか知らないだろう」
女召使「えっ!? ってことは──」
皇帝「行政官は、ここの住民もろとも俺を殺すつもりのようだ」
皇帝「殺した後は、それを住民の仕業だとなすりつければいい」
皇帝「そうなればもう、自分の不正が明るみに出ることはない」
女召使「ど、どうしましょう……!」オロオロ
女召使「こっちには戦えそうな人なんて、ほとんどいないのに……!」
皇帝(まもなく攻撃が始まるだろう)
皇帝(死んでたまるか……)
皇帝(──童貞のままで!)
リーダー(まちがいなくヤツらはボクたちを皆殺しにするつもりだ!)
リーダー(こんなことになるなんて……! どうすれば……! あああ……!)
皇帝「おい、リーダー」
リーダー「な、なんだ!?」
皇帝「帝国軍は到着したばかりで、攻撃開始までもう少し時間があるはず」
皇帝「今のうちに仲間に、窓や扉を障害物で塞ぐよう、指示してくれ」
皇帝「あとは大量の砂と、狩猟用の網を持ってこさせてくれ!」
リーダー「そんなことをして、どうなる!?」
皇帝「籠城する」
リーダー「籠城!? こっちは素人集団だ、勝負にならない!」
皇帝「向こうも新兵ばかりだ! 死にたくなければ、さっさとしろ!」
リーダー(通りすがりの童貞のくせして偉そうに……!)
リーダー(だが、なぜだろう……なんだか逆らえない雰囲気がある)
リーダー「わ、分かった……! やってみよう……!」
新兵B「オイ、あまり緊張するなよ! しくじるぞ!」ドキドキ
新兵A「お前こそ!」ドキドキ
行政官(経験を積ませるという名目で連れてきたが、やはり頼りないですね)
行政官(しかし、反乱軍はろくな武器も持たない素人の寄せ集め)
行政官(……十分皆殺しにできる)
行政官(もうあの中にいるかもしれない、皇帝ごとね!)
行政官「よし、準備のできた者から入り口から突入するのです!」
行政官「一人も逃がしてはなりませんよ!」
新兵A「このドア、ビクともしないぞ!」
新兵B「こっちの窓もだ!」
新兵C「出入り口が全て封鎖されてる!」
行政官「…………」
行政官(籠城か……! てっきり逃げまどうものとばかり……)
行政官(私をあっさり逃したヤツらに、こんな知恵や度胸があるとも思えませんね)
行政官(やはり、中には皇帝がいる!)
行政官(マズイ……後続の軍団長の部隊が到着するまでに)
行政官(なんとしても皇帝を殺さなければ……!)
リーダー「ふぅ、間一髪だったな」
皇帝「この役所は頑丈だ。ヤツらの装備では壁を破壊することはできない」
皇帝「しばらくは持つだろう」
女商人「でも、私らが袋のネズミってことにはかわりないわよ!」
農民「んだんだ」
皇帝「任せろ。俺は攻めるのは苦手だが、守りには長けている」
リーダー(さすが童貞)
女召使(陛下……かっこいいです!)
新兵A「かなり封鎖が固いぞ!」
新兵B「攻城戦の演習はまだ受けてないしなあ……」
新兵C「これは軍団長の部隊を待った方がいいんじゃ……」
行政官(なにをグズグズしている……!)
行政官「一点突破です!」
行政官「どこか封鎖が脆いところを見つけて、そこに全員で突撃するのです!」
新兵A「な、なるほど!」
新兵B「よし、手分けして弱い部分を見つけよう!」
新兵C「おう!」
皇帝「色んな入り口からなだれ込まれるのが一番マズイ」
皇帝「だからここはあえて──」
皇帝「侵入させる」
皇帝「一ヶ所手薄な入り口を作っておけば、帝国軍はそこから入ってくるハズだ」
~
ガンッ! ガンッ! ガンッ!
農民「よぉ~し、こっちから開けてやるべ!」
新兵A「うわっ、急に開いた!? お、押すな──!」
ドドドドドッ!
バサァッ!
「うわぁっ!」 「ひぃ~っ!」 「お、押すなぁっ!」
大量の砂と、手製の網で、帝国軍の一団が一網打尽となった。
新兵B「行政官様、先に入った20名が捕らわれました!」
行政官「くっ……なにをやってるのです!」
新兵B「や、やはり軍団長の本隊を待つべき──」
ズバッ!
新兵B「ぐわあああぁっ! いだいぃぃぃぃぃっ!」
行政官「…………」イライラ
行政官「キサマら! 死んでも中になだれ込め!」
行政官「私に斬られたくなければな!」
農民「な、なんだべ!?」
女商人「出鼻をくじいたと思ったのに!」
女僧侶「さっきより、すごい勢いですわよ!」
リーダー「みんな、用意した砂や網で応戦するんだ!」
ワアァァァァァ……!
皇帝(行政官め!)
皇帝「リーダー、ここは任せる! なんとか死守してくれ!」
リーダー「童貞、アンタはどこへ行くんだ!?」
皇帝「別の出入口から外へ出る!」
皇帝「帝国軍の後ろにいる、行政官をなんとかする!」ダッ
リーダー「わ、分かった! 童貞、アンタに全て託す!」
女召使(陛下……!)
行政官(よしよし、あれならば時間の問題だ)
行政官(反乱軍と皇帝を殺せば、私の不正はどうにでもごまかせる!)
行政官(皇帝は反乱軍に殺されたことにすればいい!)
だが──
ザシャッ!
行政官「だ、だれだ!?」
皇帝「行政官……」
行政官「こ、皇帝陛下!? なぜこんなところに!?」
皇帝「俺はもう、全てを知っている」
皇帝「あの兵たちは俺の命令は聞くまい。すぐに攻撃をやめさせろ」
行政官「私が地方都市で重税をかけて、私腹を肥やしていたことも」
行政官「哀れな住民を反乱軍に仕立てたことも」
行政官「挙げ句、それを隠ぺいするために陛下のお命を奪おうとしたことも──」
皇帝「……認めるのだな?」
行政官「ふふ、ふふふ……」
行政官「それらは全て嘘なのでございますよ」
皇帝「!」
行政官「今役所に立てこもっているのは反乱軍であり、あなたは偽皇帝です」
行政官「なぜなら本物の皇帝は反乱軍の手で死んでいるのですから……」
行政官「私はこの剣で、偽皇帝を成敗しなければなりません」ジャキッ
皇帝「この地方都市の惨状は、全て俺の責任だ」
皇帝「生きて責任を取るためにも、この剣で我が身を守らねばなるまい!」チャキッ
行政官が皇帝めがけて斬りかかる。
キィンッ!
ガキンッ!
キンッ!
行政官(なんという堅い守りだ!)
皇帝(俺の剣は攻めはヘタクソだが、守りは一級品と評された)
皇帝(このままじっくり守って、チャンスが来るのを待つ!)
行政官(くそぉぉぉっ!)
行政官(どう斬りかかっても、全てガードされてしまう!)
行政官(なんとかして、皇帝から攻撃させなければ──)
行政官(攻撃させる……怒らせる……挑発……)
行政官(ウワサによると皇帝は──)
行政官「く、くくく……くくっ」
行政官「すばらしい守りですね」
行政官「さすがに未だに童貞を守っておられるだけのことはあります」
皇帝(うぐっ……)
皇帝「ふ、ふん、それがどうし──」
行政官「なんでもマザコンが過ぎて、女に興味が持てなくなっていたとか」
行政官「なんなら墓でも掘り返して、母親で童貞を捨てたらどうです?」
皇帝「きっ……」
皇帝が怒りの剣を振るう、が──
スカッ
皇帝「あっ」
行政官「さすが童貞、攻めはヘタのようで」
皇帝「し、しまっ──」
ザシュッ!
行政官「む!?」
皇帝「あ……っ!」
女召使「へ、へいか……」
皇帝「お前、どうしてここに!?」
女召使「あたしは……しごとは、へいかの、おせわを……」
女召使「すること、ですから……」ガクッ
皇帝「お、俺なんかをかばって……」
行政官「ちいっ……だが次の一撃で──」ジャキッ
皇帝「…………」
行政官「!」ビクッ
少女召使「全然! あたしの仕事は陛下のお世話をすることですから!」
皇太子「やっぱりどこかおかしいよ、お前」
~
皇太子「母上ほどじゃないが……お前も少しはいい女だな」
少女召使「今なにかいいました?」
皇太子「い、いや……なんでもない」
~
皇太子「……俺は皇帝になんかなりたくないっ!」
少女召使「じゃあ、あたしが太子に変装しますから、そのスキに城から逃げて下さい!」
皇太子「え!? いやいやいや、そんなことできるワケないだろ! 冗談だ!」
少女召使「冗談だったんですか……でも」
少女召使「もし本当に逃げたくなったら、あたしはいつでも協力しますよ」
皇太子「…………」
皇帝(俺は今でも女嫌いだっただろうし、皇帝であることを放棄していたかもしれない)
皇帝(……ありがとう)
皇帝(俺がしっかりしていれば──)
皇帝(行政官をここまでのさらばらせることもなかったし)
皇帝(住民たちを戦わせることもなかったし)
皇帝(お前をこんな目にあわせることもなかった……!)
皇帝が行政官を睨みつける。
行政官(怒っている、怒っている……好都合だ!)
行政官(さあ攻撃してこい! 次の一撃で決めてやる!)
行政官「!?」ビクッ
皇帝「我は第10代帝国皇帝である!!!」
皇帝「この我に、刃を向けるとはなにごとか!!!」
行政官「は……はうっ!」
行政官(な、なんだこの迫力は……)ガタガタ
行政官(ここで皇帝を斬らねば私は破滅する)
行政官(破滅すると分かっているのに──)
行政官(コイツ、いやこの方を斬る? で、できるワケがない……)ガタガタ
行政官(刃を向けることすら……でき、ない……!)
行政官「ひ……」
行政官「ひぃぃぃぃぃっ!」ガバッ
新兵A「俺は皇帝の顔も声も知らないが……分かる」
新兵B「うぅっ……お、俺もだ……!」
新兵C「あのお方は、皇帝陛下だ!」
農民「あの人は皇帝だべ! たとえ皇帝じゃなくても皇帝だべ!」
女商人「うん……間違いないわよ」
女僧侶「驚きですわ……」
リーダー(とても信じられないが──)
リーダー(あれほどの迫力を見せつけられては、信じざるを得ないな)
リーダー(童貞は……皇帝だった!)
……
…
皇帝(あれからすぐ軍団長の後続部隊が駆けつけ──)
皇帝(地方都市の惨状は全て明るみに出た)
皇帝(行政官は部下共々捕縛され、裁判にかけられている)
皇帝(そして俺は──)
皇帝(二度とこういうことが起きぬよう、交通網を発達させることを決意した)
皇帝(この帝国内から、孤立した町や村をなくすために……)
皇帝(モテ期到来である)
皇帝(人生に一度あるとかないとかいわれるモテ期が、ついにやって来たのだ)
皇帝(俺は積極的に各地方を視察するようになったが)
皇帝(行く先々で、女性から声援を送られる)
皇帝(悪い気はしない)
皇帝(むしろいい気分だ)
皇帝(童帝まっしぐらだった俺が、ついにスポットライトが浴びる時がきたのだ)
皇帝(だが、立場が変わって分かることもある)
おれたちを裏切りやがったか
側近「いよいよ今日ですね」
先代「うむ」
側近「皇帝陛下は本当にご立派になられました」
側近「あの事件で、多くのものを得たようです」
先代「そうだな、アイツにならばこの国を任せられる」
先代「じゃが、失ったものもある」
先代「いや……今日これから失うというべきか……」
皇帝「──職場復帰、おめでとう」
皇帝「すでに見舞いの時に伝えたが……」
皇帝「今日ここで俺の童貞を奪って欲しい」
皇帝「お前を傷つけられ、モテ期を経て、俺はようやく気づいた」
皇帝「俺はお前をずっと抱きたかったのだ」
女召使「陛下……」
女召使「あ、あたしなんかで……よかったら……」
女召使「よろしく、お願い……します……」カァァ…
皇帝「よ、よし……」ゴクッ
皇帝(あ、焦るな……俺は皇帝だ)ドクンドクン
皇帝(あの行政官たちを威厳だけで屈服させたのだ、自信を持て!)ドクンドクン
女召使「あっ……」ドサッ
皇帝(次は……服を脱がさねば)
皇帝(胸のボタンを……)ムギュッ
女召使「痛っ!」
皇帝「げっ!」
女召使「へ、陛下……もっと優しくして、ね……?」
皇帝「ご、ごめんっ!」ゴクッ
皇帝「えぇ~と、えぇ~と……」キョドキョド
皇帝(い、いかん! 早くも、どうすればいいのか分からなくなった……!)
女召使「ふふ、今夜は長くなりそうですね……」
皇帝「そ、そうですね……」ゴクッ
………
……
…
歴史書にはこう記されている。
【10代皇帝(大陸暦619~702 在位:636~702)】
9代皇帝“慈帝”の長子。
若くして帝位を継いだ後、自身の世話係だった女性を皇后に迎える。
政治、産業、外交とあらゆる場面で優れた手腕を発揮した。
特に地方官吏の腐敗を目の当たりにした経験から、国内の交通網の発達に力を注いだ。
この時代、いくつもの道路が整備され、帝国領内が一つになるきっかけを作った。
まさしく国が大きく発展する道を築き上げたといっても過言ではない。
彼がいなければ、今日の帝国の隆盛はなかったかもしれない。
死後、10代皇帝はその功績を称えられ“道帝”の名を冠せられた。
<おわり>
最後までどうていか
そうきたか
いいオチだ
Entry ⇒ 2012.09.11 | Category ⇒ その他 | Comments (2) | Trackbacks (0)
京太郎「『全国麻雀大会身体検査のスタッフを募集中』……?」
京太郎「(牌の持ち込み等の不正防止のためには必要なんだろうけど……)」
京太郎「(バイト代は……安っ! でも大会の裏側ってちょっと興味あるな)」
京太郎「(よし、応募してみるか)」
「あ、ありがとうございましたっ////」
京太郎「ふぅ……、身体検査も楽じゃないなぁ……」
京太郎「次の人どうぞ~」
咲「お、お願いします………って、え?」
京太郎「おお、次は咲だったか」
咲「きょ、京ちゃん!? どうしてここに!?」
京太郎「どうしてって……身体検査のスタッフだよ」
咲「そ、そんな冷静に……」
咲「もしかして……(京ちゃんに裸見られちゃうのぉ!?)」
京太郎「それじゃあ咲」
京太郎「服、脱ごうか」
咲「 」
京太郎「うん、異常なし。 もう行っていいぞ」
咲「あ……ありがとうございました……////」
京太郎「……咲の奴、随分息荒かったな。 緊張してたのかな?」
京太郎「まぁいいや。 次の人、どうぞ~」
和「お願いします……って須賀くん!?」
京太郎「咲がいるだもん、和もいるか。 やぁ」
和「そ……そんな……どうして…///」
京太郎「スタッフのバイトだよ。 それよりほらここ座って」
和「で……でも私……男の人に裸なんて……初めてで……///」
京太郎「そうかぁ……それじゃぁ」
京太郎「和の初体験は俺が貰っちゃおうか」
和「 」
和「……うぅ……///」
京太郎「どうかしたか? 診た限りじゃ至って健康極まりない綺麗な体だったけど……」
和「っ、!? は、恥ずかしいこと言わないでください……////」
京太郎「……また胸でかくなってる気がするなぁ。 ホント、可能性は無限大だぜ」
京太郎「次の人どうぞ~」
優希「へい! よろしく頼むじぇ!……おおっ!?」
京太郎「おっす。 相変わらず元気だなお前は」
優希「京太郎……私に会いたくてこんなトコロにまで……」
京太郎「はーい、腕伸ばしましょうねー」
優希「コラァ! レディに向かって何たる扱い!」
京太郎「漫才してる暇は無いんだよ。 ほらさっさとするぞ」
京太郎「夫婦漫才ならいつでもしてやるから」
優希「……えっ!?」
優希「……あぅ……///」
京太郎「?」
京太郎「……検査中は随分しおらしかったな……。優希も人並みの恥じらいはあるってことか」
京太郎「次の人どうぞ~」
久「よろしくおねがいしまーす……ってあらま」
京太郎「部長。 その節はどうも」
久「……須賀くん……。 いくら健全な高校生だからと言ってこんな所にまで……」
京太郎「人を犯罪予備軍みたいに言わないでくださいよ」
久「どうせバイトでしょうけど……。 ふふ、私の体に見蕩れても知らないわよ?」
京太郎「そりゃあ、難しいなぁ」
久「えっ?」
京太郎「だって部長、俺好みなスタイルなんですもん」
久「 」
久「……須賀くんって意外と……」
京太郎「えっ?」
久「……いや、なんでもないわ……ええ、なんでもないもの……」
京太郎「……部長がモゴモゴしてるなんて珍しい。なにかあったのかな?
京太郎「……まあいいや、次の人どうぞ~」
まこ「おう、頼むわ…………ぁあああ!?」
京太郎「まこ先輩っ、声大きいですよっ」
まこ「わ、わりゃぁ……なにしとんじゃ……ああぁ…///」
京太郎「見ての通り、身体検査係員ですけど」
まこ「い、いけしゃあしゃあと……」
京太郎「ほら、時間もありませんし」
京太郎「まこ先輩の体、俺に見せてください」
まこ「うぇえええええ!?」
まこ「お……おおぅ……おうおうおう……」
京太郎「先輩、そっちは入り口です」
京太郎「目が定かじゃなかったな……。 一応先生呼んどくか」
京太郎「さてと。 少し休憩するか」
____________________________
____________________________
咲「きょ……京ちゃんに……見られちゃった……////」
和「……もう、お嫁に行けません……////」
優希「……夫婦……私と……アイツが……///」
久「……なんか随分と呆けてるわねぇ……。 あら、まこ。 お帰り……」
まこ「ぶ、ぶぶ、部長ぉ……いい、今帰ったわ……あわわわ……」
久「………」
久「……こりゃぁ、面白くなってきたわね……!」
『龍門渕高校の生徒は、速やかに身体検査場に集まってください』
純「おーい、オレらの番だぞー」
透華「やっとですね……。待ちくたびれるかと思いましたわ!」
一「ここに来て15分も経ってないよ。 全く、透華は短期なんだから…」
純「おめーら忘れもんは無いかー?」
智紀「……」コクコク
一「まるでお父さん見たいだね、ジュンくん」
純「うるせーオレは女だよ」
純「……って、衣の奴は?」
透華「もう先に行きましたわよ?」
純「……」
一「身体検査なんて衣には初めてだろうしね、待ちきれなかったんでしょ」
透華「衣のことですから心配ないでしょう……。 それじゃあ行きましょう?」
智紀「……」コク
テテテ
ピョン
衣「衣だ! 気楽に頼むぞ!」
京太郎「おお、龍門渕の。……何故俺の膝の上に?」
衣「わからん! ……だが差し支えなければこのままで頼みたい」
京太郎「……」
京太郎「まあいいか」
衣「~♪」
衣「むっ。 人を見附で判断するのは好かんぞ。 こう見えても衣はおとななのだ!」
京太郎「……」
衣「なんだ? 衣の顔に何かついてるか?」
京太郎「……いや、なんでもないです。 それじゃあ服を脱いでください」
衣「うむ、頼んだ」バッ
京太郎「……?なぜ万歳を?」
衣「ん? 万歳は脱がせやすくする為にするものだとハギヨシから聞いたぞ?」
京太郎「あ、俺が脱がすのか。 んじゃ、失礼しますね」
衣「んっ……。 どうだっ?」
京太郎「ええ、とても脱がせ易かったです。 ありがとうございました」
衣「えへへ。 衣、偉いか?」
京太郎「偉い偉い」ナデナデ
衣「ふぁっ……」
衣「……えへへー////」
衣「はーい! ありがとうきょーたろー!」バイバイ
京太郎「またねー」バイバイ
京太郎「……やっぱどう見ても年上には見えねえなぁ」
京太郎「撫でられると喜ぶ所とか歳相応だと思うし……」
京太郎「……世の中広いんだな……」
衣「とーかー」テテテ
透華「おかえりなさい、衣。 ちゃんと検査は受けられましたか?」
衣「うん! とっても優しく、暖かかった!」
透華「ふふ、そうですか。 ……うん?」
衣「えへへ……///」
純「失礼するぜー」
京太郎「おー、おっきいなぁ」
純「うっ……結構気にしてんだよそれ……」
京太郎「ああ、すいませんでした。それじゃ衣服はそこに置いてくださいね」
純「おうっ」
京太郎「……はい、いいですよ。異常はどこにもありません」
京太郎「至って健康な体です」
純「おう、サンキュッ」
京太郎「とてもスレンダーで綺麗な体ですね」
純「うええっ!?」
京太郎「……まあ、これは個人的な意見ですけどね」
純「あ……、ああ……」ドキドキ
一「おかえり。…? ちょっと顔が赤いよ? 熱でもあるの?」
純「い、いや。 別にどこも異常はなかったよ……」
純「無かったんだけど……」
一「?」
純「(……男に裸見せるなんて全然気にならないことだと思ってたのに……)」
純「(今思うとむちゃくちゃハズい……!!)」ドキドキ
純「ぅうあああああああああ!!」
透華「ど、どうしたのでしょう……?」
智紀「」オロオロ
京太郎「ホント、世界は広いなぁ」
京太郎「……次の人どうぞ~」
智紀「おねがいします……」ペコリ
京太郎「はい、衣服はこちらにおねがいしますね」
智紀「はい……」
京太郎「……」
智紀「……ん……」ヌギヌギ
京太郎「……」
智紀「……っしょ」
ブルンッ
京太郎「!?」
智紀「……」
京太郎「………」ジー
智紀「……あの…」
京太郎「……………」ジー
智紀「そんなに……見つめられると……」
京太郎「………………」ジー
智紀「……////」
京太郎「……あ、これでおしまいです。 出口はそちらです」
智紀「あ……ありがとうございました……」ペコリ
京太郎「いえいえ。こちらこそ、どうも」
智紀「ぁぅ……////」
智紀「えっと………」
智紀「(………)」
~~~~~~~~
京太郎「……」ジー
智紀「……////」
~~~~~~~~
智紀「っ! ////」フルフル
一「……? よ、よくわかんないけど大丈夫そうだね……」
智紀「はぃ………////」
京太郎「ふぅ……」
京太郎「…………世界は広い」
京太郎「………故に可能性は無限だ」
京太郎「我々はそれを只々暖かく見守ろうと思う」
一「珍しい呼ばれ方されたよ……、よろしく」
京太郎「はい、こちらこそ。 衣服はそちらに……」
一「……?」
京太郎「……」ジー
一「な、なにさ……」
京太郎「……あー」
京太郎「このままでいいか」
一「!?」
透華「は、はじめ!? 一体どうしたのですか!? まさか命に関わる病気でも……!」
一「そ、それは無かったけど………無かったけどぉ……!」
透華「では一体…?」
一「………うぅ……///」
透華「……?」
一「うきゃぁあああ! ////」ダッ
透華「は、はじめェ!?」
一「男の人って……! 男の人って……! ////」
一「う……うわああああああ/////」
京太郎「……」
京太郎「むしろよく今まで恥ずかしいと思わなかったもんだな……」
一『ちょっと! 脱がなくていいってどういうことさ!』
京太郎『? いや、だって……その服……』
一『…? この服がどこか変かい?』
京太郎『……ちょっとこちらに近づいて貰えますか?』
一『……?』
京太郎『……いやね? ちょうど俺からの目線だと』
京太郎『見えてるんですよ、ポッチ』
一『……』
京太郎『……』
一『……』
一『 あ!! 』
京太郎『はい』
この世界の異常に気づいたら消されるぞ
京太郎「…次の人どうぞ~」
透華「よ、よろしくお願いしますわ」
京太郎「はい。 脱いだ衣服はそちらに置いてくださいね」
透華「……」モジモジ
京太郎「……どうかされましたか?」
透華「…わたくし、生まれてこの方異性に裸を見せる経験が浅くて……」
透華「少々……恥ずかしいですの……////」
透華「ですから、至らぬ点があるかもしれません……」
京太郎「……おぉ」
透華「その……ですので……」
透華「不束者ですが……よろしくお願いします……わ……////」
京太郎「……」
京太郎「(……え?)」
京太郎「その……ただの身体検査なわけなんだし……」
透華「あ……そ、そうですわね! わたくしったら……全く……!」
京太郎「は、ははっ……」
透華「ほ、ほほほっ……」
「…………」
「…………」
京太郎「……それじゃあ」
透華「!」ビクッ
京太郎「脱がせますね?」
透華「……」
透華「はい……////」
透華「あ、ありがとうございました……」
京太郎「……」
透華「……そ、それでは…」
京太郎「 龍門渕さん 」
透華「っ、……なんですの?」
京太郎「とてもお綺麗なお体でした」
透華「 」
京太郎「出る所は出て、引っ込むところは引っ込む。 全くのムダのないパフォーム」
京太郎「その指一本一本まで丁寧に磨き上げられたかのようで、肌の肌理細やかさも素晴らしい」
京太郎「まさしく、『透き通るような華やかさ』がありました」
透華「 」
京太郎「……」
京太郎「……お大事に……」
京太郎「……休憩するか」
_____________
_____________
透華「 」
ハギヨシ「お疲れ様ですお嬢様。 検査の結果はどうでしたか?」
透華「 」
ハギヨシ「……透華お嬢様?」
純「うおおおおお!! オレってやつはぁあああ!!」
智紀「ぅぅ…………////」
一「皆……皆今まで僕のこと……そんな目で……!」
ハギヨシ「こ……これは一体……!?」
衣「また検査したいなぁ~……。 そしたらまた、撫でてくれるかな……」
ハギヨシ「……どうやら原因は検査にあるようですね……ならば」
ハギヨシ「 私も受けるべきですね 」
-カンッ!-
その嶺上牌取る必要なし!
上がったらどっかの高校書く
希望があるならどうぞ
京太郎「大丈夫ですよ、脱いでる間は俺が温めますから」
『永水女子高校の生徒は、速やかに身体検査場に集まってください』
霞「あら、私達の番ね」
巴「身体検査なんて久しぶりね~」
初美「きっと今年は大きくなってる!! ……気がします……」
春「……無駄な足掻き……」
初美「うわー!! なんでそういうこと言うんですかー!!」
小蒔「ま、まあまあ、そのくらいにして……。 そろそろ行きましょう?」
初美「うっ……、はーい……」
霞「ところで小蒔ちゃん、前より大きくなってるわよね?」
小蒔「あう……。 で、でも霞ちゃんほどじゃないし……」
霞「大丈夫、まだまだ大きくなるわよっ。 きっと」
初美「……泣きたいです……」
巴「……今は同情するわ……」
京太郎「わざわざ遠いところから来たんだ、しっかり検査しないとな」
京太郎「……最初の人どうぞ~」
初美「よろしくおねがいしま~す」
京太郎「 」
初美「? どうかしましたか~?」
京太郎「…あ、いや。 随分露出の多い巫女服だな、っと」
初美「あー、係員さんエッチですね~! 私の体に見とれちゃいましたか~?」
京太郎「(誰でもそう思うと思うけど……ここは無難に……)」
京太郎「ははっ。 まぁ、そういうことで」
初美「えっ……えええええっ!?」
京太郎「…えっ?」
京太郎「え? あ、はい……。とっても可愛いと思いますよ?」
初美「……そ、そんなっ! そんなこと言われたの……生まれて初めてぇ……////」
京太郎「(……もしかして、選択間違えた?)」
初美「うわぁ! うわぁ! どうしよう! すっごい嬉しいです……////」
京太郎「そ……それじゃあ、始めましょうか、検査」
初美「あっ! そ、そうでしたっ!」
初美「(生まれて初めて私に可愛いって言ってくれた……)」
初美「(この人になら……全部……)」
初美「それじゃ……私の全てを見てください!! ///」バッ
京太郎「うおっ!? 下まで脱がなくていいんですよ!!?」
初美「あ、ありがとうございましたー! とっても嬉しかったですよー!」
京太郎「は……はは……」
巴「おかえりハッちゃん。 どうだった?」
初美「えへ……えへへー……/// 知りたいですかー!? 知りたいですかー!?」
巴「あ、ごめん。 やっぱいいです」
初美「えへへ……可愛いって……可愛いってー!! キャー!!」
春「……どうしたんでしょう」
巴「……さぁ?」
京太郎「外見を見て一瞬デジャヴかなと思ったらそんなことなかった」
京太郎「もっと恐ろしい、3年生とは思えないあの言動と行動……」
京太郎「世界って……広い……」
京太郎「……つ、次の人どうぞ~」
春「よろしくおねがいします」
京太郎「こちらこそ。 脱いだ衣服はこちらにお願いします」
春「はい」
京太郎「(良かった……普通っぽい人だ)」
京太郎「……」
春「……」ゴソゴソ
京太郎「……」
春「……」ポリポリ
京太郎「すいません、その黒糖も置いてください」
春「 」ポロッ
春「……ありがとうございました」
京太郎「どういたしまして。 出口はそちらになります」
春「……」 つ【黒糖】
京太郎「あ、貰っていいんですか?」
春「……」コクリ
京太郎「いただきます。 ……あ、美味い」
春「……」ニコリ
春「……バイバイ」
初美「おかえりはるる! どうだったですかー?」
春「特には……」
春「……ふふっ」
巴「! 春が笑ってる…!」
初美「お……おっぱい大きくなったのかな……?」
京太郎「……美味いなこれ」ポリポリ
京太郎「次の人どうぞ~」
巴「し、失礼しまーす……」
京太郎「強張らずに、そこにどうぞ」
巴「は、はい……。 うぅ……緊張する……」
京太郎「リラックス、リラックス」
巴「あ、メガネ外したほうがいいですか!?」
京太郎「……」ははっ」
京太郎「(すっごいマトモな人だ!)」
京太郎「(良かった! 本当に良かった!)」
巴「あ……ありがとうございました……」
京太郎「……まだ緊張してたんすか……」
巴「な、慣れないことだもの……しょうが無いでしょっ。男の子に裸見せるなんて……」
巴「(しかもこの子結構好みだし……!)」
小蒔「あ、おかえりなさい巴さん」
霞「悪いところは見つからなかった?」
巴「特にはありませんでしたよ。 ……ただ……」
巴「(私好みってことは……この二人の好みでもあるのよねぇ……)」
巴「……無事を祈るわ…」
小蒔・霞「?」
京太郎「っ、……なんだ? 寒気が……」
京太郎「まぁいいや……。 残り二人っ」
「あ、失礼します……」
タプンッ
京太郎「おもち!!」
小蒔「ふえ!?」
京太郎「……すいません、少し取り乱しました」
小蒔「い、いえ。 気にしないでください……こちらこそ驚いちゃって……」
京太郎「いえいえ、こっちこそ急に叫んだりして……」
小蒔「そんな…、私こそへんな声出しちゃって……」
京太郎「……」
小蒔「……」
京太郎「(……埒があかない)」
小蒔「あ、あのぅ……それなんですが……」
京太郎「はい?」
小蒔「私の巫女服……どうも着付けが悪かったのか中々胸元が開けなくて……」
小蒔「できれば……手伝ってくれませんか?」
京太郎「oh...」
京太郎「ここですか?」
小蒔「は、はい……。 力一杯開いてください……」
京太郎「……」
京太郎「(巫女さんの胸襟に両手突っ込んで広げようとする俺)」
京太郎「(傍から見たらどんなもんだろうか……)」
グイッ
小蒔「んあんっ!」
京太郎「あ! どこか痛かったですか!?」
小蒔「だ……大丈夫です……ですから…」
小蒔「もっと……強く……お願いします……」ハァハァ
京太郎「わ……わかりましたっ」
グイッ
小蒔「ふぁんっ! んあああっ!」
小蒔「そ……そうですっ……もう少しで……」ハァハァ
小蒔「イヤンッ……はあんっ!……そこっ……いいですぅ……!」ハァハァ
京太郎「………」
京太郎「(なんでこの人息荒いの)」
京太郎「あ……開いて来ましたか…!?」
小蒔「はいっ! ……だからもっと強くお願いしますぅ……!」ギュム
京太郎「んぐっ……!」
京太郎「(抱きつかれた? え、なんだこの感触、スゲェ)」ムギュムギュ
小蒔「ふぁあ! そんなにしたら……ああっ……あああああ!!」
ギチギチ ギチッ!
小蒔「イっちゃいますぅううううううう!!!」
ドプルンッ
「その時見えたのは今でも鮮明に覚えている」
「人間にあるはずのない、『何か』が」
「俺の目の前で、神代さんの前で」
「これでもかというほど」
「 暴れていた 」
小蒔「あ…気付かれましたか?」
京太郎「俺は……。 あ、そうだ! 胸元!」
小蒔「安心してください! 京太郎さんのお陰で……ほらっ」
ドプルンッ
小蒔「ね?」
京太郎「うわ、強烈」
巴「霞さん……。 今、姫様が……」
霞「ええ……一瞬だけど、『寝た』みたいね……」
初美「中でいったい何が……」
春「……」ゴクリ....
小蒔「は……はい。 ありがとう……ございました……////」スッ
小蒔「……あの、京太郎さん!」
京太郎「は、はい?」
小蒔「……今日あったこと、私絶対に忘れません……っ///」
京太郎「……」
小蒔「……で、ではっ」トテテ
小蒔「か、霞ちゃん!」
霞「あらあら、はしゃいじゃって。 なにかイイコトでもあったの?」
小蒔「はい! 私、絶対忘れません!」
小蒔「えへ……えへへ……////」
巴「……一応お祓いしましょうか」
初美「そうですね。 なんか乗り移ってそうですし」
京太郎「……」
京太郎「そうだ、トイレ行こう。」
京太郎「……ふぅ。 次で最後だ」
京太郎「次の人どうぞ~」
霞「は~い」
ドドタプンッ
京太郎「 」
京太郎「 」
京太郎「 」
京太郎「嘘だろおい」
霞「(この子……私のドストライクだわ……)」
霞「ふふっ……」
霞「(得意分野、いかせてもらおうかしら)」
霞「係員さん? 巫女服、脱いでもよろしいですか?」
京太郎「えっ。 あ、ああ。 どうぞどうぞ……お願いしますっ」
霞「(わたわたしちゃってる……可愛いっ)」
霞「んっ……んんっ…」ググッ...
霞「ふぅっ」グイッ
※効果音はイメージにお任せします
京太郎「あ……ああ……」
霞「さて……係員さん……」
霞「しっかり検査、してくださいね?」
霞「ふふ……うふふふ……」ツヤツヤ
京太郎「お、お疲れ様でした……お出口はそちらからです……」
霞「ありがとうございましたっ。 ……とっても有意義でしたわ……ふふっ」
京太郎「(検査に有意義もなにも無いと思うけど……)」
霞「ああ、そうでした。 係員さん」
京太郎「は、はい」
霞「私達永水女子の巫女は皆伝統ある決まりごとを守ってまして」
霞「その決まりの1つにこんなものがあるんです」
「異性に裸を見せた場合、その者を生涯の伴侶としなければならない」
京太郎「 」
京太郎「え?」
霞「ふふふ……それは周りを見ても言えるかしら?」
京太郎「え……、うわっ」
初美「えへへー……京太郎さーん、一生一緒ですよー」
春「毎日黒糖、食べさせてあげる……」
巴「ま、まあ? 決まりごとだもの、しょうが無いじゃない?」
小蒔「私、将来の夢はいいお嫁さんになって旦那様の側にいることなんです……///」
小蒔「今、ようやくその夢が叶うと思うと……嬉しくて嬉しくて……////」
京太郎「……」
霞「……そういうわけで、がんばってね?」
「 私達の旦那様っ 」
-カンッ!-
それじゃあ寝る。おやすみ
読んでくれてありがとう
スレ立てするか、似たようなスレあったら乗っ取るか
改めて、支援してくれてありがとう
おうおつかれ
Entry ⇒ 2012.09.11 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ともこ「恋人の先輩がヘタレで困ってる?」 ちなつ「……」
ちなつ「結衣せんぱ~い、それにしてもホントに暑いですねぇ……」
結衣「ふふ、暑さにうだるネコみたいだ、……確かに9月だっていうのにこの残暑だもんね」
結衣「そうだ、確かいいものがカバンに……」ゴソゴソ
ちなつ「……♪」ピトッ
結衣「……あのちなつちゃん、暑いのにどうしてくっつくのかな」
ちなつ「暑いからこそ、ですよ」ニコッ
結衣「あ、暑いのに引っ付いちゃうの?」
ちなつ「はいっ!」
結衣「へぇ~だから涼しくなるんだね、……ちなつちゃんって博識、すごいなぁ」
ちなつ「えへへ、だから低下しすぎないように私がセンパイを暖めてですね……」スリスリ
結衣「だ、大丈夫だよ、暑くてちょっと汗ばんでるくらいだから!!」
ちなつ「もう、今さら気にするよう仲でもないのに……」
結衣「それはそうだけど、でもやっぱり外であまりイチャイチャするのは……」モジモジ
ちなつ「むぅ、……私のことキライですか?」
結衣「えっ!?」
ちなつ「えへへ、やだもうセンパイったら……」モジモジ
結衣「そうだちなつちゃん、私扇子持ってるんだよ、扇いであげるね」パタパタ
ちなつ「なっ……もう、どうしてそこで折れちゃうんですか!!」
ちなつ「だいす、まで言ったなら、きを言って下さいよ~……」
結衣「……だ、だって二人きりならともかくこんな街中でなんて……」カァー
ちなつ「むむむむむ」
結衣「あ、あのちなつちゃん、やっぱり怒ってるよね……」パタパタ
ちなつ「いいえ、怒ってるわけでは、……扇子とっても涼しいです、ありがとうございます」ニコッ
結衣「そっか……良かった、ちなつちゃんが喜んでくれて」
ちなつ「次は私がセンパイを扇ぎますね、楽にしてて下さい」
結衣「わっ、ありがとう、ほんと暑くて汗かいちゃったんだ」
ちなつ「……へぇ」
ちなつ「結衣先輩、涼しいですか?」パタパタ
結衣「うん、ありがとちなつちゃん……」
結衣(わ、わたしの腰に手を回して、その手で扇ぐって、……密着しすぎだって……)カァー
結衣(うぅぅぅ、変な匂いしてないかな、汗の臭いとか)
結衣(大丈夫だよね、そんな嫌な顔もしてないしきっと大丈夫……)
ちなつ「んっ……センパイいい匂いです、頭の中に広がっていきます……」
ちなつ「ちょっと制服のワンピース汗ばんでる、でもこの匂い大好き―――」
結衣「やっぱりだめええええええええええええ!!」ズイッ
結衣「絶対にダメ、ほんともう駄目だから……!!」フルフル
ちなつ「結衣先輩の匂い私大好きですよ、石鹸のいい香りがふわ~っとして」ニコニコ
結衣「えっ……ほ、ほんと?」
ちなつ「はいっ、……好きな人の匂いを嗅ぎたくなるのは、当然だと思うけど」
結衣「好きな人だなんて、そ、そんなこと……」モジモジ
ちなつ「だからおあずけなんて言わないで、もっとください!」
結衣「だ、ダメだよ、……おあずけ」
ちなつ「くぅ~ん……」グスッ
ちなつ(うぅぅ、なんかちょっと距離感を感じちゃうな、もっとすりすりしたいのに)
ちなつ「あ、ニホンミツバチさんがスズメバチをどうやって倒すか知ってますか」
結衣「ず、ずいぶんと唐突な話だね」
結衣「……でも、ミツバチみたいな小さい子がスズメバチを倒せるのかなぁ」
ちなつ「ふふ、まずは何十何百というミツバチがぐわ~っとくっ付くんです!」
結衣「ふむふむ、とりあえずスズメバチを囲むんだね」
結衣「でもそれからどうするんだろう、プスプスと針で刺すんだろうか」ウーン
ちなつ「いいえ、そのまますりすりしてるだけで倒せちゃうんですよ」
結衣「えっ、ほんとに?」
ちなつ「ミツバチさんがすりすりして、どんどん敵の体温を上げるんです」ススッ
結衣「あぁ、なるほど!」
ちなつ「やがて耐えられなくなったスズメバチは哀れにも……」ピトッ
結衣「あの、近いよ、近いですちなつちゃん」
ちなつ「前置きはここまで、今のお話を実践にしてみましょうか」ニコッ
ちなつ「私がミツバチさんみたいにセンパイにくっ付くんです、うふふ……」
結衣「き、気持ちは嬉しいけど、それだと私死んじゃうよね!?」ズイッ
ちなつ「んんっ、……もう、ほんと甲斐性なしなんだから……」
ちなつ「ん~、ちょっと本屋さんに行きたいですね」
結衣「あ、いいね、私も新刊探したかったんだ、一緒に行こうか」
ちなつ「……センパイ、私の手空いてますよ?」ニコッ
結衣「えっ!?」ドキッ
ちなつ「誰か素敵な人が私の手を繋いでくれないかなぁ、ふふふ」
ちなつ「黒髪で、とってもかっこ良くて、なのにお料理が上手で家庭的で……」チラッ
結衣「……」モジモジ
ちなつ「……」ドキドキ
結衣(私だって、ちなつちゃんと手を繋いで歩きたい)
結衣(チャンスを貰ってるのに、いつも勇気が出せないんだ)
結衣(いまも足がすくんで、胸がドキドキして、倒れちゃいそうなくらい……)
結衣(あ……もし手を繋いで手汗をかいてたらどうしよう、そんなの嫌われちゃうよ)モンモン
結衣「うぅぅぅ……」
ちなつ「良かったら、わたしと……?」
結衣「ちなつちゃん、良かったらわたしと本屋へ行きませんか!?」
ちなつ「はいっ、もちろんです!」
結衣「そ、それじゃあ、行こうかっ」テクテク
ちなつ「……え」
ちなつ「け、結局手は繋いでくれないんですか!?」タタタッ
結衣「だって、手汗とかかいてちなつちゃんに嫌な思いさせたくないから……」
ちなつ「……はぁ」
ちなつ「ふむ、ふむふむ、ブライダルフェア……」ペラッ
ちなつ「……!」
ちなつ「ふふ、いいなぁこんな素敵な教会でセンパイと」ポワーン
ちなつ「やっぱり海外の教会がいいな、……えへへ、ちょっと話が飛びすぎか」
ちなつ「でも、センパイは手も繋いでくれなかった……」グスッ
ちなつ「……あれだけ拒まれるってことは、私嫌われちゃったのかな」
ちなつ「うっ、やだよそんなの……」ジワッ
結衣「わっ、このお料理美味しそう……ふふ」
ちなつ「結衣先輩、なんの本を読んでるんですか?」ヒョコッ
結衣「あっ、ちなつちゃん、これはレシピ本だよ」
ちなつ「なるほど……ふふ、センパイらしいですね」
結衣「ちなつちゃん、目元赤く腫れてるけど大丈夫……?」
ちなつ「ん、大丈夫ですよ、ちょっと目にゴミが入っちゃって、えへへ」
結衣「そっか、なにかあったかと思った……」ホッ
ちなつ「結衣先輩、そんな鼻歌まで歌ってごきげんって感じ」
ちなつ「そっか、腕を磨けば自分で美味しいもの食べられますもんね」クスッ
結衣「ううん違うよ、そういう理由じゃなくて……」
ちなつ「?」
結衣「あの、その……」モジモジ
結衣「美味しいものを作れたら、ちなつちゃんも喜んでくれるかな、と思って……」
結衣「あ、あまり器用じゃないから、レシピは少ないけど……たくさん練習してちなつちゃんに」
ちなつ「……」
結衣「……ちなつちゃん?」
ちなつ「はっ!!や、やだ私ったら、ちょっと白昼夢でした」アセアセ
結衣「ううん気にしないで、大したことは言ってないから」
結衣「それじゃレジ行ってくるからここで待っててね」タタタッ
ちなつ「……」
ちなつ「顔火照ってる、熱い……またドキッとさせられちゃった……」
ちなつ「全部センパイのせいですよ、……ばか」
ちなつ「いいお買い物できましたね、良かった良かった」
結衣「あ、……ゴメンね付き合わせる形になって、埋め合わせはいつかするからね」
ちなつ「いいえとんでもない、元々は私が本屋に行きたいって言ったんですし」
ちなつ「……それに、センパイの側にいられて私は幸せです」ニコッ
結衣「う、うん……ありがと……」
ちなつ(顔真っ赤にしちゃった、……格好良かったり可愛かったり忙しい人)クスッ
ちなつ「センパイのレシピ本の手料理楽しみにしてます!」
結衣「うん、頑張って練習しておくからね」
ちなつ「結衣先輩……」ジッ
結衣「……うっ」
結衣「じゃ、じゃあまたね、さよならちなつちゃん!!」タタタッ
ちなつ「あっ……はぁ、さすがにお別れのちゅ~は無理だったか、残念」
・・
・
ちなつ「ってことが今日あったの……」
ともこ「ず、ずいぶんと長い回想だったね、お疲れ様」
ちなつ「それでね、恋愛経験豊富なお姉ちゃんにアドバイスをと」ニコッ
ともこ「えっ!?」
ちなつ「結衣先輩のことは大好きだよ、でもこのまま押せ押せでいいのかなって……」
ちなつ「もしかしたらおしとやかな子が好きなのかもしれないし、……はぁ」
ともこ「ふーん……」
ともこ(私恋人なんて出来たことないのに、妹に先を行かれちゃったのね……)
ちなつ「そうなの!……ほんと、ここまでひどいとは思わなかった」
ちなつ「目と目を合わせて話すときですら、ちょっと頬が赤くなっちゃうんだよ?」
ともこ「……」ギクッ
ちなつ「ましてやボディタッチなんかがあった日には、やかんみたいに顔から湯気が……」
ともこ「……」ギクッ
ちなつ「お姉ちゃんは、そんなことないよね?」
ともこ「えっ!?」
ともこ「百合道ってなに!?百戦錬磨!?」アセアセ
ちなつ「ふふふ、もう謙遜しちゃって、女の子は取っ替え引っ替えで遊んでたんでしょ?」
ちなつ「……それはもう経験豊富なんだろうなぁ」ポワーン
ともこ「……」
ともこ(なにがどうしてそんなに話が膨らんだのかしら、そんなこと全然無いのに……)シクシク
ともこ(でも、その子の気持ちが分かる気がするなぁ)
ともこ(私もあかねさんの前だと、上手く喋られなかったり、触れただけで顔が赤くなったり……)ポッ
ともこ(……あぁ、私も、同じヘタレなのね)
ちなつ「うん、結衣先輩っていうの、素敵な名前だよねぇ……」
ともこ「ふむふむ、じゃあいつもちなつが結衣ちゃんをドキドキさせてるんだね」
ちなつ「……でも、不意にキュンとさせてくれるの」ポッ
ちなつ「例えば今日寄った本屋さんでね、レシピ本を見ながらこう言ったんだよ!」
結衣『私がキミのお嫁さんになるから、お料理くらいはできないとね』ニコッ
結衣『ハネムーンは熱海の温泉なんてどうかな、……夜は寝かせないからね』
ちなつ「えへへ……もう困っちゃうなぁ……」
ともこ「あ、あれ、さっきの回想と言ってること違うよ!?」
ともこ「ハネムーンが熱海って、……まぁちなつが行きたいならいいけど」
ともこ「今までの話をまとめると……」
ともこ「ドキッとさせるようなことは言ってくれるけど、行動となるとへたれる、ってこと?」
ちなつ「……」コクコク
ちなつ「つ、付き合って一ヶ月も経つのに、自分から手も繋いでくれないの」
ちなつ「おねーちゃんっ……わ、わたし嫌われちゃったのかな……こんなの、辛いよ」グスッ
ともこ「ちなつ……」
ちなつ「……ほ、ほんと?」
ともこ「可愛い妹が辛い顔をしてるのは、お姉ちゃんから見てて悲しいな」
ちなつ「……ゴメンね、いらない心配かけちゃって」ギュッ
ともこ「ふふふ、いいのよ、小さいころはよくこうして甘えてきたじゃない」
ともこ「うーん、でもどうしたものかしら」
ともこ「何かシンパシーを感じるのよね結衣ちゃんからは……」ムムム
ちなつ「……」グスッ
ちなつ「えっ……で、でも」
ともこ「私ね、結衣ちゃんの気持ちが痛いほど分かるの」
ともこ「……きっと向こうも苦しんでると思うんだ、ウジウジしてる自分が嫌でね」
ちなつ「っ……ゆ、結衣先輩は、悪くないもん……」ジワッ
ともこ「そうだよ誰も悪くない、……だから2人の仲が上手く行くようにちょっとアドバイスをね」ニコッ
ちなつ「……えへへ」クシクシ
ちなつ「女の子を1000人切りした真の恋愛無双のお姉ちゃんだもんね、お願いしちゃおうかな」
ともこ「……」
ちなつ「手はず通り、結衣先輩は今日このお家に来ます」
ともこ「……」ドキドキ
ちなつ「大丈夫だよ、お姉ちゃんが一回お話ししたいってメールで伝えてるから」
ともこ「あ、そうなんだ、それならちょっと安心かも」
ともこ「ふふん、お姉ちゃんに全部任せて、妹を悲しませるヘタレちゃんにビシッとだね……」
ちなつ「あぁもう、あまり強く言ったらダメだよ……?」
ともこ「こほんっ、とにかく結衣ちゃんが来たらここのリビングまで案内してあげて」ニコッ
ちなつ「う、うん……ほんとに大丈夫かなぁ」
<ピンポーン
ちなつ「あ!結衣先輩だねきっと、それじゃここまで案内してくるから!」タタッ
ともこ「……はぁ」
ともこ「まいったな、恋愛経験ゼロの私がアドバイスするなんて……」
ともこ「というか、ちなつの中でかなり神格化されてるような」
ともこ「ま、話を聞く限りじゃ相当うぶでへたれのようだし、大丈夫よねきっと」
ともこ「ちなつの恋人、どういう子なんだろう……」ドキドキ
ともこ「……」ドキドキ
ともこ「うぅぅぅ……結衣ちゃんの写真くらい見ておくべきだったかな」
ガチャッ
ともこ「!」ビクッ
ちなつ「こっちですよ~、あ、そこ段差なってるんで気をつけて下さいね」スリスリ ベタベタ
結衣「ち、ちなつちゃん、腕に胸当たってるよ……」カァー
ちなつ「えへへ……センパイの匂い大好き……♪」
ともこ(あぁ、なんかもう完全に尻に敷かれてるね、すでに顔真っ赤だし)
とも結衣「あ……」
結衣「は、初めましてお姉さん、結衣です、船見結衣といいます」ペコペコ
結衣「本日はお日柄も良く、お家にお招きいただいて大変嬉しく……」
ともこ「あはは、とりあえず一旦落ち着こうね結衣ちゃん」
ともこ「……」チラッ
ちなつ「あ、うん、それじゃあ結衣先輩ごゆっくり」ニコッ
ガチャッ バタン
ともこ「落ち着いたみたいだね、……改めまして姉のともこです」ペコッ
ともこ「今日はごめんなさいね結衣ちゃん、少しお話ししたいことがあって」
結衣「いえ、私も一度ちなつちゃんのお姉さんに会ってみたかったんで」
ともこ「ふふ、ちなつからは話は聞いてるよ、……素敵な恋人さんなんだってね」
結衣「そ、そんなこと、ないです……」モジモジ
ともこ(あらあら、前評判通りの恥ずかしがり屋さん、顔真っ赤にしちゃった)クスッ
ともこ(キリッとした見た目なんだけど、……ギャップがあって可愛いと思うけどな)
ともこ(いま流行りの草食系って感じかな、安心安心♪)
ともこ「うんうん、仲が良くて何よりです」
結衣「……でも本当にちなつちゃんにそっくりなんですね」
ともこ「ふふ、おてんばなところが似てるなんて言うのかな?」
結衣「いえいえ、もっとこう……」ジッ
結衣「お姉さんもお人形さんみたいに可愛らしいところとか」
ともこ「そ、そう……かしら、えへへ」
結衣「はい、……あとは透き通るな綺麗な瞳、吸い込まれてしまいそうなくらい」ニコッ
ともこ「なっ!?」
結衣「髪だってそう、……流れるように美しくて羨ましいです」
ともこ「……あ、ありがと、えへへ」
結衣「あれ、お姉さん顔が少し赤いですね、熱でもあるんですか?」ピトッ
ともこ「ふぎゃっ!?」
結衣「……私のおでこより少し熱いくらいかな、でも無理しないで下さいね」ナデナデ
結衣「お姉さんとてもいい匂いです、大人の人って感じで」
ともこ「あ、あ、あ、あ、あ、あ……」ブルブル
ともこ「アナタの一体なにがどうへたれだって言うのよっ!?」グスッ
結衣「えぇっ!?」
ともこ「どうもこうもないわよ……」キッ
ともこ「初対面のお姉さんにおでことおでこくっ付けて何がヘタレよ!!」
ともこ「そ、それからその場慣れしたような女の子の褒め方!!」
結衣「……本当のことを言ったまでです、嘘偽りなんかありません」ニコッ
ともこ「うっ……ま、またそういうこと言う!」
ともこ「絶対ウソよ、結衣ちゃんがヘタレだったら私はどうなるのよ!?」
結衣「と、とりあえず一旦落ち着いて下さい、ね?」ポンポン
ともこ「うぅぅぅ……」
結衣「いえいえ、……こういうところもちなつちゃんソックリかな」クスッ
結衣「それで、今日お話したいってことは何でしょうか?」
ともこ「うーん……ちょっと頭を整理してるから待ってね」
ともこ「ちなつ曰く結衣ちゃんは手も繋げない、大好きも言えない草食系……」
ともこ「……」チラッ
結衣「あの、私何かしましたか……」
ともこ「じゃあさっきのはなに……?」
結衣「……」
ともこ「実はね、ちなつから相談されたの、……恋人の先輩がヘタレで困ってる、って」
結衣「えっ……」
ともこ「付き合って一ヶ月が経つらしいね、それでも結衣ちゃんはさ……」
ともこ「見つめ合うと素直にお喋りできない、手も繋ぐことだってままならない」
ともこ「ボディタッチがあった日には顔真っ赤……」
結衣「ヘタレ……ヘタレ……ちなつちゃんに、ヘタレ……」ブツブツ
ともこ「うっ……な、なんか禍々しいオーラが」
結衣「……いえ、もう自覚してますから」
結衣「どうしようもないヘタレだって、手も繋げない甲斐性なしだって……」シクシク
ともこ「あれ、でもさっきは私のこと口説きに来てたよね?」
結衣「ご、誤解されるようなこと言わないで下さい!」
ともこ「私に大胆に迫れるんだから、ちなつにだって……」
結衣「あー……恋愛感情が欠片も無いんで、たぶんさらっと出来るんです」
結衣「ち、ちなつちゃんのことは大好きなんで……恥ずかしいです」モジモジ
ともこ「あ、そ……」
結衣「だ、だから口説いてなんて……」
ともこ「はい、ちなつの生写真」ピラッ
結衣「ち、ちなつちゃん……」カァー
ともこ「まいったなぁ、これは解決のしようがないような……」
ともこ「あのかっこ良さをちなつに対して出せるようになればいいんだけど」
ともこ「うーん……て、結衣ちゃん?」
結衣「うっ……う、私だって……好きって言いたいのに……」グスッ
ともこ「うんうん……」
結衣「そ、それでも、ちなつちゃんの前になると、上手く出来なくて」
結衣「うっ……それが、情けなくて、……そんな、自分が嫌で」グスッ
結衣「っ……うぅぅぅぅ……ひっ……」ポロポロ
ともこ「ちなつのことが本当に大好きなんだね、……大丈夫だよ、私も同じ」ナデナデ
結衣「……え?」
結衣「……」クシクシ
ともこ「ダメだよ手で擦ったら、綺麗な顔に跡がついちゃうから」ニコッ
ともこ「はい、このハンカチ使ってね」
結衣「っ、すみません、……なんかさっきと逆転しちゃいましたね」クスッ
ともこ「わ、私だってお姉さんだもの、かっこいいセリフの一つも言うわ」
結衣「……ふふ、ありがとうございます」
結衣「……はい」
結衣「最初会ったときは、ちなつちゃんにおでこにチューとか出来たんです」
ともこ「……はい?」
結衣「えっと、七夕で彼女が短冊にこう書いてたんです」
ちなつ『結衣先輩とキスができますように』
ともこ「……」
結衣「だから、そのお願いを叶えるために路上でチューしたんです……」カァー
ともこ「……それで今は手も繋げない、と」
結衣「でも毎日アタックしてくれるうちに、少しずつちなつちゃんのこと……」
ともこ「うん、大体の事情は分かったよ」
ともこ「いまはあの子のことが好きで好きでしょうがないんだよね」ニコッ
結衣「っ……」
結衣「……実はわたしひとり暮らしをしてて」
ともこ「へぇ、そうなんだ!」
結衣「寝る時間になると、毎日毎日心配して電話してくれるんです」
結衣「ご飯食べましたか、カギはちゃんとかけましたか~とか」クスッ
ともこ(結衣ちゃんとっても嬉しそう……ふふ)
ともこ「声が小さいかな、……大丈夫、誰も聞いてないから平気だよ」ニコッ
結衣「えっと……」モジモジ
結衣「い、いつも私のことを想ってくれるちなつちゃんが、大好きです!!」
ともこ「うんうん、よく言ってくれたね結衣ちゃん」
ちなつ「えへへ、やだもう……」カァー
結衣「あ、あれ、どうして、ちなつちゃんが……」
結衣「ううん、そんな謝らないで……」
ちなつ「えへへ、結衣先輩手を貸してもらえますか?」
結衣「えっ、うん……」スッ
ちなつ「少しずつでいいんです、まだまだ先は長いんですもん」ギュッ
結衣「ちなつちゃんに手を握られて……うぅぅ」
ちなつ「あ、やっぱり恥ずかしいですか?」
結衣「は、恥ずかしいけど、……でも落ち着くんだ、不思議な感じ」
ちなつ「……ふふ」
結衣「……」
ちなつ「何をするのもかっこ良くて、おとぎ話に出てくる王子様みたいな感じで」
ちなつ「……付き合ってくれるっ言ったとき本当に嬉しかったんです」
ちなつ「だって、あの憧れの人とそういう関係になれるんですもん」ニコニコ
結衣「……幻滅しちゃったよね」
ちなつ「ふふ、まぁ蓋を開けたらこんな王子様でしたもんね」
ちなつ「……それでも嫌いになるなんてあり得ませんよ」ギュッ
結衣「ちなつちゃん……」
ちなつ「こうやって手を触れ合うのも、目を見て見つめ合うのも」ギュッ
結衣「……うん」
ちなつ「センパイから私の手を引いて歩いてくれること、待ってますからね」
ちなつ「焦らなくても私はあなたを嫌いになったりしません、……ずーっと側にいますから」ニコッ
結衣「……ありがとう、ちなつちゃん」
ともこ「あっついあっつい……」パタパタ
結衣「お姉さん、本当にお世話になりました」ペコッ
ともこ「いえいえ、結局は大したことできなかったもん」
ともこ「それより良かったらまた遊びに来てね」ニコッ
結衣「……はい!」
ちなつ「今日はどこへ行きましょうか、……あ、となり町で映画なんてどうです?」
結衣「映画かぁいいねそれ、とりあえず駅に行こうか」
結衣「……」
結衣「ご、ゴメンね……電車の時間、近いから」ギュッ
ちなつ「あっ……えへへ、駅までちゃんと私の手引っ張って下さいね」
結衣「……うん」ニコッ
ともこ「そうよ、結衣ちゃんだって頑張ったじゃない……ファイトファイト……」
ともこ「……」ピッポッパ
ともこ『もしもしあかねさんですか、はいそうですともこです』
ともこ『……ご、ごめんなさい急に電話しちゃって、ちょっと伝えたいことが』
ともこ『あの、もし日曜日が空いていたら……その』
ともこ『わ、私とデーt ……いや、遊びに行きませんか!?』
おわり
ともあか編も書いていいのよチラッチラッ
これはいいものだ……
Entry ⇒ 2012.09.11 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
折木「千反田が事あるごとに腕に抱き着いてくる」
千反田「おーれっきさんっ」キュッ
折木「…なんだ」
千反田「今日はとてもいい天気ですねっ」
折木「そうだな」
千反田「ここのところいっつもいいお天気ですねっ」
折木「…そうだな」
千反田「ふふふっ」スリスリ
折木「実は俺は今読書をしているんだ」
千反田「はい、そのようですね!」ギュー
折木「…この体勢は読書には向かないと思わないか?」
千反田「私のことはお気になさらず、どうぞ続けてください!」ニギニギ
折木「腕をニギニギされると落ち着かないんだが…」
千反田「すみません…」スリスリ
折木「顔をこすりつけるのもやめなさい」
千反田「折木さんはいつも片手で本を支えて同じ手でページをめくっています!
折木「…よく見てらっしゃるこって」
千反田「ふふっ、つまり読書の間は片手が自由…ですよね」
折木「…まあ…そうなんだが…」
千反田「ふふふっ」ギュッ
折木「……………」ペラッ
千反田「……………」
千反田「………………」ポスッポスッ ←頭を肩近くにぶつけている
千反田「………………」スリスリ ←顔を二の腕にこすりつけている
千反田「…………………………」 ←ちょうどいいポジションが見つかったらしい
折木「」パタン
千反田「まだ章の途中ですよ?」
折木「いや、いいんだ」
千反田「そうですか…」ニギニギ
折木「さて、千反田」
千反田「ふぁい…」
折木「そこに座りなさい」
千反田「もう椅子に座ってます…」
折木「…じゃあそのままでいいが、一先ず腕を離せ」
千反田「いやです」
折木「……………………」
千反田「いやです」
折木「ここは学校だ」
千反田「はい」
折木「さらにここは部室だ」
千反田「そのようですね」
折木「そして俺達は男女だ」
千反田「よかったです」
折木「ん?」
千反田「私、女でよかったです…こんな心地好さを味わえたのですから…」スリスリ
折木「……いや…そうじゃない…そうじゃないんだ千反田…」
折木「…とりあえず腕から離れてくれ、もう下校時間だ」
千反田「もうそんな時間でしたか…」
折木「(やっと自由になった…)」プラプラ
千反田「では折木さん、戸締まりをして帰りましょうか」
折木「ああ…」
千反田「ではまた明日、折木さん」
折木「…ああ」
折木「…部室から出るといつもと同じなんだよな…」
折木「…ただいま」
折木「日に日に千反田の距離が狭まっている」
折木「…まあ普段からして接近しすぎというのはあったんだが」
折木「先週辺りから部室での定位置が変わりだしてだな」
折木「三日前ついに距離がなくなってしまったわけだ」
折木「その日は肩に頭を乗っける程度だったんだが」
折木「今日は一度も腕を離して貰えなかった」
折木「明日はどうなると思う…里志よ」
福部「ゴメンちょっと近所の犬がうるさいから切るね」
供恵「最近弟が女の匂いをさせて帰ってきます…お姉ちゃんは悲しいですなう…」カタカタ
次の日
千反田「んっふっふー♪」ギュゥゥゥゥゥ
折木「…ご機嫌だな」
千反田「とてもとてもいい気持ちですっ」
折木「…さいで」ペラッ
千反田「んふふー♪」スンスン
摩耶花「ねぇ待って待って待って待って、ちょっと待って」
摩耶花「なんでちーちゃんは折木に後ろから抱き着いてるの?首に手回して、ねぇ」
折木「久しぶり部室に来たところでいい質問だ伊原」
千反田「摩耶花さんはしちゃダメですよ?」ギュゥゥゥ
折木「っ、おい、首絞まってる」
千反田「あっ…すみませ……んぅ……」スリスリ
摩耶花「幻覚じゃないのね…えー…なにこれ……」
千反田「んー♪」スリスリ
折木「まぁ入口なんぞに突っ立ってないで座ったらどうだ」
摩耶花「…言われなくても座るわよ…」
摩耶花「…………………」
折木「……………」ペラッ
千反田「……………」ゴロゴロ
摩耶花「…………………)」
折木「(まさか今日は後ろに回り込んでくるとは…)」
折木「(はっきりいってこの体勢は今までで一番まずい…)」
折木「(明言はしないがとにかく柔らかい)」
折木「(しかもポジション確保の為にしょっちゅう動いては押し付けてこすりつけてくる)」
折木「(全身に力が入らん…)」
摩耶花「えと…ふくちゃんね、今日も来れないって」
千反田「そうですか…」
摩耶花「うん…」
折木「…………………」ペラッ
千反田「……………………」ネジネジ ←襟足の毛をいじって遊んでいる
摩耶花「………………」
摩耶花「えと…じゃあ私…漫研に顔出してくるねっ!」
折木「(逃げられた…)」
千反田「はぁ…♪」 ←首筋の匂いを堪能している
折木「…立ちっぱなしで疲れないか」
千反田「へっちゃらです」
折木「椅子に座ったらどうだ」
千反田「それでは首に上手く手を回せません!」
折木「…さいで」
千反田「です♪」ギュッギュッ
千反田「…折木さん、今日体育はありましたか?」スンスン
折木「いや、今日はずっと室内にいたが…まさか匂うか?」
千反田「…ということはこれは、100%折木さんの香りなんですね…」
折木「お前は何を言ってるんだ…」
千反田「はあぁ…」ポフポフ ←髪に口と鼻を埋めている
千反田「♪」スーハースーハー
折木「(読書ができん…)」
千反田「…………」
千反田「えいっ」ハムッ
折木「んうぃ!??」
千反田「んむぅー…」ハムハム ←耳をはむはむしている
折木「っ!千反田!それ止め!!くっ、ぁ!?」ゾクゾクゾク
折木「っくぁ…ほんと…ゃめ…ぁぃぁぁ」ゾクゾクプルプル
千反田「おれきさん…ここがお好きなんですね……」ハムハム
折木「っ…………………ッ!!」ビクン
折木「っぅだぁ!!!」バッ
千反田「ひゃっ!」
折木「いい加減にしろ!悪ふざけにも限度があ…………」
千反田「………お、おれき………さん……」
折木「(とにかく逃れつもりで体を後ろに向けたのだが…)」
折木「(千反田が手を回したままだったから…その…)」
折木「(手を回したまま顔が向かい合って…)」
折木「(この体勢は…)」
折木「…………………」
千反田「…………………」
折木「……」
折木「……………」
千反田「……ん………」
折木「……柔らかいな」
千反田「…折木さんもです……」
折木「…………」
千反田「…………はぁ…」ギュゥゥゥゥゥ
折木「立ってるの辛いだろ、座れ」
千反田「では…失礼しますね」
折木「…俺は椅子じゃな…」
千反田「んもう…これくらいいいじゃないですかもう」ギュッ
折木「……それもそうだな」ギュッ
翌日
摩耶花「」
里志「」
千反田「おーれっきさんっ」チュゥゥ
折木「んむっ…………ぷは………ちょっとは休まないか……んむ!……」
千反田「……はぁ……!もう!おれきさんかわいい!もっとします!んー♪」チュッチュッチュッ
折木「(もうどうにでもなれ…)」
終われ
後のスレはもう好きにやってください
ほうたるかわいい!
おうかけよ
奉太郎「…わかった、わかったから…」
摩耶花「……」
摩耶花「(ちーちゃん…あんな近づいちゃって…)」
奉太郎「それは…~であるからして…」
える「なるほど、さすが折木さんっ」
摩耶花「(……)」
摩耶花「(…いいな)」
里志「やぁ、遅れてごめん」
奉太郎「遅いぞ、里志」
奉太郎「ん…」
摩耶花「……」ブツブツ
奉太郎「どうした伊原」
摩耶花「へ…」
奉太郎「さっきから俺の顔ばかり見て」
摩耶花「え…!?えと…その…」
奉太郎「?」
奉太郎「まぁいい、図書室行くぞ」
摩耶花「う、うん…」
奉太郎「えと…」
摩耶花「……」
摩耶花「あ…これ」
摩耶花「(この前読んだ、推理小説だ…なかなか面白かったのよね)」
奉太郎「…何見てるんだ?」
奉太郎「これは面白いよな」
摩耶花「あ…折木も?私もこの間読んだの、これ」
摩耶花「けどラストがよくわからなくて…」
摩耶花「(あれ…?もしかして…)」
摩耶花「(気になりますチャンス…?!)」
摩耶花「あっ…ぅ…」
摩耶花「(ここを逃したら…だめっ!)」
摩耶花「(誰も見てないよね…)」キョロキョロ
摩耶花「おっ、折木!」
奉太郎「うおっ」ビクッ
摩耶花「この小説のことなんだけど…」
奉太郎「どうした?」
摩耶花「結局、ラストで主人公は何を思ったの…?」ドキドキ
摩耶花「わ、私も…」
ギュ
奉太郎「え」
摩耶花「……」
摩耶花「……???」
摩耶花「(何してるの私…/?//)」
奉太郎「伊原…、落ち着け」
摩耶花「(勢い余って…抱き着いちゃった…///)」
奉太郎「離してくれるか…誰か来たらまずいだろ」
摩耶花「いや…」
摩耶花「教えてくれるまで離さないんだから…」
奉太郎「(久しぶりのデレ)」
摩耶花「(もっ…もうやけくそよ!)」ドキドキ
摩耶花「…本当?」
奉太郎「えぇと、ラストの主人公の心境だったか…」
摩耶花「う、うんっ」
奉太郎「この時、主人公は…」
摩耶花「ふむふむ…♪」
奉太郎「…と、こんな感じに解釈している」
摩耶花「…ありがと、やっぱり折木はすごいのね」
奉太郎「褒めても何も出ないぞ」
摩耶花「ま、待って…!じゃあここは?」
摩耶花「ここの中盤なんだけどさっ」
奉太郎「ん…」
奉太郎「文集見てからにしよう、ほら」
摩耶花「むぅ…」ムスッ
摩耶花「……」キョロキョロ
ギュッー
奉太郎「ぬ」
摩耶花「き、気になるからっ…」
摩耶花「…教えて?」
奉太郎「(伊原に何が起きた)」
摩耶花「うんうんっ」
奉太郎「(嬉しそうだなー)」
奉太郎「おっと…こんな時間か」
摩耶花「……」
奉太郎「そろそろ戻らなきゃだ、急ぐぞ」
摩耶花「……」キョロキョロ
奉太郎「?」
摩耶花「折木、変な事するけど…いい?」
奉太郎「…なんだ」
摩耶花「んっ」パッ
摩耶花「んー!」
奉太郎「な、なんだよ」
摩耶花「ぎゅーって…ね…折木から」
奉太郎「」
奉太郎「(伊原のツンはどこにいった)」
奉太郎「落ち着け、今日のお前はおかしい」
摩耶花「おかしくないわよ」
奉太郎「なんだって…抱き着いてきたんだ?」
摩耶花「そ、それは…そにょ…」
奉太郎「言ってみろ、言ったら抱きしめる」
摩耶花「…ずるいっ」
奉太郎「ふふ…」
摩耶花「…から」
奉太郎「え?」
摩耶花「ちーちゃんと楽しそうで…羨ましかったから…//」
奉太郎「(嫉妬たそ~)」
奉太郎「わ…わかったよ」
ギュッ
奉太郎「こうでいいのか…」
摩耶花「うん…///」ギュ
摩耶花「もっと強く…」
奉太郎「ほら」ギュム
摩耶花「…ふふっ、」
摩耶花「じゃあ、部室に戻りましょ♪」
奉太郎「おう」
おしまい
誰かイリス先輩編よろしくお願いします
でも俺はやっぱえるたそが好きたそ~
Entry ⇒ 2012.09.11 | Category ⇒ 氷菓SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ルルーシュ「時間を持て余すのに理由が必要か?」
かといってネタがあるわけでもないので
適当にお題をください
C.C.「ルルーシュ、お前最近疲れているのか?」
ルル「何を言うかと思えば…一体何を根拠にそんな事をのたまった?」
C.C.「先日の夜更け過ぎの事だが、私が所用でお前の部屋の前を通ったときの事なんだが」
ルル「何故お前はそんな時間に俺の部屋の前を通ったんだ」
C.C.「野暮なことは気にするな。器の小さい男だな」
ルル「事と次第によっては、俺の貞操にも心配が及ぶからな。念のために聞いただけだ」
C.C.「ふん。私が童貞坊やに色欲を抱くとでも考えていたのか? 全く以って浅はかな思考だ」
ルル「ほぅ、では改めて聞こう。 なぜお前は俺の部屋の前を通ったんだ?」
C.C.「…そ、それはだな」
ルル「口ごもるのは疚しさがお前の中に潜んでいるからではないのか?」
C.C.「そ、その……せ、生理現象だ。 …あまり言わせるな」
ルル「…俺の配慮が足りなかったな。すまない」
C.C.「こ、この事はまた後々謝罪してもらうからな。
それで本題に戻るぞ。 私がお前の部屋の前を通った際に、部屋の中から音が漏れてきていた。
その音に耳を澄まして聞いてみたら…」
肥後「じゃあ俺が」
寺門「じゃあ俺が」
ルル「それでは俺も!」
上島「じゃ、じゃあ俺が!」
肥後「どうぞどうぞ!」
寺門「どうぞどうぞ!」
ルル「どうぞどうぞ!」
C.C.「テレビのバラエティ番組に向かって、楽しそうにツッコミをしているお前の声が聞こえてきたんだ」
C.C.「……なぁ、ルルーシュ。 もし疲れているのなら、少しくらい胸を貸すぞ?」
ルル「……哀れんだ目で俺を見つめてくるな」
C.C.(今日も今日とて、私はルルーシュの代理か)
C.C.(あいつからは「あまり喋らず、堂々としていればいい」とだけ聞いたが…)
C.C.(…思った以上に暇だな)
カレン「あ、ルルーシュ! いい所にいるじゃない!」
C.C.「!?」
C.C.「おい、カレン。私は…」
C.C.(いや待てよ、これはひょっとしたら最高の暇つぶしが出来るんじゃないか…!?)
C.C.「その意見は却下する」
カレン「え!? ちょ、なんで」
C.C.「カレン。お前は確かに私の正体を知っている。
しかして周りに多数の人がいるなかで、部下が組織のトップに敬語を使っていないのは少々問題ではないのか?」
C.C.(まぁ、玉木の阿呆の事はこの際置いておこう…)
カレン「そ、そうでした。申し訳ありません!」
C.C.「さて、カレン。お前は私に何か聞きたい事があって来たのではないか?」
C.C.「そういう事ではないだろう、お前が私に聞きたいというのは」
カレン「へ?」
C.C.「例えば…そうだな。
『休日は一体何をして過ごしているのか』、『好きな女のタイプは何なのか』
もしくは…『今現在、意中の相手はいるのか』」
カレン「な、え、ちょ、え、ええ!?」
C.C.「お前が真に聞きたいのは、そういう事ではないのか?」
カレン「ル、ルルーシュ!
アンタさっき自分で公私混同はダメみたいな風に言っておきながら、それってモロ私情みたいな感じじゃない!」
C.C.「声を荒げるな。 そしてここは騎士団内だ。私に同じ事を反芻させたいのか?」
カレン「グッ…も、申し訳ありません……」
ゼロ「…さて、私に聞きたい事とはなんだ?」
カレン「ですから、先ほども申し上げたとおりに次回の作戦についての事を」
ゼロ「カレン…こうして私が機会をあげているんだ。
お前の様子を見ていて分かる。作戦などという公的なもの以外で聞いてみたいことがあったのだろう?」
カレン「そ、それは…その……」
ゼロ「私はいつもお前を見ている。 お前のことはよく知っているつもりだ」
カレン「ルルーシュが…私を、ずっと見てくれている……?」
ゼロ「ああ、私はお前をずっと見ている。 見守っている」
カレン「そ、それじゃあ一つだけ聞かせてください、ゼロ…」
ゼロ「ぶっふぅwwwwwwwwwww」
カレン「ゼ、ゼロ!?」
ゼロ「…すまない。 少々咳き込んでしまっただけだ、気にするな」
C.C.(いかん、これは面白い。 面白すぎるぞカレン…。
ここまでウブな反応を見せてくれるとは流石の私も想定の範囲外だった…!)
ゼロ「ああ、大事無い」
カレン「さっきから肩が震えているんだけれど、そんなに体調が悪いの?」
ゼロ「持病みたいなものだ、気にするな」
カレン「声まで震えちゃって…」
ゼロ「笑いを、いや、お前が素直になってくれた事への喜びを噛み締めているだけだ」
カレン「は、はい!」
ゼロ「私が恋仲となりたい人間がいるのか、という話だったな」
カレン「……はい」
ゼロ「それはだな」
ゼロ「カレン、君自身だ」
カレン「…………へ?」
ゼロ「君だ。私はそう言っているんだ」
カレン「………!?」
ゼロ「ほら、こんなに顔を真っ赤にして」
カレン「て、照れているからに決まってるじゃない!」
ゼロ「目まで涙ぐんでしまって、一体どうしたというんだ?」
カレン「…嬉しいからに決まっているじゃない。 …馬鹿」
C.C.(ダメだwwwww腹筋がwwwwwよじれそうだwwwww)
ゼロ「カレン、大事な話がある。 あとで俺の部屋に来い」
カレン「えっ…部屋って、もしかして…」
ゼロ「少々の覚悟はしてくるんだな。 多少は荒いかも知れないが、優しくしてやる」
カレン「は、はい!! …ちょっとくらい荒っぽくても、私は一向に構いません」
ゼロ「ぶっふぅwwwwwww」
カレン「ゼ、ゼロ!?」
ゼロ「いや、すまない。またしても咳き込んでしまった。 どうにも体調が芳しくないようだ。
先に部屋へ戻ることにしよう」
ゼロ「また後で、カレン」
カレン「うん…ルルーシュ……」
ルル「ご苦労だ、C.C.」
C.C.「そっちの方こそご苦労な事だ。
学生とゼロを両立する二足の草鞋は大変だろう」
ルル「お前の口から労いの言葉が出るとは珍しいな」
C.C.「なに、非常に面白いものが見れたしな。
今日の私はご機嫌なんだ」
ルル「どんなことがあったのかは知らないが、それは良かったな」
C.C.「それに、これからもっと面白そうなことが起こりそうだからな」
ルル「何の事だ?」
C.C.「こちらの話だ、気にするな。
私は一足早くアッシュフォードへと戻っておく」
ルル「ああ、分かった」
C.C.「なぁ、ルルーシュ」
ルル「どうした?」
C.C.「私たちは、共犯者だよな?」
ルル「今更分かりきったことを。 当たり前だろう」
C.C.「そうか……w」
ルル「おい、なんだその含み笑いは」
C.C.「気にするな」
ルル「全く、変な女だ」
ゼロ(真)「さて、着替えも終わって作戦プランの準備も万端だ」
ゼロ「今日も絶好の騎士団日和になりそうだな」
コンコン
ゼロ「誰だ?」
カレン「ゼロ、私です。 紅月カレンです」
ゼロ「カレンか。 構わない、入れ」
カレン「…失礼します」
カレン「何が、ですか?」
ゼロ「少々胸元が開きすぎている。
騎士団の規律の面もあるから、あまり着崩すような真似はするな」
カレン「そ、それはだって、アンタが部屋に呼ぶから…ちょっとくらい、大胆になっても…」
ゼロ「俺がお前をいつ部屋に呼んだというんだ?」
カレン「!?」
ゼロ「何を言う、俺はついさっき着いたばかりだぞ」
カレン「だ、だってアンタ私にこ、こく、こくこくは…!」
ゼロ「刻刻破?中華連邦の新しいKMFの名前なのか、それは」
カレン「し、しらばっくれて…! アンタ、男として最低よ!!」
ゼロ「カレン、深呼吸をして少し待て。未だに状況がつかめていないんだが」
カレン「わ、私に好きって言ったじゃない!!」
ゼロ「落ち着け、カレン」
カレン「優しくしてやるっていうから…凄く、恥ずかしかったのに…」
ゼロ(一体どうなっているんだ、コレは…!?)
ルル(俺が騎士団本部に来る前までに何らかのトラブルがあったと見て間違いない)
ルル(ならば俺に出来ることは)
ルル(『つい今しがた到着したばかり』で、『先刻までゼロの代理をC.C.に任せていた』ことを
カレンに説明し、この妙なちぐはぐ感を取り払うことが先決!)
ルル(この問題を解決するための条件提示はクリア…!)
ゼロ「カレン、まず落ち着いて俺の話を聞くんd……」
カレン「馬鹿ああああああああああああああああああああああ!!」
グシャ
ゼロ「」
~その頃、アッシュフォード~
C.C.「全く、今日は本当に面白かった…これならば、ゼロを演じるというのも悪いものではないな」
-end-
C.C.「なぁ、ルルーシュ。ピザが食べたい。出前を取ってくれ」
ルル「……」
C.C.「おい、聞いてるのか」
ルル「……」
C.C.「おい、ルルーシュ」
ルル「……そういえば読みかけの本があったな」
C.C.「おい、無視するな」
C.C.「なんだ、つれないじゃないか」
ルル「……」
C.C.「いつもは『ピザを取る余力があるならば、そのカロリーを別の事に消費しろ』と
口やかましく言っているじゃないか」
ルル「……」
C.C.「『合衆国ニッポン!』というネーミングとポージングを考えてやった恩義をお前は忘れたのか?」
ルル「存外早く読み終えてしまったな。音楽でも聴くか」
C.C.「ルルーシュ、馬耳東風というやつか。 こうなったら意地でもお前に相手させてやる」
ルル「~~♪」
C.C.「そこの音程外れているぞ、音痴」
ルル「……」
C.C.「ほら、そうして人に突っ込まれたらすぐ歌うのを止める。
男らしく初志貫徹で最後まで歌いきれ」
ルル「……」
C.C.「ボリュームを上げて対抗か。 だが私はその分だけ声を荒げて喋るぞ」
ルル「……」
C.C.「全く、ボリュームを上げるなら上げるで最大まで上げてみろ。
どうせ自分の耳が持たなくなったから妥協をして中途半端な大きさで留めているんだろう?」
ルル「……」
ルル「……」
C.C.「ほら、そうやって露骨に飛ばす。
いくら私が美声だからと言って、そこまで照れることないじゃないか」
ルル「……」
C.C.「なぁ、ルルーシュ」
ルル「……」
C.C.「相手をしろ」
ルル「……」
C.C.「…淋しいじゃないか」
C.C.「…!」
ルル「…どうかと聞いている」
C.C.「分かった、善処しよう」
ルル「…ふん、まぁお前の口からその言葉が聞けただけでも及第点と言ったところか」
C.C.「私だって伊達に長生きしていない。 妥協くらいは知っているさ」
C.C.「ただな、あんなそっけない態度だけはとってくれるな。 …私は存外、傷つきやすいんだぞ」
ルル「…すまなかった」
そんなに私はお前にかまけず、ピザばかり食べていたか?」
ルル「なに、簡単な理由だ。 C.C.、これを読んでみろ」
C.C.「ん? これはお前が途中で読んでいた本じゃないか」
C.C.「なになに…『人を追い詰める51の方法』?」
ルル「ゼロとして行動するなら、交渉術や行動心理学に詳しくなくてはいけないからな。
その実験として少々試してみただけだ」
C.C.「……」
ルル「ん?」
C.C.「……」
ルル「おい、C.C.。なぜ急にそっぽを向く」
C.C.「……」
ルル「C.C.、聞いているのか?」
C.C.「……」
ルル「…これが、因果応報というやつか」
-end-
ジェレミア「私ですか?」
C.C.「お前しかいないこの空間で、私はお前以外の誰に話しかければいいんだ?」
ジェレミア「それは失礼いたしました」
C.C.「で、さっきの質問の回答は?」
ジェレミア「そうですね…ルルーシュ様のお傍で働けるのであれば、それ以外で思う事は特に…」
C.C.「なんだ、ごくごくつまらない忠義だな」
ジェレミア「どのように捉えられようとも、私にはそれだけが己が全てですから」
ジェレミア「ですが…もしも本当に成すべき事が終わったのであれば…」
C.C.「…本当に欲が無いんだな」
ジェレミア「現状で精一杯なだけですよ」
C.C.「オレンジ農園でもやってみるか?」
ジェレミア「それも良いですね、我が忠義の農園とは素晴らしい」
ジェレミア「そこで馬や牛など放牧して、ちょっとした牧場を経営するのも…いいですね」
C.C.「ふん、せいぜい夢想を楽しんでいろ。 そういうのどかな夢は、嫌いじゃない」
ジェレミア「…ありがとうございます。 おかげで、私のやりたいことが少しだけ見えたような気がします」
ジェレミア・ゴットバルト
後の牧場王(マキバオー)と呼ばれる男の起源は、このような些細な会話から成るのであった
C.C.「おい、ルルーシュ」
ルル「…今何時だと思っている?」
C.C.「知ったことか。 そんな事よりも頼みがある」
ルル「俺の睡眠時間をたった一言で片付けるとはいい度胸じゃないか」
C.C.「あまり気にするな」
ルル「まぁ、目が覚めてしまったのはもう過ぎた話だ。 一体なんの用だ?」
C.C.「私の下着がどこかへ行った」
ルル「それは一般的に『無くした』というんだ」
C.C.「お前、どこにあるのか知らないか?」
ルル「俺が知るわけないだろう」
ルル「お前が俺にどんな意見を求めているのか理解しかねるんだが」
C.C.「さぁ、出せ」
ルル「何をだ」
C.C.「ここまで言っても分からないか」
ルル「正確には『分かりたくない』という心情をお前は汲み取ってくれないのか」
C.C.「ルルーシュ、お前…私のパンツ盗んだだろう」
C.C.「白羽の矢が立つとしたらお前しかいないだろう」
ルル「……根拠はどうなる?」
C.C.「なに、簡単な事だ」
C.C.「考えても見たら、情欲の盛んな坊やとずっと同じ部屋で過ごしているんだ」
ルル「お前が勝手にここに住み着いただけだろう」
C.C.「若い力に任せて押し倒されていても何ら不思議も無かった」
C.C.「いわば私は日頃から己が身の危険と隣り合わせだったわけだ」
ルル「ついに痴呆が始まったのか。長生きの弊害は怖いな」
C.C.「だがお前はそうしなかった、何故か分かるな?」
ルル「同意を求めるな。 分からん、知らん」
C.C.「お前は私の使用品で己の欲を発散していたからだ。 …違うか!?」
ルル「勝ち誇った顔でこっちを見るな。 違うに決まっているだろう」
ルル「…夜遅くに起こされて、何を言われるかと思えばいきなり犯罪者扱いか。
もしも俺が犯人ではなかったら、それなりの責任は取ってもらえるんだろうな?」
C.C.「責任もクソもあるか。 お前が犯人、事件解決。 あとは尋問を残すだけじゃないか」
ルル「どれだけ傍若無人なんだお前」
C.C.「で、被告。 どこに私のパンツを隠した?」
ルル「…全ての事柄に俺が異論を唱える前に、一つだけ」
C.C.「意見を許そう」
ルル「もしも俺が犯人ではなかったら、お前は一体どうやって責任を取るつもりだ?」
C.C.「有りえない事を大前提に置くんだな、お前」
ルル「言っておくが俺はこの容疑を全力で晴らしに行くからな…」
C.C.「ふん、その時は私の豊満な乳房をお前の好きにさせようじゃないか」
この程度だったらいくらでも許可しよう」
ルル「…さも俺がその事柄を望んでいる風に語るな」
C.C.「で、どうする?」
ルル「ふん、最初からお前に報酬などといったものは何も期待はしていない。
お前が屈服するのにはこういった責任払いが必要だと思っただけだ」
ルル「いいだろう、結ぶぞ! その契約!」
C.C.「ふん、そんなに強気でいいのか?
私はお前の行動を随時監視するから、少しでも証拠を隠滅するような素振りを見せたら
その時点でアウトだからな」
ルル「一向に構わない。 俺はシロだからな」
C.C.「ほぅ…強気だな」
コンコン
C.C.「ん? こんな時間に一体誰だ?」
C.C.「なんだ、咲世子か。 一体どうしたというのだ?」
咲世子「いえいえ、こんな夜更けに外まで聞こえるような声で話されていたから何事かと思いまして…。
あ、そういえばC.C.様。 ちょうどいい所に!」
C.C.「ん?」
咲世子「C.C.様のお着替え一式、誠に勝手ながら洗濯しておきました。
私めの部屋に置いてあるので、また後ほど持って参ります」
C.C.「……」
ルル「……」
C.C.「…一つ聞きたい。 そこに淡いピンクの下着はあるか?」
咲世子「ええ、ありますとも。 大胆な下着を持っていて、正直洗っていてドキドキものでした」
C.C.「……そうか、ありがとう」
ルル「…弁明は?」
C.C.「…ない」
ルル「…何か言うべきことは?」
C.C.「…み、見つかって一安心だな」
ルル「……」
C.C.「…悪かった。 今回の件に関しては全面的に非を認めよう」
ルル「全く…まぁ、見つかって良かったな。 俺はもう眠いから寝るぞ」
C.C.「…ルルーシュ」
ルル「なんだ? まだ何か言い足りない部分でもあるのか?」
C.C.「…責任払いの件、覚えているか?」
C.C.「ほ、ほら! もしもお前が犯人じゃなかったら」
ルル「覚えていない。 そしてこれ以上は聞く気にならん」
C.C.「わ、私はその要求を呑んでも一向に構わないぞ?」
ルル「俺自身がその願いを叶える気がない」
C.C.「…童貞坊や」
ルル「勝手に言っていろ」
C.C.「今回ばかりは流石に反省しなくてはならないからな。
今日くらいは一緒に眠ってやるぞ。 お坊ちゃんは人肌淋しいんだろ?」
ルル「…勝手にしろ」
ルル「勝手にしろ、とは言ったが」
C.C.「…zzz…zzz」
ルル「本当に勝手に人のベッドに入ってくるとは」
C.C.「…zzz…zzz」
ルル「そのくせ俺よりも早く眠りに就くとは…まるで猫だな」
C.C.「…zzz…zzz」
ルル「まぁ、眠っているなら仕方ない。起こして怒鳴るほどの元気も俺にはもう無い」
C.C.「…zzz…zzz」
ルル「…おやすみ、C.C.」
C.C.「…おやすみ、ルルーシュ」
C.C.「さて、被告人」
ルル「……」
C.C.「『目が覚めたら、おっぱいを枕代わりにしていた』。反論は?」
ルル「…ない」
C.C.「あまつさえ、谷間に涎を零して熟睡していた。 異論は?」
ルル「…ない」
C.C.「全く、人がほんの少々気を許して一緒に眠った結果がコレだ。
やはり貴様は色欲まみれの童貞坊やだな」
ルル「…お前の寝相の悪さが主な原因だろうが」
ルル「…反論の余地は、ない」
C.C.「ふふん、お前、今後一週間は廊下で寝ろ。
このままじゃあ次は本当に下着を盗まれるどころじゃないかも知れんからなぁ」
ルル「…今朝の件は不可抗力だと何度言ったらいいんだ?」
C.C.「異論は許さんぞ、ルルーシュ」
ルル「…魔女め」
-end-
ナナリー「私は、目が見えません」
C.C.「ああ、知っている」
ナナリー「私にとっては音こそが世界の色のようなものです」
C.C.「なるほどな」
ナナリー「ですから、C.C.さん。私を罵倒してください」
C.C.「…なんともまぁ吹っ飛んだ発想だな、愚かしいにも程があるぞ」
ナナリー「ああ…貴方の声でなじられるとこんなにもゾクゾクするだなんて…」
C.C.「おい、一体どういうつもりでそっちの気質に目覚めたんだ」
ナナリー「なんて冷酷な声…まるで家畜を哀れむような声のようです…」
C.C.「お前に数多の言葉を浴びせたいのは山々だが、その前に質問をいくつかさせろ」
ナナリー「はい、C.C.様」
C.C.「様をつけるな」
ナナリー「では、お姉さま」
C.C.「…この際だ。 多少の妥協は止むを得まい」
お前をそういう風にさせたのは、一体誰が原因なんだ?」
ナナリー「…事の発端はお兄様の部屋から聞こえてくる声でした」
C.C.「あいつの部屋から?」
ナナリー「その声の主は、お兄様をスラング寸前の数多の言葉でねじ伏せておりました。
それはそれはもう、ひどい言葉で」
C.C.「……」
ナナリー「それを聞いているうちに、なんというかこう胸がキュンキュンしてしまって。
気がついたら私はずっとその声の主に耳をすませていました」
C.C.「その声の主というのは…?」
ナナリー「お姉さま、貴方です」
C.C.「可愛いお前が愚かしいマゾに目覚めてしまったのは、私が原因だったというわけか…」
ナナリー「ああっ…!!」
C.C.「ええぃ、いちいち反応するな!」
ナナリー「ずっとお兄様の部屋に聞き耳を立てて、今まで過ごしてきました。
ですが、それももう限界です」
ナナリー「お姉さまに弄ってもらいたい…言葉攻めというのを体感したい…」
ナナリー「そんな私の気持ち、お姉さまに分かりますか?」
C.C.「分からない。 分かりたくない。 その気持ちを私は分かっちゃいけない」
ナナリー「そう! そんな冷たい声をもっと聞きたいから!
私は貴方にこうやって告白したんです!!」
C.C.「落ち着け、ナナリー。 そんなお前をどう扱うべきなのか私には分からないよ」
ナナリー「分からなくていいんです! 貴方の感じるまま、赴くままに私をなじればいいんです!」
ナナリー「さぁ! さぁ! さぁ! お姉さま!!」
C.C.「やめろ…車椅子なのにそんな勢いで迫ってくるな…!」
ガバッ
C.C.「はぁっ…はぁっ…!」
C.C.「夢、だったのか…」
ルル「おい、C.C.。 うなされていたぞ、大丈夫か?」
C.C.「あ、ああ。ルルーシュか。
いや、存外ひどい夢を見ただけだ」
ルル「ほぅ、お前がうなされるとは相当の悪夢だったのか」
C.C.「ああ、それはもうひどい夢だった」
ルル「寝汗まで掻いているじゃないか」
C.C.「そこまでうなされていたのか、私は…」
ルル「興味本位で訪ねるが、一体どんな夢だったんだ?」
C.C.「…お前に教えるには少々酷すぎる内容だったよ」
-end-
見初めたのは、入学式。
困ったように微笑む彼を遠目から見て、私は一目で恋に落ちた。
整った顔立ち、気品すら感じる佇まい、そして誰にでも優しい平等な態度。
瞬く間に彼は学園の人気者となっていた。
ライバルも当然ながら多かったけれど、皆に好かれる彼を私は少しだけ誇らしくも感じていた。
おかしいよね、そんなに見知った仲ってわけじゃないのに。
生徒会の副会長という事で何かと多忙な彼を手伝いたい。
そして何よりも、もっと彼の身近にいたい。
そんな率直な気持ちが私を動かす。
気がつけば、私は生徒会の一員として働くようになっていた。
ルル、と呼べるような仲になれた。
向こうも私を下の名前で呼んでくれるようになった。
そんな些細な事が凄く嬉しくて、知らず知らずに涙ぐんでいる私に気づく。
すぐに涙腺が緩んでしまうのは情けないけれど、嬉しさだけは隠せない。
本当に幸せな日々だった。
そんな日々が大好きで。
そんな彼が大好きだった。
でも、心のどこかで私は思っていた。
この恋は実らない、と。
彼に引け目を感じているわけでもない。
ただ、漠然とそう感じていた。
諦めればいい。
彼は素敵だけれど、世間を見ればきっともっと素敵な人がいるだろう。
諦めれば、きっと楽になる。
でも、それでも。
私は彼が好きだった。
私は静かに彼を思うことにした。
数多の女の子から告白をされても、一向に付き合う素振りを見せない彼。
思い切って訪ねたことがある。
「ねぇ、ルルってばなんで付き合わないの? 告白されたのに勿体ないよー!」
そう言った私の心は、少しだけギチリと痛む。
そんな彼は困ったように私に返事を返してくれる。
「好きな人が、いるから」
やっぱり、叶わない。
どこの誰に彼が恋をしているのか分からない。
ただ、それが自分じゃないのが凄く切なかった。
ふと、私の体が温かさに包まれるのを感じた。
「泣かないでくれ、シャーリー」
次に紡がれた言葉は
「好きなのは、君なんだ」
彼は本当に困ったような顔をして、私に告げる。
「君が泣いているのを見るのは、少し困る」
まるで、陳腐な三文小説のようだった。
粗末で些事な夢を…私は見ていた。
死ぬな、死ぬなと声を枯らして私に訴えている。
もしかして、夢で見たような彼の困った顔。
今の私がしている表情なのかな。
結局、この恋は実らなかった。
でも、こうして大好きな人の傍で終わるのも、少しだけロマンチックなのかもね。
幸いの名残に。
貴方と共に過ごせた思い出を。
ほんの少しだけ、書き換えて。
私の幸せな物語は幕を閉じる。
-end-
ルル「今日の任務もなんとか無事に終えることが出来た、か」
C.C.「ルルーシュ、おかえり」
ルル「ああ、ただいま…。 おい、C.C.」
C.C.「ん? どうした?」
ルル「いつの間にワインを持ち込んだ?」
C.C.「ついさっきだ。 ラクシャータが余ったんでお裾分けだとさ」
ルル「あまり飲みすぎるなよ。 明日の任務に差し支えない程度にしておけ」
C.C.「いちいち口やかましい奴だ。 美味しい酒もお前の小言で不味くなる」
ルル「好きに言っていろ。
俺はもう眠るから、遅くまで飲みすぎるなよ」
C.C.「おいおい、ルルーシュ。もう眠るのか?」
ルル「ああ。 それがどうかしたか?」
C.C.「つれない奴だな。 こうして折角の美酒があるんだ。一杯付き合え」
C.C.「貴様の脳細胞なぞ私の知ったことか。
それとも何か? 私の酒など飲めないとでも言うつもりか?」
ルル「まるで性質の悪い酔っ払いの絡み酒だな」
C.C.「ふん…やはりお坊ちゃまには酒の味覚など分からないだろうな」
ルル「なんだと?」
C.C.「ブリタニアの軍事圧力や中華連邦との交渉には飲まれない男も
たかだか酒程度のものに飲まれてしまうのが怖いのか、と言ったんだ」
ルル「つまらない冗談を言うじゃないか、C.C.」
C.C.「ほぅ、これを冗談と捉えることの出来るお前の脳はさぞ幸せなんだろうなぁ」
ルル「面白い。 俺が酒ごときに飲まれるわけがないだろう。
C.C.、余ったグラスを貸せ。 少しくらいなら付き合ってやる」
C.C.(本当に乗りやすい男だな、こいつは…)
C.C.「上質な白ワインだからな。 喉にすぅっと入ってくるのが分かるだろう」
ルル「風味だけではなく、澄んだ高原を彷彿とさせるような味わい深さも素晴らしい」
C.C.「あまり語るな。 ボロが出るぞ」
ルル「…少し黙っていろ」
C.C.「しかしまぁ、なんだ。 お前の飲みっぷりから見ると、本当にイケる口っぽいな」
ルル「…俺を誰だと思っているんだ?」
C.C.「まぁ、あまり飲みすぎるなよ。 明日の任務に差し支えない程度にしておけ」
ルル「また随分と遅く返答する鸚鵡返しだな。 俺が先ほど言った台詞と同じじゃないか」
C.C.「お前は皮肉だったんだろうが、私はお前の身を案じて言ったまでだ」
ルル「心配は無用だ。 己のセーブを俺が欠かすわけないだろう」
C.C.「どうした?」
ルル「お前、よく見たら…綺麗だな」
C.C.「ふん、何を言うかと思えば…何?」
ルル「綺麗だ。 そう言ったんだ」
C.C.「お、おいルルーシュ。 いきなり顔を近づけるな」
ルル「琥珀色の瞳、切れ長な目、整った鼻筋…綺麗だ…」
C.C.「目が据わった状態で褒められても、そ、そんなに嬉しくないぞ」
ルル「深緑の髪もよく似合っている…このまま、お前を抱きしめたい…」
C.C.「ルルーシュ。 もう寝たほうがいい。それも早急に」
ルル「なぁ…C.C.。お前は俺のことを一体どう思っているんだ?」
C.C.「共犯者。 それ以上でも以下でもない」
ルル「…本当は?」
C.C.「そ、それは…」
C.C.(そ、そんなに真面目な顔で見つめられると…)
ルル「お前は、俺を、どう…思って……」
C.C.「ほ、本当はだな! 私は結構お前の事を…」
ルル「い…るん……だ……zzz……」
C.C.「ルルーシュ?」
ルル「…zzz…zzz」
C.C.「酔いつぶれて…眠ってしまったのか?」
C.C.「電光石火で酔っ払って、光の速さで混乱を招いて、何も知らない無垢な顔で眠るとは。
なんともまぁ酒癖の悪いやつだ」
C.C.「私は、けっこうお前の事が」
C.C.「――――」
C.C.「…私も少し酔っているな。 もう眠るとするか」
C.C.「おい、ルルーシュ」
ルル「今の俺に話しかけるな」
C.C.「もうすぐ出かける時間だぞ」
ルル「揺さぶるな。 頼む、今回ばかりは切に頼む」
C.C.「『明日の任務に差し支えない程度にしておけ』」
ルル「アゴをしゃくれさせて言うな。その件に関しては不問にしておく」
C.C.「私が問いただしたいくらいだぞ」
ルル「…頭が、割れるように痛む」
C.C.「良かったな。 それが世間一般で言うところの二日酔いだ」
ルル「…俺は金輪際、アルコールは摂取しない。 絶対に」
C.C.「固い決意をしているところですまんが、本格的に出かける時間だぞ」
ルル「…今日のゼロはお前に任せる」
C.C.「ダメだ。 中華連邦で大事な会議だろう。 お前が行かずに誰が行く」
ルル「…昨日の記憶も無い。 今日の気分は最悪。
…全く以って厄日だ」
C.C.「よほど参っているな」
ルル「ナナリー…今、そっちに行くからな…」
C.C.「自分の妹を勝手に故人にするな」
C.C.「まったく、今回だけだぞ…。
ルルーシュ、こっちへ来い」
ルル「何をする気だ? 迎え酒という拷問は受け付けんぞ」
C.C.「膝枕だ」
ルル「は?」
C.C.「…私の気が変わらないうちに来い」
C.C.「それは重畳だ。意外と頭重いなお前、治ったら早くどいてくれ」
ルル「言われずとも、すぐ、どいてやるさ」
C.C.「それは良かった」
C.C.(しかして、昨日の勢いがあった男らしさはどこへやら、だな)
C.C.(こうしているとまるで、…いや、柄にも無いことを考えてしまった)
C.C.(まぁ…もう少しだけこのままでも、罰は当たらんだろう)
ルル「おい、C.C.」
C.C.「なんだ?」
ルル「お前、なんで頬が赤いんだ?」
C.C.「…私もきっと二日酔いだからさ」
-end-
ルル(これは一体、どうなっているんだ)
C.C.「…zzz…zzz」
ルル(俺が、C.C.に抱きしめられながら眠っている、だと?)
C.C.「…zzz…zzz」
ルル(しかも頭にむにゅむにゅした感触を感じる)
ルル(何故かは分からんが、由々しき事態だ)
ルル(腕を振りほどいてこいつを地面に蹴り倒す。
その拍子でC.C.は飛び起きて、寝惚けながら自分の床に帰っていく)
ルル(これで条件はクリア。完璧なプランじゃないか)
ルル(では早速、思考から行動へシフトを切り替えよう)
ルル「ふんっ!」
C.C.「…zzz…zzz」
ルル「ふんんっ!」
C.C.「…zzz…zzz」
ルル「こ、この馬鹿力め…一寸たりともほどけないとは……!」
ルル(プランB『北風と太陽』を考察するまでだ)
ルル(とは言ったものの…まったく身動きできないのは困ったな)
ルル(とりあえず、ずっと固定されて辛くなってきたから
頭の位置だけでもずらしてみよう)
ゴソゴソ
ルル(どうにももにゅもにゅした感覚があるな。
もう少し上に軸をずらしてみるか…)
ゴソゴソ
C.C.「んっ…ふぅ、ん……」
ルル(おい、妙な声を出すな)
ルル(このままではC.C.が目覚めるよりも早く、俺が永久の眠りに就いてしまう)
ルル(だが、この状態で起こされたらコイツに何を言われるか分かったものではない)
ルル(考えろ、こういった土壇場でこそ思考を止めてはいけない)
C.C.「…んうぅん、チーズ君…んふふ…」
ルル(こいつまさか、チーズ君と俺を勘違いしているのか!?
というか今までこんな馬鹿力でぬいぐるみを抱きしめていたのか…)
ルル(こうなったら、強硬手段に出るしかない)
ルル(死に物狂いでもがいて脱出。たった一つの冴えたやり方とはよく言ったものだ)
ルル「ふんぬぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
モゾモゾ
ルル「ぷはぁ!!」
ルル「ようやく脱出、できた…か…」
C.C.「…おい、ルルーシュ」
ルル「…おはよう、C.C.」
C.C.「これは一体、どういう状況だ? 理解可能な説明を私は求めるぞ?」
C.C.「お前が息を荒げて私に馬乗りになっている。 これで充分か」
ルル「及第点だ。では、どういった状況でこうなっているか、これも理解できるな?」
C.C.「……変態め」
ルル「やはり誤解を解くのが最優先事項のようだな」
C.C.「そんなのは私のベッドの中に決まっているだろう」
ルル「では、お前は今どこにいる?」
C.C.「…何故に私はお前のベッドで組み伏せられたようになっている?」
ルル「そこまでは合格だ。 お前はもしかして、昨晩トイレか何かで部屋を出なかったか?」
C.C.「喉が渇いたから、水を飲みに起きたのはうっすらと覚えている」
ルル「そこからの記憶は?」
C.C.「…曖昧だ」
ルル「なるほど、ではそこからは俺が説明しよう」
C.C.「…お前まさか、私の飲んだ水に睡眠薬でも投入したんじゃないだろうな」
ルル「…お前はまず俺への懐疑心を捨てることから始めよう」
C.C.「この私がか? そんなこと有り得るはずが無いだろう」
ルル「前科持ちが何を言う。 続けるぞ。
そして俺の眠っているベッドへと間違って潜り込み、俺をチーズ君と勘違いする」
C.C.「お前とチーズ君を? 馬鹿を言うな。可愛さに雲泥の違いがありすぎるだろう」
ルル「…あくまで俺のは予測だ。
そしてお前は俺が寝ているのをいいことに、抱き枕代わりに俺を抱きしめた」
C.C.「…道理で妙に寝苦しいと思ったら、私はお前を抱きしめていたのか」
ルル「熟睡していた奴が寝苦しいとのたまうとは戯言にも程があるぞ…」
C.C.「…それで、いつまでお前は私に馬乗りになっているつもりなんだ」
ルル「…すまない」
C.C.「まぁ、大方理解はした。
お前の推理も一理あるだろう。これは両者痛み分けといったところだな」
ルル「…俺は危うく本当に死に掛けていたんだが」
C.C.「細かいことは気にするな」
ルル「どうした? まだ何か問題点でもあったのか?」
C.C.「お前は私に抱き枕代わりにされていたのだろう?」
ルル「…まぁ、一概にそう言えなくは無い立場にはあった」
C.C.「という事は、だ。
お前また私の胸を勝手にまさぐったな?」
ルル「天地神明に誓おう。 断じて無いと」
C.C.「しかしてお前くらいの歳が持ちうる腕力があれば、私の腕くらいすぐに振りほどけるだろう」
ルル「……」
C.C.「それなのに、あえてそれを行なわなかった。
お前、私の胸に埋もれている感触を甘んじて受けていたのか?」
ルル「ただの誤解だ。 それで証明終了でいいだろう」
C.C.「あやしいぞ、お前…」
ルル「胸を両手で隠すのはやめろ」
C.C.「……変態」
ルル「誤解だと言っているだろう!」
C.C.「それでは納得のいく説明をしてもらおうじゃないか。
『なぜお前は私の胸に抱かれたままだったのか?』」
ルル「……答えは簡単だ」
C.C.「是非とも聞かせてもらおう」
ルル「……振りほどけなかった。 それだけだ」
ルル「なんだ」
C.C.「私はこれでも一応女だぞ?」
ルル「ああ、分かっている」
C.C.「自慢じゃないが、非力だぞ」
ルル「……」
C.C.「お前、何気に物凄く格好悪いことをカミングアウトしていないか」
ルル「それで俺の疑いが晴れるならばそれでいい」
C.C.「さもやり遂げた風な体裁を取り繕っているところ申し訳ないが、未だに信じられんぞ」
ルル「…事実なのは仕方ない」
C.C.「まぁ、いい。こんな事であまり言い合うのも疲れる。 今日の所は私が折れてやろう」
ルル「折れるも何も、お前が元凶であり原因だろうが…」
ルル「…なんだ」
C.C.「もう少し雰囲気とムードというのを覚えて来い。
状況と場合によっては、考えてやらないこともないぞ」
ルル「…寝言は眠りながら言うものだ」
~後日~
咲世子「レディー、ゴッ!」
パタン
ルル「くっ、また…負けた。 これで12連敗、だと!?」
C.C.「…腕相撲で男性に勝ったのは、長い間生きているが初めての経験だぞ。
本当に貧弱だったのか、お前」
ルル「今日はたまたま調子が悪いだけだ」
C.C.「…まずは筋肉をつけることから始めてみような」
-end-
ニーナ「一人えっち、一人でやれば、怖くない」
ニーナ「…ちょっと語呂が悪すぎるかな」
ニーナ「一人でも えっちと呼ぶのが たまらない」
ニーナ「…うん、今日の一句はコレね」
ニーナ「何とはなしに感じる言葉だけれど、『えっち』を平仮名で表記することや
最後の結びに『たまらない』と付けることで
背徳感がグッと深まっている気がするわ!」
ニーナのオナニー(を題目とした川柳の)講座
ルル(今日も良き騎士団日和だ。 皆は活動に勤しんでいるだろうか?)
玉城「でよ~、ゼロの奴ってさ!」
ルル(食堂から話し声が聞こえてくるな。
どんな話をしているのだろう?
趣味が悪いのは承知しているが、少々聞き耳を立ててみるか)
玉城「『黒の騎士団』ってーの? このネーミングセンスどうにかなんねぇかなwww」
ルル「!?」
玉城「だってよ、皆も内心ではそう思ってるんじゃね?
今までゼロに対してツッコミを入れる奴がいなかったから、暗黙の了解みたいになってっけどよ」」
朝比奈「いやまぁ、実は俺もゼロのセンスはどうかと思っていたんだが」
玉城「だろ!? しかもこのご時勢にマスク被ってポージング決めるんだぜ!
ゼロを初めてみたときなんかさ、俺が厨房の頃に脳内で思い描いた姿が現実になっちまったかと思って
内心では結構慌てちまったよ」
千葉「なにアンタ、あんなの妄想してたわけ?」
玉城「うっせ! 今はもう過ぎた話だからぶっちゃけてんだよ!」
ルル「……」
玉城「ちょ、待てって。 そんなに熱くなるなよぅ」
カレン「一種の不敬罪よ。 そういう軽率な発言が士気に関わっているのを忘れないで!」
ルル(おお、カレン…やはりお前は俺の右腕だ……)
藤堂「では紅月くん。 一つ問うが、君はゼロのセンスについてどう思っている?」
カレン「…えっ!?」
ルル(…えっ!?)
玉城(まさかの藤堂サマからの発言だよ)
千葉(戦闘にしか関心がないと思っていたけれど、藤堂さんも思う節が多少なりともあったのね)
扇 (予想だにしない所からの突っ込みだったな。
見てみろ、意見を求められた本人はしどろもどろになっているぞ)
藤堂「日和見な意見は今この場で求められることではない。
君が、君の本心が、一体どういう風に思っているのか私は訊ねたいんだ」
朝比奈(藤堂さん、目が真剣そのものだ…)
千葉(よっぽど突っ込みたかったのね、ゼロのセンスに関して)
カレン「わ、私はその」
藤堂「簡単な話だ。 『君が』、『どう』、『思っているか』。
それをこの場で言うだけだ」
カレン「しょ、正直…あのセンスは無いかな~、なんて」
玉城「ほれ見ろ。 やっぱりカレンも俺たちと同じ気持ちじゃねぇか!」
カレン「わ、私はKMF用のスーツがちょっとセクハラみたいって思っただけで…!」
ルル(……四面楚歌、とはきっとこのような状況の事なんだな)
扇 「あれはラクシャータ博士が名付けたんじゃないのか?」
千葉「なんでも、ゼロ直々のデザインと名前だったって機工関連の人から聞いたけれど?
まぁそれをノリノリで作っちゃうあの人もあの人ね」
藤堂「巷で聞いた話だか、ゼロは自分のKMFにチェス盤を持ち込んでいるらしいが」
カレン「また随分と狭い巷ですね…」
玉城「それじゃあアレか、ゼロは『俺がこの戦場を支配してますよ~』って感じでKMFの中でチェス動かしてるのか!?」
朝比奈「…噂に聞く『邪気眼』というのを患ってそうだな、俺たちのリーダーは」
ルル(…今日はもう帰ろう。…しばらく外にも出ないでおこう)
ルル「……」
C.C.「帰ってきたと同時に何を言うかと思えば、『しばらく騎士団には顔を出さない』だと?
お前はどこの駄々っ子だ」
ルル「……」
C.C.「どうした? いつもの覇気が全然ないじゃないか。
なにか騎士団で嫌なことでもあったのか?」
ルル「…母さんみたいなことを聞いてくるんだな」
C.C.「喧しい。 ただでさえモヤシっ子極まりないお前が陰鬱になったら、この部屋にキノコが生えるかと心配してしまう。
お前がそんな風に落ち込んでいる原因をさっさと話してみろ」
ルル「なぁ、C.C.…」
C.C.「なんだ?」
ルル「俺のセンスは、どこかおかしいのか…?」
ルル「……」
C.C.「変じゃないに決まっているだろう」
ルル「…本当か?」
C.C.「お前と私の関係性はなんだ? 共犯者だろう。
もしも万が一お前が辱めを受けても、私とお前で半分こだ」
ルル「C.C.…」
C.C.「恥ずべきことなど何も無い。 堂々としていろ。
その方がお前らしい」
ルル「…つまらないことで迷惑かけたな、礼を言う」
C.C.「なに、構わない」
C.C.「だから早く部屋から出てこいよ。 騎士団がお前を待っているんだからな」
ルル「…ああ!」
C.C.「さて、と」
トゥルルル…トゥルルル…ガチャ
カレン「はい、こちら紅月」
C.C.「私だ」
カレン「電話先でのその傲岸不遜さ…もしかして、C.C.?」
C.C.「この美声を聞いて私以外に何を連想するんだ、お前は」
カレン「はいはい。で、用件は?」
C.C.「ルルーシュが引きこもった」
カレン「はぁ!?」
C.C.「どうにも騎士団本部に行ってから様子がおかしい。 お前、何か心当たりは無いか?」
カレン「心当たり、と言われてもねぇ…」
C.C.「どんな些細な事でも構わん、教えろ」
カレン「今日ルルーシュのやつ何故か顔見せなくてさ。
あいつに出す分のお茶菓子を私が食べちゃったくらい、かな」
C.C.「些細な事すぎる。死ね」
カレン「そ、そんな事を言われても思い当たる節が無いから仕方ないでしょう!」
カレン「あ、そうだ。強いて言うなら、今日はゼロのセンスについて少しだけ喋った事があったわ」
C.C.「…聞かせろ」
C.C.「肯定的な意見はその場で出たか?」
カレン「…残念だけど、否定派で満場一致だったわね」
C.C.「ドアはどうだ? 開いていたか?」
カレン「さぁ、そこまでは流石に気にしていなかったから」
C.C.「そうか…」
カレン「でもあそこの扉って薄いから、声だけ聞こえていたかもね……あっ!」
C.C.「気づいたか。 ルルーシュはどうやらそれを聞いていた可能性が高い。
明日の騎士団本部には私が何としてでも行かせるから、お前は根回しをして随所でゼロを褒めちぎれ」
カレン「で、でもまだ確定と言ったわけじゃないでしょ?」
C.C.「不確定でも構わん。 やれることをやるだけだ」
カレン「…了解。 私にも責任はあるからね、今回はアンタのプランに乗ってあげる」
C.C.「戦果を期待するぞ、じゃあな」
プツッ…ツー…ツー…
C.C.「これじゃあ、まるで保護者の気分だな」
C.C.「おい、ルルーシュ。今日は大事な定例議会だろう」
ルル「案ずるな、今日はしっかりと騎士団に顔を出してくる」
C.C.「そうか、それは良かった」
ルル「…? なにか良かったことでもあったのか?」
C.C.「いいや、こっちの話だ」
ゼロ「諸君、おはよう」
玉城「よぅ、ゼロ! 今日も頑張ろうぜ!」
扇 「おはよう。 お前ありきの騎士団だ、今日も一つ気合を入れてやろう」
カレン「ゼロ! おはようございます!!」
ゼロ「なんだ、今日はやたらと張り切っているな」
玉城「そりゃお前ぇ、昨日休んでたろ?
どうにも気合が乗んなかったから、その分のフラストレーションを今日ぶつけてるだけよ!」
ゼロ「フラストレーションの使い方はさておき、感心だな。 その調子で頑張れ」
ルル(なんだ…やはり俺の考えすぎだったのか…)
玉城(おい、カレン! 本当にこんな感じでいいのかよ!?)
扇 (ゼロが疲れているみたいだから、皆で励ましてみよう、か。 なかなか良い案だと俺は思うぞ)
カレン(あ、ありがとうございます!)
カレン(ルルーシュ、これで以前のように元気になってくれるかな?)
ゼロ「む? どうした、言ってみろ」
藤堂「常日頃から思っていたのだが、昨日の事もあったので良い機会だから伝えておこうと思う」
ゼロ「ほぅ、それはなんだ」
藤堂「貴殿のセンスは少々妙ちくりんではなかろうか」
ゼロ「…えっ!?」
カレン「…えっ!?」
カレン(空気読みなさいよ奇跡のM字ハゲぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!)
~その頃~
C.C.「ふふ、これでルルーシュも多少は騎士団で過ごしやすくなるだろう。
内助の功、というやつか? やるじゃないか、私…!」
-end-
カレン(もしかして、と思ってたけどやっぱり…)
カレン(また、サイズが一つ上がっちゃってる…)
カレン(もうこんなに大きくならなくてもいいのになぁ…)
カレン(どうしようかな、またKMFのスーツがピチピチになっちゃうのかな…)
C.C.「そっと耳をすま~して~♪ 遠いとおい音楽~~♪」
カレン(あれは、C.C.? i-Podなんていつの間に持ってたんだろう?)
カレン(…駄目で元々、当たって砕けろ! イチかバチか、相談してみようかな)
C.C.「~♪ ~~♪」
カレン「ねぇっつってるでしょ! 聞こえないの!!」
C.C.「…喧しい女だ。 がさつな声はレディに程遠いぞ」
カレン「はいはい、申し訳ありませんでした」
C.C.「で、用件はなんだ? 見てのとおり私は忙しい身でな」
カレン「ただ音楽聴いてるだけで忙しかったら、音楽家なんて過労死するわよ…」
C.C.「断る」
カレン「…せめて内容くらい聞いてくれてもいいんじゃない?」
C.C.「なんとなく面倒そうな気がしたからな。
こういう時の私のカンは頼りになるから信用しているんだ」
カレン「そんなに難しい話じゃないからさ、お願い! この通り!」
C.C.「ほぅ、お前がゼロ以外に頭を下げるとは珍しいな。
とりあえず話だけでも聞いてやる」
カレン「ほ、ホント!?」
C.C.「私の気が変わらないうち、というのが条件だ。ほら、とっとと話せ」
カレン「こ、ここじゃアレだから場所を移さない?」
C.C.「…仕方ない、ゼロの個室でも借りておくか」
C.C.「胸を…小さくしたい?」
カレン「う、うん」
C.C.「顔を真っ赤してまで悩むことなのか?
確かに肩は凝るが、女として生まれたからには立派な武器になるじゃないか」
カレン「アンタにとってはいいかも知れないけれどね、KMFに乗るときや走る際に凄く邪魔なの。
そ、それに男の人からどことなくエッチな目で見られている気がして…」
C.C.「まぁ十中八九、やましさ満載の目で見られているだろうな」
カレン「真顔でそういう事を言うな!」
カレン「うん、そんな感じ」
C.C.「お前はきっと無意識のうちに多くの敵を作るタイプかも知れんな」
カレン「…なんの話?」
C.C.「こっちの話だ」
C.C.「さて、本題に入ろう」
カレン「う、うん」
C.C.「まず最初に結論から言おう。 胸を小さくする方法はある」
カレン「ほ、本当に!?」
C.C.「嫌味だったら殺す。 嫌味じゃなければ数万歩譲って許してやる」
カレン「えっ、何が!?」
C.C.「無自覚でアレか…お前本当に長生きできるか心配になってきたぞ」
カレン「私の今後はいいのよ、それよりも胸を小さくする方法って何?」
C.C.「予想以上に刹那主義だな、お前」
カレン「過去は振り返らず、未来は省みずよ」
C.C.「名言風に言わなくてもいい。
さて、カレン。 この方法を教える前に一つだけ訊ねておきたいことがある」
カレン「え、ええ…民間療法的なことくらいなら、学友との話でちょっとだけ耳にしたような…」
C.C.「その方法は一体どのような事柄だった」
カレン「い、異性から、胸を…さ、触ってもらうことって聞いた…けれど…」
C.C.「ふむ、正解だ」
カレン「で、でもそれがどうかしたの?」
C.C.「いいか、カレン。 逆転の発想だ」
カレン「逆転の発想?」
では一体どのようにすれば胸は小さくなるか」
カレン「……そ、それは!?」
C.C.「その答えは非常に簡単、シンプルなものだ。
すなわち、『大きくなる事と全くの逆説的なことを行なえば小さくなる』」
カレン「そ、それってつまり…」
C.C.「そう、『同姓から胸を揉んでもらう』こと。 それが胸を小さくする秘訣だ」
C.C.「理解できたか?」
カレン「ええ、バッチリよ…でも」
C.C.「どうした?」
カレン「C.C.、アンタなんで妙に笑いを堪えているの?」
C.C.「持病だ、気にするな」
C.C.「で、どうする?
このまま帰って一人で胸について悶々と悩んでおくのか?
それとも私に揉んでもらって、胸を小さくしようと努力してみるのか?」
カレン「わ、私は…」
カレン「お、お願い、します……」
C.C.「ぶっふぅwwwwwwwwwwww」
C.C.「すまない、盛大にくしゃみをしてしまっただけだ。気にするな」
カレン「な、ならいいんだけど…」
C.C.(おいおい…あんな出鱈目、本当に信じてしまったぞコイツ…)
C.C.(溺れる者は藁をも掴むというのを私は今この目で見ているんだな)
C.C.(暇つぶしを兼ねて簡単に請け負ってみたら、存外面白いことになってきた…)
C.C.(よし、乗りかかった船だ。
ここは一つ盛大に揉んでやって、さらにサイズを一つ上げてやろうじゃないか)
カレン「わ、分かった…」
C.C.「前から優しく揉んでほしいか?
それとも、後ろから激しく揉んでほしいか?」
カレン「そ、そんなこと聞かないでよ…馬鹿……」
C.C.(いかん、楽しくなってきた)
C.C.「じゃあ、揉むぞ。今度こそ、しっかりと」
カレン「は…はい……」
ガチャ
ルル「おい、C.C.。
あれほど俺の部屋の施錠はしっかりしておけ…と……」
C.C.「………」
カレン「………」
ルル「………」
C.C.「おい、ルルーシュ。 そんな気の使い方など私は求めていないぞ」
カレン「C.C.……まだ、なの?」
C.C.「カレン、目を開けろ。 いいから目蓋を開けて私と共に弁明しろ」
カレン「で、でも…揉んでもらうの初めてだから、目を開けたままだと恥ずかしいし…」
C.C.「やめろカレン、そんな奇跡の一言なぞ私は聞きたくない」
ルル「お前たちがそういう関係というのは重々理解した」
C.C.「いや待てルルーシュ、お前はまだ何一つとして理解していない」
C.C.「強いて言うなら、お前の右腕的なポジションにいる阿呆を咎めてもらいたいのだが」
ルル「だがな、流石に公私混同はあまり感心しないな。
メリハリをつければ、好きなタイミングで逢瀬を重ねてくれ」
カレン「C.C.…じらさないで、早く……」
C.C.「カレン、お前は目と共に耳まで閉じているのか?
絶妙なテノールボイスが聞こえてきているだろう」
ガチャ
C.C.「……一人で勘違いしたまま出ていってしまった」
カレン「……」
C.C.「災禍の中心は我関せずで目を閉じたままだし…これはまた面倒なことになった…」
C.C.「ひとまずこの場を治めるためには…」
C.C.「現実逃避の意味合いを兼ねて、カレンの乳房でも揉んでおくか」
-end-
真相は闇の中
ルル「なぁ、C.C.」
C.C.「どうした、ルルーシュ」
ルル「最近お前の嗜好は変わったのか?」
C.C.「私は別に普段どおりと思うのだがな。どうしてまたそんな事を聞く?」
ルル「まず、ピザを過剰摂取しなくなった」
C.C.「お前が前々から注意していた事だろう。改善されて良かったじゃないか」
ルル「…その代わりに、やたらと果汁や柑橘系、梅干などの酸っぱいものを食すようになったな」
C.C.「最近やたらと食べたくなるんだ、放っておけ」
ルル「…C.C.、お前妙に洗面所へ行く機会も増えたよな?」
C.C.「美容と健康に気をつけるため、まず鏡で自分をチェックするのは常識だろう」
ルル(「お前、妊娠しているのか」という、僅か数秒で言い終わるフレーズが切り出せない…!)
ルル(こんなときに相談できそうなのはヤツしかいない…)
ルル「C.C.。少しスザクと話したいことが出来たんで、家を留守にする」
C.C.「おぉ、いってらっしゃいだ。旦那様」
ルル「旦那…様…?」
C.C.「どうした? いつもの冗談を真剣なリアクションで返されると流石に戸惑うぞ」
ルル「あ、ああ。もちろん冗談というのは分かっていたよ…行ってくるぞ」
ルル「ちょっと考え事をしていただけだ」
スザク「ふーん、あまり無理しないようにね」
ルル「なぁ、スザク。一つ訊ねたいことがある」
スザク「なに?」
ルル「C.C.の事なんだが、最近あいつ変わったと思わないか?」
スザク「C.C.が? うーん、別に変わった兆候とか無かったけれど」
ルル「そうか、だとすれば俺の気のせいだったな」
スザク「なに?妊娠でもしたの?」
ルル「お前は何故そんな風にサラリと聞きづらい事を口に出せるんだ…」
なんか妙に酸っぱいもの食べまくってるし…」
ルル「そういう兆候があったのを分かっていて、何故一度俺を泳がせたんだ…?」
スザク「いやだって、ルルーシュならそのくらいの変化に気づいているだろうと思って」
ルル「そうか…お前もやはりそう思うのか…」
スザク「ねぇ、ルルーシュ」
ルル「…なんだ?」
スザク「心当たりとかあるの?」
スザク「さすがは童帝だね」
ルル「…いや、もう何も言うまい」
スザク「だとすればおかしいね。
C.C.は君の部屋で寝泊りしているんだろう?
ここ数ヶ月で彼女が一人で外泊したことや、見知らぬ男性と一緒にいたことは?」
ルル「四六時中ずっとあいつは傍にいるが、そういった素振りは全く無かった」
スザク「…ほら、もう君が原因としか考えられないじゃないか」
スザク「言い切れる?」
ルル「…前に一度、酒で酔って記憶を無くしたことがある」
スザク「わぁ、そりゃまた意外だ。君でもそんなことがあるんだね」
ルル「だがあの時は膝枕だけだったし、互いに衣類に乱れは無かった」
スザク「…衣類に乱れが無いから、事を致していない。
発想的には間違いなくサクランボのそれだね」
ルル「…五月蝿いぞ」
そろそろ覚悟を決めるべきだ」
ルル「……」
スザク「皇帝になるのが先か、父親になるのが先か。
たったそれだけの些事じゃないか」
ルル「それを些事と言い切るお前の器こそが皇帝に相応しい気がしてきたぞ」
スザク「思い切って聞いてみてごらん。
C.C.に『俺がお前の父親なのか』って」
ルル「だから何で俺が父親ということ前提で話を進めているんだ」
ルル(やはりここは聞くべきだろう。 『妊娠しているのか』、と)
ルル「ただいま」
C.C.「おかりなさい」
ルル「…何故ニヤニヤしている」
C.C.「ふん、なんでもない」
C.C.「ただ…」
ルル「ただ?」
C.C.「家庭を持つのはこんな気分か、と妄想していただけだ」
ルル「!?」
C.C.「どうした?」
ルル「お、お前…もしかして、赤ちゃんが」
C.C.「赤ちゃんが?」
ルル「…いるのか?」
C.C.「…みんなには秘密だぞ、パパ」
ルル「ほぅわああああああああああああああああああああああああ!!」
ぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあああああああああ………!!
ルル「…ハッ!」
C.C.「…また随分とうなされていたな、ルルーシュ」
C.C.「全く失礼なやつだ。寝言で『C.C.が…C.C.が…』とやたら私の名を連呼していたが
そんなにも素敵な夢を見ていたのか?」
ルル「いや、今世紀の歴史に刻まれていてもおかしくはない程度の悪夢だった」
C.C.「いったいどんな夢を見たんだ、お前」
C.C.「ところでな、ルルーシュ」
ルル「ん? なんだ?」
C.C.「なんか突然、酸っぱいものが食べたくなったぞ」
-end-
C.C.「ルルーシュ、この『あいぽっど』にまた何か曲を入れてくれ」
ルル「この前色々と曲を入れてやっただろうに…」
C.C.「私は変化を常に求めているんだ」
ルル「お前の都合など俺の知る由では無いんだが」
C.C.「もう一つ意味を含めるならば、こう何というんだろうか。
眠気を吹き飛ばす意味合いを兼ねて音楽でも聴きたい気分だからだな」
ルル「…眠いのなら休んだらどうだ?」
C.C.「ごちゃごちゃ五月蝿い男だ。 いいからとっとと適当なお薦め楽曲でも提示しろ」
C.C.「あまりにも疾走感が強すぎるのは却下だぞ」
ルル「全く、ワガママな注文ばかりを…」
ルル「それじゃあこういうのはどうだ?」
http://www.youtube.com/watch?v=vS6wzjpCvec&feature=channel
C.C.「ほぅ、なかなかどうして良い曲調じゃないか。
何よりもPVが凝っていて面白いな」
ルル「お気に召したのなら重畳だ。
どうだ、目は覚めたか?」
C.C.「ああ、しばらくはこれを永続的にリピートしてみるよ
楽曲の提供感謝だ、ルルーシュ」
ルル「…どういたしまして」
C.C.「おい、ルルーシュ」
ルル「悪いが今少々手が離せない。用件なら後に…」
C.C.「お前はまた珍しい風船を持っているんだな」
ルル「…それが何か分かって言っているのか?」
C.C.「避妊具だろう。知っている」
ルル「どこでそれを手に入れた?」
C.C.「お前の机の一番下の引き出しだ。
こんなもの、コソコソとせずに堂々と置いておけばいいものを」
ルル「生憎だが俺にも最低限の羞恥心くらいある」
C.C.「なんだ? お前まさか童貞なのに『万が一』を思って常備しているのか?
だとすればとんだお笑い種だな。 無用の長物じゃないか」
ルル「…そんなリアクションをされるのが分かりきっていたから隠しておいたというのに」
C.C.「なに、ちょっと黙って見ていろ。 これをこうして、こうやってだな」
キュッキュッ…キュッキュッ……
C.C.「出来た。 見ろ、プードルだ」
ルル「…これはまた無駄に見事だな」
C.C.「さらにココをこういう風に捻って、こうやって形を整えると…」
キュッキュッ…キュッキュッ……
C.C.「ほら、ヒトデ」
ルル「実に見事な一芸じゃないか。
…よりにもよって避妊具で作るのもお前らしいというか、何と言うか」
ルル「それは?」
C.C.「この一連の話、なんとオチが無い」
ルル「……付き合った俺の時間を返してくれ」
-end-
な話を待ってる
C.C.「秘儀ぃ! 雪崩式フランケンシュタイナー」
ルル「…最近お前はプロレスにハマっているんだな。それはすぐさま理解できた。
…だが、人様に向かって出会い頭に技をかけるのは理解しかねるんだが」
C.C.「あ、あの、ご主人様?」
ルル「…おい、C.C.」
C.C.「ひっ!? は、はい!」
ルル「自分で捨てたバナナの皮に引っかかって、自分で踏んで、勝手に転んで、
見事に頭を強打して、尚且つ綺麗に記憶を無くす。
いったいどんなギアスを使えば、そんな奇跡の芸当が可能なんだ?」
C.C.「も、申し訳ありません…。
わ、私は気がついたらこちらの素敵なお屋敷で横になっていたことくらいしか覚えていないので…」
ルル「…どうにも弱気なお前を見ると調子が狂うな」
記憶が戻ってくるまでゆっくりくつろいでいろ」
C.C.「は、はい! ありがとうございます、ルルーシュ様」
~ルルの部屋にて~
C.C.「……」
ルル「……」
C.C.「……」
ルル「……」
ルル(なんだ、この妙な気まずさは…)
C.C.「は、はい! お呼びでしょうか、ご主人様!」
ルル「…まずはそのご主人様、というのを止めてもらえたら有り難い」
C.C.「ぜ、善処します」
ルル「…何をそんなにソワソワしているんだ? 落ち着かないか?」
C.C.「い、いえ! 決してそういうわけではありません」
ルル「そうは言っても、現にこうして忙しなくお前は体を揺すっているんだが…」
そ、その、今こうしておきながらも後でひどい事をされるんじゃないかって、こ、怖くて…」
ルル「…C.C.」
C.C.「は、はい!」
ルル「…今日は俺の部屋でゆっくり休め。 俺は別の部屋で眠るから気にするな。
鍵の施錠もしっかりしておくんだぞ」
C.C.「……?」
ルル「そうだったな、過去のお前はひどく脆弱な…ただの女性だった」
C.C.「ご主人様…?」
ルル「お前が過去に受けてきたようなひどい目に合わせるつもりはない。誓おう。
…お前が俺を怖いというなら、せめて眠るときくらいお前の前から姿を消してやる」
ルル「俺とお前は共犯者だ。
記憶を忘れているお前に言うことではないかも知れないが、
上も下もない関係性なんだ」
C.C.「…意味合いは理解しかねますが、ご主人様のお心遣い、痛み入ります」
ルル「気にするな。ただの気まぐれだ。
…それより、なにか食べてみたいものはあるか?」
C.C.「わ、私はその食べかけのバナナで宜しければ…頂きたいです…」
ルル「もっと良いものを頼んでもいいんだぞ」
C.C.「い、いいえ! 私にとっては非常に高価なものです、バナナ…」
ルル「そうか、まぁお前がそれでいいというのなら別段構わないんだが」
ルル「ふふ、そこまで嬉しそうにバナナを食べる人は初めてみたぞ」
C.C.「も、申し訳ありません!
ルル「謝ることではない、気にするな」
C.C.「は、はい!」
C.C.「ご、ご主人様! この皮は一体どこへ捨てれば良いのでしょうか?」
ルル「ああ、それはそっちのゴミ箱にでも…」
C.C.「は、はい!」
ルル「…つくづく奇跡の女だな、お前」
C.C.「なんだ、お前のその奇抜なものを見る目は?
…それよりやたらと後頭部が痛い。 ルルーシュ、氷嚢を作って来い」
ルル(自分で捨てに行ったバナナの皮に引っかかって、自分で踏んで、勝手に転んで、
見事に頭を強打して、狙い済ましたかのように記憶を取り戻すとは…)
ルル「なぁ、C.C.。老婆心だと分かってはいるが、一つだけ伝えさせてくれ」
C.C.「喧しい、私は今たんこぶを治すのに必死なんだ。あっちに行ってろ」
ルル 「…お前、しばらく氷の上や滑りやすい床の上は歩かないほうがいいぞ」
-end-
シャーリー「あ、ロロくーん!」
ロロ「ああ、シャーリーさん」
シャーリー「なに? ロロくんも買い物?」
ロロ「はい。 兄さんが今日夕食を作るんですが、その材料が足りなくて買出しに…」
シャーリー「ふーん…ねぇ、そのお買い物、私も手伝ってあげる!」
ロロ「え、ええ!? 大丈夫ですよ、ご迷惑もかけちゃうでしょうし…」
シャーリー「ほら、可愛い後輩に先輩風を吹かせちゃいたい気持ちも分かってよ~」
ロロ「あ、は、はぁ…」
シャーリー「それで、ルルって今日は何を作る予定なの?」
ロロ「えっと、確か『ビーフストロガノフ』って言ってたような」
シャーリー「ロ、ロシア料理を休日に作ってるの?」
ロロ「兄さんはああいった家事全般を好きでこなしている節がありますから…」
シャーリー「やっぱりロロ君のお兄さんは凄いなぁ。
私も料理には自信あるけれど、ルルほど上手に作れるのは到底無理っぽいもん」
ロロ「そ、そうですか? へへ…」
ロロ「シャーリーさん?」
シャーリー「好きな人に気持ち一つ伝えるどころか、自分の事で手一杯。
器用な人が周りに沢山いるから、つい私と照らし合わせちゃって…。
不器用な自分がちょっとだけ嫌になっちゃう…」
ロロ「シャーリーさん…」
シャーリー「っ、なんてね! せっかく私たちが二人で何かしてるのって珍しいのに、なんか湿っぽくしちゃってゴメンね!」
ロロ「そ、そういうのは、気にしなくてもいいと思います」
シャーリー「えっ?」
シャーリーさんは優しいです。 それだけで、僕は充分にいいと、思い、ます…」
ロロ「ご、ごめんなさい。 なんか偉そうなことを言っちゃって」
シャーリー「ロロ君……」
シャーリー「ううん、教えてくれてありがとう。
最近そういうので悩んでいたけど、ちょっぴり元気になっちゃった」
ロロ「よ、良かった…です」
ロロ「ぼ、僕は別にそんなんじゃ…」
シャーリー「私もロロ君みたいな弟、欲しかったなぁ。 なんてね!」
ロロ「え、ええっ!?」
シャーリー「ほら、ロロ君。 買い物の続きに回ろう!」
ロロ「あ、ちょ、いきなり手を引っ張らないでください…」
ロロ「今日は付き合ってもらってありがとうございました」
シャーリー「全然気にしないで。今日はロロ君とゆっくり話せて楽しかった」
ロロ「ぼ、僕も、です…」
シャーリー「気づいたらもう結構な時間帯かぁ。
私はそろそろ家に帰るね」
ロロ「はい、お気をつけて」
シャーリー「じゃあね、ロロ君」
ロロ「はい、失礼します」
ロロ「…楽しかったなぁ。 兄さん以外の人と喋るのも、楽しいんだな」
ロロ「…僕に姉なんていないし、別にこれからも必要じゃないけど」
ロロ「…あの人みたいな姉さんだったら、ちょっとだけ欲しかったりする、かな」
-end-
実況者
打ったぁ!大きな放物線を描いて、打球はそのまま…ホームラン! サヨナラホームランです!!
『シンジュクブラックナイツ』今期悲願の優勝、優勝です!
『ブリテンラウンドテーブルス』を相手に見事な勝利を飾ったこのチーム…その立役者である人、
ルルーシュ・ランペルージさんにヒーローインタビューを!
レポーター「優勝おめでとうございます、ルルーシュ選手」
ルル「ありがとうございます」
レポ「最後のサヨナラホームラン、あれを打ったときの感想を宜しければお聞かせください」
ルル「球の縫い目まで見えるほどの極限の集中力、羽のように軽々と触れた理想的なスウィングフォーム。
どれも全てが噛みあっていたからこそ打てたホームランだと思います」
ルル「応援してくださったファン、関係者の皆々様、チームメイト、そして何よりも妻と妹に伝えたいです」
レポ「ありがとうございました! 以上、ルルーシュ選手へのヒーローインタビューでした!」
玉城「やったぜ、(背番号)ゼロー!」
カレン「ルルーシュ、よくやってくれたわね…最高よ!」
藤堂「奇跡の藤堂と呼ばれている私だが、今日のホームランこそ真の奇跡だった」
扇 「よし、みんなで(背番号)ゼロを胴上げだ!」
わーっしょい! ワーッショイ! わーっしょい! ワーッショイ!
わーっしょい! …ッショイ! ……ょい!
わー…い! ワー…ョ…イ! ……
……
ルル「…zzz…ワーッショイ…ふふ、そんなに褒めるな…ワーッショイ……」
ルル「…ショイ。 わーっしょい、フフ、わーっしょい…」
C.C.「なんて幸せそうな顔で寝ているんだ、こいつ」
C.C.「おい、起きろ。 お前の寝言が五月蝿くてこっちは目が覚めてしまったぞ」
ルル「…ん。 んん?
…途中で明晰夢と気づいてはいたが、やはり夢だったか」
C.C.「また随分と楽しそうな夢を見ていたようだな」
ルル「ああ、内容は言えないが最高の夢だった」
C.C.「『球の縫い目まで見えるほどの極限の集中力、羽のように軽々と触れた理想的なスウィングフォーム』」
ルル「……!?」
あろうことか実況者っぽい内容の事まで全部寝言で喋ってたぞ」
ルル「お前、まさか…俺がなんの夢を見たのか気づいているのか?」
C.C.「先日一緒に行ったバッティングセンターで、一球もボールに触れることすら出来なかったのがそんなに悔しかったのか?」
ルル「……」
C.C.「最遅の80㌔のピッチングマシーンで空振り三振を取られるのは滑稽な光景だったぞ」
ルル「…俺が見た夢はハドロン砲をブリタニアに叩き込む夢だ。
ホームランというのは見事に命中したという意味、フォームに関してはブレのないガウェインの機体を表していただけだ」
C.C.「…寝起きにも関わらず、よくそんな屁理屈が口からぽんぽん生まれてくるものだ」
ルル「ふん、実に清々しい夢だった。 往年の夢であるブリタニアを壊すことが出来たのだからな」
C.C.「ところでルルーシュ」
ルル「なんだ?」
C.C.「夢の途中で言っていた、『誰に喜びを伝えたいのか』の件だが」
ルル「知らん、俺はもう忘れた」
C.C.「妹、というのはナナリーの事で間違いないだろう。
しかして『妻』というのは一体誰を指していたんだ? んんぅ?」
ルル「夢というのは徐々に曖昧になっていくものだからな
いちいち全ての夢を覚えていては脳のキャパシティの無駄遣いだ」
C.C.「あれは誰だったんだ? ん、正直に言ってみろ?」
ルル「違う、いや、知らん」
C.C.「シャーリーとかいう女か?」
ルル「覚えてない」
C.C.「ユフィ皇女か?」
ルル「忘れた」
C.C.「スザクか?」
ルル「断じて無い」
C.C.「もしや、私か?」
ルル「……」
C.C.「なぁ、どうなんだ?」
ルル「……」
C.C.「おい…何故そこで閉口する」
ルル「……」
C.C.「ふ、ふん! どうせ図星なんだろう?
すぐに近くの女にほだされおって…全く、これだから童貞坊やは」
ルル「……」
C.C.「恋慕している女が夢に出るなぞ女々しい事この上ない。
どうせ夢だから、みたいな感じで淫らなことでも私にやってしまっているんじゃないのか?」
ルル「……もう一回俺は寝る」
C.C.「せめて何か言い返してこい。
張り合いの無い奴だな、肩透かしも甚だしい」
ルル「……おやすみ、もう俺は何も知らん、分からん」
C.C.「…私だけ妙に気恥ずかしくなってきたじゃないか」
-end-
少々出かけてくることになってしまった件
落とすも良し、残すも良しの判断は皆々様に任せます
消化できなかった多くのリクエストは悔やまれますが
またこのような機会があった際は宜しくお願い致します
お付き合い頂き、誠にありがとうございました
表情が緩みっぱなしだった
面白かった
(米474 訂正しました)
Entry ⇒ 2012.09.10 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
美希「突撃!ハニーの晩ごはん!」
P「なのじゃないが」
P「なにかあったのかと思ってヒヤヒヤしたんだぞ?」
美希「……」
P「まさか、本当になにかあったのか?」
美希「……実はね、最近ちょっと悩み事があるんだ」
P「そうか」
P「きっと力になってみせるよ。よかったら話してみてくれ」キリッ
美希「……最近、」
P「うん」
P「」
美希「ねえハニー? 寂しさ、埋・め・て?」チラッ
P「……こいつ」ビシッ
美希「あうっ! い、痛い!」
P「大人をあんまりからかうな」
P「まったく心配して損した……」
美希「ご、ごめんなさい……」シュン
P「……はぁ」
美希「……うう」
P「ああ、もう」
P「分かった、分かった。あがってけ、あがってけよ」
美希「えっ」
美希「 い、いいの!?」
P「ただし出した物に文句をいったら即追い出す」
美希「それでもいいの! わーい! ハニーのお家!」
P「……素直なんだか素直じゃないんだか」
美希「意外と綺麗なんだね」
P「物が少ないんだよ。最近は家より事務所の方に長くいるし」
美希「へえー……」
P「あんまり眺めないでくれ。なんだかすごく恥ずかしい」
美希「だってすごく嬉しいんだもん! ハニーのお家にお邪魔するのって、ミキが初めてでしょ?」
P「まあ、そうかな」
美希「えへへ」
P「……」
P「はい。今日の我が家の晩ごはん」
美希「……冷凍ピラフにインスタントのスープ」
P「仕方ないだろ、なんの材料もないんだから」
美希「わー、おいしそうなのー(棒)」
P「大いに結構」
P「あんまりひっつくなよ。食いづらいじゃないか」
美希「他の誰もいないから、気にする必要ないと思うな」
P「そういう問題じゃなくて……」
美希「それにひとつのお皿を突つくんだから近づいちゃうのは自然なことなの!」
美希「~♪」パクパク
P「うまそうに食べてるけど、それ冷凍食品だからな?」
美希「ハニーと一緒に食べればこそなの」
P「……あ、そう」パクパク
美希「ハニーったら照れてるの?」
P「どうした? 最後の一口とにらめっこして」
美希「これを食べたら、晩ごはんは終わり」
美希「そしたら、もう帰らないといけなくなるの……」
美希「むむ~……」
P「……」
P「……」パク
美希「あー!?」
美希「ひ、ひどいよ……」
美希「久しぶりにハニーとたくさんお話できると思ったのに……」
P「……あー、ピラフ半人前は物足りないなー!」
P「どっかに食べ直しに行こうかなー!」
美希「!」
美希「ミ、ミキも行く!」
765プロ 事務所
亜美「じゃあミキミキは兄ちゃんの家でごはん食べたの?」
美希「そのあとお出かけにも連れてってくれたの! すごく楽しかったよ」
真「プロデューサーの部屋かあ。なんだか汚そう」ハハハ
美希「そんなことなかったよ! むしろ綺麗な方なの」
春香「へ、へぇ〜」
アイドル達(……羨ましい)
P宅 玄関前
P「あれ? 千早?」
千早「プロデューサー……」
P「俺の家の前でどうしたんだ?」
千早「えっと、それは……」
千早「……」ゴクリ
P「?」
千早「と、突撃! ハニーの晩ごはんっ!」ガ-
千早「ですっ!」
P「」
千早「……」
千早「!?」
P「エフッ、エフッ」
P「アハハハハハハハハ!!!」
千早「な、なんですかそのバカ笑いは」
P「いや、だってさ、千早がハニーって……似合わなすぎ」プ-クスクス
千早「が、頑張ったんです! 笑わないでください!」
P「悪かった、悪かった」
P「にしても、なんで美希みたいな真似を? 流行ってるのか?」
千早「……///」
P「えっ」
P「……マジか」
千早「い、いけませんか!?」
千早「ちょっと前まではレッスンに付きっきりだったのに、最近は他の子とばっかりで……」
千早「私、嫌われたんじゃないかと……」
P「そんなわけないだろう」
P「レッスンに顔を出さないのは、千早を信頼してるからであって」
千早「……本当は私の口うるさいのが面倒になったんじゃないんですか?」
P「……」
千早「……」
千早「……」ジー
P「さて千早! お腹も空いただろう! 俺が作ってやるから、ゆっくりしていきなさい!」
千早「……ふふっ。お邪魔します」
P「千早は普段料理とかは?」
千早「毎日してます。最近は創作料理にも……」
P「嘘はいけない」
千早「ごめんなさい」シュン
P「ははは、まあゆっくりしててくれ」
千早「……はい」
P(あんまり凝った料理でなくてもいいよな)
P(……ひき肉買っておいてよかった)
千早「なにを作るんですか?」
P「うわっ!? 急に後ろに立つな!」
千早「ごめんなさい。どうしても落ち着かなくて」
P「んー……」
千早「……」ジ-ッ
P「……一緒に作ろうか」
千早「はい!」
P「じゃあ玉ねぎを切ってくれ」
千早「はい!」
P「いい笑顔だけど使い方はこうな」ピトッ
千早「は、はい……///」
765プロ 事務所
やよい「千早さんはプロデューサーと一緒にごはんを作って食べたんですかー」
千早「ええ、包丁の使い方を教えてもらったわ」
小鳥「プロデューサーさんの料理ねえ……」
千早「とても美味しかったですよ?」
千早「メニューがハンバーグっていうのは、子ども扱いされてるみたいで癪でしたけど……」
真美「へ、へぇ〜」
アイドル達(羨ましい)
あずさ「突撃! ハニーの晩ごは~ん」
あずさ「ハニーって呼ぶの、なんだか照れますね」
P「……あの、あずささん」
あずさ「はい。なんですか? ……ハニー?」
P「……ここ、スーパーです」
あずさ「あらあら」
あずさ「なんででしょう? 美希ちゃんに地図を書いてもらったはずなのに……」
P「地図って……。まさかあずささんまでウチにくる気だったんですか?」
あずさ「はい~。なんだかみんなの話を聞いてたら羨ましくなっちゃって……」
P「うーん……」
あずさ「ダメ、ですか……?」ウルウル
P「ぐっ……」
あずさ「プロデューサーさんに晩ごはん食べてもらいたくて、もう材料も買っちゃったのに……」ガサッ
P「ぐぬぬぬぬ……」
P宅
あずさ「お邪魔しま〜す」
P(俺って甘いよなあ……)
あずさ「じゃあお料理してるので、待っててくださいね?」
あずさ「ハニー♪」ボソッ
P「」ズキュ-ン
あずさ「そ~らに♪ そびえる♪ くろがねのしろ~♪」
P(台所から見えるあずささんの後姿……)
P(……いかんいかん)
あずさ「はい、召し上がれ」
P「い、いただきます」
P(随分と本格的だなあ)
P「ん、うまい」
あずさ「本当ですか? 嬉しいです」
P「いや本当、俺なんかが作るより何倍もうまいです」ガツガツ
あずさ「あらあらうふふ」
あずさ「おかわりもありますよ?」
P「……」
あずさ「プロデューサーさん?」
P「いいですね、こういうの。すごく癒されます」ニコッ
あずさ「」ズキュ-ン
765プロ 事務所
伊織「じゃああずさはあいつに手料理をふるまったわけ?」
あずさ「何度もおかわりしてくれるからうれしかったわ~」
亜美「材料も一緒に買ったの?」
あずさ「そうよ~。ひとつの袋を二人で持つのって、なんだか手を繋いでるみたいでちょっと恥ずかしかったけど///」
律子「へ、へぇ~」
アイドル達(羨ましい……)
P宅
P「今日は誰もこないみたいだな……」
貴音「そのようですね」
P「今日はひさしぶりにゆっくり飯を食えそうだ……」
貴音「皆と食事を共にするのが嫌なのですか?」
P「いやあ、みんなと食べるのも楽しくて好きだぞ?」
P「けど、こう連続するとなあ」
貴音「そうでしたか……。どうやら都合が悪い時に訪ねてしまったようですね」
貴音「……」
貴音「日を改めたほうがよろしかったですか?」
P「いや、もう俺はなにも言わないよ……」
貴音「そうですか、では遠慮なく……」
貴音「突撃!はにいの晩ごはん!」
貴音「……」
P「さーて今日はなにを食べようかな……」
貴音「なにか反応がないと寂しいのですが……」
P「うーん。冷蔵庫にはなんにもないしなあ。冷食も切らしてる」
貴音「あなた様ー?」
P「出前か外食かなあ」
貴音(お困りのご様子……)
貴音「!」
P「ん?」
P「!?」
P(何時の間にテーブルに岡持が……)
貴音「味噌に醤油に、豚骨、しお、なんでもござれです」ガバッ
P「……余った分は?」
貴音「わたくしがいただきます」ニコッ
P「……ズズッ」
貴音「……ズズズッ」
P「まさかの月見ラーメンか……」
貴音「趣があってよろしいではございませんか」
P「うーん……」
貴音「ズズズッ……」
P「ま、いっか。……ズズイッ」
貴音「……」
貴音「ズッズッ、ズズズズッ」
(訳・月が綺麗ですね、あなた様)
P「貴音うるさい」
貴音「……いけずです」
765プロ 事務所
響「貴音はプロデューサーと一緒にラーメンを食べたのかー」
貴音「月見らあめんです。楽しい一夜になりました」
雪歩「月見ラーメンですか……。と、とっても素敵です」
貴音「そうでしょう、そうでしょう」
アイドル達(あんまり羨ましくない……)
貴音「なんと面妖な……」
ちょっと風呂入ってきます
どうか保守を!
次のアイドル
>>+2
某スーパー
P「うーん、肉は我慢かなあ」
P「でも野菜ばっかりといのも味気ない……」
P(肉、野菜、肉、野菜)
P(うーん、ダメだなにも思いつかない)
P「……お? 特売?」
『特売!もやし』
P(なるほど、もやし。そういうのもあるのか……)
P「ってラスト一袋か。早足で急ごう」
ガッ!
P「おっ?」
やよい「はわっ」
P「やよいかあ、奇遇じゃないか」
やよい「うっうー!プロデューサー! こんばんは!」
P「こんばんは」
やよい「プロデューサーもお買い物ですか?」
P「そう。晩御飯のね」
P「このもやしを買えば事足りるんだけど……」
やよい「ううー……」
P「うーん。まさかやよいと取り合いになる日が来るとは」
P「うーん、困ったな」
やよい「ご、ごめんなさい……」
やよい「プロデューサーには普段からお世話になってるから、このもやしは譲ります!」
P「ん、いいのか?」
やよい「はい……!」
P「……」ジッ
やよい「……うっう」
P「……やっぱ今日は豆腐の気分かな」
やよい「えっ」
P「もやしはやっぱりやよいが持っていってくれよ」
やよい「あ、ありがとうございます!」
P(その日の晩ご飯は野菜丼でした)
後日
765プロ 事務所
P(うう、徹夜明けの朝はつらい)
やよい「プロデューサー? なんだか顔色が……」
P(アイドルに心配させるわけにもいかないよなあ)
P「HAHAHA、なんともないよ。ちょっと夜中までモバマスをやっていてね」ハハハ
やよい「……」
やよい(プロデューサーが栄養失調になっちゃった!)
やよい(やっぱり、あのとき私がもやしを持って行っちゃったから……)
現場 撮影終了後
やよい「うっうー! お疲れさまでしたー!」
P「やよい、もう遅いし俺が送っていくよ」
やよい「本当ですか!? ありがとうございます!」
・・・
高槻家宅 前
P「はい、到着」
やよい「……」
P「やよい? やーよーいー?」
やよい「……zzz」
P「寝ちゃってるよ。寝顔もかわいいなあ!」
やよい「……///」
P(軽いなあ)
P「……ドアが開けられん。おーい、長介くん? いるk」
やよい「……」ギュ
P「やよい、起きてたのか」
やよい「プロデューサー……」
P「?」
戸「ガラッ」
長介「突撃!」
かすみ「高槻家のばんごはん!」
P「うおお!?」
やよい「プロデューサー、普通に誘ってもきっと遠慮するから……」
長介「聞いたよ兄ちゃん。もやし不足でフラフラって」
P(もやし不足って……)
かすみ「だから今日はみんなで食べようって、お姉ちゃんが」
P「そうか……」
P「ありがとうな!やよい!」
やよい「はいっ!」
長介「ところでいつまで抱っこしてるの?」
やよい「はわっ/// お、下ろしてくださいプロデューサー!」
P「あ、暴れないで!」
765プロ 事務所
春香「じゃあやよいの家でプロデューサーさんとお食事したんだ」
やよい「はいっ! もやしパーティ特別版です!」
響「プロデューサーはやよいの兄弟たちとは仲良くなれたの?」
やよい「みんな仲良しです! なんだか家族が一人増えたみたいでした!」
伊織「へ、へぇ~」
アイドル達(羨ましい……)
>>+2
P宅
雪歩「とつ、とつと突撃! ははははハニーの晩ごはん!」
P「……いらっしゃい」
雪歩「お、オジャマします……」カチコチ
P(手と足が同時に動いてるよこの子)
・・・
P[まあ、晩ご飯には早いし少しゆっくりしていってくれ」
雪歩「は、はい!」
P「……」
雪歩「……」
雪歩「き、綺麗な部屋ですね!」
P「物がないからなあ」
雪歩「……」
P「……」
P「そうだな。風が涼しくて良い日だった」
P「雪歩は海で撮影だったよな。大丈夫だった?」
雪歩「あ、はい。私はなんとも……」
P「それはよかった」
雪歩「……」
P「……」
P「ああ、スポーツ女王決定戦か。真の一人勝ちだったなあ」
雪歩「真ちゃん、格好よかったです」ポワー
P「本人からすれば複雑な心境だろうな」
雪歩「……」
P「……」
P「……どっこいしょ」ガタッ
雪歩「」ビクッ
雪歩(あ、プロデューサー……)
雪歩(うう、私の話がつまらないから、きっと退屈しちゃったんだ……)
雪歩「うう……」ションボリ
コトッ
雪歩「お茶?」
P「いやあすまん。出すのが遅れた……。折角のお客さんなのにな」
雪歩「い、いただきます……」ズズッ
雪歩「ほわあ……」ホワー
P「あはは、変な顔」
雪歩「えっ、そ、そんなこと言わないで下さいっ!」
雪歩「うう、恥ずかしい……///」
雪歩「……」ズズッ
雪歩(また会話が……)
雪歩(でもなんだろう。さっきまでとはちょっと違う)
雪歩「……ふふ」
P「どうかした?」
雪歩「なんでも無いです。ところで今日は良い天気でしたね」
P「それさっきも話したじゃん……」
雪歩「ふふ、そうでした」ニコ
千早「じゃあ、萩原さんはお茶の後に晩ご飯を?」
雪歩「はい。あんまりお話できませんでしたけど……」
貴音「まるで長年連れ添ってきた夫婦の日常のようですね」
雪歩「ふっ、夫婦……/// そ、そんな私はまだそこまで」
響「へ、へえ~」
アイドル達(羨ましい……)
次のアイドル
>>+2
響「うう、今度は自分の番か……」
響「自分も何か作って食べさせてあげたいけど、何を作っていこうかな?」
響「うう、どうしよう……」
P(……)
響「うがー! なにも決まらないよー!」
響「どうしようどうしよう……」オロオロ
P(あっ、このままじゃなくなこの子)
P(……)
\あー! カレーが食べたいなー!/
響「!?」
響「……カレー? 良いこと聞いちゃった!」
響「よし!プロデューサーをおどかしちゃうぞ!」
響「若い命がまっかにもえ~て~♪」
ピンポーン
P「はーい」
響「突撃! ハニーの晩ごはん!」
P「おっ、珍しく正攻法だな」
響「見てみてプロデューサー! 自分、ゴーヤカレーを作ってきたんだ!」ナベッ
P「おお! 本当か!? 丁度食べたい所だったんだ!」
響「自分、完璧だからね! プロデューサーの事ならなんでもわかっちゃうんだ!」
P「ははは、さすが響だなあ」ナデナデ
響「んっ……、えへへ///」
P「うーん、これはうまい」ガツガツ
響「プロデューサー、がっつきすぎだぞ!」
P「いやあ、ほんと。思った以上に美味しくて」
響「料理も完璧だもん! ……えへへ」
響「そんなにはまったなら、たまに作りに来てあげよっか?」
P「ほんとか? 冗談抜きでお願いしようかな」
響「うん! 任せてよにぃに!」
P「?」
響「あっ」
響「い、今の忘れて……///」
響「わ、忘れてってば!」
響「意地悪するやつにはカレー作ってあげないぞ!」
P「生意気言う奴には食後のゴージャスプリンはやれないな」
響「あっ! ずるい!」
P「ほーれほれ、欲しかったら奪ってみろ」
響「うがー! 持ち上げないでよー!」ピョンピョン
P「あはははは!」
765プロ 事務所
美希「じゃあ響はハニーにカレーを作ってあげたんだ」
響「うん! 毎週金曜はカレーの日だって!」
あずさ「最近の響ちゃん、なんだか元気いっぱいね」
響「それはにぃn、プロデューサーがちょっかいを出してくるから!」
真「へ、へぇ~」
アイドル達(羨ましい……)
>>+2
春香(ついに来ました私の出番!)
春香(今日という日のために色々計画してきたんだもん。他の子には負けられない!)
・・・
P宅
春香「というわけで」
春香「突撃! ハニーの晩ごはーん!」
ガチャ
春香「焦げ臭っ!?」
P「……よう、春香か」
P「いやあ、最近みんな俺の家に食べにくるだろ?」
P「作ってもらってばっかりで悪いし、お返しにお菓子でもと思って……」
春香「それで盛大に失敗しちゃったんですね? うわくっさ!」
P「……そんなに?」
春香「そんなにです! とにかく掃除しましょう!掃除!」
P「あ、ああ」
数時間後
春香「な、なんとか片付きましたね……」
P「すまん春香……」
春香「いいんですよ! 普段お世話になってるお返しです!」
P「晩ごはん、いまから作ったら遅くなっちゃうな……」
春香「い、いいんですってば! 元々急に押しかけてきたんですし」
春香「気にしないでください、また来ればいいんです」
P「ははは、それもそうかな」
P「ん? ビニール袋? 玄関にあんなのあったかな……」
春香「あ、あれはなんでもn」
P「うわっ、すごい量の食材が……」
P「もしかして春香、今日のために……」
春香「な、なんで気が付くんですかあ」
春香「どうせ今から作っても遅くなるし、もう持って帰りますよ」
P「で、でもなあ」
春香「い、いいんですよ。たまたまこういう日だったんです」
春香「……」グスッ
春香「それじゃあ、私帰りますね……」
P「ま、待って春香!」ガシ
春香「!」
P「料理、していってくれないか? 今日はまた失敗しそうで」
春香「でも、いまからじゃ遅くなっちゃいます……」
P「じゃあ、泊まっていけばいい」
春香「えっ」
春香「お泊まりかあ……」
春香「プロデューサーさん! 私頑張っちゃいますね!」
P「お? おう、応援してる」
春香「わっほい!」
P(なんだ? 急に元気になった……)
765プロ 事務所
千早「……」
春香「のヮの」
律子「……」
春香「のヮの」
雪歩「……へぇ~」
アイドル達(羨ましい)
>>+2
765プロ 事務所
律子「プロデューサー殿ぉ? なんだか最近楽しそうですねぇ?」
P「な、な~んのことかなあぁ? ボクさっぱりわからないよぉ~」
律子「とぼけなさんなっ! いい加減マスコミにばれますよ!」
P「そうは言うけど、あいつらが勝手に押しかけてくるのはどうしようもないだろう!」
律子「へえ、勝手に押しかけてくる」
P「律子?」
律子「つまり誰も来ないように見張っていればいい、という訳ですね!」
P宅
律子「……」フンス
P「あのー、律子さん? 玄関で仁王立ちしてないで、お茶でも……」
律子「結構です! 私はアイドル達を見張りに来たのであって……」
美希「ハニー! 一緒にごはn」
律子「ああ?」ギヌロ
美希「げえっ、律子!!」
美希「おじゃましましたー!」
律子「このようにアイドル達を見張りに来たのであって、遊びに来たわけではないんです!」
律子「ですから、おもてなしは結構です」
P「う、うーん……」
数時間後
律子「美希が3回、雪歩と千早が1回、あずささんが2回……」
律子(危険だわ……!)
律子「これもプロデューサーが甘いから……!」
天使律子『説教!説教!説教!』
悪魔律子『説教!説教!説教!』
律子「よろしい、ならば説教よ」
P「……zzz」
律子「寝てる」
律子(これは、ご飯の用意? 必要ないって言ったのに……)
律子(もう冷め切ってる……)
律子「……プロデューサー? プロデューサー、起きてください」
P「んあ、律子?」
律子「……ごはん、食べましょうか」
P「……! ああ!」パァァ
P「律子がどうしてもっていうなら、教えてもいいんだぞ」
律子「結構です。自分で覚えますから」
P「つれないの」
P「……ちょっと熊狩ってくる」
律子「普通にトイレで良いですよ」
・・・
律子「長いわね。まさか本当に熊狩ってるんじゃないわよね……?」
律子「……なんだか喉乾いちゃった」
律子「冷蔵庫の缶ジュース、貰っても大丈夫よね?」
プシッ
律子「……」
P「律子?」
律子「あ、ぷろりゅうさあ!」
律子「どこいってたんですかもお~」ベタベタ
律子「ほらほら~、ごはんちゃんと食べないと」グイグイ
P「律子? ああコイツ酔ってる!」
律子「んえ?」ヘベレケー
律子「くぉらぷろるうさ! そこに正座!」
P「は、はい!」
P(酔っぱらいこえー!)
律子「いいですか! ぷろりゅうたあとして、アイドル家にあげるなんて信じられません!」
P「いや、だからあれはアイドル達が勝手に」
律子「うるさい!」ベシーン
P「ああ!」ビターン
律子「大体あなたはいつもいつも誰にもかれにも優しくしてぇ」ノッシノッシ
P「の、乗るな! 乗らないで律子!」
P「も、もちろん」
律子「ほんとに?」ズズイッ
P「誓って」
律子「……」
P「……」
律子「……」ニヘラ
P「えっ?」
P「あの、ちょ、既成事実とかマジかんべn」
律子「んふふ、独り占め……」ギュゥ
P「ふわあ……」
律子「……zzz」
765プロ 事務所
やよい「起きたら記憶が飛んでいた? 大変ですー! 律子さんが病気に……!」
律子「あ、あんまり大きい声で言わないで……///」
真美「えっと……///」
律子「で、でも! 服に乱れはなかったから! きっとなんともないわ!」
律子「……きっと」
あずさ「へ、へぇ~」
アイドル達(羨ましい……)
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>>+2
伊織「突撃! ハニーの晩ごはん!」
伊織「うーん」
伊織「突撃! アンタの晩ごはん!」
伊織「嫌な気分にさせちゃうわね」
伊織「うう、どうすれば自然なの……?」
P宅
『…! ……!』
『…・! ……!!』
P「?」
P「なんだ? 外がやかましいな」
P「どなたですか?」
ガチャ
伊織「突撃!あなたの晩ごはん!」ニコッ
P「」ズキューン
伊織「あ、ああ!? い、今の無し! 今の練習!」
伊織「違うのよ! 本当はもっと!」
P「もっと?」
伊織「う、ううう……。いいからやり直し!」
P「お、おう」
ドア「バタン」
P「どなた?」
伊織「と、突撃!ハニーの晩ごはんっ!」ガー
伊織「スーパーアイドルの伊織ちゃんがいっしょに食べてあげるんだから、泣いて喜びなさい!」
P「うん」ニコニコ
伊織「あー! もう! さっきのは無しって言ったじゃない!」
P(テロだ)
伊織「で? 今日のメニューはなんなのよ」ソワソワ
P「おう、今日の晩ごはんはな」
伊織「……」ワクワク
P「俺お手製の!」
伊織「……」ゴクリ
P「焼き魚定食だっ!」
伊織「おおっ!」
P「……」
伊織「……ケホン」
伊織「ま、まあ妥当ね。庶民らしくて良いんじゃない?」
P「へえ」ニヤニヤ
伊織「な、なによ!」
伊織「へえ、どんな?」
P「魚の身をほぐして、おろし大根と混ぜて、そこに醤油をたらし」
P「あつあつの白米にのせてパクリ!」
伊織「!」
伊織「さっそくやってみましょう!」イソイソ
P「……」
伊織「む、むう……」イソイソ
P「……」
伊織「できない……」グスッ
P「……」
伊織「……」チラッ
P「……」
伊織「お、お願い、手伝って……?」
P「」ズキューン
P「おう! 任せろ! どんどん任せろ!」
P「はいできた」
伊織「これに大根おろしと醤油を……」
P「あとはごはんにのせて……」
P「はいあーん!」
伊織「あーん」
伊織「ちょっと、なにさせてるのよ!」
P「えー、だって伊織、箸の使い方下手なんだもん」
伊織「たまたま魚がほぐせなかっただけよ! 箸くらい使えるわ!」
P「ふーん。はいあーん!」
伊織「あーん」
伊織「おいしい!」テーレッテレー
伊織「だから何させてるのよ!」ムキー
P「まあ落ち着きなって」パクパク
伊織「あ、それ私の分でしょ! 食べちゃダメ!」
P「ごめんごめん。はいあーん!」
伊織「あーん」
765プロ 事務所
真「それで、プロデューサーに最後まで食べさせてもらったんだ?」
伊織「……///」
真美「でも、それって食べづらいんじゃないの→?」
伊織「そんなこと無いわ! 一口の量もちゃんと考えててくれて……」
亜美「へぇ→」
アイドル達(羨ましい……)
次
>>+2
あと申し訳ないけど時間がないから双海姉妹はセットで扱う
真美「突撃!」
亜美「ハニ→の晩ごはん!」
亜美真美「「イエ→イ!」」
P「近所迷惑になるから、あまり騒がないように」
「「はーい」」
P(子供が相手ならハンバーグで決まりだな)
P「出来てからのお楽しみ」
真美「じゃあ期待しても良いって事だよね」
P「そうだな。任せてくれ」
亜美「真美は何が食べたい?」
真美「ビーフガノンドロフ!」
亜美「シャレオツですな→」
真美「まさかハンバーグなんて子供騙しに釣られる歳でもないっしょ!」
P「う」
亜美「きっとハンバーグにしても、中にチーズが入ってたり→」
真美「ひと味違った創作ハンバーグだったり→」
「「楽しみだね! 兄ちゃん!」」
P「」グサグサ
P(こ、こいつら……)
P「ちょっと買い出し行ってくる! 留守番頼んだぞ!」
「「は、はーい」」
亜美「やりすぎた?」
真美「……かもね」
P「はいどうだ! カリオストロ風ミートボールスパゲティ!」
P「子供が一度は夢見る食べ物だろ!」
亜美「おおー……」
真美「すごいよ兄ちゃん」
P「どや」
亜美「すごいけど」
P「?」
真美「ちょっと時代が古いかなあ……?」
P「え、ええ……」
真美「うんうん。兄ちゃんの精魂が詰まった料理……」
P(それは精魂……あってるか)
真美「おれぁ、泣きそうだぜ……」
亜美「とっつぁん……」
P「小芝居はいいから、はよ食えはよ」
「「いただきまーす」」
P「……」
P(なんだ、美味しそうに食ってくれるじゃないか)ホッコリ
765プロ 事務所
貴音「では、三人で仲良く食事を?」
亜美「うん! ごはんの後にお菓子も作ってくれたんだ!」
春香「お菓子かあ」
真美「ゲームもいっぱいやったしね! また遊びにいきたい!」
雪歩「へぇ~」
アイドル達(微笑ましい……)
真(うう、男の人の家って緊張するなあ)
真(でも、ボクはボクらしく……!)
真「突撃! ハニーの晩ごはんっ!」バーン!
P「うおっ」ビクッ
P「ドアを勢いよく開けすぎだ! 真!」
真「あはは、ごめんなさい」
P「ああ、そろそろ真がくる頃だと思ってさ」
真「ホントですか? すごいですねプロデューサー!」
P(毎日ソワソワしながらオフの日確認してたら誰にでもわかるよ)
真「ホントですか? じゃあオジャマします!」
・・・
真(プロデューサー、なにを作ってくれるのかな?)
真「まっかなぷーらずまいま♪ ガレキのつちにたつ~♪」
P「はいお待たせ、ふわふわオムライス」
真「わっ、すごい!」
真「って、この形……」
P「ああ。真が熱心に読んでた雑誌についてた店のを真似してみた」
P「写真ほど上手く行かなかったけど……」
真「……」フルフル
P「真?」
真「プロデューサー! ありがとう! 大好き!」
P「お、おう」
P「も、文字? そうだなあ……」カキカキ
真「!」
P「どう?」
真「……えへへ。ありがとう、プロデューサー!」
真「接写!」パシャ
真「ボクも一緒に!」パシャ
真「ほらほらプロデューサーも!」
真「接写!」パシャ
P「接写!」
765プロ 事務所
真「ほら見てくださいよ! これが一番良く撮れてて!」
小鳥「あー、うん。すごいわねえ……」
真「ちゃんと聞いてます? なんだかみんなも生返事なんですよ!」
真「これってひどくないですか?」
小鳥(十回も同じ話を聞かされたら流石に答えるわ……)
小鳥「ところで、オムライスにはなんて書いてもらったの?」
真「えっ!?」
真「それは……その……///」
小鳥(恨めしい……)
後日
高木「なにやら、最近面白いことをしているそうだね?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
P「は、はい。ほんと、スイマセン」
高木「まったく君という奴は」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
P(やばい、これは『チャオ☆』られる。確実に)
高木「なんで私に言わないんだ! こんなに面白い企画に混ぜないなんて信じられん!」
P「は、はあ!?」
高木「罰としてだな、君にはこの企画を請け負ってもらうよ」スッ
P「は、はあ……」
高木「『突撃!アイドルの晩ごはん!』なんてのはどうだ?」
おわり
さすがに時間がかかりすぎた
余裕があれば社長とか小鳥さんも書きたかった
支援保守してくれた人に感謝
ピヨ子……
Entry ⇒ 2012.09.10 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
ホータロー「最近の千反田が、はしたないように思える」
ホータロー「おい、そこなる千反田」
千反田「はい、なんでしょうか、折木さん」
ホータロー「あのだな、最近のお前についてなんだが」
千反田「何かわたしがしましたでしょうか?」
ホータロー「そのな、最近のお前が、少々はしたなく思えるのだが」
ホータロー「いや、そういう意味ではないんだ」
千反田「では、どういう意味でしょう?」
千反田「端金、端女といいますし、あまり快い言葉ではないと思いますが…」
ホータロー「いや、そういう感じの意味ではないんだが…」
ホータロー「てんで的外れ、という訳でもないんだろうが」
ホータロー(なんだろう、言葉にして伝えると情けないような気がしてくる)
ホータロー「そのな、なんだろう」
千反田「はい」
ホータロー「語弊があるかもしれないが、外国語に直すとセクシャルに過ぎるというか」
ホータロー「…なんというか、そういう感じだ」
ホータロー(うまく伝わったろうか?)
千反田「つまりは、慎みが足りないと。そういうことですね、折木さん」
ホータロー「ああ」
ホータロー(なんだか一言で綺麗にまとめられてしまうと、負けた気持ちになるな)
千反田「よかった、間違っていませんでした」
千反田「ですが、わたしそんなに慎み深くないでしょうか?」
千反田「折木さんがおっしゃるなら、多分理由はあるのでしょうけど」
千反田「あいにく、全くと言っていいほど自覚がありませんので」
ホータロー「なんというか、お前は警戒心が足りないというか」
千反田「そうでもありませんよ」
ホータロー「そうなのか?」
千反田「ええ」
千反田「はい」
ホータロー「もう少しで、その、なんだ。胸元が見えそうだったぞ」
千反田「そうだったかもしれません」
ホータロー「ほら、警戒心が足りてないだろ?」
千反田「警戒心を緩める相手を選んでいるからです」
千反田「さすがにわたしも、どこでもああではないですよ、折木さん」
千反田「ええ」
千反田「これで納得していただけたでしょうか、折木さん」
ホータロー「…だが、」
千反田「はい」
ホータロー「千反田。お前、自転車通学だろう」
千反田「そうですが」
千反田「ええ。確かに、そうしています」
ホータロー
千反田「ええ。確かに、そうしています」
ホータロー「その時に、時々、稀になんだが」
千反田「何があるのでしょう」
ホータロー「そのだな、スカートがはためいて」
千反田「下着が見えたと?」
ホータロー「いや!! まだパンツが見えたことはないぞ!!1」
ホータロー「…少なくとも俺は、だが」
千反田「わたしも、下着を衆目に晒すのは恥ずかしいですから避けたいですが」
千反田「今のところはそのようなことがないのでしたら」
ホータロー「だけど、結構ふとももの奥まで見えてるぞ」
千反田「よく見てますね」
ホータロー「…たまたまだ」
千反田「ええ。実際、見えていないのでしたら、特に必要を感じませんから」
ホータロー「…そうか」
千反田「はい」
ホータロー「お前が言うなら仕方ないな」
千反田「ええ」
ホータロー「…」
ホータロー「なんだ」
千反田「わたし、少々ですね気にかかることが」
ホータロー「いつものあれか」
千反田「ええ、私気になります! です」
ホータロー「今回はどうしたんだ」
ホータロー「俺も、まあ、今は暇だから付き合ってやる」
千反田「では、お付き合いお願いします」
ホータロー「…おう」
千反田「と言っても、今回のことは状況説明が不要かもしれません」
ホータロー「どういうことだ」
千反田「今まさにここで起きたことだからです」
ホータロー「そうか」
ホータロー「あのな、千反田。そんな言い方をされても、察しの良くない俺にはわからん」
ホータロー「もっとわかりやすく言ってくれ」
千反田「わたしが慎み深くしないことに対して不満を感じているのか、ということです」
ホータロー「…ほう」
千反田「不満を感じていらっしゃることは認めてくださるのですね」
ホータロー「同意はできんが、お前が確信めいて言うからな」
ホータロー「そういう部分はあるんだろう」
千反田「では、不満であるのは前提ということで、お話を進めましょう」
千反田「今まで折木さんは、極力他人と関わることを避けていらっしゃったと聞いてます」
千反田「現在の折木さんしか存じないわたしは、それは多分に言いすぎだとは思うのですが」
ホータロー「そうでもないと思うがな」
千反田「いけません、脱線してしまいました」
千反田「他人に何かを強制したり、何かを要求する方ではない、というのは間違いないと思います」
千反田「であるのにもかかわらず、なぜ折木さんはわたしにあんなことを仰ったのでしょうか」
千反田「それも、常にないほどの執心であったように思います」
ホータロー「なるほどな」
ホータロー「なあ、千反田」
千反田「なんでしょうか、折木さん」
千反田「と、おっしゃいますと」
ホータロー「これは間違いなく、『尋問』という単語で表されるものだ」
千反田「そうですね」
ホータロー「何故こんなことをするんだ」
千反田「今の、この話が終わりましたらお答えします」
千反田「ともかくは、わたしの疑問を晴らさせてください」
ホータロー「なあ、千反田」
ホータロー「お前にも、見当はついているだろう」
千反田「ええ。…いいえ、何のことでしょう」
ホータロー「俺の情けない姿を見て楽しむ気か」
千反田「あいにく、わたしは、そういう被虐的趣味は持ち合わせていません」
ホータロー「あのな、千反田」
ホータロー「俺は誰かが、お前の下着を見ることに対して嫌悪感があったんだろう」
千反田「そうなのですか」
ホータロー「ああ」
千反田「普段は感情を露わにしない折木さんがわざわざおっしゃたということは」
千反田「なかなか耐え切れないことである、というように思いますが」
千反田「ではなぜ、簡単にわたしへの慎み深くしろという要望を取り下げられたのですか?」
ホータロー「言えるような関係でもないからな」
千反田「そうですか」
千反田「では、その資格を得てしまえばよろしいのではないでしょうか」
千反田「…」
ホータロー「なあ、千反田」
ホータロー「それはつまり」
千反田「なんでしょう」
ホータロー「…」
ホータロー「ひとつ意見を聞きたいのだが」
千反田「なんでしょう」
ホータロー「二人の、そうだな男女がいるとして」
ホータロー「その二人がお互いを好ましく思っている場合、」
ホータロー「二人が恋仲になるのは普通のことだと思うか?」
千反田「どうでしょう」
ホータロー「…そうか」
千反田「そういう場合に、先に思いを伝えるのは男性であるべきだと」
千反田「わたしはそう思います」
ホータロー「…」
ホータロー「なあ、千反田、そのだな、」
千反田「…はい」
ホータロー「俺のか…
ガラガラドッガラシャーン
里志「ヤー、ホータロー!千反田さん!!遅れてごめんね!!」
千反田「…」
ホータロー「…」
里志「あれ、僕なにかしちゃった…?」
ホータロー「…いや、何でもない。気にするな」
千反田「では、そろそろ分かれ道ですので、失礼します」
里志「じゃあね千反田さん」
ホータロー「じゃあな」
千反田「ええっと、よいっしょっと」
里志「あれ、千反田さん、自転車の押しがけ乗りやめたの?」
千反田「ええ、やめました」
里志「へえ、そうなんだ」
千反田「はい。故あって、です」
千反田「では、折木さん、福部さん。また明日」
里志「なんで千反田さん、押しがけやめたんだろうね」
ホータロー「さあな」
里志「あ、ホータロー何か知ってるなー」
ホータロー「知らない」
里志「ずるいぞ、ホータロー」
ホータロー「さあな、お前には関係の無い話だ」
――end――
ホータロー「なあ、千反田」
千反田「なんでしょうか、折木さん」
ホータロー「お前は、フェミニズムとか、行き過ぎた男女同権運動とか」
ホータロー「そういうものに傾倒するタイプには思えないのだが」
千反田「ええ、おそらくそう思います」
千反田「それはですね、折木さん」
千反田「自分から想いを伝えるのは、やっぱり恥ずかしいじゃないですか」
ホータロー「…」
ホータロー「それだけか?」
千反田「ええ」
ホータロー「そうか」
千反田「でも、良いじゃないですか。両想いだったんですから」
今度こそおしまい
小説みたいな掛け合いで好きだった。よかったよ
Entry ⇒ 2012.09.10 | Category ⇒ 氷菓SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
千早「天使が泊まりにやってきた」
小鳥「千早ちゃん、ずいぶんご機嫌じゃない。何かあったの?」
千早「……そう見えましたか?」
小鳥「ええ、とっても」
千早「実は……今日、春香がうちに泊まりに来るんです。それで柄にもなくテンションが上がってしまって……」
小鳥「ふふっ……友達と一緒に過ごすのは楽しいでしょ?」
千早「そうですね……以前までの私には考えられません。本当に、765プロにいてよかったと思えます」
千早「何がですか?」
小鳥「ほら、千早ちゃんって大人っぽいって言うか、ちょっと達観したところがあったでしょ?」
千早「それは……そうかもしれません。家庭環境のことがあったので……今となっては言い訳にしかなりませんけれど」
小鳥「そんな千早ちゃんが毎日のように笑顔を見せるようになったのは、やっぱり春香ちゃんのおかげかしら?」
千早「……はい。春香には本当にお世話になりっぱなしです。今日も料理を教えてもらう予定で……」
千早「そ、そうでしょうか?」
小鳥「ええ!今のうちに楽しんでおかないと損よ? 年月なんてあっという間に過ぎちゃうものなんだから……」
千早「……肝に銘じておきます」
ガチャッ
P「ただいま帰りましたー!!」
春香「ただいまですっ♪」
春香「千早ちゃん、お待たせ!」
千早「大丈夫よ。私もさっき収録から帰ってきたところだから」
春香「ちょっと待っててね。すぐに支度するから!」
千早「ええ」
P「春香から聞いたよ。今日はお泊まりなんだって? 春香、ずっとはしゃいでたぞ」
千早「そうなんです。そんなにはしゃいで……私の家には何もないのに」
P「ははは、千早と一緒にいられるのが嬉しいんだろ。千早は嬉しくないのか?」
P「冗談だよ。楽しみだって顔に書いてあるからな!」
千早「もうっ! プロデューサーはいじわるです……」
P「あっ、それなんか貴音みたいだな」
小鳥「はるちは! はるちは!」
P「音無さんは黙っててください」
P「ああ。歌のことはあんまり的確なアドバイスはできないかもしれないかもしれないけど……」
千早「天使って、存在すると思いますか?」
P「……は?」
千早「お願いします。答えてください」
P「何かの問題か? ……すまん、ヒントをくれ」
P「千早、さっきから言ってる意味がよく──」
春香「千早ちゃん! お待たせ!」
千早「ええ。それじゃあ行きましょうか」
P「お、おい千早! さっきの答えは……」
千早「ふふっ……すぐにわかると思います。それじゃあお疲れ様でした」
春香「お疲れ様でしたっ! プロデューサーさん、小鳥さん!明日もがんばりましょうねっ♪」ニコッ
バタン
P「……天使系アイドル…アリかな……」
小鳥「アリだと思います」
千早「ふふっ、プロデューサーもドジなところあるわね」
春香「ホントにそうだよ~……私がメガネを観付けなかったらどうなってたか……」
千早「でも、ドジなところは春香の方が上だけど」
春香「えーっ!? ひどいよ千早ちゃ~ん!!」
千早「ふふっ……でもそこが春香の魅力なんだけれどね」
春香「はぅっ! そ、そんなこと言われたら恥ずかしいよぉ……」
千早「(可愛い……)」
モブB「いやいや、小早川瑞樹でしょ。あの猫被った感じがたまらないよ」
モブC「アイドルはよく知らないけど、秋月涼って子が可愛いと思った(小並感)」
春香「それでね──」
千早「そうね──」
モブA「ん? おい、あの子は確か……」
モブB「765プロの天海春香と如月千早、だね」
春香「?」チラッ
モブC「こっちに気付いた。はっきりわかんだね」
春香「♪」ニコッ
モブABC「」ズギュゥゥゥン
春香「んー? アイドルの話をしてたみたいだから、私のことも知ってくれてるかと思って……」
モブA「ふるえるぞハート! 燃えつきるほどヒート!!」ズギャァァァン
モブB「…天使を見た……」ドキドキ
モブC「やべぇよ……やべぇよ……」
数ヶ月後、この三人が春香のファンクラブに入会し、ライブ時に最前列でバルログ持ちをして迷惑がられることになる
千早「食べるのだけじゃなくて教えてもらわなきゃいけないのだけれど……。とりあえず定番料理がいいわね」
春香「うーん……だったらカレーかな? 家庭によって味が違う定番中の定番だよ!」
千早「だとすると、私が天海家の味を受け継ぐことになるのね」
春香「そうだね~。どうせだから千早ちゃんのお嫁さんになろうかな? な~んてっ」
千早「私はそれでも全然構わないけれど」
春香「えっ」
千早「えっ」
千早「へぇ、ルウを何個か買うのね」
春香「うん。ブレンドするとおいしいんだよ! 千早ちゃんは甘い方がいいかな?」
千早「辛いものでも平気だけど……あまり辛いものは苦手ね。喉に負担がかかってしまうから」
春香「あ、そうだね。じゃあ辛口はやめて中辛を……」
『あれ?春香と千早?』
春香「勇者ヒビキューン!!」
響「必殺!! ヒビデバビデビィーーーム!!」
春香「うわー! やられたー!」
響「ってちがーう!! それは自分が声を当てたアニメの話! 自分は我那覇響だぞ!」
千早「我那覇さん、ノリがいいのね……それにしても響がヒビデバビデビーム……ぷふっ……!」
響「うぎゃーっ! 笑うな~!! プロデューサーが決めてくれた名前なんだぞ!?」
千早「ごめんなさい、ついおかしくって……」
貴音「私もおりますよ」
春香「あっ、貴音さん! 二人でお買い物ですか?」
貴音「はい。今日は響の家に泊まりなので」
春香「奇遇ですね! 私も千早ちゃんの家にお泊まりなんです!」
貴音「なんと、そうだったのですね」
千早「そういえば我那覇さんの家はこの近くだったわね。前にいぬ美を追い掛けてるのを見たわ」
響「うぅ……なんでそういうのばっかり覚えてるかなあ……」
響「貴音が食べたいって言うから、とびっきりの沖縄料理をごちそうするつもりなんだ! まあ和食中心かな?」
春香「和食かあ……羨ましいなあ。私、和食のレパートリーが少なくて……」
響「そうなの? 自分、和食が得意だから今度教えてあげよっか?」
春香「ホント? ありがとう響ちゃん! じゃあ今度お願いするね!」
響「うんっ! その代わり…ってわけじゃないけど、またケーキ作りとか教えて欲しいなあ……」
春香「それくらいならお安い御用だよ! 春香さんにまかせなさいっ!」ドンッ
響「ホントに大丈夫かな……」
春香「え~っ!? ひどいよ響ちゃ~ん!!」
千早「そうね。春香も我那覇さんも楽しそう」
貴音「それは千早も、でしょう?」
千早「ふふっ……四条さんこそ」
貴音「……はい。そうですね……」
千早「……?どこか思い詰めた顔をしているようだけど……どうかしたの?」
貴音「いえ、何でもありません。大したことではありませんので……」
春香「手なんか繋いじゃって仲いいなあ~」ニヤニヤ
響「そ、そういうわけじゃないぞ! これは貴音がふらふらしないようにしてるだけだからね!?」
春香「はいはい♪」
貴音「…………♪」ニヘラ
千早「……なるほど、今わかったわ。四条さん、あなた……」
貴音「千早、それ以上はとっぷしーくれっとでお願いします」
千早「……そうね、ごめんなさい。じゃあ、また」
春香「二人とも、またね!」
響「ばいばーい! おやすみー!」
ギュッ
千早「は、春香!?」
春香「えへへ、響ちゃんたちに対抗だよ! 向こうが手を繋ぐなら私たちは腕を組んじゃおう!」
千早「……春香。ここはスーパーの中よ」
春香「……あっ…」カァッ
千早「もうっ……」
千早「そうね……シンプルな方が作り方がわかりやすいからそっちの方がいいかしら」
春香「じゃあビーフカレーなんてどうかな? これが一番メジャーだと思うよ」
千早「ならそうしようかしら。春香は食べたいものとかあるの?」
春香「その……お菓子を……」
千早「却下」
春香「なんで!?」
千早「アイドルだってことを忘れてるでしょ……」
千早「ありえないわ。太って体系が崩れてしまってもいいの?」
春香「ちょっとぐらいなら大丈夫だよ! そんなに食べるわけじゃないし! ねっ?」
千早「……仕方ないわね…少しだけよ?」
春香「やったー!! ありがとう千早ちゃん! 大好きっ!」ニパッ
千早「調子がいいんだから……(かわいい……)」
春香「なーにー?」
千早「私、少しだけって言ったわよね?」
春香「こんなの少しだけだよ~。事務所のみんなで食べるとすぐなくなっちゃうもん!」
千早「……ファミリーパックのお菓子が5つ。これで少しだと言うの?」
春香「うんっ」
千早「返してきなさいっ!!」
春香「ふぇ~ん! 千早ちゃんが怒ったぁ~!!」
春香「まあまあ、これもお泊まりの醍醐味ってやつだよ!」
千早「でもお菓子はほどほどにね」
春香「はぁ~い……」シュン
千早「ふぅ……。さあ、着いたわ」
春香「ただいま~!!」
千早「ここは私の家なのだけれど」
春香「まあまあ! 堅いこと言わずに、ねっ?」
春香「遅くなっちゃったり朝早いお仕事がある時はお世話になってるもんね。今日は違うけど」
千早「そうね。そういえば今日泊まりに来た理由、聞いてなかったわね。どうして?」
春香「千早ちゃんと一緒にいたい気分だったから! ……なんてのはダメかな?」
千早「本当の理由は?」
春香「本当の理由も何も、それだよ? 千早ちゃんとゆっくりまったりしたかったから!」ニパッ
千早「……それよ……その天使の笑顔はGulltyだわ……」
春香「えっ?」
千早「い、いえ、なんでもない!」
千早「そうね。もういい時間だし」
春香「晩ご飯作ろっか?」
千早「ちょっと待ってくれる? ブラームスの楽譜が一ページ見付からないの」
春香「ぶー……どうせ私なんて楽譜以下の女ですよーだ!」
千早「拗ねた顔も可愛いわね」
春香「ふぇっ!?」
千早「あ、楽譜も見付かったわ。それじゃあ準備しましょうか」
春香「う、うん……」
千早「まな板……くっ……」ペタペタ
春香「? 千早ちゃん、どうしたの?」
千早「な、なんでもないわ」
春香「そう? 千早ちゃん、野菜の切り方はわかる?」
千早「ええ。こうよね?」ゴトッ
春香「千早ちゃん、それ違う! それじゃ大き過ぎだよ!!」
春香「それは小学校の話! ちゃんと作るならもっとしっかりしないと! あ、小さ過ぎてもダメだからね。野菜が全部溶けちゃうから」
千早「…カレーって簡単だと思ってたけど、思ったより面倒なのね……」
春香「慣れたら簡単なんだけどね。れじゃあ次はお鍋を用意して……」
千早「ここでカレールウを入れるのね」
春香「違うよ! ルウは一番最後だからね!?」
千早「そ、そう……」
千早「ええ」
春香「次に野菜を入れる……あれ? 千早ちゃん、玉ねぎは?」
千早「皮は剥いたけれど、切り方がわからなくて……」
春香「あちゃ~……」
千早「ごめんなさい……足を引っ張ってしまって……」
千早「でも……」
春香「ほらほら、そんな顔してたら幸せが逃げちゃうよ?」
千早「幸せって逃げるものなのかしら?」
春香「逃げるよ? 『こんなところにいられるか! 俺はもう帰る!!』とか言って」
千早「それは少し違うような気がする」
春香「それからこうやって切っていくの」サクサク
千早「へぇ……すごくわかりやすいかも」
春香「お母さんの受け売りだけどね。あとはお肉と一緒に炒めて……」
千早「わかったわ! ここでルウを入れて一緒に炒めるのね!?」
春香「千早ちゃん、小学校の時キャンプで作ったんだよね?」
千早「私はにんじんを切る係だったから……」
春香「ごめん、私が悪かったよ」
春香「ルウはまだだよ?」
千早「も、もうわかったわよ!」
春香「まず野菜の硬さを確認して、あく取りもちゃんとしないと」
千早「これは取った方がいいの?」
春香「うん。生臭さの元になるからね」
千早「なるほど……覚えておかないと」
千早「ルウね!? ルウを入れるのね!?」ワクワク
春香「何が千早ちゃんをそんなにワクワクさせるんだろう……」
千早「いいから早く!」
春香「う、うん」
ぽちゃん
春香「あとは焦げ付かないように、弱火でじっくり暖めながらかき混ぜるだけだよ!」
千早「いい匂いがする……」クンクン
春香「(千早ちゃんかわいい……)」
春香「単に混ぜたらおいしいからだよ! 家庭によって味が違うのはこれもあるんじゃないかな?」
春香「例えば甘味が欲しかったらバーモント、辛味が欲しかったらジャワカレーって感じにね!」
千早「春香の使ったのはバーモントカレー甘口、こくまろ中辛、ジャワカレー中辛ね」
春香「ちょっとスパイスが入ったのがいいかなって思って。バーモントはリンゴとハチミツのパワーで一味加えるのにいいんだよ!」
千早「少しずつ使ったせいで余ってしまったけれど……」
春香「大丈夫だよ! ちゃんと封をしておけばまた使えるから!」
春香「うーん、もうちょっとかな? あ、そうそう千早ちゃん、知ってる? カレーとシチューって作り方がほとんど同じなんだよ!」
千早「そうなの? 言われてみれば、具材もよく似てるような気がする」
春香「クリームシチューの場合、カレールウをクリームシチューのルウに変えて、あとは牛乳を加えるだけで出来上がり!」
千早「つまりカレーの作り方を覚えてしまえば、クリームシチューもビーフシチューも自由自在……!!」
春香「ビーフシチューはちょっと難しいかも……本格的にしようとすると赤ワインとか使うからねー」
千早「そ、そう……料理は奥が深いのね……」
千早「やっと完成したのね! カレーの作り方もメモして覚えておかないと……」
春香「それじゃあ食べようよ! いっただっきまーす♪」
千早「いただきます」
春香「はむっ……うん! おいしいね、千早ちゃん!」
千早「ええ。成功してよかったわ」
春香「これなら二回ぐらいおかわりしちゃうかも!」
千早「樽ドル……」
春香「や、やっぱり一回だけにしておこうかな!」
千早「おかわりはするのね」
千早「ごちそうさまでした。おいしくて私もおかわりしちゃったわ……」
春香「えへへ、これでおあいこだね♪」
千早「そういう問題?」
春香「だって千早ちゃんといっしょで嬉しいんだもん!」
千早「……わ、私も、春香といっしょで……その、嬉しい……かもしれないわ……」
春香「ホント? ありがとう、千早ちゃん!」ニコッ
千早「(この笑顔に弱いのよね……)」
春香「えっ? もしかして今日もやるの……?」
千早「日課だもの。日課は続けないと意味がないでしょう?」
春香「そ、そうだけど……ホントにやるの?」
千早「当然よ。日課だもの」
春香「わ、わかったよぉ……じゃあ準備するね?」
千早「ええ。じゃあ春香……動くわよ?」
春香「あんまり激しくはダメだよ?」
千早「ふっ……! んっ……!」
春香「あっ、ダメ! ずれちゃう……!」
千早「まだ……始めたばっかりよ…! しっかりして!」
春香「だ、だからダメ! このままだと……ああっ!!」
春香「はい……」
千早「もう少ししっかり持ってくれる?」
春香「だって千早ちゃんが激し過ぎるから……」
千早「もう……ノルマまでまだまだ残ってるのに……」
春香「どう考えても多過ぎだよ! 腹筋250回だなんて!!」
千早「そうかしら?」
春香「絶対多い! 私は間違ってないよ!!」
春香「お、お疲れ様……。私の方が疲れた気がするよ……」
千早「春香はトレーニングパートナーには向いていないのかしら……」
春香「あぅっ……。ごめんなさい……もっと精進します……」
千早「冗談よ。付き合ってくれてありがとう、春香」ニコッ
春香「千早ちゃんの笑顔……!これだけでカレーをあと二杯は食べれそう!!」
千早「やめなさい」
千早「もうこんな時間……時間が経つのが早く感じてしまうわね」
春香「そうだね~。それじゃあ千早ちゃん、入ろう?」
千早「何故ナチュラルに一緒に入ろうとしてるの?」
春香「え? だっていつも一緒に入ってるでしょ?」
千早「確かにそうだけれど……やっぱり恥ずかしいと言うか……」
春香「えーいっ♪」バサッ
千早「きゃっ!? な、何するの春香!?」
千早「もうわかったから! 一緒に入るからホックを外そうとするのはやめて!!」
春香「えへへ~♪ じゃあ千早ちゃん、準備できたら入ってきてね! 私は湯加減見ておくから!」
千早「え、ええ。後でね」
バタンッ
千早「はぁ……」
千早「まったく、変なところばっかり強引なんだから……」
千早「……どうせ拒否権はないんでしょう? それにしても……」
春香「?」プルンッ
千早「本当に羨ましいわね……胸は大きいし……」
春香「そ、そうかな? 別に普通だと思うけど……」
千早「ムダ毛が一切無いし……」
春香「こ、これは結構気にしてるんだけどなあ……みんな生えてて私だけずっと生えたことないし……」
千早「(天使にムダ毛は生えないということかしら)」
千早「いいことなんて全然無いわよ? 水着グラビアの時は処理しなきゃいけないし」
春香「む~……それも私には経験出来ないことだから羨ましいなあ……」ジーッ
千早「は、春香? 女同士とはいえ、あまり見られると恥ずかしいのだけれど……」
春香「……!」ティン!
春香「いいこと思いついた!」
千早「……春香? まさかとは思うけれど……」
春香「ふっふっふ……そのまさかだよ、ち・は・や・ちゃんっ♪」
千早「」
千早「……スースーする……」ツルーン
春香「これで水着グラビアもバッチリだよっ♪」
千早「夏はもう終わりなのだけれど……」
春香「(のヮの;)」
千早「……さようなら……私の毛……」
千早「おそろいなんかじゃないわ……」
春香「えっ?」
千早「……おそろいにしたいのなら、この胸を少し寄越しなさい!!」ガシッ
春香「ちっ、千早ちゃん!?」
千早「なるほど……生だとここまで柔らかいのね」モミモミ
春香「ゃんっ! だ、ダメ! 直接だといろいろ……んんっ!」
春香「あ……ぅ……よ、よかったあ……もうちょっとで……」
千早「春香には立派な胸がある。私には揉めるほどもない……」
千早「もうこれは運命だと思って放っておくしかないのね……」
春香「ほっとけない」
千早「……え?」
春香「ほっとけないよ!」ムギュッ
千早「ひゃっ!? は、春香!?」
千早「や……な、なにを……」
春香「ちゃんと揉めたよ、千早ちゃんのおっぱい」モミモミ
千早「あっ……揉めるほどはあったのね……」
春香「そうだよ! もっと自信持って!」モミモミ
千早「自信……確かに一番必要なことかもしれないわね」
春香「うんうん! その意気だよ!」モミモミ
春香「なにー?」モミモミ
千早「……どうしてずっと揉んでいるのかしら?」
春香「豊胸マッサージ……なんちゃって……」モミモミ
千早「やめて」
春香「はい……」モミッ
千早「あら、懐かしいわね」
春香「えへへ、千早ちゃんは覚えてる?」
千早「もちろん、忘れるわけがないじゃない。初めての大型ライブで、私たちがデュオ組んで初めてステージで歌ったこの曲を……」
春香「『My Best Friend』……歌詞とはちょっと意味合いが違ってくるけど、私たちも親友だもんね!」
千早「ありがとう、春香。あの時はまだまだ無名で、あまり会場を盛り上げることは出来なかったけれど……次の機会があれば必ず──」
春香「湧かせてみせる、よねっ!」
千早「ええ……必ず!」
千早「…服を着てもスースーする……」
春香「あとはパジャマパーティだよ、千早ちゃん!」
千早「その前に歯磨きを忘れちゃ駄目よ」
春香「はーい!」
千早「(この赤いコップと赤い歯ブラシもすっかり馴染んでしまったわね)」
千早「……ふふっ♪」
春香「どうしたの?」
千早「なんでもない」
千早「ねぇ春香。本当に布団を買うつもりはないの?」
春香「え? なんで?」
千早「余裕が無いわけじゃないでしょう? お泊まりも多いことだし、私の布団一つだけじゃ不便だと思うのだけれど」
春香「一緒に寝るからいらないよ~。それとも千早ちゃんは……私と一緒に寝るの、イヤ?」
千早「嫌なわけないじゃない。春香のことは好きよ」
春香「えへへ……私も千早ちゃんだーいすきっ♪」ガバッ
千早「ちょっ、ちょっと春香!?」
千早「肌が暖かい人は心が冷たいらしいわよ」
春香「じゃあ私はどうかな?」
千早「暖かいわね」
春香「それじゃあ私も心が冷たいのかな……」
千早「いいえ、はっきりしたわ。そんなものは迷信だって。春香は本当に優しい人……いいえ、天使のように思えるもの」
春香「じゃあ千早ちゃんもいっしょだよ。千早ちゃんも心があったかい人だもん」ギュッ
千早「……そうだといいわね」ギュッ
千早「何?」
春香「──したくなっちゃった……。してもいい?」
千早「……ほっぺだけならね」
春香「唇は? 女の子同士だからノーカンってダメかな?」
千早「かまわない……と言いたいところだけど、やっぱりやめておきましょう。そういうのは大事にしないと」
春香「ん……そうだね。あんまり軽々しくするようなものじゃないかも」
千早「……言ってみて」
春香「大好き、千早ちゃん」
千早「私も大好きよ、春香」
チュッ
春香「おやすみ、千早ちゃん」
千早「ええ。おやすみ、春香」
おわり
春香「おっはよーございまーす!」
千早「おはようございます」
小鳥「あら、二人ともおはよう。ゆうべはお楽しみだった?」
千早「お、音無さん! いきなり何を──」
春香「はい! 大満足でしたっ!!」
小鳥「キマシタワー!!」
千早「は、春香ぁっ!」
春香「だって満足だったことには変わらないんだもんっ♪」
春香「えへへ……」ペロッ
千早「(あざとい……けどかわいい……)」
ガチャッ
貴音「おはようございます!」
響「はいさーい……」
春香「二人ともおはよう!」
千早「…? なんだかいつもの二人とテンションが逆のような……」
千早「え? わ、わかったわ」
響「春香……ちょっといい? 相談があるんだけど……」
春香「う、うん。わかったよ」
千早「そ、そうなの?」
貴音「はい。寝顔が大変可愛らしく、もう我慢がなりませんでした……」
千早「確かに我那覇さんは可愛いわね……」
貴音「あれから一睡も出来ず、未だ興奮が覚めません。何故だか響も機嫌が悪くて……」
貴音「ああ! 私はどうすれば良いのでしょうか!?」
千早「そうね……とりあえず私に言えることは──」
春香「えぇっ!? た、貴音さんも大胆だね……」
響「貴音、寝ぼけてたのかな……自分にキスした後そのまま寝ちゃって……」
春香「……ホントに寝ぼけてたとは思えないんだけど……」
響「結局あれから全然寝れなくて……貴音が起きてきてもまともに顔も見れないままなんだ……」
響「ねぇ春香……自分はどうすればいいの? 教えてよ!」
春香「ええっと……そうだね……とりあえず私が思ったことは──」
春香「──もう付き合っちゃえばいいんじゃないかな」
小鳥「今日のお前が言うなスレはここですか?」
おわり☆
どうすればもっと天使っぷりを前面に押し出して書けるのかわかりません
いつのまに765プロはこんなに百合百合してしまったのか・・・けしからん、もっとやれ!
はるちは正義
Entry ⇒ 2012.09.10 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
向日葵「船見先輩!料理勝負ですわ!」
・・
・・・
・・・・
櫻子「あ!船見せんぱ~い!」
結衣「やあ、櫻子ちゃん」
向日葵(櫻子ちゃん.............!?)
櫻子「買い物帰りですか!これで何作るんですか!?」ギラギラ
結衣「んっと.........今日は肉じゃかを作ろうと思って」
櫻子「うゎ~.........お呼ばれしてもいいですか!!??」
結衣「うん、今日は京子もいないし、おいでよ。あ、古谷さんも一緒だったんだね。これからお昼一緒にどうかな?」
向日葵「あ.........」
向日葵「その、ご一緒したいのですが、楓のご飯も作らなくてはなりませんし、、、今日は、これで」ペコリ
結衣「そっか、残念だね。じゃあいつかまた」
・・・
・・
・
向日葵(これ以上櫻子を野放しにしておけば、ますます............)
向日葵(名前で呼び合う仲だったなんて.............)
向日葵(こうなれば、船見先輩より美味しい料理を作らなくてはなりませんわ)
向日葵(料理勝負.........挑んでみますわ!)
ピピピピピピピピピ.............
櫻子「ぅ...........ん...........」ゴシゴシ
トントントントン.......
櫻子「おはよ........花子」
花子「『おはよ』じゃないし!今日は撫子姉ちゃん朝練だから朝ごはんの当番櫻子だし!」
櫻子「!?....し、しまった~!!急いd
花子「今日はもういいし!ひま姉が来てくれたから.........」
櫻子「あれ?.......なんで向日葵がうちに?」
向日葵「今日は早く登校して宿題やるんじゃなかったんですの?迎えに来てみれば.........」ハァ.......
櫻子「」
花子「ひま姉にちゃんと感謝するし」
向日葵(櫻子を船見先輩から引き戻すためにも.........)
放課後 娯楽部室にて
向日葵(少し恥ずかしいですが........)
スパーン
向日葵「たのもー!」
一同「!?」
櫻子「ん?向日葵?」
向日葵「」
京子「なになに?おっぱいちゃん、ついに入部希望?」wktk
向日葵「ち、ちがいますわ......!それより何で櫻子がここにいますの?HR終わってすぐいなくなったと思えば........」
櫻子「えー、いいじゃん。今日は生徒会の仕事無いんだし」ブー
向日葵「と、とにかく!今日は.........その..........ふ、船見先輩!」
結衣「.....な、何かな?」
向日葵「今度、船見先輩と料理対決を申し込みに参りました」
櫻子「なになに~?なんか面白そう!!」
結衣「対決?......ま、まぁ、やってもいいけど、いきなりどうしたのかな?」
向日葵「さ、最近船見先輩のお宅に櫻子が入り浸ってるようで...........ほ、保護者として迷惑かと.....」
向日葵「そう、保護者として、ですわ!」
櫻子「ムッ......なんだとー!?この櫻子様がおっぱい魔人の娘になったことはない!!」
向日葵「あなたは黙ってなさい!」
向日葵「ですから、明日の放課後、家庭科室で船見先輩より上手に料理を作ります。それで櫻子を引き取りますわ!」
京子「よかろう!その勝負受けてt ゴツン
結衣「..........わかった.........意志は固そうだね.......いいよ。じゃあ、明日、同じメニューのものを作って
櫻子ちゃんに食べ比べをしてもらう..........。これでどうかな?」
向日葵「望むところ、ですわ!.........櫻子。何か食べたいものはありますの?」
櫻子「えっとね~.............私、麻婆豆腐が食べたい!!」
向日葵「よろしいですわ」
向日葵(麻婆豆腐.......あまり作ったことはありませんが.........今日帰ってから練習すれば............)
向日葵(いよいよですわね.........)
向日葵(昨日は少し失敗もしましたけど、材料も揃えましたし、これで櫻子を............!!)
櫻子「おい、向日葵!勝算あるの?相手はあの船見先輩だよ?」
向日葵「大丈夫ですわ!」(元はといえば、あなたが.........)
ガラッ
櫻子「って何?この審査員席!あかりちゃんたちはともかく、何で姉ちゃんと花子まで?!」
撫子・花子「呼ばれたのよ(し)」
京子「(エッヘン!)」
向日葵・櫻子「」
一同「イエ~イ」8888
京子「娯楽部VS生徒会でもある今勝負.........料理に秀でている2人ですが、はたして勝つのはどっち?」
京子「それではいってみよう~、今日のお題、麻婆豆腐!!料理開始!!」
ゴゥワーン
京子「さて、麻婆豆腐といっても、星の数ほどのレシピがあると聞いていますが.........」
京子「ではまずおっぱい選手!今日はどのような料理を作っていくおつもりですか?」
向日葵「えっと、本格四川のしびれるような麻婆豆腐を目指します」
向日葵(おっぱいちゃんって........っていうか、そこどいていただけるとありがたいのですか........)
京子「え~、両陣営ともまず始めたのはにんにくのすりおろしのようですが」
京子「結衣選手はどのような麻婆豆腐を作るつもりですか?」ズイッ
結衣「だれでも手軽に作れるおいしい麻婆豆腐を...........ってそこ邪魔だからどけ」
京子「」
京子「今は何をしているところなのでしょうか」
向日葵「合わせ調味料を作っているところですわ。先ほどのおろしにんにくとテンメンジャン 、醤油、紹興酒を混ぜていますの」
京子「なるほど。ところでこちらの濁った液体はなんなのでしょうか......」ピト
京子「あっぢー!!!!」 ゴン!!
結衣「勝手にさわるな!」
京子「えっと、結衣選手側には2つの鍋が用意されているわけですが.........」
京子「先ほどのチキンスープと、まだ火にかけられていない中華鍋.........。それに対しておっぱい選手には3つの鍋が」
京子「おっぱい選手は豆腐を湯通ししているようですね.........おっ、両陣営とも合わせ調味料が完成したようです!いよいよ
本格的に料理が始まります!!」
向日葵(船見先輩は豆腐を湯通ししなかったようですわね.........紹興酒の代わりに普通のお酒で代用していましたし........)
向日葵(この勝負、いただきましたわ........!!)
向日葵「ここにピーシェン豆板醤とラー油、朝天椒、豆鼓を混ぜ合わせますのよ」
京子「ん~..........なにやら聞きなれない材料を多く使っているようですが、どんな味のものが出来上がるのでしょうか。楽しみです!」
向日葵(言えない.........昨日金沢にまで材料を買いに出向いたなんて、言えない.........)
京子「一方、結衣選手。ネギを切り終わり、ひき肉の炒め作業に入ったようです」
京子「こちらに先ほどの合わせ調味料を入れ.........」
京子「赤いやつ............えっと..........」
結衣「豆板醤」
京子「を入れました!」
結衣「慣れない実況すんな!」
京子「一つ目の合わせ調味料を入れ~の」
京子「二つ目の合わせ調味料を入れ.......」
京子「......................よく炒める!」
向日葵(歳納先輩、すこし黙ってくれないかしら(困惑))
京子「さて、両陣営とも今、白濁えk...........じゃなかった、チキンスープを入れました!」
京子「ここで結衣選手は胡椒を入れましたが、一方おっぱい選手、ここでなにやら見慣れない野菜?を追加!」
京子「おっぱい選手、これは何でしょうか?」
向日葵「これは蒜苗といって一見ネギのようですが、これを入れるとにらに似た風味を出しますの」
京子「なんだかついていけなくなってきた司会の京子です、ハイ」
京子「両陣営とも、今度こそ白濁液」
結衣・向日葵「水溶き片栗粉だ(ですわ)!」
京子「を入れました。鍋の中の料理にもとろみがつき、いよいよ麻婆豆腐が姿を現しました!」
京子「結衣選手はここでラー油とネギのみじん切り加えて、皿に盛りつけました!」
京子「結衣選手、麻婆豆腐完成で~す!」
京子「いっぽう、おっぱい選手、最後の仕上げに何かを加えましたが............」
京子「多分、聞いても分からないのでスルーで」
結衣「おいこら」
京子「そして軽く全体を混ぜた後、盛り皿に移して、完成で~す!」
※向日葵が最後に加えたのは花椒油という香味油です
審査中
・
・
・
・
京子「ウップ........食い過ぎたぜ.......」ふぅ
京子「さて、みなさん試食が済んだようなので一通り感想を聞いてみましょう!」
あかり「どっちもおいしくて点数をつけるのが難しくて困っちゃいます!」
ちなつ「結衣先輩の手料理が私の中に♥ つまり私と結衣先輩は(ry
花子「ひま姉のは美味しかったけど花子には辛すぎたし」
撫子「船見さんの方、シンプルな味付けで美味しかったわ。あとでレシピを教えてちょうだい」
櫻子「あれ、どっちがどっちのだっけ?」
京子「さて、それでは各審査員一人一人にはそれぞれ3点の持ち点が与えられています。これを両選手に
分配し、その合計点で勝敗がきまります!」
京子「さて、それでは得点の発表に移りましょう!」
京子「結衣VSおっぱいちゃん!勝利の栄光はどちらの手に?」
デデン
結衣 - 向日葵
10 - 5
向日葵「あれだけ材料をそろえて、練習もしましたのに..............」グスッ
京子「では両者、コメンt ゲシッ
結衣「古谷さん、私も古谷さんの麻婆豆腐、少し食べて見たんだ」
結衣「すごくおいしかったよ。東京に行ったときに入った本格四川の店にも劣らないと思ったくらいに」
結衣「だけど、私たちは別にプロを目指すわけじゃないし、普通の人にはあんまり違いなんて分からないんだよね」
結衣「私なんかは、みんなに気軽に食べてもらいたい。それで喜んでもらえると一番うれしい」
向日葵「.........」
暇な時間を見つけては、船見先輩のお宅にお邪魔しては料理研究に没頭した。
櫻子も、私のレパートリーが増えるたびに喜んでくれた。
いつかは良いお嫁さんになれるかしら。
おわり。
結衣のレシピ
ひき肉、ねぎ、豆腐、豆板醤、ラー油、胡椒、水溶き片栗粉、チキンスープの素
合わせ調味料(テンメンジャン、おろしにんにく、醤油、酒)
向日葵のレシピ
ひき肉、ねぎ、豆腐、豆板醤、蒜苗、花椒油、水溶き片栗粉、チキンスープの素
合わせ調味料1(テンメンジャン、醤油、紹興酒、胡椒)
合わせ調味料2(ピェーシェン豆板醤、朝天椒、ラー油)
参考:陳建一が提案する大人の厨房
今度ごちそうしてください
よろしく
Entry ⇒ 2012.09.10 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ルルーシュ「さて、床で寝るか」
ルル「床で寝る、と言ったんだ」
C.C.「今まではソファで寝ていたじゃないか」
ルル「『男は床で寝ろ』と言ったのはお前だろう」
C.C.「確かにそうだが……」
ルル「……俺はようやく手に入れた」
ルル「この――布団という名の寝具をな!」
ルル「お前には関係ないだろう」
C.C.「……ふん、それもそうだな」
ルル「ククク……太陽の光を浴びてふかふかになっているな……!」
C.C.「ほう? 少し触らs」
ルル「断る」
C.C.「……」
C.C.「私にそんな趣味は無い」
ルル「俺にもそんな趣味は無い。だから、触らせるわけにはいかない」
C.C.「……まあいい」
ルル「フハハハッ……これが太陽の香りというやつか……!」
C.C.「太陽の? どれ、少しだk」
ルル「断る」
C.C.「……」
C.C.「させるわけがないだろう」
ルル「俺も同じだ」
C.C.「……まあ、いい」
ルル「お前はベッドで、俺は床で布団で」
ルル「――これこそ、お前の望んでいたものだろう?」
C.C.「……さあな」
C.C.「ふむ、前にも使ったことがあるのか」
ルル「まあな。その時の素晴らしい寝心地は今でも鮮明に思い出せる」
C.C.「……そんなに布団とは良いものなのか?」
ルル「ベッドも素晴らしい。だが、布団はそれとは違った良さがあるのは確かだ」
C.C.「……なあ」
ルル「断る」
C.C.「……」
いそいそ
ルル「……ククク、我ながら完璧なレイアウトだ」
ルル「この地点は、周辺にテーブルも配置されている」
ルル「さらに、トイレへ至る経路には障害物が無いのも良い」
C.C.「……」
ルル「――作戦の第一ステージはクリアー」
いそいそ
ルル「第二ステージは敷布団にシーツをかける作業……」
ルル「……だが、この作業は慎重にやらなければならない」
C.C.「ほう、何故だ?」
ルル「シーツがピシッとかけられていないと、
寝返りをうった時にシーツがめくれていってしまう恐れがある……!」
C.C.「ふむ」
C.C.「足側から? 頭側からではダメなのか?」
ルル「愚問だな」
ルル「最初に布団に寝転がった時、
布団と完全に密着していなかったシーツがフワリとする感触が楽しめん」
C.C.「……よくわからないな」
ルル「わからないならそれで良い。お前はベッドで寝るんだからな」
C.C.「……」
ルル「これより、シーツの足側を固定する作業にうつる」
いそいそ
ルル「……!」
C.C.「……なあ、ルr」
ルル「っ! 話しかけるな!」
C.C.「……」
ルル「……!」
いそいそ
ルル「――続いてフェーズ2へ」
C.C.「次はどうするんだ?」
ルル「フェーズ2では、頭側のシーツを固定する」
C.C.「……なんだ、またチマチマした作業か」
ルル「違うなC.C.。その考えは間違っているぞ」
C.C.「何?」
ルル「頭側のシーツをかけるのに求められるのは、慎重さでなく――大胆さだ」
ルル「見ていればわかる」
すっ…
C.C.「? シーツの端を握って何を――」
ルル「ふんっ!」
フワアッ……!
C.C.「おおっ……!」
ルル「空気を取り込むように、シーツを大きく展開させ左翼、右翼から一気に攻める」
ルル「フェーズ2終了……第二ステージもクリアーされた」
C.C.「? 何かあったのか」
ルル「……この作業は、俺の手に負えるものではない」
ルル「掛け布団は柔らかく繊細だ」
ルル「俺自身が手を下せば、取り込んだ太陽の匂いを逃がしてしまう」
C.C.「ふふっ、それで?」
ルル「――掛け布団にシーツを被せるのは、咲世子にやって貰った」
C.C.「……」
C.C.「あと必要なのは……枕か」
ルル「その通り。さすがC.C.、俺の共犯者だ」
C.C.「まあな」
C.C.「それで? 枕はどこにある?」
ルル「慌てるな。この日のために特注のものを取り寄せてある」
C.C.「……本気、らしいな」
C.C.「届くとは……この斑鳩にか?」
ルル「それ以外のどこに届けるというんだ」
C.C.「しかし、ここは……」
ルル「ジェレミアの俺への忠誠は本物だからな」
C.C.「……」
C.C.「オレンジ便、か」
C.C.「待ちきれないのか」
ルル「当然だ」
C.C.「……」
ルル「C.C.、言っておくが……勝手に布団に入るなよ?」
C.C.「……」
C.C.「ふん……私はC.C.だぞ? 床なんぞで寝られるか」
C.C.「……太陽の匂い、か」
C.C.「……」
C.C.「ふかふかの敷布団……フワリとするシーツ……」
C.C.「……」
もそもそっ…
C.C.「――おや? 私の進路に邪魔な寝具が置かれているなぁ」
C.C.「この私の邪魔になるような敷き方をするとは……」
C.C.「やれやれ、これは躾が必要なようだな」
C.C.「しかし、どうやって今回のお仕置きをしたものか」
C.C.「……」
C.C.「――あぁ、この布団で一番に眠れないというのは良いお仕置きになるなぁ」
C.C.「私が、そんなお前に罰を与えるのは当然――」
コンコン
C.C.「!?」
C.C.「まさか……もう戻ってきたというのか……?」
『……紅月カレン、偵察任務より戻りました』
C.C.「……なんだ、カレンか」
パシュン!
C.C.「偵察任務、ご苦労だったな」
カレン「なんでアンタが偉そうなのよ」
C.C.「なに、アイツが居ないからその分の労いの言葉を代弁したんだ」
カレン「誰もそんなの頼んでないわよ!」
カレン「――って、何やってたの……?」
C.C.「ん?……ああ」
C.C.「まあ、な」
カレン「へー! それが布団なんだ! 本当に床に敷くのねぇ!」
C.C.「? お前は布団を見た事が無いのか?」
カレン「ええ」
カレン「私の家……住んでた所は、全部ベッドだったし」
C.C.「ふむ」
C.C.「……何?」
カレン「ちょっとだけ! ねっ、良いでしょ?」
C.C.「……」
C.C.「駄目だな」
カレン「? どうしてよ」
C.C.「この布団には――最初に私が寝転がるからだ」
カレン「……はぁっ?」
C.C.「この布団は私の行く手を阻むように敷かれている」
カレン「それがどうしたってのよ?」
C.C.「やれやれ……ルルーシュは、この布団に最初に寝転がるのを楽しみにしているんだ」
カレン「……それで?」
C.C.「私の邪魔をしたルルーシュにお仕置きするため、私が最初に寝転がる」
カレン「……悪いけど、話を聞いて余計訳がわからなくなったわ」
C.C.「そうだ」
カレン「もしかして、C.C.も布団に寝転がってみたかったりするの?」
C.C.「ああ」
C.C.「……」
C.C.「い、いや、違う! あくまでもお仕置きのためだ!」
カレン「……ふーん」
C.C.「!? どうしてそうなる……!?」
カレン「だって、ルルーシュが一番最初に寝られなければ良いんでしょ?」
C.C.「それは……」
カレン「――って事で、お邪魔しま~す……っと」
C.C.「まっ、待――」
パシュン
C.C.・カレン「……」
ルル「ククク……! これで存分に楽しめ――」
ルル「――おい、何をしているんだお前達!?」
C.C.「その、だな……」
ルル「……とりあえず、カレンは偵察任務ご苦労だった」
カレン「え、えぇ……」
ルル「――そしてC.C.」
C.C.「……」
ルル「お前は、俺が敷いた布団に何をするつもりだった?」
ルル「……」
カレン「――ちょっと! なんか物凄く怒ってるわよ!?」ヒソヒソッ
C.C.「敷き方にも相当こだわっていたからな……」ヒソヒソッ
ルル「C.C.」
C.C.「なっ、なんだ」
ルル「『男は床で寝ろ』……お前は、そう言ったはずだ」
ルル「だが、まさかとは思うが――その布団で寝ようとしていたのか?」
C.C.・カレン「……」
ルル「本当か?」
C.C.「勿論だ」
ルル「ならば、何故布団の近くに居た」
C.C.「それは……」
C.C.「……」
C.C.「カレンが、お前の敷いた布団に寝転がろうとしていたからな」
カレン「へっ?」
C.C.「私は、それを止めようとしていたんだ」
カレン「……はあっ!?」
C.C.「事実だろう?」
カレン「それはそうだけど、でm」
ルル「――カレン」
カレン「!? なっ、何……?」
ルル「お前は、俺が敷いた布団に、寝転がろうとしたのか?」
カレン「う……あ……」
カレン「……」
カレン「……はい……」
カレン「……」
ルル「やはり、お前にも日本人の血が流れているという事か」
カレン「……えっ?」
ルル「日本人は布団を使用してきた民族だ」
ルル「その血を引くお前が、布団で寝たいと思っても不思議じゃあない」
カレン「許して……くれるの……?」
ルル「当たり前だろう」
カレン「! 良かったぁ……!」
カレン「うん、仕方無いわよね」
ルル「だが――代わりを用意する事を約束しよう」
C.C.「代わり? どういう事だ?」
ルル「お前には関係ないだろう」
C.C.「……」
ルル「カレン、お前の分の布団も斑鳩に取り寄せよう」
カレン「やった! ルルーシュ、アンタも気が利くじゃない!」
C.C.「……」
斑鳩に居る騎士団の人数分布団を取り寄せるべきか……?」
カレン「それ、本気?」
C.C.「……ふん! とんだ無駄遣いだな」
ルル「本気だとも。布団一組で騎士団の人間が
精神的に落ち着けるのなら安いものだ」
カレン「……へー、色々考えてるのね」
C.C.「おい、今私を無視しなかったか?」
ルル「まあな」
C.C.「っ!……おやおや、いい度胸じゃないか」
C.C.「……まさか、今も無視したのか……!?」
ルル「格納庫を使って催しをするのも良いかもしれないな」
カレン「催しって……何が出来るの? 布団があるだけで」
ルル「カレン。俺が今手に持っているものが何かわかるか?」
カレン「それは……枕?」
ルル「そうだ」
ルル「――枕投げだよ、カレン」
ルル「ああ」
ルル「枕投げとは……敷き詰められた布団の上で、
枕を投げ合って戯れるというお遊びみたいなものだ」
カレン「結構面白そうじゃない! 枕なら、当たっても痛くないだろうし」
ルル「ふざけあうのが目的だからな」
カレン「これなら、全員参加で楽しめそうよね」
ルル「床で寝ない人間は参加出来ないが、な」
C.C.「……」
ルル「そうだな」
ルル「……さて、そろそろ寝る時間だ」
カレン「そうね。それじゃ、今日は存分にその布団を楽しんで!」
ルル「ありがとう……って、なんだかお礼を言うのは変だな」
カレン「あはは、本当にね」
カレン「――それでは、失礼します!」
―パシュン
C.C.「……」
ルル「C.C.、もう電気を消すからベッドに戻ったほうが良いぞ」
C.C.「……ふふっ、本当にひどい奴だな、お前は」
ルル「いきなり何を……」
C.C.「ルルーシュ」
C.C.「――ここまでされて、私が素直にお前を布団で寝かせると思うか?」
ルル「!?」
C.C.「私も布団というものに興味が沸いた」
ルル「!? おい、まさか……!?」
C.C.「丁寧に布団を敷いてくれてありがとうとでも言っておこうか」
ルル「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる!」
ルル「――布団に近寄るなッ!」キュィィン!
C.C.「ふふっ、私にギアスは効かんぞ」
C.C.「どれ、掛け布団のさわり心地は、と」
…ふわっ
C.C.「おおっ、さすが咲世子だな。フワフワだ」
ルル「お願いだ……やめてくれ……!」キュィィン!
C.C.「んー……これが太陽の香り、か」
ルル「ぐ、おおおっ……!」
ルル(C.C.……! この魔女めええっ……!)
C.C.「チーズくんを置いて……あとは――」
ルル「まさか……」
C.C.「――ルルーシュ、布団で寝るために取り寄せた、
その枕をこっちに寄越せ」
ルル「断るっ! これは、選びに選んで決めt」
C.C.「何? 聞こえんな」
ルル「……受け取れ」
C.C.「ふふっ! 素直が一番だぞ、ルルーシュ」
ルル「……お前が言うな」
C.C.「ルルーシュ、私は確かに『男は床で寝ろ』と言った」
C.C.「だが、私は好きな所で寝る」
C.C.「だから、床――この布団では私が寝る」
C.C.「依存は無いな?」
ルル「だったら……俺はどこで寝ろと言うんだ……!」
C.C.「私は布団で寝るから、ベッドを使っても構わないぞ」
ルル「……」
ルル「何?」
C.C.「当たり前だろう。元々お前のベッドだぞ?」
ルル「……」
C.C.「ベッドを余らせておくのも無駄だからな」
ルル「……」
ルル(俺が……ベッドで寝る? 寝られる、のか……?)
ありがたく思えよ、ルルーシュ」
ルル「ベッドで……寝て……良い……」
C.C.「……ルルーシュ?」
ルル「……ハハ……ハ」
C.C.「おい、何を笑っt」
ルル「ハハハハハッ! やった! やったぞ!」
ルル「ベッドでッ! 他のどこでもない、ベッドで寝られるんだ!」
C.C.「……」
C.C.「……喜びすぎだろう」
C.C.「あ、ああ……」
ルル「っ……!」
ルル「長かった……! お前に『男は床で寝ろ』と言われて以来、
一度もベッドでは寝ていなかった……!」
ルル「寝転がっても、目をつぶるだけ……!
安らぎなど当然無い、睡魔との闘いの場所だったベッドが!」
ルル「――安らぎの場所、ベッド!」
ルル「今ここに、ベッドが俺にとって安らげる場所に戻った事を宣言する!」
C.C.「……」
C.C.「……そこまで喜ばれると、逆にベッドで寝かせたくなくなるな」
ルル「!? もう寝るぞ、C.C.!」キュィィン!
C.C.「私にギアスは効かないと言ってるだろう」
ルル「ベッドで寝かせてくれ……お願いだ……お願いします……!」
C.C.「……ふん」
C.C.「なら、電気を消せ。布団からではスイッチが遠い」
ルル「!」
C.C.「待て、布団に入る」
ルル「ええい、グズグズするな!」
C.C.「はいはい」
もそもそっ!
C.C.「……おお、シーツがフワリとなった」
C.C.「ふふっ、布団は中々快適じゃないか」
カチッ
C.C.「おい、電気を消す前に一言くらいh」
ルル「はあっ!」
―ボフンッ!
C.C.「? 何だ、今の音は……?」
ルル「特に、このゼロのために用意されたベッドは格別だ!」
ルル「この寝心地の良さは、他のどんな寝具でも出せないだろう!」
ルル「愛しているよ……ベッド……!」
C.C.「……」
C.C.「……確かに、そのベッドの方が寝心地が良いな」
ルル「……う~ん……ナナリー……むにゃむにゃ……」
C.C.「もう寝たのか……!?」
布団がやけに冷たくなってきたな」
C.C.「……それに、枕投げとやらも冷静になってみれば面倒そうだ」
C.C.「……」
もそもそっ…
C.C.「……」
もぞもぞっ…
C.C.「……ああ、やっぱりこっちのベッドの方が良いな」
C.C.「……寝言がうるさい」
ぐいぐいっ!
…ボトッ!
ルル「おぐうっ!?」
ルル「ぐおお……何故……ベッドは簡単には落ちない大きさのはず……!?」
C.C.「悪いが、このベッドは一人用だ」
C.C.「男は床で寝ろ」
おわり
おやすみ
乙
Entry ⇒ 2012.09.10 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
春香「私、将来的にプロデューサーさんに嫁ぐじゃないですか」
春香「今のうちに子供の名前とか決めといた方がいいと思うんですよ」
P「え?ごめんよく聞こえない」
春香「そういえばプロデューサーさんは何人欲しいんですか?」
P「え?ごめんちょっと意味分からない」
P「なあ分かったから扉から手、放してくれないか」
春香「一人の子に愛情たっぷりあげたいじゃないですか?」
P「うんわかるわかる」
春香「ですよね」
P「分かったから南京錠切ろうとしないでくれる?」
P「誰だよハルヒコ」
春香「女の子だったら春音とかどうでしょう」
P「ああ、きっと春香に似た可愛らしい女の子になると思うよ」
春香「ありがとうございます、きっと春彦はプロデューサーに似た優しい子になりますよ」
P「大丈夫春香の子が他人の俺に似るはずないから安心してくれ」
春香「あはは何言ってるんですかプロデューサーさん」
P「なんだい春香」
春香「お義父さんお義母さんに挨拶したいんでそろそろ実家の場所を教えて欲しいんですけど」
P「そうか春香は両親と別居しているのか偉い偉い」
春香「よくわからないですけどありがとうございます」
P「どういたしまして、だから掴んだ手を放してくれないか」
P「ああ、手が温かいやつは心が冷たいらしいぞ」
春香「その冷たい心を春の日差しが溶かすんですか?」
P「お前はいったい何をいっているんだ」
春香「すいませんプロデューサーさんこの手」
P「なんだどうした春香」
春香「我慢できないんで舐めていいですか」
春香「後2センチくらいだったんですけど」
P「そろそろ閉めていいかドア」
春香「開けてくれるんですか?」
P「開けるにしても一回閉めなきゃならんだろうに」
春香「ああ、確かに」
P「じゃあ閉めるから」
春香「はい」
春香「プロデューサーさんもう十分経ちますよ」
春香「プロデューサーさん嘘はいけないですよ嘘は」
春香「プロデューサーさん近所迷惑になりますよ」
春香「プロデューサーさん寝ちゃったんですかプロデューサーさん」
春香「あ、プロデューサーさん南京錠まだ付いてますよ」
P「確かに付いているかもしれない、けれど心は繋がっている。そう思わないか?」
春香「じゃあ後は身体が繋がるだけですね」
P「待っていま警備呼んでるから」
春香「警備さんに見られてないと興奮しない性癖でも?」
春香「そうですか?」
P「ああ、離れていても誰かと繋がっている。それはとても素晴らしい事だ」
春香「まるで私とプロデューサーさんみたいですね」
P「ああ、春香とファンたちに似ているな。だから電話を返してくれ」
P「そうかもしれないな」
春香「好きな子ほど苛めちゃうみたいな」
P「イヤなことをイヤと言わないとかな」
春香「その天の邪鬼な心を春の日差しが暖かく包み込むんですよね」
P「ごめん春香のたとえ話は難しくて俺には理解できない」
春香「本当ですか」
P「ああ、いつも元気で前向きで」
春香「照れちゃいますね」
P「どんな苦難にも諦めず立ち向かう度胸も春香の美点だ」
春香「えへへ」
P「だからその前向きさを俺の家のドアを打ち破る事でなく是非ファンたちに全力で注いであげてほしい」
春香「はいどうぞ」
P「その話は明日事務所でしよう」
春香「私はその話をつい昨日聞きましたよプロデューサーさん」
P「だが今度は約束を守ると言ったら?」
春香「プロデューサーさんの『今度』は一昨日の筈だったんですけど」
P「どんな子だい」
春香「ちょっとドジで」
P「うんうん」
春香「だけど頑張りやで」
P「かわいいかわいい」
春香「リボンがトレードマーク」
P「あーちょっとご遠慮願うわぁ」
P「うーんそうだなぁ、ドアを壊さない子かな」
春香「ドアを壊さなければ誰でもいいんですか」
P「で、ちょっとおとなしめな感じで」
春香「ふんふん」
P「可憐で清楚っぽい子」
春香「わかりました。可憐で清楚な大人しいドアを破壊しない春香さんですね」
P「もうそれでいいや」
春香「スリーサイズは知ってるじゃないですか」
P「大丈夫興味ないから」
春香「どうぞどうぞ」
P「春香は好きなタイプとかないのか?年上の情けない感じの世話焼き男以外で」
春香「うーん、プロデューサーさんですかね」
春香「おはようございます」
P「天気がいいな」
春香「暑いですね~」
P「ああ、空調入れようかな」
春香「あーいいですね」
P「いいだろ?なあ春香」
春香「はい?」
P「窓ガラスの鍵付近にガムテープ貼ってるのはなんでだい」
P「ドアから入るのをやめたら窓にガムテープ貼る理由になるのか」
春香「あ、これは破片が散らないようにするんですよ」
P「ごめんちょっと意味がわからない」
春香「いやだからそのまま割ったら破片飛ぶじゃないですか」
P「わかったから金鎚しまえよ」
P「なんだい春香」
春香「今日の服気合い入ってると思いませんか」
P「うんとても可愛らしいな」
春香「学校の友達にも彼の家に行くって自慢してきちゃいました」
P「へえ、彼氏が待ってるから早く行っておやり」
P「まあ待て」
春香「はい、どうしたんですか」
P「言葉が悪かった、恋人の待つ家に行くんだろう?」
春香「はい」
P「そこに行ってあげなさい」
春香「もちろんですっ」
P「まあ待て」
春香「はい」
P「ガラスは、割るな」
P「俺は涼しいよ、きっと今春香の家も涼しいだろうなぁ」
春香「それはつまりプロデューサーさんの家が私の将来的な家であることを掛けた言葉遊びですか?」
P「違うよ、言葉どおりだよ」
春香「言葉通りここはお前の家だよということですね」
P「お願いだから帰ってくださいお願いしますお願いします」
P「春香はやればできる子だなぁ」
春香「よいしょ」
P「だから割るなって言ったよね俺」
春香「あ、ガムテープ回収するんで待っててくださいね」
P「俺がやっとくから春香は家にお帰り」
春香「ではお言葉に甘えまして、ただいまプロデューサーさん」
P「日本語って難しいなぁ」
春香「はい、どうしましたプロデューサーさん?」
P「俺出掛けたいな」
春香「デートですか?」
P「うんひとりで」
春香「じゃあお夕飯作って待ってますね」
P「大丈夫お前が帰るまでネカフェで暮らすから」
春香「ネットカフェに2人きりって狭いけど肌の密着具合すごそうですねっ」
P「うんだから俺の上からどいてもらっていいかな」
P「俺に身の危険が迫ってるからだよ」
春香「つまり男はオオカミだってプロデューサーさんが教えてくれる流れですか?」
P「俺が今オオカミに襲われてるんだけどな」
春香「オオカミいませんけど」
P「見回すなオオカミ」
春香「あっ私かぁ」
春香「どんなことですか?」
P「春香がマウント解除するじゃん?」
春香「それで今度はプロデューサーさんが上に?」
P「俺が立ち上がるじゃん?」
春香「ああ、立位」
P「でネカフェに行く」
春香「なんでプロデューサーさんは執拗にネットカフェプレイを推奨するんですか」
春香「どうぞどうぞ」
P「シャレになんないから口開けんのやめてくんない?」
春香「じゃあ私もトイレに一緒に入っていいですか?」
P「いやです」
春香「じゃあ」
P「だから口開けんのやめて」
春香「プロデューサーさん春香さんトイレですよ春香さんトイレ」
春香「はい」
P「降参だ、一緒にトイレ行こう」
春香「行きましょう、私が拭いてあげますね」
P「春香、男の子は拭かないんだぜ」
春香「あ、そうなんですか。残念だなぁ」
P「恥ずかしいから心の準備がしたい。まず春香から入って」
春香「わかりました」
春香「お返事ないですけど大丈夫ですか?」
春香「プロデューサーさん、録画の準備できましたけど」
春香「プロデューサーさーん?」
春香「あれ、もう家にいない」
春香「こんにちはプロデューサーさん」
P「偶然だな、こんなところで会うなんて」
春香「プロデューサーさんカプセルホテルでしたかったんですか?」
P「うんカプセルホテルで誰にも邪魔されずゆっくりしたい」
春香「鍵くれないと入れないんですけど」
P「入れる気ないけど」
春香「焦らしプレイしたいんですか?」
P「そうそう」
春香「じゃあ準備しながら待ってますね」
P「なんだい春香」
春香「下のカウンターで閉め出されたって言ったんですよ」
P「へえ」
春香「けど合い鍵貸してくれませんでした」
P「そりゃ当たり前だろうに」
春香「でもここのホテルの鍵って家のより開けやすくて良かったです」
春香「あれまた居ない。窓から出てったのかな」
春香「お帰りなさい」
P「行ってきます」
春香「まあまあ」
P「なんでセーフハウスの場所まで知ってんだ」
春香「いや嫁としては知っておかないといざという時大変じゃないですか」
P「おかしいな俺独身だけど」
春香「そういうと思って婚姻届持ってきたんですけど判子がないんですよー」
P「持ってて良かった印鑑全種」
P「ああ、確かに」
春香「これが指についてるだけで判子になっちゃうんですよ?」
P「びっくりだよな」
春香「素敵ですよね」
P「ああ、だから俺の親指を放してくれないか」
春香「動くと削げちゃいますよプロデューサーさん」
P「わかった、なら刃物をしまおう」
P「ああ、さっきから腕相撲状態だもんな」
春香「あとちょっとなんですけど」
P「あとちょっとだな、俺の親指が婚姻届につくまで」
春香「じゃあ一気に行っちゃいましょう1、2、3ヴァイッって感じで」
P「いいねそれ今度歌に使おう」
春香「でもプロデューサーさん全力で抵抗するんですね」
P「ん?こらだましたな何もないぞ」
春香「えいっ」
P「おっとあぶない、騙されるところだった」
春香「いやだなあ、あそこに2人の未来が見えただけですよ」
P「暗闇でしたけど」
春香「見えないところに愛があるってことですよ」
春香「そろそろやめないかという話ならお断りします」
P「いや、俺はもうだめだだから最後にお願いを聞いてほしい」
春香「いいですよ、最後と言わず何度でも」
P「渾身ののヮのをみせてくれないか」
春香「いいですよ」
春香「のヮの」
春香「あれ?婚姻届がない」
P「さあどこだ」
春香「あはは、もうっ子供みたいなんですから♪」
P「この部屋のどこかにあるぞー探してみよう」
春香「うーんどこかなぁ」
春香「プロデューサーさんヒント…あれ?」
P「ヒントは破きました」
春香「あーあ」
P「じゃあ諦めて帰るってのはどうだ?」
春香「それはできないですよー」
P「だよねーでも婚姻届ないからなんもできないよねー」
春香「じゃあ二枚目を出しましょう」
P「」
P「いやな夢だったな」
P「窓を強化ガラスにしよう、うん」
P「さて仕事に行くかな」
P「行ってきます」
「いってらっしゃい」
おしまい
えっ
Entry ⇒ 2012.09.09 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)