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ともこ「恋人の先輩がヘタレで困ってる?」 ちなつ「……」

引用元: http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1347083730/
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 14:55:30.12 ID:AwzDN/v40

~七森商店街~

ちなつ「結衣せんぱ~い、それにしてもホントに暑いですねぇ……」

結衣「ふふ、暑さにうだるネコみたいだ、……確かに9月だっていうのにこの残暑だもんね」

結衣「そうだ、確かいいものがカバンに……」ゴソゴソ

ちなつ「……♪」ピトッ

結衣「……あのちなつちゃん、暑いのにどうしてくっつくのかな」

ちなつ「暑いからこそ、ですよ」ニコッ

結衣「あ、暑いのに引っ付いちゃうの?」

ちなつ「はいっ!」


4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 14:58:06.44 ID:AwzDN/v40

ちなつ「結衣先輩、汗が蒸発するときには、気化熱として体温を奪うんです」

結衣「へぇ~だから涼しくなるんだね、……ちなつちゃんって博識、すごいなぁ」

ちなつ「えへへ、だから低下しすぎないように私がセンパイを暖めてですね……」スリスリ

結衣「だ、大丈夫だよ、暑くてちょっと汗ばんでるくらいだから!!」

ちなつ「もう、今さら気にするよう仲でもないのに……」

結衣「それはそうだけど、でもやっぱり外であまりイチャイチャするのは……」モジモジ

ちなつ「むぅ、……私のことキライですか?」

結衣「えっ!?」


6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 15:00:21.66 ID:AwzDN/v40

結衣「そんなわけないよ!!……わ、私はちなつちゃんのこと、だ……だいす……」

ちなつ「えへへ、やだもうセンパイったら……」モジモジ

結衣「そうだちなつちゃん、私扇子持ってるんだよ、扇いであげるね」パタパタ

ちなつ「なっ……もう、どうしてそこで折れちゃうんですか!!」

ちなつ「だいす、まで言ったなら、きを言って下さいよ~……」

結衣「……だ、だって二人きりならともかくこんな街中でなんて……」カァー

ちなつ「むむむむむ」


7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 15:01:30.36 ID:AwzDN/v40

ちなつ「はぁ……」

結衣「あ、あのちなつちゃん、やっぱり怒ってるよね……」パタパタ

ちなつ「いいえ、怒ってるわけでは、……扇子とっても涼しいです、ありがとうございます」ニコッ

結衣「そっか……良かった、ちなつちゃんが喜んでくれて」

ちなつ「次は私がセンパイを扇ぎますね、楽にしてて下さい」

結衣「わっ、ありがとう、ほんと暑くて汗かいちゃったんだ」

ちなつ「……へぇ」


9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 15:02:51.67 ID:AwzDN/v40

ちなつ「……♪」スリスリ

ちなつ「結衣先輩、涼しいですか?」パタパタ

結衣「うん、ありがとちなつちゃん……」

結衣(わ、わたしの腰に手を回して、その手で扇ぐって、……密着しすぎだって……)カァー

結衣(うぅぅぅ、変な匂いしてないかな、汗の臭いとか)

結衣(大丈夫だよね、そんな嫌な顔もしてないしきっと大丈夫……)


ちなつ「んっ……センパイいい匂いです、頭の中に広がっていきます……」

ちなつ「ちょっと制服のワンピース汗ばんでる、でもこの匂い大好き―――」

結衣「やっぱりだめええええええええええええ!!」ズイッ


10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 15:06:03.15 ID:AwzDN/v40

ちなつ「あぁっ……そんなおあずけなんて」

結衣「絶対にダメ、ほんともう駄目だから……!!」フルフル

ちなつ「結衣先輩の匂い私大好きですよ、石鹸のいい香りがふわ~っとして」ニコニコ

結衣「えっ……ほ、ほんと?」

ちなつ「はいっ、……好きな人の匂いを嗅ぎたくなるのは、当然だと思うけど」

結衣「好きな人だなんて、そ、そんなこと……」モジモジ

ちなつ「だからおあずけなんて言わないで、もっとください!」

結衣「だ、ダメだよ、……おあずけ」

ちなつ「くぅ~ん……」グスッ


12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 15:11:59.18 ID:AwzDN/v40

結衣「……」テクテク

ちなつ(うぅぅ、なんかちょっと距離感を感じちゃうな、もっとすりすりしたいのに)

ちなつ「あ、ニホンミツバチさんがスズメバチをどうやって倒すか知ってますか」

結衣「ず、ずいぶんと唐突な話だね」

結衣「……でも、ミツバチみたいな小さい子がスズメバチを倒せるのかなぁ」

ちなつ「ふふ、まずは何十何百というミツバチがぐわ~っとくっ付くんです!」

結衣「ふむふむ、とりあえずスズメバチを囲むんだね」

結衣「でもそれからどうするんだろう、プスプスと針で刺すんだろうか」ウーン

ちなつ「いいえ、そのまますりすりしてるだけで倒せちゃうんですよ」

結衣「えっ、ほんとに?」


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 15:13:19.69 ID:AwzDN/v40

結衣「それだけでスズメバチを倒せちゃうんだ、でもどうしてだろう……」

ちなつ「ミツバチさんがすりすりして、どんどん敵の体温を上げるんです」ススッ

結衣「あぁ、なるほど!」

ちなつ「やがて耐えられなくなったスズメバチは哀れにも……」ピトッ

結衣「あの、近いよ、近いですちなつちゃん」

ちなつ「前置きはここまで、今のお話を実践にしてみましょうか」ニコッ

ちなつ「私がミツバチさんみたいにセンパイにくっ付くんです、うふふ……」

結衣「き、気持ちは嬉しいけど、それだと私死んじゃうよね!?」ズイッ

ちなつ「んんっ、……もう、ほんと甲斐性なしなんだから……」


15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 15:15:10.78 ID:AwzDN/v40

結衣「ちなつちゃん、どこか寄って行きたいところある?」

ちなつ「ん~、ちょっと本屋さんに行きたいですね」

結衣「あ、いいね、私も新刊探したかったんだ、一緒に行こうか」

ちなつ「……センパイ、私の手空いてますよ?」ニコッ

結衣「えっ!?」ドキッ

ちなつ「誰か素敵な人が私の手を繋いでくれないかなぁ、ふふふ」

ちなつ「黒髪で、とってもかっこ良くて、なのにお料理が上手で家庭的で……」チラッ

結衣「……」モジモジ


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 15:21:00.92 ID:AwzDN/v40

結衣「ち、ちなつちゃん、……良かったら、わたしと……」モジモジ

ちなつ「……」ドキドキ


結衣(私だって、ちなつちゃんと手を繋いで歩きたい)

結衣(チャンスを貰ってるのに、いつも勇気が出せないんだ)

結衣(いまも足がすくんで、胸がドキドキして、倒れちゃいそうなくらい……)

結衣(あ……もし手を繋いで手汗をかいてたらどうしよう、そんなの嫌われちゃうよ)モンモン


結衣「うぅぅぅ……」

ちなつ「良かったら、わたしと……?」


18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 15:23:28.76 ID:AwzDN/v40

ちなつ「やっと、センパイが自分から……」ワクワク

結衣「ちなつちゃん、良かったらわたしと本屋へ行きませんか!?」

ちなつ「はいっ、もちろんです!」

結衣「そ、それじゃあ、行こうかっ」テクテク

ちなつ「……え」

ちなつ「け、結局手は繋いでくれないんですか!?」タタタッ

結衣「だって、手汗とかかいてちなつちゃんに嫌な思いさせたくないから……」

ちなつ「……はぁ」


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 15:29:14.02 ID:AwzDN/v40

~本屋さん~

ちなつ「ふむ、ふむふむ、ブライダルフェア……」ペラッ

ちなつ「……!」

ちなつ「ふふ、いいなぁこんな素敵な教会でセンパイと」ポワーン

ちなつ「やっぱり海外の教会がいいな、……えへへ、ちょっと話が飛びすぎか」

ちなつ「でも、センパイは手も繋いでくれなかった……」グスッ

ちなつ「……あれだけ拒まれるってことは、私嫌われちゃったのかな」

ちなつ「うっ、やだよそんなの……」ジワッ


21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 15:30:28.87 ID:AwzDN/v40

結衣「……」ペラッ

結衣「わっ、このお料理美味しそう……ふふ」

ちなつ「結衣先輩、なんの本を読んでるんですか?」ヒョコッ

結衣「あっ、ちなつちゃん、これはレシピ本だよ」

ちなつ「なるほど……ふふ、センパイらしいですね」

結衣「ちなつちゃん、目元赤く腫れてるけど大丈夫……?」

ちなつ「ん、大丈夫ですよ、ちょっと目にゴミが入っちゃって、えへへ」

結衣「そっか、なにかあったかと思った……」ホッ


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 15:35:14.09 ID:AwzDN/v40

結衣「……♪」ペラッ

ちなつ「結衣先輩、そんな鼻歌まで歌ってごきげんって感じ」

ちなつ「そっか、腕を磨けば自分で美味しいもの食べられますもんね」クスッ

結衣「ううん違うよ、そういう理由じゃなくて……」

ちなつ「?」

結衣「あの、その……」モジモジ

結衣「美味しいものを作れたら、ちなつちゃんも喜んでくれるかな、と思って……」

結衣「あ、あまり器用じゃないから、レシピは少ないけど……たくさん練習してちなつちゃんに」


ちなつ「……」


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 15:44:53.47 ID:AwzDN/v40

結衣「だから待っててね、喜んでもらえるように頑張って練習するから」

結衣「……ちなつちゃん?」

ちなつ「はっ!!や、やだ私ったら、ちょっと白昼夢でした」アセアセ

結衣「ううん気にしないで、大したことは言ってないから」

結衣「それじゃレジ行ってくるからここで待っててね」タタタッ

ちなつ「……」


ちなつ「顔火照ってる、熱い……またドキッとさせられちゃった……」

ちなつ「全部センパイのせいですよ、……ばか」


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 15:47:14.45 ID:AwzDN/v40

結衣「レシピ本買っちゃった、ふふ」

ちなつ「いいお買い物できましたね、良かった良かった」

結衣「あ、……ゴメンね付き合わせる形になって、埋め合わせはいつかするからね」

ちなつ「いいえとんでもない、元々は私が本屋に行きたいって言ったんですし」

ちなつ「……それに、センパイの側にいられて私は幸せです」ニコッ

結衣「う、うん……ありがと……」


ちなつ(顔真っ赤にしちゃった、……格好良かったり可愛かったり忙しい人)クスッ


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 15:53:38.77 ID:AwzDN/v40

ちなつ「それじゃあここでお別れですね、今日はとっても楽しかったです」ペコッ

ちなつ「センパイのレシピ本の手料理楽しみにしてます!」

結衣「うん、頑張って練習しておくからね」


ちなつ「結衣先輩……」ジッ

結衣「……うっ」


結衣「じゃ、じゃあまたね、さよならちなつちゃん!!」タタタッ

ちなつ「あっ……はぁ、さすがにお別れのちゅ~は無理だったか、残念」


29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 15:58:12.90 ID:AwzDN/v40

・・・
・・


ちなつ「ってことが今日あったの……」

ともこ「ず、ずいぶんと長い回想だったね、お疲れ様」

ちなつ「それでね、恋愛経験豊富なお姉ちゃんにアドバイスをと」ニコッ

ともこ「えっ!?」

ちなつ「結衣先輩のことは大好きだよ、でもこのまま押せ押せでいいのかなって……」

ちなつ「もしかしたらおしとやかな子が好きなのかもしれないし、……はぁ」

ともこ「ふーん……」

ともこ(私恋人なんて出来たことないのに、妹に先を行かれちゃったのね……)


32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 16:02:53.09 ID:AwzDN/v40

ともこ「うーん、話を聞く限りその子は相当なヘタレさんのようねぇ」

ちなつ「そうなの!……ほんと、ここまでひどいとは思わなかった」

ちなつ「目と目を合わせて話すときですら、ちょっと頬が赤くなっちゃうんだよ?」

ともこ「……」ギクッ

ちなつ「ましてやボディタッチなんかがあった日には、やかんみたいに顔から湯気が……」

ともこ「……」ギクッ

ちなつ「お姉ちゃんは、そんなことないよね?」

ともこ「えっ!?」


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 16:04:59.75 ID:AwzDN/v40

ちなつ「百合道極めし百戦錬磨のお姉ちゃんだもんね!」

ともこ「百合道ってなに!?百戦錬磨!?」アセアセ

ちなつ「ふふふ、もう謙遜しちゃって、女の子は取っ替え引っ替えで遊んでたんでしょ?」

ちなつ「……それはもう経験豊富なんだろうなぁ」ポワーン

ともこ「……」


ともこ(なにがどうしてそんなに話が膨らんだのかしら、そんなこと全然無いのに……)シクシク

ともこ(でも、その子の気持ちが分かる気がするなぁ)

ともこ(私もあかねさんの前だと、上手く喋られなかったり、触れただけで顔が赤くなったり……)ポッ

ともこ(……あぁ、私も、同じヘタレなのね)


34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 16:12:42.91 ID:AwzDN/v40

ともこ「そうだ、その子はなんていうお名前なの?」

ちなつ「うん、結衣先輩っていうの、素敵な名前だよねぇ……」

ともこ「ふむふむ、じゃあいつもちなつが結衣ちゃんをドキドキさせてるんだね」

ちなつ「……でも、不意にキュンとさせてくれるの」ポッ

ちなつ「例えば今日寄った本屋さんでね、レシピ本を見ながらこう言ったんだよ!」


結衣『私がキミのお嫁さんになるから、お料理くらいはできないとね』ニコッ

結衣『ハネムーンは熱海の温泉なんてどうかな、……夜は寝かせないからね』


ちなつ「えへへ……もう困っちゃうなぁ……」

ともこ「あ、あれ、さっきの回想と言ってること違うよ!?」


35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 16:20:41.51 ID:AwzDN/v40

ちなつ「ご、ゴメンね、ちょっと取り乱しちゃった……」

ともこ「ハネムーンが熱海って、……まぁちなつが行きたいならいいけど」

ともこ「今までの話をまとめると……」

ともこ「ドキッとさせるようなことは言ってくれるけど、行動となるとへたれる、ってこと?」

ちなつ「……」コクコク

ちなつ「つ、付き合って一ヶ月も経つのに、自分から手も繋いでくれないの」

ちなつ「おねーちゃんっ……わ、わたし嫌われちゃったのかな……こんなの、辛いよ」グスッ

ともこ「ちなつ……」


36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 16:26:19.99 ID:AwzDN/v40

ともこ「大丈夫だよ、ちなつは何もおかしいことしてないから」ナデナデ

ちなつ「……ほ、ほんと?」

ともこ「可愛い妹が辛い顔をしてるのは、お姉ちゃんから見てて悲しいな」

ちなつ「……ゴメンね、いらない心配かけちゃって」ギュッ

ともこ「ふふふ、いいのよ、小さいころはよくこうして甘えてきたじゃない」

ともこ「うーん、でもどうしたものかしら」

ともこ「何かシンパシーを感じるのよね結衣ちゃんからは……」ムムム

ちなつ「……」グスッ


39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 16:34:26.45 ID:AwzDN/v40

ともこ「ちなつ、良かったら結衣ちゃんと2人でお話しさせてくれない?」

ちなつ「えっ……で、でも」

ともこ「私ね、結衣ちゃんの気持ちが痛いほど分かるの」

ともこ「……きっと向こうも苦しんでると思うんだ、ウジウジしてる自分が嫌でね」

ちなつ「っ……ゆ、結衣先輩は、悪くないもん……」ジワッ

ともこ「そうだよ誰も悪くない、……だから2人の仲が上手く行くようにちょっとアドバイスをね」ニコッ

ちなつ「……えへへ」クシクシ

ちなつ「女の子を1000人切りした真の恋愛無双のお姉ちゃんだもんね、お願いしちゃおうかな」

ともこ「……」


40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 16:39:38.16 ID:AwzDN/v40

~次の日~

ちなつ「手はず通り、結衣先輩は今日このお家に来ます」

ともこ「……」ドキドキ

ちなつ「大丈夫だよ、お姉ちゃんが一回お話ししたいってメールで伝えてるから」

ともこ「あ、そうなんだ、それならちょっと安心かも」

ともこ「ふふん、お姉ちゃんに全部任せて、妹を悲しませるヘタレちゃんにビシッとだね……」

ちなつ「あぁもう、あまり強く言ったらダメだよ……?」

ともこ「こほんっ、とにかく結衣ちゃんが来たらここのリビングまで案内してあげて」ニコッ

ちなつ「う、うん……ほんとに大丈夫かなぁ」


43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 16:48:24.80 ID:AwzDN/v40

ともこ「……」ドキドキ

<ピンポーン

ちなつ「あ!結衣先輩だねきっと、それじゃここまで案内してくるから!」タタッ

ともこ「……はぁ」

ともこ「まいったな、恋愛経験ゼロの私がアドバイスするなんて……」

ともこ「というか、ちなつの中でかなり神格化されてるような」

ともこ「ま、話を聞く限りじゃ相当うぶでへたれのようだし、大丈夫よねきっと」

ともこ「ちなつの恋人、どういう子なんだろう……」ドキドキ


44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 16:51:24.79 ID:AwzDN/v40

ともこ「私のほうがお姉さんなんだもん、ビクビクする必要もないわね」

ともこ「……」ドキドキ

ともこ「うぅぅぅ……結衣ちゃんの写真くらい見ておくべきだったかな」


ガチャッ

ともこ「!」ビクッ


ちなつ「こっちですよ~、あ、そこ段差なってるんで気をつけて下さいね」スリスリ ベタベタ

結衣「ち、ちなつちゃん、腕に胸当たってるよ……」カァー

ちなつ「えへへ……センパイの匂い大好き……♪」

ともこ(あぁ、なんかもう完全に尻に敷かれてるね、すでに顔真っ赤だし)


46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 16:57:45.41 ID:AwzDN/v40

ちなつ「あ、こちらは私のお姉ちゃんのともこです、大学に通ってます」

とも結衣「あ……」


結衣「は、初めましてお姉さん、結衣です、船見結衣といいます」ペコペコ

結衣「本日はお日柄も良く、お家にお招きいただいて大変嬉しく……」

ともこ「あはは、とりあえず一旦落ち着こうね結衣ちゃん」

ともこ「……」チラッ

ちなつ「あ、うん、それじゃあ結衣先輩ごゆっくり」ニコッ

ガチャッ バタン


48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 17:02:21.01 ID:AwzDN/v40

結衣「……ふぅ」

ともこ「落ち着いたみたいだね、……改めまして姉のともこです」ペコッ

ともこ「今日はごめんなさいね結衣ちゃん、少しお話ししたいことがあって」

結衣「いえ、私も一度ちなつちゃんのお姉さんに会ってみたかったんで」

ともこ「ふふ、ちなつからは話は聞いてるよ、……素敵な恋人さんなんだってね」

結衣「そ、そんなこと、ないです……」モジモジ


ともこ(あらあら、前評判通りの恥ずかしがり屋さん、顔真っ赤にしちゃった)クスッ

ともこ(キリッとした見た目なんだけど、……ギャップがあって可愛いと思うけどな)

ともこ(いま流行りの草食系って感じかな、安心安心♪)


49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 17:07:02.40 ID:AwzDN/v40

結衣「と、とにかく、ちなつちゃんとは仲良くさせていただいてます……」

ともこ「うんうん、仲が良くて何よりです」

結衣「……でも本当にちなつちゃんにそっくりなんですね」

ともこ「ふふ、おてんばなところが似てるなんて言うのかな?」

結衣「いえいえ、もっとこう……」ジッ

結衣「お姉さんもお人形さんみたいに可愛らしいところとか」

ともこ「そ、そう……かしら、えへへ」

結衣「はい、……あとは透き通るな綺麗な瞳、吸い込まれてしまいそうなくらい」ニコッ

ともこ「なっ!?」


50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 17:09:04.46 ID:I1frla2q0

結衣さんやりおる


51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 17:10:43.88 ID:AwzDN/v40

ともこ「ちょっと待って、社交辞令だよね、社交辞令……」モジモジ

結衣「髪だってそう、……流れるように美しくて羨ましいです」

ともこ「……あ、ありがと、えへへ」

結衣「あれ、お姉さん顔が少し赤いですね、熱でもあるんですか?」ピトッ

ともこ「ふぎゃっ!?」

結衣「……私のおでこより少し熱いくらいかな、でも無理しないで下さいね」ナデナデ

結衣「お姉さんとてもいい匂いです、大人の人って感じで」

ともこ「あ、あ、あ、あ、あ、あ……」ブルブル


ともこ「アナタの一体なにがどうへたれだって言うのよっ!?」グスッ

結衣「えぇっ!?」


53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 17:16:11.26 ID:AwzDN/v40

結衣「あ、あの、どういうことですか……私がヘタレって……」

ともこ「どうもこうもないわよ……」キッ

ともこ「初対面のお姉さんにおでことおでこくっ付けて何がヘタレよ!!」

ともこ「そ、それからその場慣れしたような女の子の褒め方!!」

結衣「……本当のことを言ったまでです、嘘偽りなんかありません」ニコッ

ともこ「うっ……ま、またそういうこと言う!」

ともこ「絶対ウソよ、結衣ちゃんがヘタレだったら私はどうなるのよ!?」

結衣「と、とりあえず一旦落ち着いて下さい、ね?」ポンポン

ともこ「うぅぅぅ……」


55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 17:24:30.29 ID:AwzDN/v40

ともこ「はぁ、ゴメンねちょっと取り乱しちゃった」

結衣「いえいえ、……こういうところもちなつちゃんソックリかな」クスッ

結衣「それで、今日お話したいってことは何でしょうか?」

ともこ「うーん……ちょっと頭を整理してるから待ってね」

ともこ「ちなつ曰く結衣ちゃんは手も繋げない、大好きも言えない草食系……」

ともこ「……」チラッ

結衣「あの、私何かしましたか……」

ともこ「じゃあさっきのはなに……?」


56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 17:33:23.76 ID:AwzDN/v40

ともこ「ええいままよ、……単刀直入に言います」

結衣「……」

ともこ「実はね、ちなつから相談されたの、……恋人の先輩がヘタレで困ってる、って」

結衣「えっ……」

ともこ「付き合って一ヶ月が経つらしいね、それでも結衣ちゃんはさ……」

ともこ「見つめ合うと素直にお喋りできない、手も繋ぐことだってままならない」

ともこ「ボディタッチがあった日には顔真っ赤……」


結衣「ヘタレ……ヘタレ……ちなつちゃんに、ヘタレ……」ブツブツ

ともこ「うっ……な、なんか禍々しいオーラが」


57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 17:52:14.36 ID:AwzDN/v40

ともこ「ゆ、結衣ちゃん落ち着いて、まだ決まった訳じゃ!」

結衣「……いえ、もう自覚してますから」

結衣「どうしようもないヘタレだって、手も繋げない甲斐性なしだって……」シクシク

ともこ「あれ、でもさっきは私のこと口説きに来てたよね?」

結衣「ご、誤解されるようなこと言わないで下さい!」

ともこ「私に大胆に迫れるんだから、ちなつにだって……」

結衣「あー……恋愛感情が欠片も無いんで、たぶんさらっと出来るんです」

結衣「ち、ちなつちゃんのことは大好きなんで……恥ずかしいです」モジモジ

ともこ「あ、そ……」


59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 18:01:20.67 ID:AwzDN/v40

ともこ「なるほどね、好きじゃない相手には口説きモードになれると」

結衣「だ、だから口説いてなんて……」

ともこ「はい、ちなつの生写真」ピラッ

結衣「ち、ちなつちゃん……」カァー


ともこ「まいったなぁ、これは解決のしようがないような……」

ともこ「あのかっこ良さをちなつに対して出せるようになればいいんだけど」

ともこ「うーん……て、結衣ちゃん?」

結衣「うっ……う、私だって……好きって言いたいのに……」グスッ


61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 18:09:07.74 ID:AwzDN/v40

結衣「本当は好きとか言ったり、手を繋いだりしたいんです……」

ともこ「うんうん……」

結衣「そ、それでも、ちなつちゃんの前になると、上手く出来なくて」

結衣「うっ……それが、情けなくて、……そんな、自分が嫌で」グスッ

結衣「っ……うぅぅぅぅ……ひっ……」ポロポロ

ともこ「ちなつのことが本当に大好きなんだね、……大丈夫だよ、私も同じ」ナデナデ

結衣「……え?」


63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 18:12:18.60 ID:AwzDN/v40

ともこ「私も好きな人を前にするとね、結衣ちゃんと同じになっちゃうの」

結衣「……」クシクシ

ともこ「ダメだよ手で擦ったら、綺麗な顔に跡がついちゃうから」ニコッ

ともこ「はい、このハンカチ使ってね」

結衣「っ、すみません、……なんかさっきと逆転しちゃいましたね」クスッ

ともこ「わ、私だってお姉さんだもの、かっこいいセリフの一つも言うわ」

結衣「……ふふ、ありがとうございます」


65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 18:17:28.14 ID:AwzDN/v40

ともこ「好きだって気持ちがつい先走りしちゃうんだよね」

結衣「……はい」

結衣「最初会ったときは、ちなつちゃんにおでこにチューとか出来たんです」

ともこ「……はい?」

結衣「えっと、七夕で彼女が短冊にこう書いてたんです」

ちなつ『結衣先輩とキスができますように』

ともこ「……」

結衣「だから、そのお願いを叶えるために路上でチューしたんです……」カァー

ともこ「……それで今は手も繋げない、と」


73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 18:59:41.81 ID:AwzDN/v40

結衣「たぶんその頃はちなつちゃんは可愛い後輩でしか無かったんです」

結衣「でも毎日アタックしてくれるうちに、少しずつちなつちゃんのこと……」

ともこ「うん、大体の事情は分かったよ」

ともこ「いまはあの子のことが好きで好きでしょうがないんだよね」ニコッ

結衣「っ……」

結衣「……実はわたしひとり暮らしをしてて」

ともこ「へぇ、そうなんだ!」

結衣「寝る時間になると、毎日毎日心配して電話してくれるんです」

結衣「ご飯食べましたか、カギはちゃんとかけましたか~とか」クスッ

ともこ(結衣ちゃんとっても嬉しそう……ふふ)


74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 19:05:57.18 ID:AwzDN/v40

結衣「ほんとに私のことを大事に想ってくれていて、……好きなんです」

ともこ「声が小さいかな、……大丈夫、誰も聞いてないから平気だよ」ニコッ

結衣「えっと……」モジモジ


結衣「い、いつも私のことを想ってくれるちなつちゃんが、大好きです!!」


ともこ「うんうん、よく言ってくれたね結衣ちゃん」

ちなつ「えへへ、やだもう……」カァー

結衣「あ、あれ、どうして、ちなつちゃんが……」


80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 19:27:03.52 ID:AwzDN/v40

ちなつ「す、すみません、ばれないようにこっそり入って来たんです」

結衣「ううん、そんな謝らないで……」

ちなつ「えへへ、結衣先輩手を貸してもらえますか?」

結衣「えっ、うん……」スッ

ちなつ「少しずつでいいんです、まだまだ先は長いんですもん」ギュッ

結衣「ちなつちゃんに手を握られて……うぅぅ」

ちなつ「あ、やっぱり恥ずかしいですか?」

結衣「は、恥ずかしいけど、……でも落ち着くんだ、不思議な感じ」

ちなつ「……ふふ」


81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 19:36:10.45 ID:AwzDN/v40

ちなつ「私ね、センパイのこと美化しすぎてたかも分かりません」

結衣「……」

ちなつ「何をするのもかっこ良くて、おとぎ話に出てくる王子様みたいな感じで」

ちなつ「……付き合ってくれるっ言ったとき本当に嬉しかったんです」

ちなつ「だって、あの憧れの人とそういう関係になれるんですもん」ニコニコ

結衣「……幻滅しちゃったよね」

ちなつ「ふふ、まぁ蓋を開けたらこんな王子様でしたもんね」

ちなつ「……それでも嫌いになるなんてあり得ませんよ」ギュッ

結衣「ちなつちゃん……」


83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 19:42:15.93 ID:AwzDN/v40

ちなつ「ちょっとずつ慣れていきましょう」

ちなつ「こうやって手を触れ合うのも、目を見て見つめ合うのも」ギュッ

結衣「……うん」

ちなつ「センパイから私の手を引いて歩いてくれること、待ってますからね」

ちなつ「焦らなくても私はあなたを嫌いになったりしません、……ずーっと側にいますから」ニコッ

結衣「……ありがとう、ちなつちゃん」


ともこ「あっついあっつい……」パタパタ


84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 19:44:52.07 ID:AwzDN/v40

ちなつ「それじゃあお姉ちゃん、ちょっとデートしてくるね!」

結衣「お姉さん、本当にお世話になりました」ペコッ

ともこ「いえいえ、結局は大したことできなかったもん」

ともこ「それより良かったらまた遊びに来てね」ニコッ

結衣「……はい!」


86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 19:49:29.06 ID:AwzDN/v40

ちなつ「んー、今日もいい天気ですねぇ」ノビー

ちなつ「今日はどこへ行きましょうか、……あ、となり町で映画なんてどうです?」

結衣「映画かぁいいねそれ、とりあえず駅に行こうか」

結衣「……」

結衣「ご、ゴメンね……電車の時間、近いから」ギュッ

ちなつ「あっ……えへへ、駅までちゃんと私の手引っ張って下さいね」

結衣「……うん」ニコッ




88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 19:56:04.63 ID:AwzDN/v40

ともこ「……」ドキドキ

ともこ「そうよ、結衣ちゃんだって頑張ったじゃない……ファイトファイト……」

ともこ「……」ピッポッパ

ともこ『もしもしあかねさんですか、はいそうですともこです』

ともこ『……ご、ごめんなさい急に電話しちゃって、ちょっと伝えたいことが』

ともこ『あの、もし日曜日が空いていたら……その』


ともこ『わ、私とデーt ……いや、遊びに行きませんか!?』


おわり


90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 20:04:47.18 ID:I1frla2q0



92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 20:05:10.45 ID:WeLsQ/S/0

素晴らしい

ともあか編も書いていいのよチラッチラッ


94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/09/08(土) 20:09:44.93 ID:/s650pc10


これはいいものだ……


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