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小鳥遊「765プロ?」相馬「うん」
相馬「うわ、佐藤君なんで詳しいの?俺ちょっと引いちゃうよ」
佐藤「殴るぞ」
ドカッ
相馬「そういいながらフライパンで殴るのやめない……?」
小鳥遊「それで、相馬さん。その765プロがどうかしたんですか?」
相馬「あれ、心配してくれないんだ……」
佐藤「いいから、さっさと言えよ」
相馬「それがね、そこの社長さんとちょっとした知り合いなんだけど」
相馬「色々あって、そこを手伝うことになったんだ」
小鳥遊「へー」
相馬「小鳥遊君が」
小鳥遊「え」
小鳥遊「ちょっと、待ってくださいよ!」
小鳥遊「どうして俺が手伝うことになってるんですか!?」
相馬「いいじゃない、社会勉強の一環だよ」
佐藤「よかったな、小鳥遊」
相馬「あ、佐藤君もだよ?」
佐藤「…………小鳥遊、そろそろ相馬を痛い目にあわせるべきだよな」
小鳥遊「そうですね……」
相馬「あれ、2人とも眼が怖いよ!?」
佐藤「自業自得だろうが」
相馬「……でも、俺を蹴ったからにはこの話受けてもらうよ!」
佐藤「この話は蹴らせんとでもいうつもりか」
相馬「うわっ、寒」
佐藤「…………」
小鳥遊「佐藤さん、話進みませんし堪えてください」
佐藤「……で、どういうことなんだよ」
相馬「だから、そこの社長さんと知り合いでね」
相馬「色々大変みたいだから、俺の知り合いをお貸ししますよってなったんだ」
佐藤「だとさ」
小鳥遊「……気がすすみませんよ、正直」
相馬「俺が貸すのは一応プロデューサーとしての人材なんだけど」
相馬「別に、新しいアイドルを派遣してもいいんだよ?」
小鳥遊「え……」
相馬「背の高くて胸の大きいアイドルって結構需要あるんだよね」
小鳥遊「や、やります!プロデューサー、やらせてください」
相馬「うんうん、いやー、ありがとう。助かるよ」
相馬「佐藤君ももちろんやってくれるよね?」
佐藤「やらん」
相馬「ああ、佐藤君は轟さんの人生をプロデュースしたいんだもんね」
佐藤「殺すぞ」
相馬「た、小鳥遊君!佐藤君が怖い!」
佐藤「わかったよ、やりゃぁいいんだろ、やりゃぁ」
相馬「……でも」
相馬「佐藤君だと、アイドルの皆怖がっちゃうかなあ?」
小鳥遊「っていうか、相馬さんはやらないんですか?」
相馬「うん?やるよー、人をやる気にさせるのは得意だしね」
佐藤「お前アイドルまで脅す気か」
社長「いやぁ、相馬君。本当に助かるよ」
相馬「いえいえ」
佐藤「これがアイドルのプロフィールか」
ペラ
小鳥遊「…………すいません、やっぱりお断りしていいですか?」
社長「どうかしたのかね?」
小鳥遊「だってこの事務所」
小鳥遊「年増しかいないじゃないですか!」
社長「 」
佐藤「すまん、コイツはそういう病気なんだ」
相馬「手をだす心配はないっていうことですから」
社長「相馬君がそういうのなら……」
小鳥遊「……それじゃ、俺は帰りますね」
相馬「あ。小鳥遊君、帰るんなら彼女よんできてほしいなー」
小鳥遊「……」
佐藤「小鳥遊、諦めろ」
小鳥遊「佐藤さん、何で相馬さんと友達なんですか?」
佐藤「やめてくれ、そんなものになった覚えはねえよ」
相馬「2人とも、あんまりじゃない?」
社長「ああ、今はレッスンを受けていてね」
相馬「トップアイドルになるためにがんばってるんだよー?」
小鳥遊「あの、せめて先輩をつれてきちゃダメですか?」
佐藤「お前と種島がいなくなったらフロア崩壊すんだろうが」
相馬「松本さんはともかく、伊波さんがね」
小鳥遊「わかりました……」
相馬「大丈夫だよ、一番下が13歳なんだよ?一年くらいいいじゃない」
小鳥遊「一年だろうが年増は年増ですよ」
小鳥遊「12歳過ぎたら年増。ただし先輩は除く」
佐藤「小鳥遊、やっぱりお前はどこかおかしいな」
相馬「この人がここの社長の高木さん」
社長「よろしく頼むよ」
相馬「で、あっちに居るのが事務員の音無さんだよ」
小鳥「音無小鳥です、これからよろしくお願いします」
小鳥遊「……」
相馬「ことりちゃーん」
小鳥遊「……やめてください」
小鳥「ピヨ?」
佐藤「……佐藤潤。よろしく」
小鳥遊「小鳥遊宗太です、よろしくお願いします」
佐藤「なあ、高木のおっさん」
社長「?」
佐藤「本当にコイツに任せていいのか」
相馬「佐藤君、それどういう意味?」
佐藤「そのまんまの意味だけど」
相馬「酷っ…。ねえ、小鳥遊君。佐藤君が冷たい」
小鳥遊「正直、俺も色々不安ですね」
相馬「えー……」
小鳥(………これはいけるわね) ピヨ
相馬「そりゃあ、プロデュースだよ」
佐藤「だからそれをどうすればいいのか聞いてんだろうが」
相馬「それは佐藤君に任せるよ」
相馬「あ、指示に従わない子が居たら教えてね?」
相馬「交渉するから」
佐藤「相馬、日本語は正しく使え」
相馬「あ、ほら戻ってきたよ?」
佐藤「えーっと、天海春香だっけか」
小鳥遊「そのようですね」
春香「あれ?……えーっと」
相馬「あ、俺たち今日からここのプロデューサーになったんだ」
春香「あ、そうなんですか?よろしくお願いします!」
佐藤「なんだよ、来るって事伝えてなかったのか?」
相馬「いやあ、ちょっと忘れちゃってて」
佐藤「わざとだな、お前」
相馬「まさか、いきなり知らない人がいておどろくアイドルの写真をとって売ろうなんて思ってないよ?」
佐藤「お前帰れ」
小鳥遊「そうですね、その方が管理もしやすいですし」
佐藤「俺はなんでもいいから、適当に決めといてくれ」
相馬「じゃあ、佐藤君には萩原さんを担当してもらおうかな?」
小鳥遊「どういう人なんですか?」
相馬「ちょっと男の人がニガテなだけだよー?」
佐藤「は?」
春香(あんな怖そうな人が雪歩について大丈夫かな……?)
佐藤「本当かよ」
相馬「うん。あ、でもね」
小鳥遊「何かあるんですか?」
相馬「何かあると穴掘って埋まっちゃうくせがあるんだ」
佐藤「なんだそれ?」
相馬「穴があったら埋まりたいっていうじゃない。それを本当にやっちゃうんだ」
佐藤「ここも変態しかないってわけか」
小鳥遊「……うわぁ」
春香「わ、私は普通ですよ?」
相馬「天海さんは普通すぎてね」
佐藤「なるほど、無個性か」
小鳥遊「いいじゃないですか、変態よりは」
相馬「変態よりはね」
春香(素直に喜べない)
小鳥遊「まあ、別にかまいませんけど」
春香「な、なんでそんな不服そうな顔するの?」
佐藤「ああ、悪いな。こいつは病気なんだ」
春香「……ロリコンなんですか?」
相馬「だったらよかったんだけどねー」
小鳥遊「相馬さん、せめてこの双海姉妹をお願いします、年増でも我慢しますから」
相馬「あ、だめだよー。亜美ちゃんはもう別のプロデューサーがついてるからね」
小鳥遊「そ、そんな!」
佐藤「まだいたのか、プロデューサー」
相馬「うん、秋月さんっていうんだ」
小鳥遊「……じゃ、片方だけでも」
相馬「真美ちゃんは俺が担当するからね」
小鳥遊「相馬さん……」
相馬「そうだね、誰か担当したい子はいる?」
小鳥遊「……いませんよ、年増ばかりじゃないですか!」
相馬「じゃあ、小鳥遊君。四条さんお願いするね」
相馬「別のプロデューサーがついていない子の中で、一番年上なんだよ」
佐藤「へえ」
相馬「あとは菊地さんかな?この三人をお願い」
佐藤「……見事に年上からもってきてるな」
小鳥遊「そんな……!」
佐藤「小鳥遊、仕事と思えばいいだろ?店長はともかく、轟となら普通に話せてんだろ」
相馬「あれー、八千代って言わないんだ」
ゲシッ
相馬「佐藤君、暴力はいけないよ」
佐藤「そうか、なら黙ってろ」
小鳥遊「……そうですね、仕事として割り切れば」
相馬「でも、種島さんっていうオアシスないんだよね」
小鳥遊「やっぱ俺帰ります」
佐藤「相馬、おまえいい加減にしろよ?」
相馬「大丈夫、ちゃんと奥の手があるから」
佐藤「奥の手?」
小鳥遊「あ、……はい」
春香「あの、よろしくお願いします……」
小鳥遊「そんなにかしこまらなくてもいいですよ」
小鳥遊「おれ、年下ですし」
春香「じゃあ、よろしくね小鳥遊君」
小鳥遊「よろしくお願いします、天海さん」
ピロ~ン♪
小鳥遊「相馬さん、なんですか今の音」
相馬「別に?携帯で写真とって誰かに送ろうなんてしてないよ?」
佐藤「相馬、それは天海のアイドル生命に関わるからやめろ」
相馬「わかってる、わかってる」
相馬「おれが真美ちゃんと星井さんと我那覇さん」
相馬「佐藤君が、萩原さんと高槻さんと如月さん」
相馬「で、小鳥遊くんが天海さん、四条さん、菊地さん」
相馬「こんなカンジでどう?」
佐藤「いいんじゃねーの?」
小鳥遊「わかりました……」
相馬「あとは、それぞれ担当のアイドルと会って自己紹介しないとね」
小鳥遊「そういえば、他の皆はどうしたんですか?」
春香「そろそろ来ると思うけど……」
相馬「じゃあ、さっき言ったメンバーでチーム分けして散らばっておいてくれないかな?」
相馬「あ、水瀬さんと三浦さんと亜美ちゃんはこっちに来るようにして言ってくれない?」
春香「あ、はい。わかりました」
相馬「そうだよ、これからよろしくね?」
相馬「彼女は水瀬伊織さん。あの水瀬グループのご令嬢なんだよ?」
佐藤「相馬、おまえ恐ろしいこと考えてねえだろうな」
相馬「まさか、流石の俺もそこまではしないよ」
小鳥遊(いや、先輩は特例中の特例)
小鳥遊「……だめだな」
亜美「!?」
亜美「亜美、いますっごく失礼なこと言われた」
佐藤「そいつは病気なんだ、気にするな」
あずさ「あらあら…だったらお医者さんにいった方が~」
伊織「そういう病気じゃないでしょ、それ」
伊織「ねえ、ロリコンが女の子がいっぱいいる所にいて大丈夫なの?手とか出さないでよ?」
小鳥遊「黙れ年増」
伊織「 」
佐藤「だめだ、種島がいないせいでイライラしてやがる」
相馬「昔は伊波さんにはこんなカンジだったよね」
佐藤「なあ、本当に小鳥遊に年長組任せていいのか?」
相馬「いーの、いーの」
佐藤「ちょっと待て、コイツらのプロデューサーは?秋月とかいったか」
伊織「律子なら、いないわよ?」
佐藤「どこにいったんだよ」
相馬「まだお仕事中だよ、スタジオで色々打ち合わせだって」
佐藤「なんで知ってるんだ」
伊織「……ねえ、こいつらちょっとヤバいわよ?」
亜美「うん、亜美ちょっと身の危険感じるよー」
佐藤「俺をコイツらと一緒にしないでくれ」
相馬「佐藤君、君もこっち側」
小鳥遊「〝も〟って、まるで俺まで変態みたいじゃないですか!」
佐藤「お前はれっきとした変態だろうが」
あずさ「あらー、みんな仲良しさんねぇ」
佐藤「はいはい」
小鳥遊「まあ、やるからにはちゃんとやりますよ」
相馬「それじゃ、一旦解散ね」
小鳥遊「佐藤さん、がんばってくださいね」
佐藤「お前もな。」
雪歩「……」
やよい「……」
千早「……」
佐藤「なぁ」
雪歩「 」 ビクッ
佐藤「……ちっ」
千早「あの、プロデューサー。あまり雪歩を威圧するのはやめてくれませんか?」
佐藤「してねーよ、誤解だ」
やよい「うっうー…、プロデューサー、ちょっと怖いです」
佐藤(どんだけ人相悪いんだ、俺)
佐藤「俺のことは普通に佐藤でいい。プロデューサーってガラじゃねーし」
千早「わ、わかりました」
佐藤「……如月」
千早「は、はい!」
佐藤「とりあえず、お前をリーダーにしようと思うんだけど、いいか」
千早「はい、大丈夫です……」
佐藤「あと、萩原」
雪歩「は、はいっ!?」
佐藤「……色々やりづらいから、慣れてくれ」
雪歩「努力しますぅ……」
やよい「プロデューサー、ユニット名はどうするんですか?」
佐藤「……」
佐藤(考えるの面倒だな)
佐藤「お前らでなんかないか?」
千早「何か、と言われましても……」
やよい「そういわれると、思いつかないです……」
佐藤「萩原、お前は?」
雪歩「ごめんなさい…、浮かびません……」
雪歩「穴でも掘って……」
佐藤「埋まるな。つか掘るな」
プルルルル
佐藤「はい」
相馬『八千代LOVEとかどうかな?』
ピッ
佐藤「ナムコエンジェルでいいんじゃないのか?」
千早「そんな安直な……」
佐藤「じゃあ、765天使」
雪歩(書き方わかっただけ……)
美希「プロデューサー、ミキたちのユニット名どうするの?」
相馬「うーん、そうだね」
相馬「ことりちゃん同盟とか色々あるんだけどね」
真美「なんでピヨちゃんが出てくるの→?」
相馬「ああ、俺の知り合いにもことりちゃんっているんだよ」
響「おー、そういう偶然ってあるんだ」
相馬「写真見せてあげたいんだけど、勝手にみせると怒られちゃうんだよね」
相馬「あ、そうそう。我那覇さん、ちょっとお願いがあるんだけどいいかな?」
響「?」
美希「ねえねえ、それでユニット名はー?」
相馬「そうだね、……クイーン&プリンセスとか?」
相馬(うわー、ちょっと気持ち悪いかな、俺)
真「ボクより年下のプロデューサーだなんて、なんか不思議だなあ」
貴音「そうですね…。あの、プロデューサー」
小鳥遊「小鳥遊でいいですよ」
貴音「では、小鳥遊殿……、私たちのユニット名はどうしましょう?」
小鳥遊「うーん、……名前だけでもちっちゃくて可愛くしたいな」
春香「た、小鳥遊君。名前だけって……」
小鳥遊「ちっちゃい、ちっちゃい……、子犬、…アリ、ミジンコ……」
小鳥遊「ミジンコ、かわいいなあ……」
貴音「この方で本当に大丈夫なのでしょうか……」
真「ボクも不安になってきた」
春香「ね、ねえ。小鳥遊君。ほら、もうちょっとおっきくてもいいんじゃない?」
小鳥遊「……ありんこですか?」
春香(ダメだ、この人)
小鳥遊「かわいいもの…」
小鳥遊(……先輩?)
小鳥遊(いや、先輩の名前を彼女達につけるわけにはいかない)
小鳥遊「……ちっちゃい女の子。これでいきましょう」
小鳥遊「名前だけでも、ちっちゃくいてください」
春香「小鳥遊君、それは色々と危ないよ!?」
貴音「私たちにはあわないのでは……?」
真「……女の子かぁ、いいかも」
春香「真、正気……?」
小鳥遊「いいんですよ、人生的にはイブニングのクセにモーニングだとか言ってるのもいますし」
佐藤「お前ら、普段どういうレッスンしてんだ?」
千早「そうですね、ボーカルや、ダンス、ビジュアルです」
佐藤「なるほど……」
雪歩「あの、佐藤……さん?」
佐藤「なんだよ」
雪歩「その、私……」
佐藤「……どうした」
雪歩「いえ、なんでもありません……」
千早「あの、佐藤さん。彼女は男の人がちょっとニガテなので」
佐藤「……じゃあ、女なら大丈夫ってか」
やよい「え」
千早「ぶっ…」
雪歩「……?」
佐藤「いや、俺の知り合いにも男がニガテなヤツがいてな」
佐藤「俺は女だと暗示をかけていたから、こうやって女言葉をつかったりしたんだが」
千早「…そ、そ、そう、なんで、すか……ふふっ」
やよい「つまり、佐藤さんを女の人だと思えばいいんですね?」
佐藤「そういうこった、それで解決するってもんでもないだろうがな」
佐藤「けどな、萩原。つまりは気の持ちようだ」
佐藤「別に、男嫌いだとか、そういうのを気にして過ごす必要はねーと思うぞ」
佐藤(流石に、伊波レベルだと気にするべきだが)
雪歩「は…、はい」
雪歩「なんだか、少し楽になりました」
佐藤「そうか、よかった」
やよい「佐藤さんって、下の名前潤でしたよね?」
佐藤「そうだけど」
やよい「潤子さん」
佐藤「……っ!」
やよい「きゃーっ、髪引っ張らないでくださいー!」
佐藤「それと、如月」
千早「は……、はい…っ」
佐藤「笑いすぎだ」
千早「すみま……ぶふっっ!」
佐藤「どうした?」
千早「その、下の名前でよんでいただけませんか?」
千早「その方が、此方もやりやすいですし」
佐藤「確かに、あんまり余所余所しくても辺に気をつかうだけだな」
プルルルル
相馬『じゃあ、佐藤君も潤くんって』
ブチッ
佐藤「お前らも、それでいいのか?」
雪歩「はい、よろしくお願いします」
やよい「うぅ…、ポニーテールになっちゃった……」
千早(ポニーテールの高槻さん、可愛い!)
佐藤「そうか…、じゃあ改めて。千早、雪歩、やよい、よろしくな」
小鳥遊「あ、佐藤さん、お疲れ様です」
佐藤「……そっちはどうだ?」
小鳥遊「うーん、ちょっと波長があわないみたいで、大変そうです」
佐藤(まあ、コイツと波長のあうアイドルってイロモノすぎるからな)
小鳥遊「佐藤さんはどうです?」
佐藤「そこそこ。」
小鳥遊「相馬さんはどうなんでしょうね?」
佐藤「さあな、考えたくねえ」
響「もしバラされたらおしまいだよ……」
真美「……真美、いい子にしよう」
相馬「それじゃあ、みんな。がんばろうね」
佐藤「……小鳥遊」
小鳥遊「はい」
佐藤「何があっても担当を相馬に近づけるなよ」
小鳥遊「もちろんです」
佐藤「へえ、やよいには兄弟がいるのか」
やよい「はい、妹1人と弟4人です」
佐藤「随分と多いな」
相馬「ちなみに、こんな子たちだよー」
佐藤「相馬、やよいに近づくな」
相馬「えぇえ、酷くない?」
佐藤「……つか、なんで写真もってんだよ」
やよい「うぅ、……不気味です」
相馬「ちなみに、名前は……」
佐藤「やめろ、ホント気持ち悪ぃ」
やよい「佐藤さん、美容師でもやってたんですか?」
佐藤「いや、バイト先に種島っていうちっちゃいヤツがいてな。」
佐藤「ちっちゃいそいつの髪を弄ったりしてたんだが、気づいたらこうなってた」
相馬「その割には、最初から結構なスキルもってたよね」
やよい「うっうー、すごいです佐藤さん」
やよい「ハイ、ターッチ!」
佐藤「……」
パシーン
相馬「プッ」
佐藤「……相馬、お前ほんとに殴るぞ」
小鳥(佐藤さんみたいなちょっとヤンキーっぽくて怖い人が実は優しいいい人で)
小鳥(やよいちゃんみたいな子になつかれて、なんだかんだでいい感じになる)
小鳥(でもそういう関係にならずに、仲のいいお兄ちゃんと妹みたいなカンジの関係)
小鳥(いいわね……)ゴクリ
相馬「うん、佐藤君って結構ああいう子になつかれたりするんだよね」
小鳥「そうなんですか……。…ピヨッ!?」
相馬「どうかした、音無さん?」
小鳥「あの、今、心を……」
相馬「それはおいといて、佐藤くんって好きな人いるんだよ?」
小鳥「……ちょっと詳しく教えてください」
相馬「轟さんっていってね」
佐藤「……相馬」
相馬「あれ、佐藤君、どうしたの…痛いっ!」
佐藤「なんだよ」
小鳥「相馬さんから大体の話は聞きました」
小鳥「がんばってください!」
佐藤「……」 イラッ
やよい「佐藤さん……?」
佐藤「いや、なんでもない」 イライラ
佐藤(このイライラ、どうにかしないと死ぬな俺)
千早「おはようございます……」
佐藤(……流石に胸ネタはだめか)
千早「おはよう、高…つき、さ…」
千早「この髪は、佐藤さんが?」
佐藤「ん、そーだけど」
千早「天才ですか、佐藤さんは」
佐藤「は?」
千早「タダでさえ可愛い高槻さんを、より可愛くしている……」
佐藤「……まあ、気にいったならそれでいいけどよ」
千早「あ、小鳥遊君……」
やよい「小鳥遊さん、おはようございますー」
小鳥遊「如月さん、高槻さん、おはようございます」
小鳥遊「……佐藤さん」
佐藤「なんだよ」
小鳥遊「……高槻さんは、なんかありなような気がします」
佐藤「……お前がいうとヘンな意味に聞こえるんだよ」
小鳥遊「高槻さん、……一度撫でてみても?」
やよい「 」
相馬「そりゃ、いきなりいえばね」
佐藤「お前、ほんとに捕まるぞ」
小鳥遊「どうしてですか、可愛いものを愛でて何がだめなんですか?」
小鳥遊「もちろん、犯罪になるようなことはしませんよ!」
千早「どうかしら、最近は触るだけでも騒ぐ人はいるし……」
小鳥遊「それは、確かにそうですけど」
相馬「とりあえず、小鳥遊君。君は気持ち悪いね」
佐藤「まったくだ」
小鳥遊「俺は変態でもロリコンでもないですよ!」
小鳥遊「俺はただ、ちっちゃくて可愛いものがすきなんです」
千早「ちっちゃい……」
佐藤(露骨に反応したな、今)
真美「はーい」
響「でも、宗太ってなんでああなんだ?」
相馬「家庭の事情だよ」
美希「小さいものが好きになっちゃう事情?」
真美「あ、巨人に囲まれて過ごしてきたとか?」
相馬「だいたいあってるかなあ」
相馬「あ、我那覇さん。頼んだあれ、どう?」
響「あ、連れてきたよ。ハム蔵。でも、どうするの?」
相馬「こうでもしないと、小鳥遊君やる気ださないから」
真「ねえ、相馬さんって何者なの?」
春香「さあ……?」
貴音「ですが、これで彼もやる気をだしてくれるそうですね」
小鳥遊「ええ、ハム蔵を愛でれるなら、なんとかやれますよ!」
春香「それはよかった」
真「ねえ、小鳥遊君。今日はどうする?」
小鳥遊「そうですね、今日はダンスレッスンでもしましょうか」
小鳥遊「俺はその間、ハム蔵と戯れていますので!」
真「ちゃんと響に返さないとだめだよー」
小鳥遊「……はーい」
春香「なんでそんないやそうなのっ!?」
貴音「これは、……面妖な」
佐藤「お前達でやりたいことはあるか?」
千早「そうですね……」
雪歩「あの、……やっぱり、早く色々な人に知ってもらいたいので営業にいきたいです……」
佐藤「……なるほど」
雪歩「ご、ごめんなさい……」
佐藤「なんで謝るんだよ」
雪歩「余計なこと、言っちゃったかなと思って」
佐藤「そんなわけないだろ…、別に卑屈にならなくてもいいだろ?」
佐藤「じゃあ、営業にするけど。やよいと千早もいいか?」
千早「はい、もちろんです」
やよい「うっうー、今日もがんばります!」
雪歩「さとーさん……」
佐藤「みんなお前の意見に賛成してんだろ、自信もってもいいんじゃねーの?」
雪歩「……はい、ありがとうございます」
佐藤(まさか営業でもどってくることになるとはな)
佐藤(山田にはあいたくないな、山田にだけは)
佐藤「……そういや、北海道にくるのは初めてか?」
千早「そうですね、やっぱり本州での活動がおおかったので」
やよい「うっうー、おもったより寒くないんですね」
佐藤「今は冬じゃないしな」
雪歩「佐藤さんは北海道の出身なんですよね?」
佐藤「まあな、相馬に連れられてこっちまできたんだが……」
山田「ややっ、あれは……佐藤さん」
山田「佐藤さーん!」
佐藤「いくぞ」
千早「え、でも、呼んでますよ?」
佐藤「いいんだよ、あれは」
山田「いなくなったと思えば、女の子をつれてるなんて」
山田「山田、これは八千代さんに報告するべきだと思います」
プルルル
山田「はい」
相馬『山田さん?佐藤くんのこと誰にもいっちゃだめだよ』
山田「相馬さん、どうして山田のことわかるんですか?」
山田「もしかして、佐藤さん山田のこと」
相馬『好きじゃないし、妹にもしないよ』
ブチ
山田「……」 やまやま
佐藤(まずったな、山田を口止めしとくべきだった)
プルルル
相馬『佐藤君?山田さんの口止めならしておいたよ』
佐藤「今更だが、お前ホントなんなんだよ」
相馬『秘密だよー』
佐藤「で、お前は今なにしてんだよ」
相馬『首都エリアでオーディションうけて、うかったよ』
佐藤「そうか、そいつはよかったな。オメデトウ、とあいつらに言っといてくれ」
相馬『佐藤君のところには負けないからね!』
佐藤「なに対抗意識燃やしてんだよ」
相馬『もし俺がかったら、轟さんに告白──』
ブチ
佐藤(そもそも勝利条件なんだよ)
佐藤「まだ時間あるな、飯食いにいくか?」
やよい「うっうー、行きます~!」
千早「ですが、あちらにいけばお弁当がでるのでは?」
佐藤「確かにそうだが、あんなもんどこで食ってもだいたい一緒のメニューだろ」
佐藤「どうせなら、北海道ならではってモン食っていけよ」
佐藤「どうせ、営業おわったらすぐ帰らなきゃいけないしな」
雪歩「で、でも……私達の分のお弁当用意してくれてるかもしれませんし」
佐藤「まあ、なんとかなんだろ。多分。」
千早「……そうですね、ならそうしましょうか」
佐藤(つーか、ここ足立の店じゃねーか)
雪歩「よく考えると、北海道ならではって頭に浮かばなくて……」
千早「確かに、海の幸なんかはあるのですが。そういったものは東京でも食べられますし」
佐藤「ジンギスカンとかスープカレーとか、色々あるだろ」
やよい「でも、なんだかんだで普通の料理食べちゃうんですよね」
佐藤「まあ、俺もあっちに出てもそういうの食いたいなんて思わなかったしな」
村主「ご注文はおきまりでしょうか?」
佐藤「適当に選べ、おごってやっから」
雪歩「えぇっ、いいんですか?」
佐藤「気にすんな」
村主「あの、すみません」
佐藤「なんだよ」
村主「お客様の上に座られるのは…、困ってるようですし」
佐藤「おい、アンタ何が見えてんだ」
佐藤(早く来い、世界の最終回)
千早「あの、佐藤さん?」
佐藤「ん」
やよい「どうしたしたんですか?」
佐藤「いや、なんでもない……」
雪歩「ちょっと、顔色わるいです……」
佐藤「……大丈夫だよ。ほら、料理とどいたぞ」
やよい「うっうー、おいしそうです~」
千早「いただきます」
雪歩「いただきます……」
佐藤(よかった、北海道に変態が集合してるわけじゃないみたいだ)
千早「あの、佐藤さんは食べないんですか?」
佐藤「別に、腹へってねーしな」
プルルル
相馬『分かってる、別におごるから自分は食べないってわけじゃないよね♪』
ブチ
佐藤(ホントうぜえ……)
佐藤(携帯番号変えるか……いや、意味ねえな)
千早「はい、ごちそうさまです」
雪歩「ごちそうさまでした」
やよい「ごちそうさまです~!」
佐藤「それじゃ、そろそろ行くか」
佐藤(……時間ももうちょっとあるが、速めにいったほうがいいな)
佐藤「今日の営業はTV出演だ」
佐藤「トーク番組なんだが、他にも有名なアイドルがいるようだし
佐藤「ちょっと話振られるくらいだろうな」
千早「それでも、私達は全力を尽くします」
佐藤「そうだな、たとえ編集できられようが製作陣や出演者の目にはうつるわけだし」
佐藤「何気ないひとことが気に入られるかもしれん」
雪歩「わたし、がんばります」
やよい「うっうー!私もがんばります!」
佐藤「よし、それじゃ……」
D「あの、765プロの方ですか?」
佐藤「そうだけど」
D「実は……」
D「はい…、予定していたアイドルが到着できないみたいで」
佐藤「……で、どうすんだよ?」
D「その、彼女達には一曲歌をうたってもらうつもりだったんですが」
佐藤「こいつらに歌わせてくれってわけか」
D「はい」
佐藤「なるほどな……、千早、どうだ?」
千早「……やらせてください」
やよい「これはチャンスですよ、佐藤さん!」
佐藤「……雪歩は」
雪歩「私も、やりたいです!」
佐藤「そんなわけだ、コイツらでよかったら代打にしてくれ」
D「助かります!」
佐藤「だからといって浮かれんな」
佐藤「こんなチャンス、そうないからな」
千早「はい!」
雪歩「がんばります!」
やよい「うっうー!!」
佐藤「よし、じゃあそろそろ本番だ、がんばれよ」
やよい「あ、その前に……ハイ、ターッチ!」
佐藤「……」
パシーン
千早「あ、佐藤さん。私もいいですか?」
雪歩「あの、私も」
佐藤「……ほら、来いよ」
パシーン パシーン
佐藤「それじゃ、行って来い」
小鳥遊「へえ、みんな凄いじゃないですか」
春香「ちゃんとチャンスをものにできたんだね」
千早「これも全部、佐藤さんのおかげだわ」
相馬「北海道じゃ、ちょっとしたブレイクみたいだよ」
小鳥遊「……そういえば、このビデオは?」
相馬「ああ、向こうにいる知り合いに頼んで送ってもらったんだよ」
小鳥遊「先輩ですか」
相馬「違うよー」
美希「ミキね、ちょっとお仕事多くて頭いたくなったことあったんだけど」
美希「その時、佐藤さんがお薬くれたんだ。「水で飲めよ」って」
小鳥遊「佐藤さんの薬には俺もよくお世話になってますよ」
春香「小鳥遊君も、頭いたくなったりするの?」
小鳥遊「そりゃあ、しょっちゅうありましたよ」
相馬「佐藤君はね、顔もいいし優しいからオススメだよ!」
相馬「ただまあ、ヘタレなのがたまにキズだけどね!」
ゲシッ
佐藤「……」
相馬「佐藤くぅん……、割と足癖わるいね」
佐藤「そうか」
小鳥遊「天海さん、菊地さんこれからもっとがんばりましょう。今ここにはいませんが、四条さんも」
春香「え、…あ、うん!」
真「よーし、ボク燃えてきたぞー!」
佐藤「相馬、お前少しスケジュール詰めすぎなんじゃないのか?」
相馬「みたいだね…、でもおかげで出来る仕事も増えてきたんだよ」
美希「ミキ、がんばった甲斐あったの」
佐藤「まあ、あんまムリはさせんなよ」
相馬「うん、大丈夫だよ」
真美「おおっ!」
響「やったぞ、自分たちがんばったからな~」
美希「これでミキたち、もっと有名になれるね」
相馬「うん。がんばってもっと有名になって、佐藤君に勝とうね!」
美希「さとーさんに?」
真美「シュガーに勝ってどうするの?」
相馬「ひ・み・つ♪まあ、佐藤君にはもう言ってるんだけどね?」
佐藤「……ん、あんたは」
律子「竜宮小町のプロデューサーの秋月律子です」
佐藤「アンタがそうなのか……」
律子「どうかされましたか?」
佐藤「いや。他のヤツらと歳かわらねぇんだなって思って」
律子「それは佐藤さんもじゃないですか」
佐藤「……確かに、それもそうか」
律子「聞きましたよ、千早たちを担当してらっしゃるそうですね」
佐藤「確か、アンタはあの水瀬伊織の担当だっけ?」
律子「ええ」
佐藤「何がだ?」
律子「だって、雪歩は男の人ニガテなところがあるし」
律子「千早は少し、気難しいところがあるのに。それをちゃんと指導できてますし」
佐藤「たいしたことじゃねーよ、雪歩を悪化させたのが知り合いにいるだけだ」
佐藤「千早だって、話せば普通に分かるヤツだしな」
律子「……それより、相馬さんです」
律子「彼、尋常じゃないスピードで美希たちを成長させてるんですよ」
佐藤「まあ、アイツらしいといえばらしいか」
佐藤「真美たちも弱み握られてるようだし、そりゃ死ぬ気でがんばるだろうな」
律子「ええ、相馬さん社長を含めた全員の弱みを握ってるみたいなんです」
佐藤「いや、どうせなら業界人のそういうネタ掌握してんじゃねーの」
律子「何者なんですか、彼」
佐藤「知らん、つか知りたくないな」
佐藤「もちろん、相馬には負けん」
律子「そうですか……」
佐藤「もちろん、アンタにもな」
律子「ええ、受けて立ちますよ」
佐藤「ま、小鳥遊は小鳥遊でそれなりにやるし」
佐藤「この先どうなるかは、わからないがな」
律子「そうですね……」
佐藤「まあ、別ユニットだから、この先荒らそうこともなるだろうけど」
佐藤「同じ事務所なんだから、あまりアイツら同士でいがみ合わないようにしねえとな」
律子「事務所の空気わるくなっちゃいますもんね」
佐藤(環境整えてやんのも俺の仕事の内か)
プルルルル
佐藤「はい」
八千代『あ、佐藤くん?』
佐藤「とどっ……、なんだよ、八千代」
八千代『佐藤くんたち、そっちでがんばってるかなぁって思って』
佐藤「それなりに。そっちはどーだ」
八千代『うん。まひるちゃんも、麻耶ちゃんもがんばってくれてるわ』
八千代『陽平さんや美月さんも手伝ってくれてるし、なずなちゃんも着てくれるし』
佐藤「アイツらも来てんのかよ、小鳥遊の妹はともかく」
佐藤(いや、小鳥遊妹も小学生だから普通にアウトだが)
佐藤「まあ、そっちは大丈夫そうだな。……じゃ、切るぞ」
八千代『あ、佐藤くん。その……がんばってね?』
佐藤「………………………………………おう」
佐藤「…………相馬、お前だな」
相馬「ち、違う、俺じゃないよ!」
佐藤「そうか、疑って悪かったな」
佐藤「でもそのニヤけた面がムカつく」
ゲシッ
相馬「あぁっ、痛いっ!佐藤君酷い!」
春香(いい加減こりないのかな、あの人)
佐藤「どうした」
やよい「何かあったんですか?」
佐藤「どうしてだ?」
やよい「髪を弄る動きが軽やかだから……」
佐藤「ああ、色々な鬱憤をぶつけてきたからな」
やよい「え」
─────
───
相馬「佐藤君、ちょっと暴力的だよね……イタタタ」
春香「確実に相馬さんが悪いと思います……」
小鳥遊「相馬さん、いい加減にしないとそのうち死ぬんじゃ」
相馬「いや、伊波さんに殴られたときよりは全然マシだから……」
小鳥遊「まあ、鉄砲とミサイル比べるようなものですからねえ、なんだかんだで佐藤さん手加減してますし」
相馬「こ、これで……?」
小鳥遊「そうですね、天海さんたちにも気を配ってくれてますし」
天海「いい人だよね、佐藤さんって」
小鳥遊「いい人ですよね」
相馬「いい人どまり……プッ」
小鳥遊「相馬さん、いい加減にしたほうが」
相馬「冗談冗談。それより、小鳥遊くんたちの方はどう?」
小鳥遊「ええ、レッスンもこなしてますし。そろそろオーディションやフェスもやってみようかと」
相馬「そうなんだ、これからが厳しいところだよ?」
小鳥遊「そうですね……、でもスタジオにいけば」
春香「スタジオにいけば?」
小鳥遊「子役に会えるかもしれない!!」
春香「あ、あ……うんっ、そうだね、よかったね小鳥遊君!」
佐藤「ん」
佐藤(確か、我那覇のペットのハムスターだっけか、今は小鳥遊と一緒にいるみたいだが)
佐藤「小鳥遊とはぐれたのか」
ハム蔵「ヂュイ」
佐藤「……」
ヒョイ
ハム蔵「ヂュ?」
佐藤「……とりあえず、小鳥遊のところに連れて行くか」
小鳥遊「あ、ハム蔵!」
ハム蔵「ヂュッ」
小鳥遊「お前は本当に可愛いなぁ~……」
ハム蔵「ヂュゥゥゥゥゥゥ!!」
佐藤「おい、あれいやがってねーか」
相馬「小鳥遊君の力が及ばないこともあるんだね」
春香「完全に拒絶されてますね、あれ」
佐藤「……ま、とりあえず今の飼い主の所にはつれてこれたな」
春香「そ、そんなピンポントにはないんじゃないかな?」
相馬「あるよー」
春香「あるの!?」
小鳥遊「さすが相馬さん、それじゃあ今日はそれにでましょう!」
春香「えっ、う、うん!」
佐藤「俺は今日はオーディションにでも出るか」
相馬「あ、じゃあ俺もそうしよっと。ねえ、同じ番組のにでない?」
佐藤「はあ?なんでだよ。わざわざ同じ事務所で枠とりあわなくてもいいだろ」
相馬「ほら、だから。何枠かあるところ。同じ事務所からでると、事務所自体の知名度もあがるからね」
佐藤「なるほどな……」
相馬「あ、これは勝負には関係ないからね?」
佐藤「はいはい」
佐藤「できれば、トップで枠をとってスタッフにアピールしたいところだが」
佐藤「あまり高望みして力はいりすぎてもだめだからな」
佐藤「今回は5枠らしいから、最低5位になればいい」
佐藤「まあ、6位は6位で印象与えられるかもしれんが、本番にでれなきゃ意味ねーしな」
千早「でも、佐藤さん。やるからには、やはり上を目指した方が」
佐藤「……まあ、それはベストだな。あと、相馬のところにはまけるな」
やよい「美希さんたちも同じオーディションを?」
佐藤「どうもそうらしい。アイツにはアイツの計算があるんだろうよ」
雪歩「なんだか、不安です……」
佐藤「まあ、流石のアレも事務所内で食い合おうとは思わんだろ。心配するな」
佐藤「……つーわけだ」
スッ……
千早「……?」
佐藤「やよい、いつもの行くぞ」
やよい「あ、……ハーイ、タッチ!」
パシーン
千早「では、私も」
雪歩「私もやります!」
パシーン
パシーン
佐藤「……よし、それじゃいくか」
佐藤「それじゃ、がんばってこいよ」
千早「はい!」
千早「それじゃ、佐藤さんいってきます」
タッタッタッタ
佐藤「……」
シュボッ
佐藤「──ふう」
相馬「あれ、佐藤くん」
佐藤「相馬か」
相馬「如月さんたち、どう?」
佐藤「さあな。でも、やれるんじゃねーの?」
相馬「自信たっぷりだね?」
佐藤「……自信っつーか、……信頼?」
相馬「ブッ、似合わな───って、佐藤くん、痛いよ、痛いっ!」
相馬「フェスだって、それなりに盛り上がったみたいだよ」
佐藤「そいつはよかったな」
相馬「あとは俺と佐藤君だけだね~」
佐藤「……そうだな」
相馬「佐藤君、ホントにいけるとおもってる?」
佐藤「ま、それも仕事だからな」
相馬「へ~え」
佐藤「──相馬」
相馬「ん?」
佐藤「お前には負けん、もちろん小鳥遊にも秋月にも」
相馬「佐藤君、けっこうのめり込んでるよね」
相馬「ちゃんと、帰ってきたときにいってあげなきゃだめだよ?」
相馬「おめでとうって」
佐藤「……受かってくるの前提か?」
相馬「だって、受かるんだよね?」
佐藤「……だろうな」
相馬「佐藤君はもうちょっと素直にならないとだめだよ、そんなじゃ轟さんも……」
佐藤「殺すぞ」
相馬「ちょ、佐藤くん!?こんなところで暴れちゃだめだって、あ、ちょっと、痛いっ、痛いよ!」
千早「佐藤さん、私達受かりまし……た」
美希「相馬さーん、ミキたちも受かったの、1位は千早さんたちにとられちゃったけど…あれ、相馬さん?」
響「あちゃー、相馬さんまた佐藤さんに何かいったんだ……」
やよい「うっうー!佐藤さん、やりましたよ!」
雪歩「わたしたち、がんばりました!」
佐藤「そうか、本番もがんばれよ。あと、星井達も」
美希「はいなの!」
響「自分、今回はすごくがんばったぞー」
真美「あーあ、真美もシュガーだったらよかったかも」
相馬「真美ちゃん、そんなこと言ってないで助けてくれない?っていうかみんな俺無視してない!?」
佐藤「まあ、お前ら6人ともよくやったな、おめでとう」
千早「ありがとうございます、佐藤さんのおかげですよ」
佐藤「いや、お前らの実力だろ」
相馬「ちょっと、何いい話にしようとしてるの!?佐藤君、やばいって、離してよ!」
佐藤「相馬、うるせえ」
相馬「さ、佐藤君……、俺たちって友達だよね?」
佐藤「さあな」
佐藤「なあ、相馬」
相馬「何、佐藤君」
佐藤「いや、アイドルって浮世絵離れしてると思ってたけど」
佐藤「案外普通なんだな、帯刀してねーし」
相馬「そうだね」
佐藤「────さて、次のスケジュールかんがえねえとな」
響「宗太ー、ハム蔵しらない?」
小鳥遊「ここにいますよ」
ハム蔵「ヂュッ!」
響「ありがとう、いるならいいんだ」
春香「小鳥遊君、小鳥遊君!」
小鳥遊「はい?」
春香「昨日のフェスの反響すごいみたい!」
小鳥遊「ええっ!そうなんですか?すごいじゃないですか」
貴音「これも、小鳥遊殿の指導のおかげかと」
真「うんうん、レッスンとかいろいろ支持してくれたしね」
小鳥遊「いやあ、そうでもないですよ」
小鳥遊「ちょっと、そういう躾はなれてるんですよ」
相馬「小鳥遊くーん、女の人を犬扱いするのやめようね」
小鳥遊「ご、誤解を招くいいかたしないでください!」
佐藤「今日はボーカルレッスンでもするか」
千早「ボーカルレッスンですね、わかりました」
雪歩「今日も一日、よろしくおねがいします」
やよい「うっうー!今日もがんばります!」
佐藤「よし、じゃあ行くか」
3人「はい!」
佐藤(────ま、やるしかねえだろ)
<あ、佐藤くん。その……がんばってね>
佐藤「…………」
やよい「さとーさん?」
千早「どうかされたんですか?」
雪歩「顔が赤いです……」
佐藤「な、なんでもない。いくぞ」
終わり
呼んでくれて乙、支援、レス、ありがとう
佐藤さんばっかになって、とくに小鳥遊空気だし、竜宮も出番なかったし
また、いつかそのうち続きを書くかもしれんので、そのときは宜しく。
というわけで、おやすみなさい。
そしておはようございます。
Entry ⇒ 2012.09.19 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
春香「千早ちゃんが頭を打った?」
春香「撮影の機材が倒れてきて頭に当たった、って、一歩間違えたら一大事だよね」
春香「プロデューサーさんがお医者さんに聞いた話では、意識はしっかりしてるから2、3日様子を見るだけでいいらしいけど……」
春香「千早ちゃん退屈してるかもしれないし、お見舞いで元気付けてあげないとね!」
春香「クッキーばっちり、笑顔もばっちり! 天海春香、いっきまーす!」
春香「千早ちゃん、春香です! 入っていーい?」
小鳥『あ、春香ちゃん……』
春香「その声は、小鳥さんですか? 小鳥さんも来てたんですね!」
小鳥『春香ちゃん。あの、ちょっと待ってくれるかしら?』
春香「え? はい、いいですけど……」
ガラガラ
小鳥「お待たせ。……春香ちゃんも、お見舞い、かしら?」
小鳥「いえ……。でも。今の千早ちゃんに会うのなら、覚悟をしておいた方がいいかもしれないわ」
春香「!? まさか、千早ちゃんに何か!?」
小鳥「う、ううん。そういうわけではないの。でも……」
春香「一体どういうことなんですか!?」
小鳥「……会えば、分かると思うわ」
春香「っ! 千早ちゃん!」ダッ
千早「え……はる……」
春香「千早ちゃん! ……なんだ、元気そうじゃない」ホッ
千早「…………」
春香「小鳥さんがおどかすから、何かあったのかと思っちゃった。今日は春香さんがお見舞いに来ましたよー♪」
千早「お見舞い……?」
春香「そ、お見舞い! 私特製のクッキーもあるよ!」
千早「……」ガタガタ
春香「千早ちゃん?」
千早「……」ガタガタガタガタ
春香「ちょ、ちょっと! 千早ちゃん! どうしたの?」
千早「は、春香様が私のような下賎の者のお見舞いに来られる必要なんてありません! 早くご自分の仕事に戻られてください!」
春香「」
千早「決して、決して春香様のご好意が気に入らないというわけではありません! 私のようなものに時間を割かれることが勿体無いと言っているのであって、その」
春香「千早ちゃん! 千早ちゃんってば!」
千早「春香様に比べれば塵芥のような存在の私を気にかけていただけるのは光栄ですが、それでは他の物への示しが」
春香「千早ちゃん、ほんとにどうしちゃったの……?」
春香「小鳥さん!」
小鳥「ごめんね、春香ちゃん。黙ってて」
春香「いえ、それはいいんですけど……」
小鳥「……」
春香「あの、なるほど、ってどういう意味ですか? 千早ちゃんはどうしちゃったんですか!?」
小鳥「私にも詳しいことは分からないの。ただ、昨日からちょっとだけ様子がおかしいみたいで……」
春香「……ということは、小鳥さんにもこんな感じだったんですか?」
小鳥「いいえ。私のときはもっと大人しい、こんな感じだったわ」
コンコン
小鳥『音無です。千早ちゃん、入るわね』
千早『どうぞ』
ガラガラ
小鳥『こんにちは、千早ちゃん。体調はどう?』
千早『ほとんど問題ありません。ちょっとぶつかったくらいで、プロデューサーが騒ぎすぎなんですよ、全く』
小鳥『あら、駄目よそんなこと言っちゃあ。プロデューサー、千早ちゃんのことものすごく心配してたんだから』
千早『そ、そうなんですか』
小鳥『そうよ。それに、最近の千早ちゃんは働きすぎなくらいだったから。ちょうどいい休みになったと思えばいいんじゃない?』
千早『でも、みなさんに迷惑をかけてしまったのは申し訳ないです……。音無さんだって、休みでしょうにわざわざお見舞いまで』
小鳥『あ、それは大丈夫。私今日休みじゃないもの』
千早『……え?』
小鳥『今日は社長も律子さんも事務所にいるし。休みは休みでも、ちょっと長めのお昼休みかしらねー♪』
小鳥『ええ、そうよ?』
千早『仕事が残っているのにここに来たんですか?』
小鳥『そ、そういうことになるわね……』
千早『何をやっているんですか。私のことなんかどうでもいいから、早く事務所に戻ってください』
千早『ただでさえ、事務所にいてもパソコンを触ったり、妄想してばかりでサボりがちなのに』
小鳥『』
千早『ということは、自覚はあったんですね。それはまだ救いがあります』
小鳥『なんか、今日の千早ちゃんは厳しいわ……』
千早『だいたい、誰も指摘しなかったのがおかしいんですよ』
小鳥『そ、そこまで言わなくても……』
千早『全く。ただでさえ人手不足なのに、堂々とサボりなんて』
小鳥『ち、千早ちゃん、今日はどうかしたの?』
千早『どうもしていません。早く事務所に戻ってください』
小鳥『私、何か怒らせるようなこと言っちゃったかしら……?』
千早『怒ってなんかいません。単に、いつも思っていることを言っているだけです』
小鳥『そんな……』
小鳥「他の人から話を聞くまで、私、本気で千早ちゃんに嫌われちゃったかと思っちゃったもの……」
春香「他の人、ってことは他のみんなにもおかしな対応をしているんですか?」
小鳥「詳しい話を聞いたわけじゃないけど、そうみたい。真ちゃんなんて、『王子様が迎えに来てくれて嬉しい』なんて言われたらしいわよ」
春香「……何と言うか、いろんな意味で悲しいですね」
小鳥「そして、千早ちゃんは自分が変なことをしているとは思っていないみたいなのよねー……」
コンコン
美希「美希なの! 千早さん、入っていーい?」
千早「どうぞ」
小鳥「!」
春香「美希が来ちゃいましたね。小鳥さん、どうします?」
小鳥「ここは少し様子を見ましょうか。美希ちゃんにはどんな対応をするのか気になるし」
美希「千早さん、お見舞いに来たの! あ、春香と小鳥もいたんだね」
小鳥「う、うん。千早ちゃんと春香ちゃんとお喋りしてたのよ」
千早「は、春香様とお喋りなんて滅相もございません」
春香「それはもういいから! 美希、千早ちゃんとお話してあげて?」
美希「? 分かったの。変な2人」
美希「千早さん、具合はどーなの? 頭を怪我したって聞いたから、ミキ心配したんだよ?」
千早「ありがとう美希。怪我と言っても大したことはないの。2、3日で退院できるみたい」
美希「それは良かったの!」
千早「美希は今日、もう帰りなの?」
美希「うん! 今日はボーカルのレッスンとグラビアの撮影をしてきたのー!」
春香「今のところ普通の会話ですね」ヒソヒソ
小鳥「そうね。でも私のようなこともあるし……」ヒソヒソ
春香「もう少し様子を見ましょうか」ヒソヒソ
美希「ミキ最近ボーカルレッスンを中心に頑張ってるんだけど、まだまだ千早さんは遠いの。早く千早さんみたいになれるよう、もっともっと頑張りたいな!」
千早「あら、嬉しいことを言ってくれるのね。そんな美希にはこうしてあげる」ワシャワシャ
美希「わひゃっ!? ち、千早さん、髪わしゃわしゃしちゃ嫌なのー!」
春香「!」
小鳥「!」
千早「あらごめんなさい。美希が可愛かったものだからつい」
美希「もー。千早さんがこんなことするって、珍しいなって思うな」
美希「でも、ちょっとお姉ちゃんみたいで嬉しかったの♪」
美希「あはっ、カンペキだったよ! カメラマンの人もスタッフの人も、ミキに釘付けだったもん」
千早「そう……。それは良い事だわ」
千早「でも美希、撮影のときも気をつけるのよ。美希くらい魅力的だと、どこでよからぬ輩が狙ってるか分からないのだから」
美希「えー? スタッフさん、みんないい人だよ?」
千早「それでも! 気をつけて気をつけすぎるということは無いわ。美希に何かあったら、心配だもの」
美希「そんなに心配しなくても、大丈夫なのー♪」
千早「駄目よ!!」
美希「!」ビクッ
千早「何かあってからでは、遅いのよ。もしあなたに何かあったら、私……」
美希「ち、千早さん。今日はどうしたの? 何か不安なことでもあるの?」
千早「どうもしないわ。私はただ、美希が心配なだけ」
千早「私は、私を慕ってくれる美希のことが大好きだから。心配くらいしたっていいでしょう?」
美希「も、もちろんいいけど……?」オロオロ
美希「!」
美希「千早さん、ミキちょっと春香が呼んでるから出てくるの!」
千早「! そ、そう、春香様が。急いで行って来るといいわ」
美希「はーい」スタスタ
美希(様……?)
春香「変は変、だけど……」
小鳥「何か、私達とは違ったわね」
美希「2人にはあんな感じじゃなかったの?」
小鳥「うう、それはそれは冷たくあたられたものだわ……」
春香「うーん、どういうことなんだろう……?」
小鳥「!」
小鳥「春香ちゃん。私、ぴーんときちゃったわ」
春香「小鳥さん、何か思いついたんですか?」
春香「それはなんとなく想像がつきますけど……。一体、千早ちゃんはどうなってるんです?」
小鳥「ずばり。今の千早ちゃんは『好感度が逆転している』んじゃないかしら!」
春香「それって……。普段仲の良い人ほど冷たくなって、あまり仲良くない人に優しくなるってことですか?」
小鳥「ええ。春香ちゃんに対する態度が一番様変わりが激しかったでしょう? そこから考えてみたのだけれど……」
春香「なるほど! 小鳥さんとも普段親しくしているから、あんな態度になっちゃったってわけですね!」
美希「それって、美希は普段あんまりよく思われてないってことなの……?」
春香&小鳥「あ」
春香「い、いやきっとそんなことないよ! 別の理由があるかもしれないじゃない!」
小鳥「そうよ美希ちゃん! 今のはほら、例えばの話だから!」
美希「でも春香や小鳥のときと全然違うっていうのは本当なんでしょ!?」
春香「まあ、それはそうだけど……」
美希「きっといつもうるさい美希のこと、鬱陶しく思ってたに違いないの……」ズーン
コンコン
律子「千早、起きてる? お見舞いに来たわよ」
千早「起きてるわ」
小鳥「ほら美希ちゃん、今度は律子さんが来たわ! 結論を出すのは律子さんを見てからでも遅くないと思うわよ!」
春香「そ、そうだよ! ほら、ちょっと落ち着いて聞いてみよう!」
美希「分かったの……」
律子「お邪魔するわよ……っと。あれ、春香に美希に、小鳥さん?」
春香「律子さん、こんにちは」
小鳥「どうやらお見舞いのタイミングが被っちゃったみたいですね」
美希「み、ミキたちはもう充分お話したから、今度は律子が千早さんとお話してあげてほしいの!」
律子「そうなの? じゃあ、そうしようかしら」
春香&小鳥&美希「」グッ
千早「わざわざありがとう、律子」
律子「わざわざってほどでもないわよ。具合はどうなの?」
千早「特に気になるところはないわ。入院も、万が一があってはいけないからというだけみたい」
律子「そう。それなら良かったわ」
春香「とりあえずは」ヒソヒソ
小鳥「いつも通りみたいに」ヒソヒソ
美希「見えるの」ヒソヒソ
律子「ああこれ? 実は来週の休みに突然仕事が入っちゃってね。今日振り替えで午後休をもらったのよ」
千早「え……?」
律子「まあ、だからこそ千早のお見舞いに来れたんだけどね」
千早「だ、駄目よ律子!」
律子「へ?」
春香「!」
小鳥「!」
美希「!」
律子「!?」
千早「それに、来週のお休みが無くなったということは次の休みまですごく間が空くということだわ。しっかり身体を休めないと駄目じゃない!」
律子「……ありがとう、千早。あなたがそんな風に思って居てくれたなんて、とても嬉しいわ」
律子「でもね。別にあなたのお見舞いは負担になっているわけじゃあ」
千早「それでもよ! あなたは765プロの、竜宮小町のプロデューサーなの」
千早「竜宮のメンバーならともかく、私なんかのためにコンディションを崩すようなことがあってはいけないわ」
律子「ちょっと千早、話を……」
律子「ど、どうしたのよ千早。今日はなんだか変じゃない?」
千早「私のことはいいから。ただでさえ律子は、普段から頑張りすぎなのよ。こんなときくらい心配させてもらっても、いいでしょう?」
千早「765プロのプロデューサーとして、だけではなくて。大切な1人の友人として、心配なのよ、律子」
律子「……」
小鳥「」チョイチョイ
律子「あ……っと。ちょっと小鳥さんが呼んでるから、席を外してもいいかしら?」
千早「? ええ。行ってらっしゃい」
美希「とりあえず美希は、ほっとしてるの」
小鳥「確かに、律子さんは美希ちゃんに近いものがあったわねえ」
律子「美希に近い? ……何か、知っているんですか?」
春香「はい。……と言っても、詳しいことは分からないんですけど……」
律子「いいわ。聞かせてちょうだい」
小鳥「実はですね……」
かくかくしかじか
小鳥「私はそんなことはないと思うんですけれど……」
春香「私もそう思います。となると、相手に関係なくおかしな態度を取っちゃうのかな?」
美希「ミキだって千早さんに嫌われているわけないの!」
律子「でもこのままじゃあ、仕事に差し障りますね。私や美希のようなときならともかく、春香や小鳥さんに対する態度を外で取られたら……」
美希「イメージ崩壊、じゃあすまないレベルなの」
小鳥「これが一過性のものならいいのだけれど……」
律子「万が一ずっとこのままだとしたら、せめてどういう状況なのかくらい判明させないといけませんね」
P「千早―。俺だ。入っていいか?」
千早「……どうぞ」
全員「!」
美希「ま、まずいの! ハニーが来たの!」ワタワタ
小鳥「無いとは思うけど、もし『好感度が逆転する』っていうのが本当だったら」
春香「一体千早ちゃんがどんな態度を取るのか……。うう、想像もしたくないよお」
律子「春香のときであれなら、とてつもない光景になるでしょうね。……包丁とか無いわよね、この病室」
美希「縁起でもないこと言わないでほしいの!」
律子「……まあ、この仮定が当たっていれば、の話だけれど」
ガラガラ
P「お見舞いに来たぞー、ってあれ? 美希?」
美希「こ、こんにちはなのハニー。ハニーもお見舞い?」ニコー
P「ああ、そうなんだが……。すまん美希、そんな風に両手を広げていられると通れないんだが」
春香「あ、あはは。プロデューサーさん。ちょっと千早ちゃんは話し疲れちゃったみたいなので、また今度にしませんか?」
P「なに、そうなのか? 一目様子を見ておきたかったんだが……。もしかして寝ていたりするのか?」
春香「そう、そうなんです! 千早ちゃん今寝てるから、お話できませんよ!」
P「でもさっき、返事が聞こえたよなあ」
春香「」
美希「だ、駄目なの! 今日は千早さんに合わせるわけにはいかないの!」
P「……なんでそこまで俺を避けようとするんだよ。俺、なんか悪いことしたか?」
美希「そ、それはしてないけど……。でも駄目なの! 今千早さんにあったらハニーが死んじゃうのー!」
P「あはは、死ぬなんて大袈裟な。いいからそこを通さないと……」
美希「と、通さないと……?」
P「こうだっ!」ワキワキ
美希「あははははっ!! だ、だめ、くすぐるのはあはははっ!」
P「隙ありっ!」
美希「あー! ハニーーーーー!」
小鳥「仕方ないわ、美希ちゃん。静かに見守りましょう」
律子「そうですね。新しいサンプルが取れるかもしれないですし」
春香「何かあったらみんなで止めよう、ね?」
美希「うう……。何も無いことを祈るの……」
千早「……」
P「どこも悪いところはないか? 何せ頭の怪我だからな。些細なことでも何かあったら、ちゃんと言ってくれよ?」
千早「…………です」
P「……千早?」
春香(あれ?)
小鳥(これは)
律子(もしかして)
美希(もしかすると……?)
千早「き、来てくれて嬉しいです、ぷろでゅーさー……」カァァ
はるぴよりつみき(好感度メーターが振り切れてらっしゃるーーーー!!?)
千早「」コクコク
P「春香たちもみんなお見舞いに来てくれたみたいだし、少しでも早く退院できるといいな」
千早「」コクコク
P「……どうしてだんまりなんだ千早? まさか、声が出ないなんてことは……」
千早「そ、そんなことはないです……」
P「それならいいんだが」
P「ああ、もしかしてガールズトークの邪魔でもしてしまったか? それなら俺はお邪魔だから、そろそろ退散すると」スッ
キュッ
千早「……もうちょっと」
P「?」
千早「もうちょっと、傍にいてください……」カァ
P「あ、ああ。それは構わないけど」
小鳥(立ち上がりかけたところを、裾つかみ……。アリね)
美希「おかしいの! 好感度が逆になってるんじゃなかったの!?」
小鳥「うーん、プラスが強すぎてマイナス反転しなかったのかしら……? それとも実は千早ちゃんはプロデューサーさんが嫌い……?」
春香&美希「それは絶対にありえ(ません!)(ないの!)」
律子「いいえ、違うと思います。なんとなく、分かりましたよ」
美希「! 律子、それほんとなの!?」
律子「みーきー?」キッ
美希「あうう、律子、さん……」
春香「それで、どういうことなんですか? 聞かせてほしいです」
小鳥「私も気になります……」
律子「と言っても、そんなに難しいことではなくて」
美希「すとっぱー?」
律子「ええ。単に普段言ってみたいと思っていることを遠慮なく口に出している、というか」
春香「……と言いますと?」
律子「一番分かりやすいのは、小鳥さんでしょうか」
小鳥「へ?」
律子「小鳥さんのサボり癖、私はそこまで気にしていなかったですけど、真面目な千早のことだからきっといつか注意したくてたまらなかったんだと思いますよ」クス
小鳥「な、なるほど……。反省します」ズーン
美希「ち、千早さんはミキのこと嫌いになったわけじゃないんだよね?」
律子「ええ、むしろ逆だと思うわ」
美希「逆?」
律子「千早にしてみれば、自分を慕ってくれる美希のことが可愛くてしょうがないんでしょう」
律子「妹みたいに思えるがゆえに、ついつい心配になってしまったんだと思うわよ」
美希「妹みたい、かあ……。えへへ、確かにさっきの千早さんは、お姉ちゃんみたいだったの!」
春香「あ、あの。それでいくと私は……」オズ
春香「はい……。まさか普段からあんな態度を取りたいと思っているわけ、ないですよね?」
律子「あの、この間出演した映画で、意外と春香には悪役が似合うって話をしたばかりじゃない?」
春香「は、はい。そうですけど……」
律子「きっとそのときから、こうやって春香をからかってみたかったんじゃない?」
春香「からかう、ですか?」
律子「そう。千早は冗談とかが得意なタイプではないから、なかなか言い出す機会がなかったんでしょうけどね」
春香「な、なるほどお……」ホッ
律子「ただそうすると、私の理由は分からないのだけど……」
小鳥「きっと千早さんは、普段から働きづめな律子さんにはいつか歯止めをかけてあげたいと思っていたんですよ」
美希「うん、千早さんよく言ってるの! 『私に手伝えることはないのかしら……』って」
春香「そうですよ! 私と電話するときも、よく律子さんの話題が出るんですよ?」
律子「そ、そう。千早がそんなことを……」
美希「さっきの話もミキ聞いてたよ! 『大切な1人の友人』だもんね!」
春香「千早ちゃんにあそこまで言わせるなんて、私親友として嫉妬しちゃうなあ」
律子「そ、そうね。私にとっても千早は大切な友人だから……。すごく嬉しいわ」
春香「そうですね。千早ちゃん……。ほんとはこれまでもっと、言いたいことがあったんだろうなあ」
美希「今の千早さん、とっても幸せそーなの」
P「…………」
千早「…………」コテン
P「何だ、寄りかかってきて。眠たいのか?」
千早「…………ぁ」
P「どうした?」
千早「……」フルフル
千早「少しこのままでも、いいですか?」
P「まあ、別に構わないけど。仕事あるから、寝ちゃわないでくれよ」
千早「はい」
千早「……」
千早「…………♪」キュ
小鳥「そうね。お邪魔しないうちに退散しましょう」
美希「『お姉ちゃん』に免じて、今日はハニーを貸しておいてあげるの!」
律子「まあ、滅多にない機会でしょうからね。たまにはいいですか」
春香「そろそろと、気付かれないよーに……、ってうわぁ!」コケッ
☆のワの☆ ゴツン!! ☆のワの☆
律子「ちょ、春香!」
P「お、おい春香!」
小鳥「よ、よりによって千早ちゃんの方向に……」
春香「あいたたた……。ち、千早ちゃん! 大丈夫!?」
千早「う、痛……。春香ったら、もう……。気をつけてよ?」
律子「!」
春香「千早ちゃん、今私のこと、なんて!?」
千早「え、春香、だけど……。何かおかしかったかしら?」
小鳥「これは……」
美希「元に戻ったの!」
春香「うん、春香だよ! 千早ちゃん、千早ちゃん!」
律子「はあ、人騒がせな……。まあこれで一件落着、ね」
小鳥「もう一回頭を打ったのが良かったのかしら?」
律子「みたいですね」
美希「そうなの! ハニーがいない間、大変だったの!」
春香「もう千早ちゃんにちゃんと喋ってもらえないかと思っちゃいましたぁ……」グシグシ
P「そっか、それなら良かったな。じゃあそろそろ、俺も帰るとするか」
ガシッ
千早「……」
P「? どうした、千早?」
P「ん、んむっ!!?」
春香「!?」
美希「!?」
律子「!?」
小鳥「!?」
千早「ふふ」
千早「だい、すきです。プロデューサー♪」
おわり
千早「プロデューサーは、まだ帰っちゃやだゾ♪」
一同「……え?」
的な終わりだったのは秘密
うん、千早と美希、律子の絡みが書きたかっただけなんだすまない
自己満やったけど少しでも楽しんでもらえたなら幸い
では。
ちーちゃんかわいかった
他のみんなだとどうなってたのか気になるぜ
Entry ⇒ 2012.09.19 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
冬馬「お前がジュピターの4人目!?」
響「あぁ……」
冬馬「ふん、気合いが足りねえぜ」
響「こんなのただの遊びでしょ!?」
冬馬「……お」
トゥルルルル バンッ! オメデトー!
冬馬「ゲッチュー!どうだ見たか765プロ!」
響「……フン」プイッ
ジジジジ パタッ
冬馬「……」
翔太「良かったね、冬馬君」
亜美「良かったね、あまとうー」
冬馬「あまとうって呼ぶな!」
貴音「……」パクッパクッ
ジジジジ パタッ
冬馬「北斗と翔太の野郎は俺に押し付けるし」
冬馬「流石にこれを部屋に飾るのもなぁ……」
冬馬「かと言って捨てるのも何かもったいねえな」
冬馬「……」
冬馬「まあ、んな気にしなくても良いか」
??「……」ズーン
冬馬「……?」
??「……」
冬馬「……」
??「……」
冬馬「あ……ありのまま今起こった事を話すぜ!」
冬馬「朝起きたら顔が寿司になってるパンツ一丁の男が俺の部屋にいた」
冬馬「というわけでまだ夢の中みてえだから二度寝するか」
??「……」
冬馬「夢だけど夢じゃ無かった!」
ピポパポ
冬馬「も、もしもし警察ですか!?今俺の部屋に寿司のコスプレした変態が……!」
冬馬「え?寝ぼけてなんかないっすよ!!だって今もそこに!」
冬馬「あれ……?いない」
冬馬「い、いやいたんですよ!マジで!」
ツーツー
冬馬「……切られた」
冬馬「見間違えなんかじゃ……ないよな?」
翔太「どうしたの、冬馬君。変な顔して」
冬馬「いや、朝から妙な事が起こって」
北斗「妙な事?」
冬馬「……どうせ言っても信じてくれねえだろ」
翔太「まあまあ、話だけでも」
冬馬「朝起きたら部屋に寿司のコスプレした変態がいた」
北斗「そろそろ黒井社長が来る時間だね」
翔太「あっ、本当だ。重大発表ってなんだろうね」
冬馬「ほれみろ、スルーしやがって」
翔太「はーい」
冬馬(俺そんなの聞いてねえけど)
黒井「ジュピターの4人目が決まった。今日から早速レッスンに入る」
北斗「4人目ですか……社長も思い切った事を」
黒井「765プロを完全に叩き潰すためだ。入れ」
ガチャッ
??「……」
冬馬「お前がジュピターの4人目!?」
冬馬「いや、だっておかしいだろ!まず顔が寿司だし!」
冬馬「てかこいつさっき言ってた変態だぜ!!警察突きださねーと!」
黒井「名前はすし吉だ。精々可愛がってやるんだな、それでは失礼する」
冬馬「お、おっさん!おかしいだろ!」
北斗「よろしく、随分と個性的だね。またジュピターに深みが出たよ」
冬馬「個性的ってレベルじゃねーぞ!」
翔太「冬馬君は色々うるさいけど、気にしないでね」
すし吉「……」コクッ
冬馬「俺がおかしいのか!?」
すし吉「……」
翔太「なんとなく考えてる事は分かるから大丈夫だよ」
冬馬「分からねーよ!!大体歌とかどうすんだよ!?」
北斗「まあ、歌の時は声出せるよね?」
すし吉「……」
冬馬「……何か無理っぽそうだぜ」
北斗「とりあえずボイスレッスンに行ってみようか?」
すし吉「……」コクッ
冬馬「マジかよ」
北斗「うん、良い声だね」
冬馬「おい、俺には何も聞こえなかったぞ」
翔太「ただ、やっぱりまだまだ技術不足だね。荒い所がたくさんあるし」
冬馬「お前ら心の声でも聞こえてんのか?」
すし吉「……」
北斗「いや、落ち込まなくて大丈夫だよ。これから練習していけばいくらでも上達するから」
冬馬「……」
冬馬「こいつダンスもダメダメじゃねーか」
翔太「うーん、まず基礎の身体能力が足りないって感じ」
すし吉「……」
北斗「ははは、俺も最初はそのぐらいだったよ。焦らず、ね」
冬馬「いや、北斗でもこれよりは格段にマシだったぞ……」
すし吉「……」
翔太「でも次のライブまでに間に合うかなぁ?」
すし吉「……」
冬馬(どうあがいても無理な気がする)
北斗「汗だくだな、はいタオル」
すし吉「……」
翔太「冬馬君と違ってすし吉君はすぐにお礼が言える素直で良い人だね」
冬馬「あー、そうですか」
すし吉「……」フキフキ
冬馬(何か……お酢の匂いがする……)
北斗「ああ、じゃあまた」
冬馬「おう」
すし吉「……」
冬馬「何でてめえと2人で帰らなきゃなんねえんだよ!?家何処だよ!?」
すし吉「……」
冬馬「黙ってちゃ分かんねえっつーの!!てかお前今日俺の部屋にいたよな!?」
すし吉「……」
冬馬「だー!!何で皆こいつを素直に受け入れてるんだ!!」
すし吉「……」
冬馬「言っとくけど、次俺の家に入ったら絶対通報するからな!いいな!?」
すし吉「……」
冬馬(何なんだよこいつはあああああああああ!!)
北斗「う~ん、ちょっと違うな。トレーナーさんの言った通りもう少しお腹を使って」
翔太「そうそう、こうグッて力を入れて。後テンポもちょっとずれてたかも」
冬馬(相変わらず何も聞こえねえ)
すし吉「……」
翔太「冬馬君はアドバイスしてあげなよ」
冬馬「いや……別に俺は……特に……」
北斗「いつも俺たちに言うのにすし吉には出来ないのかい?」
冬馬「出来るわけねーだろ!!」
すし吉「……」モタモタ
すし吉「……」ステン
冬馬(これはひどい)
北斗「……う、うーん」
翔太「あ、トレーナーさんに説教されてる」
冬馬「そりゃそうだろ……」
すし吉「……」
冬馬「……言っとくが俺はお前をジュピターのメンバーって認めてねえからな」
すし吉「……」
冬馬「はっきり言って今のお前がいても邪魔になるだけだ」
すし吉「……」
冬馬「言いたい事は言った。じゃあな」
すし吉「……」
北斗「ほら、そこもっと声張って」
冬馬(よく分からねえけど、ちょっとは上達もしてるみたいだ)
すし吉「……」クルクル コテッ
翔太「あっ、惜しい!もうちょいだったのに」
冬馬(でも……やっぱこれじゃ無理だな)
すし吉「!」
冬馬(妥当な判断だな、こいつには悪いが)
黒井「理由は分かっているな?」
すし吉「……」
黒井「以上だ、残りの者も気を抜かぬよう今まで通り全力でやれ」
翔太「はい」
北斗「分かっています」
冬馬「当然だぜ」
すし吉「……」
翔太「あっ……」
北斗「やっぱりショックだったんだろうね、俺探してくるよ」ダッ
翔太「僕も!」ダッ
冬馬(ったくあいつらは世話焼きだな。俺は知らねえ)
冬馬「……まだ戻って来ねえのか」
冬馬「……」
冬馬「ちっ……何で俺が」
すし吉「……」
冬馬「……で、逃げだすのはお前の勝手だけどそれで良いのか?」
すし吉「……」
冬馬「俺はお前が辞めようと関係ない。トップアイドルになるだけだ」
すし吉「……」
冬馬「ただお前のアイドルへの情熱はその程度の物だったのかと思ってよ」
すし吉「……」
冬馬「本気になれねえなら、最初からやるんじゃねえ!」
すし吉「!」
すし吉「……」
冬馬「もっと死ぬほど練習して俺やおっさんに認められたいと思わねえのか?」
すし吉「……」
冬馬「とにかく、俺は本気でトップアイドル目指すやつ意外と組む気は無い。お前はどうなんだ」
すし吉「……」コクッ
冬馬「……ならこんな所でコソコソしてる場合じゃねえだろ。ほら立てよ」
翔太「相変わらずあっついねー!」
冬馬「なっ……!?」
北斗「口ではあんな事言ってても……もしかして冬馬そっちの趣味が……」
冬馬「どうしてそうなるんだよ!!てかこいつ未だに人間かどうかも分からねえし!」
翔太「リハの通りやれば大丈夫大丈夫」
すし吉「……」
冬馬「……お前は目に焼き付けておくんだな。俺達のステージを!」
すし吉「……」コクッ
ピギャアアアアアアアアアアアアアア
冬馬(見とけよ……すし吉。これが俺達のライブだ!)
北斗「おっ、今の良いよ!凄く良い!高音もしっかり出てた!」
冬馬「相変わらず何も聞こえねえが少しはマシになったみたいだな」
翔太「素直に褒めたら良いのに」
すし吉「……」スッスッ クルッ
冬馬「おお!やるじゃねえか!」
翔太「今のとこ、完璧だったよ!」
北斗「参ったな……追い抜かれちゃいそうだ」
すし吉「……」テレテレ
翔太「あ、賛成!」
北斗「確かこの近くに隠れた名店みたいなのがあるらしいよ」
すし吉「……」
冬馬(そういえばこいつと飯食うの初めてだな)
北斗「おっ、確かここだ」
翔太「人も並んで無いしラッキー」
ガラガラ
貴音「……」ズルズル
北斗「あ、貴音ちゃんだ」
翔太「こんにちは、貴音さん!貴音さんもこの近くで撮影?」
貴音「いえ、ただ久しぶりにこの店のらぁめんを食べようと。……その方は?」
すし吉「……」
北斗「ああ、すし吉って言うんだ。ジュピターの新メンバーだよ」
貴音「そうですか……なるほど」
冬馬「あっさり納得するのかよ。あ、向こうの席みたいだぜ」
北斗「それじゃ、また今度ゆっくり話そうね。チャオ☆」
貴音「……」ジー
すし吉「……」
北斗「うん、噂通り」
翔太「来て正解だったよ!流石北斗君!」
すし吉「……」
冬馬(そういやこいつがどうやって飯食うか見てなかった……)
貴音「……」
翔太「……何かさっきから貴音さんこっち見てない?」
北斗「本当だ、一体どうしたんだ……あ、帰るみたいだよ」
冬馬(見る理由ってこいつ以外にねえだろ、どう考えても)
すし吉「……」
すし吉「……」
冬馬「まあ、お前の歌声はよく分かんねーけど」
すし吉「……」
貴音「こんばんは」ヌッ
冬馬「うおっ!?な、何だ急に!?」
貴音「いえ、……ただ」チラッ
すし吉「……」
冬馬「ああ、こいつはただのジュピター4人目だ。俺も色々言いたい事はあるがもう何も言わない事にした」
すし吉「……」
貴音「……!分かりました。それでは失礼します」スッ
冬馬「えっ!?……な、何だったんだ……」
すし吉「……」
すし吉「……」スッサッ
冬馬(この分なら次のライブでこいつも……)
すし吉「!!」バタッ
冬馬「……!お、おい!?」
北斗「今、体が完全に硬直してたような……」
すし吉「……」
翔太「あ、大丈夫なんだ……もう心配させないでよ」
冬馬(今のは……これまでのミスとは何か違う……)
すし吉「!」
黒井「良いか、醜態をさらしてはならんぞ!初の4人で行うステージだからな。以上」
ガチャッ
すし吉「……」ポロポロ
冬馬「……泣いてんのか?」
翔太「本当にこのライブに全てを賭けてたから嬉しいんだって」
北斗「ははっ、ライブの度に泣かれたんじゃ困るよ」
冬馬「全くだぜ。おら、泣くのはライブが終わってからにしな」
冬馬「あんま日も残ってねえんだ。最高のパフォーマンスを見せるために練習だ!」
すし吉「……」ゴシゴシ コクッ
冬馬「何だ、緊張してんのか?」
すし吉「……」
北斗「大丈夫、俺たちが保証するよ。今のすし吉なら皆も認めてくれる」
翔太「うんうん!きっと大歓迎だと思うな!」
すし吉「……」
冬馬「ほら、自信持てよ!行くぜ!ファンが待ってるぞ!」ポンッ
すし吉「……」コクッ
ピギャアアアアアアアアアアアアアア
すし吉「……」タッタッタッ
ワァァァァァァァァ
すし吉「……」
北斗「ははっ、やっぱり少し緊張してるみたいだね」
翔太「今、自己紹介したとおり名前はすし吉って言うんだ。皆応援してあげてね」
スシキチイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ
すし吉「……」ポロポロ
冬馬「泣くなよ!皆に笑顔を見せないとダメだろ?」
ガンバッテエエエエエエエエエエエエ
すし吉「……」ゴシゴシ
北斗「うん、歌えるんだね。それじゃいくよ!俺達4人の最初の曲は……」
翔太「やっぱりAlice or Guilty!!」
すし吉「……」グスッ
北斗「ほら、泣くな。エンジェルちゃん達も喜んでたよ?」
翔太「デビューでこれだけ最高のライブ経験出来るなんてこの幸せ者!」
冬馬「これもお前があの時諦めなかったからだな」
すし吉「……」
冬馬「……あのさ、最初お前の事得体のしれない奴だと思ってた」
すし吉「……」
冬馬「それでちょっと冷たくしちまったかもしれねえ。悪かったな」
すし吉「……」
冬馬「もちろん今はそんなことないぜ。ジュピターに欠かせないやつだと思ってる」
すし吉「……」
冬馬「まあ、色々合ったけどこれからもよろしくな」ガシッ
すし吉「……」
冬馬「……ん?」
すし吉「……」パタッ
冬馬「おい、またかよ。大丈夫か?」
すし吉「……」
冬馬「こんなところで寝ると風邪引くぜ。疲れたのかもしれねえが家で寝ろよ」
すし吉「……」スッ
冬馬「じゃあな、また明日」
北斗「すし吉?何だそれ?」
冬馬「おいおい、何とぼけてんだよ。寿司顔のすし吉」
翔太「何言ってるの?頭おかしくなった?」
冬馬「お前らの方こそどうしたんだよ!昨日も一緒にライブしただろ!?」
北斗「昨日のライブは俺達3人でやったじゃないか」
冬馬「ふざけんなよ!あいつもあんなに一生懸命やってたじゃねえか!」
翔太「え、これギャグなんだよね……?」
冬馬「……」
翔太「あ、冬馬君が変なんだよ。なんかすし吉がどうのって」
冬馬「おっさん!ジュピター4人目のすし吉だ!あんたならとぼけないよな!?」
黒井「……ジュピターは3人のユニットだ。増やすつもりなど毛頭ない」
冬馬「は、はぁ!?」
北斗「昨日のライブで疲れすぎておかしくなったのか?」
冬馬「……じゃ、じゃあ!昨日のライブの映像見せてくれよ!あるんだろ!?」
キミヲミウシナウ ギルティ
冬馬「そ、そんな……3人……」
黒井「いつまで寝ぼけておる!!下らんジョークばかり言いおって時間を無駄にしたわ!」
冬馬(ど、どうなってやがる……すし吉がいなかった事に……)
ガチャッ
北斗「お、おい冬馬!」
翔太「黒ちゃん、どうしよう……」
黒井「……この症状が続くなら病院に連れていくしかあるまい」
冬馬「……いねえ」ハァハァ
冬馬「あれ……すし吉って……」
冬馬「……」
冬馬「……忘れてんじゃねえ!俺は絶対忘れねえぞ!」ダダッ
貴音「すし吉を探しているのですか?」
冬馬「……お前、すし吉の事覚えているのか?」
貴音「ついてきてください」スタスタ
冬馬「お、おい」
冬馬「ここって……前に来た寿司屋じゃねえか」
貴音「あなたは……ここですし吉と出会った。違いますか?」
冬馬「いや……俺がすし吉に最初に出会ったのは部屋……」
貴音「いえ、それより少し前です」
冬馬「……」
冬馬「……!そういえばあいつの顔は……あの時当たった景品と……同じ……?」
冬馬「す、すし吉!何でここに……」
貴音「すし吉はもう帰らなければなりません。在るべき場所に」
冬馬「な、何だよそれ……」
貴音「出会った日にあなたはすし吉を巻き動かしました。しかしいずれ動きが止まる」
貴音「その時とはすなわち、すし吉の体が動かなくなる時となります」
冬馬「ま、まさか……もうライブ前後の時はすし吉の体は……」
すし吉「……」
貴音「もう限界だったようですね。ライブを無事終えれた事も運が良かったとしか」
冬馬「な、何で俺に言わねえんだよ!!」
すし吉「……」
貴音「……もう時間です」
冬馬「え?」
貴音「この者は元々この星の者ではありません。すし吉が消えた時私たちもこの事に関する記憶を失うでしょう」
冬馬「な、何だよ……それ……意味分かんねえよ……」
すし吉「……」
冬馬「おい、何とか言えよ!!俺達ジュピターだろ!?まだトップアイドルになってねえじゃねえか!」
すし吉「……」ポロポロ
冬馬「すし吉……馬鹿野郎!!」
すし吉「……」スゥー
冬馬「あっ……」
すし吉『ばいばい』
冬馬「……へっ、やっと……お前の声聞けたな……」
貴音「……」
冬馬「ああ、それか。何か捨てらんねえんだよな」
北斗「フィギュア集めもここまで来るとすごいな」
冬馬「だからそれはコレクション対象じゃねえよ!」
翔太「もう巻いても動かないし、何だかなぁ」
冬馬「……懐かしい気分になるんだよ。分かんねえけど」
北斗「懐かしい……俺も何故かそんな気になるよ」
翔太「……へぇ、僕だけじゃ無かったんだ。そういえば名前なんだっけ、これ」
冬馬「おいおい、忘れんなよ。すし吉だろ」
完!!
Entry ⇒ 2012.09.19 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
尭深「菫お姉様…///」菫「は、離れろ!」
菫「そ、そうか?」タジタジ
尭深「…いつものように頭をなでてはくれないんですか?」ショボン
菫「そうだったな、すまない」ナデナデ
尭深「はぅ…///」ポワーン…
照「そうだね」
菫「満足したか?」ナデナデ
尭深「もう…少しだけ///」
菫「仕方のないやつだ」ナデナデ
尭深「お姉様ぁ///」ダキッ
照「あたしもよく知らないんだ…菫に聞いてみたら?」
淡「そうしてみるよ!」
菫「は、離れろ!暑苦しい」
尭深「お姉様…今日もいいにおい…///」クンクン
淡「…あれが終わったら」
照「それがいいね」
菫「はぁ…やっと離れた…」ハァ
淡「ねぇ菫~、聞きたいことがあるんだけど…いい?」
菫「なんだ?」
淡「なんで菫とタカミってそんなに仲いいの?」
菫「…私もよく覚えてないんだが、一年ほど前の話になる…」
~~~~~~~~
一年前
-校門前-
尭深(今日からこの白糸台高校に通うのか…緊張するなあ…)
尭深(私引っ込み思案だし…いじめられたりしないよね…)
菫「そこの…眼鏡の人」
尭深「えっ…わ、私?」ビクッ
尭深(こ、怖そうな人だよー…カ、カツアゲとか?)
菫「このハンカチ君のかな?そこに落ちてたよ。ほら」
尭深「え…あっ本当だ。ありがとうございます…」
菫「見慣れない顔だな…もしかして新入生か?」
尭深「は、はいそうです…」
尭深「し、渋谷尭深…です」
菫「ふむ、いい名前だな」
尭深「そ、そうですか?ありがとうございます///」ポッ
尭深「あ…///」ドキッ
菫「…これでよしっと」チョイチョイ
尭深「…………///」ドキドキ
菫「どうしたんだ?えっと…渋谷さん?」
尭深「な、なんでも…ないです///」ドキドキ
尭深(はじめはちょっと怖かったけど…いい人みたいだし…)チラッ
菫「?」
尭深(よく見れば端正な顔立ちで、髪も長くてよく手入れされてるみたい)ドキドキ
尭深(スタイルも抜群で…私みたいなちんちくりんとは雲泥の差だよ~…)
尭深「お姉様…」ポツリ
菫「ん?」
菫「なんだ、てっきりお姉様と呼ばれるかと思ってヒヤヒヤしたよ」ハハハ
尭深「呼んじゃ…いけませんか?」
菫「いや、好きなように呼んでくれてかまわない」
菫「別にいいけど…意外と恥ずかしいな、その呼び名は」ハハハ
尭深「ありがとうございます!菫お姉様、大好き~!」ダキッ
菫「へ?だ、抱きつくな!み、みんな見てるから!恥ずかしいから!///」アタフタ
~~~~~~~~~
菫「…ということだ」
淡「…よくわかんなかったから一言でまとめてください」
菫「渋谷が私に一目惚れした、とでもいえばいいか?」
淡「ありがと、菫」
菫「…一応言っておくが私はノーマルだからな」
菫「簡単に言えばな」ハァ
尭深「なかなか思いが伝わらなくて…///」ハァ
菫「うわっ!?いたのか渋谷」ドキッ
尭深「お姉様の側にいたいんです…いけませんか?」
菫「…まぁいい、話をしたらなんだか喉が乾いてきたな…渋谷、お茶いれてくれるか?」
尭深「はい、ただいまお持ちします」トトト…
尭深「急須にお湯入れて~♪」トポトポ
尭深「抽出して~♪」ジー
尭深「湯飲みに注いで~♪」トポトポ
尭深「菫お姉様の湯飲みに秘密の粉を入れて~♪」サラサラ
尭深「お待たせしました///」
菫「ちょっと待て」
尭深「さ、さあ…なんのことでしょうか」
菫「なんだ?」ギロッ
尭深「あぁ…菫お姉様の突き刺さるような視線、気持ちいいよぉ…///」
菫「逆効果か…」ハァ
尭深「本当ですか!?あの粉は惚れ薬なんです///」
菫「そんなものどこで手に入れたんだ…」ハァ
尭深「オカルト研の友達が調合してくれたんです」
淡「うちの学校オカルト研なんてあったんだ…」
照「オカルトなんてありえないのにな」
尭深「え…!?せ、せめて一口だけでも…」
菫「いいから入れ直してこい」
尭深「材料集め大変だったのに…巫女さんの母乳とか、いろいろと大変だったのに…」グスン
淡「菫、大変だね」
菫「まったくだ」
霞さんこいつです
真っ先に霞さんを連想したお前もギルティ
放課後
菫「…さて、部活も終わったし帰るか」
照「いっしょに帰ろ」
淡「テルー、あたしもいっしょに帰りたい~」
尭深「菫お姉様…」
菫「渋谷もいっしょに帰ろう」
尭深「はい!///」
~~~~~~~
淡「ねーねー、どっか寄ってこうよ~」トコトコ
照「そうしたいけど…」トコトコ
菫「…雨、降りそうだな」トコトコ
尭深「そう…ですね…」トコトコ
照「傘持ってないし…今日はどこにも寄らずに帰ろうよ、淡」トコトコ
淡「ちぇ~、つまんないのー」トコトコ
~~~~~~~~
淡「じゃあね~、菫とタカミ~」フリフリ
菫「ああ、雨が降る前に帰れよ」
尭深「お疲れ様でした///」ペコリ
~~~~~~~
尭深「……」テクテク
菫「…なあ渋谷」ピタッ
尭深「は、はいっ!!」ビクッ
菫「いつものみたいに手を繋がなくていいのか?」
尭深「あ…そ、そうでしたね。手を繋いでいいですか?」
菫「…構わない」ギュッ
尭深「え…?」トコトコ
菫「いつものお前なら薬を使うなんてことはしない」トコトコ
尭深「……」トコトコ
菫「…なにかあるなら聞かせてくれないか?」トコトコ
尭深「それは…」トコトコ
菫「ん…?雨が…」
ザー…ザー…
菫「うわっ!いきなり本降りか!?走れ渋谷、すぐ近くが私の家だ!」タタタ…
尭深「は、はい!」タタタ…
~~~~~~
バタン
菫「ふぅ、あまり濡れなくてよかった…渋谷はどうだ?」ハァ…ハァ…
尭深「だ、大丈夫…です…」ハァ…ハァ…
菫「すぐにやむとは思えないし…少し休んでいくといい」フゥ
尭深「は、はい…お邪魔します…///」
菫「こっちが私の部屋だ」トコトコ
尭深「ここが菫お姉様の部屋…」キョロキョロ
菫「そう言えば部屋に来たのは初めてだったな」
尭深「お姉様のにおいがいっぱい…///」クンカクンカ
菫「あまりじろじろ見るな、恥ずかしい」
尭深「はぅ…///」ドキドキ
尭深「はい…」
菫「なにかお前の中で心境の変化でもあったのか?」
尭深「………」ゴクリッ…
菫「黙ってたらわからない」
尭深「もう……」
菫「……」
尭深「もう……抑えられないんです…」ウルッ…
菫「どういう…」
菫「えっ…うわっ!?」ドサッ
尭深「……」ウルウル
菫「し、渋谷!!」
菫(押し倒されたっ…!?だ、だが体格差があるから簡単に返せるな…)
菫「渋谷…」
菫(渋谷のこんな真剣な目…はじめて見た)
菫「わかったよ渋谷…少しだけだぞ」
尭深「…はい///」
菫「……」
尭深「私のことを嫌いになるんじゃないかって」
尭深「もっと…お姉様を好きな気持ちを隠して…貴女に嫌われないようにしようとした」
尭深「でも!」
尭深「抑えれば抑えるほど…どんどん溢れて止まらなくなって…」
尭深「それで思い余って今日は薬を使おうとして…おかしいですよね、私」グスン
尭深「そして今は押し倒したりして…最低ですよね」ウルウル
尭深「…貴女をもうこれ以上傷つけたくないから…そして私を嫌いになってほしくないから…」ゴシゴシ
尭深「私の気持ちを…貴女への愛の告白します」ニコッ
尭深「これは私なりのケジメ…なんです」
菫「ケジメ?」
尭深「私の中の貴女への気持ちを一刀両断にしてください」ニコッ
菫「…わかった」
尭深「すぅ…はぁ……そう言えばいままで告白したことはなかったですね///」グスッ
菫「…そうだな」
菫「…すまないがその想いに応えてはあげられない」
尭深「ありがとう…ございます…」ウルウル
尭深「菫おねえ…ううん、菫先輩。少し胸を借りても…いいですか?」グスッ
菫「…ああ」ギュッ
尭深「うわぁぁぁん!!」ポロポロ
菫「渋谷…ごめん…」ギュウ…
~~~~~~
尭深「はい…菫先輩」グスン
菫「私は最低な先輩だな…」
菫「お前をこんなになるまで追い込んでしまった…」
尭深「………」
菫「…でもお前のことは嫌いになったりはしないからな」
尭深「その言葉だけで…嬉しいです///」
菫「だから…これからもよろしく頼むよ、尭深」ニッコリ
尭深「!?は…はい、菫先輩///」
~~~~~~
翌日
尭深「あ、菫先輩こんにちは」
菫「尭深、昨日はすまなかった」
尭深「いえ…なんだか気持ちが楽になりました」
菫「そうか…それはよかった」ナデナデ
尭深「……///」ニッコリ
淡「…ねぇテル。なんだかあの二人昨日より仲良くなってない?」
照「そう?呼び名が変わったみたいだけど…なにかあったのかな?」
カン
菫「離れろ、鬱陶しい」
尭深「……」イライラ
~~~~~~~~~
泉「あれ、お姉様どこいったんだろう…」
尭深「菫先輩ならこっちに…」
泉「ホンマに?ありがと」
尭深「ついてきて…」ニヤリ
尭深「ぽっと出のあなたが菫先輩をお姉様なんて呼べると思ってるの?」バシッ(鞭装備)
泉「う……うぁ……」ギロッ(口枷、手枷装備)
尭深「あら、まだ反抗的な目が出来るんだ…いつまで持つか楽しみね…」
尭深「ねぇあなた、ロウソクと麻縄、どっちがいい?」
泉「……ふがー!」モゾモゾ
尭深「そう、どっちも欲しいんだ…欲張りさんね…」ニヤニヤ
泉「」
~~~~~~~~~
菫「だ、だからお姉様と呼ぶなと…」
泉「あれ…お姉様は…尭深様はいないみたいですね…失礼しました」
菫「…へ?」
カン
渋谷さんを泣かせたことは自分でもひどいことしたなと思ってます
渋谷さんごめんなさい
Entry ⇒ 2012.09.19 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「伊織に好きな人が出来たらしい」
律子「おかしい……と言うと?」
P「遠くを見つめて溜息をつく事が多い」
律子「ふむ…それはきっと」
P「きっと?」
律子「好きな人でも出来たんじゃないですか?」
P「」
P「伊織に好きな人が……」
律子「そんなに動揺しなくても」
P「これが動揺せずにいられるか!!」
律子「そもそも憶測ですから」
律子「真偽は定かではありませんよ」
P「なんだ良かった」
P「さすが律子だ! 頼りになる!」
律子「はいはい」
P「じゃあ俺は営業に行ってくるよ」
律子「お気をつけて」
P「おーう」
伊織「最近、アイツの様子がおかしいの」
律子「アイツ? ……ああ、プロデューサーの?」
伊織「ん…」
律子「おかしいって…?」
伊織「遠くを見つめて溜息なんかついて…」
律子「……」
伊織「」
伊織「あわわわわ」
伊織「アイツに好きな人が……」
律子(デジャヴ?)
伊織「どこの誰なの!? ねぇ!!」
伊織「そ、そうよね!」
律子「そうよ」
伊織「でも…本当にそうかも知れないし…」
伊織「それとなく聞いてみてくれない?」
律子(えー…)
律子「はいはい」
…
P「はぁ……伊織…」
律子(声に出てる…)
律子「プロデューサー?」
P「うひゃあ!?」ビクッ
律子「そんなに驚かなくても…」
P「どどどうした?」
P「…?」
律子「伊織の事が好きでしょう?」
P「…は?」
P「え、ちょ……なっ…!」
律子「……もう結構です」
律子「今の反応で概ねわかりました」
律子(さて、伊織は…)
伊織「はぁ…プロデューサー…」
律子(もう聞くのも面倒な気がする…)
律子「ねえ、伊織」
伊織「ひゃあ!」ビクッ
伊織「ななな何よ!?」
伊織「…は?」
伊織「え、ちょ……なっ…!」
律子「もういいわ…」
律子(反応まで同じ…)
律子(もう結婚しちゃえばいいのに)
律子「好きな人がいるみたいです」
P「」
P「ど、どこの馬の骨だ!」
律子「鈍感で、頼りなさそうで、実は頼りになる、眼鏡をかけた人です」
P「断言しよう、ロクな奴じゃない!」
律子「たった今私もそう思いました」
律子「間違いなく好きな人がいるわ」
伊織「」
伊織「ど、どこのどいつよ!」
律子「強がりで、素直になれなくて、甘えたがりな人ね」
伊織「そんな面倒臭そうな奴、やめたほうがいいわよ!」
律子「頭痛くなってきた…」
P「え」
律子「好きなんでしょう?」
P「いやいやいや……プロポーズだなんて」
P「アイドルとプロデューサーだぞ?」
律子「その辺の常識はありましたか」
P「遠くから愛でるだけで満足なんだ」
律子「へえ…」
伊織「え」
律子「好きでしょう?」
伊織「いやいやいや……プロポーズだなんて」
伊織「アイドルとプロデューサーよ?」
律子「その辺の認識も一緒か」
伊織「それに、遠くから見つめてるだけで…幸せだし……」
律子「…もどかしい」
P「え、どんな?」
律子「……というのを」
P「いやいやいや!! 無理だって!」
律子「頑張ってー」
P「何でそんなに投げやり!?」
律子「気のせいです」
伊織「え、どうして?」
律子「必要な書類があるのよ」
伊織「ふぅん…わかったわ」
律子「じゃあ、また明日」
伊織「ええ」
律子「これで良し…と」
伊織「何だったの…?」
P「あの、伊織?」
伊織「ひゃい!?」ビクッ
P「ひょう!?」ビクッ
伊織「どど、どうしたの?」
P「あ、あああの! この書類にサインと印鑑を!」
律子(二人ともぎこちない…)
小鳥(なんか初々しいですね)
P「しゅきです!」
律子(噛んだ)
小鳥(噛んだ)
伊織「……え?」
P「」
P「もうアレだ、死にたい」
伊織「…っ!!」
律子(通じた…)
小鳥(伊織ちゃんも噛んだのでは?)
律子(そうかも…)
P「好きだ!!伊織!」
伊織「私も、だいすき!」
P「いいや、俺の方が好きだぁ!」
伊織「なによ! 私の方が!」
~以下ループ~
律子「はい」
小鳥「二人は何回『好き』と言ったでしょうか」
律子「数えたくないです」
小鳥「同感です」
伊織「好き…」
P「俺も、好きだ…」
律子「まだやってる」
小鳥「放っておきましょう」
おつ
Entry ⇒ 2012.09.19 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ルルーシュ「どうして日本人はムダ毛を処理しないんだ?」
ルルーシュ「ムダ毛というか、まあ…いわゆる下の毛のことだが」
スザク「あぁ…確かに日本人は下の毛を剃る人は少ないと思う」
ルルーシュ「どうしてなんだ?」
スザク「文化的なことだから僕に聞かれても困るけど…
じゃあ、逆に聞くけど、どうして剃る必要があるのさ?」
ルルーシュ「衛生的な面が強いだろうな。
言ってしまえば、不潔なイメージがある」
スザク「なるほどね」
ルルーシュ「言われてみればそうだな…食品の衛生管理はもちろん、
入浴文化も古来から一般市民に浸透していたと聞いている」
スザク「うん。下の毛を処理しないことで心配されるインキンや毛じらみの類は
普段から清潔にしておけば問題は無いだろうし、衛生的な理由で毛を剃る必要は無かったんだよ」
ルルーシュ「なるほどな…しかし、だからこその疑問も生じる」
スザク「どういうこと?」
ルルーシュ「日本人の綺麗好きなイメージと、下の毛の不潔なイメージのギャップだ。
こんなに綺麗好きな日本人が、なぜ下の毛は処理しないのだろう?と」
スザク「そういうことか…」
ルルーシュ「ブリタニアを含む、下の毛を処理する文化があるような先進諸国から見ると
ある種異様な光景だろうな」
ルルーシュ「あぁもちろん、つるんつるんだ。こっちのほうが涼しいしな」
スザク「そっかぁ…そういうメリットもあるんだ?」
ルルーシュ「夏場は過ごしやすいぞ。
スザク、お前はまったくの未処理なのか?」
スザク「うん。ジャングルだよ」
スザク「うーん、考えてみるよ…リヴァルはどうなの?」
リヴァル「もっちろん剃ってるさ!男の身だしなみだろ?」
スザク「身だしなみ…そうか、ブリタニアではそのレベルで浸透しているのか…」
ルルーシュ「そうだな。そもそも生やしておく理由がない」
スザク「あ、シャーリーはどうなの?」
シャーリー「!?」
ルルーシュ「スザアアァァク!!」ガタッ
ルルーシュ「スザク!考えて物を言え!!」
スザク「え?」
シャーリ「い、いいよルル…」
ルルーシュ「シャーリーは水泳部だぞ!!」
スザク「あっ」
シャーリー「!?」
ルルーシュ「未処理だとはみ出るだろうが!!」
シャーリー「ルル!?」
ルルーシュ「なぁ?シャーリー?」ポン
シャーリー「や、やめてよルル!やめてよぉ!!」
スザク「そ、そうだね…ごめん、シャーリー」ペコ
シャーリー「あ、あやまられても困るんだけど!」
ルルーシュ「あぁ、こういう場合は国籍など関係ないだろうな」
シャーリー「うぅ…」
ルルーシュ「なぁ?シャーリー?」ポン
シャーリー「なんで私に振るの!?」
スザク「ごめんね、シャーリー」
シャーリー「うぅ…もういい…もういいです…」
スザク「あ、会長はどうですか?」
ミレイ「!?」
ルルーシュ「スザアアァァク!!」ガタッ
リヴァル「スザアアァァク!!」グッ
ルルーシュ「会長は落ちぶれたアッシュフォード家とはいえセレブだぞ!
剃っていないわけがないだろうが!!」
スザク「そっ…そうだね、すいません、会長」
ミレイ「さっきから聞いてたけど…コレって答えなきゃ駄目なの…?」
シャーリー「私も恥かいたんですから!会長も答えてください!」
ミレイ「え、えぇー…シャーリーは自動的に答えが出ちゃってたじゃない…」
ルルーシュ「どうなんですか会長!答えられないんですか!?」
スザク「答えられないって事は…まさかジャングル!?」
ルルーシュ「何!?まさか、下の毛まで落ちぶれてしまったんですか会長!!」
スザク「僕と同じジャングルなんですか会長!!」
リヴァル「お、俺は…!例えジャングルでもッ…会長!!」
ミレイ「じ、ジャングルじゃないわよぉ!!少し残してあるだけよ!!」
リヴァル「残す!!」グッ
スザク「…どういうことだいルルーシュ!?」
ルルーシュ「それは恐らくファッション的な意味があるんだ、スザク」
スザク「ファッション…!?そうなんですか会長!!」
ミレイ「う、うん…すこーし残しておいたほうが、オシャレかなって…」
シャーリー「流石かいちょー!かわいいです!」
ミレイ(男子の前で何言ってるんだろう私…)
ルルーシュ「そうとも。例え見せる相手が居なくとも、
隅々まで気を使うのが身だしなみというものだ」
スザク「あ、ニーナ!」
ニーナ「ひっ!ジャングル!近寄らないでください!!」
スザク「ひどい!!」
ミレイ「ニーナもちゃんと剃ってるわよ!!」
ニーナ「ミレイちゃああぁぁん!?」
ミレイ「死なばもろともよ!!」
スザク「あ、カレンはどうなの?」
カレン「!?」
ルルーシュ「…ほう?」
カレン「え!?」
ルルーシュ「いや…諸々の事情で個人的に興味があるだけだ、カレンお嬢様?」
シャーリー「!?」
カレン「えっ!?こ、個人的って…い、いやっ…ちょ…」
スザク「どうなんだいカレン?」
カレン「うえぇっ!?」
ミレイ「?…そりゃお嬢様だもの、ちゃーんと処理してるわよね?」
シャーリー「い、いやわかんないかも!病弱だからジャングルかも!!」
カレン「ちょ…シャーリー!?」
ルルーシュ「なるほどな…病弱ならジャングルなのも仕方がないか」
スザク「そういうものかもね」
カレン「う、うわぁぁ!!ちゃ、ちゃんとしてる!してるわよ!!」
カレン「アハハ…も、もちろんよ…」
ルルーシュ「まぁ、そういうことにしておくか…」
カレン「…」
ガチャ
ナナリー「こんにちは、みなさん」
シャーリー「あ、ナナちゃん」
スザク「ナナリー」ガタッ
ルルーシュ「スザアアアアアアァァァック!!」ガッシャアァ
スザク「ぐっ!?」ガターン
ナナリー「!?」
スザク「うん」
ルルーシュ「まだ生えてないに決まってるだろうが!!」
スザク「うん、そうだね。ごめん、ルルーシュ…」
ルルーシュ「分かればいいんだ…いきなり殴ったりしてすまなかった…」
スザク「いや、僕こそ咄嗟に殴り返してごめん…」
ナナリー「…け、喧嘩はだめですよお兄様…!いったい何のお話を…?」
スザク「下の毛の話だよ」
ナナリー「!?」
ルルーシュ「あぁ、ナナリーにはまだちょっと早いかなハハハ」
ナナリー「えっ」
ルルーシュ「えっ」
ナナリー「…」
ルルーシュ「…」
ルルーシュ「咲世子さん!」
咲世子「はい」
ナナリー「!?」
咲世子「はい」
ナナリー「お、お兄様!咲世子さん!!」
ルルーシュ「…」
咲世子「はい」
ルルーシュ「…ッ!!」ガクッ
ナナリー「お兄様!?」
ルルーシュ「咲世子さん…夕飯はお赤飯でお願いします」
咲世子「かしこまりました」
ナナリー「咲世子さん!?」
ルルーシュ「ちなみに咲世子さんは?」
咲世子「整えております」
スザク「そっかー」
ルルーシュ「流石は咲世子さん、抜かりないですね」
ナナリー「咲世子さん!?咲世子さん!!」
ルルーシュ(だが…いくつか疑問は残る)
ルルーシュ(カレン…紅月カレン…本当に剃っているのか?)
ルルーシュ(あれほどブリタニアに憎悪を抱く奴のことだ…
周囲に会話をあわせただけの可能性がある)
ルルーシュ(それに、なぜ日本人は処理しないのかという部分は解決していない)
ルルーシュ(これは、もっと多くのサンプルから情報を集める必要があるな…)
C.C.「なんださっきから難しい顔をして…辛気臭い。ピザがまずくなる」
ルルーシュ「…」
C.C.「どうした人の顔をじっと見て…さては私に惚れたか?」
ルルーシュ「…お前はジャングルだろうな」
C.C.「!?」
ゼロ「…というわけで、今日の議題は下の毛についてだ」
ディートハルト「ほほう…ブリタニア人の私から見ても、なかなか興味深い問題ですな?」
ラクシャータ「ちなみに私はちゃんと処理してるわよぉ?」
藤堂「ふむ…流石は月下の開発者といったところか…」
千葉「…藤堂さん!?」
扇「…」
扇(そういえば千草も不思議がってたな…)
カレン「…」ブルブルブル
カレン(まさか…ルルーシュ…?い、いやでも…)
C.C.「…」スッ
C.C.「くだらん…私は帰るぞ」
カレン「ちょ、ちょっとC.C.…」
ゼロ「放っておけカレン。C.C.はジャングルだ。髪も緑だし」
C.C.「!?」
カレン「そ、そうですか…」チラッ
C.C.「ち、違う!!」
扇「だがゼロが言うんだ。間違いはないだろう」
ディートハルト「実際にジャングルを散策したであろうゼロの証言です。信憑性は高いでしょうね」
C.C.「散策などされてない!ちゃんと伐採している!!」
藤堂「…」
ゼロ「聞こう」
藤堂「先ほどから聞いていると、ゼロはジャングルに否定的ようだが」
ゼロ「あぁ、事実、私は下の毛に関してはその存在自体が不要と考えている」
藤堂「…聞き捨てならんな」
ゼロ「…ほう?」
千葉「と、藤堂さん…」
笑っちまったわ
が、実際は自身が清潔にしていれば問題は無い。これは理解できるはずだ」
ゼロ「あぁそうだ。だがイメージへ反抗するのであれば、
元を断ってしまえば済む話ではないのか?
いつ爆発するか分からないものを、わざわざ未処理のまま残す必要は無いはずだ」
ディートハルト「確かに。もともと不要なものですし、いっそのこと剃ってしまえばメリットも多い。
そうまでしてジャングルを残すのは…やはりブリタニアに属するつもりは無いという
意思の表れでしょうか?」
藤堂「…それもある」
カレン「えぇ…あるんだ…」
ゼロ「どういうことだ?」
藤堂「…神楽耶様」
神楽耶「はい?」
藤堂「失礼ながら、神楽耶様は既に生えておられますね?」
扇「!?」
ディートハルト「!!」
ゼロ「藤堂!!貴様!!」
藤堂「…神楽耶様」
ゼロ「愚かな…神楽耶様が生えているなど」
神楽耶「もちろん生えてますわ」
ゼロ「かっ…!?」ガターン
団員の事をもっと知るのも、重要な戦略の一つだろうが!!
むしろ生えていないほうがおかしいのだ」
神楽耶「えぇ、わたくしはもう子供も生める年齢ですもの」
ゼロ「し、しかし…いや、だからといって…そうだ、処理のほうは…!」
神楽耶「しておりません。原生林です」
藤堂「だそうだ」
ゼロ「うおおおぉぉう!?」ガタッガッシャアァァ
カレン「ゼロ!?」
藤堂「無論、下の毛の重要性について貴殿に理解してもらう。ゼロ、想像してみてくれ。
この、一見幼げで発育の遅い神楽耶様が、その衣の下…
下半身は十分過ぎるほどの発育を遂げている黒い茂みが広がっている、その様を…」
ゼロ「…」
ゼロ「……」
ゼロ「………ふむ」
神楽耶「…ゼロ様がお嫌でしたら、すぐにでも処理いたしますけれど…///」
ゼロ「いえ………アリかもしれないな」
藤堂「さすがはゼロ。理解が早くて助かる」
ゼロ「うむ」
カレン「私!?」
藤堂「紅月といえば、その紅蓮にも似た燃える様な赤毛を生やしている…」
ゼロ「ふむ…」
カレン「い、いや!剃ってます!剃ってます私!!」
藤堂「と思いがちだが、実際のところは同年齢の女子よりもいささか毛が薄いことを気にしている」
ゼロ「…!!」
カレン「は!?」
その実、下の毛が薄いことが悩みなのだ。
ゼロ「そうか…そういうことかカレン!!」
カレン「い、いや…なんで…そんなっ…こと、な、悩んでないですよははは…!?」
藤堂「そのコンプレックスのおかげで、学園では級友達との着替えも満足にままならぬ…
自分の身体は、どこかおかしいのだろうか?と…」
ゼロ「なるほど…誰かに相談しようにも、デリケートな話だ。
一人で抱え込んで悩んでしまっているわけだな?」
藤堂「そういうことだ」
カレン「なっ…え、え!?」
ゼロ「うむ…どうやら、この黒の騎士団…いや日本においては下の毛は必要不可欠だと感じる」
藤堂「ゼロ…」
ゼロ「感謝するぞ藤堂!」バサァ
藤堂「フ…例には及ばぬさ…」
ガッシ
カレン(い、いやああぁぁ!いやあああぁぁぁぁ!!)ガタガタガタ
井上「え!?あ、えー…いや、生やしっ放しじゃ無いけど…」
ゼロ「うむ、整える程度にしておけ。ミニスカで色気たっぷりお姉さんタイプのお前は少し濃い目が望ましい」
井上「りょ、りょうかい…」
ラクシャータ「えぇ~?じゃあ私も生やさなきゃ駄目?」
ゼロ「いや…インド系エロ女医の貴様は現状維持で構わない」
ラクシャータ「うふ。りょうか~い」
ゼロ「千葉!!」
千葉「は、う、え…!」
ゼロ「千葉、お前はどうなのだ」
千葉「え、えぇ…もちろん私m
藤堂「千葉は私が命じて剃らせている」
ゼロ「…なんだと!?」
千葉「とうどうさあああぁぁん!?」
藤堂「何が別だというのだ。すべては下の毛という存在があっての事だ」
ゼロ「何…!?」
千葉「と、藤堂さん!い、いやあn」
藤堂「年齢的に、存在すべきものが存在しない。そのギャップ、違和感、羞恥。
それを見据えての私の決断だ」
ゼロ「なん…なんという…藤堂!奇跡の藤堂!!」
藤堂「フ…奇跡、か…私にはもったいない言葉だ」
カレン「千葉さん…///」チラ
千葉「い、いや違うんだ紅月、これは違うんだ紅月!」
藤堂「まぁ、流石に本人は嫌がったが初回は私自らg
千葉「っ!?わああああああぁぁ!!わああああああああああああぁぁ!!!」
ディートハルト「えぇ、良い情報が集まりましたよフフフ」
扇「ゼロ、男連中は…」
ゼロ「男の下の毛の話など知らん。好き放題に生やしておけ」
扇「あ、あぁ…」
玉城「あ、俺ついこないだ剃ったぜ?」
ゼロ「玉城…私の話を聞いていなかったのか…?」
玉城「まぁ聞けって!!ゲットーの行きつけの店の嬢ちゃんから聞いたんだけどよ!!」
カレン「さいってー…」
玉城「剃っちまった方がでっかく見えるんだってよ!いやーそれ聞いてから俺はよう…」
扇「…」
藤堂「…」
仙波「…」
卜部「…」
朝比奈「…」
藤堂「私もだ」ガタ
ゼロ「うむ、分かっている。では、本日はこれにて解散とする」
C.C.「まったく…かわいいな男というのは…」
ガタガタガタ
千葉「藤堂さん」
藤堂「千葉か、すまないが急用が」
千葉「藤堂さんは、私が」ガッシ
藤堂「…!?」
カレン「…」
ゼロ「カレンか、どうした?」
カレン「あの…私、剃っちゃったんですけど…昨日…無くても変わんないと思って…」
ゼロ「そうか…そうだったか…」
カレン「で、でも!ゼロが望むのであれば…また生やします!!必要があれば濃くします!!」
ゼロ「ふ…どうだろうな?」
カレン「…え!?」
ゼロ「カレン…君の下の毛の有無には、私はこだわるつもりは無い…」
カレン「あ、あの…それはどういう…?」
ゼロ「下の毛…その存在が大元にある限り、な…
話はここまでだ!カレン!今後も私のために悩み、尽くせ!」
カレン「え、え!?い、いやあのっ!は、はいぃ!!///」
C.C.「まったく…馬鹿ばかりだな」
ゼロ「黙れ密林」
カレン「熱帯雨林は黙ってて」
C.C.「あまぞんじゃない!!湿度もそんなに高くないぞ!!」
・
・
スザク「…」
ユフィ「…?どうしたのですかスザク?」
スザク「ユーフェミア皇女殿下…」
ユフィ「ふふ、今は二人きりです。友人として接してくれて構いません」
スザク「う、うん…ユフィ…」
ユフィ「それで、なんだか暗い顔をしてますけど…?」
スザク「うん…下の毛の話なんだけど」
ユフィ「!?」
スザク「うん…ですから皇女殿下、やはり私のようなジャングルが騎士になるなど…」
ユフィ「それは違います、スザク」
スザク「…え?」
ユフィ「あなたのジャングルは、日本人の証、誇りなのでしょう?」
スザク「え?いえ…別n
ユフィ「そうであるならば、そのジャングルに恥ずべきことなど何も無いではありませんか。
そして、自身が日本人であることを誇ってください。
そんなあなたに、私のジャングル騎士になってもらいたいのですから!」
スザク「え、あ、はい…イエス、ユアハイネス…」
カレン「おう!!」
扇「出た!コーネリアだ!白兜も側面からそっちに行った!」
ゼロ「出たなジャングル!コーネリアもジャングルに決まっている!!」
カレン「ゼロ!ジャングルは私が抑えます!!」
ゼロ「どっちのジャングルだ!?」
カレン「白ジャングルです!!」
ゼロ「任せるぞ!!」
カレン「はい!!!!」
扇「俺らは自信がついたんだよ!」
玉城「おう!これならブリキの連中にも負けるわけがねえんだよ!!」
扇「千草も大喜びだ!!」
スザク「どういう…ッ!?」
カレン「死ね!ジャングルウウウゥゥ!!」ガッシャアァ
スザク「…ぐっ!?赤い機体…目に見えて動きが違う!?」
カレン「私はもう悩まない!このうっすら草原が私だ!!」
カレン「縮れろおおぉぉ!!」
スザク「も、もう縮れて…うわあああぁぁッ!!」ドゴー
ゼロ「来たかコーネリア!!いや、ジャングル!!」
コーネリア「ジャングル!?」
ゼロ「コーネリア!!女としてあるよりもまずよりも軍人然とした貴様のことだ…下の毛の処理など怠っているのだろう!?」
コーネリア「なんだいきなり!?」
ダールトン「殿下!?」
ギルフォード「こ、コーネリア殿下!?ジャングルなのですか!?」ガクガクガク
コーネリア「ギルフォード!?機体がひどく揺れているぞ!?」
ダールトン「すごい縦揺れだ…!!」
ギルフォード「ダールトン将軍…!!いやしかし…しかし想像が、想像が容易でそれが逆にぐあああぁぁ!!」ドゴー
コーネリア「自爆!?というかジャングルではない!!失礼なぁ!!」
ゼロ「ふはは!ジャングルではないと?では今ここで証拠を見せてもらおうか?」
コーネリア「できるわけあるか!!」
ギルフォード「ひ、姫さ…ザザッまっ…ザァッ…モニターザッ…越しでザー
かまザッザー…いませんからザザー…か、確認ザザザ…」
コーネリア「通信がまったく途切れていないぞギルフォード!?」
ギルフォード「そんなザーことないでザザーすザー」
ゼロ「ふはははは!!!ふはははははは!!!!」
コーネリア「お、おのおぉれええぇゼロオオオォォ!!」
『馬鹿な…!!ジャングルだろうが無かろうが貴様なんぞに見せるか!!』
『ではザーわたしがザーザー姫様のザージャングルフィーバーを確認しますのでザッザー』
『ジャングル!!では!!ない!!!!』
『はじけろジャングル!!』
『くそ…!!まさかコーネリア総督もジャングル…いったっ!いたたたた毛が!巻きこんでる!?』
『いまだぁ!!』ドゴー
『いたたたたいたたたいいぃ!やめてぇ!』ブチブチ
オペ「総督のジャングル疑惑に全軍に混乱が生じております!!」
ユフィ「そんな…こんな根も葉もない話で…!!」
ユフィ「…仕方ありません!」
ユフィ「全軍に…いえ、黒の騎士団にも繋がるようにオープンチャンネルを開いてください!!」
・
・
・
スザク「ユーフェミ…いた、いたた」
カレン「なんだ…?」
・
・
・
ゼロ「ユーフェミアか?フ、今更どんな言葉を吐いたところで…」
コーネリア「…ユフィ、ま、まさか…」
ゼロ「…?」
ユフィ『ユーフェミア・リ・ブリタニアが宣言致します!!
エリア11総督、コーネリア・リ・ブリタニアは…』
コーネリア「!?…ユフィ!!ユーフェミア!!や、やめろおおぉぉ!!!」
ゼロ「…!?まずい!!ディートハルト!聞こえるか!今すぐ全配信を…」
ユフィ『下の毛は一切生えておりません!!天然無毛です!!』
カレン「…!?」
スザク「…!?…いっ!?いたっ!いたったったったぁ!!」ブチブチブチ
ディートハルト「…!?…しまったぁッ!!その手があったか!!」
ゼロ「なんっ…だと…!?くそっ…やられたっ!…おのれコーネリアアァァ!!」
コーネリア「あああああああ!!ゆふいいぃぃぃ!!いやああぁぁぁ!!」
ギルフォード「オール!ハイル!ブリタァーニア!!」ガクガクガクガク
ユフィ『あと行政特区日本の設立を宣言致します!!』
ユフィ「…ゼロは、来て下さるでしょうか?ねぇ、お姉さま?」
コーネリア「うん…そうだね…」
ユフィ「お姉さま…申し訳ありません、私が…あの時…」
コーネリア「うん…もういいよユフィ…うん…」
ユフィ「お姉さま…」
ギルフォード「オール!ハイル!ブリタァーニア!!」
スザク「オール!ハイル!ブリタァーニア!!」
キィーン
ユフィ「あ!あのナイトメアは!!」
ゼロ「…ガウェインでの来場、ご無礼お許しください。皇女殿下」
コーネリア「うん…べつにいいし…」
ゼロ「…」スポ
スザク「…やはり」
ユフィ「ルルーシュ!」
ルルーシュ「…久しぶり、ユフィ」
コーネリア「…」
ルルーシュ「姉上…お久しぶりです」
コーネリア「あぁ…ルル…久しぶり…」
ルルーシュ「はい。ですが、私が演じるゼロも今日限りです」
コーネリア「…?」
ルルーシュ「この仮面は、私よりあなたこそがふさわしい…」スポ
ゼロ「え…?」
ルルーシュ「下の毛ゼロの…コーネリア、あなたこそが!!」
ゼロ「え…」
ルルーシュ「これが!ブリタニアと日本の新しい形であると!!」
ユフィ「そう…下の毛ゼロ…いえ、ムダ毛ゼロのエリア11総督、コーネリア・リ・ブリタニアの元!」
ユフィ「本日、行政特区日本の設立が、今このとき誕生いたします!!」
うおおおおおおおおおおおおおおおぉぉ!!
ゼロ「…う、うっ…やめて…」グスッ
ギルフォード「オール!ハイル!コーネリア!!」
スザク「オール!ハイル!コーネリア!!」
オール!ハイル!コーネリア!!
オール!ハイル!コーネリア!!
オール!ハイル!コーネリア!!
スザク「ルルーシュ…いや、これからが始まりだよ」
ルルーシュ「フ…そうだな…」
スザク「ルルーシュ、僕、剃ったよ」
ルルーシュ「そうか…俺は少し生やした」
スザク「そっか…ふふ、毛の巻き込みには気をつけてね?」
ルルーシュ「そうだな、ハハハ…」
スザク「下の毛は違うけど…僕たちは」
ルルーシュ「あぁ…スザク、俺たちは、親友だ」
スザク「…あぁ!」
ガッシ
ゼロ「…うぅ、ひっく…ぐすっ」
コードギアス~無毛皇女コーネリア・リ・ブリタニアの軌跡~
おわり
深夜になんて酷いものを見せてくれたのだ
少し、剃ってみるか
Entry ⇒ 2012.09.18 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ルルーシュ「俺を慰めろ」カレン「よしよし、良く頑張ったね」
カレン「満足した?もう一度ゼロを演じてよ。ナナリーを取り戻すんでしょ?!リフレインなんかに逃げないで!」
ルルーシュ「違うな。間違っているぞ」
カレン「何が?」
ルルーシュ「女ならできることがあるだろ?」
カレン「……わかった。なら、アジトに戻ってきてよ。私の自室でするから」
ルルーシュ「え?」
カレン「え?」
カレン「ここでって、できるわけないでしょ」
ルルーシュ「何を言っている」
カレン「ルルーシュこそ」
ルルーシュ「いいから、ここでするんだ」
カレン「そんな無理だって。外なのに」
ルルーシュ「関係ない」
カレン「どうしても外じゃないとダメ?」
ルルーシュ「いや……。今、アジトに戻りたくないだけだ。ナナリーのことでどうしていいかわからないからな」
カレン「ルルーシュ……。じゃあ、こうしよう」
ルルーシュ「なんだ?」
カレン「近くのホテルに行きましょう。そこでするから」
ルルーシュ「ホテルだと……?」
ルルーシュ「いや……。そこまでは求めてない」
カレン「えー?」
ルルーシュ「お前は恥ずかしくないのか?」
カレン「慰めて欲しいんでしょ?」
ルルーシュ「……別に」
カレン「どっちなの?」
ルルーシュ「いや、冗談で言っただけで……」
カレン「なら、ゼロとして戻ってきてくれるわけね?」
ルルーシュ「それも……まだ、決心がつかない……」
カレン「ルルーシュ……」
ルルーシュ「悪いがカレン。一人にしてくれ……」
カレン「なによ!!いつもみたいに作戦練ればいいだけじゃない!!私を駒として使えばいいでしょ?!スパイでもなんでもするから!!」
ルルーシュ「……」
カレン「最後までゼロを演じきってみせなさいよ!!」
カレン「そうね……。これ以上、期待するのは馬鹿みたいだもんね」
ルルーシュ「……」
カレン「さようなら」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ(俺は……)
ロロ「兄さん」
ルルーシュ「ロロか。そういえばお前は俺の監視役だったな。忘れていたよ」
ロロ「やめればいい」
ルルーシュ「……」
ロロ「辛いなら、ゼロの仮面を脱げばいい。僕は……僕だけはずっと兄さんの傍にいるから……」
ルルーシュ「ロロ……」
カレン「待て!!」バッ!!
ルルーシュ「え?」
カレン「私の名はゼロ!!世界を壊し、創造する男だ!!ふははは!!―――どう、思い出した?どれだけ自分がかっこよかったのかを」
カレン「アンタは……ロロだっけ」
ロロ「兄さんは今、辛い思いをしているんです。よくそんな非道なことができますね」
カレン「私はルルーシュにどれだけゼロってキャラが素晴らしかったのか客観的に見て欲しくて……」
ロロ「ただ迷惑なだけです!!」
カレン「そんな……」
ルルーシュ「カレン」
カレン「ルルーシュ。ゼロはかっこよかったよ」
ルルーシュ「お前にとっては……だろう?」
カレン「違う!!」
ルルーシュ「下手な慰めはよせ」
ロロ「さ、行こう。兄さん」
カレン「待って!!ルルーシュ!!戻ってきてよ!!」
カレン「どういうこと?」
ロロ「兄さんを慰めるのは僕の役目です」
カレン「あんたにできるわけないでしょ」
ロロ「できます。僕は弟ですから」
ルルーシュ「……」
カレン「ルルーシュ!!ゼロの仮面は誰がつけるのよ!?あんた以外にあれは付けられないのに!!」
ルルーシュ「ゼロは……もう……」
カレン「ルルーシュ……本気なの……?」
ロロ「もういいじゃない。ゼロが死ねばエリア11は平和になる僕たちも幸せに暮らせるんだ」
カレン「そんなの……」
ルルーシュ「じゃあ……」
カレン「ルルーシュ!!ホテルに行きましょう!!そこで慰めてあげるから!!もう一度、ゼロに!!」
ロロ「何を言っているんだ!?僕がそんなこと許すわけないでしょう?!」
カレン「あんたは黙っててよ!!」
ロロ「兄さんを慰めるのは僕の役目です。女の貴方には何もできない」
カレン「は?」
ロロ「僕が優しく……兄さんを慰めるから……ね?兄さん?」
ルルーシュ「……」
カレン「ルルーシュ……妹より弟がいいの?」
ルルーシュ「いや……そういうことは……」
ロロ「兄さん!!女のほうがいいの!?」
カレン「ルルーシュ!!そうなの?!」
ルルーシュ「いいから、一人にしてくれ……」
ロロ「じゃあ、僕が兄さんの傍にいるよ」
カレン「ゼロの側近は私なの。邪魔しないで」
ロロ「あなたは……」
ルルーシュ「片方に絞れということじゃなくてだな……」
カレン「できないって言ってるでしょ?」
ロロ「女々しい人ですね」
カレン「なっ……!!」
ルルーシュ(ナナリーは今頃、どうしているのか……)
ロロ「そもそも貴方、どうやって兄さんを慰めるつもりなんですか?」
カレン「どうって、勿論手料理を振舞ったり、お風呂で背中を流したり、マッサージをしてあげたりするんだけど」
ルルーシュ「……」
ロロ「あははは」
カレン「何がおかしいのよ?!」
ロロ「発想が幼稚ですね」
カレン「なんだって?!」
ロロ「そんなことで兄さんが癒されるとでも思っているの!?」
カレン「うんっ!!!」
ルルーシュ(カレン……)
ルルーシュ「え……」
カレン「そうなの?」
ルルーシュ「俺が思っていたのとは……違うな……」
カレン「ああ、そっか。大丈夫だから、安心して」
ルルーシュ「何がだ?」
カレン「ご飯のときは食べさせてあげるから。ちょっと……恥ずかしいけど……」
ルルーシュ「……」
ロロ「女々しいのに加えて卑しいとは……。救いがありませんね」
カレン「そういうアンタはどう慰めるつもりなの?」
ロロ「僕ですか?僕は貴方の違って、兄さんが喜ぶことをしてあげるつもりです」
カレン「喜ぶこと?」
ロロ「一緒に寝ます。勿論、僕は全裸になって」
ルルーシュ「……」
カレン「一緒に寝る……それも裸で……?」
ルルーシュ「どうして……そうなる……」
カレン「裸で寝ると……癒されるの……?」
ロロ「少なくとも兄さんは悦びます」
ルルーシュ「おい」
ロロ「兄さん。さあ、帰ろう。僕が何でもしてあげるから」
ルルーシュ「……」
カレン「ま、待って!!」
ルルーシュ「カレン?」
ロロ「しつこいですよ」
カレン「水着までならいいから!!」
ルルーシュ「……」
カレン「水着で一緒に寝る!!それでどう!?」
ロロ「話になりませんね」
カレン「アッシュフォード学園指定の水着しか手元にないけど、それじゃあダメ?」
カレン「水着で料理も作るし、マッサージもしてあげる!!」
ルルーシュ「……」
ロロ「いい加減にしてください。まだ、分からないのですか?」
カレン「何が……」
ロロ「兄さんは別に裸が見たいわけじゃないんです」
カレン「え……」
ロロ「僕の裸だから、癒されるんです」
カレン「どういうこと?!」
ロロ「女性の醜い体なんて目の毒です」
カレン「これでも……スタイルには少し……自信あるけど……」
ロロ「関係ありませんよ。ね?兄さん?」
ルルーシュ「……」
カレン「何がダメ?胸が足りないとか……?」
ルルーシュ「いや……」
カレン「そんなことやってみないとわからないでしょ!?」
ロロ「分かりますよ」
カレン「どうして……」
ロロ「僕は兄さんと何度も一緒にお風呂に入っています」
カレン「そ、それが……?」
ロロ「そのとき、兄さんはいつも僕の体を凝視していますから」
カレン「どうして凝視するの?」
ロロ「少し考えれば分かるでしょう?―――兄さんは僕の体を狙っているということが」
カレン「それって……」
ロロ「兄さんは僕が好きなんです。好きな人と一緒に寝る。それ以上の癒しはないと思いますけどね。しかも、全裸ですし」
カレン「ルルーシュ……そうなの……?」
ルルーシュ「いや、ロロの勘違いだ」
ロロ「兄さん、照れなくてもいいのに」
カレン「このままじゃ……負ける……。私が負けたら……ゼロは戻ってこなくなる……」
ルルーシュ「待て。俺にそんな趣味はない」
ロロ「気にしなくてもいいんだ。僕たちは本当の兄弟じゃないし……」
ルルーシュ「あのな……」
カレン「わ、わかった!!」
ロロ「もう、なんですか?」
カレン「し、下着姿でご飯作る!それなら!!癒されるでしょ?!」
ルルーシュ「……」
ロロ「ただの痴女に成り下がりましたね」
カレン「そ、そんなつもりは……!!」
ロロ「兄さん。相手にするだけ無駄だから、行こう」
カレン「なら、体操服!!」
ロロ「黙れ」
カレン「水着の上から体操服を着るっていうのはダメ!?」
ロロ「この雌犬……!!兄さんを誑かすな……!!」
ルルーシュ「……」
ロロ「無理ですってば。女の貴方では」
カレン「女だからって甘く見るな。私にだって出来ることはあるって、ルルーシュは言ったんだ」
ロロ「兄さん、そうなの?」
ルルーシュ「あ、ああ……」
カレン「女ならできることがあるだろって言ったから……私は、できることを探すだけだ」
ロロ「……でも、僕には逆立ちしたって敵いませんよ?」
カレン「ど、どうして……」
ロロ「何度も言っているでしょう?僕は男の子で貴方は女。差は歴然としています」
カレン「でも、慰めるのに男も女も関係ないと思うけど」
ロロ「じゃあ、貴方は子猫や子犬が傍に来て慰めてくれるのと、ゴキブリが傍に来て慰めてくれるのに差は無いというのですか?」
カレン「そんなの極端すぎる!!」
ロロ「兄さんにとってみれば、それぐらいの差だと言っているんです」
ルルーシュ「ロロ……やめろ……」
ロロ「あれって?」
カレン「耳」
ルルーシュ「耳だと?」
カレン「猫の耳。ほら、前ミレイ会長にもらったやつがあるから」
ルルーシュ「……」
ロロ「ここまで浅ましいと尊敬すらしますよ」
カレン「え?じゃあ、犬のほうがいい?」
ロロ「何を言っているんですか?」
カレン「だって、このままの私が害虫っていうなら、子犬や子猫に近づくしかない」
カレン「近づくためには……まずは形からがいいと思うし……」
ロロ「安直な考えですね……。兄さん、もう行こう。今日こそは僕の貞操を―――」
ルルーシュ「カレン」
カレン「な、なに?」
ルルーシュ「尻尾はあるのか?」
ルルーシュ「犬の尻尾だ」
カレン「えっと……用意しないとダメだけど」
ルルーシュ「そうか。ミレイ会長に頼んでみよう。犬のアクセサリー一式ぐらい持っているだろう」
ロロ「兄さん!!何を言っているの?!」
ルルーシュ「なんだ、ロロ。まだ居たのか」
ロロ「兄さん、この女に騙されているんだよ?!わからないの?!」
ルルーシュ「カレン」
カレン「は、はい」
ルルーシュ「犬の耳と尻尾をつけて、水着の上から体操服の上着だけを着用する。間違いないか?」
カレン「う、うん……」
ルルーシュ「そして手料理を作り、食べさせてくれる。そのあとは風呂で背中を流し、マッサージもする。そうだな?」
カレン「うんっ」
ルルーシュ「よし」
ロロ「兄さん!!よし、じゃないよ!!何言ってるの!?」
ルルーシュ「ああ。なる。最高の癒しだ」
カレン「もう一度……ゼロになってくれるの?」
ルルーシュ「そこまでの忠義を見せられては、やらないわけにはいかないな」
カレン「やった!!」
ルルーシュ「ただし!!カレンの対応次第では俺は機嫌を損ねるかもしれない。そうなったときは俺はゼロに戻れないだろうな」
カレン「そんな……!!」
ルルーシュ「お前の奉仕に全てが掛かっている。期待している」
カレン「わかった。可愛い犬になってみせる」
ルルーシュ「よし」
ロロ「兄さん!!」
ルルーシュ「消えろ」
ロロ「僕ならもっと犬になれるよ」
ルルーシュ「……」
ロロ「耳は勿論、尻尾はあそこに直接差し込むから。リアリティを出す為にね」
ロロ「こんな万年発情している雌犬なんかより、僕のほうがいいと思うけど?」
カレン「だ、だれが発情してるって?!変なこといわないで!!」
ロロ「それに僕は今からでも犬になれるよ?」
ルルーシュ「どういうことだ?」
ロロ「くぅ~ん」
ルルーシュ「……」
ロロ「わんっ!わんっ!」
カレン「わ、私だって!!」
ルルーシュ「待て、カレン」
カレン「え……」
ロロ(ふっ……勝った……)
ルルーシュ「ロロ。中々の犬っぷりだな。気に入ったぞ」
ロロ「ありがとう、兄さん」
カレン「待ってよ!!ルルーシュ!!私も犬になるから!!私の犬っぷりを見てから判断して!!お願い!!」
ロロ「くぅ~ん」
カレン「わんわんわんわんわんわん!!!!」
ロロ「うるさい雌犬だね、兄さん?」
ルルーシュ「さて、ロロ。お前がどこまで犬なのかテストをしたい」
ロロ「いいよ。なんでも言って」
ルルーシュ「このコインを遠くに投げる。それを拾って来い」
ロロ「簡単だよ」
ルルーシュ「じゃあ行くぞ。―――さぁ!!探して来い!!!」
ロロ「うんっ!!」ダダダッ
カレン「わ、私もぉ!!!」
ルルーシュ「カレン!!」
カレン「私も犬になるからぁ!!」
ルルーシュ「行くぞ」
カレン「え……どこに?」
カレン「お邪魔します」
ルルーシュ「今はゆっくりしていろ。咲世子さん」
咲世子「はい。なんでしょうか?」
ルルーシュ「用意してほしいものがあるんですが」
咲世子「なんなりと」
ルルーシュ「このメモに書かれているものを揃えてきてもらえますか。ミレイ会長に言えばすぐに手に入るはずなんで」
咲世子「犬耳、犬の尻尾、首輪、肉球グローブ……」
ルルーシュ「頼みました」
咲世子「これは2セット必要ですか?」
ルルーシュ「いいや。1セットでいいです」
咲世子「そうですか」
ルルーシュ「なるべく早く頼みます」
カレン「……」
ルルーシュ「今、飲み物でも出そう」
ルルーシュ「どうした?」
カレン「え……あ……なんか、緊張してきて……」
ルルーシュ「お前から言い出したことだろうが」
カレン「そ、そうだけど」
ルルーシュ「早く着替えてこい」
カレン「うん……あ、ルルーシュ?」
ルルーシュ「なんだ?」
カレン「お風呂借りてもいい?」
ルルーシュ「なぜだ?」
カレン「ほら……えっと……水着になるからには……色々……」
ルルーシュ「色々なんだ?」
カレン「だから……処理……とか……」
ルルーシュ「なんの処理だ?」
カレン「ああ!!もう!!なんで察してくれないのよ!?」
カレン「うん……じゃあ、行って来ます」
ルルーシュ「行ってらっしゃい」
ルルーシュ「……」
ピリリリ
ルルーシュ「はい?」
ロロ『兄さん!!今、どこにいるの?!』
ルルーシュ「……」
ロロ『コインみつけたよ!!わんわ―――』
ルルーシュ「……」ピッ
咲世子「ルルーシュ様」
ルルーシュ「早かったですね、咲世―――」
咲世子「ワン」
ルルーシュ「何をしている……?」
咲世子「こういうプレイではないのですか?首輪が少し息苦しいですが、我慢できないほとではありません」
咲世子「はい?私では犬になれませんか?」
ルルーシュ「俺は咲世子さんにそういうことを求めてない」
咲世子「くぅん」
ルルーシュ「外してください」
咲世子「しかし」
ルルーシュ「なんですか?」
咲世子「私の忠誠心を示すいい機会だと思ったのですが」
ルルーシュ「わかった。分かりました。咲世子さんは猫のほうでお願いします」
咲世子「猫ですか」
ルルーシュ「ええ」
咲世子「わかりました」
ルルーシュ(咲世子め……どこまで天然なんだ……!!)
咲世子「では、猫セットを拝借してきます」
ルルーシュ「お願いします」
ルルーシュ「そうか。では、これを付けろ」
カレン「うん」
ルルーシュ「……」
カレン「どうだワン?なんちゃって……」
ルルーシュ「こっちにこい」
カレン「なに?」
ルルーシュ「……」ナデナデ
カレン「あの……ルルーシュ?」
ルルーシュ「では、まずは料理を作ってもらおうか」
カレン「わかった」
ルルーシュ「違うだろ?」
カレン「え?」
ルルーシュ「語尾にワンをつけろ」
カレン「わ、わかった、ワン……」
ルルーシュ「……違うな」
カレン「え?」
ルルーシュ「ご主人様だろ」
カレン「……ご、ご主人様。タマゴはどこだワン?」
ルルーシュ「左のほうにないか?」
カレン「あ。あった」
ルルーシュ「で、何をつくる?」
カレン「日本食。ごはんと焼き魚とお味噌汁と卵焼き」
ルルーシュ「……」
カレン「それしかできなくて……ごめん、ワン」
ルルーシュ「いや……構わない」
カレン「ありがとう」
ルルーシュ「ふははは」
咲世子「ルルーシュ様、ただいま戻りましたニャァ」
咲世子「ルルーシュ様のご奉仕するニャン」
ルルーシュ「咲世子さん」
咲世子「ニャン?」
ルルーシュ「楽しいですか?」
咲世子「ええ、とっても」
ルルーシュ「なら、いいんですが。俺は強要していませんからね?」
咲世子「勿論ですニャア」
カレン「ルルーシュ……じゃなくて、ご主人様。ごはんはすこし固いほうがいい?それとも柔らかいほうがいい?」
ルルーシュ「そういうのはよくわからない。お前に任せる」
カレン「文句言わないでよ?」
カレン「ワ、ワン」
ルルーシュ「とにかく作れ」
カレン「うんっ」
ルルーシュ(味付けなどどうでもいい。問題は食べるときなんだよ、カレン……!!)
ルルーシュ「ええ」
咲世子「では、私も作りますニャァ」
ルルーシュ「いい。座っていてください」
咲世子「どうしてですかニャ?」
ルルーシュ「咲世子さんは今回、関係ないからです」
咲世子「ニャァ……ルルーシュ様、ニャンでそんなことをいうのですか?」
ルルーシュ「……」
咲世子「私の仕事を奪わないでくださいニャ」
ルルーシュ(ちぃ……面倒だな……咲世子め……)
ルルーシュ(そうだ)
ルルーシュ「……」ゴソゴソ
咲世子「ルルーシュさま?」
ルルーシュ「ほーら、ねこじゃらしだ」
咲世子「おぉ……」
咲世子「ニャニャニャニャ!!」
ルルーシュ(これで時間を潰すか)
ピリリリ
ルルーシュ「はい?」
ヴィレッタ『ルルーシュ……か?』
ルルーシュ「どうしました?」
ヴィレッタ『今、どこにいる?』
ルルーシュ「……」
ヴィレッタ『答えろ』
ルルーシュ(ロロが居るな……ならば……)
ルルーシュ「自分の部屋ですよ」
ヴィレッタ『そうか、わかった』
ルルーシュ「……」
カレン「ご主人様、できたワン」
カレン「なに?」
ルルーシュ「この場を離れるぞ」
カレン「ど、どうして?折角、作ったのに」
ルルーシュ「弁当箱につめろ」
カレン「そんなの見た目が悪くなるよ!」
ルルーシュ「いいから」
カレン「わ、わかったワン……」
ルルーシュ(少し予定よりは早いが、このタイミングで実行するか……くくく……)
咲世子「ルルーシュ様、どうかされたのですかニャ?」
ルルーシュ「ええ。ちょっとしたトラブルです。ところで咲世子さん」
咲世子「なんでしょうかニャ」
ルルーシュ「お願い事があります」
咲世子「なんなりと」
カレン「ちょっと、ルルーシュ!?」
ルルーシュ「ご主人様、だろ?」
カレン「いやいや!!それより、外はダメだって!!」
ルルーシュ「散歩が嫌いな犬とは珍しいな」
カレン「いや。だって私は……!!」
ルルーシュ「早く四つん這いになって歩け!!」
カレン「待って!!みんな見てるし!!」
ルルーシュ「誰もお前を紅月カレンとは思わない。安心しろ」
カレン「でも!!」
ルルーシュ「お前が犬になると言ったんだろうが!!」
カレン「家の中だけだと思ってたのに!!」
ルルーシュ「俺は箱入り娘として育てるつもりはない!!」
カレン「くぅ~ん……」
ルルーシュ「泣いても無駄だ」
「新しい部活じゃない?」
カレン(死にたい……)
ルルーシュ「さてと、カレン」
カレン「ワ、ワン」
ルルーシュ「食事にするか」
カレン「ワン」
ルルーシュ「……」
カレン「どうぞ」
ルルーシュ「食べさせてくれるのだろう?」
カレン「は、はい、あーん」
ルルーシュ「あー……」
シャーリー「カレン?」
カレン「げ……」
ルルーシュ「シャーリー?!どうしてここにいる?!」
どうして居ないと思ったw
ルルーシュ(くそ……この時間帯なら遭遇する可能性は低いと思ったのに……!!やはりロロの所為で予定が繰り上がったからか!!)
カレン「シャーリー……やばっ」
シャーリー「カレンでしょ?」
カレン「ワンワン?」
シャーリー「ワンワンじゃなくて」
カレン「ワォーン?」
シャーリー「ルル、どういうこと?!」
ルルーシュ「可愛いだろ?シュタットフェルトっていう犬種だ。とても頭がよく、人間以上の筋力を有している」
カレン「ワン!」
シャーリー「……」
カレン「ハッハッハッ」
シャーリー「ふざけないで!!」
カレン「キャンッ!?」
カレン「……くぅん」
シャーリー「こんなとこで犬の真似なんてして……」
ルルーシュ「まて、シャーリー。これは……」
シャーリー「ルルも!カレンのこと知ってるなら教えてくれてもいいじゃない!!」
ルルーシュ(ちぃ……ならば……)
ルルーシュ「言えるわけないだろう」
シャーリー「え?」
ルルーシュ「カレンはブラックリベリオンのときに、頭を強く打ってな、人間であることを忘れたんだ」
シャーリー「また、そういう嘘を吐く」
ルルーシュ「本当だ」
シャーリー「はいはい」
ルルーシュ「本当だからな」
シャーリー「……嘘だよね?カレン?
カレン「ワンワンワンワン」
カレン「ワン」
シャーリー「……嘘でしょ?」
カレン「ワンワン」
ルルーシュ「おて」
カレン「ワンッ」ポンッ
ルルーシュ「よしよし」
カレン「くぅ~ん」
シャーリー「……」
ルルーシュ「シャーリー、悲しいことだが……事実だ」
カレン(ごめん……シャーリー……そういうことにしておいて)
シャーリー「カレン……ちょっと待ってて!!」ダダダッ
ルルーシュ「シャーリー!!」
カレン「どうしたんだろう?」
ルルーシュ「まあ、いい。ランチの続きと行こうか、カレン」
ルルーシュ「……」モグモグ
カレン「どう?」
ルルーシュ「美味しいよ、カレン」
カレン「よかった……」
ルルーシュ「ふははは」
カレン「で、あの……ルルーシュ……ご主人様を慰めること、できた?」
ルルーシュ「まだまだだ」
カレン「そうなの?」
ルルーシュ「膝枕でもしてもらおうか」
カレン「どうしてよ?!」
ルルーシュ「お前は犬だろ?やれ」
カレン「……」
ルルーシュ「なら、ゼロには戻らない。次のゼロは誰になるのか、楽しみだな」
カレン「そんなこと言わないで……。はい、どうぞ」
カレン「……」
「なにあれ~」
「ルルーシュくんの恋人かな?すごいコスプレしてるけど」
「でも、膝枕してあげてる。いいな~。私もルルーシュくんに膝枕してあげたーい」
カレン(誰か私を輻射波動で殺して……)
ルルーシュ「カレン」
カレン「な、なに?」
ルルーシュ「お前の足。意外と柔らかいな。もうすこし筋肉質で寝心地が悪いと思っていたが」
カレン「そりゃどーも」
ルルーシュ「……」
カレン「変なところ触らないでよ?」
ルルーシュ「上を見上げれば、視界の半分はお前の胸だな」
カレン「変なとこを見るなぁ!!」
シャーリー「カレーン!!!おまたせー!!!」タタタッ
シャーリー「って、ルル!!何してるの!?」
ルルーシュ「大型犬を枕がわりにすること、あるだろ?」
シャーリー「ああ、うん。あるある!!ゴールデンレトリバーの大人しい子とかに体預けたくなるもんね!!」
ルルーシュ「それと一緒だ」
シャーリー「そっか」
カレン「ワンワン」
ルルーシュ「それより、どうした?」
シャーリー「あ、これこれ。カレンにつけてあげようと思って」
ルルーシュ「なんだそれは?」
シャーリー「知らない?バウリンガルってやつ」
ルルーシュ「犬の鳴き声を感知して文章を表示されるやつか」
シャーリー「きっとカレンも何か言いたいことがあると思うの」
カレン(えー……どうしよう……)
シャーリー「よし、できた。カレン、私のこと覚えてる?」
カレン「ワ、ワワンワン!!」
シャーリー「……」
『息、くせーんだよ』
シャーリー「カレン……そんな……私、ちゃんと食後に歯磨きしてるのに……」
カレン「ワンワン!!」
『しゃべりかけんな、ハゲ』
ルルーシュ「随分と口が悪いな」
カレン「ワンワン!!!ワンワン!!」
『もっと遊んで~♪』
シャーリー「やっぱり……ルルは特別なんだ……」
ルルーシュ「シャーリー……」
シャーリー「私のことは……覚えてないんだ……」
カレン「ワ、ワンワンワンワン!!」
『さようなら』
ロロ「兄さん!!コイン持ってきたよ!!」
ロロ「兄さん……?兄さんどこ?」
ルルーシュ「ロロ、おかえり」
ロロ「兄さん……」
ルルーシュ「これでお前は立派な忠犬だ」
ロロ「わんわんっ」
ルルーシュ「おいで。可愛がってやろう」
ロロ「兄さん、その頭のネコミミはなに?」
ルルーシュ「これか?これはお前の声が良く聞こえるようにするためだ」
ロロ「その尻尾は?」
ルルーシュ「尻尾でバランスを取っている」
ロロ「……首輪は?」
ルルーシュ「知らないのか?首輪がトレンドなんだぞ?」
ロロ(こいつ……咲世子だ!!)
ルルーシュ「どこに行くんだ、ロロ」
ロロ「咲世子だろ?」
ルルーシュ「何を言っている?」
ロロ「バレてるから」
ルルーシュ「一体なんの―――」
ロロ「……」キュィィィン
ルルーシュ「―――」
ロロ「変装しているんだろ……!!」バッ
咲世子「―――は?!」
ロロ「やっぱり」
咲世子「ばれてしまったニャ」
ロロ「もう少しで僕の純潔を咲世子に捧げるところだったよ」
咲世子「私の純潔はルルーシュ様のために取ってありますので、どう足掻いてもそれは実現しません」
ロロ「咲世子のくせに……!!」
咲世子「さぁ……それは私の口からは言えません」
ロロ「探しにいくか。きっと遠くには行ってないだろうし」
咲世子「させません」
ロロ「咲世子。どいて」
咲世子「できません」
ロロ「なら強引に―――」
咲世子「待ってください!!」
ロロ「……」キュィィィン
咲世子「―――」
ロロ「急ごう。あの雌犬が兄さんを襲ってしまう前に……」タタタッ
咲世子「―――しまった。追わないと!!」
咲世子「ルルーシュ様に叱られてしまう……!!」タタタッ
咲世子(それも悪くないですけど……)
『ファックユー』
シャーリー「カレン……」ウルウル
ルルーシュ「シャーリー、カレンはもう過去のことを忘れているだけじゃない。人間であることも忘れている」
シャーリー「そうだね……」
カレン「ワンワン!!ワンワン!!」
『アハハハハハハ!!!無様!!!』
シャーリー「……」
ルルーシュ「カレン……」
カレン「……違う!!こんなの嘘!!!」
シャーリー「え!?」
ルルーシュ「カレン!!」
カレン「しまった……つい……」
シャーリー「やっぱり……カレン、嘘だった―――」
ロロ「兄さん!!無事だったんだね!!」
シャーリー「あ、ロロくんだ」
ロロ「早くその雌豚から離れて、兄さん。そいつは危険だよ」
ルルーシュ(咲世子め……何をしている!!)
シャーリー「ロロくん、どうしたの?」
ロロ(兄さんを誘惑する者がもう一人……兄さんのために……消しておかないと)
ルルーシュ(ロロめ……何をする気だ……!!)
ロロ「……」
シャーリー「……ルル?」
ルルーシュ「なんだ?」
シャーリー「もしかして喧嘩?」
ルルーシュ「まあ、そんなところだ」
シャーリー「なら、ここは私に任せて。ルルはカレンを連れて生徒会室にでも行ってて」
ルルーシュ「シャーリー、なにを……」
シャーリー「今はロロくんと顔を合わせたくないんでしょ?なら、今は逃げるべきだよ」
シャーリー「あとでちゃんと聞かせてね、カレンのこと。約束だからね」
ルルーシュ「シャーリー……」
カレン「シャーリー!!待って!!!」
シャーリー「ロロくん。丁度よかった。あのね、手伝って欲しいことがあるんだけど、お願いしてもいいかな?」
ロロ「……」
ルルーシュ(どうする……このまま……だが、ロロが何を考えているかわからない以上、シャーリーを一人にさせるのは……!!)
カレン「ご主人様、どうするの?」
ルルーシュ「……」
シャーリー「ロロくん、もう聞いてるの?」
ロロ「……あなたも、兄さんを狙っているんでしょ?」
シャーリー「え?」
ロロ「……」キュィィィン
シャーリー「―――」
ロロ「まずは一人目」
ロロ「……はい?」
ヴェレッタ『やめろ。無闇に殺すな』
ロロ「この女は危険です。だから、消す。なんの問題があるんですか?」
ヴィレッタ『やめろ!!』
ロロ「ここで消しておくべきだ……!!!」
シャーリー「―――」
「―――まちニャさい!!」
ロロ「誰だ!?」
咲世子「篠崎流37代目、篠崎咲世子だニャ!!」
ロロ「屋根のところに。でも、あそこからじゃ何も―――」
咲世子「はっ!!」シュッ
ロロ「!!」バッ
咲世子「避けましたか」
ロロ「これは……ナイフ?」
ルルーシュ「―――はっ!」
ロロ「しまった……ギアスが……」
咲世子「とうっ!」
ロロ「咲世子……邪魔ばかりして……!!」
咲世子「ルルーシュ様!!カレンさんとシャーリーさんを連れて逃げてくださいニャ!!」
カレン「え?何が起こったの!?」
シャーリー「なに?え?咲世子さん?どうしたんですか、そのネコミミと尻尾」
ルルーシュ(ちぃ!!やはり、ロロがシャーリーに何か危害を加えようとしたのか……!!)
ルルーシュ「咲世子さん、ここは任せます!!」
咲世子「がってん承知しました!」
ロロ「兄さん!!」
咲世子「貴方の相手は私ですよ?」
ロロ「咲世子ぉ……!!」
咲世子「猫のように舞い、猫のように刺す」キリッ
咲世子「あなたのギアスはルルーシュ様から聞いています」
ロロ「……」
咲世子「近接戦闘になれば不利でしょうね」
ロロ「なら、諦めるんだ」
咲世子「そうはいきません。―――それでは失礼します!!」ボォン
ロロ「煙幕!?くそ!!咲世子!!どこだ!!」
咲世子「ここです」
ロロ「!?」
咲世子「ふっ!!」ドゴォ!!!
ロロ「ごっ?!」
咲世子「よし」
ロロ「くっ……そ……にい……さ……」
咲世子「さてと、粗大ゴミの日はいつでしたでしょうか……」
シャーリー「―――じゃあ、カレンが犬になってたのって……変装のつもりだったの?」
ルルーシュ「そう。どうしてももう一度、学園を見たいと言ってきてな。でも、今カレンは指名手配中だろ?」
カレン「犬の格好をすればきっとバレないって言うから……演じてみたワン」
シャーリー「なんで犬……?」
ルルーシュ「遊び心だ」
シャーリー「もう。別にそんなコソコソしなくていいじゃない」
カレン「え……?」
シャーリー「指名手配になってもいつでも学園にきてよ、カレン。勿論、難しいことだってわかってるけど……それでも……カレンにはここに居てほしいの」
カレン「どうして……」
シャーリー「だって友達じゃない」
カレン「シャーリー……」
シャーリー「下手な嘘はやめてよ……悲しくなるじゃない……」
カレン「うん……ごめんね……シャーリー……」
シャーリー「ううん。元気なカレンを見れてよかった……」
カレン「そうね」
シャーリー「もう行っちゃうの!?」
カレン「のんびりしているわけにもいかないから」
シャーリー「……ねえ」
カレン「なに?」
シャーリー「その格好可愛いね。ルルの趣味?」
ルルーシュ「違う」
シャーリー「カレン?」
カレン「まー……えーと……そう、なるかな……」
シャーリー「そうなんだ……。カレンはまだ黒の騎士団で活動を続けるの?」
カレン「うん」
シャーリー「やめてって言っても……ダメなんだよね?」
カレン「ごめん。こればっかりは無理」
ルルーシュ「シャーリー……」
ルルーシュ「どうした?」
咲世子「このゴミはどうしますか?」
ルルーシュ「そうだな……」
シャーリー「ねえ、カレン。私のお願いを聞いてくれない?」
カレン「なに?なんでも言って」
シャーリー「その格好のまま黒の騎士団として活動して」
カレン「……は?」
シャーリー「いつもね、思ってたの。黒の騎士団にいるカレンは別人なんじゃないかって。私たちのことなんてとっくに忘れたんじゃないかって」
カレン「そんなわけ―――」
シャーリー「でも、カレンはいつものカレンだった。だから、これからは遠くに居ても私の知っているカレンってことを確認する方法が欲しいの」
カレン「それとこの犬のままでいることがどう繋がるの?」
シャーリー「その姿を見れば私のことをきちんと覚えてるんだって、一発で分かるし」
カレン「電話してよ!!」
シャーリー「しても出ないじゃない!!」
ルルーシュ「頼んだ」
咲世子「はい」
シャーリー「耳と尻尾はしておいてね」
カレン「いやよ!!」
シャーリー「してったらして!!」
カレン「絶対にいや!!」
ルルーシュ「どうした?」
シャーリー「ルル!聞いてよ。カレンにこの格好のまま黒の騎士団で活躍して欲しいってお願いしてるんだけど」
ルルーシュ「なに?」
カレン「ダメでしょ!?こんなふざけた格好じゃあ!!」
ルルーシュ「……やればいい。可愛い指名手配書が出来上がるぞ?」
カレン「はぁ?!」
ルルーシュ「じゃあ、そろそろ行くか」
カレン「待って!!ねえ、どうして?!」
ルルーシュ「お前、何の為にその格好になった?」
カレン「え……それはルルーシュを慰めるため……に……だけど?」
ルルーシュ「俺はこれからナナリーと戦わなければならない。その精神的ストレスを鑑みれば、カレンはずっとその格好で俺に仕えるべきじゃないか?」
カレン「いや……」
ルルーシュ「まさか、お前。一回慰めて終わりにしようとしていたわけじゃないだろうな?」
カレン「え……それは……あの……」
ルルーシュ「なら、ゼロには戻らない。俺は普通の学生に戻ろう」
カレン「それ、困るんだけど」
ルルーシュ「なら、お前に残された選択肢は2つ」
ルルーシュ「俺を諦め、新たなゼロを探すか。犬のコスプレをしたまま紅蓮で戦場を駆けるか」
カレン「……」
ルルーシュ「あと、戦闘後のマッサージ等の奉仕もお前に一任する」
カレン「くぅ~ん……」
ルルーシュ「甘えるな!!」
ゼロ「私は帰ってきた!!!」
扇「ゼロ!!」
玉城「俺は信じてたぜ!!ゼロ!!」
ゼロ「ふははは」
藤堂「ところでゼロ」
ゼロ「なんだ?」
藤堂「隣にいる紅月くんは……?」
ゼロ「ああ。紹介しよう。私のカレンだ」
カレン「ワン」
扇「……」
玉城「……」
藤堂「……」
カレン「……くぅ~ん」
ゼロ「恥ずかしいか?だろうな。ふははははは」
C.C.「よく出来ているな」
カレン「触らないで」
扇「いいのか、カレン。そんな交換条件」
カレン「ゼロのためだもの」
C.C.「忠義か」
カレン「……」
玉城「でもよぉ、びっくりしたぜ。ゼロが「私のカレンだ」とか言っちまうからなぁ!!神楽耶様はどうなるんだってんだよ。だはははは」
カレン「あのねえ!!」フリフリ
C.C.「照れるな、照れるな。言葉で隠しても尻尾は嬉しそうに動いているぞ?」
カレン「これは勝手に動くようになってるの!!」
玉城「だははははは!!!神楽耶様はふられちまったなぁ!!」
神楽耶「……」
扇「玉城!!」
玉城「え……あ……」
神楽耶「カレンさん」
カレン「違います!!誤解です!!これは……あのー……そう!!私がえっと……黒の騎士団の犬隊長に任命されて……!!」
C.C.「なんだそれは?」
神楽耶「その犬の耳と尾はゼロ様にご寵愛を受けたという証なのですか?」
カレン「いえ!!犬畜生ってことです!!侮蔑ですよ!!ホント!!」
C.C.「神楽耶、どうした?」
神楽耶「ゼロさまー!!私も犬にしてください!!」タタタッ
カレン「……」
扇「おいおい……」
玉城「あれか?もしかしてゼロって女をペットみたいに扱ってるのか?」
C.C.「そんなに器用な男じゃないさ。なぁ?」
カレン「私に聞かないで!!」
C.C.「さてと……。私も席を外そうかな」
カレン「C.C.まで……」
藤堂「ああ」
神楽耶「ゼロさまー!!」
ゼロ「これは神楽耶様、どうされました?」
神楽耶「私にも耳を!!尾を!!ゼロ様の愛の証をくださいな!!」
ゼロ「お戯れを」
神楽耶「カレンさんには与えて新妻には渡さないのは不公平ですわ。平等な愛を配ってくださらないと」
ゼロ「……」
藤堂「ゼロ」
ゼロ「いや……あの……」
藤堂「私の部屋に来い」
ゼロ「なに?」
藤堂「神楽耶様もご一緒に」
神楽耶「はい」
ゼロ「藤堂。何を考えている?」
千葉「ふんふーん」
藤堂「―――千葉」
千葉「あ、藤堂さん。今日はこのウサギの耳をお借りしま―――」
ゼロ「ほう……藤堂。色々なグッズで溢れているな」
神楽耶「ネコ耳ですわ」
千葉「ゼロ!!なに用か?!」バッ
ゼロ「千葉。既に話は聞いている。藤堂好みのアニマルコスプレをしているらしいな。こっそりと」
千葉「藤堂さぁん!!どうして言っちゃうんですかぁ!!!」
藤堂「ゼロもアニマルコスプレの同志だ。何も恥じることはない」
ゼロ「して、私をここに呼んだわけは?」
藤堂「紅月くんはゼロにとって大切な側近だ。その証としてあの犬耳を与えたのだろう?忠犬という称号として」
ゼロ「……」
藤堂「しかし、それでは紅月くんだけが組織内で浮いてしまう。もう少し同じ人種を増やすべきだろう」
ゼロ「それで神楽耶様にコスプレをさせるというのか?」
藤堂「……そうだ」
ゼロ「いいのか?」
藤堂「ゼロ……日本は古くから『可愛いは正義』という信念がある」
ゼロ「なんだと?!」
藤堂「可愛いに越したことはない、ということだ」
ゼロ「……神楽耶様」
神楽耶「なんですかブヒー」
藤堂「豚の鼻と耳……意外といける」
ゼロ「可愛いは正義か……。なるほどな。黒の騎士団は正義の味方。言い換えれば可愛いモノの味方か」
藤堂「そういうことだ」
ゼロ「ならば、神楽耶様を可愛くしなければな。神楽耶様は象徴となる存在だ」
藤堂「ああ、無論だ」
神楽耶「次は……」
ゼロ「神楽耶様!!このペンギンスーツを着るべきだ!!いや、きてください!!」
神楽耶「よっ、ほっ」ヨチヨチ
カレン「神楽耶さまぁ?!どうしたんですか!?」
神楽耶「カレンさんっ。どうですか、ペンギンですよ」
カレン「え!?」
神楽耶「ゼロ様から賜りましたの。これでカレンさんと一緒ですね」
カレン「いや……暑くないですか?」
神楽耶「ラクシャータさんが改良してくれて、エナジーフィラーで稼動するクーラーが内蔵されていますので。若干寒いくらいです」
神楽耶「でも、ペンギンですからいいですよね」
カレン「はぁ……」
神楽耶「それではこれから会議がありますので、失礼します」ヨチヨチ
カレン「……」
C.C.「カレン、カレン。私はトラになってみたぞ」
カレン「え……」
C.C.「がぉー。なんてな」
ワロタ
カレン「ゼロ!!」
ゼロ「どうした。騒々しいな」
カレン「どういうこと……?」
ゼロ「え?」
カレン「私が犬になって貴方を慰める役じゃなかったの?!」
ゼロ「そうだが?」
カレン「でも、みんな動物になっちゃってるし!!ラクシャータさんなんてシャチホコになってたし!!」
ゼロ「いつも寝ているから、ああいうタイプのコスプレがよかったそうだ」
カレン「私だけの特権じゃ……」
ゼロ「カレン……違うな。間違っているぞ」
カレン「え?」
ゼロ「ただのカモフラージュだ。お前だけが特別な格好をしていては、エースだということを敵に知らせてしまうだろ?」
カレン「ああ……なるほど」
ゼロ「納得できたか?」
カレン「くぅ~ん……♪」
ゼロ「おて」
カレン「ワン」
ゼロ「おかわり」
カレン「ワンワン」
ゼロ「伏せ」
カレン「わふっ」バッ
ゼロ「ふははははは」
カレン「癒された!?」
ゼロ「ああ」
カレン「やった」
ピリリリ
ゼロ「私だ」
咲世子『ルルーシュ様、申し訳ありません。不燃ごみが消えてしまいました』
咲世子『今、必死に行方を追っているのですが……』
ゼロ「シャーリーは?!」
咲世子『ヴィレッタ様が監視をしています。今のところ、特に……』
ゼロ「どうして逃がした?」
咲世子『一瞬の隙を突かれてしまいまして……』
ゼロ「分かった。今からそちらに戻る」
咲世子『私も全力で捜索を続けます』
ゼロ「頼むぞ」
咲世子『お任せくださいニャリン』
ゼロ「……ロロめ……執念深い奴……!!」
カレン「学園に戻るなら私も」
ゼロ「ダメだ。もしものときがあったらどうする?」
カレン「シャーリーを……友達を助けたいって思うのはダメなのこと?」
ゼロ「……いいだろう、こい!!」
藤堂「ゼロはまだかパオン?」
扇「そうだな……少し遅いな」
ラクシャータ「はやくはじめたらいいじゃないシャチホコ」
神楽耶「まあまあ。多忙なお方ですからペンペン」
玉城「ペンギンってペンペンって鳴くのかよウッキー」
ラクシャータ「じゃあ、シャチホコはなんて鳴くのさ?」
ディートハルト「正直、私がカバなのは如何なものですカバ?」
扇「……」
ゼロ『皆のもの』
扇「ゼロ!!早くきてくれ!!頭がおかしくなりそうだ!!」
ゼロ『急用ができた。すぐに戻るが、会議は先に始めておいてくれ』
藤堂「了解パオン」
ゼロ『すまない』
神楽耶「ゼロさまーご武運をペンペン」
C.C.「全く、こんな下らないことに借り出されるとはな」
ルルーシュ「お前の力は必要だ。ロロのギアスは白兵戦においては無類の強さだからな」
カレン「シャーリーが危ないなら、早く身柄を」
ピリリリ
ルルーシュ「ヴィレッタか?」
ヴィレッタ『ロロはまだ見つからない』
ルルーシュ「学園を出た形跡は?」
ヴィレッタ『確証はないがまだ学園内に潜伏しているはずだ』
ルルーシュ「そうか……」
ルルーシュ(ロロの狙いはシャーリーだ……それは間違いない……では、どこに……)
カレン「手分けして探す?」
ルルーシュ「よし、カレンとC.C.は常に一緒にいろ」
C.C.「わかったよ」
カレン「うん」
C.C.「匂いで追えるのか」
カレン「くんくん……くんくん……」
C.C.「……」
カレン「ダメだ……他の匂いと混じってて探せないよ」
C.C.「余裕なのはいいことだ―――」
パァン!!
C.C.「ぐぁっ?!」
カレン「C.C.?!」
ロロ「油断しましたね?」
カレン「ロロ?!」
ロロ「安心してください。まだ殺しはしませんから」
カレン「ちょっと……何する気……?」
C.C.「逃げろ……カレン……こいつの狙いは……」
ロロ「無駄です」キュィィィン
ルルーシュ「ヴィレッタ、監視は―――な!?」
ヴィレッタ「ぐぅ……」
ルルーシュ「どうした!?」
ヴィレッタ「はぁ……はぁ……すまない……ロロが……急に襲ってきて……」
ルルーシュ「傷は浅い。喋るな」
ヴィレッタ「私のことはいい……あいつはカレンを……」
ルルーシュ「なに?」
ヴィレッタ「あいつはカレンとシャーリーを狙っている……」
ルルーシュ「バカな……どうして……!!」
ヴィレッタ「早く……いけ……」
ルルーシュ「ちぃ!!C.C.!!応答しろ!!」
C.C.『ルルーシュか……』
ルルーシュ「カレンは無事か?!」
C.C.『すまない……守れなかったよ……』
咲世子『こちら篠崎咲世子ニャ』
ルルーシュ「状況を報告しろ!!」
咲世子『ただいま、教室の天井に張り付いてシャーリーさんを監視しております』
ルルーシュ「バカ!!それでは近すぎる!!!ロロのギアスに巻き込まれるぞ!!!」
『―――』
ルルーシュ「咲世子!!おい!!咲世子!!」
『―――兄さん?』
ルルーシュ「ロロ……!!」
『今から兄さんを惑わせる危険人物を殺すけど……見に来る?』
ルルーシュ「ロロ。やめろ」
『個人的には見に来て欲しいんだ、兄さんに。だって……この二人に兄さんが僕を選ぶ瞬間を見せ付けたいんだよ』
ルルーシュ「……」
『屋上で待ってるね、にいさんっ』
ルルーシュ「くそぉ……!!」
C.C.「ルルーシュか」
ルルーシュ「大丈夫か?」
C.C.「誰に言ってる?」
ルルーシュ「そうだったな……。動けるか?」
C.C.「すぐには無理だな」
ルルーシュ「わかった……」
C.C.「気をつけろ……」
ルルーシュ「誰に言ってる?」
C.C.「ふふっ……そうだったな……」
ルルーシュ「ロロ……まっていろ!!」
C.C.「……首尾は?」
ヴィレッタ『要請はしておいたが……大丈夫なのか?』
C.C.「保険は大事だろ」
ヴィレッタ『どうなってもしらないからな』
シャーリー「なんで……こんなことするの……?」
カレン「シャーリーは関係ないでしょ!!」
ロロ「関係あるから……こうして捕まえたんですよ」
シャーリー「ロロくん!!やめよ……こんなこと……」
ロロ「では、シャーリーさんから落ちてもらいましょうか?」
シャーリー「ひっ……」
ルルーシュ「やめろ」
ロロ「兄さん……」
シャーリー「ルル!!」
カレン「ワンワン!!」
ロロ「兄さん。聞かせてよ。そしてこの二人に僕たちがどれだけ仲がいいか、教えてあげよう。そして絶望の中で二人を殺すから」
ルルーシュ「……そうだな」
カレン「ルルーシュ!!」
シャーリー「なんのこと?!わけがわかないよ!!!」
ロロ「……」キュィィィン
咲世子「―――」
ロロ「何度も同じ手は通じませんよ」パァン!!
咲世子「―――ぐっ?!」
ルルーシュ「―――咲世子!!」
ロロ「兄さん……ほら……僕は兄さんのこと大好きだよ」
ルルーシュ「シャーリー!!!」
シャーリー「は、はい!!」
ルルーシュ「自分を動物に例えるとなんだ?」
シャーリー「え……え……えーと……シマリス」
ルルーシュ「カレン。お前は?」
カレン「犬」
ルルーシュ「犬種は?」
カレン「パピヨン」
ルルーシュ「咲世子さん、自分を動物に例えると?」
咲世子「猫です」
ルルーシュ「種類は?」
咲世子「ハバナです」
ルルーシュ「いいな。実に癒される」
ロロ「……」
ルルーシュ「ロロ、お前は?」
ロロ「犬だよ。見て分かるでしょ?」
ルルーシュ「犬種は?」
ロロ「チワワかな」
ルルーシュ「違うな。間違っているぞ」
ロロ「え……?」
ルルーシュ「目的のためには手段を選ばない獰猛さ。残忍さ。そのように愛らしい動物など連想できはしない」
ルルーシュ「お前は……醜い雑種だ」
ルルーシュ「お前の後ろには可愛いリスと犬と猫がいる。俺はその三匹を選ぶ」
ロロ「雑種だって可愛いよ!!兄さん!!」
ルルーシュ「お前という雑種は醜悪だ」
ロロ「……!!」
ルルーシュ「もう我慢の限界なんだよ……ロロ」
ロロ「なにを……」
ルルーシュ「兄弟ごっこはもううんざりだといったんだよ!!」
ロロ「にいさん……!!!」
ルルーシュ「終わりにしよう……ロロ……」
ロロ「なら……この二人には……死んでもらうしかないね……」
シャーリー「ロロくん!?やめて!!」
ロロ「この三人がいるから兄さんは僕を選んでくれない……なら……消すしかない……」
カレン「ちょっと!!」
咲世子「……このっ!!」ダダッ
咲世子「はっ!!」ボゥン!
ロロ「また煙幕……そんなもの!!」キュィィン!!!
ロロ「煙幕が晴れたところを狙えば……あれ……いない?!」
ロロ「そんな、どこに!?」
咲世子「王手です、ロロさま」シュッ
ロロ「はっ!?いつの間に、あんなところに―――」
ロロ「うあぁああ!?」
ルルーシュ「―――咲世子の投擲が当たったか」
咲世子「貴方とルルーシュ様が話している間に距離を取っていました。先ほどのは身代わりです」
ロロ「そんな……」
ルルーシュ「教室で咲世子の息の根を止めておくべきだったな」
ロロ「くっ……うぅ……」
咲世子「ルルーシュ様!!下がってください!!」
ルルーシュ「ロロ!!もう諦めろ!!!」
モルドレッド『そこまで』ゴォォ
ロロ「ナイトメア!?」
ルルーシュ「なんだと!?」
咲世子「あれは……」
スザク「ロロ!!何をしている!!」
ジノ「これは……」
ルルーシュ「スザク……」
スザク「ルルーシュ、怪我は?」
ルルーシュ「大丈夫だ」
ロロ「この人数でも……!!」
スザク「アーニャ!!」
アーニャ『オールレンジ・ボマー』バシュ
スザク「違う!!そうじゃない!!!それだと学園にも被害が!!!」
アーニャ『ごめんなさい、間違えた。逃げて、みなさん』
カレン「ワンワン!!」
スザク「くそぉ!!」ダダダッ!!!
咲世子「助太刀しますニャリン!!」ダダダッ
ジノ「ランペルージ卿!!こっちだ!!」
ルルーシュ「カレン!!シャーリー!!!」
ロロ「兄さん!!」
ドォォォン!!!!
アーニャ『スザク、生きてる?』
スザク「な、なんとかね……。カレン、大丈夫か?」
カレン「無事なのが……不思議……だワン」
スザク「ワン?」
カレン「って、なに?!捕まえにきたの!?」
スザク「そうしたいところだけど、今回は違うんだ」
カレン「え……」
シャーリー「なんとか……」
ジノ「アーニャ、誰が砲撃しろといった。不審な行動をとれば威嚇射撃をしろといっただろ」
アーニャ『反省はしてる。後悔はしてない。ルルーシュは無事?』
ルルーシュ「あ、ああ……」
アーニャ『そう』
ロロ「くっ……」
スザク「ロロ、立つんだ」
ロロ「……!」
スザク「何をしたか分かっているのか?」
ロロ「……」
ルルーシュ「スザク、どういうことだ?」
スザク「悪いが連行する」
ルルーシュ「まて」
スザク「……」
スザク「……」
ルルーシュ「少し喧嘩をしていただけだ。なのになんだ、この騒ぎは。説明してもらおうか」
スザク「それは……」
ルルーシュ「少し言い合いになっていただけだんだぞ?」
スザク「ルルーシュ……」
ロロ「兄さん……僕を庇ってくれるの……?」
ルルーシュ「どうしても連れて行くのか?」
スザク「ああ」
ルルーシュ「なら、仕方ないな」
ロロ「え!?」
ルルーシュ「連れて行ってくれ」
スザク「協力感謝する」
ロロ「兄さん!!どうして?!」
ルルーシュ「いや、当然だろう。何を甘えたことを言ってる」
ヴィレッタ『ありがとうございます。ロロはこちらで引き取ります』
スザク「今回の一件は明らかに越権行為です。再教育をお願いします」
ヴィレッタ『了解』
スザク「こっちだ」
ロロ「……」
ジノ「でも、こいつ本当にあの二人を恫喝したのか?そうは見えないけど」
スザク「確かな情報だよ」
アーニャ『ルルーシュ、バイバイ』
ルルーシュ「ああ」
カレン「どうして捕まえないの……?」
スザク「色々と事情があってね」
カレン「ここで捕まえなかったこと、後悔させてあげる」
スザク「後悔はしないよ」
ルルーシュ(ヴィレッタの差し金か。これでシャーリーに危害が及ぶ可能性は低くなったか……)
シャーリー「うん……平気……」
咲世子「ルルーシュ様、そろそろ」
ルルーシュ「そうだな」
カレン「それじゃあね、シャーリー」
シャーリー「う、うん」
ルルーシュ「シャーリー、念のため保健室まで行こう」
シャーリー「い、いいよぉ」
ルルーシュ「いいから」
シャーリー「うん……」
咲世子(さて、私は引き続き諜報活動を)
ルルーシュ「咲世子さん」
咲世子「ニャんでしょうか?」
ルルーシュ「あとでまた連絡します」
咲世子「かしこまりました」
ロロ「……」
スザク「もう二度とこういうことがないように」
ヴィレッタ「はっ」
ロロ「くそ……兄さん……」
スザク「それから……カレン・シュタットフェルトの件ですが、間違いないのですか?」
ヴィレッタ「ええ……今、黒の騎士団では改革が行われているようです」
スザク「それが……」
ヴィレッタ「アニマル化です」
スザク「……なんの意味が?」
ヴィレッタ「さぁ……。ナナリー総督が随分、そのことを気にしていると聞きましたが」
スザク「ええ。先日、カレンが犬になったと報告をしたら『全力で泳がしてください』って」
ヴィレッタ「何かお考えがあるのでしょうか?」
スザク「きっとあると思う。でも、黒の騎士団の狙いは一体……」
ヴィレッタ「……」
ゼロ(とりあえずロロの件は片付いた……あとは……)
神楽耶「ゼロさまー」ヨチヨチ
ゼロ「どうしました。神楽耶様?」
神楽耶「中華連邦との話も済みましたわ」
ゼロ「そうですか」
神楽耶「この格好だと外交もすんなりいけますわ」ヨチヨチ
ゼロ「……」
C.C.「がぉー」タタタッ
千葉「きゃー!!」
ゼロ「さてと……」ピッ
カレン「ゼロ!扇さんがまだ動物を決めかねているようなのですけど」
ゼロ「ゴリラでいい」
カレン「はいっ」
ゼロ「さぁ……そろそろ仕掛けるか……ナナリー……」
ナナリー「カレンはやはり犬になっていたのですか?」
スザク「はい。ワンと言っていましたから。間違いないです。尻尾も耳もありました」
ナナリー「確かですね?」
スザク「はい。自分が直接確認したので」
ナナリー「わかりました」
スザク「……あの、これにはなにか意味が?」
ナナリー「黒の騎士団に向けて放送を行います」
スザク「え?」
ナナリー「特区日本の参加を要請します」
スザク「総督……」
ナナリー「お願いします」
スザク「イエス、ユア・ハイネス」
ナナリー「……」
ナナリー「……犬……猫もいるかしら……」
モニター『ゼロ。そして黒の騎士団へお願いがあります。特区日本へ参加してください』
藤堂「ゼロ。どうするパオン」
ゼロ「藤ゾウはどうみる?」
藤堂「罠だろうな」
玉城「ああ!!俺もそう思う!!ウッキャー」
ゼロ「……」
ゼロ(まさかナナリーから仕掛けてくるとはな。だが、好都合だ)
カレン「ゼロ……」
ゼロ「私に考えがある」
C.C.「どうするがぉ?」
ゼロ「奇跡を起こす」
神楽耶「では、中華連邦と連絡をとりましょう」ヨチヨチ
ゼロ「ええ、お願いします」
ゼロ(ふははははは!!!ナナリー……俺たちを甘く見るなよ……!!以前の黒の騎士団とは思うな……!!)
ナナリー「参加を表明するのですね?!」
ゼロ『ええ。ただし、条件があります。私を見逃してほしい』
スザク「国外追放ということか」
ゼロ『ああ』
アーニャ「卑怯」
ジノ「そんなことが許されると思っているのか!?」
ゼロ『だが、決して悪い話ではない』
ナナリー「……」
ゼロ『私を追放するだけで、恒久の平和が約束される』
スザク「しかし、またお前がテロを起こす危険性も!!」
ナナリー「わかりました。その条件を呑みましょう」
スザク「総督!!しかし!!」
ナナリー「私の言うことを聞いてください」
スザク「は、はい……」
ナナリー「きっと、ゼロは……特区日本に集まった者たちをゼロにしてしまうつもりでしょう」
ジノ「ど、どういうことですか?」
ナナリー「私達はゼロを国外追放するという条件を呑みました。なら、日本人のみなさんをゼロに扮装させてしまえば」
アーニャ「全員、国外追放」
スザク「総督!!それに気づきながらどうして条件を呑んだのですか!?」
ナナリー「私が掴んだ情報によると、蓬莱島と呼ばれる場所に新たな国が誕生するようです」
ジノ「え……」
ナナリー「そこに何ができるのか……見てみたくありませんか?」
スザク「ナナリー……」
アーニャ「何ができるの?」
ナナリー「わかりません。できたら、是非教えてくださいね。私では見ることができませんから」
アーニャ「うん」
ジノ「おいおい、いいのか?」
スザク「総督が決めたことだから……」
ゼロ『ありがとう!ブリタニアの諸君。寛大なるご処置、痛み入る!』
ナナリー「……」
スザク「ゼロ……」
ゼロ『枢木スザクよ。日本人とは、民族とはなんだ?』
スザク「何?」
ゼロ『言語か?土地か?血のつながりか?』
スザク「違う!それは心だ!!」
ゼロ『私もそう思う』
スザク(ゼロ……何が言いたい……何が狙いだ……!!)
ナナリー「ゼロ」
ゼロ『なんですか?』
ナナリー「100万人をゼロにするのですね?」
ゼロ『な……!?』
ナナリー「どうぞ。スモークなどの目くらましは不要です。着替えるなら着替えて、新天地へ向かってください」
ナナリー「もうすぐ中華連邦の船も来るのでしょう?」
ゼロ『分かっていながら……条件を呑んだのか……?』
ナナリー「はい」
ゼロ『何故……』
ナナリー「蓬莱島で始めるものに興味があるからです」
ゼロ『貴方は……』
カレン「バレてるよ。どうする?」
扇「着替えるか?」
藤堂「こうなると気恥ずかしいな」
ナナリー「一応、着替えていただかないと、こちらとしても捕まえないといけなくなるで……」
ゼロ『よ、よし……皆の者、ゼロになれ』
ジノ「本当に着替え始めた」
ナナリー「100万人分の衣装はどうやって作ったのですか?大変だったと思いますけど」
ゼロ『黙れ』
スザク「行ってしまった」
ジノ「総督、これでよかったのですか?」
ナナリー「猫はいましたか?」
アーニャ「迎えにきた船に猫っぽいのがいた」
ナナリー「よかったぁ」
スザク「あの……一体、なにが……?」
ナナリー「私の掴んだ情報だと、蓬莱島は夢の島になるそうです」
アーニャ「なにそれ」
ナナリー「ワクワクしますね、アーニャさん」
アーニャ「ワクワクする」
ナナリー「一緒に行きましょうね」
アーニャ「うん。行く」
ジノ「スザクぅ……」
スザク「……」
ゼロ「遂にきたな。少々恥をかいたが、まあ結果的には成功したわけだから……よしとしよう」
C.C.「ゼロ。早速、作業に取り掛かるのか?」
ゼロ「当然だ。二ヵ月後のオープン。それが中華連邦の天子様との約束だからな」
神楽耶「私もお手伝いしますわ」ヨチヨチ
カレン「ラクシャータさん。紅蓮に犬耳と尻尾つけてください」
ラクシャータ「今やってるよ」
藤堂「よし、千葉。フードコートの設営だ」
千葉「分かりましたピョン」
ゼロ「……」
C.C.「落ち込んでいるのか?」
ゼロ「ナナリーに……作戦を全て読まれていたからな……」
カレン「ゼロ!!私が癒します!!」
カレン「ワンワンワンワンワン!!!!」
ゼロ「……」
ルルーシュ「はぁ……」
咲世子「お疲れのようですね」
ルルーシュ「咲世子さん……」
咲世子「嫌です、ルルーシュ様。二人のときは……」
ルルーシュ「咲世子」
咲世子「ふふ……」
ルルーシュ「咲世子……これからも俺のために尽くしてくれるか?」
咲世子「勿論です……ルルーシュ様」
ルルーシュ「ありがとう」
咲世子「いえ」
ルルーシュ「ところで、可燃ゴミはどうした?」
咲世子「きちんと持ってきました」
ルルーシュ「そうか。奴にもこの夢の島ではキリキリ働いてもらわないとなぁ……」
咲世子「オープンが楽しみですね」
天子「えー、本日はいいお天気に恵まれて、うれしいです」
星刻「……」カシャカシャ
天子「蓬莱島『わくわく動物ランド』が無事にオープンしたことを……」
星刻「嬉しく思います」
天子「嬉しく思います」
天子「私は真っ先にパンダを見に行きたいです。そのあとは星刻と一緒に観覧車に乗ったりしたいです」
星刻「ぐはっ?!」
天子「では、オープン!!」
パチパチパチ
ゼロ「見事な挨拶でした」
天子「いや、そんな」
ゼロ「ゆっくりお楽しみください」
天子「はい」
星刻「行きましょう、天子様」
星刻「ゼロ」
ゼロ「何かな?」
星刻「この島の作った目的だが……」
ゼロ「初めは軍事拠点にするつもりだったが、まあ、ある出来事がきっかけて考えかたが変わった」
ゼロ「ここでは皆が動物と化し、夢を売る。そうすることでここを観光地にする」
ゼロ「我々は経済力で世界を掌握することにした」
星刻「できるのか?」
ゼロ「可愛いは正義だからな。武力で正義を翳すより健全だろう?」
星刻「まあ……な」
天子「しんくー!!ペンギンさん!!」
星刻「本当ですね」
神楽耶「天子さまー」ヨチヨチ
天子「かぐやー!!」
ゼロ「黒の騎士団は数ヶ月間、動物のきぐるみをきてマスコット特有の愛らしい動きもマスターしている。数千体規模のマスコットが闊歩する夢の国だ」
C.C.「がぉーん」
ナナリー「……」
アーニャ「すごい」カシャカシャ
スザク「ここが可愛いモノならなんでも合法化する国か」
ジノ「なんか異様だな……」
咲世子「にゃんにゃーん」
ナナリー「にゃー」
咲世子「む」
ナナリー「にゃー……」
咲世子「なー」
ナナリー「わぁ……握手してください」
咲世子「いいですよ」ギュッ
ナナリー「あ、咲世子さん。咲世子さんが猫なのですか?」
咲世子「ええ。そうです。篠崎・キャット・咲世子とは私のことです」
ルルーシュ「カレン」
カレン「なに?」
ルルーシュ「お前には感謝している。お前がいなければここまで来ることはできなかっただろう」
カレン「そんなことないとおもうけど……」
ルルーシュ「これからも俺の犬でいてくれるか?」
カレン「……うん」
ルルーシュ「ありがとう。―――おい、ここ汚れているぞ?」
ロロ「はい」ゴシゴシ
ルルーシュ「しっかりな。お前には期待しているからこそ、ここに呼んだのだから」
ロロ「うんっ!!」
ルルーシュ(お前は一生、ここで拭き掃除をしてもらうぞ!!)
ルルーシュ(ボロ雑巾になるまで酷使してやる!!ロロ!!!)
ロロ(兄さんのために頑張らないと!!)ゴシゴシ
おわり
カレンかわいかったよ
Entry ⇒ 2012.09.18 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
憧「今日も未送信フォルダにシズへのラブメールが増えた」
憧「あとはポチッと送信ボタンを押すだけなのにな」
憧「そのあと一押しをする勇気がなかなか……」
憧「はくしゅん!」ポチ
憧「って、あああああああ! くしゃみの拍子に送信ボタン押しちゃった!!」
憧が穏乃に送信したメールの内容
>>4
憧「どうしようどうしよう!?」
憧「これでもし“ゴメン、私は玄さんのことが”なんてメールが返ってきたら生きる希望が……」
憧「でもでもでも!」
憧「“私も憧のことが好きだ”なんてメールがくる可能性も、ゼロではないわよね…?」
憧「や、やだもうシズってば! そんな風に返されたらあたし……」
TELLLLL TELLLLL
憧「あ。返信だ」
from:シズ
え? 何が?
憧「いきなりだいすきとだけ言われても何のこっちゃよね」
憧「……」
憧「ヤバっ。さっきまでの舞い上がりっぷりが急に恥ずかしくなってきた」
憧「さて、どう返信したものか」
>>11
憧「宮永咲さんが好きなんだけど、どう思う、と。送信!」
憧「……」
憧「うーん。冗談にしても突拍子が無さすぎたかな?」
憧「おっ。返信きたきた」
from:シズ
宮永咲って和の学校の!?
どうしてよりによって・・・
じゃあ私と宮永咲が全国決勝で当たったら憧はどっちを応援するの?
憧「……ん?」
憧「ひょっ、ひょっとしてシズ、あたしが宮永さんを好きだなんて送ったから妬いてる!?」
憧「最後の質問なんて、私と宮永どっちがいいの!? ……みたいな意味を孕んでそうじゃない!」
憧「……い、いやいや。落ち着けあたし」
憧「さっき早とちりしてぬか喜びしかけたぱかりじゃない」
憧「とりあえずメールの返信かな。どう返そう」
>>17
憧「同じチームだからってことを抜きにしても、あたしが応援したいのは……」
憧「しず、と。送信」
憧「……」
憧「……」
憧「返信きたきた!」
憧「なになに」
from:シズ
よかった! これで宮永咲なんて言われたらデコピンしてたぞー!
憧「さってっと」
憧「せっかくだしこのままメール続行するか」
憧「話題が一段落したような空気だけど、次はどんな内容のメールを送ろう?」
>>30
憧「私が本当に好きなのは和だしね、と。送信!」
憧「さーて、どんな返事がくるかな」
憧「“そんなのイヤだ! 和より私を見てよ!” なんてメールがきたらどうしよう!」
憧「えへへ……」
憧「お。返事きたきた」
from:シズ
マジで!?
応援するよ!
なるほど
憧「あれ?」
憧「いやいやいや! ちょっと!」
憧「お、応援するって……、嫉妬してる様子ゼロじゃないっ!」
憧「まずい、小細工が裏目った……」
憧「どう返事したらいいんだろう……」
>>49
憧「ここはそう、直球勝負で!」
憧「でもしずのことも愛してる、と。送信!」
憧「とととっ、とうとう送ってしまった! 愛してるって!」
憧「いったいどんな返信がくるのか……」ドキドキ
憧「……きた!」
from:シズ
ありがと!
だけど愛してるとかそうこという相手は一人の相手だけに絞るもんだぞー! なんてな!
憧「というかこの語尾のなんてな具合いからして、さっきの愛してるって言葉は冗談だと思われたかもしれないわね」
憧「うぐぐ。話をどう展開したものか!」
憧「真面目に押すか、茶化して水に流すか、はたまた話題を変えるか……」
憧「どんなメールを送ろう……?」
>>65
憧「シモ気味の冗談でさっきまでのこといろいろはぐらかそう」
憧「う~ん、ぶっちゃけおっぱいの大きい子が好きなんだよね、と。送信!」
憧「これで、“何言ってんだよお前ー!” みたいな和やかムードに持ってければいいんだけど」
憧「……」
憧「なんか勢いで軽くやっちまった感がしてきた……」
憧「っと、返信きたきた」
憧「うわー、中を見るの怖いなー。でも勇気を出して」
from:シズ
というと和とか宥さんみたいな人のこと?
憧「ああああああ! これじゃ憧=巨乳好きのイメージが確立されて、シズに気持ちを伝えるどころじゃなくなるよ!」
憧「まずいなあ……、なんとかして巨乳好きイメージを払拭するべきかしら……」
憧「それとも巨乳好きイメージを逆手にとって、それでもシズが好きだよ路線でいくか……」
憧「うーん。どんなメールにしたものかな」
>>85
憧「しずのおっぱいが和くらい大きいと理想なんだけどなー、と。送信!」
憧「この文面。裏を返せばおっぱい以外はシズが最高という意味に解釈できる」
憧「これでシズもきっとあたしの気持ちに……」
憧「……きづ、くのかしら」
憧「……」
憧「あ。返信。シズはどうくるかな」
from:シズ
なんだよそれー! 余計なお世話だっての!
そういえば憧って小学生の頃より胸大きくなったよね?
なにか特別なことしたの?
憧「でも怒ったシズもこれはこれで可愛いかも……、なんてね」
憧「……と、いうか」
憧「シズって胸大きくしたいとか考えるんだ。ちょっと意外」
憧「そういうこと気にしてる様子は今まで一度も見せなかったのになあ……」
憧「さ。どう返信しよう?」
>>110
憧「揉んでもらうといいらしい、と。送信!!」
憧「これであわよくば、あわよくば……」
憧「“憧! 私の胸を揉んでくれ!”」
憧「そんな駄目だよシズ! でもシズのためなら、あたし……」
憧「なんて展開があったりなかったり!?」
憧「わー!」ドキドキ
憧「あーっ、返事が待ち遠しいなー!」ジタバタ
憧「……おっ、きたきたっ!!」
from:シズ
ということはお前、中学時代誰かに揉んでもらったの!?
憧「」
憧「」
憧「」
憧「待ってシズ誤解なの!」
憧「あたしはシズのことを思いながら自分で触っただけで、もうこれは実質シズに育てられたようなものなのよ!」
憧「……」
憧「よし、落ち着いた。落ち着いた」
憧「変な誤解をとくために、一刻も早く返信しなくては!」
憧「どんな内容にしようかしら……」
>>130
…自分でしたの
憧「違うわよバカ! ……自分でしたの、と。送信!」
憧「これで最悪の誤解はとけるはずね」
憧「まあ修学旅行の大浴場で、初瀬に悪戯で揉まれたこととかもあったけど……」
憧「あれは友達どうしだしノーカン、ノーカン!」
憧「……」
憧「あ、返信きた。さてはて」
from:シズ
自分でって、憧もそういうことするんだな・・・
何かコツとかあるの?
憧「ちょ……、え?」
憧「まさかあたしシズに対して、自分はオナニーしてますってばらしちゃったようなことになる?」
憧「……や、やばい。超恥ずかしい」カアアアアアッ
憧「やっば、今絶対に顔赤い……」モジモジ
憧「ううう……、穴があったら入りたい」
憧「正直胸を大きくする揉み方のコツとかなんとかよく分かんないよ……」
憧「あたしだって別に大きくもないし……」
憧「どう返信しよう……?」
>>145
一糸乱れないな
憧「ここらで一世一代の勝負に出る!」
憧「あたしが揉んで教えてあげる! 、と。送信!」
憧「やっちゃったやっちゃった! とうとうやっちゃった!」
憧「さあー、どうくるシズ!」
憧「……引かれない、よね?」
憧「……」
憧「……」
憧「返信まだかな……」
憧「……! きたっ!」
from:シズ
今から憧の家に行ってもいい?
憧「……って、何を肉声で叫んでんだあたし」
憧「よーし! さっそく返信だ!」
憧「返信内容は、と」
1、大丈夫だよ!
2、こっちからシズの家にいくよ!
3、その他(希望の内容も併記)
>>170
来ても構わないけど
憧「来て何するの? 来ても構わないけど、と。送信!」
憧「はあーっ」
憧「シズのことが気になりだしてどのぐらいの月日が経ったのか……」
憧「ようやく想いが実るチャンス、なのかな?」
憧「……」
憧「きたきた」
from:シズ
何って、そりゃ胸を揉んでもらって・・・
話の流れで分かるだろ、もう! 憧のいじわる!
憧「まあどんなシズも可愛いか格好いいかのどちらかなんだけどさ」
憧「さ。あとはシズがきてくれるのを待つだけだ」
憧「うわー、緊張するなー」
憧「シズがくる前に鏡見とこ。髪乱れてないかな」
憧「えーっと、念のため手とかも洗って……」
ぴんぽーん
憧「わっ! もうきた!?」
穏乃「うっ、うん!」
憧「……」
穏乃「……」
憧「えーと……」
穏乃「なんか……、照れるな」
憧「ななな何言ってんのよ! 友達ならこのぐらい普通なんじゃない!?」
穏乃「そっ、そうかな……。そうだよな、うん!」
穏乃「それじゃあメールで言ってた通りよろしくお願いします!」
憧「まっ、任せなさい!」
憧(あたしは、シズの胸を……)
1、ジャージの上から揉んだ
2、ジャージの中に手を突っ込んで揉んだ
3、ジャージを脱がせて揉んだ
>>190
憧(ジャージの上から胸なんて揉んだら痛いだろうし、手を突っ込んで揉みましょう!)
憧(けっして下心があるから直に手で触るわけでは……)
穏乃「憧ー?」
憧「ひゃっ!? ご、ごめっ! ボーッとしてた!」
憧「よし、いくよ!」スッ
穏乃「……え? ふっ、服の下から!?」
憧「だってその……、そうじゃないと胸は大きくならないのよ!」
穏乃「ううー、それなら仕方ないか」
穏乃「うう……」
憧(胸はこのあたりかな……)サワサワ
憧「……」ムニッ
穏乃「わっ!?」
憧「あ。ご、ごめん。痛かった?」
穏乃「ううん、平気……。ちょっと驚いただけ」
憧(……かわいい)
憧(可愛い! 可愛い! シズがいつも以上に可愛い!)
穏乃「……」モジモジ
憧(わーっ! どうしよう! あたし本当にシズのおっぱいに触ってるんだ!)
憧(な、なんか、夢みたい……)ムニムニ
憧(ドキドキする……)ムニムニ
穏乃「あっ、あのさ憧!」
憧「ん……?」
穏乃「ずっと無言だとその……」
穏乃「胸に意識がいっちゃって余計に恥ずかしいっていうか……」カアアアッ
憧「ちょっ!? シズが赤くなっちゃったら、あっ、あたしまで……」
穏乃「……」
憧(やっ、やばい! 一度動きを止めちゃったから、シズの心臓の音がはっきり手に伝わってくる!)
憧(ドクン、ドクン、ドクンって……)
憧(あああっ、もう! とにかく何か話さないと!)
憧(どんな話をするべきかな……)
1、どうして胸を大きくしたいの?
2、揉み加減はどうかな?
3、その他(希望の内容も併記)
>>208
憧「揉み合いっこしない?」
穏乃「えっ!? 揉み合いっこて私が憧の胸を揉むの!?」
憧「あたしだけシズの胸を揉むのは不公平かなー、なんて……。嫌かな?」
穏乃「嫌ってことは……」
憧「それなら早く揉む。据え膳食わぬはなんとやらよ」
穏乃「……わかった。じゃあ触るよ」
憧(どうしよ、ブラの上からなのになんだか……)ドキドキ
穏乃「……憧、もしかして乳首立ってる?」
憧「そそっ、そういうこと声に出して言わないで!」
穏乃「ごっ、ごめん! 下着の上からでもわかるぐらい盛り上がってるから、気になって」
憧(しょうがないじゃん、あんたに触られたりなんてしたら……)
憧(シズの馬鹿……)
穏乃「あっ、憧ほどじゃないし!」ツネッ
憧「んっ……」
穏乃「ほらー。憧変な声出したー」
憧「ちちち違うったら! 今のはその、あの、咳が出かけて……」
穏乃「えいっ!」ツネツネッ
憧「あっ……、ん……」
穏乃「それなら今のは?」
憧「……あー、もうっ! 認めるわよ!」
憧「乳首で感じてるの! 悪い!?」
穏乃「へへん! やっぱり!」
憧「勝ち誇った顔浮かべるなー!」
憧「え? それってあの、どういう……」
穏乃「尻軽の憧には教えない!」ツネッ
憧「だからぁ……、感じちゃうから、つねるのは止めてよ……」モミモミ
憧(なっ、なんだか劣勢ね……)
憧(どうするんだあたし!? このままやられっぱなしというのも……)
憧(やられっぱなしというのも……)
憧(……それはそれでありかも)
憧(って、流されてどうする!)
穏乃「うん」サワサワ
憧「言いたいことがあって」モミモミ
穏乃「言いたいこと?」サワサワ
憧(胸揉み合いながら会話ってシュールね……)
憧(さて。なんとなくだけど、さっきからただの友達同士のじゃれあいって空気じゃなくなってきてる)
憧(それにシズの普段と違う妙に意地悪な態度)
憧(さあ、今あたしがとるべき行動は……)
1、○を○○
2、○○○を○○する
>>232
穏乃「えーと、憧?」
憧(好きだよ、とか)
憧(言いたいことはあるけれど)
憧(メールで嘘を重ねた前科のあるあたしが言葉で何を言っても、どこか軽くなっちゃいそうだ)
憧(だから……)
憧「えいっ!」チュッ
穏乃「へ?」
穏乃「あ、あれ……、えっ!?」
憧「こっ、これがあたしの言いたいこと!」カアアアアアッ
憧「シズのことが好きだから」
穏乃「でもお前、本当に好きなのは和だとか、巨乳が好きだとか……」
憧「あんなの……、てっ、照れ隠しに決まってんじゃん!」
穏乃「はああぁ!?」
憧「だから……。あたしは和のことシズほど特別に見てないし、シズの胸ならペタンコだって……」
穏乃「……その嘘でこっちがどれだけ振り回されたと」ジーッ
憧「うっ……。面目ないです」
穏乃「まったく、もうっ。あんな変な嘘止めてくれよなー」
憧「怒ってたみたいだったし……」
憧「失恋、なのかな……」
憧「……」
憧「……」
憧「あれ? メール……?」
from:シズ
だいすき
以来、私の未送信フォルダに、送れもしないシズへのラブメールが溜まることはなくなった
代わりに増えたのは送信メールフォルダの―――
憧「今日も未送信フォルダにシズへのラブメールが増えた」
おわり
乙
乙乙
Entry ⇒ 2012.09.18 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「雪歩が入れたお茶の美味しさの秘密を調べる」
P「あー、今日も暑い・・・」
雪歩「あの、プロデューサー。お茶どうぞ」
P「ああ、雪歩。いつも悪いな」
雪歩「い、いえ。今日は暑いので、いつもと違って冷たいお茶を入れてみました」
P「・・・ゴクッゴクッ」
P「あー、身体中に染みるー。今日もうまいぞ、雪歩」
雪歩「本当ですか!ありがとうございますぅ」
小鳥「あ、プロデューサーさんいいですね」
雪歩「小鳥さんにも用意してます。ど、どうぞ」
小鳥「あら、ごめんなさい、ちょっと、催促するみたいだったわね。ありがとう、雪歩ちゃん」
小鳥「うーん、やっぱり雪歩ちゃんのお茶が一番ね」
とか言いながら注いでる
最高
雪歩「・・」ニコニコ
雪歩「あっ、プロデューサー。良ければ、おかわり注ぎましょうか?」
P「お、いいか?」
雪歩「はい!すぐ行ってきますぅ」
トテトテ
小鳥「・・・雪歩ちゃんはいいお嫁さんになりそうですねぇ」
P「ほんとに。あれで男性恐怖症さえなければ、間違いなく彼氏の一人や二人はいるんでしょうが」
P「雪歩には悪いけど、アイドルのプロデューサーとしては、ありがたいですね」
小鳥「でも、最近の雪歩ちゃん、プロデューサーさん相手なら、物怖じしなくなってないですか?」
P「仕事柄、他の人よりは長い時間近くにいますからね。きっと慣れでしょう」
小鳥「そんな事言って、雪歩ちゃんと付き合って、寿退社とか辞めてくださいね。私、悲しくなっちゃう・・・」オヨヨ
P「ないですよ。俺はプロデューサーで雪歩はアイドルだし、そもそも、向こうにその気はないでしょ。ちょっと、年の離れた兄ぐらいじゃないですか?」
小鳥「そうですかねー。私の乙女の感としては、ほの字ですよ」
P「小鳥さん、いちいち例えが古いです」
小鳥「!」
P「それにしても、いつもお茶入れてくれるのはありがたいですね」
P「俺がこの事務所に努めだした時から雪歩はいましたが、昔からお茶淹れたりしてたんですか?」
小鳥「うーん、そうですねぇ。どうやら、趣味みたいで、所属した時から淹れてくれましたね」
小鳥「でも、急に美味しくなったような・・・ 時期的には・・・そう、プロデューサーさんと打ち解けて以降・・・」
P「? 何か言いましたか?」
ガタッ
小鳥「ふむ・・・、美味しさの秘密がわかりました!」
P「・・・急に立ち上がってどうしたんですか?」
小鳥「プロデューサーさん、一度、見て見ませんか? 雪歩ちゃんがお茶を淹れる姿」
P「うーん、そうですね。仕事も一段落したし、いつも淹れて貰ってばっかりなんで手伝いますか」
小鳥「それじゃあ、行きましょう!」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
P「なんで給湯室を覗いてるんですか?これじゃ、てつだ
小鳥(プロデューサーさん、静かに!)
P(は、はい)
小鳥(プロデューサーさんが居たら美味しさの秘訣が出ない気がするんです。だから、今は見守りましょう!)チラッ
P(はぁ・・・)チラッ
雪歩「?♪」
雪歩「うーん、どうしよう。冷たいお茶、これじゃ足りないよね・・・」
雪歩「温かいの淹れて、氷で冷やそうかなぁ。でもそれじゃ、今日持ってきた茶葉じゃ香りが薄いから飛んじゃうし・・・」
雪歩「どうしよう・・・」
P「? 何か首をかしげてますね」
雪歩「・・・よし」
コソコソ
雪歩「うんしょ・・・」
P「うーん?影に行っちゃったんでよく見えないですね」
小鳥(ピヨー!)
P(ど、どうしたんですか?)
小鳥「何言ってるんですか!物陰に隠れてやることなんて、ひとつでしょ!」
P「こ、小鳥さん!うるさ
雪歩「・・・何してるんですか?」
P「ゆ、雪歩?!」
雪歩「あ、プロデューサー。ごんなさい、今日持ってきた分じゃ、あと一杯しかなくって」
雪歩「良ければどうぞ」
P「ああ、ありがと」
ゴクッゴクッ
雪歩「あ、もしかして、取りに来てくれたんですか?ごめんなさい。次のために、お茶を作って冷やしてから持っていこうかと思ったんですぅ」
P「あー、なるほどな。わざわざ、悪いな」
小鳥「・・・! あ、そうだ。プロデューサーさんが、もう一杯おかわりしたいんだけど、いいかしら?」
P「? 俺はもう
小鳥「暖かいのでもいいから、どーしても、雪歩ちゃんのお茶か飲みたいんだって!」
雪歩「ほ、本当ですか!分かりました。また、淹れて持っていきますぅ」
P「え?いや、
小鳥「じゃ、プロデューサーさん!早く戻りましょう」
ズルズル…
P(で、結局覗くんですか?)
小鳥(当然でしょ!やっぱりさっきので確信しました!)
P(? だから、な
小鳥(ほら!黙って見ててください!)
雪歩「プロデューサーが美味しいって言ってくれた、えへへ」
雪歩「次も頑張ろう」 グッ
P(何か知らんが、気合入れる雪歩可愛い)
雪歩「・・・」ジーッ
P(雪歩がやかんと無言で向き合ってる)
雪歩「・・・」
P(そろそろ、沸騰するころか?)
やかん『---ピッ』
雪歩「!!」
カチッ
サッ
P(は、はやい?! 沸騰したと思ったら、瞬間的に火を止めて、やかんを持ったぞ!)
雪歩「1、2、3・・・」
クルクル
P(な、なんだ? 雪歩がカウントしながら、やかん回すように揺らしてるぞ)
雪歩「次は・・・」
コポコポ
P(あれ?先に湯のみにお湯を注ぐのか?)
小鳥(ああ、やって適温まで温度を下げてるんですよ。手間はかかりますけど、最後の味は大きく変わります)
P(へぇ、そうなんですか)
雪歩「・・・」
サッ サッ
P(ふむ、急須に茶派を入れて)
雪歩「・・・」ジーッ
P(ま、また、湯のみを見ているぞ?)
雪歩「よし、この湯気なら・・・」
パシャ
P(へぇ、ここで急須にお湯を戻すのか)
雪歩「・・・」
スゥッ
雪歩「1、2、3・・・」
P(目を閉じたと思ったら、リズムを刻み始めた)
雪歩「・・・」
カツ カツ
P(・・・)
雪歩「・・・」
カツ カツ
P(・・・)
P(えっ、何この地味な絵は)
P(雪歩がカウント刻んでるだけで、待つの?これ?)
カツ カツ
雪歩「・・・うん」
コポコポ
P(あぁ、湯のみにお茶を淹れてる。え、完成? ちょっと、小鳥さん、何もないじゃないですか。確かに、こだわりは見えましたけど・・・)
小鳥(ここからです!よく見てください!)
雪歩「・・・」
スウッ
P(あれ?湯のみを前にして、また目を閉じるの?)
雪歩「・・・プロデューサー」
P(?)
雪歩「いつも、私のお茶を美味しいって言ってくれて、ありがとうございますぅ」
雪歩「私の男性恐怖症のせいで、いつも現場で迷惑をかけてごめんなさい」
雪歩「それでも、嫌な顔ひとつせずしょうがないと微笑み返してくれる貴方」
雪歩「こんなダメダメな私がこの気持ちを持つのは間違っていると思います、でも・・・」
雪歩「いつか・・・」
雪歩「・・・いつか、私がトップアイドルになった時に、この気持ちを伝えたいと思います」
雪歩「それまでは・・・」
スッ
チュ
雪歩「・・・」
雪歩「愛が重くてごめんなさい。せめて・・・、、この湯のみ一つでいい。少しでも繋がっていたいから・・・」
P(・・・)
雪歩「・・・」
パチッ
雪歩「さあ、持って行きますぅ」
P(・・・あ、やば、もう来る)
小鳥(プロデューサーさん、はやく戻りましょう!)
スタスタスタ
・・・
・・
・
雪歩「どうですか?」
P「あ、ああ。うまいよ」
雪歩「ありがとうございますぅ」
雪歩「あの・・・、明日から入れてもいいですか?」
P「え?そ、そりゃ、もちろん!今まで入れてもらったんだから、断る理由ないしな!」
雪歩「!! 明日も期待してください!」
P「あ、あぁ」
雪歩(・・・私がトップアイドルになるその日まで・・・)
おしまい
乙
やっぱり書き溜めないと。と感じた、今日この頃
要所だけメモしとけば?
うーん、そうですよね
いつもみたいに即興で書くと、エロ展開で強引に進めるんでいいんですけど、今回みたいは話はもっと練ってみます
スマホだからか、誤字、脱字凄いし・・・
あと、お茶を入れるか、淹れるか、煎れる。どれが正解かわからない国語力
乙
Entry ⇒ 2012.09.18 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ルイン「遊戯王OCG第一回女神の会」
カオス・ゴッデス「すまぬ、意味分からぬ」
逆転の女神「女子会みたいなものですか?」
ルイン「そうとも言うわね」
エルザェム「でも…何について議論を重ねるの?」
きまぐれの女神「帰りたーい」ファア
ルイン「黙れ黙れ下級モンスター共!ただでさえ私達はロリ成分が足りなくてイラストアド取れないのよ!」
カオス・ゴッデス「今それ関係無かろう…あと、そなたは充分人気もあろうが」
ルイン「あら、そう思う?」ドヤァ
カオス・ゴッデス(昔はこんなウザい奴ではなかったのだがな…)
カオス・ゴッデス「全部我の事ではないか!無礼にも程があるぞ破滅の女神よ!」
ルイン「あーん?あんたのデッキ作ったヒトの何人が『あぁ、開闢ソーサラーデッキね』って言われたと思ってんのよ!」
カオス・ゴッデス「むぐぐ……!コンマイが悪いのだ!確かに我らカオス一族は昔悪さもした!だが!あの召喚条件は面倒すぎる!」
逆転の女神「効果持ってるだけいいじゃないですかー」
カオス・ゴッデス「いいのであれば我の採用率はもっと上がっているわ!」
ルイン「ないないそれはない」
カオス・ゴッデス「」
カオス・ゴッデス「理想を崩すようで悪いが、奴はDQNだぞ」
ルイン「大丈夫よー、私の旦那なんて終焉の王よ?」
カオス・ゴッデス「旦那ではない、血族よ血族」
エルザェム「でもそうよねー、ルインの旦那さん、ペットの昆虫にしか興味なさそうよね」
ルイン「誰がセックスレスだオラァ!!」
カオス・ゴッデス「下品極まりないなそなた」
きまぐれの女神「ねぇねぇ、セックスってなに?」
逆転の女神「えっ…」
カオス・ゴッデス「しとらんわアホ」
ルイン「もう!さっきから話の腰を折らないでよ混沌!!」
カオス・ゴッデス「いや、そなたのツッコミ所が多すぎてだな…」
心眼の女神「ご、ごめんなさい!遅れちゃいましたぁ!!」
きまぐれの女神「あ、心眼ちゃんだー」
逆転の女神「お疲れさまです、お忙しかったのですか?」
心眼の女神「先程そこで破壊神ヴァ・サーゴさんに会ったので立ち話を…」
エルザェム「ずっと立ち話してればよかったのに」
心眼の女神「え?」
カオス・ゴッデス「此処に来るよりは有意義であった、という事よ」
逆転の女神「いい子ですねぇ、心眼さんは…」ホロリ
ルイン「私らをよいしょしたってデッキの採用率はあがらないわよー」
カオス・ゴッデス「…悲しきかなそれは事実よな」
きまぐれの女神「年増は心がすさんでるなぁ、心眼ちゃんはそんな子じゃないよーだ!」
ルイン「んなっ!なんて生意気な子!二回殴ってあげるんだから!!」
エルザェム「まぁまぁルインさん。それじゃ全員が揃ったところで始めようかしらね」
ルイン「遊戯王OCG第一回!女g」
きまぐれの女神「第一回女神の会!!」ワーパチパチ
ルイン「ちょ、私の台詞!!」
カオス・ゴッデス「知らぬな。…まさか本当に愚痴大会にするつもりではあるまい?」
ルイン「それも考えたんだけどー…やっぱり此処は現状ノリにノッてる女の子について語る?」
逆転の女神「一体誰がいるのでしょう?」
カオス・ゴッデス「筆答すべきはやはりエフェクト・ヴェーラーであろう」
ルイン「あぁ、あの貧乳ね」
カオス・ゴッデス「…………」
ルイン「こっち見んな!何よ!」
きまぐれの女神「ルイン姉さん人の事言えないよねー」
ルイン「!?」
カオス・ゴッデス「うむ、慎ましやかよ」
ルイン「や、やかましいわよ!」
ルイン「貧乳とかって話じゃないでしょ!無乳でしょ!?あれで陥没してたら目も当てられないわよ!?」
心眼の女神「そんな事言ってたら怒られますよ!他方から!!」
ルイン「女子会って…大体こんなもんじゃない」ファサッ
カオス・ゴッデス「否定はせんが妙にリアルな事を言うでない」
逆転の女神「ですが、ひたむきで真面目な気立てのよい子と聞いておりますよ」
逆転の女神「ルイン姉さんと真逆だね!」
ルイン「私は常に等身大なのよ!カマトトぶらないの!そもそも破滅の女神が気立てよかったらキモいわ!」
カオス・ゴッデス「あー、それは確かに」
逆転の女神「ご、ごめんなさいねきまぐれの女神ちゃん…」アセアセ
ルイン「でも最近メインフェイズ以外で出てくるエフェクト・ヴェーラー多くない?」
カオス・ゴッデス「うむ、そこまで万能ではない筈なのだがな」
心眼の女神「転んで出てきちゃうんですよ!可愛らしいじゃありませんか!」
ルイン「じゃ、あんたはそういう時どうするのよ」
心眼の女神「今はまだタイミングじゃないよって教えてあげて、手札に返してあげますよ」
逆転の女神「あら、優しいですねぇ」
エルザェム「そしてマインド・クラッシュね」
心眼の女神「バレましたか」
カオス・ゴッデス「外道ではないか」
エルザェム「時代は変わるのよ、残酷な話ね…」
カオス・ゴッデス「今や引っ張り凧であるからな…が、何にせよ女が活躍すると言うのに悪い気はせんがな」
逆転の女神「えぇ、全くですね」
きまぐれの女神「あと最近強いなーって女の人、誰がいるの?」
心眼の女神「そうですねー…ティアラミスさんとかは?」
カオス・ゴッデス「おぉ、マドルチェ達であるか」
ルイン「可愛い顔をして夜な夜な血の儀式を繰り返しているあの…」
カオス・ゴッデス「コラ」
ルイン「展開の為の代償に毎回マジョレーヌが血を贄として捧げるあの…」
カオス・ゴッデス「コラ!!」
エルザェム「あなたは銃の撃鉄がいつでも抱き締めてくれるわよ」
逆転の女神「酷いです瀬人様!?」
きまぐれの女神「でもどう?ティアラミスさん強くない?」
ルイン「確かにねー、ありゃ戦うと分かるわ…『あらあらうふふ』とか言いながらポンポン吹っ飛ばしていくし…ウェムコが泣いてたわよ」
カオス・ゴッデス「さすがに死ぬわけでも次元へと消すわけでもなく、ただただ振り出しに戻すのは恐るべき所業よな」
心眼の女神「娘のプディンセス様は脳筋……げふふん!勇ましいんですけどね」
ルイン(脳筋って言ったわ)
カオス・ゴッデス(今脳筋と言った)
エルザェム「おてんばな娘っ子ねぇ」
ルイン「将来有望な跡取りじゃない、触るもの皆傷付ける軍事国家とか築けるわよ」
カオス・ゴッデス「そなたはマドルチェになんぞ恨みでもあるのか」
ルイン「無いわ!けど此処でなら言うだけタダじゃない!」ドォヤァ
カオス・ゴッデス「あーそうか、そなたはアホであったな」
ルイン「誰がアホよ!愚かな埋葬で埋め立てたダークシムルグを呼び戻すだけのお仕事のくせに!」
カオス・ゴッデス「やかましいわ!強力な流れではないか!キィーッ!!」
逆転の女神「話が進みませんね…」
エルザェム「誰よあの2人を司会進行みたいな役にした奴は…」
カオス・ゴッデス「水精鱗にも女子は多いぞ」
心眼の女神「出たばかりの取れたてで」
エルザェム「しかもピチピチ」
きまぐれの女神「活きがよくて」
逆転の女神「今が旬の女の子達ですね」
ルイン「あんたらわざと言ってるでしょ?空腹感を出すために言ってるんでしょ?ん?」
カオス・ゴッデス「メガロアビスの生け作りとかあまり旨そうには思えぬぞ」
ルイン「そっちじゃないわよ!!」
カオス・ゴッデス「曰く、弱点は多いそうだがのう」
ルイン「知るか!私だってわからん殺しでもいいから一度くらい大会で入賞したいわよ!」
逆転の女神「切実ですね、ルインさん…」
ルイン「そうよ切実よ…旦那の名前ばっかり一人歩きしてるのよクソが…今は家庭内の立場と一緒で成りを潜めたけど…」
カオス・ゴッデス(段々デミスが可哀想になってきたわ)
きまぐれの女神「いいじゃーん、私達なんてもう大会出場すら不可能なレベルなんだよ?」
逆転の女神「誰も使いませんしね…」
エルザェム「ヴァリュアブル・ブックで紹介された事もあるのに…」
エルザェム「うるさいわね!いいじゃない!!」
カオス・ゴッデス「はいはい、他の話題に移るぞそなたら」
ルイン「むぐぐ…」
心眼の女神「他にはどんな方々がいたでしょうか…」
きまぐれの女神「強さとか関係ないなら、ジュノンさんとかもだよね!」
ルイン「ジュノン…」ピク
カオス・ゴッデス(む、まずいなこれは)
逆転の女神「あぁ、あの魔導書の方ですか?」
心眼の女神「あぁ!聞き及んでおります、何やらかなり新しいテーマで…かなりの豊満だとも!」
ルイン「………」
心眼の女神「はい!それはもう胸部にたわわな果実が…こう、ドンッと!」
エルザェム「あらあら」ジーッ
ルイン「うわぁあ!こっち見んな!私を見るなぁ!重要なのは感度よそう思うだろアンタも!」
カオス・ゴッデス「何処のアルター使いか。しかし確かに巨乳よな、あの娘は」
逆転の女神「しかも可愛らしいんですよ、うふふ!」
きまぐれの女神「フォルスってお姉さんも可愛いんだよ!」
エルザェム「胸は?」
きまぐれの女神「大きい!!」
心眼の女神「………」
ルイン「フォルス…フォルス…あ、フォルクスワーゲンの略?」
カオス・ゴッデス「気を落とさず現実を見よ貧乳」
ルイン「あんたに言われたくないわ!!」
カオス・ゴッデス「奴は今どこぞの鴉と仲良く終身刑を宣告されてもう我らの元には戻って来ぬわ」
ルイン「なんでよ全く!旦那と対して効果変わらないくせに情けないわね!」
カオス・ゴッデス(居なかったから知らぬのだルイン、混沌帝龍の恐ろしさを…)
エルザェム「あと…少し古いけどフォーチュンレディなんかも居たわね、あれこそまさに女の子のテーマよ」
逆転の女神「そうですね、女の子しかいませんからね」
きまぐれの女神「たまにRAI-MEIさんが居たりするわよね!」
カオス・ゴッデス「RAI-MEIか、我も時々頼りにするのう」
カオス・ゴッデス「行方不明になって、最終的には金華猫が探しに行くからのう」
きまぐれの女神「それでもまたどっか行っちゃうもんね」
逆転の女神「休みたいんですよ…そっとしといてあげましょうよ…」
エルザェム「でもファイリー辺りはライティーとコンビみたいなものじゃない、片割れがいなくなったらきっと辛いわよ?」
カオス・ゴッデス「旦那が居なくなるのが寂しい、というのと似ておるのかもしれぬな…なぁルイン」
ルイン「え?私別に寂しくはないけど」
カオス・ゴッデス「おい」
逆転の女神「若いと言えば、海外からまた若い女の子がいらっしゃいますね」
きまぐれの女神「へぇ!そうなの!?ねぇ、どんな子どんな子!?」
逆転の女神「確か名前は…デスガイドさん、だったような」
ルイン「……なんか変な名前ね」
エルザェム「ダサいわ」
心眼の女神「デスとか付ければ子供が喜ぶとでも思ったのでしょうか…」
きまぐれの女神「随分浅はかね!!」プンプン
逆転の女神「貴方達たまに満場一致で手厳しいですよね…」
カオス・ゴッデス(危ない危ない、今ちょっとカッコいいと言いそうになっていた…)
逆転の女神「こんなです」コトッ
ルイン「………」
カオス・ゴッデス「………」
きまぐれの女神「………」
エルザェム「………」
心眼の女神「………」
ルイン「可愛いじゃない」
ルイン「……私の次に」
カオス・ゴッデス「その自信は何処から来るのだ」
ルイン「胸の奥からよ!」
カオス・ゴッデス「成程、でっぱりがないから早く飛び出るのであるな」
ルイン「おい、デュエル(物理)しろよ」
ルイン「おのれぇぇえ…!出しにくい年増のくせにぃぃい……!」
きまぐれの女神「でも、新しい子って強いの?」
逆転の女神「様々な場所からお呼びがかかっているらしいですよ」
きまぐれの女神「そうなんだぁ、私達も頑張らなきゃってワケね」
エルザェム「道のりは遠そうよ」
心眼の女神「大丈夫ですよ!紫炎の影武者さんの出世をご覧ください!」
エルザェム「あぁ、あれは確かに吃驚したわ」
きまぐれの女神「ねー、下級効果無しの弱小だったのにね」
逆転の女神(この子抜きん出て口が悪いなぁ…)
カオス・ゴッデス「飽きぬのう、そなたも」
ルイン「モチのロン」グッ
逆転の女神「お疲れ様でした」
心眼の女神「ではまたー」
きまぐれの女神「じゃあの!」
エルザェム(じゃあの……?)
……………
………
…
心眼の女神「あーぁ…寄り道してたら雨が降ってきちゃった…」
心眼の女神「傘なんて持ってきてないしなぁ…」
ヴァ・サーゴ「あれ?心眼の女神さん」
心眼の女神「…ヴァ・サーゴさん!」
ヴァ・サーゴ「いやぁ、参りましたよ。さっき雨に降られちゃいましてね!あれ、心眼の女神さんは女神会終わったんで?」
心眼の女神「はい、先程…」
ヴァ・サーゴ「どうでしたか?何か実りのある話は」
心眼の女神「そんな堅苦しい集まりじゃないですからねぇ」
ヴァ・サーゴ「あ、そうでしたか!いやぁすみません、ははは……」
心眼の女神「雨、止まないですね」
ヴァ・サーゴ「…はい…」
心眼の女神「………」
心眼の女神「…あの、何処か喫茶店とか入りません?」
ヴァ・サーゴ「!?は、はい!是非お願いします!はい!」
心眼の女神「ふふ、じゃあ行きましょうか」
………
…
きまぐれの女神「ふぁあ~、なんだか退屈だったなー、しょうがないかなぁ」
ドンッ
きまぐれの女神「痛っ」
???「あぁ!す、すみません!急いでいたものですから、その、つい…!」
きまぐれの女神「あれ?貴方デスガイド?」
デスガイド「え、えぇ…そうですが、何か…」
きまぐれの女神「…………」
きまぐれの女神「♪」ピコン
デスガイド「?」
きまぐれの女神「許すか許さないかコイントスで決めよっかなぁ~、どうしよっかなぁ~」クルクル
デスガイド「ぇえ!?そんな適当な!」
きまぐれの女神「じゃあさぁ…海外の事教えてほしいな、いいでしょ?」ニヘラ
デスガイド「え、えぇー!?」
………
…
月の使者「月の女神エルザェム様、お迎えに上がりました」
エルザェム「来ていたのね」
月の使者「はい、今すぐにでも屋敷へ帰ることができます」
エルザェム「そ、ご苦労様。………ねぇ、貴方」
月の使者「はい?」
エルザェム「私の事、好きになったことある?」
月の使者「…私はただの家来です」
エルザェム「………あー…はいはい、言うと思ったわ」
エルザェム(ルインの奴のノロケばっかり聞いてるからこんな事言うのよ、そうに決まってるわ)
エルザェム「帰るわよ、月の使者」
月の使者「御意に」
………
…
逆転の女神「ふぅ……」
青眼の白龍「どうした逆転の女神!暗そうな顔して!」
逆転の女神「ブルー、いたんですか…」
青眼の白龍「おう、俺はいつでも神出鬼没だ!」
逆転の女神「そうですね、ふふ…。いえ、少し考え事を」
逆転の女神「また海馬様に使っていただくにはどうすればよいかな、と」
青眼の白龍「……おいおい、わざわざ戦場に戻りたいってのか?」
逆転の女神「はい」
青眼の白龍「酔狂な事だぜ」
逆転の女神「根拠のない話ではありませんか」
青眼の白龍「いや、ある!」
逆転の女神「…と、仰いますと?」
青眼の白龍「俺の言う事だからだ。…ハッハッハッハッハ!!」
逆転の女神「……ふ、ふふっ…あははははは…!」
……………
………
…
場所:禁止牢
コンマイ「おい」
コンマイ「貴様のような壊れモンスターに面会者だぞ」
混沌帝龍「…………」
混沌帝龍「……また、アンタか」
カオス・ゴッデス「ふ、相変わらず不機嫌そうよな」
混沌帝龍「…………」
カオス・ゴッデス「開闢の奴め、俺を出所させるなら混沌帝龍も出所させろと散々喚いたらしいのう」
カオス・ゴッデス「袋叩きの簀巻き状態で送り届けられてきたわ」
混沌帝龍「馬鹿な野郎だ」
カオス・ゴッデス「全く以て同感よ、そなたが……」
カオス・ゴッデス「戻れる筈もあるまいに」
混沌帝龍「………チッ」
カオス・ゴッデス「まぁ安心しろ、我はこうして定期的に会いに来てやるゆえ」
混沌帝龍「やめてくれ…迷惑なんだよ」
カオス・ゴッデス「………」
カオス・ゴッデス「………」
混沌帝龍「開闢の野郎もだ!『俺も出所したから次はテメェだ』とか毎回抜かしに来やがる!」
混沌帝龍「カオス・ソーサラーもだ…まだ俺に、先輩に憧れてるだなんだ……」
混沌帝龍「もうほっといてくれ!俺はアンタ等が思ってる程上等な奴じゃねぇんだよ!札付きの極悪人なんだ!」
カオス・ゴッデス「…うむ、そうだな」
混沌帝龍「だったら……!」
カオス・ゴッデス「だが、同じ混沌の中に生まれた仲間ぞ」
混沌帝龍「…………!」
カオス・ゴッデス「また来るぞ札付き、せいぜい風邪には気を付けよ」
バタン
混沌帝龍「……ません…」
混沌帝龍「すんません……ありがとう、ございます……!」ポロポロ
………
…
ルイン「たっだいまー」
デミス「おぉ、お帰りー。どうだった女神の会」
ルイン「皆変わらないわねー、いい事だけどさ」
デミス「そうかそうか」
ルイン「……あれ?デビルドーザーは?いつもソファ陣取ってるじゃん」
デミス「今日は外で寝てるぞ」
ルイン「ふーん、珍しい事もあるもんだわ」
デミス「……な、なぁルイン」
ルイン「?」
デミス「これを…その、お前に…」スッ
ルイン「………」
デミス「最近全然構ってやれなかったから…な…」
ルイン「…《黒いペンダント》?」
ルイン「あぁ、ノースウェムコとガーランドルフの」
デミス「趣味にばかり気を取られてると…嫁さんの心が離れてくぞって…で、まぁその、なんだ…うーん」
ルイン「…歯切れ悪いわねぇ、ホント」
デミス「す、すまん」
デミス「えーっと……」
ルイン「……………」
─Chu
デミス「…………」
デミス「!!?」
ルイン「こういう時は、黙ってこれでオーライなのよ馬鹿亭主」
デミス「……そ…そうか」
ルイン「待ってて、夕飯作るからさ」クルッ
デミス「待て」ガシッ
ルイン「?」
デミス「…あれだけじゃ俺は足りんぞ」
ルイン「………」カァッ
ルイン「馬鹿ね」クス
デミス「馬鹿でいい」
ルイン「うん…私も…」
そうして女神達の1日は更けていく。
終わり
ウェムコは女神じゃなく美神なので出せませんでしたファック
カオス・ゴッデスかわいいよカオス・ゴッデス
エロは各々補完してくれ!
では
Entry ⇒ 2012.09.18 | Category ⇒ 遊戯王SS | Comments (2) | Trackbacks (0)
QB「朝起きたら人間になってた……」
QB「もしそうだとすれば、これはかなり高度な魔法だね。契約時の願いにも相当するレベルだ」
QB「でも、その願いに何の意味があるんだろう。僕を人間にするメリットは……」
QB「………………」
QB「……さっぱりわからないよ」
QB「……目覚ましか」
QB「インキュベーターの体なら何とも思わなかったけど、人間の聴覚だとかなり不快に聞こえるみたいだね」
ピピピピッ ピピピピッ
マミ「すぅ……すぅ……」
QB「マミ、今日はぐっすり寝てるね。起きてよマミ、朝だよ」
マミ「ん~……あと5分~……」
マミ「わかってるぅ……ちゃんと起き……」
QB「マミってば」ユサユサ
マミ「…………えっ? いま、わたしの体、手で」
QB「ほら、目覚ましも鳴って――」
マミ「っ!?」ガバッ
QB「ああ、やっと起きたね。おはよう、マミ」
マミ「………………」ポカン
QB「まだ寝ぼけてるのかい? いつも君と一緒にいるキュウべぇだよ」
マミ「…………キュウべぇ?」
QB「うん」
マミ「どう見ても……人間、なんだけど……」
QB「そうか。まだ話してなかったけど、さっき起きたら人間の体になっていたんだ」
マミ「…………」
QB「でも、中身はいつものままだよ。だから今まで通りの付き合い方で構わない」
マミ「…………」
QB「…………」
マミ「……?? どういうこと?」
QB「うん、僕が聞きたいくらいだよ……」
マミ「へ、へぇ……そういうこともある、のかしら」
QB「あまり驚かないね。僕は感情が無いからともかく、君は人間なのに」
マミ「魔法があるくらいだし、何が起きてもおかしくないもの。それか、単純に頭がついていかないだけかも……」
QB「でも、僕が本当にキュウべぇだって証拠も無いんだ。信用してくれるのかい?」
マミ「そうね……」
QB「…………」
マミ「声はあまり変わってないわね。髪も白いし、獣っぽい耳も生えてるし。あとは、雰囲気ね」
QB「雰囲気……?」
マミ「ええ。『なんとなく』ってこと」
マミ「キュウべぇには難しいかしら。それはともかく」
QB「?」
マミ「その、隠してくれないかしら……そ、それ……」
QB「ああ、性器のことかい?」
マミ「いっ……いちいち言わなくていいの……///」チラッ
QB「?? 隠せって言ったくせに、どうして指の隙間から見てるんだい?」
マミ「~~~っ!! 早く隠してよ、もう!///」ベチンッ
QB「痛いよマミ。人間は難しい生物だね」
マミ「朝ごはんできたわよ、キュウべぇ」
QB「今日はベーコンエッグだね。いただきます」
マミ「いただきます……この際その格好には目を瞑るけど、バスタオル一枚で寒くない?」
QB「別に寒くは……」パクッ
QB「…………!?」
マミ「……どうしたの?」
マミ「キュウべぇ?」
QB(不思議だ。いつもは何を食べても何とも思わないのに)
QB(今朝のご飯は、本当に『おいしい』……これが人間の感情なんだね)
マミ「そ、そんなにがっつかなくても」
QB「おかわり」サッ
マミ「おっ……おかわり?」
マミ「ふふっ、朝からご飯を5杯も食べるなんて……本当にどうしちゃったの?」
QB「………………」
QB(目覚ましを不快に感じたり、ご飯をおいしいと感じたり……これは、やっぱり……)
マミ「さてと。それじゃ、そろそろ行ってくるわね」
QB「いってらっしゃい。気をつけて」
マミ「ありがとう。学校の帰りにあなたの服買ってくるから、それまで外は出歩かないでね」
QB「わかったよ」
マミ「もし何かあったらテレパシーで言って。すぐ返事するから」
QB「わかったよ」
マミ「それから、変な人が来ても勝手にドア開けちゃダメよ。あと喉が乾いたら冷蔵庫に」
QB「わかったから、早く行きなよ」
QB「テレパシーでまどかを勧誘してもいいけど、平日は授業もあるだろうし……」
QB「………………」
QB「………………」
QB「……退屈だね。前は退屈だなんて感情も無かった」
QB「今、マミが出かけてから何時間くらい経ったかな」チラッ
QB「……まだ5分しか経ってない」
QB「マミ、早く帰ってこないかなぁ」ゴロゴロ
QB「?」
男「◯◯新聞の者ですがー」
QB(……新聞勧誘のようだね。怪しい人間ではないだろうし、応対しておこうか)
ガチャッ
男「あ、どう……も……」
QB「やあ。キミは僕と契約したいんだよね?」
男「あばっ、いっ、いえ結構ですっ、お邪魔しましたぁぁぁ!」ダダダ...
QB「どうして逃げられたんだろう。わけがわから――」
QB「……あっ、バスタオル落ちてた。もしかして、さっきゴロゴロしてた時に……」
マミ『………………』
QB『マミ? 聞いてるかい? もしかしてテレパシーが届いてないとか』
マミ『キュウべぇ』
QB『なんだい?』
マミ『もう誰が来ても絶対ドアは開けないで』
QB『わかったよ』
マミ『…………はぁ』
今度使ってみるかな
QB「今度は電話だ。電話に出るなとは言われてないから、出てもいいよね」
ピッ
男『ハァ、ハァ……あれれぇ、マミちゃんどうしておうちにいるのかなぁ~? ガッコー行かないのぉぉ?』
QB「もしもし」
男『………………あ?』
QB「もしもし?」
男『何だテメェ』
QB「?」
男『なんでマミちゃんちの電話に別のヤツが出くぁwせdrftgyふじこlp;@』
QB(なんだか騒がしい人間だね)
QB「なんで電話に出るかって……一緒に住んでるからさ」
男『ぎゃぶぅ!?』
QB「一緒にお風呂も入ってるし、寝る時も同じ布団だよ。電話に出るくらい別に」
男『そんなっ……ばかなっ……こんな、こんなことがっ……!』
プツッ ツー ツー
QB「……切れてしまった」
マミ『そう。ありがとう、キュウべぇ』
QB『? どうしてお礼を言うんだい?』
マミ『そういう電話、よくかかってくるから。今度からキュウべぇにお願いしようかしら』
QB『お願いって、何を?』
マミ『だから、私の彼……っ』
QB『えっ、なに? 最後がよく聞こえなかったよ』
マミ『な、なんでもないっ……///』
QB『??』
ガチャッ
マミ「ただいまぁ」
QB「おかえり、マミ……ん?」
まどか「わっ、裸……///」
さやか「おおぅ……///」
QB「まどかにさやかじゃないか。マミが連れてきたのかい?」
マミ「ええ。服選びも二人に手伝ってもらったの」
マミ「ち、違っ……! ちゃんと経緯は話したでしょう!? これは……」
さやか「あははっ、分かってますって! それにしても、これがあのキュウべぇかぁ」
QB「あまり見ないでよ。僕は展示物じゃないんだ」
まどか「ふ~ん、へぇ~。人間になると結構普通なんだね?」
マミ「ええ。普通の人間と明らかに違うのは、髪の色や、獣耳くらいかしら……」
QB(異色という意味では、青や赤やピンクの髪とそう変わらないはずだけどね)
さやか「あと、もっと小さいイメージだったけど、身長は私らと同じくらいなんですね。意外~」
さやか「ところが、人間は外見だけで人生のイージー・ハードが変わっちゃうんだよ」
QB「そうなのかい?」
まどか「マミさんは超イージーモードだよね」
さやか「うんうん。超美人だし」
QB「ふぅん」
マミ「………………」
QB(両親を亡くしてやむなく魔法少女になったマミは、むしろベリーハードじゃないのかな)
QB「やっと二人が帰ってくれたよ……」
マミ「あら。キュウべぇは契約のために、むしろ二人に会いたがってると思ってたけど」
QB「着替えと称して散々オモチャにされ続けるのは御免だよ」
マミ「でもあなた、楽しそうだったわよ」
QB「楽しそう?」
マミ「うん」
QB(…………僕が、楽しそう……)
マミ「…………そう?」
QB「さっきの話で、両親のことを思い出したからかい?」
マミ「ちょっと……心を読まないでくれる?」
QB「僕達インキュベーターにそんな能力は無いよ。さっきの発言も、特に根拠はないし」
マミ「………………」
QB「なんだい?」
マミ「……それが『なんとなく』ってことなの。本当に人間みたいね、キュウべぇ」
マミ「私の?」
QB「つらいだろうけど、落ち込まないで。ソウルジェムが濁ってしまうから」
マミ「ええ……分かってる」
QB「君の両親はもういないけど、僕がずっとそばにいる。だから、元気を出して」
マミ「ふふっ……なにそれ。口説いてる?」
QB「くどく?」
マミ「……なんて。キュウべぇに限ってそんなことあるわけないわよね……」
QB「?」
マミ「ほんとに……ずっと、一緒にいてくれる?」
QB「君が小さい頃から何度も言ってきただろう?」
マミ「……うん。その……キュウべぇ」
QB「なんだい?」
マミ「あなたは、私の最高の友達」
QB「そう言ってくれると僕も嬉しいよ」
マミ「それに、私……」
マミ「あなたが…………だっ……大好き……///」
マミ「…………!!」
QB「? どうかしたのかい。『好き』って、いつもお互い言ってるじゃないか」
マミ「そ、そうなんだけど……あなたが人間の姿だと、いつもと、勝手が違って……///」
QB「よくわからないけれど、僕はずっと前から君が好きだよ?」
マミ「ふぇっ……///」
QB「君も好きだって言ってくれてただろう? これは人間の言うところの『両想い』っていう」
マミ「も、もうやめてぇ……!///」
マミ「えっ……」
ギュッ
マミ「ふわぁぁぁぁ!?///」
QB「いつもは肩に飛び乗るんだけど、この姿じゃ肩には乗れないからね。これで妥協するよ」
マミ「ぁ……ぅ…………///」
QB(あれ……なんだか急に大人しくなった。どうしたんだろう)
マミ「…………///」
QB「マミ、そろそろお風呂の時間じゃないかな」
マミ「あら、もうそんな時間? じゃあ…………」
QB「……どうしたんだい、マミ?」
マミ「…………こ、これは……い、いいのかしら」
QB「なにがだい?」
マミ「きゅ、キュウべぇだもんね……人間じゃない、キュウべぇだもん……」
QB(マミがわけのわからないことを呟きだしたよ……)
QB「ふぅ。お風呂がこんなに気持ちいいものだったなんて」
マミ「そ、そうね……」
QB「ところでマミ、どうして今日はタオルを体に巻いているんだい? いつもは丸裸なのに」
マミ「な……なんだっていいでしょう」
QB「それに今日は、僕の体を洗ってくれないみたいだ」
マミ「だ、だって……///」
QB「……そうか、魔女退治で疲れてるんだね。じゃあ、今日は僕がマミの体を洗ってあげるよ!」
マミ「!?」
マミ「ちょっと、だ、だめっ……」
マミ「ふぁっ、あっ、ひゃぁん! こら、ぁっ……///」
マミ「そっ、そんな、とこ……あぁん! 揉ま、ないでぇ……///」
マミ「! あっ、そ、そこっ、ぁ、あっ、やぁぁっ……!!」
QB「綺麗になったね!」
マミ「うぅ……もう私、お嫁に行けない……」メソメソ
QB「……マミ?」
マミ「こうなったらもう、あなたに嫁ぐしかないじゃない……」
マミ「や、やっぱり同じ布団で寝るの?」
QB「今まで、ずっとそうしてきたじゃないか」
マミ「そ、そうだけど……///」
モゾモゾ
QB「ほら、マミ。入っておいでよ」
マミ「うぅっ…………はっ、はい……///」
QB(どうして敬語になるんだい?)
マミ「…………///」
QB「おやすみ、マミ」
ギュッ
マミ「~~~っ!!///」
QB「やっぱりマミは柔らかくて、あったか――」
ガンッ
QB「痛っ。足が当たってるよ、マミ」
マミ「蹴ったのよ、バカ……///」
QB『……その日から、なぜかぎこちなくなってしまってね』
まどか『ふぅん』
さやか『すごくどうでもいい』
QB『そう言わずに助けておくれよ。マミは僕にとって特別な人間だ。嫌われたままでいたくない』
まどか『わぁ……素敵だね、さやかちゃん』
さやか『まあ、あのキュウべぇが人間に嫌われたくないとか言うんだから、素敵なことだよね』
まどか『うんうん!』
さやか『でも果てしなくリア充オーラが出ててウザい。私なんか、全然恭介と進展しないのに……』
まどか『さ、さやかちゃん……』
さやか『それは別にいいよ、暇だし』
まどか『暇って、さやかちゃん……』
さやか『……結論から言うと、がっつきすぎなんだろうね』
QB『どういうことだい?』
さやか『マミさんが好きなのは分かるけど、もうちょっと加減を知れってこと』
まどか『キュウべぇ、ムードとかデリカシーとか、全然知らなさそうだもん……』
QB『うん。否定はしないよ』
まどか『……じゃあとりあえず、マミさんとの関係を修復しないとね』
さやか『よーし。ここは一発、プレゼント大作戦というのはどうよ』
さやか『そう。女の子は総じてプレゼントに弱い!』
まどか『何がいいかなぁ。マミさん紅茶好きだし、ティーカップとか?』
さやか『余るほど持ってそうじゃない? ここは武器のマスケット銃!』
まどか『そんなの日本で売ってないし、だいたい私たちじゃ買えないよ~』
さやか『う~ん……そもそも私たちも、あんまりマミさんと付き合い長いわけでもないしねぇ』
QB『マミ自身が他の人間とあまり交流を持とうとしないからね』
さやか『どうせアテが無いなら、てきとーに誰か当たってみたら?』
――――――
――――
――
QB『暁美ほむら、少しいいかい?』
ほむら「ッ! インキュベーター!?」
QB『君と話したいことがあるんだ。時間をくれないかな』
ほむら『インキュベーター……何のつもりか知らないけれど』
QB『マミが欲しがりそうな物って何だと思う?』
ほむら『あなたと話すことなんて何も…………え?』
QB『マミに何かプレゼントしたいんだ。少し喧嘩してしまって、仲直りのきっかけにね』
ほむら『え……え?』
QB『案としてはティーカップやマスケット銃が出たんだけど』
ほむら『ストップストップ! あっ、あなた何者!?』
QB『………………』
ほむら『こっ、こんなの私の知ってるインキュベーターじゃない! インキュベーターはどこ!?』
QB『落ち着いて』
ほむら『え、ええ……信じがたいことだけど、大筋は理解したわ。まさか、あなたが人間に……』
QB『僕も最初は驚いたさ』
ほむら『ちなみに、そのプレゼントだけど……』
ほむら『まさか、プレゼントを用意して目の前で床に叩きつけて絶望させる、とかじゃないわよね?』
QB『そんなことをして、誰が得をするんだい?』
ほむら『えっ……あ、あなた確か、魔法少女を絶望させてそのエネルギーを……』
QB『………………』
ほむら『………………』
QB『……ああ。それで、何かいい案はあるかな』
ほむら(忘れてたの……?)
ほむら(このパターン、今までに無かったけど……いや、まさかこんなことで成功するわけ……)
――――
――――――
QB「マミ!」
マミ「あっ、キュウべぇ……その……」
QB「この間はごめんよ、マミ。僕が人間の心を理解できていなかったばかりに、悪いことをしたね」
マミ「いっ、いいのよ。たまにはあんなこともあると思うし……」
QB「それで、ずっとぎこちないままなのも嫌だろう?」
マミ「え、ええ……それはもちろん」
QB「それで、お詫びにこれをあげようと思って」
QB「うん、襟元に巻くリボンだよ。変身後にいつも付けてるだろう?」
マミ「…………どうして?」
QB「魔女との戦いでは使わない、ファッション用のリボンが欲しいんじゃないかと思ったんだ」
マミ「………………」
QB「………………」
マミ「……誰のアドバイス?」
QB「きゅっぷい!?」
QB「きゅっ…………」
マミ「だれ?」
QB「……暁美ほむらだよ。マミがこういうのを欲しがってるって教えてくれたんだ」
マミ「あ、暁美さんが?」
QB「君と暁美ほむらには付き合いがあったのかい?」
マミ「ぜ、全然無いわよ……なんでそんなこと知ってるのかしら」
QB「マミ、ごめんよ……僕一人じゃ思いつきもしなくて……」ショボン
マミ「……ううん。本当に嬉しいわ、ありがとう。大好き……」
QB「どうして?」
マミ「いつも、何気なくやってたけど……あなたが人間になってから、してなかったから」
QB「……何のことかわからないけど、目を閉じていればいいのかい?」
マミ「そう。いいって言うまで、開けちゃダメよ……」
マミ「ぜったい、開けないでね……///」
さやか「いやぁ、まさかほむらが味方になってくれるなんてねー」
ほむら「利害が一致しただけよ。今のインキュ……キュウべぇとは争う理由も無いし」
マミ「あなたがあの時助けてくれなかったら、私はここにいなかったわ。ありがとう、暁美さん」
ほむら「べ、別にお礼を言われるほどのことじゃないですけど……」
まどか「それで、マミさんのアドバイスでさやかちゃんも上条くんと上手くいったし」
さやか「えへへぇぇ~~、やっぱ最後には押しが肝心なんだよねぇ~///」
ほむら「美樹さやかが魔女化しなかったから、余計な犠牲も出ずに済んだし」
杏子「……なんだよ。なんでこっち見んだよ」
ワルプルギス「オオオオォォォォォォォォ...」
ほむら「……その結果、まどか抜きでも普通に倒せてしまったわ……」
QB「僕が? 暁美ほむらが許すとは思えないけれど」
マミ「らしいわよ?」
ほむら「……勝手にすれば。あなたの功績も無いわけじゃないし」
QB「……ありがとう。暁美ほむら」
ほむら「ふん」
杏子「なにむくれてんだよぉー」グイグイ
さやか「わーらーえーよー」グイグイ
ほむら「やっ、やめなはい……!」
まどか「あははっ、ほむらちゃん変な顔!」
ほむら「!?」ガーン
QB「なんだい?」
マミ「私たち、つ、付き合ってるのかしら?」
QB「…………たぶん」
マミ「たぶんって……ハッキリしてよ!」
さやか「そうだそうだー」
まどか「ハッキリしろー」
杏子「責任とらないなら殺すぞ」
ほむら「私も便乗するわ」
QB「………………」
QB「人間になってマミを好きになっただけなのに、どうして僕がこんなに責められるのか」
QB「わけがわからないよ……」
終わり。
乙
やはりマミさんはかわええのぉ
Entry ⇒ 2012.09.18 | Category ⇒ まどかマギカSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
雪女「いつまで暑いんだよ溶けるだろ!」男「冬まで冬眠してろよ」
男「だって溶けるんだろ」
雪女「エアコンの設定温度を十度くらいにすれば平気だぜ」
男「寒いわ。もう冷蔵庫の中にでも入ってればいいじゃんか」
雪女「狭いじゃん魚とか野菜とかと一緒じゃん」
男「ていうか何で夏に雪女がここにいるんだよ…」
雪女「てへぺろ」
雪女「そりゃ雪女も溶けるよねぇ」
男「うわ床が水だらけに!?お前マジで溶けてるぞ!!」
雪女「それ汗だよ」
男「きたねっ!!滝のような汗って言うかこれ失禁したみたいなレベルだぞ!?」
雪女「ひとに向かって失禁とか失礼だとは思わんのかね」
男「妖怪だろ」
雪女「溶解だけに」
男「やかましいわ」
男「普通ならもうそうなってないとおかしいんだけど。今年は連日三十度越えだな」
雪女「あたしら向けに溶解警報が出てるもんなぁ」
男「…どこから」
雪女「妖怪の気象庁的なの。天気予報とかもしてる」
男「意外と進んでるんだな…」
雪女「予報って言うか予言かも」
男「的中率百パーセントか?」
雪女「雷神の気まぐれ以外は当てます」
男「妖怪すげえな…」
雪女「山からフライングして出てみたらこれだよ」
男「フライングしすぎだろ。溶けるんだろ」
雪女「いやもう溶けてるんだけどさ。このままいくと冬までにロリ化しちゃうよね」
男「そういうシステムなのか?」
雪女「需要はあると思うんだけど」
男「どうだろ」
雪女「あー…暑いなぁ」
男「いや知らんけど。俺溶けないし」
雪女「体積が小さくなるから」
男「で幼女化すると?」
雪女「あたしのないすばでえがダメになるのは悲しいね」
男「…和服はスレンダーな方が似合うというが」
雪女「あー胸はもう縮んだわーここに来る前に縮んでるわー」
男「ああそう…」
男「サキュバスとな」
雪女「あの種族エロいからなー。そういう身体になるんだろうねー」
男「そりゃ是非お近づきになりたいねぇ」
雪女「メルアドなら知ってるけど」
男「メルアド!?妖怪ってメールすんのか!?」
雪女「メルアドどころか、ツイッターもしますね」
男「妖怪のイメージが崩壊したわ…」
雪女「絶賛妖怪溶解中」
男「とけろ」
雪女「そ、そうやって罵倒されるのも嫌いじゃないわ…」
男「お前変態だったのかよ…」
雪女「ネタにマジレスかよー。空気読めよー」
男「…あ、そういえば冷凍庫にアイスあったな…」
雪女「あざーす」
男「…なぜお前が食う気なんだ」
雪女「お前よー、女子校に憧れちゃうタイプ?そんなわけないじゃんかよー」
男「妖怪って…」
雪女「そりゃ涼しくすることも出来ますよー。なんなら氷漬けにして凍死させてやれんこともないでー」
男「凍死は嫌だ。このクソ暑い中で完全に変死だろ」
雪女「でも透視はさせてあげないぞ☆」
男「お前への闘志は湧き上がるなー…」
男「エロくない男がいるかボケェ」
雪女「うわー、断言しやがったよ…」
男「うるせえな、そういうもんだろ」
雪女「…」
男「…」
雪女「…でも、嫌いじゃない…///」
男「変態はお前だこのなんちゃって妖怪が」
男「ハァ…。もういいや、いくつか入ってるから取ってこいよ」
雪女「やだよ暑いもん。動きたくないわ」
男「てめえ…なけなしのアイスくれるんだから少しは働け」
雪女「だって他人の家の冷蔵庫開けるなんてはしたないじゃん」
男「…」
雪女「正論だろー。論破だろー」
男「…不法侵入はいいのか」
雪女「なにはともあれ」
男「贅沢抜かせこの妖怪が」
雪女「…妖怪に妖怪って、それ人間に人間っていうくらい意味分からなくね」
男「…それもそうだな」
(風鈴)「チリーン・・・」
雪女「…妖怪に、用かい?」
男「しばくぞてめえ」
雪女「あんまり変わらなくね?相変わらず残暑なうだぜ」
男「そりゃお前みたいなのには暑いのかもしれんけどな…。俺は少しはマシになった」
雪女「人間て単純だなぁ」
男「うるせえな。お前が思ってる以上に人間は繊細だ」
雪女「…ダメだ暑い。溶ける」
男「山に帰ればいいじゃんかよ」
雪女「…帰ったら、寂しくなるじゃん…」
男「!?」
雪女「…ほら単純じゃんかー」
男「オーケー、てめえ表に出ろ」
雪女「エアコン希望」
男「却下だ。…ああ、やっぱり無いよりはいいな」
雪女「なんでエアコンつけないんだよー。訴えるぞ」
男「つーか妖怪がエアコンエアコンいうのすげえ違和感あるんだけど…」
雪女「せっかくあるのに使わないで何が文明の利器か!」
男「誰だてめえ…」
男「すげえステレオタイプな…」
雪女「…よ~う~か~い~だ~」
男(お、変化つけてきた)
雪女「え~あ~こ~ん~を~つ~け~な~い~と~」
男「…次にお前は「溶解する」という」
雪女「よ~う~か~い~す~る~…ハッ!?」
男「お前本当は妖怪じゃないだろ!!」
男「またか…」
雪女「え~あ~こ~ん~を~つ~け~な~い~と~」
男「今度は何だよ」
雪女「呪うッ!!」クワッ
男「こええよ!!洒落になってねえから!!その顔でこっち見んな!!」
雪女「さあエアコンを。あたしが幼女かしてぺろぺろされる前に!!」
男「何言ってんだてめえ…」
雪女「ハッ!?まさかそういうのが好きなのか!?目の前で幼女化した知り合いの女の子がぺろぺろされるの見て興奮するのかッ!!」
男「すごい想像力だ…」
雪女「見られてる・・・!!見られてるのにあたしぺろぺろされちゃってる…!!…的な」
男「お前バカだろ」
雪女「もうだめだ…。これ汗に見えるだろうけど、マジで溶けてます、はい」
男「とはいえ、何か九月中旬にエアコンつけるのは負けのような気がして…」
雪女「あー…あるよね、そういう変なプライドみたいなの…」
男「まさか賛同されるとは…」
雪女「三月入ってまで大雪を降らせるのはあたしもプライドが許さないわ…」
男「春が来るのってそういう理屈なのか…」
雪女「あー…あたしの身体が縮んでいく…」
男「冷蔵庫行けよ…」
雪女「見た目は子ども・・頭脳は妖怪…その名は、名探偵コナ
男「言わせねえからな…」
男「そういう喉に優しくない感じの名前はよせやい」
雪女「あかん…ちょっと氷もらうよ…」
男「ああ、暑い時なめると少し体温下がるよな…」
雪女「少しでも体温下げないと、冬になる頃には手のひらピ●チュウ並になってしまう…」
男「微妙に古いものを…」
男「歌いきる気力ももう無いか…」
雪女「ふたあああありのおおおおおぉお心を包んで空にかァァァァエスカラ…」
男「なぜこのクソ暑い中無理して謳い切ったんだ」
雪女「ノリって…大事だよね…」
男「命がけのノリか…。若手芸人かお前は」
雪女「ワイルドだろゥ?」
男「若くないぞ彼」
男「おいおい…。マジで子どもみたいになっちまうぞ」
雪女「山から下りたときはもっと、大人びた感じだったのに…」
男「大人びた、ねえ…」
雪女「…信じてないな」
男「いや、別にそういうわけじゃ」
雪女「ええと、あ、あった。ほら証拠写真。数日前に撮ったプリ」
男「妖怪がプリクラ撮ってんじゃねえよ…」
雪女「あたしらが見えない人には、何も写ってないように見えるから大丈夫…」
男「たまにある無人のプリクラってそういうことなのか…。どれどれ…」
雪女「それあたしだから…。隣にいるのは妖孤のいなりちゃんね」
男「いやこれどう見てもお前じゃないから…。いくらプリクラといえど、これは別人だろ…」
雪女「あたしだっての…。これでもだいぶ縮んだんだってば」
男「まーなんでもイイか…。ほら返すよ…」
雪女「あ、こいつ信じてねえな」
雪女「まだ二十五度はあるな…」
男「そろそろ晩飯作らないとだ…」
雪女「カキ氷とアイスと液体窒素なんかあると嬉しいかな」
男「最後のに至っては最早食い物ですらねえ」
雪女「でもいい加減何とかしないと、溶けて死んでしまいます」
男「山に帰ればいいと思うよ。手遅れになる前に」
雪女「それは…諸般の事情によりできません」
男「はぁ…?」
雪女「なにさー」
男「お前マジで妖怪?」
雪女「え?今更根本的なところ?」
男「だって妖怪だろ?あり得なくね?」
雪女「失礼な…。妖怪は存在するんだぞ…」
男「平安時代じゃないんだからよ…」
雪女「あの頃は、まぁ妖怪全盛期だしねえ…」
男「今平成じゃん?」
雪女「まあねぇ」
男「これお前が溶けてなかったらただの電波話なんだけどなー」
雪女「ああ、妖怪って点は信じるんだ」
男「まあね…。それは分かるわ。何かこう、本能的な部分で」
雪女「え、厨二病?」
男「溶かすぞこら」
雪女「だ、抱きしめられたら、溶けちゃうからね!!」
男「ドライヤーだな」
雪女「愛が無い!」
雪女「ああ、あの獣人なら今はなんだっけ、あのでかい山」
男「富士山?」
雪女「外国の」
男「エベレスト?」
雪女「ああそれ。そことか他の雪山にこっそり住んでるはず」
男「そうなのか…」
雪女「ああ…どんどん幼女になっていく…。ハッ!?まさか幼女になったあたしを襲うのが目的!?」
男「バーカバーカ」
雪女「…で、でも、別に嫌なわけじゃ、その…」
男「この変態妖怪が…」
男「分かりにくい例えだな…。あー、面どくせえけど買い物行かないとだ…」
雪女「こ、この炎天下の中外に出るなんて自殺行為だ」
男「極端な…」
雪女「…液体窒素て売ってる?」
男「大学か科学館に忍び込めばあるんじゃないか?」
雪女「ぶー…」
男「で、お前いつまでここにいる気だよ。溶けたら死んじまうんだろ」
雪女「せ、SEGAが新ハードを出すまでは…」
男「一生ここにいる気か!?」
男「はぁ、汗だくだよ…疲れた、っと…」
(風鈴)「チリーン・・・」
男(…さすがにどこか行ったか。まったくなんだったんだろうな、さっきの…)
男「ま、夢でも見てたのかもな。暑さで朦朧として」
男「…多めに買ったから、しばらくアイスは買わなくていいな。さてシャワーでも浴びるか」
「・・・し、これで・・・」
男「・・・この声は…」
雪女「あ、張り付いてる…しかしそれに敗北するあたしではない!!これにつかれば元の身体に戻れるはず!!」
男(風呂場から聞こえるんだが…。あいつ湯なんか浴びたら死んじまうよな…)
雪女「よしいざ尋常に…!!」
男「おい待て早まるな!!」
男「あ」
風鈴「チリーン・・・」
雪女「…ここは悲鳴の一つでも上げたほうがいいのだろうか」
男「…テンプレなら」
雪女「しかしあたしも常識はある…。鍵をかけなかったことについてはあたしが悪い」
男「はい…」
雪女「したがって不問にしましょう。平和的に」
男「ハイ」
雪女「出来れば早いところ出てくれると助かるかなー、と」
男「男らしい!!実に男らしいけど前は隠してせめて隠してっ!!」
男「なんじゃないかと一瞬…」
雪女『どんだけだよ…。もう少しマシな死に方がいいわ。獣の槍に刺されるとか』
男「お前なんでそういうのには詳しいんだ」
雪女『まあ暇だからねー。冬以外は劇的に暇』
男「なるほどね…。で、お前風呂に入ってるわけ?」
雪女『まあそんなところ?お湯じゃないけど』
男「水か」
雪女『甘いね。さっきちょっと遠出して、液体窒素を拝借してきた』
男「ブバッ!!」
雪女『ふいー、お帰りあたしのないすばでえ。…あ』
男「」
雪女『あっという間に蒸発しちゃったわ。あれ、なんかバスタブ割れてるなあ』
男「…そりゃあねえ…」
雪女「いや正直すまんかった」
男「修理費どうしよう…」
雪女「ああ、これくらいならあたしの妖力でなんとかなるよ」
男「マジで?」
雪女「今のあたしは、久しぶりに本調子バリバリだぜ」
男「助かった」
雪女「で、どうよ、あたしのないすばでえは」
男(…あのプリクラ、詐欺じゃなかったのか…)
雪女「大丈夫、このくらいなら…」
男「さらに、床にもひび割れがある。それからガスの給湯システムもダメだ」
雪女「え?」
男「ああ、シャワーもダメか。管が割れたな。壁もボロボロじゃねえか…」
雪女「あれ、そんなにひどいことになってる?」
男「…レベル的には、新しくリフォームした方がいいレベルだな」
雪女「あらら…。よ、妖力でなんとか!!…なるかなぁ…」
男「するんだよなんとか」
雪女「…」
雪娘「な、なんとかなったね…」
男「ああ、これで元通りだな…。て、お前なんか無理してないか?」
雪娘「いやぁ、これくらいなら平気ですよ平気。もう妖怪なめないでいただきたいな!」
男(明らかにさっきよりも小さくなってる)
雪娘「はぁ、なんかすごく疲れたなぁ…」
男「身を削ったな文字通り…」
雪娘「え?」
男「鏡見てみろよ」
男「そ、そんなにショックか?」
雪娘「さっきより悪化してるし…」
男「まぁそれはいえてる。さっきまで女子高生→大人だったのに、今はどう見ても中学生だわ」
雪娘「妖力が足りないのか…」
男「壊しすぎなんだろ。方法が無茶だ」
雪娘「はぁ…」
男「…あ、そういえば。いいものがある」
雪娘「え?」
雪娘「…」
男「…いや、いらないならこのまま水に入れて捨てるけど」
雪娘「へえ」ニヤニヤ
男「な、なんだよ」
雪娘「しっかりその辺まで考えてくれてるとは、意外と紳士なんだなーと」
男「ば、そんなんじゃねえっての!」
雪娘「へへへ、これで風呂の一件はチャラでいいよ」
男「あ、あれだってわざと見たわけじゃ…」
雪娘「ええと、これ食べればいいかな」
男「ど、どうなんだろうな…。見たことも聞いたことも無いけど…」
男「ドライアイスをそれだけ食べればねえ…」
雪女「でもこれも応急処置にしかならないか…」
男「相変わらず暑いからなあ」
雪女「うーん。真面目に考えないとねえ」
男「溶けると」
雪女「うん。日が暮れたから少しは楽だけど」
男「…あの、大変言いにくいんですがね」
雪女「ん?」
男「今夜は九月なのに熱帯夜だそうで…。相当暑いとさっきニュースが」
雪女「」
男「それは俺もつくづく思うけどさあ…」
雪女「あ…、言われてみれば確かに暑い…。寝苦しいとか言うレベルじゃないぞ…」
男「エアコン入れるしかないかねえ…」
雪女「それで負けた気がしないならそれでいけど…」
男「そうも言ってられんだろ。朝起きて水たまりが出来てたら俺が困る」
雪女「寂しい的な意味で?」
男「後片付け的な意味で」
雪女「…」
雪女「へいへい。…て、妖怪をパシるなよ」
男「気にするな。ええと、リモコンの電池生きてるよな?ポチッとな」
エアコン「・・・ヴーン・・・」
男「うわー、何この『季節じゃねえんだから働かせんなよ』的なエアコンの音」
雪女「そして風鈴が寂しそうだ…」
風鈴「・・・」
男「あ、でも涼しいなさすがに」
エアコン「ヴーン・・・」
男「…なんで俺電化製品に話しかけないとならんのだ」
雪女「いや、あながち間違いでもないんだけどね」
男「は?」
雪女「そもそも妖怪って、物とかがなる場合も多いのよ。強烈な念を受けた人形が動き出すとか、今もある話でしょ」
男「髪が伸びる奴とか?あんなのトリック・・・て、目の前に妖怪がいる以上、そうでもないのか…」
雪女「今は廃れたけどさ、神棚ってある家があるでしょ。あれも家を妖怪、というか神として祭ってるものだしね」
男「なるほどねえ…。なら、おいエアコン、残業だと思ってしっかり働け」
エアコン「ヴーン・・・」
雪女「うわ、電化製品に話しかけちゃってるよあの人…」
男「燃やすぞてめえ」
雪女「願わくば一日中十度以下なら助かりますね」
男「アホいえ。さて寝るぞ。て、妖怪って寝るのか?」
雪女「まあ寝なくても平気だけど…。することもないし寝ようかね」
男「じゃその布団使え。かけるのは…いらないな」
雪女「夜中にむらむらして襲ってこないようにね」
男「違う意味で襲い掛かってやろうか」
雪女「そ、そういう激しい感じも嫌いではないです…///」
男「寝ろこのあほ妖怪!!」
雪女「…」
男「…」
雪女(うーむしかし…。なんであたし見えるんだろうなこの人…)
雪女(見えること自体は珍しいことじゃないんだけど、適応力高すぎでしょ…)
男(しかし…。完全に驚くタイミング逃したなぁ。最初あまりにも自然と会話してたからな…)
男(つか最初はまさか本物の妖怪だなんて思わなかったしな…。でも色々見ちゃったし…)
男(って、見たって身体じゃないからな!!妖怪的な部分を、だからな!!)
雪女(でも実際、このままじゃまずいかもなぁ…。溶けちゃうのは予想外だわ…)
二人(はぁ…。眠れんなぁ…)
男(…んむ…。暑い。エアコン切れたかな…)
男(まぁ…寝れないほどではないか…。大丈夫だな…)
雪女(zzz…)
男「む…。朝か…。暑、窓開けないと…」
男「う…窓開けても暑いな…。今日もこの調子かよ…」
男「ん?」
雪子「…」
男「…あの、どちら様でしたっけ…?」
雪子「…起きたらこうだった」
男「…ええと」
雪子「…溶けました」
男「oh…」
雪子「…」
男「これはひどいな…。まじで幼女じゃんか。うわ布団びしょびしょ…」
雪子「困った」
男「確かに幼女はまずいな…。心情的にも、社会的にも」
雪子「じゃなくて。幼女自体は需要あるからいいんだけど」
男「あれ!?」
雪子「このままじゃ死んでしまうなぁ…」
男「うーむ…。それはまずいな」
雪子「どうだろ、あれ意外と重いからこの身体じゃきついかも」
男「ドライアイスは?」
雪子「不可能じゃないけど…相当な数がいるよ、元に戻るには」
男「参ったな…。こうしてる今も溶けてるわけだろ?」
雪子「水も滴る…」
男「いってる場合か。なんとかしないとだろ」
雪子「うーん…。…幼女が汗をかいている…ように見える姿って、需要あるのかな」
男「何考えてんだてめえ!?」
男「知るか!俺は絵についてはまったく才能が無いし、その気も無い!」
雪子「うーん…」
男「俺の書く絵は『人類には早すぎる』といわれているくらいで・・・」(実話)
雪子「あ、もうその話じゃなくて。あたしの話」
男「切り替えが早すぎてついていけない…!」
雪子「それがベターかな…。問題はこのまま溶け続けたら、歩くこととかしゃべる事が難しくなることかな」
男「つまりあんまり時間が無いわけだ」
雪子「yes,I am」チッチッチ
男「おちょくってるのかてめえは」
雪子「とりあえずドライアイスなんだけど…。さすがにこの暑さの中を歩くのはもうきついわ」
男「だろうな。とりあえずエアコンガンガンにして、あとアイスでも食って待ってろ。ドライアイスもらってくる」
雪子「すまんね。ちゃんと後でお礼するから。…身体で///」
男「冷蔵庫にぶち込むぞ」
スーパー
男「ドライアイス休止中!?昨日はあったのに…」
おばちゃん「ああ、ごめんなさいね。昨日機械が壊れちゃったみたいで。氷ならあるんだけど」
男「それじゃ意味ない…。すいません、失礼しました!」ダッ
男(どうする、コンビニにドライアイスはないだろうし、このスーパーにもない…)
男(坂道昇ったところにもう一軒スーパーあるけど…。この暑さで自転車…。いけるか?)
男「…くそ、行くしかねえじゃねえかよ。死にはしないだろ…!」
男『…なぜそんなに頑張る。相手は昨日あったばっかりの妖怪だぞ。死んだとしてもお前は困らない』
男「…そうかもな…」
男『諦めて自転車降りようぜ。で帰って謝れよ。ドライアイスは無かったって』
男「…それはすごい楽だろうね」
男『なぜそんな頑張るんだ?』
男「…あいつが可愛いから、以外の理由が要るのかよ」
男「あった…。ドライアイス…。三袋もいっぱい貰えば十分だろ…」
店員「…」
男(そんな目で見るなっての…。俺だって恥ずかしいんだ…)
男(もどらねえと…)
雪子「くそぅ…。一回のフライングでこんな目にあうなんて…」
雪子「ダメだ、溶ける…。アイスもやけ石に水だよ…」
雪子「…あいつおそいな。大じょうぶかな。今日すごくあついけど…」
雪子「…アイスもう一こ…」
10kg以上注文すると戸口まで配達してくれるよ
数年前で確か¥5000/10kg(送料込)
これ、雪女が家に来たときの豆な
男「おい、バカ妖怪…。どこ行った?ドライアイス、貰ってきたぞ…」
男「…床こんなにびしょびしょじゃねえか…。おいどこ行ったんだよ」
エアコン「・・・ヴーン・・・」
男「…おい、まさか…。嘘だろ?」
男「…はぁ…」
男「まったく…。うんざりする…」
男「最低、だ。こういうのは最低だろ…」
男「うおおおおお!?」
雪子「せまい!!すごくくるしい!!とけるのはとまるけど!!れいぞーこのなかはいや!!」
男「び、びっくりした…。おま、溶けて死んじまったのかと…」
雪子「ようかいだぞー。そうかんたんにしんだりしないからようかいなんだぞ。うしおととらよみなおせー」
男「さ、さらに幼児化してる…。ほら、とりあえず三袋分のドライアイスだ。食え」
雪子「おそかったからしんぱいしたんだぞー」
男「あ、ああ。そいつは、すまん…」
雪娘「ん…。まあこれだけ戻れば拝借するくらいの力はあるかな。服着なおすから後ろ向いてて」
男「あ、ああ…」
雪娘「んむ。幼女化する前に帰れるだけの力は戻ったかなー。でもさ、どこで液体窒素浴びればいいのさ。風呂壊したら元の木阿弥だよ」
男「…外さ。日陰の方がいいんだろ。家出たところに、いい場所がある…」
雪娘「なるほど名案。…大丈夫?顔色悪いけど」
男「あ?あ、ああ…。少し、疲れたかな…。大丈夫だ…」
雪娘「…。まあともかく、ちょっと行ってくるよ。すぐ戻るからなー」
男「…ああ」
雪娘「あったあった、液体窒素…。拝借しますよっと」
雪娘「!」
雪子「…ッ…。いそがないと…」
生徒「教授!!また液体窒素が無くなっています!!」
教授「なにぃ!!貴様、命がけで探せぃ!!」
男「…」
雪子「ねてる・・・?ああ、つかれたっていってたねそういえば…」
雪子「ね、おきてよ。はやくもとにもどらないと」
雪子「…?ねえ…?どうしたの?」
雪子「むりしすぎだよ、しんじゃうのはそっちじゃん!!」
雪子「どうしよう、まずはみずを…」
男「…」
雪子「…ええと、つぎは・・・」
雪子「ああ、もう!!あたまもまわらないしからだもちいさい!!」
雪子「こーなったら・・・!!たしかそとでてすぐだよね!!」
雪子(ちょっとでもみちまちがったら、いまのあたしにはちめいてき…。たぶんとけちゃう…けど!)
雪子「まっててよ、バカにんげん!!」
?「キミはなぜそこまで妖怪のために尽くしたのだ。自身を命を危機にさらしてまで」
男「…さあ。わからないけど、あいつが可愛かったのと、何だろう、初めて会ったような気がしなかったから」
?「…なるほど。本来ありえないことだが、起きたのだから仕方が無いか」
男「?」
?「キミと彼女は初対面だがそうでない。キミは彼女を知らないが、違うキミは彼女を知ってる」
男「どういう…?」
?「いつか分かる日が来るかもしれないぞ。いつか、な」
男「え…。猫…?」
雪女「間に合うか…。今からで…」
雪女「…妖力を使ってでも、キミを死なせはしないから…」
雪女「…ッ!!」
男「…」
雪女(間に合え…!!)
雪娘「…」
男「…」
雪娘(諦めないからね、あたしは…)
男「…ぅ…」
雪娘(戻って来い…!!)
男「あれ、俺…。そうだ、急に意識が…。でも、もうなんともない…?」
男「…床が水浸し…。あの妖怪、どこ行った…?」
男「・・・!!まさか、あいつ…。また冷蔵庫か!?…違う…。」
男「…今度こそ、俺、やっちまったのか・・・!?」
雪子「あぶねえとけるギリギリ!!」
男「うおおおおおおお!!!??」
雪子「おお、おはよう。あぶなかった、こんどこそダメかとおもった…」
男「お前…」
雪子「へへへ、またはいしゃくしてきた」
男「…あ、そう…。ひょっとして助けられた?」
雪子「おたがいにね。ああ、ちょっとひとっぷろあびていい?」
男「…外でなら、な」
男「暑いなあ」
雪女「うん…。地球どうかしてるぜ」
男「確かに…。エアコン、入れるか」
雪女「いいのかい?」
男「またああいうのはご免だからな」
雪女「…同感。結構ヘビーだったしねえ」
男「お互い死にかけた」
雪女「セーフセーフ」
男「…あれ。何か忘れてるような…」
雪女「え?」
男「あの時、何か妙な夢を見たような気がしたんだけど…。何だったかな」
雪女「?」
男「まあ…いいか」
TV『次は天気予報です。明日からようやく秋の気温です。長かった真夏のような暑さも今日が最後でしょう…』
男「夏も終わりだなあ」
雪女「さあ、いよいよあたしの季節ですよ。今年は冬は冬で大変な目にあわせますよ」
男「もう勘弁してほしいんだけど…」
雪女「もう妖怪天気予報ではそういう予報です。妖怪用のスマホで見れるんだけどさ。ほら」
男「妖怪にもスマホあるのか…。まあメールするくらいだしな…。…あ」
雪女「ん?」
男「…あのさ、お前が溶けかかった時さ。その電話で他の妖怪とか雪妖に助け求めればよかったんじゃ…」
雪女「…あ」
男「…」
雪女「…さーせん」
男「締める」
雪女「いやあの、その…」
男「結局諸般の事情ってなんだったんだよ」
雪女「…。実は。他の仲間と、「そろそろ下界に降りる」「まだ早い」で口論になって…」
男「…は?」
雪女「見栄張って飛び出した分、戻りづらいといいますか…」
男「…え、なにその小さなプライド!?しょぼ!!くだらない!!」
雪女「め、面目ない…」
男「はあ…。それで、お前いつまでここに居候するつもりだ?」
雪女「そりゃあ、そういう事情で帰れないので…。冬までは間違いなくここに…」
男「…だよな…」
男「はぁ…。触るだけで溶けるような奴と同棲してもなぁ…」
雪女「あれ、言ってなかった?あたしね、妖力さえもてば一晩くらい余裕ですよ///」
男「…なに?」
雪女「ま、キミにそんな度胸があれば、だけどねー。あ、それともやっぱり中学生とか幼女化したあたしの方が好み?」
男「…教えねえ」
雪女「ケチー」
雪女「…」
男「なあ妖怪」
雪女「なんだい人間」
男「聴きたいことがあるんだけど」
雪女「あたしも一つあるんだ。多分おんなじことだと思うぜ」
男「お前の」
雪女「名前、なんていうの」
男「正解」
雪女「あたしも。あたしの名前はねえ、――――」
?「うむ…。困った。あの雪女と青年はこちらでも相変わらずだったが…。はやく彼女を見つけないと」
?「…む?こちらでもまた違う妖怪と人間が…」
少年「この葉っぱ、天狗が持ってるやつだよねー」
友「バカだなお前、天狗なんているわけないだろ」
少年「…」
友「ほら行くぞ、みんな先に行っちゃったぞ」
少年「…この山には、天狗、いると思うんだけどなあ」
天狗「…」
完
というか、続く(?)
多分近いうちに天狗のやつを書くかと思いますが、雪女の話はこれで
見かけたら生暖かい目で見てくれるとありがたい
面白かった
この話の前作とかあったの?
これぶっちゃけ以前書いた雪女のやつのやり直しの話なんだわ
アッーー!!は勘弁
それはないw
イメージはうしとらから取るつもりだしね
Entry ⇒ 2012.09.18 | Category ⇒ 男女「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
月「ああ、コンソメ味は絶対に家族の中で僕しか食べない」
月「ただいまー」
母「おかえり 月、コンソメ味って以外と美味しいのね」
月「……っ!」
月「あ、あぁ…」(よし、母にはばれてない!あとはカメラ越しにばれてないといいが…)
捜査本部
L(……)
L「夜神さん…」
総一郎「ん?」
L「最近のお菓子ってすごいですね」
松田「あんなん売ってたんだ!僕も買ってこようかな」
月(違う!今までは絶対に食べてなかったんだ!なんで今日に限って!)
月「…じゃあちょっと部屋で勉強してくるよ。」
母「わかったわ。がんばってね」
ガチャ
月(まあ、カメラ越しにはばれてないと祈るしかない だが甘いな こんなこともあろうかと…)
バン!
月(机の奥の奥の方にもう一個コンソメがあったのさ!(カメラ入り))
月「よしっ頑張るぞ勉強!」
リューク「ベッドのよすみ、エアコンの中、本棚の………かくかくしかじか」
月(やはりLだ!奴も限度ってのをしらない!)
月(まあだがこれで僕はどう見ても勉強している受験生だ)
(ポテチの中に小型テレビが入っている)
小型テレビ「次のニュースです」
月(……っ!音が!!)
月「つ…次のニュースです」
リューク(?!)
捜査本部
L「今なにか音がしませんでした?」
相沢「確かに私も聞こえたぞ」
L「ポテチ…ポテチ……なにか閃きそうだがなんだったか…」
L「どうしました?」
総一郎「まさか…アナウンサーになりたいのか!?」
総一郎「警察官になりたいと言っていたのに!なぜだ!」バン!
松田「まあまあ落ち着いて下さい!」
L(なるほど、夢がアナウンサーか…それなら今の発言もつじつまがあう…ただポテチ…これだけがなにか引っかかる…)
リューク「ククク…とっさにアナウンサーの真似をするとは…さすがだな月…」
月(なんとかこれでごまかせたろう…あとはもともとの作戦通りに…)カキカキパクパク
月(あとはこれをゴミ箱に捨てて…)ガサッ
月「よしっもうひとがんばり」
数分後
捜査本部
ワタリ「さきほど今日9時のニュースで報道された犯罪者が二人とも心臓麻痺でなくなりました」
総一郎「キラだ!」
L(………ポテチ…ポテチ…ポテチ……!!!そうだ!)
L「待って下さい!やはり夜神月は怪しい!」
総一郎「なぜだ!息子はその時間テレビどころかパソコンもつけていなかった!どうやって犯人の名前を知るというんだ!」
松田「そうっすよ!僕も見てました!」
L「よく思い出して下さい あの夜流れた不自然な音を…」
総一郎「音…?」
L「違います そんなことはどうでもいいんです 月くんが「次のニュースです」と二回言いましたね?」
総一郎「あ、ああ…それはそうだが?」
L「あれをもう一度聞いてみたら一回目と二回目…声が違うんです!」
総一郎「息子がアナウンサーの練習で緊張したことを言っているのか!それぐらいは仕方ない!私も昔は…」
L「まあいいです 私が後日 月くんと接触します」
生徒A「これって入試トップの成績で入った奴がやるんだよな?」
生徒B「ずいぶんとかわった奴がトップだな」
壇上
L(夜神月…満点じゃなかったのか…)
月(くそっ!あんな奴に負けるとは!)
入学式後
L「夜神くん」
月(こいつ!成績トップだったやつだ!イヤミを言いにきたのか?)
L「夜神総一郎の息子…もし誰にも言わないと誓っていただければキラ事件に関する重大なことをお話したいと思っています」
月「言わないよ 何?」
L「私はLです」
月「な!?」
L(この反応…50%といったところか…)
月「ほ、ほ、本当にそうならあなたは僕の尊敬する憧れの人です」
リューク「ククク…面白いやつだ」
L「どうも」
月「ああ…」
月 帰宅
さゆ「東大生おかえりーっ」
月「…」
さゆ「?」
ガチャ
月「くそっやられた!」
リューク「やられた?………」
月「こんな屈辱は生まれてはじめてだ!」
リューク「死神の目の取り引きをして殺せばいいじゃないか」
月「なるほど、でも寿命が残り半分になるのはいやだ!」
リューク「わ、悪い…」
月「やられたよ…いい手だ…」
月「ふひっ」
リューク「?」
月「ふひっふっふひひひっデュフっふひひ…ふひふはははははは!」
リューク(壊れた?)
リューク(怖ぇーー!)
翌日
月「流河…僕にテニスで勝てると思うなよ…フヒッ…」
流河「?」
生徒「安永先輩ー」
安永「む?」
生徒「夜神月ってどこかで聞いたことあると思ったら2000の大会で関東大会ベスト32に入っています!」
安永「そうか…」
月「まさかストレートでやられるとは思わなかったよ…」
L「はい 少し本気を出しすぎました…」
リューク(月弱ぇーwww)
月(くそくそくそ!)
L「まあとりあえず二人で話せる場所に移動しませんか?」
月「そうだな」
L「捜査協力をお願いする前提で何も見せないのも失礼ですから…一般には公開されていない情報です 推理してみて下さい」
月(ぼくが悪ふざけで犯罪者に書かせた紙だ…こんなもので僕の顔色が変わるとでも?)
月「えるしっているかしにがみはりんごしかたべない……だろ?どうかんがえても」
L「違います 裏を見て下さい」
月(裏…まさか!)
月「うーん そこまでは推理できなかったな」
L(怪しすぎる…60%だな)
L「ちょっと失礼します」
L「なんだ?」
ワタリ「たいへんだ 夜神さんが倒れました」
L&月「まさかキラに!」
母「月…お父さんが…」
月「そんな…」
そこには心臓発作で死んだ父がベッドに横たわっていた
L「夜神さん…」
月「くっそーキラぁ!」(急すぎだろ…でもこれでぼくが疑われる可能性も減った)
L「おはよう月くん」
月「ああ…」
L「ところで今日もお話したいことが…」
月「うるさい!」
L(なんだなんだ?)
月「もういやだ…父が死んで僕もキラと疑われてる…もう警察はいやだ!僕はアナウンサーになるんだ!」
L(そんな設定あったな…ここでだしてくるとは…)
L「…そうですか」
月「じゃあ…」
L「…」
夜神家
リューク「ナイス演技だったぜ月…とりあえずリンゴくれ」
月「はいはい」シャクシャク
月「わかったよ」
リューク「やっぱりリンゴはインドアでどうどうにかぎる!」
月(ちょっとまてよ…カメラが…そういやまだカメラがある!ヤバい!!マジで!)
捜査本部
松田「竜崎!月くんの部屋でリンゴが浮いています!」
L「?!」
月「………」
リューク(俺は悪くない…よな?)
月「………てじな~にゃ!」
リューク「???!!!」
捜査本部
L(これはいったい?!アナウンサーだけでなく手品師も目指していたと?いや、今のは違う!明らかに手品とはかけ離れていた!しかもあのひとり言…やはり死神…)
松田「さすがにこれは怪しいっす!月くんの家に行きましょう!」
相沢「おれも賛成だ!」
L「そうですね…」
リューク「どうすんだ月?おそらく捜査本部のやつらここまでくるぞ?」
月「リューク……取り引きだ…」
月「ふふふ…見える、見えるぞ!」
月「ふっ捜査本部の奴らがもう家の外まで…おい、まてまてまて、全員マスクにサングラスだと!!名前が見えない!」
L「この時期は花粉がひどいですね」
相沢「まったくだ!」
松田「ちょっと僕たち怪しくないっすか?」
月「うるさい!」(ヤバい…)
ピンポーン
母「はーい」
L「捜査本部のものです 月くんいますか?」
母「二階にいますよ どうぞ上がってください」
月「しょうがない!じつは僕は体術には自信があるんだ!」
リューク「……」
松田「月くん少し話しが…」
ボコッ!
相沢「月くん!一体なにを…」
バコッ!
月「あと1人…落ち着け…」
L「なるほど、タイマンですか…いいでしょう!」
月「オラオラオラオラオラ!!」
ヒュンヒュン
月「当たらない!何故!」
L「経験の差……ですかね!せいやっ!」
ボコッ
月「うっ!」
月「黙ってろ死神!」
L「! 今…死神と言いましたね?」
月「い…いや…!違う4×2=3と言ったんだ」
L「?!」
L「なるほど…月くんは九九を間違えるほどバカだったんですね」
月「うっ!」
L「4×2=8ですよ」
月「ううっ!」
月「く…ふふっ……ふははははははははは!」
月「そうだ 僕がキラだ」
月「どうする」
月「ここで殺すか?」
月「いいか」
月「僕はキラ」
月「そして」
月「新世界の神だ」
ガシッ
月「はなせえ!!」
リューク「無理だ月…その技は四の字がためといって簡単には抜けられ…」
月「黙れ死神!」
月「くっそー!」
二時間後
L「ワタリ 何か喋ったか?」
ワタリ「いえ まだ一言も…拘束されていることに対する文句すら言いません」
L「よし その映像をこっちにもくれ」
松田「うわっ」
L「キラの容疑で捕まえたんです これ位当たり前です」
月(ちくしょう!ちくしょう!なんとかして逃げなければ!なにか方法は…)
リューク「ククク…月…」
月(リューク!)
リューク「助けて欲しいか?」
月(うんうんうん!)
月「……っ!」
リューク「ククク」(いくらなんでも月がこんなこと言うはずがない…)
月「トイレ…トイレ行きたいーっ!ま…また月のおしっこしてるとこ見れるよ楽しくない?!」
L「??!!!」
月「ほ…本当か!」
リューク「ああ」
サラサラッ
月「そうか…捜査本部の名前をデスノート全員書き込んでくれるのか…」
リューク「いや、死ぬのは月…おまえだ」
リューク「夜神月 部屋にあるホモ同人誌が夜神幸子と夜神粧祐に見つかったあと心臓麻痺っと」
月「おい!頼む!粧祐にだけはバラさないでくれ!母はまだいいが粧祐にだけはーっ! 何か手はあるんだろリューク!」
リューク「デスノートに書かれたことは絶対に取り消せない お前がいちばんしってるはずだ さよならだ夜神月」
月「頼む!粧祐にだけは!粧祐にだけはーーーっ!!」
月「ちく…しょう……」(まあスカトロものがばれなかっただけいいか…)
L「夜神月が叫んだあとに死んだ…」
松田「終わった……のか?」
相沢「ああ…俺たちの戦いは…終わったんだ…」
L「…」
松田「…」
松田「竜崎!実はさっき月くんの机を調べていたら急に燃えて…」
相沢「なにっ!」
L「そうですか…おそらく日記でも隠してあったんでしょう」
松田「そっか!」
相沢「確かにそうだな」
L「そうですか…」
相沢「そうか…」
一週間後
相沢「たいへんだ!犯罪者が10人心臓麻痺で死んだ!」
L「はい」(終わってなんかなかった!私とキラの戦いは…夜神月がキラだったかなんてどうでもいい!いつと通り私は目の前の事件を解決するだけだ…)
相沢「解決できないかもしれない。途中でつまづくかもしれない」
松田「でもそんなときは思い出すんだ…親の顔を…」
L「解けない事件はない!私たちは!」
L&相沢&松田「キラ捜査一課だ!」
完
たのしかったよ
乙
Entry ⇒ 2012.09.17 | Category ⇒ デスノートSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
入須「もしもし、入須です」
・10/3 折木家
供恵「あら、どしたの?」
入須『…先輩ですか?』
供恵「うん」
入須『あの、明日の事を話したくてお電話したのですが…』
供恵「明日? 私は暇だけど」
入須『…私は忙しいんです。文化祭なので』
供恵「あー、そういや文化祭だったねー」
入須『…あの、先輩』
供恵「んー?」
入須『わざとですね?』
供恵「ほーたろー! 愛しのイリスちゃんよー!」
入須『せ、先輩っ!』
ダンダンダンダン ガラッ
奉太郎「バカ姉貴!!」
供恵「はい」スッ
奉太郎「………」ガシッ
入須『…折木君?』
奉太郎「なんですか? 先輩」
供恵「おとなのかいだんのーぼるー♪」
奉太郎「部屋に行け! バカ!」
供恵「はいはい。ちゃんと電気消すのよー」
タンタンタン
奉太郎「…ったく」
入須『ふふっ、先輩はいつも面白いな』
奉太郎「どこがですか…」
入須『…まぁ、からかうのは控えて貰いたいが』
奉太郎「あれにそんな事言っても無駄ですよ」
入須『…そうだな』
奉太郎「それで、どうしたんですか?」
入須『あぁ、明日の事を話そうと思ってな』
奉太郎「文化祭ですか?」
入須『そうだ。君の予定を教えて貰おうと思って』
奉太郎「……先輩、俺には恐らく暇はなさそうです」
入須『…何かあったのか?』
奉太郎「…いえ、特には無いんですが」
入須『どういう事だ?』
奉太郎「…すいません、先輩。状況が不透明過ぎて説明できません」
入須『気になるよ。相談にのれると思うんだが』
奉太郎「必要なら千反田が行くと思います」
入須『……君じゃなくてか?』
奉太郎「…えぇ、確証は有りませんが」
入須『そういう事を聞いている訳じゃないんだが…』
奉太郎「先輩。もしあいつが来たら、何も言わずに受け止めてやって下さい」
入須『…事情は話してくれないんだな?』
奉太郎「…明日の夜にもう一度話しましょう。その時には予定を話せると思います」
入須『…わかった』
奉太郎「すいません」
入須『信じてるから』
奉太郎「はい」
入須『…まぁ、私も初日はあまり抜けられそうになかったから』
奉太郎「そうですか」
入須『明日の朝も少し早くてな。君は遅くて大丈夫だよ』
奉太郎「本当ですか!?」
入須『…随分嬉しそうだな』
奉太郎「そんな事ありません」
入須『…まぁ、いい。 …放課後も予定が合わなさそうなんだ。文化祭の期間は別々に行動しよう』
奉太郎「上映会、忙しいんですか?」
入須『ふふっ、それこそ不透明だ。明日はその流れを見る為に常駐しようと思ってな』
奉太郎「女帝の腕の見せ所ですね」
入須『……ふん』
奉太郎「…見えない所で不貞腐れないで下さい」
入須『君には女帝と呼ばれたくない』
奉太郎「みんな呼んでるんじゃないんですか?」
入須『呼ばれる事もあるが、君は駄目だ』
奉太郎「…女帝さん?」
入須『さんを付けても駄目だ』
奉太郎「…女帝様?」
入須『そういう意味じゃない』
奉太郎「じゃあなんて呼べばいいんですか?」
入須『………』
奉太郎「…先輩?」
入須『……名前で、呼んで欲しい』
奉太郎「…え?」
入須『聞こえただろ』
奉太郎「…いや、いつも呼んでるじゃないですか。入須先輩って」
入須『……もう知らん。バカ』
奉太郎「え?」
入須『また明日』ガチャッ
ツー ツー ツー
奉太郎「………」
奉太郎(暴言を吐かれて切られてしまった…)
奉太郎「…まぁ、いいか」
奉太郎(…そういえば、高校のホームページに特設ページがあったんだったな)
奉太郎(手芸部と奇術部…一応見ておくか)
・10/4 通学路
入須(設営は完了、パンフは沢木口に確認済み、釣り銭は担任が朝持ってくる)
入須(配置スケジュールは江波に確認、フィルムの管理は中城に確認、フィルムのコピーは完了)
入須(機器のチェックは羽場に確認…後は私が視聴覚室の鍵を借りてくれば、終わりか)
入須(とりあえず、問題は無さそうだな)
入須(………)
入須(折木君、昨日はどうしたんだろうな…)
入須(何も無いと言いながら、明らかに何かがあった声色だった)
入須(…いや、妙な勘ぐりはよそう。信じると言ったんだから)
入須(………)
入須(…もうすぐ商店街か)
入須(今日は折木君は居ないんだな…)
入須(………)
入須(ふふっ。随分弱くなったな、私も)
入須(全部折木君のせいだ。まったく…)
入須(…だが、昨日の折木君は酷かったぞ!)
入須(私の言っている事を全く理解してなかったし、的外れな事を言うし)
入須(いくら私でも怒る事はあるんだぞ。鈍感…)
入須(先輩でも入須でもなく、本当は…)
入須「…ほ、ほうたろう」ボソッ
入須(………)
入須(…無理だな、これは)
入須(………)
入須(か、顔が焼けそうだ…)
・体育館 開会後
ズン ズン ズン ズン
奉太郎「……あれがダンサーか」
トントン
奉太郎「?」
入須「折木君」
奉太郎「…先輩?」
ズン ズン ズン ズン
入須(…音が凄い)
入須「…ここでは話し辛いな。折木君」
奉太郎「はい」
入須「ちょっと来てくれ」
奉太郎「…はぁ」
・廊下
入須「…すまないな、歩きながらで」スタスタ
奉太郎「いえ。それで、何ですか?」
入須「…まぁ、特に何がある訳でもないんだが」
奉太郎「………」
入須「こら、止まるな。一緒に来い」
奉太郎「部室に行きます」
入須「上がる階段が違うだけだ。距離は変わらないだろ?」
奉太郎「…まったく」スタスタ
入須「…少しだけ君の顔を見ようかと思ってな」
奉太郎「部室に来て下さい。ずっと居ますから」
入須「ずっと?」
奉太郎「三日間古典部で店番なんですよ」
入須「そうか。だが今日は予定が詰まっているんだ」
奉太郎「忙しいんですか?」
入須「そうだな」
奉太郎「頑張ってくださいねぇ」
入須「…気持ちが一ミリも入ってないだろ?」
奉太郎「…そんな事ありません」
入須「嘘をつくな」
奉太郎「……あ、もうすぐ視聴覚室ですよ」
入須「話を逸らすな」
奉太郎「ほら、みんないますよ」
入須「……夜、電話するんだぞ」
奉太郎「じゃあ俺は部室に
ガシッ
入須「電話、するんだぞ」
奉太郎「…わかりました」
入須「頼むぞ。九時には自室にいるから」
奉太郎「では、また」
入須「あぁ」
入須(…この分だとまた忘れそうだな)
入須(いや、信じる事も大切だ)
入須(信頼してこそ、対等だからな)
・視聴覚室 午後
入須(大きなトラブルも無く、パンフの売れ行きも上々)
入須(順調だな。明日は見て回る事もできそうだ)
入須(…奇術部、楽しみだな)
入須(手芸部のぬいぐるみ、カワイイだろうな)
入須(折木君はどちらが好きなんだろうか)
入須(…いや、どちらも興味がないだろうな)
入須(私が手芸部でぬいぐるみを選んでいたら)
入須(先輩、長いです。帰ってもいいですか? とか)
入須(私が二つのぬいぐるみで迷って、どちらが良いか聞いたとしたら)
入須(どっちでもいいんじゃないですか? とか)
入須(……腹が立ってきた)
江波「入須さん」
入須「! …なんだ?」
江波「受付の隣にそんな顔で立たないで下さい」
入須「…酷いか?」
江波「お客が帰ります」
入須「……中に入っていよう」
江波「はい」
入須(…折木君のせいだ!)
入須(……ふん)
入須(………)
入須(……反省しよう)
・折木家 夜
奉太郎(明日も店番、明後日も店番…素晴らしいじゃないか)
奉太郎(…あの文集がなければだが)
奉太郎「………」ハァ
供恵「ため息つくな」パシッ
奉太郎「痛っ! なんだよ姉貴」
供恵「私の幸せが逃げる」
奉太郎「姉貴のは逃げねぇよ」
供恵「婚期が遅れたらあんたのせいよ」
奉太郎「姉貴が結婚? …諦めろ、無理だ」
供恵「なんだってー?」
奉太郎「……へ、部屋に戻る!」ダッ
供恵「待てコラ!」
プルルルルル…プルルルルル…
奉太郎「…こんな時間に電話?」
供恵「誰だろ?」
奉太郎「とりあえず取れよ」
供恵「はいはい」
ガチャ
供恵「はい、折木ですけど」
入須『もしもし、入須です』
供恵「…ただいま留守にしております。御用の方は
入須『…先輩』
供恵「ん? どした?」
入須『折木君はいますか?』
供恵「後ろにいるよ」
入須『代わってください』
供恵「なんか声怖いねー」
入須『…代・わ・っ・て・く・だ・さ・い』
供恵「は、はーい」
入須『………』
供恵「…奉太郎、またあの子に余計な事いったでしょ?」
奉太郎「あの子?」
供恵「はい」スッ
奉太郎「…なんだよ?」ガシッ
入須『…折木君?』
奉太郎「あぁ、先輩ですか。どうしたんですか?」
入須『待っていたんだが』
奉太郎「何をですか?」
入須『………』
奉太郎「…先輩?」
入須『折木君』
奉太郎「はい」
入須『バカ!!』ガチャッ
奉太郎「うぉわっ」
ツー ツー ツー
奉太郎「………」
供恵「なんだって?」
奉太郎「…わからん」
供恵「とりあえず会ったら謝っときなよ」
奉太郎「…その方が良さそうだ」
・10/5 通学路
入須(………)
入須(………)
入須(………)
入須(……絶対に許さん)
入須(土下座しても許さん)
入須(強い気持ちを持って、折木君に憤慨しよう)
入須(昨日のは酷過ぎる!)
入須(………)
入須(…とはいえ、釈明の機会を与えなくては可愛そうだろう)
入須(今日は部室に行ってやるか)
入須(………)
入須(…まぁ、許さないがな)
入須(………)
入須(…内容によっては考えてやるか)
入須(………)
入須(…正直に頭を下げたら、許してやろう)
入須(私も鬼ではないからな)
入須(…感謝しろよ、折木君)
・古典部 午前
奉太郎「…ふぁいやー」
入須(………)コソコソ
奉太郎「………」
入須(…折木君一人か)
入須「…失礼する」
奉太郎「! せ、先輩」
入須「休みが取れてな。来たよ」
奉太郎「そ、そうですか」
入須「…どうした?」
奉太郎「いや、あのー…」
入須「なんだ?」
奉太郎「…怒ってないんですか?」
入須「…そう聞く前に言う事はないのか?」
奉太郎「……すいませんでした」
入須「なにがだ?」
奉太郎「…なにがでしょう?」
入須「………」ペシッ
奉太郎「痛っ!」
入須「…まったく。もういいよ」
奉太郎「…寝る前に考えてはいたんですけど」
入須「あぁ」
奉太郎「ひょっとして何もしていないんじゃないかと」
入須「………」
奉太郎「すいません、冗談です」
入須(………)ハァ
入須「……いいか、例えば、君がどうしても読みたい本が発売するとしよう」
奉太郎「はい」
入須「書店の開店は十時だ。君はどうしても読みたくて九時からその書店の前で待っていた」
奉太郎「絶対しませんけどね」
入須「まぁ君はそうだろう。続けるが、十時になってもその書店は開かない。十時半、十一時、十一時半」
奉太郎「他の店に行きましょう」
入須「近場にはその書店しかないと考えろ。十二時になってようやく店主が表に現れ、シャッターを開けた。そこで散々待たされていた君は店主に聞くんだ、待っていたんですけど、と」
奉太郎「はぁ」
入須「そこで店主はこう言った。あぁ、待ってらっしゃったんですか。何故ですか? と」
奉太郎「…それがオチですか?」
入須「違う、笑い話じゃないよ。君はこの店主をどう思う?」
奉太郎「……二時間待たされて何故ですか、ですか。とりあえず腹が立つと思います」
入須「そうだろう」
奉太郎「……え?」
入須「………」
奉太郎「……考えます」
入須「あぁ、頼む。そろそろ休みも終わる、私は戻るぞ」
奉太郎「お気をつけて」
入須「午後にまた来るから」
奉太郎「来なくていいです」
入須「それまでに考えておくんだぞ?」
奉太郎「明日まで待って
入須「考えろ」
奉太郎「…はい」
入須「ではな」
奉太郎「………」
スタスタ
入須(…わかってなさそうだったな)
入須(…いや、腐っても折木君だ。期待しておこう)
・古典部 午後
入須(………)
入須(…凄かった! 奇術!)
入須(お椀と玉がまさかあんな事になるとは!)
入須(…はぁ、不思議だ)
入須(折木君も誘えばよかったな)
入須(福部君が居たから折木君も居るかと思ったんだが)
入須(…まぁ、居たら何故私と来なかったのかを問い詰めるが)
入須(…そろそろ着くな)
入須(………)コソコソ
奉太郎「………」ボーッ
入須(………)
入須「…折木君」
奉太郎「…先輩」
入須「どうしたんだ、ボーっとして」
奉太郎「そう見えます?」
入須「あぁ」
奉太郎「色々考えていたつもりなんですけど」
入須「色々?」
奉太郎「先輩の件以外にも色々ありまして」
入須「…この文集か?」
奉太郎「それもあります。先輩、ありがとうございました」
入須「千反田の事か。君たちには世話になったしな」
奉太郎「すいません」
入須「…流石にこの量は驚いたが」
奉太郎「止むに止まれぬ事情がありまして」
入須「まぁ、出来る限り協力はするよ。こちらの売れ行きは上々だ」
奉太郎「助かります」
入須「…そういえば、千反田が妙な事を聞いてきたんだが」
奉太郎「はぁ」
入須「人への頼み方を教えてくれと」
奉太郎「……あぁ」
入須「なんなんだ一体?」
奉太郎「あいつなりに努力しているんでしょう」
入須「………?」
奉太郎「で、なんて言ってやったんですか?」
入須「……まぁ、私の思う所をな」
奉太郎「…先輩」
入須「…なんだ」
奉太郎「俺にやった事、そのまま言ったんじゃないでしょうね?」
入須「……そんなことはないぞ」
奉太郎「目を逸らさないでください」
入須「…似た様な事は言ったかもな」
奉太郎「言いましたね」
入須「言ってない」
奉太郎「………」
入須「……ところで、君が私にした酷い事がなにかはわかったのか?」
奉太郎「なんですかその表現は」
入須「そのままの意味だ。鈍感鬼畜の折木君」
奉太郎「とんでもない二つ名ですね…でも、わかりましたよ」
入須「本当か?」
奉太郎「流石にこれだけ時間があれば」
入須「では聞かせて貰おうか」
奉太郎「ずばり、一言で当てましょう」
入須「あぁ」
奉太郎「放課後、俺が待ち合わせせずに帰ったからです」
入須「……ん?」
奉太郎「約束の話をしてましたけど、先輩、文化祭中はその約束は無かった筈ですよ」
入須「………」
奉太郎「前もありましたよね。俺に朝五分遅れたって怒った事」
入須「あぁ」
奉太郎「自分で言った事ですよ、先輩。俺の手帳に予定を書くんですから、先輩も気をつけてくださいよ」
入須「………」
奉太郎「……どうですか、先輩?」
入須「………」
奉太郎「………」
入須「………!!」ペシッペシッ
奉太郎「痛っ!」
入須「バカ!」ペシッ
奉太郎「痛っ! せ、先輩!」
入須「…明日まで君とは話さない」
奉太郎「…え?」
入須「反省しろ」
奉太郎「違うんですか?」
入須「一晩考えろ、バカ」スタスタ
奉太郎「………」
スタスタ
入須(……! ……!!)
入須(信じられない!)
入須(好きじゃなかったら絶交だ!)
入須(……!!!)
入須(………)ハァ
入須(…もう知らん)
・折木家 夜
奉太郎(………)
奉太郎(一体なんなんだ、先輩が怒っている事…)
奉太郎(…俺が忘れている事があるはずだ)
奉太郎(………)
供恵「風呂上がったよ」
奉太郎「…あぁ」
供恵「…なにしてんの?」
奉太郎「少し考え事だ」
供恵「入須ちゃん?」
奉太郎「…なぜわかる」
供恵「まぁねぇ」
奉太郎「……女心はわからん」
供恵「あんたがんな事言う日が来るとはねぇ」
奉太郎「…割と真剣なんだ」
供恵「ふーん」
奉太郎「…興味なさそうだな」
供恵「無いよ」
奉太郎「なら絡んでくるな、バカ」
供恵「いいのかなー? そんな事言って」
奉太郎「………?」
供恵「折角アドバイスしてあげようと思ったのに」
奉太郎「…なんだよ」
供恵「わからない事に頭を使ってもしょうがないわよ」
奉太郎「どういう事だよ」
供恵「わかる事に目を向けて考えれば、わからない事にも答えは出るって事よ」
奉太郎「…よくわからないんだが」
供恵「あんた、テストでわからない問題が出たらどうする?」
奉太郎「飛ばして先にいく」
供恵「それでわかる問題を解いている内に思い出す事もあるでしょ? もしかしたらその先に答えのヒントがあるかもしれない」
奉太郎「だが、数学の公式なんかは頭から抜けていたら無理じゃないか?」
供恵「それなら終わった後に教科書を見ればいいじゃない」
奉太郎「手遅れだ」
供恵「次につながるでしょ」
奉太郎「…詭弁じゃないか、それは」
供恵「ようは、解決方法なんていくらでもあるって事」
奉太郎「あぁ」
供恵「今回の場合、事実を検討すればわからない事に上書きできるはずよ」
奉太郎「上書き?」
供恵「入須ちゃんが今必要としているエックス。それより必要なワイを示せれば、この問題は解決」
奉太郎「だが、今以上に悩んでいる問題は無いぞ」
供恵「それをあんたが検討して考えるのよ」
奉太郎「…難しいな」
供恵「それ以上は知らない。じゃ、私は寝るから」
奉太郎「助かったよ、姉貴」
供恵「尊敬したでしょ?」グリグリ
奉太郎「…頭から手を離せ」
供恵「ふふーん。おやすみー」
奉太郎「あぁ」
奉太郎(…とはいえ、入須先輩が今必要としている答え以上の答えか)
奉太郎(…また明日、考えてみよう)
・10/6 折木家 朝
奉太郎(………)
奉太郎(…姉貴の言っていた事はなんとなくわかったが)
奉太郎(この答えを出すのは、勇気がいるな)
奉太郎(だが、先輩の事を考えれば…)
奉太郎(そろそろ、決着をつけないといけないな)
プルルルルル… プルルルルル…
供恵「出てー」
奉太郎「おー」
ガチャッ
奉太郎「はい、折木です」
入須『…折木君か?』
奉太郎(!)
奉太郎「入須先輩…」
入須『…昨日の事はひとまず保留にして、要件だけ伝えよう』
奉太郎「はい」
入須『十二時に手芸部でデートする、以上』
奉太郎「…わかりました、昼ですね」
入須『約束したからな』
奉太郎「はい」
入須『では、後で』ガチャッ
ツー ツー ツー
奉太郎「……ふぅ」
供恵「なんだって?」
奉太郎「昼に会おうとさ」
供恵「ふーん」
奉太郎(……先輩)
・古典部 午前
入須(…と、言いながら来てしまった)
入須(少し顔を見るだけだ)
入須(まだ許してないしな)
入須(いや、謝ったから許したが、折木君が私を否定するのがいけないんだ)
入須(………)ハァ
入須(もっと私に興味を持ってくれ、折木君)
入須(…待ち続けるのも、辛いよ)
入須(……そろそろ古典部か)
入須(………)コソコソ
入須(…ん? 声がするな)
奉太郎「二百円です」ニコォ
女「はい」
奉太郎「ありがとうございます」
女「…君、笑顔がぎこちないね」
奉太郎「…そうですか?」
女「ほら、こうやって口角上げて」
奉太郎「はぁ」
女「少しだけ口を開けて」ニコー
奉太郎「なるほど」
女「ほらっ、やってみて」
奉太郎「………」ニコォ
女「んー…」グイッ
奉太郎「!」
入須(! あの女性、折木君の顔を…)
女「ちょっと口を開けて」
奉太郎「………」ニコー
女「…ま、こんなもんか」
奉太郎「…離ひて貰ってひひでふか」
女「おっと、ごめん」
奉太郎「…ぎこちなくなりましたかね?」
女「ギリギリオッケーかな」
奉太郎「ありがとうございます」ニコー
女「!」ズイ
入須(あの女、折木君に顔を…!)
奉太郎「…な、なんでしょうか?」
女「あなた名前は?」
奉太郎「お、折木です」
女「折木君、ね。覚えとく」
奉太郎「…はぁ」
女「なかなか可愛い笑顔ね」
奉太郎「それ、言われて嬉しくないですよ」
女「そう?」
入須(……今は、やめておこう)
スタスタ
入須(………)
入須(折木君、楽しそうだったな)
入須(私以外の女性と楽しそうに)
入須(………)
入須(…私の前で、笑った事はあっただろうか)
入須(………)
入須(…辛いな、とても)
・手芸部 昼
入須(可愛いカエルのぬいぐるみだ!)
入須(カエル先生と名付けよう!)
手芸部員「ありがとうございます」
入須(しかし、千反田える…)
入須(…後で、言っておかないとな)
奉太郎「先輩」
入須「!」
奉太郎「もう見てたんですか」
入須「…折木君」
奉太郎「…そのかえる、買ったんですか?」
入須「あ、あぁ」
奉太郎「可愛いですね」
入須「…そう言われて、君は嬉しいのか?」
奉太郎「え?」
入須「…いや、なんでもないよ」
奉太郎「…はぁ」
入須「その荷物はどうした?」
奉太郎「諸事情です」
入須「店番はいいのか?」
奉太郎「伊原に頼みました」
入須「そうか…」
入須(できれば、会いたくなかったな)
奉太郎「…先輩、もう全部見ましたか?」
入須「…いや、まだだ」
奉太郎「それなら、軽く見て回りましょう」
入須「…そうだな」
スタスタ
奉太郎「…おぉ、でかいクマがいますよ、先輩」
入須「…そうだな」
奉太郎「売ってたら姉貴が買いそうですね」
入須「…そうだな」
奉太郎「…あ、里志の展示品がありますね」
入須「…あぁ」
奉太郎「……キャンディーに、歯…何を作ってるんだアイツは」
入須「………」
奉太郎「…先輩」
入須「…なんだ?」
奉太郎「どうかしましたか?」
入須「………」
奉太郎「先輩?」
入須「…来てくれ、折木君」
奉太郎「…はぁ」
・3F連絡路
入須「………」
奉太郎「………」
入須「……折木君」
奉太郎「はい」
入須「…夏に君と出会ってから今まで、色々あったな」
奉太郎「そうですね」
入須「…楽しかったか? 私と居て」
奉太郎「…まぁ、それなりに」
入須「…嘘をつくな」
奉太郎「嘘じゃありませんよ」
入須「…誰でも自分を自覚するべきだ、折木君」
奉太郎「…どこかで聞いた台詞ですね」
入須「自分がそう認識していなくても、心の底で思っている事は表面化する」
奉太郎「………」
入須「夏から今まで、君は何も変わっていない」
奉太郎「変わってますよ、多少は」
入須「…折木君、変わったのは私だ。夏の一件以来、私は君に変えられた」
奉太郎「…はぁ」
入須「一人の人間を変える力が君にはある。私が保証する」
奉太郎「…ありがとうございます」
入須「…君は私にとって、特別な存在よ。だからこそ、君は私の前では変わらない」
奉太郎「どういう事ですか?」
入須「変わる必要が無い。私が折木君に位置を合わせようと上下左右に動いているから、君はそれを待っているだけで良い」
奉太郎「………」
入須「そう、君は根本的には私と相対し真実を突き止め、苦手意識を宿したあの頃と何も変わっていない」
奉太郎「…それは間違っています、先輩」
入須「なら一つ聞こう。君は私が居なくてはいけない理由があるか?」
奉太郎「……それは」
入須「君は私に何も話さない」
入須「君は私に笑顔を見せない」
入須「君は私に興味を持たない」
入須「君は…
入須(何を言うんだ、私は…)
入須「私の事が嫌いなんだろう。私だけが楽しかった。朝君と会う時も、昼食も、放課後も」
奉太郎「先輩…」
入須「君は苦痛に感じていたんだろ? 束縛されて、今も嫉妬に狂っている私の事を」
奉太郎「…嫉妬?」
入須「君が知らない女性と話しているだけで、私は辛い」
奉太郎「…もしかして午前中、部室に来ましたか?」
入須「君が楽しそうに話しているのを見たよ。そして自身の浅ましさを知った」
奉太郎「誤解ですよ、先輩…」
入須「…折木君、私は君が必要だが、君は私が必要ではないんだろう」
奉太郎「そんな事ありません!」
入須「…君は、その理由を話す事は出来ない」
奉太郎「………」
入須(……! 折木君、なぜ、そんなにも悲しそうに私を見るんだ…)
入須(私は、間違っていたのか…?)
奉太郎「先輩…?」
入須(…もしかしたら、私が)
入須「…私が、変わっていなかったのか?」
奉太郎「…え?」
入須(私は昔のまま、折木君に尽くさせようと、決定的な言葉を無理矢理言わせようと…)
入須「違うんだ、折木君。私にそんなつもりは…」
奉太郎「…落ち着いてください、先輩!」ガシッ
入須「! お、折木君…」
奉太郎「入須先輩…」
入須「………」
奉太郎「………」
入須「……私に、触れてくれたな」
奉太郎「はい」
入須「…君の事になると、冷静で居られなくなってしまう」
奉太郎「…俺が悪いんです。態度が曖昧だから」
入須「君じゃない、私だ」
奉太郎「………」
入須「…しばらく、会わない方が良いかもしれない」
奉太郎「!」
入須「昔の、あの夏の終わりには戻りたくない。それだけは、嫌なんだ」
奉太郎「…俺も、嫌ですよ」
入須「……今日はここで別れよう。その内また顔を合わせた時は…」
奉太郎「………」
入須「…笑って話せる様に、頑張るよ」
奉太郎「先輩…」
入須「…またな」スッ
スタスタ
入須(汚い、醜い…私はなんて女なんだ…)
入須(折木君が好きだ、偽りは無い)
入須(折木君も、同じ気持ちだと信じている)
入須(…だが私がこのまま変わらなければ、いずれまた、元に戻ってしまう)
入須(…私では、折木君に相応しくないのかもしれないな)
入須(辛いよ、折木君…)
・奉太郎の自室 夜
奉太郎(…あの時俺が理由を話せていれば、こうはならなかっただろう)
奉太郎(先輩の気持ちは理解していたはずだ)
奉太郎(俺自身にも自覚している心がある)
奉太郎(だが、それを言葉で、体で、相手に伝わらなければ意味が無い)
奉太郎(…変わっていない、か。確かにその通りかもしれないな)
奉太郎(無意識の内に俺は先輩に頼りきって、全てを放置していたんだ)
奉太郎(最初の告白、朝と放課後の約束、先日の休日の事、全て先輩がしてくれた事だ)
奉太郎(………)
奉太郎(……それなら、今度は俺が)
奉太郎(俺が、先輩に示す番だ)
奉太郎(全てに理由をつけて、答えを出して)
奉太郎(先輩を納得させるしかない!)
奉太郎(……考えますよ、先輩。省エネはしばらくやめましょう)
奉太郎(しばらくなんて言わせない。すぐにでも、二人で笑って話せるように…)
奉太郎(待っていろ、入須冬実…!)
次回に続く
おまけ
・入須の自室 夜
入須「カエル先生…」
入須「………」ギューッ
入須「可愛い…」
入須「………」
入須「先生、折木君にしばらく会えないんだ…」
入須「………」
入須「いや、もしかしたら、ずっと…」
入須「………」ギューッ
入須「ふわふわだ…」
入須「…先生、折木君に二度と会えないとわかった時は」
入須「先生と結婚するよ…」
入須「………」ギューッ
入須「…もこもこ」
入須「折木君…」
入須「………」
入須「……今日は先生と寝よう」
パチッ
入須「…おやすみ、カエル先生」
入須「………」ギューッ
おわり
次回で延々まわりくどくやってきたこのSSも終わりです。
できれば土曜日にあげたい所ですが…頑張ります。
お付き合いいただいた方、ありがとうございました。
やっぱ入須先輩可愛い
アニメでも普通に先輩とほうたろ話しててびっくりした
Entry ⇒ 2012.09.17 | Category ⇒ 氷菓SS | Comments (2) | Trackbacks (0)
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橙子「君は動物に例えるとうさぎらしいな、式」式「…え?」
― 朝・伽藍の堂 ―
橙子「……」ボケーッ…
式「……」
橙子「式……頼みがある。すまんが、コーヒーを一杯淹れてくれないか……」
式「……それくらい、自分でやれよ」
橙子「まあ、そう言うな。見ての通り今忙しくてな……そっちまで手が回らん」ボケーッ…
式(これの、どこが……?)
橙子「淹れてくれたら面白い話聞かせてやるから……」
式「……」
橙子「黒桐の事だぞ」
式「……」ピクッ
橙子「……」
式「……」
式「ブラックで良いんだな?」
橙子「分かり易いなぁ、おまえ……」クスクス…
……………………
式「……」
橙子「……」ゴクゴク…
橙子「うん……やっぱり朝はこれを飲まんとしゃっきりせんな」
式「トウコ。話って」
橙子「ああうん、分かってる。まあ本当の事言うと、どうでも良い話なんだがな」
式(さっきと言ってる事が違うじゃないか)
橙子「あれは一週間程前の事だったかな……」
――――――――
橙子「式って動物に例えたら何になるんだろうな」
幹也「――どうしたんですか、唐突に」
鮮花「……」カリカリ
橙子「最近さ、動物占いとか言うのが流行ってるだろう」
幹也「はぁ。人の性格を動物の枠に当てはめると……って奴ですね」
橙子「そう、それそれ。それを聞いてふと思ったんだが……式の性格を動物に当てはめたら何になるのかなって」
幹也「……何で急にそんな事を?」
橙子「何って……そりゃ暇潰し」
幹也「――暇だっていうんなら仕事、手伝ってくださいよ。書類仕事全部僕に押し付けて……」
橙子「今は無理だ。見ての通り、君の妹に魔術の修行を付けている最中だからな」
鮮花(修行って言っても魔術書の写本ですけどね……)カリカリ
橙子「ちなみに鮮花は式を動物に例えたら何になると思う?」
鮮花「……」
――――――――
橙子「『シュミの悪い泥棒猫』、だってさ」
式「鮮花の奴……そりゃあお互い様だろう」
橙子「シュミが悪い事自体は否定しないんだな。……まあ、確かに良いとも言えんが」
式「……それで?」
幹也「泥棒猫って……そりゃあ式にはなんだかんだいって人の物を獲るクセがあるけど……それでも、最近は大分マシなんだぞ」
鮮花「――そうじゃなくって……」
幹也「?」
橙子「まあ、式がネコ科というのは私も同意見だ。泥棒猫なんて可愛いものじゃなくて、獅子や虎の類だと思うがね」
――――――――
式「……オレがライオンって、どういう事だよ」
橙子「だってホラ。おまえって、腹が減ったら人でも喰いかねんし」ハハ
橙子「分かった。分かったから無言で首元にナイフを突きつけるのは止めてくれ。怖い」
式「……」
橙子「全く……相変わらず気が短いな」
式「……おまえの話は長いんだよ」
橙子「分かった、黒桐が何て言ったかパパッと教えるから」
――――――――
橙子「で……黒桐は何になると思う?式を動物に例えると」
黒桐「うさぎです」
――――――――
式「……え?」
橙子「即答だったぞ」
――――――――
橙子「ほぉ……どうして?」
幹也「どうしてって……だって、式といえばうさぎでしょう。僕は昔からずっとそう思ってますけど」
――――――――
橙子「人に懐かない所やら、遠くからこっちをじーっと見てる姿やらがうさぎに似てるんだと」
式「……」
――――――――
橙子「……」
幹也「サンドイッチをちびちびかじる仕草が小動物みたいで……」
橙子「黒桐、黒桐……」
幹也「前にいきなり冷たい物を食べた時なんか……はい、何ですか橙子さん」
橙子「不用意に質問した私も悪かったが……もうその辺にしておいてくれ。鮮花が……」
鮮花「」
幹也「あれ……鮮花?」
――――――――
式「……」
橙子「あんな物を延々と聞かされるこっちの身にもなれ……鮮花なんかぶっ倒れてしまったぞ」
式「――知るか。元はそんな質問をしたおまえが悪いんじゃないか」
橙子「まあ、そうなんだが……」
橙子「……」
橙子「――でもまあ。君がうさぎというのもあながち間違いじゃないな」
式「はぁ……?」
橙子「うさぎは寂しいと死ぬって良く言うだろ。だから」
式「――オレは別に寂しがってなんかいない」
橙子「ほぉ? では黒桐が出張して一週間、毎日ここに通いつめて帰りを待ってるのは誰だ」
式「……」
橙子「そう言えばおまえ……前にあいつが免許を取りに一月ほどこの町を離れた時も、目に見えて不機嫌になっていたな」
式「……」
橙子「……やれやれ。あいつがどこに行ったか知りたいのならば、素直に聞けば良いのに」
式「……」
橙子(意地が邪魔をして聞けない、か。最も、私もここまで出張が長くなるとは思わなかったが。……行き先で何かあったか?)
橙子「全く……いつになったら帰ってくるんだろうね、うちの坊やは」
何かのパロディ?
ボーパルバニーでググればいろいろ出てくる
ゲーム「ウィザードリィ」に出てくる序盤のモンスター
即死攻撃をする可愛いうさぎ
なるほどー
最初に読んだときは何かの伏線かと思ってた
(プルルルル……プルルルル……)
式「……」
橙子「……」カチャ
橙子「はい、蒼崎ですが………………あら、幹也くん」
式「……!」ピクッ
橙子「どうしたの? 連絡もないし、心配してたのよ。…………え?」
式「……」
橙子「……へぇー。うん……うん……そんな事があったんだ。なるほどねー……」
橙子「うん、じゃあさ。ビールと……後お土産買ってきて。うん、ハイ、ヨロシクゥ!ハイ」
(ガチャッ)
式「……」
橙子「……」カチャ
橙子「朗報だ。黒桐が帰ってくるぞ、式」
式「――そう」スタスタ
橙子「何だ、もう帰るのか? 出迎えは? その為に毎日ここで待ってたんじゃないのか、君は」
式「……」
橙子「一言『お帰り』と位は言ってやっても良いんじゃないか」
式「……」ボソ
橙子「?」
式「あいつ……この一週間どこに行ってたんだ」
橙子「ちょっと他県まで。仕事でな。本当なら一日で帰って来れるはずだったんだが……何やら長引いたようだ」
式「……」
橙子「連絡が無かった事に怒ってるのか?」
式「どの県に行ってたかは知らないけど。電話が出来ないって事はないだろう」
橙子「何でも凄く忙しかったらしい。それに、もしかしたら電話さえ通じてない場所に行く破目にあっていたのかもしれない」
式(そんな場所、今時あるか?)
橙子「黒桐の奴、声を聞く限り凄く疲れてそうな印象を受けた」
式「……」
橙子「こういう時、君に一言声を掛けてもらうのが一番元気が出るんじゃないのか、あいつ」
橙子「…………あ。……ちょっと待ってろ、すぐ戻ってくる」
式「……?」
………………………………
橙子「という訳で……ホラ、式」
式「トウコ」
橙子「黒桐が君をうさぎに例えた事はさっき言ったな。だから……」
式「ちょっと待て」
橙子「君が、このバニーコスであいつを出迎えてやれば、黒桐は凄く喜ぶと思うんだ」
式「……」
橙子「……」
式(前から思ってた。トウコって、実はすっごく頭悪いんじゃないのかって……)
橙子「さあ、着てみろ式」ズイッ
式「何でオレがそんな事しなくちゃならないんだ」
橙子「黒桐が喜ぶ」
式「……知るもんか、あんな奴」プイッ
橙子「……黒桐が、おまえに無断で居なくなった事が、そんなに許せないか?」
式「……」
橙子「君が前に姿をくらませた時、黒桐も散々心配してたんだがな」
式「……っ」ピクッ
橙子「その時の事あいつにもう謝ったか? まだだろう? ならこれは、その時の侘びも兼ねてだ……」
式(……私の避けている事ばかり突いてくる、この女は……)
………………………………
橙子「……」オォー…
式「……」
橙子「…………素晴しい」
式「……ッ! やっぱり止めだ、こんなのっ!」
橙子「おっと待て待て。悪かった。でも本当に似合ってるぞ」
式「……こんなの、似合ってるなんて言われても嬉しくない」
橙子「それもそうか。しかしなぁ……」ジロジロ
式「……」
橙子「何か足りないよなぁ……あっ、そうだ。物は試し、これも付けてみろ」
(すぽっ)
式「……」
橙子「おー、やっぱり。黒桐はうさぎだと言ったが、君にはやっぱりネコも合うな」
式「トウコ、おまえいいかげんに」
橙子「黒桐のためだぞ」
式「~~~っ……」
式「……おい、トウコ。おまえ、さっき忙しくて他に手が回らないって言ったよな?」
橙子「あれは本当。どうやって暇を潰すか考えるのが忙しくて、他の事に手が付かなかった」
式(こいつ……!)
橙子(……ん?)ピクッ
橙子「思っていたより大分早いな……もう帰って来た」
式「―――!」
式(幹也が……帰って来た……?)
(…………こつこつこつ)
橙子(階段を昇って……真っ直ぐこの部屋に向かって来てる)
橙子「一週間ぶりのご対面だ。心の準備は出来てるか、式」
式「……」ドクン…ドクン……
(……こつこつこつ)
橙子「……このまま普通に対面しても良いんだが。それだとちょっと面白みが足りないな……よし、式」
式「……何」
橙子「一旦台所に隠れててくれ。私が合図を送るから、その時出てくればいい。後……」ゴニョゴニョ……
式「――えっ……!?」
橙子「ちょっとしたサプライズだ。さ、早く隠れろ」
式(……お詫びにビックリさせるってどういう事だろう)タタタ…
(ぎいいい……)
橙子「―――遅いよ。お帰り、黒桐」
幹也「……遅れてすみません。黒桐幹也、ただいま帰ってきました」
式「……!」
橙子「本当に、偉く長い出張だったな。どうしたんだ、連絡も入れないで?」
幹也「ええ、最初はすぐに戻る予定だったんですが……ちょっと用事が出来ちゃいまして」
式(幹也の声だ……)
橙子「まあ募る話もあるだろうが、とりあえず今はゆっくり……」
幹也「『でも良いから、早く土産を見せろ』でしょ」
橙子「いや、そんな事は無いぞ?」
幹也「……だと良いんですが。はい、これ」トサッ
橙子「……」
橙子「これが、そうか?」
幹也「はい、そうです」
橙子「ハーゲンダッツのストロベリー……か」
幹也「あんまり文句は言わないで下さいよ。僕交通費以外すっかりおけらで……大体さっき電話した場所も近場だったじゃないですか」
橙子「少し安上がりだが……まあ君が無事戻ってきただけ良しとしよう。お疲れさん、黒桐」
幹也「そう言っていただけると助かります。……ところで橙子さん」スッ…
橙子「……」
幹也「……」
橙子「ん? 何だこの手は?」
幹也「こんな時に言うのも不躾だとは思うんですが……今日、給料日です」
橙子「……」
幹也「お給料払ってください、今日、ここで」
橙子「……」
幹也「……」
橙子「え?」
幹也「え?」
式(……?)
橙子「……」
幹也「え……だって……先週にちゃんと……聞いたじゃないですか」
幹也「橙子さん。今月はちゃんとお給料出ますよね?」
橙子「何だ黒桐。藪から棒に」
幹也「いえ……今月ちゃんとお給料出るのかなーってちょっと不安になりまして」
幹也「何せ、橙子さんには百飛んで十二万の振込金を一日で使い果たした前科がありますから……」
橙子「それ、飛んでないぞ。……あれは突然の出物だったから、つい」
幹也「『つい』で一度に何十万も使われたら堪りませんよ。……今月は大丈夫、ですよね?」
橙子「大丈夫だ。……私が信じられないか、黒桐?」
幹也「いえ……じゃあ、信じますよ……」
――――――――
幹也「って、話したじゃないですか。ちゃんとありますよね?」
橙子「……」
橙子「あっ! あんな所に空飛ぶ吸血生物(きゅうけつなまもの)が!」
幹也「え……?」チラッ…
橙子「……ッ!」ダッ
トウコは逃げ出した。
……しかし、回り込まれてしまった!
幹也「逃がしませんよ」
橙子「……」
幹也「……」
幹也「……橙子さん。……まさか、まさか」
橙子「黒桐……人は何故、出逢うんだろうね」
幹也「難しい事言って誤魔化そうとしても駄目です」
橙子「……」
幹也「……」
幹也「……もしかして」
橙子「あっ! あそこ、蛇女が自転車で曲乗りを!」
幹也「え……?」チラッ……
橙子「……ッ!」ダッ
しかし、回り込まれてしまった!
幹也「逃がさないって言ったでしょう!」
橙子「……」
幹也「……」
橙子「……」スッ…カチッ…
橙子「……」シュボッ…
橙子「……」フゥー…
幹也「……」
橙子「……無い」
幹也「あなたって人はあぁぁぁーーー!!!」
橙子「落ち着け、黒桐」
幹也「これが落ち着いていられますか! 何をしたんですか橙子さん!?」
橙子「いやな……どうしても……どうしても今しか買えない掘り出し物が、ダークアマゾンにあったんだ……」
橙子「で、気が付いた時にはそれをポチッと……」
幹也「ポチッとじゃないでしょう!!」
橙子「それがこの何でも願いを叶えてくれるとか言う聖杯のレプリカなんだが……」
幹也「……」
橙子「いやあ、こりゃ完全にバッタ物だ。何の効果も無い」ハハ
幹也「……また無駄な買い物をしたぁ……! 止めようとしたのにぃ……!!」
橙子「すまなかった。今回ばかりは、本当に反省している」
幹也「嘘ばっかりっ……」
橙子「……」 ←『良く分かったな』という表情
橙子「今回は『金貸してくれ』何て言わないからさ」
幹也「……当たり前ですよ。大体、どこの世界に社員に金をせびる社長が居るんですか」
橙子「ここ」
幹也「あぁぁ……」
橙子「まあ、金の方は近日中に何とか工面するから……それより黒桐」
幹也「……何ですか?」
橙子「お詫びといっては何だが……君に、見せたい物がある。それを見れば、きっと君も喜んでくれると思う」
幹也「……はぁ……?}
橙子「だからさ……ちょっとだけ、あっち向いててくれないか?」
幹也「……良いですけど」クルッ
橙子(よし……待たせたな。出番だぞ、式)
式(―――)
橙子「――もう、こっちを向いても良いぞ」
幹也「……」クルッ
式「……」
幹也「…………え…………?」
式「……っ」
幹也「し…………き…………? え…………」
幹也(バニーコスチューム? え? 何でこんな 猫耳
何て白い肌 久しぶり 顔が赤い )
式(……恥ずかしくて、死にそう―――)
橙子(良し、今だ式。さっき教えた通りに)
式(……もう、ここまできたらどうにでもなれ―――)
式「に、にゃー。幹也、お帰りにゃさい…………」
幹也「…………」
式「…………」
橙子「…………」
幹也「…………」
式「……?」
橙子「……、あ……」スタスタ
幹也「…………」
橙子「…………」ブンブン
式「み、幹也……?」
橙子「衝撃の給料未払いの後に、式のバニー姿は威力がありすぎた……意識が真っ白になっているようだ」
式「……なんて、こと」
幹也「…………」
橙子「うむ……提案した私が言うのもなんだが……」
橙子「さっきのアレは、流石に無いな」ハハ
式「ふざけるなっ!!」
橙子「しかし……まさか本当にやってくれるとは思わなかったぞ、式」
式「―――っ……!」
橙子「いくら黒桐の為とはいえ、良くあそこまで……」
式「ビークアイエットッ! 出て行けッ!!」
橙子「え? いや、しかし」
式「出て行けと言っているッ!」
橙子「……分かった」
式「くどいッ!!」
橙子(ちゃんと出て行ってるんだが……英語下手だなぁ、こいつ……)タタタッ……
…………………………
……………………
………………
幹也「……ぅうーん……」
幹也「はっ……ここは……?」
式「……気が付いたか?」
幹也「あ、式……」
幹也「…………」
幹也「式、どうしたのその格好……?」
式「聞くな……」
……………………
― 伽藍の堂・人形部屋 ―
橙子「…………」
(バタンッ)
鮮花「―――橙子さんっ……!」
橙子「おお、来たか鮮花」
鮮花「来たか、じゃなくて……、幹也はどこですか!?」
橙子「……ん?」
鮮花「出張から帰って来た途端に倒れたんでしょう? 大丈夫なんですか……」
橙子「……まあ、大事には至ってないと思う。今、付きっ切りで看てくれている奴が居るから」
鮮花「付きっ切りで、看病? …………まさか」
『幹也。何か飲むか?』
鮮花「……!」ビクッ
『え……良いよ。式に悪いから、自分で淹れます』
鮮花「……これって」
『……いいから。さっさと言え』
『……じゃあ、コーヒー。ミルクと砂糖もちょっとずつ……』
『―――分かった』
橙子「うむ……暇だったんで前に事務所に仕掛けてみたんだが」
鮮花「……」
橙子「いわゆる、盗聴器という奴だな」
鮮花「犯罪じゃないですか!!」
橙子「む……失敬な。そりゃあ赤の他人の家に盗聴器を仕掛けるのは犯罪だろうがね、ここは私の住まいだ。自分の家を盗聴して何が悪い」
鮮花「屁理屈だって事は分かってます……」
『サーッ!』
橙子「……」
『……ほら。淹れて来たぞ』
『ああ、ありがとう』
鮮花「……」ピクッ
橙子「……何だかんだいって興味が無い訳じゃないんだな」
…………………………
幹也「……」ズズ…
式「……」
幹也「うん……美味しい……」
式「……そんな甘いの、良く飲めるな」
黒桐「うん、この甘さが良いんだよ。それに……やっぱりブラックは、胃に悪いしね」
式「コクトーなのにな……」ボソッ…
幹也「え?」
式「……何でもない」
幹也「……?」ズズ
式「……」
式「やっぱりオレも飲む……貸せ」
…………………………
橙子「…………」
鮮花「…………」
『……あったかい』
『うん……』
橙子「堂々とした間接キスだな……」
鮮花「あの女ぁぁぁ!!」
橙子「待て、鮮花。落ち着け」
…………………………
式「…………」
幹也「…………」
式「……おまえさ」
幹也「うん」
式「どこ、行ってたんだ」
幹也「ちょっと違う県に、仕事で。本当は一日で帰って来れるはずだったんだけど……」
式「実際は、一週間掛かったと」
幹也「うん。……僕、さっきから『うん』しか言ってないな……」ハハ
幹也「ちょっと出かけた先で用事が出来ちゃって……」
式「……どうせ、人捜しかなにかだろ」
幹也「……分かる?」
式「分かる。おまえの事だから」ギロッ
幹也「……」
式「……どうして」
幹也「……?」
式「どうしてこの一種間、何も連絡を寄こさなかった。電話位出来るだろう」
幹也「それが……その捜し人、電話線も通ってない山奥にいて……」
式(……そんな所に居る奴をどうやって見つけたんだろう)
……………………
鮮花「…………」
橙子(……あいつの情報収集力は留まる所を知らないな……)
幹也「それより式の方こそどうしたの、その格好……?」
式「……っ!」
『だって、式といえばうさぎでしょう。僕は昔からずっとそう思ってますけど』
式「……」
『人に懐かない所やら、遠くからこっちをじーっと見てる姿やらがうさぎに似てるんだと』
式「……おまえが」
式「おまえがオレの事『うさぎみたい』だなんて言うからっ。だからっ……」
幹也「それって、この前の……」
……………………
鮮花「え……今の、一体どういう……?」
橙子「ああ、鮮花は式の姿を見ていなかったな。つまり―――」
……………………
橙子「―――という訳だ」
鮮花「式の奴……バニーガールになって幹也を―――」
……………………
幹也「なるほど……そういう事だったんだ」
式「…………」
幹也「…………」
幹也(……なら、何で猫耳なんだろう……?)
式「…………」スタスタ
幹也「…………」
式「…………」ポスッ…
(ぴたっ……)
幹也「…………」
式「…………」
式「知ってる、コクトー? うさぎはさ、淋しいと死ぬんだって」
幹也「……うん」
式「うさぎはさ、……独りだと、生きていけないんだって」
幹也「……うん、知ってる」
式「…………」
幹也「…………」
幹也「ごめん。今度からは、ちゃんと連絡するから」
式「……そうしろ。莫迦」
……………………
橙子「…………」
鮮花「…………」
橙子「いい雰囲気だな……」
鮮花「……っく……ぅ……」
……………………
式「…………」
幹也「…………」
式「熱い……やっぱり離れるか」
(ばっ……)
幹也「うんっ……、……?」チラッ
幹也(――――!?)
式「……? どうした幹也」
幹也「えっ? あ、いや……えっと……」
式(急に挙動不審になったな……)
幹也「…………」
幹也(忘れてた……式は今、所謂バニーコスチュームだったんだ……)
式「暑いな……」ダラダラ…
幹也(大して胸も無いクセに……そんな派手で、露出の多い服を着るから……だから―――!!)
式「おい幹也……どうした?」
幹也「……」プイッ
式「……?」
幹也(隣に座ると……横から、見えちゃいそうなんだよ……)
式「……本当にどうしたんだ?」
幹也「……何でもないよ。それより、カップ片付けなきゃ……」ムクリ…
(ふらっ……)
幹也(……あれ?)
(がしっ……)
式「おい……」
幹也「…………」
式「大丈夫か……? 大丈夫か……?」
幹也「……、大丈夫……」
式「……疲れが溜まってるんだ。オレがやるから、おまえは座ってろ」
幹也「うん……」
式(にしても……本当に暑い。もう日も沈んだっていうのに……)
幹也「…………」グッタリ
式(―――汗が、止まらない……)
…………………………
鮮花「幹也っ……大丈夫でしょうか橙子さん……?」
橙子「…………」
鮮花「橙子さんってば!」
橙子「ん? ああ、大丈夫だ。実を言うと、アレはな……」
式「…………」ハァ…
式(暑苦しい……熱帯夜って訳でもないのに、どうして――――)スタスタ
幹也「…………」ハァ…ハァ…
式「…………」
式(さっきからぐったりして……息も荒い。幹也の奴、山の中で変な病気にかかったんじゃないだろうな……)
式「幹也。立てるか?」
幹也「…………ごめん、ちょっと今は無理かも……」
幹也「…………」ハァ…ハァ…
式「…………」
式(……駄目だ。こいつの死を……意識して視る、なんて……そんな事、私には耐えられない……)
式「……仕方ない」
(がしっ……)
幹也「……ん……」
式「トウコの所に行こう。……憎たらしいけど、あいつならきっと何とかしてくれるだろう」
幹也「……ごめん。ありがとう」
式(……足に全然力が入っていない。早く誰かに看てもらわないと……)
(ふらふら……)
式「――――っ」
幹也「…………」グッタリ…
式(幹也だけじゃ、ない……。私も……体が、重い……)
(ふらふら……)
式「くそ……熱い……」ハァ…
式(元々、式は暑さにも寒さにも強いはずなのに……どうして……)
(ふらりっ……)
式「―――あっ……」
幹也「…………」
……………………
『サーッ!』
鮮花「え? 睡眠薬……ですか?」
橙子「うん……」パキュッ…
(ぷしゅーっ…)
橙子「さっき黒桐から電話が掛かってきた時、偉く疲れてそうだったからな……それで、だ」
(コポコポコポ……)
鮮花「それで……?」
橙子「…………」ゴキュ…ゴキュ…
橙子「っはぁー……ビール、ビール!! 冷えてるなぁ、これ……」ッフゥー…!
鮮花「そ れ で ?」
橙子「ああ、帰ってきてすぐにここで快眠できるよう、台所にある砂糖に細工をしておいたんだ」
橙子「あいつ、帰ってきたらまず真っ先にコーヒーを飲むだろうと思ってね。結果、目論みは当たった訳だが……」
鮮花「…………」
橙子「まさか、式まで一緒に飲むとはな……あいつはコーヒーに砂糖を入れないから、安心してたんだが……」
橙子「黒桐の飲んでる最中コーヒーを横から掻っ攫うとは思わなかった。これは私の落ち度だ」
鮮花「……やっぱり泥棒猫ね、あいつ……」
橙子「式には眠る黒桐に膝枕でもしてもらおうかと思ってたんだが……」
(コポコポコポ……)
『ハァ……ハァ……』
鮮花「でも、こんなに息が荒くなるって……それって本当に、睡眠薬なんですか?」
橙子「…………」ゴキュ…ゴキュ…
橙子「ああ、キンキンに冷えてる……」…フゥー!
鮮花「湯気の立つビールってそれはそれで乙な物だと思いません? 橙子さん」
橙子「分かった分かった。真剣に答えるからそれだけは止めてくれ鮮花」
鮮花「…………」
橙子「…………」
橙子「まあ、結果的には眠くなって……最終的に快眠できるんだから、睡眠薬と読んでも差し支えは無いだろう」
鮮花「それ、全くの別物じゃないですかあぁぁぁーーー!!!」
橙子「…………」
橙子「やっぱり兄妹だけあって叫び方が黒桐に似てるなぁ、鮮花」
鮮花「ああ、何て緊張感の無いコメントっ!」
『ハァ……ハァ……ハァッ……』
鮮花「どんどん息が荒くなっていってる……!――橙子さんっ!!」
橙子「うむ……元々式が睡眠薬(大嘘)を飲むのは想定外だった訳だしな……よし鮮花、行って見てきてくれるか」
鮮花「はいっ!バッチリです」
橙子「うん、良い返事だ。……ああ、そうそう。どうせ看病するのなら……」
橙子「これに着替えて行ってやれば黒桐も喜ぶぞ」
鮮花「こ、これは……!!」
橙子「…………」オォー…
鮮花「……」
橙子「…………素晴しい。病人の介護する者にとって、それ以上似合うコスチュームなど有りはしないだろう」
橙子「観布子市立病院……式と黒桐が何度も世話になった所だ」
橙子「君は今、そこのナース服を着用して看護を行なう……つまり、あの病院の看護婦になったも同然だ」
鮮花「理屈は良く分かりませんけど、褒められてると思っていいんですね!?」
橙子「勿論。……意外と看護婦向いてるかもな、おまえ」
鮮花「そ、そうですか……///?」
『バタンッ!!』
鮮花「ッ!!」
橙子「行け、鮮花。行って二人を速やかに救って来い」
鮮花「はいっ!」タタタッ ← 『でも元はと言えば橙子さんのせいでこうなったんですよね』と思っているが口には出さない
(バタンッ)
橙子「…………さて」
……………………
(ふらりっ……)
式「―――――っ……!」
幹也「…………」
『バタンッ!!』
……………………
幹也「…………」
式「……っ………」
式(咄嗟に……自分を下にした……けど……)
式「……っ……ぅ……」ズキッ…
式(……二人分の体重が掛かっちゃ……流石に、痛いな……。満足に受身も取れなかった……)
幹也「……、式……? 君、大丈夫……?」
式「……大丈夫だよ。式の体は幹也の何倍も頑丈に出来てる」
幹也「……でも。君は女の子なのに……」
式「…………」
式(……今、気付いた。この体勢……3年前の、あの時と一緒だ)
幹也「……大丈夫? 重く、ない?」
式(今は……あの時とは逆で幹也が上になってるけど……あの時より、密着してる……)
式「…………」
式「…………」
式「…………///」
式「だから、大丈夫だって。でも重いのは確かだから……どいてくれると、助かる……」
幹也「ああ、うん……分かった。じゃあ、腕を使って起き上がってみるから……式は、下から押し上げてくれる?」
式「……分かった」
幹也「―――よし、じゃあ……」
(がしっ……)
幹也「あっ……」
式「………ッ! 幹也、どこ触ってっ……!!」
幹也「あ、いやっ、今のは不可抗力で……。ごめん、離れるから……」
式「ばかっ、この体勢で手を離したら……」
幹也「……え? あっ……」
(がくん……)
式「うわっ……」
…………………………
(タタタタタ……バタンッ!)
鮮花「兄さーんっ!! と式。助けに来ました! 後はもう私におま……」
鮮花「か……せ……」
鮮花「…………」
幹也と式の看病に事務所兼橙子さんの私室に馳せ参じたナース、鮮花。
彼女がそこで目にした物とは……?
式「ちょっと……幹也、苦しいっ……」
幹也「ごめん、すぐ退くから……もうちょっとだけ、我慢して……」
(もぞもぞ……)
鮮花「」
……事務所の床で式に覆い被さる兄と、その兄を必死で押し退けようと涙目で奮闘する式の姿だった。
式(顔が……幹也の顔が、近すぎる……)
幹也(……どうしよう。腕立ての要領で起き様にも……肝心の、腕が痺れて動かない……まいった……)
(もぞもぞ……もぞもぞ……)
鮮花「…………」
鮮花(そうですか、橙子師……これが、あの睡眠薬の正体ですか……)
鮮花「もう……兄さん、起きて下さい」
(ぐいっ)
幹也「―――おっ……」
式「あ……」
幹也「起き上がれ……た……?」
鮮花「兄さん」
幹也「あ……鮮花。どうして、ここに……?」
鮮花「どうしても何も……橙子さんに呼ばれて来たんですよ」
幹也「そ、そうなんだ。……今の、ありがとう鮮花……」
鮮花「兄さん。あなたは今、床で、式と何をしていたんですか?」
幹也「え……何、って……」
式「…………」
幹也「……式と一緒に倒れちゃったから、頑張って起き上がろうとしてたんだけど」
鮮花「へぇ……じゃあ、今のはあくまで倒れたから起き上がろうとしていただけで……他意は一切無い、と……」
幹也「そうだよ」(便乗)
式「…………」
鮮花「……パンチッ!!」
(ドグォッ)
幹也「あいたっ!」
鮮花「ただコケて起き上がろうとするだけであんなにモゾモゾするはずが無いでしょうがっ!!」
幹也「あ、いや、それは……」
鮮花「絶対何か下心があったはずですっ!!」
幹也「…………」
幹也「…………」
幹也「…………」
幹也(完全に潔白だと言い切れない所が悲しい。不可抗力とはいえ、式の胸触っちゃったしな……)
鮮花「それに……だったら何で式が必死に兄さんを押し退けようとしてたんですかっ!!」
幹也「それは、僕が重くて式が息苦しかったから……」
鮮花「その位の事で式が涙目になる訳ないでしょうがぁっ!!」
式「……」
幹也「まあ、そうだけど……」
鮮花「……もっかいパンチッ!」
(ドグォッ)
幹也「ぐわっ!」
……………………
橙子「…………」
(こつこつこつ……)
鮮花「AzoLto……喰らいやがれぇぇぇ!!」
幹也「ぐおぁぁっ!!」
鮮花「へっ、燃えたろ……?」
式「…………」
幹也「…………」
鮮花「……手加減はしておいたわ……別に、式を乱暴に押し倒したのは幹也本人の意思って訳でも無さそうだし……」
式「…………」
式(別に、あのままでも良かったんだけどな……)
式「…………」
鮮花「……何でちょっと不満げなのよ、あんたは……」
結構理不尽な理由でボコられる黒桐君なのであった
なお、この後鮮花は一転睡眠薬(大嘘)の効力が抜けた式と一緒に自ら幹也の看病を行なった
そして、約束通り黒桐君の給料は近日中に支払われた。
幹也「給料が出た事は嬉しいんですけど……橙子さん。このお金、どうやって作ったんですか?」
橙子「ん? いや、何かビールが飲みたかったから、古い人形を売り払って……」
幹也「……橙子さんの中だとビール代の方が僕の給料の支払いより優先順位高いんですか?」
橙子「そうだよ」(便乗)
橙子さんマジ非道
投げやりEND
こんなオチでごめんなさい、お疲れ様でした
式って公式でうさぎ設定なんだからバニー姿披露してくれても良いじゃん…(震え声)
らっきょSSもっとふえろー
本かな
映像ではわからないあれこれがある
その後で映画見ると「おーあのシーンはこんな風だったのか」って思える
Entry ⇒ 2012.09.17 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
怜「Fランク大学…やと?」
ギャーワイワイワイ デスカラ、ホーソンジッケンデハー コノヨウニケイエイカンリ
マジ?チョーウケルーwwwww
怜(インハイの後に体調崩して入院生活の日々…)
怜(退院したのは12月で、もう学校の勉強にはついていけんかった…
受験勉強はおざなりにってしもうた)
怜(担任にここしか行ける所がないと言われたときはショックやったわ。
なんとかならんの?と聞いてみたけど、どうすることも出来へんって…)
怜(合格決まってからも、入退院繰り返したお陰で、オリエンテーリングに参加できんかったし、友達もまだ出来とらへん…。
ハッ!?ひょっとして、これかなりヤバイやん!?)
怜(分かってる。うちが悪いやて…)
怜「ハア、竜華やセーラーと同じ大学行きたかったわ。元気にしとるやろか?」
クッソワロタwwwwwコレイケテナイ?wwww
教授「本日の講義はこれまで。次回までにレポートをアップロードしておくこと。いいですね?」
ハー、オワッタオワッタ ヤットヒルメシヤ
怜(講義は高校…いや、これは中学生向けか?それに、なんでこんなに騒がしいねん!
授業中は静かにしてないとあかんやろ!?)
怜(これが後四年も続くか…。やめよ、考えたらしんどくなるだけやわ)
怜(食堂に行くか…、やっぱり講義室でええわ。食堂はなんか気まずいし)
怜(お弁当~お弁当~♪。今日のおかずはおかんの唐揚げや♪)パカッ
怜「うまいな~」モグモグ
女1「見てよ女2。ちょーうけるwww。園城寺また一人でご飯食べてるよ^^」
女2「うわぁ…。所謂ボッチってやつwwww。かわいそーw」
女1「あいつ、いつも一人だし?マジで友達居ないじゃね?ほら、講義の時も最前列で
一人で受けてるしwwww」
女2「サークルにも入ってないみたいwww。根暗だよねー」
女1「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
怜(サークルはスポーツ以外は糞ばかり。一度見学したけど、麻雀部なんて酷いもんやった)
怜(根暗結構、ボッチ結構、病弱結構や!!お前らみたいな屑にならへん!)モグモグ
教授「君?ちょっといいかね?」
怜「どないしたんですか教授?」
教授「君はどうして一人でこんな所で弁当を食べているの?食堂は?」
怜「なんや、そないことですか?食堂で弁当を食べるの気まずいねん。
それに、弁当食べていると学食の生徒さんに迷惑やろ?」
教授「ふむ…。でも、ここ講義室だから、こんな所で弁当食べちゃ駄目だよ。ほら、片付けて?」
怜(な、なんやこの教授!頭おかしいちゃうか!?ほな、どこで飯食えばええねん)
怜(あ、あのアマ!何勝手に写真とってねん!)ワナワナ
教授「どうしたの?早く片付けて?講義室はご飯食べる所じゃないから」
怜「それは、すみませんでしたね…」 ガサゴソ
怜(はあ、どこで食べよ?2号練ロビーでええか…)
ザワザワザワザワ
怜(騒がしくて食べにくいわ…)モグモグ
怜「ご馳走様。折角の好物やのに食べた気せへん…」
怜「次の講義は4号練4階402やったな。ゼミやったか?まだ休み時間あるけど
さっさと移動しようか」 スタスタ
怜「教授も五月蠅い生徒もおらへんか…。暫くの間本でも読んで時間潰すとするわ」
怜「大学図書館で借りたわが闘争でも読むわ。大学図書館は本が揃とってホンマにええわ~」
時計「チッチッチッチッ」
怜「ん?もうこんな時間かいな?それにしても、教授遅いな?何かあったんか?生徒も来てないし…?
ハッ、そや携帯になんか連絡がある筈や」 パカッ
電話未着信 メール未着信
怜「なんの連絡もないやと…?今日は休講じゃない筈や…」
怜(どうする?もう少し待ってみよか?)
怜(……)
時計「チッチッチッチッ」
怜「おかしいねん…。なんで誰も来んのや…。まさか、教室変更やろか?」
怜「ハア…しゃーないわ…。見て回るしかないんか…」
怜「みんなどこや…。なんで連絡来てないねん」ハアハアゼェゼェ
ガヤガヤ ツマリ、プルセンリャクトハ-
バタン
怜「…(このボロ校舎、エレベータもついてない)」ゼエゼエ
女教授「園城寺さん、遅いですよ?もっと大学生として自覚を持つように」
怜「ハアハア…。みません。なんか連絡来てへんので…」
女教授「はあ?確か、男君に連絡を回した筈ですが?」
男「すみません。忘れてましたー」
女「あー、園城寺さん影薄いしー連絡し忘れたじゃないw」
男「おい、女あまり失礼なこと言うな!」(園城寺さんかわえええぇぇぇー)
女(チッ…。病弱アピールで色目使うとかマジうぜー)
女「…」ギロリ
怜(な、なんやねんコイツ…)
女教授「急な教室変更は私の責任ですが、男君はちゃんと次回から連絡を回すように。遅れてきた園城寺は誰かに教えてもらいなさい」
女教授「では、今回はこれまで。以上、解散」
男「園城寺さん?今日はもう講義ないよね?」
怜「ん?どないしたん?」
男2「これから男と俺と女さんでカラオケ行こうと思うだけど一緒に来ない?」
女「はぁ!?なんで、こんな奴と一緒に…」ギロ
男「まあまあ、女ちゃん。ゼミの仲間と親善を深めるのもいいじゃない?」
怜(ええなー、大学生って感じやわ…。でも今日は病院で検査があるしなぁ…)
怜「誘ってくれてありがとう。今日は病院で検査ねん。だから…」
男「あー…。そっかー」
怜「ホンマすまへんな…。じゃ、うちはこれで…」スタスタスタ
怜「ただいまー」
怜「この大学は講義内容は、さして難しくないけど、どうも疲れるわ…」ハア
怜「大学生は良識ある人が多いと思っとったけど、Fランは大学という感じせえへん」
怜「講義中騒ぐわ、飲み食いするわで、まるで動物園や…。やっぱり一浪して竜華と同じ大学行くべきやったろか…?」
怜「いかんいかん!ポジティブや、今マイナス思考になっとた!
竜華に心配かけられへん!うちがしっかりしないでどうする」
怜「考えるだけ馬鹿らし、明日の準備でもしよ」
竜華「はあ~、怜うまくやっとるやろうか」
竜華「ああああ、心配やぁぁぁぁぁぁぁ。
変なおじさんにホイホイついて行ってないやろな!?大学でうまくやっとるやろか?」
竜華「マルクス主義研究会とか怪しいサークルに入ってないやろか?ああああ、心配やぁぁぁぁぁぁ
怜は可愛いし病弱やし!!危ない男がよって来るかもしれへん…」 ゴロンゴロン
竜華「男は狼やぁ、優しい顔してるかもしれへんけどな。みんな下心があるんやでぇ。怜ぃ」
竜華「…。考えて見たら女も危ないわぁぁぁぁぁぁ。なんやねん?最近はレズビアンって人が多いらしいわ
テレビで言ってたわ!あかん…怜あかんで女同士でそんな…」フルフル
竜華「心配しすぎで頭がおかしくなりそうや…」
竜華「ハッ、そや!そうや!メールや怜にメールしよ」 パカッ
怜は元気でやっていますか?元気でやってくれているといいんやけど…。変な食べ物食べてませんか?最近は変人も多いさけ気をつけんといけんよ?
良かったら今度一緒に遊びに生きませんか?
怜「んんっんー。はあ、レポート書き終わったわ。」
携帯「」ピロリーン
怜(こんな時間に誰からメールや?)パカッ
怜「竜華か…。そう言えば大学に入ってから連絡してなかった」
怜「なんとか元気でやっています。そちらも元気そうでなによりっと
遊ぶ日、来週の土曜日でええか?」ピコピコ
怜「あかん寝坊してしもうた!今日1コマ目から講義あるんやった、すっかり忘れとった」
怜「明日は竜華と遊びに行くんや。楽しみやな~。よし、今日一日頑張るでー」
ガヤガヤ
バタン
怜「すみません。遅れました」
教授「さっさと空いている所に着席して」
マジウケーwwwwwwwwwwオイキノウノテレビミタカヨwwwwデサァww
怜(ドアホ共が後の席は五月蠅くてしゃーないわ。前の席座ろ…)
教授「えー、では昨日も言った様にディスカッション形式で進行したいと思います」
教授「今から資料と用紙を配付しますので、それについて二人か三人で話し合ってください」
教授「用紙にグループの意見と感想を書いて、それを提出するように。いいですね?」
教授「グループは自由で構いませんが、必ず二人以上で話し合ってくださいね。では、初めてください。」
ガヤガヤガヤガヤ イッショニヤロウゼー
怜(なん…やと…?どないしよ…。誰か…誰かグループに入れてもらわんと…)オロオロ
女A「B一緒にやろう?」
女B「ええよー」
怜「あの…う、うちも入れてくれへんやろか?」ブツブツ
怜(緊張して思うように声がでえへん…)
女A「そうだCも呼ぼうかぁ。おーいCー、一緒にやろうー」
女B「Cは頭いいからね~。ん?何かよう?」
怜「あ、あの!グループに入れてくれへんやろか?」
女A「あー…ごめんね…。もうメンバー決めているんだ」
怜「そ、そうですか…。すみません」
怜(他には…)キョロキョロ
怜(あかん、もう大分グループ出来てるわ…。どないしよ、どないしよ…)オロオロ
教授「そこの君!」
怜「え…?」オロオロ
教授「君だよ君!駄目じゃないか早くグループを作りなさい」
怜(は、恥ずかしい…。マイク入ったまま大声で言わんといてな…)
教授「君毎回一人だけど授業困らない?いつも最前列だから真面目さは買うけど、一人だと困るでしょ?」
怜「い、いえ…。一人でもなんとかやります…(最悪や…)」
教授「え?今話し合ってないけど大丈夫なの?」
怜「いや、あの…」
教授「指示したことができなくても問題ないってこと?」
怜「そ、そやないけど…。グループに入れなくて…」ボソボソ
教授「え?何?聞こえないよ?もっとハッキリ言って」
怜(なっ!この教授わざとか?わざとうちを貶めとるんか!
麻雀でハコにして一生もんのトラウマ植え付けてやりたいわ!ボケナススカポンタンがっ)ワナワナ ムカッ
怜「グループに入れてもえんのや!分かったか、このクソタコ教授!こんなもん一人でもやれるわ!!」
女1「うけるwww。園城寺^^」
女2「かわいそーだねww」
教授「何その態度?協調性ないと駄目じゃない」
教授「一人じゃ話し合えないでしょ!?2、3人でやれっていっただろ?
これ試験だったらどうするの君?落ちちゃうよ?」
怜「それなら、いいです…」
怜(もうええわ…。必修単位やったけど…。耐えられんわ)ゲホゲホ
教授「ふーん、名前なんて言うの?あと学籍番号。この講義必修でしょ?成績つける為に名前と学籍教えて」
怜「もうっ!ええんとちゃうか!教授!お前のせいで恥晒されてねん…。
この講義は今後受けへんから…」
怜「さよならや」 スタスタ バタン
教授「大学に何しに来てたんでしょうね彼女」
教授「まあ…。いいでしょ。再開してください」
女1「ボッチwwwwプゲラッwwww」
女2「ざまぁぁぁぁぁぁwwwww」
女「ネタになるわねー。最高の面だったwww。怒りと悔しいさと恥で顔面ぐしゃぐしゃの園城寺さんwwwww」
怜(アホォ…。教授も劣等人種の馬鹿共が講義室の外まで聞こえとるわ…)グスッ
怜(竜華ぁ…。会いたい…今すぐ会いたいわ…。一人でなんでも出来ると思ってたけど、
そんなことなかった。竜華が居ないと全然駄目や…。こんなに早く挫折してしもうて)ポロポロ
怜(うち…なに泣いてるやろ…?)ポロポロ
怜「りゅうぅぅぅぅかぁぁぁぁぁぁぁぁ」 グスッグスッ
怜「結局昼休みまで、ここでサボってしまった…。ホントは家に帰りたいけど
弁当食べて帰らんとおかんに心配かけてしまう…」
怜「こんなっ!Fラン辞めたいわボケェ!でも、親に学費払って貰っている以上簡単にやめるなんて出来ん…」ハア
怜「どうしろっちゅうねん…。
単位……後で教授に頭下げるか?いやいや、ありえへんやろ…」
怜「そんなん、うちが恥の上塗りするだけや…。まあ、必修一つ落としても来年次取ればええわ」
怜「それにしても…。マイク使って大音量でズケズケと…。思い出しただけで腹立つわ」ワナワナ
怜「知り合いがおったらグループワークも楽なんやけど…。
この大学に知り合いはおらへんし…。はあ…。少し早いけど食堂でお昼にしよか…」
ガヤガヤワイワイ
怜(めっさ人おるやんけ…)
怜(しかも4人掛けのテーブル埋まってるわ…。6人掛けのテーブルとか気が引けるからなぁ)
怜(ああ、どないしよ…。こういう時に竜華がおったら…)フラフラ
竜華『怜ー!席確保したで~。一緒に食べような~』
怜(こうなるんやけど…)ドサッ
学生「痛ッ。いつまでも突っ立ているなよ!」
怜「すんません!」アワアワ
怜(食堂はやめよ。やっぱり居づらいわ…。そやかて講義室は駄目みたいやし…
、ロビーも勿論嫌や。んー…)
女子トイレ
怜(アカンこれはアカンやろ…。さ、さすがのうちでも知ってるねん!!俗に言う便所飯やろっ…)ソワソワ
怜(でも、落ち着いて食べる所がないのも事実やし…。こ、これだけはやったらイカン気がする…)
怜(あ、足が勝手にトイレの方へ…。と、とまらへん…) フラフラ
怜(止まれ!止まらんかいな!あっ…)
女子トイレ前
怜(結局来てしもうた……。す、少しだけや。少しご飯食べるだけ…。キョロキョロ)
怜(よかった…。周りに誰もおらへん)
怜(ここまで来たら覚悟決めるしかないわっ。なるようになれや!)ソー
怜(中にも人はおらんな…。あそこの個室にしようか…)
バタン
怜(この狭い空間…。静けさ…。周りを気にしなくてい環境…)
怜(最高や)
怜(イカンイカン。さっさと食べて出へんと人が来るかもしれん…)
怜(頂きますや)パカッ
怜「……」ハムハムッ ムシャムシャ
怜(いけるっ!落ち着いて食べれるわ~) パクパク
怜(卵焼きとおにぎりとウィナーは弁当の定番やでぇ)
キョウ、チョウウケルコトガアッテ-www ナニガアッタノ?
怜(!?人がきおったで…。気付かれませんように…)
女1「前に先輩にも話した園城寺って人なんですけどねwww」
女1「講義中に訳の分からないこと言って、退出したんですよwwwww」
先輩「何ソレww」
女1「ありえないでしょ?wwww」
怜(クッ…。またあのクソビッチかいな…。どこまで馬鹿にする気や…)
先輩「ん?」スンスン
女1「どうしたんですか先輩?」
先輩「何か臭わない?弁当くさいような…」
怜(ハッ!マズイわ…。ピンチや…。あの劣等女に気付かれたら…)ドキドキ
怜(頼むからはよどっか行って…!)
先輩「まさか、個室でボッチが便所飯してたりしてw」
先輩「ここの個室とか怪しいよ?叩いてみようかな」
先輩「えいっ」ドンドン
怜(!?!?!?)ビクビク
女1「ちょwそれは流石に中の人に失礼ですよwww」
先輩「んーまっ、いいか。行こう?講義遅れちゃうよ?」
女1「はい」 スタスタスタ
怜(行った?みたいやな…。はあ…。もうアカンかと思ったわ)
怜(今度から旧号館のトイレで食べよ。あそこなら人来んやろ…)
怜「さて、うちも遅れるとアカンからそろそろ出よ」 バタン
怜「ふう…。ホンマ疲れたわ…病弱やからな…」
怜「図書館落ち着くわ…。さて、今日は何読もうか」キョロキョロ
怜「高校の時まであまり本読れへんかったけど、意外にいいものやな~」
怜「歴史とか正直苦手やったけど、読んでみると面白いわ。大学図書館は戦記ものも充実してはるし」
怜「暇を潰すのにもってこいや。ヒトラーやったけ?あのおっさん魅力あるな」
怜「ニコラスファレルのムッソリーニ読んだけど、感激したわ」
怜「アーリア人主義。ヒトラーさんの考えはった素晴らしい考えや」
怜「欧州戦線は最高や…。枢軸最高や…」
怜「はあ……。あの糞どもをガス室に入れてどうにかしたいわ」 ブツブツ
怜「お、あったわ。んっ…んっんっ…んっー…」セノビ
怜「ハアハア…届かへん…。あとちょっとなんやけど。司書の人呼んでこようか…」
???「なんやw私より身長低いかいなwwww。ほい、これでいいん?」
怜「なんで!?」
洋榎「こんにちはや。図書館やから静かにした方がええでー?」
洋榎「あ、良いこと思いついた。ここで会ったのも何かの縁に思えん?
折角の機会やしお話しようか?うち前からお話してみたかったねん」
怜「ええけど…(強引やな…)」
洋榎「立ち話もなんやし、どこか座ろ。あそこの長椅子でええ?」
洋榎「よっこらせっ…。しかし…。あんさん、けったいな本読むやなぁ」
怜「ほっといて。趣味や。あんさんこそ、本読みそうなイメージやないけど…」
洋榎「心外やな~人は見かけによらへんで~」ケラケラ
怜「てか、なんでこんな大学におるん??」
怜「あんさん程の実力者やったら一芸入学でどこか行けたやろ。わざわざ、こんな大学こんでも」
怜「学力もそんな低くないやろ?
第2志望校も験日当日に遅刻して落として駄目やったとか…。そもそも一芸で賄えんほど学力が低いこと隠しとったとか…)」
洋榎(見栄はって志望校を高くしたのは間違いやったな…)
洋榎(言えへんわぁ…)
怜「ん?どないしたん…?」
洋榎「ま、まあ…うちのことはええやん?それより…園城寺はどないしてここへ?」
怜「なんや、はぐらかしおった…。まあ、ええわ…教えたる」
怜「カクカクシカジカというわけや…。それと退院したらなぜか、一巡先が見えへんのや…。だから一芸も無理」
怜「うちにとって麻雀は大事やけど…この様や…。雀力も元々三軍クラスやしね…。笑ってもええで?」
洋榎「別に笑えへんよ……。苦労したやなぁ~」 ナデナデ
怜「ふぇっ?急に撫でんといてな」
洋榎「嫌やろか?」
怜「べ、別に嫌やないけど…。出来れば膝枕も…」ゴニョゴニョ
怜「聞こえとったんかい…。じゃ、お邪魔して」ゴロン
洋榎(見た目通り甘えん坊やな…。幼少期の絹恵と似とる)ナデナデ
洋榎「園城寺は大学生活慣れたん?」
怜「大学生活かぁ…正直最悪やな…。講義は騒がしいわ友達は出来んわで…。後悔しとるわ。
名前怜でええよ。園城寺って、呼びにくいやろ?うちも洋榎って呼ぶことにするわ。ええやろ?」
洋榎「名前くらい好き呼んでええよ」
洋榎「なんか避けられてる気がするねん…。露骨に何かされた訳やあらへんけど、食事に誘ってもいつも断れるねん」
洋榎「友達と言える友達も居ないし、グループ活動とか正直心配や。なるようになるやろうけどな!」
怜「なんや…。同志かいな…」
洋榎「でも、まあ…なんや…。講義が騒がしいのは同意するけど、友達出来ないのは同意できんなー」
怜「ん?避けられてるのと違うん?」
洋榎「そうやけどなー。たった今1人友達が出来たわ。いやー、声かけて良かったわ」
怜「なんや…うちかいな…。出会ってすぐ友達って…」
洋榎「縁なんてそんなものやろ?」
怜「ハア…洋榎のポジティブ精神見習いたいもんや。
うち病弱やし頼りならんよ?それでも、ええんか?」
洋榎「頼りにならなくてもええねん。むしろ頼りして欲しいわ。私はお姉ちゃんなやで?」ドヤァ
怜「ぷっwなんや、そのドヤ顔…。」クスッ
洋榎「お、やっと笑いよったか。これから宜しくな怜」
怜「よろしゅー。なんか照れるな///」
怜「ビジネス経済学部やけど?」
洋榎「うちは経営学部や…。やっぱり昼ご飯の時ぐらしか頼りなれそうにないな…」
怜「…。学部違ったら講義違うやん…。まあ、昼ご飯一緒というのは心強いわ」
アナウンス『あと30分で閉館時間ですー』
怜「大分話しこんでしもうたな…。時間が経つのか早いわ」
洋榎「せやなー」
怜「うち、今日もう駄目かと思ったけど…。洋榎と話して胸がすぅーとしたわ。
ホンマありがとうな」ニッコリ
洋榎「ええって、ええって。うちも話し相手が出来て嬉しいし、新しい妹が出来たみたいで嬉しいわー」
洋榎「待って!一緒に帰えらへん?」
怜(こ、これは…。俗に言う一緒に帰ろうイベント///。確実にリア充の道に進んでいるわ)
洋榎「駅まで帰り道同じやろ?夕方とはいえ、最近は物騒やし…。駄目…やろか…?」
怜「だ、駄目やない!一緒に帰ろ」
洋榎「じゃ、手出してくれへんやろか?」
怜「手?なんでそんな…」
洋榎「こういうことや」ギュッ
怜「あっ…」
洋榎「これならはぐれる心配ないで?怜は見るからにひ弱そうやからなぁ。これなら安心やろ?」
怜(この人は平気でこんなことを…)
洋榎「帰ろか?」
怜「う、うん…」トボトボ
怜「なんや、Fランも悪くないような気がしてきたわ…」
一応END
竜華部屋
竜華「明日は怜とお出かけ~。どんな服にするか迷うわ~」ニヤニヤ
プルルルー
竜華「ん?はい、もしもし清水谷ですけど…」
セーラー『うちやで』
竜華『セーラーかいな…。で?用件なんや?』
セーラー『残念そうにすなんや!凹むやろ!用件って程でもないんやけど…。最近、怜の様子どうや?』
竜華『怜なら渡すつもりないよ?』
セーラー『誰も略奪なんてせへんわ…。まあ…単なる興味本位なんやけれど』
竜華『ん?メールでちょくちょくやり取りしてるけど、別段変わった様子は無いと思う』
竜華『は?話しが読めないわ』
セーラー『…。どこから話ししたものかなぁ…。見てしまったねん…』
竜華『だから、話が読めんわ。何を見たん?ハッキリいいなよ』
セーラー『姫松の愛宕洋榎と怜が手を握って親密そうに歩いているのを…』
竜華『はああああああああああぁぁ!?』
セーラー『アレは尋常じゃない雰囲気やったで?』
竜華『ありえへん!ありえへんよ!怜が…』ブチ
セーラー「気のせいもかもしれんし、只の友達ってことも…。アレ?電話切れてるやん…」
怜「お、竜華やー。おーい、ここやで~」
竜華「!?」
竜華「怜ィィィィィィィィィィィィィィィ」ドタバタ
竜華「変なサークル入ってないやろな?異性は勿論、同性にも気を付けとるやろうな?」アセアセ
竜華「怜は可愛いし病弱やし、寄ってくる人には気をつけんとアカンよ!」
竜華「姫松の愛宕洋榎と知り合いになったそうやな?何かされへんかった?怜に手は出させへんからなぁ!!」
怜「会ってイキナリ、そんな凄い剣幕で捲したてんといてな…。洋榎とは普通の友達や…」
竜華「怜はうちのもんや。誰にも譲らせんから安心していな」
竜華「大学生活辛くないか?ああぁぁぁぁぁ…。うち、やっぱり怜と同じ大学入るべきやったわ」アワアワ
怜「竜華…。心配しすぎやで…。うちも少しブルーになりすぎとったわ。
でも、もう大丈夫や。大事な友達も出来たし」ニッコリ
怜「せやからな?心配要らへんで?うちには、竜華だけやない洋榎も居るさかい」
カン
oh…
洋榎ちゃんと知り合いとかうらやましすぎて殴りたくなるわ
Entry ⇒ 2012.09.17 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
岡部「クリスティーニャよ!」 紅莉栖「ニャ~♪」
【未来ガジェット研究所】
まゆり「はあ~…」 ショボーン…
岡部「ど~した、まゆりよ!? 常時能天気娘なお前がため息などつーいてー!?」
まゆり「むー、ひどいよ、オカリン! まゆしぃにだってブルーになる日があるのです!」
紅莉栖「何かあったの、まゆり? 私達でよかったら相談に乗るわよ?」
まゆり「えへへ~ありがとう、紅莉栖ちゃん♪ 実はまゆしぃ、お仕事で失敗しちゃったのです…」」
ダル「仕事? それってメイクイーンニャンニャンのこと?」
まゆり「うん…実はまゆしぃ、フェリスちゃんにメイクイーンの新しい制服のデザインを相談されてたのです。」
ダル「ちょっ!? メイクイーンの新デザイン制服!? マジっすかーーーー!?」
まゆり「うん。 フェリスちゃんが、『飽きられる前に次の手を打つのが、ビジネスの鉄則ニャ!』って。」
岡部「なるほど、それでコス作りが趣味のまゆりに意見を求めてきたのか?」
まゆり「うん。 まゆしぃね、一生懸命考えて、実際に作って持っていったんだけど…」
紅莉栖「却下されたの?」
まゆり「うん…『これじゃあ、エッチすぎてお巡りさんに怒られちゃうニャ。』って。」
岡部「どんなん持ってったんだ、お前は…」
まゆり「ここにあるよ。 オカリン、ここを持って広げてみて~」
岡部「どれどれ…ぬお!? 何だ、この露出度の高いメイド服は!?」
紅莉栖「パンツの見えそうなミニスカート!!
胸元と背中、腋も大胆に開いている!!」
ダル「まゆ氏、これって『あれが私の御主人様』をイメージしてるん?」
ttp://shimg.surpara.com/shop/item/44/44756.jpg
まゆり「うん! まゆしぃは前からこの服と猫耳は似合うとおもってたの~!」
ダル「フェイリスたんが、このコスで目を見て混ぜ混ぜをしてくれると思うと…みなぎってキターーー!!」
岡部「落ち着け、ダル! 却下されたと言っていただろう!」
まゆり「絶対気に入ってくれると思ったのにな~…」
岡部「バカモン! 現実にこんな格好で接待したら、完全に風俗だぞ!」
紅莉栖「ふうぞ…!? 岡部のHENTAI!!////」
岡部「何でだよ!?」
まゆり「せっかく作ったのにどうしよう? ねえねえ、紅莉栖ちゃん?
このコス着てみない? 紅莉栖ちゃんならきっと似合うよ~♪」
紅莉栖「ええ!? む、無理無理! これは恥ずかしすぎるわ!!」
岡部「ファーッハッハッハ!! 正直に言ったらどうだ、クリスティーナ?
私のひんそーな体では、この服につり合いませんと!!」
紅莉栖「な、なんですってーーー!!」
ダル「痴話喧嘩乙!」
岡・栗「「 痴話喧嘩じゃない!! 」」
ダル「それより、そろそろ作りかけのガジェットの開発、再開しね?
僕は早く終わらせてメイクイーンに行きたいお!」
岡部「そうだった! 助手風情の相手をしている暇ではなかったな!」
紅莉栖「むー!」
- - -- ── ────────────────── ── -- - -
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- - -- ─ ── ─ -- - -
- - - - -
【深夜、未来ガジェット研究所】
紅莉栖「う~~~ん…あら、もうもうこんな時間になっていたのね…
ガジェット開発に夢中になってたらつい…ちょっと休憩しよう…」
「橋田とまゆりはとっくに帰っちゃったし、岡部は買出しにいってまだ帰ってこない。」
「ブラウン管工房も閉まって、このビルには私一人か…・」
「暇ねえ…@ちゃんでもしようかしら…あら?」
紅莉栖「これ、昼間にまゆりが出した猫耳エロメイド服…ここに置いてったんだ。
改めて見ても、これはひどい…岡部の言うとおり完全に風俗ね…
まゆりは私に似合うなんて言ってたけど、これは着れないな~////」
『ファーッハッハッハ!! 正直に言ったらどうだ、クリスティーナ?
私のひんそーな体では、この服につり合いませんと!!』
紅莉栖「くっ…誰が貧相な体よ! 自分だってモヤシのクセに!
私だってその気になればこれくらい…・!!」
『紅莉栖ちゃんならきっと似合うよ~♪』
紅莉栖「…誰も居ないし…ちょっとだけ着てみようかな…」
【着替え完了、姿見の前】
紅莉栖「うわー! うわー!! こ、これはひどいwwww ////」 ニャーン♪
「無理!! これで人前に出るとか絶対、無理! 普通にパンツが見えちゃってるし!////」
「それに…やっぱり私だと胸元が寂しい気がする…」 ペターン!
「岡部の言う通りね…やっぱり岡部も小さいのは嫌なのかな…」
「…・・ぐす…・」
紅莉栖「はあ…私、何をやってるんだろう…
こんなの着るんじゃなかった…早く着替えy」
ガチャ
岡部「フゥハーーハッハッハーーー!! 狂気のメェェーードサイエンティスト、鳳凰院凶真!!
ただいま買出しから帰還した!! 作業ははかどってるか、じょーーーしゅーーーよー…・」
紅莉栖「」
紅莉栖「お…お…か…・!?////」
岡部「もしもし? ああ、俺だ…ありのまま起こった事を話すぜ…
『この鳳凰院凶真がコンビニに夜食を買いに行ってラボに帰ってきたら、
助手のクリスティーナがエロい猫耳になっていた』 何をry」
紅莉栖「い…い…!!////」
岡部「何だかわからない…『機関の陰謀』とか『比翼恋理のだ~りん』とかじゃ断じてない!
…もっと恐ろしい物の片鱗を味わっている…エル・プサイ・コングルゥ。」
紅莉栖「いやああああああーーーーー!!!!」
紅莉栖「見ないで!! 見ないで、岡部!!」
岡部「み、見るなと言われても…・」
紅莉栖「いや…いやぁ…!!」 ポロポロ…
岡部(泣いている!? 一体これはどういう状況なんだ?
こいつが着ているのは、昼間のまゆりのコス!?)
岡部「…・・可愛いな…」 ボソ…
紅莉栖「へ…?」
紅莉栖「お、岡部? 今、私の事を『可愛い』って言ってくれたの…?////」
岡部「あ! い、いや…違う!! 今のは間違いだ!!
別に助手のスレンダーな体型が本当に猫みたいで愛らしいとか
気の強そうな顔とキュートな服のアンバランスぶりがたまらんとか、
そんなの全然、考えてないんだからなぁーーー!」
紅莉栖「はう!?////」 ボシュー!
岡部(全部、言っちゃったよ、ちくしょうーーー!!」
紅莉栖(どどどどど、どうしよう!? ものすごく嬉しいのに、恥ずかしくて岡部の顔を見れない!////) モジモジ
岡部(うああああーーー!! 何か言え、ク、クリスティーナ!!
こ、この空気は耐えられん! どうすれば…どうすれば…そうだ!!))
岡部「や、ややや!? 何という事だー、ラボの中に野良猫が紛れ込んでしまったー(棒)
おのれーどこから入りこんできたのだー(棒)」
紅莉栖「へ? ね、猫?」
岡部「しかもこの野良猫ー、何故か助手の姿と声でしゃべるではないかー(棒)」
紅莉栖「な、何を言ってるの、岡部!?」
岡部「これはあれだなー、俺が疲労のせいで意識が混濁して、幻覚を見てるのだー
だからただの猫が助手に見えるのだー、そうに決まってる!(棒)」
紅莉栖「あ…」
岡部「これ以上起きていたら、体に悪いなー、今夜はもう寝てしまおう、そうしよう(棒)」
スタスタスタ、バタン!(ソファーに寝転がる)
岡部「ぐーぐーすやすや ぐーぐーすやすや(棒)」
紅莉栖「岡部…・」
岡部(よーし! 我ながら完璧な作戦! これでこの場で起きた事をただの幻覚になった!
後は俺が寝ている間に助手が着替えれば万事解決!!)
紅莉栖「私は…猫…」
岡部(そーだ、クリスティーナ! さあ、俺が目をつぶっているうちに人間に戻れ!)
紅莉栖「………」
紅莉栖「に…にゃ~ん…////」
岡部「!?」
紅莉栖「にゃあ…////」 キシ…キシ…
岡部(ん? んん~!? 何だ、何だ?
この猫の鳴きマネは助手か? 何をしている?) チラ(薄め目開け)
紅莉栖「にゃーん…////」 キシ…キシ…
岡部(な、何故、四つん這いでこっちに近づいてくるのだ、助手よぉぉーーー!!??)
紅莉栖「う~~…にゃあ!」 ピョン! ドスン!
岡部「ぐほお!? な、何をする助手!? 寝ている人の上に飛び乗りおって!」
紅莉栖「じょ…助手じゃないニャ!!」
岡部「はあ…?」
紅莉栖「わ、私は迷子の野良猫、クリスティーニャ!!
決して人間の天才少女、牧瀬紅莉栖じゃニャいんだから!!」
岡部「」
紅莉栖「お…お前には私が人間の姿で、日本語を話しているように感じるかもしれニャいけど
それはただの脳内物質の異常分泌が見せる幻覚・幻聴なんだから!
私は正真正銘、まじりっ気なしの猫科動物よ!…じゃなくて、猫科動物ニャ!」
岡部「」
紅莉栖「だからこうやって、私がお前の体のよじ登ったり、添い寝したりしても問題ないのニャ!
だって私は猫だから! はい論破完了!!」
岡部「」
紅莉栖「ろ、論破完了だって言ってるでしょ!!」
岡部「」
紅莉栖(うわ~~~!!! 何やってるんだ私は~~~!!!
岡部、完全に固まっちゃてるじゃん!)
岡部「」
紅莉栖(『このまま猫のふりすれば岡部に甘えられる』とか、そんな訳あるかーー!!
パニくってるとはいえ、何を考えてるのよ!? 一分前の私のアホーーーーー!!)
岡部「」
岡部「そうか…猫なのか…」
紅莉栖「ふえ!?」
岡部「猫じゃ…しかたないな…」
紅莉栖「そ、そうよ! 私は猫なんだから!!////」
岡部「ああ…」
岡部(ってお前のような、肌色率の高い猫がいるかーーー!!
くそ! せっかく気を使ってやったのに、助手風情が、この鳳凰院凶真をおちょくりおって!
こうなったらボロを出させて、お前が人間のクリスティーナだと証明してやる!)
岡部(クックック…まずは軽いジャブからだ!)
岡部「フハハハー! クリスティーニャよ!
お前が猫ならば、こーゆーことをしてもかまわんな!!」
なでなでなで…・
紅莉栖「きゃあ!?」
岡部「何を驚いているぅ? 猫ならば頭を撫でられるのは好きであろう?」
(髪の毛サッラサラだな…触っていて気持ちいい…)
紅莉栖「ふ…フニャ…///」 トロ~ン…
なでなでなで…・
岡部「ほうれ、耳の裏とかもくすぐってやるぞ~~!!」
(どうだ、プライドの高いお前には屈辱だろう? さっさと正体を現せ!)
こちょこちょ…
紅莉栖「やん!…あ…ん!…お、おか・・べぇ♪////」 スリスリ
岡部(あ、あれ? なんか自分から俺の手に頬ずりしてるぞ?)
紅莉栖「ああ、岡部…岡部ぇ…あなたの指、気持ちいいニャア…/////」 スリスリ
岡部(く、くそおおーーーー!! 可愛いじゃねえか!!)
岡部「ウェイウェイウェイ!一旦ストォォップ!!」 ガバ!
紅莉栖「にゃ!? お、岡部…?」 ウルウル…
岡部(う…体の上からどかした途端、寂しそうな目で見つめてきおって…!
ええい! 惑わされるな、こいつは猫ではなく助手だ!!)
岡部「ふふふ…そっちがその気ならやむを得ん、次の手だ…
俺にこの道具を使わせた事を後悔させてやる!
え~と…確かこの棚にしまってあったはず…」 ガサゴソ
紅莉栖「岡部ぇ、何してるの? ねえ、もっとなでなでしてよぉ…」 スリスリ
岡部「うお! 四つん這いで俺の脚に擦り寄るな! ちょ、ちょっと待ってなさい!」
岡部「これでもない! ここでもない! どこにどこに…・あった!
クックック…これが分かるか? クリスティーニャ!!」
岡部「ねーーこーーじゃーーらーーしーーー!!」 チャラララッラッララー!
紅莉栖「ね、猫じゃらし!?」
岡部「以前、未来ガジェットの材料として、100均で買ってきたのだ!
ほーれほれほれ! じゃれついてみろー!」 パタパタパタ
紅莉栖「くっ…それは…」
岡部「おやー? 猫なら猫じゃらしに喜んで飛びつくはずだぞ?
天才少女のプライドがそれを許さないのかぁ~?
やはりお前は人間のクリスティーナなのかぁ~?」
紅莉栖「ち、ちがうもん! 私は猫のクリスティーニャだもん!」
岡部「ならば何故、猫じゃらしに反応せん?
無駄な足掻きはやめて、潔く自分が人間だと認めろぉ!!」 パタパタパタ
紅莉栖「うう…私は…私は猫だニャー!!」 バッ!
岡部「ええっ!?」
紅莉栖「にゃ! にゃにゃん!」 テシテシテシ!
岡部(助手の奴、本当に猫じゃらしにじゃれ付き始めた!?)
紅莉栖「この! この! こっちか!?」 ペシ! ポム!
岡部「こ…こっちだぞ~クリスティーニャ!」 パタパタ!
紅莉栖「えい!」 タシ!
岡部「惜しい! こっちだ~!」 パタパタパタ!
紅莉栖「あっ! この、待て~♪」
岡部・紅莉栖 (( やべぇ…これ超楽しい…!! ))
岡部(俺の猫じゃらしを一生懸命、追いかける猫耳紅莉栖…可愛い過ぎだろぉぉーーー!)
紅莉栖(楽しい♪ 猫になりきって岡部と遊ぶの超楽しい~♪)
岡部「はーーっはっはっは! いいぞぉ、クリスティーニャぁ!」
紅莉栖「にゃんにゃんにゃ~~ん♪」
【この時、一つの奇跡が起こった。】
岡部「ほ~れ!」 ファサ!
【岡部が何気なく振った猫じゃらしの先端のもこもこが、偶然にも…・】
紅莉栖「…・!!! ひゃうぅ!?///」
岡部「!?」
【クリスティーニャの素肌を撫ぜたのだ!!】
紅莉栖「な、何するの、岡部!! 思わず変な声が出ちゃったじゃない!/////」 アセアセ!
岡部「す、すまん…しかし、あんなに大声を出すほどか?」
紅莉栖「しょうがないでしょ! くすぐったかったんだから!」
岡部「…・・! ほ~う、クリスティーニャ? さっきの耳こちょの時といい、
お前はひょっとして、くすぐったがりなのか?」
紅莉栖「ふぇ!? べ、別のそういう訳じゃ…////」
岡部「ふふふ…そうか…そうかぁ…・!!」 ワキワキ ジリジリ
紅莉栖「ひっ! お、岡部? どうして手をワキワキさせながら近寄ってくるの…?」 ビクビク…
岡部「そおおおーーーーい!!」 ガバァ!!
紅莉栖「きゃああああ!?」
岡部「ファーーハッハッハーーー!! 捕まえたぞ、クリスティーニャ!」 ギュウウゥ…!
紅莉栖「ち、ちょっと!! 放しなさいよ、このHENTAI!!/////」 ジタバタ ジタバタ
岡部「ん~~? これまた異なことを? 自分の猫を抱きしめることの何がHENTAIなのだ?」
紅莉栖「くぁwせdrftgyふじこ!!??/////」
紅莉栖(い、今コイツなんて言った!? 私が岡部の猫!?
それって私は岡部のモノってこと!?////)
岡部「クリスティーニャ…」
紅莉栖「お、岡部…・////」
岡部「こちょこちょこちょこちょーーーー!!」
紅莉栖「え!? ちょ待、ふにゃああああああ!!!!!」
紅莉栖「ちょ…あはは!…く…おか…何してぇ…ふみゃああああ!?////」
岡部「何って、ただの猫とのスキンシップだぞぉ? よーしよしよし、わき腹がいいのか~?」 コチョコチョ
紅莉栖「にゃあ! にゃふ!? や、やめろぉ!!////」
岡部「それともぉ…ここかぁーーー!?」 コチョコチョ
紅莉栖「あああああ!? ダメぇ! 腋! 腋はやめてぇ!!////」
【1時間後】
紅莉栖「はあ…! はあ…! はあ…!」 クッタリ…
岡部「おやおや…最初の元気はどこにいったのかな、クリスティーニャ?」
紅莉栖「くううう…岡部ぇ…あ、あんた、後で…覚えてなさい…!」 ビクン!ビクン!
岡部「ま~だ、ご主人様にそんな口を聞くか? ならばこうだ!」
ゴロン!
紅莉栖「きゃ! こ、今度は何をする気…!?」
岡部「知ってるか、クリスティーニャ?
世の愛猫家の間では『もふもふ』という行為が流行ってるのだ。」
紅莉栖「も…もふもふ…?」
岡部「猫のお腹に顔を埋め、スリスリしながらその毛皮と腹肉の感触を楽しむのだ…」
紅莉栖「な!!」
岡部「お前のお腹は毛は一本も無いが(あったら嫌だ)、真っ白ですべすべで
キュッとくびれて…もふもふしたら、さぞ気持ちいいだろうな…」
紅莉栖「ま、待って…! それだけは駄目…
そんな事、岡部にされたら私、恥ずかしくてしんじゃう…!
お願い、岡部…他のことなら何でもするから…それだけは…!」
岡部「ふっ…」
岡部「うおーーー! もふもふさせろーーー!!」 モフモフモフモフモフ!!
紅莉栖「にゃああああーーーーー!!/////」
- - -- ── ────────────────── ── -- - -
- - -- ── ──────────── ── -- - -
- - -- ─ ── ─ -- - -
- - - - -
チュンチュン!
チュンチュン!
岡部「ふごー…ふごー…ぐふ! う~ん…朝か…
あれ…俺は昨夜、何してたんだっけか…?
助手といっしょにラボで作業して…夜食を買いに行って…それから……・」
岡部「あああああああーーーーーー!!??」
岡部「助手!? クリスティーーナ!! どこだ!?」
「どこだ!? どこにいるんだ!?」
「俺は…俺はーーーーー!!!」
【同日正午、未来ガジェット研究所】
岡部「 orz 」
ダル「どしたん、オカリン? 朝から、ずっと頭抱えて?」
まゆり「オカリン、お腹減ってるの? まゆしぃのバナナ食べる?」
岡部(え…えらい事やっちまったぁぁーーーー!!)
岡部(昨夜は異常なシュチュエーションと、徹夜のハイテンションのせいで
つい調子に乗ってクリスティーナにセクハラしまくってしまった!!)
岡部(目が覚めたら、助手はどこにもいないし、電話にもメールにも出ない…
やっべー…絶対に怒ってるよ…このままアメリカに帰っちゃったらどうしよう!?)
ガチャ
紅莉栖「はろー」
まゆり「紅莉栖ちゃん、トゥットゥルー☆」
岡部「!!」
ダル「牧瀬氏、今日は来るのが遅かったお?」
紅莉栖「ごめん、ごめん。 ちょっと買い物してたら時間かかっちゃって。」
まゆり「ほえ? オカリンどうしたの? 顔色悪いよ?」
岡部「なななな、んんんん、でででで、もももも、なななな、いいいい…・!!」 ブルブル
紅莉栖「あ、岡部。 はろー。」
岡部「え?」
岡部「ク、クリスティーナ? お前、怒ってないのか…?」
紅莉栖「怒る? 何を?」
岡部「い、いやその…昨夜のことを…」
紅莉栖「え? 岡部、私になんかしたっけ? 私はあんたがコンビニ行ってる間に帰ったけど?」
岡部「は? いや、だって…」
紅莉栖「ごめん、何を言ってるのか分からないわ? それより早くガジェットの組み立てを始めましょう。」
岡部「????」
【その夜、未来ガジェット研究所】
岡部「ふう…今日はここまでにしておくか。」
紅莉栖「そうね…他の2人も帰っちゃったし、私も失礼するわ。
また明日ね、岡部。」 スタスタ…ガチャ
岡部「…・・(助手の奴、結局いつもと変わりが無かった…
昨夜のクリスティーニャは本当に俺の幻覚だったのか…?)」
岡部「う~~~ん…一度シャワーを浴びて冷静になるか…」
シャアーーー… ゴシゴシ
岡部「ふう、いいお湯だった。」 ガラ
紅莉栖「こんばんわだニャ、岡部~♪」 フリフリ!
岡部「」
紅莉栖(やべ、はずした!?)
岡部「助手、お前…」
紅莉栖「だ、だから私は牧瀬紅莉栖じゃない! 助手はさっき帰っただろ!
私はお前の飼い猫、クリスティーニャだ! 人間の姿に見えるのはお前の幻覚だ!!」
岡部「ちょっと待て。 迷子の野良猫じゃなかったのか?」
紅莉栖「はあ!? あんた昨夜、私を『俺の猫』って言ったじゃない!
それって私の飼い主になるってことでしょ!!」
岡部(そ、そういえばそんな事を言った気が…)
紅莉栖「あ、あの言葉は嘘だったの…・」 ジワ…
岡部「う、嘘じゃない! 嘘じゃないぞ! お前は俺が責任を持って飼うから泣くな!」
紅莉栖「ホ、ホント! えへへ…♪」
紅莉栖「そ、それじゃあ、飼い主としてこれを私につけニャさい!」
岡部「え…・これは首輪…だと! これをお前に付けろと!?」
紅莉栖「そ、そうよ!! く、首輪がないと野良と区別がつかないじゃない!
私が保健所に捕まったり、他の人に拾われて攫われちゃったりしてもいいの!?」
岡部「いや、その心配はいらないと思うが…
あれ? ひょっとして昼間のお前の買い物ってこれのこと…」」
紅莉栖「と、とにかく付けなさい!! 飼い主としての責任よ!!」
岡部「わ、分かった! 分かった! つければよいのだろう!!」
岡部(くそ! こうなれば鳳凰院モードだ!!)
岡部「フ…・ファーーッハッハッハ!! いまここに
我、鳳凰院凶真とクリスティーニャの使い魔の契約を結ぶ!!」
紅莉栖「う…うん…////」 ドキドキ
岡部「ん…・こうか?…」 カチャカチャ
紅莉栖「あ…あ…!////」 ゾクゾク!
岡部「よし、ついた。 苦しくないか?」
紅莉栖「うふふ、これで私は岡部のモノだね…////」
岡部「ぬぐ!? く、くそ! ペットの分際でこの俺をドギマギさせおって! 許さん!
こうなったら今宵も貴様に、この鳳凰院凶真の力をたっぷりと味合わせてくれるわ!!」
紅莉栖「う、うん…岡部…」
紅莉栖「今夜も私を可愛がってね♪」
【おわり】
アニメでも助手が可愛かったのでカッとしてやっちゃいました。
だからもっとニャンニャン見たかった…っ
これも運命石の扉の選択か…
乙
Entry ⇒ 2012.09.17 | Category ⇒ シュタインズゲートSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
男「お、お願いがありまして……」 少女「復讐」
少女「驚くことないじゃない? ここを訪ねる人間って大概そういうのだし」
男「……」ゴク
男「わかってくれているのなら話が早いです」
男「復讐をお願いしたいんです」
少女「理由は?」
男「学生時代に私を虐めていた連中に対してです……」
少女「代金は?」
男「成功報酬は私の命でもなんでも」
少女「……じゃあ、死ぬ覚悟があるなら自分で復讐すれば?」
男「……」
少女「……まあ、詳しい話は中で聞くとして…」
少女「おじさん、割りと好みのタイプだから引き受けてあげる」ニィ
男「……」
少女「ああ、その身体の所有権は前払いで貰っておくから」ニコッ
男「……?」
少女「そう、文字通りの意味」
少女「今からその身体は私の好きにさせて貰うから」ニコ
男「……」
少女「飲み物は? 温かいお茶? 冷たいお茶? 苦くて黒いお茶??」
男「……冷たいので」
少女「ん……じゃあ相手の人数だけど…」
男「……」
男「本当に、貴方みたいな……その…」
少女「『子供に可能なのか?』って?」
少女「可能です。ええと、復讐方法は希望があれば…」
男「……」
少女「……」ハァ
少女「信じられないなら引き返してもいいけど?」
少女「実行に移すだけの能力があるって証拠ならみせてもいいかな」
男「……お願いします」
少女「……とりあえず"ひとでなし"とでも頭に入れてちょうだい」フワァ
男「"人で無し?"」
少女「色々な事が出来るわ。透明になったり、不死だったり……」
男「……透明…」
少女「証拠が見たい? ……はい。」
スケー
男「……」
少女「どう?」
男「あ、あの…」
男「……スカートを履いているのに、その…下着が見えます」
少女「でしょう。はい、証拠見せお仕舞い」
スゥ…
男「……」
少女「けど、出来ない事もあるの」
男「?」
少女「人の心は読めない。だから、お仕事を実行するかどうかはもう少し調べてから決めるから」ニコ
男「……はあ…」
カラン
男「……どうも…」
少女「理由は……虐めだったかしら?」
男「アイツらのせいで様々なモノを失いました……学生生活、友達…家族までが被害を被って」
少女「具体的には?」
男「……そうですね。私自身の恨みはどうでもいいのかもしれません」
少女「……」
男「家族です。父は冤罪を着せられ、会社を首に。母は嫌がらせでノイローゼに。妹は引きこもりになってしまい…」
男「……姉は、殺されました」
少女「事実ならとんだ外道ね」
少女「殺人事件が起こったなら警察が動くんじゃないの?」
男「……証拠が見つからず、犯人は捕まっていません」
男「犯人は、主犯格の男が一人に、手下が10人以上です……」
少女「大所帯ね……」
少女「その犯人全員殺して欲しいとかなら、おじさんの命だけだと足りないかも」ウーン
男「……」
少女「まあ、対価を貰うのはなんとなくで必要性は無いんだけど…」
少女「……なら、おじさんが一生 精の尽きない性奴隷になるなんてどう?」
男「……そ、それは…」
少女「だめだよね……残念」フム
少女「朝、私が騎乗位で起こしてあげて。昼には食後や食中に、テーブルに体重を預けてバックで…夕方には、私が帰ってきたら夜までずっとエッチ」
男「……たしかに、なんでもするとは言いましたが…」
少女「私はまだ綺麗な身体だし、ピンときたからおじさんにお願いしたいんだけど…」
少女「……精力って、身体に入れてもらうと能力も強くなるらしいし…」
少女「嫌ならいいよ、おじさんが帰ってから自分で慰めるし……」
男「……君が成人しているなら承諾したんだが」
少女「……前払いでおじさんの身体は既に私のものなんだけどぉ」
少女「ご家族の復讐って、命がけでも成し遂げたいんじゃなかったんだ」
男「……」
男「そうだ…俺に断る余裕なんて……」
少女「……さあ、決断。早急にどうぞ」ニコ
男「……アイツが、主犯格の男です」
少女「どれどれ」
ヒョコ
主犯『~~』ゲラゲラ
少女「見るからに悪童上がりね。体格もストリートを腕一本でのしあがった黒人みたい」
男「アイツのせいで……」
少女「じゃあ、行こうか」ニコ
男「え?」
少女「直接会って話をしないと、アイツが本当に悪い人間かこの目で確かめられないし」
男「俺は……それに、君だって危険だ」
少女「大丈夫。私強いから」
男「……」
――…
スタスタ…
少女「……」
主犯『……?』
主犯「……おっ」
主犯「懐かしいな、まだ生きていたのか」ハッハッハ
男「……」
主犯「アレがお前の車か、おいナンバー控えろ」
手下「はいっス」
主犯「ナンバーがわかれば住所も割れるからな…お前、急に消えるから探したんだぜ……ん?」
少女「……」
主犯「なんだ? お前のガキか……へへっ、うまそうなガキだな…」ジュルッ
少女「……流れるように見事なゲスね」
男「……私の言った通りでしょう…くそ」
少女「……」
主犯「お前のガキにしては上玉だな……俺は年下だろうが気にしねえんだ。少し遊ばせてくれよ男、俺ら友達だったろう……?」ニヤニヤ
男「……くっ」
少女「……ごめんなさい」
ダキッ
男「?」
少女「私、男さんの囲っている女で……もう、この人のアレ無しだと生きていけないの…」カァ
男「ちょっ……」
主犯「……へえ、暫く見ない内に立派になったんじゃねえか」
男「私は……子供に興味は…」
少女「今日も朝から何ラウンドも……」ポッ
少女「付いていってあげる」ニコ
男「!」
主犯「よしよし……じゃあ、そこの車でいこうか」
少女「ああ、ちょっと待って」
少女「イケメンが多いなら私の友達も呼びたいんだけど良い? それもとびっきりの美少女」
男「なにを考えているんだ……」
少女「……貴方は少し黙って」
主犯「ああ構わないぜ。じゃあ連絡先の交換だ」
少女「ええ、いいわ」クス
男「何を考えているんですか……」ハァ
――…
男「……30分後におちあう話になりましたけど…」
男「そのお友達はどこに?」
ポンッ
男「?」
少女「あら、美少女なら数秒後にはここにいるわよ」ニコ
男「……??」
女(男)「……な、な…」
少女「セクシュアルイメージっていうの? 性別くらい瞬く間に変えられるわ」
女「戻せるんでしょうね……?」
少女「戻すのも瞬く間。心配しなくていいよ」
少女「せっかく可愛くしてあげたのに……目に隈があるけど、ポニーテールにすることで元気さをアピールしてみました」
女「私には倒錯趣味なんてないんだ……足がうすら寒い…」
少女「似合っているわよ、そのスカート。スタイルだって華奢にして…まあ、胸は薄いけど。そこは私以上だと面目が立たないし」
女「……そうだ、私は何だってやると決めたんだ」グッ
少女「お洒落にヘッドホンはどうかしら」ムゥ…
女「遅刻しますよ、行きましょう……」ハァ
ブロロロロロロロ…
手下♂『お友達はモデル? スラッとしてるね』
女「はあ……」ヒク
手下♀『仕草は男みたい……』
女「……直らなくて」ハハ…
少女「人目に出すのが憚れるくらい可愛いわ……その姿のまま戻すのをやめようかしら」
女「約束したじゃないですか……」ヒソ
主犯「確かに美少女だが…」
主犯「……なぜかピンと来ないな、珍しく俺の趣味と合わないらしい」
女「それは…………よかったです」
少女「そうそう言い忘れていたから今伝えるけど…」
女「?」
少女「とりあえず手下の男と行動を共にするから。倒しちゃっても良いけど、出来る限り穏便にいきたいし」
女「? 了解です……」
主犯「着いたぞ。俺は他のやつらに顔見せしてくるから適当にくつろいでいてくれや」
少女「じゃあ……この人と一緒に回ります」チラ
手下♂「俺?」
女「……」コク
手下♀「……」
手下♂「あの姉ちゃんに付いていけよ……俺はボスのところに行くから」
少女「いえ、人が良さそうなのでお兄さんにしました」ニコ
女「(……だから、どうしてこの男なんですか?)」
少女「(貴方が女性になっても主犯の男に目を付けられないように、相手の性癖やら覗いてみたんだけど…)」
少女「(……その時ついでにこの手下さんも確かめたらあることがわかったから)」
女「?」
少女「(この人……ゲイね。間違いなく)」
女「っ」ブッ
手下♂「? だからボスの所に行きたいんだけど……」
少女「そういえば、主犯さんってどういう人なんですか?」
手下♂「……ボスに気があるとか?」
少女「いえ。私もこの子も同性にしか興味が無くて……」
女「そ、そう……です」コク…
手下♂「あーそれなら仕方ないな。わかるわー十年くらい前からその気持ちわかるわー」ウンウン
手下♀「……」
少女「オーラがあったので、武勇伝があればお聞きしたいな…と」
手下♂「そうだな……ならさっき君といた渋めのお兄さんとの話だけど」
女「っ」
少女「……気になります」ニコ
手下♂「あれな……実は犯人が別にいるんだけど、ボスが身代わりになって汚名を被ってる…ってワケ。格好良いだろう」
女「!」
女「う、嘘だ……」ボソ
少女「……それは、興味深いお話ですね」フム
少女「大丈夫です、耳にはしていましたから」
女「……」サアァ
手下♀「どうしたの? 気分が優れないみたいだけど」
女「い、いえ……少し休んだら落ち着きます…平気です」
手下♀「倒れてからじゃ遅いわよ。一緒に休憩室に行きましょう?」
少女「……」チラ
手下♀「……」
少女「……なるほど」
手下♀「……お友達、看病して良いかしら?」
少女「ええ、どうぞ」ニコ
少女「その子の身体は私のものだから……よろしくお願いします」
女「(待って……危険に巻き込まれるかもしれません)」
少女「(大丈夫、少しなら未来視も出来るから。悪いようにはならないわ……頑張ってね)」クス
手下♀「それじゃあ行きましょう」ヒョイッ
女「この歳で抱っこされるなんて……」ズーン
手下♀「どう? 少しは落ち着いた??」
女「……はい、ありがとうございます…」
女「(悪い人じゃないみたいだ…悪人ばかりじゃないってことか)」
手下♀「……綺麗な肌ね」
女「はは……どうも」
手下♀「髪もサラサラで…結ってるゴム、取って良い?」
女「? はあ……」
手下♀「小顔で、身体の線も細くて……」
スゥッ…
女「あっ、あの……」
手下♀「……本当は、ボスのお下がりを貰うんだけど…」
手下♀「……貴方には興味が無いって言っていたから、良いわよね?」ハァハァ
女「ひっ……だ、誰か…」
手下♀「ここには誰も来ないわ……貴方の彼女にはわるいけど…」
手下♀「……そこのベッドに行きましょう?」クス
女「(何が未来視だよっ、ペテン師め……)」アセ
手下♂「それでボスがさあ……」
少女「……」
手下♂「? どうかした??」
少女「ああ、いえ…」
少女「向こうは上手くやっているかな、って」ニコ
手下♂「……なにか気づいた?」
少女「少しは……」
手下♂「お友達、危険な目に合ってるかも」
少女「それは……残念」
手下♂「あのお姉さんはさ、ボスの古くからの友人でここでも幹部クラスに偉いんだ」
少女「……」
手下♂「それで、ボスの好きな食べ物がさ……っ!」
少女「……もういいです…」ハァ
――…
手下♀「はぁ……すごく、よかったわよ…」ウットリ
ナデ…
女「(ひどい……)」ウル
手下♀「お詫びといっては何だけど…」
手下♀「……ボスのあの事件について教えてあげるわ」
女「……?」
女「……どうしてそれを」
手下♀「向こうの子については、前から少し知っていてね。何かあるんじゃないかと思ったけど…」
手下♀「……貴方は、わかりやすいというか…反応からしてバレバレよ」ハァ
女「……それで、真相があるんですね?」
手下♀「ええ……あっちのお兄さんじゃ教えてもらえないような悪い話をたくさん…ね」
女「……お願いします」
手下♀「その代わりといってはなんだけど」
女「?」
手下♀「これからも、定期的に私の相手をしてくれること。どう? 悪い話じゃないと思うんだけど」ニコ
女「……」
女「…………」グッ
女「わかりました。その代わり、本当の事を教えてください……」
手下♀「そろそろボスも首が回らなくなってきたから切り所だったのよね。天誅屋まで来たなら尚更終わりが来たって事だし……」
女「(天誅屋……?)」
女「お待たせしました……」
少女「やあ、どうだった?」
女「ええ……わかりましたよ。やはり、あの男は… 少女「そうじゃなくて…」
少女「女の身体は良かった?」ニィ
女「!」ハッ
女「そ、そうですよっ…ああなるってわかっていたのなら……」パクパク
少女「……」チラ
手下♀「? ああ、最高だったわ」ニコ
少女「そう……それは良かったわ」
少女「じゃあ、入手した話は家で聞くから…」
手下♂「悪いけど、君らを返すワケにはいかないんだ」
手下♀「大丈夫。私が監視しておくから、貴方はボスのところに行っていて良いわよ」クス
手下♂「そういう事なら……お任せします!」
タッタッタ…
手下♀「……さて。逃げても良いわよ」
女「え……?」
手下♀「私はアンタらに片付けられた事にしておいて…少し雲隠れするから」
手下♀「あと……あのお兄さんも悪いことには加担していないから、見逃してあげてほしいな」
女「……」
少女「了解。良い情報をくれたワケだし…この子との情事はサービスにしとく」
女「思い出すと悲しくなります……」
男「……以上が事件の真相です」
少女「証拠隠滅はほぼ完璧っと…」
少女「……まっ黒だとわかった以上、私も本腰入れるし」
男「よろしくお願いします…」ペコ
少女「……ただ裁きたいだけなら適当に自首でもさせるけど?」
男「いえ……あの男には相応の罰を受けて貰いたいんです」
男「それこそ……この命と引き替えでも」
少女「……冷たいアイスと温かいアイス…どす黒いアイスならどれが良い?」
男「? ……冷たいアイスで…」
少女「……じゃあどうしようかなぁ」
少女「お姉さんがされた用に痛めつける? 辱しめる?? 自殺させる??? 」
男「……死なせてはいけない」
男「出来るだけ長く、苦しみを味あわせたい…」
少女「……あむ」パクリ
少女「……やっぱりアイスは半溶けが美味しいよね…」
少女「……天誅に、半端なんてないけど」クス
主犯「……ん?」
主犯「誰もいないのか…おかしいな、このクラブには誰かしら…… 『残念。誰もいないんだなそれが』
少女「お久しぶりです。中国語ならハオジュウブージエンラ?」ニコ
主犯「……どういう事だ?」
少女「さあ……」チラ
主犯「?」キョロ
主犯「っ」
男「……」
主犯「なるほど……そういうことか」
主犯「どうやって人払いしたかは知らないが、電話を鳴らせばすぐに集まるぜ」クク
主犯「まあ……お前相手なら人を呼ぶまでもねえか」
男「……」
ドガッ!!
男「!?」
男「っ……」ゲホッ ゲホ
主犯「ああ……どうすっかなコイツ…」
少女「確かに……私の方も『どうすっかなコイツ』って気持ちだよ」
少女「さあそろそろお時間だ」
主犯「?」
少女『天誅タイムです。死ねないから死ぬまで苦しんでください――…クロさん』クス
ワイワイ ガヤガヤ
少女「さあさあギャラリーは今までクロが殺め・間接的に殺してきた皆様です」
ワーーー!! ガヤガヤッ!!
主犯「……ずいぶん凝ってるな…」
主犯「それで、今からリンチでもするってか?」
少女「考え中です ナウ リーディング……」
主犯「俺くらい恨まれていると、緊急用の呼び出し装置を持っていてな……」
カチッ
……
少女「ああ、それ壊れてるから」
主犯「ハッタリぬかすなっ、数分後には仲間が集まってくるからな! ……姦してやるよ嬢ちゃんの家族まで洗って…」
少女「Niceゲス。殺すには惜しいくらい」
少女「なので殺さないであげます。優しいでしょう? ギャラリーの皆様」
ブーブー!!
少女「おやお気に召さない…」ウーン
少女「……ではこうしましょう」
少女「まずはクロが犯した罪の一つ。万力で一本ずつ両手足の指を潰してさしあげましょう」ニコ
ワーワー!!
主犯「な、なんだお前……?」
主犯「聞いてんのかよおい!」
少女「……刑事罰で被害者は納得するのか…」
主犯「?」
少女「遺族の復讐で恨みが消え、成仏出来るのか…」
主犯「……」
少女「やっぱり。"自らの手でやり返す"これに限りますね」ニコッ
ワーワー!! ワイワイ!!
主犯「イカれてんのか……?」
主犯「っ?」
ギチッ
少女「動けません。金縛り? NO、普通に紐で縛ってます。すみません地味で」クスン
ワイワイ!!
主犯「くそっ、アイツら早く助けに……っ!」
少女「来ません。残念です」
少女「さあ皆様列を作って…」
少女「……十本潰したら、次の罰に移りまーす!」
ワーーー!! ガヤガヤッ!!
主犯「おいやめろ……俺に手を出したらどうなるか…」
少女「ああそれも残念。皆様既に他界しておりますので」クスン、クスン
ブチッ
主犯「~っ!!」
主犯「……わかった、俺が悪かった。謝る」
少女「返す手が無いとわかればプライドを捨て、謝罪ですか……懸命賢明」
少女「さあ二本目!」
ワイワイ!!
主犯「……っ」
――…
少女「はい十本目ー」
ブチッ
主犯「……っ」
男「……」
主犯「なあ、謝る……反省した。もう許してくれ…」
男「……」
少女「じゃあラストはお姉さん。ドウゾー」
男「十一本目……?」
少女「頭が残ってるから、良いタイミングで回ってきましたね?」
姉『……』
主犯「や、やめてくれっ!」ヒィッ
男「……」グッ
姉「……」
主犯「もう言い訳もしねえ! 全て俺の責任だ!!」
主犯「反省した……これからはもうしない…約束する…………」
姉「……」
少女「……さあお姉さんは何も言いませんよ?」チラ
男「……」
主犯「被害者の家族全員に頭を下げて謝る。警察にもいく……だから殺さないでくれ」
男「……」
少女「警察にいけばどちらにせよ死罪は免れないと思うけど……本人も口では立派に反省してるよ、どうするぅっ?」
男「……」
主犯「…………すまない……」ウッ…
男「……」
男「頼む。やってくれ」
少女「……………………了解」ハァ
主犯「っ…………」ウッ… グスッ
主犯「悪かった……悪かった…」
少女「いつもは優しいんですけど、酒が入るとこうなんですよ……なにか良い家庭の医学ありますかね?」
姉「……」
男「……姉さん」
男「……」
主犯「すまない……俺が、悪かった…」
男「姉さんにはやらせない。俺がとどめをさす」
ジャキ…
少女「殺さないんじゃなかった?」
男「殺しても死なせない事が出来るんだろう……この空間は」
少女「鬼畜冷酷残酷だ。鬼だねまさに」
少女「けど……おじさんが危害を加えるなら話は変わってくるよ」
男「……構わない」
主犯「……わかった、もう諦める…」
男「悪いな、私も命をかけて来てるんだ。お互い地獄行きだな……」
少女「……覚悟を決めたのなら止めないよ」
バチンッ!!
少女「……」
手下♀「あら、久しぶり」
少女「……」
手下♀「あら…なにやら意気消沈みたいだけど……例の件は首尾通り上手くいったんじゃなかったかしら?」
少女「……」ハァ
少女「最近、お店も休業して…なぜかやる気が出ない」
手下♀「……ボス…あの男はどうなったの?」
少女「ああ、それは伝えてなかったね」
少女「あそこまで罪を重ねていたら反省しようがどうしようもないんだ」
少女「決めるのは全て私だけど……アレに救いは与えられない」
手下♀「……ふうん」
手下♀「天誅屋も"罪"には厳しいわね…生前、とても酷い事をされたとか」
少女「……私はこうして生きてるよ」
手下♀「それで、その"救いの無い結末"って?」
少女「……ああ」
少女『魂が消えるまで続くから……今度、痔に効く薬持っていってあげようかな』シラ
手下♀「……最近、手下♂君の姿も見えないんだけど…」タラ
手下♀「それで、例の男さんはどうなったの?」
少女「……」
手下♀「確か…彼が最後の一撃を与えたのよね」
少女「……私も、最後の最後で踏み留まると思っていた」
少女「けど、彼は葛藤しながらも…手を汚した」
手下♀「……その後は?」
少女「……私の手の届かない所にいった…」
手下♀「…………そう」
手下♀「彼も覚悟の上だったんでしょう? 後悔はしていないと思うわ」
少女「……そう」
少女「貴方が言うのなら…そうなのかもしれないね」シュン
手下♀「……」
『あ、あのー……』
手下♀「ああ、すぐに戻るからシャワーを浴びて待っててね?」ニコッ
女「はあ……憂鬱です…」
少女「そ、そろそろ期限だろう。返してもらう!」
手下♀「だめだめ、まだ満足していないから」ニコニコ
女「……」ハァ
女「貴方には感謝しています」
少女「経緯については話しておいたよね?」
女「ええ、若干ですが記憶も残っていますし…」
女「……あの空間にいた時とは大分、テンションに差があるみたいですが」
少女「まあ、アレは場を盛り上げるためだったし…」
少女「……本当は、死者なんて一人もあの場にいなかった」
少女「そもそも死者を呼べるのなら、始めから呼び出して真相を聞き出すし」
女「……」
女「とにかく。ありがとうございました、約束…したという通りに死ぬまでお尽くしします」ニコ
少女「……待っているから」
女「それと…遺族の仇討ちのために今回の計画を実行したと聞きましたが……それ以前に…」
少女「?」
女「どうして私をおじさんと呼ぶんでしょうか……」ハハ…
少女「……んーと」
少女「…教えない。私は意地悪だから」クス
女「はあ……」?
少女「それじゃあ、またね」
女「はい。本当に、ありがとうございました」ペコ
少女「貴方の期間限定ご主人様にもよろしく伝えておいて」
女「はい、わかりました」ニコ
少女「……」
少女「前払いの身体だけ残して…勝手に死んじゃって……」
少女「……私らしくないか、うん」
(本当に、感謝しています。 ……それと、透過させるならスカートではなく他の物にした方が――…)
少女「?」
クルッ
女「?」
少女「……最後に伝えるのがソレ…? まあ、遺言として受け取っておくわ」
少女「……もし次に会う機会があれば…そうね、その時は――…」
少女『……冷たいお茶でも、出してあげるわ』ニコ
<了>
短くまとめる事が出来たと思っていただけたら幸いです。
わるい癖で、エピローグなんかも考えたりしますが今回はこの辺で。乙です。
乙
乙
乙
Entry ⇒ 2012.09.16 | Category ⇒ 男女「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
真「慰安旅行で真美と同じ部屋になった」
春香「なんですか?律子さん」
律子「今年の慰安旅行の行き先が決まったから伝えようと思ってね」
亜美「どこなのりっちゃん?」
律子「まあ詳しくは伊織に話してもらうわ」
伊織「にひひっ今回の慰安旅行はこの伊織ちゃんの別荘に決まったのよ」
やよい「えー伊織ちゃん別荘なんて持ってるの!?」
伊織「ええ、しかも家で買い取った島にあるから十分リラックスできると思うわよ」
美希「流石でこちゃん!ブルジョワなのー」
伊織「でこちゃんゆーな!」
小鳥「今回はプロデューサーさんの代わりに私が同伴することになったからよろしくね」
千早「あの…アイドル活動に支障はでないのかしら?」
律子「そこは大丈夫よ、スケジュール調整はちゃんとしてあるからね」
千早「それなら文句はないわ」
雪歩「皆一緒の部屋じゃないの?」
伊織「ええ、4部屋あるんだけど…ちょっと部屋割が複雑だから皆に集まってもらったのよ」
真「なるほどね」
伊織「大部屋が3つあるんだけどそこに4人ずつで12人、最後に小部屋に2人って感じにしたんだけど…いいわよね?」
真美「ぜんぜんオッケーだよいおりん!」
伊織「それならよかったわ、それで部屋なんだけど…くじで決めるのはどうかしら?」
あずさ「私はいいと思うわよ~」
貴音「私も異論はありませんよ」
伊織「それじゃ早速決めましょうか、律子、準備できてる?」
律子「ええ、それじゃ皆、この箱の中に入ってるから引いてね」
皆「はーい」
あずさ「私も1番よ、よろしくね春香ちゃん」
貴音「私も1番のようですね、よろしくお願いします」
律子「私も1番みたいね、3人ともよろしく」
千早「私は2番ね」
やよい「あっ私も2番です!」
亜美「亜美も2番だよ→」
小鳥「私も2番よ、よろしくね」
伊織「私は3番みたいね」
美希「あっミキも3番なの」
雪歩「私も3番ですぅ」
響「自分も3番だぞ!」
真「ボクは4番だね」
真美「あっ真美もだ」
真「わかった、よろしくね真美」
真美「うん、まこちんよろしく→」
律子「それじゃ今日は解散にしましょうか、皆忘れ物しないようにね?」
亜美「わかってるよりっちゃーん」
律子「あんたが1番心配なんだけど…」
小鳥「そういえばプロデューサーさん、本当に今回は私が行っていいんですか?」
P「はい、前の慰安旅行では音無さんが留守番してくれたんですし、今回は俺がしますから楽しんできてください」
律子「あれ、でもプロデューサーも明日から休みですよね?」
P「ああ、たまには1人でゆっくりしたいこともあるんだよ…」
律子「そうですか…」(たしかに慰安旅行でアイドル達のお守りをするよりは休めるわよね)
P「まあそういうことだから、皆楽しんできてくれよ」
皆「はーい」
亜美「海だ→」
美希「美希が1番なのー」タッタッタ
響「そうはさせないぞー」タッタッタ
小鳥「皆元気がいいわねえ…これが若さなのかしら」
律子「まったく…こら、走ったら危ないでしょ!」
春香「雪歩、千早ちゃん、伊織がかき氷あるって言ってたから一緒に食べに行かない?」
雪歩「うん、いいよ」
千早「私もいいわよ」
春香「それじゃ行こっか」
伊織「きゅ、急に何言ってるのやよい!?って…あんたまたスク水できたの?」
やよい「うん、これしか家になかったから…」
伊織「はあ、今度新しいの一緒に買いに行きましょうか」
やよい「えーいいの!?ありがとう伊織ちゃん」
伊織「いいわよ別に」
貴音「伊織、少しいいですか?」
伊織「何かしら?」
貴音「らぁめんは…ないのですか?」
伊織「別荘に行けば作ってくれると思うわよ、基本なんでも用意させるようにしたから」
貴音「ありがとうございます」
伊織「まあほどほどにしなさいよ…」
律子「あずささんもう飲んでるんですか…私は未成年なので遠慮しておきます」
あずさ「もうそんなこと言わずに~」
律子「はいはい、あまり飲みすぎないでくださいね」
真美「ねえまこちん、ちょっとお願いがあるんだけど」
真「ん、何?」
真美「日焼け止め塗ってほしいんだけど…いいかな?」
真「うん、それじゃ横になって」
真美「うん…」スッ
真「ええと…それじゃ塗るよ」ゴシゴシ
真美「痛っ!?ちょっとまこちん!」
真「何?」
真美「もうちょっと優しくしてよ…」
真「えっああ、ごめん…こんな感じかな」ヌリヌリ
真美「あっうん…ありがと」
真美「……」
亜美「あれ、何してんのまこちん?」
真「ん、日焼け止め塗ってるだけだけど」
亜美「そっか→…んじゃ亜美も手伝うよ!」
真美「ええ!?い、いいよ…亜美は向こう行ってて」
亜美「ほほう、亜美を仲間はずれにしようと言うのかね真美くん」
真美「だ、だって…」
亜美「んじゃ亜美はこっちの方塗ってあげるよ→」スッ
真美「ちょ、ちょっと亜美!そこはいいから!」
亜美「おら、ケツ出せ真美→」
亜美「あっピヨちゃん、ピヨちゃんも真美に日焼け止め塗るの手伝ってよ→」
小鳥「ピヨォ!?も、もちろんよ!それじゃ私は…こっち側塗るわね」スッ
真美「だ、だめピヨちゃん、そこはいいからぁ…」
小鳥「ピヨピヨ…真美ちゃんの七彩ボタンもしっかり塗ってあげるピヨ」ヌリヌリ
真「ちょ、ちょっと小鳥さん、そこは塗る必要ないですよね?」
小鳥「ぐへへへ、真ちゃん、女の子の肌は大事に扱わないといけないのよ」
真(欲望を曝け出してるようにしか見えない…)
真美「亜美もいい加減にしてよ!」
真「ほら2人とも、そのへんでやめとこうよ」
小鳥「真ちゃん…今日は慰安旅行なのよ…慰安旅行でまで自分を偽る必要はないわ!」
真「何言ってるんですか、バカなこと言ってないでやめてください」
小鳥「真ちゃん…今なら真美ちゃんを好きなようにできるのよ?どこでも触り放題よ?」
真「そ、そんな真美を物みたいに言うのはやめてください」
小鳥「一瞬動揺したわね…本当は触りたいんでしょ?真ちゃん?」
真「そ、そんなことあるわけないじゃないですか!」
亜美「ふう…おちりはこのくらいにして…次はお股いきますか!」
真美「あ、亜美…お願いだからもうやめて」ウルウル
真「……」ゴクリ
亜美「げえっ!?いおりん!」
小鳥「わ、私達はただ真美ちゃんに日焼け止めを塗ってあげてただけピヨ」シラッ
伊織「よくもそんなことが言えるわね…この駄鳥が!」ゲシッ
小鳥「い、伊織ちゃん…もっと…」ハアハア
亜美「亜美はピヨちゃんに言われてやっただけだかんね→」
小鳥「あ、亜美ちゃん!?」
伊織「あんたも悪ノリしたんだから同罪よ」
亜美「そ、そんなぁ→お許しをいおりん陛下」
伊織「だめよ、このことは律子に報告しておくからね」
亜美「そ、それだけはご勘弁をー」
伊織「真、真美を連れて先行ってていいわよ」
真「わかった、それじゃ真美、向こう行こうか」
真美「うん…」
律子「はあ…まあ伊織が止めてくれたからよかったけど、ほんとに何考えてるんですか?」
小鳥「ピヨォ…」
亜美「亜美は真美のためを思ってですね…」
律子「亜美ぃ?」
亜美「すいませんでした…」
律子「次やったら承知しないからね…亜美はもう行っていいわよ」
亜美「はーい」
律子「小鳥さん、大人のあなたが主犯ってどういうことですか?」
小鳥「か、可愛い女の子を目の前にして我慢するのはおかしいと思うピヨ!」
律子「はあ…そんなだからいつまでたっても結婚できないんですよ」
小鳥「ピヨっ!?」
伊織「まったくね、これを期に1回自分を見つめなおしてみたら?」
小鳥「い、いくらなんでもあんまりピヨ…」
律子「小鳥さん、次やったら強制送還ですからね?」
小鳥「は、はい…」
真美「うん…もう平気」
真「そっか…それじゃ気分転換に軽く泳がない?」
真美「うん!」
響「あっ真ー真美ー」
真「響、どうしたの?」
響「自分とあそこの岩まで競争しないか?」
真「いいけど…真美はどうする?」
真美「うん、真美もいいよ」
響「よし、まあ自分が勝つと思うけど2人も頑張ってな」
真「何だとー!ボクだって負けないからね!」
真「ああ、向こうの岩まで泳いで競争するんだよ」
美希「ふーん、それじゃミキがよーいドンッってしてあげるね」
真美「うん、よろしくねミキミキ」
美希「それじゃよーい、ドンッ!」
響「うおりゃあああああああ」ザバッ
真「ええっ!?もう始まってるの?」ザバッ
真美「あっ出遅れた」ザバッ
美希「3人とも頑張ってねー」
真美(やめとけばよかった…元からこの2人に勝つなんて無理だよ…)
真美(あれ、なんか足がっ!?)
真美(ど、どうしよ、足つったかも…)
真(あー今回は負けかな…って諦めちゃだめだ!よーし……あれ、真美がいない?……まずいっ!!)
真美(痛っ…あ、やばい…そろそろ息も苦しくなってきた…)ブクブク
真(あそこか…くそっもっと早く気付けなかったのかボクは…)スウー
真(よし、とりあえず上に行かないと)ガシッ
真「真美!大丈夫?」
真美「ま、まこちん…ごめんね、真美のせいで…」
真「そんなことどうだっていいんだよ!怪我ない?どこか痛いところは?」
真美「ちょっと足つっちゃったかも…」
真「わかった、それじゃすぐに戻ろう、ちゃんと捕まっててね」
真美「うん…」
真美「痛っ」
真「あっごめん…そこまでひどくはないみたいだね」
真美「もう…まこちん大袈裟すぎだよ」
真「何言ってるんだよ…今回は大事に至らなかったけど…もしひどい怪我でもしたら…」
真美「…ありがとね、でももう大丈夫だよ」
真「そっか…これからは無茶しないようにね?本当に心配したんだから」
真美「うん…ごめんね」
真「さて、それじゃそろそろお昼の時間だし一回戻ろうか」
真美「うん!」
―――――――――――――――――――
響「よし!自分が1番みたいだな!」
響「真と真美は…あれ…いない?」
――――――――――――――
―――――――――――――
伊織「それじゃそろそろいい時間だし…夕食にしましょうか」
亜美「いおりん、夕食はもちろんゴージャスなやつだよね?」
伊織「何言ってるのよ、バーベキューにするつもりよ?」
亜美「うええ!?な、なぜですかいおりん隊長?」
伊織「だってそれじゃいつもの夕食と変わらないじゃない」
亜美「これだからブルジョワは…」
伊織「何か言ったかしら?」
亜美「な、何でもないです…」
伊織「それじゃちゃっちゃと準備しましょ」
あずさ「やよいちゃん、おかわりたくさんあるからね~」
やよい「ありがとうございます、あずささん!」
貴音「……」パクパクムシャムシャ
春香「貴音さん、たしか昼間ラーメン5杯くらい食べてましたよね?」
貴音「はい、たしかに食しましたが、それがどうかしたのですか?」モグモグ
春香「い、いえ…」(なんであんなに食べられるのかなあ…)
雪歩「も、もう少しで焼けるから待っててね美希ちゃん」
美希「わかったのー」
律子「あんたねえ…自分の分くらい自分で焼きなさいよ」
美希「ミキは食べるの専門だよー」
律子「はあ…」
雪歩「り、律子さん、美希ちゃんには私が取ってあげるので大丈夫ですよ?」
美希「ありがとうなの雪歩!やっぱり雪歩は優しいのー」
小鳥「あら、ありがとう千早ちゃん」
千早「いえ、それでは」
小鳥「あっちょっとまって千早ちゃん」
千早「何ですか?」
小鳥「ゴニョゴニョ…」
千早「…なるほど、それはいい考えですね」
小鳥「ふふっそうでしょ?」
千早「はい、それではその時に」
小鳥「そうね…」ニヤリ
真「いや、ちゃんと食べてるよ…真美ももっとお肉食べる?」
真美「うん、ありがと」
真「いいよ、それじゃはい」スッ
亜美「あー真美だけずるい!亜美が貰っちゃうもんね→」パクッ
真美「ああっ!?ちょっと亜美!」
伊織「ほんと騒がしいわねあんたら、少しは静かにできないの?」
真美「だって亜美が真美のお肉取るんだもん」
伊織「まだいっぱいあるんだしそのくらいいいじゃない」
真美「でも…まこちんが折角取ってくれたのに…」
伊織「…真、真美がもっと欲しいって言ってたわよ」
真「えっそうなの?もう少しで焼けるから待っててね」
真美「うん…」
伊織「はいはい、それじゃ亜美には私のあげるから」
亜美「サンキューいおりん!太っ腹→」
真「はい、焼けたよ、真美」スッ
真美「ありがと…」
真「他にも欲しいものあったら言ってね」
真美「うん…あっまこちん」
真「何?」
真美「はい、あーん」スッ
真「え?」
伊織「真、折角だから貰っておきなさい」
真「う、うん…あーん」パクッ
真美「……」ドキドキ
真「あっ美味しい、ありがとね真美」
真美「うん///」
亜美「んじゃ亜美達はお邪魔虫みたいだしさっさと退散しますか」
伊織「そうね」
伊織「さて、それじゃそろそろ別荘に戻りましょ…といいたいところだけど」
亜美「んっふっふー、よくわかってるねいおりん」
春香「何かするの?」
伊織「ええ、あそこの森、出るらしいのよ」
雪歩「で、出るって…何が?」ブルブル
伊織「にひひっそれは想像にまかせるわ」
やよい「それで伊織ちゃん、何するの?」
伊織「もちろん定番のあれよ…肝試し」
真「い、いいいいい伊織、ボクはちょっと遠慮しとこうかなーって」
伊織「ダメよ、それでペアは部屋割で決めたメンバーでいいわよね?」
千早「私はそれでいいと思うわ」
美希「ミキもそれでいいって思うな」
伊織「何か異論でもある?」
真美「まこちん…真美と2人じゃ嫌かな?」
真「べ、別にそういうわけじゃないんだけど…なんというか…」
伊織「はいぐちぐち言ってないでさっさと始めるわよ」
律子「それじゃ部屋番順でいいわよね」
春香「私達からですね」
あずさ「それじゃ行きましょうか~」
―――――――――――――――
――――――――――――――
伊織「さて、後は真と真美だけね」
真「そ、それじゃ行こうか…真美」スタスタ
真美「うん…」スタスタ
春香「ねえ伊織、何人か見あたらないんだけどどこいったの?」
伊織「決まってるじゃない、仕掛けに行ったのよ」
春香「ええ!?私達の時は何もなかったよね?」
伊織「だって真ってこういうの苦手じゃない?反応が面白そうだって亜美も言ってたしね」
春香「そっか…」
真美「まあ夜の森って言ったら大抵は不気味でしょ」
真「そうだよね…」
バサバサバサ
真「うわああああああああああああああ」
真美「お、落ちついてまこちん!どうせ蝙蝠か何かだよ」
真「で、でもぉ…」
真美「うーん…それじゃ」ギュッ
真「え?」
真美「手、繋いでればさ、少しは怖くなくなるでしょ?」
真「…ありがとう、なんか情けないなボク」
真美「それじゃ早く行こ?」
真「うん…そうだね」
真「な、何?何かいるの?」
??「うがあああああああ」バッ
真「ぎゃああああああああああああ」バキッドカッ
??「ちょ、痛っ!やめ…」
真美「ま、まこちん、殴っちゃだめだよ…」
??「……」タッタッタ
真「はあ…はあ…やった、お化けを退治したよ!真美!」
真美「う、うん…よかったね」
響「うう、真のやつ本気で殴ってきたぞ…」
亜美「ひびきん大丈夫?」
響「うん、とりあえず接近するのは危険だからやめといた方がいいと思うぞ」
亜美「りょーかい」
真「ま、真美ぃ…手離さないでね、絶対だよ?」
真美「わかってるよまこちん、早く先進もうよ」
真「う、うん…」ドンッ
真「ん?な、何だ?」
真美「どったのまこちん?」
真「な、何かにぶつかった気が…」スッ
真「え、なにこれ…見えない壁?」
真美「なになに?」スッ
真美「…え、なにこれ」
真美「おおおおお落ち着いてまこちん」
真「落ち着けって言われても…これ何?」
真美「……」
真「や、やっぱり戻ろうよ!こんなのおかしいって」
真美「と、とりあえず無視して進もうよ…もしかしたら黒い岩とかかもしれないし…」
真「そ、そうだね…さっさと進んで終わらせよう!」
真美「そ、そだね!」
千早「……」
千早「…亜美、全身黒タイツで立っててくれればいいと言ったけど…これは何かしら?」
亜美「んっふっふー、見えない壁を演出しようと思いまして」
千早「亜美、来なさい」
亜美「ま、待って千早おねえちゃん、まだ仕掛けがいだだだだ」
千早「壁壁言われる私の気持ちがあなたにわかるの?」グギギ
亜美「ごべんなざい、痛い痛い!?もう許してー」
真美「そ、そだね…」
真「な、なんだ…たいしたことないじゃないか」
真美(本気で言ってるのかな…)
真「よ、よし…たしかここで折り返しだったよね?」
真美「うん…」
真「さてそれじゃ戻ろ」クルッ
??「……」ヌッ
真「で、でたああああああああああああああああああああ」ダッ
真美「あっちょっとまこちん!?」
??「はて…」
伊織「真!?」
真「ああ…伊織…ごめん、ボクもうダメみたいだ」
やよい「あの、真さん…真美はどうしたんですか?」
真「え…あ」
伊織「まさか置いてきたの?」
真「……」
伊織「はあ…あんたねえ、こんな夜道に女の子置いて逃げてくるなんて何考えてるのよ?」
真「そ、そう言われても…」
伊織「言いわけはいいから、まったく…ほんとあんたへたれでダメダメね」
真「返す言葉も見つからないよ…」
真「い、行くよ…」ガクガク
伊織「はあ…いいわよ無理しなくて、私達で迎えに行くからあんたはそこで待ってなさい」
真「い、いや…ボクが…」
伊織「そんな震えながら言われても説得力ないんだけど?」
真「……」
伊織「それじゃ私達は真美を迎えに行ってくるわね」
―――――――――――――
――――――――――――
真美「いやーまさかあれがお姫ちんだったとは…」
貴音「ふふっうまくいったようでなによりです」
真「あの、真美…ほんとごめんね」
真美「いいよ別に、まこちんこういうの苦手って知ってたし」
真「でも1人で逃げちゃったからさ…」
真美「もう、気にしてないからいいって言ってるじゃん」
真「うん…ほんとごめん」
美希「やっとお風呂に入れるの」
雪歩「伊織ちゃんの別荘のお風呂だからすごく広そうですぅ」
伊織「別にそんなに広くないと思うわよ?」
律子「まあとりあえず戻りましょうか」
伊織「それじゃお風呂は好きな時間に入っていいからね」
春香「そっか、それじゃ私はもう入ろうかな」
美希「あっミキも入るの!」
あずさ「私も一緒に行こうかしら」
伊織「あっ皆、朝食は8時だからそれまでにはここに集合してね」
律子「あら、意外と遅い時間なのね」
伊織「慰安旅行なんだし多少はゆっくりしてもいいと思ってね」
雪歩「私朝は苦手だからすごく助かるなあ」
亜美「亜美も亜美も→」
伊織「さ、それじゃ後は自由行動で構わないわよ」
律子「貴音、春香とあずささんは先お風呂に行ったし私達も行かない?」
貴音「そうですね、それでは参りましょうか」
2号室
小鳥「亜美ちゃんやよいちゃん、私と千早ちゃんは後から行くから先お風呂行ってていいわよ」
亜美「そっか、それじゃ一緒に行こうよやよいっち!」
やよい「うん、そうだね」
千早「……」
3号室
伊織「雪歩、響、私達もお風呂行かない?美希は先行っちゃったし」
雪歩「うん、いいよ」
響「自分も賛成だぞ」
真「小部屋って言ってたのに普通のホテルの倍くらいはあるよね、この部屋…」
真美「そだね、さすがいおりんって感じだね」
真「ベットもすごく大きいし…これが格差社会か…」
真美「真美の家も結構大きい方だと思ってたけどいおりんは別格だね…」
真「さて、それじゃどうしようか…とりあえずお風呂行く?」
真美「うん、そうしよっか」
小鳥「…行ったわね、それじゃ千早ちゃん」
千早「ええ…」
小鳥「今のうちにたっぷり堪能しましょ?」
千早「ふふっ…」
小鳥「これが…亜美ちゃんの水着」ハフハフ
千早「高槻さんのスク水…」クンカクンカ
伊織「やよい、一緒にお風呂行きましょ…」
小鳥「!?」
伊織「何してんのよあんた達!」
雪歩「伊織ちゃん何かあったの?」
千早「み、水瀬さん!?こ、これはその…そう、高槻さんの水着を洗ってあげようと思って」
響「うわぁ…」
伊織「小鳥ぃ…あんた懲りてないようね?」
小鳥「お、お許しを伊織しゃま」
伊織「この、駄鳥が!そんなだからいつまで経っても行き遅れなのよ」ゲシッゲシッ
小鳥「ああん…もっとぉ…」ハアハア
響「ゆ、雪歩…自分達は先行ってようか」
雪歩「う、うん…そうだね」
千早「ごめんなさい水瀬さん…音無さんに脅されて…」グスッ
小鳥「ち、千早ちゃーん?」
伊織「そう、まああんたがこんなことするとは思えないし…小鳥、覚悟はいいわね?」
小鳥「そ、そんな~」
――――――――――――――――
―――――――――――――――
真「さて、そろそろ遅くなってきたし寝ようか」
真美「そだね…それにしてもピヨちゃんなんで廊下で縛られて放置されてたのかな」
真「何かやらかしたんじゃない?まったく懲りない人だよね…」
真美「あはは…それじゃ寝よっか」
真「うん…おやすみ、真美」
真美「おやすみ、まこちん」
真「……ううん、暑い」
真美「むにゃむにゃ…」Zzz
真「!?」
真美「えへへー…」Zzz
真(な、なんで真美がボクのベットに…ってあれ、動けない…)
真(…抱き枕代わりにされてるのかな…まあいっか)
真美「……」Zzz
真(なんか目が冴えちゃったな…気分転換にお風呂でも入ってこようかな)
真「ごめんね真美、ちょっと動かすよ」スッ
真美「……」Zzz
真「それじゃちょっと行ってくるね、真美」ボソッ
真「ふう…それにしても大きい風呂だよなあ…学校のプールより広いんじゃないかなこれ…」
真「なんか夜中にお風呂って新鮮だなあ…」
真「…あれ、誰かきたのかな」
??「……」スルッ
真「ボクと同じで目が冴えちゃったのかな」
真美「あっまこちん…」
真「真美!?」
真美「やっぱここだったんだね」
真「さっきまで寝てたはずじゃ…あっ動かした時起こしちゃったかな?」
真美「ううん…真美ね、抱き枕ないと眠れなくて…」
真「ああ、なるほどね…ごめんね勝手にいなくなっちゃって」
真美「ううん、別に気にしてないよ」
真「そっか…」
真「……」
真美「あ、あのさ…まこちん」
真「何?」
真美「や、やっぱ何でもない…」
真「そっか…」
真美「……」
真「…ね、ねえ真美」
真美「何?」
真「肝試しの時はさ…ほんとごめん…」
真美「もうそれ何回も聞いたよ…」
真「そ、そっか…」
真美「気にしてないからいいよ」
真「うん…」
真「え?」
真美「ほんとは…めっちゃ怖かった…1人にされて、周り見えなくてさ…」
真「…ごめん」
真美「だめ、許さない」
真「あはは、参ったな…まあ当然か、ボクがしたことはそれだけ真美を傷つけちゃったんだし」
真美「…そ、それじゃ…真美のこと、抱きしめてほしいな」
真「え…」
真美「ま、真美…すごく怖かったから…真美がいいって言うまで抱きしめててよ」
真「……わかった」ギュウ
真美「えへへ、ありがと」
真美「な、なんかさ…裸で抱きあってるとイケナイことしてるみたいだね…」
真「ええ!?な、何言ってるんだよ…」
真美「ちょ、ちょっとまこちん…ちゃんと抱きしめてよ…」
真「あっ…うん」ギュウウ
真美「…ごめんね、わがまま言って」
真「いいよ…」
真美「なんかさ…まこちんに抱きしめられるとさ…安心するんだ」
真「そっか…」
真美「まこちんさ、いつも真美の味方でいてくれるから…」
真「…うん」
真「……」ギュウウウ
真美「もう真美のこと…1人にしないでね」
真「うん…わかった」
真美「……」
真(…この体勢は色々とまずいよなあ…まあこんな時間だし誰もこないだろうけど)
真「えっ…でもこれ以上強くしたら痛いと思うよ?」
真美「いいよ…お願い」
真「…わかった」ギュウウウウウ
真美「っ…」
真「あっごめん…やっぱ痛かったかな」
真美「ううん…大丈夫…」
真「そっか…よかった」
真「あ、あのー…まだ離しちゃだめ?」
真美「だめ」
真「そ、そうですか…」
真美「……」
真(やばい…なんかくらくらしてきた…のぼせたかな…)
??「ふんふんふ~ん♪」ヌギヌギ
真(あれ…なんか鼻歌が聞こえる…ってまずい!?)
真美「だ、だめ…」
真「で、でもさ…そろそろ寝たほうがいいと思うしさ…」
真美「むうー…じゃあベットで続きしてくれる?」
真「う、うん…するする」
小鳥「~~♪」ヌギヌギ
真(げえっ!?よりにもよって1番めんどくさそうなのがきた)
真美「…あと少しだけ、このままでいていい?」
真「ほ、ほら…ベットでまたしてあげるからさ…出よう?」
真美「なんでそんな慌ててんのまこちん…もしかして嫌?」
真「そ、そんなことないよ!」
真美「じゃあいいっしょ」
小鳥「ぴ、ぴよ?」
真「あ」
小鳥「ぴよおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
真「はあ…こうなるから早く出たかったんだ…」
真美「まこちん…なんかごめん」
真「いいよ、それじゃ戻ろうか」
真美「そだね…」
真美「それじゃまこちん…今日は真美のこと抱きしめて寝て」
真「うん、それじゃおやすみ…真美」ギュウ
真美「うん…おやすみ」
真(……眠れない)
伊織「さて、全員揃ってるかしら?」
春香「小鳥さん…大丈夫かな」
あずさ「お風呂に行ったら倒れててビックリしたわよね」
律子「2人が見つけてくれなかったら危なかったかもしれませんね」
伊織「まああの腐死鳥がそう簡単にくたばるわけないでしょ」
千早「そうね…」
やよい「あのー…真美と真さんがまだ来てませんよ?」
伊織「はあ…何してんのよあいつらは」
亜美「もしかしてー…パコパコしてたんじゃない?」
律子「こら亜美!そういうこと言わない」
伊織「はあ…とりあえず起こしにいきましょ」
亜美「そだね→」
真美「むにゃむにゃ…」Zzz
真「へへっ…」Zzz
伊織「…ほんと気持ちよさそうに寝てるわねこいつら」
亜美「仲良く抱きあって寝てるしやっぱり昨晩はお楽しみだったのかな?」
伊織「こら、起きなさい!」バシンッ
真「いったあああ!?」
伊織「あらおはよう、真」
真「ひどいじゃないか伊織!」
伊織「あんたが時間通り起きないのが悪いんでしょうが」
真「う…仕方ないじゃないか!昨日は夜遅かったんだよ!」
真「し、してないって…まあ時間通り起きれなかったのは謝るよ…ごめん」
伊織「いいわよ、そこまで遅れたわけじゃないし…それじゃ真美起こして早くきなさいよね」
亜美「まこちん…やっぱりお姫様起こすには王子様のキスが1番効果的だと思うよ→」
真「はあ!?な、何言ってるんだよ!」
亜美「んっふっふー、んじゃ亜美達は先朝ご飯食べてるから早く来てね→」
伊織「なるべく早くしないと貴音あたりに全部食べられちゃうわよ…それじゃ待ってるから」
ガチャッバタンッ
真美「……」Zzz
真「あ、亜美が言ってたみたいにキスで起こすとか…って何考えてるんだボクは!」
真「で、でも…真美の唇…柔らかそうだな…」ゴクリ
真美「えへへ…」Zzz
真「か、軽くなら大丈夫だよね…ノーカンだよね…よし…」スッ
真美「……ううん」パチ
真「え…」
真美「ま、まままままこちん!?な、何してんの」
真「い、いやこれは…な、何でもないんだ!」
真美「そ、そっか…」
真「あーえっと…朝ご飯食べに行かない?」
真美「そ、そだね…」
真「おまたせ皆」
雪歩「あっおはよう真ちゃん、真美ちゃん」
真美「おはよ、ゆきぴょん」
春香「はい、真美と真の分も取っておいたよ」
真「ありがとう春香」
真美「サンキューはるるん」
春香「どういたしまして」
伊織「す、すぐ作らせるからちょっと待ちなさい」
貴音「感謝いたします」
美希「貴音は相変わらずよく食べるね」
貴音「ふふっこのように美味なものならばいくらでも食べられる気がしますよ」
律子「それじゃ2日目も基本自由行動だけどくれぐれも怪我しないようにね?」
亜美「はーい」
真「それじゃ真美、今日は何しよっか?」
真美「うーん、どうする?」
響「あっ真ー真美ー」
真「どうしたの響?」
響「一緒にサーフィンしないか?」
真「うん、いいよ」
真美「あー真美は見てるだけでいいかな…できないし」
真「えっ…じゃあさ、ボクのやつに一緒に乗らない?」
真美「いいの?」
真「うん、2人でサーフィンってちょっとやってみたかったんだよね」
真美「ありがとまこちん」
真「ううん、それじゃ早速行こうか」
真美「うん!」
響(あれ、自分忘れられてる?)
真「それじゃ響、どっちが上手にできるか勝負しようよ」
響「あっうん、いいぞ」(よかった…自分忘れられてなかったぞ)
真「ええと…それじゃ真美が前に乗って」
真美「うん」
真「…やっぱきついかな」
真美「ごめんね…やっぱ真美は見てるだけでいいよ」
真「うーん…そうだ!真美、ちょっといいかな」
真美「えっ…うん」
真「よいしょっと」スッ
真美「えっ!?ま、まこちん!?」
真「へへっこれなら2人乗り…みたいな感じにはなるでしょ?」
真美「う、うん///」
真「えっサーフィンだけど?」
亜美「真美をお姫様だっこしてするの?」
真「うん…変かな?」
亜美「いや、別に…」
真「それじゃ行くよ、真美」
真美「うん!」
響「……」
亜美「あっひびきんいたんだ、ひびきんもサーフィンするの?」
響「うん…」
亜美「そっかーんじゃ亜美が見ててあげるよ→」
響「ありがとな亜美」
亜美「んっふっふー」
――――――――――――――
―――――――――――――
真美「まこちん、ありがとね」
真「いや、意外と2人でもいけるもんだね」
真美「そだね、まこちんやっぱすごいや…」
真「そんなことないって…実際技術的には響に負けてたし」
真美「まあひびきんは沖縄出身だからこういうの得意だと思うし」
真「あはは、たしかにそうかもね」
真「ん、何?」
伊織「そろそろ夕食の時間だから呼びに来たのよ」
真美「えっもうそんな時間なんだ」
伊織「ええ、今日はステーキにするつもりだから早くいきましょ」
真「ステーキ!?へへっ楽しみだなあ」
真美「真美もめっちゃ楽しみだよ→」
やよい「うっうー!ステーキおいしいですぅ」
伊織「好きなだけ食べていいからね、やよい」
やよい「うん、ありがと伊織ちゃん!」
春香「ステーキなんてしばらく食べてなかったなあ」
雪歩「そうだよね、しかもすごく高級なお肉使ってるって聞いたよ」
春香「そうなんだ…伊織には感謝してもしきれないね」
伊織「べ、別にこのくらい食べたければいつでもあげるわよ?」
春香「あはは、あんまり食べ過ぎても太っちゃうから…」
あずさ「は、春香ちゃ~ん…今はそういう話はやめましょ、ね?」
春香「そ、そうですね…」
律子「さんをつけなさいさんを」
美希「律子…さん」
律子「はい、それじゃ切っておいてあげるわね」
美希「ありがとうなの律子ー」
律子「だからさんをつけろって言ってるでしょ」
貴音「……」パクパクムシャムシャジュルジュル
亜美「お姫ちん…たしかそれで10枚目だったよね?」
貴音「はい、そうですが…それがどうかしたのですか?」
亜美「お姫ちんさ、今腹何分目くらい?」
貴音「そうですね…3分目くらいでしょうか」
亜美「なん…だと…?」
千早(それに胸も…くっ……そういえば四条さんもあずささんも良く食べるわよね…)
千早(よく食べる=胸が大きくなる…そして今日はステーキ…牛といえば乳…)
千早(つまり…ステーキをたくさん食べる=胸が大きくなる…)
千早(ステーキをたくさん食べれば私の胸も大きくなる…?)
千早「水瀬さん!」
伊織「な、何?」
千早「私にステーキを10枚、いえ…20枚頂戴!」
伊織「はあ?なにトチ狂ったこと言ってんのよあんた」
千早「いいから!」
伊織「別にいいけど…ちゃんと全部食べなさいよ?」
千早「ええ、わかっているわ」
小鳥「ぐへへへ…響ちゅわ~ん、お姉さんといいことし・ま・しょ?」ガシッ
響「うぎゃー!ピヨ子が酔っ払っておかしくなっちゃったぞ!」
真「ふう…もう食べられないや」
真美「まこちんすごいね…3枚も食べたんだ」
真「貴音に比べたら3枚なんて可愛いもんでしょ…」
真美「真美も2枚で限界だったよ…」
真「そっか、それじゃ飲み物とってくるよ」
真美「うん、お願いね」
亜美「千早おねえちゃーん?まだ18枚も残ってんぜ?」
千早「あ、亜美…よかったら手伝ってもらえない?」
亜美「残念だけど亜美もお腹いっぱいなんだよ→」
千早「そ、そんな…それじゃ1枚だけでもどう?」
亜美「無理無理…それと残したらやよいっちに怒られちゃうかもよ?」
千早「高槻さんに怒られる?そ、そんな…いえ、でもそれはそれで…」
伊織「あら千早、頼んだからには全部食べてもらうからね?」
千早「み、水瀬さん…もう食べられないわ」
伊織「はあ…そんなこと最初からわかってたわよ…テイクアウトできるから大丈夫よ」
千早「ほっ…」
亜美「お姫ちんまだ食べるの?」
貴音「はい、まだ満腹には程遠いので…」
千早「是非お願いするわ、四条さん」
伊織「あんたほんとよく食べるわね…」
貴音「ふふっそれではいただきます」
真美「ありがとまこちん」ゴクゴク
真「はあ…真美、今日は楽しかったね」
真美「うん…そだねぇ…」
真「…真美?」
真美「なにぃ?まこちん…」
真「ちょっとごめん」スッ
真「これ…カクテルじゃないか…間違えて持ってきちゃったのか…」
真「うわあっ!?ま、真美?」
真美「まこちんまこちーん」スリスリ
真「ま、真美、とりあえず落ち着いて」
真美「えー真美はいつも通りだよぉ?」
真「完全に酔っ払っちゃってるな…真美ってお酒弱かったのか」
真美「えへへー」
真「まあ悪い気はしないし…このままでいっか」
真美「まこちーん…」Zzz
真「あれ、寝ちゃった…伊織、ボク達先戻ってるね」
伊織「ええ、あっ明日も8時起きだからね?」
真「わかった、それじゃ」スッ
真美「……」Zzz
――――――――――――
―――――――――――
真美「……ううん」
真「あ、起きた?」
真美「うん…真美寝ちゃってたんだ」
真「うん…ごめんね、ボクが間違えてカクテル持ってたせいで…」
真美「ううん…それよりお風呂入らないと」
真「あっそうだね…今は…11時か」
真美「真美が起きるまで待っててくれたの?」
真「うん…」
真美「ありがと…それじゃ早く入ろ?」
真「そうだね」
真「ふう…なんか昨日も夜遅くにお風呂入ったよね」
真美「そだね…」
真「……」
真美「…ね、ねえ…まこちん」
真「ん、何?」
真美「もう少しそっち行ってもいいかな?」
真「うん、いいよ」
真美「ありがと…」
真美「あ、あのさ…今日はありがと」
真「ん、何が?」
真美「昨日さ…真美から離れないでって言ったでしょ?」
真「うん…」
真美「それで今日…ずっと一緒にいてくれたから…」
真「なんだそんなこと?別にボクが真美と一緒にいたいからいただけだよ?」
真美「そ、そっか///」
真「あれ、顔赤いよ真美…のぼせた?」
真美「ううん…大丈夫だよ」
真「そっか、ならいいんだけど」
真「ま、真美?どうしたの?」
真美「ま、まこちんはさ…ドキドキしないのかなって」
真「え?」
真美「な、何言ってるんだろ真美…女の子同士なんだし当たり前だよね」
真「…するよ」
真美「えっ!?」
真「昨日さ…真美に抱きしめてほしいって言われた時…すごくドキドキした…」
真美「そ、そうなんだ…」
真「今もさ…結構ドキドキしてるんだ…真美と2人きりだからなのかはわからないけど…」
真美「……」
真「あはは、ボクも何が言いたいのかよくわからなくなっちゃった」
真美「そっか…」
真美「な、何?」
真「ええと…また抱きしめてもいいかな?」
真美「う、うん…」
真「……」ギュウ
真美「……」ドキドキ
真美「えっ…」
真「真美って悪戯ばかりするし走りまわってるからさ…」
真美「そ、そうかな…」
真「うん…それでいなくなっちゃわないかいつも心配だったんだ…」
真美「ご、ごめんね…心配掛けちゃって」
真「いや、それも真美の魅力の1つだと思うよ…それでさ…抱きしめてるとさ…真美はここにいるんだって実感できるんだ」
真美「……」
真「だからさ…その…これからも抱きしめたりしていいかな?」
真美「うん///」
真「ありがとう…」
真「そ、そっか…ボクも嬉しかったけど…」
真美「最初はなんでかわかんなかったんだけど…やっとわかったんだ」
真「……」
真美「真美ね…あのね…その…」
真「……」
真美「あ、あれ…なんかよくわかんなくなっちゃった」
真美「うん…ありがと…」
真「少しずつでいいから…真美が言いたいこと、話してくれる?」
真美「わかった…あのね…真美、まこちんのことが…好き」
真「……」
真美「いつも優しいまこちんが好き…いつも真美の味方でいてくれるまこちんが好き…いつも…真美のこと抱きしめてくれる
まこちんが…大好き」
真「…そっか」
真「…いいよ、抑える必要なんてない…だって…ボクも真美のことが好きだから」
真美「えっ…ほんとに?」
真「うん…ほんとだよ」
真美「じゃ、じゃあ…もう1回言って」
真「真美…好きだ」
真「真美じゃなきゃだめなんだ…真美さえよければ…ずっと一緒にいてほしい」
真美「…まこちん…好き…大好き」ダキッ
真「うわっ!?真美…」
真美「えへへ…まこちん…昨日みたいに真美のこと…いっぱい抱きしめて?」
真「…うん、わかった」ギュウウ
真美「…もっと、強くして…まこちんのこと…いっぱい感じたいから」
真「……」ギュウウウウウウ
真美「…ありがと」
真美「うん…まこちんじゃなきゃやだ…」
真「そっか…嬉しいよ」
真美「ねえ…まこちん…キス、してほしいな」
真「……」チュッ
真美「ん……」
真「…愛してるよ、真美」
真美「真美も…愛してる、まこちん」
美希「あふぅ…」
伊織「皆揃ってるかしら?」
やよい「伊織ちゃん、まだ真美と真さんが来てないよ」
伊織「はあ…またなの?」
亜美「んっふっふー、また叩き起こす必要がありそうですなあ」
伊織「そうね、それじゃ皆は先に朝ご飯食べてていいわよ」
春香「うん、わかった」
亜美「んじゃ亜美達は真美とまこちんを叩き起こしてくるね→」
律子「ええ、頼んだわよ」
伊織「…え、なにこれ」
真美「……」Zzz
真「……」Zzz
亜美「oh…見事に素っ裸ですなあ」
伊織「こいつら…こら、起きなさい」バシッビシッ
真「いたっ…」
真美「ううん…何…?」
伊織「何じゃないわよ!なんで素っ裸なのよあんたらは!」
真「え…なんでだっけ?」
真美「真美もよく覚えてないや…」
真「いや…よく覚えてないんだ、本当に」
伊織「はあ?覚えてないって何よ、そんなの言いわけにならないわよ?」
真「…うーん、昨日部屋に戻ってジュース飲んだところまでは覚えてるんだけど」
真美「あっ真美もそんな感じ…お風呂から出てジュース飲んだとこまでしか覚えてないや」
亜美「つまり…どういうことだってばよ?」
伊織「嘘ついてる感じじゃないわね…ねえ、そのジュースって何飲んだの?」
真「いや、部屋に戻ったらコップに2つ注いであったからさ、てっきり用意してくれたんだとばかり…」
伊織「…基本飲み物は各自で持っていかせるようにしたわよ?用意しろとは誰にも言ってないし」
真美「えっじゃあなんで…」
亜美「…そいえば、昨日夜トイレ行く時ピヨちゃんいなかった気がする」
伊織「なるほどねぇ…あの駄鳥がまたやらかしてくれたのね」
伊織「あら小鳥、いいところに来たわね、ちょっとお話しましょうか?」
小鳥「ピ、ピヨッ?」
伊織「昨日夜何してた?」
小鳥「よ、夜?ええと…亜美ちゃん達とトランプしてたわよ!ね、亜美ちゃん?」
亜美「うん、たしかにしてたよ→」
伊織「それって何時頃?」
亜美「10時くらいまでかな?」
伊織「そう…真美と真がお風呂から出て部屋に戻ったのは?」
真「0時くらいかな」
小鳥「ね、寝てたピヨ!」
伊織「でも亜美の証言だと夜トイレに行った時いなかったらしいわよ?」
小鳥「そ、それは…ちょっと外の空気を吸いに行ってたのよ」
伊織「それを証明できる人は?」
小鳥「1人で行ったからいないわよ」
伊織「へえ…外に行ったなら監視カメラ見ればわかるはずね、ちょっと確認してくるわ」
小鳥「ピ、ピヨォ!?い、伊織ちゃんは私を信じてくれないピヨ?」
伊織「ええ、むしろなんで信じてもらえると思ったの?」
小鳥「ピヨォ…」
小鳥「…私が真ちゃんと真美ちゃんの部屋に媚薬入りのジュースを置きました」
伊織「へえ…そう」
律子「そうですか、小鳥さん」
小鳥「ピ、ピピピピピピヨォ!?」
律子「あなたには失望しました、このことは社長とプロデューサーに報告させていただきますね」
小鳥「ま、待ってくだしゃい律子しゃん!何でもしますから!」
律子「真?」
真美「うんうん、よく覚えてないけどピヨちゃんに何かされたわけじゃないし」
伊織「で、でもあんたら…覚えてなかったとしてもその…そういうことをしちゃったのよ?」
真「うん…だから?」
亜美「まこちんポジティブですなあ」
真美「別にいつかはしてたと思うしちょっと早くなっただけだよね?」
真「あはは、そうだね」
律子「…ん?」
伊織「…え、何…どういうこと?」
亜美「亜美にもサッパリだぜ…」
小鳥「ま、真ぢゃーん」ダキッ
真「すいません小鳥さん…離れてもらっていいですかね?」
小鳥「ピ、ピヨ?」
真「ボク、賞味期限は守るタイプなんで」
小鳥「ピ……」
律子「ええと…それじゃ本当にいいの?」
真美「うん、別にいいよん」
伊織「…まあ本人達が言うなら私はいいと思うわよ」
亜美「んじゃ早く戻って朝ご飯食べようよ→」
真「うん、そうだね」
真「皆遅くなってごめん」
春香「あっ真、真美、ちゃんと取っておいたからね」スッ
真美「おー昨日からありがとねはるるん!」
真「春香、本当にありがとう」
春香「ううん、気にしないで」
雪歩「ね、ねえ…千早ちゃん」
千早「何?」
雪歩「小鳥さん…なんか死にそうな顔してるけど大丈夫かなぁ?」
千早「別に大丈夫じゃないかしら、どうせ合コンで振られた時のことでも思い出したのでしょう」
雪歩「そ、そっか…」(千早ちゃんなんか冷たい?)
あずさ「貴音ちゃん、そのくらいにしておいたら?」
貴音「あずさ、食べられる時に食べておかないと後で後悔しますよ?」
あずさ「え、ええと…」(そうだとしても食べ過ぎじゃないかしら~?)
美希「響ージュース持ってきて」
響「うん、わかったぞ!」
やよい「ねえ伊織ちゃん、何時頃に帰る予定なの?」
伊織「一応昼食を食べたら帰るつもりだけど…どうかしたの?」
やよい「ええと…ちょっと家族のことが気になっちゃって…」
伊織「そう…でも今は楽しみましょ?」
やよい「うん…そうだね!」
美希「ありがとうなの響、それじゃ次はおにぎり持ってきてー」
響「うん、すぐ取ってくるさー」
美希「よろしくなのー」
響(…あれ、もしかして自分パシられてる?)
真美「はい、まこちん、あーん」スッ
真「あーん」パクッ
真「それじゃボクも、あーん」スッ
真美「あーん」パクッ
亜美(なんだろうこの甘々な空間…)
真美「うーん、真美はまこちんといれればそれでいいや」
真「へー、そっか…嬉しいこと言ってくれるじゃないか、このぉ」ワシャワシャ
真美「ちょ、ちょっとまこちん…恥ずかしいよ///」
律子「…ねえ、亜美…どうなってるのこれ?」
亜美「さ、さあ?」
伊織「それじゃ皆、今日は昼食を食べたら飛行機で帰る予定だから遅れないようにしてね?」
亜美「はーい」
――――――――――――――――
―――――――――――――――
真「あ、あのさ…真美」
真美「何?」
真「実は朝言ったことなんだけど…ボク、昨日のこと…覚えてないって言ったの嘘なんだ」
真美「そっか…実は、真美も…」
真「あはは、そうだったんだ…まあ伊織達いたし恥ずかしかったからね」
真美「そ、そだね…」ドキドキ
真「そ、その…今度はちゃんとしようか…昨日は優しくできなかったから…」
真美「うん///」
真美「あっもうそんな時間なんだ…」
真「旅の終わりってなんか寂しく感じるよね」
真美「うん…でも、真美は…まこちんがいてくれれば寂しくないかな」
真「えっ!?そ、そっか…ありがとう」ドキドキ
真美「ねえ、まこちん…今度は2人でどこかいかない?」
真「そうだね…皆で旅行も楽しいけど…真美と2人でゆっくり観光とかもしてみたいな」
真「何言ってるんだよ真美、気が早いなあ」
真美「そんなことないよ…だってもうエッチだってしたんだよ?」
真「なあっ!?そ、そういうことは言わないでよ///」
真美「あはは、まこちん顔真っ赤だよ?///」
真「真美だって真っ赤じゃないか」
真美「き、昨日のこと思い出して恥ずかしくなっちゃって…」ドキドキ
真「そ、そっか…」ドキドキ
真「いや…あのさ、真美…抱きしめてもいいかな?」
真美「うん…というかいちいち許可取らなくていいよ?」
真「そっか…」ギュウ
真美「えへへ…やっぱまこちんに抱きしめられると安心するな…」
真「ボクも…真美を抱きしめてると安心する…」
真「何?」
真美「これからずっと…真美と一緒にいてくれる?」
真「当たり前じゃないか…」
真美「絶対?真美より可愛い子に告白されても?」
真「真美より可愛い子なんてこの世に存在しないよ」
真美「そっか///」
真「それに…前に約束したじゃないか…絶対に1人にしないって」
真美「うん…」
真「だから…その…とにかくボクは真美のこと…大好きだからさ、心配しなくていいよ」
真美「ま、真美だってまこちんのこと大好きだもん」
真「そっか…ありがとう」ナデナデ
真美「そ、そうやって子供扱いするのやめてよ///」
真「子供扱いしてるつもりはないよ…真美が可愛いのがいけないんだ」
真美「も、もう…やっぱまこちんには敵わないや…」ドキドキ
真美「あっそだね…」
真「よし、それじゃどっちが早く戻れるか競争しようか」
真美「うん!」
END
Entry ⇒ 2012.09.16 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
剣士「勇者を決めるトーナメントだと……?」
友人「なあ」
剣士「なんだ?」
友人「ついこの間、大昔に勇者が倒したっていう魔王が復活しただろ」
剣士「ああ、今はまだ目立った活動をしていないが」
剣士「いつ本格的な侵攻に出るか分からない」
剣士「もちろん、俺も勇者を見習って魔王討伐に挑むつもりだ」
友人「さすがだな」
友人「──で、さっき向こうでお触れが出てたんだけどさ」
剣士「お触れ?」
友人「なんでも一週間後に、国中の剣の使い手を集めて」
友人「城下町で勇者を決めるトーナメント大会を開くらしい」
剣士「勇者を決めるトーナメントだと……?」
友人「もし勇者になれれば、莫大な報奨金が手に入るし、色んな特権もつく」
友人「んでもって、魔王討伐を国を挙げてバックアップしてもらえる」
友人「どうだ、お前もこの町じゃ敵無しだし、出場してみないか?」
剣士「そうだな……」
剣士(このまま一剣士として討伐の旅に出ても、予算も装備も厳しい……)
剣士(それに今の自分のレベルを知るいい機会だ)
剣士「──出てみるか!」
友人「おお、そうこなくっちゃ!」
友人「お前の腕なら、かなりいいとこまで……いや優勝だって狙えるぜ!」
側近「魔王様、斥候から捨て置けない情報が届きました」
魔王「どうしたというのだ」
側近「どうやら人間たちの国々のうち、もっとも剣術の栄えた王国で──」
側近「近々勇者を決める大会が開かれるとのことです」
魔王「勇者を決める大会?」
魔王「ほほう……人間にしてはなかなか面白いことを考えるではないか」
側近「本来であれば妨害したいところですが、まだ我らも復活したばかり」
側近「力が戻り切っておりません」
側近「大会が終わったら、優勝者の情報だけでも掴むことにしましょう」
魔王「ふむ……」
<城下町>
友人「どれどれ……」
友人「まずは兵士の訓練場で予選会を行い、8名の出場者を決定するんだってよ」
友人「で、その8名が大会会場で雌雄を決するってワケだ」
剣士「8名か……」
友人「じゃあ、俺は先に大会会場に向かってるから」
友人「お前と一緒に大会を観戦することがないよう、祈ってるぜ」
友人「──頑張れよ!」
剣士「ああ、ありがとう」
兵士長「参加者諸君!」
兵士長「このたびは大勢の剣士に集まっていただき、まことに頼もしく思う」
兵士長「本来ならば全員に勇者の称号を授けたいところだが、そうもいかん」
兵士長「勇者になれるのは、この中でたった一人のみ!」
兵士長「これまでに培った剣技を、存分に振るってもらいたい!」
剣士(参加者はざっと100人ってところか)
剣士(中には記念で参加したような人間も見受けられるが)
剣士(尋常ならない気配をまとう者もちらほらいる)
剣士(ハイレベルな大会になりそうだな……)
兵士長「予選は参加者を8つのグループに分け、バトルロイヤルを行う」
兵士長「その中で勝ち残った一名のみが、本戦に出場することができる」
兵士長「なお、予選は公平を期すため」
兵士長「全員の装備を統一する」
兵士長「鎧は我が軍の鎧、剣は訓練用の木剣を使用してもらう」
剣士(この大会、本戦は持参した装備を使っていいとのことだったが)
剣士(ここで装備品頼りの輩はふるい落とされるというワケか)
剣士(それに装備が同じなら、手の内がバレることもない)
剣士(──といっても、俺にはあんまり関係ないか)
剣士(ここが俺のグループか……)チラッ
剣士(どうやら強いのはいないな)
ガッ!
バシィッ!
ドスッ!
ズガガッ!
ドゴッ!
審判「そこまで!」
審判「このグループの本戦出場者は、剣士!」
剣士(よし!)
ザワザワ…… ガヤガヤ……
友人(いよいよか……)
友人(どうやらアイツも本戦出場できたみたいだし、応援してやんなきゃな)
実況『大変長らくお待たせいたしました!』
実況『ただいまより、王国主催による勇者決定トーナメントを開始いたします!』
実況『ではまず、主催者である国王陛下からのお言葉です!』
国王「この大会には単に剣技を競うものではない」
国王「国を代表する勇者を決定するものである」
国王「皆も知ってのとおり、魔王が復活して久しい」
国王「まだ本格的な活動は行っておらんが」
国王「いずれこの国を始め、世界中に害悪をもたらすであろう」
国王「ゆえに我が国は、今日誕生する勇者を盟主とした魔王討伐軍を編成する」
国王「勇者を中心に、国民が一丸となれば魔王といえども必ずや打倒できる!」
国王「ぜひとも皆には、勇者誕生の瞬間を目に焼きつけてもらいたい!」
パチパチパチパチ……
実況『ありがとうございました』
実況『では勇者決定トーナメントに参加する、8名の選手の入場です!』
<魔王城>
側近「魔王様っ!」
側近「魔王様ーっ!」
側近(城中探したが、どこにも見当たらない……)
側近(いったいどこに行ってしまわれたのか……困ったお方だ)
側近(そういえば、今日は人間どもの勇者を決める大会があったな)
側近「!」ハッ
側近(──ま、まさか!)
側近(人間に化けて、大会会場に……!?)
実況『数字は嘘をつかない!』
実況『一刀に二刀が勝るのは当たり前!』
実況『左右の腕から繰り出される剣の疾風は、まさに死角なし!』
実況『二刀剣士だぁっ!』
実況『祈れば祈るほど強くなる!』
実況『聖なる剣技が、今日も神の敵を打ち砕く!』
実況『神の御加護がある限り、私は負けない!』
実況『神聖剣士!』
実況『ならば剣を持ったらいったいどうなる!?』
実況『王国きってのパワーファイター!』
実況『怪力剣士だ!』
実況『もしも剣士が魔法を唱えたら!?』
実況『もしも魔法使いが剣を振るったら!?』
実況『そんなロマンを叶えた男がここにいる!』
実況『魔法剣士だっ!』
実況『いつだって剣で己を証明してきた!』
実況『こんな男が強くないワケがないだろう!』
実況『剣士だぁっ!』
実況『剣に年齢は関係ない!』
実況『技と経験さえあれば、どんな強敵も出し抜ける!』
実況『出場者中、ダントツの最年長!』
実況『老剣士!』
実況『これぞ魅力の相乗効果!』
実況『8名の中で唯一の女性!』
実況『女剣士だ!』
実況『無敵の剣! 無敵の盾!』
実況『どっちも持ってりゃ矛盾は起きぬ!』
実況『攻守ともにハイレベルという反則!』
実況『盾剣士っ!』
┌─┤
│ └─ 怪力剣士
┌─┤
│ │ ┌─ 女剣士
│ └─┤
│ └─ 神聖剣士
─┤
│ ┌─ 二刀剣士
│ ┌─┤
│ │ └─ 魔法剣士
└─┤
│ ┌─ 老剣士
└─┤
└─ 盾剣士
友人(予選を勝ち抜いてきただけあって、どいつもこいつもやたら強そうだ)
友人(しかも本戦からは、持参した装備で戦うんだったよな)
友人(つまり、ホンモノの剣だ)
友人(一応審判はいるが、最悪死ぬ可能性もある……)
友人(しかも一回戦の相手は、あのマッスル野郎か……)
友人(剣士のヤツ……大丈夫かな)
怪力剣士「よう」
剣士「ん?」
怪力剣士「ぐははっ、いきなりテメェみたいな弱そうなのと当たれて嬉しいぜ」
剣士「…………」
怪力剣士「テメェは一撃でカタをつけるとして……」
怪力剣士「俺様の二回戦の相手は……女か、神頼みの軟弱ヤロウか」
怪力剣士「こりゃあ決勝までシードになったようなもんだな、ぐはははっ!」
女剣士「さっきからうるさいわね。もしかして、しゃべってないと落ち着かないの?」
女剣士「デカイ体のわりに、ずいぶん小心者みたいね」
怪力剣士「ンだとォ!?」
神聖剣士「神の御加護がある私に、筋肉など通用しませんよ」
怪力剣士「いうじゃねえか、なんならテメェらから先に片付けてやろうか……!?」
怪力剣士「テメェ、今なんつった? もういっぺんいってみやがれ!」
魔法剣士「黙れ」
怪力剣士「ヤロウ……!」
二刀剣士「やめとけって」
二刀剣士「こんなとこでやり合ったら、優勝しても勇者にしてもらえないかもよ?」
怪力剣士「ふん……命拾いしたな」
魔法剣士「ほざくな」
二刀剣士「……やれやれ、血の気が多いヤツばっかだな」
老剣士「こりゃあ、ワシみたいな年寄りではとても優勝は無理じゃな」
盾剣士「それはどうかな」
盾剣士「吾輩の耳には、優勝する気満々に聞こえるが」
すると──
係員「剣士選手、怪力剣士選手、まもなく試合です!」
係員「試合場へお越し下さい!」
怪力剣士「いよいよだな、秒殺で終わらせてやるぜ」ニヤッ
剣士(基本の型を徹底的に鍛えた俺の剣……)
剣士(町ならば敵無しだったが、この大会でいったいどこまで通用するか……)
女剣士「ちょっとあなた」
剣士「ん?」
女剣士「あんなヤツに絶対負けないでよ、ますます調子に乗らせちゃうから」
剣士「……全力を尽くすよ」
ワアァァァァァ……!
実況『まもなく一回戦第一試合、剣士対怪力剣士を始めます!』
友人「がんばれ剣士~っ!」
審判「両者、構えて!」
剣士「…………」チャキッ
怪力剣士「ぐへへ……」ズンッ
審判「──始めっ!」
怪力剣士「ぬおおおおっ!」
ブオンッ!
実況『怪力剣士、いきなり上段から力任せに剣を振り下ろすっ!』
剣士(いや、これは──!)
ピタッ
怪力剣士は剣を途中で止めると──
シュッ!
──突きで剣士の腹部を狙ってきた。
剣士「くぅっ!」サッ
実況『おおっ、怪力剣士の突きを、剣士もかろうじてかわしたっ!』
実況『それにしても今の突き、恐ろしく鋭い一撃でした!』
ワアァァァァァ……!
怪力剣士「フン、さすがだな」
剣士(危なかった……!)ハァハァ
剣士(なるほど……控え室での粗野な態度はブラフだったってことか)
怪力剣士「しかもこれはトーナメント、一回戦くらいはラクに勝ちたかったんだがな」
剣士「正直な話、ラクに勝たせてしまうところだったよ」
怪力剣士「さてと、仕切り直しといくかい」チャキッ
怪力剣士「安心しな、もうダマシは無しだ」
怪力剣士「こっからは真っ向勝負だ!」
剣士「来いっ!」
ギィンッ! ガギィンッ! キィンッ!
実況『これはスゴイ!』
実況『一撃打ち合うごとに、火花が散るようなすさまじい攻防です!』
ワアァァァァァ……!
剣士(っつうっ……手がシビれている……!)ビリビリ
怪力剣士(パワーはまちがいなく俺が上だ)
怪力剣士(だが、技量や速さはやっぱヤツの方がやや上だな)
怪力剣士(基本をみっちり押さえたってタイプだ)
怪力剣士(つまり総合力は互角……)
怪力剣士(こういう時は長所を出しきった方が勝つってもんだぜ!)
ガゴォンッ! ギゴォンッ! ズガァンッ!
実況『おおっと、怪力剣士の猛攻! これは勝負に出たか!?』
ギャウンッ! ガゥンッ! ドギャンッ!
友人(ヤツの一撃を受けるたび、剣士の剣がすげぇ弾かれっちまう!)
友人(あれじゃ防戦一方だ!)
ブオンッ!
ガギィンッ!
怪力剣士の一撃でまたも剣士の剣が弾かれ──
怪力剣士(よし、もらっ──)
ギュルンッ!
弾かれた反動で、剣士は一回転すると──
怪力「な!?」
ザシュッ!
怪力剣士の腹へ一気に斬りつけた。
怪力剣士「ぐがっ……!」ガクッ
実況『な、なんとぉ! 剣士、怪力剣士のパワーを利用して会心の反撃ィ!』
ワアァァァァァ……!
怪力剣士「テメェの細腕に……こんな一撃を出させるんだからな……」
怪力剣士「うぐぅ……」ドサッ
審判「それまでっ!」
審判「勝者、剣士!」
実況『勇者決定トーナメント、栄えある最初の勝者は剣士に決まったぁっ!』
ワアァァァァァ……!
友人「よっしゃあ!」
剣士(とっさの一撃だったが……うまくいったな)
剣士(──にしても、まだシビれてるよ、両手が……)ビリビリ
剣士は退場し、怪力剣士は治療班に運ばれ、一回戦第一試合が終了した。
老剣士「い~い試合じゃったのう」
老剣士「二人とも、勇者となるに相応しい器をもっておった」
二刀剣士「どちらもいい使い手だったけど、発想の勝利というやつかな」
魔法剣士「ふん」
魔法剣士「どちらも雑魚だ。俺の敵ではない」
盾剣士(8名の中で吾輩の天敵は、盾を破壊できる可能性のある怪力剣士だった)
盾剣士(ここで消してくれた剣士に、感謝せねばな)
係員「女剣士選手と神聖剣士選手、まもなく試合です!」
女剣士(ふうん、あの剣士……なかなかやるじゃない)
女剣士「こりゃあ、負けられないわね」ザッ
神聖剣士「神よ、どうか我に勝利をお与え下さい……」スッ
ワアァァァァァ……!
実況『一回戦第二試合を開始いたします!』
実況『女剣士と神聖剣士、第一試合とはうってかわって異色の対決!』
実況『勝つのはどっちだ!』
審判「始めっ!」
女剣士「行くわよ!」
神聖剣士「神よ、我に力を……」
女剣士「でやぁっ!」
キィンッ!
女剣士と神聖剣士の剣がぶつかり合う。
女剣士(こ、こいつ……っ!)
実況『いったいどうしたんだ!?』
女剣士「くっ……!」
神聖剣士「恐れることはありません」
神聖剣士「神の御加護を受ける私に、勝つ術などありはしないのです」
女剣士「あら、それはどうかしら?」
神聖剣士「ほう?」
女剣士「よいしょっと」ガチャ…
実況『おおお~っ!?』
実況『女剣士、なんと鎧を外し始めた!?』
神聖剣士「…………?」
女剣士「緊張したり、剣を振ったりで、暑くなってきちゃって……」
女剣士「ねぇ、脱ぐの手伝ってくれない?」
実況『こ、これは……!』
ワアァァァァァ……!
実況『観客も心なしか、さっきの試合よりも盛り上がっている!』
友人「オイオイ、色仕掛けかよ……」
友人「俺だったら余裕で引っかかってるだろうが」
友人「相手は禁欲を旨としてるようなヤツだ、通用するワケが──」
神聖剣士「い、いいだろう……!」ゴクリ
友人(通用しやがった!)
女剣士「ちょっと待ちなさいよ」
女剣士「剣を持ったまま脱がす気?」
神聖剣士「そういえばそうだな」
女剣士「もーらいっ」ガッ
ポイッ
女剣士は神聖剣士の剣を奪うと、すぐさま放り投げた。
そして──
女剣士「チェックメイトよ」チャキッ
神聖剣士「あ」
神聖剣士の首元に剣を突きつけた。
審判「あ……そ、それまで! 勝者、女剣士!」
実況『すさまじいブーイングです!』
実況『勇者を決める大会にふさわしくない決着だからなのか……』
実況『あるいは女剣士のあられもない姿を期待していたからなのか……』
「どこが神聖だ! とんだ俗物じゃねえか!」
「モタモタしやがって、もったいないっ!」
「鎧しか脱いでねえじゃねえか!」
「神が泣いてっぞ!」
実況『どうやら両方のようですね』
友人(剣士の二回戦の相手は、あの女剣士か)
友人(ま、堅物なアイツなら色仕掛けなんかにゃかからないだろうし、大丈夫だろ)
二刀剣士「あははははっ!」
二刀剣士「なんつう決着だよ、こりゃ神様も呆れてるだろーな」
魔法剣士「恥ずべき試合だ……反吐が出る」
係員「二刀剣士選手、魔法剣士選手、試合会場へお越し下さい!」
二刀剣士「よっしゃ、お手柔らかに頼むよ」ザッ
魔法剣士「断る」ザッ
剣士(女剣士……)
剣士(あんな戦法に出たのは、実力がないからか、手の内を明かさないためか)
剣士(もしも後者だとしたら……やっかいだな)
二刀剣士「ふんふんふ~ん」ヒュバッ ヒュンッ
魔法剣士「軽薄なヤツめ」
実況『鼻歌を交え、リラックスしている二刀剣士を──』
実況『魔法剣士は鋭く睨みつけています!』
実況『なんとも対照的! これは好カードになりそうだ!』
審判「両者、構えて!」
二刀剣士「あいよ」スッ
魔法剣士「地獄を見せてやる」ジャキッ
審判「始めっ!」
二刀剣士(その分、接近戦の実力は俺に分があるハズ!)
二刀剣士(攻めまくってやる!)ダッ
実況『二刀剣士が一気に間合いを詰めるっ!』
魔法剣士「馬鹿が」
グオアアアッ!
魔法剣士の手から強烈な炎が放たれ、二刀剣士を襲う。
二刀剣士(な、なんでだよ!? ノータイムでこんなデカイ炎を──!?)
魔法剣士「試合前から魔力を練り上げていれば、この程度ワケはない」
二刀剣士「うっ、うおっ──!」
ゴオオオオッ!
実況『直撃ィ! 魔法剣士、あっという間の勝利だぁっ!』
魔法剣士「なに……?」
実況『!?』
炎が二つの刃によって、切り裂かれた。
実況『す、すごいっ! 二刀剣士、あの炎をみごとに切り払った!』
二刀剣士「ぐ……」プスプス…
二刀剣士「魔法を切り払うのは得意分野でね……って、少し焦げちまったけど」プスプス…
実況『二刀剣士が再び攻めるっ!』
二刀剣士「こっちの番だっ!」
ガキンッ! キィンッ! ガキンッ! キィンッ!
ギィンッ! ガキンッ! キィンッ! ガキィッ!
魔法剣士「ぐっ! ──くっ、うぐっ!」
実況『嵐のような猛攻!』
実況『魔法剣士は防ぐので精一杯か! い、いやこれは──』
魔法剣士「ちぃっ」
魔法剣士が肩を斬られる。
実況『今大会、攻撃力はおそらくは怪力剣士がナンバーワンでしょう!』
実況『しかし、攻撃回数ならばこの男の右に出る者はない!』
実況『二刀剣士、怒涛の攻めだっ!』
キィンッ! キンッ! ギャリッ! ガキッ!
魔法剣士「…………」ボソッ
二刀剣士(なにか魔法を唱えた!?)
二刀剣士(だけど、魔力を練り上げた炎で、あの大きさだったんだ)
二刀剣士(俺の二刀乱舞なら、絶対に切り払える!)
次の瞬間、魔法剣士は驚異的なスピードで間合いを広げた。
二刀剣士「えっ!?」
実況『は、速いっ!』
二刀剣士(そうか、速さを上げる呪文だったか……!)
魔法剣士「手数にずいぶん自信を持っているようだが」スゥ…
魔法剣士「しょせん井の中の蛙だ」バッ
ビュビュビュビュビュビュビュビュビュビュッ!
実況『小さな風の刃が、次々飛んでいくぅ!』
二刀剣士(ま、まさか……数で勝負に来るとは……!)
二刀剣士(全て剣で弾いて──)
ギギギギギンッ!
二刀剣士(ふ、防ぎきれないっ!)
ザシッ!
二刀剣士(あ、足をっ!)ガクッ
実況『間合いは開き、魔法剣士は回復してしまった!』
実況『これはもう、二刀剣士は万事休すか!?』
二刀剣士「ぐっ……!」グッ
二刀剣士「してやられたよ……でもまだ、俺は戦える!」
二刀剣士「うおおおおっ!」
二刀を松葉杖のようにして立ち上がり、特攻をかける二刀剣士。
魔法剣士「雑魚が」
グオオオオアッ!
無慈悲の炎が、二刀剣士を直撃した。
二刀剣士「うっ、うわぁぁぁぁ──……!」
ドサッ……
審判「…………!」
審判「そ、それまで! 勝者、魔法剣士!」
女剣士「あの魔法剣士ってヤツ……容赦のない戦い方ね」
剣士「ああ、二刀剣士が心配だな」
老剣士(魔法剣士か……なかなか面白いヤツだわい)
係員「盾剣士選手、老剣士選手、まもなく試合です!」
老剣士「さてと……行くかのう」
盾剣士「大先輩の剣技、勉強させていただく」
剣士(この試合でベスト4が決まる……)
剣士(防御の盾剣士、経験の老剣士、といったところか……)
実況『一回戦も残すところ一試合! 老剣士対盾剣士!』
実況『準決勝にコマを進めるのは果たしてどっちだ!?』
実況『ご覧下さい、盾剣士のあの巨大な盾!』
実況『老剣士が盾剣士の鉄壁を崩せるか否かが、そのまま勝敗に直結するでしょう!』
審判「始めっ!」
老剣士「ほっ」ダッ
実況『速いっ!』
ガンッ!
実況『老剣士の初撃を、盾剣士がやすやすと受け止めたぁっ!』
実況『軽快にして巧み!』
実況『老剣士、老人らしからぬフットワークで次々攻撃をしかけますが──』
実況『盾剣士も左手の盾を的確に操り、まったく攻撃を通しません!』
老剣士「ほっほっほ、やるのう。全っ然斬り込めんわい」
老剣士「じゃが……守ってばかりでは勝てんぞ?」
盾剣士「では若輩ながら、攻めに回らせていただく」
老剣士「む」
老剣士(はてさて、どんな剣術を──)
ズギャアッ!
実況『盾で殴ったぁっ! 老剣士が吹っ飛んだ! クリーンヒットォ!』
ドサァッ!
老剣士「──が、がふっ!」
盾剣士「守るだけではない。盾は攻撃にも使えるのだ」
盾剣士「もしも盾をこういう形の剣と解釈したならば──」
盾剣士「吾輩も二刀剣士と同様、二刀流と呼べるのかもしれぬ」
盾剣士(この盾は、国を追放されたという武器職人が作ったいわくつきの代物)
盾剣士(対魔力コーティングが施してあり、この盾の前では魔法剣士とて無力)
盾剣士(決勝で当たる剣士か女剣士の腕力では、我が盾を破ることは不可能)
盾剣士(勇者となるのは吾輩だ!)
老剣士「ほっほっほ……」
老剣士「面白い考え方じゃな……」
老剣士「ならば逆に、このワシの剣が剣の形をした何か、だとしたらどうかの……?」
盾剣士「?」
老剣士が地面に滑らすように、盾剣士に剣を投げる。
実況『老剣士が自ら剣を放棄した! これは降参ということでしょうか!?』
盾剣士「これはこれは……吾輩もこれ以上ご老体を傷つけるのは忍びな──」
ピカッ──
盾剣士「え」
ズガァァァァァンッ!!!
実況『!?』
実況『うおおおおっ!?』
実況『──し、失礼いたしました! 老剣士の剣が突如、爆発を起こした!』
盾剣士「あが、が……」ピクピク
老剣士「生きておったか、砕けた盾に感謝するのじゃな」
老剣士「剣の形をした爆弾、というのもなかなかオツなもんじゃろ?」
老剣士「ほ~っほっほっほ!」
盾剣士「あぅぅ……」ガクッ
審判「そ、それまで!」
実況『なんとぉ~! 老剣士の剣が爆発し、盾剣士を盾ごと文字通り粉砕したぁっ!』
実況『しかも爆発したといえど剣は剣! 反則にはならないようです!』
実況『なんだかとんでもない大会になってまいりました!』
友人「と、とんでもないなんてもんじゃねえ……!」
友人「なんてデンジャラスな爺さんだ……!」
┏━ 剣士
┌━┫
│ └─ 怪力剣士
┌─┤
│ │ ┏━ 女剣士
│ └━┫
│ └─ 神聖剣士
─┤
│ ┌─ 二刀剣士
│ ┌━┫
│ │ ┗━ 魔法剣士
└─┤
│ ┏━ 老剣士
└━┫
└─ 盾剣士
友人(せっかく剣士が勝ち上がったってのに)
友人(試合を見てたら、喜びより不安のが大きくなっちまった)
友人(女剣士は色香に惑わされなきゃ、楽勝だろうが)
友人(決勝戦は、あの冷酷な魔法剣士か──)
友人(あるいはあのとんでもない爺さんのどちらかと当たるのか……)
友人(俺だったら、絶対に棄権してるな……)
準決勝に進出したメンバーが、静かにたたずむ。
剣士「…………」
女剣士「…………」
魔法剣士「…………」
老剣士「…………」
シ~ン……
係員「剣士選手、女剣士選手、まもなく準決勝です!」
係員「試合会場にお越し下さい!」
女剣士「負けないわよ」スッ
剣士「こちらこそ」スッ
ワアァァァァァ……!
実況『勇者決定トーナメントも、いよいよ準決勝!』
実況『怪力剣士を機転をきかせた一撃で破った剣士!』
実況『神聖剣士の思わぬ弱点を突いた女剣士!』
実況『勇者の座に王手をかけるのは、どちらの剣士か!?』
審判「始めっ!」
ギィンッ!
実況『速いっ! 両者、一瞬で間合いを詰めた!』
キィンッ! ガキンッ! キンッ!
剣士(やはり強い)
剣士(だが……あくまで女性にしてはというレベルだ)
剣士(ここは穏便に決着を──)
剣士「ぐおっ……!」
剣士(な、なんだ今の変則的な軌道は!? 急に太刀筋が曲がった!)
実況『早くも剣士、腕に一太刀浴びた!』
女剣士「一回戦、見させてもらってたけど」
女剣士「あなたのようなオーソドックスなタイプは、私のいいカモよ」
女剣士が仕掛ける。
ギュルンッ! ギュルッ! ギャルッ!
剣士(軌道が──読めない!)
実況『こ、これは……っ! 剣士が一方的に攻め込まれているっ!』
友人「マジかよ……! アイツが女なんかに……」
剣士(女性の方が男より体が柔軟だというが、その柔軟性をフル活用しているのか!)
剣士(時折太刀筋を変化させるくらいなら俺でもできるが──)
剣士(こんな蛇のように軌道を変える剣は、お目にかかったことがない!)
ギュルッ! ザシュゥッ!
剣士「ぐあ……っ!」
剣士(一回戦でのふざけた勝ち方は……やはり手の内を明かさないためだったのか!?)
シュッ!
今度は脇腹に一閃を受ける。
女剣士「……さすがね」
女剣士「かわせないまでも、勝負が決まるような一撃はかろうじてさけている」
女剣士「私はあなたのような剣士とは、いっぱい戦ったことがある!」
女剣士「でも、あなたは私のような剣士とは初対決でしょ?」
女剣士「この差は覆せないわよ!」
ギャルルッ! ザシュッ! ギュルンッ! ズシャアッ!
実況『みるみるうちに、剣士の傷が増えていく!』
実況『これはもう、勝負あったか!?』
友人「ち、ちくしょうっ!」
友人「剣士の剣はいなされて、向こうの剣はよけきれないなんてっ!」
ザシィッ!
剣士「ぐ……っ!」ヨロッ
女剣士「私はあなたをけっこう気に入ってるのよ。なるべく斬りたくないわ」
女剣士「悪いことはいわないから、大人しく降参してくれない?」
女剣士「むっ」
剣士「なぜなら、これは勇者を目指す大会だ」
剣士「魔王軍と戦争になれば、それこそ知らない技や術との戦いの連続だろう」
剣士「仮に勇者になれなくとも、俺は勇者の心だけは持ちたい」
剣士「だから俺は諦めない!」
女剣士「……たしかにそうね、あなたのいうとおりだわ」
女剣士「だったら──私も全力であなたを倒す!」
戦いが再開される。
実況『直線と曲線の剣が入り乱れる!』
実況『相変わらず女剣士が優勢です、が』
実況『少しずつ剣士が女剣士の剣についていってるようにも見えます!』
剣士(相手を驚かせるような技なんて、なにひとつ持っちゃいない)
剣士(だが、その分相手がどんな武器や流派でも堅実に戦える!)
剣士(つまり、相手の技の見極めるための時間が作れる!)
ギュルンッ! ギュルルッ!
剣士(女剣士の剣術の強みは、急変する軌道で、敵の防御をかいくぐるところにある!)
剣士(もっといえば、剣と剣の接触を極力避けている!)
剣士(女性ゆえの非力、剣の打ち合い、つばぜり合いは不利だと分かっているからだ)
剣士(ならば、俺は女剣士ではなく、その剣を狙う!)ブンッ
女剣士「……とっ」ギュルッ
ガキッ!
剣士の剣が、ついに女剣士の剣を捉えた。
女剣士(しまった……! 私がどう彼の剣をかわすか、を読まれた!)グググ…
剣士「アンタみたいに一瞬一瞬判断して剣の軌道を変えるのはとても無理だが」グググ…
剣士「前もって変える方向を決めておけば、話は別だ」
キィンッ!
剣士は女剣士の剣を押しのけ、一閃──
シュバッ!
女剣士「あ、うぅ……」ドサッ
腰近くを切り裂かれ、女剣士はダウンした。
審判「それまでっ!」
ワアァァァァァ……!
実況『大逆転っ! 剣士、みごと決勝進出を決めたぁっ!』
友人「よっしゃあっ! よくやったっ!」
女剣士「ま、待って……」ググッ
剣士「ん?」
女剣士「最後の一撃……なんでこんな浅手に抑えたの?」
剣士「……深く斬り込めば、アンタの反撃をもらう可能性があった」
剣士「これはトーナメントだ。これ以上傷をもらう愚は避けたかっただけだよ」
女剣士「…………」
女剣士「ふふっ……私の、完敗ね」
剣士「こちらからも聞きたい」
剣士「これだけの技量がありながら、一回戦……なんであんなマネを?」
女剣士「そうね……もしあなたが優勝できたら教えて……あげるわ」
剣士「……分かった、約束だ」
剣士(魔法剣士と老剣士は……どちらも試合会場か)
剣士「っつうっ……!」ズキッ
剣士(やりづらい相手だった……!)
剣士(剣の接触を避けるクセがなければ、手の打ちようがなかったな……)
怪力剣士「よう」
剣士「怪力剣士! もう歩いても大丈夫なのか」
怪力剣士「ぐははっ、俺様の丈夫さは人一倍だからな!」
怪力剣士「さっきの試合、結果は知ってるぜ。ひとまずはおめでとうだな」
剣士「ありがとう」
怪力剣士「なんたってこの俺に勝ったんだ、必ず優勝しろよ!」
怪力剣士「とはいえ残る二人、どちらが上がってきてもキツイ試合になるだろうがな」
剣士「もちろんだ、アンタのいうとおりこの8人に弱いヤツはいない」
怪力剣士「ふん、いいツラ構えだ。わざわざ来ることもなかったか」
ワアァァァァァ……!
実況『準決勝第二試合を開始いたします!』
実況『剣と魔法で、二刀剣士を打ち破った魔法剣士!』
実況『爆発する剣で、盾剣士を粉砕した老剣士!』
実況『勝利の女神はどちらに微笑むのか!?』
審判「構えてっ!」
魔法剣士「年寄りがここまで来るとは、この国の剣士などこんなものだ」チャキッ
老剣士「ほっほっほ、さぁて楽しませてもらうかのう」チャキッ
実況『老剣士は新しい剣を装備しております!』
審判「始めっ!」
老剣士「ほっ?」
実況『水の塊が老剣士の刃にヒット! これは水の魔法でしょうか!』
魔法剣士「これでもう、仕込んだ爆薬は意味をなすまい」
魔法剣士「剣の爆発さえなければ、キサマなどただの老いぼれにすぎん」
魔法剣士「俺の勝ちだ」
老剣士「残念じゃったのう」
魔法剣士「!?」
実況『どうしたことだ!? 老剣士の剣に、水が吸収されてしまった!』
老剣士「この剣は……魔法を吸収する剣でのう」
老剣士「剣術のトーナメントでは不要かと思ったが、持ってきておいてよかったわい」
魔法剣士(魔法を、吸収……!?)
老剣士「これでおぬしの持ち味を半分殺したことになるのう」
老剣士「さらにおぬしの誤算はもうひとつ」
老剣士「ワシは──」
老剣士「普通に戦ってもわりと強い」ダッ
ザシュッ!
魔法剣士「ぐっ!」
ガキンッ! キィンッ! ギィンッ!
老剣士「どうやら、おぬしとワシでは──」
キンッ! ガキッ! ザシッ!
老剣士「ワシの方が上のようじゃのう、ほっほっほ~!」
魔法剣士「老いぼれぇ……!」
老剣士「本業の片手間にやってた剣術じゃが、才能というのは怖いのう」
魔法剣士「本業……?」
老剣士「おおっと、しゃべりすぎたようじゃ」
ガキンッ!
実況『魔法剣士、たまらず間合いを広げました! ですが──』
老剣士「ワシの剣がある以上おぬしの有利にはならん」
老剣士「さてせっかくじゃから、ここらで正体を明かしておこうかのう」ニィッ
老剣士「“奇人”の異名で通っておった武器職人じゃった」
ザワッ……
観客の一部が沸き立つ。
観客A「あのジジイ、“奇人”だったのかよ!」
観客B「まだ生きてたのか……!」
観客C「え、だれ!?」
友人(なんだなんだ!? 有名人なのか、あのデンジャラス爺さん!)
国王の顔色も変わる。
国王(ま、まさか……戻ってきておったとは……!)
老剣士「しかしワシの作る武具は邪道で危険だと判断され──」
老剣士「国王の命令で追放されてしもうた」
老剣士「ワシにとってこの大会は復讐なのじゃよ」
老剣士「魔王出現という緊急事態で、王国が理想とする正道な剣というものが」
老剣士「いかに役立たずなものであるかを知らしめるためにのう!」
老剣士「ワシが勇者となったあかつきには、まず最初に──」
老剣士「この国の剣士全員をあざ笑ってやるわ!」
ザワザワ…… ドヨドヨ……
魔法剣士「職人と剣士、二つの才で復讐を行うというわけか」
老剣士「そういうことじゃ」
魔法剣士「理解できた」
魔法剣士「やはりお前など、俺の敵ではない」
ブォアッ!
老剣士「む」
実況『炎魔法だっ!』
老剣士「無駄じゃというに」ジュゥゥ…
実況『──が、やはり吸収されて』
ザンッ!
老剣士「ぐおおっ……!」
実況『! なんとぉっ! 魔法を放つと同時に、間合いを詰めていた魔法剣士!』
実況『老剣士の脇腹を斬った!』
老剣士「ぐっ……!」
ブオアッ! シュバッ! ブオオッ! ザンッ!
実況『剣と魔法による波状攻撃っ!』
実況『これは老剣士、かわしきれないっ!』
老剣士「ぐうう……っ!」
老剣士(こやつ、自分の呪文の速度を熟知しておる!)
老剣士(魔法を剣に吸収させると──剣を受けることができんっ!)
老剣士(じゃが、剣を剣で受けてしまうと──魔法を吸収できんっ!)
魔法剣士「ふっ!」バッ
パキィィィン……
実況『老剣士、氷魔法を剣では受けずに、かわした!』
老剣士(やむをえん、こうなれば奥の手を使うか)
老剣士(水魔法は吸収したおかげで、しけってもおらん)
老剣士(盾剣士を倒した剣の、半分にも満たぬ量じゃがな)
老剣士(じゃが、こやつを動けなくするには十分すぎるっ!)シュッ
一回戦のように魔法剣士に向かって、地面に滑らすよう剣を投げる老剣士。
老剣士(ど、どういうことじゃ? ものすごい勢いで剣が滑って──)
老剣士(──地面が凍ってる!?)
老剣士は剣が魔法剣士の近くで爆発するタイミングで、剣を投げていた。
だが、凍った地面によって、剣は老剣士の計算よりスピードが出てしまい──
魔法剣士「じゃあな、老いぼれ」コンッ
──剣は蹴り返された。
老剣士(まさかあやつ、ワシが爆薬を仕込んでると読んで、氷の呪文を──!)
老剣士「う、うわっ! 戻ってくるなぁぁぁ!」
──ズガァンッ!!
ベッドに横たわる盾剣士と二刀剣士。
盾剣士「爆発音か……」
盾剣士「老剣士が勝ったのだろうな……吾輩にやった手で」
二刀剣士「いや、そいつはどうかな」
盾剣士「え?」
二刀剣士「あの魔法剣士……恐ろしく冷酷な目をしていた」
二刀剣士「あんなに濁った目をした男は初めてだったよ」
二刀剣士「……なんていうのかな」
二刀剣士「俺らのような剣士そのものを憎悪してる、って感じだった」
┏━ 剣士
┏━┫
┃ └─ 怪力剣士
┌━┫
│ │ ┏━ 女剣士
│ └━┫
│ └─ 神聖剣士
─┤
│ ┌─ 二刀剣士
│ ┏━┫
│ ┃ ┗━ 魔法剣士
└━┫
│ ┏━ 老剣士
└━┫
└─ 盾剣士
女剣士「これでよし、と」ギュッ
剣士「悪いな、包帯を巻いてもらっちゃって。そっちも怪我人だっていうのに」
剣士「自分でやるとどうも下手なんだ、これが」
女剣士「いいっていいって」
女剣士「自分を負かした相手だからってわけじゃないけど……」
女剣士「ここまできたら、勇者になっちゃってよ!」
剣士「勇者、か……」
剣士「これだけ剣の使い手がいるのに……勇者は一人、か」
女剣士「え、今なんかいった?」
剣士「あ、いや……なんでもない」
ワアァァァァァ……!
実況『決勝戦!』
ワアァァァァァ……!
実況『泣いても笑っても、これが最後の戦いです!』
ワアァァァァァ……!
実況『勝って勇者の称号を手にする剣士は、果たしてどっちだ!?』
ワアァァァァァ……!
実況『両者入場!』
実況『人生、剣一筋! オーソドックスこそ最強!』
実況『剣士だっ!!!』
実況『対するは──』
実況『一回戦では二刀剣士、準決勝では老剣士を打ち破りました』
実況『剣と魔法の融合剣術に死角なし!』
実況『魔法剣士だっ!!!』
友人(頑張れよ……剣士!)
友人(なんつうか、あの魔法剣士ってヤツ、他のヤツとなんかちがうんだよな)
剣士「…………」チャキッ
魔法剣士「…………」ザッ
魔法剣士(一本の剣に全てを捧げたような愚直な男……)
魔法剣士(俺がもっとも嫌悪するタイプだ)
ビュビュビュビュビュッ!
実況『出たぁっ! 二刀剣士を苦しめた風の刃!』
魔法剣士(二刀を操るヤツでも、これを受け損じた)
魔法剣士(キサマでは到底受け切れまい)
実況『えぇぇぇぇ~っ!? 剣士、風の刃の中に自ら飛び込んだ!』
友人「剣士っ!?」
魔法剣士(馬鹿め、自滅か)
ズバババッ!
盾剣士(む……身をかがめて、斬られてはならぬ急所のみをガードしてる!)
二刀剣士(俺は無理に全部受けようとして、足に痛手を負って、敗れた……)
二刀剣士(やるじゃんか……!)
実況『剣士、風の刃をくぐり抜けたぁっ!』
魔法剣士「なんだとっ!?」
剣士「でりゃあっ!」
ザシュッ!
魔法剣士「がっ……!」
実況『ですが剣士も風の刃を浴びており、ダメージは五分といったところか!?』
勝負は接近戦へ。
キィンッ! ギィンッ! キンッ!
実況『剣士が押している! やはり純粋な剣の技量は剣士の方が有利か!』
ガィンッ! ギンッ! ガキンッ!
魔法剣士「剣一筋に生きてきた、というわけか。さぞかし誇らしいことだろう」
剣士「?」
魔法剣士「軽いんだよ、キサマらは」
ボゥアアッ!
魔法剣士は至近距離にもかかわらず、炎魔法を放った。
両者、ダメージを受ける。
剣士「な……っ! あっつ……!」
魔法剣士「…………」ブツブツ
ダメージを意に介さず、さらに呪文を唱える魔法剣士。
魔法剣士「終わらせる」
ギィンッ!
実況『魔法剣士の動きが目に見えてよくなりました!』
怪力剣士「ヤロウ、パワーも上がってやがる!」
ギィンッ! ガゥンッ! キンッ!
実況『剣士の有利が一転──』
実況『別人のような魔法剣士の速く重い攻撃に、剣士は防戦一方だ!』
友人(頑張れ……)
友人(ここでなんかアドバイスとかできたら最高だけど……)
友人(俺には……応援することしかできない……!)
友人「頑張れーっ!」
ワアァァァァァ……!
実況『魔法剣士、押してはいるものの、なかなか剣士を攻め切れません!』
魔法剣士(なぜだ……なぜ圧倒している俺が焦らねばならない)
キィンッ!
実況『徐々に──』
ガキンッ!
実況『剣士の──』
キィンッ!
実況『ペースになってる!?』
魔法剣士(なぜだっ!)
女剣士(剣士のもっとも恐ろしいのは、あの愚直なまでに基本に忠実な動きよ)
女剣士(派手さも一発もないけど……安定感は抜群)
女剣士(もし彼が、どこか能力が勝ってるくらいで押し勝てるようなら)
女剣士(怪力剣士か私が、すでに負かしているでしょうね)
魔法剣士「うぐぅっ!」
剣士(やはりそうだ!)
剣士(速くなっても、力強さが増しても、動きは同じ!)
剣士(無理に速さや力に対抗しようとしなければ、対処できる!)
魔法剣士「なぜだぁっ!!!」
キィンッ!
剣士「!」バッ
魔法剣士「剣のみに生きていたような輩に、この俺が……!」
剣士「剣だけの俺より、剣と魔法を扱えるアンタの方が上ってことか?」
魔法剣士「そうではない」
魔法剣士「しかし、才能の壁にブチ当たり……挫折した」
魔法剣士「次に俺は魔法使いを目指した」
魔法剣士「だがやはりぶ厚い壁があった。俺の呪文レベルはせいぜい中級だ」
魔法剣士「俺は剣でも魔法でも……一流にはなれないと悟った」
魔法剣士「だが運命は俺を見捨てなかった」
魔法剣士「俺は……剣と魔法を組み合わせる戦うことに関しては、才能があった」
魔法剣士「二度の挫折を経て、俺はようやく自分の道を見つけることができた」
魔法剣士「それに引き換え、キサマらは順調に剣の才に恵まれたものばかり」
魔法剣士「準決勝の老いぼれに至っては、剣と武器職人の才能を持っていた」
魔法剣士「挫折を知らぬ……軽薄な力だ!」
魔法剣士「俺の力は、キサマらとは重みが違うのだ!」
剣士「…………」
魔法剣士「──我が魔法剣をっ!」
パアァァァ……
魔法剣士は持てる魔力を全て、自らの剣に叩き込んだ。
魔法剣士「魔力で剣は切れ味を増す」
魔法剣士「しかももう呪文を唱える必要もない」
魔法剣士「剣を振るうだけで、魔法が放たれるからな」
魔法剣士「これが俺が達した剣と魔法の究極戦術、魔法剣だっ!」ブオンッ
ゴォワァッ! パキィンッ! ピシャァン!
実況『炎魔法! 氷魔法! 雷魔法!』
実況『す、すごいっ! 本当に剣を振るだけで、次々と魔法が飛んでいく!』
友人「なんだよそれ……呪文唱えなくていいとか、は、反則だろ……!」
あらゆる属性の魔法が、剣士に次々襲いかかる。
ボゥワァッ! ピシャァン! ザシュゥッ!
剣士「ぐっ!」ダダッ
剣士(かわしながら──接近戦に持ち込めば!)ダダダッ
魔法剣士「話を聞いてなかったのか?」
魔法剣士「剣は切れ味を増した、と」
魔法剣士「雑魚が」
パキィンッ!
実況『魔法剣士の剣によって、剣士の剣が真っ二つになったぁ!』
友人「剣士っ!」
剣士(たとえ剣が折れても、俺にはこれしかできない!)
実況『剣士、まだ心は折れていないっ! 基本通りの動きで、魔法剣士に迫るっ!』
魔法剣士「な……っ!」
魔法剣士(剣で受けるか!?)
魔法剣士(いや呪文で迎撃するか!?)
魔法剣士(一度間合いを開けるか!?)
剣士(斬る!)
ザグゥッ!
剣士の折れた剣が、魔法剣士の胸を切り裂いた。
魔法剣士「あ、ぐぅ……っ!」
魔法剣士(な、なぜ、だ……)
魔法剣士(なぜ……コイツは──)ブシュウ…
ドザァッ!
実況『血しぶきを上げ、魔法剣士がついに崩れ落ちたっ!』
審判「それまでぇっ!」
実況『ついに決まったぁっ!』
実況『勇者決定トーナメント優勝、すなわち勇者の称号を獲得したのは』
実況『──剣士だぁっ!!!』
ワアァァァァァ……!
友人「や、やりやがった……! やりやがった、すげぇ!」
女剣士「おめでとう……かっこよかったわよ」
怪力剣士「ぐははっ、さすが俺様をブッ倒しただけのことはあるぜ」
盾剣士「これほど自分に迷いがない剣士は、見たことがないな」
二刀剣士「……俺も一から出直し、だな」
剣士「なんだ?」
魔法剣士「なぜお前の剣は乱れない……?」
魔法剣士「見慣れぬ戦法を見たら……普通の人間は動きにブレが出るはずだ」
魔法剣士「少なくとも、俺の魔法剣は……初見のハズだ」
剣士「…………」
剣士「剣の使い手なら、だれだって最初に“基本の型”を習う」
剣士「習得に三ヶ月要するというが、アンタはどれだけかかった?」
魔法剣士「…………」
魔法剣士「お、俺は……半年以上かかった……」
魔法剣士「才能が、なかったからな……」
魔法剣士「!?」
剣士「基本にそれだけ費やしたら──」
剣士「もう独自のスタイルを追求するとか、必殺技を身につけるとか」
剣士「アンタみたいに魔法や他の武器に手を出す気力もなかった」
剣士「引き返せなかった」
剣士「だから……基本の型だけを徹底的に鍛え抜いた」
剣士「動きがブレに出ないのは当たり前だ」
剣士「それしか……できないんだから」
魔法剣士「なるほ、ど……」
魔法剣士「まさか俺以上に才能のないヤツが、出場してたとはな……」
魔法剣士「くくくっ……誤算、だった……」
魔法剣士「くぅっ……」グスッ
┏━ 剣士
┏━┫
┃ └─ 怪力剣士
┏━┫
┃ │ ┏━ 女剣士
┃ └━┫
┃ └─ 神聖剣士
━┫
│ ┌─ 二刀剣士
│ ┏━┫
│ ┃ ┗━ 魔法剣士
└━┫
│ ┏━ 老剣士
└━┫
└─ 盾剣士
国王「おっほん」
国王「剣士君、おめでとう!」
国王「強さはもちろん、戦いぶりもみごとなものであった!」
国王「君はまさしく、勇者の名に相応しい剣士だ!」
国王「ではさっそく、称号を──」
剣士「お待ち下さい、国王様」
国王「ん、どうしたのかね?」
剣士「今回の大会で、俺はさまざまな剣の使い手と出会いました」
剣士「特にトーナメントに出そろった選手は、みな実力伯仲」
剣士「組み合わせや試合の流れ、ちょっとした時の運次第で」
剣士「8名のうち……だれがここに立っていても、おかしくはありませんでした」
剣士「その称号をたった一人だけに与えて」
剣士「もしその一人が倒されたら人間側のダメージははかり知れません」
剣士「たまたま優勝したとはいえ、俺には荷が重すぎます」
剣士「ならばいっそ、複数の勇者がいたっていい」
剣士「少なくともトーナメントの出場者には、勇者を名乗れる実力があるはず」
剣士「ですから国王様、今回俺に与えられるはずの数々の特権──」
剣士「8等分していただくことはできませんか?」
剣士「もちろん彼らの同意があれば、ですが」
国王「ほほう……なかなか面白いことを考える」
国王「たしかにそうだ」
国王「勇者とは人類の心のよりどころ」
国王「それをたった一人に担わせては、諸刃の剣になりかねんな」
国王「ならば今日この場で、『勇者部隊』の設立を宣言する!」
国王「メンバーはトーナメントに参加した8名!」
国王「リーダーはもちろん……剣士、おぬしだ!」
剣士「ありがとうございます……!」
ワアァァァァァ……!
友人「あ~あ、もったいねぇ」
友人「でも……お前みたいなヤツを友人に持てて誇りに思うよ」
友人「おめでとう……!」
会場の盛り上がりが最高潮に達した──
その時だった。
『フハハハハハハッ!!!』
国王「この声は!?」
ザワザワ…… ドヨドヨ……
突如、会場中に巨大な声が降ってきた。
魔王『ワシは魔王だ!』
魔王『まずは人間どもよ、なかなか面白い見世物だった! 礼をいうぞ!』
魔王『そして勇者部隊ときたか……面白い! 実に面白いぞ!』
魔王『ワシが求めるのは、人間どもの豊かな大地と──血湧き肉躍る戦い!』
魔王『かつてワシを打ち破った勇者との戦いのような、死闘を欲しておる!』
魔王『我が軍はまもなく進撃を開始する』
魔王『七人の勇者たちよ、全力でワシらを迎え撃つがよい!』
魔王『期待しているぞ、フハハハハハハハ……!』
剣士「……そのようですね」
国王「おのれ、いったいどこから……」
剣士「おそらく千里眼のような能力があるのでしょう」
剣士「あるいはこの会場内のどこかに、魔王に映像を送る使い魔がいたのかもしれません」
国王「ふぅむ……。やはり魔王とは、我々の想像以上に恐ろしい敵のようだな」
剣士「はい」
剣士「しかし、魔王の野望は、この国の剣士たちが必ず阻止します!」
女剣士「おめでとう、勇者! ──って、私も勇者になっちゃったのよね」
女剣士「なんか変な気分だわ」
剣士「今日の敵は明日からは友だ。よろしく頼む」
女剣士「うん」
剣士「ところで、さっきの試合での約束、覚えているか?」
女剣士「ん、ああ……なんで一回戦であんな戦法を取ったか? だっけ」
女剣士「いいわよ、教えてあげる」
女剣士「聞かなきゃよかった、とかいわないでよね」
剣士「なんだって……!?」
女剣士「もし1パーセントでも勝てる望みがある相手なら」
女剣士「私だってあんな恥知らずなマネせず、正々堂々戦うわ」
女剣士「最初に剣をぶつけ合った瞬間、分かったわ」
女剣士「私の力じゃ、どうあがいても勝てない、殺されるって──」
女剣士「それと同時に剣を通じて、神聖とは名ばかりの邪悪な力も感じ取れたわ」
女剣士「もし本当に神に仕える剣士なら、色仕掛けなんか通じるわけないけど」
女剣士「そうでないのなら……通じるかも、と思ってやってみたら勝っちゃった」
女剣士「もっとも、あのまま戦ってたら私はまず負けてたわ」
女剣士「審判がいる“試合”だから勝てたのよ」
女剣士「私を負かしたあなたに“あなたより神聖剣士の方が強い”なんていえるワケない」
女剣士「だから……もしあなたが優勝したら話そう、と思ったの」
剣士「そういえば、無傷にもかかわらず姿が見えないが、彼はいったい──」
女剣士「もしかしたら、魔族のスパイだったのかもしれないわね……」
魔王「戻ったぞ」
側近「魔王様! やはり例の大会に向かわれていたのですか!?」
魔王「うむ、神に仕える剣士だと身分と姿を偽って、な」
魔王「まさか神聖と名乗る者が、魔王だとはだれも思うまいて」
側近「我々魔族の力はまだ復活したてで完全ではありません」
側近「しかも人間に化けると、能力は十分の一以下に落ちます」
側近「あまりムチャをなさらないで下さい」
魔王「分かっておる、心配をかけた」
魔王「だが、収穫もあったぞ」
魔王「あの王国の剣士ども……まだまだ未熟ではあるが」
魔王「思う存分ワシを楽しませてくれそうだ」ニィッ
魔王「フハハハハハハハ……!」
側近「まったく、あなたというお方は……」
魔王軍による人間界への侵攻が始まっていた。
世界各地で猛威を振るう魔王軍を目の当たりにし、人々は絶望に包まれる。
しかし、希望もあった。
修業を重ねた七人の剣士からなる『勇者部隊』もまた、世界各地で大活躍していた。
女剣士「ふふ、まっかせといて!」
怪力剣士「腕がなるぜ! 全部叩き潰してやる!」
盾剣士「先頭は吾輩に任せておけ。だが、今日の敵もなかなかあなどれんな」
二刀剣士「だけどさ、こっちだって強くなってるって」
二刀剣士「それに爺さんがメンバーそれぞれに作ってくれた剣、こりゃあ扱いやすい!」
老剣士「なんたって、ワシの得意分野じゃからな」
老剣士「ただし、“奇人”らしくえげつない性能になっておるぞ」ニヤッ
剣士「じゃあ魔法剣士、みんなの能力を上げる魔法を頼む」
魔法剣士「任せろ」
パァァァ……
剣士「よしみんな、行くぞっ!」ダッ
後の世で『七勇者戦記』と語り継がれることとなる、伝説の始まりである──
~おわり~
ガチSSで終始面白かった 各キャラに個性があってかなり良かった
面白かった、オチもよかった
面白かったよ
でもこれむしろ始まりの間違いじゃね?
Entry ⇒ 2012.09.16 | Category ⇒ 勇者魔王「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
メビウス「うんたん♪」ゼロ「はぁ?」
メビウス「地球で流行ってる挨拶だよ」
セブン「異星人なのだから文化の違いは当たり前だ、お前は強いがその辺りがまだ解っていない」
メビウス「ゼロも地球に行くときの為に勉強しておいた方が良いよ。僕も苦労したから」
セブン「ちょうどDVDを全巻持ってきている。ナディアから咲まで選り取り見取りだ」
ゼロ(だからお袋に逃げられんだよ)
ゼロ「好み?」
セブン「ツンデレとかロリ妊婦とか大雑把なのでいいぞ」
ゼロ「わけわかんねぇよ」
メビウス「やっぱり基礎としてハルヒを押さえておくべきでしょう」
セブン「いやメビウス、お前の判断は若すぎる。まずはナウシカで」
ゼロ(どうでもいい……)
セブン「いつ観ても泣けるな」
メビウス「名作ですね」
ゼロ「もっと派手にドカンドカンって感じのは無いのか?」
セブン「感受性が無いのかお前は?」
ゼロ「いや要するに争いはダメって事だろ?いいよそんな説教くせぇの」
セブン「わかってない……」
メビウス「素人」
ゼロ「あぁ?」
セブン「地球人の心の機敏を理解出来ねば、到底地球では暮らせんぞ」
セブン「心を鍛えろと言ってるんだ」
ゼロ「いやだから……」
メビウス「次はガンダムにしましょう。普遍的な話題だから必須ですよ」
セブン「解ってるなメビウス」
ゼロ「話聞けよ」
スタンダップトゥーザヴィクトリー!
セブン「お前の好きそうな派手なシーンだぞ」
ゼロ「おいなんで戦艦がバイクなんだよ?」
メビウス「知らないよ」
ゼロ「おいおい、女ばっかりの部隊とかバカじゃねぇの?」
セブン「黙って観ていろ」
ゼロ「なぁ今の特攻意味あったのか?」
メビウス「うぅ……ぐす……オリファーさん……」
ゼロ(うわ泣いてるし)
オトモダチニデモナリニキタノカイ
ゼロ「こいつ頭おかしいだろ」
セブン「富野節を理解出来んとは……お前はレオと何をやっていたんだ!」
ゼロ「え、キレられるとこ?」
メビウス「で、感想は?」
ゼロ「突っ込みどころしか無かった」
セブン「ふむ、いきなりヴィクトリーはハードルを上げすぎたか」
メビウス「Ζでジャブを入れるべきでしたね」
ゼロ(帰ったらスラッガー代わりに投げよう)
メビウス「さぁお待ちかねの二千年代ですよ!」
セブン「うむ、一つの頂点だな」
ゼロ「帰っていいか?」
セブン「目の前の戦いから逃げて、ウルトラ戦士が名乗れるものか!」
?「待てメビウス!」
メビウス「ジャック兄さん!」
ジャック「安易に萌えに走るな!取り込まれるぞ!」
セブン「お前の好きなエヴァなど萌えの火付け役みたいなものだろう」
ジャック「ガノタのセブン兄さんには解らないみたいですね、あの高尚な世界観が」
セブン「なん……だと?」
ジャック「涸れたハゲでも信仰しといて下さいよ。スラッガー外した誰かさんみたいな」
ゼロ「おい親父達は何を言い争ってんだ?」
メビウス「それを説明するには三日間ほどかかるよ」
タダノニンゲンニハキョウミアリマセン!
ゼロ「面白いなこいつ」
メビウス「ゼロもやっと地球文化が解ってきたね」
ゼロ「ははは、宇宙人は来いってよ。俺達を見たらどうなるんだろうな」
カンタンナンダヨコンナノ♪
メビウス「~♪」
ゼロ「何踊ってやがる」
メビウス「ガイズではこれが入隊試験だったんだよ」
ゼロ「確かにこの滑らかな身のこなし……ただ者じゃねぇ」
セブン「作画しか売りのないエヴァ信者は黙れ」
ジャック「バンク戦闘お疲れ様です」
セブン「SEEDはガンダムではない!」
メビウス「ちょっと兄さん達、静かにしてください」
ゼロ「おいなんか戦闘始まったぞ」
メビウス「あぁ、朝倉さんにはコアなファンがついてるんだ」
ゼロ「……」
メビウス「気に入った」
ゼロ「いや青髪とか現実的に無いだろ」
セブン「俺達が言えた話か」
ゼロ「あと俺、刃物持つ女とか嫌いだし」
ミ、ミ、ミラクル
メビウス「あ、この回はいいや」
ゼロ「続けろ」
ミックルンルン♪
セブン「母性愛が恋しいか?」
ゼロ「……別に」
ミクルチャンハオモチャ!
ゼロ「こいつ!」
メビウス「……」
ゼロ「おいなんだその目は、俺が地球文化なんぞに影響されるはずないだろ」
メビウス「うん」
ゼロ「主役なのにつまんねー奴だな」
メビウス「名前すらないからね」
ゼロ「可哀想な奴だな」
メビウス「まぁそこそこ楽しいみたいだよ」
ゼロ「ていうか一言で喋れないのかこいつは?会話なんてジュワとかデュワで充分だろ!イライラするぜ」
メビウス「普通人だから」
ゼロ「そうか」
メビウス「神回!神回きたよこれ!」
ゼロ「急にテンション上げんなや」
メビウス「このライブシーンを観てると、自然とバーニングブレイブになってしまう……」
ジャック「確かに神作画だ」
セブン「作画厨は物語を見ないから困る」
ゼロ「おい歌うのはこいつと無口だけか?」
メビウス「そうだよ」
ゼロ「未来人のシーンになったら起こしてくれ、寝る」
メビウス「待つんだゼロ!ライブアライブを見逃すなんてさせない!」
ゼロ「ブレス向けるな!」
セブン「神人だな」
ゼロ「……」
セブン「どうした?」
ゼロ「いや、お喋りニヤケ野郎が俺らみたいな赤い球に」
セブン「学ぶのだゼロ。何でもパクリ扱いは元ネタ厨として現地人からは忌み嫌われるぞ」
ジャック「オマージュとの見分け方がまた難しい」
メビウス「個々人の感性の尊重……複雑ですね」
ゼロ(なんで急に真面目になってんだ?)
ゼロ「まぁまぁだな。やっぱ新しい方が良いわ」
ジャック「ゆとり」
セブン「ゆとり」
メビウス「懐古兄さんは置いといて、二期を観よう」
?「待たんかメビウス!それは危険だ!」
メビウス「ゾフィー兄さん!?」
ゾフィー「せっかくゼロが少しは興味を示したのにエンドレスエイトなどみせたら終わりだぞ!」
ゼロ(そんなやべぇもんなのか……ギガバトルナイザー並に危険な臭いがするぜ)
ゾフィー「二千年代アニメと言えばギアスだ」
ジャック「出た」
セブン「兄さんそれは……」
ゾフィー「ゼロが見るゼロ、ぷくく」
メビウス「……」
ジャック(めんどくせぇ)
セブン「ゼロにはまだ邪気眼は早過ぎます!」
ゾフィー「いやこれも試練だ」
ゼロ(邪気眼?必殺技か何かか?)
ワガナハゼロ!
ゼロ「おい……」
セブン「仕方ない事だ。名前の被りはある程度避けられない」
ゾフィー「お前も宣言するか?」
ゼロ「ぶっ飛ばすぞ?」
ゾフィー「……」
ジャック(ビビるなら言うなよ)
ゼロ「おいこいつ命令ばっかりで自分で戦わないのか?」
メビウス「頭は良いけど、操縦は下手だし、身体能力も低いんだ」
ゾフィー「組織の長はそれで良いんだ」
メビウス「一部ではウザクって呼ばれてるけどね」
ゼロ「なぜだ?」
メビウス「ルルーシュの邪魔ばっかりするから」
ゼロ「だってガリガリカマキリは悪い奴なんだろ?」
メビウス「いやそれはそうなんだけど」
ゼロ「スザクがガリカマ倒したら終わる話じゃねぇか……つまんねー」
メビウス「それを言ったら元も子もないよ」
ゼロ「飯食ってくるわ、全然ロボット出ないし」
ルルー!
ゼロ「……やっぱ出前で良いわ」
セブン(ゼロは茶髪ロングで優しげかつ、巨乳が好きか)
ゼロ「何笑ってんだよ」
セブン「時代は黒髪ロングだぞ息子よ」
ゼロ「?」
ヤハリボーヤダナ
メビウス「CCは良い……」
セブン(こいつはマゾ気味だな。よく死にかけてるのも今思えば……)
メビウス「……」
セブン「……」
ジャック「……」
ゼロ「……気のせいだろ」
ゾフィー「まぁ私は持ってきた弁当を一人で食べる」
ゼロ「お、ガリカマもやっとロボット乗ったか」
メビウス「操縦はCCだけどね」
ゼロ「こういう生意気な女ムカつくわ」
メビウス「僕は嫌いじゃないけど」
メビウス「いや二期に続くよ」
ゼロ「なんだ驚かせんなよ、次見せろ次」
セブン「お前はシャーリーが好きなんだろ?」
ゼロ「あ?いや別にそんなんじゃねぇし、続き気になるだけだし」
ジャック「見ない方が……」
ゾフィー「いや見せよう、8話くらいまで一気にいこう」
ゼロ「早くしろよ」
ゼロ「弟のが強いんじゃね?」
ゼロ「ナナリー、ナナリーうるせぇ」
ゼロ「文化祭行きてぇ」
ゼロ「お、ガリカマとスザクとシャーリーで出掛けるのか」
ゼロ「スザク、ガリカマを一発殴れ」
ゼロ「テロ?おいガリカマ!しっかりしろ!」
ゼロ「良いぞスザク!引っ張り上げろ!」
ゼロ「…………おい弟今更何を……」
ルルノホントウニ……
ゼロ「くそがぁぁぁぁっ!!」
セブン(その怒りと悲しみ……戦士としてまた一つ成長したなゼロ)
ゾフィー「シャーリーが死んでしまうとは……」
ゼロ「貴様!知っていたな!!」
ゾフィー「隊長殴ったら追放」
ジャック(腐ってやがる)
メビウス「まぁまぁ、落ち着くんだゼロ。そんなに入れ込むなんて、地球文化にハマってきたね」
ゼロ「ハマってなんかねぇ!俺は……俺はただ……シャーリーに幸せになって欲しかった……」
ゼロ「いい……もう見れない……」
?「無駄にシリアスな物を見せるからそうなる」
メビウス「エース兄さん!」
エース「娯楽とは肩の力を抜いて楽しむ物だ。暇つぶし程度で何が悪い」
セブン「一理ある」
ジャック「ゆるさを求めるのはゆとり」
エース「いやジャック兄さん、私が言いたいのはウルトラ戦士にも休息は必要ということです。ゆるさも大事ですよ」
メビウス「つまり……」
エース「らきすただ」
ゼロ「……」
メビウス(ダメだ塞ぎ込んでる)
セブン「ヤマカーンなる地球人がまだ元気だった頃か」
エース「彼の演出は切れ味鋭いですよ」
セブン「無駄に喧嘩売るから好きではない」
ステータスダキショウカチダ
ゼロ「……」
エース「こなたに反応を示さないとは……」
ジャック「これは重傷だ」
オネエチャーン!
ゼロ「……!」ガバッ
エース「ゆたかに食い付くとはなかなかやるな……さすがセブン兄さんの息子だ」
ゼロ「こいつは俺が守ってやらないとダメだ……」
ジャック「なんか危なくないですか?」
セブン「ふむ、どうやらゼロは可憐な花……つまり典型的な『女の子』が好みのようだ」
メビウス「ツンデレとかはむしろ殴りそうですね」
ゾフィー「こいつ自身がツンデレだからな」
メビウス「うん」
ゼロ「だがやはり俺の肌には合わない」
ジャック「ワガママだな」
ゼロ「もっと単純にドンパチやる方が好きだ」
セブン「結局そこか」
ゾフィー「ならばダブルオ……」
エース「それだけはダメです兄さん!」
?「俺の出番だな」
メビウス「タロウ兄さん!」
タロウ「戦士が観るのはただ一つ!」
ゾフィー「なんだ?」
タロウ「我々の盟友にして最大のライバル……」
セブン「仮面ラ……」
タロウ「二人はプリキュア!」
ヒント:宮野守
てか、ゼロにリリカルなのは視せたら、シリーズ追う毎にイライラしそうだwwwwww
エース「タロウ!なんてものを勧めるんだ!」
セブン「いとことして悲しいぞ」
メビウス「目を覚まして下さい兄さん!」
ゾフィー「そうだそうだ!」
タロウ「ええい、とにかく観るんだ!幸いフレッシュはワンシーズンしかやっていないからすぐに済む!」
ゼロ「いやまだ観るとか言ってない……」
ジャック「そこまで言うなら」
セブン「みせてもらおう」
エース「幼児向けアニメの」
ゾフィー「実力とやらを!」
ゼロ「…………好きにしてくれ」
メビウス「キャッチーな曲ですね」
ジャック「電波だろ」
ワイハタルトヤデー
エース「バーチカルギロチン当てたい」
キュアピーチ!
ゾフィー「なんて酷い変身だ」
キュアベリー!
セブン「同い年には見えんな」
モギタテフレッシュ!キュアパイン!
ゼロ「こいつ戦いを舐めてるだろ」
タロウ(ふふふ……典型的な反応ですね)
ゼロ「なんか背中がくすぐったい、なんとなく」
ウェスター!
エース「……ぷ!」
タロウ「敵の幹部がまた良い味出してるんですよ」
ドウブツサンタチ……
ゼロ「こいつやっぱり戦い向いてないって。こういう女は家で男の帰りを待つべきなんだよ」
ミンナデシアワセ
セブン「…………ゲットダヨ」
ジャック「ん?何か言いましたか?」
セブン「いや」
アタシカンペキ
ゾフィー「いや中学生でこれはけしからん。実にけしからん」
メビウス「全くです」
タロウ(さぁそろそろ例の話ですよ!)
セブン「まるでウルトラファイトだな」
ジャック「せっかく仲良くなれたのに……」
エース「せっちゃん……」
ゼロ「おい止めろ」
ゾフィー「あぁっ!イースが!」
メビウス「そう言えば僕もはじめはヒカリと戦った事もあったな……」
タロウ「良いところに目を付けたなメビウス、さすが私の弟子だ」
ゾフィー「ラビリンスの企みは粉砕したが……」
ゼロ「けっ!後味悪いぜ……」
タロウ「ふふふ……全員カラータイマーを光らせて観ろ!」
ジャック「ん?」
エース「まさか」
ゾフィー「この展開は!?」
セブン「来るというのか!」
メビウス「ゴクリ」
ゼロ「震えが止まらねぇ……」
キュアパッション!
ジャック「きたぁぁぁぁっ!」
エース「せっちゃんが……」
ゾフィー「プリキュアに!」
セブン「良い!実に良いぞ!」
メビウス「これが絆なんだ!」
ゼロ「くそっ……目からエメリウムが出やがる……」
ゾフィー「ラブせつはガチだな」
メビウス「ベリーの弟になりたい」
エース「愛すべき敵だな、ヤプールとは大違いだ」
ジャック「私はあえてイースにこだわりたい」
セブン「とりあえずシフォンにワイドショット」
ゼロ「ブッキー……俺が守ってやるからな」
タロウ「……聞いてる?」
メビウス「ヒカリ!」
ヒカリ「ウルトラマンでありながらなんという体たらくだ!」
ゼロ「くっ!返す言葉も無ぇ」
セブン「反省」
ジャック「確かにふざけすぎた」
ヒカリ「そうじゃない!」
ゾフィー「なに?」
ヒカリ「我々ウルトラマンがファンタジーなど観るなと言っている!」
タロウ「と言うと?」
ヒカリ「人間の心を学ぶにはより現実的なドラマ……つまり、恋だ」
エース「何かあるのか?」
ヒカリ「俺のとらドラだ」
ゼロ「ほんとか?」
メビウス「あの人頭固いから思い込みも激しいんだ。だから洗脳ばっかり……」
ヒカリ「私語は慎め!」
ゾフィー「童貞の恋愛厨ほどウザいものはないな」
ヒカリ「うるさい!」
セブン「だがヒカリの言うことも全てが間違いではない。俺も地球で……」
ゼロ「おい親父、お袋が出て行ったってのはまさか」
セブン「ヒカリ、見せてくれ」
ゼロ「聞けコラァ!」
ジャック「電波過ぎる……」
ヒカリ「神曲だ!」
ゼロ「なんだこのチビ、生意気過ぎるだろ」
ヒカリ「大河をバカにするな!」
メビウス「こんな言動してたら周りから浮いちゃいますよ」
ヒカリ「みのりんは女神!」
エース「うーむ、この子には優しさが足りない」
ヒカリ「あーみんは良い子!それがわからん奴はにわか!」
タロウ(うっせぇ……)
ヒカリ「まぁ最終的には大河とくっつくんだけどな」
ゾフィー(ネタバレするなよ……)
メビウス「はしゃぎすぎ」
ゼロ「お前が言うか」
ヒカリ「くうっ!自販機横のあーみんは最高だ!」
ジャック「絵は可愛いのにお前がうるさくて集中出来ない」
ヒカリ「わかる、わかるぞ!俺にはみのりんの痛みがわかる!」
ゾフィー「自分の痛さに気付けよ」
ヒカリ「大河……大河……タイガ……たい……が…………くぎゅうぅぅぅぅぅぅ!!」
ゼロ「怖ぇぇぇ!!」
ゼロ「何なんだ今度は」
ヒカリ「ふぅ……君たち、アニメも良いが、戦士としての本分を忘れるなよ」
ゼロ「急に落ち着いた!?」
ヒカリ「では俺はパトロールに戻る!」
シュワッチ!
タロウ「信者って怖いですね」
ジャック「あぁ……勉強になったな」
ゼロ(俺も地球に行ったらあんなのになってしまうのか……)
セブン「そうだな、もう十分勉強になっただろう」
ゼロ「レオとの修行より疲れた……」
?「待て!」
メビウス「マン兄さん!」
マン「一番大事なものを忘れているぞ」
メビウス「もしかしてそれは」
マン「うむ、言わずともわかるな。けいおん!だ」
ゼロ「まだ観んのかよ」
マン「まだまだだなゼロ。本質を見極めるんだ」
ゼロ「はいはい」
タロウ「やはり元気な律っちゃんが一番」
エース「デコじゃないか」
タロウ「そこが良いんですよ、髪を上げて下げて二倍楽しめるじゃないですか」
エース「ふむ、俺には無い属性だ」
タロウ「三巻は自分用、保存用、布教用、食べる用にいっぱい買っちゃいました」
メビウス「タロウ兄さん……」
タロウ「なんだメビウス、文句があるのか」
メビウス「一冊売って下さい」
タロウ「というより、ある意味別物として考えています。4コマ漫画を三十分にしてるわけですから」
マン「うん、良い心掛けだな。成長したなタロウ」
メビウス「僕も早く兄さんに追い付きたいです!」
エース「ははは、その意気だメビウス」
ジャック「お前ももうルーキーじゃないからな」
セブン「しっかりな」
ゾフィー「頼んだぞ」
メビウス「はい!」
ゼロ(何この空気)
マン「では始めるぞ」
ゼロ「やかましい曲だな」
メビウス「地球では上位にランクインしてたよ」
ゼロ「終わってるな」
コノママジャニートヨ!
ゼロ「ったく、部活くらいスパッと決めろや」
マン「良いんだ、唯ちゃんは自由で良いんだ」
ゼロ「おいおいこいつ楽器出来ないのに音楽やるのかよ」
メビウス「せーの……」
一同「うんたん♪」
ゼロ「……」
ゾフィー「空気読め」
ゼロ「死んでもやらん」
ゼロ「そうだな……始まったばかりでよくわからん」
メビウス「本命は後半に出てくるよ」
マン「梓か」
タロウ「律っちゃんが至高」
セブン「俺の息子なら澪を選ぶはずだ」
マン「やはりここは王道の唯」
エース「憂もあり」
ジャック「和も捨てがたい」
ゾフィー「ムギ」
一同「どーぞどーぞ」
メビウス「このアニメの影響で楽器がたくさん売れたんだよ」
セブン「特に澪の奴がな」
ゼロ「地球人……アホだろ」
マン「私も思わずギー太を購入してしまった」
ゼロ「え」
メビウス「唯ちゃんは自分のギターにギー太って名前を付けてるんだ」
ゼロ「なんで?」
メビウス「可愛いから」
ゼロ「頭足りてないのか?」
マン「カラータイマー割るぞ?」
ジャック「汗臭いシーンなんか誰が観たいんだ」
エース「そうだ、癒されんぞそんなもの」
タロウ「律っちゃんの汗ならバケツ何杯でもいけます」
マン「そういう話じゃない」
マン「まぁそういうな。そろそろ合宿回だ」
セブン「うーむ……澪のワガママボディはけしからんな」
ゾフィー「ムギのムチムチな太ももをM87でこんがり仕上げたい」
ゼロ「殺す気か?」
ゾフィー「水着の日焼け跡の良さが解らんか……」
タロウ「律っちゃんの引き締まったヒップにウルトラダイナマイト」
マン「あぁ……海なんて行かなくてもウルトラ水流でプールを作ってあげるのに」
ゼロ(地球のガキが聞いたら泣くぞ……)
セブン「そうだ、澪が大活躍するぞ」
ゼロ「陰気な女は嫌なんだよな……ブッキーみたいに華やかなのが良い」
セブン「親子の縁を切ってやろうか?」
ゼロ「ふわふわ時間!?なんだこのセンス!!」
セブン「いい加減にしろよ」
ゼロ「さっさと衣装決めろよ、面倒な女だな」
セブン「おい……」
ゼロ「おいおいパンツ晒したぞ!アホでー」
セブン「アイスラッガー!」
ゼロ「痛ぇ!」
メビウス「とうとうあずにゃんが出ますよ!」
ゼロ「進級か、唯と律はよく上がれたな」
タロウ「律っちゃんはその危なっかしいところが良いんだ」
マン「黒パンストは正義。光の国を黒パンストで包むべき」
メビウス「静かに!」
アズニャーン!
ゾフィー「唯と梓はセットだな」
ゼロ「……」
エース「どうしたゼロ?」
ゼロ「何でも……ない」
ゼロ「お前年上系が好きなんじゃなかったのか?」
メビウス「いやあずにゃんの場合は好きと言うより親近感」
ゼロ「はぁ?」
メビウス「アホな先輩に囲まれる後輩……まるで地球にいた頃の僕みたいだ」
マン「アホな先輩というのは」
セブン「いったい」
ジャック「誰の事だ?」
メビウス「最後のライブもあるよ」
マン「で、気に入ったキャラはいたか?」
ゼロ「特別にはいない。俺にはブッキーしかいない」
ゼロ「だがなぜだ」
ゼロ「メンバーが揃った途端に……」
ゼロ「この部室が掛け替えのない空間に思えてきた……」
セブン「ゼロ……」
ゼロ「この中で誰か一人を贔屓目で見るなど俺には出来ない」
ゼロ「今はただ……一秒でも多くこいつらを見ていたい」
マン「…………ニヤリ」
ゼロ「そうだ走れ!いや、飛べ!こうだ、こう!」
ゼロ「転んでんじゃ……いやいや、よく踏みとどまった!」
ゼロ「バカヤロー!お前は何も無くなんかねぇ!」
ゼロ「ちゃんと……自分の道を……」
ゼロ「へっ……ダメだなこのテレビ、画面が滲んでやがる」
ゼロ「ライブか……終わるんだな」
ゼロ「良いもんをきかせてもらったぜ」
ゼロ「あと一話か。感動の最終……」
ジカイトクベツヘン
ゼロ「回……」
マン「そうだ」
ゼロ「う、嘘だろ!早すぎる、早すぎるんだよ!もう一話見せろよ!」
メビウス「と、特別編も面白いから!」
ゼロ「くそがぁぁぁっ!13話あるって言ったのにぬか喜びさせやがって!」
マン「落ち着け、我等も通った道だ。話題作りとして必要だったのだ」
ゼロ「汚ぇ……汚ぇよ地球人……」
ゾフィー「ゼロ、今こそ勇気を持って立ち上がる時だ」
タロウ「共に行くぞ」
マン「せーの……」
全員「うんたん♪うんたん♪」
ゼロ「エメリウムスラッシュ!」
怪獣「ギャース!」
男「あのウルトラマン凄い強さだ!」
女「なんて名前なのかしら」
ゼロ(予習はバッチリだぜ!完璧な挨拶で地球人のハートを掴んでやる、行くぞ!)
ゼロ「ウンタン!ウンタン!」
男「え」
アナウンサー「新たに現れたウルトラマンはその発声から『ウルトラマンウンタン』と呼称する事を政府が発表しました」
ゼロ「全然流行ってねぇじゃねぇか!メビウスのばかやろぉぉぉっ!!」
サクッと終わらせるはずがどうしてこうなった
Entry ⇒ 2012.09.16 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (4) | Trackbacks (0)
絹恵「セレッソ勝っとったで!」洋榎「よっしゃ!」
絹恵「ああ、今日のJリーグの結果見とるんです。」
恭子「Jリーグ?サッカーか。絹ちゃんキーパーやっとったもんなあ。」
洋榎「お!セレッソどやった!?セレッソ!」
絹恵「セレッソ勝っとるみたいやでお姉ちゃん。」
洋榎「ホンマか!よっしゃ!」
絹恵「柿谷が決めたようやで。」
洋榎「おお~流石や!うちの新エースは柿谷で決まりやな!」
絹恵「清武・ボギョンが居なくてもなんとかなるかもしれんなー。」
恭子「主将と絹ちゃんは、その…えーと?セレッソ?ってチーム応援しとるんです?」
洋榎「なんや恭子、セレッソ知らんのかいな。」
絹恵「セレッソ大阪っちゅうチームなんです。長居にホームスタジアムがあるんですよ。」
恭子「そういえばありましたねそんな名前のサッカーチーム。」
洋榎「あ!今恭子「ふーん」って顔したやろ!セレッソなめたあかんで!」
恭子「いや…別になめとる訳では…(汗)」
洋榎「香川って知っとるか。香川真司。」
恭子「まあ、流石に。知っとる言うても、マン…なんとかっちゅうイギリスの強いチームに入った選手って事位ですけど。」
洋榎「マンチェスターユナイテッドな。で、その香川が日本でプレーしとった時おったチームがセレッソなんや。どやーすごいやろー。」エッヘン
恭子「別に主将が凄い訳ではないでしょうに…(汗)」
洋榎「他にも乾とか清武とか、セレッソから海外に行っとるんやでーすごいやろー。」モイッカイエッヘン
恭子「だから主将が(ry」
洋榎「い、いやーまー…ハハハ…」
恭子「?」
絹恵「いい選手がどんどん海外に引き抜かれるんで、実は結構苦戦しとるんです。今年もJ1残留が目標って感じで。」
恭子「なるほど…上手くいかないもんやね。」
絹恵「うちからお姉ちゃんや末原先輩が引き抜かれるようなもんですからね。たまったもんやないですわ。」
洋榎「クルピが戻ってきたからいけるわー!絶対残留やー!いや優勝やー!やったるでセレッソー!大阪の底力見せたるでー!」
絹恵「お姉ちゃん、あんまり大声上げんといてーやー」
怜「む…?セレッソ?」
洋榎「な!い、いきなり何や!」ビックリ
絹恵「千里山の園城寺怜と清水谷竜華やないですか。」
怜「やっぱ愛宕洋榎か。やかましいはずやで。」
恭子「どうも。うちのがうるさくてスミマセン。」
竜華「こちらこそ急に話しかけてゴメンな。怜ーどうしたんよ。」
怜「ちょい聞き捨てならん言葉が聞こえてきてな。」
洋榎「なんや、うちなんか気に障ること言うたか?」
怜「大阪といったらガンバや!セレッソやない!」
洋榎「」
絹恵「はい。ガンバ大阪。吹田の方をホームにしとるチームです。」
恭子「あー、そんなチームもあったかなー。」
怜「大阪っちゅうたらガンバやろ。セレッソとは知名度が全然ちゃうわ。オリジナル10は伊達やないで。」
恭子「オリジナル10?」
絹恵「Jリーグが始まった時の10チームのことです。」
恭子「え、Jリーグって何チームあるん?」
絹恵「J1が18チーム。J2が22チームあります。」
恭子「お、多いねんなあ…。」
怜「そんなん関係あらへん。サポはガンバの方が多いやん。」
洋榎「ぐっ。そ、そやけど、香川!香川育てたんウチや!清武もな!
洋榎「代表主力を次々生み出すセレッソこそが大阪を代表するクラブや!」
怜「代表で言うんやったら、遠藤と今野がうちにおるわ。代わりのおらん、まさに日本の主力や。」
洋榎「今野は東京から獲ったやつやんけ!うちは自前やぞ自前!」
怜「どうやろか。凄いんは大分ユースの間違いちゃうん。」
洋榎「前線が外人頼りのガンバに言われとうないわ!臨海か!」
怜「そ、それは…外人からみても大阪といえばガンバやって認識になっとる証拠やで。」
洋榎「ぐぬぬ」
恭子「うちの主将がスミマセン。」
竜華「いえいえこちらも怜がスミマセン。」
洋榎・怜「なんでや!」
恭子(なんで息あっとんねん…)イラッ
絹恵「今年どっちも弱いやん…惨めになるだけやで…。」
洋榎「」
怜「」
恭子「うん?ガンバも弱いんです?」
竜華「ガンバもセレッソも、今年はJ2降格せえへん事が目標や。それで察してーや。」
恭子「な、なんとなくわかりました。」
怜「そっちこそJ2落ちて来年のダービー無しとかならんようにしてや。」
洋榎「…お互い、残留するで。」
怜「当たり前や。」
ガシッ(握手)
竜華「ホンマごめんなー。怜ったらガンバの事となると頭に血が上るから。」
怜「そ、そんなことあらへんよーうち病弱やしー。」
洋榎「病弱ちゅうテンションやなかったで…。」
恭子「…」
洋榎「え、あ、ちょっ、引っ張んなや。」
絹恵「あ、末原先輩、お姉ちゃん。っと、失礼しますね。また今度。」
怜「ほんならなー」
・・・
怜「竜華ー。インハイ終わったらガンバの試合見にいこなー。」
竜華「体調よかったらな。無理したアカンで。」
怜「うち病弱ちゃうしー。」
竜華「さっきと言ってること逆やん…。」
恭子「明日の試合の対策を練らないといけないんです。早く帰りますよ。」
洋榎「わかったわかった。わかったから引っ張んな。」
恭子「…サッカーの試合、見に行くんですか?」
洋榎「え?あ、ああ。インハイ終わったら行こうかと…。」
洋榎「ははーん、恭子も行きたいんやな?よっしゃ!一緒に行くで!ええで~スタジアムでの観戦はええで~。」
恭子「しゅ、主将が来いと言うなら…行くのもやぶさかではありませんが…。」
洋榎「素直やないなー ま、ええわ、一緒に来いや、な?」
恭子「わ…わかりました。そこまで言うなら一緒に行ってあげます。」
恭子「ズコー
絹「お、お姉ちゃん…(汗)」
洋榎「へ?」
恭子「アホ…。」ボソッ
短いけどカン!
淡「照ー!やったよーFC東京勝ったよー!」
照「そう。よかったわね。」
淡「あれー?あんまり嬉しくなさそう。」
照「うん、私…東京ヴェルディのサポだから…。」
淡「が、照はそっちだったのかー。」
照「かなり苦しいけど、今年こそJ1に上がりたい。」
淡「絶対上がってきてねー また東京ダービーしたいし。」
もいっこカン!
煌「アビスパ勝ちましたよすばらです!」
優希「パルセイロはとっととJ2に上がるじぇ!」
穏乃「奈良にサッカーチームってあったかなー…。」
ダヴァン「ワンバックはすごいでスネー。」
今度こそカン!
なんとなくガンバは市内じゃないから応援しづらい
Entry ⇒ 2012.09.16 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (16) | Trackbacks (0)
ウルフルン「プリキュアに勝てねぇ……どうなってるんだ!」
ウルフルン「アカオーニが左遷されそうになってると、噂で聞いたから不安になるぜ」
ウルフルン「第一、5対1じゃ戦力差がありすぎなんだよ……ん?待てよ」
ウルフルン「1対1で戦えば勝機が……!って、前にキュアサニーにヤラれたんだった……」
ウルフルン「こうなりゃ、どんな姑息な手でもいい!奴らを絶望させて戦力を削ってやる!」
ウルフルン「まずは、キュアハッピーだ!あいつに>>5をして絶望させてやる!」
--------------
みゆき「わー!遅刻しちゃうよ~!」
キャンディ「みゆきが夜遅くまで絵本読んでるのがイケないクル!」
みゆき「だって~……」
ドンッ
みゆき「きゃっ……、ご、ごめんなさい!わたし、急いでて……」
ウルフルン「おやおや、元気なお嬢さんだね。お怪我はありませんか?」キラッ
みゆき「えっ……///」ドキッ
みゆき「オ、オオカミさん……///おはようございます///今日はなんだか素敵ですね///」
ウルフルン「何をいいます。あなたの笑顔の方がとても輝いていますよ。」
みゆき「うへっ……!そ、そんなこと……、あ、ありがとう///」
ウルフルン(ウルッフッフッフ……いつものオレ様との違いに戸惑っているな、キュアハッピー!)
ウルフルン(ワイルドな奴があるとき見せる紳士的な態度。そのギャップにドキッとする。少女漫画じゃ常套手段だぜ!)
ウルフルン(この日のために必死で少女マンガを読んで、女の子のドキッとするシチュエーションを学んだんだ!キュアハッピーの好感度をガンガン上げて告白してやるぜ!)
ウルフルン「放課後、また会えないかな。キュアハッピー……」キラッ
みゆき「えっ……?あ……うん。いいですよ♪」
ウルフルン「じゃあ、放課後校門で待ってますね」ニコッ
みゆき「(ドキッ)は、はい!」
ウルフルン(オレ様もなかなかやるぜ。ウルッフッフッフ……)
キンコーン カンコーン
みゆき(ドキドキして授業が頭に入らなかったよ~。はっぷっぷー)
みゆき「はぁ……、どうしちゃったんだろ、わたし……」
あかね「ため息ついてどうしたんや?」
みゆき「あかねちゃん……。ううん、なんでもないよ♪」
あかね「そや、うちに遊びにけーへん?新作のお好み焼きを食べてもらいたいんやけど……」
みゆき「ごめんね、あかねちゃん。放課後は用事があるから……、また今度誘ってね」
あかね「それじゃ、しゃーないな。またな~」
みゆき「うん♪」
みゆき「あれ?あの大きなバイクに乗ってる人って、まさか……!」
ウルフルン「やあ、キュアハッピー。オレ様のバイクに乗ってドライブしない?」バルンバルン
みゆき「オ、オオカミさん……、そんな目立つ格好で待ってるなんて……」
女生徒1「校門で待ち合わせデートしてる……」
女生徒2「破廉恥だわ!」
みゆき「……!?もう……、学校の前でそんな待ち方はやめて下さい!」
ウルフルン「いいから、いいから。細かいことは気にするもんじゃないよ」
ウルフルン(細かいことは気しない……この一言でオレ様の度量の大きさをアピールだぜ!)
みゆき「だけど、ひと目があるし………」
ウルフルン「あ、すみませ~ん。この子を乗せてたらすぐに出て行くんで……よいしょっと」
みゆき「あわわ……」
れいか「みゆきさんが……!お待ちなさい、ウルフルン!みゆきさんを降ろしなさい!」
ウルフルン「ヒャッハー!あばよ、キュアビューティ!」ブロロロロロロ
みゆき「ちょ、ちょっと待って~~!!れいかちゃ~~~ん!!!」
れいか「みゆきさんが攫われてしまいました……。これは一大事です!」
みゆき「え、なに!よく聞こえないよ、オオカミさん!」ブロロロロ
ウルフルン「よ~し、取り敢えず>>35にでも行くか!」ブロロロロ
みゆき「喋り方もいつも通りに戻っちゃってる……はぁ」ブロロロロ
みゆき「あれ、ドライブするんじゃないの?」
ウルフルン「ちょっと、遠回りしていくけどな!お前と話したいこともあるし」
みゆき「話したいこと?どんなことなの?」
ウルフルン(オレ様の考えぬいた告白……今こそ言うぜ!)
ウルフルン「>>48」
だけど立場が邪魔をした
それでも私はあなたが好きです
ヒュウ
みゆき「えっ……///」
ウルフルン「だけど立場が邪魔をした」
みゆき「オオカミさん……」
ウルフルン「それでも私はあなたが好きです」
みゆき「オオカミさん、わたしすごく嬉しいです///でも、まだ中学生ですし、どう答えたらいいのか分からくて……」
ウルフルン「返事なんか期待してねえ。オレ様の気持ちをただ言いたかっただけだ。」
ウルフルン「だが、これだけは覚えておけよ。オレ様が好きになった奴は世界でたったお前だけだ。光栄に思えよ!」
みゆき「オオカミさん……。わたしの事好きなってくれてありがとう♪」
ウルフルン「へっ、長話してたら家に着いちまったな。じゃあな、明日は遅刻すんなよ」
みゆき「うん!またね、オオカミさん!」
ウルフルン「ああ!」
ウルフルン「あの調子なら、オレ様と闘う時には戦意が削がれるだろうな……それこそオレ様の思う壺よ!ウルッフッフッフ!」
ウルフルン「………」
ウルフルン「オレ様もキュアハッピーにはなるべく攻撃しないようにしとこうっと……」
ウルフルン「ふぅ……、夕暮れの川原ってのはいいもんだな……。こういうの見てると人間界もいいもんだと思うぜ」
ウルフルン「やることやったし、そろそろ帰るか……」
なお「ああ!!やっと見つけた!」
ウルフルン「ん?お前はキュアマーチか……!」
なお「みゆきちゃんを攫ってどういうつもり?みゆきちゃんはどこにいるの!?」
ウルフルン「家に送り届けたぜ。心配させて悪かったな」
なお「え……。あ、そうなんだ……良かった~」
ウルフルン「キュアハッピーのことだ、心配をかけたお前らプリキュアたちの家に連絡を入れてるだろうよ」
なお「そうだね……。ところで、ウルフルン。なんでみゆきちゃんを攫ったの?」
ウルフルン「ん~?まあ、お前には特別に教えてやるか。告白したかったからだよ」
なお「え……!?な、何それ!?」
なお「そういうわけじゃないけど……でも、敵同士でそういうのって筋が通ってないよ……」
ウルフルン(こいつは頭が固いな……こいつのせいでキュアハッピーのオレ様への好感度が下がったらたまったもんじゃねぇ)
ウルフルン(こいつにも絶望を与えてプリキュアの戦力をダウンさせてやるぜ!)
ウルフルン(こいつにはとりあえず>>66だな)
なお「バッドエンド王国のこと?もちろん許せないよ!みんなからバッドエナジーを集めて世界をバッドエンドにするなんて!」
ウルフルン「そうか……なかなか辛辣な意見だな」
なお「当然だよ。この世界はわたし達が絶対守ってみせるんだから!」
ウルフルン「オレ様たちと闘う決意は堅いようだな。だが、こっちはそうじゃない」
なお「どういうこと?」
ウルフルン「本心を言うと、オレ様はお前たちと戦うのが辛いんだよ。年端もいかない女の子にアカンベェを仕向けるたんびに胸が痛むんだ」
なお「だったら、やめればいいじゃない」
ウルフルン「オレ様はバッドエンド王国の三幹部だぞ。闘いを拒否することはできねぇんだ……」
ウルフルン「なに?」
なお「お互いやるべきことがあって、それで衝突するんだったら仕方ないんじゃない?」
ウルフルン「そうだな……」
ウルフルン(こいつは、スポーツ少女だから、そこんとこはちゃんと割り切ってるようだ……。仲良くしてもオレ様がバッドエナジーを集める限り躊躇なく攻撃してくるだろうな)
なお「それで、さっきの話に戻すけど、みゆきちゃんに告白するならまず、バッドエンド王国を抜けるのが先でしょ!ウルフルン、なにか企んでいることがあるんじゃない?」
ウルフルン「(ギクッ)いやまぁ、それは………」
なお「やっぱり!」
ウルフルン(プリキュアの戦力を削ぐためなんて言えねぇ!どうする……!?)
1 好きだから告白したんだよ///
2 今度闘うとき手心加えてもらおうと思って……
3 あとでバッドエナジー集めるための下準備に……
>>80
なお「なら、どうしてバッドエンド王国を抜けないの?筋が通ってないよ!」
ウルフルン「オレ様にも立場が……」
なお「みゆきちゃんが好きなら、立場なんて捨ててよ!」
ウルフルン「うぐっ……!」
ウルフルン(こいつに絶望を与えるはずだったが、思いの外難しいな……とりあえず逃げるか)
ウルフルン「一晩考えさせてくれ……」シュンッ
なお「ああっ!逃げるな~!!」
ウルフルン「虫が苦手で、怖がり。サッカー好きで足が速く、大食漢な一面を持つ……」
ウルフルン「苦手なもので怖がらせるのは子供のイタズラレベルで好かねえなぁ」
マジョリーナ「子供のイタズラで悪かっただわさ……ふんっ!」
ウルフルン「二度とサッカーが出来ないようにしたり、絶食させたらバッドエナジーがたんまり取れそうだがやりたくはねえな」
ウルフルン「となると、あとは運頼みだな。>>90をしよう」
ウルフルン「よお、また会ったな」
なお「ウルフルン!?どう、覚悟は決まった?」
ウルフルン「ああ、一晩考えてようやく結論が出たぜ」
なお「そっか。もちろん、みゆきちゃんを悲しませるようなことはないよね?」
ウルフルン「まぁ、多分大丈夫だろ……」
なお「歯切れが悪いね……みゆきちゃんを泣かせたらわたしが許さないからね」
ウルフルン(こいつはキュアハッピーに対してオレ様の誠実な対応を求めてる。しかし、オレ様はこいつに絶望を与えるため告白したい。)
ウルフルン(一見筋の通らない行動を取るようにみえるが、実は高度な戦略が練られている………はずだ)
ウルフルン(ええい、ウダウダ考えても仕方がねえ!告白してやるぜ!)
ウルフルン(告白の言葉は>>103だ!)
なお「えええ~!?こ、告白!?」
ウルフルン「毎朝オレ様に味噌汁を作ってくれ!」
なお「み、味噌汁?意味がよくわからないんだけど……」
ウルフルン「毎朝オレ様と食事を共にする……つまり家族になろうって言ってるんだよ!」
なお「ウルフルンと家族って……なんで?」
ウルフルン「つまり………結婚しよう」
なお「~~~~!!!」
ウルフルン「えっ……うん、まあ……あいつも好きだよ」
なお「信じられない!同時に二人の告白するなんて……!」
ウルフルン「あいつには昨日、お前には今日したから一日空いてるぞ。同時じゃない」
なお「一日おきに告白する神経が分かんないよ!」
ウルフルン「オレ様はオオカミだからな。人間の尺度で当てはめるのやめてくれ」
なお「言っとくけど、わたしはその告白受けないからね!」
ウルフルン「そうか……別にいいぜ」
なお「あれ、いいの?」
なお「そっか、ちょっと誤解してたよ。ウルフルンってもっとひどい奴だと思ってたから」
ウルフルン「ウルッフッフッフ……オレ様は悪役だ。悪い奴に決まってるだろ!」
なお「へぇ~、悪いやつねぇ……。じゃあさ、みゆきちゃんにした告白は返事もらったの?」
ウルフルン「いや、もらってねぇ。無理強いはよくねえからな」
なお「悪役の割りには相手を思いやるんだね……見直したよ♪」
ウルフルン「おいおい、なんだ褒めてんのか……やめろよな」
なお「あのさ、今、時間空いてるなら一緒にサッカーしない?今日は誰も相手がいないんだ」
ウルフルン「いいぜ、やってやろうじゃないか。オレ様のテクを見て腰抜かすなよ!」
なお「望むところ!」
れいか(なおがウルフルンとサッカーを……!これは由々しき事態です!)
れいか「なお、昨日、川原でウルフルンとサッカーをしていましたね」
なお「うん。な~んだ、れいかも見てたんなら一緒に混ぜればよかったのに……」
れいか「なお、ウルフルンはバッドエンド王国の三幹部でわたし達の敵ですよ。馴れ合いは禁物です!」
なお「れいかは気にし過ぎだよ。ウルフルンって、案外いいとこあるんだよ。」
れいか「罠の可能性が十分にあります。隙を見てキュアデコルを奪うつもりかもしれません。もしくは……」
なお「れいか、やめてよ。確かにお互い闘ってきたけど、昨日ウルフルンとは友達になったんだ」
れいか「そんな……!なお、お願いだからウルフルンとの接触はやめて。わたしはあなたのことが心配で……」
なお「れいか……、気持ちだけは受け取っておくから。もうこのことには口を挟まないで」
れいか「なお………」
ウルフルン「今度はキュアビューティに狙いを定めてみるか」
ウルフルン「よぉ、キュアビューティ!元気がねえな」
れいか「ウルフルン!?何のようです!」
ウルフルン(だいぶ警戒されてるな。こいつには>>130でもしてみるか)
ウルフルン「キュアマーチと遊ぶためだからな。ウルッフッフッフ……」
れいか「くっ……!一体何を企んでいるのです!なおに危害が及ぶようでしたら承知致しませんよ!」
ウルフルン(キュアマーチのことがよほど心配なんだな。からかいがいがあるぜ!)
ウルフルン「キュアビューティ、お前はキュアマーチがオレ様と一緒にいるのが気になるか?」
れいか「当然です!わたしとなおは昔からずっと親友同士なんです。気にならない訳がありません!」
れいか「どうして敵であるあなたと友達になんて……!」
ウルフルン「言ってくれるじゃねえか。じゃあ聞くが、親友のキュアマーチがオレ様と友達になったことを否定すのは、あいつを信用してねえってことになるんじゃねえか?」
れいか「わたしがなおを信用していない!?そんなことありません!」
ウルフルン「どうかな……。信用してるんだったら、あいつの友達であるオレ様にもっと友好的に接してもいいんじゃないか」
れいか「なおに寄せる信頼とあなたへの敵意は別物です!一緒にしないください!」
ウルフルン(こいつもだいぶ堅物だな……親友が敵と友達になることに抵抗があるようだ……)
ウルフルン(だいぶストレスを溜めてるようだが、どうすっかな……)
ウルフルン(ここは>>150をしてみるか)
いいのか?
ゲスくなるぞ
げすくならないようにソフトで
自信はないがおk
れいか「突然なんですか?いきなりそんなことを聞くなんて失礼ですよ」
ウルフルン「ほう、じゃあ質問を変えるか……胸のサイズはいくつだ?」
れいか「な……!なんてことを聞くんです!更にひどくなってますよ!」
ウルフルン「じゃあ、この本見てどう思う?お前の感想が知りたい」
れいか「この雑誌ですか?あっ、こ、これは……!成人向け雑誌じゃないですか!やめて下さい!」
ウルフルン(ウルッフッフッフ………怒涛のセクハラ3連発!楽しいぜ!)
れいか「まさか、なおにもこんなことをしているのですか?やはり、あなたとの仲を認めるわけにはいきませんね!」ゴゴゴゴ・・・・・
ウルフルン(こいつに絶望を与えるどころか、とてつもなく怒らせちまったようだ!)
ウルフルン(どうするオレ様!?>>162)
ウルフルン「ま、待ってくれ!キュアマーチのことが心配なんだろ?」
れいか「もちろんです」
ウルフルン「オレ様とあいつは友達なんだぞ!」
れいか「先ほどの蛮行をなおに伝え、わたしがケリを付けておいたと後で報告します」
ウルフルン(こいつ……!オレ様を殺る気か……!こうなったら……)
ウルフルン「オレ様にいい案がある!キュアビューティ、オレ様を監視するんだ!」
れいか「監視……ですか。どういうことでしょう?」
ウルフルン「オレ様のことをずっと監視して、キュアマーチの友達に相応しくないと思ったら、その場でビューティブリザードでもなんでも撃ってきやがれ!」
れいか「良い覚悟です。わかりました、あなたのこと監視させていただきましょう」
れいか「では、参りましょう」
ウルフルン(下手な真似はできねえな。慎重にいかねえと……)
なお「ウルフルン来てくれたんだ♪あれ、れいかも一緒?」
ウルフルン「ああ、さっき会ってな……」
なお「どう、れいか?ウルフルンって結構いい人でしょ」
れいか「どうでしょうか……。先ほどわたしにハレン……むぐっ!」
ウルフルン「いや~ははは……、そんなことより早くサッカー始めようぜ!」
なお「うん!れいかも一緒にやらない?」
れいか「わたしは見てるだけでいいわ」
なお「じゃあ、ウルフルン。行くよ!」
ウルフルン「かかってきやがれ!」
れいか「今のところ問題は無いようですね」
ウルフルン(視線が気なるな……)
なお「……!今だ!」
ウルフルン「何!速え……クソ……!」
1 強引に止める
2 強引に止めない
>>185
なお「どうしたのウルフルン?今日はなんだかおとなしいよ」
ウルフルン「へっ、そうか……な!」ドシュ!
なお「あっ、やるじゃない……!そうこなくっちゃ!」
ワー ワー
れいか「楽しそう……ですね。なおの言う通り、わたしの杞憂だったかもしれませんね」
-------------
なお「じゃあね♪また、遊びに来てよ」
ウルフルン「おう、またな」
れいか「ウルフルン、わたしはあなたのことを誤解していたようです」
ウルフルン「お、分かってくれたか!」
れいか「なおと楽しそうにサッカーをするあなたを見て、安心しました」
ウルフルン「そりゃ良かった。じゃあ、監視もここまでだな」
れいか「いえ、まだあなたへの疑いは完全に払拭できていません。明日もじっくり監視させて頂きますから♪」
ウルフルン「マジかよ……」
ウルフルン「さて、どうする?」
1 約束をすっぽかす(報復を受けます)
2 約束を守る(いわゆるデートになります)
>>195
ウルフルン「行くならキュアビューティも楽しめる>>202なんかがいいな」
-次の日-
れいか「そろそろでしょうか。待ち遠しいですね」ソワソワ
ウルフルン「よお、早いじゃねえか」
れいか「……!?お、おはようございます!今日もしっかり監視させていただきますから……!」
ウルフルン「おう、好きなだけ監視してくれ」
れいか「今日はどちらへ行かれるんですか?」
ウルフルン「動物園だ。昔の仲間がいるかもしれねえからな」
れいか「そうなのですか……ウルフルンはお友達想いなんですね♪」
ウルフルン(冗談だって……)
ウルフルン「じゃあ入るか。大人1枚、中学生1枚」
れいか「いえ、わたしの分は自分で払いますから……!」
ウルフルン「細かいことはいいじゃねえか。さっさと行くぜ」
れいか「お気遣い、ありがとうございます」
ウルフルン(小さな女の子同伴で割り勘は恥ずかしいしな)
ウルフルン「キュアビューティ、お前はどんな動物が好きなんだ?」
れいか「わたしですか?凛々しくて、かっこいい、ワイルドな動物さんがいいです///」
ウルフルン「ほう……」
れいか「あと、お話ができたら最高です♪」
ウルフルン「そりゃ無理だろ。お前も随分メルヘンチックなんだな」
れいか(あれ?気づいていらっしゃらないのでしょうか……)
ウルフルン「さ~て、まだ見てないやつがあるな……。もうちょい見て回るか?」
れいか「はい♪」
ウルフルン「いいってことよ。これでオレ様の監視はもう十分だろ?」
れいか「はい、ウルフルンがとても素敵な方だとよく分かりました」
ウルフルン「おいおい、褒めたって何もでねえぞ」
れいか「わたしの本心です。見返りなんていりません」
れいか「それでは、ごきげんよう。今度はわたしがデートにお誘いしますね♪」
ウルフルン「お、おう。楽しみにしてるぜ」
ウルフルン(絶望を与えられてるんだろうか………)
ウルフルン「まっ、いいか!」
あかね「あんな親しげに話して……どういうことなんや」
あかね「明日、聞いてみよ」
-次の日-
あかね「おはよーさん、れいか」
れいか「おはようございます、あかねさん♪」
あかね「おっ、なんか上機嫌やな。いいことあったんか?」
れいか「ええ。昨日はとても楽しいことがありましたから♪」
あかね「ウルフルンと一緒に遊んだことやな……」
れいか「見ていらっしゃたのですね?ええ、その通りです」
あかね「大丈夫なんか?この前はみゆきが連れ去られてもうたし、危険な目に遭っとらんよな?」
れいか「心配しないでくだい。ウルフルンは悪い人じゃありませんよ♪」
あかね「そ、そっか……。れいかが言うんやったら間違いはあらへんな」
れいか「ええ♪」
あかね(なんや、れいか楽しそうやな。ウチもウルフルンと遊んでみたくなったわ……)
ウルフルン「こいつらにも絶望を与えて戦意を失わせたいとこだな」
ウルフルン「まずは、キュアサニー。あいつに>>250をしてやろう!」
-----------
-放課後-
あかね(今日はふしぎ図書館でみんなと待ち合わせやな。はよ行かんと!)
あかね(ん?家の前で立ってるんは………ウルフルン!?)
ウルフルン「おっ、いいところに来たな。お前を待ってたんだ」
あかね「ウチを?何の用なん?」
ウルフルン「じつは、この前食べたお前のお好み焼きがうまくてな」
ウルフルン「ぜひ教えてもらえたらな~っと思って来たんだ」
あかね「えっ……ホンマか!?」
ウルフルン「ああ、この通りだ!お前のうまいお好み焼きの作り方を教えてくれ!」
あかね「しゃーないな~。このあかねちゃんが特別に教えたってもええで」
ウルフルン「本当か!ありがたいぜ!」
あかね「その代わりビシビシしごいたるから覚悟せえよ!」
ウルフルン「ああ、もちろんだ!」
やよい「ど、どうなってるの……?」
あかね「ほら、ウルフルン!焼く時は押さえつけちゃアカンっていうたやろ!」
ウルフルン「つい、癖で……」
れいか「あかねさん、いいではありませんか。よく焼けていると思いますよ」
みゆき「うんうん♪オオカミさんのお好み焼きすっごく美味しいよ」
ウルフルン「そ、そうか///」
なお「さっきのもう食べちゃった……おかわりってあるかな?」
ウルフルン「おう、待ってろ!すぐに焼いてやるぜ!」ジュー
あかね「そうや、その調子やで!いい焼き加減や」
ウルフルン「こんだけ焼いたんだ、もうバッチリだぜ!」
やよい「ウルフルンがすごくみんなと馴染んでる……」
あかね「ええって。ウチもお好み焼きを美味しいって言ってもらえて……その嬉しかったし……///」
ウルフルン「そうか。迷惑じゃなかったか?」
あかね「全然そんなことあらへんって……!また遊ぼうな、ウルフルン♪」
ウルフルン「おう!」
みゆき「ねえ、オオカミさん。またあのバイクに乗せてよ♪」
ウルフルン「いいぜ。今度はもっと遠出してみるか?」
みゆき「やった♪」
なお「わたしとサッカーの練習は?」
ウルフルン「そうだな……。今度の土曜日でどうだ?」
なお「オッケー!新しい技を練習しておくから楽しみにしててね」
れいか「あの、私とのデートは……」
ウルフルン「……日曜日で、いいか?」
れいか「はい♪」
やよい「なんで?どうなってるの!?」
ウルフルン「しかし、キュアピースとはあまり仲良くなれてないのが不安だ」
ウルフルン「あいつのせいでプリキュア共の闘志が復活すると厄介だからな」
ウルフルン「キュアピースには、>>315で絶望に突き落としてやるぜ!」
おい
------------
アカオーニ「行くオニ!スーパーアカンベェ!」
スーパーアカンベェ「スーパーアカンベェ!!」ドガッ
キュアハッピー「きゃあぁぁぁ!!」
キュアピース「ハッピー!」
スーパーアカンベェ「スーパーアカンベェ!!」
キュアピース「ひっ……!」
ウルフルン「おらぁ!」ガシィ
スーパーアカンベェ「…………!?」
アカオーニ「何のつもりオニ、ウルフルン!仲間を裏切るオニか!?」
アカオーニ「うがぁ……!しょ、正気に戻るオニ!」
ウルフルン「キュアピースには指一本触れさせねぇ!」バキッ ドガッ
アカオーニ「ひ、ひどいオニ……ぐはっ……!」
キュアピース「ウルフルン……///」キュン
キュアハッピー(あれ、わたしのためには怒ってくれないの……?)
アカオーニ「やめるオニ!今回もデコルが奪われたらオレ様は左遷オニ!」
ウルフルン「うるせぇ!お前が余計なことしなきゃ良かったんだよ!」バキッ
アカオーニ「理不尽オニ~~~!!おぶっ……!」
プリキュア レインボーバースト!!
アッカンベェーー………
プリキュア「輝け!ハッピースマイル!」
ウルフルン「よくやった。プリキュア共……」
アカオーニ「あんまりオニ……」ボロボロ
ウルフルン「なんだ、キュアピース?言っておくがオレ様はもとから戦う気なんてないぞ」
キュアピース「そうじゃなくて……!さっきは助けてくれてありがとう///」
ウルフルン「へっ、礼なんかいらねえよ。オレ様にはオレ様の都合があるからな……」
キュアピース「それでもお礼を言いたいの。それに、わたしを守ってくれた時のウルフルン、すごくカッコ良かったよ……///」
ウルフルン「おいおい、プリキュア共はなんで、みんなそうオレ様を褒めたがるんだ……調子が狂うぜ」
キュアピース「えへへっ♪またね!」
ウルフルン「ああ、じゃあな」
ウルフルン(どうやら好感度が上がったらしいな。念には念を入れてキュアピースには>>333をしとくか……)
やよい「はぁ……ウルフルンって、どうしてあんなにカッコ良いんだろ……///」
やよい「気づかなかった……」カキカキ
やよい「こう、目元が鋭くて、歯並びが良くて……すごいイケメンさん///」カキカキ
ウルフルン「おお、なんだ。オレ様を描いているのか?上手いじゃねえか」
やよい「きゃっ……!う、ウルフルン!?どうしてここに……?」
ウルフルン「お前に会いに来たんだよ、キュアピース」
やよい「えっ……!(ドキッ)」
ウルフルン「ウルッフッフッフ……!もっとよく絵を見せてみろよ」
やよい「そ、そんな……あぁ……!」
やよい(あわわ、ち、近いよ~~!!)
ウルフルン(この距離で拒絶は無しか……もうここはオレ様の距離だな!)
やよい「や、やめて……!嗅がないで~~!」
ウルフルン「もう我慢できねえぜ……いいよな?」
やよい「えっ、な、何をするの?」
やよい「ひゃぁ!もう、ウルフルンったら……///強引なんだから///」
ウルフルン「いい抱き心地だ。お前を抱き枕にして眠りたいもんだぜ」
やよい「だ、抱き枕にして寝る!?ダ、ダメだよ、そんなこと!!まだ早いよ!」
ウルフルン「嫌ならしょうがねえ。だが、今だけはいいよな?」
やよい「う、うん……///」
ガチャッ
ウルフルン・やよい「……!?」
あかね「何やコレ……どういうことや?」
なお「ウルフルン……見損なったよ!」
れいか「やはりあなたはバッドエンド王国の住人。相容れない定めのようですね!」
やよい「み、みんな……これはその……」
あかね「やよいは黙っててーな」
やよい「はい……」
ウルフルン「どうしたお前ら。なんか怒ってんのか?」
ウルフルン(気配がやべぇ……ここは慎重にことを運ばねえと大変なことになるぞ!)
1 プリキュア達にそれぞれ愛してると語る
2 今まで行なってきたことが作戦だと伝え、愛情の欠片もないことを言って突き放す
3 じゃあな シュンッ (逃走)
>>348
ウルフルン「もちろん好きだ!ただ世界で一番好きな奴が5人に増えただけなんだ!同率1位なんだ、分かってくれ!」
みゆき「ひどい……!うっ……でも、嬉しい……///」
ウルフルン(よし!)グッ
れいか「いまガッツポーズをしましたね?みゆきさんは騙されても、わたしは騙されませんよ!」
ウルフルン「キュアビューティ、お前とのデートも随分したが、その時オレ様の目には一体誰が映っていた思う?」
れいか「そ、それは……」
ウルフルン「ん?答えられるだろ」
れいか「わ、わたしですか……?」
ウルフルン「そうだ、この目を見ろ。オレ様の瞳に映るのはいつだってお前の美しい姿だ……!」
れいか「ああんっ……///」ゾクゾク クテッ
ウルフルン(これで二人目だ!)グッ
なお「許せない……!」
ウルフルン「人聞きの悪いことを言うな。オレ様はいつだって真剣にお前らと向き合ってきたはずだ」
なお「信じられないよ!」
ウルフルン「キュアマーチ、お前とのサッカーの特訓は夢や幻じゃねえぞ」
なお「それは、そうだけど……」
ウルフルン「新しい技もいっぱい練習したよな?お前とオレ様の絆は、その新しい技にも宿ってるんだぞ!」
なお「ウルフルン……///」
ウルフルン「これからも一緒にサッカーしような?」
なお「うん……、これからもずっと一緒だよ♪」
ウルフルン(残りは二人だ!)グッ
なお「ごめん、あかね。わたしはウルフルンと添い遂げるよ。心配しないで」
あかね「アカン!それは許されない恋や!」
あかね「ここまでやるとは、さすがやな!でも、ウチはそう簡単にはオトされへんで!あんたの悪巧みもここまでや!」
ウルフルン「悲しいことを言うなよ。キュアサニー……」
あかね「えっ……?」
ウルフルン「オレ様は悪巧みでこんなことしてる訳じゃねぇ。本気でお前らを愛してるからこんなに真剣なんだ!」
あかね「それでも……、5人と付き合うなんておかしいと思わへんのか?」
ウルフルン「お前はオレ様が嫌いなのか?」
あかね「そんなこと………あらへん……///」
あかね「ウルフルン……///」
ウルフルン「お前は好きな相手が5人いるというだけで、オレ様との絆をふいにしちまうつもりか?」
あかね「もうダメや……ウルフルン!ウチも一緒にいさせて///」
ウルフルン「ああ、ずっと一緒だ」
ウルフルン(よし!残りは一人だ!)グッ
※
いやでも俺毛深いから狼っぽいと言えなくもないぞ?
それってどっちかっていうとキュアゴリr…
しーーーっ!
ウルフルン「キュアピース、お前は来てくれるか?オレ様のハーレムに」
やよい「いいの?」
ウルフルン「オレ様は愛する者を拒まずだぜ」
やよい「やった♪ウルフルン大好き!」
ウルフルン「ああ、オレ様もだ!ウルッフッフッフ!」
ウルフルン(危機は脱したぜ!)
ジョーカー「まさか、ウルフルンさんがプリキュア側に寝返るとは……ぐふっ!」
マジョリーナ「とんだ誤算だわさ……!」
アカオーニ「この裏切り者オニ~~!!」
ウルフルン「悪いな、みんな。どうやら、オレ様にはハッピーエンドが性に合ってるようだ」
ウルフルン「お前らもハッピーエンドってのを体感してみな。考えが変わるぜ」
キュアサニー「ウチも新作のお好み焼き、食べて欲しいんやけど……」
キュアピース「ウルフルン……。このあとスケッチのモデル、してくれる?」
キュアマーチ「今日はサッカー、ダメなのかな?」
キュアビューティ「わたしとのお出掛けはいつになさいますか?」
ウルフルン「はぁ~。そうだな、今日はみんなで一緒に遊ぶでどうだ?」
プリキュア「賛成~~!!」
ウルフルン「ウルッフッフッフ……!ハーレムってのも大変だぜ!」
ジョーカー・マジョリーナ・アカオーニ(羨ましい……!)
ウルフルンハーレムend
読んでくれるひとがいて心強かったです
さいなら~
楽しかったよ
乙楽しかった
Entry ⇒ 2012.09.16 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
P「アイドルが不安にならないよう彼女がいると嘘をついた」
P「嘘も方便、これがアイドルのためだ」
続かない
P「まずは春香に自然と話を振ることから始めよう!そうすれば自然と伝わるだろう!よし!」
春香「おはようございます!」
P「おぉ、春香か。おはよう!」
春香「あ、プロデューサーさん!何かいいことでもあったんですか?」
P「ん~?いや、別にそういうわけでもないんだけどさ」
春香「もーわかりますよ!だって、せわしないですもん!」
P「流石春香ってところか~」
春香「ふふ~ん、女子はそういうところ強いですからねっ!」
P「おー怖い怖い。おっ……」
春香「あ、携帯……私じゃない?」
P「あぁ、悪い。俺だ」
春香「あ、はい」
P「ちょっとすまん。あ、もしもし?いや、今仕事中なんだけどなぁ」
P「あ~大丈夫。今日は夕飯に間にあうように行くって」
春香「!?」
P「うん、ありがとうな。それじゃ」
春香「……」
P「おっと、すまんすまん。それで、なんだっけか」
春香「えっと……プロデューサーさん、今の……」
P「ん?あぁ~……その」
春香「……」
P「まあ、一応彼女だな」
春香「……え?」
P「どうせだからもう言っちゃうけどな。でも、今頃になって思うとちょっと遅かったかなぁとも」
春香「遅かった……?」
P「お前らも、男が俺くらいしかいない中で仕事するの不安だろ?だから、さっさと彼女でも作っとくべきだったんだろうけど」
P「これがモテない男でさ俺。でも、今回は仕事関係でちょうど食事する機会があったから」
P「まあ週刊誌は売れて来れば売れてくるほど無茶なこと書いてくるからな」
P「俺との報道とか噂になっても困るし、ぶっちゃけ俺も幸せっていうか?あ、ごめんなこんなことわざわざ」
春香「い、いえ……そういうことですか~なんだ、言ってくださいよ~!」
P「いや、すまんすまん。わざわざ言うようなことでもないだろ?」
春香「……他の人には?」
P「あーまだ言ってない。でも、直に伝える予定ではあったんだけどな」
春香「そ、そうですかぁ……」
P「あ、そろそろ時間だ。それじゃな春香。頑張ってこいよ」
春香「あ、は、はい!」
春香「……プロデューサーさんに、彼女かぁ」
春香「はぁ……無理だろうとは思ってたけど、やっぱり辛いなぁ……」
春香「……みんなにも言うって言ってたし、私から伝えてもいいよね」
春香「……あ、もしもし千早ちゃん?」
春香「う、うん実は……」
千早「プロデューサーに、彼女ねぇ」
春香「私、びっくりしちゃって……」
千早「……春香はプロデューサーのこと好きだったんでしょ?」
春香「え!?そ、そんな!す、好きって言うかその……憧れって言うか…・・・・うぅ」
千早「はぁ……気になるんでしょ?」
春香「え?……う、うん」
千早「それじゃ、私が明日聞いてあげるわ」
春香「ほ、ホント……?」
千早「まだ、相手だって付き合ってる段階なんだから。諦めちゃダメよ?」
春香「うぅ……ありがとう千早ちゃん……」
千早「いえ、いいのよ。私だって、まだプロデューサーを失いたくないもの……」
春香「?」
――
P「おぉ、千早か。おはよう」
千早「プロデューサー、来て早々すみませんが、ちょっといいですか?」
P「ん?どうした?」
千早「その、春香から聞いたんですけど……」
P「春香……あぁ、もしかして彼女のことか?早いな、流石は女子高生だ」
千早「えぇ、まあ。それでも、どんな人なのかと思いまして」
P「千早もそういうの気になるのか?」
千早「え、えぇ……まあ」
P「どんな人……か」
千早「あ、でもプライベートなことですし深く聞くつもりはないので……」
P「……言うなら近くにいる人かな」
千早「……近くに?」
P「あぁ。だから、俺も安心して任せられるというか」
P「まだ、何かあるか?」
千早「い、いえ。わざわざありがとうございました。それと、すみません」
P「いやいや、いいんだ。俺も話さなきゃとは思っていたし」
千早「はい。それではレッスンに行ってきます」
P「おぉ、行ってらっしゃい。……ふぅ。危ないな……細かい設定を決めておかないとボロが出そうだ」
P「まあ、近くと言っておけば下手に物色される恐れもないだろうし、まずは大丈夫だろう」
千早「春香に連絡……あ、仕事中かしら」
千早「……近く、まさか私たちの中に?……まさかね」
千早「でも、そんなことがあったとしたら?……情報を集めなきゃ」
千早「……もしもし、あずささんですか?」
あずさ「あら、千早ちゃん?どうしたの?」
千早「いえ、ちょっとお話したいことがありまして……時間、ありますか?」
――
千早「あ、あずささん。すみません、急に呼び出して」
あずさ「いいのよ、ちょうど暇してたところだし。こちらこそごめんなさい、来るとき迷っちゃって」
千早「いえ、大丈夫です。そこに入りましょうか」
あずさ「それで?お話って言うのは?」
千早「……プロデューサーさんに、彼女がいるって話知ってますか?」
あずさ「え?そうなの?初耳だわ~……」
千早「……どう思いますか?」
あずさ「プロデューサーさんの自由だから、私がどうこう言えるわけじゃないけど~って言っても、正直残念、かな」
千早「……」
あずさ「それはどこからの情報なのかしら?」
千早「あ、えっと、まず春香から聞いて。その後プロデューサーから直接」
あずさ「それで今事務所からここに?」
千早「あ、いえ。レッスンが終わってからですね」
あずさ「おかしいわねぇ……実は、来るときにプロデューサーさんらしい人を見かけたのよ」
あずさ「相手の姿は見えなかったけれど……車に乗っていたところだったかしら」
千早「そうなんですか……」
あずさ「でもあれ……なんというか、真っ黒い車で高そうだったわぁ」
千早「……まさかそんな」
あずさ「千早ちゃん、疑ってる?」
千早「えっ!?あ、いえ、そういうわけじゃ……」
あずさ「ふふっ、わかるわよ。みんな、プロデューサーさんが大事だものねぇ」
あずさ「千早ちゃんが思ってることが私の予想と同じなら、そうねぇ。伊織ちゃんとかに聞いてみたいんじゃない?」
千早「……えぇ。でもまさか……プロデューサーは近くの人、って言ったんです。……だからって」
あずさ「気持ちはわかるわ。でも、きっと思ってるようなことは無いはず。大丈夫よ。それと、春香ちゃんにも連絡した方がいいんじゃない?」
千早「あ、そうですね……あずささん」
あずさ「うん?」
千早「なんというか……すごく頼りになります」
あずさ「そりゃ……運命の人がかかってますものね」
あずさ「……伊織ちゃん?私、あずさですけど」
伊織「あずさ?どうしたのよ急に」
あずさ「あ、いえ。ちょっと聞きたいんだけどいいかしら?」
伊織「あ~今ちょっと……バ、バカ!声出さないでよ!今あずさから電話が来てるのよ!」
あずさ「……伊織ちゃん?」
伊織「え?あ、ううん、なんでもないの。そうねぇ、あと数十分したら事務所につくけど、それでもいい?」
あずさ「……えぇ、大丈夫よ」
伊織「それじゃ、また後でね」
あずさ「……伊織ちゃん、そんなこと……」
春香「もしもし千早ちゃん?ごめんさっき電話でられなくて!」
千早「いえ、いいのよ」
春香「そ、それで……どうなった?」
千早「あずささんに話してみたの。そしたらそれらしきところを見た、っていう話で」
春香「それらしきところ……相手がわかりそうなの?」
春香「そっか……でも、私たち悪いことしてないかな?」
千早「え?」
春香「元はと言えばプロデューサーさん、私たちのために彼女を作ってくれた。って」
千早「それ、どういうこと?」
春香「男は俺だけだから、フリーだと不安だろーって。……ホント、プロデューサーさんって鈍感」
千早「……なるほどね」
春香「どれだけの人に好意を持たれてるか、わかってないんだよプロデューサーさんは」
千早「……そうね。じゃあ、一言お礼の気持ちを伝えるって言うのはどうかしら?」
春香「えっ?」
千早「何を言っても、やっぱり私たちはアイドルなのよ。あっちはプロデューサー。……だから、もし諦めるというか」
千早「春香が、相手のことを認められるなら、プロデューサーのことをお願いするために一言言いに行くだけでもどうかなって思ったんだけれど」
春香「……」
千早「……春香?」
春香「うん、そうだよね……プロデューサーさんにとって、やっぱりそれが一番現実的、だよね……」
春香「大丈夫!私、それでもプロデューサーさんのこと、追い続ける。トップアイドルになって……それで」
千早「……そうね。それじゃ、他のメンバーのところに行きましょうか」
春香「あっ、それじゃ私は……プロデューサーさんに連絡してみる」
千早「どうして?」
春香「いくつか聞きたいことが、あるというか。……ごめん」
千早「……わかったわ。ちゃんと待ってくるからけじめをつけてきて」
春香「うん……ありがとう、千早ちゃん。それじゃ」
伊織「あら、あずさの方が先についてるなんて」
あずさ「……」
伊織「……何よ、改まっちゃって。今のが気に障ったのなら謝るけど」
あずさ「……伊織ちゃん」
伊織「……何?」
あずさ「一緒に乗ってたの、誰?」
伊織「っ!!」
伊織「そ、そりゃ送ってもらったのよ」
あずさ「でも、さっきの電話で声が聞こえたの」
伊織「っ……あれで」
あずさ「……やっぱりいるのね」
伊織「……どうしてそれを」
あずさ「偶然、見ちゃったのよ。街中で」
伊織「そういうこと……まあ、隠してた私たちが悪いんだけど」
あずさ「やっぱり伊織ちゃん……」
伊織「なんとでもいいなさい。でも、仕方なかったの」
あずさ「……」
伊織「……いいわ、入って来て」
亜美「うわーばれちったか~。流石はあずさお姉ちゃんだねぇ」
あずさ「……亜美ちゃん?」
伊織「ちょ、ちょっと亜美!あんたが早く早く言うからこうなったんじゃないの!」
あずさ「ちょ、ちょっと二人とも……一体どういうこと?」
亜美「ふぇ?え、あずさお姉ちゃん気が付いてたからいおりんに言ったんじゃないの?」
あずさ「え、えっとそれは亜美ちゃんだと思わなくて……」
伊織「亜美が急にハーゲンダッツが食べたいとか言い出して、仕方ないから車を出していくことになったの」
亜美「ちょっといおりん!それはいおりんも賛成してたじゃん!」
伊織「そ、それはいいのよ!……あずさも休みなのは知ってたんだけど、つい欲が出ちゃって」
亜美「一人一つって決まってるんだけど、竜宮って名前使ったら三つもらえるじゃん!ってなって」
あずさ「それで……私の分を二人で食べたと……」
亜美「ごめんなさい!」
伊織「……その、悪かったわよ」
あずさ「……ふふっ」
伊織「な、何よ…・・・」
亜美「な、なんか怖いよあずさお姉ちゃん……」
伊織「悪かったってば……」
あずさ「ふふっ、それは大丈夫。むしろ、救われたわ。亜美ちゃんも」
亜美「あずさお姉ちゃん……」
あずさ「でも、次は私も誘ってね?」
伊織「も、もちろんよ……」
亜美「次はちゃんと亜美の分で返すから!」
伊織「アンタの分も私が出してるのよ!……っていうか、それじゃ勘違いだったってこと?」
あずさ「えぇ……というか、その話が残ってたわね」
伊織「プ、プロデューサーに……」
亜美「兄ちゃんにかのじょーー!!?」
あずさ「えぇ……」
伊織「な、なんであいつ急に……」
亜美「くっ……ついに亜美達だけでは満足できなくなったかあの狼さんめ……」
あずさ「ど、どこでそんなことば覚えたの亜美ちゃん……それで、今までの話と合わせると――」
真「千早?どうしたの?」
千早「今、大丈夫かしら?」
真「あ、うん。平気だけどどうかした?」
千早「ホントは電話で話したくないんだけれど……今どこ?」
真「あ、えっとちょうど雪歩の家に来てるところなんだ。来る?」
千早「いいのかしら?急にお邪魔しても」
真「うん、全然大丈夫だよ、ね、雪歩。……うん、大丈夫だって」
千早「わかったわ、それじゃ今から向かうわね」
伊織「ということは、その車って言うのが大きなヒントかしら……」
亜美「真っ黒ってことは、やっぱりいおりんみたいな大金持ち?」
伊織「そうとも限らないわ。借りてる車とか、いろいろあるもの」
あずさ「う~ん、どうしましょうか……」
亜美「とりあえず、亜美は真美にメールすんねー」
伊織「私は、一応やよいに連絡してみるわ……」
亜美「ねーあの兄ちゃんにカノジョとかありえないっしょー」
真美「……」
亜美「真美?」
真美「兄ちゃん……」
亜美「真美、もしかして兄ちゃんのこと好きだった?」
真美「ふぇっ!?そ、そんな、そんなこと!」
亜美「ふーん、まあ亜美は好きだったけど。カノジョはちょっとねー年離れてるし?」
真美「あっ……そうだよね……」
亜美「んーまあとりあえずこっちきなよー」
真美「う、うん、わかった……」
亜美「んじゃねー」
真美「はーい。……兄ちゃん」
――
伊織「そうなのよ……」
やよい「でも、彼女って何をするのかな?」
伊織「えっ?そ、それは……毎日ごはん作ってあげたり、いろいろしてあげるのよ」
やよい「そうなんだ~。伊織ちゃんは?」
伊織「え?」
やよい「彼女には、なりたくないの?プロデューサーの」
伊織「な、な、ななんでそうなるのよ!なんで私がわざわざあんな奴の世話なんて……」
やよい「でも、伊織ちゃんプロデューサーのお手伝いしてるときすっごく楽しそうだよ!」
伊織「し、知らないわよ!いいからとにかく事務所に来なさい!いいわねっ!」
やよい「あ、うん」
やよい「プロデューサーに彼女か~」
やよい「私も、そういう風になるのかな?あ、長介に彼女とかいたりするかな?あ、とりあえず支度しなきゃ!」
――
伊織「そりゃこんなの広がらない方がおかしいわよ……」
亜美「あ、あれ?何の音だろ……」
あずさ「……車?ここで止まって……あ、あれよさっきの車!」
伊織「なんですって!ちょ、ちょっと待って!ってことはここに来るんじゃない?」
亜美「ど、どうしよう!と、とりあえず隠れなきゃ!」
あずさ「そうね……給湯室で……ばれないかしら」
ガチャッ
ゴクリ…
P「ふーやっと終わった」
??「そうですねー」
P「ここまでついてきてもらって、すみません」
??「いえいえ」
亜美「こ、この声は……ピヨちゃん!?」
あずさ「……」
小鳥「いやぁーでも、快適でしたねぇ」
P「たまにはああいうのもいいかなと!」
小鳥「流石ですね!」
伊織「……普通の会話みたいね」
あずさ「……私の勘違いだったのかしら」
P「……さて。アイドル達もみんな仕事かな?」
小鳥「やだなぁ、みんな帰ったんですよ。今日は午前中で」
P「あ、そうでしたね。うっかり」
小鳥「もーちゃんとスケジュール管理しなきゃダメですよ?」
P「すみません。何せ、気になっちゃうことがあってつい」
小鳥「……プロデューサーさん?」
小鳥「……えぇ」
亜美「ちょ、ちょっと!いい雰囲気じゃない!ねぇいおりん!」
伊織「あんたちょっと黙ってなさいよ!……まさか、小鳥……」
あずさ「……奥の方に行ったのかしら、聞き取りずらいわね……」
P「……ね」
小鳥「……はい」
P「……小鳥」
亜美「わー!!い、今小鳥って!小鳥って言ったよね!むぐぐぐぐ……」
伊織「あの後……声がしない、こ、これって……」
あずさ「……」
小鳥「……えぇ」
ガチャッ
小鳥「……ふぅ。さてと」
小鳥「……ん?きゃああああ!!」
~
小鳥「び、びっくりさせないでよ……ど、どうしたの3人そろって……」
亜美「……」
伊織「……」
あずさ「……」
小鳥「え、えっ?」
亜美「ピヨちゃん……亜美たちに黙ってたなんて……」
小鳥「ちょ、ちょっとどういうこと?」
伊織「とぼけても遅いわよ……事務所で、そ、そんな……やめてよね」
小鳥「な、何が……?一体……って、もしかして話、聞いてた……?」
伊織「後で、なんてしっかり約束まで取り付けちゃって」
小鳥「あ、あれは!」
あずさ「小鳥さん?」
小鳥「は、はい……」
あずさ「……」
小鳥(ま、満面の笑み……吐かないと、身の危険を感じる……)
小鳥「わかりました……言いますよ」
伊織「もう言い訳はいいから。何をしたかはっきり言いなさいよ」
小鳥「はい……経費で飲み会を、しようとしてました……」
亜美「え?いや、そうじゃなくてさ。兄ちゃんと奥に行ったとき、なんかいい感じだったじゃん」
小鳥「奥?……あぁ、一応律子さんとかが聞いてたらまずいじゃない」
あずさ「それじゃ、その……小鳥、とかっていうのは」
小鳥「え?うーん……焼き鳥のおいしい店でを食べる約束はしてたんですけど、それかなぁ?」
伊織「そういえば、最初に小鳥だの奥だと言い出したのってアンタよねぇ……」
亜美「えっ?ちょ、ちょっといおりん!亜美のせいにするのっ!?」
あずさ「まあまあ……はぁ、でもホッとしたけど疲れちゃったわねぇ……」
小鳥「い、いったい何が……で、でも私が悪いわけじゃなさそう!」
伊織「経費を使おうとした人間が何を」
小鳥「……すみません」
あずさ「……あら?貴音ちゃん……もしもし?」
あずさ「そ、それホント貴音ちゃん!?」
貴音「間違いないかと思いますが、なにとなく景色を眺めながらの上、らぁめんに夢中になっていたので相手までは……」
あずさ「大丈夫。わかったわ、場所はどこかしら?」
貴音「今ここは……と、それより判断が早いようですが、もしかして心当たりが?」
あずさ「えぇ、実は今……」
あずさ「それにしても、どうして私に?」
貴音「他のものに伝えるには、少々スキャンダラスかと思ったのですが、大げさだったようですね」
あずさ「そんなことないわ、ありがとう」
貴音「それで、どうするのですか?このまま、追求を深めるつもりで?」
あずさ「……貴音ちゃんはどう思う?」
貴音「皆があの方のことを心配なのはわかりますし、私も同じ気持ちです。ですが、卑怯なまねはしなくありません」
あずさ「……そうね。とりあえず、みんなに連絡をとってからでもいいかしら?」
貴音「わかりました。それでは私もそちらに向かいましょう」
千早「おはよう萩原さん、お邪魔するわね」
真「千早、おはよう」
千早「おはよう真。二人とも急にごめんなさい」
雪歩「大丈夫だよ、お話してただけだし、ね真ちゃん?」
真「うん、それに人は多い方が楽しいしね。あ、それで話があったんだっけ」
千早「えぇ、あいにく楽しい話にはならないと思うけど…」
雪歩「か、彼女……ですかぁ?」
千早「私は見たことがないのだけれど、目撃情報や本人からの話もあるの」
真「……でも、どうして急に」
千早「フリーだと私たちが不安になるんじゃないか、というのがひとつの理由だそうよ」
千早「でも、ただ彼女ができたという話になっても不思議じゃないわよね」
真「そういうことかぁ……」
千早「萩原さんが悪いわけじゃないわ。ともかく、私は今相手を探してるの」
真「相手?どうしてそんな、千早らしくないけど」
千早「少なくとも、みんなプロデューサーのこと嫌いじゃないでしょ?このままだと、会社を辞めることにもなりかねないし」
千早「一応、挨拶をしておきたい。っていう希望があったから」
雪歩「なんとなくわかるかな……プロデューサーのこと、きっと好きだった人は辛いと思うし……」
真「僕だって、正直プロデューサーに彼女が出来たって聞いてちょっと悔しいなって思っちゃった」
真「でも、プロデューサーが決めたことなんだし、ちゃんとお祝いしてあげたいよね」
千早「えぇ、そうね。それで手がかりなんだけど……あら?あずささんから……」
亜美「どんどん広まって行きますなぁ」
伊織「ということは、あとは美希と響かしら」
あずさ「美希ちゃんには、言ってくれるそうよ?響ちゃんの方は……」
貴音「私が引き受けましょう」
亜美「おぉーグッドタイミングだよお姫ちん!」
伊織「まあ、それが得策よね」
小鳥「一体なんの話をしているのから……」
亜美「どうだったー?」
あずさ「あちらも協力するそうよ。でも、先に美希ちゃんと合流するみたいね」
伊織「確かに今回の話を一番しづらいわよね……大丈夫かしら」
亜美「まあ千早お姉ちゃんとかまこちんとは仲いいし大丈夫っしょ!」
真美「おはおはー」
伊織「あら、真美。遅かったわね」
やよい「遅くなりましたー!」
亜美「おーやよいっちまで」
やよい「ごめんね伊織ちゃん、遅れちゃって」
伊織「いいのよ、こっち勝手に呼んだんだし」
真美「ちょっといおりん!真美の時は厳しかったのになんでやよいっちだけ!」
伊織「え?別に、意識してなかったけど」
亜美「いおりんはやよいっちにゾッコンですからなぁ~それこそ彼女なんじゃない?」
伊織「ばっ!な、何言ってるのよ!」
響「貴音か?言われた通り散歩しながらみてたらプロデューサーを見つけたぞ」
貴音「何!?それは誠ですか響!」
響「あ、あぁ……2人組で歩いてて、もう片方は……多分あれは律子だな」
貴音「……そうですか。助かりました、わざわざありがとう響」
響「一体何があったんだ?」
貴音「それは……事務所にくればわかることでしょう。ちなみに律子嬢とプロデューサーはどちらに?」
響「あ、えっと、すぐ分かれてから、プロデューサーはわからないけど律子は事務所の方向に歩いていったみたいだ」
貴音「わかりました。それではまた後ほど」
貴音「響から連絡がありまして、どうやらプロデューサーと彼女が歩いているのをみたと」
真美「えぇ!?それマジ?ひびきんすごっ」
伊織「それで?相手はわかってるの?」
貴音「……律子嬢だと」
亜美「え……?」
真美「それホント、お姫ちん?」
貴音「実は、くる前に響に連絡を取り、もし外に出ることがあれば少し気にしてほしいと伝えておいたのです」
伊織「ふーん……ペットの嗅覚、ってまさかねぇ」
あずさ「でも貴音ちゃん、律子さんで決まったわけじゃないんでしょう?」
貴音「確かに話を聞いただけですが、あずさの話では身近にいると。ならば自然と限られてくるでしょうし」
伊織「確かにもう律子くらいしか残ってないものね……」
亜美「りっちゃん……」
やよい「あの、ここにいない皆さんは?」
亜美「んとね、千早お姉ちゃんがゆきぴょんとまこちんと会って、これからミキミキに伝えるって言ってたかな」
真美「んーやっぱりりっちゃんしかいないっぽいねー」
やよい「でも、それだけじゃまだ足りないような……」
真「正直誰でも大丈夫だとは思うけど、今回の件に一番詳しいの千早だしね」
千早「……萩原さんもそれでいいの?」
雪歩「うん、美希ちゃんきっと聞いたら傷ついちゃうと思うし、慕ってる千早ちゃんがいいかなって」
千早「……それなら、わかったわ」
千早「……。……。…美希?」
美希「その声は千早さん?どうしたの、今日お休みでしょ?」
千早「実は、話したいことがあって」
美希「ミキ、あんまり難しい話はトクイじゃないから、千早さんの希望に応えられるか、わかんないよ?」
千早「えぇ、大丈夫。そのかわり、落ち着いて聞いて?」
美希「わかったの」
千早「……実は」
千早「だから、無茶なお願いかもしれないけど、でも受け入れて欲しいの」
千早「やっぱり釣り合う人と付き合うのがお互いのため……いえ、変な意味じゃなくてね」
美希「美希とは釣り……」
千早「美希……?」
美希「ふーん……」
千早「とりあえず落ち着きましょ。今ならみんな事務所にいると思うし」
美希「ううん、ミキは事務所に行かないの」
千早「え?ど、どうしてなの?」
美希「美希、好きじゃないから」
千早「なっ……!」
美希「それだけ?」
千早「え、えぇ……で、でも美希!」
美希「ごめんね千早さん、ミキまだ眠いから。それじゃ」
千早「美希!……どうして」
千早「ダメ……できるだけ直接的な言葉は使わなかったつもりだったけど……」
雪歩「聞いてたけど、仕方ないよ……後で励ましにいこ?」
千早「えぇ、そうね……メールかしら」
千早「あっちは、ついに見つけたみたいね……」
千早「とりあえず、私達も事務所に向かいましょうか」
春香「確か今日は、こっちの方にお仕事だって聞いたけど……」
春香「何時間くらい経ったんだろう……」
春香「あっ、千早ちゃんから。……そっか、律子さん。それなら、仕方ないかな」
春香「でも、みんなとちゃんと話ししてもらわなきゃ。絶対、事務所に連れて帰るんだから!」
春香「……あ、あれ!プロデューサーさん!!」
あずさ「お疲れ様。でもみんな手伝ってくれたのよ?」
亜美「あっ、千早お姉ちゃん!どうだったミキミキ?」
千早「……それが」
伊織「信じられないわね……あの美希が」
やよい「美希さん、ショックだったんでしょうか……」
真美「しょうがないよ、だってあのミキミキだよ?そりゃ、辛いっしょ……」
貴音「ですが、今はひとまず律子嬢を待ちましょう」
響「はいさーい!あ、あれ?みんなどうしたんだ?暗い顔して、元気ないぞ?」
響「えぇー!ぷ、プロデューサーに彼女!?」
伊織「変な話よね……」
亜美「でもひびきんすごいよ。なんでりっちゃんと兄ちゃん分かったの?」
響「貴音から言われて気にしてたのもあるけど、聞いたことのある声が聞こえて、見たら二人で歩いてたんだ」
貴音「無茶を言ってすみません、ですがおかげで皆安心しました。ありがとう響」
やよい「じゃあいぬ美ちゃんが?」
響「えっ?そ、そういえば最初に気がついたのはいぬ美だったような……」
伊織「ほら、やっぱりペットのちからじゃない」
響「べ、別にいいだろ!」
亜美「今回のえむびーぴーはいぬ美殿ですな!」
律子「帰って来てそうそう騒々しいと思ったら、あんたたち集まってどうしたのよ」
律子「……え?な、何?なんで誰も……きゃああ!」
春香「あ、あの……」
P「ん?」
春香「か、彼女の件についてお話が!」
P「ん、あーあれか。そろそろ全員にひろまっちゃったか?」
春香「えぇ、まあ」
P「まあ、直に話すことだしな」
春香「……お仕事終わるまで待ってます。終わったら事務所に一緒に行ってください」
P「ん?まあいいけど、それじゃあちょっとまっていてくれ」
P「お待たせ」
春香「いえ、私こそ無理言ってすみません……」
P「さて、どうしたんだ改まって」
P「あぁ、そうだな。みんなをプロデュースできて毎日充実してる。これ以上の幸せはないってくらい」
春香「……それは、今の彼女さんとの暮らしも入ってますか?」
P「え?そ、そうだなぁ……まあ、まだ100%じゃないだろうな」
春香「100%じゃない……?」
P「まだ、付き合いはじめだろ?お互いに知らないことの方が多いわけだ」
P「まあ、そう考えると今が幸せのピークではないのかもしれないが、幸せではあるさ」
春香「……近くにいる人、ですよね」
P「へ?……あ、お、おう、そうだ」
春香「……」
P「は、春香……?」
P「……心配するな。お前たちのプロデュースにはなんの心配もない」
春香「わかってます……」
P「それに、俺は春香のこと好きだしな」
春香「っ!!!」
P「えっ……は、春香?な、泣いて……」
春香「……彼女いるんですから、簡単にそういうこと言わないでください」
P「お、おう……すまん」
春香「……一つ約束してください」
P「……なんだ?」
春香「絶対に、幸せになってください!」
P「……うん」
春香「その言葉、聞けて良かったです……」
P「……」
春香「みんな、事務所で待ってますよ?急ぎましょう!」
伊織「おかえりなさい、春香」
亜美「おい立てよー」
真美「よー」
律子「……」
P「律子?どうしたんだ?」
春香「……ごめんなさい!」
P「えっ?」
春香「私達……勝手にプロデューサーさんの彼女を探ろうとして」
P「彼女……?あぁ!!」
春香「みんなの協力で、律子さんだって知ったんです、勝手なことしてすみません!」
P「……ちょ、ちょっと待って?なんで律子が?」
春香「でも、もう大丈夫です。みんなで二人のこと応援しますから!ね、千早ちゃん!」
千早「……」
春香「あ、あれ?千早ちゃん?」
千早「まず、ごめんなさい春香。律子さんは彼女じゃなかったの」
春香「えっ……?」
~~
亜美「りっちゃん覚悟ー!」
真美「とらえろー!」
律子「ちょ、ちょっとあんたたちなんなのよ!」
伊織「今更とぼけるの?全く、そういうことなら言ってくれれば良かったのに」
やよい「でもおめでたいですー!」
貴音「律子嬢……」
律子「一体どういうことなのよ……千早!」
千早「プロデューサーに彼女ができたそうなんです」
律子「え?そうなの?で、それとなんの関係が……」
響「律子がプロデューサーと歩いてた、つまり彼女ってことさー!」
律子「……ご、ごめんなさい。理解が追いつかないわ……」
律子「だから、なんでそうなるのよ……さっき歩いてたのは偶然営業先で会っただけ」
真「そ、それじゃあ律子もちがうってこと?」
律子「だからそう言ってるじゃないの……どこからそんな話……」
あずさ「千早ちゃんがプロデューサーさんと春香ちゃんから聞いて、みんなに届いたみたいですよ」
律子「プロデューサーが直接私の名前を?」
千早「い、いや……ただ身近にいるというはなしで、消去法から律子に……」
律子「そういうこと……全くびっくりさせないでよ。それじゃ、春香と美希は?」
千早「春香は今プロデューサーを連れてこっちに。美希は……まさか」
律子「来てないってことは、どちらにしても何かありそうね」
あずさ「プロデューサーさん……」
~~
春香「そ、そういうことだったんですか……」
P「なんでそんなところまで話が進んでるんだよ!いや、俺はただ……」
美希「あふぅ……おはようなの」
真「どうして……」
美希「あ、ハニー!」
雪歩「で、電話のときは美希ちゃんが彼女だったから気にしなかったってこと……?」
伊織「……美希。いえ、プロデューサー!」
P「え?あ、はい?」
伊織「はいじゃないわよ!あんた、アイドルに手出すなんて!」
P「だ、だから誤解だって!」
真美「ミキミキじゃないってことは誰なの?」
亜美「もういないよね?もしかしてはるるん?」
春香「えっ、私!?そ、そんなわけないでしょ!」
貴音「となると、美希はどうして……」
あずさ「美希ちゃん、どうして電話の時はこないと言ったのに、きてくれたのかしら?」
千早「なっ……」
美希「でも、そのあと聞いてたら、ハニーと釣りをするって話になったの。でも、ミキはそういうの好きじゃないから」
真「釣り?……釣り合う、って言うのを聞き間違えたってこと?」
美希「でも、起きたらお魚食べたくなったから来ちゃったの。ねぇハニー、お魚どこ?」
伊織「そ、それじゃあ美希は付き合ってるわけじゃないのね……?」
美希「うーん、友達以上、恋人未満?かな!って、デコちゃんとかみんなどうしたの?」
春香「あ、いや、なんでもないの!でも、そういうことだったなんて……」
響「それじゃあ、プロデューサーの
彼女って一体誰なんだ?」
P「えっとですね……なんだかすごい話になってますが」
P「俺としては彼女を作ったってことにすれば、みんな安心するかなぁなんて……」
亜美「ってことは、嘘?」
P「……ってことになるかな!え、ちょ、ちょっとみんな?どうしたの、落ち着いて!!いやああああ!!」
P「うぅ……ひどい目にあった……あそこまで広がったの俺のせいじゃ無いだろうに……」
P「おはようござい……ん?」
「プロデューサーさん!」
春香「私考えたんですけど!その……私と付き合っておけばみんな不安にならないんじゃないかって!」
美希「ちょっと!そういうことならミキに任せるの!」
千早「みんな懲りないわねぇ……」
やよい「それなら私も彼女にしてください!プロデューサー!」
亜美「えー!じゃあ亜美も亜美もー!」
真美「そ、それじゃ……真美も!」
貴音「……どちらにせよ、貴方様の思いは受け取りました。が、ある程度弁えていただきたいなと……」
響「あはは!みんな楽しそうだな!ほらハム蔵もいぬ美も混ざってこい!」
真「僕だって!彼女になるならまけませんよ!」
雪歩「わ、私は……いつも通りのプロデューサーでいてくれれば」
律子「あずささんはいいんですか?」
あずさ「ふふっ、今行ってもちゃんとした相手として思ってもらえないでしょう?」
律子「た、確かに……さすがですね」
あずさ「律子さんはいいんですか?」
律子「私ですか?あんな面倒なことをおこすプロデューサー、勘弁ですよ。……でも、付き合ってみるくらいなら、なんてね」
P「俺が悪かった!もう彼女は懲り懲りだ!!」
~~
小鳥「途中から話し聞いてましたけど、空気でした。音無小鳥です」
小鳥「……もしかしたら、最後に私にドッキリ的告白をしてくれると期待して寝たふりをしていたのに!」
小鳥「なんだよ彼女って!彼女っ……はぁ……プロデューサーさん……」
P「はい?」
小鳥「へぇ!?な、なんだ気のせいか……うぅ……寝よ……」
小鳥「むにゃ……えへへ、プロデューサーさん……」
P「一人なんて、選べない。765プロは、みんな可愛いんだから!」
完
場面転換やら掛け合いやらぶっつけ故読みにくいかもしれないけどこれが限界
テンプレハーレムエンドですはい
後悔はしていない あとはお好きにしてくださいな
乙カレー
やっぱりアイマスのみんなはかわいいね!
Entry ⇒ 2012.09.15 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
遊星「シンクロvsエクシーズ」
遊戯「解説の武藤遊戯です」
十代「同じく解説の遊戯十代です」
遊戯「今回は各チームのデュエリストにそれぞれ戦ってもらい」
十代「シンクロとエクシーズどっちが強いかを見せてもらうぜ!!」
遊戯「という企画になっています」
全選手入場ッッッッッ
今日も出るのかマジックコンボ
水属性は俺が育てる、神代凌牙!!
産廃といわれ俺は変わった
DPで俺はガチになる、天城カイト!!
デュエルしなくてもいいじゃないか、かわいいんだから
そんなヒロインが今日初デュエル、観月小鳥!!
今回はOCG効果でナンバーズは弱体化だが大丈夫か?
4代目主人公、九十九遊馬!!
圧倒的な火力で相手と家計に大ダメージ
元キング現ニート、ジャック・アトラス!!
歴代ヒロイン1の巨乳、でかい!
今日もだんなとSMプレイ、十六夜アキ!!
2年近くも環境上位に君臨し世界すらも取った
ガチデッキと言えばこの男、クロウ・ホーガン!!
今日も炸裂するか初手クェーサー!
3代目主人公、不動遊星!!
遊戯「僕らのデッキはエクシーズ主体だけど解説は公平にしていきます」
十代「HEROにガジェじゃヴェーラーしか入らないですもんね」
遊戯「出すのはカタスぐらいだしね」
十代「あとはスタロでスタダですね」
ATM「AIBO!ここは俺に・・・」
遊戯「君は神3体でギャラクシーデストロイヤーでもエクシーズしてなよ」マインドクラッシュ!!
ATM「AIBOOOOOOOOOOOOOOOO!!」
遊戯「変なのもいなくなったのでルールを説明します」
十代「ここでは効果はOCGにのっとっているのでNO,も普通に戦闘破壊されます」
遊戯「ただしライフはアニメと同じく尺の都合から4000として進行しています」
十代「今回は2012年9月の制限でデュエルします」
遊戯「ブリュは死んでいます」
十代「デュエルの組み合わせや順番は>>1が書いてる時サイコロで適当に決めています」
遊戯「あとは,細かい突っ込みはなしでお願いします」
十代「それではデュエルを始めましょう」
遊星「まずはジャックの出番だな」
ジャック「さっさと終わらせてやる,お前たちもとっとと準備を済ませておくんだな!」
遊星「ああ期待しているぞ」
クロウ「負けんじゃねぇぞ!」
アキ「頑張ってきてね」
ジャック「ふっ,任せておけ」
遊星「ジャック・・・」
遊星(何ターンで負けるかな?)
小鳥「いきなりわたしなの~!?」
遊馬「なんだよ,俺じゃねえのかよ」
シャーク「なんだ遊馬,早くデュエルがしたいってか?」
カイト「ふっ,こいつらしいな」
遊馬「当たり前だろ,あんなに強そうな奴らとデュエルできるんだぜ」
遊馬「デュエリストならわくわくして仕方ないってもんだろ!!」
小鳥「初心者の私にはそんな気分になれないよぉ・・・」
シャーク「まあ負けを気にせずに行って来いよ」
カイト「俺たちがいくらでも挽回してやる」
小鳥「うん!」
1戦目 ジャックvs小鳥
ジャック「貴様が俺の相手か」
小鳥「えっと・・・初心者なんですがよろしくお願いしますね」
ジャック「初心者とはいえチーム戦である以上手加減はできんぞ」
小鳥「そうですよね,それでもできる限り頑張りたいと思います」
ジャック「せめて先行ぐらいはくれてやろう,始めるぞ」
デュエッ!!
小鳥「私のターン,ドロー」
小鳥(大丈夫よ小鳥,あの時の事を思い出して)
------------------------------------------------
小鳥「私にもデュエル始められるかな?」
友達M「だったら私に任せておいて」
友達M「このストラクチャーデッキなら構築済みのデッキだから初めてのあなたでも大丈夫!」
小鳥「・・・でもルールなんてわかるかしら?」
友達M「ルールブックやスターターガイドも入っているから安心して」
小鳥「これなら私でもデュエル楽しめちゃうねっ!!」
友達M「まずはこのストラクチャーデッキを3つ買って必要なカードを3枚そろえるの」
友達M「そうすれば強い人とも十分に戦えるから」
小鳥「ストラクチャーデッキって便利なのね」
友達M「そしたらデッキの使い方を教えてあげるね,頑張って覚えようね」
小鳥「うん!!」
------------------------------------------------
小鳥(大丈夫,きっと私でも戦えるはず)
ジャック「いい顔をしているな・・・」
ジャック(しかし運が悪かったな,今のおれの手札は最高の初手だ!)
ジャック(まずは貴様がモンスターを召喚したら)
ジャック(バイスリゾネーターで一気にレッドデーモンズをシンクロする)
ジャック(さらに手札からクリエイト・リゾネーターを特殊召喚し)
ジャック(手札からバリア・リゾネーターを捨て死者蘇生で特殊召喚すれば)
ジャック(いきなりスカーレッド・ノヴァ・ドラゴンをシンクロすることができる)
ジャック(初心者相手に大人げないが一気に終わらさせてもらおう)
小鳥(えっとこの手札の時は・・・)
小鳥「私は手札からヘカテリスを墓地に送って神の居城ヴァルハラを手札加えて発動します」
ジャック「いきなり上級モンスターを出してくるか!」
ジャック(だが俺のスカーレッドノヴァの攻撃力には及ぶまい)
小鳥「私はヴァルハラの効果で大天使クリスティアを特殊召喚します」
ジャック「」
十代「ジャック固まってますね」
遊戯「先行クリス来たらよほどのデッキじゃない限り固まると思うよ」
十代「そういう遊戯さんはどうなんです?」
遊戯「僕はガジェ出して強制転移で交換してもらうかなぁ~」
十代「なかなかえげつないことしますね」
遊戯「十代君はどうするんだい」
十代「ヒロビは除去多いからどかしてもう一度出される前に1Killですね」
遊戯「君こそえげつないじゃないか」
小鳥「さらに神秘の代行者アースを召喚して効果で女神の代行者ヴィーナスを手札に加えます」
ジャック「」
小鳥「えっと,カードを1枚伏せて終わりますね」
ジャック「」
小鳥「あのー?」
ジャック「ああ,俺のターンか」
ジャック(ダイジョウブダマダジョキョヒケレバナントカナルッテ)
ジャック「ドロォォォオォォ!!」
大嵐<ブラホカトオモッタカ,オレダヨ
ジャック「」
ジャック(大丈夫だ,ダークリゾネーターをセットすればいきなり死ぬことは無いはずだ・・・)
ジャック「俺はモンスターをセットしてターンエンドだ」
ジャック(ダイジョウブダイジョウブダイジョウブ・・・・・・)
小鳥「私のターンドロー」
小鳥「女神の代行者ヴィーナスを召喚しますね」
ジャック(よしこれならなんとか・・・)
小鳥「そして精神操作発動してそのモンスター借りますね」
ジャック「」
遊星「あっ,ジャック死んだ」
小鳥「じゃあみんなでジャックさんを攻撃です!」
ジャック「グワアァァァァアァァアァァアア!!!」LP4000→0
遊戯「デュエル終了,1戦目はチームZEXALの勝利です」
十代「あっけなかったですね・・・」
遊戯「先行クリスはきついけどさすがにこれはねぇ」
十代「カードも伏せないとか1Killしてくれって言ってるようなものですよね」
遊戯「だよねー」
十代(てかシンクロもエクシーズもしてなくね)
遊星「ジャック・・・」
ジャック「すまなかったと思っている」
アキ「さっさと終わらせてやる(笑)」
ジャック「」
クロウ「まあ気にすんなよ,ジャック」
ジャック「クロウ・・・」
クロウ「お前なんてはなから頭数に入れてねぇからな!」
ジャック「貴様あぁぁあぁぁあああぁあぁ!!!」
元キングは有言実行だからな
遊馬「小鳥おまえいつの間にあんな強くなっつたんだ!」
小鳥「えっと,3日前に友達に特訓してもらっただけなんだけどね」
シャーク「とりあえず思わぬ1勝で余裕ができたな,残りのお前らが1回でも勝てれば最悪でも引き分けだ」
カイト「それは俺のセリフだ,貴様らが足を引っ張らなければ勝てる」
シャーク「でかい口聞いておいて後で後悔しないようにするんだな!」
アストラル「観察結果その72,ストラクチャーデッキは強い」
ジャック「」
遊星「次は俺か、ジャックの尻拭いをしなくてはな」
アキ「遊星、がんばってね」
アキ「もし負けたら今夜はソーンウィップ50回ね//」
クロウ「」
遊星「」
遊星(この戦いは負けられない・・・)
クロウ(こいつも大変だな・・・)
遊馬「おっしゃ!俺の番だぜ!」
カイト「とっとと終わらせて来い」
シャーク「少しは成長したのか見せてもらうぜ!」
遊馬「行くぜアストラル!」
アストラル「ああ!」
小鳥「遊馬がんばってね!!」
アストラル(だがなんなんだ、この胸騒ぎは・・・)
2戦目 遊星vs遊馬
遊星「エクシーズやシンクロなんて気にしないで」
遊星「お互い気持ちのいいデュエルをしよう!」
遊馬「ああ,面白いデュエルをしようぜ!」
遊馬(遊星ってガチデッキ厨とか色々言われたりしてるらしいけど・・・)
遊馬(なんだ,遊星っていいやつじゃん!)
遊星「俺の先行,ドロー!」
遊星「最初から全力でいかせてもらうぞ!!」
十代「・・あの遊戯さん」
遊戯「・・・十代くん」
十代「遊星の全力って嫌な予感しかしないんですけど」
遊戯「十代くんもそう感じるんだね」
十代「遊馬くんのトラウマにならないといいんですけど」
遊戯「あの子はメンタルは強いから大丈夫だと思いたいね」
十代「そうだといいですけど・・・」
遊星「スティーラーキッテクイックssスティーラーss」
遊星「ジャンク・ウォリアーssジャンクタイショウスティーラーss」」
遊星「エクスプローラーnsefクイックssロードssロードefアンノウンssロードタイショウスティーラーss」
アストラル「えっ!?」
遊馬「何言ってるのかさっぱりわかんねぇ・・・」
遊戯「遊馬くん,何されているのか全く理解できていないようです」
十代「恐ろしいことをされている自覚すらなさそうですね」
遊星「フォーミュラssef1ドローロードタイショウスティーラーss」
遊星「リミットオーバー・アクセルシンクロ,シューティング・クェーサードラゴン!!」
遊馬「」
アストラル「」
遊星「俺はカードを2枚伏せてターンエンド!!」
遊星「さあ遊馬くん,全力でぶつかってくるんだ!!」
遊戯「これはひどい」
遊馬「おい!アストラル」
アストラル「ああ」
遊馬「どうすりゃあいいんだよこんな強力なモンスターを!」
アストラル「・・・」
遊馬「おい!」
アストラル「・・・これを書いているときに新しいZWさえOCG化していればッッッ」
遊馬「あきらめんなよ!」
アストラル「・・・遊馬」
遊馬「かっとびんぐを忘れたのかよ!」
遊馬「どんなに困難な事にもあきらめずに立ち向かう心」
遊馬「それを忘れたらどんなデュエルにも勝てなくなっちまうぞ!」
アストラル「・・・ああ,すまない」
遊馬「アストラル!」
アストラル「どんなデュエルも最後まであきらめない」
アストラル「君はそんなやつだったな」
アストラル「とりあえず今は逆転できる手が来るまで耐えるしかない!」
遊馬「俺は手札からガガガマジシャンを召喚!」
遊馬「そして俺は手札のカゲトカゲを特殊召喚!」
アストラル「出すモンスターエクシーズは分かっているな」
遊馬「ああ、分かってるさ!!」
遊馬「俺はレベル4のガガガマジシャンとカゲトカゲでオーバーレイ!」
遊馬「2体のモンスターでオーバレイネットワークを構築,エクシーズ召喚!!」
遊星「遊馬くんもいきなりエースを出してくるのか?」
遊馬「交響魔人マエストローク!!」
遊星「おい,ホープだせよ」
十代「ホープじゃなくてマエストロークか」
遊戯「まあ実際は効果で簡単に破壊できるホープより数段硬いからね」
十代「2回目になりますがここではホープも普通に破壊されますしね」
遊戯「ちなみに>>1は基本的にデッキにはマエストローク>アシゴ>ガンマンの順で入れてます」
十代「ガンマンは箱買いで当てたわいいけど弟が満足ループに使っただけだったそうです」
遊馬「俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ」
遊星「おれはエンドフェイズにサイクロンを発動,破壊させてもらうぞ」
遊馬「うえっ!」
十代「サイク3枚だとエンドサイク多すぎて1伏せじゃフリチェでも割られるからな」
遊戯「ナイショはいいからサイクは規制してほしいよね」
遊戯「ちなみにこのSSではそのキャラが使ったカードのみでデッキ組むことにこだわってません」
十代「それだとどう考えても5D'sの圧勝になりそうで」
遊星「俺のターン,ドロー!」
遊星「俺は手札からジャンクシンクロンを召喚,墓地からフォーミュラシンクロンを特殊召喚」
遊星「さらにおれは手札からドッペルウォリアーを特殊召喚」
遊星「俺はレベル2ドッペル・ウォリアーにレベル2フォーミュラ・シンクロンをチューニング!」
遊星「シンクロ召喚!アームズエイド!」
遊星「さらに俺はレベル4アームズエイドにレベル3ジャンク・シンクロンをチューニング!」
遊星「集いし叫びが木霊の矢となり空を裂く!光さす道となれ!」
遊星「シンクロ召喚!いでよ、ジャンク・アーチャー!」
アストラル「何だと!!」
遊馬「マエストロークが!」
遊星「バトルだ!全モンスターでダイレクトアタック!」
遊馬「手札からガガガガードナーの効果発動!」
遊星「クェーサーで無効で」
遊馬「・・・」
遊馬「うわぁぁあぁあぁあぁぁ!」LP4000→0
十代「デュエル終了!勝ったのはチーム5D's!!」
遊戯「長いように見えてとてつもなく短いデュエルだね」
十代「遊星がソリティア長かっただけですしね」
遊馬「クェーサーコワイクェーサーコワイクェーサーコワイクェーサーコワイクェーサーコワイクェーサーコワイ」
小鳥「遊馬・・・」
シャーク「・・・敵はとってきてやるさ」
カイト「おれもあいつらには負けられないな」
シャーク「遊馬がこんなになるなんて恐ろしいやつらだ」
カイト「ああ,俺たちはとんでもないやつと戦っているのかもしれん」
小鳥「遊馬!いつまでもいじけてるともうデュエルメシ作ってあげないわよ!!」
遊馬「そりゃひどいぜ小鳥!!」
シャーク「」
カイト「」
アストラル「・・・やれやれ」
遊星「遊馬くんはいいデュエリストだな、これからの成長が楽しみだ」
ジャック(そんなこと言ってる割にはトラウマになるほど叩き潰したような・・・)
アキ「遊星かっこいい//」
ジャック(だめだこいつ、早く何とかしなくては・・・)
クロウ(お前が言うなよ)
ジャック(こいつ…直接脳内に!?)
遊戯「では3戦目に移りましょうか」
十代「ここまでは1勝1敗でいい感じに進んでますね」
遊戯「デュエル自体はすごくあっさり終わっているけどね」
十代「ここからは1キルするようなデッキは少ないから平気だと思うんですけど」
遊戯「BF、植物、水属性、フォトンか」
十代「どれも1キルはしにくいですしね」
アキ「遊星、行ってくるわ//」
遊星「・・・ああ、がんばって来てくれ」
アキ「うん!」
クロウ「お前も大変だな・・・」
ジャック「・・・まったくだ」
遊星(そろそろ逃げようかな・・・)
クロウ(もし逃げて見つかればソーンウィップ程度じゃすまないぞ・・・)
シャーク「ようやく俺の出番か」
遊馬「気をつけて行ってこい、相手は相当強いぞ!」
シャーク「分かっているさ」
カイト「貴様が負けても俺が勝てば何の問題もない」
シャーク「さっきからごたごた言ってるがびびってんのか?」
カイト「何だと!!」
小鳥「はいはい、喧嘩しないの!」
3戦目 アキvsシャーク
シャーク「俺の先行!ドロー!」
シャーク「俺はモンスターをセット、カードを1枚セットしてターンエンド!」
アキ「私のターン、ドロー!」
アキ(先行エアロシャークはやってくれないのね)
アキ「私はボタニカル・ライオを召喚してバトルフェイズに入る!」
アキ「ボタニカル・ライオでセットモンスターに攻撃する!」
シャーク「はっ!かかったな!」
アキ「何ですって!」
シャーク「セットされていた水精鱗-アビスリンデだ」
シャーク「フィールドから破壊され墓地に送られたことでアビスリンデの効果が発動するぜ!」
アキ「えっ!?」
シャークさんえっ
アキ「ちょっと待ってもらえるかしらっ!!」
シャーク「ん、ダメステに聖杯で使いたかったか?」
アキ「いや、そうじゃなくて・・・」
アキ「あなたのデッキは水属性のはずよね?」
シャーク「こいつも水属性だが?確認するか?」
アキ「いやいやいや!」
アキ「それは水属性だけど水精鱗よね!」
アキ「あなたはシャークって名前のカード使う設定でしょ!!」
シャーク「ああ、そうだ」
アキ「ならなんで・・・」
シャーク「なんでだと?」
シャーク「アニメで使ったシャーク系列のカードだけでどうお前らに勝てって言うんだ!」
シャーク「大体ジャンド、BF、植物にまともに組めるのかすら怪しいデッキで勝てるかよ!!」
シャーク「切り札扱いのシャークドレイクも微妙すぎんだよ」
シャーク「あいつ出すならショックルーラー出す方がよっぽど安定するぜ!!」
シャーク「大体お前だってボタニカル・ライオってなんだよ!」
シャーク「そんなカードアニメじゃ1回もつかってねえじゃねえか!」
シャーク「どうせお前のデッキもアニメで使ったことないギガプラ植物なんだろ!!」
アキ「DTで使っているからいいのよ、私は」
シャーク「自分だけ特別扱いしてんじゃねぇ!イラッとくるぜ!!」
遊戯「あー、そろそろデュエルに戻ってくれるかな」
十代「お互いそんなに戦いたくないならガジェとHEROが相手になるぜ」
遊戯「>>1は初めて水精鱗を見たときはパック的にシャークが使うと思ってました」
シャーク「・・・」
アキ「・・・」
シャーク「水精鱗-アビスリンデの効果でデッキからアビスパイクを特殊召喚!」
シャーク「海皇の重装兵を捨ててアビスパイク効果、狙撃兵を手札に!!」
シャーク「重装兵の効果でボタニカル・ライオ破壊!!!」
アキ「カード2枚伏せてターンエンド」
シャーク「俺のターン、ドロー」
シャーク「俺は手札の狙撃兵と竜騎隊を捨ててメガロアビスの効果発動!」
シャーク「メガロアビスを特殊召喚しチェーン1狙撃兵、2竜騎隊で効果発動!」
シャーク「海皇の重装兵を手札に加え右の伏せカードを破壊する!」
アキ「くっ!」
アキ(散々言っておいてあなたが1番のガチデッキ使ってるじゃない!)
アキ「そうはさせない、攻撃宣言時に和睦の使者を発動するわ!」
アキ(もっててよかったわ、さすが困ったときのフリーチェーンね)
シャーク「ちっ、ターンエンドだ!」
アキ「私のターンね、ドロー!」
アキ「私は手札からローンファイア・ブロッサムを召喚!」
アキ「私はローンファイア・ブロッサムをリリースしてギガプラントを特殊召喚」
アキ「さらにスーペルヴィスをギガプラントに装備してギガプラントの効果発動」
アキ「もう一度ローンファイア・ブロッサムを蘇生させる」
アキ「ローンファイア・ブロッサムをリリースして椿姫ティタニアルを特殊召喚!」
遊戯「やっぱり今の時代じゃあどんなデッキでもソリティアが始まるんだね」
十代「この中じゃ1番おとなしいと思ってたシャークですらあれですからね」
遊戯「植物デッキはギガプラントとローンファイア・ブロッサムが過労死するね」
十代「俺のエアーマンよりひどいですしね」
遊戯「あれだけ展開できるのに環境取れないなんて今の時代は恐ろしいね」
十代「まったくです」
遊戯「ソリティアできないのなんてジャックくらいだね」
アキ「じゃあバトルフェイズにはいろうかしら」
アキ「椿姫ティタニアルでメガロアビスを攻撃」
シャーク「くっ!」LP4000→3600
アキ「続いてギガプラントでアビスパイクを攻撃!」
シャーク「ぐはっ!」LP3600→2800
アキ「カードを伏せてターンエンド」
シャーク「やりやがったな!俺のターンドロー!」
シャーク(ティタニアルは対象をとる効果を植物をリリースして無効にできる)
シャーク(ブラホで一掃できれば早いが俺の手札にはない)
シャーク(ギガプラントを処理しないと次のターンにまたモンスターを量産される)
シャーク(しかもスーペルヴィスのせいで破壊してもまた蘇ってくる)
シャーク(そうとなればこの方法しかない!)
シャーク「俺は手札から大嵐を発動する、何かチェーンするカードはあるか?」
アキ「いや通るわ」
シャーク「なら俺はチェーンして伏せてあるアビスフィアーを発動する」
シャーク「まずアビスフィアーの効果でデッキからアビスリンデを特殊召喚する」
シャーク「そして大嵐の効果でフィールドの魔法、罠はすべて破壊される」
シャーク「そしてお前のスーペルヴィスの効果が発動するが」
アキ「私の墓地に通常モンスターはいない・・・」
シャーク「よってスーペルヴィスの効果は不発に終わる!」
シャーク「そして俺のアビスフィアーが破壊されたことでアビスリンデも破壊される」
シャーク「アビスリンデがフィールドで破壊され墓地に送られたことで効果が発動」
シャーク「俺はデッキからアビスタージを特殊召喚する!」
シャーク「そしてアビスタージの効果発動、重装兵をコストに墓地から重装兵を手札に」
シャーク「そして重装兵の効果でティタニアルを破壊する!」
アキ「私はティタニアルの効果発動!ギガプラントをリリースして重装兵の効果を無効にする!」
シャーク「俺は竜騎隊を召喚する」
シャーク「俺はレベル4の海皇の竜騎隊と水精鱗-アビスタージをオーバーレイ!」
シャーク「吠えろ未知なる轟き!深淵の闇より姿を現わせ!!エクシーズ召喚!バハムート・シャーク!!」
シャーク「俺はバハムート・シャークの効果発動!」
シャーク「オーバーレイ・ユニットを1つ使い潜航母艦エアロ・シャークを特殊召喚」
シャーク「さらに墓地に送られた竜騎隊の効果が発動する」
シャーク「俺はデッキからメガロアビスを手札に加える」
シャーク「そして重装兵と狙撃兵を捨てメガロアビスの効果発動!」
シャーク「メガロアビスを特殊召喚しアビスフィアーを墓地から手札に」
シャーク「そしてもう一度重装兵の効果が発動する」
シャーク「今度こそティタニアルは破壊させてもらおう!」
アキ「私のフィールドが・・・」
シャーク「バトルフェイズだ、メガロアビスでダイレクトアタック!」
アキ「きゃっ!」LP4000→1600
シャーク「終わりだ!エアロシャークでダイレクトアタック!」
アキ「いやあぁぁぁぁあぁあぁぁぁぁ!!!」LP1600→0
遊戯「デュエル終了!勝ったのはチームZEXAL!!」
遊戯「いやぁ、いいデュエルだったね」
十代「また1killでしたけどね・・・」
遊戯「まあデュエルの内容自体は別にいいと思うけど」
十代「それでも5ターンで速攻終わるのも今の環境じゃ仕方ないか」
遊戯「むしろこれでも遅い方だと感じるけどね」
十代「虫のときなんて2~3ターン目で終わるなんてよくありましたしね」
アキ「遊星ごめんなさい・・・」
遊星「アキ、お前はよくがんばったさ」
クロウ「ああ、いいデュエルだったぜ!」
アキ「2人とも・・・」
ジャック(あれ?俺のときと扱いちがくね?)
クロウ「あんな無様に1killされたやつにかける言葉なんかねーよ!!」
ジャック「」
シャーク「はっ、たいしたことなかったぜ!」
カイト「その割には焦っていたように見えたが」
シャーク「そう見えたんならお前の目が節穴だってことだな」
小鳥「2人とも喧嘩しないの!!」
遊馬「まあまあ勝ったんだから喧嘩すんなよ」
アストラル(勝ったことは勝ったが何かに負けたような気がするが気のせいだろうか)
遊戯「そろそろ最後のデュエルの時間です」
十代「BFとフォトンの戦いですか、いや今はギャラクシーか?」
遊戯「BFと光属性じゃダメージ計算が忙しくなりそうだね」
十代「カルートにオネストですね、どっちもトラウマになった人は多いですね」
遊戯「耐えられると思ったらそれらでライフを持っていかれることはよくあるからね」
十代「2つともアニメ発のテーマとしてはトップクラスですから期待ですね」
カイト「これで俺たちの勝ちが決まるわけか」
シャーク「相手は世界すらも制したガチデッキだ、油断はするなよ」
カイト「油断などしない、全力で叩き潰すだけだ」
小鳥(なんだかんだでこの2人は仲いいのかしら?)
カイト「DPで強化される俺の新しいデッキを見せてやる!」
シャーク「ところで俺のDPはいったいいつ出るんだ?」
クロウ「ちょいとガチデッキの先輩として少し指導してくるぜ!」
遊星「お前のデッキなら銀河眼も簡単に対処できるだろう」
アキ「ジャックのデッキと違ってね」
ジャック「お前たち!俺をいじめて楽しいか!」
クロウ「まあわりと」
ジャック「」
最終戦 クロウvsカイト
クロウ「俺の先行だ、ドロー!」
クロウ「俺は手札から黒い旋風を発動、そしてBF-蒼炎のシュラを召喚!」
クロウ「そして黒い旋風の効果でBF-極北のブリザードを手札に加えるぜ」
クロウ「カードを3枚伏せてターンエンドだ!」
クロウ「さあ、どっからでもかかってきな!!」
カイト「俺のターン!ドロー!」
カイト(さすがBFだ、旋風で簡単にアドが稼がれる)
カイト(しかも4伏せでは確実に大嵐は通らないだろう)
カイト「俺は銀河の魔導師を召喚し効果発動!レベルを4上げる」
カイト「さらに手札から銀河遠征を発動!俺はデッキから銀河目の光子竜を特殊召喚!」
カイト「何か発動するカードはあるか?」
クロウ「いや、なにもねぇ」
カイト「なら俺は銀河の魔導師をリリースしもう1つの効果を使う!」
カイト「デッキから銀河騎士を手札に加える」
カイト「そしてターンを終了する」
カイト(おそらくゴットバード・アタックがあの中にはある)
カイト(下手に伏せたところですべて吹き飛ばされるだけだ)
カイト(ここはこのまま耐えるしかない)
クロウ「俺のターンだ、ドロー!」
クロウ「精鋭のゼピュロスを召喚し黒い旋風の効果だ」
クロウ「デッキから月影のカルートを手札に加える」
クロウ「そしてバトルだ!シュラでギャラクシーアイズを攻撃する!」
カイト「ならギャラクシーアイズの効果でお互いのモンスターを除外する!」
クロウ「だがこれで開いたぜ!ゼピュロスでダイレクトアタック!!」
カイト「くっ!」LP4000→2400
クロウ「俺はこれでターンエンドだ!」
カイト「エンドフェイズに除外されたモンスターはフィールドに戻る」
カイト「そして俺のターン、ドロー!」
カイト「俺は、手札からナイトショットを発動!お前の伏せカードを1枚破壊する!」
クロウ(ちっ、ゴトバが割られやがった!)
カイト(スターライトロードではない・・・なら!)
カイト「俺は続けてサイクロンを発動!伏せカードを破壊する」
クロウ(スターライトロードが!)
カイト(やはりスターライトロードがあったか!)
カイト「最後に俺は大嵐を発動し貴様の魔法、罠をすべて破壊する!!」
十代「いやぁうまくスターライトロードに当てられましたね」
遊戯「もし外して大嵐だったらスタダ出てゲームエンドまで見えたね」
十代「世界大会ではたしかジュニアの決勝で同じようなことありましたね」
遊戯「兎ラギア相手に抜けなかったあれだね」
十代「ええ、生で見てたけどあれは悔しかったですね」
遊戯「ジュニアも日本人が制覇したらよかったね」
クロウ「なっ!伏せカードが!」
カイト(最後の1枚は奈落の落とし穴か、ガチカードしかない・・・)
カイト(ここは攻めたいが相手の手札にはカルートがいる、これは使わせるしかないか)
カイト「俺はギャラクシーアイズでゼピュロスを攻撃する!」
クロウ(カルートがあるのに攻撃してきた!)
クロウ「ならお望みどおり使ってやるよ!ダメージ計算時カルートの効果を発動!」
クロウ「これで攻撃力は3000になり相打ちだ!」
カイト(許せ、ギャラクシーアイズ・・・)
カイト「俺はカードを1枚伏せターンエンド!」
クロウ「俺のターン、ドロー!」
クロウ「BF-空風のジンを召喚!」
カイト「召喚成功時に激流葬を発動!モンスターをすべて破壊する!」
クロウ「ならカードを1枚伏せてターンエンドだ!」
カイト「俺のターン、ドロー!」
カイト「俺はトレードインを発動、銀河騎士を捨て2枚ドロー!」
カイト「フォトン・スラッシャーを特殊召喚しバトル!」
クロウ「おっと待ってくれよ、バトルフェイズ開始時に月の書発動だ!」
クロウ「フォトン・スラッシャーは裏側守備表示にさせてもらうぜ!」
カイト「カードを伏せてターンエンドだ!」
クロウ「俺のターンドロー!」
クロウ「俺は手札から極北のブリザードを召喚し効果発動!」
クロウ「空風のジンを墓地から特殊召喚だ!」
カイト「つまり今引いたのは・・・」
クロウ「ああ、おれは手札から黒槍のブラストを特殊召喚!」
クロウ「そしてブラストを手札に戻しゼピュロスを特殊召喚!!」
クロウ「ゼピュロスの効果で俺は400のダメージを受ける」LP4000→3600
クロウ「そしてもう一度ブラストを特殊召喚!」
クロウ「レベル4BF-精鋭のゼピュロスにレベル1BF-空風のジンをチューニング!」
クロウ「シンクロ召還!TGハイパー・ライブラリアン!!」
クロウ「レベル5TGハイパー・ライブラリアンにレベル2BF-極北のブリザードをチューニング!」
クロウ「シンクロ召還!アーカナイト・マジシャン!!」
クロウ「アーカナイト・マジシャンの効果!魔力カウンターを2つのせる!」
クロウ「そしてカウンターを取り除き効果発動!」
クロウ「お前の伏せカードを破壊する!」
遊戯「僕このコンボ初めて知ったときはけっこう驚いたね」
十代「BFでアカナイっていう発想がなかなか出てこないですもんね」
遊戯「墓地にジンがいて手札にブリザードとブラストがないといけないんだけど・・・」
十代「シュラでジンを持ってきておけるから思ったよりやりやすいんですよね」
遊戯「>>1もBF使いだったけどこのコンボはお気に入りだったらしいよ」
十代「この後六武に浮気したんですけどね・・・」
カイト「未来への思いが!!」
クロウ「なんだブラフだったか、まあいい次だ」
クロウ(親父からもらったカード割るとか少し罪悪感・・・ないな)
クロウ「1つカウンターを除きフォトン・スラッシャーも破壊だ!」
カイト「おれのフィールドが空に・・・」
クロウ「さあバトルフェイズ!」
クロウ「ブラストでダイレクトアタックだ!!」
カイト「ぐわっ!」LP2400→700
クロウ「俺はこれでターンエンドだ!」
カイト「俺は負けられないんだ」
カイト「ハルトオォォォオォォォォオォ!!」
クロウ(はい、ノルマいただきましたー)
カイト「俺に力をくれ!ドロー!!」
カイト「俺は銀河零式を発動!墓地から銀河騎士を特殊召喚!!」
カイト「そして手札から銀河騎士をリリースなしで召喚する!」
カイト「この方法で召喚に成功したとき墓地のギャラクシーアイズを特殊召喚する!!」
カイト「レベル8の銀河騎士2体と銀河眼の光子竜でオーバーレイ!!」
カイト「逆巻く銀河よ、今こそ、怒涛の光となりて姿を現すがいい、降臨せよ我が魂!超銀河眼の光子龍!!」
カイト「さあバトルだ!超銀河眼の光子龍で黒槍のブラストを攻撃!!」
カイト「アルティメット・フォトン・ストリーム!!!!」
クロウ「ぐわあぁぁあ!」LP3600→800
カイト「これで俺はターンエンドだ!」
クロウ「俺のターン、ドロー」
クロウ「こうなりゃ俺も自重はしねぇ!極北のブリザードを召喚して効果発動!!」
クロウ「墓地から月影のカルートを特殊召喚!」
クロウ「そしてレベル3BF-月影のカルートにレベル2BF-極北のブリザードをチューニング!」
クロウ「シンクロ召還!A・O・Jカタストル!!」
クロウ「バトルだ!A・O・Jカタストルで超銀河眼の光子龍に攻撃!」
クロウ「カタストルの効果、光属性の超銀河眼の光子龍はダメージ計算を行わず破壊する!」
カイト「なっ・・・超銀河眼の光子龍が」
クロウ「俺はこれでターンを終了する」
カイト「俺のターン、ドロー」
カイト「俺は手札から死者蘇生を発動!ギャラクシーアイズを蘇生する!!」
カイト「これで俺はターンエンド」
クロウ「これで俺がモンスターを引ければ勝ちだな」
カイト「・・・」
クロウ「なら行くぜ、俺のターン、ドロー!」
クロウ「・・・」
カイト「・・・」
クロウ「俺はBF-疾風のゲイルを召喚!!」
カイト「引いたのか!!」
クロウ「バトル、カタストルでギャラクシーアイズを攻撃!ダメージ計算を行わず破壊する!!」
クロウ「疾風のゲイルでダイレクトアタックだ!!」
カイト「・・・俺の負けか」LP700→0
十代「デュエル終了、勝者はチーム5D's!!」
遊戯「いやぁようやく1キルじゃないデュエルが見れたね」
十代「最後しかまともにデュエルになってないってどうなんです・・・」
遊戯「仕方ないんじゃない、全部悪いのはコンマイだよ」
十代「たしかにそうですね」
遊戯「この戦いだと超銀河眼の光子龍の効果生かせないのがきつかったね」
十代「5レンダァ!!見たかったんですけどね」
遊戯「それはこれからのアニメに期待しようよ」
遊戯「これで、2-2の引き分けだね」
十代「決着をどうやってつけましょうか・・・」
遊星「お互いに代表者を1名ずつ出し合ってデュエルするのはどうです」
遊馬「いいじゃんそれ!俺もう一度デュエルしてえぞ!!」
遊星「ここまで来たらシンクロのために負けられない!!」
遊馬「俺だってエクシーズのために負けらんねぇさ!!」
??「待ちな!お前らっ!!」
遊馬「誰だお前は!いきなりなんだよ!!」
遊星「なっ!鬼柳!!」
鬼柳「別にけりつけなくてもいいじゃねぇか!!」
鬼柳「俺のインフェルニティには両方とも必要なんだよ!!」
鬼柳「アイドラ、オガドラ、今は死んだブリュ達シンクロモンスター!」
鬼柳「エメラル、チェイン、リヴァイエール達エクシーズモンスター!」
鬼柳「両方あって俺のデッキは成立してんだよ!!」
やめろ
鬼柳「シンクロもエクシーズも両方使って満足しようぜ!!」
遊星「・・・鬼柳」
鬼柳「すまねぇ、つい熱くなっちまったな」
遊戯「いや、僕達が間違ってたのかもね」
十代「少し熱くなってたのかもな」
遊馬「どっちが強いなんて決める必要なかったんだな」
鬼柳「ああようやくわかったかてめぇら!!」
鬼柳「ならいくぞ、お前達!!」
俺 達 の 満 足 は こ れ か ら だ ! !
鬼柳さん本編出したかったけどそうするとアキさんアウトで負ける枠足りなくなるんだ
あとインフェは考えたり書くのがめんどくさすぎる
乙でした
エキシビジョン書くと代償から1キルかブレハカリバーで1キルになるしかかない
遊星、十代、遊戯に優劣はつけたくないんだ
満足だ
あとシンクロエクシーズとか入れてもどうにもならん奴が多くて
翼神龍「いやー特殊召喚は強敵でしたね」
Entry ⇒ 2012.09.15 | Category ⇒ 遊戯王SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
雪歩「ゆっくり進んで、歩いていこう」
P「あぁ、今日はずっと事務所で業務だ」
雪歩「そうなんですかぁ」
P「雪歩も今日は久々の休みじゃないのか?」
雪歩「はい」
P「事務所にでなくても、家でゆっくりしててもいいんだぞ」
雪歩「はい……けど、台本も読みたかったので……」
P「ふーん、そうなのか」
雪歩「はい」
雪歩「えぇ!? ほ、本当ですか?」
P「あぁ、評判も良いらしいぞ」
雪歩「そ、そうなんですか」
P「雪歩は毎日、演技の勉強頑張ってたもんな」
雪歩「はい」
P「うっし、俺も仕事頑張らないとな」
雪歩「えへへ♪」
雪歩「……」ペラ……ペラ……
P「……」カタカタカタ
雪歩「……」スッ
P「……」カタカタカタ
雪歩「こ、これお茶です。どうぞ」
P「ん、ありがとう雪歩」
雪歩「い、いえ」
雪歩「……ふ~ん♪」……ペラ
P(雪歩が鼻歌だなんて珍しいな)
雪歩「ん~♪」……ペラ
P「何か良い事でもあったのか?」
雪歩「ひゃ、ひゃい?」
P「いや、機嫌良さそうだから何か良い事でもあったのかなって」
雪歩「べ、別になにもありませんよ」
雪歩「はい」
P「……ふーんそっか」カタカタカタ
雪歩「はいぃ」
P「……」カタカタカタ
雪歩「……」………………ペラ……
・
・
・
P「ん、もう、こんな時間か。……雪歩! まだいたのか?」
雪歩「はい、後少しだったので」
P「じゃあ、それ終わったら言ってくれ」
雪歩「はい」
雪歩「本当に良いんですか? 送ってもらうなんて悪いです」
P「気にするな、アイドルをこんな時間に一人で帰すのもあれだし」
雪歩「仕事ですか?」
P「前と違って仕事が多くなっただろ、疲れとかは溜まってないかと思ってな」
雪歩「えっと……お仕事は楽しいですよ」
雪歩「演技の練習も上手くいったら嬉しいです」
P「そうか……そういえば、男の人はまだ苦手なのか?」
雪歩「と、得意ではないですけど……喋るくらいならなんとか」
雪歩「……あの!」
P「どうした?」
雪歩「お、男の人が出る仕事でも……が、頑張ってやってみたいですぅ」
P「えっ! 大丈夫なのか?」
雪歩「このままじゃあ、やっぱり駄目だと思うし……」
P「……雪歩は頑張ってるな。よし、俺も手伝うから一緒に頑張っていこうな」
雪歩「は、はい!」
雪歩「それにこのままじゃあ恋愛も出来ないし……」ボソッ
P「ん? なんか言ったか?」
雪歩「はうぅ、なんでもないですぅ」
P「確か仕事は入ってないな」
雪歩「そっか……」
雪歩「……」
雪歩「あ、あのプ、プロデューサー」
P「なんだ?」
雪歩「えっと、あの、今度の日曜……」
P「うん?」
雪歩「……こ、今度の日曜日にどこかに行きませんか!?」
P「お、おう」
雪歩「あっ! こ、これはそのデートとかじゃなくて、男の人になれる為の事で……うぅ……」
P「分かってる分かってる」
雪歩「だ、だから、全然プロデューサーが特別とかではなくて、あぁいや、特別じゃないって訳でもなくて……」
P「分かってるから落ち着け雪歩」
雪歩「はうぅ……」
P「落ち着いたか?」
雪歩「ごめんなさい、コーヒーも買ってもらっちゃって」
P「気にするなって」
雪歩「はい」
P「うーん、雪歩はどこか行きたい所はあるか?」
雪歩「それは、プロデューサーに決めてほしい……です」
P「だな、よし任せろ。俺がデートをしっかりプロデュースしてやるさ」
雪歩「で、デートじゃないです」
P「そうだった、そうだった」
P「了解、じゃあまた今度な」
雪歩「……」
P「?」
雪歩「こ、これ良かったら食べて下さい」
雪歩「じゃ、じゃあ送ってくれてありがとうございました」
ダッ
P「あっ、ありがとな~雪歩~。……で、これは……お菓子か?」
P「ちゃんと梱包されてるけど、手作りっぽいな」ポリっ
P「うん、旨い」
雪歩「良かった~しっかり渡せて~」ホッ
雪歩「それに、プロデューサーと、デ……遊びの約束も」
雪歩「……///」
雪歩「け、けどこれは男の人の苦手を克服するためのもので」
雪歩「全然、デートとかではないですぅ」
雪歩「……ふふ~ん♪ ふ~ん♪」
P「おっ、早いな雪歩、まだ時間まで30分はあるぞ」
雪歩「用事があって、ちょっと早くついちゃって」
P「そうなのか、じゃ早速いくか?」
雪歩「はい」
P「それにしても、雪歩はそうゆうフワフワの服が良く似合うな」
雪歩「そ、そうですかぁ?」
P「あぁ、それに服のおかげか今日は一段と可愛く見えるな」
雪歩「えへへ、ありがとうございます」
P「それはな――――」
P植物園だ」
雪歩「うわぁー」
P「雪歩はなんか花好きってイメージがあったし、ここなら男の人とかも多くはいないだろうしな」
雪歩「植物園って初めてなんで楽しみですぅ」
雪歩「いろんな花がありましたねプロデューサー」
P「植物園だしな」
雪歩「ふぅー、静かだから落ち着きますぅ」
P「それは良かったよ……そろそろ、飯でも食にするか?」
雪歩「あ、あのぉ」
P「うん?」
雪歩「じ、実は――――」
P「旨いよ、このサンドイッチ」
雪歩「良かったですぅ」
P「この前のクッキーも美味しかったし、雪歩は料理の才能もあるな」
雪歩「そ、そんな私は全然ですよ」
P「いやいや、いいお嫁さんになるって」
雪歩「お、お、お嫁さん!? な、何をいってるんですか、プロデューサー///」
雪歩「美味しいって言ってもらえて私も嬉しいですぅ」
P「はは、じゃあ俺は飲み物買ってくるから雪歩はここで待っててくれ」
雪歩「はい」
ガチャン ガチャン
P「っと……雪歩はミルクティーでいいんだよなっと」
P「ん、ここからも雪歩が見えるな」
雪歩「」キラキラ
P「……ふつくしい」
雪歩「あっプロデューサーありがとうございますぅ」ニコッ
P「うっ……あぁ」ドキッ
雪歩「はぁ~、美味しい」
P「……」
P「よーっし、ここで重大発表」
雪歩「?」
雪歩「ほ、本当ですか?」
P「あぁ……で、その撮影は男の人と共演だ」
雪歩「えっ」
P「男と共演って事で断ってたんだけどな、この前の雪歩の話を聞いてオファーを受ける事にしたんだ」
雪歩「あうぅ……」
P「よし、一緒に頑張ろうな雪歩!」
雪歩「……はいぃ」
雪日「ひゃ、ひゃうぅ……」
監督「カットー」
雪歩「うぅ……すいません」
監督「勘弁してよ雪歩ちゃーん、もう4回目だよ」
雪歩「すいません」
監督「すいませんって言われてもね……」
雪歩「うぅ……すいません……」
P「す、すいません」
監督「はぁ……一回休憩ー」
雪歩「……はい」
P「……ごめんな雪歩、いきなりこんな仕事は難しかったよな」
雪歩「わ、私が旨く出来ないのが悪いんですぅ」
P「けど、いきなり男と手を繋ぐってのも難しかったよな」
雪歩「はぅ……」
P「いいんだぞ無理しなくても」
雪歩「でも……」
P「大丈夫だ雪歩は何も悪くないさ。この仕事を入れた俺が悪いんだからな」
雪歩「違うんです、苦手な物でも頑張って克服したいんです。プロデューサーと一緒に」
P「雪歩……」ガっ
P「あぁ、雪歩なら絶対大丈夫だ!」
P「おう!」
P「そうだ、雪歩の好きな飲み物持ってきたんだ」
雪歩「いつも、ありがとうございますぅプとデューサー」
P「はは、雪歩、手を放してくれないと飲み物とれないぞ」
雪歩「す、すいませんつい……」
P「ん?」
雪歩「えっ……あわわわ」
P「雪歩、今のままセリフ!」
雪歩「えっ、は、はい」
雪歩「―――――」
P「うん、ちゃんと出来てるじゃないか雪歩」
雪歩「本当ですか」
P「おう」
P「だな、この調子なら大丈夫だ」
雪歩「はい」
P「……」
雪歩「……」
……
P「こ、このままだと飲み物飲めないな」
雪歩「え、えっと……」
P「こ、この感覚を馴れた方が良いかもな。もうちょっとこのままでいてみるか?」
雪歩「は、はい」
ニギニギ
P「なんか、変な感じだな」
雪歩「けど、もうちょっとこのままが……」
P「あぁ」
雪歩「……」
P「……」
ニギニギ
P「ん、時間だな」
雪歩「うぅ……」
パッ
P「あっ、雪歩、ちょっとでも飲み物飲んどいた方がいいぞ」
雪歩「でも、今の手の感触を忘れたくないですぅ」
P「……」
P「な、なら俺が雪歩に飲ませるっていうのは?」
雪歩「ふぇ?」
雪歩「はいぃ」
クイッ
雪歩「んくっ……んくっ……」
P(なんかエロいな)
雪歩「んっ……はぁ……」
P「ど、どうだ?」
雪歩「す、すごく甘いです///」
雪歩「も、もう一か――」
休憩おわりま~す
雪歩「うぅ……」
P「よし、頑張ってこい雪歩」
雪歩「はい」
雪歩「おはようございますぅ」
P「おっ、おはよう雪歩」
春香「おはよう雪歩」
春香「雪歩また仕事決まったんだってね」
雪歩「う、うん」
春香「この前のTVドラマの出演から調子いいよね」
雪歩「そうかな?」
春香「うん、男の人との演技だったのに、すっごい上手だったよ
雪歩「えへへ、ありがとう春香ちゃん」
雪歩「うん、ゆっくりだけど」
春香「そうなんだ」
春香「でも、どうやって克服したの?」
雪歩「それは秘密ですぅ」
春香「えぇー」
雪歩「プロデューサー」ボソッ
P「ん?」
雪歩「今日も手を繋ぐレッスンお願いしますね」
おわり
よかった
癒される
Entry ⇒ 2012.09.15 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
淡「テルー、ちゅーしようよー」
照「……えっ」
淡「はやくー」
照「しないよ……」
淡「だめ?」
照「だめに決まってる」
淡「あー、今ケーキ食べてるから? じゃあ食べ終わったらね」
照「そういう問題じゃ……」
尭深「お茶」コトッ
淡「ありがとー」
誠子「淡、先輩には敬語を使いなさい」
淡「サー」
菫「は?」
菫「は?」
菫「待て、ケーキ返せ……じゃなくて、なんださっきの発言」
淡「え? だってスミレ、フォーク止まってるし」
菫「そこじゃないよ!」
尭深「落ち着いてください……」コトッ
菫「ああ、ありがとう……尭深はなんで落ち着いてるんだ?」
誠子「ケーキ残り一つ、誰か食べます?」
淡「はいはい!」
誠子「わかったわかった、その前に口についたクリームを拭くこと」
淡「はーい」
菫「なんで誠子も落ち着いてるんだよ……照も一言言ってやれ」
照「確かに。 淡、皆の前でキスするのは常識がない」
淡「えー」
菫「そうそう、それでいいんだ、それで」
尭深「新しく厳選したやつ……よかった」
菫「うん、ケーキにも合う……そうじゃないだろ!」バン
照「菫、テーブル叩かないで」
誠子「どうしたんですか」
菫「え、これ私がおかしいのか? なあ?」
照「なにが」
菫「照、皆の前でキスするのは常識がない、ってどういう意味だ!?」
照「そのままの意味だけど……」
菫「皆の前じゃなきゃ、お前は淡とキスするのか!?」
照「菫、落ち着いて」
誠子「そうですよ、早まりすぎです」
菫「そ、そうか、私の勘違いならいいんだが……」
照「ううん、合ってるよ」
菫「合ってるのかよ!」バン
淡「だよねー」
菫「私はおかしくないよ! おかしいのはお前らだよ! なんで皆平然としてるんだ!」
淡「私がテルとちゅーしちゃだめなの?」
菫「いや、ダメとかそういう問題じゃないだろ!」
誠子「弘世先輩、落ち着いてください」
菫「落ち着けるか!」
淡「タカミー、お茶おかわりー」
尭深「うん……」
誠子「先輩をこき使うな」
淡「だってタカミーのお茶おいしいんだもん」
尭深「……嬉しい」
照「私も、おかわり」
菫「なんだこれ……なんだこれ……」
照「何?」
淡「教室に忘れ物しちゃったから、帰りに一緒に取りいこ?」
照「いいよ、その時でもいい?」
淡「やった!」
菫「何がその時でもいいんだよ……」
照「キスだけど」
淡「えへへ……今から楽しみー、キャー!」
菫「うん、そうだよな、聞いた私がバカだった……」
淡「スミレ、またフォーク止まってる、食べちゃうよ?」
菫「ああもう、好きにしてくれ……」
誠子「また今度もこのケーキにするか」
尭深「……うん」
淡「テルー、ちゅーがだめなら抱っこして!」
照「皆いるでしょ」
淡「これくらいならいいじゃん! ほらほら!」
照「はいはい」ギュウ
淡「……ふふ、ちゅー」
照「やだ」ヒョイ
淡「ばーか!」
照「離すよ?」
淡「やだやだ、ごめんなさい」
菫「……麻雀部に何が起こったんだ」
淡「……ううん、違うよ」
菫「えっ、じゃあなんでキスしてるんだ……」
照「なんだろ?」
淡「なんだろうね?」
照「ただ普通に、日常的な出来事として、みたいな」
菫「日常的なんだ……」
尭深「結構有名です……」
誠子「記者にバレないかだけが心配ですね」
菫「いやそれも問題だけど……そうじゃないだろ……」
照「そろそろ麻雀しよ?」
淡「えー、もうちょっともうちょっと」ギュウ
菫「もう今日は麻雀はいいよ……それどころじゃない」
淡「いつからかな? あんまり覚えてないや」
照「一ヶ月前くらい、かな」
誠子「多分もっと前ですね。 私が最初に二人のキスを見たのは、確か一ヶ月半くらい前です」
菫「見たんだ……」
淡「え、見られてたの!?」
誠子「一年の教室前を通った時、キスしているのをガラス越しに、ね」
照「いつの教室だかわからない……」
淡「ねえ、もう見られてるなら部室でちゅーしても一緒じゃん!」
照「それとこれとは別」
淡「もー!」
誠子「当時のこと、聞きます?」
菫「別にいい……」
誠子「あの時は確か、宮永先輩が椅子に座って、その上に淡が向い合って座ってました」
菫「語っていくのか……」
……‥
淡「テルの髪、すごいいい匂い……」
照「ちょっと淡、離して」
淡「やだ!」
照「もうすぐ他の部活の解散時間、見つかったらどうするの?」
淡「大丈夫でしょ、大体麻雀部が一番終わるの遅いし……えへへ、落ち着くなー」
照「……なら、後十分だけね」
淡「しょうがないなー」
照「こっちのセリフ」
淡「……ねえ、ちゅーしようよ! 時間がもったいないもん」
照「ま、また? それに、約束は膝に乗っけるまで、だったはず」
照「全然違うと思うけど」
淡「いいもん、もう。 どうせテル動けないし、無理矢理にでもちゅーできるからね!」
照「……はあ、わかった。 したいならしていいよ」
淡「じゃあするね……ちゅっ」
照「……っ」
淡「……テルとちゅーするの、すごい最高だね」
照「そ」
淡「もう一回いい?」
照「別に、いいよ」
淡「……んむっ」
照「んぅ……っ」
淡「……ふぁ」
淡「入れたくなったんだもん、いいでしょ?」
照「……まあ、いいや」
淡「テルって、舌入れると目つぶるよねー。 もう一回していい?」
照「ご自由に」
淡「んぐっ……ぅ」
照「……んっ……ちゅぷっ」
淡「……んぅ」
照「……うぁ……終わった……」
淡「ふぅー……へへ、やっぱり目つぶるね!」
照「集中してる証拠」
淡「なーんだ、照れてるかと思ったのに」
照「私は確認できないけど、そういう淡はどうなの?」
淡「私も目つぶってますよーだ」
淡「テルって、私が口離すまで目開けないんだもん。 先に見るくらいの余裕はあるよ」
照「そっか……っていうか、心臓がすごいね」
淡「え?」
照「密着してるんだから、それくらい伝わる」
淡「わ、気付かなかった」
照「目瞑ってるし、やっぱり照れてるの?」
淡「当然でしょ!」
照「それなのに、私にキスしろキスしろ言ってくるの?」
淡「だって、ちゅーしたいんだから仕方ないでしょ」
照「なら、仕方ないか」
淡「だね。 もう一回するよ?」
照「その前に、一ついい?」
照「顎の横によだれが垂れてる、気持ち悪い」
淡「あー……ほんとだ」
照「拭いて」
淡「……ぺろっ」
照「ん……ちょっと」
淡「……どう?」
照「どうも何も……」
淡「……ちゅっ」
照「……わざと? 舌で舐められても、何も変わらないって」
淡「もー、楽しかったのに!」
照「もういい、自分で拭くから降りて」
淡「やだ」
淡「はいはーい、しょうがないなあ……あれ?」
照「どうしたの?」
淡「ハンカチ入ってなかった。 カバンの方に入ってるかも、残念」
照「降りて取りに行く気はないの?」
淡「ないよ!」
照「十秒もかからないのに?」
淡「うーん……ちゅーしてれば、そのうち気にならなくなるでしょ」
照「まだする気だったんだ……」
淡「だって我慢できないしねー、いちいち拭くのも面倒くさいじゃん」
淡「ほらテルー、ちゅー」
照「ぅ……ん」
淡「……んぐ……んっ」
………
…………
誠子「後は、ずっとそんな感じでした」
淡「あ、それ初めて教室でちゅーした時だね」
照「やっぱり見られてた、だから教室はだめって言ったのに」
淡「でも見られたのがセーコで良かったじゃん、それにちゅーできる場所が広がって、ほぼ毎日できるようになったんだしさ」
誠子「敬語」
淡「はい」
誠子「三十分ほど眺めた末にメールに気付いて帰宅したので、最後まではわかりませんけれど」
菫「毎日……しかもそれだけ語って最後までじゃないって、一体どれだけやったんだよ……」
淡「一時間だったかなー」
菫「なが……」
尭深「…………」
尭深「……私、もっと前に見ました」
照「ほら、尭深にも見つかってる」
淡「だーかーらー、じゃあ部室でちゅーしても一緒じゃん! しようよー」
照「一線越えてるか、越えてないかの違い」
菫「安心しろ、もう十分越えてるから……」
誠子「で、尭深はいつ見たの?」
尭深「えっと……」ペラペラ
菫「え? 何そのノート? 分厚くない? そんなもの持ち歩いてたの?」
尭深「あった、64日前……です」
菫「なんでそんなにビッシリ書き込まれてるの? ねえ」
尭深「読み上げていいですか?」
菫「なんで答えてくれないの?」
尭深「◯月×日△曜日、本日よりこの日記帳を……」
菫「ねえ尭深? 聞いてる?」
………
◯月×日△曜日
本日よりこの日記帳を、淡照(淡ちゃん×宮永先輩)専用の観察日記へと変更します。
私は新しいお茶が手に入ると、決まって部室に一番乗りするのです。
昨日に入手したお茶が大変美味しいものだったため、本日も例に漏れずに真っ先に部室へと乗り込み、給湯室にてお茶の準備をしていたところから事件は始まります。
今にして思えば、前日にタイミングよくお茶を入手していた時点で、既に何かの縁が働いていたのかも知れません。
私は部室へ足をつけた途端、まず形容し難い違和感をキャッチしました。
誰もいない部室の雰囲気を、誰よりも知っている私だからこそ、感じ取れたであろう違和感。
その違和感は、ベットの方から聞こえる一つの声によって氷解します。
ただの唸り声ながら、よく透き通った音――それは間違いなく、宮永先輩のものでした。
そうとわかれば何も恐れる必要はありません、安心してお茶の準備に取り掛かることができます。
なぜ宮永先輩が私よりも早く部室に顔を出し、おまけにベットの上で眠りこけていたのかはわかりません。
私は宮永先輩を起こさぬように、音を殺しつつ給湯室へ向かったのみですから。
それから数分後、今度は淡ちゃんが部室へと参上しました。
軽い挨拶を引き下げて入ってきたために、顔を見るまでもなく正体を特定できました。
「夜更かししちゃったから、眠いなぁ。 皆来るまでベット借りよっと」
淡ちゃんが早くくるのは珍しいものの、その理由は先の独り言に集約されていました。
ちょうどその位置で落ち着いていたために、淡ちゃんは私が先客だということに気が付かなかったのでしょう。
私はハイテンションで挨拶ができるほど肝の座った性格ではありませんから、気付かれるまで大人しく構えてようと思っていたのです。
「わ、テルが寝てたら私が寝られないじゃん!」
勢いよく開けられたカーテンの悲鳴を聞いた直後、淡ちゃんの発言を耳に入れました。
先客が宮永先輩であるという私の推測は外れておらず、この時妙に勝ち誇った気分だったことを覚えています。
しかしそんな些細な感情は、すぐに上書きされることとなりました。
「テルー、起きてるー?」
その発言をきっかけとして、淡ちゃんは何度も宮永先輩の状態を確かめていました。
割って入ってはいけないと忠告する本能に従い、私はこの大人しくする方針を貫き、黙ってその様子を眺めることとしたのです。
結果的には、これは英断だったと言えるでしょう。
淡ちゃんの顔を一つ拝見した時、その頬はやや赤く染まっていました。
そして同時に、鯉のように口元を開いては閉じ、閉じては開いてを繰り返していたのです。
淡ちゃんが全身から発している雰囲気にも通行止めを食らってしまい、大人しくしようと二重に決意を固めた時でした。
「……テル、好き。 好き、好き……」
淡ちゃんは顔を枕元へ向け、後は零すように「好き」を繰り返すのみでした。
淡ちゃんの顔が徐々に加熱されてゆくのを見守る中、私は心中にて淡照を愛でる気持ちが、淡ちゃんの顔の如く加熱されていくのを自覚していました。
以前から照菫か淡照かは悩むところでしたが、こうなればもう迷う余地はありません。
とはいえ今は、そちらに構っている場合ではありませんでした。
唐突な出来事は、それから少ししたあたり。
淡ちゃんが、仰向けで眠る宮永先輩へとキスを仕掛けたのです。
それも、一度でも二度でもありません。
淡ちゃんは顔をひどく引っ掻いたように真っ赤にしながら、五回六回とキスを繰り返しており、私はついにその数を数えることをやめてしまったのです。
淡ちゃんが勢いよくカーテンを開けてくれたため、事件の全体像を眺めることができたのは幸いの一言。
無論、こんなことをされて目覚めないはずはありませんでした。
「淡……?」
「あっ……お、おはよう、テル……」
「……ま、まさか、キスしたの?」
「…………」
「答えて」
「……う、うん」
淡ちゃんとは対照的に、宮永先輩は特別顔を染める様子はありません。
何が起きたのか言葉にできないといった体で、ただただ淡ちゃんを見つめていました。
「……キス、したいの?」
「えっ?」
「いいよ、したいなら」
宮永先輩は淡ちゃんを許容しても尚、恥ずかしがるところを見せません。
キスを仕掛けた当人である淡ちゃんの方が、いつもの様子を裏返しにして、頭を動かしたり指を動かしたりの挙動不審に陥っていたのです。
心の中で腕を握りつつイエスと返答、それが通じたのでしょうかはわかりません。
「……うん、テル、ちゅーしたい……」
淡ちゃんはそれ以降、貪るが如く――いいえ、事実宮永先輩の唇を貪り始めたのです。
宮永先輩は先刻淡ちゃんへと問いかける際、共通して寝たままの姿勢でした。
その姿勢を一度崩して、ベットの上で改めて正座をし、再び淡ちゃんを見つめ直します。
「動かないから、していいよ」
宮永先輩の口から出た言葉が、淡ちゃんの理性を噛み砕いたのでしょう。
淡ちゃんは宮永先輩の腕を巻き込みつつ抱擁し、磁石の如く引き寄せた後は、何度も何度もキスの繰り返し。
二人は区切りがつく度に、過呼吸なのでは、と疑いたくなるほどに酸素を補給していました。
淡ちゃんの場合、酸素を必要とする要因の一つに、興奮も含まれていたことでしょう。
そうして一呼吸終われば、一回が非常に長いキスを再開していき――何回も何回も、その繰り返し。
一生無縁と思っていた無音カメラをスマートフォンのマーケットからダウンロードする為、興奮を抑えつつ最速でタッチパネルを操作するのには大変な労力を要しました。
淡ちゃんと宮永先輩のキスが始まり、どれほどの時間が経過したのかはわかりません。
淡ちゃんは休憩の際に時々咳き込むほど呼吸を繰り返しており、休憩時間も徐々に長くなっていきました。
半ば意地によって支配されている面もあるかもしれません。
一連の中で最も長く、最も咳き込んだ休憩が終わった直後。
「テル、もっと深いちゅーがしたい……」
「今更本気も何もないでしょ」
「……いいよ」
「遠慮しないから……」
とてもそうには見えませんが、まるで今まで遠慮していたかのような言い回しで、淡ちゃんは宮永先輩に確認を求めます。
宮永先輩は特に答えず、ただ目を少し逸らすのみでした。
淡ちゃんも宮永先輩の心中を察してか、あるいは復活しかけたリミッターが再び解除されたためかはわからないけれど、もう好き勝手に宮永先輩の舌に自らの舌を重ねていました。
さすがの宮永先輩も参った模様、頬に赤みが見え隠れしています。
そして先述の休憩の際には、透明な糸が二人を繋げたり、千切れ落ちたそれが宮永先輩のスカートやベットに侵食もしていました。
「こんなことがあるなら、眼鏡に頼らずに視力矯正をしておけば良かった」と今日ほど悔やんだ日はありません。
肉眼に記憶するのが最善ですが背に腹は代えられない、無音カメラのズーム機能に頼り、今回は幕引きすることとしました。
気付かれぬように、行為中に音を立てずに脱走し、澄ました顔で再び入室しました。
今日の出来事はこれで終わり、惜しいですが引き際が肝心です。
もし弘世先輩あたりにバレて、二人を引き裂かれたらたまったものではありません。
◎おまけ
私の中に意外にも残っていた冷静さは、宮永先輩がディープキスの際に目を閉じる癖を発見してくれたため、記念としてここに記そうと思います。
…………
尭深「……以上。 残り三ページは淡照と当日の事件についての考察だから、見る意味はないです……」
菫「尭深がそんなに喋ってるの初めて聞いたよ……意外な一面を見られて嬉しいけど、ちょっと意外すぎかな……」
淡「……うぅ」
照「淡、どうして顔赤いの?」
淡「……もう! なんでわかんないの!」
照「??」
誠子「宮永先輩……それは淡がちょっと可哀そうというか、おかしいですよ」
菫「本当だよ……お前らおかしいよ……」
尭深「ねえ……後でさっきの教室の話、メールで文章にして私に送ってくれない?」
誠子「え? うん、いいよ」
尭深「ありがとう……これでピッタリ30ページ目……」
菫「そんなに記録してるのか……」
尭深「ふふ……やった」
菫「うわ……たかみーが笑ってる……お茶とかブドウの話の時くらいしか笑わないのに……」
尭深「あの、今日は試したいことがあって……大会ルールじゃなくて、ローカルルール適用でいいですか?」
照「いいよ、何?」
尭深「アリアリ、大四喜・十三面他ダブルあり、トビなし、二位抜け……いいですか?」
誠子「ああそれね、いいよ」
照「うん」
淡「私も! ダブルないともったいないもんねー」
尭深「じゃあ、このルールでやる時、いつもやる罰ゲームもアリ……いいですね?」
誠子「尭深から言ってくるのは珍しい。 私は構わないよ」
淡「だねー」
照「ほら菫、起きて」
菫「もう勝手にしてくれ……砂になりたい……」
淡「?」
尭深(今のアイコンタクトで、全てが通じるはず……)
淡(私とテルを見た……もしかして、テルを協力して倒せばいいの?)
淡(このルールはトップ者がそれ以外の人を選んで、損をしない程度の罰ゲームを負わせられるルール……)
淡(もしテルが連荘しても、トビがないからオーラスのタカミー、しかも親まで回ればまず勝ち……でも、実際タカミーはラス親なんて滅多に引かない)
淡(……さっきの様子を見ると、タカミーが勝った時に私達に科すゲームは)
淡(……よし、そうとなれば私が勝つ必要はない! それよりも確実に勝つ道……卓上に与えるべき支配力を、全て親決めに注ぐ!)
東:誠子 南:照 西:淡 北:尭深
淡(やった!)
淡(後は和了を狙いつつも、テルとセーコの阻止……最悪、和了を放棄してでも妨害重視でいいかな)
尭深「……自摸。 国士十三面」
連荘
尭深「自摸。天和、国士十三面」
尭深「天和、国士十三面」 尭深「天和、国士十三面」
尭深「天和、国士十三面」 尭深「天和、国士十三面」
尭深「天和、国士十三面」
尭深「天和、国士十三面、八連荘」
誠子「ね、ねえ……そろそろ無理じゃない? これ」
尭深「あっ、そっか……ごめんなさい」
照「普通の麻雀させて……」
淡「で、タカミーはどんな罰ゲームがいいの?」
誠子(いつもなら、尭深のことだから「お茶淹れてください」程度の優しいものだけど……)
尭深「……宮永先輩、淡ちゃんにキスしてください」
淡「だよねー!」
照「……は?」
尭深「はい」
照「それはちょっと……恥ずかしい」
尭深「でも、もう既に皆にバレたじゃないですか」
照「でも、見るのと聞くのは違う、っていうか……」
尭深「……じゃあ見せます、はい」
誠子「ん?」
尭深「これ、ベットで淡ちゃんと宮永先輩がキスしてた時の写真……」
淡「わ、ちょっとちょっと! プライバシー!」
尭深「……キス、したくないの?」
淡「そりゃ、すごいしたいけどさ!」
尭深「今日だけじゃない。 明日以降、部活内で好きなだけできるようになるよ……?」
淡「……うぅ、もう、わかった! 恥ずいいい‥…」
尭深「それでいい」
誠子(尭深が輝いてる……)
照「な、なに?」
淡「もう皆にバレちゃったし、いいでしょ?」
照「…………」
淡「ま、ダメって言われてもするけどね! テルってば押しに弱いんだもん」
照「まあ、確かに今更かな」
淡「でしょ! ちゅー」
照「その前に、一つ聞いてないことがある」
淡「え、なんかあるの?」
照「……淡は、私の事が好きなの?」
尭深(今更?)
誠子(本当に気付いてないのかと思った……)
照「尭深から聞いて、やっとわかった。 そこだけハッキリさせたい、どうなの?」
淡「……テ、テルは?」
照「今質問してるのは、私」
淡「……やだよ、もしテルから振られたら、私もう何もできなくなっちゃう」
淡「だから、これでもいいやって思って……それで、あんなこと……」
照「……私も一緒、万が一にも振られることは怖い。 だからあの時、淡にキスをさせた」
淡「え……」
照「好きでもない人に、キスさせるわけないでしょ?」
淡「……テル、好き」
照「うん」
淡「付き合って、それで、これからもずっと……」
照「……うん」
照「いいよ」ギュッ
淡「頭、撫でて」
照「うん」
淡「えへへ……すっごい幸せ!」
照「……キスは、しないの?」
淡「テル、タカミーの言葉、覚えてる?」
照「罰ゲーム、キス、するんでしょ?」
淡「もう罰でもなんでもないけどね。 ちゅーはするけど、私はしないよ」
照「どういうこと?」
淡「タカミーは、テルの方から私にちゅーして、って言ったんだよ」
淡「そんなの関係なく、テルからして欲しいけどね。 思えば、私が一方的にちゅーしているだけだったもん」
照「……わかった。 顎の力抜いて」スッ
淡「ん……」
淡「っ……うぁ……」
照「……ふぅ……淡、顔真っ赤」
淡「えへへ、なんでだろう……なんか、テルからちゅーされるの、すごいいいよ」
照「……んぐっ」
淡「あ……んむっ……ぅ……」
照「んっ……ぷはっ」
淡「……ねえテル、もっとやっていいよ?」
照「遠慮しないからね……んっ」
誠子(振られるわけないんだよなぁ……)
尭深「……今日は赤飯」ゴロゴロ
誠子「尭深、床で寝っ転がるのやめて」
菫(決勝戦の中堅戦前は、尭深に二人のキスを見せることにしようかな……)
菫(もうどうにでもなれ……)
おわれ
ちょーよかったよー
すばらでしたよ
Entry ⇒ 2012.09.15 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
雪歩「ゆきぽランドへようこそ」
P「わー!待て!雪歩、穴から出てきてくれーーー!!!」
………
小鳥「雪歩ちゃん、今日も大きな穴あけたわねぇ」
P「はぁ、また穴を塞がないと…」
雪歩「ご、ごめんなさい…」
美希「雪歩はもっと自信持った方がいいと思うの」
P「そうだな。まぁこれから直していこう、雪歩」
雪歩「は、はい…」
小鳥「穴は明日、業者さんを呼んで直しておきますね」
P「すみません、音無さん。じゃあ、俺は雪歩を送って帰りますね」
小鳥「はい、お疲れ様です」
美希「明日はミキのこと送ってね、ハニー!」
P「はいはい、じゃあ、お疲れ様です」
雪歩「お、お疲れ様でした」ガチャ
小鳥「そうねぇ。どこにそんな力があるのかしら…?」
ガチャ
春香「お疲れ様でーす!あれ?二人で何してるんですか?」
小鳥「あ、春香ちゃん、お帰りなさい。今、美希ちゃんと二人で雪歩ちゃんの空けた穴を見てたのよ」
美希「改めて見ると深いの」
春香「ふーん、どれどれ………あ!うわぁあ!」
美希・小鳥「「!!?」」
ドンガラガッシャーン
春香「す、すみません!大丈夫ですか?」
美希「春香のせいで、美希たちまで雪歩の穴に落ちちゃったの」
春香「ご、ごめん」
小鳥「それにしても深いわねぇ。20mくらいはありそうね…。どうやって雪歩ちゃんは上まで登ってるのかしら…?」
春香「も、もしかして出られなくなっちゃいました…?」
美希「えーー!!」
小鳥「ちょっと、まずいかもしれないわね…」
春香「………す、すみません」
小鳥「きっと、誰かが事務所に寄った時に気付いてくれるだろうから、それまで待つしか…」
美希「………あ!!なんか、横穴があるよ!」
小鳥「雪歩ちゃん、横穴まで掘ってたのね…」
美希「行ってみるのー!」
春香「あ!待ってよ、美希!」
小鳥「ちょ、ちょっとー!」
春香「ドアがあるね」
小鳥「確かにドアね…。何でこんなところに…?」
美希「開けてみればわかるの!」
春香「なんか、嫌な予感が…」
小鳥「そうね、開けてみましょう」
春香「え!?開けるんですか?」
小鳥「戻れないんだから、開けるしかないでしょう?それになんだかわくわくしてきたわ!」
春香「こ、小鳥さん!?」
美希「オープンザセサミなのー!!」
ガチャン!
春香「街だね」
小鳥「なんで地下に街が…」
春香「なんか空があるんですけど、ホントに地下なんですか…?」
小鳥「よく見ると、天井に空の映像を映してるだけみたいね…」
春香「あ!ホントだ!」
美希「おもしろそうだから、探検しみるの!!」
春香「え、ちょちょちょっと美希ぃ!もう戻ろうよ!」
美希「えーー!!せっかくここまで来たのに、もったいないの!!」
春香「で、でも…」
ビー!ビー!ビー!
小鳥「な、なにかしら…?警報…?」
『シンニュウシャ発見、シンニュウシャ発見』
?「見つけたぞ!!」
三人「!!?」
小鳥「ゆ、雪歩ちゃんのお面をかぶった全身黒タイツ…」
美希「へ、変態なのーーー!!」
小鳥「な、なんかやばそうね…。と、とりあえずここから逃げましょう!!」
雪歩仮面A「追え!!逃がすな!!」
雪歩仮面B~G「イー!!」
春香「だ、だから嫌だって言ったのにーーー!!!!」
美希「あふぅ…美希もう疲れたの…」
小鳥「コヒュー…コヒュー…わ、脇腹が…」
美希「美希お腹減ったの…おにぎりが食べたいの…」
春香「そんなこと今言ってる場合じゃ…」
美希「あ!!春香!小鳥!ちょうどいいところにローソンがあるの!!」
小鳥「は、萩原雪歩フェア…?」
春香「何でこんなところに…。ていうか、追われてるんだから寄ってる場合じゃ…!」
美希「腹が減っては戦はできないの!」
小鳥「………一番くじはやってるのかしら?」
春香「小鳥さんまで!?」
美希「………店員が律子のお面かぶった変態なの」
小鳥「あ!くじがあるじゃない!」
春香「はぁ~、そんなことしてる場合じゃないと思うんですけど…」
美希「とりあえずおにぎりを買うの!春香、会計お願いね!」
春香「…はい?」
美希「春香のせいで着の身着のままで穴に落ちたから、財布を持ってないの!責任とって、ここ春香が払うのが筋だと思うな!」
春香「えぇー」
小鳥「春香ちゃん、私もくじを引けるだけ引きたいから、貸してくれないかしら?とりあえず、ストラップは全種類欲しいピヨ」
春香「引けるだけって………。一体、いくらかかるんですか!?」
小鳥「戻ったら倍にして返すピヨ」
春香「………」
小鳥「くじもこれで引けるだけ、お願いします!!!」
春香「………はぁ」
律子仮面「60万7000ペリカニナリマース。アジャジャーース」
春香「ぺ、ペリカ?」
律子仮面「………?もしかして、旅行者の人?ペリカないなら円でも大丈夫ですけど?」
春香「………じゃ、じゃあ、これで足りますか…?」
律子仮面「6万700円ノオアズカリデ、3000ペリカノオカエシデース」
春香「あ、ありがとうございます…。お札に雪歩の顔が描いてある…」
律子仮面「アジャジャシター」
美希「この辺だと、ユキポタワーってところが観光名所だってさっきの店員さんが言ってたの!行ってみたいの!」
春香「いや、帰り道を探さないと…」
美希「えー!!せっかくきたのに、ただ帰るのはもったいないの!」
小鳥「美希ちゃん、ユキポタワーはこっちみたいよ。あとでお土産屋さんにも寄りましょう」
春香「小鳥さんまで…。そもそも街の人たちがみんな、雪歩の仮面かぶった全身タイツだし……。なんなの、この街…」
小鳥「さっきローソンで買ったるるぶによるとユッキーっていうみたいね。ユッキーのグッズは売ってないのかしら…?」
春香「いつの間にるるぶまで…」
ユッキー「………」クルッ
美希「あ!ユッキーがこっち向いたの!小鳥、写真撮ってー!」
春香「ちょ、ちょっと美希!?」
ユッキー「………ハハッ、ミイーツケタ」
美希「へ?」
ユッキー「ワルーイ、ワルーイ、フホウニュウコクシャハ、オシオキシナキャネー」
三人「ヒィッ!!!」
美希「に、逃げるのー!!!!」
小鳥「助けてーー!!」
美希「着ぐるみのくせして、めちゃめちゃ早いの!!」
小鳥「ヒィー、わ、脇腹が限界ピヨ…!」
ユッキー「ハハッ!ニゲラレルト、オモッテルノカイ?」
美希「お、追いつかれそうなの…!小鳥、はやくするの!!」
春香(………このままじゃ、捕まっちゃう!)
小鳥「げ、限界ピヨ」
春香「小鳥さん、ごめんなさい!」ドン!
小鳥「えっ!?」
ユッキー「マズ、ヒトーリ、ツカマエタヨ………ハハッ!」
小鳥「ぴ、ピヨーーーーーー!!!!」
美希「ひ、ひでぇの…、小鳥をオトリにしやがったの…」
春香「さっきのコンビニで好き放題、人の金を使った罰ですよ!罰!」
美希「外道なの…」
美希「春香は背中に気をつけるの」
春香「まぁまぁ、この春香さんの機転でうまく逃げれたんだし、そういわずに…」
ユッキー「 ミ イ ツ イ ケ タ 」
春香・美希「ヒィッ!!!?」
ユッキー「コトリハ、ギセイニナッタノダ……ギセイノギセイニナ………」
春香「………こうなったら、美希を生け贄に…」
美希「は、春香!?」
ユッキー「サァ………オイデ………ハハッ」
美希「た、たすけて………!」
ユッキー「………………」ピタッ
美希「?」
ユッキー「………………」クルッ テクテクテク
春香「引き返していった………?」
美希「た、助かったの………?」
美希「危なかったの………」
春香「どうして急に引き返しちゃったんだろう………?」
美希「美希、ユッキーより春香の方が怖い気がしてきたの」
春香「あ!み、美希!あれ、あれ見て!!」
美希「ごまかそうったって、そうはいかないの」
春香「いいから!あれ!あれ!!」
美希「?なんなの?………………雪歩!!?…………………の下半身!!!????」
美希「ゆ、雪歩の下半身が空から生えてるの………」
雪歩の下半身\ワタシナンカ、アナホッテ、ウマッテマスーーー!!!!/
春香「な、なんで空から………」
美希「あ!ユキポタワーのてっぺんにたくさんユッキーがいるの!」
春香「な、なんか肩車で、どんどんユッキーが重なって………!」
美希「ゆ、雪歩の下半身にまで届いたの!さらにユッキーがどんどん雪歩を空の上に押し上げてるの!!」
春香「な、なるほど………。雪歩はいつもああやって、穴からでてきてたんだね………」
美希「正直、きもいの………」
春香・美希「!?や、やよい!!?」
やよい「お疲れ様です!お散歩ですか?」
春香「い、いや、ちょっとね…。それより、やよいはなんでこんなところに…?」
やよい「今日は、すぐそこのY'sマートでもやしがなんと50ペリカなんです!!!」
春香「そ、そうなんだ………。い、いや!!そうじゃなくて………!!!」
やよい「あ、それにそれに、卵もお一人様1パック限り1000ペリカなんです!!!!」
春香「よ、よかったね、やよい」
やよい「はい!!今日はもやし祭りなんです!!!」
やよい「でも、卵は1パックしか買えないから………」
春香「じゃじゃじゃあ、一緒に行こうか!私たちがいれば、3パック買えるし」
やよい「!!い、いいんですか!!?うっうー!!!ありがとうございます、春香さん!!!」
やよい「春香さん、美希さん!今日はありがとうございます!!おかげで卵がいっぱい買えましたー!!!」
春香「どういたしまして」
美希「やよいはえらいの!こんなところまで来て………」
春香・美希「は!?」
やよい「どうしたんですか?」
春香「いや、そうじゃなくて、やよいはどうやってここに………?」
美希「やよいのペースにまんまとのせられたの」
やよい「毎週金曜日はY'sマートゆきぽらんど店が特売なんです!!近所では一番安いんでいつも来てるんですよー」
美希「ま、毎週……?」
やよい「そうですよー!それに雪歩さんがいつもペリカをくれるんですー!」
春香「そ、そうなんだ…」
春香「あ!ちょっと待って!」
やよい「?」
春香「いや~、なんというか、えーと」
美希「美希たち道に迷っちゃったの!帰り道を教えて欲しいの!」
やよい「あわわわ!そうだったんですかー!?す、すいません!困ってるのに私の買い物に付き合わせちゃって…」
春香「ううん、いいの。全然、大丈夫だから、今から案内してくれないかな?」
やよい「もちろんです!こっちですよー!」
春香「ありがとう、やよい」
美希「これでやっと帰れるの…。ひどいめにあったの」
やよい「あ!こんにちわー」
?「コンニチワ、ヤヨイチャン」
春香・美希「?」
春香・美希「!!!???ひっ!!!ゆゆゆゆゆゆユッキー!!!!!???」
ユッキー「ミツケタヨ、ハハッ」
ちょっとゆきぽランド行ってくる
ユッキーがそっち向かったぞ
春香「いや、ユッキーだよ!やよい、あぶないよ!!?」
やよい「ユッキーさんはいい人ですよー!いつも困ってるところを助けてくれます!!」
春香「いやいやいや、さっき私たちユッキーに襲われて…」
ユッキー「不法入国者ハ、シマッチャオウネ………」
やよい「ふほーにゅうこくしゃ?あ!!もしかして、二人はパスポートもってないんですか!?」
春香「パスポート!?」
美希「もしかして、パスポートがあれば襲われないの!?どこので手に入るか教えてほしいの、やよい!?」
やよい「うぅー、私は雪歩さんにもらっただけなので………。うぅ…ごめんなさい!わからないです…うー…」
ユッキー「サァ、シマッチャオウネ………」
やよい「ゆ、ユッキーさん!なんとか、二人を見逃してあげてください!!」
ユッキー「………」
やよい「………だめですか?……あ!じゃあ、この卵ともやしをあげますから!!お願いします !!」
ユッキー「………」
やよい「私のお友達なんです!おねがいします!!」
ユッキー「ゴメンネ………ヤヨイチャン」
やよい「うー………」
春香「……やよい、ありがとう。もう十分だよ」
やよい「春香さん………」
春香「………じゃあね!やよい!………ごめん、美希!!!」ドン
美希「あ!春香、汚いの!!!美希を生け贄にしやがったの!!」
ユッキー「ハハッ、ツカマエタヨ」
美希「ひぃ!!」
春香「あばよ!!!」
ユッキー「モウヒトリモ、ニガサナイヨ…」
美希「あ…、あ…、あぁ…」
やよい「み、美希さん!!」
ユッキー「…………サヨウナラ」
美希「ヒィ……い、いや!いやなの……!」
?「そこまでですぅ!!!!」
美希「こ、国王!?」
雪歩「そ、その人は私の友達なんです!」
ユッキー「シカシ………コヤツハ、フホウニュウコクシャ…フホウニュウコクシャハ、シマッチャウノガ、ユキポランドノ、オキテ…」
雪歩「ユッキー234号さん!!このゆきぽランドでは私がルールです!!」
雪歩「し、従ってくれないと………私…私…!!」
ユッキー「………」
ユッキー「……………………ギョイ」シュパッ
美希「き、消えたの………」
美希「………大丈夫なの!!それよりありがとうなの、雪歩!!」
雪歩「遅くなってごめんね。あとで美希ちゃんにもパスポートあげるから」
美希「うん!!それより、すごいの、雪歩!!地下にこんな街があるなんて!!」
雪歩「そんな、私なんて…」
美希「雪歩はもっと自信もっていいの!!さっきだって、あんなにかっこよく美希のこと助けてくれたんだから!!」
雪歩「美希ちゃん………」
やよい「あのー、春香さんどこかに行っちゃったんですけど、どうしましょう…?」
雪歩「春香ちゃんの来てるの!?」
美希「春香の奴、小鳥のみならず、美希まで裏切りやがったの」
雪歩「えぇ!?」
美希「………これはお灸を据えてやる必要があるの」
貴音「おや?春香ではありませんか?」
春香「た、貴音さん!?貴音さんまでこんなところに…!?」
貴音「はい、私このゆきぽランドでアルバイトをしているのです。バイト代のラーメン二十郎ゆきぽランド店の無料券は魅力的ですから」
春香「そ、そうですか…。バイトって一体どんなことを…?」
貴音「私のアルバイトですか?それはですね、春香…」
春香「そ、それは…?」
ユッキー234号「このような着ぐるみを着て、ゆきぽランドの治安を守るアルバイトですよ」
春香「ひっ!」
ユッキー234号「では、春香…。あナたのよウな…人ヲ売ッテ自分ダケ助カロウトスル、フホウニュウコクシャハ、シマッチャオウネ……」
春香「い、い、い、いやぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!!!!!」
美希「ユッキーも、意外と話せるやつで楽しくやってるの!」
P「雪歩、今日はよくがんばったじゃないか!!」
雪歩「いえ、私なんかまだまだですぅ…。でも、ありがとうございます!!」
美希「雪歩もなんだか、少し自信を持ったみたいなの」
美希「そういえば、最近春香を見てないの…。雪歩、春香はどうしたの?」
雪歩「?春香ちゃんって誰かな?」ニコニコ
美希「え!?いや、春香は春香なの!雪歩が知らないはずないの!?」
雪歩「………美希ちゃん」ニコニコ
美希「………」
美希「美希、寝ぼけてたの。美希は何も知らないの」
春香・小鳥「ひぃ!!!」
春香「まさか、ゆきぽランドの開発工事をやらされるなんて…」
小鳥「…ピヨォ。昨日も給料日なのに、ビールに焼き鳥にポテチに…さ、散財してしまったピヨ…」
春香「私も昨日、班長にチンチロで大負けして…うぅ…」
春香「これじゃあ、いつになったら出られるようになるのか…」
小鳥「一日外出券への道は遠いピヨ…」
ユッキー「おらぁ!!そこ!さぼってんじゃねーぞ!!!!」ビチンッ
春香・小鳥「ひゃあ!!」
春香「ご、ごめんなさい!!!」
小鳥「む、鞭はやめてください!!!」
春香・小鳥「もぉーやだー!たすけてー!プロデューサーさぁん!!!」
おわり
面白かったよ、乙
Entry ⇒ 2012.09.15 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
木胡桃「わたし、落語家になったんだよ」
落語家をやってます
女のコが落語家なんて珍しい
そう思う人が、多いかもしれません
でも
わたしが落語をやるのには、理由があるのです
がらっ
木胡桃「おはようございまーす」
魔梨威「おはよーさん、今日も元気だねぇ」
この人は、蕪羅亭魔梨威さん
同じく落語家をしています
そう
わたしが落語家をしている理由
それは、この人にあるんです
~数年前~
木胡桃「うぅ、今日こそは学校行こうと思ったのに」
木胡桃「また、さぼっちゃったよ」
この頃
わたしは不登校をしていました
いろんな悩み
いろんな不満
少しづつ、少しづつ積み重ねていったわたしは
ある夏
ついに、それらを爆発させてしまったのです
木胡桃「それにしても」
木胡桃「今日は、高校のコ達が多いな」
木胡桃「なんかあったのかな」
木胡桃「あ、ごめんなさいっ」
生徒A「んだよ、いってぇな」
生徒B「って、あれ?」
生徒B「こいつ、どっかで見たことね?」
木胡桃「・・・あ」
その人達は
わたしが極力、関わりを避けてきた女のコ達でした
生徒A「あー、そういえばいたよな、一学期には」
生徒B「急に来なくなっちゃって、どしたん?」
木胡桃「そ、それより、なんでこの時間に?」
生徒A「ただいま、テスト期間中~♪」
生徒B「テストなんて、かんけーねーもんな」
生徒A「いいよなー、引きこもりは」きゃはは
木胡桃「・・・わたしだって、好きでやってんじゃないし」ぼそっ
生徒A「あ?」
生徒B「いま、なんか言ったか?」
木胡桃「な、なにも」
生徒A「そーだ」
生徒A「学校こねーってことは、悩みとかあんだろ?」
生徒A「それをうちらが、聞いてやるとかよくね?」
生徒B「おー、いいじゃん」
生徒B「カラオケとかどーよ?」
生徒A「おい」
生徒A「話聞いてやるっつーのに、なんだその態度」
生徒B「ほら、怒らせんじゃねーって」
生徒B「どうせ、時間あんだろ?」
生徒A「もちろん、金もなー」
木胡桃「あ・・・あ」
そこに居たのは
見たことのない制服の
見たことのない女のコでした
生徒A「なんだてめー」
生徒B「うちらは、友達なんだ」
生徒B「邪魔してんじゃねーよ」
生徒A「な、うちら友達だよな?」
木胡桃「え、あの」がたがたっ
木胡桃「え?」
魔梨威「違うなら違うって、ちゃんと言え!」
魔梨威「嫌なら嫌って、ちゃんと言え!」
魔梨威「あんたの口は、なんの為についてんだい!」
みんなが呆気にとられていました
わたしにとっても
知らない女のコに怒られるなんて
初めての経験だったし
だけど
その一言は、わたしの忘れてたなにかを
思い出させてくれたのです
木胡桃「それくらい、自分で言えるもん!」
木胡桃「わ、わたしは、わたしはっ」
ぐっ
木胡桃「あんた達なんかと、カラオケなんか行きたくない!」
木胡桃「行きたきゃ勝手に行け、バーカ!!!」
生徒A「なっ!?」
生徒B「てめー、ナメんのもいい加減に・・・」
がしっ
生徒B「!?」
魔梨威「こっからは、あたしの出番だな」
魔梨威「ケンカなら、買ってやるよ」
魔梨威「一発、いいのもらっちまった」
木胡桃「あ、あの、大丈夫ですか?」
魔梨威「心配なら、あっちの心配してやりなって」
魔梨威「それに、散々脅しつけてやったから」
魔梨威「もう、悪さなんてしないだろ」
木胡桃「なんで、わたしの為にこんな」
魔梨威「別に、あんたの為じゃないよ」
魔梨威「あーゆーのって、ムカツクじゃんか」
魔梨威「な、なんで笑うんだい!」
木胡桃「だって、そんなことだけでケンカしちゃうの?」
木胡桃「それに、その話し方って」
魔梨威「これかい?」
魔梨威「あたしは、落語家に憧れてるんだよ」
木胡桃「落語家?」
魔梨威「あたしのしゃべりで、みんなが笑顔になる」
魔梨威「素敵なことだと、思わないかい?」にっ
その女のコは去って行きました
聞けたのは
県外から、テスト休みで法事に来たこと
そして
落語家に憧れてること
それだけでした
ほどなく
わたしは、学校に行くようになりました
あの二人がわたしにちょっかいを出すことは
もちろん、ありませんでした
来る日も来る日も
落語と名のつくHPを漁り
来る日も来る日も
書店に並んだ雑誌に、目を通したりしました
そして
ついに見つけたのです
蕪羅亭魔梨威
彼女は、夢をかなえていました
そこに載っていた写真は
あの時の笑顔のままでした
木胡桃「そして、わたしも頑張って」
木胡桃「ようやく同じとこに、わたしの旗竿を立てることが出来たよ」
木胡桃(あなたの憧れた世界が)
木胡桃(どんな所なのか、知りたかったから)
木胡桃「ま、マリーさんはあの時のことなんて」
木胡桃「ぜんっぜん、覚えてないみたいだけど」
くるっ
木胡桃「・・・あ」
生徒A「お、お前は」
生徒B「なんだよ、そのカッコ?」
木胡桃「・・・・・・」
*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
魔梨威『あんたの口は、なんの為についてんだい!』
*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
木胡桃「・・・うん」
木胡桃「わたし、落語家になったんだよ」
木胡桃「よかったら、一席聞いてってよ」
木胡桃「損はさせないからさ」にこっ
木胡桃「マリーさん!?」
魔梨威「あの頃から、ちっとは成長したってことかねぇ」
木胡桃「・・・あの頃?」
木胡桃「あの頃って、まさか!」
木胡桃「マリーさん、気付いてたの!?」
魔梨威「これでも、記憶力はいい方なんだぞ?」
木胡桃(・・・気付いてた)
木胡桃(マリーさん、覚えてくれてた)
木胡桃(覚えてくれてたんだ!)
木胡桃「・・・・・・」じわっ
魔梨威「き、キグ!?」
魔梨威「なんで泣くんだよ、おい」おろおろ
魔梨威「勘弁してくれよ」
魔梨威「なんでだよぉ!」
落語家をやってます
女のコが落語家なんて珍しい
そう思う人が、多いかもしれません
でも
これが、結構やりがいあるんです
いま
わたしには夢があります
それは
マリーさんの口から、こう言わせることです
*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
魔梨威『バカにすんなよ』
魔梨威『キグの気持ちなんて、とっくに気づいてたぞ?』
*・゜゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
お後がよろしいようで
Entry ⇒ 2012.09.15 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)