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杏子「島根にパソコンなんかあるわけないじゃん」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331988315/
・まどかマギカとデジモン“ぼくらのウォーゲーム”のクロスSSです
・オリ設定がわんさと出てきます、ノリで把握してください
・一部書き込みをSS内で使用する可能性が有ります
・島根を陥れる意図はありません
・まどマギポータブルが手に入りません助けてください
以上の点を了承してお読みください
さやか「こんなもんかな?……いや、でも、やっぱ――」
ほむら「何を悩んでいるの、美樹さやか」ヒョイ
さやか「わっ、ほむら!?」
ほむら「……なるほど、そういうこと」
さやか「返せ、それはあたしのケータイだ!」
ほむら「……ほむほむメール、送信っ!」カチカチピッ
さやか「ちょっ、勝手に送んな!」
さやか「“ほとんど”ってなんだ“ほとんど”って」
ほむら「そんなことより今すぐ私の家に来てもらうわ。大変なことが起こったの」ファサア
さやか「そんなこと呼ばわりはひどい……それで、大変なことって?」
ほむら「……有り体にいうなら…世界の危機、なのかしら」
さやか「はい?」
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――パキッ パキパキ
――パカッ!
???『hello!』
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さやか「お邪魔しまーす。あれ、まどかじゃん」
ほむら「ただいま、まどか…あれは今どうなっているかしら」
まどか「ほむらちゃん、たまごが孵っちゃったみたい!」
さやか「たまご…GS?でも今見てんの、パソコンだよね」
ほむら「……!見せて」
さやか「ちょっと、さやかちゃんを仲間はずれにするなー、ってなにこれ?」
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【クラモン】
コンピュータネットワーク上に突如出現した正体不明のデジモン。
コンピュータネットワークを悪用する人間の悪意や
ネットワーク上で繰り広げられる争いによって
発生する攻撃性が具現化し生まれた謎のデジモン。
必殺技は巨大な目から泡状の物体を出す『グレアーアイ』。
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まどか「コンピューターウィルスみたいなもので、放っておくと大変なことになるらしいの」
さやか「へぇ、こんな可愛らしいのがねぇ……あれ、でもそれってあたしらの仕事じゃなくない?」
さやか「セキュリティーの会社とかパソコンの専門家に任せるべきじゃん」
ほむら「ええ、ただのウィルスならね。だけど――」
ほむら「こいつは魔女が作り出したウィルスなのよ」
さやか「魔女が?」
ほむら「ハコの魔女って…覚えているかしら?」
ほむら「そうよ、彼女が死ぬ間際に残りの魔力を振り絞って作ったのがこいつ」
ほむら「最初は少しの魔力をもっただけのウィルスとすら呼べないデータの塊だったらしいわ」
ほむら「それがネット上の敵意や絶望…負の感情を吸収して成長し、ついさっき自我を持った」
ほむら「そして今もネット上のデータを破壊して絶望を振りまき、吸収している」
ほむら「目的はおそらく更なる成長と進化…そして、私たちへの復讐よ」
さやか「…!でもコンピューターウィルス相手にどうすんの、手の出しようがないじゃん!」
ほむら「キュウべえが私たち用の防衛プログラムを作ってくれたわ」
さやか「おっ、あたしらにそっくり、どうやって動かすのこれ」
ほむら「SGと同期させることで実際にネット世界に入ったように動かせるらしいわ」
さやか「なんというハイスペック…QB製らしいし楽勝じゃない?」
ほむら「それはどうかしら」
さやか「…?いやだってネット内の負の感情とかなんかしょぼいし」
ほむら「甘く見てわ駄目よ、HDの全損とかフリーズとか……結構な絶望感なんだから」フフフ…
まどか(ほむらちゃんが…)
さやか(遠い目をしてらしゃる…)
ほむら「まぁ、今回の敵がどれだけ危険なやつかは…テレビを見たほうが早いわね」
―見滝原駅・ホーム―
キリカ「次の電車に乗って、三つ先の駅で降りて、46番のバスに…」ブツブツ
キリカ「まったく、織莉子以外の情報なんて受験勉強だけで多すぎるぐらいなのに」プンスカ
キリカ「今は我慢だ、織莉子同じ高校に受かったら5秒で全部忘れて――おっと」
2バンホームニ デンシャガマイリマス
キリカ「きたきた、さて―――」
( ゚Д)
ゴーーーーーーー!!!!!
(Д゚ )
キリカ「何……だと……?」ポツン
店員「若鶏のから揚げが一点、カップ焼きそばが一点、ビールが二点、以上で――」
和子(あぁ、こんな食生活家庭があっちゃ無理よね。独り身最高ー!)
店員「一、十、百、万、十万…百万百二十五円…です?」
和子「」チャリン
― スーパー カザミノ ――
ゆま「だ~れにも内緒で、お出かけなのよ~」
ゆま「ゆま初めてのオツカイ!」キュピーン
牛肉≪百万円≫
牛肉2≪百万円のようだ≫
牛肉3≪百万円ダッテイッテンダロ≫
ゆま「………」
ゆま「オカネ、全然足りない……」グズッ
さやか「……これ全部こいつが原因だっていうの!?こんなちっこいのが?」
ほむら「むしろ、今はまだこの程度で済んでいる、そう考えるべきね」
まどか「ほむらちゃん、大変!」
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【ツメモン】
クラモンがさらに進化した幼年期デジモン。
触手の先が鉤爪状になり、凶暴さも増している。
凄まじい速さでデータを侵食し、ネットワークを狂わせる。
また移動スピードも速いため、捕獲するのも難しくなってしまう。
必殺技は触手の鉤爪で斬りつける『ネイルスクラッチ』
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ツメモン『オナカスイタ!』
さやか「やばいよ、こいつ。ほむら、どうするの?」
ほむら「予想よりも進化が速い……仕方ないわね」
ほむら「マミ達を待つ予定だったけど、私達だけで行くわよ、さやか」
さやか「うん、わかった。ていうかマミさんって今、杏子を連れて里親の家に行ってるんじゃ――」
ほむら「そっちには奴が向かっているわ」
―島根 マミの親戚の家―
ババ「いやぁ、よく食べる子だねぇ、ほらおかわりだあ」ニコニコ
杏子「おぉ、ばあちゃんありがとう!いただきまーす」パクパク
マミ「うふふ、気に入ってもらえて何よりよ。あれ…あそこにいるのはキュウべえ?」
QB「いた!マミ、杏子、大変なことが起きたんだ!!」キュップイ
杏子「おっ、ホントじゃん、ぼたもち食うかい?」ニカッ
QB「いや、今はそれどころじゃない、マミこの家にパソコンはあるかい?」
杏子「何言ってんだよキュウべえ――」
杏子「島根にパソコンなんかあるわけないじゃん」
QB「」
まどか「はい、わかりました。ほむらちゃーん、マミさん達やっぱり――」
ほむら「」シーン
さやか「」シーン
まどか「……」
まどか「あっ、そっか。えっと…ほ・む・ら・ちゃ・ん、マ・ミ・さ――」カタカタ
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――ネット世界――
さやか「おぉ、本当にネットん中に入ったみたい。ゲームに集中してるときの感覚に似てるかも」
ほむら「SGと同期してるからダメージや魔力消費も現実世界と同じよ、気を付けなさ」
さやか「げっ、マジで…あっそういやほむら、あんたの時間停止能力って使えんの?」
ほむら「一応再現されてるみたいだけど処理が重すぎてレスポンスが下がりすぎてしまうの」
さやか「……要するに、どうなんの?」
ほむら「使うと、私まで動けなくなるわ」
ほむら「どうかしら、ゲームの“ポーズ機能”ぐらいには――」
まどか『ほむらちゃん、マミさん達やっぱり今すぐは無理みたい』
ほむら「解ったわ。まどか、誘導を頼めるかしら」
さやか「ネット世界の平和はさやかちゃんたちに任せとけー」
まどか『それじゃあ最新のアドレスを送るね…あっ』
さやか「どうした、まどか!?」
まどか『また進化したみたい、二人とも気を付けて!』
ほむら「えぇ、いくわよ、さやか!」
さやか「おぅ!」
織莉子「タイマーは…四、十、分、と」
織莉子「キリカは無事に試験会場に着けたかしら?」
織莉子「それと……あの子少し遅いわね。まぁ…大丈夫、よね」
――某高校・試験会場――
キリカ「とーーーーーーーーーーー着!」ズサァ
キリカ「ふはっ、ははは、この程度の障害で私の愛を止められはしない!」
キリカ「待っててよ織莉子!絶対に君と同じ学校に合格してみせるよ!」
試験管「………」コホン
キリカ「あっ、すいません静かにします。追い出さないでください」
―遊園地・観覧車―
海香「しかし、さすがに7人で乗ると狭いな」
サキ「まぁいいんじゃないか?分かれて乗るのもあれだしね」
みらい(サキと二人だけで乗りたかったなぁ……)
里見「…観覧車なら誰かがぶん回したりできないしね」ジッ
カオル「いやごめん、コーヒーカップに乗るとつい…」テヘッ
ニコ「でも…この観覧車は加速しているよ?」
かずみ「えっ?」
ほむら「いたわ!」
ケラモン「ティヒ、ティヒヒヒヒ」ムシャムシャムシャムシャムシャムシャ
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【ケラモン】
ツメモンが進化した成長期デジモン。体格も大きくなり、
その大きな口でツメモン以上のデータ量を侵食する。
非常に陽気な性格で破壊行為は遊びの一環だと思っている。
必殺技は笑いながら(?)口から破壊力抜群の光弾を吐き出す
『クレイジーギグル』だ!
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さやか「よし、先手必勝っ、でぇい!」
ケラモン「!!」ヒョイ
さやか「よけられた!?」
ケラモン『アソブ?』ケキャキャ
ケラモン『クレイジーギグル』ボッ!
さやか「あぶなっ!…あっ、逃げんな、てい、やぁ!」ブン
――ヒュン!ザクッ!
ケラモン「ギャギャギャ!」ジタバタ
さやか「よっしゃ、磔にしたよ。後は任せた、ほむら!」
ほむら「OK……これで終わりよ」チャキッ
――ボシュ………バーン!!
さやか「やったか!?」
インフェルモン「ケケケッ」ピョコピョコ
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【インフェルモン】
手足の長い蜘蛛のような姿をした完全体デジモン。
通常形態と、手足を本体にしまいこんだ繭形態が存在する
繭形態になるとあらゆる攻撃を跳ね返すほど防御力が上がるが、
一直線にしか進めず、軌道をかえられないのが欠点である。
必殺技は口の中の銃口から、凄まじい破壊力のエネルギー弾を打ち出す
『ヘルズグレネード』と、繭形態で敵に突進する『コクーンアタック』
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さやか「また進化ぁ!?」
ほむら「来るわ、気を付けて!」
インフェルモン「ケキャキャッ」ピョイーン ピタッ ピョイーン
インフェルモン『コクーンアタック』シュィン バッ
ほむら「くっ!」ダダダ
インフェルモン「…」カキキンッ
さやか「弾かれた!?あたしがいくよっ『スクワルタトーレ』!」ズバッ
さやか「手ごたえあり!…って、折れてるぅ!?」ガーン
ほむら「こっちの攻撃が全く効いてない……」
さやか「どうすんの、ほむら!」
ほむら「狙うとしたら脆そうな首か手足……私が奴の動きを牽制するから――」
ほむら(いや、そんな重要な役目をさやかに任せてだいじょうぶかしら?)
さやか「あっ、今なんか失礼なこと考えたでしょ」
ほむら「気のせいよ、私が最大火力であいつを倒すからあなたは足止めを――」
さやか「さっきと作戦が違う!?」
ほむら「気のせいよ、もめてる場合じゃないわ、早く!」
さやか「納得いかない!つーかそれ、あたしも巻き込まれるから!」
ほむら「必要な犠牲よ、つべこべ言ってないでさっさと――あっ」
インフェルモン『ヘルズグレネード』バババッ
さやか「――あっ」
「パソコン?そがなハイカラなもんあぎゃせんがな」
「ごめんね、お嬢ちゃんたちこれインターネットに繋がっちょらんけぇ」
杏子「やっぱ島根にパソコンなんかないって!」
マミ「いや、一応あったじゃない…回線はつながってなかったりしただけで」
少年「お姉ちゃんたちパソコン探してんの?ノーパソでよければ別に貸してあげてもいいけど」
杏子「おぉマジか、貸してくれ、頼む!」
少年「駄目」
杏子「……おい」
少年「言い方が駄目、もっとこう…取引先に言うみたいにいってよ」
さやか「……ほむらのせいだからね」プスプス
ほむら「……そのセリフ、そっくりお返しするわ」プスプス
まどか『ふ、二人ともケンカしてる場合じゃないよ!』
『なにこれすげぇ!』 『映画かゲームの宣伝?』
『プリキュア?』
『もしゲームだったら絶対買うわ』
『ステマ乙』
『見えたっ、水色の縞々!』
『二人がかりで負けるとかちょっと弱すぎるんじゃないですか?』
『スクワルタトーレwww』 『むしろ敵が強すぎる、攻撃全然効いてなかった』
『ゲームバランスわるくね?』
『黒い方かわいいな…青?イラネ』『じゃあ青は俺がもらっていきますね』
『今ニュースでやってる事件となんか関係あったりして』
『レジの故障とかのやつか』『それ遭遇したぞ、チョコ一個が100万以上した』
『ねーよ、漫画やアニメの見すぎ』
ほむら「……今の戦い、見られていたようね」
まどか『うん、見てた人たちの…カキコミ?……メッセージみたい』
さやか「へぇー」
さやか「……………!」
『見えたっ、水色の縞々!』
さやか「……ちょっ///」バッ
ほむら「この世界の私たちはただのCGよ、気にしなくていいわ」
さやか「無理いうな!」
ほむら「あのクラゲからのメッセージもあるみたいね」
さやか「聞けよ」
モシモシモシモシモシモシモシモシ
モシモシモシモシモシモシモシモシ
モシモシモシモシモシモシモシモシ
モシモシモシモシモシモシモシモシ
モシモシモシモシモシモシモシモシ
モシモシモシモシモシモシモシモシ
モシモシモシモシモシモシモシモシ』
ほむら「もしもし……?」
さやか「電話…かな?」
まどか『ほむらちゃん、今この子NTTにいるみたい』
ほむら「……まずい!」
ピリリリリッピリリリリッPLLLLLp.p.p.p.p.p.
p.p.p.p.p.p. プルルルルップルルルルッ
LLLLL p.p.p.p.p.p ピリリリリッピリリリリッ
p.p.p.p.p.p. ピリリリリッ PLLLLL
――――ピッ
モースィモースィモォシモースィモースィモォシモースィモースィモォシモースィモースィモォシモースィモースィモォシモースィモースィモォシ
モースィモースィモォシモースィモースィモォシモースィモースィモォシモースィモースィモォシモースィモースィモォシモースィモースィモォシ
モースィモースィモォシモースィモースィモォシモースィモースィモォシモースィモースィモォシモースィモースィモォシモースィモースィモォシ
モースィモースィモォシモースィモースィモォシモースィモースィモォシモースィモースィモォシモースィモースィモォシモースィモースィモォシ
『モースィモースィモォシモースィモースィモォシ……』ピッ
さやか「やっぱりほむらの言うとおり、電話をかけまくって回線をパンクさせる気だね」
ほむら「えぇ、危うくネット上に置き去りになるところだったわ」カタカタ
まどか「ほむらちゃん、うまくいきそう?」
ほむら「えぇ、もう少しで衛星携帯経由でネットに接続できる」カタカタ
まどか「き、きっとあの子のせいだよ」
さやか「……あっ、ていうかほむら!あたしのメールにこんなの付け足してたの」
ほむら「悪い?」
さやか「悪いわ!恭介に勘違いされたらどうするのよ」
ほむら「勘違いって?」
さやか「そりゃあたしが恭介の事を……///」
さやか「…えっと、まぁどうせ届かなかったし、別にいいや」テヘッ
ほむら「へたれ」
さやか「うっさい」
ほむら「……志筑仁美に遠慮するのはやめなさい」
ほむら「彼女はもう…遠くに行ってしまったのだから……」
さやか「ほむら……」
仁美「青い空、蒼い海、照りつける陽射し…」
仁美「やっぱりハワイは最高ですわーーー!」
――ザッパーーーン
――ほむホーム――
さやか「海外旅行に行っただけの親友を死んだみたいに言わない」
ほむら「今のうちにリードしておきなさいという意味よ」
さやか「……そんな卑怯なまねできないよ」
ほむら「へたれ」
さやか「うっさい」
ほむら「それより、もうすぐ回線が繋がるわ。さやか、準備しておきなさい」
ほむら「繋がった!奴は………」カタカタ
ほむら「いない?」
ピコン!
『イナイ イナイバー』
ほむら「…!奴からのメール…このアドレスは――」
さやか「ほむら、あいつは今どこに?」
ほむら「やつは…アメリカよ」
まどか「アメリカ!?」
『水色の縞々うp』
『今、アメリカ。これはやばすぎる』
『しましま』 『kwsk』
『信号からビルの電気まで全部めちゃくちゃに点灯してる』
『つーかマジでこいつが原因じゃね?』
『俺もそんな気がしてきた』
『おれも』
『空港までハッキングされたっぽい、飛行機全部止まった』
『アメリカでハッキング、インフラ破壊、この手の映画だと次は…』
『おいやめろ』
さやか「こいつ、破壊をおもしろがってる……!あとしましましつこい!」
ほむら「これ以上野放しにはできない、やはり私たちだけでも――」
さやか「だけど、あたし達の攻撃全然効いてなかったよ、マミさん達を待った方が」
ほむら「諦めなさい、島根にパソコンなんか無かったのよ」
――オンセイチャットノモウシコミガアリマス、キョカシマスカ?
まどか「ほむらちゃん、これって!」
ほむら「…!許可するわ」
杏子『パソコン見つけたぞー』
さやか「マミさん!」
ほむら「杏子!」
マミ『キュウべえから話は聞いたわ、かなりまずいことになってるようね』
QB『今二人を敵のところに誘導している、途中で合流できるはずだよ』
さやか「わかった、行くよほむら!」
ほむら「えぇ、今度こそあいつを倒して見せる!」
まどか「わたし、なにもできないのかな…」
ほむら「そんなことないわまどか、あなたには………えっと……その」
さやか「えっと………………飲み物、持ってきて」
『今度こそ倒してほしいな』
『コンピュータの暴走が止まらないヤバイヤバイヤバイヤバイ』
『おっ、なんか新しいの来た!』
『二人とも強そう、少なくとも青いのよりは』
『四人がかりなら…勝てるか?』
『あの時のひとだ!』 『あの時はありがとー』
『あんな奴ティロフィナッちゃってください!』
『てか、これやっぱ魔女なのかな?』
『まじょってなんぞ』
『黒い子のパンツの詳細まだー』
インフェルモン「コッチダヨー」←『コッチダヨ』
さやか「いた!マミさん、あいつです!」
マミ「速攻で終わらせるわよ、佐倉さん!」
杏子「おう!喰らいやがれ、この虫野郎!」ザシュ!
インフェルモン「ギャッ!」
インフェルモン「グァアッ!」
マミ「ずいぶんと堅いわね…佐倉さん、あいつの動きを止めて!」
杏子「オッケー、…あら、よっと!」
ジャラララララ……ビシッ!
インフェルモン「ギギッ!?」
さやか「捉えた!やっちやってください、マミさん!」
マミ「えぇ、これでおしまいよ!ティロ・フィナ――」
インフェルモン→ディアb_「…ギャハハッ!」バキンッ
ディアボロモン_『カタストロフィーカノン』バシュン!
【デイアボロモン】
ネットワーク上のあらゆるデータを吸収して進化と巨大化を繰り返した結果
自らを全知全能の存在と思い込み、電脳世界で破壊の限りを尽くしている
最終的には軍事用コンピュータを乗っ取り、核攻撃によって現実世界をも
破壊しようする恐ろしいデジモンである。
必殺技は胸部の発射口から強力な破壊エネルギー弾を発射する
『カタストロフィーカノン』
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――バスッ!
マミ「きゃあ!」
杏子「マミ!」
マミ「大丈夫、かすっただけ――」
ほむら「違う、前よ!」
マミ「…えっ」
ディアボロモン「キヒッ」バッ
マミ「あの距離を、一瞬で――」
――ガシッ
――ミシミシッ
マミ「うぅ…あぁ!」
さやか「マミさんが!」
杏子「てっめえ!マミを離しやがれ!!」ザンッ!
ディアボロモン「アガッ!」パッ
ほむら「落とした!さやか、マミを治療して、私は杏子を援護する!」
さやか「わかった!」
マミ『ごめんなさい、私のせいで――』
ほむら『あとにして、それより二人とも、早く援護を!』
杏子『あたし達だけじゃ持ち堪えられねえ!』
まどか「二人とも、飲み物持ってきたよ…あっ」コケッ
―――バシャッ
さやか「よし、もーチョイで倒せる!喰らえ『スワクタト――プツン
杏子「どうしたさやか!」
マミ「暁美さんもよ、急に動かなくなったわ!」
ディアボロモン「」ニヤッ
杏子「……まずいな」
----------------------------------------
さやか「――ーレ』!…ってあれ?」
ほむら「接続が……切れた!?」
まどか「ご、ごめんなさいっ!わたしのせいで」
ほむら「パソコンの電源が…!」
さやか「そんな!こんな時に!?」
ほむら「とにかく、再起動よ!」カタカタ
ほむら「一体…どうなったの?」
杏子「さやか、ほむら……てめぇら何してたんだよ、バカヤロウ!」
ほむら「……ごめんなさい、私のミスよ」
杏子「誤って済む問題じゃねぇだろ!」
マミ「やめなさい佐倉さん、喧嘩している場合でもないわ」
――ピコンッ
さやか「これって……奴からの…?」
i、 /::!: :i
i:ヘ /: :i: : !
_ ',:.ヘ /: : : :i: : :!
`ヾ`::ヽ.、 i:. ヘ /: : : : :./: : :|
`ヽ : `ヽ、 `/:. : .〉 ,、 _ ,.イ: : : : : : /: : : .!
\: . :.\ /、_;,;/ヽ ヘ:ヘ ,.ィ: : :/: _:_: : : : : :/: : : :./
,、 ヘ: . : ...\/: . :./ヘ: .\ .',::ヽ./: : ://./::ヘ; :/: : : : /
/| /: \ ヘ: . :./: . :./ '; . .ヘ i:/:.,オ/::/: : :.ヘヾ、: : :./
.|::ヘ /i: : :..:.ゝ、_,オ: . :/:.\ '; . :.∨::./:/:::::;/: : : : : : ヘヾ、:/
ヘ::::\ ./::i: : : :. :`ヘ: . ヽく: . : . : ヘ ',:. /イ: .:././/|: : :/i!:∧i ヾヽ、
ヾ::::`ゝ、____i::::i: : : : :i:〉 ゝイヽ.ヽ、: . : ヘ_/: . :_,オ::..../: :!/: ./|,': iヘ、 ヽ ヽ
ゝ、::::||: : : : : ||:.|::::i: : :..:|/ /!:.:∧_._ヽ、ヽ、_/: .,.ィ´/:.:.:../: ,イ:. :. /: |: : |::| \ヘ ヘ
 ̄ 二≧.、:ヘ:::',: :: :i.i◎!/_iソト /ヾ /: ./::.:.:/::.:: /:/!: .: /: : !: : |: |`ー'i i i ヘ
,..ィ::´: : :..|::::::`ヾ,,':,:..:|l/イソヲソ/つ/. :/ヽ i/:: :. ,/!:.:|: ../: :./!:..:..|: | 三ノ _ソ
,.ィ´: : : : : : : ヘ::::::::::::ゞ、',_イリ:ヲ.//.:/.,イ i i /:: :./ー=.イ:../: :./ .|: : :|: | ̄ ̄
./iri: :,r 、: _: : : :_|::::::::::::: l:i:iゞWヲ./.:./ // / /!ノリ:: ./_ / /:./::. / |: | .|
// !/ !イ |: :/ !i::::::i:::::ソi:i: ゞソイ !/ .l/ //!/!// /i/ト,/`/:. :../ .!: ./!./
//: . :_/ . :./: : :|_/ : .!:|ー=!_/:/// |/!/ー≦=/´_..__.∨./彡イ::::/ :./ ̄`ヽ |:./.i/
.//: . ://: ./: : :/ |: : :.!.ヘ . /:///./ i  ̄|: ::i .|/イ..: : i/`ヽ、
//: . :/ /: ./ /: :./ .!: :∧: :l.イi/`∨ゝ、 `ー = -- 、__ _\:\\__ヽー、. .. : . `ヽ、
/イ/: . / /:/ |: ./ |: :.| ヘ: `´ . / .  ̄` ー=--ッ `ヽノ ̄', / .| `:.ー 、__ `ヽ
|: ./ /イ .|:/ .i: / ヘ彡イr=――=ニニニi,-!/、 ! | .// i i、_ `ー=- ノ
| / i .i/∠二.´,..r ´  ̄, r = ―'  ̄ ヽ/ ./ / ゞ /` ー 、`ー= ==イ`ヽ、
リ ∠´____,..r ' ´ _____,オ /イ /_  ̄ ̄`ヽ、ヽ、ヽ、
∠ = ―イ ` ヽ 、 ヽ ヽ \
` ー = _ \ \ \
ヾ ヾ_ゝ、ヽ
\!
『トケイ ヲ モッテイル ノハ ダーレダ?』
i、 i、 /::!: :i
i:ヘ i:ヘ /: :i: : !
_ ',:.ヘ ',:.ヘ /: : : :i: : :!
`ヾ`::ヽ.、 i:. ヘ i:. ヘ /: : : : :./: : :|
`ヽ : `ヽ、 `/:. : .〉 _ `/:. : .〉 ,、 _ ,.イ: : : : : : /: : : .!
\: . :.\ /、_;,;/ヽ ,.ィ: : |:::.\ /、_;,;/ヽ ヘ:ヘ ,.ィ: : :/: _:_: : : : : :/: : : :./
,、 ヘ: . : ...\/: . :./ヘ: .\ : :/::| . : ...\/: . :./ヘ: .\ .',::ヽ./: : ://./::ヘ; :/: : : : /
/| /: \ ヘ: . :./: . :./ '; . .ヘ /|ヘ: . :./: . :./ '; . .ヘ i:/:.,オ/::/: : :.ヘヾ、: : :./
.|::ヘ /i: : :..:.ゝ、_,オ: . :/:.\ '; . :.∨::.|、_,オ: . :/:.\ '; . :.∨::./:/:::::;/: : : : : : ヘヾ、:/
ヘ::::\ ./::i: : : :. :`ヘ: . ヽく: . : . : ヘ ',:. /イ/|:ヘ: . ヽく: . : . : ヘ ',:. /イ: .:././/|: : :/i!:∧i ヾヽ、
ヾ::::`ゝ、____i::::i: : : :i:〉 ゝイヽ.ヽ、: . : ヘ_/: . :_:i:|〉 ゝイヽ.ヽ、: . : ヘ_/: . :_,オ::..../: :!/: ./|,': iヘ、 ヽ ヽ
ゝ、::::||: : : : : ||:.|::::i: : :..:|/ /!:.:∧_._ヽ、ヽ、_/: .,./: /| /!:.:∧_._ヽ、ヽ、_/: .,.ィ´/:.:.:../: ,イ:. :. /: |: : |::| \ヘ ヘ
 ̄ 二≧.、:ヘ:::',: :: :i.i◎!/_iソト /ヾ /: ./::.:.: .|!◎!/_iソト /ヾ /: ./::.:.:/::.:: /:/!: .: /: : !: : |: |`ー'i i i ヘ
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/イ/: . / /:/ |: ./ |: :.| ヘ: `´ . / .  ̄` ー=--ッ `ヽノ ̄'|, ー=--ッ `ヽノ ̄', / .| `:.ー 、__ `ヽ
|: ./ /イ .|:/ .i: / ヘ彡イr=――=ニニニi,-!/、 ! | |=ニニニi,-!/、 ! | .// i i、_ `ー=- ノ
| / i .i/∠二.´,..r ´  ̄, r = ―'  ̄ ヽ/ / /| ゞ /r = ―'  ̄ ヽ/ /` ー 、`ー= ==イ`ヽ、
リ ∠´____,..r ' ´ _____,オ /_  ̄ ̄`ヽ、ヽ、ヽ、
∠ = ―イ ` ヽ 、 ヽ ヽ \
` ー = _ \ \ \
杏子「自分を、コピーしてやがるのか?」
マミ「動画が添付されているわね……これは…ミサイル?」
ほむら「……まさか!」
『どんどん増えてやがる』 『一匹であれだったのに…』
『タイマーが怖すぎる』
『何が起きるんですか?』
『それより動画だ、誰か詳しい奴いないか』
『弾道ミサイルってことしかわからんな』
『それだけで十分やばいわ』
『わからんだろ、過去の発射実験のときの映像ってことも』
『むしろそう考えるのがふつうだろ』
『今の状況が既に普通じゃない』
『この怪物がハッキング事件と無関係なわけない』
『これ、ピース・キーパーじゃね?』
『kwsk』 『聞きたくねえ……』
『これ、本当に発射されたならヤバすぎるが』
『ピース・キーパー』
『アメリカが所有する大陸弾道核ミサイル』
『射程:20000km』
『最高速度:15000mi/h(マッハ23)』
『発射実験の記録:なし』
『危機管理上、信管が起動しない限り爆発はしない』
QB『奴が発射管制コンピューターをハッキングして誤作動させたんだ』
杏子「じゃあ、このタイマーって…」
マミ「おそらく、そのミサイルが目的地に達するまでの時間…」
杏子「9分後に、これが世界中のどっかで爆発するってのかよ!」
さやか「ほむら、どうしよう…」
ほむら「……これがゲームなら、時計を持った奴を倒せば信管は止まるはずよ」
さやか「どうやってその一体を見つけんのよ!」
マミ「それは…一体ずつ倒していくしか…」
杏子「んなことやってたら、日が暮れちまう!」
マミ「だって……これしか方法なんてないじゃない!」
杏子「……くそっ!」
『どうするんだよこれ…』
『マッハ23とかファイヤーフラッシュ号の約4倍かよ』
『二万キロって要するに地球のどこにでも落とせるってことだろ……』
『どうしてこうなった』
『青と黒が動かなくなったせいで』 『ほんとそうだよな』
『むしろ赤と黄がくるの遅すぎ、何してたんだ』
『やめてください、この人たちが頑張ってくれてるのに!』
『そうだ、あたし達の恩人を悪く言うな』
『ざけんな、頑張ったって止められなきゃ意味ねーよ』
杏子「…っち、こいつら――」
『違うんです。わたしのせいなんです』
『だからみんなは何も悪くないんです』
『いつも頼ってばっかりなのに、守られてばっかりなのに』
『ごめんなさい』
『わたしのせいでみんなが』
『わたしのせいで――』
ほむら「まどか……?」
さやか「…ごめん、あたしちょっと抜けるよ!」
――ミキサヤカガログアウトシマシタ
さやか「……それは違うよ、まどか」ギュッ
まどか「さやか…ちゃん?」
さやか「最初にさ、あたし達がちゃんと協力して戦ってればよかったんだ」
さやか「そしたらホラ、きっと今頃あいつなんかとっくにたおせてたんだよ」
さやか「だから本当に悪いのはあたし達…そうだよね、ほむら」
ほむら「……そうね。それに、まだ諦めるつもりもないわ」
さやか「そうそう、まどかを泣かせる悪い奴はさやかちゃんがぜーんぶ倒しちゃうんだから」
ほむら「わたし達は負けないわ。だから……私達を信じて待っていて」
まどか「……うん」
杏子「おぅ、かまわねぇよ…元をただせば見滝原を離れたあたし達にも非がある」
マミ「キュウべえ、敵の居場所はわかる?」
QB『……わかった、誘導するよ。四人とも、無茶はしないでくれ』
『あなた達だけが、頼りです』
『何とか敵を倒して!』
『信じてる』
『あたし達には何もできないの?』
『同じ力を持っているはずなのに…』
『あと7分、か……』
試験管「……あと7分」
キリカ「うぉおおおお!」カリカリカリカリ!
試験管「」ジロッ
キリカ「……」カリカリカリ…
――織莉子宅――
織莉子「あと7分♪」
さやか(…絶対に、諦めるもんか!)
マミ(世界を、あんな奴の思い通りになんてさせない)
杏子(…必ず、勝って見せる!)
QB『到着するよ、みんな、気を付けて!』
→EXIT←
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QB「4000、8000…またコピーした…16000、どんどん増えてる!」
マミ「後手に回ったら負けよ!みんな、一気に行くわよ!」
マミ「『ヴァロットラマギカエドゥーインフィニーター』!」
ディアボロモン×6「「「「「「ギャアア――」」」」」」ダダダダダッ
さやか「一体でも多く…倒す!『スパークエッジ』!」
ディアボロモン「グギャッ」ズバッ
杏子「全力でいくぜ!」『断罪の磔柱』!
ディアボロモン×3「「「ギヒャッ!」」」ザシュザシュザシュ
ほむら「消し飛びなさい!」『対艦ミサイル』!
ディアボロモン×4「「「「ギャァーーー」」」」バシュゥウ
『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『
『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『
『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『
『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『
『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『
『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『
『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『
『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『
『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『
『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『カタストロフィーカノン』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』
』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』
』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』
』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』
』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』
』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』
』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』
』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』
』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』
』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』
』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』×24
まどか『そん……な……』
QB『仕方ないよまどか、彼女達だけでは荷が重すぎた』
QB『……君たちは十分頑張った。すぐに接続を切るんだ、これ以上は――』
杏子「……ざけ…んな」
マミ「…私たち…は…まだ…諦めてなんかいないわよ」
さやか「さやかちゃんの…タフさを…なめてもらっちゃ困りますねー」
ほむら「こんなやつ……ワルプルギスの夜に比べれば…」
QB『無茶だよ、これ以上の魔力の消費は危ない!まどかも彼女達を止めてくれ!』
QB『まどか……?』
まどか「………わたしも…戦うよ」ポタッ
まどか「わたしも、みんなと一緒に戦う!」
『お願い』『頑張って』 『私には、祈ることしかできないの?』
『誰でもいい、彼女達を助けてくれ』
『私たちも魔法少女です。戦える、だからそっちに行く方法を!』
『奇跡でも魔法でもいい』 『あの子たちを救えないのか』
QB『そうか、これなら…』
QB『まどか、君の……いや、“君たち”の願いは――』
QB『エントロピーを……凌駕した』
さやか「白い光の…かたまり?…いや――」
杏子「ソウル…ジェム…?」
――パァア
???「……きたよ、みんな」
ほむら「まどか……なの?」
QB『そうだとも言えるし、そうじゃないとも言えるね』
ほむら「キュウべえ…!あなたまさか契約を…!?」
QB『あぁ、だけどまどかとでは、ない』
QB『この戦いを見るすべての人たちからのメッセージ、そこに込められた希望と因果を――』
QB『一人の莫大な素質を持つ少女と願いのシステムに誤認させ、無理やり契約を行った』
QB『彼女は幾多の人々の願いによって生まれた最強の防衛プログラム――』
QB『ハイパーアルティメットまどかだ!』
女神まどか「わたしも、みんなと一緒に戦う!いくよ!!」
女神まどか「『ハイパーまどかビーーーーム!』」
ディアボロモン「ガッ――ズババババババババッ
QB『油断しちゃだめだ!彼女は攻撃こそ強いが防御能力は君たちと変わらないんだ!』
さやか「つまり―」
ディアボロモン『カタストロフィーカノン』バシュン!
―――ガキン!
ほむら「私達が、まどかを守ればいいのね」
杏子「よっしゃ、守りはあたし達に任せとけ!全部撃ち落としてやるぜ!」
マミ「鹿目さん、思いっきりやっちゃいなさい!」
女神まどか「はい!『マジカルスコール』!」バッ――
さやか「いたよ!」
マミ「奴が最後の一体!時計を持っているはずよ」
ディアボロモン「ヒャハッ」ピョイーンシュタッピョイーンシュタ
ほむら「……くっ!」
杏子「速えぇ!見失っちまった!」
QB『まずいよ、残り時間が一分を切った!』
女神まどか「どこ?どこにいるの?」
ほむら「奴のスピードが速すぎる」
さやか「パワーで勝っていてもレスポンスの差でアウトってこと!?」
ほむら「…そうか、杏子、マミ!敵の着地点を読めれば奴をとらえられるかしら?」
杏子「…あぁ!だけどどうやって!?」
ほむら「本当に役に立ってくれそうね…“ポーズ機能”ぐらいには、ね」
――『時間停止』!カチン
ほむら(実際の時間が停止しているわけではない…早く見つけないと)
ほむら(…………………いた!)
―――カチン
ほむら「杏子!あなたのすぐ前に着地するわ!」
杏子「……おう!……見えた!」
ディアボロモン「ギイィ!」
杏子「逃がしやしねえよ、『ロッソ・ファンタズマ』!」シュイイイン
ディアボロモン「……!!!」『カタストロフィーカノン』バシュッ
杏子「残念、ハズレだ!」ザシュ!
ディアボロモン「グギギィ!!」
杏子「今だ、マミ!」
マミ「えぇ、『レガーレ・ヴァスタアリア』!」シュルシュルシュル
――ビシィ!
ディアボロモン「グオッ、グガガガ」ググッ
マミ「捉えた!今よ鹿目さん!」
女神まどか「……はい!」
女神まどか「『シューティングスター』!」シュパン
ディアボロモン「ギャフアギャギャ」ブチブチッ
杏子「こいつ、拘束を!」
―――ブンッ
杏子「危ねっ!…………!!?」
ほむら「やった、倒した!」
杏子「……まだだ…この野郎――」
QB『タイマーが……止まっていない!?』
杏子「最後の最後に…“時計を投げ捨てやがった”!!」
マミ「……そんな!」
QB『あと5秒だ!』
ほむら(この世界での時間停止じゃ現実の時間は止められない、着弾には間に合わない!)
5
マミ(ここから狙い撃つ?いえ、もうそんな時間は―――)
4
杏子(嘘だろ…ここまできて…!)
3…2…『スワクタ――1―――トーレ!!』
――バキンッ
―――ゴゴゴゴ……バッシャーン!!
まどか「ほむらちゃん、さやかちゃん!」
さやか「…!」
ほむら「…!」
――ガラッ
さやか「……あれ、川の方だよね」
ほむら「えぇ、すごい水柱ね」
まどか「ミサイル…だよね」
さやか「……爆発しないってことは止められたんだよね」
ほむら「えぇ、ナイスだったわ、美樹さやか」
さやか「えっと、まぁ何と言うか…とにかく」
まどほむさや「「「……助かった~」」」ヘタッ
マミ「…やった、やったわ!佐倉さん!!」ダキッ
杏子「ちょ、こら抱き着くなよ、マミ!」
少年「……うるさいなぁ、お姉ちゃん、何ゲームなんかにそんなに熱くなってんだよ」
少年「……あっ、俺のノーパソに変なデータ入れただろ!!」
マミ「あっ、ごめんなさい、悪気はなかったの。すぐに消すから」
少年「……!いや、やっぱ消さなくていい…面白いじゃんこれ」
マミ(えっと…大丈夫なのキュウべえ?オーバーテクノロジーってやつじゃ)
QB(たぶん…だけどこの時代の人間じゃそもそも理解できないハズだし)
審査委員「上条恭介さーん、そろそろ出番ですよー」
恭介「は、はいっ」
審査委員「そんなに緊張しなくても…」
恭介「いえ、いつもはこんなに緊張しないんですが……何でですかね?」
ピロリロリーン
『恭介へ
今日のコンクール、
恭介ならきっと大丈夫
頑張って
さやか❤』
恭介(あぁそうか、いつもは君が…)
恭介「……ありがとう、さやか」ボソッ
審査委員「…どうしました?」
恭介「いえ、何でもないです。今行きます」
恭介「25番上条恭介 課題曲はヴァヴァルディ作曲の――」
end...?
デジモン見たくなった
一応、後日談として事件に巻き込まれた人たちのその後とか、まどかの
パソコンクラッシュの真犯人とか、パソコン貸してくれた少年が実は
カズマじゃなくてとかいろいろ考えてましたが…
書き溜めがなくなったので…スイマセン
炭化ケーキ『クイモンソマツニスンナヨ…』
織莉子「おかしいわ、マイコン制御だったのに…」
ピンポーン
ゆま「ただいまー、織莉子お姉ちゃん!ゆま、ちゃんとオツカイできたよ」エッヘン
織莉子「そう、えらいわ、ゆまちゃん」
ゆま「やった!ゆま褒められた」エヘヘ
織莉子「それじゃあ、キリカが帰ってくる前に一緒に晩御飯を作りましょうか」
ゆま「うん♪」
―某高校・試験会場―
キリカ「…オリ…コ…」zzzzzz
試験官「……」イライラ
役割は太一のママ、ついでに杏子の代わりにゆまを助け、その境遇に同情し同居
ごねるキリカを説得した一言は「ほら、子供ができたみたいで楽しそうじゃない」
被害:ケーキが黒こげになる
【千歳 ゆま】
家族もろとも魔女に襲われたところを織莉子とキリカに助けられた、契約はしてない
初めてのオツカイを成功させるためにposシステムのない商店街まで足を運んだ
被害:初めてのオツカイがベリーハードに
【呉 キリカ】
先に推薦合格した織莉子と同じ高校を受験しようとしていたところで事件にあった
その後、無事合格できたようである。ゆまに自分たちを『織莉子ママ』『キリカパパ』
と呼ばせようと画策している
被害:試験会場行きの電車に乗り損ねる
カオル「…すごい、本当に勝っちゃった」
海香「強かったね、最後に来た魔法少女だけでなく、それ以外の4人も」
里見「ひょっとして、あのワルプルギスを倒したっていう…」
サキ「“マギカ・カルテット”か。確かに最後の一人以外は特徴が一致してるね」
みらい「……魔境ミタキハラの四人の魔法少女」
ニコ「そのなかの一人がかずみを助けた……恩人、か」
かずみ「よし、いまから会いに行きましょう!」
6人「「「「「「「えっ!?」」」」」」」
7人で遊園地で遊んでる途中に事件に巻き込まれ、加速する観覧車に閉じ込められる
無事脱出したのち、ニコのスマファからまどかたちの戦いを観戦した、ほかにも
観戦していた魔法少女は何人かいた模様
被害:高速回転する観覧車に缶詰にされる
仁美「さやかさんにはこのマカデミアナッツを、
仁美「まどかさんにはこのぬいぐるみがよろこばれますかね」
仁美「ほむらさんには……むむむ、なにがよろしいのでしょうか」
仁美「……そして、恭介さんにはこの世界に一つのペアリングを…」ポッ
仁美「な~んて、冗談ですわ…“まだ”付き合ってもないわけですし」フフフ
【志筑 仁美】
家族旅行でハワイに行っていたため今回の事件は起きたことすら知らなかった
要するにミミのポジション……ある意味ヤマトかもしれないが。
被害:特になし
QB?「精神疾患を患ったイレギュラーはやはり発想が突飛だね」
QB「褒めても何も出ないよ」キュップイ
QB?「褒めてないさ……あのまま行けば、まどかと契約できたかもしれなかったっていうのに」
QB「それはすまなかった、じゃあ、僕を処分するかい。まぁ、あまりお勧めはできないけど」
QB「まどかの前に出るたびに打ち殺されるのはさすがに効率が悪いだろ?」
QB?「………」
QB「話すことがないなら帰らせてもらうよ、ぼたもちを食べにね」キュップイ
感情に目覚めたインキュベーター、異常個体として処分されそうになったが
マミの機転により“撃ち殺されない”インキュベーターとしてまどかの勧誘役
になり生き残り、まどかに形ばかりの勧誘を続けつつ、彼女を自分の種族から
守ろうとしている。今回使用した防衛プログラムはこのキュウべえが作ったもの
被害:特になし
杏子「ここまで負けといて退けっかよ!」
少年「はい、猪鹿蝶、勝負」
杏子「あっ、くっそーまた負けた!!もう一回だ!」
少年「やだ」
杏子「……逃げんのか」
少年「あぁ、勝ち逃げが俺の信条でね、それに――」
少年「花札で俺に勝てんのなんざ、うちのババアぐらいさ」
事故の後里親になってくれた親戚の家に同居人の杏子を連れて遊びに行く
今回の事件をキュウべえに知らされ、命がけの戦いに身を投じる
……ためにパソコン探しに奔走した
【佐倉 杏子】
マミに半ば強制的に連れて行かれ最初は不機嫌だったものの食い物がうまければ
何も問題はなかったらしい、最終的に被害らしい被害はなかったものの事件解決後に
ノートパソコンを貸してくれた少年にお菓子をあらかた巻き上げられる
【少年】
マミと杏子にノートパソコンを貸した少年。母親の知り合いの葬式にわざわざ長野
から連れてこられたらしい。のちにノートパソコンに残ったデータをもとにとある
ハッキングAIを作成する……かも
ほむら「なに?」
さやか「まどかがパソコン落とした時のことだけど…」
まどか「」ビクッ
さやか「飲み物、ギリギリかかってなかったよね?」
まどか「えっ?」
ほむら「えぇ、本当の原因はコードをひっかけてしまった事のようね」
まどか「そうだったの…全然気づかなかった…」
ほむら「……見えづらくなっていたし、仕方ないわね」ファサッ
さやか「……な・ん・で、見えづらくなっていたのかなぁ?」
さやか「うん、前から言おうとは思っていたんだよ」
さやか「今でこそ窓だって迷わずに開けられるけどさ」
さやか「最初の方は何度壁にぶつかったことか」
さやか「他人の家にとやかく言うべきでないと我慢してきたけど」
さやか「今度という今度は言わせてもらう!」
さやか「部屋の装飾に!CGなんか使うなーーー!」
まどか「さ、さやかちゃん!?」
さやか「何このただっぴろい空間!」
さやか「ここ実際は四畳半だよね!」
さやか「こんな状態でコードばらまいたらそりゃ躓くわ!」
さやか「つまり、あれの原因はまどかじゃなくてあんただほむら!」
ほむら「…あなたが飲み物なんか頼まなければあんなことにはならなかったわ」
さやか「なんだと!」
ほむら「……なによ」
ワーワーギャーギャー ヤメテヨフタリトモー マドカハダマッテテー コレハワタシタチノモンダイヨー
ピロリロリン
コンクールうまくいったよ
君のメールのおかげだったと思う
ありがとう、さやか
恭介』
END
さやかの結末に対する感情にあった既視感が空がヤマトと付き合った時のものだと
最近気づいたのがこのSSのきっかけだったり
【暁美 ほむら】
事件に真っ先に気付いたのはクラモンのたまごが生成されるときに
彼女のパソコンのデータが全損したせいだったりする
【鹿目 まどか】
ウォーグレイモンの剣がグレイソード、メタルガルルモンの大砲がガルルキャノン
ハイパーアルティメットまどかのビームがハイパーまどかビーム…うん、何もおかしくない
最後の願いの形はオメガモンと迷ったけどまどかも活躍させたかったので女神まどかで
【上条 恭介】
仁美と同じく事件自体に気づかなかった、被害もほぼなし
さやかからのメールの最後のハートは幼馴染なりの冗談だと思っている
被害:さやかの応援メールが送れる
どうもありがとうございました
しかし本当に8時手前までかかるとは……
また何か書いてくれることを祈ってるぜ!
カウントダウン熱いわ
Entry ⇒ 2012.03.21 | Category ⇒ まどかマギカSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
雪女「ちゅーしよう!」男「だが断る」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1332062661/
このSSはSS深夜VIPのSSです
雪女「なんでだよう!ちゅーしろ、ちゅーさせろ、ちゅーしやがれー!」
男「女の子がそんなはしたないこと言わないの」
雪女「はしたない!?『ちゅー』ってはしたない意味なのか!?」
男「そうです、はしたない言葉なんですよーこの変態さんめ」
男「……分からずに喋ってたのか」
雪女「それがねー、姉ちゃんが『雪女はちゅーすると幸せになれるのよ』って言ってたんだよ!」
男「ちょっと姉ちゃん連れてこい、説教するから」
雪女「ねぇ男ー、何で幸せになる事なのに『ちゅー』がはしたない言葉なんだー?」
男「……。君にはまだ早い!」
雪女「ねぇー何でだ?何でなんだよー!教えろよケチケチー!」
男「俺はケチケチって名前じゃありません」
雪女「何でちゅーがはしたないんだよー、私と幸せになろーよー!」
男「大丈夫だ、俺はちゅーしなくても幸せだから」
雪女「ずるいぞ男!私も幸せになりたい!なーあー!ちゅうしろー!」
男「(どうしよう)」
男「!(閃いた!)」
雪女「?どうしたんだよケチケチー」
男「だから俺の名前はケチケチじゃありませんー。……まったく、雪女のしつこさには負けたよ(棒読み)」
雪女「やったー男に勝ったー!いえーい!」
男「だからちゅーしてやる」
雪女「やったー!ちゅーだちゅー!」
男「えい」
男が雪女を抱き締める
雪女「おー?」
男「これがちゅーです」
雪女「はふぅ」
男「………」
雪女「成る程ー、これがちゅーなんだな!確かにはしたないなー」
男「だから言っただろーこの変態さんめー」プニプニ
雪女「わはははー!くすぐったいよ男ー!やめろ、頬っぺたプニプニするなー!」
男「変態さんめー」プニプニ
雪女「わはははー!」
━━━数日後。
雪女「男!せっくすしろー!」ダダダッ
男「!?」
雪女「なんでだよう!せっくすしろ、せっくすさせろ、せっくすしやがれー!」
男「……ちょっと姉ちゃん連れてこい」
雪女「うん?分かったー!ちょっと待ってろー!」ダダダッ
男「さてと、火炎放射器はどこにしまったかな」
━━━数分後。
雪女「姉ちゃんだよ!」
雪女姉「姉ちゃんだぜぃ!」
男「ちょっとそこに座りなさい、説教するから」
雪女「分かった!」
男「いや君じゃなくて」
雪女姉「分かったぜぃ!」ドゲザッ
男「いや土下座まではしなくていいから」
雪女姉「で、この姉ちゃんに何の用なんだぜ?残念ながら姉ちゃんは妹の彼氏をNTR趣味はねーぞ」
男「恋人じゃない」
雪女姉「成る程、旦那か」
男「夫婦じゃない!」
雪女「姉ちゃんと男は仲良いなー!わははー!」
男「……雪女、ちょっと耳を塞いでいなさい」
雪女「分かったぞ!」ミミセンッ
雪女「………」
男「雪女は可愛いなぁ!」
雪女「………」
男「ペロペロ!ペロペロしたい!」
雪女「………」
男「よし、聞こえてないな」
雪女姉「何だお前ら」
雪女姉「で、本当に何の用なんだぜ?」
男「一つ確認しておく。雪女にあれやこれやいらんことを吹き込んだのは君でいいんだよな?」
雪女姉「そうだぜ!この姉ちゃんが吹き込んだんだぜ!」
男「せいやっ」火炎放射器発射
雪女姉「うわぁっ!」避ける
男「……チッ」
雪女姉「溶けちゃう!溶けちゃうから止めてー!熱い!熱い熱い!」
男「(ちょっと可哀想になってきたな)……はい、止めました」
雪女姉「……ふぅ、危うくジェラートになっちまう所だったぜ」
男「何であんな事をしたんだ」
雪女姉「だってよー、お前らの仲が全然進展しないんだもんー。さっさとちゅーくらい済ませろよー!」
男「だってじゃありません。いらないお世話です」
雪女姉「ぶーぶー」
雪女「ねぇー男ー、まだ耳栓してなきゃだめかー?」
男「……」手をバッテン
雪女「だめかー……」
雪女姉「何でだぜー?何でちゅーくらいしてやらないんだよー!お前それでもちんちんついた男か!?」
男「女の子がはしたない言葉をつかうんじゃありません!だから雪女には聞かせたくないんだよ、君との会話」
雪女「暇だー」
雪女姉「姉ちゃんが言うのもなんだけどよー、私の妹めちゃくちゃ可愛いじゃん、美少女じゃん」
雪女「暇だー」
雪女姉「正直な話、ムラムラする時とかねーのかよ」
男「………」プイッ
雪女「?何してんだ男ー」
雪女姉「駄目だこいつら」
雪女姉「まったく、そんなんじゃいつまでたっても進展しそーに……はっ」ヒラメキッ
雪女「暇ー」
男「もう良いぞ外して」ミミセンハズシッ
雪女「うおっ!音がでけーぞ!うるさいなーわはははー!」
男「君の方がうるさい」ペシッ
雪女「いてー!」
雪女姉「ちょいちょい、こっち向け男」
男「……何ですか」フリムキ
雪女姉「ちゅっ」
男「!?」
雪女姉「ちゅーーー」
男「む"ーー!む"ーー!」
雪女「ね、姉ちゃん何してるんだよ!男から離れろー!」
雪女姉「……っん……ちゅ……ぷはっ」
男「」ピキーン
雪女「男ーーー!!こ、こここ氷ってるよ!男がっ氷っちゃったよ!?」
雪女姉「これが、ちゅーだぜ雪女」
雪女「そうなの!?」
雪女「そんなことはどーでもいいよ!男、男をどーにかしないと!」
雪女姉「いやいやこれはどーでもよくないぜ雪女。ちゅーはな、確かに幸せにはなれる。だけどそれは人間同士の話だぜ」
雪女「………」
雪女姉「私達は雪女だ。妖怪だ。>>1からずっと設定が生かされてなかったけど、これは覆せない事実なんだぜ」
男「」ピキーン
雪女姉「雪女、私達が人間とちゅーすれば……人間を不幸にしてしまう」
雪女「……」
雪女姉「それでも、男とちゅーできなくても、雪女は男が好きか?」
雪女「好き、……好きだ!大好きだ!ちゅーできなくたってもいい!!私は男が大好きだ!」
雪女姉「そうか、━━━ということらしいぜ、男」
雪女「ふぇ?!」
男「………」解凍済
雪女姉「女の子にここまでさせて、お前はまだへたれるつもりか?」
雪女「え、何で男が治ってるんだ!?溶けてるよ?氷ー!?」
雪女姉「私達は雪女だぜ?凍らすのも溶かすのも自由自在なのを忘れたのかよ?」
雪女「あー!そうだったんだよっ!」
男「俺は……」
雪女「男!大丈夫か?寒くない?」
雪女姉「さて、と邪魔者はそろそろ山に帰るんだぜ。姉妹丼を期待している奴はごめんな」
雪女「男!毛布持ってきたんだよ!」
雪女姉「あ、そうだ雪女。お前男を暖めてやれ」
男「!」
雪女「分かったよ姉ちゃん!でもどうやってやるんだよ!私雪女なんだぞー!」
雪女姉「ヤり方は男が知ってる筈なんだぜ」
男「君何を言って」
雪女姉「じゃあな、男。お膳立てはしておいたぜ。後はお前が素直になるだけだぜ」スタスタ
男「おい待て……ってもう居ないし」
雪女「?男どーしたの」
男「あー……もう」
━━雪女「好き、……好きだ!大好きだ!ちゅーできなくたってもいい!!私は男が大好きだ!」━━
男「何か人間だの妖怪だの寿命だのその他色々…考えてるのが馬鹿らしくなってきた」
雪女「本当にどーしたんだー男、馬鹿になっちゃったのか?」
男「黙りなさいお馬鹿」
雪女「おー、元気だ!男が元気で私は嬉しいぞ!」
男「……はぁ」
雪女「わはははー!」
男「雪女」
雪女「なんだー?」
男「ちょっとこっち来い」グイッ
雪女「分かったぞ!ん?どこにいくんだー?」
男「俺の家ですよ」
━━━男の家。
雪女「」そわそわ
男「そこのソファーにでも座ってて、今冷たいジュースでも持ってくるから」
雪女「は、はい!」スワリッ
男「なんだいきなり……寛いでて良いんだよ」
雪女「うん!分かったぞ!(久々の男の部屋だ……!何か緊張するな)」
男「お!オレンジジュースがあったよ雪女」
雪女「オレンジジュース!い、良いのか?そんな豪華なの!」
男「(……豪華?)」
男「はいどーぞ」
雪女「わーい!」ゴクゴク
男「なぁ雪女」
雪女「ひゃんらー?(なんだー?)」ゴクゴク
男「俺、君のことが好きだ」
雪女「がふっ」ブハッ
雪女「」ふきふき
男「俺は人間で、君は雪女だ。種族も生き方も寿命だって違う」
雪女「……うん」ゴクゴク
男「きっと俺は…君より先に死ぬ。だから、俺は……いやこれは言い訳だな」
雪女「………」
男「俺は君に嫌われるのが怖かっただけだ」
雪女「嫌わないよ!私は、男を嫌いになんかならないもん!」
男「……そうなんだよな、君は、俺の事を好きだと言ってくれた」
男「何て言うか情けないよな、俺。女の子に告白させてしまうなんて」
雪女「……」ゴクゴク
男「だから、もうへたれるのは止める」
雪女「……」
男「俺は、君が好きだ。大好きだ。……愛している」
雪女「なら」
雪女「私に、ちゅーしろ!」
男「!……うん、分かった」
━━━おわり
暇だから立てたは良いけれど何か上手く纏められそうにないから終わっとく
コメントとか色々ありがとーです!
Entry ⇒ 2012.03.21 | Category ⇒ 男女「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
弟「なんで兄貴だけ許嫁が……」 男「ん?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332158810/
男「ああ、そうだな」
男「それじゃ弟、学校行ってくるから」
弟「ああ」
許嫁「いってきます」
弟「いってらっしゃい」
ガチャ……バタン……
弟「……」
弟「行ったか……」
男「弟もそろそろ高校行かせないとな」
許嫁「不登校になってから随分たちますね」
男「でも無理やり行かせるのもなんだかな……」
許嫁「本人次第です」
男「そうだな」
許嫁「さすがにずっとこのままでは困りますけど……」
男「まあ、いつかは元気になるだろ」
許嫁「だといいのですが……」
弟「……」スッ……ガチャ……
弟「……」ゴソゴソ
弟「あった……」
弟「今日もやるか」ヌギッ
弟「……」マキマキ
弟「くうっ……許嫁のパンツ……気持ちいいっ……」シュッシュッ
弟「毎日やっても飽きないな」ハアハア
弟「許嫁……許嫁……」シコシコ
弟「おうっ!」ビュルルルル
弟「……」
弟「はあはあ」
弟「ふう」シュル……パラッ……
弟「……今日も大量だ」ジー
弟「しばらくおいて染み込ませとこう」ポイッ
弟「気持ちよかった」
男「女~宿題見せて~」
女「駄目、そういうのはよくないんじゃない?」
男「いいじゃん、なんかおごるからさ」
許嫁「男さん、私でよろしければ……」
男「いや、許嫁に見せてもらうのはなんか申し訳ないっていうか」
女「私には申し訳ないと思わないの?」
男「まあな」
男「まあ今回はけちな女じゃなくて優しい許嫁に甘えるよ」
許嫁「///」
許嫁「これが今日の宿題です、どうぞ」スッ
男「サンキュー」
女「そうよね」
友「ちくしょー! 許嫁ちゃんの優しさを独占するなんて許せねえ!」
男「正真正銘の許嫁だからな」
女「許嫁は男にはもったいなすぎるわ」
友「そうだそうだ! 羨ましいぞ! 俺にも許嫁いないのかよ!?」
男「許嫁、明日からは一緒に宿題しようか、効率いいし。」
許嫁「はい、喜んで」
男「あと夕飯はハンバーグ食べたい」
友「ちくしょー!」ギリギリ
弟「……」ゴソゴソ
弟「ん?」スッ
弟「兄貴と許嫁のツーショット写真か……」
弟「大切そうに写真たてに……」
弟「うれしそうな顔しやがって……」
弟「……」
弟「ぶっかけてやる」シコシコ
弟「全部俺の精液まみれにしてやるからな」シュッシュッ
弟「……ふふ」ニヤニヤ
男「さあ飯だ」
許嫁「男さんどうぞ」スッ
男「サンキュー」
友「男は許嫁ちゃんの愛妻弁当か……」
友「それに比べて俺はコンビニのパンだ」ハア
友「悲しい」
男「普通だろ、俺がいるから格差を感じるだけで」
友「許嫁ちゃん……悪いけど明日から俺にも弁当作ってくれないかな?」
女「友、あんたかなり図々しいわよ」
男「駄目だ、許嫁は俺のために弁当作るんだよ」
男「だよな、許嫁?」ナデナデ
許嫁「は、はい! 私は男さんだけのために作ります!///」
友「……」
女「元気出しなさいよ」
友「ま、まさか……女が俺に弁当作ってきたりとか!?」
女「あるわけないでしょ、面倒くさい」
女「好きでもない男に弁当作るほど暇じゃないわ」
友「ですよね」
男「ん?」
友「もうさ、許嫁ちゃんとエッチとかしたの?」ヒソヒソ
男「してない」
友「えーもったいねー。なんで?」ヒソヒソ
男「結婚するまではしないって約束してあるからな」
友「ありえねー、でも男はしてみたいだろ?」ヒソヒソ
男「まあな」
女「……ねえ」
友「ん?」
女「さっきから声聞こえてるわよ」
許嫁「///」
マジでやめて
許嫁「い、いえ。私はそんなことありませんけど///」
女「でも男のことだからてっきり毎日のように許嫁を求めてるのかと思ってたわ」
男「ひでえな」
友「いや……普通そうだろ。男なんて皆野獣なんだからよ」
友「許嫁なんてできたあかつきにはやることなんて決まってるだろ!」
男「お前らなあ……」
男「まあ俺もたまにムラムラしてくるけどさ」
許嫁「!」
友「だろ?」
女「はい、もうこの話は終わりね。許嫁が困ってるわよ」
昨日はトイレ行って戻ってきたら10スレぐらいで落ちてたから立て直した
弟「はあ、もうそろそろ帰ってくる時間だな」
弟「漁ったものは全部元通りにしたし……」
ガチャ
男「ただいまー」
弟「おかえり兄貴」
弟「許嫁もおかえり」
許嫁「はい」バタン
男「許嫁、お腹空いたー」
許嫁「わかりました男さん、すぐに夕食の準備に取り掛かりますね」
許嫁「できましたよ」
男「いただきまーす」
弟「いただきます」
男「……」ガツガツ
許嫁「ふふ、男さんそんなに慌てて食べなくても……」
男「美味いからしょうがない」ガツガツ
許嫁「うれしいです男さん///」
許嫁「私もいただきます」パクッ
許嫁「……?」
許嫁「(なにか変な臭いが? イカは使っていないはずですけど……。箸からでしょうか?)」
弟「……」モグモグ
弟「(兄貴の女に対するこの制圧感がたまらん)」ムラムラ
男「どうした許嫁?」
許嫁「い、いえなんでもありません」
許嫁「(洗いかたが悪かったのかもしれません。あとでしっかり洗っておきましょう)」
弟「ごちそうさま」ガタッ
男「もう食べたのか? 早いな」
弟「俺は部屋にいるから」スタスタ
男「ああ」
許嫁「はい、片付けは私がしますので男さんはゆっくりしていてください」
男「悪いな、じゃあ俺はテレビ見てるから終わったら呼んでくれ」
許嫁「すぐに終わらせますから」
男「おう」
男「さてテレビテレビと……」ピッ
男「……」ジー
男「ははは」
男「ん? 終わったのか。じゃあ、風呂入ろうか」
許嫁「はい」
男「じゃあ、俺が先に入ってるから」スタスタ
風呂
男「ふう」
許嫁「失礼します」ガラッ
男「来たか」
許嫁「男さん、お背中をお流しいたします」スッ
男「悪いな毎日」
許嫁「許嫁である私の務めですので……」ゴシゴシ
許嫁「それに私が望んでやっていることですから///」ゴシゴシ
許嫁「男さん?」ゴシ……
男「ごめんムラムラしてきちゃった」ムラムラ
許嫁「え?」
男「許嫁……もし俺が今その身体に巻いてるタオルとれって言ったらどうする?」
許嫁「え……えっと……」
許嫁「その……本番以外のことでしたら……男さんがお望みなら私は……」モジモジ
男「触ったりしてもいいってこと?」
許嫁「は、はい……どうぞ……」
男「……」
男「はは、ごめんごめん冗談冗談」
許嫁「え?」
許嫁「はい」
男「それでふと許嫁はどう思ってるのかなって思ってさ」
許嫁「そうでしたか……」
男「大丈夫、俺も本番は結婚するまでするつもりないから」
許嫁「申し訳ありません、男さん……」
許嫁「男性でしたらそういうことをしたいと思うのが当たり前ですのに私のわがままで……」
男「いいっていいって」
男「でも、そのうち我慢できなくなって触っちゃうかもしれない。覚悟しておいてくれよ許嫁」ケラケラ
許嫁「もう男さんったら……///」
許嫁「はぁ」
許嫁「男さんはああいってくださいましたけど……」
許嫁「いつ愛想をつかされても文句は言えません……」
許嫁「もし……男さんに誰か女性が近づいて誘惑でもしたら……」
許嫁「身体を許していない私を見限ってその女性について行ってしまうことだって考えられます……」
許嫁「信じるしかありませんよね……」
許嫁「もう寝ましょう。写真は……ありました」スッ
許嫁「お休みなさい男さん///」チュ
許嫁「?」
許嫁「また変な臭いが……?」
許嫁「気のせい……でしょうか」
許嫁「(あ……もう少しで眠れそうです)」ウトウト
ガチャ
許嫁「(え? 誰か入ってきた?)」
ナデナデ
許嫁「(あ、頭を撫で……///)」
許嫁「(男さんですよね? これは寝たふりをしていたほうがいいんでしょうか……)」
ソー……モゾモゾ……
許嫁「(え!? べ、ベッドの中に!?///)」ドキッ
ギュウ
許嫁「(うぅ……抱きしめられて///)」
許嫁「(でしたら起きないでいたほうがいいですね……)」
サワサワ
許嫁「(男さん……なんだか手つきがいやらしいです///)」
モミ
許嫁「(ひゃうっ!///)」
モミモミ
許嫁「(む、胸を!? た、たしかに触ってもいいとはいいましたけど……)」アタフタ
モミモミ
許嫁「(でも……これくらいしか私はできないですし……)」
許嫁「(……男さんの望むことは全て受け入れたいです)」
許嫁「(! パジャマの下に手を……)」ビク
許嫁「(寝るときはブラジャーをしていないのに……直接……)」
ムニュムニュ
許嫁「(んっ……男……さん///)」
クリクリ
許嫁「(ああ……は……恥ずかしいです……すごく///)」
ギュッ
許嫁「(ッ!///)」
許嫁「(男さんの指で……乳首を……摘ままれて///)」
ハアハア
許嫁「(男さんの荒い息遣い……男さんにご満足いただけているのでしたら私もうれしいです)」ドキドキ
許嫁「(止まった?)」
モゾモゾ
許嫁「(あ……今ベッドから出て……)」
チュ
許嫁「(!?)」
ガチャ……バタン……
許嫁「……」ジー
許嫁「男さん……」パチッ
許嫁「唇に……」
許嫁「……ファーストキスです///」ポー
許嫁「なんだか……明日顔を合わせるのが恥ずかしいです///」モジモジ
許嫁「ずるいですよ……こんなの///」
男「おはよう、許嫁」
許嫁「///」
男「許嫁?」
許嫁「は、はいっ! 男さんおはようございます!///」
男「なんだ? 朝から元気だな」
許嫁「(男さんは昨日のことについて私が気付いていないと思っているんですから、あくまでいつも通りに……)」
許嫁「(でも、どうしても意識して……///)」カアア
弟「おはよう、二人共」
男「ああ、おはよう弟」
許嫁「おはようございます」
弟「……」ジー
許嫁「?」
弟「ごちそうさま」
男「じゃあ、俺達は学校行ってくるから……」
弟「ああ」
男「なあ、そろそろお前も学校行かないか?」
弟「……」ダッ
男「あっ!」
ガチャ……バタン……
男「……やれやれ、まだ無理っぽいな」
許嫁「男さん、そろそろ行きませんと……」
男「ああ、悪い。行こうか」
許嫁「(……昨日のことが頭から離れません)」
許嫁「……」
許嫁「ふふ///」ニコニコ
女「許嫁、幸せそうな顔してるわね」
許嫁「え、あれ? 顔に出てましたか?」
女「隠してるつもりだったの? ダダ漏れよ。なんか様子がいつもと違うわ」
男「女も気付いた? 今日の許嫁なんか朝からおかしいんだよ」
女「なにかいいことでもあったの?」
許嫁「えっと……」チラッ
男「ん?」
許嫁「///」
女「(男絡みよねそりゃ)」
許嫁「(男さんに恥をかかせるわけにはいきません)」
女「まあ、無理には聞かないけど」
女「なにか困ったことがあったら言わなきゃ駄目よ」
許嫁「ありがとうございます」
友「うーむ」
男「どうした?」
友「お前許嫁ちゃんになにかした?」
男「なにかっていわれてもな……」
男「いや、してないって!」
友「おかしい……」
男「なにが?」
友「許嫁ちゃんのあの顔……確実に女としての喜びを感じている顔だ」
男「お前すごいな」
友「でも、男はエロいことはしていないという」
男「ああ」
友「許嫁ちゃんに限って浮気は考えにくいが……」
男「(あ、もしかして昨日の風呂でのあれか? あれぐらいで?)」
男「(まあ、許嫁はエロいことに耐性なさそうだし……)」
男「(真にうけて考え込んでるのかも)」
男「(後で弁解しておこう)」
友「男、気をつけろよ。俺の勘だと許嫁ちゃんに別の男が近づいてる」
男「あー悪い。許嫁がおかしい原因っぽいの心当たりあるわ。後で謝っておく」
友「そうなのか? それならいいけどよ……」
男「お前の勘も当たんねーなー」ケラケラ
友「うっせーよ」ケラケラ
弟「昨日は最高だったな~」
弟「風呂に盗聴器仕掛けておいて正解だった」
弟「許嫁はあの時完全に兄貴って思い込んでたし……」
弟「冗談でもあんな話をした兄貴に感謝だな」
弟「許嫁も兄貴のために寝たふりをし続けるとか」
弟「俺に都合よく行き過ぎだな、今日もできるかもしれない」
弟「許嫁の生乳を俺がこの手で……」
弟「キスまでしてやったんだぜ」
弟「……」ムラムラ
弟「もう一発許嫁のパンツで抜くか」ゴソゴソ
風呂場に盗聴器って無理かもしれんけどそういうことで
男「真に受けて悩んでたのなら悪かった」ペコリ
許嫁「(昨日のって夜這いのことですよね? 謝るということは私が起きていたことに気付いていたってことでしょうか)」
許嫁「そんなっ……頭を上げてください男さん!」
許嫁「私はそのっ……嫌じゃなかったですし……いえむしろうれしかったです!」
許嫁「私ではあれくらいしかお役にたてませんし……」
男「(許嫁……俺に気をつかってるよなこれは……昨日の俺の発言は単純にセクハラ発言だもんな~)」
男「もう絶対しないから」
許嫁「い、いえ私としては毎日でも構いません!」
男「え? 昨日みたいなことを毎日でもしていいってこと?」
許嫁「はい///」
男「(毎日セクハラ発言を求めるってどういうことだよ……)」
自分で納得しないでくれ…
男「許嫁が欲しいっていうならいいけどさ」
許嫁「ほ、欲しいというわけではないですけど!///」
許嫁「男さんがお望みなら……」
許嫁「それと……私は次からも目を瞑っていたほうがよろしいのでしょうか?」
男「(はあ?)」
男「(目を瞑る? 見て見ぬふりをするって意味だよな? 気にしないってことか?)」
男「う~ん……まあ……そうしてくれ」
許嫁「わかりました」
許嫁「(あくまで寝ている私に触るというスタンスが大事なんでしょうか……目は開けないようにしないと駄目ですね)」
許嫁「……」ソワソワ
ガチャ……バタン……ソー
許嫁「(来ました!)」ドキッ
モゾモゾ
許嫁「(平常心……あくまで寝たまま……)」ジー
モミモミ
許嫁「(パジャマの上からでもやっぱり恥ずかしいですね///)」
プツップツッ
許嫁「(ボ、ボタンを!?)」
スッ……ムニュ……
許嫁「(うう……男さん……大胆過ぎですよ///)」カアア
許嫁「(んっ……あ……)」ピクピク
グリグリ
許嫁「(手のひらでこねくりまわされて……乳首がつぶされています///)」
ゴソゴソ
許嫁「?」
グイ
許嫁「(ひっ! お、お尻に硬いのが……///)」
スリスリ
許嫁「(こすりつけられて///)」
モミモミ
許嫁「(胸も……)」
許嫁「(男さん……気持ちいいのでしょうか……)」
スッ
許嫁「(? 男さんの手がお腹のほうに下がっていって……)」
スー
許嫁「(ッ! わ、私の下着の中に!?///)」ビクッ
クチュ
許嫁「(んっ……男さん、それはさすがに……///)」
スー……ニチュニチュ……
許嫁「(男さんの指で……あそこがなぞられたり……軽く挿れられて……///)」ピクピク
許嫁「(ひう……声が出てしまいそうです……でも……男さんは私が寝ている形を望んで……)」
許嫁「(ひゃん! きゅ、急に……激しすぎ……んっ///)」
シュッシュッ
許嫁「(お尻の方も段々速く……)」
シュッシュッ……グニ……
許嫁「(あ、お尻の谷間に挟んで……)」
ドピュビュルビュルビュル……
許嫁「(ああっ……)」ビクッ
ハアハア
許嫁「(男さん……これが……射精……でしょうか)」ボー
ジンワリ
許嫁「(パジャマに染み込んできました……ほのかに温かいです///)」
許嫁「(ご満足いただけたでしょうか……)」
許嫁「(ベッドから出て……終わりでしょうか?)」
チュ
許嫁「(んっ///)」
ナデナデ
許嫁「(男さんに撫でていただくのは……とても気持ちがいいです///)」
ガチャ……バタン……
許嫁「……」
許嫁「……行ったみたいです」パチッ……ガバッ……
許嫁「あ、精液をふき取っておかないと染みになってしまいますね」ヌギヌギ
ネチョ
許嫁「パジャマにこんなにたくさん……」
許嫁「ネバネバしてます……」
許嫁「あれ……この匂いは……」
許嫁「どこかで嗅いだことがあるような……」
許嫁「でも精液なんて初めて見ましたし……嗅いだのも初めてのはず……」
許嫁「どこで嗅いだんでしたっけ……」
許嫁「……」
許嫁「まあ、そのうち思い出すかもしれません」
許嫁「ティッシュでふき取って寝ましょう」フキフキ
許嫁「でも……男さん……今日はいきなり大胆すぎますよ///」
許嫁「もしかして次からもどんどんエスカレートしていくかもしれません」
許嫁「///」ドキドキ
男「(一日一個のセクハラ発言を心がけよう)」
男「(言ったほうがいいんだよな? 許嫁が求めてるんだし)」
男「許嫁」
許嫁「はい?」
男「いい尻してるな」
許嫁「///」
男「……」
男「(……なんだこれ?)」
男「(これでいいのか!? 意味あるのかこれ!?)」
男「(駄目だ……許嫁の考えが読めない)」
男「はあ」
友「どうしたよ、ため息ついてよー」
男「ん~、ちょっと家庭の事情でな」
男「いや、別に困ってるわけじゃないんだけどさ……」
友「なんだそれ、とりあえず言ってみな」
男「許嫁のことなんだけど……」
友「まだ解決してないのか?」
男「なんか変な気がするんだよな~」
男「なんとなくしっくりこない」
男「なんだよ?」
友「許嫁ちゃんの部屋を盗撮しよう! なにか原因がわかるかもしれない!」
男「死ねよお前」
男「お前、それ自分が得したいだけだろ。エロいことしか考えてない」
友「そっそんなわけねえし! 俺は心配してるだけだし! あわよくば着替えとか見れるとか考えてねえし!」
男「却下だ却下! 絶対に許さん」
友「後悔するぞ……あの時俺の言葉に耳を傾けておけばってなるぞ……絶対」
男「はいはい」
許嫁「(男さんでしたら本番はしないという約束は守っていただけるでしょうし……)」ボー
許嫁「///」ボー
女「今日もボーとしてるわね」
許嫁「あ、女さん」
女「顔赤いわよ」
許嫁「えっ……そんなに?」
女「これだけ教えてくれない? 男となにかあった?」
許嫁「ええっと……はい///」コクリ
許嫁「そ、そんな……手を出されるとか……そんなことはっ///」ブンブン
女「(わかりやすいわね)」
女「ふ~ん、だったらいいわ。気をつけなさいよ」
許嫁「え? 気をつけるとは?」
女「……」スタスタ
許嫁「あっ行ってしまいました……」
女「(男もやることやってるわね)」
許嫁「……」ドキドキ
ガチャ……バタン……
許嫁「(あっ///)」
ソー
許嫁「(きょ、今日も///)」
チュ
許嫁「(キス……)」
レロ
許嫁「(ふあ……舌が私の中に……///)」
レロレロ……クチュ……ツー
許嫁「(これ……初めてですけど……好きかもしれません///)」
許嫁「(男さんの唾液が入ってきて……///)」
許嫁「///」ポー
スッ
許嫁「(あっ……終わってしまいました……)」
ズルッ……ブルン……
許嫁「(何をしていらっしゃるんでしょうか?)」
ズイッ……プニュ……
許嫁「(?……唇になにか押し付けられて……こ、これってもしかして///)」
グイグイ
許嫁「(お、押されてます……軽く口を開いたほうがいいですよね?)」アー
ズニュニュ……ネト……
許嫁「(は、入ってきました///)」
献身さが裏目にでたとでも考えてください
許嫁「(す、少ししょっぱいです……)」
許嫁「(硬いですけど弾力があって……)」
ズッズッニチュニチュ
許嫁「(細かく動いて舌にこすりつけ始めました……)」
許嫁「(い、息が……苦しい)」
ヌポン
許嫁「(え? 抜い……)」
ネチャ
許嫁「(今度は頬に!?)」
ネチョネチョニチュニチュ
許嫁「(うう……)」
ドプッドプドプ……
許嫁「(!?)」
スッ……ネトッ……
許嫁「(指で頬についた精液をすくって……?)」
グイ……ネチャ……ネチャ
許嫁「(う、口の中に……入れられて……舌に塗りこまれて……)」
許嫁「(に、苦いですけど……これが……男さんの味///)」ポー
ガチャ……バタン……
許嫁「(えっ?)」
許嫁「あっ……もう行ってしまいました……」ポツーン
許嫁「うう、目に精液がついて……開けられません……」
許嫁「これで開けますね」パチッ
許嫁「……」ジー
許嫁「男さん///」ペロ
許嫁「私……なんだか……どんどんエッチになっていってる気がします///」ペロペロ
許嫁「男さんが毎日あんなことをするから///」
許嫁「夜になると体が火照ってしまうようになってしまいました」
許嫁「……明日は……」
許嫁「本番を誘ってみましょうか……もう我慢ができません」ドキドキ
許嫁「いつも通りにやってきたところでいきなり申し出て……びっくりさせるとしましょう」
許嫁「男さんにも喜んでいただけるはずです///」
弟「ふふふ」ニヤニヤ
弟「顔射って最高だな……」
弟「許嫁がどんどん俺で染まっていく……」
弟「俺の精液を兄貴のと勘違いしてうまそうに舐めてるんだぜ」
弟「たまんねーよ」
弟「でも挿入はできないからな……」
弟「あのあたりが限界か?」
弟「まあ、時間をかけて開発していけばなんとかなるかもしれん」
弟「これからも楽しませてもらうぜ許嫁」ニヤニヤ
申し出たのが許嫁からなのにあっさり撤回するもんなのか?
SSだから突っ込んでも仕方ないけど
性を知ってしまったら歯止めがきかなくなったみたいな感じで頼む
翌朝
男「え、朝からうなぎ?」
許嫁「はい///」
男「なんで?」
許嫁「ええっと……うなぎが安かったんです……」
男「まあ、いいけどさ」パクパク
許嫁「(精力をつけませんと///)」
男「あれ、弟は?」
許嫁「今日はまだ寝ているみたいです」
男「ふ~ん」パクパク
許嫁「男さんお弁当です」スッ
男「サンキュー、それじゃ早速」パカッ
男「……これは……うなぎ?」
許嫁「はい///」
友「豪華だな」
女「(毎日盛ってんのかしら)」
男「……なあ、もしかして夜も……」
許嫁「はい、うなぎです」
男「……」
男「(これはやっぱりおかしいな)」
男「なにかいい方法はないか?」
友「またその話か。だから盗撮しとけって俺も付き合うからさ」
男「……」
友「お前が見ていない間になにかあるかもしれないだろ?」
男「わかった……でも、撮った映像のチェックは俺が先にするからな」
友「だったら意味ねーじゃん!」
男「は?」
友「嘘、冗談」
友「まあ、ばれないところにカメラ置いておいて明日回収、映像チェックの流れでいいだろ」
男「なにかわかるといいけどな。望み薄だけど」
男「これでいいか?」
友「オッケー、多分ばれないだろ」
男「よし、だったらさっさと退散しよう。買い物に行ってもらってる許嫁が帰ってくる前に」
友「ちょっと待て」スーハースーハー
男「なにしてるんだ?」
友「いや、せっかく許嫁ちゃんの部屋に入れたんだから深呼吸を……」スーハースーハー
男「死ねクズ」
友「おっ!?」
男「な、なんだ?」ビクッ
友「……精液の臭いだ……」クンクン
男「お前すごいな」
男「……ないけど」
友「……」
男「……」
友「お前、浮気されてるわ」
男「……」グスン
友「泣くなって……」
男「だって……」ポロポロ
友「俺が相手見つけてやるから」
男「……どうやって?」ヒックヒック
友「精液の臭いを追ってみる。持ち主までたどり着けるかもしれない」
男「やっぱりお前すごいわ」
友「ここだ」
男「いや……ここ弟の部屋だぞ?」
友「弟いたのか? 弟に寝取られるか……可哀想に」
友「今弟はいるのか?」
男「ああ、不登校だから……いると思う」
友「不登校? 一日家にいるってことか? 弟の年齢は?」
男「ああ、年は俺の一つ下だな」
友「あ~、だったら許嫁の部屋でオナりまくってる可能性もあるな」
男「! それだ!」
男「浮気じゃなかったぞー! バンザーイ! バンザーイ!」
友「馬鹿! 声でかいだろ! 弟に聞かれる!」
男「あっ……」
友「弟ぐらいの年齢になるとな……性に興味が出てくるのはしょうがないことなんだよ……」
友「でも、自分がしていることがばれるとすごく恥ずかしいと感じる」
友「それを受け止めてあげて優しく諭してあげるのが兄貴の役目なんだよ……」
友「今頃弟は部屋の中で怯えているだろうよ、ばれた……今に兄貴が怒りにくるってな」
男「……」
友「行ってやれ……くれぐれも怒鳴ったりするなよ。相手のことを理解する気持ちが大切なんだ」
男「俺……行ってくるよ……」
ガチャ
男「……あれ?」
友「いないな」
男「どこ行ったんだ?」
友「おい、見ろ! 窓が開いている!」
男「え……なんで?」
友「まさか……」
男「下を見てみるか……」ソー
男「!!」
男「うわあああああああっ!!」ドサッ
男「地面に……死体が……おえっ」
友「そうきたか……」
男「はい」
警察「飛び降り自殺、あるいは窓から壁をつたって降りようとしたところ足を滑らせて転落ってところか」
警察「(他殺もありうるな)」
友「男の家は五階建てだからな、高さは十分だ。死んでも不思議はない」
警察「この子は君の弟であることに間違いないね?」
男「はい、引きこもりがちでした」
警察「ふむ、ということは自殺だな」
許嫁「ただいま戻りました、男さん」
警察「この子は?」
男「俺の許嫁です。一緒に住んでいます」
許嫁「男さん、なんの騒ぎですか?」
許嫁「えっ?」
友「部屋から落ちたんだとよ」
許嫁「そんな……」
警察「君たちは今日のところは帰りなさい」
警察「また後日集まってもらうと思うけど」
友「わかりました。じゃあ俺帰るわ、またな」スタスタ
男「失礼します」
許嫁「失礼します」ペコリ
警察「……」
男「(部屋の前での会話が聞こえていてなんとか逃げようと壁に張り付いて下を目指したところ転落……)」
男「(それは無理だぞ弟)」
許嫁「男さん、うなぎです」スッ
男「ああ、ありがとう」モグモグ
男「……」モグモグ
男「……」モグモグ
男「……」モグモグ
男「ごちそうさま」
許嫁「はい」
男「はあ」
男「こんな日はさっさと寝てしまうに限る」
男「おやすみ」ガバッ
男「……」ジー
男「……」
男「……」グスッ
男「……」ポロポロ
男「弟……ごめんな……」ヒックヒック
男「……俺のせいで……」
男「駄目だ……一人でいたくない……許嫁の部屋に……」ガバッ
許嫁「……」
ガチャ
許嫁「(と、とうとうこの時が///)」
男「許嫁……」
モゾモゾ……ギュウ……
男「……」
許嫁「男さん……///」パチッ
男「ごめんな、少しの間このまま……」ギュウ
許嫁「いえ、お気のすむままに」
男「……」グスッ
許嫁「(男さん……傷ついていらっしゃるんですね……)」
許嫁「(なおさら私が支えてあげないと……///)」
上手いわ
男「……」
許嫁「……抱いてください」
男「……え?」
許嫁「私を抱いてください///」
男「(許嫁……俺を元気づけるために……)」
男「(たしかに他人に甘えることも大切かも……ここは許嫁に甘えよう)」
男「……いいんだな?」スッ
許嫁「……はい」
チュ
許嫁「ん///」
許嫁「あ……///」ドサ
男「脱がしてもいいんだよな?」
許嫁「男さん……確認は必要ありません」
許嫁「私は全て喜んで受け入れますから///」
許嫁「男さんのお好きなように……」
男「わかった、脱がすぞ」
プツップツッ
許嫁「……///」
プツッ……パサッ……プルン
男「おおっ……」
足を滑らせました
男「(これが……おっぱい……)」ゴクリ
ムニュ……モミモミ……
許嫁「んっ……あ……///」ピクピク
許嫁「(やっぱり……面と向かって触られるのは恥ずかしいですね……声は出せますけど///)」
男「柔らかい……」モミモミ
男「乳首勃ってる……」クリクリ
許嫁「ああっ……」
男「……」レロー……チュパチュパ……
許嫁「はぁんっ……///」
男「(たまらん)」
許嫁「あ……はい……どうぞ///」トローン
男「じゃあ」グイッ……スルスル……
許嫁「し、下着も一気に!?///」
男「あ、ごめん。俺女の子脱がせたことなんてないからさ……順序が大事だよな」
許嫁「(たしかに下は今まで脱がされませんでしたね)」
許嫁「あ、いえ恥ずかしかったのでつい/// 男さんのお好きなようにといったばかりなのに……」
男「よかった……続けるぞ」スルスル……ヌギッ
男「……許嫁……きれいだ」ジー
許嫁「うう///」
男「ああ」ヌギヌギ……ブルン……
許嫁「ッ!///」カアア
男「驚いてる?」
許嫁「は、はい……見るのは初めてですので……///」
許嫁「(あれが昨日私の口に……)」ジー
男「もう我慢できない……許嫁……足開いて……」
許嫁「こうでしょうか?///」クイッ
男「ああ……挿れるよ」ズイ
クチュ
許嫁「んっ///」
ズズ……ズ……クチュ……
許嫁「ああ、男さんのが中に……入って///」ビクビク
ズニュ……プチ……プチチ……
許嫁「~~~~ッ!」ツー
男「血が出てる……今のが処女膜ってやつか? よかった……浮気なんてしてるわけないもんな……」
許嫁「と、当然ですっ……私は男さんしかっ……」
男「痛くないか? 止まったほうがよかったり……」
許嫁「少し……痛いですけどっ……大丈夫……です……続けて……ください///」
許嫁「……///」ピクピク
ズズッ……ニチュ……
男「……入った」ハアハア
許嫁「い、いかがですか?」
男「これだけですごい気持ちいい……動いてもいいか?」
許嫁「はい///」コクリ
男「……」ズッチュズチュズッチュ
許嫁「ああっ……ひぐっ……んあっ!///」
男「許嫁はどんな感じ?」グッチュグッチュ
許嫁「き……気持ちいい……ですっ///」
男「許嫁の中……すごい……絡みついてくる……」パンパンパン
許嫁「んっ……んっ……んん///」
男「!」ビクン
男「ヤバッ……もうイキそう! 抜くぞ!」グチュグチュグチュ
許嫁「えっ……だ、駄目ですっ男さん……抜いちゃ嫌です! このままっ中に出してください///」
男「で、でも……」ズッチュズッチュズッチュ
許嫁「絶対に離しませんからっ……私の中にっ……」ガシッ
男「……どうなってもしらないからな!? くうっ!」ビクン
ドプッビュルビュルルルルルル
許嫁「ふあぁ!///」
男「ん?」
許嫁「これからは堂々と夜這いしていただいて構いませんから///」
許嫁「私も喜んでお相手しますし///」
男「いやいや……もうこれっきりだから……」
許嫁「えっ?」
男「もともと結婚まではしないって話だったしな」
許嫁「で、ですが……」
男「今日は特別だから」
許嫁「男さん……私の体はもう男さんの刺激なしでは……我慢できないんです///」
男「え? 一回で?」
許嫁「一回というよりは……ここ数日の間のあれでです///」
男「(言葉でこうなるって……淫乱じゃん……)」
許嫁「お願いします、男さん。これからも毎日///」
男「ん~……わかった! とことん付き合うよ。体力が持てばだけど」
許嫁「ありがとうございます!」
男「避妊はしっかりするからな」
許嫁「う……はい」
男「改めてこれからもよろしくな許嫁」
許嫁「はいっ! はいっ!///」
許嫁「大好きです、男さん///」
男「……なんかしっくりこないところはあったけど……まあいっか」
~完~
終わり、あとこれはまあ>>177あたりまでの反応で路線を決定しました。
もともとそのつもりだったので
反応次第ではNTRだったってことか……
Entry ⇒ 2012.03.21 | Category ⇒ 兄弟姉妹「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「お前たちにはお笑いスキルも足りない!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331924275/
P「だからぁ!お前らにはお笑いスキルも足りないって言ってんの!」
春香「私たちアイドルなんですけど…」
P「春香!」
春香「は、はい!」
P「アイドルは日本にたくさんいる。しかしな、生き残れるのは、バラエティ番組に呼んでもらえるアイドルだけだ。事務所が強ければ別かもしれんがな」
伊織「身もフタも無いこと言わないでよね」
響「それで?今回は何するんだ?」
P「ズバリ、漫才だ!」ババーン!
P「お前たちにはこれから、2人1組みに別れてもらう。そして3時間のネタ作りのあと、そのネタを披露して貰う」
律子「6組ですか…また時間かかりそう」ですね」
P「ん?7組だろ。14人いるんだから」
小鳥「…私と律子さんも?」
P「当たり前じゃないですか!ははは」
律子「まぁ、予想はしてましたけどね…」
真「問答無用なんですね」
千早(お笑いにはそれなりに自信があるわ)
亜美「亜美たちの得意分野だね→!」
真美「腕が鳴りますな、亜美ぃ!」
P「よし、それじゃあクジ引き開始!」
1番 春香&雪歩
2番 貴音&真美
3番 千早&真
4番 小鳥&響
5番 美希&あずさ
6番 伊織&亜美
7番 律子&やよい
P「では、ネタ作り開始!」
※ガチでクジを引いて決めてみました
P「よし、タイムアップだ」
春香「ネタ作りって難しいんだね。いざ自分たちで考えてみると」
貴音「わたくし、いまだに漫才とやらがよく分からないのですが」
響「ハハっ、なんくるないさー!」
P「では1番手の春香&雪歩!よろしく!」
亜美「舞台をあっためてね、はるるん&ゆきぴょん!」
雪歩「が、がんばる!」
P「では、どうぞ!」」
※ネタとか何も考えてないですが悪しからずご了承下さい
春香「わたくし天海春香!」
雪歩「わたくしは萩原雪歩!」
春香「2人合わせて~」
雪歩「カマタマーレ讃岐ですぅ!」
………
響「…なんだっけそれ?」
真美「聞いたことあるような…」
春香「さ、サッカーチームの名前なんだよね、雪歩?」
雪歩「う、うん!」
P「滑ったボケを解説してるぞ…」
伊織「前途多難だわ…」
雪歩「うん!もう春だからね!」
春香「えっ?」
雪歩「えっ?」
春香「ち、違うでしょ」ボソボソ
雪歩「あ!3月でこれだけ暖かいなら、12月は赤道直下並みだよね!」
律子「赤道直下の国に謝りなさい…」
春香「もうすぐ桜も咲いちゃうね!!」
雪歩「桜と言えばお花見だよね!!」
美希「声を張れば良いってものじゃないと思うな、ミキ」
雪歩「うん!いつかはやってみたいよね!」
春香「それじゃ、ちょっと練習してみよっか?」
雪歩「じゃあ私、彼氏役やってあげるよ!」
春香「オッケー!」
P「まともになってきたな」
雪歩「お疲れさま、春香」
春香「お仕事忙しい?」
雪歩「まぁまぁかな?」
春香「そういえば、お仕事何してるんだっけ?」
雪歩「ザックJapanで10番背負ってます」
春香「いやいやいや!」
~観覧席~
クスクス…
雪歩「だって…あくまで練習だからいいかなって…」
春香「もう少し身近な職業にしてくれる?」
雪歩「じゃあFC東京の10番」
春香「事務所からの距離の話じゃないから!」
~観覧席~
響「意外とマトモだぞ…」
雪歩「悲しいこと言わないでよ、春香ちゃん…」
春香「でも、私たちはアイドル…」
雪歩「そう、彼氏なんていなくても…」スッ
真「…なんだなんだ?」
春香「1.2.3.ハイッ!」
雪歩「そんなの問題ねぇ!そんなの問題ねぇ!」バッ! バッ!
亜美「いまさら小島よしお!」
真美「しかもちょっとイジッてる!」
雪歩「…」
P「黙るなよ…」
伊織「逃げ出したい…この場から逃げ出したいわ…」
春香「…今日のお客さんはよく笑ってくれるね」
雪歩「…ありがたいことだね」
美希「あくまで台本通りに進めてるの」
律子「ウケると思ってたのね、さっきのアレ」
雪歩「うんうん」
春香「ウケるかどうかものっそい不安だったんですよー」
雪歩「うんうん」
千早「春香が棒読みになってきたわ…」
春香「まぁ、私たちはアイドルですから?」
雪歩「ウケようとウケまいと?」スッ
真「まさか…」
春香「1.2.3.ハイッ!」
雪歩「そんなの問題ねぇ!そんなの問題ねぇ!」バッ! バッ!
伊織「やめて…もうやめて…」
P「お、おう!けっこう良かったぞ!」パチパチ…
亜美「拍手が誉め言葉を否定してるよ、兄ちゃん…」
真「お、お疲れさま、雪歩!」
雪歩「日本で一番深い穴ってどこにあるのかなぁ…」フラフラ
真「き、気を確かに!」
春香「温められなくてごめんね…」
千早「き、気にしないで!」
あずさ「雪歩ちゃん、すごく切ない目をしてたわね…」
P「さて、次は…」
貴音「わたくし達の出番ですね?」
真美「真美とお姫ちんのじつりき、見せつけちゃうかんね!」
響「真美はともかく、貴音が心配だぞ…」
P「では貴音&真美のお2人、張り切ってどうぞ!」
貴音「貴音だよー!」
真美「みんなの笑いのスイッチ!」
貴音「せーの!」
真美&貴音「ポチッとな!」
やよい「キラメキラリの振り付けですぅ!」
小鳥「ふふ、2人とも可愛い」
P「おっ!そうきたか!」
真美「もしもお姫ちんが漁師だったら→!」
貴音「この辺りで漁をするといたしましょう!」
真美「はい、船長!この辺りでは何が穫れますか?」
貴音「ハマチなどが」
真美「あ!魚が跳ねました!」
貴音「なにやつ!」
真美「マグロでした」
貴音「遠洋な!」
響「なるほど」
真「そういうことか」
貴音「ではキッブを切らせて頂きます」
真美「え→!見逃してよ→!これ以上点数引かれたらマズいんだよ→!」
貴音「なりません」
真美「あ!あそこに怪しい男が!」
貴音「なにやつ!」
真美「いまだ逃げろ→!」
貴音「免停な」
P「貴音のキャラを活かそうとしてるみたいだな」
律子「悪くありませんね」
貴音「貴方様?夕餉を先になさいますか?それともお風呂?それとも…」
真美「ふふふ、ういヤツじゃ。む、いいところなのに携帯がブルってしまった」
貴音「まぁ…いけずでございます…」
真美「あ、いや、この電話番号はマズいな…」
貴音「なにやつ!」
真美「元彼」
貴音「兼用な!」
伊織「下ネタ…」
亜美「真美…」
貴音「もし。ここは一体どこなのでしょう?」
真美「ここはオ→ストラリアだよ?どこに行きたいんだい?」
貴音「ばぬあつ!」
真美「じゃあ、あそこのヘリコプターに乗りなよ。迷彩柄のやつ」
貴音「軍用な!」
貴音「貴音によるー!」
真美「ショ→トコントでした→!」
貴音「せーの!」
真美&貴音「笑いのボタン、ポチッとな!」ニコッ!
P「おぉ~!」パチパチ
伊織「やるじゃない」パチパチ
千早「形にはなっていたわね」パチパチ
春香「…」
雪歩「…でもそんなの問題ねぇ」ボソッ
真「雪歩…」
響「普通に見れたぞ!」
貴音「お笑いとは奥深いものなのですね。また一つ学ぶことができました」
亜美「さっすが真美だねぇ!お姫ちんも良かったよ!」
春香「あっちに交ざれない…」
律子「げ、元気出しなさい!」
P「空気も温まったことだし次に行くか!」
千早「はい!」
美希「千早さんがやる気になってるの」
千早「ふふ…お笑いには少々心得があるのよ」
真「ボクは心配で仕方ないんだけど…」
P「では千早&真、いってみよー!」
春香「!!!」
真「だ、だけどデッカい夢がある!」
P「な、なんだなんだ!?」
千早「咲かせてみせよう笑いの桜!」
真「ぼ、ボクら2人で」
千早&真「あなたの胸に!」ババーン!
響「笑いのために自分を犠牲に…」
伊織「芸人の鏡ね、まったく」
真「師範代!稽古つけて下さい!」
千早「よし、かかって来なさい!」
真「せやー!」
千早「遅い!」ボコッ!
真「いや、心臓の辺りに当たりましたけど」
千早「そこは背中よ!」
真「ハイハイハイ!」
千早「イッツ・笑いズム!」ババーン!
伊織「なによこれ…」ボソッ
亜美「自分を犠牲にしてるのにあんまし面白くないとか…」ボソッ
真「この荷物どこに置きますか?」
千早「壁に立てかけておいて下さい」
真「はーい。よいしょっと」
千早「…何をしているんですか?」
真「え?壁に」
千早「それは私の胸です」
真「ハイハイハイ!」
千早「イッツ・笑いズム!」ババーン!
P「そのドヤ顔は止めてくれ…」ボソッ
響「自分、耐えきれそうにないぞ…」ボソッ
あずさ「オチが読めてしまったのだけれど…」
真「どのルートから登りますか?」
千早「左側のルートから登りましょう」
真「はい!では先に登ります!」グッ
千早「…何してるの?」
春香「お願い、もう止めて…」
真「いや、壁のわずかな突起に指をかけて」
千早「それは私の胸よ」
真「…ハイハイハイ」
千早「イッツ・笑いズム!」ババーン!
真美「まこちんのHPがゼロに近付きつつある…」
真「…古墳の中は涼しいですね」
千早「ええ、そうね」
真「…あぁ、これが新しく発見された壁画ですね?ずいぶんポップなデザインですね」
千早「何してるの?」
真「壁画を…」
千早「それは私のTシャツよ」
真「…はいはいはい」
千早「イッツ・笑いズム!」
美希「胸が無いって大変なんだね」
小鳥「美希ちゃん、声が大きいわよ…」ボソッ
真「あなたの心に」
千早「笑いズム!」ババーン!
やよい「踊りだしちゃいましたぁ」
千早「笑いズム!笑いズム!」クネックネッ
真「あなたの胸にも」
千早「笑いズム!」ババーン!
雪歩「痛いよぅ…心も胸も痛いよぅ…」
律子「こっちに振らないでよ」
千早「笑いズム!笑いズム!」クネックネッ
真「あなたのこころに」
千早「笑いズム!」ババーン!
響「目を合わないようにしとかなきゃ…」
千早「はい、小鳥さん!」
小鳥「わ、私!?」
千早「笑いズム!笑いズム!」クネックネッ
真「アナタノムネニモ」
千早「はいっ!」
小鳥「わ、笑いズム!」
伊織「お願い、助けてうさちゃん…」
P「結局全員言わされたな…」
真美「真美、13歳でノイローゼになりそうだよ…」
千早「笑いズムが浸透したようね。素晴らしいことだわ」
真「アナタノココロニ」
雪歩「真ちゃん、もう終わったの…終わったんだよぅ…」
美希「ミキ、自分が鬱になるなんて思ってもみなかったの…」
小鳥「お水を一杯飲ませて貰えませんか…」
響「自分も…」
P「遠慮せずにどうぞ」
千早「機会があれば社長にも笑いズムを…」クネックネッ
律子「経営に関わるから止めてちょうだい」
小鳥「少し落ち着きました」
響「自分もなんとか大丈夫そう」
P「じゃあ…気を取り直して、小鳥さん&響、どうぞ!」
P「なるほど。そういう設定できたか」
響「もしもーし!自分、ピヨコお姉さんに質問があるんだけど!」
小鳥「何かしら、響ちゃん?」
響「仏壇って非課税なのか?」
小鳥「響ちゃん?」
響「はい」
小鳥「子供電話相談室だから」
響「はい」
小鳥「ね?」
響「はい、わかりました」
~観覧席~
クスクス
真美「笑いが…帰ってきたよ…」
小鳥「なにかな~」
響「自分のいとこの姉ちゃんが来月25歳になるんだ!」
小鳥「ふむふむ」
響「そんで、再来月に二人目の子供が産まれるんだ!」
小鳥「あら、おめでたいわね~」
響「お姉さんはまだ大丈夫なのか?」
小鳥「響ちゃん?
響「はい」
小鳥「はいじゃないでしょう?」
響「さい」
小鳥「さいでもない」
響「すんません」
~観覧席~
アハハ
P「前が前だけに、余計に面白く感じてしまう…」
響「うん、わかったぞ!お姉さんお姉さん!」
小鳥「はい響ちゃん、どうぞ」
響「赤ちゃんはどこから来るんですか?」
春香「定番の質問だね」
律子「さて、この2人がどう料理するか」
響「ピヨコお姉さんは物知りだから知ってるよね?」
小鳥「響ちゃん、避妊ってわかるかしら?」
響「お姉さん」
小鳥「はい」
響「子供電話相談室」
小鳥「えぇ」
響「分かってる?」
小鳥「何となく」
響「頼むよ?」
小鳥「承りました」
千早「笑いズムね」
美希「それは無いの」
響「うん」
小鳥「だけど、いまよりももっと仲良くなりたいと思って、お互いのことをもっともーっと大切にするの」
響「うんうん」
小鳥「その気持ちがすごく強くなったときに、赤ちゃんが産まれるんだよ?」
響「そうなんだぁ!お父さんとお母さんがいっぱい仲良くしてたら、赤ちゃんが産まれるんだね?」
小鳥「そうなの!」
響「わぁ!赤ちゃんって不思議だなぁ!」
小鳥「まぁ2人目は避妊しなかったから産まれるんだけどね」
響「おいっ!もうピヨコとはやってられないぞ!」ピシッ
小鳥「ありがとうございましたー」
パチパチパチパチ!
真美「やるねぇ、ぴよちゃんとひびきん」
小鳥「お恥ずかしい…」
響「へへへ、笑い声が聞こえてたから気分良かったぞ!」
P「笑顔が…みんなの顔に笑顔が戻った…」
美希「ハニーがチューしてくれたらミキ、もっと笑顔に」
律子「ドサクサに紛れておかしなこと言わないの」
美希「むー」
春香「読めない組み合わせですよね」
千早「どちらがツッコミなのかしら?」
響「それも読めないぞ」
P「まぁ、始まればわかるさ。2人とも準備オッケー?」
あずさ「はい~」
美希「オッケーなの!」
P「ではあずささん&美希、よろしく!」
律子「お、モノマネですか」
春香「でも、残念ってどういうことかな?」
美希「いいとものときのタモリさん、なの」
あずさ「お、カツラの髪切った?」
響「カツラって言っちゃうのか…」
亜美「残念なタモさんだねぇ…」
小鳥「なるほど、そういうことなのね」
真美「モノマネはあんまし似てないけどね」
響「それも含めて残念なんじゃないのか?な」
真美「あ、そっかぁ」
美希「おはようございます、お昼のニュースです」
P「うわぁ、残念だぁ…」
律子「"NHKの"って付けるのがミソですね」
春香「絶対そんな間違いしそうにないですもんね」
響「お、身内ネタだぞ」
美希「方向オンチな亜美真美なの」
あずさ「亜美だよ←」
美希「真美たちと遊ぼ⇔よ!」
小鳥「矢印が…」
亜美「亜美たち、残念すぎるよ…」
真「…へ?」
美希「おはようございます!今日のボクは、フェロモンパリパリです!」
やよい「パリパリになっちゃいましたぁ」
伊織「空気が乾燥してたのね、きっと」
雪歩「残念だよ真ちゃん…」
真「…ハハハ」
真美「まこちんにも笑顔が戻った!」
やよい「う?」
あずさ「バスガス爆発バスガス爆発バスガス爆発」
P「なぜ噛まねぇ…」
春香「えぇ非常に残念です…」
やよい「う、うぅ?」
響「噛んでないのに残念だなんて…」
やよい「えっと…へ?」
亜美「いいんだよやよいっち。いいんだ…」
律子「アイデアの勝利ですね」
あずさ「うふふ、そうですね」
P「いい感じで2組続いたな」
千早「2組?」
貴音「気にしてはなりません、如月千早」
伊織「お次は私たちの番ね」
亜美「ガツ→ンとかましちゃうかんね!」
響「一番期待できそうな組み合わせだぞ!」
律子「ボケとツッコミが明確だからね」
P「では伊織&亜美、どうぞ!」
伊織「あみいおりの漫才、始めちゃうんだからねっ!」
亜美「いや→いおりん、いままで5組見てまいりましたが、お笑いってムズカシイねぇ」
伊織「そんなの当たり前よ。簡単だったら誰でも芸人になれちゃうじゃない」
亜美「まぁ芸人に限らず、道を極めるは困難なもの…アイドルの道もそうですな→」
伊織「まぁねぇ」
亜美「そこでね。亜美、いおりんにお願いしたいことがあるんだよ」
伊織「何よ。いきなりあらたまっちゃって」
伊織「まぁ、私もこの道に入って長いからねぇ。いいわ、協力してあげる」
亜美「ありがとういおりん!」
伊織「べ、別にお礼を言って貰いたいわけじゃないんだからねっ」
亜美「はい、早速いただきました→!じゃあ亜美が適当に話かけるから、ツンデレな受け答えをしてもらえるかい?」
伊織「し、仕方ないわねぇ!今日だけ特別よ?」
春香「あれ?この流れだと亜美がツッコミ?」
律子「裏をかいてきたのかしら」
伊織「あ、アンタのために降ってるワケじゃないんだからねっ!」
亜美「何が?」
伊織「雨が」
亜美「あなた雨の人?」
伊織「そ、そんな呼び方まだ早いわっ…だって私はまだ降り始めたばかり」
伊織「何よ?」
亜美「亜美、雨の気持ちになって考えたことないからイマイチ分かんないや」
伊織「べ、別に分かってほしくなんて」
亜美「いやいやいや、分からせようよ!あきらめんなよ!」
伊織「じゃあアンタやってみなさいよ」
亜美「分かった」
伊織「あら、お財布が見当たらないわ」
亜美「あ、アンタのためにやったワケじゃ」
伊織「返して」
亜美「はい」
P「交互にボケるパターンか」
伊織「あ、アンタのために止めたわけじゃ」
亜美「止めないでよ」
伊織「はい。もう!電車遅れてるとか最悪!」
亜美「べ、別に待ってほしいわけじゃ」
伊織「早く来なさいよ」
亜美「あい。おかし→な→。どこにしまったかな→」
伊織「み、見つけてほしくなんて」
亜美「いいから出てきなよ」
伊織「はい」
律子「笑い飯スタイルね」
亜美「あ、アンタのために作ったワケじゃ」
伊織「作りなさいよ」
亜美「あい。ぎゃ→!ゴキブリだ→!!」
伊織「会いたかった」
亜美「ツンが無いよ、ツンが」
伊織「はい。ここにゴキブリホイホイ置いとけば大丈夫よね?」
亜美「は、入りたかったら入ってもいいんだよ?」
伊織「そ、そんな小さいおうちじゃ無理よ」
亜美「えっ?サイズの問題?」
響「テンポがよくて気持ちいいぞ」
あずさ「2人とも達者ね~」
伊織「あ、アンタのために産んだわけじゃ」
亜美「当たり前じゃん双子なんだから」
真美「んふふ」
伊織「はい。きぃー!そこに金を置かれたら打つ手無しじゃないのよ!」
亜美「それは"詰んでる"」
亜美「それは"膿んでる"」
伊織「空き家のだったハズなのに灯りが」
亜美「それは"住んでる"。亜美、もうツンデレはこりごりだよ!」
伊織「ま、また遊んでくれなきゃヤだからね…」
亜美「もういいからっ!」パシッ
亜美&伊織「ありがとうございました」
パチパチパチパチ!
雪歩「えへへ、2人とも上手だったよ」
響「難しいパターンにチャレンジしたんだね」
伊織「この方が2人のキャラを活かせると思ったのよ」
貴音「なるほど。様々なすたいるがあるのですね」
P「よし、次はいよいよオオトリだな!」
やよい「うっうー!頑張りまーすっ!」
春香「やよいがちょっと心配だけど…」
真「律子が着いてるから大丈夫さ!」
P「それでまお待たせいたしました!本日のトリを飾るのは、律子&やよいのお2人です!どうぞー!」
律子「秋月律子です」
やよい「2人合わせて」
やよい&律子「やよりつです!」
P「律子がいかにやよいをコントロールする出来るかがカギだな」
やよい「律子さん!」
律子「なぁに、やよい?」
やよい「突然れすけど、私、お姉ちゃんが欲しいですぅ!」
一同「!!!」ガタッ!!!
P「お前ら落ち着け」
やよい「えへへー。はいっ!」
律子「じゃあ私がお姉ちゃん役やってあげるから、ちょっと甘えてみなさい?」
やよい「いいんですかぁ!?」
律子「もちろんよ」
やよい「じゃあ…お姉ちゃん!」
律子「どうしたの、やよい?」
やよい「わぁ…私、どうしよう…」
一同「私ボクミキもどうしよう…」
亜美「みなさん少し黙ってもらえないかい?」
律子「ん?遠慮せずに何でも言ってみなさい?」
やよい「預金通帳はどこにしまってるの?」
律子「こらこらこら!」
やよい「へ?どうしたの?」
律子「何やらかす気よ、まったく」
やよい「えへへー」
律子「もっとまともなお願いにしてちょうだい」
やよい「じゃあねぇ、えっとねぇ」
律子「なぁに?」
やよい「この契約書にハンコだけ押して?」
律子「こらこらこら!」
律子「黒いのはダメ」
やよい「グレーなのは?」
律子「グレーなのもダメ!白いやつにしてちょうだい」
やよい「あの土地の件はまだ白紙なんだけど」
律子「そういう意味じゃないから!」
やよい「チッ…」
律子「舌打ちをしない!」
やよい「うぅ…」
律子「泣かない!!」
やよい「購入代金はゆうパックで」
律子「送らない!!!ってか、ゆうパックでお金送っちゃダメだから!!!
P「律子らしいネタ作りだな」
律子「あんたが悪だくみばっかするからでしょ!」
やよい「私は悪くないもん!悪いのは世の中だもん!」
律子「おかしなな理屈をこねないの!まったく」
やよい「そういえば、お姉ちゃん…」
律子「今度は何よ」
やよい「私最近、胸が苦しいんだぁ…ドキドキしたりキュンってしたり…」
やよい「気が付くとね、その人のことばかり考えてるの…」
律子「うんうん」
やよい「あのポリ公…」
律子「何やらかしたのアンタ!正直に言いなさい!」
やよい「へ?まだ何も?」
律子「やる気なのね?近日実行予定なのね?」
伊織「やよい本来の純真さとのギャップが面白いわね」
千早「さすがね、律子。笑いズムを理解しつつあるわ」
真「思い出させないでよ…」
やよい「コネはあるよ?」
律子「黒い繋がりを持たないの!」
やよい「いや、真っ赤な人たち」
律子「どこの国の共産党員よ!」
真「どういう意味?」
響「自分もわからないぞ」
伊織「大丈夫よ。やよいも絶対理解できてないから」
律子「あら。じゃあ少し眠ったら?」
やよい「うん。おやすみお姉ちゃん…」
律子「おやすみ、やよい…」
やよい「…」
律子「…」
やよい「…目が覚めるころには全て終わってるハズ」ボソッ
律子「いい加減にしなさい!」ペシッ
律子&やよい「ありがとうございましたぁ!」
パチパチパチパチ!
P「見事にトリを飾ってくれたな!」パチパチ
小鳥「さすが律子さんですね」パチパチ
伊織「良かったわよ、やよい」
千早「高槻さん、いまのネタを今度は私と」
春香「お姉ちゃんって言われたいだけだよね、千早ちゃん…」
律子「ふう、やれやれ」
あずさ「お疲れ様です、律子さん」
美希「とっても面白かったの!」
響「自分たちには負けるけどな!」
真美「いやいや、やっぱり真美たちが一番だよ」
亜美「え→、亜美といおりんだよ→!」
雪歩「…問題ねぇ」ボソッ
真「雪歩、気持ちは痛いほど分かるよ…」
貴音「…あなたの心に」ボソッ
小鳥「た、貴音ちゃん!そっとしておいてあげましょう?」
伊織「3年に1回くらいならね」
真「次にやるときは誰と組む決めさせて下さい…」
千早「何を言っているの?せっかく息が合ってきたというのに」
亜美「まこちんが捕獲されたもよう」
P「よし、じゃあ次は俺とコンビで14人分」
一同「いい加減にしなさい!!!」
P「お後がよろしいようで」
お し ま い
途中寝落ちして申し訳なかったです
保守してくれた人たち、感謝なの
それでは読み返してきま→す
いい幕引きだ
面白かった
この一言がフラグとなったせいで千早がああなって真がああなった
前回同様真と雪歩が不憫だが…
中々クスッと出来た
Entry ⇒ 2012.03.20 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
キョン「おい、ハルヒ。金はまだか?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331725783/
キョン「どうした?今月分の友達料、まだ貰って無いんだが……」
ハルヒ「はい……これ」
キョン「毎度。会話しホーダイ、メール送りホーダイ、呼び出ししホーダイのプランで変更はないか?」
ハルヒ「いいわ、それで」
キョン「了解。じゃあ今月も友達よろしくな」
キョン「あ、おい谷口!今月の友達r…」
ハルヒ(……15000円は高いんじゃ……)
キョン「ふう、これで今月も……」
古泉「おや、どうも」
キョン「お、よう」
キョン「……ああ、悪いか?」
古泉「いえ、咎めるつもりなどありませんよ。彼女以外にアレをしていなければ、ね」
キョン「していたら何だ?」
古泉「あまり好ましくはありませんね。どうやら彼女は自分だけがそうであって欲しいと望んでいるようですから」
古泉「彼女は望んでいますから。お金を払い続ける限り、貴方との繋がりは消えません」
古泉「ですから彼女は」
ブー、ブー、ブー
キョン「おっとすまん」カチッ
ハルヒ:あんた今日はお弁当?
キョン「……」
古泉「おやおや……」
ハルヒ:そ、ならたまには一緒に食べましょうよ。あんたの分もちょっと作ってあるから
古泉「おやおやおや」
キョン「覗き見とは趣味わりいな」
古泉「これは失礼」
キョン:良いぜ、どこで食う?
キョン:了解
キョン「ったく、直接言えば良いのに」
古泉「面と向かっては言い辛いのでしょう」
キョン「何でだ?」
古泉「んっふ、本当はわかってらっしゃるのでしょう」
キョン「うるせえ」
キョン「ああ、良いぜ」
古泉「彼女は形の無い繋がりに不安を覚えてしまった。何故ならば貴方の旧友」
キョン「佐々木か」
古泉「ええ、何と言いましても"親友"ですからね。たかだか同じクラスの、同じ部に所属して居るだけでは太刀打ちできない」
古泉「ですので、それよりも強い繋がりを求めたのです」
キョン「まあ言い出したのは俺だが」
古泉「彼女がそう望んだんですよ」
キョン「そんな事で金とはね……捻くれた奴だよ」
古泉「おや、それはそれは」
キョン「今まで奢らされた分は取り返した様な気もするしな」
古泉「いや、それはまだ取り返せていないかと……」
キョン「……まあいいさ」
古泉「優しい方ですね」
キョン「馬鹿言え、友達料なんぞ貰ってる時点で優しくないだろ」
古泉「彼女がそう望んd」
キョン「良い、聞き飽きた」
古泉「んっふ……では、そろそろ授業が始まりますので、これで」
キョン「そうだな、また」
古泉「ええ、また」
キョン(現国か……寝よう)
ハルヒ「ちょっと、どこ行ってたのよ」
キョン「世界の平和を守りに」
ハルヒ「バッカじゃないの?」
キョン「へいへい馬鹿ですよー」
ハルヒ「ふふっ」
キョン「何笑ってんだよ」
キョン「失礼な奴だな全く」
ハルヒ「ほら、前向きなさい。授業始まるわよ」
キョン「おう」
キリーツ、レー
ハルヒ(……もっと、独占しないと……)
ハルヒ「キョン、行くわよ!」
キョン「ん?おお飯か、はいよ」
ハルヒ「あんたいっつも寝てばっかりね。脳味噌腐っちゃうわよ?」
キョン「防腐剤かけてるから大丈夫だ」
ハルヒ「腐ってからかけても意味ないわよ?」
ハルヒ(あっ……)
ハルヒ「なんて冗談よ。ごめんね?」
キョン(ハルヒが謝る……だと?!それにこんな他愛も無い事で……!!)
キョン「い、いや、いいさ。ほらこの辺で良いだろ?腹ペコペコだ。食おうぜ」
ハルヒ「そうね、食べましょうか」
キョン「おっ、言ってたやつか!って弁当作って来てくれたのか」
ハルヒ「……迷惑だった?」
キョン「いやまさか。嬉しいぜ」
ハルヒ「良かった。ほら開けて見て」
ハルヒ「と、当然よ!あたしが作ったんだから」
キョン「味も最高だ。マイマザーを超えてしまうかもしれん」
ハルヒ「そこまでないわよ!自分の親の料理が一番美味しいはずよ」
キョン「何だ、昔文句言ってたのは嘘だったのか?」
ハルヒ「いや、うちのオフクロは例外」
ハルヒ「言わないから良いの」
キョン「おっ、厚焼き卵も良くこんなに綺麗に巻けるな」
ハルヒ「自信作よ。どう?美味しい?」
キョン「最高に美味い!毎日でも食いたいぜ」
ハルヒ「まっ……毎日巻くのは大変よ」
キョン「?顔赤いぞ。何か詰まらせたか?ほら」ポンポン
キョン「いやあ、それにしても美味い。やめられない止まらない」
ハルヒ「ふふ。あ、そうだ。昔からしたい事があるの」
キョン「何だ?」
ハルヒ「……はい」
キョン「?」
ハルヒ「口開けて」
キョン「あ」
ハルヒ「あーん」
キョン「ちょ、ちょっと待て、心の準備が……」
ハルヒ「だ、ダメ……?プランに無いからダメなの?ならそれも入れて良いから!」
キョン「いや、それは大丈夫だ!よし食べよう!ほら、ハルヒ!」
ハルヒ「良いの?ふふ、はいっあーん」
パクッ
鶴屋さん「わーおデリシャス!!これってハルにゃんが作ったの?!すっげーうまいね!!」
キョン「あっ、鶴屋さん……」
ハルヒ「つる……ちゃん……」
キョン「いえ、そんな……」
ハルヒ「……」
鶴屋さん「ハルにゃん?……怒っちった……?」
キョン「お、おいハルヒ」
鶴屋さん「へっ?お金?なんのこt」
ハルヒ「払ってない癖に邪魔したの?!何それ?!あたしの邪魔しないで!!
ほら、早くどっか行きなさいよ!!」
キョン「ハルヒ!!ほ、ほら、鶴屋さん早く」
鶴屋さん「ご、ごめんっ!やっぱり邪魔しちゃってたね!またねお二人さん!」
ハルヒ「……」
キョン「……」
キョン「あ、あーん……」パク
ハルヒ「おいし?」
キョン「お、おう、なんか5割り増しで美味しく感じるぜ……」
ハルヒ「そう?ふふっ言いすぎよキョン」
キョン「はは、ははは……」
ハルヒ「お粗末さま」
キョン「いやー凄え美味かった。良かったらまた頼むぜ」
ハルヒ「あ、キョン、さっき卵焼き毎日食べたいって言ってたわよね?」
キョン「ん?おお」
ハルヒ「毎日作って来てあげるわ。感謝しなさい!」
キョン「えっ?いや……」
ハルヒ「嫌?これもプランに入ってないから?じゃあ入れて良いわ。
それとも本当は美味しく無かった?嘘ついたの?」
キョン「ち、違う!嬉しすぎてな!はは!ありがとう!毎日食べられるなんて幸せだ!」
キョン「おう!勿論だ!」
キョン(なんか……ヤバイぞこれ……)
キョン「……部室に行きたくない……」
キョン「何だあのハルヒは……怖すぎる……」
鶴屋さん「あっ!キョンくん!」
キョン「鶴屋さん……すみません、昼休みは……」
鶴屋さん「いや、いいっていいって。あたしが悪いっさ」
キョン「はい、何でしょう」
鶴屋さん「あんときハルにゃんが言ってた、お金って何にょろ?」
キョン「ああ……それは……」
キョン(軽蔑されるだろうな。しかし鶴屋さんに嘘はつけんだろう)
キョン「……というわけです」
鶴屋さん「そんなこと……してたんだね……」
キョン「……はい」
キョン「はい」
鶴屋さん「あたしも良いかい?」
キョン「はい……はい?!」
鶴屋さん「おっ、良いんだね!やった!いくら払えば良いにょろ?」
キョン「いや、ちょっと待って下さいよ!」
キョン「いやあ……駄目と言うか……驚き過ぎて……」
鶴屋さん「なーんだ、駄目じゃないんだね!そんじゃ、友達コースはいいから、恋人コースはどうかな?それやるならいくら?」
キョン「ま、待って下さいよ!良いんですか?寧ろ!」
キョン「一万……ご、五千円で……」
鶴屋さん「わお、破格だね!あんな事やこんな事するのに!んでも悪いからお姉さんは諭吉さん三人出しちゃお!はいっ!」
キョン「うわっとっと!……ありがとう……ございます……あれ?ってあんな事やこんな事って」
鶴屋さん「おっけー受け取っちゃったから決まりね!にひひ、じゃあ今日活動終わったら連絡よろしく!」
キョン「早速?!わ、わかりました」
キョン「ハルヒ……!」
鶴屋さん「何ってー?ただのお話だけどっ?悪いかい?」
ハルヒ「つるちゃんは友達料払ってないんだから、キョンに気安く話しかけないで。
ねえ?キョン」
キョン「あ……それは……」
鶴屋さん「ふーん、で、ハルにゃんはいくら払ってんの?」
鶴屋さん「そっかあ!あたしは30000払ってんの!さらにこ、い、び、と、コース。
ハルにゃんこそ人の彼氏に気安く話しかけないで欲しいにょろ」
ハルヒ「な、何よそれ!!ちょっとキョン!どう言う事よ!!」
キョン「あ、いやその、それは」
鶴屋さん「予定変更っさ!キョンくん、行くよほらっ!」
キョン「うおっ?!ちょっと鶴屋さん?!」
ハルヒ「何よ、それ、何なのよ……キョン……」
みくる「ひゃ!ど、どうしたんですかー?」
古泉「失礼、席を外しますよ」
みくる「へ?……何だったのかな?」
長門「大規模な閉鎖空間。危険」
みくる「えー?!どどどどど、どれくらい危ないんですか?!」
長門「かなり。しかし拡大が停止している。原因は天蓋領域によるものと見られる。
何故そんな事をしているのかは不明」
長門「わからない」
鶴屋さん「ふう、いやーハルにゃん怖かったね!にゃはは!」
キョン「笑い事じゃありませんよ……。挑発し過ぎですって」
鶴屋さん「ごーめんごめん。あたしとした事がついついカッとなっちゃってさ」
キョン「全く……今後はやめて下さいよ。あんな事」
キョン「デートですか?」
鶴屋さん「そそ、駄目かなっ?恋人だし放課後デートは定番っさ!」
キョン「まあ……ですね」
ブー、ブー、ブー
鶴屋さん「ゆっくりお話したいから、ファミレスでも行こっか!
あたしドリンクバー大好きなんだよねー。それかあたしんち来る?」
ブー、ブー、ブー
キョン「いやいや!段階踏みましょう!まずはファミレスで!!」
ブー、ブー、ブー
キョン(……携帯が……)パカッ
着信:26件
未読メール:61件
キョン(……嘘だろ)
ハルヒ:どこいくの?
ハルヒ:あたしはどうするの?何で裏切ったの?
あたしに何も言わないで何やってんの?
ハルヒ:鶴屋と恋人になってなにするつもりよ
ハルヒ:あたしは4万出すから関係切って
ハルヒ:でんわでろ
ハルヒ:鶴屋なんて死ねば良いのよ。殺してやる
鶴屋さん「もちおっけー!いってらっしゃーい!」
キョン「はは、それじゃ」
パタン
キョン「……もしもし、ハルヒか」
ハルヒ「キョン!もう、やっと出てくれた」
キョン「……すまん」
ハルヒ「良いのよ?それで、今どこなの?」
キョン「今はな、鶴屋さんとは解散して、トイレに居る。腹の調子が……悪くてな」
キョン「……え?」
ハルヒ「何?どうしたの?」
キョン「いや……何でもない」
ハルヒ「そ。ていうか、お腹痛いって大丈夫?
あたしのお弁当が悪かったのかしら……ごめんね?」
キョン「いやいや、昨日からコレなんだ。ハルヒの弁当は最高だったさ」
ハルヒ「本当?じゃあ明日はお腹に優しいの作って来てあげるから、楽しみにしててね?」
ハルヒ「それじゃ。また明日ね!お大事に」
キョン「ああ、また明日」
キョン(なんか思ったより普通だったな。大丈夫、ハルヒもそんなに怒ってなかったみたいだ。
ったく、鶴屋さんを呼び捨てとか殺してやるとか、冗談が過ぎるぜ?)
鶴屋さん「キョンくん、長かったね!」
キョン「すんません、ちょっとお腹痛くて」
キョン「スッキリしたんで大丈夫っす!さあガンガンドリンクお代わりしちゃいましょう!」
鶴屋さん「その意気っさ!でも無理しちゃだめにょろよ?」
キョン「わかってますって。じゃ、ちょっとついできます」
鶴屋さん「はーい!」
みくる「ほっ……よかったあ。古泉くん、大丈夫でしょうか」
長門「大丈夫」
みくる「でもなんで天蓋領域さんが止めてくれたんでしょうかね?」
長門「恐らくこの巨大な閉鎖空間の調査も兼ねて。
今までは統合思念体しか手を出していなかったから。
天蓋領域が止めて居なければ統合思念体が止めていた」
みくる「そうですかあ……よくわかりません」
長門「そう」
鶴屋さん「んー、今まではハルにゃんに譲ったげようと思ってたんだけど。
昼休みにあーんなんてしてるのみたらやっぱし嫉妬しちゃってね。
あたしももう我慢できなくなっちゃったからさっ」
キョン「ん……嫉妬って、はは。恋じゃあるまいし」
鶴屋さん「好きだよ」
キョン「へ?」
鶴屋さん「キョンくんのこと好きじゃないなら、こんなことしないっさ」
キョン「あの……」
お金でキョンくん独占できるなら幾らでも出すっさ」
キョン「鶴屋さん……」
鶴屋さん「でも今は本当の恋人じゃないから、今みたいに二人でお話くらいしかしないよ。そこは我慢だねっ」
キョン「……」
鶴屋さん「ハルにゃんと同じで良いから、さ。
恋人コースなんて名ばかりだよ。キョンくんも嫌だろうし」
キョン「そんな事……」
あたしが貰えなくてもそれまでこうして居られたら満足っ!」
キョン「チケット……ですか」
鶴屋さん「うん。もし良かったらあたしの事も考えてね!
さっ、ちょっとお代わりしてくるよ!」
キョン「は、はい」
キョン(俺は……最低だ……)
妹「キョン君おかお青いよー?大丈夫ー?」
キョン「ああ、大丈夫だ。ほら歯は磨いたか?寝る準備しなさい」
妹「はーい」
キョン(どうするべきか……やれやれ……)
キョン(俺はハルヒが好きなのか?鶴屋さんが好きなのか?いや、それにしても流石に鶴屋さんは想定外の想定外だった……)
古泉「どうも、お早う御座います」
キョン「ん?……おう」
古泉「いやあ、昨日は大変でしたよ。もう少しで世界そのものが変わってしまう所でした」
キョン「……すまん」
古泉「……他の方にはしない様に、と注意した筈ですが……」
キョン「ああすまん!!すまんすまんすまん!!」
寧ろ彼女にとっては、燃える展開なのかもしれませんよ?」
キョン「何でだ?」
古泉「今現在、閉鎖空間が出現して居ないのが何よりの証拠でしょう。
本来ならばあの様な規模、あの様な膨張速度の閉鎖空間は……天蓋領域、或いは情報統合思念体であっても止められません」
古泉「彼女の心は益々燃えているのかもしれません」
キョン「何でちょっと楽しんでるんだよ」
未だ、完全に安心できる状況ではありませんがね」
キョン「そうかそうか。良かったな。うん良かったな」
古泉「くれぐれもお気を付けて。それでは」
キョン「おう、じゃあな」
ハルヒ「キョン!遅いじゃない!」
キョン「何を!いつもより早いくらいだろ!
古泉と鉢合わせたのが何よりの証拠だ!」
ハルヒ「……そ、古泉くんとね。それで、お腹の調子はどうなの?」
キョン「ん?ああ、すこぶる良いぞ」
ハルヒ「良かった。安心したわ。頑張って作ったんだからたらふく食べなさいよね!」
キョン「おう、有難く頂くぜ」
ブー、ブー
キョン(ん?)
佐々木:やあ、調子はどうだい?話したい事があるんだが、放課後に少しの時間会って貰っても良いかな?
キョン(佐々木か……二人には上手く言っておこう)
キョン:勿論だ
キョン「っと」ピ
ハルヒ「……」
ハルヒ「何よ」
キョン「今日は放課後家に帰っても良いか?
お袋が手伝って欲しい事があるんだと」
ハルヒ「……そう、良いわよ」
キョン「ありがとう。埋め合わせはするからさ」
ハルヒ「本当に?約束よ?」
キョン「ああ約束だ」
ハルヒ「ふふ。覚悟してなさいよ!」
キョン:すみません、今日は用事があって余り一緒に居れそうにないです。
また明日にでも、デート行きましょう。
キョン「さて、寝るか」
ハルヒ「……」
キョン「ん?どうした?」
ハルヒ「あんた本当寝るの大好きね」
キョン「頭を使うと直ぐに眠くなるもんでな。数学は特に心地良い子守唄だ」
ハルヒ「寝たらシャーペンで刺すからね」
キョン「やめろ。頼むからやめてくれ」
ハルヒ「冗談よ。その代わり昼休みにうとうとしてたら許さないから」
ハルヒ「期待しとくわ」
キョン「おう」
ブー、ブー
佐々木:良かった。じゃあいつもの喫茶店で待ち合わせようか。
楽しみにして居るよ。
キョン(まあ、鉢合わせる心配も無いだろう)
キョン:了解
ハルヒ「あんたそんな態度じゃ留年よ。シャキッとしなさい」
キョン「はい先生」
ハルヒ「誰が先生よ……。お弁当今日はここで食べましょっか、移動するのも面倒だし」
キョン「おう。腹減ったぜ」
キョン「すまんな」
ハルヒ「良いのよ。あたしが好きで作ってるんだから。
ほら、早く開けてみて」
キョン「おう……相変わらずよくこんな綺麗に作れるもんだな」
ハルヒ「料理は見た目が肝心よ。お弁当は形崩さないの大変なんだから」
キョン「うん、味も相変わらず最高だ。良い嫁さんになるな」
ハルヒ「ま、まあね。あたしを嫁に貰える人は超超幸せ者よ」
ハルヒ「一言余計よ!」
キョン「はは、すまんすまん」
ハルヒ「もう……」
キョン「ふう、ご馳走様。美味かったぜ」
ハルヒ「ありがと。そう言って貰えると作り甲斐あるわ」
キョン「明日は学食にしてみないか?こう連続で作るのも大変だろう」
ハルヒ「……」
キョン「ハルヒ?」
キョン「は?」
ハルヒ「本当はあたしのお弁当美味しくなかったんでしょ。嘘つき」
キョン「待て、そうじゃない。そんな事はない」
ハルヒ「毎日食べたいって言ったじゃない!」
キョン「だから嘘じゃないって!ハルヒ落ち着け!」
ハルヒ「……」
でもな、ハルヒがきついんじゃ無いかと思ったんだ。
負担になってるんじゃないかと」
ハルヒ「……大丈夫よ。苦にならない。だから大丈夫」
キョン「そうか……わかった。ありがとうな」
ハルヒ「ううん、良いわ。気にしないで。
あたしこそごめんね」
キョン「ハルヒが謝る事じゃないさ。……明日も楽しみにしてる」
ハルヒ「うん……」
キョン(ハルヒ……やっぱり最近おかしいぞ……)
ハルヒ「ええ、また明日。埋め合わせ忘れちゃダメよ」
キョン「わかってるって。じゃあな」
キョン(待ち合わせは後1時間か……間に合うな)
キョン(佐々木、頼むから橘や藤原が絡んだ話を持って来ないでくれよ……!)
キョン「よう、待ったか?」
佐々木「いや全く。今から注文しようと思っていた所さ」
キョン「そうか、良かった」
佐々木「すみません、アイスコーヒーを二つ」
キョン「おっと、有難う」
佐々木「構わないさ。それでね、話なんだけど……」
キョン「ああ、聞かせてくれ」
キョン「……すまん、まずそれを何故知って居るのか聞いても良いか?」
佐々木「九曜さんに聞いたんだよ。先の閉鎖空間を調査した時に、面白い情報を手に入れたってね」
キョン「そんな事が……」
佐々木「閉鎖空間は彼女の心そのもの。それを解析する機を天蓋領域は狙って居たみたいだ。
思いがけない拾い物があったみたいだから、教えて貰ったのさ」
キョン「……」
佐々木「本当はこんな事したく無いんだけどね。居ても立っても居られなくなったんだ」
佐々木「何故、って?」
キョン「お前、彼氏が出来たんじゃないのか?」
佐々木「何の事かな?」
キョン「言ってたじゃねえか、前に。告白されたとかの……考えてみる事にしたとか」
佐々木「ああ、あれはね。君の気を引こうと思って。つい言ってしまった」
キョン「えっ?」
とても残念だったよ。ほんの少しでも君の心が動かせたらと思っていたから」
キョン「そうだったのか……」
佐々木「恋人コースなどと言って居る時点でもうわかりきっていると思うけれど、僕は君が好きだ。
君のフリーパス争奪戦に、僕も参加させて貰えないかな?」
キョン「佐々木」
佐々木「こう言うのもなんだけど、僕は決心してこのお金を用意したんだ。
受け取って貰えないなんて事は絶対に避けたい。
それは僕にとって最大の侮辱だ。お願いだよキョン。受け取って欲しい」
佐々木「良かった……じゃあ早速」
キョン「だが金は受け取れない」
佐々木「……何故だい?」
キョン「自由に呼び出し、メール、会話ができるのが俺の契約内容だ」
佐々木「……」
キョン「契約しすぎてそれに違反しちまってる。だから金は受け取れない。
二人にも返す」
佐々木「……そうかい、なら、恋人コースは無理なんだね?一日キョンを独占するなら幾らかな?」
佐々木「何を?」
キョン「クソみたいな言葉だが、俺は誰を選ぶのか決めなければならない。
逃げ続けるのはもうお終いだ」
キョン「一日、デートをさせてくれ。それで決める」
佐々木「……わかったよ」
キョン「また……連絡するから」
佐々木「うん……待ってるよ」
佐々木(二人は、狡いや。タダで独占出来てたようなものじゃないか)
佐々木(でも勝ち取れば毎日……)
佐々木「よし、負けないよ。頑張ろう」
鶴屋さん『何かなっ?デートのお誘い?』
キョン「はは、そんなもんです。ちょっとだけ会えませんか?」
鶴屋さん『もちろんっさ!昨日のファミレスでも良いかなっ?』
キョン「はい、お願いします」
鶴屋さん『おっけー!んじゃ、また後で!』
キョン「ええ、また」
キョン「ははっ、見ての通りまだですよ」
鶴屋さん「待っててくれてたのかい。いやあ、お姉さん嬉しいなっ!」
鶴屋さん「ところで、どしたん急に?今日会えないんじゃ無かったっけ?」
キョン「ああ、その事なんですが……」
鶴屋さん「ふうん、一日デートで決めるんかあ……。良いね!じっくり考えてもらえるし!」
キョン「すみません、最低っすよね、俺……」
鶴屋さん「そんなことないにょろ。寧ろこうして考えて貰えるなら、幸せだよっ」
鶴屋さん「なーんも悪くないから、キョンくんは遠慮なしにずばっと決めるっさ!」
キョン「……有難うございます」
鶴屋さん「そんじゃ、当日とびきりおめかししてくるからさ!
楽しみにしてて!んじゃまたねっ」
キョン「は、はい!また!」
ガチャ
キョン「……おう」
ハルヒ「あれ?キョン?」
長門「……」スッ
キョン「何処か行くのか?」
長門「……コンピ研」
キョン「そうか……またな」
ハルヒ「行ってらっしゃい。なんかされたら直ぐに言うのよ!……キョン、あんた用事は?」
キョン「ああ、その事なんだが……」
ハルヒ「はあまさか嘘ついてたなんてね。信じらんない」
キョン「すまん」
ハルヒ「まあ良いわよ……正直に言ったんだしね。
一日デートでしょ?あたしの魅力を存分に思い知らせてあげるわ。
もうほんっと、いい度胸してるわよキョンのクセに」
キョン「はい、すみませんでした……」
ハルヒ「でも良かったの?お金払うって言い出したのはあたしなのに……」
キョン「良いんだ。寧ろ返さないと気が済まん」
ハルヒ「そう……わかったわ」
その時は正直に言ってね。嘘をつかれる方がもっと辛い」
キョン「勿論だ」
ハルヒ「それじゃあ、覚悟は出来てるから……今度の三連休でしょ?いつでもいいから……またね」
キョン「ああ、また連絡する。気を付けて帰るんだぞ」
ハルヒ「大丈夫よ。ありがと」
キョン「……寝るか」
キョン(考えるのは後だ。俺も、皆に答えなければならない)
鶴屋さん『明日?大丈夫っさ!何時にどこかなっ?』
キョン「じゃあ……11時に駅前で良いですか?」
鶴屋さん『はいよっ!りょーかい!んじゃ、また明日にょろ!』
キョン「はい、お休みなさい」
キョン(緊張する……どうなるんだろうか)
鶴屋さん「キョンくん!こっちっさ!」
キョン「あっ、鶴屋さん!すみません、お待たせしました」
鶴屋さん「いやあ全く、待ちくたびれたにょろ」
キョン(ショートパンツにTシャツ、うっすらと汗をかいた首元……正直、たまりません)
鶴屋さん「今日はね、ちょっと遠出するよっ!」
キョン「遠出?」
鶴屋さん「なんと日帰り温泉旅行っさ!折角駅前集合だからね!さ、はりきっていこー!」
キョン「え、ちょ、マジですか!」
鶴屋さん「マジも大マジ!値段なら大丈夫、案外安いもんだからさ!ほら行くにょろ!」
キョン「は、はい!」
キョン「俺はこれです」
鶴屋さん「わーお牛飯かあ!男の子って感じだね!」
キョン「鶴屋さんのは……」
鶴屋さん「いやあ偶然にも、同じ牛飯にょろ!」
キョン「はは、お揃いですね」
鶴屋さん「本当だね!はい、あーん」
キョン「へ、あ」
鶴屋さん「美味しい?」
鶴屋さん「あたしも食べたいな?」
キョン「あ、はい……あーん」
鶴屋さん「ん。おおーめがっさうんまいね!お茶がすすむっさ!」
キョン「はは、節約しないとお茶無くなりますよ?」
鶴屋さん「大丈夫大丈夫!心配ないよ!あっ!外みて!すっげーでっかい河!」
キョン「うわ本当っすね……横何mあるんだ……」
鶴屋さん「残念ながら鶴は居ないねっ。鴨しかいないっぽいね」
キョン「鶴はそうそう居ませんって」
キョン「へっ?あ、わかりました!」
鶴屋さん「おおー!到着到着!」
キョン「さっきの河の近くだったのか……」
鶴屋さん「あれすごかったねー、さ、入ろ入ろ」
キョン「ほう、案外安いもんなんですね」
鶴屋さん「言ったっしょ?何も旅館じゃないんだからさっ!ちょんと浸かるだけだからねっ」
鶴屋さん「うん、あがったらここで!」
キョン「はい」
キョン(慌しいけど……時間が経つのを忘れるな。鶴屋さんと居ると)
キョン「おお……露天風呂広すぎだろ……」
キョン「ふい~……たまには良いな、こうやってゆっくりするのも」
キョン「ハルヒのやつもたまにはこんなイベント設けてくれれば……古泉に言ってみるか」
誰を選んでも残り二人に申し訳なくて一生後悔しそうだし耐えられる自信が無い。
俺には縁のない悩みでよかった。
お前には縁が無くて良かったな
俺もだよ///
キョン「のぼせる前に上がっとくか」
キョン(鶴屋さんは……まだか)
キョン(そりゃあの長い髪、洗うだけで大変だろう)
キョン(水吸ったらとんでもない重さになりそうだが……乾かすのも一苦労だろうな)
鶴屋さん「おーい?キョンくん?」
キョン「ん?おわっ!早いですね」
鶴屋さん「そう?だいたいこんなもんだと思うけどなー。さ、ほら、風呂上がりといったらアレっしょ?」
鶴屋さん「おやっ珍しいね!あたしはフルーツ牛乳派だよ!」
キョン「一緒じゃないですか!」
鶴屋さん「ちっちっち、一緒にしたのさっ」
キョン「ははっ、嬉しいですね」
鶴屋さん「前から興味あったんだよねー。どんなんかな?うわおっ、あんま!でもけっこーイケるね!」
キョン「でしょ?なかなか美味しいんですよ」
鶴屋さん「コレも良いもんだね!家に常備しときたいにょろ」
キョン「良いっすね。受けて立ちますよ」
鶴屋さん「言っとくけどあたしけっこー強いよ?」
キョン「俺はかなり弱いですよ」
鶴屋さん「にゃはは!そんじゃいっちょいってみよー!」
キョン「……強過ぎません?」
鶴屋さん「ラケットは友達にょろ」
キョン「ピンポン球ではないんですね」
鶴屋さん「残念ながら……。さっパパっと帰ろっ!」
鶴屋さん「電車も丁度いいくらいの時間につくっさ、忘れ物ない?」
キョン「大丈夫です」
鶴屋さん「そんじゃいこっか!」
キョン「はい!」
鶴屋さん「なんかちょっと暗くなると、窓の外全然見えなくなっちゃうよねー」
キョン「街を離れると、一面真っ暗ですね」
鶴屋さん「ねえ、キョンくんさ」
キョン「何でしょう?」
キョン「景色……?そうですね……晴れてて、夏っぽいような……」
鶴屋さん「……そっかあ」
キョン「そうです」
鶴屋さん「嬉しいにょろ」
キョン「……良かったです」
鶴屋さん「あたしは今日そう言って貰えただけで十分かな。
今更四の五の言ってもしょーがないし!」
鶴屋さん「さ、ほら着いたっさ!行こう」
キョン「……はい」
キョン「めちゃくちゃ楽しかったです。また、今度……また、行きましょうね」
鶴屋さん「そうだねっ。今度は皆で行くにょろ!
次の合宿は温泉地だねっ!そんじゃ、お休み!」
キョン「はい、お休みなさい。お気を付けて!」
キョン(……楽しいだろうな。付き合ったら)
キョン(新鮮な事ばかりで、飽きなんて無い毎日なんだろう)
キョン(ゆっくり、考えよう……)
佐々木「勿論だよ。明日かな?」
キョン「ああ」
佐々木「そうかい。なら明日の14時に、いつもの喫茶店で」
キョン「わかった。有難う」
佐々木「また明日……お休み」
キョン「お休み、佐々木」
キョン「よう、また待たせちまったな」
佐々木「構わないよ。僕はこの待つと言う時間が好きでね。
何時間でも大丈夫さ」
キョン「はは、何時間でもは流石に言い過ぎだろ?あ、アイスコーヒーを二つ」
佐々木「おや、有難う。ところでね、今日のプランなんだけど」
キョン「ん?ああ」
佐々木「僕はここだけだ」
佐々木「ここで君とゆっくり話す。ただそれだけで良い。
キョンはそれでも良いかい?」
キョン「ああ、全く構わん。寧ろお前らしくて良い」
キョン「良いさ。外は暑いし、動き回るのも難だ」
佐々木「くっくっ、君らしいね。君が君で良かったよ」
キョン「良い意味として受け取っておこう」
佐々木「それでよろしく頼むよ。……キョンは正直、僕の事をどう思っている?」
キョン「どうって……親友……かな」
佐々木「そうか。嬉しいよ。だけれど哀しくもある」
キョン「何故だ?」
無論僕もそう考えている」
キョン「いや、ケースバイケースなんじゃないのか?俺はあると思うが」
佐々木「そうだね、その通りだ。でも僕らにもその世間一般の常識は当てはまるみたいだよ」
キョン「……」
佐々木「現に僕は君を男として、恋愛対象として見ている。そうなると友情では無くなるんだ」
キョン「それは……」
佐々木「ならば、涼宮さんの事はどう思う?」
キョン「あいつは……」
キョン(友達?クラスメイト?同じ部活の仲間?……どれもしっくりこないな……)
キョン「わからん……」
もっとも、愛情はあるのだろうけどね」
キョン「愛情って」
佐々木「君が僕の事を親友とそう呼べるのなら、僕はもう友人として取り返しのつかない所まで来てしまったんだ」
佐々木「そこから恋愛に覆る事はそうそう無い」
佐々木「僕が涼宮さんに対抗したくて言った"親友"とは違うんだと……そう思う」
キョン「佐々木……」
佐々木「僕の事を選んでくれとは言わない。でも一つだけ」
キョン「何だ?」
キョン「そりゃ……勿論だ」
佐々木「安心したよ。……僕は卑怯だね。予防線を張るなんて」
キョン「……」
佐々木「君と涼宮さん程月と太陽みたいな人は居ない。相性抜群だ。
とても近づけそうに無いよ……こう言ってしまうと、もう一人の女性にも悪いがね」
佐々木「さあ、僕はもう良い言いたい事は全て言ったつもりだ。
とてもデートと言える様なものでは無かったけれど、許して欲しい」
キョン「良いさ。佐々木の気持ちが聞けて良かった」
佐々木「それじゃあまた、連絡待っているよ」
キョン「ああ……またな」
キョン(すまん、そんな気持ちにさせて)
キョン「……ハルヒ、明日、大丈夫か?」
ハルヒ「いつでも空けてるって言ったでしょ?じゃ、駅前に11時!遅刻は罰金!わかった?」
キョン「おう、わかってる」
ハルヒ「じゃあね。寝坊すんじゃないわよ!」
キョン「へいへい、わかりましたよ」
キョン(……夜は俺が皆を照らすんだろう。ハルヒの力を借りて。
佐々木の言っている意味の半分くらちは理解出来て居るつもりだ)
キョン「早いなお前……一時間前だぞ……」
ハルヒ「あんたの考えなんてお見通しよ!残念だったわね!」
キョン「はあ……喫茶店でいいか?」
ハルヒ「ううん、ポップコーンとコーラよ」
キョン「ん?その組み合わせは……」
ハルヒ「そう、映画を見に行くの。話題のSF映画よ」
キョン「SFね……なんともハルヒらしい」
キョン「はいはい」
ハルヒ「はいは一回!」
キョン「はーーい」
キョン(すっかり元のハルヒだ。こっちの方がしっくりくるぜ)
ハルヒ「席はここね。中央の席だなんて運が良いわ」
キョン「ハルヒパワー」
ハルヒ「なに?」
キョン「いや、何でも無い」
ハルヒ「あっそ、あ、始まるわよ」
何と言ったら良いのかわからんが、女はこういうの気にするみたいだしな)
キョン「ハルヒ」
ハルヒ「何よ」
キョン「髪型似合ってるぞ。魅力度倍増だ」
ハルヒ「……上映中なんだから静かにしてよ」
キョン(……ハルヒの口角がピクピクしているのは怒りからだろうか)
キョン(いや……それにしても何故こう映画館と言うのは眠気を……)
キョン「zzz」
ハルヒ「ったくもう……ふふ」
キョン「んおっ!……今何時だ?」
ハルヒ「……ヨダレすごいわよ」
キョン「おお、有難う」
ハルヒ「はあ……折角見に来たのに寝る何てバッカじゃない?
お金を捨てたような物よ?
まああたしは集中して見れたから良いんだけど」
キョン「すまん」
ハルヒ「まあ良いわ、ご飯食べに行くわよ」
キョン「おう、丁度腹減って来てたんだ」
ハルヒ「上の洋食屋さん。昔パ……親父とよく言ってたんだけど、オムライスが美味しいのよ」
キョン「オムライスか……やべ、さらに腹減って来た」
ハルヒ「じゃあ早速行くわよ」
キョン「おう」
ハルヒ「ふわとろよ」
キョン「冗談だろ。お前はこんな上等な物を幼少期に食していたのか」
ハルヒ「大袈裟ねえ、あたしだって作れるわよこんくらい」
キョン「興味深いがちょっとお口チャックだ。
睨まれてるぞ」
ハルヒ「ふんっ知ったこっちゃないわよ」
キョン「ケチャップついてるぞ」フキフキ
ハルヒ「ん……ありがと」
キョン「どういたしまして」
キョン「ご馳走様でした」
ハルヒ「最後に一つだけ、行きたい所あるんだけどいい?」
キョン「ああ、良いぜ」
ハルヒ「ありがと、じゃ着いてきて」
キョン「おう」
キョン「ここは……」
キョン(ハルヒの……)
ハルヒ「東中。ちょっとした思い出があるのよ。ほら、ここ登って」
キョン「侵入したらセコム来るぞ」
ハルヒ「来ないわよそんなもん。いいからほら!」
キョン「おう……」
キョン「お前がでっかい絵文字書いたってとこか?」
ハルヒ「そうよ」
キョン「……」
ハルヒ「……」
ハルヒ「ねえ、キョン」
キョン「何だ?」
ハルヒ「宇宙人って居ると思う」
キョン「長門だろ?」
ハルヒ「じゃあ未来人は?」
キョン「朝比奈さん」
ハルヒ「超能力者は?」
キョン「古泉だな」
キョン「本当の事だからな」
ハルヒ「……じゃあ異世界人は?」
キョン「……余ってる俺かね?」
ハルヒ「でしょうね」
キョン「ははっ」
ハルヒ「……あたしね、ずっと特別な存在になりたかったの」
キョン「……」
ハルヒ「SOS団立ち上げた目的も、特別な存在と遊べる特別な存在になりたかったから」
ハルヒ「それで気付いたら精神病だと思ってた恋も普通にしてたわ」
ハルヒ「あんたともずっと普通に過ごして行ければ良いと思ってたんだけど、何時の間にかあんたにとって特別な存在になりたいと思ってた」
ハルヒ「キョン、好きよ」
キョン「……」
ハルヒ「あたしと付き合って欲しい」
ハルヒ「……いいの?」
キョン「俺もやっぱり、ハルヒじゃなきゃ駄目みたいだ」
キョン「鶴屋さんと、佐々木と一緒に居てもハルヒの事ばかり……ハルヒだったら、ハルヒもこんな事を、そんな風に考えちまってた」
キョン「俺は阿保だな。ホンモンのクソッタレだ。
恋なんて馬鹿らしい。俺にそんな事があるわけ無い。
そうやって、誰かに気持ちを向けられても鈍感な振りしてフラフラ逃げ道を探してたんだ」
キョン「これからも改めてよろしく頼む。これまですまん。
一生かけてハルヒを大切にするから」
キョン「ハルヒ……ポニーテール、最高に似合ってるぞ」
ハルヒ「えっ?んっ……いきなりなにすんのよこのバカキョン!!」
キョン「あいたっ!!おい何もビンタする事は無いだろ!!」
ハルヒ「こういうのはムードってもんが大事なのよ!初めてなのに、こんないきなりされてよく覚えて無かったらどうすんのよ!」
キョン「完璧にそのムードだっただろうが!じゃあいつすりゃ良いんだ?わからん!全くわからん!」
ハルヒ「もうっ!良いわよ!とにかく、明日から毎朝あたしの家に迎えに来る事!良いわね?」
ハルヒ「なに?嫌なの?」
キョン「いえ、喜んで」
ハルヒ「じゃあ決まりね!来ないとお弁当抜きだから」
キョン「はい……」
ハルヒ「また明日!マジで来るのよ!」
キョン「わーかったって!また明日な!」
キョン(なんか実感わかんが……これからだな)
谷口「おいキョン、お前のお仲間がお呼びだぞ」
キョン「ん?おお古泉か」
谷口「ッチ、ほらさっさと言って来いよ!」
国木田「谷口、何でそんなに気が立ってんのさ」
谷口「良いんだよ。こんぐらいしてやんねーとあの幸せもんには響かねえ。
どうせ心の中では俺らの事見下してんだ……」
国木田「そんなわけないじゃん。卑屈過ぎだって」
谷口「ああ、友達料、払わなくて良かったぜ」
キョン「相変わらず情報が早いな。まだ誰にも言った覚えはないんだが」
古泉「細かい事はお気になさらず。ともあれ。丸く収まり私達は万万歳ですよ」
古泉「途中の涼宮さんの暴走ですが、どうやら発端は友達料の件の様ですね。
まあ、そんな事は火を見るより明らかですが」
キョン「……そりゃそうだろうな」
古泉「恐らく、形のある繋がりを持った事で、完全に貴方を独占出来ると考えていらっしゃったのでしょう。
そこに邪魔が入った事でタガが外れてしまったと……」
古泉「押さえ込んで居た気持ちが一気に爆発。そんな所ですかね。
ほら、バネだって抑える程良く飛ぶでしょう。
ですが一度飛んでしまえば、徐々に収まって行きますから。途中迄は冷や汗物でしたがね」
キョン「そうかい、相変わらず解説が好きな奴だな。要件はそれだけか?」
狂ってしまいそうだった世界を、貴方が正しく導いて下さった。
有難う御座いました。途中迄は」
キョン「冷や汗もんだったんだろ?」
古泉「ええ、その通りです」
キョン「まあ、今回の結果が全て正しかったのかはどうか知らんが、心配かけてすまなかったな。
今後は安心してくれ。俺が何とかする」
古泉「それは心強い。是非お願いしますよ」
古泉「それでは、また放課後部室で」
キョン「ああ、また後でな」
キョン「何でも。ボードゲームがなんたらって話しくらいだ」
ハルヒ「ふーん、あんた達よく飽きないわね」
キョン「普通だろ?」
ハルヒ「普通飽きるのよ」
キョン「そういうもんかね」
ハルヒ「そういうもん。あ、あと今日ミーティングあるから。
あたしも掃除終わらせたらすぐ行くわ」
キョン「そうか、わかった」
わたしほっとしましたあ。
未来と通信が取れにくくなってて、どうしようって思ってたらそんな事になってたなんて」
長門「そう」
みくる「あの、前から思ってたんですけど……わたしとお話するの嫌ですか、」
長門「そんな事はない」
みくる「良かったあ……うふふ、今日はほっとする事ばっかりです。
あ、長門さん、お茶どうぞ」
長門「……」コク
コンコン
みくる「はあーい」
みくる「あ、キョンくん!おめでとうございますう。
あたし嬉しくて、飛び跳ねちゃいましたあ」
キョン「はは、そんなにですか?」
みくる「もちろんです!長門さんも喜んでましたよ?」
キョン「長門が?」
みくる「はい!……多分」
長門「……頑張って」
キョン「ありがとな、長門」
長門「……」コク
コンコン
ハルヒ「皆居るわね!早速ミーティング始めるわよ!」
みくる「ミーティングですか?」
長門「……」
キョン「そういや何の話をするんだ?全く聞いてないんだが」
古泉「涼宮さん、どうぞ」
ハルヒ「おっほん!今度の不思議探索では、温泉に行きたいと思います!
不思議を探しながら、存分に日頃の疲れを癒すが良いわ!」
みくる「わあー。素敵ですー」
ハルヒ「でしょ?癒しの中にこそ、不思議は隠れていると思うのよね。
早速計画を立てるわよ!」
古泉「おや、つい最近行かれたばかりでは?」
キョン「お前は一体どこまで知ってるんだよ」
古泉「んっふ、禁則事項です」
キョン「視界から消えろ」
古泉「これは手厳しい」
それぞれに、正直な気持ちと報告を。
二人が居なければ、きっと今の俺は居ないだろう。
こんな俺に心を寄せてくれた事を、本当に感謝している。
ハルヒ「ちょっとキョン、聞いてるの?」
キョン「ん、ああ。勿論だ」
ハルヒ「じゃあついさっきあたしが言った言葉を復唱してみなさい」
キョン「ちょっとキョン、聞いてるの?」
ハルヒ「はい失格。罰金」
キョン「すみませんでした」
だからこそ、格好悪い所は見せたく無いんだがな。
そう上手くはいかないもんだ。
おわり
いつもは鶴屋さんのssばっかりだったのでハルヒでいきました
でもやっぱり鶴屋さんが一番好きです
長時間オナニーすみませんでした
とっても良かったよー
よくヤンデレルートから抜け出したなwwwww
Entry ⇒ 2012.03.20 | Category ⇒ 涼宮ハルヒSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
恒一「なんだろう、この黒いネコ」黒ネコ「…」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331787148/
望月「おはよう榊原くん」
恒一「おはよう、二人とも」
黒ネコ「…」
勅使河原「おい、なんだその足元にいるネコは?サカキんちのネコか?」
恒一「ううん、ノラネコだよ、家はインコを飼ってるからネコはちょっとね」
勅使河原「ふーん…それにしてはえらい懐いてるように見えるな」
黒ネコ「にゃあ」スリスリ
恒一「うん、これから学校だから困ってるんだよね…」
勅使河原「オッドアイ?」
望月「うん、右目が赤くて左目が緑色だ」
望月「オッドアイのネコは珍しくないけど、なんだか綺麗だね」
恒一「うん、かわいいよね」
黒ネコ「! にゃー」スリスリスリスリ
恒一「あはは、なんだかすごく懐かれちゃったみたいだ」
勅使河原「ま、ネコと戯れるのはそれくらいにして、さっさと行こうぜ?遅刻しちまう」
恒一「うん、そうしようか」
恒一「ごめんね、学校が終わったら遊んであげるからね」
黒ネコ「にゃあ…」
恒一(見崎はともかく、赤沢さんが休みなんて珍しいな)
ペルシャ「…」トコトコ
久保寺「おや、なんですかあのネコは」
ペルシャ「にゃ」
恒一(あれ、僕のほうに近づいてくるぞ)
ペルシャ「…」チョコン
恒一(膝の上に座られちゃった…)
久保寺「榊原くんの飼いネコですか?」
恒一「い、いえ、違います」
久保寺「…まぁいいでしょう。明日からは学校に連れて来てはいけませんからね」
恒一(本当に違うのに…)
ペルシャ「…」
綾野「きゃーん!カワイイー!」
綾野「ね、ね、こーいっちゃん!撫でていい?撫でていい!?」
恒一「うん、いいよ…ていうか僕の飼ってるネコじゃないんだけどね」
綾野「えへへ、よしよし」ナデナデ
ペルシャ「…」
綾野「うふふふ、かわいいかわいい!」
勅使河原「サカキってネコにモテる体質なのか?」
勅使河原「朝の黒いのも全く知らないネコだったんだろ?」
恒一「うーん、そうなのかな」
恒一「東京じゃあネコなんてほとんど見たことなかったし、よく分からないよ」
勅使河原「どうせなら、ネコじゃなくて人間の女にモテる体質ならよかったのにな?」
恒一「ははは、そうだね」
ペルシャ「…」
恒一「どうぞ」
勅使河原「ふへへへ、よーしよーし可愛がってやるからなー?」
ペルシャ「っ!にゃっ!」バシッ
勅使河原「痛っ!なんだこいつ!」
ペルシャ「…」ツーン
綾野「まぁネコにだって触られる相手を選ぶ権利くらいあるよね~」
勅使河原「…くそっお高くとまりやがってー!」
望月「ペルシャネコは気性が激しいのもいるらしいからね」
恒一「よしよし」ナデナデ
ペルシャ「にゃああん」トローン
勅使河原「…なんだこの差は!」
はやく
勅使河原「サカキー、帰ろうぜー」
榊原「あぁ、うん」
ペルシャ「にゃーん」
榊原(結局今日一日一緒だったな・・・流石にトイレにまでついてこようとした時は焦ったけど)
榊原(しかし結局見崎も赤沢さんも来なかったな・・・どうしたんだろう)
勅使河原「しかし帰り道にまでついてくるとは、お前相当懐かれてるな」
望月「動物に好かれるような体質なのかな?」
榊原「あはは・・意識したことなかったけどもしかするとそうなのかも」
黒猫「・・・・にゃーん」
榊原「ん?君は朝の・・・」
ペルシャ「!!」
みたいなのでオナシャス!
望月「本当だ、もしかして榊原くんを待ってたのかな?」
黒猫「・・・にゃあ」スリスリ
榊原「ははっ、本当に待っててくれてたのかい?」
ペルシャ「!!フシャーー!」
榊原「わわっ!どうしたの?」
勅使河原「ははは、サカキを取られそうだから妬いてるんじゃねーのか?」
榊原「そんな・・こら、駄目だよ仲良くしないと」
ペルシャ「!・・うにゃあ」
黒猫「にゃおん」スリスリ
ペルシャ「・・・・」ムスッ
みたいなのでオナシャス!
はよ
望月「また明日」
榊原「うん、じゃあね」
黒猫「にゃーん」トテトテ
ペルシャ「にゃうん」トテトテ
榊原「結局着いてきてしまった・・・どうしよう」
榊原「このまま何処かに捨てるのは・・・やっぱり可哀想だよね」
榊原「・・・思い切って相談してみるか」
おい誰か書けよ
いいからはよ
恒一「はい、この子達なんですけど・・・」
怜子「あら、可愛いじゃない!」
恒一「それで、ですね。レーちゃんの事なんですが、この子達大人しいし(お互い仲は悪いみたいだけど)レーちゃんに害を与えたりする事は・・・」
怜子「ん?別にあの鳥の事なら構わないわよ?私嫌いだし」
恒一「」
おい
恒一「猫なんて飼った事ないから世話の仕方なんて分からないよ・・・」
恒一「取り敢えず餌は晩御飯の刺身あげたけど・・・」
恒一「問題はお風呂、だよね」
榊原父「おうどうした恒一、インドは暑いぞぉ!」
恒一「急にごめんね、実は・・・」
~事情説明中~
榊原父「ほぉ、猫をなぁ・・・」
恒一「うん、僕は飼ったことないけどお父さんならあるかと思って」
榊原父「任せろ!父さんは子供の頃猫を飼っていたからな」
榊原父「次に耳に水が入るのはよくないから気をつけろ。後顔に水がかかるのを猫は嫌うからそれも気をつけるんだ」
榊原父「拾った猫ならシャンプーまでしてやるのがいいんだろうが人間用のシャンプーで洗うのは猫の皮膚によくないからな、急なことみたいだからシャワーだけでやむを得まい」
榊原父「最後に猫は最初シャワーされるのを物凄く嫌がるからな、引っ掻かれたりしないように気をつけろよ?」
恒一「」ポカーン
榊原父「ん?どうした恒一」
恒一「いや、なんか普段からは想像出来ないような有能なアドバイスだったものだから」
榊原父「おいおいそりゃどういう意m」ブツッ
恒一「さて、じゃあ頑張ってみますか」
>>1はまだかよ
黒猫「にゃーん」ホッコリ
ペルシャ「うにゃう」ホッコリ
恒一「うん、でもさっぱりしてよかったね」ナデナデ
ペルシャ「にゃあ・・///」
黒猫「にゃう・・・///」
恒一(・・にしても思った以上にどっちも嫌がらなかったな)
恒一(というか初めて浴びたにしては落ち着き過ぎてた)
恒一(誰かに飼われてた・・という感じではないし)
恒一(なのにシャワー浴びるのに慣れてるような・・・そう、人間みたいに)
黒猫「・・・にゃあ・・」
ペルシャ「うにゅう・・・」
恒一「ごめんね、もう遅い時間だし眠いよね。今日は寝ようか」
恒一「・・・うぅん」
???「起き・・・榊原・・ん」
恒一「・・この声は・・」
???「起きて、榊原くん」
誰の声だった?
>>62
①見崎
②赤沢
鳴(?)「やっと起きた」
恒一「あれ?なんでこんな時間に見崎が・・・ってどうしたのさその格好は!?」
鳴(猫耳&尻尾)「ちょっと・・・ね」
恒一「いや、ちょっとも何もなんで猫の耳なんか生えて・・」
鳴「いいから、これは気にしないで」
恒一(それはいくらなんでも難し過ぎる)
恒一「え?夢?」
鳴「だからね、私の格好は気にしないで・・・ね?」
恒一「いやでも」
鳴「ね?」
恒一「・・・分かったよ・・・ッ!?」
恒一(暗さに目が慣れてきて分かったけど見崎裸じゃないか!!)
鳴「それに・・あまり時間もなさそうだから」
恒一「?それはどういう・・・」
鳴「明日、図書室の千曳先生の所に行って」
恒一「千曳先生の所へ?なんでまた」
鳴「今はそれしか言えない・・・私と彼女を、大切に扱ってね?」
恒一「私と彼女?それって一体d」
恒一「・・・・はっ!?」
恒一「夢か・・・・」
恒一「・・・にしてもあんな夢見るなんてどうかしてるよ・・ん?」モゾモゾ
ペルシャ「・・・うにゃあ」
恒一「布団に潜り込んでたのか・・おはよう」
黒猫「・・・・」
恒一「君もおはよう」
>>1はどうしたんだ
恒一(そういえばこの子もオッドアイ・・・か)
~~
鳴(猫耳&尻尾)
~~
恒一(まさか・・・ね)
恒一(にしても自分の夢ながらあの見崎は可愛かったなぁ・・・)
黒猫「・・・・」ペシッ
恒一「いてっ」
黒猫「・・にゃあ」
ペルシャ「にゃーん」
恒一「案の定ついてこようとするし・・参ったな」
恒一「・・・そうだ!」ゴソゴソ
恒一「この大きめのバッグに入れたら一匹なら連れていけるぞ」
恒一「一匹だけ連れていくのはちょっと可哀想だけど、昨日の夢もどうしても気になるし・・・」
どっちを連れていく?
>>86
①黒猫
②ペルシャ
③どっちも連れていかない
恒一くんのいないところでいがみあい的な
恒一「というわけで悪いけど留守番しててね?」
黒猫&ペルシャ「・・・」ショボーン
恒一「帰ってきたらいっぱい遊んであげるから、ね?」
黒猫&ペルシャ「・・・・!」パァァ
恒一「じゃ、行ってきまーす!」
恒一「うん」
望月「よく許してくれたね、お家の人」
恒一「それがさ・・・」
久保寺「はい、席に着いてください。HRを始めますよ」
久保寺「・・・また赤沢さんと見崎さんが休み、ですか。まぁいいでしょう、始めて下さい」
桜木「きりーつ、礼。」
桜木「きりーつ、礼。さようなら」
全員「さようなら」
恒一(結局見崎と赤沢さんは今日も来なかった)
恒一(何かあったんだろうか)
恒一「ねぇ、杉浦さん」
杉浦「?何かしら」
恒一「ここ2日赤沢さんが来てないことについて何か知らない?」
杉浦「それがね、よくわからないのよ」
恒一「え?」
杉浦「泉美の家や携帯には何度も電話してみたんだけど、いつも話し中だったり留守なの」
杉浦「何かの偶然だと思うけど、こう2日も続くとね・・・」
杉浦「また電話してみるけど、週明けに来ないようなら家に行ってみるわ」
恒一「わかった、ありがとう」
恒一「失礼します」
千曳「君は確か・・・榊原くん、だったかな」
恒一「はい、今日は先生に相談があって」
千曳「何かな?」
恒一「実は・・・・・」
~~~事情説明中~~~
もう終わってもいいかなこれ
おい続けろ
このまま続けるとオリジナル入った超展開()になるからやめとくわ
千曳「君は、15年前に何が起こったか聞いているかな?」
恒一「15年前?・・・いえ、何も」
千曳「そうか・・・」
千曳「15年前の3年3組、担任していたのは私だったんだが」
千曳「その年にね、死んでしまったんだよ」
恒一「死んだ・・・もしかして生徒とか、ですか?」
千曳「いや、猫が」
恒一「えっ」
千曳「その女生徒は大層優しく、また動物が好きな子でね」
千曳「その子は母親が動物アレルギーだったものだから家でその猫を飼うことはできなかった」
千曳「そこで誰か貰い手を探そうとしたんだが、不運なことに誰も家で飼えそうな人はいなかったそうだ」
千曳「その子はとても落ち込んだそうでね、それをみるに見兼ねたある生徒が言ったそうだ」
千曳「担任である私に隠れてその猫を飼おう、とね」
千曳「最初は反対していた生徒達も親心というのかな、飼育している内に段々懐いてきた猫を可愛がるようになった」
千曳「なんと世話はクラス全員が協力して当番制でやっていたそうだ」
千曳「そんなある日、偶然の事だったんだがね」
千曳「私は彼らが猫を飼育している現場を目撃してしまったんだ」
需要ないんじゃねこれ
千曳「そうしたら猫の世話をしていたなんてね、私も驚きだったよ」
千曳「勿論学校で勝手に動物を飼育することなんていけない事だ」
千曳「もし私がその時点で隠していたとしてもそうなったろうが、当然他の職員にもばれて職員会議になった」
千曳「生徒は必死に抗議してきたよ、「私達の大切な命を奪うのか、子供を指導する立場の人間が命を粗末にするようなことをするのか」とね・・」
千曳「私達職員はそれに言い返す言葉もなかった事を覚えているよ」
千曳「結果的に生徒達の必死の抗議が実り猫を飼うことを許す事になった」
千曳「学校から公式に認められたとなって生徒達は堂々と猫を飼育するようになった」
千曳「ある生徒達は住む場所を作り、ある生徒達は猫の遊び道具まで作った」
千曳「そのうちそれは校内にも波及しだしてね、猫は一気に学校の人気者となったんだ」
千曳「猫が妊娠していたんだ」
千曳「その猫は雌だった」
千曳「当然校内の人気者の妊娠だ。校内は猫の、いや彼女の妊娠に湧き立った」
千曳「私も柄になく嬉しくなったのを覚えているよ」
千曳「まさに彼女達の人生は順風満帆というところだった」
千曳「でも、そうはいかなかった」
千曳「ある日、その日は大雪でね、警報が出て学校が休校になったんだ」
千曳「その時私も間が悪く風邪をひいていてね・・学校を休んでいた」
千曳「当然、心配した生徒達の何人かは彼女の様子を見に行こうとした。実際それまで何回かあった休校の際も誰かが彼女の様子は見にきていたんだ」
千曳「しかし彼等は受験を目前に控えた受験生、親がそれを許してくれなかった」
千曳「彼等も前日にちゃんと世話していたから大丈夫。そう自分に言い聞かせるしかなかった」
千曳「翌朝、朝一番に彼女の様子を見に行った生徒が見たものは・・・」
千曳「見るも無惨に食い荒らされた彼女と、その子供達の骸だった」
千曳「当然誰もが彼女とその子供達の死を悼み、哀しんだ」
千曳「しかし問題は私の担任していた子らだった」
千曳「彼等は当然責任を感じていた・・・が、それがいつしか責任のなすりつけ合いになった」
千曳「当然そのなすりつけ合いが帰結する先は猫を拾ってきた彼女になった」
千曳「理不尽な話だ、本当に悪いのは猫を捨てた飼い主なのにね」
千曳「でも、当時の彼等にそんなことは関係なかった。愛するものを失った哀しみを誰かにぶつけずにはいられなかった」
千曳「彼女は彼女でまた、その性格から責任を感じていた。だから反抗することなんてなかったそうだ」
千曳「当時の私はそんなクラスの異様な雰囲気に気付いてあげることが出来なかった・・・今となっては悔やむことしか出来ないがね」
千曳「そんな中、この状況を見るに見兼ねた生徒の一人がまた言い出したんだ」
千曳「『あいつは死んでなんかいない、ちゃんとここにいる』とね」
千曳「でもその時の精神の疲弊した彼等はそれを受け入れる、いやそう信じるしかなかった」
千曳「それから彼等は住処を再び整え、毎日餌をやり、住処を掃除し、まるで本当にそこに彼女がいるかのように振舞った」
千曳「お供えや墓参りにしても、傍から見れば異様な光景だったろう」
千曳「でもそれで彼等は自分達の罪を贖罪していると信じていた」
千曳「その様は痛々しいと言うしかなかったけれども私にはどうにもする事が出来なかった」
千曳「そうして卒業式の日になった」
千曳「彼等の『贖罪』はその日まで続いていた」
千曳「彼等が罪を償いきれたと思っていたかはわからないが、その日は流石にみんな晴れ晴れとした顔をしていたよ」
千曳「そしてその日に配布された卒業写真にね、写っていたんだよ」
千曳「生徒と一緒に『彼女とその子供達』がね」
千曳「そして問題はここからだ」
千曳「翌年の3年3組なんだが・・・彼等はね、やらなかったんだよ。『それ』をね」
千曳「彼等は『彼女達』の事を知ってはいても前年の生徒達ほど思い入れがなかったからね」
千曳「彼等も最初は気にしていなかったんだがね、ある日悲しい事が起こってしまった」
千曳「心ない生徒によって彼女達の住処が蹂躙されていたんだよ」
千曳「3-3生徒達は蹂躙された住処を放置した」
千曳「思えば前年が異常とも言えるんだからおかしくはなかったのかもしれない」
千曳「しかし卒業した生徒はそれをよしとしなかった」
千曳「最初にその話が伝わり動いたのは猫を拾ってきたあの生徒だった」
千曳「彼女を見かけたある生徒の証言によれば、彼女はとても悲しそうな顔をして帰ったらしいよ」
千曳「その帰路でね、彼女は交通事故にあってしまったんだ」
恒一「えっ?でも生徒から死人はでてないって」
千曳「そう、彼女は死んでいない」
千曳「彼女はその時から14年間意識不明のまま病院で眠っているよ」
恒一「そんな・・・」
そろそろ色々と限界っぽいんだが
千曳「一人の生徒が行方不明になった」
千曳「色々と素行に問題のある生徒でね、初めは誰も気にしなかった」
千曳「けど、彼は遂に1週間も見つからなかった」
千曳「流石に焦った家族と職員は警察にも依頼して彼を捜索した」
千曳「しかしついぞ彼が見つかる事はなかった」
千曳「しかしそれどころでなかった彼等は何も考えずにその猫を捨てたそうだ」
千曳「前年の言動を考えれば我々も止めるべきだったんだろうが何分此方も余裕がなかった」
千曳「捨てに行った生徒によれば、その猫は最後まで生徒に必死に縋り付いていたらしいよ」
千曳「業を煮やした生徒はあろうことか猫を蹴り飛ばし走って逃げたそうだ」
千曳「翌日、行方不明だった生徒の死体が見つかった・・・死因は頭部への強い衝撃による脳挫傷だった」
千曳「そう、その死体は件の生徒が猫を蹴り飛ばした場所だった」
千曳「あまりにも状況が一致し過ぎていたが流石にこの時点で生徒が猫になったとは思わなかったろうね」
恒一「だってそんなの・・」
千曳「あぁ、『あり得ない』」
千曳「最初は誰もがそう思っていた」
千曳「しかしそうも言っていられなくなった」
千曳「翌月、また一人の生徒が行方不明になってね」
千曳「こう行方不明が続くと警察も動かざるを得なかった」
千曳「あくる日、ある生徒が下校中に猫の轢死体を見つけたそうだ」
千曳「・・・・後は話さなくてもわかるんじゃないかな?」
恒一「・・・翌日、同じ場所で行方不明生徒の轢死体が、見つかった」
千曳「そういうことさ」
千曳「いや、流石にここまで来ると何かしらの行動を起こさざるを得なかった」
千曳「その内、さっきも言ったように猫達の住処を蹂躙した犯人が死亡した3-3の生徒だと判明した」
千曳「大抵の人間はこれを3-3にかけられた『呪い』だとか『祟り』としてね、お祓いを受けたり神社にお参りに行ったりもしたんだが、一向に効果はなかった」
千曳「クラスの方では『対策係』といってこの異常現象への対策を講じる係も出来たりしたんだがやはり成果は挙げられなかった」
千曳「一人、一人とクラスから人が消えて行った」
千曳「勿論やったさ。幸い猫になった生徒には元の生徒の特徴が現れてる場合も多かったからね」
千曳「しかし駄目だった。猫になってしまった生徒を保護していても3日目の晩にふっと何処かへ消えてしまうんだ。いかに厳重に保護していようとね」
千曳「そして翌日『猫の死体』として発見され、一晩するとその姿は元に戻っている」
千曳「まるでホラー映画のような話だが実際にあったんだよ。こういう『現象』がね」
千曳「そういうことになるね、もっとも最初の生徒に関してはランダム、という項からは外れるがね」
恒一「でも勅使河原も望月も、クラスのみんなもそんなことに怯えている素振りはなかったですよ!?」
千曳「そうだね、彼等にとってこの現象はあくまで『過去のもの』だからね」
恒一「どういう、事ですか?」
千曳「現象はね、『止まった』んだよ」
千曳「さっき言った対策係が最後に講じた策が『彼女達の住処の復元とお参り』だった」
千曳「順当に考えれば一番最初にやるべきことなんだが、そんな事があった以上誰もそこには近づきたくなかったし、最早そんなことで解決するとは誰も思ってはいなかった」
千曳「でも住処を整備し、毎日縋るような気持ちでお参りを続けた結果、現象はぱたりと止んだ」
千曳「最も止められるのはそれを続けていた場合に限る」
千曳「長年の内に現象の事実が風化しその『義務』を怠った場合、現象が起きることはあった」
千曳「といっても最後に現象が起きたのは9年前、更に現象による死とは断定し辛いものだったからね・・・」
千曳「何しろ突拍子もない話だ、君のクラスメイト達が信じずに都市伝説のようなものだと思っていても何の不思議もない」
千曳「君が拾ってきた猫は恐らく見崎くんと赤沢くんだろう」
千曳「過去に2人同時になったという事例はなかった筈だが・・・例外ということもあり得る」
千曳「腑に落ちないのは今年現象が起こってしまったと言うことだ」
千曳「今年の『お参り役』の役長は赤沢くんだった筈なんだよ」
千曳「責任感の強い彼女が役目を放棄するとは考えにくいのだが・・・」
千曳「兎に角時間がない。一刻も早くお参り場所を訪ねるのがいいだろう」
千曳(タイムリミットまでは後一日・・・)
千曳(生徒ではない私にはこうして伝えることしか出来ない・・すまん榊原くん)
恒一「はぁっ、はぁっ・・・・」
恒一「これって・・・」
お参り場所、とされていた場所は「何も問題はなかった」
お供え物と思われる食べ物はしっかりと供えられていたし整備もきちんとされていた
恒一「そんな・・・一体どうしたら・・・」
整備がされていないから、もしくは何かの理由で破壊されるなりしたから現象が起こったのだと思い込んでいた
しかしそれは全くの見当違いだった
僕は、どうすればいいというのだろう・・・
恒一(結局何も分からず帰ってきてしまった・・・・)
恒一(このままじゃ見崎と赤沢さんが・・・)
恒一(何か!何かないのかよ!)
黒猫「にゃあ・・・・」
ペルシャ「・・・・・」
・
・
・
・
・
恒一「ッ!見崎!?」
鳴「やっと起きt」
恒一「見崎っ!!」ガバッ
鳴「きゃっ!?」
恒一「見崎、見崎・・・ごめん・・!!」
鳴「榊原、くん・・・?」
恒一「僕の、僕のせいで・・・見崎は・・・ッ!!」
鳴「・・・まだ死んだ訳じゃないんだけど」
鳴「・・・大丈夫、だよ。榊原くんなら」ギュッ
恒一「見崎・・・?」
鳴「・・貴方が入院してた病院の、○○○号室」
恒一「え・・・?」
鳴「其処へ、私と『彼女』を連れて其処へ行って?」
鳴「多分、貴方なら『彼女』の願いを叶える事が出来るから・・・・」
恒一「それはどういう意m」
恒一「・・・・はっ」
恒一「寝てた、のか?僕は」
恒一「時間がないのに・・・ッ!!」
黒猫「にゃあ・・・」
ペルシャ「・・・・・・」
恒一「僕が入院していた病院の○○○室・・・・」
バッグ「ガサゴソ」
恒一「ちょ、ちょっと静かに!」
○○○号室 ミサキ
恒一「ミサキ・・・?」
その女性はいくつもの機械を繋がれて一定の拍を打ち続けていた
ミサキ、という名前のその女性はまるで元からそうであったかのように、身動き一つ取らずそこで眠っていた
~~~~~~
恒一「はい、そこの患者さんとどうしても面会したいんですが・・・」
水野「いいけど・・あそこの患者さん、寝たきりよ?」
恒一「え・・・?」
水野「確か私がここで働き始める前からいる患者さんなんだけどね?・・・14年前くらいに起きた交通事故かなんかで意識不明になってしまったらしいの」
恒一「14年前の・・交通事故・・?」
~~~~~
千曳「その帰路でね、彼女は交通事故にあってしまったんだ」
千曳「彼女はその時から14年間意識不明のまま病院で眠っているよ」
~~~~~
恒一(まさか・・・・・・)
恒一「えっ?えぇと・・それは・・・」
水野「・・・何か訳ありってことね。分かった。何とかとりあってみる」
恒一「本当ですか!?」
水野「でも、そのかわりあとでちゃんと理由、教えてね?」
~~~~~~~~~
恒一「ミサキさん、やはり貴方は・・・・」
ペルシャ「にゃおん!」ピョン
恒一「わあっ!駄目だよ赤沢さん!」
ペルシャ「・・・・・・」ピョン
恒一「患者さんの上に乗ったりしたら駄目だって・・・」
ペルシャ「・・・・・・」
恒一「赤沢、さん・・・?」
黒猫「・・・・・・」
ペルシャ(赤沢?)「初めまして、ね。榊原恒一くん」
プルルルルガチャッ
赤沢「はい、もしもし赤沢ですが・・・」
杉浦「あ、やっと出たわね」
赤沢「あら、多佳子じゃない・・・」
杉浦「もう、赤沢泉美ともあろう者が2日も無断欠席なんてどうしたの?」
赤沢「悪いわね、どうも酷い風邪をひいたみたいでね・・・ゲホッゲホッ」
杉浦「ちょっと大丈夫?ならすぐに学校なり私なりに連絡すればいいものを」
杉浦「それは災難だったわね・・・・」
赤沢「そっちはどう?」
杉浦「みんな心配してたわよ?・・・あぁ、榊原くんなんか私のところに直接聞きにきたくらいだったわ」
赤沢「!!・・・・それ本当?」
杉浦「本当も本当よ・・・あぁ、榊原くんといえばなんか教室で猫連れてたりもしたわね」
赤沢「猫・・・・ね」
赤沢(まさかとは思うけど・・・・)
杉浦「じゃ、由美と彩でも連れてお見舞い行くわね」
赤沢「え、えぇ」
~~~~~~
ペルシャ「えぇ、そうよ。私が15年前のミサキ」
ミサキ「はじめまして、榊原恒一くん」
ミサキ「そうね、順を追って説明すると長くなるのだけれど」
ミサキ「恒一くんは生き霊って知ってるかしら?」
恒一「はい、一応は・・・」
ミサキ「簡単に言うとね、私は今そうなの」
ミサキ「14年前、私に何が起こったかは聞いてると思うけれど」
ミサキ「私の魂はね、その時ここにある人の体から離れたの」
ミサキ「あの世とこの世の境で彷徨っていた私は地縛霊となっていたあの子の魂と再開したわ」
ミサキ「あの子は快く私を受け入れてくれたわ」
ミサキ「結果的に猫の魂と一体化した私はこうして現世にとどまり、こうして猫の体を借りて歩き回る事も出来るってわけ」
ミサキ「もっともこうやって話すには元の入れ物である私の体にギリギリまで近づかなければならないし、こんなことするのは貴方が初めてだけれどね」
ミサキ「ええ、そうよ」
恒一「なんでそんなことを・・!」
ミサキ「なんでって、決まってるじゃない」
ミサキ「3年3組が憎かったからよ」
ミサキ「恒一くんは私があの子が死んだ後どんな仕打ちを受けたか知ってる?」
恒一「・・・・知りません・・・」
ミサキ「私はね・・『いないもの』にされたの」
ミサキ「誰も、私を見てくれない話しかけてくれない」
ミサキ「私は寂しかった、苦しかった、辛かった・・・3年3組が、憎かった」
ミサキ「でもね、それ以上にみんなが好きだったの・・・あの子を愛してくれた、みんなが」
ミサキ「地縛霊になった時、最初にあの時のクラスメイトを呪い殺してやろうかと思ったでも出来なかった!」
ミサキ「私達の作ったあの子達の住処が荒らされてるのを見たのは、そして荒らしている子が3-3の人間だと分かったのは」
ミサキ「あぁ、こいつらなら呪っていいんだ、祟っていいんだ・・・そう思えた」
ミサキ「だって彼等は私の好きだった3年3組じゃなかったもの」
ミサキ「あとは貴方の聞いた通りよ」
ミサキ「あれは私の意思じゃなくてあの子の意思よ」
ミサキ「私はずっと3-3を呪い続け、根絶やしにしてやろうと思っていたわ」
ミサキ「でも私の魂とあの子の魂は完全に一体化してはいなかった」
ミサキ「そしてあの子の3-3への愛はより深かった」
ミサキ「あの子への祈りがある限りは私はどうすることも出来なかった」
ミサキ「それでも祈りが途絶えてあの子の意思が弱まれば必ず呪い殺していたわ」
ミサキ「あの子がどれだけ3-3を愛していても、それでも私は憎かったから」
ミサキ「・・この数年間、徐々に魂の占有権が私に移って行くのが分かったわ」
ミサキ「そしてそんな時貴方が、榊原さんの息子が現れた」
ミサキ「みんなが私を無視する中一人だけ私に構ってくれた・・・」
ミサキ「理津子ちゃんだけが、私の味方だった」
ミサキ「その息子の貴方がこうして再び夜見山に来て、更に3年3組になった」
ミサキ「ねぇ、恒一くん、私にできなかった、叶えられなかった夢を叶えてよ!」
ミサキ「私を苦しめたあいつらを懲らしめてよ!理津子さん!」
恒一「・・・・そんなの、できませんよ」
恒一「貴方は、貴方は逃げているだけじゃないですか、ミサキさん」
恒一「僕はお母さんじゃないから、お母さんがどんな気持ちで貴方に手を差し伸べたかは分からないでも!」
恒一「少なくとも貴方にそんな風に思って欲しくて手を差し伸べたのではないことだけは分かります!」
恒一「貴方は、ずっとお母さんの手に縋っていただけだ!一人で立とうとは少しもしていないじゃないですか!」
恒一「それどころか今、貴方はお母さんの愛した3-3組を呪っている」
恒一「一人じゃないのなら!手を差し伸べてくれる誰かがいたのなら!立ち向かうことだって出来た筈だ!」
恒一「貴方は・・目の前の事実から目を背けていただけですよ・・ミサキさん」
ミサキ「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!」
ミサキ「私は悪くない!悪いのはあいつらだ!私は!私は何もしてないのに!」
ミサキ「何も、してない・・?」
ミサキ「そうだ、私があんなものを拾わなければ・・・あんな、あんなあんなあんな!」
恒一「ミサキさん・・・貴方は・・ッ!」
ミサキ「ねぇ?見崎さん?貴方なら分かるわよね?私と同じミサキの名前を持つ貴方なら・・・・」
黒猫「・・・分からないわ」
黒猫「私が、仮に同じ状況になったとしても貴方のように呪って生きるだけの人生なんて御免だし」
黒猫「それに、私にも隣にいてくれる心強い人が、いるしね」チラッ
恒一「?」
ミサキ「もういい、もう沢山」
ミサキ「殺してやる・・・・」
ミサキ「みんなみぃんな殺してやる!!」
恒一「!!」
???「もうやめようよ、ミサキ」
???「もう十分でしょ?人を呪って生きるのは」
恒一(僕は目を疑った)
恒一(何しろミサキさんらしいペルシャ猫とは別に何時の間にかもう一匹猫が窓際に鎮座していたからだ)
ミサキ「まだよ!まだ私の復讐は終わってない!」
???「さっき榊原くんに言われた事を聞いていなかったの?」
???「貴方は逃げていただけじゃない、みんなからも、自分からも」
???「でも貴方の言うとおり私も悪かった」
???「貴方を受け入れなければこんな事には・・・」
???「私があの時貴方を受け入れてなければこうして貴方を蘇らせる事も出来なかったのだから」
ミサキ「何を・・言って・・?」
???「今から貴方の魂を貴方の体へ返すわ」
ミサキ「そんな・・貴方はどうなるのよ!!」
???「私は・・今度こそ成仏出来るでしょうね」
ミサキ「っ!!で、でも私が人を呪い、殺したという事実は貴方のせいにもなるのよ!?」
???「構わないわ。ついでに貴方の罪も私が被る、そんな事が出来るかは知らないけどね」
ミサキ「え・・・?」
???「・・・どんな人間であろうと、私はあの日捨てられていた私を拾ってくれた少女のことを世界で一番愛してるからよ」
ミサキ「あ・・・あぁ・・・・」
???「ごめんなさいね、榊原くん。それに見崎さん。この子が迷惑をかけて」
???「でもね、どうかこの子を恨まないであげてね」
???「きっと本当に悪かった人間なんていなかったのだから」
???「・・・榊原くん、どうか私とこの子が愛した3-3をいい方向に導いてあげてね」
???「理津子ちゃんの息子なら、出来ると思うから」
ミサキ「待って、待ってよぉ・・・貴方の死を認めちゃったら、また、また私は一人になっちゃうじゃない!!」
???「大丈夫よ、ミサキ。きっと貴方の隣で支えになってくれる人がいるから。もう貴方は一人じゃないから」
???「じゃあね」
「大好きだったよ、ミサキ」
急にぷつっと意識が途切れたと思ったら猫は消えていて傍には見崎が気を失っていた(服を着ていたのは幸いだった)
少し経ってミサキさんの意識が急に戻ったことで病院はてんやわんやとなり僕たちは病室から追い出された
心配だったので見崎を家に送った後(霧果さんはここ数日姿を見せなかったことを気にしてないようだった・・・やっぱりよく分からない人だ)家に帰ると怜子さんが猫用のシャンプーやらキャットフードやらを買い込んで猫を探し回っていた
里親が見つかったと言った時の怜子さんのあの心底残念そうな顔は忘れない
どうも用事があったのは赤沢さんだったようで今回の事を事細かに聞かれた
勅使河原や望月は疑い半分で聞いていたようだが赤沢さんの目は真剣そのものだった
説明が終わった後赤沢さんに2日間なんで休んでたのか聞くとどうも酷い風邪をひいていたり携帯壊したりと色々災難だったらしい
心配していたという旨を伝えると赤くなっていた、まだ治りきってないのではなかろうか(一方で横の見崎からは冷たい視線を送られていた、なんでだよ)
自暴自棄になっているミサキさんを叱咤激励し、そして自分の不甲斐なさを詫び、最後に優しく抱きしめたらしい
先生の腕の中でミサキさんは14年分の涙を流したのだそうだ
『彼女』が言っていた支えになってくれる人とは千曳先生の事なのかもしれない
元3-3のクラスメイトとも関係が修復出来ればいいな、と思う
それはお母さんの願いでもあるだろうし
赤沢「つべこべ言うな」ボコッ
勅使河原「~~~~ッ!!何しやがる!」
赤沢「あんたがぐちぐち言うからでしょうが!」
勅使河原「あんだとこらぁ!?」
杉浦「はいはい、夫婦漫才はそこまでにしときなさい」
赤沢&勅使河原「誰が夫婦だっ!!」
望月「ははは、なんか賑やかなお参りになっちゃったね・・・」
榊原「まぁ、いいんじゃないかな?」
見崎といえば、あの日から見崎の僕に対する接し方が変わった気がする
軟化したというか、なんというか、前ほどツンケンしなくなった
心なしか距離まで近くなった気がする(それを赤沢さんがなんだか色んな感情が篭った目で見ているのはなんなんだろうか)
そういえばあの日見崎が言っていた心強い人って誰なんだろう
僕だったりは・・・しないよな
赤沢「さ、お参りしましょ」
杉浦「はい、お供え物と線香」
赤沢さんと杉浦さんといえば、お参り係は再び対策係になるそうだ
なんでも生徒の悩みに対する対策を講じる係だとか
畏怖の対象である祈りを捧げる場所ではなく、ちゃんとした鎮魂の場所となるのだ
ちゃんとした碑が立つのはまだ先らしいが清掃等は引き続き対策係が行うらしい
短い期間だしそもそも当選するとも限らない
何か残せるかは分からないけど、『彼女』との約束が果たせるよう頑張ろうと決めた
急造された木で作られた墓碑には「トラ」と名前が彫ってある
千曳先生から聞いた猫の名前だ
勿論名もなき彼女の子供たちも一緒に供養されている
墓碑の前で手を合わせる僕らの耳には、楽しそうに戯れる子猫と親猫の声が聞こえた気がした
鳴「・・・にゃう」
恒一「!?」
鳴「・・・・にゃーん」
恒一「・・・・」
鳴「・・・にゃ、にゃん///」
恒一「・・・・」ナデナデ
鳴「にゃーん♪」
あれから二人きりのとき、時々見崎が猫の様な甘え方をするようになったことは秘密だ
~~~~~~
おわり
俺はただ猫鳴ちゃんとのイチャコラを見たかっただけなのに・・・!!
初SSが乗っ取りでしかもプロットなしの即興とか難易度高杉だろJK
もうね、原作読んでないアニメ派なのにこんなの無理があったのよ
ちなみによくわからない安価は1回目の方だけ意味がありました(鳴ちゃん選ぶと鳴ちゃん√、赤沢さん選ぶと鳴ちゃんのところが全部赤沢さんになってました)
2回目はあとあと考えると全く意味なかった
というかまだスレの半分も使ってないんだから猫鳴ちゃんとのイチャコラを誰かはよ
おもろかった
乙
何言ってるんだ?
そのいちゃいちゃもお前が書くんだよほら早く
Entry ⇒ 2012.03.20 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
結衣「好きだよ京子」 ちなつ「(失恋…した…)」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331986302/
ちなつ「」
ちなつ「諦めないといけないか…」
ガラッ
ちなつ「あ、あかりちゃん」
あかり「ちなつちゃんだぁ」
あかり「結衣ちゃんと京子ちゃん知らない?」
ちなつ「…」
あかり「ち、ちなつちゃん!?どうしたの!?」
ちなつ「うう…」ボロボロ
あかり「大丈夫…?」
ちなつ「うっ…うっ」ヒック
あかり「結衣ちゃんと何かあったの?」
ちなつ「…」
ちなつ「私結衣先輩が好きなの」
あかり「うん…?」
ちなつ「好きなの、やめる」
ちなつ「良いの!もう忘れるの!」
ちなつ「分かったあかりちゃん!?」
あかり「え、えぇぇっ」アワアワ
あかり「…ち、ちなつちゃんがそういうなら…分かったよぉ」
ちなつ「…ありがと」
ちなつ「ふう…こんな顔結衣先輩に見せられないなぁ」
あかり「…」
ちなつ「ハッ」
ちなつ「京子先輩にも見せられないなぁ!」
ちなつ「というわけで私帰るね!」スクッ
あかり「えぇっ」
ちなつ「だめ!あんなことがあったあとなんだから変に思われるじゃない!」
あかり「あんなこと…?」
ちなつ「とっ…とにかく!あかりちゃんは残って私の言い訳でも考えててっ」
あかり「は、はぁい…」
あかり「うう…ほんとに帰っちゃったけど、ちなつちゃん大丈夫かなぁ」
あかり「結衣ちゃんと何があったのかなぁ」
あかり「…」
あかり「…」
京子「おっすー!
京子「ってありゃ、あかり寝てらぁ」
あかり「スースー」グッスリ
結衣「はは、ほんとだ」
京子「えーと、ちなつちゃんはいないな」
結衣「あぁ…」
京子「どうしたのかねぇ」
結衣「…」
京子「結衣?」
結衣「なんか…悪いなって、ちなつちゃんに」
結衣「あ、いや、後悔してるわけじゃないぞ」
結衣「ちなつちゃんが部活に来ないのに京子とこうなって…」
結衣「すぐ説明できなくて悪いなっていう」
結衣「ほら、一応好意を寄せられてたわけだから…」
結衣「な…京子」
京子「…プッ…あははー!」
京子「分かってるってそんなの」
京子「それにちなつちゃんはごらく部の部員だからねぇ、私も説明しとかないとと思ってた」
結衣「あ…ああ、そうだよな」
京子「おう!」
京子「(…まさかとは思ってたが実はホッとしていたり)」
京子「頑張ろうな。結衣」
結衣「うん」
結衣「2人で…頑張ろう」
京子「…」
結衣「…」
京子結衣「チュ…」
結衣「…!?」ズササッ
京子「う、あかり!?」
あかり「うーん…」
あかり「き、京子ちゃん、結衣ちゃんおはよぉ」
あかり「あかりついさっき変な夢見たよぉ」
京子「お、おぉ…おはよう」
結衣「(今ののタイミングで夢と解釈出来るのか…)」
京子「ちなつちゃんは?」
あかり「はっ!?」
あかり「あっ、えっとえっとぉ」
京子「そうなんだー」
結衣「でも、部室にTVあるのに」
あかり「大画面で見たいみたいだよぉ」
結衣「そっか」
あかり「(危ない危ない)」
結衣「ん?」
あかり「ちなつちゃんと何かあったりした?」
結衣「いや、ちなつちゃんとは何も…」
あかり「そっかあ」
結衣「?」
京子「…」
結衣「えっ」
結衣「いいのか?あかりにだけでも」
京子「いや、やっぱりちなつちゃんもいた方がいいよ」
京子「あかりだけ知ってたら、可哀想だよ。ちなつちゃん」
結衣「そう…だな」
あかり「?」
あかり「えっと帰るの?」
結衣「うん。あかりも行こう」
あかり「いいよぉー、あかりも家でやりたいことあったんだぁ」
~~~
プルルルルッ
プルルルルッ
ガチャ
ちなつ「ひっく、ぐすっ」
あかり「ち、ちなつちゃん、あかりだよぉ」
ちなつ「ぐすっ…なに」
あかり「大丈夫?いきなりごめんねっ」
ちなつ「…大丈夫よ」
あかり「えっと、結衣ちゃんたちには見たいTVがあるから帰ったって言ったから大丈夫だよぉ」
ちなつ「えぇ…」
ちなつ「…」
あかり「話して、楽になることもあると思うんだ」
ちなつ「…」
ちなつ「あかりちゃん、今からあかりちゃんの家に泊まりに行ってもいい?」
あかり「えっ、えっと、今から」
ちなつ「今から」
あかり「…いいよぉ」
あかり「はぁい」ガチャ
あかり「ちなつちゃん!待ってたよぉ」
ちなつ「…ごめんね」
あかり「別にいいよぉ明日学校休みだし」
ちなつ「…うん」
ちなつ「あかりちゃん」
ちなつ「私忘れたいの。結衣先輩のこと」
あかり「うん?」
ちなつ「だから…」
あかり「」
ちなつ「だって結衣先輩が京子先輩とああなっちゃったら二人は無意識でも部活でイチャイチャするじゃない!?そんなの私一人じゃ絶対耐えられないもの、でも同じ部の一年って他にいないしあかりちゃんならキスした仲だからっ」
ちなつ「いいでしょ!?ね!」
あかり「え、えっと」
ちなつ「ね!!」
あかり「はいぃ!!」
あかり「う、うん…?」
ちなつ「あ、早く中入ろうよ」
あかり「うん…」トテトテ
バタン
ちなつ「えへへ、それでね」ペラペラ
あかり「うんうん」
あかり「(ちなつちゃんどうしたのかなぁ)」
あかり「(電話ではまだ落ち込んでたのに…いいことなんだけど)」
あかり「(ていうか)」
あかり「ちなつちゃん」
ちなつ「なぁに?」ニコニコ
あかり「今日、部室に来る前に何があったの?」
ちなつ「…」ピタッ
あかり「あっ、言いたくなかったら別に言わなくていいよお」
あかり「えっ」
ちなつ「結衣!私も!」
あかり「…!」
ちなつ「諦めるしかないでしょ?」
ちなつ「結衣先輩を困らせたくない…」グッ
あかり「ちなつちゃん…」
ちなつ「…」フルフル
ちなつ「……はぁ」
ちなつ「あかりちゃん、勝手に巻き込んで、付き合ってとか言ってごめんね」
ちなつ「悲しくて悲しくてまともな思考が出来なかったの」
ちなつ「今さら落ち着いたの…」
ちなつ「玄関で言ったことは、なかったことにしよ」
あかり「謝らなくていいし、付き合うよ、あかり」
ちなつ「え…?」
あかり「だってさっき言ったことってまともな思考が出来なかい時に出た本音でしょ?」
あかり「いま一人きりであの二人を見るのはつらいでしょ」
あかり「あかりで良かったら付き合うから」
ちなつ「あかりちゃん…」
あかり「全然オッケーだよぉ」
ちなつ「あかりちゃん…私…」
ちなつ「…ありがと」
あかり「付き合う?」
ちなつ「うん」
あかり「えへへ~」
ちなつ「うん、行ってらっしゃい」
バタン
あかり「…えへへ」
~~~
ちなつ「あかりちゃんは優しいなあ…」
ちなつ「私、甘えちゃうよ…」
ちなつ「あかりちゃん、おはよう」
あかり「…う~ん」ゴシゴシ
あかり「あ、ちなつちゃんだぁ…おはよぉ~」
あかり「えへへ」
ちなつ「えへへ」
あかり「そういえば、今日はお姉ちゃんも泊まりに行ってるんだよぉ」
あかり「朝ごはんパン焼こ~」
ちなつ「うん」
あかり「どうしよ~」ムシャムシャ
♪ユッリユッラッラ~
あかり「メールだぁ…あ」
ちなつ「どうしたの?」
あかり「京子ちゃんからだ」
『今日暇だったら結衣ん家に集合!』
「「…」」
ちなつ「…ま、これは行かなきゃね…」
あかり「えっ、いいの?」
ちなつ「昨日部活休んだことになってるし、私が結衣先輩の家に飛びつかないって変だよ」
あかり「…大丈夫?」
ちなつ「どうせいつかは向き合わないとね」
ちなつ「それにあかりちゃんがいるから」
結衣<どうぞー>
ガチャ
「「おじゃましまーす」」
京子「どうぞどうぞー」
結衣「すっかり馴染んでやがる…」
ちなつ「…」
結衣「あかりとちなつちゃんもくつろいでて、今ジュース入れるから」
あかり「ありがとぉ~」ギュ
ちなつ「!」
ちなつ「…あかりちゃん」
ちなつ「あ、ありがとうございますっ」
あかり「えへへ、ありがとぉ」
結衣「いえいえ」
京子「…」ゴクゴク
京子「ぷはーっ」ウマーッ
京子「それでは皆揃ったところで話そうか」
京子「今日二人を呼び出したのには理由があるんだ」
ちなつ「?」
あかり「…」
結衣「ちなつちゃん、あかり。私、京子と付き合ってるんだ」
あかり「…」チラッ
ちなつ「…」ギュ
結衣「…?」
京子「あれ、あんまり驚いてない?」
ちなつ「(覚悟はしてたけど、やっぱり…)」
ちなつ「(でも私にはあかりちゃんがいるし!)」
ちなつ「実はですね…私もあ、あかりちゃんとっ、付き合ってるんです!」
ちなつ「(裏返ったああ)」
「「…」」ポカーン
あかり「(…言うんだ…まぁ当然かぁ)」
結衣「あ、あかり…本当なの?」
あかり「そうだよぉ」ニコ
京子「そうだったんだ…二人の気持ち、全然気づかなかった…」
結衣「はは…ありがとう」
京子「私も大好きだよ!チナチュ~」ガバッ
ちなつ「京子先輩は普通に好きなのでやめてください」サッ
京子「結衣には大好きって言ったのに…でもちょっと進歩か?」
ちなつ「(京子先輩は結衣先輩の恋人だもんね)」
結衣「やれやれ…それぞれカップルになってもいつも通りだな」
あかり「えへへ、そうだねぇ」ニコニコ
あかり「そろそろ帰らなきゃ~」
ちなつ「先輩お邪魔しましたっ」
結衣「今日はごめんね。気をつけて」
京子「また月曜日な~」
結衣「お前はまた泊まるのか」
京子「良いじゃん別にぃ」
あかり「結衣ちゃん、また来るからね!」
ちなつ「ありがとうございました~」
バタン
テクテク
あかり「…」
ちなつ「…」シャガミッ
あかり「お疲れさま」ナデナデ
ちなつ「うう…」
ちなつ「…ごめんね…」グスン
あかり「ちなつちゃんはあかりの彼女だから気にしなくていいよぉ」
ちなつ「ありがと…」
ちなつ「あかりちゃんは優しいね」
あかり「えへへ」
あかり「早く帰ってゆっくりしよぉ」
ちなつ「うんっ」ギュ
あかり「…あかり優しくないよぉ」ボソッ
しおらしいチーナの破壊力は抜群
ちなつ「晩ごはん美味しかったね~」
あかり「洗い物するから先に上がってて~」
ちなつ「ありがとう」
トテテ
ちなつ「気が紛れた…良かった」
トテトテ
ガシャ
あかり「(結衣ちゃんといるとあんなに元気だったのに今じゃ真逆なんだもん)」
ジャー
あかり「(あかりがちなつちゃんの支えになりたい)」
ワシャワシャ
ワシャワシャ
あかり「(あかりちなつちゃんのこと大好きだもん!)」
あかり「(ちなつちゃんが結衣ちゃんを好きなままで良いから)」
あかり「(あかりのこと一番じゃなくていいから)」
あかり「(早く元気になってほしいよぉ)」
モコモコ
あかり「わっ、泡がすごいよぉ!」ジャージャー
あかり「(あかりいっぱい頑張るよ!)」
ちなつ「(結衣先輩、幸せそうだった…)」
ちなつ「(京子先輩もおちゃらけてたけど、結衣先輩のこと本当に大事にしてたし)」
ちなつ「(私の入り込む好きもないくらいお互い好きあってた)」
ちなつ「(あの二人について、これ以上思うことなんてない…)」
ちなつ「(私にはそう、あかりちゃんがいるし!)」
ちなつ「(あかりちゃん優しいから、ずっと私といてくれるんだよね)」
ちなつ「(わたしも一人じゃつらいからどうしてもすがっちゃうもの)」
ちなつ「(早く元気になってあかりちゃんを解放してあげないとっ)」
ちなつ「(私はもう大丈夫!)」
あかり「ちなつちゃん、お待たせ~」
ちなつ「あっ、あかりちゃん、ねぇ」
ちなつ「あかりちゃんは好きな人いるの?」
あかり「!?」
あかり「(あれ、元気…?)」
あかり「ち、ちなつちゃんっ」
あかり「もう大丈夫なの?結衣ちゃんのこと、平気?」
ちなつ「んー」
ちなつ「平気じゃないけど、大丈夫かな…」
ちなつ「(さっき決意固めたからね!)」
あかり「…そ、そっかぁ…」
あかり「(さっき決意固めたのに…)」
ちなつ「まだ不安定だけど、あかりちゃんに負担をかけない程度には回復したと思う」
ちなつ「だからあかりちゃんの恋を応援したいの」
あかり「う、うん…」
あかり「ちなつちゃんが元気になって良かったぁ!」
ちなつ「あかりちゃんのおかげだよ、ありがとう」
あかり「えへへ…あかりちょっと眠たいよぅ」
ちなつ「そろそろ寝る?」
あかり「うん」
ちなつ「じゃ、電気消すねー」
「「おやすみー」」
あかり「…」
あかり「あかりは優しくないよぉ…」
あかり「ちなつちゃんのこと…好きじゃなかったら…励ましてない…も…」
あかり「スー…スー…」
ちなつ「今日は和食なのね」モグモク
あかり「ちなつちゃん今日は出掛けない?」ズズー
ちなつ「良いよ~」
あかり「(もうあかりがいなくても)」
店員「イラッシャイマセー」
店員「二名さまこちらの席へどうぞ」
ちなつ「いい感じのカフェねー」
あかり「えぇと、あかりアイスティー」
ちなつ「私はアイスミルクティーお願いします」
店員「かしこまりましたー」
ちなつ「今日はどうしたの?」
あかり「えへへ、デートだよぉ」
ちなつ「あ、そっか」
あかり「話したいこともあるんだぁ」
ちなつ「…話したいこと?」
あかり「ちなつちゃんのこと好きなんだぁ」
ちなつ「…!?」
ちなつ「あ…あー、うん。私もだよ
あかり「違うのあかりはね」
あかり「ちなつちゃんが結衣ちゃんを、結衣ちゃんが京子ちゃんを、京子ちゃんが結衣ちゃんを好きみたいに、ちなつちゃんが好きなの」
ちなつ「…」
ちなつ「あかりちゃん…」
あかり「だから、別れよう」
あかり「あかりたち一応付き合ってたでしょ?」
あかり「だから別れるって言い方で合ってるよねぇ」
ちなつ「…ちょっと言ってる意味が分からない…」
あかり「こんなあかりでもちなつちゃんの支えにくらいなれたつもりだったけど」
あかり「ちなつちゃんはもう大丈夫だから」
ちなつ「…私のこと好きなんだよね?」
あかり「えへへ…そうだよぉ」
ちなつ「私…私は…」
ちなつ「…聞いて」
あかり「うん」
ちなつ「あかりちゃんは、優しい…」
ちなつ「優しいよ、それがあかりちゃんの優しさだよ」
ちなつ「私を励ましてくれて」
ちなつ「つらいときには手を握ってくれて」
ちなつ「いつも笑いかけてくれた」
ちなつ「優しいあかりちゃん」
ちなつ「私も、あかりちゃんが好き」
ちなつ「あかりちゃんが私を好きなように」
あかり「何で…」
ちなつ「結衣先輩は、京子先輩が幸せにしてくれる」
ちなつ「二人はもう大丈夫だもん、だったら私、あかりちゃんと一緒にいたい…」
ちなつ「あかりちゃんと、別れたくない…離れたくないよ…」カタカタ
あかり「…」
ギュッ
あかり「全然結衣ちゃんみたいじゃないのに」
あかり「結衣ちゃんみたいにかっこよくないのに」
ちなつ「結衣先輩のことはもういいよ…」
ちなつ「私はあかりちゃんがいいの」
あかり「ちなつちゃん…」
ちなつ「…」スッ
あかり「わわっ」パッ
ちなつ「…あかりちゃん?」ジトー
ちなつ「むーっ、ここ死角なのに」
あかり「無理だよぉ」
ちなつ「大人しくキスさせなさい!」バッ
あかり「待って待ってぇぇ」アワアワ
店員「大変お待たせいたしました。アイスティーとアイスミルクティーでございます」
店員「ごゆっくりどうぞー」
「「…」」ガタン
「「ゴクゴク」」
店員「ありがとうございましたー」
あかり「お茶美味しかったね~」
ちなつ「そうね、思ったより美味しかったわ」
「「…」」テクテク
ちなつ「…あかりちゃん、大好きだよ」
ちなつ「保証も何もないけどね」
ちなつ「…チュ」
あかり「えへへ…」
あかり「あかりも、ちなつちゃんのこと大好きだよぉ」
京子「うにぼうおもしれ~」ゲラゲラ
結衣「ちなつちゃん、お茶のおかわりいいかな?」
ちなつ「ちょっと待ってくださいね、すぐ淹れますから」
あかり「えへへ~」ゴロゴロ
おわり
保守と支援してくれた人、ここまで付き合ってくれた人ありがとう
後半最悪だったが初SSということで見逃してくりゃーす
Entry ⇒ 2012.03.20 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
絢辻「橘君が一人暮らしか……仕方ないわね」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331988591/
【まちぼうけ】
絢辻「橘君が一人暮らしをしはじめて、もう大分たつのね」
絢辻「……」
絢辻「にしても、帰ってこないわね」
絢辻「まったくどこにいったのかしら……」
絢辻「……それは急に来た私もどうかと思うけど」
絢辻「……合鍵もらったってことはいつでもきてもいいってことでしょ」
絢辻「……」
絢辻「……遅いわね」
【妻】
橘「ただいまー、ってあれ」
絢辻「おかえりなさい」
橘「あ、絢辻さん来てたんだ」
絢辻「なによ……なにか問題あったの?」
橘「ううん、驚いただけ」
絢辻「ふーん」
橘「あ、部屋もしかして」
絢辻「しかたがないからテーブルの上とかは片付けておいたわよ」
橘「ありがとう絢辻さん」
絢辻「普段からしっかり片付けなさい、まったく……」
橘「あはは、なんだか……」
絢辻「なによ?」
橘「通い妻みたいだね」
絢辻「……ばか」ボソッ
【センサー】
橘「……」
絢辻「どうかした」
橘「いや、いつもどおりだなぁと思って」
絢辻「?」
橘「(毎度のごとく、部屋の隅にはまとめて括られた雑誌類……)」
橘「(……なんで隠し場所わかるんだろうなぁ……)」
【増える】
橘「うーん」
絢辻「どうしたの?」
橘「いや、この部屋も絢辻さんの物が増えたなぁ、と思って」
絢辻「なっ」
橘「うん、なんか感慨深い」
絢辻「き、気のせいなんじゃないの?」
橘「(本棚とか見ても、絢辻さんの本が置いてあったりするし、気のせいじゃないと思うんだけどなぁ)」
【満足感】
絢辻「正直、あなたが一人暮らししたらもうちょっと堕落すると思ってたんだけどね」
橘「あぁ……絢辻さんがいなかったらそうなってたかもね」
絢辻「そう……まぁ、そういうのってあんまり好きじゃないから良かったわ」
橘「だよねー」
絢辻「でも……」
橘「?」
絢辻「なにか物足りない感もあるのよねぇ」
橘「……僕にどうしろと!?」
【残念】
絢辻「冗談よ、冗談」
橘「でも、背中に寒いものが走ったよ」
絢辻「なによ、いじめてほしいの?」
橘「いいえ、結構です」
絢辻「そう、残念」
橘「今、心の底から残念そうな顔したよね」
絢辻「……そうかしら?」
橘「(……絢辻さんに勝てる気がしない)」
ピンポーン
ガチャ
絢辻「お邪魔します、っと。あら、今日はいるのね」
橘「わざわざインターホンおさなくてもいいのに」
絢辻「いいのよ、こういうのってケジメが大事なのよ」
橘「そういうもの?」
絢辻「そういうものよ」
絢辻「じゃあただいま、っていえるようになってから、そうするようにしましょうか」
橘「今からいってもいいのに」
絢辻「え?」
橘「うん?」
絢辻「……」
絢辻「……た、ただいま」
橘「おかえりなさい、絢辻さん」
絢辻「やっぱり本当の意味での「ただいま」は将来までとっておくわ」
橘「将来、か」
絢辻「ふふ、責任重大ね」
橘「これは笑い事じゃないね」
絢辻「ふふ」
絢辻「あら、今日はいないのね……」
絢辻「……」
……
絢辻「……うーん、なんかこうやって待ってるだけっていうのも時間の浪費というか……」
絢辻「……」
絢辻「でもなんとなく悪くないと思うのは……」
絢辻「(あの人が帰ってくる安心感があるからかしら)」
絢辻「ま。こんなこと絶対に本人には言ってあげないけど」
【うたたね】
絢辻「……うん? あ、れ……」
絢辻「!!」
絢辻「も、もしかして私寝て……」
橘「おはよう絢辻さん」
絢辻「!?」
絢辻「あ、あなたいつ帰って……っていうか、帰ってきたなら起こしなさいっ!」
橘「いやぁ、いい顔しながらうたたねしてたみたいだから、つい見入っちゃって」
絢辻「!!」アタフタ
絢辻「ちょ、ちょっとまって、あたし変なところないわよね?」
橘「? とくにないと思うけど」
絢辻「う、嘘。ちょっとまって鏡みてくる」ドタバタ
橘「あはは」
絢辻「あなたね、こういうものばっかり食べてると……」
橘「いや、つい楽だし、それに僕も一人暮らしとはいえ自炊のレパートリーがないからね」
絢辻「笑い事じゃないでしょうに」
橘「慣れればおいしいよ?」
絢辻「そういう問題でもない」
絢辻「……まったく」
橘「はい、絢辻さん口あけて、あーん」
絢辻「えっ?あーん」パクッ
絢辻「あぁ、なるほど。まずくはないわね……ってだからそういうことじゃなく……あぁ、なんだかもういいわ」
橘「あ、そっか関節キスになっちゃうのか」
絢辻「だからそういうことでも……。……!!」カァ
橘「あ、でも今更か」
絢辻「……」
絢辻「……途中からあなた分かっててボケてるでしょ」
橘「あ、ばれた?」
絢辻「……ふふふふ」
橘「……」
絢辻「ふふふふ」
橘「あ、あはは……」
絢辻「笑っている場合かしら?」
橘「……はい」
絢辻「さて、私をからかった代償は重いわよ」
橘「……」
絢辻「あぁ、どんなお仕置きがいいかしら……そうね……あれもいいわね、いやでもこっちのほうが」
橘「(……良い顔してるなぁ、こうしてるときの絢辻さん)」
絢辻「たまにここにいると……」
橘「?」
絢辻「……」
橘「どうしたの?」
絢辻「ううん、やっぱりいいわ。」
橘「へ?」
絢辻「なんでもないわ。今は気にしないで」
橘「今は?」
絢辻「そう、今は。……えぇ、だって言葉にしてもどうしようもないときもあるもの」
橘「洗面台で、いつも思うんだけど」
絢辻「うん?」
橘「よくドラマとか漫画なんかで、二つの歯ブラシがひとつのコップに、ってシーンみたことあったけど」
絢辻「うん?」
橘「わが身になると感慨深いなぁ って」
絢辻「……そういうもの?」
橘「うん」
絢辻「……というより感慨深いとか言いながら朝から浸る暇があるなら」
橘「?」
絢辻「もっと早く大学に行く準備をしなさい!」
橘「うぅ」
絢辻「一限ある日なんていつも遅刻寸前じゃないの」
橘「いやぁ、つい寝ぼけてたりとか……」
絢辻「……あっ、寝ぼけついでにアタシの歯ブラシをくわえたりしてないでしょうね」
橘「さ、さすがの僕でもそれはしない、と思うなぁ」
絢辻「な、なんで他人事みたいにいうのよっ!!」
橘「えっと、起きた後の記憶って曖昧だったりしない?」
絢辻「……橘君、明日からあなた朝5時におきなさい」
橘「えっ、それはさすがに」
絢辻「返事」
橘「……はい」
橘「そ、そうだ。いい案を思いついた」
絢辻「は?」
橘「絢辻さんが泊まっていけばいいと思うんだ」
絢辻「えっ?」
橘「そうだ、うん、それしかないね」
絢辻「え、えっ」アタフタ
橘「そうして絢辻さんが泊まっていって朝確認すればいいわけだし」
橘「ね、絢辻さん」
絢辻「う、うん……。うん?」
橘「おはよう、絢辻さん」
絢辻「……うん……橘……くん?」
橘「あはは、絢辻さんのレア顔だ」
絢辻「……あ、そっか……昨日はどこかの誰かさんに勧められるまま……」 ←寝ぼけ目
絢辻「ふぁぁ………今何時かしら」
橘「……6時すぎたくらいかな」
絢辻「ふーん……えっ!?」 ←覚醒
絢辻「ちょ、ちょっとなんで橘君のほうが起きるのが早いのよ!!」
絢辻「こ、こんなことに全力出さなくてもいいでしょ!!」
絢辻「ま、まって。あなたいつからおきて……」
橘「絢辻さんが起きる30分前くらいかな」
絢辻「……ずっと見てたの?」
橘「え? うん」
絢辻「……」
橘「……」
絢辻「ば、馬鹿なんじゃないのっ!!……だいたいはやく起きたなら~~」アタフタ
【有言不実行】
絢辻「あらっ?」
橘「?」
絢辻「……あなた今30分くらい前に起きたっていった」
橘「う、うん」
絢辻「……5時起きっていったわよね」
橘「えっ」
絢辻「そう、たしかにわたしは昨日5時起きねって言ったわよ」
橘「え、それは……あいたたた、つねらないで痛いいたい、ああああ僕のほっぺたがああああ」
絢辻「言ったわよね!」
橘「はい!言いました!」
橘「(照れ隠しだってわかっていても痛いものは痛い……)」
絢辻「うぅ……」
橘「朝からどうしたの?」
絢辻「誰のせいよ、誰の……」
絢辻「……ん?」
絢辻「ちょっとまって」
橘「……?」
絢辻「そういえば、私が泊まった時にはいつもあなたのほうが早く起きていたような……」
橘「……」
絢辻「ま、まさか……ねぇ? 橘君」
橘「……あ、あはは……あ、良かったね絢辻さん今日は天気いいみたいだよ」
絢辻「……ふふふ」
橘「……あはは」
絢辻「橘君、朝ごはんなしね」
橘「えぇっ、そんな~」
絢辻「……ここにも……」ガサガサ
絢辻「…………ここでもない」ガサガサ
絢辻「……どうしよう」
ガチャ
橘「ただいま、って絢辻さんどうしたの?」
絢辻「……ないの」
橘「ないってなにが……」
絢辻「……鍵」
橘「えっ、それは大変だね。 絢辻さんの家の鍵ってどんな鍵だっけ」
絢辻「……違うわよ」
橘「え?」
絢辻「ここの鍵がなくなったの!!」
橘「あれ……なんだここの鍵か……なら、そんなに焦らなくても」
絢辻「よくない!」
【慌】
絢辻「だから探すの」
橘「う、うん」
橘「……あ、あれっ?」
絢辻「どうしたの?」
橘「あった」
絢辻「えっ?」
橘「ちょっと絢辻さんこっちにきて」
絢辻「なによ?」
橘「あったよ、ほらここに」サッ
絢辻「えっ」
橘「あはは、絢辻さんの衣服に引っかかってたなんてね」
絢辻「うっ……あ、ありがとう///」
橘「どういたしまして」
橘「……それにしても、絢辻さんでもあれほど慌てることがあるんだね」
絢辻「うぅ……///」
絢辻「うう、そのニヤケ顔やめないと殴るわよ~」
橘「え、別にそんなこと」
絢辻「……」
橘「にしても、そんなに慌てなくてもよかったのに」
橘「なんなら作り直してもよかったんだから」
絢辻「いいの、これで!」
絢辻「…………大事なものなの」ボソッ
バチッ
橘「あれ、停電かな?」
絢辻「停電かな じゃなく停電でしょうね」
絢辻「にしても、夜だから見事に暗闇ね」
橘「ちょっと見てくるよ」
絢辻「ええ…………いえ、ちょっとまった」
橘「え」
絢辻「この暗闇であなたが動くと、間違いなく……」
橘「あっ」
絢辻「きゃあ」ドサッ
絢辻「……で、橘君。今私に追いかぶさってるけど、どんな状態か把握してる?」
橘「え?」
絢辻「……まず手をどけなさい」
橘「(……手? そういえばさっきからなにか柔らかい感触が……こ、これは)」ムニュ
絢辻「も、もむなー!!」
橘「えぇっ……」
絢辻「……ったく、こうなるって言いたかったのに先に動くから……」
橘「返す言葉もございません」
/ \ / / i i i i i i i |
\ \ ヽ/ i i i | | | | | | i |
─\ \ | | | l ll |l./ ハ、,!! | | .| i |
/\ \ | | l |ル|゙ハ'||リレ"ゞ l,,_ルレl/ | |
\ / \| .| lレ| ` 二_ 、 ___ |/ l |
/\ \ .| /f | ´ ` '´ ` lリ/ |
\ \/ | l i `'! i /イ|. |
へ │ \/ | l l |. ヽ 、` , / | l i. |
\ \| .| l | | | ミr 、 ,イ | | | | |
/\ \ | ! ! !__.! イ `ヽミー'彡ノ`\| .| | | |
\ \亠''''´ ヽ ∧∧ 〉ミ―--=、,
\ \ ヽ、/´只`ヽ、/ 〃/`ト、
/ \ \ く /八ヽ / 〃/ / ヽ
/ \ \ ∨v レヘ/ 〃/ / |
│ \ \ ヽ / ノ / |
| 丶 l \ \ へ ミ彡l゙ ,/ |/ !
| ヽ } \/ へ | | /´ | ヽ
| 、ヽ | iく / /ヽ .|/ === { |
| ヽ | l、,、 ´ / )| } |
ヘ `| へ| ヽ ,//´⌒ヽ | / |
とりあえずケツにオナシャス!
おまえさんはかきなはれ
ガチャ
絢辻「あー、ったく……」
橘「あ、おかえり絢辻さん……って、なんかあった? 不機嫌そうっていうか、やりきれないって顔してるけど」
絢辻「……さっきここに帰ってくるとき、見られた……」
橘「見られた? 何を?」
絢辻「私が買い物袋もってここに帰ってくるところ」
橘「誰に?」
絢辻「棚町さんに」
橘「へぇ、薫に。」
絢辻「くぅ……不覚だわ」
絢辻「しかもしたり顔で、からかわれたー」
橘「あはは……その、た、大変だね」
絢辻「あ、絢辻さん?」
絢辻「へぇ、もしかして純一のところ?」
絢辻「ふーん、ラブラブね~」
絢辻「あー、まだ春なのに暑いわねー」
橘「……? なにそれ」
絢辻「全部さっき私が棚町さんにいわれたことよっ!」
橘「……」
絢辻「くぅ~、これが全部ニヤニヤしながら言われるのよっ」
橘「(薫……絶対後からこうなるってわかっててからかったな)」
絢辻「なんて屈辱」
橘「で、絢辻さんはなんていって逃げてきたの」
絢辻「……なにって……何も言い返せるわけないじゃない」
橘「へ?」
絢辻「だって、その……」
絢辻「……間違ってはいない気もするし」ボソボソ
橘「?」
【時代的には……】
絢辻「そういえばあなたの部屋にもあったけど」
橘「なんのはなし?」
絢辻「あれよあれ」
橘「あぁ、パソコン」
絢辻「……ねぇ、ちょっと見てみてもいい?」
橘「え゛っ……?」
絢辻「?」
橘「……」
絢辻「……」
橘「ふ、二日ほど猶予をください」
絢辻「な・ん・で?」
橘「……」ダラダラ
絢辻「へぇ、色々なフォルダがあるわね」 カチッ
橘「……」 ←正座
絢辻「ふーん、ウイルスなんて名前のフォルダがあるのね」 カチッ
橘「……」
絢辻「あ、きちんとジャンルわけもしてるのね。へぇ~」
橘「……あ、あの絢辻さん」
絢辻「これ何重のフォルダ構造になってるのかしらふふふ」
橘「ご、ごめんなさい」
橘「アイス買ってきたよー」
絢辻「またあなたはそんな……」
橘「あはは、まぁまぁ」
絢辻「あらっ?……ん? ……ところでなんで3つ?」
橘「一つは僕の。一つは絢辻さんの。もう一つは今度来たときの絢辻さんの」
絢辻「は?」
橘「いやぁ、その……絢辻さんがここに来やすいように理由付けを」
絢辻「……」
橘「……」
絢辻「馬鹿」
橘「はい……」
橘「う」
絢辻「……そんな馬鹿なことで」
橘「いや、だって絢辻さんが来るか来ないかで僕のやる気度がかわるから重要だよ!!」
絢辻「…………」
絢辻「……4つね。今度からは4つにしなさい」
橘「?」
絢辻「3つだと私しか食べられないでしょ、だから今度からは4つ」
絢辻「4つならまた来たときに二人で食べられるでしょ?」
橘「3つめを半分こにするという手も……」
絢辻「……」
橘「?」
絢辻「」ブンブン
橘「あーやつーじさん?」
絢辻「い、いいのよっ、これで」
絢辻「……」ペラッ
橘「あのさ、絢辻さん~~」
絢辻「……ん……」ペラッ
橘「~~だから~~して」
絢辻「うん…………」ペラッ
橘「……」
絢辻「……」ペラッ
……
…
絢辻「……ふぅ、これでこの本も読み終わったと」パタン
絢辻「あらっ、橘君は……」キョロキョロ
絢辻「…? なにを部屋の隅っこでいじけてるの?」
橘「絢辻さんがかまってくれない」
【当然】
絢辻「あら、珍しい。 自発的に勉強しているなんて」
橘「そ、それだったらよかったんだけど」カリカリ
絢辻「違うの?」
橘「課題を出すのを忘れてて……」
絢辻「課題って?」
橘「……の……課題」カリカリ
絢辻「あぁ、あれ……って、まだやってなかったのね」
絢辻「あぁ、なるほど。だからこれだけ本を積んで必死に辞書ひいてるわけね」
橘「絢辻さんも同じ授業とってるよね……ちなみに絢辻さんは?」
絢辻「愚問ね」
橘「ですよね」
絢辻「あ、そこ訳しかた間違えてるわ」
橘「え? どこ」
絢辻「ここよ」
絢辻「ここ。単語の捕らえ方が間違ってるから、こうなっちゃうのね」
絢辻「こっちの単語から調べ直しなさい」
橘「う、うん」
橘「……」カリカリ
絢辻「……あ、そこもね」
橘「うん…………ところで絢辻さん」
絢辻「なに?」
橘「何気なく楽しそうな顔してない?」
絢辻「そ、そうかしら? 気のせいじゃない?」
橘「そうかなぁ」
絢辻「ほ、ほら、早く手を動かしなさい」
橘「じゃーん」
絢辻「今度はなによ?」
橘「メロンパン」
絢辻「へぇ、懐かしいわね」
橘「あはは、たまたま見つけたんだ」
絢辻「ふぅん」
橘「はいこれが絢辻さんの」
絢辻「え…あ、ありがとう」
絢辻「………」
橘「?」
絢辻「……」
橘「絢辻さん、あたしならあと二つはもらえた、とか考えてない?」
絢辻「なっ、考えてないわよ」
絢辻「ほら、口をあけなさい」
橘「え?」
絢辻「ふふふ、こうするために買ってきたんでしょ?」
橘「え、いや普通にたべ…」
絢辻「いいから口をあける!」
橘「はいっ!」
絢辻「ふふ、ほらあーんっと」
橘「あーん」
絢辻「ふふふ、ほら次よ」
……
橘「あひゃふひさん? ひゃっひのおほっへる?」
(絢辻さん? さっきの怒ってる?)
絢辻「べつに怒ってないわよー? はいあーん」
【たまにはあるよ】
絢辻「……」イライラ
絢辻「(……どうみてもこれ、女の子ものの櫛よね)」
絢辻「(まったくきてそうそうこんなものを見つけるなんて……)」
ガチャ
橘「ただいま、っと……」
絢辻「ちょっと橘君、少し聞きたいことが」
橘「あー、ここにあったのか」
絢辻「……え?」
橘「美也のやつ泊まりにきたはいいけど、忘れていったうえに持って帰って来てとは……まったく僕をなんだと……」
絢辻「……え」
橘「あ、ごめん絢辻さん。それでなんだっけ」
絢辻「えー、あー、うんやっぱりなんでもないわ」
橘「え、でも」
絢辻「なんでもないったらなんでもないの」
橘「そうだ、今日は鍋にしよう」
絢辻「ふーん、まぁいいんじゃないかしら。にしても、一人鍋ね~」
橘「え?」
絢辻「え?」
橘「……」
絢辻「……」
絢辻「もしかしてわたしも数に入ってるの?」
橘「うん」
絢辻「……もうすぐ帰ろうとしてたんだけど」
橘「え?」
絢辻「え?」
絢辻「結局、こうなってしまった……」
橘「鍋っていいよね~」
絢辻「そう?」
橘「なんだかこう充足感っていうか、温かい気持ちになるっていうか」
絢辻「……わたしにはわからないわね」
橘「そうかな? でもこれからわかっていけばいいと思うよ」
絢辻「……」
絢辻「(……どうしてあなたはこうも……)」
橘「絢辻さん?」
絢辻「なんでもないわ」
橘「そういえば昔、絢辻さんに聞いたことあったよね」
絢辻「?」
橘「ほら、外食と家で食べるのどっちが好き、って」
絢辻「あぁ」
橘「外で食べるほうが好きっていってたけど……」
絢辻「えぇ、そうね。たしかそう答えた気がするわ」
橘「じゃあ、今ももう一回聞いて良いかな」
絢辻「……」
橘「絢辻さん」
絢辻「それは……」
橘「うん」
絢辻「……秘密、かな」
絢辻「あなたが一人暮らしをして、一番変わったのはわたしなのかもしれないわね」
橘「……? どういうこと?」
絢辻「……」
橘「……絢辻さん?」
絢辻「…………時間が経って」
絢辻「居たいと思う場所もできて」
橘「?」
絢辻「そして余裕ができたから」
絢辻「考える時間が生まれて」
絢辻「それで……ようやく過去の自分が見えるようになって」
絢辻「それに連ねられた色んな、本当に色んなことが見えてきて」
橘「……」
絢辻「……」
絢辻「ねぇ、橘君」
橘「なに?」
絢辻「私を――わたしをみつけてくれて本当にありがとう」
裡沙ちゃんだと超俺得だし、梨穂子だと俺が超和むし、薫だと俺が超ニヤケルし
七咲だったら超喜ぶし、紗江ちゃんだと超悶えるし、ラブリーだと超ハッピーになるから
あとひびきちゃんもオナシャス!!
裡沙ちゃんおやすみ!
お前らの脳内妄想ちょちょっとキーボード叩くだけだから、な?
乙
裡沙ちゃん書いていいんだぞ
Entry ⇒ 2012.03.20 | Category ⇒ アマガミSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「お前らには萌え要素が足りない!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331815311/
千早「なんですか唐突に」
伊織「私たち暇じゃないんだけど」
P「だからぁ!お前らには萌え要素が足りないって言ってんだよ!どいつもこいつも!!」
律子「…まぁ、季節の変わり目だからね」
P「失礼な!俺は惚けてなどいないぞ!」
真「じゃあ、事情を説明して貰えたら助かるんですけど」
P「それは分かってます。でもまだ不十分です。全員で一つのグループとして売り出すならともかく、1人1人だと弱いです」
律子「…あながち間違いでは無いわね」
春香「り、律子さんまで」
P「そこでだ!この箱の中に様々な萌要素を記したクジを入れてある」ドンッ
やよい「クジ、ですかぁ?」
響「なるほど」
P「これには3つの意味がある。1つ、それぞれの新しいキャラクターを見いだすこと。2つ、臨機応変なトークスキルを磨くこと。3つ、同じく臨機応変な演技力を養うことだ」
春香「なんだかマトモなことを言われてるように思えてきちゃった…」
真美「真美、やってみたい!」
P「さすが亜美と真美は好奇心旺盛だな。伸びていくためには必要な要素だ」
美希「ミキもやりたいの!」
P「まぁ慌てるな。1人ずつ順番にな」
あずさ「順番はどうやって決めるんでしょう?」
P「名字の五十音順でいきましょうかね、手っ取り早く」
律子「じゃあ、春香からですね?」
P「へ?いや、律子からだろ」
P「お前だけじゃないぞ。小鳥さんにもやって貰うから」
小鳥「わ、私もですか!?」
P「サンプルは多いほど良いですからね。それとも律子、アイドルの目の前でプロデューサーが逃げるのか?ん?」
律子「ぐぬぬ…こんなときだけ正論を…」
P「ほら、早くクジ引け」
律子「わ、分かりましたよ!」ガサガサ
P「何て書いてある?」
律子「…ぶりっ子」
真「いきなりキツいのが…」
律子「私、営業に行ってきます」
P「待て待て待て!」
律子「できませんよそんなの!」
P「女は度胸、何でもやってみるもんさ!」
律子「よりによってぶりっ子…」
P「これがこのレッスンの面白いところだ。普段とは違う一面を見ることができるからな。シチュエーションはお前に任せるから。よし、やってみろ!」
律子「なんでプロデューサーが横に座るんですか!」
P「だって、相手役は俺だもん」
雪歩「プロデューサーの趣味でやってるような気がしますぅ…」
P「相手役がいた方がやりやすいだろ?それに俺だって恥ずかしいんだ!」
伊織「ものすっごい楽しそうな顔してるんだけど」
美希「ちょっと憎たらしいの」
P「はいはい、ゴチャゴチャ言わずに始め!」
P「ダメ。ぶりぶりしてない」
律子「なっ…は、始めましてぇ!秋月律子でぇっすぅ!」クネクネ
P「舐めてんのか!」
律子「知りませんよそんなの!」
律子「私」
P「ストップ」
律子「止めるの早くないですか?」
P「やっぱりだなぁ、ぶりっ子は自分のことを下の名前で呼ぶものだと思うんだ」
亜美「亜美たちぶりっ子なの?」
真美「ミキミキも?」
P「いや、名前で呼んでるからぶりっ子ってわけじゃない。だが、ぶりっ子の多くは自分を名前で呼ぶものだ」
響「そういうもんなのかぁ」
律子「り、律子、喉乾いちゃったかなぁ?」
P「何か飲むか?」
律子「あ、でしたらコーヒーを頂け」
P「ちゃんとキャラ作れよぅ!!」
真「なんかスゴい理不尽な怒られ方してるような…」
律子「はいはーい!コーヒーが飲みたいでーすっ!」キャピッ
春香「…半分ヤケになってる」
律子「1つ」
P「…」
律子「い、5つ入れて下さいなっ!律子、苦いのキラーイ!」クネクネ
小鳥「律子さん…」
千早「何て恐ろしいレッスンなの…」
律子「う、うん…」
やよい「わぁ…ホントにお砂糖5つ入れてますぅ」
P「ほら、お飲み」
律子「…」ズズッ
P「…」
律子「…甘っ」
律子「み、味覚まで変えられるワケないでしょうが!!!」
あずさ「ぷ、プロデューサーさん落ち着いて下さい。律子さんも。ね?」
P「フゥーフゥー…」
律子「ゼェゼェ…」
春香「こんな緊迫したレッスンだったなんて…」
律子「全く嬉しくないんですが」
雪歩「五十音順だと次は…」
春香「あ、私だ」
伊織「春香の現在の萌え要素は…ドジっ娘」
千早「確かに、少し弱いかもしれないわね」
春香「一応正統派ってことになってるんだけど…」
美希「萌え要素なのかなぁ、それ?」
律子「それだけに埋もれてしまいやすい、ってことなんだねっ!…なんですね?」
亜美「りっちゃん、けっこう気に入ってたんじゃないのかなぁ?」ヒソヒソ
真美「あれで意外と乙女チックなとこあるからねぇ」ヒソヒソ
律子「ん?何か言った?」
亜美&真美「いえ、何も」
P「そういうこと」
春香「私、頑張ります!」
P「よし、その意気だ。じゃあクジを引いてくれ」
春香「はい!」ガサガサ
P「何て書いてある?」
春香「お姉さん、です」
律子「私のときにも言ってほしかったわ、それ」
P「最初に言っただろ?臨機応変なトークスキルと演技力を身に付ける狙いもある、って」
春香「お姉さん、ですか…私、1人っ子だから…」
P「春香の中の"理想のお姉さん"を演じてみたらどうだ?」
春香「理想のお姉さん…ですか」
春香「は、はい!よろしくお願いします!」
P「姉ちゃーん、宿題手伝ってよー」
真「うわぁ…」
伊織「どうしようもないわね、アイツ」
春香「い、いいです…じゃなかった。仕方ないなぁ!でも、次からは自分でやらなきゃダメだよ?…うふふ」
雪歩「なんだか乗り気みたいだね、春香ちゃん」
春香「内緒よ、内緒。まったく、すっかりマセちゃって」
P「姉ちゃんはどんな男が好きなの?」
春香「…え?」
P「ねぇねぇ、どんな男ー?」
春香「そ、それは…あの…」
律子「…空気読めないって恐ろしいわね」
P「チェッ、つまんねーの」
真「プロデューサーの演技力が無駄に高い気がするんだけど」
亜美「気にしたら負けだよ、まこちん」
春香「終わったら部屋の掃除しなさいよ?アンタ、昨日もお母さんに怒られてたでしょ?」
P「はいはい、わかりましたよ」
P「なに、姉ちゃん?」
春香「お、お姉ちゃんのこと、好き?」
P「うーん…」
春香「あ、あはは。やっぱりいい。何でもない」
P「けっこう好きだよ?」
春香「…ほんとに?」
P「おう!」
響「なんか恥ずかしい展開になってきたぞ」
P「マジで?」
春香「うん!」
P「じゃあ…俺、春香姉ちゃんのこと好きだよ!」
春香「…あ、あはは。あははは」
やよい「春香さん、顔真っ赤にしながら壊れちゃいましたぁ」
貴音「幸せそうで何よりです」
P「おーい、春香!どしたんだ、いきなり?」
律子「いろいろあるお年頃なんですよ、きっと」
P「ふむ、なるほどな。しかしこの状態じゃこれ以上は続けられないな」
律子「次のアイドルにいきますか?」
P「そうだな。次は…」
小鳥「…」
律子「…次の女性にいきますか?」
真「言い直した」
伊織「気苦労が絶えないわね、律子も」
P「こ、こちらこそ」
真美「ぴよちゃん、めっちゃ気合い入ってるね」
美希「テンパってるだけだと思うな、ミキ」
小鳥「ひ、引かせて頂きます!」
P「ど、どうぞ」
小鳥「…」ガサガサ
P「何が出ました?」
小鳥「…熱血系」
雪歩「真ちゃんみたいな感じかなぁ?」
真「…ボク、暑苦しい?」
雪歩「そ、そんなことないよ!真ちゃんはとってもカッコ良くては凛々しくて」
伊織「フォローで追い討ちかけてどうすんのよ」
P「熱血かぁ…ここは小鳥さんの演技力に期待だな」
律子「いえ、事務員さんなんですが」
小鳥「が、頑張ります!いえ…頑張ってやるさっ!」
亜美「なんかもう始まってた」
小鳥「お、おい!」
P「は、はい!」
小鳥「なんだよそんな辛気くさい顔して!何か悩み事か?」
P「いえ、そういうワケでは」
小鳥「アタシが聞いてあげっから、話してみな?」
千早「これって熱血?」
春香「どちらかというと姉御じゃないかなぁ?」
美希「あ。春香が復活したの」
小鳥「なんだそんな事か!そんなんでウジウジするなんて小さいヤツだなぁ」
P「小鳥さんはやっぱり経験豊富なんですか?」
小鳥「…はい?」
律子「また空気を読まずに…」
P「過去に何人くらいと?」
小鳥「…人くらい」
P「はい?」
小鳥「3人くらいと…」
真「い、痛々しい」
伊織「どうせウソ付くなら10人くらいって言っときゃいいのに」
小鳥「な、何だよ?」
P「なんか、すいませんでした」
小鳥「…」
あずさ「謝られるのって、一番辛いわよね」
やよい「小鳥さん、涙目になってますぅ」
小鳥「ば、ばっきゃろー!!!」ダダッ
美希「会議室から飛び出していっちゃったの」
春香「だけど、最後まで演技は続けてたね…」
真「痛々しい…」
律子「そうして下さい。次は…」
響「はいはーい!自分の番だぞ!」
P「響か。響の現在の萌え要素は…」
亜美「元気っ娘?」
P「だな。それから方言を使えるのも大きい」
雪歩「男の人って女の子の方言好きですよね」
真「詳しいね雪歩。男の人苦手なのに」
雪歩「小鳥さんから借りたマンガに…」
P「やっぱりケーキは無しで」
律子「賛成で」
律子「でも、萌え要素ってそんなにたくさんありましたっけ?」
P「いや、途中でネタ切れしちゃってな、さすがに」
伊織「それで、どうしたのよ?」
響「ん?なんだこれ?委員長タイプ?」
P「ああいうのも入れといた」
真「…ただの設定ですよね?」
美希「個人的な趣味だよね、やっぱり」
P「まぁ、元気なクラス委員長も有りだろ」
やよい「"クラス"を追加しちゃってますぅ」
貴音「殿方のお気持ちはやはり理解に苦しみます」
P「ちょっと知的な感じを含めるといいかもな」
響「わかった!やってみる!」
P「なんだ、委員長かよ」
響「なんだじゃないぞ!ホラ、次の授業が始まる前に戻るぞ!」
P「うっせーなー。勉強とかダリぃんだよ」
響「分かんないとこあったら自分が教えてあげるから!だから、ね?」
亜美「亜美、ひびきんには教わりたくないかも」
真美「演技だよ、演技」
千早「設定年齢低くない?」
春香「三平方の定理って中学二年生だっけ?」
響「そ、そんなの簡単だぞ!」
P「じゃあ教えてくれよ。いま」
響「えっと…三平方三平方…あっ!」
伊織「ってか、そんなに考えるようなこと?」
響「底辺×高さ÷2!」
真美「まさかの三角形!」
響「ふふーん!」
P「いや、ドヤ顔で仁王立ちされても」
響「ホラ、他にも分からないところは自分が教えてあげるから!だから教室戻ろ?」
P「う、うん。わかったよ」
律子「あれはアレね。ほら」
伊織「着いて行かなきゃ申し訳ない感じ?」
律子「そう、それ」
響「自分、委員長できてる感じがするぞ!」
真「まぁ、クラスがまとまりそうではあるけどね。あはは…」
律子「事務所的にどうなんです?」
P「まぁ…やる気になってくれたならオッケーだろ」
真「次はボクですね!よーし、普段できないキャラを引いちゃいますからね!」ガサガサ
真美「なんかもう"キャラ"になってる」
伊織「知らないわよそんなの」
真「…不思議ちゃん?」
亜美「確かにできないね、普段は」
P「…」
真「…まこ…星」
P「…」
真「まこりん星からやってきました…」
P「あぁ、そうなんですか…」
雪歩「真ちゃん頑張って…」
P「主にどんな花を?」
真「…ひまわり」
P「冬場は大変ですね、ひまわり咲かないから」
真「タネも美味しいから」
ミキ「ねぇ、なにこれ?」
あずさ「もう少し見守りましょう」
真「えっと…」
千早「頑張って考えてる…」
伊織「こんなことに頭使いたくないわね」
真「い、いまのシーズンはスキーが…」
やよい「とっても普通ですぅ」
真美「不思議ちゃんとどう違うの?」
亜美「ん→、亜美、よくわかんないや」
あずさ「もう少し見守りましょう」
律子(あずささん、意外とSっ気があるのかしら?)
P「なぜ地球にいらしたのですか?」
美希「なんかオカルト番組みたいになってるの」
P「素敵な?」
真「素敵な王子様を見つけるためでーっす!イェイイェイイェイ!」
春香「中途半端に壊れた!」
真「ひまわりはねー!いつも太陽の方を向いてるんだよー?な・ぜ・な・ら」
P「な、なぜなら?」
真「太陽には、王子様がいるからでーっす!イェイイェイイェイ!」
美希「普通に焼け死んじゃうと思うな、ミキ」
真美「ゆきぴょんフィルタ→を通すとそう見えるんだね?」
亜美「切ないねぇ…」
真「イェイイェイイェイ…」
あずさ「もう少し見守り」
律子「あずささん、もう勘弁してやって下さい…」
真「ふ、震えが止まらないんだ…」
春香「良かった、マトモなの引いて」
千早「…次、私なんだけれど」
響「演技する千早って新鮮だぞ!」
P「じゃあ千早、クジよろしく」
千早「は、はい」ガサガサ
伊織(痛々しいのはもう止めてよね)
千早「…泣き虫」
千早「な、泣き虫というのはどうやって演じれば…」
春香「765プロでいうと…」
美希「雪歩?」
雪歩「わ、私、そんな風に見られてるの?うぅ…そんなダメダメな私は」
響「こういう感じ?」
伊織「せめて最後まで言わせてやりなさいよ」
千早「や、やってみます」
P「千早ー、お前、高木のこと好きなんだろ?」
律子「社長に怒られますよ?」
千早「ち、違うもん!なんでそんなこと言うの?」
P「あ!赤くなってやんのー」
伊織「コイツ、学生時代はホントにこういうキャラだったんでしょうね」
律子「まだ照れがあるわね」
P「じゃあ誰のことが好きなのか言ってみろよー」
千早「…わ、私は」
亜美「へ?」
千早「…私は!」
真美「千早お姉ちゃん、ホントに泣いてないかい?」
千早「あ、あなたのことが好きなの!なのに…どうして気付いてくれないの…どうして…」グスッ
千早「うぅ…」グスン
律子「…なるほどね」
春香「千早ちゃんすごい。こんなに演技上手かったんだ」
律子(…揃いも揃って鈍感ね、765プロ一同は)
千早「…」グスッ
律子「演技としては申し分ありませんけど、これ以上続けるのは無理そうですね」
P「だな。千早、お疲れさん」
千早「…はい」
春香「すごいよ千早ちゃん!私、感動しちゃった!これなら女優としてもやっていけるよ!」
千早「…春香、ごめんね」
春香「え?なんで謝るの?」
千早「何でもない…顔洗ってくるわね」タタッ
伊織(甘酸っぱいわねぇ、まったく)
響「次は貴音の番だぞ!」
貴音「はい。待ちかねておりました」
P「おっ!気合い入ってるな。期待してるぞ」
亜美「お姫ちん楽しみ→」
真美「だね→」
貴音「では、参ります」ガサガサ
美希「面白いのがいいの」
P「何て書いてある?」
貴音「妹、と」
伊織「けっこうお姉さんキャラだから、新鮮でいいんじゃない?」
律子「ギャップ萌え、ってやつですね?」
貴音「い、妹とは…何やら、面映ゆいですね」
P「そういえば、貴音は兄弟いるのか?」
貴音「…申し上げることはできません」
P「そ、そうか。まぁ、大したことじゃないさ」
雪歩(貴音さんが妹だったら…えへへ)
P「おう」
貴音「あ…」
P「あ?」
亜美「思いっきり照れてるねぇ」
貴音「あ…あに…」
春香「プロデューサーさんの顔見れてないもんね」
貴音「兄上様!」
律子「…だらしない顔」
やよい「でも貴音さん可愛いですぅ!」
貴音「兄上様、この後は何を言えば良いのでしょう?」
P「じ、自分で考えなさい、貴音」
伊織「動揺しまくってんじゃないわよ、みっともない」
それ考えたけど、呼称が被るのね
お兄ちゃん 兄君様 兄ちゃん 兄さん
にぃに 兄上殿 兄貴
春香とやよいが被る…どうしたものか
P「どうした?」
貴音「何故貴音と遊んでは下さらなくなったのですか?以前は毎日のように貴音のお相手をして下さったのに…」
P「た、貴音はもう年頃の娘だし…一緒に遊ぶのはどうかと…」
貴音「貴音は寂しゅうございます、兄上様!」
P「す、すみません!」
律子「わからなくも無いけどねぇ」
P「ま、また遊んであげるから」
貴音「本当に?」
P「もちろんだとも!」
貴音「では…」スッ
伊織「へ?」
貴音「指切り、げんまん」
貴音「指切りげんまん、嘘付いたら針千本のーます、指切った!」
P「指切った!」
貴音「…ふふ。約束、でごさいますよ、兄上様?」
P「…うん」
亜美「なんか…見とれちゃった」
真美「真美も…」
美希「むー。ハニーったらデレデレしちゃって!」
貴音「ふふ…少しは妹らしく振る舞えたでしょうか?」
雪歩「はい!とっても可愛かったですぅ!」
真「可愛いってなんだろう…」
美希「真君、お帰りなさいなの」
P「よし、次はやよいだな」
やよい「はーい!がんばりますよぉ!」
春香「千早ちゃんいつの間に」
あずさ「まずは妹よね?」
律子「それから元気っ娘で素直で前向きで小柄で」
亜美「実はお姉さん要素も持ってるんだよね、やよいっちは」
美希「とっても贅沢なの」
やよい「う、うぅ…」
やよい「うっうー!わかりましたぁ!」ガサガサ
伊織「…」ソワソワ
千早「…」ソワソワ
真「落ち着きなよ二人とも…」
P「さぁ、何がでた?」
やよい「しょう…えっと…」
律子「…どれどれ…小悪魔、ですね」
伊織「!!!」ガタッ!
千早「!!!」ガタッ!
P「えっとだな…やよい、魔性の女って分かるか?」
やよい「男の人を誘惑しちゃう感じですかぁ?」
P「まぁそんな感じかな?それの可愛らしいバージョンだ」
律子「その説明で合ってますか?」
P「難しいんだよ、やよいに説明するのは」
やよい「私、やってみます!」
やよい「はい!えっと…プロデューサー?」
P「ん?どうした?」
やよい「私、ワンピース似合いますかぁ?」
P「おう!よく似合うと思うぞ!」
やよい「えへへー、嬉しいですぅ!」
春香「今のところ普通だね」
千早「いま話かけないで」
春香「…」
P「そうなんだ」
やよい「えへへー、あのワンピースを着て…えっと…」
P「どうしたやよい?」
やよい「一緒にお散歩できたらなーって、えへへ」
律子「…ホントにお財布取り出してるし」
亜美「あれって演技だよね?それとも天然?」
真美「どっちにしても、恐るべしやよいっち」
千早「お財布お財布…」ガサゴソ
伊織「キーっ!財布はバックの中に入れっぱなしじゃない!」
P「ど、どうした?」
やよい「8千円もしちゃうんですぅ…うぅ…」
千早「さ、3千円しかない…」
P「な、泣くなよやよい!それくらいなら俺が…」
伊織「それくらいなら楽勝ね」ボソッ
P「良いんだ…良いんだ!」
真「2回言ったね」
雪歩「大事なことだったんだよ、きっと」
やよい「ほ、ホントにいいんですかぁ!」
伊織「余裕よ」ボソッ
美希「でこちゃんに言ってるんじゃないと思うな」
P「あぁ!だからもう泣くなよやよい!」
やよい「プロデューサー!うっうー!」
千早「うぅ…」ガクッ
P「いやいやいや!あくまで演技の流れの中の話で」
やよい「ぶ、プロデューサー…うぅ…」
P「買う」
律子「はぁ…好きにして下さい」
あずさ「あらあら~、やよいちゃんは将来有望ね~」
美希「やよいズルいの!ミキもハニーにお洋服買って貰いたい!」
亜美「自分の順番のときにおねだりしてみたら?」
美希「うん、そうするの!」
雪歩「うん!頑張ってくるね!」
P「給料日前だというのに…」
律子「はいはい!次にいきますよ!雪歩で前半戦終了ね」
雪歩「は、はい!」ガサガサ
P「さて、何を引くか
雪歩「…HipーHop系」
真「うわぁ…」
亜美「ゆきぴょんてば、運が良いのか悪いのか」
雪歩「HipーHopなんてわからないよぅ…」
春香「い、イメージだから!気楽にいけばいいと思うよ?」
真「そうそう!ボクより恥ずかしくなることなんてないから!あはは!」
真美「…イェイイェイイェイ」ボソッ
真「あ、あれ?また身体が震えて…」
雪歩「は、はいぃ…」
伊織「すでに嫌な予感が…」
雪歩「よ…よぅ…」
P「えっと…何だそれ?」
雪歩「よ、Yo!」
P「よ、よう!」
美希「自己紹介始めちゃったの」
雪歩「と、東京都生まれの足立区育ち!」
千早「足立区も東京都なのだけれど…」
律子「一応韻を踏んではいるようですが…」
P「アイツって誰だよ」
雪歩「もうすぐ桜が風に舞う兆し!1人で恋して夢見る私!」
亜美「なんかポエムっぽくなってきたYo」
P「いや、アイツって誰だよ」
伊織「へ?」
雪歩「Say Ho!」
真美「レスポンスしろってことかなぁ?」
雪歩「Say Ho!」ウルウル
真「あ、ヤバい…」
雪歩「Say Ho!」グスッ
真「ほ、ほー!」
一同「ほー!」
雪歩「Say Ho Ho!」
一同「ほっ ほっ!」
雪歩「Say Hohoho!」
一同「ほっほっほっ!」
雪歩「Thank you…」
一同「…」
雪歩「…」
伊織(どうすんのよこれ…)
真「ゆ、雪歩!気持ちをしっかり持って!」
春香「まさか飛び火してくるとは…」
美希「大惨事なの」
P「いや、みんなごめんな…」
律子「私はまだマシな方だったんですね」
亜美「次亜美の番なんだけど…」
真美「この空気はイヤだねぇ…」
亜美「はい!」ビクッ!
P「頼んだぞ」
亜美「あ、あはは。やらなきゃダメだよね、やっぱり」
雪歩「…」ジーッ
亜美「や、やるやる!亜美、ちょ→がんばっちゃう!」ガサガサ
律子「ほのぼのしたヤツを頼むわよ」
亜美「えっと…ヤンデレ」
亜美「ヤンデレかぁ…難しいなぁ」
真美「ん→…なんとかなるっしょ!」
亜美「ゴメン真美。亜美自信が無いよ。いろんな要素が混ざり合って」
雪歩「…」
亜美「と、とにかくやってくるね!」
P「よし、では始めようか」
亜美「…何で夕べ電話してくれなかったのさ」
春香「いきなり本筋に入ったね」
P「ゆ、夕べは仕事が遅くなってさ。寝てたら悪いなって思って」
亜美「亜美、夜が明けるまでずっと待ってたのに。暗い部屋の中で携帯電話握りしめたまま一睡もせずに」
P「そ、そうだったのか。すまなかったな…」
P「そ、そう…なのか…」
亜美「そしたらね…ふふ…そしたら、頭が取れちゃった…バリバリ、って」
真「…なんかスゴいね」
真美「真美、亜美のことホントに怖くなってきた…」
P「いや、大丈夫だったけど…」
亜美「な→んだ…」ボソッ
P「え?」
亜美「怪我して入院しちゃえば良かったのに。そしたら亜美も自分で指を切り落として…ふふ…兄ちゃんの隣のベッドに入院できたのに…」
P「い、いや…健康が何よりだよ、うん」
伊織「なんか寒くなってきちゃった…」
P「あ、ありがとう…」
亜美「でも、クマの頭取れちゃったからさ→。次は…ふふ…誰の頭が取れちゃうんだろ?ふふふ…」
P「つ、次からはちゃんと電話する!約束するよ!遅くなっても必ず電話する!」
亜美「ホント?」
P「本当だ!」
美希「亜美、目がホントに病んできたの」
律子「末恐ろしい子ね、いろんな意味で」
P「え?いや、なんか恥ずかしいじゃん」
亜美「お姫ちんとはしたじゃんか」ボソッ
貴音「なんと…」
亜美「亜美とはできないんだ?亜美、残念だよ…」
P「わ、わかった!指切りしよう!ほら!」スッ
P「指切った!」
亜美「えへへ、指切りしちゃった」
P「あぁ…」
亜美「亜美、ずっと兄ちゃんのことだけを見てるかんね?ずっとず→っと!」
P「うん…ありがとう亜美」
春香「ホントに抱きついた!」
美希「ちょっと亜美!」
P「こ、こらこら!やりすぎだぞ亜美!」
亜美「頭取れちゃわないように気をつけてね、兄ちゃん」ボソッ
P「お、おい…」
亜美「んっふっふ→これにて亜美のタ→ン終了であります!」
真「ボク、鳥肌立っちゃったよ」
P「俺もだ…途中から本気で怖かった」
亜美「ジョ→ダンだよ兄ちゃん、ジョ→ダン」
律子「はい、じゃあ次は真美ね」
千早「いつの間にか律子が進行役に」
貴音「適材適所というものでしょう」
亜美「んっふっふ→それはどうですかな?」
P「じゃあクジを引いてくれ」
真美「はいよ→」ガサガサ
美希「そろそろ面白いやつがいいな」
雪歩「…」
律子「さて、真美の引いたクジは?」
真美「中二病、だってさ→」
P「上手く使いこなせば武器になるかもしれないだろ?」
亜美「亜美たち、まだ中一なんだけど」
真美「中二病か→インターネットでみた感じでやれば大丈夫かなぁ?」
伊織「何を見たのかスゴくきになるんだけど」
P「まぁ、とにかくやってみようか」
真美「そだね→」
真美「ねぇねぇ、兄ちゃん?」
P「なんだ?」
真美「真美、英語の曲歌いたい!」
P「なんだよいきなり?」
真美「だってさぁ、日本の音楽ってカッコ悪いんだもん!そもそも海外の音楽真似してるだけじゃん?」
P「お前、日本のアイドルにあるまじき発言を…」
伊織「まぁ、ありがちな感じよね。中二病の子に」
P「今度はなんだ?」
真美「真美、親と一緒に住みたくない!」
P「いやいやいや!どこに住む気だよ!」
真美「友達の家を転々としたり?」
P「ダメに決まってるだろ!」
真美「なんでさ→?」
真美「普通って何さ!真美、普通なんかじゃないもん!」
真「うわぁ…なんか懐かしいな、あの感じ」
春香「クラスに1人はいたよね、あんな子」
真美「それと、兄ちゃんの普通を真美に押し付けないでよね!真美には真美にしかない、特別な個性があるんだから!」
千早「なんだか恥ずかしくなってきたわ…」
伊織「当時の自分を思いだす?」
千早「まぁ、そんなところね」
あずさ「律子さんはどうでした?」
律子「私は、けっこう醒めてましたから」
真「それも一種の中二病なんじゃない?」
伊織「いるわよね、やたらと醒めてことを言いたがるヤツ。所詮人間なんてー、とか」
律子「…ノーコメントでお願いするわ」
P「コーヒー飲むか?」
真美「うん、貰うよ」
P「砂糖は何個?」
真美「…いらない」
P「えっ?大丈夫なのか?」
真美「さ、砂糖なんて入れたら甘くて飲めないじゃんか!もちろんミルクもいらない!」
響「あー、いたいた、あんなヤツ」
春香「高校にもいるよね。変なところで無理しちゃう子」
真美「…ありがと」
P「…」
真美「…」ズズッ
P「…」
真美「…苦っ」
真「あぁ、やっぱり…」
律子「うんうん。やっぱり味覚までは変えられないのよ」
千早「そういえば律子と逆のパターンね」
律子「お砂糖5つはさすがにキツかったわ」
真美「真美、イチゴミルク飲みたい!」
貴音「あの様子ならば、双海真美は"中二病"とやらを患わずに済みそうですね」
伊織「まぁ、小学校からこの業界にいるわけだしね。そこら辺の大学生なんかよりよっぽど社会について知ってるもの」
響「中二病なんて飛び越えちゃったワケか」
真「いよいよ佳境、ですね?」
P「美希、出番だぞ!」
美希「…むにゃ」スヤスヤ
律子「やっぱりこうなるのね」
やよい「美希さん!おにぎり無くなっちゃいますよ!」
美希「おにぎり!おにぎりドコ!?ミキのも残しといてくれなきゃ、や!」
響「このやよいも小悪魔なのか?」
伊織「考えるのが面倒になってきたわ、さすがに」
美希「へ?おにぎりは?」
P「あとで腹一杯食わせてやる!」
律子「もちろんポケットマネーですよね?」
P「経費で…」
律子「申請は却下します」
美希「あふぅ…」ガサガサ
亜美「みきみきぃ、楽しませておくれよ?」
美希「…ツンデレ、なの」
伊織「いっっっっつもデレデレしてるからね」
美希「ミキ、ハニーに意地悪なこととか言いたくないの」
真「言ってるそばから早速」
律子「それじゃあレッスンにならないでしょ?おにぎりのために頑張りなさい」
美希「むー。ハニーとおにぎりを天秤にかけたくないの」スタッ
P「いやいやいや。すっかりやる気になってんじゃん」
美希「ホントに!?ハニーにそう言われると幸せな気分になれるの!」
律子「ま、予想通りではあるけどね」
真「つーか、ボクらに対しても隠す気ゼロなんだね」
P「美希、演技演技」
美希「あ、そっかぁ!えっと…そんなこと言われても全然嬉しくないもん!」
美希「またそんなこと言って!どうせ他の女の子にも同じこと言ってるんでしょ?ミキ、知ってるの」
千早「真面目に演技をすれば、さすがね」
真「集中力がスゴいからね、美希は」
律子(原動力はおにぎりだけどね)
P「言ってないよ、美希以外には」
美希「はいはい、なの。ほら、さっさと悪の魔王とやらを倒しちゃうよ?ミキの足、引っ張らないでよねっ」
響「どういう設定なんだ、これ?」
美希「なに?さっさと行くよ?」
P「1人で行けば?」
美希「な、何なの、突然」
P「俺のこと信用できないヤツと一緒には戦えない」
伊織「コイツもまぁ次から次へと、よくキャラを乗り換えられるわね」
美希「そ、そんこと言われても…」
美希「そ、そんな!」
P「バイバイ、美希」
美希「ま、待って!ミキのこと嫌いにならないで!」
P「そう言われてもなぁ」
美希「ミキ、ハニーに可愛いって言われてホントに嬉しかったの!」
P「それで?」
美希「もう口きかないって言われて、ホントに悲しくなっちゃったの!」
P「…うん」
春香「ちょ、ちょっと美希!」
P「こ、こら!離れろ美希!」
美希「イヤなのー!」
真「ツンデレ担当の水瀬さん、一言どうぞ」
伊織「茶番だわ」
千早「それを言うなら最初から茶番続きだったけれど…」
春香「ゼェ…ゼェ…やっと離れた」
美希「ハァ…ハァ…ミキ、負けないの!」
P「俺の意志は無視ですか…」
律子「はい、お次はあずささんですね。お待たせしました、あずささん」
あずさ「いえ~、けっこう楽しんでましたよ?」
P「それは何よりです…では、どうぞ」
あずさ「は~い。うふっ、何が入っているのかしら?」ガサガサ
P「いや、クジですけど…」
あずさ「あらぁ…にゃん娘、だそうです」
真「ボクも初めて聞きました」
P「にゃん娘ってのはアレだ、語尾に"にゃん"って付けて喋る感じ」
伊織「それをにゃん娘って呼ぶの?」
P「いや、俺が名付けた」
亜美「兄ちゃん、けっこう暇人だね」
P「あ、そうそう。よい子のみんなは"にゃん娘"でネット検索しちゃダメだからな?成人してからにしなさい」
やよい「プロデューサー、誰に言ってるんですかぁ?」
P「だから、よい子のみんなにだ!」
P「ええ。それ以外は普段通りで構いませんから」
真美「真美知ってる→。こういうの、職権乱用っていうんだよね?」
亜美「真美、難しい言葉知ってるねぇ」
真美「んっふっふ→」
P「…では、始めましょうか」
P「お疲れ様です、あずささん」
あずさ「最近暖かくなってきましたにゃん」
P「えぇ、もうすぐ桜も咲きますよ、ははは」
伊織「なんで普通に会話してられるのよ、あの二人…」
真「だけど、ボクもああいうのが良かったなぁ…」
真美「…イェイイェイイェイ」ボソッ
真「な、なんだろ?急に膝が震えてきた…」
あずさ「にゃんですかにゃ?」
千早「まさかのアレンジ…」
律子「なんで乗り気なんですか、あずささん…」
P「運命の人には、出会えそうですか?」
あずさ「…にゃ」
律子「あー、もう!この終盤に来ても空気読めないとか!」
真「ちゃんと"にゃん"は付けるんだね…」
春香「あずささん、律儀だからね…」
P「なるほど…難しいものですね。出会うのも別れるのも
あずさ「私も本当に…そう思いますにゃん」
響「真面目な会話をしてるっぽいんだけど…」
伊織「…もう何でもいいわ」
真(うわぁ…それって間接的にあずささんをフってますよ、プロデューサー)
亜美(ヒドすぎるよ、兄ちゃぁん!!)
あずさ「…はい。ありがとうございます…だけどもうしばらくの間だけ、出会えなくてもいいかな、って」
P「なんでですか?」
あずさ「いまが…うふふ…いまが幸せだからです…にゃん」
律子「あずささん…」
P「わかりました。ごゆっくり」
あずさ「では、失礼します…にゃん」バタンッ
伊織(追いかけては行かないわよね、コイツは)
真美(あずさお姉ちゃん…)
P「よし、次でいよいよ最後だな!」
律子(ま、こういう人だもんね。やれやれ)
律子「ツッコミご苦労さま、伊織」
春香「助かったよ」
伊織「べ、別にお礼言われたくてやったわけじゃ」
貴音「なるほど。これが真のつんでれ」
美希「勉強になるの」
伊織「う、うるさいわねぇ!」ガサガサ
P「さて、最後の萌え要素は?」
伊織「…素直な照れ屋」
伊織「な、なによ?」
真美「これはひょっとして、素のいおりんが見られるということですかな?」
響「面白そうだぞ!」
やよい「うっうー!素直で可愛い伊織ちゃんが見たいですぅ!」
律子「はいはい、さっさとやるわよ」
春香「律子さん冷たい」
律子「私にだっていろいろあるのよ」
伊織「う、うん…」
P「待ちくたびれたんじゃないか?」
伊織「まぁ…多少は…」
やよい「伊織ちゃん、なんだかモジモジしてますぅ!とっても可愛いですぅ!!」
千早「なかなか新鮮ね」
伊織「あ、アンタの方こそ疲れたんじゃないの?」
P「まぁ、多少はな。でも言い出しっぺは俺だしな、はは」
P「ん?」
伊織「まぁ、こういうキャラを引き当てちゃったんだし…その…だから…」
響「なんか、初々しいぞ」
伊織「こう機会だから…二度と無いと思うから…肩ぐら…んで…わよ…」
P「いや、最後の方が途切れ途切れでよく分からないんだが」
伊織「だ、だから!…肩ぐらいは揉んであげるわよ」
伊織「まぁ、ね…」
真「なんか、ニヤニヤしちゃうね」
律子「せっかくだからカメラに収めておこうかしら?」
伊織「い、痛くない?」
P「いや、ちょうどいい感じだ」
伊織「それなら良いけど…」
美希「むにゃ…ミキのたらこ…」スヤスヤ
真美「真美も→」
千早「いつの間にかこんな時間なのね」
律子「そうね…じゃあ、ピザでも頼みましょうか?あとは美希のためのおにぎり」
やよい「うっうー!ピザ食べたいですぅ!」
真「経費?」
律子「あまり気は進まないんだけど…」
P「今日のレッスンでそれぞれが何かを得てくれたんなら、こんな疲れなんてどってことないよ…」
律子「…今日だけは、許可しましょう!」
P「もうやりたくないけどな」
伊織「それはこっちのセリフよ、バカァ!」
お し ま い
まさか最後まで書くことになるとは思いもしなかったぜ…
読み返してきま→す!
雪歩の大惨事っぷりが…
最高だった
Entry ⇒ 2012.03.20 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
魔法使い「あっ!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1331859646/
このSSはSS深夜VIPのSSです
魔法使い「帽子が落ちちゃった!」
魔法使い「ぐぐぐ、ストップストーーップ!」
2 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 10:05:35 ID:hfVXmH2c
ガサガサ
魔法使い「うーん……このへんに落ちたと思ったんだけど……」
魔法使い「箒で飛んでてブレーキかけられなくて見失うなんて……」
魔法使い「だめだなぁアタシ……箒が使いこなせないなんて……」
魔法使い「うー……住んでる森だから迷いはしないけど……」
魔法使い「帽子がどこいったかわかんないよう……」
3 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 10:07:35 ID:0LRAP1RM
3時間後
魔法使い「はあ、はあ」ガサガサ
魔法使い「全然見つからない……」
魔法使い「おばあちゃんからもらった大切な帽子なのに……」
魔法使い「あっ!」
6 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 10:11:00 ID:0Nk2WiUU
これが男だったら泣くぞ俺
7 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 10:11:12 ID:RDPWBulw
男「よし、これで今日は終わりだ」
魔法使い(知らない男の人だ……あ!)
魔法使い(アタシの帽子!あの人が持ってる!)ガサ!
男「ん?」
魔法使い「あっ!」
魔法使い(見つかっちゃった!)
8 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 10:13:40 ID:RDPWBulw
男(女の子……黒いマントに箒……)
男「ねえ、この帽子……」
魔法使い「ひゃ!あわわわ!」バタバタ
男「え!?ちょ!なんで逃げるの!?」
9 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 10:16:31 ID:QWi37goI
魔法使い「おばあちゃんが街の人とはあんまり関わるなって言ってたんです!」バタバタ
男「いやいや、なんもひどい事とかしないからさ……ほら」スッ
魔法使い「あ……」
男「この帽子、君のでしょ?キノコとってる時に見つけたんだ」
10 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 10:19:19 ID:lHamaEoU
魔法使い「あ……はい……アタシのです……」
男「じゃあはい、今度はなくさないようにね」スッ
魔法使い「あ……」
魔法使い(かぶせてくれた……)
男「ふふ、かわいい魔法使いさんだね」
魔法使い「!!」
11 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 10:21:23 ID:X.SONh9s
ビュン!
男「うわ!?」
男「びっくりした……箒使わなくてもあんなはやいんだ……」
男「まあとりあえずキノコたくさんとれたし、今日の仕事は終わりかな。帰るか」スタスタ
12 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 10:24:14 ID:qrRJkZPw
魔法使い家
ガチャ!バタン!
魔法使い「な、なんなのあの人!なんなのあの人!」
魔法使い「初対面なのにあんなに親切に……し、しかも……」
魔法使い「アタシの事……かっ、かわいいとか……」
魔法使い「ううー……!」カアアー!
13 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 10:27:45 ID:6hzD2t1U
翌日 森の中
魔法使い「あっ!」
魔法使い(昨日の人だ!)ササッ
男「んー……なんか今日は当たりが悪いな……」
魔法使い「…………」ジー
16 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 10:40:45 ID:QWi37goI
男「あ、あったあった、このキノコだ」
魔法使い「…………」ジー
魔法使い(なんでアタシ、あの人の事見てるんだろ……)
魔法使い(話しかけたいな……でも恥ずかしいから見つかりたくないような……)
魔法使い(どうしよう……)ドキドキ
17 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 12:20:25 ID:9j287982
男「よし、今日はここらへんにしとくか」
魔法使い「あ……」
男「母ちゃん待ってるだろうし、早く帰らないとな」スタスタ
魔法使い「行っちゃった……」
魔法使い「…………」
魔法使い「結局話しかけられなかったな……」
魔法使い「はあ……」
18 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 12:37:04 ID:qVc8ZgSs
翌日
魔法使い スタスタ
魔法使い「はっ!」
魔法使い「なんでアタシは用もないのにキノコがたくさんある場所に!?」
魔法使い「テキトーに散歩してたつもりだったのに……」
魔法使い「…………」
魔法使い「あの人、来るかな……」
19 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 12:38:35 ID:9j287982
魔法使い「……来なかった……」
魔法使い「ここならいっぱいとれるのに……知らないのかな……」
魔法使い「……帰ろ」
21 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 16:24:48 ID:0Xtq/SHQ
魔法使い家
魔法使い「はー……」
魔法使い(アタシってばどうしたんだろ……)
魔法使い(ちょっと親切にされて、かわいいって言われたくらいで……)
魔法使い(か、かわいい……のかな)
魔法使い「…………」ドキドキ
魔法使い「ダメだ、ドキドキする……」ドキドキ
魔法使い「はー……」
22 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 16:28:05 ID:aqMaooD2
魔法使い(あの人、いくつくらいなのかな……)
魔法使い(見た目は20歳とか……そのくらいだったよね)
魔法使い(もしそうならアタシと6つ差……)
魔法使い(はあ……妹だったにしてもにしても年離れてるよ……)
魔法使い(……どうすればいいのかな……)
23 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 16:31:57 ID:6hzD2t1U
魔法使い(というか……もし、もしも、アタシがあの人をす、すす、好き……だったとして……)
魔法使い(この歳の差じゃ、子ども扱いされてあしらわれるとか……)
魔法使い(それにアタシ、魔法使いだし……しかも薬作るくらいしか取り柄ないし…)
魔法使い(せめておばあちゃんみたいなすごい魔法使えたらな……)
26 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 18:36:12 ID:tPiwWUNc
翌日
男「あ」バッタリ
魔法使い「あ!」
男「この間の……」
魔法使い「あっ、あっ!あ!あの!」
男「ん?」
魔法使い「こっちのほうが……たくさんキノコとれます……」カアアー
27 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 18:39:36 ID:bxqAbAvk
男「うわーほんとだ、こんな穴場あったんだな」
魔法使い「は、はい……」
男「ありがとね、この森について詳しいんだね」
魔法使い「自分が住んでる場所ですから……」
男「そっか。さて、今日も働きますか」
魔法使い「あ、あの!」
男「ん?」
魔法使い「よければ……その……お手伝いします……」カアアー
28 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 18:44:09 ID:dHvR4ZIw
男「ふー、たくさんとれた」
魔法使い「は、はい、そうですね」
男「ありがとう、手伝ってくれて」
魔法使い「い、いえ……」
男「ん、それじゃ、今日は魔法使いちゃんのおかげでたくさんとれたし、もう帰るよ」
魔法使い「あ……」
男「ろくにお返しもできなくてごめんね、母ちゃんが持ってるんだ」
魔法使い「はい……」
男「うちは父親がいないからさ、できるだけ早く帰ってやりたいんだ」
魔法使い「はい……」
30 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 18:46:33 ID:6hzD2t1U
魔法使い「あ、あの……」
男「ん?」
魔法使い「明日も、来てくれますか……?」
男「うん、いい場所も教えてもらったし、またここで仕事しようかな」
魔法使い「!は、はい!」
31 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 20:00:25 ID:iYKxQ4zM
魔法使い家
魔法使い「えへへ……」
魔法使い(うまく話せたかはともかく……今日は長く一緒にいれたな……)
魔法使い(そういえば、今日までお互い名前も知らなかったんだよね)
魔法使い(えへへ……それに、明日も来てくれるって……)
魔法使い(またお手伝いさせてもらおっと)
魔法使い(明日は、今日よりたくさんお話しよ……えへへ)
32 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 20:06:08 ID:6hzD2t1U
数日後
男「魔法使いちゃん、よければ家に遊びにこない?」
魔法使い「はっ、はい!?」
男「いや、この間からずっと手伝ってもらってるしさ、お礼にと思って」
魔法使い「えっ、えっ!え!?」
男「うちも裕福ではないけど……ご飯くらいは食べさせてあげれるからさ」
男「それに、かわいらしい魔法使いさんがいる、って話したら、母ちゃんもぜひ会ってみたいって言っててさ」
魔法使い「あ、あう、あう……」
魔法使い(男さんの家……まさか招待されるなんて……)
男「あ、街にはあんまり関わっちゃいけないんだっけ?無理なら……」
魔法使い「い、いえ!ぜひおじゃまさせてください!」
33 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 20:08:36 ID:lHamaEoU
男「ん、よかった。それじゃ明日の昼くらいに、街の入口で待っててくれるかな?」
魔法使い「は、はい」
男「俺が迎えに行くからさ、待っててね」
魔法使い「はい……」
34 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 20:14:33 ID:nkGjAFRM
魔法使い家
魔法使い(た、大変な事になった!大変な事になった!)バタバタ
魔法使い(まさか男さんの家に……行く事になるなんて……)
魔法使い(なに着て行こう……ていうかアタシいつもの服以外ほとんど持ってないよう……)
魔法使い(目立っちゃいけないから箒は持っていけない……歩きかぁ……)
魔法使い(うう……ほんとにほとんど服がない……)
魔法使い(あんまりいつもと違う服だと落ち着かないから……黒じゃなくて白のワンピースと……)ガサガサ
魔法使い(この帽子は『魔法使いです』って言ってるようなものだから……麦わら帽子で……)ガタガタ
35 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 20:20:50 ID:7/KQlybw
翌日
男「んー」キョロキョロ
男(魔法使いちゃん、遅れてるのかな。まだ来てないけど)
クイクイ
男「ん?」
魔法使い「あの……男さん……アタシです……」カアアー
36 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 20:23:27 ID:5rD3Bze.
男「あ、ごめんごめん、いつもの服で来るかと思ってたからさ」
魔法使い「へ、変でしょうか……?」
男「ううん、その服も似合ってるよ、かわいい」
魔法使い「!は、はい……」カアアー!
男「それじゃ、行こうか」
魔法使い「は、はい」
37 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 20:27:32 ID:OejU/JNU
男「ただいまー」
魔法使い「お、おじゃまします」
男母「いらっしゃい。あなたが魔法使いちゃんね」
魔法使い「は、はい」
男母「毎日男のお手伝いしてくれてるみたいで、ありがとうねぇ」
魔法使い「い、いえ……その……」
男母「ん?どうしたの?」
魔法使い「アタシも男さんとお喋りするの……すごく楽しいですから……」カアアー
男母「あらあら」クスクス
38 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 20:29:23 ID:OejU/JNU
男母「さ、遠慮なく、お腹いっぱい食べてね」
魔法使い「あ、ありがとうございます」
男「いただきます」
魔法使い「いただきます」
39 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 20:39:38 ID:0LRAP1RM
男母「どう?お口にあうかしら」
魔法使い「はい!とってもおいしいです!」モグモグ
男「そういえば、魔法使いちゃんは普段どんなものを食べてるの?森でとれるもの?」
魔法使い「あ、はい……果物とか、キノコとかをとって、軽く調理して食べてます」モグモグ
男母「あら、じゃあケーキなんかは食べたことはないの?」
魔法使い「ケーキ……」
魔法使い(おばあちゃんがほんのたまに買ってきてくれたけど……もう何年も食べてないなあ……)
40 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 20:40:45 ID:PpuwwfwQ
男母「しばらくは食べてない、って顔ね」
魔法使い「はい……」
男母「男、手伝ってくれてるんだから、これからはたまにはケーキくらい持って行ってあげなさい」
男「ん、そうだね、ほんとによく手伝ってくれるし」
魔法使い「え!ええ!?い、いいですよ!アタシが好きで手伝ってるのでそんな!」
男母「遠慮しないの、好きで手伝ってくれてるならなおさらよ」
男「俺もほんとに助かってるんだ、それくらいさせてよ」
魔法使い「男さん……男母さん……」
魔法使い「はい……ありがとうございます」
41 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 20:45:45 ID:F3h3Obt6
夕方
魔法使い「今日は本当にありがとうございます。すごく楽しかったです」ペコ
男母「いえいえ、わたしも娘ができたみたいで楽しかったわ」
魔法使い「男さん、お仕事大変なんですね……」
男母「ごめんね、急に仕事で呼び出されたらしくて……」
魔法使い「いえ……」
魔法使い(いっぱい遊べたし……男さんが呼び出されたのがアタシが帰る直前で本当によかった)
42 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 20:52:07 ID:vLs70MkU
男母「これからも、気軽に遊びにきてね」
魔法使い「はい、ありがとうございます」
男母「それとね、大事なことを2つ教えてあげるわ」
魔法使い「?なんですか?」
男母「男はね、鈍感だからハッキリ言わないと気づかないわよ」
魔法使い「はっ!はい!?」
男母「それとこれはいい情報だけど、仕事場に女の子がほとんどいないから、男が誰かにとられちゃう可能性は低いわ」
魔法使い「な、なんのことですか!?わ、わわわ、わからないです!」
男母「ふふ、男は気づかなくてもわたしにはバレバレよ、暇さえあれば男のこと横から見つめて」
魔法使い「う、うう、し、失礼します!」ビュン!
男母「ふふ、かわいい」
43 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 21:06:18 ID:0Xtq/SHQ
魔法使い(うー……!)
魔法使い(そんなにバレバレだったのかな……)
魔法使い(でも男さんは気づいてないって……よかったような残念なような)
男「あ、魔法使いちゃん」
魔法使い「あっ」
44 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 21:10:08 ID:6hzD2t1U
魔法使い「男さん……もうお仕事終わったんですか?」
男「んー、呼び出されたけど、話を聞いただけだったからね。魔法使いちゃんは帰るところ?」
魔法使い「はい、今日は本当にありがとうございました」ペコ
男「ん、いいよ、俺も楽しかったし」
魔法使い「は、はい……」
魔法使い(楽しかったって……よかったぁ)
男「ケーキも楽しみにしててね、まあゆってもたまにしか買えないけど……」
魔法使い「いえ、とっても楽しみです。ありがとうございます」
45 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 21:13:09 ID:sthVNC6Q
男「おっと、そろそろ暗くなるね、魔法使いちゃんは今日歩いてきたんでしょ?」
魔法使い「はい」
男「じゃあちょっと急がないと暗くなるかも。引き止めてごめんね」
魔法使い「いえ、大丈夫です。さすがにあの森では迷いませんから」
46 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 21:15:16 ID:sthVNC6Q
男「ん、それじゃまた明日」
魔法使い「はい、さようなr」ガッ
魔法使い「きゃっ!」ドテッ
ピラ
男「魔法使いちゃ……あ……」
魔法使い「!!!!」
47 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 21:17:18 ID:sthVNC6Q
魔法使い「あ、あう!あうあうあうあ!」バタバタ
男「その……」
魔法使い「お、男さん!」
男「は、はい!」
魔法使い「み、見ました……?」
男「……ごめん」
魔法使い「ーーーー!!」ボッ!
48 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 21:19:20 ID:sthVNC6Q
魔法使い「う、ううー……」カアアー!
男「ごめん……すぐ忘れるようにするから」
魔法使い「はい……」
男「じゃあ……また明日ね」
魔法使い「はい……」
49 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 21:23:20 ID:U5t3huYk
魔法使い家
魔法使い「う、ううー……」カアアー
魔法使い(楽しかったけど……男さんと男母さんと話せて嬉しかったけど……)
魔法使い(男母さんに、バレちゃった……)カアアー
魔法使い(そのうえ男さんにパンツまで見られちゃったし……)カアアー!
魔法使い(恥ずかしい!恥ずかしいよう!)バタバタ
魔法使い(男さん、忘れてくれたかな?)
魔法使い(でも、なんとも反応してくれないのも……)
魔法使い「ううー……」カアアー
50 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 21:26:09 ID:uxtS0BdY
数日後
魔法使い「…………」
魔法使い(今日は男さん、遅いな……)
魔法使い(あんなことがあってもいつもと変わらず一緒に過ごしてたのに、どうしたんだろ……)
51 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 21:27:56 ID:aqMaooD2
翌日
魔法使い「…………」
魔法使い(今日も男さん、来ないや……)
魔法使い(風邪ひいたのかな……?)
魔法使い(明日も来なかったら、思いきって街に行ってみようかな……)
52 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 21:30:03 ID:1Du4DD4o
翌日
魔法使い「あ!」
男「おはよ、魔法使いちゃん」
魔法使い「おはようございます。どうしたんですか?昨日と一昨日は……」
男「んー、母ちゃんが風邪ひいちゃってさ」
魔法使い「え……?」
53 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 21:34:17 ID:fE7WebIc
男「しかもかなりしつこい風邪らしくて、なかなか治らないんだ」
魔法使い「大丈夫なんですか……?」
男「ん、風邪は風邪だから命に別状はないよ」
魔法使い「ほっ……」
男「それで仕事休んで看病してたけど、いつまでも休ませてはもらえなくてさ、今は隣街の兄貴に来てもらって、看病してもらってるんだ」
魔法使い「…………」
男「さ、早めに仕事終えて、俺も母ちゃんのとこ行かないとな」
魔法使い「はい……お手伝いします」
54 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 21:36:47 ID:fE7WebIc
魔法使い家
魔法使い「うんしょ、と」ドサ
魔法使い「これで材料は全部だよね……」
魔法使い「……薬作るのが得意でよかったって初めて思ったかも」ゴリゴリ
55 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 21:38:34 ID:fE7WebIc
ゴリゴリ
魔法使い「ふう」
魔法使い「でもどうしても時間はかかっちゃうなぁ……」
魔法使い「ふわああ……」
魔法使い「今夜は徹夜だ……」ゴリゴリ
56 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 21:41:40 ID:IhbwAamw
翌日
男「おはよ、魔法使いちゃん……ん?」
魔法使い「あ……男さん、おはようございます……」
男「なんか眠そうだね、大丈夫?」
魔法使い「大丈夫です……それより男さん」
男「ん?なに?」
魔法使い「キノコはアタシが集めておきますから……今すぐ男母さんにこれを飲ませてあげてください」スッ
57 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 21:48:05 ID:SfdFVojM
男「これ……」
魔法使い「アタシ、薬作るのだけは得意ですから……それを飲めばすぐ治るはずです」
男「でも、キノコまで任せるのは……」
魔法使い「大丈夫です、ずっと男さんのお手伝いさせてもらって、手順とかはわかりますから」
男「そうじゃなくて……」
魔法使い「男さん、アタシも、男母さんには早くよくなってほしいんです」
男「魔法使いちゃん……」
58 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 21:52:38 ID:aUN5iyo.
男「……わかった、お願いするよ」
魔法使い「はい」
男「ただ、とったキノコは俺がとりにくるから。ただでさえ寝不足なのに街まで届けるのまで任せられない」
魔法使い「はい、わかりました」
男「……寝不足なのも、この薬を作ってたからなんだね」
魔法使い「……はい」
男「ありがとう」ナデナデ
魔法使い「あ……」
男「ありがとう、魔法使いちゃん」ナデナデ
魔法使い「えへへ……」
59 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 21:54:16 ID:aUN5iyo.
魔法使い「撫でてもらっちゃった……」
魔法使い「えへへ……」ニヨニヨ
魔法使い「あ、キノコとらなくちゃ……」
魔法使い「眠いけど、がんばらなくちゃ……」
60 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 21:56:11 ID:aUN5iyo.
魔法使い「ふう……」
魔法使い「うん、これくらいあれば充分なはず……」
魔法使い「あ……」クラ
魔法使い「だめだ……眠い……」ウトウト
魔法使い「ん……」
魔法使い「すー……すー……」
61 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 21:57:49 ID:aUN5iyo.
魔法使い「ん、んん……」
魔法使い「ん……?」パチ
男「あ、目さめた?」
魔法使い「男さん……?えっ!?」
62 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 21:59:57 ID:aUN5iyo.
男「いや、戻ってきたら魔法使いちゃん寝ててさ」
男「魔法使いちゃんの家に運ぼうと思ったんだけど、場所知らなくて、テキトーに探してたんだ」
魔法使い(お、お姫さまだっこ……!)カアアー!
64 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:03:18 ID:VBnQKn1E
男「疲れてるでしょ?そのままでいいよ」
魔法使い「は、は、はい……」
男「家の方向教えてくれるかな?」
魔法使い「あ、えーと……」
魔法使い「…………」
魔法使い「あっちです……」
男「あっちね」スタスタ
65 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:05:35 ID:VBnQKn1E
魔法使い「あ……ちょっと間違ったかもです……引き返してください……」
男「ん、わかった」スタスタ
魔法使い(ごめんなさい男さん……もうちょっとだけお姫さまだっこしててほしいんです……)
66 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:07:02 ID:VBnQKn1E
男「よし、着いたね」
魔法使い(着いちゃった……)
男「じゃ、また明日」
魔法使い「あ!待ってください!」
67 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:09:15 ID:VBnQKn1E
男「ん?どうしたの?」
魔法使い「その……夜の森は危険です……迷ったりとか……」
魔法使い「だ、だから……その……」
魔法使い「今日は……アタシの家に泊まっていってください……」
68 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:11:24 ID:VBnQKn1E
男「よいしょ」ゴソゴソ
魔法使い「すみません、お客さまなのにベッドアタシが使っちゃって……」
男「いや、大丈夫だよ」
魔法使い「はい……」
69 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:13:42 ID:VBnQKn1E
男「それに、むしろ俺は魔法使いちゃんにお礼を言わなきゃね」
魔法使い「え?」
男「あの薬、すごいよく効いたよ。さすがに全快ではないけど、母ちゃん熱下がったしだいぶ楽そうにしてた」
魔法使い「そうですか……よかった」
70 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:17:18 ID:T58Dmfa2
男「ほんとは明日ケーキ持ってきて、言おうと思ったんだけどね。ほんとにありがとう」
魔法使い「いえ……たいしたことじゃないです」
男「ううん、お礼になんでもしてあげたいくらいだよ」
魔法使い「……なんでも……ですか……?」
男「ん?うん。俺にできることなら」
魔法使い「それなら……男さん……」
魔法使い「アタシの話を……聞いてもらえませんか?」
71 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:18:41 ID:eHEI8emw
男「話?」
魔法使い「とっても、大事なお話です」
男「ん、聞くよ、真剣に」
魔法使い「はい……」
72 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:21:14 ID:IxUMs9og
魔法使い「すー……はー……」
男「…………」
魔法使い「ふう……」
男「…………」
魔法使い「……男さん」
男「うん」
魔法使い「アタシは……男さんのことが好きです」
73 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:24:18 ID:5rD3Bze.
男「え……」
魔法使い「男さんにとっては、アタシは妹みたいなのかもしれませんけど……恋愛対象じゃないのかもしれないですけど……」
魔法使い「アタシは……男さんのことが大好きなんです……」
男「…………」
魔法使い「だから……アタシとお付き合いしてください」
74 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:26:56 ID:7uiEJrTc
男「…………」
魔法使い「…………」
男「……魔法使いちゃんは、とってもいい子だと思うよ」
魔法使い「…………」
男「それに、すごくかわいくて、魅力的だと思う」
魔法使い「…………」
75 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:28:36 ID:7uiEJrTc
男「でも、俺にとってはやっぱり妹みたいな存在で……」
男「女の子として好きだとは……思わないんだ」
魔法使い「…………!!」
76 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:32:15 ID:wlwQJpqA
魔法使い「う……」
魔法使い「う、うう……」ポロポロ
男「違うんだ、最後まで聞いて」
魔法使い「ひっく……は、はい……」ポロポロ
男「だから、魔法使いちゃんがこのまま、素敵な女の子のまま成長して、そして、その時もまだ、俺のことを好きでいてくれたなら……」
魔法使い「…………」ポロポロ
男「もう一度、俺にさっきの言葉を、聞かせてほしいんだ」
魔法使い「…………!!」
77 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:37:19 ID:AlRej4j.
男「ごめん、こんな中途半端な答えで……」
魔法使い「うっ、ひっく……」ポロポロ
魔法使い「いえ……ひっく……だ、大丈夫です……」
男「……そっか……」
魔法使い「あ、アタシ……がんばりますから……」
男「え?」
魔法使い「むしろ……男さんが我慢できなくて告白してくるくらい……素敵な女の子になりますから……」
男「……そうだね」
男(こんな素敵な女の子なら……将来惚れそうだ……)
78 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:39:42 ID:AlRej4j.
魔法使い「あの……男さん」
男「なに?」
魔法使い「もう1つ、お願いしていいですか?」
男「ん、いいよ」
魔法使い「目、つぶってください……」
男「ん?いいけど……」スッ
チュッ
79 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:42:37 ID:AlRej4j.
男「あ……」
魔法使い「えへへ……」
魔法使い「まだ恋人同士ではないですから……ほっぺです」
男「…………」
魔法使い「ひょっとして……ドキドキしちゃいました?」
男「……からかうんじゃありません」ワシャワシャ
魔法使い「きゃーっ、ふふふっ」
男「ふふ……」
80 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:45:53 ID:5rD3Bze.
10年後
赤ん坊「ぎゃああん!」
母「あっ!大丈夫!?ほら、よしよし……」
父「どうした?」
母「やけどしたみたい……冷やすけど、跡残っちゃうかな……」
父「それなら、森の薬屋に行ってみるか」
母「森の薬屋?」
81 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:48:30 ID:5rD3Bze.
父「隣から聞いたんだが、森の中に夫婦でやってる薬屋があってな、とてもいい薬をくれるらしい」
母「じゃあお願い。この子女の子だから跡残っちゃかわいそうよ」
父「ああ、隣に場所聞いて行ってくる」ガチャ
82 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:51:09 ID:ma3yex9g
父「ここだな」ガチャ
父「すみませーん」
魔法使い「はい、どうしました?」
父「子どもがやけどしてしまって。やけどの薬をもらえますか?」
魔法使い「やけどのお薬ですね、たしか奥の棚に……あなた、お願いできる?」
男「ああ、わかった」
83 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:53:16 ID:Gnfzw2Gk
魔法使い男の娘疑惑が解消できてよかった………
支援。
84 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:55:32 ID:F8qSTC/s
男「これだろ?」
魔法使い「はい、ありがとうございます」
父「すまないね、いくらになる?」
魔法使い「いえ、お代はいただきませんよ」
父「え!?しかし」
魔法使い「わたし達はこの森にあるもので暮らしていけますし……夫も働いていますから」
父「んん……そうか、ありがとう」
魔法使い「いいえ、お子さん、早く治るといいですね」
父「ああ、ありがとう」
85 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 22:58:12 ID:1Du4DD4o
父「本当にありがとう。今度なにかお礼をしよう、それでは」ガチャ
バタン
魔法使い「ふふ」
男「どうした?」
魔法使い「わたし達も、もう少しであんなふうに、お父さんとお母さんになるんですね」
男「だな。あと半年か」
魔法使い「はい」
86 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 23:02:25 ID:IhbwAamw
男「母ちゃんにも、孫の顔を見せにいかなきゃな」
魔法使い「お義兄さんも、今はお義母さんの家にいますから、甥か姪かわかりませんけど、見せられますね」
男「だな、喜ぶ顔が目に浮かぶよ」
魔法使い「そうですね……ふふ」
男「ん?」
魔法使い「大好きですよ、あなた♪」
おわり
87 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 23:03:00 ID:IhbwAamw
読んでくれた人ありがとう
88 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 23:06:19 ID:XjMzoiwc
乙カレー
89 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 23:07:21 ID:Gnfzw2Gk
乙。
もうちょっとロリ時代のかわいい魔法使いちゃんがみたかったぜ!
91 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/16(金) 23:29:31 ID:K2Ik1Vrk
乙!純愛キュンキュンスレをありがとう!
92 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/03/17(土) 10:09:04 ID:aUp1Y6QA
乙!
ちょっと森できのこ探してくる
Entry ⇒ 2012.03.19 | Category ⇒ その他 | Comments (0) | Trackbacks (0)
さやか「やっほー恭介。告白しにきたよ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331636694/
さやか「ちっ、仕方ないからお見舞いに来たことにする」
恭介「最初からそうしてくれ」
ほむら「・・・・・・美樹さやかがヘタレじゃない、ですって」
まどか「ほむらちゃん、さやかちゃんに失礼だよ」
恭介「もう少しヘタレてくれてもいいんだけどね。いらっしゃい、鹿目さんと・・・」
ほむら「暁美ほむらよ」
ほむら「はじめまして。上条恭介君」
さやか「ほむらっ、NTR気かっ」
ほむら「いらないわよ」
恭介「そもそもさやかと僕はただの幼馴染だろう」
さやか「私の裸見たくせにっ」
恭介「小学校の頃の話だろっ」
さやか「もうお嫁にいけな~い」
ほむら「責任取りなさいよ」ポン
恭介「嫌だよ。そもそもさやかが僕の入浴中に突撃してきたんだ」
さやか「ちゃんとお義父さんとお義母さんの許可取ったよ?」
恭介「さりげなくお義父さんとか言うなよ!」
さやか「帰れってさ。ほむら」
ほむら「帰ってもいいけど、貴方も連れ帰るわよ」
まどか「ごめんね上条君」
恭介「こちらこそ、さやかが迷惑かけてゴメンね」
さやか「まるで私が厄介者みたいじゃないか」
ほむら「自覚しなさいよ。ほら、帰るわよ」
ズルズル
さやか「ああっ、引きづらないで制服が汚れる~」
さやか「また明日くるからねー」
まどか「さやかちゃん、病院で大声出しちゃダメだよ」
恭介「さやかも僕なんかじゃなくて、もっといい男を好きになればいいのに」
恭介「顔もスタイルも良いし、あのうるさい性格も好きな人は好きだろうしさ」
恭介「もったいないよ」
いいぞ
まどか「その超ポジティブ思考、少しだけ羨ましいよ」
ほむら「こういうのはただの馬鹿って言うのよ」
さやか「うひひひひひひ、この間の小テスト私の方が点数高かった」
ほむら(たまに無駄にいい点数取るのよね、こいつ)イラ
QB「話は聞かせてもらった。その恋は成就するっ!!」
ほむら「出たな、淫獣っ!!!」
QB「魔法少女になれば、代わりになんでも1つだけ願い事が叶えられる」
QB「上条恭介の恋人になりたいと願えばいいのさ」
QB「だから、僕と契約して魔法少女になってよ!!」
さやか「だが断る!!」
QB「なんとっ」
QB「簡単に達成できる手段が目の前にあるのに、訳がわからないよ」
まどか「女の子の気持ちが分からない男の子はモテないよ」
QB「感情がないから分からないよ」
ほむら「とにかく交渉は破談。諦めなさい」
QB「では、鹿目まどか。僕と契約して魔法少女になってよ」
まどか「新世界の神になりたい」
QB「なれるよっ。交渉成立だね」
まどか「やっぱりやめた。胡散臭い。面倒くさそう」
ほむら「二人には魔法少女の秘密を全部教えたから交渉するだけ時間の無駄よ」
QB「余計なことを・・・」
恭介「スヤスヤ」
ゴソゴソ
恭介「Zzzzzzzz」
モゾモゾ
恭介「う、さむっ・・・・・・・・・布団の中に誰かいる!!」
さやか「猫かと思った? 残念、看護婦さんでしたっ!!」
恭介「なにやってるんだよっ」
さやか「昨日言ったじゃん。また明日くるからねーって」
恭介「午前1時に来るな!」
恭介「帰れっ」
さやか「看護婦プレイ嫌い? 制服の方がもえる?」
恭介「そういう問題じゃない。まったく、看護服なんてどこで入手してきたんだか」
さやか「メタル●アソリッドとか得意。現地調達!!」
恭介「ナースコール押していいですか?」
さやか「看護婦さんならここにいるじゃない。ご用事は、下のお・世・話?」
恭介「ズボンを下ろすなっ」
さやか「まーまー、恭介はじっとしてて。全部私がやってあげるからぁ」シナッ
恭介「やらんでいいっ」
さやか「大丈夫。天井のシミを数えている間に終わるから!」
恭介「シミ一つ無い綺麗な天井ですね!」
さやか「ちっ、アラートか。今日のところは引いておこう」
さやか「恭介の童貞は、魔法処女さやかちゃんがいただいちゃいますからねー」
恭介「ど、どどどど童貞ちゃうわ」
さやか「では、さらばっ」
恭介「ああ、窓から逃げていったよ。やれやれ、さやかにも困ったものだ」
恭介「僕は童貞じゃないんだけどなぁ」
看護婦「上条さん、こんな深夜になんで騒・・・・きゃーーーーーーーーー」
恭介「そういえば、衣服が乱れたままだった」
まどか「どうしたの。昨日夜更かしでもしたのかな?」
さやか「うん、ちょっと潜入作戦やってたら寝るのが午前3時になっちゃってさぁ」
ほむら「何をしていたのか聞かないでおくわ」
早乙女「こら、そこの3人。授業中に喋るんじゃありません」
さやか「あ、先生。ナース服いる?」
早乙女「いただきましょう」
さやか「もちろん」
ほむら「忠告しておくわ。クラシックのCDを持っていくのは止めなさい」
さやか「そんな神経を逆撫でするようなもの持っていかないよ」
ほむら「貴方にまともな意見を返されるとイラっとするわね」
まどか「ほむらちゃん、言いすぎだよ」
さやか「私はいつでもマトモだっての」
恭介「さやかかい?」
さやか「正解。さやかちゃんだよ」
恭介「今日は一人なんだね」
さやか「うん、二人で遊びに行くんだって。私だけじゃご不満?」
恭介「止めてくれる人がいないって意味で不満かな」
恭介「誰のせいだと思っているのかな?」
さやか「お見舞いの品持ってきたよ。はい」
恭介「箱? 開けていいのかい」
さやか「もっちろん」
恭介「なんでTENGAなんだよ!!」
さやか「媚薬もローションもあるんだよ」
恭介「いらん!」
さやか「溜まってるだろうなと思って」
恭介「余計なお世話だよ!」
さやか「下のお世話しましょうか?」
恭介「いりません!」
恭介「なにがだよ!」
さやか「ナニがだよ」
恭介「ちげーよ」
さやか「こんなに積極的な美少女さやかちゃんに手を出さないし、部屋でエロ本を見つけたこともない」
さやか「そんなの絶対おかしいよ」
恭介「君が言ってることがおかしいよ」
さやか「一緒に治療していこうね」
恭介「君の頭をね!」
恭介「如何わしい画像なんて入ってないからな」
さやか「分かった。じゃあ入れてあげるから貸して」
恭介「うっかり画像をネット上に流してしまうかもね」
さやか「やだ、私の恥ずかしい写真が・・・恭介のドエス。虐められるのも好きだよ。来て」
恭介「よし、放置プレイといこう」
さやか「横でオナニーすればいいんだね。恥ずかしい・・・」
恭介「はぁ・・・すごく疲れた。やっと帰ってくれたよ」
恭介「なんで僕なんだろう。他にも男はたくさんいるのに」
コンコン
恭介「忘れ物かい。さやか」
ほむら「私よ」
恭介「暁美さん? お見舞いに来てくれたんだ。ありがとう」
ほむら「貴方に聞きたいことがある」
ほむら「耳が腐るから止めて」
ほむら「美樹さやかに影響されはじめているわよ」
恭介「ああ、ごめん。それで聞きたいことって?」
ほむら「貴方の好きな人って志筑仁美?」
恭介「どうしてそう思うの?」
ほむら「・・・・・・統計よ」
恭介「そして、おそらく報われない片思い」
ほむら「それは・・・辛いわね」
恭介「それでもいいさ。この恋は僕の中でそのまま枯れていく恋だ」
恭介「最初からわかっていた」
でも片思いってのがよく分からんな
恭介「それはさやかに失礼だ。大切な幼馴染だからこそ、そんなことはしたくない」
ほむら「面倒くさいヤツ」
恭介「僕はやっかいな人間なのさ」
ほむら「それで、相手は誰? 早乙女先生?」
恭介「簡単に報われない恋だって言ってるじゃないか」
ほむら「教えてよ。まどかには教えたんでしょ」
恭介「教えたというより、バレてしまったと言ったほうが正しいね」
恭介「鹿目さんには弁解したよ。この恋は胸に秘めたままにしておく。迷惑はかけないって」
恭介「それでも、軽蔑されるだろうと思っていた」
恭介「彼女は優しいね。ああして以前と同じように付き合ってくれている」
ほむら「秘密は守るわ。絶対に口外しない」
恭介「君は不思議な人だね。同い年とは思えない貫禄と説得力がある」
恭介「信用するよ。そうさ、僕は」
恭介「僕はホモだ」
ほむら「え?」
恭介「ん?」
ほむら「え、まどかのママじゃなくて」
恭介「違うよ。僕はまどかのお父さんが好きなんだ」
恭介「彼はノンケだ。手を出す気も近づく気もない」
恭介「鹿目さんに家族写真を貰えないかと頼んだのがきっかけでバレてしまったんだ」
ほむら「」
ほむら「一緒にしないで汚らわしい」
恭介「本当に?」
ほむら「男は嫌いだけど、女が好きってわけじゃないわ」
ほむら「変なこと聞いて悪かったわね。失礼させてもらうわ」
恭介「うん、バイバイ」
ほむら「さようなら」
さやか「了解。ほむらはもうそこにいるの?」
ほむら「いるわ。待ってるから早く来なさい。今どこにいるの?」
さやか「いま? 今ねー」
さやか「貴方の後ろにいるのぉ~」
ほむら「ビクッ」
さやか「ずっといたよ。私が恭介とふたりっきりの状態で放置しておくわけないじゃん」
ほむら「ストーカー」ボソ
さやか「浮気調査だよ」キリ
ほむら「ということは、私たちの話を聞いて」
QB「話は聞かせてもらった。その恋は成就するっ!!」
ほむら「淫獣っ!!!」
QB「上条恭介をノンケにしてくれと願えばいいのさ」
QB「だから、僕と契約して魔法少女になってよ!!」
さやか「だが断る!!」
QB「なんとっ」
ほむら(なんだか見覚えがある光景ね。何周前のループだったかしら)
QB「相手がホモじゃ不可能でしょっ。訳がわからないよ!」
ほむら「さやかが平常運行だ。意外と応えていないようね」
さやか「いや、だって、恭介がホモだって知ってたし」
ほむら「え?」
QB「え?」
まどか「え?」
QB「全然気が付かなかった」
まどか「グスン。さやかちゃんと一緒にいたのに」
さやか「まどかは影が薄いなぁ。あっはっは」
さやか「知ってる訳ないよね。小学校6年生の頃、バイオリンの稽古の帰りにね」
さやか「いつもの道が工事中だったから、よく遊んでいる公園を横切って行こうとしたんだ」
ほむら「青いツナギを着たおっさんが出てくるじゃないでしょうね」
さやか「あたしの話には出てこないよ」
さやか「恭介みたいなショタが現れれば、当然誘ってくるおっさんが現れる」
さやか「危うくレイ●されそうなところを、若い兄ちゃんに助けられた」
さやか「危険な場所では恋に落ちやすいって言うし、危ないところを助けてくれた白馬の王子様に見えたんだろうね」
さやか「恭介はさっていこうとするその人を呼び止め」
ほむら「胸焼けしてきた」
QB「公共の場でする話じゃないね」
まどか「さやかちゃん。早く続き」
まどか「そこんとこkwsk」
ほむら「まどか、落ち着きなさい」
さやか「えーと、まず兄ちゃんが恭介の」
ほむら「黙れさやばか」
さやか「あいつは童貞だよ」
まどか「アーッしたのに?」
QB「何人かこっち見てる」
さやか「ええとね、ほむら」
ほむら「なによウブッ」
ズキュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン
QB「キスした。さやかがほむらにキスをした」
まどか「流石さやかちゃん。私に出来ないことを平然とやってのける。後で体育館裏来い。舌入ってるよね」
さやか「痛っ。ブッた。二度もぶった。お爺ちゃんにもぶたれたことないのに」
ほむら「あんたがあんなことするからでしょ」
ほむら「っノーカンよノーカン//////////女同士だから今のはカウントしない////」
さやか「うん、それだよ」
ほむら「は?」
さやか「男同士だからノーカンだよ。恭介は童貞」
QB「いや、その理屈はおかしい」
まどか「くそっ、携帯電話ってなんでこんなに動きが遅いの」
QB「そういうことかな」
さやか「全然違うよ。まどパパはノンケだよ」
まどか「勝手に人の父親をホモにしないでくれるかな。叩き潰すよ淫獣?」
ほむら(こんなの私のまどかじゃない)ブルブル
さやか「ただそれだけのお話さ」
まどか「ウェヒヒヒヒ、パパはカッコイイからね。若い頃からモテてたらしいよ」
ほむら「男にも惚れられていたのかしら」
さやか「恭介自身から聞いたと思うけど、手を出す気は無いよ。まどか、安心していいからね」
まどか「返り討ち、そして・・・・・・え、なに?」
ほむら(ループしようかな)
気持ちは分かる
さやか「超✩絶★美少女✩さやかちゃんの魅力で恭介に女の良さを叩き込んでやればいいんだよ」
さやか「そして、いつの日か恭介を・・・・・・・バイに矯正してみせる」
ほむら(矯正?)
QB(バイでいいのか)
まどか「さやかちゃん・・・・・・私、応援するよ」
さやか「ありがと、まどか」
さやか「さて、話も終わったし、恭介のお見舞いに行くとしますか」
恭介「帰れ」
さやか「恭介の胸の中にだね。ダーイブ」
恭介「ちっがーう。ええい、柔らかい脂肪のかたまりが脚の間に」
おしまい
面白かった
でも続きを書いてくれるならそれはとっても嬉しいなってチラッチラッ
いやー、何人かに当てられちゃいましたね。知久
蛇足の確率が高い日常風景をだらだら書きます
暇な人は付き合って
さやか「恭介、お見舞いに来たよ。無事に退院できたら結婚しよう」
恭介「ごめんなさい。他に好きな人がいるから無理です」
さやか「じゃあ、愛人1号でいいよ」
恭介「お断りします。そんな甲斐性はありません」
さやか「やっぱりあれか。貧乳好きか。ほむらみたいなのが好きなのか」
ほむら「判断に困る返事ね」
まどか「ティヒヒ、上条君こんにちわー」
恭介「二人とも来ていたのか」
まどか「はい、これお見舞いの品」
『男の友情。そして、サイトウは――――
筋肉刑事(マッスルデカ)最新作』
恭介「さやかは僕を虐めているのかい?」
さやか「え、あたし!?」
ほむら(しっかり棚に仕舞ったわね)
まどか「ティヒヒ」
まどか「私の好きな小説を読んでもらいたいなって思ったの」
恭介「そんなこと言われたら断れないな。では、読ませてもらおう」
ほむら「鼻息荒いし。隠す気あるのかしら、このホモ野郎」
さやか「こら、ほむら。マイノリティを馬鹿にするようなこと言ったら、どこかの団体に凶弾されちゃうよ」
まどか「ティヒヒ、人の価値観を理解しようとする姿勢が人間には必要だと思うんだ」
さやか「そういえば、ほむらがレズだって噂が立ってるね」
ほむら「なんでよ!」
ほむら「人付き合いが下手なだけなのに」
まどか「まずは下駄箱のラブレターをそのまま教室のゴミ箱に捨てるの止めようね」
恭介「ふぅ、これは興奮する展開だぜ」
まどか「序盤の山場? ああ、山じゃなくてぬ」ほむら「黙りなさい」
さやか「なんかこのままいてもお邪魔なだけのようだし、帰ろっか」
ほむら「ん?」
さやか「どうかした?」
ほむら「いえ、なんでもないわ」
まどか「ウェヒヒ、大丈夫。さやかちゃんが目指してるのは上条君のバイ化でしょ」
まどか「女の子の魅力とは競合しないって」
さやか「じゃあいいか」
ほむら「いいんだ」
さやか「明日はマミさんを連れて行こうかな。NTRるのが怖くて今まで呼ばなかったけど」
ほむら「ついでに杏子も連れて行ったら?」
さやか「そうだね、色々やってみようかな。現状のままじゃ進展が望めないもんね」
ほむら「マミはともかく、杏子にはなにか餌を与えたほうがいいでしょうね。ただじゃ着いていかないわよ」
さやか「うーん、何をあげたらいいだろう」
まどか「さやパンでいいんじゃない?」
さやか「パン? まあ、それなら保存も聞くし冷めても食べれるから悪くはないかな」
ほむら「情報の伝達に齟齬が発生しているが、訂正しない」
まどか「さやかちゃん、それわざと?」
さやか「?」
一癖あるこの世界で一体どんなマミさんなのか
恭介「朝起きたら、さやかが隣で寝ていた。おい、こら、起きろ」
さやか「う、うにゃ。恭介おはよー、昨晩はお楽しみでしたね」
恭介「楽しんでねぇよ(寝る前には楽しんだけど。筋肉刑事)」
恭介「出て行け」
さやか「やんっ、さむぅい」
恭介「はい、説明」
さやか「幼馴染を起こしに来たけど、簡単には起きませんでした。寒いので仕方なしに布団に潜り込んだらうっかり寝ちゃったというよくあるシチュエーションですよ」
恭介「ねぇよ」
恭介「いらねぇよ」
さやか「今ならまだ暖かいよ」
恭介「興味無いね」
さやか「そっか残念」
恭介「残念なのはさやかの頭だと思うんだ」
さやか「どうせ私は頭よくないですよ」
恭介「良いとか悪いとかの問題じゃないんだけどな」
さやか「今日は創立記念日で休みだよ」
恭介「嘘つけ」
さやか「体調が悪いので欠席します」
恭介「むしろツヤツヤして見えるけどね」
さやか「きょうすけぇ、あたしにお注射してぇ」
恭介「今、看護婦さん呼ぶよ」
仁美「朝からお盛んですねぇ」
さやか「はぁ、あたしって魅力ないのかなぁ」
まどか「違うよぉ。無いのはチ」ほむら「言わせないわ」ファサ
仁美「上条君ですか?」
仁美「魅力的な方ですわ。けれど、勝算の薄い戦いはしない主義ですの」
ほむら「美樹さやかが猛烈アタックをかけてるものね」
仁美「だって、ガチホモですし」
ほむら「マドカァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
ほむら「じゃあ誰なのよ」
仁美「上条君の処女と童貞をいただいたのはうちの執事なんですの」
ほむら「お前が元凶かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
仁美「私じゃなくてうちの執事ですわ。犯罪を犯したわけではなし、彼らのプライベートにまで口出しできるわけないでしょう」
仁美「だから私は悪くない!」
ほむら「ああ、まともだと思ってた人がそんなにまともじゃなかった」
仁美「彼から上条君の話題が出た時には驚きましたわ」
ほむら「最低の団欒ね。オエッ」
仁美「そうそう、彼がさやかさんにローションのお礼を言いたがっていたのですがどうしましょう」
>>65参照
ほむら「そっと胸にしまっておきなさい」
ほむら「なんでもないわ」
仁美「さやかさん、うちの執事から伝言です。ありがとう」
さやか「さやかちゃんなにかしたっけ。どういたしましてー、あははー」
ほむら「美樹さやか。貴方はどこまで愚かなの」ホロリ
さやか「それじゃお見舞いに行きまっしょう」
まどか「マミさんと杏子ちゃんも来るの?」
さやか「二人ともオッケーだって。まずはマミさんを呼びに行くよ」
三年廊下
さやか「すみません、先輩。私、美樹さやかと申しますが、番長呼んでいただけますか」
三年「え、あ、はい。こちらへどうぞ」
まどか「うぇひひ。ありがとうございまーす」
ほむら「・・・・・・・・人間椅子。なにこれ」
椅子男子「自分っ、望んでやっていますっから」ハァハァ
ほむら「この時間軸の巴マミに会うのは、そういえば初めてだったわね」
マミ「そちらの無乳は美樹さんのお友達?」
ほむら「よし分かった。その喧嘩買った」
アノムニュウ、シヌゼ
ザワザワ
マミ「この私に喧嘩を売る生徒がまだ居たなんてね」
マミ「魔法少女に喧嘩を売ったその愚かさ。床にキスしながら後悔なさい」ヘンシン
ほむら「なっ、まさか。魔法少女の力を使って番長の座にのし上がったの。なんてことを」ヘンシン
ほむら「時間停止」
ほむら「調子に乗ったバカ乳にはお仕置きが必要ね」
ほむら「両足を手錠でつないで、顔に落書き、召喚した武器は取り上げてその辺に捨てる」
ほむら「そして時は動き出す」カチッ
まどか「マミさんがすっ転んだー」
マミ「くっ」落書きだらけの顔披露
アーハハハハハハハハハハハハwwwww
なんだあれwwwwwwwwwwwwwwwwww
ちょっwww逆立ち先輩笑いすぎっすよwwwww
いや、あれはねぇよwwwwwwwwwwマwwwwミwwwwwwさwwwwwwwん
ほむら「無様ね、巴マミ。勝負はついたわ」
マミ「そんなっ。そんなバカなーーーーーー!!」
さやか「ここまでコケにされたら、もう番長として君臨することは不可能だろうね」
さやか「やるじゃない、ほむら。いや、番長」
ほむら「え?」
ほむら「まどかまで。止めてよ」
さやか「番長に勝ったものが次の番長になり、法を作る。この学校の伝統だよ」
ほむら「この学校って歴史超浅かったわよね?」
マミ「革命されたあああああああああああ。今まで築いてきたものを一気にひっくり返されたアアアアアアアア」
ほむら「いや、私は番長なんて」
マミ「胸の大きさ=権威のカースト制度が逆転するーーーー」
マミ「最下層に落とされるなんてイヤーーーーーーーーー」
ほむら「やっぱ番長でいいわ」イラ
ほむほむは貧乳の英雄だな
まどか「ほら、マミも泣きやんでよ」
さやか「トイレまで肩貸してあげるから。顔洗おう。ね、マミ」
ほむら「私、悪くないよね?」
仁美「ほむらさんは悪くないですわ。むしろ、絶対正義ですわよ」
ほむら「なんだか色々引っかかるけど、まぁいいわ」
さやか「マミ、呼び出してくれる?」
マミ「はい」
杏子「その必要はねぇよ」
ほむら「校門前で待っててくれたのね」
杏子「どうせ暇だしな。それに、報酬も悪くねぇ」
さやか「はいはい。どうぞ」
杏子「なんだこれ。クロワッサン?」
さやか「約束のさやパンだよ」
杏子「はぁ?」
杏子「何がパンだよ。パンツ寄越せよオラァァァ」
杏子「どーせ」
仁美「落ち着きなさい」ハラパン
杏子「うぼふぅ」ドサ
さやか「はい、どうしました。まどかさん」
まどか「萎びた無駄巨乳とこの白目剥いて泡吹いてるレズビアンを連れて行っても、女の子の魅力は伝わらないんじゃないかな」
さやか「はい、私もそう思うです」
ほむら「さやか、普通に喋りなさいよ」
さやか「ほむら様とまどかさんは(杏子とマミの)後片付けで忙しくて、とても一緒に来る余裕はないからって」
恭介「まあいいさ。さやかと二人っきりだと落ち着くしね」
恭介「あっ、いや、気を置けない関係というか気を使わなくていいと言いますか」
さやか「恭介の告白、キターーーーーー(゚∀゚)ーーーーーーーー!」ルパーンダイブ
恭介「いやーーーーーーーー、犯されるーーーーーーーーー不幸だーーーーーーーーーー!!」
看護婦「また上条のところか!!!」
おわり
いや、それなりには楽しめたよ。
また新作出来たらスレ立ててくれよな。
このあとマミさんがどうなったか教えてくれw
マミさん?
一部の男とまどか達以外みんな去っていって、人間関係が少し寂しくなりました
番長の睨みが聞いているのでいじめはない
まどか達に度々家に上がられ、紅茶とケーキをせびられる
そうかぁ、もっと惨めになるのかと思った、乙乙
あいよー。なんか思いついて上手く筆が乗ったらお付き合いください
>>304
本編での扱いと大差な・・・・・・こんな時間に誰だろう
いいおわり方だww
乙でしたー
Entry ⇒ 2012.03.19 | Category ⇒ まどかマギカSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
京子「それ私のラムレーズン!」 結衣「いや買ったの私だし」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331818326/
京子「うぃーっす」
結衣「私はキッチンの片づけしてるから」
京子「よろしくー」
京子「(……いやまてよ)」
京子「(私の読みによると冷凍庫にラムレーズンがあるはず)」
京子「(食べたい! 今すぐ食べたい! よし!)」
京子「結衣ー、ラ……」
結衣「え?」
京子「(いやいや待てよ)」
京子「(お風呂上りに食べたほうが火照った体に染みておいしいかも!)」
結衣「どうかした?」
京子「い、いやー。お風呂上りの結衣ってばいろっぽいなぁーなんて」
結衣「はぁ?」
京子「じゃあその、お風呂はいってくるぜー!」
京子「むふふ、結衣が浸かった後のお湯かー」
京子「ペットボトルに入れて持っていったら1リットル1万円くらいで売れないかな、ちなつちゃんに」
京子「ふいー……」
京子「むむ、ダメだー早くラムレーズン食べたい」
京子「お風呂も捨てがたいけどーそろそろあがるか!」ザバー
京子「……ってしまった! 慌ててたからパジャマこっちに持ってきてないじゃん!」
京子「おぉう……着てた服も回収されて洗濯中とな」
京子「……」
京子「タオルで何とかするしかないのか……」
京子「一枚腰に巻いて、もう一枚胸に……うおぉ、これはキワドイ……むしろ裸よりアレだなぁ」
京子「まあいっか、相手は結衣だし!」
結衣「おー……ってなんだそのカッコ」
京子「いやーパジャマとか一式こっちに置きっぱなしにしちゃってさー」
結衣「お前なぁ、呼べば持っていってやったのに」
京子「おぉ、その手があったか」
結衣「はぁ……」パクパク
京子「……」
結衣「ん?」
京子「結衣、それ何食べてるの?」
結衣「え? ラムレーズn」
京子「それ私のラムレーズン!」
結衣「いや買ったの私だし!」
結衣「いやだから、ちゃんと半分残してあるって。なんか食べたくなっちゃってさ」
京子「かーえーせー!」
結衣「もう1回言うけど買ったの私だからな!」
京子「半分なんて……そんなんじゃダメなんだよ……」
京子「そんなのボールが3つしか集まってないのと同じなんだよ……願いは叶わないんだよ……」
結衣「いやそこまで落ち込まなくてもいいだろ」
京子「だってー……」
結衣「あーもう、じゃあ今からもう1個買ってくるから! それでいいだろ!」
結衣「仕方ないから……ちょっと待っててくれ」
京子「一緒に行く! さっすが結衣様」ギュウッ
結衣「あーもう、お風呂上りで暑いんだからくっつくなって」
京子「へへー」ベタベタ
結衣「っ! と、とりあえず服着ろって」
京子「お? 結衣ってば何赤くなってんのー? ふふん、湯上り京子ちゃんの色気に魅せられてしまったか」
結衣「いや、違っ、あーもう離れろ! 服着ろ!」
京子「(ラムレーズンは食べたいけど、もうちょっとからかってみるか)」
京子「結衣ぃー、なんなら食べた分その体で払ってくれてもいいんですぜ?」スリスリ
結衣「お、お前な! いいかげんにしないと無理矢理にでも引き剥がすぞ!」
京子「もー結衣ってば照れちゃってー」
結衣「は、な、れ、ろ!」グイッ
京子「うわわ、危なっ、」
結衣「わぁっ!?」
ガシャン
ガツンッ!
結衣「いっ!?」
京子「たぁ~っ!?」
結衣「ず、頭突きじゃねぇ……こっちは鼻打ったぞ……」
京子「うぐぐ、倒れた時後頭部も打った」
結衣「え、大丈夫か!?」
京子「えっ」ドキッ
京子「う、うん大丈夫大丈夫」
結衣「そうか、よかった」
京子「(くっ、瞬間的に私を心配するモードに切り替えてくるとは)」
京子「(あの結衣の真剣な顔って結構ドキッとするんだよなー)」
京子「(昔から、私を守るって言ってくれたときの表情だからかな……)」
京子「だ、大丈夫鼻血とか出てないって」
結衣「いやそれはわかるんだけど……」
京子「よし! 気持ちを切り替えてラムレーズン買いに行こう!」
結衣「お前はその前に服な」パクパク
京子「ってあぁー! また残りのラムレーズンをっ!?」
結衣「いいだろもう一個買うって言ってるんだから」
京子「それはそれ! これはこれ!」
結衣「お前な」
京子「よこせー」ガバッ
結衣「ちょっ、また危ないから!」
京子「……えへへ」
結衣「なんだよ」
京子「まあ、さっきの顔に免じて今の一口は許してやろう」
結衣「はぁ……?」
京子「えー結衣なら私の体重くらい片足で受け止められるっしょ」
結衣「無茶なこというな」
京子「とにかくラムレーズン~」
結衣「……はいはい。ほら、あーん」
京子「……え?」
結衣「……」
京子「あ、あーん」
京子「(おぉう……なんだこの構図)」
京子「(後ろから抱きついた状態で肩越しにあーん、とか結衣め器用なことを……)」
京子「(……なんだこの気恥ずかしさ! 結衣のくせに……///)」
京子「お、おぅ///」
京子「(くっ、まずい! どちらかというと結衣にペースを握られている…!)」
京子「(大体こっちは半裸で抱きついてるっていうのに平然としてきてるし……もう慣れられたか?)」
京子「うぅー!」グシグシ
結衣「ちょっ、髪に顔埋めるの止めろって!」
京子「(とりあえず、押し戻さないと)」
京子「(はぁ……でも結衣の髪いい匂い……)」
京子「(って違う!)」
結衣「まったく……」パク
京子「!!」
京子「ゆ、ゆいー……! 今の一口は許さんぞー!」
京子「いいや離れないね! あ、あててんのよ!」
結衣「ごめん、感じない」
京子「くっ!」
結衣「それに」
結衣「そろそろ足つらいだろ」
京子「え」
結衣「さっきからずっと爪先立ちだろ?」
京子「あ、あー……うん」
京子「(マズい……結衣がどんどん私の扱い上手くなってきているだと……!?)」
京子「ゆ、結衣!」
結衣「だからなんだよ」
京子「だからその、さっきの一口は許せません」
結衣「……」
京子「せっ、せめてそのー、の、残り香と後味だけは返して貰います」
京子「ゆっ、結衣の口の中から……///」
京子「(よし、これで引け!)」
結衣「どうぞ」
京子「ふふん、さすがに結衣も負けを認m」
京子「……え?」
結衣「だから、どうぞ」ニコッ
京子「ぐっ!?」
京子「(くそぅ……絶対『どうせお前そんなこと出来ないだろ』って思われてる)」
結衣「どうした、いらないのか?」ペロッ
京子「うっ」
京子「(こ、これ見よがしに舌を出しおってからに! おおぉ……でもちょっと舌を見せた結衣の顔って結構レアだなぁ……)」
京子「(結構かわいいじゃん……///)」
京子「(っていかんいかん! こうなったら!)」
京子「ほ、……ほんとにやるよ?」
結衣「うん」
京子「ん……」
結衣「……」
京子「(あ、あと2、3センチ……///)」
京子「(1センチ……///)」
京子「(って結衣め、全然表情変わらないのが……ん?)」
京子「(微妙に震えた感じだし……)」
京子「(な、なんだよっ結構緊張してんじゃん……)」
結衣「……ん」
京子「!?」
京子「(な、なんで目閉じるんだよ…///)」
結衣「……」
京子「(え、え、なんで肩に手かけるんだよっ…///)」
京子「(ふ、雰囲気だすなよぉ……///)」
京子「(……これは)」
京子「(やっぱり、誘って)」
京子「(いる、わけですか?)」
京子「(うぅ……///)」
京子「……結衣っ!」
結衣「ぁ、」
京子「チュ……」
結衣「!?」
京子「……クチュ……」
結衣「~~~!!???」
京子「(どっ、ど、どうすればいいんだろぉ///)」
結衣「……」
京子「……」
京子「(ええい! もうなるようになれ!)」
京子「チュッ、クチュッ……んん……!」
結衣「……」
京子「(結衣……無反応だ……も、もっと激しくしたほうがいいのかな…///)」
京子「チュッ…チュウゥ……ん、んふっ……ジュル…」
結衣「……」
京子「……っぷはぁっ!」
京子「……はぁ、はぁっ、ど、どーした結衣ぃ、呆然としちゃってぇ」
結衣「……」
京子「うっうん、この勝負私の勝ちだな! 残りのラムレーズンは貰う!」
結衣「……」
京子「うわ、もう完全に溶けてるし、うん、これはもうこのまま飲むしか……」
結衣「……」
京子「んぐっ、んぐ、……げふっ!? げほっ、げほっ!?」
京子「(あ、あうぅ、ダメだ……体も口も震えてて飲み込めないっ……)」
京子「(わ、私、今、ゆ、結衣と、結衣と)」
京子「(うああああああぁ……///)」
京子「(と、とにかく拭かないと……ってうわぁ!? さっきのどたばたで胸のタオル落ちて、)」
結衣「……っこのバカ!」
京子「!!?」
京子「え、えぇと」
結衣「京子……」
京子「な、なんで私、お、押し倒されてるんでしょうか」
結衣「さっきから」
京子「え」
結衣「さっきからそんな格好でベタベタくっついてきて」
京子「え、え」
結衣「そ、それに、その……」
京子「えっ、ちょっと結衣さんっ」
結衣「少し、押せば……逃げるかと思ったらっ、ほ、本当に……き、キス……しやがってっ」
京子「ごめっ、あ、あやまるあやまるからっ」アセアセ
結衣「もうこれ以上我慢できるわけ無いだろっ!」
京子「……え?」
結衣「……///」
結衣「口元、べたべたになってる」
京子「うっうん、だから早く拭かないとっ」
結衣「……ペロッ」
京子「!?」
結衣「いいよね」
京子「あぅ、結衣、今……///」
京子「え」
結衣「ペロ……ペロッ……」
京子「ふぁ……///」
結衣「首筋」
京子「あぅ」
結衣「ペロッ、チュ、チュッ」
京子「んんっ!」ゾクゾクッ
結衣「……鎖骨」
京子「や、やぁ……///」
結衣「ペロ……ツゥッ」
京子「……!!」ビクビクッ
京子「はぁ…はぁ…、ふぇ……?」
結衣「……ん」ポタッポタッ
京子「ひゃんっ……///」
京子「(あうぅ、この体にポタポタ落とされるのってなんかあの……蝋燭のアレみたい……?)」
京子「(うぅ、でもなんでおへそなんかに///)」
京子「!? ちょ、結衣、まさか、」
結衣「……チュッ、レロッ……」
京子「ひゃああああぁ!!」ビクンッ
京子「ひゃ、」
京子「(……うん、わかってたけどね…///)」
京子「(次は、お、おっぱいの上に来るって…///)」
京子「(でもそのー、もうちょっと、もうちょっと心の準備の時間をくださ)」
結衣「……チュッ」
京子「~~~っ!!!」
結衣「は、はあぁ……せっかくお風呂入ったのにどろどろだね、京子」
京子「……結衣のせいじゃん……///」
結衣「京子」
結衣「もう1回、一緒に入ろう」
結衣「え……」
京子「(うわぁ……すっごい残念そうな顔。そうじゃないってばぁ、もう……私だってここで止まれる訳ないじゃん……)」
京子「あの。結衣……一応、確かめさせて」
結衣「お前が好きだからだよ」
京子「っ!?」
結衣「お、お前だって、そうだから……キスなんて、出来た……んじゃ……?」
京子「……えへへ、結衣ぃ」ゴロン
結衣「うわ!?」
京子「ん……」
京子「(結衣を下にしちゃった……ちょっと戸惑った表情、かわいい……///)」
京子「(そんなの、決まってるよね……///)」
京子「大好き。 ……チュッ」
結衣「ん……///」
・続ける
・止めておく
結衣「昔は、その、……よく一緒に入ったよな ///」
京子「(何度も『一緒に入ろうぜー』なんて言ってきたけど)」
京子「(うあぁ……緊張する……///)」
結衣「京子、はいイス。座って」
京子「う、うん」
結衣「はい、シャワーかけるよ……」
京子「ふうぅ……」
結衣「髪、解けないか?」
京子「ん、大丈夫だと思う」
京子「(はふぅ、背中にシャワー……気持ちいいなぁ。でも、主に汚れてるのは前なんだよね)」
京子「(やっぱあれかなー、後ろから抱き着いて前に手を回して)」
結衣「はい、次、前ね」クルッ
京子「って普通に前に回ってくるの!?」
京子「おぉ……///」
京子「(結衣が目の前に座って……裸で……///)」
京子「(こっちの方が椅子の分目線高いからなぁ……上目遣いの結衣かわええ…///)」
結衣「流すよ……」ザアァ
結衣「ん……チュッ。 チュ、チュッ……」
京子「んっ!? ん、ふぁ……」
京子「(すげ……ほんとにキスの雨だなぁこれ……///)」
京子「んっ、う、うぅっ…///」
京子「(やっぱり普段、いろいろ抑圧してたのかなー……)」
京子「(……ちょっと意地悪、じゃなかったサービスしてやるか)」
京子「ん、結衣っ」グッ
結衣「あ……っ」
京子「んん……チュ…クチュ、ピチャッ」
結衣「ん、んふうぅ……///」
京子「(よし……キスに夢中になってるうちに……上手く動かせるかな……ん、よしっ……)」
京子「(このままちょっと足を伸ばして……むむ、自分もよく見えないけどこれで、ちょうど右足が結衣の脚の間くらいに……)」
京子「(……えいっ)」グリッ
結衣「んんっ!!??」
京子「はぁ、はぁー。結衣の反応かっわいいー」
結衣「……はぁ、……ん」
京子「サービスだってばー」
結衣「そ、そんなサービス……」
京子「いらなかった?」
結衣「……っ」
結衣「……///」フルフル
京子「(うおぉ……かわいいな結衣め……///)」
京子「(普段と違う顔を見てるからかな、それとも気持ちを確かめ合った後だからかな……)」
京子「お湯……浸かろうか、結衣」
結衣「う、うん」
京子「(……このままリードできそうだなぁ……へへ……)」
結衣「……そうだな」
京子「むふふ、なんで両手脚の間に入れてるのかなぁ」
結衣「どこかのバカがまた変なこと考えないようにに決まってんだろ」
京子「くふふっ」
結衣「……覚えてろよ」
京子「もちろん。記憶力に定評のある歳納京子です」
京子「(いちいち覚えてなくても)」
京子「(お風呂から出たらきっと、結衣の布団で……///)」
京子「(もう、火消せないよね、結衣ぃ……///)」
京子「……?」
京子「あれ、結衣? 手に何持ってるの?」
京子「……」
京子「それ、何のボトル?」
結衣「ボディーソープ」
京子「……フタ開いてるけど」
結衣「うん」
京子「気のせいかな、お風呂の湯なんか泡立って」
結衣「きょーこっ!」ギュウッ
京子「ひゃ、なにこれ、お湯ヌルヌル……ちょっ、結衣のヘンタイぃー……///」
結衣「チュッ、チュ…」
京子「ふぁ……結衣ってばキス好きだねっ……」
結衣「ん、京子と、だから……」
京子「ん……///」
京子「(くそぅ……また甘い事言ってぇ……このタラシめ……///)」
結衣「なんとなくこっちの方が、興奮しない?」
京子「……やっぱヘンタイだなぁ結衣は」
結衣「失礼だなお前は」
京子「……んっ……結衣ってやっぱり、結構大きいよね……///」
結衣「お前の、……京子のは、小さくてかわいいよ」
京子「えへへ」
京子「(ほとんど同時にお互いのおっぱいに手ぇ出したなぁ……///)」
京子「(タイミング合いすぎてて、何か……///)」
結衣「ん、んっ……///」
京子「あぅ、結衣……///」
京子「(と、なると……)」
京子「んっ……///」
京子「(へへ、結衣ってば……ちょっと躊躇ったな?)」
京子「(ふともも、撫で回されてる……///)」
京子「……」
京子「(まあ、私も同じことしてるんだけど)」
結衣「あ、あぅ、京子」
京子「結衣っ」
結衣「いいよ、さわって」
京子「いいよ、さわって」
結衣「うんっ、うん、きょーこ……///」
京子「(結衣……お風呂のお湯より熱いよ……っ///)」
京子「(あうぅ、結衣と……こんなことすることになる、なんて……///)」
京子「(いつかは、って思ってたけど……)」
結衣「きょーこ、きょーこぉ……」グイッ
京子「んっ……!」
京子「(あぅ、髪解かれちゃった)」
京子「ゆ、い……んんっ!」
京子「(結衣の指っ……遠慮してるなぁ……っ)」
京子「(……いいや、もう)」
京子「(結衣に、全部)」
京子「ゆい……」
結衣「きょう、こ」
京子「このまま、貰って……私の初めて……///」
結衣「……私、も、きょうこに、あげるよ……///」
結衣「……」
京子「お湯、なんかもう……冷めちゃったね」
結衣「そう、だな……どのくらい、経ったのかな」
京子「わからない……」
結衣「京子……京子、大好き……」
京子「結衣……泣いてる?」
結衣「泣いてる、かも……嬉しくて、さ」
京子「私も、ちょうど今そんな感じかも……」
結衣「……」
京子「……えへへ、結衣の右手……」ギュ
結衣「え? ど、どうしたの京子」
京子「なーんか愛しいなぁー」
結衣「お、おい……///」
結衣「さすがにもう、体力持たない、から……」
京子「うん、上がって……寝ようか……」
結衣「……」
京子「どうしたの結衣、そんなに疲れちゃった?」
結衣「う、ううん、そうじゃないけど、でもやっぱ」
京子「うん?」
結衣「い、痛かったよ、な?」
京子「……」
京子「幸せだった。これでいい?」
結衣「……うぁ……///」
京子「(うわぁ、今更顔真っ赤だ、結衣……やっぱかわいいな……)」
京子「(大体、結衣だって同じだったくせにっ……私のことそこまで気遣ってさ……)」
京子「今日でただの幼馴染は卒業。幼馴染兼恋人、よろしくね、結衣!」
京子「(結衣と一緒の布団……この前までとはやっぱり全然違うな……)」
京子「(もっとくっついちゃえ……)」スリスリ
結衣「……きょーこ……」ギュッ
京子「へへ……」
京子「ねー、結衣、私たちこんな始まり方しちゃってさ」
京子「歯止め利くかなー明日から」
結衣「私は無理だなぁ……、少なくとも……」
京子「結衣ってばぁーやっぱり……」
結衣「……」ギュー
京子「……」
京子「(寝ようかな……)」
京子「(っていうか、もう、眠……)」
京子「ゆい……おやすみ」
京子「(一緒に、今日の後始末して……)」
京子「(一緒にご飯食べて……えへへ、食べさせあっちゃったりして……)」
京子「(ラムレーズン買いに行って)」
京子「(それから……)」
京子「……」
結衣「んん……」ギュ
京子「ん……っ? ゆい……?」
京子「(……結衣、寝てるのか……)」
京子「(寝ながら抱きしめてくるなんて……やっぱかわいいな……///)」
京子「(えへへ……///)」
京子「(大好きだよ、結衣っ)」
おしまい
乙
最高に甘いな
Entry ⇒ 2012.03.19 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
幼馴染「私と付き合って、その後は私の旦那になればいいじゃん?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331828389/
男「だ・・・だからそのな、小さい頃から一緒だったからってそれは安易な考えだとぼかぁ思うね!」
幼「いいじゃないか。そのまま幸せな家庭を築こうぜ!青春いいじゃないか!私はこれでも尽くすよ!」
男「バーカ、バーカ!なんでそんな自身満々でそんなこと言えるのさ・・・」
幼「ふふっ・・・なんでだと思う?」
男「知るかっ!幼もさ、その・・・俺だけじゃなくて周りをよく見たほうがいい。可能性は無限大だ」
幼「これからもお前を見ていく所存だ!」
男「ば・・・・ばか野郎!!」テレテレ
男「そう・・・断る理由もないんだよ・・・けどお前はもっといろんなものを見て、感じたりしたらいいと思う!」
幼「お前は?」
男「善処しますっ!」
幼「いやいや・・・お前はちょっとなぁ・・・私が言うのもあれだけど無理だろ・・・ぷふぅ・・・」ニヤニヤ
男「お前なんなの?喧嘩売りに来たの?」
幼「だからさっきから言ってるように私と一緒にいればいいんだって!」
男「断る!まだ俺にだって可能性はあるはずなんだい!」
幼「だってお前の浮いた話しなんざ聞いたことないぜ?今だって聞いたことないぞ」
男「喉乾いたから飲み物とってくるね?」
男「ふむ、ではここで発表しちゃおうかなぁ~?重大発表しちゃおっかな~?」チラッ、チラッ
幼「なんだよ、勿体ぶらないで早く話しちゃえよ!」ウズウズ
男「いいぜいいぜ!実はさ・・・同じクラスに気になる子がいますっ!キャッ、ハズカシ!」
幼「おい・・・それ、マジかよ・・・?」
男「ごめん、ちょっとふざけ過ぎた。でも本当に気になる子なんだ」
幼「そうか、お前からついに浮いた話しが聞けたな・・・しかし、お前その子とこう・・・やり取りとかしてるのか?」
男「ぜっんぜんしてない!むしろ関わったことない!」
幼「さすがだな兄弟?」
男「違うよ?ぼく一人っ子だよ幼?」
男「そうだな・・・小柄で、髪の毛は長くて休み時間はよく本読んでたな・・・かわいいぜ?」
幼「すごい断片的だな。どこが好きになったんだ?包み隠さずどうぞ!」
男「なんていうのかな・・・あの儚さ・・・かな・・・?」
幼「うぉほっ!なんか私もドキドキしてきた!マジかよ男やったじゃん!」
男「待って待って、まだなにも進歩してないから」
幼「そっか、すまん。しかしあれだな、聞く限り私とはだいぶ違う感じの子みたいだ」
男「うん、幼とは正反対かなたぶん」
幼「手伝いたいなー・・・手伝いたいかもしれないなー・・・」チラッ、チラッ
男「あ、大丈夫だよほんと?」
男「男の男って・・・俺のことはいいの。幼だって自分のことを考えないといけないってさっきもチラって言った気がする」
幼「いいじゃんさ、いいじゃんさ!もしイヤならもうちょっと甘酸っぱい話をしてくれ!」
男「え!そんなんで諦めてくれるの?甘酸っぱい・・・どんな感じをお求めなんですか?」
幼「やっぱその女の子が気になるってことはそれなりに切っ掛けがあったはずなんだ!さぁ、馴れ初めを話せ!」
男「えぇー・・・恥ずかしいんですが・・・」
幼「なら私がお前たちの仲を取り持とう!大丈夫、同じ女だからなるようになると思う!」
男「なるようになるじゃダメでしょ!そこは頑張ってよ!」
幼「じゃあ話して!」ニコニコ
男「はい・・・」
男「それで教室に戻ったらその子がいてさ?」
幼「続けて?」
男「俺がドアを開けたから反射的に見ちゃったんだろうな!目が合っちゃってさ?」
男「俺・・・テンパっちゃってあたふたしちゃって・・・・そしたらその子どうしたと思う!?」
幼「なになになに?なにが起きたんだよ!?」
男「その子、俺に微笑んでくれたんだよっ!!」
幼「うおおおおお!その子の顔わかんないけどシチュエーション想像したらキュンってするなこれはっ!」バンバン!
男「夕日が差し込んでてその光りを浴びた彼女にぼかぁとても儚さを感じてしまったって話しなんですよっ!」
男「俺も青春してると思う!このまま思いでの1ページにしても一向に構わんッッッ!」
幼「それはダメだろ!」
男「だ・・・だって怖いぜぇ?いい思いでが苦い思い出に変わるのなんて・・・」
幼「バーカ、例えそうでもお前が一生懸命考えて行動することに意味があるんだよ。失敗しても・・・まあいいじゃん?」
男「よくないよっ!どうせなら笑顔でいたいよ!!」
幼「・・・・・フッ」
男「いま鼻で笑ったろ!それより幼だってなにか色気付いた話しぐらいあるだろ!」
幼「色気?まあ似たような話しはあるけども・・・」ポリポリ
男「よし、話して貰おうか?俺だって結構・・・恥ずかしかったんだからな!」
男「え?ちょっと気持ち悪くなってきた・・・幼ってモテルの・・・?なんか泣きそう・・・・」
幼「でもちょっと違う。同性に言い寄られて告白されたりね・・・」
男「それハーレムですやん!」
幼「いや、私は普通だから!異性がちゃんと好きなんだから・・・・」
男「確かに俺も野郎に言い寄られたら怖くてたまらない・・・けど幼が同性にモテてるって知らなかったな」
幼「ほら、私って結構サバサバした感じでいいらしいよ?」
男「もう少し女らしくしたほうがいいんじゃないか?」
幼「男は・・・そのほうがいいのか・・・?」
男「う~ん・・・今更って感じで違和感しかないと思うからいいです!」
幼「すごいって・・・・そうだな、普通に『付き合ってください!』とか、『私の御姉様になってください!』とかさ?他には男装してくれとかも言われたっけ」ケラケラ
男「御姉様か・・・なんか、なんか響きが・・・うーん、御姉様か・・・」モンモン
幼「もちろん全て断らせて貰ったさ。まあたまにやっぱり傷つく子もいたりしてね・・・」
男「ほう?なんか穏やかじゃない」
幼「たまに嫌がらせしたりする子がいたりするんだよ。私や・・・私の周りでね?」
男「マジで・・・?怖いからちょっと聞きたくないかもしれない・・・」
幼「そう?ちょっとした武勇伝を男に聞かせられると思ったけど・・・残念だ」ケラケラ
幼「気にするな、バレないように頑張ってたんだから。気づかれてたら私がカッコ悪いだろ?」
男「ますます俺がカッコ悪いじゃんか・・・」ズーン
幼「お前はカッコ悪くていいんだ、じゃないと私が困る」ニヤニヤ
男「正直たまに幼ってカッコいいものな・・・くそぅ!」
幼「ふふっ、私が女ってのを忘れるなよ?そういうのも悪くはないけどさ」
男「女ってズルいよな?カッコいいって言われても、可愛いって言われても喜べるものな」
幼「うーん・・・男はどちらかといえば可愛いの部類だろうな。ヘタレ可愛い?」
男「うるせー!」
男「照れてねーし!どう反応していいかわからなかっただけだし!撫でようとすんなっ!」
幼「ほんとに男はまったく・・・まったくもう・・・」ハァハァ
男「あとあれだ、スカートとズボン穿けるのもなんかズルい気がしてきたな!」
幼「じゃあ穿いてみたら?スカート。なにかに目覚めたら自己責任でよろしく」
男「あんなヒラヒラ穿いたらなんか心許ない感じがする。よく女って穿けるよな?」
幼「半ば強要されてるに近い気もするけどな。ちなみに私は下からスパッツを着用しているぞ!」
男「え・・・だめだよ・・・スカートの下はパンツじゃなきゃ。男子の夢壊さないでよ・・・」
幼「あれっ!?好きじゃなかったのか!!」
幼「そうだったのか・・・勉強になるな!今度から私もスパッツは脱ぎパンツにしよう!」
男「あ、大丈夫!幼はそのまま。なんかイヤだから。スパッツでね?他の人には注意しといてな」
幼「まさか指定されるとは思わなかったぞ・・・まあ変わらないからいいけど」
男「そういや最近というか前から思ってた!寝る前のちょっした時間の潰し方はどうしたらいいのか!」
幼「私が来よっか?男が眠るまで話ししてあげるぞ!」
男「どう考えても夜更かししちゃうじゃないですか、ヤダー!」
男「おっ!なかなかグッドアイデアじゃないですか」
幼「でもだんだん興奮してきて続き読んじゃって眠れなくなるんだよなっ!」
男「ちょっと、幼さん・・・なに読んでるんですか・・・いくら俺だからって多少は僕だって幼馴染の夜の事情聞かされたら恥ずかしいよ・・・・」
幼「なに読んでるって格闘漫画だよ」
男「ですよねー!なんか俺って」爛れてるのかもしれない・・・」
幼「格闘漫画はいいぞー?最初はヘタレなんだけどだんだん男らしくなっていくとこに私はちょっとだけキュンとする!男も読むか?」
男「そんな痛そうな話し読めるかっ!だいたい眠る前に興奮して起きたらなんの意味もないしょ!」
幼「ちぇ・・・読み始めたら楽しいのに・・・」
幼「えー!血湧き肉踊る格闘漫画も読もうぜ!」
男「いいです、俺そういうの苦手だから。幼こそ俺の漫画読んで見ろって!」
幼「え!だって・・・私のキャラじゃないだろそういうの・・・」テレテレ
男「なんだキャラって?そんなの気にするなって!」
幼「わかったよ!んじゃ帰りに借りるから後で見繕ってよ」
男「了解、お前の荒んだ心を癒す作品を貸してやるさ」
幼「いや、別に荒んでるわけじゃないし・・・」
男「それは軽いジョークだよ。けどここまで男前さんだと困らない?」
幼「あんまり!けど同性の子たちがちょっとだけ・・・さっきも話したけどさ」
幼「こんなの全然喜べるわけないだろ・・・あの子たちには悪いとは思ってるけどさ・・・」
男「案外さ、友達になりたくて来てるんじゃないの?なんかで聞いたけど女の子同士の友情を間違って恋愛感情に捉える子もいると聞きました!だから勘違いやも?」
幼「いや、あの子たちはガチだよ・・・男は見てないからわからないだろうけどね・・・ふふっ・・・」
男「幼・・・哀愁漂わせる程になにかあったんだね。でも仕方ないんじゃないか?俺から見ても幼は凛々しいというかカッコいいというか・・・」
幼「ありがとう男、でも私だって女だからもう少し女性として扱って貰えたら嬉しいぞ・・・と、ちょっとだけわがままを言ってみたり?」
男(幼を女性として・・・女性として・・・女性として・・・・)
男「・・・・・」ポッ
幼「なんで顔が赤くなって・・・ははぁ~ん?私にもまだまだ可能性があるってとこかなっ!」ニヤニヤ
男「うぅー・・・・」
幼「いやいや、その・・・素直に喜んでたんだよ?私にだってまだ可能性があるみたいだしさ」
男「そりゃ・・・幼みたいな綺麗な奴にさ・・・その・・・言い寄られたら誰だって意識するよ・・・」
男「けど幼はどこか本心を隠してる気がして言葉を素直に受け止められないんだよ・・・」
幼「そうだな、のらりくらりと返してばかりだった気がするかもしれないね」
男「ずっと一緒にいるのに・・・なんだか離れていってるような気がしてたり・・・俺はそう感じてた」
男「今日、初めて幼がその・・・同性の子たちに嫌なことされたことを知って・・・俺は気づいてもやれなかったし、幼は俺に話してくれないし・・・」
幼「それはごめん、けど私は男を守りたくて・・・・」
男「確かに頼りなく見えても仕方ないかもしれないけども・・・俺だって幼は大切なんだし・・・」モジモジ
男「1人で悩むより絶対にいいと思ったり・・・・しま・・・・・・す・・・・」
幼「どうした男・・・?続けてよ」
男「恥ずかしくなってきた・・・」
幼「そっかそっか、男は恥ずかしかったのか!」ニヤニヤ
男「うわああああああ!忘れろおおおおおおお!!」
幼「忘れるわけないだろう?私は男にとって大切な存在みたいだしね?」ニヤニヤ
男「こいつマジでもう!もうっ!!」
幼「私だって男は大切な存在だよ?いつも男に伝えてきただろ?」
男「だから!なんかアメリカのホームドラマ並みに軽く言うから実感沸かないんだってば!」
男「・・・・・」チュッ
幼「な?わかっただろ」
男「は・・・はぁ?ぜ、全然わからないんですけどぉ・・・」ドキドキ
幼「じゃあもう1回しないといけないね・・・・」
男「えっ!あっ、あの・・・・その・・・・」アセアセ
幼「目、瞑って・・・?」
男「ひゃい!」ドキドキ
幼「・・・・・んっ」チュッ
男「・・・・・んっ」チュッ
幼「これでも伝わらなかったら私はもっと過激にしていくしかないんだけどな?」クスクス
男「だ、大丈夫、十分にわかったよ・・・うん・・・」ドキドキ
幼「それはそれでツマラナイじゃないかっ!」
男「どうしたいのさっ!」
幼「悩んでしまえばいいよ!まあ最初に唾つけとば意識してこっちに来ざるえないだろうけど」ニヤニヤ
男「お前!うおおおおおおおお!!」
幼「言っておくけど・・・・私だって餌を目の前にされたらどうしようもないんだ。しかもその誰かに餌が取られそうものなら手段は取ってられないよ!」
男「もう少し表現の仕方を変えろよ。なんかその表現すっごくイヤだ」
幼「と言っても満更でもない男君。これにはさすがに苦笑い」
男「なんだよ・・・俺だけすごくドキドキさせられて・・・幼は俺で遊んでるんだろきっと・・・」シクシク
幼「いやいや、これだけやってるのにまだそんなに悲観的なの・・・」
男「おぷ!ふ、不意討ちとはやるじゃん・・・」ドキドキ
幼「なんだろ・・・こうやってると・・・・あ、やっぱなんでもない」
男「なんだよ、言いかけたら最後まで言うべきだろ」ジッ・・・
幼「その・・・あまり見つめられるとその・・・切なくなると言うか・・・」
男「なんだよ切なくなるって・・・切ないなら俺だろ!普通抱き締めるのは男の役目だろ!」ジタバタ!
幼「コラ、暴れない。いいじゃないかちょうど私に収まるサイズだしね?それとも離したら私を抱き締めてくれるの?」ギュッ
男「それは・・・」ドキドキ
幼「なら離してあげられないな」ナデナデ
男「頭撫でるな!」
幼「イヤだった?」
男「・・・・じゃないけど」
幼「ならいいじゃないか」ナデナデ
男「・・・・・」ドキドキ
幼「あぁん・・・せっかくだからもう少し堪能したかったのに・・・」ジトー・・・
男「うっさい!これ以上したら俺が変になりそうだし・・・」
幼「なんだ、私と青春するか?」ケラケラ
男「お前、青春禁止な?」
幼「いつもあれぐらい素直だと可愛いんだけど・・・困ったやつだねまったく」
男「お前はもうちょい真面目になれよ!」
幼「失礼だね、私はいつも真面目だよ?」
男「わかったよ・・・歯向かったらなにされるかわかんないし・・・」
幼「わかればよしだ。そういえば男の気になる子の話しなんだけど・・・・」
男「なんだ?なんか幼の前でその話しされたら気が引けるんだけど・・・・」
幼「まあちょっと気づいたことがあって・・・」
男「そうだよ。それがなにかあるの?」
幼「あちゃー・・・確か男のクラスの子たちってみんな私のとこに来てたと思ってさ?」
男「は?え・・・・?ちょっと・・・それって・・・」
幼「いや、可能性はまだあるかもしれないよ・・・・まぁ、うん。ファイト!」
男「なんで応援されてんだよ俺・・・」
幼「いや、私はイヤだよ?けど男が決めたら私は引くし。私は男が好きだからこのまま旦那さんになってもらいたいよ」
俺「あー・・・ややこしいなもう・・・」
幼「簡単だよ、男が悩んで決めたらいいんだよ。ね?」
男「ね?じゃねーよ!知らぬ間に失恋したかもしれない疑惑はあるし、幼にはその・・・色々されて意識せざる得ないし・・・」
男「俺は複雑なんだよ」
幼「このこと知ってるのは私と男だけなんだから別に気にしなくていいんじゃない」
男「それはダメだ!あの子にも幼にも失礼だし・・・」
幼「もう、可愛いな男は!お姉さんがナデナデしてあげよっか?」
男「いいです、遠慮します。つーかそろそろ帰れよ!」
幼「なんだよ・・・男はそんなに私に帰って欲しいの?寂しくなると思うけど・・・」
男「寂しくならない。時間も遅いだろ」
幼「実は私が寂しかったりするんだよ・・・今日、泊まってもいい?」
男「冗談だよね・・・?」
幼「寂しいと思うのはホント。まぁ今日はとても素敵な日だったからよしとする」
男「ん、なんで?」
幼「なにせ男は人の温もりを知ったからです・・・切なくなったら呼んでもいいよ?」
男「ならないし呼ばないし。ほら、これが幼に貸す漫画な」
幼「わぁ・・・可愛い漫画だね?」
男「早く帰れよ!」
幼「早く帰ってほしくてたまらないみたいだね・・・」
男「明日もまた会えるんだからいいだろ」
幼「私はもっともっと男と居たいよ。これからもだよ?」
男「うっ・・・それはありがとう。たまに真面目になるのやめろよな・・・」ドキドキ
幼「ふふ・・・好きだよ男?それじゃまた明日ね?」
男「あぁ、また明日な!」
男「うっさい・・・」
幼「その顔はどう見ても眠れなかったって感じだろ?大丈夫、私も眠れなかったんだぜ!」
男「・・・・」
幼「だから言ったろ、寂しくなるって?」
男「幼はどうだったんだよ!」
幼「私はもちろん寂しかったに決まってるだろっ!」
男「なんかふざけてるようにしか見えない・・・」
幼「どうだろーな!男はどうだった?私がいなくて寂しくなったか?」
男「も、黙秘します・・・」
幼「いいよいいよ、私のことを前よりは意識してくれてるみたいだから私は嬉しいよ!」
男「昨日のあれは反則だろ!あんなの誰だって・・・」
男「あ!よくないと思うんだそういう笑い方、なんか感じ悪い!」
幼「気に障ったらごめんな?私はいつでも男を待ってるからな!」
男「はいはい、学校行こうぜ」
幼「む!信じてないな男!昨日は結構それはそれは男と女の関係に近かったと言うのに・・・」
男「おい!朝からやめろよ、ご近所さんに変な勘違いされちゃうだろ・・・」
幼「昨日の素直な男はどこにいったんだろうな?いつもの男もいいけど、たまに違った一面を見せられるとこっちもたまったもんじゃないよ」
男「おっさんじゃん!その思考は思いっきりおっさんじゃん!」
幼「抱き締めていい・・・?」
男「が、学校行こうぜっ!」
男「いや、だから昨日も言ったけど幼に不満なんてあるわけないってば」
幼「じゃあもう付き合おう!私が男を幸せにしてあげるからっ!」フンス!
男「いや・・・これでも気になる子いますから・・・だから幼ももう少し視野を広げてみろって。幼ならもっといい人を・・・」
幼「却下だ、そんなのありえないだろっ!」
男「なんでちょっと怒ってるのさ・・・」
幼「あ、ちょっとな。けど私だってかなり堪えてると思うよ実際」
男「きっと一緒に居すぎて変な固定概念にとらわれてるんだよ」
幼「違う、断言できる。この気持ちはまさしく本物・・・たとえ男でも否定するなら許さないからな・・・」
男「いや、否定なんて・・・俺はやっぱり思われてすごくその・・・感謝してるし・・・」ドキドキ
幼「そうだな、好意を向けられて嫌がる奴なんてよっぽどひねくれた奴だけだ。男はどんな奴だろうな・・・」
男「え!あー・・・なにかって言われても・・・」
幼「なんだ、男は気になる子ができてもアピールしないのか?そんなんじゃ気づかれないぞ!」
男「うっさい!幼は積極的過ぎるんだよ・・・」
幼「私も手伝ってあげたいけど・・・・」
男「いいよっ!なんでその・・・俺のこと好きなのに他の子とくっつける手伝いするんだよっ!」
幼「いろいろ理由はあるけど・・・1番ば男の成長のためかな?他は秘密な!」ケラケラ
男「またバカにしてるのだけはわかった!」
幼「してないよ、もっと素敵な人になってほしいだけだよ」
男「くそぅ!じゃあ、また放課後な!」
幼「あぁ、後でな!」
幼「その相手が私だとなおよかったんだけどなぁ・・・」
幼「ん、これはだいぶ待った気がするな・・・私は甘いものをご所望だ!」
男「あー・・・いいオヤツがあったらあげるよ」
幼「おぉ!言ってみるもんだ」ケラケラ
男「それより聞いてくれよ!実は女さんと今日、話せたんだよっ!」
幼「え・・・?同じクラスの子だったよな・・・マジで?」
男「マジマジ!しかも話しかけられたんだよ!」
幼「なっ・・・!」
男「これはモテ期が来てるのかもしれない・・・」
幼「信じられない・・・男に興味を持つなんて私以外いるはずないと思ってたのに・・・」
男「おい!それは逆にどういう意味なんだよっ!」
幼「そのままの意味だよ。けど弱ったな・・・私の計画が台無しになるかもしれない・・・」
男「なんだそれ・・・ぜったいどうでもいいことだろうけど」
男「うわぁ・・・俺って幼の中でだいぶダメな奴なんだな・・・」
幼「ダメな男が好きな女性も多いみたいだしな」
男「おぉ・・・コメントしずらい・・・」
幼「大丈夫だ、男はむしろしっかりしてるから安心だぞ!」
男「幼はもう少しお淑やかになるともっといいかもしれない!」
幼「男がその方がいいなら努力はするけど・・・大変そうだなそれは・・・」
男「無理に変えても疲れそうだしな」
幼「ゆっくりとした変化も味があってまたいいものなんだぜ?」
男「なんだそれ?」
幼「秘密。じゃ、男は部屋を掃除したりしてて?私は着替えてから男のとこに来るよ」
男「わかった、準備しとく」
男「おう、いらっしゃい」
幼「うーん・・・」
男「どうした、なんか変なとこあった?」
幼「いや、昨日はここでお前とキスしたり抱き合ったりしたんだなーっと・・・」
男「ば、バカッ!せっかく意識しないようにしてたのになんで思い出させるんだよっ!」
幼「ん、なら存分に思い出して意識して私と幸せになろう!それがいいだろう!さあ昨日の続きもするか男っ!」ハァハァ
男「しません!」
幼「ちぇっ・・・照れ隠し?」
男「・・・・ちょっとだけ」
幼「ならいいかなぁ・・・そうだ、対、女さん対策会議を開こう!」
男「おう!それは有意義な会議だ。実は話しかけられた全然うまく返事できなかったんだよ・・・」
男「もう少し気の利いたことを返してやれたらとぼかぁ後悔してたんだよ!」
幼「まぁ・・・さすがに返しが上手くなるには場数を踏まないといけないから今の男には無理かもしれないなぁ・・・」
男「知ってたよ!でも少しはどうにかしたいじゃんか!」
幼「うーん、それよりは話題を出してあげることのほうがいいんじゃないか?沈黙は苦しいし」
男「それだっていつかは沈黙になりそうじゃん!」
幼「そっか・・・私もこういうのには疎かったりするんだよな・・・」
男「へぇ?女の子ってこの手の事は得意だと思ってた」
幼「恋愛話は好きでよく聞くんだけどアドバイスはなぁ・・・ほら、男と私はすでにそういうのいらないだろ?」
男「くそぅ!参考にならないじゃないかっ!あと恥ずかしいこと言うなよ!」
幼「可愛いなぁ・・・」ボソッ・・・
男「なんか正しいような・・・投げやりな感じも・・・」
幼「慣れだよ慣れ、そっちの方が信頼できるよ」
男「そうだけど、一歩踏み出すためにそれはそれは大変な勇気などがいるんだよ」
幼「じゃあ私で練習していく?」
男「いいよ、幼はすぐからかうし、真面目にやってくれないだろ」
幼「酷いなぁ・・・私は男が緊張しないように努めてるってのに!」
男「そもそも前から一緒に居るから緊張なんかしないし!」
幼「それにしては昨日の男くんはだいぶ緊張してたみたいだ」ケラケラ
男「お前・・・あれは、誰だってそうなるだろ・・・」
幼「私だってそうだ、好きな人にするんだ。緊張しないわけないだろ」
男「そっか・・・幼にそこまで言われたらやるしかないよな!」
幼「いや、私からしたらそういうの止めてもらって私だけ見ていて欲しいのだけど・・・」
男「任せろ!明日はなんかやれる気がしてきたな!」
幼「やる気でるんだ・・・止めないけどさ、なんかさ・・・」イジイジ
男「なんだよ、応援してくれるんじゃなかったのか?」
幼「いや・・・ちょっと誤算があって私に余裕がないかもしれないなーと・・・」
男「あ・・・なんかごめん・・・」
幼「違う、そうじゃなくて・・・私も頑張らなくちゃって思ったんだよ。うーん・・・違うなぁ、なんか今日はこれぐらいにして帰るよ、また明日ね」
男「それは急だな」
幼「好きな人に暗いとこは見せたくないの、しゃね!」
男「またな!」
男「うん、元気になってる。おはよ」
幼「まあ性に合わないからさ?なぁ、ちょっとお願いがあるんだけどいい?」
男「俺ができる範囲でならいいよ」
幼「えっと・・・男が気になる女さんって子が見てみたいなぁと・・・」モジモジ
男「いや・・・そんなの俺に聞かないでも勝手に見たらいいんじゃないか?」
幼「いや、だってそれはなんかズルっこい感じがして!」アセアセ
男「幼の中でいろいろあるのはわかった。俺に気を使わなくてもいいから見てあげたらいいよ?」
幼「そっか、ありがとう男?」
男「これは感謝されても困るよ・・・」
幼「私のライバルだからな!ならちゃんと礼儀を持たないといけないと思ってな!」
男「意味がわからない・・・」
男「まさか教室までついてくるとは・・・ほらあの子。本読んでる子がいるじゃん」
幼「あー・・・あの子か。可愛らしくていい感じじゃないか男」
男「だろ?なんか守ってあげたくなる感じでしょ!」
幼「わかる!私もそういう衝動を常に我慢してるからな。続けて?」
男「え?まぁそんな感じ」
幼「じゃああれだな、放課後少しお話しでもする誘いでもしないといけないのでは?」
男「ちょっと!飛躍しすぎだよ、もうちょっとレベル落として挨拶軽く交わすとこから始めよう!」
幼「いいや、このままでは私と彼女がフェアでなくなってしまうじゃないか!」
男「幼の自分ルール知らないよっ!」
男「おいっ!やめろおおおおおお!!」
幼「あの、ちょっといいかな?」
女「はい・・・・あっ、幼さん!お、おはようございますっ!」アセアセ
幼「うん、おはよ。元気があっていいね?」
女「ありがと・・・ございます・・・・あの、私に用ってなんですか?」
幼「あは、実はさほらあそこに冴えない男って奴がいるけどわかる?」
男「あわわわわわ・・・・」ガクガク
女「はい、男くんですよね?」
幼「そうそう、実は男が女さんと放課後ちょっとお話しとかしてみたいらしいんだ」
女「え?私とですか?」
幼「そう、お願いできるかな?そうしてくれると助かるなぁ・・・」
幼「いや・・・私の頼みと言うか・・・まあいいかな?ともかく放課後に男とよろしくしてあげて。それじゃ」
女「はいっ!任せてください!」
幼「やぁ、ただいま!」
男「ほんとに言ってきやがったコイツ・・・」
幼「フェアじゃないのは好きじゃないから仕方ないじゃないか!」
男「・・・で?」ソワソワ
幼「ん、なにが?」
男「だから・・・どうだったのさ・・・」ソワソワ
幼「ふふ・・・知りたい?知りたいか?」ニヤニヤ
男「うっせ!早くしろって!」
幼「快く了承してくれたよ、よかったな男?」ナデナデ
男「マジでか!うは、なんかすげー嬉しくなってきた!!」
幼「ふふ・・・」ナデナデ
男「あの・・・恥ずかしいので撫でるのやめてください・・・」テレテレ
男「幼さん目が全然笑ってないじゃないですか・・・」
幼「まっさかー?私はこれでも寛容のつもりなんだよ!」
男「そうっすよね、俺も薄々そう思っていましたっ!」
幼「じゃれあいもここまでにして・・・今日は女さんと男は二人であんなことやこんなことするから・・・はっ!私は先に帰らなくてはいけないじゃないかっ!しまった・・・」
男「あ!そうなっちゃう?仕方ないねまったく!」
幼「いいさ・・・じゃあせめて家についたら教えてよ?たぶんかなり気になってると思うしさ」
男「うん、わかった。その・・・ありがと幼。お前のおかげでちょっと進歩できた」
幼「これぐらいなんともないさ、続きは帰ってからにでも聞くよ」
男「おう、ただいま。そしていらっしゃい」
幼「清いか!?まだ体は清いままか!?キスまでは許せるけどそれ以上はさすがに我慢できないだろ私が!」
男「大丈夫、そんなのなかったから・・・怖いから離れてくださいよ・・・」ビクビク
幼「本当か・・・?若者の姓の探求心は奥深いものだよ?もしかして男は草食?」
男「ちがうよ?最初からガッついてたらだれだってドン引きするよ・・・」
幼「求められてこそ女が光るんだよ。それが華だよわかってないな男は!」
男「みんなそこまでオープンじゃないと思うな・・・もしそれがホントなら怖いでしょ・・・」
幼「みんなムッツリさんだよ。イヤイヤ言っても喜んでるよ」
男「なんか女の子からそういうの聞きたくなかったなぁ・・・」
男「そうだね、たぶん普通のコミュニケーションはとれたとは思うな・・・好きな本を聞いたり、その本の内容を聞いたり・・・」
幼「ふーん・・・ほかには?」
男「いろんな表情が見れて楽しかったかなぁ・・・いつもは無表情なのになんか・・・こんな顔もできるんだなって思ったらなんか・・・もうねっ!」バンバン!
幼「なんだろ・・・なんかほんのりムカついてきたな私」
男「話せって言われたのにっ!」
幼「だって正直、羨ましいんだよ?男は私のことでそんな顔とかしてくれないし・・・嫉妬しちゃってるな・・・」
男「だって・・・いつも幼は俺からかうから・・・」モジモジ
幼「昔の初々しい男の顔が懐かしいなぁ・・・」
男「面白いな幼さんって・・・ごめんなさい!」
幼「よくもまあ間違いを犯さないでここまでこれたよなって思うよ私?と、同時に私の女としての魅力に疑問を感じて傷ついたり・・・」
男「そうだなぁ・・・激しかったな色々・・・免疫ついちゃったよ俺」
幼「そう、やり過ぎだったんだよ。今や直接的に伝えないと男には伝わらないから大変だよ、私だって恥ずかしい時だってあるんだ!」
男「俺が悪いのかっ!ご、ごめん・・・」
幼「でもそんなとこも好きだったり・・・」モジモジ
男「どこに転んでもいいじゃないですかもう!」
幼「そうだ、明日はどうするんだ?女さんとなにかするのか?」
男「あぁ、明日はなんか弁当作ってくれるって言ってたから・・・」
幼「なんと・・・」
男「できないよりかはねぇ?俺も作るの好きだしさ」
幼「参ったな・・・そういうのは生憎やらないから・・・」
男「別に無理してやらなくていいって、なんかそういうのらしくないだろ」
幼「でも男は嬉しいんだろ・・・私も混ざりたい!仲間はずれはダメだろうっ!」
男「いいのっ!俺は食べて貰えるほうが嬉しいから!」
幼「食べて貰える・・・そうか、やはり私は男にとって特別と?いっぱい食べさせて貰ってるものなー?」ニコニコ
男「まぁ試食って感じだけども・・・」
幼「それでも私は女さんよりはリードしてるんじゃないかなっ!」
男「今のとこで勝敗の決め手ってあった?」
幼「私の中に・・・・かな?」
男「あ、はい」
男「だって・・・さっきからふざけてばかりだし・・・」
幼「いつも真面目にしてたら疲れちゃうだろ?男も力を抜けるようにならないと」
幼「それとも・・・また私とキスしたくなっちゃったかな・・・?可愛いな男は・・・」クスクス
男「ちっがーう!それは嬉しいけど・・・気持ちがハッキリしないからそんなのできるわけないだろっ!」
幼「と言っても・・・いつ答えが出るやらね?きっと男は意地張っちゃうと思うよ。だって男って素直じゃないとこあるし・・・」
男「そんな失礼なことしないよっ!幼に対してもそれは絶対だ」
幼「私は・・・信じてあげたいけど少し不安だったりするよ・・・さすがにそういうので失恋したなんて悲しすぎる・・・」
男「だから・・・あーもうっ!なんか違う!今日は解散!!」
幼「そうだね・・・私もなんか調子悪いみたいだ・・・また明日ね男?」
男「ごめん幼、また」
男「カッコ悪いな・・・はぁ」
女「おはようございます、男くん!今日は・・・幼さんと一緒じゃないんですか?」
男「女さんっ!?おはよう!うん、今日はちょっと・・・ね?」
女「そうですか・・・いつも一緒だからちょっと新鮮に感じますね」クスクス
男「そうかな・・・登下校は一緒だけど学校ではあまり顔合わせないよ?」
女「それではあれです、もうそんなイメージがついちゃってるんですきっと」
男「イメージかぁ・・・なんか幼に悪いなぁ・・・」
女「なんでですか?微笑ましいことじゃないですか」
男「だって・・・まわりに固められて幼に自由がないみたいだから・・・」
男「そうだと思うけど・・・」
女「幼さんはそう言ってたんですか?」
男「いや・・・言ってないけど・・・あいつ、昔から俺と一緒にいるから・・・もっと違う世界があるのに全然興味もってくれなくてさ。それって勿体ないなぁと思って・・・」
女「男くんはいいんですか?そんな理由で幼さんが離れて行っても」
男「・・・・その時にならないとわからないよ」
女「そうですね、その時にならないとわからないことに一生懸命になって、仮に幼さんがそうなった時に後悔しても遅いんです」
男「でも・・・今が正しいとも俺には思えないよ・・・」
女「男くんってちょっぴりひねくれてるんですね?少しガッカリしたかもしれないです」
男「ごめんね・・・昨日から調子悪いんだ・・・」
男「ごめんね・・・なんか上手く感情がコントロールできない・・・」
女「幼さんとなにかありました?」
男「えっ!あったといえばあるけど・・・でもなんか違うと思うし・・・」
女「それじゃひとまずそれはお昼休みに私のお弁当を食べながら話しましょう?」
男「うん・・・わかった」
男「朝から不幸なオーラを出されてたら気にもなりますからね、切り替えも大切ですよ」
男「え、そんなに暗かったかな?けっこう落ち込んでたのかな俺・・・」
女「こういう時に客観的に見れたらいいんですど・・・そうそう上手くはできないですから」
男「なんか気遣ってもらってありがとう女さん」
女「いえ、昼休み楽しみにしてますから」
男「うん、俺も楽しみにしてる」
男「大丈夫だよ、どこで食べよっか?庭とか屋上は寒いし・・・」
女「教室でいいじゃないですか。私、お腹ペコペコです」
男「あ、そっか・・・それじゃ適当に机くっ付けるよ?」
女「いいです、椅子持ってきました」
男「準備いいんだね女さん?じゃ俺の机で・・・」
女「お腹ペコペコです」
男「もう準備おっけーだから!もう食べちゃおうよ女さん、ねっ!ごめんなさい!」
女「はい、これ男くんのお弁当です。ちょっと少ないかもしれないですけど」
男「いやいや、そんな滅相もない!女さんの手作りなだけ嬉しいです!」
女「そうですか、開けてみてください」
男「うん・・・わぁ、彩りも栄養のバランスも丁度よさそうな弁当だ!」
女「それではいただきましょう」
男「うん!いただきまーす!!」
男「もっちもっち・・・ふぇ!あ、はいどうぞ」
女「昨日は幼さんとなにがあったのですか?」
男「なにがあったか・・・そうだ、女さんに相談してもいいかな?」
女「私でよければいいですよ。楽しそうですし・・・」
男「うーん・・・俺は結構悩んでたりするんだけどね・・・ははは・・・」
女「で、なんですか?」
男「えっと・・・最近の幼がよくわからないんだ・・・」
女「ノロケですか?」
男「違うから!そんなわけじゃないから!!」
女「そうですか、危うく・・・」
男「危うく?」
女「気にしないで続けてください」
男「はぁ・・・最近の幼ってどこか歯切れが悪いというか・・・前から思ってはいたんだけど・・・」
男「どこかはぐらかされてるのかな・・・誤魔化したり、ふざけたり・・・」
女「どんな場面でです?」
男「えっと・・・それは・・・」カァァ
女「そこらへんは是非に聞きたいです詳しく」
男「その・・・引かないでね?えと、幼ってよくふざけて俺にふざけて告白したり、抱きついたりしてくるんだ」
女「ほぅ・・・」ビキビキ
男「だから俺はやめてって言うんだけどやめてくれないし・・・真面目に話したらはぐらかされるし・・・」
女「で、それはいつから?」
男「気づいたらかな・・・」
女「それじゃその前は?」
男「その前は・・・え、えっとそれはちょっとあの・・・・」
女「なにかあったのはわかりました」ビキビキ
女「まぁ噂は聞いてたから知ってますけど・・・男くんから直接聞くと・・・・ふふふ」ビキビキ
男(うはぁ、笑ってる顔かわいいなぁ女さん・・・・)
女「そうですね、私から言えることと言えば・・・幼さんは実に可愛らしい女の子だということです」
男「あいつが可愛い・・・どちらかというと・・・」
女「可愛いらしいんです」
男「え?はい、そうですね・・・」
女「男くんもしっかりしてください。本来なら私と昼休みを過ごしてる場合ではないはずです」
男「うん・・・今日は幼とちゃんと話してみるつもりだったし・・・」
女「似たような性格だといろいろ苦労するのかもしれないですね」
男「誰が?」
女「知りません!今日は幼さんと一緒に帰ってあげてください。かなり心配してると思いますよ」
男「うん、ありがと女さん」
幼「・・・・・・」ムスッ!
男「怒ってても待っててくれるんだからなぁ・・・ありがと」
幼「お昼・・・楽しそうだったじゃないか・・・?」ジトー
男「見てたのか・・・どちらかというと説教だったきがするなぁ・・・」
幼「いいんじゃないか?朝、私を置いていった報いだ」
男「それはごめん、だってなんか気まずくて・・・・」
幼「き、昨日は少し、私も大人げなかったから・・・おあいこでいい・・・・よ?」
男「はは・・・それは助かるな、なんか今日は幼が素直な気がする」
幼「私だってたまには・・・ね。」
男「今日はいろいろ話しできるチャンスというわけか・・・」
幼「でも話しは男の家でやろう、さすがに道行く人に聞かれたら恥ずかしいじゃないか・・・」
男「わかってる、帰ろうぜ?」
幼「うん・・・」
幼「うん、お邪魔します・・・」
男「おい、いつも通りでいいんだよ?なんでそんな畏まってるのさ」
幼「いや・・・もうなんか気持ち悪くってさっきから・・・」
男「なんでだよ・・・」
幼「まったく・・・こうなったのも元を返せば・・・」ブツブツ
男「なにさ、思うことあるなら聞くよ?今日はお互い腹割ろうじゃないか!」
幼「すごい今さらだよね・・・」
男「大丈夫、今日はなにを言われても受け止められる気がする!」
幼「ヘタレだったはずだけど?」
男「大丈夫です!ほんと今日はやれる気がするからっ!」
男「うん、わかってる」
幼「ちゃんと伝わってる?」
男「正直に言うと・・・幼が俺のこと好きなのは知ってる・・・つもりではいるけど正直、実感はない・・・」
幼「だろうね、私も知ってたからあんな風にスキンシップしてたもの・・・」
男「その・・・昔は本気だったのか?いや、そうだったんだよな・・・」
幼「そうだよ、毎日・・・男のことだけ考えて考えて・・・色んなことして気を引いてみたけどね・・・全部ダメだったからね・・・」
幼「そしたらね、だんだん悲しくなって虚しくなって・・・だって気づかれないんだよ?私はこんなに伝えてるのに・・・こんなの・・・」
男「ごめん・・・」
幼「今さらだからね、怒ってるけど・・・男を責められるわけないじゃないか」
男「だから・・・いつも本心隠して・・・」
幼「そうだよ・・・私、怖がりだから」
幼「だから焦ったんだよ・・・男は私以外の人と一緒になるはずないからって・・・安心してたからね・・・男の口から他の子の名前が出るなんて・・・頭が真っ白になっちゃったよ?」
男「だからってやり過ぎだって。もっと自分を大切に・・・」
幼「男にはわからないと思うよ・・・そこまで追い込まれることなんてなかったろうから」
男「うん・・・いつも幼に我慢させて、追い込んでた本人だからな」
男「だから・・・そんなお前だから俺以外の異性も見てほしかったんだよ。」
幼「私はっ!男以外に興味なんて・・・・」
男「うん、俺が女さんを気になるって嘘言っても・・・幼は俺に尽くしてくれてさ・・・俺マジで最低だよね・・・」
幼「うん・・・えっ?待って、大切なとこ聞き逃した気がする・・・」
男「いや・・・ついたけど・・・全部じゃないよ?5割りは好きかなと・・・ははは」アセアセ
幼「はぁ・・・男はなにがしたかったのさ。検討はつくけどもさ・・・」
男「いや・・・俺に気になる子ができたら幼ももう少しだけ周りを見れるようになるかなーって・・・」
幼「なんども言うけど・・・私は男以外に興味ないよ?」
男「俺・・・幸せだよね・・・ごめんね?」
幼「ま、まぁ?横取りされる心配がなくなって私は安心したけど・・・女さんはどうするの・・・?」
男「大丈夫、放課後に話した時にすぐ話したから!彼女、全然イヤな顔一つしないで許してくれたよ。素敵な子だよね?」
幼(あぁ、絶対ぶち切れてたよ・・・ごめんね女さん)
幼「じゃあ1人で悶々としてた私は恥ずかしかったと?」
男「そういうとこをもっと見せてくれたら可愛いと思うよ!」
幼馴染「・・・・・」ジタバタ!
男「まぁ・・・そうだけど」
幼「ふふふ・・・よくも私を手玉に取ってくれたよ男・・・わかってるよね・・・?」ジリジリ・・・
男「おい、なんで近寄ってくるんだ・・・やめようよね?」
幼「いや、だって最近は男分が足りなくて・・・いいだろ?な?痛くしないからさ?」
男「なんかすごくヤらしく聞こえるからイヤだ!」
幼「じゃあわかった!ギュって抱き締めさせて!男は私に嘘ついて悲しませたんだからそれぐらいいいだろ?もしダメなら夜な夜な添い寝してやる」ハァハァ
男「やめろよ!母さんたちや叔母さんに勘違いされるだろ!」
幼「親公認って憧れるな私・・・まぁ男次第だよね」ニコニコ
男「うぬぬ・・・」
幼「いいよぅ・・・素直な子はお姉さん大好きだなぁ・・・」ハァハァ
男「ほら・・・早く抱き締めろよ・・・結構その・・・恥ずかしい・・・」カァァ
幼「うーん・・・なんか今日は嗜好変えて男、私を抱き締めて?」
男「え?俺が!?べべ、別にいいけどね、こんなのいつもと似たようなもんだしっ!」
幼「ふふ・・・じゃあ、お願いだよ男・・・ん・・・」
男「まったく・・・幼はまったく・・・」ギュッ・・・
幼「ふふ・・・捕まえた!これで男は逃げられないなっ!それにしてもちっちゃいな男は?あはは」ギュッ!
男「おまー!まぁ・・・今日は大人しくしといてあげる・・・今日だけなっ!」ギュッ・・・
幼「そう言って優しく抱き締めてくれる男にすごく愛しさを感じちゃうな私・・・」ギュッ!
男「俺も少し・・・やり過ぎた気がするから・・・喜んでくれるならこれぐらはさ・・・・」ギュッ・・・
幼「うん、ありがとう男・・・私、幸せだよ・・・」ギュッ・・・
男「うふっ!急に強く絞めるなよなっ!さぁ・・・どうだろうなー」
幼「なんと!ここまできて生殺しか!男、そういうのも悪くないと思うけど・・・そういうのはお互いを隅々までわかりあってからすべきだと私は思うっ!」ギュッ!!
男「うっ・・・なに創造膨らませてんだよ・・・そうだな・・・」
幼「ゴクリ・・・」ギュッ!!
男「保留で・・・」ボソッ・・・
幼「ふざけるなああああああ!」ギュギュウ!!!
男「いたいいたいいたい!!!」
幼「キスするぞ!いいのかっ!?」
男「いいよ?んっ・・・」
幼「ちょ・・・男大胆だよ・・・」ドキドキ
男(なるほど・・・こう扱えばいいのか・・・)
こうして幸せになりました、めでたし
Entry ⇒ 2012.03.19 | Category ⇒ 幼馴染「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
貴音「そわそわ…」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331822321/
貴音(わくわく…)
貴音「…」チラ
貴音「なんと、まだ1分しかたっていないではありませんか…」
貴音「ぱっけぇじに書いてある時間通り、きっちり待つのが作り手に対する礼儀!」キリッ
貴音「この後の口福を想像しながら待つのもまた、至福のひととき…」
貴音「まこと、素晴らしき発明です…」
貴音「そして、本日はなんと…2個同時に食すのです。」
貴音「ふふ、2つ並んだこの姿…まるで亜美と真美のように可愛らしい…」
貴音「!!!」サッ
P「どうしたんだ?そんなに驚いて?」
貴音「あ、あ、あ、あなた様!ど、ど、ど、どうしたのですか?」
P「いや、なんか給湯室の方からブツブツ聞こえたから…」
貴音「そ、そうなのですか。あの、私、お芝居の稽古をしておりまして…」
P「?お芝居なんて今やってないだろ?」
貴音「ふふ…私はとっぷあいどるになるため、常に精進をしているのです。」
P「そうか、貴音は偉いな。…よし!ちょっと見せてくれないか?」
P「誰かに見られている方が練習になるだろ?さあ、恥ずかしがらなくていいぞ!」
貴音(はて、弱りました…)
貴音(…)チラ
貴音(!…あと1分!)
貴音「あ、貴方様…出来ればまた別の日にお見せしたく…」
P「?俺と貴音の仲だろ?遠慮なんてするなよ。」
貴音「いえ、あの…」チラッチラッ
P「貴音?どうしたんだ?」
P「スンスン…そういえばなんかいい匂いがするな」
貴音「!…そ、そうでしょうか。はて、私には一向にわかりませんが…」
P「いや、なんだか食欲をそそるような…」スンスン
貴音「あ、貴方様!きっと疲れていらっしゃるのです!外の空気を吸ってこられてはいかがでしょうか?」
P「いや、元気だぞ…うん?なんか貴音の方から…」クルッ
貴音「…」ササッ
P「…」クルッ
貴音「…」ササッ
P「…」クルッ
貴音「…」サササッ
P「…と見せかけて!これかー!」バッ
貴音「ああっ!貴方様!汁が汁がこぼれてしまいます!」
・・・・・・・
P「…ズルズル」
貴音「…」
P「…貴音?」ズルズル
貴音「はい…」
P「俺との約束。覚えてるよな。」ゴクゴク
貴音「はい…」(ああ…私のかっぷらぁめん…)
P「『ラーメンは一日一杯まで!』その理由は?」
貴音「体に悪いから…太るから…です…」
P「よし、その通りだ。ちなみに今日の貴音のお昼は?」
貴音「らぁめん二十郎です…」
P「正確に。」
貴音「…大豚だぶる、メンマシ野菜ダブルニンニクカラメアブラブラ…です…」
P「…なるほど。そんなに食べたのに、さらに2つも食べようとしていたのか。」ペリペリ
貴音(ああ!そちらは時間差をつけたから、まだ若干早いのです!)
P「罰として今日は間食抜きだ。」
P「いいか、貴音。お前もまだ10代の若者だ。腹も減るだろう。」ズルズル…
貴音(ああ…亜美も真美もプロデューサーに食べられてしまいました…)
P「だから間食ぐらいは認めている。実際レッスンなんかでかなり動くからな。」ゴクゴク
貴音(真美…あなたはまだ成熟する前に慰み者にされて…ううっ…)
P「俺もその頃はよく食べた。だがな、毎日カップ麺を、しかも一気に2つもなんてよくない。」ズルズル
貴音(きっと先に食べられた亜美のことがうらやましくて焦ってしまったのでしょう…)
P「アイドルは体が資本だ。もっと気を遣わないと…」プハー
貴音「で、ですが貴方様!こ、これには訳があるのです!」
P「どんな訳だ?」
P「…亜美と真美なんていないぞ?」
貴音「このかっぷらぁめんのことです!」ズイッ
P(意味がわからん…)
P「カロリー…ハーフ…」
貴音「気づかれましたか…かろりぃが半分と言うことは2つで1つ分のかろりぃになるということ!」
貴音「つまりこれは一度に2つ食べるべきものだったのです!」ドヤァ
P「な、なんだってー!」
貴音「あう!?」
P「はあ…その理屈はおかしいだろ。とにかく、2個食いはだめだ。」
貴音「そんな…貴方様だって今2つ召し上がっていました…」
P「俺は昼食べられなかったからな。ちょうどいい。」
貴音「私だって…お腹がすきました…」
P「昼あれだけ食べてか…さすがにカロリーオーバーになるぞ。」
貴音「問題ありません!二十郎のらぁめんには一日分の野菜が入っておりますので、へるしぃです!」
P「塩分と脂肪分は数日分だけどな。」
貴音「…貴方様はやっぱりいけずです…」
貴音「そんな!?私に死ねと!?」
P「大げさな…まあ、間食自体禁止はしない。3日間ほどラーメンを控えるだけだ。」
貴音「ああ…なんということでしょう…」
美希「あれ?貴音なんか元気ないね?どしたの?」
貴音「美希…この世は闇…救世の光も届かぬとこしえの闇です…」
美希「?なんかよくわかんないけど…そろそろお昼食べに行かないの?」
貴音「ふ…今の私にはどのような食物も上滑りしていくばかり…空虚です…」
美希「貴音ひょっとしてダイエットしてるの?まあいいや、ミキは今日はおにぎり持ってきたの!」
雪歩「あ、美希ちゃん。それなら私お茶入れてあげるね。」
美希「雪歩ありがとうなの!今日のおにぎりはなんだろうな~♪」
http://blog-imgs-49.2nt.com/s/s/h/ssh123/11.jpg
グロ注意
あんた……
なんちゅうもんを…なんちゅうもんを見せてくれたんや………
美希「わあ!ウインナーと卵焼きもついてるの!ラッキーなの!」
美希「でもミキ一人じゃちょっと多いかも…貴音も少し食べる?」
貴音「おにぎり…ですか…」
美希「いらない?」
貴音「いえ…いただきます…」
モグモグ
こくのあるつなまよ、塩漬けの昆布、素朴ながら味わい深いねぎみそ…」パクパク
貴音「それにこのしっとりとした海苔からもきちんと磯の香りを感じます…」モグモグ
貴音「なんとも美味でした…」
美希「あ、うん…」(ミキの分ほとんど食べられちゃった…)
雪歩「あ、あの四条さん。美希ちゃん。お茶どうぞ。」
貴音「ありがとうございます。雪歩…」
美希「ありがとうなの。うん、雪歩のお茶はおいしいの。」
雪歩「えへへ、ありがとう。今日はほうじ茶にしてみたんだよ。」
雪歩「家からほうろくを持ってきて香ばしくあぶったんだ。」
貴音「なるほど…焙じてすぐに飲むとこれほどまでに香り高いとは…」ズズズ
美希「え?うん。元気になったならそれでいいの。」
・・・・・・・・・次の日
貴音「らぁめん…らぁめん…」ブツブツ
春香「貴音さん?大丈夫ですか?」
貴音「いえ…少々小腹が減っただけですので…ご心配なく…」
千早「それだけには見えないけれど…あ、カロリーメート食べます?」
貴音「…」フルフル
千早「そうですか…」
貴音「いえ、そうではなく…」
ガチャ
響「はいさーい!」
春香「響ちゃん?」
響「貴音?大丈夫か?」
貴音「響…私は…もう…もう…」
響「貴音!?しっかりして!自分が今ラーメンよりずっとおいしい物を作ってやるぞ!」
貴音「なんと…それはまことでしょうか?」
響「ああ!貴音からラーメンを禁止されてるってメールが来たからね!自分、貴音のためにとっておきを準備してきたんだぞ!」
貴音「響…!」
響「ちょっと待っててね!今すぐ最高においしいご飯を作ってやるさー!」
響「はい!お待たせ!みんなの分もあるぞ!」
http://blog-imgs-49.2nt.com/s/s/h/ssh123/21.jpg
http://blog-imgs-49.2nt.com/s/s/h/ssh123/31.jpg
千早「お寿司…には見えないわね。」
響「ポークおにぎりって言ってスパム…ランチョンミートのおにぎりさー。沖縄ではコンビニにも売ってるぞ!」
貴音「なんとも素晴らしい香り…いただきましょう。」
千早「へえ…こっちのそばとはちょっと違うのね」
春香「でもとってもいいおダシ~。」
貴音「上に乗っているお肉もトロトロです…」
春香「このポークおにぎりもおいしいね!」
千早「卵とよくあうわ。」
貴音「響…ごちそうさまでした。わたくし、これで今日一日は生きていけそうです…」
響「へへっ!よかった!あ、…でも、自分明日は用意できないぞ…」
貴音「いえ、あと一日…耐えて見せます。」
貴音「あ…らぁめんまん様…私を迎えに来てくださったのですか…?」
やよい「貴音さん!?何言ってるんですか!?しっかりしてくださいー!」
貴音「…はっ!失礼しましたやよい。どうやら私、夢を見ていたようです。」
やよい「貴音さん、あんまり寝てないんですか?」
貴音「はい…いざ寝ようとするとらぁめんの夢ばかり見てしまい、食べようとすると目が覚める…その繰り返しなのです…」
P(ちょっとかわいそうになってきたな…)
やよい「そうなんですかー…あ!ちょっと待っててください!」
貴音「やよい?」
http://blog-imgs-49.2nt.com/s/s/h/ssh123/41.jpg
貴音「これは…」
やよい「サンマーメンって言うんですよ!丁度お昼時ですし、特売のもやしで作っちゃいましたー!」
貴音「やよい…お気持ちは嬉しいのですが…」チラッ
P「…」
やよい「…?ひょっとしてサンマーメン嫌いでしたかー…?」
貴音「いえ、そういうわけではなく…」
P「…いいよ、みんなで一緒に食べよう。」
貴音「貴方様!」
P「俺も言い過ぎたよ…ごめん。これ以上そんな貴音を見るのは辛いよ。」
貴音「いえ、私こそ…貴方様に心配をかけてしまいました。」
貴音「皆のおかげでらぁめん以外の可能性にも気づくことが出来ました。」
貴音「今後かっぷらぁめんは3日に1回…いえ、2日に1回にいたします!」
P「ああ!偉いぞ貴音!」
やよい「うっうー!なんだかよくわからないけどよかったかもー!」
貴音「…」キョロキョロ
貴音(よし…慎重に参りましょう…慎重に…)
貴音「…」ツー
ボゴォン!
貴音「!」
P「なんだなんだ?」
貴音「あ、貴方様…こ、これは…」
P「貴音…お前…」
貴音「こ、これはかっぷ焼きそばです!らぁめんではありません!」
貴音「ですから何も問題は…」
P「いや、ある。」
貴音「!なぜですか!」
P「焼きそばには問題はない…だが、量に問題がある。」
貴音「そのことでしたら…約束通り一個ではありませんか…」
P「…ペヤング超大盛りは一個とは言わない!」
P「罰としてこれは没収だ!」
貴音「ああ!?貴方様…」シュン
P「…半分こにするか」
貴音「!」
貴音「はい!」パアア
おわり(ペア+ヤングでペヤングなんだぜ)
太りたい奴はあと少しだけある
続けなさい
http://blog-imgs-49.2nt.com/s/s/h/ssh123/51.jpg
亜美「うわー!すごいねそれ!まるであずさお姉ちゃんの胸のようだよ!」
真美「へっへっへ~。育ち盛りはこれくらい食べないとね~。いっただっきまーす。」
亜美「モグモグ…うん!おいしいね!」
真美「うん!…なんか面白い記事あったー?」
真美「えー?…なんかチャラそう。」
亜美「そう?なんか危険な雰囲気でイイじゃん!」
真美「真美はもっとちゃんとした感じの人がいいよ。」
亜美「ちゃんとした?マジメってこと?」
真美「うん」
亜美「優しくて?」
真美「うん」
亜美「大人で?」
真美「うん」
亜美「兄ちゃんみたいな?」
真美「うn……って!違うよ!もー!」
亜美「あはは!真美顔赤いよー!」
http://blog-imgs-49.2nt.com/s/s/h/ssh123/61.jpg
P「なあ伊織…随分高そうだけど、大丈夫なんだろうな…」ヒソヒソ
伊織「水瀬グループの系列店だから大丈夫よ。それに今日は私がご馳走してあげるっていってるでしょ!」
P「ああ…それは嬉しいんだけどさ…なんでまた…」
伊織「あ、あんたが普段ろくなもん食べてないんじゃないかと思ったのよ!」
伊織「私は別にどうでもいいんだけど…あんたが栄養不足で倒れたりしたら、その、他のみんなが困るし…」
あずさ「あらあら~。伊織ちゃんはプロデューサーさんに日頃のお礼がしたかったのよね~」
伊織「う、うるさいわね!あずさは黙っててよ!」
あずさ「伊織ちゃん。シーッ」
伊織「あ…///」
P「ははは…まあ食べようじゃないか。」
あずさ「そうね~私のパスタもおいしそう~」
http://blog-imgs-49.2nt.com/s/s/h/ssh123/71.jpg
P「伊織のオムライスも美味しそうじゃないか。一口くれよ」
http://blog-imgs-49.2nt.com/s/s/h/ssh123/81.jpg
伊織「えっ…しょ、しょうがないわね…一口だけよ。ほら、口、開けなさいよね…」
Entry ⇒ 2012.03.19 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
橘純一「765プロに就職した」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330682288/
梅原「とか言い出したから何をするのかとかと思えばアイドル事務所だったとはな」
橘「いやーそこの事務所の社長さんにティン!とかきた!とか言われてそのままま入社しちゃったんだ」
梅原「大丈夫かそこ・・・・・超ブラックとかじゃないよな」
橘「確かに事務所の規模は小さいけど、いい雰囲気だったよ」
橘「それにだ・・・・事務員さんがだ・・・・・小鳥さんというんだがこれがまたナイスバデーでな」
橘「一見してみるとそうでもないんだが、事務服に隠されたその豊満なボディーを発見してしまったのだ」
橘「プロデューサーと事務員・・・・なんと甘美な組み合わせ・・・・・アイドルに隠れ・・・・事務室での甘いひと時・・・・」
梅原「くぅ~!大将!さすがだ・・・さすがだよ・・・就職した理由がそれとは・・・・恐れいった」
橘「ふふふ・・・・・恐れいったか梅原君・・・・これが人生の歩み方というものなのだよ・・・・」
代理ありがとうございます、以後このIDで行きます
梅原「大将!俺のトロ子も!ぜひプロデュースお願いします!」
橘「まあまあ待ちたまえ・・・今日は事務所所属のアイドル達と会うことになっている」
橘「その後でもトロ子ちゃんのプロデュースは遅くないだろう・・・待っていたまえ」
梅原「ははぁ・・・心してお待ちしております」
橘「うむ・・・・・私はタクシーで事務所に向かわせてもらう」
梅原「ははっ!大将様社長様、車は外でお待ちしております・・・・・」
橘「苦しゅうない・・・・」
社長「皆、今日から君たちのプロデュースを担当してもらうプロデューサーを紹介する、橘純一君だ」
橘「よろしくお願いします!」
春香「お願いします」
橘(うん、かわいい)
美希「よろしくなの」
橘(何・・・・この子は中学生だと・・・・けしからんな・・・・)
響「よろしく!」
橘(褐色の日焼け肌で元気っ子素晴らしい・・・・)
橘(胸はちょっと・・・残念だがそれは違う需要があるということ・・・そして少し冷たい視線・・・これもまたそそる)
真「よろしくお願いします!」
橘(ボーイッシュな女の子・・・いいね)
雪歩「よ・・・よろしくおねがいします・・・」
橘(怯える子というのは非常にそそるものがある)
亜美「双海亜美!」
真美「双海真美!」
亜美真美「どぉえーっす→!」
伊織「水瀬伊織ですぅ~よろしくお願いします~」
橘(この子達は数年後に光る・・・期待だな・・・)
貴音「よろしくお願いいたします」
橘(ちょ・・・ちょ・・・チョモランマ!)
橘(いかんいかん!さっきから見る点が違う、僕はプロデューサーとして就職したんだ)
橘(しかし女の子がいっぱいいるからか良い匂いがするな)
橘(ちょっといまのうちに嗅ぎだめしとこう)
橘「あ、すみません社長、大丈夫です」
社長「うむ、彼女たちが我社のアイドル達だ、よろしく頼むよ」
橘「はい!任せてください!」
こうして僕のプロデューサーとしての道は始まったのだった・・・
橘「まずだ、やることがある」
律子「はぁ・・・」
橘「この宣材写真だ」
律子「宣材写真ですか?」
橘「確かにこの写真は悪くない、それぞれの個性がよく出ている」
橘「しかしやはりこれではいけないと思うんだ」
橘「亜美と真美なんて猿の格好だし、これじゃ来る仕事も来ないよ」
律子「でも新しい衣装を注文したからお金ないですよ・・・・新しいのを撮るお金なんて・・・」
橘「だから僕が撮るよ」
律子「え?」
伊織「宣材写真を撮り直すっていうから期待して来てみれば・・・」
千早「まさかプロデューサーが撮るとは・・・・」
あずさ「こんな感じでよろしいでしょうか」
橘「あずささん!すごい似合ってますよ!」
あずさ「そうですか~ちょっと老けて見えないかしら」
橘「大丈夫です、早速撮ってみましょう」
あずさ「はい~」
橘「もう少し斜めに」 カシャ
橘「今度は座ってみましょう」 カシャ
橘(なんだかお宝本の撮影みたいで楽しくなってきたぞ)
橘「足を伸ばして・・・・そうですね・・・足を交差させてみて・・・・」 カシャ
橘「いいぞ!いいぞ!いい宣材写真になりそうだ、次は美希だ」
美希「はいなの、プロデューサー、美希は自分でリズムとってポーズするからそれをパシャパシャってとってね
橘「任せてくれ」 カシャ カシャ
千早「はい」
橘「千早もっと笑って笑って」
千早「こう・・・・ですか・・・・」
橘「う・・・・うーん」
千早「ごめんなさい、笑顔が不自然・・・・ですよね」
橘「確かにそうかもしれない・・・・・いやならばむしろそのままの千早を、ありのままの千早でいこう」
千早「ありのまま・・・ですか」
橘「そうだ、そのままの千早で十分かわいいからね」 カシャ
千早「な・・なにをいきなりそんな・・・・」
橘「よし・・・って響、なにしてるんだ」
響「何って自分は何もしてないぞ・・・ポーズが悪かったのか?」
橘「なぜ肌を隠す服を着ているんだってことだよ、響の強みとするところはそこじゃないだろ」
橘「もっと肩がはだけたような服を着るんだ、ああそうだ日焼け肌と焼けてない肌の境界線をみせるようにだ、そこが大事なんだ」
響「わ・・・・わかったぞ・・」
カシャ カシャ
イイゾヒビキ!
ツギハハルカダ
カシャ カシャ
律子「すごいスピードで撮影をこなして行ってるわ・・・・」
橘「ふぅ・・・・」
律子「お疲れ様ですプロデューサー」
橘「いや、後一人残ってる」
律子「え?だって全員分の撮影は終わりましたよ」
橘「律子先輩、貴方ですよ」
律子「え?私ですか、私はアイドルじゃないですよ」
橘「僕知ってるんです、律子先輩がアイドルやっていたの・・・・・」
律子「な!!////」
橘「僕の友達の梅原っていうんですけどね、彼に聞いたんです、その昔秋月律子というアイドルがいたと・・・・ね」
橘「プチピーマンといえばすべて分かってくれるはずだ・・・・奴がそう言ってました」
橘「プチピ・・・・梅原は今でもあなたのことを思っている、それを分かってほしい・・・・」
橘「そんなファンクラブNo.001、梅プチピー原に愛する人の生写真を与えてあげたい・・・・それが男の友情というものなんです」
律子「で・・・でも・・・あ・・・」
橘「心配はいりません律子先輩、俺が魂を込めて律子先輩の写真で撮ります」
律子「あ・・・あ・・あ~」 ズルズル
小鳥「写真、出来上がったんですって」
橘「はい・・・・これです」
小鳥「これ・・・本当にすごいですよ、プロのカメラマンも真っ青な出来です・・・」
橘「ありがとうございます」
小鳥「あれ?これ律子さん?」
律子「やめてください・・・・恥ずかしくて死にそうです・・・」
橘「そしてこの写真を使って早速宣伝してきました、そして仕事を頂きました」
律子「いつの間に・・・・・・ってこれローカル番組ですけど料理番組のメインじゃないですか!
律子「それも4人も使ってもらえるなんて」
橘「ええ、番組のディレクターと息が合っちゃって、今からこの番組の撮影に行ってきます」
あれ?何気に有能じゃね?
タッタッタ
律子「行っちゃた、まさか写真が出来て瞬時に仕事がくるなんて・・・・」
小鳥「プロデューサーさんがあちこち回ってくれたみたいですよ」
律子「あの原動力は一体どこから・・・・・」
律子「わ・・・私も頑張らないと!小鳥さん!竜宮小町についてちょっと社長に掛けあってみます!」
小鳥「はい」
タッタッタ
律子「プロデューサーさんが来てから765プロに活気が出てきたわね、ふふっ」
橘「最初はビーチフラッグのような競技だ、勝ったほうが有利な食材を貰えるぞ」
響「えーっとこの競技は自分と千早だったな」
春香「がんばってね、千早ちゃん」
千早(こんな番組が歌の役に立つのかしら・・・・)
~
司会蛙「それではスタートォー!GO!」
ピー
シュパパパパ
響「とったゲロ~!」
千早「ぺっぺ・・口に発泡スチロールが・・・いたた」
橘「あ、カメラマンさんコケた千早を撮って下さい」
カメラマン「あ、はい」
春香「あ、千早ちゃん!これお願い」
千早「うん、あ、春香!お鍋吹きこぼれてる!」
春香「あ、いっけないっ・・・キャア」 コケ
司会蛙「おーテレビ的においしいぞー!」
司会蛙「どうかなー如月選手、パートナーのこのリアクションは?」
千早「あの・・・・何が面白いんですか?」
司会蛙「え?」
橘「僕はおもしろいぞ」
千早「え?」
橘「可愛い子がちょっとおっちょこちょいなところを見せてくれる、それに興味がない男なんていないじゃないかな」
千早「・・・・」
橘「千早、ちょっといいか・・・」
橘(真面目な話だ・・・・顔もキメていかないと)
キリッ
千早「はい・・・なんでしょう」
橘「千早は料理をどう思ってる?」
千早「はい?」
橘「料理を美味しくする究極の隠し味・・・・知ってるか」
橘「月並みなんだけどやっぱりそれは『心』だと思うんだ」
千早「心・・・ですか?」
橘「ああ、おいしい料理を心を込めて作る、歌と同じだよ、精一杯頑張って心を込めて相手に届ける」
橘「それが人に何かを伝えるってことなんだよ」
千早「プロデューサー・・・・・」
橘「伝えたいのはそれだけだ・・・あとは千早が決めるんだ・・・・・じゃあ次からもがんばれ」
スタスタスタ
橘(そして橘純一はクールに去るぜ・・・・)
タッタッタ
ドシャーン
スタッフ「おい誰かが盛大にコケたぞ!大丈夫か!」
橘(痛い・・・・千早達の見えない舞台裏でよかった・・・・)
橘「千早、今日は良かったよ」
千早「ありがとうございます・・・・ごめんなさい私が迷惑かけてしまって」
橘「全然迷惑なんかじゃないよ、むしろ僕が自分の意見を突き通して逆に迷惑だったんじゃないかな」
千早「そ・・・・そんなことないですっ」
千早「プロデューサーがあんなに真剣な顔してる私に怒ってくれて・・・・最初はたしかにびっくりしましたけど」
千早「まだ会って日が浅いのに・・・・あんなに・・・」
千早「私たちのことをあんなに真剣に見ていてくれたんだなって・・・ちょっと感動しちゃいました」
千早「あの・・・迷惑かけたお詫び・・・といってはあれなんですが、もし良かったら何かお詫びをさせていただけませんか」
橘「お詫び・・・」
千早「はい・・・私にできることでしたら」
橘(千早にして欲しいこと・・・・頭とか撫でてみたいけど・・・・変なことになっちゃうよなぁ・・・・)
橘(変なこと以外で千早の為になることを考えなくちゃいけないな・・・・)
橘(そういえば春香が千早は一人暮らしだと言ってたな)
橘(ということは・・・・あれだ・・・あれしかない・・・俺にも千早の為にもなること・・・これだ!!)
橘「千早」
キリッ
千早「は・・・はい!」
橘「千早の暖かさを知りたいな」
千早「え?な・・・なにを」
橘「千早の暖かさを知りたいな」
千早「なんで二回言うんですか!」
橘「そして千早は一人暮らしだ、恐らく人の温かみというものを暫く感じていないだろう」
橘「だから僕の暖かさを千早に知ってほしんだ、そして僕は千早の温かみを知りたいんだ」
千早「な・・・な・・・・・」
橘「頼む千早・・・・僕と千早のためを思って・・・・ほんの少しでいいんだ」
千早「す・・・・少しだけなら・・・・・」 ボソ
千早「少しだけなら・・・・いいですよ」
橘「ありがとう千早・・・この恩は忘れないよ」
千早「早く終わらせちゃいましょう・・・どうぞ///」
千早「なんでいきなり膝立ちになってるんですか・・・ってその格好のまま近づいて来ないでください!!」
橘「この高さが一番よく見えるんだ」
千早「胸に顔を近づけないで下さい!!」
橘「うん、暖かい」
橘(しかし女の子ってのはどうしてこう良い匂いがして暖かいんだろうか・・・・世の中の7不思議の一つだ)
千早「~~///」
橘「本当に暖かい、よ~し千早の体温覚えたわん!」
千早「ば・・・馬鹿なんじゃないですか・・・・///」
暖かった……僕は、僕は小さい胸も好きになってしまったかもしれない
コンコン
小鳥「はーい!どうぞ~」
ガチャ
美也「おじゃましま~す、お兄ちゃんいますか」
小鳥「あれ、美也ちゃんおはよう、プロデューサーさんならお仕事行っちゃったわ」
小鳥「お昼前にはもどってくるはずだけど・・・・どうしたの?」
美也「あのバカにぃ・・お兄ちゃんがお弁当忘れてっちゃったの」
小鳥「あら、それをわざわざ届けに?さすが美也ちゃん頼りになるわね」
美也「えへへ~お兄ちゃんがダメだと妹は賢くなるのです」
春香「あれ、美也どうしたの?」
美也「あ、春香おはよう」
美也「いやーうちのお兄ちゃんがお弁当忘れちゃって届けに来たんだ」
美也「うん、小鳥さんに聞いたよ、だからちょっと事務所で待たせてもらおうとおもって」
春香「そうなんだ、じゃあ何かしようよ、モノ○リーあるよ!モ○ポリー!」
美也「うーん・・・あれあんまり得意じゃないんだ・・・それよりも、ねえ春香」
春香「どうしたの改まって」
美也「正直お兄ちゃんはちゃんと仕事してる?」
春香「え?」
美也「お兄ちゃん歳の割には子供っぽい所あるから心配で心配で・・・」
美也「春香はお兄ちゃんに変なこととかされてないよね?」
春香「だ・・・大丈夫だよ」
春香(この前転んだ時に膝すりむいちゃった時にすぐに消毒液と絆創膏持ってきてくれてすごい丁寧に手当してくれて)
春香(その時ちょっと格好いいなって思っちゃったけど、こんなこと美也に恥ずかしくて言えないよ・・・)
美也「心配・・・・」
美也「もしお兄ちゃんに変なことされたらすぐに言うんだよ!すぐに駆けつけるからね!」
春香「あはは・・・そんなに心配しなくても大丈夫だって」
ガチャ
橘「只今戻りましたー、春香、次の仕事についてなんだが・・・・って美也!なんでここに」
美也「お兄ちゃんがお弁当忘れるからでしょ、わざわざ届けに来てあげたんだよ?」
橘「あーそっか忘れてた、ありがとう美也」
美也「本当に頼りないんだから・・・」
>>67 ごめん普通に年齢勘違いしてた、まあめんどいからこのままでいきます
亜美「おはよ→」
美也「おはよーう」
あずさ「あら、美也ちゃんおはよう」
美也「おはようございます」
美希「なになに?ハニーの妹ちゃん来てるの?」
美也「ハニーって・・・・・」
ガチャ
雪歩「ううう・・・・・」
真「雪歩、大丈夫だよ今日はたまたま男の人が先生だっただけだから、明日がんばろう」
伊織「雪歩のせいで全然レッスンにならなかったわ・・・」
橘「雪歩に真に伊織、おかえり、なんだ今日は男の先生だったのか」
真「そうなんです・・・・だから雪歩が怯えちゃって」
橘「雪歩・・・ちょっといいかい」
雪歩「は・・・はい・・・」
橘「ごめんみんな、雪歩とふたりきりにさせてもらっていいか、入って来ないでくれよ」
ガチャ
美也「怪しい・・・」
【社長室】
橘「雪歩・・・・」
雪歩「は・・はい」ビク
橘「アイドルを続けていく上で避けては通れない道がある」
雪歩「はい・・・」
橘「それはファンとの交流だ、その中にはもちろん男もいるだろう」
雪歩「分かってます・・・それなのにわたしったら・・・・」
橘「だから僕と練習しよう」
橘「男の人になれる練習だよ、まず知っている僕からだ」
雪歩「で・・・でも何するんですか・・・・」
橘「そうだな・・・・まずはできるだけ慣れている場所で出来るだけ慣れている人と始めるのが大事だと思う」
橘「だからまず765プロ内で始める」
雪歩「は・・はい」
橘「肩車を」
雪歩「はい・・・・え?」
橘「僕が雪歩を肩車して事務所の中を走りまわる」
橘「もちろん皆は僕達を見るだろう・・・・・だが考えてくれ」
橘「見知った事務所の中、そして見知った顔の前だ、何を臆することがあるだろう」
雪歩「な・・・なるほど」
いつも俺たちの想像の斜め上を行きやがる
響「美也に千早に美希・・・・社長室の前で何してるんだ・・・・」
美也「しっ!!」
千早「我那覇さんちょっと静かにしてて」
美希「うーんハニーの声全然聞こえないの・・・・何してるのかな・・・・」
ヨシ ジュンヒ ハ イイガ
ハ・・ハイ
美也「ん?なんか動いてる気配が・・・」
ドン
美也「痛っ!」
美也「ちょっとにぃに・・・いきなりドアを開けないで・・・・・よ・・・」
千早「プロデューサー?雪歩?何してるの?」
橘「プロデューサーではない・・・・今の俺は・・・萩原純一だ・・・・・」
キリッ
橘「いたいけな少女のために立ち上がった正義の使者とでも呼んでもらおうか・・・・」
橘「いくぞ、雪歩」
雪歩「い・・・・いえーい!!!」
......そして僕達は事務所の中を肩車で走りまわったのであった
なんかすごい怒っていた美也が引っ掻かれたが
しかしよく考えたら女の子を肩車ってちょっとエッチだったかもな.....でも結構気持ちよかった.....
橘「暑い・・・・すごく暑い・・・・」
橘(エアコンが壊れるとは予想外だった・・・・
かなり仕事は増えたとはいえまだまだスケジュールが真っ黒に染まるには程遠い
つまり・・・・この暑い中で事務所一同することもなく・・・・暇)
亜美「暑い・・・・・」
春香「エアコン壊れちゃったんだからしょうがないよ」
真美「このままじゃバターになっちゃうよぉ・・・」
響「うー自分の家のすぐ近くは海だったからそこで泳げたんだけど・・・・ここじゃどうしようもないぞ・・・」
春香「海・・・・海!そうですよプロデューサーさん!」
橘「あつい・・・って・・・ん?」
春香「海行きましょう!海!慰安旅行ですよ!」
橘「海・・・・海!そうだ海だよ!海いこう!」
橘「明日にでもオフの皆を連れて海に行こう!このままじゃ皆の汗が集まって生物が出来てしまう」
橘「いや・・・・女の子と僕の汗の結晶体というのも見たい見たい気がするが・・・とにかく明日海に行こう!」
http://www.youtube.com/watch?v=SLDpwDPfFME
橘「いやっほおおぉぅ~っ! 海・水・浴! 海・水・浴!」 シュパパパパ
美希「待ってハニー!ミキが一番なのー!」
響「負けるかー」
真「させないよー!」
真美「目標まで30メートル!!」
律子「みんなー日焼け止め忘れないちゃだめよー!」
橘「いえーい」 バシャバシャ
伊織「しかしアンタが唐突に海に行くとか言い出してびっくりしたわよ・・・それも昨日の今日って」
橘「皆の水着が見たかったからな!」
伊織「変態・・・・」
伊織「うわ!やめなさいよ!」バシャバシャ
亜美「ふっふふ!水鉄砲をくらえ!!」
橘「ほらほら伊織掛かって来い!」
美希「ミキもまぜてー!」
橘「いいぞ・・・・・・・っは!」
橘(ふと・・・この時僕は思ったんだ、海水には彼女たちの汗が混じってると)
橘(そして考えた、どこが一番より効率良くそれを感じるのとができる場所なのかと)
橘(自然と僕は彼女たちの遊ぶ流れの下へと歩みを進めた)
橘(うん、この位置だ)
橘(少し潜ってみよう) ブクブク
橘(このふとももは美希か・・・・ううむ)
橘(うーむけしからん・・・・少し触ってみよう)
美希「ひゃ!」
真美「うわ!どうしたのミキミキ」
美希「もう・・・ハニーったら・・・・こうしてやるの」
橘(く・・・美希のおしりが顔に・・・・くっ・・・息苦しさと幸福感に溢れたこの感じ・・・初めてだ・・・)
橘(くるしい!だがこれもまた楽しみの一つ・・・・)
美希「ほらほら~」
橘(漢、橘純一ここで負けるわけにはいかない!)
橘(お返しに膝裏を舐めてみよう)
美希「はう!・・・・むぅ~」
~~~
橘「ふぅ・・・・・実に有意義な潜水であった・・・・」
やよい「あの~プロデューサーさん!皆の分のお昼買いに行くんですけど一緒に行ってもらってもいいですか?」
橘「ああ、いいよ」
橘「ん?やよいはスクール水着なのか」
やよい「あ、はい水着これしかもってなくって・・・やっぱり恥ずかしいですかね」
橘「やよいにはすごい似あってると思うよ」
やよい「あ・・・ありがとうございます!」
橘「しかし水に濡れたスクール水着ってのはどうしてこう・・・・・」
やよい「ぷ・・・ぷろでゅーさー・・・さん」
ペタペタ
橘(スベスベしてるだけじゃなく、ちゃんと質感があって・・・・)
ペタペタ
やよい「プロデューサーさんくすぐったい・・・・です・・・」
橘「あ、ごめんつい興味心が勝ってしまったんだ」
橘「ごめんね、お昼買いに行こうか」
やよい「は・・・はい・・・」
やよい(すごいくすぐったかったけど・・・・なんかちょっと嬉しかったかも・・・)
テクテク
やよい「あれ?すごい人だかりが出来てますよ」
橘「本当だ、なんだろう・・・って貴音!なにしてるんだ」
貴音「これはプロデューサー殿・・・ここでらぁめん3杯食べれば無料というきゃんぺぇんをやっていたので」
橘「なるほど・・・・」
橘「しかしまだまだアイドルとしては未熟だな・・・貴音・・・」
橘「周りを沸かせてこそのアイドル・・・・・だろ?」 キリッ
貴音「っは!」
橘「気づいたか貴音・・・・その領域に足を踏み入れられればお前も一人前のアイドルだ・・・・」
貴音「プロデューサー!ぜひご教授を!」
橘「実は・・・貴音には内緒にしていたんだが、ラーメンの食べ歩き番組の仕事を貰ってきてる」
貴音「なんですと・・・・」 ワクワク
橘「ラーメンの番組だ、つまりラーメンを食すわけだ」
貴音「その通りです・・・」
橘「つまりラーメンに勝たなければならない、ラーメンに負けるレポーターが果たしてレポーターが務まるだろうか、断じて否だ」
貴音「まさに・・・・まさにその通りです・・・プロデューサー殿!」 ドキドキ
橘「その特訓として最初に考えたのはまず、貴音の両手を縛る」
橘「そして僕がラーメンを食べさせて貴音はラーメンの誘惑に打ち勝つというものを考えた」
橘「この方法だと主導権はラーメンにあるわけだ、それではダメなんだ貴音がラーメンに勝つ為にはな・・・」
橘「だからそうではなく僕が縛られようと思う」
貴音「それはまた・・・面白い」
橘「だから貴音、縛ってくれ」
貴音「ええ」 シバリ シバリ
観客A「何やってるんだあいつら・・・・」
観客B「いきなり男を縛りだしたぞ・・・」
観客C「あ・・・ラーメンを食べさせ出したわ・・・・」
橘「あ・・・お願いします!ラーメンを!ラーメンをもっと!もっとください!」
貴音「ダメよ貴方は子犬・・・ご主人がダメといったらいつまでも待たなきゃだめよ」
橘「きゃ・・きゃぅーん・・・」
貴音「ほらお座りなさい」
橘「わん!」
貴音「いい子ね、それじゃあ餌をあげるわ・・・」
橘「くぅ~ん」
やよい「プロデューサーさん・・・・・」
やよい「プロデューサーさん・・・・・・・かわいい・・・//」
,,,,,,このあと貴音との交流は暫く続いた・・・帰りが遅いのを心配して伊織が
迎えに来て僕と貴音の交流を見られてしまった、伊織は非常に下賎なものを見る
ような表情をしていた・・・・しかしあの目もまた・・・目といえば貴音とラーメンを食べる
時どうせなら目隠ししてするんだった・・・・失敗だ・・・
伊織「あれはなんなの?」
橘「いや、貴音とラーメンを見ていたら縛られるしか思いつかなくて・・・」
伊織「ホントどうしようもない変態ね!ド変態!der変態!変態大人!」
橘「はい・・・はい・・・」
伊織「聞けば貴音のTV番組のための特訓だったらしいじゃない・・・」
橘「はい・・・」
伊織「この伊織ちゃんのお仕事はとってきてないのに?」
橘「あります!」
伊織「へ?」
橘「伊織の為の仕事もちゃんと取ってきてます!」
伊織「な・・ならいいけど・・」
伊織「ちなみに何の仕事なの?」
橘「シャンプーのCMです」
伊織「シャンプー?」
伊織「よ・・・よく分かってるじゃないこの伊織ちゃんのことを」
橘「だろ?だから伊織!伊織、髪触らせてくれ!」
バシン!!
伊織「あんたばっかじゃないの!」
橘(いたい、伊織にビンタされてしまった、頬がすごく熱い、でもなんか気持ちいいかも)
橘「伊織もう一回おねが・・」
バシン!!
橘(おぉおーぉー)
橘(いかんあくまでもクールにだ、このままでは叩かれて喜んでるただの変態じゃないか)
橘(だからもう一発やってもらってそうでないことを確かめないと)
橘「ごめん伊織右頬だけじゃバランス悪いから左頬もお願いできるか」
橘「そうすればこの前テレビで出てたアフリカの部族の戦化粧みたいで格好が付く」
バシーン!!
橘(あ、いい)
ワォーン!
バシーン!
ワォーン!
雪歩「真ちゃん・・・・なんかうめき声がするよぉ・・・・この旅館こわい・・・」
真「大丈夫雪歩・・・僕が付いてるよ・・・」
春香「この旅館・・・古いとは思ったけど・・・・こんなにはっきりと聞こえるなんて・・・」
真美「亜美~怖いよ~」
亜美「亜美だって怖いよ~」
真美「そういえば旅館のおばさんが昔この海で溺死してしまったカップルがいるって・・・」
真「え・・・じゃあこの声って・・・」
バシーン!
ワォーン!
雪歩「きゃあああああああああああ!!!!!!やっぱりおばけぇえええ!!!!」
さんつけるのは春香とあずささんだけじゃなかったっけ
橘「なに?あの旅館お化けが出たのか」
雪歩「もう怖くて怖くて・・・・プロデューサーさんどこにいたんですかぁ・・・」
橘「ちょっと私用で他の部屋にいたんだが・・・僕は聞こえなかったけどな・・・」
雪歩「やっぱりあの部屋に居たんだ・・・・憑かれてたらどうしよう・・・わたし死んじゃう・・・」
真「雪歩?雪歩!!しっかり!気をしっかり持って!」
橘「雪歩しっかりしろ、午後からファーストライブの会場の下見もあるんだ、しっかり」
雪歩「少し・・・休ませて下さい・・・・」 バタッ
>>117 ぐぐったら呼び捨てだった、ちょくちょく細かいとこ間違えるな、ごめんなさい
橘「ふーむここがライブ会場か」
律子「さすがにまだライブ会場の下見は速すぎるんじゃないですか?」
橘「いや、こういう現場を見せてあげることによって彼女達のモチベーションは上げようと思ってね」
真美「みてみてー!やよいっち!」
やよい「うわー!すごいキラキラですぅ!」
真「うわー」
雪歩「大きい・・・」
響「あ!あの一番大きいモニターに自分たち映ってるぞ!おーい!」
律子「確かに上がってますね・・・」
橘「だろ?」
千早「ふふ・・・みんな元気になっちゃったわね」
春香「だね」
橘「どうしたんだ、美希?ぼーっとしちゃって」
美希「あ、ハニー」
美希「ここすごいキラキラしてるなーって思って」
美希「ねえ、美希もここでキラキラできるかな?」
橘「ああ、できるさ、美希ならなんだって」
美希「そうだよね、ありがとなの♪ハニー」
橘「皆、聞いてくれ!僕がいろんな仕事を皆に持ってきて皆が早くここでライブ出来るようにする」
橘「だから皆も頑張ってくれ!」
一同「はい!(なのー!)」
橘「ん?」
美希「ミキね、ハニーに答えられるように精一杯頑張るよ」
美希「だからね、もし全部落ち着いて・・・・」
美希「それでもしもまだミキがハニーのことをまだハニーって思ってたらね・・・」
美希「ミキの本当のハニーになってもらっていい?」
橘「ん?何言ってるんだ、僕はいつでも美希のハニーだぞ」
美希「もう~そういうことじゃないのー!もういいよーっだ!」
スタスタ
橘(?、美希のやつなんなんだ?)
橘(本当のハニーってまさか・・・恋人ってことじゃ・・・いやまさかなーはっはは)
橘(僕が美希なんかと釣り合うはずないしな・・・)
橘(自意識過剰だよなぁ・・・いかんいかん!)
橘「響!真!午後から雑誌の取材があるの忘れるな?送ってくぞ」
響「あ、はーい!」
真「雪歩、行ってくるね」
雪歩「うん、行ってらっしゃい頑張ってね」
橘「それじゃあ律子先輩、皆をお願いします」
律子「ええ、分かってるわ」
橘「じゃあ行くぞー」
橘「2人とも乗ったか」
響「うん」
真「乗りましたよ」
橘「んじゃ出発」
ブロロロロ
響「しかしプロデューサーが運転してるとなんか違和感あるぞ」
真「確かにちょっとまだ慣れてないですよね。運転」
橘「う・・・うるさい!取ったばっかりなんだから仕方ないだろう」
真「あんまりふらふらしないでくださいよ・・・」
橘「そう言われると緊張してくる・・・」
橘「ま・・・真はいつまでお父さんと一緒にお風呂入ってたんだ?」
真「な・・・何言ってるんですかプロデューサー!!」
橘「ボーイッシュな女の子がいつまでお父さんと一緒にお風呂に入っていたかというのは今後の研究に大いに役に立つ」
真「なんの研究なんですか!」
橘「全国青少年健全育成委員会のレポートの期日が迫っていてな・・・」
真「そんな委員会はありません!!」
橘「は・・・早くしてくれないと俺が緊張でシートごと窓から飛び出すぞ」
真「う・・・プロデューサーが死んじゃうのは・・・・」
真「わ・・・・わかりましたよ・・・///」
ゴニョゴニョ
真「・・・・・歳です」
ギュオー!!
響「プロデューサー!!前!前!!信号!!赤だぞ赤!!!」
橘「ぐわー!!」
キキーー!!
真「し・・・・死ぬかと思いましたよ・・・・プロデューサー・・・」
響「一瞬沖縄が見えたぞ・・・」
橘「ご・・・ごめん・・・」
真「言っても言わなくてもこうなるんだったら言った損じゃないですか僕・・・」
橘「いや・・あまりの発言に思わずブレーキとアクセルを間違えたんだ・・・」
真「僕もう何も答えませんからね!」
橘「僕もちょっと黙って運転する・・・」
橘(何も喋らないといったがこの空気は耐え難い・・・)
橘(やはり何か喋ってないとおかしくなってしまう)
橘「ひ・・・・響は・・・」
響「え?じ・・・自分か!?」
橘「ど・・・どのくらいの頻度でムダ毛の手入れとかしてるんだ?」
響「っっっ!!!/////」 カァァ!
響「プロデューサー・・・・・」
橘「な・・・何かな響君・・・今あまり余裕のある状態じゃないんだが・・・・」
響「自分そういうの大丈夫なタイプに見えるかもしれないけど・・・・・」
響「う・・・・うわーん!!!変態!変態プロデューサー!!!」
バタバタ
真「響!だめだ!気持ちはわかるけどダメだよ!今ここで暴れたら!僕達本当に死んじゃうよ!」
橘「響!ごめん!でも今は待ってくれ!」
真「落ち着こう響!!ね?ほら僕は(ピー)歳までお父さんと一緒にお風呂入ってたんだよ!!」
真「ほらそれに比べたら全然恥ずかしくないよ!!ね?!」
橘「アイドルが大声でそういうことを口にするな!!」
真「プロデューサーが始めたんでしょうが!!」
響「バカー!プロデューサーのバカー!」
~~~
【雑誌インタビュー場】
インタビュワー「それでは菊地真くんと・・我那覇響さんに質問なんですが・・・」
インタビュワー「だ・・・大丈夫ですか・・お疲れのようですが・・・」
真「ふふ・・・なんでも聞いて下さい・・・なんでも答えられれますよ・・・今の僕なら・・・」
響「ふふ・・・自分はもう何も怖くないぞ・・・」
橘(あとで響にちゃんと聞いておかないとな・・・・しかし車に乘せてと質問をするという手は結構使えるな、うん)
小鳥「仕事、本当に増えましたねー」
橘「ええ、本当にスケジュール用のホワイトボードなんて殆ど真っ黒ですよ」
小鳥「これもあの真ちゃんと響ちゃんのあのインテビューがきっかけですよね、あれすごい反響でしたもん」
橘「いやーまさかのインタビュワーさんが善澤だったとは・・・・」
小鳥「ただの社長のお茶のみ友達じゃなかったですね」
小鳥「それに来週は念願のファーストライブ!」
小鳥「うぅう~!燃えてきたー!」
雪歩「だから真ちゃんの服はこうじゃなくて!!」
美希「真君の服はこっちのほうが絶対似合うの!」
橘「何してんるんだ、二人共」
真「あ、プロデューサー」
真「実は僕のライブの衣装についてで雪歩と美希が喧嘩しちゃって」
美希「ハニー!こっちのが絶対いいの!」
橘「うーんどっちも違うかな・・・」
美希「え?」
橘「確かに真にはそういう王子様やスーツのような服が似合うとは思う」
橘「だが僕の考えは・・・・これだ!」
バン!
雪歩「Yシャツ・・・ですか?」
橘「うん、Yシャツだ、その他には何もいらない、裸にYシャツ一枚でいい」
橘「考えてみてくれ・・・・確かにスーツを着た真が家に帰ってくるのは素晴らしい」
橘「王子様のような格好をして馬に乗り剣を構える真も素晴らしいだろう」
雪歩「はう!」
橘「裸では寒いからと、真は床にあった男物のYシャツを来てベットに潜り込んだ・・・・」
橘「もちろんサイズは大きい、袖の大きさなど合わなくて途中で袖が折れて手が隠れてしまっている・・・」
橘「そして眠気のある目をその袖でこすりつつ真は起きる・・・・そして後ろには朝日が差し込んできている・・・」
美希「ハ・・・ハニー・・・!」
橘「朝日でうっすらと透けるYシャツ・・・・そしてシルエットになる真のボディーライン・・・」
橘「見えそうで見えない・・・・チラリズムをここに極まれりだ、それも実際に見えるチラリズムではなく・・・」
橘「シルエットで作られるチラリズム・・・・」
橘「これが志向なんじゃないか、君たち!」
雪歩「プロデューサー!!!」
美希「さすがミキのハニーなの!!」
小鳥「プロデューサーさん!それいただきます!」
橘「さあ真!ぜひこの服でライブに!!!」
真「あ、ごめんなさい無理です」
響「おはよう皆・・・って何してるんだ・・・そんなに落ち込んで・・・ちょっと怖いぞ」
真「いや気にしなくていいよ・・・」
橘「ああ・・・響、おはよう」
響「お・・・おはようございます・・・・だぞ・・・・この世が終わったみたいな顔してるぞ皆」
橘「いや、年下の魅力的なスポーツ少女の魅力に騙されて現実を見ていなかったんだ」
橘「でも僕達は進むしか無いんだ、この栄光のYシャツロードをな・・・・」
響「そ・・・そうなのか・・・あ・・プロデューサー!この前いってた自分用の新しい挨拶を考えろってやつ」
橘「ああ、あれか、何か考えたか?はいさーいではただの方言だから弱いと思っていたんだが」
響「最近ずっと考えてたんだけどやっぱり思いつかないぞ」
橘「うーん正直僕もまだ思いついてないんだよな、やよいに負けないくらいいい挨拶は・・・うーん」
\スタジオの皆さん、今夜はアフリカの未開の地をご紹介します!/
真「あ、春香がナレーションやってる番組だ、もうそんな時間か」
\こちらのアフリカの部族では変わった挨拶があるんですよ~/
橘「これ」
響「え?」
橘「これいいんじゃないか」
響「いや方言が薄いからってアフリカの人の挨拶はちょっと違うと思うぞ・・・」
橘「こんな感じだったな」
ビシィ!
響「あ、こうやって見るとちょっと格好いいかも」
ビシィ!
橘「案外いいかもしれないな」
響「本当か!よーし自分今度からこれやってみるぞ!」
橘「僕も一緒にやってるよ」
響「頼んだぞ!」
伊織「おはよう」
響「おはよう!」 ビシィ!
橘「おはよう!」 ビシィ!
伊織「何やってるの?ばかじゃないの?」
~
ガチャ
あずさ「おはようございます~・・・って大丈夫ですか皆、この世が数分後に終わるみたいな顔してますけど・・・」
伊織「大丈夫よ」
伊織「さっさと顔を上げなさいよ、今日は皆でファーストライブの打ち合わせするんでしょ」
橘「ああ、そうだったな、ごめん・・・・・」
橘(この敗北感・・・・美也に僕のお宝本の位置をバラされた時並だ・・・)
橘「もちろん各自のソロもある」
千早「はい!」
橘「会場は数ヶ月前に皆で行ったあの会場だ、ついに僕達はここまで来たんだ」
橘「皆がこれまで積み上げてきたものをぶつければそれで素晴らしいライブになるはずだ」
橘「だから今更何をしろだとか本番はこうしろだとか言うつもりはない」
橘「皆頑張ってくれ、それだけだ!」
一同「はい!」
橘「春香、いつもの掛け声頼む」
春香「はい!」
春香「いくよー!ナムコプロー!ファイトー!」
一同「おー!!」
社長「ついにここまで来たか・・・・」
橘「はい」
社長「約1年前、君にティンときた、あの間隔は間違って無かったということになるかな」
橘「どうでしょうね、僕もまだわかりません」
社長「いや・・・君は彼女たちをここまで押し上げてくれた、彼女たちの夢を叶える手伝いをしてくれた」
社長「それだけでも十分だ」
橘「辞めてくださいよ、そういう話は全部終わった後、老後にでもゆっくり話しましょう」
社長「私のほうが歳だよ、橘くん年寄りの自慢話は聞いておくものだ」
橘「やめてくださいよ」
ガチャ
おはようございまーす
橘「おはよう皆、今日はがんばろう」
はい!
橘「よし皆、そろそろ本番だ、準備を頼む」
響「うーちょっと緊張してるぞ・・・」
橘「どうしたんだ響、あ、もしかしてムダ毛の処理してなくて恥ずかしいとかか!」
響「な!!そんなことあるわけ無いだろ!自分完璧だからな!プロデューサー!見ててよね!」
橘「ああ、見てるよ」
あずさ「プロデューサーさん」
橘「どうしたんですか、あずささん」
あずさ「私、前にプロデューサーさんが撮ってくれた写真で自信がついたんです、ありがとうございます」
橘「あれは殆ど俺の趣味ですよ」
あずさ「それでもいいんですよ、いってきます」
橘「行ってらっしゃい」
橘「ん?どうした」
千早「あの時・・・大事なのは心って言ってくれましたよね、それで私だいぶ楽になれたんです」
千早「なんでも歌につながってるって気づくことが出来たから・・・」
橘「ありがとう、千早」
千早「でも!あの変態行為は歌になんかつながりませんから!」
橘「なんにでもつながってるんじゃなかったのか?」
千早「あれで繋がれるのはプロデューサーとの心ですよ!」 コソッ
橘「え?ごめん聞こえなかった」
千早「ふふっ!なんでもありません、行ってきます」
橘「ああ、歌ってこい」
橘「うわ!いきなり抱きつくなって」
真美「真美達も歌って踊るからしっかりみててよね→!」
亜美「美也ねーちゃんも見に来てるんだよね?」
橘「ああ、一番前の席を用意してあげたからな、ステージからも見えると思うぞ」
亜美「りょーかい!」
真美「では真美達もいってきます→!」
橘「ステージではしゃぎ過ぎるなよー!」
橘「雪歩、今日は男のお客さんばっかりだぞ、大丈夫か?」
雪歩「は・・はい・・大丈夫です、プロデューサーさんが肩車してくれたから・・・」
雪歩「まだ男の人が得意じゃないですけど・・・・」
雪歩「でも歌えます・・・・」
橘「そういって貰えれば萩原純一、一生の誉れでございます姫さま、どうぞ今日はお気をつけて」
雪歩「はい!行ってきます!」
やよい「ほんとですか!でも・・・私今日下に水着きてるんですよ!」
橘「なんだって!」
やよい「へへープロデューサーとこれならプロデューサーと一緒にステージ立てますもんね」
橘「無茶するなよ・・でも衆人環視の中スク水でステージって興奮するかも」
やよい「いってきまーす」
貴音「プロデューサー・・・・今日のらいぶが終わったららぁめんに連れてって頂けますか」
橘「ああ、今度は目隠し忘れないからな」
貴音「ふふ・・・まことに夢多き人です・・・いってまいります」
橘「伊織!いきなり後ろに立つなよびっくりするだろ」
伊織「・・・・ビンタ」
橘「え?」
伊織「ビンタさせなさい!」
バシン!!
橘「痛い・・・」
伊織「ふん!行ってくるわ」
~
橘「ふふふ・・・そしてそこに隠れてる【ピー】歳までお風呂に入ってた真の王子様はどうしたのかな」
真「う・・・気づいてたんですか」
真「と・・・とにかくあの事は誰にも話さないでくださいよ!誰かに話したら僕、恥ずかしくて死んじゃいますから」
橘「ああ、二人だけの秘密だ」
真「へへ!じゃあ行ってきますね」
橘「うん、それと美希」
美希「ん?」
橘「前に言ってくれた約束忘れてない、今はまだ答えは出せないけどその時になったら必ず答える」
美希「は・・う・・・じゃ・・じゃあミキは行ってくるの」
~
橘「最後は春香か」
春香「プロデューサーさん今までありがとうございます」
春香「それだけです!行ってきます」
橘「転ぶなよーステージの上じゃ俺が治療してあげられないんだからなー」
春香「分かってますよ!」
橘「あれ?律子先輩なにしてるんですか」
律子「え?」
橘「先輩の衣装もちゃんと用意してあるんですよ、ほらあそこに」
律子「え?何勝手に!」
橘「プチピーマンもライブに呼んじゃったんですよね~」
律子「な!」
橘「ほーらあそこの最前列で緑のサイリウム振ってるのは誰かな~」
律子「わ・・・わかったわよ!行ってくればいいんでしょ!」
律子「一体いつサイズ測ったのよ・・・」
橘「全部目分量ですけど完璧なはずですよ」
律子「ほんとに貴方って人は・・・」
律子「行ってきます」
\いえーい!!!/
春香「でもその前に」
亜美「ふっふっふ~今日のサプライズゲスト~」
真美「我が765プロの鬼軍曹こと秋月律子でーっす!」
梅原「・・・・・・ほんとに出してくれたよ大将のやつ・・・」
テクテク
律子「こ・・・こんにちわ・・・・」
真美「あれあれ~緊張してるのかな~」
律子「うるさいわね!」
梅原「大将・・・・大将・・・ありがとよ・・・」
春香「全員揃ったところで!それでは私たちの新曲です、聞いて下さい!」
『私たちはずっと...でしょう?』
http://www.youtube.com/watch?v=L4HwKEQTOOQ
さすがに僕一人じゃ全員見きれなくなってきた・・・・社長はさらにアイドル増やしたいて言ってたし・・・
親戚の赤羽根さんにでも頼んで手伝ってもらおうかな・・・・・)
おわり
社長「きみきみ!そこの君だよ!」
???「ふえ?私ですか?」
社長「うむティンと来た、うちの事務所でアイドルやってみないか」
社長「怪しい者じゃない、こういうものだ」
???「765プロ・・・・ここって・・・・・」
社長「どうだね?君ならトップアイドルも夢じゃない」
???「やってみたいです・・・・でも出来たらプロデューサーは指名したいんですけど・・・」
社長「うちのプロデューサーは一人しかいないから指名も何もないぞ・・・名前はだな・・・」
???「知ってます・・・・橘純一、私の初恋の人だもん」
to be continued......
前に書いたのはアムロPってやつなんですが、あっちは書き溜めがある状態で始めたんですが
こっちは無かったので細かい修正点とかたくさんあるものになってしまいました、すみません
また何か思いついたら書きたいと思ってます、では
橘さんはプロデューサーが天職だったんだな
Entry ⇒ 2012.03.18 | Category ⇒ アマガミSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
橘「また雨か……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331472613/
【止んでない】
橘「~♪」
絢辻「……」
橘「♪」
絢辻「ちょっと」
橘「?」
絢辻「なんでそんな機嫌がいいのよ」
橘「いや、なんかこうやって絢辻さんと雨が上がるのを待つなんて新鮮だったからつい」
絢辻「はぁ、まったく暢気ね。……でもこの雨待っててやむのかしら」
橘「うーん、どうだろう。もしかしたらやまないかもね」
絢辻「うん? なんでよ?」
橘「絢辻さんが傘を忘れてくるなんて珍しいことがあったから、かな」
絢辻「…なによそれ」
橘「あはは、でも本当に珍しいからね」
絢辻「……うぅ、今日は珍しく橘君も強気ね」
橘「そうかな?」
絢辻「そうよ」
橘「機嫌がいいからかもね」
絢辻「……そう」
絢辻「ねぇ」
橘「うん?」
絢辻「雨、やむのかしら……」
橘「さぁ、どうだろう」
絢辻「やむと思う?」
橘「もう少しやまないでいてほしいとは思うかな」
絢辻「……」
橘「絢辻さんはやむと思う?」
絢辻「……わたしも……」ボソッ
橘「そうなんだ?」
絢辻「確認しないで、二度も言わないわ」
橘「そっか」
絢辻「ちょっとそのニヤニヤするのやめなさい」
橘「……してるかな?」
絢辻「えぇ、顔にでてるわよ」
橘「そんなつもりはないんだけどなぁ」
絢辻「つもりはなくてもしてるわよ」
橘「……」
絢辻「……」
橘「あ、雨が弱くなったね」
絢辻「あら、ほんとね」
橘「もうすぐやむかもね」
絢辻「……」
橘「……」
絢辻「……」
橘「……あ、やんだ」
絢辻「……」
橘「よかったね、絢辻さん。これで帰れるよ?……絢辻さん?」
絢辻「……まだ」
橘「……?」
絢辻「まだ少し降ってる」
橘「え、でも……」
絢辻「降ってる」
橘「…………そうだね」
絢辻「そうよ」
橘「……」
絢辻「……ちょっとニヤつかないっ!」
【待つこと】
梨穂子「雨だねえ」
橘「雨だな」
梨穂子「傘、盗られちゃったね」
橘「僕は忘れてきただけだけどね」
梨穂子「あはは、もっと駄目じゃんか~」
橘「にしても悪い奴もいるもんだな」
梨穂子「そうだね~」
橘「……梨穂子はもっと怒っていいと思うよ」
梨穂子「えー?」
橘「いや、普通傘盗られた怒るだろ?」
梨穂子「あ、そっか。 でももしかしたら、事情ありかもしれないよ~」
橘「なんだそれ」
梨穂子「例えばー、この後にどうしても制服で出席しないといけないような場所に行く用事があって、
濡れるわけにはいかなくてしかたなくー、とか?」
橘「その場合でも、そんな用があるのに傘をもってきてない奴が悪いと思うけどね」
梨穂子「なるほど~」
橘「ま、傘を持ってきてない僕がいうのも変な話だけどね」
梨穂子「あはは」
梨穂子「やまないねー」
橘「……さっきから梨穂子、機嫌よくないか?」
梨穂子「えー、そうかな~?」
橘「傘を盗られて、こんなところで雨が上がるのを待つはめになったっていうのに、
その上機嫌はなんなんだ?」
梨穂子「上機嫌ってわけではないけど……でもこうやって待ってるのも嫌いじゃないよ」
橘「?」
梨穂子「こうやって純一と一緒なら嫌じゃないよ、って」
橘「……う、何気に恥ずかしいことを言うな」
梨穂子「えへへ、そうかな?」
梨穂子「なにさー、その顔」
橘「いや、梨穂子は楽しそうでいいなぁって」
梨穂子「純一は楽しくない?」
橘「いや、楽しいのは楽しいけど」
梨穂子「けど?」
橘「とりあえず帰りたいかな」
梨穂子「……ふーん」
橘「帰って梨穂子と温かいお茶でも飲みたい」
梨穂子「……えへへ、そっか」
梨穂子「そうだね~」
橘「ん、こうやってるのも悪くないんじゃなかったのか?」
梨穂子「ん、もう純一意地悪だよー」
橘「あはは、ごめんごめん」
梨穂子「待ってるのは嫌いじゃないよ……? でも待ってるだけじゃあね……」
橘「?」
橘「……う」
梨穂子「えへへ、さっきの仕返しだよ~」
橘「……よし、帰ってお茶でも飲むときに出そうと思ってたとっておきの和菓子は梨穂子はなしだな」
梨穂子「えぇっ、そんな~」
橘「よかったな、梨穂子。僕もダイエットに協力してやるよ」
梨穂子「純一~」
橘「あはは」
【距離】
七咲「やみませんねえ」
橘「やまないなぁ」
七咲「水泳部が休みの日に限ってこれですよ」
橘「そうだな。せっかく一緒にどこか寄っていこうと思ったのになあ」
七咲「先輩の普段の行いなんじゃないですか?」
橘「な、僕の普段の行いは良い……良いと思う……はず?」
七咲「なんで自信なさげなんですかっ」
橘「いやぁだってさ」
七咲「だっても、なにもないです」
七咲「な、私はいつも良いですよ?」
橘「ふぅん……」
七咲「なんなんですか、その含みのある言い方は」
橘「僕、この前美也に七咲が授業中うとうとしてたっていう話をきいたけどなぁ」
七咲「え」
橘「……」にやにや
七咲「あ、あれはちょっと前の日に眠りが浅くて夜中に目覚めてしまったせいで……」
七咲「え?」
橘「本当だったんだ」
七咲「え?」
橘「美也に聞いたっていうのは嘘」
七咲「っ!!……先輩あとが酷いですよ~」
橘「あはは、ごめんごめん。つい仕返しがしたくなって」
七咲「むー、嘘は嫌いです」
橘「ごめんってばななさき~」
七咲「……はぁ、しかたない先輩ですね」
七咲「?」
橘「眠りが浅かったって、なにか悩みでもあったの?」
七咲「いえ……」
橘「?」
七咲「その、変な夢を見てしまったせいで」
橘「あぁ、なるほど」
七咲「それが気になってしまって眠れなくて」
橘「ちなみにどんな夢?」
七咲「…っ! 秘密です」
七咲「秘密ったら秘密です」
橘「む、仕方ない。聞き出すのは諦めるよ」
七咲「そうしてください」
橘「……にしても」
七咲「?」
橘「雨やまないなぁ……」
七咲「そうですね~」
七咲「……」
橘「……」
七咲「あ、あの先輩」
橘「ん?」
七咲「その、も、もうちょっとそっちに寄っていいですか?」
橘「へ? うん」
七咲「……じゃ、じゃあ失礼します」
橘「な、七咲!?」
七咲「なんですか?」
橘「こ、これは近すぎないかな」
橘「……僕としては嬉しいけどね」
七咲「ふふっ、先輩ならそういうと思いました」
橘「なんでもお見通しのわけか」
七咲「……」
橘「……七咲?」
七咲「……先輩がいなくなる夢をみました」
橘「はい?」
七咲「さっきの夢の話です」
七咲「こうやって近づいても、いつのまにか先輩がいなくなってるんです」
橘「……」
七咲「ふふ、私も先輩のことを馬鹿にできませんね」
橘「そっか」
七咲「よく考えてみれば、私と先輩の一年って差はどう考えても埋まらないんですよね」
橘「……」
七咲「考えても仕方ないことだったんです」
七咲「はい、先輩」
橘「僕も少しそっちに寄っていいかな」
七咲「え、でもこれ以上は」
橘「いいかな?」
七咲「……はい」
橘「じゃあお言葉に甘えて」
七咲「ちょ、ちょっと先輩、近いっていうかこれじゃあ密着……」
橘「七咲も腕でもからめればいいんじゃないかな?」
七咲「……そうですね」
七咲「先輩の赤い顔をみたら、どうでもよくなりました」
橘「七咲も鏡をみたほうがいいぞ」
七咲「いえ、私は先輩と違って自分のことはわかってます」
橘「そっか」
七咲「……」
橘「……」
七咲「……雨、やみませんねぇ」
橘「やまないなあ」
【あめふり】
橘「やまないなぁ」
薫「……」
橘「やま……」
薫「すとーーっぷ」
橘「?」
薫「すとっぷ!」
橘「なんなんだ」
橘「う、まぁやむやまないは別にしても、気は滅入るかもなぁ」
薫「そうでしょ。だから禁止」
橘「わかったよ……」
薫「……」
橘「……」
薫「ねぇ……」
橘「うん?」
橘「う、見てたのか……」
薫「梅原君、傘もってきてたじゃない」
橘「そ、そういう薫だって田中さんと帰ればよかったんじゃないのか?」
薫「う……」
橘「……」
薫「……」
橘「ぷ、くく……」
薫「あはははは」
薫「えぇ、そうね。これじゃあ恵子にからかわれても仕方ないわ」
橘「田中さんなにかいってたのか?」
薫「あんたと相合傘して帰るんだ~?だってさ。 ぷぷ、まさかあんたも傘忘れてるとね」
橘「僕は薫が持ってるかなあと期待してたんだけどね」
薫「残念ー、あたしも朝は天気予報なんてみてる時間がなかったのよ」
橘「遅刻してきたのにか?」
薫「遅刻してきたからじゃない」
橘「……なるほど、薫らしいや」
橘「あはは」
薫「まったく」
橘「……」
薫「……」
橘「……」
薫「あー、やまないわねえ……あっ」
橘「っぷ、薫ー」
薫「あはは、ついよ、つい」
薫「ま、いいじゃない細かいことは。にしてもあれね、こう見事な土砂降りだと」
橘「だと?」
薫「こう、なにかに残したくなるわね」
橘「……例えば、絵とか?」
薫「ああ、いいかもしれないわね」
薫「……テーマは……彼女にフラれて雨の中立ち尽くす男、とかどう?」
橘「雨が降るとふるにかけてるつもりか?」
橘「っていわれても……」
薫「でも絵にはなるでしょ」
橘「そうか~? 僕はどっちかというと女の子が雨に濡れてこう透けて……はっ!?」
薫「へぇ~」
橘「いや、今のは、それこそついというかだな……」
薫「ま、あんたのことだからそんなことだろうと思ってたけど」
橘「(う、僕は一体日頃からどうおもわれてるんだ……)
橘「それ、薫がフる役目になるぞ」
薫「右の頬と左の頬どっちがいい?」
橘「なんでたたかれること前提なんだよ! というかフラれる役なんてやらないからな」
橘「それに冗談でもそういうこと言うなよ」
薫「……う、ごめん」
薫「でも」
橘「うん?」
薫「不安になった?」
橘「う……」
薫「そうなんだ」
橘「なっ、ま、まさか!? ここにきて見事な紅葉マークを!?」
薫「アンタね、あたしをなんだと思ってるのよ」
橘「薫」
薫「どういう意味よっ! ……まぁ、いいわ」
橘「なんだ、なにか……」
薫「はやく」
橘「これでいいのか」
薫「――」
橘「!!」
薫「……///」
橘「……」
橘「といわれてもなぁ」
薫「あ、もしかして叩かれたかったとか?」
橘「そんなわけあるかっ」
薫「……まったく、こっちだって恥ずかしい思いをしてるんだからもうちょっと反応があってもいいでしょ?」
橘「あ、ああなんというか……ご馳走さまでした」
薫「ぷっ、くく、なにそれ」
橘「仕方ないだろ! こっちもびっくりしたんだから」
薫「あー、はいはい」
橘「う、くそ、薫め、覚えてろよ。今度は僕から突然に同じことやってやるからな」
橘「僕の本気を見せてやろうじゃないか」
薫「返り討ちにしてやるわ」
橘「いや、返り討ちはやめてほしいな」
薫「本気を見せるんじゃなかったの?」
橘「……雨やまないなぁ」
薫「ごまかしたわね」
橘「……」
薫「やまないわね~」
橘「やまないなあ」
【二人きり】
橘「せめてもう少し小降りになればなぁ」
紗江「そうですね」
橘「大丈夫、紗江ちゃん?……まったく美也のやつ先に帰っちゃうとは薄情なやつだ」
紗江「仕方ないです。私も残ってやることがありましたし、
美也ちゃんは私が傘を忘れたってことは知らないと思います。それに……」
橘「?」
紗江「先輩と一緒だからいいです」
橘「そ、そっか」
橘「?」
紗江「ごめんなさい先輩。私が傘を持ってきていたら先輩も帰れたんですよね」
橘「え、いや紗江ちゃんが謝ることじゃ……」
橘「それにそれを言うなら、僕も謝らないとね。
僕が傘を持ってきていたら紗江ちゃんを入れて帰ってあげることができたからね」
紗江「先輩……」
橘「ま、いまさら後悔しても仕方ないよ」
紗江「そう……ですね」
橘「それにさっき紗江ちゃんが言ったように、僕も嬉しいしね」
紗江「クスッ、よかったです」
紗江「そうですね」
橘「見事に学校に閉じ込められちゃったなぁ」
紗江「なんだかそう聞くと……」
橘「?」
紗江「雨の線が格子みたいに見えます」
橘「あはは、ここはじゃあ牢屋かなにかかな」
紗江「ふふ、先輩、助けてくれますか?」
橘「困ったな。僕もその中に閉じ込められてるだけどなぁ」
橘「……二人きりだったらよかったんだけど」
紗江「?」
橘「いや、紗江ちゃんがかわいくてつい……」
紗江「え?」
橘「う、ううんなんでもないよ」
紗江「?」
橘「にしてもやまないね」
紗江「そうですね」
橘「……」
橘「そう?」
紗江「はい、でも心臓は凄くはやくて……」
橘「紗江ちゃん?」
紗江「……雨もそんなに悪くないですね」
橘「……そうだね」
紗江「時間が経つのが遅く、もっと遅くなってしまえばいいんです」
橘「え?」
紗江「そうすれば、先輩も卒業してしまうのが……」
橘「……」
紗江「……ごめんなさいせんぱい。変なことをいってしまって」
橘「紗江ちゃん……」
橘「……」
紗江「あ、あの……先輩」
橘「?」
紗江「その……さっきの……」
橘「さっき?」
紗江「さっきの……」
橘「?」
紗江「さっきの……言葉の続きをきかせてもらえませんか」
橘「え?」
紗江「あぅ……」
橘「……」
紗江「……」
橘「……二人きりだったら本当によかったのになあ」
紗江「…!」
橘「そうしたら今すぐ紗江ちゃんを抱きしめられるんだけど」
紗江「先輩」
橘「あはは……ちょっとキザだったかな」
紗江「クスッ」
紗江「ふふ、先輩私は……その……かまいませんよ…?」
橘「え?」
紗江「私なら大丈夫ですよ……?」
橘「う……紗江ちゃん、それ反則……」
紗江「?」
橘「えっと……そのいいのかな?」
紗江「……」コクリ
橘「……」
橘「――」ぎゅう
紗江「――」
橘「……」
紗江「……」
橘「あ、あめやまないね」
紗江「そ、そうですね……」
橘「先輩? 帰らないでこんなところでなにやってるんですか?」
森島「あ、橘君。ナイスタイミングね」
橘「?」
森島「ふふ、こっちにちょっと」カムカム
橘「窓からなにを見て……ああなるほど」
森島「凄いでしょー」
橘「そうですね、色とりどりで綺麗です」
橘「でも男は黒とか紺とかばっかりですね」
森島「そうなのよ~、男の子ももっとかわいい傘を持てばいいのに」
橘「……それはどうでしょう」
森島「えぇー」
橘「ところで、先輩」
森島「うん?」
橘「ここ2年の廊下ですよ? しかも放課後になにを……」
森島「あぁー、そうだった」
橘「?」
橘「え?」
森島「ふふ、でもその様子じゃキミも私と一緒みたいだね」
橘「はい、すいません」
森島「あぁ、そんなにションボリしないで」
橘「でも」
森島「いいのいいの、こうやって雨を上がるのを待つのも乙だしね♪」
森島「雷は困るけど……」
橘「あはは……あれ、でも塚原先輩あたりに頼めば帰れたんじゃ」
森島「むむ、ひびきに言ったらまた呆れられちゃうじゃない」
森島「そうなのよ~、この前傘忘れたときもひびきちゃんったら……」
橘「……先輩、前の雨の時も傘忘れたんですか?」
森島「あ……あはは、ど、どうだったかしら?」
森島「……それに、キミと帰りたかったの」
橘「……はい」
森島「ふふ、顔を真っ赤にしちゃってかわいいんだから」
橘「でも、どうしましょう」
森島「そうでさねぇ」
橘「雨、上がるといいんですが……」
橘「先輩?」
森島「うん?」
橘「なにかありました?」
森島「……ありゃりゃ、分かっちゃうかぁ」
橘「?」
森島「もっと、もっとキミと一緒にいる時間をつくろうと思ってたんだけど」
橘「え?」
森島「ほら、私この前まで受験があったからね」
橘「なるほど」
森島「でもね、さっき待ってる間に分かっちゃった」
橘「……なにをですか?」
森島「あぁ、寂しかったのは自分のほうだったんだー ってね」
橘「先輩……」
森島「ふふ、橘君のせいだよ?」
橘「……じゃあ、やっぱりもう少し雨は降っていたほうがいいですね」
森島「……そうだね」
橘「外はカラフルですね」
森島「ふふ、そうだね」
【雨日和】
橘「やまないねえ」
裡沙「えへへ」
橘「裡沙ちゃん?」
裡沙「あ、ううんなんでもないの」
橘「?」
裡沙「ただ、嬉しかっただけ」
橘「雨、すきなの?」
裡沙「ううん、そうじゃないの」
橘「?」
裡沙「こうやって橘君と雨が上がるのを待ってる自分なんて、想像できなかったから…」
おそろいみたいでいいですよね」
橘「あはは、そっか」
裡沙「雨もこんなに楽しいものだなんて知らなかった」
橘「そうだね、裡沙ちゃんを見てると僕もなんだか楽しくなってくるよ」
裡沙「雨雨ふれふれ♪」
橘「それじゃあ、帰れないよ」
裡沙「……それじゃあ、学校にお泊り、なんて」
橘「あはは、面白いかもね」
裡沙「あの二人の秘密の部屋で……」
橘「……ゴクリ」
橘「裡沙ちゃん、それは僕に心配させてよ」
裡沙「あはは」
橘「でも、本当に土砂振りだなぁ」
裡沙「あ」
橘「裡沙ちゃん?」
裡沙「……もしアタシが傘を持ってきてたら相合傘で帰れたんだよね」
橘「?」
裡沙「……なんてことに」
橘「り、裡沙ちゃん?」
裡沙「うぅ」
裡沙「そ、そうだよね」
橘「だからその時の楽しみにとっておくよ」
裡沙「えへへ」
橘「……」
裡沙「……」
橘「雨やまないねー」
裡沙「やまないといいですねー」
橘「え!?」
裡沙「ふふ、冗談です」
裡沙「でも少し本当」
裡沙「やまないなら、ずっとあなたと一緒にいられるって考えると……」
橘「……」
裡沙「……」
橘「やんでも……一緒だよ」
裡沙「……」
裡沙「……アタシ今ずるいこといったんだ……」
橘「?」
裡沙「今、内心で橘君ならそういってくれかな、って期待していいました」
裡沙「たまにずるいこと考えちゃうことがあるんです」
裡沙「さっきみたいに橘君なら、って言う風に」
橘「……僕もあるよ」
裡沙「え?」
橘「僕も裡沙ちゃんに好かれたいからね、だからそういうところもあると思う」
裡沙「ふふ、やっぱり橘君は優しいなぁ」
橘「裡沙ちゃん」
裡沙「……ありがとう、橘君。アタシを好きになってくれて」
裡沙「橘君?」
橘「裡沙ちゃん、それじゃあこれで終わりみたいだよ」
裡沙「え?」
橘「好きになってくれてじゃあ、そこで終わりみたいだよ。だってこれからも好きになっていくんだから」
裡沙「……橘君」
橘「だから、えっとその……」
裡沙「クスッ、ありがとう。本当にアタシの初恋が、好きになった人があなたでよかった」
橘「……裡沙ちゃん」
裡沙「うん、いいよ」
裡沙「――」
橘「……」
裡沙「……」
裡沙「えへへ、嬉しいな」
橘「……裡沙ちゃん」
裡沙「?」
橘「えっと、その頭を撫でてもいいかな?」
裡沙「え?」
裡沙「……うん、お願いします」
橘「――」なでなで
裡沙「えへへ……雨が好きになっちゃいそうかも……」
橘「あはは、それはいいかもね」
裡沙「でも」
橘「?」
裡沙「ううん、なんでもないです」
裡沙「(きっとあなたがいてくれたら、どんな日でも好きになれるよ)」
橘「塚原先輩、珍しいですね」
塚原「あぁ、キミか」
橘「先輩もですか?」
塚原「ふふ、ということは橘君もなのね」
橘「でも、先輩が傘を忘れるなんて」
塚原「ふふ、私もたまにね」
橘「あはは、先輩の意外な一面をみた気がします」
塚原「意外……かな?」
橘「そうですね、意外ですけど……でもかわいらしいと思いますよ」
塚原「そ、そう……」
橘「? はい」
はぁ……
塚原「え、えぇ、私は水泳部のことで少し残っていたから、
あの子は受験生なのに待たせて時間を奪っちゃうわけにはいかないでしょう?」
橘「あぁ、なるほど……でも森島先輩なら気にしないんじゃ」
塚原「そうなんだけどね。ううん、そうだからこそ、かな?」
橘「?」
塚原「そうだからこそ、はるかには心配はかけられわね、ってね」
橘「あぁ、なるほど」
塚原「あ、はるかには内緒ね」
橘「えぇ」
塚原「ありがとう」
塚原「え?」
橘「先輩と秘密の共有ができました」
塚原「そ、そんな大層なものじゃないと思うけど」
橘「あはは、それに塚原先輩は凄いなぁって再認識できましたしね」
塚原「ちょ、ちょっと橘君!?」
塚原「……あ、雨やまないね」
橘「そうですね」
塚原「……」チラッ
橘「……」
塚原「……」チラッ
橘「……ん、どうかしましたか?」
塚原「い、いえ、な、なんでもないの」
塚原「ふふ、大丈夫よ。心配ないと思うわよ」
橘「そうですか?」
塚原「キミは面白いね」
橘「え? やっぱり顔になにか」
塚原「クスッ、違うわよ」
橘「?」
塚原「いいえ、なんでもないの」
橘「ええ、どういうことなんですか、気になりますよー」
塚原「ふふ、雨やまないわねー」
橘「塚原せんぱーい」
でも眠気
紗江ちゃん見てる間の保守とあと支援ありがとう
大変よろしゅうございました
全員可愛い過ぎましたぜ、ひびき先輩がいて良かったよー
スト子久しぶりに見たかも
Entry ⇒ 2012.03.18 | Category ⇒ アマガミSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
少女「お邪魔しまーす」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331810488/
少女「こんにちはー」ガララ
親父「おお少女ちゃん。いらっしゃい」
少女「あ、親父さん。お兄さんはいらっしゃいますか?」
親父「あいつはまた小屋の方に篭ってるよ。なんでも新作のネタがぼぼんっ、と浮かんだんだと」
少女「むむ、そうですかー。それなら邪魔しちゃ悪いかな……」
親父「んにゃ、行ったれ行ったれ。たまには息抜きも必要だろう。
それに、少女ちゃんの顔をみりゃあ、あいつも喜ぶだろうしな」
少女「そっか……じゃあ、行ってみますね」
親父「ん、その包みは?」
少女「あ、これですか? えへへ、お兄さんに食べてもらおうと思って、お結びをいくつか……」
親父「おお、おお……あいつもいいお嫁さんを見つけたもんだなぁ……」
少女「もう、親父さんってば。私じゃお兄さんにはつりあいませんよー」ニコニコ
少女「ふう……ふう……」テクテク
少女「はあ……いつ歩いても、結構きついー……」
少女「えっと、この木が、中間地点だから……後半分っ」
少女「お結び崩れないように注意しないと……」テクテク
少女「はぁ……お兄さん、よくこんな道歩いていけるなあ……」
少女「今度、理由でも、聞いてみようかな」
少女「お兄さーん?」トントン
「あいよー」
少女「入っても構いませんかー?」
「構わんぞー」
少女「はーい……っと」ガララ
男「よーこそ少女。今日も山登りご苦労様だなー」
少女「このくらい平気ですよー。男さん、今お仕事中ですか?」スタスタ
男「んにゃ、寝てた」
少女「あら、どーりで……目やに、ついてますよ」フキフキ
男「うおっ、しょ、少女、そんな事しなくてもいいのに」
少女「いーえ。お兄さんは放っておいたらすぐぐーたらするので、私がしっかり管理してあげないと」
男「身の回りのことはしっかりしてるつもりなんだがなー……」
男「毎度毎度すまんなあ」
少女「私も好きでやってる事ですから、お気になさらず。はい、お茶どうぞ」
男「ありがとう……しかし、そう言ってもうそろそろ三年になるな」ズズ
少女「早いものですねえ。ついこの間までお兄さんは大学に通っていた気がします」
男「お前はついこの間まで小学生だった気がするなあ」
少女「む……そう言われるとなんだか寒気がしますね」
男「人をロリコン呼ばわりするとはいい度胸だなー」
少女「事実を述べたまでですー。お兄さん、可愛い子を見かけるとすぐ鼻の下伸ばすんですもの」
男「そ、それは男として普通の事であってだなー。早くも話の方向性がずれてきているぞ」
少女「雑談なんてそんな物ですよ」ズズ
少女「ひ、昼ごはん食べていないんですか?」
男「十一時くらいから篭っていたからな、仕方ない」
少女「仕方なくありません! どうして言ってくれなかったんですか?」
男「どうしてもこうしても、お前は高校があるだろうに」
少女「それはそうですけど、言ってくれれば朝にお弁当を作るくらいは……」
男「お前なー、17の女の子にそんな負担をかけさせる訳にはいかんだろ」
少女「25の男の人が適当すぎるんです!」
男「あー分かった分かった。今度から気をつける。だからそんな必死にならんでも、な」
少女「納得いきませんねぇ……」ムスー
少女「そもそもこんな山奥まで来る必要も余り無いんじゃないですか?」
男「馬鹿言うでない、ここまで来る道は運動不足解消にうってつけだ」
少女「はあ……確かに結構いい運動にはなりますけど」
男「確かお前も帰宅部だったよな。丁度いいじゃないか」
少女「それは……そうですけどー」ムムム
男「まあそんな事しなくても十分痩せてるように見えるけどなー」ハハハ
少女「な、何言ってるんですか!」カァア
男「ばっちりだ。もう終盤でな、そろそろ再開しようかと思っていたところだが」
少女「ん……でしたら、私はこの辺で……」
男「……いや、やめた」
少女「え?」
男「執筆は中止だ。十一時からさっきまでぶっ通しで書いていたからな、今日はこのくらいで終わりにする」
少女「それじゃあ、居てもいいですか?」
男「お前には他に遊ぶ友達がいないのかねー」ニヤニヤ
少女「せ、折角此処まで来たのにそんな事言うんですかあなたはー!」
男「暗くなってきたなー」ピシャン
少女「そうですねー。いつ頃帰るんですか?」
男「何時でも。少女が満足したらでいいよ」
少女「そんな適当でいいんですか」
男「適当とは失礼な。責任は今全て少女にあるぞ」
少女「丸投げじゃないですかー」
男「俺に出来るのは小説を書くこと! それだけだな」
少女「何故そんな自慢げなんでしょう」
男「小説家たるもの、常に自信家で無いとやってられないものだよ」
少女「ハードなんですね」
男「締め切りとかね」ハァ
男「うむ、じゃあ帰ろうか」
少女「今日は泊まっていかないんですね」
男「女の子一人で暗い山道を歩かせる訳にはいかんだろー」
少女「子どもじゃないんですから……でも、心配してくれているんですね」
男「そりゃあ、お前が赤ん坊の頃からずっと見てきた男としてはだな」
少女「それだとなんだかお父さんみたいですよ?」
男「ダディと呼んでくれたまえ」
少女「お断りしますー」クスクス
少女「……灯りが綺麗ですね」テクテク
男「一日の疲れを癒す最高の時間だ。気分転換にもなる」テクテク
少女「……そうだ、お兄さん」
男「どうした」
少女「手を繋いでくれませんか?」
男「な、何を突然抜かすんだお前はー」
少女「いいじゃないですかー、その方が安全ですよ? ふと隣を見たら私がいなくなっていたらどうするんです?」
男「どんな状況だそれは」
少女「神隠しとかー」
男「そんな無茶な」
少女「あら、私結構オカルト好きなんですよ」
男「ほーう、小学生の頃夜お化けが怖くておもらししかけた子は何処の淑女だったかな」
少女「せ、セクハラですよそれはー!」
少女「あっ……」
男「子どもじゃないと言う割には、まだまだ小さな手だなぁ」ニギニギ
少女「お、女だから当然です。お兄さんだって、私の手が大きかったらどう思いますか」
男「うーむ、難しい質問だ」
少女「なんですかそれ」
男「お前には立派な女性になってほしい反面、小動物的可愛らしさを維持して欲しいという気持ちもある」
少女「はぁ」
男「反応薄いなー」
少女「いや、まあ……どう反応すればいいのか分からなかったもので」
男「俺がどういう人間だかよーく知っているものだと思っていたが!」
少女「はいはい、分かってますよー。ほらっ、遅くなったら怒られてしまいますよ!」グイッ
男「坂道で走るのは危ないだろうがぁ」
少女「……着きましたね」
男「なんだかんだで少女の家まで来てしまった」
少女「いつもここまで送ってくれるのに、何を今更」
男「それもそうだがなー。ほら、手離しなさい」
少女「……嫌です、と言ったら?」
男「また俺の中でお前の年齢が一回り減少するだけだな」
少女「むう」パッ
男「……明日も学校だろう。早く寝ないと、成長しないぞ」
少女「……今のままがいいんです」ボソッ
男「なんだ?」
少女「……なんでもありません。さようなら、お兄さん」フリフリ
男「おお、またなあ、少女」フリフリ
親父「おう、おかえり。少女ちゃんは」
男「ちゃんと家まで送った。いつもの事だろう」
親父「そりゃそうだがなー、やはり若い男女が二人っきりだと、どうにかなってしまうんじゃないかと」
男「……何年の付き合いになると思っているんだ」
親父「まあなぁ。お前も考えた事は無いのか、結婚とか、そういう……」
男「少女はまだ17だぞー。高校生に何を望めというのか」
親父「随分と世話になってないか、お前。この前も部屋の掃除といって、大掛かりな掃除セットを持ってきたじゃないか」
男「い、いやそれは彼女が勝手にし始めた事であってだなー」
男「けじめねぇ」
親父「意味が分からない、なんて言わないよな」
男「あんたは人を低く見過ぎだ……分かってますとも、ええ」
親父「ならお前、少女ちゃんに好きな子が出来たらどうするよ」
男「なんだそりゃ」
親父「どうするよ」
男「……耐えられそうに無いな」
親父「だろうなあ」クツクツ
男「……掃除してもらってからと言うもの、部屋が輝いて見えるな」
男「さぁて、どうするか。やる事も無いし寝るか」
男「メールが着ているな……少女から」
“明日も小屋に行くんですか? お弁当、要りますか?”
男「気にするなと言った筈なんだがな……」カチカチ
男「……よし、これでいいだろう」ピッ
男「……世話になりっぱなしだな、全く」ガバッ
――“よろしく頼む。”
ザァアアアァ…
少女「お兄さーん! 開けてくださいー!」ドンドン
男「な……お、お前! びしょびしょじゃないか、早く入れ!」ガララ
少女「お世話になりますー……」スタスタ
男「あー、と、服は……仕方ない、男物で我慢しろ。後ろ向いててやるから早く着替えなさい」
少女「はいぃ」ヌギヌギ
男「……」
男「うむ、濡れた服は……あー、干しておくか」
少女「あ、はい。手伝いますよ」
男「いい、いい。お前は体を温めておきなさい。風邪でも引かれたら親御さんに顔向けできん」
少女「……一応許可は取ってあるんですけどね」
男「なんのだ?」
少女「いえ、なんでもありません。それより、助かりました」
男「構わんさ。しかしなんでこんな日に来たんだ少女よ」
少女「来る途中までは降ってなかったんですよ? こんな急に降ってくるとは思ってなくて……」
男「……天気予報は見ないタイプだったか」
少女「た、たまたまです」
少女「元々、泊まっていく予定だったのでは?」
男「俺はそうだがなー。お前の事を言っているんだよー」
少女「あ、なるほど……そうですね、確かに」
男「その割には随分と気にして無さそうだが」
少女「いえー、いざとなったら私もお泊りしていきますし」
男「な、何馬鹿な事を考えてるんだ?」
少女「言ったでしょう、許可は取ったって。雨も止みませんし、止んだとしても夜遅くだと思いますよ」
男「むぐぐ、しかしそれは道徳的な問題があってだなー」
少女「あら、何かしようとでも考えて……くしゅんっ」
少女「は、はい……ただの、くしゃみです」ズズ
男「……これを羽織ってなさい」バフ
少女「わ……これ、お兄さんのじゃ」
男「言っただろう、風邪を引かれても困ると」
少女「でも、そしたら今度はお兄さんが寒いんじゃ」
男「お前は俺の体力をなめているなー、そんなんじゃ将来男と付き合っていけないぞ」
少女「な、何の話をしているんですか!?」
男「なんでもない。ほら、早くしなさい。俺は大丈夫だぞ」
少女「……ありがとうございます」
男「……うむ」
少女「……今、七時です」
男「……そうだな」
少女「雨、止みそうにありませんね」
男「……うむ」
少女「今日、一緒に泊まっていってもいいですか?」
男「……今日だけだぞー」
少女「……」ニコニコ
男「な、なんだその満面の笑みは」
少女「ふふ、こうして一緒にお泊り会を開くのも、何年ぶりかなあと思って」
男「また奇妙な事を考えてるなお前はー」ハァ
男「夕ご飯? 台所は無いぞ」
少女「ふっふー、こんな事もあろうかと、しっかりお結びを用意してきたのです!」ジャーン
男「……褒めるべきなのかこれは?」
少女「本当はまた間食用だったのですが。
ま、急遽お泊り会が開かれてしまった以上、栄養はしっかり摂らないとなりませんよ」
男「何を言っても始まるまい。ありがたくいただこう」
少女「そうですね。お茶、どうぞ」
男「……手馴れてきているよな、本当」ズズ
少女「お兄さん相手にだけ、ですけどね」
男「そうなのか?」
少女「そうなのです」ズズ
男「そう言えば、何処へ行くにも俺の後ろに隠れてついてきていたなあ」
少女「また恥ずかしい記憶を……いえ、今回に限っては、何も言えません」
男「十数年経て克服されていたかと思ったが……」
少女「あ、でもちゃんと友人はいますので、ご心配なく」
男「そ、そうか」
少女「男友達も、ちゃんといますよ?」
男「……ふむ」
少女「……彼氏は、いませんけどね」
男「……きゅ、急に湿っぽくなったな少女よ」
少女「誰が湿地帯ですか誰がー」
男「そんな事一言も言ってないぞー」
少女「お粗末様です」
男「これからどうしたものか」
少女「まだ、七時ちょっとですから、寝るには早いですね」
男「うむ、俺は大体十二時過ぎまでおきているからな、まだまだだ」
少女「そ、そんな時間まで起きて執筆してるんですか?」
男「締め切り前とかは徹夜だがな、普段はほら、色々やる事もあるし」
少女「はぁ……私は、起きてられませんね……」
男「昔から九時に眠る子だったな」
少女「今でも十時ですけどね……そうしないと、朝起きられませんから」
男「……いい子に育ったなあ」
少女「お、親父さんみたいな事言わないでくださいよー」
男「なんだー、改まって」
少女「お兄さんは、結婚とかどう考えてるんですか?」
男「はぁ? 最近、突拍子も無い発言が多すぎやしないかね」
少女「き、気になったことを口に出すようになっただけですよー」
男「それは……ううむ、いい事であるようなそうでないような」
少女「それで、どうなんです? もう、25ですし、お仕事の方もうまく行ってるって聞いてますし……」
男「……なんとも、言えないな」
少女「は、はあ」
男「俺はその……なんだ、えー」
少女「え……?」
男「……うおう、急にやる気出てきた。よーし、執筆するぞー」スタスタ
少女「あ……お兄さん、なんではぐらかしたんですか今ー!」
男「なあ、少女よ」
少女「はい、どうしました?」トントン
男「執筆中の俺に何かしたい、と思ってくれたのはありがたいんだが……」
少女「はあ」トントン
男「何故よりによって肩たたきなんだ?」
少女「あ、今馬鹿にしましたねー? 私、これでも親父さんに上手って褒められたんですよ?」
男「何をさせているんだあいつは羨ましい……いや、まあ、確かに上手ではあるな。マッサージ屋にでもなったらどうだ」
少女「あのですねー、お兄さんが思っているほど、世の中甘くないですよ」
男「17の小娘に言われちゃせわが無いな」ハァ
少女「誰が小娘ですか誰がー」
少女「……」トントン
少女「……それにしても、お兄さん」
男「どうしたー」
少女「大きくなりましたね、背中」
男「せ……さっきから随分、年上からのような意見が目立つな」
少女「思ったことを口にしてるだけですって。覚えてます?
小さい頃、一緒にお風呂に入っていたでしょう」
男「そんなことがあったような気もする」
男「そりゃなあ」
少女「手が止まってますよー」
男「そっちこそさっきから昔話ばかりして」
少女「ふふふ。懐かしいですね」トントン
男「懐古主義だなあ」
少女「いえいえ。勿論、昔も楽しかったですけど……今だって十分」トントン
男「……」
少女「ずっと……こうしていられたらなあ、なんて」
男「……ぷっ」
少女「えっ」
少女「なっ、なんで笑うんですか! そ、そんなおかしいこと言いました!?」
男「いやぁ……お、おかしく無いけどなー……それを少女が言ってると思うと、わ、笑いが」ヒヒヒヒ
少女「ひ、酷いです……」
男「いやーな。心配せんでも、俺はこれからもこんな感じだ」ナデナデ
少女「そうですかねえ……そ、そんな強く撫でないでください」
男「ま、お前にはもうちょっと成長して欲しいと思うがなー。胸の膨らみとか」
少女「せ、セクハラー!」
少女「そう言えば……お兄さん」
男「どーした」
少女「この小屋……お風呂有りませんよね」
男「ああ、そんな物ある訳……あー」
少女「……」
男「……我慢するか、帰るか。そろそろ雨もやんだ頃じゃ……」
ザー
男「……い、一日くらいなら平気じゃないかなー」
少女「うー……仕方ないですよね」
男「うむ、仕方ない」
少女「お疲れ様でした」
男「うん。うげ、もうこんな時間か。大分集中してたんだな。暇じゃなかったかー?」
少女「暇でしたけどー……お兄さんの小説の、資料。読んでましたから」ピラ
男「あれ、いつの間に……あんま面白いもんじゃないと思うがなー」
少女「確かによく分かりませんでしたが、お兄さんはこれを参考に書いているんですよね?」
男「うむ。今回のは自信作だぞー。入賞はかたい」
少女「入賞? また、なんかの……小説大賞とかに出したりするんですか?」
男「ああ、正確にはそうじゃなくて……ほら、本屋大賞とか。そう言うのはお前も知ってるだろ?」
少女「あぁ……あまり詳しくありませんが」
男「うん。俺もだ」
少女「そ、それでいいんですか……」
少女「なんですか藪から棒に。そりゃ、知ってる人が有名な賞に選ばれたら嬉しいですよ」
男「本当かー?」
少女「疑うところですかねそれー。でも、お兄さんが小説家になるって知らされた時はびっくりしました。
てっきり普通の会社員とかになるものだとばかり思っていましたから」
少女「その時に十分驚きましたし、今度何か取ってもあまり驚かないかもしれませんねー」
男「それがありがたいなあ。いきなり態度変えられても困るしなー」
少女「……そもそも、なんでそんな自信あるのかが不思議です」
男「前にも言っただろう、自信家でなければやってられないのだよ」
少女「その割に線が細いところありますよねー」
男「なんか言ったかー?」
少女「いえなにもー」ニコニコ
男「寝不足は肌に悪いと聞くね」
少女「お風呂に入らないって時点で、ちょっと自暴自棄です」ゴシゴシ
男「その使い方はおかしいぞ、少女……よし、寝るか」
少女「……お先にどーぞー」
男「お前の方が眠そうに見えるんだがなー」
少女「先に眠ったら、その、何されるか分かりませんし」
男「そ、そこまで信用されてなかったのか俺はー……」
少女「冗談です。布団は何処ですか?」
男「ああ、待て待て。俺が出すから座ってなさい」スタスタ
少女「……そこまで子供扱いしなくても」ボフボフ
男「17才はまだまだ子供でしょうに。暫く使っていなかったが、問題ないか? 湿ってる所とか」
少女「大丈夫です……あ、お兄さんの匂いがしますね」クンクン
男「……匂いフェチと言う奴か」
少女「あ、いえそういうのじゃなくてー……」バッ
男「うむうむ。俺はお前がどういう子だかきちんと理解しているからな、弁解はいらないぞ」
少女「お、お兄さんの方がよっぽど変態くさいです」
男「保護者だからな!」キリッ
少女「むう……どうしてそう自信満々なのか……」
少女「いいですよー……ふあぁ」
パチッ
男「……おやすみ」モゾモゾ
少女「おやすみなさい……」モゾモゾ
男「……」
少女「……」
少女「……まさか、本当に何も無いとは」
男「あってほしかったのかよ、えー?」
少女「ち、違いますけどー。はいっ、着替え終わりましたよっ」
男「よろしい。忘れ物は無いなー? 暫く来る予定ないからな、此処」
少女「あ、そうなんですか」
男「前も言ったかもしれんが……脱稿間近でな。後は家で書こうと思う。編集との折り合いもあるし」
少女「ああ、成程……大変な時期なんですね」
男「そうだなあ。大変だけど、書くことは好きだからいいのさ」
少女「そうですか……」
少女「ドピーカンって、古臭い言い方ですねぇ」
男「そうかー? ま、気持ちの良い晴れであることには変わりあるまい」
少女「そうですね。昨日はどうしてあんなに降ったのか……あ、そう言えば」
男「どうしたね」
少女「そろそろ、学校のテストが……」
男「おお? そんな時期か。お前なら心配要らないと思うが、抜かるなよー」
少女「私は大丈夫ですけど、お兄さんもしっかりお願いしますね。執筆に夢中で、栄養失調とか、お兄さんなら……」
男「……流石にそれはないと思うぞー」
男「ようし、到着。元気でな、少女」
少女「はい、お兄さん。お兄さんも、お体には気をつけて」
男「おう。そうだ。お前のテストが終わったら、記念にどっか出かけるとしよう」
少女「え? 本当ですか?」
男「男に二言は無いのさー。その時は俺も脱稿出来てると思うし。だから、しっかり頑張るんだぞ」
少女「は……はいっ! 分かりました! お互い、頑張りましょう!」
男「急に元気になったなあ」ハハハ
少女「ただいまっ」
少女母「あら、おかえり。随分元気そうだけど……もしかして、あったのかしら?」
少女「んんー、あったと言うか無かったと言うか……でも、お母さんが考えてることじゃないと思う」
少女母「あらそう。まあそうよね、男さんだものねー……少女から迫ったパターンも考えたのだけど」
少女「せっ、迫ったってあのねー。私とお兄さんはそう言う関係じゃないのっ」
少女母「そのお兄さんって呼び方もいつまで続くかしら」クスクス
少女「だ、だからーっ!」
男「ただいまー……ああ、親父は仕事か」スタスタ
男「うーむ……勢いで出かける約束をしてしまったはいい物の……」
男「一体何処に行くべきか。あいつの行きたそうな所、となると」
男「遊園地、とかか……?」
男「……ふむ。最近行ってなかったし、新しいアトラクションも増えていることだろう」
男「よしっ、そうと決まれば執筆あるのみだ。あいつのテストが終わるより先に完結させてやろうッ」スタスタスタ
キーンコーンカーンコーン
先生「――では、解散。テストが終わったからって、各自ハメを外し過ぎないよーに」
少女「ふう……」
少女友「おいすー。お疲れ少女ちゃん。どだった?」
少女「可もなく不可もなく、ですね。友ちゃんは?」
少女友「ふっへへー。部活に打ち込む青春っていいよねー」ニコニコ
少女「あ、はい……お疲れ様ですね」
少女「あー……すみません。ちょっと、行く所があって」
友「おおう。あ、あれでしょ。お兄さんのところでしょ、でしょ?」
少女「あう。話したこと、ありましたっけ……」
友「何回かー、ぽろぽろと。どう見ても通い妻です、本当にありがとうございましたっ!」
少女「か、通い妻って……そう言うのじゃ」カァ
友「んーふふ。急いでるんでしょ? 私に構わず、早く行けー、なんちて」
少女「あ、それでは。また今度」
友「じゃーねー。さよならだけが人生ならば、またくる春はなんだろうー」ヒラヒラ
ピンポーン
親父「ん、客か」スッ
男「あ、俺が出るよ」
親父「おう? ああ、そろそろ来る頃だったな」
男「全くまあ律儀なもんだ……はいはい、今開けるよー」ガラララ
少女「こんにちは、お兄さん! お久しぶりですね!」
男「久しぶりと言う表現は本来数年来の旧友に使うものだ」
少女「相変わらずのご様子で、安心しました。入っていいですか?」
男「おうとも。いらっしゃい」
少女「はい、お疲れ様です」
男「テストはどうだった?」
少女「可もなく不可もなくです」
男「最早決まり文句のように聞こえるなーそれは。いつも通りならいいんだがね」
少女「お兄さんの方も、書き終わったんですよね?」
男「勿論だとも。本になるのは大分先だろうが、ひとまずはゆっくりできるだろうな」
少女「で、でしたら……その、覚えてます?」
男「……何をだね?」
少女「ほら……ど、何処かに出かけるって、最後にあった時に……」シュン
男「……そんなしょげんでもいいと思うがー。ちゃんと覚えてるぞ」
男「俺かー? そうだな、○○遊園地なんてどうだ」
少女「あら。奇遇ですね。私も行きたいと思っていたんです!」
男「おう、知ってたぞ」
少女「……なしてでしょう」
男「言っただろう、俺はお前がどういう子だかきちんと理解しているとなー」
少女「えー……お母さんに聞いたりしました?」
男「……そう言う鋭い所も把握しているぞー」
少女「あの人は……」ハァ
少女「あ、そんな早くに?」
男「俺はお前より早く終わっていてなー。結構余裕があったのさ」
男「遊園地の地図、効率の良い回り方などなど、万全の準備をしておいた」フンス
少女「な、成程ー……いつにもまして手際が良いのですね」
男「楽しみだからね」
少女「シンプルですね……でも、私も、楽しみです」ニコニコ
男「出発は朝五時です」
少女「ええええっ」
少女「では、そろそろお暇しますね」
男「ああ。送ってく」
少女「いいんですか?」
男「暇だしなー、久々の自由を存分に満喫しなければならない」
少女「って言っても、忙しい時だって毎回送ってくれたじゃないですかー」
男「それはそれ、これはこれ。気分転換って奴だなー」
少女「よく分かりませんねぇ」ハァ
親父「気をつけてなー」
男「普段お前に世話になりっぱなしだからなー、こう言う時くらいはきちんと保護者らしいところをね」
少女「保護者……ですか……」
男「うむ。今までずっとそうだったろう」
少女「そうですね……でも、その、お兄さん」
男「ん?」
少女「私は、もう――子供じゃ、ありません」
少女「……ずっと思ってたんです。いつまで私は子供扱いなのかなって」
男「そりゃあお前、俺からしてみれば、お前は――」
少女「分かっています。お兄さんにとって私は、まだまだ子供なんですよね。
昔から接してきたから。昔からそうだったから」
少女「でも、それでも私は……それが嫌なんです。立派な一人の女として見てほしいんです」
男「……」
少女「……おかしいですよね。いつまでもこのままがいいなんて、言っておきながら……こんなことを望むなんて」
少女「私は、わがままです」
少女「……」
男「お前がわがままで、結構いじっぱりなことは知ってる」
男「昔から見てきたからな」
男「だから……その、なんて、言うかな」
少女「……お兄さん」ギュッ
男「お、わっ……」
少女「お兄さん、好きです」
男「」
少女「ずっと、ずっと……子供としてじゃなくて。一人の少女として、お兄さんのことが好きでした」
少女「だから……」
男「――……」
男「すまん。それは、できない」
男「……さっきも言ったけど、俺は昔からお前のことを見てきた。お前のいろんな所を知ってるし、どういう人間だかも知ってる」
男「だから……お前の言ってくれた言葉も、一人の女性として見て欲しいってのも……やっぱり全部、子供のわがままにしか聞こえないんだ」
少女「……酷いです」
男「知ってる。嫌っても構わん。嫌われるのを承知で、俺は言うぞ」
男「俺もお前のことは好きだ。大好きだ。でもそれ以上に、大切な人なんだ。今までずっと見てきたから」
男「だから、お前が立派な大人になるまでは……俺は保護者として、お前と一緒にいようと思った。好きとか嫌いとかいう感情は抜きにして」
男「……返せる言葉は無いな」
少女「それなら……お兄さんが、私のことを見ていてくれたように。私だって、ずっとお兄さんのことを見てきました。
だから、お兄さんの……色々なことを知ってるつもりです」
男「……」
少女「お兄さんは……冗談は言っても、嘘はつかない人です」
少女「だから、その言葉も信じます。私は、立派な大人になって……もう一度お兄さんに告白します」
少女「それなら……いいんですよね?」
男「……ああ。約束する。俺は嘘は、つかない」ニッコリ
少女「ありがとうございます」
男「……こちらこそ」
少女「……でも」グイッ
男「え――」
少女「――キスくらいするわがままなら、聞いてくれますよね?」チュッ
終わっていいだろうか
無駄な要素入れすぎたかなー…精進します。お粗末さまでした
二人だけだと少女の背伸びした恋愛が増長し
親と3人で仲良くやってると少女が病気になる気しかしない
ともあれ乙
Entry ⇒ 2012.03.18 | Category ⇒ 男女「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
岡部「ラボメンみんなにリーディングシュタイナーが発動した……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331942308/
まゆり「…………………」
瑠未穂「パパ……」
岡部「なんか3人ほど凄まじいダークネスオーラを噴出している奴がいる……っ」
紅莉栖「岡部ぇ…えへへ…岡部と、ちゅー…えへへ…」ニヤニヤ
岡部「振り向けばなぜかトロトロに蕩れている助手の姿が」
みたいなのオナシャス!
紅莉栖「おかべ……」スリスリ
岡部(リーディング・シュタイナーは誰しもが持つ能力)
まゆり「オカリン……オカリン、まゆしぃの側にいて……」ぎゅ
岡部(だが、それには個人差があり紅莉栖やまゆり達が全てを思い出す事など有り得ないと思っていたが……)
フェイリス「パパ……」グス
岡部(まさか、全て思い出してしまうとは……)
萌郁「いやああああああああFBが禿親父なんていやあああああああああああああ」ジタバタ
ダル「鈴羽ああああああ世界一かわいよおおおおお!」
岡部「……どうしてこうなった」
萌郁「FBが禿FBが禿FBが禿FBが禿FBが禿……やっぱり私にはM3しかいない、M3助けて、M3」ブツブツ
岡部(M3が何か知らないが、どうやら錯乱してるようだ。今は、問題ないか)
岡部(次に、何度も死を体験したまゆりだが……)
まゆり「怖いよ、オカリン……」ブルブル
岡部「もう大丈夫だ、まゆり。全部終わったんだ」ぎゅ
まゆり「オカリン……」
岡部「俺はずっとお前の側にいるから、だから安心しろ」ナデナデ
まゆり「……うん」
岡部(当分は俺がまゆりに付いてやらないとな……)
ぎゅ
岡部「まゆり、だから安心しろと言って――」
ルカ子「岡部さん、岡部さん」スリスリクンカクンカスーハー
岡部「」
ルカ子「岡部さん、岡部さん」クンカクンカスーハー
岡部「に、匂いを嗅ぐな!」
ルカ子「岡部さん、ぼ、僕、岡部さんとで、で、デートして」ハアハア
岡部(何か固い感触が当たって……)
岡部「お、落ち着け!今のお前は男だ!だから、これ以上は」
ルカ子「男とか女とかそんなの関係ない」
岡部「!?」
ルカ子「お、岡部さんは僕にそう言ってくれました。だから、僕……ま、牧瀬さん達には負けません!」
ルカ子「岡部さん、岡部さん」ハアハアハアハア
岡部「と、とにかく今は落ち着け、な?」
ルカ子「は、はい……」ハアハア
岡部(そうか、ルカ子も……とりあえず、今は後回しだ)
フェイリス「パパ……ごめんね」グス
岡部(フェイリス……いや留未穂には、辛い事を思い出だったな)
岡部「すまない、留未穂。お前には辛い思いをさせた」
フェイリス「ううん。岡部さんは謝らないで。パパと一緒に過ごせた時間を思い出して、良かったから。それに……」
ぎゅ
岡部「……っ」
フェイリス「また、こうやって岡部さんを抱き締められるから」
紅莉栖「………また?」ピクッ
岡部「えっ?」
紅莉栖「またって……えっ?なに?前にも?」
岡部「いや、それは……」
フェイリス「そうだニャン♪それに凶真はフェイリスのおうちに泊まって~それから」
岡部「お、おい!お前なに言ってるんだ!?」
フェイリス「ニャフフ事実だニャン♪」
岡部(くそっ、フェイリスモードに戻ったか!)
紅莉栖「岡部……どういうこと?」
紅莉栖「そこで何をしたの?」
岡部「何をって、怪我の手当てをして貰って、食事をしただけだ」
フェイリス「その後、凶真と二人で一緒の部屋にいたニャン」
紅莉栖「へ、HENTAI!じゃあそのまま朝まで……」
岡部「何を妄想しているHENTAI処女。お前の考えているような事は断じてないからな」
紅莉栖「そ、そっか……てっきりフェイリスさんが岡部のファーストキスの相手かと」
まゆり「……オカリンのファーストキスの相手はまゆしぃなのです」
紅莉栖「えっ?」
萌郁「私も、押し倒されて岡部くんにキスされた………大胆だった」
まゆり「えっ?」
岡部「ふぇ?」
まゆり「……オカリン、無理矢理はよくないのです」
フェイリス「……私の時は抱き締めるだけだったのに」
ルカ子「……僕は、岡部さんに、その……だ、大事なところを触られました」ムクムク
萌郁「……押し倒されてた時にさり気なく……胸、触られた」
萌郁(……気がする。多分、気のせい)
ダル「僕の鈴羽とサイクリングデートとか、イラ壁」
岡部「」
紅莉栖「じゃあまゆりとのキスは?」
岡部「が、ガキの頃の戯れだ!」
ダル「鈴羽とのサイクリングデートは?」
岡部「あれはあいつから誘ってきたのだ。それにデートではない」
紅莉栖「そう……」
岡部「分かってくれたか」ホッ
紅莉栖「じゃ、じゃあ……」
岡部「なんだ、まだあるのか……」
紅莉栖「私への告白は……?」
ルカ子「こ、告白!?」
まゆり「……あのオカリンから?」
萌郁「………カメラ用意しないと」カチカチ
ダル「イラ壁」
岡部「ば、馬鹿か!何故それを言うのだ!?」
紅莉栖「いいから答えろ」
岡部「あ、あれは……俺の本心だ」
紅莉栖「キタアアアアアアアアアアアアアアアイアアアアアアアアアアアアアアアアア」
ルカ子「そ、そんな……」
フェイリス「凶真がこんなにストレートに……」
まゆり「オカリン……ずっとまゆしぃの側にいてくれるって言ったのに」
萌郁「M3……」
紅莉栖「フゥーハハハ!あなた達の立てたフラグは素晴らしかった!個別ルートも!ドラマCDも!だがしかし!まるで全然!岡部の本命である私には及ばないのよね!!」
ダル「……牧瀬氏、荒ぶりすぎだろ」
紅莉栖「名前呼びいただきましたアアアアアアアアアアアア!!」
岡部「だ、だから落ち着けと!た、確かに俺はお前が好きだとは言ったが……」
紅莉栖「な、なに?いまさら頃キャンセルとかできないからな!」
岡部「お前からの返事をまだ貰っていない」
紅莉栖「………」
紅莉栖「ふぇ?」
岡部「いつ?」
紅莉栖「世界線を変える直前に!」
岡部「……悪いがあの時は最後まで聞き取れなかった」
紅莉栖「そ、そんな……」
岡部「それで、だ。どうなのだ……?」
紅莉栖「と、いいますと?」
岡部「お前の返事だ」
紅莉栖「そ、それは……」
フェイリス「………」ジー
ルカ子「………うぅ」グス
萌郁「………」カメラスタンバイ
ダル「………ふん」ドンッ!
紅莉栖「こ、こんなところでできるか!?」
紅莉栖「む、無理なものは無理よ!」
岡部「くっ……仕方ない。なら、この話は保留だな」
紅莉栖「そ、それは……」
まゆり「紅莉栖ちゃんとオカリンが恋人さんじゃないなら、まゆしぃはオカリンの側にいてもいいんだよね」
ぎゅ
岡部「ああ、関係ないさ。お前はこれからもずっと俺の、鳳凰院凶真の人質だ」
ぎゅ
まゆり「うんっ」
紅莉栖「なっ……」
岡部「無論だ。いつでも修行に付き合ってやる。覚悟しておけよ?」
ルカ子「は、はい!」
ぎゅ
岡部「だ、抱き付くでない」
ルカ子「えへへ」
紅莉栖「ぐぬぬ……」
岡部「ふっ、俺を誰だと思っている!これが狂気のマッドサイエンティストである鳳凰院凶真の溢れんばかりのカリスマ性だ!フゥーハハハ!」
フェイリス「くっ、フェイリスも凶真の能力でこのままマユシィやルカニャンのように……こうなったら!」
ぎゅ
岡部「お、おい!何のつもりだ!」
フェイリス「自ら凶真に飛び込む事により、凶真の能力を無効化したニャン!」
イチャイチャ
紅莉栖「………」イライラ
どういうことだ
岡部「何がだ?」
萌郁「……ラウンダーの、事」カシャッカシャッカシャッ
岡部「その事なら、もういい。全てて赦したと言っただろ?」
萌郁「……でも」カシャッカシャッカシャッカシャッ
岡部「それにお前は大切なラボメンの一人だ」
萌郁「……ありがとう」カシャッカシャッカシャッカシャッカシャッ
岡部「………ところで、さっきから何をしている?」
萌郁「岡部くんたちが、楽しそう、だから……写真を」
岡部「撮るな!」
フェイリス「萌ニャン!凶真とのツーショットをよろしくニャン♪」
萌郁「('-^*)ok」
イチャイチャラブラブ
紅莉栖「………」ピキピキ
岡部「なんだ、助手。お、おいこらまゆり、そんなに抱き付くな!フェイリスも!」
まゆり「えへへ、オカリン」
フェイリス「凶真~」
紅莉栖「………」
岡部「それで、何か用かクリスティーナ。る、ルカ子、頼むから後ろから抱き付くのはやめ……指圧師!カメラ止めろ!」
ルカ子「岡部さん岡部さん」ハアハアハアハア
萌郁「………」カシャッ、カシャッカシャッカシャッ、カシャッ
岡部「」ビクッ
紅莉栖「おかべええええええええええええええええええ!!!!私も好きだああああああああああああああああああ!!!!結婚してぇええええええええええ!!!!」
まゆり「……だ、大胆なのです」
フェイリス「ここまでやるとは……やはり天才ニャン」
ルカ子「……岡部さん岡部さん」ぎゅクンカクンカスーハークンカクンカスーハー
萌郁「………録画」
岡部「」
牧瀬氏の告白からラボがラブホになったのは直ぐだった。
牧瀬氏の告白を期にラボメンガールズ+るか氏がオカリンに告白。
へたれなオカリンは全てを受け入れ、ここにハーレムエロトピアが完成した。
ラボメン全員を相手に、日に日にやつれてるオカリンだけど、なんだかんだで幸せそうだったお。
僕も早く相手を見つけないと。7年後に産まれる愛娘のために……そうだよね、鈴羽
おわり
読んでくれた人、ありがとニャンニャン
おつ
ありがとう
マジがんばれ
Entry ⇒ 2012.03.18 | Category ⇒ シュタインズゲートSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
石流「一番可愛いのはエルキュール!」 根津「は?」
平乃「こういった人に評価を付けるようなことはあまり得意ではないんですけど…」
咲「んー人気は結構バラけてるらしいよー」カタカタ
小衣「……シャーロックじゃないの…?」
一同「えっ」
ただし森てめーはダメだ
きゃは☆
次子「悪いんだけどなんでそんなに力説してるのかあたしにゃ分かんないわ」
小衣「あーもうなんで分かんないのよ!」
咲「小衣必死」
平乃「えーと 恐らく小衣さん以外はそういったことをあまり意識していないみたいですよ」
次子「そういうことだよなぁ まあ話題振っといて悪いんだけど」
咲「小衣、釣られたクマー」
小衣「ぐぬぬ」
小衣「今度はもう引っかからないわよ!」
咲「言わなくてもいいけど、最初から録音してたから覚悟しといてねー」
小衣「…まさかシャーロックにその録音を聞かせる気じゃないでしょうね!?」
咲「あ、その方が面白いか ホントは適当にうpしまくるつもりだったけどそうするよ」
次子「あれ…? あたし置いてけぼりか…?」
小衣「わーっ!ストップストップ!誰か咲をとめて」
平乃「さっ 早く話さないと送信しちゃいますよ」
小衣「しゃ、シャーロックは… その 小衣に毎回構ってくれるから嬉しいだけ!そんだけ!」
咲「録音おk」
次子「へえ やるもんだな…」
小衣「あーっ!まただましたわね!!」
咲「そもそもミルキィホームズのメールアドレスとか知らないし というかないんじゃない?」
次子「警察が騙されてちゃ世話ないわ… そういやあたしらって小衣にあまり構ってやってなかったかもな」
平乃「そうですね… そういえば、最近はスルーしすぎていた気がします」
咲「小衣に構う時間なう」
小衣「なっ べっ別にいいってば…」
平乃『小衣さん以外は 意識していない ですよ』
小衣『……シャーロックじゃないの…?』
小衣『シャーロックでしょ普通に考えて!』
小衣『シャーロックは…小衣に 構ってくれるから 嬉しい 嬉しい』
咲「ほい、やっつけ編集しといた」
次子「うわぁ 小衣がすげー勢いでシャーロック褒めてるように聞こえる」
平乃「途中で不自然なくらいに切れてますね…」
咲「シャーロックならこれでも一連の会話だと思う …はず」
小衣「あわわ… け、消しなさいよ!早くけしてー」
次子「相変わらず小衣からかうのは面白いな」
次子「あっやばい 泣きそうになってるぞ!」
平乃「咲さん 消してあげましょう」
咲「仕方ない デリートなう」カチカチ
咲(と見せかけてコピー)
平乃(何かさした…?)
次子「ほ、ほらぁ 消したってよ小衣!大丈夫だぞー」
小衣「…ふんっ それでいいのよ!」
平乃「次子さん、お母さんみたいです」
咲「さーてと 小衣いじりも終わったし業務に戻った方がよくない?」
小衣「…今日は出動命令があるまで特にやることないから 溜まってた仕事とか各自で片付るのよ」
咲「ふーん 特にないからちょっと出てくる 次子、車だしてー」
次子「ん? なんでだよ…? まぁあたしも仕事ないからいいけど」
小衣「ちょっとぉ!なに勝手にどこか行こうとしてるのよ!」
咲「ホームズ探偵学園… 跡地?」
次子「つまりミルキィホームズんとこね 了解」
咲「安全運転おなしゃす」
次子「はいよ!」
次子「…さっきコピーしてたよな そんぐらい分かるぞ」
咲「さすが」
次子「やめろとは言わないけど 平乃と何か計画してたのか?」
咲「次子は純粋でいた方がいい それが次子」キリッ
次子「な、なんだよ照れくさいな… まぁ誤魔化されといてやるよ」
次子「とうちゃーく」
咲「さんくす …探すまでもなくて助かった」
次子「あー やっぱり渡すのか、それ」
咲「反応が見たい」
次子「いい趣味してるよまったく…面白そうだけど」
シャロ「あれっ? G4の… おふたりですー!」
次子「名前忘れたならそう言っていいんだよ」
咲「シャーロック これ、小衣からプレゼント」
シャロ「えっココロちゃんから!?」
咲「ついでに感想聞いていきたいからすぐに聞いて」
シャロ「聞くって何をですか?」
咲「そのメモリの中のMP3」
シャロ「めもりのなかのえむぴーすりー?」
咲「くっ 仕方ない、このノートで聴かせる」
次子「大変だなデータのやり取りって… あたしもあんまり詳しかないけど」
平乃『小衣さん以外は 意識していない ですよ』
小衣『……シャーロックじゃないの…?』
小衣『シャーロックでしょ普通に考えて!』
小衣『シャーロックは…小衣に 構ってくれるから 嬉しい 嬉しい』
咲「以上 どう思う?」
シャロ「ココロちゃんは本当はあたしに構ってほしかったんですね…!」
咲「そうきたか」
次子「そりゃあそうだろ… シャーロックがこれ聞いて「もしかしてココロちゃんってあたしのこと好き!?」とか言いだした方が驚くな」
咲「…はげどー」
次子「シャーロック 小衣はシャーロックがミルキィホームズで一番可愛いって思ってるんだぞ?」
シャロ「そんな、ココロちゃんの方がかわいいですよ」
咲「これはこれで、そーしそーあい」
次子「ちょっと違うだろ」
咲「とりま録音したからおk」
次子「ぬかりないねぇ」
次子「戻ったぞー」
平乃「お帰りなさい」
小衣「ちょっとぉ!無視してどこ行ってたのよ!?」
咲「野暮用 次子はあたしの付き添いだから悪くない」
小衣「じゃあ咲に何か罰が必要ね!ふふん…」
咲「どんとこい けど、先にこれきいて」
シャロ『ココロちゃんの方がかわいいですよ』
シャロ『ココロちゃんの方がかわいいですよ』
シャロ『ココロちゃんの方がかわいいですよ』
小衣「な、なに同じ音声再生しまくってるのよ!!」
咲「それで 罰って?」
小衣「ふんっ 特別に許すわ! 早く仕事に戻って」
咲「ありありー」
小衣「あとでその音声よこしなさい」
咲「1まんえん」
平乃「お互いに可愛いと思ってるんですねぇ 若いってうらやましいです」
次子「平乃、今回存在感なかったな」
平乃「喋れただけよかったですよ」
次子「わるかった」
おわり
かわいいこころちゃんが見れて良かった
なかなかいいものを見れた
そして当然のようにスレタイの二人出番なし
Entry ⇒ 2012.03.18 | Category ⇒ ミルキィホームズSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
恒一「見崎がサドだった」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331121653/
関連記事:恒一「見崎がマゾだった」
恒一「ん? なに?」
鳴「実は折り入ってお願いがあるの」
恒一「お願い?」
鳴「うん、お願い。榊原くんにしか頼めないことなの」
恒一「ふーん……わかった、僕ができることならなんでもするよ」
鳴「ありがとう……それじゃあね」
恒一「うん」
鳴「榊原くんのこと、踏ませてほしいの」
恒一「…………うん?」
鳴「大丈夫?」
恒一「……よし、大丈夫。もう一回言ってくれる?」
鳴「えっとね……榊原くんのこと、踏ませてほしいの」
恒一「ごめんやっぱりまだおかしかったみたい」
鳴「榊原くん、たぶん榊原くんの耳は正常だよ?」
恒一「いやいやいや、ないないない」
鳴「榊原くんついさっき言ったよね? できることならなんでもするって……」
恒一「ちょっと待って、お願いだから」
鳴「前言撤回なんてしないよね? 男に二言はないものね?」
恒一「お願いだから待ってってば!!」
鳴「だから、踏ませてほしいって」
恒一「いや、踏ませてほしいってのはわかった……いや正直意味わからないんだけど……なんでそんなことを?」
鳴「榊原くんを踏みたいからってだけじゃ……ダメ、かな?」
恒一「ダメに決まってるだろ」
鳴「……ダメ、かな?」カクン
恒一「可愛らしく小首傾げてもダメだよ」
鳴「……わかった、靴下は履くから」
恒一「それは妥協してるつもりなのかな?」
恒一「むしろどうして踏ませてくれると思えたのか」
鳴「身体のどの部位なら踏ませてくれる?」
恒一「どの部位もいやだよ」
鳴「わかった、顔や股間は諦めるから、腹とか背中でいいから」
恒一「最初は顔や股間を踏むつもりだったの?」
鳴「五千円、五千円だすから」
恒一「ちょっと財布取り出さないでよ、金で解決とか汚い大人みたいなことはやめてってば」
鳴「いくら? いくら払えばいいの?」
恒一「だから金で解決しようとするなって!!」
鳴「……ごめんなさい、少し取り乱してた」
恒一「うん、取りあえず落ち着いて……最初から順序立てて話してくれる?」
鳴「うん」
恒一「えっと……まずはどうして僕のことを踏みたいなんて?」
鳴「それは……」
恒一「それは?」
鳴「……榊原くんの苦しむ顔が見たいから」
恒一「……えっ?」
恒一「え、えっと……」
鳴「榊原くん、あの時気胸を再発しそうになったでしょ? 息苦しさで顔がひどく歪んでた」
恒一「……うん」
鳴「苦しそうで、切なそうな榊原くんの顔を見たとき……私ね」
恒一「……」
鳴「すごく……すごく興奮したの」
恒一「っ!?」
鳴「あれ以来榊原くんのあの表情をまた見たいって思う様になって……」
恒一「ちょ、ちょっと待ってよ見崎」
鳴「それで今日、榊原くんを呼んだの」
恒一「ま、待ってってば……意味がわからないよ、人の苦しむ顔を見て興奮するなんて」
鳴「誰でもいいわけじゃない」
恒一「え?」
鳴「榊原くんの苦しむ顔が見たい。榊原くんだからいいの」
恒一「なっ……見崎、は僕のことが嫌いなの?」
鳴「そんなわけない」
恒一「ならどうしてそんなこと……」
鳴「別に傷つけたいわけじゃないし、痛めつけたいわけじゃない。ただ苦しむ顔を見たいだけ」
恒一「わ、わけがわからない……」
鳴「……ダメ?」
恒一「うん、ダメだ。見崎には申し訳ないけど……」
鳴「そう……わかった」
恒一「わかってくれて嬉しいよ。それじゃ僕はこれで帰……」
鳴「ごめんね、榊原くん」
恒一「えっ――」
ガチャリ
恒一「…………えっ? なにこれ?」
鳴「手錠」
恒一「えっ、ちょっと待って、頭が追い付かないです」
鳴「さっきいったでしょ? もう我慢できないって」
鳴「ダメ。そしたら榊原くん逃げちゃうでしょ?」
恒一「当たり前だろ! こんなの……!」
鳴「榊原くんが嫌だって言うなら、もうこれしか手段はないじゃない」
恒一「い、いや、いやいやいや、諦めるっていう選択肢は?」
鳴「そんなものありえない」
恒一「ちょっ……み、見崎? 目が据わってるんだけど……」
鳴「ふふっ……榊原くん?」
恒一「な、なに……?」
鳴「時間はたっぷりあるから、いっぱい楽しもうね?」
恒一「えっ!? なっ、まっ、待って!」
鳴「榊原くん、自分で脱ぐ気ないでしょ? 私が脱がしてあげるからじっとしてて」
恒一「見崎! こんなの絶対おかしいって!」
鳴「じっとしててって言ったでしょ?」ギラリ
恒一「っ!? か、カッター……ナイフ?」
鳴「余り動くと手元が狂うかもしれないから」
恒一「ひっ!」
鳴「ごめんね、手錠つけたままじゃこうしないと服脱げないから」ビリビリ
恒一「あっ……」
鳴「ふふ、榊原くん意外とたくましい身体してるんだね」
恒一「見崎……」
鳴「安心して、制服ぐらい新しいの買ってあげるから」
恒一「見崎……もうやめよう? こんなの……」
鳴「榊原くん」
恒一「え?」
鳴「もうそういうのはいいの、榊原くん」
恒一「見崎? それってどういう……」
鳴「榊原くんはね、これから私無しじゃ生きられない身体にされるから」
恒一「……は?」
鳴「これからたっぷり……調教してあげる」
鳴「ほら、まずは私の足をなめて?」
恒一「うぐっ……み、みふぁっ……!」
鳴「一日中履きっぱなしだった私の靴下、美味しい?」グリグリ
恒一「あっ、ぐっ……ごほっ……み、みふぁき……やめ……!」
鳴「ほら、早くなめないと足離してあげないよ?」
恒一「っ!! ぐっ……れろ」
鳴「んっ……はぁっ」ゾクゾクッ
恒一「れろ、ちゅる……」
鳴「いいよ、その調子……私の足をなめてる榊原くんの表情、最高だよ?」
恒一「はっ、ぐっえほっ……れろ、ぺろ……」
鳴「はぁっ……いいよ、榊原くん。次は靴下から汗を吸いだすようにして、吸ってみて」
恒一「げほっ、えほっ……す、吸う?」
鳴「そう吸うの、思いっきり……できないと、わかってるよね?」
恒一「ぐっ……わ、わかったよ」
恒一「れろ……じゅる、ちゅぅうううっ……」
鳴「んんっ……いい、いいよ榊原くんっ……」
恒一「ちゅうっ、ぢゅっ……」
鳴「ふふっ……榊原くん必死にすいちゃって赤ちゃんみたいだね……可愛いよ」
恒一「うぐっ……はぁ、ちゅぅううっ……」
恒一「くはっ……げほっ、ごほっ!」
鳴「どうだった榊原くん? 私の足なめて、気持ちよかった?」
恒一「はぁっ……はぁっ……苦しいだけに決まってるだろ、こんなの……!」
鳴「そう? 残念……それじゃ、もうかたっぽの靴下も舐めさせてあげる」グッ
恒一「なっ!? むがっ……!」
鳴「気持ちよさがわかるまで、何度でもなめさせてあげるね」グリグリ
恒一「やめっ、ぐるひっ……あぐっ、むぐぐ……!!」
鳴「ほら、早くなめないと日が暮れちゃうよ?」グリグリ
恒一「ぐっ……!!」
恒一「はぁっ、はぁっ……はぁっ、ぜぇ、はぁ」
鳴「ふふ、私の両足がびちゃびちゃ……どうだった、榊原くん?」
恒一「はぁっ……はぁっ……な、なにが……」
鳴「私の足なめるの、気持ちよかった?」
恒一「……気持ちいいわけないだろ、こんなの……苦しいだけだったよ」
鳴「……ふーん、まだそんなこと言うんだ?」
恒一「っ……!」
鳴「それじゃ次は、こっちに直接聞いてあげるね?」
恒一「え?」
鳴「そんなの決まってるでしょ……こ・こ」グニ
恒一「いぃっ!?」
鳴「ほら、どう? 今さっきまで自分が舐めてた足に股間を踏まれるのってどういう気持ち?」グニグニ
恒一「あっ、ぐっ……!? み、見崎、やめっ……」
鳴「ふふっ、いいよ榊原くん……その表情、もっと見せて?」グッグッ
恒一「あっ、うあっ! やめ、てっ……!」
鳴「……あら?」パッ
恒一「うぐっ……」
鳴「なーんだ榊原くん、やっぱり気持ちよかったんだね……こんなにテント張っちゃって」ツンッ
恒一「うっ、くぅっ……!」
恒一「ち、ちがっ……!」
鳴「何が違うの? 今だって、つま先で突かれるだけで反応しちゃってる」ツンツン
恒一「あっ、うあっ……!」
鳴「ふふ、服の中で苦しそうに脈打ってて、可哀想……今出してあげるね?」
恒一「なっ!? だ、だめだっ、それだけはっ……!」
鳴「今さら恥ずかしがらなくていいんだよ? これからもっと恥ずかしいことになっちゃうんだから」ヌガシヌガシ
恒一「くっ……! 見崎、やめてっ……お願いだから……!」
鳴「やめないよ……ほら、脱げちゃった」ボロンッ
恒一「あっ……!」
鳴「……あれ?」
恒一「う、うぅ……」
鳴「ふふ、榊原くんってまだ皮被ってたんだ」
恒一「っ! くっ……」
鳴「くすっ……まだ中学生だもんね? 気にすることないよ?」
鳴「こんな仮性包茎の恥ずかしいおちんちんを同級生の女の子に見られたって、気にすることなんてないよ?」
恒一「ううっ……」
鳴「ふふ、涙目になって可愛い……そうだ、私が今からその余ってる皮を剥いてあげるよ」
恒一「……えっ?」
恒一「そ、そんなの……」
鳴「じっとしてて……ゆーっくり、剥いてあげる」グニ
恒一「や、やめ……うあっ!」
鳴「ほーら、どう? 指先で皮が掴めちゃった」グニグニ
恒一「あっ、やっ、やめっ」
鳴「ふふ……おっと」グイッ
恒一「ああっ!?」
鳴「ごめんね、足が滑っちゃった……でもおちんちんの皮ってこんなに伸びるんだね、びっくりしちゃった」グイグイ
恒一「あっ、やめっ、引っ張らないでぇっ……!」
鳴「痛いの? それとも気持ちいいのかな? ふふっ……」
恒一「っつう!?」
鳴「一気に剥いちゃったけど、どうだった? 痛かった?」
恒一「はっ、くっ……はぁっ……はぁっ……」
鳴「ふーん、亀頭ってこんな感じなんだ……ピンク色で可愛いね」
恒一「はぁっ、はぁっ……み、見崎……もうやめて……」
鳴「い・や」
恒一「っ……!」
鳴「ずっと望んでたんだもの……榊原くんの苦しそうな顔、辛そうな声……今私、すごく興奮してる」
鳴「ほら榊原くん……次はもっと苦しくて気持ちいいことしてあげるね?」
恒一「ぐうっ!?」
鳴「こうやって足の裏で踏まれるみたいに擦られるの、どう?」グニグニ
恒一「うっ、ぐうぅ……」
鳴「ほら、ほら、ほらっ」
恒一「あっ!? うあっ、ああぁあっ……!」
鳴「こうやって裏筋擦られるのはどう? 痛い? 気持ちいい?」
恒一「や、やめっ、あ、うぁああっ……!」
鳴「ふふ、どんどん硬くなってきてるよ? 気持ちいいんだね、榊原くん」
恒一「あっ、うっ、うあっ」
鳴「女の子におちんちんこんな風にいじめられて、気持ちいいんだよね?」
恒一「くっ……ううあっ……」
鳴「んっ……榊原くん、もしかしてもうすぐ出そう?」ズリズリ
恒一「はっ、あっ……うあっ」
鳴「ふふ、榊原くんって女の子におちんちん踏まれて射精しちゃうような変態さんだったんだね」ズリッズリッ
恒一「あっ、うああっ……!」
鳴「もう聞こえてないのかな? ねえ、さ・か・き・ば・ら・くんっ」グニィッ!
恒一「いっ!? あっぐぅっ!?」
鳴「ほら、聞いてる? 榊原くんもうイきそうなの?」
恒一「かはっ、はぁー……はぁー……も、もう……もう、限界……」
鳴「そうなんだ……じゃあ今からいいものプレゼントしてあげる」
恒一「は……?」
鳴「うん……これ」スッ
恒一「……え? なにそれ? ベルト?」
鳴「これはね、こうやっておちんちんの根元に付けて……」カチャカチャ
恒一「えっ? ちょ、ちょっと……」
鳴「こうして付けたら……えい」ギュッ
恒一「いぃっ!!?」
鳴「ふふ、これで自由に射精できなくなっちゃったね?」
恒一「いっ、つぅっ……そ、そんな……」
鳴「榊原くんに似合いそうなのを選んで買ったんだ……嬉しい?」
恒一「くぅっ……」
鳴「んっ……すごい、嬉しそうな顔してる……」ゾクゾクッ
恒一「なっ……こ、このままで?」
鳴「もちろん……そうね、三十分頑張ったらご褒美に射精させてあげる」
恒一「さ、三十分……?」
鳴「もっと長い方がよかった? わかった、それじゃ倍の一時間ね」
恒一「は!? ま、待ってよ、そんな……!」
鳴「ほら、始めるよ」グニ
恒一「ぐうっ!?」ビクゥッ
鳴「どう? 足で亀頭揉まれちゃってるよ?」グニグニ
恒一「あっ、ひっ、あぁあっ!」
鳴「ほら、指先で尿道ほじられるのいいでしょ?」グニグニ
恒一「あっ、うああっ、やめっ……やめてっ、こんなの……ああぁああ!」
鳴「ふふ、ほら……両足で挟まれて擦りあげられるの、気持ちいい?」シュッシュッ
恒一「うっ、あっ……あぁああっ、やめ、やめっ、へっ」
鳴「もう呂律も回ってないね……ねえ、そろそろ一時間経つけど射精したい?」
恒一「あっ、し、したいっ」
鳴「よく聞こえない……ねえ、射精したい?」グニ
恒一「あぐっっ!? うっ……し、したいっ!! 射精したいっ!!」
鳴「そう、したいんだ……いいよ、させてあげる」
恒一「ほっ、ほんと……?」
鳴「うん、でも条件があるの」
恒一「じょうけ、ん……?」
恒一「えっ……ご、ごしゅじんさま……?」
鳴「そう。それで、射精したいときはご主人様にお願いするの」
恒一「お、おねがい……?」
鳴「うん。ご主人様射精させてくださいお願いします、って」
恒一「そ、そんなの……」
鳴「できない?」グニッ
恒一「あうっ!?」
鳴「できないんなら、一生このまま生殺しだよ? ほら、できるの? できないの?」グニグニ
恒一「ああぅっ……! で、できる! できる、からっ!」
鳴「ふふ、じゃあ言ってみて?」
鳴「うん」
恒一「しゃっ……射精させてください、おねがい、しますっ……」
鳴「ふふっ……ちゃんと言えたね、偉い偉い」ナデナデ
恒一「ううっ……」
鳴「それじゃ、貞操帯外してあげるね?」カチャカチャ
恒一「あっ……くっ」
鳴「……ん、外せたよ。ふふ、ビクンビクン脈打ってて今にも射精しちゃいそう」
恒一「み、見崎っ……」
鳴「ご主人様」
恒一「えっ?」
鳴「ご主人様って呼んでって言ったでしょ?」
鳴「待って、今準備するから」
恒一「じゅ、準備……?」
鳴「うん、準備」ギュッギュッ
恒一「えっ……ま、待って、なんでゴム手袋なんか……」
鳴「よし……それじゃ榊原くん、四つんばいになってくれる?」
恒一「え?」
鳴「犬みたいに四つんばいになるの……ほら早く」グイッ
恒一「えっ、ちょ、ちょっとまっ……!」
恒一「み、見崎っ、なっなんでこんな格好――あぐっ!?」
鳴「ご主人様、でしょ?」ギュゥウウ
恒一「あっ、わ、わかったっ……ご、ご主人様! わかったから、根元から指外してっ……!!」
鳴「ん、よろしい……それじゃ今から射精させてあげる」
恒一「なっ、なにをするの……?」
鳴「安心して、とっても気持ちいいことだから……気持ちよすぎて苦しいほどにね」
恒一「どっ、どういう――」
ヌプッ
恒一「っ!!? ぁあああああっ!!?」
恒一「あっ……ぐっ、ぬ、抜いてっ……!」
鳴「ローションたっぷりつけたから、そんなに苦しくないでしょ? ……もっと奥まで入れるね?」ヌププッ
恒一「ぅあっ!? あっ、ぐっ、ぐぅうっ……!」
鳴「ふふ、わかる? 榊原くん、女の子にお尻の穴を指で犯されてるんだよ?」ヌプヌプ
恒一「あ、ああぁあぁ……」
鳴「榊原くん、涎垂らしちゃってだらしない顔……指、もう一本入れてあげるね?」ニュプッ
恒一「いっ!? あっ、あああぁあっ!!」
鳴「ほら、ほらっ……どう? 苦しい? 苦しいの?」ヌプヌプヌプ
恒一「やめっ、やめでっ、あっ、あぐぅううっ!」
鳴「ふふ、そろそろお尻の穴も柔らかくなってきたね……それじゃ、本番」
恒一「ほ……本……番……?」
鳴「うん、そう……本番」ヌプゥッ
恒一「あっ……!!」
鳴「ふふ、ここらへんかな……よいしょ」クニッ
恒一「あっ、くぅっ……」
鳴「あ、違った……こっちかな」クニッ
恒一「いっ!!? う、うぁあああっ!!?」ビュルルッ
鳴「きゃっ……ふふ、出しちゃったね、榊原くん」
恒一「あ、うああぁっ……」ビュッ ビュッ
鳴「まだ出てる……相当たまってたんだね、榊原くん」
恒一「うぅううっ……」ビュッ…
鳴「女の子にお尻の穴ほじられて射精しちゃう情けない榊原くんは、これから特訓しないとね」
恒一「と、とっく、ん……?」
鳴「そう、特訓……えいっ」クニッ
恒一「いぅっ!!? あ、ぐぅううっ!!」
鳴「おちんちんの方もいじってあげるね?」ギュッ
恒一「うあっ!?」
恒一「あ、や、やめっ……」ビクッ
鳴「榊原くん、いつもこういう風に手で扱いてオナニーしてるの?」シュッシュッ
恒一「う、うぅっ……」
鳴「ねえ、いつも誰を想像してオナニーしてる?」シュッシュッ
恒一「なっ……!?」
鳴「クラスの子? それとも三神先生とか?」シュッシュッ
恒一「ちっ、ちがっ……!」
鳴「じゃあ誰?」シュッシュッ
恒一「そ、それはっ……」
鳴「ほら、答えて」クニッ
恒一「うぐぅっ!?」
恒一「あっ、まっ、待って……で、出るっ!」ビュルゥッ
鳴「あ……また前立腺押されて漏らしちゃったね、榊原くんが早く答えないからだよ?」
恒一「あ、うぅ……」
鳴「それで、さっきの質問の答えは?」クニッ
恒一「うぐっ!? ま、待って、いまっ、今射精したばっか……!」
鳴「早く答えないとやめないよ?」クニクニシュッシュッ
恒一「あっ、うっ、うぁああっ!!」
鳴「ほら、もっと激しくするよ?」シュッシュッシュッ
恒一「うぁあああっ!! やめっ、おねがっ、とめっ……!」
鳴「早く答えて……出ないとずっとやめないよ?」クニッ
恒一「うぐっ!! ぅう……み、見崎っ……」
鳴「え?」
恒一「み、見崎……見崎で、オナニー、した……」
鳴「……へえ、そうなんだ。私のいやらしい姿を想像して、オナニーしてたんだ?」
恒一「は、はい……見崎の……ご主人様の、裸、とか、で……」
鳴「そう……嬉しい、榊原くん私のことを想って自分を慰めてたんだね」
恒一「うぅ……」
鳴「……嬉しいから、ご褒美あげる」
恒一「えっ?」
恒一「いっ!? あっ、なっ、なんでっ……」
鳴「榊原くん、さっきまであんなに射精したがってたじゃない……だから今からいっぱい射精させてあげる」
恒一「なっ、そ、そんな……」
鳴「安心して。榊原くんがもう射精したくない、したくないって泣き叫んでも止めてあげないから」
恒一「そんなっ、そんな、言ってたこととちが……!」
鳴「そうね……今から五回、射精したら終わりにしてあげる」
恒一「ご、五回も!?」
鳴「ほら、早速始めるよ?」シュッシュッ
恒一「あっ、うぁああっ!!」
鳴「ほら、頑張って榊原くん」シュッシュッ
恒一「はぁっ……ぐっ、あっ、ぅああっ……」
鳴「んっ……よいしょ」クニッ
恒一「うぐっ!? あっ、ぅああああっ!」ドピュゥッ
鳴「ふふ、これで四回目だね」
恒一「はぁ……はぁ……もう……もうむ、りっ……」
鳴「大分疲れたみたいだね、そろそろ限界かな」
鳴「……それじゃ、最後はとっておきのプレゼントをあげる」
恒一「ぷれ、ぜんと……?」
恒一「えっ……あっ」
鳴「私の大事なところ、見える?」
恒一「なっ……え、な、なにを」
鳴「ねえ榊原くん……ここに入れたい?」
恒一「っ!?」
鳴「私のおまんこの中に射精したい?」
恒一「みさ……あ、いや、ご主人様……」
鳴「今は名前で呼んでいいよ?」
恒一「えっ……」
鳴「鳴って、名前で呼んで?」
恒一「……め、鳴……」
恒一「……い、入れたいっ……鳴の中に……」
鳴「ふふ、あんなに出したのにおちんちん凄い大きくなってる……いいよ、入れさせてあげる」
恒一「!!」
鳴「仰向けになって? 私が入れてあげるから」
恒一「っ……う、うん」ゴロン
鳴「そのまま大人しくしててね?」
恒一「わ、わかった……」
鳴「ん……よいしょ」
カチャカチャ ギュッ
恒一「え?」
鳴「それじゃ入れるね? 榊原くん」
恒一「ま、待って! これ外してっ!」
鳴「んっ……」ヌプッ
恒一「うっ!? ぅあぁあっ……!」
鳴「つうっ……ふふ、入ったよ、榊原くんのが私の中に」
恒一「め、鳴っ……! なんでっ……!」
鳴「ふふっ……榊原くん、凄く苦しそう……射精できないのってそんなに苦しい?」ズッズッ
恒一「あっ、うっ、うごかないでっ……!」
鳴「ほら、どう? 私のおまんこ気持ちいい?」ズッズッズッ
恒一「あっ、うあっ、くぅっ……!!」
恒一「うぐっ、はぁ、あぁあっ!」
鳴「榊原くんっ、榊原くんっ」ヌプッヌプッ
恒一「かはっ、あっあっ、うあっ」
鳴「榊原くんのおちんちん、気持ちいいよ……熱くってガチガチで、最高だよ?」ズッズッズッ
恒一「鳴っ、はずしっ、外してっ」
鳴「なにを?」ズッズッ
恒一「あっ、うああっ、ね、根元っ、根元に、付けてるやつっ」
鳴「ふふ、外してほしい? 射精したい?」ヌプッヌプッ
恒一「し、したいっ、射精したいっ!」
恒一「そ、それは鳴がっ……!」
鳴「なぁに? 私のせいにするの?」ギュッ
恒一「いっ!?」
鳴「ほら、どう? 膣で締め付けられるのって気持ちいい?」ギュッギュッ
恒一「あっ、やっ、やめっ」
鳴「ふふ……いいよ、そろそろ射精させてあげる」
恒一「っ……!!」
鳴「でも、射精したいときには言うセリフがあったよね?」
恒一「えっ……」
鳴「ほら、思い出して言ってみて?」
鳴「うん、なあに?」
恒一「射精っ……射精させてくださいっ! お願いしますっ!!」
鳴「……ふふ、よくできました」
鳴「それじゃ外してあげるね」カチャカチャ
恒一「あっ……」
鳴「はい、外れたよ。……ふふ、中で凄い脈打ってるのわかるよ? もう出したくって仕方ないね?」
恒一「は、はやくっ……はやく……!!」
鳴「んっ……それじゃ、また動くね?」ズッズッ
恒一「あっ、ぅああっ!」
鳴「んっ……出ちゃいそう?」ズッズッ
恒一「も、もう出るっ、出るっ」
鳴「うん、いいよ。私の中に熱いの、いっぱい出して?」ズッズッズッ
恒一「あっ、ぅああっ……鳴っ、鳴っ……!!」
鳴「出してっ、榊原くんの精子、私の中にっ……」ズッズッズッ
恒一「うっ、あっ、鳴、鳴っ……ぁぁああっ!!」ドピュウッ!!
鳴「んんっ……!!」ビクッ
恒一「あっ、くぅっ……ま、まだ出るっ……」ビュルルッ
鳴「んあっ、はぁっ……すごい、榊原くん、何回も出してたのにこんなにいっぱい……」
鳴「榊原くん、気持ちよかった……?」
恒一「はぁ、はぁー……う、うん……」
鳴「ふふっ……んっ」ヌプッ
恒一「うあっ……!」
鳴「あっ……榊原くんの垂れてきちゃってる」ツー…
恒一「あ……」
鳴「……ねえ榊原くん」
恒一「え?」
恒一「は? ど……奴隷?」
鳴「うん、奴隷。私だけのもの」
恒一「め、鳴の……もの……」
鳴「私の奴隷になって? そうしたら……もっともっと苦しくて気持ちいいことしてあげる」
恒一「っ!!」
鳴「ね? どうする?」
恒一「…………な、なる」
恒一「ご主人様の……奴隷に、なります」
恒一(見崎がサドだった……けれど)
恒一(これはこれで、最高かもしれない)
終わり
嘘を吐くなっ!
次はヤンデレか
どこまで進むんだこいつらは…
Entry ⇒ 2012.03.18 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
スライム「魔王さまが姫をさらってきた?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331201655/
コウモリ「らしいぜ。オレの仲間たちの間じゃその話でもちきりだ」
スライム「本当なの?」
コウモリ「姫を見たやつもいるって。城のどこかに閉じ込めたとか」
スライム「すっごいなあ!」
コウモリ「だよな! さすがは魔王さまだ」
スライム「どうやってさらってきたんだろう」
コウモリ「そりゃあ正面から乗りこんで人間たちをけちらしけちらし、だろ」
スライム「かぁっこいい!」
コウモリ「まったくだぜ!」
スライム「姫ってどんなやつかな」
コウモリ「えらい人間だからな。きっとこわくていやなやつだ」
スライム「そうだね、こわくていやなやつだ!」
コウモリ「お前、今日もお城でそうじの仕事だろ。もし見かけたらつばかけてやれ」
スライム「がんばる!」
コウモリ「それじゃあオレはいくぜ」
スライム「じゃあね!」
魔王城
魔王「ふふ……部屋の居心地はどうかね、姫?」
姫「……」
魔王「そう睨むでない。凛々しい表情もまた似合ってはいるがな」カツ……
姫「近付かないで! 舌を噛み切るわよ!」
魔王「……くくっ。これは困った」
姫「わたしを一人にしなさい。これは命令よ」
魔王「おやおや。まだオヒメサマ気分が抜けないと見える」
姫「二度言わせる気? 出てって」
魔王「ふふ。ははは……まあゆっくりしてくれたまえ」ギィ……
姫「……」
……バタン
……
…
スライム「ふうふう……おそうじは大変大変」ゴシゴシ
「どけ! 邪魔だ!」
スライム「うわあ!」ポヨン!
スライム「……らんぼうだなあ」
「こら休むな!」
スライム「ご、ごめんなさい!」ゴシゴシ!
「ここが終わったら次はあっちだ!」
スライム「はーいっ」
姫「"開け"」ポゥ……
カチッ!
姫「開錠成功ね。魔法の勉強が無駄にならずに済んだわ」
姫「……」
姫(問題は。この扉の向こうに誰かいるかどうか、だけど)
姫「こればっかりは覚悟するしかないわね」
姫「……」スー ハー
姫「ん」ギィ……
スライム「あれ?」
姫「……」
――スライムにそうぐうした!
姫「っ……!」
ガシ! ヒョイ
スライム「ひゃ――!?」
パタン
「ん。あれ? スライムのやつどこ行きやがった?」
スライム「――! ――!」
姫「静かになさい!」
スライム「……」
姫「……素直ね?」
スライム「うるさくしたらいたくする?」
姫「大人しくしてくれるならなにもしないわよ」
スライム「わかった。静かにする」
姫「ありがとう」
スライム「でもおろしてほしい」
姫「暴れないでね? はい」
スライム「よいしょ」ピョイ
スライム「……」ジー
姫「なに?」
スライム「人間だあ」
姫「ええ」
スライム「もしかして、きみが姫?」
姫「そうよ」
スライム「思ってたのとちがう」
姫「? どんな想像してたのよ」
スライム「んとね」
『キシャアアァァッ!!』
『我はヒメ! 魔界に終焉をもたらす者なり!』ギラギラ!
『跪け愚かな魔物ども! ギャオオォォン!』カッ!
姫「ちょっと待ちなさい」
スライム「え?」
姫「何よそれ」
スライム「えらい人間はすごくつよいって聞いたよ」
姫「そんなことないわよ」
スライム「そうみたいだね。きみはかわいいし」
姫「まあね」
スライム「でもごめん」
姫「え?」
スライム「ペッ!」
姫「きゃ!?」サッ
姫「何するのよっ」
スライム「姫を見かけたらつばをかける約束なの」
姫「約束?」
スライム「うん。友だちとの約束」
姫「ろくな友達じゃないわね」
スライム「悪口はだめ!」ピョン!
姫「おっと」サッ
スライム「ぷぎゅ!」ビタン!
姫「あ」
スライム「いたい……」
姫「あの。ごめんなさいね?」
スライム「……ゆるす」
姫「ありがとう。ところで」
スライム「なに?」
姫「わたしここから逃げたいのだけれど」
スライム「それはムリじゃないかなあ」
姫「お願い。手伝ってちょうだい」
スライム「バレたらぼく、おこられちゃう」
姫「そこをなんとか。ね? ほら飴ちゃんあげるから」
スライム「アメ!? ちょうだい!」ピョン!
姫「で、どうすれば逃げられると思う?」
スライム「ムリだと思う」モゴモゴ
姫「……」グリグリ
スライム「いたいいたいっ」
姫「どういうことよっ。手伝ってくれるんじゃないのっ?」
スライム「アメのお返しはしたいけど。でも」
姫「もしかして監視が厳重なの?」
スライム「城にはいっぱいなかまがいるよ」
姫「困ったわね。どうにかならない?」
スライム「思いつかない」
姫「こっそり行けば」
スライム「きみ、いいにおいするよね」
姫「そう?」
スライム「ぼくのなかまには、すごくハナがいいのもいるよ」
姫「……そっか。それじゃあ見つかっちゃうわね。ハァ……」
姫(この子は見たところ下っ端だから人質にはならなさそうだし)
姫(開錠魔法封じがなかったのはどうせ逃げられないと踏んでいるせいね……)
スライム「ごめんね?」
姫「いいのよ。あなたのせいじゃないわ」
スライム「……」ジー
姫「なに?」
スライム「もうない?」
姫「なにが? ……って、もしかして飴のこと?」
スライム「うん!」
姫「仕方ないわね」ゴソゴソ
スライム「♪」
姫「……」
スライム「?」
姫「やっぱりだめ」
スライム「なんでっ? まだあるんでしょ!」
姫「そうね」
スライム「いじわるしないでよお」
姫「意地悪じゃないわ。ちゃんとあげるわよ」
スライム「……どういうこと?」
姫「条件があるの。毎日ここにきてわたしの話し相手になってちょうだい。その時に一つずつあげる」
姫(情報源は確保しておかないとね)
スライム「……」
姫「これでどう?」
スライム「うーん。一度にたくさん食べたいなあ」
姫「でもそうしたらすぐになくなっちゃうわよ? 少しずつ楽しむのもいいんじゃない?」
スライム「そっかあ……それもそうだね」
姫「じゃあわたしたちの間だけの約束よ? 他の奴には秘密だからね」
スライム「わかった」
姫「ちゃんと守ってよ?」
スライム「そっちもね!」ギィ
パタン
スライム「♪」
「あ。この、どこいってやがったスライム!」
スライム「!」
「てめえサボってたな!」
スライム「あわわ……」
「お前は掃除箇所の追加! あとげんこつ一発だ!」
スライム「ご、ごめんなさーいっ」
ガチャ
側近「姫。私は魔王さまの側近職を務めさせていただいている者です」
姫「……」
側近「何か不都合はありませんでしたか?」
姫「……別に」プイ
側近「なにかご入用のものがあればお持ちしますが」
姫「何もないわ。早く消えて」
側近「そうですか……では」ギィ
姫「あ。待って」
側近「?」
姫「飴が欲しいわ。出来るだけたくさん」
側近「飴、ですか? はあ。分かりました」
姫「なくなったらその時は言うから追加しなさいね」
側近「……は。ではごゆっくり」
……パタン
次の日
ガチャ
スライム「おじゃましまーす」
姫「いらっしゃい」
スライム「アメちょうだい」
姫「はいどうぞ」
スライム「わーい!」
スライム「おいしい」モゴモゴ
姫「良かったわね」
スライム「なんのお話する?」
姫「そうねえ」
姫(脱出のために必要な情報……となると)
姫「魔王のことについて聞きたいわ。どんな奴なの?」
スライム「つよくてかっこいい!」
姫「いや、そうじゃなくて」
スライム「あと背がたかい! うらやましい!」
姫「えっと」
スライム「でもお顔がこわいよね」
姫「……そうね」
姫(あまり有益な情報は期待できないそうにない、か……)
姫「他には?」
スライム「かっこよくてつよい!」
姫「それもう言ったわよ」
スライム「あれ?」
姫「……」
スライム「……えへへ」
姫「……ハァ」
スライム「ごめんね?」
姫「いえ、別にいいけれど。魔王が強くて格好いいというのはどうかしらね」
スライム「?」
姫「あれは卑怯者だわ」
スライム「悪口?」ムッ
姫「事実よ。わたしを誘拐した手口を思い出す限り、少なくとも格好いいとは思えないわね」
スライム「さらった方法?」
姫「あなたは魔王がどうやってわたしをさらったと思ってるの?」
スライム「ええと。まっすぐすすんで、人間たちをけちらしけちらし!」
姫「もしそうだったなら、まだ魔王らしいんでしょうけど」
スライム「……ちがうの?」
姫「ええ」
姫「魔王は老婆に化けてたわ」
スライム「おばあさんに?」
姫「ええ。遠方の名のある占い師だと嘘をついてパパに謁見を求めたのよ」
スライム「ふうん?」
姫「パパは大の占い好きだからころっとだまされてね。魔王を城に招き入れてしまったの」
スライム「……」
姫「でも、魔王の汚い手口はそれにとどまらなかった」
スライム「え?」
姫「城に入った魔王は次にわたしの友達を人質に取ったわ」
姫「その友達は大人も顔負けに強かったけれど。でも不意を突かれてはひとたまりもない」
スライム「じゃ、じゃあ」
姫「わたしはその友達にひどいことをしてほしくなかったから。魔王の取引に応じてここまで連れられて来たの」
スライム「そんな……」
姫「分かった?」
スライム「……」
姫「あなたは信じたくないでしょうけれど」
スライム「……」プルプル
姫「?」
スライム「嘘だ!」
姫「っ!」ビクッ
スライム「魔王さまはかっこいいんだ! そんなずるいなことしないもん!」
姫「……」
スライム「出まかせだよ。そうだ、姫ちゃんがウソついてるんだ!」
姫「嘘じゃないわ」
スライム「信じるもんか!」
姫「……」
スライム「うう……わーん!」
バタン
姫「しまった。泣かせちゃったわね……」
……
…
スライム「……」
コウモリ「お。どうしたんだよお前、こんなところで。そうじの仕事はもう終わったのか?」
スライム「……」グス
コウモリ「え?」
スライム「ねえ。魔王さまはかっこよくてつよいよね?」
コウモリ「あ? そりゃ当たり前だろ!」
スライム「うん……でも姫ちゃんがね」
コウモリ「……姫?」
スライム「あ」
姫「もうあの子からの情報は見込めないかしらね……」
ドンドン!
姫「窓? 何かしら」
ガチャ
「うらっしゃあああぁぁぁいッ!」
姫「え?」
ドンガラガッシャーンッ!
姫「いたた……なんなのよぉ」
「お前か! オレのダチに変なこと吹き込みやがったのは!」
姫「……蝙蝠?」
コウモリ「おう! お前が姫だな!?」
――コウモリにそうぐうした!
姫「ええと。確かにわたしが姫だけど」
コウモリ「まずは土下座」
姫「は?」
コウモリ「それから魔王さまへの謝罪を述べること!」
姫「……あなたもしかしてスライムの友達?」
コウモリ「ペッ!」
姫「おっと」サッ
姫(……間違いないわね。あの子、話しちゃったのか)
コンコン
「側近です。すごい音がしましたが、大丈夫ですか?」
姫「何でもないわ! さっさと消えなさい!」
「……わかりました」
コウモリ「……」
姫「……行ったわね」
コウモリ「オレを突きださないのか?」
姫「突きだしてほしいの?」
コウモリ「……フン! そんなことより早く土下座しろィ!」
姫「お断りよ」
コウモリ「んだと!?」
姫「だって謝る理由がないもの」
コウモリ「この小娘が!」
姫「そういうあなたも、声を聞く限りじゃまだまだ子供のようだけど?」
コウモリ「ムッ!」
コウモリ「うっせえうっせえ! オレはガキなんかじゃねえやい!」
姫「はいはい。ちょっとこっち来なさい」
コウモリ「誰が行くか――ってうお!?」
姫「はい捕まえた」
コウモリ「放せ!」バタバタ
姫「暴れると怪我が広がるわよ」
コウモリ「!」
姫「さっき飛び込んできたときにやっちゃったのね。翼の皮に傷がついちゃってる」
コウモリ「そんなの別にいだだっ!」
姫「はい、これで大丈夫」
コウモリ「……」
姫「あとこれ飴ちゃんね」
コウモリ「ムグ!」
姫「そしたらまた明日、スライムと一緒にいらっしゃい」
コウモリ「あ、待てよ!」
姫「じゃあね」
ポイ! バタン!
コウモリ「っとと。ちくしょう。あの女め!」パタパタ
コウモリ(しかし。思ってたよりなんというか)
コウモリ「! いやいや! とにかく明日だ。明日もう一度リベンジだ!」
コウモリ「……」
コウモリ「アメ、おいしいな」
翌日
姫「ごめんなさい」
スライム・コウモリ「え?」
スライム「やっぱりウソだったの?」
コウモリ「ほれ見ろ!」
姫「違うわよ。嘘はついてないわ」
スライム「え? じゃあなんで謝るの?」
姫「なんて言ったらいいのかしら。あなたたちにいやな思いをさせちゃったから、ってとこね」
コウモリ「……?」
姫(純心な子供たちの気持ちを傷つけるのは、さすがに良心が痛むもの)
スライム「なんだかよく分からないけど……謝ってくれるならもういいよ!」
コウモリ「あ、お前! だまされてるぞ多分!」
姫「いえ騙しては、ないけど」
コウモリ「だってこいつ、魔王さまを馬鹿にしたことにはかわんねーし!」
スライム「でも姫ちゃんはウソついてないよ。きっと」
コウモリ「証拠はあるのかよ」
スライム「ないけど。ぼくだってあたまがすっきりすればウソかちがうかぐらいわかるよ」
コウモリ「でもよ!」
姫「あなたはキーキーやかましいわね。男らしくないわよ?」
コウモリ「うっせブス!」
姫「……」ピキ!
スライム「……落ちついた?」
姫「思う存分暴れたらなんだかすっきりしたわ」
コウモリ(うう、翼の傷が……)
姫「ごめんなさいね。手加減できなくて」
コウモリ「オレのほうが手加減してたし!」
姫「あーはいはい。もうそれでいいわよ」
スライム「ふふ」
姫・コウモリ「?」
スライム「姫ちゃん、なんだか重しがとれた顔してる」
姫「……」
スライム「さらわれてきて心細かったんだよね」
コウモリ「……」
スライム「ぼくたちでよければ、これからも話し相手になるよ」
姫「……ふふ」
姫(まさか、モンスターに気を使われるなんてね)
コウモリ「何笑ってんだ気持ちわりい」
姫「……」ツネリ
コウモリ「あいだだだっ!」
姫「はい、飴ちゃん」
スライム「まいどー!」
コウモリ「あ。オレにもよこせ!」
数日後
スライム「今日はコウモリ君は来られないんだ」
姫「そう。うるさいのがいなくてせいせいするわ」
スライム「でも姫ちゃんちょっと残念そう」
姫「そんなことないわよ」
スライム「ふふ」
姫「今日は何か聞かせてもらえる?」
スライム「うん。北の森のオオカミ王の話」
姫「楽しみね。聞かせて」
スライム「んーとね」
姫「! 誰か来るわ。隠れて」
スライム「わわ!」
ガチャ
魔王「ご機嫌いかがかな、姫」
姫「愚問ね。ここに来てからわたしの機嫌がいいことがあると思って?」
魔王「はは。それは失礼した」
姫「分かったらさっさと消えて。目障りよ」
魔王「しかし……最近の姫は心なしか上機嫌に見える」
姫「あら、魔界に目の医者はいないのかしら」
魔王「我の目はこの上なく冴えわたっておるよ……出てこいスライム」
スライム「!?」ビク!
姫「っ!」
スライム(あわわ……)
魔王「……二度言わせる気か?」
スライム「ご、ごめんなさい! すぐに出ますっ」
魔王「……ふふ」
スライム「……」オドオド
姫(なんとなくまずい、わね……)
魔王「お前は一体ここで何をしていたんだ、スライム?」
スライム「え、ええと……」
姫「……わたしが側近に頼んで、話し相手を用意してもらったのよ」
魔王「ほう……なるほど。側近が」
姫(すぐバレるでしょうけれど、この子が逃げるだけの時間は稼げるはず……)
魔王「ふうむ」カツカツ
姫「近付かないで!」
魔王「スライムがどうなってもいいのか?」ボソ
姫「っ!」
魔王「ふふ」ガシ
姫「つっ! 放しなさ――んむ!」
スライム「あっ……!」
魔王「――ん」
姫「……っ」
魔王「美味なる唇であった」
姫「……くっ」
スライム「あわわ……」
魔王「侍女に湯浴みの用意をさせている。身体を隅々まで清めておけ」
姫「……!」
魔王「ふふ。数刻後を楽しみにしておるよ」
姫(この下衆が!)
魔王「くれぐれも妙なことを考えぬように。自分の身、そして友の身のことを考えたまえ」ギィ
……バタン
姫(初めてが……)ゴシゴシ
スライム「ごめん……ごめんなさい」
姫「あなたが謝ることじゃないわ」
姫(この子を利用しようした罰が下った……というのは考え過ぎかしらね)
姫「……」
スライム「ど、どうしよう」
姫「どうしようもないわ」
スライム「でもきっと姫ちゃんがひどいことされちゃう……」
姫「それは。それは……」
『姫、俺からのプレゼントです。受け取っていただけますか?』
姫「……」
スライム「……」
姫「あなたは逃げて」
スライム「そんなことできないよ!」
姫「時間がないの。急いで。こっそり行くのよ」ギィ
スライム「でも、でもぉ……」
姫「ありがとう。この数日間、楽しかったわ」
スライム「……」
姫「早く」
スライム「……」プルプル
姫「?」
スライム「姫ちゃん!」
姫「な、なに?」
スライム「姫ちゃんはぼくの友だち?」
姫「……あなたはどう思う?」
スライム「ぼくは友だちだと思う。いや、今決めた。姫ちゃんはぼくの友だち!」
姫「ふふ……ありがとう」
スライム「だから」
姫「……?」
スライム「ぼくは友だちを助けるよ!」
……
…
ヒュウウウゥゥゥ……!
姫「――ッ!」
スライム「っと!」
ボイン! ボイン! ボイン……
スライム「うん。着地成功! できるとは思わなかったけど!」
姫「す、凄いわねあなた。あの窓の高さから着地できるなんて……」
スライム「ご褒美にアメちょうだい!」
姫「いくらでもあげるわよ!」
「ん、あれは……」
「姫だ! 姫が逃げた!」
「スライムも一緒だ!」
姫「気付かれたわね」
スライム「逃げるよ姫ちゃん! 掴まって!」
姫「どうするの?」
スライム「こうする!」プクー!
姫「わわ!? 膨らんだ!?」
スライム「きのう姫ちゃんが教えてくれたボールのマネ! 行くよ!」
ググ……ビョンッ! バイン!
姫「速い!」
スライム「どんどん引き離すよっ!」
姫「いっけー!」
……
…
洞窟
コウモリ「で。なんでオレのとこ来るんだよ」
スライム「疲れた……」
姫「ありがとうね」ナデナデ
コウモリ「聞けよ! っていうか一大事じゃねえか姫が逃げたなんて!」
スライム「でも、あのままあそこにいたら姫ちゃんが」
コウモリ「ちょっとは考えてこうどうしろよな! オレまでとばっちりじゃん!」
姫「……ごめんなさい」
コウモリ「うっ。そう素直に謝られると……」
コウモリ「……チッ!」
スライム「コウモリ君は、ぼくの友だちだよね」
コウモリ「絶交したくなってるけどな」
スライム「姫ちゃんとも友だちになってあげてほしいんだ」
コウモリ「ぐ……そ、それとこれとは話がべつだ! オレは巻き込まれるのはごめんなんだ!」
姫「……すぐに出ていくわ」
コウモリ「そ、そうだ。さっさと行っちまえ!」
スライム「……じゃあね、コウモリ君」
コウモリ「あばよ!」
コウモリ「……」
コウモリ「お、オレは悪くないかんな」
コウモリ「魔王さまに逆らうやつがいけねえんだ!」
コウモリ「だから」
姫『翼の皮に傷がついちゃってる』
コウモリ「だから……」
姫『はい、これで大丈夫』
コウモリ「うう……」
姫『あとこれ飴ちゃんね』
コウモリ「くっそくっそ!」バサッ!
森の中
スライム「急いで! すぐそこまで誰か来てる!」
姫「はぁ、はぁ……」
……
…
大鼻豚「フゴッ、フゴッ!」
側近(連れてきた豚どもの反応が活発だな。近いか)
側近「……姫! いらっっしゃるのでしょう!」
側近「魔王さまがひどく心配してらっしゃいます! あの方をこれ以上困らせる前に戻るのが得策かと!」
側近「でないと、"帰ってから身が持ちません"よ!」
姫「帰るって、何よ……! わたしの帰るべき場所はあそこじゃないのに!」ゼィ ゼィ
スライム「早く早く!」
「まあ、私がすぐにお迎えに上がりますのでご心配なく!」
姫「くっ……!」
スライム「追いつかれちゃうよぉ……!」
ガサガサ!
姫・スライム「!?」
側近(この茂みの向こうだな)
――ガサ!
コウモリ「ん? これはこれは側近さま!」
側近「……?」
コウモリ「どうかしましたか。そんな変な顔して」
側近「いや……ここに不審なやつが来なかったか?」
コウモリ「不審? って、どんな?」
側近「……」
コウモリ「ん?」
側近「……いや、なんでもない」
大鼻豚「フゴ……」
側近(豚どもの反応も鈍い……逃げられた?)
コウモリ「用がなければオレ、ちょっと忙しいんで失礼しますよ?」
側近「ああ」
コウモリ「……」パタパタ
側近「待て」
コウモリ「っ!」ドキィッ!
側近「お前は確か……伯爵家の息子だったな」
コウモリ「は、はひ……そうですが……」
側近「いや、それだけだ。行け」
コウモリ「失礼しました……!」パタパタ!
・
・
・
空の上
姫「あの。ありがとうございます蝙蝠の皆さん」
スライム「ありがとー!」
「いいってことよ。伯爵家の坊ちゃんたってのお願いだしな」
姫「でも……わたし、魔王のところから逃げてきてて」
「あーあー。聞こえねーなー」
「俺たちは何も見てないし聞いてない」
「たまたま集団で飛びたくなって、たまたま荷物を運んじまった。それだけだな、うん」
姫「……ありがとう」グス
「おっと、涙はまだとっときな。俺たちにできるのは少し運ぶことだけだからな」
「この先は嬢ちゃんたちだけでなんとかしな」
スライム「りょーかい!」ビシッ!
コウモリ「――はひぃ、なんだかどっと疲れた……」パタパタ
「お。坊ちゃんお疲れっス!」
スライム「ありがとうコウモリ君!」
姫「あなたのおかげで助かったわ」
コウモリ「……べつにお前のためじゃねーし。友だちのスライムのためだし!」
姫「あら。じゃあわたしとは友だちになってくれないの?」
コウモリ「な、なってやるよ。ただし義理だからな。いいか、義理だぞ!」
姫「ふふ。ありがとう」
コウモリ「……フン!」
……
…
夕方 死火山の山腹
「俺たちが運べるのはここまでだ。ここからは嬢ちゃんたちで頑張れよ!」
姫「ありがとうございました」
スライム「助かったよ!」
「どういたしまして!」
「坊ちゃんも行くんですかい?」
コウモリ「まーな」
「お父さまが心配してらっしゃいましたよ。あまり無理しないでくださいね」
コウモリ「しばらくしたら帰るからよろしく言っといくれ」
「新しい燕尾服を用意して誕生日を楽しみにしてらっしゃるんですから、気をつけてくださいよ。それでは」
姫「そろそろ日が沈むわね」
スライム「今日はここで野宿かなあ」
コウモリ「こっちに洞窟があるぜ。ここでなら安心して過ごせるだろ」
……
…
姫「なんだか……」
スライム「ひろーい!」
コウモリ「なんだここ? 自然にできたもんじゃないっぽいけど」
姫「……っ」ブル!
姫「いやな予感がするわ。引き返しましょう」
姫(……? こんなところに岩なんてあったかしら?)
コウモリ「っ!?」
スライム「姫ちゃん危ない!」
ズン!
「……避けたか」
姫「な……?」
スライム「うわあ!?」
「うるさい侵入者どもめ。儂の眠りを妨げた罪は重いぞ」
コウモリ「こいつは……火竜だ!」
火竜「礼儀がなっておらんな若いの」ギロ
――火竜にそうぐうした!
火竜「久々に目覚めて調子が悪いわい」
スライム「まずいよ姫ちゃん。プライドがたかくてゆうめいな火竜だよ」ヒソ
姫「怒らせるとよくなさそうね……ここはわたしにまかせて」ヒソ
火竜「ふわぁぁ……」
姫「火竜さま!」
火竜「ん?」
姫「わたくしは人間界の姫です。
このたびは知らなかったとはいえ、無礼にもあなたさまのお住まいに踏み込んでしまい申し訳ありませんでした」
火竜「ふむ」
姫「そのことにつきましては謝罪したうえで速やかに退出いたしますので、どうかお許しいただけないでしょうか?」
火竜「……」
スライム「……」ドキドキ
コウモリ「……」
火竜「よかろう」
姫「ありがとうございます!」
火竜「しかし、だ」
スライム「?」
火竜「勝手に踏み込んだ上で安眠を妨げたことへの償いが不十分ではないかね?」
コウモリ(……まずいな)
姫「その点については丁重に謝罪させていただき――」
火竜「お主、なかなか良い指輪をしておるな」
姫「……それが何か?」
火竜「謝罪の印にそれを渡してもらおうか」
姫(くっ……)
姫「これは、友人からの頂き物です」
火竜「渡せないと言うのかね?」
姫「いえ……ですから大事にしていただきたいのです」
火竜「よかろう。さっさと外せ」
姫「……」
火竜「それから」
コウモリ「!? まだ何かあるのかよ」
火竜「……」ギロ
コウモリ「う……」
火竜「指輪は謝罪の印。償いはまた別だ」
スライム「そんな!」
火竜「儂のものになれ、女」
姫「……!」
姫「それは、一体どういう意味で?」
火竜「儂は、美しいものを集めるのが好きだ。集めたものを並べてずっとずっと眺めていたい」
姫「……」
火竜「お主は美しい。だが、時間がたてばその美貌も醜く衰えていくだろう」
姫「話が見えません」
火竜「お主を水晶に閉じ込め、それを儂のものにする」
スライム「ええ!?」
火竜「お主にとっても悪い話ではないぞ。なにしろその美しさを永遠に保っていられるのだからな。ははは!」
姫(この……!)
コウモリ「ちょっと待てやこの変態爺! 黙って聞いてりゃ――」
火竜「うるさい」ヒュボ!
コウモリ「!?」
ドゴオッ!
スライム「コウモリ君!」
姫「"光矢"!」ビシュッ!
火竜「ふん」ピシ
スライム「姫ちゃん! 怒らせちゃ――」
姫「もうそんなこと言ってる場合じゃないわ! あなただけでも逃げなさい!」
火竜「愚かな……」
姫「もう一発行くわよ!」ポゥ
火竜「遅い」ヒュボ!
姫「あ――」
ドゴォッ!
スライム「あ……」
火竜「ふんっ」
スライム「……」プルプル
火竜「どうした逃げないのか? 今なら見逃してやってもよいぞチビ」
スライム「チビっていうな」
火竜「ん?」
スライム「よくも……よくもぼくの友だちを殺したな! ぜったいにこうかいさせてやる!」
火竜「命はもっと大事にすべきだよ」フゥ
スライム「行くぞ!」ググ
火竜「好きにしろ。そして死ね」ヒュボ!
ドゴォッ!
モクモクモク……
火竜「……む?」
「まったく。弱いのに無茶しやがって」
スライム「うう……」
火竜「お主、何者だ?」
「オレ? 礼儀がなってない若いのだけど」
火竜「先ほどの蝙蝠? いや……」
「合ってるぞ? でもちょっとだけ違う。へへへ……」
吸血鬼「夜はオレの時間だぜ!」
――コウモリは吸血鬼にへんしんした!
姫「いつつ……」
スライム「あれ……?」
吸血鬼「間一髪だったけど。なんとか助けられたな」
火竜「……吸血鬼一族。伯爵家の者か」
吸血鬼「その通り! 今更吠え面かくなよ!」バッ
火竜「ふん……」ヒュボ!
吸血鬼「おっと」
火竜「チィ……!」ヒュボ! ヒュボ!
ドゴォッ! ドゴォッ!
吸血鬼「当たんねーよバーカ!」
火竜「この……!」
吸血鬼「よ!」ビュッ!
火竜「ぐあッ! 目がァッ!」
吸血鬼「今だスライム!」
スライム「うん!」ビュン!
スポッ!
火竜「もごッ!」
スライム「お口に着地しましたー! 続いてふくらみまーす!」プクー!
火竜「もごごッ!」
吸血鬼「これで火弾は撃てねえだろ!」
火竜(この……!)
吸血鬼「そしたら仕上げだ! 姫、やっちまえ!」
火竜「!」
姫「行くわよ! "溜撃光矢"!」ギュォッ!
――ズドン!
……
…
火竜「ぐぐ……」
吸血鬼「おっし。これでしばらくは安全だろ」
姫「あなた吸血鬼だったのね……」
スライム「あれ? 言ってなかったっけ?」
姫「聞いてはないわね。まあそれはともかく」
吸血鬼「もちっと傷めつけとくか?」
姫「……」ツカツカ
火竜「儂を殺すか……」
姫「"癒しよ"」ポゥ
火竜「ぬ?」
吸血鬼「おい!?」
姫「ここに勝手に踏み込んだのはわたしたち。となれば元はといえばわたしたちのせいよね」
吸血鬼「でもこいつ、変態だぜ!」
姫「それとこれとは話が別」
火竜「……」
姫「大丈夫。暴れられない程度にとどめとくから」
火竜「図に乗るなよ小娘……」
姫「……」
火竜「儂はそういう余裕が気に食わん……!」
スライム「♪」ポヨン
火竜「……?」
スライム「ムリしちゃだめだよ? まだ治したばっかりだから」
火竜「何のことだ? ……あ」
スライム「歯、ちょうしいいでしょ? ぼく、そういうのとくいなんだ」
火竜「……」
スライム「さいきんぐあい悪くなかった? きっと歯がよくなかったんだよ」
火竜「……」
スライム「ごきげんが悪かったのもそのせいだよね」
火竜「小僧……」
スライム「これでかってに入ってきちゃったおわびにならないかな?」
火竜「あー……」
姫・吸血鬼・スラ「?」
火竜「儂は疲れた。寝る」
姫「え?」
火竜「zzz……」
吸血鬼「なんだこの爺?」
スライム「……ふふ」
次の日
姫「じゃあ出発しましょうか」
スライム「おー!」
コウモリ「この爺、まだ寝てるのな」
火竜「ウウム……」
姫「まあいいじゃない。起こさないように行きましょう」
火竜「ムニャ……洞窟の奥、左。抜け道」
姫「……?」
火竜「zzz……」
姫「寝言、かしらね」
スライム「ありがとうおじいちゃん!」
コウモリ「チッ、素直じゃねえの」
姫「あんたがいうの?」ウリウリ
コウモリ「やめろっ」
数刻後
スライム「うわあ……!」
コウモリ「こいつは……」
姫「海ね」
スライム「すっごーい! おっきーい!」
コウモリ「ひゃっほーい!」バシャバシャ!
姫「朝日があっちから出ていて、東に人間界があるから。海沿いに行けばいいはずよね」
スライム「うわーい!」
コウモリ「とりゃーい!」
姫「追手は掛かっているはずだから急がないと」
スライム「姫ちゃん助けてえ! コウモリ君がおぼれたあ!」
コウモリ「ブクブク」
姫「あーはいはい! 今行くわよ!」
姫(服が冷たい……)
コウモリ・スライム「キャッキャ!」
姫「……もういいでしょ! そろそろ行くわよ」
コウモリ・スライム「もうちょっとだけー!」
姫「はあ、まったく」
「いやはや、元気のいいことですな」
姫「元気がいいのはいいんだけれど。それが過ぎると困りものよ、ね……?」
側近「ふふふ」
――側近にそうぐうした!
姫「――ッッ!」ダダダ!
スライム「どうしたの、ってうわあ!」
コウモリ「掴むな!」
姫「いるのよ!」
スライム・コウモリ「?」
側近「やあ」
スライム・コウモリ「――ッッ!」
姫・スラ・モリ「うわああぁぁぁッ!」ダダダ!
側近「そんなに急いで逃げられるとちょっとショックです」
姫「"光矢"!」ビシュッ!
側近「ふうむ。そこまで嫌われてますか」カキン!
姫「効かない!?」
側近「やっぱりショックですな」
姫(いつの間に前に回り込んで――!)ズザッ!
スライム「掴まって姫ちゃん!」プクー!
姫「ええ!」ガシ
スライム「ん!」ビョン! バチャン!
側近「海に逃げますか」
コウモリ「ここまでならさすがに追ってこれないだろ」
側近「困りましたねえ」
側近「こんなに嫌がられるとは」
側近「繰り返しですが。ショックです」バサ!
コウモリ「げげっ! あいつも飛べるのかよぉ!」
側近「待っててくださあい。すぐ行きますからねえ」
コウモリ「くんなああぁぁ!」
姫「"光矢三連"!」ビシュシュシュッ!
側近「効きませんな」キキキン
姫(ここまで、かしら……)
スライム「……ねえ」
姫「安心して。あなたたちに痛い思いはさせないから」
スライム「ええと、そうじゃなくて」
姫「?」
スライム「前。何か来る……!」
姫「え?」
バシャシャシャシャシャシャ!
「あれは間違いない……姫!」
「そして上のは、敵か!」チャキ!
姫(すごい速さでこちらに向かってくるあれは……舟?)
姫「誰……?」
「姫――!」
姫「……まさか」
「お迎えに、あがりました!」
姫「勇者……!」
勇者「今助けます!」
――勇者があらわれた!
側近「あれは、まさか……!」
勇者「おおおおおッ!」ダンッ!
側近(な!? 一瞬でこの高さまで!)
側近「くっ!」ジャキ!
勇者「シッ!」ビュッ
側近「が――ッ!?」ドス!
側近(勇者……か……)
ヒュルルル……バシャン!
勇者「……」スタ!
スライム「……すごーい」ポカーン
コウモリ「……化け物かよ」ポカーン
姫「勇者……!」
勇者「……姫。お待たせして申し訳ありませんでした」
海岸
姫「遅すぎ!」
勇者「すみません……」
姫「誰のせいでこんなことになったと思ってるの!?」
勇者「あの日人質に取られた俺のせいです」
スライム「え? もしかして……」
姫「そうよ! 勇者が不意をつかれたからこんなことに!」
勇者「面目ない……」
コウモリ「あんなに、つよいのにか?」
勇者「人はいつも百パーセントじゃいられないからね」
姫「偉そうにしないでよ!」ペシペシ!
勇者「すみません……」
勇者「でも、無事でよかった。君たちが姫を守ってくれたのかい?」
スライム「うん! がんばった!」
コウモリ「オレは別に……流れでなんとなくだよ」
勇者「そうか。ありがとう」
姫「……」
姫(無事……じゃないわよ)
勇者「どうしました、唇が何か?」
姫「……なんでもないわ」
姫「……そんなことよりあなたねえ!」
勇者「はい……」
姫「あなたねえ……!」
スライム「姫ちゃん」
姫「……」
スライム「ちょっとだけでいいよ。甘えちゃおう?」
姫「……」
スライム「姫ちゃんはがんばったからさ」
姫「……グス」
スライム「ね?」
姫「ヒック……う……グス」
勇者「……」ギュッ
姫「怖かった……怖かったよぉ……!」
勇者「……」ナデナデ
スライム「よかった」
コウモリ「……」ムス
スライム「コウモリ君はちょっと残念かもだけど……」
コウモリ「あ!? 何がだよ!」
スライム「だいじょうぶ。コウモリ君も十分かっこいいよ」
コウモリ「ったりめーだろ!」
スライム「すぐにいい子が見つかるさ!」
コウモリ「なにいってんのかわかんねー!」
スライム「ふふふ」
……
…
姫「じゃあ魔王城に突撃よ」
スラ・モリ・勇者「えっ」
勇者「今……なんと?」
姫「魔王城に行くわよ」
スライム「ええ!? なに言ってるのさ!」
コウモリ「頭おかしいんじゃねえの?」
姫「……」グリグリ
コウモリ「いたたた!」
姫「やっぱりやられっぱなしってのは性に合わないわ! やり返さないと!」
勇者「つまり……魔王をさらうので?」
姫「あ、えっと。そうじゃなくて、ただ単にぶちのめさないと気が済まないってこと!」
勇者「危険です! 俺が一人で……!」
スライム「ぼくも行く!」
コウモリ「お、オレも行ってやってもいいぜ」
姫「わたしも」
勇者「……」
勇者(姫はこうなるとテコでも動かないんだよなあ……頭が痛い)
魔王城
魔王「側近からの連絡が途絶えた?」
「はっ。そして申し上げにくいのですが……」
魔王「申してみよ」
「勇者が……こちらに向かっています」
魔王「ぬ。あの小僧か」
「若干名の連れがいるとの事です。数刻後にここまで」
魔王「分かった。我が直々に相手をしよう」
「な!? で、ですが!」
魔王「所詮あの時人質にできてしまう程度の小僧だ。倒すのに苦はあるまい」
「それでも!」
魔王「くどい!」
「っ……! わ、分かりました……」
数刻後 魔王城前
魔王「ふうむ」
勇者「……」チャキ!
スライム「……」プクー
コウモリ「……」バサバサ
姫「……」ポゥ……
魔王「何しに来たのだお前らは?」
勇者「汚い手口で姫をさらって愚弄したこと、今ここで償わせてやる」
姫「右に同じ」
スライム「上におなーじ!」
コウモリ「下に同じだぜ!」
魔王(こいつらは阿呆なのか?)
魔王「まあいい……我の力、思い知らせてやろう」ゴゴゴ!
――魔王がたたかいをいどんできた!
姫「……! すごい魔力」
魔王「もう逃げる気も起こせぬぐらいに叩きのめしてやる」
スライム・コウモリ「うう……」
勇者「行くぞッ!」ダン!
魔王「来いッ!」
勇者「やあああッ!」
魔王「ふはははは!」
キィン! ガキン! ドゴ! ドゴオッ!
スライム「ち、近寄れないよ!」
コウモリ「どうする!?」
姫「わたしたちは機を待ちましょう」
コウモリ「でもよ!」
姫「今行っても勇者の足を引っ張るだけよ」
スライム「チャンスを待てってことだね。分かった!」
勇者「くっ!」ギギギ!
魔王「どうした。おい、どうした勇者!」グググ!
勇者「この……!」
魔王「このままでは我が競り勝つぞ。分かるだろう、死が刻々と近付いているのが!」
勇者「ぐ、ぬ、ぬ……」
姫(まずい……!)
スライム「あわわ……!」
コウモリ「……」ゴクリ
「ずいぶんと、楽しそうではないか」
勇者・魔王「?」
火竜「儂も混ぜろ」ヒュボ!
ドゴオッ!
魔王「くっ! お前は火竜!」
火竜「久しぶりだな魔界の長よ」バサッ バサッ
魔王「なにをしに来た!」
火竜「なに、空の散歩をしていたらお主が困っておるようでな。加勢に来た」
魔王「要らぬ! 去れ!」
火竜「遠慮するな」ヒュボ!
ドゴオッ! ドゴオッ! ドゴオッ!
魔王(あやつめ、明らかに我を狙って!)
火竜「久しぶりのせいか、上手くいかんわい」ククク
魔王(しかしやつも竜族の実力者……下手に機嫌を損ねるわけには)
魔王「チッ! ならば!」カッ!
――ブワ!
魔王「来い! 闇夜の使いたちよ!」
勇者「くっ、辺りが暗く……まだ日が出ているはずなのに!」
火竜(これでは儂も手が出せんな)
魔王「ふふふ……この魔法は限定空間内に夜を導くものだ。我は全てを把握しておるが、お前たちには何も見えん!」
勇者「まずい……」
魔王「覚悟しろ!」
「いいや」
魔王「……?」
吸血鬼「覚悟するのはそっちの方だぜ! 魔王さまよお!」
魔王「しまった、吸血鬼が!?」
吸血鬼「おそいぜ!」ビュン!
魔王「がッ!」ドゴゥ!
吸血鬼「夜は俺の住処だっつーの!」
魔王(くぅ……術を解かねば)グッ
シュウゥゥン……
姫「待っていたわよこの時を!」
魔王「何!?」
姫「"特大溜撃光矢"ッ!」
ズ――ドンッ!
魔王「ぐおお……」ドサ
姫「やったわ!」
スライム「すっごーい!」
コウモリ「へへ!」
勇者「……いや。まだだ」
姫「え?」
魔王「……。くくく……」ビキビキ!
スライム「な、なに?」
魔王「この姿になるのハどれくらいぶりだったカ……」ビキビキビキ!
コウモリ「ひっ……」
魔王「ふ、ふフ……」ムクリ
魔王「ハーッハッハッハッハッハッ!!」ズゴゴゴゴッ!
魔王「お前たちは運がいイ。痛みを感じる暇もなく死ねるのだからナ」フワ
――ビュン!
勇者「! 一瞬であんな上空に!」
魔王「全力ダ! 全力で無に帰してやル!」ヒュイィィィィン!
勇者「くっ……」
スライム「勇者くん! ぼくがきみをあそこに届かせる!」
勇者「え?」
スライム「だからきみは魔王を倒す手段を用意して! 時間がない!」
勇者「……よし分かった!」
勇者「姫! 申し訳ありませんが指輪をこちらに!」
姫「どういうこと!?」
勇者「剣と指輪はもともと一つのものなんです!」
姫(それをわたしに預けてくれてたんだ……)
姫「分かったわ!」シュッ!
勇者「……」パシ! カチ!
――剣に指輪をはめこむことによって、真の力がひきだされた!
スライム「いくよ! ぼくに乗って!」プクー!
勇者「ああ!」
スライム「……!」ググ!
スライム「それぇッ!!」ビュンッッ!
魔王「グオオオオオオッ」カッ!
勇者「うおおおおおおおッッ!!」シュッ!!
……
…
・
・
・
「それから!?」
子スライム「それからどうなったのさ!?」
少女「ふふ。聞きたい?」
子スライム「もちろん!」
子コウモリ「オレも!」
少女「ええとね。勇者は邪悪な魔王を倒して、世界に平和が訪れましたとさ」
子スライム「え?」
子コウモリ「それ、だけ?」
少女「そうよ? 案外呆気ないでしょ」
子コウモリ「面白くねー」
子スライム「うーん……」
少女「物語のおしまいって、結構そんなものよ?」
子コウモリ「でもなー」
子スライム「いや、ぼくは面白かったよ。ありがとね!」
少女「そう、よかったわ。そしたら飴ちゃんどうぞ」
子スライム「わーい!」
子コウモリ「うめえ!」
少女「これから竜おじいちゃんのところ行くんだっけ?」
子スライム「うん! おじいちゃん優しいからだーいすき!」
子コウモリ「ちょっとガンコだけどな」
少女「おじいちゃんによろしくね」
子スライム「うん! じゃあね!」
少女「ふう」
「あら、あの子たちは帰ったの?」
少女「ええ」
「なんのお話してたの?」
少女「えへへ。ママたちのこと」
「ふふ……そう」
少女「あの子たち喜んでたわ。全部本当の事だなんて信じないでしょうけど」
「そうね」
少女「あーあ。わたしもママたちみたいな冒険してみたいなー」
「馬鹿なこと言わないで。あなたがさらわれたらママはどうしたらいいか……」
少女「冗談よ冗談」
「ふふ。じゃあ食事にしましょう。先に行ってるわね」
少女「ええ」
「――大変だー!」
少女「?」
子スライム「大変大変!」
少女「どうしたの?」
子コウモリ「りゅ、竜のおじいちゃんが、悪い人たちにつかまっちゃった!」
少女「どういうことよ?」
子スライム「助けに行かなきゃってこと!」
少女「え? え?」
子スライム「行くの行かないの!? 急がないと手遅れになっちゃう!」
少女「……行く! もちろん行くわ!」
子コウモリ「じゃあ早く行こうぜ!」
少女「ママ、ごめんね。ちょっとだけ行ってきます!」
ギィ……
……バタン!
……ここからのお話はいつか、語られるかもしれません
でもとりあえずは、ここでおしまい
スライムかわいいよスライム!!
楽しかった
すらいむかわいい
Entry ⇒ 2012.03.17 | Category ⇒ 勇者魔王「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
榊原「杉浦さんってパーカー似合うよね」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331135127/
――――――学校――――――
杉浦「えっ?」
榊原「いや、この前着てた時に思ってさ。僕、パーカーが似合う女子って可愛いと思うんだ」
赤沢・小椋・綾野「っ!!」ガタッ
榊原「それでさ、その……杉浦さんはよく似合ってたなーって///」
杉浦「ありがとう、榊原くん」
赤沢(いい事を聞いたわ! ……でも私、可愛いパーカーなんて持ってたかしら?)
赤沢(いや、これはチャンス! 都合良く、日曜は榊原くんと遊ぶ予定だったから、その時に榊原くん好みのパーカーを買えば……!)
赤沢「くっくっくっく……」
小椋・綾野「…………」
――――――日曜日――――――
赤沢「ごめんなさい、待たせちゃったかしら?」
榊原「ううん、そんなことないよ。でも、テッシーがまだ来てないね」
赤沢「アイツは今日来れないって」
榊原「え? でも連絡ないけど……」
赤沢「私に連絡した後で、ちょっと電話できない状況になったらしいわ」(永遠にね)
榊原「そうなんだ……まぁいいや。それで、今日はどうしようか?」
赤沢「そのことなんだけど。ちょっとショッピングに付き合ってもらえないかしら?」
榊原「構わないけど……何か欲しいモノでもあるの?」
赤沢「服よ。ちょっと要りようで」
榊原「何かに必要ってこと?」
赤沢「あら、榊原くん。私だって女の子よ? お洒落したいに決まってるじゃない」
榊原「はは。ごめんごめん、僕でよければいくらでも付き合うよ」
赤沢「じゃあ行きましょうか」(あとで録音した音声をつなぎ合わせなきゃ)
――――――ショッピングモール――――――
赤沢「これなんかどうかしら? 似合う?」
榊原「いいんじゃないかな」
赤沢「そんな空返事しないで。率直な意見を言ってもらいたいわ」
榊原「……じゃあ言うけど、気を悪くしないでね」
赤沢「え、ええ」
榊原「赤沢さんには、ちょっと似合わないと思う」
赤沢(な、なんですってーーー!? パ、パーカーが好みなんじゃないの榊原くんっ!!)
赤沢「じゃあこれは?」
榊原「うーん、イマイチかな」
赤沢「これなら!?」
榊原「なんか違う気がする」
赤沢「これでどうだ!」
榊原「それも……って、なんでさっきからパーカーばかりなの?」
赤沢「っ!!!」ビクゥ!
赤沢(えまーじぇんしー! 成功率95割の作戦がバレた!?)
榊原「赤沢さんなら、もっと大人っぽい服装が似合いそうだけど」
赤沢「それは、その……///」
???「さ、榊原くん! ぐ、偶然だね!!」
榊原・赤沢「!?」
榊原「お、小椋さん……?」
小椋「いやーもう本当に偶然! つけてきたんじゃないかと疑われるぐらいに偶然ね!」
赤沢(由美ェ……)
榊原「というか、その格好……」
赤沢(ん、格好……?)
赤沢(何ぃ!? パ、パーカーだとっ……!?)
榊原「小柄な小椋さんには大きめのパーカー。だがそれが逆に『パーカーに着られている感』を感じさせる」
榊原「その魅力はまさに小動物が如し。可愛いという方面に特化したパーカーの着こなし方!」
榊原「さらにフードや袖口にファーがつく、ファンシーなデザイン」
榊原「いうなれば、庇護欲を掻き立てる完成形!」
赤沢(まずい、榊原くんが完全にノリノリだ…………)
榊原「小椋さん、もしかしたら君が運命の人なのかもしれない……」
小椋「いやん///」テレテレ
赤沢「」
???「あっれー!? こういっちゃんじゃない!」
榊原・赤沢・小椋「!?」
榊原「あ、綾野さん……その服装は」
赤沢(またパーカー!?)
綾野「いや、偶然だね! 張り込みを疑うくらいに偶然だね!」
小椋「おいこの犯罪者どうにかしろ」
赤沢「アンタがそれを言う……?」
赤沢(はっ。そんなことより榊原くんよ……!)フリムク
榊原「…………」
赤沢(どうやら、こちらそんなに……否! あの目の輝きは……!!)
榊原「小椋さんと違って、綾野さんのパーカーは体に密着するタイプ」
榊原「それは、綾野さんの元気溌剌とした外見・性格にも密着【フィット】している!」
榊原「元来フォーマルな物ではなく、動く事を前提に考えられているパーカーだ」
榊原「綾野さんのそれは、まさに真のパーカーであるとさえ言える!」
赤沢(OH…………)
小椋「………」チッ
榊原「こんな所に、僕の天使がいたのかもしれない……」
綾野「こ、こういっちゃん///」
小椋「ちょっと待てゴルァ」
綾野「えっ?」
小椋「いきなり出てきて、しかもパーカー着て。偶然なワケないだろうが」
綾野「それ私だけに言える?」
小椋「うっせぇ!」
榊原「フリフリしたパーカー着てるのに毒吐く小椋さんカワイイ……」
赤沢(榊原くんの嗜好が全く分からない……)
赤沢(完全に負けたわ……。こんなにもパーカーが似合う二人を前に、私が敵う訳もない……)
赤沢(まさか榊原くんがパーカー萌えなんていう趣味を持っていたなんて……)
赤沢(確かに私には似合わない格好よね、パーカー。まさか、こんなことで失恋するなんて……)
赤沢(もうパーカーを着ている意味なんかないじゃない……敗者は敗者らしく、フードでも被って落ち込んでればいいんだわ……)
赤沢「はぁ……」
榊原「ん?」
小椋「ねぇねぇ榊原くん。私の方が似合ってるよね!」
綾野「こういっちゃん、正直に言っていいよ!」
榊原「あ、赤沢さん……」ワナワナ
小椋「え、泉美? って、なんでフードなんか被ってるのよ」
綾野「パーカーのフードなんて飾りみたいなもんでしょ」
小椋「さすがにダサいというか、何というか……ねぇ榊原くん」
榊原「っ!!」キッ
小椋「ひっ」
榊原「小椋さん、悪いけど君は『パーカーのなんたるか』を全く理解してないみたいだね」
小椋「え? え? どうしたの榊原くん?」
綾野「だ、だよね~! やっぱ機能美っていうの? ある物は使ってこそだよ!」
榊原「綾野さん!」
綾野「はぃ!?」
榊原「そんなもんじゃない。そんなチャチなもんじゃ断じてない……」
綾野「ご、ごめんなさい……」
赤沢「さ、榊原くん……?」
榊原「赤沢さん。さっきは似合わないなんて言って、ごめん!」
赤沢「そんな……どうしたの?」
榊原「赤沢さんこそ、パーカー・オブ・パーカーだっ!!!」
赤沢(……なんだろう、素直に喜べない)
榊原「なぜパーカーにはフードがあるのか。これはパーカー愛好者の中でも重大な議題」
榊原「かつては、あの『たけのこ・きのこ論争』に比肩するほど、凄惨で過激な争いがあったという」
榊原「そんな中で、フードの必要性を謳う一つの説が浮上した」
榊原「あの有名な『濡れた子犬の法則』だよ、赤沢さん」
赤沢「」
小椋「……?」
綾野(真面目に語るこいっちゃんカッコいいよォ!!!)キュンキュン
榊原「可哀そうな目に合っている動物……例を挙げるとしたら、雨の中捨てられた子犬だよね?」
榊原「元々持っている可愛さに加えて、守ってあげたいという欲求を掻き立てる。それが『雨に濡れた子犬』」
榊原「パーカーのフードを被るという事は、嫌な事があった時、外界との接触を断ちたいときにする行動なんだ」
榊原「つまり、何かに打ちひしがれて弱っている姿……それこそがオン・フード!」
赤沢(頭が痛い……)
小椋(あかん濡れてきた)
綾野(何言ってるか分からないけどカッコいいよォ!!!」
榊原「今いい所だから静かにしてて」
綾野「ごめんなさい」
榊原「さっきの赤沢さん、とても暗い表情をしていたね。それはフードの暗さと相まって、男の『守ってあげたい衝動』を加速させるんだ」
榊原「そして何より、フードの外に出しているその長いツインテール!」
榊原「より動物のような印象を与え、可愛らしさ・庇護欲を倍増させているんだ」
榊原「つまり何を言いたいかというとね……」
赤沢「…………」ゴクリ
榊原「結婚しよう。あかざ……いや泉美!!」
赤沢「っ!!!」ドッキーン!
小椋「異議ありィィィ!!」
綾野「ウェイウェイウェイ! 冷静になってよこういっちゃん!」
小椋「そう! 今の榊原くんは冷静な判断力を失ってるわ!」
榊原「構わない……恋は盲目なのさ!」
赤沢「さか……いえ、あなた///」
赤沢「はい!」
榊原「行こう、僕等の未来へ!」
赤沢「輝かしい明日が待っている!」
榊原「パーカーという名の羽衣を纏って!」
赤沢「フードという名の王冠を携えて!」
榊原・赤沢「一緒にはばた……」
???「させない」
小椋「あなたは……!?」
綾野「まさか、そんな……」
???「危ない所だった」
赤沢「私たちを止めるのは一体誰!?」
小椋「こ、こんなことがあっていいの?」
綾野「パワーバランスが、生態系が、崩れていゆく……」
赤沢「馬鹿な……」
赤沢・小椋・綾野「「「見崎……鳴っ!!!」」」
見崎「残念ね、お遊びはここまでよ」
赤沢「くっ……。でも残念ね、いくらメインヒロインといえど、そんな地味なパーカーで何が出来るというの?」
小椋「そうよっ! さっき榊原くんが言っていたように、あなたはフードを被っていてもなんら弱そうに見えない!」
綾野「むしろ不敵に笑ってさえいる! そんな奴に、パーカー馬鹿のこういっちゃんがなびくワケが……」
見崎「どうやら、そうでもないみたいね?」
榊原「…………////」ポッー
赤沢「な、なに!?」
小椋「そんな……こっちは3人もいるのに、パーカー力で負けている……?」
見崎「私のパーカー力は53万です」
榊原「ま、まさか、こんなパーカー使いに出会えるなんて」
小椋「どういうこと?」
榊原「あれは既存のパーカー着こなしを、一切無視した新しい着こなし」
榊原「一方では悪魔と呼ばれ、一方では救世主と呼ばれるパーカー界の異端児さっ……!」
赤沢(また意味分からんことを……)
榊原「暗い色のパーカー、チャックは上まで閉める、手はポケットに入れる、フードは深く被る……」
榊原「影に隠れた顔から不敵に覗く笑み。そして暗い眼差し。まさにこれは!」
榊原「厨二病……!!」
赤沢「か、勝てるわけがない……」
小椋「榊原くんは絶賛思春期の中学生で、しかも男の子」
綾野「多感な少年に、あれは堪らないファッション……!」
榊原「鳴……」
見崎「恒一君……」
ミツメア~ウト~ スナ~オニ~ オシャ~ベリ~ デキ~ナ~イ♪
小椋「ちょ、なんで空気読んでるのよ有線!」
綾野「完敗だっていうの!?」
赤沢「世界さえ味方につけたという事なのね……」
榊原「鳴、でもごめん」
見崎「どうしたの?」
榊原「僕は……どうしても一つのパーカーだけを愛する事が出来ないんだ」
見崎「そんなぁ」
榊原「小椋さんも、綾野さんも、赤沢さんも、……見崎も、本当に素晴らしいんだ」
見崎「榊原、君……」
榊原「パーカーには、答えなんてないのかもしれない。それぞれがきっと正解なんだよ」
榊原「小椋さん。可愛さなら君に比肩する女の子はいないよ。そのチャーミングさで僕を癒して欲しい」
小椋「榊原くん……///」
榊原「綾野さん。君はその溢れる元気で、僕の背中を押して、僕の支えになって欲しい」
綾野「こ、こういっちゃんのためなら///」
榊原「赤沢さん。君は僕にとって、守るべきものになって欲しいな。守るべきものがないと、人は生きてはいけないんだ」
赤沢「はい、あなた……///」
榊原「そして見崎。君は僕にとっての可能性だ。友人であり、ライバルであり」
見崎「強敵【とも】、ね」
榊原「みんな、行こう!パーカーの導きの下へ!!」
赤沢「そこは楽園【エデン】!」
小椋「パーカーの、パーカーによる、パーカーの為の国!」
綾野「自由に愛し、愛されるシャングリラ!」
見崎「死すならば荒野」
一同「「「「「人は愛ゆえにパーカーを着なければならんのだ!!」」」」」
赤沢(あれ……これパーカーの話よね?)
おわり
それはそうと、みなさんパーカーは好きですか?好きですよね
自分は小椋さんがきていたようなパーカーが好きです!
>>46
フードまでチャックがあるパーカーは邪道だと思います
海回で着てたな
後ろから見ると履いてないように見える女の子がかわいいです
パーカーon素肌も大好きですね、自分は
>>58
はいてないかと思ってどきっとする瞬間は何事にも変えられない一時です
ああいったものは大体袖が長く、手が隠れる様な感じですが、あれも堪らんですハイ
今度はあまり日の当たらない中尾と榊原が仲良く小説を書く話を考えてるんで、また会えたらよろしくお願いします
Entry ⇒ 2012.03.17 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「真美が、俺にキスをねだってくる……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331317197/
ちゅる……ぴちゃ、 ちゅぶぶ……。
お互いの唇が離れるほんの小さな瞬間だけに響く音と、熱くぬるぬると濡れた感触だけが、俺の感じられる全てだった。
真っ暗で、世界の色彩がきちんと働いていないような、そんな冷たい部屋の中。
そのとき俺と真美は、ただお互いを慰めるだけの、“ごまかし”のキスを繰り返していた。
「ん、兄ちゃん……」
少し鼻にかかる、甘えた高い声でそう言って、真美は俺に再びキスをねだってくる。
いつものことだ。
初めてのキス。
その言葉は多くの子供たちにとっての憧れで、甘くて、嘘のようにロマンチックな響きだ。
しかしながら真美にとっての初めてのキスは、それが行われたのがあまりにも色気のない場所であったこともあり、
決してそんな夢の言葉で表すようなものではなかったように思える。
俺がこう言うと、ファースト・キスを捧げたばかりの真美はこんなことを言っていた。
「兄ちゃん、真美は夢の言葉なんていらないよ。だって、夢は朝になれば、光になって空に解けてしまうんでしょ?」
たしかに彼女には、夢みたいな言葉は必要なかったのかもしれない。
いたずら好きで、いつまでも子供だと思っていた真美は、いつの間にかひとりの大人の女になってしまっていたのだ。
俺はそのときまでそんなこと知らなかった。そんなこと、誰も教えてくれなかった。
大事なことに気付くのはいつだって手遅れのタイミングだ。ほとほと自分が嫌になる
――――――
―――
「兄ちゃ~ん……元気だしなよ」
「そうだよそうだよ、兄ちゃんは悪くないってー!」
真美と亜美が、ふたりで俺を囲んで慰めてくれている。
俺のせいだと言うのに、最も迷惑がかかった当人たちはどこ吹く風だ。
俺はあの時、とても大きなミスをしでかしてしまった。
律子のプロデュースする多方面に人気のユニット、竜宮小町。
悲しみの過去を乗り越えた歌姫、如月千早。
溢れる才能を努力で昇華させる喜びを覚えたカリスマ、星井美希。
765プロにも看板と言えるアイドルがようやく生まれ、ニューイヤーライブも大成功に終わり、よしこれからだというときに。
俺のミスによって、765プロがコツコツと積み重ねてきた信頼は少しだけ崩れてしまった。
しかし当たり前のことではあるけれど、一度失ってしまった信頼を再び取り戻すのは非常に難しい。
その大きさに関わらずだ。
信頼はいつだってプラスかマイナス。
それが減るときは例外なく、ゼロではなくマイナスになるのだ。
間違いなく、今表面上に見える変化以上の損害が未来に起こる。
とんでもないことをしてしまった、という思いが当時の俺の全てだった。
「よーし真美、亜美たちのせくち→な魅力で兄ちゃんを元気にしてやろうぜ!」
「がってん亜美! んっふっふ~、兄ちゃん覚悟しといてよね!」
ええいうるさいうるさい! と言って、俺はわずかに残った元気を搾り出し、腰に肩にとまとわりつく双子を引き剥がした。
「ははは、いやーすまんすまん! お前らに心配されるようじゃ俺も終わりだな!」
どうやら自分で思っていた以上に顔に出てしまっていたらしい。
いかなるときも、彼女たちの笑顔を曇らせてはいけない。
プロデューサーとして最低限のことを思い出した俺は、あたかも照れ隠しをするかのように笑っていた。
「元気になった俺がどうなるか、目に物見せてやる! 今夜はトラウマで眠れないぞ!」
「きゃー! 兄ちゃんのえっち!」
「セクハラ大魔神~!」
この件について社長が俺に与えた処罰は、細々とした後処理のすべてを引き受けること。それだけだった。
社長自ら方々に頭を下げてくれていたことは俺も知っていたので、
「あまりにも処罰が軽すぎる。本来ならクビにされてもおかしくはない」と思わずにいられなかった。
「君は実によくやってくれている。君に負担をかけすぎていた私にも責任はある」
「君がどうしてもここを辞めたいというなら話は別だが」
「アイドルたちを見たまえ。みんな君のことをこんなにも想っている」
「君には君の責任の取り方があるのはわかっているだろう」
社長はこんなことを話してくれていたような気がする。
よく覚えていないのは、俺があまりにも激しく泣いていたために社長の言葉を正確に聞き取れなかったからだ。
社長には本当に、感謝してもしきれない。
音無さん……彼女もそうだ。
俺と音無さんは恋人同士だった。
「おかえりなさい、プロデューサーさん」
音無さんは、いつだって笑顔だった。
「今日も大変でしたね。お疲れでしょう、いまあったかいコーヒーを淹れますね」
心ない人の言葉で深く傷つけられてしまった俺の、あまりにもひどい顔を見ても、
彼女はいつだって柔らかな笑顔を浮かべて事務所で待っていてくれた。
「ふふ。しゃきっとしてくださいね、あなたが笑顔じゃないと、私も悲しくなっちゃいます」
そんな彼女に惹かれていくのに時間はかからず、俺はすぐに恋に落ちてしまった。
そして勇気を振り絞って伝えた俺の思いに、彼女はやはり笑顔で応えてくれた。
あのミスをしでかしてしまったときも、彼女は変わらず笑顔で俺のそばにいてくれた。
音無さんは本当に、当時どん底であった俺の心の支えそのものであった。
一度、下の名前で君のことを呼んで良いかと尋ねたことがある。
音無さんはふふ、と小さく微笑み(彼女の笑い方には実に様々な種類があった)、俺に対してこんなことを言った。
「もう。ダメですよ、“プロデューサーさん”? そんなことをしたら私、きっともうところ構わずあなたに病みつきになっちゃうから」
社長と律子以外のみんな、つまりアイドルたちに俺たちの関係は明かしていなかった。
別にやましいことはしていないのだから(もちろんある意味ではしていた。主に仕事が終わったあとの夜に)、
みんなに俺たちが恋人同士であることを打ち明けてもいいと俺は思っていたのだが、彼女は頑なにそれを拒否していた。
いわく、
「あの子たちの中には、あなたに恋をしている子が何人かいます。あの年頃の女の子は、恋が自分の目に見えるすべてなんですよ」
だからその子たちのモチベーションを下げないように、俺はあくまでフリーの体でいなければならない。
かいつまんで言うとそれが彼女の意見だったのだが、俺にはそれがいまいちピンと来なかった。
あいつらが俺に恋?
「あなたは少し、鈍感すぎます。ちゃんとお仕事してくださいね、“プロデューサーさん”」
音無さんがプライベートで俺のことをプロデューサーと呼ぶとき、それは俺をたしなめるときだ。
そんなときの彼女の顔は、まるでわがままを言う子供を優しく叱り付ける母親のようであった。
「私にとってもあの子たちは大切な宝物です。いたずらに傷つけることはしたくありません。それに……」
「その方が、なんだかあなたと私だけの秘密みたいで、わくわくするじゃないですか」
母親のようだと思えば次の瞬間にはこうやって、悪戯をたくらむ子供のような笑顔を浮かべる。
ころころ変わる彼女の表情は、本当に俺を幸せな気持ちにしてくれた。
ベッドの上の彼女は、とても可愛らしかった。
体を重ねるようになってしばらく経ってから知ったことだが、音無さんは多少、いやそれなりに、特殊な性癖を持っていた。
「今日は私、あなたの犬になります!」
小鳥なのに犬なのか? と思わずにはいられなかったが、俺はおとなしく音無さんの飼い主になった。
彼女の出す突拍子のないアイデアは時に俺を驚愕させたが、それに従っていれば概ねお互いに最高の気分を味わえたからだ。
「小鳥は悪い犬です……。ご主人様、小鳥を、ん……めちゃくちゃに、してください……」
音無さんの体はとても柔らかく、陽だまりのように暖かかった。
俺はそんな彼女を抱くことがとても好きだった。
「私もだいすきです……ずっと、ずーっと一緒ですよ」
しかしながら、困ったこともないではなかった。
時折なんの前触れも無く、音無さんはまるで孵ったばかりのひよこのように自分の殻に引きこもってしまうことがあったのだ。
「ねえ、音無さん……」
「なんでしゅかぁもっかいですかぁ~……私はもう限界です、賢者タイムですピヨ」
5回もしたのだから、俺ももうそろそろ限界に近いです。
それよりこっち向いてくださいよ、寂しいじゃないですか。そして布団を独り占めしないでくださいよ、寒いじゃないですか。
音無さんは、すっかり何もかも搾り取られてしまった俺の性器を指でつつきながら、ぼそぼそと何やらさえずっていた。
「……だって、こんな年増の体なんて、元気がないときに見てもしょうがないでしょ~……」
始まってしまった。たまたまアルコールが入っていたのが失敗だったようだ。
こうなってしまったらとりあえず、一通り聞くだけ聞くしかない。
「そぉ、やっぱり年なのよお……いつもはネタにしてるけど、やっぱりこれは抗えないの」
「アンチ・エイジング……あなたも、ほんとは事務所のみんなのような若くてピチピチした子の方が満足できるのよ」
「美希ちゃんとか貴音ちゃんとか、あずささんとかぁ……」
「うえ~~ん……悲しいぃ。でも、不思議……あなたが幸せなら、私も……」
「はっ! ダメよ小鳥、NTRなんてまだレベルが高すぎて手を出してはいけないわ~!」
こんなとき俺は、とてもとても長い時間をかけながらあらゆる言葉を重ねて愛を伝え、
しくしくとウソ泣きを続ける彼女を慰めなければならなかった。
愛の言葉はもちろんすべて本心からのものであったが、ときには面倒だなと思う日もなくはなかった。
しかし、
「えへへ……だいすき~」
彼女はいつだって、最後にはお日様のように笑ってくれた。正直ずるい、と思う。
今でもはっきりと言える。
俺は音無さんのことを、本当に心から愛していた。
それこそ真美が言ったように、最初から、最後まで。
――――――
―――
音無さんの葬式は恙無く終わり、俺は彼女の遺影の前で何をするでもなくひとりで座っていた。
朝から降り出した雨はそのときにはとても強くなっており、俺がいるこの場所にもその大きな雨音は響いていた。
「兄ちゃん……」
ふと顔を上げると、喪服姿の真美が俺のことをじっと見つめながら立っていた。
どうした、真美。
と声を発したつもりでいたが、うまく喉が動かなくて、ぼそぼそとした俺の言葉は
ざあざあと斎場の屋根を打ち付ける雨粒の音にかき消されてしまった。どうやら俺も少し疲れてしまっていたらしい。
真美はそっと俺の隣に腰を下ろす。
彼女の目は、意外なことに赤くはなかった。いつもの真美の、とても綺麗に澄んだ瞳だった。
音無さんはある朝、交通事故に遭って亡くなった。
それは早朝の出来事であり、いつもの彼女からすれば少し早すぎる出勤時刻であった。
しかしながらもちろんそこにはなんのドラマもなく、強いて挙げるとすれば即死ということだけが彼女にとって唯一の救いであり、
あとにはただ、音無さんが死んでしまったという事実だけが残った。
「真美は、はくじょーものかな。あんまり、涙が出ないんだよ」
そんなことを言ったら、俺の方こそ薄情者になる。
社長も事務所のみんなも、全員が彼女を想いそれぞれの涙を流していた。
声を上げ泣き叫ぶもの、嗚咽を漏らすもの。
静かにひとりで涙を流すもの、いまだに信じられないといった顔でその死を受け入れられないもの。
音無さん、あなたは本当に、みんなに愛されていたんですね。
「……みんな気付いていないみたいだけど、真美は知ってるもん。
ピヨちゃんは兄ちゃんの特別で、兄ちゃんもピヨちゃんの特別だったんだよね」
なぜ真美が俺と音無さんのことを知っているのかわからず、
鎌をかけているんじゃないかということまで考えが及ばなかった俺は、不覚にも驚愕してしまう。
「やっぱり」
長い沈黙があった。耳に入るのは、さらに強さを増していく雨の音だけだ。
そこには俺と真美しかいなくて、俺たちはそれぞれの考えを、思いを、うまく形にできずに戸惑っていた。
沈黙は時として、こんなにもはっきりと形と重さを持って存在するものなのだと、俺はこのとき初めて知った。
「……真美、ピヨちゃんといろーんなこと、お話してたんだ」
やがて真美はぽつりぽつりと話し始めた。
真美は、実に様々なことを音無さんに相談していたようだ。
765プロのみんなのこと。アイドルとしてのあり方のこと。
日に日に現れる、体の変化のこと。ある日、へんなところから血がでてきてしまったこと。
ときどき胸が痛くてたまらなくなり、眠れなくなる夜があること。それは恋だと、音無さんが教えてくれたこと。
真美は少し恥ずかしそうにしながらも、まさに赤裸々そのものである事実を俺に教えてくれた。
初潮のことまで聞かされ少しばかり居心地が悪くなったが、俺は黙って耳を傾けていた。
そして最後に、亜美のこと。
真美は、亜美が竜宮小町としてデビューしてから、今まで知らなかったいろんな思いを胸に抱いたらしい。
「真美と亜美は、いつも一緒だったんだ」
「りっちゃんがどうして、竜宮小町に亜美を選んだのかあの時はまだわかんなかった。バランスがどうこう、とか言ってたけど」
「それだったら、真美でもいいじゃん! 亜美だけずるーい! って正直思ってたんだ。
あの頃の亜美と真美は、歌もダンスもファッションも、全然差はなかったし……」
「お前ら全く一緒だな、って言われたら怒るけどね! んっふっふ、乙女心は複雑なのだよ、兄ちゃん」
「まあ、それはいいとして……」
「でも、今はわかるんだよ。きっとりっちゃんはなんていうか、真美たちの心のカタチに気付いてたんだよね~」
心の形?
「うん。それを真美に教えてくれたのは、やっぱりピヨちゃんだった」
――真美ちゃん。あなたたちの心はとっても違っているのよ、だからよく考えてみてね。
音無さんは、いじいじとしている真美にそんな宿題を出したらしい。
真美はそれを受けて、たくさん考えた……が。
――それってやっぱり! 亜美よりハートが弱いって思われたってことじゃーん!!
という答えしか出なかった。全く持って子供だ。
なあ真美、きっと音無さんはこう言ったんだろ?
「ぶっぶー」
「兄ちゃんすっごーい! よくわかったね!」
当然だ。そのときの音無さんの表情までわかるぞ。
――――――
―――
「ぶっぶー」
「えー、なんでぇ~……もう、ピヨちゃん! ニヤニヤしてないで答え教えてよー!」
「しょうがないわねー。じゃあ、ヒントね?」
「私がもし別のメンバーで竜宮小町を組むとしたら、きっとこうするわ」
「みんなを引っ張っていけるリーダー、伊織ちゃん」
「いつも元気! みんなのムードメーカー、亜美ちゃん」
「そして……真美ちゃんよ」
「……あずさお姉ちゃんの代わりに、真美なの?」
「そうよ。はい、ヒント終わりっ! ってこんなこと言ってたの、律子さんには内緒にしてね~」
音無さんの言わんとしていたことは、俺にも痛いほどよくわかる。
亜美と真美。ふたりは近頃、どんどん違う方向へと成長してきているのだ。
ふたりともまだまだ子供で、いたずら好きな悪ガキであることには変わりない。
しかし亜美は、その元気さにさらに磨きがかかり、みんなをどんどん巻き込んでいけるようになった。
そして真美はときどき、優しく暖かな瞳でそんな亜美のことを見守っている。
長いスパンで考えたとき、今のあずささんの役割を務められるのは、きっと真美しかいないだろう。
「ま、そんなこんなで真美も亜美との心の違いってやつになんとか折り合い? をつけたんだ。
どーいう結論出したかは聞かないでね!」
きっとそれは、真美にとって心の奥に大事にしまっておくべき宝物だ。
俺なんかにそれを詮索する権利は無い。
再び沈黙が訪れる。だが、さっきまでのような重く暗い沈黙ではなかった。
俺も、真美も、音無さんとの暖かな記憶の中にいた。
そう言えば、真美とこうしてちゃんと話をするのはずいぶん久しぶりな気がするな……。
俺は幾らかの懐かしさを覚えながら、彼女の頭をやさしく撫でた。
「なあ、真美……音無さんのこと、好きだったか」
「……ん、んん……あったりまえじゃん! ピヨちゃんは真美の……大好きなお姉ちゃんだったよ」
「そうか……俺もだ」
「知ってる」
ところで、なんで真美は俺たちのことを知っていたのだろう。
音無さんが自分から、真美にだけは打ち明けたのか? いや今思えば、さっきの言葉は鎌かけだったという可能性も……。
「ピヨちゃんは兄ちゃんのことは何も言ってなかった。でも、よく見てればわかったよ」
隠せているつもりだったが、そんなに態度に出ていたのか。参ったな……ははは。
「他の皆とは、真美は見方が違うからね!」
「みかた? ああ、見方か」
「もしかしたら、ミキミキやはるるん、千早お姉ちゃんあたりも気付いていたかも」
「美希に春香に、千早? あいつら、そんなに鋭いほうか?」
「少なくとも兄ちゃんよりは鋭いんじゃないかな」
なぜか、真美がため息をついている。一体何だと言うのだ……。
真美は深く深くうつむいていたが、やがて何か大切なことを決心したかのように顔をあげると、
俺の目を真っ直ぐに見ながらこう言ってきた。……真美?
「兄ちゃん。真美、いろんなことピヨちゃんに相談してたって言ったよね」
「それはね。こういう……ことも、だよ」
真美は小さな声でこのようにつぶやくと、俺の頬を両手でつつみ、そのまま自分の顔の方へ引き込んだ。
そして、真美の小さく柔らかな唇が俺の唇に軽く触れ、すぐに……離れていった。
「真美は、兄ちゃんのことが、すきなんだ」
俺は、「えへへ、初めてのちゅーしちゃった」などと言いながら赤面している真美のことを呆然として見ていた。
初めてのちゅー? こんなところで、こんな形でいいのか?
混乱する俺が、混乱したままにファースト・キスに対する考えを述べると、真美はへへ、と笑ってこう言った。
「兄ちゃん、真美は夢の言葉なんていらないよ。だって、夢は朝になれば、光になって空に解けてしまうんでしょ?」
ここにいるのは本当に、あの双海真美なのか?
最近の真美は一時期の雪歩のように俺のことを避けているような気がしていたけれど、こんなに積極的な子だったっけ?
いまだに驚いて混乱していた俺に対し、「でもね」と真美は続けた。
「真美は消えない。花になって、兄ちゃんの隣に咲いていてあげる。どんなにつよく雨が降っても」
「兄ちゃんは、もうひとりぼっちなんかじゃないんだよ」
「だから……そんな顔しないで」
は、はは……。なにを言っているんだ。俺、そんなに変な顔してたか?
俺はそう言って笑って、自分の顔を撫でてみる。
するとまるでゴムの塊みたいに、とても硬くて柔らかい、妙な感触が返ってきた。
自分でも驚くくらいに、ひどく強張っている。笑ったと思っていたけれど、それは俺の勘違いだったみたいだ。
あ、あれ?
「兄ちゃん、あの日、ピヨちゃんが事故にあってからずっとそんな顔してたよ」
え?
「もう、ね……我慢、しなくてもね……えぐっ。いい……からさ」
真美、どうしたんだ。急に……。そんな顔見たら……なんだかこっちまで……。こ、こっち……まで? なんだ?
あ……
「あ……あ、あぁ……」
「い、いまはね……真美……真美だけしか、見てないよ」
そう言って、真美は微笑んだ。
その笑顔は、まるでかつての“彼女”のようで、とても優しく、柔らかかった。
「あ……う、ぇぐ……あ、あ、ぁああぁ……」
自分でも気付かなかったが、俺はもう限界だったらしい。
一度決壊してしまえば、あまりにも大きな感情は、涙の形を持ってぼろぼろと溢れてきてしまう。
「う……うぅ……こ、……こ」
「小鳥……!」
小鳥……。小鳥……!
「ことりぃ……!!」
「「ぁああああああああぁあああ゛ああああああ゛ぁああ!!!!」」
真美の小さな体、その腕の中で俺は泣いた。真美も、俺と同じように泣いていた。
あの一件以来、俺はもう決してアイドルたちの前で涙は流さないと心に決めていたが、それももう限界だったようだ。
顔の形はぐしゃぐしゃになり、もはや脳のコントロールから完全に離れていってしまっている。
耳の中で不愉快に響く、真っ黒な空から降り続ける雨の音だけが、唯一感じられるはっきりとした感覚であった。
そして、大量の涙によって激しくノイズのかかった視界に、かすかに“音無さん”の遺影が入りこんだ。
俺がいくら泣こうとも、
いくら彼女の名前を叫ぼうとも、
彼女はもう叱ってもくれず、ましてや……
笑ってなど、くれなかった。
――――――
―――
音無さんのいない765プロダクションは、まるでドラえもんが未来に帰ってしまったあとののび太くんの部屋のようで、
どうしようもなく空虚だった。うつろで、からっぽだった。
――いま輝く、一番星……。ひとつ夢を、願った――
俺は与えられた仕事だけをただなあなあとこなしながら、音無さんが歌ってくれた最後の歌のことを思い出していた。
あれはいつの日だったか、社長が招待してくれたあのバーで彼女のもうひとつの姿が明らかになって以来、
彼女はみんなの前でもときどき歌を披露してくれるようになったのだ。
歌っている音無さんはとても楽しそうで、俺はそんな彼女をずっとずっと見ていたかった。
――だけど、今日もまた……終わってゆく――
悲しみに明け暮れる暇もなくアイドルたちはファンの前に立ち、歌を、笑顔を届けていた。
最初はみんな自分の気持ちを隠すのに必死で、中には一週間ひきこもってしまうものもいた。
俺にはそんな彼女たちを何もできないまま見守ることしかできなかったが、
数週間もするとみんないつも通りの自分の姿を取り戻し、笑顔を装うようになった。
それは、音無さんを知るものは例外なく同じ気持ちだったからだ。
「いつまでもくよくよしていたら、彼女に笑われてしまう」
彼女たちはみんなに元気を与えるアイドルであり、俺は彼女たちのプロデューサーだった。
そんなアイドルたちの強さに、俺は随分と救われた。
――――――
―――
「兄ちゃん兄ちゃん! 真美たちのダンスどうだったー?」
「もう、めっちゃサイコ→だったよね! ね、真美!」
「うんうん! もう向かうところ敵無しって感じだったっしょー!」
あの時俺のせいでおじゃんになってしまった企画、双海亜美と双海真美の双子ユニット『あみまみ』は、
数ヵ月経った頃には竜宮小町に追いつけ追い越せといった勢いで人気を伸ばしていた。
もともとこのふたりはセットで活動することが多くあったが、亜美が竜宮小町としてデビューして以来その数は減少してしまっていた。
そこで俺は、正直に言って真美に対する配慮というものが多少あったのは否めないが、
ふたりにちゃんとしたユニットという形で活動してみないかと以前から持ちかけていたのだ。
ふたりは二つ返事で了解してくれた。
しかし双子が本格的に活動し始めてからも、“竜宮小町としての亜美”も負けてはおらず、
確かな固定ファンを獲得しその人気は不動のものとなりつつあった。亜美のバイタリティの高さにははたはた呆れるばかりだ。
しかし俺を本当の意味で驚かせたのは、真美だ。彼女は、俺の想像以上のポテンシャルを秘めていた。
『――あっはは、何それおっかし~! かわいいなあ、お姫ちん』
『だから今度さ、お姫ちんが事務所に常備してるカップヌ~ドルをぜんぶブタ麺に変えちゃおーよ!』
『えー! ちょっとかわいそうじゃない? それにここでそれ言ったらばれちゃうんじゃ……』
『だいじょーぶだいじょーぶ、これ放送されるのちょっとあとだから! だよねー兄ちゃん?』
双子ユニットが世に出たばかりのころ、多くの人の認識は次のようなものだった。
「“竜宮小町の双海亜美”と、その双子の姉、双海真美によるデュオ」
仕方の無いことだ。
ただでさえ竜宮小町はすでにテレビにラジオに引っ張りだこであったし、たとえあまりアイドルに興味がなくても、
彼女たちの顔だけは見たことがあると言う人がほとんどであっただろう。
しかしながらそういった人たちは、双海亜美に双子の姉がいるということまでは知らない。
双海真美は、当時そんな知名度だった。
しかし、そんな評価はあまり時間もかからず変わっていくことになる。
『ちょっと亜美、兄ちゃんなんて言ってもこれ聴いてる人たちわかんないって』
『うん、うん……来週放送? よし真美、明日さっそく決行だYO!』
『うーん、でも……やっぱめっちゃ面白そうかも!』
双子ユニットの売り出しには、俺の持てるスキルの全てを費やした。
亜美がいるぶん竜宮からのファンも多く興味を持ってくれていたため、ゼロからのスタートではない。
しかしそれに甘えず、俺は心の内で『打倒 竜宮小町』をスローガンに掲げていた。
プロデューサーたるもの、特定の誰かだけを贔屓することは許されない。
少なくとも俺の愛する765プロダクションでは、それが暗黙の了解となっていた。
しかし俺はこのふたり、特に真美のことを気にかけてプロデュース活動を行っていた。
何を言われるかわからないので、こんなことは誰にも悟られるわけにはいかない……。
「ハニーはなんだか最近、真美のことばーっかり見ている気がするの!」
「わた、私もそう思う! プロデューサーさん! 不公平ですよ、不公平!」
「プロデューサー。あの、ちょっとお話があるんですけど……!」
勘の良いものも何人かいたが、俺は無視することにした。こいつらはもうだいにんきだからだいじょうぶだよね。
『だよね~! ねえねえ真美、お姫ちんなんて言うと思う?』
『そりゃあもちろん……』
『『……ん面妖なっ!!』』
『あははっ、溜めた~!』 『溜めたね~!』
最初は、時折とても寂しそうにしている真美の姿が見ていられなくて始めた、心ばかりの慰めという意図があった企画だ。
しかし音無さんが死んでしまって以来、俺は何かに夢中になっていないととても平常を保てなかった。
そこでちょうどいい具合にそこにあった、このユニットの活動に全精力を注いでいたのだ。
しかし共に仕事を通じて交流を深めていくうちに、俺はふたりの大きな違いと、
アイドルとして持つ魅力に改めて気付かされていくことになる。
『お姫ちんのリアクションはちゃんと録音して、次の放送で発表するよ~!』
『楽しみにしててね! おやおや~亜美、今週ももうそろそろ終わりみたい』
『え→、もうしゅ~りょ~? まだまだ喋りたりないよ!』
『はいはーい、わがまま言わないの! さて、リスナーのみなさん!』
『今日はどっちが何を喋ってたかわかったかな→?』
双海姉妹は見た目こそよく似ているが、それぞれの強みは近頃大きく異なってきている。
律子いわく、「お年頃で、成長期だから」らしい。
亜美のあふれ出る元気さと真美の隠し切れない優しさは、ふたり合わさることで俺が想像していた以上のとても大きなシナジーを生んだ。
さらには見た目のキュートさもあいまって、一度興味を持ってしまうと簡単には無視できない魅力がふたりにはあった。
『答えがわかった兄ちゃん姉ちゃん、弟ちゃん妹ちゃんは番組の感想と一緒にお便りしてね!』
『んっふっふ~、実は亜美がずっとひとりで喋ってたのかもね→!』
『ぷぷ、はたして正解はどうかな? さて、この番組は!』
『あみまみの双海亜美と!』
『双海真美のふたりで! お送りしましたー!』
ふたりだから、出来ること。技の真美・力の亜美といったところだ。
そして、これは両者に共通して言える強さ。
どんなことがあっても笑顔を忘れない、くじけぬ心。
音無さん。あなたの大切な宝物は、とても強く成長しました。
――あの葬式の日、音無さんの眠る前で、俺と真美はキスをした。
当然のことではあるが、このことは俺たちだけの秘密になっていた。
俺は散々鈍感だなんだと言われてきたが、そのときはさすがに真美の気持ちに気付いていた。
真美は……俺に恋をしている。
しかしながらあのときのキスは、恋だ愛だといった甘い感情とはかけ離れたものであったように思う。
恋に焦がれる思春期の少女がする初めてのキスにしては、いささかロマンに欠けたものだった。
とにかく、そんなことがあったあとにこのようなえこひいきなプロデュースをしているのだから、
こんなことを言っても誰も信じてくれないかもしれない。
だが俺は、声を大にして言ってやりたい。
「俺は、真美に対して特別な感情を抱いてはいない!」
「えー!? なんか急にフラれたー!!」
そのとき俺は自宅のソファの上にいて、その日2回目の真美とのキスを終えたばかりであった。
時刻は17:20を少し過ぎた頃だったが、空は鉛のように重く、夕日の存在は分厚い雲壁によってすっかり隠されてしまっていた。
真美はあれ以来、オフ前日になると俺の家に泊まりにくるようになった。
ちなみに彼女が家の人に何と言って泊まりにきているかは、ずっと後になってから聞くことになる。
思えば、このとき聞いておけばよかったのだ。
そうすれば、いろんなことがもう少し、簡単になっていたのかもしれない……。
最初は俺にも、真美と俺の立場を気にする感情があった。
ふたりで会うたびに「こんなことはこれっきりで、もうやめにしよう」などと言っていたような気がする。
しかし真美とのキスは、そんなささやかな保守的願望をぶち壊しにするほどに、俺を虜にしてしまっていた。
気が付けばこの有様だ。
「ん、兄ちゃん……」
少し鼻にかかる、甘えた高い声でそう言って、真美は俺に再びキスをねだってくる。
いつものことだ。
おそらく、俺は最低で……クズなのだろう。
最愛の人を亡くしてまだ1年も経っていないというのに、あろうことか自分の担当アイドルとこうして共に過ごしているなんて……。
しかし、これだけは神に誓おう。
俺は真美を抱いてはいないし、抱くつもりもない。
そのあと真美が「ダンスみてよー」と言ってきたので、俺はひとり踊る彼女の姿を見ていた。
そんなに遅い時間じゃないが、なるべく静かに頼むぞ……。
ステップを刻みながら、真美は聞いてくる。
「兄ちゃんの、心は、どーやったらゲット、できるのかなっ! ほっ!」
「……いいか、真美。お前はアイドルで、俺はプロデューサーだ」
「いまさらそんなこと言われなくても、わかってるよー、だ! はい、くるりん、ぱっ!」
ふー、と一区切りついたらしい真美は、勝手知ったるといった様子で冷蔵庫からミネラル・ウォーターを取り出し音を立てて飲み始めた。
少しばかり汗をかいているようだ。
薄いティーシャツの下に隠れされた、発達途中であるもののうっすらとメリハリのついてきた体のラインが浮かびあがっている。
まだまだ可能性は未知数ってやつだな。
「兄ちゃんは、ごく、ごく……ぷはぁ。真美の気持ちには応えられないんでしょ?」
「ああそうだ。だから、俺がお前のことを優先して見てやっているのも、ただ単にお前の能力を買っているからなんだよ」
これは本心だ。たとえ仮に、自分の恋人がアイドルであったとしても、実力とやる気がなければ俺は仕事を持っていかない。
「でもでも兄ちゃん。真美たちのさっきの姿を見たら誰も信じてくれないんじゃないかなー?」
「う……」
「恋人じゃないなら恋人じゃないで、それならなんだか“お布団営業”みたいだねっ!」
そう言って真美は、どこかのでこちゃんよろしくにひひと笑った。
それを言うなら枕営業だろ、いやある意味間違ってはいないか……。
「俺は枕なんて受け付けないし、お前らにさせるつもりも一切ないよ」
真美の洒落にならないジョークにも動揺せず、俺はこう答えた。
しかしこんなこと言っていられるのも、俺がまだまだ業界の暗い部分を知らないからなのかもしれない。
だが、765プロのアイドルたちは、みんな例外なく俺の愛する娘たちだ。
あいつらが笑ってアイドルを続けられるなら、俺はどんな苦難だって乗り越えてみせる。
誰一人として悲しい思いなど、させてなるものか。
真美は俺の言葉を、その場にそわそわと立ったままこぶちをぎゅっとして聞いていた。
その顔はなんだかとても嬉しそうだ。
「んっふっふ~! そーだよね、兄ちゃんはそういう人だよね。だから真美は……」
そして大きくばんざいをしながら、小さな体をくるり。
これは真美の癖のような仕草であり、彼女はそうやって笑顔のエネルギーを発散させているようだった。
「だから真美は、兄ちゃんのことがだいすきなんだよ!」
そう言って満面の笑みを浮かべる彼女を見ると、とても優しく穏やかな気持ちになれる。
まるでタマゴの殻を扱うように、俺は彼女の髪を軽く撫で、そのまま自らの頭を近づけた。
本日4度目のキス。
今度は唇と唇を触れさせるだけじゃない。中学生にしてはちょっと背伸びした、大人のキスをする。
キスの雨は、夕食を食べ風呂を済ませたあとも続き、気付いたときには夜遅くになっていた。
ちゅる……ぴちゃ、 ちゅぶぶ……。
お互いの唇が離れるほんの小さな瞬間だけに響く音と、熱くぬるぬると濡れた感触だけが、俺の感じられる全てだった。
もう数えるのもおっくうになるほどたくさん唇を重ねたあと、「夜更かしはアイドルの敵だ」とかなんとか言って、
俺はぶーぶーしている真美をベッドに寝かしつけた。
今、この家で意識を持っているのは俺しかいない。
「真美なら俺の隣で寝てるけど?」
誰に対してでもなくひとりわけのわからないことをつぶやいたあと、
俺は真美の眠るベッドから離れソファの上に再び腰を下ろす。
真美はとても魅力的な女の子だ。こうして少しだけふたりの距離が近づき、俺は改めてその可愛らしさに気付くことになった。
少し明るめのブラウンの髪を縛るものは何もなく、今はシーツの上で無造作に乱れていた。
普段はサイドポニーの形にまとめあげているのでわかりづらいが、真美の髪は下ろすと肩甲骨に届くくらいの長さを持っている。
その持ち前の明るさを表すようにピョンと飛び出た髪型をする亜美の髪には、よく見ると少しだけ癖があるが、
真美の髪の毛はどこまでも柔らかく、さらさらで真っ直ぐだった。
きっとこんな日を除けば、毎日のケアを欠かしていないのだろう。彼女の隠れた努力家という一面が垣間見える。
髪と同色の瞳は、いまは瞼によって固く閉じられている。
しかしひとたび目を開けると、まるで初夏の草原を連想させるような、不思議と目が離せなくなる瞳が現れることを俺は知っている。
ティーン・エイジャー特有の好奇心と、自身の成長に対するいくばくかの不安を共存させたその瞳は、
彼女の持つ大きな魅力のひとつだ。
これから先、彼女はどのように成長し、その瞳にどのような色を加えていくのだろうか。
そして、その小さくぷるりとした唇。
真美の唇の感触を誰かに伝えるためには、おそらく三日三晩以上の時間を必要とするだろう。
それくらい彼女の唇は様々な形を持っており、俺はその変化する形を自らの唇によって確認した。
亜美は言う。自分の魅力を語りつくすには200年くらいかかる、と。
それならば真美の魅力をすべて語りつくすには、それこそ300年400年くらいの時間がかかると俺は思う。
勘違いされるのは甚だ心外であるので、ここでもう一度宣言しておこう。
俺は真美に特別な感情を抱いてはいない。
この分析は、真美をプロデュースする上で最低限知っておかなければならない彼女の武器であり、ただそれ以外の意味はない。
ほ、本当だ。
「何やってんだろう、俺は……」
しかしながら、こんな風にいくら落ち込もうとも、悲しいくらいに俺は男なのである。
このように可愛い女の子とキスを繰り返して、内心平常でいられるわけがない。
まるで貪るかのように真美と唇を重ねて、性的興奮を覚えないわけがない。
その証拠に俺の気持ちの高ぶりは、こんなにもわかりやすい形でズボンの下から自己主張している。
これはこの状況がそうさせているのであって、決して俺がロリコンというわけではない。
「…………」
まだ俺の中にほんの少しだけ残っている最後の良心が、「最後の一線を越えるわけにはいかないぞ」と言ってくる。
そんなことはわかっている。何度でも言うが、真美はアイドルで、俺は彼女のプロデューサーだ。
しかしこのままではきっと俺も眠れそうにないから、自らの手でこの気持ちの処理をしなければならなかった。
「…………」
真美が眠るすぐそばで、俺はそっとスウェット生地のズボンを下ろした。
「……! ……!」
俺はなるべく何も考えないようにして、ゆっくりと……熱すぎる気持ちを持て余すかのように猛るペニスに刺激を与え始める。
情熱がいっぱいにつまった海綿体を右手でやさしく、ときに激しく扱きながら、
ときどきちらり……と真美のかわいらしい寝顔を見た。
ちゃんと安眠できているか急に心配になったからであり、それを確認する以外の目的は決してない。
「……! ……くっ!」
そのうち、時間の感覚があいまいになってくる。
どれくらいそうしていたかわからないが、しばらくすると腰に電気が走るような感覚がやってきた。
ひとり真っ暗闇の中、俺は少し息を荒くして絶頂を迎えようとしていたのである。
よかった、これで今夜もゆっくり眠れそうだ。
「……!!」
と、そのとき。ふと、ある女性の顔が俺の頭の中に浮かんできた。
努めて何も想像しないでいたのだが、どうやら最後の最後で油断をしてしまったらしい。
俺は優しく微笑むその女性の顔をまっすぐに見ながら、とても強く射精をしてしまった。
「……ふう……」
まだ射精の快感に酔いしれていたかったが、だんだんと俺の頭はクリアになってくる。
そして、射精の瞬間に思い浮かんできた女性のことを考えた。
「……音無さん」
女子中学生相手に欲情し、さらにはその少女が眠る傍らでかつての恋人を想いながら性処理を済ませた変態が、そこにいた。
それは言い逃れのしようもなく、どうしようもなく確かに俺だった。気が付けば頬に一筋の涙が流れていた。
「……本当に、何をやっているんだろうな、俺は……」
俺はそのあと、泣きながらティッシュで隅々まで後処理を施し、消臭スプレーで部屋に残った情熱の残滓をかき消した。
真美がいるこんな夜だからこそ、静かに慎重にことを終わらせなければならない。
洗面所で丁寧に手と顔を洗うと、俺はベッドへと近づいていった。
改めて、俺は真美のことを見る。彼女は無垢な表情を浮かべて静かに寝息を立てていた。
こんなことになっているとも知らず、心から安心して眠っているように見える。
真美はまだ13歳の女の子だ。
世界の持つ眩しいくらいの素晴らしさも、目を瞑りたくなるような醜悪さも、何も知らない。
ましてや俺のこんな姿など……。
「おやすみ、真美」
そうつぶやくと、すやすやと眠る真美の頬に軽く口付けし、俺も布団の中へ潜り込んだ。
俺の予想通り、眠りはすぐにやってきた。
「………………………」
「…………っひぐ」
「……兄ちゃん」
――――――
―――
その後も、双海姉妹によるユニットという形での活躍は続いた。
テレビ出演、公開ラジオ、CM、雑誌etc……レギュラー番組の話まである。
俺の予想以上に、世間は女子中学生たちのキラメキラリと輝く姿を気に入ってくれたようだった。
「ふぃ~、今日もめっちゃ働いたYO→」
「お疲れ、亜美」
竜宮小町としての活動も依然続いていた亜美は、間違いなくこの時765プロで最も多忙であった。
うちの事務所だけではなく、芸能界全体を見てもこれほどあちこち飛び回っている少女はいなかっただろう。
ちゃんとした休みと言った休みもなかなか取れず、いつも俺や律子に引っ張られて仕事に向かっていた。
「プロデューサー。あの……いま大丈夫ですか?」
「ああ、千早か! すまない、今からすぐまた出なくちゃいけないんだ。また今度でいいか? ほら、亜美、真美行くぞ」
「う~い。じゃあねー、千早お姉ちゃん!」
「ご、ごめんね。千早お姉ちゃん」
千早はもともと性格が(やよいに関することを除けば)しっかりしていたこともあって、ひとりで現場に行くことも少なくなかった。
“ほうれんそう”をしっかりと守ってくれる千早は、たとえそれ以外のコミュニケーションが最低限であろうとも
アイドル活動に関してはあまり大きな問題は起きなかったのだ。
もちろん、俺はわかっていた。このままではいけないし、こんなやり方は俺の望むところじゃない。
しかしながら、亜美と真美はやはり何かと世話を焼いておかないとどこで問題を起こすかわからないからな……。
本当はもっとひとりひとり見てやりたいところなのだが、しばらくはこのままになりそうだ。すまない……。
「……忙しそうね、あのふたり」
「しょうがないよ。今はもう、うちの看板だもんね! 私にももっとたくさん、お仕事来ないかな~。
……あみまみあまみとか、いいんじゃないかな……」
「…………」
「ふふ、そんなに心配? 千早ちゃん」
「ええ。……真美、大丈夫かしら」
「真美? そりゃ真美もだけど……どっちかと言えば、竜宮小町もやってる亜美のほうが大変なんじゃない?」
「…………」
律子との衝突は何度もあった。
最初に亜美を売り出していたのは律子プロデュースの竜宮小町であったし、
あとから現れた双子デュオの予定によって調整せざるを得なくなったスケジュールも多々あったのだ。
「プロデューサーは亜美のことを何も考えていないんですか? 倒れてからでは遅いんですよ」
まったくもって律子の言うとおりであった。
しかしながらあみまみの反響が非常に大きいことは事実としてそこにあり、
もはやうちの看板と言ってもいいくらいに成長してしまっていた。
ここで急に、亜美の属するユニットのうちどちらかの手を抜くわけにはいかない。
まだまだ大きな事務所とは言えない765プロにとって、ここは正念場であった。
律子ももちろんそのことは理解していたため、無理に双子の活動をやめさせるようなことはしなかった。
「亜美の様子がおかしくなったら、そこでまた今後について話し合いましょう」
これが俺と律子が幾度も議論し合って出した結論であった。もちろん俺としても異存はない。
亜美の様子を注意深く観察することは、俺にとって毎日の習慣となっていた。
彼女はプライベートではわりとちゃらんぽらんな態度をとっているが、ここぞという時には無理をしてしまうのだ。
体調を崩していないか?
風邪になったら大変だ。俺が暖めてやる。
疲労は溜まっていないか?
マッサージをしてやろう。体の隅まで気持ちよくしてやるぞ。
化粧の様子がいつもと変わっていないか?
どれ、もっと近くに来てよ~く見せてみろ。もっと、もっとだ。
月のものはちゃんと周期ごとに来ているか?
最後に来たのはいつかちょっと教えてくれ。来月いつ来るか計算してスケジュール調整するから、それ以外の意図はないから。
「兄ちゃん、亜美のこと心配してくれるのは嬉しいけど、それはセクハラの域っしょー!」
亜美のことを想う俺の純粋な気持ちは、残念なことになかなか彼女には伝わらなかった。
やはり亜美にとっても、今は難しいお年頃なんだな。
春香は恥ずかしそうにしながらもちゃんと教えてくれるというのに、どうやら同じ十代女子でも様々なパターンがあるらしい。
俺はまたひとつ新しいことを知り、プロデューサーとして成長できたと思ったものだ。
しかしながら俺の目には、口ではなんだかんだと言いながらも常に元気に仕事をこなしている亜美の姿が映っていた。
それは俺と同じように亜美のことを心配していた律子にとっても同様の印象であったようだ。
体に蓄積された疲労は決して少なくないだろうに、亜美はいつだって太陽のような笑顔だった。
「いおりんやあずさお姉ちゃん、りっちゃんとはもう付き合い長いっしょ? だから息ぴったりだし、あんま疲れることないよ!」
「真美とふたりでの仕事は家や事務所にいるみたいで超リラックスできるし、やっぱめっちゃ楽しい!」
「だから亜美、いま絶好調って感じっ! まだまだいけるよ→!」
異常とも言える量のスケジュールをこなしながら、亜美は亜美でどんどん成長しているようであった。
「兄ちゃん……大丈夫? 兄ちゃんこそ疲れてない?」
と、これは真美の言葉。
いつもは亜美と一緒にイタズラを重ねる真美だが、こうしてふたりでいるとき、彼女はこんな風に俺のことを心配してくれるのだ。
その日はずっと雲がかかっていて、いつ雨が降り出してもおかしくないような天気だった。
真美はそんな曇った空模様のように顔を暗くしている。
心配をかけさせるわけにはいかないと思った俺は、少しばかり強がってこう言った。
「大丈夫大丈夫、なんくるないさ。それよりも亜美だよ。あいつ、本当に無理していないだろうな……」
亜美の言うとおり、本当にまだまだいけるのだとしたら末恐ろしいことだ。
現状は物理的に考えてこれ以上スケジュールを埋めることはできないが、
このままいけば間違いなく、亜美は765プロの柱となる存在になる。
「…………ふぅん。すごいね! 亜美はね!」
しまった、と思ったときにはもう遅かったようだ。亜美のことばかり話していて、真美はどうやらいじけてしまったらしい。
「いじけてなんか、ないもん! コドモ扱いしないで! 真美はもう、中学生なんだよ!」
怒りで頬を膨らませている真美を抱きしめ、ごめんなとささやく。
真美も一生懸命頑張っているのは俺が一番よく知ってるよ。だから機嫌を治してくれ、可愛い顔が台無しだよ。
「あ……んわぁ……。……ふ、ふん!」
真美の頭を撫でながら、勝ったこれはいける! パーフェクト・コミュニケーション確定っ!
と思ったが、真美はすぐにぷいと顔を横に向けてしまった。
オトナな真美は一筋縄ではいかないらしい。
「そんな態度とるんだったらさー、真美のこと愛してるって言ってよ!」 5・4・3・2……
「愛してるよ、真美。世界で君のことしか見えなくなるくらいに、君に夢中だ」 ピピッ
「…………」
真美の様子がおかしい、どうやら余計に怒らせてしまったようだ。選択肢を間違えたか……。
「……人の気も知らないで……ばかにすんなよ~……」
しばらく時間が経ち、真美はようやくこっちを向いてくれた。そしてジト目のままいつものように、唇を重ねてくる。
真っ暗で、世界の色彩がきちんと働いていないような、そんな冷たい部屋の中。
そのとき俺と真美は、ただお互いを慰めるだけの、“ごまかし”のキスを繰り返していた。
「真美、悪い子だよ。兄ちゃんをこーやって独り占めしてる」
「なのに……兄ちゃんに最近気にかけてもらってる亜美に、嫉妬しちゃってるんだ」
「そのうえ、兄ちゃんから本当に好きだと思われたい、なんて期待してるんだよ~……」
ふたりでいるときの真美は、いろんな意味で別人かと思うほどべたべたと甘えてくる。
しかし一方で事務所などでみんなといるとき、そして亜美がいないとき、
彼女はとても恥ずかしがりやの少女に姿を変えてしまっていた。
『に、兄ちゃん! みんなの前で……そんな、ん……そんな風に撫でないでよ……は、恥ずかしい』
ちらちらと周りを伺いながら、しばらくするとうさぎのようにぴょこぴょこと逃げ出してしまうのだ。
どうやら彼女は、“男性と接している自分が、周りからどう見られているのか”がとても気になるお年頃らしい。
思春期真っ盛りって奴だ。ふたりっきりのときの態度はその反動かもしれない。
どの口が言うんだと思われてもしかたないが、俺と真美は恋人同士ではないし、なってはならないと思っていた。
アイドルとして、プロデューサーとして。そもそも俺は、真美に対して特別な感情は抱いてはいないのだ。
これは彼女に何度も繰り返し言い聞かせてきたことだ。
「わかってるよーだ……」
真美はこの件についてこれ以上何も触れず、「疲れたから、もう寝るね」と言ってベッドに潜ってしまった。
彼女が眠りにつくのを見届けたあと、俺も寝るための支度を始めた。
汚れた食器を洗い、シャワーを浴びて汗を流し終わると、
ベッドから少し離れた場所にあるソファに腰掛けながら明日のスケジュールを確認する。
真美はオフだが、俺は響のグラビアと真のテレビ出演、二件の現場に付き添うことになっていた。
一日の流れを脳内でシミュレーションしたあと、今日やるべきことのすべてが終わった俺は布団の中へ潜り込んだ。
「俺が真美に対して、してやれることは……」
これまでどおり、いやこれまで以上に、真美のことをもっともっと輝かせてやる。
それしかない。それが唯一にして最大の、真美への恩返しだ。
そうしていつものように眠る真美の頬に口付けしようとすると、彼女の様子が少しおかしいことに気が付いた。
「真美、泣いている……?」
真美は涙を流しながら、うなされていた。顔には苦悶の表情が浮かんでいる。
「真美……おい、真美」
「う……うぅ……あ、あみ……」
亜美? 亜美がどうかしたのか?
いくら声をかけても反応がないので、とても深く嫌な夢を見ているということがわかる。
起こしてやるべきだろう。悪夢を払い、思いっきり抱きしめてやらなければ。
真美を安心して眠らせてやらなければ、俺の生きる意味はないのだから。
真美のことを起こそうとして、その肩に手を伸ばしかけた瞬間のことであった。
「ごぇんね……ご、ごめん、ね……」
「ピヨちゃん……」
「!!」
どのくらい呆然としていたか正確にはわからないが、それほど長い時間ではなかったと思う。
気が付けば真美の表情は少しだけ安らかなものになっていた。
俺が手を貸さずとも、悪夢はひとりでに消えてしまったらしい。
これなら、わざわざ眠りから覚ましてやる必要はなさそうだ。
「…………」
俺は一体、何をしているのだろう。真美は何を考え、誰を想い、涙を流していたのだろう。
俺は自分で思っている以上に、真美のことを何も知らないのかもしれない。
真美にとって、悪夢のひとつも消してやれない俺は、必要な存在なのだろうか。
真っ暗闇の部屋の中、窓ガラスの向こうに見えるどんよりとした曇り空を眺めながら、
俺はずっと真美のことを考えていた。
しかし、鳥たちがさえずり朝の到来を伝えるまで、いくら考えてもその答えは出なかった。
――――――
―――
あの夜以来、気持ちの整理が付かないまま、俺はがむしゃらに働いた。
とにかく営業、営業、営業。他の細かい書類作業など、事務所や家に帰ってからいくらでも出来る。
とにかく、もっと、もっと。
もっと真美をアイドルの高みに連れて行ってやる。
それが真美のためになるのだと、俺は思い違いをしていたのだ。
――ただ、自分でいたいのに……ただ、笑っていたいのに……――
ある日真夜中に目を覚ました俺は、隣で眠っていたはずの真美がいないことに気が付く。
慌てて周りを見渡すと、彼女の姿はすぐに見つかった。
いつの間にか布団から抜け出していたらしく、真美は窓のふちに腰掛けながら静かに月を眺めていた。
そよそよと風が吹き、開け放たれたカーテンと何も縛られていない彼女の髪をやさしく揺らしている。
真美、と声をかけようとしたが、すんでのところで俺はそれをやめてしまう。彼女は小さな声で歌を歌っていた。
月の光を舞台照明にして歌う彼女の姿があまりにも儚げであったため、俺は少し動揺してしまったのだ。
そのあとも彼女はいくつかの歌を歌っていたが、ついに俺には声をかけることが出来なかった。
――――――
―――
俺と真美の歪な関係は、その後も続いていく。
しかしいくら抱きしめようとも、いくら唇を重ねようとも、真美が何を思っているのか
その頃の俺にはよくわからなくなってしまっていた。
いやそんなもの、もしかしたら最初からわかっていなかったのかもしれない。
しかし、俺にはこの関係を終わらせることは出来なかった。
俺の頭は真美に関することでいっぱいになっていたのだ。
真美はどうしたら笑ってくれる? どうしたら喜んでくれる?
そのどれもが、俺には何もわからなかった。
双子ユニットの人気も、その勢いを落とすことなくさらに大きくなっていた。
真美のことが765プロのアイドルの中で一番好きだ、というファンの声は半年前とは比べ物にならないくらいに多くなっている。
そしてついに、その日がやってきた。
「おめでとう、ふたりとも!」
彼女たちの出したCDの初日売り上げが、とうとう竜宮小町の持つ記録を超えたのだ。
『打倒 竜宮小町』であった俺の目標は、ここでひとつ達成することになる。
律子はとても残念がっていたが、やはり亜美や真美の成長が嬉しいようで、最後には素直に祝福してくれた。
しかし、竜宮小町のCDは軒並みロングランする傾向にある。
話題を集めやすいあみまみが初動で勝ったとはいえ、まだまだこれからだ。
ここでひとつ、褌を締めなおさなければ。
俺が倒れたのは、そんな風にろくに睡眠もとらずに飛び回っていたときだった。
――――――
―――
「兄ちゃん……」
病院のベッドで目を覚ますと、まず最初に白い天井が見えた。
上半身を起き上がらせてふと顔を横に向けると、真美がベッドの傍らにある椅子に座ってこちらをじっと見ていた。
綺麗なオレンジの夕焼けに照らされていたが、ちょうど逆光の位置だったので、その表情は読み取りづらい。
お前、こんなところで何をやっているんだ? 今日はレコーディングだろう?
「レコーディングなら昨日ちゃんと終わったよ。兄ちゃん、丸一日寝てたんだから」
そんな、じゃあ今日の予定はどうなったんだ?
まさかこんなことになるとは……俺は再び、あのときのようなミスをやらかしてしまったのか。
「兄ちゃんの仕事は、社長さんが代わりにやってくれたよ。何も心配ない。だからまだゆっくり休んでて……おねがいだから」
「そういうわけにもいかないだろう……明日からまた復帰しなきゃ」
「……兄ちゃん!!」
ばちん!
と気持ちの良い音がすると、俺のことを強く睨んだ真美が(あまり迫力はないが)椅子から立ち上がり、ぷるぷると震えていた。
どうやら俺は、真美に平手打ちをくらったらしい。意外に力あるんだな……。
「……ぶっちゃってごめんね。でも兄ちゃん、過労で倒れたんだよ。
だから、少しでも栄養とって休むことが、一番の復帰への近道なんだから!」
真美は力いっぱい一生懸命に眉間にしわを寄せたまま、腰に手をあてている。
これはいけない、真美の怒りのポーズだ……。
しかし過労か、いつの間にか俺も年取って体力をなくしていたのかもしれないな。
だがこんなもの、お前や亜美の疲労に比べたらなんてことないぞ。俺が休んでいていいわけがない。
「たしかに、明日には退院できるってお医者さんは言ってたみたい。けど、兄ちゃんは明日から3日間お休みだよ。
これは社長命令、ってやつ。 従わなきゃ、クビ、だって……」
ちらちらと目を逸らしながら、真美は俺に告げた。きっとクビのくだりは真美の嘘なのだろう。
そんなに心配することもないのに……というのが正直な感想であった。
しかし、社長命令となればそれに従わざるを得ないようだ。
「真美……ごめんな。こんな大事なときに、俺が倒れちまって」
「大事なときとか、そんなのどうでもいいよ!」
「どうでもいいことあるか……」
「真美が謝ってほしいのはっ! ……ううん、ごめん、なんでもない」
その後、面会時間の終了に従って真美はとぼとぼと帰っていった。
真美がいなくなると、急に猛烈な眠気がやってくる。さっき目覚めたばかりだというのに……。
それに抗うだけの体力も残っていなかったらしく、俺はすぐに眠りについてしまった。
――――――
―――
夢の中で、俺は今と同じように病院のベッドに横たわっていた。
ただし、その症状はまったく異なる。俺は全身を複雑骨折していたのだ。
これは……いつのことだろう?
ああそうだ、俺はあのとき春香の舞台練習の様子を見に行き、そこで……奈落に落ちたのだった。
春香は無事か? ああよかった、様子がおかしかったから心配したぞ。
なに、心配いらない。ちょっと大げさすぎるんだよな、みんな……いてて。
そこは朝の光が暖かく差し込む病室。
俺の横から、しゃりしゃりとりんごの皮をむく音と、柔らかい声が聞こえてくる。
「ダメですよ、プロデューサーさん。ちゃんと休んでなきゃ……」
この声は、誰の声だろう?
とても安らかな気持ちになれる。
ああ、きっと俺はこの人を愛していたんだ。
あなたは……今どこにいるんですか?
俺? 俺は……あれ?
――――――
―――
朝起きると、泣いていた。
いつものことだ。
……っていうのは何の本の言い回しだったかな。まあ、とにかく翌日だ。
病院でのあれやこれやの手続きを済ませてから、俺は公衆電話を使って事務所に連絡を入れた。
「こんなことになってしまってすまない、なるべく早く復帰してこの分を取り戻す」
社長と律子に対してこのようなことを伝えると、ふたりはこう返してくれた。
「そんなこと言ってないで、いい機会ですからしっかり休んで治してくださいよ! みんな心配しているんですから」
「いや~なあに、こちらのことは何も心配いらないよ。私にだってプロデューサー業の心得はあるのだからね。
なんなら3日と言わず、とことんまで休んでから復帰してくれたまえ!」
ふたりとも小言ひとつ言わず、俺の身の心配をしてくれていた。本当にありがたいことだ。
電話の向こうで美希が「ハニー、ハニーなの!?」とか「ミキもう死ぬの!!」とかなんとか言っていたような気がする。
が、気が付けば電話はもう切れてしまっていた。
まああいつは、だいじょうぶだろう……それはもうだいにんきだからな。
そのあと、携帯電話に送られてきていたみんなからの大量のメールをあたたかい気持ちで読みながら、俺は帰宅することにした。
ちなみにそのメールの大半は美希からのもので、その数実に86件。はは。
今なお送られてきているのでその件数はさらに数を増やしている。
美希の深い愛に感動しながら、俺は携帯電話の電源を切り、そっと閉じた。
雲ひとつないからりと晴れきった空の下、俺は春の光をいっぱいに浴びながら歩いていた。
自宅と病院との距離は決して近くはなかったが、
有り余る時間を潰すことと体力を取り戻すことの両方を兼ねた根性のウォーキングだ。
そんな事情もあってか、帰りがけにスーパーで食料品やトイレットペーパーなどを数点買い込んでから
ようやく自宅へとたどり着いたのは、時計の針が17時に差し掛かろうとしていたころであった。
荷物はあまり多いほうではなかったのだが、少なくない量の汗が自然と流れてくる。
「……あれ?」
玄関の鍵を開けドアをくぐると、俺はなぜか不思議な感覚に見舞われてしまった。
たった二日間だけしか空けていなかったのに、誰か別の人間が住んでいるかのような違和感を感じる……。
俺、こんなに部屋をごちゃごちゃにしてからあの日家を出たっけ?
見覚えのないポテト・チップスの袋がなぜゴミ箱に入っている?
まあ気のせいだろう、きっと自分でも気付かないうちに買って食べていたのだ。
部屋を片付けながらさて3日間何をしようかなと考えていると、突然ドアががちゃりと開いて誰かが入ってきた。
あれ俺、ちゃんと鍵閉めたよな?
ま、まさか泥棒!?
「ただいま~。あ、兄ちゃんおかえりー!」
そこにいたのは、真美だった。とてとてと部屋に入ってきて、小さなハンドバッグを椅子の背にかけている。
「もう、ケータイ切ってたっしょ! 何回も電話したんだからね!」
それはいつも通りのかわいらしい真美そのものであり、彼女はとても自然体だった。
あれれ、この子いまどうやって入ってきたんだろう? がちゃり? え、鍵?
真美はまるで自分の家、自分の部屋にいるかのように服を脱いでいく。
そして「今日は太陽サンサンであちーっすね! あ、見てこれ~。退院祝いのゴージャスセレブプリンであるぞっ!」などと言いながら、
これまた当たり前のように俺のベッドの上に脱いだ服を投げかけていった。
「……お、おい、真美?」
「どったのー? ってきゃあ! み、見ないでよ! 兄ちゃんのえっちー!」
「す、すまん!」
あれ、俺なんで謝っているんだろう。着替えを見ちゃったからか、そうだよな。
いつの間にか、運動によって流れてきていたはずの爽やかな汗は、冷や汗という形に姿を変え俺の背筋を伝っていた。
まあ美希じゃないだけよかった……と思い、そして俺は、こやつめ! という顔をして笑ったのだった。
当然いつまでも笑ってやるわけもなく、俺は今、フローリングの床の上で正座をしている真美に説教をしている。
「……で、なんで家の鍵を持っている? 渡してなかったよな?」
「こ、こないだ泊まったとき、合鍵を失敬しまして……」
「くぉおおら!! それは犯罪! わかる!? は・ん・ざ・い!!!」
「は、は・ん・ざ・い!!」
着替え途中だったので、真美はまだ半分下着姿のままだ。そんなことはどうでもいい。
これだからゆとりは……いい具合にほどよく出るとこ出して、かつ引っ込むとこは引っ込んでいやがる。
引っ込んでばかりの千早に謝れ、と言ってやりたい。まるでけしからん。
縮こまる真美の体をちらりちらりと見ながら、俺は説教を続けた。
怒られたことで少々気まずくなってしまったのか、夕食をふたりで食べている間、真美はずっと静かだった。
俺が冷蔵庫に入れられていたゴージャスなんとかプリンを2個続けておいしくいただいているときも、
真美は何やらもの欲しそうな顔をしていたが、「あ、あぁ~……」とぼそぼそしているだけで特に何も言ってこなかった。
おや、これはなかなかどうしてうまいもんだ……例の悲しい事件の犯人の気持ちも、今ならわからないでもなかった。
「きょ、今日は泊まるもん」
真美がようやく人の言葉を取り戻したのは、俺がシャワーでも浴びようかと思ってよっこいしょういちっと立ち上がったときだった。
家に帰らされるのかと思ったのかもしれない。
正直に言って俺も真美は今日泊まるものだと思っていたので、ふたりの意見は一致していることになる。
そっか、じゃあ特に何も言わないでも大丈夫だろうな。
そう思った俺は黙って浴室に入っていった。
シャワーを浴びてひとまずすっきりすると、真美はとても神妙な顔つきになって再びフローリングの上で正座していた。
あれあれ? なんだ、どうして泣きそうになっているんだ?
と俺は思ったが、とりあえず彼女の様子を黙って見ることにした。
「に……兄ちゃん……。ま……まだ怒ってる? ごめん、ね……」
そう言うと、真美は今度こそしくしくと静かに泣き始めてしまった。
俺はとても驚いてしまい、慌てて真美の近くに駆け寄る。
「おい、どうした! 何があったんだ!」
「に、兄ちゃんに嫌われたぁあ゛~~!!」
また何かおかしなことを言っている。真美を嫌いになるわけないだろう!
「う……えぐっ……ほ、ほんとう?」
「だって、兄ちゃん、ずっと真美のこと無視してるから……」
俺が真美のことを嫌いになるなんて、天地がひっくり返ったって、千早の胸が大きくなったってありえない。
そう言って俺は未だに正座を続ける真美のことを強く抱きしめてから、随分久しぶりに……キスをした。
「すまんすまん、ちょっと意地悪しすぎたよ……ごめんな、真美」
「ぅあ……。……んむ……。……こ、こんなんで許されるかと思ったら、大間違いなんだから」
本当の本当に、嫌われたかと思ったんだからっ! と真美はぷんすこしている。じゃあどうしたら許してくれるんだ?
「も、もういっかぃ……んんっ!?」
言い終わる前に、俺はもう一度真美の唇を塞ぐ。
長くて深いキスを終えると、真美の顔はまるで熟れたトマトのように真っ赤になっていた。
息も少し荒くなり、髪も乱れ、とても扇情的だ。
「……えへへ、だいすき~」
……。
ちょいちょい72をいじるのはやめたまえ
真美の機嫌も治ったところで、俺と彼女はふたりで並んでソファに座り話をしていた。
「兄ちゃん、なんだか、すっきりしたね」
「まあ、今風呂入ってきたばかりだからな……」
「そういうんじゃなくて! ん~、どう言ったらいいのかなぁ。ツキ物? が落ちたっていうか」
憑き物、か。確かにそうかもしれない……ここのところ休む間もなく働いていたからな。
ほぼ2日間丸々眠ったことが、真美にそう印象付けさせているのだろう。
「あと喋り方とかもさ……なんだか、前の兄ちゃんみたい」
「そ、それになんだか、いつもより積極的だし……」
それに関しては原因がわかりきっている。禁欲の時間が長いほど、男は積極的になり女を求めるのだよ。
もちろんこんなこと真美には言わないが。
「ね、ねえ兄ちゃん。ちょっと気になるんだけど……その、ズボンがさ」
しまった、と思ったときにはもう遅い。こんなこと何度目だろうか……。
ボクはここにいる! と自己主張を続ける下半身は、俺の秘めたる熱くたぎる気持ちを何よりも雄弁に語っていた。
仮に言葉にしなかったとしても、俺の意思とは関係ないものなのだ。
先ほども言及したように近頃はひとりでする機会もなかったからこうなっているだけで、決して俺がロリコンだからというわけではない。
しかし、いつもなら見ても見ないフリをしてくれるのに、一体どうしたんだ。
「……ねえ、兄ちゃんさえよければ、真美は……」
「あほか……」
「で、でもでも!」
そう言って、真美は俺に抱きついてくる。やめろよ……。
「抱きつくのはいつものことじゃん……兄ちゃん、兄ちゃんのここ、なんだか」
「やめろって」
「は、張っちゃってさ、苦しそう、だよ……。真美、兄ちゃんのためなら……」
そう言うと、真美は俺の下半身に手を伸ばしてきた。
「っ!!」
ばしっ! と、思っていたよりも強い力で、真美のことを振り払ってしまった。やってしまった……。
突然のことに、真美はひどく動揺しているようだ。俺は慌てて真美の体を抱き起こしてやる。
「? ……!? う…うぅ……う……うぇええ゛えん!!」
また、真美は泣き出してしまった。泣かせてしまったことに対して申し訳ないという気持ちはあったが、
(一体、本当にどうしたんだ、こんなに、こんなに情緒不安定な子じゃなかっただろう!?)
という思いがあったのも確かだった。
考えてみれば今日は、最初から……いくら鍵を持っていたとしたって、チャイムも無しにいきなり入ってくるか?
俺が留守にしている間、勝手に部屋に入ったりするか?
こいつは真美だぞ、美希じゃないんだ!
どこか……いつもとは違う、様子がおかしい。
「ま、まみね……兄ちゃんのこと、だいすきなんだよぉおお……」
「ああ、わかってる……ありがとうな」
「わがってない! ぜんっぜん! わかって……ない゛もん……ずびびっ」
真美が何を言わんとしているのか、俺にはまだよくわからなった。
しかし次の瞬間、俺は頭をがつんと叩かれたような衝撃を受けることになる。
「に……にい゛ちゃんが……」
「ううん、ちがう! にいちゃん“も”!! ……し、しんじゃうかと、思ったんだからぁあ!!」
「!!」
俺は……なんて馬鹿だったんだろう。
泣き続ける真美に対し、ひたすら抱きしめてやることしか俺にはできなかった。
しばらくすると、彼女の感情の高ぶりは少しずつ収まってきたようで、ぽつぽつと話し始める。
「兄ちゃん、ずっとずっと、無理してた」
真美が言うには、こうだ。
俺はここのところ、ずっと切羽詰った顔で無理して働いていた。
その大半は双子ユニットに関する仕事であったため、真美は自分のせいで俺がしんどくなっていると思ったらしい。
しかしながら真美にはそれを止められず、ただ俺が持ってきた仕事を上手にこなすことしかできなかったのだという。
「言ってくれればよかったのに……」
何か思うことがあったなら、どんな小さいことでも“ほうれんそう”。俺が常にアイドルたちに言っていることだ。
「そんなことしても……きっと兄ちゃんは、そんなことないぞーって言って聞いてくれなかったよ。
兄ちゃん、自分のことにはてんで鈍感なんだから」
……たしかに俺自身、きっとそうしていたと思う。実際倒れるまで自分の体はまだまだ大丈夫と思っていたからな。
アイドルに心配をかけさせるなど、あってはならないと思っていたのに。
何度も同じようなことを繰り返す、未熟すぎる自分に腹が立ってしまう。
「兄ちゃんが倒れたって聞いたとき、真美がどんな気持ちでいたかわかる?」
「…………」
俺は黙ってしまった。きっと、今の俺は真美のことを何もわかっていない。
「兄ちゃんは、さっきも言ったけどさ。真美のこと、なんもわかってないんだよ……」
「……そうかもしれない。すまない、真美……」
俺はなんだか、とても悲しい気持ちになってしまう。これは最近、ずっと考えていたことでもある。
俺は真美のことを……本当に、何も理解してやれていないのだ。
真美はきっといつか、こんな、俺に見切りをつけて……
「ってちょ!? 兄ちゃん、なんで泣いてんの!?」
「え?」
気が付けば涙が流れていた。
真美を泣かせ、悲しい気持ちにさせたこの俺が、涙を流している。わけがわからなかった。
「は……はは。すまん、あれ……とまらないな……ご、ごめんな」
涙はなかなか止まらなかった。俺はなんで泣いているんだろう? 涙が出る直前に、何を考えた?
「う……うそ。真美、兄ちゃんを……それで、兄ちゃんは……。な、泣かせるつもりなんて、なかったのに……嘘。や、やだ」
「あ……ああ……ごめぇえん……泣かせてごめんね、兄ちゃあん……!!」
そして結局、真美の方まで泣き出してしまう。
なぜ謝られているのかわからなかったが、真美が涙を流している。
その事実だけで、さらに多くの涙が俺の目から溢れ出してきた。
――――――
―――
何時間、そのままでいたんだろう。
日付も変わろうかとしているとき、ようやく俺たちは落ち着きを取り戻した。
涙と鼻水で顔はぐしゃぐしゃだ。
そのときすでにお互いに、何度ごめんねを繰り返したかわからなくなっていた。
それが何に対する謝罪なのか、とっくにその意味合いは失われてしまっていた。
「真美。俺たちには、いろんなことをちゃんと話すことが必要なんだと、思う」
「……そうだね」
「……お前がこうやって俺のそばにいてくれるから、俺は俺でいられるんだ。
だから俺は、真美の考えていることをもっと知りたい。真美には、俺の思いを知ってもらいたい」
「……うん」
「それじゃあ、まずは真美から……」
そして真美は話し始めた。
あの日から、今日まで。真美がどんな気持ちで、どんな思いで過ごしてきたのか。
彼女は誰を想い、誰のために泣くのか。
次から視点が一時的にP→真美になります。
口調とかもうおかしすぎてやばいので受け付けなかったら……ごめんね!
――――――――――――
――――――
―――
いつからだろ、こんな気持ちを抱くようになっちゃったのは。
いつからだろ、兄ちゃんのことを……こんなに好きになっちゃったのは。
でもま、実は“いつから”なんてそんなことはどーでもいいんだけどね。
初めてのちゅーが、なんだか想像してたよりもあんまりロマンチックなものじゃなかったように、真美にとって“最初”というものは、
スバらしく理想通りになるもんじゃないんだって、最近はちょっとあきらめ気味なんだよ。
「…………本当に、すまん」
ってうそうそジョーダン! そんな顔しないでよ兄ちゃん!
……でも、この“最初”だけは、はっきりと覚えていなきゃいけない。
忘れちゃいけない。
真美の、後悔のはじまり。
「最初に言っとくね」
「真美は、あのとき――ピヨちゃんのお葬式のとき、兄ちゃんとキスしたこと、ずっと後悔してたんだ」
真美がそう言うと、兄ちゃんは真美が思っていたよりずっと大きく驚いちゃったみたいで、
悲しい気持ちを隠そうともせずにまた謝ってきた。
「……すまない。こんな俺のために、これまで嫌々ながら付き合ってくれていたんだな」
今日何度目かわからない、兄ちゃんのごめんね。
……って勘違いしないでー! きっと兄ちゃんが思っているような“後悔”じゃないから!
鈍感にもほどがあるっしょ! ……って思ったけど、いまのは真美にも原因あるかも。
真美は、誰かにちゃんと気持ちを伝えるのがめっちゃ苦手なんだ。
いつもはどーしてもちょっとふざけた感じになっちゃうし、シリアスモードだとなんだか、うっう゛ー!!! ってなる。
「あのときの兄ちゃんはほんときつそうだった。
悲しむこともできないし、受け入れることもできないし、うまく涙を流せないでいたよね」
真美はそんな兄ちゃんのことを見ていられなくて、自分でも上手に泣けないでいたにもかかわらず、
兄ちゃんの力になれたらなーって思ったんだ。
でもそれは今思うと、兄ちゃんにとって、余計なお世話だったんだよ。
「余計なお世話なんてことはない! ……俺はあのとき、本当に救われたんだ」
そう言ってくれると真美の心も少しは軽くなるってもんだよ。……けど、キスという方法は間違いだったんだと思うんだ。
キスってのはなんか……いろんなことを変えるきっかけにしては、強すぎた。
「真美もほんとはあそこまでする勇気はなかったんだけど、なーんでしちゃったんだろうねー……あはは」
兄ちゃんのことが好き、ってのはもうずっとずーっと前からあったんだ。
兄ちゃんが誰か他の女の子と話していると、それがたとえ亜美でも、胸が張り裂けそうになったの。
最初はこれがなんなのかいまいちよくわかんなかったけど……ピヨちゃんが教えてくれたんだ。
――真美ちゃん、それはきっと、プロデューサーさんのことが好きになっちゃったのよ。
真美ちゃんはいま、初めての恋をしているの。
そっか、これが恋かー! って、真美はなんだかうきうきしちゃってた。
兄ちゃんと手を繋いだり、ぎゅーってしてもらったり、キスをしてもらったり……。
こんなことを想像すると、今まで苦しかっただけの胸の痛みが嘘みたいに、とってもあったかいものになったんだ。
「まあそれでもその時はなかなか素直になれなくて、ついつい兄ちゃんのことを避けてしまう真美くんなのであった!」
あはは! ……はぁ~……。
「でも、ま……」
それからはとにかくずっと兄ちゃんのことばっか見てた。避けながらもね!
兄ちゃんと話すたびに、嬉しくなったり悲しくなったりしてたんだ。
でもでも、そのときにはもう兄ちゃんとピヨちゃんは恋人同士だったんだよね。
真美はまだまだ子供だからよくわかんないけど、ピヨちゃんはどうしてそれを――この気持ちの正体を、真美に教えてくれたのかな。
真美がピヨちゃんの立場だったらそんなこと黙ってるのに。
とにもかくにも、今思うと真美はずいぶんピエロだったよねー……ピヨちゃんの悪女! なんてね。
それでそのうち、おや? って思ったんだ。何がって~?
んっふっふ、それは兄ちゃんとピヨちゃんの不穏な空気にだYO!
――ねえ、ピヨちゃんってさ、彼氏とかいるのー?
――え? えええ? な、なにを言ってるのかしら真美ちゃん!
こんな年増をもらってくれるぷ……男性なんていないわよ! いたらしょ、紹介してほしいわ!
――へ→。じゃあさ、兄ちゃんに彼女がいるかどうかって知ってる?
――さ、さあ~……こ、今度機会があったら聞いてみるわね!
でもプロデューサーさんかなり鈍感なところあるから、きっといないんじゃないかな~……。
――へ→。ねえピヨちゃん、なんでさっきから汗だくで目を逸らしてるの?
――ピ……ピヨピヨ……。
真美はそれを聞きながら、おやおやおや? って思ってた。
ピヨちゃんは確かに兄ちゃんとの関係はなんも言ってなかったけど、この事実は真美だけじゃなくて、誰でもわかったかもね……。
「後悔したってことに戻すね。あのときのキスは、これから起こる悲しい事件のきっかけに過ぎないのであった……」
間違いなく、あのお葬式でのキスから、真美たちの関係は変になっちゃった。
さっき兄ちゃんは言ってくれたよね。真美がこうやって俺のそばにいてくれるから、俺は俺でいられるんだ、って。
それでも……。
「それでも、兄ちゃんはね。ピヨちゃんが死んじゃったことと、もっとちゃんとしたカタチで向き合うべきだったんだよ」
「それが……真美の後悔」
真美はそれを邪魔しちゃった、真美のせいで。
「真美のせい?」
「うん。真美、自分でも怖いくらいに、どんどん兄ちゃんのこと……す、好きになっちゃってたんだ」
「何度目かわからないほど兄ちゃんとキスをしたとき、真美はようやく後悔し始めたんだ」
これは決して、正しくない。
兄ちゃんは口ではなんだかんだ言いながらも、真美のために尽くしてくれた。仕事面でも、プライベートでも。
でも気が付けば、兄ちゃんの様子は日に日におかしくなっていってた。
「様子がおかしいって、そんなことなかったと思うけどな……」
「おかしかったよ……前の兄ちゃんだったら、あんなに」
「あんなに亜美に、きつきつなスケジュール組ませなかったじゃん」
「真美は……いや、真美だけは、知ってる」
亜美は、兄ちゃんとりっちゃんの期待に応えようとして毎日毎日……本当に必死だった。
それでときどき、真美しか知らないことだけど、ちょっと変になっちゃったりしてた。
亜美は亜美なりに……ピヨちゃんが死んじゃってから、何か思うところあったのかも。
ラッキーなことに大きく体調崩したりはしなかったけど、ひたすら疲れを隠して仕事してたんだよ。
うちに帰るとすぐ死んだみたいに寝ちゃってたしね。
「そんな……亜美、俺は……何も、何も知らずに、気付いてやれずに……」
「亜美に口止めされてたってのもあるけど……それ知ってて、兄ちゃんに何も教えなかった真美も悪いよ。だから……泣かないで」
「う……うぅ……亜美、すまない、すまない……!」
兄ちゃん、今日はちょっと泣き虫? ……だけどやっぱり、優しいね。そして真美は……やっぱり卑怯だね。
「もうやめよう、って真美が兄ちゃんに言えば、この関係も終わり。
いろんなことが少しだけ、前みたいに戻ってくるってのはわかってた」
でももう、そんなことできないくらい、真美は兄ちゃんなしでは生きられなくなっちゃってたんだ。
兄ちゃんとのキスはきっと、お互いスキスキーって感じの、ラブラブなものじゃなかったんだと思う。
たぶんそれは、そうでもしないと自分のカタチをちゃんと保っていられなくなるからするだけの……“ごまかし”のキスだった。
唇を重ねることで、真美たちはお互いを慰めあっていたんだ。
兄ちゃんの心は真美に向いていない、ってのは何度も聞かせれてたしね。
だけど、それでも……。
「それでも真美は、兄ちゃんにキスをねだることが……やめられなくなってた」
どんな形でもいい。真美のことを好きじゃなくたって、我慢できる。
ただ自分の居場所がほしい。
キスすることで、少しでも兄ちゃんがこっち向いてくれるなら……。
「先に謝っとく。ごめんね、兄ちゃん」
兄ちゃんは、何のことだ? という顔をしてこっちを見ている。怒るかなあ……。
「真美、ある人にね……その人もうちのアイドルなんだけど、兄ちゃんとの関係、相談しちゃってたんだ」
てへぺろ! なんてごまかしつつ、おそるおそる兄ちゃんの顔を伺ってみる。
兄ちゃんはこの世の終わりのような顔をしていた。
まあそうっすよね……でも、真美に対して怒りはしなかった。そんな余裕もなかったのかも。
そして、わずかに残ったこの世を生きる力を振り絞って、兄ちゃんは聞いてきた。
「ち、ちなみにそれは……誰なんだ?」
「……千早お姉ちゃん」
千早お姉ちゃんには、兄ちゃんとのことをほぼ全部相談していた。
真美が兄ちゃんを好きだということ、こんな関係になってしまったきっかけ、あと最近では亜美のことも……。
千早お姉ちゃんなら誰にも言わないってわかってたし、きっと真剣に考えてくれるって思ったから。
実際、千早お姉ちゃんは真美のいろんなことを聞いても、なにも嫌な顔ひとつしなかった。
千早お姉ちゃんの話す言葉は、不思議と真美の心の中にすーっと染み込んできたし、
話を聞いてもらうことで楽になった部分もたくさんあったと思う。
歌で、言葉で気持ちを伝える人って、やっぱすごいんだなーって思ったよ。
でも、千早お姉ちゃんの心に土足で踏み込むこと、真美はしちゃった……。
でもそれこそが、どうしても千早お姉ちゃんじゃなきゃだめな理由だったんだ。
それは……
深呼吸をして、真美は告白を続ける。
それは、今まで触れられなかったこと。
ふたりの間で、いつの間にかタブーになっていたこと。
誰かに助けてもらわないと、真美にはどうすることもできなかったこと。
「いまの兄ちゃんの、ピヨちゃんに対する思い」
最愛の人を亡くしてしまった、その気持ち。
真美だって、ピヨちゃんのことだいすきだったから、とても悲しいってことはわかるよ……。
けど兄ちゃんはあれから、真美と直接、ピヨちゃんに関する話をしてくれなかった。
だから真美には、兄ちゃんの今の心っていうものがわからなかったんだよ。
千早お姉ちゃんは、少し戸惑っていたけど……真剣に、ほんとうに真剣に真美の話を聞いてくれた。
――大切な人を亡くすということは、とてもつらいことだわ。
「まみ……しってるよ。兄ちゃんがときどき、ピヨちゃんのことをおもいながら、その……ひとりでしてるってこと」
「……!」
――私はプロデューサーと音無さんのことを知らなかった。まあ、なんとなく察してはいたけれど……。
だから彼にとっての音無さんが、どれくらいの大きさだったのか……
あはは。兄ちゃんびっくりしてる。そりゃそっか、男の人にとってこれって、けっこうはずかしいことらしいからね~……
――家族と言っていいくらいに愛していたのか、わからない。
だからごめんね、真美。私にはちゃんとした答えは出せないわ。
――でもね……知る方法はある。それはきっと、今の真美にしかできないことよ。
「まみ……し、しってる、よ。わかる、よ」
真美は、他の皆とは見方が違うからね!
……おや? 言葉にしちゃうと、これってけっこう自分にもダメージ大きいんだ……。
いままで、しょ~がないな~くらいにしか思って、なかった……はずなのに。
――勇気を出して、一歩踏み出すこと。プロデューサーもあなたも、今ここに、確かに生きているんだから。
あなたはひとりじゃないのよ、どんなときだって。
あの時、それを私に教えてくれたのは、あなたたちでしょう?
なんだか、また、目が、熱くなってきたし……
心臓は、さっきから、
うるさいくらいに、 ばくばくしてる
「に! にい゛ちゃんは!」
「ぴ、ピヨちゃんのこと、にい゛ちゃんはまだだいすきなんだって! そうでしょう゛!?」
「わすれらない゛っで! わがっでたもん! まみ゛のこと、だからすきになれない゛ん、だって!」
「まみ゛もぉ……まみ゛だって、ピヨちゃんのこと、だいすき、だったのにぃい゛……」
「わがっでても……でももう゛、ズビっ、にい゛ちゃんのそばから、はなれられなぐ、なっちゃっでたんだもん!」
「う、う゛ぁあ……ああああぁあああ゛あ゛あああああああん!!!!」
今日は泣いてばかりだな。
涙、こんなに流したのいつぶりだろう。
ピヨちゃんのお葬式のときから今日まで、まともに泣いたこと、なかったのかも。
「う……うぅ……ひっく……ご、……ご」
「ご、ごめんえ゛……ごぇんね、ピヨちゃぁあ゛ん……」
ごめんね……本当に、ごめんね……!!
兄ちゃんが愛していたのは、本当の本当に、最初から最後まで、ピヨちゃんだった。
それがわかっていたのに、真美はこんな形で、兄ちゃんのそばに居場所を作っちゃった。
『兄ちゃんの心の中に本当はあるはずだった、ピヨちゃんの居場所を、奪ってしまった』
真美は……その後悔と、どんな形であれもう離れたくないという確かな気持ち。
ふたつの間で、ずっとずっとぐるぐる迷ってて……いつからか、
いつも通りの自分でいることも、笑うことも、できなくなっちゃってたんだ。
――――――
―――
「ず……ずびび。失礼しました……へへ、なんだかかっこわりーねっ!」
今まで言えなかったその思いを、真美は勇気を出して、俺に教えてくれた。
真美がどれだけ真剣に、俺のことを想ってくれていたのか。
どれだけ俺のために、悩んでくれていたのか。
俺が今までちゃんと向き合えなかった、音無さんのことを、どう思っていたのか。
「ありがとう、真美」
そう言って、俺は真美を強く抱きしめる。
この感謝の気持ちを表すために、そしてこんな顔をしている俺を見せないために。
今度は俺の番だな。だが俺自身、うまく考えがまとまっていないのが現状だ。
しかしながら、ひとつだけはっきりしていることがある。“最初”に言わなくはならないことだ。
今なら……言える。
「真美」
「ん……?」
「俺は、真美のことを」
ふう、と深呼吸して、真美の体を少しだけ離す。
そして、真っ直ぐに真美の瞳を見た。
多少恥ずかしくはあったが、これだけはやはり顔を見て言わなければならないと思ったからだ。
「真美のことを、愛してる。世界でお前のことしか見えなくなるくらいに……真美に夢中だ」
真美はとても驚いた顔をしている。鳩が豆鉄砲くらった、とはこのような顔のことを言うのか。
「ま、またそうやって心にもないことを……」
ドラマや漫画などでは、ここで甘いキスなどして信じさせるのだろうな。しかしそれは使えない。
いまの俺と真美にとって、キスとはある意味、最も“ごまかし”に近い行為なのだから。
俺は自身の言葉で、真美にこの気持ちをぶつけなければならない。
「嘘じゃない。俺は、本当に真美のことを愛しているんだよ」
「そんなこと言っても、信じ、られないよ。どうせまた、真美のご機嫌取りなんでしょー?」
っかー! いっちょまえにめんどくせーことを言いやがるこの女!
少しばかり冷静さを失ってしまったが、
辛抱強さこそが女性を扱う上での必須スキルであることを思い出した俺は、ゆっくりと話し始める。
「真美、俺はな……愛にはちゃんとした形はないと思うんだよ」
「愛ぴょんは……ゲル状なの?」
「黙ってききなさい」
何を思ってかいまだに茶化そうとしてくる真美のデコをピンして黙らせ、俺は話を続けた。
「いいか、よく聞くんだ真美」
「俺の真美に対する強い気持ちは確かにここにある。
だが、俺はいっそこれが、真美に信じてもらえなくてもいいとさえ思っているんだ」
「結局のところ、愛とは自己満足であり、自分が幸せになるための手段に過ぎないんだからな」
「もちろん、相手に届くことに越したことはない。
両思い、それは奇跡だが、それゆえに素晴らしいものなのだから」
「それでも、俺は真美の笑顔を見ているだけで、胸が張り裂けそうになるんだよ」
「今まで、俺はこの感情とちゃんと向き合ってこなかった……俺は、怖かったんだ」
「真美が笑顔なら俺は天に昇るような気分になれるし、真美が泣くなら俺は海より深く絶望してしまう……」
「…………」
おや、真美がぷるぷるとしている。もう一息かな。
「もちろん……とてもつらいときだってある。しかし、それ以上に、俺は幸せなんだ」
「だからな、真美。俺はこの気持ちが真美に届かなくても、ひとりで抱いているだけでもいいと思うんだ」
「でも、ひとつだけ……ひとつだけ望むことがある」
「せめて、これまで通りに……俺のそばにいてくれないか」
「お前が嫌だと言うならキスもしない、体を重ねるなんてことももちろんしない」
「ただ真美がそばにいてくれれば……俺は明日を生きていけるんだから」
「だから頼む、真美。俺のことならいくら嘘つきと罵ってくれても構わない。だから……」
「だぁーーーー! もういい、もうわかったよ兄ちゃん! キモい!!」
そう叫ぶと、真美は俺の告白をさえぎってしまった。まだこれからだと言うのに。
真美はそのかわいらしい顔をゆでだこのように綺麗な朱色に染め、こちらをじとーっと睨みつけている。
「……ばっかみたい! ばか! ばかばか!! キモ過ぎー!!」
「そんな……まだ俺の気持ちは伝わらないのか? そうだよな、まだ半分くらいしか……」
「もういいから!! てかまだ半分だったの!?」
キモいなどと言われて少し傷ついてしまったが、本当に気持ちを伝えるのはとても難しいことなのだと俺は知っている。
だが真美は、頑なに俺の言葉を拒否しているようだ。
「……もう、もう十分わかったから……ばか」
真美はまた、言葉という概念を失った森の妖精のように黙ってしまった。
しかし俺の体にしがみついて離れないので、少しだけ心を開いてくれているのだと思う。
「なあ、真美……」
「……」
「……音無さんの話、聞きたいか?」
「……うん」
そうだな、あれはいつのことだったか……。
そう言って、俺はかつての恋人、音無さんのことを話し始めた。
「音無さんは、いつだって笑顔だった」
真美も知ってるだろう?
彼女の笑顔は、とても素敵で、いつも俺はその笑顔に救われていたんだ。
俺がずっと前――もう随分前になってしまった気がする――大きなミスをやらかしてしまったときも、
彼女は変わらず笑顔で俺のそばにいてくれた。
「――でさ、そのとき音無さんはこんなこと言ったんだよ」
音無さんとの馴れ初めやデートの様子、彼女がどんな風にアイドルたちのことを思っていたのかなど、
俺は本当にいろんなことを真美に話して聞かせた。
もちろん特殊な性癖の話は除いてな。
真美はうん、うんと相槌を打ちながらそれを聞いていた。
その顔はとても安らいでいて、リラックスしている様子であった。
「……それでな、音無さんは……」
あれ? なんだろう……話しているうちに、ちょっと顔が熱くなってきた。
いい年して照れてるのかな、はは。
「! ……に、にいちゃん」
音無さんのこと。今までこんな風に思い出したことあったっけ?
は、はは……忙しすぎて、そんな暇なかったかもな……。
「そ、それで……な。音無さんは、な、名前で……よばないで……なんて」
「もう、いいよ……兄ちゃん、我慢、しないで」
いや、ちがう……忙しいとか、そういうことじゃない。そんなことを、言い訳にしてはいけない。
俺は……ずっと、ずっと……逃げていたんだ。
――おかえりなさい、プロデューサーさん。
「あ……あ、あぁ」
――今日も大変でしたね。お疲れでしょう、いまあったかいコーヒーを淹れますね。
「大丈夫、真美が……真美がここにいるから……だから」
「負けないで……! 大丈夫だから、兄ちゃんは自分を、真美を、信じて……!」
――もう。ダメですよ、プロデューサーさん?
「今度は……“ごまかし”なんかじゃなくて! ……ちゃんと」
「ちゃんと! ピヨちゃんのことと、向き合って……!!」
「う、うぅ……こ、……こ」
「小鳥……!!」
なんで……。どうして、死んでしまった……なんで俺を、ひとりにしてしまったんだ……!
だいすきだって、ずっと一緒だって……言ってくれたのに……!!
――あなたが笑顔じゃないと、私も悲しくなっちゃいます。
わからない、わからない、どうしたらよかったんだ? どうすれば! 君を失わずに……!
小鳥、小鳥……! 俺は、君のことをほんとうに、ほんとうに愛していたのに……!
――私もだいすきです……ずっと、ずーっと一緒ですよ。
君が……君がいなくなってしまってから、俺は……!
まるで、光を失ってしまったように――
「こ、ことりぃ……ことりぃいいい゛いいいい!!!!」
――夜が闇で、空を消しても……雲が、銀河を隠しても……――
小鳥が死んでしまってから、俺は暗闇の中でひたすらがむしゃらに働いた。
そうしていないと、とても自分を保っていられなかったからだ。
ときどきこうやって小鳥の歌のことを思い出しながら、彼女の愛したアイドルたちのために生きていく。
それが、俺なりの小鳥への追悼だったのだ。
そうしていれば、俺は大丈夫。
彼女のことを忘れず、その思いを胸に今日も生きていく。
小鳥の死から目を背け、ちゃんと向き合おうとも、悲しもうともせずに。
「兄ちゃんっ!!」
そう叫んで、真美は俺のことを強く抱きしめてくれた。
涙の雨などどこか遠い空の向こうへ置いてきたかのように、その瞳には、闇を照らす暖かくやさしい光が宿っていた。
真美の、すべてを包んでくれるようなそのやさしさの中で、俺はようやく理解する。
なぜ先ほど――真美が自分のことを話す前に、俺が涙を流してしまったのかを。
そうだ。俺は……真美まで、いなくなってしまうんじゃないかと思ったんだ。
真美が俺を置いて、どこかへ行ってしまう。
それを想像するだけで、俺の心は引き裂かれるように痛くなったんだ
――小さくたって、あの花の様に……――
真美の存在はいつしか、俺の心の大半を占めるほど大きくなってしまっていた。
真美はそれを、間違った形だったと言った。しかし決して、そんなことはなかったんだよ。
――星は、光を咲かせてく……――
最初は小さな、小さな種だったけど……気付いたときには、俺の心にすっかり根を歩ませてしまっていた。
葉を広げ、茎を伸ばして、大きな花を咲かせていたんだ。
「真美。俺は……小鳥のことを本当に愛していた」
「うん」
「小鳥を失ってしまったとき、俺は自分の心の一部もまた、どこかに失ってしまったんだと思う」
「……うん」
「それを埋めてくれたのが、真美。お前なんだよ」
お前はそれを、ずっと後悔していたと言った。
しかしそれこそ間違いだ。
俺が救われたという事実は、真美を想う気持ちは、たしかに今ここにあるのだから。
「俺はこんなに、弱いんだ。もう愛する人を、二度と失いたくない。だから真美……」
「俺のそばに、いてくれないか」
「……うん!」
「兄ちゃん!」
少し鼻にかかる、甘えた高い声でそう言って、真美は俺にキスをねだってきた。
いつものこと……ではない。
いつものような、お互いにお互いを慰めるだけのような、“ごまかし”のキスではない。
俺は真美のことを本当に愛していたし、真美もまた俺のことを愛してくれていた。
それだけで、世界はこんなにも色彩を変えるのだ。
おわり
あのころPは働きすぎてまた倒れちゃって、誰にも連絡できないまま
『あみまみ』結成に関するとっても大事な打ち合わせというか会議をすっぽかしちゃった……というところまで妄想した。
一応終わらせることできたんで、こっからは俺のやりたように後日談オナニーするね! ちはやよ!
――――――
―――
星も眠るような深い夜の時間になったとき、俺たちは汗だくでベッドの上にいた。
失われた体力を取り戻すために、少しばかり真美と運動をしていたのだ。
「はぁ、はぁ……ん、ねえ、兄ちゃん……」
「なんだ?」
「さっきの……告白のさ。もう、ぅ、ふう……もう半分、聞かせてよ」
「お前さっきはキモいって……」
「い、いいから! どうせ、さっきみたいに、いっ! 言って、ピヨちゃんのことも骨抜きチキンにしたんでしょ!
真美にも言ってくれないと、ふ、ふこぉへーじゃん……んっ」
「はは、まったく真美はまだまだ子供だなあ」
「その子供相手に、こんな! ……ん、んあー!」
それから俺は、心からの気持ちを誠心誠意、真美に伝えた。
彼女は顔を真っ赤にしながら、体中に珠の汗をいっぱいに浮かべながら、俺の告白を聞いていた。
いやあ、そんなに恥ずかしかったのかな?
――――――
―――
俺と真美がお互いの心情を吐露したあの夜のあと、俺は残り2日間の休暇をすべて真美と一緒に過ごした。
真美は真美でもちろん仕事や学校があったので、会うのは主に夜になってからであったが。
「そういえば、真美。だいぶいまさらの話なんだがな……」
「なあに、ハニ→?」
「ひぃ、そそれだけはやめてくれ! ……ゴホン、えー。俺の家に泊まること、家の人にはなんて言ってるんだ?」
「……ん、んっふっふ~……」
冷や汗をかきながら、真美はちらりと目を逸らした。まさかこいつ……。
「だ、だまってるわけじゃないよ? ただちょっと、千早お姉ちゃんに口裏合わせてもらってるってゆーか」
はいはい出たよ! まーたちーちゃんだよ! おれもうどんな顔してあいつの前にいけばいいかわかんない!
――――――
―――
「はっはっは、よく戻ってきてくれたな! いい顔をしてるじゃないか」
3日間ゆっくりと休み、真美によって体力気力ともに充電させてもらった俺は、久しぶりに事務所へ出勤した。
迷惑をかけてすまなかった、ということを伝えると、みんなは思い思いの言葉で俺の復帰を喜んでくれた。
いかん、また涙が……。特に美希は、なんだか鬼気迫るといった勢いで血走った眼を俺に向けていた。
「ハニー、ハニー……コヒュー」
そんなに心配してくれてたのか、はは、こいつめ。
嬉しいけど、社長も話しかけてくれてるし俺そっちいくね。ごめんね。
「私も若くないな、この三日間ふたりには翻弄されっぱなしだったよ!
いやあ、あのじゃじゃ馬たちを乗りこなせるのはやはり君しかいない!」
ところでそのじゃじゃ馬のひとりである真美はというと、なにも知らない顔をしながら
みんなに合わせて「兄ちゃん真美に会えなくてさみしかったっしょ→?」などと言ってのけた。
大した役者だ。舞台もいけるか?
そうして、さて何から手をつけようかなと自分のデスクに座ったところで、
恐れ多くも如月千早様が俺のようなゴミめにお声をかけてくださった。
「あの……プロデューサー。ちょっとお話が」
「ひっ!! い、一体私めになんの御用でしょうか千早様!」
「ち、千早様?」
「お、お金でしょうか? 少々お待ちください、いまダッシュでATMに行ってきます故」
「……プロデューサーは私のことをなんだと……!」
「お、怒らないで! いやむしろ怒ってくださいそれで気が済むのなら!」
心の準備ができていなかったために少しばかり取り乱してしまった俺は、
深呼吸をして、ようやく千早の言葉を聞き始めた。
思えば、こうして千早と話すのはずいぶん久しぶりな気がするな。
何か得体の知れない恐怖を感じ取って避けていたのかもしれない……。
近頃真美とやたら強い結びつきを持っている千早は、どうやらすべてを知っているようだった。
「真美と、その……ちゃんと話し合ったんですね」
「……ああ。すまなかったな、千早。お前にも迷惑かけた」
「迷惑だなんて思っていません。真美も……私にとって、大切な家族ですから」
当然、音無さんもです。そう加えてから、千早はまるで歌うように喋る。随分と機嫌が良いみたいだ。
「恋愛観、倫理観は人それぞれです。世間的には許されないかもしれませんが……。
私は、あなたのしていることを責めたりしません。真美はあんなに幸せそうですし」
「ただ、プロデューサーはみんなのプロデューサーなんです。寂しがってる人たちのこと、ちゃんと考えてあげてくださいね?
……もちろん、」
そう言うと、千早は長くてさらさらの髪をくるりと翻しながらこう続けた。
「私のことも」
ぽかんとしている俺の顔を見て、千早はふふ、と透き通る声を上げて笑った。
もともと綺麗であったが、最近はさらに磨きがかかっている。
知らないうちに、ここのアイドルたちはみんなそれぞれの成長をしているようだ。
「俺が骨折して入院しているときもそうだったが……本当に、お前には助けられてばかりのようだな」
「これを……」
そう言うと俺は、スーツの内ポケットからすっと一枚の写真を取り出し、千早の手の中にそれを納めた。
俺の秘蔵のうち一枚。これまでのプロデューサー人生の中でも、会心の出来だ。
いつもお守りにしている大切な写真だが……俺の感謝の気持ちを表すのに、これ以上のものはないだろう。
「こ、これは……!」
そこには、蒼天色のスクール水着を身にまとい、カメラに向けてウィンクを浴びせている少女――
高槻やよいという名の天使の姿が写っていた。
やよいは悪戯っぽい笑顔を浮かべながら――その笑顔はやはり、深く淀んだ心さえも洗われてしまうくらいに可愛らしい――
こちらに水をかけてきている。その水を全身で思いっきり浴びたら、どんな幸せな気分になれるのだろう。
そして彼女の象徴でもあるそのふわふわのツイン・テールの髪は、太陽よりも真っ赤なシュシュでまとめられている。
とても爽やかな、夏らしさを感じさせる一枚だ。
一緒に学校のプールにこっそりと忍び込み、彼女の浴びた水を腹いっぱいにすすりたいとさえ思わせる。
「た……高槻さん……!」
千早……どこを見ている?
そうだな、たしかに露出が多い衣装であることから、ついついその健康的なすべすべ肌や、
張りと柔らかさを想像させるふともも、小さいがしかししっかりとその存在を主張している胸の谷間などに目がいってしまうだろう。
わかるぞ、お前の気持ちはとてもよくわかる。
しかしながら、真に注目すべきは――鎖骨、だと思わないか。
「――!!」
彼女はまだそのプロポーションが未熟であるが故に、いやその未熟さもまた大きな魅力であるのだが、
あまりきわどい衣装でグラビアに出ることは多くない。だからこそだ。
やよいの鎖骨――このフレーズ以上に、こんなにも胸を締め付けるものがあるか? 俺にはすぐ答えが出てこない。
こんな風に心を開ききり、警戒心をなくしたやよいの、鎖骨を……
……指で、そっと……なぞってみたいと思わないか?
そのとき彼女はどんな表情をするのか……想像してみてくれ、千早。
「やめて! わ、私は……決してそんな目で高槻さんのこと――」
ところで、先ほども少し触れた水についてもう少し考えてみようじゃないか。
これは彼女の玉のような肢体にまとわりついている、一般に“ほぉす”と呼ばれる面妖な長い筒状のモノから放出されているな。
そのながくて、やよいの手にあまるモノの先っちょは今、彼女のちいさなお手てによってぎゅっ……と押さえ込まれている。
やよいが押さえ込むことによって、さらに勢いを増して大量の液体が溢れ出てしまっているのだ。
そしてその、彼女の体を艶かしく濡らす液体は、虹という形へと昇華されて、いる……っ……つ、繋ぐレインボー……! これが!!
これが連想させるもの! そ、それはもうひとつしかないだろう! ふざけんな、俺の心をこんなに弄びやがって!
お、俺もう、なんくるなくなっちゃう―――
「はぁ、はあ、だ、だめぇええ――……」
こんな風に千早とやよい談義に花を咲かせていた途中で、俺は頭をがつんと殴られてしまった。
だ、誰だ!? 千早か? いや千早は今、顔を真っ赤にして写真に釘付けになっている……。
「はぁ……はぁ……。に、兄ちゃんの変態! ロリコン! うわきもの~!!」
そこには真美がいた。目にはなぜか涙をいっぱいに溜め、今にも爆発しそうなほどの怒りの表情を浮かべている……。
しかしロリコンとは、お前がそれを言ってしまうのか。やよいは一応お前より年上だぞ。
ちなみに俺はロリコンではない。
好きになってしまったのがたまたま、干支が一周してしまうくらい年の離れた、13歳の女子中学生だったというだけの話だ。
「や、やあ真美。怒った顔もかわいいな」
もう一発殴られた。
「兄ちゃんの……ばかぁあああ!!」
「え、浮気!? え、真美!? ど、どういうことですか! プロデューサーさん!」
「ハニー……? ちゃんと説明、してくれるん……だ、よね……?」
「ふ、不潔ですぅ……(ちらり、ちらり)」
「あ、私の写真だぁー!」
「高槻さん、かわ、かわいい……!」
「うっうー! ありがとうございまぁす千早さん!」
「だー!! うるさーい!!!」
収集のつかなくなった事務所に、律子の怒号が響き渡る。
「プロデューサー殿が帰ってきたからって、ちょっとはしゃぎすぎよあんたたち!」
「い~い!? もうすぐ定例ライブなんだから、遊んでばっかじゃなくて気合入れなさい! き・あ・い!」
そう、もうすぐ765プロオールスターによるライブだ。
みんなで一緒にやることができる、最近では数少ないイベント。俺の復帰一発目の、大仕事になる。
――――――
―――
「おつかれ! みんな!」
最後のアンコール曲が終わり、ライブは終焉を迎える。
全てを出し尽くしたみんなは、息も絶え絶えといった様子で俺や律子の待つ舞台袖に集まってきた。
結論から言って、ライブは大成功に終わった。
会場に来てくれたファンたちの盛り上がりも最高であり、未だに冷めやらぬ熱気がここまで伝わってくる。
スポットライトがきらめく舞台で踊り、歌いきった。その達成感は、きっと彼女たちにしか共有できないものだろう。
みんな、どこかすがすがしい表情をしている。……ただひとりを除いて。
「に、兄ちゃあん……」
真美が、不安を隠しきれないといった様子で俺のそばに立っていた。
腕をうしろに組みながら、俺の足元に目線を向けてもじもじしている。
さっきまであんなに楽しそうに歌って踊っていたといのに……。
その細い足はがくがくと震えており、つついたら飛んでいってしまいそうにも見える。
……真美は、俺を含めた一部の人しか知らないが、これからひとりでとんでもないことをしようとしている。
そんな真美に言えることは、これしかないだろう。
「……大丈夫だ、自分を信じろ。失敗したら、思いっきり泣けばいい!」
真美、お前にはやっぱり笑顔がとてもよく似合う。
そんな顔してちゃ、これからお前がやろうとしてること、ちゃんと届かないぞ。
「うん!」
そう言って、真美は宝石のような笑顔を浮かべて走っていった。
真美がひとり、舞台の上に舞い戻る。
『いえーい! 会場の兄ちゃん姉ちゃん! 今日は楽しんでくれたー!?』
会場のファンたちは再び姿を現した真美を見て、まだアンコールがあるのか、と期待しているようだ。
『今日のライブはほんとは、さっきの曲で終わりなんだ~』
ええ~!! という声が会場中に響き渡る。
『んっふっふ~、ごめんね! みんな搾りに搾りつくしちゃって、もうなーんも出てこないんだよ~』
真美ちゃんえろーい! 誰かがこう言った。うちのアイドルに向かってなんてことを言いやがる。
どうやらマナーのなってないファンのお客様がいるようだな。真美の本当にエロい姿を知っているのは俺だけだ。
『でもでも真美は! まだまだとーっても元気だから、最後の最後に一曲だけ、歌っちゃうYO→!』
『なんてね、ほんとは色んな人にすっごいすーっごい頼み込んで、ようやくやらせてもらえることになったんだ』
『だから最初に謝っとくね。ごめんなさい! 真美は今からここを、メッチャ私物化します!』
『そんなだからこれやるのも、ちょっとの人しか知らないの。
りっちゃんとか今頃驚いて、へんな顔になってるんだろうなー! ぷぷ!』
実際その通りだ。律子だけでなく、アイドルたちのほとんどが何が起こっているかわからないまま真美のことを見ている。
『それでも』
『真美の気持ちが、大切なひとに! 真美の大好きなお姉ちゃんに! 届けばいいなって思う!』
そこまで一息で言ってしまうと、とても静かで優しいイントロダクションに合わせて、真美は歌い始めた。
今 輝く一番星
ひとつ夢を願った…
だけど 今日もまた終わってゆく
『光』
ただ自分でいたいのに…
ただ笑っていたいのに…
だけど成れなくて もう出来なくて 落ちる涙
「真美……」
舞台袖で真美のひとり舞台をはらはらと見守る俺の隣で、千早が小さくつぶやいた。
千早も、真美の言う“ちょっとの人”のひとりだ。
かつての千早がそうであったように、今この瞬間にきらめく舞台に立つ真美もまた、
どうしようもない状況から仲間の手によって救われたのだった。
光。
“彼女”が、みんなの前だけで特別に歌ってくれた最後の曲だ。
曲調、歌詞ともに今までの真美のイメージとは正反対の歌だろう。
しかし、不思議と違和感はなかった。
客席にいるファンたちも、今まで見せたことのない彼女の表情や雰囲気に最初こそ驚いた様子であったが、
今では固唾を飲んで見守っている。
真美が何を考え、何を思って、いまこの舞台に立っているのか。765プロのみんなはもうわかっているようだった。
春香や亜美などは、まだ始まったばかりだと言うのに涙を流している。
真美……頑張れ……!
夜が闇で空を消しても
雲が銀河を隠しても
小さくたって
あの花の様に
星は光を咲かせてく
どうか負けないで
自分を信じて大丈夫だから
どうか止めないで
夢が朝になっても覚めないなら
明日を迎えにいってらっしゃい
一瞬。
1秒にも満たないほんの少しの間であったが、真美の小さな頭がかすかに動いた。
そのとき真美は、彼女だけを照らす
眩しくて、どこかやさしい“光”を見あげて、
小さく微笑んでいた。
おわり
超素晴らしかった
また書いてくれ
次回作も期待してるよ
乙
Entry ⇒ 2012.03.17 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
キュアハッピー「あざとすぎるから苛めるね」キュアピース「!?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331283125/
アカンベェ「あかんべべべべべぇ?!!?」ビリビリ
ピース「ふぇぇん!!こわいよぉ!!」ダダッ
ガッ!
ピース「ふぎゅ!?」バタッ
ピース「いたたぁ……おでこ、いたいよぉ……」ポロポロ
ハッピー「……」
サニー「……」
マーチ「……」
ビューティ「……」ハァハァ
サニー「うおぉぉぉ!!!!」ググッ
マーチ「はぁぁぁぁ……!!!」ググッ
ビューティ「んっ……」パァァ
ハッピー「プリキュア!!ハッピーシャワー!!」ドォォォン
サニー「プリキュア!!サニーファイヤー!!」ゴォォ
マーチ「プリキュア!!マーチシュート!!」バシュゥ
ビューティ「プリキュア!!ビューティブリザード!!」ヒュゥゥ
アカンベェ「あかんべぇぇぇ―――」
ピース「あうぅ……こわかったよぉ……」ウルウル
ハッピー「……」
サニー「……」
マーチ「……」
ビューティ「……」ハァハァ
ピース「え?な、なに?」
ハッピー「わざと?」
ピース「え?」
サニー「ウチらは身体能力があがっとるんやで?」
マーチ「いくらなんでもプリキュアの状態で躓くって考えいくいんだけど」
ピース「しょ、しょうがないよ。わ、私、ドジだし……運動音痴だし……」
ハッピー「でもねぇ?」
サニー「いくらんでもあざとすぎへん?」
マーチ「あたしも……そう思う」
ピース「ふぇ!?な、なんで……そんなこというのぉ……ひどいよぉ……」ウルウル
ビューティ「……」ハァハァ
サニー「ウチもうおぉぉ!!ってぜんっぜん可愛くないポーズとってんねんけど」
マーチ「あたしも特に面白みのないポーズをとってる」
ピース「そ、そんなのしらないよぉ……」
ハッピー「あと変身したあとのぴかぴかぴかりんとか、正直、ちょっと……」
ピース「ぴかりんじゃんけん、かわいいでしょ?」
サニー「……自分でいうか?」
マーチ「もっとかっこよくしてくれないとバランスがとれないっていうか……」
ピース「で、でも……かっこいいのはみんなでいいし……私ぐらいかわいくても……」モジモジ
ハッピー「……」イラッ
サニー「……」ムカッ
マーチ「……」ピキッ
ビューティ「……」ハァハァ
ピース「直すっていわても……」
サニー「ウチみたいに太陽サンサン、熱血パワーみたいな台詞でもええやん」
ピース「か、かわいくないし……」
サニー「な、なにぃ……」
マーチ「……ピース。あたしたちも女の子なんだよ?みんなだって可愛いほうがいい」
ピース「……」
マーチ「できれば、可愛いんじゃなくてできるだけかっこいい台詞にしてもらえないかな?」
ピース「……そ、そこまでいうなら……」
ハッピー「ありがとう!!」
サニー「ふぅー、これで大丈夫やな」
マーチ「うん」
ビューティ「……」シュン
ウルフルン「いけぇ!!アカンベェ!!!」
アカンベェ「あかんべぇ!!」
みゆき「いくよ!!」
ウルフルン「ん!?」
みゆき・あかね・やよい・なお・れいか「プリキュア!!スマイルチャージ!!!」
ハッピー「―――キラキラ輝く未来の光、キュアハッピー!!」バーン
サニー「―――太陽サンサン、熱血パワー!!キュアサニー!!!」ドォォン
ピース「―――ビリビリびりりん、じゃん、けん、ぽん!キュアピース☆」チョキ
マーチ「―――勇気リンリン!!直球勝負!!キュアマーチ!!!」ゴォォ
ビューティ「―――深々と降り積もる清き心……。キュアビューティ」ヒュォォ
ウルフルン「ふん!きたかプリ―――」
ハッピー「ピース!!!なに、いまの!!!」
ピース「ふぇ!?」ビクッ
サニー「ぜんっぜんかわってないやん!!!!」
マーチ「あのさぁ……」
ビューティ「……」ハァハァ
ピース「ど、どうしてぇ!ビリビリってなんか強そうじゃない?」
ハッピー「……」ピキッ
サニー「……」ブチィ
ウルフルン「おい……」
ハッピー「へんこー!!今すぐちがうのにして!!!」
サニー「せやせや!!そんなの納得できへん!!」
ピース「そ、そんなぁ……」ウルウル
マーチ「泣いてもだめ」
ピース「うぅ……なんでぇ……」ポロポロ
ビューティ「……」ナデナデ
ハッピー「はい!もういっかい!!」パンッパンッ
ウルフルン「……」
ピース「プリキュア!!スマイルチャージ!!」
ピース「―――かみなりなったらおへそをかくせ!キュアピース!」テレッ
ハッピー「……」
サニー「……」
マーチ「……」
ビューティ「……」ハァハァ
ピース「ど、どうかな?えへへ……おへそを隠すのがポイントなんだけど……」
ウルフルン「なぁ……」
マーチ「あぁぁぁぁぁぁ!!!!!!プリキュア!!!マーチシュートォォォォォ!!!!」バシュ!!
ウルフルン「な―――!!!!」
ドォォォォン!!!!
ハッピー「……もういいよ」
サニー「かえろか」
ピース「え?え?なんで!?ちょっとまっ―――ふぎゅ?!」バタッ
マーチ「……」スタスタ
ピース「マーチ!!まって!!どこがだめなのぉ?!」
マーチ「……存在」
ピース「ふぇ!?ハッピー!!」
ハッピー「……やよいちゃんをプリキュアに引き入れたのは失敗だったよ」
ピース「おぉぉ……!?サニー?!」
サニー「お絵かきしとき」
ピース「ふぅぅぅ……」プルプル
ピース「うぇぇぇん……」ポロポロ
ビューティ「……」ハァハァ
ピース「みんなぁぁ……どうしてぇぇ……」ポロポロ
ビューティ(今日もピースの可愛い写真がいっぱいとれました。早速、プリントアウトしないと)ルンルン
ピース「ビューティ!!まってぇぇ!!」タタタッ
ピース「ねえねえ!!私のどこがいけないのぉ……」ウルウル
ビューティ「あ……えと……」ゾクゾク
ビューティ「―――その嘘泣きがだめよ」キリッ
ピース「えぇぇ……うそ、じゃ……ないよぉ……」ポロポロ
ビューティ「……」ゾクゾク
ビューティ(かわいい……抱きしめたい……)
ピース「ビューティ!!なにがだめなの?!おしえてよぉ!!」ユサユサ
ビューティ「ちょっと……ピース……」
ピース「ひとりにしないでぇぇ……」ポロポロ
ビューティ「……わかりました」
ピース「え?」
ビューティ「私の言うとおりにできますか?」
ピース「う、うんうん!!する!!するよ!!」
ビューティ「ふふ……」
アカオーニ「ふはははは!!!いけオニ!!アカンベェ!!!」
アカンベェ「あかんべぇ!!!」
みゆき「……」
やよい「あ、あれ?みんな変身しないの?」オロオロ
あかね「れいかが先に変身させろっていうてたで」
なお「どういう変身をするかみさせてもらうよ、やよいちゃん」
やよい「え?え?」
れいか「大丈夫。私の言うとおりにすれば皆さんは見直してくれます」グッ
やよい「う、うん!!私、やってみるね!!」
れいか「ふふ……」
やよい「プリキュア!!スマイルチャージ!!!」
ピース「キュアインデックス!!!」バーン
みゆき「……」
あかね「……」
なお「oh……」
れいか「……」ブヒッ
ピース「ど、どうかな!?どうかな!?」ピョンピョン
れいか「……」グッ
ピース「いえーい」グッ
みゆき「かえろうか」
あかね「そやな」
なお「今日のごはんはなににしようかなぁ」
ピース「あ、あれれ?!みんなぁ!!ちょっとまって!!どうしてぇ!!」オロオロ
れいか「……」ハァハァ
れいか「みなさん!!」
みゆき「な、なに?」
あかね「どしたん?」
れいか「ピース!!あれを!!」
ピース「あ、あれだね!!わかった!!」
なお「なんだ?」
れいか「ふふ……」
アカンベェ「あかんべぇ!!!」
ピース「いくよ!!」グッ
ピース「ぴっぴかちゅぅぅ!!!!」バリバリバリ
アカンベェ「アカンベェェ!!!?!?!」ビリビリ
みゆき「……」
ピース「ど、どうだっ!」
れいか「……」パチパチパチ
やよい「あ、みゆきちゃーん」テテテッ
みゆき「……」
やよい「みゆきちゃん、今度のコンクールに絵を出すことになったんだけど、モデルをやってほしいなぁ……って」モジモジ
みゆき「……むり」
やよい「そ、そう……。あ、あかねちゃーん」タタッ
あかね「ん?」
やよい「モデル……やってほしいんだけど……」モジモジ
あかね「お好み焼き焼くのに忙しい」
やよい「そ、そう……なら……仕方ないね……。なおちゃーん」トボトボ
なお「部活で忙しいから」
やよい「ふぇ!?」
れいか「……」ワクワク
やよい「はぁ……じゃあ、いい……物をモデルにするから……」トボトボ
れいか「!?」
やよい「はぁ……みんな、怒ってるなぁ……」
やよい「れいかちゃんの言うとおりにしたのに……」
やよい「ん?」
みゆき「もうやよいちゃんにも困ったもんだよぉ」
あかね「せやな。ドンドンかわいなっとるし」
なお「あの子の性格なんだろうけど……もっと協調性を持って欲しいね」
れいか「みなさん」キリッ
みゆき「なに?」
れいか「そんなにやよいさんが可愛いのが許せませんか?」
あかね「許されへんというか……なぁ?」
なお「みんなそれぞれ個性を出しつつもカッコいい台詞を選んでいる。彼女一人だけあれでは……」
れいか「いいではありませんか。やよいさんは可愛いのですから」
やよい(れいかちゃん……)ウルウル
あかね「なぁ?」
なお「れいかはやよいがあのままでいいと思ってるってこと?」
れいか「はい」キリッ
みゆき「うーん……」
れいか「わかりました。そこまでいうならやよいさんを―――」
やよい「ん?なになに?きこえない……」
みゆき「なるほど!」
あかね「それええな!!」
なお「よし。次はそれで行こう」
れいか「ふふ……」
やよい「あれ?あれれ?!話がおわっちゃってる!?なになに!?なにを言ったの!?」オロオロ
ウルフルン「前回は不覚をとったが今回は大丈夫だ」
ウルフルン「いけ!!アカンベェ!!」
アカンベェ「あかんべぇ!!!!」
やよい「あ、ああ!!悪い狼さんだぁ……!!」オロオロ
みゆき「……みんな?」ザッ
あかね・なお・れいか「……」コクッ
やよい「あの……」
みゆき「いくよ!!」
やよい「あわわ……!!」オロオロ
みゆき・あかね・やよい・なお・れいか「プリキュア!!スマイルチャージ!!!!」
ウルフルン「きたか……!!!」
ピース「―――でんげき、らいげき、みんな元気!!キュアピース!!!」
ピース(決まった!!)グッ
サニー「―――いつでもサンサン、みんなのおひさま!キュアサニー!!」
マーチ「―――わくわくびゅーびゅー、かぜのこひゅーひゅー!!キュアマーチ!!」
ビューティ「―――深々と降り積もる清き心……。キュアビューティ」
ピース「……」
ハッピー「かわいくない?かわいない!?」
サニー「それピースのパクりやん」
マーチ「うんうん……いい感じ」ウットリ
ビューティ「……」ニコニコ
ピース「み、み、みんなぁ!!!!」
ハッピー「なに?」
ピース「なにそれぇ?!私にいったことと違うじゃない!!」
サニー「ビューティがな、ピースを食ってまうぐらいの可愛い台詞を考えてみればいいって提案してくれたんや」
ピース「ふぇ!?」
マーチ「私たちがピースに合わせればよかったんだね。ごめん」
ピース「おかしいよ!!おかしいよぉ!!」
ハッピー「別におかしくないと思うけど」
サニー「せやせや。みんな個性があるしな」
マーチ「あたしはいいと思うよ」
ピース「いやいや!!みんなが可愛かったらバランスがおかしくなるよぉ!!」
サニー「なんやとぉ?それは自分が一番可愛いっていってんのか?」
ピース「そ、そういうことじゃ……」
マーチ「何が気に入らないの?じっくり教えてくれる?」
ピース「ひっ……」ウルウル
ハッピー「どうなの?」
ピース「あの……そにょ……」ブルブル
ビューティ「みなさん。まずは敵を倒しましょう。ピースを苛めるはあとです」キリッ
サニー「せやな」
ピース「い、いじめ……?!」ビクッ
アカンベェ「あかんべぇぇ―――!!!」
ハッピー「よしっ」
ピース「……」ビクビク
サニー「よっと。さ、腹割ってはなそか」
ピース「えっ……」
マーチ「……」
ピース「あの……えと……」オロオロ
ハッピー「ねえピース?」
ピース「は、はぃ!?」
ハッピー「なにがおかしいのかなぁ?」
ピース「だ、だから……みんなが可愛い台詞だと……無個性に……」ブルブル
サニー「あ?」
ピース「ひぃ?!」
ビューティ「……」ニコニコ
ピース「な、なにが……?」
マーチ「あたしが初めてプリキュアとして戦ったとき、壁にぶつかったよね?」
ピース「えっと……橋の柱じゃ……」
マーチ「……」ギロッ
ピース「ひぃ?!」ビクッ
マーチ「あのとき。全然痛くなかった。だからすぐに戦いに戻った」
ピース「う、うん」
マーチ「でも、ピースはこけるたびに痛いっていってるよね?」
ピース「!?」
マーチ「……どういうこと?」
ピース「えと……いや……きっと私とマーチじゃ……防御力が……」アセアセ
マーチ「ふーん……そう。じゃあ、試してみる?」グッ
ピース「あわわわわ!!!!嘘です!!すいません!!!こけても全然痛くないです!!ごめんなさい!!」ペコペコ
マーチ「でしょ?嘘はいけないよ?」
ピース「な、なに……?」ビクッ
サニー「ピースが必殺技うつとき、なんで「ひゃぁ!」っていうん?」
ピース「いや……あれは……電気にびっくりして……」
サニー「いや。ウチも炎つかうけど、全然あつないで?」
ピース「え……」
サニー「……ん?」
ピース「わ、私は感じちゃう……から……」モジモジ
サニー「あっそ。ピースが「ひゃぁ!」って言う程度の電気で攻撃してるわけか?」
ピース「ち、が……」ウルウル
サニー「どうなんや?」
ピース「……なにも感じません」
サニー「せやろ?そうやと思ったわ!!」バンバン
ピース「あ、ははは……」
ピース「な、なんですかっ!?」
ハッピー「ねぇ。プリキュアのときによくころぶけど、変身前では殆ど転ばないよね?」
ピース「!?」
ハッピー「ほんとは別に運動音痴とかじゃ……」
ピース「音痴!!音痴だよぉ!!」
ハッピー「……」
ビューティ「ピース?」
ピース「え?」
ビューティ「運動音痴を略して言うと?」
ピース「うんk―――ってなにいわせるのぉ!!!」
ビューティ「……」ハァハァ
ハッピー「やっぱり全部……計算だったの?」
ピース「そ、それは……」
マーチ「どうなんだ?」
ピース「……か、可愛いかなって……思って……」
ハッピー「じゃあ、もうこれからはそう言うキャラ一切封印でいいからね」
ピース「えぇ!?」
ハッピー「ドジッこは私がやる!!」ムフー
サニー「可愛い台詞はウチがやるわ」ドヤッ
マーチ「じゃ、じゃあ……えっと……泣き虫……は、あたしが……」モジモジ
ピース「に、にあわな―――」
ハッピー・サニー・マーチ「え?聞こえない」
ピース「……」
ビューティ「ピース」
ピース「は、はい?」
ビューティ「がんばって」ギュゥゥ
ピース「はぃ……」
みゆき「てへっ!いっけない。宿題忘れてきちゃった」
あかね「あはは!みゆきはホンマ、ドジやなぁ!」
やよい(それはドジじゃないよ……)
あかね「おとと……可愛くやったな」
あかね「やだぁ!今日日直だったにゃ!黒板消さないといけないにゃ!!」
やよい(違う……そうじゃない……)
なお「……うぅ……」
やよい「ど、どうしたの?」
なお「今朝、弟に……朝ごはんとられたぁぁ……」ポロポロ
やよい「……」
れいか「きゃぁ!」ドテンッ
やよい「!?」
れいか「なにもないところでつまづいてしまいましたぁ」テレッ
やよい(こ、これは……!!)
やよい「はぁ……」
やよい(これは完全に私に対するあてつけ……)
やよい(みんなは私を追い込もうとしてるんだ)
やよい「いじめだぁ……」
れいか「……」スッ
やよい「れいか……ちゃん……?」
れいか「どうかしたの?」
やよい「いや……みんなが……私を……」
れいか「やよい?貴女は忘れているわ」
やよい「え?」
れいか「まだ個性的なキャラは残されている」
やよい「それって……?」
れいか「ふふ……」
やよい「ひっ……」ゾクッ
あかね「いくでぇー!!!とう!!」バシッ
みゆき「あわわわ……!!―――ふぎゃ!?」ドガァ
なお「みゆき!?」
あかね「また顔面レシーブかいな」
みゆき「えへへ……」
なお「大丈夫?」
みゆき「うん」
れいか「みなさん」
やよい「……」モジモジ
あかね「どしたん?」
れいか「バレーボールで勝負しましょう」
みゆき「いいよ!やろう!!」
れいか「さ、やよい?貴女の力を見せるときです」
やよい「は、はい……」
やよい「―――うん」
みゆき「さー!!どっからでもこーい!!!」
なお「いつでもどうぞ」
あかね「んじゃ、ウチが審判するな。試合かいしー」ピーッ
れいか「ふっ!」バシッ
なお「まかせて!!」バッ
みゆき「おろろ……!!」オロオロ
やよい「―――みゆきちゃん」
みゆき「え?」
やよい「んほぉぉお!!!アヘぎゃおだびゅるぴーしゅだおぉ!!!」ピース
みゆき「……」
なお「……」
れいか「……」カシャカシャ
あかね「……や、やよい……」
みゆき「……あの……やよいちゃん……」
やよい「あれ?どうしたの?」
なお「やよいちゃん……ど、どうしたの?」
やよい「え?今のは……えっとね……」オロオロ
あかね「……」
やよい「ど、どうしたの!?ねえ!?なんで離れるの?!」オロオロ
みゆき「ご、ごめん。ちょっと休むから……」
なお「あたしも……」
あかね「ボール……片付けといてな……」
やよい「えぇぇ!?なんで!?みんなぁ!!」
れいか「……」
やよい「れいかちゃん!!どうなってるのぉ!?」オロオロ
れいか「大丈夫よ。みなさん少し驚いただけです。これから慣らしていけばいいだけだから」
やよい「そ、そうなの?」
ウルフルン「さて……!いけ!!アカンベェ!!」
アカンベェ「あかんべぇ!!!」
みゆき「きたな……!!」
みゆき「変身だ!!」
みゆき・あかね・やよい・なお・れいか「プリキュア!!スマイルチャージ!!!」
ハッピー「―――げんきにルンルン!!みんなでランラン!!キュアハッピー!!」
サニー「―――いつでもサンサン、みなぎる太陽!キュアサニー!!」
マーチ「―――なみだもふきとばす春一番!!キュアマーチ!!」
ビューティ「―――深々と降り積もる清き心……。キュアビューティ」
ピース「んぎもぢぃぃいい!!!へんじんいぃぃよぉぉお!!!―――キュアピース!!」
ピース(きまった)グッ
ウルフルン「……」
ハッピー「……ピース。休んでていいよ?」
ピース「ふぇ!?私、げんきだよぉ!!」
アカンベェ「……」コクッ
ピース「よ、よくなかった!?今のよくなかったの!?」オロオロ
ハッピー「サニー、マーチ!!いくよ!!」
サニー・マーチ「おぉ!!」
ハッピー「パワー全開だぁ!!」
ピース「まってよぉぉ……」
ピース「どうして……どうして……」ウルウル
ビューティ「大丈夫。このままでいきましょう」
ピース「うん」
ビューティ「では、教えたとおりに」
ピース「わ、わかった!私、がんばるっ!!」ムフー
ビューティ「……」ハァハァ
ハッピー「でぁ!!」ドガァ
サニー「やぁ!!」バキィ
マーチ「せぃ!!」ドゴォ
アカンベェ「あかんべぇ!!!」ドガガガガ
ハッピー「あん!?」
サニー「ぐぁ!!」
マーチ「つっ……強い……!!」
ピース「んほぉぉぉ!!!!」
アカンベェ「?!」
ピース「でんきゅがぁぁ!!でんきゅでかんじちゃうのぉぉぉ!!!」ビリビリビリ
ウルフルン「……!?」
サニー「ピ、ピース……」
ピース「んきゃぁぁん!!!ぷりっきゅぁぁん、ぴーちゅ……しゃんだぁぁぁぁん!!!」バリバリバリ
マーチ「……」
ハッピー「うわぁ……」
サニー「これ……なんかあかんやつや……」
マーチ「……なんか、涙が……」ポロッ
ビューティ「……」ハァハァ
ウルフルン「おい。娘」
ハッピー「狼さん……?」
ウルフルン「あれはなんだ?」
ハッピー「そ、それが……私にもよく……」
ウルフルン「……ちゃんと介抱してやれ」
ハッピー「はい」
ピース「んへぇ……わたしゅ……ぷりゅきゅあ……ぴーしゅ……だぉ……あへへ……」
ピース(これだけ演じられたら……みんなも認めてくれる……)
ビューティ「……」カシャカシャ
ビューティ「あ、もう容量がいっぱいになってしまいました……」
キャンディ「ピースが……?」
みゆき「私たちのせいだ……」
あかね「ちょっと嫉妬してもうて……えらいことに……」
なお「くっ……なんてことをしてしまったんだ……」ガッ
キャンディ「みんな元気をだすクル……」
みゆき「あかねちゃん、なおちゃん」
あかね「……わかっとる」
なお「うん」
みゆき「今から行こうよ」
あかね「もちろんや!!あ、でも、その前にお好み焼きつくっていくわ!!」
なお「それなら、あかねの家に集合でいいんじゃない?」
あかね「それええな!!よし!!ふたりはやよいとれいかをつれてきてくれ!!」
みゆき「うん!」
なお「ああ」
れいか「……」カタカタ
やよい「ほんとに……このままでいいのかな……?」
れいか(これはこのフォルダに……)カタカタ
やよい「なんだか……みんなに避けられているような……」
れいか「気のせいよ」
やよい「ほ、ほんと?」
れいか「ええ」ニッコリ
やよい「なら……いいんだけど……」
れいか「やよい?さ、いつもの練習をしましょうか」
やよい「う、うん」
れいか「じゃあ、まずはダメージが大きいときの顔」
やよい「―――んごぉぉほぉぉん!!おにゃかぁがいだぁいよぉぉ!!んほぉ!!!」
れいか「……」
れいか(この子……やはり才能があるわ……)
やよい「―――いぐぅ?!いぎゃぁい!!おな、かぁ!!いぐぅ!!」
れいか「……」ハァハァ
ピンポーン
れいか「ん?」
やよい「誰かな?」
れいか「……」スタスタ
れいか「はい?」
みゆき「私!みゆき!!」
れいか「みゆきさん?」ガチャ
みゆき「れいかちゃん!今、時間あるかな!!」
れいか「え?」
なお「やよいちゃんもいるでしょ?一緒にきて」
れいか「ど、どこへ……?」
やよい「あ……みゆきちゃん、なおちゃん……?」
みゆき「あかねちゃーん!!」
あかね「いらっしゃい!!」
なお「どこに座ればいいかな?」
あかね「ここや!!」
みゆき「やったぁー!もうおなかぺっこぺこ!!」
あかね「今日はウチのおごりや!!ドンドンたべてな!!」
れいか「あの……これは?」
やよい「……」モジモジ
なお「やよいちゃん。こっちに」
やよい「え……」
れいか「あ……」
なお「ここに座って」
やよい「うん……」
やよい(なになに……?もしかして私……鉄板でやかれちゃうの……?)ドキドキ
やよい「は、はい!!」ガタッ
みゆき「やよいちゃん!?」
なお「ど、どうしたの?!」
やよい「やってみるよ!!」
あかね「なにをや!?」
やよい「み、みんなに見捨てられたく……ないから!!」
みゆき「ちょっと!?」
やよい(あぢゅぃぃいいい!!!―――って言えばなんとかなるはず)
やよい「……いくよ」
なお「まって!!」ギュゥゥ
やよい「なおちゃん……?」
なお「悪かった!!あたしたちが悪かったよ!!もうやめて!!」
やよい「え……?」
れいか「……」
やよい「え……と……?」
あかね「まさかやよいがあそこまで追い込まれるとは思わんかってん……ほんま、ごめんっ!!」
なお「酷いことを言ってしまった。やっぱりやよいにはやよいらしく居てほしい……」
やよい「みんな……」
みゆき「ほんとにごめんねぇ……ゆるしてください……」ポロポロ
あかね「かんにんな……やよい」
なお「ごめん」
やよい「あのあの!!いいの!!きにしないで!!」
みゆき「やよいちゃん……」
やよい「私も……少し……あざとかったなぁって反省したし……」
あかね「ううん。やよいはあざといぐらいがちょうどええわ」
やよい「それフォローになってないよぉ」
なお「やよい……やよいしか可愛いプリキュアはいないと思う。だから……これからも可愛いキュアピースでいてほしい」
やよい「なおちゃん……うんっ!私、可愛いプリキュアでいるね!!」
みゆき「まってましたぁ!!」
なお「おねがい」
やよい「ふんふふーん♪」
れいか「……」ツンツン
やよい「ん?」
れいか「やよい。食べるときなんだけど……」
やよい「え……?」
あかね「―――はぁい!!ぶた玉おまちぃ!!」
みゆき「わぁーい!!おいしそう!!」
なお「よし……あたしが切ろう……んしょ……。やよい、はい」
やよい「ありがとう。いただきまーす」パクッ
あかね「どや?うまいか?」
やよい「……」
みゆき「やよいちゃん?」
みゆき「ひっ?!」ビクッ
あかね「わぁ!?」
なお「やよい!?」
れいか「……」カシャ
やよい「え?なに?」
なお「あの……やっぱり……許してくれないの……?」ウルウル
やよい「え?え?」
みゆき「ごめんねぇぇ……もういいよぉぉ……ごめぇぇん……」ポロポロ
あかね「もうほんまにごめん!!ゆるしてぇ!!!」ウルウル
やよい「????」
れいか「……」ゾクゾク
みゆき「うぇぇぇん……やよいちゃんがぁぁ……やよいちゃんがぁ……」ポロポロ
やよい「あの……えっと……なんでぇ?」オロオロ
やよい「えーと……」
みゆき「これからの人生やよいちゃんをスーパーハッピーにするためだけに捧げますぅ!!」
あかね「イカ玉いるか!?それともモダン焼きか!?ええい!!広島風でもつくったるでぇ!!!!」
やよい「……れいかちゃん」
れいか「なに?」
やよい「これ……どういうことかな?」
れいか「これは印籠の役割になるでしょう」
やよい「いんろう?」
れいか「もしこれから先、三人にお願い事をするときは私が教えたことをすればきっとなんでも聞いてくれると思います」
やよい「ほんとに?」
れいか「試しにしてみて」
やよい「うん……。―――あかねぢゃぁぁん!!でじゃーどはあいじゅがいいおほぉぉおお!!」
あかね「ア、アアア、アイスか!?よ、よっしゃ!!まっとき!!かってくるわ!!!」ダダダッ
やよい「ほんとだ……」
やよい「ありがとうっ!」
あかね「あはは……」
やよい「えっと……。―――なおぢゃぁぁぁん!!!いぎゃたまほしぃぃほぉぉおおおお!!!」
なお「い、いか玉か!!わかった!!全部たべる!?」オロオロ
やよい「ううん。全部はいいよ。なおちゃんとはんぶこ」
なお「そ、そうか……」
れいか「ふふ……」
みゆき「……」
れいか「ん?なんですか?」
みゆき「なんでも!!」
やよい「えへへ……」
あかね「はぁ……」
なお「もう……頭があがらないなぁ」
みゆき「……」
あかね「あ、ああ……またな」
やよい「うん!!」
やよい「イカ玉、豚玉、モダンやき~♪みんないっしょにおこのみで~♪」ルンルン
なお「それじゃあ、あたしも」
れいか「ごきげんよう」
みゆき「まって」
れいか「え?」
あかね「みゆき?」
みゆき「れいかちゃん……」
れいか「なんでしょうか?」
みゆき「……やよいちゃんに何度か耳打ちしてたけど、なんていってたの?」
れいか「特になにも」
みゆき「……ここに来る前一緒に家にいたみたいだけど、何してたの?」
れいか「特になにも」ニコッリ
みゆき「れいかちゃん、変だよ」
れいか「え?」
あかね「お、おい……」
みゆき「だって、一人だけ台詞を変えようとしなかったり、ずっとやよいちゃんと一緒にいたり」
れいか「……」
みゆき「もしかして……その……れいかちゃんが……やよいちゃんに……なにか……」
れいか「え?」
みゆき「した……んじゃ……ない……」
れいか「え?」
みゆき「な、なんでも……ないです……」
れいか「ふふ……私はただやよいさんの道標になっただけです」
あかね「……」
れいか「みなさんに嫌われたくないというやよいさんの相談にのっていただけに過ぎません」
なお「そうなの……」
みゆき「あー……怖かった……」
あかね「考えすぎちゃうか?」
なお「うん。れいかがやよいにあんなことを仕込むとは思えない」
みゆき「そうかなぁ……」
あかね「やよいに直接きいてみたらええやん」
みゆき「あ、そっか!」
なお「走れば追いつけるんじゃない?」
みゆき「よっしゃー!!気合だ~!!!」ダダッ
なお「……」
あかね「どう思う?」
なお「信じよう」
あかね「え?」
なお「れいかはそんなことをする子じゃないって」
あかね「せやな……」
やよい「え?」
みゆき「やよいちゃぁぁ―――」ガッ
やよい「あっ!!」
ズサァァァ!!!
みゆき「……いたぃ」
やよい「だ、だいじょうぶ!?」
みゆき「えへへ、平気。―――そ、それより!!」
やよい「な、なに?」
みゆき「やよいちゃん!あの顔芸はどうやって習得したの!?」
やよい「え?」
みゆき「もしかしてれいかちゃんに……?」
やよい「うん」
みゆき「!?」
やよい「れいかちゃんに教えてもらったの。あのときはあざとくないキャラを探してて……」
やよい「どうかしたの?」
みゆき「もう、やめてほしいの」
やよい「え?」
みゆき「私たちの前だけならいいけど、他の人の前では絶対にしないで!!」
やよい「うん」
みゆき「でも……どうして……れいかちゃんが……」
やよい「れいかちゃん、とっても優しいんだよ?」
みゆき「え?」
やよい「だって、私のために真剣に考えたっていってたし」
みゆき「……」
やよい「それにあの顔芸、れいかちゃんが見本を見せてくれたんだよ」
みゆき「れいかちゃんが?!」
やよい「うん」
みゆき「そ、そこまで……」
れいか『やよいさん。今からすることを真似してみてください』
やよい『う、うん』
れいか『んほぉぉお!!!あへぇぇ!!!』
やよい『ぶっ!?!』
れいか『どうぞ』
やよい『れいかちゃん!!!他の人に見られたらまずいよ!!』オロオロ
れいか『構いません』キリッ
やよい『え……?』
れいか『それでやよいさんに笑顔を取り戻せられるなら、私が笑いものになっても構いません』
やよい『れいかちゃん……』
れいか『さ、やってみて』
やよい『う、うん!!―――んほぉぉお!!』
みゆき「そ、そうなんだ……れいかちゃん……悪気はなかったんだ……ただ純粋に……」
みゆき「そっか……そうなんだ……」
みゆき(私……れいかちゃんのことを疑って……あぁ……友達なのに……)
やよい「どうしたの?」
みゆき「ううん!!ごめん!!私が悪かったの!!」
やよい「え?」
みゆき「やよいちゃんはれいかちゃんに教わった顔芸……使いたい?」
やよい「できれば……」
みゆき「そっか……」
やよい「折角、れいかちゃんが褒めてくれるようになったし」
みゆき「うん。じゃあ、私はもう何も言わないよ。やよいちゃんのしたいようにやって」
やよい「うんっ!」
みゆき(れいかちゃんに謝らないと……)
れいか「ふふふ……」カタカタ
ピンポーン
れいか「ん?」
れいか「……」スタスタ
れいか「はい?」
みゆき「わ、わたし……はぁ……はぁ……」
れいか「みゆきさん?」ガチャ
みゆき「あの……ひとこと……はぁ……あやまり……たくて……」
れいか「はぁ……と、とりあえずどうぞ」
みゆき「お、おじゃまします……はぁ……はぁ……」
れいか「大丈夫?」
みゆき「ちょっとはしって、きちゃって……えへへ……」
れいか「そうですか。お茶をお持ちしますね。部屋で待っていてください」
みゆき「あの……」
れいか「はい?」
みゆき「反省してます」
れいか「なにがですか?」
みゆき「いや……あの……やよいちゃんに意地悪してたのは私たちで……れいかさんはずっと……その……」
れいか「ふふ……」
みゆき「え?」
れいか「そうですね。苛めはよくありません」
みゆき「ごめんなさい」
れいか「やよいさんも自身の非を認め、三人の行為について咎めるつもりはないようです」
みゆき「そ、そうですか……」
れいか「ですが……私は許しません」
みゆき「え?!」
れいか「それなりの罰を与えないといけないと考えていたところです」
れいか「ふふ……みゆきさん?」
みゆき「な、なに……?」
れいか「前々から貴女の表情の豊かさには一目置いていました」
みゆき「ど、どういう……こと……?」
れいか「これは罰です。受けてくれますね?」
みゆき「あ、いや……」
れいか「……」
みゆき「ゆる、して……」ウルウル
れいか「だめです」
みゆき「やめ……て……」ポロポロ
れいか「ふふふふ……さぁ、貴女にも―――」
みゆき「ぎゃあぁぁぁああああ!!!!!」
あかね「ん?みゆきー!おはようさん!!」
みゆき「うん……」ゲッソリ
なお「どうした?元気ないな?」
みゆき「そ、そんなことな、いよ……?」
あかね「そうか?なんかやつれてんで?」
れいか「おはようございます」ツヤツヤ
みゆき「うわぁ!!!」ササッ
あかね「みゆき?!」
れいか「ふふ……」
みゆき「うぅ……」ブルブル
なお「ど、どうしたの?」
れいか「あかねさん、なお。話があるのだけど。お昼休みに屋上にきてくれる?」
あかね「ええよ」
なお「あたしも構わない」
れいか「……」
あかね「で、話ってなんなん?」
れいか「……罰を与えます」キリッ
なお「罰!?」
れいか「やよいさんを苛めた罰です」
あかね「ちょっとまってーや!ちゃんと謝ったし……!!」
なお「そ、そうだ!!やよいちゃんも許してくれた!!」
れいか「私は許しません」
あかね「え!?」
なお「お、おい……!!」
れいか「二人にもやよいさんの受けた辱めを味わってもらいます」
あかね「ど、どういうことやねん!!」
なお「れいか!!やめて!!」
れいか「ふふふ……」
みゆき「とめにいこうよ!!」
やよい「う、うん!!」
みゆき「いそげー!!」ダダダッ
やよい「れいかちゃん……!!」ダダッ
ぎゃぁぁあああああ!!!!!
みゆき「!?」
やよい「あかねちゃん……!?」
みゆき「い、いそごう!!」
やよい「あの……みゆきちゃんはなにをされたの?」
みゆき「……やよいちゃんと同じ顔を強要されたの」
やよい「え?それだけ?」
みゆき「違うよ!!強要だよ!!無理やりなの!」
やよい「無理やりって……」
みゆき「もう……呼吸が何度も止まりそうになったし……」ブルブル
あかね「あはははは!!!!ひぐぅ……いぎぃ……!!!!」
なお「れいか!!あかねが死んじゃう!!!」
れいか「大丈夫。みゆきさんは耐えましたよ?」コチョコチョ
あかね「あばぃ!!いひひ……いびぃ……いぐぅ……!!!」
れいか「ふふ……いい顔になってきたましたね……」コチョコチョ
あかね「も、もうゆひ……て……いがぁ……!!!」
れいか「ふふ……だめです。やよいさんはもっと恥ずかしい顔をしてましたよ?」コチョコチョ
あかね「あふぅぅ……!!!いぎぃぃ!!!」
なお「やめて!!もうやめてよ!!!」オロオロ
みゆき「あかねちゃん!!」
やよい「うわ……」
れいか「あ、お二人もきたのですか?」
なお「あかねー!!あかねー!!!」
あかね「おぉぉ……ぉ……ほぉ……」ピクピク
あかね「ごめ……ん……やよ……ぃ……ごめん……な……」ポロポロ
やよい「ううん!!もういいよ!!喋らないで!!」
れいか「……さてと」ユラリ
なお「ひぃ?!」
れいか「……」ワキワキ
なお「や、やめて……れいか……おねがい……」
れいか「……」ワキワキ
なお「あぁ……ゆるして……ください……」ウルウル
れいか「なお?」ニッコリ
なお「は、はい……」
れいか「おしおきです」
なお「ひっ―――」
なお「にゃぁああああああ!!!!!!」
なお「んにゃぁ!?あはひぃ?!ひひひ……!!!」
れいか「なおの弱い部分はぜーんぶしってるのよ?」コチョコチョ
なお「あひぃ!?!?てき、かく……す……ふぐぅ……!?!」
れいか「ほらほら……もっと責めますよ?」コチョコチョ
なお「あっ!!ふぅぁん……ひぁ……!!」
れいか「どう?どう?」コチョコチョ
なお「れいにゃー!!!もうやめ……ひぁぃ……!!!」
みゆき「む、むごい……」
やよい「なおちゃん……」
あかね「……あかん……なおは……もうあかんわ……」
れいか「ふぅ……」
なお「おぉ……ほぉ……ぉ……ぁ……」ピクピク
れいか「今回はこれで許してあげます。私たちはスマイルプリキュアなのですから、もっと仲良くしましょうね?」ニッコリ
なお「は……はぃ……」ピクピク
ウルフルン「……」
れいか「あ!!」
ウルフルン「……」ジーッ
れいか「みなさん!!」
みゆき「は、はい……」オドオド
あかね「みんな。い、いくで」
なお「う、うん……」
やよい「よ、よーし!!」
ウルフルン(数人様子がおかしいが、どうやら戦えそうだな)
ウルフルン「いけ!!アカンベェ!!」
れいか「変身です!!」
れいか・やよい「プリキュア!!スマイルチャージ!!!」
みゆき・あかね・なお「すまいるちゃ~じ……」
ウルフルン(なんだ?)
ピース「―――ピカピカピカリン、じゃん、けん、ぽん!キュアピース☆」
ハッピー「きゅあはっぴ~」
サニー「さんさん……きゅあさに~」
マーチ「……ま~ち」
ウルフルン「なにがあった?」
ピース「そ、それが……」
ビューティ「みなさん?」
ハッピー・サニー・マーチ「!?」ビクッ
ビューティ「気合……いれてあげますね?」ワキワキ
ハッピー「え、えんりょ……します……」
サニー「ウチも……」
マーチ「やめてぇ!!!」
ピース「なんか、事あるごとにみんながくすぐられるようになっちゃって」
ウルフルン「……」
ハッピー「あんぎゃぁ!?」
サニー「ハッピー!!」
マーチ「うわぁ……」ガタガタ
ピース「勝負です!」グッ
ウルフルン「……」
ピース「あれ?」
ウルフルン「ふむ。もう戦う必要はなさそうだな。さらばだ」シュッ
ピース「あの!?ちょっと!!……勝ったのかな?」
ハッピー「ぉぉ……ぁぃ……」ピクピク
ビューティ「次は……サニーですね……?」
サニー「かんにんしてー!!!!」
マーチ「うわぁ……うわぁぁぁ!!!!」
ビューティ「ほーら、みんなで笑顔になりましょう?」ワキワキ
ハッピー「こんなスマイルじゃハッピーになれないよぉ!!!」
おしまい
Entry ⇒ 2012.03.17 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
犬「人間になりました」 男「そのようですね」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1331560900/
このSSはSS深夜VIPのSSです
男「興奮せずにはいられませんね」
男「人としての恥じらいに欠けているように思えて仕方が無いです」
犬「獣ですので」
男「ならしょうがないですね」
犬「しょうがないです」
男「散歩にでも行きましょうか」
犬「折角目の前に裸のようじょがいるというのに散歩ですか」
男「嫌ですか」
犬「大喜びです」
男「人は全裸で出歩くと捕まるのです」
犬「着たくないです」
男「散歩はやめますか」
犬「このしっぽのアグレッシブさを見て、よくもそんな酷いこと言えますね」
男「こんなこともあろうかと、以前買っておいた服が役に立ちました」
犬「普通、こんなことは起きません」
男「男はいつでも1%の奇跡を待っているんです」
犬「あまりのかっこよさにめまいがしてきました」
男「暖かくて気持ちいいですね」
犬「わけもなく駆け出したくなります」
男「対抗心が芽生えます」
犬「人としての矜持を捨てないでください」
男「散歩中の奥様方がたくさんいます」
犬「よその犬と挨拶してきます」
男「その間に奥様方から奇異の視線に晒されます」
犬「こんにちは。こんにちは。こんにちは」
男「違います。誘拐とかじゃないです。首輪はお洒落です」
男「流石にリードの言い訳が思いつきませんでしたから、苦肉の選択です」
犬「言い訳せずに逃げたりしたら、通報されるんじゃないですか」
男「夜逃げも視野に入れる必要がありそうです」
男「奇遇ですね、私もです」
犬「今日のご飯はなんですか。ぬらぬらしてるのが好きです」
男「ウェットタイプのことを言っているのですか」
犬「ぬらぬら」
男「人になったことだし、試しにご飯を食べてみましょう」
犬「もがもが」
男「当然、箸は使えませんよね」
犬「熱いっ、口の中が熱いっ」
男「言いがかりです」
犬「まだ口の中が熱いです」
男「水を飲みなさい。ほら、コップです」
犬「いつもの容器が空です」
男「ようじょが四つん這いで水を飲む様を見ていろ、と言うのですか」
男「他者の目があれば確実に通報されています」
犬「……ふぅ。少し口の中がすっきりしました」
男「それは何よりです」
犬「あの熱いのはもういいです。ぬらぬらをください。ぬらぬら」
男「ぬらぬらではなく、ウェットタイプのエサです」
犬「ぬらぬら」
男「ウェットフードは高いのです」
犬「……食べます。食べますけど」
男「その恨みがましい目をやめなさい」
犬「ぬらぬら……」
男「じゃあ、今度は私の番です」
犬「ご主人様がぬらぬらを食べるんですか。とてもずるいです」
男「人は犬のご飯を食べません」
犬「おいしいですよ?」
男「……少し、興味が出てきました」
犬「おいしいですよ?」カリカリ
男「もう騙されません。普通に料理を作ります」
犬「普段は神秘のベールに包まれた箇所に、興味深々です」
男「冷蔵庫に入らないでください」
男「冷蔵庫は住居ではなく、食品を保管する場所です」
犬「ささ寒いです」ガチガチ
男「抱っこすることで体温を分け与えます」ダキカカエー
犬「ようやく人心地つきます」シガミツキー
犬「その様をご主人様の背にしがみついて拝見します」
男「手馴れた様子でキャベツを千切りします」
犬「寒さで思わず出てしまった鼻水をご主人様の肩に垂らします」
男「それに気を取られて包丁で指を切ります」
犬「申し訳なく思います。犬なのにご主人様の邪魔をしてしまい、大変申し訳なく思います」ペコペコ
男「泣かなくていいです」
犬「ぐすぐす。せめてものお詫びに、舐めます」
男「何やら嫌な予感がします」
男「指でしたか。流石に邪推のし過ぎでしたね」
犬「お望みとあらば、ご主人様のちんちんも舐めます」
男「嫌な予感が的中です。お望んでません」
犬「ご主人様のちんちんは、ぬらぬらですか?」
男「いいから指を舐めてください」
男「感謝することしきりです。これで料理を再開できます」
犬「今度はご主人様に触れずに、静かに見守ろうと思います」
男「ようじょの柔肌が離れていくことに静かにショックを受けます」
犬「いつものご主人様に安心しました」
男「しかし、ようじょの舌使いを糧に、どうにか力を振り絞って料理を作ります」
犬「それを後ろから応援します。ふれーふれーご主人様ー」
男「ようじょのあどけない応援に気を取られ、このざまです」
犬「ロリコンはだめですね」
男「まったくです」
男「炭の味でした」
犬「じゃあ、ご飯も食べ終わったようだし、ブラシで毛をといてください」
男「犬用のブラシしかないのですが」
犬「犬なので大丈夫です」
男「元犬で現人なのでダメです。人用のブラシを買いに行きましょう」
犬「むう」
犬「見慣れぬ景色にやや興奮気味です」
男「普段の散歩ルートから離れていますからね」
犬「そして化粧品の匂いに顔をしかめます」
男「犬には少々きついかもしれませんね」
犬「さあ、お遊びはこの辺にして、ぬらぬらを探しましょう!」
男「ブラシを買いに来たのです」
犬「むう」
犬「ブラシを買いに来たと言ったのに。ぬらぬらはダメと言ったのに」
男「昼は炭だったから、晩は食べられるものがいいですね」
犬「ぬらぬら……ぬらぬら……」
男「……1つだけですよ?」
犬「っ! だからご主人様は好きなんです!!」ダキッ
男「ようじょに大きな声でご主人様と呼ばれたうえに抱きつかれ、あっという間に大ピンチです」
男「ぜー……ぜー……。いいですか、外では私のことをご主人様と言ってはいけません。捕まります」
犬「じゃあ、何と呼べばいいですか?」
男「……お、お兄ちゃん?」
犬「ご主人様は業が深いです」
男「ご主人様もいいが、お兄ちゃんもいいですね」
犬「よくよく観察してみれば、お兄ちゃんは気持ち悪いかもしれません」
男「気づかなかったのですか」
犬「ご主人様補正で気づきませんでした。でも大好きなのは変わりませんよ、お兄ちゃん」
男「お兄ちゃんという響きに、私の右脇腹にある浪漫回路がうなりをあげています」
犬「やっぱり気持ち悪いです」
男「そうです。そして事あるごとに私をお兄ちゃんと呼んでください」
犬「ご主人様でなければとうの昔に逃げていますが、了解しました、お兄ちゃん」
男「じゃあ行きましょうか、妹よ!」
犬「犬です」
男「ノリが悪いですね」
犬「犬にノリを求めないでください」
男「化粧品は犬の天敵ですね」
犬「でも、ぬらぬらのために我慢します。偉いですか、お兄ちゃん?」
男「ああ、可愛いぞ妹よ!」ナデナデ
犬「犬です」
男「なかなか夢を見させてもらえません」
犬「犬がようじょになっただけで満足しませんか」
男「人の欲求は果てないものです。そして、男は夢を追い続けるものです」
犬「あまりのかっこよさに震えが止まりません」
男「だから、『お兄ちゃん、大好きですにゃん♪』と言ってください」
犬「ご主人様がまさかの猫派です」
犬「ショックのあまり泣きそうです。もうすぐ泣きます。泣きます。ひんひん」
男「でも、お前と一緒にいるうちに、犬が猫と同じくらい好きになりました。それで許してはくれませんか」ナデナデ
犬「ぐすぐす……分かりました。許します」
男「ほっと胸をなでおろしました」
犬「ぬらぬら二個で手を打ってあげます」
男「うちの犬が交渉を覚えました」
男「うちの犬がウェットフードを両手に持ってご機嫌です」
犬「こんなに嬉しいのは今日のお昼の散歩以来です」
男「割と近い過去でしたね」
犬「しっぽの勢いも留まるところを知りません」ブンブン
男「はは、本当ですね。……いま気づきましたが、普通にしっぽがありますね」
犬「犬ですので」
男「もしかして、私が奇異の視線に晒されていたのは、私の挙動不審さが原因ではなく、そのしっぽ、そしてそのイヌミミのせいだったのではないでしょうか」フニフニ
犬「ミミを触られて少し恥ずかしいです」
犬「服犬にするだけで飽き足らず、さらにアクセサリーをつけるのですか、お兄ちゃん」
男「我慢してください。全てはお前のためなんです」ナデナデ
犬「帽子の上からなでられても、感触が届きません……」
男「我慢してください」
犬「犬の喜びの9割以上を占める欲求を我慢しろとは酷い話です。正直泣きそうです」
男「そのグラフおかしくないですか」
犬「頑張ってしっぽを振らないようにします。努力します」
男「ふむ。……犬はいい子だね、可愛いね」頬ナデナデ
犬「う、動きません。しっぽを動かしません」ブンブン
男「動いてます」
犬「だって、あんなことされたら喜んじゃいます。無理です。……ずるいです、お兄ちゃん」ブンブン
男「いけない、ちんちんが勃ちそうです」
犬「あっ、お兄ちゃんが気持ち悪い!」ピタッ
男「お、しっぽが止まりましたね」
犬「……わざとあんなこと言って、しっぽを止めたのですか?」
男「いや、純粋にお兄ちゃんという響きにちんちんが勃ちそうになっただけです」
犬「重ねて言いますが、お兄ちゃんは気持ち悪いです」
犬「ぬらぬらは既に確保済みです。早く帰りましょう」ダキツキッ
男「ブラシと私の食材がまだです。そう急かさないでください」
犬「本当にぬらぬらはおいしそうです。……じゅるり」
男「涎が垂れていますよ」
犬「大丈夫です、ぬらぬらにはかからないよう細心の注意を払っています」
男「私の腕に抱きついているためか、腕に全部かかっています」
犬「本当ですね」
男「明らかな他人事です」
犬「ここは化粧品売場が近いので鼻がひんまがりそうです。ふがふが」
男「鼻声もまた萌えますね」
犬「隙あらば気持ち悪いですね」
男「兄としてのたしなみです」
犬「お兄ちゃんは兄ではなくご主人様です。便宜上、お兄ちゃんと呼んでいるだけです」
男「鼻声でのお兄ちゃんはまた格別ですね」
犬「レベルの低い犬ならもう逃げ出しています」
犬「噛みごたえがあるのがいいです」
男「そんな観点で選んでいません。そもそも、噛んではダメです。そういえば、犬用のブラシも三代目ですね。ブラッシングが嫌いなのですか?」
犬「ごしごしされるのは好きです。お兄ちゃんに体を触られるのはたまりません」
男「それ以上はいけない」
男「犬用の噛むおもちゃを以前買ったと思いましたが、どうしてそれを噛まないのですが」
犬「犬としての沽券に関わるからです。どうして与えられたものを喜び勇んで受け取らなくてはならないのですか。獣としての本能が与えられるのを座して待つのではなく、奪え、と囁くのです」
男「なるほど、思ったよりしっかりした考えを持っていたのですね」
犬「あと、ゴム臭いから嫌です」
男「そっちが本音ではないのでしょうか」
犬「噛むとおえってなります。バナナマンの日村と同じ症状です」
男「いやに詳しいですね」
犬「お笑いのDVDを見るのは構いませんが、一緒に見る相手がいつも犬たる私だけというのはどうかと思います」
男「思わぬ所で友達がいないことを露見させられてしまいました」
犬「こちらの方が少し安いようです。よし、差額でぬらぬらを買いましょう!」
男「買いません」
犬「巧みな誘導のつもりでしたが、失敗しました。しょんぼりです」
男「もう既にふたつ買ったじゃないですか」
犬「そうでした。喜びが湧き上がります」ブンブン
男「しっぽに気をつけましょう」
犬「はや、はやや」ピタッ
男「あっ、可愛い!」
犬「あっ、気持ち悪い」
男「感情の発露が禁止されているようです」
犬「私と一緒ですね、お兄ちゃん」ブンブン
男「しっぽ」
犬「あぅ」ピタッ
犬「お兄ちゃん、私もそれ押したいです」
男「カートですか。まあ、何事も経験です、やってみなさい」
犬「ころころ、ころころ」
男「おお、初めてにしては上手ですね」
犬「ころころ、ころころ」フンス
男「褒められたことに気を良くするのはいいけど、スピードをあげないでください」
犬「ころころ、ころ……!!?」
男「見失いました」
男「未だに見つかりません。神隠しに遭ったと考えるのが妥当でしょうか」
犬「鼻! そうだ、私には鼻がある。くんくん、くんくん!」
男「しかし私は神を信じていないのでその案は捨てます。どこに行きましたか、私の犬」
犬「……今日ほど化粧品を憎く思ったことはないです」
男「何やら前方にしょんぼりしたようじょを発見しました。あのようじょには見覚えがあります。おうい、おうい」
犬「……? !!!」
犬「お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん!!!」
男「ぜ、全力で突撃するものではないです。内蔵が飛び出るかと思いました」ナデナデ
犬「私を置いていってはダメです! もう二度と会えないかと思ったじゃないですか!」
男「置いていったのではなく、置いていかれたのです」
犬「なんでもいいです。あのころころはとても危険です。もう近寄りません」
男「カートは悪くないと思います」
犬「お兄ちゃんがころころの味方をします。やはりあのころころは悪です。いつか痛い目を見せてやります」
男「近い将来、この店に弁償しなければならない気がします」
犬「なんですか、お兄ちゃん?」ムギュー
男「もう少し離れてもらわないと、歩きにくいのですが」
犬「嫌です。また離れ離れになるなんてコリゴリです」
男「店内で少し迷子になっただけで、少々大げさかと思いますが」
犬「あと、ころころを監視しておく必要もあるのです。今度はお兄ちゃんを連れ去ってしまう危険もあるのです」
男「さっきのは、お前がスピードを出し過ぎただけです」
犬「お兄ちゃんがころころをかばう……これが三角関係というやつですか?」
男「カートが自我を持ち、女性形態(小学生、あるいは中学生程度の凹凸が望ましい)になれるならその関係は成り立ちます」
犬「お兄ちゃんはブレませんね」
男「カゴを持ち歩くのは面倒ですからね」
犬「しかも、私の大事な大事なぬらぬらをその中に入れています。一瞬も目を離せません」
男「おや、犬用のおもちゃがたくさん売ってますよ」
犬「……!! でもころころが、ああ、でもこれ噛みたい。あっ、こっちの動く!」
男「ああカートが私を連れ去ってしまう」
犬「お兄ちゃんが!!!!?」
男「ごめんなさい嘘です」
犬「お兄ちゃんはもうころころに近寄ってはダメです! 禁止です!」
男「ちょっとした冗談で面倒な事になりました」
犬「こんな酷い冗談はなしです。あんまりです。泣きそうでした」
男「ごめんなさい」ナデナデ
犬「……お兄ちゃんだから許します。特別です」ブンブン
男「しっぽ」
犬「うわわ。帽子の上からなでられたから、大丈夫と思ったのに」ピタッ
男「帽子をとった上でなでると、どうなるのでしょうか」
犬「…………」キラキラ
男「熱い視線を送っているのに申し訳ないですが、外ではしませんよ」
犬「再び泣きそうです」
犬「私が我慢して押します。一時休戦です。苦肉の策です」
男「なるほど。頑張る犬に、特別におもちゃをひとつ買ってあげましょう」
犬「あまりのことに、しっぽがはち切れんばかりの勢いです」ブンブンブンッ
男「しっぽが他のお客さんにばれたら即座にこの店から逃げますからね」
犬「とまれー、しっぽとまれー。……止まりません」ブンブン
男「困りましたね。このままではいつばれるか気が気でないです」
犬「悲しいことを考えてしっぽを止めます。うーんうーんうーん」ブンブン
男「私も手伝いましょう。私は犬なんて嫌いです」
犬「嘘でも泣いちゃいます。ひーん」ピタッ
男「ああごめんごめんなさい。本当は大好きですよ?」ナデナデ
犬「ぐすぐす……」ブンブン
男「元の木阿弥です」
男「褒めたいですが、褒めると再び動いちゃうだろうから褒めません」
犬「それなら我慢します。家に帰ってから改めて褒めてもらいます。この我慢の分も褒めてもらいます。たぶん、ものすごく褒められます。なでなでされまくりです」ブンブン
男「想像だけでしっぽが動いてます」
犬「……ままなりません」ブンブン
男「いっそ、おしりにバイブをつっこんでいると喧伝し、それが猛威を奮っていると周囲に勘違いさせる方向で行った方がいいのでしょうか」
犬「安心と信頼のお兄ちゃんクオリティーです」ピタッ
犬「お兄ちゃんはセンスがないです。どうしてトラのぬいぐるみを選ぶのですか。怖いです」
男「ものすごく可愛らしくデフォルメされているのですが」
犬「奴らの獰猛さを侮ってはいけません。たとえどれほど可愛くよそおうとも、普通の生き物なら指先ひとつでダウンしてしまいます」
男「ぬいぐるみの話ですよ?」
犬「私は途中から北斗の拳の話になってしまいました。ほあたー」ペシペシ
男「……それで、結局このおもちゃは嫌なのですか」
犬「怖いですが、恐怖を克服するのも生物としての勤め。これでいいです、がんばります」
男「偉いですね」ナデナデ
犬「ああ、しっぽが。またしっぽが。こうなったらトラの恐怖で相殺です。がおーがおー」ブンブン
男「どう見ても楽しそうに遊んでます」
犬「たくさん買いましたね。袋が重そうです」
男「明日の分も買いましたからね。そう毎日行くのは面倒です」
犬「私もお手伝いします。ぬらぬらが入ってるのはどの袋ですか?」
男「結局それですか。まあ、そう言うと思ったのですが。はい、どうぞ」
犬「ぬらぬら! あっ、トラのぬいぐるみも! ……あれ、他には何も入ってませんよ?」
男「さあ、早く帰りましょう。あまりもたもたしていると日が暮れてしまいます」
犬「…………。あの、お兄ちゃん?」
犬「……だっ、大好きです!」
男「ようじょに告白されました。もう死んでもいいです」
犬「折角気合を入れて言ったのに、何もかもが台無しです」
男「冗談です。私も大好きですよ?」ナデナデ
犬「軽いです……。こっちとしては一世一代の告白でしたのに」
男「ふむ。……ええと、これくらい好きです」チュー
犬「……!!? お、おおお、お兄ちゃん!?」
男「か、風が強くなって来ましたね。早く帰りましょう、ええ帰りましょう」
犬「舌! 舌が入ってません! もっと舌をからませあうやつがいいです! でもさっきのもドキドキしていいです!」
男「夕食時のスーパーの近くは人がいっぱいなのですよ!?」
犬「お兄ちゃんに抱っこされて疾走するのは至福です♪」
おわり
犬ペロペロ
気が向いたら次も続編も書いてくれ
Entry ⇒ 2012.03.17 | Category ⇒ 男女「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
岡部「ラボメンが全員メンヘラになってた」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331126510/
突然、ラボ内にケータイの着信音がけたたましく響く。
ダルはケータイを取り出すと、そのディスプレイを見て、少し躊躇した様子で耳に添えた。
至「はいもしもし」
至「え? 誰が?」
至「僕が? 父さん?」
至「君の?」
至「なに言ってんの?」
至「は? 岡部倫太郎に代われ?」
至「なぁオカリン、謎の女が代わってくれってさ」
ダルが少しニヤけながら、ケータイを差し出してくる。
倫太郎「誰だ?」
???「オカリンおじさん!今すぐラジ館の屋上にきて!」
受話口から聞こえてくるのは、確かに女の声だ。
倫太郎「だから誰だよ」
???「あたしは、橋田至の娘。そして、未来から来たタイムトラベラー」
鈴羽「名前は、橋田鈴だよ」
倫太郎「え……?」
倫太郎「ちょ、ちょっと待て!何でお前が――ここにいるんだ!」
ていうか――こんな展開、前にもあったような。
燦々と照らしてくる日差しが眩しくて、たまらず手をかざす。
徐々に明るさに目が慣れてくると。
フェンスで囲まれた屋上の真ん中。
一見、人工衛星のような。
鏡のように景色を反射する、ソーラーパネルを両端に備え付けた円筒形の機体。
以前見た形式のものより、かなり洗練されたフォルムの――、
所謂タイムマシンが鎮座していた。
間違いない。やつがいる。
屋上に視線を巡らせていると、タイムマシンの陰から見覚えのある女がひょっこりと姿を現した。
鈴羽「オカリンおじさん!」
それは例によってダルの娘、バイト戦士及びジョン・タイターこと――阿万音鈴羽である。
倫太郎「今度はいったいどうしたというのだ……?」
倫太郎「え?」
今、鈴羽は何といった?
俺が死ぬ、と。
そう言ったのか?
鈴羽「さ、早く!おじさんを別のアトラクタフィールドへ逃がさなきゃ!」
言い終わるや否や、鈴羽は腕を絡めて引っ張ってくる。
それはすごい力で、抵抗するも、タイムマシンに向けてどんどん引きずられた。
倫太郎「やめろう!」
なんとか踏ん張る。
鈴羽「なにしてるの!おじさん、早く……っ!早くしないと!」
倫太郎「ま、待て待てーい!ちょっと待て!」
鈴羽「な、なんなのさぁ!事態は急を要するっていうのに!」
鈴羽「うわわっ!」
絡められた腕を振り払う。
倫太郎「まずは順を追って説明しろ!何が起こっているのか、状況がさっぱり理解出来ん!」
鈴羽「そんな悠長な事を言ってる場合じゃ……!」
倫太郎「悠長だろうとなんだろうと、俺はもうタイムマシンには乗らんと誓ったのだ!」
倫太郎「よほどの理由がない限りはな!」
そもそも、この不確定な未来が待っている混沌の地に鈴羽がこうして現れた時点で、
俺にとっては青天の霹靂に他ならない。
今まさに、地雷原で自転車を漕がされているような気分なのだ。
鈴羽「言ったよ。死んじゃうんだ、本当に!」
クッ、やはり俺の聞き間違いという訳にはいかないか……。
倫太郎「そ、それは何故だ!」
思わず興奮してしまい、半ば怒鳴り声となった俺の問いに鈴羽は眉をひそめた。
目の前の鈴羽が、ゴクリと息を呑む。
鈴羽「それ、言わなきゃダメ、かな……?」
倫太郎「言わないならば、俺がここにいる理由はない」
鈴羽「うーん……」
バツの悪そうな顔で逡巡しながら、チラチラと俺を見てくる。
死亡宣告を受けてしまったこの俺に、気を遣っているのだろうか。
倫太郎「構わん。言ってくれ……」
鈴羽「わ、わかったよ」
決心したのか、それとも諦めたのか、鈴羽は力なくため息をついた。
せっかく助けに来てくれた鈴羽には悪いが……。
もしも、自然的な死であるのならば、俺にはそれを受け入れる覚悟があった。
なぜなら、本来死ぬはずの俺が助かるという事は、因果律をねじ曲げるということ。
それがたった一つの事であろうと、バタフライ効果によって、
未来に多大な影響を与えてしまうかもしれないからだ。
世界線を移動する事で、下手をすれば、未来で第三次世界大戦が起こるかもしれない。
未来で、SERNによるディストピア構築が成されるかもしれない。
要するに、短絡的な過去改変は、この大切な世界を致命的に傷つけてしまう恐れがあるのであって、
俺一人の命のために、そんな危険は冒すべきではないのだ。
鈴羽「う、うん。えっと――」
鈴羽「おじさんのそもそもの死亡原因を作ったのは、PSP版比翼恋理のだーりんが発売した事だった」
倫太郎「なに?だーりんだと?」
倫太郎「なぜ、そんなものが……?」
鈴羽「そ、それは……」
倫太郎「言葉を選ぶ必要はない。遠慮せずに言ってくれ」
鈴羽「それは……ラボメンガールズが、PSP版発売によって、ようやくだーりんをプレイ出来る状況になったから」
倫太郎「なに……?」
鈴羽「ラボメンガールズは全員、XBOX360については不所持だった」
鈴羽「だからみんな、PSP版が出るのを待ってたんだよ」
ふむ……。
しかし、俺が死ぬ事とラボメンたちがPSP版だーりんをプレイする事の、
どこに因果が発生するというのだ?
いま一度、思い起こしてみる。
比翼恋理のだーりんといえば、元はXBOX360で発売された、『Steins;Gate』のIfストーリーが収録されたADVゲームだ。
それは、本編とは別の世界線変動率3%――δ世界線にて、
ラボメンたちとのあったかもしれない物語を描いたものとなっている。
全てのルートが、甘酸っぱい恋物語へと展開していく、言わば本編を戦い抜いた戦士たちに贈る一種の癒やしである。
一部アッーなのもあったが、あれはあれで俺も彼の健気さに泣きながらプレイしたのはいい思い出だ。
ハッ――まさか。
鈴羽「そう、彼女たちは識ってしまったんだ。ある可能性世界線の記憶を、“思い出して”しまったの」
魔眼、リーディング・シュタイナーの亜流『リコーリング・シュタイナー』!!!
鈴羽「そこからは、ひどいものだったよ……」
鈴羽は目を伏せて、いやいやをするように首を振った。
鈴羽「始まったのは、おじさんの“とりあい”。第一次ラボメン大戦の開戦」
倫太郎「そんな馬鹿な!」
なんだそれは!聞くからにアホっぽいではないか!
鈴羽「馬鹿でもなんでも、実際に起こった事なんだ!」
倫太郎「ぐっ……!」
鈴羽「岡部倫太郎が、彼女たちを守るために、決して諦めなかったように」
鈴羽「彼女たちもまた、岡部倫太郎を決して諦めなかった」
ここだけ聞くと、なんだか嬉しいやら照れるやらで済むのだが……。
ディソードってなんだ!?
鈴羽「長い戦いの末、ラボメンガールズたちは疲弊して、下手をうてば全員同士討ちになりかねない状況まで陥った」
倫太郎「嘘だろ……そんなにもか!?」
鈴羽「本当だよ、もう限界だった。そんな中、ある話し合いにより、彼女たちの間で一つの案が出された」
鈴羽「発案者は、牧瀬紅莉栖」
……だんだん怖気がしてきた。
鈴羽「ラボメンガールズたちはその案に同意し、それぞれ刃を収めた」
倫太郎「……」
俺は、たまらず眉間をつまんだ。
頭が痛い。
まるで銃を突きつけられた時のような、首筋がチリチリするような焦り。
恐怖。
今すぐこの場に座り込んでしまいたいくらいに、ガクガクと足が震えた。
鈴羽「そして、その案がとうとう実行に移されて、おじさんは……」
倫太郎「お、俺は……?」
訊くと、鈴羽は今にも泣き出してしまいそうな顔で、
鈴羽「オカリン、おじさんは……」
言葉に詰まりながら、驚愕の結末を口にした。
鈴羽「分配、されたんだ……。全員に、均等に……」
倫太郎「分……配……?」
鈴羽「あ、ちなみに分配って言うのはね――」
倫太郎「いやいい!言わなくていい!もうわかった!」
ひええ。
ニュージェネ事件に匹敵する猟奇っぷりだ!
あのルカ子の事、そんな恐ろしい事が出来るとは到底思えないのだが。
鈴羽「漆原るかは、本人の代わりに漆原栄輔が参戦してたからね」
倫太郎「よし行こう!すぐ行こう!鈴羽、今すぐタイムマシンを起動するのだ!」
もはや已むをえん!
鈴羽「オーキードーキー!」
俺の発令により身を翻した鈴羽が、タイムマシンの外部パネルを操作した。
ハッチを開けるためだろう。
しかし、しばらく操作して、鈴羽は首を捻った。
鈴羽「あっれー?おかしいな……」
倫太郎「どうしたのだ!」
鈴羽「指紋認証が受け付けられないんだよ」
倫太郎「なに!?」
そんな馬鹿な事があるのか?まさか、故障?
倫太郎「く、来るときはどうだったのだ?」
鈴羽「え?」
倫太郎「ここに来たという事は、タイムマシンに乗ったという事だ!」
倫太郎「その時はどうだったのか、と聞いている!」
鈴羽「ど、怒鳴らないでよ」
倫太郎「あ……すまん」
鈴羽がポリポリと頭をかいた。
鈴羽「えっと……来るときは、そう、父さんがハッチを開けて――」
それだ!ダルのアホ!!!
倫太郎「なんだよ!一番大事なところで抜かってるではないか!」
鈴羽「どういうこと?」
倫太郎「お前、それは本気で訊いているのか!?」
鈴羽「だから、怒鳴らないでってば……。オカリンおじさん、こわい……」
鈴羽「父さんを?」
こうなれば、タイムマシンの扉を開けられるのはダルの指紋しかない!
倫太郎「そうだ!お前はここでタイムマシンを見張っていろ!」
鈴羽「う、うん!わかったよ!」
ラジ館の階段を半ば飛び降りるように駆け下り、走ってラボに向かう。
途中で何度かすれ違う人と肩がぶつかり、背後から怒声や罵声を浴びせられるが、
今はなりふり構っているヒマなどなかった。
狭い裏通りを駆け抜け、俺はようやくラボのある大檜山ビルへとたどり着いた。
ゼイゼイと呼吸をする。
だが、いくら肩で息をしようとも、肺に酸素が入ってくる気がしない。
室内はシンと静まり返っている。
まゆり「あ、おかえり~ん♪」
俺に気付いたまゆりが、小さく手を振ってきた。
倫太郎「まゆりかっ……はあ、はあ!」
まゆり「ど、どうしたの? オカリン、すごい汗だよ。大丈夫?」
俺の尋常でない様子に、まゆりがコス作りの手を止めた。
ソファから立ち上がると、心配そうに歩み寄ってくる。
倫太郎「だ、大丈夫……だっ!はあ、はあ」
倫太郎「それより……ダルを知らないか?」
ラボ内に視線を巡らす。
が、ダルの巨大は見あたらなかった。
さっきまで居たのに、どこへ行ったというのだ!
まゆり「それが……」
突然、しゅんとする。
まゆり「ダルくん、今は手のひらが“焼け”ちゃって、病院なんだよ……」
倫太郎「なん……だと?」
手が、焼けた!?
焼けただと!?
ダル、大丈夫なのか!?
俺が狼狽えていると、まゆりは唇に人差し指を当てて、何かを思い出すように首を捻った。
まゆり「なんだっけ、えんさん?」
倫太郎「えんさん……え、塩酸だと!?」
まゆり「うん……手がね、じゅーって」
いや、そんなの聞きたくない!
本気でゾッとする。
ひええ。
まゆり「それでね、まゆしぃね、なにもできなくて、今まで“ダルくん、ごめんね、ごめんね”って……」
更に、しょんぼりとして肩を落とした。
その割に、普通に挨拶もしてきたし、今なんて裁縫していたような気がするが……。
そこで、俺は気付いてしまった。
まゆり「???」
まゆりのトートバッグから覗く、茶色い、いかにも薬品を入れるようなガラス瓶を。
まさか、まゆりがダルの手を?
なぜだ……?
今までの話と照らし合わせ、一つの答えが像を結ぶ。
手が焼ける。
指紋が無くなる。
と、言うことは、タイムマシンのハッチは未来永劫に開く事はない。
俺の逃げ場は完全に無くなったということ。
まゆりは、――未来で――分配されてしまった俺の一部の持ち主。
ダルの手を焼いたのは――まゆり。
倫太郎「ま、まさか……」
ど、どうやったのかは知らん。
だが――。
倫太郎「まゆり……?」
おそるおそる、呼びかける。
まゆりの顔は、いつものような、ほわほわした微笑み。
だが、何かが違う。
陽光のような、あの暖かさが感じられない。
倫太郎「お前……タイムリープしてねぇ?」
たまらず訊いてしまった。
いや、そうとしか思えなかった。
PSP版の発売されていない今この時点で、まゆりがダルや鈴羽の行動を阻止する事は不可能。
そうする“理由”が無いから。
すなわち……まゆりは、タイムリープしている!
たまらず距離をとり、見慣れたはずの幼なじみの顔を眇見る。
すると、まゆりは今まで見たことのないくらい、冷たい笑みを浮かべた。
まゆり「えっへへー♪バレちゃいました。さすが、オカリンだね」
倫太郎「あ……あ……っ!」
まゆり「でもね、勘違いしないでほしいんだ。まゆしぃはね、オカリンを護るために未来から来たんだよ?」
倫太郎「くっ……!」
そんな事を言って……ダルの手を焼いたじゃないか!!
まゆり「さ、オカリン。まゆしぃと一緒に行こう?」
差し伸べられた小さな手。
今の俺にはそれが、とてつもなく恐怖に感じられた。
結局まゆりが怖くて、あの場からすぐに逃げ出したのだ。
途中、ダルが心配で電話してみたが、やはり病院で治療を受けているのか出ることはなかった。
そして、すがるような気持ちでここに戻ってきたのだが。
倫太郎「おーい!鈴羽! どこにいる!」
いるはずの鈴羽を呼んでみるが、返事はない。
おかしい。
タイムマシンを見張っていろと言ったのに、屋上に鈴羽の姿は見当たらなかった。
???「鈴羽って誰の事?」
倫太郎「!?」
タイムマシンの陰から声がした。
続いて、
紅莉栖「ひょっとして、他の女なの?」
声の正体が歩み出てきた。
その視線は鋭く、俺を射抜くように真っ直ぐ見据えてくる。
倫太郎「助手!」
紅莉栖「助手じゃない」
倫太郎「え……?」
そして、呼びかけに返ってきたのは、重く、冷ややかな声。
紅莉栖「なに?」
今度は、ニッコリと微笑む。
しかし、その顔もまゆりのそれと同じ雰囲気を醸し出していた。
こいつは……タイムリープ・紅莉栖なのか?
俺の頭の中に、危険信号が走る。
倫太郎「こ、ここにいた……おさげの女を、し、知らないか?」
本能が逃げろ逃げろと身体に訴えてくるが、これを訊かずにはいられない。
彼女はもはや、最後の希望だ。その鈴羽はいったい……。
紅莉栖「やっぱりあの女か……」
倫太郎「!?」
紅莉栖「残念だけど、彼女ならもう“いない”わ」
倫太郎「……っ!」
“いない”って……どういう、事だ……!?
そんな疑問を見透かしたように、紅莉栖はもう一度、ゆっくりとした口調で繰り返した。
紅莉栖「もう“いない”」
全身に戦慄が走る。
いくらなんでも過激すぎる手段だ。
となると、俺を他のアトラクタフィールドへ逃がそうとした鈴羽はどうなった……?
紅莉栖「あんたがそこの扉を開けて出てくる数秒前に、なんでか“飛び降り”ちゃったのよね」
倫太郎「な……に……?」
途端に、気が遠くなる。
意識が遠退いたために本能がそうさせるのか、俺の耳は研ぎ澄まされた。
ラジ館の前。
この屋上の真下からは、人々の悲鳴が聞こえる。
悲鳴。悲鳴。悲鳴。
ゾワリと、全身が総毛立った。
倫太郎「鈴羽っ!!」
フェンスに駆け寄る。が、下はよく見えない。
確認できるのは、飛び散った血と大勢がどよめく気配のみ。
胃の内容物が一気にこみ上げてきたような感覚に、俺は激しくえずいた。
紅莉栖「へぇ、彼女、あんたの大切な人だったんだ?」
背後から声。
それはまるで、紅莉栖の声ではないみたいに冷たい。
振り返らないまま訊く。
いや、振り返れないといった方が正しい。
出来れば、それが勘違いであってほしい。
だが、
紅莉栖「……そうだとしたら?」
紅莉栖から返ってきたのは、残酷すぎる真実であった。
倫太郎「……っ!」
まるで、頭をガツンと殴られたような衝撃。
俺は、ヨロヨロとその場に膝を突いた。
倫太郎「なぜだ……ッ!なぜ、そんな事を!」
そして、次に聞こえてきたのは、
???「凶真が悪いニャ」
倫太郎「!?」
紅莉栖とは違う声。
フェイリス「凶真が、フェイリスたちから逃げようとするからニャン」
萌郁「……ん。逃げちゃだめだ……逃げちゃだめだ……逃げちゃ……」
紅莉栖の横には、いつの間にかフェイリスと萌郁が立っていた。
フェイリスはいたずらっぼく笑み、萌郁はブツブツとなにかを呟いている。
倫太郎「なんでだよ……なんでお前らまで……!」
紅莉栖「もう、あんたは逃げられないのよ」
倫太郎「クッ……」
紅莉栖「岡部が私たちに“分配”されるように、全ては収束するの」
フェイリス「やっぱり、いくら凶真といえど、決定論的な力に支配された世界からは、絶対に逃れられないのニャ」
ダメだこいつら……。
既に目的が、俺を分配する事にすり替わってしまっている。
フェイリス「そんな事言っていいのかニャ、クーニャン?言っておくけど、今度は負けないニャ」
萌郁「……望むところ」
倫太郎「そ、それはダメだっ!!」
紅莉栖「なら、話は決まりね」
フェイリス「生きてる凶真と一緒になれなくて、残念だニャン」
倫太郎「……っ」
紅莉栖が、フェイリスが萌郁が、じりじりと歩み寄ってくる。
俺は逃げ場もなく。
ただ、背後のフェンスに背を押し付けて悶えた。
その時だ。
まゆり「みんなー、お待たせー♪」
漆原父「いやあ、遅くなりました。鳳凰院君は……居るようですね」
さっきから、状況は悪くなる一方だ……。
まゆり「クリスちゃんクリスちゃん、頼まれてたノコギリ、ちゃんと持ってきたよ~♪」
紅莉栖「サンクス、まゆり」
終わった。
全てが終わった。
もはや救いなど、一つも期待できない。
俺は、こんなところで殺されてしまうのか……。
しかも、よりにもよって、なにより大切な仲間たちの手で……。
紅莉栖が、まゆりの手からノコギリを受け取る。
俺は囲まれていて、逃げ場などない。
紅莉栖「大丈夫、岡部。苦しまないようにしてあげるから」
冷たい目で、うっすらと笑みを浮かべる紅莉栖が俺を見下ろしてくる。
まさか自分が、こんなスプラッタな事件に被害者として巻き込まれるなんて、思ってもみなかった。
神を冒涜した俺の罪は。
こんなにも残酷な罰によって購わなければならないのか。
震える肩で、大きく息をつく。
倫太郎「……。これも……運命石の扉の選択、なのか……」
まゆり「そういう事、なのです」
まゆりの声を聞いて、俺は口を結び、きつく目を閉じた。
数人の、ラボメンたちの歩み寄ってくる足音。
怖い……。
何が死ぬ覚悟は出来ている、だ。
全然そんな事ないではないか。
……なあ、狂気のマッドサイエンティストよ。
ラボメンたちの足音が止む。
すぐそこで、紅莉栖たちが佇んで見下ろしているような気配。
全員が、落ち着いた息遣いをしている。
突然、頬に冷たい感触。
一瞬、俺にはそれがノコギリだと思えて身体が勝手にビクリとした。
紅莉栖「プッ、あはははっ!」
紅莉栖の吹き出す声にびっくりして目を開けると、
俺の頬に添えられていたのは、彼女の手だという事に気がついた。
倫太郎「な……に……?」
そして、紅莉栖の肩越しに見える――プラカードを掲げたダルと鈴羽の姿。
“ドッキリ大成功”
プラカードには、そう書かれていた。
倫太郎「え!?」
萌郁「……ん。……テッテレー♪」
さらにびっくりして全員の顔を見回した俺に、頷いた萌郁があのSEを口ずさむ。
倫太郎「な……」
ラボメンたち「ドッキリ大成功!」
俺はたまらず仰天した。
倫太郎「な、なな……」
まゆり「え? バナナ?」
倫太郎「違う!というか、なんなのだこれは!なんなんだお前たち!」
倫太郎「やかましいわ! こんの馬鹿者どもめがーーっ!」
いくらなんでも、これはたちが悪すぎるぞ!
こんなドッキリをかまされた日には、ガンジーでも怒ってその日のうちに暗黒面に堕ちるレベルである。
ていうか、今まさにクソとションベンを同時に撒き散らしてしまうところだったではないか!
くそう。……怒ろうにも腰が抜けて立ち上がれない。
紅莉栖「いやー、あんたの顔、真に迫ってて良かったわ」
フェイリス「うんうん。真っ青だったニャ」
るか「ごめんなさい、おか……じゃなかった、凶真さん」
当たり前だ!ガチだと思ったのだからな!
紅莉栖「それにしても岡部、ゲーム一つであんたの“取り合い”が起こるって本気で信じたの?」
倫太郎「そ……それは……」
倫太郎「ぐっ……」
ラボメンガールズたち「……」
倫太郎「えっ?」
心なしか、ラボメンたちが紅莉栖を睨んでいる気もするが、きっと俺の気のせいだろう。
見なかった事にしておく。
倫太郎「な、なんにしてもお前たち、とんでもなく手の込んだイタズラを仕組んでくれたものだな!」
鈴羽「いや~、それがさ、そんなに手は込んでないんだよねぇ」
倫太郎「なに!?」
倫太郎「お前の飛び降り演出など、手が込んでいたとしか言いようがないではないか」
あの飛び散った血とか、下で騒いでいた人々とか。
エキストラまで雇ったのかと思ったのだが。
鈴羽「ああ、あれは彼の演出だよ」
鈴羽がタイムマシンを指差す。
すると、その向こうから、気弱そうな男がなんとも挙動不審な様子で出てきた。
拓巳「り、リア充、ば、ばば、爆発、しろ……ふひひ」
拓巳「き、君が見たのは、ぜ、ぜぜ、全部僕の、も、妄想だから」
妄想……だと?
ま、まさか……!
倫太郎「どこかで聞いた“声”だと思ったら……」
倫太郎「き、き、貴様っ!まさか、ナイトハルトかーーっ!」
拓巳「ちょ、な、なんで、知ってるの?」
倫太郎「知らん!自分の胸に聞いてみるんだな!」
拓巳「ていうか、ば、バラすなよ!」
やはりナイトハルトだった。
それを聞いたダルが飛び上がらんばかりに驚く。
至「えっ!?マジで? ちょ、待って。マジで疾風迅雷のナイトハルトなん?」
拓巳「う、うん……」
至「すげー!握手してくださいお願いします!」
ナイトハルトは目に見えて嫌がったが、ダルは半ば強引に手を取った。
HENTAIマイスターの二人が、握手を交わす。
拓巳「な、なんだよ」
倫太郎「こっちのセリフだっ! なぜだ!なぜ貴様がいるのだ!」
拓巳「な、なぜって……」
ナイトハルトが言い淀み、チラリと鈴羽を見やる。
鈴羽「あー、うん」
ばつの悪そうに頭を掻きながら、鈴羽が顔を寄せてきた。
俺の耳元までくると、彼女は小さな声で囁いてくる。
鈴羽「いやあ、ゴメンゴメン。実はさ、あたしはIBN5100回収の任務を受けて未来からやってきたんだけどね」
鈴羽「それがなかなか見つけらんなくて。そこで、ネット上で知り合った彼がIBN5100探しを手伝ってくれたんだよね」
倫太郎「なんだと……? し、しかし、なぜヤツが今回のドッキリにまで荷担している?」
鈴羽「それがさぁ、あたしがIBN5100探しのお礼がしたい、って言ったら、今回のドッキリを提案されちゃって」
鈴羽「だから荷担したのは、あたしたちの方なんだよね」
倫太郎「ナイトハルトが発案者……だと?」
鈴羽「“恨みは無いけどいっぺん爆発しろ”って。オカリンおじさんを爆破したかったみたいだね」
倫太郎「ぐぬぬ……!」
なんという事だ!
鈴羽とナイトハルトを交互に睨みつけてやる。
しかし、ナイトハルトは目を合わさない。
というかこいつ、さっきからキョロキョロと……。
紅莉栖「それにしても、ギガロマニアックスか。興味深いわね」
紅莉栖はナイトハルトに興味津々なようで。
VR技術がどうだの周囲共通認識の限定使用がどうだのと難しい話をしてナイトハルトにどん引かれている。
それにしてもこのギガロマニアックス、恐ろしい子ッ!
ダルがギガロマニアックスでなくて良かった。
もしもダルがそうなら世界は終わりだ。
見ると、まゆりが手を差し伸べてきていた。
それを取って、助け起こしてもらう。
倫太郎「うむ。 そういえば……まゆりの演技も大したものだった」
まゆり「えっへへ。怖がらせちゃって、ゴメンねー」
倫太郎「フン、あれしきの事。この鳳凰院凶真が怖がるはずなどない……ん?」
メールだ。萌郁からだった。
From.閃光の指圧師
Sub.ほんとに
『ゴメンね岡部くん(^-^;) つい、面白そうだったから 萌郁』
倫太郎「おい、指圧師よ!」
萌郁「……?」
倫太郎「貴様、面白そうとはなんだ!面白そうとは!」
萌郁「あ……」
フェイリス「でも、ドッキリを仕掛けるのにワクワクしたのは事実ニャ」
倫太郎「ワクワクせんでいい!おい、お前たちもそうだぞ!」
ラボメンたち「???」
倫太郎「こんなドッキリなど、もう二度とするなよ!次こそ俺の右手が暴走しないとも限らん!」
倫太郎「あとナイトハルトと鈴羽は帰れ!即刻だ!」
言いながら、二人をズビシッと指差した。
拓巳「う、打って変わりすぎ、く、クソワロタ、ってか、僕も、ま、満足したし」
拓巳「い、言われなくても、か、帰る、ふひひ」
くそう……。こいつめ、いつか仕返しをしてやらねばなるまい。
倫太郎「二度と来るな!」
鈴羽「はいはい。じゃ、未来でね」
屈託のない笑顔で笑い、踵を返す。
鈴羽は、そのままタイムマシンに向かって駆けていった。
倫太郎「くぬぬ……!」
フェイリス「スズニャン、またね!」
るか「また、いつか会いましょう!」
まゆり「ダルくんによろしくねー♪」
至「いや、今ここにいるがな」
紅莉栖「橋田の事だけど、あんたじゃないから」
萌郁「どういう、意味……?」
萌郁だけは不思議そうに首を傾げている。こいつには、いずれ時が来たら教えてやろう。
鈴羽「あははっ♪ それじゃ、みんなありがとう!まったねー!」
それぞれと別れを交わした後で、橋田鈴はタイムマシンに乗り込んだ。
周囲の景色が、そこだけグニャリと歪んで。
タイムマシンは、一瞬にして目の前から消え去った。
辺りに虹色の燐光を残して。
その時、ラジ館の屋上には春先の、暖かい一陣の風が吹いた。
至「さーて、ドッキリも成功した事だし、打ち上げいこうず」
静寂を打ち切り、ダルがノリノリで言う。
まゆり「さんせーい!」
フェイリス「フェイリスもお腹ペコペコニャ~」
るか「ボクもです」
紅莉栖「ねえ、西條さんも一緒に行きません?」
拓巳「い、いやだ……」
倫太郎「……」
紅莉栖め。なぜナイトハルトの前ではしおらしいのだ。
まゆり&至「おーう!」
るか「ま、待ってくださーい」
萌郁「……」
ラボメンたちが、ワイワイと屋上入り口へと向かっていく。
そんな中、紅莉栖だけが振り返ってきた。
紅莉栖「……ボケっと突っ立ってないで、あんたもさっさと来なさいよ」
倫太郎「あ、ああ……」
紅莉栖「……? どうしたの?」
紅莉栖「なっ、なによ。いきなり名前で呼ぶな!焦るだろ――」
倫太郎「……あのδ世界線の俺はどうか知らんが、この世界線の、今ここにいる岡部倫太郎は」
紅莉栖「え、なにを――」
倫太郎「何があろうと、牧瀬紅莉栖一筋であると誓う」
倫太郎「だからこれからも、その……よろしく頼む」
紅莉栖「――っ!」
見る見る顔を赤くし、紅莉栖は俯いてしまった。
倫太郎「あと、その……打ち上げの食事代を少しばかり貸して下さいお願いします」
紅莉栖「し、しょうがないな……」
フハハ、実にチョロいな。8bitの紅莉栖並みにチョロい。
http://www.youtube.com/watch?v=ck_Oz3qv2NI&sns=em
おわり。
倫太郎「ちなみに、ナイトハルトとの絡みは8bit――変移空間のオクテッドに収録されている」
倫太郎「興味のある者は、是非ともチェックしてみてほしい」
倫太郎「と、いうわけで、さらばだ諸君。エル・プサイ・コングルゥ――」
乙
楽しませてもらった
タクが出てくるとなんか嬉しいや
あと一月半か・・・
Entry ⇒ 2012.03.17 | Category ⇒ シュタインズゲートSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
響「プロデューサー、中は絶対ダメだぞ!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330262168/
響「自分、すぐ戻るから外でまっててよね!」
バタン
P「さて、響の家の中はどんな…」
ガチャ
P「うわぁ、これはグチャグチャですね。たまげたなぁ…」
響「しばらく構ってやれなかったから犬美達が怒っちゃったんだぞ…」
ペットに荒らされた部屋を見られたくない我那覇くんかわいい
P「前乗ってた車は学生の頃から乗ってたからな」
P「走行距離10万いっちまったから買い替えた」
響「排気音でかくない?社会人として問題アリさー」
P「うぐっ…仕事では会社のセダンとミニバンを使うんだしいいだろ」
響「この2012年にシャコタン車に乗る芸能プロデューサーって…」
P「文句言わない!家まで送ってくから早く乗りなさい」
響「はーい」
響「しかし音でかいぞ…近所迷惑さー」
P「そんなでかないで!」
響「あ!自分ちだ!」
P「この辺で降ろせばいいか」
響「ありがとプロデューサー!」
P「765プロ稼ぎ頭の響ちゃんの為ならなんでもするで」
響「そんな言っても何も出ないさ…お茶くらいなら出すよ!」
P(そんなもん週刊誌に抜かれたらエラいことやで…)
P「じゃあちょっとお邪魔するよ」
響「はーい!先に行って準備してるね」
P(しかし超絶天使響ちゃんに誘われたらNOということなどできるはずもない)
P「車どこに停めよう…」
P「路駐でいいや!」
P「ひびきー?」コンコン
響「プロデューサー!ちょっと待っててほしいさー」バタバタ
P「ウィ」
ギャーギャーバタバタ>
P(なんか暴れてるで…)
ガチャッ
響「ぷ…プロデューサー…お待たせ」ゼェゼェ
P「なんで息切れてんの?」
響「気にしないで!さぁ!」
響「あ、あんまりじろじろ見ないで…恥ずかしいぞ」
P「す、すまん」
響「その辺座って待っててよ!コーヒーでいいよね?」
P「あぁ、頼む」
響「すぐいれてくるねー」パタパタ
P「…」キョロキョロ
P「ペットは…どこだ?」
P「ありがとな、響」
響「砂糖とミルクは要る?」
P「このままブラックでいいよ」
響「ブラック…やっぱり大人だぞ…」
P「んあ?」ズズー
響「自分ブラックは飲めないさー」
P「こんなもん好みだからな。飲める飲めないじゃなくて合う合わないさ」ズーッ
響「そう?」
P「なんていうか…イメージがなかったよ」
P「ジャスミン茶ばっか飲んでると思ってた」
響「じゃすみん?」
P「さんぴん茶な」
響「あぁ!そっちも飲んでるよ!でも最近朝はコーヒー飲むようにしてるんだ」
響「砂糖とミルク入れたあったかいの。シャッキリするんさー」
P「へー」
響「えへへー」
P「長居してもなんだし、俺も帰るかな」
響「あっ…」
P「どうした」
響「なっなんでもないぞ!気を付けて帰ってね!」
P「ウィ」
響「な、なにかな!」
P「ペットはどうしたんだ?部屋にいなかったけど」
響「しょっしょれは」
P「しょれは?」
響「プロデューサーが来るから…その…ちょっとお風呂やクローゼットに隠れてもらったんだ」
P「そんなことしなくてもらわなくてもいいのに。皆普段から事務所にも来てるし俺にも馴れてるだろ?」
響「その…折角プロデューサと…ゴニョゴニョ」
P「なんやて?」
響「な、なんでもないぞ!」
響「ぷ!プロデューサー!」
P「どうした?」
響「えと…その…また明日!」
P「あぁまた明日な。おやすみ響」
響「ゆくいみそーれー、プロデューサー」
バタン
響「うぅ…折角のチャンスが…」ガクリ
>>37が書いてもええんやで(ニッコリ)
(アカン)
ピンポーン
響「ひゃ!?」
響「ま…まさか」
P『ひびきー』
響「やっぱりプロデューサーさぁ。帰るんじゃあ?」
P「他の路駐車に前後ビタ付けされててな。出れないんだ」
P「悪いけどもうちょっとだけ居させてくれないか?」
P「面目ない…」
響(これは…チャンスだぞ自分!この機を生かさないと…!)
響「ま、まぁしょうがないよね!ゆっくりしてくれればいいぞ!」
P「ありがとな響。ほんま関東の路駐は無茶苦茶やで…」
響(えーとえーっとえーっと…)
響「コーヒー飲む?プロデューサー?」
P「いや、コーヒーはいいよ」
響「そ、そう?」
P「…さんぴん茶が飲みたいな。響と」
響「へぇあ!?」
P「さっきのコーヒーだって俺しか飲んでなかったからさ、響の家なんだし響がくつろがないと」
響「あ、あぁ。そうだね!」
響「じゃあちょっと待っててね!」パタパタ
P「そんな急がんでもいいよ」ハハハ
北斗と風呂いってくるわ
俺の中ではマークIIツアラーだったわ
響(最高のさんぴん茶を淹れて…そこから怒涛の攻撃をするさー!)
P(折角響ちゃんの家に来たんや、パンツの一枚でも持って帰らな)
響「おまたせープロデューサー」
P「おお、ありがとう」
P「あー…いい香りだな…」
P「何故こんなツマミを響が」
響「イヌ美が食べてるの見てたら美味しそうだなって思って…」
P「犬用かい!」
響「違うよー!これはちゃんと人間用のだぞ!」
P「そ、そうか。響はたまに動物のエサ食べてるからこれもそうかと…」
響「うぅ~、いくら自分でもプロデューサーにはペットのエサなんて出さないぞ…」
響「…」
P「響?」
響「ゆ、許さないぞ」
P「え」
響「ゆーるーさーなーいー!」
P「えぇ~」
響「ダメだぞ」
響「ば…バツとして…うぁ…」
P「バツってなにさー」
響「今日はウチにとまっていくことぉ!」
P「えっ」
響「な、馴れない場所で寝泊まりするのは大変だぞ!これはすごいバツだぞ」
響「これは決定事項だから!」
P「俺が寝泊まりなんてしたらペットはどこで寝るんだ」
響「あ」
P「ほらほら、落ち着いて響。冷静になって」
響「うぐぐ~」
P「そうだ、ペットの皆にも出てきてもらおう。狭いところに押し込めたままじゃかわいそうだろ?」
響(自分何やってるんさー…)
P「ペットはどこだ?」
響「ちょっ」
P「ここかなー」ガラッ
響「な、なにやってるんだー!?」
P「いやいや、ちょっとペット探しをNE!」
響「タンスの中にいるわけないだろー!」
響「当たり前でしょ…」
P「さっきクローゼットって言ってたな」
響「あっ!待って!」
P「えー?」
響「クローゼットの中は見ちゃダメ!」
P「なんで?」
響「なんでも!プロデューサー、中は絶対ダメだぞ!」
>
響「ほっ」
P「と見せかけてバーン!」
響「あー!」
響「んもー!なんでそんなことするんさー!」
P「今までイベント成功の際にご褒美として俺がプレゼントした物が綺麗に保管されている…」
響「うぅ…」
P「つ、使ってないの?」
響「そ、そんなの…使えないよ…」
P「俺のプレゼント…要らなかった?」
響「ちがう!」
響「今まで貰ったもの全部…全部嬉しかった。本当だよ」
P「じゃあなんでこんなまとめて…?」
響「だってその…なんか勿体なくて…」
P「なに?」
響「折角プロデューサーに貰ったのに自分が使っちゃうの…なんか抵抗があって」
P「いやいや…使ってくれないと」
響「う、うん…」
P「ちょっと外見てくるわ。さっきの路駐車いなくなってるかも」
響「え…あ、行っちゃった」
響「…」
響「だって…自分が使っちゃったら…」
響「それはもう”プロデューサーが自分にくれたもの”じゃなくて”自分が使ったもの”になっちゃうじゃないか…」
P「ひびきー」
響「うわ!?」ビク
P「さっきの車いなくなってたから、今のうちに帰るわ」
響「う、うん」
P「コーヒーとお茶ありがとうな、響。美味しかったよ」
響「じ、自分完璧だからな!コーヒーやお茶を淹れるのなんてお茶の子さいさいだぞ!」
P「ははっ」
響「えへへっ」
P「おやすみ、響」
響「おやすみプロデュサー!」
響「…」
響「あー!」
ブォン!ブロロロ…ギィー!ブオオオオオン
響「帰られちゃったー!」
響「うぅ…イケると思ったのに結局駄目だったぞ…」
響「あ、なんかメール来てた」
響「プロデューサーからだ!」
響「うぎゃー!クローゼットの中のことをわざわざ帰ってからメールするなよー!」
響「でも…」
響「よーし!完璧に着こなしてやるさぁ!」
響「自分に惚れ直させてやるぞ、プロデューサー!」
響「その前にペットたち出してあげないと…」
バタバタ…
響「あっ…みんな拗ねてるぞ」
P「アカン…急のことにびっくらして響ちゃんのパンツ持ち帰れんかった」
P「しかし響ちゃんのあの反応…まさかな…いやしかし」
律子「さっきから何をブツブツ言ってるんですか」
P「スマン、気にしないでくれ」
ガチャッ!
響「うみきそーちー!」
P「響おはよう」
律子「おはよう。今日は早いのね」
律子「なんかご機嫌じゃない。いいことでもあったの?」
響「まーねー!」
P「あ、その服…!」
響「ど、どう?似合ってる…かな?」
P「バッチリやで!」
響「ありがと!今日もよろしくね、プロデューサー!」ニカッ
終わり
つきあってくれた人サンクス
\ ` ー-- 、_, --/:::l::::>''´ /
\_ `ヽ:::::::::::/ , ==フ /
/´::::::: ̄`ヽ\ ガナハ--<___/\
//´ ̄,二>、:| ̄`-<:::::::::::::::::::::::\::::\
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/::::/::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::/\::::::l::::::::::\::::::ハ::::::∧
/:::/::::::::::::/:::::∧:::::::::::::::::/ //\ト、:::::::::::l::::::::l::::::::::l おつぅううう!
/:::/:::::::/::/::::人 ∨\:::::/ //__ ヽ::::::::|:::::::|:::::::::::|
レ´|::::::/l::::|:::/ \\ ∨ // ̄ ̄ ).|:::::::|l::::::|::::、:::∧
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|:/:::::|::::|(___ノ _,,--、 |::::/ |/ノ:::::::::l:::::ハ
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ト------─''´::::::::::::::::ヽ:| |´ ̄ ̄:::::::::::::::ハ /::::::::::::::::::::::| ` ̄
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./,-( `マハ ∨_| l___,イ /ヽヽ //´||´ /イ /:::::::|::::/ \ハ
./ \ \) \ ゝ、 } \|/--||-イ/| ,人:::::/|::/ ` ̄
__/_) _ \_ /::::\ `l___ ̄ リ ̄_/__/ ∨ |/
( _ / ー、  ̄ヽ::| ハ |:::::::::::::::::::::::::| |\ \
 ̄ ̄|::::::::`ヽ_,,--‐'´>---イ:::ト、 \|:::::::::::::::::::::::::| |:::/\ \
Entry ⇒ 2012.03.17 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
越前「魔法少女……?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330769062/
大石「なかなか良さそうな環境だね」
菊丸「それにしても、いきなり強化合宿とはなー」
乾「この見滝原市で行われる、中学選抜を集めた強化合宿……かなりの人数になるらしい」
不二「凄いね。立海や氷帝とかはもう来てるのかな?」
手塚「みんな、この合宿中に少しでも強くなれるよう精進しよう」
仁美「はい。近くの施設で中学選抜の強化合宿が行われているそうです」
さやか「女子の間で話題になってるよ。凄いイケメンが揃ってるって」
まどか「そういえば聞いたことあるような……」
さやか「ねぇ、せっかくだし今日の帰りにちょっと覗いてみない?」
まどか「うん、私はいいよ」
仁美「ごめんなさい、今日はお稽古がありまして……」
さやか「そっかぁ、残念。じゃあまどか、二人で行こうか」
さやか「どんな人達なのかなぁ」
まどか「全国から集められるくらいだから、きっと凄く上手いんだろうね」
さやか「テニスならあたしもちょっとやったことあるよ。こう見えても結構上手いんだから」
まどか「そうなんだ。さやかちゃん運動得意だもんね」
さやか「いっちょ一番強い人に挑戦してみようかな。案外勝っちゃったりするかも!?」
まどか「あはは。あ、あれかな?」
さやか「さーて、どんなテニスを……」
ま・さ「」
まどか「こんなの絶対おかしいよ……」
さやか「何でテニスで人が吹き飛んだり分身したりしてるの……ホント同じ中学生?」
まどか「……さやかちゃん、挑戦するの?」
さやか「無理無理! CDショップでも寄って帰ろう!」
まどか「うん……中学テニスのトップって凄いんだね……」
越前(コートを探してたら道に迷った……)
越前(というかココって、どう見ても街中じゃん……)
越前(合宿所はどっちか……ん?)
QB「……」
越前(猫? 見たことない種類だけど……)
QB「……」グタァ
まどか「わかんない。わかんないけど……この子、助けなきゃ!」
さやか「……あれ……」
まどか「変だよ、ここ……道がどんどん変わっていく!」
さやか「な、何よこれ!?」
越前(ありゃ……あの猫、見失っちゃったか……)
越前(仕方ない、合宿所を探し……)
越前(…………!)
越前(何だこれ……道が……!)
さやか「わからない……あ、誰かいる」
越前「……すいません、これ、何かのアトラクションっスか?」
さやか「いや、あたし達もサッパリ……!? あれは……」
使い魔「…………」ゾロゾロ
越前(ゆ……幽霊? いや……)
まどか「さ、さやかちゃん……」
さやか「あたし達、悪い夢でも見てるんだよね!?」
越前「……二人とも、ちょっと下がってて」
越前「よっと」ドン!!
さやか「つ、ツイストサーブ!? まさか君、あの合宿の!?」
ドゴォォォォォン!!
使い魔「ギャアアアアアアアア!!」
まどか「す、凄い……」
越前「まだまだだね」
さやか「ま、まだ来る!」
越前(くっ……数が多すぎる)
越前(どうすれば……)
ドォォォォォォン!!
越前「!?」
マミ「危なかったわね。でももう大丈夫」
マミ「その制服、あなたたちも見滝原の生徒みたいね。そちらの男の子は……違う学校かしら?」
さやか「あ、あなたは……」
マミ「そうそう、自己紹介しないとね……でもその前に、一仕事片付けちゃっていいかしら?」
越前「…………」
越前「魔法少女、ねぇ……」
ほむら「あなた、ちょっといいかしら?」
越前「……誰、あんた?」
ほむら「私は見滝原中学2年、暁美ほむら」
ほむら「巴マミから大体の話は聞いたでしょう? 私も彼女と同じ、魔法少女よ」
ほむら「そして……あなたからは、私たち魔法少女と近しいものを感じる」
越前「……青春学園中等部1年、越前リョーマっス」
越前「中学テニスの強化合宿が今やってて、それで……」
ほむら「あぁ、あの噂の……」
ほむら(越前リョーマ……今までのループでは存在しなかった人物……)
ほむら(完全なるイレギュラーな存在……この時間軸は一体……)
越前「あ、一つ聞きたいことがあるんスけど」
ほむら「何かしら?」
越前「合宿所って、どっちの方っスか?」
桃城「ずいぶん遅かったな。どこをほっつき歩いてたんだ?」
大石「道にでも迷ったのかい?」
越前「……多分、信じてもらえないと思いますけど……」
手塚「何かあったのか? 言ってみろ」
越前「実は……」
宍戸「漫画の読みすぎじゃねえのか?」
伊武「馬鹿らし……」
真田「そんな世迷言を呟くとは……たるんどる!」
越前(……ま、こーなるよね……)
手塚「越前」
越前「……うっす」
手塚「グラウンド50周だ」
手塚「当然だ。道に迷って遅れただけでなく、あんな言い訳を」
乾「なるほどね。でも、もしそれが本当のことだったら?」
手塚「まさか……お前は魔法少女だの魔女だのを信じているとでも?」
乾「そうとは言ってない。でも、手塚もこの見滝原市に来てから感じているだろう」
乾「この街は何か……不穏な空気がするって」
手塚「……乾、今日の練習はもう終わりだ。部屋に戻って体を休めろ」
乾「あぁ、そうするよ」
乾「蓮二……越前の話、どう思う?」
柳「……今の俺には、詳しいことはわからないが……」
乾「あぁ、そうだな……越前の話が真実にせよ虚構にせよ……」
乾「この見滝原で何かが起こっている確率……96%」
大石「手塚、いるか!?」
海堂「さっき、腕の検査をしに病院へ行ったっス」
不二「何かあったのかい?」
大石「その検査に必要な紙を忘れて行っちゃったんだ」
河村「手塚にしては珍しいミスだなぁ」
大石「越前、すまないが今から手塚を追いかけてくれないか?」
越前「……わかりました」
手塚(仕方ない、戻るしか……む!?)
GS「…………」ズズ・・・
手塚(な……何だこれは!?)
手塚(こんな異様な物がなぜ病院に……しかも、誰も気付いていない……)
手塚(この中、道が続いている……どうする?)
手塚(とにかく、これは危険な物には違いない……誰も気付かないならば……)
さやか「うん、今のところは……でも、いざとなったら頼むかも」
QB「僕はいつでもいいから、願い事は決めておいて……ん、誰か来たね」
さやか「マミさんかな……え!?」
手塚「女の子……?」
さやか「だ、誰ですか!?」
手塚「青春学園中等部3年、手塚国光。テニスの合宿で、この見滝原に呼ばれて来た」
さやか「み、見滝原中学2年、美樹さやかです……って、青春学園ってまさか越前くんの?」
手塚「越前を知っているのか?」
さやか「あ、はい……先日ちょっと……」
マミ「そうね、それと……手塚くん。突然こんなことに巻き込まれて驚いてるだろうけど……」
手塚「越前から話は聞いていたが……まさか魔法少女や魔女が本当に実在したとは……」
さやか「でも、マミさんが来たからには安心だね!」
手塚「巴、よろしく頼む」
巴「えぇ……それにしても……」
手塚「?」
巴(本当に私と同い年なのかしら……)
ほむら(今までの時間軸では、場合によっては巴マミはここで……)
ほむら(何とかしてこの拘束を解かないと……)
ズバァァン!!
ドサッ
ほむら「……っ! て、テニスボール!?」
越前「暁美さん、大丈夫っスか?」
ほむら「え、越前リョーマ……なぜここに」
越前「病院の方に用事があったんで……暁美さんは、ここで何を?」
ほむら「そ、そうだわ! 急がないと巴マミが!」
越前「巴さん? あの人も来てるんスか?」
ドォン!!
さやか「やったぁ!」
手塚「……いや、まずい!」ダッ
QB「て、手塚! 何を!」
シャルロッテ「……」ギュルッ
マミ「……え」
さやか「危ない!」
シャルロッテ「……?」グンッ
マミ(え……魔女が、方向を変えた?)
マミ「……! な、何これ……! 竜巻!?」
手塚「…………」ゴゴゴゴゴ・・・
まどか「ま、魔女が……手塚さんの方に、吸い寄せられて!?」
さやか「まさか、あれが噂の……手塚ゾーン!?」
手塚(だが、ラケットを振るうことで誰かを助けられるのならば……)
シャルロッテ「…………」グワッ
手塚(俺は、戦おう!)
ドゴォン!!
シャルロッテ「……!」
QB「ば、馬鹿な!? ラケットで魔女とやり合う気かい!?」
手塚「さすがに、俺の打撃で倒すことはできないか……」
手塚「だが……時間は十分に稼げた。そうだろう、巴」
マミ「えぇ。ありがとう、手塚くん」
シャルロッテ「!?」
マミ「ティロ……フィナーレ!」
ドォォォン!!
お前恐竜滅ぼしたろ
まどか「ほむらちゃん! それと……越前くん!?」
越前「部長……こんなとこで何を?」
手塚「あぁ……ちょっとな」
ほむら「まさか……このお菓子の魔女、あなたが!?」
手塚「いや、倒したのは巴だ。ただの人間である俺が魔女に勝てるはずがない」
マミ「でも手塚くんがいなかったら、私がやられてたわ。本当にありがとう」
ほむら(越前リョーマだけでなく、彼も魔女と戦っていた……)
ほむら(このテニス部員達は、一体……)
乾「……気になってつけてみれば、こんなことになっているとはな」
柳「さすがに驚いたが……面白いデータが取れたな、貞治……」
手塚「……やめておこう。信じてもらえるか分からないし、肝試し気分で出歩く奴も出かねない」
越前「暁美さん達、あんなのとずっと戦ってきたんスよね、一人で」
手塚「…………」
越前「……ちょっと、心配っスね」
手塚「今回はたまたま役に立てたが……俺達の力では、彼女達の足を引っ張るだけだ」
手塚「俺達はテニスをやるために来た。決して魔女退治に来たわけではない」
手塚「これ以上は、関わるべきではないだろう」
越前「……そっスね」
ほむら(彼らの力は、もしかしたらこのループを打破する力に……)
ほむら(でも……彼らはテニスをしに来ただけ。戦いに誘うのは難しい……)
さやか「あ、これこれ。青春学園って今年の全国優勝校だよ」
まどか「うわぁ……越前くんも手塚さんも凄いなぁ」
ほむら「何見てるの……テニス雑誌?」
まどか「うん。テニス部の中沢くんから借りたんだ」
さやか「決勝はシングルス3、ダブルス2を落としてからの大逆転! カッコいいなぁ」
ほむら「へぇ……ん?」
ほむら「……ダブ、ルス……? そうか、もしかしたら……」
マミ「暁美さん、私テニスなんてやったこと……」
ほむら「心配ないわ。私の予想が正しければ、最低でもいい勝負くらいは出来るから」
さやか「でも中沢って、テニス部の2年生エースだよ?」
まどか「マミさんは初心者みたいだし、とても……」
ほむら「…………」
マミ「え、えっと……よろしく、お願いします……」
中沢「何だか知らないけど……いきますよ、巴先輩!」
審判「ゲームセット、ウォンバイ巴! 6-4!」
マミ「うそ……勝っちゃった……」
中沢「そ……そんな……」
ほむら(やっぱり……)
手塚「構わないが……何の用だ?」
ほむら「手塚国光……あなた、今日はテニスの調子がずいぶん良かったりしなかった?」
越前「確かに部長、今日はゾーンや零式ドロップのキレが上がってましたね」
手塚「あぁ。合宿の成果が早くも出たものだと思っていたが……」
ほむら「それもあるかもしれないけど、それ以上に大きい原因があるわ」
ほむら「それは……魔法少女と一緒に、魔女と戦ったことよ」
手塚「……どういうことだ?」
ほむら「あなたと巴マミは昨日、共に……いわばダブルスを組み、魔女と戦った……」
ほむら「その影響で、あなたの魔法の力も強くなり……今日、調子が向上したのよ」
越前「でも俺ら、魔法なんか使えないけど……」
ほむら「いえ、あなた達のテニスは常人には不可能……はっきり言って、魔法そのものよ」
マミ「そして私も、たぶん手塚くんの影響を受け……テニスが上達したわ」
ほむら「巴マミは全くの初心者だったけど、今日テニス部のエースに勝利を収めた」
手塚「全くの初心者が、経験者に……!?」
ほむら「だから一緒にダブルスを組んで、魔女と戦ってほしいの」
マミ「暁美さんは越前くん。そして私は……手塚くんと」
手塚「……しかし、俺は大した戦力になるとは思えない。巴にメリットがなさすぎるだろう」
マミ「いいのよ。手塚くんは私を助けてくれた……その恩返しができるなら、ね」
マミ「それに……やっぱり仲間がいると、心強いもの」
手塚「……越前」
越前「俺は……それで強くなれるっていうなら、やりますよ」
手塚「そうか……そうだな、なら……よろしく頼む、巴」
越前「お世話になるっス、暁美さん」
ほむら「えぇ、こちらこそ。越前リョーマ」
さやか「あたしも……魔法少女になったらあの中の誰かと組むのかな……」
ヒューン・・・・
さやか「魔法少女、かぁ……やっぱり怖い……」
ヒューン・・・
さやか「でも……恭介……」
ヒューン・・
さやか「あたしは……」
ゴンッ!!
さやか「あだぁっ! な、何!? テニスボール!?」
さやか「だ、誰! あたしにボールをぶつけた不届き者は!」
切原「だ、大丈夫か!?」
さやか「あ、あんたねぇ……あれ? もしかして立海大付属の人?」
切原「え、俺のこと知ってんの?」
さやか「うん、この前ちょっとわけあってテニス雑誌を読んでね。ちょっと見覚えあったから」
さやか「王者って呼ばれてる学校で、2年生でレギュラーなんて凄いじゃん」
切原「王者、か……今年は、決勝で負けちまったけどな……」
さやか「先輩達……確か、ビッグ3とか呼ばれてる強い人達がいるんだっけ?」
切原「あぁ。入院してた幸村部長も無事復帰できたし、俺も今以上に強くならないとな……」
さやか「……! ねぇ、あんたはその幸村部長って人に勝ちたいんだよね?」
切原「ん、まぁな」
さやか「もしさ……たとえばの話、なんだけど……」
さやか「その人の病気が絶対治らなくて、でもあんたは治すことが出来て……」
さやか「でも治したら……化け物と戦わなくちゃいけない、ってなったら、どうする?」
切原「はぁ?」
さやか「治す、の……?」
切原「やっぱり、幸村部長を超えるのは俺の最大の目標だからな」
さやか「でも……化け物と、戦うことになるんだよ?」
切原「ははっ、化け物となんざ部活で毎日戦ってるさ」
切原「それに……人知れず街を守る正義の味方って感じで、何かカッコいいじゃんか」
さやか「正義の……味方……」
さやか「……ちょっと待って!」
切原「あん?」
さやか「あたし、見滝原中学2年、美樹さやか。あんたは?」
切原「立海大付属中学2年、切原赤也だ」
さやか「……もしかしたら、また会いに行くかも。近いうちに、ね」
切原「お、なんだなんだ? 俺のファン宣言かぁ?」
さやか「そんなんじゃないっ! 調子に乗んな!」
マミ「美樹さん……後悔、ないのね?」
さやか「はい。魔法少女にならなかったら、恭介だけでなくまどかも仁美も助けられませんでしたし」
越前「じゃあ美樹さんも、これからパートナー探しっスか?」
手塚「何なら青学から誰かを紹介してもいいが。強くなれると聞いたら、皆飛びつくだろう」
さやか「あ、それなんですけど……実はもう、心当たりがあるんです」
切原「……マジかよ」
さやか「3人の化け物を倒すんでしょ? ならあたしとダブルス組めば、強くなれるよ」
マミ「切原くん……無理することはないわ、危険なことには違いないから」
切原「……でも、魔女と戦うことでテニス強くなれるんスよね?」
手塚「うむ、それは保証しよう」
切原「そうか……ならいいぜ美樹、お前とダブルス組んでやんよ」
杏子「新しい魔法少女が、誕生したのか?」
QB「うん。それも君達みたいなパートナーも確保してあるみたいだ」
杏子「ふん、そんなら先輩としてちょっくらご挨拶に行かねーとな」
杏子「あんたも、行くんだろ?」
???「あぁ。どうやら……知り合いも関わってるみたいだしな」
手塚「わかった!」ゴゴゴゴゴ・・・
さやか「よし、使い魔が集まった! いけぇ、切原!」
切原「ヒャーッヒャッヒャッ! 赤く染めてやんよぉーっ!」ドゴォ!!
マミ「本体は任せて! ティロ・フィナーレ!」
まどか「すごいすごい! みんな、息ピッタリだよ!」
さやか「へへへ……あたしもだいぶ、板についてきたかな」
手塚「暁美と越前も一緒に来てくれれば、より頼もしかったのだがな」
さやか「見滝原の平和は、この正義の味方さやかちゃんが守っちゃいますからね!」
杏子「正義の味方? 甘っちょろいこと言ってんじゃねーよ」
さやか「だっ、誰!?」
杏子「久しぶりだなぁマミ。相変わらず他人のための戦い、なんてお遊びやってんのか?」
杏子「言ったろ? 魔法ってのは、自分のためだけに使うもんだって」
切原「巴さん、何なんですかこいつは!」
マミ「かつては私の弟子だったわ。もっとも……私達とは相容れない考えの持ち主だけど」
手塚「……そのようだな。だが、それよりも……」
手塚「なぜ、お前がこのような考えの少女と行動を共にしているんだ」
跡部「アーン?」
手塚「跡部よ」
杏子「使い魔に喰わせようとしたんだが、返り討ちにしちまいやがって。ったく、意味わかんねぇ」
さやか「使い魔にって……どういうこと!?」
杏子「決まってんだろ。使い魔が人間を喰えば、グリーフシードを孕む魔女になるからな」
まどか「えっ!」
切原「てっ、てめぇ! 跡部さんっ、何でこんな奴に協力してんすか!?」
跡部「俺様はテニスが強くなるために協力してるだけさ。杏子の考えなんざ、どうでもいい」
杏子「こいつとはまだ数回魔女を狩っただけだが、そこそこ強ぇしグリーフシードも取り合いにならない便利な奴だぜ」
杏子「そんなわけで、さやかだっけ? あんたみたいな甘ちゃんに出しゃばられると迷惑なんだよね」
さやか「何よ、やろうっての!」
切原「いいぜ、受けてやんよ!」
跡部「ちょうど近場のコートが空いてる。ついてきな」
まどか「やった! さやかちゃんも切原くんも凄い!」
マミ「そうね……このまま行けるかしら、手塚くん」
手塚「……いや」
杏子「へぇ……ちったぁやるみたいだな」
跡部「もう十分楽しんだか、杏子よ」
杏子「あぁ、いいぜ……お前の眼力(インサイト)、見せてやりな」
手塚「始まる……跡部の、世界が」
ドンッ!!
切原「……っ!」
さやか「い、いきなり氷柱が……反応できない!」
跡部「俺様の眼力(インサイト)は、反応できない死角に氷柱を生み出す」
跡部「そこを突けば……テメェらは絶対に返せねぇってわけさ」
跡部「おい、さやかっつったか……テメェは、何のために魔法少女になったんだ?」
さやか「そ、そんなこと……あんたに関係ないでしょ?」
跡部「フン、当ててやるよ……男だろ?」
さやか「!?」
切原「なっ……そうなのか、美樹!?」
さやか「そ、そんなこと……」
跡部「隠しても無駄だ。俺様の俺様の眼力(インサイト)は、心の死角だって丸見えさ」
まどか「こ、心まで……手塚さん、そんなことって出来るんですか!?」
手塚「いや、少なくとも以前の跡部にはそこまでの力はなかった」
手塚「佐倉杏子……彼女と共に戦うことで、俺達のように跡部も進化したということか……」
審判「ゲーム佐倉・跡部ペア、5-3!」
「「「「「勝つのは杏子! 勝つのは跡部! 勝つのは杏子! 勝つのは跡部!」」」」」
さやか「わ、私は……」
マミ「手塚くん、もう止めないと!」
手塚「……いや、待て」
切原「……ふざけんじゃねえ」
杏子「あ?」
切原「他人のための願いは身を滅ぼすだぁ? 勝手に決めてんじゃねーよ」
切原「願いなんざ関係ねぇ。美樹は、戦ってんだ……全然知らない、他の誰かを守るために」
切原「自分のために他人を犠牲にするテメーなんかより、よっぽど立派だろうが!」
切原「だから、勝手に決め付けてんじゃねえ!」
杏子「事実だ! そいつだって、いずれは身を滅ぼすに決まってる!」
切原「そんなことは、俺がさせねぇ!」
杏子「なっ……」
切原「美樹は……俺の、パートナーだ! お互い支え合うのが……ダブルスってもんだろ!」
さやか「き……切原……」
切原「ヒャーッヒャッヒャッ! テメーも赤く染めてやんよぉーっ!」ドゴォッ!!
杏子「ぐぅっ……な、何だ、このパワーは!」
審判「ゲーム美樹・切原ペア、5-5!」
さやか「切原……絶対、勝とうね!」
切原「当然だ!」
跡部「へぇ……面白くなってきたじゃねえか」
ドシュゥッ!!
杏子「!? だ、誰だ!?」
越前「ちーっす」
ほむら「その勝負、そこまでよ」
切原「せ、青学の! テメェ、どういうつもりだ!」
越前「いや、俺は暁美さんに付き合ってるだけなんだけど……」
杏子「……あんたも、魔法少女か?」
ほむら「この勝負はここまでよ。これ以上やると、お互い体を壊しかねない」
ほむら「特に……切原赤也、あなた相当無理してるでしょう?」
さやか「そ、そうなの……切原」
切原「……ちっ」
越前「……そんなひどい奴なの?」
さやか「そうよ! もう、絶対許さない!」
手塚「……それはどうだろうな。ただの悪人とは俺には思えない」
さやか「て、手塚さん! 何言ってるんですか!」
手塚「俺は短い付き合いとはいえ、ある程度巴のことを知ったつもりだ」
手塚「そんな巴の弟子だったならば……ただの悪人に、なるはずがない」
マミ「て、手塚くん……」
越前「それに……跡部さんはちょっと変わってるけど、悪い人じゃないと思うっスよ」
ほむら「…………」
柳「……貞治」
乾「あぁ……今回も、いいデータが取れた。だが……」
柳「悲劇の可能性も、孕んでいる。何とかせねば……」
跡部「たいそうご立腹じゃねーか、杏子よ」
杏子「当たり前だ! あいつら、言ってもわからねぇし……」
跡部「ムカつく理由はそれだけか?」
杏子「……どういう意味だ?」
跡部「杏子……お前がそう思うのは、あいつが以前の自分と被って見えるからだろう?」
杏子「……何で、お前がそれを知ってんだ?」
跡部「当然だ。パートナーのことはよく見える」
跡部「それに、忘れたのか? 俺様の眼力(インサイト)の前では……何も誤魔化せねぇって」
杏子「……ちっ。とんだパートナーを選んじまったな……」
切原「ん、どうした美樹? 巴さんも、何だか顔色が悪いっスけど」
マミ「…………」
さやか「……別に」
まどか「マ、マミさん……さやかちゃん……」
マミ「……行きましょうか」
まどか「…………」
手塚「鹿目……何か、知ってるのか?」
まどか「はい……実は昨晩、さやかちゃんと杏子ちゃんが……」
手塚「そんなことが……!」
切原「そ、それって……ゾンビにされたようなもんじゃねえか!」
まどか「だから、二人ともショックを受けて、それで……」
手塚「……何と、いうことだ……」
ほむら「えぇ、本当のことよ。魔法少女の本体は、このソウルジェム」
越前「……暁美さんは、それで平気なんスか?」
ほむら「もう、諦めてるわ。私はまどかを助けられれば、それでいいの」
越前「嘘でしょ……あんた、強がってるだけだ」
ほむら「……何で、あなたにそんなことがわかるの?」
越前「わかるよ。だって、暁美さんは俺のパートナーなんスから」
ほむら「……話を続けるわ。ソウルジェムは心の歪みと共に濁っていく」
ほむら「そして、完全に濁りきった時、魔法少女は……」
柳「魔法少女は魔女になる……と、お前は言う」
ほむら「!?」
越前「先輩方?」
乾「頼みがある……データ収集のためグリーフシードをひとつ、譲ってもらえないだろうか?」
柳「それと、ソウルジェムも見せてほしい」
マミ「き、切原くん、落ち着いて!」
杏子「マミ……お前は、大丈夫なのか?」
マミ「大丈夫じゃないわ……でも、今は美樹さんが……」
まどか「さやかちゃん……グリーフシード、真っ黒だった……」
手塚「……もう、美樹は限界に近い……どうすれば……」
切原(このまま壊れていく美樹を、ただ見ているだけしかできねぇってのかよ……)
切原(ちくしょう……!)
柳「赤也……困っているようだな」
切原「あ……柳先輩」
柳「美樹さやかのこと……大体わかった」
切原「せ、先輩も魔法少女のことを知ってるんスか!?」
柳「あぁ、貞治と共に調べてな。いくつかわかったことを教えよう」
柳「美樹さやかの願い……それと、魔法少女と、魔女のことを」
柳「そちらの方は貞治が取り掛かっている。暁美ほむらから得たグリーフシードのおかげで、研究は順調だ」
柳「だが……それでも、間に合う確率は32%といったところだろう」
切原「…………」
柳「美樹さやかが魔女になってしまっては、全てが終わる。だからそれまで、時間を稼いでくれ」
切原「……俺に、出来るんスか?」
柳「出来るとしたら、パートナーであるお前だけだ。頼んだぞ、赤也」
切原(……美樹……)
切原(……いや、諦めてたまるか! 絶対に美樹を、魔女になんかさせねぇ!)
切原(俺は美樹を助ける! でもあの様子じゃ、もう俺が何を言っても……)
切原(……俺が、何を言っても……)
杏子「さ、さやか……」
さやか「誰かの幸せを願った分、誰かを呪わずにはいられない……魔法少女って、そういう仕組みだったんだね」
杏子「おい、さやか!」
さやか「あたしって、ほんと……」
恭介「待ってくれ、さやか!」
さやか「え、きょ、恭介!?」
マミ「美樹さん、よかった!」
さやか「み、みんなも!? 何で!?」
恭介「さやか、聞いたよ……魔法少女のこと、全部」
さやか「う、嘘……」
恭介「すまない、知らなかったよ……さやかが、こんなことになってるなんて……」
恭介「全部、僕のために……こんな目に……」
さやか「恭介……」
さやか「でも……恭介は、嫌だよね……こんな体の、あたしなんか……」
恭介「そんなことはない!」
さやか「!?」
さやか「きょ、恭介……」
恭介「だから……これ以上、自分を傷つけないでくれ……」
さやか「でも……こんな体の、あたしなんか、愛して……」
柳「愛してくれないでしょ……と、お前は言う」
乾「待たせたな、みんな」
杏子「だ、誰だお前ら!」
手塚「乾……」
跡部「なんだ、お前らも絡んでたのか?」
越前「先輩方が来たってことは……」
ほむら「そう……完成したのね」
乾「あぁ。暁美のソウルジェムとグリーフシードのおかげで何とかな」
柳「魔力傾度、構成成分、水分含有度……解析は全て完了した」
乾「そして作り上げた、この超特性乾汁を飲めば……」
乾「魔法少女の魂が、ソウルジェムから肉体に戻る確率……100%」
さやか「!!!!!」
乾「嘘かどうか……試してみるといい」スッ
杏子「よ、よし……じゃあ、あたしが……」
杏子「ぐぇっ、まずっ! で、でも食い物は粗末には……」
柳「……全部、飲んだな。ソウルジェムはどうだ?」
杏子「……ない……あ、あたし……本当に、普通の体に……」
マミ「……嘘……」
さやか「あ、あたし……これで……」
切原「や……やったな、美樹!」
ほむら「みんな無事に治ったのはいいけど……味の方はもうちょっと何とかならなかったの」
マミ「うぅ……まだ口の中が気持ち悪いわ……」
越前「諦めた方がいいっスよ」
さやか「ねぇ、恭介……」
恭介「…………」
さやか「あ、あたしね……」
切原「……ちょっと待った、美樹」
さやか「切原、何?」
切原「こうなった以上、俺ももう隠しておくわけにはいかねぇ」
さやか「え……いや、いいよ。隠しておこうとはしてたけど……」
切原「心配すんな。上條恭介は何も知らねぇ」
さやか「……は?」
切原「あいつは……魔法少女のことも、魔女のことも、何一つ知らないまんまさ」
さやか「き、切原、何言ってるの?」
さやか「恭介は、そこに……」
仁王「プリッ」
さやか「へ?」
仁王「よろしゅうな」
さやか「…………」
切原「乾汁が完成するまで時間を稼ぐ必要あったけど、俺じゃどうしようもねぇから……」
仁王「ほな、俺は帰るで。後はゆっくり話し合ってな」
さやか「…………」
切原「かといって上條恭介を関わらせるのは、美樹が嫌がると思ったんで……」
さやか「…………」
切原「わけを話して、協力してもらって……あ、あの……美樹……さん?」
さやか「…………」
切原「もしかして……怒ってらっしゃいます?」
さやか「……当ったり前でしょこのバカああああああああああああああ!」
切原「だ……ダメ、かも……」ピクピク
越前「まだまだだね……」
さやか「ふんっ、女の子の気持ちを弄んだ罰よ」
マミ「美樹さん……切原くんも、あなたのためにやってくれたのよ?」
さやか「……わかってますよ、そんなこと」
さやか「切原……本当にありがとね。あんたがいなかったら、あたし……」
さやか「あんたがパートナーで……本当によかった」
切原「!」ドッキーン
切原「べ、別にいいよ! 当然のことだし!」
越前「一件落着っスね」
ほむら「えぇ……これで残る関門は……」
手塚「いや、気にしないでくれ」
さやか「みんなは……明後日に、帰るんだよね」
跡部「あぁ。そして明日、ワルプルギスの夜っていう魔女が来るんだろ?」
マミ「……本来、これは私達の問題。あなた達には全く関係のない話よ」
ほむら「だけど……お願い。できることなら……明日、一緒に戦って」
切原「……はっ、何をいまさら」
手塚「心配ない。言われなくとも、こちらは全員そのつもりだ」
跡部「史上最強の魔女か……面白そうじゃねえか」
乾「ふむ……いいデータが取れそうだ」
柳「及ばずながら、力になろう」
まどか「みんな……ありがとう」
越前「だから言ったでしょ、暁美さん。絶対に協力してくれるってさ」
ほむら「それじゃ、みんな……明日、頼むわね!」
手塚「いや、当然のことだ。夜に女子を一人歩きさせるわけにはいかない」
マミ「ふふっ。私なら魔法少女だから心配ないけどね」
マミ「ねぇ……手塚くんは、これから先どうするの?」
手塚「予定としては、プロを目指してドイツへ旅立つつもりだ」
マミ「プロかぁ……凄いね、手塚くんは。将来をしっかり見据えてるんだ。私なんて何も……」
手塚「何も考えてないということは、考える必要がない……様々な未来が待っているということだ」
手塚「俺達はまだ中3だ。これからじっくり考えていけばいい」
マミ「そう、ね……私達、これから未来が大きく広がってるんだよね」
マミ「そんな未来があるのも……手塚くんがあの時、助けてくれたからかな?」
手塚「……巴……」
マミ「手塚くん……明日、絶対勝ちましょうね。お互いの、未来のために」
手塚「……あぁ、そうだな」
跡部「アーン? 杏子、お前ビビってんのか?」
杏子「そういうわけじゃねえけど……別にお前が戦う理由はねぇだろ」
跡部「でも、お前にはあるんだろう? だったら、俺様も戦わなきゃな」
杏子「……パートナー、だからか?」
跡部「それだけじゃねえ……庶民の暮らしを守るのも、王(キング)の務めだぜ」
杏子「キングって……はぁ、死ぬかもしれねぇってのによくやるよ」
跡部「死なねぇよ。俺様が負ける姿が、想像できるか?」
跡部「ほら、聞こえるだろう……俺達を、讃える声が」
「「「「「勝つのは杏子! 勝つのは跡部! 勝つのは杏子! 勝つのは跡部!」」」」」
杏子「……あぁ、聞こえるよ」
跡部「明日も、特等席で見せてやるよ……俺様の王国をな」
杏子「へっ……頼りにしてるぜ、王様!」
切原「……そ、そうか……それで……」
さやか「フラれちゃった。仁美っていう、あたしの友達と付き合ってるよ、今は」
切原「……そいつは……残念だったな」
さやか「うん……でも、もやもやが取れてスッキリした気分なんだ」
さやか「こんな気持ちになれたのも……切原のおかげだね。本当に、ありがと」
切原「い、いいって! そんなしおらしい美樹を見てると、調子狂うぜ!」
さやか「ま、しばらくは失恋のショックもあるかもしれないけど……新しい恋にでも期待しようかな。あはは」
切原「そうか……へへっ、何なら代わりに俺なんかどうだ?」
さやか「……いいの?」
切原「いっ!?」
さやか「なーんてね! ドキッとした?」
切原「みっ……美樹、テメェーっ!」
さやか「あははっ! 明日がんばろーね、切原!」
越前「暁美さん、いきなりテニスに誘うなんてどうしたんスか?」
ほむら「……そんな気分だったのよ」
越前「ふーん……ねぇ、あんたは何回もワルプルギスの夜と戦ってきたんでしょ?」
ほむら「……えぇ。正直私一人の力じゃ、どうしようもないわ」
ほむら「でも……今回は、魔法少女が全員揃っている絶好の機会。絶対に勝つわ」
ほむら「それもこれも……全部、あなたと出会って始まったのよね」
越前「…………」
越前「6-0と……俺の勝ち。テニスの方は、まだまだだね」
ほむら「……初心者なんだから、少しは手加減しなさいよ」
越前「嫌っス」
ほむら「……そうなるわね」
越前「あんたと過ごした期間……危ない目にも遭ったけど、楽しかったよ」
ほむら「そうね……私も、楽しかったわ」
越前「また機会があったら、一緒に魔女退治行ってもいいよ……暁美さん」
ほむら「……ほむらでいいわ」
越前「……ほむらさん。明日、頼りにしてるっスよ」
ほむら「こちらこそ……リョーマ」
柳「明日、全てが終わる」
乾「勝率……現段階では測定不能。どちらに転ぶか、俺もわからない」
まどか「いえ、勝ちますよ……絶対!」
越前「これが最後の戦いっスね」
マミ「みんな、覚悟はいいかしら」
手塚「あぁ、いつでも大丈夫だ」
杏子「跡部、調子はどうだ?」
跡部「問題ない。俺様の劇場の開幕だ」
さやか「跡部さん、ホントにブレませんね……」
切原「この人はこういう人だ。気にするだけ無駄だぜ」
柳「鹿目まどか……わかっているな」
まどか「はい……私、絶対に契約しません! みんなを信じてますから!」
乾「……来たぞ!」
ワルプル「アハハハハハハハハ!!」
乾「最後の試合……開始だ」
跡部「俺の打球の方から攻撃しろ! そこが奴の死角だ!」ドゴォッ!!
杏子「サンキュー、跡部!」
マミ「みんな、いくわよ!」ドンドン!!
切原「赤く染めてやんよぉーっ!」ドゴォッ!!
跡部「俺様の突いた死角は、反応も反撃もできねぇ……スケスケだぜ!」
まどか「あ、あの……柳さんと乾さんは……」
柳「この戦いは、今まで苦難を共にした……魔法少女とテニスプレイヤーのもの」
乾「もはや俺達の入れる領域じゃあない」
まどか「は、はぁ……」
まどか「ビルの破片が! 危ない!」
手塚「任せろ!」ゴゴゴゴゴ・・
乾「手塚ゾーンで集めただと!? あれでは手塚が……!」
手塚「越前、無我の境地だ!」
越前「うっす!」タンッ
まどか「か、返した!?」
柳「あれは無我の境地……かつて戦った相手の技を使えるようになる状態」
乾「なるほど、不二の……スマッシュを無効化する羆落としで、ビルの破片を返したのか」
柳「そこまで出来るようになるとは……魔法少女とのダブルスで得たものは、計り知れないな」
越前「まだまだだね」
乾「これは、間違いない……4組とも全て同調(シンクロ)している」
柳「お互いの動きが手に取るようにわかる……本当にいいコンビだ」
まどか「じゃ、じゃあこのまま……」
柳「……いや、そろそろ……」
使い魔「キャハハハハハハハハハ!!」ゾロゾロ
乾「魔女の反撃が、始まる」
杏子「くっ……こいつら、強ぇぞ!」
手塚「さすがは最強の魔女……使い魔の強さも他の魔女のものとは比べ物にならない」
マミ「でも、このくらいなら何とか対処できなくは……」
「「「「「「キャハハハハハハハハハ!!」」」」」」ゾロゾロゾロゾロゾロ
ほむら「なっ!?」
マミ「そ、そんな……なんて、数なの……」
越前「これは……20、30……いや、もっと……」
さやか「どっ、どうするの!?」
杏子「くそっ……やるしかねぇが……」
使い魔「キャハハハハハハハハハ!!」ドガッ
さやか「きゃっ!」ズザッ
切原「さやか、危ない!」
使い魔「アハッ!!」ブンッ
ほむら「まずい!」
まどか「さ、さやかちゃーん!」
スカッ
さやか「!?」
さやか「は、外した……?」
ほむら「な、何してるのこの使い魔……虚空に武器を振り続けて……」
手塚「これは……」
切原「ま、まさか!?」
幸村「お望みなら、視覚以外も奪おうか?」
幸村「待たせたね……みんな」
跡部「幸村……なぜここに?」
柳「俺と貞治がわけを話して呼んでおいた。きっと、力になってくれると思ってな」
幸村「おっと、呼ばれたのは俺だけじゃないよ」
手塚「何だと?」
銀「一式波動球!」
田仁志「ぬうううううう! ビッグバン!」
真田「侵略すること火の如し!」
幸村「立海大附属中テニス部6名、同じく」
忍足「氷帝学園中テニス部7名もや!」
白石「四天宝寺中テニス部6名、忘れんといてや!」
木手「比嘉中テニス部5名、お待たせしました」
橘「不動峰中テニス部3名、共に戦おう」
千石「山吹中テニス部……阿久津を加えて4名だな」
観月「その他もろもろ7名、よろしくお願いします」
真田「総勢44名、新たに参戦する!」
不二「使い魔は僕達に任せて……」
阿久津「あのデカブツをブッ倒せ、チビ助!」
越前「みんな……」
ほむら「あなた達……お願い、任せたわ!」
手塚「あぁ、このまま油断せずに行こう!」
まどか「やった……テニス部の人達のおかげで、また形勢逆転した!」
柳「あぁ、このままいけば……」
乾「だが、一つ気になることがある……」
柳「あぁ、あの舞台装置……なぜか上下が逆に……」
ワルプル「アハハハハハハハ!!」グルン
まどか「は……反転した!?」
切原「ぐぅっ!」
さやか「な……何て力なの……」
QB「よく頑張ったよ、君達は」
まどか「キュゥべえ!?」
QB「あれが本気のワルプルギスの夜……その力は想像を絶する」
QB「最初から、君達のかなう相手じゃなかったんだ。間違いなく、全員殺されるね」
まどか「そ……そんな……」
QB「だからまどか、僕と契約して……」
ほむら「諦めちゃダメ!」
まどか「ほ、ほむらちゃん!」
越前「……えぇ、そっスね。ほむらさん」
ほむら「たとえ相手が遥かに強くても……絶対に諦めない。それを、私は学んだ」
ほむら「わずかに残った最後の重火器……時を止めて全て、ワルプルギスの夜に叩き込む!」
ほむら「いくわよ!」
ドゴォォォォォン!!
杏子「やったか!?」
跡部「……いや」
ワルプル「アハハハハハハハ!!」
マミ「む……無傷ですって……」
QB「ここまでだね。これにてゲームセット、ウォンバイワルプルギスの夜さ」
さらっといいやがってwwwwww
ほむら(ここまで、ここまで来たのに……結局、まどかを救えないの)
ほむら(戦うのって……魔法少女って……)
ほむら(こんなに……辛かったっけ)
越前「ねぇ……諦めるの?」
ほむら「リョ、リョーマ……」
越前「鹿目さんを助けるんスよね。それなら、もっと頑張ってくださいよ」
越前「そのために……魔法少女になったんでしょ?」
ほむら「…………」
ほむら(まどかに守られる私から、まどかを守れる私になるって張り切ってたわね)
ほむら(他のみんなと協力して……色々工夫して、戦って……)
ほむら(役に立った時は……本当に嬉しくて……)
ほむら(……あ)
ほむら(なんだ……)
ほむら「魔法少女って、楽しいじゃない」
カッ!!
さやか「なっ、何!?」
マミ「暁美さんの体が……光って……!」
QB「こ、これは……まさか!?」
ワルプル「!!」
切原「な、何だ……今の閃光。暁美の攻撃か!?」
マミ「そんなはず……暁美さんの力は時を操るだけ……あんな攻撃は……」
QB「いや……もう、そんな常識は暁美ほむらには通用しない」
QB「彼女は……目覚めたんだ。最強の……天衣無縫の極みに」
杏子「天衣無縫の……極み……?」
柳「テニスにおいても半ば伝説となっているが……魔法少女の世界にも存在したとはな」
まどか「で、でもほむらちゃんは何でいきなり……」
QB「本来……天衣無縫の極みなんて、どの魔法少女も持っていたものさ」
さやか「……どういう、こと?」
QB「君達も最初に魔法少女になった時は、ワクワクしたものだろう」
QB「だが、いつしか戦いに追われ、ある者は絶望し……そのときめきを失っていった」
QB「暁美ほむらは……その時の心を取り戻したみたいだね」
QB「そのきっかけは間違いなく、まどかと……越前リョーマ、彼さ」
まどか「ほむらちゃん……」
杏子「す、すげぇ……」
跡部「圧倒的じゃねえか、あいつ……」
QB「でも……いくら天衣無縫の極みとはいえ、彼女一人で本気のワルプルギスの夜を倒すのは難しい」
乾「……確かに、その通りだ」
まどか「そ、そんな……」
QB「結局、運命は変えられないということさ」
柳「……それはどうかな」
乾「いや、彼女がワルプルギスの夜を撃破できる確率はせいぜい20%……」
QB「だったら……」
柳「だが……それはあくまでも天衣無縫の極みに目覚めた者が、彼女一人ならばの話だ」
QB「何だって!」
乾「そう、もし彼女と同調(シンクロ)している彼も、目覚めたとしたら……」
ほむら「リョーマ……行けるわね!」
越前「当然」
カッ!!
乾「ワルプルギスの夜を撃破できる確率……100%」
越前「……何スか?」
ほむら「あなたは……何で、テニスをしているの? 楽しいから?」
越前「なのかな……あと、強い奴らを倒していきたいしね」
越前「テニスでは……誰にも負けたくないんで」
ほむら「……ふふっ。やっぱりあなたは、カッコいいわね」
ほむら「例えるなら……テニスの王子様、ってところかしら」
越前「……いきなり何言ってんスか。それより、トドメいきますよ」
ほむら「……えぇ!」
マミ「あ、あれは私の!?」
手塚「無我の境地で、模倣したのか!」
跡部「だが、なぜ上空に……そうか! あれは……ただの、弾代わりってわけか!」
ほむら「リョーマ! あなたとのダブルス、楽しかったわよ!」
ほむら「その手で……決着を、つけなさい!」
越前「うっす!」
QB「越前リョーマが……上空に、飛んだ!?」
越前「サムライドライブ」
ズガァァァァァァァン!!
越前「ワルプルギスの夜……」
ワルプル「アアアアアアアアアアアア!!」
ドガァァァァァァァン!!
越前「まだまだだね」
ほむら「えぇ……本当に、ありがとうね」
越前「いいっスよ、楽しかったしテニスも強くなれたし」
ほむら「リョーマ……あなたはこれからもテニスを続けるんでしょう?」
越前「そのつもりだけど……」
ほむら「なら、よかったわ。遠く離れてても……活躍は耳にするでしょうから」
越前「群馬と東京じゃ電車一本だし、遠くっていうほど遠くないスけどね」
ほむら「そう……」
越前「ほむらさん……次会う時は、1セットくらい取れるようになってて下さいよ」
ほむら「……ふふ、難しそうね」
越前「当然。それじゃ、また……」
ほむら「えぇ、きっとまた会えるわ。さようなら、リョーマ」
越前「……ほむらさんも、お元気で」
ほむら「……またね、リョーマ……」
ほむら「素敵な素敵な……テニスの、王子様」
まどか「えっと……ここで待ってればいいんだよね」
さやか「うん、そのはずだけど……」
バラバラバラバラ
ほむら「あ、来たわね」
マミ「ヘリでお迎えとは、相変わらずやることが派手ね」
杏子「久しぶりだな、みんな!」
跡部「待たせたな、乗れ。決勝に遅れちまうぞ」
ほむら「今はあの名門、氷帝学園高等部の女子テニス部のエースなんでしょう?」
マミ「でも驚いたわ。跡部くんが佐倉さんを引き取ったって聞いた時は」
跡部「乗りかかった船ってやつだ。それより、手塚の様子はどうだ?」
杏子「月一の文通、今でも続けてるんだろ?」
マミ「うん、相変わらずドイツで頑張ってるみたい」
まどか「手塚さんなら、きっとプロになれるよね!」
跡部「さて……そろそろ着くぞ」
マミ「今年はどちらが勝つのかしら……昨年優勝の立海か、準優勝の青学か」
さやか「そんなの、王者立海の連覇に決まってるっしょ!」
ほむら「そうかしら。手塚さんがいないとはいえ、今年こそは青学が優勝すると思うわよ」
杏子「はは、お前らは相変わらずだな」
跡部「む……選手入場、始まったな」
さやか「あ、赤也だ!」
まどか「越前くんも……柳さんも乾さんも、みんな元気そうだね!」
柳「赤也……何か美樹さやかに言っておかなくていいのか?」
切原「え? い、いや別に……」
さやか「おーい、赤也ーっ! 聞こえるーっ!?」ブンブン
仁王「お、向こうから手を振って……」
さやか「優勝したら、膝枕してあげるねーっ!」
切原「なっ……」
柳生「ほう……これは頑張らなくてはいけませんね、切原君」
切原「さ、さやかの奴……何て恥ずかしいこと……」
真田「フン……たるんどる!」
ジャッカル「まぁまぁ……」
丸井「こういうのも、面白いんじゃない?」
乾「越前、お前も対抗したらどうだ?」
越前「そんなこと言われても……」
ほむら「リョーマぁ!」ブンブン
大石「あ、噂をすれば……」
ほむら「優勝したら、デートしてあげるわよーっ!」
越前「……っ!」
不二「へぇ……」
桃城「かぁ~っ、あんな可愛いコと……羨ましいぜ!」
海堂「……けっ」
越前「……まったく、あの人は……」
マミ「ふふ……楽しそうで、何よりじゃない」
杏子「ははっ、そうだな」
跡部「お、始まるみたいだな」
ほむら「青学、がんばれーっ!」
さやか「立海、負けるなーっ!」
「それでは、これより高等学校テニス全国大会団体戦決勝を始めます!」
「両チームとも、整列してください!」
「礼!」
「「「「「「「「「「よろしくお願いします!」」」」」」」」」」
END
恋愛要素を混ぜるかは悩みましたが、イケメン×美少女×中学生という組み合わせを考慮して盛り込みました。
お付き合いいただきありがとうございました。
テニヌなら何でもありなんだって事が再確認できた
まさか、このクロスでここまで行けるとは……
Entry ⇒ 2012.03.16 | Category ⇒ まどかマギカSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
アイリ(セイバーに悪戯しちゃえ)セイバー「……」トテトテ
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330678883/
セイバー「なんでしょうか?」
ぷにっ
アイリ「ふふっ」プニプニ
セイバー「にゃんのまにぇでしゅか?」
アイリ「肩を叩くと、叩かれたほうへ顔を向けるでしょ?」
セイバー「ええ」
アイリ「それを利用して、人差し指で頬を突くの。今、みたいにね」
セイバー「なんて程度の低い悪戯ですか、全く」
アイリ「でも、みんなひっかかるのよね」
セイバー「当たり前です。そんなことをされるとは誰も思いません」
セイバー「キリツグも……ですか?」
アイリ「ええ」
セイバー「そうですか」
アイリ「ごめんなさいね。でも、セイバーも可愛かったわ」
セイバー「別に嬉しくないですね」
アイリ「それじゃあ、またあとでね」
セイバー「はい」
アイリ「ふんふふーん♪」トコトコ
セイバー「……」
セイバー「……」キョロキョロ
切嗣「……」スタスタ
セイバー「……」トテトテ
切嗣(……ん?なんだ?)
セイバー(肩を叩いて人差し指を突き出すだけ……簡単ですね)
切嗣「……」バッ
セイバー「!?」
セイバー(よけられた……)
切嗣(何をするつもりだったんだ……?)
セイバー「……」ジリジリ
切嗣「……」ジリジリ
セイバー「あ、どうぞ。特に用事はありませんから」
切嗣「……」クルッ
セイバー(チャンスです!)クワッ
切嗣「―――ふっ!!」バッ
セイバー「な……!?」
切嗣(なんだ……何がしたいんだ……?)
セイバー(くそ……。流石はマスター……。隙がない……)
切嗣「……」スタスタ
セイバー「……」トテトテ
切嗣(ついてくる……。何が目的だ……?)
セイバー(んー……。どうしたらいいのでしょうか?)
切嗣(口をきかないことを気にしての行動か?いや、それにしてはあまりにも殺気立っている)
セイバー(アイリスフィールと話している隙を狙うとか……どうでしょうか?)
切嗣「……」チラッ
セイバー「むぅ……」トテトテ
切嗣(なるほど。わかった。―――僕を殺す気だな)
セイバー(こちらの様子を伺っている。しばらくは手出しができませんね)
切嗣(いや。殺すのであれば魔力を解放するだけでいいはず)
切嗣(腕ずくでも僕を喋らせようとでもいうのか……?)
セイバー「……」
セイバー(アイリスフィールに頼んでみましょうか……)
セイバー(こう……すっと、指を)スッスッ
切嗣(早速、僕を刺し殺すシミュレーションか……)
セイバー「……」スッ
切嗣(なんだ?あの手の動きは……?まるで指先だけで……殺すみたいじゃないか)
セイバー(きりつぐー。トントン。えいっ。そして、ぷにっと……うむ)
切嗣(人間ごとき人差し指だけでいいということか……)
セイバー(キリツグも照れるのでしょうか。非情に気になります)
イリヤ「キリツグー」テテテッ
切嗣「イリヤ。どうした?」
イリヤ「みてみて。雪ダルマつくったの」
切嗣「すごいな」ナデナデ
セイバー(好機!!)シュバッ
切嗣「―――っ!!」バッ
セイバー「あ―――!?」
イリヤ「きゃっ!!」
ぼとっ
セイバー「あ……」
イリヤ「あ……ゆきだるま……こわれた……」
セイバー「あ……あの……申し訳ありません……」
イリヤ「……」ウルウル
セイバー「あの……もう一度、作りましょう」オロオロ
切嗣「イリヤ……」
イリヤ「……」ポロポロ
セイバー「あぁ!!よし!!今すぐ、この城を越える雪ダルマを私が生成します!!」オロオロ
切嗣「行っておいで」
イリヤ「……うん」
セイバー「さぁ!!行きましょう!!」
切嗣(とりあえず、セイバーに任せてみよう)
セイバー「ふーん!!ふーん!!」ゴロゴロ
イリヤ「がんばってー」
セイバー「ふぅ……よし。これでいいでしょう」
イリヤ「わーい!!おっきー!!!」
セイバー「まぁ、私にかかればこんなものです」キリッ
イリヤ「でも、これだと雪ダルマが城に入らないわ」
セイバー「まぁ、そうですね」
イリヤ「セイバー、小さいのも作って」
セイバー「わかりました」
イリヤ「……」
セイバー「えーと……」コロコロ
イリヤ「セイバー?」トントン
セイバー「なんですか?」クルッ
イリヤ「えい」プニッ
イリヤ「あはは。ひっかかったー!!」
セイバー「全く。アイリスフィールと同じことをするのですね」
イリヤ「これは私がお母様に教えたの」
セイバー「そうなのですか?」
イリヤ「そうよ」ムフー
セイバー「キリツグにも試しましたか?」
イリヤ「ええ。見事にひっかかったわ」
セイバー「……」
イリヤ「あの時は面白かったなぁ」
セイバー「むむ……無性に悔しいのですが」
イリヤ「ゆだんたいてきってことよ」
セイバー「わかりました。以後、気をつけましょう」
イリヤ「うん」
セイバー(しかし、私が二度も引っかかったのです。恐らくキリツグなら三度引っかかってくれるはず)
切嗣「―――ああ、これが今後の行動予定だ」
舞弥「わかりました」
切嗣「それから―――」
セイバー「お……」
セイバー(なにやら作戦会議中ですね。今なら書類に気をとられている……)
セイバー(行きましょう)コソコソ
舞弥「ん?」
切嗣「どうした?」
舞弥「いえ」
セイバー「……」ジリジリ
舞弥(セイバー……何をする気……?)
セイバー(ふふ……あともう少し……)
切嗣「……」チラッ
セイバー「あ……ど、どうも。こんにちは」アセアセ
舞弥「はい」
セイバー「……」ソーッ
舞弥(まさか……)
切嗣「以上だ。頼んだ」スッ
セイバー「あ……」
切嗣「……」スタスタ
切嗣(危うく怪我をするところだったな。セイバー、所構わずか……)
セイバー「もうすこしだったのに……」
舞弥「……」
セイバー「はぁ……もう一度、作戦を考えなければ……うーむ……」
舞弥「セイバー?」トントン
セイバー「はい?」クルッ
舞弥「……」プニッ
セイバー「……にゃんてこりょりゃ。ましゃか、しゃんどもひゃきゃきゃりゅとりゃ」
セイバー「……はい」
舞弥「どうして、そんな幼稚なことを?」
セイバー「いえ。キリツグの反応が見てみたくて」
舞弥「……」
セイバー「それでは」
舞弥「待って」トントン
セイバー「え?」
舞弥「これが通じる相手ではないと思います」プニッ
セイバー「……みゃこりょでふふぁ?」
舞弥「はい。本当です。あの切嗣ですよ?」
セイバー「しかし。アイリスフィールもイリヤスフィールも成功しています」
舞弥「それは……」
セイバー「あの二人にできて私ができない道理はない」
舞弥「むきになってませんか?」
舞弥「なら、いいのですが」
セイバー「貴女もみたくはないですか?キリツグがひっかかるところを」
舞弥「……見たくないといえば嘘になります」
セイバー「では、徒党を」
舞弥「いや。あの人にそんなことをしては後が怖い」
セイバー「大丈夫です。私も謝ります」
舞弥「謝罪するなら初めから実行しないほうがいいのでは?」
セイバー「キリツグが罠に陥り、赤面するところを見たくはないのですか?」
舞弥「ですから、見たくないといえば嘘になります」
セイバー「それは見たいということですよね?」
舞弥「いえ。決して自分から進んで見ようとは思いません。何かの拍子に見ることができればいいなという程度です」
セイバー「誰かが実践しなくてはそのような奇跡は永遠に訪れません」
舞弥「そうですが」
セイバー「行きましょう。キリツグのほっぺたをぷにぷにしてするのです」
舞弥「いました」
切嗣「……?」
切嗣(舞弥がいる……)
セイバー「では、手筈通りに」
舞弥「……」コクッ
切嗣(まさか、舞弥が敵に……?)
舞弥「……あの」
切嗣「なんだ?」
舞弥「行動予定に関して少しばかり質問が」
セイバー「……」コソコソ
切嗣「珍しいな」
舞弥「実は―――」
セイバー「はっ!!!」
切嗣「……?!」バッ
切嗣(疑惑が確信に変わった。―――僕はセイバーに狙われている)
セイバー(今の一撃をかわすとは……流石、我がマスター)
舞弥「……」
切嗣「舞弥?」
舞弥「は、はい」ビクッ
切嗣「なんの真似だ?」
舞弥「え……」
切嗣「僕が憎いのならそう言えばいい」
舞弥「ち、違います……私は……セイバーに……その……」モジモジ
切嗣(やはり、そうか)
切嗣「……」ギロッ
セイバー「あ、みてくださいキリツグ。外の雪ダルマ、私が作ったのです!!」アセアセ
切嗣「……」
セイバー「いやー!!私は雪ダルマのスキルがあるのではないかとおもってしまいますねー!!」アセアセ
セイバー「みてください、キリツグ!!腕はイリヤスフィールと共同で……」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「キリツグ!!ほら!!頭の帽子は大木の切り株ですよ!私がエクスカリバーで切って―――」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「待ってください、きりつぐー」トテトテ
切嗣「……」ギロッ
セイバー「うっ……」
切嗣「……」クルッ
セイバー「きりつぐぅ……」シュン
舞弥「諦めましょう。あからさまに警戒されていますし」
セイバー「そうですね。では、しばらく時間をあけましょう。忘れた頃にしかければ、キリツグも……」
舞弥「がんばってください」
セイバー「はい、がんばりましょう」ガシッ
舞弥「私もですか……?」
セイバー「アイリスフィール」トントン
アイリ「なぁに?」クルッ
セイバー「な……!?ひ、ひきょうです!!叩かれた肩のほうへ顔を向けてください!!」
アイリ「ふふ。駄目よ。セイバーが肩を叩くときはその悪戯の合図みたいなものだもの」
セイバー「くっ……!!」
アイリ「ほら、行きましょう」
セイバー「わかりました」
アイリ「そういえばあれから切嗣とは?」
セイバー「もはや半径数メートル以内にすら近づけません」
アイリ「そう……。切嗣も悪気があるわけじゃないから。気にしないで」
セイバー「ええ……気には……してません……」
アイリ(分かりやすい子……)
セイバー「む……気をつけてください。サーヴァントの気配がします」
アイリ「……わかったわ。切嗣に連絡するから動くのはそのあとで」
セイバー「この辺りですね」
アイリ「どこにいるのかしら……?」キョロキョロ
セイバー「……しっ」
アイリ「え?」
セイバー「あそこに」
アイリ「あの人?」
ランサー「……」
セイバー「はい。間違いありません」
アイリ「どうする?」
セイバー「私に考えがあります」
アイリ「え?」
セイバー「……」コソコソ
アイリ「セイバー?なにする気なの?」
セイバー「……」ソーッ
ランサー「ん?」クルッ
ぷにっ
セイバー「……ふっ」
ランサー「にゃんのまにぇかな?」
セイバー「ひっかかりましたね」
ランサー「……」
セイバー「アイリスフィール、私の作戦勝ちです」
アイリ「……」
セイバー「ふふっ……やった……」グッ
アイリ(初対面の相手にする人……はじめて見たわ……)
ランサー「何の真似かときいた」
セイバー「引っかかるほうが悪い」ムフー
ランサー「会話になっていないが?」
セイバー「私は満足です。帰ります」
セイバー「はい」
ランサー「……」
アイリ「セイバー、何言ってるの?」
セイバー「私はこれがサーヴァントに通じるかどうか知りたかったのです」
アイリ「いや。でも、そう簡単に返してはくれないと思うわ」
セイバー「……む。それもそうですね」
ランサー「剣を抜け」
セイバー「いいでしょう。しかし、先ほどの人差し指が我が剣だったのなら、貴殿は既に死んでいる身」
ランサー「それは……」
セイバー「勝敗は決しているといっても過言ではありません」
ランサー「くっ……」
セイバー「ハンデとして私は右腕を使わずに戦いましょう」
ランサー「なんだと……?」
アイリ「セイバー!!油断はだめ!!」
舞弥「……」コソコソ
切嗣「……どこだ……?」
舞弥「……」ソーッ
切嗣「……うしろか!!」バッ
舞弥「!?」ビクッ
切嗣「舞弥?なにをしている?」
舞弥「あ、えと……どこに待機するか忘れて……」オロオロ
切嗣「無線でいいなさい」
舞弥「すいません……」
切嗣「ここだ。このポイント」
舞弥「思い出しました」
切嗣「頼むぞ」
舞弥「はい」タタタタッ
舞弥(こんなときでも隙がない……流石です)
ランサー「くっ……!!」
アーチャー「―――ふははははは!!!!」
セイバー「ん?」クルッ
ランサー「何者だ」クルッ
アーチャー「雑兵風情が心地の良い剣戟を響かせているとおもえば、この体たらくか!!」プニップニッ
セイバー「むにゅ……」
ランサー「ふきゃく……」
アーチャー「あはははは!!!!実に下らん!!下らんぞ!!やはり貴様ごときでは我に触れることもできんようだ!!」
アーチャー「まぁ、触れているのは我だがな。あははははは!!!!」
セイバー「おのれ……!!二人同時とは!!」
ランサー「貴公は?」
アーチャー「俗物に名乗る名などないわ!!そもそも我とこうして言葉を交わすことすらおこがましいというのに」
セイバー「その悪戯……だれに教わったのですか?」
アーチャー「ん?これは街を歩いていると童子にやられたのだ。腹が立ったからお前らにしてやっただけのことよ」
アイリ「うそ……そんなわけ……」
アーチャー「さて。気が変わったぞ。ここでお前たちを我が財宝で塵にしてやろう。光栄に思え」
ランサー「なに……?!」
アーチャー「さぁ……くらうがよい!!―――ゲート・オブ……」ゴォォォ
バーサーカー「……」ツンツン
アーチャー「ん?」
バーサーカー「……」プニッ
アーチャー「ばびゅりょん」
ドンドンドン!!!
セイバー「危ない!!!」バッ
アイリ「きゃぁ!!」
ランサー「これは……!?」
切嗣「まさかサーヴァントが4体も……予想外だ……!!」
舞弥「……」コソコソ
バーサーカー「……」ヤーイヤーイ
アーチャー「―――ころすっ!!!」ドンドンドン
バーサーカー「……」サッ
セイバー「ふぅ……標的が変わったようですね」
ランサー「まさか、このような展開になろうとは……。セイバー、この勝負あずけるぞ」
セイバー「分かりました」
アイリ「行きましょう。これ以上は危険だわ」
セイバー「そうですね」
切嗣「……退却を選んだか。各サーヴァントのマスターもどこにいるかわからないな」
舞弥「……」ソーッ
切嗣「舞弥」
舞弥「は、はい!!」ビクッ
切嗣「撤退だ」
舞弥「わ、わかりました……」
セイバー「ですが、自信がつきました」
アイリ「え?」
セイバー「あのランサーに通じたのです。キリツグに効かないわけがない」
アイリ「セイバー……」
セイバー「さあ、帰りましょう」トテトテ
アイリ「どれだけ切嗣の頬を突きたいのかしら……?」
セイバー(今度は必ずキリツグの頬をぷにぷにしてやります……!!)
アイリ「……」
切嗣「舞弥、どうして勝手に持ち場を離れた?」
舞弥「……申し訳ありません」
切嗣「これ以上、下手なことをするなら君とは縁を切るほかない」
舞弥「……!?」
切嗣「……」
舞弥「これからは真面目にやります」
セイバー「お疲れ様です」
舞弥「どうも」
セイバー「これからキリツグを―――」
舞弥「私はもういいです」
セイバー「え?」
舞弥「それでは」
セイバー「待ってください。どうしたのですか?」
舞弥「……私の居場所はここしかないのです」
セイバー「意味が分かりません」
舞弥「分からなくて結構」
セイバー「そんな……」
舞弥「さよなら」スタスタ
セイバー「まいやぁー!!」
セイバー「そんな……独りになってしまうとは……」ガックリ
イリヤ「らんらーん」スキップスキップ
セイバー「……」トコトコ
イリヤ「お母様はどこかな?」キョロキョロ
セイバー「イリヤスフィール」トントン
イリヤ「んー?」クルッ
セイバー「……」プニッ
イリヤ「ふにゃ」
セイバー「ふふ」
イリヤ「もうひどいー!!」
セイバー「申し訳ありません。つい」
イリヤ「セイバーなんてきらいっ!!キリツグとお母様にいいつけちゃうんだから!!!」
セイバー「そ、それは困ります……」オロオロ
イリヤ「じゃあ、今から中庭にいこ!また雪ダルマつくって!」
セイバー「分かりました。いきましょう」
イリヤ「よいしょ……よいしょ……」ゴロゴロ
セイバー「ふーん……!!」ゴロゴロ
イリヤ「ふぅ……おっきい雪玉ができたね」
セイバー「ええ」
イリヤ「じゃあ、これをのっけて」
セイバー「はい。―――ふんっ」ガシッ
イリヤ「おぉ!」
セイバー「とうっ!!」シュバッ
セイバー「はっ!!!」ドンッ
イリヤ「かんせー!!」
セイバー「ふふっ。我ながら恐ろしいスキルをもってしまったものです」キリッ
アイリ「楽しそうね」
切嗣「……あの二人、仲がいいな」
アイリ「ふふ、嫉妬?」
アイリ「切嗣?」
切嗣「……セイバーは僕を亡き者にして、僕の全てを奪うつもりなのか?」
アイリ「……へ?」
切嗣「……僕は……絶対に生き延びる……」
アイリ「切嗣……?ねえ……ちょっと……」
切嗣(令呪を使うときが来たのかもしれない……)
アイリ「まって!切嗣!!ねえってば!!」
イリヤ「いくわよ!!―――すのーきゃのん!!」シュッ
セイバー「うわっ?!」バサッ
イリヤ「あははは!!セイバー、まっしろー!!」
セイバー「―――くらえっ!!!」バッ
イリヤ「ぎゃぁ!?」ドンッ
セイバー「私を甘く見ないほうがいい」
イリヤ「ふぇ……いたぃ……よぉ……」ウルウル
イリヤ「おでこぉ……いたい……」ポロポロ
セイバー「も、もうしわけありません!!つい力が!!」オロオロ
イリヤ「うぅぅ……」ポロポロ
セイバー「こ、ここが痛むのですか……?」ナデナデ
イリヤ「……」
セイバー「それとも……こっちですか……?」ナデナデ
イリヤ「ふふ……」
セイバー「え……?」
イリヤ「うそ。いたくないよー」
セイバー「なっ……?!」
イリヤ「あはは。セイバーってすぐにひっかかるよねー」
セイバー「嘘泣きとは……!!イリヤスフィール!!!」
イリヤ「やーいやーい」
セイバー「まちなさい!!許しません!!!」
セイバー「全く。イリヤスフィールは悪戯が過ぎますね」
セイバー「……」
セイバー「……ふむ」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「あ。きりつぐー、おひさしぶりです」トテトテ
切嗣「……」ギロッ
セイバー「な……」
切嗣(ここで令呪を使う。これ以上、僕のものを奪わせない)
セイバー「キリツグ……?」
切嗣「……令呪をもって命じる」
セイバー「なにゆえ?!」
切嗣「……」ピカー
セイバー(キリツグのようすがおかしい……!!)
セイバー(まさか……悪戯しようとしていることがばれて……令呪を……?!)
セイバー(そ、そうです!!)
セイバー「うっく……どうして……ですかぁ……きりつぐぅ……」ウルウル
切嗣「?!」
セイバー「れいじゅ……なんて……わた、し……マスターのために……がんばってるのに……」ポロポロ
セイバー「ひどいです……きりつぐぅ……」ポロポロ
切嗣(セイバーが泣いた……!?令呪がそんなに嫌なのか……!?)オロオロ
セイバー(よし……動揺している……。これは効果アリですね)
切嗣(どうする……?い、いや……強行するまでだ。サーヴァントに情けなど―――)
セイバー「……」ポロポロ
切嗣「……」クルッ
セイバー「あ……」
切嗣「……」スタスタ
セイバー(すきありっ!!)バッ
切嗣「……?!」
切嗣「……」
セイバー「きりつぐー」ツンツン
切嗣(なんだ……しきりに肩を叩かれている……)
セイバー(おかしい……振り向いてくれませんね)
切嗣「……」スタスタ
セイバー「あ、まってください、キリツグ」トントン
切嗣(なんだ……どうしたらいい……?)
セイバー「きりつぐー?」ツンツン
切嗣(振り向いたらなにをされるからわからないな……無視しておこう)スタスタ
セイバー「キリツグ?キリツグ?どうしてこちらを振り向いてくれないのですか?」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「キリツグっ!!!」ドンッ!!
切嗣(ぐぁ……!!肩を思い切り殴打してくるとは……やはり僕に危害を……)
セイバー(むぅ……ここまでしても気がつかないとは、キリツグは鈍感なのですね)
アイリ「セイバー?まだ寝ていなかったの?」
セイバー「アイリスフィール」
アイリ「さっき切嗣が私のところにきて治療を受けたわ。何か知ってる?」
セイバー「え?」
アイリ「肩を脱臼してて……戦闘でもしたのって聞いても「いえない」の一点張りで」
セイバー「キリツグ……そうか……痛みで私が叩いたことに気がつかなかったのですね……」
アイリ「もしかして港の戦闘のときに……」
セイバー「え?キリツグは見かけませんでしたが……」
アイリ「いいえ。あの人はいつでも私たちを見守っているの」
セイバー「そうなのですか?」
アイリ「ええ」
セイバー「……そうですか」
セイバー(嫌われているというわけではないのですね)
セイバー(どうやら怒っているわけでもないようですし……また、機会があれば頬を……こう……ぷにっと……)
アイリ「セイバー!!」
セイバー「アイリスフィール、どうしたのですか?」
アイリ「敷地内に敵が……!!」
セイバー「……わかりました」シャラン
アイリ「切嗣によればキャスターのサーヴァントみたいだから気をつけて」
セイバー「キャスター……ふっ。なら安心してください。キャスターごときに遅れはとりません」キリッ
アイリ「私もできる限りのサポートはするわ」
セイバー「キリツグは?」
アイリ「マスターを捜すって」
セイバー「なるほど。ではこちらもうってでましょう。キャスターに時間を与えればどんな術式を展開してくるか……」
アイリ「そうね。セイバー、お願い。私を守って」
セイバー「はい。任せてください」
アイリ「行きましょう」
セイバー「ええ」トテトテ
キャスター「りゅうのすけぇ!!!!」
龍之介「旦那?」
キャスター「みてください!!!私のゆきだるまぁ!!!」
龍之介「すっげー!!COOLだぁ!!」
キャスター「触ってください!!龍之介ぇ!!」
龍之介「え……すっげー!!冷たい!!COOLだぁ!!」
キャスター「ええ、ええ。これは最高傑作ですよ」
龍之介「相変わらず旦那は芸術的だな」
キャスター「しかし……雪ダルマには鮮度があります。これはこの日限りの作品。明日になれば溶けてしまう」
龍之介「一日で溶けるもんなの?」
キャスター「いま、この瞬間の雪は!!もう二度と手にはいりませんっ!!!」
セイバー「居ました」
アイリ「邪魔しないほうがいいかしら……?」
セイバー「そういうわけにもいきません。敷地内で遊ばれては安心して寝ることもできませんから。いきます」コソコソ
キャスター「おぉぉ……!!これは……!!」
龍之介「雪のオルガンだ!!」
キャスター「うーん……流石は龍之介ですね。素晴らしい」ニッコリ
龍之介「いやいや。真球に近い……いや真球そのもので作った旦那の雪ダルマには敵わない」
キャスター「そう卑下にすることは―――」
セイバー「もしもし?」トントン
キャスター「え?」
セイバー「……」プニッ
キャスター「……」
龍之介「え?誰?」
セイバー「貴方は今、死んだも同然です。帰りなさい」
キャスター「お……おぉ……ジャンヌ……」ポロポロ
セイバー「……ん?だれのことですか?」プニップニッ
キャスター「こんにゃときょりょで……あえりゅとは……じゃんにゅぅ……」ポロポロ
セイバー「知りません」プニプニ
キャスター「そんにゃぁぁ……じゃんにゅぅぅ……」ポロポロ
セイバー「……」プニプニ
キャスター「しぇいしゅりょーじゃんにゅぅぅ……」
アイリ「ジャンヌ……?」
龍之介「誰?」
アイリ「この敷地を管理する者よ。即刻立ち去ってください」
龍之介「ちょっと待ってくれ。これからこの雪のオルガンに手を加えて音が出るようにするから」
アイリ「いや……」
キャスター「わすれたのですかぁー!!雪が積もったときは一緒に雪合戦をしたではありませんかぁー!!」
セイバー「記憶にありません」プニプニ
キャスター「むぐぐ……そんにゃばかにゃぁ……!!!」
セイバー「私はジャンヌではありません。ブリテンの王、アーサーペンドラゴンです」
キャスター「おぉ!!なんと嘆かわしい!!はっ!!まさか、あのとき私が投じた雪玉で記憶を……!?」
セイバー「独りで盛り上がらないでください」
キャスター「わかりました……では、もう一度……あの日の記憶を思い出してもらうために!!」ガバッ
セイバー「む……?!」
キャスター「この純白の雪のごとく清らかだった貴女にもどってくださいぃぃ!!!」シュッ
セイバー「わぷっ!?」バサッ
キャスター「ふふふふ……まだ、腕は衰えておりませんよ……?」
セイバー「―――えくすかりばぁー!!!」シュッ
キャスター「おぶっ?!」バンッ
セイバー「……雪玉の作りが甘いっ!!」
キャスター「うぐぐぐ……まさに……あのときの……雪合戦で必死に玉を作っていた……あのときの……貴女ですよー!!!」
龍之介「ふんふーん♪」ザッザッ
アイリ「……」ソーッ
龍之介「ん?安心しなって。できたら演奏させてやるよ」
アイリ「ほ、ほんとに……?」ドキドキ
セイバー「……」
キャスター「はっ!?」
セイバー「―――アヴァロン!!」シュッ
キャスター「ひゃぁぁ!!!」
ばんっ
キャスター「うぅ……まいりました……」
セイバー「ふん。雪玉は尽きないようにするのが基本です」
キャスター「―――かくしだまもありますよぉ!」シュッ
セイバー「ぐっ!?」バンッ
キャスター「ふふふー!!」
セイバー「―――覚悟してくださいっ!!!」ドンドンドン
アイリ「~♪」ポロンポロン
龍之介「すげぇ!!COOLだよぉ!!あんたぁ!!」
アイリ「そ、それほどでも……」テレッ
セイバー「なんですか?」
キャスター「あれは……!?」
ライダー「ようし!!ここがいい!!降りるぞ!!」ガバッ
ウェイバー「だから!!ここは敵の敷地内だっていってるだろ!!ばかぁ!!」
ライダー「なにをいう。ここにはこれだけの銀世界が広がっている。カマクラを作るにはもってこいではないかぁ」
ウェイバー「なんでカマクラをつくるんだよ?!意味を教えろ!!訳をいえ!!理由を述べろ!!!!」
ライダー「うるさいのぉ。余がしたいといえばしたくなるものだろ?」
ウェイバー「わっけわかんないな!!」
ライダー「とにかくいくぞ」ガシッ
ウェイバー「ばか!!こんなところから飛び降りたら死ぬ!!死ぬんじゃう!!!」
ライダー「下は雪だ。死にはせん」
ウェイバー「お前はなっ!!!」
セイバー「む!?人が落ちてきます!」
キャスター「りゅうのすけぇ!!にげてください!!」
セイバー「アイリスフィール!!危ない!!」ガバッ
アイリ「きゃ!!」
ウェイバー「あぁぁぁぁ!!!!!」
龍之介「なにぃ!?」
キャスター「りゅうのすけぇ!!」ガバッ
ドシーン!!!
ウェイバー「―――ぷはぁ!!!」
龍之介「うわぁぁぁ!!!!!ひでぇええ!!!!俺のさくひんがぁぁ!!!こんなのあんまりだぁぁぁ!!!!」
アイリ「雪のオルガンが……」
ウェイバー「え……あ。なんかあったのか?」
龍之介「なんかあったじゃねえよ!!ここには……ここには……俺の最高……けっさ……く……がぁ……」ウルウル
ウェイバー「な、なんかごめん……」
龍之介「うぅ……」
ライダー「なにかを壊してしまったようだ。すまなかった。詫びといってはなんだが、これからカマクラを作って鍋をするのだが、一緒にどうだ?ん?」
舞弥「そのようですね」
切嗣「……もうすこし様子をみるか」
舞弥「はい」
龍之介「……」プイッ
ライダー「むむ……すっかり臍を曲げたか」
キャスター「致し方ないでしょう。形あるものはいつか崩れるとはいいますが、これはいささか酷い結末……」
ウェイバー「あ、あの……また作れば……」
アイリ「あれはもう二度とできないのよ?!」
ウェイバー「ひっ!?」
ライダー「まてまて。こちらの非は認めているだろうに。―――これで許せ」スッ
セイバー「それは?」
ライダー「特上の酒だ。あと一人呼んでいるのだが……こんなぁ」
アイリ「もう一人……?」
ライダー「うむ。余も先日出会ったばかりだが、これが中々に気骨のある者でなぁ。酒の席を設けようという話になったのだ」
ライダー「おぉ!!これは余としたことが。―――余は征服王イスカンダル!!」
セイバー「私はアーサー・ペンドラゴンです」
ライダー「おぉ!!お前が世にきくアーサー王か!!ふははは!!これはいい!!」
キャスター「私はジル・ド・レェです」
ライダー「ふーん」
キャスター「!?」
セイバー「なにか?」
ライダー「うむ。お前も王ならこの酒の席は王の宴となろう!!」
セイバー「王の……?」
アーチャー「―――ふははははは!!!!!」
ライダー「おお!!きたか!!」クルッ
アーチャー「ああ。感謝せよ」プニッ
ライダー「ふはははは!!!余の頬は突き甲斐があろう!!ほれほれ!!!」ズイッ
アーチャー「むうぅぅ!!離れろ!!指が折れる!!」
ウェイバー「なんでこんなことをしなきゃいけないんだよぉ……!!」ザッザッ
アイリ「はぁ……はぁ……」ザッザッ
セイバー「すいません。そこ、補充してください。穴を埋めます」
アーチャー「貴様。我に指図するか?」ペタペタ
セイバー「いいではありませんか」
アーチャー「ぬかせぇ!!もう補充を済んでいる!!」
キャスター「ほーら、りゅうのすけぇ?新しい雪の像をつくりましたよぉ」
龍之介「……」
キャスター「りゅうのすけぇ……」
切嗣「なんだ……何が始まろうとしている……?」
舞弥「……」コソコソ
切嗣「全く予想が……ん?舞弥」
舞弥「は、はい!!」ビクッ
切嗣「あそこに何かいる……あれは……なんだ……?舞弥も確認してほしい」
アーチャー「よし。入るか」
セイバー「アイリスフィールたちはそちらのカマクラをご利用ください」
アイリ「ええ」
ウェイバー「つかれた……」
龍之介「……」
キャスター「さ、龍之介。ここは寒い。カマクラで暖をとりましょう」
セイバー「乾杯」
ライダー「うむ!!」
アーチャー「ふんっ」
ライダー「うむ!!英雄王!!これは旨い酒だな!!」
アーチャー「当たり前だ。我が手にするものは全て宝具のそれだ」
セイバー「ほう」
アーチャー「我を称えよ!!ふはははは!!!」
セイバー「わかりました」プニプニ
ライダー「アーチャーはすごいなぁ」プニプニ
アーチャー「にりょめりゃはゆるふふぁ、しゃんりょめはにゃいりょ?」
セイバー「ふふ……なんて言っているのか、わかりません」プニプニ
アーチャー「ぐにゅにゅ……!!」
ライダー「さてと……!!余はお前たちに聞きたいことがある!!」
セイバー「なんでしょうか?」
アーチャー「下らんことなら言わんぞ?」
ライダー「聖杯を手に入れたら……何を願う?」
セイバー「……」
ライダー「我らは王となり、願いは数多く手に入れた。それでも尚、手にしたい願いはなんだ?」
アーチャー「……」
ライダー「ん?ないのか?」プニプニ
アーチャー「やめりょ……」
セイバー「……私はあります」
セイバー「それは―――」
アサシン「さむ……さむ……」
ライダー「ん?」
アサシン「おーい。この辺でいいと思う」
アサシン「では、早速カマクラを」
アサシン「「御意」」
アーチャー「なんだ!!この雑兵の群れは!!!見ているだけで吐き気がする!!!」
セイバー「アサシン……?!」
アサシン「あ、どうも。すいません」
ライダー「わざわざ新たに作る必要などないわ。早くこっちにこい」
アサシン「いいのですか?」
ライダー「うむ!!」
アサシン「じゃあ、お邪魔します。みんなー、こっちだぁー。鍋もあるぞー」
アサシン「「わーい」」ワラワラ
アーチャー「ぐおぉ……?!」
セイバー「くるしぃ……!!!」
アサシン「あったかいですねー」
アサシン「ぎゅうぎゅうですねー」
アサシン「あ、肉もらいますね」
ピキッ……
セイバー「カマクラに亀裂が……!?」
アイリ「そちらは関係が良好そうで羨ましいわ」
キャスター「ふふ。そうですか?」
龍之介「……ふん」
ウェイバー「機嫌直してくれよ」
バコーン!!!!
アイリ「?!」
キャスター「なんの音でしょうか?」
舞弥「アサシンがカマクラから溢れてくる……」
切嗣「何をやっている……!!アイリは無事か……?」
舞弥「……」ソーッ
切嗣「……」
舞弥「……」トントン
切嗣「ん?」クルッ
舞弥「……」プニッ
切嗣「……」
舞弥「あ……すいません……」
切嗣「……帰っていいよ」
舞弥「!?」
切嗣(アイリ……無事でいてくれ)
舞弥「切嗣!!もうしません!!!ゆるしてください!!」ユサユサ
切嗣「……」
アサシン「意外と脆かったですね」
ライダー「……」
アーチャー「……」
セイバー「……」
アサシン「な!?ちょっと!!入っていいと言ったのは貴方たちですよ!!」
アサシン「「そーだ!そーだ!!」」
ライダー「余のマスターが必死に雪をかき集めたカマクラを侮蔑したであろうが……!!!」ゴォォォ
アーチャー「雑種の分際で我に密着したこと……万死に値するぞ!!!」ゴォォォォ
セイバー「お肉……あれは私が酒と共に味わおうとしていたもの……」ゴォォォ
アサシン「これはまずい!!逃げろ!!」
アサシン「「きゃー!!きゃー!!」」
ライダー「アイオニオン・ヘタイロイ!!!!」
アーチャー「エヌマ・エリシュ!!!!」
セイバー「エクスカリバァァァァ!!!!」
アイリ「きゃぁ?!」
キャスター「おぉぉぉ!!!!麗しのジャンヌー!!!」
ウェイバー「な、なんだこれぇ?!」
龍之介「……」
切嗣「なんて力だ……」
舞弥「きりつぐ!!きりつぐ!!」ユサユサ
切嗣「ライダーもアーチャーも……あの有名な征服王と英雄王か……」
舞弥「出来心!!できごころ!!」ユサユサ
切嗣「……要注意だな」
舞弥「魔が差したんです!!まぁやだけに」
切嗣「……」チラッ
舞弥「あ……♪」
切嗣「……もう顔を見せないでくれ」
舞弥「……」ガーン
アーチャー「……聞きそびれたな。セイバー?」
セイバー「え?」
アーチャー「お前の願いとはなんだ?」
セイバー「それは……ちょっとこちらへ」
アーチャー「なんだ?耳打ちか?」
セイバー「あのですね……」ゴニョゴニョ
アーチャー(セイバーの息が耳に……)ゾクゾク
セイバー「―――というわけです」
アーチャー「ふははははははは!!!!!」
セイバー「なにがおかしい?!」
アーチャー「愛いやつめ」ナデナデ
セイバー「むぅ」
アーチャー「応援してやろう。セイバー」
セイバー「え?いいのですかっ?!」
アーチャー「それはな」
セイバー「アーチャー!!」
アーチャー「……秘密だそうだ」
ライダー「なんだ意地悪だのぉ」
ウェイバー「おい!!派手にやらかしすぎだ!!」
ライダー「おぉ?そうか。では、今宵は幕をひくとしよう。乗れ!!」ガバッ
ウェイバー「うわぁ!?」
アイリ「セイバー!!大丈夫だった?!」
セイバー「はい」
キャスター「ジャンヌー!!大丈夫でしたかぁ!?」
セイバー「それ以上寄れば、斬る」
キャスター「!?」
アーチャー「セイバー。おって連絡する。予定を空けておけ」
セイバー「わかりました」
セイバー「キリツグ!!大変です!!」
切嗣(なんだ……?)
セイバー「アーチャーが中庭に現れました!!」
切嗣「?!」
セイバー「ついでにイリヤスフィールが人質に!!」
切嗣「……」ダダッ
セイバー「キリツグ!!私もいきます!!」テテテッ
切嗣(そんなことあるわけ……!!結界をすり抜けてきたのか……!!!)
切嗣「イリヤ……!!!」ダダダッ
アイリ「ふわぁぁ……ん?おはよう、切嗣、セイバー?」
切嗣「アイリ!!イリヤが大変だ!!すぐにパジャマからいつもの服に着替えて中庭に!!」
アイリ「え?え?」
セイバー「アイリスフィール、お早うございます。ゆっくりでいいですよ?」
アイリ「なに?なにがあったの?」
アーチャー「ふはははははは!!!!」
イリヤ「うわーん!!たすけてー!!」ポロポロ
アーチャー「ふはははは!!!あーっはっはっはっは……ごほっごほっ……あーっはっはっは!!!」
イリヤ「だいじょうぶ?」
アーチャー「黙っていろ」
イリヤ「うん」
アーチャー「ふははははは!!!!」
イリヤ「……」
アーチャー「助けを乞え」
イリヤ「おかあさまぁ!!たすけてぇ!!」ポロポロ
切嗣「イリヤ!!」
セイバー「大丈夫ですか!!」
アイリ「う、うそ……!?イリヤ……!?」
アーチャー「やっときたかぁ!!待ちくたびれて五分ほど居眠りしていたわぁ!!」
アーチャー「なんだぁ?きこえんなぁ?」
アイリ「イリヤー!!」
イリヤ「たすけてよぉ!!!おかあさまぁ!!」ポロポロ
アーチャー「ふはははは!!!」
切嗣「なにが目的だ!!」
アーチャー「すぐに分かる。それまでこの愛娘に注視していろ、雑種ぅ!!」
イリヤ「やだぁー!!」ポロポロ
切嗣「ぐっ……!!!」
アイリ「あぁ……イリヤ……イリヤ……」オロオロ
セイバー(今です)コソコソ
セイバー(今なら確実にキリツグのほっぺたを突ける……!!)
アーチャー(もう少しだセイバー)
イリヤ(がんばって、セイバー)
舞弥「―――そこまでだっ!!」
舞弥「はっ!!」ガバッ
イリヤ「きゃん!?」
セイバー「え?」
舞弥「切嗣。助け出しました」
切嗣「舞弥……」
舞弥「……これが私の最後の仕事です」
アイリ「え?どういう……」
イリヤ「……」
セイバー「……」
アーチャー「あれ……?」
切嗣「舞弥……やはり君は最高のパートナーだ」
舞弥「切嗣……」
アイリ「よかった……イリヤ……」ギュゥゥ
セイバー(今しかない!!!)ガバッ
セイバー「よけられた!?」
切嗣「……」
セイバー「……」
舞弥「あとはアーチャーだけです」
アイリ「セイバー!!お願い!!」
セイバー「え……」
アーチャー「ぬぅぅ……ばかなぁ……!!!」
アイリ「セイバー!!いまよ!!」
セイバー「エクス―――」ウルウル
アーチャー「セイバー!?」
セイバー(許してください!!アーチャー!!)
セイバー「カリバァァァ!!!!」ポロポロ
アーチャー「セイバァァァァァ―――!!!!」ドォォォン
セイバー「はぁ……はぁ……」ポロポロ
イリヤ「う、うん」
アイリ「怪我は?」
イリヤ「大丈夫……」
舞弥「それはよかった」
セイバー「うぅ……申し訳……ありません……アーチャー……あーちゃぁ……」
アーチャー「―――ふんっ!!」
セイバー「アーチャー!!」
アーチャー「我があの程度で死ぬものか!!」
セイバー「よかったぁ……」
アーチャー「しかし、失敗だな」ナデナデ
セイバー「申し訳ありません。英雄王の力まで借りたというのに……」
アーチャー「落ち込むな。まだ手はある」ナデナデ
セイバー「え?」
アーチャー「我は王ぞ?不可能などない!」
切嗣「……ん?」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「―――あのように常に警戒されているのですが」
アーチャー「問題はない」
セイバー「信じます」
アーチャー「ふんっ」
イリヤ「あ、ピカピカの人」
アーチャー「しっ!」
イリヤ「なに?またなにかするの?」
アーチャー「黙っていろ」
イリヤ「うん」
セイバー「どうするのですか?」
アーチャー「―――雑種ぅ!!我はまだ死んでおらんぞぉ!!」バッ
切嗣「……!?」
舞弥「……」ダダダッ
アーチャー「そこだ!!」シュッ
舞弥「うっ!?」
アーチャー「動くな。それ以上、我に近づいてみろ?両足を破断する」
切嗣「目的はなんだ?イリヤか?」
アーチャー「いいや。こいつだぁ!!」グッ
アイリ「うっ……!!」
切嗣「アイリ!?」
アーチャー「こいつさえいれば聖杯は手の内にあるようなものだ!!ふはははは!!!!」
切嗣「……」
セイバー「……」コソコソ
イリヤ「……おかあさまぁ!!」
アイリ「(なにが目的なの……?貴方ほどの英雄なら……こんなことしなくても……)」
アーチャー「(人形の分際で吼えるな。あの男の後ろに世界中の愛を一手に受けて尚、正当な評価には値しないセイバーがいるのだぞ?)」
アーチャー「ふんっ。日の高いうちから寝言か?」
切嗣「……」
セイバー(よぉし……)ソーッ
アーチャー「貴様の矮小な命では代えられんなぁ!!」
アイリ(セイバー!?なにしてるの?!)
切嗣「アイリ……ごめん」チャカ
アーチャー「ほう……妻を穿つか?」
切嗣「ああ……聖杯は渡せない」
アーチャー「……」
アーチャー(セイバー。はやくしろ。この男、本気だ)
セイバー「……きりつぐ」トントン
切嗣「アイリ……」
セイバー「あれ……?きりつぐ?きりつぐー?きりつぐっ!」トントン
切嗣「……」
切嗣「……」グッ
アーチャー「貴様……!?」
アイリ「……」
セイバー「キリツグ!!どうしてですかぁ!!キリツグ!!!」ユサユサ
切嗣「せめて……僕の手で……」
アーチャー「……!?」
アイリ「おねがい……」
アーチャー「ゲート・オブ・バビロン!!!」ドンドンドン
切嗣「くっ!?」
セイバー「きりつぐー」トントン
切嗣「いいかげんに―――!!!」
ぷにっ
セイバー「やりました!ついにひっかかりましたね!きりつぐー!!」
切嗣「……」
切嗣「……」
アイリ「え……?」
イリヤ「やったわね!セイバー!!」
セイバー「はい!」
アーチャー「よくやったぞ!!」
セイバー「はいっ。これもアーチャーのおかげですっ」
アーチャー「ふん。ただのきまぐれだ。もう二度とないと思え」
セイバー「アーチャー……ありがとうございます」
アーチャー「ふ……ふんっ!王が気安く頭を垂れるな!!威厳が落ちるぞっ!!」
セイバー「はいっ♪」
アーチャー「全く。世話のやけるやつだ」ナデナデ
セイバー「ふふっ」
舞弥「まさ、か……この悪戯のためだけに……?」
切嗣「……」ピキッ
切嗣「……」スタスタ
アイリ「あ……切嗣?」
切嗣「……」スタスタ
舞弥「……南無」
アーチャー「あははは―――あ?」
切嗣「……」スタスタ
イリヤ「え……?」
切嗣「……」ピタッ
セイバー「ん?お二人ともどうかしましたか?」
切嗣「……」トントン
セイバー(ふっ……キリツグですね。ここはアイリスフィールのように叩かれた肩とは反対の方向に……)
セイバー「なんです―――」
切嗣「……」プニッ
セイバー「……裏をかかれたぁー!!!」ガーン
セイバー「まって……きりつぐ……!!」
アイリ「切嗣……」
切嗣「下らない。僕は一休みする」
イリヤ「あー、キリツグは私とお母様から受けてるから学習したのかも」
舞弥(あと私です)
アーチャー「ほう……。あの男、中々やるではないか」
セイバー「くやしい……!!くやしい……!!まさか……逆とは……!!」
イリヤ「セイバー、またがんばろうね」
アーチャー「そうだ。まだまだ機会はある。王が下民に劣っていいはずがない」
セイバー「そ、そうです!!私は負けません!!」
イリヤ「がんばれー!!」
アーチャー「その意気だ」
セイバー「きりつぐー!!またリベンジしますからねー!!!」
切嗣「……」スタスタ
セイバー「きりつぐー」トントン
切嗣「……」クルッ
セイバー「な……!?今日は逆ではなく正攻法……!?」
切嗣「ふっ……」スタスタ
セイバー「くそぉ!!キリツグにだけは勝てない……!!」
アイリ「セイバー、誰にも勝ってないわよ?」
イリヤ「ずっと負けてるよ?―――ほら、元気だして」ポンッ
セイバー「ありがとうございます、イリヤスフィ―――」クルッ
イリヤ「とう」プニッ
セイバー「はげましゅたんじゃにゃかったのでしゅね……」
イリヤ「あはは」
アイリ「ふふふ、セイバーには悪戯のし甲斐があって楽しいわ」
セイバー「次は!!次こそはぁ!!!私がぷにっとする番ですっ!!!」
おしまい。
癒されたわ
乙
乙
乙でした
Entry ⇒ 2012.03.16 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「美希がアイドルを辞めてもう1ヶ月か…」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330061457/
スタイル抜群、スポーツ万能、歌もダンスもそつなくこなす天賦の才能に溢れたスーパーアイドル
彼女が突然アイドルを辞めてから1ヶ月が過ぎようとしていたある日
1通のメールがきた
from 美希
『あいたい』
美希からメールが来るとは…
その後何度かメールを交わし、俺は次の日曜に美希の家へ行くことに決めた
………
美希の家は高台の上に建っていた
外からは風化を感じさせない様な綺麗な一戸建ての家
しばらくすると、玄関から一人の女性が出たきた
年は、二十歳くらいだろうか?
顔立ちがどことなく美希と似通っていて、かなりの美人だ
もしかして、この人は美希が前に何度か話していたお姉さんだろうか
会釈をし、軽く挨拶を済ませて、美希の部屋まで案内してもらう
美希の部屋
木製のドアには『MIKI』という丸っこいアルファベットと星のマークがかかれたプレートが下がっている
俺は緊張しながら、ドアを軽くノックした
返事はない
「…入るぞ」
ドアノブに手をかけると、それはあっさりと回った
ふと横を見ると、ベッドの上に美希が座っていた
彼女はイヤホンを耳にさして目を閉じていた
俺の存在に気付くと、彼女は顔をこちらに向けてイヤホンを外し、おもむろに口を開いた
「…………ぁ………ぃ………」
声にならない声
胸が痛くなった
ボイストレーニングの最中に、美希は突然声が出なくなった
医者は、精神的なストレスによる一時的な失声症ではないか、と言った
俺は困惑した
美希の声が出なくなったという事実もそうだが、何よりそれに対する原因が全く思い当たらなかったからだ
彼女はいつも元気に、明るく歌って踊って…見る者を魅了していた
そして何より彼女自身が積極的にアイドルとしての活動を楽しんでいた
俺はなんとかして美希の声を取り戻すために色々模索した
他の仕事をこなしながら、必死に方法を考えた
考えて、考えて、考え抜いた
……けど、駄目だった。
あらゆる方法を試しても、美希の声は戻らなかった
ふと携帯を見ると、美希からのメールが来ていた
from 美希
いろいろありがとう、ハニー
でも、もういいの
ミキ、アイドルやめる
俺はそのとき自分の情けなさと絶望感で胸が苦しくなった
携帯の画面の文字が涙で歪んでいた
目の前にいる少女は、かつての姿と大きく違っていた
髪の毛は恐らく手入れしていないのだろう…ぼさぼさで
頬は蒼白く、少しやせこけている
そして瞳には生気が感じられない
魂が抜けているような…まるで、人形のような感じだ
ポケットにしまっている俺の携帯が震える
from 美希
ひさしぶりだね、ハニー☆
ミキ、すごくさびしかったの
声を出せなくなってから、美希はメールで俺と会話するようになっていた
正直、メールよりも手で文字を書いたほうが早いと思うが…まぁ彼女なりに思うところがあるのだろう
その言葉は、自分でとても空虚なものに思えた
そして気付いた
美希の左手首に包帯が巻かれていることに
カチカチ
ピロリン
from 美希
どうしたの?
これ、気になる?
「いや…」
俺は包帯から目を逸らして、言った
怖かった
できるならずっと目を逸らしたかった
だが、それは何かズルイことのように思えた
しゅるしゅる……
手首にはたくさんの切り傷があった
恐怖と同時に、気持ち悪さがこみ上げてきた
………どうしてこんなことになってしまったんだろう?
ピロリン
from 美希
こんな手してたら、ミキお嫁さんにいけないよね
あははっ☆
俺はなんて答えればいいかわからなかった
美希は包帯をもう一度自分の手首に巻きつけたあと、軽くベッドを叩いた
俺は少し戸惑いを覚えながらも、美希の隣に座る
手首の傷のことは勿論
学校のほうはどうだ?とか
どうしてまた俺と会おうと思ったんだ?とか
けれどどれに関しても聞いてはいけないような気がした
どの質問もタブーのように思えた
聞いてしまったら、美希が傷ついてしまうんじゃないか?そう思った
そして自分も傷つきそうで…怖かった
静かな、静かな時間が流れる
ふと、携帯音楽プレーヤーが視界に入った
「何を聴いてるんだ?」
俺は美希の顔を見ないで尋ねた
カチカチ
美希は文字を打ち込んだ後、自分の携帯の画面を俺に見せてきた
ミキがソロでうたった曲なの
ハニーもいっしょにきく?
そしてもう片方は美希が自分の耳につけた
二人で一つの音楽を共有する
心地よいメロディと声が流れてきた
教えてハニー 未来は何色?
日に日に胸が キュンキュンっていうの
これってなあに?
胸がズキズキと締め付けられる
泣きそうになった
俺は黙って音楽を聴き続けた
気付くと時計はもう夕刻をさしていた
「悪い、そろそろ帰らないと…」
イヤホンを外してそう言うと、美希は悲しそうな表情を浮かべた
「…すまん」
携帯の画面に浮かぶメッセージ
『また、きてほしいな』
「……ああ」
そう答えると、美希はほんの少しだけニコッと微笑んだ
今にも消えてしまいそうな儚げな笑顔だった
「ちょっと、妹のことで……」
リビングのテーブルに案内される
「すみません、こんなものしかないですけど」
湯気の立つブラックコーヒー
コーヒーは好きだが、とても気楽に飲めるような状況じゃない
「このたびは…申し訳ありませんでした」
「顔を上げてください…」
美希のお姉さんは、どこか疲れているような表情で言った
「仕方のないことです…あなた達は何も…悪くありません」
彼女の言葉に、卑怯にもどこかで安堵している自分がいた
「美希は…学校は?」
「声を失ってから1度だけ行っていました。でもそれっきり…」
恐らく学校で色々あったのだろう…俺は「そうですか」とだけ答えた
「今美希は……ほとんど部屋にひきこもっている状態なんです」
まっすぐ俺の目を見据えて彼女は言った
「私があの子の部屋まで持っていってあげてます」
「しばらくの間は、家族で一緒に食べていたんですけど…手首の傷を見て父が激怒してしまって」
「父も母も美希にはすごく優しかったんです。でもあの一件以来あの子は部屋にずっと閉じこもるようになって…」
俺は黙って彼女の言葉に耳を傾けていた
「医者の方は、あの子の声が出なくなったのは精神的なものによると言っていました」
「だから、きっと声は戻ってくると思っています。いえ…絶対戻ってきます」
確かに病院で検査を受けた結果、美希の声帯に異常はないと診断された
ふとしたきっかけで、いや、きっかけなんか無くても自然と回復するものなのかもしれない
だが、本当にそんな楽観的に考えて大丈夫なのだろうか
俺は疑問に思った
美希の家を出た
もうほとんど夕日が沈みかけていた
長い長い坂道を、冷たい風に吹かれながら歩いていく
美希の家を振り返って見ると、ほんのわずかに窓のカーテンが動いたような気がした
………
夜、美希とメールを交わした
次の日曜も美希の家に行くことになった
~~~~~
夢を見た
美希がソロライブを初めて成功させたとき
「美希!よく頑張ったな!」
「ハァ、ハァ…ねえプロデューサー…ミキ…キラキラしてた…?」
「ああ!最高に輝いてた!!」
「よかった…ミキ、しあわせ、なの…」
「もちろん行ってくるの!ミキ、もっと、もーっとキラキラしたいっ!!」
あのときの美希はステージの上で本当に輝きを放っていた
俺も含めて、見るもの全ての心を惹きつけていた
歌やダンスのレベルの高さ以外にも、ある種のカリスマ性のようなものを持っていたと思う
夢から覚めると、とても憂鬱な気分になった
昨日会った美希の姿を思い出したくなかった
目を開ける
いつからか、まったく時計を気にしなくなった
朝も昼も、夜も、もうどうでもよくなった
ベッドの上で、ひざを抱えて座りながら音楽をきく
…これはDay of the future
…これはSquall
自分の歌を何度も何度もリピートしてきく
自分の声を忘れてしまうかもしれないから
もし世界中の人間がミキの声を忘れてしまっても…ミキだけは、絶対に覚えていたいの
コンコンとノックがした
「美希、ゴハン持ってきたわよ」
ちょっと待って…今トビラあけるね
「じゃあ、ここに置いておくわね」
ありがとう、お姉ちゃん
「……美希」
「絶対、戻るから。何も美希は心配しなくていいの」
ありがとう。でも、ムリして笑わなくていいよ…お姉ちゃん
ミキ、お姉ちゃんのそういう顔見ると、苦しくなる…
食べ終わった食器を廊下に置いた
やっぱり全部食べられなかった…ごめんなさい、なの
ノートパソコンを起動して、DVDを入れる
ミキのライブのときの映像がいっぱい詰まってるの
…
……
キラキラしてて、可愛くて、かっこよくて…自分でも惚れ惚れするの!
…
……
初めのころは、すぐに治るって思ってた
でも、1週間たっても、1ヶ月たっても、2ヶ月たっても…まだ出てこないまま
もしこのままずーっとだったらと思うと
不安で頭がおかしくなりそう…
全部、元に戻して…
こんなにつらいの、たえられないよ…
次の日曜も、そのまた次の日曜も、俺は美希の家を訪れた
何か買って持っていってあげようかなとも思ったが、何を買っても今の美希は喜ばないような気がした
美希の部屋では、二人で音楽を聴いている時間が多い
机の上で雑誌が開いている
そのページにはアイドルだった頃の美希のグラビア写真が載っていた
ピロリン
from 美希
その制服姿のミキ、すっごくカワイイでしょ!
ハニーは、どう?
「ああ、よく似合っていて可愛いと思うよ」
そう答えると、彼女は悲しそうな目をして微笑んだ
訪れるたびに、美希の姿は弱弱しいものになっていった
美希を優しく抱きしめてあげればこの問題は解決するのか?
慰めの言葉をかけ続ければ声は出るようになるのか?
頭に色々な考えが浮かんでも、俺は何も実行できない
卑怯だと自分でも思う
けれど、結局どうすればいいのかわからず、答えが出せなかった
事務所の窓から外を見ると、雪がちらついていた
今日は都内はかなり冷え込みそうな感じだ
コーヒーを啜っていると、メールが届いた
美希からだった
from 美希
『かんかんかんかん』
首をかしげていると、すぐにまた美希からメールが来た
from 美希
『かんかんかんかんかんかんかんかん』
またしても意味の分からない文面
もしかして、なにかふざけて遊んでいるのだろうか
しばらくして、またメールがきた
from 美希
『ばいばい、ハニー』
「ど、どうしたんですか?いきなり立ち上がって…」
「悪い、急な用事が出来た!」
「え?ちょ、ちょっと!プロデューサー!?」
律子の声を背中にして、俺は事務所を飛び出した
行き先は、美希の家
頭の中が不安でいっぱいになる
美希は、自分の命を絶とうとしてるんじゃないか、と
どうしてこんなことに…いや、今はそんなことを考えてる場合じゃない
美希が自殺を考えているなら、なんとしてでも止めないといけない
彼女の声がきけないのがわかっているのに、ほとんど無意識でそうしていた
『おかけになった電話番号は、電波の届かない場所にあるか、電源が入っていないため、かかりません』
くそっ!!
どうすれば…メールを入れようか?いや、電源が切られていたら意味がない
プルルルルルル
『…はい。星井です』
美希のお姉さんの声だ
「すみません!765プロの者ですが…えっと、み、美希は」
『少し前に外へ出かけましたけど…散歩してくるって言ってました』
「え…」
美希は…いったいどこへ行ったんだ!?
『あの、もしもし?もしも─────』
俺は頭を抱えた。
どうやって彼女を探せばいい?
考えろ…何か方法はある…きっとある…
待てよ
ばいばい、の前に来てたメールの文章…
かんかんかん、とだけ書いてあったけど…ひょっとしてこれは…
美希の家を訪ねたときを思い返す
駅から歩いて…長い坂道まで行く途中で…
踏切があった
もしかして…美希は…
カンカンカンカンカン
カンカンカンカンカン
遮断機が上がっていく
みんなが通っていく
遮断機が下がっていく
電車が通っていく
つい、この前まで毎日通っていた場所
雪がふってる
やっぱり寒い方が痛みを感じにくいのかな
みんな疲れた顔をしてる
ハニーも、本当はムリしてミキに会いに来てくれてるんだよね
知ってるの
ぜんぶ、ぜーんぶミキのせいなの
ミキのせいで、みんなつらい思いしてる…だから…
もう、いいの
渋滞が酷い
なかなか車が進まない
「普段は空いてるんですけどねぇ、こんなに混むのは珍しいなぁ」
ドライバーの呑気な声に苛立ちを覚える
ふと、急にあの医者の言葉が脳裏をよぎった
『これは、精神的なストレスによるものだと思われます』
『えへへ、ハニーだいすき!』
『おい、やめろって…みんなの前だぞ』
……脳内に再生されていく
『ハニーって、すっごくカッコイイ男の人ってカンジ!』
『そうか』
……あの頃の会話
『はいっ!日頃がんばってるハニーにミキからプレゼントなのっ!』
『栄養ドリンクとおにぎりってお前…まぁ、もらっとくよ』
『プ、プロデューサーさん!あの、私…クッキー作ってきたんですけど!よ、よかったら、その』
『おお、ありがとう春香!いやークッキーかーうれしいなぁ~』
『反応が全然違うの…』
……俺は、いつも彼女からの好意を受け流していた
『ねーハニー?もし、もし将来ミキとハニーが結婚することになったら…』
『ん?何か言ったか』
『……なんでもないの』
……わざと、無視していた
別に嫌いだったわけじゃない
ただ、その方が賢明で、面倒なことにならずに済むと思ったから
否定したかった
…………『これ』が原因じゃないのか?
美希がこうなってしまったのは…俺に、責任があるんじゃないか?
誰よりもストレートに表現する美希の好意を…受け止めなかった所為で
携帯のGPSを使って現在地を調べる
…目的地の踏切までは、もうたいした距離じゃない
「釣りはいいです!」
「え?お、お客さん?」
ドライバーに札を手渡し、タクシーを降りる
この渋滞具合なら、自分で走った方が早い!
粉雪が舞い散る中、歩道を全力で走る
ハァハァ…ハァ、ハァ…
息が苦しい
あとはこの道沿いに行けば、あの踏切にたどり着く
頭の中に、美希の明るい笑顔が思い浮かんだ
頼む…間に合ってくれ
頼む!!
脇目も振らず走り続けていると、ようやく踏切が見えてきた
通行人の中に、遠目からでも目立つ長い金髪の少女がいた
「美希!」
彼女はフラフラとおぼつかない足取りで少し歩いたあと、踏切の中で下を向いて立ち止まった
遮断機がゆっくりと下がっていく
周りの人間は、彼女を見ても動こうとしない
間に合え!
間に合え!!!
無我夢中で走り、遮断機を飛び越える
そこからはもう本能的に身体が動いていた
…………
目を開ける
すぐ目の前に美希の顔があった
振り返ると、下がった遮断機と通過する電車が見えた
……どうやら、間に合ったようだ
ギリギリセーフだったと思う…本当に、よかった…
小さな、華奢な肩
力を入れると、今にも壊れてしまいそうな
「……ぁ………ぃ……………」
涙が、止まらなかった
近くの喫茶店
俺と美希は、小さなテーブルに向かい合って座った
美希はどこか憂鬱そうな目でうつむいていたが、やがてポケットから携帯を取り出して操作を始めた
カチカチ
ピロリン
from 美希
実はね
ミキ、ハニーならきてくれるんじゃないかって
ほんのちょっぴり思ってたの
ごめんね
「…そうか」
from 美希
ハニーは、ミキをたすけてくれた王子様なの!
すごくカッコイイの
俺は…美希の王子様なんかじゃない
もっと弱くて、汚くて、情けない存在だ
だから、俺は言った
美希は「え?」といった様子で小首をかしげた
「俺、ずっと美希の好意を…気持ちを無視してた」
「無視して、聞こえないフリをして…適当にあしらってた」
「……すまなかった」
美希はしばらく黙って目の前にある紅茶をじっと見つめていた
ピロリン
from 美希
ハニー
ハニーは、ミキのことスキ?
考えた
この問いに対する…今、俺が出せる答え
嘘をつくつもりは無い
もうこれ以上…美希を悲しませたくない
「俺は、確かに、美希を好きだと思う」
「でもそれが恋愛上における好き、なのかは…わからないんだ」
嫌いではない
けれどはっきりと胸を張って愛してる、って言えるのかと問われたら…答えはノーだ
自分ながら中途半端だと思うが、これが現時点での俺の気持ちだ
「……そのリアクションは当然だと思う」
「ただ…今日心の中で強く決めたことがあるんだ」
これは、単なる罪滅ぼしの意味合いなのかもしれない
あるいは、ただの偽善なのかもしれない
もしかしたら純粋に望んでいるだけかもしれない
「お願いが、ある」
美希の目をまっすぐ見て、俺は言った
…………
……………
長い冬が過ぎて、ようやく春がやってきた
携帯のアラームに起こされ、ソファから身を起こす
……背中が痛い
連続でソファで寝続けるというのは、結構過酷なのかもしれない
ベッドへ目をやると、そこでは金髪の少女がよだれをたらしながらぐっすりと眠っていた
どうしてこういう状況になったかというと、俺が
『美希が声を取り戻すまで、一緒に居させて欲しい』と願ったから
『声を取り戻したら、またアイドルに復帰して、キラキラ輝いて欲しい』と願ったから
あの雪の日、俺のその2つの願いに対して、美希はこう答えた
『ミキ、アイドルに戻ったら、絶対ハニーをメロメロにして、ハニーのお嫁さんになるの!』
大人の男と、まだ15歳の少女が同じ屋根の下で暮らす…反対されて当たり前だ
俺と美希は必死に説得した
最終的には、美希のお姉さんも説得に加わってくれたこともあって、ご両親は承諾して下さった
その美希は、この4月から、私立の高校に通っている
まだ声は戻っていない
だが、学校では既に友達が何人かできた、とのことだ
クラスメートも、先生も親切な人ばっかりらしい…良かったと思う
フライパンをカンカンと鳴らすも、起きない…まぁこの辺は予想通りだ
一番楽な起こし方はすでに知っている
この一部だけピンと跳ね上がった髪の毛(どうやらアホ毛というらしい)を引っぱると…
ほら、あっという間に起きた
「そーいえば今日学校で調理実習あるんだよな、準備はできてるのか?」
俺がそう言うと、美希はどこからともなくカードを取り出して俺に見せる
【大丈夫なの!】
なんというか、最近ではメールを打つのがめんどくさいのか、美希は【会話カード】なるものを作っている
これ以外にも、【おなかすいたの】とか【おやすみなの】とか色々なカードがある
個人的にはカードを作る時間があるくらいなら、手話を覚えた方がいいような気がするけど…
まぁ、でも、美希が元気でいてくれて嬉しいと俺は思う
玄関に響く、トントンというローファーの爪先を蹴る音
俺のほうへ振り返ると、彼女はニコッと微笑んだ
俺は声をかけた
「いってらっしゃい」
おしまい
保守してくれた方、読んでくれた方々に感謝!
美希が喋れるようになるまで書いてくれてもいいのよ
とりあえず乙
声が復活するまでの後日談的なものは今のところは考えてないです
暇があったらまた書くかもしれません
Entry ⇒ 2012.03.16 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)