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恒一「有田さんって普通に可愛いと思う」
恒一「普通に可愛くてさ、レベルの高いこのクラスだと埋もれるけれど、他のクラスならクラスで二番目にはモテるくらい、普通に可愛いよね」
勅使河原「まぁ、そうかもな」
恒一「テストも様子をみる限りことごとく平均点前後で、クラスの皆と仲が良いし、普通に可愛いよね」
勅使河原「サカキ、よくわからないのろけは良いから、本題は何だよ」
恒一「有田さんと仲良くなりたいんだ……」
勅使河原「? 別に、普通に話しかければ良いだろ?」
恒一「普通に普通な有田さんに……僕は何て話しかければ良いと思う?」
恒一「趣味もこれといってわからなくて、話しかける内容が無いんだ!」
勅使河原「空が青いですね。とかで良いだろ」
恒一「普通すぎるよ!」
勅使河原「普通が好きだったんじゃないのかよ!」
恒一「違うんだ、僕はたしかに普通な有田さんを好ましく思っているけれど、僕が普通じゃダメなんだ」
恒一「だって、考えてもみてよ、そんな事を有田さんにいったら、そうだね。しか返ってきそうにないじゃないか!」
恒一「僕は、普通じゃない有田さんに話しかける為に、考え得る全ての状況を想定し、常に最良の選択肢を選ばなくちゃいけないんだ!」
勅使河原「お前は何の指揮官なんだ」
恒一「普通に可愛いくて普通に可愛い、そんな普通の有田さんと、僕はどうやって仲良くなれば良いんだ……っ!」ダン
勅使河原「まぁ、えっと、取りあえず落ち着け、サカキ」
恒一「ちくしょう! 僕は普通少女に話しかける事も出来ないのか!」
有田(え? ええ? えええええええっ?)
有田(何で教室で榊原君が私の名前を呼びながら叫んでるのっ!?)
有田(私、忘れ物取りに来ただけだよ? し、しかも、可愛いって言われてるよ?)
有田(それも、榊原君にっ!?)
有田(勅使河原君じゃなくて、榊原君にっ!)
有田(でも、どうすれば良いんだろう。榊原君は何だか私に話しかけにくいらしいし……)
有田(今入ったら、普通に気まずいし……)
有田(でも、入らないと明日の数学の宿題をやれないよ!)
有田(うーん……)
勅使河原「取りあえずさ、いったん有田の机でも調べてみろって」
恒一「……発言が中尾君みたいだよ」
勅使河原「ちげーよ、ほら、机を見てみれば何かしらの趣味がわかるかもしれないだろ。ほら、そこの江藤の机見てみろ」
恒一「……? 何か、数字が書いてあるね」
勅使河原「それ、アイツの水泳のタイムだぜ」
恒一「すごいね! どんどんタイムが縮んでるじゃないか!」
勅使河原「毎朝、嬉しそうにそこに書いてるぜ。なら、有田だって……」
恒一「わかったよ! 普通な有田さんにだって、何かしら……」
ガサゴソ
恒一「っ!?」
恒一「数学のノートだ、それも明日の宿題をやってない……」
勅使河原「……普通だな。だが、有田にとってはアンラッキーだが、サカキ、お前にとってはラッキーだぜ」
恒一「どういう、事?」
勅使河原「明日、有田に宿題を見せてやるんだよ。ナチュラルに、かつ相手に良く見られる、完璧だろ?」
恒一「で、でもそんな有田さんの不幸につけこむような事……」
勅使河原「あのな、今更忘れ物を取りにくるわけが無いんだ。明日の有田を救えるのは……お前だけだぞ、サカキ」
恒一「勅使河原君……」
有田(いるよ! 絶賛忘れ物回収中だよ! 榊原君達が一番の障害だよ!)
有田(で、でも、明日榊原君が私に宿題を見せてくれるなら、やらなくても良いよね? むしろやらない方が良いよね?)
有田(どうしよう……?)
有田(あっ!? でも明日の数学は一時間目だよ! 朝に見せて貰わないと、間に合わないっ!)
有田(……少なくとも、私が遅刻しないようにしないと)
有田(そうと決まれば、早寝しなきゃね! どの道、今更教室には入れないし……帰ってすぐに寝ようっと!)タタタタ
恒一「あれ?」
勅使河原「どうした、サカキ」
恒一「今、廊下で足音がしなかった?」
勅使河原「こんな時間に、いるはずが無いだろ。それよりも、そろそろ帰ろうぜ」
恒一「そうだね。僕も今日は早く寝ないと」
勅使河原「お前、何時にくるつもりだよ……」
恒一「少なくとも、有田さんより速く来ないとね」
恒一(念入りに、一寸の間違いも無いように、宿題の問題を繰り返し三時間)
恒一(朝、登校してきた有田さんとの会話プラン百通りを考える事、八時間)
恒一(有田さんが学校に着く時間を考え、僕は……そろそろ学校に着く!)
恒一(万全だ、完璧だ、さすがに有田さんも、こんな時間にいるはずが無いっ!)
恒一(教室で、静かに精神を落ち着けよう。普通少女との邂逅を、最良で成し遂げるために……あれ?)
恒一「校門前に、誰か、いる……?」
恒一「お、おおおはよう、有田ひゃん!」
恒一(ちくしょう! 噛んだ!)
有田「さ、さささっかきばら君っ!?」
恒一(しかも軽く引かれたっ! 三歩下がられたっ!)
恒一(想定外すぎる。有田さんがこんな時間にこんな場所にいるなんて……)
恒一「は、早いね。どうしたの?」
有田「ええっ!? そ、それはね……」
有田(何か、何かネタを探さないと……っ!)
有田「!? 空が青いからっ!」
恒一「まだ真っ暗だよっ!?」
有田(そうだったっ!)
恒一「な、何で校門に立ってるの?」
有田「え、だって……その……」ユビサシ
恒一(閉まってた……っ! そりゃそうだよ!)
恒一「あ、あはは……僕達、ちょっとだけ、早すぎたみたいだね」
有田「う、うん……そ、それもこれも、空が青いからだよ!」
恒一(だからまだ暗いって!)
恒一「あはは……」
有田「あはは……」
恒一「…………」
有田「…………」
有田(どうしよう? どうしよう? どうしよう?)
恒一(さすがに、ここで宿題の話を出すわけには行かないっ! 考えろ、昨日、一晩中考えたプランを応用するんだ!)
有田(昨日ぐっすり寝ないで、何か話題を考えておくんだった! うぅ、おかげで起きれたし、こんなに早くに榊原君に会えたけど、いくら何でも早すぎるよっ!)
恒一「あ、有田さん!」
恒一(好きな食べ物を聞こう!)
有田「は、はい!」
恒一「す、好きな……」
有田「すすす、好きなっ!?」
有田(好きな……人っ!? 早い、早すぎるよ! こんな時間に登校するより早いよっ! その話題はもっと親密度を上げてからにしてほしいよっ!)
恒一(な、何だこの食いつきはっ!? もしかして、何か触れてはいけないタブーだったのかっ!?)
恒一(女子中学生が普通に好きそうな話題……そうだ! 恋愛トークだっ!)
恒一「す、好きな人は……いるの?」
有田(本当に好きな人だったぁっ!?)
有田「いい、今は、まだ、いない……かな?」
恒一「そ、そっか……」
恒一(そうか、いないのか……いや、それよりも、これじゃ話が広がらないよ! そもそもほぼ初めて話すのに、恋愛トークはおかしいよ!)
有田(あ、あれ? なんかしょんぼりしてる? 私何か間違えた? え? あれ?)
有田(いや、それは無いよ。でも、ももももしかしたら……榊原君、私の事が好きだったり?)
有田(いやいやいやいや、そんな一目惚れみたいな話……で、でも、う、うん?)
有田(榊原君なら、私も、嬉しいかなって……)
恒一(っ!? よくわからないけど、有田さんが嬉しそうだ! 何だ? 一体何が、有田さんを喜ばせたんだ!)
有田(いやぁ、でも、そんな榊原君みたいなカッコイい人が、普通に普通で普通な私の事なんて……でも、昨日も可愛いって言ってくれてたし、も、もしかしたら! ね! ねね!)
恒一(か、顔を真っ赤にして嬉しそう? いや、違うのか! あれはそうだ! 恥ずかしがってるんだな!)
恒一(きっと有田さんは、何か秘密があって、こんな時間に学校に来たんだ。それを、僕が、この僕が、このろくに会話も出来ない僕が、邪魔をしてしまった!?)
恒一(そしてきっと、秘密がバレることを恐れ、恥ずかしがっているんだ!)
恒一(それに、本当は秘密は秘密のままにするべきなのに、僕は……有田さんがもしかしたら普通じゃなくなるその秘密を……知りたいっ!)
恒一「あ、有田さん……」
有田(こ、今度はやけに落ち着いた表情!? そ、そんなに見つめないで! 好きになっちゃうよぉ!)
恒一「僕に、教えてほしいな……なんて」
恒一(くっ! 弱気になって「なんて」をつけてしまった! この意気地なし!)
有田(ここ、これって遠まわしな告白なのかな! なのかな! どこをどう遠まわしなのか、よくわからないけど、何を教えれば良いのかわからないけれど、でも、何か前進してるよね!)
恒一(はっ!? 「秘密を」なんて主語が抜けてるっ!? まずい、これじゃ僕がよくわからない事を言っているみたいだ! 嫌われちゃう!?)
有田「さささ、榊原君!」
恒一「は、はい!」
有田「い、良い、よ?」
有田(おお、オッケーしちゃったよ! どうなるの、どうなっちゃうの! 私!)
有田(え、でも、どうすればいいの? きききき、キスとかするの? え、早すぎだよね!? ででも、その、ね、ほら、今なら二人っきりだし!)
恒一(秘密を話してくれるなら、こんな場所じゃダメだ。あんなに恥ずかしがってたんだ。万に一つも人に見聞きされる場所じゃいけない)
恒一「有田さん」
有田「はい!」
恒一「本当はダメだけど、学校の中に入っちゃおうか。人目につくと、やっぱり、ね」
有田(ひひひひひ人目に付かない場所で何をするのっ!?)
有田(でも、さすがに性急すぎるよぉ! 私、心の準備がまだだし……それに、そういうのは、ゆっくりが良いと思うのに……)
恒一(あ、あれ? 今度はがっかりしてる? 僕、今、最高に気を利かせたはずなのに!? 何だ、どうなって?)
有田(ででも、一度オッケーをした以上、そんな形で断っちゃ……っ! そうだ! 幸い時間もあるんだし!)
有田「榊原君っ!」
恒一「は、はい!」
有田「私の、家でも、良いかな?」
恒一(自宅……だと……!?)
有田(い、言っちゃったよ! もう後戻り出来ないよ!)
恒一(来ちゃったよ。来ちゃったよ? 来ちゃったよ! ここまでするなんて、一体どんな秘密なんだ! ぼ、僕は、その重みに耐えられるのか!?)
恒一(腹を括るんだ、榊原恒一! ここで帰るなんてとんでもない! 一度手を出したんだ。それを放棄すれば、男が廃る!)
恒一「有田さん、親御さんは?」
有田「どっちもいないよ。仕事柄で、世界中を飛び回ってるの」
有田(でなきゃ、家でなんて……うぅ……、家に帰ってきたのに、扉を開けるのが怖いよぉ!)
恒一(りょ、両親不在だって!? やった! やったよ! 有田さんの普通じゃなくい所を、僕はついに知ったよ!)
恒一(でも、つまり、有田さんの秘密は、この状況にも関わってくるはずだ……! いや、もう迷いは無い! 僕は、僕は全力で、有田さんの秘密を受け入れる!)
有田(へへへへ、部屋は、一応片づいてるよね? 汚く無いよね? 大丈夫だよね?)
恒一(お、女の子の部屋…… なんというか、その、ドキドキするね!)
恒一「じゃ、じゃあ、その……」
有田「う、うん……私は、良いよ」
有田(さ、榊原君なら、優しくしてくれるよね?)
恒一(どうした、有田さん。何かを待っているようだ。ここに来て、やっぱり恥ずかしくなっちゃったのか!?)
恒一「有田さん、その、有田さんが始めてくれないと……」
有田「ええっ!? そっちなの!?」
有田(び、びっくりだよ! だって、え? ええええ!?)
恒一「う、うん?」
恒一(何だ、何かがずれてる? 僕は、何か盛大な思い違いをしている!?)
恒一(有田さんは、僕から何かを待っている!? え? ……そうか、自分が秘密を話すのなら、僕にも秘密を言えってるんだな)
恒一「有田さんは、どんなのが良いの?」
有田「ど、どんなのっ!?」
有田(そ、それはどういうタイプでやればいいかって事っ!?)
有田「……優しいのが、いいな」
恒一(や、優しい秘密!? それは、え? どういう事だ?)
有田(榊原君が、晴れ晴れとした表情をしてるっ!?)
恒一「有田さん、君は、昨日の僕と勅使河原君の会話を、聞いていたんだね」
有田(ばれた!?)
有田「榊原君……うん、わかった。私、榊原君を信じる!」
有田(最初は痛いっていうけど、榊原君は自信があるみたいだし、その、ちょっとだけ悲しいけれど、経験者みたいだし……)
有田(ここで、誰と? なんて聞いたら、嫌な子になっちゃうよね。気になるし、いずれ知りたいけれど、今日は榊原君がエスコートしてくれるんだもん、文句は言えないよ)
有田(え、えっと、服は自分から脱いだ方が良いのかな? でも、脱がせたい人もいるらしいし……ううん、榊原君が任せてって言ったんだもん、私が勝手に脱いだらダメだよね!)
有田(よし、ちょっと深呼吸をしよう! すー、はー ……うん、大丈夫)
恒一「有田さん」
有田「ひゃい!」
有田(噛んじゃったよ!)
有田「…………え?」
恒一「大丈夫、僕、しっかり予習したから、全部しっかりきっちり教えれるよ!」
恒一(数学の宿題をやるために、早くから学校に来ていた有田さんを、引き止めたのは僕だ。その責任を、取らなきゃいけない)
恒一(有田さんは昨日、宿題のためにノートを取りに戻ってきたんだ。なのに、僕と勅使河原君が、ノートの話をしていた)
恒一(有田さんは……これは僕の憶測でしか無いけれど、僕にわざわざ教えてもらわなくても良いように、朝早くに来て宿題をやろうとしていた)
恒一(なのに、僕も来てしまった)
恒一(自分の為に解いてきた僕に悪く思い、有田さんは恥ずかしそうにしていたんだ)
恒一(それなのに、僕は勘違いして「教えてくれるかな?」なんて、それじゃまるで「(何で早く来てるか)教えてくれるかな?」って思われちゃうよ!)
恒一(これじゃあ僕は、嫌な奴だ。わざわざ問い詰めるなんて)
恒一(有田さんには、僕は全てを知って起きながら、誰もいない学校に連れ込もうとした悪人に見えただろう。だから、彼女なりに抵抗して、こうして彼女のホームグラウンドの自宅に招いた)
恒一(僕は、秘密がどうのこうのなんて幻想を見て、有田さんを怯えさせてしまっていた……)
恒一(一度括った腹だ。僕は、有田さんに責任をとる!)
恒一「……先に謝るよ、有田さん。誤解を招くような事をして、本当にごめん」
有田「……どういう、事? わ、私、覚悟を決めたんだよ? 榊原君なら、って。私はいつでも良いんだよ?」
恒一「うん、だから、僕は責任を取るよ。有田さんの為に、今から宿題を教えようと思う。それで有田さんが許してくれるとは思わないけど、僕も勘違いをしてたんだ。ごめん」
有田(……か、勘違いを勘違いしてるよぉ……うぅ)
恒一「こんな責任の取り方じゃ、ダメ、かな?」
有田「……よくわからないけど、責任、取ってくれるんだよね?」
恒一「うん、僕に出来ることなら、なんだって!」
有田(恋人になってほしいの? そりゃほしいよ! 私、もう、榊原君の事が、その……好きだもん)
有田(でも、強制したって、それはちゃんとした恋人じゃないよ。そんなの、嬉しくない)
有田(なら? 私はどうしたいの?)
有田「じゃあ……」
恒一「……じゃあ?」
有田(私は、少しでも長く、榊原君と一緒にいたい。少しずつでも、榊原君に近づけるように、一緒にいてほしい!)
有田「私に、勉強を教えて下さい! 平均点を超えて、その、榊原君が行くような高校にいけるくらい、私の頭を良くしてくださいっ!」
恒一「……わかった。僕に出来るだけ、毎日だって、教えるよ」
有田「榊原君、思ったよりスパルタだね……」
恒一「大丈夫、次のテストで有田さんは、クラストップレベルまで頭が良くなるから」
有田「そんなにっ!?」
恒一「当然だよ。高校入試には、中学での評定も関わるからね」
有田「う、うわぁ……」
恒一「でも、不思議だね」
有田「何が?」
恒一「昨日まで、どう有田さんと話せばいいか、ずっと悩んでたのに、今はこうして、一緒に登校してる。何でだろう?」
有田「……うーん、それはきっと」
恒一「それはきっと?」
有田「空が青いからじゃないかな!」
Aritar
おわり
Entry ⇒ 2012.05.21 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
恒一「有田さんの有田さんしか有田さんれなくなる有田さん?」
有田「う、うん……私の名前しか話せなくなる現象? だって」
杉浦「……そう、としか言えないわ。転入してそうそうだけれど、貴方は今年いっぱい、そのままだと思って頂戴」
恒一「有田さん……(そんな……)」
杉浦「そして、性格には有田さんの名前だけじゃないわ。クラスメイトの……」
有田「ま、待って! その、それ以上は……」
杉浦「……そうね。榊原君、とりあえず、貴方に関しては、有田さん以外の人には、貴方の言っている事のほとんどが「有田さん」に変わる。そういう認識をしておいて」
恒一「有田さんが有田さんだよ(わけがわからないよ)」
赤沢「中尾……(ちくしょう……)」
杉浦「本当は、転入してくる前に伝えておきたかったのだけれど……こっちも混乱してるの」
杉浦「幸い、三神先生の家ということだし、あまり家に迷惑がかからなくてよかったわ」
杉浦「これで、対策係代行としての説明は……あぁ、授業中は先生達が「いないもの」として扱ってくれるから、安心して頂戴」
杉浦「質問はある?」
恒一「有田さんだよ(ありまくりだよ)」
恒一「有田さん……(そんなぁ……)」
有田「え、えっと、その、ごめんね? 榊原君」
恒一「有田さんだよ。有田さんが有田さんろうと有田さんた有田さんじゃ有田さん?(いいんだよ。有田さんがやろうとしたわけじゃ無いんでしょ?)」
有田「…………う、うん。ごめんね、私としか会話出来ないなんて、その、昨日転入したばっかりなのに」
有田「榊原君……」
恒一「略(それより、この現象について、詳しく聞きたいんだけど……良いかな?)」
有田「うん、私でよければ……じゃあ、放課後に残って貰っても良い?」
恒一「略(良いよ。よろしくお願いするね)」
恒一(本当に先生達は僕を無視するんだな……怜子さんですら、学校では僕の事を無視だし……)
勅使河原「サカキ……いきなりだけど、頑張れよ?」
恒一「有田さん、有田さん有田さんるよ!(ありがとう、僕頑張るよ!)」
勅使河原「すまねえ、有田さんにしか聞こえねえ。じゃあな、サカキ」タタタタ
恒一「有田さん……(勅使河原君……)」
恒一「略(どこに?)」
有田「第二図書室、この現象を長年研究してる人がいるんだよ」
恒一「略(そんな人がいるんだね)」
有田「うん……ちょっと怖いけど、千曳先生と仲の良い子達が言うには、良い人なんだって」
恒一「略(有田さんは面識無いの?)」
有田「残念ながら、初対面なの……」
恒一「有田さーん(失礼しまーす)」
赤沢「中尾っ!?(えっ!?)」
恒一「有田さんの有田、さん? (さっきの赤沢、さん?)」
赤沢「……中尾中尾な中尾に! (何でこんな時に!)」
恒一「有田さん、有田さん有田さんるか有田さん(ごめん、何言ってるかわからない)」
赤沢「……中尾。中尾中尾れない中尾(……まあいいわ。どうせ伝わらないでしょう)」
千曳「……尋常じゃないね」
千曳「あぁ、帰るのか……気をつけて帰るんだぞ。今の君は、まともに悲鳴もあげられないんだから」
赤沢「中尾(さようなら)」タタタタ
恒一「有田さんも、有田さん有田さんだ(あの子も、大変そうだ)」
有田「それでも、中尾君と一緒にいるのは嫌がるんだよね……」
恒一「有田さん(はい)」
千曳「有田さんか、現象の成り立ちを聞きに来たといった所だね。時間はあるのかい?」
有田「私は、あります。榊原君は?」
恒一「有田さんも有田さん(僕も大丈夫)」
有田「大丈夫だそうです」
恒一「略(たしかに、初対面だと怖いけど、良い人みたいだね)」
有田「うん、私もちょっとだけ緊張しちゃったよ」
恒一「略(そういえば……)」
有田「どうしたの?」
恒一「略(僕のお母さん、ここの卒業生なんだ。だから、卒業アルバムがあるかなって」
有田「そうなんだ。じゃあ一緒に探す?)」
恒一「略(じゃあ、お願いするよ)」
恒一「略(どういう事です?)」
千曳「ちょうどその年、この現象が生まれる原因が出来たんだよ」
千曳「この年に、夜見山岬という少年がいた。あまり目立つ子じゃなくてね。その本心を、親も、担任……私も、クラスメイトも、推し量る事が出来ない子だった」
千曳「ただ一つわかっていた事は、彼は、恋をしていた。ということだけだ」
千曳「相手の子は、なんというか、クラスの花形といえばわかるかな」
千曳「あまり生徒にこういう例えを使うのは良くないが、月とスッポンと言われるくらい、釣り合っていなかった」
千曳「しんと静まった教室でね、血走った目で彼は彼女を見つめていたよ」
千曳「だが、大方予想通りな事に、彼女は彼をふったんだ。あんな状況でも、真面目に、誠実に、笑いを交える事無く、自分の言葉で彼女は彼をふった」
千曳「その途端、彼は走り出し、教室から逃げ出した。先生の制止もまったく聞かず、全力でね」
千曳「以降、誰一人として、彼の事を見た者はいない」
恒一「有田さんが有田さん有田さんる有田さん? (それがどう関わるんですか?)」
千曳「大体言いたいことはわかるよ。安心してくれ、この話はここで終わりじゃない」
千曳「四月の中頃に、三年三組で異変が起きた」
千曳「突然、生徒の一人が、恋人の名前しか言えなくなった」
千曳「最初は、ひどいイタズラだと思った。だが、どんなに怒ろうと、家でもどこでも、寝言さえその名前だった」
千曳「そして、その恋人は言うんだ。俺には、こいつが何を言っているのかわかる。とね」
千曳「だが、次の月、その恋人も、同じ状態になった。二人の間では、会話が成立していたらしいが、周りにはさっぱりだった」
有田さんは有田さんの有田さん(多々良さんは俺の嫁)
千曳「だが、次の年には合計して十二人がそうなった」
千曳「月に最高で一人ずつ、呪われるんだよ。効果は、君も知っての通りだ」
千曳「そして、それがどうして起きるかと言うと……」
有田「ま、待ってください! お願いします、その先は……まだ……」
千曳「……そうか、伝えていないんだね。だが、いずれどこからか伝わる事ではないかい?」
有田「……わかってます。でも、まだ私には……」
千曳「そうか……君にも深く関わる事だ。私からはこれ以上は言わないよ。だが、自分で伝えたいのなら、早い方が良い」
有田「はい……」
有田「ごめんね、もう少しだけ待って。そしたら、私も覚悟出来るから」
恒一「有田さん……(う、うん……)」
千曳「さて、さっき君達が持ってきた卒業アルバムだが……」
千曳「本来なら、彼の写真はここに載せるべきでは無かったのだがね、その、彼をふった彼女が強く希望してね。親御さんや同学年の生徒にも賛同してもらったため、載せてもらったんだ」
恒一「有田さん、有田さん(うわぁ、普通だね)」
有田「本当に、普通」
恒一「有田さん、有田さん有田さん有田さんた有田さんて……有田さん? (すみません、もしかして振った生徒って……この人ですか?)」
千曳「うん? 理津子君か、彼女が彼をふったのだが、よくわかったね」
有田「榊原君、もしかしてこの人……」
恒一「有田さんの、有田さんです(僕の、お母さんです)」
千曳「理津子君は、とても良い生徒だったよ。葬式には、私も行った。あの時の赤ちゃんが、君だったのか」
恒一「略(はい……)」
有田(気まずいよ……)
恒一「略(有田さん、家はこっちなの?)」
有田「ううん、違うよ。でも、その、こうなっちゃったから、家族の方にくちど……挨拶に行こうかなって」
恒一「略(うん? 何て言おうとしたの? それより、挨拶なんて大丈夫だよ。怜子さんもいるし、それにおばあちゃん達に何て言ったら良いか……)」
有田「あぁ、榊原は知らないんだね。多分大丈夫だよ」
恒一「略(えっ?)」
有田「夜見山じゃ、この呪いは有名なの。一時期は学者さんやらが押しかけて大変だったらしいんだけど、結局原因は掴めないし、その、プライバシーの問題とかで騒ぎにもならなかったんだ!」
恒一「略(へぇー)」
恒一宅
恒一『本当に来るの?』
有田「うん……榊原君は、その、嫌なの?」
恒一『そんな事は、無いけど……』
恒一(転入二日目で女の子と一緒に帰って来るって……どうなのさ)
怜子「あら? 恒一君?」
怜子「事象は知ってるわよ。それと、ごめんなさい、何を言ってるかわからないの」
恒一『うぅ……』
怜子「それより、有田さんは上がっていくの? あ、ちょうどケーキが安かったから買っちゃったんだけど、食べる?」
有田「あ、ありがとうございます!」
恒一『うぅ……』
おばあちゃん「あらあらあら、そう言う事なの? ごめんなさいね、お赤飯じゃなくって」ウキウキ
怜子「母さん、恒一君はそれ以上は知らないんだから、言っちゃダメ」
おばあちゃん「もう、私としては、こんなに可愛らしい子、良いと思うんだけどねぇ」
怜子「だから、当の本人がそれを知るまでは、変な事言わないの」
恒一『どういう事なのさ』
有田「わ、私そんな、可愛くなんて……」
有田「……私なんて、普通ですよ」
怜子「あのねぇ、私の視点で見ても、あのクラスのレベルが異常よ。有田さんは普通に十二分に可愛いの!」
恒一『怜子さん、お酒入ってる』
有田「そ、それで、その。私から榊原君に伝えるまでは、榊原君にその事を伝えないでほしいんですけど……」
おばあちゃん「若いわねぇ、青春ねぇ、ええ、良いですとも」
怜子「私も良いわよ。おじいちゃんは……まあいっか」
有田「あ、ありがとうございます!」
恒一『もう帰っちゃうの? おばあちゃんが料理も食べて行ってほしそうだったけど』
有田「今日までに使わなきゃいけない材料がいっぱいあるから、今日は家で食べないといけないの。ごめんね、いきなりおしかけて、せっかくの好意を受け取れなくって」
恒一『ううん、良いんだよ。それより有田さん、料理するの?』
有田「うん、あんまり自信は無いけれどね」
恒一『実は僕も、ちょっとだけ料理するんだ。今度一緒に料理しようよ』
有田「うん! それじゃ、また明日ねっ!」
恒一『うん、また明日』
恒一『いってきまー……す? おはよう、有田さん。もしかして、迎えに来てくれたの?』
有田「お、おはよう! えっと、ね、昨日千曳先生が赤沢さんにも言ってたけど、榊原君は私以外と会話が出来ないわけだし……何かあったら大変だから」
恒一『でも、わざわざ迎えに来てもらうなんて、有田さんが大変だよ』
有田「そんな事ないよ! 私、早起きは苦手じゃないからっ!」
恒一『有田さん、目の下、クマが出来てるよ』
有田「ええっ!? 朝、ちゃんと治したと思ったんだけどなぁ……」
恒一『そんなに無理させるわけにも行かないよ』
有田「じゃ、じゃあ、待ち合わせ場所を決めよ? それなら、私も無理をしないし、榊原君も危険じゃないし、いいよね?」
恒一『うーん、まぁ、それなら良いのかな』
有田「とりあえず、ほら! 遅刻しちゃうよっ!」ギュッ
恒一『あ、有田さん! 手は繋がなくてもいいんじゃっ!?』
勅使河原「おーっすサカキ……ってうわぁ、朝からお熱い事で」
恒一『え? って、うわぁ!? 繋ぎっぱなしだったっ!』
有田「あはは……放すの忘れてたね……」
恒一『って事は、他の登校してた生徒に見られてたんだよね。うわぁ、さすがに恥ずかしいなあ』
勅使河原「あー、すげえ焦ってるのはわかるぜ」
勅使河原「サカキ、えっとその、興味本位なんだが、今の授業のノートを見せてくれないか?」
恒一『今の? 数学だよね。勅使河原君寝てたの?』ゴソゴソ
勅使河原「一応言っておくが、今日は寝なかったぜ。それよりも……おお、やっぱりこうなるのか……」
恒一『こうなる? 勅使河原君には、どう見えるの』
勅使河原「あぁ、説明しないとわかんないんだな。えっとだな……」
勅使河原「有田さん+有田さん=有田さん……って個々なんかは書いてあるぜ。元の数字が全て有田さんだから、その、なかなかすごいぜ?」
恒一『成る程……そりゃ先生もいないものとして扱うんだね』
有田「ねぇ、榊原君。一緒にお昼食べない?」
恒一『良いよ。ここで食べる? それとも、他の場所に行く?』
有田「うーん、ここで良いかな。それより榊原君、皆に伝えたい事とかってある?」
恒一『うーん……これといっては無いかな。大まかな事なら、皆ジェスチャーでわかってくれるし』
有田「そっか、それなら良いの。それより、そのお弁当、榊原君が作ったの?」
恒一『ううん、これはおばあちゃん。こっちに来てからは、あんまり僕は料理してないんだ。有田さんのお弁当は手作り?』
有田「恥ずかしながら、手作りだよ」
恒一『へぇ、一口貰っても良い?』
有田「う、うん……でも、あんまり期待しないでね?」
恒一『……うん、おいしいよ! そんなに自分を低くしないでいいと思う。むしろ、皆が知るべきだよ。有田さんの料理はおいしいって!』
有田「そ、そこまでじゃないよぉ!」
恒一『有田さん、さっき言ったよね。僕が皆に伝えたい事は無いかって。今のを僕は伝えたいよ!』
恒一『もったいないなぁ……せっかくおいしいのに』
有田「なら、榊原君が独り占めしちゃえば良いんだよ」ボソリ
恒一『ん? 今何て言ったの?』
有田「何でもないよっ!」
勅使河原(爆発しねえかなぁ)
有田「え、ええっ!?」
恒一『僕が有田さんのお弁当に見合う物が作れるかはわからないけれど、頑張るから!』
有田「ほ、本当に独り占めしないでも……」ボソリ
恒一『僕、有田さんのお弁当を食べたいんだっ! ダメ、かな?』
有田「……作る。私も、榊原君のお弁当に見合う物を作れるように頑張るよっ!」
恒一『じゃあ、今日はスーパーによっていかないとね。あ、そうだ。有田さん、近くのスーパーの場所を教えてくれる?』
有田「じゃあ、一緒に買い物する?」
恒一『そうだね。それがいいね』
恒一『へぇ、結構大きいんだね』
有田「逆に言えば、ここしか無いんだけどね……」
恒一『それじゃあ、何を買おうかな……やっぱり、お弁当の定番かなぁ』
アラアラ アレガコトシノ サンネンサンクミ
セイシュンダネ フェアジャナイヨ イチャイチャシヤガッテ
恒一『心無しか、周りで噂話をされてるみたいだね』
有田「あはは……周りからは、榊原君が今年の呪われた人ってすぐにわかっちゃうし、その人と会話出来る私も、ね」
恒一『さすがに、少し恥ずかしいね』
有田「でも、ここしか無いから……」
恒一『一年もあるんだから、慣れるしかないね』
有田「よいしょっと」
恒一『荷物多いね。もう少し持とうか?』
有田「ううん、もう一袋も持ってもらっちゃってるから、ダメだよ」
恒一『そっか……それって今日の夕ご飯用だよね。もしかして、料理は全部自分で作ってるの?』
有田「うん。私の両親、よく出張でずっと海外にいるから」
恒一『へえ、奇遇だね。僕のお父さんも、今はインドなんだ』
有田「インドかぁ、暑そうだね」
恒一『うん、電話で話すといっつもインドは暑いぞ、って言われる。それより、有田さんって今は一人暮らしなの?』
有田「実質、そうかな。もう慣れたから、寂しいとかはないかな」
恒一『そっか、すごいなぁ。僕に一人暮らしなんて出来るかなぁ』
有田「やってみると、案外簡単だったりするんだよ?」
有田宅
恒一『荷物、ここに置いておくね』
有田「うん! ありがとう。おかげで助かっちゃった」
恒一『良いんだよ。朝に迎えに来てもらったおかえしでもあるし』
有田「うーん、じゃあ……夕ご飯、食べていったりしない?」
有田「ほ、ほら! この前一緒に料理しよう。って言ったし、榊原君が私の料理をおいしいって言ってくれるなら……どう、かな?」
恒一『良いの?』
有田「もちろんだよっ!」
恒一『じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな……電話してくるね』タタタタ
有田「う、うんっ!」
怜子「もしもし、三神ですけど」
恒一『あ、怜子さん?』
怜子「えっと、恒一君よね?」
恒一『あっ……』
恒一(電話じゃ何にも伝わらないじゃないかっ!)
有田「榊原君っ! どうやって電話するの……って、やっぱりこうなってたんだね。通訳するから貸して」
恒一『ありがとう』
有田「お電話代わりました、有田です。その、今日の夕飯なんですけど……」
有田「は、はい。そうです」
怜子「たしか、ご両親は海外出張で、今年中は帰ってこないのよね?」
有田「はい……」
怜子「有田さん、空き部屋はある?」
有田「え、えぇ、ありますけど」
怜子「なら恒一君に伝えて、「荷物は後で届けに行くから、家には帰ってこなくて良い」って」
怜子「ほら恒一君、肺の病気の事もあるし、いざって時のために、会話が出来る人が近くにいないと、ね」
有田「で、でも、それは……」
怜子「あぁ、有田さんの両親には連絡したからね。呪いの事も話したら、是非ともそうしてくれって」
有田「い、いやいや、待ってくださいっ!?」
怜子「あら、嫌だったの……」
有田「いやじゃないですっ!」
怜子「なら、恒一君の事、よろしくね。私が言うのも変だけれど、自慢の甥だから」
有田「は、はい……」
有田「あ、あはは……」ペタン
恒一『ど、どうしたの? 何かあったの?』
有田「……榊原君、ここに住む事になったって」
恒一『ここ?』
有田「そう、私の家に」
恒一『わ、わーお……』
有田「うん……」
恒一『荷物は多いなって思ってたけど、これ、もともと二人分作るつもりだったの?』
有田「ううん、明日用に買ったんだ。一人暮らしだから、節約しないとね!」
恒一『ごめんね、なんか、その、押しかける形になっちゃって……』
有田「いいの、原因はむしろ私なんだから……」
有田「そ、そんな事無いよ。私なんて、まだまだで……」
恒一『じゃあ、もう言いっこなしだよ。それよりお腹が減っちゃった。食べよう』
有田「うん、いただきまーす!」
恒一『いただきます』
恒一『そういえば有田さん』
有田「なあに?」
恒一『結局、僕が呪われた原因は何だったの?』
有田「そ、それは……ううん、ずっと逃げるわけにも行かないもんね」
有田「それはね……」
ピンポーン
有田「あ……三神先生かな、出てくるね」
恒一『何なんだろう』
怜子「これが、恒一君の衣類。これが、勉強関係。これが、恒一君のパンツ。こんなもんかしらね」
有田(なんで、パンツだけ外に出てるの?)
怜子「あぁ、この箱には恒一君の数少ないエロ本が入ってるから、あけないであげてね」
有田「は、はい……」
怜子「それじゃ、後は若い人たちに任せますかねぇ。あんまり急ぎすぎちゃダメだよ?」タタタタ
有田「行っちゃった……えっと、この箱だっけ……うわぁ、女教師ものばっかり……」
有田「うん、本当に荷物を持ってきただけみたいだったよ……」ショボン
恒一『有田さん? 元気が無いけどどうしたの?』
有田「ううん、何でもないよ。部屋に案内するね……」
恒一(何でも無いようには見えないけどなぁ)
恒一『うん、何から何までありがとうね』
有田「お風呂は、どっちが先がいいかな?」
恒一『居候なのに、先に入るわけには行かないよ』
有田「そっか、じゃあ、私が出たら、部屋に呼びに行くね」
恒一『うん、お願いするよ』
有田「榊原君、三神先生みたいな人が好きなのかなぁ……」
有田「美人だし、胸もあるし、かっこいいし……はぁ……かないっこないなぁ……」
有田「で、でも、その三神先生には応援されてるみたいだし、これからは一緒に生活できるわけだし、チャンスはあるよねっ!」
有田「でも、私に何が出来るのかなぁ……」
有田「はぁ……」チャポン
コンコン
恒一『はーい』
有田「お風呂空いたよー、って、勉強してたんだね」
恒一『うん、テストも僕は受けれないみたいだけど、どの道受験はあるはずだから』
有田「そっか、榊原君は、高校は東京に戻っちゃうの?」
恒一『うーん、そうするつもりではあったんだけど……卒業式より前に受験は出来ないから……この辺りの、事情をわかってくれる所しか選べそうに無いんだ』
有田「そうなんだ……なら、もしかしたら一緒の高校かもねっ! ……私、バカだからダメかな?」
恒一『そんな事無いよ。いっそ、僕が勉強の面倒を見ようか?』
有田「ええっ!? 良いの?」
恒一『居候の代金代わりだね』
恒一『それは有田さん次第だよ。でも、有田さんが頑張れば、絶対に行ける』
有田「そっか……なら、頑張るよ。応援してねっ!」
恒一『もちろんさっ!』
恒一『じゃあ、僕、お風呂に行ってくるね』
有田「うん! 行ってらっしゃいっ!」
恒一『これ、ちょっと前まで有田さんが入ってたんだよね……』ゴクリ
恒一『シャンプーも、女の子らしいものだ……』
恒一『ま、待ってっ! このスポンジ、僕は使っていいのっ!? だって、有田さんが使ってたんだよ!』
恒一『で、でも、これしかないし……良いよね? 不可抗力だよね? その手の物を持ってこない怜子さんが悪いんだよね』ゴクリ
恒一『ふぅ……』
有田「榊原君……? 朝だよ?」
恒一『もうちょっと……』
有田「お弁当作る時間が無くなっちゃうよー」
恒一『ううーん……』
有田「どうしよう……起きないよ」
有田「あ、あんまり起きないと、めめめ、目覚めのキスをしちゃうよっ!!」
恒一『うーん……』
恒一『うん? 有田、さん?』
有田「うわぁっ!? お、おはよう榊原君っ!」
恒一「おはよう。その、顔が近いね。どうしたの?」
有田「えええっと、その、これは、えっと、そう! 榊原君の頭にほこりがついてたから、とってたんだよっれ」
恒一『そっか……ふぁああ(あくび)、ありがとう』
有田「眠そうだけど、大丈夫?」
恒一『……うん、有田さんと一緒にお弁当を作らなきゃいけないからね。頑張るよ』
恒一『うんっ!』
教室
恒一『な、なんとか間に合ったね』
有田「校門って、あの時間に閉まるんだね、初めて知ったよ」
恒一『あはは、僕もだよ』
勅使河原「あれ? サカキ、その弁当……」
恒一『あ……これ有田さん用の方だ』
有田「さ、榊原君っ! これ、逆だったね……はい」
恒一『慌てて、逆に持ってきてたみたいだね。一緒に食べようか』
有田「うんっ!」
勅使河原「弁当交換する仲かよ……」
恒一『有田さんこっちに来ちゃっても良いの?』
有田「休憩の時くらいはいいんだよ。そこは気にしちゃダメじゃないかなぁ」
恒一『あ、綾野さんが走り幅跳びで、砂に突っ込んだ』
有田「あはは……大丈夫かなぁ。怪我してないといいけど」
恒一『起き上がって笑ってるね』
有田「危なっかしいなぁ……」
有田「今日も、なんだかんだで1日が終わったね」
恒一『慣れてみると、この生活もそんなに大変じゃないのかもね』
有田「私以外と話せないの、つらくない?」
恒一『大丈夫だよ。それに、僕は有田さんが相手で良かったって思ってるんだ』
有田「あはは……ねえ、榊原君」
恒一『なに?』
有田「私、まだ呪いの原因を教えてなかったよね」
有田「うん、やっぱり人がいない方が嬉しいから」
屋上
有田「あのね、榊原君。呪われる条件ってのは……その……」
有田「呼ばれる人が、呼ぶ人の事が好き、って事なの」
有田「つまり、私は、榊原君の事が、好きって事」
有田「でも、その、私は……転入してきた榊原君を見て、一目惚れしちゃったみたいなの」
有田「次の日、自分の気持ちすら半信半疑で学校に行ったら、榊原君が呪われてた」
有田「驚いちゃった。私が、一目惚れなんかしたせいで、榊原君が転入早々いないものにされたんだもん」
有田「ごめんね、榊原君。私、最初は貴方の事を嫌いになるために、貴方に近づいたんだ」
恒一『……その結果は、どうだったの?』
有田「……好きじゃなくなるなんて、出来る訳がないよっ! 榊原君は、かっこよくて、料理が出来て、優しくて……夢に見たような、王子様みたいで……」
恒一『それは、褒めすぎだよ。でもね、有田さん』
有田「……なに?」
恒一『僕は、呪いが解けて欲しくないかな』
恒一『転入してすぐに呪われて、これから学校をどうしようか、そう悩んでたのは、最初だけだった』
恒一『有田さんが、いっつも僕のそばにいてくれたから、そんな悩み、どうでもよくなっちゃったんだ』
恒一『半ば強引に押しつけられても、快く僕を家に置いてくれて、一緒に夕飯を作って、将来こうして一緒にいる人が有田さんだったらな。なんて本気で思ってたんだ』
恒一『だから、もし有田さんが僕の事を好きじゃなくなって、呪いが解けたら……僕は寂しいよ』
恒一『有田さん、だから、好きじゃなくなろうなんて、しないで』
有田「榊原君……」
恒一『もちろんだよ。有田さん』
有田「……ありがとう。私は、榊原恒一君の事が好きです。初めて見た時から好きでした。現象なんて関係無しで、お願いです。私と付き合ってくださいっ!」
恒一『うん、僕も好きだよ。有田さん!』
恒一「松子、松子(おはよう、勅使河原君)」
有田「恒一君! 恒一君(おはようっ! 勅使河原君)」
勅使河原「……マジかよ」
恒一「松子、松子? 松子でも松子? (どうしたの、勅使河原君? 熱でもあるの?)」
有田「恒一君は恒一君だね。恒一君恒一君く?(それは大変だね。保健室行く?)」
勅使河原「お前ら二人とも爆発しろ」
Aritar
おわり
保守してくれた方、ありがとうございました、何度も離れてすみませんでした
普通有田さん可愛いよペロペロ
楽しめたわ
Entry ⇒ 2012.05.19 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
赤沢「恒一君が女子になる現象!?」
恒一「自分でも信じられないけど、本当だよ」
赤沢「まさか、こんなことになるなんて……」
見崎(……榊原君、かわいい)
望月(僕のアイデンティティーが……)
松井「へぇ……」ランラン
金木「ほぅ……」ギラギラ
赤沢「私の知ってるかぎりではないわ。こんなこと想定外よ……」クッ
恒一「そうなんだ……」
綾野「けど、これはなかなか」フムフム
恒一「な、なに?綾野さん」
綾野「いやー、正直、かわいいかなって」
恒一「や、やめてよ。僕は男なのに……」モジモジ
勅使河原(やべぇ……。これは、やべぇ……)
恒一「まあ、いろいろ抵抗あるし……」
勅使河原「おい、サカキ!」ズイッ
恒一「どうしたの、突然?」タジタジ
勅使河原「…………胸、触らせてくれ」キリッ
綾野「てっしー、サイテー」
勅使河原「へ、変な勘違いすんじゃねーよ。男同士なんだから問題ないだろ」
赤沢「下心が見えすぎよ!変態!」
綾野「そうだそうだ」
恒一「僕としてもお断りしたいかな」
勅使河原「そんなこと言うなよ。それじゃあ、ほら、俺のも触っていいから」
赤沢「なんでそうなるのよ」
勅使河原「お互いが触れば、フェアだろ。等価交換だろ」
赤沢「恒一君、こいつと友達やめたほうがいいんじゃない」
恒一「……かもね」ハァ
小椋「……」ツカツカ
綾野「どうしたの、由美?」
ムギュッ
恒一「!?」
赤沢「!?」
勅使河原「!?」
恒一「や、やめ……!小椋、さん……っ」
綾野「由美、ストップ!ストーップ!」
小椋「フゥー、フゥー……」ガルル
恒一「はあ、はあ……」
赤沢「大丈夫?恒一君」
恒一「うん。ちょっと痛かっただけだから」
綾野「ごめんね、こういっちゃん。由美、なんだか理不尽な世の中にナーバスになってるみたいで」
綾野「……えいっ」モミッ
恒一「あっ……」
綾野「……確かに私より少し大きいかも」
恒一「もう。やめてよ……」
辻井(キマシタワー)
赤沢「けど、本当に厄介なことになったわね」
恒一「うん……。けど、なっちゃたものはしょうがないよ。」
赤沢「恒一君……」
赤沢(恒一君//)キュウン
赤沢「恒一君、私、対策係として必ず解決策を見つけるから」
恒一「ありがとう」
綾野「私も協力するよ」
勅使河原「俺もいるぜっ」キラッ
赤沢「望月君、そいつは縛っておいて」
勅使河原「おいぃ!」
望月「あはは……」
ワーワー ギャーギャー マカセロー
久保寺「あの、授業始めますよ……」ポツン
勅使河原「サカキ〜。昼飯食おうぜ」
恒一「そうだね。望月もいいよね」
望月「うん」
勅使河原「今日はさぁ、違うところで食わね?」
恒一「え?」
勅使河原「いやさぁ、気分転換もかねてさ。どっか静かな場所で……」チラチラ
望月(うわ〜)
恒一「え〜と……」
恒一「えっ……。あ〜、うん。そうだったね」
勅使河原「えっ」
恒一「ごめん二人とも。今日は見崎と約束してたんだ」
望月「いいよ。行っておいで」
勅使河原「そんな……」
親友が女体化だろ? たまんねええ
恒一「見崎、助かったよ。ありがとう」
見崎「気にしないで。けど、勅使河原君……ひどいね」
恒一「うん……。だけど、いい奴なんだよ。今はちょっとコントロールできてないだけだよ。たぶん」
見崎「わかってる。……私だって同じだから」
恒一「見崎も?」
恒一「そうだよね……」
見崎「……けどね、私は今の榊原君のこと肯定的に捉えてるの」
恒一「それってどういう……」
見崎「おもしろがってるわけじゃないの。ただ、こんな珍しい経験はないから……」
見崎「不愉快、だった?」
恒一「いや。なんだか見崎らしい」
恒一「そうしてくれるとありがたいな」
見崎「うん。それと……」
恒一「それと?」
見崎「……榊原君は料理がうまいからいいお嫁さんになれるね」
恒一「っ……見崎、変なこといわないでよ」
見崎「ごめんなさい」ニコ
赤沢「恒一君、ちょっといい?」
恒一「なに、赤沢さん」
赤沢「恒一君に渡したいものがあるの。私の家まで来てくれる?多佳子もいっしょなんだけど」
恒一「別にいいけど……」
赤沢「ありがとう。それじゃあ、行きましょう」
恒一「うん」
赤沢「はい。この制服」
恒一「えっ、いいの!?」
赤沢「ええ。ちゃんとクリーニングには出してあるから」
恒一「けど、制服なんて……」
赤沢「いいのよ。予備のものだから」
赤沢「それに恒一君、女の子になってから背も縮んで服ブカブカじゃない」
恒一「そうだけど……」
恒一「う〜ん、まあ……」
赤沢「はあ〜、しょうがない。やるわよ、多佳子」ジリジリ
杉浦「オッケー、泉美」ジリジリ
恒一「え、え?」
赤沢「さあ、着替えるわよ!」ガバッ
恒一「いやあ〜」
赤沢「多佳子、そっち押さえて」ヌガセ
杉浦「分かった」ヌガセ
赤沢「恒一君、ブラつけてないの?」
恒一「当たり前だよっ」
杉浦「これからはつけた方がいいよ」モミ
恒一「ひゃあ!?」
赤沢「ふふっ、ひゃあだって。おもしろい」クスッ
杉浦「榊原君、肌綺麗……」ツゥー
赤沢「そうね。ここも綺麗な色で……」
赤沢「あっ、ごめんなさい」
杉浦「ごめん」
恒一「……ここからは一人でやるから」グスン
―――――
―――
―
恒一「……できたよ」
赤沢「へぇ、似合うじゃない」
杉浦「うん。かわいい」
恒一「あ、ありがと」
恒一(まずい、なんだか嬉しいような……)
恒一「うん……」
赤沢「まだ、抵抗があるようだったら、多佳子みたいに少し着崩してもいいから」
杉浦「このパーカー貸してもいいよ?」
恒一「いいよ。大丈夫」ブンブン
杉浦「そう」
赤沢「それじゃあ、次は……♪」ガサゴソ
恒一「まだ、するの……」ガクッ
レーチャン「レーチャン、ゲンキ、ゲンキダシテネ」
恒一「うん。そうだね」
恒一(大変な一日だったな)チラ
恒一(あの制服、明日から着るのか……)
恒一(どうしよう。今はあまり抵抗がなくなってきてる気が……)
恒一(これから、どうなるのかな……)
恒一「ハア〜、憂鬱だ……」
〜翌日・学校〜
恒一「おはよう」ガラッ
勅使河原「オッス。サカ、キ……」
望月「うわ、榊原君スカートだ」
綾野「おおー!こういっちゃんカワイイー!」
恒一「あはは……」
勅使河原(ヤバイぞ、これ……)ハアハア
勅使河原「すまねぇ。……なあ、サカキ」
恒一「なに?」
勅使河原「…………スカートの中見せてくれ」キリッ
赤沢「はい、粛清」ガツン
勅使河原「痛ぇ!冗談だよ冗談」
赤沢「目が本気だったわよ。恒一君、向こう行きましょう」
恒一「……うん」
望月(こいつ、そろそろ危ないな……)
望月(けど、親友としてこのまま見過ごしたら、二人とも不幸なことになるよね。だったら……)
望月「柿沼さん、ちょっといい?」
柿沼「はい?」
望月「実はさ、勅使河原君が君の趣味に興味があるみたいなんだ」ゴニョゴニョ
柿沼「本当ですか!?」
柿沼「そうなんですか……」
望月「僕としてはこういうのは個人の自由だと思うから応援したいんだ。だからさ、協力してくれないかな?」
柿沼「……わかりました。協力しましょう。今日の放課後でいいですか?」
望月「ありがとう。それじゃあ、今日の放課後に」
赤沢「恒一君、もう体育は受けられるのよね?」
恒一「うん」
赤沢「それなら更衣室はここだから、着替えましょう」
恒一「け、けど……」
赤沢「……昨日みたいに手伝って欲しい?」クスッ
恒一「じ、自分で出来るって//」
恒一(うわ〜、恥ずかしい……。というか、皆普通に着替えてるし……)ヌギヌギ
恒一「綾野さんっ、大きい声出さないでよ。恥ずかしい」
綾野「だってー。ってか、それ自分で買ったの?」
恒一「これは……怜子さんが……」
綾野「へぇ、そうなんだ。カワイイね」
恒一「ありがとう。……綾野さんのも可愛いと思うけど」
恒一「うっ//」
綾野「多佳子と泉美なんてすごいよ。ほら、見て」
赤沢「なに?」バン
杉浦「ん?」ババン
恒一「す、すごいね//」
綾野「でしょー。二人ともどこでブラ買ってんのさ」
赤沢「私はデパートと通販半々くらいね」
恒一「そうなんだ……」
見崎「……」
小椋「爆発しろっ!」
渡辺「なんだか面白い話してるね」
恒一「渡辺さん」
綾野「おっ、なべっち」
綾野「え!?どれどれ……」チラリ
佐藤「な、なんですか……」ババン
恒一「本当だ……大きい」
渡辺「ほらほら、その無駄にでかいのもっと見せろー♪」
佐藤「や、やめてよぅ」ユサユサ
恒一(ゆ、揺れてる……)
小椋「爆発しろっ!!」
恒一「え、あと一人は?」
綾野「そんなの、ねぇ」チラ
桜木「〜♪」ヌギヌギ
綾野「ゆ〜か〜り〜。えいっ」モギュ
桜木「ひゃああんっ」
綾野「あれ?また大きくなった?」モムモム
桜木「綾野さん、やめてください〜」ブルンブルン
綾野「こういっちゃん見て。ゆかりはお腹もモチモチなんだよ」
桜木「ひ〜ん。見ないで〜」グスン
恒一(刺激が強すぎる……//)
小椋「爆発しろよおおおぉ!!」
恒一「ごめん……」
綾野「は〜い」
桜木「うぅ……//」
〜昼休み〜
多々良「あの、榊原君お昼ご一緒しませんか?」
恒一「かまわないよ」
多々良「ありがとうございます」
多々良「はい。女子同士友情を深めましょう」
恒一「う、うん……」
有田「やっほ。榊原君」
中島「よろしくね」
多々良「いつもは三人で食べてるんですよ」
恒一「そうなんだ。今日はよろしく」
有田「けど、ホントに女の子だねぇ」
中島「そうよね。ちゃんと女の子してるよね」
多々良「あら、榊原君のお弁当おいしそうですね」
有田「もしかして、三神先生が作ってんの?」
恒一「違うよ。自分で」
中島「すご〜い」
多々良「ご自分でなんてすごいです」
有田「女子力たか〜い」
恒一「そんなんじゃないよ。前の学校で料理研究部に入ってただけだから」
多々良「そ、そうですか」テレ
有田「まあねぇ、恵はこれぞ女の子って感じだもんねぇ」
中島「そうそう」
恒一「そのサラサラな髪は憧れるなぁ。何か秘訣ってあるの?」
多々良「特別なことは何もしてませんよ」
中島「いいよね。ストレートって憧れちゃう」
恒一「そういえばリンスって使ったことないや」
多々良「それでしたら、三神先生のをお借りして使ってみたらどうですか?」
恒一「うん。そうしてみる。けど、前より髪が伸びたから洗うの大変だよ」
多々良「そうですね。わかります」
恒一「え?」
中島「いいわね。ヘアピンとシュシュあるよ」
―――――
―――
―
キーンコーン カーンコーン
有田「あれ、もう終わりか」
中島「おもしろかったわね」
多々良「またご一緒しましょうね」
恒一(なんだか、普通にガールズトークしてしまった……)
〜翌日〜
恒一「おはよう」ガラッ
勅使河原「オッス!サカキ」
恒一「……勅使河原、今日は普通だな」
勅使河原「なに言ってんだよ。俺はいつも普通だぜ」
恒一「そうか。良かったよ」
恒一「え!?……シブい人かな?」
勅使河原「だよな。憧れるよな」
恒一「?」
望月(ふふふ……)ニヤ
柿沼(腐腐腐……)ニヤ
王子「そうだねぇ」
米村「……」
水野「……」
川堀「……」
〜放課後〜
川堀「なあ、榊原ちょっといいか?」
恒一「なにかな?」
水野「実はさ、付き合ってる彼女と喧嘩しちまってさ。お前に仲介を頼みたいんだよ」
恒一「えっ、僕が!?」
水野「おう。お前なら俺と彼女、両方の立場に立って考えられると思うからさ」
米村「水野の彼女さんも女がいた方がいいだろ。頼むよ」
水野「いいよいいよ。ありがとな。恩に着るよ」
川堀「それじゃあ、行こうぜ。もう待ってるんだ」
〜体育倉庫前〜
恒一「それで、彼女さんはどこ?」
水野「いないよ」
恒一「え?」
ドンッ
恒一「うわっ?!」ドサッ
恒一「え、え?」
水野「彼女なんて嘘なんだよ。まあ、彼女がいたらこんなことしないか」
米村「榊原君さあ、俺たちと友情を深め合おうよ」サワサワ
恒一「や、やめろ……」
川堀「そんなツレないこと言うなよ。くくっ」
水野「ここには誰も来ないからさ。ゆっくり楽しもうぜ」
ガツンッ
恒一「え……?」
米村「いてぇ……」
水野「誰だ!?」
金木「大丈夫か?榊原」
恒一「金木さん……」
川堀「なにすんだよっ」
金木「こっちの台詞だっ!馬鹿!寄ってたかって女襲って」
松井「杏子ちゃ〜ん。先生呼んできたよ〜」
川堀「! どうする?」
水野「しょうがねえ。逃げるぞ」
米村「ま、待ってくれぇ」
松井「大丈夫、榊原君?」
恒一「うう……ぐすっ……。こわ、かった……」ポロポロ
金木「もう、大丈夫だからな」ナデナデ
松井「安心、してね」ナデナデ
恒一「うわあああああんっ」
金木「落ち着いたか?」
恒一「うん……。あの……」
松井「なに?」
恒一「せ、先生は……?」
金木「あ〜、あれはな」
松井「嘘なの」
金木「呼べるような時間なくてな。とっさの機転かな」
恒一「そうなんだ」
金木「あたしはただ、悲鳴が聞こえたから来ただけだよ」
松井「うんうん」
恒一「けど、僕はすごく感謝してるんだ」
恒一「なにかお礼ができればいいんだけど……」
金木「お礼か……。それなら、あたしと亜紀にキスしてよ」
金木「いや、実はさ、あたしらも榊原のこと狙ってたというか」
松井「女になった榊原君、すごく可愛くてね。欲しくなっちゃったの」
恒一「そんな……えっと……」
金木「けどさ、さっきのあいつら見て、無理やりはダメだなって気付いて」
松井「うん。やっぱり抵抗あるよね」
松井「けど、これからは仲の良い友達でいさせてね」
金木「そうそう。これでチャラってことで。うん、この話はおしまい」
榊原「…………よ」
金木「え?」
榊原「キス……しても……いいよ」カア
恒一「無理じゃないよ。助けてもらったんだし、僕は……」
金木「ホントにしちゃうぞ。今なら冗談で済むぞ」
恒一「いいよ。いやじゃない」
松井「……」
金木「……わかった。お前、経験ある?」
恒一「ない……です……//」
金木「わかった。それなら目瞑って……」
金木「……目、開けていいぞ」
恒一「」ポワー
金木「どうだった?」
恒一「……やわらかかった」
金木「ふふん。これで榊原のファーストキスの相手はあたしだからな。覚えとけよ」
恒一「はい……」
松井「榊原君、次は私だよ」クイクイ
松井「んっ……」チュッ
恒一「……松井さんのもやわらかい」
松井「榊原君も素敵な味だったよ」
金木「そうだな。榊原のキス顔、スゲー可愛かったぞ」
恒一「あはは。ありがとう//」
金木「それじゃあ、帰るか」
松井「そうだね。三人で帰ろう」
恒一「うん……。あれ?」フラッ
松井「立てる?」
恒一「ごめん……なんだか……体に力が……」ハアハア
金木「」ドキン
松井「」ドキン
金木「……ごめん、榊原。もうちょっとだけいいか」
恒一「へ?……んっ、んん……っ」
金木「ちゅっ、ん……ちゅ……」
恒一「……んっ、ぷはっ……はあ、はあ」
松井「……ちょっとだけ続けていい?」
恒一「えっ、続けるって……?」
金木「怖い思いは絶対させない。嫌だったらすぐやめるから」
松井「もう少しだけ、可愛い榊原君を見せて」
恒一「……うん。僕ももう少し一緒にいたい//」
松井「榊原君……」キュン
恒一「あの、それで、どうするのかな……?」
松井「私とキスしよう、ね」
恒一「うん。……んっ、ちゅ……」
松井「んん、ちゅぅ……ふぁむ、ちゅ……」
金木「榊原、ゆっくり触るから。気持ち悪かったら言えよ」
恒一(金木さんの指、僕の胸……撫でてる)
松井「痛くない?」
恒一「うん。平気……っ」
松井「よかった。少し脱がすね」
プチ シュル
恒一「あっ……恥ずかしい……//」
金木「綺麗だよ。ほら、直接触るから」
恒一「あ、んっ……あぁ……くぅん……」
恒一(直接触られてる……。体、熱いよ……)
金木「ああ。スゲー可愛いよ」
恒一「み、見ないでよ……んっ、あん……っ」
松井「杏子ちゃん、そろそろいいかな?」
金木「そうだな。……榊原、亜紀が下の方触るから」
恒一「う、うん……」
松井「痛かったら言ってね」
クチュ
恒一「ひゃああんっ」ビクッ
松井「すごい……トロトロ」
松井「榊原君のここ、すごく熱い」クチュクチュ
恒一(あ、頭……ふわふわする……)
恒一「んっ、ああ、こ、こわい……よぅ……っ」
金木「大丈夫。ほら、キスしよう」
恒一「んんっ……ちゅう、はぁむ、んっ……ちゅっ」
恒一(ああ、気持ちいい……キスも……あそこも……)
松井「いいよ。そのまま、身を任せて……」クチュクチュ
金木「怖くないからな」チュッチュッ
恒一「ああっ、んっ……っくぅん、も、だめぇ……!」
恒一「んっ、あ、あ、ひゃあ、ああ、あ……ああああぁぁぁあああっ!!」ビクン
恒一「はあ、はあ……」
恒一「うん……。なんとか……」ハアハア
松井「榊原君、すごく可愛かったよ」
金木「そうだな。それにエロかった」
恒一「や、やめてよ。恥ずかしい//」
恒一「……それで、僕は恩返しできたかな?」
金木「う〜ん、まだだな」
松井「そうだね〜」
恒一「ええ!?」
松井「いい?」
恒一「…………いいよ。僕も一緒にいたい」カァア
金木「よし!決まりだな」
松井「うん。それじゃあ、帰ろう」
金木「っと、その前にもう一回」チュッ
恒一「んっ……」
松井「私も」チュッ
恒一「ンッ……」
恒一「もう、二人とも……」
恒一(でも……すごく甘いな……)クスッ
〜数日後〜
赤沢「恒一君、ごめんなさい。手を尽くしてるんだけど、いろいろ難しくて……」
恒一「大丈夫だよ。焦らずゆっくりでいいよ」
金木「お〜い。榊原」
松井「榊原く〜ん。いっしょにお昼食べよう」
恒一「うん。今行くよ」
赤沢「最近、金木と松井と仲良いわね」
恒一「うん。二人とも大事な友達なんだ」ニコ
おわり
違うアプローチもできそうだし、皆このネタで書けばいいと思う
>>1の違うアプローチとやらもぜひ読んでみたいから暇があったらまた書いてくれよな!
次は多々良っティルートを
別エンドも期待したい
Entry ⇒ 2012.05.18 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
小椋「でねー」キャッキャッ恒一「(小椋さん……!)」ジー
綾野「えーマジー?」キャッキャッ
恒一「(小椋さん……小椋さんハァハァ小椋さん……)」ジー
恒一「(小椋さん……!)」
小椋「反れば出るっ!」グイッ
綾野「ちょっ!?う、嘘だってこれからこれから……!」アタフタ
恒一「!?(小椋さん……なんて大胆な……!)」ドキドキ
恒一「(……蹴りたい)」
恒一「(蹴りたい!)」
恒一「(小椋さんのお腹を……思いっきり膝蹴りしたいっ……!)」
綾野「いっきまーすっ!」ズベラッ
小椋「彩wwwwww」
恒一「(駄目だ……Tシャツじゃ小椋さんのお腹の良さが半減以下に……
あのつい『ぽんぽん』と言ってしまうような幼児腹を殺すだなんて……
これが日本の教育かよ……!)」
小椋「そんじゃ、いっきまーす!」
綾野「転べー」
恒一「(彼女の着地地点に立って膝蹴りで迎えてあげたい――)」ジー
恒一「!?」ブッ
小椋「ほっと!」シュタッ
綾野「ちっ、惜しかったか……」
恒一「(い、一瞬小椋さんのぽんぽんが見えてしまった……)」ドキドキ
望月「どうしたの、榊原君?」
恒一「ちょっとね……」
勅使河原「んだよ、恋患いか?」
恒一「……似たようなもんかな」
望月「へぇ。相手はやっぱり見崎さん?」
恒一「見崎……あぁ」
恒一「(確かに見崎も……良いぽんぽんラインをしていたな……あぁっ!そう言わると、見崎、見崎ぃ!!」ガスガス
勅使河原「うがっうがっうがっ!」ドスドス
望月「さ、榊原君落ち着いて!僕たちが悪かったから、ね?それ以上膝蹴りを打ち込むとてっしーが死んじゃう!」
恒一「えっ、勅使河原……?あぁ、どうりで満たされないわけだ……」パッ
勅使河原「」
望月「榊原君……」
恒一「……小椋さん小椋さん小椋さん見崎見崎見崎小椋さん見崎小椋さん小椋さん見崎小崎さん見小椋さん小椋さん
見椋さ小椋見崎見崎小椋見崎小椋見崎小椋見崎……」ブツブツ
望月「さ、榊原君……!」ガクブル
恒一「……勅使河原に悪いことをしてしまった」
恒一「(僕の体が求めている……蹴ることを。腹蹴りという衝動が僕を蝕む)」
恒一「……どうしたもんかな」
恒一「(……蹴りたい、どうすれば、誰もがハッピーエンドになる腹蹴りをすることができるんだろう……)」
恒一「……はぁ、難しいなぁ」
ドサッ
恒一「んっ……?」チラッ
赤沢「……」ファサッ
恒一「赤沢さん……」
赤沢「……聞いたわ、勅使河原の事。気に病むことなんてないわよ。どうせあいつが悪いんだから」
恒一「いや……今回は完全に僕が悪かったんだ。勅使河原は全く悪くないよ」
恒一「失望した?」
赤沢「……まぁ、男の子だから。望月君を襲ってたら解からなかったけど」
恒一「……そっか。ありがとう」
赤沢「お礼を言われる筋合いなんてないわよ。それよりも……恒一君、すごく辛そうな顔してる……大丈夫?」
恒一「……なんとか」
赤沢「なんとか……ね。無理、しているのね」
恒一「そんなんじゃ……ないよ」
赤沢「嘘」
恒一「……赤沢さんには敵わないか」
赤沢「当然よ。この私を誰だと思っているの?」
恒一「……対策係の赤沢泉美さん」クスッ
赤沢「正解」ドヤァ
赤沢「さぁ恒一君。洗いざらい話してもらうわよ……何が、在ったの?」
恒一「……」
赤沢「……どうしても、言えない?」
恒一「……僕の話を聞いた、きっと赤沢さんは今度こそ本当に幻滅してしまうかもしれない」
赤沢「そんなことないわ――だって……」
赤沢「……友達じゃない」
恒一「赤沢さん……」
恒一「……ありがとう、赤沢さん」
赤沢「恒一君……」
恒一「赤沢さん……実は僕」
綾野「あ、いずみー!」タッタッタッタッ
小椋「千曳先生が呼んでるー!」タッタッタッタッ
赤沢「!?」ドキッ
恒一「!!」ウズッ
小椋「二人で何やってたのかなー」キーン
赤沢「あ、いや、えっとこれはそのっ」アタフタ
恒一「やっ……やめろっ……!」グワッ
恒一「(小椋さん……なんて無防備な姿で駆けてくるんだ……!両手を突っ張らせていることによって
制服が引き締められてあの美しいぽんぽんラインが浮き彫りに……!くっ、鎮まれ榊原恒一……!)」プルプル
恒一「――赤沢ぁ!!」
赤沢「ひゃ、ひゃいっ!?」
小椋「な、ど、どうしたの?」ズズッ
恒一「(止まった――よし、まだ理性があるうちに――!!)」
恒一「赤沢さん……お願いだ……僕を……!」ハァハァ
赤沢「恒一君、大丈夫!?汗、凄いわ!」
恒一「(くそ、言葉が上手くつむげない……!どうしても小椋さんに注意がいってしまう……!)」
恒一「(あぁぽんぽんぽんぽぽんぽぽんぽん毎日小椋さんとぽんぽんぽんぽぽぽんぽん見崎と並べてぽんぽんぽんぽぽぽぽんぽん……!)」
恒一「(――くっ、今、一瞬意識が飛んでしまった……!)」
小椋「大丈夫!?」
恒一「来るなぁ!!」
綾・小「「!!」」ビクンッ
赤沢「恒一君……!」ブワッ
恒一「赤沢さん頼む――僕を――僕の――!!」
赤沢「うん……うん……!」ポロポロ
恒一「僕の腹を――思いっきり蹴ってくれ!」
赤沢「!!」
綾・小「「!?」」
鳴「了解した」
赤沢「あれは!」
綾野「そんな……」
小椋「見崎さん……!」
鳴「――赤沢さん。貴方には榊原君は救えない。彼を癒す方法を知りながら躊躇う貴方では彼の傍に居ても
彼を不幸にするだけ――」ダダダダダダダダダダダダ
鳴「――私は違う」
鳴「私は榊原君の願いをなんだって叶えてあげる。彼が猫語でしゃべれと言えばやるし猫耳と猫のしっぽを
付けて生活しろというのなら羞恥に悶えながらも必ず遂行してみせる」
鳴「貴方とは――覚悟が違うの」
赤沢「それ自分がやりたいだけじゃないの……?」
鳴「……――榊原君、今救ってあげるから――!」ダッ
恒一「――チェストぉ!!」ドスッ
鳴「ごふっ」
綾野「めーちゃん!?」
小椋「見崎さん!?」
恒一「そんな……やってしまった……うわぁ僕はもうおしまいだあああああああああああああ!!」ウワーン
赤沢「えっ……え?」
綾野「しっかりして――泉美……なんてことを……!」ワナワナ
赤沢「はぁ?わたしぃ!?」
小椋「泉美が榊原君の言うとおりにしていれば見崎さんも榊原君も傷つくことはなかったのに……!」キッ
赤沢「いやいやいやいや!私は悪くないわよ!」
綾野「めーちゃん、無理しないで!」
小椋「意識をもちつづけて、見崎さん!」
鳴「わる……いのは……
――あたま――」ガクッ
綾野「めえええちゃあああああああああああああああああああああああああん!!」
小椋「見崎さああああああああああああああああああああああああああああああん!!」
恒一「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
川堀「ばっちこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおい!!」ペンペン
中尾「まかせろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
赤沢「」
それだけでなく、見崎さん、由美、彩、有田、の三人までも消えてしまった。ついでに中尾と川堀も――
その失踪は当然として事件となり、現象の関係から元々警察の内部で夜見北中学校の異変に敏感になっていた人たちが、
日々積極的な捜査によって五人の捜索がなされるも――
――未だ、見つかってはいない。
「すいませんねぇ、お忙しい中、お呼びしてしまって」
「いえ……彼らが一日でも早く見つかってくれるのであれば、どんな協力だって惜しみません」
「いやぁ、ありがとうございます。では、早速お話を聞かせてもらいますよ」
「赤沢泉美さん」
――もしも
「事件前日、貴方たち四人――」
――もしも、あのとき私が……
「榊原恒一さん、見崎鳴さん、小椋由美さん、綾野彩さんの四人」
――彼の言うとおりにしていれば――
「そして貴方を含めた五人」
――きっと、こんなことにはなっていなかったのだろう……
「一体あそこで何をしていたんでしょう?現場には大量の吐物、つまりはゲロがまき散らされていたわけですが――」
「――赤沢さん?」
赤沢「あ、はい……すいません」グスッ
「――詳しく、話を聞かせてもらいましょうか」
私は、一生この罪を背負っていくのだろう……。
無能の誹りを、受けながら。
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::A::::::::::::::::::i:!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ
,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l‐√::::::H:::H:::::::::::::::::::::::'::::::::::::::ハ
l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハ:Lzz示ミ Vハ:::/:::::/:::::::/::::::::::::/ i
{:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::イ V////ハ ヽV:::::/7/::/:::::::::イ }
{:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ又/:ソ ,, -―-、..:::::::::! }
{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i:::ハ `¨¨ __x../ ヽ.::::::i }
{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ハレ""" ̄../ /i⌒ヽ、|..:::::′ } .|\ /\ / | // /
V::::::::::::::::::::::::::::::::::::i ̄\ / / /:::::::::::::::::! | ._| \/\/ \/\/ |∧/ ///
\:::::::::::::::::::::::::::::::ハ\ .ト、.,../ ,ー-、..::::::::::::::′ j .\ /
\:::::::::::::::::::ヽ:::::ハ 丶 ....\\‘゚。、` ヽ。、o .,′ ∠ おわり ! >
ノ:ハ::ハ:::::::::::ハ:::::l / ー‐イ. \\゚。、。、o / .../_ _ \
ノハ:ハ::::ノ:ハ \:iー-v′::::::::!::::::. .ヽ ヽU o / .. ̄ / /∨| /W\ /\|\ .|  ̄
∠く \/.:.} V::ハハ:::ハ::`.`ヽU ∴l _.ノ .// |/ \/ \|
/ ̄ ̄\::::::::::\ヽ /.:Vハ V::┬、ハノ:::/ . U :l
|:!
U
今まで見たマジキチSSの中でもトップクラスに何が書きたいかわからなかった
よく分からなかった
感動した
インド人「心頭滅却すれば火もまた涼し!」
恒一「ナマステ!」ナムッ
鳴「ナマステ!」ナムッ
綾野「ナマステ!」ナムッ
小椋「ナマステ!」ナムッ
有田「ナマステ!」ナムッ
インド人「カアアアアリイイイイイイ!!」
恒一「ふぅ……大分治まってきたかな……」
恒一「あ、見崎ごめん!?」
綾野「こらこういっちゃん!何のためにインドに来たと思っているのごふっ」レロレロレロレロ
小椋「神仏の力を借りてその衝動を消しにきたのにまったく榊原君はごふっ」レロレロレロレロ
恒一「うわぁごめん!!三人とも見事なぽんぽんラインを露出した踊り子衣装なんてしているから僕どうして抑えられなくて!」アタフタ
恒一「ついでに有田さんもごめんっ!」ガスッ
有田「おうふごふっ(なんとなく付いて来たけどこの性活……イイっ……!)」レロレロレロレロ
恒一「折角修行するために父さんに連絡インドに来たというのに……」
インド人「人の心に悪魔住む仕方ない。でもそれ、必ず滅することできる」
恒一「インド人さん……」
インド人「共にマラを滅ぼそう、こーいち」
恒一「……はいっ!」
インド人「カアアアアアアアアアアアリイイイイイイイイイイ!!」
恒一「カアアアアアアアアアアアアアリイイイイイイイイイイイ!!」
〜終わり〜
そんじゃ読んでくれた人ありがとう
小椋さんへの腹蹴りは愛情だと思うんだ
そんじゃさよなら
乙
俺にはまだ早いようだ
Entry ⇒ 2012.05.16 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
小椋「クソ兄貴が役立たずすぎる」 恒一「えっ?」
ビクッ
綾野「!? 由美どうしたの?」
小椋「もおおおおおおおおおおおおおおおお」
綾野「‥‥ちょっと怖いよぉー」
恒一(なんか小椋さんが発狂してる?怖いな‥‥)
勅使河原「おーいサカキ 昼飯買いに行こうぜ」
恒一「あっうん」
綾野「落ちついた? ねぇ何かあったの?」
小椋「‥‥ねぇ彩、私 演劇部やめることになるかも」
綾野「え?」
小椋「ってかやめさせられるかも‥‥」
綾野「ちょ、ちょっと待って 唐突過ぎてわけわかんない」
小椋「あのね‥‥良い高校入るために塾行かせるか家庭教師付けさせるとか親が言いだしたの‥‥」
綾野「」
小椋「‥‥」
小椋「ウチ兄貴いるじゃん?」
綾野「うん 今年2浪目だっけ?」
小椋「去年辺りからパソコン弄るようになってさ」
小椋「それから多分、全く勉強してないんだよね‥‥でも親には勉強してるって言っててそれ親も信じてるのよ」
小椋「受けた時自己採点ってのして自分で点数計算して志望校どこにするか最後きめるんだ」
綾野「へー」
小椋「受けた時は9割近くとれてたらしく あっ9割って結構良い点数らしいよ」
小椋「その点数で親と志望校相談して決めたんだけど 何故か全部落ちちゃったんだよね」
綾野「‥‥」
小椋「それでこの前兄貴のセンター試験の点数の手紙が来てさ それ親が見たんだよ‥‥」
綾野「‥‥」ゴクリ
小椋「そしたら6割も取れてなくて もう親キレまくりでね」
小椋「家出てけとか息子じゃないとか言い出して、そんで兄貴は部屋から全く出てこなくなったんだ‥‥」
小椋「トイレと1週間に一度のお風呂、後食事以外は完全引きこもり状態」
小椋「中で何してんのかわからないけど笑い声とか聞こえてくるし多分ずっとPCしてる」
綾野「うわぁ 酷いねそれ‥‥」
小椋「そこまではただ兄貴がクズで終わって私に害は無いから良かったんだけど‥‥」
綾野「良かったんだけど‥‥?」
小椋「案の定兄貴が駄目になったからって今度は私に矛先が向けられてさ」
小椋「受験生だ 勉強しろ 部活やめろ このままの成績だったら良い高校いけないぞ」
小椋「挙句の果てに塾行けっていいだしたんだよね‥‥」
綾野「うわぁ‥‥」
綾野「‥‥‥由美‥可哀そうに」ナデナデ
小椋「ねぇどうしたらいい?部活やめたくないよぉ」
小椋「今度の期末で良い点数とれなかったら家庭教師か 遠くの塾行くことになっちゃう‥‥」
小椋「お願い!私を助けて」
小椋「いやそれは無理 不可能 この前PC取り上げようとしたら暴れまくってやばかった」
綾野「じゃあ自力で勉強して成績あげるとか?」
小椋「それが出来るなら相談してないよぉ」
綾野「うーん‥‥あ!?」
小椋「え?榊原くん?なんでよ?」
綾野「由美知らないの?今回の中間試験こういっちゃん1位だったんだよ しかも500点満点で496点だったとか」
小椋「‥‥すごい」
小椋「‥‥でも転校していきなり1位とかふざけてるわね‥‥なんか逆にムカついてきたんだけど」イライラ
小椋「っていうか賢いのはわかったけど教えるのはうまいわけ?」
綾野「え‥‥由美‥‥今回の試験でのとんでもない事件知らないの?」
綾野「てっしーが14位とったんだよ こういっちゃんの1位がかすれるぐらい大騒ぎになったんだよ」
小椋「ん?誰が14位?」
綾野「てっしーだよ勅使河原!」
小椋「‥‥」
小椋「はぁああああああああああああああああああ???????????」
綾野「‥‥」
綾野「‥‥由美ちょっと驚きすぎ」
綾野「そのまんまだよ 中間試験で14位とって成績上位者に名前載ってたんだよ」
小椋「意味わかんないあの馬鹿がなんで‥‥‥‥あ!!」
綾野「そう 本人は『本気出せば俺だってこんぐらいとれんだぜ!』とかアホなことぬかしてたけど‥‥」
綾野「どう考えてもこういっちゃんのおかげ!」
小椋「勅使河原が14位とか信じられないわ‥‥」ガンガン
綾野「うんうんだよね」
小椋「あいつで14位なら私が教えてもらえば1位とれるかもしれない!!」ヒャッホウ
綾野「いや1位は教えてくれる人が‥‥」
小椋「よし!!早速頼みに行こう!!」
小椋「その時点で親を説得できちゃうかも‥‥ウフフ」
綾野「え?なんで?」
小椋「勅使河原の馬鹿さは折り紙つきよ 保護者の間でも有名なぐらいね」
綾野「へぇ〜‥‥テッシ―可哀そう‥‥」
小椋「ということで行くわよ!」
綾野「あっちょっと待って由美」
小椋「え?何よ?」
綾野「‥‥でも少し問題があるんだよね」
綾野「いや‥‥これは噂なんだけど‥‥」
綾野「あの勅使河原の一件からみんな勉強教えてほしいってこういっちゃんに頼み込んだんだよね」
綾野「でね、泉美もその一人だったんだけど 何故か断られたらしいんだ」
綾野「それで、他にも断られた人いたんだけど それ全員女子だったんだよね」
小椋「え?どういこうこと?」
綾野「こういっちゃん実は女子が嫌いでホモって噂があるんだよ!!//」キャッイッチャッタ
小椋「‥‥」
綾野「‥‥」
小椋「は?‥‥冗談よしてよ」
小椋「でもいつもは普通に接するじゃない 勉強の時だけっておかしいよ」
綾野「何か他に理由があるのかな?」
小椋「‥‥事態は急を要するわ 勅使河原辺りに聞いてみましょう」
小椋「知ってるなら教えなさいよ」
勅使河原「あぁ‥‥いや‥‥ゴメン無理なんだわ いやまぁ知ってるんだけど」
小椋「はぁ?なんでよ」
勅使河原「あいつに口止めされてんだ まぁぶっちゃけ大したことじゃないぜ 強気に押せば教えてくれるんじゃね?」
小椋「‥‥ところで今榊原くん何してんの?」
勅使河原「え?あぁ昼休みだから水野と川堀とバスケでもしてんだろ 体育館じゃね?」
小椋「え?水野、川堀と一緒にいるの!?」
勅使河原「お、おう どうした‥‥」
小椋「‥‥」
綾野「‥‥」
綾野「由美がピンチなの!なんで女子に勉強教えてくれないか喋って」
小椋「‥‥‥‥」
勅使河原「ははーん さては中間の成績悪くて焦ってんだろ ハハッ ちょっと待ってろ」
ガサゴソ
勅使河原「見ろこれ 14位だぜ お前何位だったんだ? フフ」
小椋「‥‥‥‥」プルプル
勅使河原「お前アホだもんな〜」ポンポン
ドカ ガス ボコ
小椋「もういい!いこ彩」
綾野「うーんどうすればいいんだろう」
杉浦「ねぇちょっと良い?」
綾野「う?なになに?」
杉浦「今日泉美、学校休んでるんだけどなんでか知らない?」
小椋「‥‥」
綾野「‥‥」
小椋(榊原くんに勉強教えてもらうの断られて休んだのね‥‥可哀そうに)
綾野「あー実はね‥‥」
杉浦「‥‥そういうことね‥‥泉美可哀そうに‥‥」
小椋「だから榊原くんが何故女子にだけ勉強教えないか調べてそれを直してあげれば‥‥」
小椋「私‥‥いや泉美にも教えてくれて泉美も立ち直ると思うんだよね」
杉浦「それで泉美が喜ぶなら‥‥」グッ
杉浦「よし! ちょっと聞いて良い方法があるわ さっきの勅使河原の話聞いた限り巷で噂されてるホモ説は無い 」
杉浦「それなら勉強だけ教えない理由が説明付かないしね」
杉浦「だから多分、昔女の子に勉強教えた時に失敗か何かしてトラウマがある ここらへんが妥当なところだと思う」
小椋「ふむふむ」
綾野「ほぉ〜」
杉浦「でここからが本題なんだけど榊原くんに教えてもらえる良い案があるの‥‥」
杉浦「ホモ説を逆手にとるんだけど‥‥‥‥」
小椋「えええーそんなことするの?」
綾野「それちょっとこういっちゃん可哀そうじゃない?」
杉浦「いやこれが最善の方法だわ そこで泉美がまた頼めば必ず教えてもらえるようになる」
小椋(まぁ確かに確実だね これで榊原くんが断るわけない)
小椋(そこで私が泉美より先に頼めば良いわけね‥‥ふむ)
小椋「よし!杉浦さん頼むわね」
ガララッ スタスタスタ
恒一(ん?なんだろう この視線‥‥)
ポンポン
恒一「あっ勅使河原おはよ」
勅使河原「おいちょっと来い」グイグイ
恒一「え?何?」
勅使河原「良いから来いって」
勅使河原「昇降口の掲示板にある夜見北新聞見たか?」
恒一「え?何それ?見てないよ」
勅使河原「ちょっとついて来い」
ガヤガヤ キャー ナニコレ ウワーマジデ ジツニフェアダネ コレッテコノマエイチイダッタヒト?
恒一「んなんだ?あの人だかり」
勅使河原「ちょっとどいてくれ」
ウワー ホンニンキタ━ヽ( ゚∀゚)ノ┌┛)`Д゚)・;’━!! フェアナヒトダ‥‥ イケメンッテヤッパリ‥‥
勅使河原「これ見ろ‥‥」
恒一「ん?‥‥」
4月26日、この夜見山北中学校に1人の転校生がやってきた
それから約1ヶ月すぎた今その転校生榊原恒一(14)がホモでないかという噂が出始めている
最初に疑惑が浮上したのは中間試験後最初の授業があった5月‥‥‥‥
(中略)
同じクラスのK君はこう話す「ホモが悪いことだとは思いません 特に榊原の場合あの容姿と気さくな性格により転校当初から 女子共のアタックはすごかった 俺なら発狂して殴ってますね」
さらにM君も「あいつは普通の学校生活を求めている 女子たちの色気より俺達との熱い友情に傾いた ただそれだけだと思うね」
今後もこの議論は物議を醸しそうだ
前→恒一「ねぇ由美、フェラしてよ」 小椋「顎疲れるからいやだ」
勅使河原「おい大丈夫か?‥‥」
恒一「」
スタスタスタ
勅使河原「おいサカキどこ行くんだ?待ってくれよ~」
〜〜
杉浦「よし!相当なダメージを受けてる」
小椋「‥‥」
綾野「こういっちゃん落ち込んでる‥‥慰めにいってあげたい‥‥」
小椋(可哀そうだけど堪えるのよ由美!ここで頑張らないと将来に関わるわ)
杉浦「泉美に早く教えないと」ダダダ
小椋「よし泉美に悪いけど私たちも行くわよ!」
恒一(どうしてこうなった‥‥勉強教える相手に女の子を避けてきたからか‥‥)
恒一(もうまともに教室いられないよ‥‥彼女でも作れってことなのかな)
恒一(もう一度あの通信使に載るぐらい女の子との噂が広まれば大丈夫なのかな‥‥ハァ)
勅使河原「おいサカキ元気出せって 俺が付いってるって」サスサス
恒一「ありがとう でもこんなことしてたらますます噂が‥‥」
ガララッ
恒一「!?」ビクッ
勅使河原「おっ綾野と小椋じゃん どうしたの?」
小椋「ねぇちょっと話があるんだけど良いかな?」
恒一「え?僕に? 良いけど‥‥」
恒一「‥‥あ‥‥あぁ」
小椋「でね、お願いがあるの!私にこの1年勉強教えてください!」
恒一「!? い、1年?」
小椋「はい!!」
恒一「‥‥え?」
綾野「由美はマジです 将来が掛ってるんです」
恒一「‥‥」
勅使河原「‥‥」
恒一(小椋さん可愛いけどちょっと怖いんだよなぁ‥‥)
勅使河原(なんでこのタイミングなんだ‥‥)
勅使河原(‥‥まさか!あの新聞こいつらが‥‥)
恒一「とりあえず1年はわからないけど‥‥1ヶ月ぐらいなr」
勅使河原「サカキ!」
恒一「え?何?」
勅使河原「‥‥」(いや‥‥これはサカキの為にもなるのか)
勅使河原「いや‥‥何でもない」
小椋「うん!(よし!!)」
綾野「由美やったね」
小椋「じゃあそういうことで 早速明日の放課後私の家に来てもらうわね」
恒一「え?明日?」
小椋「駄目?良いでしょ じゃ彩行こ」スタスタ
バタン
恒一「‥‥不安だなぁ」
勅使河原「‥‥」
小椋「よっしゃあああああ」ガッツポーズ
綾野「良かったねぇ〜 でさ、なんで1年なんて言ったの?そんなの無理に決まってるじゃん」
小椋「あぁそれね いやー無理だろうと思ったけどあわよくばね」
小椋「それにわざと無理難題をふっかけて断られたらすぐ引くじゃん」
小椋「すると相手としたらちょっと譲ってもらったって気になるでしょ?」
小椋「そうなると他が通りやすいのよ」
小椋「1週間から1ヶ月に伸ばすのと1年から1ヶ月に減らすの、結果は同じだけど印象が違うってわけ 詐欺師の常套手段よ」エッヘン
綾野「‥‥由美ってやる時はやるんだね‥‥」アハハ
綾野「それ‥‥誰に教えてもらったの?」
小椋「千曳だよ」
綾野「‥‥」
杉浦「泉美行ってきな 大丈夫だからおkもらえるよ」
赤沢「ホント? グスッ」
杉浦「大丈夫だって信用しなさい」
赤沢「うん!わかったわ」キリッ
スタスタ
赤沢「恒一くんちょっと良いかしら」
恒一「あ、赤沢さんもう学校来れるんだね」
赤沢「おかげさまでね それでもう一度勉強のことお願いしたいんだけど‥‥いいかしら?」
杉浦「!?」
赤沢「え?また?なんで?どうしてなの?」
恒一「いや‥‥小椋さんに教えることになってね‥‥一緒でなら別に良いけど‥‥」
赤沢「」←『なってね』までしか聞いてない
恒一「赤沢さん?」
赤沢「あぁ‥‥そういうことだったのね‥‥あなたと由美が‥‥ごめんなさいね」
恒一「?」
スタスタ
恒一「お、お邪魔します」
小椋母「あら、いらっしゃいあなたが榊原くんね 由美から聞いてるわ 娘をよろしくねウフフ」
恒一「あっはい‥」
小椋母「泉美ちゃん彩ちゃんも久しぶりね ゆっくりしていって」
小椋「もう!来ないでよ さがってて」グイグイ
小椋「ちょっと先に私の部屋行ってて、この人どうにかするから」
恒一「あはは‥‥」
恒一(この部屋かな‥‥?)
綾野「あっそこは駄目!」
恒一「えっあっごめん ああもう一つ奥か‥‥」
綾野(危ない危ない‥‥)
赤沢「〜♪」ルンルン
恒一(ここが小椋さんの部屋か‥‥なんか良い香りがするな‥‥)
恒一「綺麗な部屋だね」
綾野(全部片付いてる‥‥ しかも少し香水の匂いが‥‥さすがね)
赤沢「〜♪」ルンルン
赤沢「でも良かったわ〜恒一くんったら由美とお勉強するなんて言いだすからてっきり付き合ってるのかと思っちゃったじゃない」
恒一「あはは‥‥」
赤沢「もともと私も呼ぶ予定だったのね 安心した♪」
綾野(泉美の落ち込みっぷりが尋常じゃなかったからね‥‥さすがに可哀そうだった‥‥)
恒一「いいもの?」
綾野「うんいいもの♪ 確かここに‥‥」ガラッ
綾野「ほーらあった 由美のし・た・ぎ」ニコ
恒一「ぶへっ!!ちょ、ちょっとそれはまずいんじゃない?」
綾野「大丈夫だって へいパース」
恒一「うわっ!」アタフタ(どうしよう‥‥あっ小さくて柔らかい ダメダダメダ)
恒一「はい赤沢さん」ポイ
赤沢「えっ何渡すのよ いらないわよ はい彩」
綾野「もう一枚ついかあああ へいパース」
小椋「お茶とおやつ持ってきたよ〜‥‥‥‥え?」
綾野「へい由美 パース」
ボス
小椋「」
小椋「なにしてんのよおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
〜〜
〜〜
恒一(痛い‥‥ なんで僕だけ叩かれるんだ‥‥)ヒリヒリ
綾野「もう そんな怒らないでよ〜」
赤沢「彩のせいよ 恒一くんに謝りなさいよ」
綾野「ごめんなちゃい テヘ」
綾野「監視役だよ〜それに私も少しでも恩恵にあずかろうかとね テヘ」
小椋「あくまでも私の学力向上が第一だからね 邪魔しないでね」
小椋「泉美もわかってるわよね あんたは成績良いんだから別に教えてもらうこともないでしょ」
赤沢「まぁ良いわ 呼んでくれただけで良し 序でに勉強させてもらいますけどね」
恒一「じゃあ早速始めようかな‥‥」
恒一「まず最終的な目標は高校受験成功だよね そして短期的な目標は期末試験20位以内だったね」
小椋「はい!そうです」
恒一「とりあえず〜えっと中間試験の成績見せてくれないかな?」
小椋「え‥‥」
綾野「だしなよ〜」ヘイヘーイ
小椋「‥‥はい」スッ
恒一「ふむ‥‥ふむ」
ニョキ
赤沢「どれどれ‥‥うわ酷いわね‥‥」
綾野「私が勝ってる‥‥だと?」
小椋「あんたらは見るなあああああああああ//」
恒一「女の子で数学得意なのって意外だよね」
小椋「そうかな?」
綾野「うん少ないよ」
赤沢「私も数学は苦手かな」
恒一「うん、これなら大丈夫だよ まだ全然時間はあるしなんたって5科目しかテストないしね」
小椋「?‥‥普通5科目でしょ?」
恒一「僕のいた東京の中学校は12、13科目あったよ」
小椋「え?13?」
赤沢「‥‥それってホント?」
赤沢「‥‥」
恒一「あっ違うな理社は学期毎に変わった気がするな11かな?」
小椋「英語のR、G、Sって何?」
恒一「あぁリーディング グラマー サイドリーディングだよ」
綾野「よくわかんいけどほえ〜」
赤沢「何日テストするのよ‥‥」
恒一「5日間だよ だけど期末の後はテスト休みがあって楽なんだよね」
小椋「なるほどねぇだからあんな点数獲れるわけだ こっちは半分以上テストないんだもん 」
恒一「でも高校になったらみんなそうなるんじゃないかな?」
綾野「え‥‥マジですか?」
恒一「た、多分ね」
赤沢(私はそんな学校目指そうとしてたのか‥‥アババ)
恒一「そうだね それで合計500満点の試験だからあまり差は付かない」
恒一「だから挽回のチャンスは大いにあるよ」
小椋「良かった」
恒一「重要なのは取りこぼさないこと ケアレスミスをしないことだね」
小椋「ねぇところで恒一くんは中間496点なんでしょ、どこ間違えたの?」
恒一「あっ数学の途中式をちょっとね‥‥」
小椋「気になるから教えなさいよ」
恒一「いやぁ十分条件の記号のところを必要十分条件の記号使ったら4点も引かれたんだよね‥‥久保寺先生に嫌われてるのかな‥‥」
小椋「‥‥良くわからないけどドンマイ‥‥」
恒一「じゃあまず得意の数学から中間までの復習をやろうか」
小椋「うん♪」
恒一「これは単純な円順列じゃなくて、緑を固定した時に反対に緑が来て2通り現われるものとそれ以外に緑が来て独立に数えるものとわけないといけない」
小椋「うんうん」
綾野(あー暇だな〜)
赤沢(教えてる時の恒一くん凛々しいわね はぁかっこいいなぁ)
ごめん、ちょっと良くわかんない・・
誰か教えて
グロゲーでお勧めの教えてって言われて
全部√がグロのゲームを出すところを
一部ヒロインの√だけグロい箇所があるゲームを教えたら4点ひかれた
⇒ これだったら正解だったけど
⇔ こう書いた
恒一「(1)との違いはなんだと思う?」
小椋「違いなんてあるの?」
恒一「数直線で表すとわかりやすいよ (1)はこう (2)は1解だけ1より大きいんだからこうでしょ?つまり?」
小椋「あっ!解がちょうど1の時があるかないかか!」
恒一「そう!だからそこだけを考えればいいわけ大抵の問題は(1)、(2)、(3)と関連性があるからね」
小椋「なるほどぉ わかりやすいね さすが榊原くん!」ポンポン
恒一「いやそれほどでも〜//」テレ
綾野(くっそCPUつええ)ピコピコ
赤沢(教え方を由美に褒められて照れてる恒一きゅん可愛い)
恒一「いやだからここは違うでしょ 境界線含んでここまでだって」
小椋「いやこれ代入して出てきた解がこれなんだから範囲は-2≧xでしょ だから此処含まないよ」
恒一「えっちょっと待ってね‥‥」
恒一「‥‥」
恒一「あっホントだ‥‥」
小椋「ほらぁ 合ってるじゃん」
恒一「‥‥ごめん」
小椋「合ってるじゃーん」
恒一「ごめんなさい」シュン
綾野「zzz」
赤沢(由美に間違い指摘されてシュンとなってる恒一きゅん可愛い)
恒一「そうそうだからね、数学ってすごいんだよ 数学の記号って世界共通でしょ だから言いかえると数学記号 数学言語っていうのは世界で最も使われている言語って考えられると思うんだよね」
小椋「うんうん」
恒一「宇宙人との交信で使われるのって何か知ってる?」
小椋「あっ聞いたことある 素数だっけ?」
恒一「そうそう モールス信号みたいなので素数の文字列を発してそれに反応すれば人間に近いもしくはそれ以上の知的レベルの生物がいることが証明できるってこと」
恒一「つまり素数って‥‥」
ワイワイ
綾野(zzz)
赤沢(何の話してるのかわからないけど 由美に子供のようなキラキラした目で教えてる恒一きゅん可愛い)ウズウズ
恒一だけに…ってやかましいわ!
恒一「あれ?もう8時だ‥‥ヤバい帰らないと‥‥ってかお腹減った‥‥」
小椋「じゃあウチで食べてく?」
恒一「え?良いの?」
小椋「うんうん良いよ ほらカレーの匂いするでしょ お母さんもどうせその気だから フフ」
小椋「泉美も食べてくよね?」
赤沢「そうね恒一くんが食べてくなら私もご馳走になろうかしら」
小椋「ほら彩起きて晩御飯だよ」
綾野「ほぇ?ご飯食べるぅ〜」
小椋「カレーだよ〜」
ピシャ
綾野「今起きました! 食べます」
小椋「じゃリビング行こっか」
小椋母「榊原くんどうかしら?お口に合う?」
恒一「あっはいおいしいです 」ニコッ
小椋母「まぁ 気にいってもらって良かったわ」
綾野「おいひぃ」モグモグ
小椋「ちょっと榊原くんに絡まないでよ」モグモグ
赤沢(由美のお母さんのカレーは確かにおいしい‥‥私ほどじゃないけど‥‥)モグモグ
恒一(おいしいなぁ 母親の料理ってこんな感じなのか‥‥)
モグモグ モグモグ
小椋兄「おい!ババァ!さっさと飯持ってこいよ」
恒一「!?」ビクッ
小椋兄「!?」
小椋兄「チッ 友達来てるならそう言えよ しかも男もかよ」
ピシャ
一同「‥‥‥‥」
小椋母「‥‥見苦しいところ見せてごめんね」
恒一「あっいや 大丈夫です‥‥」
綾野「ハハ‥‥」
赤沢「‥‥‥‥」
小椋「‥‥‥‥」
スタスタスタ
恒一(小椋さんあれから全く喋らなくなった‥‥)
恒一「ねぇ綾野さん ご飯の時の事なんだけど‥‥」
綾野「‥‥」
恒一「あの人は小椋さんのお兄さんだよね?」
綾野「あっうん」
恒一「高校生?大学生かな‥‥?」
綾野「いやーどうだろうね‥‥へへ」
恒一「えっ‥‥」
綾野「あっダメ!」
赤沢「フゴフゴ」
恒一「あっなんかゴメン‥‥」
綾野「いや良いんだって じゃあ私たちこっちだから!また明日―」ノシ
赤沢「フゴ こ、こういちきゅん また明日―」ノシ
恒一「またねー」ノシ
スタスタスタ
恒一(あまり言いたいことじゃないみたいだな 聞かない方がよさそうだ‥‥)
勅使河原「おい昨日小椋の家行ったんだろ?どうだった?」
恒一「あぁ 楽しかったよ 小椋さん集中してやってくれるし僕の雑談にも楽しそうに聞いてくれるし」
勅使河原「え?お前のあの変な数学の話小椋が聞いたのか?」
恒一「変な話じゃないよ 面白い話だよ! でもあんなに楽しそうに聞いてくれたのは嬉しかったなぁ エヘ」
勅使河原「信じられないわ〜」
恒一「すぐゲームしようとするお前らに教えるより大分楽だったよ 」ハハ
勅使河原「じゃあ まぁなんにしろ良かったじゃねえか‥‥な!」
恒一「うん そうだね」
〜小椋家〜
小椋「行くよー 結果発表!!!」
恒一「‥‥」ゴクリ
綾野「‥‥」ニヤニヤ
赤沢「‥‥」ワクワク
バサッ
小椋「なんと!!合計点が467点!!学年順位は〜9位!!!」
ガタッ
恒一「よしっ!」ニギリコブシ
綾野「やったね!!」
赤沢「おー」パチパチ
さすがおぐりん
小椋「あっ!そのことなんだけど‥‥榊原くんにこの先も勉強教わるなら良し駄目なら塾行くか家庭教師付けるから部活やめろって言われたの‥‥」
小椋「うぇーん‥‥どうせ私は部活やめる運命だったんだ‥‥グスッ」
小椋「もう彩達と遊べなくなるなんて‥‥私はなんて可哀そうなの‥‥グスッ」チラッ
恒一「えっ‥‥」アタフタ
綾野「由美可哀そうに‥‥」ナデナデ
綾野「こういっちゃんがやるって言ってくれれば解決するけどさすがにこれ以上は頼めないよね‥‥」チラッ
赤沢「しょうがないわね‥‥ あー由美可哀そう‥‥」ナデナデ
恒一「‥‥」
恒一「い、良いよ これからも教えてあげるよ‥‥僕も続けたかったし‥‥」
小椋「え?そうだったの?」
恒一「うん 楽しいからね」
赤沢(これでまた恒一くんとお勉強出来る!)
小椋(よっしゃ!!)
綾野(やった!!)
恒一「いやいらないよ さっきも言ったように僕も楽しませてもらってるしね」
小椋「ホントに良いの?」
恒一「もちろん 夕ご飯何度もご馳走になってるし 最近は日曜も来てるじゃん」
小椋「ありがと!」
恒一「うん これからもよろしくね」
ガサゴソ
小椋「これでも飲んでパッーとやろー!!」
綾野「イェーイ」
赤沢「来たわね!」
恒一「えっこれってお酒じゃないの?」
小椋「えっ?そうだけど?」
恒一「まだ僕たち中学生だよ?」
綾野「気にしない気にしない」
恒一「ちょっと待ってよ親とかにばれたら‥‥」
小椋「あーお父さん出張で帰ってこないしお母さんは友達と旅行いったから大丈夫」
綾野「ほらーこういっちゃんも飲もー」ベロンベロン
恒一「うわっ!酔うのはやっ!」
赤沢「ほらほらー こういちきゅんも早く〜」ブチュ
恒一「んん!? ん‥‥んっ」プハァ
赤沢「えへへ おいしい?」
ベシッ
小椋「あんたら酔いすぎよ それに榊原くんに何やってんのよ!!」
綾野「由美が持ってきたんじゃーん 飲みなよ〜」ヘイヘーイ
小椋「ちょっ‥‥やめ、あああああ」
恒一(あっーぼーっとしてきた ヤバい‥‥)
‥‥‥‥
ユサユサ
「‥‥らさん‥‥小椋さん起きて!話があるんだ」
ユサユサ
小椋「‥‥ほぇ?」
恒一「ねぇちょっと起きて、話があるんだ?良いかな?」
小椋「もーなによ〜? 彩と泉美は‥‥寝ちゃってるのか‥‥で?何?」
恒一「好きだ! 付き合ってほしい!」
小椋「」ポカーン
恒一「大好きだ 付き合ってほしい」
綾野「えんだあああああああああああああああああああああああああ」
小椋&恒一「!?」ビクッ
綾野「いやああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁっ‥‥」
綾野「zzz」
恒一「‥‥」
小椋「‥‥」
恒一「小椋さん‥‥いや由美!僕の恋人になってほしい」
小椋「!?」ドキーン
小椋「え?ちょっと待って酔ってるの?」
恒一「酔ってない 本気だよ」グイ
小椋「うわっ!!ちょっとストップ!!」
恒一「なに?付き合ってくれるの?」
小椋「ちょっと待ってね 良い?」
恒一「うん」正座
恒一「うん」
小椋「なんで今なの‥‥かな?」
恒一「‥‥」
恒一「‥‥なんか気持ちが抑えられなくなって‥‥急に愛おしくなって‥‥やっぱりお酒のせいかな‥‥?」ショボーン
小椋「‥‥」
小椋「榊原くんの気持ちはわかったけど‥‥ちょっと今返事は出来ない‥‥かも」
小椋「ちょっと考えさせて!」
タッタッタ
恒一「あっ‥‥」
ガチャ バタン
恒一「部屋でていっちゃった‥‥」
小椋(ヤバいヤバいヤバい榊原くんに告白された!お酒の勢いがあったとは言えあれは完全に本気の目だった‥‥ )
小椋「『由美!付き合ってほしい』‥‥キャーヤバイー//」ジタバタ
小椋(いつからだろう 家庭教師として頻繁に家に来てもらってるんだから私の事嫌いじゃないってのはわかってたけど‥‥まさか好きだなんて‥‥)
小椋「『由美!大好きだ』‥‥ウヒョーキャー//」ジタバタ
小椋(私は榊原くんのこと‥‥もちろん嫌いじゃない‥‥けど‥‥好きなのかな?‥‥でも一緒にいると安心するしイヤだと思ったことない‥‥ちょっと家族みたいとか思ってたかも‥‥)
小椋「『由美!結婚しよう』‥‥‥ア―キャアア―//」ジタバタ
小椋(何よこれ‥‥私も好き‥‥イヤ大好きじゃない! 断る理由なんて無いわ よし!)
小椋兄「おい!さっきからうるせえよ」
小椋「あ、兄貴!?」
小椋兄「隣で何騒いでたんだよ!黙らせろよ」
小椋「兄貴は関係ないでしょ!それより部屋来ないでね」
小椋兄「おいなんだよその言いぐさはよ 調子乗ってんじゃねぇぞ」
小椋「何よ‥‥引きこもりが偉そうに‥‥」
ギャーギャーワーワー
ガラッ
恒一「あっ小椋さん どこいってたの?」
小椋「あっ‥‥ちょっとリビングにね‥‥泉美達まだ寝てるのね」
恒一「あっうん‥‥」
小椋「それよりさっきの話なんだけど‥‥//」
恒一「ちょっと待って 一つ聞きたいことがあるんだけど良いかな?」
小椋「え?なに‥‥」
恒一「お兄さんいるよね さっき話してたみたいだけど‥‥」
小椋「‥‥聞かれてたのか‥‥うん」
恒一「何してる人なの?」
小椋「ちょっと待って告白の返事は良いの?」
恒一「‥‥その前に聞いておきたいんだ 小椋さんの家族の事だからね お願い」
小椋「‥‥」
小椋「あのね‥‥」
小椋「‥‥って感じなの‥‥私も困っててね」
恒一「小椋さんはお兄さんのことどう思ってるの?」
小椋「‥‥」
小椋「‥‥こう言うの悪いかもしれないけどあんな人さっさと出ていってほしいと思ってる 」
恒一「‥‥」
小椋「だってそうでしょ 私達家族に散々迷惑かけて‥‥私のせいだけど間接的に榊原くんも‥‥ね」
恒一「僕は迷惑って思ってない‥‥それでそれはホントの気持ちなの?」
小椋「‥‥どういうこと?」
恒一「小椋さんの話聞いてて今のお兄さんへの嫌悪感と共に昔のお兄さんへの尊敬の念も伝わってきたからね」
恒一「ホントはお兄さんの事助けてあげて昔みたいに戻ってほしいんじゃない?」
小椋「‥‥‥‥」
小椋「ど、どうするの?」
恒一「話聞いた限りPCが原因だよね それをどうにかすればいいと思うんだ」
恒一「ただこちら側から介入して急にPC取り上げるってのは逆効果だと思う」
恒一「お兄さん自らPCをやめる PCに飽きた、とかそう思わせるのが必要だと思うんだ」
小椋「うん‥‥前に親が取り上げようとした時暴れてヤバかったんだ‥‥それ以来きつく言えなくて‥‥ね」
恒一「まずは確認からだな‥‥ちょっと待っててね」
恒一「よし」
小椋「何してきたの?」
恒一「ちょっとインターネットの接続切ってきたんだ
恒一「今お兄さんがネットを使っていればそれに気付いて再接続するために部屋を出ることになる そこがチャンスだ」
ガチャ
小椋兄「くっそなんなんだよ 故障か?」
恒一「よし‥‥」
スタスタスタ
ガチャ
小椋「どうだった?」
恒一「いろいろ確認してきた‥‥お兄さんは今ある掲示板に嵌ってるらしい」
小椋「掲示板?」
恒一「うん電子掲示板 まぁいうなればネット上の集会所ってとこかな」
恒一「そこにずっとアクセスしててある話題に関して書き込んで言葉交わしてたりしてる」
小椋「でも‥‥それでどうするの?」
恒一「ちょっと僕に考えがあるんだ 今日はもう家に帰るね」
恒一「なんか後回しになっちゃったけど返事はお兄さんをどうにかした後聞かせてもらうよ」
小椋「‥‥な、なんでそこまでしてくれるの?」
恒一「‥‥」
恒一「好きな女の子の悩み一つも解決できないなんて彼氏になる資格無いと思うんだ」
恒一「だから付き合う前に解決したいんだ‥ じゃあまたね」
小椋「‥‥あ、うんまたね//」
その後に何者かによって掲示板のサーバーがハッキングされ壊されて閉鎖に追い込まれたのも後押しになったようだ
榊原くんのお父さんは大学の教授だったので東京の優秀な予備校の先生を知っておりその先生に相談して
兄貴の志望校合格のための完璧なプラン作りと使える参考書を送ってきてくれた
兄貴は今それ通り必死に宅浪生として勉強している
〜〜
恒一「ごめんね 急に来ちゃって」
小椋「いやいや良いの良いの」
恒一「それでお兄さんは今どうしてる?」
小椋「ちゃんと隣で勉強してるよ」
恒一「ホント!? 良かったぁ〜」
小椋「お母さんもお父さんもホントに良かったって言ってる 榊原くんのおかげだよ ありがとう」
恒一「いやいや僕は大したことしてないよ 受験生として再出発を決意したのはお兄さん自身だからね さすが小椋さんのお兄さんだね」
小椋「うん それでこの前の返事なんだけど‥‥」
恒一「あっ‥‥忘れてたよ ヘヘ」
小椋「わ、私も榊原くん いや恒一くんの事が大好きです 付き合ってください」
恒一「あ、ありがとう 僕も由美のことが大好きだ これからよろしくね」
小椋「うん、よろしく//」
恒一「今思えばあの時は積極的だったなぁ〜 ハハ」
小椋「あー今さら撤回してももう離さないよ!//」ギュ
小椋兄は2浪ということもあり医学部に進学した そのことがこの2人の将来に多大な影響与えたことは言うまでもない
終わり
杉浦さんの予想で合ってる あの数学の長話とかどうでもいい話を 最初に女の子に教えた時にこっぴどく否定されたのが原因
女の子は数学苦手って先入観もあって教えづらかった
だから親身に楽しそうに聞いてくれた小椋さんに惹かれた
Entry ⇒ 2012.05.15 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
恒一「修学旅行」
久保寺「今日は皆さんが待ちに待った修学旅行の班決めと班別の行動計画を決めていただきます」
勅使河原「遂にキター!!!」
中尾「中学校生活最大のイベント!!!」
久保寺「叫びたい気持ちは分かりますがお静かに…」
「まずは班決めから行いたいのですが、私としても皆さんには修学旅行を楽しんで貰いたい」
「ですのでクジ引き等は行わず皆さんで話し合い班を組んで下さい」
「男女3人ずつの班が4つ、男2女4の班が1つ」
「では今から10分時間を取りますのでどうぞ」
勅使河原「サカキ、望月ー!一緒に組もうぜー」
恒一「うん、いいよ」
望月「僕もいいよ」
綾野「泉美、由美ー!組もー!」
赤沢「はいはい、分かったから大声で呼ばないで」
小椋「彩、はしゃぎ過ぎ」
中尾「赤沢さーん、俺と組んでくれー!」
赤沢「さてと…あとは男子3人ね」
「おっ、こういっちゃん達まだ組んでない?」
恒一「うん、まだだよ」
綾野「じゃあ私達と組まない?」
勅使河原「おっ、演劇部三人からお誘いか?俺はOKだぜ!」
赤沢「勅使河原には誰も聞いてないわよ」
恒一「あはは…僕はいいけど望月は?」
望月「拒む理由も無いし」
中尾「……無視された」ショボーン
前島「はは…」
水野「まぁ元気出せよ中尾」
―――
――
―
A班:榊原/勅使河原/望月/赤沢/綾野/小椋
B班:猿田/王子/風見/松井/金木/桜木
C班:辻井/川堀/米村/有田/中島/多々良
D班:前島/水野/中尾/佐藤/渡辺/杉浦
E班:和久井/高林/藤巻/江藤/見崎/柿沼
久保寺「3組の皆さんは実に仲が良い」
「私としても助かります」
「では、次は同じ班の皆さんで集まり行動計画を立てていただきます」
「観光ガイドブックを各班一冊ずつ用意しておりますのでそれを見ながら話合って下さい」
赤沢「はぁ?そんな事も知らないで計画立てようとしてたの?」
「夜見北の修学旅行は二泊三日で京都と奈良に行くのよ」
「一日目と二日目は班毎に計画を立てて行動するの」
「ただし一日目はあっちに着くのがお昼頃になるから半日しか行動出来ないわ」
小椋「泉美が珍しく有能だ…」
恒一「じゃあ京都と奈良、どっちを二日目にするか決めないとね」
赤沢「そうね、多数決で決めましょうか」
結果:京都4、奈良2
赤沢「じゃあ一日目は奈良、二日目は京都…ということで計画を立てていきましょう」
赤沢「なんとか決まったわね」
綾野「今から楽しみだねー、こういっちゃん!」
恒一「うん、そうだね」ニコ
赤沢「(彩…手強い相手ね…)」
「(まぁ今に見てなさい…最後に恒一君をゲットするのはこの私よ)」
勅使河原「おーっす……」フラフラ
恒一「うわっ、勅使河原元気ないね」
勅使河原「へへっ…楽しみ過ぎて全然寝れなかったぜ……」
望月「…小学生かよコイツ」ボソッ
久保寺「3組は全員集まったようですね」
「駅までバスで行くので班毎にまとまって乗って下さい」
赤沢「勅使河原はうるさいからずっと寝ててくれたほうが助かるんだけど」
綾野「由美は昨日ちゃんと寝れたかな?一年の時の林間学校みたいに―」
小椋「うっさい!寝れたわよ!」
望月「ところで榊原君、例のモノ持ってきてくれた?」ヒソヒソ
恒一「ああ、怜子さんの小さい頃の写真ね、持ってきてあるよ」
「でも意外だな 望月ってただの年上好きだと思ってたんだけど…」
望月「ふふふ、甘いね榊原君 三神先生を愛するという事は三神先生の全てを受け入れるって事なんだよ」
恒一「そ、そっか…」
―新幹線―
勅使河原「いやー、良く寝たぜ!」
赤沢「うるさい」
望月「京都駅に着くまで結構時間あるし何かやろうよ 一応UNOとトランプは持ってきたよ」
勅使河原「ふふふ…俺は王様ゲームの用意をしてきたぜ!」
小椋「はぁ?」
綾野「面白そーじゃん、やろうよ!」
勅使河原「そうだそうだ!」
「んじゃ早速、王様だーれだ!」
恒一「強引に始めた…」
赤沢「はぁ…仕方ないわね」
「えっと、じゃあ…2が4の頬にキス」
赤沢「んなっ!?」
勅使河原「望月…最初から飛ばしやがるぜ」
恒一「えっと…僕が4なんだけど…」
綾野「わーい、私が2だよー!」チュッ
恒一「あ、綾野さん///」
赤沢「っく…次よ次!」バンバン
望月「あれ?また僕が王様か…」
赤沢「(私の番号は3…さぁ恒一君とのキスよ来い…)」
小椋「(泉美が真剣な顔になってる…)」
望月「じゃあね、3が―」
赤沢「(よし!第一関門突破…でも次が重要よ…)」
望月「1にデコピンされる!」
赤沢「」
赤沢「早く……しなさいよ………」
勅使河原「赤沢…すまん!」ビシッ
赤沢「別に…気にして無いわよ?」ゴゴゴゴゴ…
勅使河原「ひぃ!」
小椋「あはは…もう王様ゲームは終わりにしよ?ね?」
恒一「そ、そうだね…」
王子「猿田君、バナナ持ってきたんだけど食べる?」
猿田「からかうなぞな!でも食べるぞな!」
松井「杏子ちゃん…///」
金木「亜紀…///」
・C班
川堀「京都や奈良にイイ男居るかな…?」
辻井「変な問題起こすなよ?」
米村「ははは…」
中尾「畜生…修学旅行をキッカケに赤沢さんと仲良くなろうと思ったのに…」
水野「もう引きずるのはやめて修学旅行を楽しもうぜ?」
・E班
江藤「柿沼さん、本ばっか読んでて疲れないの?」
柿沼「え?うーん、本は読み慣れてるからそれほどでも無いかな?」
江藤「へぇ」
藤巻「アタシなんか1,2ページ読んだだけで頭が痛くなってくるよ」
久保寺「それではここからは班別行動です」
「18時までに宿泊所に来てください」
「各クラスの担任・副担任の先生方が有名な寺院等を巡回しているので何かあったら気軽に声を掛けて下さいね」
赤沢「さて、私達はまず電車に乗って奈良まで行かなくちゃね」
勅使河原「うえー、また乗るのかよ」
小椋「せいぜい40分くらいでしょ 我慢しなさいよ」
望月「それにしても大きいね、京都駅」
恒一「鹿がうじゃうじゃ居るね…」
赤沢「約1200頭居るらしいわ そして全て野生動物よ」ドヤ
綾野「あ、鹿煎餅売ってるよー」
勅使河原「よーし、ちょっくら買ってくるか」
望月「なんか嫌な予感がするなぁ」
勅使河原「うお!?鹿煎餅買ったら急に鹿が寄ってきやがっ…うわっ、やめ…舐めるな!」
恒一「うわぁ…」
小椋「うわっベトベトじゃん それに臭い」
綾野「うわー、てっしー臭い」
赤沢「臭いから近付かないでくれる?」
勅使河原「畜生…ひでぇよ……」
望月「なんで鹿煎餅売ってる人達には奪いに掛からないんだろう」
恒一「不思議だね」
恒一「これが奈良の大仏かぁ、大きいね」
赤沢「東大寺盧舎那仏像ね ちなみに高さは約14.7メートルよ」ドヤ
綾野「ますます由美の小ささが目立っちゃうね〜」
小椋「うっさい!まだ中3だし!これから伸びるし!」
望月「三神先生8人…いや9人分くらいかな…」
勅使河原「(臭い落ちないなぁ)」
勅使河原「あれが五重塔ってヤツかー」
望月「三重塔っていうのもあるみたいだね」
赤沢「五重塔っていうのは仏塔の形式の一つで、層塔と呼ばれる楼閣形式の仏塔のうち五重の屋根を持つモノの事よ」
「ここ以外にも法隆寺や東寺、室生寺や醍醐寺などにもあるわ」ドヤドヤ
小椋「(最近泉美が図書館や本屋に通ってたのは、こうやって知識をひけらかすためだったのね…)」
赤沢「(ふふふ、奈良に詳しい泉美ちゃん可愛い!さぁ恒一君、食いついてきなさい!)」
綾野「こういっちゃん、あの赤い建物なんだろ?」
恒一「南円堂っていうみたいだね 行ってみようか」
赤沢「」プルプル
―――
――
―
勅使河原「予定してた所、全部は行けなかったな」
赤沢「勅使河原のバカが鹿と喧嘩なんかしてたからね」ゴゴゴゴゴ…
勅使河原「すいません」
恒一「明日も楽しみだね、綾野さん」
綾野「うん!」
望月「(明日は三神先生に会えるといいな)」
勅使河原「うぃー、疲れた疲れた」
中尾「おい、勅使河原!今日の赤沢さんの様子はどうだったんだ教えろ!」
勅使河原「あー、無駄に知識披露したり…あと怒ってたな」
中尾「赤沢さんの持ってる知識に無駄なんて有りはしないだろ!馬鹿かお前は!」
勅使河原「へいへい…」
高林「ゆっくり休まないとね…ただでさえ僕達は体が弱いんだから」
和久井「ははは…そうだね」
風見「(こっそり桜木さんの写真を撮りまくったぞ!これで色々と捗る……明日も楽しみだ)」
辻井「(川堀は放って置くと危ないな…明日は鎖で繋いでおくか)」
望月「ねぇねぇ榊原君、三神先生の大胆な写真持ってない?」
恒一「持ってないよ…」
中尾「畜生…なんで赤沢さんと同じ班になれなかったんだ…なんで……」
王子「そろそろ入浴の時間だね、準備しないと」
猿田「そうじゃのぅ」
中尾「…」ピクッ
「そうだ!女湯を覗こう!!!」
綾野「歩き疲れちゃったよー」
小椋「結構歩いたからね」
松井「そろそろお風呂の時間だね」
金木「ねー」
赤沢「(明日こそは恒一君を…明日こそ明日こそ明日こそ明日こそ……)」
渡辺「風呂かぁ バカ男子共が覗かないように気を付けないとな」
藤巻「中尾辺りがやらかしそうだな」
杉浦「あぁ、それならさっき浴場の近く通った時に―」
水野「いやー、気持ちいい」
前島「疲れが一気に取れるような気分だね」
水野「それにしてもアイツら…どうしたんだ?」
前島「さあ…?」
中尾・勅使河原・風見「」
勅使河原「(俺達が女湯に侵入しようとした時、ヤツは突然現れた)」
「(まず最初にやられたのは中尾)」
「(中尾が『ここは俺に任せてお前らは逃げろ!』と叫んだ直後、ヤツは中尾に重い金的を食らわした)」
「(そして驚いて動けないでいた俺達の目の前へヤツは一瞬で移動)」
「(俺の直哉と風見の智彦を掴みそのまま俺達を投げ飛ばした…)」
川堀「アイツら本当に馬鹿だよな 女の何がいいんだか…」
望月「本当だよ 同年代の女の何がいいんだか…」
恒一「(僕はお前らが心配だよ…)」
勅使河原「よっしゃー!張り切って行くぜー!」
望月「朝からうっせぇな…」ボソッ
赤沢「まずは清水寺ね」
綾野「こういっちゃん、今日は手繋ご?」
恒一「えぇ!?///」
赤沢「!?」
恒一「う、うん///」
綾野「えへへ」ギュッ
赤沢「……ふんっ」ガスッ
勅使河原「いぎぃ!?」
「(でもこういっちゃんは絶対に渡さない…)」
赤沢「(このままではかなり不利ね…でも負けちゃダメよ泉美!)」ゲシゲシ
「(今日のために京都についても色々と知識を蓄えてきたわ!)」ゲシゲシ
勅使河原「なんで蹴るんだよ!ちょっ、痛い痛い!」
小椋「……はぁ」
―――
――
―
勅使河原「坂道長過ぎだろ…まだ6月前だってのに暑い…」
望月「へぇ、ここが清水の舞台か 勅使河原君ちょっと飛び降りてみてよ」
赤沢「残念だけど飛び降りは禁止されてるわ」
勅使河原「禁止されてなかったらいいのかよ…」
恒一「それにしても、よくこんな斜面の上に建ててあるよね」
恒一「へぇ、赤沢さん詳しいんだね」
赤沢「そ、そんな事ないわよ///」
「(やったー!恒一君に褒められた!)」
綾野「懸造って言う構造らしいよ〜」
恒一「そうなんだ 綾野さんも詳しいんだね」
綾野「えへへー」
「(甘いわよ泉美!)」
赤沢「っ!(彩のヤツ…)」
小椋「(彩と泉美が火花散らしてる…)」
望月「……」ピクッ
望月「………来る!!!」
勅使河原「はぁ?」
恒一「…あ、れいk、三神先生」
三神「あら、A班じゃない」
望月「キタ――(゚∀゚)――!!」
三神「こんにちは」
「皆楽しんでる?修学旅行」
恒一「ええ、そりゃもう」
小椋「あ、そうだ 良かったら写真撮ってくれませんか?班の集合写真」
三神「ええ、いいわよ」
望月「三神先生に撮られる…三神先生に捕られる…三神先生に捕らわれる!?」
小椋「ありがとうございます」
勅使河原「お、そうだ!三神先生も並んでください、俺が撮りますんで」
三神「あら、それじゃお願いしちゃおうかしら」
勅使河原「んじゃ、望月の隣にでも」
望月「(て、勅使河原君…!)」
「赤沢は綾野睨み付けてないでこっち見ろ!」
「はい、チーズ!」パシャッ
三神「それじゃあ、私はもう少しここに残るから」
赤沢「はい、ありがとうございました」
望月「勅使河原君…キミってヤツは…」
勅使河原「はは、気にすんなよ!友達だろ!」
望月「見直したよ勅使河原君…これからは小声で悪口言うの控えるよ」
勅使河原「お、おう…」
恒一「人が多いね」
綾野「あはは、迷子になっちゃいそうだね〜 特に背の低い由美とか……あれ?」
小椋「あぅ…皆と逸れちゃった……」
「また彩に馬鹿にされる…」
小椋「さ、佐藤さん!?」
杉浦「あら小椋さんじゃない 一人?もしかして逸れたの?」
小椋「べ、別に…そういうワケじゃ…」
杉浦「はぁ…確か泉美と同じ班よね おい、中尾!」
中尾「ひぃ!?は、はひ、何でしょうか杉浦様!」
中尾「赤沢さんの居場所ですか…お任せ下さい」クンクン
「あ、あっちに居るようです!」
杉浦「そう ほら行くわよ、小椋さん」グイッ
小椋「うぅ…」
赤沢「あら、多佳子じゃない それに由美!」
勅使河原「お?D班じゃねーか」
ふぅ……
綾野「由美ー!心配したんだからー!!!本当に迷子になっちゃうなんてぇ…」ギュー
小椋「別に迷子なんかじゃ……わ、悪かったわよ…」
綾野「えへへー、もう離れちゃダメですからね!」ナデナデ
勅使河原「小椋もサカキと手繋いだらいいんじゃ――ごふっ!?」
赤沢「いい加減にしろよ勅使河原……」ボソッ
中尾「赤沢さん!俺を褒めて下さい!小椋をここまで連れてこれたのは俺が―」
赤沢「うん、ありがとね多佳子」
望月「あはは…それじゃあ小椋さんも見つかったし僕達も行こっか」
勅使河原「やっぱ金ピカなのなー」
赤沢「鹿苑寺の通称『金閣寺』の由来になった建物ね」
綾野「正式には舎利殿って言うらしいよー」
恒一「へぇ、そうなんだ」
赤沢「むっ!………」
「舎利殿は初層・二層・三層のそれぞれに異なる様式を採用した特異な建築になっているわ」
「初層は寝殿造風で『法水院』と称していて、中央に宝冠釈迦如来像、向かって左に法体の足利義満坐像を安置、」
「二層は書院造風で『潮音洞』と称していて、岩屋観音坐像と四天王像を安置、」
「三層は禅宗様の仏殿風で『究竟頂』と称していて、仏舎利を安置してるらしいわ」ドヤドヤドヤドヤァ
綾野「ふっ」ニヤリ
赤沢「んな……」ガクリ
小椋「…まぁまぁ、元気出しなよ泉美」
赤沢「………」
「ドーシテ!ドーシテ!コウイチクン、ドーシテ!」バサバサ
小椋「!?」
綾野「ちょっと泉美!?」
赤沢「ドーシテ!」バサバサ
恒一「うちのレーちゃんみたいになってる…」
勅使河原「ま、まぁ…疲れてんだよきっと…時間が経てば戻るんじゃねーの?……たぶん」
赤沢「ドーシテ!ドーシテ!ドーーシテ!!!」バサバサ
勅使河原「おっ?なんだこの牛の置物、頭がピカピカだぞ」
恒一「なで牛だね、折角だし頭撫でていこうか」
赤沢「ドーシテ!」バサバサ
恒一「天満宮では牛は神使とされてるからね 撫でると頭が良くなるって言われてるんだ」
勅使河原「そうなのかー んじゃ撫でておくかな!」
赤沢「ドーシテ!」バサバサ
望月「勅使河原君、テストの点とか結構ヤバイからね…」
勅使河原「牛さん、牛さん…コイツらを見返すくらいの学力を下さい!」ナデナデ
綾野「私もサボったりしてるから結構辛いんだよね〜」ナデナデ
恒一「授業はちゃんと受けなきゃダメだよ、綾野さん」
綾野「今度から気を付けます!」ビシッ
恒一「そうだね」
勅使河原「八ッ橋買わねぇとなー」
赤沢「ドーシテ!ドーシテ!!!」バサバサ
―――
――
―
中尾「今日こそ女湯を覗く!!!」
「昨日はあんな事があって俺なんて杉浦に逆らえなくなっちまったが…それでも諦められん!」
風見「君…本気で言ってるのかい?」
勅使河原「懲りねぇな、お前…一人で行ってくれ」
中尾「んなっ!?お前ら冷たいな…まぁいい!俺は行くぜ!!!」マカセロー
その後、中尾順太の姿を見た者は誰一人として居ないという
綾野「いやー、泉美が元に戻って良かったよ」
小椋「ホントよね ずっと鳥のままなんじゃないかって心配したわ」
赤沢「え?え?何の事なのよ!?」バサバサ
「(何故か金閣を見た辺りから記憶が無い…)」バサバサ
綾野「まだ腕を翼みたいに振るのは治ってないけどね〜」
恒一「(三日目はとある寺院で坐禅体験をした)」
「(途中、勅使河原が放屁した事により笑ってしまった人達が次々と直堂さんに警策で叩かれる、等のエピソードはあったが…)」
「(まぁどうでもいいだろう)」
勅使河原「色々あったけどやっぱ楽しかったなー、修学旅行!」
望月「そうだね、三神先生と写真撮れたし僕は満足だよ」
小椋「はぁ、帰ったら受験受験ってうるさい毎日がまた始まると思うと憂鬱ね…」
恒一「え?じゃあ貰おうかな?」
綾野「はい、あーん」
恒一「あ、あーん///」パクッ
赤沢「……」
「(彩に随分とリードを許してしまったわ…)」
「(それに二日目の半日分の記憶、未だに思い出せないし…何があったのか問い質しても誰も教えてくれないし…)」
「(はぁ…でも私は諦めないわ!まだ半年以上時間はあるのだから!)」
「(恒一君は私のモノよ!!!)」
―――
――
―
勅使河原「たっだいまー!」
てっしー姉A「おかえりー、なおクン〜寂しかったんだぞ〜」ギュー
勅使河原「ちょ、やめろって姉ちゃん!」
てっしー姉B「ほら、さっさとお土産出しなさい!」
勅使河原「少しくらい待ってくれよ!」
望月「ただいま」
智香「あら、おかえり優矢」
「楽しかった?修学旅行」
望月「うん!楽しかったよ」
「はい、これお土産」
智香「まぁ、ありがとう」ニコ
綾野「ただいまー!」
綾野母「おかえりー、随分元気ね 何か嬉しい事でもあったの?」
綾野父「はっはっはっ、元気なのは良いことだ!」
綾野「えへへー」ニヤニヤ
小椋「ただいま、兄貴」
敦志『…(何か静かだと思ったら修学旅行に行ってたのか)』
小椋「えっとね、兄貴にお土産買ってきてあるんだ」
敦志『…(お土産ねぇ…)』
小椋「お菓子と交通安全のお守り…ここに置いとくね」
敦志『…(なんで交通安全なんだよ!)』
『…(修学旅行、か…あれ、目から汗が……)』
『…(懐かしいな…偶にはどっか出掛けて気分転換するってのも悪くないかもな……)』
赤沢「さてと…恒一君をゲットするための彩対策を考えなくては…」
ガチャッ
和馬「よぉ、泉美!帰ってきてたか!」
赤沢「お、お兄ぃ!ノックくらいしなさいよ!」
「…全くこんな時間までどこ行ってたのよ」
和馬「はははっ、それで俺の分のお土産は?」
赤沢「…図々しいわね はい、これ!」
和馬「サンキュー、じゃあな」バタンッ
恒一「ただいまー」
理津子「おかえりなさい、恒一」
「怜子は一緒じゃないの?」
恒一「怜子さんは先生の用事で少し遅くなるって」
理津子「あら、そうなの」
恒一「はいこれ 皆の分のお土産」
民江「あらあら、ありがとね恒一ちゃん」
亮平「恒一は優しいなぁ 良い孫を持ったもんだなぁ」
理津子「後でお父さんにも送ってあげなきゃね」
恒一「うん!」
3組の皆と行った修学旅行は、恒一にとって最高の思い出になりましたとさ
おしまい
鳴ちゃんを絡ませると他のキャラが動かしにくかったからってのが大きい
本当に鳴ちゃんが空気だったな
なんかいいね、こういうの
乙でした!
乙
Entry ⇒ 2012.05.14 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
赤沢「あら、貴方達も銭湯?」見崎「ええ、この一帯断水みたいね」
ゴッ!
赤沢「」ダラダラダラダラ
見崎「そんな……石鹸を踏んで滑って頭を打って、死んでる……」
見崎「私も気を付けないと…」ツルッ
ゴッ!
見崎「」ダラダラダラダラ
見崎「あなた何を言ってるの?」
赤沢「気にしない気にしない」
見崎「なっ…!」
見崎「無能は頭の栄養が全て乳にいっているから無能なのね…」
赤沢「あははは。好きに言えばいいわ」
綾野「やっぽー一番乗りっ!」
綾野「あれ?泉美も来てたの?」
赤沢「この調子だとクラス全員来そうね」
綾野「あは。泉美のおっぱい大きい〜」
赤沢「ちょ、どこさわってんのよ」タユンタユン
見崎「ふん…」
見崎「別に妬いてない」プイ
綾野「ん〜?まあ、人はおっぱいの大きさじゃないからね」
綾野「見崎さん…髪はすごく綺麗だよ」
赤沢「それは気になるわね。対策が必要だわ」
見崎「別段なにもしてない。シャンプーもメ●ットよ」
小椋「みんな来てたんだ」ツルペターン
見崎「勝った」ペタ
綾野「見崎さん。それどんぐりの背比べって言うだよ?」
赤沢「虚しい戦いね…」
小椋「なっ…!!いいもん。私はどうせ貧乳ですよーっ!」
恒一「断水かぁ…」
ガラ
勅使河原「おっ?さかきー」
恒一「来てたの?」
勅使河原「おうよ。銭湯なんて久々だぜ」
ガラ
望月「恒一君と勅使河原か…」
勅使河原「お、望つ…」ダラダラ
恒一「こ、これは…」ダラダラ
勅使河原「耐えろ…今は耐えるんだ」
望月「えっ?なに言ってるの?」ショタア…
恒一「相手にしない方がいいよ…。あと腰にくらい巻いた方がいいと思うよ」
望月「恒一までなに言ってるのかな?」
勅使河原「取り得ず体も洗ったし湯船に浸かるか…このままでは理性が持たないぜ」
恒一「うん。明日の朝には直るみたいだけどね」
恒一「困るよね。おかげで玲子さんと一緒にくるハメになったし。手まで繋いで来させられたし」ブクブク
望月「三神先生来てるの?え?え?恒一くんどうなの?!」ユサブリ
恒一「う、うん。一緒に来たからね」
勅使河原「待て。落ち着け。夜見北全員体が断水…」
勅使河原「ここら辺で銭湯は一つ…」
勅使河原「つまり、隣風呂には女子…」
望月「ま、まさか…」ゴクリ
ガラ
コノヒンニュウガー ヒンニュウハステータスダヨ
ミニクイアラソイネ
三神先生「あら?皆来てるの」タユンタユンキュキュ
一同「」
見崎「停戦しましょう」
小椋「完全同意」
赤沢「クッ…対策案が浮かばないわ…無能の誇りを受けるしかないのっっ!」
綾野「あは、あははは…」
三神「そうらしいわよ。」
綾野「はいはいーい。三神せんせー質問がありまーす」
三神「なにかしら?」
綾野「せんせーは1人で来たんですか?それとも…」
三神「恒一君と来たけど…」
赤沢「」ガタ
小椋「」ガタ
見崎「」ガタ
赤沢「尋常じゃないわね。早急に対策が必要ね」
見崎「失敗は許されない…」
小椋「恒一きゅんの裸…」ハアハアハアハア
小椋「恒一きゅんのお、おおおおちん…おちん…」
見崎「ま、まさか…」
男湯
勅使河原「みんな聴いてくれ!」
望月「ま、まさか…」
赤沢「なんとしてもっ!男湯を…!」
勅使河原「なんとしてもっ!女湯を…!」
赤沢、勅使河原「覗くッッッ!」
赤沢「最大の障壁は壁だわ…高い…桃源郷への壁は高すぎる…」
小椋「はいはいーい。肩車で覗くのは?定番だし」
見崎「それだと1人しか見られない…」
見崎「それに体力的に無理よ」
赤沢「その通りだわ非力な女子の力では無理ね」
赤沢「他に意見は?」
綾野「んー?この銭湯ってさ、外壁が景色見れるようにガラス張りじゃない」
綾野「大胆不敵だけど、外から観るのどうかな?」
小椋「おっいいね〜」
見崎「GOODアイディア…」
小椋「泉美。恐れてるの?覗きをする時点で私達はもう死んでいるわ。死者よ」
綾野「あんまり乗る気しないだけどね〜」
男湯
勅使河原「さて、作戦会議だ。望月、恒一」
恒一「えっ?僕も参加?強制参加?」
望月「当たり前だよ恒一君。もう運命共同体だよ?」ニッコリ
勅使河原「まず、プランは…」
望月「単純だけど正攻法だね」ワクワク
恒一「でも、それだと1人しか見られないよ?」
勅使河原「大丈夫。大丈夫だ。交代で視ればいいさ」
勅使河原「筋力には自身あるし!」
望月「勅使河原君最高に輝いているよ!」
勅使河原「善は急げ。さて、行動開始!」
小椋「了解であります!」
見崎「了解!」
綾野「り、了解!」
赤沢「この非常口から外に出られるわ!」
見崎「でかした無能」
赤沢「あとで覚えていなさい」ギリギリ
女子一同「」ソロリソロリ ヌキアシアシ
勅使河原「体力的に考えてこんなものかな」
恒一「あとは交代制?」
勅使河原「まあな。てか、榊原もやっぱ見たいだろうが」
勅使河原「壁の向こうには誰がいるだろうな?綾野?赤沢?」
勅使河原「赤沢は制服の上からではわかりにくいが、結構ボインだぜ?げへへ」
恒一「あ、赤沢のボイン…」タラタラ
望月「三神先生三神先生三神先生三神先生三神先生」ハアハアハアハア
見崎「無能が胸に余計な贅肉つけてるから…」
赤沢「ハア?!」
綾野「ちょ、喧嘩辞めて見つかっちゃう…」
小椋「ああん。恒一君にこんな姿見られたら、私終わっちゃうよ〜」二ヘラ
見崎「貴女の頭こそ終わってる」
赤沢「ストップ…!」ドン
見崎「きゃっ」
見崎「急に止まらないで、貴女の贅肉に頭から突っ込んでしまった…」
赤沢「目的地に着いたわ」
女子一同「「どれどれ恒一君っと…」」
勅使河原「いちもつ当たって気持ち悪いから早くしてくれー」
恒一「そんなこと言っても、バランスがっ」グラグラユラユラ
望月「恒一君、落ち着いて」ユラユラ
恒一「安定してきたっ」
望月「よし、立つよ…」
望月「桃源郷…本当にあったんだ…」
望月「三神先生がいる…」ハアハアハアハア
望月「うわぁ。胸大きい…腰回りも引き締まってエロイよぉ〜」ダラダラ
望月「モウシンデモイイカナ。シンデイイ」ブツブツ
勅使河原「よし、降ろすぞ!」
勅使河原「どうだった?」
望月「桃源郷でした」
恒一「あ、赤沢さん居た?」
望月「えっ?どうだったかな?三神先生に集中してたから…」
望月「でも意外に人少なかったような
?」
勅使河原「よし次さかきーの番な」
綾野「こういっちゃんのお尻プリプリだねぇ」ニヘラ
小椋「華奢だけど、それがまたそそるよね///」
見崎「おちんちん小さいのかな?ここからじゃよく見えない…」
見崎「覗きじゃない?」
綾野「言われればいくらでも見せてあげるのに///」
小椋「ちょっと待ってみんな!大事な事に気が付いただけど!」
赤沢「何よ、いまいいとこなんだけど?」
赤沢「覗きよ」
小椋「じゃ恒一君がしてることは何?」
赤沢「覗きよ…っ!はっ!」
小椋「今度は恒一君の番みたいよ?」
見崎「急いで戻れば恒一君に身体をみてもらえる…またとないチャンス」
綾野「こういっちゃん///」
赤沢「急いで対策よ!」
ガラ
女子一同「間に合ったみたいね」ハアハアゼエゼエ
男湯
勅使河原「また、俺が下か〜。流石にキツイぜ」
望月「恒一君?見えるー?」
恒一「もう、少し。もう少し上にあげてっ…」グラグラユラユラ
恒一「あと少しなんだ…!」
勅使河原「ぐえええ。こ、腰がっ!さかきー早くしろッ」
恒一「見えた!」
恒一「赤沢さんは中学生とは思えない身体…乳房は大きく乳首は淡いピンク色…」ダラダラプシャー
恒一「見崎はヒンヌーだけど裸がとても白くて
、黒髪とのコントラストが素晴らしいよ」ガンミ
恒一「綾野さんは、前々から思ってた通りプリケツだね…」
恒一「小椋さん…見崎より無い?だがそれがいい。幼さが残る身体はこう…うん…」
望月「もう、限界だよ。早く降りてっ」ヘナヘナ
勅使河原「上に同意…」ゼエゼエ
小椋「頭が沸騰、ふっとうしそうだよー。もっと私を見てぇぇ///」
見崎「///」
綾野「そ、そそんなに胸大きくないけどだ、大丈夫かなあ///」
恒一「あ、ごめんごめん」
勅使河原「降ろすぞー」ヨッコラショ
恒一「天国だったよ///」
望月「最高だったね///」
勅使河原「そうかそうか!よし!次は俺の番だな!」
綾野「あははは。見崎さん顔真っ赤」
見崎「そ、そんなことありません///」
赤沢「上がりましょうか?」
三神「私も上がろうかなぁ…」
女子一同「よし、いい湯だったあー!」
ゾロゾロガラリ
恒一「じゃあ行くよ!」ヨイショ
女湯しーん…
勅使河原「えっ?ヱ?えええー?」
望月「皆あがった見たいだね。残念」
赤沢「これで恒一君対策は万全ねっ!」ボイン
見崎「今回の功績は小椋さん。無能じゃない」ペタペタ
綾野「今日のこういちゃんの姿を目に焼き付けよ…」
小椋「大戦果ね」ツルツルペターン
三神「全くなにやってるのかしら、うちの子達は…ハア…」ボンキュボン
綾野「はいはいーい!三神せんせー!質問がありまーす!」
小椋「確かに先生はクリクリした瞳に長い髪、大きめの乳房の割に小さめな桜色の乳首…」
見崎「それだけじゃない。腰回りの引き締まり方は異常。何かスポーツやっていた?」
三神「うーん。私も昔から胸が大きかっなたわけじゃないのよねー…」
赤沢「ふむふむ」
三神「腰回りは特に何もしてないわね。スポーツも特にしてないわ。ただ健康なものを毎日食べることと間食を控えること」
小椋「頭にメモする!」
三神「む、胸は///昔は貧乳でね結構きにしてたの///毎日牛乳を飲んで自分で揉んでたわ///」
小椋・見崎「大きくなあーれ、大きくなあーれ」モミモミ
三神「そんなところかしら。貴女達はまだ若いから気にすることないわよ。これからこれから」
綾野「さっすがせんせー。参考になるなー」
勅使河原「上がろう…」
望月・恒一「うん…なんというかごめんね…」
勅使河原「いいって。終わったことだし…下心丸出しする方がどうかしてたんだ…うん…」
ガラガラピシャン
小椋・見崎「「おばちゃん!牛乳あるだけ頂戴!」」ビシッ
小椋「って…もしかして…ゆかり?」
桜木「えっ?来てたんですか?ここ、私の家が経営する銭湯なので…」
桜木「えっと、牛乳でしたね。はい、あるだけ8本です。」
桜木「1000円ですね」
小椋・見崎「ありがとう」グビグビ
小椋・見崎「ぷはー、これで胸が大きくなるわね!」
綾野「あっ、でも番台って役得だよね?」
赤沢、小椋、見崎、「」ピク
綾野「だってー男子脱衣所丸見えだもん」
綾野「あは、あははは…」
桜木「えっ?あの?」
赤沢、小椋、見崎「ゆかり(桜木さん)そこを代わってー!!」
おしまい
乙
Entry ⇒ 2012.05.12 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
怜子「三神怜子!15歳ですっ☆」
「毎日毎日同じことの繰り返しばっか…。たまには何か刺激がほしいわよね〜。ガツーンと来るような刺激が…。」ブツブツ
「…んっ!?」キョロキョロ
「ここ、私の部屋じゃない…。」
恒一「すぅ〜。」
怜子「横で寝息が聞こえる…。もしかしてここ…。」メガネソウチャク
恒一「すぅ〜。すぅ〜。」
(でも何で恒一君の部屋!?それに何で恒一君の横で寝てるの!?私ちゃんと自分の部屋で寝たのに!!)
恒一「むにゃむにゃ。」
怜子(落ち着け!落ち着くのよ怜子!きっと酔っぱらって恒一君の部屋に布団を持って来たに違いないわ!)キョロキョロ
(…あれっ!?私の枕元にあるのって、もしかして夜見北の制服?しかも女子の…。)
「3年3組三神怜子…。えっ!?これ…私の制服!?」
(なんでなんでどういうこと!?あたしもしかして…中学生になっちゃったの!?)
(これ、何かの呪い!?)
「と…とりあえず恒一君に相談しよう!」
「恒一君起きて!」
怜子「ねぇ恒一君!起きてってば!」
恒一「すぅ~。すぅ〜。」
怜子「もうっ!私がピンチなのにぐっすり眠っちゃって!」
「…あ。」
「…そういえば、恒一君の寝顔をじっくりと見るのって初めてかも。」
怜子「…はっ!何考えてるの怜子!?今はそれどころじゃないでしょ!?」
「恒一君起きて!恒一君!」ユッサユッサ
(でも…恒一君と…恋人同士になれたら…毎日楽しいだろうな〜。)
恒一「…んっ。」
「だ…誰?」ムクリ
怜子「やっと起きた。おはよう恒一君。」
恒一「…。」
怜子「どうしたの?恒一君?」
恒一「…あなた、誰ですか?」
怜子「あ…。」
恒一「…。」
「おいおい!」
怜子「さすが恒一君。寝起きからナイスなツッコミね!」
恒一「あなた…本当に怜子さん…?」
怜子「そうよ。朝目が覚めたら中学3年生になってたの。」チンチクリーン
恒一「…だとしたら、こんなやりとりしてる余裕あるんですか?」
怜子「ない!でも一回言ってみたかったのよ。」
怜子「多分そうだと思う。…でも、よりによってなんで中学生なのかしら?」
「どうせなら大学生くらいに戻りたかったな〜。恒一君にこんなちんちくりんな姿見られて恥ずかしいもん…//////。」ツルペター
恒一「…別に気にしなくていいと思います。」
「…怜子さんは何歳でも、かわいいし…きれいだから…。」
(うわっ!勢いに任せて本音言っちゃった!)
怜子「!?」ドキッ
「ふ…ふ〜ん。恒一君て、私のことそういう風に思ってたんだ〜。」マジマジ
恒一「い…いけませんか?」
怜子「ううん。そんなことないよ。ありがとね恒一君。」ニコッ
恒一「怜子さん…。」
(今の怜子さんとなら…付き合ったりしてもいいのかな…。)
恒一「は、はーい。すぐ起きまーす。じゃあ怜子さん、僕外に…。」
怜子「…ねぇ恒一君?」
恒一「はい?」
怜子「お母さん…変じゃなかった?」
恒一「何がですか?別に何も。」
怜子「だって、わざわざ恒一君の部屋の前まで来て、一緒に私に起きろなんて言う?」
「普段私は家の外で小屋暮らしなんだから、普通言わないでしょ?」
恒一「そういえば…。」
怜子「それに、この時間だったら、私はとっくに学校だしね。」
「う〜ん…。謎はますます深まるばかりね…。」
アーデモナイ コーデモナイ ペチャラクチャラ ペチャクチャラ
怜子「どうしたの恒一君?どこか行くの?」
恒一「いくら甥と叔母でも、さすがに男女が同じ部屋で着替えるのって気まずくありませんか?」
「だから僕が外に…。」
怜子「一緒でいいじゃない。」
恒一「えっ!?」
怜子「私そんなの全然気にしないから。ほら恒一君、一緒に着替えよっ?」ヌギッ
恒一「うわっ!?」ピシャッ
「ダメですよそんなの!不健全です!」襖越し
(ただでさえ朝は危ないのに、怜子さんと一緒に着替えたりしたら…。)
怜子「純粋なのね。恒一君。」クスッ
恒一「おはようございます。おじいちゃん、おばあちゃん。」
怜子「おはよう。お父さん、お母さん。」
祖母「それじゃ、みんな揃ったし、朝ご飯食べましょうか?」
「ねっ?おじいさん?」
祖父「そうだな。いただこうか。」
恒一・怜子「あれ!?」
(おじいちゃん(お父さん)がボケてない!?)
祖父「どうしたんだ?恒一、怜子?ワシの顔に何かついとるか?」
恒一「ううん!」
怜子「なんでもない!」
祖父「そうか?」
「それじゃ…。」
全員「いただきま〜す。」
「ねぇおばあちゃん?」
祖母「な〜に?恒一ちゃん?」
恒一「突然で悪いんだけど、怜ちゃんと僕って、同い年?」
怜子(れ、怜ちゃん!?呼び方をさりげなく変えるなんて…恒一君…できるっ!)
祖母「そうよ。恒一ちゃんと怜子は1983年生まれのいとこ同士で、夜見山北中学校の3年3組のクラスメートでなのよ。」
恒一「わざわざそこまで…。」
祖母「いやだね〜恒一ちゃん。私もおじいさんもボケてないのに、若いうちからボケたりしないでよ?」
恒一「う、うん…。気を付けます…。」
祖母「そうねぇ〜。ちょうど理津子が死んじゃった時だったから、二人っきりになるのは寂しくてねぇ〜。」
祖父「じいちゃん頑張っちゃった!」テヘッ
恒一「おお…。」
怜子「もう…。」
「フハハ! バアサン! ココガヨイノカ? ンッ? ココガヨイノカ?」
「オジイサン! ハゲシスギィ!」
恒一「ぶ〜っ!げほっ!げほっ!」
怜子「恒一君大丈夫!?」
祖母「レーちゃん、そんなこと言うもんじゃありませんよ?」
祖父「ははは、いいじゃないかばあさん。レーチャンだって悪気があってやってるわけじゃなかろう?」
レーちゃん「コウイチクン! ソンナトコサワッチャダメッ! イヤッ! レイコ、イクッ! イッチャゥ~~~~~~~!!!!!!!!!!!」
全員「…。」
怜子「ちょっと焼き鳥にしてくる…。」ガタッ
恒一「ちょっ!ストップ!怜子さん!」
レーちゃん「ガッコウ! オマエラ! ハヤクガッコウイケ!」
怜子「うるさいわよ!」
恒一「怜子さん、ひとまず落ち着いて!」
祖母「恒一ちゃん。これ二人の鞄。」
恒一「おばあちゃんありがとう!ほら、怜子さん行くよ?」
怜子「覚えてなさい!この九官鳥!帰ったら絶対焼き鳥にしてやるんだから!」
レーちゃん「フハハ! コムスメ! ヤレルモンナラヤッテミロ! ヤッテミロ!」
怜子「ムキー!!!」
恒一「そ、それじゃあ行ってきます!」
怜子の腕をつかんで強引に連れだす
「ふぅ。若いっていいわねぇ。ねっおじいさん?」
祖父「理津子はなぁ可哀想に…。理津子も、怜子もなぁ……。」
祖母「Oh…。」
〜通学路〜
怜子「まったく!なんなのよあの鳥は!失礼しちゃうわ!」プンプン
恒一「怜子さん落ち着いて。おじいちゃんも言ってたけど、レーちゃんだって悪気があったわけじゃ…。」
怜子「…恒一君?」
恒一「どうしたんですか?」
怜子「腕…組んだままだよ?」
恒一「あっ!?えっ!?やっ!?そのっ!?」アセアセ
慌てて腕を振りほどく
怜子「ふふふ。そんなに慌てなくてもいいじゃない。」
恒一「だっ、だって怜子さんが、いきなり話をそらすから…。」
怜子「これが大人の女の余裕ってもんよ。」ドヤッ
恒一「は…はぁ…。」
怜子「そうだ恒一君。この際だからはっきり言っておくわ。」
恒一「な…何ですか?」
恒一「えっ!?」
怜子「それと、ちゃんとため口でしゃべること!」
「今の私は、怜子さん(29)じゃなくて、怜ちゃん(15)なんだから!」
「公私の区別ははっきりしてもらわないと困るからね!」
「わかった!?」ビシッ
恒一「…。」
怜子「…。」
(ヤバッ!気まずくなっちゃった!?)
怜子「…。」
(うわっ…超かわいい!)ニヤァ
恒一「あの…怜ちゃん?大丈夫?」
怜子「だ!だっだだ!大丈夫よ!うん!」
(うぅ〜。にやけた顔、見られちゃったかなぁ…。)
恒一「そう?ならいいんだ。」
(やっぱり怜子さんてかわいいな〜。まさに僕の理想の恋人だよ。なんて…//////。)
(か…噛んだぁあああアアアアアアアアアアアアアアイヤァアアアアアアアアアア)
恒一「何?怜ちゃん?」
(I will always love youっと。)
怜子「あの九官鳥がいってたこと、本当じゃないんだからね!」
(さすがに本当だなんて言えないもん…//////)
恒一「わかってるよ。怜ちゃんはそんなことしないって。」ニコッ
(してくれてもよかったのにな〜。って…何考えてんだ僕は!?)
勅使河原「おっ!サカキに三神!今日も夫婦仲良く一緒に登校か?」
恒一「えっ!?あははははは…。」
怜子「ふ…夫婦だなんて…そんなんじゃ…。」カァッ
恒一(あれっ?怜子さん、顔が赤くなってる?)
望月「勅使河原君やめなよ。二人とも困ってるじゃない。」
綾野「そうだよてっしー。こういっちゃんと怜子のことからかっちゃダメ。」
(私とこういっちゃんだったら、いくらからかってくれてもいいんだけどね〜。なんて。 キャッ//////)
勅使河原「お前らそんなに怒んなよ〜。いつもの冗談じゃねぇか。」
綾野「それでも注意しなきゃ気が済まないの!」
望月「そうだよ。勅使河原君て、時々デリカシーないこと言うし。」
勅使河原「言ってねぇよ!」
「…多分。」ボソッ
「あっ。おはよう。怜子、榊原君。」
恒一・怜子「お…おはよう。」
小椋「?」
(なんで二人とも気まずそうな顔してるんだろ?)
(あたしの顔に何かついてるのかな?)ペタペタ
綾野「おはよ〜由美。…何してるの?顔なんかぺたぺた触っちゃって。」
小椋「ううん!何でもない!」アセアセ
勅使河原「ぺたぺたって言ったら、小椋のむ…。」カツン!
「ねっ!?」
望月「言ってる傍からこれだもん。」
勅使河原「あ!綾野!だからって教科書の角で叩くことねぇだろ!?」
綾野「そんなの、由美の受けた心の傷に比べたら何ともありませ〜ん。」
小椋「勅使河原…。最低…。」ウルッ
望月「勅使河原君。ちゃんと小椋さんに謝って?」
勅使河原「…ごめん。」
小椋「絶対に…許さないから…。」
勅使河原「なっ!?」
綾野「うん!これで万事解決だね!」
勅使河原「解決してねぇ!」
綾野「それで由美、さっきは何言おうとしてたの?」
小椋「そうそう!昨日中尾がさ〜。」ケロッ
勅使河原(女って怖い…。)
勅使河原「流石中尾だぜ!」ケラケラ
望月「そこで『まかせろー』がくるとは思わなかったよ。」
綾野「この勢いだと、頼めば何でもやってくれそうだよね〜。」
小椋「ほんとほんと!あっ!噂をすれば本人登場!」
中尾「ん?何だよ?俺がどうかしたのか?」
勅使河原「おい中尾!今から裸で校庭百周して来いよ!」
綾野・小椋「ちょっ!?」
望月「ちょっと勅使河原君…。」
高林「勅使河原君。そんな要求はフェアじゃないよ。」
望月「高林君いつの間に!?」
高林「中尾君がどうのこうの依然に、僕だけ仲間外れっていうのがフェアじゃないからね。途中参加させてもらったよ。」
勅使河原「ハハハ!冗談に決まってるじゃねぇか!なあ中…。」
中尾「まかせろー」スタタタタ…
全員「!?」
綾野「本当に…。」
小椋「走りに行っちゃった…。」
望月「勅使河原君どうするのさ!?」
高林「僕は勅使河原君も中尾君と一緒に全裸で校庭を走るべきだと思う。」
「そうすればフェアじゃないかな?」
川堀「ウホッ!」
勅使河原「そ…それは勘弁…。」ゾーッ
綾野「あ!泉美!」
小椋「大変なの!中尾が!」
カクカクシカジカ
赤沢「まったく!私がいつもより五分遅れてきただけでこのざまか!」
勅使河原「め、面目ない…。」
赤沢「いいわ!みんな聞いて!これから中尾を『いないもの』にします!」
ナ、ナンダッテ~ ベツニイイトオモイマ~ス クラスノタメダモンネ~
赤沢「クラスの決め事にはちゃんと従ってくださいね。以上。」
(またクラスの問題を解決しちゃった!本当に私って有能ね!)フッ
(赤沢さん…。対策っていうのは、こういうことを言うのよ。)ピピピ プルルルルル
恒一(見崎。どこに電話してるんだろ?)チラッ
(ダメだ…。周りが騒がしくてよく聞こえないや…。)
見崎「もしもし警察ですか?夜見山北中学校の校庭を全裸で走っている変態がいるので、直ちに逮捕してください。えぇ。よろしくお願いします。」ピッ
(まったく。無能な対策係を持つと、色々と大変だわ。)フッ
恒一「そうみたいですね。」
(きっと警察に通報して、中尾君を逮捕してもらうよう頼んだんだろうな。)
(見崎はあぁみえて有能だから。)
怜子「恒一君。」ズイッ
恒一「何ですか怜子さん!?いきなり顔近づけたりして!」アタフタ
怜子「喋り方。敬語になってる。それと、私は怜ちゃん。いい?」
恒一「あっ!うん…ごめん…なさい。」
恒一「…怜ちゃん?」
怜子「何?」
恒一「席…どこ…?」
怜子「…さぁ?」
恒一・怜子「…。」
キーンコーンカーンコーン
望月「えっ!?三神さんじゃなくて僕ですか!?」
久保寺「もともと女子の列に君がいたことがおかしかったのです。ほら早く。」
望月「で、でも…。そんなこと言ったら高林君だって…。」
高林「望月君。ここで僕の名前を出すのはフェアじゃないよ。先生は君を指名したんだから、君が移動するべきだよ。」
久保寺「協力してくれますね?望月君?」
望月「うぅ〜。またね…榊原君…。」トボトボ
恒一「あぁ。」
怜子「わかりました。」
「よろしくね、恒一君?」チャクセキ
恒一「よろしく。怜ちゃん。」
全員「!?」
恒一・怜子「?」
綾野(こういっちゃん…今…怜子のこと…怜ちゃんって…。)
赤沢「落ち着け…。落ち着くのよ赤沢泉美!こういう時こそ冷静に対策しないと!」
杉浦(泉美。声に出てる…。)
小椋(あれっ?そういえば榊原君って怜子のことなんて呼んでたっけ?)
見崎(恒一だからこういっちゃん。怜子だから怜ちゃん。私は鳴だから…メーちゃん。)
(メーちゃん…。羊みたい。メ〜。メ〜。)クスクス
(そうだ。後で榊原君をからかいに行こう。)
ザワ…ザワ…
久保寺「静かに。それでは授業を始めます。」
恒一「怜ちゃん。とりあえず放課後、千曳先生のところに行ってみない?」
怜子「そうね。千曳先生ならきっと何か知ってるかもしれないしね。」
綾野「こ…こういっちゃん!!!」
恒一「な、何?綾野さん?」
(どうしたんだろう?いきなり大きな声出して。)
綾野「あのね…。えっと…。わ、私のこと…その…。」
怜子(愛の告白でもするつもりかしら?)
綾野「彩って、呼んでくれても…いいんだよ?」ボソッ
恒一「えっ?ごめんよく聞こえな…。」
綾野「あっ!ゆ、由美!一緒にトイレ行こうよ!朝から我慢しっぱなしでさ〜。」
小椋「いいけど…。女の子が大きい声で言うことじゃないと思うよ?」
綾野「いいのいいの!じゃねっこういっちゃん!」スタスタスター
恒一「何だったんだろう?綾野さん。」
怜子(…恒一君て、やっぱり鈍感なのね。)
恒一「な、何?赤沢さん?」
(なんでロボットみたいな喋り方なんだろう?)
怜子(赤沢さん、緊張してるわね。手と足が一緒に出てる。)
赤沢「わ、わたわた…。」
(「私のこと、泉美って呼んでもいいのよ?」って言わなきゃ!)
恒一・怜子「?」
赤沢「わたわたたた…うわぁたたたたたたたたたたたたた!!!!!!!!!!!!!」
全員「!?」
恒一「えっと…赤沢さん?」
赤沢「うっ…。」ジワッ
(こんなはずじゃなかったのに…。泉美って呼んでほしかっただけなのに…。)
恒一「杉浦さん…。」
杉浦「この子、普段は強気に振舞ってるけど、とっさのこととかになるとまるっきりダメになっちゃうの…。」
(特に、あなたのことになると突然じゃなくてもね。)
恒一「は…はぁ…。」
杉浦「泉美のこと、嫌いにならないであげてね?」
恒一「もちろんだよ。僕が赤沢さんを嫌いになる理由なんてないからね。」ニコッ
杉浦「ふふっ。よかったわね?泉美?」
赤沢「こういちくん…////////」
見崎(『いないもの』にされた。無実の罪で殺されそうになった。他にも色々された。)
(…全部夢の中の話だけど。)
恒一「それじゃ、僕もてつだ…。」
杉浦「大丈夫。勅使河原にでも手伝ってもらうから。それじゃあ。」スタスタ
テシガワラー ナンダヨ? イズミヲホケンシツニハコブカラテツダッテー マカセロー
恒一「ふぅ…綾野さんといい赤沢さんといいどうしたのかな?」
怜子(きっと二人とも名前で呼んでほしかったのね。可哀想に…。でも、密かに優越感!)
見崎「おはよう。榊原君。三神さん。」
恒一「あっ。見崎。おはよう。」
怜子「おはよう見崎さん。」
見崎「榊原君。」
恒一「何?」
見崎「私メーちゃん。鳴だからメーちゃん。メ〜。メ〜。」
怜子(見崎さんて、こんなひょうきんな性格だったっけ?)
見崎「だから、これからはちゃんとメーちゃんて呼んでね?」
恒一「えっ!?」
怜子「なっ!?」
見崎「嫌なら別に鳴でもいい。」
恒一「ちょっ!」
見崎「ふふっ。からかってみただけ。それじゃあね。こ・う・い・ち・く・ん。」ニッコリ
(やっぱり恒一君をからかうのは楽しい♪)
怜子(恒一君に自分の名前を呼ばせるよう仕向けるだけでなく、さりげなく呼び方を榊原君から恒一君に変えた…。見崎鳴…侮れない…。)
キーンコーンカーンコーン
千曳「大人が子供になる現象?」
恒一「はい。もしかしてそんな現象ってあったりしませんか?」
千曳「う〜む…。」
「ちょっと待っていてくれ。資料を探してみよう。」
恒一「ありがとうございます。」
「手がかり…見つかるといいね?」
(戻ったら少し名残惜しいけど…。)
怜子「うん…。」
(でも、ちょっぴり戻りたくない気持ちがある…。)
千曳「待たせたね。」
恒一「いえ、全然。…それで。」
千曳「確かにあったよ。大人が子供になる現象が。」
怜子「本当ですか!?」
千曳「あぁ。ただそれは本来起こりうる可能性は極めてゼロに近いんだ。」
「…あくまで私の個人的な意見だがね。」
恒一「それってどういうことですか?」
千曳「この現象…。つまり大人が子供になるという現象は、名前が「さ」で始まって「ち」で終わる、この学校の三年三組の生徒を甥に持っていて、三年三組の副担任を務める、名前が「み」で始まって「こ」で終わる29歳の女性の美術教師にのみ降りかかるものなんだ。」
恒一(それって、もろ僕と怜子さんのことじゃないか…。)
怜子「本当にそんな現象が…。」
千曳「ちなみにこの現象は、当事者と甥以外は全員記憶が改竄されてしまうらしい。」
「…もしかすると、三神君が現象に巻き込まれていたりしてな。」ハハハッ
恒一・怜子「!?」
千曳「年齢などはともかく、名前のところの条件が完全に一致しているからね。疑わずにいる方が無理な話だ。」
怜子「えっと…。」
千曳「まあ、おそらく私の杞憂だろう。こんなこと、よっぽとどのことがない限り起きるはずがないからね。」
怜子(よっぽどのことで中学生になった女がここにいるんですけど〜〜〜!!!!)
恒一「ち…ちなみに、もし現象に巻き込まれた場合、元に戻る方法はあるんですか?」
千曳「それは…。」
「わからない。」
怜子「そんなっ!?」
千曳「対策を講じようにも前例がない現象だからね。」
恒一・怜子「…。」
千曳「まぁ、君たちには関係のない話だろう。何度も言うが、こんな現象、あってないようなものだ。」
「…おっと。もうこんな時間か。すまないが、私はこれから演劇部の練習を見に行かなければならないんだ。閉めさせてもらってもいいかな?」
恒一「ご…ごめんなさい!わざわざお手間を取らせてしまって!」
千曳「気にすることはない。君たちが訪ねてきてくれて、むしろ嬉しかったくらいさ。」
恒一「ほら怜ちゃん、いこっ!」
怜子「…。」ポケー
(子供のまま…。私…。ずっと子供のままなの?)
千曳(ちなみにこの現象で子供になっても一生子供のままではない。そこからまた普通に年を取っていくことになる。言ってみれば、半生やり直しということだね…。)
恒一(…な〜んて千曳先生は言ってたけど。それって、もし怜子さんを元に戻す方法が見つからなかったら、怜子さんは僕と同い年のいとことして生きていくことになるってことだよね?)
(だったら僕が…)チラッ
怜子(恒一君、さっきからずっと真面目な顔してる…。)
(私のこと…考えてくれてるのかな?)チラッ
怜子「何?」
恒一「好きな人って…いる?」
怜子「えっ!?」
「な…なんで?」
恒一「なんとなく聞いてみたくってさ。」
怜子「…恒一君は?」
恒一「僕?僕は…わからないかな…。」
怜子「何それ?」
恒一「気になる人はいるんだけど、恋愛感情があるかって言われると、よくわからないんだ。」
怜子「ふ〜ん。それじゃ私と一緒だね。」
恒一「そうなんだ。お互い、答えが見つかるといいね?」ニコッ
怜子「うんっ!」
恒一「ちょっ!?怜子さん!?いきなり腕組まないで…!!!」
怜子「こら!怜ちゃんでしょ?」
恒一「あぅ…。」
怜子「減るもんじゃなし、いいじゃないこれくらい!」ギュッ
恒一「う〜。」
(怜子さん…。柔らかくていい匂いがする…。)
怜子「ふふふっ。」ニコニコ
恒一・怜子(この気持ち…『好き』でいいのかな?)
祖母「あっ!恒一ちゃん。怜子。おかえりなさい。」
恒一「あれっ?おばあちゃん。どこか行くの?」
祖母「そうなんだよ。これからおじいさんと近所の皆とで二泊三日の温泉旅行にね。」
恒一・怜子「えっ!?」
祖母「本当は今朝伝えようと思ったんだけど、ばたばたしてたから言いそびれちゃって…。」
恒一・怜子「…。」
恒一「あ。おじいちゃん、ただいま。」
怜子「ただいま。お父さん。」
祖父「…。」
怜子「ねぇお母さん?お父さん、何かあったの?」ボソッ
祖母「ちょっと朝から様子がおかしくてね。」
怜子「そうなんだ…。」
祖母「でも温泉に浸かったら、すぐ元気になるわよ。」
「じゃあ。私たちは行くからね。留守番任せたよ?」
恒一「うん。わかったよ。」
怜子「二人とも気をつけてね。」
祖母「ありがとう。それじゃ、行きますよ?おじいさん?」
祖父「あぁ…。」
恒一・怜子「行ってらっしゃ〜い。」
恒一(怜子さんと…。)
怜子(恒一君と…。)
恒一・怜子(二人きり!!!!!!)
恒一(どうしよう!?女の人と二人っきりなんて…。)
(しかも、その相手がよりにもよって怜子さん!?)チラッ
怜子(何これ!?神様のいたずら!?)チラッ
恒一(ダメだ!緊張してきた!)
「ハァハァ…。」
恒一(怜子さんに変に思われないようにしなきゃ!)
「怜子さん!」
怜子「はいっ!?」
恒一「先にシャワー浴びてこいよ。」キリッ
怜子「う…うんっ!すぐに入るね!」アセアセ
恒一(どうしたんだろう?そわそわして?)キョトン
「まいっか。…さて。じゃあ僕は晩ごはんの仕度をしますか。」
〜三神家、お風呂〜
怜子(恒一君…。「先にシャワー浴びてこいよ。」だなんて、二人っきりになった途端積極的になっちゃって…。)ザー
(…期待しちゃっていいのかな?)ザー
〜三神家、食卓〜
恒一「〜♪」ランラン
(怜子さん。僕の料理気に入ってくれるかな?)ルンルン
恒一「あ。怜子さん。よかった。ちょうど晩ごはんが出来上がったところですよ?」
怜子「へっ!?」
恒一「怜子さんがお風呂に入ってる間に晩御飯を作っちゃえば、時間を無駄なく使えるかなって思ったんです。」
怜子「へぇ…。」
(ごめんね恒一君!私全然違うこと考えた!)
恒一「ほら食べましょ?今日はハンバーグですよ?」
怜子「そ、そうだね!」
「あ〜あ。恒一君みたいな人が旦那さんだったらいいのにな〜。」
恒一「えっ!?」
怜子「な〜んてね?」ニコッ
恒一「…。」ショボーン
怜子(あれっ!?もしかして落ち込んでる!?)
恒一「お粗末さまでした。」
怜子「それにしても恒一君。ホントに料理上手よね〜。私も見習いたいくらいだわ。」
恒一「そんなことないですよ。…大切な人のために作る料理だからおいしくなるんです。」
怜子「えっ!?」
(恒一君!今何て!?)
恒一「だから今日のは特別です。」ニッコリ
怜子「恒一君…。」
恒一「それじゃ僕、お風呂入ってきますね?」スタスタ
怜子「うん…。」
怜子(大切な人…。私が…恒一君の…大切な人…。)
「〜〜〜〜〜〜っっっっっ!!!!!!!」
クッション抱いてゴロゴロ
怜子「こんな気持ちになるの…初めてかも…。」ドキドキ
(でもわかった…。)
「この気持ちが『好き』ってことなんだ。」
〜三神家、お風呂〜
恒一(うわ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!)
(僕、なんて恥ずかしいこと言っちゃんたんだろ!?)ザー
(そりゃ確かにちょっと仕返ししてやろうって気持ちはあったけど、だからってあんなこと…。)
(でも…。)
「…怜子さん。」
(この気持ち…。やっぱり僕…怜子さんのこと…。)ザー
恒一(しまった…。食器洗うの忘れてたよ…)
「あれっ!?全部片付いてる…。」
怜子「あ〜食器なら私が片付けといたよ〜。」ニュッ
恒一「怜子さん。」
怜子「おいしいご飯食べさせてもらったからね。そのお礼。」ニコッ
恒一「そんな…。わざわざありがとうございます。」
怜子「…。ねぇ恒一君…。」スッ
恒一「な…なんですか?」
(ちょ…顔が近い…。それに呼吸も少し荒っぽいし…凄く色っぽい!)
怜子「…。」ギュッ
恒一を抱きしめる
恒一「怜子さん!?」
怜子「恒一君は…私のこと…好き…?」
恒一「えっ!?何を急に…。」
怜子「私は好き…。」
「私は恒一君のこと好き…。大好き!」
恒一「怜子さん…。」ギュッ
怜子を抱きしめる
怜子「怜子でいいよ?恒一…。」スッ
恒一(この流れって…。キス!?)
怜子「…。」ドキドキ
恒一(怜子さんの心臓の音…すごく早い…。)
怜子「焦らさないで…恒一…。」
恒一「怜子…。」スッ
キス手前まで顔を近づける
(変なにおいがする…。この臭い…まさか…。)
「お酒?」
怜子「こういち〜。」
恒一「怜子さん!お酒飲んだでしょ!?」
怜子「のんれらいよぉ。」(飲んでないよ〜。)
リビングの机の上にお酒の缶を発見
恒一「あ〜!500mlの缶、2つも空けちゃって!何やってるんですか!?今は中学生でしょ!?」
怜子「そんらにおこらないれよぉ〜。」(そんなに怒らないでよ〜。)
恒一「怒ります!まったく、僕がいないと怜子さんは危なっかしくて見ていられませんよ!」
恒一「ちょっ!?」
怜子「ずっと私のこと…見れれ…?」
恒一「…。」
(今の怜子さんは酔っぱらってるだけ!今の怜子さんは酔っぱらってるだけ!)
(気を確かに持つんだ恒一!)
恒一「?…怜子さん?」
怜子「くぅー。」
恒一「抱き着いたまま眠っちゃってる。」
「…よっぽど疲れてたんだろうな。」
「よいしょっ!」オヒメサマダッコ
恒一「無理もないか。いきなり小さくなって色々あったもんな。」
(怜子さんの体、小さくて軽いや…。)
怜子「すぅ〜。すぅ〜。」
恒一「怜子さん…。今のままじゃダメですか?」
怜子「くか〜。」
恒一「ふぅ。怜子さんが軽くて助かったよ。」
「…それにしても。」チラッ
怜子「すぴ〜。」
恒一「やっぱり、中学三年生の男女(片方は本当は29歳だけど)が同じ部屋で寝るなんて健全じゃないよね…。」
「…リビングで寝るか。」
「でも…。いかがわしいことをしなかったら…。一緒に寝てもいいのかな…?」
恒一(う…怜子さん、子供なのに妙に色っぽい…。)
「こういう時に理性を保っていられればいいんだよね。」
「大丈夫。大丈夫。余裕だよ。勅使河原じゃあるまいし。」
恒一「さぁ寝よう!僕もくたくただよ!」ガバッ
怜子「すぅ〜。」
恒一「…。」
(だ…ダメだ〜〜〜〜〜!!!!!怜子さんの寝息が気になって眠れない!!!!!)
(やっぱりリビングで寝ようかな…。)
(リビング…。あっ!そういえばレーちゃんをリビングに移さなきゃ!)ムクッ
レーちゃん「クカー。」
恒一「寝ちゃってる…。そういえば餌もあげてなかったな…。」
「ごめんねレーちゃん。」
〜三神家、恒一の部屋〜
怜子「す〜。」
恒一「怜子さん。よく寝てるな〜。」
「…僕も眠たくなってきた。」ファー
「おやすみ。怜子さん…。」
怜子「んっ。」
「あれっ!?私いつの間に寝ちゃってたんだろ?」
「興奮してリビングでお酒飲んだところまでは覚えてるんだけど…。酔っぱらって寝ちゃったのかな?」
「ここ…。恒一君の部屋…。恒一君が運んでくれたのかな?」
恒一「すぅ〜。」
怜子「恒一君…。」
怜子「えっ!?」
(恒一君。私のこと…怜子って…。)
恒一「すぅ〜。」
怜子「…。恒一…。」ピトッ
恒一「んっ…。」
怜子「添い寝するくらいなら…許してくれよね?」
「…おやすみ。恒一。」
恒一(おかしい…。)
怜子「すぅ〜。」
恒一(何で僕の布団で…。)
(怜子さんが眠ってるんだ〜〜〜〜〜!!!!!!???????)
「…とりあえず起こさなきゃ!」
「怜子さん起きてください!朝ですよ!」
怜子「んっ…。朝?」ムクッ
恒一「そうです。ほら、早く言仕度しないと…。」
怜子「やだ〜!」バタッ
恒一「ちょっと!何やってるんですか!?」
(どうしよう…朝から押し倒されちゃった…//////)
恒一(じゃなくて!怜子さんをどけなきゃ!)
「あれっ!?」
(怜子さんが動かない!?)
怜子「か〜。」
恒一「嘘っ!?昨日はあんなに軽かったのに!?なんで!?」
〜30分後〜
恒一「ダメだ…。このままじゃらちが明かない…。」チラッ
「携帯…。そうだ!」
久保寺「え〜。三神さんは熱を出してしまったのでお休みするそうです。それと榊原君はお家の方がいらっしゃらないので、三神さんの看病のためお休みするそうです。」
赤沢・綾野「!?」ガタッ
久保寺「どうかしましたか?」
赤沢・綾野「い…いいえ…。」
久保寺「そうですか。では授業を始めます。」
綾野(こういっちゃんが…。)
赤沢・綾野(怜子と二人っきり!!!!!?????)
赤沢(思春期の男女が二人きりなんて、そんなのダメよ!)
綾野(何かのはずみに過ちを犯しちゃうかもしれないじゃん!?)
赤沢・綾野(これは…。)
赤沢(この有能対策係、赤沢泉美が!)
綾野(ぷりてぃーきゅーとな綾野彩ちゃんが!)
赤沢・綾野(どうにかするしかない!!!!!!!!!!)
見崎(放課後お見舞いに行こう。恒一君も三神さんも…喜んでくれるかな?)
テレビ「次のニュースです。昨日の午前8時ごろ、夜見山北中学校の校庭を全裸で走っていた少年が逮捕されました。」
怜子「ねぇ恒一君?あれって中尾君じゃない?」
恒一「えっ!?ホントだ…。」
テレビ「少年は最初、警察に激しく抵抗しましたが、『大人しくパトカーに乗れ!』と言われたところ、『まかせろー』と答え、速やかに連行された模様です。警察では少年を詳しく取り調べ…。」ブチッ
怜子「何で切るの?」
恒一「クラスメートのみじめな姿なんて、見たくないじゃないですか…。」
怜子「そっか。そうだよね。」
恒一(それにしても怜子さん。昨日の夜のことまったく覚えてないし、朝のことだって悪びれる様子もない…。)
(ドキドキしてるのって、僕だけなのかな…。)
恒一「えっ!?」
怜子「ただし1つだけね?」
恒一(…どうしよう!?「このままでいてくれ!」とか、「付き合ってくれ!」とか!?)アタフタ
怜子(恒一君。妙に焦ってる。…もしかして、あんなことやこんなことをお願いされちゃうのかな…///////)
恒一(…でもダメだよ。こんなの、お願いしていいものじゃないし…。自分の力で実現しなきゃいけないものだから。)
怜子「え〜!?つまんな〜い!」
恒一「別にいいじゃないですか。僕は怜子さんと一緒にいられるだけで幸せです。他に何もいりません!」キッパリ
(本当のことだし…。)
怜子「こ…恒一君…/////////」カァァッ
(これって告白!?告白なの!?)
怜子「じゃ、じゃあ私も…。」
恒一「ダメです。怜子さんは熱を出して学校を休んでるってことになってるんですから。大人しくしておいてもらわないと困ります。」
怜子「は〜い…。」ムスッ
恒一「それじゃ行ってきますね。」
怜子「行ってらっしゃい…。」
レーちゃん「バカ! コウイチ! バカ!」
怜子「あっ!あんた!」
レーちゃん「オハヨー! レーチャン! オハヨ-!」
怜子「すっかり忘れてた…。昨日の恨み…。」
レーちゃん「ドーシテ! レーチャン! ドーシテ!」
怜子「どうしてじゃないでしょ!?あんたのせいで昨日恥かいたんだから!!!!」
レーちゃん「レーチャン! ゲンキ! ゲンキダシテネ!」
怜子「うるさ〜い!」
小椋「や〜っと終わった〜!」ノビー
綾野「おほん。由美君。ちょっといいかな?」
小椋「どうしたの彩?変な喋り方して?」
綾野「今日は部活もないし、暇なら、これから付き合ってくれるかな?」
小椋「別にいいよ〜。どこ行くの?」
綾野「そ…それは…。」ヒソヒソ
綾野「うん…。」
小椋「何で一人で行かないの?あたしが一緒だと邪魔になんない?」
(彩。榊原君のこと好きみたいだし。)
小椋「彩…。ふ〜ん。わかった。付き合ったげる。」
綾野「ほんとっ!?」パァッ
小椋「ほんと!ほら行こっ?」
綾野「うん!ありがとう!由美!」
小椋(彩って、時々ずるい!)
赤沢「…多佳子。」モジモジ
杉浦「…わかった。あの2人に先を越される前に行かなきゃね?」
赤沢「うん!」
杉浦(ほんと、泉美ってわかりやすい。)クスクス
見崎(私も行くとするか。)
怜子「ふぅ〜〜〜!!!!!」
レーちゃん「?」
怜子「昨日はあんなに流暢に喋ってたのに…。なんで今日はいつも通りなのよ!?」
「こら!なんかしゃべりなさいよ!!!」
レーちゃん「???」
ピンポーン
怜子「誰よ!?取り込み中なのに!!!」ドタドタ
〜三神家、玄関〜
見崎「こんにちは。」
怜子「み、見崎さん!?どうして…。」
レーちゃん「レーチャン! ドーシテ! ドーシテ!」
怜子「うるさいわよ!」
見崎「?」
見崎「お見舞い。…と、これ。」スッ
怜子「プリントとノート?」
見崎「プリントは久保寺先生から。ノートは私から。半ドンで授業は少なかったけど、きっと役に立つと思ったから。」
怜子「見崎さん…。」
(見崎さんて、思いのほか気配り上手の優しい子なのかも…。)
見崎「?」
怜子「よかったら、お茶飲んでいかない?」
見崎「体は…大丈夫なの?」
怜子「大丈夫!大丈夫!もうすっかり元気だよ!」
(なんともないのか。よかった。)
「そうだ…。三神さん。」
怜子「何?」
見崎「気を付けて…。もう、始まってるかもしれない…。」
(あなたの家にお客さんが来る的な意味でね。)
怜子「?」
見崎「おいしい。」ズズッ
怜子「そう。よかった。」ニコッ
ピンポーン
見崎「来た。」
怜子「誰が?」
見崎「お客さん。」
怜子「まぁそうだよね…。じゃあ出てくるね。」スタスタ
(やっぱ見崎さんって変わってるな。)
怜子「は〜い。」ガラッ
赤沢「ちょっと彩!どきなさいよ!」
綾野「泉美こそどいてよ!あたしが入れないじゃん!」
怜子「…。」
赤沢「あっ!」
綾野「怜子!」
綾野「ちょっ!?なんで鍵かけるの!?開けてよ!!!」ドンドン
赤沢「怜子!私たちお見舞いに来ただけなの!だから開けて!」
怜子「見崎さんの言ってたことが良くわかった。」ボソッ
綾野「ねぇ〜!れぇ〜こ〜!!!」ドンドン
怜子(きっと恒一君目当てだ…。)
(恒一君は…渡さない!!!!)
赤沢・綾野・小椋・杉浦「!?」
怜子「どうせ恒一君目当てのくせに!あなたたちの考えなんてお見通しなんだから!帰ってよ!!!!」
赤沢「なっ!?」
綾野「そんなっ!?そんなことないよ!!!」
小椋「酷い言われようね…。」
杉浦「…。」
怜子「嘘つかないでよ!!!!!!」
(嫌われちゃうかな…。でも…恒一は渡したくない!!!!)
小椋「彩…。かえろ?今日の怜子、ちょっと変みたいだし。」
綾野「ゆみぃ〜!!!!!!」
杉浦「泉美…私達も…。」
赤沢「…。」
あの年齢の怜子さんが良いのに
あんたは望月か
(ごめんね…。みんな…。ごめんね…。)
見崎(大きな声がしたから心配になって見に来てしまった…。)ヒョコッ
「あっ…。」
「三神さん…。泣いてる…。」
恒一「まさかスーパーで水野さんに会うとはな〜。思わず長話しちゃったよ。…怜子さん。怒ってないかな?」
〜三神家、玄関〜
杉浦「あっ…。」
赤沢「恒一君…。」
恒一「みんなどうしたの?」
怜子(恒一君!?)
小椋「こらっ!人様の家の玄関先で大きな声出さないの!!!」
綾野「だっでぇ〜〜〜〜!!!!!!!!!!」
恒一「いったいどうしたのさ!?」
小椋「実は…。」
カクカクシカジカ
杉浦「確かに、泉美と彩が榊原君に会いたかったっていう気持ちがあったことは否定しない…。」
「でも…怜子のことだって心配してた。クラスメートが辛い思いをしてるのに、知らない振りができるほど、この子たちは器用じゃないから…。」
恒一「…。」スッ
赤沢「恒一君…。」
恒一「怜ちゃん。僕だよ?恒一だよ?」
怜子「…。」
怜子「…。」
見崎「三神さん。玄関開けてあげたら?」
怜子「見崎さん…。」
見崎「恒一君が入れないし…。ちゃんとみんなに謝った方がいいと思う。」
怜子「……うん。」ガチャッ ガラッ
怜子「みんな…ごめんなさい…。」
赤沢「怜子…。」
綾野「れいこぉ…。」
小椋「よかったね。」ニコッ
杉浦「ほんと…。」ニコッ
恒一「あれっ!?見崎!?」
見崎「こんにちは恒一君。お邪魔してます。」ペコッ
恒一「あ、あぁ…。いらっしゃい。」
見崎「ほら。みんなあがって?お茶もあるし、お昼ご飯もあるよ?」チラッ
恒一「!」
「そうだね!みんな、よかったら一緒にお昼ご飯食べようよ?僕が作るからさ!」
恒一「いいよね?怜ちゃん?」ニコッ
怜子「うん…。そうしてくれると…嬉しい…。」ニコッ
怜子「ちょっ!?綾野さん!?」
小椋「こら!バカ彩!怜子は病人なんだから抱き着いたりするな!!!」バシッ
綾野「う〜。全力で叩かないでよ〜。」
小椋「病人をいたわれない彩が悪い!」
怜子「ふふふっ!」
綾野「こういっちゃんも怜子も笑わないでよ〜。」プンプン
赤沢「こ…恒一君…。」
恒一「どうしたの?赤沢さん?」
赤沢「…お腹空いた。」ボソッ
小椋「そうだ…。」
綾野「こういっちゃ〜〜ん!!!お腹空いたぁ〜〜〜〜!!!」
恒一「うん!じゃあすぐに作っちゃうから、みんなあがって待ってて!」
綾野「う〜〜〜〜んっ!!!!!!こういっちゃん!!!これは絶品だよ!!!!!!」
小椋「ほんと…。こんなおいしいチャーハン、初めて食べた…。」
恒一「それはよかった。赤沢さんと杉浦さんはどう?」
赤沢「…。」
杉浦「すごくおいしい。泉美もそう言ってるよ。」
恒一「ふふっ。ありがとう。」
見崎「恒一君。おかわり。」ケプッ
全員「!?」
恒一「見崎…。食べるの早いね…。」
見崎「育ち盛りですから。」エッヘン
小椋「こらっ!げっぷなんかして!失礼でしょ!」ゲプッ
綾野「由美も人のこと言えないじゃん!」
小椋「…………///////////」カァァッ
赤沢「えっ!?多佳子!?」
杉浦「泉美だけ、いいとこなしで帰っていいの?」ヒソッ
赤沢「…。」
恒一「別にいいよ。お客さんに手伝わせるのは申し訳ないし。」
恒一「…。そっか。それじゃ赤沢さん。悪いけど、後片付け手伝ってくれる?」
赤沢「う…うん。」
(多佳子。ありがとう…。)
小椋「…さぁ?」
〜三神家、恒一の部屋〜
怜子(二人きりで話したいことがあるっていうからついてきたけど…。)
「見崎さん。何で恒一君の部屋なの?」
見崎「それは…私がそうしたかったから。」キリッ
怜子「…。」
「三神さん。恒一君のこと…好き?」
怜子「えっ!?」
見崎「恒一君のこと…好き?」
怜子「…。」
見崎「私は…。恒一君のことが好き。」
怜子「!?」
見崎「でも安心して?赤沢さんや綾野さんみたいなのじゃないから。」
(それに三神さんみたいなのでもね。)
「私は、純粋に友達として恒一君が好き。」
怜子「…。」
怜子「私は…。」
「私は……。」
恒一「こんなところにいた。」ガラッ
怜子・見崎「!?」
怜子「えっと…。」
見崎「ごめんなさい。三神さんに家の案内をしてもらってたら、恒一君の部屋を見つけてつい長居を。」
恒一「もう…。早く戻っておいでよ?」スタスタ
見崎「うん。」
「…三神さん。」
怜子「何?」
見崎「自分の気持ちに素直になれば、結果って自然についてくるものだと思う。」
「だから…。嘘をついちゃダメ。」
「友達を失うくらいの覚悟をしたこと…忘れちゃダメ。」
「恒一君に…伝えなきゃダメ。」
見崎「じゃあ。戻ろうか。」
怜子「見崎さん。なんで私が恒一君のこと…その…。」
見崎「私の左目は、恋する乙女を見逃さないの。」
怜子「えっ!?」
見崎「なんてね。」クスッ
綾野「怜子!早く元気になってよ?それとこういっちゃん!おいしいご飯をありがとう!」
小椋「それじゃ。また学校でね?」
綾野「ばいば〜い!!!!!」
恒一「何度も謝らないで?赤沢さんはいつもみたいに凛としてる方が似合ってるよ?」
赤沢「うん…/////////」
杉浦(食器一枚で済んでよかった…。榊原君には迷惑かけちゃったけど、とりあえず何もしないよりはましだったかな?)
「泉美。私たちもかえろ?」
杉浦「おじゃましました。」
見崎「私も帰る。」
恒一「見崎も今日はありがとう。」
見崎「どういたしまして。」
怜子「見崎さん…。」
見崎「健闘を祈る。」グッ
恒一「?」
恒一「ふ〜。気が付けばもう晩御飯の時間だよ。」
「怜子さん。お風呂にします?ご飯にします?」
怜子「…。」
恒一「怜子さん?」
怜子「えっ!?それじゃ、晩ご飯にしようかな?」
怜子「ありがと。じゃあ私はその間に、お風呂の準備してくるね?」
〜三神家、食卓〜
怜子「今日はオムライスか〜。」
恒一「嫌でしたか?」
怜子「ううん!私オムライス大好き!」
恒一「ならよかったです。」ニコッ
怜子「うん。」ポッ
恒一「電話だ。僕、出てきますね。」
怜子「うん。」
怜子「…。」ジーッ
「ケチャップ…。」
(そうだ!恒一君のオムライスに悪戯しちゃえ!)
怜子「ふ、ふ〜ん。」
恒一「?」
怜子「ほら恒一君!早く食べよっ?」
恒一「そうですね。…って、あっ!?」
『スキ』
恒一「もっ!もう!怜子さん!?」カァッ
怜子「ん?な〜に?」
恒一「こうなったら僕だって…。」ブチュー
『ぼくも』
怜子「えっ!?えっ!?」
恒一「…お返しです。」
怜子「…。」ボンッ
怜子「恒一君。」
恒一「な!なんですか!?」
怜子「お風呂。今日は恒一君から入って?その間に食器片しとくから。」
恒一「でも…。」
怜子「いいから。ねっ?」
恒一「…わかりました。」スタスタ
怜子「素直に…ならなきゃ…。」
(今日も色々ありすぎた…。)
(それにしても、今日の怜子さん…。なんというか変だったな…。特に赤沢さんたちが来た時とか。ほかの女の子が僕に会いに来たから怒ったみたいな…。)
(思い上がりかもしれないけど…。怜子さん…。もしかして僕のこと…。)
怜子「恒一君。ちょっといい?」
怜子「話があるの。」
恒一「別にいいですよ。」
怜子「…ありがとう。」ガチャ
恒一「!?」
「ちょっ!?なっ!?何やってるんですか怜子さん!?」アセアセ
怜子「恥ずかしがらなくてもいいじゃない?どうせ子供の体同士なんだし?」ツルペター
恒一「そういう問題じゃないです!いきなり何を…!」
怜子「何?もしかして恒一君、私のこと意識してるの?」ザー
恒一「…しないわけ…ないじゃないですか…。」
怜子「…。」ザー
恒一「怜子さんは…女の子としての慎みが欠けてます。」
恒一「はっ!?」
怜子「やっぱいいや。無理やりにでも入っちゃうから。」チャプン
恒一「あっ…。あっ…。」アワアワ
怜子「向き合ってる方が話しやすいでしょ?」ニッコリ
恒一(は…鼻血出そう…。)
恒一「…。」ポケー
怜子「こら恒一!ちゃんと聞いてる!?」ザパッ
恒一「うぇっ!?」
(体が密着してる!?)
怜子「いい?これから言うことはすごく大事なことなんだから、ちゃんと聞いてよね?」
(頭がおかしくなりそう…。)
(でも…やっぱりこんなの健全じゃない!!!)キッ
恒一「怜子!」ザバッ
怜子「えっ!?」
恒一「部屋で待ってる!!!」ガチャ ダダダダダッ
「…。やっぱり…いきなり過ぎたかな?」
「…。普通に見えたかもしれないけど…。ドキドキしてたの…恒一君だけじゃないんだからね…。」ボソッ
恒一「危なかった…。危うくお風呂で昇天するところだったよ…。」
「でも、ここならのぼせることもないし、落ち着いて話せるよね?」
(…。怜子さんの話したいことって、きっと…。)
恒一「怜子さん…。」
怜子「恒一君…。さっきはごめんね?」
恒一「あ…いえ…。」
怜子「…。隣いい?」
恒一「どうぞ。」
怜子「ありがと。」クスッ
恒一の肩に頭を預ける
怜子「ん?」
恒一「さっきお風呂で言おうとしたこと…。」
怜子「…。恒一君。こっち向いてくれる?」
恒一「はい。」クイッ
―チュッ
恒一「!!!!!???????」
(えっ!?え〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!??????)
「恒一君のこと、世界で一番好き!!!」
「おいとか叔母とか、いとことか現象とかそんなの関係ない!!!」
「私は恒一君のこと…誰にも負けないくらい好き!!!」
「だから…。私とお付き合いしてください!!!!!」
(僕も…勇気を出さなきゃ!!!)
恒一「怜子!僕も好きだ!!!悪酔いしても、慎みがなくてもいい!!!僕は、君のいいところも悪いところも含めて全部好きだ!!!!!」
怜子「ふぇ…。」
「だから僕と…。」ガバッ
怜子、勢い余って恒一を押し倒す
恒一「怜子…。」
怜子「うっ…。うぇっ…。」
恒一「泣かないで?これからはずっと一緒だよ?」ナデナデ
怜子「うんっ…。」
「約束だからね?」ニコッ
僕たちが付き合ってるってことは、おじいちゃん、おばあちゃんはもちろん、3年3組のみんなも知っている。
最初は色々と茶化されたりしたけど、どうにかクラス公認のカップルになることができた。
そして…。
恒一「ほんとか?」
怜子「ふふっ。すごく元気。いったい誰に似たんだか?」
恒一「誰だっていいじゃないか。元気が一番だよ。」
怜子「うん。そうだね。」
「…早く生まれてきてね?私たちの赤ちゃん?」ナデナデ
僕たちは大学を卒業と同時に結婚し、今は新しい命の誕生を心待ちにしているのだった。
スレを立ててくれた人、保守してくれた人、見てくれた人。みんなありがとう。
色々と変なところがあったりしたかもしれんが、少しでも楽しんでくれた人がいたらうれしい。
現象解決するとハッピーとは言いにくくなるからいいんじゃね
Entry ⇒ 2012.05.11 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
赤沢「3組女子がだらだら喋ってるだけの話」
赤沢「……」
見崎「カフェオレとサンドイッチお願いします」
智香「はーい」
赤沢「よく食べるわね……」
見崎「そう?普通じゃない?」
赤沢「もうナポリタンとカレーとトーストを食べてるじゃない。それで、まだサンドイッチも食べるの?」
見崎「ええ」
赤沢「……」
見崎「……」
赤沢「(どうしてこうなった)」
赤沢「集まろうと言いだした勅使河原と中尾は夏風邪をひいて来れない。馬鹿だからなの?」
智香「お待たせ。アイスティーとサンドイッチね」
見崎「ありがとうございます」
赤沢「彩と由美は補習があって遅れて来る、多佳子とゆかりも急用が入ったから遅れて来る」
見崎「……」モグモグ
赤沢「そして、特に問題なく来れるのは私と見崎さんだけだったと」
見崎「……」ゴクゴク
赤沢「(どうしてこうなった)」
見崎「私も榊原君に誘われたから来たのに」モグモグ
赤沢「心を読まれた!?」
見崎「声に出てたよ」
赤沢「え、嘘!?」
見崎「赤沢さんって考え事をしてると声に出るタイプ?」
赤沢「え?分かんないけどそうなのかな?」
見崎「そう」
赤沢「……」
見崎「……」モグモグ
赤沢「(気まずい!!)」
赤沢「……」
見崎「フルーツパフェお願いします」
智香「はーい」
見崎「そういえば、綾野さんと小椋さんって何の補習を受けてるの?」
赤沢「この前の数学のテストが赤点だったらしいから、その補習だそうよ」
見崎「え、数学?この前のテストの?」
赤沢「この前の数学のテストよ」
見崎「あの二人進学大丈夫なのかな」
赤沢「このままだとまずいわよね……」
見崎「学年順位?」
赤沢「うん」
見崎「9位」
赤沢「は!?一桁!?何でそんなに良いの!?」
見崎「榊原君に教えてもらった」
赤沢「へ、へーそうなんだ……(羨ましい羨ましい羨ましい)」
赤沢「そ、そんなことないわよ」
智香「フルーツパフェよ」
見崎「ありがとうございます」
見崎「そう……赤沢さんはテストどうだったの?」
赤沢「え……18位よ……」
見崎「ふーん」モグモグ
赤沢「ぐぬぬ」
見崎「……」モグモグ
赤沢「……」
見崎「杉浦さんと桜木さんの急用って何?」
赤沢「え、さあ……急用としか言ってなかったから」
見崎「じゃあ、いつ来るのかよく分からないのね」
赤沢「ええ、そうね」
見崎「何の用か聞かなかったの?」
赤沢「ええ、急用とだけ」
見崎「(それじゃあ困るのに、何で聞かなかったんだろう)」
赤沢「?」
赤沢「どうしたの?」
見崎「この前榊原君の家に行ったんだけど」
赤沢「えっ!嘘っ!」
見崎「本当。その時にたまたま榊原君が隠してたAVを見つけたんだけど」
赤沢「A……///」
見崎「それに出てる女優さんが赤沢さんにそっくりだった」
赤沢「えっ!!」
見崎「榊原君は今まで赤沢さんをどんな目で見てたんだろうね」
赤沢「うわあああ///」
見崎「冗談だけど」
赤沢「おいこら!!」
見崎「ごめんなさい。あ、でも」
赤沢「何よ」
見崎「赤沢さんにそっくりなモデルさんが出てるグラビアなら見つけた」
赤沢「もう冗談はいいわよ」
見崎「今度は本当」
赤沢「しつこいって」
見崎「本当だって」
赤沢「まだ言うの?さすがに冗談がすぎ……」
見崎「だから今度は本当だって」
赤沢「えええ……」
赤沢「(うわあああああああ///)」
見崎「大丈夫、おかず沢さん」
赤沢「おかず沢さんって何よ!!」
赤沢「ああもう、今度から榊原君とどんな顔をして会えばいいのよ///」
見崎「自分から言っておいてあれだけど、榊原君はそういうの気にしないと思うよ」
赤沢「私が気にするのよ!!」
見崎「ふーん」
赤沢「ああもう!!」
赤沢「まだ食べるの!?」
見崎「駄目?」
赤沢「別に駄目じゃないわよ……そんなに食べて大丈夫なの?」
見崎「まだ入るよ」
赤沢「そっちもだけど、そんなに食べたら太るわよ」
見崎「太りにくい体質だから」
赤沢「(それで胸がないのか)」
見崎「何か失礼なことを考えてない?」
赤沢「気のせいよ」
赤沢「(間が持たない……)」
見崎「……」モグモグ
赤沢「(彩、由美、多佳子誰でもいいから早く来て)」
見崎「……」モグモグ
多々良「あれ?赤沢さんと見崎さん?」
赤沢「え?多々良さん?」
有田「珍しいね、二人が一緒なんて」
赤沢「色々あってこうなってるのよ。彩と由美と多佳子は後で来ると思うわ」
中島「ふーん。本当に不思議な組み合わせだから、どうしたのかと思った」
見崎「そんなに不思議?」
多々良「二人って傍から見ると犬猿の仲に見えるから」
見崎「そこまで悪くもないよ」
赤沢「(良くもないから、気まずい空気は広がってたけどね)」
見崎「でも、そっちもちょっと珍しい組み合わせだと思うよ」
赤沢「そういえばそうね」
多々良「奈緒美ちゃんには、もっとクラスの皆と仲良くして欲しいから、引っ張って来ちゃった」
藤巻「べ、別に私が来たくて来たんじゃなくて、恵がどうしてもって言うから来たんだからな」
多々良「ごめんね、奈緒美ちゃん。そんなに嫌だった?」
藤巻「そ、そんなことはないけど……むしろ良かったというか……」ゴニョゴニョ
多々良「そう、良かった」
藤巻「うう……///」
見崎「……」
中島「え、どういうこと?」
見崎「普段はキツい態度だけど、特定の誰かの前や条件下では、締まりがない、というか、デレデレしてる」
有田「ああ、何となく分かる。そういうのって慣れたら可愛いよね」
藤巻「可愛っ……」
見崎「普段はキツい態度ってだけなら赤沢さんもそうだよね」
赤沢「え?そう?」
見崎「クラスでも指折りのキツさだと思う」
赤沢「私ってそんなキツそうなイメージなの?」
見崎「うん」
中島「(本当にキツい)」
見崎「榊原君の前でデレデレしたら、可愛いって言ってくれるかもしれないよ」
赤沢「な、何言ってるのよ!!///」
見崎「デレ沢さん」
赤沢「変なあだ名をつけるな!」
見崎「話は変わるけど、私ってどんなイメージなの?」
多々良「え、見崎さん?」
有田「うーん、言ってもいいの?」
見崎「ええ」
見崎「え」
藤巻「超能力の一つや二つ使えても不思議じゃないイメージはあるよな」
見崎「え」
有田「夜な夜な悪と戦ってそうなイメージ」
見崎「え」
多々良「実は別の世界の住人とか」
見崎「何そのイメージ」
赤沢「実際は思春期特有のちょっと恰好をつけたいだけの中学生」
見崎「そ、そんなこと……」
赤沢「ないの?」
見崎「う、うん……」
赤沢「は?何でよ?」
見崎「にわかコーヒーマニアだから」
赤沢「ちょっ、にわかって何よそれ!!」
見崎「コーヒーにはまったのは割と最近で、まだそんなに違いも分からないくせに、ことあるごとにコーヒー通っぷりをアピールしてくる」
赤沢「そ、そんなことないわよ!!」
見崎「本当に詳しい人なら、ことあるごとに詳しいアピールをしてこないよね」
赤沢「そ、そんなこと……とにかくにわかコーヒーマニアじゃないわよ!!」
見崎「そういうことにしておいてあげる」
赤沢「だから違うって!!」
多々良「はい」
中島「どうしたの」
見崎「学年3位と7位おめでとう」
赤沢「え、そうなの」
見崎「多々良3位と7位島さん」
多々良「あ、ありがとう」
中島「でも、何で見崎さんが知ってるの?」
見崎「秘密」
見崎「じゃあ、ある情報筋とだけ」
中島「余計に気になる!」
見崎「ちなみに、藤巻さんと有田さんの順位も知ってます」
見崎「ヤンキーっぽい外見の藤巻さんですが、実は結構良い順位です」
藤巻「誰がヤンキーだ!それと、何で私の順位も知ってるんだよ!」
藤巻「それにこれは恵のおかげみたいなもんで……」ゴニョゴニョ
有田「ねえ、私と藤巻さんってどっちが上?」
見崎「言っていいの?」
有田「……やっぱりいいや」
赤沢「あれ?」
赤沢「ねえ、見崎さん」
赤沢「その順位ってもしかしてクラス全員分を知ってるの?」
見崎「そうだよ」
赤沢「じゃあ、私の順位も知ってたのよね?」
見崎「うん」
赤沢「何でさっき私の順位を聞いたの?」
見崎「……」
赤沢「……」
見崎「ところで……」
赤沢「おい!!」
藤巻「だから、誰がヤンキーだよ!」
見崎「その中で、有田さんって特に何もないよね」
有田「そ、そうかな」
見崎「うん」
有田「そう言われるとそんな気がしてきた……」
見崎「もっと個性を出してみたら?」
有田「た、例えば?」
見崎「うーん、アナニーマニアになってみるとか」
有田「あ、アナニー?」
見崎「ごめん、やっぱりなしで」
藤巻「アナニーって何だ?」
中島「///」
赤沢「見崎さん、アナニーって何なの?」
見崎「え、えーと、中島さんが知ってるみたい」
中島「わ、私!?えーとその……」
中島「見崎さんの提案なんだから、私にふらないでよ!!///」
見崎「ごめんなさい、やっぱりこの話はなかったことにして」
有田「すごく気になるんだけど」
見崎「ごめんなさい。今のは私が全面的に悪かったです。これ以上の追及は本当に勘弁して下さい」
多々良「アナニーって何なの?」
藤巻「教えろよ、アナニーって何だよ」
赤沢「ねえ、アナニーって」
中島「///」
見崎「やめて、女子中学生がそんな単語を連呼しないで……」
有田「え、アナニーって何かまずいことなの?」
見崎「いや……それは……中島さん助けて」
中島「わ、私にふらないでよ!!」
江藤「皆何やってるのこんなところで?」
渡辺「(聞いてる方が恥ずかしくなるから、そんな単語連呼しないで///)」
江藤「珍しい組み合わせだね(アナニーって何だろう)」
赤沢「彩達を待ってたら、多々良さん達が来てこうなってるのよ。そっちはいつも通りの組み合わせね、江藤さんに佐藤さんに……」
見崎(裏声)「渡辺“さんさん”」
渡辺「今、“さんさん”って言った人、怒らないから手を挙げて」
見崎「赤沢さん」
赤沢「え?」
渡辺「そう……赤沢さんなの……すぐに終わるから歯を食いしばっててね……」
赤沢「え?え!?」
渡辺「え?そうなの」
有田「うん、見崎さんの裏声」
見崎「ええ、ごめんなさい」
渡辺「そう……じゃあ歯を食いしばってね……」
見崎「ごめんなさい、それはやめて」
赤沢「あなたのせいで私がそれをやられかけたんだけど……」
見崎「赤沢さんもごめんなさい。ほんの出来心だったんです」
見崎「おわびに私の左目を見せます」
赤沢「てっきり触れたら駄目なところかと思ってた」
見崎「私も断腸の思いだよ……でも、今回悪いのは私だから仕方ないよね……」
渡辺「見崎さん……」
見崎「(どうせ減るものでもないし、叩かれたくないし)」
赤沢「何かちょっと申し訳ないな」
見崎「(赤沢さんに対しては私が全面的に申し訳ない立場なんだけどね)」
見崎「いいよ、じゃあ、眼帯を取るね」
赤沢「これ、義眼よね?」
見崎「うん、お母さんが作ったの」
多々良「見崎さんのお母さんって器用なんだね」
見崎「人形師だから」
江藤「じゃあこれって人形の眼なの?」
見崎「ええ」
藤巻「……」ウズウズ
見崎「触っちゃ駄目だよ」
藤巻「光ってて綺麗だったからつい」
見崎「ヤンキーだから光りものが好きなの?」
藤巻「そんなに私をヤンキーってことにしたいのか?」
見崎「?」
中島「(って私何失礼なことを考えてるんだろう。義眼を嵌めてるってことは、元の眼が無くなるようなことがあったってことじゃない、それなのに……)」
見崎「そんなに気を使わなくてもいいよ」
中島「心を読まれてた!?」
見崎「気を使ってるのが顔に出てたよ」
佐藤「……」
佐藤「ねえ、もう行こうよ」ヒソヒソ
江藤「どうしたの?」ヒソヒソ
佐藤「見崎さんは何考えてるのかよくわからないし、赤沢さんはキツいし」ヒソヒソ
江藤「まあ、取っつきづらいのは分かるけどさあ……」ヒソヒソ
見崎「私も赤沢さんもそんなに取っつきづらくないと思うよ」
佐藤「うっ、聞こえてたの……」
赤沢「え、何か言ってたの?」
見崎「それに、赤沢さんは今度からデレデレキャラでいくんだって」
赤沢「言ってない!そもそも、何の話をしてたの?」
赤沢「え……さっきも言われたけど、私ってそんなにキツいイメージなの?」
有田「(だからイメージどころじゃないって)」
佐藤「うう……聞こえてたなら仕方ないか。赤沢さんはその……やたら厳しくて、仕切りたがりな所があるから……」
佐藤「それで有能ならまだいいんだけど、そうでもないから、マイナスの方でキツい印象があるっていうか……」
赤沢「厳しい……仕切りたがり……有能じゃない……」
見崎「確かに」
赤沢「いや、納得しないでよ!!」
赤沢「え」
藤巻「何かと仕切るけど、最終的には桜木さんや杉浦さんが修正を加えてるからなあ」
赤沢「え」
江藤「赤沢さん発で何かをやると、大抵効率が悪いし」
赤沢「え」
中島「確かに、仕切りたがりなのはともかく、それで失敗しまくってるのは……」
赤沢「あの……」
渡辺「これで出来る人なら、キツいじゃなくてキリッとしたってイメージだったのかな」
赤沢「……」
多々良「えーと、何かをする前にはもう少し周りと相談した方が……」
赤沢「……」
赤沢「集中砲火はやめて……心が折れそう……」
見崎「やっぱり、これからはデレデレキャラで行く?」
赤沢「何で最終的にはそこに着地するの!?」
佐藤「(何か可哀想になってきた)」
赤沢「ちょっと待って、関係ないって顔をしてるけど、見崎さんも何考えてるのかよく分からないから、取っつきづらいって言われてたじゃない!」
見崎「私ってそんな風に思われてたの?」
見崎以外全員「うん」
赤沢「さっき私と二人きりの時、ひたすら気まずい空気が流れてたよね?」
見崎「そう?あの時もちゃんと気をつかってたよ」
赤沢「リアクションがおかしかったり、ひたすら食べてたりしたじゃないの……」
見崎「リアクションおかしかった?」
赤沢「何回も空気が凍りついてたわよ」
見崎「そう?」
赤沢「マイペースすぎるでしょ……」
佐藤「(何だこれ……)」
佐藤「(この二人に関しては気にしたら負けな気がしてきた)」
佐藤「あー、見崎さんと赤沢さんちょっといい?」
見崎・赤沢「ん?」
佐藤「その……さっきはひどいことを言ってごめんなさい」
佐藤「やっぱり、二人はそのままでいいです、はい」
赤沢「こちらこそ今まで不快な思いをさせていたのなら謝るわ。これからは、至らない点があったら言ってちょうだい」
見崎「私も赤沢さんと同じ」
佐藤「あー、うん……分かった」
佐藤「(やっぱり、相手しづらいなこの二人)」
柿沼「えっ、何でクラスの皆がここにいるの?」
見崎「柿沼さん」
赤沢「本当に何でなのかしら。偶然皆ここに集まったみたい」
柿沼「へ、へーそうなんだ……」
赤沢「柿沼さんは何でここに?」
柿沼「それはその……」
赤沢「?」
柿沼「えーと……小説を書きに……」
柿沼「いや……その……まだ全然書けてないから」
江藤「……」
渡辺「ここでちょっと書いていくんでしょ?書き終わったら見せてよ」
柿沼「うーん……皆が来てるならやめておこうかな」
多々良「どうして?」
柿沼「それは……その……恥ずかしいから……」
中島「えー、見たいなあ」
柿沼「それは……」
江藤「み、皆そこらへんにしておいた方がいいんじゃないかな」
佐藤「う、うん。柿沼さん嫌がってるよ」
見崎「人が嫌がることはしない方がいいんじゃないかな……」
有田「そうだね、ごめん柿沼さん」
柿沼「い、いいよ。そんな全然気にしてないし、謝ることなんてないよ」
多々良「でも、今のは私達が悪かったんだからやっぱり……」
柿沼「だ、大丈夫大丈夫。本当だって」
中島「柿沼さんって優しいんだね」
柿沼「あ、あはは……」
江藤「……」
佐藤「いいよ……」ヒソヒソ
江藤「柿沼さんの小説ってあれだよね……望月君と勅使河原君がいちゃついてた……」ヒソヒソ
佐藤「私が見たのは風見君と勅使河原君が……」ヒソヒソ
藤巻「前島君と和久井君が……」ヒソヒソ
見崎「榊原君と望月君……」ヒソヒソ
江藤「あれってホモ……」ヒソヒソ
佐藤「やおいって言うんじゃなかったっけ……」ヒソヒソ
見崎「最近はボーイズラブとも言うらしいよ……」ヒソヒソ
江藤「あ、やっぱりそれで知ってたんだ。私も机から落ちてるのをつい見ちゃった」ヒソヒソ
佐藤「見られたくない割には管理が杜撰すぎるよね……」ヒソヒソ
見崎「私達以外にも見てる人がいるんじゃないかな」ヒソヒソ
江藤「男子が見てたらキツいよね……」ヒソヒソ
藤巻「見てても見ましたって言えないだろあんなもん……」ヒソヒソ
江藤「精神的なダメージが……」ヒソヒソ
藤巻「ああ、そっちか。確かに男子があれを見るのはキツいよな……」ヒソヒソ
江藤「女子が見てもショッキングだったからね……」ヒソヒソ
江藤「え、な、何でもないよ」
見崎「赤沢さんが気にすることじゃないよ」
柿沼「多々良さん、王子君と猿田君って部活ではどんな感じ?」
多々良「え、二人とも真面目に練習してるよ」
柿沼「えーと、そうじゃなくって、二人がどんな風にいちゃ……どんな風な仲に見えるかと言うか何と言うか……」
多々良「どうと言われても……教室と同じ感じかな」
柿沼「そ、そう。ありがとう」
多々良「どういたしまして?」
藤巻「(何故墓穴を掘りに行く!)」
金木「何か集まる予定あったっけ?」
赤沢「いえ、特に予定はないけど偶然ね」
見崎「(そして、また偶然に集まって来た)」
松井「ふーん、そうなんだ」イチャイチャ
金木「もう、亜紀ったらそんなにくっつかないでよ」イチャイチャ
松井「だってー」イチャイチャ
渡辺「(相変わらず熱いなあ)」
柿沼「二人が男子だったら良かったのに」ボソッ
佐藤「(柿沼さん声に出てるって!!)」
有田「え、何か借りてたっけ?」
金木「そこから忘れてるの?」
有田「ごめん、帰ったら確認しておく」
金木「もう、借りパクはやめてよね」
有田「ごめんごめん、ちゃんと返すから」
金木「頼むよ」
松井「……」
松井「……」ギュッ
松井「私にも何か貸して……」
金木「亜紀ったらもしかして嫉妬してる?」
松井「そ、そんなこと……」
金木「心配しなくても亜紀にはいつでも私を貸すわよ」
松井「杏子ちゃん!」
金木「もう、可愛いんだから」
中島「(熱いなあ)」
赤沢「(私も恒一君とイチャイチャしたいなあ……)」
柿沼「二人が男だったら良かったのに……」ボソッ
見崎「(また声に出てる。もうバレたらいいのに)」
藤巻「何よ?」
見崎「気をつけた方がいいよ、あなたも金木さんや松井さんの世界に片足を突っ込んでるから」
藤巻「え?どういうこと?」
見崎「はっきりと言った方がいいの?」
藤巻「何だよその含みのある言い方は」
有田「(見崎さんの言いたいことも分からなくはないな……)」
中島「(藤巻さんって恵にべったりだから……)」
多々良「?」
杉浦「何その変な呼び方。補習お疲れ様」
桜木「ゆかりん……」
小椋「裏口から入れって言われたから、裏口から入ったら、智香さんにこの倉庫に通されたんだけどどうしたの?」
杉浦「ここからだと店内の様子がよく見えるのよ」
綾野「店内?本当だ、よく見えるね」
小椋「何で皆集まってるの?打ち上げか何かあったっけ?」
桜木「いつの間にかこんなことに……」
杉浦「最初は、泉美と見崎さんだけだったんだけどね、多々良さん達が来て、それから何故か次々に3組の皆が集まり出してこうなったのよ」
綾野「不思議だね」
杉浦「本当にね」
小椋「ところで、多佳子とゆかりは何でこんなところにいるの?」
杉浦・桜木「……」
桜木「えーと、そのことについては、杉浦さんから説明お願します」
杉浦「私?言いだしっぺだから仕方ないか」
杉浦「で、せっかくだから、私とゆかりも遅れて行くことにして、泉美と見崎さんを二人だけにして、その様子を観察してみようと思ったわけよ」
綾野「何でそんな事を?」
杉浦「面白そうじゃない。あの二人ってどっちも個性的だったり、微妙にギスギス……いや、ギクシャクしてたりで」
小椋「性格悪いなあ……」
桜木「わ、私は反対しました!」
杉浦「結局は乗ったんだから同罪よ」
桜木「そ、そんな……杉浦さんが脅すから……」
杉浦「ごめん、聞こえなかった。もう一度お願いできるかしら?」
桜木「ごめんなさい、何でもないです……」
綾野「ねえ、すっぎー」
杉浦「その変な呼び方はやめてもらえないかしら。それで、どうしたの?」
綾野「皆集まってるんだから、私達もあっちに行かない?」
杉浦「……そうね」
小椋「うん」
桜木「そうですね……何をやってたんでしょう私達」
杉浦「じゃあ行こうか」
終わり
Entry ⇒ 2012.05.11 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
霧果「左目に細工しておいたから」鳴「……え?」
霧果「ふふん、それはね!」
義眼の新たな能力>>5
kskst
鳴「それは……すごい」
霧果「相手の深層心理を引き出すことも出来るし上書きすることも出来る。
これで、鳴、ぼっちは脱出よ!ナイスママ!」
鳴「……そんな風に思ってたの?」ブワッ
霧果「え?」
鳴「……ママ嫌い――石になれえええええええ!!」キュピーン
霧果「――私は石ころ路傍の石ころたんぽぽの傍でひっそりと石ころ」
鳴「すごい、流石催眠術」
鳴「>>15にも試してみよう」
鳴「赤沢さん……こんにちわ」
赤沢「貴方が出歩いているなんて珍しいわね」
鳴「(赤沢さん……ちょっときついけど私の事をよくしてくれる……私は友達だと
思っている、けど……)」
鳴「(赤沢さんはどう思っているんだろう……?)」
鳴「赤沢さん」シュルッ
赤沢「何?って、貴女が眼帯外すなんて今日は二つも珍しいことが」
鳴「私の左目をよぉく見て……」キュピーン
赤沢「綺麗な蒼……なんだかとっても……沈んでいくみたいに……」
鳴「(掛かった)……ねぇ、赤沢さん」
赤沢「なぁに、見崎さん……」
鳴「……私と貴方は、友達?」
答え>>22
鳴「」
赤沢「恋人」
鳴「」え?
鳴「(……聞きたくなかった。ある意味で、とても聞きたくなかった……)」
鳴「(……逃げよう。今なら間に合う。今日、私は何も聞かなかった)さ、さよならっ!」ピュー
赤沢「……恋人になりたい、あの人の恋人になりたい思っている良き好敵手であり友達なんて
軽いもんじゃないわ。好敵手と書いて『とも』と呼ぶような間柄だと私は――ってあれ?
さっきまで此処に見崎さんが居たような……気のせいだったのかしら?」
鳴「赤沢さん……絶対に榊原君が好きだと思っていたのに……なんで私……」
鳴「……///」
鳴「いや、ない。ないです、ないですから」
鳴「……使い方には注意しないと――ん?あれは……」
>>28誰?
鳴「中尾君……」
中尾「ん?おっ、見崎じゃないか。奇遇だな!」
鳴「(中尾君……生理的にはあまり好ましくないけど、でも意外と面倒見のいいところがある人。それで、赤沢さんの事が大好き)」
鳴「(でも……赤沢さんは私の事が……///)」
鳴「(ないっ!ないないない!!)」ブンブン
鳴「……なんでもない、お疲れ様、中尾君。偉いね、ゴミ拾いなんて」
中尾「ん、あぁ、いやな、もしかしたらこうしてたらなんか良いことがあるんじゃないかと思ってさ……///」
鳴「(あぁ、赤沢さんに会えると思ったのか……中尾君、ごめんなさい……赤沢さんは私の事が……)」
鳴「……中尾君、可哀想」
中尾「へ?」
鳴「……私が、忘れさせてあげるからね」キュピーン
中尾「――」
鳴「これで彼はきっと幸せになれる……」スタスタ
鳴「もうこれ以上誰かに会うのは危険……帰ろうかな」
>>35が現れた!
鳴「」!?
鳴「(ど、どうして此処に!?まさか、私の後を付けて来たの……?)」ブルブル
赤沢「ねぇ、さっきなんだけど、さ」
鳴「(ま、まさか答えを聞かせてとか!?ど、どうしよう、でも、私は……榊原君の事が……!!)」
赤沢「……聞いてる?見崎さん、心なしか顔が青いような……」ズイッ
鳴「い――いやぁっ!」ダッ
赤沢「え?ちょっと!?」
鳴「(逃げないと……大事なものを全部取られちゃう……!)」タッタッタッ
鳴「はぁはぁ……此処まで来れば多分安心……でも此処……何処だろう……」
鳴「あ、あそこに居るのは……>>45」
勅使河原「ん?おぉ鳴ちゃんじゃねーか、ってどうした、汗だくだぞ?」
鳴「(赤沢さんに追われている恐怖と道の不案内でついついキャラ崩壊をしてしまった……いけないいけない)」キリッ
鳴「こんにちわ、勅使河原君」
勅使河原「ん、あぁ、よぉ。一人か?」
鳴「うん。お散歩してたら、道に迷っちゃった」
勅使河原「へぇ、ってそういや鳴ちゃんって案外危なっかしいところがあるって、サカキが言ってたな」
鳴「……榊原君がそんなことを?」
鳴「(嬉しいような……腹立たしいような……)」
鳴「(よし、許さない、榊原君)」
鳴「いいよ」
勅使河原「本当か!?サンキュー!」
鳴「(勅使河原君もちょっと私をバカにしてた……二人とも、罰を与えます……)」シュルッ
勅使河原「そんじゃぁ、此処まっすぐ行けば丁度夜見北中学だから……」
鳴「勅使河原君」
勅使河原「ん?なんだ?」
鳴「>>50になれ」
勅使河原「――」
鳴「豚河原君はそのまま四足で激しい喉呼吸をしながらとどこかへ行った。一応一時間で解けるようにはしたけれど」
鳴「もしかしたらやりすぎたかもしれない」
鳴「……なんかあったら謝ろう」
鳴「さてと、あっちが夜見北中学って行ってたから私の家は……」
鳴「……まず夜見北に行ってみよう」
鳴「あれ?校門の前に居るのは」
>>56
>>57
鳴「綾野さんと一緒に居る……聞き込み?もしかして、包囲網!?」
赤沢「遅れてごめんね。それじゃぁ後は由美ね」
綾野「由美は仕方ないよー、あの子時間にルーズだから。泉美はなんで遅れたの?いつも一番乗りなのに珍しい」
赤沢「ちょっと、見崎さんに会ったんだけど色々在ってね……」
鳴「何を話しているのかは聞こえないけれど、幸い私には気付いていない……」
鳴「……別のルートにしよう。でもお腹空いた……」
鳴「……イノヤなら、学校の前に行かなくても行けるよね」
カランカランッ
望月姉「いらっしゃい。あら見崎さん」
見崎「こんにちわ。望月君のお姉さん」
望月姉「こんにちわ。あっちに>>65と>>67がいるわよ」
鳴「失礼しました!」カランカランッ
鳴「どうして……何故……彼女は校門の前に居たはず……いないものがあそこに……」
鳴「世はまさに赤沢天国?ない……そんなわけない……」
鳴「うぅ……お腹空いたよぉ……」グゥ
>>78「これ、食べる?」
鳴「う――うわああああああああああああああああああああああああああああああ!!」ダッダッダッダッ
赤沢「……え?」
綾野「なんかすごい勢いで逃げちゃったね……」
赤沢「カントリーマアム、嫌いだったのかな?」
小椋「あれは泉美を怖がってたように見えたんだけど……」
赤沢「なんで私が……」
綾野「……まぁ、泉美のお兄ちゃんともっちー待たせているんだし、早くイノヤに行こうよ!」
赤沢「それもそうね」
鳴「此処何処……足が……お腹も……もう……歩けない……」
鳴「私……死んじゃうの……?いや……死にたくない……助けて……榊原君……」
>>90「大丈夫……?」
赤沢「見崎さん、なんか辛そうだけど……カントリーマアム、食べる?」
鳴「(……もう良い、どうせ逃げられないんだから……このまま此処で果ててしまおう……)」
鳴「……赤沢さんの好きにすれば良い」
赤沢「じゃぁほら、食べなさい。それとそんなところに座ってたらはしたないわよ。恒一君に見られたらどうするの」
鳴「榊原君……榊原君……ふえぇ」ブワッ
赤沢「ちょっと!?な、何泣いてるのよ!?」
鳴「榊原君……助けてぇ……」ポロポロ
赤沢「べ、別に取って食おうって訳じゃないんだから……恒一君に手間掛けさせるんじゃないの」ペシッ
鳴「痛い……」ポロポロ
赤沢「はぁ……とりあえずほらこれ、包装剥がしたから食べなさい」
鳴「うん……いただきます」
赤沢「召し上がれ」
赤沢「そう、良かったわ。嫌いだったらどうしようかと」
鳴「もう一個食べたい」
赤沢「厚かましいわね……はい」
鳴「ありがとう……ねぇ、赤沢さん」
赤沢「何かしら?」
鳴「私の、何処が好きなの?」
赤沢「」ブッ
鳴「だって赤沢さん……」
赤沢「私が何……?」
鳴「……答えて」
赤沢「だから私がなんなのよ!」
鳴「答えて」キュピーン
赤沢「――」
鳴「」
鳴「……じゃぁ嫌い?」
赤沢「いいえ」
鳴「ふぅ……赤沢さんの中で私は恋人だったんじゃないの?」
赤沢「いいえ。私の中での見崎鳴は榊原恒一君を恋人にしたがっているライバル」
赤沢「ただの友達とも違う、好きじゃないけど嫌いに慣れない人。それが見崎鳴」
鳴「(そうだったんだ……私、はやとちりして……)」
鳴「良かった……赤沢さんが私を好きだったらどうしようかと」
赤沢「無い」
鳴「」はっきり言われると傷つきます
赤沢「どうして?」
鳴「約束したじゃない」キュピーン
赤沢「――そうだったわね。さぁどうぞ」
鳴「ありがとう。それじゃぁ、私の家まで」
>>117「おーい!」
鳴「……榊原君」
赤沢「恒一君。こんにちわ」
恒一「二人とも、此処に居たんだ」
鳴「……私たちを探してたの?」
恒一「達って言うか、見崎をね。綾野さんに頼まれてさ。まぁもとはと言えば赤沢さんが言い出したことみたいなんだけど」
鳴「……赤沢さん、そうなの?」
赤沢「はい。見崎さんが私から逃げるから、なんだか気になって。43分39秒6728前
路肩に蹲りお腹空いたって言っていたのも気になったから」
鳴「……ありがとう」
恒一「赤沢さん……なんか雰囲気が違う?疲れているかな?見崎を貸して」
赤沢「駄目。約束したから」
鳴「赤沢さん、下して。此処で良いよ」
赤沢「はい」
鳴「ありがとう。それじゃぁ、綾野さんたちのところに戻って」キュピーン
赤沢「はい」スタスタ
恒一「あっ、それじゃぁね赤沢さん!」ブンブン
赤沢「さようなら」
鳴「……」フリフリ
恒一「赤沢さん……なんだろう……なんか様子がおかしかった気が……」
鳴「榊原君」
恒一「ん?何?」
鳴「おんぶ、して」
恒一「え?あ、うん……はい」スッ
鳴「ありがとう」ギュッ
鳴「今日はお腹も空いているから、その所為」
恒一「そっか。それじゃぁこの後どうする?僕は勅使河原たちと約束があってイノヤに行くんだけど、
見崎は来る?」
鳴「うん」
恒一「解かった。って言っても勅使河原の奴は何処行ったのか。携帯に連絡しても出ないし、
本当にあいつは……」
鳴「……」ギクッ
恒一「にしても、赤沢さんは大丈夫なのかな……まるで放心状態みたいだったけど」
鳴「……」ダラダラ
鳴「ね、ねぇ榊原君……」
恒一「?何……」
鳴「それ……私の所為って言ったら、怒る?」
恒一「へ?」
鳴「それ……私の所為なの」
鳴「そう。人の深層心理を引き出したり、書き換えたりできるの、私の左眼」
鳴「勅使河原君が約束の場所に来なかったのも、赤沢さんが変だったのも、私の催眠術の所為なの」
恒一「……ごめん、俄かには信じられない」
鳴「そう……だよね」
恒一「じゃぁ、僕にも何かしてみてよ。見崎が知らないようなことを僕に訊いて、それで当たったってことは
催眠術成功なんじゃないかな?」
鳴「それは……無駄だと思う」
恒一「どうして?」
鳴「(だって……私は榊原君の事ならなんでも知ってるから)」
鳴「……知りません」
恒一「?まぁ、良いか」
>>130「おい」
「お前が榊原恒一だな?……殺す、殺してやる!」
恒一「何故!?」
「泉美を誑かしただけでは飽きたらずそんな可愛い子まで籠絡するとは……夜見山の災厄め!此処で消えろ!」
恒一「くっ!」
鳴「榊原君、彼の目線に私の目線を合わせて!」
恒一「!?解かった!」
「うおおおおおおおおここから居なくなれええええええええええええええ!!」
鳴「見崎鳴が命じる――お前は豚だぁ!!」キュピーン
「――」
鳴「あの人の言っていたことは気にしない方が良い」
恒一「うん……」
鳴「(榊原君……前の学校で名字の事でからかわれたりしてとても傷ついた、それに……
彼は沢山の死に近い存在……他の誰よりも、敏感にあぁいう言葉を感じ取ってしまう……)」
鳴「(私のこの力ならきっと……榊原君を助けてあげられる……)」
恒一「……行こうか、見崎」
鳴「……榊原君」
恒一「何?」
鳴「……私、榊原君が望むなら、良いよ?」
恒一「……え?」
恒一「……本当に?」
鳴「うん……さぁ、私の左目を見て」キュピーン
恒一「――」
恒一「うおおお!!」ガバッ
鳴「え?」ストンッ
恒一「見崎いいいいいい!!」ビリビリ
鳴「ちょっ、いや!止めて!」キュピーン
恒一「――」ピタッ
鳴「……あ、やっぱり続きお願いします」キュピーン
恒一「うおおおおおお!!」ビリビリッ
鳴「きゃああ♪」
ズコバコッ ミサキィッ!サカキバラクンッ!ガンタイニダスゾォッ!ギガンイグノォッ!!
勅使河原「な、なんだあいつら……まるで豚のように盛ってやがる……!」
終わり
通り魔説と恒一君がお兄さんに似ている説をなんとか使いました。イノヤで出しといて良かった……。
>>140の鳴ちゃんはこういっちゃんの記憶を封鎖することを申請しましたが
だってこの歳の男子ってそんなことよりSEXしようぜでしょう?女の子だってSEXSEX
だからこの結末となりました。
お終いです付き合ってくれてありがとう。
しかし霧果さんすげえな
Entry ⇒ 2012.05.08 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
鳴「この人形の眼はね、処女が見えるの」
鳴「眼帯を取ると、誰が処女なのかわかるの」
恒一「…リアクションに困るな…」
鳴「気になる?うちにクラスの処女率」
恒一「え、う、あ…まあ…人並みには」
鳴「心配しないで。ウチのクラスの処女率は100%だよ」
恒一「そっか、よかった。僕たちまだ中学生だしね。健全で結構なことじゃないか」
鳴「100%なの」
恒一「……」
鳴「100%」
恒一「…………ちょっと待ってくれ…それは生徒の処女率って事でいいのk
鳴「あ、処女が来た」
三神先生「ふたりともHR始まりますよー」
みたいな感じでオネシャス
鳴「……」
三神「? 二人ともどうかしたの?」
恒一「…………見崎、それは本当の話なの?」
鳴「本当。紛れもない真実」
三神「え? 何の話?」
恒一「嘘だろ……嘘だと言ってくれ……」
鳴「残念だけど……」
恒一「マジかよ……そんなことって……」
三神「えっ、なに? なんなの?」
三神「ねえ何の話なの?」
恒一「もう三十路も近いのに……」グスッ
三神「!? な、なんで泣いてるの!? しかも三十路って何の話よ!?」
恒一「三神先生……いえ怜子さん、僕はあなたを応援してます……」
三神「だから何の話よ!?」
恒一「ううっ……怜子さん……こ、今度お見合い相手さがしまじょうね」グスグス
三神「だから何で泣いてるのよ!?」
鳴「三神先生が三十にもなって処女だからですよ」
三神「えっ」
鳴「はい」
三神「……」
三神「……」
三神「…………な」
三神「な、な、な、な、な」
三神「なななななななな何をバカなこと言ってるのかしらぁああああっ!!!!!!?」
三神「三十よ三十!? もう女性が結婚して籍を入れるには十分過ぎる年よ!?」
三神「そそそっそそんな年にもなってまだ男性経験無いとかあり得るわけないじゃない!?」
鳴「……」
恒一「ううっ……」
三神「……っつーかそもそも私三十じゃないし!? まだ二十九だし!?」
恒一「でももうあと数か月もリミット無いじゃないですか……」
三神「黙りなさい!!」
三神「とととっと取り繕ってなんか……!!」
三神「とっ、というか!! なんでそんなことを見崎さんが知って……じゃなくてでたらめ言い出したのかしら!?」
鳴「それは……」
恒一「僕だって信じたくはないですよ……でも見崎は嘘を言うような子じゃないし……」
三神「……そうなの? 見崎さん」
鳴「……」プイッ
三神「おい目逸らしたぞこのガキ!!!!!」
恒一「もういいんです怜子さん……無理しないでください……」
三神「ちょっとぉ!?」
鳴(冗談でカマかけてみたら反応がガチっぽかっただけとか言えない……)
三神「溢れんばかりの同情が籠った目で見つめてくるのやめてよ!! 本当に違うんだから!!」
恒一「父さんの知り合いなら医者とか大学助教授とかたくさんいますよ?」
三神「えっ、本当? 年収っていくらぐらい……じゃなくて!! 甥に婚活手伝ってもらうとか情けなさ過ぎるからやめてってば!!」
恒一「でも今一瞬揺らぎましたよね」
三神「うるさい!! ほっとけ!!」
鳴「でも三十路間近にもなって未だ処女の女性とか重すぎて貰ってくれる人がいるか……」ボソッ
三神「おい聞こえてんぞ糞ガキ」
恒一「でも……」
三神「いいからこの話は忘れるように!! わかったわね!?」
恒一「いや、あの……」
三神「なに!? まだ何かあるの!?」
恒一「いや……この会話、クラス中に聞こえてます」
三神「え?」
ザワザワ ヒソヒソ
ミカミセンセイショジョダッテ マジー?
マジカヨ ウワー…
三神「…………え?」
アノトシニモナッテ? サスガニナイワ
イヤ ギャクニアリカモ…
ミカミセンセイ ナラボクガ!!
三神「……え? えっ?」
恒一「まああんな大声出してれば……」
鳴「……お気の毒に」
三神「…………えっ?」
恒一「大丈夫です、皆には僕から上手い具合話しておきますから」
鳴「でもこれもうフォローのしようないんじゃない?」
恒一「バカ! しっ! 見崎は黙ってて!」
三神「…………」
三神「………………い」
三神「い、い、い」
三神「いやあああああああああああああああああああああっ!?」
頭から真っ逆さまにダイブした怜子さんは当然亡くなってしまったが
なんと今年の死者は怜子さんだったらしく
死者が死に還ったことで今年の災厄は終わりを告げた
ありがとう怜子さん さようなら怜子さん
僕は一生忘れません
あなたが処女だったお蔭で、僕らが救われたことを
めでたし めでたし
ガチで男の影がみえないからな…、酒の勢いでヤっちゃったくらいでないとなさそう
さぞ無念だったろな
Entry ⇒ 2012.05.06 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
赤沢「安価で現象対策するわ!」
鳴(未咲…病気大丈夫かな…)
赤沢「まずは現象を未然に防がなきゃね…えっと…どうすればいいんだったかしら?」
勅使河原「おいおい大丈夫かよ!?」
赤沢「思い出した!確か>>3をすればいいのよ」
勅使河原「はあ!?ちょっと待てよ!なんで俺がっ!?」
赤沢「あなたね…人命がかかってるのよ!?あなたは転校するならこのクラスで死人が出る方がマシっていいたいのかしら?」
勅使河原「ぐぬぬ」
桜木「仕方ない…ことなのね」
勅使河原「くそお!マジかよ!」
望月「ばいばいてっしー」
鳴(未咲……まさか現象のせいで病気が治らないってことは…)
赤沢「そういえば今度転校生が来るわね…」
小椋「ねえ…クラスに人が増えても現象の対策って聞くのかな」
赤沢「確かに気になるところね…そうだ、確か千曳先生が言っていたわ」
赤沢「転校生が来た場合は>>10すればいいのよ!」
ふぅ……
小椋「」
綾野「」
多々良「」
鳴(ふぇらって何?)
杉浦「えっ…本気…?」
赤沢「安心して。転校生はちゃんと男の子だったわ」
杉浦「そこじゃなくて…」
赤沢「けど大丈夫!私がこの対策方法に万全の人選をしといたから!」
赤沢「それは>>17よ」(複数でも可)
柿沼(グッジョブ現象!)
赤沢「ごめんなさい…でももう決まったことなのよ」
中尾「誰がそんな濃厚なホモ展開望んでるんだよ!普通女の子がすることだろうがっ!」
桜木「うっ…想像しただけで…おえっ」
赤沢「お願い…中尾…私のために頑張って…?」
中尾「しょ…しょうがねえなあ…クラスのためだもんな!」マカセロー
赤沢(ちょっろ)
赤沢「転校生が来るのは明日…即日決行よ!」
赤沢(きゃっイケメン///)
赤沢「歓迎するわ榊原くん。さあ中尾、レッツゴー」
中尾「うっ本当にやるのか?くっくそおお!!!」
榊原「えっえっなにっ!?なんなの!?」
中尾「壁のシミでも数えてろ…!!」
榊原「ちょまっだ誰か助けてえ!?」
ガシッ
榊原「えっ…」
赤沢「先生っ!?」
綾野「ひっ!」
松井「ほっ包丁…!」
ググッ
中尾「いっいたっ…ふっ振りほどけない!?」
久保寺「こんな少年が…童貞の私の前で性行為するぐらいなら…!!」ワナワナ
中尾「えっあのっ先生ま」ドスッ
久保寺「うわああああああああああああああああ」ドスドスドスドスドスドスズバズバズバズバ
風見「スライスゥゥゥゥゥ!!!!」
榊原「」
綾野「きゃあああああああああああああ!!」
赤沢「そんな…防げなかったの…?」
DEAD END
>>33
1.それでも続ける
2。>>1からコンテニュー
赤沢「三年三組の平和は私が守るわ!」
赤沢「私たちがすべき現象対策は>>38よ!」
桜木「…あなた疲れてるのよ。保健室で休みましょう」
中尾「俺も手伝うよ」マカセロー
赤沢「ドンッタッチミー!!私はいたって正気よ。このクラスが現象を乗り切るには乱交ぱーちーwwwwwwwwwwwするしかないわ」キリッ
勅使河原「へへっそいつはしょうがねえなあ!」
望月「しょうがないにゃあ。じゃあ今夜勅使河原君に予行演習として手取り足取り教えてあげるね」
勅使河原「えっ」
赤沢「もちろんです、先生」
久保寺「いよっっしゃああ!!現役JCゲットぉ!!」
赤沢(やったわ!一つ死亡フラグを回避した気がする!)ナイスタイサク!
松井「みんなの前でなんて…恥ずかしいね///」
金木「えっ…嘘でしょ…?」
小椋「綾野……」
赤沢「待って、綾野さん」
綾野「なっなによ」
赤沢「この対策にはちゃんとした条件があるの。勝手な行動をされては困るわ」
綾野「条件?」
赤沢「乱交パーチーの条件として>>51することよ!」
綾野「そんなのっ関係ないわ!どうしてそんなことしなくちゃ」
赤沢「同姓ならノーカンよノーカン。別に処女失うわけじゃないんだし」
小椋「綾野…そのっ私も頑張るから…」
綾野「ううっ……わかった…」
赤沢「見崎さんもいいわね?」
鳴「わかった」
望月「三神先生とはできないかあ。まあてっしーがいるからいいか///」
勅使河原「ふっふざけんな!!なんで男同士で…」
赤沢「異論は受け付けないわ。これはもう決定事項。決行は転校生が来る初日よ!」
赤沢(ふふっ完璧だわ!)
久保寺「………」
望月(きゃっイケメン///)
赤沢「はいよろしくー。じゃはじめるわよ」
松井「それじゃあ///」ヌギヌギ
金木「ほっ本当にやるのね///」ヌギヌギ
榊原「えっうわっうわっなに///」
松井「んんっちゅうっんん///」ジュン
榊原「女の子同士で…いっいきなりなにを///」ボッキーン
金木「あんっ…いつもよりキス積極的じゃん…」チュ
松井「見られてるのって結構興奮するね///」
松井「だって…」
小椋「彩あっそんな吸ったら…あぁん///」
綾野「由美っていつもここ弱いよね…」ジュル
榊原「」ゴクッ
望月「はいっ榊原君はこっちねー」
榊原「えっ」
榊原(僕の相手は誰かな///)
勅使河原「お…おうよろしくな!転校生」
榊原「えっ嘘でしょ?何かの冗談だよね?」
望月「三年三組の伝統なんだ。大丈夫、勅使河原君は僕が手塩にかけて育てた逸材だよ!」
勅使河原「やってみると意外といいもんだぜ!じゃさっそくやろうか!」
榊原「ちょおまっ」
アッー!
望月「さっ僕らも始めようか」
中尾「はいっ…ご主人様…」
風・・・なんだろう吹いてきてる確実に、着実に、私たちのほうに。
中途半端はやめよう、とにかく最後までやってやろうじゃん。
私のクラスには沢山の仲間がいる。決して一人じゃない。
信じよう。そしてともに戦おう。
ノーマルや常識人の邪魔は入るだろうけど、みんな絶対に流されるなよ。)
杉浦「何ひとりで黄昏てるのよ」
桜木「みんなを巻き込んだ責任はあなたが取るべきね」
鳴「…」
赤沢「えっ」
赤沢「んん!?」
鳴「ん…」
赤沢(えっ嘘…私キスされてる……見崎鳴に…ファーストキス…)
鳴「……んん…ん///」
赤沢(唇柔らかい…気持ちいい…見崎さん顔真っ赤…慣れてないのに一生懸命擦り付けて…かわいい///)
杉浦「あら?もう濡れちゃってるわね泉美」グチュグチュ
赤沢「んん!?」
桜木「こっちの穴には傘挿してみる?」スリスリ
赤沢「まっまって!それだけはっ…」
桜木「ふふっ冗談よ。こっちも指入れちゃうね」ズブズブ
赤沢「ひいっ!?」
見崎「口はなしちゃ駄目」チュウ
赤沢「んんむっ」
ズブズブ
赤沢「んんうっ!はひっ!!ひいっ」ビクビク
杉浦「泉美、白目むいちゃって…もっと早くしてあげる」
桜木「じゃやっぱり私は傘入れちゃお」ズブゥ!!
鳴「あむっれろっ…」レロチュパ
赤沢(こっこんなのっ!こわれちゃうよお!!)
桜木「ふふっこんなにくわえ込んじゃって…とんだドMね」ズブッツズブッ
鳴(キスってこんなに気持ちいいんだ…今度未咲にしてあげよ)チュルチュパ
赤沢(もうだめっ!いくっ!いくううううううううう!!!!)
赤沢「〜っ〜!!!〜〜!!!!!!」ビクビクプシャアアアアアアアア
鳴「すごかったね…」
杉浦「まだ始まったばかりじゃない…対策係が倒れちゃ駄目でしょ?」
赤沢(たい…さく……!!そうだ!みんなはちゃんとできてるかしら!?)キョロキョロ
松井「んん…もっとぉ…」
金木「いっぱいでたぁ…」
小椋「もう、行くの早すぎだよ」
綾野「あっあひ…」
赤沢(女性陣OK…!)
榊原「最高だった…新しい世界が開けたよ」
久保寺「うん…うん仲良きことはいいことですねえ望月君?」
望月「はいっ先生もすっかりお上手になって…」
赤沢(やった…!)
中尾「高林…お前顔に似合わずタフじゃねえか!もう五回目だぜ…」
高林「まだまだっ!だって攻めと受けがどうすじゃないとフェアじゃな…!」ドクン
ドクンドクン
高林「ハアっ!ハアっ!?」ガクガクブルブルドサッ
中尾「たっ高林!?高林ーーーー!!!!」
赤沢(馬鹿なっ)
DEAD END
>>81
1.>>1から再スタート
2.榊原合流後から対策開始
赤沢「そうよ。今は暫定的な対策として見崎鳴にいないものをしてもらってるけど、クラスがそろった今ちゃんとした対策が必要なの」
赤沢(二人が距離を縮める前に早く!!)
鳴(私はこのままでいいのに…)イライラ
榊原「そういうことなら喜んで協力するよ」ニコッ
有田(恒一君マジ天使!!お礼にリコーダーに私のエッセンスを加えてあげるね!)クチュクチュ
綾野(こういっちゃんの笑顔いただきましたっ!!ひゃっほおおおおおお!!)
小椋(今夜のおかずはこれで決まり)
桜木(私の存在が珍しい気がする!どう扱えばいいのかしら……?)
榊原「じゃあどんな対策をするんだい?」
赤沢「ふふふんっ。ずばり>>88よ!」
小椋(異議有りっ!!被告の言動は公私混同していて欲望がだだもれです!!)
小椋「ざっけんなごらあ!このアバズレええっ!!!恒一きゅんは私セックスするに決まってんだろうがあ!!」
杉浦「小椋さんっ!?いったいどこからショベルカーを!?」
綾野「そうよ!榊原君の意思を無視してそんなの認められないわ!!」
鳴「ありえない」
多々良「それだったら死人がでた方がましだわ!」
中尾「そうだそうだ!」
望月「まったくもう」プンスカ
千曳「悲しいことだが…お金の力には皆干渉することはできない……」
杉浦「買収されてる!?」
赤沢「榊原君……皆を救うためなの。もちろん協力してくれるわよね」ギュ
榊原(わっ胸が///)
榊原「でっでも赤沢さんはそれでいいの?」
赤沢「私……榊原君なら……ううん榊原君じゃないと……やだ」ギュウ
榊原「」ドキーン
榊原「あっ赤沢さん……」
赤沢「泉美って呼んで……」
赤沢「三神先生、久保寺先生、お願いします」
久保寺「」ブツブツ
三神「避妊はちゃんとするのよ」
赤沢「恒一君こっち!」ダッ
榊原「わっ!」
赤沢「この対策には条件があるの!」
赤沢「まず場所ね……場所は>>99。そしてプレイ方法は>>104よ!!」
赤沢「着いたわね……」
榊原「……本当にやるの?」
赤沢「私だって本当は二人っきりでしたいわ!でもっ対策のために仕方なく……」
榊原「…泉美!」ギュ
赤沢「あっ……」
榊原「ごめん……泉美が辛くないはずないのに」
赤沢「ううん……いいの……」
赤沢(見知らぬ外国人の前で恒一きゅんと公開プレイとかマジ濡れるんですけどいやっほおおおおおおお!!!)
榊原「外国人だけでなくスフィンクスもガン見だね」ヌギヌギ
赤沢「んんっ……どうっ///」ファサ
榊原「凄くきれいだよ……乳首もきれいなピンク色で……」
赤沢「やだ……恥ずかしい……」
榊原(今更?)
恒一「日焼け止めか。準備いいんだね」
赤沢「ほらはやくぅん」
恒一「はいはい。人も集まってきたし早くしなきゃ」
ザワザワ……
榊原「じゃいくよ」
赤沢「ん……///」
榊原「背中から……なでるようにっと」スー
赤沢「ひゃん!冷たい……」
榊原「お尻も入念にしなきゃね」モミモミ
赤沢「あっもんじゃいやあっ」
榊原「あれえっ?なんか日焼け止めとは別の液が出ちゃってるなあ」モミクチュ
赤沢「あぁん///」
赤沢「えっ……」
榊原「もっとしてほしかった?」クスクス
赤沢「そっそんなわけ」
榊原「じゃ次は前を塗っていこうか」ピト
赤沢「ひゃん!?」
榊原「まず肩からだよ」クスクス
赤沢「うう……///」
赤沢「あっ……んんっ……」
榊原「……肩おしまい。じゃ次はお待ちかね……」
赤沢「」ゴクッ
榊原「胸を入念に……塗りたくってあげるよ!」ムニュウ!
赤沢「ひああああん!」ビクン!
赤沢「ああん……そんなに揉まないでえ」
榊原「乳首もこんなに立たせちゃって……先までよく塗ってあげないとね」コリコリ
赤沢「ああっコリコリやめぇ!ふあぁん!」ビクビクン
榊原「周りを見てよ……子供たちが一生懸命泉美に注目してる…大人たちもオナニー始めちゃってるよ」
赤沢「ああっそんなああ」ビクビク
赤沢「いやあ!乳首しごいちゃだめえ!もういっちゃうのお!」
榊原「いきたい?このままいかせてあげようか」
赤沢「いやあ!いくのはっ恒一君と一緒がいいのお!」
赤沢「お願いっ恒一君のっ」
榊原「僕のっなんだい?ちゃんと言わないとわかんないよ」
赤沢「恒一君の!太くて!硬い!」
榊原「わかんないなあ」
榊原「よくできました」
ズボオッ!!
赤沢「あひいいいいん!!」ビクビクプシャアアアア
榊原「うわ凄い締め付け…!」
赤沢「あひっあへぇ///」
榊原「もう…一緒にいくて言っときながら入れた瞬間いっちゃてるじゃないか」
赤沢「らって…らってぇ///」
赤沢「えっ……」
榊原「僕が満足するまで離してあげない」ズンッズンッ
赤沢「ひいっ!だめっこんなのたえられっ」ビクビク
榊原「ほら写真撮影に応えてあげて!一枚100ギニーだよ!」
赤沢「ああっえへっえへへぇっあぁんっ」ピース
榊原「いい笑顔になったね!さあ僕もいくよ!」ズンズン
赤沢「いいっ!きてぇ!みんな!私と恒一君の子作り見てええ!!」
榊原「くっ!」ドビュルビュルルドビュンコ
赤沢「ああぁぁぁああああ!!」プシャアアアアアアアアアア
彼らの開放的かつ自由な行動に三年三組は救われた……
さらにそれだけでなく彼らの行動はエジプト国民の革命精神をあおり13年のエジプト革命へとつながっていくのである……。
HAPPY END
1.>>1から再スタート
2.榊原合流後から対策開始
赤沢「私にかかれば現象なんてちょいちょいのちょいよ!」
鳴「どうすればいいの?」
赤沢「それはもちろん>>149!」
勅使河原「おお!フランスワールドカップも近いことだしな!」
杉浦「サッカーなんてしたことないわ」
鳴「カズのいないワールドカップなんて…」
赤沢「岡ちゃんの選択よ。今は信じるしかない…」
勅使河原「どっかと練習試合でもすんのか?」
赤沢「ちょっとまってね…千曳先生!」
千曳「はいはい来ましたよ。サッカーの詳しいやりかたはね…」
>>155
1、クラス内対抗戦
2、他団体と試合
勅使河原「クラス内かあ。でもチーム分けはどうすんだ?」
杉浦「今度来る転校生を入れれば男子14人女子16人になるわね」
赤沢「いちいち決めるのも面倒ね…ここはこうしましょう!」
>>160
1、男子対女子
2、適当にシャッフル
3、恒一君好き好き同盟対嫉妬&空気同盟
数日後…
恒一「みんな、ありがとう。転校生の僕にこんなに優しくしてくれるなんて…」
小椋「そんなことないよ恒一きゅん」
綾野「そうそう!ほらこういっちゃん!お弁当一緒に食べよう!」
鳴「榊原くんとは先に私が約束していた」
多々良「私も約束してた(脳内で)」
赤沢「ちょっと榊原君困ってるじゃない!ほら、今日も私お弁当作ってきたのよ!」
望月「」ハァハァ
キャーキャー
勅使河原「もうこれチームでいいんじゃね?」
中尾「榊原許さない榊原許さない榊原許さない榊原許さない」
久保寺「」ブツブツ
風見「大丈夫かこれ………」
ピーッ
榊原「よっと、赤沢さん!」パスッ
赤沢「ナイスよ榊原君!」
勅使河原(相手の前線、司令塔は赤沢、榊原&見崎の2シャドーか!)
榊原「へいっ」ダッ
見崎「」ダッ
勅使河原「センターバックコンビつぶせえ!」
中尾「任せろー!」
水野「っ!」
榊原「きたっ!」
中尾「うおおお」
赤沢「中尾♪こっちむいて♪」
中尾「何だいハニー?」キラン
赤沢「ばーか」
榊原「よしっ」
勅使河原「くっ水野!」
応援席
水野姉「榊原君に怪我させたら承知しないわよー!!」
水野「すまぬっ」ズサァ
榊原「楽々よけれた」
勅使河原「おいいい!」
恒1−0嫉
高林「ぼくにまかっう」ドサァ
勅使河原「高林ーーー!!」
綾野「おりゃ由美ー」
小椋「ナイス。恒一君」
恒一「OKと見せかけて」
中尾「なんだとっ!?」
鳴「私はいないものだから」シュー!
恒2−0嫉
ピッピー
三神「試合終了。みんなお疲れ様でした」
赤沢「いやあいい汗書いたわ。たまにはサッカーもいいものね」
綾野「こういっちゃんすごいじゃん!かっこよかったあ///」
有田「恒一くんの汗全部舐めとってあげるね」ペロペロ
小椋「あっずるい!私も」ペロペロ
赤沢「ちょっと私の分もとっておきなさいよ!」ペロペロ
鳴「ジューシー」ペロペロ
恒一「わわっみんなちょっと///」
勅使河原「いやもう全部だろ…」
久保寺「勅使河原君」
勅使河原「なんすか?」
久保寺「1998年にシャドーとは言わないんじゃないかな?」
勅使河原「あっそうかも!いっけねー☆」
高林心臓麻痺!
DEAD END
>>171
1.>>1から再スタート
2.榊原合流後から対策開始
杉浦「どうすんの?」
赤沢「ビビットきた対策は>>175よ」
勅使河原「おいおい!極々一般の中学生の俺たちにそんなのできるかよ!」
杉浦「勅使河原君珍しく正論言ったわね」
望月「でもどうするの?僕たちにそんなこと…」
赤沢「できなくてもやるの。じゃなきゃ、このクラスに死人が出るわ」
鳴「私なら、できるかもしれない」
赤沢「!?」
〜回想〜
未咲「げほっげほっ」
鳴「未咲!無理しないで…そんな体じゃ」
未咲「だめっ!この技は…この技はきっと必要になると思うの。だから鳴も習得できるようにまずわたしが…」
鳴「未咲……」
〜回想終〜
鳴「任せて………私が、クラスのために……」
赤沢「見崎さん………」
勅使河原「見崎…俺誤解してたぜ…おまえこんなにあつい奴だったんだってな!」
杉浦「あなたならできるわ」
桜木「私も信じてる!」
望月「頑張って!」
鳴「うん…!!」
鳴「うんわかった。それまでに完成させてみせる…!」
鳴「アナザーシャドウツイストを……!!」
数日後
榊原「あ〜ん?はっ!なんだよこの湿気た中学はよ!!東京の保育園にもおとるじゃねえか!」ゴゴゴゴゴゴ
赤沢「あいつが転校生…!この中学の悪の根源……!」
榊原「おいおいどうしたぁ!この中学には俺とまともにサッカーできる奴ないねえのかぁ!?」
鳴「ここにいる」
榊原「ほう…!」
鳴「来るっ………!」
榊原「くらえっ!スピンオフハーレム!!!!」
鳴「アナザーシャドウツイスト!!!」
ゴオオ!!!
鳴「くっこれはっ!!」
榊原「ははっどうだ!ホラー原作のはずがエロとラノベまがいのSSが脳内になだれ込んでくるだろう!?そのまま飲み込まれちまえぇ!!」
鳴「くっ…ああああ!!」ドザァ
赤沢「見崎さんっ!」
勅使河原「見崎ぃ!」
見崎(強すぎる…そんな…)
未咲(あきらめないで………)
鳴「えっ…………」
未咲(あなたはひとりじゃないよ……)
綾野「がんばれえ!見崎さん!」
風見「まけるなー!」
小椋「きあいだせー!!」
高林「がんばっう」ドサァ
鳴(みんな……そうだね)スクッ
鳴「私は…ひとりじゃない!!」ブワアアアアアアアアアアアアアアア!
鳴「私達は負けない…人の命を理不尽に奪う現象なんかに」
鳴(未咲)「『「負けない!!』」
久保寺「おおお……」
千曳「あの輝きはまさか…!」
鳴(未咲)「『うおおおおおおおおおおおおお!!』」
鳴(未咲)「『ダブルシャドウツイストオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』」
榊原「ばかなあああああああああああああああああああああ!!!!」
千曳「これは……」
桜木「傘の先が……」
水野姉「エレベーターが……」
高林「僕の持病が……」
久保寺「母親が……」
中尾「船のスクリューが……」
小椋「ショベルカーが……」
綾野「岩が……」
消えていく………………
未咲「鳴…」
鳴「未咲…!?病気が…」
榊原「んんっ?ここは一体…」
鳴「…」
榊原「君は…?」
鳴「私は見崎鳴…気を付けて」
あなたと私たちの新しい旅立ちは…もう始まっているかもしれない
HAPPY END
おっつー
Entry ⇒ 2012.05.03 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
恒一「でもこのクラスで一番かわいいのは小椋さんだよなあ……」
全員(立ち上がった!?)
恒一「……」テクテク
全員(小椋さんの周囲を回り始めた?)
小椋(え、えぇえ?何何?何なのこれぇ!?)
恒一「あ!」ピタッ
小椋(え、何!?)ビクッ
全員(動きが止まった!?)
恒一「うん、この角度の小椋さんが一番可愛い!」
小椋「……///」カァー
もっとおぐおぐを攻め続けろ恒一くん!!
接触も許可する
恒一「……」ジーッ
米村(榊原くんがさっきから俺の方を見ている気がする……)
恒一「……」ジーッ
米村(し、視線が痛い……何だこのプレッシャーは……!)
米村「先生!」
久保寺「何ですか米村くん」
米村「ちょ、ちょっと体調が優れないので保健室に行ってもいいですか?」
久保寺「しょうがないですね。行っていいですよ」
米村「あ、ありがとうございます」ガタガタ トコトコ ガラガラ ピシャン
全員「……」
恒一「よし」
小椋「!?」ドキドキ
恒一「偶然にも小椋さんの隣の席が空いてるしここで授業を受けようかな」チャクセキ
小椋「!?!?」ドキドキドキドキ
恒一「前の方の席は黒板が見やすいな」
綾野(こ、こういっちゃんが隣にいる!横顔もかっこいい///)
恒一「ここからだと赤沢さんのうなじもこう見えるのか……」
赤沢(う、うなじ?私のうなじ見られてるの!?)
恒一「さて、と。机の位置が少し気になるな」ガタガタ
小椋(え?え!?何でこっちに寄ってくるの!?)
恒一「小椋さんの机とくっつけて……」ピッタリ
綾野(こういっちゃんが遠くなちゃった……)
小椋(近い近い近い近い!!!!)ドキドキドキドキ
恒一「ほら。やっぱり小椋が一番可愛い」
小椋「」
一番付き合いたいのは綾野ちゃん
一番愛おしいのは赤沢さん
つまり演劇部トリオやばい
中尾(赤沢さん…)
杉浦(泉美……、うるさいから静かにしてくれないかしら)
恒一「そろそろ授業終わるし、自分の席に戻ろうかな」テクテク
小椋「……///」ボー
キーンコーンカーンコーン
勅使河原「やっと昼休みか、あー腹減った〜」
望月「勅使河原君、第一声がそれ?さっきの件についてはスルーなんだね」
勅使河原「まぁいないものに関わるのはまずいしな、それより早く飯食いにいこーぜ」
望月「そ、そうだね」
一番付き合いたいのは鳴ちゃん
一番愛おしいのは怜子さん
つまり美術部トリオやばい
これほど同意できない意見も珍しい
綾野「それにしても、さっきのはびっくりしたね〜」
小椋「う、うん…」
綾野「まさかあんな大胆なことしてくるなんてね」モグモグ
小椋「みんなに見られて超恥ずかしかったし」モグモグ
綾野「でも、ちょっとうれしかった…と」
小椋「そ、そんなこと!……なくも、ない…かも///」
綾野(あ、こういっちゃんがお弁当持ってこっちに近づいてくる)
小椋「っ!?」
綾野「っ…」
小椋「そ、それにしても彩んちの卵焼きっていっつも美味しいよね〜」
綾野「そ、そう?…でも由美のお母さんの料理のほうがおいしいと思うよ、私は」
恒一「………」
小椋「そんなことないよ、ほら食べてみてよ、ウチの卵焼き、レベルの違いが分かるから〜…」スッ
パク
恒一「うーん…普通に美味しいと思うけど、小椋さんが作ったのを僕は食べてみたいな、次は」
小椋「っ……ご、ごちそうさまっ!」カァ…
小椋(………)ボッ
小椋「…ホント…考えらんないっ!」
恒一「何が?」
小椋「っ!?」
小椋(ど、どうして付いてくるのぉ…もう…)
小椋「………」スタスタ
恒一「…小椋さんが歩くたびにいいにおいがするなぁ…やっぱり可愛いと体臭もいい匂いなんだね」
小椋「っ…」ピタッ
恒一「あれ?どこか行くんじゃないの?小椋さん?」
小椋「………」カァ…
小椋(もう…どうしようもないじゃん…今振り向いたら顔真っ赤ってこともバレるし…もう!)
小椋「っ」ピクッ
恒一「ご飯まだ途中だったよね、持ってきたから適当に空き教室探して一緒に食べよう」
小椋「!?」
小椋(う、嘘っ!私のお弁当持ってきたの…!?)
小椋「………」プルプル
恒一「正直、お腹を鳴らしながら午後の授業を頑張る可愛い小椋さんも見たいけどさすがに可哀相だからね」
小椋「………」
恒一「ほら、早く行かないと昼休み終わっちゃうよ?」
小椋「………」テクテク
恒一「あれ?その先に空き教室ってあるの?」
小椋(だって…戻れないし、進むしかないじゃないっ…)カァ…
恒一「それにしてもやっぱりいい匂いだなあ〜…もう匂いも可愛いよ」
小椋「……くっ…」スタスタ
恒一「あんまり掃除されてないらしいけど、ここで我慢しよっか」
小椋「………」スタスタ…ストン
恒一「ははは、小椋さん、そんなに急がなくても弁当は逃げないよ」
小椋「むぅ…」
恒一「よし、それじゃあ食べようか」ストン
小椋「………」スッ…
恒一「ダメだよ、小椋さん、勝手に人のお弁当取っちゃ」バッ
小椋「!?」
小椋(何言ってるのよ恒一くん!そのお弁当私のなのに…!)
恒一「欲しいものがあるならちゃんとその可愛いお口で言わないと、小学校で習ったはずだろ?」
小椋(そんなの…いえるわけないじゃない…)
恒一「でも小学校のころの小椋さんも可愛かったんだろうなぁ…どうして僕は夜見山で育ってこなかったんだろう…」
小椋(いいから…早くご飯食べさせてよぉ…恒一君)
恒一「さて、それじゃあ食べようか?お弁当」
小椋「!」
小椋「っ」バッ
恒一「ほら、だからダメだって小椋さん、勝手に人の物取っちゃダメって言っただろう?」
小椋「……くっ…」
小椋(……お弁当は逃げないんじゃないの…?)
恒一「ほら、小椋さん、このお弁当が欲しいならちゃんとその可愛いお口で可愛い声を発して言わなきゃ」
小椋「………」カァ…
小椋(可愛いって二回も言われた…)
恒一「でもあんまり小椋さんの悲しい顔見たくないし、可愛いけど、それじゃあ食べさせてあげようかな」
小椋「!」
小椋(よかった…やっぱり恒一君ってやさし…)
恒一「それじゃあ小椋さん、僕が食べさせてあげるから、はいあーん」
小椋「」
小椋「………」ドキドキ
小椋(どうしよう…ここで食べたらいないものの恒一くんをいるって認めることになるんじゃないのかな…?)
恒一「あーんってば…だんまりする小椋さんも可愛いけど、食べないなら僕が食べるよ」
小椋「っ…」
小椋(も、もう!恒一君の馬鹿ぁぁぁっ!)
小椋「い、今さっきの授業は何だか眠たかったなぁ〜、ふわぁ〜」アーン
恒一「………」
小椋「………」アーン…ドキドキ
恒一「はい、あーん」
小椋「………」ホッ…
パク
恒一「うーん!小椋さんのお母さんってすごい料理上手なんだね!婿に行きたいくらいだよ!」
小椋「………」
小椋(もう…どうしてそんな意地悪するのぉ…!)
小椋「………」
小椋(私箸自体もってないのに……恒一君が持ってるから)
恒一「あっ!後15分ぐらいで昼休み終わっちゃうな、早く食べないと!」
小椋「!」
小椋(ど、どうしよう…私も早く食べないと…でも私のお弁当は恒一君が持ってるし…)
恒一「ほら、早く小椋さんも食べないと!時間無くなっちゃうよ!」
小椋「………」
小椋(もぉ…恒一君なんてホントにいないものになっちゃえばいいのにぃ…)
恒一「あむっ…んっ…よし、完食」
小椋「………」ソロー…
恒一「さて、この余った弁当はどうしようかな」パッ
小椋「っ……うぅ…」
恒一「!どうしたの小椋さん!何だかうめいてるけど……うめいてる声もすっごい可愛いなぁ」
小椋(……もうダメ…お腹空いて…)
恒一「どうしようかな、これ…うーん…」
小椋(………もう!何で私がこんなことしなくちゃいけないのよぉ!)
小椋「……ぁ…ん」
恒一「?今何かすっごい可愛い声が聞こえたような…」
小椋「……ーんっ!」
恒一「?」
小椋「あ、あーんっ!」
小椋「あーん!」
恒一「………」
小椋「あ、あぁっーん!!」
恒一「もう、分かってるって、ホント可愛い声で叫ぶなぁ、小椋さんは」
小椋「……あーん」
恒一「分かってるよ、それにしてもまるで犬みたいだな小椋さん、はいあーん」スッ
小椋(…犬……私が犬みたいだから可愛いって言ってるのかな、恒一君)
小椋「あむっ……んっ…あーん」
恒一「はい、あーん」
小椋「あーん…」
小椋(でも…そんなのどうでもいいや…今はもういないものや犬なんて関係無しに…)
小椋「あむっ…んむっ…」
恒一「おいしい?小椋さん?」
小椋「………」コク
小椋(ただ…幸せだから…)ポッ…
綾野「由美〜、今日は色々大変だったねぇ〜」
小椋「……うん」
綾野「でも今日は早く帰って寝ちまいな、変な奴に巻き込まれないように…」
恒一「小椋さーん、クラス一可愛い美少女小椋さーん!」
小椋「」ピクッ
赤沢「」ミシッ
恒一「あ、いた、一緒に帰ろ?」
綾野「っ…ほら、早く帰ろう由美」
小椋「……ごめんね彩、私今日寄りたいところがあるから一人で帰るね」
綾野「え!ちょっと由美!」
恒一「それじゃあ帰ろうか、小椋さん」
小椋「………」コク
綾野「……由美」
赤沢「………小椋さん…後悔しないでね」コォ…
小椋「………」スタスタ
恒一「しかも、綾野さんに一人で帰るって嘘付いてたし」
小椋「………」スタスタ
恒一「嘘付くのはいけないけど、小椋さんは可愛いから許さなきゃね」
小椋「っ……」スタスタ
恒一「さて、それで一体どこに寄るの?小椋さん?」
小椋「!?」ピタッ
小椋(そんなの恒一くんと一緒に帰る口実に決まってるのに…)
恒一「?どこか行くんじゃなかったの?」
小椋「………」スタスタ
恒一「それにしても黙って下校してる小椋さんも可愛いなぁ〜」
小椋(……可愛いの基準が分かんなくなってきた…)
恒一「ここは確か…」
小椋「………」ストン
恒一「あ、座るんだ…よいしょ」
小椋「………」
恒一「………」
小椋「………」スッ…
恒一「?どうしたの小椋さん、いきなり木の棒なんて掴んで…」
小椋「………」カキカキ
今から書くのはただのらくがきです。
決して誰かに当てて書いてるものじゃありません。
小椋「………」カキカキ
恒一「木の棒で書いても可愛いんだなぁ〜、小椋さんの字は」
小椋「っ……」カキカキ
一体可愛いの基準って何なの?……かなぁ。
恒一「可愛いの基準……」チラッ
小椋「」ピクッ
小椋「………」
恒一「僕的にはぁ…可愛いの最上級が小椋さんで可愛いの最下級が小椋さんで、基準が小椋さん…かなぁ」
小椋「………」カァ…
小椋(そ、それってどういうことよ…最下級まで私って……もう!あーっもう!)
小椋「………」カキカキ
可愛いって言えば済む問題じゃないと私は思う…と私は考えてる
恒一「………」
小椋「………」ドキドキ
恒一「でも可愛いものは可愛いから仕方ないんだよね、小椋さん、超かわいい」
小椋「っ…」
小椋(どうしてそんなこと普通に言えちゃうのよぉ…恒一君はぁ…)
恒一「さて、落書きまだ増えないのかな」
小椋(もう私…恒一くんと話したくなったじゃん……もういやぁ!)
恋って自分の本能に従うべきだとあなたも思うよね、私も思うんだ。
恒一「あれ?これってらくがきなのに誰かのこと…しかも文もなんだか乱れてきて…」
小椋「………」ドキドキ
恒一「…でも…僕もそう思うよ」
小椋「っ…」カキカキ
恒一「………」
もしそれが、いないものだとしても?
小椋「………」ドキドキ
恒一「………」
恒一「誰であろうと恋したなら、仕方ないよね」
小椋「っ……そうだよね」
小椋「私…もう我慢できないよ…恒一君」
恒一「……僕もだよ、可愛い小椋さんが話しかけてくれないなんて…本当にいないものになってしまうかと思ったぐらいだ」
小椋「……そんなこと言っちゃダメだよ恒一君」
ギュッ
小椋「そんなこと言ったら本当に消えちゃうかもしれないじゃん…ね?」
恒一「はは、そうかもね…でもこんな可愛い小椋さんを置いて消えることなんて考えられないけどね」
小椋「もう…いい加減恒一君は可愛いって言いすぎだよ…」
恒一「可愛いんだから仕方ない…それとも、他に何か言って欲しいの?」
小椋「……そのくらい察してよ…恒一君ってニブチン君なの…?」
恒一「………分かってるよ、小椋さんの可愛いお口で言わなくても」カキカキ
好きだよ、小椋さん
小椋「………」カキカキ
私も。
小椋「おはよー、綾野ぉー!」
綾野「………」スッ…
小椋「えっ…なんで…」
赤沢「………」
小椋「…そっか、私もいないものになっちゃったのか」
赤沢「………」フッ
小椋「でも、そっちの方が都合がいいよね、恒一君?」
恒一「うん、おはよう、今日も可愛いね小椋さん」
赤沢「っ!!!」(忘れてたぁぁぁああああぁ
小椋「それじゃあ今日も一緒に授業受けよっか?恒一君」
恒一「うん、そうだね、はぁ…今日も可愛い小椋さんが見れるから幸せだなぁ」
小椋「も、もう!」
小椋「可愛いって言うぐらいなら好きって言ってよ!……恒一君のニブチン」
赤沢「」ガタッ
終わり
気に食わなかったら誰か書いてくれ
それじゃあ俺も風呂入って寝るから
>>151頑張ってくれ
乙
良い終わり方だった
最後まで書き切ってくれてありがとう
榊原「うん、可愛いと思うよ」
見崎「」///
赤沢「そんな…わ、私は!?」
榊原「うん、赤沢さんも可愛いと思うよ」
赤沢「」///
榊原「あ、でも」
見崎、赤沢「?」
榊原「一番可愛いのは小椋さんだよなあ…」
見崎、赤沢「」
望月「同世代には興味ないけど、確かにレベルは高いよね」
勅使河原「サカキはどう思う?」
榊原「うーん、言われて見れば確かにレベル高いかも」
女子「」ガタッ
榊原「! どうしたの見崎?」
見崎「…私のこと可愛いと思う?」
榊原「え!? いきなりどうして?」
見崎「いいから答えて」
榊原「そうだね…見崎は無口で無愛想なのは残念だけど、小柄で可愛いと思うよ。守りたくなるようなタイプかな」
見崎「」///
榊原「赤沢さん?」
赤沢「わ、私は!?」
榊原「え?」
赤沢「だから! 私が可愛いかって聞いてるの!」
中尾(赤沢さん可愛い)
榊原「うーん、赤沢さんは可愛いというよりは綺麗な感じかなあ…」
赤沢「」///
榊原「綾野さんまで」
綾野「私、可愛くない…?」シュン
榊原「ううん、そんなことないよ」
綾野「ほんと…?」
榊原「可愛いよ。綾野さんほど笑顔が似合ってる子はいないよ。だから悲しい顔しないで?」
綾野「」///
榊原「まさか…多々良さんも?」
多々良「…うん」
榊原「うーん、多々良さんは可愛いって感じじゃないかな…」
多々良「え…」ジワッ
榊原「いや、違う違う。綺麗って言った方が合ってるってこと。多々良さんは人形みたいな美しさがあるからさ」
多々良「」///
榊原「? 僕は思ってることを言っただけだけど」
勅使河原「もう何も言えねーよ……てかサカキはみんな可愛いって言うけどさ、正直なところ誰が一番可愛いと思ってんだよ」
榊原「え?…それはさすがに…恥ずかしいというか」テレッ
見崎、赤沢、綾野、多々良「聞きたい!」
榊原「」ビクッ
榊原「う、うーん、悩むけど…」
見崎、赤沢、綾野、多々良「」ドキドキ
榊原「やっぱり小椋さんかな」///
小椋「え? 私?」///
見崎、赤沢、綾野、多々良「」
榊原「え? でも転校してきた時から可愛いなーって思ってたし」///
小椋「さ、榊原君…」///
小椋「わ、私も…」
ガシッ
榊原「!?」
小椋「始めて見た時からずっと気になってた…」///
榊原(小椋さんが近い///)
小椋「榊原君…」
小椋(もうこのまま…///)
見崎「はい、ストップ」
榊原「み、見崎」
榊原(あ、危ない…みんなの前でキスするとこだった…)
小椋「…」///
榊原「な、何?」
赤沢「小椋が一番可愛いと決めつけるのは早いと思うの」
榊原「え?」
赤沢「現時点では小椋が一番可愛いと思ってるかも知れない」
赤沢「でも恒一君は私たちの全てを知っているわけじゃないでしょう?…だから」
榊原「?」
榊原「!?」
赤沢「恒一君にはこれから5日間の間私たちと順番に付き合って貰うわ」
榊原「何に付き合うの?買い物?」
見崎「異議なし」
綾野「私も」
多々良「私も」
小椋「そ、そんな…榊原君は私が一番だって言ったよ!そんなことしても結果は変わらない!」
見崎「なら何でそんなに焦ってるの?」
見崎「負けるのが怖いの?」ニヤリ
小椋「…分かった。私もやる!」
榊原「僕の意思は?」
赤沢「さぁ、クジを引きましょ。クジには1〜5の数字が書いてあるから」
榊原「…」
クジ結果
1日目 綾野
2日目 赤沢
3日目 多々良
4日目 見崎
5日目 小椋
榊原「ふあぁ……昨日は色々ありすぎて全然寝れなかったよ…」
榊原(学校に行くの、嫌だな…)
榊原「でも行かない訳にはいかないからなあ…」
ピンポーン
榊原「?」
榊原(誰だろう…?)
ガチャ
綾野「こういっちゃん♪」
榊原「」
榊原「あ、綾野さん!? 何で朝から僕の家に!?」
綾野「一緒に学校行くからだよ?」
榊原「なんで!?」
綾野「私たち付き合ってるんだから当たり前じゃん!」///
榊原「あ、はは、そうだったね」
榊原(まさか朝から始まるなんて…)
学校
榊原「お、おはよう」
勅使河原「おう、サカキ!…と綾野…」
綾野「ふふっ♪」ダキッ
勅使河原「朝から仲がよろしいこった…」
榊原「なんかごめん…」
綾野「こういっちゃん♪」ムギュッ
榊原(綾野さん柔らか…って僕は何を…)
赤沢「…これ見てる方は辛いわね…」ギリッ
見崎「今は我慢」
多々良「仕方ないよね…」
小椋(榊原君…)
昼休み
榊原「ふぅ」
榊原(なんか今日はいつもより疲れたよ…)
綾野「こういっちゃん?」
榊原「はいっ!?」
綾野「どうしたの?ボーっとしてたけど」
榊原「な、何でもないよ!綾野さんこそどうしたの?」
綾野「お昼ご飯一緒に食べよーよ!」
榊原「あ、うん」
綾野「じゃ、屋上いこっ♪」
綾野「2人っきりだね♪」ギュッ
榊原「ちょ、ちょっと駄目だよ」
榊原(色々と当たってるし///)
綾野「私はこういっちゃんなら構わないよ?」
榊原「綾野さん…」///
綾野「彩」
榊原「え?」
榊原「彩…」///
綾野「よろしい♪」
榊原(はっ、僕は何を)
榊原「…そろそろご飯食べない?」
綾野「もう!せっかくいい雰囲気だったのにー」
榊原「時間もないし、ね?」
綾野「むー」
綾野「こういっちゃん、一緒に帰ろーよ!」
榊原「あ、うん」
勅使河原「結局1日中イチャイチャしやがって」ギリリッ
望月「勅使河原、顔、顔」
帰り道
綾野「…今日はありがとね」
榊原「えっ?」
綾野「無理やり付き合わせちゃってさ…ほとんど私が振りまわす感じになっちゃったし」
榊原「…」
綾野「やっぱりこんな女の子嫌だよね…」グスッ
綾野「…え?」
榊原「そんなことないよ!」
綾野「こういっちゃん…」
榊原「確かに振り回されっぱなしで疲れたよ…でもさ」
綾野「…?」
榊原「それ以上に価値がある彩の笑顔が見られたから僕は嬉しかったよ」ニコッ
綾野「」///
綾野「…こういっちゃんー!!!!」ダキッ
榊原「わっ!?…飛びついてきたら危ないよ」
榊原「彩…」ギュッ
1日目終了
榊原「最悪だ…」
榊原(思い出したら恥ずかしい!なんであんなこと言ったんだろ…)
榊原(また寝不足だし…大丈夫なのか僕は…)
ガチャ
榊原(今日は早くから学校に行こう。また家に来られたら嫌だし)
赤沢「おはよう、早いわね恒一君」
榊原「」
榊原「…赤沢さんは何してるのかな?」
赤沢「え?彼氏を迎えに行くぐらい当たり前でしょ」
榊原(なんかデジャヴ)
赤沢「ほら手」スッ
榊原「?」
赤沢「手を繋いでって言ってるの!言わせないでよ」///
榊原「あ、うん」
榊原「おはよう」
赤沢「お、おはよう」///
勅使河原「サカキ…いやもういいや」
榊原「?」
赤沢「ふふっ」///
中尾(これは夢だ)
多々良「いいなぁ…」
見崎「まだ我慢」
小椋(信じてるよ…榊原君)
綾野「こういっちゃんこういっちゃんこういっちゃんこういっちゃんこういっちゃん」ニヤニヤ
榊原「ふぅ」
榊原(授業は特に何事もなく終わったな。赤沢さんは楽に終わりそうだ)
赤沢「恒一君」
榊原「どうしたの、赤沢さん?」
赤沢「お昼ご飯食べましょう?」
榊原「あ、うん」
屋上
赤沢「静かでいいわね」
榊原「うん、そうだね」
赤沢「早速食べましょうか」ムギュッ
榊原「うん、赤沢さん。近いよ」
赤沢「そ、そう? 恋人同士なら自然な距離でしょ?」///
榊原「…そうだね」
榊原(もう…諦めよう)
榊原「え?」
赤沢「え?じゃなくて口開けなさいよ!あーん!」///
榊原「あ、あーん」パク
赤沢「美味しい?」
榊原「う、うん」モグモグ
赤沢「良かった」ホッ
榊原「赤沢さん、帰ろう?」
赤沢「ひ、ひゃい!?」
榊原「?」
赤沢(まさか恒一君から声をかけてくるなんて)
中尾「」
勅使河原「」
望月「ほら、2人とも帰るよ」ズルズル
赤沢「♪」ギュッ
榊原(機嫌良いな、赤沢さん。いつもムスッとしたイメージだから余計に可愛く感じる)
赤沢「ねぇ、恒一君?」
榊原「な、なに」
赤沢「…この場所覚えてる?」
榊原「…ここは」
赤沢「覚えてないならいいのよ」
榊原「僕と赤沢さんが出会った場所でしょ?」
赤沢「!」
赤沢「な、なんで」
榊原「赤沢さん綺麗だったから」
赤沢「ふぇ?」///
榊原「忘れるわけないよ」
赤沢「恒一君…」
榊原「今日そう思ったよ」
赤沢「」///
赤沢「ねぇ、恒一君最後に1つ良い?」
榊原「何?」
赤沢「…その、名前で…泉美って呼んで?」
榊原「…」
榊原「綺麗だよ、泉美」ニコッ
赤沢「…ありがと、恒一」ボソッ
2日目終了
榊原「はぁ、僕は馬鹿だ」
榊原(何でまたあんなこと言ったかな。夜に思い出して顔真っ赤になったよ)
榊原「さてと」
榊原(どうせいるんだろうな)
ガチャ
シーン
榊原(いない!いないよ!やっと平穏な日々が!)
トントン
榊原「」
多々良「榊原君、おはよう」ニコッ
榊原「いや、何も…」
多々良「ふふっ、それじゃ行こっか」スッ
榊原「あぁ、うん」ギュッ
多々良「ひゃう」ビクッ///
榊原「あ、あれ?嫌だった?」
多々良「う、ううん全然」///
多々良(普通に手を繋いでくるとは思わなかった…)ドキドキ
恒一「おはよう」
勅使河原「おう、サカキ! 今日は1人か!」
多々良「」ギュッ///
恒一「あはは…」
勅使河原「」
望月「いい加減学びなよ」
見崎「さすがにイライラしてきた」
小椋(榊原君は私が好きだから、大丈夫よね…大丈夫…)
赤沢「恒一かっこいい恒一かっこいい恒一かっこいい恒一かっこいい恒一かっこいい」ニヤニヤ
綾野「こういっちゃんこういっちゃんこういっちゃんこういっちゃんこういっちゃん」ニヤニヤ
榊原「ふぅ」
榊原(なんかやけに授業中視線を感じたけど……気のせいかな)
多々良「榊原君?」
榊原「あっ、多々良さん。一緒にお昼ご飯食べよっか」ニコッ
多々良「あ、うん」///
勅使河原「」ガツガツ
望月「やけ食いはやめなよ」
榊原「美味しそうだね、多々良さんのお弁当。手作り?」
多々良「うん、一応」テレッ
多々良「食べてみる?」
榊原「うん、ありがと。あーん」
多々良「ふぇ!?」///
榊原「え? 食べさせてくれないの?」
多々良「う、うん。別に良いけど」///
多々良(なんでこんなに積極的なんだろ…)ドキドキ
榊原「ん」パク
榊原「美味しい!凄く美味しいよ」
多々良「えへへ…ありがとう」///
榊原「お返しに僕のも食べる?」
多々良「うん」
榊原「はい、あーん」
多々良「んっ」パク
多々良「美味しい…!」
榊原「ありがと」ニコッ
榊原「一緒に帰ろう、多々良さん」
多々良「うん」
多々良「あ、あの」
榊原「?」
多々良「…手」スッ
榊原「…分かったよ」ギュッ
望月「あれ?勅使河原がいない」
榊原「多々良さんって何部だっけ?」
多々良「吹奏楽部だよ」
榊原「へー、今度部活の演奏見に行っても良いかな?」
多々良「うん、大歓迎だよ……でも」
榊原「でも?」
榊原「ははっ、大丈夫だよ」
多々良「…?」
榊原「僕が見たいのは恵だけだから」
多々良「さ、榊原君!?」///
多々良「急に名前で呼ぶなんて…」///
榊原「違うよ」
多々良「え?」ドキドキ
榊原「恒一、だよね?」
多々良「…」///
多々良「…恒一君」///
3日目終了
榊原「ふぅ」
榊原(何でだろう。もう恥ずかしいとすら感じなくなってきたよ…。でも結局昨日は夜中の多々良さんの電話のせいで全然寝れなかったよ)
榊原「眠い…」
榊原(布団から出たくない)
見崎「大丈夫?」
榊原「あぁ、多分大丈夫だよ」
見崎「そう。なら良かった」
榊原「…」
榊原「うん。ちっとも良くないよ。何で僕の部屋にいるのさ」
榊原「そんな当たり前みたいな顔しないでよ…」
見崎「それより早く起きて」
榊原「うん、目が覚めたし起きるよ…」
見崎「着替えて」
榊原「とりあえず出てってよ…」
榊原「おはよう…」
勅使河原「大丈夫か、サカキ?顔色が…」
榊原「ははっ、大丈夫だよ…」
見崎「…」ギュッ
榊原「見崎、痛いよ…」
勅使河原「サカキと見崎だとイライラしないから助かるわ」
小椋(榊原君、体調悪そう…大丈夫かな…)
多々良「恒一君のために頑張らなきゃ恒一君のために頑張らなきゃ恒一君のために頑張らなきゃ」ニヤニヤ
赤沢「恒一かっこいい恒一かっこいい恒一かっこいい恒一かっこいい恒一かっこいい」ニヤニヤ
綾野「こういっちゃんこういっちゃんこういっちゃんこういっちゃんこういっちゃん」ニヤニヤ
榊原「ふぅ…」
榊原(駄目だ、フラフラする…相変わらず視線も感じるし…)
見崎「榊原君」
榊原「あぁ、見崎。お昼ご飯一緒に食べよっか」
見崎「」コクリ
勅使河原「いつもどおりじゃん」
望月「この2人だとね」
榊原「なんかこうして見崎とご飯を食べるのも久しぶりな気がする」
見崎「最近私は1人で食べてたから」シュン
榊原「あぁ、ごめんね。今日は一緒だから」ナデナデ
見崎「ん」///
見崎「榊原君」
榊原「ん?」
見崎「それ頂戴。あーん」
榊原「はい」ヒョイ
見崎「」ジトー
榊原「冗談だよ…あーん」
見崎「ん」パク
見崎「おいひ」モグモグ
榊原「見崎、帰ろう」
見崎「」コクリ
勅使河原「よっ、ラブラブだな! お二人さん!」
望月「なんだコイツ」
榊原「勅使河原ウザいよ」
見崎「うざっ」ボソッ
見崎「榊原君」
榊原「どうしたの?」
見崎「足が痛い」プルプル
榊原「知らないよ…」
見崎「おぶって」
榊原「まぁ、いいけど」ガシッ
見崎「ん、ありがとう」
榊原「僕がいなくなったらどうするの?」
見崎「榊原君はずっと一緒いてくれるから、考えるだけ無駄」///
榊原「はい、はい…」
見崎「…榊原君は私を見捨てないよね?」///
榊原「うん、そうだね」
榊原「…いつまでも僕が守ってあげるよ」
見崎「」///
4日目終了
榊原「……」
榊原(頭が痛いよ…昨日なに言ったかもイマイチ思い出せないし……なんか電話も鳴り止まなかったし)
榊原「…今日で終わりなんだよね」
榊原(頑張ろう)
ガチャ
榊原「あれ、いない…」
榊原「…まぁ、いいか」
小椋「ま、待って!」ギュッ
榊原「あ、小椋さん…」
小椋「そ、それはその……恥ずかしくて」///
榊原「別に気にしなくも良いよ。気楽に行こーよ…」
小椋(緊張する…)///
榊原「手繋ぐ?」
小椋「え、え!?」
榊原「そんなに驚かなくても…」
小椋「い、いいの?」
榊原「全然いいよ。気にしないで本音を出しなよ」
小椋「うん…じゃあ繋ぐ」///
榊原「おはよう…」
勅使河原「おっす、サカキ…今日は小椋か…さすがだな」
小椋「」///ギュッ
望月「勅使河原、目が虚ろだよ」
見崎「榊原君と一生一緒榊原君と一生一緒榊原君と一生一緒榊原君と一生一緒榊原君と一生一緒」ニヤニヤ
多々良「恒一君のために頑張らなきゃ恒一君のために頑張らなきゃ恒一君のために頑張らなきゃ」ニヤニヤ
赤沢「恒一かっこいい恒一かっこいい恒一かっこいい恒一かっこいい恒一かっこいい」ニヤニヤ
綾野「こういっちゃんこういっちゃんこういっちゃんこういっちゃんこういっちゃん」ニヤニヤ
榊原「……」
榊原(あれ、なんかフラフラする……頭が痛いよ……小椋さんとお昼ご飯食べなきゃいけないのに)
榊原「小椋さ…」
ドサッ
小椋「さ、榊原君!?」
榊原「」
小椋「榊原君!!榊原君!!大丈夫!?」
サカキバラー ダイジョーブカー ホケンシツニツレテケー
マカセロー ワタシガヤルワ コウイチクーン
榊原「んっ……あれ、ここは…」
小椋「榊原君!?」
榊原「あっ、小椋さん。どうしたの?」
小椋「……どうしたの?じゃないよ! 榊原君半日は寝てたんだよ!」
榊原「え!? 僕そんなに寝てたの!?」
小椋「ほんとに心配したのに…」グスッ
榊原「ご、ごめん」
榊原「ありがとう……そんなに心配してもらえるだなんて嬉しいよ」テレッ
小椋「もう心配させないでね?」///
榊原「うん、分かったよ。」
榊原「ていうか、僕半日寝てたってことは今、夜中だよね?」
小椋「もう0時過ぎてるよ…」
榊原「小椋さん家に帰らなくて大丈夫なの?」
小椋「うん、大丈夫だよ。先生とお母さんに榊原君と一緒に保健室にいるって言ったから」
榊原「そうなんだ、小椋さんは僕の付き添いって形で泊まるの?」
小椋「…うん、今晩は私もここで寝るから…」///
榊原「でもベッドは1つだよ?」
小椋「…一緒に寝るから」ボソッ
榊原「え?」
小椋「一緒に寝るの!」///
小椋「」///
数分後
小椋「榊原君、狭くない?」ギュッ
榊原「うん、大丈夫だけど」
榊原「抱きつかれるのは恥ずかしいよ…」テレッ
小椋「でも、こうするしかないし…」ギュー
小椋「き、気のせい!」///
榊原「そうかな…」
小椋「ごめん、嘘…さっきより強く抱きしめてる…」///
榊原「だ、大丈夫だよ、もう心配しなくても」テレッ
小椋「ううん、これは心配とかじゃなくてただ私が榊原君を抱きしめたいだけ…」///
榊原「小椋さん…」
榊原「……」ジー
小椋「榊原君?」
榊原「うん、やっぱりそうだ」
小椋「何の話?」
榊原「小椋さん」ガシッ
小椋「ひゃあ!? な、なに急に」///
榊原「僕は君が好きだ」
榊原「僕は君が一番可愛いと思う。他の誰よりも」
小椋「え、え?」///
榊原「結局こんなことはやる必要は無かったよ。やっぱり小椋さん、君が一番だ」
小椋「榊原君…」
榊原「僕は何があろうと君を守り通すよ。だから、これからも僕の側にいていてください」
小椋「…」
榊原「へ、返事は…」ドキドキ
榊原「ありがとう、小椋さん…」ホッ
小椋「…でもその呼び方はいや」
榊原「え?」
小椋「由美っ」
榊原「ゆ、由美?」///
小椋「何?こ、恒一」///
榊原「ふふっ、これからもよろしくね、由美」
小椋「こちらこそ、恒一」
チュッ
お
わ
り
初めてだったが書いてて
楽しかったです
乙でした
あの4人にはヤンデレ化して貰う予定でした
いいなそれ
ついでに言えば5人の中から選び取る描写があると嬉しかった
もう眠すぎて眠すぎてw
最後は自分でも何書いてるか分からなくなった
俺得な良スレだった
Entry ⇒ 2012.05.02 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
赤沢「ふふっ……恒一君、緊張してる?」
赤沢「大丈夫。すぐに慣れるわ」
恒一「そうかな」
赤沢「ええ。それにね、だんだん気持ち良くなってくるのよ」
恒一「え?!」
赤沢「ふふ、それじゃ、いくわよ」
―――
―
赤沢「お疲れ様。どうだった、初めての演劇は?」
恒一「緊張して台詞を読むだけでいっぱいいっぱいだよ」
赤沢「けど、案外様になってたわよ。身長があるとやっぱり栄えるわね」
恒一「そうかな。ありがと」
ダレカソコノナグリトッテ〜
コノシーンノショウメイコレデイイ?
恒一「いいよ。それに興味もあったし」
赤沢「そう言ってくれと、ありがたいわ。けど、胸の方は大丈夫?」
恒一「うん。最近は調子いいんだ」
赤沢「安心した。直前に降板されたら困るもの」
恒一「そっちの心配なんだ……」
赤沢「冗談よ。ふふっ」
恒一「きついなぁ」
赤沢「いいえ。前から部室にあったもので、たぶん卒業生の人が作ったものだと思う」
赤沢「台本決めの時、彩がこれを推薦して、そこから多数決でこれになったの」
恒一「へぇ、そうなんだ。だけど、盲目の令嬢と使用人の男の恋ってなんかロマンチックだね」
赤沢「そうなのよ。もう少し地に足ついたのものにしたかったんだけど、彩はこういうの好きみたい」
恒一「ははは。確かに綾野さんは好きそうだね」
綾野「そこ!お二人さん。話してる暇があるなら、台詞覚えた方がいいんじゃない」
綾野「特にこういっちゃんは初心者なんだから」
恒一「ごめん。そうだね」
赤沢「……そうね」
綾野「はーい」
恒一「分かった」
(赤沢芝居中)
綾野「こういっちゃん、ありがとね」ヒソヒソ
恒一「どうしたの、いきなり?」ヒソヒソ
綾野「今回の事引き受けてくれて」ヒソヒソ
恒一「さっき赤沢さんにも言ったけど、全然かまわないよ」ヒソヒソ
綾野「そっか。なら、ついでに泉美のことも任せちゃおうかな」ヒソヒソ
恒一「え?」ヒソヒソ
恒一「それって、どういう……」ヒソヒソ
赤沢「どう。何か気付いたことある?」
綾野「う〜ん、9Pのここの台詞はもっと抑えた感じの方が……」
恒一「……」
綾野「は〜い」
フーツカレター カエリドッカヨッテク?
ザワザワガヤガヤ
綾野「こういっちゃ〜ん、途中までだけど一緒に帰ろ〜」
恒一「別に構わないけど」
綾野「って泉美が言ってるんだけど」
赤沢「え、私?!」
綾野「そうそう。私は用事あるからさ、送ってあげてよ」
恒一「いいよ。一緒に帰ろう」
綾野「やった!泉美もいいよね?」
赤沢「恒一君がいいなら……」カァ
綾野(こういっちゃん、頼んだよ)
赤沢「……」トコトコ
恒一「……」トコトコ
恒一(どうしよう。何か会話を……)
赤沢「……恒一君。昨晩は何か夢をみた?」
恒一「え、夢?え〜と、最近はみないな」
赤沢「そう……。私はね、最近同じ夢をみるの」
恒一「へぇ〜、どんな夢?」
赤沢「それはっ、その……秘密」カァ
恒一「そっか」
赤沢「……恒一君は私と以前、会ったことはないのよね」
恒一「そう、だけど」
赤沢「ごめんなさい、何度も同じことを聞いて。けど、私は……」
恒一「?」
恒一「ここからは別々だね」
赤沢「そうね……」
恒一「……それじゃあ、また」
赤沢「待ってっ、あの、あ、握手しましょ!」
恒一「握手?」
赤沢「そう!……さよならの握手」
恒一「いいよ。はい」スッ
ギュッ
赤沢「さようなら」
恒一「うん。また明日」
三神「今日は赤沢さんが欠席ですね」
恒一(あれ、昨日は元気そうだったのに……)
綾野「……」
杉浦「彩、昨日泉美になにかあった?」
綾野「何も〜。部活中も普通だったよ」
杉浦「そ。なら、アタシがプリント届ける」
綾野「! ちょっと待って。それは私に任せて」
綾野「こういっちゃ〜ん!ちょい来て」
恒一「なに?」
恒一「僕が?」
綾野「そうなのよ。私達これから用事で」
杉浦「え?!アタシは」
綾野「とにかく、頼んだよ〜」ピュー
恒一「二人とも行っちゃた……」ボーゼン
―――
―
恒一「クラス名簿によれば、ここだよね……」
恒一(それにしても……大きい家だなぁ)
ピンポーン
?「はい。なんの御用でしょう?」
恒一「あの、赤沢泉美さんのクラスメイトの榊原恒一といいます。学校での配布物を届けに来たのですが」
?「……少々お待ちください」
―――
―
?「恒一様、お待たせしました。どうぞお入りください」
ギイ
恒一「お邪魔します」
恒一(中も豪華だ……)
使用人「泉美お嬢様の部屋は二階になります。それでは、用がございましたらお呼びください」
恒一「はい。ありがとうございます」
恒一「赤沢さん、入っていい」コンコン
赤沢『どうぞ……』
ガチャ
恒一「赤沢さん、もう平気なの?」
赤沢「恒一君、本当に恒一君なの?」
恒一「え?!そう、だけど……」
赤沢「……恒一君、握手しましょう。手、出して」
恒一「うん……」
ギュウ
赤沢「よかった。恒一君だぁ」
恒一「赤沢さん、もしかして……」
赤沢「そうよ。目が、見えなくなったの」
赤沢「落ち着いて」
恒一「けど、こんな大変なこと……」
赤沢「私もね、最初は驚いたわ。けど、昨日まで普通だったのに急に失明することなんてありえないでしょ」
恒一「それは、確かに……」
赤沢「そう、ありえないことなの。けど、そうだからこそ説明がつく場合がある」
赤沢「断言はできないけど、可能性は高いわ。私自身は聞いたことないけど」
恒一「そんな……」
赤沢「大丈夫。これが現象なら解く方法は必ずあるはずよ。そのための対策係なんだから」
恒一「ぷっ、……くく」
赤沢「なっ、なんで笑うのよっ//」
赤沢「それってどういう意味よ!またマッチョだって言いたいわけ」
恒一「そうじゃないよ。責任感が強いなって褒めてるんだよ」
赤沢「なんだか素直に受け取れないわ。これでも結構、不安だったんだから」
赤沢「っ?!は、早く言いなさいよ//」バッ
恒一「今気付いたんだって」
赤沢「ふんっ」
恒一「……話続けるけど、この事ご両親には言ったの?」
赤沢「両親はね、今海外にいるの」
恒一「じゃあ、あの案内してくれた人は……」
恒一「……すごいね。なんだか別の世界みたいだ」
赤沢「そんなたいそうなものでもないわ」
赤沢「そういう訳だから、両親には言ってない。あの人達には簡単にだけど、言ってあるわ」
恒一「そうなんだ」
赤沢「ええ。他の人に言うことで現象が拡大するかもとは考えたけど、流石に……ね」
恒一「そうだね。他の人の手を借りないと、この状態で生活するのはキツイよね」
赤沢「ところで、恒一君は……その、今日は自分で……来てくれたの?」
恒一「えっと、それって……?」
恒一「そういうことか。実は綾野さんに頼まれ」
赤沢「あっそ」プイッ
恒一「え、あの〜。赤沢さん……?」
赤沢「なにっ」イライラ
恒一「その……なにか怒ってる?」
赤沢「別に」イライラ
恒一(これ、やっぱり怒ってるよなぁ)
恒一「は、はいっ」
赤沢「明日は私、登校するから付き添いとかお世話よろしく」
恒一「ええ?!僕が。それに危ないよ」
赤沢「現象を解決するって言ったでしょ。私がいなきゃ始まらないじゃない」
恒一「僕も解決には協力するけど、やっぱりそれは危険だって」
赤沢「だから、明日はよろしくね」
〜翌日・赤沢宅〜
恒一「おはよう。赤沢さん」
赤沢「恒一君、おはよう。ちゃんと来たわね」
恒一「うん。けど、本当に行くの?」
恒一「うん……(やっぱり手を繋ぎながらなのか。恥ずかしいな)」ギュウ
赤沢「///」
恒一「あの、赤沢さん」トコトコ
赤沢「なに?」トコトコ
恒一「赤沢さんの目のこと、一応怜子さんに話しておいたんだ。だから、学校でいろいろ便宜は図ってくれると思う」
赤沢「いいえ。むしろ、感謝しなきゃね。ありがとう」
赤沢「恒一君のそういう所は長所だと思う」
恒一「急にやめてよ。恥ずかしい……」
赤沢「ふふっ。けど、もう少し察しが良くなった方がいいわよ」
恒一「どういう意味?」
赤沢「なんでもない」
赤沢「♪」
〜学校・廊下〜
恒一(ああ〜、遂にここまで来てしまった……。覚悟、決めなきゃな……)
見崎「……榊原君」
恒一「み、見崎?!」
赤沢「!」
見崎「……どうして、赤沢さんと手を繋いでるの?」
恒一「いや、これは、その……」アセアセ
恒一「えっと、ちゃんと訳があるんだ」バッ
赤沢「恒一君、離しちゃダメ」ギュッ
恒一「え?!」
見崎「!」
赤沢「……教室、行きましょ」スタスタ
恒一「わっ、待って。見崎、理由はちゃんと話すから〜」
見崎「………………」
見崎「…………」
見崎「ばか」
綾野「おっ、泉美おは?!ど、ど、どうしたの、手繋いじゃって?!」
綾野(これは遂に決めたな〜。こういっちゃん、やるじゃん)
恒一「え〜、これはね」
赤沢「待って。私から言うわ」
事情説明中
綾野「ええええええ?!」
杉浦「泉美、大丈夫なの?」
赤沢「ええ。他は全然問題ないから」
綾野「へぇ〜」ニヤニヤ
赤沢「な、なに?」
綾野「なんでも〜(ちょっと違うけど、これはこれでアリね。……そうだ!)」
綾野「けど、授業中は席離れちゃうね。それじゃあ、ダメだよ」
赤沢「それもそうね……」
望月「そうだね。僕は構わないよ」
恒一「いいのかな」
綾野「平気平気♪」
赤沢(彩ったら……//)
三神「みなさん、おはようございます。……ん?」ガラッ
綾野「あっ、先生実は」
赤沢「ありがとうございます」
〜授業中〜
赤沢「……恒一君、いる?」ヒソヒソ
恒一「ちゃんといるよ」ヒソヒソ
赤沢「そう……」
恒一「……」カリカリ
恒一「……」カリカリ
赤沢「……恒一君、いるわよね」
恒一「いるよ」
赤沢「……」
恒一「……」カリカリ
赤沢「こういちく」
恒一「大丈夫」テツナギ
赤沢「あ、うん……//」
杉浦(泉美……)
恒一「お昼どうしようか?」
赤沢「屋上に行きましょう」
恒一「そうだね」
綾野「おお、これはおもしろくなりそう」
杉浦「……」
見崎「……」
恒一「赤沢さんのお弁当おいしそうだね。それもお手伝いさんが?」
赤沢「そうね。(こういう時、自分で作ったって言いたかったな……)」
赤沢「それじゃあ、お願い。……あ〜ん」
恒一「ホントにやるんだ」
赤沢「ええ。ほら、はやく」
恒一「うん……。最初は卵焼きから。はい、口あけて」
赤沢「……ん、おいしい」
恒一「そう。良かったね」
恒一「それじゃあ、次は……(なんだか、雛鳥に餌をあげてるみたいだ……。正直、可愛い……)」
赤沢(恒一君にもしてあげたかったな……)
綾野「きゃあー!これは甘いよ〜」ノゾキミ
杉浦「……泉美、嬉しそう」
恒一「ここから段差があるから気をつけて」
赤沢「ありがとう」
恒一「えっと、次の授業は……」
赤沢(あ……)ブルル
恒一「どうしたの?」
赤沢「な、なんでもないからっ」
恒一「?」
赤沢「……」ソワソワ
赤沢「あ、あの、恒一君」ソワソワ
恒一「どうかした?」
赤沢「えっと、その……」ソワソワ
恒一「なに?」
赤沢「ご、ごめんなさい」ダッシュ
恒一「え?!赤沢さん、走ったら危ないって!」
赤沢「なんでついてくるのよ〜!」
恒一「そんなこと言ったて!」
赤沢「きゃっ!!」
恒一「あっ、杉浦さん」
赤沢「多佳子なの?!」
杉浦「泉美、走ったら危ない。それに目が見えないのに一人でどうするつもりだったの?」
赤沢「それは、えーと……」
杉浦「はぁ〜、アタシが付き添うから」
恒一「えっと?」
恒一「そうだったのか。気が回らなくてごめん」
杉浦「次は気をつけて。……泉美少し待ってて」
赤沢「? ええ」
恒一「……うん」
杉浦「あと、もし、泉美を泣かせたら……許さないから」ギラン
恒一「は、はい!」ビクン
〜放課後・第2図書室〜
千曳「そうか、状況はわかったよ」
恒一「それで、過去に同じような現象はありますか?」
恒一「そんな……」
千曳「役に立てなくて申し訳ない。ただ、これが現象なら何らかの……スイッチのようなものがあるんじゃないか」
恒一「スイッチ……」
千曳「そう。今までなかったということは、逆を言えばなにか特別なことをしたということだ」
恒一「いえ、ありがとうございます」
赤沢「ありがとうございます」
〜演劇部部室〜
恒一「はあ〜、空振りか。いったいどうしたら……」
赤沢「……私、ずっとこのままなのかしら……」
恒一「赤沢さん……」
赤沢「ううっ、えぐっ……このまま、多佳子や彩、パパやママに会えないなんていやよぉ……」
赤沢「それに、恒一君の……好きな人の顔が見えないのはもっといやなのぉ……」グスグス
赤沢「こう、いちくん……。う、うわあああああんっ!」グスグス
―――――
―――
―
恒一「……落ち着いた?」
赤沢「……ええ、ありがとう」
恒一「赤沢さん、その……さっきのこと……」
恒一「うん……」
赤沢「それはね、手を繋ぐ夢」
赤沢「……1年半前にね、私はいとこを亡くしたの。その人は私のお兄ちゃんみたいなひとだった」
赤沢「だから、私はとても悲しくてずっと泣いてて。その日もね、河原で泣いていたの」
赤沢「慌てて謝りにいったら、今度は私が転んじゃって……。逆にその人に心配されちゃった。おかしな話でしょ」
赤沢「……手を差し伸べてくれたその人はやさしい笑顔をしてた。それに、握った手も温かかった」
赤沢「そしてね、その人は東京から来たって言ったの……」
恒一「それって、つまり……僕のことが……」
赤沢「やっと気付いたの。馬鹿……」
恒一「ごめん。……けど、僕はやっぱり思い出せない」
赤沢「……こういう時は嘘でも憶えてるって言いなさいよ」
赤沢「え?」
恒一「赤沢さん。やっぱり嘘は吐けない。だから、ちゃんと言うよ。僕も君のことが好きだ」
赤沢「うそ……本当に……」
恒一「本当だよ」
赤沢「こんな、今の私でも……」
恒一「構わない。ずっと一緒にいよう」
パアアアアアア
赤沢「あれ?見える……ちゃんと見える。私の眼……」
恒一「ホントに?!僕の顔見える?」
赤沢「ええ!見える。こういち……く、ぐすっ、ひっく」
赤沢「ううっ、よかったぁ、うええええんっ」
―――
―
恒一「もう平気?」
赤沢「ええ。けど、なんども泣いちゃって恥ずかしいわね//」
恒一「気にしなくていいよ。だけど、どうして急に……」
赤沢「たぶん……私達の演劇が関係しているのかも」
恒一「……そうか。確かにこの台本の内容って」
恒一「なるほど」
赤沢「……恒一君、ごめんなさい。やっぱりこんな大事に巻き込んでしまって」
恒一「謝らなくていいよ。それに被害を受けたのは赤沢さんの方だし」
恒一「もう一つ?」
赤沢「今日、無理やり登校したのは……その、見せつけたかったの……//」
赤沢「皆に恒一君は私のためにここまでしてくれるって、私のものだって……//」
赤沢「私、見崎さんに嫉妬してたのかも知れない。だから、あんなことして。ごめんなさい」
赤沢「恒一君……//」
恒一「僕もね、一つ言わなきゃいけないことがあるんだ」
恒一「さっき思い出したんだけどね」
赤沢「それって、もしかして……」
恒一「聞いてくれる――――――手を繋ぐ話」
おわり
これで赤沢さんのところへ行けます
久しぶりに赤沢さんが報われて嬉しいったらありゃしない
Entry ⇒ 2012.04.29 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
見崎「これが……榊原君の机の角……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333212369/
グチュッ
見崎「んっ!!」
モゾモゾ
見崎(すごい……気持ちイイ)
ゴシゴシ
見崎(イ、イク、イッちゃう!!!!!!)
見崎「ハァハァハァ……」
ジー
榊原「あの……見崎さん?授業中に何をしてらっしゃるんですか?」
見崎「何って……オナニー……///」
榊原「えっ、そこで恥ずかしがるの?」
その人が授業中のオナニーは気持ちいいよなって独り言を言ってくれたの
最近は満足できなくなってきてたから試してみようかなって思ったのね」
榊原「それなら自分の席でコッソリすればいいのに」
見崎「初めはそうしてた
してたんだけどまた数日したら慣れてきちゃって」
榊原「……もしかして昨日の授業中とかもしてたの?」
見崎「うん……///」
また独り言でアドバイスしてくれてね
人に見られながらすると気持ちよさそうだなって」
榊原「……それでやっちゃったの?」
見崎「……やっちゃったの」
榊原「気持ちよかった?」
見崎「とっても///」
見崎「……なんで?」
榊原「なんでって……そりゃ皆の授業の邪魔になるし」
見崎「私はいない者だから大丈夫」
榊原「気持ちよさとは別に恥ずかしさは無いの?」
見崎「あるけど……恥ずかしさも快感になってるかな」
見崎「目の毒?……目が潰れちゃうの?義眼いるなら霧果に頼んでおくけど」
榊原「いや、そういうことじゃなくて!!
僕とか他の男子にも言えることだけど、その、女の子のそういうの見せられると我慢できなくなるって言うか
もしかしたら見崎のこと襲ったりするかもしれないだろ」
見崎「榊原君は私のこと襲うつもりなの?」
榊原「襲わない!襲わないつもりだけど!もしかしたら理性が耐えられなくなるかもしれないじゃないか
見崎は僕や他の男子に襲われても構わないの?」
見崎「榊原君はともかく……他の男子はちょっと……」
っじゃなくてっ!だったらもう皆の前でこんな事しちゃダメだよ」
見崎「うん……じゃぁこれからは榊原君の前でだけにするね」
榊原「是非そうして」
榊原(よかった、どうやらわかってもらえたようだ……アレ?)
榊原「後ろに?何で?」
見崎「だって皆に見えないようにしないと
榊原君が勅使河原君の後ろに行って私がその間ですれば問題ないよね」
榊原「大有りだってば
声や音が皆に聞こえちゃダメ、してることを知られるのもダメ」
見崎「……それじゃぁいつもと同じ……そうだ、榊原君、放課後予定ある?」
榊原「特に無いけど……」
見崎「じゃぁ放課後残って」
榊原「……わかったよ」
見崎「じゃぁ始めるからしっかり見ててね」
榊原「……うん」
榊原(いつもはしばらく帰らない生徒も皆早々に教室から出て行ってしまった)
スルッ、ポイッ
榊原「えっ!?下着脱いじゃうの?」
見崎「もちろん
穿いたままだと汚れちゃうし布越しだとイマイチ気持ちよくなれないから」
榊原「……」ゴクッ
……いくよ」
ヌチョッ
見崎「んふぅ……授業中も思ったけど榊原君の机の角ってすごく気持ちいい」
榊原「……そうなの?……他の机と…同じだと思うけど……」ハァハァ
スリスリ
見崎「違うよ……なんだか……んんっ……榊原君の手に…触れられてる感じがするもの」
榊原「……僕の手はちゃんとここにあるよ」
ちゃんと机の上に出して見せてよ……」
榊原(まぁ椅子に座ってるし机に隠れて見えないか)
榊原「ほら、ちゃんと両手ともあるでしょ」
見崎「手のひら」
榊原「え?」
見崎「手のひらを上にして見せて」
榊原「……これでいい?」
見崎「うぁ……榊原君の手……ハァハァ……弄られてる……」
ニュルンニュルン
榊原「ねぇ、見崎」
ヌッポヌッポ
見崎「……何?」
榊原「本当にその角が僕の手と同じか確かめてみない?」
見崎「確かめ……?」
榊原「本物がここにあるんだから同じように擦り付けてみなよ」
見崎「!!!」
榊原「う、うん……僕も見崎には気持ちよくなってもらいたいしさ」
見崎「するっ!!榊原君の手で思いっきりオナニーしたい!!!!」
榊原(すごい食いつきだな……見崎にこんな面があったなんて……
とりあえず手首から先を机の縁から出しとけばいいかな)
榊原「じゃぁここから動かさないから自分で擦り付けてね」
見崎「うん!!!!!……」ドキドキドキドキ
榊原(……見崎のアソコが当たってる///……やわらかいなぁ……)
榊原「ねぇ、机と比べてどうかな?」
見崎「ちょっと黙ってて!!」
榊原「!!」ムグッ
見崎(とってもあったかくて気持ちいいよぉ……これ以外じゃ満足できなくなりそう)
もうかなりの時間続けてるしな……手もふやけてるのがわかる……)
見崎「あっ、またっ、またイク、イッちゃう!!!!!!」
ビクッビクッビクッ
榊原「……あの〜、見崎さん?そろそr」
見崎「ハァ〜ハァ〜」ギロッ
榊原「ヒッ!」
見崎「榊原君、私今とっても気持ちいいの……もし邪魔したら榊原君でも許さないから
邪魔したら腕切り落としてお持ち帰りだからね……わかった?」
榊原「……」コクコク
見崎「もっとよ……もっと気持ちよくなれるはずよ」
モゾモゾグリグリギュ~
榊原(……そうだ!)
見崎「んっ…んっ…んっ……んひっ!!!だっ…だめっ……そんなっ!!」
クッチャヌッチャグリグリ
榊原「どう?僕が指を動かしたほうが気持ちいいでしょ?これは邪魔じゃないよね?」
プッシャー
ビクンッビクンッビクンッ
榊原「……見崎?」
見崎「……」ビクッビクッ
榊原「お〜い」
見崎「……」ヒクッヒクッ
榊原(これで少しは休めるな)
この手で見崎のアソコを……あったかくてやわらかくてグショグショだったな……)
チラッ
榊原(手に感触はあるのにずっとスカートで隠れて見れなかったな
今なら少しくらい捲って見ても気付かれないよね)
ギー、ガタ、ソー
メクリッ
榊原(うわっ……はじめてみた……お尻の穴まで丸見えだ……)ジロジロ
見崎『榊原君はともかく……他の男子はちょっと……』
ゴクリッ
榊原(見崎はああ言ってたけど意識が無いのに入れちゃうのは……さ、触るだけなら……)
ソー、ムニッムニッ
見崎「……んんっ」
ビクッ
榊原「……見崎?」
見崎「……」
サワサワナデナデ
榊原(かなり小ぶりだな……胸に比例するのかな?
このまま割れ目に沿って撫でて……)
ツー
見崎「……」ビクッ
榊原(お尻の穴を弄るッ!)
モミモミスリスリグイッ
見崎「……んっ……ん……」ヒクヒク
榊原「ちょっと足を開こうね〜」
カイキャクッ
榊原(よしっ、これで前のほうもよく見れる
……見崎、まだ生えてないのか///
まずは手のひら全体で前から覆ってみよう)
ピトッ
ナデナデモミモミ
榊原(触ってみると薄っすら産毛の感触があるな)
榊原(!?……なんだ?今の感触……)
クリュックリュッ
見崎「んぁっ!……ぁ……ん……」
榊原(……ワレメの中みたいだな……ちょっとほじってみるか)
クパァホジホジ
榊原(お、なんか出っ張った部分が……)
クリクリックリクリッ
見崎「ひゃぁ!……えっ!?何?」
クリックリッ
見崎「あっ!だっだめっ!待って!!」
榊原「どうしたの?」
見崎「そこっ!」
榊原「ここがどうかした?」
クリクリ
榊原「あ、気持ちいいの?」
見崎「そうだけどっ、そうじゃなくてっ、あっ、ちがっ!!」
榊原「じゃぁ続けるから好きなだけ気持ちよくなってね」
見崎「あっあっいやっあ゛ぁぁぁあ゛っあ゛ぁぁぁぁぁあぁ!!!!!!!!!」
プシャップシャップシャッ
榊原「うわっ、派手にイッたな〜
顔にまで飛んできてビショビショだよ
相当気持ちよかったんだね」
見崎「うぅ〜ばかぁ〜」
榊原「えっ!?何で泣くの?」
見崎「も〜しらない〜」
そんなに敏感な所だなんて知らなかったんだよ」
見崎「む〜、次からはちゃんと優しく弄るって約束して」
榊原「するっ、約束するから」
榊原(次、あるんだ……)
見崎「……じゃぁ今日だけ特別に許してあげる」
榊原「ホント?よかったぁ」
榊原「う゛っ……説明しなきゃダメ?」
見崎「ダメ」
榊原「……僕も見崎のアソコを触ってたから……その……興奮……しちゃってさ
手に感触は残ってるのにずっとスカートで見れなかったからちゃんと見てみたくて……」
見崎「興奮したの?」
榊原「した」
見崎「襲いたくなった?」
榊原「……なった
けど、見崎は意識が無かったから我慢したよ!」
榊原「いや、そんな状況じゃ襲わないよ!?
大体僕になら襲われてもいいみたいなこと言ったのは見崎じゃないか」
見崎「うん、榊原君になら襲われてもいいよ……今から襲う?」チラッ
榊原「……襲うって言うか……さっきも言ったけど僕も凄く興奮したんだよね
で、そのまま溜め込んでるから僕も気持ちよくはなりたいかな……って……」チラッ
見崎「気持ちよく?」
榊原「うん」
榊原「……できれば見崎に気持ちよくしてもらいたいんだけど……」
見崎「……わかった……私が……榊原君を………………襲うね」
榊原「は?……見崎、何を」
ブチブチブチッ
榊原「ちょっ、シャツのボタン!」
見崎「観念しなさい……泣き叫んでも止めてあげないから」
見崎「ダメよ、それじゃぁ私が興奮しない」
榊原「そんなっ!むぐっ」
チュバッレロッレロッジュルルル
見崎「っぷはぁ……さぁ、まずは乳首を責めてあげる」
グイッ
見崎「……ふぅん」ニヤニヤ
榊原「な、なに?」
見崎「少し立ってるよ……キスで感じてたの?それとも期待しちゃった?」
榊原「そっ、そんなこと無いよ!」
見崎「どうかな」
榊原「はぅん!」
見崎「ほら、あっという間にビンビンだよ……こっちも……こっちも」
ギュッ
榊原「みっ、見崎っ、そこは!」
見崎「榊原君の……とってもおっきぃね……私の体でもちゃんとこんなになるんだ?」
榊原「あ……当たり…前…だよ…」
榊原「男は……我慢…してたら…誰でも……」
見崎「へ〜、そうなんだ
私の下着と一緒だね
これからは最初にズボン脱がしてあげるね」
カチャカチャ、ジー、ズルッ
見崎「うわぁ〜パンツのシミ凄いことになってるよ〜
これ穿いて帰れないからもう捨てたほうがいいよ
って言うか今捨てるね」
榊原「えっ?ちょっと待って!!」
ポイッ、ヒラッヒラッ
見崎「ざんね〜ん、もう窓の外で〜す」
榊原「そ、そんな〜」
榊原「そんなまじまじと見ないでよ
恥ずかしいよ」
見崎「恥ずかしいんだ?なら近くでもっとよく見ようっと」
シャガミッ
見崎「先っちょがテラテラ光ってる……これさっきシミになってたのだね」
榊原「う、うん……興奮すると出てくるんだ……」
見崎「ふ〜ん……」
チョイッ
榊原「あうっ」
見崎「ふふっ、触ると跳ねるんだね」
見崎「ん〜?やめて欲しいの〜?
でも言ったよね?泣いても叫んでもやめないって……ねっ!!!」
ニギリッヌルヌル
榊原「あっ、あっ、そんなっ、激しっ……」
見崎「……クリ責められてた時私も言ったよね?それで榊原君はやめてくれたかな?」
ギュッギュッ
榊原「痛っ」
見崎「っと……痛いの?」
榊原「うん……強くされると快感でつらいとかじゃなく痛みになるんだ」
見崎「そっか……なら優しくしてあげるね」
ニュルンニュルン
見崎「榊原君、とっても気持ちよさそうだね」
榊原「ハァ、ハァ……もう少しで……」
見崎「イキそうなの?」
榊原「ハァ、ハァ」コクン
見崎「ならラストスパートだね」
ヌルヌルニチャニチャ
榊原「うぁぁぁああ」
見崎「あ、眼帯ずれちゃった、直さないと」
榊原「えっ?」
見崎「ちょっと待ってね〜」
榊原「ハァ、ハァ……」
見崎「あ〜、片手しか使えないとやり難いな〜」
榊原「……見崎」
見崎「う〜ん、もう少しだから〜」
榊原「……早く……」
見崎「……うん、これでよし
お待たせ〜」
榊原「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……あ、そろそろ……」
見崎「イケそう?……ちょっと待って!」
ピタッ
榊原「ふぇぇ?」
見崎「静かに……今誰かの声がした気がする」
榊原「!!!」
シーン
カッチコッチカッチコッチ
見崎「……気のせいだったみたいね
続けましょう」
榊原「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……」
榊原(……あと少しで……今度こそ……)
見崎「……なんだか手が疲れてきちゃった
一度休憩にしようか」
榊原「そんなっ!!」
榊原君があとどのくらいでイクのかもわかんないし」
榊原「もうイク!すぐイクから!!」
見崎「え〜、本当に〜?」
榊原「本当だからっ!お、お願い!お願いしますっ!」
見崎「お願い?何をお願いするの?ちゃんと言ってくれないとわかんないかも」
榊原「もっと触って僕がイクまで気持ちよくしてください!!お願いします!!!!」
見崎「え〜、もっと触るの〜?なんかヌルッとしたのが手についちゃうから嫌だなぁ」
榊原「そんなっ!お、お願い!お願いしますっ!何でも言うこと聞くから!!」
見崎「ふ〜ん、そこまで言われたらしょうがないかな……」
榊原「あ……ありがとうっ!見崎っ!!」パァァァ
榊原「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……」
見崎「ふふふっ、快感に打ち震える榊原君、とってもかわいいよ」
チュッチュッチュバッレロレロ
榊原(……もうすぐ……頭が……ハァハァ……)
見崎「それじゃぁ特別気持ちよくしてあげるね」
アーン、パクッ
レロレロジュッボジュッボ
榊原「くぁあぁああぁぁああ!!!!!」
ドビュッビュックビュックビュッ
ゴクリゴクリゴックン
見崎「っはぁ……凄い量が出るんだね」
榊原「ずっと我慢してたから……それより飲んだの?」
見崎「飲んだよ……私はただ榊原君を気持ちよくさせてるんじゃない……襲ってるんだから」
榊原「……確かに主導権は握られっぱなしだね」
榊原「それって……」
見崎「お互い相手を気持ちよくさせたことだし、今度は一緒に気持ちよくなろう」
榊原「そんなっ!いくらなんでもまずいよ!
ここ学校だし、皆今日僕らがどんなことしてるかわかってるし」
見崎「何でも言うこと聞くから」
榊原「!?」
見崎「さっき榊原君言ったよね?」
榊原「それは……」
見崎「言ったよね?」
榊原「……うん、言った」
榊原「そんな……」
見崎「さ、観念してするわよ」
榊原「……ハイ」
見崎「あ、榊原君にアレを使うの忘れてた」
榊原「アレ?」
見崎「そう、あの人にもっと気持ちよくなれるからって貰ったの」
見崎「あった!」
榊原(飲み薬?)
見崎「はい、これ飲んで」
榊原「これ何?」
見崎「とってもエッチな気分になって気持ちよくなる薬よ
私も最初に飲んだけどもう切れてるみたいだからもう一度飲んでおくね」
ゴックン
榊原(あのオナニーの激しさはそう言う事か……
怪しい気もするけど……お互いあの激しさで見崎と……)ゴクリッ
見崎「ほら、早く飲んで
何でも言う事聞くんでしょ」
榊原「……わかったよ」
ゴックン
榊原(!?……なんだ?これ……)
ギンッギンッ
見崎「ふふっ、やっぱりよく効くね」
榊原(……み・さ・き……)
ガバッ
見崎「ちょっと!私が襲ってるんだから私が上よ!!」
榊原「ハァ、ハァ、ミサキ、ミサキ!」
ブチブチブチッ
見崎「んもう!」
見崎「……いいよ……そのかわり……一度入れたらちょっとやそっとじゃ離さないからね」
ズンッ
見崎「いったぁ〜」
榊原「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ……」
ズッズッズッ
見崎「もう少し優しくしてよ……って聞こえてないか……」
見崎「くぅっ……奥まで……きたっ……」
ギュッギュッ
榊原「くぁっ!締まるッ!!」
ズルッズンッズルッズンッヌルッズブッヌルッズブッ
見崎「ハァッ、ハッ、ハッ……」
ヌルーズッチュンヌルーズッチュン
榊原「っ!!!出るッ!!!!!!」
見崎「うんっ!!!」
ドッビュッドッビュッドッビュッ
見崎「まだよっ!このまま続けて」
榊原「もちろんっ、こんなのじゃ全然足りない!!」
────────
──────
────
川堀「コイツなんかの病気で入院してたんだろ?
あの薬使って大丈夫なのか?」
水野「さぁな……でも何かあっても構わないさ
都会者は薬物常習者でも珍しくないんだろうからさ
姉貴が恨んでなけりゃ呼び寄せないだろうしな」
藤巻「しっかし、この子のオナニー現場に遭遇したときはこんなことになるなんて思いもしなかったなぁ」
江藤「他の子なら写真とって売りやらせたりできるけどいない者じゃねぇ」
川堀「授業中にオナりだしたときは薬のことがバレるんじゃないかとヒヤヒヤしたぜ」
水野「まぁ、あの様子じゃもう授業中はやらないだろうし大丈夫だろ」
川堀「次から1錠1000円くらいは取れるんじゃないか?」
江藤「5000円でもいけるんじゃないかな」
藤巻「ま、いくらで売ってもいい金蔓ができたことに違いないよ」
完
鳴(誰も来ないよね…)キョロキョロ
鳴「よしっ……!」
鳴「んっ……」スリスリ…
鳴(あ…気持ちいいかも…)
鳴「はあ…はあ…」
テクテク…
鳴(!誰か来た)
ガラッ!
鳴(とっさにロッカーの中に隠れたけど机から離れれば良かっただけな気がする…)
ダレモイナイワヨネ…
鳴(この声は……)
赤沢「……」キョロキョロ
鳴(赤沢さん?)
赤沢「これが恒一君の机…」
赤沢「んっ…あ…」スリスリ
鳴(!榊原君の机に身体擦り付けてる…!)
赤沢「恒一君もっとぉ……」スリスリ
鳴(変態みたい…しかも私がしてたのと同じ場所だ)
赤沢「はあ…はあ…!」スリスリ!
鳴(これは何って言うんだろう?間接キス…じゃないし)
鳴(早くなってく…)
タッタッタッ…
赤沢・鳴(!)
赤沢「やばっ!」キョロキョロ
赤沢「!あ、あそこに!」ダッ
ガチャ
鳴「あ…」
赤沢「えっ…」
タッタッタッ…!
赤沢「近づいてる!入るわよ!」
鳴「えっ、ちょっ…」
ムギュッ
鳴(うぐっ…狭い)
ガラッ!
赤沢(お願いだから我慢して!と言うか何でいるの!?)ヒソヒソ
鳴(……かくれんぼかな?)
赤沢(かな?って何よかな?って)
鳴(うっ…)
赤沢(……怪しいわね隠れるような事してたんでしょ)
鳴(うぐぐ……変態の癖に)
赤沢(///っ!あれは違う!違うのよ)
赤沢(あれは…えっーとあーあれは…)ヒソヒソ
鳴(………はあ)
赤沢(あ、歩いてたら恒一君の机にね!、ぶつかって痛みで動けなかっただけでね…)
鳴(いいよ別に…)
赤沢(えっ?)
鳴(何もしてないんでしょ?)
赤沢(え、…ええそうよ)
鳴(なら別にいいよ)
鳴(うん)ヒソヒソ
赤沢(………ありがとう)ボソッ
鳴(何か言った?)
赤沢(な、なんでもないわよ)
鳴(………)
鳴(どういたしまして)
赤沢(っ!聞こえてたんじゃない!)
鳴(『なんでもないわよ』)
赤沢(もうっ……)
鳴(ふふふ……)
鳴(………)
鳴(入って来た人はまだ出てないの?)
赤沢(ん?ああ貴女の位置じゃ見えないわね、ちょっとまってーー!?)
鳴(?どうたの?)
赤沢(綾野が…)
鳴(綾野さんが?)
赤沢(全裸で恒一君の机に股擦り付けてる……)
鳴(はい?)
綾野(装備:なし)「こういっちゃん!こういっちゃん!」スリスリ!
綾野(裸☆族)「駄目だよ見つかっちゃうよ!」ピチャピチャ
綾野(産まれたまま)「あっあっあっ!」ジャブジャブ
綾野(無修正)「見つかっちゃいそうで恐いよ!気持ちいいよぉ!」ランランラン
赤沢「」
鳴「」
鳴(声だけでも凄いね…)ヒソヒソ
トマラナイヨー!
鳴(かっぱえびせん食べたい)
赤沢(今食べ物の話題はよして)
モットーモットー
鳴(……凄いね)
赤沢(人は見かけに寄らないって本当ね…)
アッアッアッイグゥー
赤沢(うわぁ)
鳴(どうしたの?)
赤沢(潮吹いて恒一君の机ビショビショに…)
鳴(塩?)
赤沢(ええ…)
鳴(塩…???)
鳴(あ、誰か近づいてる)ヒソヒソ
赤沢(えっちょっ!ヤバいわよ綾野まだ擦り付けてる!)
イッタノニトマラナイヨー
鳴(どうしよう…)
赤沢(どうしようもこうしようも早く止めないと!)
タッタッタッ!
ガラッ!
鳴(あ)
赤沢(あ)
綾野「あっ…」
???「あ…」
榊原「綾野…さん?」
赤沢(ええ…最悪の展開ね可哀想に、中尾辺りなら三人でしばいて全裸の写真取って脅せばいいけど……)ヒソヒソ
綾野「こっこっこっ、こういっちゃん!?」
榊原「うわぁ!綾野さん何で裸!?///」
赤沢(オナニーしてたからよ……)
鳴(全裸がスタンダードなの?)
赤沢(いやぁ…)フルフル
綾野「きゃっ!み、見ないで///」
榊原「あっ!ご、ごめん!……ん?何で僕の机濡れてるの?」
赤沢(終わったわね…)
鳴(私なら現象のせいにする)
赤沢(どんな現象よ)
テクテクテク…ガシッ!
綾野「キャッ!」
榊原「綾野さんの手も濡れてるね…綾野さんコレ、何?」
綾野「あっ…あっ…」
赤沢(恒一君が怖いわ…)ヒソヒソ
鳴(一歩間違えば我が身…)ヒソヒソ
赤沢(いや綾野は十歩ぐらい走った挙げ句ジャンプした感じよ)
綾野「わ…分からない!分からないよ!」
榊原「分からない?全裸で人の机汚して分からないって何?」
綾野「うぅ…ゆるしてぇ…きらいにならないでぇ…」グスッ
綾野「あ……ごめんなさい…ごめんなさい!」
榊原「うんまずは謝らないとね……まあ謝ったからって許すかどうかは別だけど」
赤沢(綾野骨は拾ってあげるからね…)ヒソヒソ
鳴(助けないの?)ヒソヒソ
赤沢(無理無理今の恒一君怖い超怖い)
綾野「お願い許して出来る事なら何でもするからぁ…」
榊原「ふーん何でも…何でもね…」
榊原「じゃあさ…まずは手退けて」
綾野「えっ…?」
榊原「残った手で身体隠してるでしょ?その手退けてって言ってるんだよ」
榊原「別にいいよ嫌なら…許して欲しくないなら…ね」
綾野「っ!分かった分かったから…ううう…」グスン
スススッ…
榊原「うんよしっいいよ、それで次は綾野さんの口から言って貰おうかな何をしてたか」
赤沢(恒一君意外にSかしら…?)
鳴(おとなしい子ほど起こったら怖いって言うしそっちかも)
綾野「わ、わたしは…」
榊原「綾野さんは?」
綾野「こういっちゃんの机で…ゴニョゴニョ…してました」
榊原「…聞こえないよちゃんと言って」
綾野「っ!うう…っおな///オナニーしてました!」
綾野「うん…///」
榊原「綾野さんってなんだ変態だね」
綾野「ううぅ……」
榊原「でもおかしいよね?」
綾野「え?おかしいって…?」
榊原「だってさ普通オナニーに机なんか使わないよね?」
綾野「それは…」
榊原「だからさ」
榊原「よく分からないから実演して見せてよ机使ったオナニー」
赤沢(oh…)
鳴(ちょっと興奮して来た……)
榊原「はあっ…嫌ならいいっていったよね?」
綾野「うう…ううぅ…分かった…するから嫌いにならないでぇ…」
榊原「綾野さんが素直ないい子なら僕は嫌いになんかならないよ」
綾野「うん…じゃあするね…」
榊原「うん見ててあげる」
綾野「ううっ///」
スリスリ…
綾野「あっ…!(なんかさっきより気持ちいい…)」
榊原「可愛いお尻がいやらしく動いてるね綾野さん」
綾野「だめ!いわないで…」
鳴(ん……)スリスリ
赤沢(!?ちょっと何してんの!止めなさい!)
鳴(手を離して)ヒソヒソ
アヤノサンキモチイイノ?
ウン…キモチイイノ…ハァ…ハァ
赤沢(何考えてるの!?)
鳴(だって興奮するもの)
アヤノサントロトロダネ
アッアッ…コウイッチャンミチャダメェ…
赤沢(だからってシないでよ!)
鳴(後から来たくせに…)
……モウガマンデキナイ!アヤノサン!
エッ!コウイッチャン!?アアー!
赤沢(そう言う問題じゃないでしょ普通学校でオナニーなんかしないわよ)
鳴(………)ジトー
鳴(別に…)ヒソヒソ
アヤノサンアヤノサン!
コウイッチャンコウイッチャン!
鳴(そう言えば榊原君達どうなってる?)
赤沢(忘れてた!えっーとね)
榊原「綾野さん!中に出すよ!」
綾野「来てぇー!こういっちゃん来てぇー!」
ドピュッ!ドクッドクッ…!
赤沢「」
鳴「」
綾野「はぁ…はぁ…」
鳴(なにコレ……)
赤沢(私が聞きたいわよ……)
綾野「こういっちゃんの汚れちゃったね…んっ」
榊原「綾野さん汚いよ…あっ舌が…」
チュパペロペロ
綾野「うう不味いよー…」
榊原「もうっ大丈夫?」
綾野「さっきので気分が乗ってたけど不味いものは不味いね…失敗失敗あはは」
榊原「今日は変な事させちゃってごめんね」
綾野「んーそれはなんと言うか…ア、アタシもノリノリだったし…ね///」
綾野「も、もう!こういっちゃん顔がオッサンみたいになってるよ!」
榊原「お、オッサン!?」
綾野「学校でするのは今回だけだからね!…だから次はまたこういっちゃんちで…ね?」
榊原「う、うん(オッサン……)」
綾野「もう!オッサンは冗談だから気にしないっ!さっ服着ちゃうから一緒に帰ろ♪」
ーーーーーーーーーーー―
ガチャ…
赤沢「………」
鳴「………」
鳴「………」
赤沢「…どういうこと?」
鳴「…プレイ?」
赤沢「…………」
鳴「…………」
赤沢「うふ」
鳴「あは」
赤沢「うふふふふ…」
鳴「あはははは…」
赤沢「なによコレ…」
鳴「なんだろうね…」
赤沢・鳴「………」
鳴「…帰ろっか 」
赤沢「ええ…」
赤沢「おはよう見崎さん」
鳴「赤沢さんおはよう」
赤沢「昨日一晩考えたけどまだ終わってないわよね」
鳴「ええむしろ始まり」
赤沢「恒一君を」
鳴「榊原君を」
「寝取ってみせる!」
赤沢さんと鳴ちゃんの誘惑が榊原君を魅力すると信じて! 完
御愛読ありがとうございました!
二人とも乙
Entry ⇒ 2012.04.28 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
鳴「死者は誰!!!!!!!!!!!!!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1335186870/
チンッ
恒一「(おっ、ちょうど良いタイミングっ!)」
恒一「(ん?先客がいたのか――)」
鳴「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「」
恒一「……」
恒一「(眼帯をしている……怪我でもしているのか……確かあれは夜見北中学の制服……それに抱いているのは人形?いや、それ以前に……)」
鳴「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「(なんだろう……とても煩い……)」
恒一「え、あっ」
恒一「(どうしよう……絡まれた……)」
鳴「なんなのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「あ、いや、あの、その」
鳴「はっきりしなさいよ!!!!!!!!!!!!!!男でしょう!!!!!!!!!!!!!」
恒一「あ、はい……ごめんなさい……」
恒一「(あれ?なんで僕、怒られているんだろう?いや、無言でじろじろ見ていたからか……)」
鳴「もうっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「(それにしても煩いなぁ……)」
鳴「そうよ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「あ、そうですか、はい」
恒一「(はいって……なんだよ……僕……。なんかこの子の近くに居ると、調子狂うなぁ……)」
チンッ
恒一「あっ」
鳴「何よ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「あ、いや、あの、僕、此処で降りるんで……」
鳴「いきなり叫ばないでよ!!!!!!!!!!!!!!!びっくりするじゃない!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「ご、ごめんなさい……」
恒一「(どの口が言うんだよ……)」
鳴「待ちなさいよ!!!!!!!!!!!!!!!!」スタスタ
恒一「(えー……付いて来た……)君は何か用事があったんじゃないの……?」
鳴「届け物があるの!!!!!!!!!!!!!!!!!でも別に急ぐ必要はないわ!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「そ、そっか……」
恒一「(僕としてはこれでお別れしたかったんだけど……)」
鳴「貴方は入院しているの!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?????????????」
恒一「あ、はい……ちょっと気胸で……」
鳴「お大事にね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「あ、うん……ありがとう」
恒一「(ひょっとして良い人?)」
恒一「……そんなことないよ。あの、君の名前、聞いても良い?」
鳴「ミサキメイ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴「もしかしてナンパ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「ち、違う!そんなつもりじゃないって!」
鳴「何よ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!だからいきなり叫ばないでよ!!!!!!!!!!!!!!!」チンッ
恒一「あ、ほら、エレベーターが来たから、ね?早く行ってあげた方がいいんじゃないかな?」
鳴「それもそうね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「(ミサキメイ、か……)それじゃぁ、また」フリフリ
鳴「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」フリフリ
恒一「(悪い人じゃないって言うのは分かったけど……なんかなぁ……)」
恒一「(うるさかったなぁ……)」
久保寺「今日はまず転入生を紹介しましょう」
恒一「ええとあの、榊原恒一で――」
鳴「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「」
恒一「(うわ……あの子が居る……同じクラスだったんだ……うわぁ)」
恒一「(クラスの空気が変なのは……絶対あの子の所為だよな……)」
恒一「(堅苦しさ……緊張感……皆、あの子が気になって仕方ないんだろうなぁ……)」
恒一「(僕でさえ……こんなに離れているのに……あんか煩いからなぁ……)」
鳴「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「(……一応、後で挨拶だけはしておこうか)」
恒一「(なんか中庭の方が煩いけど……まさか、ね)」
勅使河原「よう、転校生」
風見「やぁ」
恒一「え?」
勅使河原「ちょっといいか?校内案内してやるよ」
恒一「へぇ……それじゃぁ二人は付き合い長いんだね勅使河原君……」チラッ
勅使河原「ん……あぁ、まぁな……腐れ縁ってやつだよ……なぁ」チラッ
風見「あ、あぁ……まぁ、そんなところ」チラッ
勅使河原「つーか、俺のことは別に呼び捨てでいいから……」チラチラ
恒一「あ……うん……」チラチラ
風見「……」チラチラ
鳴「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「やっぱり居たよ……」
風見「えっ!?……だ、だれのことかなー……ハハッ」
榊原「?誰って、あそこにいるミサキメ――」
榊原「あれ?いない……」
鳴「何よ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
榊原「うわっ!?びっくりした……いつのまに此処に……」
鳴「ちょっと!!!!!!!!!叫ばないでよびっくりするじゃない!!!!!!!!!!!」
恒一「あ、そうでしたね、はい、すみませ」ガシッ
勅使河原「榊原!いない者の相手はよせ!!!!」
鳴「何よ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
勅使河原「なんなのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
風見「ちょっ!!!!!!!!!!!」
勅使河原「あんたこそ叫ぶんじゃないわよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
風見「ちょっと!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
勅使河原「何よ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴「なんなのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
風・鳴・刺「「「もうっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」
恒一「あれ、実は仲良し……?」
風見「仕切らないでよ!!!!!!!!!!!!!」ダッ
榊原「えっ?うわっ!?ちょっと、引っ張らないでよ!!」
勅使河原「黙りなさいよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
風見「良いから付いて来なさい!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「えー……」
鳴「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
風見「大丈夫かい、榊原君……そういえば君は肺が……ごめん、走らせたりして」
恒一「あ、戻ったんだ……なんかもう、それなら別に良いや……」
勅使河原「……なぁ、榊原」
恒一「なに、勅使河原?」
勅使河原「……お前、霊とか祟りって、信じる方?」ザワッ
恒一「……」
恒一「えっ?」
風見「え?」
勅使河原「……え?」
風見「鳩が豆鉄砲な」
恒一「いや……この流れでちょっとシリアス醸されたから……少し驚いた」
勅使河原「な、流ってなんだよ!!」
風見「何よ!!!!!!!!!!!!!」
恒一「それそれ」
勅使河原「それはもう良い!」バンッ
教室を出て中庭にやってきたときから今までの記憶が完全に無い……。ともかくだ榊原君。心霊現象、超能力、UMAとかは信じる方?」
勅使河原「おっ、風見ナイス!」
榊原「(なんだこのコント……)ええと、まぁ、どうしても否定出来ない証拠が出てきたら、流石に信じるよ」
勅使河原「証拠ねぇ……」
風見「……」
榊原「……あっ、ところで勅使河原。さっき彼女の事を『いないもの』って……あれ、何?」
勅使河原「!!!!!!!!!!!」
風見「……」バンッ
榊原、ともかくだ。『いないもの』の相手はよせ」ガシッ
榊原「だからその『いないもの』ってなんなんだよ……」
勅使河原「……」
風見「この馬鹿が……」
キンコンカーンコーン
榊原「あ、チャイムが」
勅使河原「やっべぇ!教室もどらねーと……榊原、とにかくだ。大丈夫か?しっかりしろよ」
風見「お前こそ、頭は大丈夫か?」
榊原「(この中学の人たちは大丈夫なのだろうか……)」
榊原「(そのうち、僕もあの三人のようになってしまうのか……)」
桜木「榊原君」
榊原「え?あ、桜木さん……君も体育は見学?」
桜木「はい。ちょっと先日、転んでしまって」
榊原「そうなんだ……」
桜木「裏門の坂道じゃなくてよかったです」
榊原「?何それ?」
榊原「へぇ……」
桜木「田舎っぽいって、思いました?」
榊原「え?あぁいや、向こうの方でも、学校の七不思議とかあるから、そんなことは……」
桜木「へぇ、そうなんですか。向こうの人たちでもそういうの、やっぱり信じるんだぁ」
榊原「そういうのはもう、何処とか関係ないんだろうね」
桜木「……そっかぁ……あの、ところで榊原君」
榊原「何?」
桜木「昼休み、風見君と勅使河原君に校内案内受けましたよね」
榊原「あ、うん……」
桜木「二人から、話は聞きました?」
桜木「……」ビクッ
榊原「あと……勅使河原がやけに『いないもの』の相手をするな!って言っていたかな……
ねぇ、桜木さん、『いないもの』って一体……?」
桜木「……」ブルブル
榊原「?」
桜木「……『いないもの』の相手はしないでください」
榊原「え?」
桜木「絶対にしないでください……お願いします!私からそれしか言えません!決してイジメとかそういうんじゃないんです!
とにかく、相手をしては駄目なんです!一つ空けないと、大変なことになっちゃうから!」
桜木「ありがとうございます。……」チラッ
榊原「……」チラッ
桜木「……」チラッ
屋上
鳴「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「ねぇ、出来ているの、それ?」
桜木「な、なんのことでしょうか……さっぱりわかりません」
恒一「……まぁ、良いけど」
恒一「(あの子を『いないもの』って絶対に無理だと思うんだけどなぁ)」
望月「ご、ごめんなさいっ!」
恒一「(レモンがひしゃげている……やっぱりこのクラスには変な奴しかいないのか……)」
望月「この前三神先生がね、僕の絵ほめてくれたのー」
恒一「(こいつ……可愛い顔して年上狙いか……)」
勅使河原「おっ、なんの話してるんだよ!俺も混ぜろ!」
勅使河原「不安ってそりゃもう!呪われた三年三組になっちまったからなぁ……」
望月「勅使河原君!」
恒一「(君なら大丈夫だろ……勅使河原……)」
勅使河原「サカキ……これは昨日から話そうと思っていたんだが……」
望月「ちょっと、それはもう!
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
勅使河原「図書室から……」チラッ
望月「……」チラッ
恒一「ねぇ、本当にこれって意味があるの……?」チラッ
勅使河原「俺に聞くな……」
望月「僕は正直……もう無理だと思ってる」
恒一「だよねぇ」
勅使河原「……だよなぁ……」
ガラッ
鳴「何よ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
びっくりするじゃない!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴「あんたたちがこっち見てるからでしょ!!!!!!!!!!!!!!!変態!!!!!!!!!!!」
勅使河原「なんですって!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴「何よ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
勅使河原「なんなのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
望月「どきなさいよ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴「ちょっと!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
望月「絵を見せなさい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴「勝手に見るんじゃないわよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
望月「あら巧いじゃない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!腕は衰えてないわね!!!!!!!!!!!!」
鳴「あんまり褒めないで!!!!!!!!!!!恥ずかしいじゃない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!///」
勅使河原「あたしにも見せなさいよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴「その子には後で翼を生やす予定よ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
望月「良いセンスね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴「ありがとう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
千曳「君たち、もう授業始まっているよ」
恒一「あ、はい……ええと」
千曳「私は千曳、この図書室を管理している」
恒一「先日転校してきました。三年三組、榊原恒一です」
千曳「……そうか。三組に……大変だろう」
恒一「はい」
恒一「はい……お気遣いありがとうございます」
鳴「良い話じゃない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
望月「気の利かないあんたたちとは大違いね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
勅使河原「何よ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴「なんなのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
勅・望・鳴「「「もうっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」
恒一「はいはい、教室戻るよー」
千曳「(榊原恒一君……見た目にそぐわずたくましい子だ……)」
レーちゃん「レーチャン、ドーシテ、ドーシテ」
恒一「(こいつは絶対に見崎達に逢わせられないなぁ)」
病院
恒一「エレベーター、壊れたんですね」
水野「うん。なんでもワイヤーの老朽が激しかったみたいでさ。安全装置も古くなってたみたいでねぇ。
でもま、人が居なくてよかったよ」
恒一「実は水野さんが壊したんじゃないんですか?」
水野「おっ、言うなホラー少年!」
鳴「どきなさいよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
水野姉「!!」
恒一「あれ、見崎さん?」
恒一「見崎も病院に用事?」
鳴「ええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!貴方も!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「うん。最後、だと良いけど、診察でね。もうだいぶ良くなったってお墨付きもらってきたところ」
鳴「そう!!!!!!!!!!!!!!!!良かったわね!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「ありがとう。見崎はこの間の人へのお見舞い?」
鳴「えぇ!!!!!!!!!!!!!!!まだ様子見の入院をしているの!!!!!!!!!!!!
でももうすぐ退院だって!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「早く退院すると良いね、その人」
鳴「ありがとう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「それじゃぁ、僕はこれで」フリフリ
鳴「またね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」フリフリ
水野姉「……なんていうか、院内では、お静かに」
恒一「貴女が言えることじゃねーよ」
恒一「(帰る前にちょっとだけぶらぶらして行こうかな)」
恒一「(……ん?あれは……)」
『夜見のたそがれの、うつろなる蒼き瞳の。』
恒一「(長いなぁ……なんのお店だろ?)」スタスタ
恒一「人形……」
恒一「……」
恒一「(え、それだけ?)」
恒一「(……それだけで良いのか、僕……)」
恒一「(精巧で、それがなんだか恐ろしさを醸していると解かるのに……びっくりできない)」
恒一「……早くも、僕もこの街に染まりつつある、ってことかなぁ……はぁ」
見崎「榊原君!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「あ、見崎」
恒一「え、此処見崎の家なんだ」
見崎「そうよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「人形屋さん?」
見崎「ええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「へぇ……」
見崎「気になる!!!!!!!!!!!!!!!????????」
恒一「ん、まぁ少し」
見崎「入ったらどう!!!!!!!!!!!!!!!??????????」
恒一「良いの?」
見崎「えぇ!!!!!!!!!!!!!!!!展示用の人形とかあるから!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「それじゃぁ、少しお邪魔させてもらおうかな」
見崎「ゆっくりしていってね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
大叔母「御代はいいよ、ゆっくりしていきな」
恒一「ありがとうございます」
鳴「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」グイッ
恒一「へぇ、色々な人形があるんだねぇ」
鳴「怖い!!!!!!!!!!!!!!!?????????」
恒一「うん、でもまぁ、なんだろう……なんかそういうのはもう、慣れた」
恒一「それよりも、この人形を作った人がどれだけ器用な人なのかとかを考えてしまうよ。
僕にはとても真似は出来ないとかね」
鳴「そう!!!!!!!!!!!!!!!」
『こちらにもどうぞ→』
恒一「あ、あっちにもあるんだ、行っても良い?」
鳴「好きにしなさいよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「(見崎にとてもそっくりだ……)」
鳴「似てるって――思った!!!!!!!!!!!!!!!!!?????」
恒一「あ、うん」
鳴「でもこれは私の半分だけ!!!!!!!!!!!!!!!!それ以下かも!!!!!!!!!!!」
恒一「どういう意味……?」
鳴「昔話をするわ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「そうか、君の従妹――いや、双子の妹が、あの病院に入院しているんだね」
鳴「えぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「でも、なんだか家庭の入り組んだ情報を、僕なんかが聞いても良かったの?」
鳴「榊原君になら構わないわ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「えっ?」
恒一「(見崎……それはどういう……?)」
見崎「他に何か訊きたいことは――!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ガチャッ
霧果「鳴、居るの?」
鳴「お母さん」
恒一「え?」
恒一「??」
霧果「あぁ、いらっしゃい。珍しいわね、鳴が友達を家に連れてくるなんて。
この子学校の話とかしてくれないから。クラスの友達?美術部の仲間?」
恒一「(一体、何が起きているんだ……!?一度に情報が撒き散らかされて乱雑になっている……!
完全にうぬぼれていた……!僕はまだ未熟だったのか……!)あ、ええと」
鳴「榊原君、そろそろ帰らないと……」
鳴「――それじゃぁ私、ちょっと送っていきます。彼転校生で、まだ、道に不慣れだから」
霧果「そう、気を付けてね。榊原君、いつでもまたいらっしゃい」
恒一「は、はいっ」
鳴「何が!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「(戻ってる……)君、本当は普通に」
鳴「見せてあげようか!!!!!!!!!!!!!!この眼帯の下!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「いや、それよりも――」
鳴「私の左目は<人形の目>なの!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「(無理やりねじこまれている……つまり彼女は追及を望まない、か)」
恒一「へぇ」
鳴「時々見えなくていいもの見えるから!!!!!!!!!!!!!!眼帯している!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「大変なんだねぇ」
鳴「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ありがと……」
恒一「うん――え?」
鳴「なんでもないわ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!さぁ話の続きよ!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「あ、はい」
千曳「そうか……」
恒一「大変ですねぇ」
千曳「あぁ……あぁ!?」
恒一「!?ど、どうしたんですか?いきなり……」
千曳「……いや……君は、やはり意外にも豪胆な人間なんだなぁ、と」
恒一「そうですかね?だとしたら、それは見崎のおかげかもしれません」
千曳「あぁ……うん、なんとなく解かった」
恒一「ははは」
千曳「はは」
なによ急に!!!!!!!!!!!!!!
びっくりするじゃない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
千曳「だろうと、私は推測しているよ。だが……警戒は怠らない方が良いだろう。
この現象というのも、どれほどの脅威を秘めているのか、正直私も解からない……。
今起こっていない、気付いていないというかけで、もしかしたらもう、始まっているのかもしれない……」
恒一「……でも、クラスメイトやその二親等内で、人が死んだというのは聞いてませんね。それに何よりあの見崎が、
『いないもの』の存在を全うしているとは思えない」
千曳「あぁ……先日の図書室でのやり取りを見せられたら、とても……無い年、としか思えないなぁ……」
恒一「ですよねぇ」
千曳「……だが、まだ五月だ……何が起こるか解からない」
恒一「……それじゃぁ」
千曳「いつもどおりに落ち着くしかないよなぁ……」
恒・千「「はぁ」」
榊原「おはよう、勅使河原、望月」
望月「おはよう、榊原君……」
榊原「……望月?元気ないね」
望月「ちょっとね……」
勅使河原「……大丈夫だって望月!お前ならな!」
望月「ははっ……勅使河原君ってさ、なんだか長生きしそうだよね」ニヤァ
勅使河原「あ、いや、俺はそっちの気はないぞ!?」
望月「良い男じゃない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
勅使河原「やめて!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
風見「ちょっと!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
望月「いきなりなんなのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
風見「先日の会議で決まったわ!!!!!!!!!!!!!!!!!!あたしら皆纏めていないものよ!!!!!!!!!!!!!!!!」
望月「なんですって!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
勅使河原「じゃぁゲーセン行くわよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
見崎「ちょっと!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「おはよう。どうしたの、見崎?」
見崎「私も行くわ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
勅使河原「付いて来られるかしら!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
見崎「やってやるわ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
風見「授業は定期テストだけ出れば問題はない。榊原君、君が頼りだ」
恒一「僕だって、そんなに頭が良いわけじゃないよ。風見君なら教科書だけで十分さ」
風見「何言っている。都会の教育様様だよ。君はもしかしたら夜見北の教師陣よりも
高い学力を有しているんじゃないかな?」
恒一「さすがにそこまでは……」
望月「困った時は頼むね、榊原君」
恒一「望月まで……」
恒一「にしても……」
勅使河原「あんたち早く来なさいよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴「置いていくわよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「あの二人、案外仲良いよなぁ」
望月「ないない」
恒一「風見君。勅使河原は望月のだよ」
望月「なんでそうなるのさ!僕にはちゃんと好きな人がいるんだからね!」
風見「そうだったのか……勅使河原と望月が……」
望月「ちょっと風見君!悪ノリしないでよ!」
風見「ははは――ってあれは……」
恒一「?どうしたの、風見君?」
風見「――ごめん、僕は失礼するよ」ダッ
恒一「……?」
望月「あれは……風見君のお母さんかな?知らないけれど」
恒一「自転車であの荷物……危ないなぁ。僕も行こうかな」ダッ
望月「あ、じゃぁ僕も!」
恒一「まさか桜木さんのお母さんだったとは」
望月「よく知っていたねぇ、風見君」
風見「委員会で遅くなったとき、送ったことが会って、その時に顔を見知った、それだけだ」
恒一「その眼鏡は伊達じゃなかった、というわけか」
望月「将を射んとすればまず馬を射よ……それがあの勅使河原君の傍に居た男の手腕ってことだね」
風見「人をあの馬鹿大将の参謀みたいに言うなよ……はぁ」
恒一「しかし、風見君が桜木さんかぁ」
風見「違うっ!僕が彼女に抱いている感情は別にそんなんじゃ……!」
望月「案外お似合いかもね」
風見「えっ!?」
恒一「そうだよね。お互いクラス委員長だし、どっちも真面目だし」
望月「うんうん」
風見「そうかな……い、いや、だから僕は別にそんなんじゃなくてだな……」
恒一「全部が終わったら、告白すれば?」
恒一「いや、そんなつもりはないよ。ひやかしとかじゃなくて、本当に心から君を応援しているんだ」
望月「僕もだよ、風見君。友達の恋路を笑い物にしようだなんて思ってないさ。寧ろ同志とさえ思っているよ、僕はね」
恒一「お前はあきらめろ」
望月「えぇ!?」
風見「望月と同類は流石にないな」
望月「ちょっと二人とも!!それはいくらなんでもひどい!僕だっていつか彼女と……」
恒一「ハハハ」
風見「アハハハ」
望月「何笑ってるのさ――ってあ、あれ……」
恒一「やけに騒がしいな……」
風見「あの様子……事故でもあったんじゃないか?」
望月「怖いなぁ――でも、もしかして……」
風見「あぁ……一応、調べた方が良さそうだ」
恒一「(彼がクラスの誰かの親族である可能性は、名字からはない。
だが不気味だな……『いないもの』増えた即日に人が死ぬ……)」
恒一「……どうか、呪いではありませんように」
六月五日
恒一「五月の死者はあの運転手だけ……か。いや、寿命とか、名字重複とか、把握していないだけかも」
風見「しかし忌引き、もしくは、本人が死ぬということは起きていない……」
望月「だけど、高林君は危なかったねぇ」
高林「全くね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴「真似しないでよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
高林「なによ!!!!!!!!!!!!!!!!!フェアじゃないわね!!!!!!!!!!!」
勅使河原「あんたたち、ゲーセンに行くわよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴・高・勅「「「もうっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」
高林「でもあれから体調が良いのは本当よ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴「なんですって!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
勅使河原「すごいじゃない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
高林「あなたも初めてはいかがですか!!!!!!!!!!!!!!!??????????????」
鳴・高・勅「「「眼帯のマークが目印です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」
恒一「二人はやらなくていいの?」
風見「うん」
望月「うん」
恒一「(良いんだ……)」
恒一「え、誰?」
綾野「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
望月「知り合い?」
風見「いや……」
綾野「酷い!!!!!!!!!!!!!!!!!二人して酷いよ!!!!!!!!!!!!!
今まで殆どっていうか全く話してなかった転校生ならともかく今まで同じクラスだったじゃない!!!!!!!!!!」
望月「いたっけ……?」
風見「……いや」
綾野「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
コミックには綾野さんも小椋さんもいませんでした。
恒一「え、なんで?」
綾野「だってこっちの方が面白そうなんだもん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「「「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!聞き捨てならないわね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」
綾野「!?」
鳴「あんたみたいな毛も生えそろってないガキが『いないもの』ですって!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
勅使河原「『いないもの』をなめてんじゃないわよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
高林「こんのっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!アバズレ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
綾野「うっ、うあぁ……」ブワァ
鳴「!?ちょ、ちょっと!!!!!!!!!!!!何泣いてんのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
勅使河原「そんなんで泣いてんじゃないわよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ほらハンカチよ、使いなさい!!!!!!!!!!!!」
綾野「てっしー……ありがとう……」チーン
勅使河原「鼻かんでんじゃないわよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
綾野「うっ……ごめんなさぁい……」
鳴「ちょっとあんた!!!!!!!!!!!!!!!苛めてんじゃないわよ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
高林「本当最低ね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
勅使河原「待ちなさいよ!!!!!!!!!!!なんであたしだけが悪い空気になってるのよ!!!!!!!!!!!!」
鳴「何よ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
高林「なんなのよ!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴・高・勅「「「もうっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」
綾野「うわぁ……すごぉい……」パチパチ
鳴「話を逸らし始めたわ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
高林「さすがの屑ね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
勅使河原「うるさいわねあんたたちは黙ってなさいよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
綾野「うん……てっしーの言うとおりだね……私、甘かったよ……――だから私、頑張って『いないもの』になる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴・高・勅「「「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」
高林「(まるで!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!そうまるで!!!!!!!!!!!!!!!!!!)」
勅使河原「(ま!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!まるで!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)」
勅使河原「――た、滝を昇る鰻のよう……?」
綾野「私鰻大好き!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
勅使河原「(よしっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)」
鳴・高「「……」」
レーチャン「ドーシテ」
怜子「うるさい!!」
恒一「(その程度で?)」
街路
恒一「(ん……?あれは……)」
赤沢「っ!……」スタスタ
恒一「……誰だっけ、見たことあるはずなんだけど……」
鳴「榊原君!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「あ、見崎。おはよう」
鳴「おはよう!!!!!!!!!!!!!!!勅使河原君の話って何かしらね!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「だねぇ」
鳴「行きましょう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「うん」
※恒一には大体このように感じられています
勅使河原「ゲーセン飽きたしどうせ俺たちいないんだしどっか行こうぜ」
高林「悪くない」
鳴「良いと思う」
綾野「さんせーい」
勅使河原「何処に行く?」
鳴「私の家、海沿いペンションがあるの」
高林「そこ僕らみんなでいける?」
鳴「お願いしてみる」
綾野「水着買いに行こうね、めーちゃん!」
鳴「うんっ!」
※
見・綾・勅・高「「「「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」
望月「そういやこの間、久保寺先生が『いないもの』志願して早退したときに、
坂道でサイドブレーキを惹き忘れた重機を軽自動車で支えたって、あれ、もしも
久保寺先生がやってなかったら大変なことになってたらしいね」
風見「大人しそうな顔してやる人だなぁ」
赤沢「……」
小椋「私ちょっといないものになってくるわ」
赤沢「えっ?」
桜木「あ、それじゃぁ私も……風見君が居るし///」
赤沢「ちょっ!?」
中尾「赤沢さん、俺は一緒だから安心してね」
杉浦「元気出しなさい泉美(中尾がいないものになるんだったら私……良いよ……)」
赤沢「うー……」
望月「それは当然、三神先生じゃない?」
風見「……望月?」
望月「え、何、風見君?だって三神先生は……」
望月「あれ……?」
風見「……」
望月「……」
風見「……(なんだ、これ……)」
望月「……三神先生は副担任だから当然……」
恒一「夜見北に副担任なんて制度……あったっけ?」
風・望「「えっ?」」
風見「そうだ、それで副担任だったはず……」
望月「間違いない、それで間違いない筈だ……」
恒一「三年三組にだけ……?」
風見「三年三組にだけ……!」
望月「そうだ……三神先生は生きている……僕は、僕は三神先生のことが……!」
鳴「榊原君」
恒一「……見崎?」
鳴「行きましょう……貴方の家に」
鳴「……」スタスタ
恒一「どういうことなんだ見崎……これは……僕と望月君、風見君の認識がおかしいんだ……
怜子さん――三神先生が副担にんだという彼らと、ただの美術教師だと思っている僕……間違って
いるのはどっちなんだ……」
鳴「……どちらも、間違ってなんかいないんでしょうね」
恒一「……?」
鳴「昔話をするわ」
鳴「絵が本当に好きで、特に油絵が大好きな彼女の話。……でも、その話は終わったはずだったのに」
鳴「けれど無粋な現象は、彼女の話に汚らしく泥を塗ろうとしている」
鳴「ようやく解かったの……今年の死者が誰なのか」
恒一「……まさか……そんな……!」
鳴「私はずっと、避けられていたから気付かなかった」
鳴「だって彼女は私にとって、一昨年に死んだ人だったから」
鳴「――三神怜子はもう、死んでいるのよ、榊原君」
――そう痛切に突き刺さる彼女の言葉――
――あの時の痛みがどれだけ僕の心の奥を抉ったのか証明する疼き――
――それを僕に確信させる節が何個も――
――無かった!!!!!!!!!!
鳴「でしょうね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「シリアスなんて無理無理!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴「伏線なんて女々しいのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴「彼女は活気を強く拒否するのよ!!!!!!!私たちの記憶の祖語はおそらくそれが原因!!!!!!!!!!!!!
私たちじゃ彼女に会えない!!!!!!!!!!!!!!だから逃げ道を殺すわ!!!!!!!!!!!!!」
恒一「どうするのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴「どうしましょう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「何よ!!!!!!!!!!!!!!!!何も考えていなかったのね!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴「ごめんなさい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!だってずっと死んでるって思ってたもの!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「仕方ないわね!!!!!!!!!!!!!!!!!!許すわ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
爺「話は聞かせてもらったわ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「じいちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴「おじい様!!!!!!!???失礼しました!!!!!!!!!!!!!!!!!」
爺「若気の至り!!!!!!!!!!!!!許すわ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「良い話じゃない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
爺「眠いからさっさと行くわよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
爺・鳴・恒一「「「応っ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」
怜子「ぐあああ休まる場所が無いぃ……」シュゥゥゥゥゥゥゥ
鳴「!!!!!!!!!!!!!!!!!」ガシッ
爺「!!!!!!!!!!!!!!!!!」ガシッ
恒一「良い話じゃない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
――そして、僕たちの現象が終わった――
綾野「もっと気合いれなさいよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
小椋「な――何よ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
綾野「もっとよもっと!!!!!!!!!!!!!鰻が滝登りするくらい気合いれなさい!!!!!!!!!!!!!!!!」
小椋「鯉じゃないの!!!!!!!!!!!!!!!!!!??????????????」
勅使河原「鰻よ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
高林「鯉よ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
多々良「何よ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
有田「なんなのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
皆「「「「「「「「「「「「「「もうっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」
ガラッ
鳴「……煩い」
皆『』
高林「どういうことよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
鳴「煩い……静かにして……質問攻め嫌い……」
綾野「めーちゃん、何かあったの?失恋?」
鳴「ばーか……」
小椋「え、つまりどういうことなの?」
恒一「僕から説明するよ」
勅使河原「頼んだぜ!」
綾野「めーちゃん……」ウルウル
勅使河原「まさか、見崎お前……一人で現象と戦うだなんて……かっこよすぎるだろぉ!」ウルウル
高林「流石です、見崎さん!」ブワッ
鳴「そんなんじゃない……半分は『いないもの』にされたのが腹立ったから当てつけ……」
望月「確かにあれからだもんね、見崎さんがああなったのって……」
風見「でなければ、彼女を『いないもの』になんかしようなって言わないさ」
桜木「智君……その言い方はちょっと酷いよ……イジメみたい」
風見「本当に申し訳なかった。対策係として謝罪する」ドゲザ
鳴「……良い。もう、終わったから」
鳴「……うん。でも、それよりも何より……大切な人が死ぬのは、皆嫌だもんね」
綾野「めーちゃん!」ダキッ
小椋「冷たい人だと思っていてごめんなさいっ!!良い子や、この子ええこや!!」
鳴「うぅ……苦しい……助けて、榊原君……」
恒一「二人とも……見崎が死んじゃうから……」
勅使河原「しっかしそれならそうと言ってくれれば……気合で現象なんとかしようとするんだったら俺だって手伝ったのに」
鳴「まさか成功するとは思わなかったから……それにこんなことになるなんて……」
風見「まぁともかく、無事見崎さんの従妹?えっと、妹さんは退院出来たんだよね?なら良かったじゃないか」
鳴「うん……本当に……良かった」ニコッ
恒一「……っ!」ドキッ
赤沢「皆おはよう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
望月「……ええと?」
赤沢「私も『いないもの』になることにしたわ!!!!!!!!!べ、別に寂しいからとか海行くとか羨ましいってわけじゃないんだからね!!!!!!!!!!!!!!」
綾野「あの……」
小椋「ねぇ……」
赤沢「何よ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!私だけ仲間外れにする気!!!!!!!!!!!???????
そうは行かないわよ!!!!!!!!!!!!!!!!私だって海に行きたいのよ!!!!!!!!!!!!!!」
桜木「……」
風見「……」
恒一「……」
鳴「……」
鳴「……誰?」
赤沢「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
風見「君、クラス間違えてない?」
赤沢「どきなさいよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
恒一「早く自分のクラスに戻った方が良いよ?」
赤沢「どういうことよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
久保寺「はいそれでは皆さん授業を始めますよ――おや、君、もう自分の教室に戻りなさい」
赤沢「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
赤沢「何よ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
赤沢「なんなのよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
赤沢「もうっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
――それからすっぱりと、三年三組で現象は起きなかったという。
高林「終わりよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
五、六時間掛けて結末これかよと思う人許して、ね☆
そんじゃ失礼します。漫画はあとゼロ巻だけだけど、DVD、全部買おうかな……
Entry ⇒ 2012.04.28 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
榊原「彼女にフラれた……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334933026/
書いていきます
勅使河原「おう、サカキ! どうしたんだ? ヤケにテンション低いじゃねーか」
榊原「実はさ……」
勅使河原「なんだ?」
榊原「昨日、東京にいる彼女にメールでフラれちゃったんだ……」
赤沢「」ガタッ
小椋(泉美……)
榊原「うん……なんか好きな人ができたんだって……」
勅使河原「うわ……」
榊原「遠距離になっても何時までも仲良くしようって言ったのに……」
勅使河原「……」
榊原「所詮はこの程度にしか思われてなかったんだよ……。口では調子の良いこと言って……」
勅使河原「お、おい、サカキ……」
勅使河原「やべーな、こりゃ…」
赤沢(チャンスだと思ったのに……面倒くさいことになったわね……)
赤沢(いや………)
―――……
赤沢『恒一君』
榊原『あ、赤沢さん……どうしたの?』
赤沢『大丈夫?』
榊原『……大丈夫そうに見える?』
赤沢『見えないから、心配して声をかけたんじゃない』
榊原『……いいよ、そんな心配しなくて。どうせ口だけなんでしょ?』
榊原『あ、赤沢さん……』///
赤沢『私は恒一君が好き……だから本気で心配してるのよ』
榊原『でも……』
赤沢『私は恒一君だけが好き。その子とは違うわ』///
榊原『……嬉しいよ』
赤沢『恒一君……』
榊原『泉美!』ギュー
……―――
赤沢「ふふふ」ニヤニヤ
小椋(泉美が気持ち悪い…)
勅使河原「そ、そんな気を落とすなよ! サカキならもっと良い女が見つかるって!」
赤沢(いいわよ、勅使河原)
榊原「そんなことないよ……」
勅使河原「ほら、このクラスにだってレベル高い女子はいっぱいいるだろ!」
榊原「うん……そうだけど」
勅使河原「サカキなら自然と誰か寄ってくるさ」
榊原「はは……」
赤沢(そろそろ出番かしら……)
赤沢「恒一く……」
見崎「榊原君」
榊原「あ……見崎」
赤沢「」
勅使河原「早速か……」
榊原「……大丈夫そうに見える?」
見崎「見えないから心配してるの」
榊原「……いいよ、そんなに心配しなくても……。どうせ口だけなんでしょ?」
見崎「そんなことない…」
榊原「……」
見崎「……」
榊原「……ごめん、言いすぎたよ……でも、今はほっといて」
見崎「…」
赤沢(あ、危なかったわ……今のタイミングじゃ話しかけても駄目だったみたいね……)
榊原「ふぅ……」
勅使河原「よし、飯だ飯!」
勅使河原「一緒に食おうぜ、サカキ!」
榊原「……うん、そうだね」
赤沢(私もご飯に誘うべきかしら……)
赤沢(もし誘ったら……)
赤沢『恒一君』
榊原『赤沢さん、どうしたの?』
赤沢『私と一緒にご飯食べない……?』
榊原『うん、じゃあ一緒に食べよっか』
〜屋上〜
榊原『凄いね、赤沢さん……これ全部自分で作ったの?』
赤沢『ええ……恒一君に食べてほしくて』
赤沢『恒一君のためにしか作らないわ』
榊原『え?』
赤沢『私の料理は一生恒一君にだけ食べて貰うから』///
榊原『嬉しい……泉美!』ギュー
赤沢『恒一君!』ギュー
―――……
赤沢「ふ、ふふ」タラー
赤沢(あ、完璧すぎて鼻血がでたわ…)
榊原「うん、いいじゃないかな…」
赤沢(ま、マズいわ……このままじゃ行っちゃう!)
赤沢「こ、恒一く…」
綾野「こういっちゃん!」
榊原「え……あ、綾野さん」
赤沢「」
綾野「私も一緒に行っていいかな?」
榊原「え、別にいいけど……」
勅使河原「……」
勅使河原「……あ、悪い、サカキ! そういや課題のことで先生に呼び出しにくらってたんだよ」
榊原「え……」
勅使河原「だから、2人で食っといてくれ、悪い!」
綾野「じゃあ、行こっか♪」
榊原「う、うん」
綾野「こういっちゃんのお弁当美味しそう…… 手作りなの?」
榊原「うん……そうだよ」
綾野「一口ちょうだい」
榊原「はい、どうぞ」ヒョイ
綾野「……」
榊原「?」
綾野「分かってないなーこういっちゃんは……」
榊原「……どういうこと?」
綾野「あーん」
榊原「え……」
綾野「食べさせてほしいの! あーん!」
榊原「……はい、どうぞ」
榊原「……どう?」
綾野「美味しい!」
榊原「ホントに……?」
綾野「うん、毎日食べたいくらい美味しいよ!」
榊原「……」
榊原(東京の彼女に料理をこんな誉められたこと無かったな……)
榊原(それどころか『料理が趣味なんて止めてよ、もっと男っぽい趣味をさぁ〜』とか言われたりしたな……)
綾野「? どうかした?」
榊原「……ううん、なんでもないよ」
榊原「そうだね……」
綾野「……ねぇ、こういっちゃん」
榊原「?」
綾野「また、一緒にご飯食べてくれる?」
榊原「うん、それくらいなら全然いいよ。なんなら綾野さんの分もお弁当作ってきてあげよっか?」
綾野「ほんと? ありがとう、楽しみにしてるね」
勅使河原「おい、サカキ! 一緒に帰ろーぜ!」
榊原「うん、そうだね」
勅使河原「お、ちょっと元気でてるじゃねーか……ははーん」
榊原「な、なに?」
勅使河原「さては綾野と何かあったな?」
榊原「? 別に何もないけど」
勅使河原「隠さなくて良いぜ、サカキ……」
榊原「?」
赤沢(で、でも、まだ大丈夫!)
赤沢(ここで一緒に帰る約束をすれば……)
榊原『え、僕と?』
赤沢『ええ、一緒に帰りたいの。いいでしょ?』
榊原『う、うん』
赤沢『じゃあ、はい』スッ
榊原『?』
赤沢『手を繋ぐのよ』
榊原『え……ちょっと恥ずかしい……』
榊原『わ、わっ』///
赤沢『そんなに驚かなくてもいいじゃない……』
榊原『い、いや違うんだ……』
赤沢『?』
榊原『赤沢さんと手を繋いでると凄くドキドキしちゃって……』///
赤沢『恒一君…』
―――……
赤沢「こういうのもアリね」ニヤニヤ
小椋「榊原君、もう帰ってるよ……」
榊原「……おはよう」
勅使河原「お、おい、サカキ…… なんでまたテンション下がってんだよ……」
榊原「実はさ……」
勅使河原「どうした?」
榊原「元彼女がまた付き合おうって……」
勅使河原「え、良かったじゃねーか!」
榊原「……好きな人に告白したら断られたんだって」
勅使河原「……」
勅使河原「そりゃ、そうだろ」
榊原「……そしたら逆ギレされて、悪口言われまくり」
勅使河原「……」
榊原「……どうやら僕は裏でかなり悪口を言われてたらしい」
勅使河原「あ、あのさ……」
榊原「……もう信じない……女なんてどいつもこいつも……」ブツブツ
勅使河原「駄目だ、流石にダメージが大きすぎてどうしようもねー……」
赤沢(もう少し様子を見ましょう)
榊原「……」ブツブツ
勅使河原「どうすんだ、これ……」
綾野「あれ、どうしたの?」
勅使河原「あ、綾野……サカキをどうにかしてやってくれ……」
綾野「? よく分かんないけど……」
赤沢(馬鹿ね、今話しかけても無駄だわ)
榊原「……綾野さん」
綾野「大丈夫じゃなさそうだね……何かあったの?」
榊原「……聞いてどうするの?」
綾野「え……」
榊原「……どうせ、僕のことなんて考えてないくせに」
綾野「そ、そんなこと」
榊原「……分かってるよ。表では優しくしてても、裏では悪口言いまくって笑ってるんだよね」
綾野「ひどいよ、こういっちゃん……」
榊原「……酷いのはそっちの方だ」
榊原「……出たよ……なんなの? 泣けば許してくれるとでも思ってるの?」
綾野「……」グスッ
榊原「……女ってみんなそうだよね」
綾野「こういっちゃんの馬鹿!」
パシーン
榊原「……鬱陶しいよ」
赤沢(あ、あれが恒一君? なんであんなことに……)
小椋(彩……)
榊原「……」ブツブツ
勅使河原「ヤバいぞ、こりゃ……俺が話しかけても反応ねーよ……」
綾野「……」
勅使河原「綾野もかなりヘコんでるし……」
勅使河原「どうすりゃ、いいんだよ……」
小椋「……」スクッ
赤沢「え?」
小椋「榊原君、ちょっと屋上まで来てくれる?」
榊原「……別にそれぐらいなら」
勅使河原(頼む、小椋! なんとかしてやってくれ!)
榊原「……で、話って?」
小椋「彩のことなんだけど……あんな言い方ってないと思うの」
榊原「……あー、やっぱりね…」
小椋「……」
榊原「……それで謝れとか言うんでしょ? そのパターンは飽きたよ」
小椋「ちゃんと、謝ってあげてほしい……彩は真剣なんだから」
榊原「……どいつもこいつも同じような事ばかり」
小椋「……」
榊原「……それで周りの圧力に耐えられないから、嫌々付き合ったのに……何故か最後は僕がフラれるんだよ」
榊原「……もう女なんて嫌いだ」
パシーン
小椋「ふざけないでよ……」
小椋「彩と私をそんな人と一緒にしないで……」
榊原「……一緒だ、僕からしたら鬱陶しいだけなんだよ」
小椋「違うよ! 榊原君は彩の思いを踏みにじった!」
小椋「いつもの榊原君ならこんなことは……」
榊原「……いつもの僕ってなんだよ。僕はいつもどおりだ」
小椋「……もういい」
榊原「……帰ろう、勅使河原」
勅使河原「お、おう」チラッ
綾野「……」
小椋「……」
勅使河原(小椋でも駄目だったか……)
赤沢(いったいどうなってるの……)
榊原「……勅使河原?」
勅使河原「サカキ」
榊原「……なに」
勅使河原「お前ってホモなのか?」
榊原「!?」
榊原「な、何だよ、急に」
勅使河原「いや、今日やたらと女が嫌いって言ってたから……」
榊原「そんなわけないよ!」
ザワザワ
榊原「別に女の子みんなが嫌いとは言ってないよ!」
勅使河原「つまりは女が好きなんだな?」
榊原「そうだよ!」
榊原「はっ……」
ザワザワザワザワ
榊原「勅使河原……」キッ
勅使河原「冗談だよ、冗談」
勅使河原「でも、今ので分かっただろ、サカキ……」
榊原「……?」
勅使河原「お前、今自分で言ったじゃねーか……女みんなが嫌いなわけじゃないって……」
勅使河原「女にも良い奴はいる、そう思ってんだろ?」
勅使河原「なのに、今のお前は元カノを意識しすぎて、女なら誰でも否定してしまってるんだ」
榊原「……」
勅使河原「少なくともこのクラスにはそんな女いないぜ? みんな真剣にお前の事を考えてくれるはずだ」
榊原「……」
榊原「あ、綾野さん……」
勅使河原「な、サカキ?」
榊原「……うん」
榊原「ごめん、綾野さん!」
榊原「綾野さんは本気で僕のこと心配してくれてたんだね……」
綾野「……うん」///
榊原「嬉しいよ、ありがとう…」
綾野「……」///
小椋「良かったね、彩」
小椋「私は全然気にしてないよ」
榊原「でも……」
小椋「だって思いっきり叩いちゃったし……」
小椋「ね?」
榊原「うん…」
勅使河原「良かったな、サカキ」
赤沢(あれ?)
勅使河原「そうだな」
綾野「私はこういっちゃんと2人っきりで帰りたいなー」チラッ
榊原「あ、綾野さん……」///
小椋「えー……そしたら私勅使河原と2人っきりになっちゃうよ……」
勅使河原「なんだよ、その言い方……」
榊原「と、とりあえずみんなで帰ろうよ」
赤沢(あ、あれ?)
榊原「おはよう……」
勅使河原「おう、サカキ…って何でまたテンション下がってんだよ」
榊原「実はさ……」
勅使河原「またこのパターン……」
榊原「昨日、元カノになんでもう一回僕と付き合いたいの? って聞いたんだ……そしたら……」
榊原「顔が良いからに決まってんじゃん、だって……」
勅使河原「あぁ……」
榊原「僕は顔以外見られて無かったんだよ……」
榊原「女の子は顔しか見てないんだよ……」
勅使河原「あ、あのな、サカ…」
綾野「おはよー、こういっちゃん!」
小椋「おはよう、榊原君」
榊原「あぁ、おはよう……」
綾野「また、テンション低いね……どうしたの?」
綾野「いいよ、なに?」
榊原「……僕の一番良いところってどこかな」
勅使河原(嫌な予感が……)
綾野「うーん……顔かな」
榊原「」ガクッ
勅使河原「さ、サカキ!」
綾野「いや、やっぱり優しいとこ……ってこういっちゃん!?」
勅使河原「やっちまったな……」
榊原「僕は顔だけの男……僕は顔だけの男……」ブツブツ
勅使河原「おい、綾野……どうすんだよ」
綾野「うぅ……ごめん」
小椋「最初から優しい性格って言ってれば良かったね……」
赤沢(どうやら、チャンスが来たようね)
赤沢(ここで性格が好きって言えば……)
赤沢『恒一君』
榊原『あ、赤沢さん……』
赤沢『恒一君は顔だけの男じゃないわ』
榊原『そんなこと……ないよ』
赤沢『少なくとも私は恒一君の優しいところが好き……』
榊原『赤沢さん…』
榊原『え?』
赤沢『私のどこが好き……?』
榊原『ぼ、僕は……』
榊原『真面目で優しくて頼りになるところが好きかな……』///
赤沢『嬉しいっ!』ギュー
―――……
赤沢(よし、話しかけましょう)
榊原「……赤沢さん?」
赤沢「恒一君は見た目だけの男なんかじゃないわ!」
榊原「……は?」
榊原「……何なの、急に」
榊原「そんな口先だけの慰めいらないんだけど。どうせ赤沢さんも僕の見た目だけしか見てないんでしょ?」
赤沢「え、え…?」
榊原「やっぱり否定しないんだね。そういう人だと思ったよ。はっきり言って赤沢さん、うざいよ」
赤沢「う、うぅ……」
榊原「……勅使河原ご飯食べよう」
勅使河原「で、でもよ」
榊原「……いいから」
勅使河原「おう…」
綾野「あの、私たちもいい……?」
榊原「……来なくていいよ」
綾野「あぅ……」
小椋「……」
榊原「……帰ろう、勅使河原」
勅使河原「お、おう……」
勅使河原(やべーな、こりゃ……もうどうしようもねぇ……)
見崎「榊原君」
榊原「……なに?」
見崎「ちょっと屋上に来て」
榊原「……僕、早く帰りたいんだけど」
見崎「いいから」ガシッ
榊原「……」
( ゚д゚) ガタッ
/ ヾ
__L| / ̄ ̄ ̄/_
\/ /
榊原「……で、なに?」
見崎「言いたいことがあるの」
榊原「……早く、言ってよ」
見崎「最近の榊原君、ウザい」
榊原「え……」
見崎「何なの、彼女にフラれたくらいで騒いじゃって」
見崎「全部相手のせいにしてるけど、フラれた原因が自分にあるかもって考えないの?」
見崎「見た目だけの男って言われるのも納得。そんな性格だから言われたんじゃない?」
榊原「」
榊原「……」
〜翌日〜
勅使河原「おいおい、サカキいつもより遅くねーか」
綾野「確かに……大丈夫かな、こういっちゃん……」
小椋「若干、彩のせいでもあるからね…」
綾野「うぅ……」
ガラッ
榊原「おはよう、勅使河原」ニコッ
勅使河原「お、おう……サカキどうかしたのか?」
榊原「え? 別に何にもないけど」
綾野「こういっちゃん……」
榊原「あ、綾野さんと小椋さんもおはよう」ニコッ
綾野「あ……」ドキッ
小椋「……っ」ドキッ
榊原「昨日はあんな言い方してごめんね、2人とも……」
これがお前と恒一きゅんの差だ雑魚
うるせぇ無能赤沢www
榊原「ううん、そんなことないよ。やっぱり僕には内面に魅力が無かったんだよ」
榊原「あんなウジウジしてさ、なんか吹っ切ったら馬鹿みたいに思えてきたよ」
綾野「こういっちゃん……」
勅使河原「やっと元のサカキって感じだな」
小椋さん「良かった……」
見崎「どうしたの、榊原君?」
榊原「……ありがとう」
見崎「? 私は何にもしてない」
榊原「そんなことないよ、見崎のおかげで吹っ切れたんだから」
見崎「そう、なら良かった」
榊原「あとさ、もし良かったらなんだけど……」
見崎「……?」
榊原「こ、今度一緒に遊びに行かない?」
見崎「……別にどっちでもいい」プイッ
榊原「……あれ、ひょっとして照れてる?」
見崎「そ、そんなことない」
綾野「こういっちゃん私もー」
小椋「私も行こっかな」
榊原「えー……まぁ、いいけどさ……」
見崎「私は行くとは言ってない」プイッ
榊原「ははっ……楽しみだね、見崎」
見崎「……うん」
赤沢(わ、私は……?)
お
わ
り
本当にありがとうございました
こんな適当な終わり方ですいません
※ホントは赤沢さんendを考えてました
赤沢さん不憫かわいい
うん、ゴホン、まぁ、なんだ…赤沢さんエンドとやらを書いてもいいんだぜ…?
Entry ⇒ 2012.04.27 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
高田純次「ふーん、ここが夜見北中? 中学生がいっぱいいるね」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334847116/
風見「高田純次君、だよね? 僕は3組のクラス委員をやってる風見智彦。よろしく」
桜木「同じくクラス委員の桜木ゆかりです。こちらは……」
赤沢「対策係の赤沢泉美よ」
高田「僕はトム・クルーズっていうんだ。よろしくね」
桜木「……急な病気で入院してるって聞いて、皆から御見舞いに行こうって話になったんです。私達は代表として来ました」
高田「そうなんだ、花束まで持ってきてくれてありがとう。今度看護婦さんを口説くときに使うよ、それとも君に使おうかな?」
風見「……東京の私立高から来たんだってね。夜見山に来たのは、初めて? 住んだことはない?」
高田「君メガネ似合ってるね。僕がメガネドレッサー賞に推薦してあげるよ、何の縁もないけど」
桜木・赤沢・風見(なんだこいつ……)
高田「助かるね〜、どれどれ……うわ、何書いてるのかわかんないや。レベル高いんだね君達の学校って」
風見「え?」
高田「あ、逆だった。ごめんごめん」
赤沢「……5月には学校に来れるんですってね。早く登校出来ることを願ってるわ、よろしく、純次君」スッ
高田「? こちらこそよろしく」ニギッ
風見・桜木「……」
赤沢「純次君、改めて訊くけど、夜見山に住んだことはない?」
高田「君みたいなおっぱい大きい子見ちゃったら絶対忘れないと思うから、たぶんないと思うよ」
赤沢「!?」バッ
高田「可愛い子ならたくさんいるから忘れちゃうんだけど、可愛くておっぱい大きい子は中々いないもん、ね?」
風見(こっち見るなよ……)
桜木(これは死者であってほしい……)
高田「フフフ〜ン♪ っと、勝手に閉まらないでよ、困るな全く」
ガタッ ガー……
高田「フンフンフ〜ン♪ ん、おかしいな? 上りのエレベーターに乗ったはずなんだけど……」
見崎「……」
高田「おっと失礼。あれ、夜見北の制服じゃない。可愛いね、僕今度夜見北に転校するんだ。一緒に登下校しない?」
見崎「……」
高田「なんでまた地下二階なんかに?」
見崎「……待ってるから。かわいそうな私の半身がそこで」
高田「へえ、僕は屋上に行くんだ。可愛い看護婦さんが待っててくれれば良いんだけど、いないんだよね。残念」
見崎(変な人にからまれた……早く降りたい……)
ガチャン
高田「君、名前はなんていうの?」
見崎「……鳴、見崎鳴」
高田「鳴ちゃんか。良い名前じゃない、同じクラスだといいね」
見崎「……」スタスタ
高田「僕は高田純次。石田純一と間違えたらダメだよ? ま、同じくらいカッコいいから間違うのも無理はないけどさ」
見崎(絶対に同じクラスになんてなってほしくない)
久保寺「とにかく皆と仲良くしてください。何かあったら相談してくださいね。私なり、三神先生にでも」スタスタ
三神「よろしくね、高田君」
高田「4階はないんですね、この学校。やっぱり縁起が悪いから?」
三神「そ、そうでしょうね」
高田「ま、三学年しかないんだから3階しかないのが普通でしょうけどね」
久保寺(おかしなことを起こさないといいのですが……)
教室
高田「高田純次と言います。父の仕事の都合でこちらに来ることになりました。どうぞよろしく」
生徒「……」
高田「13歳から25歳までがストライクゾーンです。ただ、入院したことによって26歳にまで広がる可能性が出てきました」
高田「それでも三神先生が対象になるかはわかりませんけど」
三神「なっ!」
クスクス ヘンナヤツダナ... ドストライクダロ、ナニイッテンダコイツ フェアジャナイネ
高田「はーい」スタスタ
高田(あっ、鳴ちゃんだ)フリフリ
見崎「……」フイッ
高田(あれぇ? ……そうか、周期ってあるもんなあ)
見崎(最悪……)
高田「今度アメリカの大統領選に出ようと思うんだ。ヒゲを生やしたら大統領になれた人がいるくらいだしね」
綾野「あはは、何それー?」
勅使河原「東京からこんな田舎に来るってのも面倒なことになったよなあ」
高田「東京なんて大したことないよ。東京に行ったことないおじいちゃんが言ってた」
勅使河原「おいおい……」
望月「三神先生の家に御世話になってるんだってね」
高田「うん。ところで君は処女?」
望月「えっ!?」
勅使河原「気持ちはわからんでもないが、こいつは男だ」
高田「知ってるよ、それくらい」
望月「もう……」
綾野「じゅんじっちゃんってなんていうかテキトーだよねぇ」クスクス
風見・桜木(溶け込んでる……)
高田「このクラスにツインテールでおっぱい大きい子いるでしょ。あの子は今日どうしたの?」
勅使河原「赤沢か? あいつなら休みだよ。ていうかそんな呼び方本人の前ではやめろよ、気難しいヤツだから」
高田「じゃあなんて呼べばいいのかな、ジュリアン・ムーアに似てる子とか?」
勅使河原「そういう話じゃねえよ……ま、いいや、昼休みに校内案内してやろうか? 話したいこともまだまだあるしな」
高田「可愛い女の子もついでによろしく。あ、このクラスだけで間に合いそうだね」キョロキョロ
勅使河原「ははっ、東京に比べたらそうでもないだろ?」
高田「田舎の中学生はまだギリギリスレてないから処女が多いじゃん」
桜木(うわぁ……)
高田「じゃ、僕は授業始まる前にトイレにでも行ってこようかな」
勅使河原「すぐ戻ってこいよ」
高田(さてと、鳴ちゃんを待つか)
高田(来ないなぁ、保健室にでも行ったのかなあ)
久保寺「高田君、授業が始まりますよ」
高田「ちょっと痔が悪化したので保健室に行ってきまーす」タッタッ
久保寺「は、はぁ?」
高田(とはいったものの保健室がどこにあるかなんてわかんないしなあ……うん、屋上に行って寝ようか)
屋上
見崎「……」
高田「あれ、鳴ちゃんもサボリ? 奇遇だね、どうせだからおじさんと日向ぼっこしない?」
見崎(嫌だ……)
高田「絵描いてるんだ。僕もゴッホは好きだよ。ゴッホしか知らないんだけど」
見崎「そういう適当な話し方、嫌い」
高田「昔オランダに行ったけど皆あんまり絵が上手くないんだよね、ゴッホはあんなに上手いのに」
見崎(いっそ現象で死んでもらいたい……)
高田「何を?」
見崎「……何も知らないのね。私には近寄らないほうが良い、話すのも、もうやめたほうがいい」
高田「えぇ、無理だよ。僕一日女の子と話さないだけで7時間しか眠れなくなっちゃうんだから」
見崎「……とにかくその内わかってくるから。じゃあね、た・か・だ・君」
高田「今の良いね、もう一回言ってくれない? Mっ気がくすぐられそうだよ、おじさんはSとMでいったらLだけど」
見崎(現象とか関係なく死んでもらいたい)
高田(どうやら鳴ちゃんはクラスの皆に無視されているみたいだけど、その理由は鳴ちゃんをはじめ誰も教えてくれない)
高田(イジメられてるのか、でもそんな悪いヤツらには見えないし……)
赤沢「じゃあ夜見山には出生した時以来一度しか来てないのね?」
高田「そうだね、でもなんでまた?」
赤沢「あなたと一度会った気がするのよ、人違いの可能性も含めてはっきりさせておきたいの」
高田「そういえば子供の頃可愛い子と遊んでたな。結局おっぱい小さい子に育っちゃったんだけどね」
赤沢「……」ワナワナ
桜木「あ、赤沢さん、落ち着いて……」
見崎「……」スタスタ
高田(あ、鳴ちゃんだ)
高田「じゃ、僕ポケモン観たいからこれで」
赤沢「あ、ちょっと!」
高田(家に行くのかな? ちょっとお邪魔させてもらおうか)
『夜見のたそがれの、うつろなる蒼き瞳の。』
高田「ごめんくださーい……暗いなぁ。店か何かやってるのかな?」
天根「いらっしゃい。おや、若い男の子とは珍しいね」
高田「お客自体珍しそうですけど」
天根「中学生かい? なら半額で……」
高田「お嬢さん暗いから見えないけど、綺麗な顔してますね」
天根「……ごゆっくり見てお行き」
高田(人形屋さんなのかぁ、悪い雰囲気じゃないねえ。でも絶対繁盛しないよ、するかもしれないけど)
高田(この人形なんか腕がもげちゃってるし、廃棄品ってやつか)
高田「ん、これって、鳴ちゃん……?」
見崎「なぜここにあなたがいるの?」
高田「あ、こっちにも鳴ちゃん」
見崎「……似てるって思う?」
高田「似てるけど出来はよくないよね。だって鳴ちゃんの可愛さが再現できてないもの」
見崎「そ、そういうこといわないでっ」
高田「そうか、人形が悪いんじゃないのか。鳴ちゃんが可愛すぎるんだねえ」
見崎(やっぱりこの人嫌い……)
見崎「……やっぱりそう思う?」
高田「そこのところ、はっきりさせてほしいな」
見崎「……」フイッ
高田「目を背けないでよ。これって僕自身にも関わる問題だからさ」ガシッ
見崎「っ!」
高田「僕はあんまり考えたくないんだよね、クラスの連中がそんなことをするヤツらだなんて」ジッ
高田「それに、鳴ちゃんほど可愛い子がこんな目にあってるだなんて見てて可哀想で仕方ないんだよ」
見崎(なんで今更真面目に……でもこの人の目は……)
見崎「イジメではないわ。それは信じて。クラスの皆のためにも」
高田「そう、ならいいんだ」パッ
見崎「……」フイッ
高田「ん、電話か……もしもし? え、ユンゲラーがスプーンを曲げた? へえ凄いね」
高田「それならそろそろ飛行機も曲げられるんじゃないかな。うん、それじゃ」ピッ
高田「ま、今日はイジメがないってわかっただけでも安心したよ」
見崎「何にも知らないのね、高田君。教えてあげられるだけのことは、教えてもいいんだけど」
高田「そう? じゃあスリーサイズを教えてよ」
見崎「!」バッ
高田「ははは、冗談冗談」
見崎(やっぱり信じきれない……)
高田(クラスメートからは詳しいことは訊けず、そうこうする内に定期試験がやってきた)
生徒「……」カリカリ ケシケシ
高田(鳴ちゃんまた廊下に出ちゃったか)ガタッ
ガラッ
勅使河原(おいおい、もしかして……)
赤沢「……」ギリッ
久保寺(はぁ、どうせ彼のことだから……いや、全部埋まっている。それに回答も……?)
廊下
高田「鳴ちゃん、頭良いんだね。昨日もさっさと廊下に出ちゃってたし」
見崎「あなたのテストは大丈夫なの?」
高田「勉強よりも大事なことはあるよ。例えば……ん、なんだろう? ごめん、やっぱり勉強は大切かもしれないや」
見崎「……私はいいの。いない者だから。皆には、私のこと、見えてないから」
高田「……それって僕にはイジメにしか見えないんだけどな」
見崎「……」
桜木「はっ、はっ」タッタッ
高田「ゆかりちゃん、どうしたの?」
桜木「あっ!? ……っ!」クルッ
高田「ゆかりちゃん、今日のパンツはピンクなんだね」
桜木「えっ!?」バッ
高田「当たりなんだ。今日は雨だから廊下も階段もよくすべるし、転んじゃ大変だよ。パンツは見えてもいいけどね」
桜木「っ!」ダッ
桜木(お母さんが事故に遭ったっていうのに、こんな……!)
桜木「あっ!?」ツルッ ガシッ
桜木(あ、危なかった、手すりにつかまったおかげで……ううん、高田君が注意してくれたおかげで……?)
桜木(……私が怪我したら本末転倒だ。きっと大丈夫。大丈夫……!)
見崎「たぶん、始まったんだと思う。いや、もう始まってる……」
高田「……」
高田(後で訊いたところによると、ゆかりちゃんのお母さんが交通事故にあって病院に搬送されたのだという)
高田(検査の結果命に別条はなく怪我自体も1ヵ月ほどで治るものだそうだ)
高田(それから6月になったが、3年3組の噂のことはわかっていない)
高田「まあ、そういうわけで」
水野「ふうん、なかなかやっかいな話ね……」
高田「他にもやっかいなことはあるんですけどね。その鳴ちゃんでさえも何も話してくれない、ってこととか」
水野「へー、テキトー少年はその鳴ちゃんのことが好きなんだ?」
高田「好きですね、ええ。でも水野さんも好きですよ」
水野「えっ!」ガタッ
高田「僕はナースが好きなんですよ。ナース服をまとってお世話してくれるっていうのがいい。いっそナース服だけでもいい」
水野「……それって私は関係ないってことかな?」
高田(とはいえ、6月になったら詳しく教えてもらえるってことで約束してるんだけどね)
綾野「あれー? じゅんじっちゃんどうしたの?」
高田「おー彩ちゃん。そっちこそサボリかい? たまにハメ外すのはいいよね、たまにハメるのもいいけどさ」
綾野「ん、ん〜? ……ま、サボりはサボりだけどねえ、ちょっと観たい舞台があるもんでねえ」
高田「そっか、彩ちゃんは演劇部だったか。僕も演技はやりたいんだけどねえ」
綾野「じゃあ今からでも演劇部に入っちゃえばいいじゃん」
高田「僕の目指すところはハリウッドなんだよ」
綾野「またまたぁ」
高田「タイタニックのオーディションに行ったらすんごい俳優がいるもんで譲っちゃった。本気出したら僕が主役だったのにね」
綾野「あはは、ほんといっつも適当だよねー。頭どうなってるの?」
高田「覗いてみる? なんなら全部さらけ出しちゃってもいいよ?」プチプチ
綾野「ちょっと、なに服に手をかけてんのさっ」
高田・綾野「!」
高田「おお、ガラスが粉々に……」
綾野「……こ、怖いねー、もしあそこにでも立ってたりしたら……」ガクガク
高田「大丈夫? 膝笑ってるけど」
綾野「え? あ、あぁうん……」ガクガク
高田「立って仕方ないっていうのならともかく、立ってるだけでもやっとってどんな状態だろうね」
綾野「なにいってるかわかんないよ……」
高田「彩ちゃんって鎖骨綺麗だねえ」
綾野「えっ、そうかな……ってどこみてんのさっ!?」
高田「ハナから見えるから見るのよ。隠れてても見ようと頑張るけどね」
綾野「もー、何言って……ああもう、なんかどうでもよくなっちゃった」
高田「それは隠すことがどうでもよくなったから見せてくれるってこと?」
綾野「そっちじゃない! ガラスのこと!」
勅使河原「すまん、ジュン。今月に教えるって言ったけど、やっぱあれ無しにしてくれ」
高田「ええ? 困るよぉ、てっしー」
赤沢「状況が変わったのよ」
勅使河原「そう、状況が変わったんだ」
高田「えぇ……まあ結婚の誓いが日々を重ねればないがしろにされる世の中だしねえ」ケロッ
赤沢「……」イラッ
勅使河原(お、おい落ちつけっ!)
高田(しょうがないなあ、たぶん学校の連中からは大したことは訊き出せないんだろう。今日は水野さんのとこにでも行くか)
高田「僕、これから病院に行かないといけないから。連絡よろしく」スタスタ
赤沢「ちょっ!? 待ちなさい!」
高田「僕痔だから座ってるだけでも辛いんだよねえ」スタスタ
水野「あれ、純次君じゃない。今日は検査なんてないはずだけど、どうしたの?」
高田「水野さんって何歳だったっけ、って気になったのよ」
水野「失礼な……本当の理由を教えなさい、どっちみち私の歳は教えないけど」
高田「いいよ、当ててみるから。26から35の間ですよね? 僕のストライクゾーンからは外れちゃう売れ残りの年代」
水野「まだハタチよ! ……って、はぁ……疲れるわ、君といると」
高田「僕は癒されますよ。ところで、やっぱり手がかりが見つからないものでして」
水野「あぁ、それならそうと最初からいいなさい。ちゃんと調べておいたんだから……」
ガタァンッ!
高田・水野「!」
「な、なんだ!?」「どうしたの、ねえ! ちょっと!」「え゛ぇ〜ん! びぇ〜ん!!」
水野「お、落ち着いてください! 今原因を確かめに参りますので、せめてお静かに……」
高田「あっちから音がしたねえ、いってみようか」
水野「あ、ちょっと!」
高田(幸い乗客は誰もいなかったが、水野さんは病院の職員共々後始末に追われ、詳しい話は電話で訊くことになった。)
高田(どうやら鳴ちゃんは本当にいない者として扱われているらしい。そして夜見北の噂は事実だった)
高田「でもはっきり言って進展はないよねえ」
高田「てっしーが約束破って以来どこかクラスメートの態度もよそよそしいし……」
高田「田舎の集まりって厳しいらしいしなあ、東京でも大して変らないかもしれないけど」
高田「となるとこっそり待ち受けて帰り道で、ってことになるか……」
見崎「……」
高田「あ、鳴ちゃん。いっしょに帰らない? 何も奢ってあげられないけど。奢られるのは大好きなんだけどね」
見崎「勝手にすれば」
高田「それはどこまで許してもらえるの? あ、待ってよ」
高林「……やっぱり、フェアじゃないよね」
望月「仕方ないよ、僕達に降りかかってくることだってあるんだから……」
高林「でも……うっ!」
望月「高林君!?」
これは一体
高田(すぐに保健室で処置して救急車で搬送した結果一命は取り留めたが、しばらく学校には来られないみたいだ)
高田(加えてあれから自分なりに色々と調べてみたところ、僕の母親も夜見北の生徒だったことを知った)
高田(うっすらながら、このクラスは死に近づいているクラスであることがわかってきた)
高田「うーん、とはいえそろそろ限界も見えてきたなあ、やっぱりクラスの皆の協力が……」
高田「あれ、だれもいないや。今日って休みだっけ。なら仕方ないよね、よし、水野さんのとこに……」
久保寺「今日は通常通り授業がありますよ、高田君」
高田「ところで先生はナースは白が良いと思います? ピンク? はたまた青?」
久保寺「……皆は美術室にいるはずです。それから、くれぐれもクラスの約束は守るように」
高田「この間約束を破られたばっかりなんですけどね。破るのは記録とアレだけで十分だと思うんだけど」
久保寺「……」スタスタ
高田「やぁ、おはよう。君肌黄色いね、日本人だから当然だけど」
和久井「! ……」
高田「あれ?」キョロキョロ
望月「!」フイッ
桜木(高田君……ごめんなさい)
綾野(まだ人は死んでないのに……)
赤沢「……」
廊下
高田「……てっしー」
勅使河原「……すまねえ」
高田「この間貸した『ちちまる子ちゃん』だけは返してね」
勅使河原「そんなもん借りてねえよ! あっ……くっ」クルッ
高田(ははーん……)
高田「どうやら僕もいない者になっちゃったみたいだよ」
見崎「やっぱり……」
高田「まあ良いけどねえ、サボれるし痔に苦しむことはないし、それに鳴ちゃんと一緒にいられる」
見崎「適当なこと言ってても、耐えられるものじゃないと思うけど」
高田「いや、最後は本心だよ。ずっと一人だった鳴ちゃんの隣に、これで堂々といられることになる」
高田「ずっと半端なままだった気持ちに踏ん切りがつくわけだ。それに僕だって鳴ちゃんがいるなら、耐えられるよ。きっとね」
見崎「……」フイッ
高田(それから鳴ちゃんは僕を家に招いて詳細を話してくれた。3年3組には代々伝わる災厄があるという)
高田(それは26年前に死んだ夜見山岬をきっかけとするもので、毎年クラスの生徒および親族が死ぬというものだった)
高田(おそらく僕の母親も犠牲者の一人だ。その対処法として、誰かをいない者として扱う一貫で、鳴ちゃんが選ばれた)
見崎「毎年机が増えてるんだって。有り体に言えば、死者の霊の分だけ増えてるってこと」
高田「諸々の記録も改竄されてわからない。で、それを修正するためにいない者が必要ってことか」
見崎「理不尽でしょう?」
高田「まあね。でもそれに簡単に負けたらその理不尽を肯定したことになる。徹底的に抗わないとね」
見崎「……あなた、どっちが本当の顔なの? 適当に振る舞ってる方なのか、今の顔なのか」
高田「どっちでもいいじゃない。目に腕に足に乳首に、人間二つ持ってるのが同然なんだから性格も二つないと」
見崎「……はぁ」
高田「あら、お母様ですか? 鳴ちゃんと並べたいほどお綺麗だ。はじめまして、高田純次と申します」
霧果「これはご丁寧に。私は霧果、この子の母です」
高田「僕のストライクゾーンは30から40なんですよ、もしかしたらお母様も引っかかるかもしれません」
霧果「あら残念ね、私は18歳よ」
高田「あらぁ、これは一本取られた」
見崎「……高田君、そろそろ帰った方が良いんじゃない?」
高田「ん? 普通5時からが勝負どころでしょ、お母様なんかはもっと遅い時間でしょうけど」
霧果「ふふふ、鳴、送っていってあげなさい。高田君、鳴と仲良くしてくださいね」
高田「鳴ちゃんと仲良くすることでお母様とも仲良く出来るなら、それはそれは」
見崎「……高田君、行こう」
見崎「それは見た目だけよ。本当は、あまり良いお母さんじゃない。放任主義って言うか、私にも手を掛けないし」
高田「……そっか。でも完璧にほっとかれるってわけでもないんだろう?」
見崎「完璧にはね。でも手料理とかは作ってくれないし、昔から話もほとんどしない」
見崎「それでいて、私の嫌いな携帯電話を持たせてまで管理下には置こうとする。よくわからないわ」
高田「僕には立ち入った話はできないけどね。でも他人のことなんて基本的にわからないものだよ」
高田「でも、その中でわからないなりにお母さんも答えを探そうとしてるんじゃないかな」
高田「鳴ちゃんも完全に拒絶はしてないみたいじゃない。これからわかってくるはずだよ」
高田「そんな風にこの間みのさんが相談に応えてたしさ」
見崎「……」
高田「僕にだってわからないことはいっぱいある。でも、わからないってことだけはわかってるね」
見崎「……ホント変な人」
久保寺「一口に比喩といっても様々なものがあります。直喩、暗喩、換喩……」
高田(いない者でも授業は受けないと出席とかやばいしなあ、でも痔が辛いから立ってもいいかなあ)ガタッ
金木「!」ビクッ
高田(もしここで脱いだらどうなるんだろう? あんまり大きすぎて反応させちゃうかな?)スタスタ
江藤(後ろからのプレッシャーが……)
高田(逆にあ、大したことない……って思われるのがオチだったりして。それに脱いで笑いを取るのはもう古いか……)
高田「探し物はなんですか〜見つけにくいものですか〜♪」ボソッ
勅使河原(小声ながら歌うなよ!)
王子(でも結構いい声だ……)
高田「鞄の中も、机の中も、探したけーど見つからないのに♪ 探し物はなんですか〜見つけにくいものですか〜♪」ボソボソ
柿沼(歌詞知らない!?)
杉浦「……」イライラ
高田「鞄の中も、机の中も、探したけーど見つからないのに♪ うふっふー♪ うふっふー♪」ボソボソ
佐藤(メロディーだけは知ってるんだ……)
川掘(歌詞知ってんのかよ!)
高田「夢の中へ、夢の中へ、行ってみたいと思いませんかっ……あれっ?」ボソボソ
辻井(メロディ間違えたな)
高田「……ふぅ」スタッ
勅使河原(なんだったんだ一体……)
赤沢(後ろで一体何が……)
高田(案外退屈しないな、これ)
見崎(夢の中へー……夢の中へー……)
高田「プレゼントくれて、どうもありがとう♪ 楽しんでくれて、どうもありがとう♪」
見崎「……」モグモグ
高田「手を振ってくれて、どうもありがとう♪ 気遣ってくれて、どうもありがとう♪」
見崎「最初のありがとうはいつも、その次は本当に」
高田「知ってるなら歌ってよ」
見崎「……」モグモグ
高田「サンドイッチだけだと健康に悪いよ。サンドイッチマンを見るのはやぶさかじゃないけどね」
見崎「……?」
高田(そうだ、僕の母親が夜見北の生徒だったってことは叔母さんが何か知ってるかもしれないな)
怜子「うん、私も3組だったわ。けれど、何故だかよく覚えていないの……」
高田「男にまつわる辛い思い出があるんですね。僕もわかりますよ。そっちのケはないけど」
怜子「……ごめんなさい、ちょっと頭が痛いの。この頃疲れてるし……」
レーちゃん「レーチャン、ゲンキダシテ、レーチャンドーシテドーシテ」
怜子「あぁうるさいっ! 私あの鳥嫌い……」
高田「新しい言葉でも覚えさせましょうか。ジュンジーセクシィ、ジュンジーアサカライイオトコ、スミマセンアサカライイオトコデ」
レーちゃん「レーチャン! レーチャン!」
高田「ダメだなこりゃ。イタリア語の方が覚えるのかな? グラッチェ、チャオ、ペニストテニスハニテル」
レーちゃん「ドーシテ! ドーシテ!」
高田「よく考えれば僕イタリア語話せなかったな」
怜子「……」ズキズキ
高田(今日は何して遊ぼうかなぁ……)
ガラッ
久保寺「……」フラッ フラッ ドンッ
久保寺「みなさん、私はどうにかみなさんを3月に穏やかに卒業させてこようと頑張ってきました……」
久保寺「ですが、もう限界のようです……」
高田「いい包丁持ってますね、先生」ガサゴソ
久保寺「!?」
高田「神田川さんも使ってそうですね? 僕宝石しか鑑定できないからよくわからないけど」
風見「た、高田君! 先生から離れるんだ!」
高田「えっ?」
久保寺「返せぇっ!」
高田「おっと」ヒョイ
桜木「み、みんな逃げてっ!」ガタッ
ガラッ
千曳「久保寺先生、やめるんだっ!」
高田「誰?」
風見「勅使河原! 先生を抑えよう!」ガシッ
勅使河原「お、おう!」ガシッ
久保寺「放せぇぇぇっ!!」ジタジタ
高田「あ、刃がちょっと欠けてる、やっぱり大したものじゃないんだ」
赤沢「……」
高田(先生の母親は自宅で死体が見つかった。先生の手によるものだろう。そして先生はそっちの病院におくられたみたいだ)
屋上
勅使河原「そういうことでいない者の効果はなくなったから、お前はクラスに復帰ってわけだ」
高田「じゃあてっしーから『美少女戦士ブルセラムーン』を返してもらえるってわけだね」
見崎「……」ジト
勅使河原「借りてねえっての!」
ガチャッ
赤沢「……」ギロッ
高田「……」
赤沢「あなた達のせいよ」
高田「うん、わかってる」
勅使河原「お、おいおいちょっと待てよ!」
勅使河原「それだったら俺らにだって……」
高田「もしかしたら僕の母親も災厄の犠牲になったのかもしれないんだしね。他人事じゃないよ」
見崎「……」
赤沢「勘違いしないで、別にあなたを責めようって魂胆はないわ。ただ、そういう目を向けられることは覚悟して、ってこと」
高田「つまり僕の注目度があがるってわけだね」
勅使河原「……あのなぁ」ハァ
見崎(もう慣れた)
赤沢「無能の誹りを受けても仕方ないわ」
高田「うん、無能だね」
赤沢「なっ!?」
高田「まず鳴ちゃんみたいな可愛い子をいない者にしちゃダメだよ、僕みたいなのがくっついてきちゃうんだから」
見崎「……無能」
赤沢「……」プルプル
勅使河原「……」ハラハラ
高田「こんな風にすっきり言ったほうがいいよね、何事も」
見崎「……」コクコク
赤沢「勅使河原……あたしもう耐えられない……っ」
勅使河原「待て、おちつけぇっ!」ガシッ
高田(三神先生によると八月に合宿を開くことになったそうだ。なんでも一度だけ災厄が止まった年があるらしい)
高田(伝えられる所では、合宿先にある神社にお参りをすれば災厄は止まるのではないか、とのことだ)
プルルル……プルルル……
高田「はいもしもし、高田純次です。すいません朝から良い男で」
勅使河原『おう、お前イノヤってわかるか? 望月の姉ちゃんがやってる喫茶店なんだけど』
高田「あぁイノヤね、あのおっぱいは小さいけどスタイルはよくて黒髪ロングの清楚な子がいるパブ」
勅使河原『黒髪ロングの子はいないけど茶髪のベッピンさんはいるぜ。ちょっと話したいことがあるんだ』
高田「今日は痔の調子が良いんだけど腰が痛いんだよなあ……なんでだと思う?」
勅使河原『なんだったら見崎も連れてこいよ。災厄に関することだからそれなりの人数は揃えたいんだ』
高田「どっちみち僕鳴ちゃんの電話番号知らないんだけどね」
高田「へえ、東京とは違った風情がある店だね。僕の喫茶店番付のなかで3位には入るよ」
赤沢「1位と2位は? 今度連れて行ってもらいたいわね」
高田「あまり良い店がないから空白のままなんだよ。ていうか赤沢さんじゃない、どうしたの。てっしーは?」
赤沢「私も勅使河原に呼ばれたのよ、でもまだ来てないみたい」
高田「災厄に関することっていうんだからなんのことやらと思ったんだけど」
赤沢「そういえばあなた、私に対しては赤沢さん、よね」
高田「何が?」
赤沢「他の女の子に対しては名前じゃない、ゆかりとか、彩とか」
高田「ああ、それねえ。小学校四年生の時のクラスにイズミって子がいたんだよ」
赤沢「へえ、やっぱりどこかで……」
高田「特に可愛くもなかったし、これといって思い出もないんだけどね」
赤沢「……」
赤沢「ええ、この間話した転校生の高田純次君です」
高田「はじめまして、高田純次と言います。純粋の純に、つぎ、と書きますね」
高田「純粋を失ってしまった次は変態になるしかないという証拠のような男です」
智香「……聞きしに勝る口達者な子ね」
赤沢「ええ……」
智香「私は望月智香、あなたの同級生の優矢の姉よ」
高田「なるほど、もっちーのあのルックスは姉譲りだったわけだ」
智香「ふふふ」
高田「ところでもっちーは女の子みたいな顔をしながらも男の子なわけですが、お姉さんもそうだったりするんですか?」
智香「……ご注文を」
高田「えっ? 口移ししてくれるの?」
赤沢「二杯よ!」ドンッ
智香「……かしこまりました、少々お待ちください」
高田「赤沢さんと同じもの飲めるだけでもうれしいけどさ、どんなものなの?」
赤沢「ハワイコナエクストラファンシー、一味どころか一度飲んだらやめられないコーヒーよ」
高田「河合美智子がエクスタシーでファンタジー? すごいコーヒーだね」
赤沢「ハワイ!コナ!エクストラ!ファンシー!」
高田「うるさいなあ、コーヒーにもうるさいのに声もでかいって救いようがないよ」
高田「ふーん、これがハワイコナ」クンクン
赤沢「いい香りでしょ。味も絶品よ」
高田「どれどれ」ズズッ
高田「おお、味が違う。さっき飲んできた水道水なんかとは段違いだよ」
赤沢「……」ビキビキ
赤沢「はあ……あなたといるだけでどっと疲れるわ」
高田「災厄のことなんだけどさ、死者をどうにかすればいいんじゃないか、って僕は薄々睨んでるんだよ」
赤沢「へえ……でも誰が死者だと?」
高田「それがわかったら苦労はないよなあ、実際に死んでもらったらわかるんだけど。そんで生き返ってもらってさ」
赤沢「……あなたが死者だったとしたら?」
高田「え?」
赤沢「あなた、死者かもしれないわよ?」
高田「幽霊になったら女湯覗き放題じゃん。なんでわざわざ蘇る必要あるの」
赤沢「……」ググッ
智香(泉美ちゃん、我慢しなくていいのよ)
高田「そうかぁ、触れないのはやだもんねえ。でも、なにを根拠に?」
赤沢「はい」スッ
高田「?」チュッ
赤沢「!?」バチィン!
高田「手を差し出したらキスするのが礼儀でしょ」ヒリヒリ
赤沢「ここは日本よ!!」
赤沢「はぁ……今ちょっと触れられただけでもわかったけど、あなたの手は暖かいのよ。死者の手は、冷たいみたい」
高田「迷信っぽいけどなあ」
赤沢「それだけじゃない、あなたとは前に会ったことがある」
赤沢「この手……体が覚えてるのよ」
高田「前も言ったけど、君みたいな子とセックスしたら絶対に覚えてるはずなんだけどなあ」
バシィーン!
勅使河原「おーっす……ってどうしたんだその顔」
高田「田んぼ道歩いてたら蚊に刺されちゃってさ、田舎ってこれだから大変だよね」ヒリヒリ
赤沢「……」ムスッ
勅使河原(おおよそわかる気がするけど、何も言わんでおこう……)
高田(てっしーによると、ここイノヤを訪れる客の中に夜見北の秘密を知っている人間がいるのだという)
高田(もっちーの姉がその人の勤務先だけでも掴めたとのことで、皆で話を訊きに行くことに決まった)
見崎「私は行けないわ。家族て別荘に行くことになってるの」
高田「なんだぁ、今からでもそっちに鞍替えしようかなぁ」
見崎「大したものじゃないよ。お父さんが家族サービスの真似事をするだけの、つまんないお出かけ」
高田「てことは、お父さんがその気になればサービスの一貫として鳴ちゃんとお風呂に入ったりするの?」
見崎「しないっ」
高田「……ともあれそんな風な形でも、頑張ろうとはしてるんだろうね」
見崎「……」
高田「気が変わったらいつでもこっちにおいでよ。皆鳴ちゃんと本当は打ち解けようと思ってるんだからさ」
見崎「……うん」
高田「本人がぶつくさ言ってたみたいですよ、信頼できるんじゃないかな。僕には及ばないだろうけど。何か覚えてます?」
怜子「……15年前に合宿に行ったことは覚えてるし、確かに何かがあったんでしょうけど……」
高田「流石に15年前ともなるとね、僕もほとんど覚えてませんよ。あ、生まれてもいないや」
高田(ん、てことは……)
怜子「ごめんなさい、つくづくふがいないわね」
高田「いえいえ。怜子さんはよく頑張っていらっしゃいますよ。朝からあんな濃い化粧してまで
怜子「……マツには私が話をつけてくる」
高田「無理はしないでくださいね。あんまり化粧しちゃうと、お肌がね」
高田「どしたのその荷物。中に女の子でも入ってるの?」
勅使河原「色々準備してきたからな」
望月「赤沢さん達はまだなんだね」
高田「お、なにやら大層な車が。ヘイタクシー!」
キキッ ガチャッ
赤沢「おまたせ」
高田「歌舞伎町まで千円で行けたりする?」イソイソ
ゲシッ
高田「僕はピンピンしてるよ、PをBに代えても大丈夫なくらいにね」
中尾「うっぷ……」ゲッソリ
高田「君誰だっけ? 背中さすってあげようか?」
中尾「あぁすまねえ……」
高田「ほいじゃまあ、よっと!」バン! バン!
中尾「うぇっ! ゲロゲロォ」
高田「僕はハイヒール履いてる女の子にやられて嬉しかったんだけどなぁ」
杉浦「……緊張感がまるでないわね」
中尾「いや、朝から調子が悪いんだ……転んで頭ぶつけたせいかな、でも皆で遊べるのなんてそうないし」
高田「思い出なんて今だけ生きてれば必要ないものだよ。休むか医者に行きなさい。呼んであげるから」ピッ
中尾「お、おい!」
高田「もしもし、お名前は? ミキちゃん、僕はニコラス・ケイジっていうんだ。歳は? 25? へぇもっと若く見えるよ」
高田「救急車って何番だっけ?」
杉浦「……」
高田(朝転倒した際に頭を打ち付けたのが原因だそうで、すぐに処置したおかげが致命傷は避けられたみたいだ)
ブロロロロ……
怜子「ふぅ、これで夜見山を越えたわね」
望月「何事もなくてよかった……」
怜子「さってと……チンタラ右側走ってんじゃないわよっ」ガチャッ
ブゥーン!
望月「ひっ!」
高田「怜子さん?」
怜子「なに?」
高田「速い方が基本的には良いですよね、婚期とか」
怜子「……」ガチャッ ガチャッ
ブゥオオオッ!
高田「赤沢ちゃんは見かけどおりって感じだけど」
赤沢「ふうん、私ってどんな風に見える?」
高田「何もかもデカいよね、胸も態度も声も。きっとあの時もデカい声を出す」
赤沢「……あんたねえ」
高田「んでも可愛いからいいんじゃない? だってブサイクでデカいなんてそれだけしか取りえがなくなっちゃうし」
高田「可愛いなら他に見るべき所も出てくるしね」
赤沢「褒められてるのかしら、それ。あまり嬉しくないわ」
高田「褒められて伸びる子っているけど、さわられて伸びる子の方が多いよね」
高田「路地裏で女の子を連れてるおじさんがいたけど、他人のを見るのは楽しくないよね」
赤沢「そういう話じゃない! 感謝してるのよ。これだけはちゃんと伝えたかった」
高田「カンシャって一歩間違うと大変だよね。他にもサンポとかさ」
赤沢「……あなたって素直じゃないわね」
高田「うん、左に曲がってる。だから左肩がちょっと重い」
高田「赤沢ちゃんは両肩が重そうだよね」
赤沢「……」
怜子「訊いてみたんだけど、今日は来てないみたい。後で来るって連絡があったんだけど……」
勅使河原「それまで時間があるよなあ、ってことでっ」
杉浦「夜見山の外なら災厄は及ばないしね」
高田「僕水着なんて持ってきてないんだけど」
怜子「買ってあげるわよ」
高田「モザイクがつきませんもんね」
赤沢「あ、ちょっと待ちなさい!」
高田「日本もヌーディストビーチを取り入れないかなあ……あれ?」
鳴(ヒトデ、ヒトデ♪)ツンツン
高田「鳴ちゃん、奇遇だね」
鳴「……高田君」
高田「その麦わら帽子、ワンピースの真似? ワンピースに麦わら帽子って本当に良い取り合わせだよね」
鳴「……」
赤沢「きゃっ! やったわね……えいっ」ボンッ
勅使河原「どこに打ちあげて……」
杉浦「せーのっ」バシャアッ ビシッ
勅使河原「うげっ」ゲシッ
赤沢「あははっ!」クスクス
高田「君上手いね、なんかスポーツでもやってるの?」
杉浦「ううん、別に」
高田「あ、やっぱり? そう見えるんだよ」
杉浦「嘘よ、本当はやってるわ」
高田「ん?」
高田「いいよぉ、じゃあ拘束具を外して……」ゴソゴソ
望月「ぬ、脱がないでよっ」
高田「脱いだら遅くなるんだけどね。なぜかは想像に任せるよ」
赤沢「はぁ……」
杉浦「でも気が楽ね、高田君がいると」
赤沢「色んなことがどうでもよくなってくるわね。正直5月までは重苦しいことばっかりで滅入っちゃいそうだったんだけど」
杉浦「高田君のおかげもあって今のところ死者に限れば一人だけ、か。このまま行けばいいんだけど」
見崎「……」
高田「お城でも作るの? 別荘、近くなんだね」イソイソ
見崎「うん」
高田「お父さんはどんな人?」
見崎「詳しくは知らない。ほとんど日本にいないから。家族と言っても、ほとんどつながっていない感じ」
高田「ふーん、年がら年中つながりっぱなしっていうのも辛いだろうけどね。痙攣しちゃうこともあるみたいだし」
高田「死者なんだけどさ、そいつをいない者にするっていうのはどうかな。淋しくて勝手に死んじゃうかもしれないじゃない」
見崎「ダメだと思う。もう始まってるから。今から帳尻を合わせても……あっ」サワッ
高田「四六時中つながってるっていうのも面倒だけどさ、たまには僕のことも頼ってよ」ギュッ
高田「大体暇だからさ、呼べばいつも来るよ。いつもはつながってないけど、肝心な所ではつながってる。そんな関係も良いと思わない?」
見崎「……」ギュッ
高田「おじさんは何より鳴ちゃんともっと深くつながりたいよ」
見崎「っ!」ザッザッ
高田「ちょっとぉ、足で踏みつぶさないでよ!」
松永「らしいな。だけど正直良く覚えてないんだ……」
赤沢「合宿中に事故が起きたそうですね」
松永「ああ、そうだが、君は?」
赤沢「対策係の赤沢です」
高田「僕? この間木村拓哉に似てるって言われました、彼を6としたら僕が7ですね」
怜子「気にしないで、こういう子なの」
松永「……ともかく、合宿中に神社にお参りに行って、そこで事故が起きたんだが……」
見崎「伝えなきゃいけないことがあって何かを残した、と訊きましたが」
松永「ううん……」
高田(あのボートデザインいいなあ、赤沢ちゃんが寝そべってたら似合いそうだなあ)
イノヤ
勅使河原「教室に、か」
高田「そうみたいだね。15年前というと、おそらく旧校舎なんじゃないかな」
勅使河原「ふぅん……それじゃ皆で旧校舎に探索といくか。夏休みだし、人はいないし」
高田「そういえば昔学校で肝試しやったことがあるんだよ。驚かす側に回ってね」
勅使河原「へえ、このクラスでも……って縁起でもねえな」
高田「結構倒れてくれたよ。バッと出てバッとやってさ、僕のカッコよさにびっくりしちゃったんだろうね」
望月(本当だとしたら余程変なことしたんだろうな……)
望月「いくら旧校舎でも見回りは来るからね、手際はしっかりとしないと」
高田「よくよく考えるとそんなの穴場じゃない。誰かと誰かがイチャイチャしてたりしたらどうしよう?」
勅使河原「撮ればいいんじゃねえの、儲かるかもしれねえし」
高田「クラスメイトに似てる子だけでも気が引けるのにクラスメイトそのものはなあ」
勅使河原「でもクラスメイトとやるのは最高なんだよな」
望月(勅使河原君が染まり始めてる……)
勅使河原「おう、ジュン。寝坊でもしたのか」
高田『永沢君の家を燃やしたのは誰か考えてたら夜ふかししちゃったんだ。藤木説が本命だけど、野口さんも捨てがたいね』
勅使河原「案外まる子の可能性もあるぞ。それはともかく、まだ望月の部活も終わってないからいいんだけどさ」
高田『そうなの? じゃゆっくりと行くよ。発情期のネコの交尾でも見ながらね』
勅使河原「おう、それじゃあな」ブツッ
綾野「あ、てっしーじゃん。帰宅部のエースがなんでまた?」
勅使河原「ん? ああ、いやあ、その、なぁ」
綾野「まだまだだねー、じゅんじっちゃんだったらうまいこと切り返す所だろうね、そこ」クスクス
勅使河原「あいつなぁ、想像つかねえよな」
小椋「想像してもろくなことにならなそう……」
高田「おっ、ショベルカーじゃん。僕も昔はパイロットになろうとしたもんだ」
作業員「ん? なんだいボウズ」
高田「このショベルカーって会社のもの? 大きいね、ちなみにお兄さんのはどれくらいまで大きくなるの?」
作業員「じゅう……って何言わすんだよ!」
高田「ははは、ちょっと乗せてもらってもいい? 一度ショベルカーって乗ってみたかったのよ」ガチャッ
作業員「お、おい!」
高田「ん、ちょっとこれ動いて……」ズズッ
作業員「あぶねえっ! ……はぁ、サイドブレーキ忘れてたのか」
高田「よかったじゃない、誰かの家に突っ込んだりしなくて。それじゃ僕はこれで」タッタッ
作業員「お、おい、待てガキ!」
綾野「じゃあ、あっちにいったら連絡するね」
小椋「うん、またいつか、ね……」
タッタッ
二人「?」
高田「雨降ってきちゃったよぉ、濡れて透けるのは女の子だけで十分だっていうのにさぁ」
綾野「じゅんじっちゃん、どうしたの?」
高田「おっ、ちょうどいいところに女の子が……ってベスト着ちゃダメじゃないのよ」
綾野「もうっ、ホントスケベなんだから」
小椋「うへぇ……」
小椋「あー……」チラッ
綾野「……いいね、行こうっ。ゲームセンター近くにあるしさ」
小椋「えっ?」
綾野「あっ、そういえばてっしーがじゅんじっちゃんのこと待ってるって言ってたよ、ほんとにどうしたの?」
高田「ん〜、夏休みの部活に精を出す皆の姿を見て僕達も精を出そうかって話になったんだよ」
綾野「へぇ〜感心だねえ」
小椋(うわぁ……)
高田「ま、そんなわけだからさ、別に行っても行かなくてもいいのよね。どっち行くの?」
綾野「うん、こっちだよ」
小椋「私はパス……」
カァンッ コロコロ…… ガタッガタッ
綾野「うわぁ、すごいねナインボール全部入っちゃった」
高田「玉を入れちゃホントはだめなんだけどね」キュッキュッ
綾野「? 入れなきゃだめじゃないの?」
高田「棒を突くってのは同じなんだけど」
綾野「じゅんじっちゃんってたまにわからないこと言うね」
高田「たまだけにたまーにね」
高田「好きだよぉ、でも彩ちゃんのことも好きだね」カァンッ
綾野「……そっかぁ、私にもチャンスはあったってことかぁ」
高田「日本の外には一夫多妻制の国があるみたいだよ。イスラムとか。ところでイスラムってどこにあるんだろうね?」キュッキュッ
綾野「んー、エッチなところがなければ即決したんだけどなあ」
高田「たとえ鳴ちゃんが僕になびいた上で彩ちゃんに言い寄られても僕は二人とも愛せる自信があるよ? もっと女の子が増えてもね」
綾野「えっ、あっちはまだ振り向いてないの?」
高田「そうっぽいんだよなあ」
綾野「……こんな風に浮気性だから信用してもらえてないんじゃないの?」
高田「でも仕方ないんだよなあ、だって僕の魅力がそうさせるんだから。その責任はちゃんと取らないと」
高田「あらぁ……というとやっぱり」
綾野「仕事の都合、っていうのが本当のはずなんだけど、日が経つにつれて、やっぱり怖いからなんじゃないかな、って思う」
綾野「裏切り者に見えちゃうよね。みんな、怖いはずなのに」
高田「なんでまた、それが普通だよ。逃げられる理不尽はちゃんと逃げたほうがいい」
高田「それに、裏切り者なんていうヤツがいたら僕がやっつけちゃうよ」
綾野「……じゅんじっちゃんは転校生なのに、どうしてさっさと逃げなかったの?」
高田「君みたいな可愛い女の子がいるからだね」
綾野「……はぁ、なに訊いてもちゃんと答えてくれないんだろうな」
高田「やぁてっしー。犬の交尾ってすごいね、出した時に大きくなったのが丸わかりだったよ」
勅使河原『軽く二、三発くらいは行けるようになりたいよなあ、で、なにやってんだ』
高田「彩ちゃんとデート」
勅使河原『はぁ……まあいいや、望月も来たし、見崎にも会ったんだ。先行ってるからな』
高田「鳴ちゃんもいるの? 先に言ってよぉ」
ブツッ ツーツーツー……
高田「てことで行かなくちゃならないみたいだよ」
綾野「うん、なんかすっきりした。ありがとう、じゅんじっちゃん。またいつか」
高田「そう、ならよかった。すっきりするのは大事だよ。こっちからも連絡するからね、それじゃ」タッタッ
綾野「……ふぅ」
高田「あ、どこに引っ越すの? それわかんないと連絡のしようがないよねえ」
綾野「由美とか泉美は知ってるから、訊いてあげてよ」
高田「ごめーん、遅くなっちゃって。でも遅れて来るから主役の証だよね」
勅使河原「わけわかんないこと言ってないで一緒に探せ―」
見崎「空気が悪いわね、窓をあけましょう」
高田「こらこら危ない」ヒョイッ ムニッ
見崎「!?」
ガシャ-ンッ!
望月「わっ!?」
勅使河原「な、なんだぁっ!?」
見崎「高田君、その、胸……」
高田「え? あぁ、これ胸なんだ。やけに柔らかいあばらだなあと思ったよ」ムニムニ
勅使河原「お前失礼だな……乳首でわかるはずだろうよ」
高田「ん? あぁホントだ。ごめんごめん」サワサワ
見崎「……」ピクピク
望月(あの見崎さんが感情を露わに……)
高田「でかしたてっしー」ヒリヒリ
見崎「……」ムスッ
望月(二人のみならずなんで僕まで見崎さんの言いなりに……)
ビリッ ビリッ
勅使河原「なんだこれ、カセットテープ?」
高田「ガムテープの中にカセットテープって、僕でも言わないよ、そんなダジャレ」
勅使河原「とにかく再生してみないとな。どこに行けば……」
見崎「放送室があるわ、そこに行けばラジカセもあるはず」
望月「じゃあ行こうか」
ガチャッ ジィー……
松永『俺は今年、確かに人を殺した。これからするのは罪の告白』
松永『それから、3年3組の災厄を止めるために、後輩に託すアドバイスだ』
松永『俺たちは合宿に行って、ボロボロの神社を掃除した上でお参りをして御利益を得ようとした』
一同「……」
高田「……」
松永『その帰り道、いきなり雨が降り出して来たんだ。雷も鳴って、全員必死で逃げた』
松永『その中に傘なんか差してるやつがいてさ、いうまでもなく、雷に打たれて、死んだ』
松永『そのショックだったんだろうな、逃げてる途中で女子が滑落しちまって、翌日死体が発見された』
松永『で、大事なのはこれからなんだ。俺の記憶によればそこで三人死んだはずなんだが、死体は二つしか見つからなかったんだ』
勅使河原「……」ゴクリ
高田「ぐぅ、かぁっ……」スヤスヤ
見崎「寝ないで」ビシッ
見崎「ダメ、ちゃんと聴くの」ヒソヒソ
望月「緊張感って言葉がつくづく似合わないね……」ヒソヒソ
高田「他人の話に興味がないんだよ。自分のことで手一杯なのになんで他人に興味がわくんだか」
勅使河原「ん……?」
カツカツ
勅使河原「やべえ、隠れろっ!」ガチャッ
望月「わっ!」
見崎「!」サッ
高田「あらぁどうも」
教師「お前、3組の高田だったか。なんでこんなところにいるんだ」
高田「女の子とかくれんぼしてるんですよ。ご褒美も込みでね。先生も一緒に探しませんか? まさにワリカンというやつです」
教師「ふざけたことを言ってないで、用事がないならさっさと帰れ」
高田「はぁい」スタスタ
ガチャッ
一同「……」
教師『まったく、三神先生の甥だというのに……』
高田『甥だったら結婚できるんでしたっけ?』
勅使河原「た、助かった、のか?」
望月「よくわかんないけど、そうみたいだね」
見崎「……ほんとよくわかんない」ハァ
見崎「わかめ」
望月「うーん……これくらいなら、直せると思うよ」
高田「それはすごいねぇ」
望月「い、いつのまに!?」ビクッ
高田「それよりこの間外国人に会ってさ、興味本位にレットイットビー! って声かけちゃったんだよ。意味はわからないんだけど」
見崎「……」ハァ
『今日の午後3時頃から落石により一時通行止めになっていた……』
勅使河原「え? 綾野が転校?」モグモグ
高田「みたいだね。今日には出発するんだってさ」モグモグ
望月「でも今日は市外に出る道路が……あ、もう通行止め解除されたのか。となると、もう行っちゃったんだろうね」
見崎「……」モグモグ
勅使河原「合宿も、そんなに人が来ないかもな」
高田「お姉さんこのナポリタンおいしいね、きっと本場イタリアと同じ味なんだろうね」モグモグ
智香「ナポリタンは日本独自の料理よ」
カーン
高田「いったっ! 十円ハゲできちゃったらどうすんのよ」
赤沢「あっ、ご、ごめんなさ……わっわっ」フラッ
ドサッ
赤沢「い、いたぁ……」ジワッ
高田「大丈夫? あら、可愛いじゃない。可愛い子の涙は確かに綺麗だけど、たたき売りしちゃダメだよ」スッ
赤沢「うっ……」ギュッ
高田「理由があるんだろうけどさ、おじさんに話してみない? 楽になるよ」
赤沢「……その、大事な人が亡くなって……」パッパッ
高田「なんだ、僕と同じじゃない」
赤沢「えっ?」
高田「うん。そういえばこっちの郷土料理っておいしいね、そばつまんこ、っていうんだっけ? 危うい名前だよねえ」
高田「でもおいしかった。ペロリと平らげちゃったよ、ペロリと」
赤沢「……そんな大事な人じゃ、なかったんですか」
高田「ううん、大事な人だったよ。僕は母親が早くに亡くなってね。遠くからではあるけど、いつも気にかけてくれる人だった」
赤沢「……じゃあ、なんで」
高田「最初は泣いたよ。結構泣いた。でも数日経っても実感がなくてさ」
高田「よくわからないんだよね、大事な人が亡くなったってどういうことか。だからいつも通りやってみるのよ」
高田「そこからなんか違う所が出てこないかなーって思ってるんだけど、さっぱりだね」
高田「死って思った以上に素っ気ないんだね、女の子だってもっと愛想良いよ」
高田「うん、大変だよ」
赤沢「顔はそう見えないんですけどね。でも、いつも通りにするって、そういうことなのか……」
高田「生きてる方がしみったれて死に近づいちゃったら意味ないもんねえ」
赤沢「……そもそも誰かが死んだって本当ですか?」
高田「誰かを亡くした時、人は嘘をつきたがるみたいだよ」
赤沢「なにそれ……」クスッ
・
・
・
赤沢「……夢?」
勅使河原「望月、あれ持ってきたか?」
望月「うん、ばっちりだよ」
高田「僕も持ってきたよ、0.05ミリの薄々」
勅使河原「よし……やっぱり欠席者はいるねえ」キョロキョロ
望月「高林君も中尾君もまだ来れないみたいだしね……せっかくの臨時行事だったんだけど」
見崎「しかたないわ。事情が事情だもの」
高田「自慢するわけじゃないけどこのベルトイタリア製なんだ。自慢するわけじゃないんだけど」
有田「へ、へえ、すごいね」
前島「……メイドインイタリアって書いてる、カタカナで」
勅使河原「……正直大丈夫な気しかしないんだけどなあ」
望月「あはは……」
高田「カッコよく撮ってよぉ」
勅使河原「元がカッコよすぎるから写真なんかじゃ再現できやしねえよ」
高田「んっふっふ」
桜木(扱い慣れてきたなあ……)
勅使河原「おーい、望月もっと寄れっ。ジュンはくっつきすぎた! 見崎が困ってる」
勅使河原「だからって杉浦にくっついてどうすんだよ! ……よぉし、ハイチーズ!」パシャッ
望月「じゃあ今度は僕が……」
望月「そうだね」
赤沢「……」ジッ
見崎「……出来るだけ他の人に聴かれない場所で聴きましょう」
高田「赤沢さん、そのリボン僕の好みだよ。気をつけてね」
赤沢「なっ!?」
高田「こんな豪勢なお屋敷に泊って、っていうのはなかなかのシチュエーションだと思うけどね」
赤沢「あんたには前からいっておきたかったんだけどね、そんな不潔なこと言ってると……」
小椋「……泉美」
赤沢「ふんっ!」クルッ
松永『やっとの思いで下山したんだが、その時、それが起きた。(ブツッ)っていう奴と、掴みあいのケンカになったんだ』
松永『それで、気がついた時にはあいつが動かなくなって、木の枝に刺さって死んでいた』
松永『落雷や滑落の件もあったし、警察も来たけど、俺は何も言えなかった。怖かったんだ。ただ……』
松永『死体は見つからなかった。そもそもあいつの話なんてまるで出なかった。あいつのことを訊いてみても、誰だよそれ、って言われるだけだった』
松永『そこで俺は気付いた。あいつが死者だったんだ、って。でも、人を殺した事実に変わりはない。だからここで告白しようと思った』
松永『俺はまだ(ブツッ)のことを覚えているけれど、まもなく忘れてしまうかもしれない』
松永『どうやったら災厄を止められるか。いいか、死者を死に返せ。死者を死に返すんだ。それが災厄を止める方法だ』
一同「……」
高田「あ、終わった?」
見崎「……また寝てたの?」
高田「ううん、JAPって「ジュンジ・あいからわず・プリティ」のことかなあ、って思ってた」
望月「死者って、他の人と見分けがつかないんだよね……」
見崎「仮にもう一人がわかったとしても、殺せる?」
高田「無理だね、鳴ちゃんの体で悩殺できるわけがない」
見崎「……」ゲシッ ゲシッ
高田「いたいいたい」
勅使河原「……とにかく、その時は覚悟しなくちゃいけないんだろうな」
望月「もっとも、見分けられてからの話だけどね」
カチャ カチャ……
赤沢「ちょっと良いでしょうか、先生? この際ですから、言っておきたいことがあるんです」
三神「……どうぞ」
赤沢「まず、最低限に抑えられているとはいえ、5月から度重なる不幸が起こっているのは事実です」
赤沢「対策係として、いくつかの不手際をお詫びします」
高田「やいムノウー」
赤沢「こ、こいつっ!」
杉浦「落ち着いてっ!」
高田「そうそう、落ち着いて。そもそもこれって誰かのせいにしたってしょうがないじゃない。僕のせいじゃないから言えるんだけどさ」
赤沢「ぐっ……」プルプル
高田「第一今無能って口走ってみたけどさ、雰囲気が悪くなるだけだよね。不毛だよ、中学生だけに」
高田「あっ、生えてる子もいるか」
小椋「……?」
高田「でも過去に比べたら差は歴然としている。赤沢ちゃんがなにをしてるのかは、よくわかんないけど」
赤沢「あ、あのねえっ! ここではっきりさせておくけど、あなたのその態度で現象がおこった可能性だって否定できないのよ!」
勅使河原「落ちつけ、言い争ったってこいつには勝てねえ」
赤沢「フーッ、フーッ……」
望月「待ってよ、高田君のおかげでクラスの雰囲気が良くなっている面もあるじゃないか!」
桜木「そうです! 皆が危なくなっても助けてくれました」
高田「いざ事実を言われちゃうと照れちゃうな。事実なんだけどね」
赤沢「ぐぬぬ……っ」
一同「!?」
和久井「ハァーッ、ゼェッハァッ……」
風見「和久井、大丈夫か!?」
千曳「ぜんそくか、吸入器……カラかっ!」
高田「僕だってぜんそくはなんとも出来ないね」
千曳「救急車を!」
管理人「それが、先日から電話の調子が悪くて……」
千曳「……携帯も駄目か」
勅使河原「みんなの携帯も軒並みダメみたいだな、くそっ」
高田「みんなで手をつなげば交信できるんじゃない? どこにつながるかは保証できないけど」
千曳「それでは、皆のことをお願いします」
三神「わかりました」
ブゥーン……
高田「大丈夫ですか?」
三神「……きっと大丈夫よ」
高田「それもありますけど、三神先生が」
三神「……気にしないで、それよりも皆のことが」
高田「こんな雨では、お化粧が……」
三神「……」
高田「てことはああいう話?」
見崎「……高田君のことを信じたうえで聞いてほしいことがあるの。死者を見分ける方法が、あるかもしれない」
高田「……よし、わかった」
見崎の部屋
見崎「この左目、前も見せたけど……」
高田「綺麗だね、絶対に鑑定できないほど綺麗な目だ。僕は義眼の鑑定なんて出来ないけど」
見崎「夜見山岬が写ってる写真、これを左目で見るとね、死の色が見えるの。他の人にはみえない、独特な色」
高田「……」
見崎「簡単に言えば、これを使って死者を見れば、間違いなく判別出来る」
高田「それをいままで隠していたのは、鳴ちゃんの優しさ、なのかな」
見崎「……信じてもらえないだろう、っていうのもあるわ。でも今は違う。高田君がいる」
見崎「高田君はおちゃらけているけれど、誰かを疑ったことはない」
見崎「私がいない者になった時も、私だけでなくクラスメイト全員のことを思いやってくれていた」
高田「買いかぶられたものだね、んふふ」
高田(鳴ちゃんの話では、元々彼女は双子として生まれたが、母親の妹の霧果さんに子供がいなかったから養子になったのだという)
高田(妹の未咲ちゃんとの交流は保たれていたが、今年の4月、未咲ちゃんの死によって絶たれた)
見崎「本当は信じたくなかったわ、理不尽な現象なんかのせいで、未咲が死ぬなんて」
見崎「でも、目を背けていたってしょうがない。真っ向から立ち向かって、ここで決着をつけてみせる」
高田「よく言った。それでこそ女だ……うん、さてと、その死者っていうのは、この合宿に来てるんだよね?」
見崎「それは……」
ガタァン!
勅使河原「ジュンッ! 俺、やっちまったかもしれねえ!」
高田「赤沢ちゃんを?」
勅使河原「あぁ……それならどれだけ良かったことか……」
見崎「……」
勅使河原「この手にあの大きくてやわらかそうなおっぱいの感触がぁ……」
見崎「バカ言ってないで早く事情を」
勅使河原「あ、あぁ……その前に、お前ら、風見智彦って知ってるか? メガネをかけて、クラス委員の」
高田「誰だっけ?」
勅使河原「俺、風見と言いあいになって、それでもしかしたら死者じゃないか、って思って……」
勅使河原「ただ、不可抗力だったんだ、あいつが二階から落ちていったのは。じゃないと、俺も……」
高田「なるほど、弁護士の役作りにはうってつけの場面だね。じゃ、六法を枕にしてみようか」
見崎「落ち着いて、この高さなら死なない可能性のほうが高い。たぶん、突き落してから確認もしなかったんでしょう?」
勅使河原「あ、あぁ、そういえば……」
高田「ちゃんと確認しないとダメじゃない、穴開けられてないかとか」
見崎「とにかく風見君の許に」
勅使河原「ああ……」
高田「んー、風見君がいなくなっちゃったから探すって言っても、僕にそんな義理はないんだよねえ」
高田「ん、調理室の扉がすこし開いてる」
高田「行ってみよ……」ガシッ
前島「逃げろ、高田っ……」
高田「誰? うわ、なにつけてんのさ、ケチャップ爆発させちゃった?」
前島「行くな、そこは、だめだっ……」
高田「あ、これ血か……無理はしないで、ここで休んでなさい」
高田「それに行くなって言われたら行っちゃうよ。オープン・ザ・セサミ!」
ガタッ ゴオォォォ……
高田「……マンモスの丸焼きでも食べさしてくれるのかな?」
管理人夫「」
高田「あれは……いわずもがな、か」
高田「消防に連絡はつかないんだよね。とにかく外に出るのが先決だろう」
高田「それと前島君が倒れてるんだ、てっしーは彼の処置を。僕は皆にこれを伝えてくる」
勅使河原「わ、わかった」
赤沢「どうしたの、高田君?」
高田「お、赤沢ちゃん」
赤沢「多佳子がいないの、部屋中が血だらけになって……それに、火事?」
高田「落ち着いて、泉美ちゃん。状況を整理しよう。管理人の奥さんが夫を殺して火をつけたみたいだ」
高田「おそらく多佳子ちゃんは彼女にやられたのだろう、でも、いないってことはどこかにいるはずだ」
高田「今は皆を速やかに外に出すことだ。ここはもうじき全焼してしまう」
赤沢「う、うんっ」
ガチャッ
望月「!」
高田「もっちー、調理室で火事が起きた。早く逃げよう」
望月「え、ええっ!?」
高田「とにかく外に」
望月「ひ、非常口は、こっちに……」
管理人妻「……」ギラッ
高田「やれやれ、今度は殺陣の稽古か」
高田「滅茶苦茶な太刀筋だなっ、見破るのがかえって難しいよっ」ヒョイッ
高田「でもー? 後ろがお留守になってたりしないかなぁ〜?」
望月「うわあああっ!」ドンッ
管理人妻「ぐあっ!?」ドサッ
高田「よくやったもっちー! 女の子を殴れるなんてそれでこそ女の子だよぉ」
望月「なこと言ってないで早く手伝ってっ」ギシギシ
高田「亀甲縛り? 背面合掌縛り? おじさんどっちも出来ちゃうよ?」
管理人妻「あ゛あぁぁぁ!!!」ジタジタ
桜木「粗方伝え終わりました、けれど風見君が……」
高田「多佳子ちゃんもいないみたいだね」
杉浦「私はここにいるよ?」フラァ
赤沢「多佳子! 生きてたのね、よかった……」
杉浦「泉美を置いて死ねないわよ……」ニヤァ
見崎「! 離れてっ!」
杉浦「ちっ」キラッ
赤沢「多佳子、あんた、何持って……」
杉浦「言ったでしょ? そこにいる見崎さんが死者なんだって……死者を死に返せば、災厄は止まるって……」
杉浦「死者を死にぃ!」ブゥン!
見崎「!」
高田「おじさん落ち着かせる方法は知らないんだよなあ、興奮させる方法はいっぱい知ってるんだけど」ググッ
杉浦「!(こいつ素手で……っ)」ギギッ
杉浦「ふざけるなぁっ!」ドゴッ
高田「ぐっ! 足は踏みつけるだけにしてよ……」
杉浦「このぉっ!」ブゥンッ
高田「おっと!」ガシッ
杉浦「離せぇ!」ジタジタ
高田「こんな形で女の子に抱きつく時が来ようとは……皆逃げてっ!」
赤沢「た、多佳子……」タジ、タジ
杉浦「ぐっ、ぬぁぁ!」
高田「ぐっ、なんて馬鹿力だっ」ドサッ
杉浦「お前との決着はあとでつけてやる……泉美、後ろの子もちゃんと始末してあげるからね……」ダッ
赤沢「どうして、こんな……」
高田「……今は多佳子ちゃんを追おう」
赤沢「……望月君からテープを聴かせてもらったわ。それに多佳子の記憶だと、小学生の頃眼帯をしていない見崎さんを見たことがあるらしいの」
高田「それは誤解だね。もっとも、今の彼女が聞き入れてくれるかはわからないけれど」
杉浦『3年3組のみなさん、こんばんは。まずはこちらをお聞きください』
赤沢「多佳子!?」
高田「『思い出のアルバム』をよろしく。あれはいつ聴いてもジーンと来ちゃうんだ」
松永『いいか? 死者を、死に返せ。そうすれば災厄は止まる』
高田「あんなコとーこんなコとーあったでしょうー♪」
杉浦『私の記憶では小学生の頃の見崎さんは眼帯を付けていなかったはずです。
杉浦『けれど、彼女の言う所ではもっと幼い頃に眼帯をつけはじめたのだそうで。これはどういうことでしょう?』
赤沢「多佳子……!」ダッ
高田「鳴ちゃん、逃げたほうがよさそうだ」
見崎「……うん」
杉浦『殺せえぇぇぇぇっ!!』
見崎「……!」
川掘・辻井「……」
有田・柿沼「……」
一同「死者を死に!!」
三神「やめなさい! 生徒同士で殺しあうなんて、そんな……」
高田「映画化すれば売れそうですけどね、でも僕もそれに出演したいので死ぬのは勘弁だ」
辻井「邪魔するなぁ!」ブゥン
三神「あっ……!」フラァ
ドサッ
高田「!」ダッ
辻井「!(は、はや……)」
ドゴォッ!
高田「安心しなさい、峰打ちだよ」
高田「このっ」ケリッ
川掘「つあっ!?」コケッ
高田「三神先生……鳴ちゃん、こっちだ!」
見崎「っ!」ダッ
小椋「死者を死にィ!」ギラッ
高田「うわっ、女の子が僕のために刃を? 出来れば状況を変えてほしいところだなぁ」
小椋「おらぁ!」ブンッ
高田「やむなしっ」ダキッ
小椋「わっ! はなせ変態! この、こんな抱きつかれるみたいなっ!」ジタジタ
高田「え、この感触背中じゃないの?」
小椋「殺す! 殺すっ!」ジタバタ
見崎「……」タッタッ
渡辺「げ、元気出して……」
踊り場
高田「いったい何の話をしてたのかわかんなくなってきたな……」
見崎「いざ話を逸らされると案外弱いのね」
高田「反らすのは得意なんだけどねえ」
杉浦「それ、一生反らせないようにしてあげようか」グサッ
高田「! 危なかった、ゴムの束が守ってくれた……やり手だね、多佳子ちゃん」
杉浦「くそっ!」キーンッ!
高田「ふぐぅっ!? だめだよ、そこは舐められると格別なんだけど……」ジィーン
杉浦「あんたは後で殺してあげる……見崎さんの死に様を見せたうえでね」
見崎「くっ……」ジリッ
勅使河原「よせ杉浦っ!」ドンッ
杉浦「あぐっ!?」ドサッ
高田「てっしぃ〜久しぶりぃ〜」
勅使河原「お前ばっかりにいいカッコはさせないぜっ」グッ
杉浦「くそぉ……」ググッ
高田「多佳子ちゃんは背面合掌縛り似合いそうだよねえ」
見崎「風見君は?」
勅使河原「見つからねえ。今千曳先生が戻ってきて前島とかを保護してるんだけど、来なかった。たぶん外にはいないんだろう」
勅使河原「ただ、火がロビーにも回り始めた。長居はできねえな」
見崎「……」ダッ
高田「鳴ちゃん? どこ行くのさ?」
見崎「ついてきちゃ駄目……私がやらないといけないから」
高田「つきたいんだけどなあ」
金木「こっちよ!」
松井「まって、杏ちゃん!」
高田「あの二人は……あぁ、禁断の花園か」
高田「ん?」
風見「……」フラァ
高田「えーっと、よくわかんないけどてっしーが探してる人」
勅使河原「風見!」
風見「勅使河原……ひどいじゃないか、僕を突き落としたりして」
勅使河原「あれは悪かった、話は後だ、今はここから出よう!」
風見「杉浦さんのアナウンス、聴いたよ。でも死者は見崎さんじゃない……そこにいるそいつだ」
高田「?」キョロキョロ
高田「ここの人たち刃物好きだね、でも刺すのが好きだったら金物屋も雇ってくれないよ?」ヒョイッ
勅使河原「やめろ、風見……ッ!」ガシッ
風見「離してくれ勅使河原、こいつを殺せば全て終わるんだ……!」
勅使河原「お前は見た目の割に冷静じゃなくなることがあったけど、ここまで狂うことはなかったはずだぜ……」
風見「そんなの関係ない、こんな状況でまともにいられる方がおかしいんだ。だからこいつが……」
赤沢「純次君は死者なんかじゃないわ……」
高田「泉美ちゃん」
千曳「! 君達なにをしているんだ! 早く逃げなさい!」
高田「火事だっていうのに人多すぎだよぉ」
勅使河原「わかった、見崎を無事に連れ戻してこいよ」
風見「高田ぁッ!」
赤沢「待てっ!」ダッ
千曳「やめなさいっ!」ガシッ
赤沢「くっ! 窮地から逃げた臆病者が今更何を……渦中で苦しむ人間の心がわかってたまるか!」
千曳「確かに私は逃げた。だが今ここで苦しむ人々だけは助けられるからこそ口を出す」
高田「赤沢さん、鳴ちゃんは死者なんかじゃない。それは信じてよ」
赤沢「信用しろっていうの……あなたみたいな適当な人間を……」
高田「僕を信じるんじゃない。鳴ちゃんを信じてほしい。あの子は、今重い責任を背負ってるんだ。僕はそれを助けないといけない」
高田「お願いだ、泉美ちゃん」
赤沢(あれっ、これって……)
赤沢『……うん』ギュッ
高田『僕は東京に戻っちゃうけどさ、君ならきっと一人でも立ち直れるよ。誰かのために泣けるってことは、それだけ思いが強いことだものね』
高田『きっとそのおっぱいもまだふくらむだろうし』
赤沢『!?』バッ
・
・
・
赤沢「……あなた、本当に私と昔会ったことない?」
高田「そこまで言うなら会ったのかもね。でも、もうどうでもいいでしょ。過去がどうとか、そんなことに証拠を求めるなんて」
高田「大切なのは今ここにあることを信じることさ」
赤沢「……そう」クタッ
千曳「高田君、くれぐれも無事で戻ってくるんだよ」
高田「わかってますって」
高田「携帯……海に行く前に番号教えてもらってよかったな。こんな形で使うことになろうとは……感動的だなあ」
プルルル……プルルル……
高田「……じらされるのも僕は好きだよ、鳴ちゃん」
プルルル……プルルル……ガチャッ
見崎『もしもし、高田君?』
高田「見なくてもわかるよ、可愛い顔してるんだよね、鳴ちゃん?」
見崎『……』
高田「いったいどこに?」
見崎『高田君は、来ないほうが良い。きっと後悔することになるから』
高田「僕に過去と未来はないんだ、今しかないんだよね。だから大丈夫だと思うよ」
見崎『……その冗談が本当でも、きっと悲しむことになるから』
ブツッ
中庭
ゴオッ! ボウボウ……
高田「……鳴ちゃん」
見崎「高田君、来ちゃダメって言ったのに」カラカラ
高田「おおむね理解は出来たよ」
怜子「た、高田君……助けてっ……」
高田「三神……いえ、怜子さん。あなたが……」
見崎「ずっと引っかかってたの。三神先生を見てると、目に浮かんでくる光景がある。男の人と女の人がもつれあう姿」
見崎「川に落ちていく女の人、それをうすら笑いすら浮かべて見やっている男の人」
見崎「もっとも、証拠はない。そんな事件があったっていうことも、消えちゃっているみたい」
見崎「けれど、この目は確かに知っているの。信じて、高田君」
怜子「そんなこと信じられるわけがないじゃないっ、高田君……!」
見崎「……」グッ
高田「そのツルハシを僕に渡してくれ。もしそれを振りおろしてしまったら、君が苦しむ」
高田「何より、僕は君のことを、信じたうえで恨んでしまうかもしれない」
見崎「……」スッ
高田「……」グッ
怜子「やめて、お願い……」ジッ
ゴオォォォ……
高田「今思いだせたよ。その死を受け止めきれないまま、僕はずっと適当に生きてきた」
高田「そして忘れてしまった時も、喉につかえるものがありながら、この性格のせいでなおざりにしてきた」
高田「でも、今は確かに思い出せている。そしてこの今と向き合わなければいけない」
高田「やっぱりしっかりと責任は取らないといけないみたいだ」グッ
怜子「っ!」
高田「ごめん、怜子さん。ちゃんとした形で、今までこの言葉を言えなくて」グアッ
ガシャァンッ!
高田「……さよなら」ブンッ
見崎(生徒による傷害も取り上げられるべきだったのだろうけれど、署の職員に元3組の人がいたおかげで取り調べだけで済んだ)
見崎(現象の効果はすさまじく、死に深くかかわった私と高田君以外はみんな三神先生にまつわることを全て忘れてしまった)
見崎(写真も、名簿も。思慕を寄せていたらしい望月君だって、例外ではない)
見崎(災厄を止めたことだけはハッキリしているので、高田君はちょっとしたヒーローとして扱われている)
見崎(もっともあの夜の記憶は残っているから、いまだ距離を置いている生徒も何人かいるのだけど)
高田「ゆかりちゃん風でスカートめくれたんだって? スカート履いてて良かったねえ」
桜木「もうっ、何言ってるんですかっ!」
高田「いっそスカート履かなければいいんじゃない? パンツだけになっちゃうけど」
勅使河原「ははっ、そりゃいいや。わざわざ抑える必要もなくなるしなぁ」
高田「アレの日なんかは注意が必要だけどね」
望月「まったく……」
見崎(高田君は、教室ではあの夜のことをうかがわせる顔は見せていない)
前島「前島だよ」
高田「知ってるよ。怪我はもういいの?」
前島「ああ、傷口はまだうずくけどな」
有田「よかったわね。そういえば、杉浦さんはどうだった?」
和久井「風見君も……」
前島「怪我は両方治ってるらしいけど……色々とあるみたいでな」
高田「今度僕がナース服で御見舞いにいこうかな」
王子「きっついなぁ……」
勅使河原「じゃあ望月ならどうだ?」
柿沼「それは個人的にも見てみたい……」ジロリ
望月「え!? なんでみんな見てるのさっ!」
高田「ほら、どうぞ」ヒョイッ ムニッ
小椋「う、うわっ!? どこ触ってんのよ!?」
高田「胸だけど? いくらなんでもわかるよぉ」
小椋「ていうかあんたが取ればいい話でしょ!」ドキドキ
多々良「高田君って、黙ってればカッコいいのにね……」
藤巻「え、あんた頭おかしくなった?」
江藤「いやあ、まあ顔は良いと思うよ。でもそんな感情を抱くこと自体……」
多々良「えっ? えっ?」
高田「常に元気で困っちゃって困っちゃって。収めてほしいところだな」
綾野『あはは、またわけわかんないこと言ってる』クスクス
高田「そっちはどう? ボーイフレンドは? ま、僕以上にカッコいい人なんてそうそういないだろうけど」
綾野『じゅんじっちゃんくらいの人は中々ねー、カッコいいけど面白い人ならいるんだけど』
高田「ええ、なにそれぇ、僕はどっちにも該当しないと?」
綾野『えへへっ』
高田「赤沢さんお赤飯でも食べた?」
赤沢「……誰のせいでこんなに怒る必要があるのかしら」ビッショリ
高田「Eカップある人はTシャツに水ぶっかけて着なきゃ駄目だよ」
赤沢「……」ワナワナ
中尾「……高田、殴られるなら俺も混ぜてくれ」
高田「そう? じゃあ代わりによろしく」スタスタ
赤沢「待てこらテキトーヤロー!」
桜木「あ、赤沢さん、せめて長袖着てっ」
見崎「……」
高田「……」
見崎「今日も、いるんだ」
高田「忘れないようにね」
見崎「どう? やっぱり後悔してない?」
高田「全部わかってるつもりでやったからね。その辺のことは全く。けれど、なんだろうな、思い出すたび悲しくなる」
高田「泣けはしないんだよね。でも処理しきれない途方もない感情があるんだ」
高田「僕には母親がいないからさ、ちょっとした母親代わりを得た期間だったわけだよ、怜子さんと過ごした時間って」
高田「だけどそれが、あんな酷い形で終わることになるなんて、とか、良い所を探しても、それもやがて忘れていくんだろうな、とか」
高田「死んだこと自体は、自分で始末をつけたわけだから納得してるんだけど」
高田「怜子さんが生きていた時間は上手く処理できないまま残ってる。そして処理できないものがやがて消えていく」
高田「それはそれですっきりするんだろうけど、それを想像しただけでも、悲しい」
見崎「……」
高田「しゃべりすぎだね、僕。しゃべってないと寝ちゃうタイプだからさ」
高田「へえ、誰?」
見崎「忘れた」
高田「あらら」
見崎「でも、そんな風に今を送りながら折り合いをつけていく余地が与えられているはずなのに、それさえ出来ないのは……」
高田「……」
見崎「泣きたい時は、泣けば良いと思うわ」
高田「僕はハリウッドを目指してるんだ、涙くらいコントロール出来ないと駄目だよ、うん」
見崎「適当の適は適材適所の適でもあるわ。今は涙を流すのに適当な時じゃないの?」
高田「あらら、一本取られた」
高田「……でも涙が出てこないからやっぱり泣かない」
見崎「……そう」
・
・
・
・
「僕の中学校の頃に可愛くておっぱいの大きい子がいたのよ、モテモテでさ」
「僕も好きだった、けれどそっけなくあしらわれてね、でも今僕が独身ならきっと付き合ってくれると思うよ」
「向こうも60で可愛くなくなってるだろうしおっぱいも萎びれてるだろうけど」
「あはは、ひどーい」
ハハハハハ……
「おっぱいの大きい子はおっぱいしか覚えてないでしょ? 可愛い子は顔しか覚えてない」
「その二つがそろってやっと僕は人間のことを覚えるのよ」
「えー、じゃあ私は顔だけー?」
「えっと、ごめん、見たことない顔だね」
ハハハハハ……
「御苦労さま。ファンレターか、これくらいの女の子持ってきてくれればいいのにねえ」
「これだけはファンレターじゃないのね。ん、この名前……」
『天も地もすっかり春のよそおいをこらしてきましたが、ますますご健勝のことと存じます』
『高田君が一年だけ夜見山の地にお住まいになり、卒業して東京にお戻りになって以来、五十年の月日が流れました』
『芳しくない思い出もあるとはいえ、きっと忘れられない思い出も多いかと存じますが、いかがでしょうか』
『この春も夜見山北中学から多くの卒業生が送り出されました。もちろん、あの三組からも、です』
『今年の卒業生は三十五名、進級した当初揃った全員が無事卒業したそうです。いつしかあの災厄は、無くなったと聞きました』
『こんな話題を持ち出したのは、このたび同窓会を開催することをご報告いたしますためです。開催日は高田君の転校してきた五月と決まりました』
『近頃は大変ご活躍になっているので、ご多忙かとは存じます。ですが、皆が高田君のことを心待ちにしています』
『長々とした文章をご覧に入れてお時間をとってしまうのも心苦しいので、筆を擱きます。良い返事をお待ちしております』
『三年三組卒業生 見崎鳴』
「ねえ、スケジュール見せてくれる? あ、開いてるね。この日ちょっと東京出るよ」
「ちょっとね、それじゃここだけは何も入れないで。よろしく」
END
ネタから展開から、考えるのも一苦労でしたけど、参考のためにコントや名言集をちょこっと見るだけでも笑えたことは楽しいひと時でした
ここまで付き合ってくれた方々、ありがとうございました。それから高田純次様、これからもがんばってください
おもしろかった!
良かった
あかざーさんはセーフだったのか
Entry ⇒ 2012.04.27 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
佐藤「さかきばらくんはわたしのもの」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333419831/
―― 3年3組 教室 ――
恒一「東京からやってきた榊原恒一です。よろしくお願いします!」
女性陣「///」
佐藤「・・・・・・」
久保寺「・・・では、榊原くんは空いている佐藤さんの隣の席に座ってください」
恒一「あっ、はい」
恒一「えっと、佐藤さん・・・だよね? これからよろしくね(ニコッ)」
佐藤「・・・よろしく」
恒一「あ、うん。今のところは大丈夫だよ。心配してくれてありがとう♪」
赤沢「そ・・・そう//」
有田「ところで榊原くんってイケメンだよね〜! 東京でもモテたでしょ?」
恒一「そ・・そんなことないよ//」
有田「じゃあお近づきの印に、放課後にでも私と一発ヤっちゃう!?」
恒一「ヤっちゃわないよ(苦笑)」
赤沢「ちょっと有田さん!初対面なのにいきなり下品なこと言わないの!」
有田「でへへ//」
江藤「あれ、佐藤、どうかしたのか?」
佐藤「・・・ちょっとトイレ」
渡辺「じゃあ私も付き合うとしよう」
江藤「じゃ私も行くわ〜」
綾野「おやおや、こういっちゃんはあぁいう子が好みなのかな?」
恒一「いっ・・いや// せっかく席が隣同士だから仲良くなりたいしね」
桜木「佐藤さんは・・・そうですね〜。どちらかというと大人しい人ですね」
有田「ん〜・・・ちょっと何考えてるか分からない時があるよね〜」
赤沢「ま、江藤さんや渡辺さんが彼女と仲が良いみたいね。気になるなら彼女たちに聞いてみたら?」
恒一「なるほど、そうしてみるよ!」
ジャ〜〜 バタン
江藤「ふぅ〜、すっきりしたぁ!」
渡辺「・・・ところで佐藤、何かあったの?」
佐藤「・・・転校生」
江藤「あー榊原ってやつ? 男のくせにちょっとナヨっちいよな〜」
渡辺「ふふっ、江藤は相変わらずバッサリ切るな」
江藤「ま・・まぁでも見た目は悪くはないけどな//」
江藤・渡辺「「えっ?」」
佐藤「わたし・・・さかきばらくんとむすばれる運命にあるとおもうの」
江藤「えっ・・・えぇ〜〜〜〜!??」
渡辺「おや・・・これは面白いことになってきたな(笑)どうしてそう思ったんだい?」
江藤「何となくかよ! でっ・・・でもまぁ、ここは親友として応援させてもらうぜ!」
渡辺「そうだね。佐藤が男に興味を持つなんて初めてのことだしね」
渡辺「ふふっ・・・それにちょっと面白いことになりそうだしね(チラッ)」
江藤「(?)」
佐藤「・・・ありがとうふたりとも」
江藤・渡辺「(?)」
桜木「ちょっと榊原くんからお話があるみたいですよ?」
江藤「さっ・・・榊原が私にっ!?」
渡辺「ふむ・・・ありがとう、桜木さん。榊原くんのところに顔を出しておくよ」
桜木「はいっ(ニコッ)」
恒一「あっ、江藤さん、渡辺さん!ちょっと良いかな?」
江藤「な・・・何だ? 転校生」
渡辺「(・・・さん付けだとフルネームで呼ばれてる気がしてちょっと落ち着かないんだよな)」
恒一「ちょっと佐藤さんのことについて教えてほしいんだ」
渡辺「佐藤の? ・・・ふむ」
江藤「まっ・・・まさかお前、佐藤に気があるのか!?」
江藤「な・・何だそういうことか・・」
渡辺「ふふっ。佐藤は・・・そうだな、まぁクラスの中では大人しい部類に入るだろうね」
恒一「あっ、それはもう聞いたよ」
渡辺「そうか。・・・あとはそうだな、ネコ好きだね」
恒一「ネコ?」
渡辺「ふふっ、そうだね。・・・良い機会だし、今度の日曜にでも佐藤と遊んできてはどうだい?」
江藤「・・・それって、でっ・・・デートか!?」
渡辺「ま・・そうなるかもね」
恒一「でっ・・・でも、僕なんかと本当にデートしてくれるのかな?」
佐藤「!!・・・デート・・・いく・・・!!」
渡辺「ちょうど良かった。じゃ佐藤、そういうことだから今度の日曜空けておくようにね?」
恒一「よろしくね、佐藤さん(ニコッ)」
佐藤「(コクッ)」
江藤「あんまり佐藤にちょっかい出すんじゃねーぞ、転校生!」
渡辺「ふふっ」
渡辺「良かったね、佐藤。これで榊原くんとの距離が縮まるかもしれないね」
佐藤「・・・うんっ」
江藤「そういや、デートに行くなら服ぐらい用意しといた方がいいんじゃないのか?」
渡辺「おぉ、江藤にしては良いこと言うね」
江藤「私にしてはってどういう意味だ!!」
渡辺「で、佐藤。服はどんなの持ってるんだ?」
佐藤「・・・ジャージ」
渡辺「ほっ・・他にはないのか?」
佐藤「・・・パジャマとか・・・着ぐるみとか・・・」
江藤「まっ、私も家じゃほとんどジャージだけどな!」
渡辺「・・・オホンッ。明日土曜だし、3人で服を買いに行かないか?」
江藤「ま、そうなるわな」
佐藤「・・・わたしはふだんぎでも」
渡辺「・・・おいおい、好きな男とデートに行くんだからちょっとぐらい洒落ておかないと相手に失礼だよ?」
江藤「私も欲しい靴とかあったし、せっかくだから行っとこうぜ!」
佐藤「・・・わかった」
江藤「おおっ、服がたくさんあるな!」
佐藤「・・・かわいい着ぐるみあるかな?」
渡辺「(・・・さすがに二人ともジャージは浮くから、制服でこさせて正解だったな・・・)」
渡辺「おぉ、桜木さんか!(・・・桜木さんの私服は中々いけているな)」
佐藤「(ペコッ)」
江藤「よぉ桜木!お前も服買いにきたのか?」
桜木「えぇそうなんですよ(ニコッ)今、季節品が安いらしいですから♪」
渡辺「ちょうど良かった、桜木さん。この二人に服を見繕ってやってくれないか?」
桜木「私で良いんですか? それなら喜んで♪」
渡辺「(・・・これで明日のデートは何とかなりそうだな)」
恒一「佐藤さーん、もうきてたんだね! もしかして待たせちゃった?」
佐藤「あなたを待たせちゃいけないから・・・」
恒一「あっ・・・ありがと// ところで佐藤さん、その服とても良く似合ってるね!」
佐藤「そ・・・そう・・・?」
恒一「うん! 佐藤さんって清楚なイメージがあったから、白のワンピースがとても似合うよ!」
恒一「ありがとう//」
恒一「(佐藤さん・・・確かに服は似合ってるけど・・・白だから下着が透けて見えてる//)」
佐藤「(?)・・・どうかしたの?」
恒一「な・・・なんでもないよ// じゃ行こうか?」
佐藤「・・・うん!」
渡辺「・・・下着が透けて見えるのは誤算だったな。いや・・・ある意味ラッキーというべきか・・」
江藤「榊原のやろう・・佐藤をエロい目で見やがって・・」
渡辺「まぁまぁ、男だから仕方ないだろう。それに、うまくいけば榊原くんが欲情して佐藤を押し倒す・・・なんてことも」
江藤「おっ押し倒す!? 佐藤が榊原にれ・・れいぷされちゃうのか!?」
渡辺「ま、あくまで予想だよ。というか何で江藤が焦っているんだ?」
江藤「べっ・・・別に私は焦ってなんか・・・! 佐藤が榊原に汚されないか心配なだけだ!」
渡辺「ふふっ。あ、早くしないと二人とも行ってしまうよ!」
江藤「わっ分かった!」
――――
『・・・きっとまた猫の事務所の扉は開くだろう!その時までしばしの別れ!!! 』
『さよなら! ありがとーーーーーーー!! バロン!トトさん!・・ムタさんもねー!!!』
・
・
・
恒一「良い映画だったね」
佐藤「うん・・・バロン・・・かっこよかった」
恒一「あはは、僕なんかじゃ敵わないな(苦笑)」
佐藤「でも・・・さかきばらくんの方がかっこいいよ」
恒一「そっ・・そんなこと無いと思うけど// でも・・・ありがと・・//」
渡辺「はいはい、これで涙拭きなさい」
渡辺「それにしても良い雰囲気だったね。ちゃんと佐藤のエスコートも出来ているし、案外良い男かもしれないね?榊原くんは」
江藤「・・・まさか渡辺、榊原に気があるんじゃないだろうなー・・・?」
渡辺「なっ・・何を馬鹿なことを!? ほっ・・ほら、二人とも行ってしまうから早く出よう!」
江藤「・・・はいはい」
恒一「お昼どうしよっか。 佐藤さんは何か食べたいものとかある?」
佐藤「さかきばらくん」
恒一「・・・えっ!?」
佐藤「たべたい」
恒一「そ・・それは反応に困るな// ま・・まぁ無難にファミレスにでも寄ろうか」
佐藤「・・・うん」
・
・
恒一「(料理食べている時の佐藤さん・・・無邪気でかわいいなぁ//)」
佐藤「さかきばらくん」
恒一「どっどうしたの?」
佐藤「たべさせてあげる」
恒一「えっ・・・さすがにそれは恥ずかしいと言うか・・・//」
佐藤「・・・そう(シュン)」
佐藤「・・・うんっ。口・・・あけて?」
恒一「う・・・うん・・・//」
佐藤「おいしい?」
恒一「おいしいよ//」
佐藤「・・・よろこんでくれてよかった(ニコッ)」
恒一「(かっ・・・かわいい//)」
江藤「まーな。あんな目で見られたら男は大抵落ちそうだな」
恒一「それじゃこれからどうする?」
佐藤「ネコ喫茶・・・いってみたい」
恒一「分かった、じゃひとまず出ようか」
江藤「なんか私飽きてきたなー・・・そろそろ帰らねー?」
渡辺「そうだな・・・もう二人とも随分仲良くなってるみたいだし・・・これ以上は野暮かもね」
江藤「だなー。じゃ帰るかー」
ナンパ男A「よぉそこの姉ちゃん!そんなひょろい男とくっついてないで俺たちと一緒に遊ばねー?」
佐藤「あなたたちは・・・興味ない」
ナンパ男B「まぁそう言うなって、一緒に遊ぼうぜ!??」
佐藤「・・・いや!」
恒一「ちょっと・・・やめてくれますか? 彼女嫌がってるじゃないですか!!」
ナンパ男A「あぁ? 男には興味ねーよ。おっ、それより見てみろよこの女のケツ!」
ナンパ男B「うおっエッロ! スカートんとこパンツが浮き出てるじゃねえか!!」
ナンパ男A「大人しそうな面して男誘ってるんじゃねーの? へっへっへ」
恒一「・・・ボソッ(佐藤さん・・・合図したら走って!)」
佐藤「・・・!(コクッ)」
ナンパ男B「何二人で内緒話してんの?俺たちも混ぜてくれよ」
恒一「・・・佐藤さんいくよ!」
佐藤「・・・うんっ」
タッタッタッ
ナンパ男A「ちっ・・・逃げられちまったか」
ナンパ男B「まぁそう慌てなさんなって。次のカモでも探しに行こうぜ」
佐藤「・・・だいじょうぶ?さかきばらくん」
恒一「ごっ・・・ごめんね。久しぶりに走ったから・・・ちょっと・・・ね・・・」
佐藤「・・・たすけてくれてありがとう」
恒一「う、うん。それより佐藤さんが無事で良かったよ・・・(ニコッ)」
佐藤「・・・」
恒一「えっ?」
佐藤「・・・わたしのスカートが透けてたこと」
恒一「あっ・・・うん・・・ごめんね、早く教えるべきだったよね・・・」
佐藤「・・・ううん。さかきばらくんになら見られても平気だから・・・それに・・・知ってたから」
恒一「えっ・・・?」
佐藤「さくらぎさんに、『ワンピースを着る時は下になにか重ねて履いたほうがいいよ』って言われてたから・・・」
恒一「そっ・・そうなんだ。 って・・・ここは・・・」
佐藤「・・・いいよ」
恒一「え・・・?」
佐藤「さかきばらくんと・・・したいの」
恒一「佐藤・・・さん・・・」
江藤「はっ・・・離せこのやろーー!!!」
渡辺「やっやめろ・・・!!!」
―――
恒一「こっ・・・この声は・・・!?」
佐藤「ゆうちゃん・・・?さんちゃん・・・!?」
恒一「佐藤さんはここに居て!!(ダダダッ)」
佐藤「えっ・・・!?」
ナンパ男A「へっへっへ、大声出すんじゃねえよ! (ベリベリ)・・・これでよしっと。大人しくしてたらすぐ終わるからよ?」
ナンパ男B「こいつは上玉だな! うまそうだ・・・げへへ」
江藤・渡辺「んんんーー!!!??」
ナンパ男A「俺はこっちのショートカットな!」
ナンパ男B「じゃ俺はこっちの姉ちゃんいっとくか!」
ナンパ男A「うほっ、身長の割にたまんねーケツだな! クンカクンカ・・・あぁ・・・小便くせぇ白パンツも最高だなぁ譲ちゃん♪ 」
江藤「んーーーー!!!(やめろー!!!)」
ナンパ男B「(ビリッ)おっ、こっちは中々の乳だぜ! おほっ柔らけぇー♪ 甘ったるいメスの匂いがたまんねぇなぁ♪」
ナンパ男B「 こっちも邪魔なスカートを脱がせてっと。・・・っておい、こいつもうパンツが湿ってやがるぜ! 胸触られただけで発情しちまったか(笑)」
渡辺「・・・(涙)」
ナンパ男A「あぁ?ってまたさっきのガキかよ!今良いところなんだから邪魔すんな!!」
ナンパ男B「今なら見なかったことにしてやるが・・・もし邪魔するってんなら・・・ただじゃおかねぇぜ?」
恒一「・・・」
江藤・渡辺「んーーー!!(助けて!!)」
恒一「・・・その子たちを離せよ」
ナンパ男A「はっ・・・命知らずなガキだな。ってこいつ足が震えてるじゃねーか(笑)」
ナンパ男B「ちっ・・・さっさと片して続きしよーぜ?」
・
・
佐藤「・・・(ベリベリ)」
江藤「・・・ぷはっ!佐藤!?」
佐藤「しっ! ヒソヒソ(・・・はやく服を着て)」
渡辺「ヒソヒソ(助けてくれてありがとう、佐藤)」
江藤「ヒソヒソ(でもまだ榊原が・・・)」
佐藤「・・・(心配そうな顔)」
渡辺「ヒソヒソ(ひとまず助けを呼びに行こう!)」
・
・
ナンパ男A「へっ、所詮ガキだな!」
ナンパ男B「ちっ意外としぶとかったな。あーあ、つまんねぇ時間使っちまったぜ」
恒一「・・・(ニヤッ)」
ナンパ男A「・・・っ!そんなぼろぼろの状態で何笑ってやがる! 殴られすぎて頭でもイかれちまったか!?」
ナンパ男B「・・・!!おい!!女が居なくなってるぞ!!?」
ナンパ男A「なんだと・・・!?」
江藤「こっちに榊原が!!!」
警察「おいお前たち!何やってる!!」
ナンパ男A「げっ・・・やべぇ・・・ずらかるぞ!!」
ナンパ男B「お・・・おう!・・・って動けねぇ!?」
恒一「・・・逃がすかよ」
ナンパ男A「くそっ!こいつまだこんな力が・・・!」
警察「さぁお前たち観念しろ!!!」
・
・
江藤「だっ・・・大丈夫か、榊原!?」
渡辺「・・・わざわざ私たちの為に・・・」
恒一「あ・・はは・・・さすがにちょっと・・・疲れちゃった・・かな・・・。・・・」
江藤・渡辺「「さ・・榊原(くん)!??」」
佐藤「・・・だいじょうぶ、気を失ってるだけ。・・・びょういんまでつれていこう」
恒一「んっ・・・こ・・・ここは・・・?」
佐藤「・・・びょういんだよ」
恒一「あっ・・・佐藤さん」
佐藤「・・・まだ寝てなきゃだめ」
恒一「江藤さんと渡辺さんは・・・?」
佐藤「・・・けいさつで事情をきかれたあと、家にかえったよ」
恒一「そっか・・・皆無事でよかった・・・」
恒一「えっ・・・?」
佐藤「あなたが・・・ぶじじゃない!!(ポロポロ)」
恒一「・・・佐藤さん・・・? ・・・泣いてるの?」
佐藤「・・・泣いてなんかない! おねがいだから・・・もう無茶なこと・・・しないで・・・」
恒一「・・・」
佐藤「あなたは・・・わたしのものなんだから・・・」
佐藤「・・・(ゴソゴソ)」
恒一「ちょっ・・・佐藤さん!? 何服脱いでるの!? ・・って布団に入りこんできてるし!?」
佐藤「・・・さっきのつづき」
恒一「・・・さっきのって?・・・あっ」
佐藤「・・・(グイッ)」
佐藤「(むちゅっ・・・れろれろ・・・ぴちゃっ・・・)」
恒一「・・・むぐむぐ(し・・・舌が絡まって・・・さ・・佐藤さんの唾液・・・甘い・・・// ま・・まずいっ・・・アレが!!)」
佐藤「ぷはっ・・・。(サワサワ)さかきばらくんの・・・おおきくなってる・・・かわいい。つぎは・・・」
恒一「佐藤さん・・!? ・・・まさかっ//」
佐藤「・・・つぎはどうやるの?」
恒一「(ガクッ)さ・・・佐藤さん・・・一応ここは病院だから・・・ね?」
佐藤「・・・うん」
水野「ドキドキ(・・・って本番やらないんかいっ!?)」
水野「し・・失礼するわね〜、気分はどう?恒一くん」
恒一「あっ、水野さん。ええ、おかげさまで大分痛みがひきました」
佐藤「・・・しりあいなの?」
恒一「うん。前に気胸で入院してた時に、とてもお世話になった看護師さんだよ!」
水野「ふっふっふっ、もっと感謝してくれたまえ// ところであなたは恒一くんのクラスメイトなのかな?」
佐藤「・・・つまのさとうかずえです」
水野「ぷっ! 面白いわね〜あなた。でも恒一くんは私と結婚することになってるのよ?」
佐藤「・・・(ジロッ)」
恒一「ちょ・・・ちょっと水野さん!? あまりからかわないで下さいよ・・・//」
水野「ふふっ。ところで恒一くん、女の子たちを守るのに随分無茶したんだって?」
恒一「・・・はい。あの時はもう必死で・・・」
水野「んー、結果的には解決したみたいだけど、体もあまり丈夫じゃないんだし・・・これからはあまり無茶しないようにね?」
恒一「はい・・・(シュン)」
佐藤「・・・さかきばらくんをいじめていいのはわたしだけなの(ムスッ)」
水野「あらっ、これは失礼(クスッ)じゃ、私はひとまず退散するわね」
恒一「あっ、あの、水野さん!」
水野「ん?」
恒一「その・・・いつもありがとうございます(ニコッ)」
水野「うっ・・うん、気にしないで//」
・
・
コンコン
江藤「さっ・・・榊原っ、お見舞いにきてやったぜ!//」
渡辺「かっ・・・体はもう大丈夫なのかい?//」
恒一「あ、二人とも来てくれたんだ! ・・・って、もう大丈夫なの? その・・・さっきは怖かった・・よね・・・?」
江藤「・・・そりゃ怖かったよ!変態に尻の匂いかがれるし!!」
渡辺「わっ私も・・・胸をもみしだかれて・・・さすがに怖かったよ・・・」
江藤・渡辺「「・・・でも」」
江藤「こ・・・今度お礼するからさ・・・私にできることがあったら何でも言ってくれ//」
渡辺「わたしも・・・できる限りのことはさせてもらうよ//」
佐藤「・・・さかきばらくんにはわたしがいるからだいじょうぶなの(ダキッ)」
恒一「さっ佐藤さん・・・!?//」
江藤・渡辺「「さ・・・佐藤!?(汗)」」
江藤「そ・・・そうだよな・・・ごっごめん)」
渡辺「さ・・・さすがに私も空気読めてなかったな・・。佐藤の気持ちも考えず・・・すまない」
恒一「いや・・・そこは否定してもいいはずなんだけど・・・(汗)」
佐藤「・・・つまはわたし。でもゆうちゃんとさんちゃんなら・・・おめかけさんにしてあげてもいいよ」
江藤・渡辺「「へっ・・!?」」
江藤「!? ・・・さ・か・き・ば・ら〜〜〜〜〜!!!」
渡辺「はぁ・・・こんなところで獣になるなんて・・・見損なったよ、榊原くん」
恒一「いっ・・いや・・・これは・・その・・・(汗)」
佐藤「ゆうちゃん、さんちゃん、やり方・・・わからないから一緒におしえて?」
江藤・渡辺「!!!」
江藤「なっ・・・まっ・・・まぁそういうことなら・・・//(スルスル)」
渡辺「さっ佐藤の頼みなら・・・しっ・・・仕方ないな//(スルスル)」
恒一「えっ江藤さん?渡辺さん!?なんでっ・・・!?(汗) って・・・もう二人とも服脱いでるし!//」
渡辺「かっ・・・体なら家で綺麗にしてきたから・・・ね・・・?//」
佐藤「・・・それじゃ、みんなでさかきばらくんをたべよう」
江藤「いっ・・・痛くするなよ?//」
渡辺「はっ・・・初めてだから優しくしてくれると助かる//」
恒一「いっ・・痛くするなって・・・ぼ・・・僕ケガ人なんですけど・・・(汗)」
佐藤「もんどうむよう。つまのいうことはぜったいなの。・・・それじゃ」
佐藤・江藤・渡辺「「「いただきまーす!」」」
恒一「ちょっ待っt・・・あぁぁぁぁ///」
水野「(はぁ・・はぁ・・青春っていいわね・・・//)クチュッ」
終わり
目立たないモブなので中々イメージが付きにくかったかもしれませんが・・・
次回があれば綾野さんか長編の無人島ハーレムを書こうと思うのでよろしくお願いします
乙!
Entry ⇒ 2012.04.26 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
恒一「毎月誰かが・・・恋に落ちる?」 赤沢「ええ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334379319/
勅使河原「まあ無理も無いよな。赤沢、説明してやって」
赤沢「今私達が把握してるのは、今のところゆかりと久保寺先生ね。他にも誰かいるかもしれない」
恒一「他にも?」
赤沢「3年3組の生徒、先生ならびにその親族までがこの呪いの対象となっているの」
恒一(呪い・・・なのかなぁ)
勅使河原「まったく、しっかりしてくださいよ対策係ぃ。全然止められてないじゃん」
赤沢「くっ・・・!確かに無能の謗りを受けても仕方が無いわ」
榊原「対策係って、その現象を止める必要はあるの?」
赤沢「私達はまだ中学3年生よ!受験も控えてるのに不純異性交遊なんてもってのほかだわ!」
勅使河原「くっくっくっ、まあこういうこった」
赤沢「異性とのお付き合いっていうのは成人を迎えてからでしょう!」
恒一「古風なんだね・・・」
恒一「桜木さんって、階段での事故の時の話?」
勅使河原「知ってるのか?」
恒一「テストが終わったあと廊下にいたら、桜木さんが出てきて急いで走っていったんだ」
赤沢「それで?」
恒一「階段の方で大きな音がしたから見に行ったんだけど、ある人に抱きかかえられて猛スピードで保健室に行っちゃった」
赤沢「ある人って言うのは誰?知ってる人?」
恒一「言っていいのかな・・・えーと、風見くん」
赤沢「!!」
勅使河原「ぶわっはっはっは!クラス委員同士たぁねぇ」
恒一「桜木さんの方は捻挫ですんだみたいでよかったね」
勅使河原「不幸中の幸いだな。だけどなんでそんなに急いでたんだ?」
恒一「両親の結婚記念日のプレゼントを買い忘れてたんだって」
赤沢「初耳ね。看護婦さんだったっけ」
榊原「うん、この前赤沢さん達に呼び出されたとき―――
恒一「見崎さんと仲良くするなって、どういうこ・・・あ、電話」
水野『もしもし、恒一くん?今大丈夫?』
恒一「水野さん?どうしたんですか?」
水野『この前借りた本読み終わったんだけど、今度取りにこれる?』
恒一「はい、わかりました。僕のほうはいつでも」
水野『そ・・・ね・・明日はひば・・・から、あさ・・・』
恒一「もしもし?電波悪いですよ?」
水野「あ・ごめ・・・今エレベ・・・あっ』
恒一「もしもし?」
『み、水・・さん!折り入・・・話があり・・・!』
水野『ご、ごめ、こうい・・・ん、ま、かけ直・・・」プツッ
恒一「お互い一目惚れで、読書好きって共通点もあったみたい」
勅使河原「水野のヤツ、何も言ってなかったよな」
赤沢「成人同士のお付き合いにとやかく言うつもりはないわ」
恒一「ところで、”いないもの”って何?」
赤沢「・・・」
勅使河原「あー、それはな」
ガチャ
勅使河原「お、噂をすれば。おーい見崎ー、こっち来いよー」
鳴「・・・」
赤沢「・・・」
恒一(なんか険悪なんだけど・・・)
恒一「それは、えっと・・・」
鳴「大丈夫、コンプレックスとか無いから」
勅使河原「ちょっと外してもらってもいいか?」
鳴「やめとく。ここじゃちょっと」
勅使河原「ん、まあいいや。義眼だって事は知ってるよな?」
恒一「う、うん」
鳴「大丈夫、コンプレックスとか無いから」
勅使河原「実はこの目にはな・・・ほら、見崎」
鳴「・・・見えるの」
恒一「・・・?」
鳴「見えるの。恋の色が」
恒一「は?」
恒一「どういう風に?」
鳴「こう、なんというか淡い光が・・・説明できない」
勅使河原「こんな特殊能力があるもんだから、3組はおろか他のクラスの女子からも相談受けてるんだぜ」
恒一「あー、だから休憩時間いつも教室にいないんだ・・・」
勅使河原「ここまできたら、なんで”いないもの”って呼ばれてるかわかるだろ?」
恒一「赤沢さんだね」
赤沢「不純異性交遊を助長するような人を認めるわけにはいかないでしょ!」
勅使河原「な? 表向きは”恋愛対象としてはいけない”って意味で通ってるけどな」
恒一「どうして?」
勅使河原「学校中の女子からの反発を食らいたいか?ってことさ」
鳴「恋愛もさせてもらえないなんて、不便な体質よね」
勅使河原「なーに、彼氏くらいすぐできるって」
久保寺「皆さんに、ご報告があります」
実はこの度、結婚することになりまして、教員を辞職することになりました。
先日母を亡くしてしまったのですが、その時に力を添えてくれたのが今の奥さんでしてね。
奥さんの実家を継いで、農業を営むことになりました。
いやはや、この年まで独身だったのは恥ずかしい限りですが・・・たはは」
生徒(久保寺先生が笑った・・・!)
久保寺「なおこのクラスの担任は三神先生となります」
鳴「嬉しそうだった」
勅使河原「高林も入院先で出逢いがあったりしてな」
恒一「高林くん、大丈夫なの?」
赤沢「入院期間は少し長くなるけど、命に別状はないそうよ」
恒一「そっか、よかった」
勅使河原「さて、俺らが知ってるのはこのくらいか」
鳴「あ」
鳴「そういえばこの前、3組の人から相談を受けたの」
赤沢「・・・」
勅使河原「いつものことじゃね?」
鳴「それが男子からだとしても?」
勅使河原「へえ、そりゃ珍しい。誰だ?」
鳴「言っていいのかな」
勅使河原「大丈夫大丈夫、冷やかすために聞いてるんじゃないから。な?対策係さん」
赤沢「・・・」
鳴「・・・うーん、勅使河原くん、耳貸して」
勅使河原「お?おお」
鳴「・・・・・・」
勅使河原「和久井ィ!?」
恒一・赤沢「えっ!?」
勅使河原「だ、だってよ、和久井ってあの和久井だぜ?あんな大人しいやつが・・・?」
恒一「でも温厚で優しそうだよね」
赤沢「相手は誰?」
鳴「・・・わからない。「やっぱりいいや」って言ってどこか行っちゃった」
赤沢「何故その目で確認しなかったの?」
鳴「興味だけで人の心を覗いたりしないから」
赤沢「くっ・・・」
勅使河原「はいはい二人ともそこまで。今日はこのくらいにしとこうぜ」
恒一「そういえば、金木さんと松井さんもすごく仲が良いけど」
勅使河原「ああ、ありゃ1年のときからだ。不可侵領域だよ」
赤沢「ど、同姓で恋愛とか・・・はしたない、はしたないわ・・・」
鳴「じゃ、私帰るから」
恒一(和久井くんか・・・そういえばあの時)
和久井「あ、綾野さん・・・どこか出かけるの?」
綾野「うん、本屋とか買い物とか。一緒に行く?なーんてねー」
和久井「いや、僕もう帰るところだから・・・」
綾野「よそよそしいなぁ。席が隣同士の仲じゃんかー」
和久井「あは、あはは・・・あっ、危ない!」ガバッ
綾野「え?きゃっ!」
ガシャーン!
綾野「・・・ひゃー・・・ビビった」
和久井「大丈夫?け、けがしてない?」
綾野「うん、大丈夫・・・ありがと」
恒一「今なんかすごい音が・・・わっ、ガラスが。って、綾野さんと和久井くん?」
綾野「・・・おー、こういっちゃん、奇遇ですなぁ~」
勅使河原「どした?」
恒一「ううん、なんでも。そういえばなんで僕も一瞬だけ”いないもの”にされたの?」
赤沢「牽制のつもりだったの」
恒一「牽制?」
赤沢「優しいし誰とでも仲良く接するし・・・まあ、男前な方じゃない?世間一般的に見て」
勅使河原「なら俺も認定されててもおかしくなかったってことか」
赤沢「ごめんなさい」
恒一「ううん、いいよ。そういう理由だったらあまり悪い気はしないっていうか」
勅使河原「なら俺も認定されててもおかしくなかったってことか」
赤沢「今日は帰りましょう。なにかあったら連絡よろしく」
恒一「うん、わかった」
勅使河原「なんで無視なの?」
恒一「桜木さん?どうしたの?」
桜木「じ、実は私・・・本当は榊原くんのことが・・・」
恒一「えっ!?えええ?いや、ちょっと・・・」
水野「私も好きよ!恒一くん!」
恒一「水野さん!?どこから!?」
水野「あなたが大学生、いやせめて高校生くらいだったら私は・・・!」
??「そうよ!若すぎるのよ!」
恒一「どなたですか!?」
??「はじめまして!久保寺紹二の妻です!」
風見「楽しそうだね榊原君。僕も混ざっていいかい?」
恒一「なんで!?」
恒一「・・・なんだよこの夢・・・」
恒一「わっ!・・・もしもし」
父「おお恒一、インド土産は何がいい?」
恒一「別になんでもいいよ」
父「じゃ、カルタ!」
恒一「・・・ジャカルタはインドネシアだよ。そんなことよりもさ、お母さんって昔、モテたりした?」
父「お?昔は父さんもモテてなぁ。学生達からよくラブレターを」
恒一「母さんの話をしてくれる?」
父「聞いたことは無いが、初恋の相手は学校の先生だったとか言っていたな」
恒一(この現象、やっぱり昔からあったのかな)
父「懐かしいなぁ。あれは付き合って2年目だったか、俺は理津子と」
恒一「その話はいいや。じゃあね」
勅使河原「お?もしかして鳴ちゃんとデートかぁ?赤沢がブチギレるぞぉ」
恒一「で?何の話?」
勅使河原「会って話がしたいんだ。一応クラスの話でもあるしな」
恒一「えーと・・・」
赤沢「恒一くん、こっちよ」
恒一「赤沢さん?」
赤沢「勅使河原に呼ばれてきたんでしょ。座ったら?」
恒一「あ、うん。じゃ隣に」
赤沢「どうぞ」
恒一「・・・」
赤沢「・・・」
恒一(隣に座るのとかは気にしないんだ・・・)
赤沢「はい、”友人”の榊原恒一くんです」
智香「あら、いつも優矢くんがお世話になってます。望月優矢の姉です。ご注文は」
赤沢「私と同じのを」
・
・
・
勅使河原「ごめんごめん、遅くなっちまった」
赤沢「・・・」 スッ
勅使河原「え?なんで移動すんの?」
赤沢「あんたと向かい合わせで座りたくないの」
勅使河原「俺、そんなに嫌われてる?」
赤沢「はっきり言われたい?」
勅使河原「いや・・・いいわ」
望月「うん、お姉さんに事情を話してみたんだ。夜見北出身で、3組の噂は知ってたみたい」
勅使河原「そしたら、智香さんからビックリ情報が出てきたんだ」
智香「常連さんで、松永克巳って人がいるんだけど、『松永さんの年は”ある年”だったのか』って聞いてみたの」
松永『あの年の現象は俺が止めたんだ。止めてやったのは後にも先にも俺だけだ!ざまーみろ!』
智香「ですって」
勅使河原「止めようとしてるのはここにもう一人いるけどな」
赤沢「松永という人が現象を止めた・・・そして手がかりをどこかに残した」
勅使河原「でも松永本人の手がかりがなぁ」
赤沢「恒一くん、あなたの身近に同級生がいなかった?」
恒一「あっ」
赤沢「ところで勅使河原、なんであんたは協力してくれるわけ?あんたには現象を止める理由は無いでしょ」
勅使河原「まあ、いつもつるんでる仲じゃん?たまには役に立ってやるよ」
勅使河原「おはよーっす」
望月「おはようございます」
恒一「何その荷物?」
勅使河原「色々とな」
赤沢「お待たせ」
杉浦「おはよう」
中尾「うえぇぇ・・・」
恒一「皆そろったね。・・・中尾くん、大丈夫?」
中尾「楽しみすぎて昨日ほとんど寝てない・・・」
恒一「無理しないで帰ったほうが・・・」
中尾「・・・何言ってんだ、杉浦の水着姿を見るまでは何があっても帰らねぇぞ・・・!」
赤沢「勅使河原は私の車ね」
勅使河原「おっ、おう!」
赤沢「じゃ、行きましょう」
望月「へへ、なんだか楽しみだね」
恒一(望月くん、女子ウケしそうなキャラだよなぁ)
赤沢車 助手席:勅使河原 後:中尾、杉浦
勅使河原「ブツブツ・・・ブツブツ・・・」
中尾「うーん、うーん」
杉浦「中尾、ほんとに大丈夫?」
中尾「うーん・・・じゃあ手を握ってくれ、なんて」
杉浦「手?はい。これでいいの?」 ギュッ
中尾「!! ありがとう。だいぶ良くなったよ」 ニッコリ
勅使河原「ブツブツ・・・ブツブツ・・・」
望月「中尾くん、そんなキャラだったっけ?」
勅使河原「あぢー」
玲子「松永君、急な出迎えで不在みたい」
恒一「時間あいちゃうね。どうしよっか」
勅使河原「よっし!泳ぐか!」
杉浦「夜見山から出てるし、変なことは起きないはずよ」
赤沢「そうね。夏休みなんだし、少しは羽を伸ばさないと」
玲子「せっかく海に来たんだしね」
中尾「行きましょう。海が俺を、いや、皆を待っています」
玲子「中尾くん、そんなキャラだったっけ?」
勅使河原「夏の海ー!」
中尾「俺の海ー!」
勅使河原・中尾「ヒャッホーーーー!!」
恒一「テンション高いなぁ・・・あれ?」
鳴(ヒトデ・・・ヒトデがいなかったらひとでなし・・・クス)
恒一「見崎?」
鳴「っ!・・・榊原、くん?」
恒一「偶然だね。別荘ってこの辺なの?」
鳴「うん」
恒一「そうなんだ。なんで顔赤いの?」
鳴「別に」
中尾「へっへー」
赤沢「やったわねー。ていっ」
中尾「おっと、どこ投げて・・・あ!」
杉浦「アタック!」 バシッ
中尾(杉浦のボールを顔面キャッチ・・・俺は幸せ者だ)
松永「玲子か?携帯に電話したのに。電池切れてないか?」
玲子「えっ?・・・ありゃ」
松永「相変わらずそそっかしいんだな」
玲子「よくここがわかったわね?」
松永「わかったも何も、ここがホテルから一番近い浜辺だからな」
玲子「そういうあなたも変わったわね。すっかりオッサン」
松永「うっせぇ。・・・14年ぶり、か。お互いもうすぐ30歳だ」
玲子「うっさい」
松永「・・・三神、か。まだ結婚してなかったんだな」
玲子「えーえーそうですよ。仕事も忙しいし、すっかり婚期を逃しちゃいましたよーだ」
松永「・・・そこも、お互い様ってか」
玲子「マツも独身なの?」
松永「まあ、な。未だに昔の記憶を引きずっちまってる」
玲子「昔って、なんかあったっけ?」
松永「・・・覚えてないのか?かーー、これだから女ってのは」
恒一「あっ、ボールが・・・」
中尾「まかせろー」
中尾「お、おう」
勅使河原「おいおい、いい所見せようとして失敗かぁ?」
中尾「優しいな・・・俺のことを気遣ってくれるなんて」
勅使河原「結果オーライか」
玲子「うーん・・・降参!15年近く前のことだもん、さすがに記憶がね」
松永「ったく、まあいい。覚えてないのならそれでもかまわん」
勅使河原「・・・杉浦、なんか変じゃね?・・・まさか、溺れてんじゃ」
杉浦「や、やばっ・・・足、足つっ・・・!ゴホッ」
赤沢「多佳子!今助けに・・・!」
中尾「俺が行く!!」
勅使河原「行け中尾!ここでいい所見せ付ければヒーローだぞ!」
中尾「まかせろぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!!!!」
中尾「杉浦!捕まれ!」
勅使河原「お!戻ってきた!」
望月「よかった・・・」
赤沢「はぁ・・・もう」
杉浦「ゲホッ、ゲホッ」
赤沢「多佳子!心配かけないでよ!もう!」
杉浦「ご、ごめん・・・ゲホッ」
中尾「松永さん、救急車を呼んでください!」
杉浦「き、救急車?いや、いいよそこまでしなくても。大丈夫だから」
中尾「馬鹿野郎!杉浦の体にもしもの事があったらどうするんだ!俺も一緒に行くから!」
杉浦「な・・・中尾・・・」
赤沢「・・・・・・・・・・・・」 ガスッ ガスッ
鳴「私の砂山・・・」
勅使河原「教室?」
恒一「うん、松永さんが現象を止める方法を記した物が、教室のどこかにあるって」
勅使河原「うっし、早速赤沢に・・・」
恒一「待って、赤沢さんにはまだ教えたくないんだ」
勅使河原「なんで?」
恒一「赤沢さんさ、海に行った日からずっと機嫌が悪いんだ」
勅使河原「まあ、対策係だった杉浦と中尾があんなことになったらなぁ」
恒一「というわけだから、捜索は僕達だけで行おう」
望月「そうだね。できる限り少人数で」
勅使河原「何か見つかったら赤沢に報告するかぁ」
赤沢「話は全て聞かせてもらったわ!」
一同「のわぁ!!!」
赤沢「対策係を差し置いてなに作戦会議してるのよ。私も参加するわ」
恒一「赤沢さんは?」
勅使河原「集合時間を30分遅く伝えたんだ。俺らだけで話したいこともあるかもしれないしな」
綾野「あれ、テッシーにこういっちゃん。何してんの?」
恒一「綾野さん。まあちょっとね。部活?」
綾野「ううん、先生に報告があって。実は私、転校することになったんだ」
勅使河原「マジかよ!急な話だな。いつ?どこ?」
綾野「それが今日なんだよね。場所はそんなに遠くは無いんだけど」
勅使河原「そっか。しかし夏休み中に転校なんてな」
綾野「ほとんどの人は夏休み明けに報告になっちゃうね」
勅使河原「そうだな。俺らも夏休み中に誰かに会ったら伝えとくぜ」
綾野「お、助かるー!それじゃバイバイ!ちょくちょく遊びに来るからー!」
勅使河原「はぁ、クラスのムードメーカーがいなくなっちまうかぁ」
恒一(和久井くん・・・)
鳴「・・・」
恒一「見崎?なんでここに・・・?」
鳴「美術部員だから、たまにはと思って」
勅使河原「あいたー、こんな日に限ってか・・・」
望月「お待たせ・・・って見崎さん?なんでここに?」
鳴「あなたがそれを聞くの、変じゃない?」
赤沢「あら、皆もう来てたの」
勅使河原「げっ、赤沢もう来た・・・」
赤沢「げっ、とは何よ。早めに着いちゃったと思ったけどもう全員揃っ・・・なんであなたまで」
鳴「またこのメンツ。今からまた皆で海でも行きましょうか?なんてね」
赤沢「この・・・!」
勅使河原「はいそこまで、停戦協定ー。で、見崎は何してたんだ?」
鳴「同じ質問を4回もされるなんて始めてね。あなた達こそ何の用事なの?」
千曳「ん、君は確か三神先生の生徒だったね」
和久井「はい、3年3組の和久井と申します」
千曳「部活かい?」
和久井「いいえ、宿題でちょっと調べたいことがあって」
千曳「ほう、感心だね。そういえば綾野くんも同じクラスか」
和久井「あ、は、はい。そうです」
千曳「転校するという話はもう聞いているかい?」
和久井「えっ?」
千曳「やはりか、夏休み中だから報告もできなかったのだろう。部員が減ってしまうのは残念だ」
和久井「そ、そんな・・・」
千曳「30分ほど前かな、私と三神先生に挨拶を済ませて帰っていったよ」
和久井「・・・失礼しました!」
三神「ひっ、和久井くん?」
和久井「あや、綾野さんが・・・」
三神「綾野さんなら先ほど挨拶に見えたわ。今日中に出発してしまうみたいね」
和久井「今日・・・!」
三神「近いうちに皆に伝える予定だったけど、誰かに聞いたの?」
和久井「さっき、第二図書館で・・・」
三神「ああ、千曳先生、顧問だものね」
和久井「先生!住所はわかりますか!?」
三神「住所?住所録ならあるけど」
和久井「見せてください!・・・・・・ありがとうございました!」
三神「あ、和久井く・・・あらあら、うふふ」
勅使河原「しっ、赤沢に聞こえるぞ」
望月「あっ・・・あれって、夜見山の外だったのに、なんでああなったのかな」
恒一「中尾くん、『杉浦さんの水着を見るまでは帰らない』って言ってたよ」
望月「じゃあ中尾君の片思いだったんだ。でも杉浦さんはどうだったんだろうね」
勅使河原「んー、まあ助けてもらったあとにあんなセリフ言われたら、コロッと落ちちゃうんじゃねえの?」
恒一「現象の力が無くてもね」
勅使河原「あの風見が人一人抱きかかえたってえのも、それも現象の力が成せる技だったのかねぇ」
恒一「風見くん、力ないの?」
勅使河原「ないない。貧弱な体してんぜー?」
望月「火事場の馬鹿力ってやつかな」
勅使河原「人間、本気出しゃどうにかなるってか」
赤沢「男3人!何か見つかった?」
勅使河原「ひッ!ま、まだでーす」
勅使河原「さあな。入学当時はあんなんじゃなかったような気もするんだけど」
望月「空気悪いね。窓開けようか」 ガタガタッ
恒一「危ない!」
望月「え?うわぁっ!」 パリーン
恒一「望月くん、怪我はない?気をつけなきゃ」
望月「う、うん、大丈夫・・・ありがとう、榊原君」
赤沢「あ、あわわわわ・・・」
勅使河原「あん?」
赤沢「ダ、ダメよそういうのは絶対!だ、だだ男子同士とかそういうのは私だけじゃなく世間の目があわわわ」
勅使河原「お前さぁ・・・」
赤沢「へ?は・・・!お、お手洗いに行ってくるっ!」
鳴(あ、かわいい髪飾り・・・鏡、鏡ないかな鏡)
綾野「今日でこの家ともオサラバかぁ。ちょっとだけおセンチな気持ちになっちゃうな」
父「おーい彩ー、そろそろ出発するぞー」
綾野「あっ、はーい。・・・バイバイ、夜見北のみんな。そして夜見山!」
綾野「最後の戸締り、よし、と」
和久井「あ、綾野!・・・さん!」
綾野「ひぃっ! わ、和久井!どうしたの!つーか走って大丈夫なの?」
和久井「ぜぇ、ぜぇ・・・さ、さっき、学校で千曳、先生に、て、転校って、聞いて・・・」
綾野「・・・うん、急だったから報告できなかったんだ」
和久井「ぜぇ、ぜぇ・・・だから、その・・・うっ!ひぃー、ひぃー・・・!」
綾野「ちょ、ちょっと、大丈夫?無茶するから!吸入器は持ってる?」
和久井「はぁ、はぁ・・・死ぬかと思った」
綾野「まったく、なにやってんのよもー。どうしたの?そんな慌てて」
綾野「んー、月に1回は夜見山に遊びに来れるくらいの距離かな」
和久井「そっか。・・・あの、さ・・・これ」
綾野「何これ、電話番号?」
和久井「ぼ、僕の携帯の番号なんだけど・・・その、いらなかったら捨てていいから」
綾野「・・・・・・・・・」 ビリッ
和久井「あっ・・・」
綾野「ペン、持ってる?」
和久井「あ、うん、はい」
綾野「・・・よし、ありがと、これあげる」
和久井「・・・これって・・・」
綾野「あ、もう行かなきゃ!じゃーね!またいつか!」
和久井「うん・・・気をつけて!」
綾野「落ち着いたら電話するから、その番号登録しといてよねー!」
勅使河原「なんかあったか?」
恒一「これ、ロッカーの中に貼り付けてあった」
勅使河原「きたきたきたぁ!ビンゴ!」
赤沢「中身は何かしら?」
恒一「ちょっと待って・・・カセットテープだ」
望月「カセットテープか・・・放送室になら再生できるものがあるかも」
勅使河原「お、あったまいー!行くぞ、放送室!」
赤沢「あんた、意外とノリノリね」
勅使河原「え?いやー、まあ、お前の役に立ててるみたいだし?」
赤沢「見つけたのは恒一くん、放送室に行こうって言ったのは望月。あんたは何かした?」
勅使河原「えーと・・・ムードメーカー?」
赤沢「さ、放送室に行きましょう」
鳴(♪)
敦志「うん、ちょっと」
小椋「珍しいこともあるもんだね。どこ行くの?」
敦志「まあ、友達に会いに行く、みたいな」
小椋「へー、兄貴って友達いたんだ。知らなかった」
敦志「う、うっせ!掲示板で知り合った人たちと会うんだよ!」
小椋「掲示板って、インターネットの?」
敦志「おう。自慢じゃないがウェブ上では交友関係広いんだぞ」
小椋「ほんとに自慢になんないよそれ。女の人もいるの?」
敦志「わからん。ハンドルネームは女の名前だけど、実際は男って事もよくあるみたいだし」
小椋「へー。女の人だと良いね」
敦志「べ、別にそういうあれじゃねえんだよ。もう行くからな!」
小椋「行ってらっしゃーい。・・・いいなぁ」
でもニートやってたから友達いなくなるか
えー、はじめまして。3年3組の松永克巳だ。
これを聞いてるって事は、3年3組で起きる現象に頭を抱える変わり者の後輩達だと思う。
「毎月誰かが恋に落ちる」。俺のいた3年3組もこの現象が起きていたんだ。
クラスメイト同士だったり、兄弟だったり、はたまた親が再婚したりと様々だった。
そんな中、クラスの誰かが「合宿」なんてものを考えたんだ。
夏休み、クラスの皆で合宿所で1泊、親睦を深めようって計画だった。
クラスメイトはおろか、何故か担任まで乗り気でな、無論俺も賛成だった。
そして合宿当日、俺は同じ部活だったクラスメイトに思い切って告白したんだ。
「ごめんなさい!」だとよ。
なんでだよ!次々とアベックができていく中、なんで俺は断られるんだよ!
しかも告白のタイミングが悪かった。
合宿所に着いてすぐに告白しちまったたもんだから、残りの時間は地獄だった・・・。
○○ってやつがいてな、こいつは頭も顔もいいのに、女に興味がないっつういけすかないヤツだ。
××って女子はソフトボール部の部長をやってるんだ、容姿はいいんだが、こいつも男に縁がなさそうなヤツだった。
あまりにもムカついたんで、俺は、この二人が両思いだって噂を流してやったんだ。
勅使河原「ただの私怨じゃねえか・・・」
これも俺には地獄だったがな。
神社の帰り道、急に雨が降ってきてな、前を歩いていた○○だけが用意周到に傘を持ってきていた。
こういう所がいけすかないんだ。
そしたら、××が○○の傘に無遠慮に入ってきたんだ。
○○は嫌そうな顔をしていたが、××はお構いなし。俺は心の中でほくそ笑んでいた。
その時、階段で××が足を滑らせて転びそうになった。
「危ない!」って○○が手を出したら、××を○○が後ろから抱きしめるような格好になったんだ。
後日二人に聞いたら『雷に打たれたような衝撃だった』だってよ。
・・・あー、思い出しただけで腹立ってきた。もういいや、この話やめ。
現象?その二人がアベックになってから止まったっぽいよ。
だからクラスメイトの誰かが恋に落ちたら止まるんじゃねーの。はい終わり。
恒一「・・・」
勅使河原「・・・」
赤沢「・・・」
望月「・・・」
鳴「・・・」
赤沢「捨てましょ」
望月「一応解決策?は聞けたけど・・・」
恒一「合宿か。赤沢さん、どうする?」
赤沢「うーーーん・・・・・・悩むわ」
勅使河原「誰かが恋すれば終わり。毒をもって毒を制す、ってか」
赤沢「・・・わかった、合宿を行いましょう。希望者だけで」
勅使河原「うーし、じゃ今日はひとまず解散、詳細は明日にでも考えるか。電話するぜー」
恒一「ところで見崎、その髪飾りはどうしたの?」
鳴「気づいてないのかと思ってた」
恒一「いや、さすがに気づくよ、その大きさ」
鳴「さっき教室で見つけたの。似合う?」
恒一「あはは、うん、似合ってるよ」
ふぇぇ・・・大きくなったら私と結婚するって約束したのにぃ・・・なんで彼女なんかぁ!!
うぅ・・・もう男の人なんか信じない!
あいたっ。
あ、ごめんなさい!大丈夫ですか?
うん、平気。
・・・
・・・お兄さんのこと、大好きなんだね。
・・・!
?
ぎゃーーーーーーーーーー!!!!忘れて!今のは忘れてぇーーーーー!!!!
あ、ちょっと! ・・・?
赤沢「ハッ・・・いやぁぁぁ!自分こそ忘れなさいよあんな過去ぉぉ!!」
参加メンバー・男子:恒一、勅使河原、望月、風見、猿田、王子、和久井、中尾、前島、辻井
参加メンバー・女子:赤沢、見崎、小椋、桜木、杉浦、金木、松井、有田、柿沼、渡辺
引率:三神、千曳
勅使河原「ほー、結構人数いるじゃん」
三神「突然ですが、綾野さんが両親の仕事の都合で転校いたしました」
鳴「っ」
和久井「・・・」
三神「急な話だったので、クラスの皆に報告ができなくてごめんなさい、とのことです」
小椋「転校先でも演劇部があったらいいね」
赤沢「そうね」
勅使河原「なんで千曳先生も来たんだ?」
小椋「ヒマだったんだって」
勅使河原「なんだよそれ。まあどうでもいいや、集合写真撮ろうぜ!
勅使河原「参加者は男女10人づつか。こりゃちょうどいいな」
恒一「あのさ、一つ気付いたんだけど、いいかな?」
勅使河原「なんだ?」
恒一「参加者は20人で、不参加者は綾野さんを抜いて9人でしょ?」
勅使河原「ああ、それがどした?」
恒一「もし現象を止める対象者がその9人の中にいたとしたら、この合宿の意味って・・・」
勅使河原「・・・」
望月「・・・」
鳴「・・・」
勅使河原「・・・それ、絶対赤沢に言うなよ。多分気付いてない」
恒一「うん、皆も口を滑らせないようにね」
勅使河原「げっ、まさか気付いた?」
赤沢「この合宿はあくまでも現象を止める為なので、恋愛感情を持つというレベルを超えることは・・・」
桜木「風見くん、これおいしいよ」
風見「本当かい?じゃあ僕も」
杉浦「う、キュウリ苦手・・・中尾、あげる」
中尾「まかせろー」
金木「はい、あーん」
松井「あーん。はいお返し。あーんして」
鳴「恒一くん、頬にソースついてる」
恒一「え?本当だ。あはは」
赤沢(ああもう!クラス委員同士、対策係同士、女の子同士、そして元”いないもの”同士・・・!!)
勅使河原「まずいな・・・」
望月「まずいね・・・」
鳴「・・・」 ツンツン
和久井「ん?」
鳴(中庭に)
・
・
・
鳴「呼び出しちゃってごめんなさい」
和久井「どうしたの?」
鳴「綾野さん、転校しちゃったのね。知らなかった」
和久井「うん・・・でも、いいんだ」
鳴「思いは伝えられたの?」
和久井「・・・どうだろう。わからない」
鳴「後悔はない?」
和久井「うん」
前島「榊原君・・・!」
恒一「わっ!前島くん、どうしたの?震えてるけど」
前島「調理場には行かないほうがいい・・・管理人が・・・!」
恒一「管理人がどうかしたの?扉閉めてくるよ」
恒一「中から話し声が・・・?」 ソッ
峯子「はいあなた、あーんして」
謙作「うむ、お前の作る料理はいつもうまいなぁ。ますます惚れ直しちまった」
恒一「!!!」
前島「・・・な?」
恒一「・・・寒い・・・8月なのに体が寒い・・・!」
勅使河原「お前ら何やってんだ?」
恒一「勅使河原くんと望月くん・・・調理場の中で・・・管理人が・・・!」
和久井「あっ、眼帯・・・」
鳴「ある日をさかいに、和久井くんと綾野さんは繋がったの。すごくすごく薄くだけど」
和久井「薄く繋がる・・・?それって、いつの話?」
鳴「さあ、覚えてない」
和久井「・・・まあ、いいや。ありがとう。見崎さんに相談できてよかった」
鳴「お礼はいい。勝手に人の恋心を覗いちゃってるしね」
和久井「最後に・・・今って、繋がってる?」
鳴「・・・・・・残念、二人の距離が離れすぎててわからないわ」
和久井「ほんと、はぐらかすの上手だね」
鳴「ただいま」
恒一「み、見崎・・・!」
望月「お帰りなさい・・・!」
勅使河原「あぁー。見崎が天使に見える・・・!」
鳴「なんで震えてるの?」
望月「どこ行くの?」
勅使河原「このまま朝を迎えて神社に行っておしまいじゃ盛り上がらねえだろ。ちょっと考えがある」
望月「えぇー、今度は何する気なのさぁ」
勅使河原「たまにはそこのお二人さんも二人っきりにしてやらなきゃな」
鳴「・・・」
恒一「あ、あはは・・・お構いなく」
望月「もう・・・じゃ、行ってくるね」
恒一「さっき、どこ行ってたの?」
鳴「内緒」
鳴「ごめんなさい、記憶にない」
恒一「すごく悲しそうというか、寂しそうに俯いて歩いてたのを見かけたんだ」
鳴「そう。気がつかなかった」
恒一「・・・誰か、亡くなったの?」
鳴「ううん、生きてる。明るく、いつでも前向きに生きてる」
恒一「じゃあ、なんであんなに悲しそうだったの?」
鳴「・・・私にはね、双子の妹がいるの。藤岡未咲っていうね」
恒一「双子の妹?知らなかったよ。でも苗字が違うんだね」
鳴「かくかくしかじか」
恒一「そうだったんだ、そんな事情が・・・」
恒一「いいお姉さんだね」
鳴「患者の子と仲良くなったとか、誰がお見舞いに来てくれたとか、とても楽しそうに話すの」
恒一「へえ。いい話じゃない」
鳴「・・・未咲と別れたあと、気持ちが沈むの。どうして双子なのにこうも違うのか、って」
恒一「えっ?」
鳴「容姿はそっくり。でも未咲は天真爛漫。鳴は・・・まあ、こんな感じ。光と影みたい」
恒一「いや、見崎にだっていい所はたくさん・・・」
鳴「こんな事を考えてしまう自分にも失望するの。その真っ只中に恒一くんとすれ違ったのね」
恒一「見崎・・・」
鳴「大丈夫、私の事は私が一番わかってるし、未咲はとても大切な妹。それは変わらないから」
赤沢「・・・」
杉浦「やっぱ、怒ってる?」
赤沢「複雑なところ。・・・よりにもよって」
杉浦「だよね。泉美の理解者同士が、ってわけだし」
赤沢「・・・どうなのよ、中尾とは」
杉浦「あいつ、いい奴だよ。見た目に似合わず優しいところあるし」
赤沢「それはまあ、なんとなく知ってる」
杉浦「それに・・・命の恩人だし。一応」
赤沢「そこが複雑なのよ。助けたからこうなったわけだし、助けてなかったら・・・あれだし」
杉浦「泉美も何かがきっかけで変われたらいいのに」
赤沢「バッ・・・!わ、私は・・・無理!無理無理!絶対無理!」
勅使河原「よう」
杉浦「どうしたの?」
勅使河原「ちょっと話し合いがしたいんだけど、出てこれるか?」
杉浦「えー、もうそろそろシャワー入ろうと思ってたんだけど」
中尾「よっ、なんか知らんが俺も呼ばれた」
杉浦「待ってて、今行くから」
勅使河原「赤沢ー、ちょっと杉浦借りてくぜー」
赤沢「は?今度は何しでかす気よ」
勅使河原「担保として望月置いてくからよー」
望月「お、お邪魔します・・・」
赤沢「・・・何なのよ・・・つーか望月置いてかれてどうしたらいいのよ・・・」
望月「そ、そうだね(もう30分経ったよ・・・)」
勅使河原『えー、3年3組の皆様、聞こえてますでしょうか』
恒一「勅使河原くん?」
勅使河原『このまま朝を迎えるだけでは少々盛り上がりに欠けると思いませんか?』
赤沢「何を始める気よ・・・」
勅使河原『そこで特別企画!大肝試し大会を始めまーす!』
杉浦・中尾『わーー、ドンドンパフパフー』
赤沢「多佳子!?」
勅使河原「皆様、正面玄関前までお越しくださいませー」
赤沢「はぁ・・・」
勅使河原「はいそこ、あからさまにゲンナリしないでくださーい」
赤沢「で、何をするって?」
勅使河原「ルールは簡単、二人一組で5分ほどのルートを周ってくるだけだ」
赤沢「狙いは?」
勅使河原「ズバリ、男女の親密度アップ!現象を止めるために3人で必死に考えたんだぜぇ?」
小椋「面白そうじゃん!やろーやろー!」
王子「おう!賛成だ!」
賛成ー! 賛成ー!
勅使河原「さて、概ね賛成みたいだけどどうする?」
赤沢「はかったわね・・・この状況で反対なんて言えるわけ無いでしょ・・・!」
勅使河原「はい、では二人一組でペアを作ってくださーい」
赤沢(男女ペア、とは言ってなかったわね・・・。多佳子にしよう)
杉浦「泉美、ごめん!私・・・」
中尾「・・・わりぃな」
赤沢「なっ!ぐぬぬ・・・まあいいわ、由美・・・」
小椋「私、望月がいいー!」
有田「あっ、ずるい!私もー!」
渡辺「抜け駆けなしー!」
望月「え、えぇっ!?」
小椋・有田・渡辺「「「さあ、望月は誰がいい!?」」」
望月「えーと、えーと・・・み、三神先生!三神先生と行く!」
三神「え、私も参加者なの?」
望月「勅使河原くん!三神先生でもアリだよね!?」
勅使河原「うーむ・・・特別に許可する!」
千曳(ほう、一番波風の立たない選択ができるとは・・・)
渡辺「しょうがない、松子、一緒に行こっか」
有田「そうだね、どうせ遊びだし」
小椋「くそー・・・前島!あんたでいいわ!行くわよ!」
前島「えっ!ぼ、僕?」
赤沢「出遅れた・・・ゆかりは風見だろうし、金木さんは松井さんと・・・そうだ!恒一くんがいたわ!」
恒一「見崎、こういうの平気そうだよね」
鳴「怖くは無いけど、夜道で片目って歩きづらい」
恒一「手を繋げば大丈夫だよ」
赤沢「そうよね!見崎さんもいたわね!」
辻井「ほ、ほら、別に変な意味じゃないよ!?ただメガネキャラ同士っていうだけだから心配しないで、ね!?」
柿沼「は、はい、お願いします」
千曳「不参加だ。あいにくこういうのは不得手でね」
赤沢「意外です」
千曳「ほら、そこで手招きして待ってるのがいるぞ」
勅使河原「へへー、残り物にはなんとかがあるって言うじゃん?」
赤沢「裏がありそうね・・・」
勅使河原「和久井は本人の希望で、コースのどこかに隠れて脅かし役をやってくれるってよ」
和久井「頑張るよー」
勅使河原「じゃペアも決まった所で、行く順番をクジで決めまーす」
赤沢「なんで組み合わせはクジじゃないのよ」
勅使河原「まあまあ、決まったもんはしょうがねーだろ?」
杉浦(わざわざ悪役を買ってやったんだから、あとはあんた次第よ)
勅使河原(感謝感謝!)
風見「桜木さん、怖いのって平気?」
桜木「あまり得意じゃ・・・でも・・・」
風見「どうしたの?」
桜木「こ、こうやって二人で歩いてると、その・・・」
風見「?」
桜木「デ・・・デートみたい、ですよね・・・」
風見「!!」
桜木「・・・」
風見「「・・・」
和久井「わっ」
桜木「・・・」
風見「・・・」
和久井(気づかれなかった?)
松井「・・・怖い」
金木「大丈夫、私の手を握って」
松井「杏子の手、暖かい」
金木「ね?手を繋いでいれば怖くないわ。このまま行きましょう」
和久井「わーっ」
松井「ひっ・・・!」
金木「大丈夫、私が亜紀を守ってあげる。だから安心して」
松井「うん・・・頼りにする」
金木「さあ、行きましょう。もう目を開けても大丈夫」
松井「杏子・・・ありがとう」
金木「亜紀・・・」
和久井(やりづらいなぁ)
杉浦「さ、行きましょ。中尾が先導して」
中尾「おう・・・」
杉浦「『まかせろー』はどうしたのよ」
中尾「お、俺こういうのあまり得意じゃなくてよ・・・」
杉浦「何それ、発案者のくせに」
中尾「だってよ、自分も参加するとは思ってなかっ・・・」
和久井「わーっ」
中尾「にゃーっ!!」
杉浦「ぶふっ、あっはっはっはっ」
中尾「わ、笑うなよ!すっげぇ恥ずかしい!」
杉浦「だ、だって、にゃーっって、くくく・・・お腹痛い・・・最高、あんた最高だわ」
中尾「う・・・行くぞ!ほら!」
杉浦「あとでみんなにバラしちゃお。にゃーっ」
中尾「やめろ!やめてください!」
有田「おー、結構雰囲気出てるねー」
渡辺「へたなオバケ屋敷よりよっぽど恐怖感あるよ」
有田「そうそう、恐怖感といえばさ」
渡辺「何?」
有田「アメリカでは日本のホラーみたいな『何もない恐怖』って概念が薄いらしいよ」
渡辺「何それ、豆知識?」
有田「うん、こないだテレビでやってた」
和久井「わーっ」
有田「きゃーー!」
渡辺「きゃー!って、松子の声の方がビックリしたんだけど!」
有田「和久井!ちょっとやめてよバカ!びっくりすんじゃん!」
和久井「うん、そういう役だから」
渡辺「何かぶってるの?」
和久井「ゴミ袋」
三神「私でよかったの?」
望月「は、はい。よろしくお願いします」
三神「はい、じゃ行きましょ」
望月「うぅ~、こ、怖いよう」
三神「苦手?」
望月「僕こういうの全般が全然ダメで・・・」
和久井「わーっ」
望月「ひゃぁーーっ!!こ、このっ!このっ!」
和久井「いたっ、痛い痛い、僕だって」
望月「はっ・・・もぉ~、やめてよぉ~!」
三神(まずい、今キュンとしかけた。天然ジゴロになるわねこの子)
小椋「・・・」
前島「ご、ごめんね、僕なんかじゃきっとつまんないと思うけど」
小椋「なんであんたそんなにナヨナヨしてんのよ。剣道部でしょ!」
前島「それとコレは関係がないと思う・・・」
小椋「いいからシャキっとしてよ」
前島(望月くんも似たようなタイプだと思うんだけどなぁ)
和久井「わーっ」
前島「ひゃぁあーーっ!!出たぁ!た、助けてぇ!」
小椋「!!」
和久井「あはは、腰抜かした」
前島「・・・あぁ~、もう。かっこ悪いなぁ僕」
小椋「・・・」
前島「ごめんね小椋さん、こんな体たらくで」
小椋「ふむ・・・」
辻井「よ、よろしく!じゃあ手を繋ごうかっ!」
柿沼「えっ・・・」
辻井「ハッ!いや、変な意味じゃなくてね!?ほら、足場も悪いし、エスコートするのが紳士の嗜みだよね!」
柿沼「いや、あの・・・」
辻井「あ、僕が手汗かいてるのが気になる!?なるよね!今拭くからちょっと待ってね!」
柿沼「いや、そこに和久井くんが・・・」
和久井「なんかあったの?」
辻井「ギャピン !?」 ギューッ
柿沼「はう!」
辻井「な、なんだよ和久井くん!脅かし役が普通に声をかけないでくれたまえ!」 ギューッ
和久井「騒がしいから何かあったのかと思って。というか柿沼さんが」
辻井「へ?」 ギューッ
柿沼「は、はわわわ・・・」
辻井「あぁっ!か、柿沼さん!わざとじゃないんだよ!神に誓ってわざとじゃないんだよ!」
恒一「ほら、手、繋いで」
鳴「ありがとう」
恒一「思ったより明るいね。満月だからかな」
鳴「雨だったら何も見えないかも」
恒一「でも、和久井くんがどこかに隠れてると思ったら結構ドキドキだよ」
鳴「・・・ちょっと待って」 スッ
恒一「?」
鳴「・・・和久井くん、みっけ」
和久井「えっ?」
鳴「そこの木の所に立ってる」
恒一「どこ?全然見えないよ」
和久井「ずるいなー、それ」
鳴「ふふ」
和久井「そうでもないよ。リアクションが三者三様で。それに」
恒一「それに?」
和久井「他の人とペアを組んだら、怒られるかもしれないし」
恒一「誰に?」
鳴「あと2組よ、頑張って」
和久井「おー」
鳴「さ、行きましょ、恒一くん」
恒一「あ、うん・・・??」
鳴「・・・」 クルッ
和久井(さて、次はどこに隠れようかな)
鳴「・・・ふふ」
王子「・・・」
猿田「・・・」
王子「・・・」
猿田「・・・」
王子「・・・なあ」
猿田「んー」
王子「・・・泣いても、いいかな」
猿田「・・・ここなら誰にも見えんし誰にも聞こえんぞな」
王子「うえぇ・・・なんで合宿まで来てこんな目に・・・しくしく」
「オチ担当の宿命ぞな」
和久井(・・・出ていけない・・・)
綾野『やっほー、今電話大丈夫?』
和久井「あ、あやや綾野さん!う、うん、大丈夫だよ」
綾野『? 外にいるの?』
和久井「うん、今合宿のイベント中で、肝試しの脅かし役やってる」
綾野『あはは何それー。合宿か、由美にこの前聞いた。皆楽しんでる?』
和久井「うん、僕自身もわりと」
綾野『へー、いいなー。私も行きたかったなー』
和久井「ところで、どうしたの?」
綾野『ついさっきやっと荷物整理が終わったんだけど、終わった途端ドッと疲れちゃって』
和久井『お疲れ様」
綾野『ありがと。それで、和久井の声でも聞いて癒されようかなーって思って電話してみたんだ』
和久井「そ、そうなんだ」
綾野『あー、やっぱ和久井の声って癒される』
和久井「うん、みんな誘って」
綾野『・・・和久井一人で来て欲しいな』
和久井「えっ?」
綾野『和久井と・・・二人で会って話したいな・・・って』
和久井「え・・・え、そ、そ、え・・・」
綾野『・・・なーんて、元演劇部の演技力、恐れ入ったか!』
和久井「え・・・あ、あははは、すっかり騙されちゃった」
綾野『立て込んでるみたいだから、また近いうちに電話するね』
和久井「うん、わかったよ。それじゃ体に気をつけて」
綾野『うん・・・・・・あのさ』
和久井「何?」
綾野『さっきのさ、”演技”ではあるけど・・・”嘘”じゃないから・・・おやすみっ』 プツッ
和久井「・・・」 カッ
赤沢「はぁ・・・」
勅使河原「まあまあ、とりあえず行こうぜ」
赤沢「・・・」
勅使河原「・・・」
赤沢「・・・」
勅使河原「・・・俺のこと、そんなに嫌い?」
赤沢「大っ嫌い」
勅使河原「・・・そっか・・・」
赤沢「・・・」
勅使河原「・・・」
赤沢「・・・」
勅使河原「・・・」
赤沢「ちょ、ちょっと待ってよ!そのリアクションは反則でしょ!」
赤沢「なに普通に落ち込んでるのよ!いつものやりとりでしょ!別になんとも思ってないわよ!」
勅使河原「・・・はは、そうだそうだ。そうだったな」
赤沢「さっきまでのテンションはどうしたのよ」
勅使河原「・・・ちょっと、まじめな話がしたいんだ」
赤沢「何よ、あらたまって」
勅使河原「お前ってさ・・・東京の高校、受けるんだっけ」
赤沢「ええ、そのつもり。そろそろ準備にかからないと」
勅使河原「・・・俺もさ、そこ受験したら、どうなるかなって」
赤沢「は?正気?私ですら難関なのに、あんたが受けるっていうの?」
勅使河原「今から必死に取り組めばさ、どうにかなるかもしれないじゃん?」
赤沢「あんた、そんなに高い志をもった人間だったっけ?」
勅使河原「入学さえできれば、あとはどうとでもなる」
赤沢「無理無理。諦めて近所の高校にしときなさい」
勅使河原「・・・お前と一緒の高校に行きたい」
赤沢「ちょ・・・は?何よそれ・・・」
勅使河原「・・・俺、俺さ・・・俺、お、お前の・・・」
赤沢「! あんた、まさか・・・!」
和久井「シャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
勅使河原「ぎゃーーー!?」
赤沢「きゃーーーーー!?」
赤沢「ちょ、何!?なんで追ってくるの!?誰よあれ!?」
勅使河原「し、知らねえよ!和久井しかいねえハズだぞ!?」
赤沢「こんな和久井知らないわよ!!」
ズサーーーーッ
赤沢「あ!転んだ!」
勅使河原「今だ!逃げるぞ!掴まれ!」
赤沢「あっ・・・」
和久井「・・・っ、あれ、僕なんでこんなところに・・・?」
勅使河原「ぜぇ・・・ぜぇ・・・」
赤沢「・・・もう、追ってきてないみたい」
勅使河原「何だったんだ?今の・・・」
赤沢「・・・ちょっと、何どさくさに紛れて手握ってんのよ」
勅使河原「あっ、わりい。ちょっとパニックになっちまった」
赤沢「・・・いいわよ、このままでも。行くわよ」
勅使河原「・・・」
赤沢「今だけはいいけど、皆の前では手を離し・・・どうしたの?何立ち止まって」
勅使河原「・・・好きだ!」
赤沢「っ・・・」
勅使河原「俺、お前のことが好きだ!」
赤沢「・・・ちょっと、そんな気はしてた」
勅使河原「気付かなかったと思うが、中尾と杉浦の協力てこうやって二人きりになるチャンスをもらえた」
赤沢「それは気付いてた」
勅使河原「赤沢、俺は本気でお前のことが好きだ」
赤沢「・・・・・・無理。私、どうしても自分の信念は曲げられない」
勅使河原「・・・いいんだ。今日を逃したらもう言えない気がしてた」
赤沢「・・・」
勅使河原「・・・俺の気持ちを伝えられただけで、俺は十分だ」
赤沢「あんた・・・」
勅使河原「でもよ、せめて、お前と同じ高校に行けたら・・・行けたらいいなって・・・」
赤沢「・・・なに泣いてんのよ」
勅使河原「わかんねぇ。わかんねぇけど・・・止まんねぇんだよ・・・」
赤沢「・・・言っとくけど、そうとう偏差値は高いわよ。今のあんたじゃ到底無理」
勅使河原「・・・知ってる」
赤沢「それこそ、風見クラスの成績が必要になるけど」
勅使河原「なら俺は風見を踏み台にする」
赤沢「酷いわね」
勅使河原「今は幼馴染なんてもんは関係ねえ。俺自身の問題だ」
赤沢「・・・本気で目指すつもり?」
勅使河原「当たり前だ」
赤沢「私、大学進学も視野に入れてるけど」
勅使河原「勅使河原直哉の本気を見せる時だ」
赤沢「受験失敗したら絶交だから」
勅使河原「なっ、それは・・・」
赤沢「弱気にならないでよ・・・」
勅使河原「・・・わかった。それくらいのリスクくらい受けて立ってやるよ!」
中尾「・・・おい!手つないでんぞ!」
杉浦「ちょ、泉美相手に?マジでやったの!?」
風見「あいつ、たまに出す本気はすごいんだよ」
鳴「・・・」 スッ
勅使河原「お?なんだよお前ら」
小椋「わー!テッシーおめでとー!」
勅使河原「は?」
中尾「勅使河原さん!赤沢さんをゲットした感想を一言お願いします!」
勅使河原「ちょ、ちょっと待て!なんだよいきなり!」
望月「・・・勅使河原くん、ハッキリここまで聞こえてたよ。『好きだ!』って」
勅使河原「はぁ!?・・・って、すぐそこだったのかよ!」
赤沢「・・・あ ん た ねぇー!絶対ワザとでしょ!そういう所が大っ嫌いなのよ!!」
やんや、やんやー!
鳴「・・・ふふ」
千曳「不参加だった代わりだよ」
勅使河原「イエー!千曳先生イエー!みんな、騒ぐぞー!」
桜木「わぁ・・・綺麗」
風見「うん・・・いや、君の・・・いや、うん」
松井「杏子、見て」
金木「綺麗。輝いてるよ、亜紀」
杉浦「結局答えは出さなかったみたいだけど、泉美もまんざらでもなさそうだったわね」
中尾「”新・対策係”は1日で解散か」
和久井「たーたーりーじゃー」
有田「きゃー助けてー!あはははは」
渡辺「あははは和久井テンション高いんだけどー!」
望月「何がですか?」
三神「ううん、なんでも。ちょっと昔をね」
小椋「あんた、演劇部にも入ってみない?」
前島「は?」
辻井「いや、ほんとごめんね?怒ってるよね?僕の自業自得だもんね?」
柿沼(うぅ、辻井君の顔、まともに見れないよぅ・・・)
辻井「その・・・訴えたりとかしないよね?」
恒一「見崎って、やっぱり線香花火とか好きなの?」
鳴「地味だからあんまり」
恒一「あ、そうなんだ」
王子「あはは・・・線香花火って、僕達の命の灯みたいだぁ」
猿田「落ちたぞな」
鳴「残念だけどそこまでは」
恒一「そうだよね。わかってたらここまでする必要も無かっただろうし」
赤沢「帰ったらさっそく書店に行くわよ。参考書を見繕ってあげる」
勅使河原「いいのか?お前だって色々あるんじゃ・・・」
赤沢「あんた、勉強の仕方知らないでしょ。ある程度は助力するわ」
勅使河原「・・・ありがとな」
鳴「当の本人はもうあまり気にしてないみたい」
恒一「見崎のその目であの二人を見たら、どう見える?」
鳴 「残念、花火がまぶしくてよくわからないわ」
恒一「残念、花火がまぶしくてよくわからないわ」
恒一「はは、当たった」
鳴「・・・意地悪」
智香「いらっしゃい。千曳先生、もういらしてるわよ」
千曳「なかなか洒落た店を知っているんだね」
恒一「望月くんのお姉さんが働いてるんです」
千曳「知っているよ。彼女も夜見北の学生だったからね」
智香「お久しぶりです先生。ご注文はお決まりですか?」
恒一「見崎、コーヒーは飲める?」
鳴「平気」
恒一「えーと、これだ、ハワイコナのエクストラファンシーを二つ」
智香「かしこまりました」
千曳「ほう、君はコーヒーには明るい方なのかい」
恒一「いえ、以前飲んでおいしかったので」
千曳「最高級品だ。当然だよ」
千曳「さて、合宿から1週間が経ったが、何か変化はあったかい」
恒一「それが、わからないんです。夏休み中なのもありますし」
千曳「そうか、そうだろうな」
恒一もっとこう、ハッキリと形になって現れるものならわかるのですが・・・」
鳴(・・・あつっ)
千曳「学校が始まってしばらく経つまではなんともいえない、か」
恒一「はい」
鳴(・・・火傷しちゃった)
恒一「でも、この現象ってなんなんでしょうか?いつから始まったものなのかも・・・」
千曳「・・・それはきっと26年前、私が夜見北の教師だった時の出来事がきっかけだと思う」
鳴(おいしい)
恒一「26年前・・・ですか」
まあそれはいい。ある女子生徒がいてね、眉目秀麗。成績も申し分ない生徒だ。
だが、無機質さが否めなくてね。笑顔一つ見せない子だったよ。
言われたことを完璧にこなす、一つのミスもなく。何を問いかけても完璧に受け答える。動揺を見せることもなく。
そんな彼女を、一度だけ皆の前で叱ったことがあった。
なに、些細なことだ。黒板を消し忘れた、とかその程度のね。
当時、私は熱血教師を地でいっていてね。
ミスのないことが当たり前だと思い込んでいたせいか、つい必要以上に叱責をしてしまった」
恒一「どうなったんですか?」
千曳「とても、嬉しそうだったよ」
恒一「えっ?」
鳴「その気持ち、少しわかります」
恒一「どういうこと?」
鳴「他の生徒と同じように接してもらえた事で、孤独ではなくなった」
千曳「見崎くんの言うとおりだ。彼女は今まで叱られたことがなかった、と風の噂で聞いたよ」
恒一「でも、それがこの現象とどういう繋がりが?」
千曳「・・・私は、その生徒に畏怖を覚え、敬遠するようになっていた」
鳴「足枷が外れた気持ちだったんでしょう」
千曳「当時の私にはその気持ちが理解できなかった。なぜ叱責したことで人間味を取り戻したのかと」
恒一「確かに、理解できなければ不気味かもしれません」
千曳「そして卒業式の日、生徒から貰った花束の中に、彼女からの手紙があった」
恒一「中にはなんと?」
千曳「お話したいことがあります。あとで校舎裏まで来て欲しい、と」
恒一「ラブレター、ですか」
千曳「・・・私は行かなかった。いや、行けなかった」
恒一「・・・怖かったんですね」
千曳「何を言われるのか、どのように接していいのかもわからなかった。色恋沙汰とは無縁だったのでね」
鳴「かわいそう」
千曳「いち教師でありながら一人の生徒の心すら悟れなかった。そんな無力な自分に失望し、教職を辞した」
恒一「今の3年3組のような感じですか?」
千曳「そうだ。私には何もいい話はなかったがね」
恒一「ということは、その生徒がこの現象のきっかけとなった人物、か」
鳴「・・・なるほど」
恒一「千曳先生、昔は男前だったんですね」
千曳「今は違うというのかい?」
恒一「あ、いえ、そういうわけじゃ・・・」
千曳「ははは、冗談だ。若い頃は夜見山のジョージ・シーガルだなんて言われて舞い上がっていたもんさ」
恒一「俳優ですか?」
鳴「ジェット・ローラー・コースターは見ました」
千曳「ほう、懐かしい・・・話も脱線したな」
鳴「・・・」
千曳「さて、私は私用があるんで先に失礼するよ。お代は出そう」
恒一「えっ、そんな、悪いですよ」
千曳「私の懺悔を聞いてくれたお礼だ。ではまた学校でな」
智香「ありがとうございました」
千曳「えーと、今は猪瀬くんか。素敵な店だね、また来るよ」
智香「お待ちしています」
鳴「・・・きっと、その生徒の果たせなかった願望がこの現象を呼んでいるのかも」
恒一「そうかもね」
恒一「何が?」
鳴「今年の現象を止める対象者が誰なのか」
恒一「えっ・・・えーと・・・」
鳴「わからない?千曳先生の話と、以前聞いた話を思い出せば答えは出るはず」
恒一「うーん・・・あっ・・・なるほどね」
鳴「ね?問題にもならないくらい簡単でしょ」
恒一「ちなみにその二人って、見崎の目にはどう映ってるの?」
鳴「残念、この場にいないからわからないわ。ふふ」
恒一「やっぱりね」
鳴「このあと、どうする?」
恒一「そうだ、病院に行ってみようか。未咲って子に会ってみたいな」
鳴「そうね、行きましょ。未咲も会いたがってたし」
fin
小椋「もっと!」
前島「あーーーーーーーーーーー」
小椋「お腹から!」
前島「あーーーーーーーーーーーーーーーー」
小椋「そう!いいよ!さすが剣道部!」
前島「・・・ほんとに入部するの?」
小椋「するの。私の目に狂いがなければ、あんたいい線いけるよ」
前島(とほほ、まだ夏休みだってのになんでこんな目に・・・)
小椋「彩が抜けた分もあるし、あんたには期待してるからね!へへっ」
前島(・・・でも、まあ、いいかな)
小椋「さ、練習するわよ。来月の発表会あんたも出るんだから」
前島「えっ?」
玲子「そうよね。着いて1時間足らずで告白だもの」
松永『ぶはっ!・・・お前、覚えてたんじゃねーか!』
玲子「ううん、思い出したの。死角になるように中庭の隅っこでさ、あの時のマツの顔ってば」
松永『やめろ!やめてくれ!古傷を抉るな!』
玲子「あはは・・・ねえマツ、近い内に、また会えないかな?あの頃の話で盛り上がりたい気分になってさ」
松永『・・・昔話をしたがるってのも、年をとった証拠だな』
玲子「ちょっと、それどういう意味よっ」
松永『お互い様ってことさ。えーと・・・来週の土曜なら空いてるかな』
玲子「どこかで落ち合う?」
松永『いや、お前ん家まで行くわ。住所変わってないだろ?』
玲子「変わってないけど・・・場所知ってるの?」
松永『そりゃ知ってるさ。好きだった女子の家の住所くらいはな』
玲子「なるほどね・・・うん、じゃあ待ってる」
風見「うーん、もう少し頑張れたかな」
桜木「十分だよ。私なんて10位だったし」
風見「今回は上位に3組が多いな。6位赤沢、7位柿沼、9位榊原、10位桜木さん」
桜木「本当だ、ベスト10に5人もいる」
風見「12位中島、15位辻井、16位佐藤、17位多々良、21位勅使・・・勅使河原?」
桜木「すごーい。勅使河原くん頑張ってたもんね」
風見「あいつ、前回から100位近く上がってる」
桜木「席替えのとき、一番前の席に立候補してたしね」
風見「・・・本気モードか。いつまで続くかな」
桜木「大丈夫だと思うよ。しばらくは」
水野「マジかよ!くぅ~、あいつは俺らの仲間だと思ってたのに・・・」
鳴「恒一くん、卒業したら東京に帰るの?」
恒一「そのつもりだったけど・・・父さんとも相談して、夜見山に残ることにしたんだ」
鳴「そうなんだ」
恒一「気に入ったんだ、ここ。父さんも『お前の行きたい所へ行け』って言ってくれたし」
鳴「どこ受験するの?」
恒一「見崎と同じ高校だよ」
鳴「・・・いいの?もっと上の高校だってあるのに」
恒一「部活が盛んな学校だって話だから、僕も部活に入ってみようかなって」
鳴「そうね。美術部もあるみたい」
恒一「それに、見崎もいる」
鳴「・・・何、突然」
恒一「『お前の行きたい所へ行け』っていうのはそういうことだ、っていう僕の解釈」
未咲「あっ、鳴。いらっしゃーい。私の方は順調だよ」
鳴「そう、よかった」
未咲「あれ、なんかいい事あった?なんか嬉しそう」
鳴「いえ、特に何も」
未咲「またまたー。鳴ってば結構表情に出てるよ」
鳴「さあ、どうかしらね」
未咲「それそれ。なんか隠してる時って、必ずそうやってはぐらかすの。自分じゃ気づかない?」
鳴「・・・ほんと?気をつけよう」
未咲「今日はね、いっくんもお見舞いに来る日なんだ。へへー」
鳴「ああ、入院中に仲良くなったっていう人だっけ。じゃあ私は早々にお暇するわ」
未咲「大丈夫だよ。鳴も知ってる人だから。あ、来たみたい」
高林「あっ」
鳴「えっ?」
和久井「わっ、雪だ。 久しぶりだね、綾野さん」
綾野「ブッブー、不正解ー」
和久井「え?あ、ああ・・・彩、ちゃん」
綾野「はい正解ー。次間違ったら罰ゲームだからね」
和久井「はは、厳しいや・・・そのコート、素敵だね」
綾野「でしょ?今日の為にわざわざ買ったんだから。似合う?」
和久井「うん、とても似合ってる。かわいいよ、彩ちゃん」
綾野「お、おお・・・即答ときたか・・・!」
和久井「合宿の時のお返し」
綾野「くそー、ちょっと会わないうちに成長しおったな。じゃ、行こっか。」
和久井「うん。こっちって雪すごいんだね。でも不思議とあまり寒くない」
綾野「雪が太陽光を反射するから、体感的に暖かく感じるんだって」
和久井「へぇー。夜見山じゃ見られない景色だよ」
綾野「でもやっぱ手は冷えるなー。手繋いでくれたら暖まるんだけどなー」
柿沼「あ、おはようございます」
辻井「あ、ああーおはよう柿沼さん、早いんだね?」
柿沼「はい。今日は日直ですから」
辻井「はは、そうか、偉いんだね。・・・」
柿沼「・・・」
辻井「・・・僕、邪魔だよね?いるだけで邪魔しちゃってる感じだよね?ちょっと散歩でもして」
柿沼「いえ、あの・・・いてください」
辻井「え、ええと・・・いいのかい?」
柿沼「辻井くんも・・・日直です」
辻井「そうだよね!だから僕も早く来たんだったね!忘れてたよ!ははは、はは・・・」
柿沼(変わった人だなぁ・・・)
望月「あ、久保寺先生!お久しぶりです!」
米村「おーい!久保寺先生来てるぞー!」
江藤「色黒になりましたねー」
藤巻「奥さんは来てないんですか?」
久保寺「私だけだよ。皆にも会わせてあげたかったんだが、人手が厳しくてね」
桜木「農家って、大変ですか?」
久保寺「とても大変だよ。全くの素人だからね。でも、都会じゃ味わえない充実感に満ちているよ」
風見「ご多忙の中、よくいらしてくれました」
久保寺「ははは、そりゃ来るさ。大事な日だからね」
勅使河原「おーーーっ!久保寺先生じゃーん!」
久保寺「相変わらず君は人一倍元気だね。よし、これで全員そろったか」
―――3年3組のみんな、卒業おめでとう―――
皆が幸せなSSが一番良い
中尾「なんで?」
杉浦「だって、高校生になったじゃん?イメチェンでもしてみようかなって。髪も伸ばしたりしてさ」
中尾「ならん」
杉浦「「は?」
中尾「杉浦は眼鏡あっての杉浦だ」
杉浦「・・・それって、眼鏡を外したら私じゃないってこと?ちょっとショックだな・・・」
中尾「ち、違う!俺は、その、今のお前でも十分素敵だってことを言いたくてだな・・・」
杉浦「・・・ぷっ、はいクサい台詞いただきましたー」
中尾「あっ!ハメやがった!」
杉浦「ほんとひっかかりやすいよねあんた。そういうところ好きだけどさ」
中尾「ぐ・・・まあ、榊原、見崎、和久井、前島、佐藤、小椋・・・高校でも変わり映えしないメンツだよなぁ」
杉浦「まあね。なんたって近いし。・・・あいつらも、うまくやってるかな」
よっ。サークル終わるの待ってたんだ。・・・ちょっと、来てもらってもいいか?
ここならいいか。誰もいないな。
顔、にやけ過ぎ。
だって、やっとこの日が来たかと思うとさ、その、嬉しくてよ・・・
・・・はぁ。あんたの執念には負けたわ。
本気を見せるって言っただろ?
いいから早くして。・・・私だって恥ずかしいんだから。
お、おう・・・あー、あーー。オホン。
まずは、20歳の誕生日、おめでとう。
ありがとう。
・・・泉美さん。以前からずっと好きでした。俺と、付き合ってください。
- fin -
好きなキャラを推していたら和久井くん無双になったでござる
久々にSS書いたった。
真夏の車内に置いといたスニッカーズくらい甘くてベタベタしてるけど、たまにはいいよね。
なんちゅー譬えだwww
お疲れ様
イイエンディンクや
思い切りニヤニヤ出来たよ
Entry ⇒ 2012.04.25 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
恒一「いないものだしクラスメイトが処女かどうか確かめよう」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1335075067/
| |/ノ二__‐──ァ ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ
/⌒!| =彳o。ト ̄ヽ '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ !
! ハ!| ー─ ' i ! `' '' " ||ヽ l |
_______∧,、_| | /ヽ! | |ヽ i !_ ______
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄'`'` ̄ ヽ { | ! |ノ /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ | _ ,、 ! , ′
\ ! '-゛ ‐ ゛ レ'
`! /
ヽ ゛  ̄  ̄ ` / |
|\ ー ─‐ , ′ !
33秒
はえーよ
早過ぎワロタwww
その速度でレス出来るって事はうんたらかんたら
勅使河原「‥‥‥‥!?」
Entry ⇒ 2012.04.23 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
恒一「久保寺先生が風邪をひいた?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333545957/
恒一「どうやって?」
赤沢「千曳先生か三神先生から住所を聞き出せばいいのよ」
恒一「―で、誰が行くの?」
綾野「あ、あたし!!」ガタッ
小椋「あたしも!!」ガタッ
鳴「・・・私も、行きたい」
中尾「赤沢が行くなら俺も!!」
杉浦「中尾・・や泉美が行くなら私だって」
勅使河原「サカキの親友として行くしかねーだろ!」
望月「三神先生に住所聞いてこようか?」ワクワク
恒一「・・うーん・・・大人数だと迷惑じゃない?」
風見「―な、なら僕も」
小椋「行くのは私って行ってるでしょ!!」
綾野「あたしだよお!!」
赤沢「あのねぇ・・友達の家に行くんじゃないのよ」
綾野「なら泉美の隠れてつけてる日記帳の内容みんなにバラすよ?」ニヤ
赤沢「・・・・・」
【結果的にこうなりました】
恒一 鳴 赤沢 望月 勅使河原 桜木 風見 杉浦 中尾 綾野 小椋
望月「じゃあ僕は三神先生に久保寺先生の住所聞いてくるね!」ガラッ
恒一「・・三神先生よりも千曳先生に聞いた方が良くない?・・あ、行っちゃった」
赤沢「それじゃあ、今日1日は部活は休んでね。演劇部は欠席理由を千曳先生に言っておくから」
勅使河原「(一人だと恥ずかしいからっていう理由で連れてこられた・・)」
三神「はあ・・?別にいいけど、迷惑かけちゃダメよ」
―――
望月「久保寺先生の住所ゲット!」
恒一「そういえば、久保寺先生の家には祖母さんがいるんじゃなかったっけ」
鳴「・・この間、介護施設に預けた・・って言ってたような」
中尾「それはますますやべえじゃん!(赤沢にいいとこ見せないと!!)」
綾野「ちゃんと栄養取ってるのかなあ?(フフフ・・こういっちゃんに料理の腕前、見せてやるんだから)」
赤沢「それじゃ、家に帰ったら、5時に公園で待ち合わせね?(恒一君のために気合入れていかないと)」
中尾「ふう・・ちょっと早く来すぎたかな、ジュースでも買ってこよ・・・」トコトコ
おばあさん「ちょっとそこの少年や、道を聞きたいんだけどねぇ・・」
中尾「え?あ、ハイ」
―――
PM5:03
綾野「あれ、由美来てたの?」
小椋「ちょっと前にね」
杉浦「あ、もう来てた・・、中尾はまだなのね・・」
PM5:09
望月「やっほー」
勅使河原「よーっす」
風見「・・やぁ」
綾野「おーそーいー!!」
桜木「あ、もうみなさん来てたんですね」
勅使河原「あと来てねーのはサカキと見崎と赤沢と中尾かぁ」
小椋「泉美、来ないじゃん!」
杉浦「何かあったのかな」
望月「見崎さんと榊原君も、だね・・綾野さん住んでるところ近かったよね?すれ違ったりしてない?」
綾野「見かけなかったよぉ?」
・赤沢家
赤沢「リボンが決まらない・・!はやくしないと恒一君が来ちゃうよおっ!」
赤沢母「あれ、泉美どしたの?デート?」ニヤニヤ
赤沢「そ、そんなんじゃないってばあ!入ってこないでよ!///」
赤沢母「やっぱりこのワンピースだったら・・・あ、このピンクのリボンが一番似合うと思うけど?」
赤沢「うっうるさい!///いってきますっ!!//」
赤沢母「泉美ガンバー!」
鳴「・・いってきます」
ガチャッバタン
鳴「!」
鳴「さかき・・ばら、くん?」
恒一「や、やぁ・・」
鳴「ずっと・・家の前で待ってたの?」
恒一「うん。早く家を出すぎちゃってさ・・せっかくだからと思って」
鳴「別に、いいのに・・そんな事しなくても」
恒一「さ、行こうか。もう5時27分だよ」
鳴「みんな待ってるかな・・」
――
赤沢「ハァ・・ハァ・・!確か恒一君、この辺が通り道だったはずなんだけど・・!」
・・・・
赤沢「あ~~~もう!行っちゃったのかなあっハァッ、ハァ・・ゼェ・・ゼェ・・」
勅使河原「おっせーぞサカキィー!」
恒一「お待たせ。もうみんな来てたんだね、ゴメン」
鳴「遅れてごめんね・・」
・一方、見崎家
霧果「やけに鳴が気合入れて服選んでたけどなんだったのかしらねえ」ポリポリ
天根「鳴もお年頃だからねぇ」ズズーッ
霧果「あ、お茶追加しよっか?」
―――
杉浦「後は中尾と泉美だけなんだけど・・変ね」
小椋「うーん、このまま行っちゃう?」
綾野「別にいいんじゃない?」
恒一「それはダメだよ、もうちょっと待ってあげようよ」
杉浦「あたし、泉美のこと探してくる・・・」ダッ
恒一「あっ、杉浦さん!」
PM5:38
赤沢「や・・っとついた・・・って・・やっぱり恒一君来てた・・・ハァ・・ハァ・・・」
恒一「赤沢さんどうしたの?そんなに汗かいて」
赤沢「べ、べつになんでも・・ゼェゼェ・・それじゃ、全員居るみたいだし久保寺先生の家に行きましょうか・・」
望月「杉浦さん、さっき赤沢さんを探しに行っちゃったよ?」
赤沢「え"っ!ウソぉ・・もぉ・・ぜんぜん行けないじゃない!!あとちょっと待ってみましょ。」
PM5:45
赤沢「多佳子、どこまで行ったのよ!・・・もう行きましょ!」
恒一「携帯で連絡取れないかな?」
小椋「ちょっと連絡取ってみる」
プルルルルルル ・・・・ ツー ツー
綾野「・・ダメかぁ。」
風見「うん・・?誰か忘れてるような」
桜木「気のせいじゃないですかね?行きましょう。」
赤沢「多佳子が居ないってこと以外は別に何も変じゃないわよ?」
恒一「うん、行こうか」
鳴「・・・しゅっぱつ。」
―――
望月「夜見山市○×町5-22・・っと・・あ、あれかな?」
勅使河原「あれだあれ、電気ついてるぜ!」
恒一「皆静かに行こう、寝てるかもしれないしね」
綾野「何か差し入れ持ってきた方がよかったかな?」
小椋「あ、あたしおまんじゅう持ってきた」
望月「じゃ、ピンポン押すよ・・」
鳴「・・・」ワクワク
ピンポーン
―――・・
ガタッ
バタバタ・・・
恒一「何か音がする・・起きてるのかな?起こしちゃったかな?」
久保寺「・・・は...い"」 ガチャ
望月「うわあ!幽霊!!」
勅使河原「出たああああああ!!」
綾野「え、え、えっギャーー!!?」
恒一「うわ、びっくりした・・久保寺先生じゃん」
赤沢「んん"、コホン 久保寺先生、風邪ひいたって聞いたので・・クラスの皆でお見舞いに来ました」
久保寺「ぁー・・お見舞い、ですかァ・・」ゲッソリ
桜木「入ってもだいじょうぶですか?」
久保寺「―ですが・・みなさんに風邪をうつしてしま・・ふゴホッゴホッ」
風見「こんなこともあろうかと、マスクもって来ました」
久保寺「あぁ・・じゃ・・みなさんそれをつけて・・空気悪いですが・・どうぞ・・」
赤沢「なんか臭くない・・?マスクあって良かったわ」
綾野「んふっ・・おっさんのにお"い"・・」
鳴「・・・ゴミだらけ」
桜木「これは、掃除から始めた方がいいんじゃないですか?」
久保寺「あ・・あぁ・・今日はまともに食べてなくてェ・・・ゴホゴホ」
恒一「じゃあそれぞれ担当する事決めようよ」
綾野「あ!あたしこういっちゃんと料理するー♪」
赤沢「! それは私がすることよ!!あなたは小椋と買い出し!」
小椋「先生、これおまんじゅう。後で食べてくださいね」
風見「洗濯物が溜まってる・・」
勅使河原「これは俺と望月でなんとかなるんじゃねえ?」
望月「洗濯物はやっぱり女の子がやった方がいいと思うよ・・」
勅使河原「あれ?望月って・・」
望月「Σ ぼ、僕は男だよ!!」
料理:恒一&鳴&赤沢 「・・ぐぬぬ」
買出し&その他雑用:綾野&小椋 「・・・チッ」
洗濯:望月 「何で・・」
部屋の掃除:桜木&風見&勅使河原
――
恒一「じゃあ料理当番は何を作るか決めようか」
鳴「・・ワカメ」
赤沢「消化のいいものを食べさせた方がいいわね。たとえば―
鳴「ワカメ」
恒一「ワカメのお味噌汁?それは今見崎が食べたいものでしょ」
鳴「・・・」ぐうううう
恒一「後で見崎にも何か作るからそんな顔しないでよ・・」
赤沢「・・・、こっ恒一君!うどんとかどうかしら?お腹に優しいわよ」
鳴「冷蔵庫の中、何もない・・・」
赤沢「買い出しー!仕事よ!」
小椋「後で料理組に突撃ね!」
――
望月「先生のこのネクタイ・・中々いい柄だなぁ・・」
望月「三神先生はどんな服が似合うかなぁ」ニヤニヤ
――
勅使河原「おっエロ本見っけwww来いよ風見ww」
風見「・・・きk興味ない」
桜木「あ、あうう・・///勅使河原君、掃除ですよ掃除・・///」
――
赤沢「恒一君、買い出し組が帰るまで何をしておけばいいかしら?」
恒一「キッチンがすこし汚れてるから、綺麗にしておこうか」
赤沢「OK!見崎さんはトイレ掃除でもどうかしら?」ニヤ
鳴「この隙間、赤沢さんの腕だと入らない・・かも・・だから私も手伝う」
赤沢「」
恒一「ああ、ここは僕一人で十分だから、赤沢さんは見崎とコンロのほうを・・」
赤沢「あ、あぁ・・そう・・」ギリギリ
――
~ヨミヤママートー♪ ミンナガエガオニー♪
綾野「長ネギ・・はこれでいいか」
小椋「ネギ1本にも、いいもの悪いものがあるのよ。ネギは多分こっちの方が・・」
綾野「何でそんなに詳しいの?」
小椋「うちには兄貴がいるからね!熱出したときとか、たまに・・看病してあげてるから・・///」
――
赤沢「ちょっと見崎さん、ここぜんぜん綺麗になってないわよ?」フキフキ
見崎「・・・」
赤沢「あ、あれ」フキフキフキフキ
見崎「・・・」
赤沢「ッ何よこれ!落ちないじゃない!!」スポンジスパーンッ
桜木「あ あの 掃除・・」
ヒョイ
望月「人妻って?」
勅使河原「だァー!!どっから出てくんだよてめえ!!」
風見「人それぞれ好きなものもあるしね」
勅使河原「確かお前ってぽっちゃり系がムゴゴゴ!!ンーッ!!」
風見「バカはほっといて掃除しようか」
――
おばあさん「ん?あんだって?」
中尾「いやですから、ここを右に行けば看板があるはずなんです」
おばあさん「ありゃりゃりゃー!結婚したいだなんていやだねぇww若いねぇww」
中尾「そうじゃなくて」
杉浦「! ・・中尾・・おばあさんに道教えてる・・」
赤沢「見崎さん、この洗剤はひねるんじゃなくて引っ張るのよ、そんな事も分からないの?」
鳴「・・・」
赤沢「ん・・あら・・?ちょ、ちょっと何これ」グググググ
赤沢「・・?ワンタッチで開ける・・・!?あーもう!!ふざけんじゃないわよ!!」バシッ
鳴「・・・ふっ・・」プルプル
赤沢「何笑ってんのよ!!」
恒一「仲が良さそうで良かった」
――
綾野「あーやっと買い出し終わったぁー!」
小椋「トマトはね、丸くて、固くて、実が引き締まっているものを選ぶのよ
角ばっているものは中身がスカスカの可能性があるから・・それであともう1つは
――
桜木「・・・なんだかあの空間に居ずらいので先生の様子を・・」チラ
久保寺「zzz」
桜木「布団はねてます・・かけておいてあげなきゃ・・」ポフ
おばあさん「遠慮しないでいいのよ、ほらちゅーしてあげる、ちゅー」ブチュウウウウ
中尾「いやあああああああああ」
杉浦「中尾って・・そういう・・趣味が・・」
――
綾野「たっだいまー!」ガチャ
小椋「―で、手にとってずっしりと重いものは水分が詰まっていて果肉が緻密な証拠で
――
恒一「だいぶ片付いたなぁ・・あっちはどうかな」
赤沢「ここに水をたらしたのは見崎さん、あなたよ!!」
見崎「私はここで水は触ってない・・自分でやったんじゃないの?」
赤沢「あなたがやったの、私見てたわよ!だからあなたが拭きなさい!」
見崎「自分から向かって右側でしか水は使ってない・・こっちは赤沢さんが綺麗にしてたはず」
赤沢「きぃーっ!!じゃあ恒一君に言いつけるから!見崎さんは自分のしたミスを他人に―」
恒一「あ、なんか水たれてるね」フキフキ
赤沢「」
綾野「もっちーどしたの?手伝おっか?」
小椋「ヘタはピンとしていて緑色のものを選ぶの。ヘタの周りがひび割れているものは避けた方がいいよ
――
勅使河原「桜木に好きだって言っちゃえよーガサガサ
おっ、女子高生モノあるじゃん」
風見「だいたい今はそんな事言ってる場合じゃないし・・・勅使河原、さっきから掃除してないよね」
――
恒一「お湯が沸いたら麺入れていいよ」
鳴「うん」
恒一「赤沢さんはネギとかまぼこ切ってて」
赤沢「え、ええ・・(実は包丁は苦手なのに・・・)」
鳴「・・おなかすいた・・」ぐううう
――
桜木「先生、一応熱計ったほうがいいですよ」
久保寺「うう~ん・・そうですねェ・・」
恒一「見崎、お湯沸いてるって!!」プシュー
赤沢「長ネギが目にしみる・・うぁーん!」ザクザクザクザク
恒一「赤沢さん、長ネギはみじん切りじゃなくて輪切り!!」
――
望月「乾燥機があってよかった~・・制服はこのままでいっか・・」
小椋「代わりの服無いの?久保寺先生の服は・・入らないかなぁ」
綾野「あ、このTシャツどう?なんか首のとこ黄ばんでるけど」
望月「えっ」
――
桜木「37.7ですか・・もうすぐ榊原君達がご飯食べさせてくれますよ、それまで安静にしててくださいね」
久保寺「あぁ・・ありがとう・・・ございますゥ・・・」
赤沢「さすが恒一君・・いい旦那さんになれるわね」
恒一「えへへ、ありがとう」
見崎「いい匂い・・、食べもの・・うどん、だけ?」
恒一「うーん・・鮭を買ってきてもらったからそれでもいいか」
――
勅使河原「久保寺先生の卒業文集あるぜww」
勅使河原「"大きくなったら学校の先生になりたい・・"だってよ」
風見「教え子になれた僕らは幸せ・・かもだね」
桜木「あ、掃除進んでますかー?」
――
小椋「私もね、家でこうやって洗濯たたんだりしてるんだよ」
綾野「由美って結構家庭的だよね、意外」
望月「僕も三神先生に褒められるようにならなきゃ・・・///」ドヴァ
綾野「うわぁ!また鼻血!もっちー寝てなよもう!」
恒一「赤沢さん!大丈夫?すぐに冷やさないと・・」グイッ
赤沢「こ、恒一く・・///」
鳴「冷凍庫にアイスノン、あった・・」ピトッ
赤沢「うあ!!冷ァッ!!なにすんのよ!!!」
恒一「それは久保寺先生に届けた方が・・」
――
おばあさん「ウチの孫もねぇ、ちょうど君くらいの容姿で」
中尾「ハ ハイ...」
杉浦「中尾は熟女好き・・・中尾は熟女好き・・・」ワナワナ
――
PM8:12
久保寺「ふむ・・・おいしい・・です・・榊原君はほんとうに料理が上手なんですね・・」ズルズル
久保寺「・・・・・」ブワッ
恒一「久保寺先生!?ど、どこか痛いんですか!?」
久保寺「いえ・・私も・・もっとしっかりしないと・・ですね・・」
風見「漫画しか読んでなかったじゃないか」
桜木「色々と押入れの中に押し込んじゃいましたけどね・・」
望月「あ、勅使河原君達だ」
綾野「ちょーどいいや!洗濯物たたむの手伝ってよー!」
小椋「兄貴・・今頃何してるかな」
―――
恒一「それじゃあ、後は僕達がやっておくので・・久保寺先生は寝ててください」
久保寺「ありがとうございます、君達もあまり遅くならないように・・」
赤沢「恒一君はやっぱりやさしいわ・・いい旦那さんに・・ムフッ///」
鳴「・・・」
赤沢「何?私の顔に何かついてる?」
鳴「目と鼻と口」
赤沢「・・・あ、っそう・・(怒)」
望月「そうだね、っていうか部屋がすっごく綺麗になってる」
小椋「おまんじゅう食べていこーよ!」
綾野「まんじゅう?どこにも無いけど」
小椋「えっ」
鳴「・・・」モグモグ
赤沢「・・・」ムシャムシャ
小椋「これはどういう・・?」
恒一「和菓子好きな女の子っていいよねって言った途端こんな事に・・・」
――
桜木「洗い物は毎日やってますー。自分が食べたものは自分で洗うのが桜木家の決まりなんですよっ」バシャバシャ
風見「へー・・・桜木さん家行ってみたいなぁ・・・」ボソ
桜木「」ガシャン!
風見「あ、ごごごめん今僕何かマズいこと言ったよね」
勅使河原「」ニヤニヤ
望月「勅使河原君、帰る準備しようよー」
杉浦「中尾」
中尾「す、杉浦・・!どうしてここに!」
杉浦「別に・・なんとなく」
中尾「赤沢達は!?もう帰ったのか!?」
中尾「なんだよなんとか言えよぉ 赤沢は
杉浦「うっせえ!!熟女ババアのとこでも行ってろ!!!」ダダダダッ
中尾「ちょっ杉浦ァー!!!ここどこだよぉ!!」
―――
赤沢「恒一君、暗いからおくってよ」
恒一「え?赤沢さん達は小椋さんと帰ればいいじゃない?」
赤沢「女の子2人が夜道を歩くのよ!?危ないでしょ!!」
鳴「じゃあ私は帰るから・・じゃーね、」モグモグ
恒一「あっ見崎 ちょっと待って・・」
赤沢「こ う い ち く ん」グイッ
小椋「私・・先に帰ってるね!」
赤沢「彩は大丈夫よ、結構強いから」アハハ
綾野「それどーゆー意味!あたしも行く!ふんっ!!」
「ーーーい・・」
「おーーーーい!!!」
恒一「あ・・あれは・・中尾君!!」
赤沢「はぁ!?」
中尾「やっと見つけたあああー!!うええええん赤沢あー!!」
赤沢「気持ち悪いから近寄らないでよッ!」ドゴッ
中尾「まかsrッ!!」
恒一「あ、綾野さん・・中尾君がいるって事は大丈夫じゃない?」
綾野「へ?」
恒一「ほら、同じ古池町だし」
綾野「」
中尾「綾野・・今日俺さ・・」
綾野「・・・」スタスタスタスタ
中尾「なんか言えよ・・・おい・・今日大変だったんだぜ・・」
綾野「・・・・きゃーー!!変質者ー!!」ダダダダダ
中尾「ゑっ」
――
望月「じゃあ僕と桜木さんはこっち方面だから」
勅使河原「つっても途中まで夕見ヶ丘と道一緒だろ?望月」
桜木「今日は楽しかったですね~」
勅使河原「先生の意外な性癖が発見できたな!」
風見「話題がそれしかないのか・・・」
恒一「・・・」トコトコ
赤沢「・・・」テクテク
恒一「・・・あのさぁ」
赤沢「ふにゃ!?」ビクッ
恒一「ふにゃ?」
赤沢「なっなんでもないのよなんでもない・・///(びっくりして変な声出ちゃったじゃない・・)」
恒一「あ、それで今日さ・・何であんなに疲れてたの?来た時」
赤沢「えっ・・そ、それは・・///(恒一君の家まで行ってたなんて言えない・・)」
赤沢「・・ちょっと部屋の掃除してたら遅れちゃったのよ・・」
恒一「そうなんだ」
赤沢「・・・あ、あのね・・恒一君」
赤沢「恒一君の理想のお嫁さんってどんな感じ・・?///」
恒一「ははは、突然何言い出すの?」
赤沢「い、いいから」
恒一「うーん・・そうだなぁ」
赤沢「赤沢さんみたいな人かな」
赤沢「えっ・・それって・・ほんと?///」
赤沢「うん・・だから赤沢さん・・じゃなくて泉美!!結婚しよう!!」
赤沢「なんちゃってきゃーっ///」
恒一「あかざわ・・さん?」
赤沢「ハッ・・・ごめんなさい・・つ、つぢきを・・///」
恒一「(噛んだ・・)あ、えっと僕の理想のお嫁さんだっけ」
勅使河原「結構元気っぽかったし大丈夫だろ!」
望月「久保寺先生が来なかったら、担任は三神先生になるのかなぁ・・・///」
勅使河原「まーた始まったよ・・」
桜木「風見君・・さっきの話なんですけど」
風見「さっきの話?」
桜木「私の家に・・とか」
風見「!」
桜木「あ、ややややっぱりなんでもないですっ!!冗談ですっ!///」
勅使河原「じゃー俺らこっちだから、またな」
望月「うん、じゃあね勅使河原君、風見君」
望月「桜木さん、顔赤いけど大丈夫?」
――
勅使河原「あのー風見さん?・・おーい」
風見「・・・・」
――
恒一「僕の理想のお嫁さんはやっぱり・・僕の事をずっと好きでいてくれる人かな」
赤沢「!」
恒一「僕もその人の事・・多分ずっと好きだから・・」
赤沢「(ふにゃぁあああ~~~!!////ななななななにこれ!!遠まわしにこ、告白!?////)」
恒一「あかざわ・・さん?」
赤沢「はぁー・・・すぅーーはぁ・・・・・コホン 恒一君!///」
赤沢「あのね・・わ わたし――
恒一「あ!あれ杉浦さん?」
赤沢「え」
杉浦「・・・」
恒一「どうしたの?こんなところで」
杉浦「ん・・・ふぇ・・うわぁぁぁんいずみぃぃぃ!」
赤沢「ちょ、多佳子・・今日何かあったの!?」
杉浦「うひっぐひっぐぅえぇええなかおおおがぁあ」
赤沢「なんだかよくわかんないけど・・恒一君、わたし多佳子をおくってくから・・
家、すぐそこだし・・今日はありがとうね」
恒一「あ、うん」
恒一「(何か言いかけたみたいだけど何だろう・・まぁ、いいか)」
小椋「たっだいまー・・」ガチャ
シーン
小椋「まだ・・仕事かな」
小椋「兄貴、いる?」コンコン
・・・・・ トントン
小椋「えへ・・あのさ、今日何か食べたいものある?」
・・・・・
小椋「兄貴の好きなオムライス!今からでいいなら・・ご飯にしよ?」
・・・・・
小椋「おなかすいてない?」
・・・・・
小椋「ま・・いっか、じゃあ準備するから!」パタタタ
小椋兄「―・・さんきゅーな」
キーンコーンカーンコーン・・
ガラッ
久保寺「みなさんおはようございます」
恒一「あっ」
鳴「先生・・」
望月「もう大丈夫なんですね」
勅使河原「おっ、待ってましたーッ!」
久保寺「ええ・・昨日は榊原君達のおかげで十分に休む事が出来ました」
赤沢「ふん・・」
杉浦「・・・」
綾野「昨日はなんか不完全燃焼だったけどまぁいっかー」
小椋「・・・(えへへ、兄貴が笑ってくれた)」
中尾「まだキスの後が消えない・・死にたい・・」ブツブツ
昨日お見舞いにも来てくれた桜木さんが今日は高熱で欠席だそうです・・」
――――――
―――――
―――
風見「さ、皆でお見舞いに行こうか」
赤沢「ゆかりはお母さんもいるし大丈夫じゃ」
望月「昼の間は働いてるんじゃないのかな?」
勅使河原「じゃあ桜木の住所を先生に聞きに行くかあ!」
小椋「私は今日はパスね」
綾野「へ?なんでさ」
小椋「・・・特別な日だから!」ニコッ
杉浦「(中尾の)・・ばーかっ」
中尾「入れ歯の臭い・・臭い・・」ブツブツ
恒一「・・またお見舞い、だね」
鳴「・・だね?」
■終わり
乙
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恒一「クラスメイトがお漏らしする現象!?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333811357/
赤沢「26年前、この夜見山北中学校3年3組でお漏らしをした生徒がいたの」
恒一「は?」
赤沢「でもね、お漏らしした生徒のクラスメイト達が次々にこう言ったの」
赤沢「『彼はお漏らしなどしていない』ってね」
恒一「逆に辛いことだったと思うよ」
赤沢「その年を境に3組には不思議な現象が起きるようになったの」
恒一「まさかそれが…」
赤沢「えぇ…お漏らし現象よ」
赤沢「毎月何人かの生徒と家族がお漏らしをすることになるの」
恒一「家族もお漏らしを!?」
赤沢「ほらこの前ゆかりのお母さんが…」
恒一「ああ…そうだったね」
勅使河原「テスト中に…いきなりだったな」
先生『桜木!お前のお母さんが道路でお漏らしをしたそうだ!』
赤沢「それに驚いてゆかりも…お漏らしを…」
勅使河原「水野のお姉さんもそうだ」
勅使河原「気の毒にも…仕事中だったそうだ…」
恒一「ナース×お漏らしはかなりマニアックだったよね」
赤沢「無くもないわ」
赤沢「私たちはそのための対策係なのよ!」
勅使河原「裏ではパンパーズって呼ばれてるんだぜ」ヒソヒソ
恒一(酷いクラスだ…)
恒一「具体的に対策って何をするの?」
赤沢「それは…前もって1人の生徒をお漏らしした者として扱うのよ」
赤沢「こうすることによって現象を抑えることが出来るかもしれないの」
鳴「それが私…」ゴゴゴゴゴ
恒一(本当に酷いクラスだ…)
勅使河原「き、気持ちは分かるぜ」
鳴「あなたたちに何が分かるって言うの?」
鳴「お漏らしてもいないのにお漏らし扱いされる気分が」
鳴「役に徹しないといけないから否定も出来ないし…」
鳴「苦悶の日々だったわ」
恒一「可哀想に…」
恒一「見崎はお漏らした者として扱われていたんだろ?」
鳴「あ?」
勅使河原「おちつけ」
恒一「でも…現象は起こってしまっているじゃないか」
勅使河原「それはだなサカキ、お前の責任でもあるんだ」
恒一「え?何で?」
勅使河原「お前、見崎をお漏らし扱いしなかっただろ」
鳴「実際にしてないのにっ…!」
勅使河原「全部が全部じゃないが…まあお前のせいだ、サカキ」
恒一「転校してそうそう出来ることじゃないだろ!」
赤沢「確かに事前に言わなかった私たちも悪いわね」
赤沢「ごめんなさい恒一くん」
恒一「謝るのはそれ以外もあるでしょ?」
赤沢「?」
恒一「その後に僕をお漏らしした者にしたことだよ!」バン!
赤沢「恒一くんが見崎さんをお漏らしした者として扱わなかったから…」
恒一「だからってあんまりだよ!」
恒一「転校してきて日も浅いうちにお漏らし野郎ってからかわれたんだよ!」
恒一「どこぞの対策係のミスのせいでね!」
赤沢「わ、私だって色々考えたのよ!」
赤沢「見崎さんが恒一君の前でワザとお漏らしするの」
赤沢「そうしたら恒一君は見崎さんをお漏らしした女として扱わざるをえないでしょ?」
鳴「ふざけんなこのパンパーズ」
赤沢「何だと!」
鳴「頭下げられてお漏らしする女子中学生がいると思うの?」
勅使河原「ごもっともだ」
赤沢「な、何よこのお漏らし女!」キッ
鳴「お漏らししていない言ってるじゃない…」ゴゴゴゴゴ
風見「大変だー!高林が漏らしたぞー!」
勅使河原「あらら…出番だぞ対策係」
赤沢「分かったわよ!掃除すればいいんでしょ掃除すれば!」
見崎「今日もご苦労様です^^」
恒一「見崎が…笑ってる…」
恒一「見崎の別荘も近かったため彼女も交えてワイワイ遊びました」
恒一「現象から解放された俺たちは存分に海を満喫しました」
恒一「ですが事件は起こってしまったのです…」
中尾「まかせろー」
~~~
千曳「つまり中尾くんは流されたビーチボールを取りに行ったところで…漏らしたと…」
恒一「そうです先生…呪いは、現象は夜見山でしか起こらないんじゃないのですか!?」
勅使河原「こんな…こんなのってありかよ」
千曳「いや…そうでもないかもしれん」
赤沢「どういうことですか?」
千曳「これを見てくれ」
鳴「中尾君のズボン?」
恒一「それがどうしたのですか先生?」
勅使河原「いや、よく見ろサカキ…」
望月「股間の部分が濡れている…?」
千曳「そうだ。中尾君は夜見山ですでにお漏らしをしたのだ!」
恒一「尿意に引き込まれたのは夜見山の中で、ってことか…」
千曳「中尾君のお母さんから裏も取れている」
赤沢「あの野郎!漏らしたズボンで私の車に座りやがって!」
恒一「ではなぜ海でもお漏らしを?」
千曳「おそらく生理的なものだろう」
中尾「…もうやめて」
恒一「ガラスが割れたりロッカーが倒れたりして驚いたが誰一人としてお漏らしはしなかった」
恒一「そしてついにテープを見つけたんだ…」
~~~
勅使河原「そ、それじゃあ流すぞ」
望月「う、うん」
カチッ
松永『あーあー聞こえるかな?』
松永『俺はここのOBの松永って者だ』
松永『アドバイスと俺の懺悔のために録音することにした…』
松永『同じように現象に苦しんでる未来の後輩にこれを遺したいと思う』
恒一「…」ゴクリ
松永『もう大丈夫だ、って思ってたんだ』
松永『でもそんな簡単に解放されなかった…』
松永『さっきまで調子良かったのに、急にクラスの浜口がもよおしやがった…』
松永『バカなやつでさ。用意周到に尿瓶を持ってたんだ』
勅使河原「何言ってんだこいつ」
鳴「尿瓶…4月の半ばごろ私の机の上に置かれた物…」ブツブツ
望月(ごめんね見崎さん…置いたの僕なんだ)
松永『それでもう、その場はパニックだ』
恒一「懺悔って言うより暴露のような…」
勅使河原「浜口に恨みでもあんのか?」
松永『そのトラブルでさ、星川って女子も漏らしちまった』
松永『星川って女子は結構かわいくて勝ち気な性格なんだ…』
松永『そ、そいつが顔を真っ赤に染めて失禁するんだぜ?』
松永『見るなー!見るなー!って!』
勅使河原「本当何言ってんだこいつ」
鳴「最低ね」
松永『で、肝心なのはこの後だ…』
恒一「!」
鳴「めもめも…」ゴソゴソ
勅使河原「!マズい誰か来たぞ!」
~~~
恒一「結論から言うと…僕たちはテープの続きを聞けなかった」
恒一「勅使河原がテープを破いてしまったからね」
恒一「テープの修理は望月に頼んで僕たちは旧校舎を出た」
恒一「でも僕たちの知らない所で現象は連鎖的に起こっていたんだ…」
綾野「!」ビクッ
赤沢「ちょっと!声が大きいわよ!」
杉浦「両親と車で夜見山から引越をする途中、落石事故で渋滞に巻込まれたらしいの」
杉浦「そのまま我慢出来ずに3人とも…」
鳴「車の中は想像したくないわね」
恒一「か、かわいそうに…」チラッ
綾野(こういっちゃんがこっちを見てる…)カアァ
赤沢「それだけじゃないわ」
赤沢「お漏らしというかその…二次災害というか」
恒一「二次災害?」
杉浦「良くは分からないんだけど小椋さんはペットボトルがどうとか…」
恒一「ペットボトル…?」
鳴「どういう意味かしら?」
望月「…」
勅使河原「何かが変わりそうな気がするぜ」
鳴「良くも悪くも…ね」
恒一「テープは?」
望月「持ってきた」
赤沢(最近あの4人…仲いいわね)ショボン
勅使河原「じゃあ…再生するぞ」
恒一「…」コクッ
勅使河原「…」カチッ
永松『…が顔を真っ赤に染めて失禁するんだぜ?』
鳴「おい」
望月「めんご」
勅使河原「ふざけんなよな…」ポチ
永松『で、肝心なのはこの後だ…』
松永『そこで俺××って奴と言い争いになって』
恒一「!」
松永『掴み合いの喧嘩になったんだ』
松永『それで…それで』
勅使河原「…」ゴクリ
松永『その途中で…あいつトイレに行きたいって言ったんだ』
望月「は?」
松永『普段の俺ならもちろん行かせたさ』
松永『でも…喧嘩してて興奮していたんだろうな』
松永『あいつがトイレに行こうとするのを…俺は邪魔したんだ』
鳴「…」
松永『そしたらあいつ急に動きがおかしくなって』
松永『盛大にお漏らししちまった』
松永『俺は…怖くなって逃げ出したんだ』
恒一(なんで!?)
松永『その夜は眠れなかった…』
松永『誰かがお漏らしの跡を見つけて大騒ぎになるんじゃないかって』
松永『××が俺を責めるかもしれないって…』
勅使河原「責められてもしょうがないだろ」
松永『それで俺、確かめに行ったんだよ』
松永『××のお漏らしの跡がある森の中へ』
松永『そしたら無かったんだよ!お漏らしの跡が』
松永『シミも!匂いも!何もかも!』
鳴「うわ…」
松永『俺はすっかり混乱してしまって…』
松永『聞いてみたんだ、周りのみんなに』
松永『××のお漏らしの跡はどうしたのかなって』
恒一「混乱しすぎだろ」
松永『すると…みんながみんな変な顔をするんだよ』
松永『そんな奴知らないって…』
松永『俺は昨日の引け目もあってか××をフォローしたんだ』
松永『漏らしただけでそこまで言うなよ!って』
松永『でもみんな演技とかじゃなくて…本当に知らないようで…』
松永『そこでやっと気付いたんだ』
松永『昨日漏らしたあいつが…』
松永『今年クラスに紛れ込んでいたもう一人なんだって』
恒一「そんな…」
松永『だからここで告白することにしたんだ』
松永『合宿から2週間、××のお漏らしと深く関わった俺はまだ覚えている』
勅使河原「主因だろーが」
松永『でもそれも一時的なものだと思う』
松永『そして…現象を止める方法を伝えよう』
望月「嫌な予感しかしない」
恒一「…」
松永『死者にお漏らしをさせろ』
勅使河原「…」
松永『死者にお漏らしをさせるんだ!』
望月「…」
松永『それが始まってしまった現象を止める方法だ!』
鳴「無理ゲー」
ふう
勅使河原「仮に、紛れ込んでいた奴を見つけたとしよう」
勅使河原「そいつに…お漏らしをしろって言うのか?」
恒一「間違いなくバッシングを受けるね」
望月(榊原君なら大丈夫だと思うけど…)
鳴「とりあえず今は…ご飯に行きましょ」
恒一「結構おいしいね」
勅使河原「みんなで食べるってのもいいもんだな」
鳴「うん」
赤沢「ちょっといいでしょうか、三神先生?」
三神「え?ええ…」
赤沢「この際ですから言っておきたいことがあるんです」
赤沢「5月から度重なる不幸があって…」
赤沢「先月は久保寺先生まであんなことになってしまって…」
中尾「先生のお漏らしはキツいものがあったな…」
風見「僕なんてほとんどかかったからね」
赤沢「まず対策係としていくつかの不手際があったことをお詫びします」ペコ
ザワ…ザワ…
赤沢「あなたにも責任があると思うの」
鳴「…」ムッ
恒一「どうして…」
赤沢「…」
赤沢「見崎さんが決まり通りお漏らしした人として役割を真っ当したら…」
赤沢「誰も漏らさなかったはず」
勅使河原「ちょっと待った、そいつは不可抗力っつーかさ」
勅使河原「そもそも女子の見崎にお漏らし役ってのはあまりにも酷じゃ…」
赤沢「そうかしら?」
赤沢「見崎さんが榊原君の前でお漏らしした人を徹底していればこんなことにはならなかったわ」
勅使河原「だ、だったらどうしろって?」
赤沢「…」
赤沢「お漏らしを」
恒一「いやいや」
赤沢「だからこの場で謝罪の意をこめてお漏らしを…」ニヤ
鳴(ぐぬぬ…)
鳴「…」
鳴「…不毛ね」
鳴「して意味がある?」
恒一「見崎…しなくていいよ」
恒一「お漏らしなんて」
鳴「…」
鳴「…」スタッ
恒一「違う!」
望月「やめてよ!」
勅使河原「意味ねーよ!」バンッ!
鳴「…」ニヤリ
勅使河原「それより肝心なのは誰が死者n」
望月「て、勅使河原君それは!」
風見「お、おい和久井大丈夫か!?」
和久井「ハァー…ハァー」ジョロロロ…
恒一「そんな…和久井くん…」
赤沢(何であなたが!?見崎さんがお漏らしするはずだったのにっ!)
鳴「パンパ…対策係さん?^^」
赤沢「今から行くわよ!」
恒一「大変な夕食会だった…」
鳴「榊原くんさっきはありがとう」
恒一「ああ…いいよ僕だけじゃなくて望月だって勅使河原だって」
鳴「あなたがいなかったら私、みんなの前で辱めを…」
恒一「そ、そうだね」
鳴「後で来てくれる?」
恒一「え?」
鳴「私の部屋…同室の子はいないから」
恒一(何でそんなこと言うの!?)
鳴「見せたいものがあるの」
恒一「…」
恒一「見届けるよ…見崎の…現象を」
鳴「?」
恒一「見崎曰くこの義眼で見た人の、死の色?が分かるらしい」
恒一「見せつけお漏らしはどうしたの?って聞いたら凄い顔で軽蔑された」
恒一「見崎に謝っていたら奴が来たんだ」
~~~
勅使河原「サカキ!」
恒一「!」
勅使河原「俺!やっちまったかも!」
勅使河原「お、お2人さんに質問!風見智彦ってやつを知ってるか!?」
恒一「はあ?」
勅使河原「だから聞いてんだよ!知ってるか風見智彦!?」
恒一「知ってるも何もクラス委員長だろ」
恒一「桜木さんがお漏らしした時に生き生きしていた…」
鳴「…」
鳴「まさか勅使河原君…」
勅使河原「風見をお漏らしさせちまった…」
恒一「…」
鳴「…」
勅使河原「そしたらさ、ガキのころに俺と色々やったことを忘れたって…」
恒一「それで…?」
勅使河原「覚悟決めて問いつめたんだよ」
勅使河原「お前がクラスに紛れ込んだ死者なんだろって」
勅使河原「そしたらあいつ…怒りだして」
勅使河原「取っ組み合いの喧嘩になっちまった」
鳴「…」
勅使河原「それでみんな助かるんだって」
恒一「まさか…」
鳴「漏らさせた…?」
勅使河原「…」
勅使河原「股間を…こう、キュッと…」
恒一「うぅ…」モジモジ
勅使河原「はっきり…お漏らしさせようとは…」
鳴「いやいや」
勅使河原「俺、怖くなってここまで逃げてきたんだ…」
勅使河原「なぁサカキ…俺、間違えたのかなあ…?」
鳴「人として大きく間違えているわ」
恒一「…間違えた、いや漏らしてないのかも」
勅使河原「…は?」
恒一「股間を捻られただけで漏らすとは限らないだろ?」
勅使河原「あ…あぁぁぁぁ!」
勅使河原「あ、ああ…」
鳴「…私も行くの?」
前島「大変だー!火事だー!食堂で火事だー!」ガチャ
恒一「前島君!?」
勅使河原「どうしたんだそのズボン…濡れてるぞ」
前島「…」
前島「火を見るとオネショするって言うだろ」
鳴「苦しいわね」
カジダー!! キャーコナイデー!
勅使河原「あの格好で…無茶しやがって」
恒一「とにかく僕たちは風見君のところに…」
杉浦「…」ガチャ
恒一「今度は杉浦さん?どうしたの?」
鳴「…?」
杉浦「…死者にお漏らしを!」ガバ!
鳴「え?ちょ…」
恒一「見崎!危ない!」ダッ!!
杉浦「邪魔するなぁ!」ゲシッ!!!
恒一「くぁwせdrftgyふじこlp」キーン
鳴「さ、榊原君!?」
勅使河原「た、耐えるんだサカキ!楽しかったことを思い出せ!」
勅使河原「助かった…何でか知らないけど逃げてくれた」
恒一「せ…背中…さ…すって…」
鳴「…」スリスリ
鳴「杉浦さん…どうしてテープの内容を知っているんだろう」
勅使河原「確かに…テープを持っている望月の所に行ってくる」
恒一「か…かざ…風見君…も…ね…」
勅使河原「お、おう。お前も無理すんなよ」
鳴(そんなに痛いのかな?)
勅使河原「あいつどこ行ったんだろ」
望月「勅使河原君!杉浦さんにテープを取られた!」タタタ
勅使河原「なに!?」
ピンポンパンポ~ン
杉浦『対策係よりみなさまにお知らせがあります…』
杉浦『これから流すテープは15年前災厄が止まった年に残されたテープです…』
恒一「な!?」
松永『死者にお漏らしをさせるんだ!』
松永『それが始まってしまった現象を止める方法だ!』
杉浦『事実15年前災厄は途中で止まりました』
杉浦『そして今年の死者は…見崎鳴です』
杉浦『ですから…漏らせー!』
恒一「ち、違う!」
ガチャ!!
小椋「兄貴のかたきぃー!!」
吹いた
恒一「小椋さん!?」
小椋「おらあぁぁあああぁ!!」
恒一「怖っ!でも…ごめん!」ゲシ!!
小椋「うぼっ!?」
鳴(腹蹴り…容赦ない)
小椋「うぅぅ…痛いよぅ…」
恒一「ご、ごめん小椋さん」
小椋「うぅぅ…えぇ!?」チョロロロロ…
小椋「恒一くん見ないでぇ…」チョロロロ…
鳴「…」
小椋「見崎ぃ!何見てんだよ!」チョロ…チョロ
恒一「本当にごめんね小椋さん…僕…なんてことを…」
小椋「いいんだよ恒一くん…これも…現象なんだよ」
恒一「…」
恒一(それにしても…き、黄色い)
鳴「オグラー、あなた疲れてるのよ」
小椋「!ぶ、ぶっ殺す!」
恒一「綾野さん!」
綾野「由美、大丈夫…ではなさそうね」
小椋「彩…私もうだめだよ…」
綾野「バカなこと言ってないで立ちなさい」
綾野「こういっちゃん、見崎さん。ここは私にまかせて」
綾野「詳しくは知らないけどやるべきことがあるんでしょ?」
恒一「綾野さん小椋さん…ごめん」タタタ
鳴「…」タタタ
小椋「…」
綾野「仲…いいね、あの2人」
小椋「…」
小椋「…私も今から頑張ればまだ…」
綾野「お漏らし見られたんだから相当頑張らないとね」
小椋「…プラスに働かないかな?」
綾野「こういっちゃんに限ってそれはないでしょ…」
恒一「そういえば見崎、まだ死者の名前を聞いてなかったね」
鳴「…」
恒一「死者は…誰なんだい?」
鳴「…」
鳴「それは…」
杉浦「あなたよね?見崎鳴」ブォン!
鳴「!?」
恒一「!またまた危ない!」バッ!
恒一「うっ」ドサ
杉浦「大丈夫…さっきと違って急所じゃないわ」
杉浦「あんたは泉美のお気に入りだからねぇ!」
鳴「…あぶな」スッ
杉浦「うわっ!」ドテッ
杉浦「なんでこんな所にホースが…」
恒一「ううぅ…痛い…」
杉浦「あ、あれ?足に絡まって…」
恒一「…?」
杉浦「あ…」ジョロロロロロ…
恒一「何でだよ!?」
恒一「本当…何なんだろね…」
杉浦「止まりなさいよっ!」チョロロロ…
恒一「…」
恒一「…あー何か拭くものいるね。持ってこようか」
中尾「まかせろ」
鳴「中尾…くん?」
中尾「…榊原、ここは俺にまかせてくれないか?」
中尾「お前は赤沢さんを…みんなを守ってくれ」
恒一「分かったよ…中尾くん。行くぞ見崎!」タタタ
鳴「…」タタタ
中尾「…さてと」
杉浦「何よ…同情のつもり?」
杉浦「さっさと泉美の所にでも行きなさいよ」
中尾「バカヤロウ、お漏らしした奴をほっておけるか」
中尾「何たって俺は対策係だからな」
鳴「火事の匂いに混じって変な匂いがする」
恒一「それはおしっ…いや何でも無い」
松井「恒一くん助けて!杏子が!風見くんが!」
恒一「松井さん!?どうしたの?」
松井「風見くんが…杏子を」
風見「…」キュッ
松井「ひゃん!」ジョロロロロ…
鳴「!?」
恒一「な!?か、風見くん!」
恒一「お、覚えてるよ!何てことを!」
松井(むしろ…忘れて欲しい…)ジョロロロロ…
風見「やっぱり違ったか…杉浦さんは見崎さんだって言ってたけど」
風見「僕はね…君が死者だと思うん、だ!」キュア!!
恒一「うわ!?」ガシッ!
風見「勅使河原に漏らされかけて気付いたんだ」
風見「死者が漏らさないと…自分が漏らすって…」ギュウウウウウ
恒一「くうぅぅぅぅぅぅぅ!だからってこんなこと…!」
風見「うるさい!お前が転校してこなければゆかりは漏らさなくて済んだんだ!」
鳴「喜んでたくせに」
赤沢「ばかね」キュウォン!!
風見「…ぁ」ジョロロロロロロ!!
風見「…ぅ…ぁ…」ジョジョジョジョ
恒一「赤沢さん…」
赤沢「さて…見崎さん」
鳴「…」
赤沢「パンツに別れを言いな!」キュウォン!!
鳴「!」サッ
赤沢「待て!逃げるな見崎!」タタタ
鳴「来るなパンパース」タタタ
赤沢「あたし知ってんのよ!あんたがそのあだ名を広めたって!!」タタタ
鳴「漏らしたもの扱いされた恨みよ」タタタ
赤沢「うるさい!オラァ!」ガバッ
鳴「痛い…」ゴン!
恒一「馬乗り!?見崎!!」
赤沢「これで終わりよ…恒一くんの前で盛大に漏らしなさい!」
鳴「うぅ…」
ピカッ!!
恒一「近くで大きな雷が落ちた」
恒一「幸いガラスが割れるなどといったケガをしそうな事故は起きなかった」
恒一「しかし…雷に驚いたのか…はたまた現象の類いなのか…」
恒一「赤沢さんがお漏らしをしてしまった」
恒一「放尿中の赤沢さんは他の子のように泣いたり喚いたりはせず…」
恒一「ただ…黙って僕の目を見つめ続けた」
恒一「その目には怒りも恥じらいも無く…ただありのままの自分を受け入れて欲しかったのだと思う」
恒一「僕は赤沢さんの心の強さを、見崎は赤沢さんの尿を受け止めた」
恒一「何だって!?死者は怜子さん!?」
鳴「………そうよ」ズ-ン
恒一「そんな…僕はどうすれば」
鳴「………とにかく………行きましょ」
恒一「…うん…あまり近づかないでね」
鳴「…」
~~~
鳴「…ここよ」
恒一「怜子さん…」
三神「恒一くん…助けて…」
恒一「ごめんなさい…怜子さん…」
恒一(15年前…僕を産んだ時…景気よくお漏らししたお母さんの妹…)
恒一(両親そろって海外に行って一人ぼっちの僕を面倒みてくれた怜子さん…)
恒一(僕が…あの世に返すのか?)
恒一(僕がお漏らしをさせて…)
恒一(…)
恒一「あれ?どうやって?」
鳴「どうしたの?あまり長引かせるのもその…悪いと思う」
恒一「いや…あの…どうやってお漏らしさせればいいの?」
鳴「…風見くんや赤沢さんみたいに…こう…キュッ…って」
恒一「えぇ…キツいよ…無理だよ」
鳴「優しいのね…榊原くん」
恒一「いやいやそうじゃなくてさ…一緒に住んでたから何か…」
恒一「…」
恒一(望月呼ぶか…)
恒一「怜子さんのことを覚えているのは僅かな人数だが…いずれみんな忘れるだろう」
恒一「あと、クラスでのわだかまりは徐々に無くなりつつある」
恒一「あの見崎と赤沢さんでさえ最近は衝突しなくなった」
恒一「小椋さんも随分大人しくなった」
恒一「ただどうしてもペットボトルのお茶が飲めなくなったみたい」
恒一「中尾くんと杉浦さんはゴールイン間近との噂」
恒一「中学生で下の世話をした男女はまずいないだろうしね」
恒一「もちろん、寝る前にはトイレに行くけどね」
恒一「…」
恒一「あそこの遊園地行ってみようか」
鳴「え?」
恒一「あの観覧車…乗ろうよ」
鳴「あれには乗らない…」
鳴「だって」
鳴「トイレに行けなくなるもの」
おわり
乙
面白かった
俺も寝る前はトイレを心がけるわ
乙
Entry ⇒ 2012.04.22 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
見崎「鳴たんマジ天使……リピート、アフターミー」榊原「え?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334899598/
見崎「……もっと」ゾクッ
榊原「え?」
見崎「あと五回」
榊原「えっと……鳴たんマジ天使、鳴たんマジ天使、鳴たんマジ天使
鳴たんマジ天使、鳴たんマジ天使……あはは、なんだかこれ、恥ずかしいね――」
見崎「ハァッ!!」
榊原「!?」
その時目の前の少女の右目が大きく、そして蒼く輝いた。
見崎「妄執から生まれた邪教の輩よ!在るべき死へと還れ!!」
彼女がそう叫ぶと何処からか悲鳴が聞こえた。それは何処か物惜しそうで、それでいて、救済されたかのような……。
見崎「今、全ての死は死に還った。榊原君、貴方のおかげよ」そう言うと彼女は誰にでもなく高らかに宣言した。
見崎「夜見山スクールライフ、始まります」
義眼はすごい。僕はそう思った。
見崎「Anotherからホラーとスプラッタが浄化された。つまりこういうこと」
桜木「大変!お母さん無事見たいだけど心配だからお見舞いに行かなきゃ!ってきゃっ!階段で躓いちゃった!」ガッ
榊原「うおっと!?だ、大丈夫……?えっと、桜木さん?」ガシッ
桜木「さ、榊原君……///」
榊原「気を付けてね?」
桜木「は、はい///ご、ご迷惑をおかけして、申し訳ありません///それじゃぁわ、私は急いでおりますので、ま、また明日っ///」ピュゥー
榊原「ふぅ……案外桜木さんもそそっかしいところがあるんだね。それで見崎、どういうこと?」
見崎「……気を付けて……もう、始まっているかもしれない……」
勅使河原「おうサカキ、おっす。って、相変わらず二人で登校か?羨ましいぜ」
望月「本当に二人は仲が良いよね」
榊原「あっ、ははっ」
見崎「……」
榊原「(見崎がいつもどういうわけか家の前に居るから成り行きで一緒なだけなんだけど)」
榊原「え、あっ、やっ?」
榊原「(そんな悲しい目で見ないでよ見崎……)」
榊原「迷惑……なんかじゃないよ?見崎と一緒にいるの、結構気に入ったから、さ?」
勅使河原「おー!朝っぱらから見せつけてくれんなー!」
望月「榊原君って、おとなしそうな顔して結構やり手なんだね」
榊原「ちょっ、二人とも!そんなんじゃないから!」
見崎「……榊原君は、結構大胆……」
榊原「見崎!?」
ガラッ
「おはよう、みんな!」
勅使河原「おっす」
望月「おはよう」
見崎「……赤沢さん」
赤沢「ええ!今日も爽やかな朝ね!みんな、とっても輝いているわよ!」
赤沢「今日は夕日に向かって走ろうかしら!?ねぇ、良い考えだと思わない!?」
杉浦「疲れるだけよ」
赤沢「何言ってるの!そうして流された汗と涙で歴史は刻まれてきたのよ!?私達の中学校生活はこれで最後なんだから、目一杯楽しまないと!!」
綾野「良いこと言った!」
勅使河原「俺たちもかよ!?」
望月「赤沢さんは相変わらずだね」
杉浦「勝手にやってなさい」
綾野「おーっ!」
見崎「……」オー
榊原「……」
榊原「何かが違う……そんな気がするんだ」
見崎「……彼女の事ね」
榊原「うん……」
見崎「……私も、正直驚いている」
榊原「……この世界が見崎の鳴たんエンジェリックパワーによって浄化され、
それまで根付いていた災厄を禍根から燃やし尽くした、というのは教えてもらったけど……」
見崎「……これは私にも想定外……私の知る赤沢泉美さんは、あんな熱血じゃない……」
榊原「の、割に楽しんでいたよね……?」
見崎「きっと、バタフライエフェクト……私が災厄が始まってから、その過程で死んだ全ての人たちの死を無かったことに
したから、このような現象が起こったのだと思う」
榊原「なるほどね。たとえば、現象のある世界で通り魔によって殺された人は、現象の無い世界では、現象によって失われた何かしらの干渉を受けることによって
現象の無い世界では生存して生活している、ということか」
何かしらの差異が生じている。
私たち二人は修正に立ち会ったから、他の人たちとは別のステージから世界を見下ろしているがために違和感が起きている……」
榊原「……一度だけ会った赤沢さんは、もうちょっと棘のある人だったけど……でも、まぁ、そう考えると良かったってことなのかな?赤沢さんはあの現象の所為で何かを
失っていたのを取り戻して、あんな元気な姿になった、ってことはさ」
見崎「……榊原君」
榊原「でも……それなら今までの赤沢さんは――」
見崎「ハァッ!!」
榊原「!?」
その時目の前の見崎の目が大きく、蒼く輝いた。
「――ん……おにぃ……朝……?って、そうだお兄は――ぐすっ、ぐすっ――って寒!?」バッ
見崎「彼女も幸せにならなければいけない」見崎はそう言うと、全裸でむせび泣く赤沢さんにそっとブレザーを掛けた。
赤沢「見崎さ――どうして私裸なの!?えっ、あっ、いや、恒一君!?ちょっ、見ないでぇ!!」
義眼はすごい。僕は体育座りになって改めてそう思った。
赤沢「つまりどういうことなのよぉ!?なんであそこに私がいるの!?なんで夕日に向かって走っているの!?」
見崎「くっ……!」ガクッ
榊原「見崎!?」
赤沢「ちょっ、見崎さん!?大丈夫!?」
見崎「少し無理をし過ぎたみたい……」
榊原「大丈夫かい、見崎?立てる?」
見崎「……うん――くっ……!」
榊原「無理をしないでよ、見崎。仕方ない、ちょっと大人しくしていてね」ヒョイッ
見崎「あっ……」
赤沢「……あっ」
見崎「お、重くない……?」
榊原「全然?すごく軽いよ」
赤沢「……お姫様だっこ、良いなぁ……」
赤沢「も、もぅ///なんで私裸なのよぉ……」
見崎「ごめんなさい……」
赤沢「べ、別に見崎さんを責めているわけじゃ!」
榊原「そうだよ見崎。君が気負う事じゃないと思う。……とりあえず、僕の家に行こう。ここから一番近いしね。
そこで怜子さんの服を何着か借りよう。爺ちゃんと婆ちゃんは町内旅行で留守だし、怜子さんも最近残業続きだから
時間も十分にあるしね」
赤沢「こ、恒一君の家……///お、お邪魔じゃないかしら?」
榊原「だから、それは気にしなくていいよ。連れ込んで、何かしようってわけじゃないから、安心してね?」
赤沢「何かって、もぅ!!恒一君のスケベ///」ポカッ
榊原「いたっ!いや、だから、安心してってことで!」
赤沢「バカ///知らない///」
見崎「お邪魔します……」
赤沢「お、お邪魔します……///」
赤沢「俄かには、信じがたいわね」
榊原「でもそれが事実なんだ。僕たちが呼んでおいてなんだけれど、この世界では赤沢さんの方がイレギュラーだってことを、あらかじめ分かっていてほしい」
赤沢「現象のない世界の夜見山……そんな、此処に住む誰もが望むものを、見崎さんがたった一人で手に入れるなんて……」
見崎「……それは違う。これは、私と榊原君の力。……初めての、二人の共同作業」
赤沢「!?な、なんですって!?あ、あなたたちいいい一体、何をしたの!?」
榊原「な、何もしてないよ!ただ、ちょっと恥ずかしい呪文を唱えさせられただけで!」
赤沢「何よ、言ってみなさい!!」
榊原「め、鳴たん……マジ天使……」
赤沢「」
見崎「仕方がなかったの」
赤沢「そんなことができるなら初めから言ってよ!」
見崎「ごめんなさい、でも仕方がなかったの。――あのとき病院で、偶然榊原君に出会ったときに
確信したから……」
見崎「この人となら、出来るって」
榊原「ちょっ、見崎……なんだよその言い方///」
赤沢「~~!!いちゃついてんじゃないわよ!」
榊原「そんな!?僕は別に!!」
赤沢「……貴方達の勝手な都合で、現象が無くなったのは百歩譲って……いや、お礼を言いたいくらい感謝しているけれど……
でも、どうして私まで!?」
榊原「えっと、それは」
見崎「榊原君が、赤沢さんが幸せにならないと駄目だって」
赤沢「私?私なら幸せなんでしょう、この世界で――」
見崎「違う。貴方」
赤沢「……私?」
榊原「……僕の知っている赤沢さんは、赤沢さんじゃなかったから……だからどうしても、赤沢さんには
幸せになってほしいと思ったんだ」
赤沢「恒一君……」
榊原「……ごめん。僕らの、いや、僕の勝手な都合で君を呼び寄せてしまって……だけど、それなりの覚悟はしている。――赤沢さん。
君は、僕が幸せにするよ」ジッ
赤沢「……!?こ、ここここここ、こういちきゅん……!?」
赤沢「(そんな真剣な瞳で私の事を……し、ししししかも、それ、プロポーズじゃないっ!!)」
赤沢「きゅ、きゅぅ……」バタンッ
榊原「え、ちょっ、赤沢さん!?」
見崎「榊原君」
榊原「どうしよう見崎、赤沢さんが……!」
見崎「貴方……天然ジゴロ?」
榊原「へっ?」
見崎「彼女の家には彼女ではない赤沢泉美がいるから、連れ帰せはしない」
榊原「そうなると、事情に精通している僕の家か見崎の家だよね」
見崎「私の家はとりあえず交渉してみる。……榊原君の家に置いておくのは危険だから」
榊原「まぁ、もしそうなってくれると僕としてもありがたいな。年頃の女の子、それもこれだけの美人となんて
緊張するし、爺ちゃん婆ちゃんはともかく、怜子さんの説得は大変そうだし……もしもの時は、なんとかするけど」
見崎「……榊原君は、赤沢さんが好き?」
榊原「えっ、いや、まだそんな会ってから日も経ってないからなんとも……」
榊原「ちょっと!?なんて質問をしているんだ見崎!!」
見崎「……冗談」
榊原「冗談にしたって……心臓に悪いよ」
見崎「……罰」ボソッ
榊原「え?」
見崎「……なんでもない」
榊原「気になるよ、何さ?」
見崎「……今日は私も泊まるから。二人っきりじゃ、何が起こるか分からないからね」
見崎「一度、家に帰って、それから戻ってくるから。また後で」スタスタ
榊原「うん……」
榊原「……うん?」
赤沢「……zzz」
榊原「……赤沢さん、ぐっすり寝ているな……ごめんね、僕の我が侭に付き合せちゃって……
ちゃんと、責任は取るから」ナデ
赤沢「んっ……zzz」
榊原「ふふっ。寝ている赤沢さんって、案外可愛いなぁ」
榊原「さてと。今日はお客さんも居ることだし、少し頑張って料理を作ろうかな!」
榊原「~♪」
赤沢「……zzz」
赤沢「……zz」
赤沢「……z」
赤沢「……」
赤沢「……うぅ……」ボンッ
久々のss、楽しかったよ。付き合ってくれてありがとう
いまいちキャラの口調が分からなくてどうにも進行が遅れてすまない
来月の給料でたらAnotherの勉強します
それじゃまた此処ではない何処かで
できればもっと続けて欲しかったが
Entry ⇒ 2012.04.21 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
恒一「小椋さんが胸パット入れて登校してきた…」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334152864/
榊原「ん?どうしたの見崎」
見崎「聞きたいことがあるの」
榊原「何?」
見崎「榊原君は……」
榊原「うん」
見崎「胸は大きいか小さい、どっちが好き?」
女子「」ガタッ
見崎「いいから答えて」
榊原「いや、でも…恥ずかしいし…」
見崎「いいから」ジー
榊原「わ、分かったから見つめるのはやめてよ…」
見崎「どっち」
榊原「…うーん」
赤沢(大きい方って言って恒一君!)
小椋(小さい方…)
見崎「…」
赤沢(やったわ! これで恒一君は私のものに!)
小椋(…)
榊原「み、見崎? どうして黙ってるの?」
見崎「しらない」プイッ
榊原「何で起こってんだろ…」
榊原「おはよう」
勅使河原「おっす、サカキ! あれ? 見崎はどうしたんだ?」
榊原「いや、なんか知らないけど昨日からずっと無視されてるんだ…」
勅使河原「サカキ……それは流石に酷いぞ……」
榊原「はぁ……訳が分からないよ」
綾野「おはよーこういっちゃん♪」ムギュ
榊原「あ、綾野さん!?」
綾野「そんなこと言ってー、ホントは嬉しいんでしょ? ほれほれ♪」ムニュムニュ
榊原「う、うぅ」///
ガラッ
赤沢「おはよ…って何してるのよ、彩!」
綾野「こういっちゃんに抱きついてるだけだよー」ギュー
赤沢「離れなさいよ! ほら、恒一君も何とか言って!」
榊原「いや、言っても意味なかったから…」///
赤沢「…あっそ…そっちがそうくるならこっちだって!」ムギュ
榊原「!?」///
綾野「あ、泉美駄目だよー。こういっちゃんに抱きついていいのは私だけ!」ムニュ
赤沢「そ、そんなこと知らないわよ!私は恒一君のためにやってあげてるだけだから!」/// ムニュムニュ
榊原「」///
勅使河原「なんだこれ」
望月「両手に花だね」
ガラッ
見崎「おはy…」
見崎「…」ジー
榊原「み、見崎…」
見崎「…最低」
榊原「ち、違うんだ見崎! これは不可抗力というか、なんというか!」
赤沢「ちょっとそんな言い方しないでよ!」ムニュムニュ
綾野「そうだよー、こういっちゃんだって喜んでたくせに」ムニュ
榊原「うっ」///
バシッ
榊原「へぶっ!?」
見崎「もうしらない」プイッ
榊原「そ、そんな…」
赤沢「大丈夫、恒一君?」ムニュ
綾野「こういっちゃん痛くない?」ムニュ
榊原「う、うん大丈夫」///
見崎「」イラッ
ベシッ
赤沢「なんか、ごめんなさい…」
綾野「ごめんね、こういっちゃん…」
榊原「…いいよ、気にしてないから…」ヒリヒリ
ガラッ
小椋「お、おはよう!」タユン
榊原「あ、小椋さん、おはよう」
赤沢、綾野、見崎「!?」
勅使河原「あ、あれは…」
望月「ダウト」
小椋「う、ううん、別に!」タユン
赤沢「詰めてたわね」ヒソヒソ
綾野「詰めてたから遅れたんだよね」ヒソヒソ
榊原「そう? ならいいけど」
小椋「うん」
小椋(あ、あれ?)
赤沢「恒一君まさかのスルーね」ヒソヒソ
綾野「気づいてはいるよね?」ヒソヒソ
榊原「ん? どうしたの?」
小椋「な、なんか気づかない?」/// タユンタユン
赤沢「自分から言ったわよ」ヒソヒソ
綾野「恥ずかしがるならやめとけばいいのに…」ヒソヒソ
榊原「? あぁ、ははっ。面白いボケだね」
小椋「え?」
榊原「その胸、ウケ狙いでしょ? 」
小椋「」
小椋「うぅ…」グスッ
赤沢「恒一君、鬼過ぎない?」ボソボソ
綾野「ちょっと由美が可哀想に思えてきたよ…」ボソボソ
榊原「小椋さん?」
小椋「ひ、酷いよ…榊原君…」グスッ
榊原「え、え?」アセアセ
榊原「小椋さん…」
赤沢「あれ? 何か嫌な予感」ボソッ
榊原「…いいよ」ボソッ
小椋「…え?」グスッ
榊原「小椋さんはそんなこと気にしなくてもいいんだよ」
榊原「確かに僕は大きい方が好きだよ。でも胸だけで全て決めるわけないじゃないか」
榊原「そんなことして無理に頑張らなくても」
榊原「僕はそのままの小椋さんが一番好きだよ」ニコッ
赤沢、綾野「」
榊原「ははっ、なんか照れくさいな…」テレッ
小椋「嬉しい!」ダキッ
榊原「わ!? お、小椋さん?」
小椋「わ、私も榊原君が一番好きっ!」///
榊原「え…」
小椋「だ、だから付き合ってください!」///
榊原「…ご、ごめん。僕、見崎と付き合ってるから、それは無理だよ…」
小椋「」
勅使河原「あー、やっぱりかよ。もっと早く言えよ…」
望月「まぁ、順当だよね」
ガシッ
小椋「…」
榊原「お、小椋さん?」
榊原「ひっ!?」ゾクッ
ガラガラッ ピシャン!
勅使河原「お、おい。出て行ったぞ……大丈夫かよ、サカキ……」
榊原「う、うん…」
榊原(…小椋さん凄い目をしてた…あんな目を見たたの初めてだよ……)
望月「ていうか、もうすぐ先生来るのにどうするの、これ…」
赤沢、綾野「」
榊原「…」
榊原(結局、小椋さんはあのまま帰ってこなかった……ちょっと心配だな…)
勅使河原「おーい、サカキ! 一緒に帰ろうぜ!」
見崎「駄目、榊原君は私と帰るの」
勅使河原「別にいいじゃねーかよ、サカキとったりなんてしないからよ」
見崎「駄目」
見崎「榊原君、聞いてる?」
榊原「え!? な、何?」
見崎「……私と一緒に帰るの」ガシッ
榊原「あ、うん」
勅使河原「ちっ、仕方ねーな……またなサカキ!」
望月「またね、榊原君」
榊原「うん、また明日」ノシ
榊原「……ごめんね、見崎」
見崎「何のこと?」
榊原「朝のこと……だよ」
見崎「…」
榊原「勘違いしないでね、どんなことがあっても」
榊原「僕が恋愛対象として好きなのは見崎だけだから」///
見崎「…」/// コクリ
榊原「見崎…」///
見崎「榊原君…」///
チュッ
ガチャ
榊原「ふぅ、ただいまー」
榊原(今日は疲れたな……一時はどうなるかと思ったけど……)
榊原「良かった……」
榊原(見崎の機嫌が良くなったし、き、キスも出来たし……)///
小椋「……何が良かったの?」
小椋「ねぇ、何が良かったの?」
榊原「え、え!? な、なんで僕の家に小椋さんが!?」
小椋「榊原君?」ガシッ
榊原「ひっ!?」ビクッ
小椋「答えて」
榊原「……っ」ビクビク
榊原「お、小椋さんには関係ないよ!」
小椋「ふぅん……そんなこと言っちゃうんだ……」
榊原「…」
榊原「な、何」
小椋「見崎さんとキス、どうだったの?」
榊原「!?」
小椋「そんなに良かったの?」
榊原「な、何で、知って……」
小椋「もう、駄目だなぁ、榊原君は……私以外の女にキスしちゃ駄目でしょ?」ギュッ
榊原「ひっ」ビクッ
小椋「ほら、お詫びにキスは?」///
小椋「可愛いなぁ…榊原君は…」///
榊原「やめてよ…小椋さん…こんなの間違ってるよ……」
チュッ
榊原「!?」
小椋「榊原君に拒否権なんてないよ、黙って私に従ってればいいんだよ」
榊原「でも…こんなの…」
ガシッ
榊原「か、かはっ!?」
榊原(く、首が……)
小椋「もう、五月蠅いなぁ……黙ってよ」ギリギリ
榊原「お…ぐ……ら……さ…ん」
榊原「かはっ、うぅ…」ハァーハァー
小椋「わ、私、何を…」
榊原「…お、小椋さん…」
小椋「大丈夫? 榊原君?」
榊原「な、なんとか…」ガクガク
小椋「ごめんね……でも、これで分かったよね」
榊原「?」
小椋「私に逆らったらどうなるか、ね?」
榊原「」
学校
榊原「…おはよう」
勅使河原「おっす、サカキ。どうした、元気ないな?」
榊原「…うん…色々あって」
勅使河原「…大丈夫か?」
榊原「大丈夫だよ、心配してくれてありがとう」
勅使河原「気楽に相談しろよ?俺たちは友達なんだからさ!」
榊原「うん…ありがとう…」
榊原(ごめん……勅使河原……)
見崎「榊原君」
榊原「あ、おはよう見崎」
見崎「おはよう、じゃない。なんで先に学校行ったの?」
榊原「ご、ごめん…」
勅使河原「まぁまぁ、見崎。そんなに怒んなよ、サカキにだって1人になりたい時ぐらいあるんだろ」
見崎「勅使河原君には聞いてない」
勅使河原「ひでぇ…」
見崎「榊原君?」
ガラッ
小椋「お、おはよう、榊原君!」
榊原「」ビクッ
榊原「お、おはよう」
勅使河原「お、小椋、元気になってんじゃねぇか」
小椋「……」
勅使河原「無視はやめてくれ…」
小椋「さ、榊原君!」
榊原「な、何?」
榊原「うん……」
小椋「聞いてくれるかな…?」///
榊原「……」
小椋「わ、私は榊原君のことが誰よりも大好きです!」///
勅使河原「お、おい…またかよ……」
小椋「だから私と付き合ってくださいっ!」///
榊原「……」
見崎(また無駄なことを)
榊原「……」
見崎「榊原君?」
榊原「……こちらこそ、よろしく」
見崎「」
小椋「ふふっ」///
榊原「そういうことだから……ごめん、見崎」
小椋「えへっ、ごめんね見崎さん」///
前日
小椋「榊原君」
榊原「…なに?」
小椋「私、明日もう一回告白するから」
榊原「……」
小椋「返事は分かってるよね?」
小椋「もう次はないからね?」
榊原「……」
チュッ
小椋「ね?」///
榊原「……」コクリ
榊原「……うん」
勅使河原「おいおい、まじかよ…サカキ…」
見崎「……」
ガチャ
榊原「はぁ…ただいま…」
榊原(疲れた……見崎には悪いことしちゃったけど……)
榊原「これで良いんだよね…」
榊原(考えたって仕方ない…しっかり寝て疲れをとろう…)
見崎「何がこれで良いの?」
榊原「」
お
わ
り
ありがとう
書いてて楽しかった
乙
面白かった
乙
Entry ⇒ 2012.04.19 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
赤沢「恒一君が、好きです」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333245762/
赤沢(夢を………夢を見ていたの………)
赤沢(私は…なんのこともない日常を享受していて)
赤沢(小説のような……突飛な出来事や、冒険もなくて)
赤沢(でも私は……それがどれだけ幸福なことなのか、気づいていない……)
赤沢(そんな………夢を…………)
赤沢「…ん…んん…?……ん」
赤沢「あ…あれ…?私……」
カチッ
赤沢「………朝………」
赤沢(なにか……夢を見てた気がする………とても………怖くて………悲しい……夢を………)
赤沢「………」
赤沢(………学校…行かなきゃ……)
和馬「よ。珍しく寝坊だな」
赤沢「えっ……おっお兄っ!?なんで……!?」
和馬「はっ?なんだ血相変えて?」
赤沢「えっ……あれ…」
赤沢(なんで今……私……)
赤沢「…なんでもないわ。行ってきます!」
和馬「おい朝飯」
赤沢「いらない!」ガチャ
和馬「なんだあいつ?」
赤沢「……」
赤沢(胸の中に…ずっと違和感がある……どうして?)
赤沢(いつもと変わらない…日常のはずなのに…)
小椋「おはよう」
赤沢「あ…おは……よ」
小椋「?どしたの?」
赤沢(また…違和感……)
赤沢「いえ…なんでもないわ」
ガララッ
赤沢「…」
勅使河原「お!おはよう!」
望月「おはよう」
赤沢「おはよう」
赤沢(二人は違和感ないのね)
杉浦「おはよ、泉美」
桜木「おはようございます」
赤沢「おは…よ…」
赤沢(また…)
杉浦「どうしたの?ぼーとして」
赤沢「あっ…ちょっと寝不足よ。多佳子」
杉浦「そ。そういえば今日は転校生が来るわね」
桜木「もしかして忘れちゃったんですか?」
赤沢「えっと…」
杉浦「本当に大丈夫?」
赤沢「…大丈夫よ。ちょっとド忘れしちゃっただけ。楽しみね。どんな人が来るのか」
杉浦「そうね」
キーンコーンカーンコーン
ガラララッ
久保寺「皆さん。おはようございます」
赤沢(…っ……?……)
久保寺「今日は三年二組の皆さんに新しい仲間を紹介します。どうぞ」
榊原「東京から来ました、榊原恒一です。よろしくお願いします」
赤沢「あれ…?」
綾野「はいはーい!こういっちゃんはどんな女の子が好みですかー?」
小椋「ちょっと彩っ」
榊原「ええっ」
勅使河原「おっ!俺も気になりまーす!」
桜木「こらっ。ごめんなさい、榊原君」
榊原「ははっ別にいいですよ。そうだね…静かでちょっとミステリアスな子が好みかな?」
綾野「ええっー?」
勅使河原「いいぞー転校生!」
赤沢「………」
流れからして恒一くんは皆の恨み買ってそうだけど
勅使河原「じゃあなーサカキ」
望月「さようなら」
榊原「さようなら。また明日」
赤沢「ねえ」
榊原「?あ…えっと…」
赤沢「泉美よ。赤沢泉美。ちょっといいかしら」
榊原「よろしく赤沢さん。なんだい?」
赤沢「ちょっと、二人で話したいの」
ガチャ
榊原「あっ」
鳴「……」
赤沢「…見崎さん」
鳴「…どうぞ」スタスタ
榊原「あ………」
赤沢「ああいう子なの。悪い子じゃないから、気にしないであげて」
榊原「うん、それでなにかな?」
赤沢「私たち、どこかで会ったことない?」
榊原「えっ?」
赤沢「失礼」
ニギッ
榊原「あっ赤沢さん…?」
赤沢「……やっぱり」
ニギニギッ
榊原「そう…?」
赤沢「恒一君は覚えてない」
榊原「うん…」
赤沢「そう…ごめんなさい。時間取らせて」パッ
榊原「いや、いいよ。そうだ、赤沢さんは部活とか入ってるの?」
赤沢「?演劇部だけど…どうして?」
榊原「部活を見て回りたくてさ。これから練習?」
赤沢「ええ」
榊原「じゃあ、案内してもらっていいかな?」
赤沢「まあ、構わないわ。行きましょうか」
小椋「あ…」
綾野「お」
千曳「こんにちは」
赤沢「こんにちは」
榊原「こんにちは、お邪魔します」
赤沢「演劇部の顧問の千曳先生。先生、こちらは今日転校してきた榊原恒一君です」
千曳「よろしく。演劇部の見学かな?」
榊原「はい。よろしいでしょうか?」
千曳「もちろん。ゆっくり見ていきなさい」
榊原「ありがとうございます。えっと…綾野さんと小椋さんも、いい?」
小椋「別に見てていいよ」
綾野「じっくり見てって!じゃ稽古始めよ」
赤沢「ん、待ってて」
綾野「そう…このクラスを守るために一年間徹底してもらうわ」
小椋「そんな…!ひどいよそんなの!」
綾野「じゃああなたが代わりにやる?」
小椋「そっそれは…」
赤沢「いいの。それで…クラスが助かるというのなら、やる」
小椋「うっ…そんな…」ウルッ
綾野「…………ごめんなさい」プイッ
千曳「はい。そこまで」
榊原「おー……」パチパチ
綾野「どうだったこういっちゃん?」
榊原「うん、凄いね綾野さん。いつもと全然雰囲気が違って、演技がどうにはいってる感じだった」
小椋「……」ウズッ…
綾野「あっ!こういっちゃん、由美にも感想言ったげて!」
小椋「あっ彩!」
榊原「うん…涙の演技とか、プロみたいだったよ…同い年とは思えないぐらい」
小椋「そっそう…ありがとう」プイッ
綾野「あっ!由美照れてるー!かっわいい!」
小椋「なっ!?彩!!」
綾野「きゃー」
赤沢「……」
赤沢「そう、ありがとう。でもまだまだよ。もっと練習しなくちゃ」
榊原「ストイックだね」
赤沢「当然よ」
綾野「こういっちゃーん!これ見て!昔の演劇のアルバム!」
榊原「どれどれ…」
綾野「私たちが一年の時なんだけどね、由美が途中で転んじゃって…」
小椋「ちょっやめろバカ彩!」
綾野「えーいいじゃーん」
榊原「ははっ」
赤沢「……」
赤沢(千曳先生、部活の後輩には、何も感じなかった…)
赤沢(どうして………?それに)
赤沢(恒一君での違和感は、他の人の違和感とは違う…………)
千曳「それじゃあ、今日の部活はこの辺にしておこうか」
「「「はーい」」」
千曳「気を付けて帰るんだよ、さようなら」
「「「「さようなら」」」」
榊原「うーんそうしよっかな?結構楽しそうだし」
綾野「是非そうしなよ!由美もこういっちゃんが入ったら嬉しいよね!」
小椋「えっ!?そっ…そう…ね…」
綾野「ふふふ…なーにまた照れてんの?」ニヤニヤ
小椋「照れてない!」
綾野「怒らない怒らない♪」
小椋「むー……」
榊原「赤沢さん」
榊原「綾野さん小椋さん。僕…演劇部に入るよ」
綾野「おお!やったあ!」
小椋「いっいいんじゃない……」
赤沢「そう…恒一くんなら主役やれそうだし、歓迎するわ」
綾野「よかったねー由美♪」
小椋「だからなんで…!」
榊原「これからよろしく」
赤沢「よろしく」
綾野「よっろしくー!」
小椋「よっ…よろしく」
三神「あらっ?」
綾野「先生もおかえりですかー?」
三神「ええ」
赤沢「…………!?」ドクン
小椋「ん…?」
赤沢(なっなに…!?この動悸は……!?)ドクンドクン
三神「あっそうだ恒一君」
榊原「?」
三神「今夜はハンバーグだから、楽しみにしててね♪」
榊原「はっはい!」
三神「じゃおさき~」
榊原「そっそんなんじゃないよ…」
小椋「…」
綾野「ふふん。じゃそのへんにしておきましょうか。由美がまた怒り出しちゃうし」
小椋「なっ!なんで私が!」
綾野「きゃ~助けてこういっちゃ~ん」
榊原「はははっ…あれ…赤沢さん?大丈夫?どこか…」
赤沢「あっ…大丈夫よ。気にしないで。私たちも帰りましょう」
綾野「そだね。じゃあまた明日!」
榊原・小椋「また明日」
赤沢「ええ、また明日」
赤沢(三神……先生…………)
赤沢(恒一君はすぐクラスに溶け込み、誰にも分け隔てなく接する恒一君の周りには
自然に人が集まるようになっていった)
赤沢(演劇部の活動にも積極的で、よく二人になることも多い…)
赤沢(……なぜか見崎さんと話しているのもよく見かけるけど)
赤沢(勉強して部活をして、クラスには笑顔があふれ、毎日が当たり前のように過ぎていく…)
赤沢(休みの日にはイノヤに恒一君を誘ったり、皆で夏に旅行に行くことを約束したり…)
赤沢(違和感は、決して消えはしなかったけど、考えてしまったら……なぜか…いけない気がしていた……)
赤沢「恒一君、大分演技上手くなったわね」
榊原「みんなや赤沢さんの指導のおかげだよ。今日もありがとう」
赤沢「どういたしまして。途中まで一緒に帰りましょ」
榊原「うん」
榊原「うん。あ…この河原」
赤沢「どうしたの?」
榊原「今やってる演劇の冒頭のシーンって、こういうところじゃない?」
赤沢「あ…そういえばそうね」
榊原「一回やってみない?」
赤沢「ふふっいいわよ」
赤沢「……」
榊原「今日は、風が騒がしいな……」
赤沢「……でも、このか」ズルッ「あっ!?」
榊原「えっ?」
赤沢「えっとっちょっきゃああああ!?」ドタドタゴロゴロゴロ
榊原「赤沢さん!!」
赤沢「いたっ!つう……!」
榊原「大丈夫!?どこが痛い!?」
赤沢「う…全部…」
榊原「待ってて…!」
榊原「怜子さんに持たされちゃってね。はいおしまい」
赤沢「ん…手かしてくれるかしら」
榊原「どうぞ」サシノベ
赤沢「ありがとう恒一君……」
ニギッ
………ドクン
赤沢「……………………?」
榊原「赤沢さん?」
ドクン…………ドクン…………
赤沢(あれ……私………こういうの………どこかで………)
ドクン……ドクン………
ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン
赤沢(……………………………………………………!!!!!!!!!!!!!!!)
おにいの、ばかああああ…………
コンッ…………
赤沢(……わた………し……………………………)
大丈夫?
それ、夜見北の制服だよね
赤沢(……わた…し………は…………)
ツウゥー…………
榊原「あっ赤沢さん!?泣いて…どこか痛いの!?」
赤沢「………ちが………………ちが…う………の」
榊原「赤沢さん……?」
ギュ
榊原「え…赤沢さん?///」
赤沢「ちが…………うの………わた…し………わたし……う…うう………」ギュウウ
榊原「あかざわ………さん?」
赤沢「う…ひぐっ…わたっ…うっ…わたっし…うぇ…ぅうああ…!」
榊原「…!!」ギュ
赤沢「うあ…うぅ………こうっ…いち…くん…ふぇ…ふぇええ………
うわああああああああああああああああん!!!!!!」
榊原「赤沢……さん……」
私は気づいてしまった
思い出してしまった
私に何があったのか
・・
三年三組に……なにが………あったのか…………
赤沢「多佳子こそ…なにやってんのよ」
杉浦「別に。好きにしてるわ」
赤沢「……私たち三年二組よね」
杉浦「そうだったかしら」
赤沢「多佳子は…三年三組でなにしてるの?」
杉浦「なにも」
赤沢「……そう」
赤沢(死者は、誰)
赤沢「…………」
杉浦「……恒一君のとこに行かなくていいの?」
赤沢「今は、それより大事なことがある」
杉浦「そう」
赤沢「…………多佳子」
杉浦「なに」
赤沢「この世界は、なんなの?」
赤沢「私は………私たちは!三年三組だった!!!」
赤沢「現象があって!私は対策係で!!いないものは見崎さんで!!!」
赤沢「クラスメイトが死んで!!先生が死んで!!いっぱい死んで!!!」
赤沢「多佳子も…死ん……で」
杉浦「………」
赤沢「それで……私も………私も………」
杉浦「…」ギュ
赤沢「私も………死んじゃった……………死んじゃった…………しんじゃたよお…たかこお…」
杉浦「泉美…」ナデッ…
赤沢「ひぐっ…ふぇぇ…なんで…………どうして……」
赤沢「…ぐずっ………」
杉浦「どっちが好き?」
赤沢「え………?」
杉浦「この……現象も対策係もなくて…みんなが普通に暮らしている世界と……
現実の…三年三組の世界」
赤沢「……そんなの…………決まってるじゃない……」
杉浦「…」
赤沢「みんながいて…お兄がいて……多佳子がいて……恒一君が、みんなっみんな笑顔でいて……」
赤沢「こっちの世界がいい……いいに…決まってるじゃない………!!」
杉浦「そう…そうよね…」
杉浦「そうね……泉美頑張ったもんね………」
赤沢「………たかこお」
杉浦「…泣き疲れたでしょ……膝貸してあげるから…今日はもう寝ちゃいなさい」
赤沢「あ………う……ん………」
杉浦「明日になったら…また一緒に学校生活送りましょ。この、優しい世界で」
赤沢「うん………」
杉浦「おやすみなさい………」
ピッ……ピッ………ピッ………ピッーーーーーー……………
………………………………………………
千曳「………」
千曳(叶わなかった…か………)
千曳(もう……線は引きたくなかったのだが……な……)
千曳(……)
千曳「…」ピッ
………………
ドカーン……ガラガラ……
勅使河原「くそ……!くそお!!」
望月「風見君…………」
有田「……もう…いや…」
千曳「…………」
勅使河原「………赤沢は?赤沢がいないじゃねえか!」
望月「榊原君もいない…!まさか……また中に!?」
勅使河原「くそっ!!」ダッ
千曳「待ちなさい」ガシッ
勅使河原「離せっ!離してくれ先生!!」
千曳「……私が探しに行こう。君たちはここで待っているんだ」
望月「先生…!」
勅使河原「くっ……お願いします!先生!」
千曳「…」ダッ
千曳(くっ…ガレキが……酷い惨状だ…これでは…)
千曳「誰か!誰かいないか!!」
千曳「あ……あれは……!!」
赤沢「…………」
千曳「大丈夫か!?しっかりしろ!!」
千曳(全身に刺し傷に火傷……出血がひどい……かろうじて息があるがこれでは……だが)
千曳「…頑張れ。こんなところで死んではダメだ…!」グッ
赤沢「……」
勅使河原「赤沢っ!!!」
鳴「…!!」
千曳「…無事だったのか…そっちは?」
勅使河原「サカキです!気は失っちまってるけど…先生っ!赤沢は!?」
千曳「非常に危険な状態だ。すぐに応急処置の準備をしてくれ」
望月「はっはいっ!」
勅使河原「ひ…ひでえ……くそっ…赤沢!頑張れよ!!死ぬな!!」
ガチャ
榊原「……あ」
鳴「…おはよう。起きたって聞いたから。あの後のこと、知ってる?」
榊原「……うん。千曳先生から」
鳴「そう」
榊原「千曳先生…怜子さんのこと、覚えてなかった」
鳴「ほかのみんなも、覚えてなかった」
榊原「やっぱり…そうか…」
榊原(僕は……………怜子さんを……………)
鳴「……他に何か、聞きたいことある?」
鳴「……とても、危険だって。命が助かっても……二度と目覚めることもできないかもって…………」
榊原「………そうか…見崎」
鳴「なに?」
榊原「赤沢さんのこと……恨まないであげて」
鳴「……」
榊原「あんな状況じゃ、まともにいられる方が難しかったと思うんだ。だから…」
鳴「大丈夫。それに…私にも責任の一端はあると思うから。私が、早く三神先生のことを…」
榊原「もうその話はやめようか…もう、終わったんだから」
鳴「うん…」
榊原「他の皆はどうしてる?」
鳴「ケガの治療が終わったあとは、あの夜のこと…みんな忘れちゃってるみたい。
断片的に覚えてる人もいるみたいだけど」
榊原「そっか…」
榊原「あっどうぞ」
ガチャ
勅使河原「おっすサカキ。意識戻ったんだってな」
望月「こんにちは。身体大丈夫?」
榊原「うん。もうすぐ退院できるって」
勅使河原「そいつぁよかった…て」
鳴「……」
望月「…お邪魔だった?」
榊原「いや大丈夫だよ」
勅使河原「おう、何かワリイな……なあサカキ」
榊原「赤沢さんのことかい?」
勅使河原「ああ………」
望月「大分……よくないみたい」
榊原「うん……聞いたよ」
勅使河原「……」
榊原「皆で、祈ろうよ」
鳴・勅使河原・望月「!」
榊原「赤沢さんは絶対に良くなるって。また一緒に…学校生活送れるって…」
勅使河原「…ああ!言われなくても!!」
望月「もちろん!」
鳴「私も…祈る」
勅使河原「お」
望月「うん」
榊原「見崎……」
榊原(必ず…戻ってきて…赤沢さん…)
赤沢(夢の中のこの世界は、誰かが理不尽な不幸に会うこともなく、笑顔で溢れて
毎日が輝いている世界)
赤沢(私の大切な兄がいて、大切な友達がいて、好きな人が…とても近くにいる世界)
赤沢「たか…こ……」
杉浦「ゆっくりおやすみ…泉美…」ナデナデ
赤沢(また…明日になったら……三年二組で………)
赤沢(うるさいなあ…)
"みんなと一緒に生きたい"
……モド…ッテ…
赤沢(もうほっといてよ……)
"あんな死に方ごめんよ"
赤沢(痛いのはもういや………)
"私はまだ"
…アカ……ザワ……サン!
赤沢(恒一君………)
"生きたりない"
勅使河原(帰ってこい!赤沢!)
望月(戻ってきて!)
鳴(お願い……!)
榊原(赤沢さん…赤沢さん……!)
"生きたいだけ、生きてない!"
赤沢「ごめん……多佳子」
赤沢「私……行かなくちゃ」
杉浦「そ」
赤沢「次会うのは、だいぶ先になりそうね」
杉浦「ええ。泉美はよぼよぼのお婆ちゃんになってるわね」
赤沢「言ってなさい。私はどんなに歳をとっても、赤沢泉美よ」
杉浦「ふふっ…そうね。きっと…とても綺麗なお婆ちゃんね」
赤沢「…ありがとう」
杉浦「いいえ」
杉浦「私も大好きよ。泉美」
和馬「早く行けよ」
赤沢「お兄…!」
和馬「皆待ってるぜ、さっさと行ってきな」
赤沢「うん…それじゃあ…」
和馬「ああ」
和馬・杉浦「いってらっしゃい」
赤沢「…いってきます!」
…………………………ピッ
千曳「……?」
…………ピッ……………………ピッ…………ピッ…
千曳「……!!!!」
……ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…ピッ…
千曳「こっこれは…!!!!」
赤沢「あ…………う……………」モゾッ
千曳「医者…医者を…!だ…だれかっ!!」
赤沢「……」スヤスヤ
千曳「………」
勅使河原「赤沢ぁ!!」
望月「意識が戻ったって!?」
鳴「赤沢………さん…!!」
榊原「……赤沢さん!!!」
千曳「静かにしたまえ」
勅使河原「すっすいません…千曳先生!赤沢は!」
千曳「医者によると今は寝ている…が、意識がはっきりして、脈拍その他も安定している」
千曳「峠は…越えたそうだ」
望月「ううっ…よかった…!よかったよぉ……!!」
鳴「………良かった…………よかった………!」
榊原「赤沢さん……よかった…本当に…よかった……!!」
千曳(医者によれば…助かる見込みはほぼゼロに等しかった)
千曳(だが……)
鳴「また…一緒に…」
勅使河原「ぐずっ、おうよ!」
望月「うん…うん!」
榊原「また一緒に…学校に行こう!待ってるよ…赤沢さん」
赤沢(…みん…な……)スヤスヤ
千曳「奇跡………か」
バンッ
千曳「図書室では静か…ああ君か。卒業おめでとう」
赤沢「千曳先生!!」
千曳「!!なっなにかね……!?」
赤沢「この名簿…!どうして私に線が引いてあるんですか……!?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
千曳「こっこれは…!すまない…修正し忘れていたよ……すぐに直す」
赤沢「まったく。しっかりしてください。私は死者じゃありませんから」
千曳「大変失礼した……」
赤沢「………」
千曳「……どうした?」
赤沢「こんなに…犠牲になったんですね………」
千曳「……今自分たちがすることは」
赤沢「わかってますよ」
赤沢「笑って前を向いて歩いていかないと…天国にいるみんなに、怒られちゃう」
千曳「……その通りだ」
赤沢「それじゃあ千曳先生。三年間ありがとうございました」
千曳「ああ。お元気で」
赤沢「はい…先生も、お元気で」
鳴「!……覚えてるの…?」
赤沢「おぼろげ…だけどね」
鳴「そう…」
赤沢「謝って…許されることじゃないのはわかってる…私はあなたを」
鳴「許します」
赤沢「え!?」
鳴「許す、て言ったの。だから、この話はもうおしまい」
赤沢「み……見崎さん……」ウル
鳴「卒業、おめでとう」
赤沢「うん。そちらも…おめでとう」
鳴「うん…勅使河原君が呼んでたよ」
赤沢「知ってる…それじゃあ…また」
鳴「うん、またね」
勅使河原「おっおう!」
望月「じゃっ、じゃあねえ!」
勅使河原「じゃっ、じゃあなあ!」
赤沢「…?望月君?」
勅使河原「ああ!あいつは何かこれから用事があるみたいで」
赤沢「そう」
勅使河原「あっ赤沢!俺お前に、言いたいことがあるんだ!」
赤沢「…なに」
勅使河原「俺は………お前のことが好きだ!!赤沢!俺と…付き合ってくれ!」
赤沢「………」
赤沢「嬉しい…」
勅使河原「!」
勅使河原「そんなの関係ねえよ!」
赤沢「ありがとう…けど、それとこれとは話は別よ」
勅使河原「ぬ…」
赤沢「…考えてあげてもいいわ」
勅使河原「…そ…それじゃあ!」
赤沢「ただし!!」
勅使河原「!」
赤沢「私の……恋が破れたらね」
勅使河原「か…」
勅使河原「かあっ……やっぱりサカキか……」ガクッ
赤沢「あら?よくわかったわね」
赤沢「好きにすれば?」
勅使河原「うう…」orz
赤沢「……」
赤沢(あんたの声も…ちゃんと聞こえてたわよ)
勅使河原「ん?何か言ったか?」
赤沢「別に。卒業おめでとう」
勅使河原「おう、そっちもおめでとう」
赤沢「ありがとう。じゃあね。」
勅使河原「ああ」
勅使河原「……」
勅使河原(綺麗で、眩しすぎるぜ…たくよ)
赤沢「呼び出してごめんなさい。迷惑じゃなかったかしら?」
榊原「まさか。迷惑なんてあるわけないよ。どうしたの?」
赤沢「うん…」
杉浦(頑張って、泉美)
和馬(うちのを泣かしたら承知しねえぞ!)
赤沢(ふう…落ち着きなさい、赤沢泉美)
榊原「?」
赤沢「まずは……ごめんなさい。私は、あなたにとても非道いことをしてしまった。
本当に、ごめんなさい」
榊原「思い……出したの?」
赤沢「うん…少しだけど…」
榊原「……気にしてないよ。全ては現象のせいだったんだから。
赤沢さんが生きていてくれて、僕は本当に嬉しかった……」
赤沢「…!恒一君…!!」
赤沢「ええ、私も…恒一君と卒業できて………一年間、いろんなことがあったわね…」
榊原「…そうだね……」
赤沢「辛くて…悲しいことが…あったわ…」
榊原「うん…」
赤沢「私も…死にかけて…もうダメかな…死んじゃうなあって私自身思ってた」
榊原「……」
赤沢「けど…それでも…私は…生きたかった!楽しいこともあったから…三年三組になってからの
楽しいこと、恒一君と初めて出会ってからのこと、私は覚えてるから」
榊原「うん……僕も覚えてる。赤沢さんと川原で出会ったこと、思い出したよ」
赤沢「!………それと…もう一つ理由があったの…私の…生きたい理由……伝えたい…想いがあったから」
赤沢「私は…」
赤沢「私はずっと恒一くんのことを見てた…恒一君と話して…恒一君の側にいるととても安心して…
見崎さんには…嫉妬してた」
榊原「赤沢さん…!」
赤沢「私は…恒一君の隣にいたい。恒一君と一緒に歩いていきたい」
それに楽しいこともある どんなにくじけても 前に進んで 未来で楽しいことは 自分で作ることもできるから
赤沢「恒一君と、二人で手をつないで歩いていきたい」
赤沢「私は」
この世界で 私は生きていく
赤沢「恒一君が、好きです」
END
良かったわ
Entry ⇒ 2012.04.18 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
恒一「真夏の夜の淫夢」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334151862/
僕は榊原恒一、夜見山北中学に転校してきた中学三年生だ。今日はクラスメイトの見崎鳴の家に招かれた。
鳴「こ↑こ↓」
恒一「はぇ~すごく大きい……」
『夜見のたそがれの、うつろなる青き瞳の。』
恒一(なんだこれ……)
ガコガッ、ゴギン!
鳴「入って、どうぞ」
恒一「おじゃまします」キョロキョロ
ブゥ~ガッチャン!
鳴「いいよ、上がって」
恒一「うわ、暗いね、店とかやってるの?」
天根「おや若い男の子とは珍しいねえ、お客さんかい? 中学生かい? だったら半額で(ry」
恒一(なんだこのお婆さん)
鳴「ね、本当にいない者って大変」
鳴「まあクラスの皆が死んじゃうからには、しょうがないよね」
恒一「そうだね」
鳴「夜見山はどう、慣れた? 慣れない?」
恒一「うーん……」
鳴「学校じゃろくなことがない以上は町に慣れるしかないから、自分を失わないようにね」
恒一「そうだよね」
鳴「頑張ろう」
恒一「うん」
恒一「うん……うん?(まずうち、ってなんだ? しかも日焼け……)」
鳴「榊原君ってちょっと肌白すぎる気がするんだよね、もっと浅黒いほうがいいと思うよ」
恒一「あぁ、入院もしてたしね」
鳴「それに私も少し日焼けしてみようかと思ってるの。私、見ての通り肌白いでしょ?」
鳴「昔から外で遊ばなかったし、でも小麦色の肌って少し憧れがあって今年は日焼けしてみようかなって思うの」
恒一(だからってなんで僕を巻き込む必要があるんだ……? うーん、でもまあいいか)
恒一「日に当たると体内の良いホルモンがよく分泌されるって聞くしね、いいよ」
鳴「じゃあ今日プールあったし水着持ってきてるよね。そこの部屋で着替えてきて。私先に行ってるから」
恒一(見崎の水着姿かぁ……まあ得といえば得だしいいか)
ミーンミンミンミンミーンミンミンミン
恒一「見られないかな……」
鳴「大丈夫でしょ。ま、多少は見られても……」
鳴「榊原君、オイル塗ろっか」
恒一「う、うん、ありがとう」
恒一(なんでビキニなんだろう……胸は小さいけれど、肌は露出されてるから……うう……)
鳴「……」ヌリヌリ
恒一(わ、下半身に……)
鳴「硬くなってるよ? 溜まってるんだね、ふふっ」
恒一「そ、そんなことないよっ」
鳴「なにが溜まってるとは言ってないんだけど……」ニヤッ
恒一「うぅ……」
恒一「な、なにが?」
鳴「とぼけちゃって、オナニーだよ、オナニー」
恒一「あぅ……2ヶ月くらい」
鳴「2ヶ月? 大分溜まってるんじゃない、それじゃ」
恒一「入院もしてたし、家に住んだら住んだでおじいちゃんとおばあちゃんもいるし……」
鳴「ふーん」
鳴「……」ヌリヌリ
恒一「……(なんだか今日の見崎、変だな)」
鳴「……」ギロリッ
鳴「んっ……ふぅ……」
恒一(触るたび吐息が漏れて……)
鳴「榊原君、あんまり上手いから気持ちよくなってきちゃった」
恒一「えっ……」
鳴「濡れてきちゃったかも……」スリスリ
恒一「あ、あんまりそう言うこと言わないでよ……」ヌリヌリ
鳴「ぁっ……んっ……」ニンマリ
鳴「これ以上やると気持ちよくなっちゃう、もういいよ、やばいやばい」
鳴「あぁ、今日はほんといい天気」クタァ
恒一(そんなしどけない体勢……)フイッ
鳴「喉乾いた……喉乾かない?」
恒一「あぁ、喉乾いたね」
鳴「何か飲み物持ってくる。ちょっと待ってて」
キッチン
チョロロロロロロ……
鳴「……」カタッ ゴトッ
サッー!
鳴「おまたせ、缶の紅茶しかなかったけどいいかな?」
恒一「うん、いただきます」
鳴「どうぞ」
恒一「ごくっ、ごくっ……」
鳴「……」ニヤリ
鳴「焼けたかな、ちょっと」スルッ
恒一(む、胸のビキニをズラしてっ)
鳴「これもうわかんないな、恒一君は?」スルッ
恒一(今度は僕の水着を……)
鳴「いいね、きれい。すごく白くなってる、はっきり分かるんだね」サワサワ
恒一(気のせいか手つきがじらすみたいな……)
鳴「この辺りがセクシーだね、エロい」
恒一「うん……(あれ、なんだか目が……)」
鳴「そろそろ中入ろうか」
恒一「そう、だね……(眠気、なのかな)」
鳴「よいしょ」
恒一「よっ、わっ」フラッ
鳴「ちょっと、大丈夫? 大丈夫?」ダキッ
恒一「大丈夫、だよ……(見崎の身体が、でも眠気が……)」
鳴「……ふふっ」
恒一(ん、眠っちゃってたのか、ここは……)
鳴「チュッ、チュパッ、チュゥゥッ! はぁっ……チュウッ、はぁ、ちゅっ」ピチャピチャ
恒一(見崎……?)
鳴「チュッ、ぱッチュ、ぷぢゅっ、はぁぁ……れろ、れろれろ、レロッ」
恒一(なんだか薄暗いところだな……僕、見崎に……えっ!?)
恒一「見崎っ、何やってるんだよ、やめてよ本当に」
鳴「ちゅぶっ、暴れないでよ、暴れないでよ、いいでしょ榊原君っ」
恒一「見崎っ、ちょっとまずいよ、やめてよっ……」
鳴「暴れないでって!」
恒一「ちょっ! とっ!」
革のソファに仰向けた身体も、見崎にのしかかられているためまるで身動きできない。
摩擦を許さない革の素材が不自由さをさらに感じさせた。僕のパンツは脱がされ、見崎も胸のビキニを脱いでいる。
鳴「はぁ、はぁっ……」トントントン
恒一「何するんだよ、ちょっと本当に……ドイツッ」
見崎が白いハンカチかタオルのようなものに小さなビンを押しあて何かを塗りつけている。
ビンを離し塗り終えたかと思いきや、それを僕の口元に押しあててきた。
恒一「う、うもう」
鳴「はぁ、はぁ、はぁぁっ、榊原君、気持ちいい? 気持ちいいでしょ?」ペロペロ
恒一「むぐっ、ふむっ」
鳴「榊原君のことが好きだったんだよっ!」
恒一「!」
見崎はその舌で僕を舐めまわした後、目を見据えてきて、真に迫った声で想いを告げてきた。
その後も彼女の愛撫は止むことはない。暖かい舌は懸命に肌を這い、ねばついた音を立てる。
僕は口をふさがれながら、うっとりとでもいえそうな淡い意識の中で、
だんだん身体の奥まで染み入ってくる感触に耐えることしかできなかった。
見崎の目当てが上半身から離れ、下半身へと移っていく。彼女の意図が伝わってきて、
ペニスが露わになっていることが今更恥ずかしくなってきた。小麦色の顔と右手が直立したピンクの亀頭へと寄せられる。
上から下へ、下から上へ撫でられる。首が少しかしげられると指がペニスを包んだ。また上下の往復が為されたかと思うと、
見崎の赤い右目が腰から胸へ、胸から首へ、なぞるように動き、顔へとたどりついた。
鳴「榊原、くん……」ハァハァ
赤い瞳はしばらく僕の瞳のもとにとどまっていたらしいが、うつろな感覚では何を訴えかけているのか読みとれず、
むしろその間も動き続ける小さな手のほうにしか注意が向かなかった。
鳴「はぁっ、ふ、ぁっ」シュッシュッ
恒一「うっ、むぅっ」フゥー フゥー
小さな手は普段僕がさわっている感触と比べてどこか物足りなさを覚え、上下に擦る手際もぎこちなく、
握る力も弱かった。けれど、擦られるたびに尿道はうずき、時折亀頭の縁に触れられれば腹筋が脈打った。
恒一「んあっ、ふぅーっ、フーッ……」
降りてきていた瞼が、さらに細められた。左手でペニスが支えられ右手の指が割れ目をなぞっている。
微笑みが僕の顔に向けられる。だが僕はなにが起こっているのかさえも理解出来ず、
頭を休めるために程なく天井を見上げ、断続的にやってくる感触に刺激されつつも、
ひたすら天井の黄色い光を見つめてることしかできなかった。
鳴「……ふふっ、ぢゅるっぢゅっ、ぴちゃぴちゃ、ふぅ……ちゅっ、ぱっ……」
ペニスの根元に添えられている手と共に、何か違う感触が加わってきた。唇を寄せられているようだ。
鳴「はむ、れろれろっぴちゃちゅっ……ふぅ、ちゅっ、ちゅ、れろっ、ちゅぅっ、ちゅぷっちゅぷ」
恒一「むぅっ、あう、ううぅっ」フーッフーッ
何回かなめられると乾いてきて摩擦が気になったが、まもなく最初のものに近い粘りが感じ取れた。
鳴「ぢゅるっぢゅるっぢゅるっぢゅるっ、ぢゅっぢゅっぢゅっ!」
恒一「ううぅぁっ、ふむぅ、ぐぅっ!」フーッフーッ
擦れる度に湿り、擦れる度に湿り……やがて痛みも飽和して感覚がマヒした頃には、
ペニスの底からこみ上げて来るものがあった。
鳴「ちゅぱっ、はぁ、はぁ、いいの?」
恒一「ふぅ、ふぅ……」
鳴「よいしょっ、と」ガタッ
見崎が下半身から離れ、唾液で濡れた唇を手の甲で拭った後、下のビキニを脱いだ。
白い肌があらわになり、小麦色に焼けた太股やヘソと明らかな対照を作っている。見崎は僕をまたいで顔に乗りかかってきた。
太股の付け根から弧を描くように象られた股の中心に割れ目が見え、足を広げたことで少し開いて桃色の内部が見えた。
恒一「はあぁぁぁ、はぁぁっ、ふぅっ……」
鳴「恒一君、これ、舐めて」
柔らかい肉が弱い重みを伴って僕の口元に押し付けられた。小麦色の手が白い股に伸び、桃色の内部を明確に示してくれる。
滴りが天井の光を反射して、幼さを感じさせるピンクをより鮮やかにしている。
恒一「れろっ、れろっ……」
鳴「あぁっ、気持ちいいっ」
汗なのか何なのか、すこし苦みのある塩辛さとツンとくる匂いを感じながら見崎のヴァギナを舐めた。
はじめは入口を、だんだんと中へと割り込んでいく。はじめは拒むように両側の肉がすぼんでいったのが、
やがて波打つように動くほどになっていった。
恒一「れろっ、ちゅちゅっ」
鳴「気持ちいいよっ、はぁっ、自分で動かしてっ」
漏れる息が多くなり、喘ぐ声が次第に高まっていく。ふと見上げてみると、見崎は左目の眼帯を外していた。
事故に遭った後母親に作ってもらったという人形の目。緑の瞳が赤い右目と共に喜びを浮かべて僕を見下ろしていた。
鳴「あぁ、それ、いいよっ、んんっ……んっ!」ビクッ ビクッ
ピンクの内部から漏れてくる液体の勢いが増した。それにつれて細い身体が震え、あるいは跳ねて、
そして口へともたれかかる。口元にねばついたものがにじみ、次いで息苦しさが襲い、
その後腰を引いてくれたことで和らいだ。
恒一「れろっ、れろっ」
鳴「あっ、っ、あくっ」ビクッビクッ
余韻に浸る見崎にこみ上げて来るものを覚え、舌をさらに這わせてみると、彼女の身体はまた軽く震えた。
見崎が再び僕の股へと移り、硬さを保ったペニスを持ち上げてヴァギナへと寄せた。
一度僕の顔を見たが、なにも返すことはできず、焦点の合わない目を向けることしかできなかった。
鳴「んっ、くぅっ……つぅ、ううぅ」
本来押し分けられるはずのないものを無理に貫いていくのか、僕のペニスが圧迫される。そこで意識がようやく引き戻された。
見崎も左目を閉じて痛みを耐えているのがうかがえた。それが僕の痛みを改めて感じさせる。
鳴「はぁ、はぁ、っ……ううぅああぁっ!」
何かが切れるような感触の後、柔らかい重みが腰へと降りてきた。涙がこぼれる左目に皺をよせ、唇をつよくかみしめ、
握りしめた拳を口元に寄せ……そんな見崎の姿を見ると、僕は胸の奥がきつくなるのを感じた。
気胸ではない。僕の体に掛った本来の重みなど忘れるくらいの激しい重みが伝わってきた。
鳴「うあぁっ、くあっ、はぁ、はっ、はぁぁ、ふぅ、ふぅーっ」
深い呼吸の起伏が身体に伝わり、思わず自分の息を合わせてしまう。そこで視界が広くなり、周りのことに注意が及ぶと、
汗の匂いに混じって鈍い臭いが嗅ぎ取れ、ヴァギナの当たりに赤い物が垂れているのがわかった。
見崎が再び僕の股へと移り、硬さを保ったペニスを持ち上げてヴァギナへと寄せた。
一度僕の顔を見たが、なにも返すことはできず、焦点の合わない目を向けることしかできなかった。
鳴「んっ、くぅっ……つぅ、ううぅ」
本来押し分けられるはずのないものを無理に貫いていくのか、僕のペニスが圧迫される。そこで意識がようやく引き戻された。
見崎も左目を閉じて痛みを耐えているのがうかがえた。それが僕の痛みを改めて感じさせる。
鳴「はぁ、はぁ、っ……ううぅああぁっ!」
何かが切れるような感触の後、柔らかい重みが腰へと降りてきた。涙がこぼれる左目に皺をよせ、唇をつよくかみしめ、
握りしめた拳を口元に寄せ……そんな見崎の姿を見ると、僕は胸の奥がきつくなるのを感じた。
気胸ではない。僕の体に掛った本来の重みなど忘れるくらいの激しい重みが伝わってきた。
鳴「うあぁっ、くあっ、はぁ、はっ、はぁぁ、ふぅ、ふぅーっ」
深い呼吸の起伏が身体に伝わり、思わず自分の息を合わせてしまう。そこで視界が広くなり、周りのことに注意が及ぶと、
汗の匂いに混じって鈍い臭いが嗅ぎ取れ、ヴァギナの当たりに赤い物が垂れているのがわかった。
不意に見崎が腰を上下に揺らした。僕のペニスを絞っては緩めて、絞っては緩めて、そんな具合にヴァギナが収縮した。
血のものなのか、それとも愛液なのか、水気のある感触が伝わってきた。
見崎は未だに痛みに耐えているはずだったが、それどころではなくなっていた。
恒一「うあっ、はっ、あっ、あぁっ!」
鳴「あっはぁ、あっ、ふぁっ、あぁっ!」
お互いの声と、肉を叩き合う音が薄暗い部屋にこだまする。どちらが相手に合わせているものやら、
あえぐ声も揃ってきた。相手の声を合図とするように動きも揃い、最後には性器の脈打ちまで。
鳴「気持ちいい、さかき、ばら、くんっ、気持ちいいっ?」
恒一「気持ちいい、みさきっ!」
鳴「ふぁ、ぁっ、あぁっ!」
耐えきれなくなったか、見崎が身体を倒し僕にもたれかかってくる。熱い感覚と、
汗のまじったほのかな香りが一気にのしかかり、それを受け止めすぎると溶けてしまいそうで、
せめて感覚だけの逃げ場を探すと、胸のあたりを擦ってくるものがあった。
恒一「ふぁっ、れろっ、ちゅぷっふむっ」
キスをかわしながら見崎は再び動いた。舌を奥まで求めても、なにか足りない気がする。
見崎も同様らしく、向こうが深く差し入れて来ることで求める余地が生まれこちらの欲求はさらに深まっていく。
唇を這い寄ってくる暖かさと、上半身を覆う熱と、下半身を放さない圧迫感と……僕はいずれに集中を傾けていいものかわからず、
あえなく自らの意識の手綱を放した。
恒一「あぁっ、あぁっ! ちゅぱっ、ふっ、ふっ」
鳴「ふっ、やぁっ、気持ちいい?」
恒一「んっ、気持ちいい、気持ちいいっ! あぁっあぁんっあぁっあぁっ↑」
鳴「私も気持ちいいよ、あぁっ!」
腰はとまってくれず、意識は快感しか思い浮かぶものがなく、すべては一直線に見崎に向かうしかなかった。
恒一「あぁ、はぁっ、あぁ、あぁっ」
鳴「あぁっ、ふぁっ、つぁっ、あぁっ」
突くたびに見崎が声を上げ、引きぬくと僕が声を上げる。そんな助けにも支えられペニスは見崎の膣内をしごき続けた。
時折見崎の小さな胸をつまむと身体が跳ね上がった。うなじにくちびるを寄せても、ヴァギナに指を寄せても、
お腹を撫でても、彼女は声を上げて身体を震わせた。
いつしか彼女の快感は自分の快感と一致しているのだと錯覚するようになった。
鳴「あっ、やっ、きゃっ、んああっ!」
恒一「あぁんっ、あぁんあぁんっ↑あぁんっ↑」
こみ上げて来るものが声を高くするのか、声が高くなるからこみ上げてくるのか……
見崎の身体も痙攣に似た震えを始め、汗をしたたかに垂らしていた。
鳴「榊原君っ! 榊原君っ!」
恒一「見崎っ、あぁっ↑ あぁーっ↑」ピチュン!
ペニスが下半身の周辺をあまねく巻き込んで強く脈打った。勢いのままに小麦色の背中に白い精液を吐きだした。
細い体が熱さを感じているのが軽く痙攣する。そこで二人の体は別々のものなのだと今更のように気付いた。
力尽きた体が胸からソファへと崩れていく。吐息がソファに埋もれて音がこもっていく。生臭い臭いが部屋にあふれていく。
ペニスにまとわりつく鈍い痛みに耐えかねて深呼吸をした。痛みは治まらない。
しかもどうやら、精力も収まっていないらしい。ソファがきしみ、見崎が仰向けになった。
見崎も、わかってくれているみたいだ。脚を開きヴァギナをこれ見よがしにつきつけ、あまつさえ手まで添えている。
目を閉じ、やや指を動かして、快楽を待っている。
恒一「くっ、はっ」ニチニチッ
鳴「うぅん、あぁんっ」キュンキュン
先程の挿入に比べれば大分圧迫は弱まってきた。
鳴「ん、きもちいいよぉ……はぁ、はぁっ」
見崎が色の違う二つの目を僕に向けてくる。すこし顎を引いて、上向くようにして、僕を見ている。
赤と緑が混ざり合い、軽く開けた口のピンクも加わる。それぞれの色を見分けることができなくなっていく。
真っ暗なんだかまっさらなんだか、混乱を極める認識の中で、僕は見崎に溺れているのだということだけはわかった。
鳴「ぴちゃぴちゅっ、はぁっはっ」
二回目だというのに飽きる様子はない。口づけながら、愛撫しながら、腰を振る。
そのうち見崎の喘ぐ声は僕の喘ぎと再び重なった。
鳴「あんっ、はぁん、おんっおぉんっあぁんっ!」
恒一「んあっ、はぁっ、ああっああんっあぁんっ!」
まるで蒸気機関車を温めながら走らせるように、吐息と脈動が交互に繰り返される。
一度冷めてからだというのに温度はあっという間にピークに達する。
鳴「あぁーっ! はぁはぁ、イキすぎぃっ、イクゥ、イクイクゥ……ぁっ、んあーっ!」
鳴「あぁん、あぁ、はぁっ、はぁ、ふあっ、あぁ、あぁ、ぁっ……」クタァ
何度も震えながら、膣内で激しく脈打ちしながら、つよく瞼を引き締めながら、見崎は臨界点に達した。
唾液が情けないほどに口から垂れている。もうまともに上げられないであろう瞼の隙間から、焦点の合わなそうな瞳が見えた。
息が全身を通ってふくらみ、しぼんでいく。ふと、甘い香りがただよってきた。
腰を休めて彼女の回復を待つ間、緊張を維持するにはそうした様子を見るだけで十分だった。
もうまともに喘ぎ声さえ上げられず、ソファにしがみつくことさえできない見崎は、僕の体をゆるく抱き
ひたすらペニスを受け止めるだけだった。それでも僕は理性の歯止めの利かない段階まで来ていた。
恒一「あぁ、あぁっふっ、いきそっ」
鳴「あぁはぁっいいよっきてよっ胸にかけて胸にっ!」
見崎が両腕を放し顔の横に投げ出した。僕はその手をつないで身体を支える。そして耐えきれなくなった時、
腕もペニスも身体も全てを切り離して見崎に全てをぶちまけた。
鳴「胸にかけて、はぁっ、あぁっ、……ふぁっ!?」
小ぶりな胸にかけるはずだった精液は、抑えの利かない勢いのせいで顔にまでかかってしまった。
恒一「ご、ごめん(あれっ、何か忘れてるような……)」
鳴「キスしてくれたら、ゆるします……」
恒一「う、うん。それくらいならこっちだって……(まぁ、いいか……)」
鳴「じゃ、いったん顔を洗って……」
鳴・恒一「ちゅっ、ちゅうっちゅっぱっ、れろぉ、ちゅっ」
二人は幸せなキスをして終了
――――
――
三神家
恒一「ん……朝か(あれ、なんか下半身に違和感が……)」
恒一「うわっ!? やっちゃった……」ドロォ
恒一(いったいどんな夢をみたんだろう……覚えてるにしても覚えてないにしても、ほんとタチが悪いよなあ)
恒一(まだ5時か、それだけは救いだな、これならみんなに隠れて……)
プルルルル!プルルル!
恒一「! な、なんだ、電話か……」
父親『おう、暑いぞインドは!』
恒一「日本も暑いよ」ガチャッ
恒一「はぁやれやれ……」
鳴「榊原君、どうしたの?」
恒一「ん? い、いや、なんでもないよ、大したことじゃないし」
鳴「ふうん、まあいいや。それよりね、実は霧果に榊原君をうちにつれてきてほしいって言われたの」
恒一「へえ、珍しいね。どうして?」
鳴「なんだか力の要る仕事みたいで。うちに男手はいないからってことで」
恒一「ふうん、じゃあ勅使河原とかも呼んでこようか?」
鳴「ううん、榊原君一人だけで十分だし」
恒一「そう……うん?」
鳴「それに榊原君くらいしか、家に呼びたくないし」
恒一「! そ、そっか……」
鳴「男子も女子も、ひっくるめてね」
恒一「う、うん……(そこまで言われるとなあ……)」
鳴「まあ三十分くらいで終わる仕事みたいだよ、だからそんなに呼ばなくてもいい。それにお礼にお金もくれるみたいだし」
恒一「えっ、お金?」
鳴「うん、五万円だって」
恒一「三十分で、五万!? そ、それはさすがに気が引けるよ」
鳴(さ、さすがにハッタリきかせすぎたかな……)
鳴「……まぁ、お金なら大分余ってるらしいし、あの人金銭感覚もすこしおかしいし、話半分に聞いててもいいかもね」
鳴「じゃ、パパパッとやって終わりにしようか」
恒一「うん」
鳴「あ、前もって電話しておくね」
鳴「あ、おばあちゃん? うん。朝に言ってた話、連れて来れるから。うん、はい、すごくいい人だよ」
鳴「しばらく留守にってことで……それじゃよろしくね、うん頑張るから。はい、じゃあね」
鳴「ごめんごめん、待たせて」
恒一「うん、それじゃ行こうか」
鳴「……」ニヤリ
END
大好きな純愛ビデオを下敷きに書いてみました。元ネタを知ってる人が見たら微笑ましく見てやってください
夜遅くまで付き合ってくれた皆は人間の鑑
エロ描写が生々しかった
乙素晴らしい
Entry ⇒ 2012.04.16 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
恒一「女の子達に突然ビンタしたらどうなるか」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333791197/
恒一「でも突然ビンタされて呆気にとられてしまう表情も見てみたい…」
恒一「……」
恒一「とりあえず望月で試してみよう」
望月「ん?どうしたの榊原くん?」
恒一「うん。美術部のことについてちょっと聞きたいことがあるんだ」
望月「えっ!?もしかして榊原くん、入部してくれるの!?」
恒一「まだ入部するかどうかは決めてないんだけど、一度見学とか出来たら良いなって…」
望月「うん!大歓迎だよ!」
望月「良かったら今日の放課後にでも…」
パチン!
望月「へうっ…!?」
恒一「……」
恒一「……」
望月「さかき…ばら…くん…?」
恒一「……」
望月「あ…う…」ジワァ…
望月「い、痛いよぉ…」グスッ…
恒一「なるほど」
恒一「それに叩かれた痛みのせいで怒りよりも悲しみの方が先にくるんだ」
恒一「女の子みたいな顔してる望月がぐずるんだ」
恒一「きっと女の子にやったら大泣きとかされるかもしれないな」
望月「あ…あの…榊原くん…?」グスッ…
恒一「あぁ、望月、ありがとう」
恒一「もう大丈夫だよ」
望月「…え?」
恒一「おかげで良いデータが取れたよ。それじゃあね」
望月「えっ?えっ!?」
恒一「とりあえず望月は男友達だから気軽にビンタすることが出来たけど…」
恒一「いざ本物の女の子をビンタしようとなると、やっぱり気が引けちゃうな…」
恒一「……」
恒一「いや」
恒一「男友達感覚で付き合える綾野さんなら、きっと僕も躊躇わずビンタが出来るはずだ!」
恒一「綾野さんのところへ行こう」
綾野「ううん!全然大丈夫だよー♪」
綾野「それに私がこういっちゃんのお誘いを断るわけないじゃーん♪」
恒一「綾野さん…ありがとう」
綾野「それで私に用事って何かな、こういっちゃん?」
恒一「うん…僕、綾野さんにどうしても伝えたいことがあってさ…」
綾野「えっ…」
綾野「(そ、それって…もしかして…)」
綾野「(愛の告白…!?)」ドキドキ…
綾野「(二人っきりの屋上…)」
綾野「(もじもじしてるこういっちゃん…!)」
綾野「(これはもう!間違いなく愛の告白だ!!)」
綾野「(うわぁー///そっかぁ、そうなんだぁ///)」
綾野「(こういっちゃんも私のことを…///)」
恒一「…綾野さん!」
綾野「は、はいっ///」
パチン!
綾野「あうっ…!?」
恒一「……」
綾野「(い、今、私…こういっちゃんに…)」
綾野「(ビンタ…されたの…?)」
綾野「…こ」
綾野「…こういっちゃん…?」グスッ…
恒一「……」
恒一「(涙を堪えて、遠慮がちな上目遣い…)」
恒一「(なるほど…これが…)」
恒一「(女の子にビンタをする感覚なのか!)」
綾野「こ、こういっちゃん…」
綾野「わ、私、なにかこういっちゃんを怒らせるようなことしちゃったかなぁ…?」グスッ…
恒一「(涙を堪えながらも、僕に笑顔を向けてくれる綾野さん…)」
恒一「(なんて健気な子なんだろうか…)」
綾野「も、もしそうなら…私、こういっちゃんにちゃんと謝りた…」
恒一「…ごめん、綾野さん」
綾野「…えっ?」
恒一「僕、いつも元気で笑顔な綾野さんの泣き顔を一度見てみたくって…」
恒一「だから興味本位でこんなことをしちゃったんだ…」
恒一「ごめん…僕、最低だよね…」
綾野「……」
綾野「(そ、それって私はこういっちゃんを怒らせるようなことはしてないってこと…?)」
綾野さんかわいいぞ…?
綾野「な、なーんだ!そうだったんだぁ!」
綾野「こういっちゃんも人が悪いなぁ!」
恒一「綾野さん…?」
綾野「てっきり、私こういっちゃんを怒らせるようなことしちゃったのかなって不安になってたところだよぉ!」
恒一「綾野さん…怒って無いの…?」
綾野「ん?ぜーんぜん♪」
綾野「だって私の泣き顔が見てみたいってことは、それだけ私に興味を持ってくれてるってことっしょ?」
綾野「ビンタは痛かったけど…それはちょっと嬉しいかも///」
恒一「綾野さん…」
綾野「(うん!こうやって話してると、やっぱりいつもの優しいこういっちゃん!)」
綾野「(泣き顔が見てみたかったって聞いた時は驚いちゃったけど…)」
綾野「(男の子なら、そういうセーヘキがあっても、おかしくは…)」
パチン!
綾野「う、あ…!?」
綾野「…うぅっ」グスッ…
綾野「え、えっとね…こ、こういっちゃん…?」
綾野「わ、私、演劇部なんだよ…?」
綾野「だ、だからビンタなんてされなくても泣き顔を作ることぐらい朝飯ま…」
パチン!
綾野「えっ…!?」
恒一「……」
綾野「…うっ」
綾野「うわぁぁぁ…」
綾野「うわぁぁぁぁん…」トボトボ…
恒一「(完全に泣かせてしまった…)」
恒一「(僕はなんて酷いことを…)」
恒一「となると、次は大人しめな清楚な感じの女の子を…」
恒一「……」
恒一「よし」
恒一「多々良さんを呼びだそう」
恒一「多々良さん、わざわざ来てくれてありがとう」
多々良「いえ、そんな…」
多々良「他ならぬ榊原くんからのお誘いだもの…///」
恒一「多々良さん…」
多々良「そ、それで、私に用事ってなにかしら…?」
恒一「うん…」
恒一「ちょっとまどろこっしい言い方になっちゃうんだけどさ…」
多々良「…?」
恒一「多々良さんって…凄く美人だよね」
多々良「…!?」ドキーン
恒一「初めて多々良さんのことを見た時から、ずっとそう思ってたんだ…」
多々良「そ、そんな…」
多々良「私…なんて…///」
多々良「(え?えっ!?な、なにこれ!?)」
多々良「(あの榊原くんが私のことをいきなり褒めだして…!?)」
恒一『ちょっとまどろこっしい言い方になっちゃうんだけどさ…』
多々良「!!」
多々良「(も、もしかして…これって…)」
恒一「だから、今思えばさ、この気持ちは…」
恒一「一目惚れ…だったのかな」
多々良「(あ、愛の告白!?)」ドッキーン
多々良「わ、わたし…///」ドキドキ…
恒一「…多々良さんって肌も色白で綺麗だよね」
恒一「ほっぺた…触ってみても良いかな…?」
多々良「!?!?」
多々良「……」
多々良「は、はい…」
多々良「ど、どうぞ…///」プシュー
恒一「ありがとう…それじゃあ…」
多々良「(あ、憧れの榊原くんに、触れられちゃう…!)」ドキドキ…
多々良「(で、でも、私…榊原くんになら…!)」
多々良「(だって私も!榊原くんが!好…)」
パチン!
多々良「…きゃっ!?」
恒一「……」
多々良「……」スリスリ…
恒一「(多々良さんがビンタされた場所を手で撫でている…)」
恒一「(流石清楚で美人な多々良さん)」
恒一「(そんな姿も絵になるな)」
多々良「え、えっと…?」
多々良「さ、榊原…くん…?」
恒一「(それに流石は多々良さんの綺麗な肌)」
恒一「(叩かれた場所がリンゴにみたいに赤くなってるよ)」
多々良「(わ、私…なにか榊原くんを怒らせるようなこと…したかしら…?)」グスッ…
多々良「さかき…ばらくん…?」オズオズ…
恒一「ごめん…多々良さん…」
多々良「えっ…?」
恒一「僕、美人な人の泣き顔に凄く弱くてさ…」
恒一「だから多々良さんの泣き顔を是非一度見てみたくて…」
恒一「それで思いついたのが多々良さんのほっぺたを叩くことで…」
恒一「…ごめん」
恒一「自分の欲求を満たす為とはいえ、こんなの最低だよね…」
多々良「……」
多々良「(き、嫌われているわけじゃ…ない…?)」
多々良「…!!」ドッキーン
恒一「僕は…」
多々良「(そ、そっか…)」
多々良「(さ、榊原くんは私のことがす、好きで…)」
多々良「(私に興味を持ってくれてるからこそ、こんなことを…)」
多々良「(それなら、私は…)」
恒一「本当にごめん…」
多々良「…大丈夫よ。榊原くん」
恒一「…えっ」
多々良「そういう理由なら私は平気…ううん、むしろ嬉しいの」
多々良「だって、それって私に興味を持ってくれてるってことだもの」
多々良「それにね榊原くん…」
多々良「わ、私も…榊原くんのことが…///」
パチン!
恒一「……」
多々良「……」
多々良「そ、そのね!わ、私も榊原く…」
パチン!
多々良「あぐっ…!」
多々良「さ、榊原くんのことがぁ…好…」グスッ…
パチン!
多々良「ひうっ!!」
多々良「……」
恒一「……」
多々良「ひぐっ…ううっ…」
多々良「ううっ…!!」ダッ…
恒一「(ごめん…多々良さん…)」
恒一「心まで清楚な女の子だったな…」
恒一「正直、罪悪感が凄まじいよ…」
恒一「次は罪悪感をあまり感じないような女の子…」
恒一「強気な感じの女の子に声をかけてみよう…」
恒一「……」
恒一「小椋さんなんてどうだろう」
恒一「小椋さん、わざわざこんなところまで呼び出しちゃってごめんね」
小椋「別に気にしないで大丈夫だよ」
小椋「それで、私に用事ってなに?二人きりじゃないと言えないこと?」
恒一「(強気なタイプの小椋さん…)」
恒一「(先に仕掛けなければ…やられる!)」
恒一「小椋さん!」
小椋「ん?」
パチン!
小椋「…!」
恒一「……」
恒一「(少し驚いた表情を見せたけど、すぐにいつもの凛々しい顔つきに戻った…)」
恒一「(加減が弱かったかな)」
恒一「(次はもう少し強く…)」
パチン!
恒一「うぐっ…!?」
小椋「おっ、良い音が鳴ったわね」
恒一「(しまった…僕は強気タイプな女の子を侮っていた…!)」
恒一「(なら、次はカウンターも出来ないくらいの重い一撃を…!)」
ベチン!!
小椋「…っ!!」
恒一「(…!しまった!強く叩き過ぎた!)」
恒一「(小椋さんの唇が切れて血が…!)」
小椋「……」ペッ
小椋「おらぁ!!!」
ドコォッ!!!
恒一「ごふっ…!?」
恒一「ま、まだだ!!」ザッ…!
小椋「はぁぁっ!!」ザッ…!
ベチン!!
ドコォ!!
恒一&小椋「…っ!!」
恒一&小椋「……」ハァハァ…
小椋「…私が殴ってるんだから、榊原くんもビンタにこだわらなくたっていいのに…」
恒一「…流石に、女の子を殴るわけにはいかないよ…」
小椋「ふふっ…優しいんだ?」
恒一「そんなんじゃ…」
小椋「…男だね、榊原くん」
小椋「楽しかったよ。またやりましょ」スタスタ…
恒一「(正直、彼女の一撃で僕の膝はもうガクガクだ…)」
恒一「(完敗だよ、小椋さん…)」
恒一「とてもたくましい女の子だった…」
恒一「今の時代、女の子も強い方が安心だよね…」
恒一「……」
恒一「強気タイプな女の子にはもう手を出さないようにしよう…」
恒一「となると、赤沢さんは除外か…」
赤沢「えっ?」
恒一「あとビンタをしておくべき女の子のタイプは…」
恒一「……」
恒一「クールでミステリアス系…」
恒一「となると見崎か」
恒一「見崎を呼び出そう」
赤沢「……」
赤沢「えっ」
鳴「そうね」
鳴「それで?なんの用なの?」
鳴「わざわざこうやって呼び出すんだもの」
鳴「なにか特別な用事なんでしょ?」
恒一「うん…そうだね…」
恒一「二人っきりじゃないと頼みづらいっていうか…」
鳴「……」
恒一「……」
恒一「見崎!」
鳴「なに?」
恒一「見崎のほっぺたにビンタをさせてくれないか?」
鳴「……」
鳴「えっ?」
恒一「そう」
鳴「私に?どうして?」
恒一「見崎の反応が見てみたいんだ」
鳴「私にメリットは?」
恒一「僕が喜ぶ」
鳴「……」
恒一「だから、見崎…僕に一度そのほっぺたにビンタをさせてくれないかな?」
鳴「…暴力は嫌い」
恒一「……」
鳴「でも、今日は特別に…」
恒一「…!」
鳴「許すわけないでしょ?」
恒一「そんな…!!」
恒一「もちろんだよ。少し前に見せてもらったじゃないか」
鳴「ビンタの衝撃で義眼が飛んだりしちゃったらどうしてくれるの?」
恒一「あっ…」
鳴「義眼とは言え、お母さんが作ってくれた大切なモノなの」
鳴「私の身体から離れるようなことがあったりするのは、イヤ」
恒一「そ、そうだよね…」
恒一「ごめん…僕、そこまで気が回らなかった…」
鳴「……」
鳴「わかってくれればそれでいいの」
鳴「さぁ、ビンタを始めましょう?」
恒一「……」
恒一「…えっ?」
鳴「誰が私にビンタして良いって言ったの?」
恒一「で、でも…ビンタを始めようって…」
鳴「ええ。そうね」
鳴「もう、みんな揃っているわ」
恒一「えっ?」
望月「榊原くん…僕にビンタされるのと美術部入るのどっちがいい?」
綾野「やっぱ亭主関白なのは良くないよ、こういっちゃん!」
多々良「綺麗な顔にビンタしたい…今なら榊原くんの気持ちわかるわ!」
小椋「さぁ、リターンマッチよ!」
赤沢「せっかくなので私も参加」
恒一「!?」
恒一「ま、まさか…ビンタを始めるって…?」
鳴「榊原くんを…」
鳴&望月&綾野&多々良&小椋&赤沢「女の子達(僕)がビンタ(ぶん殴ったら)したらどうなるか!」
恒一「う、うわぁぁぁぁぁぁ!?」
勅使河原「…って!?どうしたんだよ、そのツラ!?」ギョッ…
恒一「あ、あはは…」
恒一「て、天罰…かな…」ヒリヒリ…
中尾「俺も赤沢にビンタしてもらいたい…」
かーちゃんが終われって
乙
Entry ⇒ 2012.04.15 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
赤沢「嘘でもいいから、覚えてるくらい言いなさいよ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333897507/
鋭い窓ガラスの破片に貫かれながら赤沢さんが僕を責める。
でも今重要なことはそれを思い出すことじゃなかった。
目の前で血だらけになった女の子を助ける、それだけしか考えられなかった。
「赤沢さん、痛いかも知れないけど・・・ごめんっ!」
そう言って僕は彼女の返答も聞かず、彼女を貫いている破片を急いで抜き去った。
小さなうめき声をもらして赤沢さんが顔をしかめる。
急がないと・・・、またいつ爆発が起こってもおかしくない。
破片を抜き取りながらふと周りを見渡す。
そういえば見崎は・・・?
どこに・・・?まさか死者を一人で!?
なんてことを・・・
見崎のことが気にはなったけど、赤沢さんが危ない、僕は一旦見崎のことを考えるのをやめた。
「何とかして赤沢さんを安全なところまで連れて行かなくちゃ」
彼女を打ち付けていた破片を全て抜き、背中に負ぶう。
燃え盛る館内、今にも崩れそうな設備。
赤沢さんに負担がかからないようにと細心の注意を払いながら、でも大急ぎで合宿所の外へと向かう。
背中の赤沢さんの吐息が聞こえる。
意識は失ってるみたいだけど、まだなんとか大丈夫そうだ。
外に出られれば千曳先生や勅使河原達もいるはず。
不意に赤沢さんが声を漏らす、
「おにぃ・・・・」
そういえば赤沢さんには、大好きだった年上の男の子の存在があったんだっけ・・・
でも、亡くなったって・・・
!
赤沢さんの「おにぃ」をいう言葉に僕の中の何かが反応した。
・・・・・・・・
「大丈夫?ほら、手」
「あ、ありがとうございます・・・」
・・・・・・・・・
「あなた、本当にここに住んだことない?」
「一年半前」
・・・・・・・・・
・・・一年半前?そういえば親父も同じことを言っていたはずだ
一年半ぶりの夜見山はどうだとか。
あの時は親父の記憶違いか何かかと思っていたけど
・・・・・・・・・
「僕も大切な人を亡くしたんだ」
・・・・・・・・・・
大切な人?僕にとっての大切な人って、そういえば誰だっけ?
お母さん?いや、そうなんだけど何か違う。
第一お母さんは僕を生んだ直後に死んだはずだ、じゃあ誰だ?
(怜ちゃん・・・どうして・・・)
途端に僕の頭の中がはじけたような感覚になる。
なんで、どうして忘れてしまっていたんだ!?
あんなに大好きだった人の「死」を!
ひとり河原で落ち込んでいた僕と、悲しみを分かち合った彼女のことを・・・!!
今はただ現象という存在がにくくて仕方なかった。
必ず、僕が、決着をつける!
見崎もおそらくはその人のもとに向かっているはずだ。
そのためにも一刻も早く赤沢さん、河原の彼女を送り届けなきゃ!
合宿所から脱出するのとほぼ同じくして、再び大きな爆発が起きる。
振り向くとどうやらさっき僕と見崎と赤沢さんが対峙していた場所であるらしい。
間一髪、一瞬だけども現象から逃げられたみたいだ。
前を見ると千曳先生がこっちに向かって手を上げていた。
暗くてよく見えないけど、車の近くに勅使河原達もどうやらいるらしい、良かった・・・。
「大丈夫だったか?ん?君が負ぶっているのは・・・赤沢君か!?」
「はい、ひどい出血なんです!ガラスに体のあちこちを串刺しにされてて・・・」
「いかんな・・・すぐに私が送ろう」
「よろしくお願いします」
千曳先生に赤沢さんを預けたあと、すぐに合宿所へと引き返す。
「お、おい!サカキィ!何処に行くんだよ!?」
勅使河原の声が聞こえる、けど、悠長にここにとどまっているわけにはいかない。
「勅使河原・・・!ごめんすぐ戻ってくる!」
「サカキ・・・気をつけろよ!」
「ッ・・・!」
何も聞いてこないところが勅使河原らしかった、本当に最高の友達だよ、君は
降りしきる雨の中、泥と水を蹴って僕は走り始めた。
雨音にかき消されないようにと精一杯大きな声を上げながら見崎を探す。
度重なるトラブルと疲労、落ちてくる冷たい雨に僕の体力はもう限界といってもよかった。
と、肝心なことを思い出す。
「そうだ、携帯、携帯に連絡すれば!」
なんでこんな簡単なことすら思いつけないのか、自分に腹が立つ。
「見崎・・・見崎はっと・・・・くそッ」
震える指先のせいでボタンでさえうまく押せない。
「よし、かかった・・・見崎、頼む出てくれ・・・!」
仕方なく携帯をポケットにしまい、再び合宿所の周りを走り始める。
丁度合宿所の裏あたりだろうか、落雷の明かりで建築材のような木が折り重なっていることに気づいた。
そしてその近くには・・・
「見崎ッ!」
「・・・来ないほうがいい」
「え?」
「榊原君は来ないほうがいいよ」
建築材を見下ろしながら見崎がそうつぶやく。
でも、見崎、ごめん、僕はもうわかってしまったんだよ。
「見崎・・・そこに死者がいるんだろ?三神先生・・・いや、怜子さんが」
「知ってたの?」
「いや、ただ思い出しただけさ」
「そう・・・」
一歩ずつ、重い体を引きずるようにして建築材のもとへと向かう。
「・・・・・・ッ!」
そこには下半身が建築材に埋もれ、何とか脱出を試みようとする怜子さんの姿があった。
想像はしていた、怜子さんが死者であると気づいてから、僕が決着をつけると決心してから。
怜子さんを殺す自分の姿を。
でも現実は想像よりもずっとひどい。
僕は大切な人を殺すのか?殺せるのか?
「こ、恒一くん?よかった・・・助けて、体が挟まれちゃって動けないの」
「わかってるよ、でも・・・」
そんなに簡単に割り切れるような感情じゃないんだ。
「恒一くん?どうしたの?はやく・・・」
目をつぶって深呼吸する、見崎が持っていたツルハシを奪い取るようにして持つ。
僕は、ツルハシを、振り下ろした。
・・・・・・・・・・・・・・・・
病室の中は広かった、個室ということもあって僕たちの他に誰もいない。
怜子さんを殺してから現象はピタリと止まった。
勿論僕と見崎以外に怜子さんのことを覚えてる人なんていなかった。
その僕でさえ、死者として生きている怜子さんの記憶が段々と薄くなってきている。
「泉美・・・、今日もいい天気だよ」
病院に搬送された赤沢さんはとても危険な状態だったらしい。
意識も回復するまでに随分かかった。
でも、生きていてくれた、これほどうれしいことはないよね。
「・・・いつから、私のことを呼び捨てにするようになったのかしら?こ・う・い・ち・くん?」
「なんだ、起きてたのか・・・赤沢さんが眠っている間にね、お医者さんから患者さんに力強く呼びかけてあげてくださいって言われてね」
「それ以来、赤沢さんが眠ってる間つい呼び捨てにしちゃうようになっちゃったんだよね、悪かったかな・・・?」
「別に、何でもいいわ、むしろうれしいかも」
自慢のツインテールはもうなくなっていた。
合宿所の火事のおかげでチリチリになったため、切ったから今はショートだ。
「ほんとに、いい天気ね。私も早く外で思いっきりはしゃぎたい!」
「もうじき退院だっけ?みんな、赤沢さんのこと待ってるよ」
「えぇ、もうすぐ退院。私も早く皆に会いたいなぁ」
「というか、もう泉美って呼んで、ころころ呼び方かえるの大変でしょ?」
「本当は、ただ名前で呼ばれたいだけなんじゃない?」
「ば、ばか!」
「うん、そうだね」
「長いこと夢を見てたのよ」
「どんな?」
「河原で空き缶を蹴って、男の子の頭にそれをぶつけちゃったのよね」
「それから転んじゃって、男の子に手を取ってもらって、立ち上がったんだよね?」
「そうそう、こんな風に」
「そうだね、こんな風に」
泉美の差し出した手をやさしく握り返す、あの日のように。
「思い出してくれたんだ」
「うん、もう嘘じゃなくて本心から言えるよ。覚えてる」
秋のやわらかくて暖かな日差しが僕らを包み込む。
赤毛のショートヘアーの女の子が日に焼けたように顔を紅くした。
付き合っていた皆様ありがとうございます。
漫画版の終り方を変えたかっただけでこうやって書かせていただきました。
髪が伸びる頃には二人とも東京だろうか
乙
Entry ⇒ 2012.04.14 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
恒一「クラスの女の子達に告白してその反応を見てみたい」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334226805/
恒一「それとも告白されたら恋愛感情が無くても嬉しいって思うのだろうか?」
恒一「もしかしたら僕のことが好きだって女の子も…って転校してきたばかりでそれはないか」
恒一「……」
恒一「とりあえず望月で試してみようかな」
恒一「望月を屋上に呼び出そう」
望月「ううん。全然大丈夫だよ」
望月「ちょうど一息入れようかなって思ってところだから」
恒一「そっか、それなら良かった」
望月「それよりもどうしたの?改まって屋上に呼び出したりなんかして?」
望月「クラスじゃ言えない用事?」
恒一「うん…出来れば二人っきりの場所でこの想いを伝えたかったんだ」
望月「?」
恒一「僕…望月のことが好きなんだ!」
望月「……」
望月「えぇっ!?」
恒一「……」
恒一「なるほど」
恒一「やっぱり恋愛感情の無い相手から突然告白されても戸惑っちゃうだけなんだな」
恒一「女の子みたいな顔をしてる望月がこういう反応をするんだ」
恒一「きっと、他の女の子たちだったらもっと慌ててしまうんじゃないだろうか?」
望月「あ、あっ!そ、そっか!」
望月「と、友達として好きってことなんだね!」
恒一「いや一人の男性として望月のことが好きなんだ」
望月「~っ!?」
望月「そ、そんな…ダメだよ…僕達男の子同士だよ…」
望月「で、でも…榊原くんだったら…別に良いかな…」ゴニョゴニョ…
恒一「……」
望月「…えっ?」
恒一「ありがとう、望月。良いデータが取れたよ」
恒一「部活頑張ってね。それじゃあ」スタスタ…
望月「……」
望月「…えっ?」
恒一「実際、女の子に冗談の告白をしようとなると少々気が引けてしまう…」
恒一「……」
恒一「いや」
恒一「綾野さんのあの天真爛漫なノリなら、たとえ真面目な告白をしたとしても冗談で済ませられるぞ!」
恒一「綾野さんを呼び出そう」
綾野「ううん!全然大丈夫だよー♪」
綾野「それよりもなにー?女の子を突然屋上に呼び出したりなんかしてー?」
綾野「もしかして、愛の告白でもされちゃうのかなー?」
恒一「……」
綾野「えへへっ♪なーんて…」
恒一「そっか…綾野さん…僕の気持ち気づいてたんだ…」
綾野「……」
綾野「…えっ?」
恒一「初めて話した時からさ、なんて元気で明るい子なんだろうって思ってた…」
恒一「これからこんな子と毎日を一緒に過ごせるなんて凄く楽しいんだろうなって…」
綾野「……」
綾野「(えっ?えっ!?こ、これって…)」
恒一「今、思えばさ初めて話した時から僕は…)」
綾野「(まさか、ホントに…!?)」
恒一「綾野さんのことが好きだったのかもしれない…」
綾野「(愛の告白ー!?)」ドッキーン
綾野「……」ゴクリ…
恒一「好きだ、綾野さん」
綾野「~っ!!!」
綾野「(ほ、ホントに告白されたー!!)」
綾野「(そっかぁ…///そうだったんだぁ…///)」
綾野「(こういっちゃんも、私のことが…///)」
綾野「え、えへへ…///」
恒一「……」
恒一「(顔を真っ赤にして、はにかんでいる)」
恒一「(これは素直に僕の告白に対して喜んでくれているということだろうか)」
恒一「(やっぱり女の子は好きでもない男の子からでも告白されたら嬉しいものなんだな)」
恒一「(告白を素直に喜んでくれて、はにかむ綾野さん)」
恒一「(とっても可愛いな)」
恒一「……」
綾野「あ、あっ!ご、ごめんね、こういっちゃん!」
綾野「わ、私ったら浮かれちゃって返事もせずに…」
恒一「いや、大丈夫だよ」
綾野「そ、それでね!告白の返事なんだけど、もちろん…!」
恒一「わざわざ、こんな冗談に付き合ってもらってありがとね」
綾野「おっけー…」
綾野「……」
綾野「…えっ?」
綾野「え…えっ?」
榊原「ありがとう、参考になったよ」
ガシッ
榊原「へ?」
綾野「待ってよ、こういっちゃん……どういうこと……? こういっちゃんは私が好きなんだよね……?」
榊原「ううん、違うよ。」
綾野「う、嘘」ウルウル
榊原「僕はただ綾野さんのリアクションを見たかっただけだよ」
綾野「…」グスッ
榊原「!?」
榊原「あ、綾野さん…」
榊原(まさかネタバラシで泣くだなんて……計算にいれてなかった…)
綾野「……こういっちゃんは私のことが嫌いだからこんなことするんだ…」グスッ
榊原「そ、そんなことないよ! ほら、嫌いだったらリアクションが見たいとか思わないでしょ?」アセアセ
綾野「……ほんと?」ウルウル
榊原「うん、本当だよ」
綾野「……なら」
榊原「?」
綾野「……私のこと、好きって言ってくれる?」ウルウル
榊原「」
榊原「え、えーと…」
綾野「……やっぱり嫌いなんだ…」グスッ
榊原「ち、違うって!」
綾野「……なら」
榊原「あー、もう分かったよ!」
綾野「……こういっちゃん」ウルウル
榊原「ぼ、僕は綾野さんが好きだ!」///
榊原(僕、何言ってんだろう……)
綾野「こういっちゃん!」ダキッ
ムニュ
榊原「うっ、あ、綾野さん?」///
榊原「あ、綾野さん…」ドキドキ
綾野「こういっちゃんが好きっ!」///
榊原「…うぅ」///
榊原(まさか、逆に告白されるだなんて)
綾野「両想い、だね…」///
榊原「…」
榊原(……別に僕はそれほど…)
綾野「これからもよろしくね?」/// ニコッ
榊原(……もう諦めよう)
やはり世の中イケメンか……
榊原「ふぅ…まさかあんな事になるなんて…」
榊原「次からは気をつけないと…」
綾野「こういっちゃんー♪」ダキッ
榊原「あ、綾野さん……近いよ」
綾野「えへへー」///
小椋「やめなよ、彩……こういっちゃん、こういっちゃん、ばっかり……榊原君に迷惑だよ」
榊原「……」
小椋「もう…」
榊原(小椋さん、か……良いかも知れないな)
綾野「? こういっちゃん? どうかした?」
榊原「あ、ううん、何でもないよ」
榊原(よし、次は小椋さんに告白してみよう!)
榊原(…よし、行くか)
榊原「小椋さん、ちょっと良いかな?」
小椋「え? な、何」
小椋(さ、榊原君に話しかけられた…)///
綾野「どうしたのー、こういっちゃん?」
榊原(やはり綾野さんも来るか……)
榊原「ちょっとね、聞きたいことがあってさ」
小椋「き、聞きたいこと?」///
綾野「えー、なんで由美に…」シュン
榊原「…実はさ」ボソボソ
綾野「…何?」
榊原「勅使河原が小椋さんに告白するんだよ……それで屋上に連れてきてくれって頼まれちゃってさ…」ボソボソ
綾野「……何だ、そんなことかー…もう」ホッ
榊原(ごめん、勅使河原…)
小椋「?」
榊原「小椋さん、ちょっと屋上に来てくれる?」
小椋(屋上って、もしかして…)///
小椋(まさか、ね……)///
屋上
榊原「ごめんね、こんなところまで連れてきちゃって」
小椋「いいよ、全然。そ、それで話って何?」
榊原「う、うん、実はさ…」
小椋(何だろう……やっぱり彩についての相談とかかな……)
榊原「僕、小椋さんが好きなんだ」
小椋「そうだよね……やっぱり彩のことが、って」
小椋「え?」
榊原「僕は小椋さんが好きなんだ」
小椋「え…」///
小椋(う、嘘……私、榊原君に告白されてる!?……ちょっと待って)
小椋「あ、あぁ、分かった、友達として、だよね?」
榊原「違うよ、異性としてに決まってるじゃないか」
小椋「」///
小椋「で、でも、私たちそんなに接点もないし……会話も彩がいるときだけしかしてなかったよ?」
榊原「それはその……恥ずかしくて話しかけられなかったんだ」テレッ
榊原「うん…本当だよ…」
榊原(小椋さん、顔が真っ赤だよ……もしかして告白されたことないのかな……)
小椋「うぅ」///
小椋(初めての告白が榊原君からだなんて……嬉しくてもう何が何だか…)
榊原「ごめん、迷惑だった?」
小椋「…ううん、そんなことないよ」///
榊原(……良い、良いよ、その反応…小椋さんは面白いなぁ…)
小椋「……う、うん」
小椋(……私ついに榊原君と……)
小椋「わ、私…」///
榊原「ふふっ」
小椋「…榊原君?」
榊原「……面白いなぁ、小椋さんは…我慢できないよっ…ふふふっ」
小椋「…?」
小椋「か、可愛っ…」///
小椋「ってそうじゃなくて!」
小椋「……なんで笑ってるの?」
榊原「ごめん、嘘なんだ」
小椋「…え?」
榊原「何って、今の告白だよ。ただの冗談だったんだけど」
小椋「…」
榊原「思いのほか、良いリアクションするんだね、小椋さん」
小椋「…」
榊原「小椋さん?」
小椋「嘘」
榊原「え?」
榊原「い、いや……だから冗談……」
小椋「嘘、だよね?」ミシミシ
榊原「…っ」
榊原(か、肩が痛い…)
榊原「お、落ち着きなよ、小椋さん!」
小椋「嘘だと言って…」
榊原「い、いや…それは」
小椋「ね?」ニコッ
小椋「で、どうなの、榊原君?」
榊原「……ごめん、嘘です」
小椋「もう、榊原君はお茶目だなぁ…」///
榊原「…ははっ」
榊原(もう駄目だ)
小椋「榊原君は私のこと好きだよね?」///
榊原「……うん」
小椋「私も大好きだよ…」///
榊原(…どうしよう)
屋上
榊原「はぁ…やばいよ」
榊原(教室にいたら綾野さんと小椋さんにずっと話しかけられるから落ち着けない…)
榊原(トイレって言って抜け出してきたけど……戻るのが嫌だなぁ……)
榊原(でもこんなことでは諦めないぞ……今度こそは気をつけて告白しよう)
見崎「どうしたの榊原君」
榊原「あ、見崎」
見崎「別に。何となく」
榊原「何だ、僕を探しに来たとかじゃないの?」
見崎「違う、榊原君自意識過剰」
榊原「ははっ」
榊原(何か、見崎と話すの久しぶりな気がするなぁ……)
榊原(……そうだ、見崎に告白するのはどうだろう)
榊原(見崎と僕の仲なら冗談で済むだろうし)
榊原(よし、告白しよう!)
見崎「なに」
榊原「見崎はさ、僕のことどう思ってる?」
見崎「え…」
榊原「やっぱり、答えにくいかな」
見崎「…そんなこと聞いてどうするの」
榊原「いや、聞きたかっただけ。ちなみに僕は見崎のこと好きだよ?」
見崎「!?」
榊原「……」
榊原(見崎のあんなに驚いた顔初めて見たよ……やっぱり見崎でも告白されたら反応するんだね)
榊原「ははっ、なんてね」
榊原(今回はこれくらいに…)
見崎「今なんて」
榊原「え?」
見崎「もう一回言って」
榊原「ど、どうしたの、見崎?」
榊原「え?だから冗談……」
見崎「言ったよね」
榊原「……」
榊原(……見崎の目が怖い)
見崎「榊原君は私が好きなんだよね?」
榊原「い、いや……」
見崎「ね」ジー
榊原「…………」
榊原「……うん」
見崎「……私も好き」/// ギュー
榊原「……ありがとう」
榊原(あれ、どうしてこんな事に)
自宅
榊原「どうしよう……」
榊原(昨日は散々だった……やたらと見崎、綾野さん、小椋さんが話しかけてくるし……授業中もずっと視線を感じっぱなしだった……)
榊原「とりあえず学校休んだし、安心だよね」
榊原(明日になったら、みんなも落ち着いてるだろう)
榊原「」ビクッ
榊原「誰だろ……」
榊原(今は僕しかいないし、僕が出ないと…)
ピンポーン
榊原「…はいはい」
ガチャッ
赤沢「大丈夫、恒一君? お見舞いに来たわよ」
榊原「……なんだ、赤沢さんか」ホッ
赤沢「な、なんだって何よ! せっかく来てあげたのに失礼じゃない!」
榊原「あ、いや、赤沢さんで安心したよ」
赤沢「あ、安心?」テレッ
榊原「うん」
榊原(見崎達だったら、と思うと…)
榊原「あ、うん。もうすっかり良くなったよ」
榊原(元々元気だったけど)
赤沢「そう、なら良かったわ」
榊原「ありがとう、心配してくれて」ニコッ
赤沢「ま、まぁ、対策係なんだから当然よ!」///
榊原(対策係関係あるの?)
榊原(誰もいない僕の部屋で2人っきり……僕が学校を休んだら、赤沢さんはお見舞いに来てくれた……)
榊原(これは告白のチャンスじゃないかな?)
榊原(面白いリアクションが期待できそうだし…やってみよう!)
榊原「いや、なんでもないよ…」
赤沢「そう……」
榊原「……」
赤沢「……」
榊原「……」
赤沢「……」
赤沢(き、気まずい……なんで黙ってるのかしら……)
赤沢「あ、あぁ、もうこんな時間ね! そろそろ帰るわ!」
赤沢(し、仕方ないわよね……2人きりの時間は惜しいけど……この気まずさには耐えられないし…)
ガシッ
赤沢「!?」
赤沢「ど、どうしたの恒一君?」///
榊原「いや、そのさ……」
赤沢「?」
榊原「もう少し一緒にいて欲しいなと思って」テレッ
赤沢「」///
赤沢(恒一君に求められてるなんて……素晴らしいわね……)
榊原「……」ギュ
赤沢「ぁ、あの…」
赤沢「そんなに強く握られると少し恥ずかしいわ……」///
榊原(楽しいなぁ……いつもムスッとしてる赤沢さんがこんな表情を見せるなんて…)
赤沢「こ、恒一君?」
赤沢「あんまり見つめないで…その…恥ずかしいから…」///
榊原「あぁ、ごめん」テレッ
赤沢「…」///
榊原「……あのさ、1つ聞いていい?」
赤沢「な、なに」
榊原「赤沢さんってさ……好きな人いる?」
榊原「ははっ、その様子だといるみたいだね」
赤沢「」///
榊原「……僕もいるんだ、好きな人」ボソ
赤沢「え…」
榊原「誰か、知りたい?」
赤沢「……」
赤沢「……」コクリ
榊原「…赤沢さんだよ」ギュッ
赤沢「!?」
榊原「……」
榊原(ふふふ、これだよ、これ……いい反応だったよ、赤沢さん)
赤沢「わ、私も……」
榊原「なんて…そんなわけないよね」ニコッ
赤沢「え?」
榊原「はははっ、ごめんね赤沢さん……全部冗談だよ、冗談」
赤沢「冗…談……?」
赤沢「そんな……」
赤沢「こ、恒一君は私が好きなんじゃ……!」
榊原「うーん……赤沢さんは嫌いじゃないけど、そこまでだよ」
赤沢「……」
榊原「あれ?どうしたの、赤沢さ…」
バシッ
榊原「へぶっ!?」
赤沢「……絶対に許さないから」
榊原「ひっ」ビクッ
赤沢「何が冗談よ…私の気持ち踏みにじって楽しいの!?」
バシッ
榊原「ぶふっ」
赤沢「恒一君には私の気持ちは分からないんでしょうね!」
バシッ
榊原「へぶっ」
赤沢「私の気持ちの重さを思い知りなさいっ!」
榊原「ま、待って、赤沢さん! あ、謝るから! 何でもするから!」
赤沢「」ピクッ
榊原「……あ」
赤沢「今、何でもって言ったわよね!?」
榊原「い、いやそれは…」
バシッ
赤沢「言ったわよね?」
榊原「はい、言いました」ヒリヒリ
赤沢「じゃ、じゃあ…」
榊原「……」
榊原(嫌な予感しかしないんだけど)
赤沢「わ、私と付き合いなさいよ」///
榊原「」
バシッ
赤沢「ね?」
榊原「うん、これからよろしく」ヒリヒリ
榊原(…もう、いいかな…)
赤沢「ふふっ、明日からが楽しみだわ♪」///
榊原(大丈夫かな…僕)
赤沢「♪」ギュー
榊原「はぁ……嫌だなぁ……」ボソ
榊原(もう教室入る前から嫌な予感しかしない……赤沢さんはしっかり抱きついてるし……)
榊原「仕方ない、か…」ボソ
榊原(覚悟を決めて行くしかない)
ガラッ
榊原「……」
赤沢「♪」ギュー
榊原(やっぱりざわつくなぁ…)
オイオイ ナンデアカザワガ サカキズルイゾ ヒューヒュー マカセロー ナカイイネー ネー オイ サカキバラ バクハツシロー
榊原(でも、それより……)
見崎「…」
小椋「…」
綾野「…」
榊原(あの3人だよね……)
榊原「…みんなが…ね」
榊原「…いや、なんでもないよ」
榊原(どうなっちゃうんだろう…)
赤沢「?」
榊原「……」
綾野「こういっちゃん?」
榊原「」ビクッ
綾野「こういっちゃんは私が好きなんだよね?……なのに何でそんな無能と一緒にいるのかなぁー?」
榊原「…」
赤沢「ちょっと! 誰が無能よ!」
赤沢「」ビクッ
綾野「それにこういっちゃん最近由美ともよく話すようになったよね? なんでかなー?」
榊原「…」
小椋「榊原君が私を好きだから。だよね榊原君?」
綾野「由美には聞いてないんだけど」
小椋「話しかけないで、私は榊原君と話してるの」
綾野「……」
小椋「……」
綾野「ねぇ、こういっちゃんは私が好きだよねー?」ガシッ
小椋「私だよね? 榊原君」ガシッ
榊原「……い、いや…あの」
バシッ
見崎「……榊原君が困ってる。離れて」
綾野「どいてよ」
小椋「邪魔」
見崎「邪魔はあなた達」
見崎「私は落ち着いてる。落ち着きがないのは2人だけ」
綾野「何、自分が上とでも言いたいの? でも残念、こういっちゃんが好きなのは私だから」
小椋「調子に乗らないで、彩」
榊原(もう、駄目だ…)
綾野「うるさいっ! こういっちゃんは私のものだ!」
シュッ
小椋「きゃっ…」
榊原(な、ナイフ……)
榊原「綾野さん、駄目だよ、そんなことしたら!」ガシッ
榊原「だ、駄目だよ…」ガシッ
綾野「離してよっ」ブンッ
榊原「あ、危な…」
ザクッ
綾野「……え?」
榊原「あ、あれ…」フラッ
小椋「榊原君っ!」
ドサ
キャー サカキー サカキバラ オイシッカリシロ ダレカ センセーヨベー マカセロー
榊原「う、うぅん………あれ…?」
赤沢「こ、恒一君!? 良かった、目が覚めたのね…」グスッ
榊原「ここは……?」
赤沢「あ、安心して、ここは病院だから…」
榊原「……あぁ、そうか僕…」
榊原「他のみんなは?」
赤沢「3人とも警察よ」
榊原「…え?」
榊原「……そっか」
赤沢「休学扱いになるらしいわ…」
榊原「……」
赤沢「恒一君?」
榊原(助かったぁぁぁぁぁぁぁ!僕は助かったんだ! これで安心して学校に通えるよ!)
赤沢「どうしたの? 妙に笑顔だけど」
榊原「ううん、なんでもない」ニヤ
赤沢「恒一君もしばらく休学扱いね。でも心配しなくて大丈夫よ」
榊原「…?」
赤沢「わ、私が毎日お見舞いにきてあげるから」///
榊原「あ、うん」
榊原「ノートのコピーとか頼むよ」
赤沢「任せて!何たって私は対策係なんだから!」
榊原(だから、関係ないよね対策係)
榊原「ん、僕の携帯だ」
榊原「ごめん、赤沢さんとってくれるかな」
赤沢「はい」スッ
榊原「ありがとう…ん? 見たことない番号だな…」
p
榊原「はい、もしもし?」
『………………………絶対許さないから』
お
わ
り
眠すぎて最後の方自分でも何書いてるか分からなくなったわ
乙でした
まぁ、仕方ない感じ
また機会があれば今度は普通にイチャラブが書きたいな
Entry ⇒ 2012.04.14 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)