スポンサーサイト
貴音「紫鏡?」
P「うー、寒……おはようございます」ガチャリ
真「おはようございます、プロデューサー」
響「プロデューサー! いいところに来てくれたぞ!」
P「ん、おはようみんな。どうした? 何かあったのか?」
美希「どうしたもこうしたもないの。ちょっと深刻なの」
P「?」
伊織「……あれ、見てちょうだい」
貴音「水色の鏡水色の鏡水色の鏡水色の鏡水色の鏡水色の鏡ミズイロノカガミ……」ブツブツ
P「なにあれこわい」
春香「いえ、その……原因は私たちにあるというか……」
千早「あくまで間接的な原因だと思うけど……」
亜美「正直やりすぎました!」
真美「でもわざとじゃないよ? 成り行きでああなっちゃっただけで」
雪歩「成り行きにしては二人ともノリノリだった気がするけど……」
P「……待て待て。全然話が見えてこない。わかるように説明してくれ」
律子「それは無理だと思います……話ができる状態じゃないですから」
やよい「うー、貴音さんかわいそうです……」
真美「しょーがない! では代表して私たち姉妹が何も知らない兄ちゃんに昨日の出来事を教えてしんぜよう」
亜美「そう、あれは昨日の昼のミーティング後の出来事だったーー」
P「……おう」
律子「ーーまあ、連絡事項はこんなところね。それじゃ、お疲れ様」
亜美「さあおやつタイムだー!」
真美「ゆきぴょん、お茶を持って参れ!」
雪歩「はーい、ちょっと待っててね」
伊織「傍若無人にもほどがあるわ……雪歩も雪歩でちょっとは嫌がりなさいよ」
真「まあまあ、雪歩も好きでやってるんだし」バリバリ
伊織「あんたはあんたでお菓子に手を出すのが早すぎよ」
春香「はい、どうぞ」
千早「ありがと」
バサリ
貴音「おや、一冊落ちましたよ」ヒョイ
春香「あ、ごめんなさい」
貴音「? これは……? ふぁっしょん誌でも音楽雑誌でもないようですが」
貴音「何やら禍々しい表紙ですね……」
千早「私のじゃないみたいですけど……」
あずさ「あらあら、オカルト雑誌かしら? 千早ちゃん、コアな趣味を持ってるのね~」
千早「だ、だから私のじゃありません」
やよい「おかると、ってなんですかぁ?」
真美「んっふっふー、やよいっちにはまだ早いジャンルかな?」
亜美「大人のタシナミってやつだよ」
やよい「ええー……二人より年上なのに……」
亜美真美(ホントは真美たちにもよくわかんないけど)
美希「どんとこい超常現象!なの」
伊織「UFOとかUMAとかミステリーサークルとか七不思議とか都市伝説とか……ま、ハマる人はハマるのよ。こういうの」
やよい貴音亜美真美「ほへぇ……」カンシン
雪歩(目をパチクリさせる四条さんかわいい)
貴音「都市伝説……もしや『財宝か、欲しけりゃくれてやる』のようなアレですか!」
春香「何か違う気がします」
真「怖い話、って言った方がわかりやすいんじゃないかな? トイレの花子さんみたいな」
響「そ、そういうのは夏にやらない? 余計に寒くなりそう……」
亜美「大丈夫大丈夫。冬だってこたつに入りながらアイス食べたりするじゃん?」
真美「あのね、『紫鏡』っていうんだけど……」
千早「ああ、割と有名どころね」
伊織「どんな凄いのが来るかと想えば……」
真美「ぶー、みんな知ってるのかぁ」
真「お話というか、根も葉もない噂というか……『紫鏡』っていう言葉を20歳になるまで覚えてると、その人に不幸な出来事が訪れるんだって」
やよい「お、覚えてるだけでですか!?」
伊織「一般的には『死ぬ』っていう噂ね。『結婚できなくなる』っていうのもあるみたいだけど」
あずさ「」ピクッ
あずさ(あ、私20歳過ぎてた……)ホッ
春香「そ、そんなえげつないカンジだったっけ?」
律子「まあ、都市伝説に面白おかしいアレンジは付き物よね」
雪歩「面白おかしい……?」
やよい「ど、どうしましょう! 20歳までにがんばって忘れないと」
美希「やよいはまだ5年くらいあるから大丈夫じゃないかなー? 美希なんか明日には忘れてる自信があるの…………!?」
千早「? どうしたの、美希?」
貴音「」チーン
響「た、貴音! どうしたんだ!? なんで白目むいて気絶してるんだ!?」
伊織「……ねえ、来週貴音の誕生日よね」
亜美「あっ」
伊織「貴音って、今年いくつになるんだっけ?」
真美「あっ」
伊織「ええ……あんたたちわかっててやってるんじゃなかったの?」
一同「…………」
あずさ(結婚……かぁ)
P「俺が休みの日に限ってまたおかしなことになったもんだな……」
律子「ごめんなさいプロデューサー。私じゃどうにもできなくて……」
響「で、昨日は目覚ました後フラフラしたまま帰っちゃって……今朝またフラフラしながら事務所に来たんだ」
雪歩「一応真美ちゃんが呪いの解き方を教えたらしいんですけど……」
P「それが『水色の鏡』か?」
美希「教えたら教えたで今度は壊れかけのラジオみたいになっちゃったの」
P「……ちょっと貴音と話してくるよ」
やよい「ぷ、プロデューサー、ファイトです!」
貴音「おはよう……ございます……」
一同(返事した!)
P(目が死んでる……)
P「大丈夫か? 昨日あんまり寝れなかったのか?」
貴音「ええ、まあ……快眠だったとは言い難いですね……」
P「お腹空いてないか? お昼にラーメンでも食べに行くか?」
貴音「いえ、お誘いは嬉しいのですが……今、あまり食欲が無いのです……」
P「なん……だと……」
P(これはマズい)
P「予想以上に酷い状態でした」
真美「兄ちゃんゴメンよー……まさかお姫ちんがあそこまで信じ込んじゃうとは……」
春香「貴音さん、変に純粋だからなぁ……」
真「でも挨拶返してくれただけ進歩ですよ!」
P(そこまでか……さて、どうしたものか)
貴音「あなた様……」ヌッ
P「うおわっ! け、気配を消してくるんじゃない貴音!」
貴音「申し訳ありません……そんなつもりはなかったのですが……」
P「だ、大丈夫なのか? せめて俺が送って行くぞ?」
貴音「いえ……仕事となればめりはりはしっかりとつけなければ。皆に迷惑をかけるわけにもいきません……では」
P「あ、おい、貴音……」
ガチャリ バタン
一同「……………」
律子「とりあえず、仕事しましょうか」
P「……冷静だな」
響「はいさーい、貴音。今日は元気か?」
貴音「響……ええ、大丈夫です」
響(全然大丈夫そうに見えないぞ……)
響「自分お手洗いに行くけど、貴音も行かない? 顔洗えばちょっとすっきりするかもしれないし」
貴音「いえ、手洗いはちょっと……」
響「?」
貴音「鏡があるので……」
響(と、トイレどうしてるんだ? 貴音……)
春香「あ、今日のワイドショー洋菓子屋さん特集だ」ポチポチ
やよい「すごいですねー。こんなお菓子作ってみたいなぁ」
貴音「ふふっ……ですが、春香のお菓子ややよいの料理の腕は、本職の方にも負けないものだと私は思いますよ?」
やよい「えへへー♪ ありがとうございます!」
春香(あれ? 貴音さん、思ったより元気そう……良かった)
春香「あ、紫芋のタルトだって。美味しそー」
貴音「紫芋……? 紫……? 紫鏡……」ガタガタ
やよい「チャンネル変えましょう! チャンネル!」ポチポチ
春香「」
貴音「亜美、真美。それは学校の宿題ですか?」
亜美「そだよー。国語の宿題」
真美「源氏物語っていうのやってるんだけどさー。全然わかんないよ」
貴音「源氏物語……? 紫式部……? 紫……? 紫かがm」ガタガタ
亜美「し、宿題は家でやろう、真美!」
真美「そそそそうだね!」
小鳥「お正月の鏡餅の残り、捨てちゃった方がいいかしら」
貴音「鏡餅……? 鏡……? 紫かが」ガタガタ
D「どうも、四条さん。番組ディレクターの加賀美と言います」
貴音「加賀美殿……? 鏡……? 紫かg」ガタガタ
あずさ「おはようございます」
貴音「あずさ……あずさのイメージカラーは紫……? 紫k」ガタガタ
P「ーーって感じで……」
律子「最後の方はわざとやってませんか?」
あずさ「うーん……困りましたね」
律子「……まあそんなに深刻に考えなくても、誕生日が来るまでの辛抱なんじゃないですか? 誕生日に何事も起こらなければ貴音だって安心しますよ」
P「いや、あの怯え方は異常だ。このままだと21日の0時ピッタリにショック死しかねん」
律子「いやいや……」
あずさ「考え?」
P「それには協力者がいるんですが……律子、あずささん、小鳥さんの三人に頼みたい。というか、他のみんなには頼めません」
小鳥「!? 今まで傍観者に徹していた私に急に指名が!?」
律子「何が傍観者ですか……小鳥さんが事の発端みたいなものなんですからね」
あずさ「どういうことですか?」
律子「あの雑誌、小鳥さんのだったんですよ」
P「…………」
P「その前に、三人の中で21日が休みなのは誰ですか?」
律子「小鳥さんと私は普通に仕事だったような……夜は貴音の誕生パーティやるから空けてありますけど」
あずさ「私は休みだったかしら」
P「うーん、だったら協力はあずささんだけにお願いします」
小鳥「あれー……せっかく出番かと思ったのに……」
P「……ちょっと法に触れることを」
律子あずさ小鳥「!?」
P「もちろん貴音も合意の上で」
律子「ちょちょちょちょっと! 何する気ですか!?」
小鳥「ま、まさか……あずささんと三人で……」ドキドキ
P「貴音を救うためです。どうかこのことは内密にお願いします」
貴音「…………」ズーン
あずさ「見てて痛々しいくらい落ち込んじゃってますね……」
P「そりゃ今日の夜死ぬと思ってるわけですからね」
響「……プロデューサー、あずさ、ホントに任せて大丈夫なのか?」
P「ああ。明日の誕生会までには元気にしてみせるさ」
あずさ「うふふ、なんくるないさー♪」
響「……うん、頼んだぞ。じゃあまた明日!」
ガチャリ バタン
適当に脳内保管しといてくれ
貴音「あなた様……」
P「おわっ! だから音もなく背後に立つのはやめてくれ貴音……」
貴音「私、今日はこれにて帰宅いたします……」
貴音「もしかしたら、これが最期に交わす言葉になるやもしれません。今までお世話になりました……皆にもそう伝えてください」
P「ま、待て待て貴音。提案があるんだが、今日は事務所に泊まっていかないか?」
貴音「事務所に……?」
P「もちろん貴音だけじゃなくて、俺とあずささんと一緒に」
P「大体の話は聞いてるよ。今夜一人きりになるのは怖いだろ?」
貴音「う、うぅ……確かに、情けないことですが……」
あずさ「私たちがついてるから大丈夫よ? ね?」
貴音「で、では、お言葉に甘えて……」
P「それだけじゃなくてだな。今日はこれで楽しもうじゃないか」ゴトッ
貴音「そ、それは…………」
P「ああ、そうだ」
P(嫌なことを忘れたいときにはこの手に限る。とりあえず日付の境目を超えればいいわけだからな)
あずさ「うふふ♪ 私、貴音ちゃんと一緒に飲む日を心待ちにしてたのよ?」
貴音「ですが、後4時間ほどまだ私は未成年です……」
P「もちろん無理にとは言わないさ。ギリギリとはいえ犯罪だからな」
貴音「…………いえ、ここはご相判に預かることにしましょう。最期の晩餐には相応しいかもしれません」
P(何気に楽しみなんだよなぁ……貴音、酔ったらどうなるんだろう)
貴音「あなたさまぁ……わたくしは……しあわせものでしたぁ……」エグエグ
P(あー、泣き上戸だったか……)
あずさ「うーん、精神的に参ってるからこうなったのかもしれません」ヒソヒソ
P「というか、貴音まだ缶2本目ですよね? すでにベロンベロンじゃないですか」ヒソヒソ
貴音「な、なぜふたりで内緒話を……わたくしはなかまはずれなのですか……」ジワッ
あずさ「ち、違うのよ、貴音ちゃん! 泣かないで?」
P(幼児退行してる……)
貴音「響……それは私の……ちんすこうです……」ムニャムニャ
P「よし、このまま0時過ぎまで寝ててくれればミッションコンプリートだ」
あずさ「今11時40分ですから、タイミングはバッチリですね」
P「はぁ……子供を寝かしつける親の苦労を知りました」グビッ
あずさ「そこは妹を寝かしつける兄、でよかったんじゃないでしょうか」クスクス
P「あはは。確かに、娘は無理がありますね」
P「全く、手の掛かる妹です」
P「しっかり者に見えるのに、恐がりで子供っぽくて、世間知らずで。その癖響たちの前ではお姉さんしようとして……」
あずさ「そこが貴音ちゃんの可愛いところですよ~」
P「ギャップに惹かれる、ってやつですか?」
あずさ「日付、変わりましたね」
P「……貴音、20歳の誕生日おめでとう」
あずさ「おめでとう、貴音ちゃん」
貴音「…………」
P「……? 貴音?」
あずさ「? どうしたんですか? 寝てるなら寝かしといてあげたほうが……」
P「ち、違うんです。さっきから寝息が聞こえなくて……」
あずさ「そ、そんな! なんで!?」
P「貴音! 起きてくれ貴音!」
あずさ「貴音ちゃん!」
P「呪いなんてあるわけないんだ! あんなの冗談で迷信なんだ! だから、起きて嘘だと言ってくれ貴音!」
貴音「……ええ、嘘です」
Pあずさ「」
P「」グリグリ
貴音「あ、あなた様! おやめください! こ、こめかみが爆発しそうに痛いです!」
貴音「あずさ! お助けください! ぷろでゅーさーを止めて……」
あずさ「あらあら、もうちょっとそうしといてもらった方がいいと思うわ」
貴音「」
P「勘弁してくれ、寿命が縮んだぞ……」
貴音「反省しております」
あずさ「今まで怖がってたのも全部演技だったの?」
貴音「いえ……恥ずかしながら違います」
貴音「つい先ほどまで、私は本当に死ぬ覚悟をしておりました」
P「その割に余裕だったじゃないか」
貴音「二人のおかげです」
貴音「本当に今更ですね、ふふっ……」
あずさ「貴音ちゃん……」
P「貴音……」
貴音「あなた様……」
P「なんか良い話にしようとしてるが、さっきのことは当分許さないからな」
貴音「……根に持つタイプなのですね、あなた様……」
一同「誕生日おめでとー!」
貴音「ふふっ、ありがとうございます」
春香「これで貴音さんも二十歳かー」
真「去年もそうだったけど貴音の誕生日は料理の量がハンパないね……」
真美「お姫ちん、あのときはごめんよー! あんなに怖がらせるつもりはなかったんだよ」
貴音「気に病むことはありません。興味本位で首を突っ込んだ私が悪いのですから。好奇心猫をも殺す、とはよく言ったものです」
伊織「殺すも何も……たかが都市伝説ごときでよくもまああんだけ大騒ぎできたものね」
貴音「夏なら良いのですか?」
あずさ「貴音ちゃんにはしない方がいいかもしれないわね」
貴音「……そうですか」
P「なんで残念そうなんだお前は」
貴音「いえ、実は私……サッちゃんという都市伝説に興味が……」
P「やめろぉ!」
終われよ
二十歳迎える頃には完全に忘れてたから助かった
Entry ⇒ 2012.08.15 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
渋谷凛「……ねぇ、プロデューサー」
P「どうした?」
凛「……ごめん、やっぱりなんでもない」
P「そうか……飯、どこかで喰うか?」
凛「……別に」
P「そうだなぁ、ラーメン……は無しだよな」
凛「そうだね。女の子とでかけるのにそれはちょっと無いよ」
P「あぁ、うん……じゃあ何がいいかな……」
凛「やだ」
P「……なんでだ?」
凛「……あんまり気分じゃないから」
P「そうか……うーん、何が食べたいんだ?」
凛「……別に、何がいいっていうのはないけど」
P「そうか? じゃあ何がいいかな……」
凛「……」
P「うーん……」
P「あっ、そうだ! ちょっと遠いけど美味しい店を志乃さんに教えてもらったんだ」
凛「えっ?」
P「あ、ごめん。なにか?」
凛「……別に。美味しい店って?」
P「イタリアンなんだけど手頃な値段で美味しいものが食べれるんだってさ」
凛「ふぅん……」
P「おしゃれだし、いいぞ? どうかな」
凛「……遠いの?」
P「んー、それなりにな」
凛「じゃあ……いいや。面倒だし」
P「そうか……」
凛「プロデューサー」
P「ん、どうした?」
凛「……あのさ、これ」
P「これ? ……弁当?」
凛「……作ったの」
P「作ったって……凛」
凛「……不器用だから。あんまり美味しくないかもしれないけど」
P「そっか、だから食べにいきたがらなかったのか」
凛「別に……そういうわけでもないけど」
P「がんばってくれたんだなぁ、ありがとう!」
凛「……あんまり美味しくないかもしれないけどね」
凛「あっち、公園あるよ」
P「へぇ、じゃあいってみようかな」
凛「うん。結構明るくていい場所だから」
P「そうなのか……詳しいんだな」
凛「ちょっと前に来たことがあるだけだよ」
P「そうか?」
凛「うん、だから別にたいしたことじゃないし」
P「ふぅん……」
凛「いこっか」
P「ん、わかった」
凛「……ちょっと暑いかも」
P「大丈夫か? 飲み物買ってこようか」
凛「いいよ、私がいってくるから」
P「いや、だがな」
凛「いいからプロデューサーは座ってて。自販機の場所わかるの?」
P「……」
凛「うん、じゃあちょっと待っててね」
P「やっぱりついていったほうが……」
凛「ベンチ」
P「えっ?」
凛「ベンチ、とっておいてよ。スカートだと下に座りたくないし」
P「……わかった、気をつけろよ?」
凛「大丈夫だってば。じゃあいってくるね」
P「おぉ、凛! おかえり、大丈夫か?」
凛「子供じゃないんだから別に大丈夫だよ。はい」
P「ありがとう……あっ、これって」
凛「うん、前にCMに出た商品だね」
P「凛も売れてきたよなぁ」
凛「プロデューサーのおかげだよ」
P「いや、凛に才能があったからだよ。俺は手助けしたぐらいで」
凛「……でも、いつだって信じてくれたでしょ?」
P「プロデューサーだからな」
凛「私、愛想が無いから誤解されやすいし……プロデューサーが応援してくれたおかげで頑張れたところもあるよ」
P「そうか? 少しでも力になれたなら嬉しいよ」
凛「ん。いつもありがと」
凛「……お礼言ったらおかしい?」
P「いや。そうじゃないけど……それなら俺こそいつもありがとうって言いたいさ」
凛「なんで?」
P「凛がいつもがんばってくれているおかげで他の皆にもいい刺激が与えれてるしな」
凛「もらった仕事はキチンとやらなきゃいけないでしょ?」
P「そういうきっちりした部分がたまらなくありがたいんだよ。ありがとう、凛」
凛「……別に。お互い様でいいよ」
P「それに、まだ俺は言いたいことが……」グゥゥ…
P「……」
凛「……お腹すいてるの?」
P「……ちょ、ちょっとだけ」
凛「ふふっ……いいよ。食べようか」
凛「……あんまり期待しないでよ。料理とか、得意じゃないし」
P「いや、期待するなって方が無理だろ……開けていいか?」
凛「うん、どうぞ」
P「……これは」
凛「……」
P「おいしそうだなぁ。俺の好物ばっかりだ」
凛「そっか、よかった」
P「ひょっとして調べてくれたりとかしたのか?」
凛「別に……ちょっと簡単にできるのを探したら偶然レシピをみつけただけだから」
P「そうか? だが結構手間がかかるやつが……」
凛「ヒマだったから、ちょっと挑戦してみただけ。 ……それより。 感想、聞かせてよ」
P「ん? あぁ……そうだな、いただきます」
P「……」モグモグ
凛「……どう?」
P「……」
凛「……やっぱり失敗したかな?」
P「っっっ……! すっごいうまい!」
凛「え、ちょっ……」
P「もう最高だよ! 凛は料理もできちゃうなんて最高だなぁ!」
凛「……そっか。うん、よかった」
P「凛?」
凛「なに?」
P「いや、やっぱり凛は笑ってるのが一番かわいいな」
凛「えっ……違う、別にこれは……」
P「これは?」
凛「……美味しいっていってくれて嬉しかった、だけだから」フイッ
凛「ほめても何もでないよ?」
P「いやいや、本音だからな? それに、今もらってるじゃないか」
凛「……そう、だね。気にいったならまた作ろうか?」
P「いいのか?」
凛「ヒマな時だけだけど」
P「それでもありがたいよ。楽しみにしてる」
凛「そっか……うん」
P「うん?」
凛「プロデューサー、他に好きなものとかある?」
凛「……無いの?」
P「いや、結構あるけど……カレーとか」
凛「カレー……うーん」
P「どうした?」
凛「お弁当にカレーはちょっと無理だから……」
P「あぁ、そりゃそうだな……じゃあ他は……」
凛「……プロデューサー」
P「ん、どうした?」
凛「今度、家にいっていいかな?」
P「はい?」
P「……それはそうだが、だがなぁ」
凛「大丈夫。そういうのはついてこないようにするから」
P「……でもなぁ」
凛「うち、隠し味が変わってるって言われるんだけど……お母さんのカレー、すっごくおいしいよ」
P「うっ……」
凛「食べたくないなら別にいいけど」
P「……食べたい」
凛「……ん?」
P「凛のカレー、食べたい……」
凛「じゃあ、今度いくから」
P「でも本当に大丈夫か?」
凛「問題ないよ。意外となんとかなるものだから」
凛「どうしたの?」
P「食べてお腹膨れたら眠くなってきた」
凛「……プロデューサーって子供だね」
P「ほら、男っていうのはスーツを着た子供だっていうだろ?」
凛「たぶん意味が違うと思うけど……」
P「ん……まぁ、細かいことはいいだろ?」
凛「……それで?」
P「それでって?」
凛「眠いなら、もう帰る?」
P「い、いやいや。そういう意味じゃなくてな」
P「凛といると落ちつくっていうか……うん、完全に失言だった。すまん」
凛「……落ちつく?」
P「こう、一緒にいるのが自然な気分になるんだよ」
凛「そっか……ふぅん」
P「すまん!」
凛「別に、怒ってるわけじゃないから謝らなくてもいいよ」
P「だが……」
凛「……あっ」
P「ど、どうした?」
凛「じゃあ、このまま買いものにつきあってくれる?」
P「それぐらいなら喜んで」
凛「ん、じゃあそれでいいよ」
P「ちょ、ちょっと待て凛……ここって……」
凛「服屋だけど?」
P「女性ものの服ばかりのところに男がついていくのはちょっと……」
凛「……なにそれ?」
P「いや。なんかこう、な?」
凛「あれだけ仕事で女の子に囲まれてるのに……」
P「仕事とは別なんだよ……」
凛「かわいい服とか、選んでほしかったんだけど」
P「凛の方がセンスいいじゃないか」
凛「自分じゃわからないこととかも多いから」
P「でもなぁ……」
凛「いいから、いこ」グイッ
P「え、ちょっ……」
P「お、おう」
凛「……挙動不審すぎない?」
P「いや、だってなぁ」
凛「スカウトしてる時ぐらい堂々としてればいいのに」
P「そういうわけにもいかないだろ?」
凛「少なくとも今の状態よりはマシだと思うよ」
P「そ、そうか……」
凛「……」
P「……ど、どうした?」
凛「別に。ついてきて」
P「あ、あぁ」
P「ん? ……そうだな」
凛「……」
P「色合いはこっちのほうがあうかもしれないが、イメージ的にはこっちのデザインだな」
P「だからといって今のイメージを守り続ける必要はない、こういうときはあえて崩してみるのも手だ」
P「だからどっちかっていうならこっちだな。個人的にはもう少し派手な色合いも悪くないと思うんだが」
凛「そっか……うん、ありがとう」
P「いやいや、これぐらいなら……あぁ、やっぱりなんか周りの目が痛い」
凛「仕事の時とのギャップがひどいね」
P「そうかな……」
凛「さっきまではすごく頼もしい感じだったよ」
P「今の俺は頼りないか?」
凛「少なくとも、服売り場で挙動不審になってる人は頼りにはならないと思う」
凛「……慣れなくて?」ピクッ
P「うん、この前かな子と一緒に来た時もだな」
凛「そっか……ふぅん」
P「……凛? どうした?」
凛「別に、なんでもない。服買って帰るよ」
P「え? あぁ……」
凛「ちょっと外で待ってて」
P「……わかった」
凛「……」
凛「……それもそうだよね。プロデューサーなんだからアイドルと買い物ぐらい普通か」
P「うん、おかえり」
凛「……」
P「凛、あのさ」
凛「なに?」
P「いや、その……服なんだが」
凛「……かな子と来た時どうしたの?」
P「いやな、他のアイドルと同じ感覚で選んだら入らなくてな……」
凛「年頃の女の子なんだから、傷つくよ?」
P「いやぁ、あれは失敗だったよ……気をつけないとなぁ」
凛「うん、本当に……気をつけてよね」
P「ん? ……そうだな。晩飯はいいのか?」
凛「うん、たぶん家でお母さんが作ってるから。……プロデューサー、またね」
P「あぁ、じゃあな」
凛「……」
凛「……じゃあねなんて言わないで……か」
凛「別に、そういう関係でもないのに」
凛「……帰ろう」
凛「プロデューサー」
P「ん、どうした?」
凛「この前の話なんだけど、今度の金曜日でいいかな」
P「今度の……んーと……8月10日?」
凛「うん。学校も終わってるけど他にもやらなきゃいけないことが多いから早めに予約しておきたかったんだ」
P「そうか、うん……わかった」
凛「……あっ、そうだ」
P「うん?」
凛「お茶、いれたけど……飲む?」
P「あぁ、じゃあいただこうかな」
凛「……」
P「……あー、うまいなぁ……ん、どうした?」
凛「ううん、なんでもない。それじゃあちょっと出てくるね」
凛「プロデューサーの家……か」
凛「……別に、カレー作るだけだし関係ないよね」
凛「えっと、隠し味……あっ」
凛「プロデューサー辛いの大丈夫か聞くの忘れてた……」
凛「……子供っぽいしダメそうだけど、どうなんだろう」
凛「とりあえず今度聞いてみようかな」
凛「まずは準備しておかなきゃ」
――――
―――
――
―
凛「……うん、大丈夫」
凛「ついてきてる人もいない、これなら」
凛「……すぅ……はぁ……」
凛「ん」
ピーンポーン
凛「……」
ドタドタドタ…
P「お、おう凛。いらっしゃい。大丈夫か?」
凛「うん、問題ないよ」
P「じゃあとりあえず……見られるとまずいし、あがってくれ」
凛「……お邪魔します」
P「なにもないけど、どうぞ」
凛「……思ってたよりも片付いてるっていうか……ものがあんまりないね」
P「いやぁ、あんまり家に帰ってないからなぁ」
凛「大丈夫なの?」
P「うん、まぁなんとか」
凛「……本当に?」
P「余裕だよ、心配してくれてありがとう」
凛「別に、プロデューサーがいないと困る人が多いから……」
P「そうかな……結構みんなセルフプロデュースもうまくいってるように思えるし……」
凛「……そういうのじゃないけど、ね」
P「ん? そういうのって?」
凛「別に。気にしなくていいから……キッチン借りるね」
P「……おぉ、なんかいいなぁ」
凛「えっ?」
P「いや、こう……台所に立ってるだけでも画になるよ。すごくいい」
凛「……ほめても何もでないよ?」
P「カレーは?」
凛「それは元からだすつもりだったけど……そうじゃなくて」
P「じゃあ十分だよ。凛のカレーが楽しみで昨日は寝れなかったぐらいなんだ」
凛「遠足前の小学生じゃないんだから……」
P「いいじゃないか。期待してるんだよ」
凛「……まぁ、ちょっと待っててね。がんばるから」
凛「……ん、どうかな」
凛「……」ペロッ
凛「……よしっ」
P「りーんー……」
凛「はいはい、できたから……後は盛るだけ」
P「そうか! もうにおいかいでるだけで我慢できなくなりそうだったんだよ!」
凛「カレー、本当に好きなんだね」
P「うん、まぁな! でも凛が作ってくれてるって思うとなおさらだよ!」
凛「そっか……うん。はい、できたよ」
P「やったぁ! ありがとう、凛!」
凛「どうぞ、おあがりなさい……だっけ?」
P「……なんだか母親みたいだな」
凛「年下の相手にいうことじゃないよね」
P「す、すまん。なんかこう……なぁ?」
凛「同意を求められても困るんだけど……ほら、食べてみてよ」
P「うん……じゃあ」
P「あむっ」
P「……」モグモグ
凛「……どう?」
P「う……うまいっ!」
凛「そっか……うん、よかった」
P「凛、料理が苦手なんてウソじゃないのか? この前の弁当もそうだけど本当においしいよ」
凛「そんなに褒められたら、悪い気はしないけど……まぁ、ちょっと練習したから」
凛「人に食べさせるんだから、ね。辛さは大丈夫?」
P「ん、あぁ。ちょうどいいよ」
凛「そっか……」
P「ありがとうな、凛」
凛「よかった。それじゃあ帰るね」
P「えっ?」
凛「えっ?」
P「凛、このまま帰るのか?」
凛「おかわりもよそって欲しかった?」
P「そうじゃなくてさ……凛」
凛「……? あぁ、量ならそれなりにあるけどたぶんそれなりに日持ちもするから」
P「そうじゃなくて」
凛「……じゃあ、なに?」
P「だって今日、お前の誕生日だろ?」
P「当たり前だろ?」
凛「じゃあ、なんで……」
P「なんでって?」
凛「そんな日に来るなんて、みたいなことぐらいは言うと思ってた。気付いてないんだって」
P「凛の都合のいい日がその日だけだったのかなぁ、って思ってな。誕生日パーティーは夜だろうし」
凛「……本当に子供だね」
P「そうかなぁ」
凛「それで、呼びとめたってことは……」
P「うん、誕生日プレゼント……これ」
凛「……あけてもいい?」
P「ぜひ」
凛「……」
P「いまいち何がいいか思いつかなくて……ダメかな?」
凛「……ううん、いい」
P「そっか……よかった。誕生日おめでとう、凛」
凛「ありがとう……あと」
P「ん?」
凛「……プロデューサー。今度また遊びにいかない?」
P「俺でいいのか?」
凛「別に、誰でもいいわけじゃないんだよ? プロデューサーがいい」
P「そ、そうか……なんだか勘違いしちゃいそうだよ、俺」
P「いやぁ、子供っぽいって笑わないか?」
凛「……聞いてから考える」
P「ひどいな」
凛「できない約束はしないんだ」
P「……その、だな?」
凛「うん?」
P「こう……自分に好意を持ってくれてるんじゃないか、みたいな?」
凛「……ふぅん、そっか」
P「バカだよなぁ、本当に! あははは」
凛「……」チュッ
P「はは……はっ?」
凛「あたり」
P「え、あっ、えぇっ!?」
P「え、いや、あの……」
凛「それから、このネックレスって誕生石が埋められてるんだよね?」
P「あ、あぁ。幸運って意味があるって聞いて……」
凛「そっか……プロデューサー」
P「な、なんだ?」
凛「私、まだまだトップを目指すから……隣にいてくれる?」
P「もちろんそれは約束するけどだな、凛」
凛「……プロデューサーに好きな人がいるなら、私のことはほっといていいから。せめて仕事だけでも繋がってたい」
P「いや、凛のことは魅力的だが……年とかな?」
凛「年が近かったらよかった?」
P「そうじゃなくて……俺はプロデューサーで、凛はアイドルだし」
凛「まだまだ、トップまで駆け上がってからでいいから」
P「いや、でも……」
P「……」
凛「これからもずっと隣にいてくれる?」
P「……それは、約束する」
凛「今は、それでいいよ。まだ大丈夫」
P「まだ?」
凛「私がトップアイドルになったら話すよ」
P「……?」
凛「今日のキスのこと、忘れてもいいから」
凛「軽くなんてないよ」
P「いや、だが俺なんかに……」
凛「これまであった男の人の中で一番魅力的だったから」
P「はっ?」
凛「子供みたいだけど、かっこつけてないプロデューサーが好きだから、あげたの」
P「……いや、しかし」
凛「今日はこのネックレスにめんじてここまで、ね」
P「……?」
凛「またね、プロデューサー。今日は帰るよ」
P「お、おう……また、な……?」
凛「8月の誕生石はペリドットと……サードオニキス」
凛「意味は……ペリドットが、『幸運』と『命の絆』」
凛「サードオニキスは……」
凛「……『幸せな結婚』」
凛「……なんてね」
凛「まだ、早いかな。でも」
凛「次に一緒に出かけるのは……デートってことでいいよね?」
凛「お弁当、うまく作れるように勉強しよっと」
おわり
ラストの〆がぐだぐだでごめんにぃ☆
とりあえず、次はめんどくさい過程飛ばしてデートさせる
ついでにネタ・妄想あればください、たぶん書きます
凛がご飯作ってることを聞きつけたかな子が
私も作りますとP家で料理したりガードが甘いかな子とイチャつく感じでいたら
Pの家に忘れ物した凛が偶然やってきて二人が鉢合わせ
水面下で修羅場みたいなが見たいです
>>96
杏は重くないけどデレてる姿が想像できない
まあ、デレんでしょうな
杏「もう働きたくない」
P「俺に永久就職するか?」
杏「いいよ」
P「そうかいいのか…え?」
杏「プロデューサーなら杏は構わないよ」
P「うん…///」
他アイドル「ちょっとまて」
それデレてるのPちゃんの方じゃないですかねえ……(迫真)
赤羽根Pと杏で考えるたしたら
どう考えてもデレさせるのは羽根Pの方が楽なんだよなあ…
美希のモーションにすら靡かない赤羽根Pがそうかんたんにデレるのかな・・・?
勃起すらしなさそうじゃん
>>131
そう言われるとな…3日目の杏本でも探すか
……で、なんでまだ残ってんの……
携帯からは無理があるじゃない
家帰るまで保守させるのも忍びないし
また後日書くから落としてください
Entry ⇒ 2012.08.11 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
響「プロデューサーはさ、自分のこと好き?」
P「いきなりどうした? そんなこと言い出すなんて、珍しいな」
響「いーからいーから、答えてよっ! 自分のこと、好き?」
P「そうだなあ……」
響「うんうん!」
P「……」
P「……まあまあ好き、かな」
響「まあまあ? それってどんくらい?」
P「たるき亭の小川さん以上、音無さん以下ってところだ」
響「えー……。なんかそれ、微妙さー……。しかも小川さんって、ほとんど接点ないしっ!」
P「小川さん可愛いじゃないか、声も良いし。なんだか罵られたい気分になるよ」
響「うぎゃー! この変態っ! ド変態っ! 変態プロデューサーっ!」
P「ありがとうございますっ! ああありがとうございますっ!!」
響「うう……、本物の変態だぞ……」
響「プロデューサーは自分のプロデューサーなんだから、自分のことが一番好きなんじゃないの?」
P「そういうわけにもいかないよ。だって俺は、今は響を含めたみんなのプロデューサーなんだから」
響「あっ、そういえばそっか。……ちなみにちなみに、一番好きなのは誰?」
P「アイドルの中で?」
響「そうそう! あーでも、ピヨコと律子も含めてもいいさー」
P「うーん……。じゃあ、あえて言うとすれば……」
P「……」チラ
響「……」ソワソワ
P「あずささんかなあ」
響「! ……あずささんかぁ……。あずささん、綺麗だもんね。優しいし、おっぱいも大きいし」
P「それに、おっぱいも大きいしな。あずささんなら仕方ないだろ?」
響「うん、仕方ない……」
響「でもでも、なーんか悔しいぞー……ちぇっ」ボソ
P(かわいい)
P「響は、自分のことが一番好きでいて欲しかったのか?」
響「……うーん……。そんな気がしてたけど……、よく考えたら、どっちでもいいかも」
P「えっ」
響「えっ?」
P「話の流れ的に、『自分が一番じゃなきゃやだぞー!』とか言ってくるのかと思った」
響「へへーん! そんなに子どもっぽいこと言わないもんねっ!」
P「響は大人だなあ」
響「まあね! 自分、カンペキだからなっ!」
P「飴ちゃん舐めるか?」スッ
響「舐める! えへえへぇ……おいひい」コロコロ
P「響は大人だなあ」
響「じふん、かんふぇきあからなっ! んー……あまぃ」コロコロ
響「しょれにしゃー……」コロコロ
P「なんだって?」
響「んっ、そ、しょれに……けほっ、こほっ!」
P「お、おい大丈夫か? 飴ちゃん喉につまっちゃったか?」
響「うぅー……、ん、んんっ……んぐっ!」
ゴックン!
P「……」
響「飲んじゃった……。うええ……せっかくプロデューサーからもらったのに、もったいないことしちゃったぞ」
P「…………」
響「プロデューサー?」
P「あっ、いや、なんでもないよ」
響「だいじょぶ? ぼーっとしてたけど……、元気?」
P「ああ、むしろ元気になったというか……。涙目でゴックンする響は、やっぱりかわいいな」
響「なっ!? な、涙目がかわいいなんて、そんなの全然嬉しくないしっ! ほ、本当に変態プロデューサーだぞ……」カァァ
しかも「涙目で」、な……
P「本当に、全然嬉しくない?」
響「……ちょっとだけ」
P「ははは、そっかそっか」
響「ちょっとだけだからねっ! 本当に、ちょっとだけしか嬉しくないんだから!」
P「そうだよな、ちょっとだよな、うん。……本当にかわいい奴だな、こいつめ!」ワシャワシャ
響「……んふふ……」ニマニマ
響「……あ、それで、さっき言おうとしてたことはねっ」
P「ああ、なんか言おうとしてたな。誰が一番好きか、だっけ?」
響「うん。プロデューサーが自分のこと一番で、特別好きだったら、そりゃ確かに『うぎゃー♪』ってなるけど……」
P「喜ばれてるのか、それ……」
響「ふふんっ、それはナイショだぞっ! でもね、それだとなんか……、ヤダっていう気持ちもあるんだ」
P「……」
響「だってそれって、自分の知ってるプロデューサーじゃないぞ」
響「プロデューサーは、みんなに優しくて……、誰かだけを特別扱いしたり、しないでしょ?」
P「……そりゃ、まあな」
響「みんなの悩みとか、すぐ見抜いちゃったりしてさ! ……た、たとえば自分の場合だとっ」
響「自分のいるとこに来て、って言ったら……、沖縄だって北海道だって、すぐ飛んで来て、助けてくれたし……」
P「あんまり無茶振りはしないで欲しいけどね」
響「……や、やっぱり迷惑だった?」
P「……まさか」
響「えへへ……。それに、アリサのこととかも……」
P「俺は別に、大したことしたつもりはないよ。頑張ったのは響だ」
響「そうかもしれないけど……でもでも、そばにいてくれただけで、いっぱいいっぱい……、力もらったさー」
響「……自分は、そんなプロデューサーのことが、だいすきなんだもん」
P「……」
響「そんなプロデューサーだから……、全力で信じて、全力でアイドルやっていられるんだぞ」
P「……そーか。響の力になれるなら、俺も嬉しいよ」
響「そーだよ! えへへ……プロデューサー?」
P「どうした?」
響「…………か、」
P「……?」
響「……か、かなさんどーっ!」
P「? ……それ、前も言われたけど、どういう意味なんだ?」
響「それもナイショだぞっ。えへへ……♪」
P「……響、だっこしてやろうか?」
響「うがっ! 自分、だっこで喜ぶほど子どもじゃないしーっ!」
P「……響を喜ばせるためじゃなくて、俺がしたいんだよ」
響「…………ヤダ」
P「そうか……。それは残念だな」
響「あっ、うっ、えっと……やだ、ってのは、今は他の人がいるから、恥ずかしいからで……」ゴニョゴニョ
P「なんだって?」
響「うう……、プロデューサー! 耳貸してっ」
P「ん?」
響「……あとで、ね……」ボソボソ
響「あとで、ふたりっきりになったら……、だっこしてもいいよ」ボソボソ
P「……わかった。じゃあ、またあとでな」ワシャワシャ
響「……~♪」
P「それじゃ、それまでにいい加減、俺も仕事を終わらせるとしよう」カタカタ
響「……」
ぬーっ
P「前が見えないんだが……」
響「ねえねえ。さっきから、何やってるの?」
P「765プロのホームページの更新だよ」
響「これ、生っすかサンデー? 春香と千早と美希が映ってるぞ」
P「そう。響チャレンジの動画もあるぞ。前回は残念な結果だったが……」
響「……自分、実はあれ……毎回毎回、あんまり成功する気がしてないんだけど……」
P「お、おい、間違ってもそれを表に出すなよ」
響「自分も、みんなとトークしたりしたいぞっ!」
P「響はトークに向いてないからなあ」
響「え゛っ」
P「どうした? そんな絶望した顔して」
響「そんなにストレートに言われるとは、思ってなかった……」ズーン
P「だって、テンパると地元の言葉丸出しになるし……。こないだもさ、きっと視聴者には意味が……」
響「うぎゃー! さらに追い討ちするなんてヒドイぞーっ!」
響「……プロデューサーなんか、キライさー」ツーン
P「……まあ、響はわりとしっかりしたところがあるからな」
響「……」ピクッ
P「料理を始めとして家事はカンペキだし、ペット達の世話もちゃんと見てるし。意外と勉強できるし、頑張り屋だし」
響「…………」ピクピク
P「響がお姉さんになれるような企画なら、考えてもいいかもなあ」
響「それってどんなのっ!? 自分、そういうのやりたい! やらせて! いや、やらせろーっ!」
P(ちょろい)
P「たとえば、そうだな……。中学生組の中に響を投入して、南の島で一緒に仕事、ってのはどうだ?」
響「中学生組? やよい、亜美、真美、伊織と……、あと、美希?」
P「美希はちょっとイメージと違うから、外しとこう。それ以外のメンバーでユニットを組んで、フェスをやるんだよ」
響「それだと、自分、お姉さんになれるのかー?」
P「なれるとも。だってメンバーは、亜美や真美だぞ?」
響「! たしかにっ! えへへっ、さすがに亜美たちには負けないもんね! プロデューサー、天才!?」
P「はは、そう褒めるなよ。普段見られない、響のしっかり者っていう一面をアピールできるかもな。出来るか?」
響「なんくるないさーっ! 自分、ガンバルぞっ!」
P(良い笑顔だ。だから、やよいや伊織の方が実はしっかりしているというのは……、今は黙っておこう)
響「プロデューサーは、なんだかんだで、自分のことよく見てくれてるよね」
P「……別に響だけ、ってわけじゃないさ」
響「うん! だよねっ!」
P「なんだか嬉しそうだな」
響「さっきも言ったでしょ? 自分、プロデューサーの、そういうところがだいすきなんだっ!」
P「……旦那さんにしたいくらい?」
響「チョーシに乗っちゃだめさー。そうだなー……、プロデューサー風に言うなら、にーにー以上、いぬ美以下ってところ?」
P「はは、やっぱり家族にしたいくらい大好きってことじゃないか!」
響「あ! うう……プロデューサーはイジワルだぞ」
P「ちなみに、一番は誰なんだ?」
響「いちばん? んーと……」
響「あんまーに、……すーに……」
響「いぬ美、ハム蔵、ブタ太、へび香、オウ助、うさ江、ワニ子、シマ男、モモ次郎、ねこ吉……」
響「にーにー、アリサに……、あと、もっちろん! 765プロのみーんな!」
響「……ひとりだけ、なんて、決められないぞ」
P「そっか……」
響「えへへ……。だってみんな、本当にだいすきなんだもん。みんなのおかげで、今の自分があるんだからねっ」
P「本当に、響は……、立派になったな」
響「そお?」
P「そうさ。最初の頃は、誰にも頼らなくても、自分はひとりで生きていける! なーんて言ってたじゃないか」
響「そ、そうだっけ? そんなの、忘れちゃったさー」
P「間違いなく、響はここに来てからたくさんたくさん成長したよ。あの頃の、牙の抜けきれてない響はもういないな」
響「……そ、そこまで言われると、ちょっと照れくさいぞ……」
カタカタ……ッターン!
P「……よし、こんなもんかな」
響「お仕事、終わった?」
P「ああ、ばっちりだ。一区切りついたし、休憩にするよ」
響「今更だけど……、自分、ジャマになってなかった?」
P「そんなことないぞ。むしろ落ち着いたくらいだ」
響「落ち着く?」
P「響が近くにいると、良い匂いがするからなぁ」
響「に、におっ……!? ……自分、におう?」クンクン
P「うまく言い表せないが、ずっと嗅いでいたいくらい素敵な香りがするよ。決してイヤな匂いじゃない」
響「……なーんか、プロデューサーがいうと変態っぽいぞ……」
響「じゃ、じゃあさ! 仕事済んだなら、その……」
P「そうだな、それじゃあそろそろ昼飯いくか! たるき亭でいいか?」
響「たるき亭かー。自分、小川さんには勝ってるから、そこでいいぞ!」
P「よし、それならさっそく食べにいこうか!」
響「……んじゃなくてっ! さっき言ってた……」
P「さっき言ってた? なんか、響に約束してたっけか」
響「……う、うう……もうっ、だからーっ!」
響「だ、だっこ……」ボソボソ
P「……ん? なんだって?」ニヤニヤ
響「……聞こえてるくせに、本当にプロデューサーはイジワルだねっ!」
P「なんのことだかなあ」
響「ホントーに、ほんっとーに! プロデューサーはイジワル! だいっきらいだぞっ!」
P「…………そっか……」
響「あ……」
P「それは、残念だな……。俺はこんなにも、響のことを愛してるというのに……」
響「ぁぅ……ま、またそんなこと言って……ううう」
P(顔真っ赤で涙目な響かわいい)
響「……」チラ
P(うるうるしながら上目遣いする響まじかわいい。天使)
響「……本当に?」
P「なにがだ?」
響「本当に……、あ、愛してる……の?」
P「もちろんだよ。でも響は俺のこと嫌いみたいだから、片思いだな」
響「……! うう、う……。ほ、本当は……、そんなこと……」カァァ
P(デラかわいい)
P「ひびきん、ちょっと耳を貸すんだ」
響「ひゃいっ! って、え? ひびきん?」
P「……だっこするのは、ふたりっきりのとき、って言っただろ?」ヒソヒソ
響「!」ゾクゾク
P「今この事務所では、音無さんが鬼の形相でこちらを見てるから……、あっちの会議室でな」
響「……う、うん」ドキドキ
【会議室】
響「……んっ!」スッ
P「どうした、両手をばんざいして」
響「だっこ、するんでしょ? んっ!」
P「……」ワッシャワッシャ
響「な、なんで頭、わしゃわしゃするのさー?」
P「いや、かわいいなーって思って」
響「かわっ、かわ? うう……」
P「でも俺としては、もう少し違うシチュエーションの方がいいかな」ワシャシャ
響「しちゅえーしょん? なに言ってるの? ……っていうか、わしゃわしゃする手離せー!」スカッスカッ
P「俺が椅子に座るからさ、そこに響が抱きついてきてくれよ」
響「……自分、ネコじゃないぞ」
P「知ってるよ。響は響っていう生き物だろ?」
響「に・ん・げ・ん! ……そういうの、プロデューサーの趣味なの?」
P「ああ!」
響「……」
P「ドン引きはやめろよ!」
響「…………ま、まあ……。プロデューサーがそうして欲しいなら、そうしてあげるけど……」
P「さっすがひびきん! 話がわかるぅ!」
響「プロデューサーのためだからねっ! べ、べつに、自分がしたいわけじゃないんだからねっ!」
P「んっ!」スッ
響「うう……プロデューサーがそれやると、気持ち悪いぞ……」
P「そうか? 響がやるとめちゃくちゃかわいいんだけどな」
響「!!」
たたたっ
P「不思議なもんだ……って、おい!?」
ぴょんっ……がしっ
響「……!」ギュー
ギシッ……
P「……」
P(響の体、熱いな。少し、汗もかいている)
響「……」
響「…………ばか」
P「……どうしてばかなんだ?」
響「さっきから……、かわいい、って言いすぎさー……」
P「だって、本当のことだからなぁ」
響「だ、だからって、そんなにたくさん言わなくても、いいし……。自分、カンペキだから、そんなの……わかってるし……」
P「……」
響「そんなの、今更言われたって、ぜんっぜん……、嬉しくないし……」ギュー
P「……」ポンポン
響「……ばか」
響「ばかばか、ばかプロデューサーっ!」
ポコポコ
P「ああ、そうだな……。こんなプロデューサーで、ごめんな」
響「……だけど……」
P「……だけど?」
響「…………」
響「なんでもないっ! ばかで変態なプロデューサーには、ナイショだぞっ!」ギュッ
響「こーやってプロデューサーに抱きついてると、落ち着くね……あったかいさー」
P「俺もだよ。響はちびすけだから、この姿勢がちょうどいい」
響「じ、自分、ちっちゃくないぞ!」
P「765プロの中でも、下から数えたほうが早いじゃないか。響よりちっちゃいの、やよいだけだぞ」
響「うう……亜美と真美が、成長しすぎなんだぞ……。伊織もちょっとだけ、背伸びたし」
P「まあ、確かに響はちびだ。……だが、それがいい!」ニヤッ
響「ちっちゃいのが、いいことなの?」
P「ああ! 小動物っぽさがマシマシじゃないかっ!」
響「よくわかんないけど……うん! プロデューサーが言うなら、だがそれがいいさっ!」ニヤッ
P「ところで、どうして急にあんなこと聞いてきたんだ?」
響「え? 自分、なんか聞いたっけ?」
P「『自分のこと、好き?』ってさ」
響「あー……」
響「……なんか最近、プロデューサーに忘れられてる気がして……」
響「自分のプロデュースがひと段落着いて、今は他のユニットをプロデュースしてるから、なんだろうけどさ」
P「……」
響「ちょっとだけ、寂しかった。自分のこと、忘れてないか、って心配になっちゃったんだ」
響「えへへっ……。ご、ごめんね! こんなの言われたって、困っちゃうよね」
P「……俺の方こそ、ごめんな」
響「ちょ、ちょっとだぞ! ほ、ほんとは全然、気にしてないしっ!」
P「わかってるよ。ちょっとだけ、なんだよな」
響「今日たまたま、事務所でプロデューサーに会えたのも……、ピヨコ以外のみんながいなかったのも……」
響「べつに、嬉しいわけじゃなかったしっ!」
P「ああ……そうだよな」
響「ねえねえ、なんか笑ってるけど、ほんとにわかってる? 本当の本当に、ちょっとだけなんだし……」
P「もちろん、わかってるさ。……俺が響にウソつくわけ、ないだろ?」
響「……うん、そうだね。わかってるならいいさー……」
P「……でもひとつ、響に謝らないといけないことがあるんだ」
響「え? なになに? 今のうちに素直に言えば、許してあげるぞっ!」
P「実はな……、さっき言った、『響のことがまあまあ好き』、っていうのが……あれはウソだったんだよ」
響「そーなの!!? てことは……自分、ほんとは……、プロデューサーにとって、小川さん以下だったのか……?」
P「そうだよ」
響「!!」ガーン
P「それもウソ」
響「!? ……プロデューサー、ウソ付かないって言ったのにウソばっかり! もう何言ったって信じないぞっ!!」
P「本当は、響はもっと上のランクにいるんだよ」
響「……それもどーせ、ウソでしょ?」
P「これはホント」
響「……」
響「ふーん……。えへへ……そ、そーなんだ。へー……」ニヤニヤ
響「……それじゃあ自分も、プロデューサーにごめんなさいするね」
P「え? 響も、なんかウソついてたのか?」
響「うん……。ウソじゃないけど、本当はホントでもなかったんだ」
P「なんだ? 今のうちに素直に言えば、許してあげるぞっ!」
響「……それ、さっきの自分のマネ?」
P「似てただろう~?」ドヤァ
響「ぜんっぜん似てないし! プロデューサーは色々、適当すぎるぞっ!」
P「ははは……まあそれは置いておいて、どんなウソをついたんだ?」
響「……あの、その……。さっき、『自分のことが一番好きじゃなくても良い』って言ったでしょ?」
響「あれ……、本当にそう思うってのもあるけど、本当はちょっと違くて……」
響「あ、でも! 全部ウソ、ってわけでもなくてねっ! みんなに優しいプロデューサーの方が良い、ってのは本当で……」
響「自分、そんなこと言うほど子どもじゃないんだけど……うう、なんか良くわかんなくなっちゃったぞ……」プシュー
P「……無理に、言葉にしなくてもいいよ」ワッシャワシャシャ
響「な、なんでまたわしゃるの?」
P「…………」ポンポン
響「……なんか言ってよー」
P「なんか」
響「ばかっ!」
P「……響の言いたいことは、わかってるからさ」
響「! えへへ……やっぱり、自分……」
P「ん?」
響「……なんでもない! ばーかっ♪」
響「ね、ねえねえ! じゃあさ、じゃあさ! プロデューサーは自分のこと、本当はどんくらい好きなの?」
P「音無さん以上、貴音と同順位ってところかな」
響「そっか……。さっきよりはランクアップしたけど、まだ貴音には勝ってないのか」
P「でも貴音なら、仕方ないだろ?」
響「うん、仕方ないね。貴音はめちゃくちゃ可愛くて、優しいもん。むしろ、自分なんかが同じ順位で申し訳ないぞ」
P「ときどき変にネガティブになるな……」
響「ちなみに、貴音の上にはあと何人くらいいるの?」
P「貴音は一位だよ。そして、貴音と同じ順位の子が、その他にあと十二人ほどかな」
響「そっか、貴音は一位なんだ……。まあ、貴音なら仕方ないけど」
響「……ん? あれ?」
P「ここで問題だ。響はいま、本当は何位でしょう!」
響「?? ……えーっと、765プロのアイドルは……」
P「ちなみに、音無さんは一位の子たちの中に含まれてないぞ」
響「うぎゃー! ちょ、ちょっと待って! 頭こんがらがっちゃうから! え、えっと……」
P「じゃあもう一個だけ、ヒントをあげよう。響、ちょっと、耳を貸してくれ」
響「な、なに?」ススッ
P「実はな……」
響「は、はやく言ってよっ! なんかソワソワするぞ……」
P「……響は、その同率一位の子たちの中にも入ってないんだ」
響「え!? そ、それじゃあ自分、本当は……、やっぱりピヨコ以下なのか……?」
P「それも違う。貴音たちの他に、頭ひとつ飛びぬけてだいすきなアイドルがいるんだよ」
響「? ……?? どういうこと? ナンバーワンじゃなくてもいい、元々特別なオンリーワンってこと?」
P「そうだ。一度しか言わないから、よく聞くんだぞ」
響「う、うん……」
P「……」
すすっ
響「? プロデューサー? 自分の前髪あげてどうしたのさー?」
P「……」
ちゅっ
響「……」
響「……? ……!?」
響「!!?? えっ、ちょっ、なに、なになにっ!? 今おでこに、なんか当たったぞっ!!!」
P「ほらほら、慌てずにもっかい、耳を貸して」
響「は、はい……なんなの、もうわけわかんないさー……!」
P「……響……」
P「……かなさんどー」
響「!!!!」
終わり
かなさんどーっていうのは、響ちゃんにとって「好き」とは違う特別な言葉なんだよねかわいいよちゅっちゅ
響はかわいいなあ!!!
とてもとても良かった
Entry ⇒ 2012.08.10 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
冬馬「765プロのPのアドレスをゲットしたぜ!」
冬馬「団結という可能性。あいつらに出会っていなければ、今の俺たちはいない」
冬馬「だけどやっぱりこの世界、友情でどうにかできねぇ部分もあるだろ!」
翔太「それで文通かー。アドバイスをもらうって意味でもいいんじゃない?いろいろ教えてもらおうよ!」
北斗「最近真ちゃんからの返信がなくて心配してたからね。俺も利用させてもらうよ☆」
冬馬「…目的はまぁいいとして、早速いくぜ!記念すべき初メール!内容はどうする?」
翔太「問題ないなら僕が決めていい?」
冬馬「おう、いいぜ。バッチリ決めてくれ!」
翔太「じゃあ…無難に『最近765プロの調子はどう?』でどうかな!」
冬馬「…無難だな…もう少しこう…なぁ?」
北斗「それじゃあ、文面に程々なアレンジを加えてみればいいじゃない?」
―――10分後
翔太「…冬馬君遅い!携帯使い慣れてないんじゃない?」
冬馬「あ、焦りは禁物だぜ!」
北斗「あはは☆」
翔太「~…(イライラ)…冬馬君、途中でもいいからちょっと見せてくれる?」
冬馬「あ、おい!」
メール『拝啓 』
翔太「はいダメー!一行も読む必要ないね!」
冬馬「な、何だと!?」
北斗「メールってのはもっとフランクにいかなくちゃ」
翔太「そうだよ!僕とのメールだと、返信は遅いけどそれなりに頭痛にならないメールくれるじゃん!」
冬馬「あ、ああいうのとは違うんじゃねぇのか?ほら、向こうは仮にも仲間ってわけじゃねぇんだし」
北斗「それがいいね」
冬馬「こういう身内ってのとはよぉ…やっぱこう…なぁ北斗?」
北斗「チャオ☆」
冬馬「…」
翔太「うん、できたよ!これでいいかな?」
冬馬「早ぇな!?」
メール『よう、最近調子はどうだ?ジュピターの天ヶ瀬冬馬だ
突然で悪いが、せっかくこうしてアドレスを交換したんだ
新しくスタートを切った俺たちに、先輩からのアドバイスをって意味も含めて、
これからたまにでも、こうしてメールで情報交換をしたいと思うんだが、いいか?』
冬馬「肝心の質問を聞いてないじゃねぇか」
翔太「え?最初のあれで聞いてることにはならないかなぁ」
北斗「いい感じじゃない?冬馬らしい不器用さも出てるし」
翔太「そこなんだよね!ほら、あえて『情報交換』なんて書いちゃうあたり?いい感じに冬馬君でしょ!」
翔太「そう!慣れない相手なら、タイトルで軽く自分の名前でも書いたりするところをだよ!」
北斗「あとは過去を中途半端に引きずって、無自覚なほど軽くだけど自分を卑下してみたりね☆いいと思うよ、俺は」
翔太「良かった!じゃあ、はい、冬馬君!問題ないなら送信しちゃってよ」
冬馬「な、なんか軽く馬鹿にされてた気もするけど…まぁお前らがそこまで絶賛するならいいか…」
冬馬「届け!送信、だぜ!」ピッ
北斗・翔太「…」ニコニコ
冬馬「…?…何だよ、ニヤニヤして」
翔太「いやぁ、やっぱり冬馬君はどこまでいっても冬馬君だねぇ」
北斗「だね☆ ところで、何か頼まない?俺ちょっと小腹がすいちゃってさ」
翔太「いいね!ほらこの…エスカルゴの何とかってやつ、いいんじゃない?」
冬馬「おい、それにんにく使われてねぇか?ほら、ガーリックバターって」
北斗「ブレスリカバー、持ってないのかい?良かったら俺のあげるよ」
冬馬「いいのか?それなら問題ないな、じゃあこれとドリンクバー3つでいくか」
冬馬「おう、悪いな。ほら、行くぞ翔太」
翔太「うん!北斗君はリクエストある?」
北斗「いや、あのブレンドは俺にしかできないから、あとで自分で行くよ」
翔太「お、やり手だね~ブレンド派か。でもそういうことなら遠慮なく、行ってきま~す」
翔太「冬馬君は相変わらずメロンソーダか~」
冬馬「うるせぇな、好きなんだよ。これにバニラアイスがあれば言うことなしなんだけどな」
翔太「あはは、まぁ追加で頼んでもいいんじゃない?それじゃあ僕は~…」
北斗「おかえり☆メール、来てたみたいだよ」
冬馬「本当か!早いもんだな…」
翔太「早速見てみよ…あ、北斗君、先にドリンク行く?」
北斗「いや、この返信をしてからにするよ」
P『久しぶりだな、天ヶ崎。こっちの調子はまずまずだよ、話せば長くなるけどな
それと、俺を先輩扱いだなんてよしてくれよ。むしろ君たちから教わりたいことがあるぐらいなんだから
だから、というわけでもないけど、メールは大歓迎だよ
遠慮なく、どんどん送ってきてくれよ(サムズアップ)』
冬馬「謙虚だな。ていうか俺は天ヶ瀬だ」
翔太「謙虚だね。ちょっとだけ間違てるね」
北斗「とりあえず、受信メールにある情報すべてに応答するタイプなのかな、この人は」
翔太「僕らに教わりたいっていうのは、やっぱりアイドルたちの自立性とかかな?」
冬馬「かもしれねぇな。仲良いのはいいってのは分かるが、たまにそれはもはや『依存』だろって思うこともたまにあるしな」
北斗「なんにせよ冬馬のPへの初メールは…」
翔太「うん、成功って言ってもいいんじゃない」
冬馬「だな。じゃあ次はこれへの返信だ」
翔太「さっきは僕の案だったから、今度はどっちかで決めてね!」
北斗「うん…まだ真ちゃんについて聞くのは時期尚早な感じがするね☆」
冬馬「そういうのを踏まえても…『アイドルたちとはもうヤッたか?』」
北斗「チャオチャオ~☆それはチャオ☆っとチャオ☆んとチャオ☆?」
冬馬「何て言ってんのかわかんねぇよ!」
翔太「あははは!冬馬君引くわー!最高だよ!」
北斗「正直ありえないね」ガタガタ
冬馬「なっじょ、冗談に決まってるだろ!?」
北斗「危なかったよ、そういう聞かれるだけでもヤバイタイプの冗談は言わないと思ってたよ」
翔太「あははは!まず冗談に聞こえなかったからね今の!」
冬馬「う、うっせぇな…じゃあ、『駆け出しのころ、仕事はどうやって取ってたか?』は?」
冬馬「なんでちょっと残念そうなんだよ」
翔太「さっきのがあまりにも強烈だったからねー。ていうかマジメすぎない?」
冬馬「まだ序盤だって言ったろ?まずは警戒させないような、かわいらしい質問で攻めようって考えたんだけどな」
北斗「特に反対はないよ。その内容でいこう。文面はどうする?」
翔太「さっきの僕のはあくまで再現だからね。冬馬君の自然体でいいんだから、自分で考えてもいいと思うよ」
冬馬「じゃ、書いてみるぜ!あ、北斗。先にドリンク行って来いよ。どうせそれまでには終わらねぇし」
北斗「そうかい?それじゃあお言葉に甘えてっと」スタスタ
翔太「詰まったら言ってよ?」ズズ
冬馬「ん…あぁ…うん…」ポチポチ
翔太(ここまで集中してる冬馬君見たの始めてかも)ゴクゴク
翔太「おかえ…!?…うわー…北斗君それ…もとはソフトドリンクだよね?何混ぜたら光りだすのさ?」
北斗「秘密だよ。製法知っても、きっと再現できないさ」
翔太「ひ、一口いい?」
北斗「あぁ、どうぞ」
翔太「いただきます…ズズ…?……!……っ!?……あ、うまい!」
北斗「だろう?もう少し多く口に含めば、またいろんな発見ができるよ」
翔太「…けどなんだか怖くなってきた…ありがとう、気持ちだけもらっておくよ」
北斗「そう?まぁいいならいいんだけどね☆」グビグビ
冬馬「よっしできたぜ!これでどうだ?」
翔太「あ、来たね!どれどれ?」
もう敵同士じゃあ全然ないわけだし、協力しあえると分かって良かったぜ!
それじゃあ早速だが、あんたが駆け出しのころ、
どうやってアイドルたちに仕事を取ってきてたか
参考までに教えてもらえるか?』
翔太「あっははー、うん!実に冬馬君らしい、清々しい文面だよ!」
北斗「そうだな。とってもいいと思う」
冬馬「ほ、本当か!?」
翔太「『良かったぜ!』に7割がた詰め込まれてるよねー」
北斗「しっかりと『参考までに』ってつけたあたりにも、かわいいプライドが見て取れるね」
冬馬「…なぁ、さっきからその分析は何なんだ?褒められてるようには思えねぇぞ!」
翔太「安心してよ、貶してるわけじゃないんだし」
北斗「そうだよ、むしろ愛をもって接しているじゃないか」
冬馬「!」ゾクゾクッ
翔太「…良かったね、冬馬君」ズリズリ
冬馬「おい!俺から距離を取るな!」
冬馬「お、来たな」
翔太「へぇ~、けっこうしっかりした一口サイズなんだね」
北斗「6つか…ちょうど、一人2つずつだね」
冬馬「おっと…見た感じまだ熱そうだな。まだいいか…」
翔太「ズジズジジョオオガロロロ」
冬馬「翔太、ストローで遊ぶな。あと、俺もおかわり行きたいから立ってくれ」
翔太「あ、じゃあ僕も!北斗君、また留守番頼める?」
北斗「大丈夫だよ、行ってらっしゃい☆」
北斗「…………ん~、そろそろ食べられそうかな…(パク)…うん、ちょうどいい熱さだ。」
北斗「…エスカルゴ…ふぅん、貝類みたいな食感だね…それに、味付けがけっこういい仕事をしている」
北斗「どうせ冷凍ものだろうと思って侮っていたかな…噛めば噛むほどうまみがあふれる…」
北斗「…なるほど、これはうまい。サイドとしてこれがひとつあれば、それだけで満足度が10ほど変わるね☆」
北斗「…来たっぽいね。…そういえば、冬馬がマナーモードを解除した瞬間を知らないな…」
北斗「この際だから思い切って…行こうか?」
冬馬「…そういう作戦は口を閉じて練るんだな、北斗」
北斗「…チャオ☆?」
冬馬「あぁ、ただいま。返信、来ていたっぽいな」
北斗「俺は未遂だからね」
冬馬「…まぁ、変更されて困るもんでもねぇが…一応のマナーとして、な」
北斗「分かってるよ☆ばれないようにやるから」
冬馬「そういう問題じゃねぇだろ!」
翔太「ふぅ、お待たせ~!返信来てれぅ~?」
冬馬「ああ、来てたぜ。すぐ見るか?」
翔太「そうだね、やっちゃって!」
それがジュピターレベルのアイドルに役に立つかはわからないよ
それじゃまず初心者には、レッスンとオーディション、それもどんなに
(略)
ちょっと長くなってしまったな
要するに今の君たちのように、信頼できる仲間とともに、仕事に貴賤なしの精神で
あくまで自分が「仕事をさせてもらってる」のだと認識して、感謝しつつ頑張ることだ
能力はある、足りないのはバックアップだけ。そういう状況ならなおさら
(略)
もちろん団結にも脆弱性はある。そこで重要になるのが』
ブー、ブー、ブー、ブー
冬馬「!?…またメールだ…」ピッ
P『さっきの続きだ。容量の都合上、2通に別けてしまって』
3人「長すぎるだろおおおお!!」
冬馬「なんてこった!地雷だったのか、仕事の話題は!」
翔太「一通目中盤の要するにが要してないよ!!てっきりまとめに入るとばかり…!」
北斗「さっきの送信から今までおよそ7分…むしろ俺は携帯、あるいはパソコンの性能を称賛するよ」
冬馬「…まぁ、何とか読み切った。だが頭に叩き込められたかって聞かれるとノーだな」
翔太「敏腕敏腕だっていうのは聞いてたよ?けどあれはさ…異常じゃない?」
冬馬「2通目最後の『ここまで長くなったのは、君たちがジュピターだからだ』からの応援メッセージは…」
翔太「うん、ホロリときたね」
北斗「でもやっぱり、それを差し引いても長すぎるよね☆」
冬馬「ともあれ2通目…どうまとめる?」
北斗「『Pさんには安易に仕事についての漠然とした質問をするな』」
翔太「決まりだね、まさしくって感じ!結果としては?」
冬馬「もちろん成功、だぜ!」
北斗・翔太「…」ニコニコ
冬馬「…その変な沈黙やめろってんだよ!」
翔太「でしょ?このコリコリがいいんだよね。あ、平等にいくなら、次は北斗君の番だよ」
北斗「お、いいのかい?ちなみにレベルとしては?」
冬馬「レベル?」
翔太「そうだね…無理をせず、でも少し茶目っ気を出してみる、あたりでどうかな?」
冬馬「あぁ、内容の濃さのことか…それでいいと思うぜ」
北斗「チャオ☆それなら『Pさんのところで、一番魅力のあるアイドルは?』なんてどう?」
冬馬「魅力のある…か」
翔太「…北斗君としてはソレ…どっちの?」
北斗「もちろん女として、だけどね☆」
翔太「それならもう少しそれを匂わせた方がいいかもしれないね、あの人ニブチンさんだし」
北斗「そのあたりは冬馬の文面にアレンジを加える方向でね」
冬馬「お、今度も俺か。じゃあ早速書き始めるぜ」カチカチ
北斗「最近忙しいみたいでね…前までは毎朝、モーニングメールじみたことをやってたんだけど」
翔太「やりすぎだよ!僕だったら速攻着信拒否にぶち込むよ」
北斗「だから、この1か月間は、コンサートあととかで『良かったよ』っていうようなメールを送るだけに留めてる☆」
翔太「それぐらいが妥当だね。ていうかそれでも返信は来ないの?」
北斗「いや、来ることは来るんだけど…(ペタペタ)…ほら、こんな感じ」
真『ありがとうございます!これからも応援よろしくお願いしますね!』
翔太「これ、明らかに定型文じゃない!?」
北斗「でしょ?こんなの返信してくれたに入らないよね」
翔太「若干トラウマになってるんじゃない?まぁでも、一斉送信じゃないだけ望みはあるよ」
北斗「だね☆だから今は『押してダメなら引いてみろ』作戦を実行中なのさ」
翔太(向こうはただただ安心してるだけだと思うけどね…)
冬馬『ちょっと長かったけど、すごくためになったぜ。ありがとう
ところで、今の765プロのアイドルたちの中で、魅力があるって思うのって誰だ?』
翔太「ちょっと短すぎない?」
冬馬「だから添削頼んでるじゃねぇか」
北斗「さっきのメールに対するリアクションがそれだけっていうのも、ちょっと冷たい感じがするかな」
翔太「あと、やっぱり質問が漠然としすぎだよね。だから、ちょっと貸して」
翔太「…(カチカチ)…うん、こんなものかな?」
冬馬『まず長ぇよ!内容としてはすごく参考になったけど、
それでもやっぱり長ぇ!でも、そんだけ教わることも多いメールだったから、それはありがとうな
あとちょっと聞きたいことがあるんだが、765プロで一番魅力的だと思うのは誰だ?
あ、これはプロデューサー目線でも、個人目線でもどっちでもいいんだけどよ』
北斗「冬馬らしいね」
冬馬「…この無理やりなのが、か?」
翔太「うん、やっぱり気づいてなかった?冬馬君って知りたいって気持ちが先行して」
翔太「よくこういうヘタッピな話題転換しちゃうんだよ」
冬馬「納得いかねぇよ…まぁいいけど。送信、だぜ!」ピ
翔太「…あっはは、僕、この席を立たないでいることもできるんだけど?」
冬馬「…悪かった、けっこうきてるから頼む」
翔太「その気になればテーブルの下でも這えばいいのに…はい」スク
冬馬「すまねぇな」ダッ
翔太「謝るならやんなきゃいいのにね」ポスッ
北斗「小走りでトイレに駆け込んでいったね…あ、そうだ」
翔太「何?」
北斗「この隙に、ちょっと冬馬の着信音とかいじっちゃおうか?」
翔太「あはは、いいねそれナイスだよ!僕にはしっかりと動機もあるしね~」
北斗「そうと決まれば早くしようか。とりあえず今のは、どう設定されてる?」
翔太「えっと~…うわ、デフォルトだ」
北斗「キツイね。もっと遊ばなきゃだめだよね」
北斗「翔太も結構、機械には強いタイプなんだね。この短時間で音声いじれるとは思わなかったよ」
翔太「まぁね!さてあとは~…」チラリ
冬馬のドリンク「…」ゴゴゴゴゴ
北斗「…程ほどに、ね」
翔太「分かってるよ…タバスコはさすがにばれちゃうよね、色で」
北斗「塩でいいんじゃない?溶けるかはちょっと不安だけど」キュキュ
翔太「って言いながらヘッド部分外してるじゃないですかー!やだー!」
北斗「大丈夫大丈夫、俺のブレンドリンク飲んだでしょ?あれができるんだから」
翔太「じゃあ一周回っておいしくなる可能性もあるんだね?やったー!」
北斗「じゃあ手始めにっと」ゾン
翔太「音がまずおかしいよね。撒いたっていうか、落ちた」
翔太「まだだよ~っと」スク
冬馬「すまねぇな(ポスッズリズリ)…ふぅ、なんか追加で頼んでもいいか?」
北斗「いいね☆やっぱり少しでも入ると、体が食事モードに入っちゃうんだろうね」
翔太「もうちょっと欲しいってなるよね!じゃあ僕はこのコーンスープで!」
冬馬「あ、俺もソレいく。あと、このプロシュートってどうなんだろうな」
北斗「生ハムだね。普通に薄くってしょっぱい…あぁ、味的な意味でね。そんな感じだと思うよ」
冬馬「ちょっと興味あるな、頼んでみよう…他、なんかあるか?」
北斗「このほうれん草の、いってみるよ」
冬馬「決まりだな、呼ぶぞ」ピンポーン
翔太「お、引っかかったね冬馬君!お味はいかが?」
冬馬「て、てめぇらかよっ!?えほっえほっ…くっそ、しょっぺぇ!!塩か!?」
北斗「だ、大丈夫かい冬馬!?ほら、このお冷を飲みなさい(棒)」
冬馬「見た目からもう真っ赤じゃねぇか!くそっ!」
翔太「タバスコ入りお冷には引っかからず…おめでとう、冬馬君!」パチパチ
冬馬「うっせぇよ!…えほん!あぁ~…」
北斗「おいしかった?」
冬馬「んなわけねぇだろ!ていうかどうすんだよこれ、俺もう飲みたくねぇぞ」
翔太「ちょっと味見~…っ!?っだー!これはひっどいや!」
冬馬「素直に新しいグラスで入れてくるぜ…本当、こういうのはやめろよ?」
北斗「大丈夫だよ」
冬馬「俺的には翔太より北斗の方が信用できねぇんだけどな」スタスタ
翔太「まろやかでおいしいよ、これ」スク
冬馬「毎度すまねぇな…ていうかまだメールこねぇのか?」
北斗「今回はかなり遅いね」
冬馬「そんなに困るような質問………だったよな、あれは」
翔太「あそこはすっごいからね。美希さんなんか、分かりやすすぎて半ば公然の了解って感じもあるし」
北斗「あの二人を見つめるスタッフさんたちの顔といったら、ねえ?」
冬馬「授乳シーンでも見ているかのような雰囲気だもんな」
翔太「もっといい例があったでしょ!?ねぇ!?」ガシッ
冬馬「どわぁ!む、胸倉をつかんでんじゃねぇ!」
北斗「慈愛に満ちているというか…壊しちゃいけないって思ってる顔だよね」
冬馬「そう、つまりそういうことなんだよ!まったくこれだから翔太は…」
翔太「…」
冬馬「!?」
翔太「あはは、来たみたいだね」
冬馬「さっきのトイレの時か…また地味なことしやがって。つーかアリアリスって何だよ」
北斗「まぁまずはメールだよ、見てみよう」
P『全員にそれぞれの良さがあるから、一番は決められないな
けど俺個人の目線でいいなら、貴音かなぁ
あのミステリアスと、あと明らかに立ち位置が違う感じがいいと思うよ
まぁ、貴音が5だとしても他の全員は4,999ぐらいだから、本当にあえて言うならって感じだね
って、もしアイドルとしての魅力について聞いたんだったらすまなかったな(笑)』
北斗「問題ないですよ☆しっかりと正解してくれました」
冬馬「貴音っていうと四条か…四条ねぇ…」
翔太「冬馬君は苦手なんだっけ?」
冬馬「苦手っていうか、なんかこう…プレッシャーがすげぇんだよな」
北斗「これは貴重な意見だね☆」
冬馬「あと、面と向かうとなぜか煽り合っちまう」
翔太「ふ~ん」
北斗「美希ちゃんとのやり取りを見てるからね☆大したスケコマシだよ」
冬馬「どの口が言いやがる」
北斗「俺の女性観念はホル・ホースと同じだよ、だからいいんだよ」
翔太「ちなみに僕はやよいちゃんかなー」
冬馬「年も同じだっけ?守りたくなる奴だよな」
翔太「分かる?でも僕はあえて、ともに苦難を分かち合いたいと思うよ」
北斗「ひとつ先に進んでるね☆あえてつらいことをさせて、かつ共有するか…いいと思うよ」
翔太「えっへへ、でも逆に一番ないのは…」
冬馬「おっと、そういうネガティブな方向にはいかないようにしようぜ」
翔太「あ~…うん、それもそうだね!あ、北斗君はもう言わなくてもいいよ」
北斗「チャオ…☆」
翔太「そんなものだよ。あと、名前もきれいに対応してるよね」
北斗「これはわざとだね。まぁそれは置いといてっと」
冬馬「あぁ、まとめると『Pは奥が深い奴が好き』ってところか」
翔太「…あぁ…なるほど…!へぇ、けっこう深く読んでみたね冬馬君!」
北斗「貴音ちゃんみたいに底が知れない、イコール変化、成長の余地がある女の子は」
北斗「やっぱり人を育てる職業についてるうえでは魅力に思えるところなんだろうね」
冬馬「そんなところだ。だけどそれじゃ人間を作品として見てるところもあるから、俺としては気に入らねぇもんだけどな」
翔太「アイドルの、仕方ないけどつらいところってやつだよねー」
北斗「そういう意味じゃ、今回貴音ちゃんが選ばれたけど…本人は聞いてもうれしくない結果かもね」
冬馬「あえて知らせてやっても面白いかもな」
翔太「え?」
冬馬「ん?あぁ、この前ちょっとな」
北斗「詳しく聞かせてよ★」
冬馬「あぁ!?別になんでもねぇよ、ただ小規模だけど連続した仕事が入ったときに何かと便利だからって…」
翔太「…あぁ、あの時か!」
北斗「ちょっと待って、俺知らないよ」
翔太「ほら、貴音さんと冬馬君、この前1クールだけラジオやったでしょ?」
北斗「『結構殺伐!たか・とう煽り合いラジオ』だっけ?あれは面白かったよね、常にボロボロになる冬馬が」
翔太「たしか5回目の時のゲストが僕らで、意外とラーメンに詳しかった冬馬君が、その情報を教えるために…」
北斗「あぁ思い出したよ、確かにそんな話になったね!あの後結局アドレス交換したんだ」
冬馬「おぉ、そこまで頻繁にメールするわけじゃないけどな」
北斗「もったいない、とは思うけど良い判断だと思うね☆」
翔太「もしこれ雰囲気良かったら、いつの間にか芸名が『ピピン板橋』になってたかもしれないしね」
冬馬「意味わかんねぇよ!?つーかどっからきたんだソレ!?」
翔太「僕は…やよいちゃん、伊織ちゃん、響さん、双子に春香さんだけ」
北斗「俺はあずささん、春香ちゃん、律子ちゃん、真ちゃん、あと雪歩ちゃん…あ、事務員さんもかな」
冬馬「俺は天海、四条、如月、星井、我那覇、あと水瀬にPか」
翔太「なんだ、結局網羅できてるじゃん!社長以外」
冬馬「お前らだって普通に知ってるじゃねぇか!何で四条の時あんなに食いついてきたんだよ」
北斗「冬馬だからさ」
翔太「僕としては北斗君が事務員さんとつながってたことに驚きだけどね」
北斗「あの人はいい人だよ。ちょっとトリップしちゃうのが玉にきずだけど」
冬馬「見たことあるぜ。あれで独身とか正直信じらんねぇよな。何が打ち消してんだろ」
翔太「…僕の嫌いなマンガをひとつ終わらせ」ボソッ
冬馬「ぎるてぃ!ていうかそれはあの人の責任じゃねぇだろ!」コツ
翔太「僕が悪かった」
イケメンだからな
翔太「鬼畜の所業だよね…僕はどう反応するのかすっごく興味あるけど」
北斗「俺もだね☆やっちゃおうか」
冬馬「よし、それじゃあ文面は、と…」カチカチ
冬馬「こんなもんでいいか」
冬馬『四条、今お前のところのPに聞いたんだけどよ
あいつ、765プロの中で一番魅力的なのはって聞いたらお前だって言いやがったよ
お前のそのミステリアスなんていうよくわからん演技に騙された哀れなPにここまで言わしめて…
恥ずかしいと思わねぇのか?』
翔太「ひっどー!面と向かってじゃなきゃあここまで言えるんだね!」
北斗「少し脚色しすぎじゃない?言葉づかいはともかく、内容はもうちょっとやさしくしよう」
冬馬「そうか…ん~…翔太、頼まれてくれ」
翔太「え、いいの?とりあえずどれぐらいの暴言までがセーフとかは…」
冬馬「あまり横文字は使わず…本気で傷つくようなことは避ける。この程度でいいと思うぜ」
翔太「また難しいね…僕あんまり貴音さんと冬馬君の距離知らないんだけどな…」カチカチ
冬馬『四条、さっきお前のとこのPに聞いたんだけど
あいつが765プロの中で一番魅力的だって思うのはお前らしいんだぜ
まったくわかんねぇもんだよな、お前みてぇな正体不明に惹かれるなんてよ
ところでどうなんだ?お前はお前で、あいつのことどう思ってんの?』
北斗「手馴れてる人のメールだね」
翔太「やっぱりそうかな…一応貴音さんとのやりとりを送信BOXから見つけたんだけど」
翔太「どちらかというと僕よりもまだ馴れ馴れしい感じでいってたから、これぐらいかと」
冬馬「…言われてみればそうだな。ていうか勝手に見んなよ」
翔太「ごめんごめん、でもやっぱり情報が少なかったしさ」
冬馬「…まぁいいけどよ」
北斗「それよりこの文面だと、貴音ちゃんが本人に確認しちゃわないかな」
冬馬「それはねぇよ。あいつ意外とこういうのには奥手だし、どちらにせよ嘘は言ってねぇだろ」
翔太「(よく見てるね…)…じゃあ、これでいいなら。はい、冬馬君」
冬馬「はい送信っと」ピ
冬馬「何だよこの着信音うっせぇ!ていうかはえぇな!」ピ
貴音『それはまことでしょうか』
冬馬「は?こいつ、いつにもましてつまんねぇ返信するなぁ」
翔太「新鮮!もっと漢字だらけかと思ったのに!」
冬馬「…」カチカチ
冬馬『どんだけふざけても、今まで俺は嘘なんて言ったことねーだろ
ていうかお前はどうなんだよ、あいつのこと』
冬馬「送信だ」ピ
北斗「早いよ冬馬。俺も意見を出したかった」
翔太「なんか不機嫌になってない?」
冬馬「そうか?俺は四条とのメールはいつもこれぐらいの速さと内容だぜ」
北斗「…(…これはちょっと危ないかもね)」
貴音『そうですね、信じます。貴重な情報をありがとうございました。
ですが、あなたの質問にはとっぷしぃくれっとと答えるよりほかにありません。
残念ながら…あなたはもう用済みなのですっ!』
翔太「うわぁ…かわいい」
北斗「たまらないギャップだね。一行開けてるところとかいいよね」
冬馬「…ちっ、これでいつもの調子か…」ボソッ
翔太「ん?冬馬君、何か言った?」
冬馬「何でもねぇよ。それよりこのタイミングで、Pのメール本文をそのまま転送するってのはどうだ?」
翔太「ないわー!それナイスだよ!」
北斗「…」
翔太「…あれ、北斗君?」
北斗「…ううん、なんでも☆冬馬の案でいこう、ちょうどいいよ」
冬馬「それじゃあ…と」
>全員にそれぞれの良さがあるから、一番は決められないな
>けど俺個人の目線でいいなら、貴音かなぁ
>あのミステリアスと、あと明らかに立ち位置が違う感じがいいと思うよ
>まぁ、貴音が5だとしても他の全員は4,999ぐらいだから、本当にあえて言うならって感じだね
>って、もしアイドルとしての魅力について聞いたんだったらすまなかった(笑)
これがあいつのメール本文だ。お前はその程度しか他の奴らと違わないんだよ(笑)
きちんと現実見やがれ面妖ラーメン!それじゃあ元気でな!』
冬馬「送信だ」ピ
翔太「冬馬君…」
冬馬「ん?」
翔太「…やっぱりちょっと厨二病なんだね^^;」
冬馬「な!そ、そんなわけねぇだろ!大体どこにそんな要素が・・・」ギャーギャー
北斗(…冬馬…おめでとう…お前は今、大人の階段をまたひとつ上ったんだね…)
冬馬「意味分かんねえこと考えんな。四条とはこういう立場同士の方がやりやすいだけだよ」
携帯『ゲッチュー!ゲッチュ』ピ
冬馬「返信か…」
鬼ヶ島羅刹、あなたのやることですからね!まんまと期待してしまいました!
まったく、今度は私の気持ちを弄ぶようないたずらにまで発展させて!
結果的に嘘ではなかったでしょうが、それでも少しはしょっくですよ(プンスカ絵文字)
…でも、しっかりと感謝はしております。ありがとうございました。
おかげで私はまだまだ頑張れそうです。あなたも、変わらずお元気で。それでは(バイバイ絵文字)』
翔太「うわぁお…強烈ぅ…」ホンワカ
北斗「俺もだね…真ちゃんには及ばないけど、それでも…」クゥー
冬馬「…」
北斗「冬馬…」
冬馬「…何だよ?」
北斗「…いや、それでいいんだ。今は思いっきり泣け」
冬馬「?…いや、泣く要素がないんだけど…まぁ名前に関してはわざとって分かるし」
翔太「うん…僕も、気持ちはよく分かるよ。こういう時はそう…今の冬馬君みたいに泣けばいいんだ」
冬馬「あ?泣いてねぇだろ…(ゴシ)…うん、泣いてない」
冬馬「…………あれ?は?何この流れ…逆に泣けるんだけど」
翔太「貴音さんを絡めたのがけっこうおもしろかったから、次もそういう路線でいこうよ!」
冬馬「というと?」
北斗「『Pが思うアイドルたちのあれこれ』、ここからってことだね☆」
翔太「そういうことだよ!さすが北斗君だね!」
冬馬「なるほどな…いいぜ、それは面白そうだ」
翔太「じゃあ早速、問題ないなら僕からでいい?」
冬馬「あぁ、いいぜ」
翔太「やっぱり定番から行こうか!『765プロで一番かわいいと思う人』!これで決まりでしょ!」
冬馬「急にテンションあがりすぎだろ!ていうかそれで俺がアドレス知らない奴出てきたら終わりだぞ」
北斗「問題ないでしょ☆別に俺から告げたって、向こうは何も分からないし」
冬馬「…まぁ、それもそう、かな」
冬馬『全員にそれぞれいいところがある、か。なるほど
四条は俺も魅力的だと思うぜ。優劣はつけがたいけどな。
ところで、魅力的なのは分かったが、もうすこし聞いてみてもいいか?
ずばり、765プロで一番かわいいと思うのは誰か、だ!』
翔太「冬馬君!」ブワッ
冬馬「うわぁ!き、急に泣いてんじゃねぇよ!」
北斗「やっぱりお前は…うん…うん…つらかったね…」ポロポロ☆
冬馬「気持ち悪いんだよ!で、メールはこれでいいのか!?」
翔太「うん、いいよ」ピタッ
北斗「さっさと送っちゃいなよ」ピタッ
冬馬「お前らなぁ…まあいい、送信だ」ピ
翔太「あ~あ、もったいないな」
北斗「俺のほうれん草のサラダは冷めてもうまいね☆」
冬馬「そういえば生ハムも来てるんだったな…どれ」
冬馬「モグモグ…うん…モグモグ…生ハムって、こういうもんなのか?」
北斗「そうだよ。この値段でこれなら、俺は上出来だと思うよ」
冬馬「ふぅ~ん…」モグモグ
翔太「僕も一枚~…モグモグ…うん、おいしいじゃん!」
北斗「このちょっと安っぽい感じが病みつきになるよね」
冬馬「…このパンも…はは、味が安いぜ」
冬馬「そのアピールやめろよ!」
翔太「僕おかわり行ってくるよ!」
冬馬「俺もついでに頼めるか?」ゴクゴクン
翔太「っ!…うん、もちろんだよ!それじゃあ、行ってくるねー」タッタッタ
冬馬「あ、おい!リクエストぐらい聞いてけよ!」
北斗「今のは冬馬が悪いよ☆」
冬馬「…ちっ、しくじっちまったかな」
翔太「へっへっへ~、これは思わぬチャンス到来、だね!」
翔太「へぇ、この店舗はコーヒーや紅茶も、ドリンクバーに含まれるんだ…」
翔太「これはすごいや!革命だよね!もう見た目を取り繕うことなんて考えずにいっちゃおう!」
冬馬「………その黒いのが俺のか……」
翔太「うん!厳正な味見のもと、見事【ダークマター】の称号を授かった特性ドリンク!」
翔太「飲み干すと涅槃に至るという…」
冬馬「うるせぇよ、さっさとよこせ…あ、一応サンキュ」
翔太「冬馬君が悪いんだよ?まぁ、僕は楽しかったけど!」ニッコォォ
北斗「教訓、だね冬馬」
冬馬「……(クピリ)…………あれ、無理ではねぇ」
翔太「ふふん、まぁまだ序盤だからね!底に沈んでる何某を知ってからが本番だよ!」
冬馬「ていうかこれ、何入れたんだ?ソフトドリンクだけじゃこうはならねぇだろ」
翔太「…まぁそれは、出会ってからのお楽しみだよね!」
とんかつソースかウスターソースか何かを入れれば最強
冬馬「お、来たか」
翔太「あれ?マナーモードにしちゃったんだ」
冬馬「当たり前だろ、何だよアリアリスって…と、どれどれ」
P『かわいい、か…最近はかわいいにもいろいろあるよな
だからこれは完全に俺個人の目線になるんだけど
俺が765プロで一番かわいいと思うのは…伊織だ』
冬馬「へぇ、あの猫かぶりのお嬢様が?いい趣味してるな」
北斗「冬馬、そういうのは良くないよ。本人がたとえ目の前にいなくってもだ」
冬馬「っ…分かったよ、悪かった。続き読むぞ」
P『俺は単純に、伊織のデレにしてやられただけの男だよ…
だって、すっごくギャップあるんだもん。あれは卑怯だと思う
あとは、ツンツンしつつも仲間の事はとても大事に思ってくれるところとかにも惹かれるな』
かわいいは、近年崩壊しているよ。だけど、だからこそ俺は言う
伊織は、かわいいと。
まぁ、ちょっとわがままが度を超えることもあるけどな。それはまぁ…
空腹は最高のスパイスみたいなもんだと思ってるよ』
翔太「…語るね」
冬馬「どんだけ本気なんだよって思うよな」
北斗「あんまり欠点あげてないしね…これはどうしよう?」
翔太「伊織ちゃんで見たいのは、やっぱりデレでしょ?冬馬君に披露するとは思えないしな~」
北斗「それでも俺は、実行するだけ価値があると思うね☆」
冬馬「…まぁ、あれこれ考える前にやってみるか」カチカチ
翔太「そういえば伊織ちゃんとはメールするの?」
冬馬「あまりしねぇ。コンサート後とかにこっぴどくダメだしするぐらいだな」
北斗「健全だね。最近は個人としてもユニットとしても、レベルはかなり上がってきてるんじゃないの?」
冬馬『よう、突然悪いな
さっきお前んとこのプロデューサーとメールしてて聞いたんだけどよ
あいつが一番かわいいと思うのって、765プロじゃお前だって言ってたぜ
だけど、もうちょっとわがままのレベル下げてほしいとも言ってたんだ
お前、普段どんな感じであいつと付き合ってるんだよ?』
翔太「いいと思うよ!最後に『付き合う』って単語を持ってくるあたり、伊織ちゃんのツボを押さえてるんじゃない?」
北斗「今回は最初っから、全部の情報を渡すんだね」
冬馬「そうでもしねぇと反応しないんじゃねぇかっていうな」
北斗「…いいよ、送っちゃいな☆」
冬馬「あぁ、送信っと」ピ
翔太「ところで、冬馬君はなんで伊織ちゃんのアドレスを知ってるの?」
冬馬「ん…結構前に楽屋通りでパフォーマンスを貶したら、その場で教えてもらった」
冬馬「なんかアドバイス的な側面を感じてるらしいぜ…大したプロ根性だが、同時に隠れMなんじゃねぇかって思う」
北斗「冬馬、そういうことは言うな」
冬馬「おいおい、今のでアウトなら、これから俺水瀬と関わりあえないぜ」
冬馬「あ!?電話…水瀬からだ!」
翔太「これはちょっと予想外!出てもいいのかな、北斗君!?」
北斗「出ないわけにはいかないよね☆さ、冬馬!」
冬馬「チッ…こんなはずじゃなかったんだけどな…(ピ)…もしもし、天ヶ瀬だ」
伊織『ちょっと、さっきのメールはどういうことなのよ』
冬馬「…いや、そのまんま、書いてある通りだけど?」
伊織『はぁ!?そういうことを聞いてるんじゃないわよ!どういう状況で、どういう流れであぁなったかって聞いてるの!』
冬馬「か、書いてなかったか?765のPとメールしてたら質問大会的な流れになった、そのうちの一幕にすぎねぇよ」
冬馬(っつうか怖ぇ…ここまで必死な声とか聞いたことねぇよ…)
伊織『…そう。で、あれは本当なの?』
冬馬「あ?俺は嘘つかねぇだろ。全部本当だ」
冬馬「まだ通話中だぜ、漏れてる漏れてる」
伊織『あ!い、いや、今のはっ…!ガガチャ!…きゃぁ!?』
冬馬「っ…落ち着けよ…耳がいてぇだろ」
翔太「これはレアだね」
伊織『あぁ、ごめんなさい…ってそうじゃなくて!』
伊織『それじゃあ、なんで私にそれを教えたのよ!』
冬馬「あ~…(どう言う?)」チラ
北斗「(伊織ちゃんのかわいい反応とやらを見てみたかったから)」パクパク
冬馬「…その、あいつがお前のどこを見てかわいいとかぬかしやがったかを知りたくてな」
伊織『…?』
冬馬「…あ~…いったん切る!本文転送するから感想教えろよ、じゃあな」
伊織『え!?あ、ちょ(ブツン)』
冬馬「はぁ!?俺が悪いのかよ!ていうか電話かけてくるとか予想できねぇだろ!」
翔太「そういうのに対応してこそでしょ!だから冬馬君はいつまでたっても!」
冬馬「ちっ、別に水瀬の出番を終わらせたわけじゃねぇんだからいいだろ」
翔太「理想が低いよ!だから冬馬君はいつまでたっても!」
冬馬「いつまでたっても何だよさっきから!」
翔太「…ほしの~、よ~るねが~いこめへ↑て♪」
冬馬「チェリー♪ってぶっ飛ばすぞ!」
北斗「ほら冬馬、早く送ってあげなよ」
冬馬「ちっ…」カチカチ
翔太「あ~あ、伊織ちゃんの新鮮なリアクション、もっと聞きたかったなぁ」
北斗「仕方ないよ、これでガマンしよう」
>俺が一番かわいいと思うのは…伊織かな
>やっぱり伊織のかわいさ、魅力って、あのたまに出るやさしさにあると思うんだ
>まぁ、あとで謝ってくれるとはいえ、たまに笑えないレベルのわがままを繰り出すから、
>そこで節制というのを覚えてもらえれば完璧なんだけどな…
お前はもっとあいつのことを丁寧に扱えよ、それだけだ。じゃあな
P.S. 早く次のライブのチケットよこせよ。日程見る限り行けるから』
翔太「あれ、けっこう大幅に文章変えてない?」
冬馬「この方が分かりやすいかと思ってな。原文のままの方が良かったか?」
北斗「いや、いい判断だよ。伊織ちゃん、多分興奮してるから、これぐらいで終わった方がいいでしょ☆」
翔太「それにしても、このPSはどういうこと?」
冬馬「あ?あぁ、やっぱりパフォーマンスってのは直接みねぇとダメだしできないしな」
北斗「誤解を生みかねない文章だね」
冬馬「ま、いいなら送信しちゃうぜ」ピ
翔太「入れたねー」
冬馬「あとは…(クピリ)………あぁ、ミルクと…メロンソーダも見つけた」モニョモニョ
翔太「あはは、その口をもにょもにょさせるのキモイ!でも正解だね」
冬馬「…(チャパチャパ)…」
翔太「あ、ストローで混ぜちゃうんだね」
冬馬「………(グビッ)…っ!!??」バッ
翔太「おっと冬馬選手、リバース寸前で間一髪口を押さえたーいったい何があったのでしょーか」
冬馬「…!…(ングッングッ)………っぷはぁ!…はぁ…おい、翔太…!お前…」
冬馬「お前…ティーパック…破いたろっ…!」
翔太「御名答!口に流れ込んだ茶葉にビックリしたんだよね!」
翔太「僕がそんな無計画なことすると思う?ほら、僕ジップロックとビニール袋持ってるでしょ?これで…」
翔太「えっと…(ジャバジャバ…バシャ)…うん、これでもうグラスに茶葉はないね」
冬馬「…」
北斗「まぁ、結果オーライということでね☆」
翔太「さすがに袋二重にジップロックじゃ、防水という面では問題ないよね!」
冬馬「…」
北斗「冬馬はいい子だね」チャオ☆
冬馬「うっせぇよ…」
ブー、ブー、ブー、
冬馬「お、来たな」ピ
伊織『あんたも暇ね。こんな個人的なことを本人にばらすようなマネして』
冬馬「……だけかよっ!?」
冬馬「あ、二通目?」
伊織『間違えて途中で送信しちゃった(ションボリ絵文字)
とりあえず、一応感謝はしておいてあげるわ。ありがとう
あとライブのチケットだけど、残念ながら今回はキープできなかったわ
立ち見が無料タイプだから、足腰も鍛えられてちょうどいい機会になるんじゃない?
そういうことだから、ご勘弁ね。それじゃあ(ニッコリ絵文字)』
翔太「二段構えってやつだね…」
北斗「一見冷静に見えるけど、やっぱりまだ興奮気味なままなのが随所にみられるね」ニッコリ
冬馬「チケットキープできねぇとか、お前らそんな人気あんのかよ!」
翔太「いつの間にか、だね。でも、やりがいあるよね!」
冬馬「…へ、まぁな!あいつらのほえ面を、近いうちにもう一度見てやるぜ!」
北斗「冬馬は熱いね☆むせるよ」
冬馬「最後まで?」
北斗「…俺たちで、Pさんの思う『765プロで一番○○』を予想して質問してみるとか?」
翔太「その通り!」
冬馬「四条と水瀬が終わって…んー…まず天海は『一番甘いヤツ』か?」
翔太「やよいちゃんはかわいいと思ったんだけど、それがないとすると『一番守ってあげたくなる』かな?」
北斗「いやぁ難しいね☆真ちゃんは『一番ほっとけない』とか?」
冬馬「如月とかは『尊敬している』やつだったりしてな」
翔太「こういうところだと双子は分けて考えないとね!」
北斗「そうなると―――」
―――十分後
冬馬「出そろったな。それじゃあ順番に聞いてくぞ?」
翔太「オッケー!さぁて、どれくらい当たるかなぁ?あ、トップの人に下位二人から千円でどう?」
北斗「いや、ビリの人が今日の分おごりでいいんじゃない?」
冬馬「ゲッチュ!天海は『一番甘い』当たってで暫定一位だ!」
翔太「まだまだ!これが最初だよ!」
―――
冬馬「はぁ!?『一番尊敬している』が高槻だぁ!?」
北斗「こ、これは予想外…でも、納得はできるかもね☆」
―――
翔太「ほら!『信頼している』で事務員さんだ!」
北斗「おっと…まだまだ律子ちゃんは、Pさんにしたら半人前ってところかな」
―――
北斗「ほら見てみなよ☆真ちゃんは『一番ほっとけない』であたりだよ。これで3つ目だね」
冬馬「はっ!見てろよ、今にその余裕面を絶望に染めてやるさ!」
翔太「冬馬君…^^;」
―――
冬馬「ま、負けた…!…仕方ない、責任は取る。今日をもってジュピターは解散だ!」
北斗「チャオ~☆冬馬、ごちそうさま」
翔太「流石は北斗君だね!あ、僕もごちそうさま、冬馬君!解散はしないよ!」
冬馬「ようやく全員に知らせ終わったか…」
北斗「真ちゃんとのコンタクト、久しぶりに楽しかったよ☆」
翔太「一番時間使ったのが、双子のメール解読だったね…」
冬馬「大体あいつら、差別化を求めるならこういうところにも違いを出しやがれってんだよ」
北斗「そういえば伝票は…へぇ、結構安く済んだね」
冬馬「は!?どこがだよ、3人で5千円って結構だぞ!?」
翔太「ピザとかも遠慮なく頼んだからね~」
冬馬「…まぁ、腹は膨れたからな」
北斗「さて、そろそろ出ようか。もう日も暮れ始めてるしね☆」
翔太「いやー予想外に長くいたもんだね。あ、僕最後にトイレ!」タッタッタ
冬馬「ふぅ…ごちそうさまでしたっと」
冬馬「あの集まりから、数日が経った」
翔太「僕たちジュピターは今、あの時のファミレス」
北斗「ではなく、765のPさんの家に呼び出されている。チャオ☆」
P「―――なぜかは、分かってるな?」ゴゴゴ
冬馬「…別に、怒られるようなマネはしてないつもりっすけど」
翔太「そうそう、この数日の765プロのメンバーの、業界での評判すっごいじゃん!」
北斗「うん、見違えるように美しくなったとかで」
P「それだよ!!!」ドン!
3人「!!」ビク
P「お前らのせいで…お前らが、告げ口をしたせいで…!」
P「あいつらは…あいつらは大きく成長してしまったんだぞ!!」クワッ
3人「…え?」
冬馬「…いいじゃん」
P「やよいは頑張りすぎることがなくなって俺にしっかりと甘えてくるようになった!」
翔太「な!!」ガタッ
P「そして真は理想と現実のバランスがとってもうまくなった!」
北斗「それはいけないね。真ちゃんはあの危うさが魅力だというのに」
P「他にも全員が、何らかの形で成長を遂げたんだよ!!」
冬馬「いい加減分かるように言えよ!」
翔太「そ、そうだよ!ライバルと関わって成長って、これ以上ないほどにいいことじゃん!」
P「黙らっしゃいィ!!」ツンツン
冬馬「おごっ!わ、わき腹はやめろ、つつくな!」
P「お前らは分かってないんだ!俺のつらさが!」
P「俺の…みんなの成長を間近で見れるという楽しみを失った、この辛さが!怒りが!」
北斗「…あぁ、そういうことですか」
冬馬「やばい、まだ状況を理解できていない」
北斗「まったく…俺はまた巻き添えを食らっちゃうんですね」
P「ん?どういうことだ」
翔太「だね、そもそも実際にあのゲームを実行に移したのは冬馬君だし」
冬馬「…は!?お前ら裏切んのかよ!あんなにノリノリだったくせに!」
北斗「…ご冥福を☆」
翔太「ご冥福を」
P「ふ…そういうことか。覚悟はいいな、主犯・天ヶ崎竜馬…いざ、執行!」
冬馬「俺は天ヶ瀬冬馬だ!ちょっとずつまちが……あぁ…や、やめろおおおおお!!」
天ヶ瀬冬馬はこの日から1週間芸能活動を休止。
活動再開した彼を見た全員は、口をそろえて言う…
「あいつ…大人になった…そんな顔してるな」と
冬馬「いや誤解を生む形で終わらせるな!俺の身はまだ潔白だ!オイ!」
―――終わり
読んでくれてありがとう。
乙
あまとうも大人になったのか
俺達の童貞さんは死んだ!何故だ!?
Entry ⇒ 2012.08.10 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「千早、千早ってばー」千早「……」
P「返事してくれよー」
千早「……」ツーン
P「なあってばー」ツンツン
千早「…………」
P「千早のほっぺは柔らかいなぁ」ツンツン
千早「……」
千早「……」
P「はぁ……今は返事はいいから聞いてくれよ?」
千早「……」プイ
P「千早ぁ~」
千早「…………」
P「まぁ良い……良くないけども」
千早「……」
P「なんと、お前のために歌の仕事をとってきたぞ!」
千早「!…………」ピクッ
P「ふふん、どうだ! 嬉しかろう?」
千早「…………」
P「とっておきだったのに! これでもまだ無視するのか!?」
千早「……………………」
小鳥「あ、千早ちゃん」
千早「何ですか、音無さん」
P「さすがの俺も挫けそうだ」
小鳥「はい、この間言ってた本」
千早「すみません、ありがとうございます」
小鳥「いえいえ」
千早「さっそく読ませて頂きますね」
小鳥「あー、うんそれはいいんだけど……」
千早「何か?」
小鳥「プロデューサーさんはいいの?」
千早「えぇ、お気になさらずに」
小鳥「そ、そう……」
P「千早、その本は何なんだ?」
千早「……」プイ
P「ち~はやっ、何読んでるんだ?」
千早「…………」ペラッ
P「ん~表紙はカバーかかっててわからんが……後ろから回り込めばっ」サッ
千早「……」サッ
P「ムッ」サッ
千早「…………」サッ
P「このやろう!」ササッ
千早「………………」サササッ
小鳥(Pさんと千早ちゃん見てたらグルグルしすぎて気持ち悪くなってきた)
小鳥「ピヨッ!?」
P「千早に渡した本ってなんですか?」
小鳥「え!? えっと……それは……」チラ
千早「音無さん、ダメです」
小鳥「内緒です」
P「くそぉ!」
千早「……」ペラッ
P「はぁ……」
千早「…………」ペラッ
P「寂しいなぁ……」チラ
千早「…………」
P「千早とお喋りしたいなぁ?」チラ
千早「……」
ドア「ガチャ」
美希「ハニー! ただいまなのー」ガバッ
P「コラ、美希! 抱きつくなって」
美希「えー! 美希、お仕事頑張ったんだしこれくらい当然、って思うな!」
千早「……………………………………」ペラペラペラ
P「あーもう……」
美希「千早さんもただいま、なの!」
千早「……おかえりなさい、美希」
美希「何かペラって音がすると思ってたら千早さんが本読んでたんだね!」
千早「えぇ」
美希「何読んでたの?」
P(美希ナイス! 良い子だ!)
千早「…………音無さんに借りた本よ」
美希「あはっ、そっかぁ~」
P(答えになってないよ! 美希も納得すんなよおバカ!)
P「じゃぁ今日はもう帰ったほうが」
美希「せっかくハニーとソファーに座ってるんだしここでちょっと寝るね」
P「え、ちょっ、おい!」
美希「おやすみなのー」
千早「……………………………………」
P(計らずしも美希を膝枕する形になってしまった)
千早「……………………………………………………」
P(心なしか千早もさっきより不機嫌になっている気がする……)
千早「……」
P「……千早ってば」
千早「……」ツーン
P(小鳥さんヘルプ!)チラ
小鳥「ピヨっ!?」
小鳥(無理です無理です!)ブンブン
律子「今戻りました」
P「律子! お帰り! お疲れさま!」
千早「お疲れ様です」
小鳥「お疲れさまでーす」
美希「zzz」
律子「全く美希はまた事務所で寝て……プロデューサーさんも甘やかしちゃダメですよ?」
P「ははは……面目ない」
P「そういえば律子、前に言った千早の次の仕事の件なんだけどな」
律子「あぁ、歌がメインのやつでしたっけ」
P「あぁそうだ、その話を千早としようと思ってたんだ、な? 千早」
千早「…………」
P「あれぇ!?」
律子「どっちなんですか……
律子「はい?」ヒソ
小鳥「実は、プロデューサーさんは今千早ちゃんに無視されてるんです」ヒソヒソ
律子「千早がですか……彼女らしくないですね」ヒソ
小鳥「きっかけは些細なことだったんですけどねぇ……」ヒソヒソ
P「よぉし、千早! 新曲についての意見とかあったら聞いちゃうぞー!」
律子「どんだけ下手に出てるんですか……」ハァ
P「なぁ、千早……千早の声が聞きたいよ」
千早「…………」
P「俺を見てくれよ」
千早「……」
P「千早と、喋りたいよ」
千早「……」
美希「あふぅ、おはようなの……美希、おはようのちゅーがほしいな!」ガバッ
千早「………………………………………………」
P「バカやめろ!」
小鳥「ピヨッ?」
律子「ほら美希、帰るわよ」
美希「えー、なんでー?」
律子「もう仕事終わったんだから当然でしょ、送ってあげるから行くわよ」
美希「美希、律子……さんよりもハニーに送ってほしいの」ギュッ
P「だから抱きつくなっての!」
律子「いいからいくわよ」
美希「はーい……またね? ハニー」
P「おう、またな」
律子(貸し1ですからね)
P(律子ありがとおおおおお!)
千早「……」
P「さっきからページ進んでないけどそんな面白いのか?」
千早「っ………………」ペラ
P「お茶でも入れるかな……千早は飲むか?」
千早「…………」
P「…………はぁ」トボトボ
千早「……」チラ
小鳥「あ……じゃぁ頂いてもいいですか?」
P「はい」トボトボ
小鳥(背中に哀愁が漂ってる……)
千早「……」チラチラ
小鳥(千早ちゃんはPさんのことずっとチラチラ見てるし……)
千早「なんでしょう」
小鳥「プロデューサーさん、もう許してあげたら?」
千早「許すもなにも、別に起こっていませんが」
小鳥「でも、ずっと無視してるし……かわいそうじゃない?」
千早「私だって無視したくて無視してるわけじゃありませんし……」
千早「だって、プロデューサーが!」
小鳥「まぁ私もあの時事務所にいたからね」
千早「はい……」
小鳥「でも、ここまでするほどの事じゃないんじゃないかしら……」
千早「確かにやり過ぎかなとは思ってます……」
小鳥「じゃぁそろそろプロデューサーさんの相手してあげないと拗ねちゃうかもしれないわよ?」
千早「でも、ちーちゃんって呼んでくれるまで返事したくありません!」
千早「ごめんなさい」
小鳥「プロデューサーも恥ずかしがって呼んでくれないし……」
千早「普段は呼んでくれるのに、事務所だと呼んでくれないんです」
小鳥「職場だからだと思うけど……」
千早「それはわかってますけど……」
P「いやーお待たせしました。はい、どうぞ」
小鳥「あ、ありがとうございます」
小鳥「とってもおいしいですよ」
P「それはよかった」
千早「……」
P「千早もどうだ?」
千早「…………ちーちゃん」ボソ
P「ぐ……千早も飲むだろ?」
千早「…………」プイ
P「なぁ、千早……」
千早「……」
P「仕事中はそういう風にしないって約束したじゃないか」
千早「………………」プイ
P「困ったなぁ」
千早「…………私は仕事中じゃないもん」ボソ
千早「……」ゴクゴク
小鳥(あ、お茶は飲むんだ)
P(拗ねながらも両手使ってお茶飲むちーちゃん可愛い)
千早「……」ニコォ
千早「ハッ」ブンブン
小鳥(プロデューサーの入れてくれたお茶がおいしくてニヤけちゃったけど必死で取り繕う千早ちゃん可愛い!)
小鳥(もうちーちゃんって呼べばいいじゃないですか)
P(それはできない)
小鳥(どんだけまじめなんですか)
P(正直今更引っ込みがつかない)
小鳥(…………)ジトー
P(しょうがないじゃないですか! 職場じゃそういう風にしないって決めてるんですよ!)
小鳥(それは立派ですけど……)
小鳥(あたしに聞かないでくださいよ! むしろ困ってるのコッチですからね!?)
P(それもそうだ……申し訳)
小鳥(素直にちーちゃんって呼ぶか、あとは逆にこっちが無視するか、とかですかね)
P(前者は無理として、そんなことしてちーちゃんが泣いたらどうすんですか!)
小鳥(今ちーちゃんって言わないでください!?)
P(おっと失礼、とにかく、千早が傷つくようなことはできませんよ)
小鳥(傷つくまえに仲直りすればいいじゃないですか)
P(ふむ……)
千早(なによ……音無さんと見詰め合っちゃって……早く呼んでくれればいいのに……)シュン
千早(なんかすっごい難しい顔して考えてる……)
千早(やっぱり呼んでくれないよね……)
千早(ちーちゃんって呼んでほしかったなぁ……)
千早(でも、職場だし……これ以上迷惑かけちゃダメよね)
千早(次に話しかけてくれたら返事をして、謝りましょう)
千早(許してくれるわよね、優しいもん……)
P「……」チラ
千早「!」ササッ
P(顔見ただけで思いっきり目をそらされた……)
千早(恥ずかしくてつい目をそらしてしまった……)
P(ソファーに体育座りする千早は可愛いなぁ)
千早(きた!)
P「なみに、小鳥さんお茶菓子なんていりますか」
小鳥「いただけるなら」
千早(あれぇ?)
P「これ俺のお気に入りなんですよ、期待していいですよー」
千早(でもでも、この流れなら私にもいる?って聞いてくれるからその時に謝ろう)
小鳥「プロデューサーさんのオススメなんて楽しみです」
千早(食いしん坊って思われちゃうかもしれないけど、それくらいしょうがないわね)
小鳥「わー、ありがとうございます!」
P「いえいえ」
千早(よし……そろそろ……こっちに……)
P「どうです?」
小鳥「ピヨ!? これ本当においしいですよ!」
P「だからいったでしょ、お気に入りだって」
千早(自分の席に座っちゃった)
小鳥「いいのを教えてもらっちゃいました」
P「ははは、喜んでもらえて良かったです」
千早(あれぇ?)
P(そして罪悪感がやばいな……寂しそうな顔してるよ! ごめんよちーちゃん!)
小鳥(これ本当においしい……ポチっとこ)
千早(なんで決心したらチャンスがなくなるんだろ……)
P(ちーちゃんの悲しそうな顔やべええええええええええ)
P「音無さん本当にこの作戦大丈夫なんでしょうね」ヒソヒソ
小鳥「え、あ、はい多分?」カチカチ
P「あんた仕事中に何してんだ」
小鳥「お二人には言われたくないです……」
千早(あ……)
P「……」カタカタ
千早(仕事始めちゃった……)
小鳥「……」ポチ
千早(音無さんも仕事してるみたいだし……)
千早(何やってるんだろ……私……)
P「……」カタカタ
千早「はぁ……」
P「……」カタカタ
千早「……」ジー
P「……」
千早「……ばかぁ」
小鳥(千早ちゃん! 私がいるの忘れないで! 二人っきりじゃないのよ!)
小鳥(あぁでも拗ねていじけるレアな千早ちゃんは本当に可愛い! このまま見ていたい!)
千早「……」ジワァ
千早(ダメだ……私が悪いんだから……)
千早(顔洗ってきましょう……)スッ
小鳥(千早ちゃん、トイレかしら?)
P(千早が席を立ったか……)
P「そろそろ俺から声をかけたらいいんですかね?」
小鳥「どうでしょう?」
P「どうでしょうて」
小鳥「さすがにそこまではあたしにはわからないですよ」
P「そんなぁ……」
小鳥「でも……」
P「でも?」
小鳥「寂しそうな千早ちゃん可愛かったです」
P「それは同感です」
P「いやー、でも話しかけるタイミングって難しいですよ」
小鳥「例えば、千早ちゃんから話しかけてくるのを待つとか」
P「話しかけてきますかねぇ」
小鳥「この調子ならもうすぐだとは思いますけど……」
P「ふむ」
小鳥「まぁ、個人的にはプロデューサーさんに無視されたらどんな反応するのかも興味ありますが……」
P「今無視してるじゃないですか」
小鳥「千早ちゃんが話しかけてきても無視したら、ですよ」
P「そんな事っ!」
小鳥「おや」
P「したら千早がどんな反応するのか、気になって仕方がないじゃないですか!」
小鳥「プロデューサーも大概ですね」
P「ソファにですか」
小鳥「そうです」
P「なんでわざわざ?」
小鳥「私とプロデューサーがソファに向かい合って座ります」
P「はい」
小鳥「戻ってきた千早ちゃんはどっちの隣に座ると思います? 今の心境で、です」
P「小鳥さん、初めて貴女を尊敬しましたよ」
小鳥「あ、千早ちゃんお帰りなさい」
千早「ど、どうも」
千早(なぜ二人がソファーに……)
小鳥「ん? どうかした?」
千早「いえ、なんでもありません」
P(この女本気や! 本気やでぇ!)
千早(早く座らないと不自然だわ……でもどっちの隣に座れば……)
千早(普段の私なら迷わず彼の隣に座る……)
千早(しかし今のこの気まずい状態で隣に座っていいかしら……)
千早(隣に座っても話しかけてもらえなかったら立ち直れないかもしれない)
千早(でも正直隣に座りたい、むしろ膝の上に座りたい)
千早(そうね、普段隣に座ってるんだし問題ないわよね)
千早(別に私が隣に座りたいとかじゃなくて、普段通りにするというだけのことよ)
千早(別に本能のままに行動するわけじゃないわ、十分に思考を重ねた上での行動よ、千早)スッ
P(俺の)
小鳥(隣に座った!)
千早「え」
P(ここで二人きりにするとは……)
P「お願いします」
小鳥「お願いされましたー」
P(小鳥さん、一気に攻めるつもりだ!)
千早(二人きりになってしまったわ)
P「…………」
千早(私のせいだけど……会話がない……)
千早(今の沈黙は……嫌……ね……)
P「……」
千早(勇気を出すの千早、なんでもいいから、話かけて謝るの!)
千早「…………あの……」
P「………………」
千早「今日のおしg」
小鳥「お待たせしました!」
P(小鳥さんマジ鬼畜のカットイン)
千早(ぁぅ……)
小鳥(ふふ、タイミングはばっちりでしたね)
千早(これくらいで諦めちゃダメよ、千早……私はもっとひどいことをしたんだから……)
千早「き、今日のお仕事ってもう終わったんですか!?」
P(きたー! きてしまった! 普通の質問をめっちゃ気合たっぷりに言ってしまった!)
P「…………」
P(心を鬼にしろ、心を鬼にして沈黙を貫くだ俺!)
千早「ぁぅ……」
千早「!?」
小鳥「そうですねぇ、もう急ぎのお仕事は終わりました」
P「じゃぁゆっくりしてても問題ないですねー」
小鳥「そうですね」
千早「…………グスッ」
P(ちーちゃんごめぇん! 頭ナデてぇ! ハグしてぇ! そして謝りてぇ!)
小鳥(我慢ですよ! 今我慢しなきゃ全部無駄になりますよ!)
P(もう終わりでよくないですか、マジでもうキスしたい押し倒したい持ち帰りたい)
小鳥(欲望駄々漏れですよ……)
千早「ぷろ……でゅうさぁ……」グスッ
P「っ」
小鳥(ダメです、我慢です! 耐えてください! あとちょっとです!)
P(泣きそうなんですよ!? 俺のちーちゃんが!)
小鳥(もうちょっとだけでいいですから!)
P「グッ…………」プイッ
千早「…………」グイ
小鳥(プロデューサーさんの服のすそ泣きそうな顔で掴んでるちーちゃんキマシタワー!)
P(お?)
千早「仕事中はしっかりしますから……」ポロ
小鳥(あ……やばいかも)
千早「嫌いに……ならないでぇ……」ポロポロ
小鳥(泣いちゃったあああああああああ)
P「」
P「セイッ!」ドゴォ
小鳥「ビヨッ!?」バタッ
P「ちーちゃんごめえええええええん!」ダキッ
千早「あっ……グスッ……スン……」
P「ごめんな、ごめんなああああああ」ギュー
千早「……怒って……ない?」グスン
P「怒ってない!」
千早「……私のこと嫌いになってない?」ウルウル
P「なるわけねぇだろ!」
千早「ちーちゃんの事……好き?」ダキッ
P「大好きに決まってんだろ!」
小鳥「」チーン
口車に乗ったPも悪いじゃないですかー
P「…………」ナデナデ
小鳥「」チーン
千早「……」ギュッ
P「……」ナデナデ
P「落ち着いたか?」
千早「…………はい」
P「千早があんまりかわいいんでな」
千早「答えになってないです」
P「まぁ無視された腹いせと、寂しそうな千早が可愛かったからだ」
千早「………………」ジトー
P「さ、最初に無視したのは千早だろ!?」
千早「そ、それはそうですけど……」
P「す、すまん」
千早「嫌われちゃったらどうしようって……すっごく怖かったんですから……」
P「悪かったよ」
千早「反省してます?」
P「してる、すっごい反省してる!」
千早「信じられません」
P「えぇ、どうやったら信じてくれるんだ?」
千早「自分で考えてください!」プイッ
千早「なんですか」
P「キスしていいか?」
千早「だ、ダメに決まってるじゃないですか! 何考えてるんですか!」
P「誠意を見せようと思ったんだがなぁ……」
千早「意味がわかりません、事務所でそんなこと……」
P「事務所で拗ねてたのは誰だよ」
千早「そ、それはそれです!」
千早「ぅ……なに?」
P「はは、ちーちゃんはかわいいなぁ」ナデナデ
千早「事務所だけど、良いの?」
P「誰も見てないしノーカンだ! ノーカン!」ナデナデ
千早「意味わかんない」ギュッ
P「そういうちーちゃんだって抱きついてきてるじゃん」
千早「知らない!」ギュー
千早「直ってない」
P「どうしたら直る?」
千早「ちゅーしてくれたら直る……」
P「ちーちゃんかわいい!」チュッチュッ
千早「そういうのじゃないの!」
P「はいはい」
千早「ん……」
P「……」チュッ
千早「はい、お手数をおかけしました」
P「それはよかった」
千早「そろそろ帰りましょうか、良い時間ですし」
P「そうだな、戸締りしていくから先行っててくれ」
千早「……待ってますよ」
P「悪いな」
千早「いえ……」
千早「はい」
ドア「バタン」
P「かぎ閉めてっと」カチャ
千早「帰りましょうか」
P「そうだな」
千早「手、つないでもいいですか?」
P「階段下りるまでだぞ」
千早「はーい、えへへ」ギュッ
小鳥「Zzz……プロデューサーさんも千早ちゃんもだいたーん……ぐへへ……zzz」
おしまい、おわり、略しておしり
可愛い千早を貼ってくれた人はまじありがとう
ちーちゃんはかわいいなぁ
終始可愛すぎて悶え死にそうでした
Entry ⇒ 2012.08.08 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「スピードラーニングのせいで貴音が英語しか喋れなくなった」
P「おーい貴音!」
貴音「Mysterious・・・」
P「どうしたんだ?貴音」
貴音「Why・・・why・・・」
P「?」
貴音「It became impossible to talk except English. 」
P「!?」
貴音「Very mysterious. 」
P「あの……貴音さん?」
貴音「What do you understand whether I should do?」
P「一体どうしたってんだ貴音!?そんな流暢に英語でしゃべりかけるなんて……!」
貴音「I do not understand, either. 」
P「冗談はよしてくれよ……。これも演技か何かの特訓か?」
貴音「……」
P「おお、響。そんなところで何してる?」
響「貴音の、ことなんだけど……」
P「お、何か知ってるのか?」
響「自分のせいなんだ……」
P「は?」
響「自分のせいで、貴音がこんなことに……」グスッ
P「ちょっと……泣いてちゃ訳が分からないだろう」
響「これを……」
P「ん?なんだこれ……?」
P「……」
P「スピードラーニング……?」
貴音「It is the cause!」
P「なんて言ってるんだ……?貴音」
響「それが原因だってさー」
P「ちょっと落ち着こう響。ほら、ソファーにかけて」
響「うん……」
P「貴音もこっちに」
貴音「Yes, I understand. 」
P(なんか調子狂うな)
P「それで、どういう話からはじまるんだ。この状況は」
響「自分、今度の響チャレンジで海外ロケに行くことになってたでしょ?」
P「ああ、たしかスペシャル特番に合わせた長期ロケだったな」
響「それで、外国に行っても困らないようにこれを使ったんだよ」
P「スピードラーニングを?」
響「うん……」
P「それでなんでまた貴音が……」
響「……」
貴音(I'm hungry・・・)
(Oh...He speaks to my mind directly...!)
P「うん、それで?」
響「それで……ついうれしくなっちゃって、貴音に自慢したんだ」
響「そしたら、貴音も少し興味を持ってくれて……」
P「貴音に貸したと……?」
響「うん」
P「これがねぇ……本当に分かるようになるのか?英語が」
響「だって!聞き流すだけだから、ライフスタイルに合わせて誰でもすぐに始められるし、英語の後に日本語を収録だから、辞書なしで英語が聞き流せるし
英語→日本語の順で聞くうちに、英語を英語で理解する回路ができるらしくて、BGMのクラシック音楽で、リラックスして聞き流せる上に、『スピードラーニング』なら、
きれいな英語で話せるようになるんだ……」
P「響、お前はいつからエスプリラインのまわし者になった」
響「えぇ!?自分、そんなつもりじゃ……」
P「思いっきり宣伝してんじゃないか」
貴音「Hibiki. 」
響「What is the matter? 」
P「ホワット!?」
(約)気にしないでください、響。こうなったのも、私のせいなのです。
響「But・・・」
(約)でも……
貴音「You thought of me and acted. 」
(約)貴方は、私を想って行動してくれただけなのです。
響「Takane・・・」
(約)たかねぇ……
P「おいお前ら。日本語で話せ。会話についていけん」
響「あ!……ごめん、プロデューサー」
貴音「I'm sorry」
P「あ、貴音は仕方ないけどな」
響「……ごめんなぁ」
P「一体どうなってるんだ?響はちゃんと英語と日本語、両方話せるようになったっていうのに」
響「ほら、貴音って……一途じゃない?目標とか、アイドルの活動とかも一生懸命だし」
P「ラーメンとかな」
貴音「Ramen noodles ! It is favorite! 」
P「今のはなんとなくわかったぞ……」
響「貴音、どうやら気合いを入れて聞きすぎてこうなっちゃったみたいなんだ」
P「んなアホな」
響「でも!こうして貴音がネイティブなイングリッシュをスピークして……」
P「それはルー大柴だろう」
響「ごめん、プロデューサー。自分、ちょっと興奮気味で……」
P「まあ落ち着け。そう焦ってもどうなるって問題じゃない」
貴音「」グギュルルル
P「腹が減ったのか?」
貴音「Yes」
貴音「Why are ramen noodles delicious in this way? 」
(訳)なぜ、ラーメンはこうも美味なのでしょう?
響「Takane really likes ramen noodles. 」
(訳)貴音は本当にラーメンが好きだよね
貴音「Yes, ramen noodles are really wonderful food. Why does it drive me mad?」
(訳)ええ。ラーメンとは真、面妖な食べ物です。なぜこうも私を狂わせるのでしょう?
P「お前らやめてくれ。日本にいるのになぜか疎外感を感じる」
P(貴音はルックスも相まって本当に外国人みたいだなぁ。なんていうかエキゾチックな)
響「でも、おなかいっぱいになるとなんだか落ち着くさー」
P「うん。腹が減っては何とやらってやつだ」
貴音「oh・・・oh・・・!」ズルズルズル
P「貴音も少し落ち着け」
響「何を?」
P「貴音の日本語矯正」
響「そんなこと出来るの?」
P「確証はないが、やってみるしかない」
響「どうやって?」
P「比較的日本語に近い音節に並べた英語を読み上げ、日本語の語感を思い出させる」
響「語感……」
P「たとえば、貴音のよく口にする言葉『面妖な……』を」
響「うん?」
貴音「?」
P「『Men』『You』『Now』に分けて、連続で発音する」
貴音「Is it OK now?」
(訳)これで大丈夫なのでしょうか?
P「よし、それじゃあ行くぞ」
貴音「Men」
響(おお!)
P「You」
貴音「You」(音:ユー)
P「だめだ!」
響「貴音ぇ……」
貴音「Sorry・・・Once again!」
P「おう」
響「もう一度だって」
P「流石にそれぐらい分かるよ」
響「ご……ごめん」
P「これでも英検4級だ。なめんなよ」
響(低っ……!!)
貴音「Men」
響(……)
P「Yo!」
貴音「Yo!」
響(おお……!)
P「Now」
貴音「Now」
響「やった!!」
P「面妖な!」
響「面妖な!」
貴音「Mysterious!!」(面妖な!)
P「だめだーっ!!」
響「なんでだよ!!あと一歩でしょ!?」
貴音「Why・・・What has happened!?」
P(結局、貴音の日本語矯正は一向に進んではいなかった)
P(なんども音節矯正に挑戦してみるのだが、結局は英語に戻ってしまう)
P(どうやら、単語はよくてもいざ言葉として発するときには英語として認識されてしまうらしい)
P(ここ一カ月、貴音は仕事も出来ずに悩んでいる。それもそうだ)
P(ずっと、つきっきりで矯正に取り組んでいるため、仕事など出来るわけがない)
P「それどころか……」
T.Shijou「?」
響「うぎゃー!ついに名前まで外国人っぽくなっちゃったぞ!」
T.Shijou「Sorry.Hibiki.HAHAHA!」
P「笑い方まで英語っぽく……」
響「こんなの……こんなの貴音じゃない」
T.Shijou「Hibiki?Are there any problems?」
(訳)響?何か問題でも?
響「……こんなものがあるから……!!」
響「でも……でも……!」
P「今は……それを失うわけにはいかない」
響「こんな……こんなはずじゃなかったのに……!!」
P「いまさら悔やんでも仕方がない。今は、どうするかを考えるしかない」
P「そうだろう?響」
響「……うん。そうだね」
T.Shijou「……」フラリ
P「おい!貴音!どこへ行く!?」
T.Shijou「It carries out to a walk. 」
(訳)散歩に行ってまいります
響「散歩に行ってくるって……」
P「そうか……あまり遠くへは行くなよ」
T.Shijou「Yes,A darling person」
P「……?」
P「……遅い」
響「プロデューサー……」
P(何度も電話したが、一向に電話に出る気配がない)
P「探しに行くか……」
響「じゃ、じゃあ自分も……!」
P「いや、もう夜も遅い。お前は帰るんだ、響」
響「いやだよ!自分も貴音を探すさ!」
P「夜道は危険だ。それに響はアイドルだろう。もし変なゴシップでも書かれたら大変だ」
響「……」
P「安心しろ……っていうのは無茶かもしれないけど、今日はとにかく帰れ」
響「本当に……自分には何もすることはないのか?」
P「そうだな。貴音の無事を祈っててくれ」
響「……うん」
P(さて、貴音探しに出ますか。といっても、あてはないんだが……)
貴音「……」
貴音(なんということでしょうか。私の浅はかな考えが、ここまで問題になろうとは……)
貴音(不思議なものですね。こうして考えは日本語のままなのに、紡がれる言葉は異国の言葉……)
貴音「……HAHAHA!!」
貴音(笑うしかありませんね。今までろくに英語など話したこともなかった私が、今や英語しか話せないとは)
貴音(すぴーどらーにんぐ……なんと恐ろしいものでしょう)
貴音「Darling・・・」
貴音(貴方様……愚かな私を許してください……)
貴音(貴方様の気を引きたいばかりに、このような事態を招いた私を、どうか……)
貴音(それが私の個性であると思うと同時に、ほんの僅かに、こんぷれっくすに思っていたのです)
貴音(そんなあるとき、響が突然すぴーどらーにんぐを使い始めました)
貴音(流暢に英語を話す響は、なんと輝かしく見えたでしょうか)
貴音(その時、私は思ったのです)
貴音(もし私が、流暢な英語を話せたら、あの方はどのような反応をくださるのでしょう?)
貴音(褒めてくださるでしょうか?もっと私にかまってくれるでしょうか?)
貴音(その一心で、つい教材に没頭してしまいました)
貴音「It is this result. 」
貴音(それが、この結果です)
貴音(あの方に褒めてもらうどころか、意思疎通すら困難な状態になってしまいました)
貴音(なんと……面妖な……)
貴音(好奇心が身を滅ぼすとは……よく行ったものですね……)
貴音「……HAHA」
貴音(おや。視界が歪んでまいりました……)
貴音(今夜は満月が大変美しいですね)
貴音(展望台にでも行きましょうか。こんな気持ちのときは、静かに月を眺めているのが一番です)
貴音(そういたしましょう。私は、今や一人きりなのですから)
貴音「The night when the moon is so blue・・・」
貴音(ふふ。英語で歌う月のワルツもよいものですね……)
貴音「♪~~」
また変な方向に行ってしまう
会話の最後に毎回オチつけて『お後がよろしいようで』っていうのか?
通行人A「さっきの女、めちゃくちゃ美人だったな!」
通行人B「そうだな!なんか英語でしゃべってたし……外国人かな?」
P「!!」
P「ちょっとすみません」
通行人B「え?」
P「さっきの話なんですけど……」
通行人A「うん。何?」
P「もしかして、その女性って、身長が170近くあって、銀髪の女性でしたか?」
通行人A「そうだけど……」
通行人B「あんた、あの人の知り合い?」
P「ええ、彼女は四条貴音といいます。俺はそのプロデューサーです」
通行人B「四条……あーっ!」
通行人A「たしか893プロとかいう芸能事務所の……」
P「違います!765プロです!」
通行人A「うーん……はっきりとは分からないけど」
通行人B「多分、あっちじゃないかな」
P「あっち?」
通行人B「新しく出来た、展望台」
通行人A「あー……あったねそんなの」
P「そうですか!ありがとうございます!それじゃあ!」
ポトッ
通行人B「あ!あの、これ落としましたよ!」
P「!!」
P「ありがとうございます!大事なものなんですよ、これ」
P「それじゃあ失礼します!765プロをよろしくお願いしまーす!!」
通行人A「……なんだったんだ?あいつ」
通行人B「そんなに大事なものだったのか……あのmp3プレイヤー」
P(貴音……手間かけさせて……待ってろよ)
貴音「It is held in the breast some day, and the dream in which it slept is seen. 」
(訳)いつかその胸に抱かれ、眠った夢を見る
貴音「……hmm」
貴音(こうしていると……心が癒されますね)
貴音(誰もいない展望台に一人……ふふ。こうしてたそがれるのもまた一興)
貴音(貴方様……)
P「貴音」
貴音「Whom!?」
(訳)何奴!?
P「こんなところにいたのか、貴音」
貴音「……」
P「さぁ、もう帰ろう。だいぶ夜も更けてきた」
貴音「……」
P「?」
貴音『どうせ私の言葉は、貴方様には理解できないのでしょう?』
貴音『だって、私は今、英語しか話せない身なのですから』
P「貴音……」
貴音『私、今ならはっきりと言えます』
P「……」
貴音『私、貴方様を慕っておりました。』
P「あのな……貴音」
貴音『この一ヶ月間、私にずっと付き添ってくださいましたね』
貴音『そのひと時は、私にとって歯がゆくも幸せな時間でした』
貴音『言葉が通じないとはいえ、貴方様が私だけを見てくださる時間だったのです』
P「貴音……?」
貴音『もし、私がこういったならば、貴方様にはどのように聞こえるのでしょう?』
貴音『そう、”月がきれいですね”と……』
貴音『!?』
P『さっきの貴音の言葉、全部筒抜けだよ』
貴音『そんな……なぜ……?』
P『全く……さっきから止めようとしたのに、俺の話を聞かないから』
貴音『……』
P『顔真っ赤だぞ、貴音』
貴音『貴方様……一体いつから、私の言葉を』
P『つい2,3日前のことだよ。そのぐらいから大体何を言ってるのか分かってきてた』
貴音『まさか……貴方様……!?』
P『これだよ』スッ
貴音『音楽ぷれいやー、ですか?』
P『これに入れて、ずっと聞いてたんだ』
貴音『まさか……』
P『そう、スピードラーニングをね!!』ババーン
イイハナシダナーって思ってたのに、これで全部もってかれた
P『……あは』
貴音『貴方様は……いけずです』
P『ごめんごめん……ちょっとからかってみたかったんだ』
貴音『いけずです!!』
P『わっ……ちょっと……泣くなって』
貴音『私が……どれほど思い悩んでいたことか……』
P『うん、大体分かってた』
貴音『!?』
P『言っただろ?2,3日前から分かってたって』
貴音『……』
P『ダーリンって言われた時、てっきり貴方様って意味かと思ってたけどね』
P『今なら分かるよ。そういうニュアンスじゃなかったって』
P『つい英語だと思って、意識がダダ漏れになってただろう?』
貴音『なんと……なんと……』
貴音『……私は……ただ……』
P『でも、その気持ちに応えることはできない』
貴音『……そう、ですか』
P『うん。貴音はアイドル。そして俺はプロデューサー』
P『決して、その垣根を越えてはいけないんだ』
貴音『ええ……分かっていますとも』
P『ごめんな……貴音』
貴音『……ふぅ……っ』
P『でもな』
貴音『……』
P『俺は、またこうして、貴音と月を眺めていたいと思う』
P『愛しているとはいえない。だけどこうなら言えるよ』
P『月が、綺麗ですねって』
貴音『……貴方様……!!』
貴音『旅の恥はかき捨てと言うでしょう?』
P『意味合いは分かるけど、ちょっとちがうな……じゃなくて、流石にまずいって』
貴音『私を辱めた罰です。しばらくの間、こうしていてください』
P『……う……まぁ、いいか』
P(周りには人影もないし、どうせ何言ってるかも聞き取れないんだ。英語だから)
P『さて、じゃあラーメンでも食べに行こうか』
貴音『それは良い提案ですね』
P『だろ?』
貴音『きっと、こうして貴方様と食べるらぁめんは、極上の味でしょうね』
P『ちょっと……買いかぶり過ぎだ』
貴音『よいのです。これで』
P『そうか……』
P(まぁ、今はこれぐらいしてもかまわないか)
P(貴音の日本語矯正も、なんとかしてやらなきゃなぁ……)
律子「日本語の教材を聴きこめばいいんじゃない?」
P「あ……」
律子「何考えてるんですか……」
P「いや、なんというか、盲点だった」
貴音「That's right」
(訳)その通りでしたね
P「さて、じゃあ早速日本語の教材を探すか……」
響「あ!自分、いい教材知ってるぞ!」
P「本当か!?」
響「うん。ちょっとまってて。確か家にあったはずだから、とってくるよ」
ガチャ
P「よかったなぁ、貴音!」
貴音「Reary・・・」
P「……」
響「……」
P「なぁ、響」
響「どうしたんだプロデューサーそんな怖い顔で見るなよやめろよ」
P「日本語の教材っていうから、期待してたのに……」
貴音「クリやクリでゆたさんあんによーやー。ウンジュ様」
(訳)これはこれでいいじゃないですか。貴方様
P「なんで沖縄の方言全開なんだよ!!」
響「じ、自分だって!貴音が完璧にマスターすると思ってなかったから……」
P「スピードラーニングの一件で学べよ……」
貴音「ウンジュ様」
P「うん?」
貴音「こうなっのみぐさぁ~からんかいや、分かってからなますねみ?」
(訳)こうなったからには、分かっていますね?
響「こうなったからには、分かっていますねって」
P「何をだよ……」
貴音「まのみぐさぁ~、わんにんかいちゃー付き添ってから、矯正クミソーリーませ。ウンジュ様」
(訳)また、私にずっと付き添って、矯正してくださいませ。貴方様
P「もうわけがわからん……」
貴音「ウンジュ様、みんかーをお貸しくぃみそーれ」
(訳)貴方様、耳を貸してください
P「いてて……ひっぱるなって」
貴音「かなさんどー、ウンジュ様」ボソッ
P「へっ?」
響「今何て言ったんだ!?貴音!?」
貴音「とっぷしーくれっとやいびーん」
響「うがー!ずるいぞ!」
P「たはは……」
P(驚異の語学能力を発揮して、世界を股に掛ける大女優に貴音は成長した)
P(今でも、貴音とともに多忙の日々を過ごしているが……)
貴音「貴方様」
P「うん?」
貴音「月が、綺麗ですね」
P「うん。月が綺麗だな。とっても」
P(こうして、今も貴音と一緒に、月を見ている)
おわり
読んでくれた人、支援してくれた人、どうもありがとうございました
面白かった
面白い
Entry ⇒ 2012.08.07 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「ウチのアイドルの性に対する意識がヤバい」
P「はい、必ずトップアイドルを出して見せます」
社長「……ウチの子たちはちょっと個性的だけど、頑張ってくれたまえ」
P「はあ……(個性的なのはいいことでは?)」
社長「今日から我が765プロは新しいプロデューサーを迎えることになった」
P「よろしくお願いします」
アイドル達「……」
P(暗い……俺、何か間違ったか……?)
P(それとも第一印象で嫌われたんだろうか……?)
社長「……では、事務所周りを案内するからついてきてくれたまえ」
P「はい……」
伊織「春香、アンタ趣味悪いんじゃない?」
雪歩「……男の人だなんて……」
あずさ「今まで社長以外の男の人が事務所にいたことがなかったものね~」
真(ボクの王子様……かも……)
響「にーにー以外の若い男なんて……」
P「……精一杯頑張りますので、どうぞよろしく」
美希「……」
社長「では、小鳥クン、いろいろ教えてあげてくれたまえ」
小鳥「ピ、ピヨ!!?」
社長「では、頼んだよ?」
P「あ、あなたが音無さんですね?よろしくお願いします」
小鳥「ピ…は、はいっ!」
P「なるほど」
小鳥(ち、近い……)
小鳥(男の人にこんなに近づかれるなんて……)
美希「……男の人にあんなに近づくと、子供が出来ちゃうの……」
貴音「事務所であのような……」
やよい「はわー……、大人のゴニョゴニョですー……」
律子「おはようございます」
小鳥「あ、ちょうどいいところに!」
小鳥「こちらの律子さんに聞いてください!それじゃ!!」
律子「へ?……え?(あ、新しいプロデューサー、男の人……)」
P「よ、よろしくお願いします」
P「?」
律子「……もうダメー!!」
P「えー……?」
P「俺、やっていけるのかな?」
P「そんなこんなで初仕事なわけだが……」
P「えーっと、天海さん?そんなに離れないで」
春香「え?あのっ、でもっ、その……」
P「あ、ホラ、車道の方に行くと車危ないよ?」
春香(あ……、肩に手が……)
春香(男の人に触られるなんて……)
春香(これはもう結婚しか……)
千早「……ええ」
P「歌が得意……とか」
千早「……はい」
P(気まずい……)
P「じゃあ、ちょっと聞かせてもらっていいかな?」
千早「……構いません」
―スタジオ―
千早「……他のスタッフさんは?」
P「今日はちょっと聞かせてもらうだけだから、俺しかいないよ」
千早(男の人と二人きりで……!!)
アオイートリー
P「凄い!!本当に凄い歌声だね!!」
千早(男の人にこんなに褒めてもらって……、これがプロポーズ?)
真美「ぎゃー!!やられたー!!」
P「ははは、本当に双海さんたちは元気だね」
亜美「え?あ……」モジモジ
真美「これは……その……」モジモジ
亜美(プロデューサーの兄ちゃんに恥ずかしいところ見られた……)
真美(これが責任とってもらうってやつ……?)
P「お、元気だね」
真(……え?元気?やっぱりボクは男の子っぽいんだ……)
P「うん、元気でとってもかわいいよ」
真「え?ボク……かわいいですか……?」
P「ん?うん、かわいいよ凄く」
真(男の人にかわいいって言われるなんて……、やっぱり王子様なんだ……)
雪歩「は、はい!」
P「もう遠いのはいいとして……」
雪歩「あ、あの私引っ込み思案で、自分を変えてみたくて!その……」
雪歩「あ、えと、その名前は萩原雪歩、好きなのは……」
P「あ、それも聞きたいんだけど」
P「どうして鉄仮面を被ってるのかなって」
雪歩「コレが無いと男の人とお話しできないんですぅ」
P「いや、流石に取ってもらわないと」
P「あ、簡単に取れるな」スポッ
雪歩「あ……」バタッ
P「い、いかん!!まさか倒れるとは!!」
薄れゆく意識の中で、雪歩は思った……。これはもう結婚しかないと……
響「ハム蔵ー!?」
P「ハム蔵ってコイツかい?」
響「あ、ハム蔵!勝手にいなくなっちゃダメ!!」
P「ははは、そう怒らないでくれよ」
P「じゃあ、ホラ、返すよ」
響「……あ、うん……」
響(……いまちょっと……プロデューサーの手と自分の手が……)
響(これは……もしかして妊娠……)
やよい「うっうー、もやし炒めできましたー!!」
やよい「今日のおひるごはんは豪華ですー!!」
P「お、いい匂い」
やよい「あ、プロデューサー……」
P「ちょっともらっていい?」ヒョイパクッ
やよい(あ、プロデューサーが私のもやし炒めを……)
やよい(これがしんこんさん……ですか……?)
あずさ「……ここはどこかしら……?」
あずさ「事務所に電話を……」
ガチャ
P「はい、765プロです」
P「あ、三浦さんですね?え?迷った?」
P「あ、それじゃ俺、迎えに行きますよ。近くに特徴的な建物とか……」
あずさ(迎えに……)
あずさ「私を……ですか……?」
P「え?ええ、そうですけど」
あずさ(プロデューサーさんが……私を迎えに……)
あずさ(そしてそのまま……結婚……なのね……)
P「あの。三浦さん?近くの建物とかですね、教えて貰ってもいいですか?
P「……えっと……」
美希「……」ササッ
P「あの、星井さん?」
美希「何なの?そこの人?」
P「俺と一定の距離を取るの止めてもらえるかな?」
美希「ダメなの。男の人と近づくと妊娠するの」
P「あ、えっと、おにぎり好きなんだよね?一緒に食べようよ」
美希「……中身は?」
P「鮭とおかか……、俺が握ったやつだから味の保証はできないけど」
美希(手作りのおにぎりでプロポーズとはなかなかやるの)
美希(でも、ミキはそんな軽い女じゃないの!!)
美希「おにぎりをテーブルの上に乗せて、ゆっくり離れるの」
春香「今日はみんなに、重大な発表があるの……」
千早「……何かしら……?」
春香「私、プロデューサーさんと、結婚します!!」
千早「……プロデューサーと結婚するのは私よ」
春香「私なんて、プロデューサーさんに肩触られたんだから!!」
アイドル達に戦慄走る
千早「……私と言うものがありながら……」
あずさ「迎えに来てくれたのに……私を捨てるんですね……」
雪歩「……お嫁に行けなくなった責任……取ってもらいますぅ……」
響「春香がそれなら、自分だって……」
響「手と手が触れ合ったぞ……ハム蔵越しに……」
真「……ハム蔵まで……!!」
春香「……そんな……プロデューサーさん……、信じてたのに……」
やよい「美希さん……、私見ました……」
亜美「おにぎり……プロデューサーの兄ちゃん手作りの……」
真美「美味しそうに、食べてたね……」
美希「なっ……!」
千早「くっ……、また妊娠……!?初日から皆をもてあそんで」
美希「え……?手作りおにぎりじゃ……妊娠しないよね……?ね……?」
真「するに決まってるじゃないか!!」
P「いや、しないから」
P「いやいやいや、皆さん酷すぎますよ」
P「音無さん、秋月さん、お願いします」
律子「……」
小鳥「ゴメンね……皆、私、一足先に大人の階段を登っちゃったの……」
雪歩「……大人の……階段?」
P「……(この人マジどうやって今まで生きてきたんだろう?)」
P「えーっと、今から皆さんに性教育します。」
P「じゃあ始めますよ」
千早「まさか……男の人と同じ部屋に入っても妊娠しないなんて」
春香「男の人に肩を触られても妊娠しないんだね……」
美希「や、やっぱりおにぎりじゃあ妊娠しなかったの!」
亜美「すごーく青ざめてたくせにー」
真美「ちょー面白かったよー!」
あずさ(迎えに行くって言うのがプロポーズじゃなかったなんて……)
響(何かプロデューサー、自分の時は教えにくそうにしてたさー)
雪歩「あ、あの、コンクリートの発注キャンセルでお願いしますぅ」
真(やっぱり王子様の可能性も少しだけ……?)
P「で、俺がお迎えと」
P「あの二人はたぶん大丈夫だと思うんだが……」
―仕事先―
P「お、いたいた」
P「……ん?」
伊織「伊織ちゃん、疲れちゃった。ジュース買ってきなさい」
スタッフA「え?」
伊織「何ボケッとしてるのよ。早くしなさい」
スタッフ達「まただぜ……」
貴音「……下賤な手で私の台本に触るのはお止めさない!!」
貴音「余計なことは、なさらなくて結構です」
スタッフ達「こいつら何様だよ……」
貴音伊織「!!」ビクッ
P「何をしてるんだ!!スタッフの皆さんにその態度!!」
P「早く謝りなさい!!」
伊織「な、何よ……、私に逆らおうっての……?」
P「いいから早く謝るんだ!!」
伊織「ひっ……」
貴音「……も、申し訳……御座いませんでした……」
伊織「……グスっ……ご、ごめんなさい……」
スタッフ「……いや、まあいいってことよ」
P「誠に申し訳ありません、私どもの教育が行き届かないばかりに」
スタッフ「ははは……、いやまあ、気にしてないから」
スタッフ「新しく765プロに入ったんだってな……まあ頑張んなよ……」(小声)
貴音「……はい」
P(道理でポテンシャルの割に売れてないわけだ……)
伊織「グスっ……グスっ……、ごめんなさい……」
P「なんでまた、あんな態度を……」
貴音「それは……私たちも、殿方が……その、苦手と言いますか……」
貴音「765プロの中では、唯一、伊織が殿方を恐れず仕事をしていたので」
貴音「私も苦肉の策で……」
伊織「だって……しょうがないじゃない……」
伊織「使用人を扱うようにしないと、男の人が怖いんだもの!!」
貴音「どうしてよいやら……途方に暮れておりまして……」
貴音「私には……もう後がないのです……うう……」
伊織「ある日気づいたのよ、男と思わなきゃいいんだって」
伊織「だから、凄く上から、見下すようにして話してれば、男の人を意識しなくても
いいんじゃないかって……グスっ」
伊織「でも、現場の評判はどんどん悪くなるし……」
伊織「結局、家にいるのと同じように、本当の自分は出せないし……」
伊織「こんなんじゃ、私、アイドルになった意味がないじゃない……」
P「……」
P「偉いぞ」ナデナデ
伊織(あ……)
貴音(……これは……)
P「これからは、仕事の現場には、必ず俺がついていくよ」
P「俺はみんなのプロデューサーだからな、怖いことは、絶対に起こさせない」
伊織「うん……」
貴音「はい……」
P「だから、俺と一つ約束してくれ」
貴音伊織「?」
スタッフ達(げ、また765プロか……)
伊織「あの……、おはようございます!」(ニコッ)
貴音「おはようございます!」(ニコッ)
スタッフ達「あ、あれ……?」
スタッフA「えーっと、ご希望のオレンジジュース」
伊織「ありがとうございまーす!」(ニコッ)
スタッフA「あ、え?うん」
スタッフB「あ、四条さん、台本の差し替えがありまして、新しい台本です」
貴音「ありがとうございます」(ニコッ)
その日、スタッフBの心を、今まで生きてきた中で最大級の衝撃が貫いたのだった
P「ニコッと笑って挨拶すること、簡単だろ?」
P「ウチの子たちは、男性を過剰に意識しなけりゃ最高の素材なんだ」
P「よーし、目指せ、トップアイドル!!」
P(しかし、何か忘れてるような)
伊織(ナデナデなんてされたら、結婚するしかないじゃない!)
貴音(殿方に頭を撫でられるなど……これは最早生涯を添い遂げるしか……)
やよい「……けっきょく、赤ちゃんはどうやったらできるんですかー?」
終わり
P「ファンとのふれあいは最も大事な仕事だ」
P「しかし、今までの765プロはそういう仕事が全くできなかったらしい」
P「だが、ここからは違うぞ!新しい765プロを見せるんだ」
―握手会―
俺「デュフフフ……よろしくオナシャス……」
雪歩「ひい……」
雪歩(プロデューサー、助けてー!!)
雪歩「きゅう……」バタッ
P「いかん!!」
P「担架容易してくれ」
俺「……」
ヒソヒソ クセーンダヨ クウキヨメヨ アイツノセイカヨ
雪歩「ごめんなさい……」
P「ちょっとずつ、男に慣れて行かないといけないな……」
雪歩「でも……、今日みたいのだと……」
P「ふーむ……」
過剰にしたいと思うんだがどうだろう?」
P「嫌だったら、すぐ止めるけど」
伊織「……べ、別にいいんじゃない?」
春香「……ど、どんなことをするんでしょう?」
P「まあセクハラにならない程度に」
真(ジュースを回し飲みしたりとか……、きゃー!!)
真(……あれ?間接キスは妊娠しないんだっけ?)
社長「スキンシップ過剰と言うからどこまで凄いことをするかと思ったら……」
やよい「もういい感じだとおもいまーす!!」
真美「えー、もうちょっと待とうよー」
社長「みんなで鍋とは……(この暑いのに)」
P「ショック療法はまだ早いことがわかりましたから」
P「俺や社長が箸突っ込んだ鍋から食べるのが第一段階です」
P「あ、それと、男と一緒に鍋つついても妊娠はしないからな、安心しろよ」
真「や、やだなあ……、分かってますよアハハハハ……」
春香(ここはプロデューサーさんに取り分けてあげて……)
春香「ぷ、プロデューサーさん……」
貴音「……あなた様、取り分けておきました。どうぞ」
P「ん?おう、すまんな」
P「あれ?どうした?春香」
貴音「どうやら春香も取り分けていたようですね」
P「あ、スマンスマン。そっちも食べていいか?」
春香「ぁ……、その、ど、どうぞ!!(やったあ!!)」
P「おう、ありがとう」
貴音「そういたしますと、あなた様の食べかけの分が余ってしまいますね」
P「そっちも食べるから、置いといて」
貴音「いいえ、やはり鍋は熱いうちに食べてこそ」
貴音「というわけで……えい!」
P「あ、俺の、食べちゃった。まあいいか」
他のアイドル「っ……!!!」
貴音(正妻の座は私のものです)
雪歩「わ、私はいいですぅ……」
P「駄目駄目、これも仕事の一環なんだから……」
P「ほら、俺が取り分けたから」
雪歩(この間も迷惑かけちゃったし……)
雪歩(勇気を振り絞って……、えい!)
雪歩「あ、食べれました!おいしいです!」
P「よしよし」ナデナデ
雪歩「あ……」
P「ちなみにナデナデでも妊娠はしないからな、プロポーズでもないぞ」
伊織「……!!!」(ガーン)
貴音「がーん……」
P「さて」
春香「プロデューサーさ~ん、やっぱりこの時間の都内の電車なんて
乗れませんよう……」
P「いやびっくりしたよ。始発に乗って来て、都内に入ったら降りて自転車だろ?」
P「よくまあ続いてたな」
春香「えへへ……(褒められちゃった……)」
P(褒めてないぞ)
P「これから忙しくなると思うし、流石に電車は使わないとな」
春香「あ、男の人がたくさん……」
P「大丈夫だ、俺が守ってやるから」
春香(俺が守るなんて……これがプロポーズ……)
P「さ、乗るぞ」
乗車後
春香「……」
春香「乗ってみたら、意外に大丈夫でした」
P「まあそうだろう」
春香「あははは、取り越し苦労だったみたいですね」
P(……今はまだ……な)
P「さて、次は某ダンジョン級の巨大駅だ」
P「あれ全部がここで乗ってくる乗客だ」
春香「」
春香(いやあああああああああ!!!!)
P「天海さん、大丈夫。俺につかまってるんだ!!」
春香「はいい……!」
春香(でも……凄い押されて……男の人がこんなに……)
P(仕方がない)
春香(あ、プロデューサーさん……私の肩にそんなに手をまわして……)
春香(私、大丈夫そうです……)
俺「ちくしょう……、電車の中でイチャイチャしやがってよう……」
あずさ「あら~、また電車ですか~?」
美希「プロデューサーはセクハラしてくるから嫌なの」
P(半泣きで抱きついてきたのお前じゃん……)
やよい「わ、私は……もっとやってもいいかなーって……」
真美「真美も……、もう何回かやっても……いいよ?」
P「今日は違う趣向だ」
雪歩「……秋○原……?」
亜美「怖いよ……兄ちゃん……」
P「大丈夫、彼らは基本的に人畜無害だ」
響(あ、目が合うとそっと目を逸らすぞ)
小鳥(落ちつくわ……)
律子「でも何か変なにおいが……」
律子「生態……ですか?」
P「ああ。では、こちらに来てくれ」
―とあるゲームセンター―
P「ここだ……」
伊織「ちょ、ちょっと、ゲーム機に突っ伏してる人がいるわよ?
救急車呼ばないと」
P「いや、彼は大丈夫だ。彼が今日、みんなに見せたい人だ」
P「このゲームは、『アイドルマスターズ』……」
P「アイドルを育てるゲームだ」
真「……いろんなゲームがあるんですね……」
P「遂に、成し遂げたんですね」
「ぐ……、は、はい……、遂にちーちゃんでSランク……」
P「ちなみに彼は7年間、このゲームをやり続けたそうだ」
千早「7年……!!どうしてそこまで……」
「だって……愛してるから……、きっとトップアイドルにって……」
千早「……!!」
雪歩「……」
P「みんなを応援してくれるファンは、純粋にみんなを応援してくれてる」
P「怖い存在じゃないんだ……」
アイドル達「……!!」
雪歩「……私、もう一回握手会やりますぅ!」
P「よし、よく言ったぞ!!」
ヒソヒソ アイツマタキテルゼ
俺「……」
俺「ブヒッ……お、応援してます!!」
雪歩「ありがとうございます!」(ニコッ)
俺「あひい……」
雪歩「これからも、応援してくださいねっ?」(ニコッ)
コンドハ キモオタガ タオレタゾー
P「成長したな……」グスっ
雪歩「あ、ありがとうございますー」
雪歩「あ、あの……」
雪歩「上手くできたご褒美に……」
雪歩「わ、私のこと、雪歩って、呼んでくださいっ」
P「え?そんなのでいいのか?」
P「じゃ、よく頑張ったね、雪歩」ナデナデ
雪歩(下の名前で呼んで貰うなんて……)
他のアイドル(これが婚約……)
他のアイドル(私も負けてはいられないわ……)
P「天海さん……じゃなかった、春香、次の仕事なんだけど」
春香「はい、どうしました?プロデューサーさん?」フフン
雪歩「くっ……」
P(俺も割と慣れてきたなー)
P(みんなの仕事も増えてきたし、いい傾向だ)
美希「みんなイチャイチャして、軽い女なの」
美希「ミキはそういうの、ありえないって思うな」
美希「そこに置くの」
P「はいはい」
伊織「なんなの?アレ?」
千早「……プロデューサーが、毎日美希におにぎりを作って来てるの」
亜美「えー、ミキミキだけずるーい!」
真美「真美にもちょうだーい!!」
美希「やっ!!これはミキのなの!!」
伊織「……美希、それはちょっと酷いわよ?」
美希「ふーんだ」
P「……え?そう?」
千早「おにぎりを毎日作ってくるのはやりすぎでは?」
千早「しかも、群馬から朝一で配送されるお米を使って」
千早「中身はオーソドックスと斬新なものを半分ずつ」
P「なぜそれを……」
P「星井さんは、総合的な才能はウチでも随一だと思う」
千早「ええ、私にはグラビアはできませんし」
千早「くっ……」
P「しかしレッスン量が足りないから、その魅力を引き出せないんだよなあ」
P「モチベーションが上がるならと思って、いろいろやってみてはいるんだけど」
千早「確かに、美希だけは以前とあまり仕事量が変わりませんね」
P「そうなんだよなあ」
P「それでイラついてるのかなと思ったりしてな」
美希「……何か、嫌になっちゃった……」
小鳥「大変です!プロデューサーさん!!」
P「へ?」
小鳥「こんな書置きが……」
―ミキは旅に出ます 探さないで下さい―
P「何やってんだ……。えーっと、音無さん、今日仕事がある人の送迎
お願いできますか?」
社長「……送迎は任せたまえ」
小鳥「社長!!」
社長「早く行くんだ」
P「はい、探してきます!あ、一時間ごとに連絡入れますから」
千早「私たちも探しましょう……」
伊織「意外ね……、一番怒ってると思ったけど」
千早「怒ってるわよ」
トボトボ
美希「……」チラッ
トボトボ
美希「誰も来ないの」
美希「ふーんだ……」
変質者「ぐへへ、めんこいおなごじゃ」
真「……!!今悲鳴が……」
P「……(これは)」
P「美希!!いるんだろ!!」
美希「プロデューサー!!助けて!!」
変質者「大声出すんじゃねえ!!」
P「あ、いた」
変質者「ちっ!!見つかった!!」
P「お前、星井さんを返してもらうぞ」
P「うおおおおおおおおおおお!!」
千早「……」
美希「……」
千早「……」
美希「ごめんなさい……」
千早「謝って済む問題じゃないわ……」
美希「だって……こんなことになるなんて……」
千早「……」
美希「……」
千早「プロデューサーは、書置きを見てすぐに飛び出して行ったわ」
千早「みんなも一緒に探してくれた……」
千早「それだけ、あなたのことをみんな大切に思ってるのよ?」
美希「……!!」
P「見つけてほしいなら行き先を書いた方がいいぞ。あれじゃ分からん」
ミキだけ取り残されたカンジがして、さみしかったの……」
P(あれだけ尽くしてた俺って一体……)
千早「美希は……、もっと素直になってもいいと思うわ」
美希「……素直に……」
―後日 調理室―
美希「できたのー!!」
やよい「わあ!凄い量のおにぎりですー!!」
美希「この前は迷惑かけちゃたから、おわびなの」
P「あ、ありがとう。美味そうだな」
美希「あと……その……」
美希「これからは、千早さんのレッスンについて行きたいの」
P「……ハードだぞ?」
美希「うん、分かってるの」
P「よしっ!!」
美希「あ、それから……」
美希「これからは、ミキがおにぎり作ってくるから、一緒に食べようね」
千早「敵に塩を送ることになろうとは……」
千早「でも、夫の悩みを解決するのは妻の役目……」
千早「負けないわよ」
P「何かこないだから誰かに見られてる気がする……」
P「まあ気のせいか」
終わり
Entry ⇒ 2012.08.07 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
亜美「おやおや~、兄ちゃんのあの左手薬指は!」
P「ああ、いつもすまない」ズズー
ソファ近辺
亜美「……あれ?」
亜美「おやおや~、兄ちゃんのあの左手薬指は!」
真美「んー?……ほほう!これはこれは!」
亜美「兄ちゃんも隅に置けませんな~!」
やよい「プロデューサーさん怪我してるの?絆創膏?」
真美「そうじゃなくってさ→、よく見てみなってやよいっち~」
やよい「えーっと……ああ!プロデューサーさん指輪してる!」
亜美「左手薬指にシルバーリング!これは間違いなくラブリング!」
真美「これは調査の必要ありですな~、亜美探偵!」
亜美「GOGO探偵亜美真美の出番ってわけだ!」
やよい「ハイハイパフィみたいだけど私もちょっと気になるかなーって!」
真美「行ってみよ→!」
やよい「うっうー!」
亜美「まずは……はるるんについてだね」
真美「なんていうかすごくお似合いって感じがするよね→」
やよい「春香さん、いっつもプロデューサーにお菓子あげてるし……」
真美「自覚してるのかどうかわからないけど傍から見てると兄ちゃんに結構アプローチかけてると思うな→!」
亜美「無自覚でも滲み出るほど兄ちゃんが好きってことか!憎いね兄ちゃん!」
やよい「でも……プロデューサーと春香さんが付き合ってるとしても、ちょっと変かなーって」
亜美「ほほう、何故かね?やよい君!」
真美「うんうん。東海道線で通ってるって聞いてるよ→」
やよい「最近はほぼ毎日事務所に来てるし、来なくても都心には来てるよね?」
亜美「そうだねぇ。はるるんも今じゃ超人気アイドルだし」
真美「でもたまに千早お姉ちゃんの家に泊めてもらってるっぽいよ?」
亜美「確かに生っすか!サンデーの収録前日はよく一緒に帰ってるね→」
やよい「それを抜きにしても、ほぼ毎日遠くから来るのは大変だと思う」
やよい「そうなると、お付き合いしてるしプロデューサーさんはやさしいから」
やよい「プロデューサーさんの家に泊めて貰うことが増えるんじゃないかなーって」
真美「おお!」
亜美「確かに!」
亜美「この間のイベントの打ち上げの後、終電気にして先に帰っちゃったしな→」
やよい「夜遅くなるといっつも終電気にしてるよね、春香さん」
真美「ちなみにやよいっちは兄ちゃんちが何処にあるか知ってるの?」
やよい「ううん、ちゃんとは知らないけど、72大前駅から乗り換えなしで240円でいける所だって言ってたよ」
亜美「ん→?やよいっちはどうしてそんなに詳しく知ってるのかな→?」ニヤニヤ
やよい「べ、別に変な意味は無いよ!」
真美「詳しい話は事務所で聞かせてもらおうか!?」
やよい「事務所はここだよ……この間の打ち上げの後でね、プロデューサーが律子さんに小銭を借りてたんだよ」
亜美「ふむふむ。それで?」
やよい「1万円札を崩せないからって千円借りてたからその時聞いたんだよ。私小銭いっぱい持ってるし」
やよい「結局プロデューサーは私に悪いからって律子さんから千円借りて帰ったんだよ」
亜美「あの時兄ちゃんお酒飲んでたもんね→。耳とか真っ赤だったYO!」
真美「うむむ……確かにはるるんが付き合ってるなら心配して一緒に帰るだろうね→」
亜美「これは……きっと白ですなー」
やよい「私もそう思うー!」
真美「ちなみにその時兄ちゃんは誰と一緒に帰ってた?」
亜美「亜美達バスで帰っちゃったから見てないんだよね→」
やよい「えーっと、その時は確か……あ、千早さん!」
亜美「むむ!やっこさんしっぽを出したようですぜ!」
真美「まさか千早お姉ちゃんが……面白くなってきましたな→!」
やよい「うっうー!千早さんはどうなんだろ?」
やよい「お仕事だけじゃなくって色んな事もプロデューサーにアドバイス貰ってるし……」
真美「衣装合わせもピヨちゃんじゃなくて兄ちゃんとだし、これはにおいますな→!」
亜美「プロデューサーとかなり打ち解けてるし……これはあるかも!」
やよい「千早さんはいいお嫁さんになれそうだよねー!」
真美「でも千早お姉ちゃんはそ→ゆ→のは外に出しそうにな……あ」
亜美「真美隊員!もしやなにか心当たりが!?」
真美「だ、だめだよ亜美やよいっち……兄ちゃん千早説には重大な欠陥があるYO!」
やよい「そ、そうなの!?」
亜美「……あ→、その欠点、分かっちゃったかも」
やよい「亜美もわかっちゃったの?教えて教えてー」
亜美「やっぱりそれだよね→。そうするとこのカップルは成立しないね→」
やよい「確かに千早さんはその辺すごく厳しそうだなーって」
真美「でしょ→。そうすると……分からない?」
やよい「……あ!そっか!プロデューサーが指輪してたらこうやってバレちゃうよね!」
亜美「やよいはかしこいなー」
やよい「あ、プロデューサーにそっくりー!」
真美「多分プロデューサーに指輪を付けさせたり、そういうチラ見せ?しないと思うな→」
亜美「逆にしてたら顔真っ赤にして怒りそうだし→」
やよい「納得ー!」
真美「じゃあ千早お姉ちゃんも白ということで」
亜美「これは疑いないとおもうわー」
やよい「私もそう思う!」
やよい「おー!」
亜美「次の容疑者は……ピヨちゃんかな」
真美「ピヨちゃんはすぐ確認できる方法があるんだけど、それにはやよいっちの協力が欠かせないんだよね→」
やよい「そうなの?」
やよい「小鳥さん小鳥さん」
小鳥「あら、何かしらやよいちゃん」カタカタ
やよい「ぶらいだるって何ですか」
小鳥「 」ピタァ
亜美「……」
小鳥「 」
真美「……小鳥の乙女心.exeは応答していません……」
やよい「あ、あのぉ……」
真美「し、白……白だったYO……やよい、戻ってきて」
やよい「お、おー?」
真美「……気を取り直して、次はゆきぴょん行ってみよ→」
亜美「ゆきぴょんか→。これはかなり難事件になりそうですなぁ」
やよい「うーん、雪歩さんはあんまりそういうの想像できないかなーって」
真美「そうなんだよねー、だからこそ捜査のしがいがあるとも言える!」
亜美「さすがは名探偵真美!心がけが違うね!」
やよい「雪歩さんはプロデューサーさんとなら頭をなでられたり肩を掴まれたりしても平気そうだよね」
亜美「そうだね→。事務所に居合わせれば必ずお茶出してるしね→」
真美「これはまさに良妻ですな!一歩引きつつ旦那に気を配る!」
やよい「それはとっても素敵だなーって」
真美「うんうん。良くて兄ちゃん依存症の妹、みたいな感じがする→」
やよい「雪歩さんは奥手ってイメージが強いなー」
亜美「ゆきぴょんも千早さんと同じだと思うYO!」
真美「少しでもそれっぽいものがあると思考回路がショ→トしそうだよね→」
亜美「ぷぷぷぷプロデューサーさんそそそんな指輪なんてわわわわたし穴掘ってうまってますううぅぅぅぅ!!」
やよい「たるき亭の修理代が大変そうだなぁ……」
真美「社長さんから直々に禁止令が出るレベルだよこれは……」
亜美「でも実は……って流れだったりして?」
やよい「うーん……よくわからないなぁ」
真美「まあゆきぴょんは限りなく白に近いグレーということで……」
亜美「賛成→」
やよい「異議なしですー」
真美「そうだね→……じゃあ兄ちゃんと歳が近いしあz」
美希「なにしてるのー?」
やよい「あ、美希さんおはようございまーす!」
美希「おはようなのやよい。何話してたの?」
やよい「プロデューサーの婚約者って誰なのかなーって」
美希「 」ドサァ
真美「あの→……ミキミキ?ボストン肩から落ちたよ→……?」
亜美「携帯も……ソファに落ちたし傷にはなってないっぽいけど……」
美希「あふん」ボサァ
やよい「み、美希さんどうしたんですか!?いきなり倒れたらソファの上でも怪我しちゃいます!」
亜美「お、恐るべし無邪気パワ→……」
真美「……ミキミキ眠そうだし、給湯室に移動しよっか→、やよいっち……」
やよい「だ、大丈夫かなぁ美希さん……」
亜美「白ですな→……一途な乙女道は辛いぜ……」
亜美「いやーCCレモンは美味いぜ!」
真美「さて、じゃ→次はあずさお姉ちゃん行ってみようか!」
やよい「あずささんとプロデューサーなら全く違和感ないかなー」
亜美「そもそもあずさお姉ちゃんはアイドルになった理由が運命の人を探すためだしね→」
真美「違うとすると千早雪歩理論と逆の理由になるよねー」
亜美「確かに目的が目的だし周りも知ってるしねー。婚約したなら堂々と指輪つけそうだYO!」
やよい「昨日の夜事務所であずささんに英語の宿題を手伝って貰ったけど、その時両手どっちにも指輪してなかったよ?」
亜美「うーん、亜美達と竜宮小町やってるからかな?ファンの中には結婚しないでって人もいるだろうしね→」
真美「でもそうすると律っちゃんも知ってる気がするんだよね→」
やよい「あ、確かに律子さんならもう把握してるよねーきっと」
亜美「確かにあずさお姉ちゃんなら指輪していいかどうか律っちゃんに聞くと思うYO!」
亜美「でも律っちゃんは結構ああ見えて粋な乙女だからあずさお姉ちゃんのスケジュールを変えてくる気がするなぁ」
真美「あ→。兄ちゃんと会いやすくするのか→。でもバレンタインデーやクリスマスに特に変わった様子も無かったような……?」
亜美「その後ミキミキ兄ちゃんに本命チョコ堂々と渡してたよね→。事務所のみんなの前で」
真美「おっ!ここに来てミキミキ正妻説が再浮上!?」
やよい「美希さんはプロデューサーの事ハニーって呼んでるし……」
亜美「でもさっきなんでぶっ倒れたんだろ?」
やよい「プロデューサーは呼ばれてるだけ貰ってるだけってことかなぁ?」
真美「なんという朴念仁……」
亜美「イベントといえば去年のクリスマスの時、あずさお姉ちゃん事務所のパーティの後兄ちゃんの車で帰ったよね」
やよい「そうでしたー。私も乗せてもらった!」
真美「あ→確かに!社長さんとピヨちゃんがお酒勧めても飲まなかったもんね→」
亜美「やよいっち→、あの時最後に降りたの誰だった?」
真美「やよいっちは最後まで乗ってたわけじゃないの→?」
やよい「うん。最後まで乗ってたのは響さんだったよ」
亜美「ちなみに助手席は誰だった?」
やよい「それは私だったよ。家の近くで下ろしてもらう時に左側に座ってたほうが便利だから」
亜美「ふむふむ……ということはひびきん説も有りって事だね!」
真美「うーん、それは違うと思うぞアミソン君」
亜美「マーミズ君、それはどういうことだ!?」
やよい「響さんのそういう素振りを見た事も確かにないような……」
真美「んっふっふ、事務所からたまに一緒に帰る真美は知っているのだよ!」
真美「ひびきんが乗るバスも電車も、兄ちゃんの家の方向とは逆ということを!」
やよい「!!」
亜美「!!」
やよい「じゃあ響さんは亜美や真美と同じ方向に帰ってるって事なのかな?」
真美「そういうこと!まあ1駅だけなんだけどね→」
亜美「さすがは名探偵真美!これで見事事件は迷宮入りだYO!」
やよい「亜美、それ逆の意味だよ?殿堂入りとかにしておかないと」
亜美「おっと、これは一本とられましたな!」
真美「まだまだだな→アミソン君は!」
亜美真美「HAHAHA!」
やよい「うっうー!でもなんだか本当に探偵さんになった気分!」
律子「ふー、暑いわねー全く」ガチャリ
やよい「あ、律子さん」
亜美「おっ、また容疑者が来ましたな→?」
真美「おーっと、アミソン君渦中の人物に直撃取材敢行か→!?」
律子「全くなにやってんだか……」
律子「……ん?どうかしたやよい?私の手に何かついてる?」
やよい「えっ、い、いいえー!別にそういう訳じゃなくって……ただ律子さんも指輪してないなーって」
亜美「やよいっちが行った→!?」
律子「指輪?」
やよい「あの、プロデューサーが薬指に付けてたから誰とペアなのかなってみんなで考えてたんですー!」
律子「あー。あの指輪ねー。プロデューサー殿ならもうあの指輪ひと月近く付けてるわよ?」
真美「やっぱり律っちゃんは気づいてたか→」
亜美「流石ですな→!」
やよい「うっうー!律子さんすごいですー!」
律子「褒めてもゴージャスセレブプリンは出ないわよー」
律子「多分プロデューサー殿はあの指輪に何かしらの意味があるとは思ってないんじゃない?」
真美「なるほど、これは壮大な思わせぶりであると?」
亜美「さすがはナンバーワン朴念仁兄ちゃんだぜ!」
律子「こっちならもしかしたらご褒美が出るかもよ?」
やよい「ゴージャスセレブプリンですかー!?うっうー!」
亜美「おお!これは耳寄りな情報ですな!」
真美「三人よれば百人力と言いますしな!」
律子「一言で矛盾してるわよー真美。あと亜美、30分からミーティングあるからそろそろ切り上げてよー?」
亜美真真美やよ「はーい」
伊織「返事だけはピカ一ねー、あんた達」
やよい「あ、伊織ちゃん!」
亜美「いおりんおっすおっす!」
真美「おお、考察も佳境という時に助っ人の登場だ→!」
伊織「面白そうな話してたじゃない。プロデューサーの指輪の話でしょ?」
伊織「そりゃあ事務所内の恋愛事情だったら知っておきたいじゃない」
亜美「やっぱりいおりんも女の子ですな→!」
真美「んっふっふ→、兄ちゃんのことだもんね→?そりゃいおりんも知りたいっしょ→!」
伊織「ちょ、ちょっと!どういう意味よ!?」
やよい「あー、伊織ちゃん真っ赤になってるー!」
伊織「や、やよいまで……やめてよね!もう!」
真美「いおりんの乙女心もさることながら、最後にまこちんとお姫ちんを捜査しよ→!」
亜美やよ「おー!」
伊織「だからなんで私まで含まれてるのよー!」
伊織「違うって言ってるでしょ!」
亜美「そう言いながら実は」
亜美「プロデューサーはスーパーアイドル伊織ちゃんのものって決まってるんだから!にししっ」
亜美「って、思ってるかもしれないじゃ→ん?」
伊織「あ、あんたねー!」
やよい「わー、そっくりー!」
真美「いおりんったらだいた→ん!」
伊織「だーかーらー!」
亜美「でも竜宮小町で忙しいし、兄ちゃんと一緒にいる時間が短いのは事実だしね→」
真美「だから指輪でこっそりマ→キングしてるって可能性も無くはないよね→」
やよい「伊織ちゃん、プロデューサーの事とってもたよりにしてるし、凄く大切に思ってると思う!」
伊織「そ、それは……そうかもしれないけど……」
真美(ヤッコさんデレやがったぜ……!)
亜美(こりゃあたまんないYO……!)
亜美「うんうん、そもそもそんな事してたらこの輪に混ざろうなんて思わないっしょ→」
伊織「そ、そうよ……当たり前じゃない……!」
やよい(でも伊織ちゃんやっぱりプロデューサー好きなんだなー)
やよい「うっうー!」
伊織「どうしたのよやよい?そんな嬉しそうな顔して」
やよい「なんでもないよ!でもちょっと嬉しかっただけだから!」
伊織「?」
真美「やよいっちもお気づきになりましたか→……」
亜美「寧ろ気づかないほうがおかしいっしょ→。兄ちゃん並の朴念仁だよ」
亜美「じゃあここはまこちんで!やーりぃ!」
やよい「真さんは確かプロデューサーと一緒に遊園地デートしたって言ってたよね?」
伊織「そうだったわねー。王子様キャラで売ってく埋め合わせって聞いたけど」
真美「でもまこちんは兄ちゃんと一緒にいるよりゆきぴょんと一緒にいる時間のほうが長そうだよね→」
亜美「確かにそうだよね→。生すかの菊地真改造計画の時もあんなにノリノリだったし……」
やよい「でも真さん、オフの日は自転車で何処かに行ってる事のほうが多いような……」
伊織「そうよねー。今日も真はオフだけどほら……」
真美「お、ツイッターですな?」
伊織「今河川敷でサイクリング中らしいわよ。今埼玉県だって呟いてるわ」
亜美「まこちんの自転車カックイ→!」
やよい「なんだか大きい自転車だなぁ」
伊織「これはロードバイクって言うのよ。股のすぐ下にもトップチューブがあるから大きく見えるの」
亜美「いおりんも持ってるの?」
伊織「お兄さまが持ってるのよ。私は折りたたみ自転車しか持ってないの」
やよい「えー、どうして?」
真美「まこちんは女の子扱いされるのが嬉しいわけじゃん?」
亜美「そのとおりだYO?」
やよい「だからプロデューサーを独り占めしてるあかしって指輪を送ったんじゃないかなぁ?」
伊織「いや、そういうことも確かにあり得るけど……問題はこれよ」ズイ
亜美「ツイッターだね?」
真美「真美はまこちんのアカウントフォローしてるから分かるんだけどさ→」
真美「まこちんってば兄ちゃんとご飯行くと絶対にご飯行った先の写真をUPしてるんだよね→」
やよい「うーん、よくわかんないなぁ……」
伊織「やよい、亜美。これ真のアップした写真の一覧なんだけど、よく見て見なさい?」
亜美やよ「……」
やよい「あっ……」
亜美「これって……」
やよい「なんていうか、あんまりデートって感じじゃないような……」
伊織「乙女心を誰よりも大切にする真がこんなところ連れ回されてて満足すると思う?」
亜美「確かに……兄ちゃんが彼氏だったとしてもまこちんきっと幻滅するYO」
真美「でしょ→。だから真美は兄ちゃんとまこちんは別に付き合ってるわけじゃないって思うんだよね→」
やよい「じゃあ真さんも違うのかな」
伊織「そうねー、多分白でしょうね……」
亜美「まこちんも白かー」
伊織「……あら、真もブロンプトン買ったのね」
やよい「ブロ……?なんだろうお洋服のブランド?」
伊織「折りたたみ自転車の名前よ。うちにもあるからお下がりで良ければやよいにあげるわよ?」
伊織「この間自転車こわれちゃったって言ってたでしょ?丁度使用人が使わなくなったのが2台あるの」
やよい「ほ、本当!?うっうー!ありがとう伊織ちゃん!」
伊織亜美真美(やよいはかわいいなぁ)
伊織「貴音ねぇ……取り付く島もないって感じね」
亜美「う→ん、最後に来て超難関だね→……」
やよい「貴音さんって言えば……ラーメン?」
真美「1mmも指輪と関係ないYO!」
亜美「名探偵マーミズは何かキーワードを知らないんですかい?」
真美「う→ん……ラーメン?」
伊織「ラーメン二十郎に通いつめてるってイメージが強いわねやっぱり」
亜美「……実は兄ちゃんの指輪も極太麺、とか」
伊織「なによそれ……」
やよい「そういえばプロデューサーはそのラーメン屋さん言ったことあるのかなぁ」
真美「そ→いえば聞いたこと無いね」
亜美「兄ちゃんお昼はいっつもロケ弁かコンビニ飯だよね→」
伊織「ということは行ってるとしても夜ってことになるわね」
やよい「へぇ~、にんにくラーメンなんだぁ」
亜美「今度やよいっちも一度行ってみると良いと思うYO!もやしてんこ盛りだYO!」
伊織「あ、あんまりおすすめはしないけど……」
やよい「伊織ちゃん、今度一緒に行こ!ね!」
伊織「え……えぇ、まぁ……いいわよ……?」
真美(いおりんェ……)
亜美「でもやっぱりお姫ちんも違うと思うんだよね→」
やよい「どうして?」
亜美「だって兄ちゃん、この間の雑誌の取材の時にもお姫ちんの事何も知らなかったじゃん?」
伊織「あー……」
真美「確かに……」
やよい「でも貴音さん、あんまり自分のこと話さないから……」
亜美「でも自然と付き合ってるうちに分かってくると思うんだよね→、多少の好みぐらいは」
伊織(でもあの朴念仁だから素直に頷けないのも事実よねぇ……はぁ……)
やよい「うっうー、貴音さんは不思議な人だなぁ……」
亜美「そうだね→。それにそろそろ時間だYOいおりん」
伊織「あら、本当ね。大目玉はまっぴらごめんだし、そろそろお暇しようかしら」
真美「真美とやよいはここでまだまだお暇してるぜ!」
やよい「私達は夜から雑誌取材なんだー」
亜美「じゃあ解散!何かまた分かったことがあったらすぐにみんなでほ→れんそ→!」ガチャ
伊織「まあそう簡単にしっぽは出ないでしょうねぇ……」バタン
真美「やよいっち、我々はまたここで被疑者の監視に戻るぞ!」
やよい「はい!うっうー!」
ここから解決編だYO!
律子「はいお疲れー。忘れ物しないでねー」
春香「はい、ありがとうございました!」
千早「わざわざすみませんでした」
やよい「ありがとうとざいました律子さん!」バタン
律子「さてと、車を駐車場に戻してっと……」
ブーブー
律子「あら、助手席に忘れ物……春香ね?全く注意したそばからこれなんだから……」
律子「春香の携帯こんなのかしら?ストラップもついてないしプリペイドみたいね……ん?」
新着メール 1件 P(プロデューサー本名)
今日はハンバーグで。朝早いなら先に寝ててくれていいよ。
律子「……ほほう、なるほどそういうことか」
千早「ちょ、ちょっと春香、それは内緒って……!」
やよい「千早さんおっちょこちょいですー」
律子「戻りましたー。あ、春香、ちょっとこっち来てー」バタン
春香「はーい……なんだろう、律子さんが私に?」
真美「おやおや~、はるるんなにやらかしちゃったのかな→?」
春香「うーん?それが自分でも……」ガチャ
律子「春香、お疲れ」
春香「え、あ、はい……?」
律子「あとこれ忘れ物」
春香「……あ、ああああぁぁぁぁ!?その携帯……!」
律子「全く……見つけたのが私だから良かったものの、ちゃんと注意しなきゃダメよ?」
春香「そ、その……中身は……?」
律子「でもあのメールに気づかなかったらここで堂々とこれ誰の?って聞いてるところだったけど」
春香「えっと……その……それは……」
律子「ホットラインなんでしょ?全く無用心ね、ホント」
春香「私、その……」
律子「そんな顔しないの!」
律子(応援してるから、ネ!)ボソボソ
春香「……!」
律子「これに懲りたらもう落とすんじゃないわよー?」スタスタ
春香「律子さん……!」
律子(春香とプロデューサー殿がねぇ……)
律子(プロデューサー殿がわざわざJR沿いに引っ越したのはそういうことだったとは)
律子(全く、隅に置けたもんじゃないわね)
律子「さぁて、私も頑張るかなー!」
春香編 終わり
P「春香ただいまー起きてるかー?」ガチャ
春香「Pさんおかえりなさい!」
P「律子から聞いたぞ、あのプリペイド落としたんだって?」
春香「ご、ごめんなさい!い、いつのまにか足元に落ちちゃってたみたいで……」
P「まあ結果オーライだよ。しばらくは表には出ないだろうし、逆に律子のフォローはありがたいしな」
春香「うぅー、す、すみません……」
P「いいよいいよ。それにそういうちょっとドジしちゃうのが春香のかわいいポイントでもある」ナデナデ
春香「p、Pさん……えへへ……あ、今日はリクエストどおりハンバーグですよ、ハンバーグ!」
P「よっしゃ、これであと1週間は頑張れるぞ!」
春香「Pさんのためなら毎日だってお料理しますよ!ほらほら、座って下さい!」
P「そりゃ嬉しいけど毎日じゃ仕事に支障が出るからなー。このぐらいがいいよ。あ、ビールもよく冷えてる」
春香「Pさーん。はい、あーん。今日はちょっとカロリーを考えてお豆腐を混ぜてみたんですよー……」
春香編補足完
春香「はぁ、今日もレッスン大変だったなー」
小鳥「お疲れ様春香ちゃん。あ、あとこれ次のライブのステージ衣装のデザインなの」
小鳥「渡しておくから暇な時に見ておいてね」
春香「はーい!わぁ、とっても可愛いです!」
小鳥「プロデューサーさんと私で見繕ったの。あと悪いんだけどこれ、千早ちゃんの分なんだけど」
春香「あれ?千早ちゃんは今日事務所来てないんですか?」
小鳥「今日直帰しちゃったみたいなの。私は明日外に行かないといけなくて渡せないといけないから……お願いできる?」
春香「いいですよー。帰るついでに渡しに行っちゃいますね」
小鳥「助かるわー、ごめんねー?」
春香「いいんですよ~このぐらい!」
春香「プロデューサーさんの指輪、誰のなんだろう?」
春香「最近はファッションで薬指に指輪をつけるみたいだけど……」
春香「誰なんだろうなぁ……」
千早宅前
春香「千早ちゃーん」ピンポーン
千早「あら、春香?どうしたの?」
春香「小鳥さんに頼まれてライブ衣装の資料を持ってきたの」
千早「そんなわざわざ……今開けるわね」
千早「おまたせ、明日渡してくれてもよかったのに……」ガチャ
春香「ううん、どうせ途中駅だし大丈夫!これが資……」
春香「あれ……薬指……指輪?」
千早「え……?あっ!」
春香「うん。千早ちゃんとプロデューサーさん、1ヶ月前に入籍してたんだって」
春香「事務所からもそろそろ報告するんだって。律子さん、小鳥さん、社長さんは知ってたみたい」
やよい「そうだったんですかー……」
伊織「……春香」
春香「大丈夫だよ伊織ちゃん。元気だけが取り柄だしね!辛気臭い顔してたらアイドルとして失格だし!」
真美「さすがはるるんの姉御!一生ついていきますぜ!」
あずさ「私達も千早ちゃんに負けてられないし、頑張りましょ?」
律子「そうそう、みんなその意気でがんばってもらわないと!」
亜美「それに……もっと重症患者がいるもんげ→……」
雪歩「あ、あの~、みんな気を確かにもってくださぁい……!」
美希「 」アフゥ
真「 」リーン…
響「 」ランクルチェイサー…
律子「……死屍累々とはこの事ねぇ」
千早編 完
P「そうか……今日春香が、か」
千早「はい……私だけ、本当にいいんでしょうか」
P「俺と一緒にいてって事か?」
千早「はい……なんだか春香に申し訳なくて……」
P「春香はとても強い子だ。例えるならそう、星だな。夜空に輝く一等星。みんなに希望を与えてくれる」
P「千早も立派な星だよ。でも、なんとなく寂しげなんだ。だから俺は千早をずっと見守ってあげたいと思った」
千早「……Pさん、私、私……」ギュッ
P「大丈夫だよ千早。いつまでも千早を見てる。絶対に千早を一人にしない。765プロのみんなもそう思ってるよ」
千早「Pさん……そうですよね……こんなにおめでたいのに泣いてたら、ダメですよね……!」
P「そうだよ。それじゃ、明日に備えて早く寝ようか」
千早「はい……あの、Pさん」
P「なんだ?千早」
千早「あの……今日は……寝る時、ぎゅってしてください」
P「あぁ。喜んで」
千早編補足完
俺はバイク思い出した
亜美「亜美クレープがいいな→」
真美「真美はホットケ→キ!」
やよい「じゃあじゃあ、私はアイスクリームがいいです!3段重ねが夢だったんですよぉ!」
P「全く……暇つぶしでやった7並べでこうも大敗するとはおもわなんだ……」
P「一人1000円までだからなー」
亜美「いや→タダスイーツは格別ですなー」モグモグ
真美「最高ですなー」モグモグ
やよい「アイスクリーム……とっても背が高いですぅ!」キラキラ
真美「……あっ、いまあそこから出てきたのピヨちゃんじゃない?」
亜美「あ、本当だ→」
やよい「あれ?あそこは確か……こうぞうが生まれた病院だった気が……?」
P「ギクッ」
真美「876産婦人科」
亜美「……兄ちゃん?」チラッ
亜美「……」ニコッ
真美「……」グッ
亜美真美「ピヨちゃああああぁぁぁぁぁぁん!!」
やよい「小鳥さーん!」
小鳥「 」ビクッ
P「ちょ、ばっ、おま……!」
真美「やっほ→!」
亜美「こっちだよ→!」
小鳥「 」アタフタ
やよい「うっうー!」手フリフリ
亜美「……兄ちゃん、ちゃんと”にんち”しないと駄目だよ?」
P「お前らはそういう言葉をドコから覚えてくるんだ……」
真美「まこちんから借りた少女漫画に載ってたよ?」
真美「んふふー、やはり兄ちゃんの指輪は婚約指輪だったんだな→!」
亜美「隅に置けませんな→!」
小鳥「ま、まぁ1年バレなかったからいい方ということで……ね?Pさん」
やよい「あっ!プロデューサーさんの下の名前だ!」
P「さっき言ってた認知の話だけど……式はあげてないけどもう籍入れて半年以上経ってるぞ」
小鳥「産休前には言おうと思ってたんだけど……バレちゃったわねー」
真美「亜美たちの目はごまかせませんぞ→!」
やよい「でもすごくおめでたいです!プロデューサー!もち米買って帰りましょう!私お赤飯炊きますから!」
P「え、えぇー……もう妊娠3ヶ月なんだけどなぁ……それに出費が」
亜美真美「兄ちゃんの甲斐性なし→!」ブーブー
小鳥「あはは……参っちゃいましたね、Pさん」
P「これから真の漫画は検閲しないとな……よし!じゃあ買い出しに行くか!何買ってもいいぞ!」
亜美真美やよ「やったー!」
小鳥編完
P「全く……もうちょっと離れたところにしてくれればよかったじゃないか」
小鳥「仕事の合間に来なきゃだから近くじゃないと不便なんですっ!」
P「あ、そっか……ごめんよ小鳥」
小鳥「ふーんだ。許しません。すねちゃいます」
P「うーむ、困ったな……小鳥さーん?」オロオロ
小鳥「……じゃあ、今日はPさんが御飯作って下さい」
P「え、あぁ……そんなんでいいのか?」
小鳥「はい。そしたら許してあげます」
P「お、おう!任せとけ!」
小鳥「……ふふっ、Pさんたら慌てちゃって!」チュ!
小鳥「そんな鈍感で、優しいPさんが大好きなんですよ」ニコニコ
小鳥編補足完
雪歩「プロデューサーお茶ですぅ」
P「ああ、いつもすまないな」ズズー
真美「今朝も今朝とて甲斐甲斐しいですな→」
亜美「ですな→」
P「お前ら何処で覚えたそんな言葉」
亜美「ピヨちゃんの机の中にあったうすっぺらい漫画のパンフ→」
真美「全年齢だから大丈夫なはずよ!って言ってたよ→」
P「よし、今度全部お焚き上げしておこう。あれは邪悪なものなんだ」
真美「兄ちゃんの目が本気だ……!」
亜美「エクソシスト兄ちゃんだね!」
「うぎゃああぁぁぁぁぁぁぁ!!ゴキブリだぞおおおおぉぉぉぉぉ!!」
一同「!?」
P「ま、マジか!新聞……いいやこの週刊噂の961で!」
雪歩「イヤアアアァァァァァ!!!こっち来るなですうううぅぅぅぅ!!!」ダキッ
P「ちょ、雪歩!くっつくなって!動けん!」
真美「ゴキジェット発見!散布!」シュー!
雪歩「こわいですううぅぅぅぅ!!Pさん早くやっつけて下さいいいいぃぃ!!」
P「わかったから落ち着け!落ち着くんだ雪歩!」
小鳥「む!?プロデューサーさんに雪歩ちゃんがくっつき虫なう!?保存するのよ小鳥!」パシャパシャパシャ
亜美「ゴキにも動じないピヨちゃん流石だぜ!」
P「歩波ッッッ!!!」バシコーン
真美「G撃退!兄ちゃんやったぜ!」
P真美「いえーい」ハイタッチ
小鳥「……ねえ、そういえばさっき雪歩ちゃん、プロデューサーさんのこと下の名前で呼んでなかった?」
一同「!!?」
真美「おうおう、吐いて楽になっちまいなぁ、ヤッコさんよぉ……!」
小鳥「ボイスメモの用意は完璧よ!」
P「こ、これはだな……」
雪歩「わ、私と!p、Pさんは!!」
P「ゆ、雪歩!?」
雪歩「い、いつかは言わないといけないなら……私、今言いますぅ!」
P「何故今!?」
雪歩「わ、私たちは!その……け、けけけ、けっけけけけけけ……け!」
雪歩「はふぅ」バタン
P「言わんこっちゃ無い……!」
亜美「ゆ、ゆきぴょん!」
真美「か、顔色が赤と青に交互に変わってアメリカのパトカーみたいだYO……」
亜美「ねえ兄ちゃん」
P「……なんだ?」
亜美「さっきゆきぴょん”け”って連呼してたけど……」
真美「ん→」ニヤニヤ
亜美「どういう意味だったんだろうね→」ニヤニヤ
P「さ、さぁ……け、京成京急京王京葉京浜東北とか?」
小鳥「け?」ジトー
P(この事務員……後で焼き鳥にしてやる……!)
雪歩「け、結婚……前提で……」
亜美「……ゆきぴょん、お疲れちゃん!」
真美「兄ちゃん、だめだよ→ちゃんとゆきぴょん助けてあげなきゃ」
P「め、面目ねえ……」
こうして雪歩の電撃結婚会見?は幕を閉じたのである。
雪歩編完
P「雪歩ー、大丈夫かー?」
雪歩「……ふぁ、Pさん?」
P「はぁー、よかったよかった。今日一日目が倒れたままと思ったよ」
雪歩「あ、あわわわわわ!わ、私ったらあの!その!」
P「ほらほら、無理に立とうとしない」
雪歩「は、はわわ」フラァ
P「今日は車で一緒に帰ろう、な?」
雪歩「はいぃ……って、p、Pさん!?」
P「車まではお姫様抱っこしていってあげようかと思ったんだけど」
雪歩「は、はは恥ずかしいですぅ!おんぶにしてくださいぃ!」
P「そういうと思ったよ。ほら、乗って」
雪歩「はうぅ……Pさん……」
雪歩(Pさん……大好きですぅ)
雪歩編補足完
小鳥「ふぅ、きょうの仕事はあとこの雇用保険の更新資料をまとめて社長に渡すだけね」
小鳥「頑張って早く終わらせないと。社員もアイドルも増えてないから更新内容の確認だけだし」
小鳥「ファイト!小鳥!」ピヨー!
小鳥「よーし、じゃあまずは社長から……変更なし!」
小鳥「音無小鳥……変更なし!ちくしょう!来年は苗字か扶養者欄が変わりますように!」
小鳥「プロデューサーさん……変更な」
小鳥「!?」
<ピヨー!?
真美「むむ!?事件の予感だ!やよい君!」ダッ
やよい「小鳥さんの悲鳴だよね!?今の!」ダッ
真美「どうしたねピヨちゃん!」バーン
やよい「うっうー!」バーン
小鳥「こ、これ……!」
やよい「これはえっと……保険の申込書?」
やよい「あれ?プロデューサーの名前が大きく書いてあるのに美希さんの名前も端っこに書いてあるよ……?」
小鳥「これが……現実だというのか……こんなにも辛いなら……保険などいらぬ!!」
やよい「つづき、がら?……妻!」
小鳥「ゲボァ!」
真美「ピ、ピヨちゃんが死んじゃいそうだしあんまりそういうところは読み上げない方向でいきましょ→」
やよい「う、うん……!」
真美「一応ミキミキのも見ておこうか……おぉう、こいつぁすげえや……!」
やよい「美希さんのにもプロデューサーさんの名前が書いてある……夫?」
小鳥「ゲブラァ!」
真美「ちょ、夫婦とか旦那とか、そういうのは言っちゃ」
小鳥「ザーダーアンダギッ!」
真美「……ピヨちゃんの精神的ダメ→ジがマジでやばいから、気をつけよ……」
やよい「う、うっうー……」
真美「ミキミキィ、こんな大切なこと黙ってるなんてひどいYO!」
美希「だってハニーがしばらくは黙ってろって言うんだもん」
やよい「うっうー!美希さん!おめでとうございますー!」
美希「ありがとうなの!とってもうれしいの!でも出来れば自分で発表したかったなー」
真美「でもなんでさっき婚約者ってきいて気を失っちゃった訳→?ミキミキそこまでデリケ→トじゃないっしょ→」
美希「美希は堂々とイチャイチャしてるから疑いないと思ってたのに、やよいが真剣に話してたから
美希「ハニーと他の人が噂になってるのかなって思ってついうっかり浮気だと思っちゃったの。あはっ!」
やよい「プロデューサーが結婚してたなんて知らなかったから……ごめんなさい……」
小鳥「エボルタッ!」
美希「別に気にしてないの。それよりおめでとうって言ってくれたほうが一億倍嬉しかったの!」
やよい「えへへー」
真美「やよいっちはかわいいですな→」
春香「うわぁ……マザーグースってやっぱり嘘だったんですねー……お砂糖とスパイスすら無い……」
真美「ピヨちゃんは犠牲になったのだ……キラキラの犠牲にな……」
美希「ハニー、小鳥に入籍したこと伝えてなかったの?」
P「あ、あれー?確か律子に伝えた時に一緒に伝えたと思ったんだけどなぁ……」
やよい「あ、律子さんも知ってるんですか?」
P「あぁ、まあな。この事は次のライブが終わったら言おうと思ってたんだけど……仕方がないか」
真美「それにしてもはるるん平気なん?一番ショック受けそうだったのに」
春香「ううん、ずっと美希から相談受けてたし……多分一番最初に知ってたのは私だと思うよ?」
真美「うっ、眩しい……!はるるんがとてもまぶしい……!」
美希「春香にはお砂糖もスパイスも、素敵なものもたくさん詰まってるの」
P「マザーグースって本当だったんだな……!」
美希「あはっ☆」
美希編 完結
真美「これが二十郎だよやよいっち→……うっぷ」モグ…
やよい「とってもとっても美味しいですぅ→!」ムシャムシャ
客A「やべえ……なんだあの食いっぷりは……まさか!?」
客B「し、知っているのか!?」
客A「765プロの食女王、四条貴音が一目置くもやしニスト……高槻やよいッッ!」
客B「どおりで……いい食いっぷりなはずだ……!」
<アリャッシター!
やよい「うっうー!次は大盛り野菜増し増しにしよーっと!」
真美「うっぷ、真美はあと250年は来なくていいかな……あれ?兄ちゃんから電話だ」
やよい「なにかあったのかな?」ソワソワ
真美「もっしー!」
P『おお真美か。今どこにいる?』
真美「えっと、二十郎72大前店から出た所だけど」
『おお、調度良かった!多分そこから信号2個分進んだあたりにあずささんがいると思うんだが』
やよい「うっうー!プロデューサーさんすごいです!」
あずさ「あらあら、真美ちゃんにやよいちゃん。迎えに来てくれたの?」
真美「兄ちゃんからの要請でお助けにあがりやしたぜ!」
やよい「事務所までは一駅ですから一緒に行きましょう!」
あずさ「ごめんなさいねぇ。あとでp……プロデューサーさんに謝っておかないと……」
事務所
真美「でもでも、あずささんの居場所がよくわかったよね、兄ちゃん」
やよい「本当に信号2つ分でした!」
P「おう。最近あずささんの移動方程式を開発したもんでね。
P「陸続きなら出発点と目的地がわかればどんなに離れても誤差Googleストリートビュー2歩分以内で場所がわかるぞ」
真美「この兄ちゃん、ただもんじゃね→……!」
あずさ「あの方法がなければあの日区役所には間に合わなかったもの」
やよい「区役所で何かあったんですか?」
Pあずさ「あ」
P「あー……まぁ……色々あってな?」
律子「もう言っちゃっていいんじゃないですかね?」
あずさ「り、律子さん!?」
律子「別に活動に支障があるわけでもありませんし、いいじゃないですか」
律子「早くお祝いしてあげたいですしね?」ウィンク
P「そ、そうだな……」
あずさ「じゃ、じゃあ……えっと……」
P「誰かが気づいたら言おうと思ったんだけどな」
あずさ「私達、結婚しました~//」
真美「おぉ→!!」パチパチ
やよい「わぁ!プロデューサー、あずささん!おめでとうございます!」パチパチ
律子「真美ややよいはもう気づいてたみたいだしね。丁度いいでしょう」
律子「とりあえずふたりとも、おめでとう!末永くお幸せにね!」パチパチ
P・あずさ「あ、ありがとうございます……//」
あずさ「そうなの。発表前にスキャンダルになっても怖いし、ファンの中には嫌がる人も居るだろうしって」
やよい「あの雑誌みたいにウェデングドレスがまた着られるなんて羨ましいですー!」
あずさ「あらあら、ありがとうね。やよいちゃん//」
美希「あふぅ、おめでとうなの、あずさ!」
真美「あ、ミキミキ起きたんだ→」
美希「うん。美希はあずさとハニーが付き合ってるってずっと知ってたし、やっと胸はってゴールインだね☆」
あずさ「ありがとう美希ちゃん……貴女が一番ショックを受けるんじゃないかって心配してたの……」
美希「ううん。大丈夫!美希だってハニーにいっぱい輝かせてもらったし……大満足だよ!」
真美「イイハナシダナー」
やよい「みんな嬉しそうでなによりですー!あ、プロデューサー!パーティしましょう!パーティ!」
律子「そうねー!特別にちょっと埋蔵金切り崩してパーっとやりますか!」
小鳥「今度は765プロのみんなでウェディングケーキを作るってのどうですか?」
真美「おお、ちょ→楽しそうだよピヨちゃん!」
ワイワイガヤガヤ
あずさ編完
真美「喰らえ!ツインレ→ザ→だ!」シュババババ
やよい「うぅー……ランドマスターで隠れられる場所は……」ヴーン
響「はいさーい!今帰ったさー!」
真美「あ、ひびきん乙であります!」
やよい「おかえりなさい響さん!」
響「お?なにしてるんだ?自分も混ぜて欲しいぞ!」
真美「おうおう!かかってきたまえ!ひびきん3コンね→!」ハイ
やよい「真美強すぎるから私響さんとペアがいいなーって」カチャカチャ
真美「どんと来いです!」カチャカチャ
響「おー随分余裕だな真美!砂漠の狐と言われた自分の実力を思い知るさー!」カチャカチャ
響「うぎゃー!アーウィンが全然とれないぞー!」
やよい「アーウィンでアーウィンの上空待機はずるいよー!」
真美「はっはっは→!スターフォックスで真美の右に出るものは居ないのだ!」
真美「おお、もうこんな時間か→」
やよい「あ、これからみんなでご飯食べて帰りましょう!」
やよい「今日はお母さんが家にいるから外で食べて帰ってもいい日なんです」
響「そうだなー、自分もそのぐらいのほうが都合いいしなー」
真美「あれ、ひびきんなんかこれから用事あるの→?」
響「え、あーっと、別にそういう訳じゃないぞ。でも家に帰るのがなんか勿体無いっていうか……」
やよい「あ!それなんとなく分かります!なんか寂しいんですよね!」
響「そうそう!そんな感じだぞ!」
真美「おやおや、ひびきんはさびしんぼうですな→!仕方がない!一緒に御飯いきますか!」
やよい「あ、じゃあラーメン二十郎ってところに」
真美「たるき亭で!」
響「そ、それがいいかな!そ、それに今から言ってもスープが終わってると思うぞやよい!」
やよい「残念です―……でもみんなとご飯嬉しいな!」
やよい「はい!生姜焼き定食もとってもおいしかったです!」
真美「ホッケ定食もちょ→美味しかったよ!」
響「あ、今日Suica持ってきてないんだっけ……切符買わないと」
真美「もーひびきんってばうっかりさん!」
響「昨日ホットパンツ洗濯した時に洗濯機の脇に置き忘れちゃったさー」チャリンチャリン
やよい(あれ……?今入ったのは硬化3枚…多分全部100円玉だよね?)
やよい(一駅なら120円のはずなのに……)
響「あー!お釣り全部10円ででてきたさー!」
やよい(100円以上のお釣りが10円って事は無いはずだから自動的に60円~90円だよね?)
やよい(ってことは、ここから210円~240円区間)
やよい(こ、これは!)ピピーン
真美「この駅各駅しか止まらないし急ぐ必要ないから楽ち→ん!」
やよい(うっうー!響さん、ダウトです!)
響「それじゃあまた明日!次は負けないさー!」
やよい「響さんお疲れ様でしたー!」
真美「ふふん!そ→ゆ→のは負ける奴の台詞だぜ!ばいび→!」
真美「ひびきん行っちゃったね→。一駅は短いのう!」
やよい「真美!響さんおいかけよう!」ジリリリリリリリ
真美「え、ちょ、ちょっとやよいっちってば!」プシュー ダァオーライ
やよい「さっき響さんが買ったのは多分210円の切符だと思うの」
真美「え?でもひびきんはこの駅で乗り換えじゃ→ん」
やよい「だから響さんはこの駅で逆方向の特急電車に乗り換えるんじゃないかなーって思ったの」
真美「……あ!そっか!一駅戻っても特急乗ったほうが目的地には早く着くってわけだ→!」
やよい「うっうー!この72大前駅から240円でも一駅違うと210円で着ける気もするし、響さんは黒です!」
真美「小銭計算でやよいっちの右に出るものは居ないってやつか……!」
やよい「ホームの端っこに行って……あー!やっぱりプロデューサーだぁ!」
真美「まさにシンデレラ・リミテッドエクスプレスだYO!わお!抱きつくなんてひびきん大胆→!」
やよい「はわわ……本当に新幹線のCMみたいだなぁ」
真美「雨が夜更け過ぎに水飴になりそうなほどに甘々だねぃ……」
やよい「わぁ……響さんとっても幸せそう……!」
真美「やよいっち、此処から先の追跡は”やぼ”ってもんだよ……!」
真美「人の恋路を邪魔するものは馬に蹴られて致命傷って言うらしいし、今日は帰ろうぜい!」
やよい「……うん!そうだね!」
真「わっ、やよいも真美もどうしたの!?そのゴディバのチョコレートのでっかい箱!」
やよい真美「口止め料だよ→!(です!)」
響編完結
響「Pー!またせちゃったぞー!」
P「おわっ、急に抱きつくから驚いたじゃないか……!」
響「あ、ご、ごめん!そんなつもりじゃ……」
P「ホームで暴れちゃダメだぞ。あと、あんまり外でひっつかないこと!」
響「うー、だって一緒にいるならもっとくっついてたいぞー……」
P「言えならいっぱいくっついてて良いって言ってるだろー?ほら、電車来たぞ」
響「お、結構空いてるぞ!」
P「端っこだからなー二人で座れそうだな。よっと」ポフン
響「自分もっと詰められるぞ!」ギュー
P「こらこら、そんなにくっつくな……角だから手すりにぶつかって凄く狭いぞー?」
響「へへーん、自分超快適だぞ―!」
響「超快適で……超幸せなんだー……!」
響編補足完
亜美「う→!車の中暇だよ→!」
伊織「でもエアコンがあるだけまだ外よりマシだわ。実際暇だけど」
律子「あずささんがスタジオから出てこないんだから仕方がないでしょう……」
律子「仕方がない、ちょっと様子見てくるから車で待っててくれる?」
亜美「亜美CCレモンがいいー!ノンカロリーのやつ!」
伊織「じゃあ私はオレンジーナがいいかしら」
律子「はいはい。じゃあすぐ戻ってくるから」ガチャ
亜美「……よし!じゃあ車内捜索タイム!なんか面白いものないかね→?」ガサゴソ
伊織「ちょっと、これ律子が自腹でかった新車って言ってたしそう動き回らない!」
亜美「ちぇ→!じゃあダッシュボードの中だけでも!」カパ
伊織「全くもう……」
伊織「誰の車で誰が税金払ってるか書いてあるんじゃない?あといつ車を点検したか、とか。面白くないわよ?」
亜美「……いやいやぁ、そんなことはないね→」ニヤニヤ
伊織「何?もしかして亜美って車に興味あったりする訳?」
亜美「じゃ→ん!これを見るのだ!」
伊織「やっぱりただの車検証じゃ……えっ!?所有者の名前Pじゃない!」
亜美「ねえねえいおりん、どうもこの間の話、意外な所で決着付きそうじゃない?」
伊織「意外な伏兵だったわね。確かにあの倹約家の律子が使う割りにはATとMTが切り替えられたり変よね……」
亜美「んっふっふ、これは帰ったら尋問せざるを得ないねぇ……」
伊織「律子の弱点をにぎったってところかしら……?にししっ!」
律子「お疲れー!今日も1日ご苦労様!」
亜美「お疲れちゃ→ん。ところでさ→、律っちゃんよ!」
律子「どうしたの亜美、改まって。振り付けに気になるところでもある?」
亜美「あの車律っちゃんの車なんだよね?」
律子「うん。そうだけど。結構カッコイイでしょ?」
亜美「実はさー……見ちゃったんだよね。あの車、本当は兄ちゃんの車でしょ?」
律子「いえ?私の車だけど?」
伊織「あのクルマの車検証だと名義はプロデューサーになってたわよ?」
律子「へぇ、あんた達意外と鋭いわね……ってか車弄り回したなー?」
亜美「へっへっへ→、亜美達の目は誤魔化せませんぜ!」
律子「ま、その通りよ。正確には私とプロデューサー殿の車ね」
伊織「ってことはやっぱり……?
律子「そうね。多分お察しのとおりだと思うわよ」
律子「事務所でもショック受ける子は多いだろうし……頼むわよ?」
亜美「わかってるって→!でもタダでとは言わないぜい!」
律子「えー……車買ったばっかりで結構家計が苦しんだけど……あのジュースじゃダメー?」
伊織「オレンジーナなんかじゃダメよ!当たり前じゃない!」
亜美「これから焼肉!もちろん食べホ→ダイだかんね!」
律子「はいはい了解。しかたがないわねー。じゃあ今日はあずささんも誘ってみんなで焼肉!」
律子「お代は全額私持ち!何飲んでもいいわよ!ただしお酒以外!」
亜美伊織「いえーい!」ハイタッチ!
律子(はー……こんなに早くバレルとは。しかしまぁまだまだ甘いわね)
律子(3列目シートのポケットに一番の爆弾が入ってたんだけどねぇ)
律子(BABY IN THE CAR、ってね!)
律子編完結
律子「はぁ、ただいまー」
P「お、おかえり。今日は一段と遅かったなー」
律子「実は婚約してるのが伊織と亜美にバレちゃって……あ、隣いい?」
P「おう。いつでもウェルカムだ」
律子「よいしょっと。それで、焼肉で口止めしたから今月いっぱい1日ビールは一本になりましたー」
P「……ぱーどん?」
律子「家計費から捻出しなくちゃだから仕方がないでしょー?あ、お小遣い50%削減でも可だけどどうする?」
P「ぐ、ぐぬぬぬ……!び、ビールで」
律子「よろしい!……で、でもまぁ」ギュッ
律子「その分夜……埋め合わせしても、いいし……」
P「……め、面妖な!?」
律子「……ごめんねダーリン」
P(惚れてまうやろおおおおぉぉぉ!あ、もう惚れてたんだっけな)
律子編補足完
真美「花舞う→あなたの空に→」チャリ
真美「ん→?なんか踏んだかな?」
やよい「真美、鍵踏んでるよー?」
真美「あ、本当だ鍵じゃん。でも真美のじゃないし亜美んとも違うな→」
やよい「あ、これ車のエンブレムだよ。きっとこれプロデューサーか律子さんか社長さんのだよ」
真美「ふむふむ。……んー?なんだこのキー。見たこと無いな→ロッカーではなさそうだし」
やよい「どれー?……あっ、これサイクルロックって書いてある!」
真美「自転車の鍵ってこと?でも自転車の鍵って普通出来損ないのエジプト壁画みたいな形してない?」
やよい「普通の自転車じゃないのかなー?バイクの鍵も知らないしバイクかも?」
やよい「あ、そういえばいっつも竜宮小町は車で回ってるからこれ律子さんじゃあなさそうだよね」
真美「ってことは社長か兄ちゃんかー……二輪車説が有力ならきっと兄ちゃんだね→」
P「ん?鍵……あ、本当だ落としてる。助かったよ真美」
やよい「プロデューサーはバイクにも乗るんですか?」
P「え?いやバイクは乗ったこと無いなぁ。原付教習すら受けてないんだ」
真美「じゃ→そのサイクルロックって鍵は自転車だね→」
P「ああ、このへんな形した鍵か。そうそう。最近真に勧められて自転車通勤始めたんだ」
やよい「プロデューサーのお家ってここから近いんですかー?」
真美「あれ?なんか結構離れてなかったっけ?」
P「うん。自転車だと片道一時間弱だな。でも道路は平坦だし、事務所にシャワー室できたしいいかなーって」
やよい「どんな自転車なんですかー?やっぱりあのロードバイクってやつですか?」
P「そうそう。でもあのドロップハンドルっていう変な形のハンドルじゃなくて普通のハンドルにしたよ」
真美「真美もそんなに遠くないし兄ちゃん見習って一回自転車で来てみよっかな→!」
P「朝早い時間に自転車で動くと気持ちいぞ。おすすめだ」
P「ああ、こんなやつだ。かっこいいだろー?」
やよい「うわー!綺麗な緑色です!」
真美「ほほう、まこちんとおそろいカラ→ですな→?」
P「同じ会社の自転車だからなー」
写真スタジオ
真美「時にやよいっちよ」
やよい「んー?なぁにー」
真美「さっきまこちんのツイッターの写真見てて気づいたんだけどさ―」
やよい「うんうん、どうしたの?」
真美「まこちんのサイクリング中の写真さ→、兄ちゃんの自転車が時々写り込んでるんだよね→」
やよい「えっ、じゃあもしかして?」
真美「まこちん多分オフと兄ちゃんと合わせて一緒にサイクリングしてるっぽいよね→」
やよい「め、めんようなぁー!」
真美「うむ!だがこれも真美達が美しいが故!美しさは罪なのだ→!」
やよい「でも余った仕出しのお弁当ももらえたから明日は楽できそうだなーって!……あ、あれ?」
真美「ん→?どうしたやよいっち……あ!あれはまこちんと……兄ちゃんだ!」
やよい「なんだかおしゃれなお店から出てきたよ!」
真美「なになに、サイクリングパブ……ははぁ!なるほど!謎はすべてとかつくちた!」
やよい「真美すごい!で、そのこころは!」
真美「まこちんも兄ちゃんも、共に連れ沿う自転車の車輪のよう……じゃなくて、まこちんの写真トリックがわかったんだよ→!」
真美「多分まこちんはわざわざB級グルメを回った事を報告して我々を欺いていたんだYO!」
真美「その後兄ちゃんと必ずおしゃれなパブに行っている事をかくしてね!ほら、今日も牛丼特盛なうってつぶやいてるっしょ→?」
やよい「な、なるほどー!」
真美「やよいっち助手、これからあの二人を追跡するのだ!」
やよい「りょうかーい!うっうー!」
P「鎌倉かー。アップダウンが激しそうだなぁー」
真「大丈夫ですよ!ほらボクがパワーを分けてあげます!ぎゅーって!ぎゅーって!」ギュー
P「こらこら、歩きにくいだろー」
真「もう!Pさんったらのりが悪いですよー!抱きしめ返してくださいってば!」
P「そんなことやったらエネルギー送り返しちゃうだろ?真のエネルギーは自分の中にストックしておかないと」
真「も、もうPさんったらそんな……えへへー!ねえ、今度内緒でディナーに連れて行ってほしいなーなんて……」
P「料理の写真も随分溜まってきてるし1回ぐらい大丈夫かなー……真の追っかけは脚が速いからなー」
真「大丈夫ですよ!ねぇ、いいでしょー!ボクPさんとおいしいご飯たべたいなぁー?」
P「断れないよなぁー……ちくしょう!」ワシャワシャ
真「えへへー、やりぃ!」
やよい「真さん、あれで素面なのかなー……?凄く幸せそうだし、邪魔しちゃ悪いし帰ろうよー?」
真美「そ、そうだねぃ。まこちんの場合恋路を邪魔して重軽傷がシャレにならないっしょ→……」
真編 完結
真美「やよいっち→、お仕事行くまでゲームしようYO!」
やよい「いいよー!でもホラーゲーム以外にしてね!」
真美「じゃあバイオハザードはダメだねー……じゃあスターフォックスで!」
やよい「今度こそ負けないよー!」
真美「吠えろ吠えろ→!吠えるほどに真美のボトルゲ→ジは上がっていくのだ→!」
やよい「……あれ、テレビの外部入力、ビデオカメラがつなぎっぱなしになってるよ?」
真美「あちゃ→、これ外したら怒られちゃうかな→……あ、給湯室の古いテレビでやろ→YO!」
やよい「じゃあゲームキューブを移動しないと……あっ!」ドサッ
真美「あ、誰かのバッグ落としちった……中身出ちゃったよ→」
やよい「ちゃんと戻しておかないとー」イソイソ
真美「そうだね→……あ、なんか可愛い手帳!真美もこういうの欲し→!」
やよい「……んあー!?」
真美「ど、どったのさやよいっち……そんな千早お姉ちゃんみたいな叫び声上げちゃって→……真美驚いたYO!」
やよい「それ只の手帳じゃないです!母子手帳ですよ!」
真美「……んあー!?」
真美「そ、そうしましょ→……い、一体誰のだったんだろ……知りたいような、知りたくないような……」
やよい「ゲームでもやって気分を……あれ、このテレビ音が出ないなぁ」
真美「スピーカーこわれてんだよねそれ→。真美のイヤホン二人で使おうYO!」
やよい「あ、聞こえたぁ!じゃあステージをっと……」
真美「んっふっふ、ハンデとして開始15秒は動かないことにしてやるぜい!」
やよい「……」カチャカチャ
真美「……」カチャカチャ
真美やよい(さっきのが気になってゲームに集中できないなー……)
<ガチャ
真美やよい「!!」
真美(やよいっち隊員も気になりますか→!)ヒソヒソ
やよい(もちのろん!)ヒソヒソ
真美(……この声は!)ヒソヒソ
やよい(貴音さんとプロデューサー!)ヒソヒソ
貴音「まあ良いではありませんか貴方様」
P「まあ物取りが入ったところで現金はあんまり置いてないしなー」
貴音「しかしいつ行っても二十郎は素晴らしいものです。形容しがたい至福があります故」
P「随分とお気に入りだな。未だに俺は並盛が限界だなぁ」
貴音「……ですが、いかなる料理、宝石、芸術、風景、そして月ですら、貴方様の足元にも及ばない……」チュ
P「……ん、全く……いつ誰が来るかもわからないのに、いいのかい?」
貴音「どうしても我慢できなかったもので……」
P「仕方がないなぁ貴音は……お腹は大丈夫なのか?」
貴音「えぇ。つわりも大夫良くなって来ました故……いつかご飯の匂いが嫌になる時の方が想像するだけでも辛いことです」ガクガクブルブル
P「つわりの時も最初は全然教えてくれなかったじゃないか。最初かなり驚いたんだぞ」
貴音「貴方様の前で余り取り乱したくは無かったもので……貴方様は本当にいけずなお方です」
P「悪い悪い……」
貴音「この手帳に刻まれる新しい命の歴史……これ以上に美しいものを私は知りません」
やよい真美(ど、どうしよう……!思った以上にしっとりしてる……!)
やよい(どどどどどどうしよー!?)ヒソヒソヒソォ!
真美(ね、寝たふり、寝たふりしよう!)ヒソヒソヒソォ!
P「急須は応接室に出しっぱなしかなー……んあー!?」
やよい真美「ビクッ」
貴音「ど、どうされたのです貴方様……何故千早の叫び声のような声を?」
P「い、いや給湯室に真美とやよいがいてな……」
貴音「なんとっ」
P「いや、ふたりともゲームやりながら寝ちゃったっぽいな……よく寝てるよ」
P「しばらくそっとしておいてやるか。お湯はケトルで沸かせばいいしな」
貴音「そうですね……ふたりとも可愛い顔をして寝ておりますね」
やよい真美(ご、ごめんなさいお姫ちん(貴音さん)……)
貴音(いずれ分かる事ゆえ、良いのです。この事は、くれぐれもご内密にお願いしますね?)
やよい真美(こ、コイツ直接脳内に……!?)
貴音「……ふふっ」
貴音編 完結
伊織「プロデューサー?」
P『うお、い、いきなり電話してきたと思ったら何だ!?』
伊織「あんたねー!?あの指輪やっぱり外しなさい!」
P『えー、別にいいんじゃなかったのか?せっかく最近手に馴染み始めたのに』
伊織「ダメったらダメなの!絶対にダメーッ!」
P『分かった分かった……何?もしかして騒ぎになってるとか?』
伊織「そのもしかして、よ!馬鹿ぁ!死ぬほど恥ずかしかったんだから!」
伊織「せ、責任とんなさいよね!」
P『Oh……』
伊織「……水族館」
P『水族館?』
伊織「そう、水族館がいいわ!」
伊織「はぁ?あんた何いってんの?」
P『えっダメでしょうか伊織お嬢様』
伊織「ダメにきまってんでしょ!?馬鹿P!」
伊織「あのでっかいサメが居るところがいいわね、茨城県にあるやつ」
P『のおぉぉぉん、寝坊返上コースじゃないっすか……』
伊織「ふふん、当然じゃない!それとも何?責任取れないっていうの?」
P『いやそういう訳じゃないけど……』
伊織「いいじゃない、別に」
伊織「それにちゃんと夜はその……早く帰れるようにしてあげるわ」
P『……伊織は優しいなあ!』
伊織「うるさい!とにかく次私に恥かかせたら許さないんだからね!じゃ!」
P『え、ちょ』ブチ
伊織「……にししっ!許さないんだからっ」
解決伊織編 完結
亜美「兄ちゃん兄ちゃん」
P「ん?なんだ亜美」
亜美「やっとみんな気づいてくれたよ→、その指輪」
P「おお、これかー。俺は割と気に入ってるんだけどなー」
亜美「うんうん!亜美が選んだから当然っしょ→」
P「そりゃあな。それで、最初に気づいたのは誰だった?」
亜美「え、あー……その、律っちゃんだったよ!」
P「へぇ、律子か。さすがだなー出来る女は違った」
亜美「ぶ→、律っちゃんの肩持つと亜美怒っちゃうぞ!」
P「おっと、もう引き出し大暴発トラップは怖いからな、この辺にしておこう」
亜美「い→判断だぜ兄ちゃん!」
亜美「ん→?」
P「どうやってあいつにその話題振ったんだ?律子は自分から話す口じゃないだろ?」
亜美「えっあっ……そ、それは……!」
P「やっぱりなー、お前から振ったんだろ?ん?違うか?」
亜美「や、や、そんなこたぁ→ないよっ!」
P「ホントかー?」
亜美「う、うぅ……」
P「そうだよな、亜美は気づいて欲しかったんだよなー」ナデナデ
亜美「兄ちゃんのバカ……」
P「あっはっは、俺は亜美のことならなんでも知ってるからな。俺にかなおうなどと10年早い!」
亜美「バカぁ……」
亜美「!!」
亜美「やぁーい兄ちゃんひっかかってやんの!」
P「くっそー、言ってるそばから一本取られるとはなんたる屈辱……」
亜美「亜美を先読みするなんて10年早いよ兄ちゃん!そんじゃ亜美お仕事行ってくるからバイビー!」スッタカタ
P「……ふふ、知ってたよ。ここに飛び出すカエルが仕掛けてあるなんてね」
P「亜美は可愛いなぁ、実に可愛い。素晴らしい」
解決亜美編 完結
真美「兄ちゃ→ん」
P「お、真美か。今日はもうトレーニング無いのか?」
真美「ま→ね→……それよりその指輪だけど」
P「あー、これ?さっき律子に言われたぞ。みんな気づき始めてるから一回取ったほうがいいんじゃないかて」
真美「やっぱりそうかな……さっきミキミキぶっ倒れちゃったじゃん?」
P「確かになー。ちょっとあの反応は意外すぎた」
真美「だよね→、大丈夫だった?」
P「ああ。ちゃんと説明したらわかってくれたよ。いたずらだってね」
真美「あ、いたずらってことにしたんだね→……」シュン
P(あ、ちょっと残念そうだけどかわいい)
真美「だね→。でももうちょっと早くても良かったかな→?」
P「まあ気づいてて言い出すタイミングを探ってたという線もあるな」
真美「なるほどなるほど→。真美ややよいっちが居る時を狙ったってわけだね」
P「Exactly(そのとおりでございます)」
真美「ま、ま→その……ごめんね兄ちゃん。もうそれ外しちゃっていいよ?」
P「え、もういいの?せっかく慣れてきたのに……」
真美「え、でもそれつけてたらまた……」
P「もう美希が事情を知ってるし大丈夫だよ。それにせっかく真美がくれたんだしね」
真美「に、兄ちゃんがそう言うなら……べつにつけててもい→よ!特別だかんね!んじゃ!」ダッ
P(そうだよな。真美が買ってくれたんだもんな。初めてのテレビの仕事のお給料で)
P(大切にするに決まってるじゃないか。俺の数少ない宝物の一つなんだから)
解決真美編 完結
やよい「……あぁ、そんなこともありましたねぇ」
P「あの時は参ったよなー、美希はぶっ倒れて律子からは大目玉だったよ」
やよい「そんなみんなも今じゃ大物タレントさんですから」
P「そうだなー。思えばあの時が一番楽しかったかもしれないな」
やよい「そうですねぇ……あら、あなたそろそろ時間ですよ?あと帰りに娘のバースデーケーキをお願いします」
P「おう。忘れるもんか。ママのいうことよく聞くんだぞ?そしたらでっかいケーキをかってきてやろう」
娘「やったぁ!パパ大好き!」
P「行ってきまーす」
やよい・娘「いってらっしゃーい」
P(あの時のリングは実はやよいが誕生日にくれたものだった)
P(思いついたように全く関係ないタイミングで付け始めたから本人も気づかなかったようだ。だけど……)
P(あの日以来、この指輪を外さなかったことに、俺は微塵の後悔もない)
P(いつか最愛の娘の誕生日にリングを渡す日を楽しみに、今日も俺はやよいと娘を思いながら、変わらない日常を送る)
解決やよい編 完結です!うっうー!
使い切っちゃった
まあいいや 寝る 起きて気が向いたらまた書く じゃあの
春香「ねえねえみんな、プロデューサーさんって事務所の中では誰が一番好みだと思う?」
真「事務所の中?ってことは小鳥さんと律子さんも含めるの?」
美希「含めても含めなくても結果は変わらないと思うな!」
亜美「ミキミキ辛辣ですな→」
美希「だって事実だよね?まあ律子……さんはてんぺんちーが起きたらあるかもしれないかなー?」
やよい「てんぺんちーって豪盲牌で全部て牌をハクにするやつですか?私あれ得意なんですー!」
響「や、やよい……お金がないからってあんま無茶すると命パクられるぞ……」
真「プロデューサーはあんまりそういう所を表に出さないから分からないなぁ」
あずさ「どうなんでしょうねぇ。でもみんな望みはあるんじゃないかしら~?」
春香「あと3年ぐらいプロデューサーさんが早く入社してたら望みはあったかもしれませんよね!」
あずさ「あらあらぁ春香ちゃん?早速のおいたとはポイント高いわねぇ、マイナスポイントが」
真美「皆様。やって参りました。第四十八回765プロ女と女の心の拳で殴り合いin事務所」
伊織「進行は私スーパーアイドル水瀬伊織と解説双海真美でお送り致します」
真「おお!美希が凄くいいこと言った!」
美希「トリートしてくれるハニーがいればね!あはっ!」
千早「逆にえぐりに行ったわね……」
あずさ「毎回のことだからいいのよ千早ちゃん。すぐに脱落することはありえないわ~」
響「あのほほ笑みの奥に隠れる野生の凄みにハム蔵が逃げ出しちゃったぞ……」
亜美「前回亜美が解説しちゃったから逃げきれなかった。今も逃げたい」
やよい「あ、みなさん今度一緒にチンチロしましょうチンチロ!」
千早「高槻さん、やめて。切実に」
真美「年長組脱落を狙った初期集中攻撃が行われております」
伊織「あずさの言う通り定番の流れと言えるでしょう。ですが年長者の貫禄。動じません」
美希「飽きられる前に旬が過ぎてしまった果実が何か言ってるの」
千早「プロデューサーがさくらんぼだとしたらその表現は酷い侮辱よね」
響「でも飽きられるのはいやだぞ!」
やよい「飽きる飽きないの前に、既に席についた時点で決着っていうのは決まってるものですよ!」
春香「とりあえず貧乏ネタと動物ネタに頼るのをやめてみようね?ふたりとも」
真「割りとドジっ子アピールも大概だとおもうけどな」
亜美「亜美は貝になりたい」
伊織「早くも亜美が弱気の発言をしておりますがいかがでしょう解説の双海さん」
真美「彼女はわりとメンタルが打たれ弱いですからね。ですがここでストレスを徐々に蓄積することで大きな発散も期待できます」
伊織「成る程。それにしても貴音選手。ここまで一言も発さずにテーブル上の水ようかんを食べ続けております」
真美「今彼女は兄ちゃ…プロデューサーの事より目の前にある水ようかんの方が気になる模様です」
千早「そうね。一向に話が進まないわ」
春香「プロデューサーはごく普通の人だから、やっぱり普通の女の子が」
美希「ないの」
春香「えっ」
美希「やっぱり今まで普通の人生を歩んできた人だからこそ、自分とは違う高嶺の花を望むものだとおもうの」
あずさ「そうねぇ。やっぱり自分の知らない領域っていうのは気になるものだわ~」
真「ないものねだりってことかな?妹萌えとかと一緒だね」
響「男の人がおっぱいがすきなのもそういうことなのかー」
千早「……くっ」
亜美「あ、亜美にも水ようかんちょ→だい」
貴音「よろしいですとも」
伊織「いわゆる好奇心としての恋愛感情論になったようです」
真美「しかし好奇心はナントカをもナントカと言いますし、常に警戒心を伴いますからね」
春香「おっぱいはちょっと違うんじゃないかなーそれに大きさだけではどうにもならないこともありますし?」
あずさ「でも大は小をかねるのよ?春香ちゃん」
美希「大きいに越したことはないの」
千早「んぐぐぎぎ」
響「千早、落ち着けー!口から紙が詰まったFAXみたいな音がしてるぞ!」
やよい「別におっぱいが無くたっておっぱいは出ますから大丈夫です!」
真「へぇ、そうなんだ……いやまあそういう話じゃないんだけど」
貴音「雪歩、お茶を」
雪歩「あ、はいぃ。今淹れてきますぅ」
伊織「胸の大きさはこのゴの人生を大きく左右するとも言いますね」
真美「左右の胸の大きさは大きく左右しませんけどね」
やよい「あ、私おせんべいもってるから亜美にあげるね!」
亜美「おぉ!サンキュ→やよいっち!あ、あれ?袋に雀荘の名前が入ってるYO……」
響「自分だっておっぱいなら負けないぞ!」
春香「でも確かサイズダウンしてたよね?4センチぐらい」
響「そ、そんなの微々たる差だぞ!」
真「……でも響さぁ、偽乳疑惑あるよね?」
響「!!」
千早「!!」
真美「千早選手、スゴイ食いつきであります。目が輝いております」
伊織「確かにありましたねー偽乳疑惑。深層は闇の中です」
やよい「ダイエットっておっぱい小さくなっちゃうんですか?千早さんダイエットは、めっですよ!」
千早「高槻さんに感謝すべきか言いたいことを言うべきか」
春香「フェアリープロジェクトの初期ポスター、たしか響ちゃんおっぱいぺったんこだったよね?」
響「そそそ、そんなことないぞ!このおっぱいは本物だぞ!」
あずさ「表面のお肉は本物でも、中に入っているのは生理食塩水かもしれないわねぇ」
真「さすが天然ホルスタインさん、説得力があるよね!」
あずさ「それは褒め言葉かしら~?」ニコニコ
真「アハハモチロンデスヨイヤダナァ」
美希「スカイツリー登ったら爆発しちゃんじゃないの?響のおっぱい」
春香「これぞまさしく自爆乳テロだね(笑)」
雪歩「お茶ですぅ」
貴音「ありがとうございます雪歩。真良いお茶を煎じますね」
真美「なるほど。生理食塩水ですか」
伊織「確かに良い形がキープできますし、無い話ではないでしょう」
春香「まっこまっこりーんといい勝負じゃない?あれギャグでしょ?」
真「審判。ボクと春香退場。屋上デスマッチに試合変更申請」
春香「えっ」
伊織「認めます」
真「さぁ春香。決着を着ける時が来たようだ」
春香「ちょ、おちついて!真!謝るから!面白いから!面白いから!」ズルズル
真「情熱ー快楽のー開放待ち望むー」ムキムキ
亜美「エージェント夜を往くって凄く物騒な歌詞だったんだね→……」
真美「以降真VS春香きゃるるんデスマッチの様子は小鳥ちゃんねるでお楽しみ下さい」
伊織「……おっとここで事務員Kから新たな情報です。そろそろプロデューサーがたるき亭から帰ってくる模様です」
美希(現時点でハニーまでの距離が一番短いのは美希なの……!)
美希(勝負に出るの……ダッシュで行けばハニーまで3秒、ゴールまでは当に秒読み……!)
美希「ようかん食ってる場合じゃねえの!」ダッ
あずさ「 」カッ
美希(な、なんなの……突然体の自由が効かなくなったの……!)ピィーン
あずさ(影縫いの術よー美希ちゃん。抜け駆けは良くないわぁ~)ニコニコ
美希(な、なんて奴なの……印も結ばずに美希の体を拘束するなんて……!)
やよい「プロデューサーおかえりなさーい!」
亜美「おかえり兄ちゃん!」
貴音「お帰りなさい貴方様」ズズー
雪歩「今お茶淹れますぅ!」トトト
伊織「帰ってくるの早かったわね……早食いしてると太るわよ?」
真美「兄ちゃん、午後暇っしょ→?ゲ→ムしようYO!」
千早「私はあと少しでボーカルレッスンがあるからそろそろ支度をしないと……」
P「千早は真面目だなー」
あずさ(露骨なアプローチはダメよ、戦いはまだまだこれからだもの)
美希(貴様ァ……!美希に!美希に力さえあればこんな事にはアアァァァァ!)
P「おう、美希もあずささんも居たいのか」
美希「お、おかえりなの、ハニー……」カチーン
あずさ「おかえりなさい。美希ちゃんは自主ポージングレッスンだそうよ~?」
P「おお、美希頑張ってるな」
美希「はい……なの……」
P「ところで真と春香が見当たらないけど?」
伊織「屋上で語り合ってるわ、主に暴力で」
P「……?」
響「そうだぞ!やっぱり仲間同士でいがみ合いなんて間違ってるさー」
千早「時には競いあって、時に抑制しあってこその仲間だけど、度が過ぎてはいけないわね」
あずさ「今後二度とこんな術を使うことがないような、そんな事務所が素敵だとおもうわ~」ニコニコ
美希「はいなの!美希、そういうのはとっても怖いことだなって思うな!」
真「そうそう!春香とも丁度分かり合えたし、万事丸く収まったね!」
亜美(果たして本当にそ→だろ→か……)
真美(拳は口ほどに物を語るんだよ……多分一方的な語りだったと思うけど)
伊織「ま、まあ伊織ちゃんだってギスギスした空気は嫌いだし……いいと思うわ!」
春香「らって、わたひたち!」
響千真亜伊あ(やべえどうなってんだこの顔……)
春香「なかまらもんげ!」
みんななかよし765プロ おわり
これでおしまい じゃあの
春香ェ……
乙様
Entry ⇒ 2012.08.05 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
P「みんなが俺と同じアパートに住んでた」
P「手作り料理毎日食べなきゃいけないから料理の腕が落ちて辛いわー」
P「時々俺の部屋に入りきらないぐらいの人数が来る事もあるから辛いわー」
涼「お邪魔しますー」
冬馬「今日もスマブラやろうぜ」
翔太「冬馬君弱いじゃん」
北斗「真ちゃんチャオ☆今日も俺が守ってあげるよ」
P「男の溜まり場になって女が来ないとか辛いです……」
美希「ハニーが帰ってくるの待ってただけだよ?」
P「どのぐらい?」
美希「んー、1時間ぐらいかなー」
P「…バカだろ。てか自分の部屋に帰れよ」
美希「まあまあ、良いから良いから!今日はミキが美味しい料理作ってあげるからね!」
ピンポーン
美希「出なくていいの」トントントン
P「そういう訳にはいかないだろ…」ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン ガチャッ
P「春香か。何だ?」
春香「どうもこんばんわー!遊びに来ましたよー!」
春香「それとプロデューサーさんの家から出て行くのは関係ないんじゃないかなー」
P「確かに」
美希「ちょっとハニー!ミキと2人っきりの時間を過ごすんじゃ無かったの!?」
P「一言も言ってないぞ、そんなこと」
春香「だってさー」
美希「むむむ…」
春香「…料理手伝おうか?」
美希「1人で大丈夫だもん!ミキひ・と・りで作った手料理をハニーだ・けにふるまうんだから!」
P「とか言いながら3人分の材料使ってるよな」
ピンポーン
P「ん?」
P「おお、肉じゃがか。ありがとう!」
伊織「べ、別に作り過ぎて余っただけだから勘違いしないでよね!」
伊織「……ってやっぱりあんたの家には誰かしらいるのね」
美希「お久しぶりデコちゃん」
伊織「今日事務所で会ったじゃない…あとデコ言うな」
春香「伊織もあがっていけば?丁度料理も出来たところだから」
伊織「遠慮しとくわ。今日はやよいの部屋に行くから」
P「そうか、じゃあまた今度な」
P「ハンバーグって久しぶりな気がする」モグモグ
美希「ちょっとアレンジしたんだけど…ど、どうかな…?」
P「…うん!うまい!中に入ってるのはチーズが良いアクセントになってる!」
春香「ただ焼き方をもう少し工夫した方が良いかな。肉汁が逃げちゃってるよ」
美希「うーん、やっぱり春香は厳しいの」
春香「今度そこのところ教えてあげる、みっちりと!」
P「どんどん美希の料理の腕が上がるな。最初は酷かったからなぁ…」
美希「あー、あれは今思い出してもトラウマなの。口に入れた瞬間…」
P「…やめろ、食欲が無くなる」
美希「ミキも一口!…おふくろの味ってカンジ。こういう料理も作ってみようかなー」
春香「味が染み込んでておいしい!ジャガイモもほっくりしてて良い感じ!」モグモグ
P「俺の分が減っていく…」
春香「じゃーん、今日はチョコムースを作って来ましたー!」
P「ほほー、相変わらずうまそうだ!」
美希「4つもあるの。誰か1人が2つ食べて良いってことだよね…?」ゴクリ
ピンポーン
春香「あっ、千早ちゃん!丁度良かった!」
千早「な、何…?」
P「春香のデザートがあるんだけど食べないか?」
千早「よろしいんですか?」
美希「…千早さんだししょうがないの」
美希「悔しいけどやっぱりおいしい…」
千早「春香は本当に料理がうまいわね」
春香「えへへ、あ、食器とか片付けますね」
P「えっ、悪いよ。俺何もしてないし流石に」
美希「じゃあミキが手伝うの」
春香「いいよ、ミキには料理作ってもらったから。ゆっくりしといて!」
千早「実は…カラオケのゲームを購入したんですが…今一使い方が…」ゴソゴソ
P「…これWii用だけどお前本体持ってたか?」
千早「えっ!?私これだけで出来るものだと…」
P「箱とか説明書見たら分かるだろ…まあ良いや。俺の家で試しにやるか」
千早「はい」
P「よっしゃ出来た!」
千早「ありがとうございます。あの…このゲーム置かせてもらえないでしょうか」
千早「出来れば歌の練習のため時々プレイさせてもらえると…」
P「うん良いぞ。暇な時なら大歓迎だ」
千早「ありがとうございます!」ニヤッ
美希(ミキは見逃さなかったの。千早さんの悪い顔を)
春香(多分わざとだね。機械音痴のふりをして…やるなぁ)
春香「またねって言って~♪」
千早「私のモノにならなくていい~♪」
「「「そばにいるだけでいい~♪」」」
P「……何でそんな真顔でこっち見ながら歌うんだよ」
響「うがー!さっきからギャーギャーうるさいなー、何なのさー!!」
P「ごめんなさい」
春香「アパートで歌ったら流石に響いちゃうね」
美希「特に千早さんの声量が半端無いから」
千早「もっと音量下げないとダメね」
響「えっ良いのか?わーい!」
春香(怒ってた事一瞬で忘れちゃった)
美希「うーん、何か普通に歌っててもつまんないの」
千早「というと?」
美希「点数の低かった人には罰ゲーム!ってはどうかな」
春香「えぇぇぇ…」
響「自分面白そうだから賛成だぞ!」
千早「そうね、張り合いが無いとつまらないもの」
P「ははは、がんばれよー」
美希「もちろんハニーもだよ?」
P「え?」
春香「プロデューサーさんドンマイです」
響「あはは、楽勝だったなー」
千早「カラオケの採点基準が未だに今一分からないわ…」
美希「それじゃ罰ゲームはね…」
P(律子の部屋をピンポンダッシュとか鬼畜すぎる)
P「……」
P「…ええいやっちまえ!」ピンポーン ダダッ
あずさ「あらあら~、プロデューサーさんじゃないですか」
P「こ、こんばんは」ハァハァ
あずさ「そんなに急いでどうしたんですか?何か息切れしていますが」
P「い、いえ別に…急いでは……」ハァハァ
あずさ「そうですか~、律子さんに何か用があったんじゃないんですか?」
P「な…何故それを…」
あずさ「呼び鈴押したのを見ましたから~。私も丁度律子さんの所に行こうと思って」
P「え」
律子「つまり今までちょくちょくピンポンダッシュしてたのはプロデューサーのだったんですね」
P「ゲッ」
あずさ「?」
律子「てっきり亜美真美辺りかと思ってましたが…ゆっくりお話しましょうか」
律子「立ち話もなんですから私の部屋で良いですよね、プロデューサー殿」
P「」
律子「本当ですか?」
P「命かけます」キリッ
あずさ「そんな簡単に命をかけちゃダメですよ~」
律子「…まあ別に大して怒ってませんけd」
ピンポーン ダダッ
律子「……」ダダッ
P「修羅だ」
ウワアアアアアアアア オユルシヲオオオオオオオオオ
あずさ「…亜美ちゃんと真美ちゃん大丈夫かしら」
P「……」
ガチャッ
あずさ「……」ビクッ
律子「疑って申し訳ありませんでした、プロデューサー」
P「い、いや…元はと言えば俺が悪いし…ははは」
あずさ「えっと…あっ、そーだ!今日は私お酒持って来たんです!」
P「おっ、良いですね。一杯やりましょうか。簡単なつまみなら作れますよ」
あずさ「ノンアルコールもありますから律子さんもね?」
律子「うーん、まあ仕事に響かない程度の量なら…」
律子「もうあずささんそのぐらいに…」
P「うぇ…もうダメだ…」
あずさ「プロデューサーさん、もうおねむですか~?」
律子「あーあ、言わんこっちゃない…あずささんもそろそろ」
あずさ「えぇ~…まだまだ夜はこれからよ~?」
律子「やっぱりあずささんは止められない…」
あずさ「律子さんも飲んでみる~?アルコールが入ったお・さ・け」
律子「えーっと…後片づけしますね!」
春香「…帰ってこないね」
響「もしかして…死んじゃったのかな」
千早「……」
春香「ええ!?」
響「そ、それは無いと思うぞ!」
美希「ちょっとミキ、様子見てくるの!」
千早「えっ…ちょ、美希!?」
美希「あ、鍵がかかってないの」
ガチャッ
P「うーん……」
春香「!!ぷ、プロデューサーさん…!?」
響「うわー!あずささんに膝枕してもらってる!」
千早「こ、これは一体…」
律子「あー、丁度良かった。プロデューサーを迎えに来たなら返すわ。部屋まで送ってもらえないかしら」
あずさ「えぇ~、ダメよ~!このままでいいじゃない~」
美希「み、ミキを差し置いて…!ハニーに…」
P「……?ここは……」
P「!?な、何で貴音と一緒に寝てるんだ!?」
貴音「…んん………あなた様、お目覚めになられましたか」
P「えっ…何で?何があった?」
貴音「何があったと申しましても…あなた様と一緒に寝ただけですが」
P「!?」
春香「ううん、このまま放っておくのはちょっと心配だね」
美希「じゃあじゃんけんで勝った人がハニーを自分の部屋に持ち帰るの!」
響「やったー!!勝ったぞー!!」
響「うぎゃー!もう自分の部屋動物達でいっぱいいっぱいだったー!助けて貴音ー!」
貴音「つまりプロデューサーに付き添っておいてほしいと」
響「うん」
貴音「分かりました」
貴音「はい」
P「それなら良かっ…」
P(…良いのか…?一緒に寝てしまって…)
貴音「…やはり体調が優れないようですね」
P「…んー、そうだな。あんまり良くない」
貴音「それなら一度部屋を出て外の空気を吸ってみては如何でしょう」
P「ああ、そうするよ」
貴音「そのようですね」
真「ふぅ…あっ、プロデューサー…それに貴音まで」
雪歩「おはようございますぅ」
P「お前達こんな時間に何してるんだ?」
真「ちょっとした運動です。これをやっておくと一日良い感じに動けるんですよ!」
P「で、雪歩も真に付き合ってるってわけか」
雪歩「そうですね。最初は真ちゃんがやってるのを見てるだけだったんですけど…」
P「悪いけど…今日は遠慮しとくよ。ちょっとした二日酔い状態だから」
雪歩「四条さんはどうしますか?」
貴音「……一度混ぜてもらってもよろしいでしょうか?」
真「へへっ、それじゃまずはね…」
やよい「あ、皆さんただいまですー」
真「あっ、お帰りやよい!」
やよい「今日はプロデューサーに貴音さんも一緒なんですね」
P「そうか、やよいはまだ早朝バイトやってたんだな」
やよい「はい!前からお世話になってましたからずっと続けるつもりです」
P「やよいは偉いなぁ」
やよい「そんなことないですよ。それでは!」テテッ
真「あはは、やよいは本当良い子だなぁ」
雪歩「本当は大変なはずなのに…あんなに笑っていられるってすごい事だよね」
貴音「あの姿勢は私達も見習わなければなりませんね」
P「そうだな、どんな時もアイドルは笑顔を無くしたらダメだ」
小鳥「あっ、プロデューサーさん」
P「おはようございます、小鳥さん」
小鳥「今から事務所ですか?」
P「ですね。小鳥さんも?」
小鳥「は、はい!その、良かったら一緒に行きませんか…?」
P「喜んで!」
P「あっ、おはよう」
愛「おはようございまーす!!!」
涼「愛ちゃんもう少しボリューム下げて…」
絵理「近所迷惑…」
冬馬「おい、朝からうるせーぞ!!!」
翔太「うん、やかましさでは負けてないよ」
北斗「エンジェルちゃん達の美しい声を朝から聞けて俺は感激だよ」
P「何か最近住民が増えた気がするけど。はい、変わらず良い環境です。はい」
P「このアパートに住みたいですか?そうですね家賃は……」
終
Entry ⇒ 2012.08.03 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
P「貴音って実はかわいいよな」
P「あぁ、ミステリアスなイメージが先行して神秘的な綺麗さに注目されガチだが」
響「実はすっごいかわいいんだぞ!」
P「そのギャップがたまらん」
響「本当だよ、あんな綺麗なのに可愛いなんてずるいよなー」
P「正直あなた様って言われるたびに抱きしめたくなる」
響「ズルイよなー、自分もそう呼ばれたいぞ!」
P「フフン、まぁ俺だけの呼ばれ方だからな」
響「そのドヤ顔ウザいぞ」
P「ドヤ顔にもなるさ!まじでテンション上がるからな!」
響「くそー、自分だって貴音とは仲良いんだからな!」
P「まぁそうだな、貴音は響のこと信頼してる気がするよ」
響「きゅ、急に褒められると照れちゃうよ……」
P「褒めたわけじゃないんだけど……まぁいいか」
響「最初はやっぱりフルネームで呼ばれてたんだけどね」
P「あ、そうなのか?」
響「うん」
P「意外だな、なんか想像つかない」
響「初めて名前で呼んでもらえた時、自分の世界に色がついたさー」
P「なんかこう、特別感あるよな」
響「ね」
P「響って呼ぶタイミングを一生懸命悩んでる貴音とかどうだ?」
響「うがー!可愛すぎるさー!」
P「響ってよんじゃおうかな、でも馴れ馴れしいって思われたら……みたいな」
響「呼んで良い!初めて会った日からそう呼んでよかったよ!なんくるないさー!」
P「やっぱ可愛いなぁ」
響「可愛いよねぇ」
響「うん?」
P「亜美真美にはお姫ちんって呼ばれてるよな」
響「お姫様みたいな魅力の貴音ならではだぞ!」
P「お姫様キャラが許されるなんて相当貴音は可愛いってことだよな」
響「全くだぞ、仕種のひとつ見ても綺麗だしな!」
P「なんていうか、優雅なんだよな」
響「立ち振る舞いがもう凄すぎる!」
P「まさにお姫様だな」
響「そこが良いんだよね」
P「良いよな」
響「最初にお姫ちんって呼ばれたときさ」
P「ん?」
響「その場ではまぁ普通にしてたんだけど」
P「うん」
響「後で一人になったときにさ、お姫ちん……って呟きながら顔赤くして嬉しそうにしてたんだ!」
P「何それやばい萌える可愛いやばい抱きしめたい」
響「本当だよ、後ちょっとでその場で抱きしめに行くところだったさー」
P「よく耐えられたな」
響「自分は完璧だからなー」
P「ところで」
響「何?」
P「貴音が一人でいた時のことをなんで知ってるんだ?」
響「そりゃ覗いてたからだよ」
P「それもそうか」
響「変なプロデューサーだなー」
P「はは、悪い悪い」
響「そういえばこの間」
P「?」
響「貴音と遊園地に行ったんだよ」
P「おい聞いてねぇぞなんだそれ」
響「フフーン、親友の自分と二人で遊んでたのさー」
P「マジかよ!何で俺は貴音の親友じゃないんだ!」
響「プロデューサーだからじゃない?」
P「プロデューサーでいた事を後悔したのは始めてだな」
響「でも、プロデューサーじゃなかったら貴音に会えなかったと思うさー」
P「プロデューサー最高!765プロひゃっほう!」
響「で、遊びに行ったときなんだけど」
P「あ、続けて」
響「お化けを怖がる貴音が本当に可愛かったんだ!」
P「動画は?」
響「撮れるわけないだろー」
P「なんでだよ!怖がる貴音とか超レアなのに!」
響「その場でしっかり堪能したからな!」
P「いいなぁ、マジでいいなぁ」
響「ちょっと涙目な貴音はなんていうか、押し倒したくなるくらい可愛かったさー」
P「俺なら押し倒してるわ」
響「その後も自分の手をぎゅってして離さないんだー」
P「ふむ」ギュッ
響「さすがにもう貴音の温もりは残ってないなー」
P「残念」スッ
響「あ、でももしかしたらまだ残ってるかもしれないな!」
P「ふむ」ギュッ
響「どう?」
P「正直わからん」
響「わかるまで握っててもいいよ!」
P「そうさせてもらおうかな」
響「えへへー」
P「しかし貴音は可愛いなぁ」
響「ねー」
P「俺も貴音と遊園地行きたい」
響「もうお化け屋敷は行かないと思うよ」
P「それが残念でならない」
響「この間のが最初で最後のチャンスだったんだなー」
P「なんで俺はそこにいなかったんだ! くそ!」
響「今度はプロデューサーも一緒に行こって言ってたんだけどね」
P「今度じゃ意味無いんだよ!」
響「行かないのか?」
P「いえ、是非お供させて頂きます」
響「やっぱ行きたいんじゃんか」
P「そりゃそうだろ、貴音と響と出かけるなんて幸せ以外のなんでもないぞ」
響「ふふーん、プロデューサーは特別だからなー、感謝しろよー」
P「ありがとう、響」ナデナデ
響「な、なんくるないさー」
P「貴音も可愛いけど、響も可愛いな」ナデナデ
響「あったりまえだろ、自分は完璧だからなー」
小鳥「あんたらいつまで事務所でイチャついてんですか」
P「あ、居たんですか」
響「ぴよ子居たんだ」
小鳥「二人が帰って来る前からいましたからね!?」
P「気づかなかったな」
響「ねー」
小鳥「事務所でイチャこらしてるから私なんか目に入らないんですかねー?」
響「別に自分達イチャイチャなんてしてないよな?」
P「そうだな」ナデナデ
響「ぴよ子の勘違いじゃないか?」
小鳥「だったら頭なでるのやめてくださいよ!」
P「響はいつも頑張ってますからね、褒めてるだけです」
響「自分、頑張ってるさー」
小鳥「そう言われたらもう何もいえないですよぉ」
P「ところで小鳥さん」
小鳥「なんですか、こんなおばさんに何かようですかー」
響「ぴよ子が急に拗ねちゃった」
P「どうしたんですか急に」
小鳥「どうせ響ちゃんとの惚気話とかでしょー?」
P「違いますよ……」
小鳥「じゃぁなんの御用ですか」
P「貴音はまだ帰って来ないんですか?」
響「あ、それ自分も知りたいぞ」
小鳥「はぁ……さっき電話がありましたから、もうすぐ帰ってくると思いますよ」
響「やったな! プロデューサー!」
P「あー早く帰ってこないかなー」
小鳥「仕事終わったのに事務所にいると思ったら……貴音ちゃんを待ってたんですか」
P「それ以外に理由があるとでも」
響「それ以外何もないよね」
小鳥「二人とも本当に貴音ちゃんが大好きなんですね」
響「アタイメーテー!」
P「興奮しすぎだ、方言出てるぞ」
響「ぴよ子があんまりにも当然の事聞くからさー」
P「小鳥さんだからな、しょうがないさ」
響「それもそっか」
小鳥「えー……」
律子「今戻りました」
貴音「只今戻りました」
小鳥「おかえりなさーい」
P「お疲れ」
響「おつかれさまー」
律子「あら、Pさんに響まで……まだ帰ってなかったんですか」
P「あぁ、ちょっとだけ仕事が残っててな」
律子「大変ですね」
P「もう終わったさ」
響「自分はプロデューサーと話してただけさー」
貴音「あなた様、今日は相手の御人に中々良い評価を頂けましたよ」
P「そ、そうか、よかったな!」
貴音「はい、これもあなた様が指導して下さったおかげかと」
P「そんなことないさ、あ、律子ぉ! この間の打ち合わせの件なんだけどな!」
律子「なにかありましたか?」
貴音「…………」シュン
P(貴音シュンとしちゃったあああああああああ)
響(プロデューサーのバカ! 何やってるんさ!)
P(緊張しちゃってうまくしゃべれねえええええええええええ)
響(それでもプロデューサーか!?)
P(あんな綺麗で可愛い子に話しかけられたキョどるわ! 逃げるわ!)
貴音「……」
響(忙しいところに話しかけてしまったのでしょうか、って顔してるさ!)
P(違うんだ貴音! 許してくれぇ!)
律子「プロデューサー、聞いてますか?」
響(全く、プロデューサーには任せておけないさ! 親友の自分が貴音をフォローするぞ!)
P(すまぬ……すまぬ……)
響(プロデューサーは律子と話してればいいよ!)
P(くそう……なぜ貴音じゃなく律子なんかと……)
響「貴音! お仕事おつかれさまー」
貴音「響、ありがとうございます」ニコッ
響(可愛い! 貴音の笑顔! 効果は抜群だ!)
響「貴音かわい……なんでもない! なんでもないさー!」
貴音「あ、響……」
響「あはは、あはは!」
貴音「……」ショボン
P(さらにショボンとしちゃったあああああああ)
響(やっちゃったぞおおおお)
響(プロデューサーの緊張がうつっちゃったあああああ)
P(俺のせいにすんなよ!)
響(だってプロデューサーが最初にやらかしたんじゃんか!)
P(しょうがないだろ!)
響(こういうときに責任を取るのが男ってもんでしょ!)
P(くそう、天使の様に可愛いからって調子に乗りやがって!)
響(天使だなんて、さすがに褒めすぎさー)
P(何言ってんだ! 響は可愛いぞ! マジ天使!)
響(ぷ、プロデューサーだってかっこいいと思うぞ、自分)
P(響……)
響(プロデューサー……)
律子「おーい、プロデューサー? もしもーし?」
小鳥(あの二人のアイコンタクトはハイレベル過ぎるピヨ)
貴音(二人に嫌われるような事でもしてしまったのでしょうか……)
P「おっとすまん、ちょっと考え込んでしまった」
律子「しっかりしてくださいよ」
P「悪い悪い」
響(プロデューサー、どうすんの!)
P(俺に任せろ、緊張してしまうのは貴音に主導権を握られてしまっているからなんだ!)
響(どういうこと?)
P(貴音の圧倒的な存在感で場を仕切られているんだ。だからのまれて、緊張してしまう)
響(なるほど……)
P(なら、こっちが主導権を握ればいいのさ!)
響(でもどうやるんだー?)
貴音(もしやこの間のお化け屋敷なる場所で余に不甲斐無い所を見せた為響に呆れられてしまったのでは……)
P(1対1で向こうに分があるなら、2対1でいけばいい!)
響(なるほど、さすがプロデューサーさ!)
P(よし、さりげなくいくぞ!)
響(おー!)
P「あー、響、貴音ぇ! ちょっと話したい事あるんだが時間いいか?」
響「自分は大丈夫だぞぉ!な、なんくるないさー!」
貴音「はい、承知しました……」
P&響(よし、完璧だ!)
小鳥(挙動不審にもホドがあるピヨ)
律子「話ですか、私も同席しましょうか?」
P「い、いやいや! 律子も疲れてるだろうし、ちょっとプライベートな部分もあるし!」
律子「はぁ……」
P「俺だけで大丈夫だぞ、あぁ大丈夫だとも!」
律子「それでしたらお任せしますが」
P「おう、任せとけ」
貴音(ぷらいべぇとな部分……やはり先日の失態で……)
貴音(この二人に愛想を尽かされてしまって…………)ズーン
P「よし、適当な場所に座ってくれ。まぁ気楽にな」スッ
響「おー」スッ
貴音「……はい」ス
P「まぁ改めて呼んだけどそんな固い話をするわけじゃないんだ」ナデナデ
響「ソウナノカー」ナデラレ
貴音(愛想を尽かされたやもと考えておりましたが……)
小鳥(なんで響ちゃんはプロデューサーさんの膝の上に座ってるのかしら……)チラミ
P(さて、呼んだはいいけど何を話そう)ナデナデ
響「ンー」
P(さすがにノープラン過ぎたな……)ナデナデ
貴音(この間は一体……それほどまでに切り出しにくい話なのでしょうか……)
響(プロデューサー頭なでるの上手過ぎさー)
P(ここはとりあえず当たり障りない会話からいこう)ナデナデ
P「貴音、最近どうだ」ナデナデ
貴音「……どう、とは」
P「何だ、調子とか……気持ちとか、その辺かな」ナデナデ
貴音(これは、遠まわしに最近の不甲斐無さを指摘しているのでは……)
P(あぁ貴音は聞くまでもなく絶好調で可愛いんだけどな!)ナデナデ
貴音「そうですね……少し自身を不甲斐無く思っております」
P「え!?」ナデ……
貴音「もっと精進せねば……あなた様に……み、見捨てられたら……わたくしは……グスッ……わたくしは……っ」
P(エマージェンシー!!)
響(どうして貴音泣かしたの!?)
P(泣かしてないよ! 泣いちゃったんだよ!)
貴音「も、申し訳ありません」ゴシゴシ
P「た、貴音? 大丈夫か?」
響「プロデューサーに嫌なことされたか? 自分がめっしとくぞー?」
貴音「違います、なんでもありません」ポロポロ
貴音(これ以上二人に迷惑をかけるわけには……これ以上嫌われてしまったら……)
P「貴音、ごめんな? なんかしちゃったか?」オロオロ
響「プロデューサー、めっ! だぞ」
P「本当にごめんな?」
貴音「本当に違うのです、あなた様は悪くありません」
P「じゃぁ響か!?」
響「じ、自分か?」オロオロ
P「貴音に何したんだよ! コラ!」
P「白状しないとこうだぞ」ムニー
響「らんひもしてなひよー」
小鳥(修羅場っぽい空気になったと思ったらイチャつき始めたでゴザルの巻)
貴音「響も悪くありません、わたくしが悪いのです……」
P「え?」ムニー
響「ろうゆうこふぉ?」
貴音「わたくしが不甲斐無いばかりに……」
P「響、どういうこと?」
響「わかんない」
P「貴音は不甲斐無くなんかないぞ! いつも頑張ってるし、立派にやってるじゃないか」
響「そうだぞ、自分なんか貴音を見習わなくちゃって、いつも思ってるさー」
P「そうだな、響は貴音を見習ったほうが良い」
響「うがー! プロデューサーに言われたくないさ!」
P「だって貴音は超綺麗だし、優雅だし、しかも可愛いんだぞ」
響「たしかに貴音は見た目はお姫様みたいに綺麗なのに実は可愛いところがいっぱいあるよ?」
貴音(……あれ?)
P「だろ、見習った方がいいって」
響「でも自分だって自分なりの魅力ってのがあるんだ!」
貴音「確かに響にはすばらしい魅力がたくさんありますね」
響「だろぉ? ほら、貴音もこう言ってるよ!」
P「響の言葉だけじゃ信じ切れないが貴音がそう言うなら間違いないんだろうな」
響「一言余計だよ!」
P「はは、響も貴音も魅力的だよ」
響「最初からそういってれば良かったんだ」
貴音「あなた様、よろしいでしょうか」
P「ん?」
貴音「今回のお話、というのは結局何だったのでしょう」
P「ん……あー……世間話?」
貴音「」
貴音「……では、先日の失態について、等では」
P「失態?」
響「貴音何かやっちゃったのか?」
貴音「響も居たではありませんか……その、お化け屋敷での……」
響「あれか! あれは失態なんかじゃないさー!」
P「そうだ! 貴音の魅力が発揮されたいい出来事だったじゃないか!」
響「そうだぞー、貴音すっごく可愛かった!」
貴音「面妖な……」
貴音「ならば、あなた様達がわたくしに愛想をつかした訳では」
響「そんなのありえないさ!」
P「そんなことあるわけ無いだろう!」
貴音「わたくしの取り越し苦労という訳ですか……」
響「なんだー? 貴音そんな事考えてたのかー、自分が貴音を嫌うわけなんてないぞー」
貴音「良かった……本当に……良かった……グスッ」
響「あわわ、また泣いちゃった!?」オロオロ
P「だ、大丈夫か?」
貴音「申し訳ございません……安心したら……なぜか涙が……」グスグス
響「大丈夫さー、自分は貴音の親友だからなー?」ナデナデ
P(ひびたか、こういうのもあるのか)
響「貴音は意外と泣き虫なんだなー」
貴音「……わたくしは二人に嫌われたら生きてゆけません」
響「自分だってそうさ! 貴音に嫌われたら生きていけないぞー」
P「俺もだ」
響「自分たちは、貴音が大好きだからなー」
P「あぁ」
響(言っちゃった! 大好きって言っちゃった! 声裏返らなかったよね? 変じゃなかったよね?)
貴音「響、あなた様……」
P「貴音も、俺たちの事嫌わないでくれよ?」
響「そうだなー」
貴音「当たり前です、そのような事……」
響「なら、一件落着だなー!」
P「あぁ、よかったよかった」
貴音「本当に、お恥ずかしいところを……」
P「はは、レアな貴音が見れてラッキーだったさ」
響「そうだな、今思えば貴音すっごく可愛かったぞー」
貴音「お戯れを……」
響「それにしても、何でそんな勘違いしたんだ?」
P「そうだな、俺たちが貴音を嫌うなんて有り得ない」
貴音「二人が最初冷たかったではありませんか」
P「……」
響「……」
貴音「今思えば私の勘違いだったのかも知れませんが……」
響「あははー、そうだなー、貴音の勘違いダッタンジャナイカー?」
P「ソウダネ、俺もそう思うよ」
貴音「……勘違いではなかったようですね」ニコッ
P「すんませんでしたー!」
響「本当にわるかった! ごめん!」
P「緊張しちゃったんだ、なぜか、ごめんな!」
響「プロデューサーの緊張がうつっちゃったんだー、ごめんな?」
P「俺のせいにすんなよ!」
響「本当の事言っただけじゃん!」
貴音「二人とも?」
響「ごめんなさい」サッ
P「申し訳ありませんでした」ズサッ
貴音「あなた様も……響も……いけずです」
貴音「わたくしとて、二人とは仲を深めたかったのですよ?」
P「マジで!?」
響「本当か!?」
貴音「なのに二人には距離をとられてしまいましたが……」
P「本当にごめんなさい」
貴音「まぁ、それはもう過ぎた事ですからいいのですが……」
響「ですが……?」
貴音「なぜあなた様は響を膝の上に乗せたり、わたくしの目の前で見せ付けるような事をなさったのですか?」
P「なんていうか、無意識っていうかいつものクセで……」
響「あはは、全くプロデューサーはダメだなぁ!」
P「座ってきたのはお前だろ!」
響「プロデューサーだって止めなかったじゃん! 頭撫でて来たのもプロデューサーだし!」
P「そんなこと言ったらそれだってお前もとめなかtt」
貴音「あ・な・た・さ・ま?」
P「はい、ごめんなさい」
貴音「というわけで、わたくしは傷付いているのです」
P「どうしたらいいでしょうか」
貴音「誠意を見せて頂きたいと」
響「誠意、かぁ」
P「お金?」
貴音「あなた様は……本当にいけずです…」
P「あはは」
響「今のは自分もないと思うよ、プロデューサー」
P「あ、あはは……」
貴音「普段響にしていることを、わたくしにもして頂きたいのです」
P「なんだ、そんなことでいいのか?」
響「別に普段特別な事してるわけじゃないぞ?」
P「そうだよな」
貴音「二人にとってはそうでも、わたくしにとってはそうではないということです」
P「そんなもんかねぇ」
貴音「まずは……膝の上に失礼致します」
P「お、おう……」ゴクリ
響「……」
貴音「重くはありませんか?」ス
P「おう、全然軽いぞ」
響「うがー、そこは自分の席なんだぞー」
貴音「いいではありませんか」
響「貴音だから特別だからなー?」
P(貴音が俺の膝の上に! 抱きしめてぇ! 抱きしめてぇ!)
貴音「では……続いて」
響「これで終わりじゃないのか!?」
貴音「普段していることを、と申したではありませんか」
響「うぅー」
貴音「先ほど響にしていたように、わたくしの頭を……
P「こうか」ナデナデ
貴音「これは……なんと…………面妖な……」
P「面妖て」ナデナデ
響(プロデューサーに撫でてもらってる貴音も羨ましいけど貴音を撫でてるプロデューサーも羨ましいぞ!?)
貴音「面妖な……」ギュッ
P「もっとってことね」ナデナデ
響(貴音幸せそう、超可愛いぞ……)
貴音「あなた様……」ギュッ
P「貴音……」ナデナデ
響「うがー! おしまい! おしまいだぞ!」
貴音「もうですか」
響「もうじゃないよ!」
P「……」
響「プロデューサーは残念そうな顔しすぎ!」
P「事実物足りん」キリッ
響「そんなことキリッといわれても……」
貴音「では延長と言う事で」
響「という事で、じゃないさー! そこは自分の場所なんだぞー!」
貴音「ではこうしましょう」
響「ん?」
貴音「響、私の上に座りなさい」
響「こうかー?」ヒョイ
P(さすがに二人分はちょっと重い……)
貴音「響、今日のところはわたくしで我慢してくれませんか」ナデナデ
響「!? しょ、しょうがないなー、自分完璧だからな! 我慢してあげるさー!」
貴音「ありがとうございます」ナデナデ
響(貴音に頭撫でてもらってるぞ!? 幸せ過ぎるさー!)
貴音「あなた様、手が止まっておりますよ」ナデナデ
P「悪い悪い」ナデナデ
響「プロデューサー」
P「ん?」
響「もう片方の手が空いてるんじゃないか?」
P「はいはい」ギュッ
響「えへへー」ギュッ
貴音「あなた様、わたくしも忘れられては」
P「忘れてないよ」ナデナデ
貴音「えへへ」
P「貴音も響もかわいいな!」
おわり
やはりひびたかはジャスティスだな!
ひびたかP最高ですわ
Entry ⇒ 2012.08.03 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
貴音「想いは、生死を越えて」
――22:40
あの方は、やはり覚えてはおられなかった。
ですが、それは仕方無き事。幾百、幾千の時間の流れ。それを、覚えている事の方が、特異なのですから。
貴音「…あなた様。今度こそ、わたくしは…」チラッ、
窓から見える月だけは、あの頃と、変わらぬ姿・耀きを放っています。
貴音「ふふっ。生とは、人の想いとは、まこと深いものですね」クスッ
あなた様。今度こそ…わたくしは、あなた様と…。
――10:00
――ガチャッ、
P「おはようございまーす」
貴音「おはようございます。あなた様」チラッ、
P「おっ?貴音だけか?小鳥さんは?」
貴音「小鳥嬢でしたら、社長と共に先ほど出ていかれましたよ?」
P「…あ~、契約がどうこう言ってたなぁ…。小鳥さんも一緒だったのか」
貴音「ふふっ。あなた様?そのようなところで立っておられず、座られたらどうです?」
P「そうだな。…よいしょっ」ストン
貴音「…ふふっ」クスクス
P「貴音?」
貴音「…ふふっ。あなた様は、まこと変わられませんね」クスクス
貴音「いえ、何でもございませんよ?何でも」
P「そうか?」
貴音「はい」トテトテトテ、ストン
P「あぁ、そうだ。貴音、これ」ゴソゴソ、ゴソゴソ、スッ、
貴音「何でしょうか」チラッ、
貴音「…」
貴音「…京都…?」
P「そうだ。今度、写真集出すだろ?それの場所が決まってな。場所は、京都だ」
貴音「京都、ですか」
P「嫌か?」
貴音「…ふふっ。あなた様から頂いたお仕事、わたくしが断る筈ありません」
貴音「…はっ?」
P「大丈夫。昔、少しカメラをいじってた時期があるから」
貴音「…そういう問題なのでしょうか…」
P「大丈夫だって。俺が、一番お前を近くで見てるんだ。綺麗に撮ってやるさ」
貴音「…ふふっ。期待、しておりますよ?」クスクス
―――
――
―
――11:30
P「ん~、京都だ!いやぁ、この時期の京都は暑いって聞いていたけど、そうでもないな。なぁ、貴音?」
貴音「そうですね。ここは、今も昔も変わりません」
P「ん?」
貴音「さぁ、あなた様?まずは、ホテルでチェックインを済ますのでしょう?早く、行きませんか?」
P「そうだな。さすがにこの荷物の量で歩き回るのは無理だし」
貴音「…ふふっ。無理をなさらずとも、わたくしの分はわたくしで持ちますよ?」クスクス
P「いいって。いいって。じゃあ、行こうか」
貴音「ふふっ。はい」クスッ
―――
――
―
――12:15
P「あ~、チェックインだなんだしてたら、もう昼過ぎかぁ…」グター
貴音「ふふっ。テーブルにへたったあなた様は、可愛いものがありますね」クスクス
P「ははっ。貴音にそう言われると、何だか恥ずかしいな」
貴音「…ところであなた様」スッ、
P「ん~?」グター
貴音「…おなか…空いてしまいました」グゥゥゥ
P「…ぷっ!あははっ!」
貴音「…むっ。そこまで笑わずとも…」プイッ
P「いや、悪い。悪い。じゃあ、昼メシにしようか」
貴音「…ぜひ」
―――
――
―
――14:00
P「やっぱり、旅先で食うメシは美味いな!」スタスタスタ
貴音「えぇ。まこと、美味でございました」トテトテトテ
P「じゃあ、貴音?」チラッ、
貴音「なんでございましょう?」チラッ、
P「そろそろ撮ろうと思うんだけど、どうかな?」
貴音「…ふふっ。よろしくお願いしますね?あなた様」ニコッ
P「っ!(やっぱり、貴音は綺麗だよな…)」パシャッ
貴音「…」
―――
――
―
――16:30
貴音「…ふぅ」フゥ...
P「あっ、ちょっとハイペース過ぎたか?」
貴音「いえ、大丈夫です」
P「うん。じゃあ少し休憩しようか。ちょうど、茶屋がそこにあるし」チラッ、
貴音「だから、大丈夫です…と」
P「ははっ。俺が疲れたんだよ。悪い、貴音。少し休憩な?」
貴音「…もぅっ。ふふっ」
少々強引なところも、あの頃とちっとも変わっておりませんね?あなた様。
―――
――
―
P「うん。こういう軒先で飲むお茶も風情があっていいな」
貴音「えぇ。彼女の淹れるお茶も美味ですが、それとはまた違った美味です」コクッ
P「彼女…雪歩か?」ズズズ
貴音「えぇ。彼女の淹れるお茶は、飽きません」
P「アイツのお茶、美味いもんな」ニッ
貴音「…」ポー
貴音「…」ズズッ
貴音「…あつっ」ビクン
P「大丈夫か?」スッ、
貴音「ふふっ。笑ったあなた様に、見とれてしまいました」クスクス
P「おいおい…。で、大丈夫か?火傷とかしてないか?」
貴音「…ふふっ。ありがとうございます。大丈夫ですよ?あなた様」
時折見せるあなた様の心配そうな顔。わたくしは、そこも…。ふふっ。
――18:00
P「少し暗くなってきたな。貴音、今日はここまでにしようか」
貴音「…」ジッ
P「ん?何を見てるんだ?」チラッ、
P「…凄いな。都会で見るのとは、また違った凄さだ」
貴音「…あなた様は」ボソッ
P「うん?」
貴音「…あなた様は、月はお好きですか?」
P「月?」
貴音「…はい」
P「そうだなぁ。どっちかっていうと、好き…かな?」
貴音「…ふふっ。そうですか」クスッ
P「…貴音?」
―――
――
―
むかしむかし、あるところに、ひとりのおんなのひとがいました。
ですが、おんなのひとはからだがよわく、おやしきから、いちどもそとにでることがゆるされませんでした。
そんなあるよるのこと。
おんなのひとは、ものおとでめをさましました。
はなしをきくと、おとこのひとは、おんなのひとのことがすきで、まいばんねがおをみていたそうです。
そこから、ふたりはまいばんつきがみえるころ、ふたりでないしょのおはなしをするようになったのです。
ふたりは、あっというまになかよくなり、あいしあうようになりました。
…ですが。
―――
――
―
貴音「…おしまい」
P「で、その約束って?」
貴音「…ふふっ。知りたいですか?」
P「…いや、後味悪いだろ。中途半端で終わられたら…」
貴音「…ふふっ。あなた様?」スッ、
P「ん?」
貴音「…今夜も、月が綺麗ですね」クスクス
貴音「それは」
貴音「うまれかわっても、また、つきをみながらおはなしをしよう」
貴音「…だったそうです」
P「ははっ。昔話にありきたりなラストだな」
貴音「…ふふっ。そうですか?」クスクス
P「貴音はどう思う?」
貴音「…わたくし、ですか?」
P「そう。自分がその女の人だったとして、生まれ変わっても会えるって信じられるか?」
貴音「…ふふっ。そうですねぇ…信じたい、です」
P「なんで?」
貴音「…だって」
P「…ははっ。貴音は見かけによらず、乙女チックだからな」
貴音「…ふふっ。あなた様?」
P「…うん?」
貴音「月を見ながら、帰りましょうか」
P「…そうだな。こんな綺麗なんだし」
貴音「…くすっ。おしゃべりも、ですよ?」
P「ははっ。分かった。分かった」
貴音「まこと…人の想いは、生は、深いものです。いくら越えても、変わりません」ボソッ
P「たかねー?おいてくぞー?」スタスタスタ
貴音「あっ!お待ちになってください、あなた様!」トテトテトテ
おわり
Entry ⇒ 2012.08.02 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
首領パッチ「アイドルマスターのヒロインは私よ!」
ボーボボ「何を言ってるんだ、パチ美!みんな輝かしい未来のアイドルじゃないか!」
首領パッチ「プロデューサーがそんなこというからみんながつけあがるのよ!」
首領パッチ「パチ美、知ってるんだから。プロデューサーがこのまえ貴音とラーメン食べにいったの!」
ボーボボ「う、それは……」
首領パッチ「私だってプロデューサーとラーメン食べたいのに…」
ボーボボ「パチ美…。俺が悪かったよ…、ごめん」
首領パッチ「それじゃ、プロデューサー…、パチ美とラーメン食べてくれる?」
ボーボボ「やだ」
ボーボボ「や~~~~だ」
首領パッチ「はあ!?何いってんだよ、ここはラーメン食うながれだろうが!」
ボーボボ「うるせー!てめえは黙って亀ラップ歌ってろ!」
千早「な、なんなのこれ…」
ビュティ「もうすぐで終わるとおもうから、好きにやらせてあげて…」
首領パッチ「何よ、いま私がプロデューサーと話してるのよ!」
ボーボボ「どうしたんだ、千早。」
首領パッチ「あ、やっぱそっちにいっちゃうのね」
首領パッチ「こんな時…あの人だったら私の話聞いてくれたのに…」
ボーボボ劇場
『パチ美の過去』
ボーボボ「勝手に回想に入ろうとしてんじゃねー!」 ゲシゲシッ
首領パッチ「ギャアアアアアア」
千早「……あの、プロデューサー!」
ボーボボ「どうしたんだ、何か用か?」
千早「あの、お聞きしたい事があって…」
ボーボボ「そう、それは半年前のことだった」
ビュティ「まだ何も聞いてないよ!?」
ボーボボ「最初俺は、大人の事情があるので961プロ以外にはいけませんと断ったんだが…」
ビュティ「大人の事情!?」
千早(…だからプロデューサーの声ってイライラするのね)
ボーボボ「そしたら、社長が条件をだしてくれたんだ…」
千早「条件…?」
ビュティ(ボーボボが大人の事情を跳ね除けてまで飛びつく条件って一体…)
ボーボボ「もし765プロに荷物が届いて、あのプチプチが入っていたら俺につぶさせてくれるって」
ビュティ「しょぼー!」
ボーボボ「そして俺は、765プロのプロデューサーになったのさ」
千早「プロデューサーにそんな過去が…」 ウルッ
ビュティ「今のどこに泣く要素あったの!?」
千早「あ、いえ。ちょっと人探しをしていて…。プロデューサーなら知っているかもと思って」
ビュティ「誰を探しているの?」
千早「はい、その男は私たち765プロの怨敵…」
千早「私たちが命をかけて倒すべき男なんです…」
千早「その男の名は、ボボボーボ・ボーボボ…!私たち毛狩り隊の宿敵です!」
ビュティ「ボーボボそこにいるよー!っていうか千早ちゃん毛狩り隊だったのー!?」
千早「はい、私は毛狩り隊765ブロック基地、副隊長の千早です」
千早「プロデューサー、ボーボボという男をしりませんか?」
ボーボボ「シラナイヨー」
千早「くっ…。やはりそう簡単にはいきませんか」
首領パッチ「任せなさい、千早!おなじ765プロとして、私が協力するわ!」
千早「ありがとう、パチ美。それじゃ、ボーボボの説明をするわね」
千早「ボーボボという男は、金色のアフロヘアー、そしてサングラスをしているというコトはわかっているのだけど」
千早「まったく該当者が見当たらなくて…。くっ…」
首領パッチ「なあ、こいつバカじゃね?」
ボーボボ「しっ、見ちゃいけません!」
千早「それと、仲間の首領パッチという男の情報もあります」
首領パッチ「お、俺か!」
ビュティ「それ別人だー!」
首領パッチ「ごらぁ!てめえ、人をウンコ扱いしてんじゃねーぞ!」
千早「きゃっ、どうしたのよパチ美、叩かないで、痛いじゃない!」
ボーボボ「…よし、わかった。ならばこれからボーボボを探しにいこうじゃないか!」
ビュティ「ボーボボ自分じゃない!」
千早「え…、いいんですか!?」
ボーボボ「ほかならぬ、千早のためだからな」
千早「プロデューサー…」 パァァァ
首領パッチ「何よあの子…、ヒロインぶっちゃって…!」
千早「パチ美も、手伝ってくれるんでしょう?」
首領パッチ「しょ、しょうがないわね…、でもアンタのためじゃないわよ!?」
ビュティ「伊織ちゃん差し置いてツンデレだー!?」
首領パッチ「プロデューサー、スーパーにいけばきっと見つかるよ!」
ビュティ(うわー、もう絶対あいつくるよ…)
天の助「あれ、パチ美ちゃんにボーボボじゃないか」
ビュティ「いまきたーっ!」
ボーボボ「天の助、いいところに来た、少し手を貸してほしいんだが」
天の助「なんだよ、急に…。」
千早「プロデューサー、この方は?」
ボーボボ「コイツの名はところ天の助。うれのこったところてんだ」
天の助「お嬢ちゃん、10円でどうだい」
千早「結構です」
天の助(世知辛ぇ…、世知辛ぇよ・・・!)
天の助「ああ、手を貸してほしいんだったな」
ボーボボ「ボーボボという男を捜している」
天の助「なっ…、ボーボボだと……!」
千早「え、ボーボボを知ってるんですか!?」
天の助「ああ、ヤツとは毛狩り隊Aブロック隊長だった時に死闘をくりひろげたからな…!」
千早「Aブロック隊長…、じゃあ貴方は…あのところ天の助さんなんですか?」
天の助「俺も有名になったものだな、記念にこのサイン入りぬのハンカチをあげよう」
ビュティ「いらねーーー!!」
千早「…この、裏切り者ー!」 ドカーン
天の助「ギャーーーッ!」
ボーボボ「天の助ー!」
ビュティ「彼女、毛狩り隊だから。ボーボボについた天の助くんがゆるせないんじゃないかな…」
天の助「ふざけんな!俺だって好きでボーボボと一緒にいるわけじゃねえよ!」
ボーボボ「ほう…?じゃあなんで一緒にいるんだ?」
天の助「きまってんだろ、ボーボボをぬーぬぬに改名させるためだ……。…あ。」
ボーボボ「極悪なこと考えてんじゃねー!」 ズバーン
天の助「ごめんなさぁーい!」
ボーボボ「え、なんでバレちゃったの!?」
千早「もうひとつ、彼に関する情報を忘れていました…、それは貴方がボーボボだと教えてくれましたよ!」
ビュティ(きっと鼻毛真拳だ…、天の助くんに使ったから…!)
千早「ボボボーボ・ボーボボは……意外とセンチメンタル!」
ビュティ「いままでのどこにそんな要素あったのー!?」
ボーボボ「くっ、まさか俺の最大の特徴が…!」
ビュティ「いやいやいや、アンタぜんぜんセンチメンタルじゃないからね!?」
ボーボボ「なんでものさしで俺がボーボボだってばれたんだー!」
ビュティ「それセンチメートルだー!」
ボーボボ「あらやだ、抹殺ですって奥さん!」
天の助「いやねえ、最近の子は物騒な言葉つかって!」
首領パッチ「ホント、恐いわねー。」
千早「ダジャレ真拳奥義…『布団がふっとんだ』!」 ビューン ビューン
3バカ「グハアアアア!」
ビュティ「布団が飛んできたー!」
千早「私のダジャレ真拳は、いったダジャレを現実のモノとする!」
ボーボボ「ぐっ、なんて恐ろしい技だ…!」
殺し屋「恐いぞ~?俺は恐いぞ~?」
ボーボボ「恐ぇえええええ!」
殺し屋「Auf Wiedersehen…」 ズガーン
3バカ「ギャアアアアアアア」
ビュティ「この殺し屋ドイツ人だー!」
天の助「く…、なんて技だ…!」
首領パッチ「ああ、今までの真拳使いとは桁違いだぜ…!」
千早「私のダジャレ真拳は、面白ければ面白いほど力を増す…、さあ、私のダジャレに笑い転げ、そして現実となったダジャレに敗れなさい!」
ビュティ(よくわからないけど、これだけはわかる…。きっと、下らないほど威力が増すんだ…!)
首領パッチ「奥の手!?そんなものがあんのか!?]
天の助「お前いつもそういうの後だしするよな」
ボーボボ「うるせー!」 ズガーン
天の助「ウギャアアアアアア!」
首領パッチ「それで、奥の手っていうのは?
ボーボボ「ああ、それはな、首領パッチ……」
首領パッチ「それは…!?」
ボーボボ「てめえがいけにえになることじゃー!」 ドーン
首領パッチ「やっぱそうくるとおもったああああああああ」 ヒューン
キラーン☆
ボーボボ「千早…、よくも首領パッチを!」
ビュティ「この展開好きだね」
千早「一瞬で仕留めてあげるわ…!」
ボーボボ「かかってこいやー!鼻毛真拳超奥義……!」
パカ
ボーボボ「『感動の再会』!」
ビュティ「アフロの中から男の子がでてきたー!」
千早「…ゆ…、優くん……!?」
優「………」 ビリッ
首領パッチ「んなわけあるかボケー!」
ビュティ「コイツら最低だーー!」
千早「くっ…、許さない!よくも優くんをもてあそんでくれたわね…!」
千早「全員まとめて、葬ってあげるわ!」
千早「えっ…」
ボーボボ「それを今から教えてやる!鼻毛真拳超奥義……!」
ボーボボ「8×5=72!」 ズバーンッ
ビュティ「思いっきり式まちがってるー!?」
千早「ぐはっ…」
千早(これが、ボーボボの力…!)
千早(私ごときに、勝てるはずがなかった…) ドシャッ…
ボーボボ「アイドルは、バカでもいいんだ。」
ビュティ「なんかキレイにしめたー!?」
ビュティ「千早ちゃんは、副隊長って言ってたからきっと隊長がいるはずだよ」
天の助「となると、その隊長を探す必要があるな」
首領パッチ「探さなくてもよー、どうせ春香だろー?事務所にいきゃいいじゃん」
ボーボボ「身も蓋もないこと言うなー!」 ズガーン ピューン
ビュティ「でも、春香ちゃんじゃないにしても、きっと765プロのアイドルの誰かだよ!」
ボーボボ「となると、早く戻ったほうがよさそうだな」
天の助「…立てるか、千早」
千早「…て、天の助…さん」
天の助「どうだ、お前もこないか俺たちと一緒に」
千早「え、でも…私は……」
天の助「気にするな。俺だってもともとは毛狩り隊。それも隊長だからな」
千早「……ありがとう、天の助さん。」
765ブロック副隊長千早撃破&仲間入り
ボーボボ「おらー!隊長いるんだろー!出てこいやー!」
首領パッチ「ここにいるのは分かってんだぞ!」
天の助「はやくしないとこの中ところてんまみれにするぞー!」
千早「…そういうコトだから、はやくでてきなさい。春香」
春香「やっぱり、ボーボボだったんですねプロデューサーさん」
首領パッチ「ほらな!いった通りだろ!?」
千早「気をつけてください、天の助さん、みなさん…。春香は私以上の真拳使…」
チュドーン
ビュティ「千早ちゃんっ!?」
春香「ち~はやちゃん、おしゃべりはよくないよ?」
ボーボボ「天の助ぇ!首領パッチぃ!相手の技はまだよくわからんがビビるんじゃねえぞ!」
天の助・首領パッチ「おうよ!」
ボーボボ「……」カタカタカタ
天の助・首領パッチ「てめえがビビってんじゃねーか!」 ズガーン
春香「私は暗黒閣下真拳の使い手。…そして、この地区の隊長ですよ、隊長!」
ボーボボ「なんかすっごい強そうなのきちゃった!」
天の助「あわわわ、千早が一撃でやられるほどの威力…」
首領パッチ「コイツは一筋縄じゃいきそうにねえな…」
ボーボボ「しかし、お前は所詮小娘!俺の敵じゃねえ!」
ボーボボ「──って、天の助がいってましたー!」 ガシッ ピューン!
天の助「えええええええ!」
春香「暗黒閣下真拳奥義『破滅のグランドクロス』!」 グシャァアア
天の助「ぎゃあああああ」
ビュティ「なんか凄い強そうな技がきたー!」
首領パッチ「よし、次はお前だボーボボ!」
ボーボボ「何いってんだよ、お前が行けや!」
首領パッチ「何いってんだよ、主人公は最後にいくんだよ!」
ボーボボ「…首領パッチ、お前は主人公じゃねえ!」
首領パッチ「!」
首領パッチ「…そうだった、おれは主人公じゃなかったんだ…」
首領パッチ「おれはなんて大事なことを忘れていたんだ…、スピンオフで主人公になってうかれちまってたのか…」
首領パッチ「なんてバカな男だ…、俺は。…俺は、俺ってヤツが…」
怒んパッチ「許せねえよ」
春香「でも、そんなこけおどし、通じない!」
春香「暗黒閣下真拳奥義『わた春香さんは究極のエンプレス』!」 ギュゥゥゥイイイン チュドーン
怒んパッチ「こけおどしとは、舐められちまったな…。そんな不甲斐ない俺がゆるせねえ。」 ガシっ
春香(手でつかんだ!?)
怒んパッチ「あれは、半年前のことだ。」
怒んパッチ「春香、おまえは俺に缶ジュースをおごってくれたよな?」
怒んパッチ「実はあれ、飲みきる前に落としちまったんだ…」
怒んパッチ「そんな俺を許せるわけねえだろう!」 チュドーン
春香(跳ね返してきた!?」
春香「なんの、暗黒閣下真拳奥義!『MAKOTO☆GUARD』!」
真「ぐふう!」
ビュティ「ウチと同じ戦法とってきたー!?」
ビュティ「誰もボーボボには言われたくないと思うよ」
怒んパッチ「遊びは終わりだ、春香。真を巻き込んじまった俺を許せない俺は、お前には負けないぜ。」
春香「……暗黒閣下真拳究極奥義!『アイドルマスター』!」
ドドドドドドドドド
怒んパッチ「なんだ、この音…」
春香「この奥義はアイドルマスターシリーズの総売上数だけのダメージを相手に与える!」
怒んパッチ「ぐはっ……」
首領パッチ「負けちゃった……」 ドシャァア
春香「プロデューサーさん、負けですよ、負け!」
ボーボボ(ぐっ、どうすれば…!)
天の助「ボーボボ、こうなったら融合だ!」
ボーボボ「そうか!融合戦士になれば勝機はあるかもしれん…そういうわけでいくぞ千早!」
ビュティ「えええええ!千早ちゃん気絶してるのにー!?」
ボーボボ「鼻毛真拳究極奥義『聖鼻毛融合』!」
春香(プロデューサーさんと、千早ちゃんの合体……!?)
ボ早「旋律は奏でられた(融合完了)」
ビュティ「なんかキザっぽいのがきたーっ!?」
ボ早「刹那の時を奏でる曲は美しい(この姿でいられるのは一分だけだ)」
ビュティ「何いってるかぜんぜんわからーん!」
ボ早「さあ、奏でよう(かかってこいよ)」
春香「な、なんか訳のわからないことになったけど…!」
春香「私の暗黒閣下真拳の前には敵はないよ!」
ボ早「愚かな歌い手。不協和音は続かない(ザコが、お前の命はあと30秒だ)」
春香「暗黒閣下真拳超奥義!『閣下は退屈しておられる』!」
ボ早「…fu(ふう、やれやれ)」
ボ早「鼻毛真拳超奥義『俺は売れてもヴィジュアル系の誇りとして化粧をうすくしない!』」
ズガガガガガガ
春香「わ、私の技が…跳ね除けられてる…!?」
ズバアアアアアアアン
春香「グハアアアアアア!」
ボ早「さあ、凱歌を歌おう、高らかに。(俺の勝ちだ)」
田楽はボーボボの尻から入ったよな
ってことは・・・
ボーボボ「終わったな…。」
ビュティ「ボーボボ!」
千早「…は、春香!」
天の助「くそ!なんて天ボボじゃねえんだ!」
首領パッチ「ママー、天ボボよりもパッチボボがいいよー」
天の助「いけません!この子ったら!」
千早「春香、春香!」
春香「ちはや…ちゃん…」
千早「よかった、無事みたいね…」
春香「なんだかんだで、プロデューサーさんが手加減してくれたみたい」
ボーボボ「毛狩り隊であろうと、俺はお前たちのプロデューサーだからな」
春香「プロデューサーさん……」
ビュティ「でも、これでこの地区の基地は制圧したし一件落着よね」
春香「…ううん、まだですよ、まだ」
春香「実は、私は隊長代理なの…、本物の隊長は別にいるの…」
千早「ちょっとまって、そんな話私もしらないわ!」
P「だって、お前は代理じゃないからな、教える必要がなかったのさ」
千早「…!あなたは……!」
首領パッチ「だれ?」ホジホジ
P「やあ、ボボボーボ・ボーボボ。俺が君の前任のプロデューサーさ」
ビュティ「…それじゃ、貴方が…?」
P「その通り、俺がこの地区の毛狩り隊をすべる男!」
P「毛狩り隊765ブロック基地・真隊長「P」だ!」
首領パッチ「Uくんとかぶってるじゃないー」 バシーン
P「!?」
天の助「U君って?」
ボーボボ「さあ。」
首領パッチ「U君にあやまりなさーい!」
P「765真拳奥義『魔神剣』!」 ザシュッ
首領パッチ「ぎゃああああ」ズバッ
首領パッチ「……キレテナーイ」
ビュティ「切れてるよ」
ボーボボ「ボゲーはハドソンじゃー!」 ズガーン
P「ぐはあああ!」
首領パッチ「てめー!ハドソンの技つかわねえとかなめてんのか!」
天の助「ふざけんのもたいがいにせえやー!」
ビュティ「でも、スポンサーおりたよね」
ボーボボ「……」
首領パッチ「……」
天の助「……」
3バカ「バーンナム!バーンナム!」
P(まさかこいつら……ハジケリストなのか!?)
P「こい!ストライクフリーダム!」
ボーボボ「……」
ビュティ(ボーボボが凄い怒ってる…、何があったの…!?)
ボーボボ「なんでムウが生きてるんじゃー!」 ドーン
P「うわああああ!ストライクフリーダムがー!」
P「ふん、やっぱりこれじゃだめだな…よし、ならば!ゴッドガンダムだ!」
ボーボボ「ならばこっちは、出でよ、ボーボボロボ!」
なぞのおっさん「やあ」
ボーボボ「いまのなに?」
P「ボーボボロボじゃないの!?」
ビュティ「てかこれムテキマンネタだー!」
P「やれ、ゴッドガンダム、石破……」
ボーボボ「撃て!私と一緒にデビルガンダムを!」
首領パッチ「えぇ…」
ボーボボ「早く!私の体ごとコクピットを吹き飛ばすんだー! 」
首領パッチ「そんな!…嫌だぁ!僕には出来ない!」
ボーボボ「甘ったれた事を言うな!その手に刻まれたハナゲの紋章の重さを忘れたかぁ!」
首領パッチ「紋章の重さ…」
ボーボボ「お前がこいつを倒すための礎となった仲間たちの事をおもいだせぇー! 」
首領パッチ「…!」
ボーボボ「お前もキング・オブ・ハジケの紋章を持つ男なら 情に流され!目的を見失ってはならん!」
首領パッチ「…」
ボーボボ「やるんだ!デビルガンダムの呪いから私たちを解き放つためにもぉぉぉ!」
天の助「やめろパモン!貴様、実の兄をその手で殺めるつもりかぁー!」
千早「なんなのこれ…?」
ビュティ「いつものことだから、やらせてあげて……」
天の助「「・・・・なあパモンよ・・・・・お前には教えられたよ。」
ビュティ「いきなり場面とんだー!?」
P「ええい!俺も無視するなー!石破天驚拳ーーっ!」
Gガン「ウガアアアアア」 チュドーン
3バカ「ギャアアアアアアアッ」 ドカーン
ボーボボ「ぐぅ…、強すぎる…!こうなったら、助っ人をよぶしかねえ!」
首領パッチ「助っ人?誰よ」
ボーボボ「電話でよぶ」
ビュティ「電話すんの!?」
ボーボボ「あ、もしもし。まっつん?うん、ちょっと手をかしてほしいんだけど」
ボーボボ「うんうん、あ、いや。タコじゃくてさー。ね、いいでしょー?」
ボーボボ「あぁ!?かさねーと澤井にいいつけんぞこら!」
ビュティ「なんか作者の名前でてきたー!?」
ボーボボ「え、いいの?ほんとに?いやあ、悪いなあ。」
ボーボボ「……話はついた。早速助っ人召還だ」
パカッ
ネウロ「この謎はもう、我が輩の下の上だ」
ビュティ「ネウロでてきたー!?てかさっきの電話の相手松井先生かよ!」
ボーボボ「あ、ネウロさんお久しぶりです!」
ネウロ「これはボーボボさんじゃないですか…、この間はお世話になりました。」
ボーボボ「あの探偵さんとはうまくやってます?」
ネウロ「それが、先生は相変わらず僕を虐待していて…」
ビュティ「いいいいい、一番組んじゃいけない二人が組んじゃったよ…」
ボーボボ「それはそうと、あのガンダムとかいうの調子のってるんでやっちゃってくれません?」
ネウロ「貴様、誰にむかって命令している」
ボーボボ「え」
ネウロ「我が輩にお願いをするときは、靴を舐めるのは礼儀であろう」
ボーボボ「ふざけんなー!てめえの作者澤井のアシだろうが!」
ネウロ「作者の上下関係など知ったことか」
ボーボボ「ゆるさねえ!あのガンダムより先にてめえをぶっとばす!」
ネウロ「魔界777ツ道具──」
ボーボボ「すませんでしたー!」
ビュティ「あやまったー!?」
ボーボボ「だって恐いんだもの!あの人恐いんだもの!」
ボーボボ「もう靴でもなんでもナメナメしますから、あの人やっつけちゃってください!」
ネウロ「ほう…」
ビュティ(今凄いいやな笑み浮かべた!)
ネウロ「よかろう、我が輩そこまで頼まれて動かないほど冷血ではないからな」
ネウロ「ただし、奴隷が主人を動かすのだそれ相応の対価は払ってもらうぞ?」
ボーボボ「はい!もうなんでもしますんで!」
ネウロ「……」ニヤ
ビュティ(絶対鬼畜なことかんがえてるー!)
P「いけ!石破天驚拳!」
Gガン「ガアアアアア」チュドーン
ネウロ「魔界777ツ能力──『醜い姿見』」
P「なっ…!}
Gガン「ガアアアアア」 ドカーン
P「跳ね返された…だと!?」
ネウロ「この能力は、来たものを来た方向に来たスピードでそのまま返すものだ」
ネウロ「そのような攻撃では我が輩は討てんぞ、ミトコンドリアめ」
P「765真拳超奥義!『きりもみアタック』!」
ネウロ「ふん」 ガキィン!
P「え、…受け止められた…!?」
ネウロ「貴様の力はその程度か…?ならば我が輩、ヒマではないのでな…」
ネウロ「即刻で終わらせてもらおう」
ネウロ「魔界777ツ能力──『花と悪夢』」
ドスッ グチャァアア
P「がふっ…ぐはっ…げほっ…!」 ボタボタボタ
ネウロ「あの怪盗サイですら深手をおった能力だ、人間では受けきれまい。」
P「…ぐぅっ、765真拳超奥義『キュア』!」
ビュティ「あ、回復しちゃった!」
P「はははは!お前がどんな攻撃をしても、すぐに回復してやる…!」
ネウロ「 ほ う 」 ニヤァ
天の助「なんて人よんじゃったのさー!」
ボーボボ「だって殺せんせーじゃ心もとないとおもったんだもん!」
天の助「マッハ20もありゃ十分だろうがー!」
首領パッチ「どうすんだよ、まじでアイツ終わったら何要求してくるかわかんねーぞ!」
ボーボボ「大丈夫、そうなったら遊戯さんにきてもらうから。」
天の助「あれ、お前のアフロに書きおきが…」
遊戯『現在決闘中なので助っ人に行けません』
ボーボボ「ゆうううううううぎさあああああああああん!!!」
ネウロ「ならば、好きなだけ回復するがよい」
ネウロ「我が輩もその隙を与えてやろう」
ネウロ「さて、我が輩。先ほどヒマではないといったが」
ネウロ「我が輩気が変わってしまった、今ものすごくヒマだぞ」
ネウロ「…故に、今から貴様を調教してやろう」
P「…調教だと!?」
ネウロ「貴様も人を躾ける立場なのであろう…?その貴様に我が輩が直々に躾けの作法を教え込んでやろう」
ネウロ「たとえそれ生まれたての子犬であろうが、己より下と断じたモノのいうことはきかん」
ネウロ「さあ、貴様と我が輩どっちが上だ」
P「訳のわからないことを…ん?」
ネウロ「 ど っ ち が 上 だ ? 」 ギィンッ
P「う、うひゃあああああああああっ!?」
ネウロ「上下関係をはっきりさせた後は、たっぷりしつけてやればいい。」
ネウロ「言うことをきかないようなら、無理やり聞かせてやるのだ」 ガスガス
P「うげっ、げほっ…!」
ネウロ「…さあ、回復させてやろう」
P「……」 フルフル
ネウロ「聞こえなかったのか、回復しろと命令しているのだ」
ネウロ「さて、次のステップだが」
ネウロ「躾け通りにできた場合は褒めてやらねばならん」
P(…よし、少なくとも危害はくわえられない…いや、しかし褒めるとかいってなにかを…!?)
ネウロ「まあ、このステップが我が輩の気が乗らんからパスだ」
ビュティ「えええーーー!?」
ネウロ「さて、次だが…」
P(ころされる…、このまま殺される!)
P「うわあああああああ!どうせやられるなら刺し違えてやるううう!!」
ボーボボ「ネウロさん!(裏声)」
ネウロ「ふん」 ガキィン
P「あ、…ああ…あああ…」
ネウロ「どうやら、貴様にはお仕置きが必要のようだ」
ネウロ「魔界777ツ能力──『激痛の翼』」
天の助「知っているのか、ボボ電!」
ボーボボ「あれはネウロさんのお気に入りの能力…、彼のしたいことを察知して動く…!」
P「う、うあああああああ!」 ダッ
千早「逃げたっ!」
ネウロ「まず、一枚目の翼が相手の動きを封じ…」 ガシッガシッ
ネウロ「二枚目の翼が相手の体内に入り込み」 ドスッドスッ
ネウロ「体内で思い切り羽ばたくのだ」 ギチギチ
P「ギャアアアアアアアアアアアア」
ネウロ「もちろん、急所は狙わん。その周りの肉を丹念に丹念にミンチにするのだ」 グチャグチャ
P(か、開放され……た)
ネウロ「次はこれだ。魔界777ツ能力──『生まない女王様』」
P「ひっ、ぎいいい…」
ネウロ「これは脳を支配し、たったひとつの食物しか求めないようにするものだ」
ネウロ「今回は…──ところてんだ」
ビュティ「ええええええ!?」
P「っ…、かっ…あっ…!」
ネウロ「どうした?はやくところてんを食わねば窒息してしまうぞ?」
P「ぐ…あ…」
天の助「ほれほれ、俺を食いたいか?」
P「……」 フルフル
天の助「なんでじゃー!」 ズバーン
P「ぐはっ」
春香「えぇっと、あ、ここにあるよ!」
千早「ありがとう…、元プロデューサー!」 ヒョイッ
P「あ……あっ!」
グシャアアッ
ネウロ「おっと、すまんな。間違えて踏み潰してしまった」
ネウロ「しかし、ところてんには変わりない。食えばその間は呼吸ができるぞ?」
P「う…あ…」 ネチョ モグモグ
首領パッチ「おれ、泣きながらところてん食うやつ始めてみたよ」
ボーボボ「俺も…」
P(やばい、やばすぎるぞコイツ…!)
P(しかし、俺の究極奥義で地獄におくってやる…) モグモグ
P「765真拳究極奥義!『クリフォト落とし』!」
P「はーっはっは!クリフォトの瘴気に当てられ死んでしまえ!」
ネウロ「はははは!」
P「な、なにがおかしい…!」 モグモグ
ネウロ「言い忘れたが我が輩、魔界出身なのだ」
ネウロ「つまり、この瘴気は我が輩にとっては貴様らにとっての酸素も同然」
ネウロ「墓穴を掘ったな」
P「ひっ…ひぃいいいい!!」
ネウロ「しかし、瘴気を用意できる貴様に敬意を表し、魔界王の護身兵器を見せてやろう」
ネウロ「魔帝7ツ兵器──『深海の蒸発』」
チュドーン
P「がっはっ……」
765ブロック基地・真隊長P 撃破
首領パッチ「ネーウロさん!ネーウロさん!」
天の助「ネウロさん!ネウロさん!」
ネウロ「ふむ、思わぬところで瘴気に触れることができたな…」
ネウロ「さて、貴様ら。我が輩をここまで働かせたのだ……、わかっているな?」ニヤァ
3バカ(こえええええええええっ!)
ネウロ「…そうだな、貴様らは今日から我が輩の奴隷だ」
ネウロ「異論はないな?」
ボーボボ「ふざけんな!誰がてめえの奴隷になるか!」
ボーボボ「って、春香がいってましたー!」
ビュティ「まさかの春香ちゃんに振ったー!?」
ネウロ「ほう」
春香「いってません、いってませんって!」
ボーボボ「あ、おつかれっしたー!」
首領パッチ「あざっしたー!」
天の助「お世話になりました!」
ネウロ「魔帝7ツ道具──『飛んで虫に入る火』」
バシュンッ
ビュティ「いっちゃったね」
ボーボボ「ばーか!ばーか!ネウロのばーか!」
天の助「あほー!へんたーい!」
首領パッチ「二度とくんじゃねーぞ!」
ヒューン
チュドーン
3バカ「ギャアアアアアア」
ビュティ「あーあ……」
春香「千早ちゃん……、大丈夫かな、元プロデューサーさん」
ボーボボ「大丈夫、彼ならきっと立ち上がれるさ。」
prrrr
ボーボボ「あ、電話だ」
ボーボボ「ウィ、私だ…」
ボーボボ「今かけてくるんじゃない!」
ピッ
首領パッチ「誰からだ?」
ボーボボ「なんか、冬馬とかいうしらないやつから」
天の助「ははは、だれだよそれ」
千早「この人完全に黒井社長だーっ!」
春香「あ、本当だ」
ビュティ「みんなランクインできてるかな?」
1位:「亀ラップ」ボボボーボ・ボーボボ
2位:「亀ラップ」ボボボーボ・ボーボボ
3位:「亀ラップ」ボボボーボ・ボーボボ
4位:「亀ラップ」ボボボーボ・ボーボボ
5位:「亀ラップ」ボボボーボ・ボーボボ
6位:「亀ラップ」ボボボーボ・ボーボボ
7位:「スネ毛ロマン」ビビビービ・ビービビ
8位:「亀ラップ」ボボボーボ・ボーボボ
千早「プロデューサーが上位独占してるー!」
春香「しかも全部亀ラップだー!」
ビュティ「何気にビービビさんがランクインしてる!?なんだスネ毛ロマンって!?」
ピッ
ボーボボ「つまりですね、現代社会において…」
ピッ
ボーボボ「来週もまた見てくださいね!じゃんけん…」
ピッ
ボーボボ「4番サードボーボボ…」
ビュティ「地上波がボーボボにジャックされてるー!?」
魚雷ガール「おふざけはゆるさなーい!」 ドカーン
ボーボボ「グハアアアッ」
魚雷ガール「なぜなら私は魚雷だかr…」
シュウウウウウウ
OVER「…あぁ。んだぁ?ここは…」
ビュティ「出てきて早々OVERにもどったー!?」
ボーボボ「てめえ!性懲りもなく出てきやがったのか!って…」
天の助「ボーボボがいってましたー!」
ボーボボ「あらやだこのこ、先を越されちゃったわ!」
OVER「……てめぇら、毎度毎度おれをコケに…」
ボーボボ「とっとと消えろやぼけー!先生じゃないおまえに勝ちはねー!」 ズバーン
OVER「ぎゃああああああ!」 ヒューン キラーン
こうして、ボーボボたちは765ブロックを制圧した
千早と春香は毛狩り隊をやめ、アイドルとしてがんばることをボーボボたちにちかった。
そして数日後
ビュティ「みんな、千早ちゃんから手紙がきてるよ!」
ボーボボ「へー、どれどれ…」ビリッ
ビュティ「やぶったー!?」
首領パッチ「へ、へ、へっくしょん!」 チーンッ
ビュティ「鼻かんだー!?」
ボーボボ「じゃーん!実はニセモノでしたー!」
天の助「本物はここにあるよーん!」
ビュティ「もう、まったく。それじゃ、読むよ」
ボーボボ劇場
ビュティ「いちいちしなくていいの」
私はアイドルとしてやっと芽が出てきたところです。
これも、プロデューサーさんや、天の助さんのおかげです。』
首領パッチ「おれは!?おい、俺は!?」
『あの時、天の助さんが仲間にさそってくれなかったら
きっと私はあのままだったでしょう。
ですから、天の助さんには感謝しています。』
ビュティ「よかったね、天の助くん」
天の助「よせやぁい」
『もし、私がもっと人気が出て、大きなライブを開けるようになったら、ぜひ身に来てください。
きっと、春香もよろこびますから。』
ビュティ「…だってさ。」
ヘッポコ丸(俺がいない間にそんなことに……)
ビュティ「ねえ、ライブ。今度みにいこうよ!」
ボーボボ「そうだな…」
首領パッチ「ヒロインはこのパチ美ってことを思い知らせてあげるわ!」
ビュティ「はいはい…」
そのころ、田楽マンは765ブロックで一人さまよっていた
終
連載取れるように頑張れよ
へっぽこ丸はほら、うん……他のアイドルおっかけてたんだろ
Entry ⇒ 2012.08.01 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「エロ本の顔のところが全部川島さんになってる……」
P「……本棚のも、ベッドの下のも、押し入れに隠しておいたのも……」
P「……全部、顔が川島さんになってる……」
P「……部屋が荒らされた痕跡は無いが、一体だれがこんなことを……」
P「……」
P「とりあえず、今日はPC内の画像でやろう」
川島さん
P「おはようございます。今日も一日頑張りましょう!」
留美「おはよう……その調子だと、昨日もまた徹夜をしたみたいね?」
P「ええまぁ、恥ずかしながら仕事が片付かずに……」
留美「もう、私たちのために頑張ってくれてるのは嬉しいけれど……社会人なら、自分のコントロールもきちんと出来なきゃダメよ?」
P「はぁ……面目ないです」
留美「あなたが望むなら、私が毎朝起こしに行ってもいいけど……どうかしら?」
P「いえ、そこまでは。それに、今が旬で頑張ってる和久井さんに迷惑なんてかけられませんよ」
留美「……迷惑なんかじゃないんだけど。そう……」
和久井さん
P「わかってますよ。無理はしません」
留美「そうかしら?……今まで見てきたあなたのことからすると、あてにならないような気がするけど」
P「む」
留美「ねえ、家でどんな仕事をしてたの?」
留美「昨日は『仕事も順調だし、久しぶりにゆっくり休める』って言ってなかった?」
P「それは……」
P(さすがに昨日の晩のことは、事務所のアイドルに言うわけにはいかない……)
留美(……)
留美「……ふぅん。なら、ちゃんと社長に言わないとダメね。私のプロデューサーにあまり負担をかけないようにって」
P「いや、大丈夫ですから。全然」
留美「そうは見えないけれど。目の下にクマがあるし」
P「いや、自分で言えますから。本当に」
留美「そう……ならいいけど。これだけは覚えておいて」
留美「あなたが倒れる姿なんて見たくないの。今は仕事よりもあなたの方が大事だから」
留美「Pさん……あなたと一緒に歩めなくなるなんて、私はそんなの、考えたくも無いわ」
P「……」
P(今日は余計なことはせずに、帰ったらしっかり休もう) ……ツジガニヒキ!
P(その為に、今ここで事務仕事は全て終わらせる……!) ……ヒツジガサンビキ!
P(スタミナドリンクもたくさんあるし、頑張ればいけるはずだ……!) ……ナヒツジガヨンヒキ!
P(やるぞ、うおおおおお!) ……ニナヒツジガゴヒキ!
P「……」
「……」
P「……何やってるの、仁奈」
仁奈「ふふん、よくぞ聞いてくれやがりましたね!」
市原仁奈
仁奈「こうやって仁奈ヒツジがPの周りをグルグルすることで……」
仁奈「Pもたまらず仕事をやめて眠っちまうはずです!」
仁奈「そうなったら……フッフッフ、隣で仁奈が添い寝をするでごぜーますよ!」
P「はぁ……なるほど、ねぇ」
仁奈「ちなみに杏おねーさんは3匹目で寝たでごぜーますよ!」
P「アイツは……!」
仁奈「さあP! さっさと眠りやがれです!」
仁奈「うー……」
P「これが終わったら、一緒に寝たり遊んだりしよう? な?」
仁奈「……Pは、最近そればっかりなのです」
P「え?」
仁奈「仁奈のこと、全然かまってくれねーのです」
仁奈「でも、Pは最近、おねーさんたちに構ってばっかで、全然仁奈のこと見えてくれないです」
仁奈「……お仕事だけだと、ヒツジだって寂しくなるですよ」
P「仁奈……」
仁奈「……ってなわけでP! 仁奈ヒツジを数えやがれで――」
P「……よし」 ヒョイ
仁奈「う?」
仁奈「P? お仕事はいいのです?」
P「仁奈ヒツジを数えてたらどうでもよくなった」 モフモフ
仁奈「モフモフ……モフモフしやがりますか? そんなにモフモフしてーのでごぜーますか?」
P「うん。キグルミパワーは凄いな」
仁奈「……フッフッフ。そういうことなら仕方ないのです。思う存分モフモフしてくだせーませ!」
P(……まぁ、結構大事な書類だけど。期日まではまだ余裕あるし)
仁奈「~♪」
P(今は仁奈と遊んでたって問題は無いだろ、うん)
P(……本当に眠くなってきたな……)
仁奈「おねむです?」
P「仁奈ヒツジのおかげでな…」
仁奈「これがキグルミパワーでござーますよ。思い知ったかです」
P「ああ……じゃ、おやすみ……」
仁奈「おやすみなさい♪」
「…………」
P「ただいまー……って誰もいないんだけど」
P「ふう……どうにか片付けなきゃいけない仕事も終わったし」
P「今日はさっさと寝て明日に……ってアレ」
P「あれ、俺PC付けっぱなしで出かけてたのか……」
P「ちゃんと節電しなきゃな……っ!?」
P「こ、これは……」
P「……PCのデスクトップ画面が、川島さんのパジャマ姿になってる……」
P「しかも、フォルダ内の画像が全て川島さんに……」
P「……一体、誰が……」
P(……玄関が荒らされた痕跡も無かったし、部屋が物色された様子もない)
P(心霊現象、なわけもないし……)
P(……あのままおかしなことが続くようなら、警察に届け出を……)
「深刻な顔してるけど、何かあった?」
P「うわっ!?」
P「あ、すいません川島さん。ちょっと考え事をしていたので」
川島「もう、こっちまでビックリしちゃったわ」
P(川島さん……)
P(彼女は、俺自らスカウトしてきたわけではなく)
P(スカウト活動をしていたら向こうから声をかけてきたという、珍しいタイプの出会い方をした)
プロデューサーとして率直な意見聞かせてちょうだい。ホントのことだけ教えて?』
『え? あ? え?』
『私、前はアナウンサーもやってたのよ。声にも自信があるんだけど』
『あ、はぁ……』
P(……その勢いに押されて、なんとなく事務所にまで連れてきたら社長に大受けして)
P(そのまま俺がプロデュースすることになり、今までやってきた)
P(実際、それなりにヒットして、人気投票の中間発表でも結構な上位に食い込んだが……)
川島「……ねえ、何? さっきから私の顔のことジロジロ見て」
P「いや、何でも無いですよ」
P(……そもそも、俺は彼女に住所とか教えてないし)
川島「?……なにもないなら、いいんだけど……なんだか、釈然としないわね」
P「いえ……ところで最近、何か変わったこととかは無いですか?」
川島「? 得には無いと思うけど……」
P「ふむ……そうですか、ありがとうございます」
川島「ええ……?」
P(……それから、数日)
P(定期的に購入している雑誌の表紙に川島さんの顔が貼られていたり)
P(漫画のヒロインの顔に川島さんの顔が貼られていたり)
P(朝起きてポストの新聞を取ったら見出しに川島さんの顔が貼られていたり)
P(しかも、いっさい痕跡がわからない……)
P(時間も無いし、あまり警察に頼りたくは無いんだが、こうなったら仕方ないかもしれん……)
P「うーん……」
「ふっふっふ、どうやらお困りのようだな!」
P「お、お前は!?」
P「いや、お前今日仕事じゃ……?」
晶葉「この天才博士が助手の悩みを放っておけるか! そんなものは私の代理ロボに任せてきた!」
P「おい」
晶葉「……いや、その冗談だよ……何でも相手方が急用らしくて、キャンセルされた」
P「はあ……」
晶葉「さぁさぁP! 私にどーんと話してみせろ!」
[天才ロボ少女]池袋晶葉
晶葉「そう水くさいことを言うな、私たちは一蓮托生のパートナー……」
晶葉「助手の問題を放置しているなど、この天才の頭脳がすたる!」
P「うーん、でもなぁ……あまり人に話せることでも……」
晶葉「むう……しかし、私たちの間で噂になっているぞ? 最近プロデューサーの様子がおかしいって」
P「あー、やっぱりか……」
晶葉「みんな心配しているし、私にとっての君は唯一無二の相棒だ。放っておけるハズなどない」
P「ふーむ……」
P(……まぁ、確かに)
P(このまま黙っているよりは、誰かに話した方が解決策も思いつくかもしれない……)
P「……わかった、晶葉には話すよ。相談にのってくれ」
晶葉「本当か! よし、任せろ!」
P(エロ本の辺りのことは触れずに話してみよう)
晶葉「ふむ、つまり……正体は掴めないが、何やら不審者らしき者が、Pの家に出入りしていると?」
P「ああ、今のところ実害は無い……のかな? 金品や貴重品の類は一切取られてないし、荒らされた様子も無い」
晶葉「ふむ……なら、ちょうどいいものがあるな」
P「お?」
晶葉「私のお手製セキュリティロボ、防犯サーチくんの出番だ!」
P「ああ、監視カメラね……」
晶葉「むう、その言い方はロマンが無くていけないな」
晶葉「ふふん、そうだろう。しかもこの防犯サーチくんはとてもコンパクトだからな
仕掛けやすいしまずバレない」
P「なるほど……」
晶葉「とりあえず、一つ仕掛けてみてはどうだろう。警察に行くにしても証拠があった方がやりやすいだろう」
P「ふーむ……」
・・・・
P「というわけで、朝方、出かける前に居間に一つ仕掛けてみて」
P「仕事から帰ってきたわけだが」
P「さて、何か写っているだろうか……」
P「再生してみよう……」
P(ちょっと早送りしてみよう……夕方あたりまで……っと!?)
P(入ってきた!? 誰か入ってきてる!)
P(顔は……川島さんのお面を付けてるから、誰かはわからない……)
P(体格は……女性?)
P(本棚を漁ったりしているが……内容を見たら、すぐに元の場所に戻している……な!?)
P(ハサミとノリで……川島さんの顔写真を本に貼り付けている!?)
P(ちょっといったんストップ! 確かめてみる!)
P「……は、貼られている。川島さんの顔……」
P「!?」 ビクッ
携帯<プルルル プルルルルル
P「……は、はい…もしもし……?」
晶葉『……もしもし? P? 私だが』
P「あ、ああ……なんだ、晶葉か……」
晶葉『?……凄い声が震えているが、その様子だと、何か収穫があったようだな?』
P「ああ……凄いよ…」
P「ああ、今、映像を再生しながら電話してるんだけど」
晶葉『ほう……?』
P「この人、うちを物色してるんだけど……色々と漁った後、一応元の場所に片付けてる」
晶葉『なんと……』
P「何のためにこんなことしてるのかよくわからないな……あ、今冷蔵庫を開けた……けど、中身を見ただけで閉じた」
P「……うわっ、ゴミ箱漁ったりしてる……」
晶葉『……』
P「あ、押し入れの中に入った……んで、中々出てこない」
晶葉『……』
P「うーん……あ、映像が止まった。ここで俺が帰ってきたんだな」
晶葉『……ん?』
晶葉『……』
P「ありがとう晶葉、おかげで助かった」
晶葉『……あの、P』
P「ん?」
晶葉『最後にソイツは、押し入れに入ったんだな?』
P「ああ」
晶葉『それで中々出てこなくて、その後にPが帰ってきたんだな』
P「ああ……?」
晶葉『そこで映像が終わってるってコトは……つまり――』
――ガラリ、と。
すぐ近くで、何かが開く、音がした。
晶葉『お、おい……? P……?』
ヒタヒタと、足音を立てて、誰かが背後から近づいてきている。
距離としては非常に近い、狭い部屋の中なのだが。
何故だか、とても遠くから、ゆっくりと歩いてきているように感じた。
唾を飲み込む。
エアコンによって部屋の温度は最適に保たれているというのに、流れる汗が止まらない。
この不快感はどこから来るものか。
晶葉『どうした? なにかあったのか?』
……消した画面に視線を向けてみれば。
自分の背後から近付いてくる、川島さんのお面を付けた何かが、反射されて映っていた。
怖気と不快感で動くことも出来ず。
気がつけば、その何かはすぐ背後。
息遣いが感じ取れる程近くにまで。
「……」
「……」
その何かが、背後から、手を伸ばして――
――その声で、我に帰る。
今までに無い大きな声。携帯のスピーカーが震えるほどの音。
俺も何かも、ビクリと肩を震わせ、一度動きを止めて、
「う、うわあぁああっ!?」
「……!?」
先に動いた俺が、振り向きざまに、川島さんの顔を殴りつけた。
プラスチックの薄いお面にヒビが入る。
手加減もせずに拳を叩き付けたというのに、その何かは、ただ数歩後ずさっただけ。
目の前の川島さんの顔は、今も変わらず、何とも言えない微妙な表情のままだ。
「……」
特に痛がる様子もなく、少しだけズレたお面の位置を直すと、またゆっくりとした動作で俺に手の伸ばし始めた。
晶葉『オイ!?』
そいつの手を振り切り、電話を切り、サイフを引っ掴んで外に飛び出す。
外出するには少しばかり乱れた格好だが、仕方が無い。
今はとにかく、知人が多いところへ逃げなくては……!
P(不思議なことに、まだあまり遅い時間帯というわけでもないのだが)
P(何故だか、外を歩いている人も全然見当たらない)
P(交番へ駆け込もうともしたが、お巡りさんは留守だった)
P(携帯で電話をかけようとしたが、何故か圏外になってしまった)
P「……だけど、今はあの変なのは追いかけてきていない」
P「……とりあえず、一休みしよう……」
「……あれ、Pじゃん。どうしたのそんなに疲れて?」
周子「何だ、とは何さー」
P「いや、ちょっとさっき色々あってな……」
周子「ふーん……ま、いいや。アイス食べる?」
P「あ、ありがとう。いただくよ」
P(……この辺りに、あれがいる様子は無い)
P(……そうすると、あの部屋で俺が帰るのを待っているのか?)
塩見周子
周子「変なヤツ?」
P「そう。変なお面付けて、俺の部屋を色々漁ってさ」
周子「へぇ……」
P「交番に行っても誰もいないし、電話も何故か通じないんだ」
周子「ほーほー……ところでさー」
P「?」
周子「その変なお面って……」
周子「もしかして、こんな顔してなかった?」
P「!?」
P(は、走って逃げろ……!)
P(アイスを落としてシャツが少し汚れたがしょうがない……!?)
P(なんだアレっ!?)
P「じ、事務所だ……!」
P「事務所に逃げよう……!」
ちひろ「あれ、プロデューサーさん、今日の仕事はもう終わった筈では?」
P「いや、緊急事態が……! 普通じゃ有り得ないことg、ゲホゲホッ……!」
ちひろ「大分、お疲れのようですし……スタミナドリンクいりませんか?」
P「いや、今はそれどころじゃ……」
ちひろさん
P「そ、そうですか……?」
ちひろ「ええ、そうです!」
P(た、確かに……体力の回復はしておいた方がいいかも……)
P「そ、そうですね……それじゃあ、いただきます……」
ちひろ「お買い上げありがとうございます♪」
P「ふぅ……」
ちひろ「ええ、一息つくことはとても大事ですよ」
ちひろ「急な事態には、体力が無きゃいけませんからね」
ちひろ「いいんですよ、この業界だとハプニングは多いですし」
P「はぁ……」
ちひろ「そう」
ちひろ「たとえば」
ちひろ「こんなハプニングとか」
ちひろ「ね」
P「うわあああああああぁぁぁぁああああああっ!!!??」
P「ちひろさんもダメだっ!? 逃げなきゃ!」
P「だ、誰か、誰か頼れる人……!?」
P「そ、そうだ! 今夜は和久井さんがきっと衣装合わせをしているはずっ」
P「あの人なら! あの人ならきっとなんとか――」
留美「あら、どうしたの? 色々と形容し難い格好になってるわよ」
P「よ、良かった……無事だった?」
留美「もう……何か?」
P「いえ、なんでもないです……色々ありましたけど……」
留美「あなたがたまにおかしくなるのは知っているけど……そういう所も知って、受け入れているから」
留美「けど……今のあなたは…とても不安そうな顔をしているわ…」
留美「私にも関係のあることなら……いえ、例え関係のないことでも……」
留美「あなたと一緒に歩んでいく為には……どうにかしてあげたいって、思うの」
P「……」
P(良かった、いつもの和久井さんだ)
留美「え?」
P「詳しい説明は後でしますけど……その、今晩は和久井さんの家に泊めてくれませんか?」
留美「……私の部屋はあまり大きくないけど……いいの?」
P「ええっと、和久井さんがいいなら是非とも」
留美「……ふふっ。それじゃあ、いらっしゃいな」
P「よかったぁ……」
P(これで、とりあえず今晩は、無事に過ごせる……)
留美「……ごめんなさい、結構散らかってて……」
P「いえいえ、全然そんなことは……」
P(というより、部屋に全然物が無い……)
P(……枕の横にあるぬいぐるみが少し不釣り合いだ)
P(料理の本や手芸の本は最近買ったのかな? まだキレイな帯がついている)
留美「……とりあえず、汚れた上着は洗っておくから」
P「すいません、ありがとうございます」
留美「ふふ、いいのよ。あなたが望むならいつでもしてあげる……」
P「はは……」
P(とりあえずはここで一晩明かしたが……)
P(俺の部屋はどうなっているだろうか)
P(相変わらず、電波は通じないが……)
P(一体何が起きているんだ……)
P(……でも大丈夫、今は和久井さんがいてくれるから――)
留美「ふふっ」
P「あれ、どうしたんです?」
留美「いえ、なんでもないわ」
留美「幸せよ」
P「」
なんか馴染んでるような…
P「うっ……っ」
留美「ボーっとしてると朝食のコーンフレークがふやけちゃうわよ?」
P「う…あっ……っ」
留美「ああ、そうか」
留美「私に食べさせて欲しいのね?」
留美「なるほど……そういうことなら……」
留美「わ か る わ」
P「うわあああああああああああああっ!!?」
P「危なかった……! あと一歩のところでなんかされそうだった!」
P「今はどうにかしてどうにかしないと!?」
P「ん……あの後ろ姿は……仁奈!?」
P「もしかしたら、仁奈くらい幼い子なら……!?」
仁奈「そう……」
仁奈「モフモフしたいのね?」
仁奈「わかるわ」
P「」
P「そ、そうだ……人の多い場所へ行けば……!」
P「人ごみの中なら、きっと隠れられる……!?」
P「……そうだ、遊園地!」
P「最近開演したあそこで、一人で乗り物に乗ってしまえばしばらくは時間が稼げる……!!」
P「その後人混みに紛れてしまえば、きっと……!!」
「そう」
「遊園地デートがしたいのね?」
「わかるわ」
P「」
これは少しかわいい
P「つ、突き落とすっ!?」
P「そしてその後全力で漕ぐ!!」
P「そ、そのまま人ごみに隠れる……!」
P「ちょうどパレードがやってるし、ここでどうにか時間を稼いで、対策を考え――」
「そう」
「私のパレードが見たいのね」
「わかるわ」
P「」
P「ふ、普通の人じゃダメだ……!」
P「そうだ。もしかしたらこの近くの教会なら……!」
P「悪魔払いとか、そういうのやってくれる人がいるかもしれない……!」
P「今はとにかく、そこへ……!」
・・・・・
クラリス「おや? あなたは……」
P「すいません、ここで悪魔払いとか出来る人いませんかっ!?」
クラリス「は、はぁ……?」
クラリス
P「そうですか……」
クラリス「もしかしたら、神父様なら何かお分かりになられるかもしれませんが……今は外出中ですので……」
P「はぁ……」
クラリス「時間があるのでしたら神父様が帰ってこられるまで、ここでお待ちになられては……?」
P「いいんですか?」
クラリス「ええ。主は救いを求めるものの全てに対し、平等な慈悲を分け与えます」
P「それでは……お願いします」
P(小さい頃に、親戚の結婚式で来たくらいか)
P(和久井さんなんかは、こういうところで式を挙げそうだよなぁ)
P(……何故だか、その隣に俺が歩いている姿を想像してしまったが)
「そう」
「この教会で結婚式を挙げたいのね」
「わかるわ」
P「!?」
P「だめだっ! 教会もダメだ!! しかも普通に似合ってたっ!!!」
P「と、とにかく他の場所へ……!」
P「こ、こうなったら神頼みしか……!」
P「そうだ、神社に行こう……!」
P「神様なら、神様ならどうにかできるかもしれないっ……!!」
あかん染まってきてる
P「たとえ誰もいなくても、もう本殿の中まで突入してやる……!」
P「神様がいる場所なら、きっとどうにか出来る筈だ……!」
・・・・・
P「あ、後はこの階段を一気に駆け上がれば……!」
P「うおおおおおおっ!!!!」
ドンッ
「きゃっ!?」
P「あ、す、すいませ……っ!?」
P「そ、そうなったらどこへ行けば……!?」
「ねえ、どこへ行くつもりなの?」
「このままにしておくなんて、酷いんじゃ無いの?」
「そうね、酷いわ」
「女の子はデリケートなのよ」
「そうね、プロデューサーにはそれをわかってもらわなくちゃ」
「ね」
P「」
P「う、うう……」
P「うわあああああああああああああああああ」
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア………
アアアアアアアアアアアアアアアア………
アアアアアアアアアア………
アアアアアア………
アアア………
……
P「……ゆ」
P「……夢?」
P「……はぁ、はぁ……」
P「……ゴクッ」
P「か、カメラは……」
P「無い、か……」
P「……夢、だったんだ……」
P「……にしても……凄い汗かいたな……」
P「シャワーを、浴びよう……」
P「あれはやはり、全部、夢だったのか……?」
P「だとしたら、随分、長い、夢……えっ?」
P「…………え?」
P「あ、あれ……」
P「……夢、だよな……?」 ゴシゴシ
P「え……?」 ペタペタ
P「……うそ、だろ……」
P「そ、そんな――」
洗面所の、少し大きめの鏡。
そこに写っていた、俺の、顔は――
わかるわ
川島可愛い!!
Entry ⇒ 2012.07.31 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (7) | Trackbacks (0)
P「はぁ、音無さんと結婚したい…」 律子(また始まった…)
律子(じゃあ、すればいいじゃない…)
P「いや、でもあんな綺麗な人に恋人がいないわけないか…」
律子「」
P「え、ちょ、なに、俺の心の声に割り込まないでよ」
律子「口から出てますよ…」
P「」
律子(十日目ですけどね)
P「でもさー、音無さん美人じゃん。絶対彼氏いるよ」
律子(当人いないって言ってましたけどね)
P「いや、あんな人が同じ職場にいて毎日見てるんだ。諦められない」
律子(こいつ…)
P「俺がイケメンだったら…!」
P「」ガタッ
律子「おかえりなさいー」
小鳥「プロデューサーさん、どうかしたんですか?」
小鳥「?」
律子「……」
P「あ、俺、営業行ってきますね」スチャッ
小鳥「行っちゃった…」
小鳥「はぁ、プロデューサーさんと結婚した…ピヨピヨ」
律子(またか)
小鳥「そんな!私みたいな2X歳な女と釣り合うわけ無いじゃないですか!」
小鳥「それに、私なんかより美希ちゃんや春香ちゃんの方が…」
律子(こいつら結婚しろよ)
P「あぁ、でも音無さん綺麗だなぁ」
P「どうすれば勇気がでるんだ…」
P「そうだ、>>22をしてみよう!」
P「うーん」
P(このまま何も無いまま終わるよりいいかな…?)
P「とにかくメールを…」
小鳥「内容は…」
P【デートしませんか?】
小鳥「ピヨオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
律子「うるせええええええ!!」
律子(やっとか)
小鳥「まさか、でも…ハッ、どっきり!?」
律子「いやいやいや」
小鳥「でも、プロデューサーさんみたいな人が…あわわわわ」
小鳥「くっ、これはきっと壮大などっきりなのよ!」
律子(駄目だ、こいつら…早く何とかしないと)
律子「じゃあ、行かないんですか?」
小鳥「ぐぬぬぬ…行きますよ」
小鳥「例え醜態を曝すことになってもプロデューサーさんとデートできるなら!」
律子「はいはい…」
小鳥「あぁ、何を着て行こうかしら」
律子(乗り気じゃないの)
P「ありがとうございます!俺みたいなのと…」
小鳥「いえ、こちらこそ。私みたいなのと…」
P(音無さん、謙虚な人だ…)
小鳥(プロデューサーさん!なんて謙虚な…)
小鳥「ええ」
律子(こっそり着いてきたけど…)
律子(大丈夫かしら?)
律子「こんなときにメールなんて」
P【やばい、緊張してどうすればいいか分からん。助けて律子】
律子「」
律子(ガッとやって チュッと吸って han でいいじゃないの!)
律子【頑張ってください】
P【頼む、指示をくれ…】
律子【>>45でもすればいいんじゃないですか…】
P「」
小鳥「どうしました、プロデューサーさん?」
P「いえ、なんでもないです」アセアセ
律子【ガッとやって チュッと吸って hanってやればいいんですよ!】
P(ええい、ままよ!)
P「音無さん!」ムチュ
小鳥「!?」
P「ホテルへ行きましょう」
小鳥(なんてことなの…しかもホテルなんて、どっきりにしてはやりすぎじゃないの…?)
小鳥【ホテルに誘われちゃった!助けて律子さん!】
律子(おまえもか…)
小鳥【そうだけど、心の準備が…それにどっきりだったら…】
律子【ああ、もう、>>58すればいいんですよ!!】
小鳥【ピヨ!?】
小鳥「」
P「お、音無さん…?」
P(しまったーやりすぎたー!?)
P「え…あ、はい」
P(やばい…ドキドキしてきた…マジかよ)
小鳥(言っちゃった!言っちゃった!)
P「竜宮城みたいなところですね…」
小鳥「そうですね…」ドキドキ
P(ごくりっ)
小鳥(だめ、心臓が飛び出そう…)
そういうとPはそっと彼女の頬へと手をやった。
「プロデューサーさん…」
彼女は潤んだ目でPを見つめ唇を突き出し、瞳を閉じた。
Pは彼女の唇に自分の唇を重ねた。
「んっ…」
彼女の口から吐息が漏れる。
気づけばお互いの顔は赤く染まっていた。
「今は、今だけは、小鳥って呼んで…」
「小鳥…!」
彼の手に力がこもる。
二人は抱き合ったままお互いの唇を重ね合った。
「私、こんなこと…初めてで…」
ベッドの上で少しはだけた衣服のまま彼女が告げる。
「そんなの、俺だって…」
上着を脱ぎ捨てた彼も言う。
「優しく、してくださいね…?」
「……ッ!」
潤んだ瞳で見つめる彼女のその言葉で彼の理性は崩れ去ろうとしていた
律子「ムシャクシャしてやった。反省している」
伊織「誰に向かって言ってるのよ」
律子「伊織!?いつからそこに…?」
伊織「あんたがあのホテルを物陰から覗いてた辺りからよ」
律子「なんて言うか、人生の節目というか、苦痛からの解放というか…」
伊織「バカ言ってないで、ほら、さっさと行くわよ」
律子(プロデューサー殿、音無さん!わっふるわっふる!)
彼女の体を優しく愛撫する彼は限界だった。
勢い任せとはいえ恋する相手との初めての情事。
そしてそれは彼女も同じであった。
(あぁ、プロデューサーさんが私を…)
ギュッと彼は彼女を抱き寄せる
「小鳥さん…もう俺…」
「私も…来て、ください…」
続きを読みたい方はわっふるわっふるしてください
律子「昨夜はお楽しみでしたね」
P「…///」
律子「まさか本当にやるとは思いませんでしたよ」
P「いやぁ…あはは///」
P「お、おはようございます…//」
律子(中学生かこいつら)
律子【ゆうべはおたのしみでしたね】
小鳥【えへへ…//】
小鳥【…凄かったです///】
律子【違います。付き合うことになったんでしょ?】
小鳥【そんな…私なんかと…///】
律子「」
P【そんな…俺にはあれが限界だったんだ!】
律子【突破しすぎでしょ!普通逆でしょ!!】
P【くっ…>>86するしかないのか】
律子【じゃ、私は席外しますので】
律子「ちょっと席外しますね」
小鳥「あ…」
P「……」
P「音無さん…いや、小鳥さん!」
小鳥「ひゃ、ひゃい!?」
P「僕と、結婚してください!」
小鳥「え、ええええ?」
小鳥「プロデューサーさん!」
P「はい」
小鳥「…私も、ずっとプロデューサーさんのことが…!」
P「小鳥さん…!」
小鳥「プロデューサーさん…!」チュッ
千早「」唖然
美希「」失神
P「ああ、小鳥さん!」
小鳥「プロデューサーさん!」
その日、彼らは結婚しました。
律子「結婚指輪ですか?」
小鳥「これも全て律子さんのおかげです!ありがとうございます!」
律子「いえいえ」
P「まさか、小鳥さんまで律子に相談してたなんてなー」
律子「事務所の中でまでいちゃつかないでください!」
小鳥「はい、あーん♪」
P「あーん♪」
やよい「うっうー!大人ですー////」
あずさ「あらあら~」
小鳥「そうですね、近いうちに…///」
律子「もうやだ、このバカップル」
BACOUPLE END
安価にせよ何にせよ中途半端でごめんね!
次やるときはもっとちゃんと安価にせよSSにしろやるから
あ、後はPとぴよちゃんがいちゃつくスレで
小鳥さんもウブなPも可愛かった
Entry ⇒ 2012.07.31 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「思い出酒場」
――PM19:00
P「はぁ…今日も疲れた…」ハァ...
P「…こういう時は…よし。あそこに行くか」
―――
――
―
――PM19:30
P「マスター、久しぶり」
マスター「お?久しぶりだね。元気してたかい?」
P「ははっ。なんとか、身体を壊さない程度には元気ですよ」
マスター「うん。それならいいんだ。今は、芸能事務所のプロデューサーなんだって?すごいね」
P「ははっ。よく知ってますね」
マスター「君は常連さんだったからね。それに…ほら、」クィッ
P「ん?」チラッ、
小鳥「あれ?プロデューサーさん?」
P「小鳥さん?なんで小鳥さんが?」
小鳥「それはこっちのセリフですよ!」
P「そうだったんですか」
マスター「じゃあ僕も、彼女に倣って、プロデューサーくんと呼ぼうかな」
P「なんか、マスターにそう呼ばれると、変な感じがしますね」
マスター「ははっ。僕もだよ」
マスター「じゃあ、プロデューサーくん。まずは、いつもの…でいいかな?」
P「あ、はい。お願いしますね」
マスター「うん。わかったよ」
小鳥「いつもの?」
小鳥「ふふっ。プロデューサーさんのお気に入り…ですか」クスッ
P「…そう、なりますかね」フゥ...
小鳥「?」キョトン
マスター「…」
マスター「はい、プロデューサーくん。お待たせ。レモン・ハートだよ」
P「ありがとうございます」
小鳥「ふふっ。ラム酒、ですか?」
P「えぇ。ここのは、特に美味いんですよ」コクッ
P「マスター?そんなニヤニヤしてどうしたんです?」
マスター「彼女に、君の話をしてあげようかと思うんだけど、どうかな?」
小鳥「昔の話?」
P「…」
マスター「嫌かい?」
P「ははっ。さすがに、もう引きずっていませんよ」
マスター「そうかい?じゃあ、話すとしようか」
小鳥「…」
マスター「で、その中の一人と…恋仲になってね」
P「…」コクッ
マスター「その時の彼は、まだ学生さんだったんだけど、それはそれは似合っていてね?」
小鳥「プロデューサーさんの彼女さんだった人、ですか…」コクッ
マスター「うん。君によく似て、それは綺麗だったよ」
小鳥「…///」テレテレ
P「…」コクッ、カラン...
マスター「おや?サケが無くなったみたいだね。何にする?」
P「じゃあ、ウイスキーのウーロン茶割りで」
マスター「うん、分かった。音無さんは?」
小鳥「あ…じゃあ、私はレモンハートで」
マスター「ははっ。それは嬉しいね。僕の店の名前にもなってるだけは、あるでしょ?」
小鳥「ふふっ。えぇ」クスクス
小鳥「で、マスター?話の続きは?」
P「…」コクッ、
マスター「そうだったね。彼女には、ひとつの夢があったんだ」
小鳥「…夢?」
マスター「そう。大きな、大きな夢」
P「マスター?」
マスター「はははっ。大きな、っていうのは、彼女に失礼だったかな?」
P「…」コクッ
マスター「アイドルに、なること」
P「…」コクッ
P「…」コクッ
マスター「それから、彼女は姿を消した。この店からも、彼の前からも」
P「…昔の、話ですよ」
P「ははっ…懐かしいですね」
マスター「それで、僕が叱ったんだ」
マスター「サケは飲むもの、だってね」
P「ははっ。あの時のマスターは、ホント怖かったですよ」
小鳥「…」コクッ
―――
――
―
マスター「じゃあ、僕の話はこれでおしまい。プロデューサーくんたちはどうする?」
P「時間も時間ですし、今日はもう帰ります」
小鳥「あ、じゃあ私も」
マスター「そっか。じゃあ、気が向いたらまた来てくれると嬉しいよ」
P「えぇ。必ず来ますよ」
小鳥「私もです」クスッ
マスター「じゃあ、二人に…スランジバール」
――PM23:00
小鳥「ふふっ。ちょっと、飲みすぎてしまったみたい…」
P「大丈夫ですか?小鳥さん」チラッ、
小鳥「…ちょっと…ダメかもしれません。フラフラします…」フラフラ、フラフラ
P「…じゃあ、ウチに来ますか?」
小鳥「…えっ?」ドキッ
―――
――
―
――PM23:40
小鳥「…お邪魔します」フラフラ
P「気を付けてくださいね?今、電気を付けますから」
――パチッ
小鳥「…ふふっ。ホントに…来ちゃいました」クスクス
P「小鳥さん、少し…話しましょうか」
小鳥「…はい」
P「…で、なんでベッドに座ってるんです?」
小鳥「…柔らかそうだった…から?」クスッ
P「そういう問題ですか?」
小鳥「ふふっ。いいじゃないですか」クスクス
小鳥「で、どんな話なんです?」
小鳥「…さっきの?」
P「俺の、昔話です」
小鳥「…」
小鳥「ホントに、好きだったんですねぇ…」
P「…えっ?」
小鳥「だってね?」
小鳥「プロデューサーさん、泣いてるもの」
小鳥「ふふっ。お酒が入るとダメですね。ついついしゃべり方が変わっちゃう」クスッ
P「…」
小鳥「あと、もうひとつ」スッ、
P「?」
小鳥「なんで、彼女さんが貴方の前からいなくなったか、分かります?」
P「…なんでって…夢が破れたから、ですよね?」
小鳥「はぁ…本当、プロデューサーさんはニブイんだから」
P「…えっ?」
小鳥「…愛していたからこそ、貴方の前からいなくなった。まったく…本当、不器用なんですから」
P「…あの…小鳥さん?」
小鳥「…私もね?昔は、アイドルだったんです」
小鳥「ふふっ。全く売れませんでしたけど」クスクス
P「…知ってますよ」
小鳥「…えっ?」
P「…花、空、光」
P「どれも、いい曲でした」
小鳥「ふふっ。女はですね?いつもキラキラしてる自分を、見ていてもらいたいものなんです」
小鳥「…アイドルになれなかったから、キラキラ光れなかったから…」
小鳥「彼女は、そう思ったんじゃないでしょうか」
小鳥「…私も、そうでしたから」
P「…小鳥さん?」
小鳥「ふふっ。昔の、話です」クスッ
P「…」
小鳥「鳴かず飛ばずな私を、決して見捨てないで、光らせてくれようとした人」
小鳥「とっても…とっても大切で、大好きで、愛していたんです。10代の、子どもなりに…ですけど」クスッ
P「…」
小鳥「…でも、私は諦めてしまったんです」
小鳥「キラキラ光る事」
小鳥「空を飛ぶ事」
小鳥「みんなの笑顔を咲かせる事」
小鳥「…ぜんぶ、ね」クスクス
P「…小鳥さん」
小鳥「アイドル音無小鳥は」
小鳥「な~んて、ふふっ。お酒のせいかな?昔話が、スッと出てきます」
小鳥「…ねぇ、プロデューサーさん?」
P「はい?」
小鳥「なんで、プロデューサーさんはプロデューサーになろうと思ったんです?」
P「…それは…」
小鳥「社長にスカウトされたからとはいえ、断ることも出来たはずなのに」
小鳥「未練?」
P「アイツが叶えられなかった夢を、俺が叶えてみたかったんです」
P「本当に…本当に好きでした。愛していたんです。心から」ポロッ...
小鳥「…」ギュッ
P「…小鳥さん?」
小鳥「さっき知っていると答えてくれたプロデューサーさんに聞きます」
小鳥「覚えていますか?私の、曲」
P「え、えぇ…」
小鳥「…すぅ」スゥ...
大事なのは、止めないことと、諦めないこと」
小鳥「ねぇ、プロデューサーさん?」
P「…なんです?」ポロッ...ポロッ...
小鳥「未練でも、いいじゃないですか」
小鳥「貴方がいるから、光り輝けるあの娘たちがいる」
小鳥「貴方がいるから、みんなの笑顔を咲かせてあげられる…あの娘たちがいる」
小鳥「貴方がいるから、歌という翼で、空を舞えるあの娘たちがいる」
小鳥「それって、とっても素敵な事なんですよ?」ギュッ
小鳥「奇跡でも、運でも無いんです」
小鳥「例え未練からだとしても、それは…」
小鳥「貴方がいたから、貴方が、あの娘たちを信じているから…なんです」
小鳥「違いますか?」
P「…」
P「そうです…」
P「…」
小鳥「じゃあ、私はそろそろかえりP「…」ギュッ
小鳥「…」
小鳥「…プロデューサーさん?」
P「…」ギュッ
P「あんな昔話してすぐに言うと、信じてくれなさそうですけど」
P「言っちゃいます」
小鳥「…えっ?」ドキドキ、ドキドキ
P「…小鳥さん」
小鳥「あっ…」チュッ、
小鳥「…えっ?」
小鳥「…プロデューサーさん?その…ちゅって…えっ?」
P「は…ははっ…」
P「言葉よりも…先に行動してしまいました…」
小鳥「…ばか」
P「えっ?」
小鳥「ばかばか!」ポコポコ、ポコポコ
P「えっ?えっ?」
小鳥「…久しぶり、だったのに…」
小鳥「…久しぶりの…キスだったのに~!」グスッ
P「イ…イヤ…でした?」アセアセ、アセアセ
小鳥「…」ジー
P「う…うぅ…」
小鳥「…ふふっ」
P「…?」ドキドキ、ドキドキ
小鳥「ねぇ、プロデューサーさん?」
小鳥「は、はい…」
小鳥「私、諦められなかったことが一つだけあるんです」クスクス
P「は、はぁ…」
小鳥「それはですね?ふふっ」
P「小鳥さん…」
小鳥「…ふふっ。こう見えても私…乙女なんですよ?」クスクス
P「は、ははっ…」ギュー
小鳥「…だから、ね?プロデューサーさん」スッ、
――チュッ、
小鳥「私と一緒に、夢を見てくださいますか?」
おわり
「貴方の御健康を」
という意味です。某サケ漫画のマスターが時々口にする言葉です
乙
Entry ⇒ 2012.07.28 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
貴音「荒野の女王」
その豊満な銀髪の女性はカウンターに腰を下ろしながら言った。
黒いウエスタンシャツにホットパンツ、ブーツとおそろいのガンベルトには実弾と銃が差し込まれている。
真「困りますよお客さん。この店では帽子を脱いでください」
貴音「……お許しを」
真「と言われましてもこの店のルールで――」
ボーイッシュな女の子は目を丸めた。
真「驚いたなぁ……まさか四条貴音さん?」
貴音は無言で人差し指を唇に当てた。
真「あ、すみません。つい興奮しちゃって……。
まあ、貴音さんなら逆に帽子を被っておいて貰った方がこちらとしてもありがたいです」
貴音「申し訳ありません。らぁめんを食べたらすぐに出て行きますので」
貴音はカウボーイハットを深く被り直した。
真「だけど、有名人ってのも大変ですね」
貴音「あなたほどではないですよ。その年で立派に店を切り盛りしているとは……私にはとても出来ません」
真「僕は手伝いみたいなものですから。店長代理です」
貴音「店長とは代理で出来るものだったのですか……始めて知りました」
真「いや~、話すと長くなりますから簡単に言いますけど、とある娘さんと僕は友達なんです。
その娘さんは自分の引っ込み思案を直そうと店でウエイターなんかやってるんですけど、僕はその都度付き合わされて……というよりか心配で手伝いをしていたんです。
そしたらいつの間にか店長代理ですよ」
貴音「なるほど。ではあちらで平謝りしているのが例の娘さんとやらですか?」
貴音が視線を向けた先ではショートボブカットの少女が、テーブル席の男に向かって何度も頭を下げてる場面が繰り広げられていた。
どうやらうどんを男の頭へぶちまけたようで、それについて謝っているようである。
男は騒ぎ立てることもしていなかったので、店の中にでもこれに気がついていない者が数名いた。
真「……やっちゃったかー。まあ、そうです。ちょっとした男性恐怖症で……。
ああいったことで問題が起こったときに対処をするのも僕の役目ですけど、幸い感じの良さそうなお客さんでよかった。
あれなら雪歩の良い練習相手になるでしょう」
貴音「……雪歩。萩原雪歩?
……なるほど。大会社の娘さんでしたか」
真「口を滑らしちゃったかな~。
別にばれたらマズイというわけでも無いですけど」
貴音「しかし、飲食店は萩原組がたるき亭と連携して行っている事業のはず……引っ込み思案や男性恐怖症を治したいのであれば、萩原組の本業である建設関連の手伝いをした方が良いのでは?」
真「あんな場所に雪歩を放り込んだら死んじゃいますよ」
真がそう言ったときカウンターの奥の暖簾から盆に乗ったラーメンが突き出された。
屈強な腕だけがこちら側に出てきている。
真はそれを受け取ると貴音の前にそれを置いた。
真「おまちどおさま。ラーメンです」
貴音「……今のは?」
真「……厨房です。雪歩は絶対に近寄らない厨房です」
貴音「……そうですか」
真「あっ、つい興奮してて忘れてましたけど、飲み物はどうします?」
貴音「水を」
貴音はラーメンと水がそろうと箸に手を伸ばした。
その時である。
ごろつき「おい、ねぇちゃん。そんなものに金を掛けるくらいなら断然こっちの方が良いぜ」
薄汚れた服の男が酒瓶を片手に近づいて来たのは。
ごろつき「俺のおごりだ。飲めよ」
そういって男はバーボンをなみなみ注いだグラスを貴音に押しつけた。
真「お客さん――やめておいた方が良いですよ」
ごろつき「黙ってろ」
真はこの男が腰に引っ提げている物を見て一瞬で真意を悟っていた。
ガンベルトに差してある銃。つまり、この男も名を上げたいだけの馬鹿であると。
ごろつき「俺の酒が飲めねぇっていうのか? 俺のおごりだぜ?」
貴音はそんなことは眼中に無い様子でラーメンを啜り始めた。
真「貴音さん……」
貴音「これは素晴らしい味ですね。替え玉をしてもよろしいですか?」
真「いや、貴音さん……」
ごろつきは貴音のラーメンの上で酒瓶を逆さまにした。
ごろつき「もっとおいしくしておいてやったぜ。さあ、食べな」
貴音「……二度目は無いですよ。
さっさとこの場から失せて下さい……とうもろこしにも劣るゴミ粒に用はありませんので」
ごろつきの顔に朱が差した。
しかし、コレこそがもっともこの男が望んでいたことであった。
ごろつき「糞アマが……立てよ」
雪歩「こ、困りますぅ! 他のお客様に迷惑を掛けないで下さい!」
ごろつきに雪歩が声を張り上げた。
数メートル離れた場所から。
ごろつき「黙っとけ!」
雪歩「ひぃ!?」
真「っ! ちょっとお客さん! いい加減にしないと叩き出すぞ!」
雪歩は怒鳴り声だけで後ろに蹌踉めいた。
蹌踉めいて背中で後ろにいる人間とぶつかる。
P「おっと」
雪歩「ひぃぃぃ!?」
雪歩はロングスカートの中から取りだしたスコップを凄まじい勢いで振り回した。
スコップの先がPの喉元を掠めていく。
P「こ、殺す気か!?」
雪歩「す、すみません、すみません! 先はうどんを掛けちゃうし次はスコップで叩きかけちゃうし……こんな駄目駄目な私は穴を掘って埋まってますぅ!」
真「掘らないで! 直すの大変だから!」
P「俺も早く支払いを済ませたいし、穴を掘るのは後にして欲しいかな」
雪歩「ご、ごめんなさい」
P「なかなかエキサイティングな店だったよ」
Pはそう言うと貴音の隣で仁王立ちしている男に目を向け、驚いたような顔をした。
P「まさかこんな場所で会えるなんて……こんにちは、ファンなんです」
Pはそう言いながらごろつきの手を取り、大きく上下させる。
P「光栄だな~。噂は聞いてますよ」
ごろつきはまじまじとPを見つめた。
ごろつき「お前、まさか765プロのPか?」
P「そうですが」
ごろつき「離せこの玉無しやろう! チキンがうつっちまう!」
ごろつきは乱暴に手を振りほどいた。
ごろつき「それに自慢じゃ無いが俺は噂になるようなことなんて何もしてないぜ。
これから大物になるがな!」
今度はPがまじまじとごろつきの顔を見つめた。
P「……人違いだったか……よく見れば顔はふやけてるし腕は棒切れみたいだ。
何で見間違えたんだろ?」
ごろつきはPの言葉を理解しかねたようにぽかんとした。
Pはそれを尻目に上着を脱ぎゆっくりとごろつきの顔を拭き始めた。
今の時代には珍しいスーツである。
P「顔が汚れてる。だから俺が見間違えるハメになるんだ」
うどんの汁をたっぷりと吸った上着でごろつきの顔を拭く光景を周りの者は固唾を呑んで見ていた。
P「これで綺麗になっただろ……ん? あまり綺麗になってないな」
ごろつきの顔から血色が完全に失せ、素早く銃に手が伸びた。
次の瞬間には銃声が店内に響き渡る。
ごろつき「くっ……そがぁ!!」
ごろつきが手を押さえて叫んだ。
店の中で火を吹いた銃は一丁。
貴音の手にある物だけであった。
P「……驚いた。俺の脇腹に穴が開くんじゃないかと思ったよ。
良くそこから狙えたな」
貴音の撃った銃弾はごろつきがガンベルトから銃を抜いた瞬間に、その手を貫いていた。
一瞬の早業であるが、その正確さも驚嘆に値した。
貴音「この距離ならば目を瞑っていても当たります」
真「四条貴音になにいってるんだよ。当然じゃ無いか」
P「四条貴音? あの四条貴音か?」
Pはそう言いながら振り返り、貴音を見て驚きの表情を浮かべた。
ごろつきに見せた驚きの表情とは違う。
軽薄なものではなく迫真のものであった。
P「……シルバークロス・ピースメーカー……」
Pが見ているのは貴音が握っている銃であった。
銃身に細かな装飾がしてあり、銃把には見えにくいが銀色の十字架が刻み込まれているその銃を見て驚愕している。
貴音は一瞬眉根を動かし、銃を回転させるとガンベルトに差し込む。
貴音「なぜ、この銃の名前を?」
P「その銃は有名だからな。知らない奴は少ないだろ」
貴音「なるほど。……しかし、この銃を見てその名を口にした者は少ないですよ?
なぜこの銃がシルバークロスだと分かったのです?
銃把もろくに見えてなかったでしょう」
P「マニアなんだ」
貴音「……なるほど」
ごろつき「こ、この……」
ごろつきがPの背後でナイフを取り出し、それを振り上げた。
真「お帰り下さい!」
それを見た真がカウンターを飛び越えて蹴りを延髄に叩き込む。
ごろつきは白目を剥くと床に崩れ落ちた。
床に完全に崩れ落ちるのと同時に、暖簾から三人の屈強な男が飛び出してくる。
屈強な♂×3「そいやっ!!」
雪歩はもちろんだが、それを見た店の客たちはビクリと肩を振るわせた。
三人の男はごろつきを抱えるとそとに放り出し、風のように厨房へと戻っていった。
P「ありがとう。助かったよ」
真「あんまり助けたくなかったんだけどなぁ~」
P「嫌われてるな」
真「そりゃそうでしょ。女の子に闘わせてる765プロのプロデューサー……支払いを済ませたら早く出てってよ」
P「分かったよ。その前に……」
Pは名刺を貴音に差し出した。
貴音「これは?」
P「勧誘だ。765プロで一緒にやらないか?」
貴音「一応、貰っておきます」
P「真面目に考えてくれよ。もしその気になったらそこに書いてある番号に連絡をし――」
Pはそこで言葉を切った。
切らざるを得なかった。後頭部に感じた鉄の感触はどんなお喋り人間も黙らせる地元の民間療法である。
それが二つもとあってはPも黙らざるを得ないだろう。
美希「また貴音が変なのに絡まれてるの」
響「決闘で名を上げたい方か? それとも言い寄ってる方か?
こういう手合いはもういい加減にして欲しいぞ」
貴音「響……美希……」
P「いきなり銃とはご挨拶だな」
美希「こういうのは飽き飽きしてるから一々相手をするつもりはないの」
貴音「美希、この方は765プロのプロデューサーです。別に決闘をしようとしたりしていた訳ではありません」
美希「765プロの?」
Pは後頭部の銃が撃鉄を上げるのを肌で感じた。
P「どういうことかな」
美希「こういうことなの」
P「そういうことか」
響「それはさすがに不味いさー。
賞金首ならともかく一般人だからね」
美希「だってむかつくの」
響「分かるけど……」
P「……これ以上ここにいると血を見そうだな。
俺は見られないだろうけど」
貴音「そうですね」
P「さっさと退散するよ。先の話、良く考えて置いてくれよ」
Pは金をカウンターに置くと両手を挙げた状態で店を出た。
雪歩「……今の人って?」
真「765プロのプロデューサーだよ。雪歩は知らないの?」
雪歩「765プロなんて始めて聞いたよ」
真「765プロって言う組織的に賞金稼ぎやってる会社だよ。小規模だけど政府公認のね。
先の男はそこでプロデューサーをやってるんだ」
雪歩「賞金稼ぎさんだったんだ」
真「……いや、あいつは違うよ。
賞金首の情報を集めたり、それを捕まえるお膳立てをするまでがプロデューサーの仕事だから。
実際に賞金首を撃ってるのは会社に所属してる女の子だって話だ。
自分は安全な場所でのうのうとやりながら女の子に闘わせてるんだよ。あいつは」
雪歩「そんな人には見えなかったけど……助けてくれたし」
真「はぁ? いつそんな――」
美希「ミキ的にはその話はもうどうでも良いかなー。
とりあえず、水とおにぎりが欲しいの」
真「は、はい。急いでお持ちします」
響「こっちは水と食べ物は適当にこれで……」
響は硬貨をカウンターに並べた。
そして、雪歩に視線を向ける。
響「ああいった手合いに騙されたらだめだぞ。
あの男がやってることが全てだぞ。どんなにいい人に見えても自分は闘わずに女の子に闘わせてるってのは事実だからね。
最悪なタイプの臆病者さー」
貴音「……765プロのプロデューサー話で聞いていただけの時はそう思っていましたが……果たしてそうなのか……実際に会ってみて分からなくなりました」
響「どういうこと?」
貴音「先程もプロデューサーがわたくしに絡んでいた男を仲裁してくれた……ようにも見えました。
かなり無謀というか……自分が代わりに喧嘩を買って出るようなマネをして」
響「……ごろつき相手じゃね……」
貴音「相手は銃を持っていましたが、プロデューサーは持っていませんでした」
響「それって……」
響&美希「ただの馬鹿だよ」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
Pは太陽が照りつけ、埃っぽい街を歩いていた。
春香「プロデューサーさん! どこに行ってたんですか! こっちですよ、こっち!」
千早「自分で集合時間を指定しておいて遅れるなんて」
P「すまんすまん。ちょっと銃口を突きつけられる事態になってな」
Pは日陰に佇む少女二人に近づいていった。
春香「え? ……どこでですか?」
春香は肩に担いだライフルを指で叩きながら言った。
P「問題を起こそうとするなよ、春香。この通り無事だったんだから」
千早「……くさ……プロデューサーくさいです。なんか辛いような甘いような独特な匂いが……」
P「多分店でうどんをぶっかけられたからだな」
千早「やっぱ一言いいにいった方が良いんじゃないですか?」
P「千早、お前まで問題を起こそうとするな。うどんの件は事故だから。
それに……珍しい奴にも会ったんだぞ」
春香「珍しい奴?」
P「あぁ、今をきらめくフェアリーの三人にな」
千早「フェアリー? 確か3人組の賞金稼ぎですよね」
春香「早撃ちで有名な四条貴音と……あと二人はどんなのでしたっけ?」
P「さぁ? あまり興味が無かったから俺も詳しくない。
……興味は湧いたけどな」
春香「……私も会ってみたくなりました」
千早「ちょっとくらい挨拶をしておくべきなのでは?」
P「おまえらの挨拶は洒落にならん。
とりあえず会社に戻るぞ。社長に報告をしておきたいこともあるし」
Pはそう言うと近くに繋いであった馬に飛び乗った。
春香と千早もそれにならう。
3匹の馬が駆ける道はどこまで行っても埃っぽく寂れていた。
地球規模の天変地異は日本のみならず世界各国を衰退させていた。
経済活動は縮小するところまで縮小し、日本では国民の8割が農業に従事している状態である。
そこまで低迷した日本は当然従来の公共サービスを提供出来ずにいた。
とりわけ、深刻な人員不足から無法者を取り締まることが出来ず、ついには賞金首制度が採用されるにまで至ったのだ。
そして生まれたのが賞金首を狩ることを生業とする賞金稼ぎであった。
今の日本ではこの賞金稼ぎと無法者が鎬を削り合っている状態なのである。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
765プロ事務所
P「ただいま戻りました」ガチャ
小鳥「お帰りなさい。今回は随分と長旅でしたね」
春香「そのかいはありましたよ! 見て下さい、小鳥さん!」
春香は袋を掲げて見せた。
春香「惚れ惚れとする重量ですよ」
小鳥「随分と稼いだのね」
千早「稼げた割に楽な仕事でした」
春香「私は割と大変だったよ……銃弾が脳天を掠めたときは禿げてないか何度も確認したもん」
小鳥「詳しく聞きたいけど、まずは食事にしたいでしょ? お風呂はすぐに沸かすから」
春香「お願いします! お金はあるのに途中、ろくな物を食べる場所が無くて……お腹がぺこぺこなんです」
P「俺は先に社長の所に行ってきます。いますよね?」
小鳥「いますよ。社長室に」
P「二人は先に食べててくれ」
千早「待っておきますから早く戻ってきて下さい。
ご飯は出来るだけ大人数で食べた方がおいしいですから!」
P「了解」
Pはそう言いながら奥の社長室へと向かった。
ノックをすると返事を待って入室する。
P「戻りました。……って律子もここにいたのか」
椅子に座っている高木社長と机の前に立ている律子が同時にPを見た。
律子「なんですかその言い方、いたら悪いみたいな」
P「そうだな。邪魔だからちょっと出てくれないか?」
律子「ずいぶんな言い方ですね」
P「ちょっと重要な話なんだ。今度食事をおごるからそう怒るなって」
律子「別に怒ってませんけどね。久々にあった同僚に向かってそれはないでしょう」
律子はブツブツと文句を言いながら部屋を出て行った。
社長「キミにしては紳士でない対応じゃ無いか。よっぽどの急用があるのかね?」
P「そうなんです。それも社長二人で内密な話があるんです」
社長「よしてくれよ、こんな密室で男二人での熱い雰囲気は――」
P「シルバークロス・ピースメーカーを見ました」
社長はそれを聞くと黙り込んだ。
P「アレは本物でした」
社長「今、それはどこに? 奪ったりはしなかったのかね?」
P「持ち主はフェアリーの四条貴音でした。悪そうな人間でも無かったので奪いはしませんでした。
それに、あの子から銃を奪うのは体に3カ所ほど穴が開くのを覚悟しないといけないので」
社長「四条貴音……早撃ちで有名なあの四条貴音かね……ピースメーカーを持つ人間ってのは早撃ちが好きだねぇ」
P「一応勧誘もして情報屋にあとをつけさせてます。
今後の動向次第でシルバークロス・ピースメーカーをどうするかを決めます」
社長「名銃と呼ばれるピースメーカーシリーズは4丁……どれも不遇なガンライフを送っているとしか言いようがない。
……シルバークロスを除いてはね」
P「はい。シルバークロスだけは他のピースメーカーシリーズと違い巨悪に立ち向かった逸話が多い銃です。
四条貴音がそれを持つに相応しい人間ならば良いですが、もしジンクスに傷がつくような人間ならば……その時はその時です」
社長「ジンクスといえども大切にしていきたいからね。得に、こんな世の中では」
P「とまあ、報告は以上です。今回儲けた分は音無さんに計上して貰うのでそちらに聞いて下さい」
社長「分かった。
それと、今回はもう次の仕事が用意してある。
律子くんが持って来たとびっきりでね。どうしようか悩んでいたところなんだよ」
P「悩むとは?」
社長「私の古い友人が悪さをしようとしているようでね。
少し手に余るかも知れないから手を出すのは控えようと思ってたところなんだ。
この仕事に手をつけるかどうかはキミの判断に任せようと思う」
P「……状況次第ですね。とりあえず、その仕事の内容を詳しく教えてもらえます?」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
Pはこの日、一人で町中をうろついていた。
飲食店に顔を覗かせては外に出るという行為を繰り返している。
そして、またもやPは飲食店に入ると、今度は回れ右をせずにゆっくりと部屋の隅のテーブルに近づいていった。
P「また会ったな」
貴音「……随分と早い再会になりましたね。
まあ、予想していましたが」
P「予想してたか」
響「げっ、765プロの……」
美希「消えるの。おにぎりが不味くなるの」
P「まあまあ、ここのお代は俺が持つから話をするくらいは良いじゃないか」
美希「結局座ってるの……」
響「図々しいにも程があるぞ」
貴音「始めに聞いておきますがここで会ったのは偶然ですか」
P「予想していたってことは俺がつけてた情報屋はばれてたってことか……白状すると偶然じゃ無い」
響「あれってそっちの差し金だったのか。相当いらいらしたぞ」
美希「そんなのいた?」
響「美希はほとんど寝てたから知らないだろうね」
P「まあ、ここで会ったのは偶然じゃ無いが、この街に来てるって知ったときは縁があるって感じたぞ。
あの話で良い答えが聞けるかと思って期待したりしてるんだが」
美希「あの話?」
P「あれ? 貴音は勧誘の話をお仲間にしてないのか?」
響「勧誘!? き、聞いてないぞ!
貴音、どういうこと!?」
貴音「そんな話もありましたね。すっかり忘れていました」
P「その様子じゃ勧誘の話は期待しない方が良いようだな」
貴音「わたくしはこの三人でやるのが気楽で良いので」
響「だ、だよね。
吃驚したぞ。おいてけぼりをくらうかと思って」
P「響は心配屋だなぁ」
響「うるさいぞ! それになんでさり気なく名前を読んでるの!? 教えたっけ!?」
P「俺のことはPって読んで良いよ」
響「な、馴れ馴れしい……」
P「HAHAHA!」
ハム蔵「ヂュ!」
P「HA?」
Pは響の頭に乗っかっている小動物をまじまじと見た。
P「……言いにくいけど……ネズミが頭に乗ってるぞ」
響「ネズミじゃ無い! ハムスターだぞ!」
P「ネズミだろ。
え? 飼ってるの? それ」
響「ハム蔵は自分の大切な家族だぞ」
P「ネズミがペットとか斬新だな」
響「だ、だからネズミじゃないんだって!」
P「具体的に何が違うんだ?」
響「しっぽの長さとか……そもそも愛らしさが違うぞ。どうやったらネズミと見間違えるの?」
P「へぇ、確かによく見たらネズミとは違った愛らしさがあるような気がする」
響「でしょ!」
P「食べ物は穀物とか?」
響「うん。得にひまわりの種なんか好きなんだぁ」
P「おいしいよな。ひまわりの種」
響「意外と人間も食べれるよね。あれ」
P「でもハムスターを連れて旅なんかしてたら大変じゃないか?」
響「なにが?」
P「上空から鳥が狙ってたりするだろ。心配にならないのか?」
響「来たら分かるし。ご飯も増えて一石二鳥さー」
美希「響……まんまとあっちのペースにのせられてるの」
響「はっ!? そう言う意図が!?」
P「ないよ。もう勧誘は諦めたし」
響「そうなのか? 粘らないんだね」
P「粘ってどうにかなるような相手だとは思ってないからな」
貴音「粘る必要も無いでしょうしね」
響「どういうこと?」
貴音「恐らくこの方の目的はわたくしたち……と言うよりもわたくしの持っている銃です」
Pが座っているテーブルの周りの空気が張り詰めた。
響「貴音が持ってる銃のことを知ってるのか……だったら近づいてくる理由も分かるぞ」
P「貴音の持ってる銃に興味が無いと言ったら嘘になるがな。
今日は別件なんだ」
貴音「興味があると言うことは否定なさらないのですね」
P「興味大ありだ。前も言ったけどマニアだからな。
知ってるだろ平和をもたらす銃、ピースメーカーの話は」
貴音「もちろん」
P「ピースメーカーと言ったらシルバークロスのことを差すことが多い。
でも、ピースメーカーはシルバークロスの他に3丁あるって知ってたか?」
貴音「そうなのですか?」
P「あぁ、他の三丁はピースメーカーの名前に相応しい働きをしてないから有名じゃ無いけどな」
貴音「で、その銃マニアであるあなたはこの銃をどうしようと?」
P「シルバークロス・ピースメーカーは平和を作る銃だ。
貴音がその銃を持つに相応しくないようだったら奪ってもっと相応しい人間に与えようと思ってる」
店全体の空気が凍り付いた。
響「……随分とはっきりと言ったね」
P「冗談だからな」
響「冗談なの!?」
P「だって丸腰の俺にそんなこと出来るわけ無いだろ。常識的に考えて」
美希「やりようはいくらでもあると思うけど、確かにそこの人じゃ無理かな」
P「そうそう。俺はシルバークロスの動向が気になってるだけだから。
だってシルバークロスって今までもデカイ仕事に携わってきてるだろ?
シルバークロスを追っていたら俺もデカイ仕事に一枚かめるかも知れないし」
響「うわー、凄くゲスっぽいぞ……」
美希「全くその通りなの」
P「まあまあ、そう言うなって。
だから今回はその将来に対するお礼ってことでこっちから仕事を持ってきたんだ」
美希「いらないの。仕事には困ってないし」
P「他のピースメーカーをお目にする機会かもしれないのに?」
美希「どういうこと?」
P「厳密に言えばピースメーカーじゃないんだけどな。シルバークロス・ピースメーカーの生みの親は他にも3丁の銃を作ったってのは話したよな。
その三丁っていうのはホワイトクロス・ピースメーカー、ゴールデンクロス・ピースメーカー、それに加えてブラッククロス・ピースブローカーってのがあるんだ」
美希「最後のだけ変な名前だね」
P「ブラッククロス・ピースブローカーは悪名が高い銃でな。制作者が銃の名前にバランスを持たせようとしてつけたって話で、様々な悪事に携わってきたとされる銃さ。
今回、そのブラッククロスにお目にかかれるかも知れない仕事がこっちにはあるんだ」
貴音「……そのような仕事……どこから?」
P「何というか……ブラッククロスの所持者はうちの社長の古い友人でね」
美希「やっぱ765プロは悪党なの」
P「待て待て、うちは悪事とは無縁の会社だぞ。
古い友人といってもつるんでいる訳じゃ無いしな。とっくの昔に袂は分かれた。
……黒井崇男って知ってるか?」
美希「……大物なの」
響「961プロの社長だよね。賞金稼ぎが表事業だけど裏でこそこそやってるって話があるぞ」
P「今回の仕事は黒井崇男が主犯」
響「え」
P「銀行を襲うらしい。手下20人を使って」
貴音「たしか765プロの総員は7人でしたね」
美希「ミキたちをいいように利用しようとしてるの」
P「だって無理だろ765プロだけじゃ。使える戦闘員となったら3人……その内一人は行方不明だし……。
報酬はこっちが前払いで払う依頼料と銀行強盗を実行する奴らの中に手配犯がいるだろうから、そいつらを賞金に変えてその分の6割がそっちってのはどうだ?」
美希「7割よこすの」
P「勘弁してくれよ……最初からこっちはギリギリ譲歩なんだから……」
貴音「何故そこまで譲歩するのですか?
実質、こそ分だと弾代におつり程度の儲けにしかならない可能性もあるでしょう」
P「社長たっての願いだからな。無碍には出来ないってのがある。
それと、あわよくばブラッククロスをゲット出来るかなーと思って」
貴音「ブラッククロスに興味が?」
響「悪の銃に興味を持つなんて……」
P「ブラッククロスをハンマーで叩き潰すのが夢なんだ。
で、この話にのるか?
20人を相手取るといっても全員を仕留める必要は無い。
狩りやすい奴を狩って小遣い稼ぎのつもりでも良いんだ」
貴音「わたくしは別に構いませんが」
P「本当か! 銀行は隣町のやつだけど結構距離があるんだ。早めに移動して――」
美希「ちょっと待ったなの」
P「どうした?」
美希「貴音は賛成したけど、ミキ的には765プロと共闘戦線なんてごめんなの」
貴音「しかし、銀行が襲われるのを黙ってみておく訳にはいかないでしょう」
響「銀行が襲われる前にその話を触れ回れば事前に防げるんじゃ無いか?」
P「ああいった輩は掴まるまで犯罪を繰り返すよ。実行日が変わるだけさ。おまえらもこんな仕事をしてるんだからそれは分かるだろ?」
美希「うーん。でもこのままとんとん拍子に話が進むのは面白くないかなー」
P「お前なぁ……」
美希「あっ! 丁度いいの! 今、面倒臭そうな人が近づいて来てるからそれを追い払って欲しいの。それが出来たら今回の仕事を受けて上げる!」
美希はそう言うとテーブルに男が一人近づいて来た。
P「面倒臭そうなやつだって良く分かったな」
美希「こう言った手合いはなれてるから雰囲気で分かるの」
男「よう。あんた四条貴音か?」
P「俺は違いますけど?」
男「……お前に聞いちゃいねぇよ。大体、てめぇが貴音なんて洒落た名前だったら俺は小梅でもおかしくねぇぜ」
P「いや、それはおかしい」
男「良いから黙ってろ。面倒なことになるぜ」
P「もうなってるよ。……お前がな」
男がPに体を向けようとしたとき、Pは声を張り上げた。
P「動くな! ……面倒なことになってるのが分からないなら教えてやるよ。
お前の右の金玉を机の下から銃が狙ってるぞ」
Pは机に体を寄せて片腕を下に隠していた。
男「……てめぇ」
P「両手を上げろ弾で玉をはじかれたくなかったらな」
男はゆっくりと両手を挙げた。
P「悪いね。また日を改めてくれよ」
Pはそういって出口に向かって顎をしゃくった。
男「……覚えとけよ」
P「その台詞、聞き飽きてるよ」
Pは男が店を出て行くのを見送るとほっと溜息を吐いた。
P「……寿命が縮んだよ。
でも、これで仕事を手伝ってくれるんだろ?」
美希「……ますます、やる気は無くなったけど約束だから仕方が無いの……」
響「はったりだけで乗り切るとか……」
P「だって俺銃持ってないし」
響「相手が銃を抜いたらどうするつもりだったんだ?」
P「助けてくれよ」
響「絶対に助けないぞ」
P「そう言っときながら困ってる奴は見捨てては置けない性分だろ? 分かってるよ。土壇場で響が俺を助けてくれるのは」
響「う、うざいぞ」
P「まあ、とりあえず隣町に移動してくれ。そこで落ち合おう。
なぁに銀行強盗20人を相手取るだけの簡単なお仕事です」
貴音「分かりました」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
P「という訳で意気揚々と店を出たら銃口を突きつけられてる。
どういうことだ?」
男「自分が蒔いた種だろ」
P「まあ、待て。良く見てみろ。俺は丸腰だぞ。
丸腰の人間を撃ったとあっては、お前も立派な賞金首の仲間入りだ。
俺のお仲間にケツを追っかけられたくは無いだろ?」
男「……どこかで見たことがあると思ったら、765プロのプロデューサーか……。
てめぇの頭を弾いたら俺は人気者になるんじゃねぇか?」
P「それはない……ともいえないな。
まあ、あと三秒以内に決めてくれ。銃を下ろすか、引き金を引くのか。
3――」
Pがそこまで言ったとき、店からフェアリーの三人が出てきた。
P「よう」
美希「馬鹿なのwww!早速報復されそうになってるのwww」
響「じゃーねプロデューサーwww」
P「……いちごババロア……高級なひまわりの種……」
美希&響「!?」
P「助けてくれないか」
美希「い、いちごババロアは超レア品なの。おいそれと手に入るような物じゃないの」
響「高級ってなんだ? 普通のひまわりとどう違うんだ!?」
P「俺なら用意出来る! 出来るんだ!」
美希&響「……そのクズを離せクズ!」
P「ってことであっちと闘ってください」
男「……お前最低だな」
P「最初からフェアリーが目的だったんだろ? なら良いじゃないか」
男「四条貴音が目当てだったんだけどな」
P「大丈夫。他の二人でも十分名は上がるよ。勝てばだけど」
Pは銃口で後頭部を小突かれ解放された。
P「え? やるの? いきなり超ダッシュで逃げよう」ヒソヒソ
美希と響に近づいたPが小声で言った。
美希「つまらない冗談は嫌いなの。いちごババロア絶対に用意してね。嘘ついたら本気で怒るよ?」
P「用意するよ。別に闘わなくても」
美希「そうなの?」
響「でも、ここで逃げたら良い恥さらしだぞ」
美希「だったら響がやるの。ミキはここで観戦してるから」
P「いや、行くんなら美希にしてくれ」
美希「どうして?」
P「あいつ下に鉄板かなにかを着てる」
美希「……あはっ! いちごババロアの件と言い、ミキ達のこと調べたんだね」
P「ちょっとな」
美希「いいよ。やってあげる」
美希は通路に出ると男と対峙した。
道行く人が通路の脇に寄り、二人を見守る。
賞金稼ぎどうしでの決闘は度々起こるので、みんな慣れた様子であった。
男「俺はデュエリストだ。勝つことだけに拘って生きてきた俺には勝てねぇよ」
貴音「でゅえりすと?」
遠巻きに見ていた貴音が首を捻った。
P「賞金稼ぎで名を上げたやつらとの勝負を生業とする奴らのことだな」
貴音「それは何というか……迷惑な話ですね」
P「……そうだな」
響「そんなことしてる暇があったら賞金首の一人でも捕まえて欲しいぞ」
男「俺が一日ガンベルトから銃を取り出して構える回数を知って――」
美希「あふぅ……もうお話は良いの。早く始めようよ」
男「……おい765プロの! 合図を頼む!」
P「コインで良いか?」
男「あぁ」
Pはコインを親指の上に乗せた。
男「……その綺麗な顔をフッ飛ばしてやる」
美希「キラキラしてるミキを見せて上げるね」
Pがコインを弾く。
高く舞い上がったコインは二人の中間距離あたりに落下し始めた。
美希が銃に手を伸ばす。銃は標準的なシングルアクションのリボルバーである。
コインが地面にぶつかり音を立てた。
二人の手元が一瞬にして銃を引き抜いた。
響「やっぱ美希の方が早いぞ」
P「でも、これからが問題だ」
響「男の方が着込んでる鉄板のこと? そんなもの問題にならないぞ」
銃声が空に響いた。
対峙していた片方が地面に崩れ落ちた。
男「な、なんでだぁ!」
男は肩から溢れる血に驚愕していた。
男「拳銃で貫通出来るような鉄板じゃ無かったはずっ!」
美希「デュエリストを名乗ってるのにそんなものに頼るなんて恥ずかしいの」
男「う、うるせぇ! 勝つために研究に研究を重ねるのがデュエリストだ。
お前達が手や足しか狙わないのは知ってたから入念に準備してきたのに……あ、あの野郎……不良品を掴ませやがってぇ!」
P「いや、鉄板に欠陥は無かったはずだ。拳銃の弾一発程度になら耐えていただろうな。
でも、それが三発とあってはさすがに耐えられなかったんだろう」
男「どういうことだ?」
P「言った通りだが? 同じ場所に3発撃たれたから弾が鉄板を抜けた。
それがお前の敗因。その辺りは研究しなかったのか?」
男「……あるわけ無いだろ……そんなことがあるわけ無いだろ!」
P「俺も吃驚したよ。噂には聞いてたけど本当だったとは……ワンスポットトリプルショットだっけ?
始めに右手で撃鉄を起こし一発、左手を振り下ろして親指で撃鉄を弾いて一発、さらに小指で弾いて一発。合計三発を同じ場所に叩き込む。早すぎて銃声が一つに聞こえる程だ」
男「ありえねぇ……そんなものただの噂だ……そんな技……あるわけ……ねぇ」
男は地面に俯せに倒れた。
同時に、周りの見物人が歓声を上げた。
美希「どう? ミキ、キラキラしてた?」
P「あぁ、炸薬でな」
美希「約束のババロアお願いね!」
響「高級ひまわりの種も」
貴音「らぁめんも」
P「なんか約束してない物まで増えた気もするけど……問題は無いか。早速その約束を果たそう」
Pがそういってその場をあとにしようとしたとき、辺りがざわついた。
やよい「うぅー、邪魔ですよー。みんな退いてくださーいっ!」
ポニーが猛スピードで通路を駆け抜け、それを避けようとちょっとして混乱が起こる。
ポニーはPの目の前辺りでとまった。
やよい「おはようございますっ! プロデューサー!」
P「おはよう、やよい」
貴音「やよい?」
P「保安官のやよいだよ」
やよい「いぇい!」
貴音「……敏腕と噂の保安官がまさかこんな子供だったとは……聞いていた噂だと2メートル超えで顔にさんま傷のある女性だと……」
P「だれだよそんな適当なこと言った奴。どう見ても天使のやよいをそんな化け物と見間違えんな」
やよい「うっうー!」
P「うっうー!」
響「うわぁ……」
やよい「所でプロデューサー! この辺りで銃声が聞こえたんですけど何があったんですかぁ?」
P「すまん。それ俺たちだ。あそこに転がってるのと決闘した」
やよい「駄目ですよー。放置してたら」
やよいは男に近づくと抱き起こし、ポニーに乗せようとする。
しかし、腕力不足でいつまで経ってもポニーの背中に乗せれずにいた。
Pはそれをニヤニヤ笑いながら見ている。
P「見てみろよ。可愛いだろ?」
貴音「……果たして765プロと一緒に仕事をすると言う選択は正しかったのか……不安になってまいりました」
響「……変態だぞ」
美希「どん引きしたの」
やよいは結局周りの人間の手を借りてポニーの背中に男を乗せることに成功した。
貴音「しかし、あの娘がかの有名な高槻やよいだとは……まことなのですか? 信じられません」
P「まことですよ。この街の平和を守り、悪党を薙ぎ倒してる張本人です」
貴音「では、噂に聞くHighTouchという銃技……あれもまことなのですか?」
Pは苦笑した。
P「始めて聞いたよ。まあ、やよいの銃の撃ち方は少し独特だけどな」
やよい「プロデューサーさん。新しい手配書出ましたけど今からこっちに寄ります?」
P「またあとにするよ。仕事が詰まってるし。
……そうだ、今から伊織の所に行くんだけど一緒に行くよな? その男もいることだし」
やよい「はいっ! でも、伊織ちゃんの所に行くんだったら初めからこの人を連れて行ってくださいよー!」
P「うっうー! ごめんなさーいっ!」
響「気色悪い物まねはやめるさー!」
貴音「正気の沙汰ではありませんね」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
P「ってことで、ラーメンといちごババロアと高級なひまわりの種。よろしくぅ!」
伊織「消えなさい」
P「いや、そこを何とか!」
伊織「……あんたここをどこだと思ってるの?」
P「水瀬財閥本社……の中にある伊織お嬢様の休憩室」
伊織「分かってるじゃ無い。だったら大人しく飲食店にでも行きなさいよね」
P「ラーメンは外でも簡単に食べられるだろうけど、いちごババロアと高級ひまわりは難易度が高い。伊織に何とかして欲しいと思ってる」
貴音「……やはり無理があるのでは?
水瀬財閥と言えば海水を真水に変える技術で一世を風靡している会社ですが、飲食店を経営しているといった話は聞いたことがありません」
P「お嬢様の部屋には何でも揃ってるんだよ。
それにここ以外でいちごババロアや高級ひまわりの種の調達とか……何週間かければいいんだ?」
伊織「何週間でも何ヶ月でもかけて調達しなさいよ」
P「そこを何とか!」
伊織「……大体失礼よ。いきなり押しかけてきてラーメンをだせだのひまわりの種をだせだの……そこにいる三人のためでしょ?
何が目的よ」
P「命を助けられたお礼」
伊織「……戻ってきたと思ったら何でそんな事になってるのよ」
P「こいつらフェアリー。で、一緒に飯を食べてたら変なのに絡まれた」
伊織「自業自得じゃないの?
どうせ鼻の下伸ばしてだらしない顔をしてたんでしょ。そんなんだから小物に絡まれるのよ」
P「鼻の下なんて伸ばしてない。……伸ばしてないって!」
伊織「なんで二回言ったの?」
P「大事なことだから。仕事の話だったし鼻の下は伸びてなかったはずだ。たぶんな」
伊織は盛大に溜息を吐いた。
P「伊織にしか頼めないんだよ。お金はちゃんと払うからさ……どうせ苺とか生クリームも完備してるんだろ? その材料を使ってちょっと俺を助けてくれれば良いじゃないか」
美希「そうそう。そこの人もこれだけ言ってるんだからお願いを聞いて上げなよ。
えーっと、でこちゃん」
伊織「でこちゃん言うな! 私には伊織って名前があるのよ!」
P「次の仕事でこいつらに手伝って貰わないといけないし、頼むよ。
ここでこいつらの協力が得られないことになったら俺の体に穴が開くかも……」
伊織「だったらそんな仕事やめてうちのビルで清掃員にでもなったら?」
P「弾丸が飛び交う中で格好つけるのって……最高に面白いじゃん?」
伊織「体に穴が開いても仕方が無い人間の見本ね」
P「…………やよいも来てるんだ」
伊織「え?」
P「下の双海病院に。ババロア食べさせてやるって……約束しちゃった……」
伊織「卑怯よ!」
P「すまんな伊織。
というわけで、いちごババロア8個とラーメン8杯、ひまわりの種一袋用意してくれ」
伊織「多いわよ!」
P「だって俺と伊織とフェアリーの三人、やよいと双海病院の双子もくるだろ」
伊織「……分かったわよ……分かったわよ! 大人しくまってなさい!」
P「さすが伊織! デコにキスして良いか?」
伊織「ばばば馬鹿なんじゃないの!?」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
美希「ま、まさかこんなところでいちごババロアにありつけるだなんて思えなかったの」ジーン
美希はいちごババロアを口に運びながら感涙していた。
やよい「こんな物がこの世に存在していただなんて……感激ですっ!」
伊織「やよいならいつでも来ても良いのよ」
P「やよいには甘いな」
伊織「だってやよいは私の友達だもの」
P「俺も友達でしょうが!!」
伊織「ん? いや……違うけど……」
P「嘘だといってくれよバニーちゃん……」
Pは悲しそうな目で伊織の膝に乗っている兎の人形を見た。
伊織「うさちゃんよ! バニーちゃんじゃ無い!」
貴音「水瀬財閥に是非とも飲食店を開いてもらいたいものですね。このらぁめんは絶品です」ズルズル
響「どうハム蔵。高級ひまわりの味は」
ハム蔵「ヂュ!」
響「やっぱひと味違うのかぁ」
真美「兄ちゃん! こんどの旅はどうだったの?」
亜美「武勇伝を聞かせて→!」
P「うむ。春香がカウンタースナイプされたんだがな、運良く肘が滑って銃弾が頭上を通りすぎるだけに留まった。
そのあと相手側の狙撃手に近づいてた俺がそいつをセガールばりの体術でフルボッコにしたわけだけど、隠れてた奴に後ろから刺されそうになったんだよ」
真美「それで?」
P「春香がギリギリの所でビューティフォーしてくれたから助かった」
亜美「嘘くさいYO!」
P「うん。ちょっと脚色入ってるからな。でも大体こんな感じだった。
千早はいつものように室内でショットガン無双してたし」
真美「今回はどれくらい休暇があるの?」
P「ないよ。明日には隣町に行って次の仕事の準備」
真美「えぇ→! もっとゆっくりしようYO!」
亜美「働き過ぎは体に毒ですぞ」
P「相手の方が待ってくれるんなら良いんだけどな」
伊織「フェアリーと一緒に仕事するんだっけ?
珍しいわね他の所と組んでまでやるなんて。
どちらかというと手堅く仕事をして無理はしないタイプじゃ無い? 765プロって」
P「ちょっと事情があってね」
伊織「事情?」
P「これは今回無理を聞いてくれた礼として特別に教えるんだが……隣町で銀行強盗がある予定なんだ。その主犯が社長の旧知でね。それを潰すのが次の仕事」
伊織「高木社長の旧知? まさか、961プロの黒井社長?」
P「うん」
伊織「嘘くさいわねぇ。黒い噂は絶えないけどしっぽは掴ませない男じゃない。
なんで弱小の765プロごときが事前にあっちの動きを察知出来るのよ」
P「律子が信頼出来る筋から手に入れた情報らしいし、何もなければ無いでそれで良い。
あわ良く行けば黒井社長が持ってるブラッククロス・ピースブローカーも手に入るかも知れない。
この情報を手に入れておきながら動かない手は無いだろ」
伊織「……まだそんなもの追ってたんだ」
真美「ピースブローカー?」
亜美「兄ちゃんの話はあまり本気にしたらだめだYO、真美」
P「今回、上手くいけば最高の結果になるかも知れないんだぞ。
貴音のガンベルトにささってるもの見てみろよ」
伊織「貴音? 悪いけどフェアリーの面々には詳しくないの。
たしか、早撃ちの名手だってことは聞いたことがあるけど、顔までは――」
そう言いながら伊織は一人一人の銃に目をやって驚愕した。
伊織「シルバークロス・ピースメーカー! ほ、本物!?」
貴音「はい」ズルズル
貴音は麺を吸い込みながら頷いた。
伊織「どこでそれを手に入れたの?」
貴音「親に譲り受けただけですが」ズルズル
伊織「そんなあっさり……。……で、どうするの」
伊織はPを見た。
P「どうもしないよ。貴音は悪人って訳じゃ無いしジンクスに傷がつかないんならそれで良い」
伊織「でもこっちで管理してた方が良いんじゃない?
人なんていつ悪に転がるなんて分からないわよ」
響「……おだやかな話じゃ無いね」
美希「人の銃をどうこうしようだなんてよく本人の前で話せるなんて、すっごく肝が据わってるなって思うの」
伊織「なによ。ここで銃を抜いてただで済むと思ってるの?」
P「それはお互い様だろ。この三人が暴れたらこっちもただじゃ済まないぞ。というか高確率でこっちが全滅する。
やよいしか銃持ってないし」
伊織「使えないわね。あんたも銃くらいもってなさいよ。
代わりの銃なんていくらでも用意してあげるわよ?」
P「いらない。銃なんて荷物になるだけだし」
貴音「しかし……まさか伊織殿までこの銃に興味を持つとは……少し意外でした。
私が知らないところでこの銃は大人気のようですね」
伊織「……その銃を買い取らせてくれっていったら売る? 言い値で買うわ」
貴音「申し訳ありません。親から譲り受け、大切にしろと言われた品なので,売り渡すことは出来ません」
伊織「そう……だったらそれでも良いわ。
でも覚えておいて。もしその銃の名前を汚すようなことがあれば、こちらは無料でその銃を譲り受けることになるって」
貴音「……覚えておきましょう」
P「なんだよこの空気www穏便に行こうぜ! テンション上げて行こう!
ウェーイ!wwwww
ほら! ウェーイ!wwww」
真美「に、兄ちゃん空気読もうYO」
亜美「亜美たちいおりんが何を話してるのか全く分からないけど、ふざけちゃいけない場面だってことは分かってたYO……」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
貴音「萩原流たるき亭……たしかここで待ち合わせでしたね」
響「たしか765プロのと始めて出会ったときもこの店だったね。チェーン店なんだ」
美希「早く入るの。で、いなかったら帰るの」
貴音たちは765プロとは現地集合の約束をし、隣町まで来ていた。
馬で2日かかる道のりであったが、急峻な地形が多い日本ではまだ近い方であった。
遠いいとされる道のりはまさに命がけとなり数週間を掛けての旅になることはざらであるのだ。
P「お、来たな。貴音、響、美希! こっちだ!」
萩原堂に入った三人に奥のテーブルに座っているPが呼びかけた。
Pの隣には二人の少女が座っている。
美希「残念。いたの」
P「まあ、座って好きなものを頼んでくれ。それと、紹介しておくよ。
こっちのリボンが春香でこっちのスレンダーなのが千早」
貴音「四条貴音です。よろしく」
フェアリーと春香、千早はお互いに握手をして席に座った。
美希「で、この二人は使えるの? 足を引っ張られるのはヤなの」
春香と千早が無言で席を立とうとした。
P「喧嘩っぱやすぎるぞおまえら」
貴音「今回は同じ仕事をこなす仲間です。穏便に参りましょう」
P「そうそう。春香と千早の腕は俺が保障するよ」
美希「そこの人に保障して貰っても意味ないと思うなー」
P「だって俺しか保障出来ないし。
こいつら見ての通り早撃ちをするタイプでも無いから銃を撃つときは仕事の時だけ。
しかも仕事で撃つとなると相手は全員豚箱行きだから……」
千早「その辺りは別にどうでもいいでしょう。
作戦を立ててやるわけでも無いのだから、お互いに背中を撃たないように注意をしておけばそれで良いと思います」
P「まあ、緻密な連携を取ろうって訳でも無いからな。
けど、将来の仲間候補だから仲良くしとけよ」
響「はぁ? 仲間になんてなる気は無いぞ」
春香「こっちも仲間なんていりませんけど」
P「おまえらなぁ……もういいや……話を進めよう。
銀行強盗の件なんだが――」
店内に陶器が割れる音が響いた。
音の方向に目を向けると一人の少女が震えながらこちらを見ている。
P「あれ? ……もしかして前に寄った街で俺にうどんぶっかけた子か?」
春香「あの子が?」
千早「へぇ」
雪歩「ぎ、銀行ごう……」
P「え? 大丈夫か? 割れた食器拾うの手伝うよ」
Pはそういって席を立ち上がった。
雪歩「銀行強盗ですぅ!!」
雪歩はそういってPを指さす。
P「へ?」
真「雪歩っ! そいつから離れて!」
カウンターにいた真が飛び出してくる。
屈強な♂×3「そいやっ!!」
その後ろにいつの日か見たことのある屈強な男衆が続いた。
P「ち、ちが――俺は」
屈強な♂×3「そいやっ!!」
P「やめろっ! は、離せ! おいっ、どこ掴んでやがる! このっ――アッー!」
春香「やだ、何あれ!」
千早「春香、プロデューサーを助けないと!」
春香「……もうちょっと見ておこうよ」ドキドキ
千早「……そ、そうね」ドキドキ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
P「ひどい目にあった」ボロッ
雪歩「ご、ごめんなさい! ほんと私ダメダメで……勘違いした挙げ句迷惑をかけちゃって……」
P「春香と千早はもっと早くに助けてくれよ。なんか色々と危なかったぞ」
春香「ごめんなさい。いきなりのことでどうすれば良いか分からなくて」シレッ
千早「一般人に発砲する訳にはいけませんし」シレッ
真「つまり、あなた達はこの町で起こる銀行強盗に備えてその話をしていたところだったって訳ですか」
貴音「また会いましたね。こことは別の場所で働いていたと思いますが?」
真「同じ場所で働いてると地元の人になれてしまうので、系列店を転々としているんです。
雪歩の男性恐怖症を克服するのが一番の目的ですから」
貴音「そう言うことですか」
真「でもこんな短期間で貴音さんにまた会えるとは思ってなかったなー。
銀行強盗があるって本当なんですか?」
貴音「765プロが手に入れた確かな筋からの情報らしいですよ」
真「765プロが?」
真はジト目でPを見た。
P「正義感が強そうな子だから先に忠告しとくけど他言無用だからな。警察にも保安官にも」
真「なんで?」
P「他の銀行が襲われるだけだろうから。
ここで馬鹿共を一網打尽にするチャンスだろ?」
真「……分かった。僕たちも手伝っても良いかな?」
P「……駄目に決まってるだろ。ミルクを買ってあげるからお家で飲んでなさい」
真「そっちが駄目だって言ってもこっちは勝手に首を突っ込むからな!」
雪歩「や、やめようよ真ちゃん。危ないよ」
真「でもこんな話聞いて放っておけないよ!」
P「こんな話はいくらでも聞くだろ。そのたびに首を突っ込んでたんじゃ長生き出来ないぞ」
真「こんな話を飲食店でやる方が悪い。普通は酒場とかじゃないの?」
P「酒場に入るような面子じゃ無いからな。こっちも場所を選ぶべきだったよ。悪かったと思ってる。
だからこれ以上首を突っ込むな」
貴音「遊びでは無いですからね」
真「で、でもっ! 放って置けません!」
P「お前達に何が出来るのかが知りたいな」
真「人を集めて強盗に対抗する」
P「銃は使えるのか?」
真「……使ったことはありませんけど」
美希「それはさすがに無謀なの。被害が増えるだけだしこっちも人が多かったら邪魔で仕方が無いの」
響「誰を撃てば良いのか分からなくなるぞ」
P「という訳だ。じゃあな」
真「……くそぉ!!」
P「…………と思ったけど、このまま放って置くとなんかやらかしそうだな。
……名前は?」
真「……菊地真」
P「それじゃあ真」
真「いきなり名前呼び!?」
P「俺と一緒に今回の仕事をやろう」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
とある街。
寂れたこの村では珍しい決闘が行われようとしていた。
あずさ「あらあら~。最近はよくこんな事に巻き込まれてしまって困るわ~」
決闘者「お前の最も卑怯だと言われるショット……見せて貰うぜ。一匹狼のあずさ」
あずさ「卑怯なことなんてしません。それに私、一匹狼じゃ――」
誰かが二人の間にコインを投げた。あずさと決闘者が素早く構える。
あずさは張り付くような長ズボンにシャツを来ていたが、そのシャツはダイナマイト過ぎる胸を収めきれず第二ボタンまで開いていた。
前屈みに構えたあずさの胸元に決闘者の目が吸い寄せられる。
その瞬間、銃声が鳴り響いた。
決闘者「ぐあっ!?」
当然、撃たれたのはあずさの相手である。手首を撃ち砕かれて心底悔しそうにしている。
決闘者「こんな馬鹿な負け方! 絶対に他言できねぇ……っ!」
あずさ「私、一匹狼じゃありませんからね?」
あずさは踵を返してその場を去った。
あずさ「どうやったら帰れるのかしら~。とりあえず、こっちの道でも行ってみましょう」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
真「もう三日もここで銀行を見張ってるけど本当にくるの?」
P「さぁ? あと一週間張って来なかったら諦めるよ」
真「そんな無責任な……」
雪歩「や、やっぱり止めようよ真ちゃん」
真「雪歩は店でウエイトレスをしときなって。危ないよ」
雪歩「一人でウエイトレスの方が嫌ですぅ!」
春香「騒がしいよ。始まったときに五月蠅いようだったら黙らすからね」
春香はライフルをポンポンと叩いて見せた。
真「なにおう!」
P「五月蠅いって。……あっ、まさかアレか?」
Pは砂埃を上げて近づいてくる一団に目を向けた。
春香「アレでしょうね」
P「どう見ても普通じゃ無いもんなー」
Pたちは二階建ての建物の上からそれを見ていた。
平面に潜伏してる美希たちにも合図を送り、目標が来た事を知らせる。
真「で、これからどうするんです?」
P「まずはな」
真「はい」
P「相手に金庫を奪わせる」
真「は?」
真が困惑している間に一団は銀行の前へとやって来た。
P「うわー。質より量で攻めてきたかー。予想より十人くらい多いか? 30人はいそうだ。
しかも、どいつもこいつも見たことない奴なんだが」
春香「お金になりそうじゃ無いですね」
P「まあ、現行犯ってことで捕まえれば報償は出るだろ」
真「ちょ、ちょっと待ってよ! 金庫を奪わせるってどういう事です!?」
P「五月蠅いって。……まあ、あっちはもっと五月蠅いから気がつかれないだろうけど、命に関わる問題だからもっと声のトーンを落としてくれ」
Pは銀行の前に集まった一団を見た。
チャラ男A「ココッスカ、センパイ!」
チャラ男B「ッンナコトオレニキクナヤ!」
チャラ男C「パネェ! ケイカクハアクシテナイセンパイパネェ!!」
チャラ男D「ダブンココッショ?」
チャラ男E「マチガイナクネ?」
強盗団はそう言いつつ銀行に雪崩れ込んだ。
P「大丈夫かよあいつら。ちゃんと金庫盗めるんだろうな」
真「いや、だから何で盗まれるのを見ておくんだよ!」
P「ここで30人を相手にドンパチを始めたらさすがにこっちが危ないから。
それに知ってるか? 盗まれた金は取り返したらその分の報償が出るって」
真「っ! 最悪だ! あんた!」
P「まあまあ、大人しく見ておきなって。
今始めて銀行員を人質に立てこもられでもしたら面倒だし、色々と理由はあるんだ」
春香「出てきましたよ、プロデューサーさん」
銀行から強盗団と金庫を引きずる馬が出てきた。
P「昔は固定式でもと大きな金庫だったらしいけどな。
銀行の金庫と言っても箪笥くらいしか無いな」
6人ほどでチャラ男は用意していた台車に金庫を乗せる。
チャラ男F「ッベー。マジヨユウダッタワ」
チャラ男G「ズラカッゾ!」
P「外に出たのは8人か……まあ、いいや。
やれっ! 響、美希!」
響「命令するな~!!」
美希「う、うざいの!」
響と美希はそれぞれ大きめの台車を押して片側の道を完全にふさいだ。
元々、木材を置いて少し道は狭くしてあった。
響と美希は台車の裏に隠れて銃を撃ち始める。
チャラ男H「ッベェ!!」
チャラ男I「マジベェワ!!」
早速二人仕留めるが、金庫を乗せた台車は馬に引かれて猛スピードで逃げ出した。
P「馬を狙えば早いんだろうけど……馬も頂きたいから人だけ狙ってくれ」
春香「……ビューティフォー。
プロデューサーさん。ライフルで敵を一方的に捕らえたときの気持ちよさは最高ですね!」
春香が引き金を引くと金庫と一緒に台車に乗っていた強盗の一人が地面を転がった。
春香はレバーを前後させ薬莢を吐き出させる。
レバーアクションのライフルが火を吹くたびに強盗が地面に転がった。
春香「……5人ですか。もう弾が届きません」
P「上出来だ。春香はここで引き続き取り残しを頼む」
銀行内で独特の銃声が響いた。悲鳴が上がり強盗が数人飛び出してくる。
それを美希と響、春香が一人ずつ仕留めた。
P「やってるな千早。
よし。響、美希! 中を手伝ってやってくれ!」
響「……765プロで使われてる人間の気持ちが分かったぞ」
美希「……うざいの」
二人はしぶしぶと言った様子で銀行に入っていった。
真「そ、それで僕たちは何をすれば」
P「うーん。春香の応援でもしておいて」
真「へ? だ、騙したなぁ!」
P「安全な場所で良い勉強が出来ただろ?」
雪歩「そうだよ真ちゃん……さすがに今回のは素人の出る幕じゃ無いよ……」
P「という訳で二人とも春香の応援よろしく。
俺はちょっと銀行を見てくる」
真「ぼ、僕も――!」
P「春香。二人の応援が不十分なようだったら、足でも撃って気合い入れてやれ」
春香「はーい」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
銀行から金庫が盗まれた直後、店内では小銭までかき集めようと強盗団の連中が騒いでいた。
チャラ男J「ニカイニモマダナニカアルンジャネ?」
オタク「行ってみようずwwww」
チャラ男K「ッベー! ナンダヨコイツ! アイカワラズキメー!」
オタク「ぐふぅwwwwwww」
そんな中、隅で震えている少女が一人いた。
チャラ男L「マジカヨ! チョーカワイインダケド」
チャラ男M「コンナイナカニカワイイコナンテイルワケナイッショ」
チャラ男N「ッンスカ? ナンノハナシシテルンッスカ?」
チャラ男O「コエカケテミヨウゼ」
強盗の一味は少女に近づいていった。
チャラ男N「ダイジョウブッスカ?」
チャラ男M「アーマジカワイイワコノコー」
チャラ男N「ッテカナンデコノクソアツイナカ、コートナンッスカ?」
少女はコートにくるまって自分の体を抱くように佇んでいた。
チャラ男O「カンゼンニビビッテルワーオレタチニカンゼンニビビッテルワー」
チャラ男L「ナイッショ? オレタチチョウヤサシイジャン」
その時、外で銃声がして店内が凍り付いた。
店の前にいた台車が馬に轢かれて急発進し、中にいた強盗団に童謡が走る。
チャラ男P「ハ? オレタチオイテイクトカマジネーシ」
チャラ男Q「ッテイウカオレタチモニゲタホウガヨクネ?」
千早「……私がロングコート着てる理由が知りたい?」
チャラ男N「……ウッス」
チャラ男O「モウイイカラニゲッゾ!」
チャラ男Oはガンベルトから銃を引き抜きながら叫んだ。
千早「だって武器が隠しやすいでしょ?」
ロングコートの中から現われたショットガンが火を吹いた。
チャラ男Oの腕が同時に吐き出された十数発の鉛球でズタズタになる。
チャラ男Oが持っていた銃が床をカラカラと転がり、銀行内にいた人間がそれを呆然と眺めた。
チャラ男O「ッンスカコレ?」
チャラ男M「オマエヤバクネ? ビョウインニイッタホウガヨクネ?」
千早はフォアグリップを前後させ次弾を装填すると、近くにいた強盗団に向かって発砲した。
ここに至って室内はパニックとなる。
チャラ男P「ッベェ! アノオンナソウトウキレテッゾ!」
チャラ男Q「ウテヤ! オマエラトリアエズウテヤ!」
オタク「やばいでござるwwwここは一旦退散wwww」
ショットガンの凄まじい制圧力は店内にいる強盗団を地獄にたたき落とした。
外に逃げ出す者や退路を求めて二階へと上がる者、カウンター側に逃げ込む人間など様々である。
千早は鼻歌を歌いつつ柱に身を隠し、次弾を装填した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
銀行の一階が慌ただしくなったとき、当然2階でもその異変を感じ取っていた。
チャラ男R「ジュウセイガシテネ?」
チャラ男S「ヤバクネ?」
チャラ男T「カクレタホウガヨクネ?」
チャラ男R「……ハ? チキンカヨ」
チャラ男T「ハ?」
チャラ男R「ア?」
チャラ男S「ヤメロヨ! ッメーラ」
強盗団がお互いに睨みをきかせていると、数メートル離れた場所の扉が開いた。
ごく自然な様子で現われた銀髪の女性に3人は呆然とした。
そして、その女がガンベルトをしており、銃を差しているのを見て驚愕した。
チャラ男R「ッベー!」
チャラ男T「フイウチトカマジカヨ!」
チャラ男S「クウキヨメヤッ!」
三人が銃に手を伸ばしたとき、銃声が連続して三発響いた。
チャラ男R「ッテー」
チャラ男T「テンションサガルワー」
チャラ男S「クウキヨメヤッ!」
貴音「申し訳ありません」スチャ
チャラ男R「ハ? ナンデマタジュウムケテンダヨ」
貴音は更に一発ずつ強盗団の太股に弾丸をくれてやった。
チャラ男S「アアアアアッ!? クウキヨメヤッ!!」
貴音はもだえる3人を尻目に、シリンダーに新しい弾を込め始める。
貴音「逃がすと面倒になるので」
貴音は廊下の中間距離に位置し、下から逃れてくる強盗を狩った。
チャラ男J「ッベ! ウエモヤバイジャン!」
オタク「そのようでwwww
おやwwwというよりあの銀髪美女wwwwwww」
チャラ男K「ッベー! ヤッゾオマエラ!」
強盗団が銃に手を伸ばしたのと同時に貴音も引き金を引く。
二つの銃声が廊下に響き、それ以上は銃声がなることは無かった。
貴音「……どういうつもりですか?」
オタク「でゅふwwwwwww」
オタクの足元にチャラ男Kが転がる。
オタクに側頭部を打ち抜かれ即死していた。
貴音に手首を打たれたチャラ男Jは顔を真っ赤にして怒鳴る。
チャラ男J「ッメーバカカヨ!? ナニミカタウッテンダ!!」
オタク「すまぬwwwすまぬwww」
オタクはチャラ男Jに向かって引き金を引いた。
額の中心を打ち抜かれたチャラ男Jが床に転がる。
貴音「これは一体……」
オタク「まさかこのような場所で四条貴音に出会えるとはwwwww感激の極みwwww」
オタクはガンベルトに銃を収めた。
オタク「勝負でゴザルwwww拙者、バトルオタクゆえwwww」
貴音「構いませんが……ただで済むとは思わないで下さいね」
オタク「ワロスwwwwwwww」
貴音は銃をホルスターに収めた。
貴音「合図はどのように――」
そこまで行ったときオタクの手が銃に伸びた。
直後、銃声が一発響渡る。
オタク「でゅふwwwwww」
貴音「……あまりにも抜くのが遅かったので美希のマネをして見ましたが……やはり同じ場所に三発は無理ですね」
一発のように聞こえる程の早撃ちは、オタクの肩、肘、手首を撃ち抜いていた。
オタク「無理ゲーwwwww」ドサッ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
銀行の一階では壮絶な銃撃戦が繰り広げられていた。
カウンターの奥へと逃げ込んだ強盗団が、机や銀行員を盾にして激しい抵抗を繰り広げているのだ。
それを千早、美希、響が相手取っていた。
響「うがー! 人を盾にするなぁー!!」
柱の陰から響が怒鳴る。
銀行内には銃声と怒号に混じって歌声も混じっていた。
美希「どうして歌うの?」
千早「迷惑だったかしら?」
美希「そう言うわけでは無いけど、不思議に思って」
千早「気分が良いときは歌いたくなるでしょ?」
美希「ミキは気分が悪いの……敵さんが隠れてばかりでイライラするから」
響「自分もこんな狭い場所だと動き回れないぞ」
美希「これ以上は粘らずに一旦引く?」
響「盾がある相手を仕留めるのは難しいぞ」
千早「もうちょっと待って。
もう少ししたらプロデューサーが来るから」
美希と響は顔を見合わせた。
響「来るわけないぞ」
美希「千早さんジョーク上手いの」
P「うーっす」
響「は?」
Pは銀行の入り口からなんの警戒もせずに侵入してきた。
P「やってるなクズ共。人質とはおまえらにしては頭を使ったじゃ無いか!」
チャラ男T「……ハ? ダレダヨアイツ」
チャラ男U「ッゼーマジウゼーワ」
P「やっぱ銀行の床は綺麗だな。歩くといい音が出るし。
よし、タップダンスでも踏むか!」
チャラ男V「シネヤッ!」
銃声が響き、Pを撃とうとして顔を上げた強盗団が床に転がった。
千早「頭上げる馬鹿を撃って」
美希「了解なの!」
P「こいつら結構良い銃持ってるな。売りさばくか」
Pは弾丸が飛び交う中、転がっている強盗団の銃を集め始めた。
響「しょ、正気じゃないぞ」
千早「膠着状態になった方が危険だから」
美希「やったの! 人質とってる奴らは全員やったよ!」
響「あとは机の影に隠れてる奴を集中砲火で――」
千早「良い物があるわ」
千早はそう言うとショットガンに弾を込め始めた。
そして、フォアグリップを前後させて装填すると、誰も隠れていない机に向かって銃口を向ける。歌っている分それは周りの注目を集める行動であった。
直後、ショットガンが火を吹く。
吐き出された弾は机をいとも簡単に貫通し、大穴を開けた。
千早「スラッグ弾よ。影に隠れてる奴らは両手を挙げて出てきなさい。
死にたくないんならね」
チャラ男W「……ンマジカヨ!」
チャラ男X「……シャレニナンネー」
チャラ男Y(チキンであるがリア充になるべく髪を染めてみた元文学少年)「……コワイヨママ」
続々と両手を挙げた強盗が物陰から姿を現した。
千早「ガンベルトを外して銃と一緒にこっちに投げなさい」
響「そう言うのは最初から使って欲しいぞ」
千早「人質がいなくなるのを待ってたのよ」
P「よう。お疲れ」
千早「ありがとうございました、プロデューサー」
P「俺は相手を煽ってただけだけどな。相手がプロじゃなくて良かったよ。
こんな下らない手が通用する相手なんて限られてるし」
美希「プロデューサーのことを勘違いしてたかもなの」
P「HAHAHA!」
真「どこだ悪党!」
P「HA?」
真は千早たちに銃を向けられている面々を見て肩を落とした。
真「くっそー! 終わっちゃったのか!」
P「お前、春香の見張りをどうやって振り切ったんだよ」
真「別に特別なことは何もしてませんよ。屋根から飛び降りてここまで走っただけですから!」
P「すごいね」
Pは窓から外にいる春香に向かって手を振った。
春香はばつの悪そうな笑みを浮かべると首を引っ込める。
P「こいつらはたいした金にならないだろうし……765プロはフェアリーに払う分と弾代を考えればマイナスか?」
千早「それにプロデューサーが期待していた人は出てきませんでしたね」
P「黒井社長か……律子のやつ……帰ったらくすぐりの刑だな」
千早「理不尽な」
P「フェアリーはここに残ってこいつ等を警察に引き渡してくれ!
俺たちは金庫を追うからさ」
千早「金庫の強奪は阻止出来なかったんですか」
春香「私も頑張ったんだけどねー」
千早「あ、春香。お疲れ」
春香「お疲れたよ」
雪歩「ひぃ!? 男の人がいっぱい倒れて……」
P「……信じられるか? 生きてるんだぜ。これ」
強盗達は凄まじい怪我をしておりすぐに止血を施さなければ死にかねない様子であったが、辛うじて生きていた。
P「日本は犯人を生かして捕まえた方が報償が高いからな。
アメリカは死体でも構わないらしいけど」
千早「そっちの方が楽ですよね」
P「ということは……銃を持った現行犯の雑魚がだいたい25人で犯罪者規定に照らし合わせると……50万程度の報償か……盛大にドンパチ繰り広げてこれだよ」
貴音「上では二人死にましたのでもう少し報償は減ると思いますよ」
貴音は階段を下りて来ながら言った。
P「お前がやったのか?」
貴音「いえ、ちょっとした同士討ちのようなことがありまして」
P「そうか……まあ、クズ共だし別に問題は無いな。
出来るだけ手足を撃って生かそうと努力してるみんなの前で言いたくはないが、こんなしょっぱい町だ……病院に連れて行っても助かるかどうかあやしいやつもいるし。
正直俺としてはお金に替わるときまで生きてくれてれば良い」
雪歩「はう……ち、血が……もう駄目ですぅ~」
雪歩は惨状に耐えきれずに意識を失った。
真「雪歩っ!」
床に倒れる前にそれを真が受け止める。
P「……外に出るか。春香と千早はこれから俺と金庫を奪い返しに行くぞ」
春香「イエスサー」
美希「あとで追いかけるの」
P「追いついたときには仕事は終わってるだろうけど、それでも良いんならどうぞ」
Pたちが外へと足を向けた瞬間であった。
みなの気がカウンター方面からそれた瞬間、机の影から男が一人飛び出した。
チャラ男Z「ココデオレトウジョウィッシュ!」
完璧に不意を突かれた面々はチャラ男Zに引き金を引くことを許してしまった。
一瞬遅れてもう一つの銃声がなり響く。
チャラ男Zの弾丸に倒れた人間と貴音の弾丸に倒れた人間が同時に苦悶の声を上げる。
チャラ男Z「ウィッシュ!!」
P「止めて下さい。死んでしまいます」
春香「プロデューサーさん!」
春香はPに駆け寄った。
直後、保安官が警察を従えて乗り込んでくる。
P「保安官! 俺たちの手柄だから! 銀行員達も俺たちの顔をちゃんと覚えてて!」
銀行員は頷き、保安官は親指を立てて白い歯を見せた。
P「よし!」
春香「よし、じゃありませんよ!」
千早「春香、おおおおお落ち着いて」
P「千早もな。大丈夫だ肩に当たっただけだから」
Pは左肩をポンポンと叩いて見せた。
響「もう少し中心側を撃たれたら重要な脈だぞ……」
春香「何やってくれてるんですかねぇ。足を引っ張るようなのがここに来るからですよ?」
春香は真に銃口を向けながら言った。
真「ご、ごめん」
千早「なんで庇うんですか。彼女の身長だと当たってなかったのに」
Pは咄嗟に真と雪歩の前に立ったことを責められ始めた。
P「それって結果論じゃ無いか。
俺も銃口の向きを見て多分この子達には当たらないなーとは思ったりはしたけどな。
でもさ……」
貴音「万が一を考えての行動ですか」
P「いや……そうした方が格好いいかなって思って」
響「ば、馬鹿がいるぞ」
美希はその答えがツボに嵌まったのか腹を抱えて笑い始めた。
P「可愛い子を弾丸から庇うのって……最高に格好いいだろ?
一気に二人に恩を売れるし」
春香「いや、それ本人の前で言ったら絶対に駄目な台詞ですから!」
真「か、可愛い女の子……」
P「もたもたしてる内に引き渡しも終わったし……フェアリーと一緒に金庫を追えるな」
千早「プロデューサーは休んでいて下さい」
Pたちが銀行を出ると逃げたはずの台車が戻って来るのが見えた。
台車に乗っているのは金庫と簀巻きにされた強盗が三人。
それを引く馬を走らせているのは胸の大きな女性だった。
P「あずささん!」
あずさ「あらあら~。ようやくプロデューサーさんに会えましたね」
P「何ヶ月ぶりですか……3ヶ月?」
あずさ「今回は随分と長い間離れてしまいましたね~」
P「それにしても驚いたな。ちょうどその3人と金庫を追おうとしてた所なんです」
あずさ「いかにも悪人面で金庫を運んでいたので確保しました」
P「そ、そんな理由で?」
あずさ「うふっ、冗談です。必死の形相で血のついた荷台で金庫を運んでいたら何かあるって思うでしょう?」
P「まあ、確かに」
貴音「この方は?」
P「765プロに所属してる賞金稼ぎの一人……なんだけど、極度の方向音痴がたたって仕事をするたびに行方不明になるんだ」
あずさ「おかげで一匹狼のあずさなどと不名誉な渾名がついてしまいました~」
響「聞いたことがあるぞ。この世で最も卑怯なショットを使うんだっけ?」
P「何となく分かります。そう噂される理由が」
あずさ「そうなんですか?」ポヨン
P「はい」ジー
美希「何となく分かったの」
P「金庫も取り返してくれたしあずささんも戻ってきたし、今日は良い日だ」
あずさ「あの……肩に弾丸を貰ってるようですけど?」
P「かすり傷ですよ」
あずさ「そうは見えませんけどぉ」
雪歩「あ、あのぉ!」
P「あ、目を覚ましたんだ」
雪歩「今回は助けていただいてありがとうございました!
お、お礼と言ってはなんですけど荻原流たるき亭でいくらでも食べていって下さい。
傷の手当てもそこでどうぞ。道具は揃っていますから!」
真「今回は迷惑を掛けてしまったことを素直に認めます……皆さんもどうぞ店に来て下さい。
僕が数ヶ月ただ働きする気でおごるんで!」
貴音「その言葉……うそ偽りはないでしょうね?」
美希「ラーメン魔人が本性を現したの」
響「覚悟しておいた方が良いぞ」
P「そういえば貴音はラーメンが好きなのか?」
貴音「わたくしたちのことは調べたのでは?」
P「いや、貴音の情報はなかなか手に入らなくてな。
早撃ちの名手としての名が高すぎて他の情報が集まらなかったんだ」
貴音「そうなのですか。
……らぁめんは大好物ですよ」
P「……俺もだ!」
春香「プロデューサーさんがラーメン好きだとか聞いたこともありませんけど!?」
千早「むしろうどんの方をよく食べている気が……」
あずさ「適当な事をいってますね~」
P「HAHAHA!」
プロデューサーが高笑いを上げているとき、独特の高音が耳に届き始めた。
P「HA?」
春香「なんですかこの音」
千早「この町の中じゃ無い……もっと遠くの……私たちの街から聞こえる音じゃ無いかしら」
千早は目を閉じて集中していた。
P「……これは水瀬財閥の緊急警報だろうな。
一年に一回作動調査で少しだけ鳴らすだろ」
千早「確かにそのようですね」
貴音「そんなものがなぜ鳴っているのですか」
響「作動調査か?」
P「……やられたな。
戻るぞ! 黒井社長に完全にしてやられた!」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そのころ水瀬財閥本社。
伊織「これ以上あいつらを上に上がらせないで!」
ビル内では激しい銃撃戦が繰り広げられていた。
それは水瀬財閥の総力とたった4人との闘いであった。
SP「お嬢様! 奥に!」
伊織「何なのよあの火力」
翔太「すごいねこの火力! さすがアンティーク!」
黒井「AK-47だ。拳銃など相手にもならんよ」
北斗「なんで翔太だけ? 俺たちのは?」
冬馬「別に要らないだろ。あんな物」
黒井「その通り。真のデュエリストにはあんな玩具必要ない」
北斗「俺はデュエリストのつもりは無いんだけど……」
伊織「こら黒井ー!! 何てことしてくれてんのよ! 絶対にぶっ飛ばーすっ!!
黒井「登場の仕方が不躾だったか?
これは失礼。今日は折り入って頼みがあってここに来たのだ。
ここにあるホワイトクロス・ピースメーカーとゴールデンクロス・ピースメーカー……それを譲り受けに来た。渡してもらえるかね?」
伊織「……そんなもの無いわよ。帰りなさい!!」
黒井「調べはついているんだ。大人しく差しだした方が身のためだぞ」
伊織「身のため?
……それは……こっちの台詞よ!!」
水瀬財閥側からの攻撃が一掃激しさを増した。
黒井たちの対面側に台車に乗った巨大な銃が現われる。
真美「準備完了!」
亜美「いつでも行けますぞ! 真美隊員!」
真美「病院を守れー!」
真美の声に呼応する声が響く。
このビルには病院も入っているのでその職員の一部が闘いに参加していたりした。
冬馬「なんだあの馬鹿デカイ銃!」
黒井「アレはガトリングだ」
直後、亜美がハンドルを回し始め、激しい音がビルに響いた。
黒井たちも物陰に飛び込み身を隠すほかは無くなる。
亜美「見よ! このビルをも吹き飛ばさんばかりの威力を!」
真美「こ、鼓膜が……」
伊織「ちょっとぉ!? 本当にビルが吹き飛ぶんじゃないでしょうね!?」
凄まじい威力の弾はコンクリートもガリガリと削っていた。
黒井「これが木造立てだったら殺されていたな」
冬馬「どうする気だよ!」
黒井「まあ、見ておけ。ガトリングは威力は高いが弾を装填し直す時に大きな隙が生まれる」
冬馬「そんなのあっちも分かってるだろ」
黒井「あぁ、分かっているからこそ。一気に仕留めるチャンスだ」
ガトリングが完全に停止した。
その瞬間に黒井は通路に飛び出した。
伊織「っ! 伏せなさい!」
伊織は咄嗟に亜美と真美の頭を押さえる。
直後、一際大きな銃声が鳴り響いた。
間をつなごうとして銃を構えていた水瀬財閥側の人間が6人、その場に崩れ落ちる。
伊織「な、なにが!」
翔太「よっと」
伊織「なっ!?」
一瞬で距離を詰められ、銃口を向けられた伊織は驚きの声を上げた。
翔太「驚いてる驚いてる。まあ、僕も初めて見たときは驚いたよ。
黒ちゃんの六連続ショットには」
伊織「六連続!?」
黒井「信じられ無いか? まあ、信じようが信じまいがどうでもいいが。
こんな物はお遊びだからな」
伊織「お遊び……」
黒井「ショットの絶対にして至高の技は……早撃ちだ。それ以外はショーの技に過ぎん。
……で、案内してもらえるかな? ピースメーカーの場所に」
伊織「……だからピースメーカーなんて銃……知らないわよ」
黒井「そうか。
……コレと同じ銃把に十字架が描かれている銃だ。思い出しただろう?」
黒井は銃口を伊織の下にいた真美に向けた。
黒井「で? ピースメーカーはどこだ」
伊織「くっ!」
真美「い、いおりん! 何のことだか良く分からないけど、真美のせいで不利になるような判断は止めて!」
黒井「可哀想に。何も知らずに闘っていたのか?」
黒井が撃鉄を起こす。
冬馬「おい! 少しやりすぎじゃ無いか? もう銃は構えてないし……子供だ!」
黒井「お前は黙ってろ。ピースメーカーの価値は……小娘一人の命より重い」
引き金にかかる黒井の指にじわりと力が加わった。
銃口を向けられている真美の顔から血の気が失せる。
亜美「やめてぇ!」
伊織「っ! 分かったわ!!」
黒井「何がだ?」
伊織「ピースメーカーを……渡す」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
P「これは街から戦力を削ぐための黒井社長の策略だったんだ!」
Pは馬を走らせながら叫んだ。
春香「なんで765プロが狙い撃ちされたんでしょうか!」
P「黒井の目的は高木社長だ」
貴音「? それでは水瀬財閥の警報が鳴っているのはどういう事なのでしょうか」
P「水瀬財閥には……ピースメーカーがある」
貴音「なんと」
春香「初耳ですよ! 初耳!」
千早「どうしてそんなことを私たちにまで黙っていたんですか」
P「すまん……実は隠し事がたくさんなんだ……」
春香「そんな……」
P「全部俺の責任だ。……すまん」
あずさ「でも社長が狙われているとしても、どうしてピースメーカーが関係してくるのでしょうか~」ボヨンボヨン
P「すごいな。馬ってすごい」ジー
あずさ「プロデューサーさん?」
P「は!? あ、いや……。
……水瀬財閥に保管されているピースメーカーなんだが……アレは元々社長の物だったんだ」
春香「えぇ~!?」
P「黒井社長は社長をライバル視していてな。決闘での勝負をつけたがっている……んだと思う。
社長と黒井社長の対決は勝負がつかずに社長が引退したことで、停滞したままだから。
社長のホワイトクロス・ピースメーカー。それを取り返して完璧な状態で決闘をしたいんだろう」
貴音「人に勝負を強制するとは、なんと傲慢な」
P「黒井社長は勝負に取り憑かれた魔物だと聞く。
こう言った馬鹿には理屈は通用しない……俺も良く知ってる」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
黒井「……確かにホワイトクロス・ピースメーカーだ」
黒井は銃把に白い十字架が刻まれ、細工の美しい銃を手に満足そうに頷いた。
ガンベルトもおそろいの模様でセットである。
黒井「これだけか?」
伊織「他に何があるっていうのよ」
黒井「ゴールデンクロス・ピースメーカーだ」
伊織「無いわよそんなもの。金庫の中はみたでしょ?
疑うんならいくらでも調べて良いわよ」
黒井「いや、そんな時間は無い。
それにゴールデンクロスがここにないのは本当なんだろうな」
伊織はほっと溜息をついた。
伊織「だったらさっさとビルから出て行ってくれる?」
黒井「ここにないのは本当だろうが、だがゴールデンクロスの動向がこの辺りで途絶えたのはこちら側も掴んでいる情報だ。
水瀬財閥がそのことについて何も知らないとはとても思えんなぁ!」
伊織「知らないの。……本当に知らないの」
黒井「いや……知っているはずだ」
黒井は人質として連れてきていた真美と亜美にまたもや銃口を向けた。
伊織「そ、そんな脅しがいつまでも通用すると思ったら大間違いよ!」
黒井「私が人質を二人連れてきた理由……それを知りたいのかね?」
伊織の額に汗が浮かぶ。
黒井「さぁ……早く――」
社長「手を上げたまえ」
黒井は背後からかかった声に硬直した。
素早く振り返った冬馬たちが銃を構える。
ドアの辺りに高木社長、律子、小鳥の三人が立っておりそれぞれが銃を構えていた。
社長「早く手を――」
黒井「つまらん」
社長「……」
黒井「いつからこんなにもつまらない男になった?」
黒井は振り返りながらホワイトクロス・ピースメーカーをガンベルトごと高木社長の足元に投げてた。
小鳥「……この銃は……」
律子「もう一つの銃も床に置きなさい!」
黒井「勘違いをするな小娘。
高木、取れ!」
社長「言う通りにすると……そう思うのかね?」
黒井「思うさ。どうやらお前の隣にいる二人は素人のお荷物……我々と打ち合えば死人が多く出るのはそっちだ。
だから私とお前の一騎打ちで勝負を決めようじゃ無いか。
約束する。お前が決闘を受けるなら他の者には手出しをせずにここを去ると!」
高木社長は随分と長い間無言を貫き通した。
そして、観念したように息を吐き出し銃口を下げる。
社長「約束だぞ。私が決闘を受ければ他の者には手を出さない」
黒井「あぁ、約束だ」
社長は足元のガンベルトに手を伸ばし、腰に巻き始めた。
律子「だ、大丈夫なんですか!?
社長はもう数年前に引退したはずじゃ――」
社長「なに、感覚は忘れてないさ」
小鳥「でも社長……」
社長「いいから……黙っておいてくれたまえ」
社長はまえに進み出た。
黒井「……やっと決着が着くのか……長かったぞ。
貴様が引退と同時にホワイトクロスをどこぞへと隠し、私との勝負から逃げ出したときは腰が抜けたぞ」
社長「先に断言しておく……私は負ける」
黒井「……手を抜いたら容赦しないぞ。お前のショットは天才だ。私が長年積み重ねてきた物が撃ち砕かれてもおかしくないほどの天才的なドロースピードだ。
お前が才能で勝ち上がってきたのなら私は努力でここまで登ってきた。
……見てみろ」
黒井は腰にあるブラッククロス・ピースメーカーを指で撫でた。
銃把だけしか見えていないが、その存在感は異常でった。
黒井が構えをとったことにより空気が重たくなったと感じるほどである。
黒井「……感じるだろ。この銃の重みを。何百、何千と人を撃ってきたこの銃の歴史の重みを。
私も撃ってきた。より早く、より早くと!
そしたらいつの日かこの銃に悪魔が取り憑いた。
いや、最初から取り憑いていたのかもしれんが……私が銃を抜くときにその悪魔の手が……私の手を触るんだ。
そしたらどうだ。私は誰よりも早く撃っている」
社長「……馬鹿な」
冬馬「合図はおれがする。天上に向かって一発撃つからその銃声が合図だ」
黒井「よし」
社長「……よし」
冬馬が拳銃の撃鉄を起こし天上へと向けた。
静寂が訪れる。
社長と黒井は腰にささった銃に手を添え、臨戦態勢をとっている。
伊織「……こんなの……こんなの間違ってるわ!」
冬馬が持つ銃の引き金が引かれた。
黒井「見ろ高木――コレが悪魔のショットだ」
黒井の肘から先が完全に消失した。
そして、再び現われたときは一瞬であり、銃が向けられていた。
その銃が火を吹く。
伊織「……あぁ……」
真美「社長が!」
亜美「撃たれちゃったYO……」
社長は右の鎖骨と肩の骨のつなぎ目を撃たれ、その場に崩れ落ちた。
社長はガンベルトから銃を抜くことすら出来ていなかった。
黒井「……なんだその……ふぬけたドローは!」
高木「コレが今の私の全力だ」
黒井は大きく息を吸い込み、怒鳴ろうとし……それを止めた。
大きく溜息を吐き、天上を見上げて再度溜息を吐く。
黒井「そうか。それが今のお前か。
……分かった」
黒井はそういって真美に銃口を向けた。
黒井「水瀬財閥のお嬢さん。取引の再開だ」
社長「なっ!? 約束が違うのではないのかね!?」
黒井「ふぬけと守るべきような約束はない!」
社長「勝負に不満があるのかもしれんが、私は全力を出した!
約束くらい守ってくれても良いのではないのかね!」
黒井「……何が全力だ。
手加減までさせておいて……それが私は許せない。
私はお前の心臓を撃ち抜くつもりだった……だがいざ勝負をして見たらどうだ?
私が抜いたときお前はまだ銃に手を触れたばかりだったでは無いか……手を抜くにしても酷すぎる……あのドロースピードは子供にも劣るスピードだ」
社長「……全力だったんだ。信じてくれ」
黒井「信じられんなぁ。もうお前と話すことは何もない!
……さあ、水瀬財閥のお嬢さん……ゴールデンクロス・ピースメーカーはどこに?
今の私は気が短いぞ!」
冬馬「落ち着けよ。約束は約束だろ。ここは引くべきじゃないのか」
黒井「お前もデュエリストならいつか分かる時が来る……頂に至ったときの孤独が」
冬馬「なにを――」
黒井「競うべき相手が欲しいんだ。
もう私には……ゴールデンクロスしか残っていない!」
伊織「ゴールデンクロスはただの銃よ! それに……シルバークロスもあるわ!」
黒井「四条貴音か? ……アレは駄目だ……ショットから魂を感じられない。
早いが……早いだけだ」
伊織「ゴールデンクロスを手に入れたからって求めるような相手が現われるわけじゃ無い……そんなことも分からないの!?」
黒井「……目星はついている。ジャックだ。
ゴールデンクロス・ピースメーカーの最後の持ち主とされるデュエリスト。こいつを探し出す。短期間に100以上の勝負を繰り広げ、全てに勝利し無慈悲なジャックとして恐れられたこいつなら……私の相手に相応しいはずだ。
さあ言え!」
鬼気迫る迫力に真美は腰を抜かし、その場にへたり込んだ。
黒井「……一発撃ってみるか」
伊織「ま、待って! ゴールデンクロスの場所は本当に知らないの!」
黒井「そう言う言葉遊びみたいなのはもう要らないのだよ。
ゴールデンクロスの隠し場所は知らない。だが、大体の予想はついている……なんて言ってみろ……その時は……」
伊織の表情に動揺が走ったのを黒井は見逃さなかった。
社長「待て!」
黒井「……お前と話すことはもう何もないと言ったはずだ。次はないぞ」
社長「ジャックもゴールデンクロスも……その情報は私が知っている」
伊織「社長!」
社長「もう良いんだ。ここまでの協力……感謝する。
これはこういう世界で生きる人間の運命だ。彼もここで死人が出るよりこの選択を望むだろう。黒井は本気だ。いずれ辿り着く結果でもある」
伊織「でも……でも」
黒井「聞かせてみろ」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
P「どうなってるんだこれは!」
二日後、血相を変えた集団が765プロの事務所に飛び込んで来た。
伊織「見ての通りよ」
P「伊織、ここにいたか。一体何が起こったんだ?
街の中は慌ただしいし水瀬財閥は警察に包囲されている……途中で社長が撃たれたって噂も聞いたんだが本当か!?」
真美「ごめんね兄ちゃん……真美達が掴まったせいなんだ……」
Pたちを出迎えたのは、律子、小鳥に加え、いつもは水瀬財閥のビルにいる真美、亜美、伊織の三人であった。
P「……いや。俺の所為だよ。社長の容態は?」
亜美「怪我は大したことないんだけど歳だから……ちょっと回復は遅いかも。
命に別状は無いYO。今は仮説病院に入院してる」
伊織「黒井がビルで立てこもっているから……水瀬財閥の技術資料を盾に」
P「それってまずくないか?」
伊織「海水を真水に帰る技術は先達からの応用も多いしまた一から作るとなると……もしも資料が破棄されるようなことがあれば日本は今の人口を維持出来ないかもね。
といっても、機械の方が破壊される訳じゃないからそれほど被害は出ないと思うけど。
技術は現場でも生きてるわけだし」
P「そうでも被害は未知数だし損失は尋常じゃ無いだろ」
伊織「……どうとでもなるわよ」
P「……まぁ、いいや。
とりあえず社長がいる仮説病院とやらに案内してくれないか?」
真美「うん、こっちだYO」
そして、真美の後ろに続いて歩いていていたPであったが、そのPは前触れもなく倒れた。
真美「っ!? 兄ちゃん!?」
春香「プロデューサーさん!」
すぐさま周りの者が駆け寄りその異常に気付く。
貴音「これは! 凄い熱です!」
響「何でこんな熱が……あっ!」
美希「銃で撃たれたからに決まってるの」
千早「あまりに普通にしていたので気がつけませんでした」
貴音「早く病院に運びましょう」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
仮設病院
春香「それで、プロデューサーさんの容態は?」
亜美「面会謝絶!」
春香「そ、そんなに悪いんですか?」
真美「いや→感染症だって。
弾は変な場所に入ってたのを切開して取り出しただけだから。
命には全く別状は無いYO」
春香「よ、よかった~」
伊織「そういうこと! ハイ解散! かいさーん!」
真美「あとは病院にお任せ下さい!」
亜美「三名様お帰りになられま→す!」
春香「えぇ!?」
千早「ちょ、そんなに押さなくても」
あずさ「あらあら~」
いきなり閉め出されることになり困惑する三人であったが、あっという間に病院から押し出されてしまった。
春香「な、なんなのこの扱い」
千早「……変ね」
あずさ「プロデューサーの言っていたピースメーカーの件と良い……まだまだ裏がありそうね~」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
小鳥「失礼しまーす」
律子「同じく」
その日の深夜、プロデューサーが眠る病室に忍び込む影が二つあった。
小鳥「プロデューサーさん? 起きてますかー」
律子「……起きてませんね」
小鳥「……と言うことはこの話は話せなかったとしても仕方が無かったと言うことで」
律子「じゃあ帰りましょう」
P「……起きてますけど」
律子「うぇ!? プロデューサー!」
P「その反応はおかしいだろ」
律子「す、すいません。……起こしてしまって。それでは」
P「待てよ。何か言うことがあるだろ。」
律子「無いですけど」
P「伊織たちもおかしかった。
それに黒井社長が下手に立てこもっている理由も……何となく分かってる。
あんな場所に立てこもっても時間の問題だ。なにか短期的な要求があることくらい分かるさ」
小鳥「……黒井社長の直々の指名が来ています。プロデューサーさんに。
ゴールデンクロス・ピースメーカーを持って来い……だそうです」
律子「ちょっと小鳥さん!」
小鳥「こうなってはもう仕方が無いでしょ。これからの判断は全てプロデューサーさんに任せましょう」
律子はしばらく葛藤して顔を上げた。。
律子「……先程もプロデューサー殿が言った通り、立てこもっている黒井社長にも限界は来ます。黒井社長の要求を無視する……と言う選択肢もあるんですよ」
P「その場合は色々と被害が出そうだけどな」
律子「誰も責めませんよ。あんな狂人、放って置けば良いんです」
小鳥「プロデューサーさん、好きな様にして下さい。この話を知っているのは私たちを含めて伊織たち3人。
この5人はプロデューサーさんが黒井社長の下へ行かなかったとしても責める気は全くありませんから」
P「アーザスッ!
……とりあえず今は保留と言うことで良いですか? 明日の午後以降には答えを出しますから。
いまは……体が重くて重くて……とても何かが出来る感じじゃないんです」
律子「そうですよね。ごめんなさい、こんな夜に押しかけて」
P「吃驚しましたよ。夜這いに来たのかと思った」
律子「……傷が悪化して死ね」
P「……めんご」
小鳥「それだけ元気なら大丈夫そうですね。じゃあ、失礼します」
律子「安静にしておくんですよ。押しかけてきた人間が言う台詞じゃ無いですけど」
P「そうだな。帰れ帰れ」
Pは小鳥たちの背中を見送って溜息を吐く。
そして、閉じられたドアを数分間じっと見つめ続けていた。
P「……夜の病院だってだけでちびりそうだな。そう思わないか?」
閉じられていたドアが再び開く。
やよい「……そうですねぇ」
P「やよいか……意外だな。誰かが来そうな予感はしていたんだが」
やよい「あの、プロデューサー。手を上げてもらえますかぁ?」
やよいの手に握られている銃がプロデューサーに向いた。
P「右手だけで良いか? 左は怪我をしてて上がらないんだ」
やよい「はい。問題ありません」
P「……やよいは冗談が上手いなぁ」
やよい「えへへー。冗談じゃ無いですよぉ?
私、黒井社長にプロデューサーを連れてくるように頼まれちゃいましたので」
P「俺は行くよ。黒井社長の元に」
やよい「へ?」
P「今からいくから、やよいも帰って自分の仕事をしろよ」
やよい「…………うぅー、プロデューサー……ご、ごめんなさい」
やよいは声を押し殺すように泣き始めた。
やよい「く、黒井社長に家族を傷付けられたくなかったらプロデューサーを連れてこいって……ほ、保安官の仕事も選挙制だから……人をいっぱい使ってこの仕事も出来無くさせてやるって言われて……それで――」
P「やよいは冗談が上手いな。
だけど、冗談で銃を向けるくらいはこの業界ではまだまだ軽いジョークだからな。
今度はもうちょっと捻ったシチュエーションを用意しろよ?」
やよい「プロデューサー!」ポロポロ
P「じゃあ行くか。二人でビルに乗り込む丁度良い口実じゃ無いか。
そのまえに……先に事務所に寄って良いか?」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
やよい「だ、大丈夫ですか~?」
P「体が重いよ。長風呂したときの感覚に似てる」
Pは鍵を使って事務所の扉を開いた。
やよい「ここにピースメーカーが?」
P「そうだよ」
Pを椅子を振り上げながらやよいの方を向いた。
やよい「わわっ! ぷ、プロデューサーやっぱ怒ってます!?」
P「ちょっと、そこ退いてくれ」
やよいは言われたように横に避けた。
Pは椅子を壁に叩きつけ始める。
そして、穴を開けるとそこに手を入れた。
P「この事務所を建てたときに埋め込んだんだよ」
Pが穴の中から手を抜くと、ガンベルトにささった金色の十字架が描かれている銃……ゴールデンクロス・ピースメーカーが現われた。
やよい「これがピースメーカーですかぁ?」
P「高そうな銃だろ?」
貴音「そうですね」
Pとやよいは驚いて入り口に目を向けた。
そこにはフェアリーの面々が立っていた。
P「驚かすなよ」
貴音「ゴールデンクロス・ピースメーカー……無慈悲なジャックと言われる決闘者と共に消えたと聞いていましたが……あなたがジャック……と言うことですか?」
P「どう見てもジャックじゃ無いだろ。どう見ても赤羽根とかメガネマンとかそんな感じの顔だろ」
響「確かにジャックはないぞ」
美希「ジャックはただの渾名なの。名前を名乗らずに暴れてたからごろつきって言う意味のジャックって呼ばれるようになったんだよ」
響「く、くわしいね」
美希「この業界にいたらこれくらい当然だと思うなー」
貴音「近年で最も速いと噂される決闘者の一人ですし、その名を知る者は多いでしょうね。
短期間で姿を消したので実在しないとの説もありましたが」
響「……あぁーそういえばそんな人もいたね」
やよい「嘘を吐いてる顔ですーっ!」
P「やよいは本当に保安官の才能があるなぁ。可愛いし」
響「う、嘘吐いてごめんなさい」
美希「ねぇねぇ! どうしてそんなに凄腕なのにプロデューサーなんてしてるの?」
P「引き金恐怖症になってね」
響「またそんな適当な事を……」
貴音「噂では100の勝負に勝ったとか……それも名のある人間ばかりに」
響「……それはすごいぞ」
P「凄くないからな」
美希「謙遜しなくても良いのに」
P「…………確かに俺は昔、名のある人間ばかりに決闘を挑んで粋がってた時期があったよ。無慈悲なジャックとか呼ばれて調子に乗ってた。
で、だ。その時期の犯罪件数の推移を知ってるか?」
美希は首を傾けた。
P「とんでもない右肩上がりだったんだよ。
有力な賞金稼ぎばかりと勝負をして狩っていたんだから当然だな。
たった100の勝負でそこまでなるって信じるか?
噂やジンクス……それがもたらす力は想像以上なんだよ。
俺が勝負に勝つたびに賞金稼ぎが狩るはずだった犯罪者が逃げおおせ、犯罪者が好き勝手出来る環境が更なる犯罪を呼んだ。
……俺は最低のクズだった」
美希「まあまあ! 気にしない気にしない!」
P「軽いな! 765プロの人間にでも社長と小鳥さん以外は知らなかった話なのに!
まあ、律子や伊織たちにはばれてたみたいだけど……」
美希「昔の失敗はこれからの成功で取り返せば良いの!
早速そのチャンスが来てるよ、ハニー!」
P「は、ハニー?」
美希「ミキたちも手伝ってあげる」
響「そのために見張ってたんだしね」
貴音「黒井殿の悪行を見て見ぬふりは出来ません」
P「俺が一人で行った方が良くないか?
下手に刺激するかも知れないし」
美希「もー! そんなやる気を削ぐようなこと言っちゃヤ!」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
やよい「うっうー! 今から保安官の私と協力者とでビルに入りますっ!」
包囲をしていた警官隊に不安の色が浮かんだ。
P「いえーい! 見てるー?」
Pはビルの最上階から見下ろしている影に向かって手を振った。
下からでは確認出来ないが、おそらく黒井社長だろう。
Pはゴールデンクロスを掲げてみせる。
P「貴音もシルバークロスを見せてやれ。そうすれば一緒に入っても文句は無いだろ」
貴音「見てますか?」
貴音は目を細めてビルを見た。
P「俺にも見えない。だが……頷いた、ような気がする」
やよい「いきますよー!」
やよい、P、フェアリーはビルの正面から堂々とビルに侵入した。
P「……エレベーターは……使えないな。照明はついてるのに」
貴音「えれべぇたぁ?」
P「楽して上に登るための機械だ。使えないってことは階段だな……高層ビルを階段とか……勘弁してくれよ。こっちは怪我人なんだぞ」
貴音「肩を貸しましょうか?」
P「それは格好悪いだろ」
響「また格好を気にして……ほら!」
響はPの手を取ると自分の首へと回した。
響「怪我人なんだからこれくらい頼ればいいさー」
P「……すまん。身長差がありすぎてあまり意味ない。
なんか俺が響に肩を回してパイタッチしてるだけだ、これ」
響「うぎゃあああ! 変態プロデューサー! ひ、人の好意を無碍にしてぇ!!」
響はPを突き飛ばした。
左肩から壁にぶつかりPはプルプルと震え出す。
P「い、痛い。これは痛い」
響「あ、ごめん」
貴音「なにをしているのですか、響」
美希「ぐちゃ☆って音がしたの」
やよい「傷口が開いたんじゃないですかぁ?」
P「まあ、大丈夫だけど。
昔、太股を撃たれたときの方が痛かったし。足は本当に勘弁して欲しいんだよな。
気合いでどうこうできるレベルじゃ無くなるから」
美希「そうなの?」
P「うん。腕とかなら歯を食いしばって走れるけど、足を撃たれてたら痛みは耐えられても物理的に走れないからかなり厳しい状況に感じる。精神的な攻めと痛みが二重に襲ってくるんだ」
美希「ふーん、そうなんだ。ミキ銃弾に掠ったことすら無いから分かんないや」
P「そういうことはフラグになるから言わない方が良いぞ」
美希「フラグ?」
P「気にするな。俺がこう言ったことによりすでにフラグは消失したはずだから」
やよい「やっと9階ですかぁ……」
響「最上階までまだまだあるぞ」
P「はい、休憩! もう疲れた!」
やよい「大丈夫ですかー?」
冬馬「肩でも貸してやろうか?」
P「……今日は不意に声を掛けられるのが多い日だな」
Pは階段の上に目を向けた。
そこには銃を構えた三人の少年がいた。
冬馬「ピースメーカーを持って無い人間にはここまでだ、帰って貰うぞ」
美希「そういっておめおめと帰るミキじゃないの」
響「ぶっ飛ばしてやるさー!」
翔太「ハハ、威勢が良いねー」
北斗「とんでもないエンジェル達だよ」
やよい「もぉ血ぃ見んことには収まりつかんですよ!」
P「やる気満々だなおまえら。
あまり無理するなよ。じゃあな、俺は行くから」
響「おい!」
P「え? だって俺ピースメーカー持ってるんだぞ。
無血開城だろ? だよな?」
冬馬「…………通れ!」
Pは冬馬に銃を突きつけられながら三人の間を通り抜けた。
P「……AKか……良い銃を持ってるじゃ無いか」
Pはすれ違いざまに翔太の持つ銃に目を向けた。
翔太「あげないよ?」
P「欲しいなぁ。アンティークの凄い銃だし」
北斗「行った行った」
P「おまえらは無理するなよ。拳銃でAK相手なんて馬鹿馬鹿しいから。じゃあな」
やよい「ほ、本当に行っちゃいました」
美希「ハニー型破りすぎるよ」
貴音もそれに続いていたが、冬馬に銃口を突きつけられる。
冬馬「お前は何上がろうとしてるんだよ」
貴音「はて……ピースメーカーを持っていればここを通れるという話しでは無かったのですか?」
冬馬「おっさんはお前をピースメーカーの保持者として認めていない。
それを置いてここから消えろ」
貴音「…………なるほど」
貴音は後ろへと跳躍した。
階段を自然落下しながらシルバークロスを抜く。銃声が3発鳴り響いた。
少年達はそれぞれそれを回避していた。
それに追い打ちを掛けるように美希、響、やよいが引き金を連続して引く。
階段という限られた場所で身を隠しながらの銃撃戦が始まった。
お互いに曲がり角に身を潜めて打ち合う。
P「始めたか」
冬馬「うお!? なんでここにいるんだよ!」
身を潜めた場所にはPが腰を下ろしていた。
彼は階段の曲がり角を曲がったすぐそこで腰を下ろしていたのだ。
P「俺が無慈悲なジャックって知ってるのか?
多分君たちに銃口を向けるのなんて一瞬だけど」
翔太「それがー?」
翔太はそう言いながら下の貴音たちに向かって引き金を引いた。
冬馬「やって見ろ! 勝負はやってみないとわからねぇ! 死んでも食らいついてやる!」
P「……やっぱ熱血派は面倒だな。まあ、いいや。俺は行くよ」
北斗「い、行くのかい?」
P「だって俺が銃向けても止まりそうじゃ無いからな。
あまり調子に乗って女の子に怪我させるなよ」
Pはそういって階段をヨロヨロと登り始めた。
冬馬「何なんだあいつ……」
北斗「アレで本当に強いのかな?」
翔太「さーねー」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
響「うがあああああああ!? 何発撃てるんだ!? その銃!」
翔太「すごいでしょこれ!」
響「威力も冗談じゃ済まないぞ!」
翔太「冗談じゃないからね!」
撃ち合いは引いて押しての掛け合いでついには個別戦のような体となっていた。
突出した響と翔太がぶつかり合い、諦めて他の道を探しに行った美希や「ここは任せました」などと言った直後消えた貴音とは別行動になったのだ。
別ルートへ行った美希と貴音を止めようとしてか、冬馬と北斗もこの場にはいなかった。
やよい「うっうー! 死んでくださーい!」
やよいは遮蔽物から乗り出すと引き金を引く、弾は翔太の顔を掠めていった。
翔太「か、顔はやめろよ!」
やよい「顔の中心に風穴開けてやりますっ!」
翔太「容赦ないね」
翔太が引き金を引くと同時にやよいはまた遮蔽物に身を隠す。
そして、数発撃ったあと、弾切れを起こしたことやよいと響は感じ取った。
これまでもAKの弾切れはあったが、弾倉の入れ替えが非常に速いので隙を突けずにいた。
後退しながらそれをやられると、たとえ距離を詰めても最終的にはこちらの身をさらしてしまうだけで終わるのである。
響「どうすれば良いんだ!」
やよい「行ってくださーい!」
響「え?」
やよいは銃口を響に向けた。
やよい「行ってくれますかぁ?」
響「う、うわああああん! なんで貴音と美希は自分をおいていったんだ~!!」
響は半泣きになりながら翔太に特攻を仕掛けた。
翔太「うわっ、出てくるんだ。無理しない方が良いのに!」
響の出だしが遅れた分、AKの弾倉の入れかえは余裕を持って行うことが出来た。
翔太は遮蔽物から飛び出すと、銃口を響に向ける。
響「な、なんくるないさー!!」
翔太が引き金を引くのと同時に響は横に跳躍し、更に追従してくる銃撃を壁を蹴って上に逃れた。
翔太「すごっ!?」
やよい「いきますよー!」
やよいは身を出し、響を追うために銃口をあらぬ方向に向けている翔太に狙いを定めた。
片腕を前に突き出すその撃ち方は、ヒップショットに比べて格段命中率が良い。
やよいが放った弾丸が翔太の二の腕を捕らえる。
反動でやよいの銃が頭上へ跳ね上がるが、やよいは挙げていた左手で撃鉄を叩いた。
やよいの頭上で放たれた弾丸が次は翔太の太股を捕らえる。
翔太「うわぁ!?」
床に倒れた翔太に響が銃を突きつけた。
響「もう終わりだぞ! これで終わりだぞ! 死ぬかと思ったぞ!」ポロポロ
翔太「そ、そうみたいだね」
翔太は床に仰向けになって降参の意思を示した。
やよい「うっうー! やりましたねっ!」
響「う、うん」
やよい「すみません手を挙げてもらっても良いですかー?」
響は肩を振るわせてやよいの銃を確認した。
とっくの昔にガンベルトに収められているようだ。
響「な、なに?」
響はそう言いながら両手を挙げる。
やよい「うっうー! いきますよー?
ハイ! ターッチ!」
やよいは響と手を合わせ、上機嫌だった。
響「な、なんなんだ?」
翔太「あぁ……もしかして先、僕がやられたのが有名なショット、HighTouch?」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
北斗「フフッ、あの双子は良い物を残してくれたね」
北斗はガトリングを撫でて言った。
北斗「これで階段を上がってくる奴らは一網打尽さ」
美希「すごい銃なの」
ガトリングを撫でていた北斗の後ろに美希が立つ。
美希「あっ、もしかしてこういうのがハニーの言っていたフラグなのかなー?」
北斗「……ち、チャオ」
美希「チャオ☆」
美希はそういって銃の引き金を引いた。
ガトリングの機巧部へのスポットトリプルショットである。
ハンドルを回せなくなったガトリングは完全なゴミと化した。
北斗「……まさか後ろから来るとはね」
美希「別の階段なんていくらでもあるし、封鎖もしてないんだから当然かなー」
北斗「……そうだね。そもそも三人で防衛とか無理がある。
水瀬財閥の技術資料という盾が通用しない相手には所詮こんなものさ」
美希「そうなの。で?」
北斗「降参。人間、諦めが肝心だからね」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
貴音と冬馬は出会い頭に銃を撃ち合ったが、お互いに両手を挙げて遮蔽物から姿を現した。
貴音「……お願いがあるのですが」
冬馬「お願いだなんて物はいらねぇよ。
俺から挑戦する! 四条貴音、俺と早撃ちで勝負しろ!」
貴音「それはこちらも望むところですが……何故です?
打ち合っていた方が時間は稼げると思いますが」
冬馬「何を自分が勝つことを前提に話を進めてやがる。
それに、お互い身を隠しての打ち合いなんてデュエリストのやることじゃねぇ!
デュエリストなら早撃ちでの勝負が基本だ!」
貴音「なかなかの気概です」
冬馬「そんなんじゃない。俺たちはどちらにしろ捕まるのがオチだからな。
ここであんたとやってみたくなっただけさ」
貴音「わたくしにはあなたが道を踏み外すような人物に見えません。
……なぜ、このような事を」
冬馬「道を踏み外したとは思ってない。
おっさんのやることは滅茶苦茶だが、それはデュエリストとして間違ってないと俺は思う。
俺はただ最強のデュエリストになりたいんだ!」
貴音「……なるほど。プロデューサーが言っていた通りですね。
理屈は通用しない、と」
冬馬「合図はコインで良いか?」
貴音「いえ……わたくしが銃を抜いて一発天上に向かって撃つのを合図にしましょう」
冬馬「……は?」
貴音は構えをとった。
冬馬「舐めてんのか?」
貴音「怒っているのです。
下らない理由で多くの人を巻き込んだ傲慢……それをただの賞金稼ぎが撃ち砕いて差し上げます。
構えなさい。私がガンベルトから銃を抜いた時、その時から始めてもらっても構いません」
冬馬は貴音の威圧に負けて構えをとった。
直後、貴音はガンベルトから銃を抜く、冬馬はそれに素早く反応して銃に手を伸ばした。
銃声が三発鳴り響いた。
貴音が天上に撃ったので一発、正面に向かって撃ったので一発、冬馬が撃ったので一発の合計三発である。
冬馬「ぐっ!」
冬馬は手首を押さえて銃を取り落とした。
貴音の方はと言えば、弾丸が腕を掠め、そこから血を流すのみに留まっていた。
天上に発砲したあと冬馬に向けた銃であったが、それでもなお冬馬より一瞬速かった。
貴音「お大事に」
貴音は冬馬の隣を通り過ぎながら言った。
冬馬「……くそっ! 待てよ!」
貴音「……なんですか?」
冬馬「確かにお前は速い。速いが……凄くない。
おっさんの所に行っても命を無駄にするだけだぜ!」
貴音「……ご忠告ありがたく受け取っておきます。では」
貴音は上へと続く階段を進んだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
P「やっと最上階か。病人に無理をさせるなんてどうかしてる」
黒井「それは知らなかった。悪いことをしたな」
黒井は部屋から悠然と現われた。
廊下でPと黒井は対峙する。
P「左肩も痛いし……吐きそう……吐いていいか?」
黒井「……ご自由に」
P「オエッ……オ、オ、オエッ!
……以外と吐けないもんだな。ちょっと待って。
オエェェェェ! オ、オエエエエエエエエ!!
……出ないな。もうちょっと頑張れば……」
黒井「……やめろ」
P「もうちょっとだから」
黒井「やめろ! 貰いゲロをしてしまいそうだ!」
P「ごめん」
黒井「……大丈夫なんだろうな。勝負は出来るのか?」
P「この状態でも余裕だ」
黒井「なにぃ?」
P「ゴールデンクロス・ピースメーカーには悪魔が宿ってるからな」
黒井の口元が釣り上がった。
黒井「ほう……さすがに無慈悲なジャックと言ったところか?
聞いたぞ。高木から天才的なショットを奪ったのもおまえだそうだな」
P「あぁ、高木社長の肩を撃って壊した。それ以来社長は早撃ちが出来なくなった」
黒井「やるではないか」
P「どうかな。あのときの社長は銃を抜かなかったし……無抵抗の人間を撃って……それから俺も心を入れ替えて生きようと思った。
でも、今ここでゴールデンクロスを持ってるっていうことは、一体どういう意味なんだろうな?」
黒井「衰えては無いんだろうな」
P「余裕だと言っただろ?」
黒井「その自信……地獄で嘆いても遅いぞ」
P「合図はコインで行くぞ」
Pは懐を探ると一番安い硬貨を取り出した。
それを指で大きく弾く。
黒井「お前は銃に悪魔が宿っていると言ったがな……ブラッククロス・ピースブローカーにもそれは宿っているのだぞ」
P「HAHAHA!」
コインが床にぶつかる。
P「そうか」
音も無く銃口が黒井に向いた。
ゴールデンクロス・ピースメーカーの銃口は、勝負が始まる前からずっと向けられていたのではないかと錯覚するほど自然に、突然、Pの手に収まっていた。
黒井はガンベルトからブラッククロスを半分ほど抜いた状態で固まる。
P「降参しろ」
黒井「……なんと……」
P「お前の負けだ」
黒井「負抜けたドローだ」
黒井は大きく溜息を吐いた。
黒井「まさか貴様もそっち側だったとはな……奪う気の無いドロー……つまらん!
撃つ気が無いのなら……奪う気が無いのなら初めから抜かなければ良いのだ!
魂ごとぶつけていく勝負でなければ話にならん!」
P「負け惜しみは見苦しいぞ」
黒井「負け惜しみでは無い。……今それを証明してやる」
黒井は金の硬貨を取り出した。
黒井「今から私は銃口を突きつけているお前より速く撃つ。
コインが床についたときが合図だ」
黒井が硬貨を弾き、Pの額に汗が浮かんだ。
P「銃を……撃てば……っ!」
Pは人差し指に力を込めたが引き金は降りなかった。
P「ここまでか」
Pはほっと溜息を吐いた。
コインが床に落ちる。
黒井「勝負をするにあたいしないクズめ。地獄を見ろ」
四発の銃弾がPを貫いた。
Pは床に苦悶の声を上げて崩れ落ちる。
貴音「そん……な」
そこへ階段をちょうど上がってきた貴音がやってきた。
貴音「あなた様!」
急いでPの元へと駆け寄る。
P「俺はもう駄目だ。……おっぱいもませてくれないか?」
貴音「……両肩と両足に一発ずつ……このままでは出血多量で死んでしまいます!
運ぶにしても無理がありますし……待っていて下さい!
すぐ医者を連れて参ります!」
P「無茶苦茶痛いよ。心臓を撃ってくれてればこんな思いをしなくて良かったのに」
黒井「言っただろ。勝負をするに値しないクズ、だと。
それに、医者を呼ぶことを私が許すとでも?」
黒井は銃を見せびらかして言った。
貴音「……黒井殿ッ! わたくしはあなたを許せそうではありません!」
黒井「四条貴音か……お前のドローは以前に見たことがある。
貴様もただ速いだけのポンコツだ」
貴音「ためしてみますか?」
P「おい貴音。シルバークロス・ピースメーカーを持ってるやつがそんな悪人面したら駄目だろ」
貴音は大きく息を吸い込みゆっくりと吐き出した。
貴音「……あなた様……すぐに済ませます」
貴音は黒井に対峙した。
貴音「黒井殿、早撃ちで勝負です」
P「ゴールデンクロスで?
無理無理。だってもう何年も整備してないし引き金ひいたら暴発しそうだもん」
黒井「貴様っ!」
P「それに高木社長を撃った時から引き金恐怖症なんだ」
黒井「クズめ! 仕方が無い! コインが合図だ」
黒井は硬貨を取り出し、指で弾いた。
P「貴音……シルバークロスは正義の銃だ。その心さえあれば、負けるはずがない」
貴音「正義など考えたことはありません。
ただいまは……黒井殿がやったことを許せない! それだけです!」
床にコインが落ちた。
黒井の手元が消失する、貴音の手が高速で銃へと伸びる。
Pの目には二人の間にある実力差が悲しくなるほど見て取れた。
どう見ても黒井の方が速いのである。
P「くっ! 貴音っ!」
Pは立ち上がろうとして床に崩れ落ちた。
黒井「さようならだ」
黒井「……まあ、よかろう。
そこの死に損ない! 合図だ!」
P「ゴールデンクロスで?
無理無理。だってもう何年も整備してないし引き金ひいたら暴発しそうだもん」
黒井「貴様っ!」
P「それに高木社長を撃った時から引き金恐怖症なんだ」
黒井「クズめ! 仕方が無い! コインが合図だ」
黒井は硬貨を取り出し、指で弾いた。
P「貴音……シルバークロスは正義の銃だ。その心さえあれば、負けるはずがない」
貴音「正義など考えたことはありません。
ただいまは……黒井殿がやったことを許せない! それだけです!」
床にコインが落ちた。
黒井の手元が消失する、貴音の手が高速で銃へと伸びる。
Pの目には二人の間にある実力差が悲しくなるほど見て取れた。
どう見ても黒井の方が速いのである。
P「くっ! 貴音っ!」
Pは立ち上がろうとして床に崩れ落ちた。
黒井「さようならだ」
黒井が引き金を引いた。
軽い鉄同士がぶつかるような情けない音が廊下に響いた。
弾切れでは無い。
それは名銃ブラッククロスが起こした製造されてからただ一回の動作不良であった。
直後、貴音のシルバークロスが火を吹く。
黒井のブラッククロスが弾き飛ぶ。銃身が微妙に曲がり、この時ブラッククロスは名銃としての命を終えた。
更に、貴音は黒井の鎖骨辺りを撃ち抜く。
貴音「脈を撃ちました。
……あなたのための医者も呼んであげます」
それを聞いて黒井は高らかに笑う。
黒井「要らん!」
そう言って黒井は床に倒れた。
貴音「……あなた様……すぐに医者を呼んで参ります。とりあえず止血を――」
P「ブラッククロス……ピースメーカー」
貴音「?」
Pは床に転がった銃に刻まれた文字を見ていた。
P「ピースブローカーじゃなかったのか」
貴音「銃はただの銃ですので。使い手に恵まれなければ本来願われたようには使ってはもらえません。
人の悪行に携わる内に、いつの間にやら不名誉な名前で呼ばれるようになったのでしょう」
P「……良かったな。最後はピースメーカーとして逝けて」
Pは銃身の曲がったブラッククロスに言った。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
数日後。
水瀬財閥本社ビルの中にある病院の一室。
P「と言うことで俺生還」
真美「まだだYO! 峠は越えたけどこれからも感染症とか気を付けていかないと!」
亜美「まったく~。死ぬのかと思いましたぞ!」
P「俺が死ぬわけ無いだろ」
春香「いや、実際死にかけましたからね!」
千早「何やってるんですかプロデューサーッ!」
P「千早、声でかい。傷口に響く」
小鳥「……まったく……無茶して」
律子「答えは次の日の午後に出すとかいってたので完全に油断してましたよ」
あずさ「まさか病院に担ぎ込まれたその日にビルに向かうなんて~本当に無茶ばかりするんですから~」
やよい「うぅー……」
あずさ「私、雰囲気的にもう一仕事あるのかと思ってたのに、拍子抜けしてしまいました」
春香「絶対に765プロの仲間である私たちが活躍する場面が来ると思ってたのにね」
千早「現実は辛いわね。フェアリーにいいとこ取りされるなんて」
あずさ「プロデューサーさんも無理しないで、私たちに声を掛けてくれれば良かったんじゃありません?」
P「余裕だと思ったんだけどな」
社長「返り討ちにあうのがかい?」
P&社長「HAHAHA!」
二つ並んでいるベッドで男二人が笑った。
響「でも、大事に至らなくて本当に良かったぞ。
黒井社長達も逮捕されて当分は豚箱ぐらしさー」
美希「いい気味なの」
P「手下の方はすぐに釈放されそうだけどな」
美希「黒井社長が脅してコマにしたって言ってたもんね」
響「本当なのかな?」
美希「……響……考えるまでもなく嘘に決まってるの」
P「庇ってるんだろうな」
伊織「まあ、こっちの追求は厳しめにいくから全員容赦ない裁きが下ると思うけどね」
P「……手加減してやれよ」
伊織「何言ってるあんた。大けがをさせられた張本人じゃ無い。もっと怒りなさいよ」
P「血が無くなりすぎてそんな元気がでない」
社長「……それで……怪我の具合はどうなのかね?」
P「……社長とおそろいですよ」
社長「そうか……勿体ない」
P「良いんですよ。どうせ銃なんてあのときから今後一切撃つ気なんてありませんでしたし」
美希「ハニー」ゴソゴソ
春香「ちょ!? なにしてるの?」
美希「添い寝なの」
千早「プロデューサーの迷惑になると思うの。迷惑になると思うの!」グイグイ
美希「や、やめるの! 引っ張ると危ないの!」
P「美希! おまっ!? 傷口を鷲づかみにするな!」
貴音「決めました!」
P「な、なにをだ」
貴音「わたくしは765プロに入ろうかと思います。
響、美希……あなた達はどうしますか?」
美希「え? 貴音も765プロに来るんだ」
響「すでに自分は765プロの一員であるかのような言い方をしてるぞ……まあ、自分も一人取り残されるのはお断りさー」
貴音「と言うことです」
P「おぉ、心強いな」
社長「これだけ有能な頭数がいれば、一気に稼いで銃弾が飛び交う中を冒険する暮らしからも解放されるかも知れないね。今回の報償もかなりのものだったし」
P「もしそうなったらどうします?」
社長「うーん、悠々自適にアイドル事務所でも開こうか」
P「このご時世にですか? ……まあ、面白そうですけど」
貴音「それは真に良き考えです」ギシッ
P「……近くないか?」
貴音「えぇ、皆に挨拶をしておこうと思いまして」
P「どういう意味だ?」
貴音「こういう意味です」
貴音はPに顔を近づけると触れる程度のキスをした。
貴音「今後ともよろしくお願いいたしますね、あなた様」
fin.
結構好きだぜこういうの
乙
楽しませてもらった
10分後くらいに
この世界観が好きな人は緊急避難して下さい
という映画を765プロの面々は事務所で見ていた。
小鳥「ついに地上波で放送ですかー」
律子「961プロと合同で作った『荒野の女王』ですか。人件費も時間もあらゆるコストを削って作ったB級映画の割に興業収入はかなりの物だったんですよね」
小鳥「人件費削減と言っても自社製作ってことで売れ行きのアイドル達と961プロのジュピターが安いギャラで出ていますしね。
利益のほとんどは961プロに持っていかれましたけど、もともと961プロがお膳立てしてくれた企画ですし良いじゃないですか」
律子「そうですね。うちのアイドル達も宣伝出来て仕事も増えましたし」
社長「おっさんは引っ込めなどと批判もあったが、良い味をだしているじゃないか」
律子「なんと言っても話題作でしたしね」
小鳥「プロデューサーが刺されてそこそこ売れてた映画のチケットが爆発しましたからね」
律子「宣伝料も払ってないのにニュースで取り上げられましたからねぇ」
真美「兄ちゃんの犠牲は忘れないYO」
亜美「お空から見ててね」
P「殺すなよ」
春香「プロデューサーさん。本当に傷の方はもう大丈夫なんですか?」
P「あぁ、大丈夫だ。
刺されたときは死を覚悟したけどな。刺さってる状態のナイフが捻られるのが見えたし」
やよい「うぅー、生々しいですー」
P「貴音原理主義者は敵に回したら駄目だってことが証明されたな」
響「アイドルとプロデューサーがキスなんてするからだぞ」
美希「この映画は何回見ても泣けるの」ニコッ
響「血涙!?」
P「しかし、961プロに気を許すものじゃないな。映画の制作費はあっちが持ってくれるって話だったから何て気前が良いんだって大喜びで乗ったけど、刺されたときに壮大な悪意を感じたよ。
あぁ……これが狙いかって」
小鳥「さ、さすがにそこまで考えてなかったんじゃ……黒井社長も珍しく申し訳なさそうな顔をしてお見舞いに来てくれたじゃないですか」
社長「黒井もノリノリで出演していたしねぇ……こう言うのが意外と好きな奴なんだよ」
P「いえ、人件費削減とか言って俺たちを映画に出演させたのも全て黒井社長の策の一部だったんです。
今も貴音のファンを煽って俺の背後にアサシンを送り込もうとしてるはずですから」キョロキョロ
千早「プロデューサー……あの一件から異常に背後を気にするようになりましたね」
P「誰だそこにいるのはッ!
…………誰もいないか……?」
真「定期的にああやって後ろに怒鳴ってますし」
雪歩「プロデューサー可哀想ですぅ」
貴音「これはわたくしが責任を持ってなんとかせねばなりませんね」
美希「ミキが責任を持つの」
貴音「わたくしは人の気配に敏感ですし、多少、武術の心得があります。わたくしが一番、適任でしょう」
P「そうか! 人の気配が分かるってのは心強いな」
貴音「では出来るだけ私の側を離れないようにして下さいね」
P「闘おうだとか考えなくていいから、変なやつがいたら教えてくれ。超ダッシュで逃げよう」
貴音「はい」
P「あぁ~久々に神経が休まるなぁ。貴音の側にいると安心出来る」
貴音「ならばずっと側にいて良いですよ?」
P「貴音の側にいられて安心出来るとか最高の状況だな!」
貴音「ふふっ」
P「なんかドキドキしてきた」
春香「」
美希「大変! 春香が息をしてないの!」
あずさ「そう言いながら血の涙を流す美希ちゃんでした~」
真美「って、余裕を見せながらも持ってるティーカップが震えまくってるあずさお姉ちゃんでした→!」
亜美「……悲しいね。真美」
貴音「これは……勝利宣言をした方が良いのでしょうか?」
P「もっと密着しておこう」ギュ
Pは貴音を抱きしめた。
貴音「……何やら面妖な形で勝利を手にしてしまったようですね」ギュ
fin.
起こらないから手を上げてごらん
おもろかった
Entry ⇒ 2012.07.28 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
あずさ「隣に…」
P「いや……」
あずさ「私を一人置き去りにして」
P「あの……」
あずさ「側にいると約束をしたあなたは嘘つきだね」
P「……研修で1週間ほどいないだけですよ」
P「いや、俺が言ったのは出来る限りあずささんを支えるということでしてね」
あずさ「嘘つきです」
P「うぐ、そう言われてもですね。こればっかりは……」
あずさ「嘘つきです」
あずさ「大体、プロデューサーさんがいなかったら誰が私のプロデュースをするんですか?」
P「その辺は問題ありませんよ。ちゃんと仕事と被らないようにあずささんはオフにしてあります」
あずさ「そういうことは、しっかりやるんですね」
P「まぁ、そういうスケジュール管理をしなかったのは俺の落ち度ですけど」
あずさ「私は、大丈夫です。お仕事の方は楽しいですから」
P「そう言ってくれるのは嬉しいですけどね」
P「やっぱり、無理させてしまった部分はあると思いますから」
あずさ「でも……」
P「まぁ、これを機にゆっくり休んでください」
あずさ「……はい」
あずさ「プロデューサーさん……」
P「あずささんが不安な顔をしていると、こっちも不安になってしまいます」
P「大丈夫ですよ。たった1週間ですよ、1週間」
あずさ「それ、春香ちゃんの真似ですか?」
P「えぇ、そうですけど」
あずさ「ふふっ、プロデューサーさん。その物まね、似てないですよ」
P「これは手厳しいですね」
P「研修が終わって、色々なもの身に着けて帰ってきたら」
あずさ「きたら?」
P「あずささんのトップアイドルへの道が近いものになりますよ」
あずさ「あら~、それは嬉しいですね」
P「えぇ、だから1週間後を楽しみにしていてください。生まれ変わった俺を見せてあげますよ!」
あずさ「期待していますね、プロデューサーさん」
あずさ「私、プロデューサーさんの帰りをしっかり待っていますね」
P「その言い方だと、すごい長い間の別れっぽいですよ」
P「でも、あずささんが言うようにしっかり待っていてくださいね」
P「でないと、俺もあずささんのことが心配で夜も眠れないですから」
あずさ「プロデューサーさん!?」
P「はははっ、冗談ですよ」
あずさ「もう……・」
P「それじゃあ、あずささん。行ってきます」
あずさ「はい、行ってらっしゃい。プロデューサーさん」
P(このやり取り……)
あずさ(なんだか……)
P&あずさ(夫婦っぽい……)
あずさ「何もする気が起きないわ~」
あずさ「仕事をあるわけでもないし……」
あずさ「事務所に行っても、みんなはお仕事をしているし……」
あずさ「暇ねぇ~」
あずさ「プロデューサーさんにメールでもしようかしら?」
あずさ「ううん、ダメよ。プロデューサーさんは私を信じているんだもの。ちゃんと待たなくちゃ!」
あずさ「ここは、しっかりとした女らしく……」
あずさ「しっかりとした女らしく……」
あずさ「……」
あずさ「プロデューサーさんの隣に、いないとダメよね!」
高木「おや、三浦くん? 今週は休みでは無かったのではないかね?」
あずさ「それはそうなんですけど~。あの、社長」
高木「うん、どうしたのかね?」
あずさ「プロデューサーさんの研修先ってどこでしょうか?」
高木「彼の研修先かい? それだったら彼の机に資料に載っていると思うよ」
あずさ「本当ですか。ありがとうございます~」
あずさ「あっ、これかしら……えっと場所はここね」
高木「なぁ、三浦くん」
あずさ「はい、なんですか社長?」
高木「まさかと思うが、彼の所に行くのではないだろうね?」
あずさ「はい、そのまさかです~」
高木「三浦くん。君は自分が方向音痴だということを忘れたのかね?」
あずさ「大丈夫です。最近は、ケータイの地図アプリとかも充実していますし」
高木「むぅ、そうか……」
あずさ「はい、だから安心してください~」
あずさ「これには徒歩3分ほどかかるって載っているけど、この徒歩というのはどれくらいのスピードなのかしら~」
あずさ「う~ん」
あずさ「まぁ、私のペースでいいわよね」
あずさ「~♪」
あずさ「んっ? 時間……」
あずさ「あら~電車、乗り遅れちゃったみたい」
あずさ「でも、つぎのに乗れば平気よね」
あずさ「プロデューサーさん、私が来たら驚くかしら?」
あずさ「迷子にならずに来たんですかと言うのかしら?」
あずさ「ふふっ、プロデューサーさんの驚く顔が見てみたいわ~」
あずさ「あっ、来たわ。あれに乗れば……」
あずさ「待っていてくださいね。プロデューサーさん」
あずさ「電車にのって大分経つのに目的の駅につかないわ」
あずさ「ちゃんと路線はあっていると思ったんだけれど……」
あずさ「あの~すみません。この電車って、こちらの駅に止まりますよね?」
あずさ「えっ、それなら1本前の電車? 本当ですか~?」
あずさ「いえいえ、大丈夫です。教えていただいて、ありがとうございます~」ペコッ
あずさ「さて……どうしましょう~」
あずさ「迷路とかで迷ったら、途中まで戻ってやり直すものね」
あずさ「だったら、次の駅で降りないと……」
・
・
・
あずさ「う~ん。どうしてかしら」
あずさ「確かに、逆方向の電車にのったのに」
あずさ「私が乗り換えた駅じゃないわ~」
あずさ「う~ん。どうしましょう」
玲子「お疲れ様です」
P「あっ、尾崎さんもお疲れ様です。876プロの方はどうですか?」
玲子「特にこれといってあるわけではありません。765プロの方はどうです?」
P「こちらも特には、女の子がたくさんで騒がしいくらいですよ」
尾崎「そうですか」
玲子「お疲れ様です」
P「あっ、尾崎さんもお疲れ様です。876プロの方はどうですか?」
玲子「特にこれといってあるわけではありません。765プロの方はどうです?」
P「こちらも特には、女の子がたくさんで騒がしいくらいですよ」
玲子「そうですか」
玲子「こっちも765プロのプロデューサーの貴重な意見を聞けてよかったです。絵理の今後のプロデュースの参考にできそうです」
P「俺も早くこの研修を終えて、あずささんのプロデュースをしたいですよ」
玲子「私たち、アイドルのことばっかり考えてますね」
P「まぁ、俺たちプロデューサーですからね」
玲子「ふふっ、そうですね」
玲子「あら……これは着信音?」
P「あっ、俺のケータイです。出ていいですか?」
玲子「別に構いませんよ」
P「ありがとうございます。はい、もしもし……」
P「社長、どうしたんですか? もしかして、何かトラブルでも?」
高木「いや、トラブルというほどでもないんだけどね。すっかり伝え忘れていたことがあって」
P「はぁ、伝え忘れたことですか?」
高木「うん、三浦くんのことでなんだが」
P「あずささんがどうかしたんですか?」
高木「うん、あまり長々と説明するわけにもいかないので、簡単に伝えよう。三浦くんが君の元へ向かった」
P「あずささんがですか? 社長、冗談はやめてください。あの方向音痴のあずささんがこっちに来れるわけないですよ」
高木「だが、彼女はケータイの地図アプリ使ってそっちへ行くと言っていたよ」
P「えっ、それ本当ですか?」
高木「もちろんだ。彼女を見送ったのは私だからね」
P「止めてくださいよ……」
高木「そうかね? 私も三浦くんが行った後に地図アプリというのを使ってみたんだが、中々便利じゃないか」
高木「これなら、確かに彼女の迷子も心配ないとおもうんだが」
P「社長。あずささんの迷子は、そういうのでどうこう出来るものではありません」
高木「そうなのかね?」
P「はい。あずささんの方向音痴にかかれば、どんな文明の力も無意味です」
高木「君がそこまで言うとは……」
P「とにかく、俺はあずささんを探しに行ってきます」
高木「そうか……では、頼むよ」
P「はい。では、失礼します」
玲子「何かあったんですか?」
P「いえ、大したことでは。ただ、あずささんが迷子になったので」
玲子「貴方も色々と大変なんですね」
P「馴れてしまいましたよ」
玲子「付き合い、長いんですね」
P「それなりには……尾崎さんの方もですよね?」
玲子「そうですね。私も絵理のことは、誰よりも理解している程には濃い時間を過ごしましたね」
P「そういうことです。だから、あずささんは放っておくことはできませんから」
玲子「それは……プロデューサーとして、それとも一人の男性としてですか?」
P「さて、どちらでしょう?」
玲子「……わかりやすいですね」
P「居場所さへ解れば簡単だしな」
P「ケータイ取り出し、ポパピプペ……っと」
P「……」
P「……」
P「出ない」
P「何でこんな時に限って……普段だったらあずささんの方からかけてくるのに」
あずさ「あらっ?」
あずさ「着信……プロデューサーさんからだわ」
あずさ「プロデューサーさん、私のことを心配しているのかしら」
あずさ「ここまで来て、プロデューサーさんに心配してもらうわけにはいかないわ」
あずさ「ちゃんと、私がしっかりしている所を見せなくちゃ」
あずさ「だから、ごめんなさい。プロデューサーさん!」
P「そう言えば、あずささんは地図アプリを使っているとか社長が言ってたな」
P「あずささんのことだから、駅に行くまでの道で迷ったか、それとも駅での乗り換えで間違えたか」
P「とにかく、どちらにせよ探すしかないか」
P「一応、メールしておこう」
P「今、どこにいますか?…・・・送信っと」
あずさ「悩んでも仕方ないわよね。思い切りが大事よ」
あずさ「この電車も違ったら、また別の電車に乗ればいいわよね」
あずさ「よいしょ。流石に動きっぱなしで疲れたました」
あずさ「……」
あずさ「すぅ、すぅ……」
あずさ「いやだ、私、眠っていたみたい」
あずさ「今、何時かしら……」
あずさ「あっ、メールが来てるわ」
あずさ「プロデューサーさんからだわ。『今、どこにいますか?』ね、えっと」
あずさ「○○駅に、いますよ。研修の方はどうでしたか?……送信っ!」
あずさ「ふふっ、これでプロデューサーさんのいる場所のすぐ近くの駅だったらビックリよね」
P「あずささんらしき人影は見当たらずか」
P「うわっ、もうこんな時間か……まいったな、早く見つけないと」
P「んっ、メールが来た? こんな時になんだ、迷惑メールは勘弁だぞ」
P「あずささんからか……安心した、これで居場所がわかる」
P「えっと、『○○駅に、いますよ。研修の方はどうでしたか?』」
P「なんだ、あずささん○○駅いるのか……って、ここからかなり遠い所だぞ!」
P「一体、どこをどう間違えたらその駅にいけるんだ……」
P「というか、『研修の方はどうでしたか?』って、何でこんな呑気なの!? この人、自分がどういう状況にいるか絶対解ってないでしょ!?」
P「あぁ……もう! とにかく、急がないと」
P「すぐに迎えに行きます……送信」
P「しかし、まぁ……あずささん、こんな時にもマイペースだよな」
P「案外、肝が据わっているのかもな。こっちは、迷子と聞いただけでハラハラするって言うのに」
P「いつだったか、名古屋まで迎えに行った時もあったしな……」
P「んっ……またメール」
P「『もうその駅は過ぎてしまいました。どうすればいいでしょうか?』」
P「……」
P「次の駅で降りて、待っていてください……送信」
P「世話の焼ける人だ……」
あずさ「プロデューサーさ~んっ! ここです。私はここにいます~!」
P「あずささんの声が……あずささんっ!」
あずさ「あぁ、プロデューサーさん……。よかった~、ううぅ……」
P「なっ、何ですか、あずささん。そんな泣かないでくださいよ」
あずさ「すみません。プロデューサーさんのお顔を見たら、なんだか安心して……」
あずさ「私、とっても心細かったんです……」
あずさ「このままグルグル電車を乗り継いで、プロデューサーさんも迎えにこれない所まで行ってしまったらって思うと」
P「その割には、メールでは落ち着いてませんでした?」
あずさ「文字だけじゃ気持ちは伝えきれませんよ~、ぐすっ」
あずさ「ご、ごめんなさい……」
P「……」
あずさ「プロデューサーさん?」
P「えいっ!」
あずさ「あうっ!? い、痛いです、プロデューサーさん」
P「おでこに軽くデコピンしただけじゃないですか。あずささんには、ちょうどいい薬です」
あずさ「ううう……」
P「本当に心配したんですから」
P「あずささんに何かあったら……俺」
あずさ「プロデューサーさん、そこまで私のことを」
P「当たり前じゃないですか……俺はあずささんのプロデューサーですから」
P「いつも頭の中は、あずささんでいっぱいですよ」
あずさ「……///」
P「いや、あのあずささん。ここは、なにかしらツッコミが欲しいんですが」
あずさ「私も、いつもプロデューサーさんのことで頭がいっぱいですよ」
P「そ、そうですか」
あずさ「はい。かっこよくて、優しくて、まじめで、気さくで、人望があって、事務所の皆に好かれて、スーツが似合っていて」
P「あの……あずささん、そういうのは」
あずさ「えっと、それから~」
P「あずささん。や、やめてくださいよ!」
あずさ「い~え、やめません……ふふっ」
あずさ「あら、まだまだいっぱいあるのに残念です~」
P「……帰りますよ」
あずさ「あっ、待ってください。プロデューサーさ~ん」
P「ほらほら、しっかりついて来てくださいね」
あずさ「は~い、わかってます。プロデューサーさんの隣が私の居場所ですから」
P「ちょっと、あずささんくっつきすぎじゃありませんか」
あずさ「そうですか~? これくらい近いほうがいいですよ」
P「……」
あずさ「……」
P(静かな夜の空気に当てられたのか、さっきからお互いずっと無言だ)
P(でも、この沈黙はなんだか心地いい。あずささんといるからだろうけど)
あずさ「……」
P「立ち止まってどうしたんですか、あずささん?」
P「えぇ、そうですね」
あずさ「でも、それは私がプロデューサーさんのプロデュースするアイドルだからですよね?」
P「はい……仕事ですから」
あずさ「もし私以外の女の子をプロデュースしたら、きっとプロデューサーさんはその人のために頑張るんですよね」
P「手を抜くつもりはないです」
あずさ「……です」
P「あずささん?」
あずさ「そんなの嫌です」
あずさ「私は、プロデューサーさんから担当のアイドルとしてなんか見られたくありません」
あずさ「私、ようやく見つけたんです。私だけの運命の人、私の隣を歩いてくれる人を」
あずさ「だから……お願いです。プロデューサーさん、私を一人の女性として見ていただけませんか?」
あずさ「……」
P「いつからでしょうか。自分の気持をはっきりと自覚できたのは」
P「あずささんと一緒にいると心が安らぐ、あずささんと一緒だと優しい気持ちになれる」
P「どうして、そうなるか考えた時に一つの答えが出ました」
P「俺は、あずささんのことが好きなんだなって……」
あずさ「プロデューサーさん……」
P「でも……」
P「俺は、あずささんの気持に応えることはできません」
あずさ「えっ……」
P「そんな中途半端な男が、あずささんをずっと支えていくには力不足だと考えています」
あずさ「そんな私は……」
P「あずささんが良くても、俺が嫌なんです。こういう中途半端なものは……」
P「俺がこんな中途半端な状態で結ばれたら、俺はきっとあずささんを不幸にしてしまう」
P「それだけは絶対に避けたいんです」
あずさ「……」
P「すみません。こんなの男の独りよがりですよね」
あずさ「私との約束……ですか?」
P「そうですよ。あずささんをトップアイドルにする約束です」
P「その約束を果たさない内には、本当の意味であずささんの隣を歩けませんよ」
あずさ「そうですね……私たち、まだ夢の途中なんですね」
P「はい、そして夢は叶えなくちゃいけません。夢をみていた頃の自分に対しての責任がありますから」
あずさ「それじゃあ、もしプロデューサーさんが私との約束を、トップアイドルを生み出す夢を叶えたら……」
P「その時は、俺の方から聞かせてもらいます。あずささんの隣にいていいかを」
あずさ「はい。私、待っていますね」
P「ついにトップアイドルの座に立ちましたね」
あずさ「はい……。私、とても嬉しいです」
P「もう日本であずささんのことを知らない人なんていないくらいですよ」
あずさ「プロデューサーさん、それは言い過ぎですよ」
P「いえいえ……」
P「そう言えば、あずささんは今後はどうするんですか?」
あずさ「そうですね。夢を叶えましたから、もう思い残すことは……いずれは引退をするつもりです」
P「そうですか」
P「……」
P「あずささん……実は」
あずさ「プロデューサーさん……」
P「はい……」
あずさ「いいですよ、私は」
P「……っ!」
あずさ「プロデューサーさんは、もう次の夢があるんですね」
P「……はい。俺は、自分の力を試したいです。世界にどれだけ通じるか見てみたい」
P「そのためには、もっと経験をつみ、学ばなければいけないんです」
P「だから、あずささん……すみません」
あずさ「謝らないでください、プロデューサーさん」
P「あずささん……」
あずさ「大丈夫です。私、待つのは得意なんです」
あずさ「あら……本当です。私、涙……」
あずさ「おかしいですよね。こうなることわかっていたのに……」
P「あずささん!」
あずさ「プロデューサー……さん」
P「すみません……」
あずさ「……謝っても、行ってしまわれるんですよね?」
P「すみません……すみません……」
あずさ「ズルい人ですね……」
P「すみません……すみません……」
あずさ「そんな風に抱きしめられたら、涙……止まらなくなっちゃうじゃないですか」
P「……すみません」
あずさ「うぅっ……」
その日は、二人は互いに愛する相手を抱きしめながら静かに泣いた。
そして、Pは765プロを去り、三浦あずさはアイドルを引退した。
あずさ「私の毎日はとっても寂しいものになってしまったわ」
あずさ「朝起きて、特にすることもなくてジムで運動して、ブラブラと散歩をして、夜寝るだけの毎日……」
あずさ「新しい朝には、希望もなにもない」
あずさ「ただ、夢であの時のことを思い出して泣くだけ……」
あずさ「夜が明けるのが、こんなに辛いことなんてなかったわ」
あずさ「……」
空に抱かれ、雲が流れていく
風を揺らして、木々が語る
目覚める度、変わらない日々に
君の抜け殻、探している
Pain 見えなくても、声が聞こえなくても
抱きしめられたぬくもりを今も覚えている
この坂道をのぼる度に、あなたがすぐそばにいるように
感じてしまう私の隣にいて、触れてほしい
遠い彼方へ旅立った、私を一人置き去りにして
側にいると約束をしたあなたは嘘つきだね
あずさ「私に伝えなきゃいけない言葉も伝えないで……」
あずさ「勝手にどっかに行ってしまうなんて、卑怯です」
あずさ「……会いたい、会いたいです。プロデューサーさん」
あずさ「約束を破られたんです……私の運命の人に」
へぇ、運命の人に……ですか?
あずさ「分かってはいたんです、一緒にはいられないって」
どうして、一緒にいてくれって言わなかったんですか?
もし、その人が運命の人でしたら、きっとあなたの望みを叶えてくれると思いますけど
あずさ「だって……大好きな人の夢は応援したいじゃないですか」
……その運命の人も、あなたの想いを受けて立派に成長していると思いますよ。
あずさ「そうですね……プロデューサーさんなら、きっと」
俺が、あずささんの隣にいてもいいか?っていうことを聞く約束でしたよね。
あずさ「えっ……」
あんまり暗い顔をしているので、最初誰だかわかりませんでしたよ。
あずさ「あぁ……」
やっぱり、あずささんには笑顔が一番ですから。
あずさ「……」
あれ、もしかして俺のこと忘れちゃいましたか?
それは参ったな……ようやく一人前になったと思って帰ってきたんだけど
あずさ「その優しい声……忘れるわけないじゃないですか」
あずさ「プロデューサーさん」
P「……」
P「ただいま、あずささん」
P「さっき、こっちについてそれでまずあずささんの家に行こうかと思ったら」
P「はた目からでも分かるくらい暗いオーラだしてるあずささんがいまして」
P「それで、何事かと思って声をかけたんですよ」
あずさ「誰のせいですか……誰の」
P「まぁ、俺のせいですよね」
あずさ「全くです」
あずさ「はい、なんですか?」
P「俺、色々な場所を巡って、たくさんのことを学んできました。でも、それを活かせるアイドルがいないんですよ」
P「俺のプロデュースは、いつだってあずささんのためだけのプロデュースでしたから」
あずさ「……」
P「幸い、高木社長が俺とあずささんの765プロでの籍をそのままにしてくれていたようです」
P「だから、あずささん……もう一度俺にあなたをプロデュースさせてもらえませんか?」
あずさ「私……プロデューサーさんのいない間、ずっとからっぽでした」
あずさ「でも、今はこんなに満ち足りています。プロデューサーさん、私はもう一度輝けるでしょうか?」
P「そのために、約束を破ったんです。日本どころか世界中をあずささんの話題でいっぱいにさせてあげますよ」
あずさ「その約束は守ってくれますか?」
P「もちろんですよ」
あずさ「ふふっ……また、よろしくお願いしますね、プロデューサーさん」
あずさ「待ってください。プロデューサーさん、大事なことを忘れていますよ」
P「大事なことですか?」
あずさ「破ってしまった約束のこと……プロデューサーさんの言葉、ちゃんと聞きたいです」
P「えっ、それは……もうわかるでしょう?」
あずさ「あら、私はプロデューサーさんの言葉を聞いてないですから、お返事が出来ないですよ?」
P「うぐっ……」
あずさ「プロデューサーさん!」
P「わ、わかりましたよ……」
P「あずささん、待たせてしまってすみません。でも、今の俺なら昔言えなかった言葉、はっきり言えます」
P「あずささん、あなたのことを誰よりも愛しています」
P「あずささんの隣で、一緒に歩かせてください。いや……あずさ、俺と一緒に歩いてくれ! これからの俺の未来、あなたと二人で築いてきたい!」
あずさ「……」
あずさ「私も、あなたの隣で、あなたの感じるものを感じながら、ずっと歩いていきたいです」
あずさ「プロデューサーさんっ!」
あずさは、Pに抱きつくと万感の想いをこめて、耳元でささやく。
お帰りなさい、プロデューサーさん♪
fin
Entry ⇒ 2012.07.27 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
やよい「土曜は牛の日ですー!」
P「やよい・・・」
見たいな風でオナシアス
やよい「いつも行くお店におっきく書いてありました!」
P「あぁなるほど……」
やよい「でも不思議です、土曜日は毎日あるのにどうして急に牛の日になったんでしょう?」
P「あぁ、あのなやよい。この丑の日は牛は牛でもちょっと意味が違ってだなぁ……」
やよい「う?」
P「あ~でもいいか。確かに1年にそう何回もある日じゃないし贅沢してもいいだろ」
やよい「そうですか?そうですよね!土曜日の牛さんの日に感謝して、今日は贅沢に行きます!」
P「うんうん、やよいが満足ならそれで……」
P(でも、鰻くらいだったら食べさせてやれるか?でもアイドルの分もとなると……)
やよい「それじゃあプロデューサー!私早速夕飯の買い物に行ってきますね!」
P「あ、あぁ。行ってらっしゃい。……ようし」
――
スーパーのおじちゃん「おぉやよいちゃん!今日も来てくれたんだねェ!」
やよい「あ、おじさん!こんばんは!今日は丑の日なので奮発しちゃおうかなって!」
おじちゃん「そうかいそうかい。ということは鰻かな?」
やよい「うなぎ、ですか?」
おじちゃん「ありゃ、鰻を買いにきたんじゃないのかい?」
やよい「はい!せっかくの牛の日なので牛のお肉でぱーっと贅沢しちゃおうかなって思ったんです!」
おじちゃん「あぁ~なるほどね。やよいちゃん、丑の日っていうのは別に牛肉のことじゃないんだ」
やよい「う?プロデューサーもさっきそんなことを言ってました……」
おじちゃん「昔の話なんだけどな。鰻屋さん、なかなか売れなくて困ってたたんだ。」
おじちゃん「それでどうにか売れないか、って思ったらちょうど丑の日でな。昔の数え方なんだが」
おじちゃん「まあいいか。それで、どうしたかっていうと”う”がつく食べ物は縁起がいいってのでな」
おじちゃん「しかも食べたら元気になる。って聞いてみんな食べるようになった。それが丑の日よ」
やよい「そうだったんですかぁ~。でも私、鰻食べたことないですよ?丑の日なのに」
おじちゃん「まあ今じゃちょっと高いだろうしなぁ。ちょっと見てみるかい?」
おじちゃん「わっはっは、まあへびっちゃそうだな。どれ、一つごちそうしてあげようか」
やよい「え、いいんですか!」
おじちゃん「あぁ。なんてったって丑の日だしな。やよいちゃんはいつも来てくれるからサービスよ!」
やよい「わぁ!ありがとうございます!」
おじちゃん「といっても蒲焼になってるやつだけどな。ほれ」
やよい「おぉ……綺麗なきつね色でさっきのと全然違います……はむ……」
おじちゃん「どうだい?」
やよい「こ、これ……これおいしいです!おじちゃん!」
おじちゃん「そうかいそうかい。そりゃよかった。みんな今日はこれを買って帰るんだ」
やよい「そうだったんですねぇ~。でも高いんですよね?」
おじちゃん「まあそうだなぁ。これはできてるやつだからなおさらだけどな」
やよい「えっと……えぇえ!こ、こんなにするんですかぁ!」
おじちゃん「まあお世辞にも安いっちゃいえねぇよなぁ。何せ買う人も少なくなってきて」
やよい「そうなんですか?」
おじちゃん「だから鰻を食べる人も少なくなって、さらに高くなってまた買う人が減る」
おじちゃん「そろそろ丑の日ってのも考え時かもしれねぇな」
やよい「でも、こんなにおいしいんですよ?」
おじちゃん「おいしくっても高かったら売れないのさ。やよいちゃんだって他にもおいしいもの知ってるだろ?」
やよい「そうですね、確かに鰻はおいしいですけど……」
おじちゃん「まあこんなこと話したってしょうがねぇよな。どれ、これを持って帰って夕飯のおかずにしな!」
やよい「えぇ!いいんですか!」
おじちゃん「おうよ!さっきも言った通り余ってるんだ!1つくらいどうってことないさ!」
やよい「うっうー!ありがとうございます!これで長介たちもよろこぶかな……」
おじちゃん「おぉ、そのうっうーっての、元気がよくていいねぇ」
やよい「あ、これですか?はい!私の元気のもとです!」
おじちゃん「……もしかしたら使えるかもしれねぇぞ?やよいちゃん、ちょっといいか!」
やよい「え?あ、はい」
おじちゃん「みんなに鰻を食べてもらいてぇ。それは俺の本心なんだ。でも現実はそう甘くないんだ」
おじちゃん「もっとこの味を、皆に知ってもらいたい。その手伝いをしてくれるか?」
やよい「わ、私にできることなら!」
おじちゃん「よし!決まりだ!悪いがちょっと手伝ってもらうぜ!」
――
やよい「うっうー!丑の日はうのつくうなぎはいかが!元気がでますよ~!」
オバサン「あら、元気がいいわね?バイトさん?」
やよい「あ、はい!お手伝いです!うなぎ、どうですか!」
オバサン「そうねぇ。高くなってからしばらくみてないけど……せっかくだしいただこうかしら?」
やよい「ホントですか!ありがとうございます!」
オバサン「そのうっうーっていうの、すごく元気がでるわね!これからもがんばって?」
やよい「あ、はい!ありがとうございます!」
おじちゃん「こりゃすげぇ……やよいちゃん、あんたはやっぱりすごい子だ」
やよい「あ、おじちゃん!うなぎ、売れますよ!」
おじちゃん「お、おう!おかげさまで絶好調だな!厨房も大忙しだ!」
おじちゃん「そ、そんなわけないだろう!これはちょっとあれだ……鰻の水が飛んだんだ!」
やよい「そうですか……あ、はい!それじゃあまた行ってきますね!」
おじちゃん「お、おうよ!……ったく、こんな子がまだ残ってるとはな」
おじちゃん「日本の文化ってのも捨てたもんじゃないな」
――
やよい「全部売れましたー!!」
おじちゃん「ご苦労様だった!いや~ホント助かったよ、ありがとうやよいちゃん!」
やよい「いえ!これくらいだったらまたお手伝いしますよ!」
おじちゃん「すまないねぇ、あぁこれお礼といったらさみしいけどな、受け取ってくんな」
やよい「え?……こ、これ全部鰻ですかぁ!!」
おじちゃん「おう。それも一番いいやつだ!やよいちゃんにとっておいたのさ!」
やよい「お、おじちゃん……」
おじちゃん「へへっ、やよいちゃんほど”う”が似合う子もいないな!ぜひうちの鰻を味わってくれよ!」
やよい「はい!ありがとうございました!!」
やよい「みんな~!今日は鰻ですよ!」
長介「え?鰻?姉ちゃんそんな贅沢して大丈夫?」
やよい「大丈夫!これはもらったの!今日は丑の日だからね!」
かすみ「牛の日?牛肉が食べられるの!?」
やよい「その牛じゃないんだよかすみ!これはもっともっとおいしいんだから!」
長介「うわっ、へびみたい……やっぱりこれくえんの?」
やよい「大丈夫!今から作ってあげるから!でもちょっと多いかなぁ……あ、そうだ!」
――
やよい「こんばんは!」
小鳥「あらやよいちゃん。どうしたのこんな時間に」
やよい「実はたくさん鰻をもらったのでどうかなって!」
小鳥「鰻!?そ、そんなやよいちゃん、どうしたの?」
やよい「お手伝いしたらもらったんです!あ、今作りますから皆も呼んでください!」
小鳥「わ、わかったわ!……私だって鰻なんて何年ぶりかしら」
伊織「やよいが丑の日に鰻だなんて。やるじゃない」
響「丑の日って牛のお肉を食べる日かと思ったぞ」
亜美「ひびきんそれはないっしょ→」
真「そ、そうだよ響!(ち、ちがうんだ……知らなかった……)」
美希「どっちでもいいのーおなかすいたのー」
春香「まあまあプロデューサーさんがそろそろ来るから、ね?」
千早「鰻は栄養満点と聞きます。これを食べれば……もしかしたら」
真美「鰻か~見た目はちょっとグロいよね→」
貴音「しかし、丑の日という呼び方もまた風流ですね。昔を思い出します」
あずさ「鰻なんて久しぶりだわ~やよいちゃんに感謝しなくちゃね~」
律子「それにしても遅いですねプロデューサーは……」
ガチャッ
P「お待たせ!いや~遅くなった遅くなった。だが皆聞いて驚くな?今日は何の日か、知っているかね?」
P「土用丑の日、ということでじゃじゃん!奮発して鰻を買ってきたぞ!!どうだやよい!……あれ?」
伊織「やよいが鰻を大量にもらってきたのよ……それなのにあんた、それ何?」
P「え?あ、いや、これはだな……」
響「パックに入ってるんだな~。おいしそうだけどやよいのと比べるとちょっとな」
亜美「流石にそれはないよ兄ちゃん」
真美「せめてもうちょっと大きいの買ってこようよ」
P「う、うぅ……なけなしのポケットマネーを削ってまで買ってきたのにこの扱い……」
やよい「プロデューサー!その鰻も一緒に並べましょう?今日は鰻祭りですよ!」
P「や、やよいぃ……」
あずさ「あらあら、流石はやよいちゃんね」
律子「それじゃ、いただきましょうか」
雪歩「鰻、あんまり食べたことないですぅ」
真「雪歩、骨とか気を付けてね?」
千早「骨は、そんなに気にしなくていい気がするけど……いやむしろカルシウムよ」
やよい「それじゃあみなさん!いっただっきまーす!!!」
春香「おいしい……こんな鰻初めて。おいしいよやよい!」
やよい「ありがとうございます!」
美希「ん~ミキはハニーの鰻も好きだな~」
真美「ミキミキそれちょっと……」
響「確かにプロデューサーが買ってきたのもうまいな!」
伊織「なかなかおいしいじゃない。やよいにしてはよくやったじゃない」
亜美「って言っていおりん、頬がゆるんでますぞ~?」
律子「やよい、弟たちには食べさせたの?」
やよい「あ、はい!みんな夢中で食べてくれました!牛肉よりこっちになりそうで……えへへ」
雪歩「おいしい……お魚なのにお肉みたいで……」
真「みんな大絶賛だね!」
やよい「よかったです!みんなこれからは丑の日に”う”ですよ!」
やよい「うなぎで皆ハッピーです!!うっうー!!」
終わり
山椒の素晴らしさに気が付いたのは最近
落ちのつけ方よくわからない
読んでくれた人ありがとう
やよいのために鰻買い占めてくる
Entry ⇒ 2012.07.27 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
春香「プロデューサーさん!ニュースですよ、ニュース!」
天海春香、新曲発売記念ライブでこけまくり、観客「あざとすぎる」
「太陽のジェラシー」「乙女よ大志を抱け!!」などのヒット曲で知られるアイドルの天海春香さん(17)が、
新シングル「笑って!」の発売を記念し行ったライブ公演中、なんと28回もコケるというハプニングがあった。
ライブは天海春香さんたっての希望もあり東京ドームで行われ、全国各地から熱狂的なファン5万5000人が集結。
春香さんがステージに現れると、綺麗な赤色のサイリウムで観客席は彩られ、
中には「閣下!」「踏んでください!」などと跪くファンも見られ、会場は異様な雰囲気に包まれた。
最初のハプニングが起きたのは春香さんのデビュー曲でもあった1曲目の「GO MY WAY!」
ステージ上にはつまづくようなものは何もなかったにもかかわらず、バランスをいきなり崩すと、大きな声を上げながら転倒。
その後も1曲に2回というかなりのハイペースでお得意の「どんがら節」を披露し、客席を沸かせた。
MCの途中、観客からの「ワザとコケているのではないか?」という指摘に対し、
周りのファンが一時エキサイトする場面もあり「それも含めて閣下のステージだ」などと収拾がつかなくなると、
春香さん自身が「跪きなさい愚民共」と嗜め、5万人以上が一斉に跪くという異様な光景も見られた。
公演後、訪れたファンは「あれだけコケたのにパンツが一度も見えなかったのはおかしい」「あまりにあざとすぎる」
「ワザとではないか?という質問からの跪くまでの流れはもはや様式美」などと興奮気味に語り、
担当プロデューサーのPさんも「今日の春香は絶好調だった。見えない何かにつまずいているようだった」と大満足。
大成功を収めたライブを振り返り、春香さんは「いつもより多くコケてしまいましたが今日のライブは大成功でした」
「パンツだけは死守しました。好きな人が出来た時に、その人にだけ(見せます)」と意味深なコメント。
嬉しそうに取材陣を後にしたが、その場でまたも転倒。しかしパンツは依然死守したままだった。
高槻やよい、貧乏アイドル脱却も、もやしにはもう飽き飽き?
大家族で貧乏アイドルとして人気を博した高槻やよいさん(14)
家計の支えになれば…と始めたアイドル活動も軌道に乗り、その愛らしさと健気さから男女ともに人気が高い。
バラエティから料理番組、果ては子役として活躍し、今やテレビに映らない日はない程だ。
おかげで収入も増え、両親の抱えていた多額の借金も最後まで返済することが出来たというやよいさん。
貧乏生活からもついに脱却かと思いきや、今度はその人気のおかげで問題が出ているという。
「もやしを貰いすぎて食べきるのが大変なんです」冗談のように聞こえるが、本人は真剣だ。
以前からもやしを食べていることで知られていたが、もやし協会のイメージキャラクターになったことや、
自らの看板番組『お料理さしすせそ』内で、もやしを多用したこともあり、全国のもやし農家から熱いラブコール。
日本中からもやしがたくさん送られてくるようになり、食べないと腐ってしまうので困っているという。
「お金にはあまり困らなくなりましたが、かと言って食べ物は無駄にしたくありません」
高槻家の食卓を取材させてもらうと、テーブルの上にはホットプレートに山盛りのもやし。
特性のタレで炒めたもやしをご飯で頂くという高槻家の定番メニュー「もやし祭り」
以前は毎週木曜日だけであったが、現在では月、木、土曜日の週3日制だ。だがそれでも食べきれないと言う。
「やよいは収入が増えても天狗にならず、節制した生活を続けています。それも彼女の魅力の一つです」
「しかし過酷なアイドル活動で(食事が)もやしに偏っているのは心配」担当プロデューサーのP氏はそう語る。
同じ事務所の歌姫、如月千早さんは「毎日のように(やよいさんから)もやしをおすそ分けしてもらっている」
「私の体型がもやしのような事は(もやしとは)関係ない」とコメントし、笑いを堪えながらその場を後にした。
「約束」、270万枚を超える歴史的大ヒットに、如月千早「みんなのおかげ」
「蒼い鳥」「目が逢う瞬間」などのヒットで知られるアイドル歌手、如月千早さん(16)
4ヶ月前に発売されたシングル「眠り姫」が140万枚を超える記録的な売上を記録したのは記憶に新しいが、
若干16歳で日本の音楽シーンを牽引する立場となった彼女がまた、さらなる音楽界に衝撃を与える事となった。
所属事務所である765プロの仲間が作詞したという「約束」が、発売から3ヶ月で270万枚を超える歴史的大ヒットとなり、
SMAPの「世界に一つだけの花」(2003年)の259万枚を超え、オリコンシングルチャートの歴代7位の座を奪った。
音楽販売がレンタルやダウンロード販売が主流になりつつある今、この大記録を達成したことにプロデューサーのPさんは
「本当に良い物は売れる。時代が時代なら(CDの販売だけで)500万枚を超えたかもしれない」と自信満々の様子だ。
千早さんは「ここまで私の歌が高く評価していただけのは、事務所やファンのみなさんのおかげ」とコメント。
その後に「あまり面白みもないコメントしか出来ずすいません」と付け加え、自嘲気味に笑みを浮かべていた。
一時期、週刊誌による悪質なバッシングにより、声が出なくなるほどに精神的に追い詰められていたと言う千早さん。
その時に親身になって助けてくれたのが765プロの仲間であり、かけがえの無い大切な家族のような存在と熱く語った。
千早さんの突然の一時休養宣言に「天才歌姫、このまま引退か?」とワイドショーを賑わせていた中、
全国に生中継された765プロ主催の合同ライブ。その歌姫の感動的な復活は、新たな歌姫伝説の幕開けを思わせた。
「みんなが居なければ、私は歌うことすら辞めていたかも知れません」千早さんはそう振り返る。
同じ事務所で、千早さんとは大親友であるという天海春香さんは「(千早さんが)また歌えるようになったのは本人の力」
「私たちは少しだけ、背中を押して上げただけです」と、あざといコメントを残し、
一方で高槻やよいさんは「いんぜー?のおかげでもやし生活から脱却できました!」と笑顔で答え、笑いを誘った。
一人でやるには少し時間がかかりすぎるから書ける人は頼む
穴掘り大会が盛況。ゲストに「穴掘りアイドル」萩原雪歩さんも
第十三回全国穴掘り大会が今年も千葉県の成田ゆめ牧場で行われ、総勢1万5000人を超える参加者で賑わった。
ルールはスコップだけを用い、制限時間30分でより深く穴をほったチームが優勝という至ってシンプルなもの。
1チームは6人以下で、優勝賞品は金のスコップに、賞金100万円という豪華なものだ。
年々賑わいを増す同大会。今年は最多の700チーム以上が参加する嬉しい事態に、
「穴掘りアイドル」として有名な萩原雪歩さんが、ヘルメット姿で急遽特別ゲストとして飛び入り参加。
会場に急ピッチで設営されたステージで、新曲「ALRIGHT*」や、オリジナルの穴掘りソングを披露し、会場は大いに盛り上がった。
大会本戦にも引き続きゲストとして出場した雪歩さんは、チームには参加せず一人での出場。
プロの穴掘り職人が多数参加する中、開始10分で100m以上掘り進んだところを、メジャーの長さ不足で測定不能となり失格。
繰り上げで3m90cmを記録した(株)水瀬建設土木部が優勝となったが、戸惑いを隠せない様子だった。
優勝チームの新堂さんは「あの華奢な体のどこにそんな力があるのか。目算では300メートル以上掘っているはず」驚いた様子でコメント。
観客からは「まるでゼリーを掘っているようだった」「少し目を離したらすでに穴に隠れて見えなくなっていた」
「今までテレビで穴をほってたのはヤラセだと思っていた」などと、その早さに動揺を隠せない様子だった。
ゲーム終了後、雪歩さんは慣れた手つきで穴から這い上がってきたが、全身びしょ濡れになっており、
「温泉を掘り当ててしまい濡れてしまった。たぶん(穴の深さは)400mくらいだと思う」とコメント。
穴掘りアイドルの名に恥じぬ圧倒的な穴掘りを披露し、見事会場は大盛り上がりを見せた。
大会スタッフは「(雪歩さんには)来年もゲストとして参加してもらいたいが、次回は穴掘りインストラクターとしてお願いしたい」
「まさか温泉まで掘り当ててしまうとは。今後は温泉地としても賑わうように努力したい」と嬉しそうに語っていた。
温泉とかwww全身火傷して死ぬわ
亀だが多くの温泉は源泉を加温して使ってるぞ
だから「源泉かけ流し」って売り込みが成立するんだもんな
お騒がせアイドル日高愛、声が大きすぎ、ご近所さんを失神させる。
毎度お騒がせのアイドル、日高愛(13)が19日、所属事務所が契約するボイスレッスンスタジオでの練習中に、
あまりの声の大きさに近隣住人を失神させるハプニングに見舞われた。
失神したのはレッスンスタジオから200m離れたアパートに住む女性(67)など4名。
ボイスレッスンスタジオは防音対策がしてあったものの、愛さんの不注意でドアを閉め忘れ、
その母親譲りの強い喉から発せられる大音量ボイスに、住民は耐え切れなかったという。
道を歩いていて声を聞いた女性は「爆弾が爆発したのかと思った。地声だというのが信じられない」とコメント。
愛さんの声は最も声が大きい人としてギネス記録に乗っており、声質によっては窓ガラスをも粉砕することが出来るという。
このアクシデントについて、愛さんに話を伺おうとマイクを向けたところ、録音機器が故障。
やむを得ず30m離れたところからの取材となったが「喉の調子が良かったので少し調子に乗ってしまった」
「反省しています。次からはきっちりとドアを閉めて臨みたいです」とコメント。
それに対し所属事務所の石川社長は「愛は普段から小声で喋ってもらっている」と爆弾発言が飛び出し、
マネージャーの岡本さんは「今までに4回は鼓膜が破れた」とその苦労を漏らした。
「うっうー!」が金賞 ネット流行語大賞2011
今年ネット上で流行した言葉を選ぶ「ネット流行語大賞」が2011年12月1日、決定した。
金賞は、765プロ所属アイドル・高槻やよいの「うっうー!」。
銀賞には「わた春香さん」が、銅賞にはアニメ『アイドルマスター』に端を発した「プロデューサーさん!○○ですよ、○○!」がそれぞれ選ば
れた。
ネット流行語大賞は、インターネット上で多用された言葉のなかから、最も流行した言葉を決めるというもの。
産経新聞編集企画部が運営する実行委員会に参加する各企業がユーザーを対象としたアンケートを行い、独自に集計した。
金賞を受賞した「うっうー!」は、高槻氏の冠番組「お料理さしすせそ」内に出てくるフレーズ。毎放送内で料理が完成すると必ず使われる一言で、
この流行語が火付け役となり、今年8月、夕方の料理番組では異例の最高視聴率84.1パーセントを記録した。
金・銀・銅賞以下の「ネット流行語大賞2011」は以下の通り。
何気なく春香が強いな
GPS衛星が一時行方不明に、携帯端末などに大きな影響。原因は迷子アイドル?
17日の午後4時から7時にかけて、携帯端末向けのGPSが一時行方不明になるアクシデントがあった。
行方不明になったGPS衛星は日本上空を通過中に3時間に渡って突如消息を絶ち、
日本近辺の携帯端末約2億台に影響が出たと予測されている。
その後衛星は発見され、軌道修正を行うことで障害から復旧することで事なきを得た。
しかし、このアクシデントにあの「迷子アイドル」が影響しているのではないかと噂になっている。
その「迷子アイドル」とは、765プロダクションのアイドル三浦あずさ(21)
あずささんはよく迷子になる極度の方向音痴として有名であり、障害のあった当時、
テレビ番組で、タブレット型端末のGPS機能を用いても迷うのか?という企画の生放送に出演していた。
それまで正常だったタブレット端末のGPS機能が、あずささんの手に渡った途端に機能しなくなり、
インターネットでは「爆笑したけどいくらなんでもヤラセだろう」などと書き込みが相次いだが、
このニュースが報じられるやいなや、ツイッターなどでは「筋金入りの迷子」「本物の迷子力」
などと、あずささんの方向音痴に付いて恐怖すら感じる人も少なくなかったようだ。
この問題についてあずささんは「私は方向音痴だけじゃなく、機械音痴でもあるんですね~」とコメント。
タブレット端末を手渡したプロデューサーの秋月さんは「歌だけは音痴でなくてよかったです」と笑いを誘った。
ミステリー系アイドル四条貴音、ロケ番組で激昂
謎の雰囲気を醸し出すミステリー系人気アイドル四条貴音さん(18)さん
ロケ先のラーメン店で出演者の大食いタレントに激怒したことが分かった
原因はロケ先のラーメン店のラーメンを食する姿に貴音さんが怒りを覚え、
撮影中のタレントに激怒、15分ほど説教をしたそうだ
その後貴音さんは撮影を中断したことと場の空気を悪くしたことについてタレント、スタッフに謝り、
どうにかその場を収めたようだ
今回の事件について貴音さんを担当しているプロデューサーのPさんは
「本当に申し訳ないです、でも貴音はラーメンへの思いが極端に強いので仕方がないとしか……今後このようなことがないよう言いつけておきます」
とのコメント
そして事件の当事者である貴音さんにも今回の事件について伺ったところ
「真に申し訳ありませんでした、ですがあの方のらぁめんを食べる姿はあまりにも目に余ったってしまったのです、あの姿は真においしき物を食べている人ではない、私はそう思いました」
と、毅然とした態度でコメント
その場で事件の全てを見ていたロケ番組の監督はは
「あのお説教には感銘を受けた!撮影関係ナシに自分の悪いことを悪いと言うあの娘の行為は今の現代人には無いものです、多分そういう所も含めて彼女の人気は成り立っているんだろう」
と、貴音さんを褒め称えるように語っていた
謎に満ちたアイドル四条貴音さんを、少し身近に感じられる事件であった
第27回わんこそば選手権大会開催。優勝はアイドルの四条貴音
盛岡を代表する食文化の一つ「わんこそば」その日本一を決める熱き戦いが岩手県で繰り広げられた。
毎年、数多くの健啖家が集結するのこの一大イベントを制したのは、なんとアイドルの四条貴音(19)
ライバルが苦戦する中、日本記録の561杯を大きく上回る632杯を平らげた。
ルールは、30分以内に何杯のわんこそばを食べられるかというシンプルなもの。
胃に自信を持つ若者たちに紛れ、次々とそばを飲み込む貴音さんの姿に会場は大いに盛り上がった。
観客は「(貴音さんが)よく食べる事は知っていたがここまでとは」「ゲストだと思っていたのに優勝するとは」
「あの体のどこに632杯も入ってるのか。明らかにおかしい」と、驚きを隠せない様子だった。
他の女性参加者が「大の男が400杯でお腹をふくらませて倒れているってのに、どうなっているんデスカ?」とエキサイトし、
アイドルである貴音さんを優勝させるための八百長ではないかと騒ぎ立てるハプニングもあったが、
一緒に来ていた友人の女性に取り押さえられることで事なきを得た。
それに対して貴音さんは「そばも良いものですね。ですがらぁめんでしたら700杯は(食べれられる)」と余裕を見せ、
会場を後にしたと思うと、そのまま向かいのラーメン屋に入っていったという。
なお、主催者によるとそういった八百長の類は一切おこなっていないという。
「ミキミキ詐欺」横行 警視庁が注意を呼びかけ
警視庁は18日午後、知り合いを騙って銀行口座への振込みを指示し金を騙し取る「振り込め詐欺」の新しい手口として、
人気アイドル・星井美希さん(15)と名乗る人物からの電話に注意するようホームページで呼びかけた。
「ミキミキ詐欺」と呼ばれるこの手口は不特定多数の人物に電話をかけ、
「こんにちは!星井美希だよ。あはっ☆」という挨拶に少しでも反応した人物をターゲットに
所属事務所の経済状況の危機を訴え、サイン入りCDを送ることを条件とし口座に金を振り込ませるというもので、
これにより都内では先月末までに約20人が計765万円を騙し取られており、
今後さらなる被害者の増加が懸念される。
調べでは、この詐欺による被害者は全て星井さんのファンであることが明らかになっており、
通報者は「声も喋り方もそっくりだった。本当に電話してきてくれたと思い浮かれてしまった」と話しているという。
また、星井さんの所属する765プロダクション側はこの事件への関与を一切否定しており、
星井さん本人は「電話をかける暇があったらお昼寝をするので(私ではない)。
ファンの皆に悲しい思いをさせて申し訳ない…ぁふぅ」とコメントしている。
東京医科学博物館が開館、セレモニーにはアイドルの双海姉妹も
子供にもわかりやすく、病気や医学について楽しみながら学べる博物館「東京医科学博物館」が16日開館した。
人体の仕組みから病気の怖さなど、目で感じて学べるがコンセプトの展示物は、大人が見ても十分楽しめるものとなっている。
開館セレモニーには、親が医者であると言う双子のアイドル、双海亜美・真美(13)姉妹も参加した。
会館前から大勢の人が列をなし、フラッシュの中、真美さんの提案で本物のメスを用いて、テープカットが行われ、
亜美さんが「このテープも出来れば内蔵っぽくすれば良かったのに」と冗談めかすと、
姉の真美さんがすかさず、「(内蔵を)メスでバラバラにしちゃったらダメっしょ」と会場を沸かせた。
報道陣の中、この博物館の一番の目玉である、コンピューター上での手術の体験ゲームを早速姉妹が体験。
メスなどの手術用具の動きに合わせて、画面内で再現された人の手術をすることが出来る。
親が医者だからと余裕ぶっている亜美さんだったが、腫瘍を摘出する手術で誤って心臓を切断。
鳴り響く心電図モニターの異常音に慌てた亜美さんは、すかさず傷口を縫合し「ファインプレー」と言い張るも真美さんがそれを否定。
続いて挑戦した真美さんは無事に腫瘍を摘出し、成功した特典として『子供医師免許』が発行された。
それについて亜美さんは「これからも手術は続けていく。あのファインプレーを見れば腕の差は歴然」
免許がないことについて聞かれると、「(私は)平成のブラックジャック」などと冗談めかし報道陣の笑いを誘った。
一方で「子供医師免許も貰えたし、とても楽しく手術について学べた。日本初のアイドル医師を目指そうかな?」と、
至って報道陣向けのコメントを残し、姉としての余裕を見せる結果となった。
よくここまで詰め込めるな、すごいわ
我那覇響が琉球大使に就任!
「いつか沖縄でライブをして、ただいまって言うんだぞ!」
動物好きとして有名な人気アイドルの我那覇響(765プロダクション)が、
故郷・沖縄県のPRを担う“琉球大使”に就任した。我那覇は、昨年度に同県が
制作した「ハイサイ、元気!沖縄県」イメージアップTV-CMへの起用や、
今年度の沖縄県イメージアップ・ポスターへの起用、さらには普段から自身の
芸能活動を通じて、広く沖縄県をPRした功績が認められ、この度の決定に。
今月27日には、我那覇が沖縄県庁にて仲井眞知事を表敬訪問。
沖縄大使の委嘱式が行なわれ、地元メディアをはじめ多くの関係者が見守る中、
少し緊張した面持ちの我那覇は、県知事から“琉球大使委嘱”の盾を授かり、
「自分、生まれてから事務所に入るまでの15年間、沖縄で育ってきたんだ。
今、自分を育ててくれた大好きな沖縄島を自分がPR出来るようになったことを嬉しく思うぞ!」
と元気に感謝の言葉を伝えた。また、同県のイメージアップ・ポスターの撮影では、
地元民俗衣装の流装を着用。沖縄島の象徴とも言える海を背景にフォトセッションも。
一から書いたほうが楽かもしれませんね
「王子様にしたい芸能人」ランキングの第一位が決定!!
風変わりな企画に定評のある女性誌「piyopiyo」にて行われた、「王子様にしたい芸能人」の投票結果が昨日発表された。
当初は961プロのアイドルユニット「ジュピター」のメンバーのいずれかが王座を手にするだろうと予想されていたが、
いざ蓋を開けてみれば、765プロ所属の『女性』アイドル・菊地真が二位以下を大きく引き離してブッチ切りで一位の座に君臨した。
獲得票数は72727票という、二位の天ヶ瀬冬馬が獲得した1000票の72倍以上という驚くべき記録であった。
彼女に投票した意見の一部は下記のとおりである。
『男とか女とか関係ないの!真クンが圧倒的に王子様なの!!』
『真ちゃんが一番の王子様ですぅ!ダメダメな私でもこれだけは譲れません!』
『やっぱ王子様って言ったらまこちんしかありえないっしょ→』
『ま、真ーっ!!うお、うおおお!真ーっ!!』
「女性でありながら王子様」という前代未聞の偉業を成し遂げた本人にインタビューをすべく事務所に向かったが、
あいにく不在だったため、代わりに彼女を担当するプロデューサーに意見を伺った。
「いやぁ、まさか一位を取るとは私もびっくりしましたよ。真の奴もよほど嬉しかったのか、涙を流して喜んでましたね(笑)」
いずれ本人から直接喜びの言葉を聞きたいものである。なお、一位に輝いた記念の賞品として彼女には白タイツが送られる模様。
ボーイッシュアイドル菊地真、始球式でまさかの剛速球!?
スポーツ万能アイドルとして知られる菊地真が18日、横浜スタジアムで
行われたプロ野球・DeNA対ヤクルト戦で始球式を行った。
DeNA三浦大輔選手とのキャッチボールで肩を慣らし、
万全の調整で挑んだ始球式では、まさかの121キロのストライク。
打席の内村賢介選手(DeNA)もアイドルとは思えない投球に唖然としながらスウィング。
観客からの歓声を受けた菊地だったが、「ちょっと女の子っぽくなかったかも…」と戸惑い気味。
しかし、観客の女性は「足を上げた瞬間、スイッチが切り替わったと思いました。カッコ良かったです!」
と称賛しきりの様子だった。
ドッキリ番組に大好評!? 双子アイドル双海姉妹
元気印でいたずらっ子の双子姉妹アイドル、双海真美・亜美さん(13)
がドッキリ番組で大御所の和田アキコさんに大胆ドッキリを行なったことが分かった
業界では鬼のように怖い和田アキコさんにドッキリを仕掛けるという類を見ない企画に果敢にも双海姉妹は挑戦し、成功を収めた
ドッキリ内容はオレンジジュースを和田アキコさんにぶちまけたりという子供らしいイタズラを幾度も行い、和田アキコさんを激怒させたという
だがドッキリだと分かるや否や、双海姉妹にドッキリをさせたスタッフ一同に怒ったという
双海姉妹の様々なドッキリを受け、心身共に疲弊した和田アキコにコメントを求めたが、
記者まで巻き添えにされスタッフ一同とともに和田アキコさんの怒りに触れた
今回のドッキリ企画について双海姉妹は
「すっご→っい!おもしろかった→!また今度も遊んでくれるって約束したし、次も派手にやっちゃうしかないっしょ?」
「でも次は上手く逃げないと私達もあのスタッフさんたちみたいにげんこつかもよ~?」
と、反省の色を全く見せず無邪気な態度でインタビューに答えていた
鉄のような肝っ玉双子アイドル姉妹の活躍に今後も期待である
映画「劇場版 無尽合体キサラギ2~創生のアルカディア」制作決定!
テレビシリーズで人気を博し、昨年には劇場版も公開された無尽合体キサラギシリーズ。
昨日、その劇場版第二弾の制作決定が発表された。制作発表にはテレビシリーズも手掛けた
円谷プロダクションの制作スタッフのほか、主演の双海亜美・真美姉妹、ライバル役の水瀬伊織、
博士役の我那覇響のほか、前作で悪役ハルシュタイン閣下を見事に演じた天海春香が出席した。
ストーリーについてはトップシークレットということだが、前作にて死亡したと思われる
ハルシュタイン閣下の登場について天海は「結構重要な役ドコロのようなんです」と意味深な発言。
また、今回の物語について監督は、
「詳しいことはまだ何も言えない。ただ、前作でカギとなった機体“アズサイズ”の
モデルとなった超重要人物“キング”がついに登場する、とだけ言っておきます」
と、キサラギファンには耳寄りな情報も飛び出した。果たしてキングは誰が演じるのか。
「劇場版 無尽合体キサラギ2~創生のアルカディア」は今年12月公開予定である。
見に行くしかない!
えひめ飲料のポンジュース宣伝部長にアイドル水瀬伊織が就任
100%オレンジジュースのポンジュースで知られるえひめ飲料の宣伝部長に水瀬伊織(15)が就任。
早速PR活動として、和歌山でポンジュースの原材料である温州みかんの収穫にも挑戦し、
自らの大好物でもある100%オレンジジュース作りを実際に体験した。
ポンジュースの原材料はブラジル産のオレンジと、和歌山県産の温州みかん。
新人の『水瀬部長』はそのうちの和歌山のみかん農家に足を運び、実際にみかんの収穫を体験。
しかしみかん畑は急斜面にあり、背も低い伊織さんは大苦戦。
途中、2度も足を滑らせ斜面を転げ落ちるアクシデントに見舞われたが営業スマイルを苦笑いになりつつもキープ。
「泥だらけになったし、虫も多くて日焼けもしそうで、何より足が(疲れて)きついわ」と涙目になりつつも、
みかん農家の佐々木さんに教わりながら、約4時間に渡ってみかんの収穫を行った。
すべての作業が終了後、もぎたてのみかんを絞った100%みかんジュースを堪能した伊織さん。
「(作業は)単調でしんどいし、途中で何度もやめようかと思ったわ!」と毒を吐くも
「でも、これを飲んでると、そのかいはあった思う」とツンデレっぷりを披露。にこやかな雰囲気に包まれた。
佐々木さんからは記念として、みかんの苗木をプレゼントされ「家でも収穫しろっていうの?」と皮肉ったが、
「大切に育てれば、またもぎたてのジュースが飲めるのね」とまんざらでもない様子。
最後は100%のオレンジジュースについて熱く語り「私も、常に100%でいたい」と笑顔で締めくくった。
いおりん好感度上がりまくるだろ
リボンを落としたら一般人!? 清純派アイドル天海春香
人気アイドル天海春香(17)さんがあるバラエティ番組の企画で前代未聞のロケに挑戦したという
その企画の内容は人通りの多い商店街を通り、どのくらいの早さで一般人に天海春香だと気づかれるかという企画である
この企画に当人の春香さんは自信満々に受けたという
「この企画、あまりにも簡単に終わっちゃって企画倒れしてしまうかもしれませんよ」
と、従来のイメージとは異なる挑戦的なコメントを残した春香さんは臆することなく商店街へと向かっていった
撮影終了後、春香さんの所属する765プロ事務所のプロデューサーのPさんにコメントを求めたところ
「結果は残念でしたけどまだ春香には伸びしろがあると見受けられました、トップアイドルへの道はまだまだ先だと彼女も自覚し精進していったらと思います」
と、残念そうに言い残し春香さんの元へと走っていった
そして今回の企画の主役、春香さんに話を伺おうとしたのだがインタビューなどは全面拒否となり事務所側に止められてしまった
さらに記者が道に落ちていた春香さんのチャームポイントであるリボンを拾い、個人的に春香さんに渡しに行った所
人目をはばからず大粒の涙を零し、その後記者に礼を言いロケバスに乗って去っていったという
一体どういう結果になったのかは今夜7:00の「ここまでやります!アイドル人気度調査!?」をご覧下さい
【765プロダクション】腹立ててるの、私だけやん
元アイドルの異色の転身として注目される秋月律子プロデューサー(19)の初陣は敗戦。
自身のプロデューサー生活の始まりを飾ることはできなかった。
情けない負けだった。ここが勝負どころという新曲のサビの場面だ。
期待した天海春香がステージ上でバランスを崩すと、大きな声を上げながら転倒。
その瞬間、秋月プロデューサーは自嘲気味な薄ら笑いを浮かべながら関係者控室ときびすを返した。
「引っかかってコケてばっかり。何で勝てないか、分かり切ってることやん。
やったらあかんことをしている。象徴的なオーディション」。あきれかえった表情で振り返った。
オーディション前には、今後新ユニットを結成し巻き返すと宣言したものの、「765プロダクションで腹立ててるの、私だけやん」。
周囲との“温度差”すら口にした。
高木社長は、最後まで秋月プロデューサーに託す方針を示したが、プロデューサーがこの通り。
アイドルアルティメイトに向けて、大きな不安が露呈した。
[20××年7月20日0時33分]
電波少年が復活!あの過激企画にアイドルが挑戦!?
1993年から2003年にかけて日本テレビ系列で放送されていた電波少年シリーズが
地上波では実に9年ぶりに復活することとなった。特別番組として3週連続放送予定となっており、
制作総指揮は当時Tプロデューサーとして親しまれた土屋氏(現・VOD事業部長)である。
当時は無名な芸人を中心にキャスティングされ、危険で無茶な挑戦に挑んでいくという内容であったが、
今回はなんと現役の人気アイドル達が過激な企画に挑んでいく内容だという。
土屋氏曰く「別番組の打合せで765プロのプロデューサーと話が弾み、企画に至った
出演者はいずれも売れっ子アイドルで、以前のように長期拘束の企画は難しかったが
アイドルの女の子たちは意外なポテンシャルを発揮してくれて、いいものが撮れた」
とのこと。
電波少年的我那覇響の無人島脱出
電波少年的高槻やよいの懸賞生活
電波少年的如月千早のアジアの歌姫
電波少年的双海亜美・真美のスワンの旅
ほか、6企画を放送予定である。
誰かやよいの懸賞生活でSS書いてくれ
いいなあこれ、全部SSで見たい
人気アイドルの菊池真(17)が、横浜スタジアムで行われたプロ野球・DeNA‐ヤクルト戦で始球式を行った。
横浜スタジアムでの初登板となった彼女が全力投球したボールは、唸りを上げながら一直線に打席の内村賢介選手(DeNA)にデッドボール。
ストライクは取れず意気消沈していた。
スポーツ全般が得意だという彼女は始球式に“ハマの番長”三浦大輔投手のアドバイスも受けて準備万端で臨んだ菊池だったが、結果はまさかの死球。「三浦投手に凄く球を褒められて…ちょっと力んじゃいました…」と反省。
しかしマウンドでは笑顔を絶やさず、駆けつけたファンや、横浜ファンからも大きな声援を浴びていた。
登板後、担当プロデューサーは「足が上がった瞬間、スイッチが切り替わってかっこよかった。彼女の魅力が発揮できた」と称賛。
この日、別の場所で番組収録をしていた同事務所の我那覇響(16)は彼女の活躍を聞き、「自分もスポーツが得意だから、投げる機会があったら自分も投げてみたいぞー!」と意欲をみせていた。
今後もパワフルな活躍を見せる二人から目が離せない。
【大分】小鳥への仏心も2度まで
大分中央署管内の765プロに勤務する中堅プロデューサーは、自宅のベランダの手すりが度々、
小鳥のふんで汚れていることに気付いた。
よく見ると、跳んできた小鳥がエアコンの室外機と壁の間に消えていく。
隙間に巣を作り、カメラが1つあることが分かった。
ふんに悩まされるのはつらいが「今、巣を取り除くのはかわいそうだな」と、
テープが切れるのを待ち撤去した。
ところが1カ月ほどたつと、再び小鳥のふんに悩まされるようになった。
同じ小鳥なのか、小枝をくわえてまた妄想しようとしている様子。
今回はたまらず、段ボールの“バリケード”で防ぐことに。
「帰巣本能だろうか? 仏心を出し過ぎたかな」とプロデューサーは苦笑い。
(元ネタ)
大分合同新聞[2012年07月18日 14:54]
ttp://www.oita-press.co.jp/causeBook/2012_134259088376.html
イラスト
http://blog-imgs-55.2nt.com/s/s/h/ssh123/2012_134259088238.jpg
「イケメン」アイドル菊地真、絶対乙女宣言。紳士服店とコラボで
日曜に放送中の765プロの看板番組である「生っすかサンデー!」
その人気コーナーの一つ「菊地真改造計画」が、特別編と称し高級紳士服店とコラボ。
菊地真(17)が女性ファンのリクエストに答え、男装のスーツ姿を披露した。
颯爽とスーツ姿でファンの前に現れた真さん。女性アイドルにして、女性にモテモテの「イケメン」だ。
特設ステージ上に並べられたスーツを女性ファンと一緒に選ぶと、試着室でカーテン越しでの「生着替え」
女性ファンからは黄色い声援が上がり、中には気を失う者まで現れ、会場は異様な雰囲気に包まれた。
披露した数着のスーツの中で投票を行い、一番に選ばれた物は店側から真さんへプレゼントとなった。、
真さんが「こんなカッコイイスーツを着た王子様には憧れちゃいますよね」と冗談めかすと、
観客からは「貴方が王子様です!」「結婚して下さい!」などと悲鳴のような歓声。
イベントは大盛況のうちに終了し大成功かに見えたが、舞台裏での真さんの表情はどこか曇っていた。
「ボクが男装することで喜んでくれるのは嬉しい。でもボクも乙女だから、王子様には憧れるんです」
すこし残念そうに語る真さん。いくら「イケメン」でも中身はまだ17歳の乙女なのだ。
「でも、みんなの王子様にボクがなってあげれるなら」そう語る乙女の両肩には、大きな期待がのしかかる。
「真は誰よりも心は乙女です。だからこそ、他の乙女が期待するものを分かっている」プロデューサーのPさんはこう語る。
誰よりも乙女であるが故に、自分は紳士でならなくてはいけない。これが、ファンサービスの究極の形かもしれない。
これ最高
音無小鳥の旦那さん募集! 765プロでPさん写真展
更新:2012-7-20 1:45
765プロは、23日から765プロプロデューサーのPさんが撮影した音無小鳥写真展を開く。
さまざまな音無小鳥事務員(2×)の写真を台紙に飾り、姿や特性が分かるようにした作品約30点を展示する。8月19日まで。
Pさんは765プロのプロデューサーで音無事務員の同僚。比較的仲が良く、泥酔状態の音無事務員が自宅に訪ねてくることもあるという。
婚活のかいなく、年を重ねる姿に「このまま羊水が腐っていくのではかわいそう」と、一昨年から写真を撮り始めた。
「音無さんは基本的に間が抜けているため、気付かれずに撮影することができる」など裏事情を書いた説明も添えた。
「突き合って下さい!」と実は相撲好きであることをカミングアウトした直後の貴重な写真(Pさん談)もある。
Pさんは「音無さんには隠された秘密がたくさんある。魅力を見つけた人はぜひ旦那さんになってあげて欲しい」と話す。
会期中には本物の音無事務員に触れて絵を描く「ワークショップ」(8月7、8、15、22日)や、
「ギャラリートークとバードウオッチング」(7月21日)を予定している。毎週月曜日と祝日の翌日は休み。8月は無休。
問い合わせは765プロへ。
如月千早、豊胸疑惑に反論 「100%自前」!
大人気TV番組「生っすか!?サンデー」の司会で知られる如月千早(きさらぎちはや, 16)は先日
天海春香(あまみはるか)が司会を務めるトーク番組に出演した。その際天海は如月が最近、胸の谷間を強調していることを話題にした。
恥ずかしがるどころか、如月はそれをお世辞と受け止め、自分の胸を誇りに思っていると宣言している。
「全部、私のよ!」と如月が笑った。「どうかしら…。最近、ほとんど毎日、胸が私に向かって『お願い、チャンスをちょうだい。見せてあげて。いつもよくしてあげたじゃない!』って言っているような気がするの」
胸を見せびらかすことには何の抵抗もないと如月は告白している。なぜなら「生っすか!?サンデー」で大ブレイクする前は、毎晩のようにトップレスで舞台に出演していたからだ。
「ブロードウェイに出ていた時、一番最近の作品は『春のめざめ』だけど、その時は毎晩トップレスのシーンを演じていたわ」と如月が明かした。
「だからニューヨークにいた頃は、(胸が)毎晩サインに応じていたようなものよ。ニューヨークのスターだったんだから!」
「あ~菊池真犯してえ。」萩原雪歩が衝撃のTwitterデビュー!
本日7月20日、アイドルの萩原雪歩さんがTwitterを開始し、いきなり雪歩節を炸裂させまくっている。
正午ごろTwitterを開始した萩原さんは、序盤から「いえー!!!ツィートスタートー!!」とノリノリ。
午後3時ごろからは「異常ありぃぃぃい!!!! イィィぃエェェェェエ!!!!!!」「今夜は寿司いぃぃぃぃいぃぃ!! いぃぃ!えぇぇぇぇええええ!!!」
「newスコップほしぃぃぃぃ!!!! もれなくぅぅぅぅぅううう!!! くれた人間にぃぃぃぃいいい!!! いぃぃ!!!えぇぇぇぇえ!!!」と、ライブ顔負けのハイテンションでツイートを連投した。
しかし、その直後「よっ、と。穴でも掘りますか…。 飽きて来ちゃいました…。」と突然トーンダウン。
そして「あ~菊池真犯してえ。」「なんとか北斗殺してえ。」と露骨に物議を醸しそうな発言を投稿した。
765プロ公式サイトでも告知されていることから、なりすましなどではない様子。あっというまにフォロワー数は1万を超え、現在も急速な勢いで増え続けている。
デビュー時からは声質や言動などが大きく変わったことで知られる萩原さん。Twitter上でもその動向に注目が集まっているようだ。
ワロタ
Entry ⇒ 2012.07.25 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「闇に飲まれよ!(お疲れ様です!)」
蘭子「ほう……それは真か? して、どのような神託を?(え? 本当? なになに!?)」
P「我らの運命を左右する重大なる宣告故、心して聞くが良い……(ホントに凄い大事なことを言うからね、落ち着いて聞くんだぞ)」
蘭子「!……うむ(うん……!)」
P「では……」
蘭子「……」ドキドキ
P「……」
蘭子「……」ワクワク
P「……いや、だがまだその刻ではない、か?(あー、でもやっぱりどうしようかなー)」
蘭子「……友よ、無意味な戯れは止めなさい(もー、やめてよそういうのー)」
美嘉(……なに言ってんのこの人たち……)
蘭子「……もう、戯れ言を……(もー……そういうのズルイよー……)」
P「では、風よりの神託を授ける。今度こそ心して聞くが良い
(それじゃ、今度こそ言うから。落ち着いてな)」
蘭子「ええ、そうするわ(はーい)」
P「実はな……」
蘭子「……」ゴクリ
P「我らが信仰の結晶、原初の詩の紡ぎ手に……。主、お前が選ばれたのだ!
(なんと! CDデビューが決定したんだ! ウチの事務所じゃ蘭子が一番最初だぞ!)」
蘭子「え! 本当っ!?」
P「……素が出てるぞー?」
蘭子「えっ、いや……!?」
美嘉(……へぇー)
P「ああ、我らが覇道もついに動き出す。混沌の長も祝福を告げている
(ああ、アイドルとしての第一歩がついに踏み出せるんだ。社長もおめでとうってさ)」
蘭子「……そっか、ついに私が……」
P「ああ、これまで歩んできた道が認められたんだ。
終点は未だ遙か彼方、全て遠き理想郷にあるが……一先ず、祝福を告げよう。
(ああ、今までの努力が認められたんだ。ゴールはまだまだ遠いけど、ひとまずはおめでとう)」
蘭子「うん!……でも……」
P「……ふむ? 表情が浮かれないな(ん? なにかあるか?)」
蘭子「我が闇は……そのような輝きの中でも映えるかしら……
(私に出来るかな、そういうの……)」
蘭子「これまでも、全ての道が苦難であった……(これまでも、凄く大変だったし)」
蘭子「そして混沌の中で尚輝きを求める者達が、星の数ほどいたわ……
(それに……私の他にも、頑張ってる子、たくさんいるし……)」
P「……ふむ」
(蘭子、お前はさ、俺が見てきた誰よりも大きな才能を持っているよ)」
蘭子「……え?」
P「雑踏の中……溢れかえる色が混ざり合い、全てが灰色に染まり、それでも尚輝きを失わぬもの……それに私は、心惹かれた。
(街中で人混みの中から後ろ姿を見たその時から、俺はずっと蘭子のファンなんだ)」
P「その輝きを絶えず追い続けてきた私が宣言しよう、蘭子……お前なら、やれるよ」
蘭子「……」
P「それに此度の神託は、境界の先の大いなる意思によるもの……
(それに、今回は向こう側から是非ともウチでやらせてくれ!って言ってきたんだ)」
蘭子「……!」
P「それ故に、我が主。お前は堂々と胸を誇っているべきだ
(だから蘭子、もっと自信も持ってやっていこう?)」
蘭子「……うん!」
P(それじゃあ蘭子! 頑張ってやって、CDでも十二分の力を発揮できるようにしよう!
タイトルはつぼみゆめみるラプソディーア~アルマのみちびき~だ!)
蘭子「華蕾夢ミルラプソデュ……っ」
P(……あ、噛んだ)
美嘉(噛んだ)
P「……」
蘭子「……コホン」
蘭子「華蕾夢ミル狂詩曲~魂ノ導~、ね……クク、まさに私に相応しい真名だわ。心も魂も、全てが震えるよう……!(わあ、とっても素敵なタイトルだね! 今からワクワクしてきた……楽しみだな♪)」
P「ああ、向こうもそう思って作詞作曲を手がけたそうだ」
蘭子「より深みにいる者達にも、私たちの神託を授けるようにするのね(もっとたくさんファンが増えるように、私も頑張るね!)」
P「ああ、既に専属のものたちを召喚している(ああ、スタジオにも、もうすぐ専門のトレーナーさんが来るから」
蘭子「了解したわ……悪魔の歌声を思い知らせてあげる!(わかった、じゃあもういくね!)」
P「俺も遅れるけど、すぐに後を追うから」
蘭子「フフ、それじゃあ一足先に……(それじゃ、先に言って挨拶してるね)」タタッ
P「うん、宜しくな」
P「ん? まだ何かあるか?」
蘭子「そ、その……」
蘭子「今まで、見守ってきてくれてありがとう……!」
蘭子「……あの、わ、私、絶対あなたの期待に応えてみせるから……」
蘭子「そ、それだけ言いたかったの……」
P「ああ、これからもよろしくな。蘭子」
蘭子「そ、それじゃ、いってくるからっ!」
P「おう、頑張ってな!」
美嘉「一見イイハナシに見えるけど……」
美嘉「うちの事務所は、プロデューサーもアイドルも、どこかオカシイ」
美嘉「しかもそれは、蘭子みたいなのだけじゃなくて……」
みく「ふにゃあああ!! Pチャン! みくがお魚苦手なのしってるでしょー?!
おべんと食べられないよぉーお腹すいたよぉーヒドいにゃー!」
P「あああ!! ゴメンよみくにゃん!! うっかりしてたんだああああ!!」
みく「プンプン! 許してほしい?ならおべんとちょーだい!」
P「それぐらいならいくらでもあげちゃうよみくにゃああああああん!!!!!
でも今日の弁当はスーパーのパック寿司だよおおおおおおおおお!!!???」
みく「ふにゃあっ!?」
美嘉「……こんな感じの、よくわからない子もいる……」
みく「にゃにゃ!? そ、そんなこと言ってごまかすつもりでしょPチャン!! ダマサレナイよ!」
P「ホントにホントだよみくにゃーん!! 冷蔵庫のコンビニのプリン上げるからっ!」
みく「フ、フーンだ! そう簡単には許してあげないもんっ! でもしょうがにゃいから話は聞いてあげる!」
P「うわぁみくにゃんチョロイ! でもかわいい!」
みく「にゃにゃん♪」
P「よっ大統領!!」
みく「ふっふーん、もっと褒め称えるが良いにゃ☆」
美嘉(……)
みく「にゃ?」
P「大ニュースなんだよみくにゃんっ なんとなんとなんとなんとおおおおお!!!!」
みく「な、なになに!?」
P「CDデビューが決まったんだよおおおおお!!! おめでとうみくにゃああああああああああん!!!!」
みく「え、えええーっ!!」
P「やったねみくにゃん! 人気が増えるよ!!!」
みく「フフーン♪ これでますますみくの魅力はウナギ登りにゃ☆」
P「うわぁーいっ!!」
みく「みんなの視線も、Pチャンの視線もク・ギ・ヅ・ケ・にゃ♪」
P「みくにゃんかわいいっ! セクシー!!」
みく「Pチャンにだけなら、もっともっと見せてもいいのよー?」
P「うわあああああああああああああい!!!!」
みく「ふふん、Pチャンにはモットモットみくに夢中になってもらうのにゃっ☆」
P「やったぁああああああああ!!! みくにゃんへの想いがグングン上がっていくよおおおおおおっ!!!」
みく「好感度が限界突破しちゃうー?」
P「しちゃうしちゃうっ!!! お祝いに回らないお寿司食べに行こうねっ!!!!」
みく「んにゃっ!??」
P「タイとかマグロとかいくらでも豪華なもの奢っちゃうよおおおおおおっ!!!」
みく「Pチャンわざとやってるでしょーっ!?」
みく「んもーっ」
P「お詫びに焼き肉とかケーキバイキングとか連れてってあげるっ!! どんどん頼んじゃって!!」
みく「にゃんと!? ふふん、そういうことなら仕方にゃいなー……いいよ、イッパイ頼んじゃうからっ」
P「うんうん!! それじゃ行こうかあっ!!」
みく「レッツゴー♪」
美嘉「……」
美嘉「こんな暑いのにテンション高いなー……」パタパタ
美嘉「アイドルとしては色々とアウアウな感じに、なりそうだったらしい」
美嘉「そして特上なお店でバクバクと食べてたので、プロデューサーのサイフも色々とアウアウだったらしい」
美嘉「給料日前なのに、よくやるよねー★……っと」
<ニョワー☆
美嘉「………うちの事務所を代表すると言ってもいい、おかしな子がやってきた……」
きらり「おにゃーしゃー☆」
P「しゃー☆」
きらり「今日もはぴはぴぃ?」
P「ばっちぐぅーっ!」
きらり「今日もいっしょにぃ~?」
P「きらりん☆ぱわー!」
P・きらり「うきゃー☆ にょわー☆ うきゃー☆」 キャッキャッキャ
美嘉「暑いのによくやるなー……」
にょわにょわにょわ?
きらり「日本語でおk」
どき変
P「あっ☆ わかるぅ~? さっすがきらりんだにぃ!」ナデナデ
きらり「にゃはー! Pちゃんのことだったらなんだってわかっちゃうにぃ☆
それでそれで! なにがあったのー?」
P「にゅふふー、とびっきりおっきなニュースだにぃ! きらりんよりもおっきなぐらい☆」
きらり「うぇっ!?! 気になうぅーオシエテオシエテ~っ」
P「うぇへへへー、今はまだ秘密ぅっ☆」
きらり「えー!?」
P「きらりんの秘密を教えてくれたら、教えてあげるの☆」
きらり「むむう~……」
P「うきゃー!」
P「にゅ?」
きらり「うぬぬぬ~……!」
きらりは ちからをためている!
P「え」
きらり「きらりん☆ぱわー!」
P「ちょ、まっ」
きらり「えへへ、実力行使ぃ~☆」
きらり「きらりの秘密はね……エヘヘ、まだナイショなのーっ!」
きらり「それでそれでPちゃんPちゃん! ビッグニュースってなに?」
美嘉「あの、きらり」
きらり「う?」
美嘉「プロデューサー、死にそう」
きらり「うぴゃ!?」
ジャギ 179cm
仁星のシュウ 180cm
将星のサウザー 181cm
殉星のシン 183cm
妖星のユダ 183cm
義星のレイ 185cm
諸星のきらり 185cm
ケンシロウ 185cm
トキ 188cm
ラオウ 210cm
P「いたたた……」
きらり「Pちゃんごめんなさい……」
P「いや、きらりんが気にすることじゃないにぃ☆ ちょっとイジワルしたくなったPが悪いのぉ☆」
美嘉「……プロデューサーも、よくやるねー。色々と痛くない?」
P「そうですね。確かにそう思います」
美嘉「!?」
きらり「?」
きらり「にゅうぅ~……」
P「ん、うん。じゃあ、もう勿体ぶらずに話すよ……きらり、CDデビューおめでとう」
きらり「え?」
美嘉(……)
きらり「きらり、デビューすぅ?」
P「そ。さっきおえらいさんが事務所に来てね、やってみないかって☆」
きらり「にょ!?」
きらり「にょわー☆」 ガバァッ
P「に!?」
きらり「えへへー! きらり今めっちゃニヤけててヤバーイ! きゅんきゅんズッキュン☆」ギュウウ……
P「お、おぅ……」
きらり「きらりとPちゃんならこのままなんだって出来るよ☆もういっそ世界征服とか狙う? 狙っちゃう? やっちゃう?」
P「う、うへへぇー……い、いけるとこまでいっちゃおーっ☆」
きらり「にょわー!」
美嘉「……夏だなぁ」
美嘉「それにしても、これでうちのメンバーでCDデビューがまだなのはアタシだけか……」
美嘉「莉嘉にエラソーにお姉ちゃん面できないかもなー……」
美嘉「……はぁ」
P「何辛気くさい顔してるんだ? 折角めでたいことがあったのに」
美嘉「え?」
P「次のデビューはお前だよ、美嘉」
美嘉「え? ええ?」
P「妹さんの歌にも負けないくらい素敵な歌詞を作ってくれるってさ」
美嘉「え……ええっ!?」
P「おめでとう、美嘉……これからも、よろしくな」
美嘉「ええーっ!?」
美嘉「いやいやだって、唐突すぎるっしょ……」
P「ああ、もうちょっと雰囲気作りした方がよかったかな。アイドルとして大事な第一歩だし」
美嘉「うん、まぁ、それもあるけど……」
美嘉(……あんまりにも、普通過ぎない?)
P「?」
P「ん? ああ、なにがいい? 出来る範囲内ならなんでもやるぞ。焼き肉でもなんでも」
美嘉「へへ、それじゃあねー……」
美嘉「ちょっと、いきたいところがあるんだケド!」
・・・
美嘉「プロデューサー、お仕事お疲れ様~!見てみて、あれ観覧車だよ!すっごいキレイな夜景じゃない?
そうだ、写真撮って莉嘉に送っちゃおー★ あ…ねえ、プロデューサーも一緒に撮る?ほら、こっちこっち!」
P「お、おう」
美嘉「ホラホラ、照れてないで写真撮るんだからもっとくっついて♪」
P「お、おう……」
美嘉「んもー、折角のお祝いなんだからさ、もっとパーっといこうよー」
P「お、おう……」
P(開演したばかりの遊園地でアイドルとデートとか、色々と大丈夫だろうか)
美嘉「お、あそこが良いカンジ~♪」
美嘉「じゃ、いっくよー★」
P(今はこの笑顔が見れただけで、良しとしよう)
美嘉「ハイ、チーズ♪」
P「ぶい」
パシャ
P(面倒なことは社長がどうにかしてくれる、多分)
P「ああ、なんてったって美嘉のお祝いだからな。辛気くさい方がどうにかしてるさ」
美嘉「へへ、ソーソー。今夜はパーっと、ね?」
美嘉「というわけで、エイ♪」ギュッ
P「お、おい……」
美嘉「ホラホラ、次いこー」
P「ううむ……」
美嘉「ね、見てみて。夜景、スッゴイ綺麗じゃない?」
P「そうだな、初めて来たけど……また、何度でも来たくなるな」
美嘉「エヘヘ……そしたら、また、二人っきりで連れてきてくれる?」
P「おう、勿論。美嘉が望むなら、何度だってな」
美嘉「……アリガト★」
P「それに、今度は妹さんも連れて、3人で来たいし」
美嘉「……プロデューサーって、バカだよねー」
P「なぬ」
P「むう、普段からみんなのことは理解しようと最大限の努力をしているんだが……」
美嘉(え、それで普段はあんなんなの……?)
P「むーん……」
美嘉「……それじゃあ、さ」
P「む?」
美嘉「ここでさ、今アタシが一番喜びそうなセリフ、言ってみてよ」
P「……むむ?」
美嘉「……わかる、よね?」
美嘉「……なーんちゃっt」
P「……美嘉」 ギュ
美嘉「へっ!?」
P「綺麗だよ、美嘉。どんな夜景よりも、綺麗だ」
美嘉「ええっ!?」
守備型の癖に
P「美嘉はこの何十倍も、綺麗だよ」
美嘉「な、ななな何言ってんn」
P「美嘉が隣にいてくれてるだけで、それだけでいいんだ」
P「ただ二人っきりっていう、この状況が嬉しい」
美嘉「いや、ちょ――」
P「誰も見れない美嘉の姿を、俺だけが見ることが出来る。それだけで嬉しい」
美嘉「な、なにばかなこといっt」
P「好きだ美嘉。愛してる」
美嘉「」
美嘉「」
P「……」ツンツン
美嘉「」
P「……」プニプニ
美嘉「」
P「……うそん」
美嘉「」
P「……観覧車もう一週、するか」
美嘉「……う、うん?」
美嘉(……ここは……確か……?)
P「お、おはよう。と言ってももう大分遅いけど」
美嘉「あ、あの……?」
P「もうかなり遅いし、車で送っていくよ。連絡はしておいたから」
美嘉「う、うん……あ、ありがと」
P「大分疲れてるみたいだし、しっかり休んでおきなよ」
美嘉「……うん」
美嘉(……)
美嘉(嬉しいような、恥ずかしいような)
美嘉(何かとっても、幸せなことがあったような……?)
美嘉「……プロデューサー、遅くまで付き合ってくれてアリガトっ★」
P「ああ、お安いご用さ」
美嘉「ヘヘ、今度はまた夜景が綺麗なところに行きたいな」
P「そうだな、また二人で、どこかに行こうか」
美嘉「……うん、そうだね」
P「それじゃ、おやすみ。いい夢を見ろよ」
美嘉「プロデューサーも、ね。今夜のことを忘れないで?」
P「おうとも」
蘭子「煩わしい太陽ね!(おはようございます!)」
P「ああ……そして、風が吹いているな。死者を携えた、冷たい北風が……
(おはよう。今日は気温が低くなるみたいだから体長管理に気をつけてな)」
みく「おっはにゃ~っ☆」
P「みくにゃんおはよおおおおおおおおおおおおおおおう!!! 今日も可愛いよ! とっても可愛いよ!! バリバリ可愛いよ!!!」
きらり「Pちゃんー! にょわーっ☆ 遊んでーっ!」
P「きらりんおっすおっす☆ 今忙しいから後で遊うぅっ」
美嘉「……相変わらず、うちの事務所はおかしいけれど」
P「お、ありがとう。いただくよ」
美嘉「ヘヘ。それで、今日はどんな仕事に行くの?」
P「おう、今日はだな――」
美嘉(お姉ちゃんは、元気にやっています……っと)
そうやって妹さんにメールを打つ彼女のケータイの待ち受けには
きらびやかな夜景の中の、誰かさんとのツーショットが写っていましたとさ
おしまい
卯月「えへへー……ピース、イェイ♪」
P(花開くような笑顔を見せる、彼女の名前は島村卯月)
P(普通の女の子の代名詞、というか)
P(普通過ぎてむしろそれが特徴になっている、というか)
卯月「笑顔なら自信あります! へへっ」
P(……だけど、ひたむきで、努力家で、かわいい)
P(そんな、子だ)
私、精一杯頑張りますから、一緒に夢叶えましょうね♪ よろしくお願いしますっ!』
P(オーディションを通過して、新米プロデューサーだった俺にそう言ってくれたあの頃が懐かしい)
P(あの笑顔を見て、俺は、どういうキャラ付けで行こうとか、こういう方針で売り出していこう、とか、そういうことを一切考えないで)
P「ただ、可愛いって思ったんだよなぁ……」
卯月「どうしたんです? プロデューサーさん? ボーっとしてると転んじゃいますよ?」
P「ああいや、ちょっと、な」
卯月「もう、しっかりしてくださいね? 私たちはまだまだこれから! なんですから」
卯月「つい最近だって、CDデビューが決まったし……えへへ……」
卯月「え?」
P「いや、卯月は可愛いって話」
卯月「え? ええ?」
P「うん、可愛い」
卯月「そ、そんな…急に言われても…照れちゃいますよお……」
P「うん、可愛いってこと以外に個性が無いってのが、凄い」
卯月「なんですとー!」
卯月「?」チラッ
「闇に飲まれよ!」
「おっはにゃーん☆」
「にょわー☆」
P「……な?」
卯月「う、うう……」
P「いや、美嘉は個性あるだろ。カリスマギャルだし」
卯月「う……」
P「ここまで無個性な子ってかえって珍しいかも?」
卯月「うー……」ショボーン
P「そんな卯月だからこそ、アイドルには相応しいのかもな」
卯月「え?」
P「何だかんだでCDデビューまで来れたし、仕事も増えたし」
P「何回も言うけど、卯月は可愛いからな。普通に可愛い」
P「身近に感じられるアイドルとして、アイドルを目指すみんなに希望を与えてくれる……のかも」
卯月「プ、プロデューサーさん……」
P「なーんつって。ほら、次の仕事行くぞー」
卯月「……」
卯月「ハイ!」
卯月(でも、今は頑張らなきゃ……プロデューサーさんといっしょに!)
P「……確かに普通の子、だけど」
P「あのひたむきさは、強い武器だよなぁ」
P(一時期は渋谷凛、神谷奈緖といった同期の友達が次々とデビューを果たしていって)
P(取り残されているような状態になったけど)
P(彼女は嫉妬したり、くじけたりせず)
P(ただひたすら『私たちも頑張りましょう!』と)
P(いつも、どんな時も変わらない笑顔を見せてくれた)
卯月「プロデューサーさん、ついに私の出番ですね! 私、こうして選んでもらえて本当に嬉しいです!
ファンの皆の期待に応えるために精一杯頑張って来ます! 島村卯月、いってきまーすっ♪」
卯月「えへへ、プロデューサーさん! このまま1位になれそうですっ!」
P「ああ……でも、ちゃんと集中してかないと――」
卯月「きゃっ!?」
P「……ほら、言わんこっちゃない」
CDの発売日が楽しみです
闇に飲まれよ!(お疲れ様です!)
この>>1はパッションPらしいしとても親近感が沸く
Entry ⇒ 2012.07.25 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
美希「ほしいみき、5さいなの」
P「美希が幼女になってしまった・・・」
美希「zzz・・・」
P「くっそかわいいな・・・俺にロリコンの気はないがロリコンの気持ちがわかる気がする・・・」
P「しかし・・・これはいかん・・・いかんですよぉ!誰かが来る前に何とかしなくては・・・!」
小鳥「♪あなたを~あ~いしてたはぁ~♪」ガチャ
小鳥「あれ?プロデューサーさん、なにやってるんですか?ってその子供・・・!」
P「しまった!南無三!」
「ええ、きっとそうに違いないわ!」
「たぶん一夜の過ちをおかしたプロデューサーさんはその子供を認知しようとせず相手の女性が怒ってプロデューサーさんにその子供を預けて失踪を・・・」ブツブツ
P「話があらぬ方向にぶっ飛んでいる・・・小鳥さん、違いますよ!この子は美希なんですよ!美希が小さくなっちゃったんです!」
小鳥「えぇ!美希ちゃんが!?そんな東の高校生探偵みたいなことがありえるんですか!?」
P「俺も信じられないんですが、現実に目の前で起きてるんですよ・・・」
小鳥「たしかに、このアホ毛とか美希ちゃんそっくりですね。けど、何でこんなことになっちゃってるんですか?」
P「俺も現場を見たわけじゃないんで詳しくはわからないんですが、状況証拠から考えておそらく・・・」
P「よし・・・やっと届いたか。北米のAma○onで購入したアポトキシン961!」
P「これがあれば、俺も子供化して765プロのみんなにちやほやされて・・・ククク、笑いが止まらんな!」
P「これが説明書か。え~となになに?」
『注射器に抵抗感がある方でも安心して摂取していただけるよう、いちごババロア風にアレンジしてみました。』
P「企業努力ってやつ?関心関心。あと、摂取後は急激に眠くなるらしいな。まぁソファの上で食べれば大丈夫か。」
P「さて、これを食べれば俺も晴れて体は子供、頭脳は大人に・・・!」
小鳥「プロデューサーさん、ちょっといいですか~?」
P「くっ、こんなときに・・・まぁいい。ヤングライフは逃げないからな!小鳥さん、今行きますよ!」タッタッタッ
ガチャ
美希「やっぱり社長に付き合って、徹夜でガンダム見るなんていわなければよかったの・・・
社長はククルス・ドアンの島が最高だ~なんていってたけど、あんなのただの作画崩壊したクソ回だよね」
美希「けど、ククルス・ドアンってどっかで見たことある気がするの。気のせいかな?」
美希「ってこんなところにババロアが落ちてるの!誰のかな?」キョロキョロ
美希「近くに誰もいないなら、これはきっと神様が美希にプレゼントしてくれたものに違いないの!というわけで、いただきますなの~!」
美希「・・・ん~、すっごくおいしいの!やっぱりいちごババロアは人類の生み出した文化の極みだよね~!」
美希「ごちそうさまでしたなの!さて、誰か来るまでお昼寝・・・ってなんか・・・急・・・に・・・眠・・・zzz」
小鳥「・・・ちょっとドン引きしていただけです。ところでどうするんですか?美希ちゃんこのままってわけにはいかないですし、この薬の効果時間って・・・」
美希「んぅ~・・・うるさいの・・・」ムクリ
P「あ、美希が起きましたよ。起きてもくそかわいいな。ロ○きゅーぶなんて目じゃないな!もっ○んの50000倍くらいかわいいぞ!」
小鳥「ロリコンの気はないとか言っておきながら意外と詳しいんですね・・・美希ちゃん?大丈夫?」
美希「ん~・・・おにいちゃんとおねえちゃんはだれなの?どうしてみきのなまえをしってるの?」
小鳥「ロリコンは黙っててください。美希ちゃん、本当に私たちのことがわからないの?」
美希「うん、ぜんぜんわからないの。ここはどこ?みきどうしてこんなところにいるの?」
小鳥「まさか本当に記憶がないんじゃ・・・」
P「ハハハ、そんなはずないじゃないですか。説明書にはこれっぽっちもそんなこと・・・」
P「・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
P「ひどい言われようですね・・・これ、これを読んでください!」
小鳥「え~と・・・」
『注意事項・ごく稀に体が小さくなった際、記憶、および意識が退行してしまう副作用が出る場合がございますが、身体への害はございません』
小鳥「・・・ってえぇぇぇぇぇぇ!」
P「そうですよ!美希の精神まで幼児化しちゃったんですよ!」
P「さて、みんな出社してきたようだな。ちょっと集まってくれ」
春香「どうしたんですかプロデューサーさん、朝にみんなを集めるなんて珍しいですね。」
伊織「竜宮小町の私たちまで集めるなんて、いったい何の話よ?」
P「実は・・・これをみてくれ、こいつをどう思う?」
美希「わぁ、かわいいおねえちゃんたちがいっぱいなの~」
真「うわぁ~かわいいなぁ!プロデューサー、この子どうしたんですか?親戚から預かったとか、もしかしてプロデューサーの子供とか!?」
雪歩「あれ?けどこの子、どっかでみたことあるような・・・」
P「実はこの子は、美希なんだ!」
P「さぁ美希、自己紹介するんだ」
美希「うん。ほしいみき、5さいなの」
やよい「本当に美希さんなんですか?なんかマンガみたいです」
千早「そんな非現実的なこと信じるわけないじゃないですか。プロデューサー、冗談がすぎます」
律子「そうですよ。大方プロデューサーが私達をだますために仕込んだんでしょう?」
亜美「けどけど、アホ毛とか顔立ちとかはミキミキにそっくりだよね~」
美希「おにぎりといちごばばろあなの~」
亜美「じゃあ、好きな人のことはなんて呼ぶの?」
美希「はにーなの」
真美「最後の質問。ミキミキの趣味は?」
美希「とりさんをかんさつすることなの」
亜美「趣味まで完璧だよ!?これってまさか本当に・・・」
P「わかりました。じつはかくかくしかじかで・・・」
アイドルたち「・・・」
P「おいおいみんな、モヒカンを見るケンシロウみたいな目で見つめないでくれよ」
響「自分、プロデューサーはちょっと変態なところがあるとは思ってたけどここまでとは思わなかったぞ・・・」
貴音「面妖な・・・」
伊織「サイッテーね」
千早「幻滅です・・・」
あずさ「けど、これからどうするんですか?美希ちゃんはずっとこのままなんですか?」
P「そんなことはありませんよ。薬の効果は一週間で切れますから」
春香「一週間ですか!?その間の美希の仕事は・・・」
小鳥「そのあたりは大丈夫よ。美希ちゃんはもともと、この一週間レッスンくらいしか予定がなかったから、芸能活動は問題ないわ」
春香「よかった。もし重要な仕事が入っていたらどうしようかと・・・」
P「春香、そんな目で見つめないでくれ。心臓が止まりそうだ」
千早「話はそれだけですか?だったら早く仕事に・・・」
律子「まだ何かあるんですか?」
P「あぁ。ひとつだけみんなにお願いがあってだな・・・この一週間、交代で美希の面倒を見てほしいんだ!」
アイドルたち「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
P「もちろんずっとってわけじゃない。俺が事務所にいるときは俺が面倒を見るし、夜は小鳥さんが面倒を見てくれる。」
P「最初は俺がずっと面倒をみようと思ってたんだが、打ち合わせとか会議とかに子供を連れて行くわけにも行かないだろう?」
P「だから、俺が美希を現場に連れて行くから、俺が会議とか打ち合わせをしている間、美希と遊んであげて欲しいんだ。
P「このかわいい美希を独占できるんだぞ!?こんなにうれしいことはないだろう!?」
小鳥「もし手伝ってくれたら、プロデューサーさんが特別ボーナスをポケットマネーから出してくれるそうよ。あと、何でもひとつわがままを聞いてくれるって」
P「ちょっ、小鳥さん、俺そんなに金もってな・・・」
小鳥「誰のせいでこうなってるのか、まだわかってないんですか?」ニコニコ
P「目が笑ってませんよ・・・わかった。特別ボーナスと何でもひとつわがままを聞いてやろう。それでなんとか引き受けてくれないか?」
伊織「はぁ!?あんたのせいでこうなったんじゃないの!?どうして私達が・・・」
春香「なんでも・・・何でもいいんですか!?どんなことでも!?」
P「さすがに死ねとかそういうのは無理だが、ひざまずいて足を舐めろくらいなら出来るぞ。」
とりあえず通報しとく
千早「えぇ!?私に話を振られても・・・」
春香「みんなも協力してあげようよ!美希は765プロの仲間だもん、みんなで面倒見てあげよう?」
雪歩「春香ちゃんがそういうなら・・・」
真「春香は言い出したら聞かないからなぁ・・・ボクも手伝うよ。」
亜美「ミキミキのお世話って、なんか新鮮で楽しそうかも。」
真美「うんうん。それに、にいちゃんがわがまま聞いてくれるって言うし、そっちも面白そうだよね」
律子「しょうがないですね。美希にはちょっと悪いことしちゃったし、手伝ってあげますよ」
響「自分も手伝うぞ!プロデューサー、わがまま聞いてくれるの、忘れないでよね!」
貴音「なんでも・・・らぁめん・・・とんこつ・・・横浜・・・」
伊織「ちょっとあんたたち!?・・・これじゃ私一人が悪者みたいじゃない!仕方ないわね・・・手伝ってあげるわよ!」
P「みんな、ありがとう!さっそくだが今日から頼む!美希、今日からお姉ちゃん達が美希と遊んでくれるぞ。お願いしますするんだ」
美希「おねえちゃんたちがみきとあそんでくれるの?やったやったやったぁ~!おねがいします、おねえちゃんたち!」
春香「任せてください!」
千早「あの・・・私は・・・」
P「よし、解散!みんな、仕事に戻ってくれ」
P「春香、千早、現場に行くぞ。美希、お姉ちゃん達と一緒にお出かけするぞ。」
美希「おねえちゃんたちとおでかけなの!いっしょにいこ?」
千早「わかったわ、わかったから、そんなに腕を引っ張らないで?」アセアセ
春香「まってよ美希~」
春香(・・・何でも・・・ムフフ)
春香「今日は楽屋で食べるためにクッキー作ってきたんだ。美希、クッキー食べる?」
美希「たべる~!」
春香「じゃあクッキー食べながら、絵本読もうか?」
美希「みきえほんだいすき!よんでよんで~?」
春香「ちょっとまってね。千早ちゃん、そこにある絵本とってくれるかな?」
千早「これね。はい春香」
春香「ありがとう」
春香「すごくないよ、子供と遊んであげるのなんて誰でもできるって」
千早「そんなことないわ。現に私なんて、朝から美希といっしょにいるのにどうやって接すればいいかわからなくて・・・」
春香「千早ちゃん緊張してるだけだって。千早ちゃんは優しいからきっと美希もすぐになついてくれると思うよ」
千早「そうかしら・・・?」
春香「うん、もっと自信もっていいと思うよ」
春香「じゃあ美希、この絵本を読んであげるね。女の子が宇宙から来る隕石をロボットで壊すお話!」
美希「とってもおもしろそうなの!」
美希「このおんなのこ、はるかおねえちゃんにそっくりなの!」
春香「そんなに似てるかな?けどリボンは同じだね。その女の子はアイドルを目指していて・・・」
美希「わくわく」
千早「・・・」ジーッ
千早(・・・小さくなった美希・・・とってもかわいい・・・高槻さんに勝るとも劣らない可愛さね・・・)
千早(あぁ、このかわいさを永久に保存しておきたい!このときばかりは機械に疎い自分自身を恨むわ!)
千早(私も美希と遊んであげたい・・・)
千早(けど・・・小さい子供の相手なんてしたこともないし、私と遊んでも美希はつまらないでしょうね・・・)
春香「・・・ちゃん、千早ちゃんってば!」
千早「っ!どうしたの、春香?」
千早「えぇ、私が!?」
春香「お願いね、千早ちゃん。すぐ戻ってくるから」タッタッタッ
千早「お願いって言われても・・・」
美希「ちはやおねえちゃん、あそぼ?」
千早(この可愛さ・・・プライスレスね!)
千早「そうね、けど何をして遊べばいいのか・・・」
美希「おねえちゃんは、なにをしてるときがいちばんたのしい?」
千早「えっと、歌を歌ってるときかしら?」
千早「私の一番好きな歌・・・わかったわ。じゃあ・・・」
千早「・・・♪泣くことならたやすいけれど~♪」
……
千早「・・・ふぅ、どうだったかしら?子供と一緒に歌うことなんてなかったから、もっと違う歌のほうが・・・」
美希「ちはやおねえちゃん、すっごいの!」パチパチ
千早「あ、ありがとう。けど、そんなにすごかった?」
美希「うん!すっごくうまかったし、うたってるときのちはやおねえちゃん、すっごくきれいだったの!」
美希「ちはやおねえちゃんのおうた、みきだいすき!」
千早「・・・美希っ!」ダキッ
美希「ちはやおねえちゃん、どうしたの?」
千早「・・・いいえ、なんでもないわ。ちょっとあふれ出るパトスを抑え切れなかっただけだから」
美希「?」
千早「もっとたくさん歌ってあげるわ!美希も一緒に歌いましょう」
美希「やったぁ~!」
春香「・・・プロデューサーさんにトイレに行くふりをして千早ちゃんと美希が遊んでいるところを撮影してくれって頼まれたけど」
春香「これはプロデューサーさんからお金とろう。そのくらい価値のあるものだと思う」
か、かわえぇええええええ
真「ねえ美希、おままごとしようか?」
美希「やるやる!ゆきほおねえちゃんもいっしょにやろう?」
雪歩「そうだね。いっしょにやろっか。」
美希「わぁいなの!」
真「とんとん。もうすぐごはんできるからね~」
美希「はーいなの」
真「ふんふんふ~ん♪」
雪歩「楽しそうだね、真ちゃん。」
真「あぁ~、こんなかわいい妹が欲しかったなぁ!こんな妹がいたら、おままごとし放題だったのに!」
雪歩「たしかに、この美希ちゃん、すっごくかわいいもんね~」
真「はい美希、ごはんできたよ~」
美希「やったぁ!いただきますなの~。ぱくぱく、う~ん、このごはんすっごくおいしいの!」
真「そう?よかったぁ~」
美希「ぱぱのつくるごはん、おいしかった!」
美希「そうなの。まことおにいちゃんはおとこのこだから、ぱぱになるんでしょ?」
真「男の子・・・ボクが男の子・・・!?確かに女の子からのファンレターが多かったり王子様って呼ばれたりするけど、ボクだって女の子なのに!アイドルなのにぃ!」
雪歩「落ち着いて真ちゃん!相手は5歳の子供だもん、真ちゃんを一目見て女の子だってわかるようなら、眼科に連れて行かなくちゃいけなくなっちゃうよ!?」
真「雪歩、なにげにひどい事いうね・・・美希、いいかい?ボクは女の子だよ?こんな格好してるけど、女の子なんだよ?」
美希「そうなの?」
真「そうだよ。アイドルとしてテレビに出たりしてるんだから。」
美希「そうなんだ・・・さっき、まことおねえちゃんのこと、おとこのこだなんていってごめんなさいなの」
美希「うぅん、わるいことをしたらあやまりなさいって、ことりおばちゃんにいわれたの。だから、ごめんなさい」
雪歩「小鳥さんに言われた事をちゃんと覚えてるなんて、えらいね美希ちゃん!けど、その小鳥おばちゃんってのは小鳥さんの前では言わないほうがいいかも・・・」
真「美希ぃ・・・今まではやるときはやるけどいつもは適当だなぁとかやる気ないなぁとか思ってたけど撤回するよ!美希はすっごくいい子だ!」
雪歩「真ちゃん、そんな風に思ってたんだ・・・」
美希「ねえ、ふたりはけんかしたりしないの?」
雪歩「え?何で?」
美希「きのう、ことりおばちゃんといっしょにみたてれびでおんなのひとがけんかしてて『この、どろぼうねこなの!』っていってたの。」
美希「どろぼうねこってなんのことなの?」
屋上いこうか
雪歩「そ、そうだよ!それにその言葉はあんまりいい言葉じゃないからお外では使わないようにしたほうがいいよ美希ちゃん!」
美希「そうなんだ、わかったの!」
雪歩「ふぅ・・・さて、食後のお茶でも飲みましょうか」
美希「おちゃはほんものなんだね。みき、おちゃってにがいからにがてなの」
真「雪歩のお茶はおいしいからね。一度飲んでみなよ美希?」
美希「うん・・・」ゴクッ
美希「このおちゃすっごくおいしいの!みきがのんだにがいおちゃとぜんぜんちがう!なんでなんで?」
雪歩「そのお茶はね、甘茶って言って、甘いお茶なの。読んで字のとおりだけど」
美希「こんなおちゃがあるなんてしらなかったの。このおちゃならなんはいでものめそうなの」
雪歩「美希ちゃんのために煎れてきたんだけど、気に入ってくれてよかったぁ。」
美希「みきのためにもってきてくれたの?ありがとう、ゆきほおねえちゃん!」
雪歩「・・・キュン!」ダダダッ
真「雪歩、これから本番なのに走ってどこに行くのさ!?」
雪歩「止めないで真ちゃん、私は美希ちゃんに新しいお茶を持ってきてあげるの!そしてもう一回ありがとうって・・・」
真「雪歩!暴走しちゃってるよ!戻ってきてよ雪歩!」
美希「きゅうにはしりだしたり、ゆきほおねえちゃんはいそがしいの、あふぅ」
美希「ぱんちなの!きさらぎ!」
貴音「・・・くっ」ブゥン
響「ヤッダーバァァアアアア」ドシィン
美希「やったぁ!やっぱりきさらぎはつよいの!」
響「くそっ、さすがはキサラギ・・・覚えておけよ!」
美希「なんどでもかかってくるといいの!わたしたちときさらぎはむてきなの!ねっ、きさらぎ!」
貴音「・・・くっ」
貴音「響、あの熱演はなかなかのものでしたよ。」
響「そうか?それほどでも・・・あるかな!?自分、天才だし///」
響「劇場版キサラギでは自分あんまり出番なかったから、ちょっとやってみたかったんだよねー」
響「ああいう役は春香に来ることが多いから、あんまりやったことなかったし」
貴音「そうですか。しかし、あのやられたときの『ヤッダーバァァアアアア』というのはどういう意味なのでしょうか?劇中でも説明されませんでしたが・・・」
響「なんか、監督の好きな作品から取ったらしいよ?イタリアあたりの悪役がそうやって倒れたとかなんとか」
貴音「そうですか、響は博学なのですね」
響「美希、次は何して遊ぼっか?」
美希「う~ん、みき、おなかすいちゃった」
響「そうだね。美希は今日のお昼はなに持ってきたんだ?」
美希「ことりおばちゃんがつくってくれたおにぎりなの!」
響「このへんは元の美希とあんまりかわんないみたいだね。けど、その小鳥おばちゃんってのは本人の前では言わないほうがいいぞ」
美希「ひびきおねえちゃんとたかねおねえちゃんは?」
響「自分は今日は早起きして、ゴーヤーチャンプルーを作ってきたぞ!」
貴音「わたくしは今日はかっぷらぁめんの新作が出ていたのでそれをいただこうかと」
貴音「あぼがどまよねぇず黒らぁめんとんこつ風味背油ぎったぎた・・・いったいどんな味わいなのでしょう」ウットリ
響「うっ・・・聞いてるだけで胸焼けがしてきたぞ・・・」
響「美希っ!それは・・・」
貴音「・・・今のはいくら幼子といえども聞き捨てるわけにはまいりませんね。一口にかっぷらぁめんといっても・・・」
響「あぁ・・・始まっちゃったぞ・・・」
~10分後~
貴音「と、このようにかっぷらぁめんにもいろいろな試行錯誤がなされているのです」
響「やっと終わった・・・まぁ今日はいつもよりちょっと短めだったからよかったけど」
貴音「そもそもこのかっぷらぁめんを作っている会社は過去にも・・・」
響「うわっ!まだ終わってなかったのか!!」
響「貴音、ストップストーップ!もう10分も話してるぞ!」
貴音「あら、わたくしとしたことが・・・しかし美希、覚えておいて欲しいのです。どのようなものであれ、創意工夫がなされているという事を」
美希「よくわからないけど、わかったの」
響「自分はそんなに大層なモンでもないと思うけどな~」
美希「ごちそうさまでしたなの!」
響「ほら美希、ほっぺたにご飯粒付いてるよ」フキフキ
美希「ありがとうなの」
貴音(これは・・・なかなか)
コンコン
スタッフ「すみません、響さん、貴音さん、午後の撮影スタートしますので、スタンバイお願いします!」
貴音「どうやらそのようです。昼食に少々手間取ってしまったようですね」
響「大半が貴音のラーメン講義ですぎていった気がするぞ・・・」
響「美希、自分達ちょっとお仕事にいってくるけど、おとなしくまってられる?」
美希「だいじょうぶなの!」
響「よし!おとなしくしてたら、自分が帰りにサーターアンダギーおごってあげるからね!」
美希「さーたーあん・・・?わかったの!」
響「まぁ名前はきにしなくていいぞ。とにかくおいしいものご馳走してあげるから。じゃあ自分とゆびきりしよう!」
美希「うん!」
響「じゃあいってくるさー!」
バタン
響「さぁ貴音、仕事に行こう」
貴音「えぇ・・・響、今日はあなたの新しい部分が見えた気がします」
響「そうか?」
貴音「そうです。まさか響があんなに面倒見がいいとは思いませんでしたよ」
響「そ、そうかな?まぁ沖縄では近所の人がみんな家族みたいなものだったし、近所の子供の面倒とかもみてたからな///」
貴音「やはり、孤独を体験すると人にやさしく出来るのですね。いえ、たしか現代風に言えばぼっちと・・・」
響「って貴音!それはちがうぞ!自分はちゃんと友達いるんだってばぁ!」
やよい「つぎは折り紙のここをこう折って・・・」
美希「・・・できた!」
やよい「美希さんすごく上手です~」
美希「えへへ~」
やよい「一回見せただけで鶴が折れちゃうなんて、さすが美希さんですよね~」
真美「ちいさくなってもやっぱミキミキはミキミキだねぇ~」
真美「けど、元がミキミキだとわかっててもやよいっちがちっちゃい女の子に敬語使ってるのって結構違和感あるかも」
やよい「そう?けど美希さんは美希さんだから・・・」
真美「お、やよいっちの十八番だね!」
やよい「わかりましたー。じゃあ・・・みんなー、あつまって~!スマイル体操、いっくよ~♪」
美希「♪ぜったいはっぴ~♪」
♪ジャ~ン♪
やよい「♪まったね~♪」
美希「やよいおねえちゃん、すっごくたのしかったの!」
やよい「よかったぁ~」
真美「今度は真美がミキミキとあそんでるから、やよいっちはちょっとやすんでてよ」
やよい「そう?じゃあお願いね、真美。私はダンスの振り付けの確認してくるね」
真美「やよいっちはまじめだけど、がんばりすぎなところが珠に傷だよねぇ」
真美「さて、ミキミキ。このカードゲーム知ってる?」
美希「あ、みきしってるよ!かーどふぁいとばんがーどだよね!」
真美「おぉ、よく知ってましたな!今度は真美と、ヴァンガードして遊ぼうよ!」
真美「大丈夫、真美が遊びながら教えてあげるよ」
美希「じゃあやってみたいの~!」
~10分後~
真美「大体ルールはこんな感じ。わかった?ミキミキ」
美希「わかったの」
真美「さっすがミキミキ。じゃあデッキはこの中にある好きなの使っていいよ~。」
美希「じゃあこのかわいいおんなのこのやつつかう!」
~10分後~
美希「せどなでぶーすと、せらむであたっく!かうんたーぶらすと1をつかって、21000ぱわーなの!」
真美「くっ、ノーガード!このトリガーがヒールトリガーなら・・・うわうわ~、負けちゃったよ~!」
美希「かてたの!やったやったやったぁ!」
真美「まさかミキミキがここまでやるとは思わなかった・・・完敗だよ~」
美希「もういっかい!もういっかいやろ!」
真美「・・・そうだね、もう一回やろっか!」
美希「じゃあつぎはね・・・このけんもってるやつつかお!」
真美「ロイヤルパラディン・・・じゃあ真美はかげろうで!」
真美(ロイパラは亜美が新しく作るって言ってたから騎士王軸から構成変えてないんだ。騎士王対ジエンド・・・この勝負、もらいっしょ!」
真美「真美のターン、スタンドアンドドロー!
「真美はこのターンに、ドラゴニック・オーバーロードからドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンドにクロスライド!」
「ジエンドの効果によりパワー13000!さらに約束の火エルモを後列に置き、ブースト!23000で騎士王アルフレッドにアタック!」
美希「・・・のーがーどなの」
真美(まさか、真美が2枚目のジエンドを持ってないのがわかってるとか?)
真美「トリガーチェック!1枚目・・・2枚目・・・トリガーゲットならず・・・!」
真美「続いて、エルモのブースト、ネハーレンが往く!アルフレッドにアタック!」
美希「ぐれーど0のがーどふだをこーる」
真美「くぅ、ターンエンドだよ、ミキミキ」
(ライフは真美のほうが負けてるしドロートリガー型だからガード札も低いけど、スペシャルインターセプトがあれば防ぎきれる・・・!)
美希「みきのたーんなの。すたんどあんどどろー」
真美「ミキミキ、ライフ的にはミキミキのほうが勝ってるとはいえ、たった1点差。」
「さらにジエンドがあと2枚デッキに眠っているこの状況で真美にターンを渡しちゃったらほぼ負けは確定だよ。ここが勝負どころだね!」
美希「・・・よし!決めたの!」
真美(さぁ、どう出るミキミキ)
美希「お前のそのデッキ・・・『ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド』に頼った力など、本物ではない・・・!」
真美「えっ・・・!」
美希「戦士達と共に道を切り開く、若き日の王の姿を見よ!ライド・ザ・ヴァンガード!アルフレッド・アーリー!」
♪ドンナニトオクハナレタッテ-♪
真美「アルフレッド・アーリー・・・!という事は・・・!」
美希「スキル発動!ソウルより、ブラスター・ブレードをスペリオルコールする!」
真美「ブラスター・ブレード・・・!」
美希「イメージしろ、俺たちは今、地球によく似た惑星、クレイに現れた霊体だ!」
美希「ブラスター・ブレードの効果発動!ピンポイントバースト!」
真美「真美のスペシャルインターセプトが!」
「アルフレッドと名の付くカードをブーストするとき、ソウルブラスト1で、10000ブースト!」
「アルフレッド・アーリー、パワー20000でドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンドにアタック!」
真美「インターセプトがない状況・・・5000札3枚でガード!」
美希「チェック・ザ・ドライブトリガー!一枚目・・・ドロートリガーをゲット!パワーはブラスター・ブレードに」
美希「そして二枚目・・・ゲット・ザ・クリティカルトリガー!すべての効果をブラスターブレードに!」
美希「マロンのブースト!ブラスターブレードでアタック!バーストバスター!」
ブラスター・ブレード「イエス・マイ・ヴァンガード!」
真美「まだだ・・・ヒールトリガーを引けばまだ・・・!トリガーゲット・・・ならず!」
真美「うわぁぁぁぁぁぁ!全滅だぁぁぁぁぁ!」
美希「ふっ、こんなもんじゃまったく熱くならねえよ・・・」
真美「ミキミキ、キャラ完全に変わっちゃってるよ・・・」
あずさ「はい美希ちゃん、あめあげるわね~」
美希「やったーなの!」
律子「あずささんって子供の面倒見るの上手ですよね、朝から美希がべったりですもん」
あずさ「そんなことありませんよ。子供っていうのは人の本心を感じられるっていいますから、やさしく接してあげれば向こうからなついてくれるものですよ~」
律子「そういうものでしょうか・・・って美希!楽屋内で走り回らないの!」
亜美「そういうりっちゃんも保護者パワー全開だね。ところで・・・やさしく接してあげれば向こうからなついてくれるんだってよ?いおりん?」
伊織「・・・亜美、それは美希がぜんぜん近寄ってこない私に対するいやみってわけ?」
伊織「しょうがないじゃないの!元が美希だと思うとどうやって接すればいいのかわからないんだから!それに・・・」
美希「おでこのおねえちゃん、どうしたの?」
伊織「その呼び方よ!何でみんなは名前におねえちゃん付けなのに私だけおでこにおねえちゃん付けなのよ!?実は元の記憶持ってんじゃないの!?」
美希「おでこのおねえちゃん、こわいの・・・」プルプル
あずさ「あーあー、美希ちゃん、大丈夫だからね~」
律子「こら伊織!美希をこわがらせるんじゃないの!」
伊織「・・・べつにこわがらせてなんか・・・ふんっ」
律子「そうですね。亜美、打ち合わせどおりに。わかってるね?」ヒソヒソ
亜美「あいあいさー」ヒソヒソ
あずさ「あぁ、そういえば律子さん、私の衣装ってどこにありましたっけ?」
律子「もう搬入されてると思いますけど、どうしたんですか?」
あずさ「この間着たとき、ちょっと動きづらかったところがありましたから、ちょっと確認したくて・・・」
律子「そういうことなら私も行きますよ。」
亜美「りっちゃんたち衣装見に行くの?じゃあ亜美も行こうっと」
律子「伊織はここに残って、美希の面倒を見てあげてね」
伊織「私一人で!?けど一人で子供の相手なんてしたことないし、美希は私になついてないし・・・」
亜美「・・・まぁいおりんじゃしょうがないか。亜美が残ってるから、みんなは行ってきてよ」
伊織「なによ、含みのある言い方ね」
亜美「べっつに~。ただいおりんが一人でミキミキの面倒が見れないっていうからさ~」
伊織「きぃ~!わかったわよ!私一人だって、美希の面倒を見るのくらい余裕なんだから!」
亜美「そう?じゃあよろしく~」バタン
三人(・・・計算どおり)ニヤリ
亜美「りっちゃん、話ってなに?」
あずさ「あら?伊織ちゃんはいないんですね」
律子「はい、今日はその伊織のことで話しがあるんです」
亜美「いおりんのことで?」
律子「そう。最近竜宮小町自体は売れ始めてきているわ。個人の技術も上がってきて、ユニットの雰囲気もいい感じよ」
亜美「じゃあ問題ないんじゃん?」
律子「問題はないわ、歌やダンスに関してはね」
あずさ「じゃあどこに問題が・・・」
律子「そのためにはみんなにいろいろなことを経験して、表現力や感受性を豊かにして欲しいの」
亜美「ふむふむ、その表現力や感受性が一番低いのが・・・」
律子「そう、伊織ってわけ。伊織自体はすごく才能もあるし、努力家で、アイドルとしてはすばらしいわ。」
律子「けどバラエティ番組での伊織は、求められてるキャラをただこなしているってだけの感じがして・・・もうちょっとやわらかくなってほしいのよ」
律子「そこで、伊織の表現力や感受性を上げるために、どんなことをさせればいいのか、二人の意見を聞きたくて」
亜美「・・・そうだ!今の状況を利用しちゃうってのはどう?」
亜美「うん!小さくなったミキミキといおりんを二人だけにして、いおりんの柔らかい部分を引き出す作戦。」
亜美「名づけて『いおりんとミキミキを二人だけにしちゃおう作戦』だよ!」
あずさ「それはいい案ね亜美ちゃん!小さい子供と接することもいい経験になるでしょうし」
律子「亜美、ナイスアイディア!ネーミングセンスはないけど」
亜美「ぬっふっふ~、いいアイディアっしょ?報酬は、マジェスティ・ロードブラスター4枚でいいよ」
律子「マジェ・・・?なによそれ」
亜美「兄ちゃんに聞けばわかるよ。今週の木曜にミキミキの面倒を見るんだっけ?じゃあ木曜に作戦決行って感じで!」
律子「そうね、じゃあもうちょっと詳細を詰めましょうか」
美希「おでこのおねえちゃん、あそぼ?」
伊織「近くで見るとむかつくほどかわいいわね・・・いいわ、何して遊びましょうか?」
美希「おねえちゃんのおにんぎょうさん、とってもかわいいの。おにんぎょうさんあそびしよ?」
伊織「シャルルと?わかったわ。ところであんた、ぬいぐるみなんて持ってるの?」
美希「おにいちゃんにこれもらったの」
伊織「スター・プラチナ・・・あのバカ、もっとましなぬいぐるみ持ってなかったのかしら」
美希「ぼたんをおすとしゃべるんだって」ポチッ
オラァ!
美希「ありがとうなの!」
伊織「じゃあ始めましょうか・・・」
~3分後~
美希「・・・」
伊織「美希、どうしたの?」
美希「や!」
伊織「やってなによ?」
伊織「はぁ!?あんた勝手なこと言って・・・」
美希「だっておでこのおねえちゃん、みきとあそんでてもおもしろくなさそうなんだもん!そんなんじゃみきもおもしろくないよ!」ウルウル
伊織「そんなこと……ッ!?」
伊織(そうだったわ・・・アイドル活動でもいわれてたじゃない・・・自分が楽しまなくちゃファンのみんなにも楽しさは伝わらないって・・・!)
伊織(私はアイドルとしての自分を作るのに精一杯でアイドル活動を楽しんでするっていうことを忘れてたわ・・・この状況も同じことだわ)
伊織(私が楽しまないと、美希も楽しくないに決まってるじゃない。)
伊織(あずさがいっていた、やさしくしてあげればなついてくれるってのは、そういうことだったのね・・・)
美希「えっ・・・?」
伊織「私、アイドルとしてとっても重要なことを忘れていたの。けど、それを美希が思い出させてくれたの。」
伊織「私も楽しまないと、美希も楽しくないものね。まぁまさか美希に気づかされるとは思ってもなかったけどね」
伊織「だから、ごめんなさい。そして・・・あ、ありがと!」
伊織「さぁまだ時間はあるし、一緒に遊びましょう?それとも、私と遊ぶのはいや?」
美希「うぅん!あそぼ、おでこのおねえちゃん!」
律子「心配でドアの隙間から見てたけど、これなら問題なさそうね」
律子「これで竜宮小町はもっと強くなるわ!」
あずさ「よかったわね、美希ちゃん、伊織ちゃん」
亜美「マジェ4枚とバロミ3枚と・・・バロミ2枚のほうがいいかな?これで真美のジエンドデッキも楽勝っしょ!」
P「美希、昨日は伊織の家に泊まったんだっけ?」
美希「うん、そうなの」
P「どうだった?」
美希「すごくごうかだったの」
P「よかったな。しかし・・・」
P「困ったな・・・今日は面倒見てくれるアイドルが誰もいない」
P「あと10分で打ち合わせがあるっていうのに・・・どうするか」
P「そもそも美希がいたら俺が集中できん、主にかわいすぎて」
???「おいあんた、邪魔だ」
P「おっとすんません・・・ってお前は・・・!」
???「あんたは765プロの・・・!」
P「・・・!すまん、面白いこと考え付かんかった」
冬馬「俺の名前使って滑ってんじゃねえよ!なんか面白いこと言えよ!?」
P「まぁいいや。羅刹、お前らジュピトリス9ってこの後時間空いてるか?」
冬馬「名前違ってんぞ!まぁ時間はあるけどさ」
冬馬「はぁ!?なんで俺がそんなこと!つうかこいつ、765プロの金髪のやつに似てるな」
P「ハッハッハッ、他人の空似だ、深くは詮索するな。」
P「そんなことよりたのむよ仗助、お前が引き受けてくれないとくしゃみが出そうで出ないときにティッシュがないくらい困るんだよ!」
冬馬「そんなに困らないんだな・・・」
P「頼む!お前が欲しがってたアルターのバルクホルンのフィギュアやるから!」
冬馬「!!おまえ、何で俺の趣味知ってるわけ・・・?」
P「朝のニュースから昼のワイドショー、さらにはゴシップ専門誌まですべての芸能ニュースに目を通すおばちゃんみたいな人が765プロにいるんだ。」
P「その人に聞けばお前達ユピテルサンダーなど丸裸も同然!」
冬馬「どんだけだよ・・・アルターのバルクホルンって限定のやつ?」
P「もちろん」
冬馬「未開封?」
P「開封品を渡すようなコレクター心のわからんようなことはしないつもりだがね、俺は」
P「さすが竜馬!俺これから打ち合わせだから!打ち合わせ終わったら引き取りに行くわ」
冬馬「わかった。そのかわりさっきの話、忘れんなよ!」
P「もちろん!じゃあ頼むぞジョルノ!」
P「美希、俺はこれからちょっと出てくるから、このおにいちゃんたちにあそんでもらえよ?」
美希「わかったの。よろしくねおにいちゃん!」
冬馬「・・・あいつ俺の名前覚えてねえな・・・」
小鳥「・・・むっ!」
社長「音無くん、どうしたんだね?」
小鳥「・・・いえ、何でもありませんよ、社長」
小鳥(いま、私のセンサーにティン!と来たわ。プロデューサーさんあたりが私の悪口を言っている気がする・・・)
小鳥「これは教育的指導が必要ね・・・48のサブミッションと53の殺人技をプロデューサーさんに・・・」
社長「お、音無くん!?どうしたんだね、心の声が外に溢れてきているようだが」
善澤「音無くんは変わらないねぇ」
ガチャ
冬馬「戻ったぜ」
翔太「遅かったじゃない、冬馬くん」
北斗「大きいほうか?」
冬馬「ちげぇよ、外でいろいろあっただけだ」
美希「かっこいいおにいちゃんたちがいるの」
翔太「・・・冬馬くん、その子、誰?」
冬馬「ちげえよ!さっき外で・・・」
翔太「ふーん、それで引き受けてあげたんだ。冬馬くんってやっぱりお人よしだね~」
北斗「源氏物語計画か。冬馬、そんな高度なテクニックを使うほどに成長したんだな・・・」
冬馬「なんだよ源氏物語計画って。とりあえず、あいつが戻ってくるまで、この子の面倒を見なくちゃならないんだよ」
翔太「引き受けたのはいいけどさ、冬馬くんって子供の面倒みたこととかあるの?」
冬馬「ねえよ。だからお前達に手伝ってもらおうと思って・・・」
翔太「別にいいけどさ、ただってわけにも・・・ねぇ?」
翔太「ボクはそうだな~、冬馬くんが一日女装してすごしてくれるって約束してくれるなら手伝ってあげてもいいよ」
北斗「じゃあ俺は・・・冬馬、女装したお前が俺とデートしてくれたら手伝ってやるよ」
冬馬「お前ら、容赦ないな・・・特に北斗、お前が言うとシャレに聞こえねえからやめてくれ・・・」
冬馬(女装とデートだと・・・バルクホルンお姉ちゃんに比べたらそのぐらいの屈辱、屁でもねぇぜ!)
冬馬「わかった。約束するから、手伝ってくれ」
翔太「そうこなくっちゃ、冬馬くん。よろしくね、ってこの子名前なんていうの?」
冬馬「たしかあいつは、美希とか呼んでたな」
美希「よろしくなの!」
翔太「けどこんなことってあるんだね。多分この子、小さくなっちゃったんでしょ?」
冬馬「はぁ?お前なに言ってるんだ?」
翔太「冬馬くんこそなに言ってるの?この子、765プロの金髪の子にそっくりじゃない。さらに名前も美希って名前なんだから、ほぼ確定だと思うけど」
北斗「確かに、俺の女性鑑定眼も99%の確立で同一人物だと出てるな」
冬馬「あいつに聞いたときは他人の空似だって」
北斗「ピュアだな、冬馬」
冬馬「うっ、うるせえな!そんなことより・・・」
ガチャ
黒井「お前達、何を騒いでいるんだ!」
冬馬「おっさん!いや実は・・・」
黒井「ん?何だその子供は?」
冬馬「この子は・・・」
美希「みきは、ほしいみきなの!」
冬馬「おっさん?」
黒井「・・・ユニバァァァァァァァァァァス!」
翔太「おじさん、どうしちゃったのさ!?キャラが違っちゃってるよ、いろんな意味で」
北斗「社長、まさか・・・ついに頭が」
黒井「・・・いや、なんでもない。柄にもなく取り乱してしまったな。それよりお前達、ダンスの講師が呼んでいたぞ。行ってこい」
冬馬「この子はどうするんだよ?」
黒井「このような子供は放っておけばいい!早く行ってこい!」
ゾロゾロ
黒井「ふぅ・・・やっといなくなったか・・・」
美希「・・・」キョトン
黒井「さて・・・」
黒井「さぁ美希ちゃん、おじさんとあそびましょうね~」
美希「おじさんがあそんでくれるの?」
黒井「もちろんだとも。美希ちゃんの好きな遊びをなんでもしてあげるよ」
美希「わぁいなの!!」
ガチャ
P「すまん冬馬!ってあなたは・・・!」
黒井「お前は765プロの・・・!」
美希「おうまさん、もっとはやくなの!」
黒井「ふん、この子供の保護者は貴様だったのか」ヒヒン、ドタドタ
P「そうですが、何か?」
黒井「子供の面倒一つ見れないプロデューサーが、アイドルのプロデュースをするとは、お笑いだな!」
P「くっ・・・言い返せない・・・!」
黒井「その子供が大きくなったら961プロにつれてくるといい。私がトップアイドルにしてやるからな、ハーッハッハッハ」ヒョイ
美希「わーい、すっごくたかいの~」
黒井「おっと、もうこんな時間か。では私は失礼するよ。貴様のように暇ではないのでな、アデュー」
美希「おじちゃん、またあそぼうねーっ」フリフリ
P「黒井社長・・・」
P「実は子供好きなのか?」
小鳥「美希ちゃ~ん、ごはんできたわよ~」
シーン・・・
小鳥「・・・そういえば、今日美希ちゃんは伊織ちゃんの家に泊まってるんだっけ・・・」
小鳥「・・・別に寂しくなんてないわよ!?家族がいるのがうらやましいとか、そんなこと思ってないから!」
小鳥「今日はお酒でも飲んで録画した生っすかサンデーでもみて早く寝ちゃいましょう!」
2時間後
小鳥「・・・美希ちゃん・・・」グスン
小鳥「美希ちゃん、早く帰ってきてぇ~!お姉さんさびしいの~!」
…お姉さん?
P「今日は久しぶりのオフだ、一日中美希と一緒にいられるぞ」
P「すばらしい朝ってのはこういうことを言うんだな。美希はまだ寝てるか・・・寝顔もベリーキュートだな」
P「そして何でいるんですか?小鳥さん」
小鳥「私がいると何か困るんですか?プロデューサーさん」
P「いえ、別に・・・」
P(小鳥さんが美希を俺の家まで連れてきてくれたところまではよかったが、帰らないつもりか・・・)
P(くそっ、美希と二人になれる今日、最大のミッションを決行しようと思っていたのに・・・)
P(そのためには、なんとかして小鳥さんにはお引取り願わなくては・・・!)
P「小鳥さん、こんなところにいてもいいんですか?事務所の仕事とか・・・」
小鳥「事務所の仕事ですか?昨日のうちに今日やらなくちゃいけない仕事は終わらせてますし、社長にも許可は取ってますから」
P「しかしですね・・・」
小鳥「プロデューサーさん、もしかして今日美希ちゃんに、私にはいえないようなことをするつもりだったんじゃ・・・!」
P「くっ・・・小鳥さんの妄想力をもってすれば俺が幼姦クソ野郎になってしまう・・・!違いますよ小鳥さん、ただ俺は事務所のことを心配して・・・」
小鳥「とにかく!今日は一日プロデューサーさんと美希ちゃんと一緒にいるって決めたんです!」
小鳥(日曜日のプロデューサーの言動からして、美希ちゃんとプロデューサーを二人きりにしたら高確立でプロデューサーさんはロリコンに目覚めてしまう・・・!)
小鳥(それをとめることが出来るのは私だけ!がんばれ、がんばるのよ小鳥!)
P「お、美希が起きたみたいですよ?」
美希「んぅ・・・おはようなのおば・・・おねえちゃん」
小鳥「おはよう美希ちゃん」
P「おはよう美希。今日もかわいいな」
P「あぁ、今日は俺が一日中いっs」
小鳥「今日は私達!が一緒に美希ちゃんの面倒を見てあげるからね!」
P「・・・だそうだ」
美希「きょうはおば・・・おねえちゃんとおにいちゃんがいっしょなの?やったやったやったぁ!」
P(まぁいい、一日中いっしょなんだ。小鳥さんがいなくなるときもあろう。その瞬間が勝負!)
美希「うん!」
P「・・・しかし小鳥さん、子供の扱いうまいですね」
P「さすがはにじゅう・・・」
小鳥「・・・!」ギィン!
P「・・・狩るものの目だ・・・そんな気にする年齢でもないだろうに」
小鳥「プロデューサーさん、ちょっと美希ちゃん見ててもらえます?」
P「いいですよ、トイレだったら部屋を出て右に・・・」
P「まぁ、気をつけます。けど今は女性にもてなくてもいいと思うんですよね。」
P「そんなことよりも765プロのアイドルたちをトップアイドルにしてあげるほうが大切な気がしてるんです。」
小鳥「・・・幼女にも」
P「以後徹底的に気をつけます!」
小鳥「ダメだこいつ・・・」
バタン
P「俺は人間をやめるぞーッ!ジョジョーッ!」
P「美希っ!」
美希「ん?なーに?」
P(燃え上がれ、俺の小宇宙!)
P「俺のことをハニーと呼んでください!」ドゲザー
美希「・・・?」
P「終わった・・・何もかも・・・」
P「小鳥さん、これには深いわけが・・・!」
小鳥「・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
P「・・・もしかして、オラオラですかぁーッ!?」
小鳥「YES! YES! YES! "OH MY GOD"」
P「恩に着ます、小鳥さん」
小鳥「というか、プロデューサーが幼女に土下座をしてただなんてみんなが知ったら、別の事務所に移っちゃいますよ・・・」
美希「ねぇ、おにいちゃんはさっきなんでおば・・・おねえちゃんになぐられてたの?」
小鳥「お兄ちゃんはね、ちょっと病気にかかっちゃったの」
美希「おにいちゃんびょうきなの?だいじょうぶ?」
小鳥「もう大丈夫よ、さっきので治ったはずだから」
P「あぁ、もう大丈夫だぞ。しばらくあそぶのは無理そうだが」
小鳥「じゃあこれを見ましょうか」
P「これは・・・」
小鳥「そうです。この間のライブの映像が事務所に送られてきたんです。今日持ってきたんで、いっしょに見ますか」
P「お、やっときましたか。美希、お姉ちゃん達が出てるテレビ見るか?」
美希「みる~!」
小鳥「じゃあこれをセットして・・・」
小鳥「そうでしたね。伊織ちゃんが何とかしてくれましたからよかったですけど、見つからなかったらどうなっていたことか」
P「けど、途中まで撮影してあった映像を見たんですけど、最近の春香たちとは似ても似つかないような・・・」
小鳥「・・・そんなことあるわけないじゃないですか。決して作画がひどいとかそんなことありませんよ?」
P「これ以上は突っ込まないほうがよさそうだ。あ、始まりますよ」
♪モウフシメガチナー♪
美希「あっ、おねえちゃんたちなの!」
美希「このきんいろのかみのおねえちゃんかわいいの!」
P「小さくなっても自信満々なところは変わらないんだな」
♪カガヤイターステージーニー♪
美希「・・・」ジーッ
小鳥「食い入るように見てますね」
P「やっぱりアイドルってことなんですかね。しかし真剣な美希もかわいいなおい」
美希「・・・ねえおにいちゃん!」
美希「みきもおねえちゃんたちみたいにきらきらしたい!みきもきらきらできる!?」
P「・・・あぁ、もちろんできるぞ。美希がその気になれば何だってできる。美希は無限の可能性を秘めてるんだ。って大人になったら忘れちゃうのかな?」
小鳥「どうなんでしょうか?けどたしかに、美希ちゃんももうちょっと本気でアイドル活動に取り組んでくれればいいんですけどね」
P「たしかにそうですね。けど、他人に言われて本気をだすとか、ちょっと違うと思うんですよ」
P「そんなんじゃモチベーションも保てないし、なにより本人が楽しめないと思うんですよね。」
P「やっぱり本人が楽しまないと、ファンのみんなも楽しめませんから。」
P「美希はまぁあんな感じですけど、楽しんでアイドル活動をしているようですから今はいいかなぁって。いつかは本気になってほしいモンですけどね」
P「あれ?どうしたんですか小鳥さん?」
小鳥「いえ、プロデューサーさんも意外と考えて仕事をしてるんだなぁって思っただけです」
P「意外と・・・ですか。褒め言葉として受け取っておきますよ。」
小鳥「さて、そろそろ帰りますか」
美希「えぇ~、もうちょっとあそびたいのー!」
P「俺ももうちょっと遊んでいたいけどな、俺は今日小鳥さんに逆らったらまずいってことに気がついてしまったんだ、悪いな美希」
美希「は~い、わかったの・・・」
小鳥「今日が最終日でしたっけ・・・騒がしい一週間でしたけど、元に戻っちゃうと思うとちょっとさびしいですね」
P「たしかに。しかしずっと美希がいないってわけにもいかないですから」
P「美希、小鳥さんの言うことをちゃんと聞いて、きょうは早く寝るんだぞ」
P「約束?」
美希「みきをきらきらにしてくれるってこと!!」
P「・・・あぁ、わかったよ。大きくなって、美希が一生懸命がんばるって約束するなら美希をキラキラにしてやるよ」
美希「ぜったいだからね、やくそくだよ、はにー!」
春香「そういえば美希の面倒を見たからプロデューサーさんが何でも言うことを聞いてくれるんだっけ」
春香「やっぱ言うことを聞いてもらうとしたら定番のあれでしょ」
春香「言うことを聞いてくれる数を100個に増やす!これしかないよね!」
春香「ほかのみんなにさき越される前につば付けとかないと。おっとそんなことを言っていたらプロデューサーさんが。プロデューサーさーん!」
P「ん?春香か。どうした?ちなみに昨日の夜スパ4の熱帯でリュウに負けたからってセスで入りなおしたのは俺じゃないぞ」
春香「あれってプロデューサーさんだったんですか・・・ってそんなことはどうでもよくてですね。」
春香「プロデューサーさん、美希の面倒を見たらなんでも一つ言うことを聞いてくれるって言ってましたよね?」
春香「それでですね、その内容なんですけど、言うことを聞いてくれる数を・・・」
P「わかった春香。言うことは聞く・・・・・・!聞くが・・・その時と場所の指定まではしていない」
春香「・・・えっ?」
P「つまり・・・俺がその気になれば言うことを聞くのは10年後、20年後というのも可能・・・」
春香「・・・」ガシッ
P「えっと春香さん?そんなにがっちり手首極められたらヒクソン・グレイシーでも抜けられな・・・って痛ぇぇぇぇぇ!その関節はそっち方向には曲がらな・・・」
春香「大丈夫ですよプロデューサーさん、人間意外と何とかなるもんです」グィッ
P「それ以上はヤバ・・・ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
P「さて、そろそろ美希も元に戻ってるころかな」
P「しかし、小さい美希かわいかったなぁ・・・」
P「最後にハニーとか呼ばれちゃったし・・・あの時は悶絶死しそうになったぞ・・・」
ガチャ
美希「おはようございますなの、プロデューサー!」
P「・・・美希、元に戻っ・・・」
美希「ねえプロデューサー、美希今日目が覚めたら、なぜか小鳥の家で寝てんだけどなんでか知ってる?」
P「・・・やっぱり覚えていないか」
美希「え?なになに?なんていったの?」
美希「へぇ、そうなんだ。小鳥には後でお礼言っとくの」
P「事務所のみんなにも言っとけよ。みんな心配してたんだから」
美希「はーい」
P「しかし美希、今日はやけに早いじゃないか」
美希「うん、みんなが来る前にプロデューサーに言っておきたい事があって」
P「言っておきたいこと?」
美希「あのね、美希、夢をみたの。内容はよく覚えてないんだけど、すっごく楽しい夢。」
美希「それでね、夢の中で、美希はキラキラしたいから、そのためにがんばるって約束したの」
美希「それでね、朝起きたら、『約束を守らなきゃ、がんばらなきゃ』って思ったの」
P「あぁ言ったぞ」
美希「美希が変われば、美希ががんばれば今よりもっとキラキラできる?」
P「もちろんだとも。美希には無限の可能性があるって言ったよな?」
美希「あれ?そんなこといってたっけ?」
P「言った。美希は忘れっぽいから忘れちゃってるだけだ」
美希「そっか。じゃあ美希、変わる。明日から・・・ううん、今から!だからプロデューサー、美希にいっぱいお仕事ちょうだい!美希をキラキラにして!」
P「・・・わかったよ。美希が本気でアイドル活動するってんなら俺も全力で手伝うよ。いっしょにキラキラしよう」
美希「お願いしますなの!いっしょにがんばろうね、ハニー!」
おわれ
読んで下さった方ありがとうございました
Entry ⇒ 2012.07.24 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
やよい「そっかー、今度授業参観があるんだ」
やよい「お母さん、あのね。今度のことなんだけど……」
やよい「……あ…ううん、気にしないよ」
やよい「そうだよね」
やよい「二人とも、お仕事忙しいもんね」
やよい「ごめんね」
かすみ「…どうしておねえちゃんが謝るの?」
やよい「ホントなら私が見に行ってあげたいんだけど……」
長介「……馬鹿なこと言うなよ、姉ちゃん」
長介「参観に見に来る人がいないくらいで落ち込むような歳じゃないって。な?かすみ」
かすみ「うん。いつものことだし、平気だよ」
やよい「…………」
やよい「………二人ともあんなこと言ってたけど」
やよい「ウソついてるって、お姉ちゃん分かるんだからね」
やよい「だって寂しかったもん。私も」
やよい「友達はみんなお父さんか、お母さんか…両方来てくれる子もいたのに」
やよい「私だけいないんだもん」
やよい「いつも一緒に帰る友達も、その日は家族で帰るんだよ」
やよい「一人で帰るのは、楽しくないよね」
やよい「まだ小学生なのに、私やお父さんたちに気を使うなんて……」
スゥー…
やよい「…二人とも寝てるかな?」
長介「……スゥ…スゥ……」
かすみ「………スゥー…スゥー…」
やよい「…ごめんね。お姉ちゃん頼りなくて」
やよい「…………おやすみ」
やよい「………そうだ」
──────
P「お願いが二つ?珍しいな」
やよい「ちょっと頼みにくいかもしれないんですけど……聞いてくれますか?」
P「…ま、普段頑張ってくれてるし。いいよ、何でも言ってみろ」
やよい「はい………一つ目なんですけど…」
P「うん」
やよい「今度の金曜日、お仕事入れてもらえませんか?絶対に」
P「………」
やよい「………」
P「……ん?仕事?それだけ?」
やよい「はい。一日中すーっごく忙しいスケジュールで、お仕事組んでもらえたらなーって」
P「…なんだ。てっきり休みにして欲しいのかと思ったんだけど」
やよい「い、いえ!いや、確かにお休みは嬉しいですけど……金曜日は絶対にお仕事をしたい気分なんです」
P「………?」
やよい「…………」
P「………」ジー
やよい「……あの、えと……」
P「何か隠してないか?」
やよい「な、何もありませんよ」
P「……ま、仕事熱心なのは褒めるべきなんだろうけどさ」
やよい「じゃ、じゃあ……」
P「……そうだな、都合付けてみるよ。金曜日でいいんだな?」
やよい「はい!ありがとうございます!」
P「で、二つ目は?」
やよい「……あのですね…これは個人的なお願いなんで、ちょっとわがままかもなんですけど……」
P「いいよ。できる限りならこたえてやる」
やよい「同じ日の金曜日に………」
──────
ガラガラ……
やよい「ただいまー」
かすみ「あ。お帰り、おねえちゃん」
やよい「遅くなってごめんね。晩ごはんの用意するから」
かすみ「ううん。私がやっといた」
やよい「……え?」
かすみ「おねえちゃんにばっかり苦労させられないもんね。自分で言うのもなんだけど、上手にできたよ」
やよい「……ホントに…?」
かすみ「もう、疑ってるの?食べてみてよ、おいしいから」
やよい「違うの、そうじゃなくて……」
長介「お帰りー姉ちゃん」
やよい「た、ただいま…」
長介「ほら、みんな待ってるからさ。早く飯食おうぜ」
長介「もうお腹ペコペコだよ」
やよい「……待っててくれたの?」
かすみ「兄弟そろって、がルールでしょ?」
長介「早く!みんな待ってるぞ」
かすみ「ちゃんと手を洗ってからね?ふふっ」
やよい「………うん!」
やよい「(なぁんだ)」
やよい「(長介もかすみも、いつの間にかこんなにしっかりしするようになってたんだ)」
やよい「(……プロデューサーに頼んだこと、もしかして無駄だったのかな?)」
──────
P「………長介くんとかすみちゃんの授業参観に出てやってくれ、か」
『お父さんとお母さんはお仕事で行けないんです』
『二人とも気にしてないって言ってるんですけど……やっぱりだれも見に来てくれないのは、寂しいと思うんです!』
P「……やっぱり、ご両親は毎日忙しいんだろうか」
小鳥「どうしたんです?」
P「いえ……やよいに頼みごとされちゃいまして」
P「弟たちの授業参観に行ってほしいらしいんです。……なぜか、俺に」
小鳥「へぇ……」
P「…でも、もう一つあって。やよい自身はその日ずっと仕事を入れてくれって」
小鳥「? それはどういうことなんでしょう……」
P「俺ならむしろ仕事を休みにしてもらって、自分で参観に行くのがいいと思うんですが……」
小鳥「さすがに中学生が小学生の授業参観っていうのは無理があるんじゃ……やよいちゃんだって学校があるのに」
P「あ…そうですね」
小鳥「………うーん…」
P「そもそも、やよいの仕事があったらおれはそっちの付き添いに行かなきゃいけないんですよね」
小鳥「……じゃあ、こういうのはどうでしょう」
P「なんです?」
小鳥「やよいちゃんの付き添いを律子さんか社長に頼んで、プロデューサーさんは参観に行く」
P「うーん…社長も律子も忙しいだろうし、聞いてくれるかどうか…」
小鳥「もしくは、代わりに私が参観に行くというのも」
P「……なるほど。それならむしろお母さん一人ってことで違和感ないかも」
小鳥「………そ…そうですね…」
P「……ともかく、その辺はもう一度やよいと相談してみます」
小鳥「ええ。そうしてください」
ガチャ
やよい「あ。プロデューサー。小鳥さんもこんにちは!」
P「おう。早かったな、学校から直接来たのか?」
小鳥「こんにちは、やよいちゃん。制服かわいいわね」
やよい「えへへー、ありがとうございます」
小鳥「荷物大きくて大変でしょ?こっちに置いといたら?」
やよい「はーい」ドサッ
P「随分重そうだな」
やよい「教科書とか、一杯あるんで毎日大変ですー」
小鳥「よっ……うっわ重い!」グググ…
やよい「大丈夫ですか?だいぶ重いから無理しないほうが……」
小鳥「だいじょっ…とっとっとっ…!」グラ
P「うわ、危ないですよ!」
ドターン
小鳥「」
やよい「小鳥さん!大丈夫ですか!?」
P「あーあもう……中身ひっくり返しちゃって」
やよい「私がかばん開けてたから…ごめんなさい」
小鳥「…い、いえ…私こそごめんなさい……」
P「片付けるの手伝うよ」
小鳥「あいたたた……」
やよい「小鳥さん、しっかりしてください!」
ピラッ
P「………あれ」
やよい「どこかケガしましたか?救急箱いります?」
小鳥「わ、私は平気だから…かばんを片付けましょう」
P「この紙………」
【やよかわ中学校 授業参観日のお知らせ
○月△日(金)】
P「………」
やよい「私、念のために取ってきますね!」ダッ
小鳥「あぁ、やよいちゃん……本当に優しいわ……」
小鳥「もう平気なのに………プロデューサーさん?」
P「…………」
小鳥「どうかしました?その紙は……?」
P「…………」
『弟たちが通う小学校で、金曜日に授業参観が』
『私は金曜日、お仕事入れてください!』
『お父さんとお母さんはいつも忙しくて』
『参観日にずっと来られなかったから』
『やっぱり誰も見に来てくれないのは、寂しいと思うんです!』
P「…………そういうことだったのか」
やよい「小鳥さん!取ってきました!」
小鳥「あ、ありがとうやよいちゃん。でも私は全然………」
P「やよい」
やよい「はい?なんですか?」
P「すまないが、今度の金曜…仕事入れられそうにないんだ」
やよい「……え?」
P「レッスンスタジオも、いつも使ってるところは一日埋まってる」
P「やることがないんだ」
やよい「…………」
P「だから今度の金曜は、事務所に来なくてもいいぞ」
P「学校休みがちだろ?だからそっちに行け」
やよい「あの、でも……」
P「最近だんだん忙しくなってきてるんだし、いける日にきちんと学校に行かないとな」
やよい「その……」
P「お前もみんなもアイドルである前に学生なんだ。勉強をおろそかにしちゃいけない」
やよい「……う…じゃ、じゃあ掃除やります!一日中事務所の掃除手伝います…」
P「全部小鳥さんがやる」
小鳥「えっ!?」
P「ね?」
小鳥「あの」
P「だから心配いらないよ」
P「今度の金曜は学校の日。分かった?」
やよい「…………」
やよい「………わかりました」
P「よし。今日はレッスンがあるからな」
P「学校終わってからで疲れてるかもしれないけど、頑張るんだぞ」
やよい「……はい」
P「先行っててくれ。多分亜美と真美が一緒にいるから」
やよい「分かりました」
バタン
小鳥「……やよいちゃん、どうしたんでしょう?そんなに金曜日、お仕事したかったのかしら…」
P「小鳥さん」
小鳥「…はい?」
P「今、有給申請して構いませんかね?」
小鳥「えっ?」
P「今度の金曜なんですけど。無理なら午後からだけでも」
──────
かすみ「おねえちゃん、おはよう」
やよい「あ、おはよう。かすみ」
長介「おはよ」
やよい「朝ごはんできてるからね」
かすみ「うん。いただきます」
長介「姉ちゃん今日は学校行くの?」
やよい「!」
長介「…?」
やよい「……うん」
かすみ「…おねえちゃんの学校もだっけ?」
やよい「………そうだよ」
長介「…ま、いいじゃん。友達はみんな『親が来てうざい』って言ってるし」
長介「オレさ、実はうらやましがられてるんだよね。気楽でいいなってさ」
やよい「………」
長介「もう!なんだよ姉ちゃん」
かすみ「私たちは平気だよ」
やよい「………ホント?」
長介「何回も言ってるじゃんかよ。気にすんなって」
やよい「…そっか!なら安心」
やよい「私は大丈夫だけど、みんな寂しかったらどうしよっかなーって心配だったんだからね」
かすみ「ふふっ。大丈夫だよ」
長介「俺たちだって寂しくなんかないよ。バカだな」
やよい「お姉ちゃんのことをバカ呼ばわりしないの」
長介「ははは」
やよい「じゃ、私ちょっと早いからそろそろ行くね」
長介「うん。行ってらっしゃい」
やよい「戸締りきちんとね!鍵はマットの下!」
かすみ「うん。いってらっしゃーい」
やよい「行ってきます!」
ガラガラ…
ピシャン
長介「………」
かすみ「………」
長介「かすみ、ウソつくなよ」
かすみ「……そっちだって」
やよい「…ウソついちゃった」
やよい「でも、プロデューサーにはちゃんとお願いしておいたし」
やよい「長介たち。びっくりするかな?…えへへ」
P「おはようございます」
小鳥「おはようございます。午前中だけでも頑張ってくださいね」
P「はい」
小鳥「……それで?」
P「え?」
小鳥「授業参観に行くんですよね?誰のですか?」
P「…そりゃもちろん、やよいに頼まれた長介くんたちの……」
小鳥「そこだけですか?ホントに?」ニヤニヤ
P「………はぁ」
P「やよいが弟たちの参観に行くよう俺にお願いしておきながら」
P「どうして自分は頑なに仕事を入れたがっていたのか」
P「理由を考えるといてもたってもいられなくなって……」
小鳥「…そうですか。頑張ってくださいね」
P「…頑張ることなんて何もないですよ」
小鳥「いえいえ。小学校と中学校の行き来は大変だなぁと思って」
P「…ですね」
P「では、ちょっと外回り行ってきます」
P「昼に一度戻ってきた後、退社しますんで」
小鳥「はい。行ってらっしゃーい」
バタン
小鳥「………さて」
小鳥「今日は大変な1日になりそうねー。定時に帰れるかしら」
小鳥「……ま、あっちはそっとしておいてあげましょう」
──────
「やよいー、お昼ご飯食べよっ」
やよい「うん」
「はー、午後は面倒だなぁ。中学にもなって授業参観なんてだるいねー」
「ねー。小学校の間にたくさんやったしいいじゃんね?」
やよい「そ、そうだね……」
「あとで色々怒られるし。来ないほうが楽でいいよねー」
やよい「………」
やよい「(……これが普通なのかな?)」
やよい「(……誰も来てくれないのを気にしてる私って)」
やよい「(やっぱり子供なのかな……)」
「やよい?どうかした?」
やよい「え?ううん、なんでもない」
やよい「(………プロデューサー)」
やよい「(せめて長介たちだけは、喜ばせてあげてくださいね)」
──────
P「あとの仕事全部小鳥さんに任せて、悪いことしちゃったな…」
P「今度食事でも誘ってあげよう」
P「……まずは長介くんのクラスから。ここだな……」
P「……どこにいる…?」
長介「…………」カキカキ
P「(お、やってるやってる。一番後ろの席か…真面目にうけてて偉いな)」
P「(もうちょっと近くに行ってやるか)」
P「すいません、ちょっと通らせてくださいね。失礼」ボソボソ
長介「…………」ボー
P「(あれ、今度はボーっとし始めたぞ)」
長介「…………」コク…コク…
P「(なんだ、眠いのか)」
長介「…………!」ハッ
長介「………」カキカキ
P「(ははは、しっかりしろよ。しょうがない、ちょっと目を覚まさせてやるか)」
P「(おーい、頑張れよ)」ボソボソ
長介「!!」クルッ
P「よ」
長介「(プロデューサーの兄ちゃん…!?何で来てんの!?)」ボソボソ
P「(前向け前)」
長介「(見に来てくれたの!?マジで!すげぇ!)」
P「(わかった、分かったから。ほら頑張って授業受けろ、見ててやるから)」
長介「……!!」コクリ
P「(なんだなんだ、すごく嬉しそうだぞ?)」
「だから、この問題はさっき覚えた公式をこう変形して……」
長介「…………」カキカキ
P「…………」
長介「…………」チラッ
P「…………」
長介「…………」
P「…………」
長介「…………」チラッ
P「(めっちゃ気にしてる……)」
P「(長介くん。悪いけどそろそろ時間だし、かすみちゃんのところ行くよ)」
長介「(OK)」グッ
P「(またな)」
P「…………あんなに喜ぶもんなのか」
P「おれ、子供の頃参観に来てもらってあんなに喜んでたかなぁ………」
P「………ま、悪くはないかな」
P「かすみちゃんのクラスは……ここね、よし」
カラカラ……
P「(あっ、ちょうど黒板の前で答え書いてるところじゃないか!グッドタイミング)」
かすみ「えっと………ここがこうで…」カッカッ
P「(へー…難しそうなのにスラスラ解いてる…やよいよりも成績良いのかも知れないな)」
かすみ「……で、こう。先生、できました」
「ありがとう、正解です。戻っていいわよ」
かすみ「はい」テクテク
かすみ「…!」
P「(……あ、目が合った。軽く手を振っとこう)」フリフリ
かすみ「……!」ニッコリ
P「(うわぁこれまためちゃくちゃ嬉しそう!でもそんなところで笑ったりなんかしたら……)」
「あら、保護者の方がいらしてるんですか?どうもー」
ドッ
HAHAHAHA……
P「(先生にいじられた…!)」
P「…ど、どうもー」
HAHAHA……
かすみ「………」ニコニコ
P「(あはは……かすみちゃん、頑張ってね。見てるから)」グッ
かすみ「……」コクリ
P「(…なんとなく伝わったみたいだな)」
「では、次の問題は……出席番号次の人」
「前に来て解いてくれるかしら?よろしくね」
かすみ「………」カキカキ
P「(かすみちゃんも、真面目に授業受けてるな…偉い偉い)」
かすみ「……」チラッ
P「………」
かすみ「……」ニコッ
P「…あはは……」フリフリ
かすみ「………」カキカキ
P「………」
かすみ「………」チラッ
P「………」
かすみ「………」ニコッ
P「(…あぁもう、いちいち可愛いな!)」
浩3人組はどこまでが小学生だっけ?
浩太郎はどうだろう
浩司が幼稚園
浩三は赤ちゃんでFA?
まあちょっと時間軸がずれればあり得ないこともないだろう
P「(あんだけ嬉しそうにしてるの見ると、なんだか出て行きづらいな……)」
かすみ「………」チラッ
かすみ「………」ニコッ
P「……まいったな…」フリフリ
P「仕方ない。このままだと時間も…」
P「(かすみちゃん、そろそろ行くよ。またね)」
かすみ「………」フリフリ
P「………ふぅ。あとは浩太郎くんのあと、やよいのとこに急がないとな」
「はーいみんなー!お父さんやお母さんが来てくれてうれしいのは分かるけど、お利口に授業受けてくださいっ!」
ガヤガヤ
ガヤガヤ
P「…さすが低学年クラスはカオスだな」
P「…浩太郎くーん。どこだー……?」
浩太郎「あっ!にーちゃん!」
P「うおっ!そこにいたのか……」
「にーちゃんってだれのー?」
「こーたろーのだってー」
「ほんとにー?にてないよ」
ガヤガヤ
ガヤガヤ
P「まずいな……」
P「(こ、浩太郎くん?俺は教室の外から見てるから、静かに授業受けようね)」
浩太郎「はーい!」
P「(静かにね)」シーッ
浩太郎「(はーい)」シー
「はい次は、歌を使って九九を覚えましょうねー」
「「「「はーい」」」」
P「……なんとか収まったか。先生ってのは大変な仕事だ」
P「…頑張れよ。浩太郎くん…またあとでな」ダッ
浩太郎「………」フリフリ
P「中学校までは車で10分……なんとか間に合いそうだ。よかった」
「…というわけで、ここで登場人物の気持ちを確認しておきますと…」
やよい「………はぁ…」
やよい「(……学校ってこんなにつまらないところだったっけ……)」
やよい「(………だめだめ!せっかくお休みもらったんだから、きちんと授業受けないと……)」
やよい「(……プロデューサー…皆のところにちゃんと行ってくれたかな?)」
カラカラ……
「…すいません、失礼します…通ります…」ボソボソ
やよい「(………長介もかすみも無理しちゃって)」
やよい「(私だって小学校の頃は寂しかったんだから、同じに決まってるのに)」
やよい「…………」
やよい「(…プロデューサー…もしかしたら、頼んだら来てくれたのかな)」
やよい「(こんなお願いするの恥ずかしいけど……)」
やよい「(………見に来てくれるんなら)」
やよい「来てほしかったな……」ボソ
「……誰に来てほしいって?」ボソ
やよい「!!??」ガタン
「…どうした?誰だ?」
やよい「す、すいません!なんでもないです!」
「……高槻か。大丈夫か?」
やよい「は、はい…ごめんなさい」
「……続けるぞ」
やよい「(……あ、あの、もしかして…)」ボソボソ
P「(後ろ向くんじゃないぞ)」
やよい「(……)」コクリ
P「(…授業、頑張れよ。見てるから)」
やよい「(………! はい…!)」
(えっお前使えないの?)
やよい「(うわー!どうしよう!どうしよう!どうしよう!どうしよう!)」ドキドキ
やよい「(プロデューサーが………見に来てくれた…!)」
やよい「(ダメ、顔おさえないと……にやけて……えへへ、えへへへ…)」
やよい「(あぁ、ダメだってば……!笑ってたら先生に怒られる……)」
やよい「(…うぅ、我慢できない……プロデューサー…!プロデューサー…!)」
やよい「(来てくれた……っ!!)」
やよい「(私のために……見に来てくれた……!!)」
やよい「(嬉しい……嬉しいよっ……!!)」
P「(……間に合ってよかった)」ホッ
──────
キーンコーンカーンコーン……
やよい「………授業終わったら、プロデューサーもういなくなっちゃってた」
やよい「…ま、お仕事忙しいだろうし、しょうがないよね……」
やよい「……ちゃんとお礼言っておかないと…」
ブー…ブー…
やよい「あ、メール……プロデューサーから?」
2012/07/13 16:29
From:プロデューサー
件名:お疲れ様
本文:長介くんたちを家に送るために少し早く抜けさせてもらったよ。
よかったら俺が中学校に戻るまで少しまっててもらえないか?
30分ほどでそっちにいけるはずだ
面倒なら先に帰っててもいいぞ
やよい「でもでも、だったらどうしてわざわざこっちに戻ってくるんだろう…?」
やよい「…………」
カチカチカチ…
2012/07/13 16:34
To:プロデューサー
件名:Re:お疲れ様
本文:今日はありがとうございました。
校門の前で待ってます。
…早く来てくださいね
──────
P「……やよいー。やよいー」
やよい「あっ、プロデューサー……!」
P「…お待たせ。今日はお疲れさま」
やよい「はい!あの、色々ありがとうございました!」
やよい「長介たちにもよくしてもらって……それに…それに」
やよい「まさか、私も見に来てくれるなんて……とっても嬉しかったです…」
P「…そっか、よかった。でもまだだぞ」
やよい「えっ?」
P「一緒に帰るまでが参観日ってな」
やよい「……!」
やよい「……えへへ。はい!」
やよい「でも、どうして分かったんです?ウチの学校も今日が参観日だってこと」
P「たまたまお前の中学校の配布物を見つけてな」
やよい「あれ?事務所のどこかで落としたんでしょうか…」
P「…まあ、そうなんだろう」
やよい「弟たちは何て言ってました?」
P「3人とも喜んでくれてたよ。…見に来てくれたことがなかったから嬉しかったってさ」
やよい「…………」
P「…………」
やよい「……」
P「……お前が仕事を入れたがってたのは、こういうことだったのかってのもよく分かった」
やよい「……ごめんなさい…」
P「謝ることなんかじゃない」
やよい「でも、お仕事に逃げようとしたんですよ?私」
P「それでもだよ」
P「わざわざ俺に頼んでまで、長介君たちを見に行ってやってくれって言ったのは…」
P「昔自分が感じたのと同じように、寂しい思いをさせたくなかったからだろ?」
やよい「………」
P「やよいはとっても優しい子だ」
P「でも、兄弟のためとはいえ自分が我慢する必要なんてないんだぞ?」
やよい「……はい」
P「今日だって、お前の授業を見に行く時間をきちんと取れたし…全てうまく行った」
P「忙しかったけど、楽しかったよ。俺は」
P「まあやよいの家は兄弟も多いし、色々大変なことが多いだろうし」
P「これからもお姉ちゃんとして頑張らないといけないのかもしれないけどさ」
やよい「………」
P「もっと頼っていいよ」
やよい「……はい」
P「最近じゃ高槻家の代理家族役も、型にはまってきた所だしな。ははは」
やよい「……そうですね。プロデューサー、家で何かすること増えましたね」
P「うん」
やよい「…だったら、たまにはプロデューサーのこと、家族として頼ってもいいですよね」
P「もちろん。いつでもどうぞ」
やよい「じゃあ、今度また授業参観が会ったときはまた見に来てくれますか?」
P「いいに決まってるよ。でも、お父さんが無理なときだけだぞ?そのときは全員分参観してやるからな」
やよい「えへへー。楽しみにしてます!」
P「俺も楽しみだよ。またニヤついたやよいの顔が見られると思ったらな」
やよい「……えっ?えっ!?み、見てたんですか!?」
P「ちょっとだけ、いや結構じっくり」
やよい「ちょ、ちょっと待ってください!忘れてくださいぃー!」
P「無理だねー。可愛かったよ」
やよい「もー、プロデューサー…!」
長介「…なんだあれ」
かすみ「すっごく仲よさそうだね」
長介「……朝はあんなに暗い顔してたのに、兄ちゃん一人来ただけであんなに楽しそうなんだな」
長介「はーあ。心配して損した」
かすみ「よかったじゃない。それにプロデューサーさんが一緒にいると、なんだか楽しいもんね」
長介「……まあね」
長介「……晩ごはん、食べていってもらう?」
かすみ「そうしよっか」
P「ほら!もう家についたぞ!やよい!」
やよい「長介ぇー、プロデューサーがひどいんだよー……」
長介「はいはい。さあ入った入った」
かすみ「プロデューサーさんもどうぞ」
P「いいのか?…ならお邪魔するよ」
やよい「晩ごはんの準備しますねー」
長介「兄ちゃん!俺どうだった!?頑張ってただろ?」
P「おう。ちょっと眠そうにしてたけどな」
やよい「………」トントン
かすみ「私も頑張ってたでしょ?」
P「ああ。頑張ってたよ」
やよい「………」トントントン
P「………」
やよい「………」トントントン
P「やよいも頑張ってたぞー!」
やよい「えっ!あ、ありがとうございます!」トントントン
P「偉かったぞー!」
やよい「あの、ありがとうございます!」トントントン
P「…さて」
P「…今日はもうしばらくここでゆっくりさせてもらうか」
P「…いい家族じゃない。高槻家」
終わり
お付き合いありがとう
すごくよかった
いい話だった
Entry ⇒ 2012.07.23 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「貴音は居るか?」貴音「はい、こちらに」
貴音「新しい……仕事、ですか?それはどのような内容なのですか?」
響「おお、おめでとう貴音!それってどんな仕事なんだ?」
P「ああ、芸能人おすすめの店の特集で今回はラーメンでな」
貴音「なんと!らぁめんですか!」
響「あはは、うちの事務所だと貴音向きだな、それは」
P「それでアンケート取って、選ばれれば本人がロケに行くらしい」
貴音「ほう……ということはらぁめんを食べれるかもしれないと」キリッ
響「そんなの自分にわかるわけないぞ。貴音とは付き合い長いけど……」
P「貴音のプロデューサーとしては把握しておきたいが……無理だろうな」
響「貴音は変わってるからなぁ……聞いたところで理解できないと思うぞ?」
貴音「どのお店が良いのでしょうか……おすすめということですから妥協は出来ませんし」ブツブツ
P「うちの事務所は個性的なのが揃ってるからなぁ。まぁ、アイドルだから個性があって構わないんだけど」
響「なぁ、プロデューサー。自分はどんな個性があるんだ?」ワクワク
響「た、確かに動物関係の仕事が多いけど……それだけじゃないだろ?ほ、他には?」
P「…………」
響「…………」
貴音「やはりここは……いえ、あそこも捨てがたいですし……」ブツブツ
P「…………えっと」
響「…………」ジワッ
貴音「まだ見ぬらぁめんもあるかもしれませんし……」ブツブツ
P「…………うむ」
P「じゃ、じゃあダンスが得意、とか?」
響「じゃあってなんだ!じゃあって!そもそも疑問系ってのもどういうことなんだ!」
貴音「やむを得ません……ここはひとつ……」
P「冗談だよ、冗談。ほら、泣いてないで機嫌直せ」ナデナデ
響「あう…………えへへ///」
貴音「あなた様、残念ながら今の私ではおすすめを決めることは出来ませんでした」
P「ん?まぁ、今月中に答えれば良いからそれまでに決めてくれ」ワシャワシャ
響「~~♪」
P「……これがラーメンのことでなければカッコいいんだけどな」ナデリナデリ
響「……………はふぅ」
貴音「いくつか絞ってみましたが、やはりここは食べ比べてみないと判断がつきません」
P「食べ比べ……だと?そこまでしなくても、その絞った店から適当に選べば良いだろ」
響「…………zzz」
貴音「適当に選ぶとは……それはらぁめんに対する侮辱ですよ、あなた様!」
P「えっ」
P「は、はぁ」
貴音「良いですか?他人に薦めるということは薦めた本人も評価されるのと同意なのですよ?」
P「まぁ、番組を見て食べに行った人ならそうだろうな」
貴音「お薦めするからには自信を持って薦められるらぁめんでないとっ!」
P「は、はいっ!?」
貴音「という訳で、あなた様。食べ比べに行きますよ」
P「えっ?今からなのか?えっえっ?というか俺も行くのか?まだ書類のまとめが……」
律子「はいはい、気をつけてね…………って貴音!?」
貴音「さぁ、行きますよ!あなた様!」
P「お、おい!引っ張るなよ貴音!わかったから……って力強いな!?」ズルズル
律子「プロデューサーも!?ちょっと待ちないさいよ!貴音!?…………ってもういないし」
響「ぷろでゅーさー……じぶん、ぷろでゅーさーのぺっとになるぞ……えへへ」
律子「なんなのよ……もう。響は涎たらして寝てるし……はぁ」
貴音「まずはこちらのお店からです」
P「ラーメン二十朗……やっぱりここか……」
貴音「たのもぉー!」
P「いや、普通に食券買おうよ……前にラーメン探訪で来ただろ?」
貴音「挨拶は大事ですよ?あなた様」
P「いや、そうかも知れないが、大きな声は周りに迷惑だろ?な?」
貴音「ふむ、一理ありますね。次からはそうすることにいたしましょう。では店主殿……」
P「ごくり……」
P「やっぱり増し増しなんだな……って二つ!?俺もなのか!?大豚ダブルの時点で不安なのに!?」
貴音「はて、あなた様は食べないのですか?」
P「キョトンとした顔するなよ……わかったよ……食べるよ……」
貴音「さて、ろっとを乱さなぬよう粛々といただきましょう」
P「胃薬用意しておけばよかったな……食べ切れるのか?俺は……」
貴音「それではいただきます」
貴音「美味しゅうございました」
P「……な、なんとか残さず食べれた……もう入らない……」
貴音「やはり一度食べたら病みつきになる……なんとも面妖ならぁめんでした」
P「いや、おいしいよ?おいしいけど……普通の量で食べたい……」
貴音「ふむ、このお店の確認はできました」
P「そうか、それじゃあ事務所に帰る――」
貴音「それではあなた様、次のお店に行きますよ」
P「な、なん……だと!?」
貴音「行きますよ、あなた様」
P「な、なぁーーーー!?」ズルズル
貴音「次のお店はこちらです」
P「ぎょ、餃子の玉将……本当にまだ食べるのか……?」
貴音「すみません、玉将らぁめんせっとを二つ――」
P「玉将ラーメンセットと餃子だけでいいですっ!!」
貴音「あなた様?餃子だけでよろしいのですか?」
P「さっきラーメン食べたばっかだからな、十分だよ!十分!」
貴音「…………私のらぁめんを分けることはできませんよ?」
P「うん、俺のことは気にせず食べな?お願いだから。そんな真面目な顔してないで」
貴音「そうですか?……では、らぁめんも来たことですし、いただきましょう」
P「い、いただき……ます」
貴音「美味しゅうございました」
P「餃子6個だけでもキツイ……もう無理だよぅ……」
貴音「やはり玉将も侮れませんね……らぁめんだけでなく餃子も美味でした」
P「ああ、お腹が空いていればもっとおいしかっただろうなぁ……」
貴音「玉将は他のめにゅーも豊富、鶏のから揚げも頼むべきでした」
P「うん、今回のテーマは店じゃなくてラーメンだからな?わかってるか?」
貴音「あなた様、それでは……」
P「おう、それじゃあ帰る――」
貴音「次のお店に向かいますよ」
P「ですよねー」
貴音「さぁ、次はこのお店です」
P「えっ!?」
貴音「どうかなさいましたか?あなた様」
P「えっ?ここ……なのか?」
貴音「ええ、そうですが……なにか問題でもありましたか?」
P「いや、問題というかなんというか……ラーメン屋をはしごしている時点で問題なんだが」
貴音「はて、ちゃんとしたお店ですよ?問題ありません」
P「うん……そりゃちゃんとした店なんだろうな。さっきと同じ玉将なんだから」
P「でも系列店なんだから同じだろ……」
貴音「あなた様……らぁめんは系列店でもお店によって僅かながら差が出る奥が深いものなのですよ?」
P「はぁ……」
貴音「あなた様も食べ比べてみればわかります。やむを得ません、先ほどの店に戻ってあなた様も食べ比べを――」
P「!?そ、そうだよな!店によってスープとか変わってくるよな!うん!」
貴音「ふふっ、さすがあなた様。私を試したのですね」
P(食べ比べなんて……できるわけがない。お腹いっぱいで細かい味がわからないから)
P「玉将ラーメンセットと焼きめしを」キリッ
貴音「あなた様、またらぁめんを食べないのですか?」
P「ああ、焼きめしで俺はいいよ」
???「はっ!ラーメン屋に来てラーメンを食べないとはな!」
貴音「なにやつ!?」
???「それとも765プロはラーメンを食べる金も無いのか?」
P「き、キミは……鬼ヶ島羅刹!?」
冬馬「羅刹って誰だよ!?天ヶ瀬冬馬だ!天ヶ瀬!」
P「お、おう」
???「奇遇だね、765プロの人」
P「伊集院くんに御手洗くん……まさかラーメン屋でジュピターと会うとはな……」
冬馬「おい、なんで俺だけ名前を覚えてないんだよ……」
P「えっ?」
冬馬「えっ?ってどういう意味だっ!?」
翔太「まぁまぁ、冬馬くん。プロデューサーさんはからかってるだけだよ」
冬馬「なにっ!?あんた、そうなのかよ!?」
北斗「ええ、冬馬の買い物に付き合いましてね、遅めの昼食ですよ」
冬馬「おい!無視すんなよ!?」
翔太「もちろん冬馬くんの奢りでねー」
冬馬「はぁ!?いつ俺の奢りになったんだよ!?」
P「ほう、天ヶ瀬くんの買い物……フィギュアか?それも美少女系の」
北斗「そこは冬馬のプライバシーなので……すみません」
冬馬「おい!そこは否定しないと認めちまってるようなもんだろが!」
貴音「見事な突っ込み……春香に突っ込みの好敵手がいると教えて差し上げねば」
冬馬「なんで突っ込みしただけで天海のライバルになるんだよ!?」
P「そうだよ?天ヶ瀬くん。あまり大きな声を出すもんじゃないよ」
北斗「すみません、お店の人たち。うちの連れが迷惑かけて」
翔太「ごめんねー。ちゃんと注意しておくから」
冬馬「間違っちゃいねぇけど!間違っちゃいねぇけど納得いかねぇ!!」バンバン
貴音「ふむ……やはりこちらのお店の方が若干すぅぷが濃いですね」
冬馬「…………もういい」
翔太「どんまい!冬馬くん」
冬馬「…………おう」
北斗「ラーメンはお嫌いなんですか?」
翔太「やっぱり玉将なら餃子定食に餃子追加だよね」
P「いや、一軒目でお腹いっぱいになってな……」
冬馬「一軒目?なんだ、ここの前にどっかで食べてきたのか?」
P「二十朗……大豚ダブル、麺カタ辛め野菜ダブルにんにく脂、増し増しを」
北斗「これまた……それでよく玉将に来ようと思いましたね」
翔太「僕も二十朗に行ったらそこでお腹いっぱいになるよ」
P「おっ、見てくれたのか?生っすか」
冬馬「ちっ、違えよ!?たまたまやってたのを見ただけだ!勘違いすんな!///」
P「お、おう。で、二十朗のあとに、ここと違う玉将でも……」
冬馬「はぁ!?なんだそりゃ?」
P「かくかくしかじか」
北斗「なるほど……番組の企画のためですか」
翔太「へぇー、でも貴音さんは全部食べてるんだよね?」
P「まぁ、食べ比べに来てるんだから食べないとな」
冬馬「どんだけ食うんだよ、こいつは」
貴音「……もぐもぐ。はい、話が終わるのを待っていたのですが……ただ待つよりはそのほうがよろしいかと」
冬馬「ぱねぇ……食べるペースも変わらねぇし。本当に4杯目なのかよ」
北斗「美味しそうに食べる女性は素敵ですよ、貴音ちゃん」
翔太「ホント凄いよね。量も凄いけど綺麗に食べるし」
P「さて、俺たちも食べるか……」
冬馬「だな……」
翔太「いただきまーす」
P「満足したか?貴音」
貴音「はい、私が知る限り、この3店舗から選べば自信を思って薦められます」
P「そうかー、それは良かったー」
冬馬「おう、良かったじゃねぇか。開放されたみたいで」
北斗「お昼奢っていただいてありがとうございます」
翔太「ご馳走様ー。誰かさんと違って甲斐性あるよね、プロデューサーさんは」
冬馬「おい、翔太。誰かさんって誰のことだよ」
翔太「冬馬くん、ちゃんとお礼言わないとダメだよ?」
冬馬「ちっ、後で覚えて置けよ、翔太。……奢ってくれてありがとな」
貴音「あなた様、ジュピターの方々と仲がよろしいのですね」
P「そうか?まぁ、ジュピターの連中も話してみれば良い奴等だしな」
貴音「認められておられるのですね、ジュピターの方々を」
P「うちとはいろいろあったけど、アイドルとしての実力は本物だからな」
冬馬「ふ、ふん……当たり前だ。765プロに負けてられねぇからな///」
翔太「また冬馬くんは、ホントにわかりやすよね」
冬馬「うるせぇ!そろそろ帰るぞ!」
北斗「それじゃあまた何処かで……チャオ☆」
翔太「まったねー!」
P「あいつ等らしいけどな。……うっぷ、やっぱりキツイな」
貴音「大丈夫ですか!?あなた様」
P「ああ、大丈夫大丈夫。ちょっと胃薬を買ってくるから貴音はここで待ってってくれ」
貴音「私が買ってきましょうか?」
P「いや、少し歩いた方が楽になるから……これで自販機のお茶でも飲んでてくれ」
貴音「ありがとうございます、あなた様。それでは私はこちらでお待ちしております」
P「それじゃあ待っててくれ」
貴音「ふぅ……食後のお茶は安らぎますね」
貴音「ふふっ、プロデューサーと食事……やはり心が躍るものですね」
貴音「プロデューサーも気分転換をできていればいいのですが……」
貴音「そろそろ暗くなる頃ですね……プロデューサーはまだでしょうか」
???「杏、だいぶ疲れてるみたいだね」
???「凛、私は外に出るだけで疲れるんだよ。それなのにダンスのレッスンなんて……」
凛「ふふっ、杏は相変わらずだね。でも練習しないとデビューできないよ?」
杏「私はデビューできなくても別に構わないよ?」
凛「……本当に?」
凛「でもデビューしないと印税入らないよ?それでもいいの?」
杏「い、印税?そうか……デビューしないと夢の印税生活できないのか……」
凛「そうだよ、そのために頑張らないと」
杏「でもなぁ……杏、寝て起きて寝る、が生き様だからなぁ」
凛「とりあえず今日はこれでおしまいだし、飴あげるから帰ろう?」
杏「あ、飴!?しょ、しょうがないなぁ……お腹空いたし帰ろうかな」
貴音「らぁめん!?」
杏「!?びっくりした……なんなんだ、急に」
凛「えっ!?もしかして765プロの四条さん!?」
杏「知っているのか、凛!?このやたら目をキラキラさせてる人……」
凛「765プロのアイドルだよ。こんなところで会えるなんて……」
杏「アイドル?じゃあサイン貰ってそれを売ればしばらくは寝て過ごせる?」
凛「杏……それでどうかしましたか?四条さん」
凛「え?ええ、知り合いの店なんですけど……」
貴音「是非、お教え頂けませんでしょうか?」
凛「はぁ……構いませんが……」
杏「なんなの、この人……」
貴音「感謝いたします。このご恩は忘れません」
凛「変わってるんだね、四条さんって」
貴音「そうですか?自分ではよくわからないのですが」
杏「十分変わってるよ……」
P「いやぁ、貴音を待たせてることを忘れて思わずスカウトしてしまった。もう新人アイドルだったけど」
P「赤城みりあちゃん……11歳か……こいつぁ、来るでぇ……」
P「悪い、待たせたな貴音」
貴音「いえ、構いません。あなた様をお待ちしている間、良き出会いがありましたゆえ」
P「出会い?……お、男じゃないだろうな?」
貴音「ふふっ、殿方だとしたら……あなた様はどうなさいますか?」
P「!?……べ、別にど、ど、ど、どうもしないぞ?で、ど、ど、ど、どんな男なんだ?」
貴音「ふふっ……ふふふふっ」
P「た、貴音?な、なんで笑ってるんだ?」
P「……ほっ。そうか、それで何か話をしてたのか?」
貴音「はい、おいしいらぁめん屋を教えていただきました」
P「えっ?…………なんか嫌な予感がするんだが」
貴音「こちらの紙に場所を書いていただきました。それでは行きましょう、あなた様」
P「ちょ、ちょっと待て貴音!その紙を見せてみろっ!調べるから!」
貴音「どうぞ、こちらです」
P「えーと、……うわぁ、遠い……食べて往復すると……かなり時間掛かるな……」
貴音「ならば速やかに向かうまでです。行きますよ?」
貴音「あなた様はいけずです。新しいらぁめんとの出会い……らぁめん……ああ……」チラ
P「…………」
貴音「残念です……らぁめん…………」チラッ
P「……わかった……最後まで付き合うよ」
貴音「!?まことですか!ありがとうございます、あなた様!感謝いたします!」
P「できれば他のことで感謝されたかったな……」
貴音「あなた様!それでは新たならぁめんを求めて向かいますよ!」
P「そんなこんなで食べることは出来たが……」
貴音「とても美味しゅうございました。私が薦めるお店はこちらになりそうです」
P「そうか……それは良かったな、うん」
貴音「人と同じでやはりらぁめんも一期一会。出会いは大切にせねばなりませんね」
P「それで貴音。誰かのせいでこんな時間になっているんだが?」
貴音「はて、誰かのせい、ですか?どなたのせいなのでしょうか?」
P「時間がないのに誰かさんが2杯もおかわりしたせいだろうなぁ、どう思う?貴音」ギュー
貴音「いふぁいです、あなふぁさふぁ。なふぃをなふぁるのふぇすか?(痛いです、あなた様。何をなさるのですか?)」
貴音「あなた様、そのような些細なことは忘れて夜空を見上げることにいたしましょう」
P「反省してない……はぁ、とりあえず最悪タクシーでも使うか?」
貴音「あなた様、あなた様!こちらの数量限定のお饅頭とやらを食してみたいです!」
P「いや、店もう閉まってるし……ってここ有名な和菓子屋だな」
貴音「ご存知なのですか?有名なのですね……ほう……それはそれは」
P「閉まっているんだから明日の朝にならないと買えないだろ、諦めろ貴音」
貴音「ではこの近くで夜を明かし、買って帰りましょう」ドヤァ
P「アイドルをこんなところで徹夜させれるわけがないだろ……」
貴音「あなた様……」ウルッ
貴音「あなた様ぁ……」ムニュ
P「はうっ!(胸がっ!し、しかしプロデューサーとしてここは心を鬼に……)」
貴音「あなた様ぁ……ダメ……ですか?」ウルウル
P「あ、あぁ……ああぁ……あうあうあ……べ、別に今日じゃなくてもいいだろ?」
貴音「はしたないとは思いますが……どうしても我慢できないのです……どうかお慈悲を///」ウルウル
P(台詞や表情だけならエロいんだが……)
貴音「あなた様ぁ……どうしてもダメですかぁ……」ウルウル
P「……………………」
P「はぁ……ビジネスホテルが近くにあって助かった……ラブホテルしかなかったらやばかった」
P「でも部屋はツインだけど同じ部屋だし……事務所のみんなにバレたらと思うと……」ブルブル
P「はっ!?よく考えたら貴音だけ帰して俺が残れば良かったんじゃね?」
P「寝る時間を考えると今更だよなぁ……失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した」
貴音「あなた様?なにやら落ち込んでいらっしゃるようですが大丈夫ですか?」
P「ん?ああ、ちょっと反省をな――!?」
貴音「?どうかなさいましたか?あなた様」
P「ゆ、浴衣姿……だと!?」
P「いや、それはいいんだけどな……湯上りでこれまた色っぽい……」
貴音「あなた様?」
P「はっ!?い、いやなんでもない!それじゃあ俺もシャワー浴びてくる!」
貴音「はい、お待ちしております」
P「いや、もう寝るだけだから先に寝てくれ。明日も早いしな」
貴音「いえ、あなた様より先に寝るなどと、そのようなことはできません」
P「はぁ……まぁすぐに出てくるから」
P「よし、それじゃあ寝るか」
貴音「はい、明日の朝が楽しみです。お饅頭……ふふっ」
P「どんだけ楽しみなんだよ……じゃあ、電気消すぞ?」
貴音「はい、おやすみなさいませ、あなた様」
P「おう、おやすみ、貴音」
P(はぁ……今日食べたのはラーメンに餃子、焼き飯と最後の店で唐揚げか……)
P(もっとあっさりとしたのを食べれば良かったか?お腹がパンパンだ……)
P(しかし貴音はラーメンを7杯……おかしいだろ……どこに入っているんだ?)
P(明日は律子に言い訳しなきゃいけないし……はぁ、寝よ寝よ)
貴音「あなた様、あなた様。起きていますか?」
P「……ん?どうした貴音?」
貴音「……あの…………そのですね……」
P「どうしたんだ、貴音。まさか饅頭が楽しみすぎて寝れないとか?」
貴音「……………………///」
P「貴音?……急にシーツ被ってどうした?……もしかして図星?」
貴音「…………そ、その、私は……///」
P「ぷっ……あはははは!貴音って実は子供っぽいんだな」
P「あはははは!それも理由が饅頭って……あはははは!」
貴音「…………むぅ」
P「どんだけ楽しみにしているんだよ……あはははは!」
貴音「………………」
P「あははははは…………って貴音?」
貴音「………………あなた様なんて知りません」
P「た、貴音?」
P「た、貴音?その……なんだ。笑って悪かった……機嫌直せ?な?」
貴音「………………他に言うことはないのですか?」
P「ほ、他に?えっと謝る以外のことか?……お詫びに明日は煎餅を追加します」
貴音「まったく……しょうがないですね、あなた様は。ふふっ」
P「うわぁ……当たりか……何故だか嬉しくないが。……それで何か用だったか?」
貴音「はい、先ほど言われたように寝つけないのです。良ければお話でもしませんか?」
P「話?まぁ、寝るまでなら構わないが……」
貴音「そうですか、では……」
P「貴音?話すのは構わないがせめて横になって……ってなんで俺のベットに入るんだ!?」
P「いや、さすがに一緒に寝るのはまずい……」
貴音「あなた様、もう少し詰めてもらえますか?少し手狭です」
P「いや、だから少しは話を……はぁ……もういい」
貴音「溜息などついてどうかなさいましたか?」
P「うん、気にしないでくれ……それでどんな話を――」
貴音「あなた様?」
P(お、落ち着け俺。落ち着いて気づいたことを確認するんだ……)
P(次に貴音と同じベットにいる。これも良い……わけじゃないがなんくるないさ)
P(よし、ここまでは普通に気づくことだから確認するまでもない)
P(で、次に気づいたことは……貴音から良い匂いがする。風呂上りだし、貴音だしな)
P(気づいたら意識するだろ……たまらんなぁ……すーはぁー)
P(よし!次は……今の貴音の姿だ。浴衣……横になったせいでこぼれる胸元……)
P(これをまとめると……貴音と同じベットで距離が近いから良い匂いとおっぱいが――)
P「お、おう。聞いてるぞ?だが揺するとおっぱいも揺れて……い、いやなんでもない!」
貴音「先ほどから様子がおかしいですよ?もしやご病気か何かですか?」
P「大丈夫だ!ただ俺が男だってだけだから!気にするな!」
貴音「はて、あなた様が殿方なのは承知しておりますが……」
P「うん、それじゃあ寝よう!気にせず寝よう!」
貴音「はぁ……。あなた様も疲れているようなのでお話は止めておきましょう」
P「うん、多分疲れてるんだな、すまない貴音」
P「なんだ、気を使ってくれたのか?……なら食べること以外のほうが良かったなぁ……なんて」
貴音「すみません……おいしいものを食べれば幸せになれるのだとばかり……ご迷惑でしたか……」
P「そんなことないぞ?貴音の気持ちはうれしいからな」
貴音「本当、ですか?」
P「本当、本当。そろそろ寝よう、貴音」
貴音「……わかりました。それで一つお願いがあるのですが……」
P「ん?お願い?」
貴音「はい、出来れば寝るまで手を繋いでいただきたいのですが」
貴音「ふふっ、ありがとうございます。これでいい夢が見れそうです」
P「手を繋ぐだけで見れるのか?お手軽だなぁ」
貴音「あなた様と繋ぐことに意味があるのですよ、ふふっ」
P「ん?それはどういう意味なんだ?」
貴音「意味を問うのは無粋、というものですよ、あなた様」
P「ん?そうか?よくわからんが……それじゃあ改めて、おやすみ貴音」
貴音「ふふっ、おやすみなさいませ、あなた様」
P(貴音も寝たみたいだし……さて、俺も寝るかな……ってちょっと待て)
P(なんでそのまま一緒のベットで寝ようとしてんだ?)
P(よし、貴音も寝たことだし隣のベットに……ん?手が外れない……だと?)
P(寝ているのを起こすのもなぁ……こんな近くで寝れるかなぁ……)
貴音「…………ふふっ」
P「ん?」
P「さて、事務所に着いたけど……小鳥さんには連絡したが律子がなぁ……」
貴音「ふふっ、お饅頭とお煎餅……楽しみです。あなた様、早く中に入りましょう」
P「お、おう。……よ、よし……覚悟を決め――」ゾクッ
貴音「あなた様?顔が青いですよ?」
P(何故か頭の中で警鐘が鳴り響く……ニゲロニゲロと……)
貴音「あなた様?汗が凄いですよ?」
P(いや、何故かなんて本当はわかってる……中で律子が待ってらっしゃる)
貴音「あなた様?身体が震えてますよ?」
P「覚悟を決めるんだ……よ、よし!行くぞ!!」(震え声)
律子「おはようございます、プロデューサー殿?」ニコリ
P(あっ……ドアの近くで待ってたみたいだ……予想と違ったなぁ……あはは)
律子「ちょっとお話があるのでいいですか?もちろん昨日のことで」
P「は、はい……それじゃあ貴音は……っていない、だと!?」
律子「なにをしているんです、プロデューサー!早く来てください!」
P「はっ、はいぃ~!!ただいま~!」
貴音「ふぅ……すみません、プロデューサー。今の律子は怖いのです」コソッ
真美「ホントだ~、昨日と同じだねぇ、どったの?」
貴音「昨日は家に戻らなかったゆえ着替えられなかったのです」
亜美「ふ~ん、なんで帰らなかったの?お姫ちん」
貴音「和菓子屋にて数量限定のお饅頭とお煎餅を買うためお店の近くで泊まったのです」
真美「へぇ~、さすがお姫ちんだね」
貴音「ふふっ、皆の分もプロデューサーに買っていただきました」
亜美「おおっ!お姫ちんナイス!」
真美「ほほぅ、兄ちゃんに買ってもらったんだ……ん?なんで兄ちゃんに?」
雪歩「お茶ですか?わかりました四条さん。ちょっと待っててくださいね」
亜美「ゆきぴょんのお茶も付いて来るのか!やったね、真美!」
真美「う、うん。そだね」
亜美「ん?どったの、真美?」
真美「うん亜美、ちょっと気になったことがあって。ねぇねぇ、お姫ちん」
貴音「なんです?真美」
真美「兄ちゃんに買ってもらったってお店で会ったの?」
貴音「いえ、昨日からずっと一緒でしたよ?」
貴音「ええ、同じ部屋で寝ましたが……それがどうしたのです?」
真美「同じ部屋……兄ちゃんとお姫ちんが……朝まで一緒……///」
亜美「兄ちゃんと同じだったんだ。ってあれ?真美、なんで赤くなってるの?」
真美「だって若い男女2人が朝まで一緒なんだよ?亜美///」
亜美「え?同じベットで寝てるんじゃないから別にいいっしょ~?」
真美「そ、そだね。いくら兄ちゃんでも同じベットで――」
貴音「いえ、寝るときは同じでしたよ?」
亜美・真美「「」」
亜美「ま、真美!?これは一大事だよ!兄ちゃんとお姫ちんが大人の階段を昇っちゃったよ!?」
真美「あ、亜美!?これは兄ちゃんにも事情を聞かないとダメだよね!?」
亜美「よし!兄ちゃんに聞きに行こう!真美!」
真美「うん!兄ちゃんに聞きに行こう!亜美!」
亜美・真美「「兄ちゃ~ん!!」」ダッ
貴音「…………はて?」
雪歩「四条さん、お茶が入りましたよ。……あれ?亜美ちゃんたちの分も入れたのにどこいっちゃったんだろ?」
貴音「ありがとうございます、雪歩。亜美たちは――」
P「はい……すみません……」
律子「いいですか?次からは――」
亜美・真美「「兄ちゃ~ん!!」」ドカッ
P「ぐはっ!!」
律子「ちょっと2人とも!危ないから飛びつかないようにいつも言ってるで――」
亜美「兄ちゃん兄ちゃん!お姫ちんと大人の階段昇ったのってホント!?」
P「は?何のことだ?」
真美「だってお姫ちんと寝たんでしょ!?お姫ちんから聞いたよ!?」
律子「――プロデューサー殿?どういうことですか?」ニコリ
亜美「亜美たちとデートの約束はどうなるのっ!?」
P「お前たちの親が忙しいから俺が付き添いで遊園地へ遊びに行くだけだろ!?」
真美「お姫ちんとは本当なんだね!?真美たちを捨てるのっ!?」
P「捨てるって何のことだ!?」
亜美「じゃあ亜美たちも大人の階段昇りたい!」
P「出来るわけないだろ!?」
真美「お姫ちんだけずるい~!真美たちも~!」
亜美・真美「「兄ちゃ~ん!!」」
亜美・真美「「……もぐもぐもぐ」」
P「ふぅ……とりあえずこの場は何とかなったか」
律子「そうですね、プロデューサー殿?次は私に説明してもらってもいいですか?」ニコリ
P「あ……り、律子さん……」
律子「いきなりさん付けしてどうしたんです?亜美たちのことも含めて説明お願いしますね?」ニコリ
P「いや、それはだな――」
雪歩「プロデューサー!四条さんと付き合うんですか!?」
P「ゆ、雪歩!?貴音から聞いたのか!?」
P「買い物って話だったろ!?父親へのプレゼントを選ぶのに男の意見が聞きたいからって!?」
雪歩「うぅ……穴掘って埋まってますぅ!」
P「雪歩ー!落ち着け!穴掘るな!ほら、饅頭だ!真美たちと一緒に食べてろ!」
雪歩「ぐすっ……あむあむあむ」
P「ふぃ~、さてと……」チラッ
律子「………………」
P(む、無言だよ……怖えぇ……でもちゃんと説明すれば……)
P「だよね?」
伊織「ちょっとアンタ!説明しなさいよね!」
P「読めてた」
やよい「プロデューサー、一緒に寝るのってダメなんですか?私、弟たちと……」
P「やよいはかわいいなぁ」
美希「ハニー!貴音だけなんてずるいの!ミキと一緒にお昼寝するの!」
P「HAHAHA!」
律子「………………」ジロッ
P「ん~……、それじゃあいっちょ土下座でもかましますか!」
貴音「大丈夫ですか、あなた様?」
P「へへっ……何度も乗り越えてきた道だ……これくらいなんともないねっ」ボロッ
貴音「…………本当ですか?」
P「……ちょっと疲れた。というかここまで話が大きくなった原因は貴音だろ……」
貴音「これは昨日、あなた様が私のことを笑った罰です」
P「煎餅で許してくれたんじゃないのか!?」
貴音「しょうがない、とは言いましたが許すとは言っておりません」
P「詐欺だっ!?」
貴音「失礼な。それに真美たちにも嘘は言っておりません」
貴音「そのようなことより雪歩にお茶を入れてもらいました。ご一緒に如何ですか?」
P「そのようなことって……ま、この扱いもいつものことかぁ」
貴音「あなた様?何故遠くを見つめているのです?」
P「別に……おっ、この饅頭結構うまいな。お茶もおいしい」
貴音「ふふっ、雪歩が入れてくれたお茶なのですから当たり前です」
P「だな。……さて、そろそろ仕事をしないと律子に怒られるな」
貴音「………………あの、あなた様?」
貴音「仕事に戻られる前に一つよろしいですか?」
P「なんだ、別に一つじゃなくても構わないぞ?俺は貴音のプロデューサーなんだからな」
貴音「では。今回はあなた様の気分転換のつもりが私一人楽しんでしまっただけでした」
P「そんなことないけどな。俺も楽しかったよ」
貴音「ふふっ、やはりあなた様は優しいお方です。ですが反省すべき点は反省しなくては」
P「んー、まぁ反省すべき点があればそうだな」
貴音「次の機会があれば、あなた様の為に尽くしたいと思います」
貴音「そうですね……私の手料理を振舞う、などいかがでしょうか?」
P「あっ、手料理か……それなら裸エプ……いやいや!どんな料理を食べさせてくれるんだ!?」
貴音「?そうですね……びーふすとろがのふ、とやらに挑戦してみましょう」
P「びーふ?……ああ、ビーフストロガノフか。なんでそれを選んだんだ?」
貴音「はい、この前やよいと料理の話をしていたのですが、なんでも牛を使った料理だとか」
P「やよいが?牛肉の料理を……」
貴音「私も詳しくはわからないのですが……牛、牛を使う、と」
貴音「簡単なことです。あなた様をお慕い申し上げている、それだけなのですから」
P「へ?」
貴音「あなた様さえ良ければ、私はいつでも……」
P「た、貴音?それって……」
貴音「…………ふふっ、なんでもないですよーだっ!」
P「貴音!?なんて言おうとしたんだ!?よーだって貴音が言ったのか!?」
貴音「ふふっ、ふふふふっ!秘密です、あなた様」
貴音「では、あなた様。頑張れるおまじないをしてさし上げます」
P「おまじない?おお、貴音のおまじないなら効き目ありそうだな。それじゃあいっちょ頼む」
貴音「では、目を閉じてこちらを向いてください」
P「こうか?」
貴音「そのまま動かずに………………ちゅっ」
P「!?い、今ほっぺにしたのって!?」
貴音「ふふっ、ではお仕事を頑張ってください。あなた様」
P「……今のって……それに貴音がさっき言いかけたことってそういうことだよな……まいったなぁ、こりゃ」ニヘラ
律子「嬉しそうですね、プロデューサー殿?」
P「…………そういえば見てたんだよなー、見られてたんだよなー」
律子「わかってますよね?プロデューサー殿?」
P「へへ……俺の膝が土下座(ゲザ)れってうずいてやがる……」
律子「それじゃあ今度は社長も交えてお話しましょうか?」
P「俺が土下座するのって仕事以外のことなんだよな……理不尽な。いや、ここは面妖な、とでも言っておこうか」キリッ
響「貴音ぇ、なんでプロデューサーに……その、き、き、キスなんてしたんだ?///」
貴音「響、この程度で動揺していてはプロデューサーを振り向かせることはできませんよ」
響「うえっ!?じ、自分、べ、別にぷ、プロデューサーのことなんて……///」
美希「貴音の言うとおりだよ?響。待っていてもハニーは手に入らないの」
貴音「ふふっ、さすが美希。私も負けていられません」
美希「ハニーはミキのハニーなの!誰にもハニーをあげないの!」
貴音「ふふっ、ふふふふっ!」
美希「あはっ☆」
美希「それじゃあ仕事に行こっ?頑張ってハニーに褒めてもらうんだっ!」
響「3人一緒なのは久しぶりだな。自分も準備してくるぞ」
美希「貴音は事務所に着替えを置いてあるなら着替えたら?」
貴音「そうですね。では、そうすることにいたします」
響「準備が終わったら貴音が来るまでお饅頭食べてよーっと」
美希「あーっ!響ずるいの!ミキの分も残しておくの!」
貴音「……さて、着替えることにいたしましょう」
P「ん?3人とも今から現場に行くのか?」
響「そうだぞ。今日は3人一緒だからな」
美希「ハニー!ミキ、頑張ってくるから今度デートするの!」
P「いや、デートは……響も物欲しそうな顔をするな……」
響「貴音とは昨日したのに……」ボソッ
美希「亜美たちとは約束してるのにずるいの……」ボソッ
P「わ、わかった……2人とも、買い物くらいなら付き合うよ」
響・美希「「やったね!ハイ、タ~ッチ!いぇい!!」」パンッ
響「おっ、貴音も来たな。それじゃあ行くぞ!」
美希「それじゃあ行ってくるね、ハニー!」
P「おう、行って来い!」
貴音「……………………」
P「貴音?どうした行かないのか?」
貴音「あの……私も仕事が頑張れるよう、あなた様からおまじないをしていただけませんか?」
P「おまじない?……ってまさかさっきの!?」
P「で、で、で、出来るわけがないだろ……って目を瞑るなっ!?」
貴音「まだですか?響たちを待たせてしまいますよ」
P「だから出来ないって!?……あとで俺が怒られるんだから……」
貴音「ふぅ……しょうがないですね。今回は諦めましょう……」
P「ほっ……土下座しなくても済みそうだ……」
貴音「ですが、いずれあなた様からしていただけるようお待ちしております」
P「…………諦めないんだ」
P「そう……なのか?」
貴音「ええ、ですから私の初恋、何もしないで諦めるつもりはありませんよ?あなた様」
P「お、おう」
響「貴音ぇー?どうしたー?仕事行くぞー?」
貴音「……では、仕事に行ってまいります。あなた様…………ちゅっ」
P「!?」
貴音「ふふっ、ふふふふっ」
P「ふぅ……何か貴音に押されっぱなしだったな……」
小鳥「まったく……プロデューサーさんって罪な人ですね」
P「小鳥さん……見てたんですか?」
小鳥「はい、律子さんと。ああ、そうだプロデューサーさん、その律子さんが呼んでましたよ?今の件で」
P「……うん、すぐ行くすぐ行く。まぁ2、30分土下座(ゲザ)れば余裕でしょ」
小鳥「プロデューサーさんって……案外恋愛はヘタレなんですね」
P「…………小鳥さんだけには言われたくないです」
小鳥「ピヨー!?」
美希「何か嬉しそうだね、貴音。何か良いことあった?」
貴音「ええ、私の気持ちをはっきりさせたので」
美希「ふーん、貴音の気持ちって?」
貴音「それは教えることはできません。秘密です」
響「あー、ずるいぞ、貴音。教えてよー」
貴音「ふふっ、ふふふふっ」
美希・響「「貴音ー?」」
貴音「秘密、です」
おわり
旅では無いしあまり絡めてないけど……すまない
一ヶ月半の規制がやっと解除されて投下出来たけどさるってしまった
Entry ⇒ 2012.07.23 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
神崎蘭子「選ばれし者へと覚醒せし年頃の者の集い」
輿水幸子(14) ボクが一番カワイイですよね(ドヤッ
南条光(14) アタシがヒーローだ!
幸子「……はい?」
南条「……どうしたんだ、蘭子?」
蘭子「あっ……わ、我らの同胞たちの集いにより、真実の力を覚醒せんと……」
幸子「いやいや、普通に話してくださいよ。できるでしょう?」
南条「……なるほどな、わかったぜ蘭子!」
幸子「えっ?」
南条「みんなで特訓しようってことだな! 燃えるなー!」
幸子「そうなんですか? まぁボクには関係ないんで他でやってほしいんですけれど」
蘭子「あっ、違う……」
蘭子「フフフ……甘いわ。英雄よ!」
南条「誰にだって間違いはある、そうだろう?」
幸子「……あなたたちって微妙に会話が噛みあってませんよね」
南条「そうかな? アタシは結構通じあえてるつもりなんだけどなぁ……」
蘭子「わ、私もお互いに繋がりし者を感じる……友と呼べるほどに」
幸子「そうですか、じゃあ二人でやっててくださいよ……」
南条「つれないなぁ、幸子! アタシは幸子も友達だと思ってるんだぞ?」
幸子「ボクは思ってません」
蘭子「わ、私も幸子と……」
幸子「じゃあ普通にしゃべってくださいってば……はぁ。まったくもう」
蘭子「……我らと同じ年頃の者たちを集い、奮起し、真なる力を目覚めさせるミサをしないかしら?」
南条「つまり特訓だな! よっし燃えてきたー!」
蘭子「だ、だから違う……」
幸子「……やれやれ。脳みそまでヒーローにやられてるんじゃないですか?」
南条「なにぃ?」
幸子「ようするに同じ年頃のアイドルを集めて話し合いでもしないか、って言いたいんでしょう?」
蘭子「ふ、フフフ。流石は我が友よ……我が心の内をそこまで酌もうとは……」
幸子「付き合いも長いですから。ちょっと慣れてきちゃったんですよ」
蘭子「……あ……ありが……とう」
幸子「……別に。感謝してるならもう少しまともに話をしてくださいね」
幸子「あぁもう暑苦しい! ベタベタしないでください!」
南条「どうした、照れてるのか? 大丈夫だぞ」
幸子「照れてるんじゃありません! 暑いっていってるんです!」
南条「暑いからどうした? 汗臭いのが気になるのか?」
幸子「いや、そこじゃなくて……」
南条「いいか、友情っていう字は友の心が青臭いと書いてだな……」
幸子「あなたは本当に人の話を聞く気がないんですね、もう!」
南条「いやいや、聞いてるぞ?」
幸子「じゃあ会話のキャッチボールをしてください!」
南条「してるじゃないか」
幸子「どこがですが、ど・こ・が! 優しいボクじゃなかったらとっくに会話を放棄してますよ?」
南条「つまり幸子は会話を続けてくれるってことだろう? やっぱりアタシ達は友達だよ」
幸子「あぁ言えばこういう……本当にもう……」
幸子「よくないですってば……はぁ、まったく」
蘭子「我らと同じ年頃の者たちへのミサへの誘いは既に送られている……」
南条「へぇ、もう誘ったのか?」
蘭子「そう……真実の瞳に目覚めし年頃の者たちの集いよ……」
幸子「……ボクがその中に混ぜられているのがどうも納得いかないんですけれど?」
南条「まぁまぁ、乗りかかった船だろ?」
幸子「乗ろうとしたつもりすらないんですけれどね……まったく」
蘭子「……幸子は……共に、歩んではくれない、の?」
幸子「……日付にもよりますけど。ヒマだったら考えてあげなくもありませんよ」
蘭子「ほんと……ま、真であろうな? 我が『瞳』の前での偽りは地獄の業火に……」
幸子「あー怖い怖い。で、いつなんですか?」
蘭子「……今宵よ」
幸子「はい?」
蘭子「……きょ、今日。なの」
(蘭子がなに言ってるかわかりづらい気がするけど副音声入れる?)
今のところ問題ないよ
蘭子「う、うん」
幸子「なに考えてるんですかあなた……まったく……」
南条「まぁまぁ、幸子。運命は常に自分の手にだな……」
幸子「光はちょっと黙っててください。話が進まなくなりますから」
南条「いや、でも……」
幸子「いいから」
南条「……うん」
蘭子「あ、あの……幸子……」
幸子「まったく、本当にあなたたちは計画性ってものが無さ過ぎます。そんな唐突に誘っても誰も来るはずが……」
??「ここがアタシを呼びだした奴の事務所かぁ?」
幸子「はっ?」
南条「何者だ!」
麗奈「何者だ? とはズイブンじゃないか……このレイナ様を知らないとは言わせないよ!」
幸子「うわぁ、なんかめんどくさそうなのがきちゃった……」
麗奈「めんどくさそうって……ナマイキなこといってくれるじゃんか」
幸子「いやいや、だいたいあなた誰ですか?」
麗奈「だから名乗ったでしょ? レイナ様だよ」
幸子「……いやいやいや。蘭子?」
蘭子「……『瞳』に目覚めていそうな者を選りすぐって誘いをかけた。我が誘いの元集いし者たちで……」
南条「つまり個性的なメンバーばかりってことだなー! よっしゃあ、アタシはその全員と友達になってやる!」
南条「ってわけでまずはお前からだ!」ビシッ
麗奈「なんだお前……ちっちぇぇぇ」
南条「なっ……小さくない! 140はある!」
幸子「ちょっと、乗りこんできていきなりその言い方は……」
麗奈「お前もちっちっちゃいなぁ!」
幸子「……ひょっとしてケンカ売ってるんですか? やれやれ、ボクがカワイイからって嫉妬ですか?」
麗奈「あぁ? ナルシストかよ……ナンバー1はアタシだよ! ザコはザコらしくしてなさいっての」
ジャギ 179cm
仁星のシュウ 180cm
将星のサウザー 181cm
殉星のシン 183cm
妖星のユダ 183cm
義星のレイ 185cm
諸星のきらり 185cm
ケンシロウ 185cm
トキ 188cm
ラオウ 210cm
にょわーしょーっ☆(威圧)
麗奈「いいや、アタシのほうがトップにふさわしいね! なんてったって……」
南条「ちょ、ちょっと待て二人とも。ケンカは……ん? でも友情は『友の心が青臭い』からぶつけあって……」
蘭子「あ、あの……」
幸子「蘭子は少し黙っててください。ボクはこの身の程知らずに世界を教えてあげないといけないみたいなので」
麗奈「はん、こっちのセリフよ! なんだったらこれから……」
蘭子「……すぅ……はぁ……」
蘭子「愚かな争いはやめなさい、愚民よ!」ギロッ
麗奈「ひっ!?」
幸子「えっ?」
蘭子「……我らが真なる力を開放し、争えば世の理が乱れるでしょう……無益な争いはやめなさい」
麗奈「……な、なによ……ちょっとからかっただけでしょ……」
幸子「ら、蘭子……?」
幸子「わ、わかりましたけど……どうしたんですか? 急に……」
蘭子「……ふ、ふふ。我が内に秘めし闇の一端が覗いてしまったようね。貴女も無益なことはおやめなさい」
麗奈「……わ、わかった……おとなしくしたら……いいんでしょ……」
蘭子「そう。それでいいの……真に能力を持ちし者ならば、ひけらかす必要などないのだから」
麗奈「うん……」
幸子「……いや、蘭子もやるじゃないですか。まさか一喝で納めるだなんて……ねぇ光。……光?」
南条「……かっけぇっ!」
幸子「はい?」
南条「なぁなぁ幸子! 今のもう一回いってくれ! もう一回! すっごいかっこよかった! ねぇねぇ!」
蘭子「えっ、あの……そ、そうやすやすと我が深淵をのぞき見れると思うでないぞ!」
南条「あー、ダメ? でも本当にかっこよかったよ今の! やるじゃん蘭子!」
幸子「……あぁ、もう……このバカ……」
麗奈「あ、うん……」
幸子「……とりあえず、無駄にトラブル起こすのはやめときましょうか? バカはもう足りてるんですよ」
南条「幸子、バカとはなんだバカとは!」
麗奈「……あぁ、うん。そうみたいだね」
南条「初対面の子にまでバカって言われた!?」
幸子「ここは蘭子の顔をたてる意味でも、ね」
麗奈「う、うん……蘭子……さん……かっこよかった……」
幸子「はっ?」
麗奈「な、なんでもないし!」
幸子「……あぁ、そうですよね。聞き間違いですよね?」
麗奈「同じ年頃のアイドル達が集まって話し合いをするっていうから、一発このレイナ様を知らしめてやろうと思ったの」
幸子「なるほど……まったく、無理にキャラ作りなんてするもんじゃないですよ?」
麗奈「キャ、キャラじゃないもん! アタシは超ワルだし、愚民共をひれ伏させる日が楽しみだし!」
幸子「……そうですか。ならいいですけど……ところで蘭子? あなた何人に招待状を……」
蘭子「……来たようね」ピクッ
幸子「はい?」
ガララッ
??「すいませーん! ここでパーティばやっちるって聞いてきたんけどー!」
南条「なっ、怪人!?」
??「あり? 場所間違えちった?」
蘭子「ふふ、貴女を呼びだしたのは我が呪言によるものよ! さぁ、名乗るがいい……真名を!」
鈴帆「し、しんめ? うち、上田鈴帆よ!」
幸子「また変なの来た……」
麗奈「うわぁ……」
鈴帆「うーん、みんなでパーティばするっち聞いてん、張り切ってきたけんど……」
蘭子「……フフフ」
幸子「……きぐるみって」
麗奈「いやいや、あれは流石にもう……なんかアタシが主張する必要ないっていうか……」
南条「……!」キラキラ
鈴帆「場所ば間違えちったかね?」
蘭子「誤りなど無いわ……貴女を呼びだしたのはこの神崎蘭子なのだから」
鈴帆「そうかね? 蘭子しゃん、でもパーティじゃなかったと?」
蘭子「ミサに違いはない……ただ、各々の持ちし力が違うだけ……」
鈴帆「ふむふむ、つまり仮装パーティと思ったうちの早とちりか! こりゃケッサクやね!」
幸子「……会話が成立してる、のかなぁあれ」
鈴帆「ん、なんね?」
南条「そのきぐるみってひょっとして……自分で作ったのか!?」
鈴帆「そうやね。どした?」
南条「すごい……すごいよ! ねぇ、よかったらアタシのも作ってほしいんだけど!」
鈴帆「おぉ、うちのきぐるみを!? ほんにね!?」
南条「あぁ、すごい技術だよ! ぜひ欲しい……あっ、アタシの名前は南条光! よろしくな!」
鈴帆「光しゃんやね! うちは上田鈴帆、よろしく!」
南条「はい、手貸して!」
鈴帆「手?」
南条「ぎゅっ、ぐっ、カン、カーン。ってね!」
鈴帆「お、おぉ? これなんね?」
南条「友達の証だ!」
鈴帆「なるほど、よかね! うちも今度から使わせてもらってよか?」
南条「よかよか! 問題ないよ!」
麗奈「……あぁ、うん。そうだね」
幸子「どうしたんですか? ナンバー1は自分だって言ってこなくてもいいですか?」
麗奈「いや、あれに対して宣戦布告するとお笑いの方向に走らされる気がするからパス……」
幸子「賢明な判断じゃないですか? さすがにあれはボクもちょっと……」
蘭子「……知らせの文が届いたわ」
幸子「文って……あぁ、メールですか」
蘭子「我が誘いに応えし者たちはこれですべて……ということになるわ」
幸子「つまりお断りの連絡が来た、と。まぁ当日に誘えばこうなるのもわかってたはずでしょう?」
蘭子「ふ、ふふふ……いたしかたあるまい。我とて己が現し身の衝動を把握することなどできないのだから」
幸子「つまり突発的に思いついてやった、と。それでまぁよくもこんな濃いのが釣れましたね……」
鈴帆「蘭子しゃんとは前番組でいっしょになったかんね! そんときから仲もよかよ?」
蘭子「……未来のことを見通すことだけはこの『瞳』をもってしてもできはしない……難儀なものね……」
幸子「ようするに無計画ってことでしょう? やれやれ……」
麗奈「ま、まぁ顔見せ程度の役割はあったからいいでしょ? アタシのことは忘れらんないだろうし!」
幸子「……微妙ですね。強烈すぎるのを見ちゃいましたから」
麗奈「あれはほら、その……別枠でしょ? ナンバー1はアタシだし」
幸子「というかこの場所によくもまぁこんなに集まりましたね」
南条「確かに人がいっぱいだなぁ。普段の倍の6人かぁ……」
幸子「えっ?」
南条「ん?」
麗奈「……ちょ、ちょっと待ってよ。アタシが来た時は3人だったよね? で、アタシで4人目」
鈴帆「うちは5人目やね?」
幸子「だ、誰ですか6人目って!?」
南条「いやいや、いるだろ? そこに……ほら」
南条「違う違う、ほら……キミも隠れてないでさ、出てきなよ」
??「う……ま、眩しい……」
幸子「ひっ……え? 女の子?」
麗奈「な、なんだよアンタ……名前は?」
小梅「こ、小梅……白坂、小梅、です……」
蘭子「……ふふ。我が誘いに応えた者はすべてそろったといったはず」
幸子「いやいや、いつから……」
小梅「そ、そこの2人が……あ、あくしゅ、してたから……静かに、入ってきました……」
麗奈「あぁ、騒がしかったから気付かなかったんだ……っていうか、もっと自己主張すればいいのに」
小梅「こ、怖くて……」
麗奈「怖くて? アンタ、よくそんなのでアイドルやろうなんて思ったね」
小梅「ご、ごめんな……さい……」
麗奈「いや、別にせめてるわけじゃないけどさ……」
小梅「……いいのに」
麗奈「え?」
小梅「な、なんでもないです……」
南条「……小梅、だっけ?」
小梅「は、はい……」
南条「スパイダーメモリの使用はどうかと思うぞ、アタシ」
小梅「はい……?」
南条「人間は爆発しないもんなんだよ、うん」
小梅「き、聞こえて……たんですか……ご、ごめんなさい……」
南条「いや、まぁでも爆発っていいよな! アタシ昔の特撮の火薬量間違えてるようなの大好きで……」
小梅「ご、ごめんな……さい……つい……」
麗奈「ついで爆発させられたらたまったもんじゃないよ、もう……ふざけないでよね」
幸子「……なんだか今ならボク、あなたと友達になれる気がしてきましたよ?」
麗奈「奇遇だね、アタシもだんだんそんな気がしてきた」
小梅「……人が、苦手で、つい……」
南条「大丈夫、ちょっとずつ慣れていけばいいんだ! アタシとダチになろうぜ、小梅!」
小梅「だ、ち……って、友達……?」
南条「そうだ。アタシの名前は南条光! 南の空から条す光を掴む、南条光だ!」
幸子「……それ、前『条す』って言葉が無いから却下。って言いませんでしたっけ?」
南条「細かいことは気にするな!」
幸子「はぁ、もう……」
小梅「……ふ、ふふ。面白い、人達なんですね……」
蘭子「そう。我が大切な友たちよ……」
小梅「……!?」ビクッ
蘭子「小梅……この場に集いし者たちは貴女に危害を加えるほど愚かではない」
小梅「……」
蘭子「誰も責めない。己が内を晒すがいいわ」
小梅「そ、それでも……ちょっと、怖い、です」
南条「怖い、か……小梅。怖いものがあるのっていいことだと思うんだ」
小梅「えっ……?」
南条「だってほら、人間だれしも恐怖心があって……怖いものがあって、それを乗り越えるためにがんばるんだからさ」
南条「怖いものなしな人より、怖いものに向かっていける人のことが、アタシは好きだよ?」
小梅「……光、さん……」
南条「光、でいいよ」
小梅「う、うん……ひ、ひ……光?」
南条「どうした?」
小梅「……と、友達に、なって、くれるの?」
南条「あぁ、もちろん! むしろこっちからお願いしてるんだよ?」
南条「へぇ……ホラーかぁ。結構ドキドキしてくるよね! オススメとかあったら今度見せてよ?」
小梅「け、結構グロテスクだったりとか、して……夢にでる……かも……」
南条「平気平気! アタシ、真・仮面ライダー序章とか牙狼とか、なんならエースやレオもいけるからね」
小梅「え、えっと……?」
南条「こっちの話。ドキドキするのが好きなら一緒に特撮見るのもいいかもって思うんだけど、どうかな?」
小梅「特撮……は……見たこと無い、かも……」
南条「よっし決まり! 一緒に見よう!」
小梅「え、えっと……お願い、します?」
南条「任せとけ!」
鈴帆「よか話やねー……」
小梅「ひっ……」
鈴帆「ん、どしたと?」
小梅「ご、ごめんなさい……びっくり、して……」
鈴帆「あぁ、このきぐるみのせいかね?」
鈴帆「そうやね! うち、笑ってもらうのが一番うれしか!」
小梅「わ、笑われるのって、怖い……」
鈴帆「ううん、笑ってる人ってきっとハッピーなんよ。うちはもっともーっとみんなを楽しませてあげていきたか!」
小梅「……すごい、ね」
鈴帆「そんなことなかよ。うちはうちが一番楽しいけんね!」
小梅「たの、しい……」
鈴帆「そう。笑ってもらって、楽しんでもらって、それが一番うれしくて楽しかよ!」
小梅「……そ、そう……そう、なれるかな……」
鈴帆「無理はせんほうがよかね。でも……きぐるみが欲しかったらいつでもいってくれればつくるけんね」
小梅「あ、ありが……とう。うん、いらない……」
鈴帆「なぬっ! ショ、ショックね……」
幸子「……蘭子?」
蘭子「ひゃっ!? さち……わ、我が友よ。我が業火に焼かれたくなくば急に後ろに立つのは命取りと……」
幸子「ひょっとして、あの子の友達を作ってあげようと思ったんですか?」
蘭子「……勘違いするな。我が友が孤独ではないようにと……」
幸子「それ、肯定してますよね?」
蘭子「あっ、違……えっと、一緒に……共に、歩く者がいない辛さは……その……」
幸子「はいはい。優しいなぁ蘭子は……」
蘭子「違う……だから、我が、友は孤高たるべきだが、えーっと……」
幸子「んー、なにがいいたいのかさっぱりわからないですね? きっちり話してくださいよ」
蘭子「……」
麗奈「……ね、ねぇ? あの……」
蘭子「わ、私も……友達が……いなかったから……」
麗奈「えっ?」
幸子「ふふん。まぁボクみたいなカワイイ子と友達なんて自慢にもなりますよね」
蘭子「うん。最高の友達だよ」
幸子「と、当然ですね。別にいまさら言われなくたって……」
麗奈「……おいおい、照れてるじゃん?」
幸子「照れてません! 事実を再認識しただけです!」
麗奈「どうだか……ねぇ蘭子……さん? ちゃん?」
蘭子「蘭子、でいいよ?」
麗奈「じゃあ蘭子。アタシも……友達ってことでいいの?」
蘭子「……共に時を過ごしたのなら、友と呼んでも良いのでしょうね」
麗奈「かっこつけないで、聞きたいなぁ?」
蘭子「……と、友達だと思う……友達に、なりたい」
麗奈「ふふん。すごいね? このレイナ様のお友達だなんて名誉だよ?」
幸子「さっき本気でビビって惚れかけてたくせに?」
麗奈「あれは演技だっ!」
幸子「ボクがこの人と!?」
麗奈「アタシがこいつと!?」
幸子「……いやいや」
麗奈「それはないでしょ。ねぇ?」
南条「いや、二人とも結構似てると思うよ? ねぇ鈴帆」
鈴帆「そうやね! とっても仲良しになれるっち思うよ?」
幸子「えぇ……まぁ確かにちょっとは友達になれそうだとは思いましたよ?」
麗奈「うん、そうだね……だけどさ」
幸子「ボクの方が」
麗奈「アタシのほうが」
幸子「カワイイですよね?」
麗奈「イケてるよね?」
南条「ほら、そっくりだろ?」
小梅「ふ、ふふ……本当に、似てる……」
麗奈「こっちのセリフだよ……今度勝負しようじゃん!」
小梅「あ、あの、喧嘩は……」
南条「……いや。これは大丈夫だよ」
小梅「えっ? でも……」
幸子「ボーリングでどうですか?」
麗奈「いいや、アイドルらしくカラオケよ!」
小梅「へっ……?」
南条「な? 雨降って地、固まる! ってやつだよ」
鈴帆「ねぇねぇ2人とも! うちらもいっていいん?」
幸子「当然でしょう? 2人でやったらごまかされるかもしれませんしね」
麗奈「はん、そっちこそほえ面かけよな! アタシの本気見せてあげるから!」
蘭子「えっ、な……我に何の用だ、友よ」
幸子「そのキャラは崩さないんですか……まぁとにかく。全員で今度でかけますけど……」
麗奈「どこにいくか決めてくれよ! なんだかこのまま話しあいだと決着つかなそうだし!」
蘭子「……ふふ。我が心眼にかかれば容易いことよ、計画ならば任せるかいい」
幸子「よし。じゃあ今度のオフ教えてくださいよ」
麗奈「アンタこそ、アタシのオフに合わせなさいよ?」
小梅「え、えっと……次のオフの日は……」
鈴帆「うちもうちもー!」
南条「よっしゃあ、どうせだから全員でやりたいこと決めて全部やっちゃおう! ボーリングもカラオケも全部!」
蘭子「えっ、そんな無茶なのはちょっと……」
幸子「おっと、たやすいことなんでしょう? まかせましたよ?」
麗奈「じゃあついでに晩飯は焼き肉とかにしよう! パーっとさ!」
蘭子「ちょ、ちょっと……うぅ……」
小梅「が、がんばっ」
鈴帆「蘭子しゃん、かっこよかー!」
幸子「ま、あんまりにも無理っぽいのなら多少は手伝ってあげますよ?」
南条「そうだ、どうせなら今回来れなかった奴らも誘ってさ、友達パーティに……」
麗奈「アンタがしゃべると話が余計こじれそうだからちょっと黙ってよう? な?」
南条「むぐむぐっ、むがーっ!」
蘭子「これなかったものたちもか……ふふ、良いだろう! 任せよ!」
小梅「……ほ、本気、ですか?」
蘭子「事も無し! 小梅よ……」
小梅「えっ?」
蘭子「友達、いっぱいできてよかったね?」
小梅「……は、はい!」
おわり
みうさぎピョンピョンとか廃人ゲーマーとか出したかったけどパッション多すぎワロタもあるしやめ
闇に飲まれよ!
南条ちゃんの性格がまんま弦太朗で微笑ましかった
Entry ⇒ 2012.07.21 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
響「貴音ーナデナデしてー」
貴音「お疲れ様です、響」
響「疲れたぞー!」
貴音「ふふ、頑張りましたね」ナデナデ
響「貴音に撫でられると気持ちがいいさー」
貴音「それは嬉しいですね」ナデナデ
響「自分も嬉しいぞー」
貴音「ご苦労様です、大変疲れているようですね」
響「けど苦労した分いい物が撮れたぞ!」
貴音「それは大変楽しみですね」ナデナデ
響「うあ、貴音突然すぎるさー」
貴音「ふふ♪」ナデナデ
貴音「遅かったですね、響」
響「帰りの電車逃しちゃってタクシーで帰ってきたからさー」
貴音「それはさぞかし長い道のりだったでしょう」ナデナデ
響「貴音が撫でてくれると全部忘れられるぞ」
貴音「ふふ、私も響と共にいると時を忘れて過ごしてしまいます」
響「早く寝ないと朝起きれないぞ…」
貴音「いぬ美達もとても嬉しそうですね」
響「貴音も家族のことわかるようになったのか?」
貴音「響と共にいて嬉しくないわけありませんからね」ナデナデ
響「自分も貴音と一緒にいれて嬉しいぞ!」
貴音「ふふ、ありがとうございます」
響「貴音ーご飯できたぞー」
貴音「ふふ、おまちしておりましたよ響」
響「おかわりはいっぱいあるからな!」
貴音「響の料理は誠に美味ですね」ナデナデ
響「貴音の舌に合ってよかったぞ」
貴音「これからもよろしくお願いしますね」
響「もちろんさー」
貴音「それでは共に入りましょうか」
響「うえ!?た、貴音?何で突然そんなこと言うんだ!?」
貴音「ふふ、響を少しからかってみただけです」ナデナデ
響「うがー!まんまと騙されたぞー!」
貴音「…いつかは本当に二人で…」
貴音「暗闇のなかでも響はとても明るく輝いていますね」
響「自分にはよくわからないぞ…」
貴音「ふふ、わからずとも良いのです、響はとても可愛いらしいですね」ナデナデ
響「今撫でられると眠っちゃうぞ…」
貴音「おやすみなさい響、よい夢を」
貴音「かっぷらあめんは買ってきていただけたでしょうか」
響「あのさ、貴音実は…」
貴音「まさかなかったのですか!?」
響「期間限定増量中だって」
貴音「ほっ、響は焦らすのが得意ですね」ナデナデ
響「それ褒め言葉なのか…」
貴音「ほう、一体誰の歌でしょうか」
響「春香が新曲だしたって言ってたからな」
貴音「貰えばよかったのではないのですか?」
響「春香の売り上げに貢献しようとおもったんさー」
貴音「仲間想いの響も優しいですね」ナデナデ
響「だから春香にも自分のCD買ってもらうぞ!」
貴音「私も買わねばなりませんね」
貴音「涼しい風に虫の鳴き声、風情があって良いですね」
響「聴いてるだけで気持ちが安らぐぞー」
貴音「このような物を聴かせてくれてありがとうございます、響」ナデナデ
響「うわっ!蚊が入ってきたぞ!殺虫剤どこだ!?」
貴音「毎度ありがとうございます、次は私にやらせてくださいね」
響「ゴミ袋の中がカップ麺の容器ばっかだったぞ」
貴音「減らしたいのなら、響がらあめんを作ってください、響のらあめんならいつでも食べられます」
響「麺の袋のゴミが増えるぞ…」
貴音「涼しいですね、響」
響「あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″」
貴音「面妖な」ナデナデ
響「た″か″ね″~」
貴音「ふふ♪」
貴音「いいですよ、私の膝に頭を」
響「気持ちいいさー」
貴音「それはよかったです」
響「zzz…」
貴音「寝てしまいましたね、可愛いらしい寝顔ですね」ナデナデ
貴音「また寝てしまうのでは?」
響「あれは貴音の膝と耳掻きがよすぎたからさー、今度は自分がやる番だぞ」
貴音「なるほど、ではよろしくお願いします」
響「貴音いい匂いがするさー」ナデナデ
貴音(撫でられるというのもたまには良いですね)
貴音「今宵の馳走はなんでしょうか」
響「ラーメンだぞー」
貴音「!」
響「前貴音食べたいって言ってたからなー、まあインスタントにちょっと手を加えただけだぞ」
貴音「それでも良いのです!あぁ響愛しております、さぁ食べましょう!」ナデナデ
響(愛してるって言ってくれたぞ、嬉しいさー)
貴音「どのような物を借りてきたのですか?」
響「自分はこのペンギンとシロクマのDVDだぞ」
貴音「自分にはということは私にもあるのですか?」
響「もちろんさー、貴音が好きそうなDVDがあったからな」
【迫る、ラーメンの神秘“愛と涙の豚骨スープ”】
貴音「これはまた、興味深い作品ですね」
貴音「待ってください響!今良い所なのです」
響「良い所ってもう5回めだぞ…」
貴音「あぁ、このような熱い愛がらあめんには入っていらしたのですね」
響「だからさっきもみたじゃんそれ」
貴音「もう一回観ましょう響!」
響「うぇ!?まだみるのか?そろそろ寝なきゃ明日起きられないぞ…」
貴音「良いのです!今の一瞬を大切にしましょう」
響「まずい…正直眠いぞ…こうなったら」
響「貴音ー!」ナデナデ
貴音「はぅぅん」
響「このまま寝るぞー!」
貴音「響は朝起きるのがとてもはやいですね」
響「家族と散歩に行くからなー」
貴音「ふふ、響は偉いですね」ナデナデ
響「家族のことを考えるのは当たり前のことだぞ」
貴音「待ってください響、私も行ってよろしいでしょうか」
響「貴音もくるのか!なんくるないさー」
貴音「ありがとうございます、では行きましょう」
響「返却するぞ」
貴音「響、私はその辺りをみていますね」
響「わかったぞ!」
………
貴音「見つけました、【迫るラーメンの神秘】しりいず」
響「いたいた、貴音ーそろそろ行くぞー」
貴音「響!これを借りましょう!」
響(こ、これは!?借りてしまうとまた何回も見せ続けられるのか?ダメだ借りてはならないぞ、我那覇響!)
響「さすがに何回も見せられるのはもう御免さー、悪いけど」
貴音「響!」ナデナデナデナデ
響「ひゃぁぁぁん」
貴音「借りると言うまで撫でるのをやめません!」
響「か、借りる、借りるからやめてくれー!」
貴音「響、ありがとうございます」
響「まあ、貴音が喜んでくれたならいいさー」
貴音「来週は休みが多いので三本借りましょう」
響「それも自分が借りるんだろー!うがー!」
貴音「響、落ち着いて」ナデナデ
響「ま、まあ貴音のためなら仕方ないぞ」
神々しくて、不思議で、そして手が届かない場所にある
まるで貴音みたいだぞ、自分もあんな風に綺麗になりたいぞ
貴音はこう言ってくれた
月は太陽が無いと輝けない
私が月なら響は太陽ですって
貴音は自分がいなくなったら輝けないのかな
響の優しさを逆手にとりそれに漬け込むような真似を
恥ずべき行為どうか御許しください
空の月を眺め響は私が月と言いました
私などよりも貴方の方がよっぽど強く輝いているのに
貴方は太陽です
貴方がいないと私はまともに動けません
そこまで私は貴方に依存している
すみません響、もう少し近くにいさせてください
貴音「はい、恥ずかしながら」
響「あはは、自分と同じだぞ」
貴音「え?」
響「自分も貴音がいないとダメみたいだぞ」
貴音「それならこれからもずっと共に歩んで行きましょう」
響「もちろんさー!よろしく頼むぞ!貴音」
貴音「こちらこそよろしくお願いします響」
響「それと貴音今日は月が明るくて眠れないさー」
だから
ナデナデして!
乙。たまにはいいよね
最初はBADだったけど途中からやめた
いい判断だ
Entry ⇒ 2012.07.21 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
輿水幸子「世界一カワイイボクの普通の日常」
幸子「ふぅ……仕事も増えてきてボクのかわいさをようやく世間が理解してきたけれど」
幸子「毎日が忙しくなってきたなぁ……」
幸子「……そうだ! 日記を書いてみようかな」
幸子「どんな仕事をしたのか、ボクがどれだけかわいかったのか」
幸子「それがわかりやすくふりかえれるように。うん、我ながら名案かも」
幸子「流石はボクだよね!」
幸子「……」
幸子「一人でやってないで、どんなこと書くか決めていこう」
幸子「んーっと、7月11日……」
―――
☆ 7月 11日 晴れ
ボクの記念すべき初日記の日。
今日は割と普段通りの一日だったと思う。
朝起きて、顔を洗って―――
幸子「んん……う、うるさ……」
時計『にょわー! おっき』バチッ
幸子「……ふわぁ。この目覚まし本気で売る気なのかな」
時計『……』
幸子「……どうせならボクの時計とか……うーん、でもボクの声だと落ちついて眠くなっちゃうかな?」
幸子「なんてね……顔洗ってこよう……」フラフラ
幸子「んー、ちょっとだけねむ……」
幸子「おっといけない。キチンとしてないと」
幸子「家の中でもちゃんとカワイイ振る舞いをしなきゃね」
幸子「ふぅ……」フキフキ
幸子「よし。今日もボクはカワイイぞ」
幸子「……再確認するほどのことでもないけれど」
顔を洗ったあと、ちゃんとカワイイっていってあげることにしてる。
自己催眠とか、そういうのも意識はしている。
たとえば綺麗になぁれって言い続けた花は本当に綺麗に咲く……らしい。
まぁ、これは聞いた話なんだけれど。
おっと、話がそれた。ボクが読むだけだけどキチンと整えて書かなきゃね。
カワイイっていってあげるのは意識を持つためだ。
カワイイ人はちゃんとカワイイ振る舞いをする責任があると思う。
ノブレス・オブリージュ? 高貴なる者の振る舞いっていう言葉があるけどそれみたいなもの。
……うん、ボクのかわいさはちゃんと自覚しないといけないよね。
幸子「それから……うーんと、事務所にいって……」
幸子「ふんふんふーん♪」
カリカリカリ……
―――
そのあと事務所について、その日のお仕事についてのお話をした。
ボクのお仕事はアイドル。
カワイイボクにぴったりだと思う。
なんていったって人に見られることを意識しないといけないんだから。
まぁ、誰もみていなくてもカワイイのがボクなんだけど?
……なんてね
ちひろ「おはよう、幸子ちゃん。……どうしたの?」
幸子「いえ、今日はちひろさん一人なんですか?」
ちひろ「うーん、もう少し後からの子が多いから。幸子ちゃんが一番早いかな?」
幸子「そうですか……」
ちひろ「……プロデューサーさんなら奥の仮眠室で寝てると思うよ?」
幸子「べ、べつに聞いてませんから。なんでそこでプロデューサーさんが出てくるんですか?」
ちひろ「うーん、女のカン……かしら」
幸子「だったら見当はずれもいいところです。ボクは別にプロデューサーさんのことなんてどうだっていいんですから」
ちひろ「そっかぁ、ごめんね幸子ちゃん」
幸子「……なんでニヤけてるんですか?」
ちひろ「なんでもなーいよ?」
※千川ちひろ(年齢不詳)
画像無し。運営の犬
さぁ、この選挙権付き10連ガチャを回して愛を深めましょう
ちひろ「今日のお仕事は……幸子ちゃんはショートライブとサイン会があるわね」
幸子「わかりました……どこでですか?」
ちひろ「割と近くなんだけど……はい」
幸子「なるほど……って、え? なんですかこれ」
ちひろ「自転車のキーよ?」
幸子「ちょっと待ってください。送ってくれないんですか?」
ちひろ「今日は私もプロデューサーさんも手がはなせなくて……ごめんね?」
幸子「だからってボクが自転車で移動だなんて……」
ちひろ「幸子ちゃんなら多少の無理ぐらい聞いてくれるかなーって思ったんだけど……だってできた子だしね!」
幸子「……はぁ。ボクがいくらカワイイからって無茶ぶりするのはどうかと思いますよ」
ちひろ「きゃーさっちゃんかっわいー!」
幸子「からかわないでください。……仕方ないなぁ、地図もらえますか?」
幸子「はいはい……それじゃ、いってきます」
ちひろ「いってらっしゃーい」
幸子「……本当に忙しいんですか? ちひろさん」
ちひろ「えーっ、すごくいそがしくて大変なのよ?」
幸子「やれやれ……もう。深くは聞きませんけどね」
ちひろ「うん。そうそうスタミナドリンクいる?」
幸子「また怪しげなものを作って……結構です。いってきますね」
ちひろ「はーい。それじゃあがんばってね!」
ちひろさんは時々よくわからないドリンクを作る。
基本的にはいい人なんだと思うんだけど……うーん、あの趣味はどうなんだろう?
はっきりいってすごくまずい。ちょっとだけ涙が出そうになった時もあったぐらいだ。
あと、ボク達の事務所はたぶん職員の数が足りてない。
プロデューサーさんに街で才能がありそうな女の子に片っ端から声をかける癖があるせいだ。
……まぁ、ボクのことを見つけてくれたわけだし、そこまで悪い気はしないけど。
それでも、もう少し計画性を持ってほしい。ボクはカワイイだけじゃなくて優しいから許してあげるけど
幸子「……っと。この部分消しておこうかな」
幸子「まるでボクがプロデューサーさんのことを気にしているみたいになっちゃうしね」
幸子「……ま、まぁ嫌いじゃないけど。さて続き続き……」
カリカリカリカリ……
―――
そのあと、仕事場に向かった。
サイン会の場所では既に行列ができていて、ボクの人気を再認識した……と思ったんだけど。
ちょっとばかり忌々しい。いや、別にボクがちょっとだけ手加減してあげただけなんだけれど……
うん、そう。近くでサイン会をしてた双葉杏。彼女にちょっとだけ同情してあげただけなんだ。
だからボクは負けてないし悪くない。
双葉杏(17) ニート
幸子「プロデューサーさんもちひろさんも、ボクが優しいから許してあげてるけどこんなことはやめてもらいたいなぁ」
ウィーン
幸子「あー、涼しい……あれ?」
ガヤガヤガヤ……
幸子「もうこんなに人が……やれやれ、ボクのサインが楽しみでしょうがない人たちかな?」
幸子「カワイイっていうのも楽じゃないなぁ、まったく」
幸子「はいはい、どいてください。通れないと準備もできないじゃないですか……」グイグイ
男「あぁん? なんだあんた」
幸子「なんだ、ってボクですよ?」
男「しらねーよ! 横入りしようとすんじゃねぇ!」
幸子「ひっ……な、なんなんですか! ボクは……」
男「このガキが横入りしようとしてよぉ」
幸子「何いってるんですか! 主役はボクですよ?」
男「主役ぅ? なにいってんだ、今日ここでやるイベントっていったら3階の双葉杏ちゃんサイン会だろうが」
幸子「……えっ?」
男「ファンだったらマナーは守らねぇといけねえだろ。な?」
幸子「この階でやる……ボクのサイン会は……」
男「ん? この階……あぁ、そういえば別のアイドルのサイン会もやるんだっけか」
幸子「……」
男「ひょっとしてあんた……」
幸子「もういいです。ふーんだ! あなたにはボクのサイン、土下座したってあげませんからね!」
男「ちょ、ちょっとまて。すまんかった知らなくてだな……」
幸子「いいからどいてください! ボクはボクのファンの人のために準備しないといけませんから!」
幸子「ボクのことを知らないなんてあの人もかわいそうに。顔も覚えたし謝ったって許してあげないんだから」
幸子「さーて準備準備っと」
結論からいえば、ボクのサイン会にはほとんど人が来なかった。
たぶん、暑さのせいで熱中症になってしまったりしたファンの人が大勢いたはずだ。
ボクのファンの人達は健康管理もきちんとできるから、予防のために外出を控えたのかもしれない。
……とにかく、ボクのサイン会にはあまり人が来なかったけれどそれはボクのせいじゃない。
きっと、双葉杏のサイン会に並んでいる人達が多すぎてボクのサインがもらえる場所がどこかわからなかったんだ。
まったく、ボクが本気を出していたらその双葉杏ファンまで奪ってしまうから本気を出さなかったけれど……
同じ日に近くでサイン会だなんて嫌がらせなのかもしれない。ボクがかわいすぎて目が出ないように?
カワイイっていうのも疲れる。業界全体が敵なのかもしれない……
幸子「……ファンの人、まだかなぁ。今なら特別に握手ぐらいしてあげても……」
……カツカツカツ
幸子「誰か来た! ふふん、遅れてくるだなんてまったくもうしょうがない人……」
男「あの……さっきはすまなかったな。謝ろうと思って……」
幸子「なんであなたなんですかぁ!」
幸子「……それにこの時は暑い中を自転車で移動したから汗かいてたし」
幸子「そもそもボクをちゃんと送ってくれなかったプロデューサーさんも悪い。あそこでもめたせいで変にめだったし」
幸子「うん、ボクが悪いわけじゃないよね」
幸子「それから、えーっと……」
カリカリカリ……
―――
そのあとのショートライブでは、何故か双葉杏と一緒にやることになった。
同じアイドルなのだから……っていう短絡的な考えからなのかな。まったくもっていい迷惑だ。
双葉杏……働きたくないなんていっている色モノアイドル。
ボクが本気を出したらファンを全員奪ってしまいかねないから花を持たせてあげたけど……
働きたくない、なんていってるくせにパフォーマンスはしっかりしてた。
やっぱりキャラなんじゃないのかな。確かに動きは小さかったけど……
……そもそも身体も小さかったなぁ。ボクより小さい人ってあんまりいないのに。
\働きたくなーい!/
杏「よーし、私もだ! だから帰ってもいいよねー?」
\えーっ!?/
杏「……ですよねー。わかってたよ、うん……じゃあ歌ってあげよう!」
\ワーッ!/
杏「聞いてください。そしてついでにCD買って印税生活の助けになってね!」
杏「あんずのうた!」
\メーデーメーデメーデー! メメメメーデー!/
幸子「……あれが双葉杏かぁ」
幸子「……観客のほうが歌ってないかな? あれ。あれでいいの?」
杏「……あー、疲れた……次のステージやるのってあんただよね?」
幸子「えっ? あれ、歌……」
杏「よーし、いいからこっち!」
幸子「ま、待って! ボクは……」
杏「いっつぁ、カエダーマ作戦! どうぞ!」
幸子「えっ、あっ……こほん」
幸子「愛も 夢も 全部♪」
\キラキラ!/
幸子「届け!キミの元へ♪」
\Fu-Fu-!/
幸子「靴紐結んだら……全力ダーッシュ!」
\GO!/
幸子(すごい……ファンの息がここまでぴったりだなんて……少しぐらい認めてあげてもいいかも……)
幸子「えっ? ちょっと……」
杏「愛も夢も全部ー♪」
幸子「ふとんにつま……えっ!?」
杏「ほらほら、もっとキリキリ歌ってもらわなきゃ私が口パクで乗り切る作戦がうまくいかないでしょ?」
幸子「えっ、ええぇぇっ!?」
杏「まくらぎぬゅっーとしたら♪」
幸子(こうなったらもう……ヤケだ! 歌えばいいんでしょう、歌えば!)
幸子「全力ダーイブ!」
\おやすみー!/
――
―
杏「いい歌いっぷりだったね……そうだ!」
杏「ここから先のパフォーマンスはキミにもつきあってもらおう!」
幸子「ちょっと待ってください、ボクだってまだ……」
杏「ほら、私も手伝うから、たぶん」
杏「ステージの端っこで寝てることにする」
幸子「手伝う気ありませんよね?」
杏「ううん。ほら……座敷童子みたいな。私がいるだけで十分だと思わない?」
幸子「思いません! だいたいボクのライブはボクだけでも十分です」
杏「そう? それなら私さっさと帰って寝ちゃうけど……」
幸子「それで結構です!」
杏「そっか……うん、カエダーマ作戦への協力ありがとう。報酬だよ、とっといて」
幸子「……飴?」
杏「特別だよ。……がんばってね」
幸子「がんばるって……」
杏「さぁ、次の曲で私の出番は終わり。帰るからねー!」
\えーっ!/
すごい盛り上がりっぷりだった。ボクが知らないような……会場が沸き立つような。
そして、双葉杏ショートライブが終わってボクの単独ステージになった時。
ある程度はお客さんが残っていたのに……さっきまでとの違いを嫌ってほど肌で感じた。
ボクのランクが低かったから? 彼女のランクが高いから?
それだけじゃない、もっと強烈な差を感じてしまった。くやしかった。
ボクのほうがカワイイのに。ボクが本気を出せばあんなの簡単に……
―――
幸子「……本気を、だせば……」
幸子「ボクは……」
幸子「あぁもう、日記なんてやめた!」
幸子「ふんだ。今日はちょっと体調が悪かっただけで……」
幸子「それに、暑くて……気分も乗らなくて……」
幸子「……うぅ」
幸子「……悔しい……」
幸子「悔しい、悔しいよぉ……ボクだって、みんながわかんないところでがんばってるのに……!」
幸子「なんで、あんな……働きたくない、なんてふざけたこと言ってるのに……」
幸子「……なんで、ボクのところにはサインを欲しがる人も来なかったのかな……」
幸子「ボクだって、ボクだって……!」
幸子「うぅぅぅ……」
幸子「……もう、寝よう。今日はきっと日が悪かったんだ」
幸子「ボクは……」
幸子「……ん」バシッ
時計『にょわっ』
幸子「……今日は早起きしなくてもよかったんだっけ」
幸子「……眠いなぁ……顔、洗ってこよう……」
幸子「……このままじゃ、カワイイ顔も台無しだし、ね……なんて」
幸子「……あはは……」
幸子「……」フラフラ
幸子「……ん」
幸子「……」パシャパシャ
幸子「あと、ケアと……えっと……」
幸子「家にいてもヒマだろうしちょっと街でもぶらつこうかな……」
幸子「……」
幸子「まるで不良……だよね。ボク、割とマジメなほうだったと思ってたんだけどなぁ」
幸子「あはは……はぁ」
幸子「じゃあ着替えて……っと……」
幸子「……いってきます」
幸子「……って、学校にいくわけじゃないしまだ二人とも起きてないだろうけど」
幸子「帰ってきたら、怒られるかな?」
幸子「……」
TV『今こそ知りたい! 注目新人アイドルたちのパフォーマンスはこのあと!』
雑誌『アイドルデビューを目指すあなたへの10のステップ』
幸子「……改めて見てみると、本当にアイドルって多いんだよなぁ」
幸子「ボクが一番、カワイイ……けど……」
幸子「……」
幸子「なんちゃって、ね。はぁ……どうしようかな……」
幸子「ボクが一番カワイイって証明してくれるって、プロデューサーさん……いってくれたのに……」
ドンッ
幸子「あっ、すいませ……ん……?」
P「……っつぅ……こちらこそ……って、あ?」
P「幸子こそどうした? 今日は学校じゃなかったのか?」
幸子「別に……どうだっていいでしょう?」
P「いや、だが……」
幸子「……あぁ、プロデューサーさんはひょっとしてまた新人アイドル候補でも探してたんですか?」
P「なに?」
幸子「だってそうでしょう? 他に誰かを連れてるわけでもないようですし、一人で街をうろつくなんてヒマだとしか思えません」
P「幸子……お前……」
幸子「いいんじゃないですか? 才能ある人を探してプロデュースしてあげれば!」
P「お、おい?」
幸子「ボクみたいなハンパものよりずっと素敵な人、見つけれるといいですね!」
P「待て、幸子! 話を聞け!」
幸子「うるさい! ボクに触らないでください!」
幸子「……聞いたんですか。笑えますよね? ファンの人は来ない、ライブは前の惰性で見ている人ばかり」
P「……すまなかった。まさか双葉杏のイベントが被っていると思わなかったんだ」
幸子「いいんです、別に。あんなふざけた相手に勝てないんじゃボクに才能は無かったってことでしょうから」
P「……なに?」
幸子「だってそうでしょう? 働きたくないなんていってる相手に全面的に負けたんですよ!?」
P「幸子、それは違う」
幸子「なにが違うっていうんですか!」
P「お前のファンが来なかったのは俺の責任だ」
幸子「……なんですって?」
P「……俺が、広告を打つ量を間違えた」
幸子「……」
P「もっと幸子のファンが気付けるようにしてやるべきだったんだ。アウェーじゃ実力は発揮できない」
幸子「そんなの……アウェーとかホームとか。それ以前にやる気が無い相手に負けたんですよ?」
P「違う。双葉杏は特殊なんだ」
幸子「特殊? なにがですか?」
P「元々のパフォーマンスは高いのにやる気がないことに対してあまりにも投げやりなだけなんだ」
幸子「……働きたくない、っていってましたよ?」
P「ライブの最中は、口でなんて言っていようと100%の力を出しているよ。働かないけど投げ出さないのが信念らしくてな」
幸子「……でも、負けは負けです」
P「……」
幸子「もうダメなんだと思っちゃったんですよ……ボクじゃ、勝てないって」
幸子「ボクが世界一カワイイって、証明してくれるって言いましたけれど……もう、疲れちゃいました」
P「……そうか」
幸子「ふふっ、カワイイボクを最後までプロデュースできなくて残念でしたね……プロデューサーさん」
P「なぁ、幸子」
幸子「なんですか?」
P「……最後に、ショッピングでもしないか?」
幸子「ショッピング……?」
P「あぁ、もちろん奢るぞ?」
幸子「……ふふっ、いいですね。これまで散々ほったらかしにされたんだからその分の迷惑料ってことで納得してあげます」
P「よし、じゃあいこう」
P「じゃあ両方買うか?」
幸子「えっ?」
P「だって両方似合うしな。奢るっていったろ?」
幸子「……まぁ、ボクがカワイイから仕方ないですね」
P「だな。幸子はかわいいよ」
幸子「……」
P「ん?」
幸子「なんでもありません。次いきましょう」
P「両方似合ってるな。買おう」
幸子「……まじめに考えてますか?」
P「あぁ、真剣だぞ?」
幸子「ふざけているようにしかとれませんよ? まったく……」
P「幸子がかわいいからだって」
幸子「……また」
P「ん?」
幸子「イヤミのつもりですか?」
P「なんのことだ?」
P「……」
幸子「無駄ですよ。だいたい残ったところでボクには無理だって思っちゃいましたし……」
P「それは違う」
幸子「違う? なにがですか?」
P「俺が幸子のことをかわいいって思ったのは本音だ。トップアイドルになれるって思ってスカウトだってしたんだ」
幸子「……無理だったじゃないですか」
P「いや、幸子ならまだできるはずだって思ってる」
幸子「……ふざけないでください。いまさらすぎます」
P「幸子なら……一人でも成長していってくれると思ってたんだ」
幸子「都合がいいんですね……ここからはレッスンするからレッスン料払え、とでもいう気ですか?」
幸子「……」
P「ただ……」
幸子「そこで言葉が続かなくなっちゃうんですね?」
P「幸子を、トップアイドルにしたかった」
幸子「その割にはボクにはついてくれなかったじゃないですか」
P「それは……いまさらなんだろうけど。これのためだったんだ」ピラッ
幸子「これって……オーディション?」
P「幸子にぴったりの役柄のはずだ。ファンの獲得のためにも勝たなきゃいけなかった」
幸子「これを探してたからボクをほったらかしにしてた? ふざけないでください」
P「あぁ、本末転倒だと俺も思うよ」
P「そこをねじ込んだ。幸子なら絶対にいけるって思ったんだ」
幸子「無理です。今のボクにはそんなこと……」
P「幸子。お前が俺に初めて会った時……お前は自分のことをカワイイっていってはばからなかった」
幸子「まぁ、そうですね……」
P「……最近、自信が無くなっているようだった」
幸子「そんなことありませんよ。ボクはボクです」
P「俺はな、幸子……自信過剰で、その理想像へ向けて裏でストイックにがんばってるお前のことが大好きだ」
幸子「……がんばってる? そんなことしてませんよ。ボクのかわいさは生まれつきですから」
P「だけど、そのせいでお前の本来の魅力が損なわれるのが惜しいんだ!」
幸子「……本来の魅力?」
P「あぁ、大人びたように思わせておいてふと見せるあどけなさ……天然のかわいい成分だよ」
幸子「そんなの、演技です」
幸子「まだ……やれると、本気で思ってるんですか?」
P「やれる。幸子、お前はかわいいんだ……自信を持ってくれ。それで、また……」
幸子「また?」
P「……証明させてくれ、お前のかわいさを」
幸子「……そこまで頼まれたらちょっとは考えてあげてもいいですけど」
P「本当か!?」
幸子「考えてあげるだけですよ? このオーディションだって……今のままじゃ勝てる気がしません」
P「そこについては考えがあるんだ」
幸子「考え……?」
P「あぁ、俺と定期的にショッピングに来てくれ!」
幸子「はい?」
幸子「はぁ……確かにそういってましたね」
P「だから、そこを意識することで自分の魅力を認識し直してもらいたい」
幸子「ボクの魅力を……認識しなおす……?」
P「あぁ。他の誰に言われようと、なにが起ころうと揺るがない……『自称・カワイイ』を極めてほしいんだ」
幸子「……それ、言葉の響きとしては最悪ですけれど」
P「それでも揺るがない、絶対的な自信。それさえあれば幸子はまだまだ上を目指せる!」
幸子「……まじめな話ですよね?」
P「あぁ」
幸子「『自称・カワイイ』ですか……そんなもの、自称しなくたって……」
P「ん?」
幸子「……ボクがカワイイなんて、世界の常識でしょう?」
P「うん、それだ……それでいい!」
幸子「……これ、キャラだとでも思ってるんですか?」
P「違うのか?」
幸子「違いますよ……ほんの少しだけしおらしいふりをして、奢らせるっていう考えのもとに自信が無いフリしてただけですから」
P「そ、そうなのか!?」
幸子「えぇ、だから……」
P「ん?」
幸子「別に、感謝もしてませんよ。オーディションに勝てるかは別問題ですしね」
P「あぁ、そうだな……まずは勝てるかどうかだもんな」
幸子「……まぁボクにかかれば余裕ですね」
P「心強いなぁ」
P「また、ってどこいくんだ?」
幸子「今さらでしょうけれど、学校まで! ボクに会えなかった同級生たちもがっかりしてるでしょうからね」
P「なるほどな……送るか?」
幸子「結構です。歩きたい気分ですから」
P「わかった、気をつけろよ?」
幸子「もちろん。かわいすぎて犯罪に巻き込まれないよう細心の用心をしますよ」
P「じゃあ幸子、また明日」
幸子「……えぇ、また明日」
幸子「……結局間に合わないし、怒られるし」
幸子「まったく、これならいかなくてもよかったかも……」
幸子「……なんて。まったく、プロデューサーさんは」
幸子「あっ、日記……」
幸子「……」
幸子「……うん」
カリカリカリカリ…
幸子「これでよし。寝ようかな」
―――
☆ 7月12日 晴れ
ボクのかわいさを全世界に認めさせる!
世界中の人が、ボクに出会えたことを感謝するぐらいにカワイイトップアイドルになってみせる!
ボクはきっとトップアイドルになって……プロデューサーさんは、イヌみたいに走り回ることになる!(はず)
だから……プロデューサーさんといっしょに、もう一度だけがんばろう
おわり
眠い頭でやるもんじゃなかったわ。ちゃんみお救済したらもう少しギャグ調でやりたいなぁ
オヤスミー
さっちゃん腹パンしてから苦しんでるところを愛でて、展開に頭が追いついてないところをもう一度腹パンしたい
なんだかんだで愛されてるよねさっちゃん
Entry ⇒ 2012.07.20 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
トニオ「『アイドル』…デスカ」 貴音「はい」
P「頑張ったな、貴音。単独での仕事で、こんな遠くに来るのは初めてだから、疲れただろう」
貴音「…いえ」
P「悪いなぁ、明日は日曜だから、春香達につかなきゃならない」
P「独りにして悪いが、貴音は折角のオフなんだから、ゆっくり観光でもしてから帰ると良いさ」
貴音「わかりました」
貴音(はじめから分かっていた事とはいえ、やはり…)
P「ん、もうこんな時間か。そろそろホームに行かなきゃマズイな。じゃあな、また来週」
貴音「はい」
貴音(…さて、どうしましょうか)
仗助「おぅ。…けどよォ、俺よく知らねーんだよなァ、今日のねーちゃん」
康一「えぇ!?仗助くん知らないの!?『生っすか!?サンデー』見てない!?」
仗助「生…?何だって?」
康一「『生っすか!?サンデー』だよ!今日見たのはその番組内のコーナーのひとつ」
康一「「四条貴音のラーメン探訪」だよ。」
仗助「ふぅ~ん…。『四条貴音』…ねぇ。よく知ってんなァ~」
康一「今人気の765プロのアイドルじゃないか!仗助くんが知らないって事の方がオドロキだよッ!」
億泰「ンッ!?お~い!仗助ェ!康一ィ~!」
康一「あっ!億泰くん!おぉ~い!」
仗助「おめー知ってんのかよ」
億泰「ったりめーだろうがッ!銀髪の女王!ラーメンの妖精!四条貴音様は俺にとっての至上最高のアイドルだぜッ!」
億泰「”四条”だけに」
仗助・康一「……」
仗助「しかし残念だったなァ~。なんで今日に限って放課後いきなり居なくなってたんだよ」
億泰「おっ!そうそう、今日はトニオさんところで飯を食いたい気分になってよォ」
億泰「財布を満たしに銀行に行ってたんだよ」
億泰「しかしチクショォ~ッ!貴音様が来てるって知ってたらそっちに行ってたのによォ~」
康一「トニオさん…?ああ、前に言ってたイタリア料理の!」
仗助「そうか、康一は知らないんだったなァ」
億泰「ちょうどいい!一緒に行こうぜ、康一もよ。モチロン仗助も行くよな?」
康一「でもあんまり外食は…」
億泰「ちーっとぐらいなら奢るぜ」
康一「んー…じゃ、じゃあ行こうかな」
康一「い、いいじゃないか!興味はあるけど、独りじゃちょっと怖かったし…」
仗助「誘えばいいじゃねェかよォ~『山岸由花子』をよォ」
康一「そ、その…今日行ってみて…良さそうだったら…」
億泰「チッ!偵察かよ!」
康一「へへ…」
貴音「本日のろけでは、様々ならぁめんを食しましたが…」
貴音「紹介されなかった名店もあるはず…町を散策がてら探してみましょう」
貴音「…この先100めぇとる…。いたりあ料理ですか…」
貴音「この町では海産物だけでなく、野菜も新鮮で、全てのらぁめんがまこと美味でした」
貴音「…これは期待出来るかもしれません。行ってみましょう」
貴音「古くはありますが手入れの行き届いた実に良い物ばかり」
貴音「そしてその配置も嫌味がなく、その調和に一片の曇りも無く、実に趣がありますね」
トニオ「お褒めいただき光栄デス」
貴音「…貴方がこのれすとらんの?」
トニオ「ハイ…。ワタシがこの店のオーナー」
トニオ「トニオ・トラサルディー。本日はお越し頂きありがとうございマス」
貴音「…てぇぶるが2つなのは…もしや」
トニオ「ご覧の通り、ワタシはシェフも兼任していマス」
トニオ「なので、この席数が限界なのデス」
トニオ「しかし、その分クオリティーに関しては『絶対の自信』有りマス…」
トニオ「オォ!お席も勧めずに申し訳ありまセン!どうぞお掛けになってクダサイ!」
貴音「では…失礼いたします…」
康一「へぇ…ここがトニオさんのお店かぁ…」
康一「あ、初めまして。広瀬康一です。」
トニオ「貴方がコーイチさん!お噂はかねがね!」
貴音(めにゅうは…どこでしょう?)
億泰「あ、あァーッ!あの銀髪はァ!」
康一「えっ…!?ま、まさかッ!」
トニオ「お知り合い…なのデスカ?まさかスタンド…」
康一「ち、ちがいますトニオさん!貴音さん…アイドルの四条貴音さんですよ!」
トニオ「アイドル…デスカ?」
貴音(すたんど…?はて)「はい。私、765プロダクションであいどるをしております」
貴音「四条貴音と申します。以後、お見知りおきを」
トニオ「オォ~…これは失礼しまシタ。ゲーノー界というものには、疎いものデ…」
貴音「いえ…。高みを目指す途上故、私の知名度はまだまだ低いと思っておりました」
貴音「むしろ、知っていて頂いた事が光栄です。ありがとうございます」
貴音「ところでとにお殿…『めにゅう』が見当たらないのですが」
仗助「!」
トニオ「めにゅう…?メニュー…。あぁ、リスタのことデスか?」
トニオ「ウチには置いていまセン。提供するお料理はお客様次第デスので」
貴音「なるほど…。わかりました。ではらぁめんを所望いたします」
トニオ「らぁめん…?」
貴音「はい。らぁめんを」
トニオ「…そんなもの、ウチにはないよ」
仗助「普通よォ、こんな店に来てラーメン頼むかァ?」
億泰「さすがは貴音様だぜェ~ッ!」
貴音「はて…私次第で料理を出していただけるのでは?」
トニオ「チガウチガウ!私がお客様を見て!お出しする料理を決めるのデス!」
貴音「なんと…」
トニオ「ふぅむ…」
康一「いきなり女性の手を取るなんて、やっぱりイタリア人だなァ…」
仗助「そーゆーセリフ、ヤメロよなァ~。なぁ~んか嫌な気分だぜ…」
仗助「ところで康一、ありゃあ何も手にキスしようってんじゃないぜ」
康一「え?」
トニオ「…アナタ、昨日はあまり眠れていまセンね」
貴音「…何故そう思うのでしょう?」
トニオ「少しだけデスが…爪に縦線が見えマス」
トニオ「睡眠不足の証拠デスが…そこまで深刻なモノではないようデス」
トニオ「更に…かなり偏った食事をしていマス…」
トニオ「かなりの健啖家デスね…おどろきマシタ…」
トニオ「…今日もかなりの量を食べてますネ」
トニオ「胃の粘膜が少しだけ荒れているようデス」
>>27
トニオ「フフ…魔法じゃありまセン」
トニオ「医学デス。東洋、西洋、その他あらゆる医学薬学等を研究し、ワタシが独自に生み出した『診察』方法デス」
トニオ「しかし、これだけの健康を維持しているのはびっくりデス」
トニオ「多少調子は落ちているでしょうが、基本的に問題無い粋デス」
トニオ「ワタシの料理で劇的…とまではいかないでしょうが」
トニオ「体調を良くする事は保証シマス」
貴音「ふふふ…。まこと、不思議な方ですね」
貴音「よろしくお願いします」
康一「ま、まさか…手を見ただけで…」
億泰「おうよ!俺も初めて来たときはビビったぜ~!」
仗助「俺は何も問題無かったけどよォ~、億泰は凄かったぜェ~」
仗助「水虫まで指摘されてたからなァ~」
トニオ「さ、料理を始めましょうか」
貴音(……)
貴音(…?)
貴音「これは…水…いえ、みねらるうぉーたー、ですか」
億泰「た、貴音様ッ!よろしかったら、このハンカチを使ってくださいッ」
貴音(はんかち…?はて…? …!)
貴音(泪ッ!?こ、これは一体ッ!?)
康一「お、美味しい!美味しいよこの水!」
仗助「うめェだろ?これはちょっとした感動だぜ」
貴音(感動の涙!?いえ、これは”そんな物”では断じて…ッ!)
貴音「こ、零れ…ッ!」
貴音(は、はんかちを…ッ!…ハッ!この殿方は、最初から知っていた?)
貴音「助かりました。ありがとうございます。…えぇと」
億泰「お、億泰!『虹村億泰』っス!」
億泰「億泰と呼んで下さいっス。その水は俺も前に飲んだ事があるんスよ」
貴音「水…。やはり。これは一体…」
億泰「えぇーっと…何て言ってたっけなァ?…キリ…キリ…」
トニオ「キリマンジャロの雪解け水デス」
トニオ「飲めば十分に睡眠をとった後のような爽快感が得られマス」
貴音「そうですか…。面妖な…いえ、何とも形容しがたい」
貴音「しかし、確かに美味でした。しかしながら…」
貴音(あの涙は…一体…)
トニオ「どうかされマシタか?」
貴音「いえ…」
貴音(今、特に異常が残っている訳でもありません)
貴音(悪い方にも見えませんし、確かに眠気は無くなりました。もう少し…)
貴音「ところで、それは?」
トニオ「本日の前菜(アンティパスト)…『タコのカルパッチョ』デス」
トニオ「ハイ。日本では西洋人はタコを食べないイメージが強いようデスが」
トニオ「我々イタリア人は沿岸地域に住んでいるため、昔からタコはよく食べてマシタ」
トニオ「この『カルパッチョ』も、伝統的なタコ料理の一つです」
貴音「なるほど…勉強になります。では、さっそく…」
康一「お、美味しそ~!トニオさん!僕もあれ食べたいです!」
仗助「おっ、そういや俺たち注文してなかったな」
仗助「トニオさん、お願いしていいっスか?」
トニオ「シ オ カピート(かしこまりました)。少々お待ちクダサイ…しかし」
トニオ「胃の調子を整える効果が期待できるのは、四条サマだけカト…」
貴音「なんと…これはまことに…」
貴音「イタリア料理という事で、かなり味の濃い物を想像していたのですが」
貴音「これはたこという素材を使っている為か、サッパリとした後味に仕上げてあります」
貴音「しかし単調で淡白という訳ではありません!決して単純な味ではない!」
貴音「なるほどこのそぉす…いえ、どれっしんぐですか…」
貴音「塩、酢、おりぃぶおいる…それぞれが持つ旨みが自身を主張しながらッ!」
貴音「主役であるたこの旨みを邪魔せず…いえ、むしろ引き立てているッ!」
貴音「これは素材そのものの良さもさることながら…」
貴音「絶妙なばらんすをとっている、とにお殿の手腕に寄る所が大きい!」
貴音「とにお殿…前菜だけでここまでとは…!」
仗助「おー!確かにうめぇーぜ!こりゃあ!」
康一「すっごいですねぇ!ぼく、タコがこんなに美味しいって知りませんでした!」
億泰「けどよォ…大丈夫か?」
康一「え?何が?」
億泰「いやな、『胃』の調子を整えるって事は…」
貴音「!?」
仗助「始まったか…」
康一「えッ!?た、貴音さん!?」
貴音「ふ…うっ…」
康一「お腹を…!お腹が痛いんですか!?」
貴音「いえ…。…はい、少しばかり…」
康一「た、大変だ!仗助くん!…いや、これは外傷じゃないから救急車を…ッ!」
仗助「落ち着けって康一。焦るこたぁーねー」
康一「な、何言ってるんだよ仗助くん!た、貴音さんがあんなに…!」
貴音「…ふぅ」
億泰「!?」
仗助「何ィ!?」
トニオ「……」
貴音「なんとも…面妖な…」
トニオ「胃の薄っすらとした不快感が消えタ…」
トニオ「胃モタレ…胃炎が解消されたのデス」
トニオ「胃と言う器官は、成人で約3日で全ての細胞が入れ替わると言われていマス」
トニオ「タコに含まれる成分、グルタミン酸やアスパラギン酸…その他の様々なタンパク質ト…」
トニオ「ワタシの作ったドレッシングによって、胃の粘膜の新陳代謝を活性化」
トニオ「その入れ替わりを「早めた」のデス」
貴音「なるほど…先ほどの熱はそういう事ですか」
仗助「は、腹はッ!?何ともねぇのか!?」
康一「何で今更焦ってるのさ、仗助くん?」
仗助「だ、だってよ…トニオさんの料理を食ったら…」
億泰「あぁ…『出る』…のが普通のはずだぜ…」
康一「『出る』?」
貴音「……」
トニオ「マッ!こういう事も有りマス!ワタシが思っていたよりも、ずっと胃の調子が良かったのデショウ」
貴音「確かに、胃がすっきりとしたお陰で、食欲が増してきました」
貴音「とにお殿、次の料理は…?」
トニオ「プリモ・ピアット…いわゆるパスタ料理です」
貴音「…『らぁめん』的な」
トニオ「全く違いマス」
貴音「……」(シュン)
トニオ「確かにパスタは、一般的にスパゲッティーを含み…中にはスープに浸した形のものも日本にはあるようデスが」
トニオ「今日お出しするのは『ラビオリ』。イタリア風ワンタン…とでも言いまショウか」
トニオ「薄く延ばしたパスタで、小さく具を包んだものデス」
トニオ「今日はホワイトソースで和えてみマシタ」
仗助「俺はこれはいいや」
康一「うーん…僕も…」
億泰「お前らよォ…オーダーぐらいちったぁ自分で考えて頼めよ…。俺は『らびおり』を頼むぜトニオさんッ!」
トニオ「エェ。中身は食べてみての…」
貴音「お楽しみ、という訳ですね。ふふ…」
トニオ「ハイ。では、ワタシは次の料理に取り掛かってキマス」
貴音「これは…見たところ2種類の具があるようですね」
仗助「お、おいッ!ちょっと食わせてみろよ!」
億泰「何言ってんだオメーは!自分でいらないつったんじゃねーかッ!」
億泰「俺はこの空間で貴音様と同じ物を食べる唯一の人間になるんだァー!」
貴音「一つは赤…、もう一つは緑…。なるほど、いたりあの国旗をいめぇじしたのかもしれません。ふふっ…」
貴音「面妖なっ!」
仗助(ビクッ)
康一(えっ、何!?)
貴音「赤い方は…なるほど、とまと…を、基調に…これは海老でしょうか」
貴音「酸味と旨みが…程よく…なんと…」
康一(口癖…みたいなものなんだよ。僕も急すぎてびっくりしちゃった)
億泰「ンン…?こいつぁ…」
貴音「緑色は…これは…何でしょう?葉物、という事は分かるのですが…」
貴音「どこかで味わったことのある…ぱせり…いたりあん…?いえ、違いますね」
貴音「もっと…和食に多く…たまにらぁめんでも……。…!!」
貴音「わかりました!これはほうれん草ッ!ペースト状にしたほうれん草です!」
貴音「なるほど…これは意外でした。彩のためか少し味の輪郭がぼやけても感じられますが…」
貴音「しつこくない味と考えれば、これも趣が…」
億泰「待ちなッ!!」
貴音「?」
仗助「何イキナリ大声出してんだよ億泰オメェ」
億泰「ふっふっふ…俺は気付いてしまったぜェ~」
億泰「この料理の『本当の食べ方』をなァッ!」
億泰「黙ってろ!『削る』ぞッ!」
康一「物騒だなぁ…」
貴音「あの…億泰殿…。『本当の食べ方』とは…?」
億泰「おっ、そうそう。貴音様、これは「モッツァツァ」と同じなんスよ」
仗助「「モッツァレラ」な」
億泰「ソレだ!」
貴音「はあ…。『もっつぁれら』…ですか」
億泰「そう!つまり一緒に口の中に入れるンスよ!赤と緑を!」
貴音「…!なんと!」
貴音「それで何か変わるのでしょうか」
億泰「騙されたと思って!ささ!どうぞ!」
貴音「はい…では…」
貴音「……。……!」
貴音「こ、これは!この味は!」
※もう一つはdat落ち
貴音「とまとがほうれん草を!ほうれん草がほわいとそぉすを!」
貴音「ほわいとそぉすがとまとを!引き立てていますっ!」
貴音「『まりあーじゅ』と言うのでしょうか!『味の競演』と言うのでしょうか!」
貴音「例えるなら三浦あずさと水瀬伊織、双海亜美のとりお!」
貴音「雪に対する月と花!」
貴音「えっと…」
貴音「といった感じですっ!」
仗助(どっかで聞いたなこのリアクション…)
億泰「やっぱりッ!」
トニオ「億泰サン…説明していただき、ありがとうございマス」
億泰「おっ、トニオさん!これは何に効くンスか?」
トニオ「…『腰』デス」
億泰・仗助「こ、『腰』ィ!?」
.. ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
トニオ「『四条貴音』サン…上着を…脱ぐことをオススメシマス」
億泰・仗助「!!!」
康一「え!?」
貴音「なんと…いえ、ですが確かに『腰』が…」
貴音「仕方ありません…」
バッ ギュッ
仗助「ぶ…」
億泰「ブラウスの裾を結んだのか…」
康一「で、でもおへそが!これは刺激が強すぎるよッ」
由花子「……ッ」
「あれー?由花子どうかした?」
由花子「…今、一瞬だけ『イラッ』ときたの。何故かしら」
仗助「何だありゃあ!?」
康一「皮膚の下で…何かが動いてるよ!」
トニオ「落ち着いてクダサイ。アレは『背骨』デス」
康一「せ、背骨…?」
康一「い、いやっ!おかしいですよ!背骨があんな動く訳!」
貴音「ふっ…くっ…!」
ボギィッ!!
康一「あぁッ!」
貴音「これは…ッ!」
貴音「軽いッ!」
貴音「腰が軽いです!今まで特に気にしていませんでしたが、こうやって軽くなるとッ!」
貴音「今まで腰にじんわりとした痛みがあった事がハッキリしました!」
貴音「しかし…何故?」
トニオ「アイドルという職業柄、ダンスをよく踊るのデハ?」
貴音「なるほど…」
トニオ「知らず知らずのうちに、無理な姿勢を強いられたのデショウ」
トニオ「少しだけではありますが、骨格が曲がっていマシタ」
トニオ「それを調節し、元の位置に戻す事によって、腰の位置を安定させ」
トニオ「体全体の調子を取り戻しマシタ」
貴音「それにしても…」
貴音「まこと、面妖な料理の数々ですね」
トニオ「フフ…」
康一「アハハ…」
貴音「この不思議な小人さんたちのお陰でしょうか」
仗助「!?」
億泰「なっ…!?」
康一「えっ!?」
貴音「…何の事でしょう」
トニオ「『雪解け水』でも感じマシタが…」
トニオ「あまりに反応が小さすぎマス」ズオッ
トニオ「ワタシのスタンド…『パール・ジャム』による効果は…」
トニオ「患部を分かりやすく示すため、まずは『露出』したり、『劇的な変化』を起こしマス」
トニオ「しかし、アナタは『カルパッチョ』を食べたにも関わらず、胃の露出が起きなかっタ」
仗助「女にはショックが強すぎるだろうと思ってよォ~」
仗助「俺も念の為に待機していたんだが、結局使う事も無かった」ズオッ
貴音(…!)
貴音「貴方方は…最初に感じたとおり…」
億泰「あぁ…。『スタンド使い』だぜ」ズオッ
康一「まさか…貴音さんも…」ズオッ
貴音「『すたんど』…と、いうのですか」
貴音「そうですね…貴方方が打ち明けてくださったのに、私が秘密にするというのは…礼を欠きますね」
貴音「いえ。正確には『感じて』いるのです」
貴音「はっきりとした姿かたちを認識しているわけではありませんが」
貴音「その大きさや数といったものは、大体正確だと思います」
貴音「しかし…その、『すたんど』…ですか?」
貴音「皆様のような力を持ち合わせているわけではありません」
貴音「ですので、まさか…」
康一「…『スタンド使い同士は惹かれあう』か」
仗助「しかしよォ、これもスタンド使いなのか?」
億泰「お、俺に聞くなよッ!俺は頭ワリィんだからよォ~!」
トニオ「『才能がある』…といった感じなのでショウか」
トニオ「私も修行の末にこの能力身につけマシタ」
トニオ「『アイドル』として高みを目指すという、四条サンの行為はあるいは、」
トニオ「『スタンド使い』に近づく事になるのかもしれまセン」
億泰「『近い』ってことだよなァ、俺たちと貴音様はァ~」
貴音「そうですね…。えぇ、おそらくは」
貴音「『仲間』…」
康一(ぼ、僕たちとッ!)
億泰(貴音様が…『仲間』ッ!)
貴音「ところで、とにお殿」
トニオ「オォ!失礼しまシタ!メインディッシュにも入っていませんでしたネ!」
貴音「ふふ…ありがとうございます」
承太郎「ここか…。ん?」
仗助「アッ!承太郎さんッ!」
康一「え?承太郎さん?…あれ?そこに居るのは…」
響「おー!すごいぞ!ホントにいたさー!」
康一「が、我那覇響ちゃんッ!?」
響「美希もいるぞ!」
美希「やっほー!」
響「自分たちも今日の午後からしばらくオフなんだけど」
美希「他の皆は都合が合わなくて、せっかくだから貴音も誘って観光に来ようって事になったの」
康一「す、すごいよッ!フェアリーだッ!」
億泰「俺…今死んでもイイ…」
美希「あはっ☆ファンの人たちなの?よろしくなの!」
響「で、杜王駅まで来たのは良いんだけど…」
美希「貴音は携帯をもうちょっと確認したほうが良いって思うな!」
貴音「はて…。!これは失礼しました。美希、響」
響「なんくるないさー!このでっかいオジサンに案内してもらったからな!」
承太郎(…お約束だな)
ジョジョのパロはアイマスの公式が既にやってたんだよな
承太郎「…別にその女がいると知ってて案内した訳じゃあない」
承太郎「『美味い飯屋を知らないか』と聞かれてな」
承太郎「この町で評判の良い店はここぐらいしか知らなかっただけだ」
響「でもさすがだなジョジョ!やっぱり自分たちは運命的な何かがあるさー!」
承太郎「やれやれだぜ」
貴音「じょじょ…?」
響「あぁ!…えーっと」
承太郎「『空条』だ」
響「そうそう!このオッサンの名前は空”条” ”承”太郎!だからジョジョさー!」
康一「それにしても…我那覇さん…」
響「ん?響って呼んでくれよ!」
康一「じゃ、じゃあ響さん…。よく承太郎さんを知ってたね」
響「駅で見かけてでっかいなーと思って声かけただけさー」
美希「ミキもちょっと気になったから声かけるのは賛成だったよ?」
美希「あ、気になるって言ってもハニーへの気持ちとは全然違うの!」
響「まぁ社長の言う『ティンときた』って奴だな!」
トニオ「ナルホド…」
美希「おいしそうな匂いがするの!」
貴音「えぇ、ちょうど『めいんでぃっしゅ』がくる所です」
貴音「よろしかったら御一緒しましょう」
美希「ミキおなかぺっこぺこなの!おにぎりも頼むの!」
トニオ「…そんなもの、ウチにはないよ」
仗助「承太郎さんも一緒にどっスか?」
承太郎「…あぁ…そうだな」
響「フルコース頼んだのか!さすが貴音だな!」
億泰「ふぇふぇふぇフェアリーの皆さんッ!ごごご御一緒しませんかッ!?」
美希「なのー!」
貴音「あなた様。お土産です」
P「おっ、牛タンか~!ありがとう、貴音!買い忘れてたんだ!」
貴音「ふふ…」
美希「小鳥にもお土産なの!」
小鳥「あ、ありがとう!美希ちゃん!」
小鳥(…赤べこ)
P「しかし、今日は妙に調子良さそうだな」
P「なんか良い事でもあったのか?」
貴音「ふふ…」
貴音「とっぷしぃくれっと、です」
トニオ「『アイドル』…デスカ」 貴音「はい」
|To Be Continued...? >
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/
初めて一つの話を書き上げた気がする
時間かかるなぁ
ちょっと読み返してきます
Entry ⇒ 2012.07.19 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
伊織「アンタたちは夢と魔法の国をナメすぎよ!」
伊織「あら、どうしたの3人揃って」
真「ああ、伊織か」
響「いやぁ~、それが、貴音が『ディズニーランド』に行ってみたいって言い出してさぁ」
伊織「……は?ディズニー?」
真「そうそう」
貴音「……」
伊織「なんでまた、ディズニーランドなの?」
貴音「はい……先日、春香と千早が遊びに行ってきた、と聞きました」
真「そうだね。お土産ももらったし」
貴音「あの二人、普通の遊園地には何度も行くということは無いのに……でぃずにーらんどは何度も行っているそうです」
響「……まあディズニーは普通とはちょっと違うしな」
貴音「そこです、そこなのです」
貴音「一体なにが、あの二人をそこまでさせると言うのか……非常に興味があるのです」
伊織「ふーん……」
真「ああ、そんなとこだね」
響「ほかのみんなは予定が合わなくてさぁ……実は全員、ディズニーは初めてなんだ」
伊織「あら、そうだったの」
真「まあね」
響「自分もけっこー楽しみだぞ」
真「うん、ボクもなんかワクワクしてきたよ」
貴音「ふふ……仲間たちと遊園地で遊ぶ、というのも良い思い出になりますね」
伊織「…………」
伊織「で……アンタたち、当日の予定は?」
真「え?」
響「予定って?」
伊織「何時に集合するか、とか。どんなアトラクションに乗るか、とか」
伊織「あとパレードを見るのか見ないのか、キャラクターと写真撮る気はあるのか、とかね」
貴音「……集合時間は決めておりましたが……普通、そこまで決めるものなのですか?」
響「うんうん。自分だって他の色んな遊園地には行った事あるし、なんくるないさー」
響「……って、…………伊織?」
伊織「……」
貴音「ど、どうかしたのですか伊織?」
真「なんか怖い顔してるけど」
伊織「…………」
伊織「あ、んたたち、ねぇ……」
伊織「アンタたちは夢と魔法の国をナメすぎよ!」
真「うわっ!」
響「び、びっくりした!」
貴音「……ナメすぎ、とは……どこがでしょうか?」
伊織「いい!?まずディズニーを普通の遊園地と一緒にするなんて言語道断よ!」
伊織「ディズニーランド自体に熱狂的なファンがたくさんいることもそうだけど……」
伊織「何よりも、混み方が段違いよ。休日にでも行ったら、アンタたちの想像を超えるくらい混むわよ」
響「ど、どのくらいだ?」
伊織「人気のアトラクションに乗りたいなら……1、2時間は並ぶのが当たり前ね」
貴音「……成程」
伊織「新しいアトラクションが出来たりなんかしたら……4、5時間並ぶこともザラよ」
響「うえぇ!?ひとつのアトラクション乗るだけでご、5時間!?」
伊織「ええ、だから無計画にあっちこっちフラフラしてたら、ロクに回れないわよ」
真「そ、そうなの……?」
伊織「そうよ。それにパレードやショーも、本気で見たいなら2、3時間前から場所取りするのが普通だし」
貴音「見る準備をするためだけに2時間以上も費やすのですか……」
真「うわぁ……ど、どうしよう響、貴音。……別の遊園地にするかい?」
響「うーん……」
伊織「…………」
真「え?」
貴音「……ちょうど3人が休みだったので、来週の水曜日にしようかと」
伊織「……それは何よりね」
伊織「……」
伊織「私も、一緒に行かせてもらっていいかしら?」
響「え、伊織も来るのか?」
伊織「ええ。……いや、別にイヤなら、アドバイスだけでもいいわよ?」
響「いやいやいや!そういう意味じゃないさぁ!……ていうか、むしろ本当に来てくれるのか?」
伊織「まぁね。アンタたちだけじゃ心配だもの」
真「……なんかシャクに触るけど……じゃあ、伊織が居れば並ばないで遊べるのかい?」
伊織「……並ばないで遊ぶ手段もあるにはあるけど、日帰りならそこまでは無理ね」
伊織「でも安心していいわ。比較的スムーズに、かつ楽しませる自信くらいはあるもの」
真「わかった……じゃあとりあえず、伊織のプランを教えてくれよ」
響「シー?」
貴音「でぃずにーらんど、とは違うのですか?」
伊織「まったくの別物よ。ディズニーリゾートって呼ばれる一帯に、ランドとシーの二つのテーマパークがあるの」
伊織「ランドはキャラクター性を前面に押し出して、シーは『海』っていうテーマを重視してるわ」
伊織「……そもそも、3人はランドじゃなくてシーでもいいのかしら」
真「え?えーと……ボクはどの道初めてだし、楽しめるならどっちでも」
響「じ、自分……それ聞いたら、シーの方が興味出てきたかな……」
貴音「……では、響がそう言うのであれば、わたくしも『しぃ』で構いません」
伊織「じゃあ、ディズニーシーにしましょう」
真「なんでシーならスムーズに回れるんだい?」
伊織「ランドの方には、修学旅行生が来やすいのよ。それに新アトラクションもあるし」
伊織「まぁシーにも今度トイストーリーの新アトラクションが出来るから、それが出来たら結構混むわね」
伊織「あと水曜日は良い曜日よ。平日ならそれだけ人も少ないもの」
伊織「ただ『県民の日』がある場合は、千葉県民が入場料割り引きになるから混むわね」
伊織「月曜日なんかも、日曜日にやる小学校の運動会、の振り替え休日だったりするわ」
貴音「……中々、奥が深そうですね」
伊織「……にひひっ、世界中のディズニーランドを回った私に任せなさい!」
響「おおぉ、伊織が凄く頼もしく見えるぞ」
伊織「で、アトラクションとパレード、どっちがいいかしら」
真「うーん……初めて行くし、やっぱりアトラクションかなぁ」
響「そうだよな。ディズニーは行った事ないけど、遊園地って言ったらそうだもんな」
伊織「……じゃあ、アトラクション中心に回りましょう」
伊織「いい?まずは―――」
8:50、ディズニーシーエントランス前
響「うわー!開園前なのにこんなに!」
真「……確かに、平日でコレはちょっと予想外だったな」
伊織「ま、そこはしょうがないわ。やっぱりディズニーだもの」
貴音「前の入り口の方で、何やら歓声が上がっておりますが……」
伊織「ああ、アレは開園前にディズニーのキャラクターが、エントランスでパフォーマンスやってるのよ」
真「そうなんだ?」
伊織「ええ。それに、開園してからしばらくは入り口にキャラクターが集まってくれるから……写真を撮ったりもできるってわけ」
伊織「ミッキーとかドナルドとか、いわゆる人気キャラクターたちがね」
響「へぇ~、それじゃあみんな夢中になるわけだぁ」
貴音「……わたくし、みっきー殿の実際に動いている姿を見るのは、おそらく今日が初めてになるでしょう」
伊織「……あ、そう。……写真も撮ってもらおうかしら?」
貴音「……いえ、興味はありますが、……最初はあくまで打ち合わせ通りに参りましょう」
伊織「わかったわ。……ミッキーに会いたくなったら言いなさい。連れてってあげるから」
伊織「パレードとかショーで見ることも出来るけど、ミッキーは専用の会えるスペースがあるのよ」
伊織「時間はかかるけど、確実に写真を撮ったり握手したりできるわ」
貴音「ふふ……では、みっきー殿に会いたくなったらそこに伺うようにしましょう」
伊織「……よし、そろそろ開園時間よ」
伊織「いいわね?真。地図も持ったかしら?」
真「よーっし、任せてよ。昨日調べてきたし、場所もバッチリだよ」
伊織「……キャラと写真撮る人もいるから、そこまで必死にならなくてもいいけど」
伊織「なるべく急いで行きましょう」
響「お、おう」ドキドキ
貴音「…………」
開園
伊織「よし、走らず急ぐわよ!」
響「行くぞぉー!」
ダッ
響「うわぁ……み、みんな走っててちょっと怖いぞぉ」
貴音「……とても夢と魔法の国に来ているとは思えない形相ですね」
伊織「開園直後はどうしてもそうなるわね。あとはパレードの場所取りとか」
伊織「……ま、しばらくしたら落ち着くわよ」
響「えぇと……最初に行くのが……『センター・オブ・ジ・アース』だな」
貴音「名前しか聞いておりませんでしたが……どういった施設なのでしょう?」
伊織「簡単に言えば『ジェットコースター』系のアトラクションよ」
伊織「……ていうか貴音」
貴音「はい、どうかしましたか?」
伊織「有名人なんだから変装して来い、とは言ったけど……そのサングラス似合わないわねぇ」
貴音「な、なんと!?」ガーン
響(ジェットコースターかぁ。どんな感じなんだろうなぁ)
真「ハッ……ハッ……」
タッタッタ
真「……!よしここだ!」
いい、真?
真はまず開園したら、全員分の入園チケットを預かって
そして「タワー・オブ・テラー」の「ファストパス」を取りに行って欲しいの
真(ファストパス……これを取っておけば、パスに指定された時間に行くことで、並ぶよりもスムーズに乗れる!)
真(発券には入園チケットが必要だから、こうやって一人に預ければ、それ以外のメンバーは別のアトラクションに並ぶことが出来る!)
真(で、全員のパスを発券したら、ボクは後から伊織たちの列に合流すればいい……あんまり良くない事らしいけど)
真「……よし、これで4枚だな。ふーん、10時から11時の間まで有効……かぁ」
真「パスは取ったから……あとはアレだな。……で、合流すればいいのか」
タッタッタ……
真「あ、す、すいません……!」
真「ちょっと、前、失礼します」
真「……フゥー」
伊織「……お帰りなさい。ありがとう真」
響「お疲れ様~」
真「えーと、まずこれがファストパス」
貴音「……ま、真、それよりも……!」
真「ははは……はい、これがポップコーン」
貴音「おお、なんという甘美な香り!……真、感謝いたします!」
伊織「悪かったわね、ポップコーンの買出しまで頼んじゃって」
真「いやぁ、でも結構楽しかったよ?景色もいいしね」
響「……ていうか凄いなぁ。本当に入れてくれるんだ」
貴音「……」モグモグ
真「ボクも最初は半信半疑だったけど……」
―――
真「クランベリー味ひとつ……このカゴにお願いします」
―――
真「ちゃんとカゴいっぱいになるまで入れてくれたよ」
伊織「当たり前じゃないの。だってカゴ自体もポップコーン売り場で売ってるもの」
真「ああ、そういえば見たよ。柄は違ったけど」
貴音「……」モグモグ
伊織「カゴ自体はちょっと値が張るけど……一度買ったら、そのまま使いまわせるってわけ」
伊織「で、以前使ったカゴを持参してもOKだから、私のを使えば安く済むのよ」
響「……へぇ~、モグモグ……それは知らなかったなぁ」モグモグ
伊織「……もうクランベリーの方は無くなりそうよ」
真「えぇ!?た、貴音ぇー、ボクの分も残しておいてくれよ!」
貴音「……」スッ
貴音「では、響の食べているこちらを……」モグモグ
響「おお貴音、ブラックペッパーもおいしいぞぉ」
真「……モグモグ……あとどのくらいだろう?」
伊織「そうねぇ……私たちが最初に並んだときは30分待ちになってたわ」
真「じゃあ……あと15分くらいかな」
真「……モグモグ……そういえば、なんでファストパスはタワー・オブ・テラーだったんだい?」
伊織「どういうこと?」
真「だって、センター・オブ・ジ・アースをファストパスにして、最初にタワー・オブ・テラーに乗っても良かったんじゃないの?」
伊織「……そうねぇ。……ま、そこは個人差の範囲内かしらね」
真「ああ」ペラッ
http://www.tokyodisneyresort.co.jp/tds/map.html
http://www.tokyodisneyresort.co.jp/pdf/map/sea_atrc.pdf
伊織「下がエントランスで、私たちがいるのが中央の『ミステリアスアイランド』」
伊織「タワー・オブ・テラーは、『アメリカンウォーターフロント』にあるわね」
真「そうだね」
伊織「入り口に近いアトラクションだったら……わざわざ並ぶよりは、私だったらファストパスを取るわね」
伊織「その代わり、ちょっと遠いところにある人気アトラクションに乗るわ」
真「それが伊織のやり方、ってことか」
伊織「そういうことになるかしら」
伊織「ま、そういう意味じゃあセンター・オブ・ジ・アースじゃなくて『インディジョーンズ』とかでも良かったわね」
真「インディジョーンズだと……一番上だから……入り口から一番遠くかぁ」
伊織「そうなのよねぇ。気軽に行けないのが難だわ」
貴音「……」モグモグ
係員「では、こちらのエレベーターに乗って乗り場までご案内致します」
……
プシュー!
ゴトンゴトン……
ガタッ!ゴゴゴゴゴゴ……!
…プシュー!
……
真「ふーん、エレベーターの後もちょっと並ぶのか」
伊織「……初めての人は絶対に勘違いするわね。エレベーター降りてすぐ乗るのかしら、って」
響「じ、自分なんか……あのエレベーターがアトラクションなんだと思ってたぞ……///」
貴音「……」
伊織「結構物々しい演出だから、その勘違いも無理ないんじゃない?」
貴音「…………」
響「……?貴音、大丈夫かぁ?」
響「……それは貴音の方だろぉ。ポップコーンも手ぇついてないぞ?」
真「ひょっとして……怖いのかい?」
貴音「な、……そんなわけありませぬ!」
伊織「(ありませぬ……)……貴音がジェットコースター系に強いって聞いたから乗るつもりだったけど」
伊織「……本当に強いのかしら?」
貴音「え、ええ……本来ならばそのはずだったのですが……」
貴音「先ほどからの、不安を煽るような会場の物言いや演出を見ていると……」
貴音「……ハッ!?い、いえ!わたくし、決して怖くなどありません!」
伊織「……一応、乗る直前だったらリタイヤ用の出口もあるわよ」
響「貴音、隣に乗るから心配いらないさぁ」
真「……もうちょっとで乗り場に着くね」
貴音「…………」ドキドキ
貴音「もち、ろ、ん、です……!」
響「じ、自分が隣にいるからな、貴音!」
真「……フゥー」ドキドキ
『センター・オブ・ジ・アース』
謎の天才科学者、ネモ船長によって明かされる、
いまだかつて誰も見たことのない地底世界へようこそ。
地底走行車で、神秘と驚異の世界をめぐりましょう。
まばゆい光にあふれた水晶の洞窟、巨大キノコの森、地底に生息する珍しい発光生物。
と、そのとき、なんだか不気味な振動が…。
ジリリリリッ!
火山活動発生!火山活動発生!
ゴゴゴゴゴ…………
響「うぎゃあー!!うわー!」
真「うおおおおお!」
貴音「ひ……ひぃぃ……!」
―――
シュー…シュー…
アナウンス「ステーションに到着すると、セーフティバーは自動で上がります」
アナウンス「出口は、左側です」
真「はあぁー、凄かったなぁー!」
響「……はぇー…………」
伊織「フゥ……」
貴音「はうぅ……伊織……いけずです」
伊織「……にひひ!」
貴音「うぅ……こ、このような恐ろしい仕掛けだとは……」
響「なんか……龍みたいな化け物出てきたところで貴音の悲鳴が聞こえたもんなぁ……」
真「ボクはやっぱり、落ちる瞬間が一番ヒヤッとしたなぁ」
貴音「そ、そこ自体は大丈夫だったのですが……あのように恐ろしいモノたちが出てくるなどとは……」
伊織「普通のジェットコースターで終わらないで、ちゃんと演出してるあたりが」
真「これもう一回乗りたくなるよ、凄く良かった」
響「じ、自分も……怖かったけど楽しかった!」
貴音「ハァ……わ、わたくしはこの乗り物はもう結構です」
伊織「……安心しなさい。一日に同じの何回も乗ったりはしないから」
9:40、センター・オブ・ジ・アース前
真「……次は何に乗るんだい?」
伊織「そうねぇ……タワー・オブ・テラーまでちょっと時間があるわね」
伊織「ちょっとブラブラ歩きながら、見て回りましょう」
響「おっしいいぞー!」
貴音「や、休めるのならば幸いです……」
響「えっとここは……『ポートディスカバリー』かぁ」
伊織「……あら、『アクアトピア』なんて丁度いいんじゃないかしら」
響「アクアトピア?」
真「どれ?」
伊織「あの池をグルグル回ってるやつよ」
響「……お、本当だグルグル回ってる!」
貴音「確かに……あれならば、化け物が出てくることもないでしょう」
真(まだ気にしてたんだ……)
伊織「夜になるとライトアップされて綺麗だけど、その分混むのよねー」
伊織「空いてるから今のうちに乗っちゃいましょ」
貴音「ええ、そう致しましょう」
「アクアトピア」は、新しい航海システムの開発のためにつくられた研究施設。
今日はフェスティバルを記念して、一般のみなさんにも開放されています。
ウォーターヴィークルを走らせるプールには、実験用につくられた渦巻きや間欠泉、滝が…。
研究者たちが生み出した、画期的なヴィークルの乗り心地を体験してみてください。
響「あれっ?操作できると思ったのにできないのかぁ」
ウィーン、ウィー
貴音「そうですね……自動で進むようです」
響「お……こ、このまま行ったらぶつかるんじゃあ……」
貴音「……!」
ピタッ……ウィーン
貴音「と、止まりました。危なかったですね……」
響「うわぁ!こ、今度はこっちにぃ……!」
ヴィーグル2:真・伊織
伊織「真夏じゃなかったのが惜しいわね」
真「惜しいって?」
ウィーン、ウィーン、ウィー
真「うわ、危ない!」
真「フゥ、ぶつかるかと思った」
伊織「……あんな感じで、色んなところに勝手に行くのが面白いんだけど」
伊織「夏になると、『びしょぬれコース』っていうのが出来るのよ」
真「びしょぬれ……って間欠泉が!危なーい!」
ピタッ、シュワワワー……
ウィーン、ウィーン
真「ハァ……水がかかるかと思ったよ」
伊織「……で、そうね。びしょぬれコースはわざと水にかかるようなコース設定がされてるのよ」
伊織「暑い日なんかはちょうどいいわよね」
真「そ、それはいいけどさぁ伊織……」
伊織「どうしたの?」
真「ぼ、ボクだけハラハラしてバカみたいじゃないかぁ!」
伊織「……だって本当にぶつかったりしたら大変でしょう?ギリギリで止まるようになってるのよ」
真「それは、わかるけどさぁ……うわっ!」
伊織「にひひっ、どうだったかしら?」
真「どういう動き方するのかわからなくて、面白かったよ。……ちょっと疲れたけどね」
響「じ、自分はハラハラしっぱなしだったさぁ」
貴音「……仕掛けを理解してしまえば、奇怪な動きを楽しむ余裕も出てきました」
伊織「……貴音は、もう調子は回復したかしら?」
貴音「そうですね。先ほどの恐怖は、この施設で拭えたのではないかと」
伊織「……そう、……それは良かったわぁ」ニヤリ
10:05、アクアトピア前
真「お、もうファストパスの時間みたいだよ」
響「じゃあタワー・オブ・テラーに行くのか」
伊織「……あ、ちょっと待ってちょうだい」
響「ん?」
伊織「真、別のファストパスの発券、お願いできるかしら?」
響「えぇ、……どういうことだぁ?」
貴音「……響、こちらの券には、『次のふぁすとぱす発券は11:00以降』となっております」
貴音「まだ10時ですから、この時点での発券は無理なのでは、ということですね」
響「……あ、本当だ。自分のもそうなってる」
伊織「大丈夫よ、出来るのよ」
真「なんで?」
伊織「ファストパスはそこに書いてある通り、発券してから2時間は連続で発券できないようになってるわ」
伊織「でも例外があって……」
伊織「ファストパスの指定時刻が発券してから2時間以内だったら、それに乗れるようになった時点で、次のファストパスが取れるようになるの」
真「あ、なるほど!」
響「へえぇー、そうなのかぁ」
※実際は、この場合ならちゃんとファストパスに
「次のファストパスは10時以降に発券できます」
と書いてあります。今回はファストパスについて説明するためにわざと違くしました。
伊織「そうねぇ……ここから比較的近くて、ファストパスが早めに切れそうなアトラクションがいいわね」
響「切れることもあるのか」
伊織「もちろんよ。ファストパスは『指定時間にパスを持って来れば優先的に案内してくれる』システムよね」
伊織「みんながファストパス取ったら、それだけ優先案内できる時間も繰り下がっていくわ」
響「パス取ってるのに、そこで混んだらおかしいもんな」
伊織「ええ、そうね。そしてそれが閉園時間を越えたりしたら、もうファストパスはそこでオシマイね」
貴音「ふむ……では、皆が券を取りに行くものほど、早く無くなるということですね」
伊織「そういうことよ」
伊織「……じゃあ、インディジョーンズでいいかしら?」
響「インディジョーンズはパスが早く無くなるのか?」
伊織「人気だもの、そりゃあ早く無くなるわよ」
伊織「真、お願いできる?」
真「よっし……『ロストリバーデルタ』か。じゃあみんなの入園チケット貸して。行ってくるよ」
伊織「ここからなら近いから、すぐ戻ってくるわね」
響「じゃあ普通に待ってるか」
伊織「それもいいけど……そうねぇ」
スッ
ピッ…プルルルル
真『はい、どうしたんだい伊織?』
伊織「ああ、そのままインディジョーンズに向かって頂戴」
伊織「私たち、『うきわまん』を買っておくわ。真も食べるかしら?」
真『うきわまん?なにそれ?』
伊織「アクアトピアの真下にあるお店で売ってるの。うきわの形をした食べ物よ」
真『へぇ~……あ、着いた。……じゃあ買っておいてよ!』
伊織「わかったわ」ピッ
貴音「う、うきわまん……」ジュルリ
響「ここの真下にあるのかぁ。食べてみたいぞ」
―――
気象コントロールセンターのメンバーが実験成功の喜びをわかち合うフェスティバルを開いたときに、
ゲストのみなさんのためにレストランやフードワゴンをつくりました。
そのひとつがこのお店です。
ポートディスカバリーらしい斬新な形のこのスナック、
未来のマリーナを散策しながら味わってみてください。
貴音「……なるほど、確かにうきわの形をしております……ハムッ」
響「エビが入ってるんだなぁ。美味しいぞ!」
タッタッタッタ
真「フゥ~、はい、ファストパスお待たせ」
響「おう、ありがとうな真!」
貴音「いんでぃじょーんずの指定時刻は、13時ですか」
真「並んで入るほうの入り口見たら、45分待ちって出てたよ」
真「あれ見たらやっぱりファストパスの方がいいよなぁ」
伊織「……お疲れさま。はい、真の分のうきわまんね」
貴音「……ご馳走様でした」
伊織「早いわね……」
貴音「……」ジッ
響「……じ、自分の分はあげないぞ?貴音……」
貴音「…………」ジッ
真(……もっかい並んで買えばいいのに…………)
響「う、うぅー、食べずらい……」
貴音「……一口」
響「……じゃ、一口だけ」
―――
貴音「……♪」モグモグ
真「まさか本当にまた並んで買ったなんて……」
伊織「食欲が異常ね」
貴音「ふふ……何か、この場にいることで感じる、より一層の美味しさがあるのです」モグモグ
伊織「そうね、ディズニーランド……ここはシーだけど、ランドにいると日常とは違う感覚になるのよね」
真「うん……なんか、ファストパス取りに走ってただけで、ちょっとワクワクしてたよ」
貴音「……」モグモグ
10:20、タワー・オブ・テラー前
伊織「……さぁて、着いたわよ。……貴音はさっさと食べ終えなさい」
貴音「ふふ、言われずとも……ご馳走様でした」
響「早っ!」
真「……でっかいなぁ……。これがタワー・オブ・テラーかぁ」
響「うわぁ、すごく混んでるなぁ。……90分待ちだってさぁ」
伊織「まぁ、これでも空いてるほうかしらね」
伊織「……にひひっ、そしてここで、この『ファストパス』の出番よ!」
―――
貴音「本当に、最前列へ来てしまいました」
真「ほとんどの行列すっとばして、ここだもんなぁ」
伊織「アンタたちにもわかったでしょ?ファストパスがどれだけ大事か」
貴音「正に、今この場で痛感しております」
真「……にしても……どういうアトラクションなんだい?」
響「なんか、物々しい雰囲気だなぁ……」
伊織「……」
伊織「……建物についての説明は、ちゃんと係の人からされるわ」
伊織「それまでは気持ちを落ち着かせましょ」
真「ん?うん……」
貴音「……はぁ。しかし、うきわまんのなんと美味であったことか……」
響「ま、また買ってくるかぁ?……あはは」
伊織「…………」
伊織(……貴音、ここはセンター・オブ・ジ・アースとは比べ物にならないくらい凄いわよ)
伊織(事前の説明で、覚悟しておいた方がいいわよぉ……)ニヤリ
『タワー・オブ・テラー』
時は1912年のニューヨーク。舞台は、1899年に起きたオーナーの謎の失踪事件以来、
恐怖のホテルと呼ばれるようになった「タワー・オブ・テラー」。
今日は、ニューヨーク市保存協会による見学ツアーに参加していただきます。
さあ、エレベーターで最上階へ…。
『これ先に行ってはならん……!』
『私の忠告を聞け……!呪いは本物だ!』
『シリキウトゥンドゥの眼が……!』
ドシャーン!バリバリバリ
…………
真「えぇと、『ハイタワー3世』がホテルのオーナーで、落下したエレベーターから消えていた、と……」
真「で、そこで見つかったのが『シキリ……』シキリなんだって?」
伊織「『シリキウトゥンドゥ』よ。呪いの偶像って呼ばれてるわ」
伊織「……ま、アトラクションの説明を事前にしなかったのは悪かったわ」
伊織「でも貴音がそんなに怖がりだとは思わなかったわよ。……嫌味じゃなく、ね」
響「た、貴音ぇ……イヤなら抜けようか?自分も一緒に行くぞ?」
貴音「い、いえ……!」
貴音「伊織にそこまで言われて、引き下がれるわけがありません」
貴音「いいでしょう……この恐怖、見事に克服してみせようではありませんか!」
響「む、無理するなよ……?」
真「ていうかボクも普通に怖いんだけど……」
伊織「……このアトラクションがディズニー史上『最恐』ですもの」
伊織「逆に、これをクリアすれば、これ以上怖いアトラクションは無いわよ」
貴音「ふ、ふふ……望むところです」
ギュウゥ
響「痛い痛い!貴音、手ぇ握りすぎだって!」
真「3コースあるのか……」
伊織「乗るエレベーターが違うだけで、ショーの内容は一緒よ」
伊織「一説にはどのコースが一番怖いとか、あるみたいだけどね」
貴音「……」ギュウウ……
響「……(痛い……)」
―――
『さぁ手を振って、この世の自分に別れを告げたまえ……』
伊織「そろそろね……」
響「……」ドキドキドキドキ
真「フゥー……」
貴音「…………」
ガシャン
真「眩しっ!」
伊織「にひひっ、良い景色ねぇ~」
貴音「…………」ギュッ
ガシャン!
―――
真「は、はは……まだ脚がガクガクするよ……」
響「すごかった……とにかくすごかったな……」
響「た、貴音……大丈夫かぁ?」
貴音「……なんとか…………」ガクガク
伊織「ふぅ~。このスリルが病みつきになるのよね~」
響「じ、自分はしばらくは乗らなくていいぞぉ……」
真「ボクもかなぁ……はは」
貴音「……わたくしは……」
貴音「も、もう一度……乗ってみたいと思いました」
響「うえぇ!?」
貴音「……は、恥ずかしながら……最後の方は、気が抜けかけてしまって……」
貴音「ほ、ほとんど覚えてないのです……」
真「それって普通に危ないじゃん……」
貴音「いつの日か、これを平然と思えるような強靭な精神を身につけられるよう……」
貴音「そのために、もう一度乗ってみたい、と思ったのです」
響「そ、そうかぁ~……」
響(ていうか貴音から手ぇ握られすぎててまだ痛いぞ……)
伊織「ふーん……じゃあ別の機会に、また連れてきてあげるわよ」
貴音「ふふ……ありがとうございます、伊織」
伊織「まぁ、またアンタの怖がってる顔が見られるなら安いものよ」
貴音「……つ、次はそうは行きませんよ…………?」
ギュッ
響「はいはい、貴音。大丈夫だからな?」
『タワー・オブ・テラー・メモラビリア』
恐怖のホテルと呼ばれる「タワー・オブ・テラー」のツアーの開催にともない、
ニューヨーク市保存協会は当時の内装をそのまま公開することにしました。
ハイタワー三世のお気に入りのプールも、
現在ではツアーのおみやげを売るショップとして営業しています。
「タワー・オブ・テラー」ならではのユニークなグッズや、
ツアー中のゲストの決定的瞬間をとらえた写真も販売しています。
伊織「……で、出口を過ぎたらここに入ってくるってわけ」
真「そういえばショップに入るのは初めてだなぁ」
響「……写真……うわ、本当に写ってる」
伊織「プ……た、貴音……アンタすごい顔してるわよ?」
貴音「……このような醜態を公衆の面前に晒されるとは……///」
真「ボクも凄い顔してるなぁ。って笑ってるの伊織だけじゃないか」
真「ふーん……一枚買っていこうかな」
伊織「そうね、じゃあ……しばらくここで買い物していきましょう」
響「わかった。自分、ちょっとあっちの方見てくるよ」
伊織「そろそろ昼ごはんにしようかしら」
響「もうか?早いんじゃないか?」
伊織「ちょうどお昼に行ったら、どこも混んでるわよ」
真「ちょっと早いくらいがいいのか……」
貴音「わたくしは今からでも一向に構いませんよ」
伊織「まぁアンタはね……」
響「あ、ゴミ箱だ……ちょっと自分、ゴミ捨ててくるな!」
真「ああ」
伊織「…………」
伊織「…………!!」
真「で、どこで食べるんだい伊織…………伊織?」
伊織「ちょっと待って!」
真「え?」
伊織「……ラッキーね。面白いものが見れるわよ」
真「……清掃のお兄さんしかいないけど」
伊織「……ふふふ」
―――
響「あ……掃除中だったのかぁ」
清掃員「……」ペコリ
響「えーと、ゴミ捨てても大丈夫……かなぁ?」
清掃員「……」ペコリ
響「あ、じゃあ……」
『ガブリッ!』
響「え!?」
響「…………え?え?」
響「な、なんだ今の!?ゴミ箱が喋ったぞ!?」
響「……こ、このゴミも……」
キィ
『ガブリッ!』
響「や、やっぱりだ!」
真「……ど、どういうこと!?」
響「あ、真」
清掃員「……」ペコリ
真「ぼ、ボクもゴミ捨てて……いいですか?」
清掃員「……」ペコリ
真「じゃあ……」
『ニャーオ』
真「しゃ、喋った!ゴミ箱が喋った!」
貴音「わたくしの目から見ても、ゴミ箱が喋ったようにしか……」
伊織「……にひひっ!気になるんなら、貴音も何か捨ててきたらぁ?」
貴音「…………」
真「も、もう一回……」
キィ
『ニャーオ』
真「うわ、やっぱり喋った!」
清掃員「……」
響「自分のときは噛まれた音だったのに……真は猫の鳴き声……」
貴音「失礼致します」
響「あ、貴音」
貴音「この『うきわまん』の包み紙を捨てたいのですが……よろしいですか?」
清掃員「……」ペコリ
『ブブーッ!』
貴音「……!な、なんと!」
響「……ゴミ箱にダメ出しされたぞ、貴音」
真「捨てちゃダメってことかなぁ」
貴音「わたくしにだけ、許可を下さないというのでしょうか」
キィ
『ブブーッ!』
貴音「……な、何がいけないのでしょう……」
清掃員「……」
清掃員「……」スッ
貴音「……?手、ですか?……はい」スッ
清掃員「……」シュッシュッ
響「何かかけてるな……」
貴音「これでもう一度、ということですね……」
貴音「……」
キィ
『ピンポーン』
貴音「!」
響「おお良かったなぁ貴音」
真「手がいけなかったのか……」
貴音「し、しかし……これは一体どのようにして……」
清掃員「……」
清掃員「b」グッ!
『キラリーン』
真「!?お兄さんの『グッ!b』に反応した!?」
清掃員「……」カチャカチャ
清掃員「……」
貴音「……行ってしまわれるのですか」
響「……他のところも掃除しなきゃいけないもんなぁ」
清掃員「……」
真(にしてもデカイ清掃用具だなぁ。車輪ついてるし。ここのゴミ箱と同じくらいの大きさだ)
清掃員「……」
コロコロ……
『ピヨピヨピヨピヨ』
貴音「!?」
響「!?」
真「!?」
響「……」
真「す、すごい……」
貴音「…………」
伊織「……どうだったかしら?『ファンカストーディアル』は」
響「い、伊織……」
真「ふぁんかす……え、何て?」
貴音「……ということは、あれも一つの『あとらくしょん』なのですか?」
伊織「そういうことになるわね」
伊織「ファンカストーディアル……清掃員そのものはカストーディアルって呼ばれてるわ」
伊織「でも中には、普通の清掃員に見えて、とんでもないパフォーマンスをする人たちがいるの」
伊織「それがファンカストーディアルよ。どこに現れるか、何をするのか、一切知らされていない」
響「そ、その人に会ったっていうのか……!」
真「……それじゃあ確かにラッキーだよ」
伊織「まぁね。ファンカストには追っかけも多いし、有名な人は顔もよく知られてるもの」
響「はぁ~~……」
伊織「……で、どこでお昼ご飯を食べようかしら?」
―――
11:20、ケープコッド・クックオフ前
伊織「わたしのおススメでいいなら……ここね」
響「さっきタワー・オブ・テラーまで行くのに、通ったとき見たな」
真「メインはハンバーガーかぁ」
『ケープコッド・クックオフ』
今日は村人たちが集まって誰の料理が一番かを決める、伝統的な料理大会「クックオフ」の日。
会場は白い時計台が目印のタウンホール(村役場)です。
1等のブルーリボンを獲得したメニューやハンバーガー、フライドポテトをたっぷり味わってくださいね。
ダイニングエリアの一部では、
レギュラーショー「マイ・フレンド・ダッフィー」も楽しめます。
真「そうだね」
伊織「……じゃあ、ショーを見ましょうか」
響「ショーって?」
伊織「この店はね、ショーを見ながら食事ができるのよ」
真「どんなの?」
伊織「『ダッフィー』って知ってるかしら?」
貴音「……『みっきー』殿のような、物語の登場人物でしょうか」
伊織「まぁ、そんなものね」
伊織「ディズニーシーじゃないと、ダッフィーには会えないの。ランドにはいないわ」
真「へぇ」
伊織「で、そのダッフィーがどうして生まれたのかがショーでわかるわよ」
ミニー「~♪~」
響「……モグモグ……へぇ~、ミッキーのために作った人形かぁ」
貴音「……モグモグ……モグモグ」
真「やっぱりミニーもミッキーも可愛いなぁ」ホワワーン
伊織「ダッフィーはミニーがミッキーのために作った、意思が宿ったテディベアーね」
貴音「……モグモグ……モグモグ」
伊織「貴音……ちゃんと聞いてるの?」
貴音「ええ、もちろんですとも……モグモグ」
貴音「みっきー殿は世界中を冒険をするのですね。中々行動派ではありませんか」
響「モグモグ……ダッフィー可愛いなぁ」
真「ふ~ん……モグモグ」
―――
真「うっし、美味しかったぁ!」
響「ごちそーさま!」
貴音「……たまには『はんばぁがぁ』も悪くありませんね」
伊織「ふぅご馳走様。……ショーの第二部があるから見るとして、この後はどこに行きたいかしら?」
真「あれ乗ってみたいなぁ、アクアトピアに乗るときに見えた……『ストームライダー』!」
伊織「いいんじゃないかしら」
響「どんなアトラクションなんだ?」
伊織「……そう、ねぇ……」
伊織「乗ってみてからのお楽しみ、かしらね」
貴音「そ、それは一体……」
伊織「……タワー・オブ・テラーよりは怖く無いから安心しなさい」
12:10、ストームライダー前
真「30分待ちかぁ」
伊織「むしろラッキーね。ストームライダーは一度に入る人数が多いから、30分かからないで乗れる可能性もあるわ」
響「そうなのか」
伊織「ええ、だからここにはファストパスもあるけど、他の施設にファストパスを回したほうがいいわね」
貴音「……ところで伊織、そのぽっぷこぉんをわけてくれますか?」
伊織「……さっきあんだけうきわまんとハンバーガー食べて、よく入るわね」
貴音「ふふ……やはり、普段とは違う環境に居ることで、わたくしの胃袋も仕様が変わっているようですね」
伊織「もう、せっかく買ったばっかりなのに……ストロベリー味でいいわけ?」
貴音「はい、ではいただきます」
―――
真「あ、ボクたちも入れるみたい」
響「本当だ……ちょっと早く乗れるぞ」
貴音「なるほど、確かに伊織の言うとおりでしたね」
カラッ
伊織「……最後まで食べてくれちゃってまぁ……」
―――
ドガーン!バリバリバリバリ!
貴音「嵐を消す兵器……凄まじい爆音でしたね」
響「い、今聞いた音の100万倍くらいデカイ音がするって……」
真「ほ、本当かなぁ……」
『ストームライダー』
気象コントロールセンターが開発した「ストームディフューザー」。
これをストーム(嵐)の中心で爆発させれば、
なんとストームを消滅させることができるのです。
折りしも、史上最大のストームが接近中!
さあ、ストームライダーに乗って、ストームの中心部へと出発!
『ストームライダー、発進』
『待ってましたぁ!さぁみんな行くぞ!』
響「うわぁ凄い凄い!……うひゃ!」
―――
『……スコット!後は俺たちが引き受けたからな!』
『キャプテン・デイビス、ミッションは中止です』
『え?何だって聞こえないなぁ?』
貴音「……ふふ、面白いお方ですね」
―――
『爆発まで、20秒』
『みんな捕まってろよ!』
真「ひ……!うわっ……!ひゃあ!」
真「ひゃ~……すごいアトラクションだったなぁ……」
響「じ、自分……こっちの方が怖かったかも」
伊織「……貴音は平気そうね」
貴音「ええ。恐怖と言うよりは、嵐に向かっていく『でいびす』殿に、感動と興奮を覚えました」
貴音「この施設でしたら、何度も乗ってみたいものですね」
伊織「へぇ~意外ね」
真「うん、でも確かに楽しかったよ」
響「は、はは……」
貴音「……大丈夫ですよ響、わたくしがついていますから」
響「そ、そこで貴音に心配される覚えはないさぁ!」
真「どこか時間をつぶせる場所ないかなぁ」
響「伊織、どうだ?」
伊織「うーん……」
伊織「……そうねぇ、何かに乗るかどうかは置いといて」
伊織「とりあえず、まだ行ってない『アラビアンコースト』のエリアに行ってみましょ」
貴音「あらびあん……どのような所なのでしょうか」
伊織「そのまんまよ。アラビアっぽい雰囲気の所ね」
真「ディズニーだと……『アラジン』みたいな感じか」
響「よっし、行くぞー!」
貴音「いんでぃじょーんず、はこの建物なのですね」
伊織「そうよ、ファストパスの入り口はこっち」
真「ここも70分待ちか……取っておいてよかった」
響「このまままっすぐ行くとアラビアンコーストに着くのか?」
伊織「着くわね。……あ、あと丁度いいわ」
伊織「今から『レイジングスピリッツ』っていうアトラクションも通り過ぎるんだけど……」
伊織「13時過ぎて、インディジョーンズに向かう途中で、そこでファストパスを取るといいわ」
真「へぇ~、人気のアトラクションが2つ並んでるのか」
響「レイジングスピリッツって、どんなアトラクションだ?……全然イメージ湧かないなぁ」
伊織「……レイジングはジェットコースターそのものね。特に怖い演出があるわけでもないわ」
貴音「それならば……わたくしも平気かと」
伊織「あ、そうそう、これね。これがレイジングスピリッツ」
真「……うわぁ…………こっちは80分待ちだって……」
伊織「……ま、時と場合によるわね」
伊織「最近までは、事故で運転休止してたから……再開して、それで混んでるのもあるわよ」
貴音「成程……む、あれが『ふぁすとぱす』の発券機ですか」
真「あ、あれか。……アトラクションごとに発券機の形も違うんだよなぁ」
響「タワー・オブ・テラーも違うのか?」
真「うん、全然違った」
響「……なんか上に時間がかいてあるな」
貴音「仮に今から発券すれば……利用は16時から……ですか」
伊織「まだパスは切れなさそうね。慌てることはないわ」
―――
真「うわー、本当にアラビアみたいだ」
貴音「……先ほどの密林のような一帯とは、まるで雰囲気が違いますね」
響「でっかい宮殿がたくさんあるなぁ……」
真「す、すごいなぁ。……どこを見る!?」
響「真、落ち着くさぁ……」
伊織「並ばないで乗れる……『シンドバッド』が丁度いいわね」
貴音「しんどばっど、とは……どのような施設なのですか?」
伊織「あの建物よ」
伊織「船に乗ってストーリーを楽しむ……ランドの『イッツ・ア・スモール・ワールド』の系統ね」
真「……ランドも行ったことないから良くわからないよ」
伊織「……そうだったわね、悪かったわ」
『シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ』
かけがえのない宝物を手に入れるために、
未知なる海の冒険へと旅立つ船乗りシンドバッド、そして、トラの子ども、チャンドゥ。
さあ、“心のコンパス”を信じて! あなたも一緒に船に乗って、
最高の宝物を見つけに行きましょう。
伊織「ま、いつでも行列があるような、大人気のアトラクションじゃないわね」
伊織「……でもやよいと一緒に来たときは、やよいが一番楽しんでたアトラクションだったわ」
真「ふーん……」
―――
~じんせいーは、ぼーうけーんだ♪~
真「チャンドゥ!チャンドゥ埋まってる!」
響「え、あ、ホントだ!埋まってる」
―――
~しーんじーて、コーンパースを♪~
響「なんか……良い歌だなぁ」
貴音「そう……ですね……」
貴音「心を揺さぶられるような……素晴らしい歌です」
響「はぁ~……」
真「しーんじーて、コーンパースを♪……か」
貴音「……『童心に帰る』とは、このようなことを言うのかもしれませんね」
貴音「何よりも確かに、曲が素晴らしいと感じました」
伊織「そうねぇ、やっぱりここの中心は音楽よねぇ」
伊織「あと真、あれは『コンパス・オブ・ユア・ハート』って言ってるのよ」
真「え!?」
伊織「歌のタイトルもそう。……あと作曲者もディズニーでは有名な人なの」
響「そうだったのかぁ……。はぁ、心のコンパスかぁ……」
伊織「……時間が良いわね。そろそろインディジョーンズに向かいましょう」
貴音「真、どのようにすれば?」
真「入園チケットの……そう、そこのバーコードを通して」
貴音「ふむ……確かに出てきましたね」
響「レイジングスピリッツは16:20からだってさぁ」
伊織「全員そうみたいね。さ、インディに行くわよ」
13:15、インディジョーンズ
真「やっぱりファストパスだとスイスイ進むなぁ」
貴音「しかし……この並ぶための場所も中々に凝っていますね」
響「よく出来すぎてて……ここもちょっと怖いぞ」
貴音「……わたくしは今のところ大丈夫です」
伊織「……まだ何も聞いてないわよ」
インディ・ジョーンズ博士の助手パコが、
博士に内緒で“若さの泉”を探す魔宮ツアーを企画しました。
さあ、さっそくあなたも参加しましょう。
ところが招かれざる客の侵入に、魔宮の守護神クリスタルスカルの怒りが大爆発!
無事に脱出できるのでしょうか!?
貴音「……非常に物々しい雰囲気になってきましたね」
響「ていうかあのパコって人、勝手に企画してるんじゃないかぁ!」
真「……注意書きも凝ってるんだなぁ、面白いや」
伊織「もうそろそろよ。……貴音、覚悟は出来たかしら?」
貴音「!?……も、もちろんです」
テーッテレッテー、テーレレー♪
貴音「!?なんと……あの人は危なくないのですか!?」
伊織「人形、人形だから」
―――
『きーえーさーれー!』
ドゥーーン!!
真「うひゃあ!?」
響「うぎゃあ!!」
貴音「ひ、ひぃ!」
伊織「……♪」
―――
ゴロゴロゴロゴロ……
真「危ない……危なーい!」
ガクン!
貴音「……助かりました」
テーッテレッテー、テーレレー♪
『後は自分たちで切り抜けるんだな』
真「は、はー……終わりかぁ……」
伊織「やっぱりコレは何回乗ってもいいわ~♪」
響「楽しかったけど……す、すごい疲れたぞ……」
貴音「ええ……あの教授というお方の助けが無ければ、今頃どうなっていたことか……」
伊織「だから人形だって」
真「コレ……今までで一番面白かったよ!」
真「うん……すごくよかった」
真「いやぁ~、へへ……もう一回乗りたいくらいだよ」
響「ああ、でも自分もコレは楽しかったぞ!」
伊織「にひひっ、楽しんでくれたのなら何よりだわ!」
貴音「そうですね。……しかし、あの方が『インディ・ジョーンズ』と言うのですか」
貴音「あの方の助けなくして、今ここには居られないのかと思うと……」
伊織「人形だって言ってるでしょ!」
―――
『エクスペディション・フォトアーカイブ』
ここは、発掘調査隊が撮影した現場記録写真の保管室。
現在も記録写真を取り扱っているのですが、
そこに写っているのはクリスタルスカルの魔宮に挑む探険家たちの勇猛果敢な(恐怖の?)姿です。
手に入れたい探険家の方は、キャストまでどうぞ
伊織「タワー・オブ・テラーと同じね。写真を撮られてたから、ここで買うことができるの」
伊織「……また貴音が凄い顔になってるわ」
真「……こっちは物凄いしかめっ面だな……」
貴音「し、仕方が無いでしょう!?」
貴音「あの様な物が迫ってくるなどと考えたら……この様な顔にも、な、なります///」
真「……伊織はまた笑顔だ」
伊織「そりゃあ写真のポイントくらい、ちゃんと押さえてるもの。……にひひっ」
響「そうだなぁ……自分、一枚買おうかな」
貴音「!?ひ、響……このような間抜けな顔をしたわたくしの写真を……買うというのですか?」
響「……どうしよう」
伊織「……ま、ゆっくり決めなさい」
伊織「私はこっちのショップでも見てるわ。……『ペドラーズ・アウトポスト』ってところね」
真「あ、じゃあボクも行くよ」
貴音「響……考え直してはくれませんか?」
響「た、貴音ぇ……ちょっと近すぎる……」
真「あ、この帽子いいなぁ」
伊織「……こっちの方が似合うんじゃない?」
真「本当?……へぇ~、確かにいいね」
真「あ、Tシャツも売ってるんだ。……何か買っていこうかな」
―――
貴音「……響、薄情です…………」
響「だ、だからぁ……誰にも見せないって。……それならいいだろぉ?」
貴音「ほ、本当に……本当にそうだ、と約束してくれますか?」
響「約束するよぉ……」
貴音「……ありがとうございます」
響(貴音ってこんなこと気にするようなタイプじゃないはずなのに……)
響(やっぱりディズニーの魔力……なのかな)
真「あ、お帰り」
響「おう」
貴音「……フゥ」
伊織「……こっちはもう買い物終わっちゃったわよ。何か買うかしら?」
響「そうだなぁ。ちょっと見てみるよ」
伊織「……じゃあ、私と真はこれからの打ち合わせでもしましょ」
真「ん?あ、ああ。わかった」
響「ほらほら、貴音も来いよ!」
貴音「あ、待ってください響……」
…………
13:40、ペドラーズ・アウトポスト
真「で、次はどうするんだい?ファストパスまで結構時間あるよ」
伊織「そうねぇ……アラビアンコーストと、『マーメイドラグーン』の方に行ってみるのがいいかしら」
真「まだ行ったことない所か」
真「ショーってどういうのだい?」
―――
響「うわっ!可愛い!可愛すぎるぞこのぬいぐるみ!」
貴音「……響……このカエルのぬいぐるみが可愛いのですか……?」
貴音「わたくしにはとてもそのようには……」
響「む~……自分は可愛いと思ったんだから良いんだよ!」
響「……!そっか、貴音ってカエル苦手だもんなぁ……うりゃ!」
貴音「ひえっ!……ひ、響……勘弁してくださいまし……」
響「へっへ~……うりゃうりゃ!」
貴音「あうぅ……い、いけずですぅ……」
貴音「……」
伊織「……買い物してきただけで随分やつれたわね」
貴音「そ、そのようなことは……」
伊織「……まぁいいわ。次はマーメイドラグーンに行きましょう」
響「マーメイド……『リトル・マーメイド』のところかぁ」
伊織「ええ、そこの特徴はやっぱりショーね」
伊織「『マーメイドラグーン・シアター』でやっているわ。もう少しで始まるわよ」
真「じゃ、行こうか」
響「よーっし、レッツゴーだ!」
貴音「参りましょうか」
響「広いな」
真「外から見ても大きかったけど、中はこんな感じなんだね」
貴音「ふむ……この中に色々な施設が総合されているのですね」
伊織「マーメイドラグーンのエリアの特徴ね」
伊織「外にもアトラクションはあるけど、大体は『トリトンズ・キングダム』の中にあるわ」
真「で、シアターはどこだい?」
伊織「このまままっすぐ行くとあるわよ」
響「お、5分待ちだって!すごく早く見れるんだなぁ!」
貴音「……しんどばっど、のようにそこまで人気あるわけではない施設なのですか?」
伊織「うーん、ちょっと……違うわね」
伊織「ショーが結構長いから、この待ち時間って、ほとんどショーの区切りの時間と同じね」
真「ああなるほど……次のショーが始まるまでの時間、ってことか」
伊織「そういうことね。……ただ普通に混む場合もあるわよ」
真「本当だ。たくさん人がいるのに……それでも5分待ちなんだ」
伊織「一度に入れる人数が多いもの。次のショーまでお預け、ってかなり混まなきゃ無いわよ」
響「ふぅーん」
貴音「……どのような見世物なのでしょうか?」
伊織「普通にリトル……貴音の場合は『人形姫』ね。人魚姫をモチーフにしたショーよ。話はかなり違うけど」
伊織「あと、自由に座れるから……最前列とか、通路側の席が空いてればそこに座るといいわ」
響「なんでだ?」
伊織「……座れればわかるわよ。座れなかったら教えてあげるわ」ニヤリ
真「もう……いちいち含みを持たせないでくれよ」
貴音「そ、そうですよ伊織……」
伊織「……」
伊織「……アンタが思うほど怖い目には会わないわよ」
『マーメイドラグーン・シアター』
海底王国の奥に眠る沈没船が、「マーメイドラグーンシアター」への入口です。
このシアターでは、アリエルと海の仲間たちが海の魔女アースラに立ち向かう、
勇気と友情のミュージカル「アンダー・ザ・シー」を上演中!
真「……で、見事に最前列に座れたわけだけど……」
伊織「じゃ、そのときが来るまで内緒ね♪」
真「もう……」
響「でっかいなぁ……あ、宝箱ってアレかぁ」
貴音「『ありえる』嬢の宝箱を中心に座るように、と言われましたね。成程」
―――
アリエル『~♪~』
響「綺麗だな、アリエル」
真「あれ……結構筋肉使うだろうなぁ。頑張るなぁ」
伊織「どういう目で見てんのよ」
パンッ
響「……そうか、コレのことか」
貴音「あれは、ヒトデ……でよろしいのでしょうか?」
伊織「ヒトデね」
真「くそう……アリエルの方に集中しすぎてボクだけ出来なかった……」
伊織「にひひっ、まだチャンスはあるわよ?」
―――
響「セバスチャンだー!」
貴音「……誰ですか?」
伊織「アリエルのお目付け役ね……アンタんとこの『じいや』とか、うちの新堂みたいなものかしら」
貴音「ふむ……」
セバスチャン『変わった娘だねぇ、人間の世界に興味を持つなんて……』
貴音「……苦労しておられるようですね」
フロットサム『可哀想な娘だねぇ』
ジェットサム『アースラ様に会わせてあげよう』
響「あ、アリエル、そいつら悪いやつだぞ!聞いちゃダメだ!」
真「言ってもしょうがないよ響……」
―――
セバスチャン『アンダザッシー♪』
真「へへーっ、今度はセバスチャンとタッチできたよ!」
伊織「良かったじゃない」
貴音「……ふむ」
貴音「多くを望みすぎず、身近な幸せを感じることが大切……深い話ですね」
響「……そ、そうだ、なぁ……」
響(……楽しすぎて、全然そんなこと考えてなかったぞ……)
14:30、トリトンズ・キングダム
伊織「さて、どうしようかしら?」
響「……この中にあるやつ、乗ってみてもいいかなぁ」
伊織「いいんじゃない?どれにするの?」
真「そうだなぁ……」
貴音「……わたくしは、あの回っているモノが気になります」
響「コーヒーカップみたいだな」
真「うん……ボクは、あの上がったり下がったりしてるやつが面白そうだ」
伊織「『ジャンピンジェリーフィッシュ』ね。貴音が言ってるのは『ワールプール』よ」
響「じゃあ……自分はジェリーフィッシュに乗ってみるぞ!」
真「お、じゃあ一緒に乗ろうか」
響「おう!」
伊織「……じゃ、私は貴音と一緒にワールプールに乗るわ」
貴音「ふふ、よろしくお願いします」
ミステリアスな海の底で、みんなに愛されている不思議な乗り物があります。
それは、カラフルなジェリーフィッシュ(くらげ)たちが吊り下げた貝がら。
みんなを乗せて、ふわりふわり、上ったり、下りたり。
あなたも、たくさんの仲間たちがいる海中をゆったりとただよってみませんか?
響「お、結構高くまで上がるんだな」
真「……あ、伊織たちが見えた!おーい!」
響「……聞こえてないのかな」
真「うーん……手でも振ってみようか」
フリフリフリフリ
響「……反応無いなぁ」
真「はぁやれやれ……。しっかし……景色いいなぁ」
響「……ホントだなぁ」
真「今流れてるのが……『アンダー・ザ・シー』だっけ」
響「そうだぞ、リトル・マーメイドのテーマ曲だな!」
真「思ったよりゆっくりだけど……こういうのも良いなぁ……」
色とりどりのケルプ(海藻)でできた、ちょっとユニークなカップ。
ここに乗り込んだら、ゆかいな時間の始まりです。
潮のうず巻きに身をまかせ、8の字を描きながら、くるくる、ぐるぐる。
目を回さないように気をつけて!
貴音「おや……響から聞いていた話と違いますね」
伊織「何か違ったかしら?」
貴音「響からは……こぉひぃかっぷは、自分で回すものだ、と教えていただきました」
貴音「しかしこれには……何も回すための装置が無いようですが」
伊織「そうね、これは自動で回るわよ。……あ、始まったわ」
貴音「……ふむ」
貴音「成程……この程度の回転ですか」
伊織「……にひひっ」
貴音「どうかしましたか、伊織?……急に近づいてきて何を……」
貴音「!?」
貴音「か、回転が速くなっている!?」
貴音「な……そ、そんな仕掛けがされていたとは……!」
伊織「かなり速くなったわね」
貴音「た、確かに……」
「ぉーぃ」
貴音「……今、何か聞こえましたか?」
伊織「さぁ?」
伊織「そんなことより……もっと密着してもっと速くするわよぉ」
貴音「ふ……この程度で目を回すようなわたくしではありませんよ!」
―――
真「あぁ~楽しかった……って伊織と貴音、なんでちょっと良い顔してるんだよ」
響「良い顔すぎてちょっと気持ち悪いぞ」
貴音「ふふ、ふ……人知れぬ対決があったものですから……」
伊織「……流石にあんだけくっつくと暑いわ」
伊織「次なんだけど……アラビアンコーストでいいかしら?」
響「お、いいぞいいぞー!」
貴音「しんどばっど殿にはもう会いましたから……次は何をするのですか?」
伊織「アラビアンコーストの目玉は『マジック・ランプ・シアター』だけど……」
伊織「……ちょっと待ちなさいよね」
スッ
真「スマホか……いいなぁ」
響「何調べてるんだ?」
伊織「……ふっふっふ。ディズニーのHPで、待ち時間が調べられるのよ」
真「あ、そうなんだ!?」
伊織「ええ。しかも今から取った場合のファストパスの指定時間もわかるわ」
貴音「まこと、便利な代物なのですね」
伊織「……60分待ちで、ファストパスは18:20……」
伊織「……まだ無理に並ぶ必要ないわね。ファストパスも余裕ありそうだわ」
伊織「『フライングカーペット』でも乗りましょうか」
響「フライング……空飛ぶじゅうたん、ってことか?」
伊織「行ってみればわかるわ。こっちよ」
―――
『ジャスミンのフライングカーペット』
ディズニー映画『アラジン』に登場するジャスミンの庭園の上空を、
空飛ぶ絨毯に乗って旋回するライドタイプのアトラクションです。
空飛ぶ絨毯を自分で上下に動かしたり、傾きを変えたりと、
まるで自由に空を飛んでいるかのような気分を味わうことができます。
響「あ、これかぁ。通るときに見たな」
真「4人乗りみたいだね。ちょうどいいや」
伊織「これ、前後の席にそれぞれレバーがあるわ」
伊織「前のレバーはカーペットの上下、後ろは傾きを変えられるわよ」
貴音「お互いのレバーを動かしあうことで、奇妙な動きをする……ということですか」
響「じゃ、後ろはよろしくなー?」
真「ああ、任せてくれよ!」
『それでは、楽しい空の旅をお楽しみください』
グイーン
響「お……おぉー!ホントだ!ホントに上下に動くぞ!」
貴音「響……あまりやりすぎぬようにしてくださいね……」
真「結構傾くもんなんだね、面白いや」
伊織「……調子乗りすぎないでよね、危ないから」
響「たっかいなぁー!ジェリーフィッシュよりはやーい」
貴音「……この開放感は、えもいわれぬ感覚ですね」
真「あっはっはっはっは」グイングイン
伊織「調子乗るなっつーのに!」
響「気持ちよかったなぁ!」
真「ああ本当だよ!」
貴音「……ふふ、いい『りふれっしゅ』になりましたね」
伊織「……ハァ、喜んでもらえたなら何よりよ」
15:05、フライングカーペット前
真「まだ一時間以上あるなぁ」
伊織「…………」
スッ
伊織「…………」
伊織「そうね……ここらでアレに行きましょう」
響「アレ?」
伊織「ミッキーよ」
貴音「!?み、みっきー殿に会うのですか?」
伊織「違うわよ。ミッキーとミニー、あとグーフィー……」
伊織「それぞれ個別で写真撮影ができる場所があるの」
響「じゃあ、そこに行くんだな!?」
伊織「ええ、今から行けば……30分待ちくらいだわ」
伊織「ミッキーの『グリーティング』にしては待たない方だし、時間も消化できていいわ」
真「グリーティングって?」
伊織「……簡単に言えば……キャラクターと触れ合うこと、かしら」
伊織「専用のグリーティングスペースがあるのは、あとダッフィーとかドナルド、アリエルとかね」
伊織「各エリアをうろついてる、『フリーグリーティング』ってキャラクターたちもいるわよ」
貴音「で、では……みっきー殿に会いに、行ってみようではありませんか……!」
『ミッキー&フレンズ・グリーティングトレイル』
ロストリバーデルタのジャングルに囲まれた場所で、古代文明の遺跡や、
植物や昆虫などの調査・研究をしているディズニーの仲間たちと記念撮影をしたり、
触れ合ったりして楽しもう!
道の途中にもいろんなしかけが施されていて、探険家気分で楽しめます。
真「ミッキーとミニーが30分待ちで、グーフィーが20分待ち……」
響「…………」
響「……な、なぁ、自分……グーフィーの方に行ってあげてもいいかなぁ……?」
伊織「……別に止めないけど……グーフィーはいつも大体こんなものよ」
貴音「アイドルと同じですね……人気があるものとないもの、明暗がはっきりわかれてしまうという……」
響「う、うぅ~ん……ミッキー見たいけど……グーフィーが……」
伊織「……ハァ」
伊織「……ここのグリーティングで、『ミッキーよりは』人気ないだけで、グーフィーも人気キャラクターよ?」
伊織「むしろ……響のほうがグーフィーから心配される立場なんじゃないかしらぁ?」
響「う、うがー!そんなことないってばぁ!」
響「……いや!伊織の言うとおりだ!」
響「自分なんかが心配することがもう失礼だったんだ!」
響「ミッキーには勝てなくたって……グーフィーは立派にやってるはずさぁ!」
貴音「ふふ、そうですね。わたくしと響、それぞれ持つものが違うように……」
貴音「みっきー殿とぐーふぃー殿にも、それぞれの良さがある。……そういうものでしょう」
伊織「……余計な心配されて、グーフィーも気の毒よ」
―――
真「あはは、これ可愛い!」
響「ふぇ~、さっきまで何だったかわからなかったのに……」
貴音「真正面から見ることで、みっきー殿のように見える石群。……面白いですね」
伊織「ここのグリーティングは待ち時間用の通路も面白いもの。退屈はしないはずだわ」
真「いや、ホントだよ伊織!そこかしこにミッキーがいるんだもの!」
伊織「……『隠れミッキー』って知ってるかしら?」
真「隠れミッキー?なにそれ」
貴音「みっきー殿が、どこかに隠れているのでしょうか」
伊織「そういうものじゃないわよ。……ミッキーのシルエット、ていうか輪郭、はわかるわよね」
響「ああ、そりゃあなあ」
真「●が3つ」
伊織「ええ。……実は、シーの至る所に……そのミッキーのマークが隠れてるのよ」
響「ど、どういうことだ?」
伊織「例えば、最初に行ったセンター・オブ・ジ・アース」
伊織「あそこの通路の外壁……ただのゴツゴツした岩肌だと思ってたでしょう?」
真「え、だってそうだったじゃないか」
伊織「あそこの外壁の一部が……ミッキーマークの模様の形になってるのよ」
真「そうだったの!?」
響「し、知らなかったぁ~……」
貴音「それが、隠れみっきー殿というわけですね」
伊織「にひひっご名答!」
真「……じゃ、じゃあ最初に教えてくれればよかったのに!」
伊織「言われて探したんじゃ面白くないわよ。……自力で見つけるのが楽しいんだから」
響「う、うわぁ~……なんかそう言われたら、あれもこれもミッキーの形に見えてきちゃうぞ」
真「くっそー、悔しいなぁ……絶対に自力で見つけてやる」
伊織「頑張りなさいよね~♪」
※今調べなおしたら、センター・オブ・ジ・アースにはナイっぽかったです
でもミステリアスアイランド地帯にもいくつか隠れミッキーはあります
まわし者か?
真「いよいよみたいだね」
貴音「……」ゴクリ
真「あ、写真だ……」
真「……!わ、わ、面白いよ響、貴音!」
響「なん、なんだなんだぁ?」
貴音「どれでしょうか?」
真「ほら、このミニーの写真に写ってる蝶々なんだけど……」
響「……!は、羽がミッキーの顔になってる!」
貴音「す……素晴らしい蝶々ですね。……こちらはみにー嬢のりぼんの柄の羽です」
真「なんだよこれ……こんなとこにも仕込んであるのかぁ」
伊織「……言ったでしょ?退屈はしないはずだって」
貴音「はい……つくづく、その言葉の意味を噛み締めております」
響「すっごいなぁ……」
伊織「やっぱりミッキーはジェントルマンよねぇ~。どんな時でも優しいし、立ち振る舞いもオーラがあるわ」
貴音「みっきー殿……わたくしは、非常に貴重な体験ができました」
真「かっわいかったなぁ~……それにカッコよかったよ……」
響「ほんとだよなぁ……ハム蔵とも違う可愛さだなぁ……」
伊織「……ミッキーに夢中になる人の気持ちも、少しはわかったかしら?」
貴音「ええ、わたくし……感動で胸がいっぱいです」
真「ギューッてさ、ギューッてしてくれるんだよね」
響「そうそうそう!しかもちょっとお茶目なんだよなー!」
真「あれがたまんないよねー」
…………
15:50、グリーティングトレイル前
真「そういえばさ、伊織」
伊織「なぁに?」
真「あそこ走ってるような……船には乗らないのかい?」
伊織「そうねぇ……ここから出る船は、パークの反対側の『メディテレーニアンハーバー』行きのものよ」
伊織「アトラクションじゃなくて、移動手段としても使えるわ……後で乗ってみるのもいいんじゃないかしら」
響「へぇ~、楽しみだなぁ」
貴音「……あと30分程度、時間がありますね」
響「!?」ハッ
真「響?」
響「……」チラッ
響「……うん……よし……」
伊織「…………」
貴音「響、どうしたのですか?」
響「あ、……あはは……えっと、なぁ」
伊織「……いいわよ」
響「え?」
伊織「グーフィーと写真撮りたいんでしょう?……いいわよ。私もついていってあげるわ」
貴音「……確かに、ぐーふぃー殿の待ち時間は25分程度。指定時刻には間に合いますね」
響「あ、あぅ、う……」
伊織「どうしたのよ。別にそこらへんのレストランで、おやつ食べながら時間つぶしたっていいわよ?」
響「……」
響「い、いいかなぁ……みんな。グーフィーと、写真撮りたいんだ……」
貴音「ふふ……では、参りましょう?」
真「ああ、ボクもグーフィーに会ってみたいからね」
伊織「まったくもう……はっきりしなさいよね?……別に迷惑だなんて、思ってないんだから」
響「そ、そう……かぁ……みんな、ありがとうなぁ!」
―――
16:30、グリーティングトレイル
響「はぁう……グーフィーが可愛かったよぉ~」
貴音「やはりみっきー殿には無い、別の魅力がありましたね」
真「そうだね。レイジングスピリッツに行こうか」
伊織「……待って!」
響「……どうしたんだ伊織?」
伊織「真……ファストパスとポップコーン、お願いできるかしら」
真「……ここに来てそれかぁ」ハァ
伊織「ちゃあんと、後でご褒美くらいあげるわよ」
真「はは……期待しないで待っておくよ」
真「で、どのアトラクションのファストパスだい?」
伊織「マジック・ランプ・シアターのパスをお願い。それと、近くに『カリー』味のポップコーンがあるわ」
真「マジック・ランプ・シアターと、カリー味……よし!」
ダッ!タッタッタッタ……
貴音「……流石に、真にあれこれと頼みすぎなのでは?」
伊織「まぁ、悪いとは思ってるわよ。……後で、しっかりしたご褒美あげなきゃね」
真「ポップコーン、ちょっと混んでたよ。お待たせ」
伊織「ありがとう、真」
貴音「指定時刻が……19:40とは……」
響「だいぶ後になっちゃったなぁ」
伊織「いや……ちょうどいいわね。最後にここに行くようにすればいいだけよ」
真「マジック・ランプ・シアターを見て、帰るってことか」
伊織「そういうこと。……で、レイジングスピリッツね」
『レイジングスピリッツ』
燃え上がる炎、立ち込める蒸気…。
古代神をまつった遺跡の発掘現場で、数々の異常な現象が!
復活した神々の怒りによって、中断を余儀なくされた調査隊。
ところが、あなたに見学のチャンスがやってきました。
さあ、自らの体でこの超常現象を確かめにいきましょう
伊織「ここのコースターは1回転するのが特徴ね」
伊織「ま、ある意味だと他の遊園地でも似たようなのは乗れるかしら」
響「あ、あははー……恥ずかしながら、まだ無いんだ」
貴音「丁度良い機会ではありませんか」
響「そうだなぁ……ははは……」
伊織「今回は貴音は心配なさそうね。むしろ響かしら」
響「だ、だぁ!大丈夫だぞぉ!?」
真「声、声が上ずってるよ」
―――
伊織「本当は……並んで乗るほうが良い場合もあるのよ」
真「どうして?」
伊織「私たちはファストパスでさっさと乗ることが出来るけど……」
伊織「並んでいると、コースターの様子がまじまじと見えるの」
伊織「それで恐怖心が煽られる人もいるでしょうけど……何度も見せられるから、次第に慣れてくるわ」
響「……自分たちは……こ、心の準備ができないまま乗ることになる、ってことかぁー!?」
伊織「……にひひっ♪」
貴音「響……しっかりしてください」
響「……」ポケー
真「係の人にも心配されちゃったじゃないか。大丈夫かい?」
響「ああ……うん……なんくるないさー」
伊織「……真はどうだったかしら?」
真「え、ボクかい?……そうだなぁ。一回転に気を取られて、気がついたら終わってたよ」
貴音「そうですね。思ったよりも短い、というのが正直な感想でした」
響「ああ……うん……短かったなぁ」
伊織「いつまで放心してるのよ」
響「なんかもう……すごかった……グワーンってなってグルーンってなって」
響「気がついたら終わってたさぁ……」
伊織「……ハァ」
伊織「あ、グーフィーだわ」
響「!?ど、どこだどこだ!?」
伊織「……ウ・ソ」
響「えぇー!?それはあんまりさぁー伊織ぃー!」
伊織「あはははは、でも元気になったじゃないの!」
響「ムフー!グーフィーがいないんじゃ元気になんてなれないぞぉ!」
貴音「ふ、ふふ……響、落ち着いてください」
真「はははは!もう、二人とも」
…………
『ディズニーシー・トランジットスチーマーライン』
東京ディズニーシーの海をめぐる蒸気船。
ここ、ロストリバーデルタのドックからは、メディテレーニアンハーバー行きの船が出航しています。
見えてくるのはエキゾティックなアラビアの宮殿、
珊瑚でできた美しい城、火山の中に潜む秘密基地…。
風を感じながらの船旅を、ゆったりとお楽しみください。
伊織「じゃ、これに乗って反対側まで行くわよ」
響「走っているのはさっきから何回も見たけど……乗るとどんな感じなんだろうな」
貴音「色々な施設を巡りながらの船旅とは、風情があっていいものですね」
―――
響「お、アラビアンコーストだ。カーペットも飛んでるな!」
真「……あ!ジャファーがいる!」
伊織「あら、本当?ジャファーはアラビアンにしか出ないフリーグリーティングね」
響「見つけた、ホントにジャファーだ!」
貴音「……じゃふぁーとは……あの、何やら気難しい顔をしている男性の方でしょうか」
伊織「そうよ。『アラジン』に出てくる悪役キャラクターね」
貴音「成程……確かに、不穏なことを考えていそうな顔をされていますね」
真「へぇ~、やっぱりフリーグリーティングっているんだぁ」
伊織「アラビアンコーストなら、ジーニーにも会えるわね」
響「そっかぁ。……色んなキャラクターに会ってみたいなぁ……」
真「こっちは……マーメイドラグーンか」
響「そういえば、外のアトラクションには乗らなかったな」
伊織「そうねぇ、どっちも子供向けのアトラクションだったもの」
貴音「伊織、ここでも登場人物に会えるのですか?」
伊織「会えるわよ。アリエルは専用のグリーティングスペースがあって……」
伊織「あとはフリーならリトル・マーメイドのエリック王子とかかしら」
伊織「ドナルド、グーフィーもたまに来るわね」
響「え、グーフィーがあそこにいるのかぁ!?」
伊織「今は多分いないわよ!」
―――
貴音「みすてりあす・あいらんど……でしたね」
伊織「センター・オブ・ジ・アースのところね」
真「……そういえば、海底2万マイルには乗らないのかい?」
真「いや……他のファストパスが必要な施設は全部回ったのに、ここだけ何も言ってなかったからさぁ」
響「ん……あ、そうだな。ここだけ何もやってないな」
伊織「ああー……2万マイルはねぇ……そこまでして乗るほどのアトラクションでもないわよ」
真「そ……そうなの?」
響「どうしてだ?」
伊織「他のファストパスが必要なアトラクションに比べると、地味だし動きも少ないのよ」
伊織「それに、19時を過ぎたら5分で乗れるようになったりもザラよ」
貴音「後になるほど、待ち時間が少なくなる……ということですか」
伊織「そうよー。タワー・オブ・テラーはその時間でも30分待ちが当たり前だわ」
伊織「それを考えたら……わざわざ並ぶ必要も、ファストパスを取る必要もないわね」
伊織「夜になって空いてたら乗る、くらいの気持ちで構わないんじゃないかしら」
真「……ひどい言われようだ。2万マイル」
響「逆に興味が出てきたぞ……」
響「うわぁ~!凄くおしゃれな建物ばっかりだなぁ」
真「いいなあぁ……こういうところに住んでみたいやぁ……」
貴音「これは……何か基となる建造物があったりするのでしょうか?」
伊織「イタリアのヴェネツィアがモチーフになっているらしいわよ」
響「うわ、うわぁ~……うわぁ~……」キラキラ
真「はぇ~……ひゃ~……」キラキラ
伊織「……目的地、ここじゃないんだけど」
貴音「確か……『たぁとる・とぉく』でしたね」
伊織「そー。ここからアメリカンウォーターフロントまで歩くわよ」
真「ちょ、ちょ、ちょっと待ってよぉ……もうちょっと見てたいんだ」
響「じ、自分もぉ……」
伊織「あとで連れてきてあげるから!」
伊織「メディテレーニアンハーバーは、ホテルミラコスタも併設されてるわ。ちょうど今見えるアレね」
貴音「……!この中に宿泊施設まで備えてあるのですか!?」
伊織「ええ。私もよく泊まるわよ。ていうか、本気でディズニーに浸かる気ならミラコスタは定石よ」
響「ホテルの中ってどうなってるんだ?」
伊織「メディテレーニアンハーバーに合った、イタリアンなホテルね」
伊織「……シー側の部屋なら、窓からパレードも見放題よ」
真「うわっ、それいいなぁー!」
伊織「あとは、時間指定の無いファストパスがついてくる特典があったりするわね」
響「好きなときに乗れるってことかぁ!」
貴音「……それならば、宿泊施設を利用する人がいるのも必然でしょうね」
伊織「……ま、その分安くはないけどね」
真「い、伊織が泊まる部屋は……いくらくらいするんだい?」
響「じゅ……!」
真「……ふはぁ~…………」
貴音「……しかし、それによって得るもののために、利用する人がいるのでしょう」
伊織「そうねぇ。朝は時間より早く回ることができたりもするし」
伊織「キャラクターたちの練習風景なんかも窓から見えるわよ」
真「はは……一生に一回は泊まってみたいなぁ」
響「夢みたいな話だなぁ……」
―――
17:20、アメリカンウォーターフロント…タートルトーク前
伊織「着いたわね」
響「タートル・トーク……亀とお話できるのか」
真「25分待ち……ちょっと待つくらいだね」
伊織「40分待ちくらいも想定してたけど……上出来よ」
貴音「なんでしょう」
伊織「並んでいる間にポップコーンが食べたかったら、自分で買ってきなさい」
貴音「!?」
真「い、伊織……それくらいボクが買ってくるよ」
伊織「いえ、真はいいわ。……貴音、アンタどんだけポップコーン食べたと思ってるのよ」
貴音「!」ギクッ
貴音「うぅ……確かにわたくしが、今ある分もほとんど食べてしまいましたが……」
伊織「……流石に食べすぎよ。これ以上は自分で買ってきなさい」
伊織「近くにならクランベリーとブラックペッパーがあるわ」
伊織「2個とも買ってくるならカゴも2つ貸すけど……どうするの?」
貴音「……」
貴音「…………」
貴音「では二つ」
響「へぇ~、この亀、クラッシュっていう名前なんだ」
真「人間と喋れる……って、どうやってだい?」
伊織「……ふっふっふ、見ればわかるわ」
貴音「……モグモグ……くらっしゅ殿に質問をしても良いということでしたが……モグモグ」
伊織「流石にフルネームはまずいわよ?……下の名前だけならギリギリセーフかしら」
響「え、名前言わなきゃいけないのか?なんで?」
伊織「……それも、始まればすぐにわかるわ」
『タートル・トーク』
ここはS.S.コロンビア号の船尾にある海底展望室。
大きなガラス窓越しに、ウミガメのクラッシュとお話しすることができます。
クラッシュにどんな質問をするか考えておいてくださいね!
お姉さん「それでは、みんなでクラッシュを呼んでみましょう~」
せーの
「「「「クラッシュー!!」」」」
デンデケデン、デデン、デンデケデン、デデン~♪
クラッシュ『ぃょぉおおおお~!!ほっほ~』
クラッシュ『みんな、こんにちわ~』
「「「「こんにちわー」」」」
クラッシュ『はっはっは~、元気があっていいねぇ~』
クラッシュ『それじゃあ早速……みんなとお話をしてみようかなぁ』
クラッシュ『まずはそうだなぁ……こっちの前から3列目の……真ん中の通路から4番目に座ってる大人の男性』
クラッシュ『そうそう、君と話をしてみたいなぁ~』
真(……どういうことだろう。全然わからない……)
貴音(声……は別としても……くらっしゅ殿の動きまで合わさっていますね……)
クラッシュ『こんにちわ~』
男「こんにちわ」
クラッシュ『名前なんてーの?』
男「としあきです」
クラッシュ『としあき……はぁ~~……あぁ~……』
クラッシュ『……良い名前じゃあないかぁ~』
としあき「……///」
クラッシュ『よぉーしときあき、出会った記念だぁ』
クラッシュ『俺が、最高だぜーっ!って言ったら……としあきは両方のヒレを大きく上げて』
『うぉー!!』
クラッシュ『って言うんだぁ~』
クラッシュ『じゃあ行くぜぇ……としあき、最高だぜー!』
としあき「うぉおー!」
クラッシュ『やれば出来るじゃあないかぁ……みんなとしあきに拍手だぁー』
パチパチパチパチ
貴音(……まったく会話に澱みがありません。素晴らしい話術です)
響(…………)ハェー
真(ぼ、ボクも当てられないかなぁ……)ドキドキ
クラッシュ『よーしじゃあ次はみんなでやってみようぜぇ~』
クラッシュ『みんな~、としあきに負けるなよぉ~』
クラッシュ『みんな……最高だぜぇー!』
響「うぉー!」
真「うぉー!」
貴音「ぅぉー……」
クラッシュ『みんな……最高だぜー!』
真「うおー!」
響「うおー!」
貴音「う……うぉー」
クラッシュ『……やればできるじゃないかぁ』
クラッシュ『よぉ~しみんなぁ、自分に拍手だぁ』
パチパチパチパチ
貴音(く、くらっしゅ殿にペースを握られています……)
真(た、楽しい……!)
クラッシュ『よぉ~し、次は前の子供たちに聞いてみようかなぁ……』
―――
クラッシュ『そうかそうかぁ。……りんちゃん、お話ししてくれてありがとうなぁ』
クラッシュ『お前たち……最高だぜぇ~』
響「うおー!」
貴音「うぉー」
クラッシュ『……としあきぃ~、何でヒレ上げてないんだぁ』
真「ちょっ、あははは!」
響「うえぇ!?」
としあき「……///」
クラッシュ『ちゃんと上げなきゃダメだぞぉ~、みんなのリーダーなんだからなぁ』
貴音「いつの間にそのような事に……」
伊織「……ふふふ♪」
―――
クラッシュ『よぉ~しそれじゃあ、俺に質問のあるやつはいるかなぁ?』
クラッシュ『いたらヒレを大きく上げてくれー』
響(……!こ、ここだ!)バッ
響(あう……)ガックリ
貴音「……次もありますよ、響」ボソッ
響「貴音……うん」
クラッシュ『ひろゆき~、何が聞きたいの?』
ひろゆき(9)「どんな食べ物が好きなんですか?」
クラッシュ『食べ物ぉ~!俺な、食べ物の話が大好きなんだよぉ~』
―――
クラッシュ『よぉし、他に質問あるやついるかぁー?』
響「は、はい!」
伊織「……」
クラッシュ『そうだなぁ~……じゃあ後ろから2番目の列の……』
響「!」ドキッ
響「!!じ、自分かぁ!?」
真(凄い響!)
貴音(やりましたね!)
伊織(へぇ~、ラッキーじゃないの)
クラッシュ『こんにちわ~』
響「こ、こんにちわ」
クラッシュ『名前なんてーの?』
響「え、と、響です」
クラッシュ『響ぃ~、俺に聞きたいことは何かな?』
響「そうだなぁ……クラッシュにはどんな家族がいるんだ?」
クラッシュ『家族ぅ~。いいねぇ~』
クラッシュ『俺にはさぁ~息子のスクワートと、あと大切なパートナーがいるんだぁ』
クラッシュ『シェリーって言うんだけどさぁ……もう130年も一緒にいるんだぁ』
響「へえぇ~……」
クラッシュ『はっはっは~、響にも家族がいるのかぁ~?』
響「あ、いるぞ!すごく大切だ!」
クラッシュ『そうかそうかぁ。そりゃあ何よりだ~。響、ありがとうなぁ』
クラッシュ『お前たち……最高だぜー!』
真「うおー!」
貴音「うぉー」
響「うおぉー!」
―――
響「最高だったぜー!」
真「うおぉー!」
伊織「……いつまでやってるのよまったく」
貴音「まぁまぁ。……くらっしゅ殿と話が出来た響を見て……わたくしまで一緒に嬉しく思いますよ」
伊織「……まあねぇ」
貴音「それで……次の指定時間まで何をしていれば良いのでしょう?」
伊織「それなんだけど……響、真!」
響「んあ?」
真「なんだい?」
伊織「自分の欲しいものも、お土産も……この時間を使って買うわよ」
真「今からかい?」
伊織「ええ」
響「どこで?」
伊織「メディテレーニアンハーバーにお店が集中してるわ。ロッカーもあるからそこで買うのがいいわね」
伊織「あとは、ここにもダッフィーグッズ専用のお店があるの。寄りたいならそこも寄るわ」
真「この時間なのは意味があるのかい?」
伊織「大有りよ!マジック・ランプ・シアターを見た後に買い物するなんて危険すぎるわよ」
伊織「マジック・ランプ・シアターのファストパスは19:40からでしょう?」
響「そうだな」
伊織「シーでは、20:00から夜のショーが始まるの」
伊織「『ファンタズミック!』や『マジック・イン・ザ・スカイ』っていうやつね」
伊織「そしてシーに来る客のほとんどは、ショーが終わると同時に帰るようになるわ」
貴音「……!成程、それでは確かに危険ですね」
真「え、なんで?なんで?」
伊織「いい?私たちがマジック・ランプ・シアターを見終わるのが20時前後」
伊織「そこから買い物を始めたとして……おそらくパレードに人が集中してるから、店内は空いてるかもしれないわ」
響「そ、そのほうがいいんじゃないのか?」
伊織「違うの……もし買い物中にショーが終わったりしたら……」
真「あ……帰る人ですごく混むのか!」
伊織「……そういうこと。今日は新堂の迎えで来たからいいけど、もし電車を使うことになってたりしたら……」
響「そ、うか……そこもすっごくたくさん人が集まっちゃうのか……」
真「……そうだね。今のうちに買ったほうがいいのか」
響「なるほどなぁ~。そこまで気がつかなかったなぁ」
貴音「それでは、今のうちに買い物を済ませておきましょう」
伊織「ええ……じゃあ一番近いから、『マクダックス』から行きましょう」
―――
『マクダックス・デパートメントストア』
ニューヨークの街の一区画を占領する大きな建物は、
世界で一番リッチなアヒル、スクルージ・マクダックが経営する百貨店。
お菓子やアクセサリー、ステーショナリーなどさまざまなグッズが手に入ります。
質屋から始めたスクルージの商売は大繁盛して、
今では金貨でできた噴水までつくるほど!
まさに、アメリカンドリームを手に入れたアヒルですね。
伊織「スクルージもフリーグリーティングで現れることがあるわよ」
真「ドナルドの伯父さんで、お金大好き、かぁ……」
響「あんまりディズニーっぽくないけど、面白い人だな!」
貴音「……面白いアヒル、の間違いでは?」
伊織「ま、『シーと言ったらダッフィー』って考えてもおかしくないもの」
伊織「だからグッズもダッフィーやシェリーメイのものが多くなるわよね」
響「……へぇ、自分で着せ替えられる衣装もあるのかぁ」
貴音「こちらの裸のだっふぃー殿に着せるのでしょうか」
響「……間違ってないけど、裸って……」
貴音「何かおかしなことを言いましたか?」
真「ダッフィーも可愛いよなぁ……」モフモフ
真「……はあぁ~」モフモフ
真「ショーでしか見れなかったもんなぁ。グリーティングもしたかったよ」
伊織「……次来た時にグリーティング行けばいいじゃない」
真「え~!?……だってさぁ、次が何時か、なんてわからないじゃないか」
伊織「……そんなに気に入ったんなら、また連れてきてあげるわよ」
伊織「何回来ても楽しいのがディズニーだもの。雪歩ややよいも一緒に誘ったっていいわよ?」
伊織「……今度はランドに行こうかしら?にひひっ」
真「……」モフモフ
真「そう……だね……」モフモフ
真「うん……!また、みんなで来ようよ!」モフモフ
伊織「…………」
伊織「……どうでもいいけど、そのダッフィー買うのよね?」
―――
18:40、メディテレーニアンハーバー…中央
『エンポーリオ』
とにかくたくさんお買い物したい! そんな人におすすめなのが、
パーク内で一番大きなこのショップ。
イタリア語で“百貨店”という名前のとおり、
ぬいぐるみ、ステーショナリー、生活雑貨などさまざまなグッズがそろっています。
天井に描かれた夜空もこのお店の自慢。ぜひ見上げてみてくださいね
お店の壁には、ミッキーやミニー、ドナルドとデイジーなど、
ディズニーの恋人たちが描かれた絵画が飾られ、とってもロマンティック!
キャンディーやチョコレート、クッキーなどのお菓子がいっぱいのこのショップでは、
毎日がヴァレンタインデー。
大好きなあの人へ、甘~い愛を贈りませんか?
伊織「この二つの店を中心にして、近辺も含めればだいたいのお土産は揃うわね」
貴音「それぞれのお店を伺う、ということですね」
伊織「そうよ。バラバラだと連絡取りづらいから……2人1組で行動しましょ」
響「うぅ~ん、イヌ美たちに食べさせられるお菓子ってなんだろうなぁ……」
伊織「……普通に止めときなさい。ペット用品はエンポーリオにもあるから」
貴音「真、この帽子はどうでしょうか?」
真「プ……た、貴音にスティッチは似合わないよぉ……ククク……」
貴音「はて、そうでしょうか。とても良いと思ったのですが……」
響「うわ可愛い!そっかぁ……こういうの買うのもいいのかぁ」
伊織「チケット入れなら、また来た時にも使えるもの。いいと思うわよ」
響「ま、また、か……そうだな!」
響「自分、今日はすっごくすっごく楽しかった!また来たいから……これ買うよ!」
伊織「……柄はそれでいいの?」
響「え?……ちょ、ちょっと待ってくれよ……うーん、こっちもいいなぁ……」
伊織「……♪」
貴音「……真」
真「なんだい?」
貴音「今まで遊園地という娯楽施設、ましてやでぃずにーという作品たち」
貴音「どちらとも、わたくしには必要のないものだと思っていました」
真「…………」
貴音「ですが、今日という日を体験して……その考えを改める必要が出てきたようですね」
貴音「はい。……心踊り、気持ちが軽やかになる」
貴音「ひょっとすると、皆でこういうことをするのが初めてだから……」
貴音「『でぃずにーらんど』でなくとも、この気持ちは味わえたのかもしれません」
真「……うん」
貴音「しかしわたくしは、みっきー殿や、数々の仕掛けたち」
貴音「それら全てに、心奪われてしまいました」
貴音「このような気持ちにさせてくれたこと……」
貴音「そして、このような時間をともに過ごせたこと……たいへん嬉しく思います」
真「……へへっ」
真「それだったら、ボクなんかよりも響や伊織に言ってあげなよ」
真「怖がる貴音にずっとついてあげたのは響だし、ボクたちを導いてくれたのは伊織なんだ」
真「それに……ボクだって、貴音たちと一緒に遊べて、すごく楽しかった。こっちからもありがとう」
貴音「……ふふ、真らしいお言葉ですね」
19:20、メディテレーニアンハーバー・中央
真「も~、どうしたんだよ二人とも。遅いよ」
響「ご、ごめん。思ったよりも混んでて……」
伊織「……いいのよ響。真にはあげないってだけの話だもの」
真「なにが?」
貴音「……!」ピクッ
貴音「この香り……何を持っているのですか?響、伊織!」
伊織「……あんたイヌじゃないんだから」
伊織「これよ……私たちの晩ごはん」
真「うわ、たくさん……これってパン?」
響「へっへ~、そうだぞぉ!伊織と一緒に、晩ごはん買ってきたんだ!」
貴音「ああ……鼻をくすぐる芳しい香りが……」
伊織「……ちゃんとあげるから、袋から顔を離しなさい」
『マンマ・ビスコッティーズ・ベーカリー』
村人たちから“お母さん(マンマ)”と呼ばれて親しまれている、
ビスコッティー夫人が営むパン屋さん。
香り豊かな焼きたてのパンは、朝早くから働く村人たちの元気のもとです。
さまざまな種類の手づくりパンやペイストリーを、
いれたてのコーヒーと一緒に心地よいオープンエアの席でどうぞ。
伊織「……モグモグ……席は混んでたから、テイクアウトにしたわ」
真「…………」
貴音「……これは……モグモグ……みっきー殿の形をしたパンですか……モグモグ」
伊織「人気だから無くなる直前だったわね……モグモグ」
真「…………」
響「モグモグ……ま、真……」
真「伊織さぁ……」
伊織「どうしたの?」
真「さっきあんなこと言ってたけどさぁ……本当にくれないとは思わないじゃないか!」
伊織「にひひっ、冗談冗談よ、ほら」スッ
伊織「お土産もかさばらなかったし……ロッカーは使わなくて済みそうね」
ガサガサ
響「そもそもどこにあったんだ?ロッカーって」
伊織「エントランスの近くにあるわよ」
貴音「……入り口近くで土産を買って、それらを仕舞いつつ錠をする」
貴音「そして身を軽くして楽しみつつ、帰る際に必ず通るから、そこで土産を回収する」
貴音「……非常に無駄のない、洗練された配置なのですね」
伊織「そりゃあそういうことだけど……そこまで難しく考えてどうするのよ」
貴音「……ふふ」
貴音「次回の参考に……と」ニッコリ
伊織「……ふーん、あんたもその気アリ……なわけね」ニヤリ
貴音「ええ」キラーン
伊織「じゃあ……次来るときは……タワー・オブ・テラーに2回は乗ってもらうわよ?」ニヤリ
貴音「……!ぜ……善処致します……」
19:40、アラビアンコースト
『マジック・ランプ・シアター』
ここは、宮殿の中庭に張られたテントの中。
自称“世界で一番偉大なマジシャン”シャバーンによる、
初めてのワンマンショーが始まります。
コンビを組んでいるはずのランプの魔人、ジーニーの姿が見えないけれど…。
もしかして、意地悪なシャバーンのしわざ?
真「いよいよ最後かぁ……」
響「なんか名残惜しいなあ……」
伊織「始まる前からそんなしんみりしてどーすんのよ!」
貴音「……そう、でしたね。……最後まで楽しまなければなりませんね」
伊織「……アンタも無駄に使命感帯びすぎよ」
―――
貴音「この眼鏡はまだ使わないのですか」
伊織「途中で指示が出るわ。それまではいらないわよ」
響「シャバーン悪いヤツじゃないか!」
真「ホントだよジーニーを閉じ込めるなんて!それにアシームも助手とは言え可哀想だよ」
貴音「……伊織、じーにー殿は大丈夫なのでしょうか」
伊織「……ま、物語に任せなさい」
―――
アシーム『みんな、鍵はない?席の下を調べてみて!』
響「え?え?え?」
ガサゴソガサゴソ
響「ま、真あったか!?」
真「いや、こっちもないよ」
貴音「わたくしの席も……見当たりませんでした」
伊織「私もないわね」
響「あぁ、アシームが困ってるのに……」
シャバーン『偉大なるマジシャン、シャバーーーンのマジックショーへようこそぉ!』
シャバーン『これから行われるマジックは大変危険を伴いますぅ』
シャバーン『お座席のシートベルトをしっかり締めてくださいねぇ!』
響「……」
スカッ
響「……ん?」
真「……あ、あれ?」
貴音「…………」キョロキョロ
伊織「……♪」
シャバーン『ありませんよぉそんなもの!』
シャバーン『ぬははははは!』
真「……ふ、ふふ…………」
貴音「……まんまと一杯食わされましたね」
伊織「……♪」
―――
ジーニー『イヤァン』
ジーニー『……なぁに見てんのよぉ!』
真「やっぱりジーニーはこうでなくちゃなぁ」
貴音「……ここまで常識破りな方だったのですか」
伊織「そりゃあ精霊に常識は通用しないでしょ……」
―――
ジーニー『いい!?3つ数えたら立ち上がって~?』
『いち』
『にぃ』
…………!
一緒に行く人いない
大丈夫、一人でも楽しめる。
というか、一人で月何回も行く奴だっている。
20:05、マジック・ランプ・シアター前
響「ジーニーが飛び出してたし、最後もすごかったなぁ……これもまた見たいな」
真「そうだね、また今度見に来よう」
貴音「……見世物がもう始まっているようですね」
真「あっという間だったなぁ……。……なあ伊織!」
伊織「……?どうしたの?」
真「今日はすっごく楽しかったよ、ありがとう!……また来ようよ!」
響「ああ!自分も、今まで行ったどの遊園地よりも楽しかったし、また来たいって思ったぞ!」
貴音「……わたくしがわたくしで無くなるのではないか……と思うほどに羽目を外してしまいました」
貴音「伊織……改めて、ありがとうございました」ペコリ
伊織「……ふんっ」
伊織「アンタたちが初めてのディズニーで失敗しないように、勝手に気を回してあげただけよ」
伊織「私のわがままなんだから……感謝される覚えはないわ!」
響「ふ~ん……」ニヤニヤ
貴音「そうでしたか。……それは失礼致しました」ペコリ
伊織「……ムキ~~!」
伊織「なんなのよその顔はぁ!何か言いたいならはっきり言いなさいよ!」
伊織「もう新堂も迎えに来てるけど……乗せてあげないわよ!?」
真「え~!?それはズルいよぉ!」
響「自分、もう帰りの電車賃もないくらい使っちゃったんだぞぉ!?」
伊織「それはアンタの責任でしょうが!」
響「いいじゃないか乗せてくれたってー」
真「ケチ!ケチ!」
伊織「ムッカー!この伊織ちゃんをケチ呼ばわりとはいい度胸じゃないの」
貴音「……ふふふ」
~~~
P「おっすおはよーございまーす」
小鳥「おはようございますプロデューサーさん」
P「……あ、ディズニーランドのクッキーだ」
P「また春香と千早が行ってきたんですか?」
小鳥「……ふふ、違いますよ」
P「ん?じゃ誰です?」
小鳥「伊織ちゃんですよ」
P「ああ伊織かぁ。……てことはやよいもですよね?」
小鳥「いいえぇ?違いますよ」
P「え!?じゃあ誰です?」
小鳥「うふふふ……」
雪歩「……わぁ。四条さん、スティッチのボールペンなんて使うんですか?」
貴音「はい。……何か、不都合な点でもありましたでしょうか?」
雪歩「い!?いいいいえいえいえいえ、……四条さんって、そういうキャラクターものとか、使わないと思ってたから……」
貴音「ふむ、成程……」
雪歩「……?」
貴音「いえ……なんでもありません。……皆が集まれる日が来れば、そのときに……」ニコリ
雪歩「へ?……は、はいぃ……」
―――
真「ランドだったら……プーさんのハニーハントかなぁ」
響「うーん……モンスターズインクのアトラクションも乗ってみたいなぁ」
やよい「……!お二人とも、ディズニーランドの話ですかぁ!?」
真「あ、やよい」
響「そうだぞ!ランドでどこに行ってみたいかって、話してたんだ」
真「へぇー……じゃあ、色々教えてもらおうかな」
やよい「あ……で、でも、モンスターズインクはすっごく人がいて……」
響「別に気にしなくていいさぁ。やよいの知ってること、教えてくれよ!」
やよい「……は、はい!」
―――
律子「伊織、お疲れ様」
伊織「はいはい、律子もお疲れ様」
律子「フゥー……何とか終わったわねー」
律子「今日は伊織の調子が良くて助かったわ、本当に」
伊織「そうかしら?」
律子「ええ、この前までが普段どおりの……80%くらいだとすると……」
律子「今日は140%くらい!それくらいキレキレだったわよ」
伊織「ふーん……」
伊織「…………」
伊織「……そう、ねぇ」
伊織「じゃあ、私が元気になった所に、律子も一緒に行きましょうよ」
律子「……ん?どっか行けばいいの?」
伊織「ええ」
伊織「なんなら、竜宮小町のみんなで行くのもいいわね」
律子「へぇ~、行くと元気になれる……パワースポットみたいね」
伊織「律子と二人でも面白そうだけど……みんなで行ったほうがもっと楽しいわ」
律子「ふーん……まぁ、来週は丁度オフの日もあるけど……どこに行けばいいわけ?」
伊織「……にひひっ」
伊織「ディズニーランドに行きましょう!」
おわり
軽い気持ちで始めたのが間違いでした。
長い間、支援や保守し続けてくれてありがとうございました。
ランドもシーも、それぞれ各々の回り方があります。
今回のものもあくまで一例として捉えてください。
またキャンペーンやショーの内容も季節ごとに変わります。
ファンカストやフリーグリーティングのキャラも出てこない日があったりします。
リアルがSSの通りにならないこともままありますのでご了承ください。
本日はこのSSをご覧頂き、真にありがとうございました。
ためになった。よかったよー!
久しぶりに行きたくなった
「真にお礼しなきゃね…」的な伏線って回収されてたっけ
忘れてた、ごめんw
まぁ伊織のことだから、みんなのお土産の中に、
真のために買ったものも入ってたことでしょう
くっそ!!なんで沖縄は陸続きじゃないんだよ!!
まるまる一日かかるとか……
それだけ面白かったのさ
またいつかでいいんで期待してます
Entry ⇒ 2012.07.19 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
美希「恋する女の子は!」
――PM22:30
美希「…」ドキドキ
美希「なんか、ヘンなの…」
あの時、プロデューサーが助けてくれなかったらミキ…死んじゃってたのかな。
思い出すのは、轢かれそうになった事。必死な顔して、プロデューサーが助けてくれた。
美希「ミキ…いい子じゃなかったのに…」ドキドキ
それからは、もうダメ。プロデューサーの顔が、寝ても覚めても離れない。
美希「…」
美希「あはっ!まさか…ね?」
美希「もう、寝るの…」
――AM10:00
P「…」カタカタ、カチカチ、
――ガチャッ、バタン
美希「おはよーなのー!プロデューサー!」
P「ん?美希。おはよう!今日は寝坊しなかったみたいだな?よしよし、えらいぞ?」ナデナデ、
美希「むー!ミキ、そんなお寝坊さんじゃないの!」プイッ
P「ははっ。そうだな。最初の頃に比べれば、美希は凄く成長したよ」
美希「ミキ、もう決めたしね!」
P「ん?何を?」
美希「あはっ!ヒミツなのっ♪」
P「お、おぅ…」
P(何だ?今日の美希…凄く機嫌がいいぞ?)
美希「ねっ!今日のお仕事は何なのー?」
美希「えっ?」
P「最近の美希は頑張ってるからな。リクエストがあったら、好きな仕事させてやるよ」
美希「ホント!?」
P「ほんと」
美希「あはっ!じゃあミキ、歌詞レッスンがやりたい!」
P「歌詞か。…うん、スタジオも開いてる事だし、今日は歌詞レッスンで行くか」
美希「なのっ!」
――AM11:00
美希「…」ジー
美希「…」パラッ、パラッ
美希「ねぇ、プロデューサー?」チラッ、
P「ん?何だ?」
美希「プロデューサーはさ、ここ…どんな意味だと思う?」スッ、
P「ん?どこだ?」スッ、
――ピトッ
P「あ…」ピトッ
美希「あの…プロデューサー?」ドキドキ
P「わっ!悪い!ちょっと近すぎたな!」バッ
美希「…」
美希「…いくじなし」ボソッ
P「んっ?何か言ったか?」
美希「なんでもない!」プイッ
P(機嫌良かったり、悪かったり…今日の美希は何だか変だ)
P「…よし」ボソッ
美希「…」チラッ、
――PM15:00
美希「ふ~。ミキ、もうダメ…疲れたの~」グッタリ
P「ははっ。さすがの10代も、ロングレッスンはキツいか?」
美希「それ、オジサンみたいだよ?」クスクス
P「ははっ。お前らからしたら、俺はもうオジサンだよ」
美希「あはっ!まだまだプロデューサーは若いしカッコいいよ?」
P「そうか?美希にそう言われると、勘違いしちゃうぞ?」ナデナデ
美希「ひゃっ///」ピクン
美希「い、いきなりナデないでほしいの…」ドキドキ
美希「うん?なに?」
P「少し、デートしようか」
美希「えっ?」ドキッ
―――
――
―
――PM16:00
――ザァァン、ザザァァン
美希「ん~!今年初の海なの!」トテトテトテ、
P「…」スタスタスタ
――サァァァァ
美希「わゎっ!でも、ちょっぴり風が強いね」クスクス
P「なぁ、美希?」
美希「…」
美希「なぁに?」
P「朝はああ言ったけど…最近の美希、少しおかしいぞ?」
美希「…どんな風に?」クスクス
美希「あはっ!それじゃ、ミキに怠けてほしいみたいなの」クスッ
P「それとな?」ストン
美希「…うん?」
P「凄くキラキラしてる」
美希「えっ?」
美希「今ね?アイドルっていうお仕事が…凄く楽しいの」
美希「ミキが皆に元気をあげれてるってことは、ミキを観て、みんな幸せになってくれてるって事だよね?」
P「そうだな。TV番組の出演も、増えてきてるしな。それだけ、ファンに幸せを与えられてるって事だよ」ナデナデ
美希「…」ナデナデ
美希「前までのミキはね?」
P「ん?」
美希「前までのミキはね?テキトーにやって、テキトーに楽しんでただけだったの」
美希「えっ?」
P「生半可な気持ちでやってたのは、知ってた」
美希「あはは…そっか…」
P「でも、今は、違うんだろ?」
美希「どうしてだと、思う?」クスッ
P「えっ?」
美希「どうして、今は違うって思う?」
P「そりゃ、お前…さっきも言ったろ?キラキラしてるって」
美希「うん。プロデューサーは、そう言ってくれた」
P「?」
P「ははっ。久々に聞いたな、それ」
美希「うん」クスクス
美希「そこの人は、ちゃんとミキをキラキラさせてくれてるね。ありがと」
P「それが、俺の仕事だからな」
美希「ねぇ、プロデューサー?」
P「なんだ?」
美希「ミキね、気付いちゃったの!」
P「何を?」
美希「誰かさんに笑ってほしいから!ミキを観て、そこの人でもない、プロデューサーでもない、」スッ、
P「?」
美希「って事に…なの」チラッ、
P「…なぁ、美希?」ギュムー
美希「うん?なぁに?」ギュー
P「そろそろ、離してくれると助かるんだが…」
美希「や!」プイッ
P「…」ギュムッ
美希「や!」プイッ
P「ははっ…」ナデナデ
美希「あはっ!早速、ミキの可愛さに笑ってくれたね?」クスクス
P「…何を?」
美希「あはっ!」ギュー
美希「恋する女の子は!」チラッ、
美希「世界で、最強なんだよ?」チュッ、
P「…」
美希「これからも、よろしくね?ハニー」クスクス
おわり
純粋に美希が可愛くて良かった
すばらしいミキミキであった
Entry ⇒ 2012.07.18 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「パソコンの検索履歴か…」
P「あの人、時々仕事をサボってネットサーフィンしているからな」
P「まあ、それを確かめる意味でも少し見させてもらいますよ」
お肌 手入れ
結婚 適齢期
菊地真 セクシー 画像
気持ちい やり方
P「…………」
P「さっきパソコンを使っていたのは音無さんだから、これ全部…」
P「………」
P「見なかったことに…」
小鳥「ただいまもどりましたーーー!」
P「シェーーーーーーーーーーーーーーー!?」
P「い、いえ。何でもありませんよ!?」
P(まさか、検索履歴を見てたなんて言えないよな)
小鳥「? 変なプロデューサーさんですね、よいしょ」
小鳥「あれ?私パソコン…」
P「!?」
小鳥「まあ、いいや。仕事仕事!」
P(やらないだろ!アンタ!)
小鳥「フフフ…マートンガウッタ…」
P(暇だな…)
P(このままでは、泡になってしまう…)
P(あ、そうだ。さっきの検索履歴のことについて訊いてみるか)
P「音無さん!」
小鳥「マートン×ブラゼル…イケ!? は、はい!?何ですかプロデューサーさん!」
小鳥「ピ、ピヨ!?」
P「いや、あの、音無も独り身ですから、その迸る情熱をこう、ね。たはは」
小鳥(な、何!?こ、これはチャンスなの?期待しちゃっていいの!?)
P「あ、そもそも女性にする話ではないですよね。すみま…」
小鳥「い、いえ是非続きを!!」
P「えー」
P(軽い冗談のつもりだったのに)
小鳥「プロデューサーさん…言葉が…っは!?こ、これは巧妙な言葉攻め…これだけで今夜は」ハアハア
P「…………」
P(想像力の豊かさってこういう所でも役に立つんだな)
P「それで、あの…」
小鳥「いやん!?プロデューサーさん!?そ、そんな、あん!だめえええ!!」
P「…………」
P「美希を迎えに行ってきます…」
P「結局音無さん、あの後どうなったんだろう?」
P「あ、あんまり気にしないことにしよう…」
P「………」
P「今日もちょっとパソコン見てみるか」
P「もしアイドルが何かを調べていたら悩み解消とかになるかもしれない」カチカチ
菊地真 可愛い
ボーイッシュ 魅力
男の人 デート
プロデューサー 恋愛
P「…………」
P「いや、雪歩はヤフオクでスコップの相場とかを見ていそうだからな…」
P「ってことは真か…」
P「まあ、ジョギングはいいことだ。健康にもいいし」
P「真は可愛いぞ、気にするな」
P「それも、真の魅力の一部だぞ」
P「デートは経験を重ねるしかな…」
P「プロデューサーって誰のことだよ…」
P「………ん?」
P「い、いや待て!落ち着け!アイドルとそんな関係に陥るなんて!!」
P「…………はあ」
P「まあ、譲歩してデートって所だな。それくらいならいつでも…な」
真「ホントですか、プロデューサー!?やーりぃー!」
P「ま、真!?お前いつから!?」
真「真は可愛いぞのあたりからです!えへへ。それよりプロデューサー」ギュッ!
P「何だよ?そ、それにこの腕…」
P「あ、アレはその!」
真「へへっ!今日はいーっぱい楽しみますよ!服を買いに行って、ゲームセンターにいって、素敵なレストランでご飯食べて」
P「お前、話を勝手に…はあ、もう」
P「仕方ないな、まったく」
真「へへ。やーりぃー!」
P「はあ、給料日前だったのにな…」
P「しかし、まあ、真にはいいリフレッシュになったみたいだし、良しとするか」
P「そう考えると、このパソコンのアレも無駄ではないんだな」カチカチ
ハニー 北海道
ハニー みつばち
ハニービーンズ
お昼寝用まくら
P「……はあ」
P「お昼寝用まくらって、普通の枕と違いはあるのか?」
P「ハニービーンズ。きっとこれはハニーって調べようとして」
P「次の2個も一緒だな」
P「最後なんかぶっちゃけちゃってるしな」
P「まったく、美希の奴…。まあ、好意を寄せられるのは悪い気分ではないけど…」
P「あれ、ハニー大好きで1個ヒットしたぞ」
P「しかも、美希の公式ブログ…。嫌な予感しか…」
ミキはしょうゆラーメンを食べたの!
ハニーもいつもはしょうゆラーメンだけど
今日はしおラーメンだったの
ミキ的にはどっちにしようかまよっていたカンジだったから、ハニーのを分けてもらったの!
あとで聞いたら、ミキがまよっているのを見て、しおラーメンにしてくれたらしいの!
やっぱりハニー大好き!あはっ!
Pの腕に抱きつく美希の写真
P「和むなあ…」
P「じゃなくて、あのバカ!!」
美希ちゃんぺロぺロ
僕も美希ちゃんのハニーに!
ハニーとやらを殺しに行こうか!!
P「…取りあえず、この記事は削除と」
P「後でこってりしぼらないと…」
P「美希!!」
美希「あ、ハニーなの!」
P「お、お前あのブログ…どう言うつもりだ?」
美希「ブログ…。何のことかな?」
P「お前にファン拡大のために日記を書けと言ったことあるだろ?あれのことだ」
美希「それなら、順調なの!ミキ、ハニーと出かけた時のことを書いてるの!」
P「ちょっと待て!ってことはラーメン以外にも!」
美希「あふ…いっぱい書いてるの…」
P(お…終わった)
P「取りあえず、何事も無かったけどあのブログは閉鎖だな」
P「俺がファンだったらあんなブログ見たくないし」
P「しかし、こういうのを見つけるという意味でも有効だな、コレ」カチカチ
パンチラ 角度 転び方
東京ドーム巨人戦 チケット
東海道線 時刻表
歌 上達 音痴
P「……いろいろ可笑しい!!」
P「よし、一つずつ見ていこう」
P「まず、1つ目は春香らしいな」
P「で、2つ目は……」
P「あのどんがらは故意だったのか…」
P「これはきっとドームについて調べたんだな。それで成り行きでこれになったと」
P「ああ、確かに時刻表とかあった方が便利かもな。印刷して貼っておくか」
P「そしてこの涙ぐましい努力。大丈夫だ、ちゃんと上達してるぞ」
P「おお、おはよう春香」
春香「あ、プロデューサーさん!今日はワッフルを作ってきたんですよ!」
P「おお、そうか。悪いな、いつも」
春香「えへへ。趣味でやってることですから、あわわ」ドンガラガッシャーン!
P「だ、大丈夫か!」
春香「いたたた…」
P(あ、パンツ。今日は白か)
P「いや、怪我が無いならそれでいいんだけどさ」
春香「あ、それよりプロデューサーさん!ドームですよ!ドーム!」
P「え?ドーム!?」
春香「はい!まず、ライブのイメージを掴むために実際に行きたいと思って、巨人戦のチケットを取りました!」
P(何で野球なんだ?ライブにすればいいのに)
春香「プロデューサーさん!一緒に行きましょうよ!」
さすが、あざとい
春香「わわっ!?律子さん!!」
律子「あなた、昨日の音楽のレッスンに合格していないでしょ!ドームは合格したらよ!」
春香「り、律子さん!引っ張らないで…プロデューサーさああああああん!」
P「ご愁傷様春香さん…」
P「まさか、ファールボールを避けるとき転ぶとはなあ…」
P「まあ、楽しかったしよしとするか」カチカチ
もやし 料理
かけいぼ つけ方
ねむいです…
お兄ちゃん 甘え方
P「………」
P「まあ、スーパーの安売りを調べるのはいいことだ」
P「もやしも家計簿も努力が見えるし、良いことだ」
P「ただ、問題は残りの2つだ!」
P「寝不足?それに甘えたいって…」
やよい「うっうー!おはようございまーす!プロデューサー!」
P「や、やよい!」
やよい「今日も1日お仕事がんばりましょー!」
P「そ、そのことなんだけどな…」
P「やよい、ちょっとソファーまで来てくれないか?」
やよい「?」
やよい「あ…あの…」
P「いいんだ、正直に言って。怒りはしないからさ」
やよい「最近ちょっと、眠れないかなーって」
P「どうしてだ?」
やよい「お父さんが言っていたんです。ちょっと家計が苦しいって…」
P「それで、悩んでいるのか?」
やよい「は、はい。不安で…不安で…」
やよい「そうでしょうか?」
P「ああ、勿論だ。俺に出来ることがあれば、何でも協力するぞ」
やよい「ほ、本当ですか!?」
やよい「じゃ、じゃあ…膝枕…」
P「へ?」
やよい「膝枕をしてくれたら…嬉しいです」
P「相当眠かったんだな。18秒でねちまった」
P「しかし、やよいにそんな苦労が掛かっていたとは…」
P(我ながら情けないな…)
やよい「ん…。プロデューサー…」
P「!?ど、どうした?」
やよい「大好きです…うっうー……すぅ…すぅ」
P「寝言…だよな?」
P「ふう。結局夜まであれとは…」
P「まあ、やよいが少しでも楽になれば良いんだけどな」カチカチ
歌 発声
高槻やよい 可愛い
72 カップ
歌声 響き
P「……あれ?」
P「歌声、響き、発声。うんいい心掛けだ」
P「まあ、百歩譲ってやよいのことは無視するとして…」
P「そこまで、胸がコンプレックスなのか?」
千早「プロデューサー?」
P「youareshock!?」
千早「ど、どうしたんですか、いきなり?」
P「い、いきなり現れないでくれ…心臓が止まるかと思った…」
千早「す、すみません…」
P「ん?い、いや、別に何でもないぞ」
千早「………」ジトー
P「そ、そんな目で見るなよ。あれだよ、パソコンの履歴を見てたんだよ」
千早「履歴?」
P「ああ、こういう風に、前に調べたことを見ることが出来るんだ」カチ
千早「………」
千早「正確に言えば私ではありません」
P「え?」
千早「春香にいっしょにやってもらったんです。私こういうものは苦手ですから」
P「ああ、そうなのか」
P(それなら、納得がいくな)
千早「それよりプロデューサー」
P「はい?」
千早「あんまり、そういうのを覗くのはよくないと思います」
千早「はい、あんまり知られたくないことは人には結構ありますから」
千早(この胸とか)
千早「くっ…」
P「そ、そうだな。あんまり見るのはよくないよな…」
P「取りあえず、千早」
千早「はい?」
P「やよいの写真集だったら、いくらでもあげるからな」
千早「………」ボンッ!
おわり
らあめん
らあめん
食い放題
Entry ⇒ 2012.07.18 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)