スポンサーサイト
冬馬「お前がジュピターの4人目!?」
響「あぁ……」
冬馬「ふん、気合いが足りねえぜ」
響「こんなのただの遊びでしょ!?」
冬馬「……お」
トゥルルルル バンッ! オメデトー!
冬馬「ゲッチュー!どうだ見たか765プロ!」
響「……フン」プイッ
ジジジジ パタッ
冬馬「……」
翔太「良かったね、冬馬君」
亜美「良かったね、あまとうー」
冬馬「あまとうって呼ぶな!」
貴音「……」パクッパクッ
ジジジジ パタッ
冬馬「北斗と翔太の野郎は俺に押し付けるし」
冬馬「流石にこれを部屋に飾るのもなぁ……」
冬馬「かと言って捨てるのも何かもったいねえな」
冬馬「……」
冬馬「まあ、んな気にしなくても良いか」
??「……」ズーン
冬馬「……?」
??「……」
冬馬「……」
??「……」
冬馬「あ……ありのまま今起こった事を話すぜ!」
冬馬「朝起きたら顔が寿司になってるパンツ一丁の男が俺の部屋にいた」
冬馬「というわけでまだ夢の中みてえだから二度寝するか」
??「……」
冬馬「夢だけど夢じゃ無かった!」
ピポパポ
冬馬「も、もしもし警察ですか!?今俺の部屋に寿司のコスプレした変態が……!」
冬馬「え?寝ぼけてなんかないっすよ!!だって今もそこに!」
冬馬「あれ……?いない」
冬馬「い、いやいたんですよ!マジで!」
ツーツー
冬馬「……切られた」
冬馬「見間違えなんかじゃ……ないよな?」
翔太「どうしたの、冬馬君。変な顔して」
冬馬「いや、朝から妙な事が起こって」
北斗「妙な事?」
冬馬「……どうせ言っても信じてくれねえだろ」
翔太「まあまあ、話だけでも」
冬馬「朝起きたら部屋に寿司のコスプレした変態がいた」
北斗「そろそろ黒井社長が来る時間だね」
翔太「あっ、本当だ。重大発表ってなんだろうね」
冬馬「ほれみろ、スルーしやがって」
翔太「はーい」
冬馬(俺そんなの聞いてねえけど)
黒井「ジュピターの4人目が決まった。今日から早速レッスンに入る」
北斗「4人目ですか……社長も思い切った事を」
黒井「765プロを完全に叩き潰すためだ。入れ」
ガチャッ
??「……」
冬馬「お前がジュピターの4人目!?」
冬馬「いや、だっておかしいだろ!まず顔が寿司だし!」
冬馬「てかこいつさっき言ってた変態だぜ!!警察突きださねーと!」
黒井「名前はすし吉だ。精々可愛がってやるんだな、それでは失礼する」
冬馬「お、おっさん!おかしいだろ!」
北斗「よろしく、随分と個性的だね。またジュピターに深みが出たよ」
冬馬「個性的ってレベルじゃねーぞ!」
翔太「冬馬君は色々うるさいけど、気にしないでね」
すし吉「……」コクッ
冬馬「俺がおかしいのか!?」
すし吉「……」
翔太「なんとなく考えてる事は分かるから大丈夫だよ」
冬馬「分からねーよ!!大体歌とかどうすんだよ!?」
北斗「まあ、歌の時は声出せるよね?」
すし吉「……」
冬馬「……何か無理っぽそうだぜ」
北斗「とりあえずボイスレッスンに行ってみようか?」
すし吉「……」コクッ
冬馬「マジかよ」
北斗「うん、良い声だね」
冬馬「おい、俺には何も聞こえなかったぞ」
翔太「ただ、やっぱりまだまだ技術不足だね。荒い所がたくさんあるし」
冬馬「お前ら心の声でも聞こえてんのか?」
すし吉「……」
北斗「いや、落ち込まなくて大丈夫だよ。これから練習していけばいくらでも上達するから」
冬馬「……」
冬馬「こいつダンスもダメダメじゃねーか」
翔太「うーん、まず基礎の身体能力が足りないって感じ」
すし吉「……」
北斗「ははは、俺も最初はそのぐらいだったよ。焦らず、ね」
冬馬「いや、北斗でもこれよりは格段にマシだったぞ……」
すし吉「……」
翔太「でも次のライブまでに間に合うかなぁ?」
すし吉「……」
冬馬(どうあがいても無理な気がする)
北斗「汗だくだな、はいタオル」
すし吉「……」
翔太「冬馬君と違ってすし吉君はすぐにお礼が言える素直で良い人だね」
冬馬「あー、そうですか」
すし吉「……」フキフキ
冬馬(何か……お酢の匂いがする……)
北斗「ああ、じゃあまた」
冬馬「おう」
すし吉「……」
冬馬「何でてめえと2人で帰らなきゃなんねえんだよ!?家何処だよ!?」
すし吉「……」
冬馬「黙ってちゃ分かんねえっつーの!!てかお前今日俺の部屋にいたよな!?」
すし吉「……」
冬馬「だー!!何で皆こいつを素直に受け入れてるんだ!!」
すし吉「……」
冬馬「言っとくけど、次俺の家に入ったら絶対通報するからな!いいな!?」
すし吉「……」
冬馬(何なんだよこいつはあああああああああ!!)
北斗「う~ん、ちょっと違うな。トレーナーさんの言った通りもう少しお腹を使って」
翔太「そうそう、こうグッて力を入れて。後テンポもちょっとずれてたかも」
冬馬(相変わらず何も聞こえねえ)
すし吉「……」
翔太「冬馬君はアドバイスしてあげなよ」
冬馬「いや……別に俺は……特に……」
北斗「いつも俺たちに言うのにすし吉には出来ないのかい?」
冬馬「出来るわけねーだろ!!」
すし吉「……」モタモタ
すし吉「……」ステン
冬馬(これはひどい)
北斗「……う、うーん」
翔太「あ、トレーナーさんに説教されてる」
冬馬「そりゃそうだろ……」
すし吉「……」
冬馬「……言っとくが俺はお前をジュピターのメンバーって認めてねえからな」
すし吉「……」
冬馬「はっきり言って今のお前がいても邪魔になるだけだ」
すし吉「……」
冬馬「言いたい事は言った。じゃあな」
すし吉「……」
北斗「ほら、そこもっと声張って」
冬馬(よく分からねえけど、ちょっとは上達もしてるみたいだ)
すし吉「……」クルクル コテッ
翔太「あっ、惜しい!もうちょいだったのに」
冬馬(でも……やっぱこれじゃ無理だな)
すし吉「!」
冬馬(妥当な判断だな、こいつには悪いが)
黒井「理由は分かっているな?」
すし吉「……」
黒井「以上だ、残りの者も気を抜かぬよう今まで通り全力でやれ」
翔太「はい」
北斗「分かっています」
冬馬「当然だぜ」
すし吉「……」
翔太「あっ……」
北斗「やっぱりショックだったんだろうね、俺探してくるよ」ダッ
翔太「僕も!」ダッ
冬馬(ったくあいつらは世話焼きだな。俺は知らねえ)
冬馬「……まだ戻って来ねえのか」
冬馬「……」
冬馬「ちっ……何で俺が」
すし吉「……」
冬馬「……で、逃げだすのはお前の勝手だけどそれで良いのか?」
すし吉「……」
冬馬「俺はお前が辞めようと関係ない。トップアイドルになるだけだ」
すし吉「……」
冬馬「ただお前のアイドルへの情熱はその程度の物だったのかと思ってよ」
すし吉「……」
冬馬「本気になれねえなら、最初からやるんじゃねえ!」
すし吉「!」
すし吉「……」
冬馬「もっと死ぬほど練習して俺やおっさんに認められたいと思わねえのか?」
すし吉「……」
冬馬「とにかく、俺は本気でトップアイドル目指すやつ意外と組む気は無い。お前はどうなんだ」
すし吉「……」コクッ
冬馬「……ならこんな所でコソコソしてる場合じゃねえだろ。ほら立てよ」
翔太「相変わらずあっついねー!」
冬馬「なっ……!?」
北斗「口ではあんな事言ってても……もしかして冬馬そっちの趣味が……」
冬馬「どうしてそうなるんだよ!!てかこいつ未だに人間かどうかも分からねえし!」
翔太「リハの通りやれば大丈夫大丈夫」
すし吉「……」
冬馬「……お前は目に焼き付けておくんだな。俺達のステージを!」
すし吉「……」コクッ
ピギャアアアアアアアアアアアアアア
冬馬(見とけよ……すし吉。これが俺達のライブだ!)
北斗「おっ、今の良いよ!凄く良い!高音もしっかり出てた!」
冬馬「相変わらず何も聞こえねえが少しはマシになったみたいだな」
翔太「素直に褒めたら良いのに」
すし吉「……」スッスッ クルッ
冬馬「おお!やるじゃねえか!」
翔太「今のとこ、完璧だったよ!」
北斗「参ったな……追い抜かれちゃいそうだ」
すし吉「……」テレテレ
翔太「あ、賛成!」
北斗「確かこの近くに隠れた名店みたいなのがあるらしいよ」
すし吉「……」
冬馬(そういえばこいつと飯食うの初めてだな)
北斗「おっ、確かここだ」
翔太「人も並んで無いしラッキー」
ガラガラ
貴音「……」ズルズル
北斗「あ、貴音ちゃんだ」
翔太「こんにちは、貴音さん!貴音さんもこの近くで撮影?」
貴音「いえ、ただ久しぶりにこの店のらぁめんを食べようと。……その方は?」
すし吉「……」
北斗「ああ、すし吉って言うんだ。ジュピターの新メンバーだよ」
貴音「そうですか……なるほど」
冬馬「あっさり納得するのかよ。あ、向こうの席みたいだぜ」
北斗「それじゃ、また今度ゆっくり話そうね。チャオ☆」
貴音「……」ジー
すし吉「……」
北斗「うん、噂通り」
翔太「来て正解だったよ!流石北斗君!」
すし吉「……」
冬馬(そういやこいつがどうやって飯食うか見てなかった……)
貴音「……」
翔太「……何かさっきから貴音さんこっち見てない?」
北斗「本当だ、一体どうしたんだ……あ、帰るみたいだよ」
冬馬(見る理由ってこいつ以外にねえだろ、どう考えても)
すし吉「……」
すし吉「……」
冬馬「まあ、お前の歌声はよく分かんねーけど」
すし吉「……」
貴音「こんばんは」ヌッ
冬馬「うおっ!?な、何だ急に!?」
貴音「いえ、……ただ」チラッ
すし吉「……」
冬馬「ああ、こいつはただのジュピター4人目だ。俺も色々言いたい事はあるがもう何も言わない事にした」
すし吉「……」
貴音「……!分かりました。それでは失礼します」スッ
冬馬「えっ!?……な、何だったんだ……」
すし吉「……」
すし吉「……」スッサッ
冬馬(この分なら次のライブでこいつも……)
すし吉「!!」バタッ
冬馬「……!お、おい!?」
北斗「今、体が完全に硬直してたような……」
すし吉「……」
翔太「あ、大丈夫なんだ……もう心配させないでよ」
冬馬(今のは……これまでのミスとは何か違う……)
すし吉「!」
黒井「良いか、醜態をさらしてはならんぞ!初の4人で行うステージだからな。以上」
ガチャッ
すし吉「……」ポロポロ
冬馬「……泣いてんのか?」
翔太「本当にこのライブに全てを賭けてたから嬉しいんだって」
北斗「ははっ、ライブの度に泣かれたんじゃ困るよ」
冬馬「全くだぜ。おら、泣くのはライブが終わってからにしな」
冬馬「あんま日も残ってねえんだ。最高のパフォーマンスを見せるために練習だ!」
すし吉「……」ゴシゴシ コクッ
冬馬「何だ、緊張してんのか?」
すし吉「……」
北斗「大丈夫、俺たちが保証するよ。今のすし吉なら皆も認めてくれる」
翔太「うんうん!きっと大歓迎だと思うな!」
すし吉「……」
冬馬「ほら、自信持てよ!行くぜ!ファンが待ってるぞ!」ポンッ
すし吉「……」コクッ
ピギャアアアアアアアアアアアアアア
すし吉「……」タッタッタッ
ワァァァァァァァァ
すし吉「……」
北斗「ははっ、やっぱり少し緊張してるみたいだね」
翔太「今、自己紹介したとおり名前はすし吉って言うんだ。皆応援してあげてね」
スシキチイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ
すし吉「……」ポロポロ
冬馬「泣くなよ!皆に笑顔を見せないとダメだろ?」
ガンバッテエエエエエエエエエエエエ
すし吉「……」ゴシゴシ
北斗「うん、歌えるんだね。それじゃいくよ!俺達4人の最初の曲は……」
翔太「やっぱりAlice or Guilty!!」
すし吉「……」グスッ
北斗「ほら、泣くな。エンジェルちゃん達も喜んでたよ?」
翔太「デビューでこれだけ最高のライブ経験出来るなんてこの幸せ者!」
冬馬「これもお前があの時諦めなかったからだな」
すし吉「……」
冬馬「……あのさ、最初お前の事得体のしれない奴だと思ってた」
すし吉「……」
冬馬「それでちょっと冷たくしちまったかもしれねえ。悪かったな」
すし吉「……」
冬馬「もちろん今はそんなことないぜ。ジュピターに欠かせないやつだと思ってる」
すし吉「……」
冬馬「まあ、色々合ったけどこれからもよろしくな」ガシッ
すし吉「……」
冬馬「……ん?」
すし吉「……」パタッ
冬馬「おい、またかよ。大丈夫か?」
すし吉「……」
冬馬「こんなところで寝ると風邪引くぜ。疲れたのかもしれねえが家で寝ろよ」
すし吉「……」スッ
冬馬「じゃあな、また明日」
北斗「すし吉?何だそれ?」
冬馬「おいおい、何とぼけてんだよ。寿司顔のすし吉」
翔太「何言ってるの?頭おかしくなった?」
冬馬「お前らの方こそどうしたんだよ!昨日も一緒にライブしただろ!?」
北斗「昨日のライブは俺達3人でやったじゃないか」
冬馬「ふざけんなよ!あいつもあんなに一生懸命やってたじゃねえか!」
翔太「え、これギャグなんだよね……?」
冬馬「……」
翔太「あ、冬馬君が変なんだよ。なんかすし吉がどうのって」
冬馬「おっさん!ジュピター4人目のすし吉だ!あんたならとぼけないよな!?」
黒井「……ジュピターは3人のユニットだ。増やすつもりなど毛頭ない」
冬馬「は、はぁ!?」
北斗「昨日のライブで疲れすぎておかしくなったのか?」
冬馬「……じゃ、じゃあ!昨日のライブの映像見せてくれよ!あるんだろ!?」
キミヲミウシナウ ギルティ
冬馬「そ、そんな……3人……」
黒井「いつまで寝ぼけておる!!下らんジョークばかり言いおって時間を無駄にしたわ!」
冬馬(ど、どうなってやがる……すし吉がいなかった事に……)
ガチャッ
北斗「お、おい冬馬!」
翔太「黒ちゃん、どうしよう……」
黒井「……この症状が続くなら病院に連れていくしかあるまい」
冬馬「……いねえ」ハァハァ
冬馬「あれ……すし吉って……」
冬馬「……」
冬馬「……忘れてんじゃねえ!俺は絶対忘れねえぞ!」ダダッ
貴音「すし吉を探しているのですか?」
冬馬「……お前、すし吉の事覚えているのか?」
貴音「ついてきてください」スタスタ
冬馬「お、おい」
冬馬「ここって……前に来た寿司屋じゃねえか」
貴音「あなたは……ここですし吉と出会った。違いますか?」
冬馬「いや……俺がすし吉に最初に出会ったのは部屋……」
貴音「いえ、それより少し前です」
冬馬「……」
冬馬「……!そういえばあいつの顔は……あの時当たった景品と……同じ……?」
冬馬「す、すし吉!何でここに……」
貴音「すし吉はもう帰らなければなりません。在るべき場所に」
冬馬「な、何だよそれ……」
貴音「出会った日にあなたはすし吉を巻き動かしました。しかしいずれ動きが止まる」
貴音「その時とはすなわち、すし吉の体が動かなくなる時となります」
冬馬「ま、まさか……もうライブ前後の時はすし吉の体は……」
すし吉「……」
貴音「もう限界だったようですね。ライブを無事終えれた事も運が良かったとしか」
冬馬「な、何で俺に言わねえんだよ!!」
すし吉「……」
貴音「……もう時間です」
冬馬「え?」
貴音「この者は元々この星の者ではありません。すし吉が消えた時私たちもこの事に関する記憶を失うでしょう」
冬馬「な、何だよ……それ……意味分かんねえよ……」
すし吉「……」
冬馬「おい、何とか言えよ!!俺達ジュピターだろ!?まだトップアイドルになってねえじゃねえか!」
すし吉「……」ポロポロ
冬馬「すし吉……馬鹿野郎!!」
すし吉「……」スゥー
冬馬「あっ……」
すし吉『ばいばい』
冬馬「……へっ、やっと……お前の声聞けたな……」
貴音「……」
冬馬「ああ、それか。何か捨てらんねえんだよな」
北斗「フィギュア集めもここまで来るとすごいな」
冬馬「だからそれはコレクション対象じゃねえよ!」
翔太「もう巻いても動かないし、何だかなぁ」
冬馬「……懐かしい気分になるんだよ。分かんねえけど」
北斗「懐かしい……俺も何故かそんな気になるよ」
翔太「……へぇ、僕だけじゃ無かったんだ。そういえば名前なんだっけ、これ」
冬馬「おいおい、忘れんなよ。すし吉だろ」
完!!
Entry ⇒ 2012.09.19 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「伊織に好きな人が出来たらしい」
律子「おかしい……と言うと?」
P「遠くを見つめて溜息をつく事が多い」
律子「ふむ…それはきっと」
P「きっと?」
律子「好きな人でも出来たんじゃないですか?」
P「」
P「伊織に好きな人が……」
律子「そんなに動揺しなくても」
P「これが動揺せずにいられるか!!」
律子「そもそも憶測ですから」
律子「真偽は定かではありませんよ」
P「なんだ良かった」
P「さすが律子だ! 頼りになる!」
律子「はいはい」
P「じゃあ俺は営業に行ってくるよ」
律子「お気をつけて」
P「おーう」
伊織「最近、アイツの様子がおかしいの」
律子「アイツ? ……ああ、プロデューサーの?」
伊織「ん…」
律子「おかしいって…?」
伊織「遠くを見つめて溜息なんかついて…」
律子「……」
伊織「」
伊織「あわわわわ」
伊織「アイツに好きな人が……」
律子(デジャヴ?)
伊織「どこの誰なの!? ねぇ!!」
伊織「そ、そうよね!」
律子「そうよ」
伊織「でも…本当にそうかも知れないし…」
伊織「それとなく聞いてみてくれない?」
律子(えー…)
律子「はいはい」
…
P「はぁ……伊織…」
律子(声に出てる…)
律子「プロデューサー?」
P「うひゃあ!?」ビクッ
律子「そんなに驚かなくても…」
P「どどどうした?」
P「…?」
律子「伊織の事が好きでしょう?」
P「…は?」
P「え、ちょ……なっ…!」
律子「……もう結構です」
律子「今の反応で概ねわかりました」
律子(さて、伊織は…)
伊織「はぁ…プロデューサー…」
律子(もう聞くのも面倒な気がする…)
律子「ねえ、伊織」
伊織「ひゃあ!」ビクッ
伊織「ななな何よ!?」
伊織「…は?」
伊織「え、ちょ……なっ…!」
律子「もういいわ…」
律子(反応まで同じ…)
律子(もう結婚しちゃえばいいのに)
律子「好きな人がいるみたいです」
P「」
P「ど、どこの馬の骨だ!」
律子「鈍感で、頼りなさそうで、実は頼りになる、眼鏡をかけた人です」
P「断言しよう、ロクな奴じゃない!」
律子「たった今私もそう思いました」
律子「間違いなく好きな人がいるわ」
伊織「」
伊織「ど、どこのどいつよ!」
律子「強がりで、素直になれなくて、甘えたがりな人ね」
伊織「そんな面倒臭そうな奴、やめたほうがいいわよ!」
律子「頭痛くなってきた…」
P「え」
律子「好きなんでしょう?」
P「いやいやいや……プロポーズだなんて」
P「アイドルとプロデューサーだぞ?」
律子「その辺の常識はありましたか」
P「遠くから愛でるだけで満足なんだ」
律子「へえ…」
伊織「え」
律子「好きでしょう?」
伊織「いやいやいや……プロポーズだなんて」
伊織「アイドルとプロデューサーよ?」
律子「その辺の認識も一緒か」
伊織「それに、遠くから見つめてるだけで…幸せだし……」
律子「…もどかしい」
P「え、どんな?」
律子「……というのを」
P「いやいやいや!! 無理だって!」
律子「頑張ってー」
P「何でそんなに投げやり!?」
律子「気のせいです」
伊織「え、どうして?」
律子「必要な書類があるのよ」
伊織「ふぅん…わかったわ」
律子「じゃあ、また明日」
伊織「ええ」
律子「これで良し…と」
伊織「何だったの…?」
P「あの、伊織?」
伊織「ひゃい!?」ビクッ
P「ひょう!?」ビクッ
伊織「どど、どうしたの?」
P「あ、あああの! この書類にサインと印鑑を!」
律子(二人ともぎこちない…)
小鳥(なんか初々しいですね)
P「しゅきです!」
律子(噛んだ)
小鳥(噛んだ)
伊織「……え?」
P「」
P「もうアレだ、死にたい」
伊織「…っ!!」
律子(通じた…)
小鳥(伊織ちゃんも噛んだのでは?)
律子(そうかも…)
P「好きだ!!伊織!」
伊織「私も、だいすき!」
P「いいや、俺の方が好きだぁ!」
伊織「なによ! 私の方が!」
~以下ループ~
律子「はい」
小鳥「二人は何回『好き』と言ったでしょうか」
律子「数えたくないです」
小鳥「同感です」
伊織「好き…」
P「俺も、好きだ…」
律子「まだやってる」
小鳥「放っておきましょう」
おつ
Entry ⇒ 2012.09.19 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「雪歩が入れたお茶の美味しさの秘密を調べる」
P「あー、今日も暑い・・・」
雪歩「あの、プロデューサー。お茶どうぞ」
P「ああ、雪歩。いつも悪いな」
雪歩「い、いえ。今日は暑いので、いつもと違って冷たいお茶を入れてみました」
P「・・・ゴクッゴクッ」
P「あー、身体中に染みるー。今日もうまいぞ、雪歩」
雪歩「本当ですか!ありがとうございますぅ」
小鳥「あ、プロデューサーさんいいですね」
雪歩「小鳥さんにも用意してます。ど、どうぞ」
小鳥「あら、ごめんなさい、ちょっと、催促するみたいだったわね。ありがとう、雪歩ちゃん」
小鳥「うーん、やっぱり雪歩ちゃんのお茶が一番ね」
とか言いながら注いでる
最高
雪歩「・・」ニコニコ
雪歩「あっ、プロデューサー。良ければ、おかわり注ぎましょうか?」
P「お、いいか?」
雪歩「はい!すぐ行ってきますぅ」
トテトテ
小鳥「・・・雪歩ちゃんはいいお嫁さんになりそうですねぇ」
P「ほんとに。あれで男性恐怖症さえなければ、間違いなく彼氏の一人や二人はいるんでしょうが」
P「雪歩には悪いけど、アイドルのプロデューサーとしては、ありがたいですね」
小鳥「でも、最近の雪歩ちゃん、プロデューサーさん相手なら、物怖じしなくなってないですか?」
P「仕事柄、他の人よりは長い時間近くにいますからね。きっと慣れでしょう」
小鳥「そんな事言って、雪歩ちゃんと付き合って、寿退社とか辞めてくださいね。私、悲しくなっちゃう・・・」オヨヨ
P「ないですよ。俺はプロデューサーで雪歩はアイドルだし、そもそも、向こうにその気はないでしょ。ちょっと、年の離れた兄ぐらいじゃないですか?」
小鳥「そうですかねー。私の乙女の感としては、ほの字ですよ」
P「小鳥さん、いちいち例えが古いです」
小鳥「!」
P「それにしても、いつもお茶入れてくれるのはありがたいですね」
P「俺がこの事務所に努めだした時から雪歩はいましたが、昔からお茶淹れたりしてたんですか?」
小鳥「うーん、そうですねぇ。どうやら、趣味みたいで、所属した時から淹れてくれましたね」
小鳥「でも、急に美味しくなったような・・・ 時期的には・・・そう、プロデューサーさんと打ち解けて以降・・・」
P「? 何か言いましたか?」
ガタッ
小鳥「ふむ・・・、美味しさの秘密がわかりました!」
P「・・・急に立ち上がってどうしたんですか?」
小鳥「プロデューサーさん、一度、見て見ませんか? 雪歩ちゃんがお茶を淹れる姿」
P「うーん、そうですね。仕事も一段落したし、いつも淹れて貰ってばっかりなんで手伝いますか」
小鳥「それじゃあ、行きましょう!」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
P「なんで給湯室を覗いてるんですか?これじゃ、てつだ
小鳥(プロデューサーさん、静かに!)
P(は、はい)
小鳥(プロデューサーさんが居たら美味しさの秘訣が出ない気がするんです。だから、今は見守りましょう!)チラッ
P(はぁ・・・)チラッ
雪歩「?♪」
雪歩「うーん、どうしよう。冷たいお茶、これじゃ足りないよね・・・」
雪歩「温かいの淹れて、氷で冷やそうかなぁ。でもそれじゃ、今日持ってきた茶葉じゃ香りが薄いから飛んじゃうし・・・」
雪歩「どうしよう・・・」
P「? 何か首をかしげてますね」
雪歩「・・・よし」
コソコソ
雪歩「うんしょ・・・」
P「うーん?影に行っちゃったんでよく見えないですね」
小鳥(ピヨー!)
P(ど、どうしたんですか?)
小鳥「何言ってるんですか!物陰に隠れてやることなんて、ひとつでしょ!」
P「こ、小鳥さん!うるさ
雪歩「・・・何してるんですか?」
P「ゆ、雪歩?!」
雪歩「あ、プロデューサー。ごんなさい、今日持ってきた分じゃ、あと一杯しかなくって」
雪歩「良ければどうぞ」
P「ああ、ありがと」
ゴクッゴクッ
雪歩「あ、もしかして、取りに来てくれたんですか?ごめんなさい。次のために、お茶を作って冷やしてから持っていこうかと思ったんですぅ」
P「あー、なるほどな。わざわざ、悪いな」
小鳥「・・・! あ、そうだ。プロデューサーさんが、もう一杯おかわりしたいんだけど、いいかしら?」
P「? 俺はもう
小鳥「暖かいのでもいいから、どーしても、雪歩ちゃんのお茶か飲みたいんだって!」
雪歩「ほ、本当ですか!分かりました。また、淹れて持っていきますぅ」
P「え?いや、
小鳥「じゃ、プロデューサーさん!早く戻りましょう」
ズルズル…
P(で、結局覗くんですか?)
小鳥(当然でしょ!やっぱりさっきので確信しました!)
P(? だから、な
小鳥(ほら!黙って見ててください!)
雪歩「プロデューサーが美味しいって言ってくれた、えへへ」
雪歩「次も頑張ろう」 グッ
P(何か知らんが、気合入れる雪歩可愛い)
雪歩「・・・」ジーッ
P(雪歩がやかんと無言で向き合ってる)
雪歩「・・・」
P(そろそろ、沸騰するころか?)
やかん『---ピッ』
雪歩「!!」
カチッ
サッ
P(は、はやい?! 沸騰したと思ったら、瞬間的に火を止めて、やかんを持ったぞ!)
雪歩「1、2、3・・・」
クルクル
P(な、なんだ? 雪歩がカウントしながら、やかん回すように揺らしてるぞ)
雪歩「次は・・・」
コポコポ
P(あれ?先に湯のみにお湯を注ぐのか?)
小鳥(ああ、やって適温まで温度を下げてるんですよ。手間はかかりますけど、最後の味は大きく変わります)
P(へぇ、そうなんですか)
雪歩「・・・」
サッ サッ
P(ふむ、急須に茶派を入れて)
雪歩「・・・」ジーッ
P(ま、また、湯のみを見ているぞ?)
雪歩「よし、この湯気なら・・・」
パシャ
P(へぇ、ここで急須にお湯を戻すのか)
雪歩「・・・」
スゥッ
雪歩「1、2、3・・・」
P(目を閉じたと思ったら、リズムを刻み始めた)
雪歩「・・・」
カツ カツ
P(・・・)
雪歩「・・・」
カツ カツ
P(・・・)
P(えっ、何この地味な絵は)
P(雪歩がカウント刻んでるだけで、待つの?これ?)
カツ カツ
雪歩「・・・うん」
コポコポ
P(あぁ、湯のみにお茶を淹れてる。え、完成? ちょっと、小鳥さん、何もないじゃないですか。確かに、こだわりは見えましたけど・・・)
小鳥(ここからです!よく見てください!)
雪歩「・・・」
スウッ
P(あれ?湯のみを前にして、また目を閉じるの?)
雪歩「・・・プロデューサー」
P(?)
雪歩「いつも、私のお茶を美味しいって言ってくれて、ありがとうございますぅ」
雪歩「私の男性恐怖症のせいで、いつも現場で迷惑をかけてごめんなさい」
雪歩「それでも、嫌な顔ひとつせずしょうがないと微笑み返してくれる貴方」
雪歩「こんなダメダメな私がこの気持ちを持つのは間違っていると思います、でも・・・」
雪歩「いつか・・・」
雪歩「・・・いつか、私がトップアイドルになった時に、この気持ちを伝えたいと思います」
雪歩「それまでは・・・」
スッ
チュ
雪歩「・・・」
雪歩「愛が重くてごめんなさい。せめて・・・、、この湯のみ一つでいい。少しでも繋がっていたいから・・・」
P(・・・)
雪歩「・・・」
パチッ
雪歩「さあ、持って行きますぅ」
P(・・・あ、やば、もう来る)
小鳥(プロデューサーさん、はやく戻りましょう!)
スタスタスタ
・・・
・・
・
雪歩「どうですか?」
P「あ、ああ。うまいよ」
雪歩「ありがとうございますぅ」
雪歩「あの・・・、明日から入れてもいいですか?」
P「え?そ、そりゃ、もちろん!今まで入れてもらったんだから、断る理由ないしな!」
雪歩「!! 明日も期待してください!」
P「あ、あぁ」
雪歩(・・・私がトップアイドルになるその日まで・・・)
おしまい
乙
やっぱり書き溜めないと。と感じた、今日この頃
要所だけメモしとけば?
うーん、そうですよね
いつもみたいに即興で書くと、エロ展開で強引に進めるんでいいんですけど、今回みたいは話はもっと練ってみます
スマホだからか、誤字、脱字凄いし・・・
あと、お茶を入れるか、淹れるか、煎れる。どれが正解かわからない国語力
乙
Entry ⇒ 2012.09.18 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
真「慰安旅行で真美と同じ部屋になった」
春香「なんですか?律子さん」
律子「今年の慰安旅行の行き先が決まったから伝えようと思ってね」
亜美「どこなのりっちゃん?」
律子「まあ詳しくは伊織に話してもらうわ」
伊織「にひひっ今回の慰安旅行はこの伊織ちゃんの別荘に決まったのよ」
やよい「えー伊織ちゃん別荘なんて持ってるの!?」
伊織「ええ、しかも家で買い取った島にあるから十分リラックスできると思うわよ」
美希「流石でこちゃん!ブルジョワなのー」
伊織「でこちゃんゆーな!」
小鳥「今回はプロデューサーさんの代わりに私が同伴することになったからよろしくね」
千早「あの…アイドル活動に支障はでないのかしら?」
律子「そこは大丈夫よ、スケジュール調整はちゃんとしてあるからね」
千早「それなら文句はないわ」
雪歩「皆一緒の部屋じゃないの?」
伊織「ええ、4部屋あるんだけど…ちょっと部屋割が複雑だから皆に集まってもらったのよ」
真「なるほどね」
伊織「大部屋が3つあるんだけどそこに4人ずつで12人、最後に小部屋に2人って感じにしたんだけど…いいわよね?」
真美「ぜんぜんオッケーだよいおりん!」
伊織「それならよかったわ、それで部屋なんだけど…くじで決めるのはどうかしら?」
あずさ「私はいいと思うわよ~」
貴音「私も異論はありませんよ」
伊織「それじゃ早速決めましょうか、律子、準備できてる?」
律子「ええ、それじゃ皆、この箱の中に入ってるから引いてね」
皆「はーい」
あずさ「私も1番よ、よろしくね春香ちゃん」
貴音「私も1番のようですね、よろしくお願いします」
律子「私も1番みたいね、3人ともよろしく」
千早「私は2番ね」
やよい「あっ私も2番です!」
亜美「亜美も2番だよ→」
小鳥「私も2番よ、よろしくね」
伊織「私は3番みたいね」
美希「あっミキも3番なの」
雪歩「私も3番ですぅ」
響「自分も3番だぞ!」
真「ボクは4番だね」
真美「あっ真美もだ」
真「わかった、よろしくね真美」
真美「うん、まこちんよろしく→」
律子「それじゃ今日は解散にしましょうか、皆忘れ物しないようにね?」
亜美「わかってるよりっちゃーん」
律子「あんたが1番心配なんだけど…」
小鳥「そういえばプロデューサーさん、本当に今回は私が行っていいんですか?」
P「はい、前の慰安旅行では音無さんが留守番してくれたんですし、今回は俺がしますから楽しんできてください」
律子「あれ、でもプロデューサーも明日から休みですよね?」
P「ああ、たまには1人でゆっくりしたいこともあるんだよ…」
律子「そうですか…」(たしかに慰安旅行でアイドル達のお守りをするよりは休めるわよね)
P「まあそういうことだから、皆楽しんできてくれよ」
皆「はーい」
亜美「海だ→」
美希「美希が1番なのー」タッタッタ
響「そうはさせないぞー」タッタッタ
小鳥「皆元気がいいわねえ…これが若さなのかしら」
律子「まったく…こら、走ったら危ないでしょ!」
春香「雪歩、千早ちゃん、伊織がかき氷あるって言ってたから一緒に食べに行かない?」
雪歩「うん、いいよ」
千早「私もいいわよ」
春香「それじゃ行こっか」
伊織「きゅ、急に何言ってるのやよい!?って…あんたまたスク水できたの?」
やよい「うん、これしか家になかったから…」
伊織「はあ、今度新しいの一緒に買いに行きましょうか」
やよい「えーいいの!?ありがとう伊織ちゃん」
伊織「いいわよ別に」
貴音「伊織、少しいいですか?」
伊織「何かしら?」
貴音「らぁめんは…ないのですか?」
伊織「別荘に行けば作ってくれると思うわよ、基本なんでも用意させるようにしたから」
貴音「ありがとうございます」
伊織「まあほどほどにしなさいよ…」
律子「あずささんもう飲んでるんですか…私は未成年なので遠慮しておきます」
あずさ「もうそんなこと言わずに~」
律子「はいはい、あまり飲みすぎないでくださいね」
真美「ねえまこちん、ちょっとお願いがあるんだけど」
真「ん、何?」
真美「日焼け止め塗ってほしいんだけど…いいかな?」
真「うん、それじゃ横になって」
真美「うん…」スッ
真「ええと…それじゃ塗るよ」ゴシゴシ
真美「痛っ!?ちょっとまこちん!」
真「何?」
真美「もうちょっと優しくしてよ…」
真「えっああ、ごめん…こんな感じかな」ヌリヌリ
真美「あっうん…ありがと」
真美「……」
亜美「あれ、何してんのまこちん?」
真「ん、日焼け止め塗ってるだけだけど」
亜美「そっか→…んじゃ亜美も手伝うよ!」
真美「ええ!?い、いいよ…亜美は向こう行ってて」
亜美「ほほう、亜美を仲間はずれにしようと言うのかね真美くん」
真美「だ、だって…」
亜美「んじゃ亜美はこっちの方塗ってあげるよ→」スッ
真美「ちょ、ちょっと亜美!そこはいいから!」
亜美「おら、ケツ出せ真美→」
亜美「あっピヨちゃん、ピヨちゃんも真美に日焼け止め塗るの手伝ってよ→」
小鳥「ピヨォ!?も、もちろんよ!それじゃ私は…こっち側塗るわね」スッ
真美「だ、だめピヨちゃん、そこはいいからぁ…」
小鳥「ピヨピヨ…真美ちゃんの七彩ボタンもしっかり塗ってあげるピヨ」ヌリヌリ
真「ちょ、ちょっと小鳥さん、そこは塗る必要ないですよね?」
小鳥「ぐへへへ、真ちゃん、女の子の肌は大事に扱わないといけないのよ」
真(欲望を曝け出してるようにしか見えない…)
真美「亜美もいい加減にしてよ!」
真「ほら2人とも、そのへんでやめとこうよ」
小鳥「真ちゃん…今日は慰安旅行なのよ…慰安旅行でまで自分を偽る必要はないわ!」
真「何言ってるんですか、バカなこと言ってないでやめてください」
小鳥「真ちゃん…今なら真美ちゃんを好きなようにできるのよ?どこでも触り放題よ?」
真「そ、そんな真美を物みたいに言うのはやめてください」
小鳥「一瞬動揺したわね…本当は触りたいんでしょ?真ちゃん?」
真「そ、そんなことあるわけないじゃないですか!」
亜美「ふう…おちりはこのくらいにして…次はお股いきますか!」
真美「あ、亜美…お願いだからもうやめて」ウルウル
真「……」ゴクリ
亜美「げえっ!?いおりん!」
小鳥「わ、私達はただ真美ちゃんに日焼け止めを塗ってあげてただけピヨ」シラッ
伊織「よくもそんなことが言えるわね…この駄鳥が!」ゲシッ
小鳥「い、伊織ちゃん…もっと…」ハアハア
亜美「亜美はピヨちゃんに言われてやっただけだかんね→」
小鳥「あ、亜美ちゃん!?」
伊織「あんたも悪ノリしたんだから同罪よ」
亜美「そ、そんなぁ→お許しをいおりん陛下」
伊織「だめよ、このことは律子に報告しておくからね」
亜美「そ、それだけはご勘弁をー」
伊織「真、真美を連れて先行ってていいわよ」
真「わかった、それじゃ真美、向こう行こうか」
真美「うん…」
律子「はあ…まあ伊織が止めてくれたからよかったけど、ほんとに何考えてるんですか?」
小鳥「ピヨォ…」
亜美「亜美は真美のためを思ってですね…」
律子「亜美ぃ?」
亜美「すいませんでした…」
律子「次やったら承知しないからね…亜美はもう行っていいわよ」
亜美「はーい」
律子「小鳥さん、大人のあなたが主犯ってどういうことですか?」
小鳥「か、可愛い女の子を目の前にして我慢するのはおかしいと思うピヨ!」
律子「はあ…そんなだからいつまでたっても結婚できないんですよ」
小鳥「ピヨっ!?」
伊織「まったくね、これを期に1回自分を見つめなおしてみたら?」
小鳥「い、いくらなんでもあんまりピヨ…」
律子「小鳥さん、次やったら強制送還ですからね?」
小鳥「は、はい…」
真美「うん…もう平気」
真「そっか…それじゃ気分転換に軽く泳がない?」
真美「うん!」
響「あっ真ー真美ー」
真「響、どうしたの?」
響「自分とあそこの岩まで競争しないか?」
真「いいけど…真美はどうする?」
真美「うん、真美もいいよ」
響「よし、まあ自分が勝つと思うけど2人も頑張ってな」
真「何だとー!ボクだって負けないからね!」
真「ああ、向こうの岩まで泳いで競争するんだよ」
美希「ふーん、それじゃミキがよーいドンッってしてあげるね」
真美「うん、よろしくねミキミキ」
美希「それじゃよーい、ドンッ!」
響「うおりゃあああああああ」ザバッ
真「ええっ!?もう始まってるの?」ザバッ
真美「あっ出遅れた」ザバッ
美希「3人とも頑張ってねー」
真美(やめとけばよかった…元からこの2人に勝つなんて無理だよ…)
真美(あれ、なんか足がっ!?)
真美(ど、どうしよ、足つったかも…)
真(あー今回は負けかな…って諦めちゃだめだ!よーし……あれ、真美がいない?……まずいっ!!)
真美(痛っ…あ、やばい…そろそろ息も苦しくなってきた…)ブクブク
真(あそこか…くそっもっと早く気付けなかったのかボクは…)スウー
真(よし、とりあえず上に行かないと)ガシッ
真「真美!大丈夫?」
真美「ま、まこちん…ごめんね、真美のせいで…」
真「そんなことどうだっていいんだよ!怪我ない?どこか痛いところは?」
真美「ちょっと足つっちゃったかも…」
真「わかった、それじゃすぐに戻ろう、ちゃんと捕まっててね」
真美「うん…」
真美「痛っ」
真「あっごめん…そこまでひどくはないみたいだね」
真美「もう…まこちん大袈裟すぎだよ」
真「何言ってるんだよ…今回は大事に至らなかったけど…もしひどい怪我でもしたら…」
真美「…ありがとね、でももう大丈夫だよ」
真「そっか…これからは無茶しないようにね?本当に心配したんだから」
真美「うん…ごめんね」
真「さて、それじゃそろそろお昼の時間だし一回戻ろうか」
真美「うん!」
―――――――――――――――――――
響「よし!自分が1番みたいだな!」
響「真と真美は…あれ…いない?」
――――――――――――――
―――――――――――――
伊織「それじゃそろそろいい時間だし…夕食にしましょうか」
亜美「いおりん、夕食はもちろんゴージャスなやつだよね?」
伊織「何言ってるのよ、バーベキューにするつもりよ?」
亜美「うええ!?な、なぜですかいおりん隊長?」
伊織「だってそれじゃいつもの夕食と変わらないじゃない」
亜美「これだからブルジョワは…」
伊織「何か言ったかしら?」
亜美「な、何でもないです…」
伊織「それじゃちゃっちゃと準備しましょ」
あずさ「やよいちゃん、おかわりたくさんあるからね~」
やよい「ありがとうございます、あずささん!」
貴音「……」パクパクムシャムシャ
春香「貴音さん、たしか昼間ラーメン5杯くらい食べてましたよね?」
貴音「はい、たしかに食しましたが、それがどうかしたのですか?」モグモグ
春香「い、いえ…」(なんであんなに食べられるのかなあ…)
雪歩「も、もう少しで焼けるから待っててね美希ちゃん」
美希「わかったのー」
律子「あんたねえ…自分の分くらい自分で焼きなさいよ」
美希「ミキは食べるの専門だよー」
律子「はあ…」
雪歩「り、律子さん、美希ちゃんには私が取ってあげるので大丈夫ですよ?」
美希「ありがとうなの雪歩!やっぱり雪歩は優しいのー」
小鳥「あら、ありがとう千早ちゃん」
千早「いえ、それでは」
小鳥「あっちょっとまって千早ちゃん」
千早「何ですか?」
小鳥「ゴニョゴニョ…」
千早「…なるほど、それはいい考えですね」
小鳥「ふふっそうでしょ?」
千早「はい、それではその時に」
小鳥「そうね…」ニヤリ
真「いや、ちゃんと食べてるよ…真美ももっとお肉食べる?」
真美「うん、ありがと」
真「いいよ、それじゃはい」スッ
亜美「あー真美だけずるい!亜美が貰っちゃうもんね→」パクッ
真美「ああっ!?ちょっと亜美!」
伊織「ほんと騒がしいわねあんたら、少しは静かにできないの?」
真美「だって亜美が真美のお肉取るんだもん」
伊織「まだいっぱいあるんだしそのくらいいいじゃない」
真美「でも…まこちんが折角取ってくれたのに…」
伊織「…真、真美がもっと欲しいって言ってたわよ」
真「えっそうなの?もう少しで焼けるから待っててね」
真美「うん…」
伊織「はいはい、それじゃ亜美には私のあげるから」
亜美「サンキューいおりん!太っ腹→」
真「はい、焼けたよ、真美」スッ
真美「ありがと…」
真「他にも欲しいものあったら言ってね」
真美「うん…あっまこちん」
真「何?」
真美「はい、あーん」スッ
真「え?」
伊織「真、折角だから貰っておきなさい」
真「う、うん…あーん」パクッ
真美「……」ドキドキ
真「あっ美味しい、ありがとね真美」
真美「うん///」
亜美「んじゃ亜美達はお邪魔虫みたいだしさっさと退散しますか」
伊織「そうね」
伊織「さて、それじゃそろそろ別荘に戻りましょ…といいたいところだけど」
亜美「んっふっふー、よくわかってるねいおりん」
春香「何かするの?」
伊織「ええ、あそこの森、出るらしいのよ」
雪歩「で、出るって…何が?」ブルブル
伊織「にひひっそれは想像にまかせるわ」
やよい「それで伊織ちゃん、何するの?」
伊織「もちろん定番のあれよ…肝試し」
真「い、いいいいい伊織、ボクはちょっと遠慮しとこうかなーって」
伊織「ダメよ、それでペアは部屋割で決めたメンバーでいいわよね?」
千早「私はそれでいいと思うわ」
美希「ミキもそれでいいって思うな」
伊織「何か異論でもある?」
真美「まこちん…真美と2人じゃ嫌かな?」
真「べ、別にそういうわけじゃないんだけど…なんというか…」
伊織「はいぐちぐち言ってないでさっさと始めるわよ」
律子「それじゃ部屋番順でいいわよね」
春香「私達からですね」
あずさ「それじゃ行きましょうか~」
―――――――――――――――
――――――――――――――
伊織「さて、後は真と真美だけね」
真「そ、それじゃ行こうか…真美」スタスタ
真美「うん…」スタスタ
春香「ねえ伊織、何人か見あたらないんだけどどこいったの?」
伊織「決まってるじゃない、仕掛けに行ったのよ」
春香「ええ!?私達の時は何もなかったよね?」
伊織「だって真ってこういうの苦手じゃない?反応が面白そうだって亜美も言ってたしね」
春香「そっか…」
真美「まあ夜の森って言ったら大抵は不気味でしょ」
真「そうだよね…」
バサバサバサ
真「うわああああああああああああああ」
真美「お、落ちついてまこちん!どうせ蝙蝠か何かだよ」
真「で、でもぉ…」
真美「うーん…それじゃ」ギュッ
真「え?」
真美「手、繋いでればさ、少しは怖くなくなるでしょ?」
真「…ありがとう、なんか情けないなボク」
真美「それじゃ早く行こ?」
真「うん…そうだね」
真「な、何?何かいるの?」
??「うがあああああああ」バッ
真「ぎゃああああああああああああ」バキッドカッ
??「ちょ、痛っ!やめ…」
真美「ま、まこちん、殴っちゃだめだよ…」
??「……」タッタッタ
真「はあ…はあ…やった、お化けを退治したよ!真美!」
真美「う、うん…よかったね」
響「うう、真のやつ本気で殴ってきたぞ…」
亜美「ひびきん大丈夫?」
響「うん、とりあえず接近するのは危険だからやめといた方がいいと思うぞ」
亜美「りょーかい」
真「ま、真美ぃ…手離さないでね、絶対だよ?」
真美「わかってるよまこちん、早く先進もうよ」
真「う、うん…」ドンッ
真「ん?な、何だ?」
真美「どったのまこちん?」
真「な、何かにぶつかった気が…」スッ
真「え、なにこれ…見えない壁?」
真美「なになに?」スッ
真美「…え、なにこれ」
真美「おおおおお落ち着いてまこちん」
真「落ち着けって言われても…これ何?」
真美「……」
真「や、やっぱり戻ろうよ!こんなのおかしいって」
真美「と、とりあえず無視して進もうよ…もしかしたら黒い岩とかかもしれないし…」
真「そ、そうだね…さっさと進んで終わらせよう!」
真美「そ、そだね!」
千早「……」
千早「…亜美、全身黒タイツで立っててくれればいいと言ったけど…これは何かしら?」
亜美「んっふっふー、見えない壁を演出しようと思いまして」
千早「亜美、来なさい」
亜美「ま、待って千早おねえちゃん、まだ仕掛けがいだだだだ」
千早「壁壁言われる私の気持ちがあなたにわかるの?」グギギ
亜美「ごべんなざい、痛い痛い!?もう許してー」
真美「そ、そだね…」
真「な、なんだ…たいしたことないじゃないか」
真美(本気で言ってるのかな…)
真「よ、よし…たしかここで折り返しだったよね?」
真美「うん…」
真「さてそれじゃ戻ろ」クルッ
??「……」ヌッ
真「で、でたああああああああああああああああああああ」ダッ
真美「あっちょっとまこちん!?」
??「はて…」
伊織「真!?」
真「ああ…伊織…ごめん、ボクもうダメみたいだ」
やよい「あの、真さん…真美はどうしたんですか?」
真「え…あ」
伊織「まさか置いてきたの?」
真「……」
伊織「はあ…あんたねえ、こんな夜道に女の子置いて逃げてくるなんて何考えてるのよ?」
真「そ、そう言われても…」
伊織「言いわけはいいから、まったく…ほんとあんたへたれでダメダメね」
真「返す言葉も見つからないよ…」
真「い、行くよ…」ガクガク
伊織「はあ…いいわよ無理しなくて、私達で迎えに行くからあんたはそこで待ってなさい」
真「い、いや…ボクが…」
伊織「そんな震えながら言われても説得力ないんだけど?」
真「……」
伊織「それじゃ私達は真美を迎えに行ってくるわね」
―――――――――――――
――――――――――――
真美「いやーまさかあれがお姫ちんだったとは…」
貴音「ふふっうまくいったようでなによりです」
真「あの、真美…ほんとごめんね」
真美「いいよ別に、まこちんこういうの苦手って知ってたし」
真「でも1人で逃げちゃったからさ…」
真美「もう、気にしてないからいいって言ってるじゃん」
真「うん…ほんとごめん」
美希「やっとお風呂に入れるの」
雪歩「伊織ちゃんの別荘のお風呂だからすごく広そうですぅ」
伊織「別にそんなに広くないと思うわよ?」
律子「まあとりあえず戻りましょうか」
伊織「それじゃお風呂は好きな時間に入っていいからね」
春香「そっか、それじゃ私はもう入ろうかな」
美希「あっミキも入るの!」
あずさ「私も一緒に行こうかしら」
伊織「あっ皆、朝食は8時だからそれまでにはここに集合してね」
律子「あら、意外と遅い時間なのね」
伊織「慰安旅行なんだし多少はゆっくりしてもいいと思ってね」
雪歩「私朝は苦手だからすごく助かるなあ」
亜美「亜美も亜美も→」
伊織「さ、それじゃ後は自由行動で構わないわよ」
律子「貴音、春香とあずささんは先お風呂に行ったし私達も行かない?」
貴音「そうですね、それでは参りましょうか」
2号室
小鳥「亜美ちゃんやよいちゃん、私と千早ちゃんは後から行くから先お風呂行ってていいわよ」
亜美「そっか、それじゃ一緒に行こうよやよいっち!」
やよい「うん、そうだね」
千早「……」
3号室
伊織「雪歩、響、私達もお風呂行かない?美希は先行っちゃったし」
雪歩「うん、いいよ」
響「自分も賛成だぞ」
真「小部屋って言ってたのに普通のホテルの倍くらいはあるよね、この部屋…」
真美「そだね、さすがいおりんって感じだね」
真「ベットもすごく大きいし…これが格差社会か…」
真美「真美の家も結構大きい方だと思ってたけどいおりんは別格だね…」
真「さて、それじゃどうしようか…とりあえずお風呂行く?」
真美「うん、そうしよっか」
小鳥「…行ったわね、それじゃ千早ちゃん」
千早「ええ…」
小鳥「今のうちにたっぷり堪能しましょ?」
千早「ふふっ…」
小鳥「これが…亜美ちゃんの水着」ハフハフ
千早「高槻さんのスク水…」クンカクンカ
伊織「やよい、一緒にお風呂行きましょ…」
小鳥「!?」
伊織「何してんのよあんた達!」
雪歩「伊織ちゃん何かあったの?」
千早「み、水瀬さん!?こ、これはその…そう、高槻さんの水着を洗ってあげようと思って」
響「うわぁ…」
伊織「小鳥ぃ…あんた懲りてないようね?」
小鳥「お、お許しを伊織しゃま」
伊織「この、駄鳥が!そんなだからいつまで経っても行き遅れなのよ」ゲシッゲシッ
小鳥「ああん…もっとぉ…」ハアハア
響「ゆ、雪歩…自分達は先行ってようか」
雪歩「う、うん…そうだね」
千早「ごめんなさい水瀬さん…音無さんに脅されて…」グスッ
小鳥「ち、千早ちゃーん?」
伊織「そう、まああんたがこんなことするとは思えないし…小鳥、覚悟はいいわね?」
小鳥「そ、そんな~」
――――――――――――――――
―――――――――――――――
真「さて、そろそろ遅くなってきたし寝ようか」
真美「そだね…それにしてもピヨちゃんなんで廊下で縛られて放置されてたのかな」
真「何かやらかしたんじゃない?まったく懲りない人だよね…」
真美「あはは…それじゃ寝よっか」
真「うん…おやすみ、真美」
真美「おやすみ、まこちん」
真「……ううん、暑い」
真美「むにゃむにゃ…」Zzz
真「!?」
真美「えへへー…」Zzz
真(な、なんで真美がボクのベットに…ってあれ、動けない…)
真(…抱き枕代わりにされてるのかな…まあいっか)
真美「……」Zzz
真(なんか目が冴えちゃったな…気分転換にお風呂でも入ってこようかな)
真「ごめんね真美、ちょっと動かすよ」スッ
真美「……」Zzz
真「それじゃちょっと行ってくるね、真美」ボソッ
真「ふう…それにしても大きい風呂だよなあ…学校のプールより広いんじゃないかなこれ…」
真「なんか夜中にお風呂って新鮮だなあ…」
真「…あれ、誰かきたのかな」
??「……」スルッ
真「ボクと同じで目が冴えちゃったのかな」
真美「あっまこちん…」
真「真美!?」
真美「やっぱここだったんだね」
真「さっきまで寝てたはずじゃ…あっ動かした時起こしちゃったかな?」
真美「ううん…真美ね、抱き枕ないと眠れなくて…」
真「ああ、なるほどね…ごめんね勝手にいなくなっちゃって」
真美「ううん、別に気にしてないよ」
真「そっか…」
真「……」
真美「あ、あのさ…まこちん」
真「何?」
真美「や、やっぱ何でもない…」
真「そっか…」
真美「……」
真「…ね、ねえ真美」
真美「何?」
真「肝試しの時はさ…ほんとごめん…」
真美「もうそれ何回も聞いたよ…」
真「そ、そっか…」
真美「気にしてないからいいよ」
真「うん…」
真「え?」
真美「ほんとは…めっちゃ怖かった…1人にされて、周り見えなくてさ…」
真「…ごめん」
真美「だめ、許さない」
真「あはは、参ったな…まあ当然か、ボクがしたことはそれだけ真美を傷つけちゃったんだし」
真美「…そ、それじゃ…真美のこと、抱きしめてほしいな」
真「え…」
真美「ま、真美…すごく怖かったから…真美がいいって言うまで抱きしめててよ」
真「……わかった」ギュウ
真美「えへへ、ありがと」
真美「な、なんかさ…裸で抱きあってるとイケナイことしてるみたいだね…」
真「ええ!?な、何言ってるんだよ…」
真美「ちょ、ちょっとまこちん…ちゃんと抱きしめてよ…」
真「あっ…うん」ギュウウ
真美「…ごめんね、わがまま言って」
真「いいよ…」
真美「なんかさ…まこちんに抱きしめられるとさ…安心するんだ」
真「そっか…」
真美「まこちんさ、いつも真美の味方でいてくれるから…」
真「…うん」
真「……」ギュウウウ
真美「もう真美のこと…1人にしないでね」
真「うん…わかった」
真美「……」
真(…この体勢は色々とまずいよなあ…まあこんな時間だし誰もこないだろうけど)
真「えっ…でもこれ以上強くしたら痛いと思うよ?」
真美「いいよ…お願い」
真「…わかった」ギュウウウウウ
真美「っ…」
真「あっごめん…やっぱ痛かったかな」
真美「ううん…大丈夫…」
真「そっか…よかった」
真「あ、あのー…まだ離しちゃだめ?」
真美「だめ」
真「そ、そうですか…」
真美「……」
真(やばい…なんかくらくらしてきた…のぼせたかな…)
??「ふんふんふ~ん♪」ヌギヌギ
真(あれ…なんか鼻歌が聞こえる…ってまずい!?)
真美「だ、だめ…」
真「で、でもさ…そろそろ寝たほうがいいと思うしさ…」
真美「むうー…じゃあベットで続きしてくれる?」
真「う、うん…するする」
小鳥「~~♪」ヌギヌギ
真(げえっ!?よりにもよって1番めんどくさそうなのがきた)
真美「…あと少しだけ、このままでいていい?」
真「ほ、ほら…ベットでまたしてあげるからさ…出よう?」
真美「なんでそんな慌ててんのまこちん…もしかして嫌?」
真「そ、そんなことないよ!」
真美「じゃあいいっしょ」
小鳥「ぴ、ぴよ?」
真「あ」
小鳥「ぴよおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
真「はあ…こうなるから早く出たかったんだ…」
真美「まこちん…なんかごめん」
真「いいよ、それじゃ戻ろうか」
真美「そだね…」
真美「それじゃまこちん…今日は真美のこと抱きしめて寝て」
真「うん、それじゃおやすみ…真美」ギュウ
真美「うん…おやすみ」
真(……眠れない)
伊織「さて、全員揃ってるかしら?」
春香「小鳥さん…大丈夫かな」
あずさ「お風呂に行ったら倒れててビックリしたわよね」
律子「2人が見つけてくれなかったら危なかったかもしれませんね」
伊織「まああの腐死鳥がそう簡単にくたばるわけないでしょ」
千早「そうね…」
やよい「あのー…真美と真さんがまだ来てませんよ?」
伊織「はあ…何してんのよあいつらは」
亜美「もしかしてー…パコパコしてたんじゃない?」
律子「こら亜美!そういうこと言わない」
伊織「はあ…とりあえず起こしにいきましょ」
亜美「そだね→」
真美「むにゃむにゃ…」Zzz
真「へへっ…」Zzz
伊織「…ほんと気持ちよさそうに寝てるわねこいつら」
亜美「仲良く抱きあって寝てるしやっぱり昨晩はお楽しみだったのかな?」
伊織「こら、起きなさい!」バシンッ
真「いったあああ!?」
伊織「あらおはよう、真」
真「ひどいじゃないか伊織!」
伊織「あんたが時間通り起きないのが悪いんでしょうが」
真「う…仕方ないじゃないか!昨日は夜遅かったんだよ!」
真「し、してないって…まあ時間通り起きれなかったのは謝るよ…ごめん」
伊織「いいわよ、そこまで遅れたわけじゃないし…それじゃ真美起こして早くきなさいよね」
亜美「まこちん…やっぱりお姫様起こすには王子様のキスが1番効果的だと思うよ→」
真「はあ!?な、何言ってるんだよ!」
亜美「んっふっふー、んじゃ亜美達は先朝ご飯食べてるから早く来てね→」
伊織「なるべく早くしないと貴音あたりに全部食べられちゃうわよ…それじゃ待ってるから」
ガチャッバタンッ
真美「……」Zzz
真「あ、亜美が言ってたみたいにキスで起こすとか…って何考えてるんだボクは!」
真「で、でも…真美の唇…柔らかそうだな…」ゴクリ
真美「えへへ…」Zzz
真「か、軽くなら大丈夫だよね…ノーカンだよね…よし…」スッ
真美「……ううん」パチ
真「え…」
真美「ま、まままままこちん!?な、何してんの」
真「い、いやこれは…な、何でもないんだ!」
真美「そ、そっか…」
真「あーえっと…朝ご飯食べに行かない?」
真美「そ、そだね…」
真「おまたせ皆」
雪歩「あっおはよう真ちゃん、真美ちゃん」
真美「おはよ、ゆきぴょん」
春香「はい、真美と真の分も取っておいたよ」
真「ありがとう春香」
真美「サンキューはるるん」
春香「どういたしまして」
伊織「す、すぐ作らせるからちょっと待ちなさい」
貴音「感謝いたします」
美希「貴音は相変わらずよく食べるね」
貴音「ふふっこのように美味なものならばいくらでも食べられる気がしますよ」
律子「それじゃ2日目も基本自由行動だけどくれぐれも怪我しないようにね?」
亜美「はーい」
真「それじゃ真美、今日は何しよっか?」
真美「うーん、どうする?」
響「あっ真ー真美ー」
真「どうしたの響?」
響「一緒にサーフィンしないか?」
真「うん、いいよ」
真美「あー真美は見てるだけでいいかな…できないし」
真「えっ…じゃあさ、ボクのやつに一緒に乗らない?」
真美「いいの?」
真「うん、2人でサーフィンってちょっとやってみたかったんだよね」
真美「ありがとまこちん」
真「ううん、それじゃ早速行こうか」
真美「うん!」
響(あれ、自分忘れられてる?)
真「それじゃ響、どっちが上手にできるか勝負しようよ」
響「あっうん、いいぞ」(よかった…自分忘れられてなかったぞ)
真「ええと…それじゃ真美が前に乗って」
真美「うん」
真「…やっぱきついかな」
真美「ごめんね…やっぱ真美は見てるだけでいいよ」
真「うーん…そうだ!真美、ちょっといいかな」
真美「えっ…うん」
真「よいしょっと」スッ
真美「えっ!?ま、まこちん!?」
真「へへっこれなら2人乗り…みたいな感じにはなるでしょ?」
真美「う、うん///」
真「えっサーフィンだけど?」
亜美「真美をお姫様だっこしてするの?」
真「うん…変かな?」
亜美「いや、別に…」
真「それじゃ行くよ、真美」
真美「うん!」
響「……」
亜美「あっひびきんいたんだ、ひびきんもサーフィンするの?」
響「うん…」
亜美「そっかーんじゃ亜美が見ててあげるよ→」
響「ありがとな亜美」
亜美「んっふっふー」
――――――――――――――
―――――――――――――
真美「まこちん、ありがとね」
真「いや、意外と2人でもいけるもんだね」
真美「そだね、まこちんやっぱすごいや…」
真「そんなことないって…実際技術的には響に負けてたし」
真美「まあひびきんは沖縄出身だからこういうの得意だと思うし」
真「あはは、たしかにそうかもね」
真「ん、何?」
伊織「そろそろ夕食の時間だから呼びに来たのよ」
真美「えっもうそんな時間なんだ」
伊織「ええ、今日はステーキにするつもりだから早くいきましょ」
真「ステーキ!?へへっ楽しみだなあ」
真美「真美もめっちゃ楽しみだよ→」
やよい「うっうー!ステーキおいしいですぅ」
伊織「好きなだけ食べていいからね、やよい」
やよい「うん、ありがと伊織ちゃん!」
春香「ステーキなんてしばらく食べてなかったなあ」
雪歩「そうだよね、しかもすごく高級なお肉使ってるって聞いたよ」
春香「そうなんだ…伊織には感謝してもしきれないね」
伊織「べ、別にこのくらい食べたければいつでもあげるわよ?」
春香「あはは、あんまり食べ過ぎても太っちゃうから…」
あずさ「は、春香ちゃ~ん…今はそういう話はやめましょ、ね?」
春香「そ、そうですね…」
律子「さんをつけなさいさんを」
美希「律子…さん」
律子「はい、それじゃ切っておいてあげるわね」
美希「ありがとうなの律子ー」
律子「だからさんをつけろって言ってるでしょ」
貴音「……」パクパクムシャムシャジュルジュル
亜美「お姫ちん…たしかそれで10枚目だったよね?」
貴音「はい、そうですが…それがどうかしたのですか?」
亜美「お姫ちんさ、今腹何分目くらい?」
貴音「そうですね…3分目くらいでしょうか」
亜美「なん…だと…?」
千早(それに胸も…くっ……そういえば四条さんもあずささんも良く食べるわよね…)
千早(よく食べる=胸が大きくなる…そして今日はステーキ…牛といえば乳…)
千早(つまり…ステーキをたくさん食べる=胸が大きくなる…)
千早(ステーキをたくさん食べれば私の胸も大きくなる…?)
千早「水瀬さん!」
伊織「な、何?」
千早「私にステーキを10枚、いえ…20枚頂戴!」
伊織「はあ?なにトチ狂ったこと言ってんのよあんた」
千早「いいから!」
伊織「別にいいけど…ちゃんと全部食べなさいよ?」
千早「ええ、わかっているわ」
小鳥「ぐへへへ…響ちゅわ~ん、お姉さんといいことし・ま・しょ?」ガシッ
響「うぎゃー!ピヨ子が酔っ払っておかしくなっちゃったぞ!」
真「ふう…もう食べられないや」
真美「まこちんすごいね…3枚も食べたんだ」
真「貴音に比べたら3枚なんて可愛いもんでしょ…」
真美「真美も2枚で限界だったよ…」
真「そっか、それじゃ飲み物とってくるよ」
真美「うん、お願いね」
亜美「千早おねえちゃーん?まだ18枚も残ってんぜ?」
千早「あ、亜美…よかったら手伝ってもらえない?」
亜美「残念だけど亜美もお腹いっぱいなんだよ→」
千早「そ、そんな…それじゃ1枚だけでもどう?」
亜美「無理無理…それと残したらやよいっちに怒られちゃうかもよ?」
千早「高槻さんに怒られる?そ、そんな…いえ、でもそれはそれで…」
伊織「あら千早、頼んだからには全部食べてもらうからね?」
千早「み、水瀬さん…もう食べられないわ」
伊織「はあ…そんなこと最初からわかってたわよ…テイクアウトできるから大丈夫よ」
千早「ほっ…」
亜美「お姫ちんまだ食べるの?」
貴音「はい、まだ満腹には程遠いので…」
千早「是非お願いするわ、四条さん」
伊織「あんたほんとよく食べるわね…」
貴音「ふふっそれではいただきます」
真美「ありがとまこちん」ゴクゴク
真「はあ…真美、今日は楽しかったね」
真美「うん…そだねぇ…」
真「…真美?」
真美「なにぃ?まこちん…」
真「ちょっとごめん」スッ
真「これ…カクテルじゃないか…間違えて持ってきちゃったのか…」
真「うわあっ!?ま、真美?」
真美「まこちんまこちーん」スリスリ
真「ま、真美、とりあえず落ち着いて」
真美「えー真美はいつも通りだよぉ?」
真「完全に酔っ払っちゃってるな…真美ってお酒弱かったのか」
真美「えへへー」
真「まあ悪い気はしないし…このままでいっか」
真美「まこちーん…」Zzz
真「あれ、寝ちゃった…伊織、ボク達先戻ってるね」
伊織「ええ、あっ明日も8時起きだからね?」
真「わかった、それじゃ」スッ
真美「……」Zzz
――――――――――――
―――――――――――
真美「……ううん」
真「あ、起きた?」
真美「うん…真美寝ちゃってたんだ」
真「うん…ごめんね、ボクが間違えてカクテル持ってたせいで…」
真美「ううん…それよりお風呂入らないと」
真「あっそうだね…今は…11時か」
真美「真美が起きるまで待っててくれたの?」
真「うん…」
真美「ありがと…それじゃ早く入ろ?」
真「そうだね」
真「ふう…なんか昨日も夜遅くにお風呂入ったよね」
真美「そだね…」
真「……」
真美「…ね、ねえ…まこちん」
真「ん、何?」
真美「もう少しそっち行ってもいいかな?」
真「うん、いいよ」
真美「ありがと…」
真美「あ、あのさ…今日はありがと」
真「ん、何が?」
真美「昨日さ…真美から離れないでって言ったでしょ?」
真「うん…」
真美「それで今日…ずっと一緒にいてくれたから…」
真「なんだそんなこと?別にボクが真美と一緒にいたいからいただけだよ?」
真美「そ、そっか///」
真「あれ、顔赤いよ真美…のぼせた?」
真美「ううん…大丈夫だよ」
真「そっか、ならいいんだけど」
真「ま、真美?どうしたの?」
真美「ま、まこちんはさ…ドキドキしないのかなって」
真「え?」
真美「な、何言ってるんだろ真美…女の子同士なんだし当たり前だよね」
真「…するよ」
真美「えっ!?」
真「昨日さ…真美に抱きしめてほしいって言われた時…すごくドキドキした…」
真美「そ、そうなんだ…」
真「今もさ…結構ドキドキしてるんだ…真美と2人きりだからなのかはわからないけど…」
真美「……」
真「あはは、ボクも何が言いたいのかよくわからなくなっちゃった」
真美「そっか…」
真美「な、何?」
真「ええと…また抱きしめてもいいかな?」
真美「う、うん…」
真「……」ギュウ
真美「……」ドキドキ
真美「えっ…」
真「真美って悪戯ばかりするし走りまわってるからさ…」
真美「そ、そうかな…」
真「うん…それでいなくなっちゃわないかいつも心配だったんだ…」
真美「ご、ごめんね…心配掛けちゃって」
真「いや、それも真美の魅力の1つだと思うよ…それでさ…抱きしめてるとさ…真美はここにいるんだって実感できるんだ」
真美「……」
真「だからさ…その…これからも抱きしめたりしていいかな?」
真美「うん///」
真「ありがとう…」
真「そ、そっか…ボクも嬉しかったけど…」
真美「最初はなんでかわかんなかったんだけど…やっとわかったんだ」
真「……」
真美「真美ね…あのね…その…」
真「……」
真美「あ、あれ…なんかよくわかんなくなっちゃった」
真美「うん…ありがと…」
真「少しずつでいいから…真美が言いたいこと、話してくれる?」
真美「わかった…あのね…真美、まこちんのことが…好き」
真「……」
真美「いつも優しいまこちんが好き…いつも真美の味方でいてくれるまこちんが好き…いつも…真美のこと抱きしめてくれる
まこちんが…大好き」
真「…そっか」
真「…いいよ、抑える必要なんてない…だって…ボクも真美のことが好きだから」
真美「えっ…ほんとに?」
真「うん…ほんとだよ」
真美「じゃ、じゃあ…もう1回言って」
真「真美…好きだ」
真「真美じゃなきゃだめなんだ…真美さえよければ…ずっと一緒にいてほしい」
真美「…まこちん…好き…大好き」ダキッ
真「うわっ!?真美…」
真美「えへへ…まこちん…昨日みたいに真美のこと…いっぱい抱きしめて?」
真「…うん、わかった」ギュウウ
真美「…もっと、強くして…まこちんのこと…いっぱい感じたいから」
真「……」ギュウウウウウウ
真美「…ありがと」
真美「うん…まこちんじゃなきゃやだ…」
真「そっか…嬉しいよ」
真美「ねえ…まこちん…キス、してほしいな」
真「……」チュッ
真美「ん……」
真「…愛してるよ、真美」
真美「真美も…愛してる、まこちん」
美希「あふぅ…」
伊織「皆揃ってるかしら?」
やよい「伊織ちゃん、まだ真美と真さんが来てないよ」
伊織「はあ…またなの?」
亜美「んっふっふー、また叩き起こす必要がありそうですなあ」
伊織「そうね、それじゃ皆は先に朝ご飯食べてていいわよ」
春香「うん、わかった」
亜美「んじゃ亜美達は真美とまこちんを叩き起こしてくるね→」
律子「ええ、頼んだわよ」
伊織「…え、なにこれ」
真美「……」Zzz
真「……」Zzz
亜美「oh…見事に素っ裸ですなあ」
伊織「こいつら…こら、起きなさい」バシッビシッ
真「いたっ…」
真美「ううん…何…?」
伊織「何じゃないわよ!なんで素っ裸なのよあんたらは!」
真「え…なんでだっけ?」
真美「真美もよく覚えてないや…」
真「いや…よく覚えてないんだ、本当に」
伊織「はあ?覚えてないって何よ、そんなの言いわけにならないわよ?」
真「…うーん、昨日部屋に戻ってジュース飲んだところまでは覚えてるんだけど」
真美「あっ真美もそんな感じ…お風呂から出てジュース飲んだとこまでしか覚えてないや」
亜美「つまり…どういうことだってばよ?」
伊織「嘘ついてる感じじゃないわね…ねえ、そのジュースって何飲んだの?」
真「いや、部屋に戻ったらコップに2つ注いであったからさ、てっきり用意してくれたんだとばかり…」
伊織「…基本飲み物は各自で持っていかせるようにしたわよ?用意しろとは誰にも言ってないし」
真美「えっじゃあなんで…」
亜美「…そいえば、昨日夜トイレ行く時ピヨちゃんいなかった気がする」
伊織「なるほどねぇ…あの駄鳥がまたやらかしてくれたのね」
伊織「あら小鳥、いいところに来たわね、ちょっとお話しましょうか?」
小鳥「ピ、ピヨッ?」
伊織「昨日夜何してた?」
小鳥「よ、夜?ええと…亜美ちゃん達とトランプしてたわよ!ね、亜美ちゃん?」
亜美「うん、たしかにしてたよ→」
伊織「それって何時頃?」
亜美「10時くらいまでかな?」
伊織「そう…真美と真がお風呂から出て部屋に戻ったのは?」
真「0時くらいかな」
小鳥「ね、寝てたピヨ!」
伊織「でも亜美の証言だと夜トイレに行った時いなかったらしいわよ?」
小鳥「そ、それは…ちょっと外の空気を吸いに行ってたのよ」
伊織「それを証明できる人は?」
小鳥「1人で行ったからいないわよ」
伊織「へえ…外に行ったなら監視カメラ見ればわかるはずね、ちょっと確認してくるわ」
小鳥「ピ、ピヨォ!?い、伊織ちゃんは私を信じてくれないピヨ?」
伊織「ええ、むしろなんで信じてもらえると思ったの?」
小鳥「ピヨォ…」
小鳥「…私が真ちゃんと真美ちゃんの部屋に媚薬入りのジュースを置きました」
伊織「へえ…そう」
律子「そうですか、小鳥さん」
小鳥「ピ、ピピピピピピヨォ!?」
律子「あなたには失望しました、このことは社長とプロデューサーに報告させていただきますね」
小鳥「ま、待ってくだしゃい律子しゃん!何でもしますから!」
律子「真?」
真美「うんうん、よく覚えてないけどピヨちゃんに何かされたわけじゃないし」
伊織「で、でもあんたら…覚えてなかったとしてもその…そういうことをしちゃったのよ?」
真「うん…だから?」
亜美「まこちんポジティブですなあ」
真美「別にいつかはしてたと思うしちょっと早くなっただけだよね?」
真「あはは、そうだね」
律子「…ん?」
伊織「…え、何…どういうこと?」
亜美「亜美にもサッパリだぜ…」
小鳥「ま、真ぢゃーん」ダキッ
真「すいません小鳥さん…離れてもらっていいですかね?」
小鳥「ピ、ピヨ?」
真「ボク、賞味期限は守るタイプなんで」
小鳥「ピ……」
律子「ええと…それじゃ本当にいいの?」
真美「うん、別にいいよん」
伊織「…まあ本人達が言うなら私はいいと思うわよ」
亜美「んじゃ早く戻って朝ご飯食べようよ→」
真「うん、そうだね」
真「皆遅くなってごめん」
春香「あっ真、真美、ちゃんと取っておいたからね」スッ
真美「おー昨日からありがとねはるるん!」
真「春香、本当にありがとう」
春香「ううん、気にしないで」
雪歩「ね、ねえ…千早ちゃん」
千早「何?」
雪歩「小鳥さん…なんか死にそうな顔してるけど大丈夫かなぁ?」
千早「別に大丈夫じゃないかしら、どうせ合コンで振られた時のことでも思い出したのでしょう」
雪歩「そ、そっか…」(千早ちゃんなんか冷たい?)
あずさ「貴音ちゃん、そのくらいにしておいたら?」
貴音「あずさ、食べられる時に食べておかないと後で後悔しますよ?」
あずさ「え、ええと…」(そうだとしても食べ過ぎじゃないかしら~?)
美希「響ージュース持ってきて」
響「うん、わかったぞ!」
やよい「ねえ伊織ちゃん、何時頃に帰る予定なの?」
伊織「一応昼食を食べたら帰るつもりだけど…どうかしたの?」
やよい「ええと…ちょっと家族のことが気になっちゃって…」
伊織「そう…でも今は楽しみましょ?」
やよい「うん…そうだね!」
美希「ありがとうなの響、それじゃ次はおにぎり持ってきてー」
響「うん、すぐ取ってくるさー」
美希「よろしくなのー」
響(…あれ、もしかして自分パシられてる?)
真美「はい、まこちん、あーん」スッ
真「あーん」パクッ
真「それじゃボクも、あーん」スッ
真美「あーん」パクッ
亜美(なんだろうこの甘々な空間…)
真美「うーん、真美はまこちんといれればそれでいいや」
真「へー、そっか…嬉しいこと言ってくれるじゃないか、このぉ」ワシャワシャ
真美「ちょ、ちょっとまこちん…恥ずかしいよ///」
律子「…ねえ、亜美…どうなってるのこれ?」
亜美「さ、さあ?」
伊織「それじゃ皆、今日は昼食を食べたら飛行機で帰る予定だから遅れないようにしてね?」
亜美「はーい」
――――――――――――――――
―――――――――――――――
真「あ、あのさ…真美」
真美「何?」
真「実は朝言ったことなんだけど…ボク、昨日のこと…覚えてないって言ったの嘘なんだ」
真美「そっか…実は、真美も…」
真「あはは、そうだったんだ…まあ伊織達いたし恥ずかしかったからね」
真美「そ、そだね…」ドキドキ
真「そ、その…今度はちゃんとしようか…昨日は優しくできなかったから…」
真美「うん///」
真美「あっもうそんな時間なんだ…」
真「旅の終わりってなんか寂しく感じるよね」
真美「うん…でも、真美は…まこちんがいてくれれば寂しくないかな」
真「えっ!?そ、そっか…ありがとう」ドキドキ
真美「ねえ、まこちん…今度は2人でどこかいかない?」
真「そうだね…皆で旅行も楽しいけど…真美と2人でゆっくり観光とかもしてみたいな」
真「何言ってるんだよ真美、気が早いなあ」
真美「そんなことないよ…だってもうエッチだってしたんだよ?」
真「なあっ!?そ、そういうことは言わないでよ///」
真美「あはは、まこちん顔真っ赤だよ?///」
真「真美だって真っ赤じゃないか」
真美「き、昨日のこと思い出して恥ずかしくなっちゃって…」ドキドキ
真「そ、そっか…」ドキドキ
真「いや…あのさ、真美…抱きしめてもいいかな?」
真美「うん…というかいちいち許可取らなくていいよ?」
真「そっか…」ギュウ
真美「えへへ…やっぱまこちんに抱きしめられると安心するな…」
真「ボクも…真美を抱きしめてると安心する…」
真「何?」
真美「これからずっと…真美と一緒にいてくれる?」
真「当たり前じゃないか…」
真美「絶対?真美より可愛い子に告白されても?」
真「真美より可愛い子なんてこの世に存在しないよ」
真美「そっか///」
真「それに…前に約束したじゃないか…絶対に1人にしないって」
真美「うん…」
真「だから…その…とにかくボクは真美のこと…大好きだからさ、心配しなくていいよ」
真美「ま、真美だってまこちんのこと大好きだもん」
真「そっか…ありがとう」ナデナデ
真美「そ、そうやって子供扱いするのやめてよ///」
真「子供扱いしてるつもりはないよ…真美が可愛いのがいけないんだ」
真美「も、もう…やっぱまこちんには敵わないや…」ドキドキ
真美「あっそだね…」
真「よし、それじゃどっちが早く戻れるか競争しようか」
真美「うん!」
END
Entry ⇒ 2012.09.16 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「アイドルが不安にならないよう彼女がいると嘘をついた」
P「嘘も方便、これがアイドルのためだ」
続かない
P「まずは春香に自然と話を振ることから始めよう!そうすれば自然と伝わるだろう!よし!」
春香「おはようございます!」
P「おぉ、春香か。おはよう!」
春香「あ、プロデューサーさん!何かいいことでもあったんですか?」
P「ん~?いや、別にそういうわけでもないんだけどさ」
春香「もーわかりますよ!だって、せわしないですもん!」
P「流石春香ってところか~」
春香「ふふ~ん、女子はそういうところ強いですからねっ!」
P「おー怖い怖い。おっ……」
春香「あ、携帯……私じゃない?」
P「あぁ、悪い。俺だ」
春香「あ、はい」
P「ちょっとすまん。あ、もしもし?いや、今仕事中なんだけどなぁ」
P「あ~大丈夫。今日は夕飯に間にあうように行くって」
春香「!?」
P「うん、ありがとうな。それじゃ」
春香「……」
P「おっと、すまんすまん。それで、なんだっけか」
春香「えっと……プロデューサーさん、今の……」
P「ん?あぁ~……その」
春香「……」
P「まあ、一応彼女だな」
春香「……え?」
P「どうせだからもう言っちゃうけどな。でも、今頃になって思うとちょっと遅かったかなぁとも」
春香「遅かった……?」
P「お前らも、男が俺くらいしかいない中で仕事するの不安だろ?だから、さっさと彼女でも作っとくべきだったんだろうけど」
P「これがモテない男でさ俺。でも、今回は仕事関係でちょうど食事する機会があったから」
P「まあ週刊誌は売れて来れば売れてくるほど無茶なこと書いてくるからな」
P「俺との報道とか噂になっても困るし、ぶっちゃけ俺も幸せっていうか?あ、ごめんなこんなことわざわざ」
春香「い、いえ……そういうことですか~なんだ、言ってくださいよ~!」
P「いや、すまんすまん。わざわざ言うようなことでもないだろ?」
春香「……他の人には?」
P「あーまだ言ってない。でも、直に伝える予定ではあったんだけどな」
春香「そ、そうですかぁ……」
P「あ、そろそろ時間だ。それじゃな春香。頑張ってこいよ」
春香「あ、は、はい!」
春香「……プロデューサーさんに、彼女かぁ」
春香「はぁ……無理だろうとは思ってたけど、やっぱり辛いなぁ……」
春香「……みんなにも言うって言ってたし、私から伝えてもいいよね」
春香「……あ、もしもし千早ちゃん?」
春香「う、うん実は……」
千早「プロデューサーに、彼女ねぇ」
春香「私、びっくりしちゃって……」
千早「……春香はプロデューサーのこと好きだったんでしょ?」
春香「え!?そ、そんな!す、好きって言うかその……憧れって言うか…・・・・うぅ」
千早「はぁ……気になるんでしょ?」
春香「え?……う、うん」
千早「それじゃ、私が明日聞いてあげるわ」
春香「ほ、ホント……?」
千早「まだ、相手だって付き合ってる段階なんだから。諦めちゃダメよ?」
春香「うぅ……ありがとう千早ちゃん……」
千早「いえ、いいのよ。私だって、まだプロデューサーを失いたくないもの……」
春香「?」
――
P「おぉ、千早か。おはよう」
千早「プロデューサー、来て早々すみませんが、ちょっといいですか?」
P「ん?どうした?」
千早「その、春香から聞いたんですけど……」
P「春香……あぁ、もしかして彼女のことか?早いな、流石は女子高生だ」
千早「えぇ、まあ。それでも、どんな人なのかと思いまして」
P「千早もそういうの気になるのか?」
千早「え、えぇ……まあ」
P「どんな人……か」
千早「あ、でもプライベートなことですし深く聞くつもりはないので……」
P「……言うなら近くにいる人かな」
千早「……近くに?」
P「あぁ。だから、俺も安心して任せられるというか」
P「まだ、何かあるか?」
千早「い、いえ。わざわざありがとうございました。それと、すみません」
P「いやいや、いいんだ。俺も話さなきゃとは思っていたし」
千早「はい。それではレッスンに行ってきます」
P「おぉ、行ってらっしゃい。……ふぅ。危ないな……細かい設定を決めておかないとボロが出そうだ」
P「まあ、近くと言っておけば下手に物色される恐れもないだろうし、まずは大丈夫だろう」
千早「春香に連絡……あ、仕事中かしら」
千早「……近く、まさか私たちの中に?……まさかね」
千早「でも、そんなことがあったとしたら?……情報を集めなきゃ」
千早「……もしもし、あずささんですか?」
あずさ「あら、千早ちゃん?どうしたの?」
千早「いえ、ちょっとお話したいことがありまして……時間、ありますか?」
――
千早「あ、あずささん。すみません、急に呼び出して」
あずさ「いいのよ、ちょうど暇してたところだし。こちらこそごめんなさい、来るとき迷っちゃって」
千早「いえ、大丈夫です。そこに入りましょうか」
あずさ「それで?お話って言うのは?」
千早「……プロデューサーさんに、彼女がいるって話知ってますか?」
あずさ「え?そうなの?初耳だわ~……」
千早「……どう思いますか?」
あずさ「プロデューサーさんの自由だから、私がどうこう言えるわけじゃないけど~って言っても、正直残念、かな」
千早「……」
あずさ「それはどこからの情報なのかしら?」
千早「あ、えっと、まず春香から聞いて。その後プロデューサーから直接」
あずさ「それで今事務所からここに?」
千早「あ、いえ。レッスンが終わってからですね」
あずさ「おかしいわねぇ……実は、来るときにプロデューサーさんらしい人を見かけたのよ」
あずさ「相手の姿は見えなかったけれど……車に乗っていたところだったかしら」
千早「そうなんですか……」
あずさ「でもあれ……なんというか、真っ黒い車で高そうだったわぁ」
千早「……まさかそんな」
あずさ「千早ちゃん、疑ってる?」
千早「えっ!?あ、いえ、そういうわけじゃ……」
あずさ「ふふっ、わかるわよ。みんな、プロデューサーさんが大事だものねぇ」
あずさ「千早ちゃんが思ってることが私の予想と同じなら、そうねぇ。伊織ちゃんとかに聞いてみたいんじゃない?」
千早「……えぇ。でもまさか……プロデューサーは近くの人、って言ったんです。……だからって」
あずさ「気持ちはわかるわ。でも、きっと思ってるようなことは無いはず。大丈夫よ。それと、春香ちゃんにも連絡した方がいいんじゃない?」
千早「あ、そうですね……あずささん」
あずさ「うん?」
千早「なんというか……すごく頼りになります」
あずさ「そりゃ……運命の人がかかってますものね」
あずさ「……伊織ちゃん?私、あずさですけど」
伊織「あずさ?どうしたのよ急に」
あずさ「あ、いえ。ちょっと聞きたいんだけどいいかしら?」
伊織「あ~今ちょっと……バ、バカ!声出さないでよ!今あずさから電話が来てるのよ!」
あずさ「……伊織ちゃん?」
伊織「え?あ、ううん、なんでもないの。そうねぇ、あと数十分したら事務所につくけど、それでもいい?」
あずさ「……えぇ、大丈夫よ」
伊織「それじゃ、また後でね」
あずさ「……伊織ちゃん、そんなこと……」
春香「もしもし千早ちゃん?ごめんさっき電話でられなくて!」
千早「いえ、いいのよ」
春香「そ、それで……どうなった?」
千早「あずささんに話してみたの。そしたらそれらしきところを見た、っていう話で」
春香「それらしきところ……相手がわかりそうなの?」
春香「そっか……でも、私たち悪いことしてないかな?」
千早「え?」
春香「元はと言えばプロデューサーさん、私たちのために彼女を作ってくれた。って」
千早「それ、どういうこと?」
春香「男は俺だけだから、フリーだと不安だろーって。……ホント、プロデューサーさんって鈍感」
千早「……なるほどね」
春香「どれだけの人に好意を持たれてるか、わかってないんだよプロデューサーさんは」
千早「……そうね。じゃあ、一言お礼の気持ちを伝えるって言うのはどうかしら?」
春香「えっ?」
千早「何を言っても、やっぱり私たちはアイドルなのよ。あっちはプロデューサー。……だから、もし諦めるというか」
千早「春香が、相手のことを認められるなら、プロデューサーのことをお願いするために一言言いに行くだけでもどうかなって思ったんだけれど」
春香「……」
千早「……春香?」
春香「うん、そうだよね……プロデューサーさんにとって、やっぱりそれが一番現実的、だよね……」
春香「大丈夫!私、それでもプロデューサーさんのこと、追い続ける。トップアイドルになって……それで」
千早「……そうね。それじゃ、他のメンバーのところに行きましょうか」
春香「あっ、それじゃ私は……プロデューサーさんに連絡してみる」
千早「どうして?」
春香「いくつか聞きたいことが、あるというか。……ごめん」
千早「……わかったわ。ちゃんと待ってくるからけじめをつけてきて」
春香「うん……ありがとう、千早ちゃん。それじゃ」
伊織「あら、あずさの方が先についてるなんて」
あずさ「……」
伊織「……何よ、改まっちゃって。今のが気に障ったのなら謝るけど」
あずさ「……伊織ちゃん」
伊織「……何?」
あずさ「一緒に乗ってたの、誰?」
伊織「っ!!」
伊織「そ、そりゃ送ってもらったのよ」
あずさ「でも、さっきの電話で声が聞こえたの」
伊織「っ……あれで」
あずさ「……やっぱりいるのね」
伊織「……どうしてそれを」
あずさ「偶然、見ちゃったのよ。街中で」
伊織「そういうこと……まあ、隠してた私たちが悪いんだけど」
あずさ「やっぱり伊織ちゃん……」
伊織「なんとでもいいなさい。でも、仕方なかったの」
あずさ「……」
伊織「……いいわ、入って来て」
亜美「うわーばれちったか~。流石はあずさお姉ちゃんだねぇ」
あずさ「……亜美ちゃん?」
伊織「ちょ、ちょっと亜美!あんたが早く早く言うからこうなったんじゃないの!」
あずさ「ちょ、ちょっと二人とも……一体どういうこと?」
亜美「ふぇ?え、あずさお姉ちゃん気が付いてたからいおりんに言ったんじゃないの?」
あずさ「え、えっとそれは亜美ちゃんだと思わなくて……」
伊織「亜美が急にハーゲンダッツが食べたいとか言い出して、仕方ないから車を出していくことになったの」
亜美「ちょっといおりん!それはいおりんも賛成してたじゃん!」
伊織「そ、それはいいのよ!……あずさも休みなのは知ってたんだけど、つい欲が出ちゃって」
亜美「一人一つって決まってるんだけど、竜宮って名前使ったら三つもらえるじゃん!ってなって」
あずさ「それで……私の分を二人で食べたと……」
亜美「ごめんなさい!」
伊織「……その、悪かったわよ」
あずさ「……ふふっ」
伊織「な、何よ…・・・」
亜美「な、なんか怖いよあずさお姉ちゃん……」
伊織「悪かったってば……」
あずさ「ふふっ、それは大丈夫。むしろ、救われたわ。亜美ちゃんも」
亜美「あずさお姉ちゃん……」
あずさ「でも、次は私も誘ってね?」
伊織「も、もちろんよ……」
亜美「次はちゃんと亜美の分で返すから!」
伊織「アンタの分も私が出してるのよ!……っていうか、それじゃ勘違いだったってこと?」
あずさ「えぇ……というか、その話が残ってたわね」
伊織「プ、プロデューサーに……」
亜美「兄ちゃんにかのじょーー!!?」
あずさ「えぇ……」
伊織「な、なんであいつ急に……」
亜美「くっ……ついに亜美達だけでは満足できなくなったかあの狼さんめ……」
あずさ「ど、どこでそんなことば覚えたの亜美ちゃん……それで、今までの話と合わせると――」
真「千早?どうしたの?」
千早「今、大丈夫かしら?」
真「あ、うん。平気だけどどうかした?」
千早「ホントは電話で話したくないんだけれど……今どこ?」
真「あ、えっとちょうど雪歩の家に来てるところなんだ。来る?」
千早「いいのかしら?急にお邪魔しても」
真「うん、全然大丈夫だよ、ね、雪歩。……うん、大丈夫だって」
千早「わかったわ、それじゃ今から向かうわね」
伊織「ということは、その車って言うのが大きなヒントかしら……」
亜美「真っ黒ってことは、やっぱりいおりんみたいな大金持ち?」
伊織「そうとも限らないわ。借りてる車とか、いろいろあるもの」
あずさ「う~ん、どうしましょうか……」
亜美「とりあえず、亜美は真美にメールすんねー」
伊織「私は、一応やよいに連絡してみるわ……」
亜美「ねーあの兄ちゃんにカノジョとかありえないっしょー」
真美「……」
亜美「真美?」
真美「兄ちゃん……」
亜美「真美、もしかして兄ちゃんのこと好きだった?」
真美「ふぇっ!?そ、そんな、そんなこと!」
亜美「ふーん、まあ亜美は好きだったけど。カノジョはちょっとねー年離れてるし?」
真美「あっ……そうだよね……」
亜美「んーまあとりあえずこっちきなよー」
真美「う、うん、わかった……」
亜美「んじゃねー」
真美「はーい。……兄ちゃん」
――
伊織「そうなのよ……」
やよい「でも、彼女って何をするのかな?」
伊織「えっ?そ、それは……毎日ごはん作ってあげたり、いろいろしてあげるのよ」
やよい「そうなんだ~。伊織ちゃんは?」
伊織「え?」
やよい「彼女には、なりたくないの?プロデューサーの」
伊織「な、な、ななんでそうなるのよ!なんで私がわざわざあんな奴の世話なんて……」
やよい「でも、伊織ちゃんプロデューサーのお手伝いしてるときすっごく楽しそうだよ!」
伊織「し、知らないわよ!いいからとにかく事務所に来なさい!いいわねっ!」
やよい「あ、うん」
やよい「プロデューサーに彼女か~」
やよい「私も、そういう風になるのかな?あ、長介に彼女とかいたりするかな?あ、とりあえず支度しなきゃ!」
――
伊織「そりゃこんなの広がらない方がおかしいわよ……」
亜美「あ、あれ?何の音だろ……」
あずさ「……車?ここで止まって……あ、あれよさっきの車!」
伊織「なんですって!ちょ、ちょっと待って!ってことはここに来るんじゃない?」
亜美「ど、どうしよう!と、とりあえず隠れなきゃ!」
あずさ「そうね……給湯室で……ばれないかしら」
ガチャッ
ゴクリ…
P「ふーやっと終わった」
??「そうですねー」
P「ここまでついてきてもらって、すみません」
??「いえいえ」
亜美「こ、この声は……ピヨちゃん!?」
あずさ「……」
小鳥「いやぁーでも、快適でしたねぇ」
P「たまにはああいうのもいいかなと!」
小鳥「流石ですね!」
伊織「……普通の会話みたいね」
あずさ「……私の勘違いだったのかしら」
P「……さて。アイドル達もみんな仕事かな?」
小鳥「やだなぁ、みんな帰ったんですよ。今日は午前中で」
P「あ、そうでしたね。うっかり」
小鳥「もーちゃんとスケジュール管理しなきゃダメですよ?」
P「すみません。何せ、気になっちゃうことがあってつい」
小鳥「……プロデューサーさん?」
小鳥「……えぇ」
亜美「ちょ、ちょっと!いい雰囲気じゃない!ねぇいおりん!」
伊織「あんたちょっと黙ってなさいよ!……まさか、小鳥……」
あずさ「……奥の方に行ったのかしら、聞き取りずらいわね……」
P「……ね」
小鳥「……はい」
P「……小鳥」
亜美「わー!!い、今小鳥って!小鳥って言ったよね!むぐぐぐぐ……」
伊織「あの後……声がしない、こ、これって……」
あずさ「……」
小鳥「……えぇ」
ガチャッ
小鳥「……ふぅ。さてと」
小鳥「……ん?きゃああああ!!」
~
小鳥「び、びっくりさせないでよ……ど、どうしたの3人そろって……」
亜美「……」
伊織「……」
あずさ「……」
小鳥「え、えっ?」
亜美「ピヨちゃん……亜美たちに黙ってたなんて……」
小鳥「ちょ、ちょっとどういうこと?」
伊織「とぼけても遅いわよ……事務所で、そ、そんな……やめてよね」
小鳥「な、何が……?一体……って、もしかして話、聞いてた……?」
伊織「後で、なんてしっかり約束まで取り付けちゃって」
小鳥「あ、あれは!」
あずさ「小鳥さん?」
小鳥「は、はい……」
あずさ「……」
小鳥(ま、満面の笑み……吐かないと、身の危険を感じる……)
小鳥「わかりました……言いますよ」
伊織「もう言い訳はいいから。何をしたかはっきり言いなさいよ」
小鳥「はい……経費で飲み会を、しようとしてました……」
亜美「え?いや、そうじゃなくてさ。兄ちゃんと奥に行ったとき、なんかいい感じだったじゃん」
小鳥「奥?……あぁ、一応律子さんとかが聞いてたらまずいじゃない」
あずさ「それじゃ、その……小鳥、とかっていうのは」
小鳥「え?うーん……焼き鳥のおいしい店でを食べる約束はしてたんですけど、それかなぁ?」
伊織「そういえば、最初に小鳥だの奥だと言い出したのってアンタよねぇ……」
亜美「えっ?ちょ、ちょっといおりん!亜美のせいにするのっ!?」
あずさ「まあまあ……はぁ、でもホッとしたけど疲れちゃったわねぇ……」
小鳥「い、いったい何が……で、でも私が悪いわけじゃなさそう!」
伊織「経費を使おうとした人間が何を」
小鳥「……すみません」
あずさ「……あら?貴音ちゃん……もしもし?」
あずさ「そ、それホント貴音ちゃん!?」
貴音「間違いないかと思いますが、なにとなく景色を眺めながらの上、らぁめんに夢中になっていたので相手までは……」
あずさ「大丈夫。わかったわ、場所はどこかしら?」
貴音「今ここは……と、それより判断が早いようですが、もしかして心当たりが?」
あずさ「えぇ、実は今……」
あずさ「それにしても、どうして私に?」
貴音「他のものに伝えるには、少々スキャンダラスかと思ったのですが、大げさだったようですね」
あずさ「そんなことないわ、ありがとう」
貴音「それで、どうするのですか?このまま、追求を深めるつもりで?」
あずさ「……貴音ちゃんはどう思う?」
貴音「皆があの方のことを心配なのはわかりますし、私も同じ気持ちです。ですが、卑怯なまねはしなくありません」
あずさ「……そうね。とりあえず、みんなに連絡をとってからでもいいかしら?」
貴音「わかりました。それでは私もそちらに向かいましょう」
千早「おはよう萩原さん、お邪魔するわね」
真「千早、おはよう」
千早「おはよう真。二人とも急にごめんなさい」
雪歩「大丈夫だよ、お話してただけだし、ね真ちゃん?」
真「うん、それに人は多い方が楽しいしね。あ、それで話があったんだっけ」
千早「えぇ、あいにく楽しい話にはならないと思うけど…」
雪歩「か、彼女……ですかぁ?」
千早「私は見たことがないのだけれど、目撃情報や本人からの話もあるの」
真「……でも、どうして急に」
千早「フリーだと私たちが不安になるんじゃないか、というのがひとつの理由だそうよ」
千早「でも、ただ彼女ができたという話になっても不思議じゃないわよね」
真「そういうことかぁ……」
千早「萩原さんが悪いわけじゃないわ。ともかく、私は今相手を探してるの」
真「相手?どうしてそんな、千早らしくないけど」
千早「少なくとも、みんなプロデューサーのこと嫌いじゃないでしょ?このままだと、会社を辞めることにもなりかねないし」
千早「一応、挨拶をしておきたい。っていう希望があったから」
雪歩「なんとなくわかるかな……プロデューサーのこと、きっと好きだった人は辛いと思うし……」
真「僕だって、正直プロデューサーに彼女が出来たって聞いてちょっと悔しいなって思っちゃった」
真「でも、プロデューサーが決めたことなんだし、ちゃんとお祝いしてあげたいよね」
千早「えぇ、そうね。それで手がかりなんだけど……あら?あずささんから……」
亜美「どんどん広まって行きますなぁ」
伊織「ということは、あとは美希と響かしら」
あずさ「美希ちゃんには、言ってくれるそうよ?響ちゃんの方は……」
貴音「私が引き受けましょう」
亜美「おぉーグッドタイミングだよお姫ちん!」
伊織「まあ、それが得策よね」
小鳥「一体なんの話をしているのから……」
亜美「どうだったー?」
あずさ「あちらも協力するそうよ。でも、先に美希ちゃんと合流するみたいね」
伊織「確かに今回の話を一番しづらいわよね……大丈夫かしら」
亜美「まあ千早お姉ちゃんとかまこちんとは仲いいし大丈夫っしょ!」
真美「おはおはー」
伊織「あら、真美。遅かったわね」
やよい「遅くなりましたー!」
亜美「おーやよいっちまで」
やよい「ごめんね伊織ちゃん、遅れちゃって」
伊織「いいのよ、こっち勝手に呼んだんだし」
真美「ちょっといおりん!真美の時は厳しかったのになんでやよいっちだけ!」
伊織「え?別に、意識してなかったけど」
亜美「いおりんはやよいっちにゾッコンですからなぁ~それこそ彼女なんじゃない?」
伊織「ばっ!な、何言ってるのよ!」
響「貴音か?言われた通り散歩しながらみてたらプロデューサーを見つけたぞ」
貴音「何!?それは誠ですか響!」
響「あ、あぁ……2人組で歩いてて、もう片方は……多分あれは律子だな」
貴音「……そうですか。助かりました、わざわざありがとう響」
響「一体何があったんだ?」
貴音「それは……事務所にくればわかることでしょう。ちなみに律子嬢とプロデューサーはどちらに?」
響「あ、えっと、すぐ分かれてから、プロデューサーはわからないけど律子は事務所の方向に歩いていったみたいだ」
貴音「わかりました。それではまた後ほど」
貴音「響から連絡がありまして、どうやらプロデューサーと彼女が歩いているのをみたと」
真美「えぇ!?それマジ?ひびきんすごっ」
伊織「それで?相手はわかってるの?」
貴音「……律子嬢だと」
亜美「え……?」
真美「それホント、お姫ちん?」
貴音「実は、くる前に響に連絡を取り、もし外に出ることがあれば少し気にしてほしいと伝えておいたのです」
伊織「ふーん……ペットの嗅覚、ってまさかねぇ」
あずさ「でも貴音ちゃん、律子さんで決まったわけじゃないんでしょう?」
貴音「確かに話を聞いただけですが、あずさの話では身近にいると。ならば自然と限られてくるでしょうし」
伊織「確かにもう律子くらいしか残ってないものね……」
亜美「りっちゃん……」
やよい「あの、ここにいない皆さんは?」
亜美「んとね、千早お姉ちゃんがゆきぴょんとまこちんと会って、これからミキミキに伝えるって言ってたかな」
真美「んーやっぱりりっちゃんしかいないっぽいねー」
やよい「でも、それだけじゃまだ足りないような……」
真「正直誰でも大丈夫だとは思うけど、今回の件に一番詳しいの千早だしね」
千早「……萩原さんもそれでいいの?」
雪歩「うん、美希ちゃんきっと聞いたら傷ついちゃうと思うし、慕ってる千早ちゃんがいいかなって」
千早「……それなら、わかったわ」
千早「……。……。…美希?」
美希「その声は千早さん?どうしたの、今日お休みでしょ?」
千早「実は、話したいことがあって」
美希「ミキ、あんまり難しい話はトクイじゃないから、千早さんの希望に応えられるか、わかんないよ?」
千早「えぇ、大丈夫。そのかわり、落ち着いて聞いて?」
美希「わかったの」
千早「……実は」
千早「だから、無茶なお願いかもしれないけど、でも受け入れて欲しいの」
千早「やっぱり釣り合う人と付き合うのがお互いのため……いえ、変な意味じゃなくてね」
美希「美希とは釣り……」
千早「美希……?」
美希「ふーん……」
千早「とりあえず落ち着きましょ。今ならみんな事務所にいると思うし」
美希「ううん、ミキは事務所に行かないの」
千早「え?ど、どうしてなの?」
美希「美希、好きじゃないから」
千早「なっ……!」
美希「それだけ?」
千早「え、えぇ……で、でも美希!」
美希「ごめんね千早さん、ミキまだ眠いから。それじゃ」
千早「美希!……どうして」
千早「ダメ……できるだけ直接的な言葉は使わなかったつもりだったけど……」
雪歩「聞いてたけど、仕方ないよ……後で励ましにいこ?」
千早「えぇ、そうね……メールかしら」
千早「あっちは、ついに見つけたみたいね……」
千早「とりあえず、私達も事務所に向かいましょうか」
春香「確か今日は、こっちの方にお仕事だって聞いたけど……」
春香「何時間くらい経ったんだろう……」
春香「あっ、千早ちゃんから。……そっか、律子さん。それなら、仕方ないかな」
春香「でも、みんなとちゃんと話ししてもらわなきゃ。絶対、事務所に連れて帰るんだから!」
春香「……あ、あれ!プロデューサーさん!!」
あずさ「お疲れ様。でもみんな手伝ってくれたのよ?」
亜美「あっ、千早お姉ちゃん!どうだったミキミキ?」
千早「……それが」
伊織「信じられないわね……あの美希が」
やよい「美希さん、ショックだったんでしょうか……」
真美「しょうがないよ、だってあのミキミキだよ?そりゃ、辛いっしょ……」
貴音「ですが、今はひとまず律子嬢を待ちましょう」
響「はいさーい!あ、あれ?みんなどうしたんだ?暗い顔して、元気ないぞ?」
響「えぇー!ぷ、プロデューサーに彼女!?」
伊織「変な話よね……」
亜美「でもひびきんすごいよ。なんでりっちゃんと兄ちゃん分かったの?」
響「貴音から言われて気にしてたのもあるけど、聞いたことのある声が聞こえて、見たら二人で歩いてたんだ」
貴音「無茶を言ってすみません、ですがおかげで皆安心しました。ありがとう響」
やよい「じゃあいぬ美ちゃんが?」
響「えっ?そ、そういえば最初に気がついたのはいぬ美だったような……」
伊織「ほら、やっぱりペットのちからじゃない」
響「べ、別にいいだろ!」
亜美「今回のえむびーぴーはいぬ美殿ですな!」
律子「帰って来てそうそう騒々しいと思ったら、あんたたち集まってどうしたのよ」
律子「……え?な、何?なんで誰も……きゃああ!」
春香「あ、あの……」
P「ん?」
春香「か、彼女の件についてお話が!」
P「ん、あーあれか。そろそろ全員にひろまっちゃったか?」
春香「えぇ、まあ」
P「まあ、直に話すことだしな」
春香「……お仕事終わるまで待ってます。終わったら事務所に一緒に行ってください」
P「ん?まあいいけど、それじゃあちょっとまっていてくれ」
P「お待たせ」
春香「いえ、私こそ無理言ってすみません……」
P「さて、どうしたんだ改まって」
P「あぁ、そうだな。みんなをプロデュースできて毎日充実してる。これ以上の幸せはないってくらい」
春香「……それは、今の彼女さんとの暮らしも入ってますか?」
P「え?そ、そうだなぁ……まあ、まだ100%じゃないだろうな」
春香「100%じゃない……?」
P「まだ、付き合いはじめだろ?お互いに知らないことの方が多いわけだ」
P「まあ、そう考えると今が幸せのピークではないのかもしれないが、幸せではあるさ」
春香「……近くにいる人、ですよね」
P「へ?……あ、お、おう、そうだ」
春香「……」
P「は、春香……?」
P「……心配するな。お前たちのプロデュースにはなんの心配もない」
春香「わかってます……」
P「それに、俺は春香のこと好きだしな」
春香「っ!!!」
P「えっ……は、春香?な、泣いて……」
春香「……彼女いるんですから、簡単にそういうこと言わないでください」
P「お、おう……すまん」
春香「……一つ約束してください」
P「……なんだ?」
春香「絶対に、幸せになってください!」
P「……うん」
春香「その言葉、聞けて良かったです……」
P「……」
春香「みんな、事務所で待ってますよ?急ぎましょう!」
伊織「おかえりなさい、春香」
亜美「おい立てよー」
真美「よー」
律子「……」
P「律子?どうしたんだ?」
春香「……ごめんなさい!」
P「えっ?」
春香「私達……勝手にプロデューサーさんの彼女を探ろうとして」
P「彼女……?あぁ!!」
春香「みんなの協力で、律子さんだって知ったんです、勝手なことしてすみません!」
P「……ちょ、ちょっと待って?なんで律子が?」
春香「でも、もう大丈夫です。みんなで二人のこと応援しますから!ね、千早ちゃん!」
千早「……」
春香「あ、あれ?千早ちゃん?」
千早「まず、ごめんなさい春香。律子さんは彼女じゃなかったの」
春香「えっ……?」
~~
亜美「りっちゃん覚悟ー!」
真美「とらえろー!」
律子「ちょ、ちょっとあんたたちなんなのよ!」
伊織「今更とぼけるの?全く、そういうことなら言ってくれれば良かったのに」
やよい「でもおめでたいですー!」
貴音「律子嬢……」
律子「一体どういうことなのよ……千早!」
千早「プロデューサーに彼女ができたそうなんです」
律子「え?そうなの?で、それとなんの関係が……」
響「律子がプロデューサーと歩いてた、つまり彼女ってことさー!」
律子「……ご、ごめんなさい。理解が追いつかないわ……」
律子「だから、なんでそうなるのよ……さっき歩いてたのは偶然営業先で会っただけ」
真「そ、それじゃあ律子もちがうってこと?」
律子「だからそう言ってるじゃないの……どこからそんな話……」
あずさ「千早ちゃんがプロデューサーさんと春香ちゃんから聞いて、みんなに届いたみたいですよ」
律子「プロデューサーが直接私の名前を?」
千早「い、いや……ただ身近にいるというはなしで、消去法から律子に……」
律子「そういうこと……全くびっくりさせないでよ。それじゃ、春香と美希は?」
千早「春香は今プロデューサーを連れてこっちに。美希は……まさか」
律子「来てないってことは、どちらにしても何かありそうね」
あずさ「プロデューサーさん……」
~~
春香「そ、そういうことだったんですか……」
P「なんでそんなところまで話が進んでるんだよ!いや、俺はただ……」
美希「あふぅ……おはようなの」
真「どうして……」
美希「あ、ハニー!」
雪歩「で、電話のときは美希ちゃんが彼女だったから気にしなかったってこと……?」
伊織「……美希。いえ、プロデューサー!」
P「え?あ、はい?」
伊織「はいじゃないわよ!あんた、アイドルに手出すなんて!」
P「だ、だから誤解だって!」
真美「ミキミキじゃないってことは誰なの?」
亜美「もういないよね?もしかしてはるるん?」
春香「えっ、私!?そ、そんなわけないでしょ!」
貴音「となると、美希はどうして……」
あずさ「美希ちゃん、どうして電話の時はこないと言ったのに、きてくれたのかしら?」
千早「なっ……」
美希「でも、そのあと聞いてたら、ハニーと釣りをするって話になったの。でも、ミキはそういうの好きじゃないから」
真「釣り?……釣り合う、って言うのを聞き間違えたってこと?」
美希「でも、起きたらお魚食べたくなったから来ちゃったの。ねぇハニー、お魚どこ?」
伊織「そ、それじゃあ美希は付き合ってるわけじゃないのね……?」
美希「うーん、友達以上、恋人未満?かな!って、デコちゃんとかみんなどうしたの?」
春香「あ、いや、なんでもないの!でも、そういうことだったなんて……」
響「それじゃあ、プロデューサーの
彼女って一体誰なんだ?」
P「えっとですね……なんだかすごい話になってますが」
P「俺としては彼女を作ったってことにすれば、みんな安心するかなぁなんて……」
亜美「ってことは、嘘?」
P「……ってことになるかな!え、ちょ、ちょっとみんな?どうしたの、落ち着いて!!いやああああ!!」
P「うぅ……ひどい目にあった……あそこまで広がったの俺のせいじゃ無いだろうに……」
P「おはようござい……ん?」
「プロデューサーさん!」
春香「私考えたんですけど!その……私と付き合っておけばみんな不安にならないんじゃないかって!」
美希「ちょっと!そういうことならミキに任せるの!」
千早「みんな懲りないわねぇ……」
やよい「それなら私も彼女にしてください!プロデューサー!」
亜美「えー!じゃあ亜美も亜美もー!」
真美「そ、それじゃ……真美も!」
貴音「……どちらにせよ、貴方様の思いは受け取りました。が、ある程度弁えていただきたいなと……」
響「あはは!みんな楽しそうだな!ほらハム蔵もいぬ美も混ざってこい!」
真「僕だって!彼女になるならまけませんよ!」
雪歩「わ、私は……いつも通りのプロデューサーでいてくれれば」
律子「あずささんはいいんですか?」
あずさ「ふふっ、今行ってもちゃんとした相手として思ってもらえないでしょう?」
律子「た、確かに……さすがですね」
あずさ「律子さんはいいんですか?」
律子「私ですか?あんな面倒なことをおこすプロデューサー、勘弁ですよ。……でも、付き合ってみるくらいなら、なんてね」
P「俺が悪かった!もう彼女は懲り懲りだ!!」
~~
小鳥「途中から話し聞いてましたけど、空気でした。音無小鳥です」
小鳥「……もしかしたら、最後に私にドッキリ的告白をしてくれると期待して寝たふりをしていたのに!」
小鳥「なんだよ彼女って!彼女っ……はぁ……プロデューサーさん……」
P「はい?」
小鳥「へぇ!?な、なんだ気のせいか……うぅ……寝よ……」
小鳥「むにゃ……えへへ、プロデューサーさん……」
P「一人なんて、選べない。765プロは、みんな可愛いんだから!」
完
場面転換やら掛け合いやらぶっつけ故読みにくいかもしれないけどこれが限界
テンプレハーレムエンドですはい
後悔はしていない あとはお好きにしてくださいな
乙カレー
やっぱりアイマスのみんなはかわいいね!
Entry ⇒ 2012.09.15 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
雪歩「ゆっくり進んで、歩いていこう」
P「あぁ、今日はずっと事務所で業務だ」
雪歩「そうなんですかぁ」
P「雪歩も今日は久々の休みじゃないのか?」
雪歩「はい」
P「事務所にでなくても、家でゆっくりしててもいいんだぞ」
雪歩「はい……けど、台本も読みたかったので……」
P「ふーん、そうなのか」
雪歩「はい」
雪歩「えぇ!? ほ、本当ですか?」
P「あぁ、評判も良いらしいぞ」
雪歩「そ、そうなんですか」
P「雪歩は毎日、演技の勉強頑張ってたもんな」
雪歩「はい」
P「うっし、俺も仕事頑張らないとな」
雪歩「えへへ♪」
雪歩「……」ペラ……ペラ……
P「……」カタカタカタ
雪歩「……」スッ
P「……」カタカタカタ
雪歩「こ、これお茶です。どうぞ」
P「ん、ありがとう雪歩」
雪歩「い、いえ」
雪歩「……ふ~ん♪」……ペラ
P(雪歩が鼻歌だなんて珍しいな)
雪歩「ん~♪」……ペラ
P「何か良い事でもあったのか?」
雪歩「ひゃ、ひゃい?」
P「いや、機嫌良さそうだから何か良い事でもあったのかなって」
雪歩「べ、別になにもありませんよ」
雪歩「はい」
P「……ふーんそっか」カタカタカタ
雪歩「はいぃ」
P「……」カタカタカタ
雪歩「……」………………ペラ……
・
・
・
P「ん、もう、こんな時間か。……雪歩! まだいたのか?」
雪歩「はい、後少しだったので」
P「じゃあ、それ終わったら言ってくれ」
雪歩「はい」
雪歩「本当に良いんですか? 送ってもらうなんて悪いです」
P「気にするな、アイドルをこんな時間に一人で帰すのもあれだし」
雪歩「仕事ですか?」
P「前と違って仕事が多くなっただろ、疲れとかは溜まってないかと思ってな」
雪歩「えっと……お仕事は楽しいですよ」
雪歩「演技の練習も上手くいったら嬉しいです」
P「そうか……そういえば、男の人はまだ苦手なのか?」
雪歩「と、得意ではないですけど……喋るくらいならなんとか」
雪歩「……あの!」
P「どうした?」
雪歩「お、男の人が出る仕事でも……が、頑張ってやってみたいですぅ」
P「えっ! 大丈夫なのか?」
雪歩「このままじゃあ、やっぱり駄目だと思うし……」
P「……雪歩は頑張ってるな。よし、俺も手伝うから一緒に頑張っていこうな」
雪歩「は、はい!」
雪歩「それにこのままじゃあ恋愛も出来ないし……」ボソッ
P「ん? なんか言ったか?」
雪歩「はうぅ、なんでもないですぅ」
P「確か仕事は入ってないな」
雪歩「そっか……」
雪歩「……」
雪歩「あ、あのプ、プロデューサー」
P「なんだ?」
雪歩「えっと、あの、今度の日曜……」
P「うん?」
雪歩「……こ、今度の日曜日にどこかに行きませんか!?」
P「お、おう」
雪歩「あっ! こ、これはそのデートとかじゃなくて、男の人になれる為の事で……うぅ……」
P「分かってる分かってる」
雪歩「だ、だから、全然プロデューサーが特別とかではなくて、あぁいや、特別じゃないって訳でもなくて……」
P「分かってるから落ち着け雪歩」
雪歩「はうぅ……」
P「落ち着いたか?」
雪歩「ごめんなさい、コーヒーも買ってもらっちゃって」
P「気にするなって」
雪歩「はい」
P「うーん、雪歩はどこか行きたい所はあるか?」
雪歩「それは、プロデューサーに決めてほしい……です」
P「だな、よし任せろ。俺がデートをしっかりプロデュースしてやるさ」
雪歩「で、デートじゃないです」
P「そうだった、そうだった」
P「了解、じゃあまた今度な」
雪歩「……」
P「?」
雪歩「こ、これ良かったら食べて下さい」
雪歩「じゃ、じゃあ送ってくれてありがとうございました」
ダッ
P「あっ、ありがとな~雪歩~。……で、これは……お菓子か?」
P「ちゃんと梱包されてるけど、手作りっぽいな」ポリっ
P「うん、旨い」
雪歩「良かった~しっかり渡せて~」ホッ
雪歩「それに、プロデューサーと、デ……遊びの約束も」
雪歩「……///」
雪歩「け、けどこれは男の人の苦手を克服するためのもので」
雪歩「全然、デートとかではないですぅ」
雪歩「……ふふ~ん♪ ふ~ん♪」
P「おっ、早いな雪歩、まだ時間まで30分はあるぞ」
雪歩「用事があって、ちょっと早くついちゃって」
P「そうなのか、じゃ早速いくか?」
雪歩「はい」
P「それにしても、雪歩はそうゆうフワフワの服が良く似合うな」
雪歩「そ、そうですかぁ?」
P「あぁ、それに服のおかげか今日は一段と可愛く見えるな」
雪歩「えへへ、ありがとうございます」
P「それはな――――」
P植物園だ」
雪歩「うわぁー」
P「雪歩はなんか花好きってイメージがあったし、ここなら男の人とかも多くはいないだろうしな」
雪歩「植物園って初めてなんで楽しみですぅ」
雪歩「いろんな花がありましたねプロデューサー」
P「植物園だしな」
雪歩「ふぅー、静かだから落ち着きますぅ」
P「それは良かったよ……そろそろ、飯でも食にするか?」
雪歩「あ、あのぉ」
P「うん?」
雪歩「じ、実は――――」
P「旨いよ、このサンドイッチ」
雪歩「良かったですぅ」
P「この前のクッキーも美味しかったし、雪歩は料理の才能もあるな」
雪歩「そ、そんな私は全然ですよ」
P「いやいや、いいお嫁さんになるって」
雪歩「お、お、お嫁さん!? な、何をいってるんですか、プロデューサー///」
雪歩「美味しいって言ってもらえて私も嬉しいですぅ」
P「はは、じゃあ俺は飲み物買ってくるから雪歩はここで待っててくれ」
雪歩「はい」
ガチャン ガチャン
P「っと……雪歩はミルクティーでいいんだよなっと」
P「ん、ここからも雪歩が見えるな」
雪歩「」キラキラ
P「……ふつくしい」
雪歩「あっプロデューサーありがとうございますぅ」ニコッ
P「うっ……あぁ」ドキッ
雪歩「はぁ~、美味しい」
P「……」
P「よーっし、ここで重大発表」
雪歩「?」
雪歩「ほ、本当ですか?」
P「あぁ……で、その撮影は男の人と共演だ」
雪歩「えっ」
P「男と共演って事で断ってたんだけどな、この前の雪歩の話を聞いてオファーを受ける事にしたんだ」
雪歩「あうぅ……」
P「よし、一緒に頑張ろうな雪歩!」
雪歩「……はいぃ」
雪日「ひゃ、ひゃうぅ……」
監督「カットー」
雪歩「うぅ……すいません」
監督「勘弁してよ雪歩ちゃーん、もう4回目だよ」
雪歩「すいません」
監督「すいませんって言われてもね……」
雪歩「うぅ……すいません……」
P「す、すいません」
監督「はぁ……一回休憩ー」
雪歩「……はい」
P「……ごめんな雪歩、いきなりこんな仕事は難しかったよな」
雪歩「わ、私が旨く出来ないのが悪いんですぅ」
P「けど、いきなり男と手を繋ぐってのも難しかったよな」
雪歩「はぅ……」
P「いいんだぞ無理しなくても」
雪歩「でも……」
P「大丈夫だ雪歩は何も悪くないさ。この仕事を入れた俺が悪いんだからな」
雪歩「違うんです、苦手な物でも頑張って克服したいんです。プロデューサーと一緒に」
P「雪歩……」ガっ
P「あぁ、雪歩なら絶対大丈夫だ!」
P「おう!」
P「そうだ、雪歩の好きな飲み物持ってきたんだ」
雪歩「いつも、ありがとうございますぅプとデューサー」
P「はは、雪歩、手を放してくれないと飲み物とれないぞ」
雪歩「す、すいませんつい……」
P「ん?」
雪歩「えっ……あわわわ」
P「雪歩、今のままセリフ!」
雪歩「えっ、は、はい」
雪歩「―――――」
P「うん、ちゃんと出来てるじゃないか雪歩」
雪歩「本当ですか」
P「おう」
P「だな、この調子なら大丈夫だ」
雪歩「はい」
P「……」
雪歩「……」
……
P「こ、このままだと飲み物飲めないな」
雪歩「え、えっと……」
P「こ、この感覚を馴れた方が良いかもな。もうちょっとこのままでいてみるか?」
雪歩「は、はい」
ニギニギ
P「なんか、変な感じだな」
雪歩「けど、もうちょっとこのままが……」
P「あぁ」
雪歩「……」
P「……」
ニギニギ
P「ん、時間だな」
雪歩「うぅ……」
パッ
P「あっ、雪歩、ちょっとでも飲み物飲んどいた方がいいぞ」
雪歩「でも、今の手の感触を忘れたくないですぅ」
P「……」
P「な、なら俺が雪歩に飲ませるっていうのは?」
雪歩「ふぇ?」
雪歩「はいぃ」
クイッ
雪歩「んくっ……んくっ……」
P(なんかエロいな)
雪歩「んっ……はぁ……」
P「ど、どうだ?」
雪歩「す、すごく甘いです///」
雪歩「も、もう一か――」
休憩おわりま~す
雪歩「うぅ……」
P「よし、頑張ってこい雪歩」
雪歩「はい」
雪歩「おはようございますぅ」
P「おっ、おはよう雪歩」
春香「おはよう雪歩」
春香「雪歩また仕事決まったんだってね」
雪歩「う、うん」
春香「この前のTVドラマの出演から調子いいよね」
雪歩「そうかな?」
春香「うん、男の人との演技だったのに、すっごい上手だったよ
雪歩「えへへ、ありがとう春香ちゃん」
雪歩「うん、ゆっくりだけど」
春香「そうなんだ」
春香「でも、どうやって克服したの?」
雪歩「それは秘密ですぅ」
春香「えぇー」
雪歩「プロデューサー」ボソッ
P「ん?」
雪歩「今日も手を繋ぐレッスンお願いしますね」
おわり
よかった
癒される
Entry ⇒ 2012.09.15 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
雪歩「ゆきぽランドへようこそ」
P「わー!待て!雪歩、穴から出てきてくれーーー!!!」
………
小鳥「雪歩ちゃん、今日も大きな穴あけたわねぇ」
P「はぁ、また穴を塞がないと…」
雪歩「ご、ごめんなさい…」
美希「雪歩はもっと自信持った方がいいと思うの」
P「そうだな。まぁこれから直していこう、雪歩」
雪歩「は、はい…」
小鳥「穴は明日、業者さんを呼んで直しておきますね」
P「すみません、音無さん。じゃあ、俺は雪歩を送って帰りますね」
小鳥「はい、お疲れ様です」
美希「明日はミキのこと送ってね、ハニー!」
P「はいはい、じゃあ、お疲れ様です」
雪歩「お、お疲れ様でした」ガチャ
小鳥「そうねぇ。どこにそんな力があるのかしら…?」
ガチャ
春香「お疲れ様でーす!あれ?二人で何してるんですか?」
小鳥「あ、春香ちゃん、お帰りなさい。今、美希ちゃんと二人で雪歩ちゃんの空けた穴を見てたのよ」
美希「改めて見ると深いの」
春香「ふーん、どれどれ………あ!うわぁあ!」
美希・小鳥「「!!?」」
ドンガラガッシャーン
春香「す、すみません!大丈夫ですか?」
美希「春香のせいで、美希たちまで雪歩の穴に落ちちゃったの」
春香「ご、ごめん」
小鳥「それにしても深いわねぇ。20mくらいはありそうね…。どうやって雪歩ちゃんは上まで登ってるのかしら…?」
春香「も、もしかして出られなくなっちゃいました…?」
美希「えーー!!」
小鳥「ちょっと、まずいかもしれないわね…」
春香「………す、すみません」
小鳥「きっと、誰かが事務所に寄った時に気付いてくれるだろうから、それまで待つしか…」
美希「………あ!!なんか、横穴があるよ!」
小鳥「雪歩ちゃん、横穴まで掘ってたのね…」
美希「行ってみるのー!」
春香「あ!待ってよ、美希!」
小鳥「ちょ、ちょっとー!」
春香「ドアがあるね」
小鳥「確かにドアね…。何でこんなところに…?」
美希「開けてみればわかるの!」
春香「なんか、嫌な予感が…」
小鳥「そうね、開けてみましょう」
春香「え!?開けるんですか?」
小鳥「戻れないんだから、開けるしかないでしょう?それになんだかわくわくしてきたわ!」
春香「こ、小鳥さん!?」
美希「オープンザセサミなのー!!」
ガチャン!
春香「街だね」
小鳥「なんで地下に街が…」
春香「なんか空があるんですけど、ホントに地下なんですか…?」
小鳥「よく見ると、天井に空の映像を映してるだけみたいね…」
春香「あ!ホントだ!」
美希「おもしろそうだから、探検しみるの!!」
春香「え、ちょちょちょっと美希ぃ!もう戻ろうよ!」
美希「えーー!!せっかくここまで来たのに、もったいないの!!」
春香「で、でも…」
ビー!ビー!ビー!
小鳥「な、なにかしら…?警報…?」
『シンニュウシャ発見、シンニュウシャ発見』
?「見つけたぞ!!」
三人「!!?」
小鳥「ゆ、雪歩ちゃんのお面をかぶった全身黒タイツ…」
美希「へ、変態なのーーー!!」
小鳥「な、なんかやばそうね…。と、とりあえずここから逃げましょう!!」
雪歩仮面A「追え!!逃がすな!!」
雪歩仮面B~G「イー!!」
春香「だ、だから嫌だって言ったのにーーー!!!!」
美希「あふぅ…美希もう疲れたの…」
小鳥「コヒュー…コヒュー…わ、脇腹が…」
美希「美希お腹減ったの…おにぎりが食べたいの…」
春香「そんなこと今言ってる場合じゃ…」
美希「あ!!春香!小鳥!ちょうどいいところにローソンがあるの!!」
小鳥「は、萩原雪歩フェア…?」
春香「何でこんなところに…。ていうか、追われてるんだから寄ってる場合じゃ…!」
美希「腹が減っては戦はできないの!」
小鳥「………一番くじはやってるのかしら?」
春香「小鳥さんまで!?」
美希「………店員が律子のお面かぶった変態なの」
小鳥「あ!くじがあるじゃない!」
春香「はぁ~、そんなことしてる場合じゃないと思うんですけど…」
美希「とりあえずおにぎりを買うの!春香、会計お願いね!」
春香「…はい?」
美希「春香のせいで着の身着のままで穴に落ちたから、財布を持ってないの!責任とって、ここ春香が払うのが筋だと思うな!」
春香「えぇー」
小鳥「春香ちゃん、私もくじを引けるだけ引きたいから、貸してくれないかしら?とりあえず、ストラップは全種類欲しいピヨ」
春香「引けるだけって………。一体、いくらかかるんですか!?」
小鳥「戻ったら倍にして返すピヨ」
春香「………」
小鳥「くじもこれで引けるだけ、お願いします!!!」
春香「………はぁ」
律子仮面「60万7000ペリカニナリマース。アジャジャーース」
春香「ぺ、ペリカ?」
律子仮面「………?もしかして、旅行者の人?ペリカないなら円でも大丈夫ですけど?」
春香「………じゃ、じゃあ、これで足りますか…?」
律子仮面「6万700円ノオアズカリデ、3000ペリカノオカエシデース」
春香「あ、ありがとうございます…。お札に雪歩の顔が描いてある…」
律子仮面「アジャジャシター」
美希「この辺だと、ユキポタワーってところが観光名所だってさっきの店員さんが言ってたの!行ってみたいの!」
春香「いや、帰り道を探さないと…」
美希「えー!!せっかくきたのに、ただ帰るのはもったいないの!」
小鳥「美希ちゃん、ユキポタワーはこっちみたいよ。あとでお土産屋さんにも寄りましょう」
春香「小鳥さんまで…。そもそも街の人たちがみんな、雪歩の仮面かぶった全身タイツだし……。なんなの、この街…」
小鳥「さっきローソンで買ったるるぶによるとユッキーっていうみたいね。ユッキーのグッズは売ってないのかしら…?」
春香「いつの間にるるぶまで…」
ユッキー「………」クルッ
美希「あ!ユッキーがこっち向いたの!小鳥、写真撮ってー!」
春香「ちょ、ちょっと美希!?」
ユッキー「………ハハッ、ミイーツケタ」
美希「へ?」
ユッキー「ワルーイ、ワルーイ、フホウニュウコクシャハ、オシオキシナキャネー」
三人「ヒィッ!!!」
美希「に、逃げるのー!!!!」
小鳥「助けてーー!!」
美希「着ぐるみのくせして、めちゃめちゃ早いの!!」
小鳥「ヒィー、わ、脇腹が限界ピヨ…!」
ユッキー「ハハッ!ニゲラレルト、オモッテルノカイ?」
美希「お、追いつかれそうなの…!小鳥、はやくするの!!」
春香(………このままじゃ、捕まっちゃう!)
小鳥「げ、限界ピヨ」
春香「小鳥さん、ごめんなさい!」ドン!
小鳥「えっ!?」
ユッキー「マズ、ヒトーリ、ツカマエタヨ………ハハッ!」
小鳥「ぴ、ピヨーーーーーー!!!!」
美希「ひ、ひでぇの…、小鳥をオトリにしやがったの…」
春香「さっきのコンビニで好き放題、人の金を使った罰ですよ!罰!」
美希「外道なの…」
美希「春香は背中に気をつけるの」
春香「まぁまぁ、この春香さんの機転でうまく逃げれたんだし、そういわずに…」
ユッキー「 ミ イ ツ イ ケ タ 」
春香・美希「ヒィッ!!!?」
ユッキー「コトリハ、ギセイニナッタノダ……ギセイノギセイニナ………」
春香「………こうなったら、美希を生け贄に…」
美希「は、春香!?」
ユッキー「サァ………オイデ………ハハッ」
美希「た、たすけて………!」
ユッキー「………………」ピタッ
美希「?」
ユッキー「………………」クルッ テクテクテク
春香「引き返していった………?」
美希「た、助かったの………?」
美希「危なかったの………」
春香「どうして急に引き返しちゃったんだろう………?」
美希「美希、ユッキーより春香の方が怖い気がしてきたの」
春香「あ!み、美希!あれ、あれ見て!!」
美希「ごまかそうったって、そうはいかないの」
春香「いいから!あれ!あれ!!」
美希「?なんなの?………………雪歩!!?…………………の下半身!!!????」
美希「ゆ、雪歩の下半身が空から生えてるの………」
雪歩の下半身\ワタシナンカ、アナホッテ、ウマッテマスーーー!!!!/
春香「な、なんで空から………」
美希「あ!ユキポタワーのてっぺんにたくさんユッキーがいるの!」
春香「な、なんか肩車で、どんどんユッキーが重なって………!」
美希「ゆ、雪歩の下半身にまで届いたの!さらにユッキーがどんどん雪歩を空の上に押し上げてるの!!」
春香「な、なるほど………。雪歩はいつもああやって、穴からでてきてたんだね………」
美希「正直、きもいの………」
春香・美希「!?や、やよい!!?」
やよい「お疲れ様です!お散歩ですか?」
春香「い、いや、ちょっとね…。それより、やよいはなんでこんなところに…?」
やよい「今日は、すぐそこのY'sマートでもやしがなんと50ペリカなんです!!!」
春香「そ、そうなんだ………。い、いや!!そうじゃなくて………!!!」
やよい「あ、それにそれに、卵もお一人様1パック限り1000ペリカなんです!!!!」
春香「よ、よかったね、やよい」
やよい「はい!!今日はもやし祭りなんです!!!」
やよい「でも、卵は1パックしか買えないから………」
春香「じゃじゃじゃあ、一緒に行こうか!私たちがいれば、3パック買えるし」
やよい「!!い、いいんですか!!?うっうー!!!ありがとうございます、春香さん!!!」
やよい「春香さん、美希さん!今日はありがとうございます!!おかげで卵がいっぱい買えましたー!!!」
春香「どういたしまして」
美希「やよいはえらいの!こんなところまで来て………」
春香・美希「は!?」
やよい「どうしたんですか?」
春香「いや、そうじゃなくて、やよいはどうやってここに………?」
美希「やよいのペースにまんまとのせられたの」
やよい「毎週金曜日はY'sマートゆきぽらんど店が特売なんです!!近所では一番安いんでいつも来てるんですよー」
美希「ま、毎週……?」
やよい「そうですよー!それに雪歩さんがいつもペリカをくれるんですー!」
春香「そ、そうなんだ…」
春香「あ!ちょっと待って!」
やよい「?」
春香「いや~、なんというか、えーと」
美希「美希たち道に迷っちゃったの!帰り道を教えて欲しいの!」
やよい「あわわわ!そうだったんですかー!?す、すいません!困ってるのに私の買い物に付き合わせちゃって…」
春香「ううん、いいの。全然、大丈夫だから、今から案内してくれないかな?」
やよい「もちろんです!こっちですよー!」
春香「ありがとう、やよい」
美希「これでやっと帰れるの…。ひどいめにあったの」
やよい「あ!こんにちわー」
?「コンニチワ、ヤヨイチャン」
春香・美希「?」
春香・美希「!!!???ひっ!!!ゆゆゆゆゆゆユッキー!!!!!???」
ユッキー「ミツケタヨ、ハハッ」
ちょっとゆきぽランド行ってくる
ユッキーがそっち向かったぞ
春香「いや、ユッキーだよ!やよい、あぶないよ!!?」
やよい「ユッキーさんはいい人ですよー!いつも困ってるところを助けてくれます!!」
春香「いやいやいや、さっき私たちユッキーに襲われて…」
ユッキー「不法入国者ハ、シマッチャオウネ………」
やよい「ふほーにゅうこくしゃ?あ!!もしかして、二人はパスポートもってないんですか!?」
春香「パスポート!?」
美希「もしかして、パスポートがあれば襲われないの!?どこので手に入るか教えてほしいの、やよい!?」
やよい「うぅー、私は雪歩さんにもらっただけなので………。うぅ…ごめんなさい!わからないです…うー…」
ユッキー「サァ、シマッチャオウネ………」
やよい「ゆ、ユッキーさん!なんとか、二人を見逃してあげてください!!」
ユッキー「………」
やよい「………だめですか?……あ!じゃあ、この卵ともやしをあげますから!!お願いします !!」
ユッキー「………」
やよい「私のお友達なんです!おねがいします!!」
ユッキー「ゴメンネ………ヤヨイチャン」
やよい「うー………」
春香「……やよい、ありがとう。もう十分だよ」
やよい「春香さん………」
春香「………じゃあね!やよい!………ごめん、美希!!!」ドン
美希「あ!春香、汚いの!!!美希を生け贄にしやがったの!!」
ユッキー「ハハッ、ツカマエタヨ」
美希「ひぃ!!」
春香「あばよ!!!」
ユッキー「モウヒトリモ、ニガサナイヨ…」
美希「あ…、あ…、あぁ…」
やよい「み、美希さん!!」
ユッキー「…………サヨウナラ」
美希「ヒィ……い、いや!いやなの……!」
?「そこまでですぅ!!!!」
美希「こ、国王!?」
雪歩「そ、その人は私の友達なんです!」
ユッキー「シカシ………コヤツハ、フホウニュウコクシャ…フホウニュウコクシャハ、シマッチャウノガ、ユキポランドノ、オキテ…」
雪歩「ユッキー234号さん!!このゆきぽランドでは私がルールです!!」
雪歩「し、従ってくれないと………私…私…!!」
ユッキー「………」
ユッキー「……………………ギョイ」シュパッ
美希「き、消えたの………」
美希「………大丈夫なの!!それよりありがとうなの、雪歩!!」
雪歩「遅くなってごめんね。あとで美希ちゃんにもパスポートあげるから」
美希「うん!!それより、すごいの、雪歩!!地下にこんな街があるなんて!!」
雪歩「そんな、私なんて…」
美希「雪歩はもっと自信もっていいの!!さっきだって、あんなにかっこよく美希のこと助けてくれたんだから!!」
雪歩「美希ちゃん………」
やよい「あのー、春香さんどこかに行っちゃったんですけど、どうしましょう…?」
雪歩「春香ちゃんの来てるの!?」
美希「春香の奴、小鳥のみならず、美希まで裏切りやがったの」
雪歩「えぇ!?」
美希「………これはお灸を据えてやる必要があるの」
貴音「おや?春香ではありませんか?」
春香「た、貴音さん!?貴音さんまでこんなところに…!?」
貴音「はい、私このゆきぽランドでアルバイトをしているのです。バイト代のラーメン二十郎ゆきぽランド店の無料券は魅力的ですから」
春香「そ、そうですか…。バイトって一体どんなことを…?」
貴音「私のアルバイトですか?それはですね、春香…」
春香「そ、それは…?」
ユッキー234号「このような着ぐるみを着て、ゆきぽランドの治安を守るアルバイトですよ」
春香「ひっ!」
ユッキー234号「では、春香…。あナたのよウな…人ヲ売ッテ自分ダケ助カロウトスル、フホウニュウコクシャハ、シマッチャオウネ……」
春香「い、い、い、いやぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!!!!!」
美希「ユッキーも、意外と話せるやつで楽しくやってるの!」
P「雪歩、今日はよくがんばったじゃないか!!」
雪歩「いえ、私なんかまだまだですぅ…。でも、ありがとうございます!!」
美希「雪歩もなんだか、少し自信を持ったみたいなの」
美希「そういえば、最近春香を見てないの…。雪歩、春香はどうしたの?」
雪歩「?春香ちゃんって誰かな?」ニコニコ
美希「え!?いや、春香は春香なの!雪歩が知らないはずないの!?」
雪歩「………美希ちゃん」ニコニコ
美希「………」
美希「美希、寝ぼけてたの。美希は何も知らないの」
春香・小鳥「ひぃ!!!」
春香「まさか、ゆきぽランドの開発工事をやらされるなんて…」
小鳥「…ピヨォ。昨日も給料日なのに、ビールに焼き鳥にポテチに…さ、散財してしまったピヨ…」
春香「私も昨日、班長にチンチロで大負けして…うぅ…」
春香「これじゃあ、いつになったら出られるようになるのか…」
小鳥「一日外出券への道は遠いピヨ…」
ユッキー「おらぁ!!そこ!さぼってんじゃねーぞ!!!!」ビチンッ
春香・小鳥「ひゃあ!!」
春香「ご、ごめんなさい!!!」
小鳥「む、鞭はやめてください!!!」
春香・小鳥「もぉーやだー!たすけてー!プロデューサーさぁん!!!」
おわり
面白かったよ、乙
Entry ⇒ 2012.09.15 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「貴音のとっぷしーくれっとを暴こう!」
P「どこで産まれ、なにをしてきたのか、それは彼女以外誰も知らない……」
P「まぁミステリアスなのはいい。俺だって、ミステリアスな女は嫌いじゃあない」
P「だが、これは行きすぎている!もっと貴音のことが知りたい!」
P「俺はそんな貴音のとっぷしーくれっとを暴きたい!その一心で、立ち上がったのだ!」
P「まずは……貴音の家がどこにあるのかを知ろう!」
P「どんな所に住み、どんな生活を送っているのかを知るのも、アイドルプロデュースには欠かせないことだ!」
P「それなのに……それなのに!担当アイドルの家も知らないなんて、そんなのってないよ!」
P「それにいざという時、家を知らないとなにかと不便だからな」
P「そう!だからこれは、決してやましい気持ちなのではないのだっ!!」
P「おっ、帰るのか?送っていくぞ」
貴音「いえ、それには及びません。あなた様の手を、煩わせるわけにはいきませんので」
P「そんなこと気にしなくてもいいだぞ?もっと俺に甘えてもいい」
貴音「ふふっ……では、そのお気持ちだけ、受け取っておきましょう」
P「むぅ……強情な奴だな」
貴音「別にそのようなわけでは……申し訳ありません」
P「あっ、いや……まぁいい。とにかく、気を付けて帰るんだぞ」
貴音「えぇ、分かっております。心配には及びません」
P「それじゃあ、また明日」
貴音「はい、それでは失礼致します」
P「まぁここまでは予想通りだ!そんな簡単に、貴音のとっぷしーくれっとなんて、暴けるわけがないっ!」
P「へへっ、腕が鳴るぜ……それでこそ、俺が認めたアイドルだ」
P「だがしかぁーっし!貴音は気付いてなかったようだな……」
P「俺がもう、本日の仕事はとうに終わらし、ずっと○×ゲームに興じていたということをっ!!」
P「ふっ……俺の手のひらの上で転がされてるようじゃあ、まだまだだな、貴音」
P「おっと、いけない。そろそれ出ておかないと貴音を見失ってしまう」
P「さぁ!それでは今から、貴音をストーキングを開始しよう!!」
P「おっ!いたいた!へへっ……優雅に歩いてやがる……俺にストーキングされているとも知らずによぉ!!」
P「さぁ、ここからは簡単だ!単にストーキングをし、貴音の住処を見つけるだけだからなっ!」
P「まさか、こんな形で伊賀忍者の末裔たるこの血が、役に立つとはな……」
P「さぁ!レッツ隠密活動だっ!!」
貴音「あんみつかつ丼……なんとも面妖な……」
P「あんみつかつ丼じゃない!おんみt……」
P「」
P「えっ」
P「えっ、なんで……えっ、えっ」
貴音「はて……なにをそのように驚いていらっしゃるのですか?」
P「えっ、いやだって……なんでいるの?」
貴音「あなた様がわたくしの名前を言っていたので、てっきり呼ばれたものかと……」
P「いや別に呼んでないけど……ていうか、聞こえてたの?」
貴音「えぇ、それはもうはっきりと」
P「いやでも、結構離れてたぞ?俺そんな大声出してた?」
貴音「大きいと言えば、大きかったと思います。ですが、大声というわけではありませんね」
P「そうかーマジかー……っていやいや!違う違う違うっ!!」
P「聞こえない!絶対聞こえないって!あんだけ離れてたんだからっ!!」
貴音「わたくし、耳は良いほうですので」
P「耳がいいのレベルじゃない!圧倒的……!圧倒的地獄耳……!!」
貴音「じ、地獄……それは少々、言い過ぎではないでしょうか?」
貴音「それは……空腹でしたので……」
P「あっ、そうなの?それじゃあ……なにか食べに行く?」
貴音「よ、よろしいのですか!?それではらぁめんを……」
P「あっ、ちょっと待って。財布確認するから……」
貴音「らぁめん♪らぁめん♪♪らぁめん♪♪♪」
P「……ごめん、やっぱ今日は無理だ」
貴音「えっ……な、何故ですか!?」
P「お金が42円しかなかったんだ。これじゃあ、なにも食べられないよ」
貴音「な、なんとっ!そのようなことが……」
P「今日は真っ直ぐ家に帰ろう?食べに行くのはまた今度ってことで」
貴音「今回は縁が無かったようですね……はぁ……」
貴音「はい、それではお気を付けて」
P「貴音も気を付けてな」
貴音「それと、あなた様に一つ忠告があります」
P「えっ?なに?社会人のくせに、金持ってなさすぎってこと?」
貴音「いえ、そういうわけでは……とにかく、女性の後を付けるは、褒められた行為ではありませんよ」
P「つ、付けてたって、バレてたのか!?いつから!?」
貴音「それはとっぷしーくれっとです。ふふっ……それでは」
P「いやちょっ……あれっ!?いない!?なんでっ!?」
P「……くそっ!暴くどころか増えてしまったじゃないか!!」
P「だが、俺は諦めない!戦いはまだ始まったばかりだっ!!」
P「今日こそは、貴音のとっぷしーくれっとを暴いてやる!」
P「そうと決まれば、早速作戦を……」
ブォオオオオオオン ブォオオオオオオオオオオン
P「な、なんだこの爆音は!?」
ブォオオオオオオン オォン……
P「と、止まった……?なんだったんだ一体……」
P「ま、まぁいい!この程度の爆音、都会では日常茶飯事だ!!」
P「こんな些事で心を乱しているようじゃあ、アイドルのプロデューサーなど務まるはずもないっ!」
P「さぁ!心も新たに、作戦を練り直そう!」
P「直接貴音に聞くしかない!もうこれっきゃない!!」
P「逆に、どうして今までそうしなかったのか!わけがわからないよ!」
P「とにかく、貴音が来たら早速聞いてみよう!」
貴音「随分と、盛り上がっているようですね」
P「えっ!?た、貴音!?い、いつの間にっ!?」
貴音「つい先程ですよ」
P「そ、そうか……にしても、音もなく背後にいるのは辞めてほしいな」
貴音「も、申し訳ありません……挨拶をしても、気が付いていなかったようでしたので、つい……」
P「あっ、そうだったのか。ごめんな」
貴音「いえ、謝るほどのことではありませんよ」
貴音「聞きたいこと、ですか?わたくしに答えられることならば、よいのですが……」
P「むしろ、貴音にしか答えられないことなんだ」
貴音「わたくしにしか?はて、一体どういう……」
P「ズバリッ!貴音のとっぷしーくれっとを全部教えてくれっ!!」
貴音「わ、わたくしのとっぷしーくれっとを……?」
P「そうだ!どうしても知りたいんだ!頼むっ!!」
貴音「……わたくしのとっぷしーくれっとは、本にすると十万三千冊ほどございます」
P「えっ」
P「じ、重篤な影響って……?」
貴音「……運が良くても、一生気が狂ったまま、人生を歩むことになります」
P「そ、そんなに……?マジで?」
貴音「はい……あなた様に、その覚悟がございますか?」
P「えぇーっと……ま、また今度にしようかな!アッハハハ!!」
貴音「……そうしたほうがよろしいでしょう。実に賢明な答えです」
貴音「ふふっ……みすてりあすな女はお嫌いですか?」
P「いや、別に嫌いじゃないぞ。あぁ、全く嫌いじゃない。だけど、ものにはなんでも限度ってものがある」
P「さすがに、秘密が多すぎたら受け止めきれないよ」
貴音「そ、そうですか……」
P「……ん?どうかしたのか?」
貴音「い、いえ!なんでもありません……どうかお気になさらないでください」
P「そうか、それならいいんだけど……」
貴音「………………」
P「………………」
ガチャン
貴音「!」
P「!」
P「えっ?ぶ、ぶが……なにそれ?」
貴音「あっ、わ、わたくしです!」
伊織「えっ!?あれ、あんたのなの!?」
貴音「はい、いかにもわたくしのものですが……それがなにか?」
伊織「い、いや別になにもないけど……とにかく、ちょっと動かしてくれないかしら?律子の車が止められないのよ」
貴音「そのようなことに……分かりました。では、今すぐに」
伊織「それじゃ頼んだわよ。はぁ……」
P「なぁ伊織、そのブガなんとかってなんなの?」
伊織「あぁ、アンタいたの。車よ、車」
P「あぁ、車か……えっ!?く、車っ!?」
伊織「知らないわよ、そんなこと!でもまぁ……そうなんじゃないかしら?」
P「嘘だろ……いつの間に、免許なんて取ったんだ……」
伊織「まぁ18歳なんだし、免許くらい持ってても不思議じゃないでしょ?」
P「いやまぁそうだけどさ……ところで、そのブガなんとかって外車なのか?」
伊織「そうよ。ついでに言うと、めちゃくちゃ高いわ」
P「外車だもんな、そりゃあ高いだろうけど……いくらくらいなの?」
伊織「私は車に詳しくないからよく分かんないけど、確か……2億円くらいじゃなかったかしら?」
P「はぁ!?にっ、ににに2億!?!?なにそれっ!?そんな車あんの!?」
伊織「あるのよ、不思議なことにね」
伊織「爆音?そんなのがあったの?」
P「あぁ、こうブォーンって感じで。びっくりしたもんだ」
伊織「へぇー……でもなんでまた、急に車で来たりしたのかしら?」
P「寝坊……とか?」
伊織「おっちょこちょいな理由ね、それは」
貴音「いえ、寝坊ではありませんよ」
P「あっ、そうなの……って」
伊織「きゃああああ!!!ち、ちょっとアンタねぇ!!」
貴音「二人とも申し訳ございません……どうにも癖になってしまっているようで……」
伊織「や、やっと落ち着いてきたわ……まったく、心臓に悪いんだから!」
貴音「伊織……なんとお詫びを言ったらいいのか……」
伊織「い、いいわよ別に。これくらい、どうってことないんだからっ!!」
P「ところで、貴音。どうして今日は車で来たんだ?」
貴音「それは……とっぷしーくれっとです」
P「またかっ!便利な言葉だなぁ、おいっ!!」
P「なんだというんだ、一体!どういうことなんだ!!」
P「ふざけんな、バカヤロー!!」
P「……いい、もういい。怒るのはもう辞めにしよう」
P「今日は折角の休日だ。気分も新たに、貴音のとっぷしーくれっとを探るための作戦を考えよう!」
P「その前に、ご飯を食べよう。腹が減っては戦は出来ないからな!」
ガラガラ
貴音「あら、あなた様。おはようございます」
P「」
P「えっ」
貴音「これはまた、しんぷるな疑問を提示いたしましたね」
P「いや、うん……ていうか、どうやって入った!?」
貴音「それはとっぷしーくれっとです」
P「くそっ!やっぱりか!そんなこったろうと思ったよ!!」
P「それで……マジでなんでいるの?」
貴音「最近、あなた様はわたくしのとっぷしーくれっとを探ろうとしているようですね」
P「な、なぜそれをっ!?」
貴音「小鳥嬢から話は全て聞きました!」
P「くそっ!さすがに事務所で叫びすぎたか……」
貴音「それと、これは小鳥嬢からの伝言なのですが……」
P「伝言?そんなのあるの?」
貴音「えぇ……『貴音ちゃんだけじゃなくて、私にもかまってほしいピヨー!』とのことです」
P「それを貴音を通して俺に伝えてくるとは……やはり小鳥さんは、なかなかな人だな」
P「な、なら……?」
貴音「わたくし自らがあなた様の元へ赴き、それを阻止してみせようと思ったのでございます!!」
P「な、なにィィィーーーーーー!?!?!?!?」
貴音「ふふふっ……わたくしとて、ただでとっぷしーくれっとを暴かれるわけにはいきません!!」
P「くっ……!貴様ぁ……一体なにをする気だ!?」
貴音「あなた様に直接なにかをするわけではありませんよ?」
P「えっ、そうなの?」
貴音「えぇ、ですが……わたくしのがぁどは殊更、堅くなることでしょう」
P「これ以上堅くなられたら、俺はもうどうしようもないじゃないか!」
貴音「この際、諦めてみては如何でしょうか?」
P「……諦めない!運命に負けたくないんだっ!!」
P「諦めの悪さだけで、ここまで来たようなもんだからな」
貴音「ふふっ……それでこそあなた様です」
P「……なんかあまり褒められてる気がしないな」
貴音「そんなことありませんよ?」
P「そうなの?それじゃあまぁ……ありがたく受け取っておくよ」
貴音「そうして頂けると、わたくしとしてもありがたいですね」
P「ところで……今日は一時休戦にしないか?」
貴音「えっ?休戦、ですか?」
貴音「……そうですね。わたくしとしても、本日は宣戦布告の宣言をしに参っただけですので」
P「それじゃあ早速、なにか食べに行こう!」
貴音「そ、それはつまりらぁめんをですか!?」
P「そうだな……この前は行けなかったし、ラーメン食べに行こうか」
貴音「真ですかっ!?らぁめん♪らぁめん♪♪らぁめん♪♪♪」
P「……貴音ってさ、自分で料理とかしないの?」
貴音「えっ?それは……とっぷしーくれっとです」
P「いや、これくらいは教えてくれてもいいんじゃないかな!?」
P「……いや、なにを悩んでいるんだ、俺は!もう突き進むしかないじゃないか!!」
P「そうだ!突き進むんだ、俺は!もう後戻りなんて出来ない!!」
P「小鳥さん!あなたもそう思いますよね!?」
小鳥「ピヨッ!?え、えぇ……それでいいんじゃないでしょうか?」
P「ありがとうございます!小鳥さんにそう言ってもらえると、百人力ですっ!!」
小鳥「百人力……そんなこと言われると、照れちゃいますよ……」
P「よしっ!そうと決まれば、早速作戦だっ!!」
小鳥「えっ?いやちょっと……プロデューサーさーん?」
小鳥「はぁ……あの性格、なんとかならないのかしら?」
P(そう!そうこれは、あの時と同じ作戦だっ!!)
P(よもや、俺が同じ作戦を仕掛けてくるとは、貴音も思うまい……)
P「フフフ……これで俺の勝ちだ!フゥーハハハ!!」
貴音「あ、あなた様?どうかされたのですか?」
P「えっ!?いや!なんもないぞ!?なんもないぞ、うんっ!!」
貴音「それならば、よろしいのですが……」
P「それで、貴音はそろそろ帰らないのか?」
貴音「わたくしは、あなた様が帰宅してから、帰還しようと思っておりますので」
P「な、なぜそんなことを?」
貴音「またわたくしの後を付けるおつもりでしょう?」
P「なっ!?ど、どうしてそれを!?」
貴音「あなた様の魂胆など、わたくしには全てお見通しです」
P「……どうやら、ガードを堅くしたっていうのは、本当のようだな」
P「俺が帰るのも、貴音が帰ったあとからだ」
貴音「ならばこのままでは、どちらとも帰還することが出来ませんね」
P「そうだな。これぞまさに平行線ってやつだ」
貴音「………………」
P「………………」
貴音「あなた様は……」
P「ん?どうした?」
貴音「あなた様はなぜ、そうまでしてわたくしの秘密を知りたがるのですか?」
貴音「不安、ですか?」
P「あぁ……貴音に信頼されていないんじゃないかって」
貴音「そんなっ!決して、わたくしはあなた様のことを……」
P「俺だって分かってるよ、それくらいのことは。でも……やっぱり不安なんだ」
P「貴音は一向に、俺になにも教えてくれない……こんなに時間が経ってもだ」
P「ちゃんと、示してくれないと安心できない。そんな弱い人間なんだよ、俺は……」
P「まぁこんなことを、本人に言うもんじゃないんだけどな……許してくれ」
P「ごめんな、こんな奴が担当で……」
貴音「ですからっ!謝るのはもう……分かりました」
P「えっ?分かったって……なにが?」
貴音「わたくしのとっぷしーくれっとの全てを、教えることは出来ませんが……家くらいならば……」
P「ほ、本当かっ!?本当にいいのかっ!?」
貴音「え、えぇ……ですから、もう二度とわたくしがあなた様を信頼していないなどと、思うことはよしてください」
P「あぁ、もう二度とそんなことは思わない!それよりも、早く向かおう!」
貴音「あ、案外立ち直りが早いのですね……ではまず、目を瞑ってください」
P「目を?どうしてそんなマネを……」
貴音「お願いです。目を瞑って頂かなければ、わたくしの家へと案内出来ないのです!」
P「なにやら事情があるんだな……分かった。……ほら、これでいいか?」
貴音「はい、ありがとうございます。それでは参りましょう」
P「ごめんな、こんな奴が担当で……」
貴音「ですからっ!謝るのはもう……分かりました」
P「えっ?分かったって……なにが?」
貴音「わたくしのとっぷしーくれっとの全てを、教えることは出来ませんが……家くらいならば……」
P「ほ、本当かっ!?本当にいいのかっ!?」
貴音「え、えぇ……ですからもう二度と、わたくしがあなた様を信頼していないなどと思うことはよしてください」
P「あぁ、もう二度とそんなことは思わない!それよりも、早く向かおう!」
貴音「あ、案外立ち直りが早いのですね……ではまず、このあいますくを付けてください」
P「アイマスク?どうしてそんなマネを……」
貴音「お願いです。あいますくを付けて頂かなければ、わたくしの家へと案内出来ないのです」
P「なにやら事情があるんだな……分かった。……ほら、これでいいか?」
貴音「はい、ありがとうございます……それでは参りましょう」
P「お掛け?座ればいいんだな……うわぁ!」
貴音「だ、大丈夫ですか!?」
P「あ、あぁ……ちょっと驚いただけだから……」
貴音「そうですか……それでは、しぃとべるとをお掛けしますね」
P「シートベルト?ってことは車なのか……俺は今、に、2億円の車に乗ってるんだな……」
貴音「そう緊張することはありませんよ?どうぞおくつろぎください」
P「く、くつろげるか!庶民なめんなよ!」
貴音「ふふっ……それでは参ります」
P「お、おう……よろしく頼む」
P「あぁ、着いたのか。アイマスク外してもいいか?」
貴音「えぇ、どうぞ外してください」
P「じゃあちょっと……どれどrデケェ!!えっ!?なにこれ!?」
貴音「そ、そんなに驚かれるものでしょうか?」
P「いやだって、これ豪邸じゃん!俺、こんな家見たの初めてだよ!」
貴音「豪邸……そうなのですか?」
P「あぁ、間違いない!でも、どうして貴音がこんな豪邸を?」
貴音「それはとっぷ……辞めましょう。今日はなるべくあなた様の質問に答えることにいたします」
貴音「この家は、四条が持つ日本の別荘の一つなのです」
P「1つ?それじゃあ……ほ、他にもこんな家がまだあるのか!?」
貴音「えぇ、他にもいくつかありますね」
P「1個くれっ!!」
貴音「そ、それはなりません!」
P「お邪魔します……はぇー、中も広いな」
貴音「それではこちらへ……」
P「なぁ、ここには1人で住んでるのか?」
貴音「えぇ、そうですが……なにか?」
P「いや、1人だと掃除とか大変じゃない?」
貴音「確かに大変ではありますね。全ての部屋を掃除するとなると、五日はかかります」
P「い、五日……たまげたなぁ……」
P「……なぁ貴音、俺もここに住んでいい?」
貴音「えっ!?そ、それは……わたくしとしてはその……で、ですがっ!いやしかし……」
P「いや、そんな悩まなくていいよ。ちょっとした冗談だから」
貴音「じ、冗談だったのですか!?もう……」
P「そうだなぁ……貴音の家も見れたことだし、今日はもう……」
貴音「お帰りになられるのですか……?」
P「えっ?いやまぁ……貴音に任せる!」
貴音「わ、わたくしにですか?」
P「あぁ!帰るにも貴音の力が必要になるし、もし疲れてるなら無理はさせられないもんな!」
貴音「あなた様……では、今宵はどうぞお泊まりになってください」
P「」
P「えっ」
貴音「あの……なにかおかしなことを言いましたでしょうか?」
P「あっいや……ちょっと休憩してから、帰るものかと……」
貴音「今の流れでそれは、少々不自然に思いますよ?」
P「そうなの?それじゃあ……お、お世話になります……」
貴音「はい、どうぞごゆるりとおくつろぎください」
貴音「なりません!お客人にそのような粗相を働くなどっ!!」
P「そんなこと気にしないでいいよ。そもそも、急に泊まることになったんだし」
貴音「いいえ、なりません!四条の人間として、そのような狼藉を働くわけにはっ!!」
貴音「あなた様には今宵、こちらの部屋で睡眠を採って頂きます!」
P「これはまた随分と広い部屋だな……1人だと落ち着かなさそうだ」
貴音「それならば、ご安心してください」
P「ご安心?どういう意味なんだ?」
貴音「わたくしもこの部屋で、あなた様と一緒に眠りますので」
P「」
P「えっ」
貴音「何故、そこまで頑なに拒否を……」
P「そ、それはまぁ……ほら!色々あるんだよ、色々っ!!」
P「とにかく俺は、貴音とは違う部屋で寝るからな!分かったっ!?」
貴音「……分かりました。あなた様がそこまで仰るのであれば、わたくしはそれに従うのみです」
P「どうやら、分かってくれたみたいでありがたいよ……」
貴音「ですが……寝相が悪く、気が付いたらあなた様と共に寝ていたという場合は、仕方がありませんよね?」
P「どこにドアとドアを飛び越える寝相があるんだっ!それはもう夢遊病じゃないかっ!!」
貴音「では早速、お休みになられますか?」
P「いや、寝るのはまた後でいいや……それより、どこか落ち着ける場所ないか?」
貴音「落ち着ける場所……それなら丁度良いところがございます」
P「本当か?それならちょっと、案内してくれないかな?」
貴音「えぇ、お安いご用です。ではこちらへ……」
P「ごめんな、なんかさっきからわがままばっかで……」
貴音「お気になさらないでください。いつもはわたくしたちのわがままを、聞いて頂いているのですから」
貴音「この程度のわがままは、わがままとは言えません」
P「そうか……やっぱり、貴音は良い子だなっ!」
貴音「良い子……わたくしは所詮、良い子止まりなのでしょうか……」
P「ん?どうかしたのか?」
貴音「いえ、なんでもありません。もうすぐ着きますよ」
P「ここは……ベランダ?」
貴音「いえ、ばるこにぃというものですよ」
P「バルコニー……ベランダではないのか。にしても、どうしてここへ?」
貴音「ここから見る月は、真、素晴らしいものですので、あなた様にも是非にと……」
P「月?あぁ……確かに綺麗だな」
貴音「えぇ……今宵の月は、殊更格別に綺麗ですね……あなた様と共に、見上げているからでしょうか」
P「……俺にとっては、月なんかより貴音のほうがずっと綺麗だよ」
貴音「えっ!?あ、あっあああっあなた様っ!?い、いいい今のはどういう……」
P「さぁ?とっぷしーくれっとです」
貴音「あっ、あなた様ぁ!!そう、はぐらかさずにちゃんと答えてくださいっ!!」
P「言えないな、だってとっぷしーくれっとだもん。悩むがいいさ、若者よ」
貴音「もう……あなた様はいけずです……」
貴音ムズすぎワロタ
だがそれもまた魅力
乙
Entry ⇒ 2012.09.14 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
春香「冬馬くんって私の事好きなの?」
春香「好きなの?」
冬馬「な、なななななんで俺が、お、お前のこ、ことなんぅt」
春香「好きなんでしょ?」
冬馬「バッ、お、おま、すっすすすす、す、好きなわけね、ねぇだろぉ!? ババババッカじゃねぇの!?」
春香(カワイイ)
冬馬「バッ、だからおま……ち、ち、ちげーって!」
春香「じゃあ嫌い?」
冬馬「えっ」
春香「嫌いなんだ?」
冬馬「き、きき嫌いってわけじゃ……ねぇけどよ」
春香「じゃあ好き?」
冬馬「バッ、お、おま、すっすすすす、す、好きなわけね、ねぇだろぉ!? ババババッカじゃねぇの!?」
春香(カワイイ)
冬馬「えっ?」
春香「ん?」
冬馬「い、今なんt……い、いや! やっぱいい」
春香「んー?」
冬馬「な、なんだよ! か、顔近付けんじゃねぇ!」
春香(カワイイ)
春香「そこでばったり会ったから」
冬馬「だ、だったら別についてこなくてもいいだろ」
春香「まあ暇だったしね」
冬馬「そ……そうかよ」
春香「…………」
冬馬「……ッ……」
春香「…………」
冬馬「さ、さりげなく近寄ってくるんじゃねぇ!」
春香(カワイイ)
春香「え? なんで?」
冬馬「いや、だからお前、アイドルが……」
春香「アイドルが?」
冬馬「アイドルが、その、えっと……」
春香「ふんふん、それでそれで?」
冬馬「だから、その、男とふ、ふた、二人で……」
春香「二人で?」
冬馬「あ、あるっ、歩いてたりするとこを、その、見られたらだな……!」
春香「見られたら……か~ら~の?」
冬馬「だっ、だからっ、その……」
春香「ニヤニヤ」
冬馬「……カッ、カッ、カップルってやつに、み、みれらああああああもういい!!」
春香(カワイイ)
春香「……ふーん……」
冬馬「な、なんだよ」
春香「…………」
冬馬「……ぐっ……」
春香「…………」
冬馬「……おい、おまっ……」
春香「…………」
冬馬「う、上目遣いしながら寄ってくんな!! ていうかなんかいえよ!! あーもう!!」
春香(カワイイ)
春香「汗凄いね」
冬馬「おま、お前のせいだろ……」
春香「え? 私なんかした?」
冬馬「…………もういい」
春香「まあでも、確かに暑いね」
冬馬「えっ」
春香「ブラウスのボタンもうちょっと外そうかな」
冬馬「!」
春香「もちろん嘘だけど」
冬馬「……!」
春香「ニヤニヤ」
ピッ ゴトン ピッ ゴトン
冬馬「ほらよ」
春香「くれるの?」
冬馬「あ、暑いからな」
春香「ありがと!」
冬馬「……ッ、べ別にこんなの、れ、礼を言われるほどの事じゃn」
春香「冬馬くんは私のどういうところが好きなの?」
冬馬「ブフォッ!?」
春香「わあ! 大丈夫?」
冬馬「バッ、げほ、おま……バッカ、ごほっ、げほっ……い、いきなり何てことききやがる!?」
春香「いやあ、そろそろはっきりさせておいた方が良いかなと」
冬馬「意味わかんねぇよ!?」
春香「なんでそう意地を張るかな」
冬馬「は、張ってねーよ!」
春香「…………」ジー
冬馬「……ッ」
春香「…………」ジー
冬馬「……ぐっ……」
春香「…………」ジー
冬馬「……だあーもう!! だから無言で上目遣いで見るのをやめらっちゃられら!!」
春香(カワイイ)
春香「え、駄目だった?」
冬馬「え、いや、べ、別に……駄目じゃねぇけどよ」
春香「ていうか冬馬くんも、私の事下の名前で呼んでいいよ」
冬馬「えっ」
春香「?」
冬馬「お、俺は別に……いいよ」
春香「……あー、そっか」
冬馬「な、なんだよ」
春香「冬馬くんって、女の子を下の名前で呼んだことないんだ」
冬馬「!? な、なななわけねぇだろ!?」
春香「じゃあ呼んではい。はーるーか。はーるーか」
冬馬「あ、煽んじゃねぇよ!! っこ、心の準備くらいさせろ!!」
春香(カワイイ)
春香「冬馬くんの~ちょっといいとこ見てみたい!」
冬馬「だ、だから煽んな!! こっちは緊張してんだ!」
春香「あ、緊張してるんだ」
冬馬「? な、何だよ?」
春香「べっつにぃ~」
冬馬「なんかむかつくな……まあいいや、じゃ、じゃあ呼ぶぞ!」
春香「うん」
春香「…………」
冬馬「…………」
春香「…………」
冬馬「…………」
春香「…………」
冬馬「…………はr」
春香「あのさ」
冬馬「あっ」
春香「あ、ごめ……」
冬馬「…………」
春香「…………」
春香「だって冬馬くんがなかなか呼ばないから」
冬馬「今まさに呼ぶとこだっただろうが!」
春香「じゃあ早く呼んでよ」
冬馬「お、おう……呼ぶとも」
春香「…………」
冬馬「…………」
春香「…………」
冬馬「は……春香」
春香「何? 冬馬くん」
冬馬「え? いや……呼んだだけ、だけど……」
春香「………はぁ~」
冬馬「な、なんだよそのリアクション! お前が呼べって言ったんだろうが!!」
春香「まあそうですけどぉ~……はぁ~」
冬馬「ぐっ……」
冬馬「なんで俺が責められる流れになってんだよ……」
春香「で、まだ答え聞いてないんですけど?」
冬馬「あ? 何のだよ」
春香「冬馬くんは私のどういうところが好きなの? っていう質問の」
冬馬「ブッ! お、おまっ、バッ……!」
春香「ん?」
冬馬「だっ、だからそれそ、そそういうのは……」
春香「んー?」
冬馬「だ、だからそのっ……て、だからさりげなく顔を近付けてくんなああああもう!!」
春香(カワイイ)
冬馬「だからなんで俺が……」
春香「そんなしょうがない冬馬くんのために質問を変えてあげるよ」
冬馬「……なんでお前そんな上から目線なんだ……?」
春香「冬馬くんは私のどこがかわいいと思う?」
冬馬「えっ」
冬馬「顔」
春香「え」
冬馬「…………あ」
春香「…………っ」
冬馬「…………いや、えっと」
春香「…………」
冬馬「…………その」
春香「……か……」
冬馬「……か?」
冬馬「え!? ちょ、おい」
冬馬「…………」
冬馬「……行っちまった」
冬馬「……ったく、散々人を振り回しておいて……一体何様なんだっつーの」
冬馬「…………」
冬馬「……俺も帰るか」
冬馬(あーくそっ……なんか妙に落ち着かねぇ……)
冬馬(何であんなこと答えちまったかな……)
冬馬(大体あいつが答えを急かしやがるから……ん?)
ピロリロリ~ン♪
冬馬(……メール? ……北斗から? 一体なんだってんだ……)
ピッ
From:伊集院北斗
To:天ヶ瀬冬馬
チャオ☆
ついさっき、駅で765プロの天海春香ちゃんを見かけたよ!(o≧▽゚)o
彼女、なんかしらないけどすっごくイイ笑顔でスキップしてた☆(*´∀`)♪
機嫌よさげだったし、今アタックしたらオトせるかなあ~???
------------------------------------------------------------------------
冬馬「……あのバカ」
了
Entry ⇒ 2012.09.14 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
P「美希とイチャイチャ禁止令が出た」
P「何を?」
律子「デートがスキャンダルになったじゃないですか」
P「え」
律子「それにすら気付いてなかったんですか」
P「くそっ! 悪徳記者に尾行されてたのか!?」
律子「とにかく、これからは美希と場所をわきまえずにイチャイチャするのは禁止です」
P「……!!」
律子「そんな世界の終わりみたいな顔をしても駄目です」
P「律子は俺に死ねと!?」
律子「そんな大袈裟な」
美希「ハニー!」
だきっ
P「あんまりだよ……」ぎゅー
美希「どうしたの、ハニー?」すりすり
P「イチャイチャするの、禁止だって」
美希「……!!」
律子「それを止めなさいと言っているんです」
美希「そうなの!」
律子「まずは抱き合うのを止めなさい」
P「わかったよ…」
美希「はーい…」
P「あ、困った」
律子「はい?」
美希「磁石みたいに、くっついちゃったの」
律子「……」
P「それは困ったなぁ」
美希「ミキと一緒にいるの、困る?」
P「そんな訳ないだろ」なでなで
美希「えへへ…」
バシッ
P「いたっ!」
美希「あう…!」
律子「……だから、それを止めなさい」
律子「…?」
P「『イチャイチャ』の基準を決めようじゃないか」
律子「イチャイチャの基準ですか」
P「おはようとおやすみのキスはイチャイチャには含まれない」
律子「含まれます」
P「なんで!?」
美希「意義あり!」
美希「てへっ☆」
P「可愛いやつめ~」
美希「えへへ~」
律子「……とにかく、キスは駄目です」
P「なっ…!」
美希「そんな……」
律子「アイドルとプロデューサーがキスなんて論外です」
P「俺のライフワークを取り上げるなんて!」
美希「ミキ、寂しくて死んじゃうの!」
P「……は?」
美希「ちょっと何言ってるのかわからないの」
P「無視しろって言ってるようなもんだぞ!」
美希「ハニーに無視されたら…ミキ泣いちゃう」
P「こんな可愛い娘を泣かせる気か!?」
律子「……はぁ…」
P「まず朝にモーニングコール」
美希「一時間くらいおしゃべりするの」
P「事務所に着いたらおはようのキス」
美希「基本なの!」
P「その後は適当にくつろいで…」
美希「ハニーの膝の上は座り心地がいいの」
律子(頭痛くなってきた……)
美希「トーゼンだね!」
P「ね!」
P「そのあと、お疲れ様のキスをして」
美希「ハニーとちゅーすると疲れなんて消えちゃうの」
P「そして、俺の家に行って…」
美希「ハニーとハニーするの」
律子「……はい?」
P「美希とミキするんだ」
律子「訳がわからない」
美希「あーん、してるんだよ」
P「一緒にシャワーを浴びて」
美希「ハニーのハダカ…逞しいの」
P「家まで車で送って…」
美希「たまに車の中でハニーするの」
P「たまにミキしちゃう」
P「最後に、おやすみのキスをする」
美希「で、寝る前にハニーと電話でお話するの」
P「まあ、こんなもんかな」
律子「全部アウトです」
P「は?」
美希「それはおかしいと思うな!」
P「セーフしか無かっただろ!」
美希「そうなの!」
律子「え…私がおかしいんですか?」
P「うん」
美希「そうなの」
律子「健全?」
美希「そうなの」
律子「それなら…その、ミキとかハニーとかは何ですか?」
P「せ…」
律子「ストップ! ストーップ!!」
律子「それだけは絶対に駄目です!!」
P「えー」
美希「えー」
P「俺は男だ」
律子「え? あ、はい」
美希「ミキは女なの」
律子「そうね」
P「なら……なぁ?」
美希「ねー?」
律子「はぁ……もういいです」
P「律子の説得に成功したぞ!」
美希「やったね!」
P「それは駄目だ!」
美希「ミキ、それは良くないって思うな」
律子「何なんですか…もう」
美希「アイドルなの!」
律子「そうじゃないの!」
P「口調移った」
美希「あはっ」
律子「ぐっ……!」
律子「……」
律子(一度本気で殴っても許されるかしら…?)
P「アイドルである限り、美希との熱愛報道陣は避けたい」
律子「だったらイチャイチャしないで下さいよ」
美希「これはイチャイチャじゃなくてスキンシップなの」
P「パーフェクトコミュニケーション!」
律子(堂々巡りね……)
美希「ハニーとお家でハニーしないと」
P「そうだな」
P「いっぱいミキしような」
美希「うん!」
P「それじゃ、お疲れ様」
美希「なの」
バタン
律子「……」
律子「はぁ、ダーリンとダーリンしたいなぁ」
お前じゃねえ座ってろ
律子「…」
律子「貰い手なんていないわよ…」ぐすん
律子「ステキな出逢い、ないかなぁ?」
律子「今ならイチャイチャし放題ですよー……」
律子「はぁ…」
小鳥「イチャイチャし放題と聞いて!」
律子「わっ!?」
おわり
その時までさようなら
Entry ⇒ 2012.09.13 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
美希「大好きはにぃ♪」
P「ドア越しだから見えないよ美希」
美希「じゃあ開けて欲しいって思うな?」
P「Pやだって思うな」
美希「えー、どうして?」
P「美希だって何故か自分ん家の前でふるふるフューチャー☆歌ってる変な人居たら入れないだろ?」
美希「うんっ」
P「ちょっと自分の立場で考えてごらん?」
P「朝変な歌声で目が覚めたら自分の住所を知らないはずの自分のファンが家の前に居るんだよ」
美希「さすがのミキでもこわいの…」
P「だよね?だから帰ろうね」
美希「ヤ!」
P「この娘はもうっ」
P「ごめんな見てやれなくて」
美希「見たらきっとハニーきゅんきゅんってすると思うな」
P「そうだな俺きゅんきゅんし過ぎて体調悪くなるかもな」
美希「見て見てハニー♪」ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
P「こら美希インターホンを倍プッシュするな!」
美希「うんっはやくはやく~」
P「よおしじゃあPドアあけちゃうぞー」ガチャ
P「」バタン
美希「あれ、ハニーどうしちゃったのー?」
美希「うんっハニーの聞きたいこと何でも聞いて!」ガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
P「なんでウェディングドレスなんだい美希」
美希「ハニーのためなの!」ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
P「どうしよう会話のキャッチボールができない」
美希「ハニー開けて開けて」ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
P「俺ん家の前で嬉しいのはわかるけどドアガチャはやめて」
美希「えっとね、ミキとハニーってらぶらぶでしょ?」
P「うん、ちがうね」
美希「だからもう一緒に暮らすしかないなーって思ったの!」
P「俺にわかるような説明じゃないよねそれ」
美希「愛なの!」
P「アイドルはどうするんだ?俺との約束は?」
美希「前も言ったよ?ミキ欲張りだから全部ほしいの!」
P「今じゃなくてもいいと思わないか?」
美希「今すぐなの、もう待てない♪約束したよね?キスをちょうだい♪」
P「ふるふるフューチャー☆で返事すんな」
P「そりゃ安アパートにウェディングドレスは浮くわ」
美希「はやく入れてほしいな」カリカリ
P「家帰るっていうのはどうだろう」
美希「お家ここなの」
P「親泣くぞ」
P「…」
美希「寒くなってきたの」
P「あーもう」ガチャ
美希「あ、ハニー♪」
P「上着羽織れ、貸してやるから」
美希「入れてくれないの?」
P「うん、チラッとスタンガンみたいなの見えたからやめた」
P「ああ、そういえばこの間持たせたな」
美希「ね、入れて?」
P「しゃーないな」ガチャ
美希「えへへ、またハニーの顔見れたの♪」
P「ついでにお前俺ん家入ったとして何するわけ?」
美希「ハニーの赤ちゃ「」バタン
美希「ハニー開けてほしいの」カリカリ
P「それを実践していいのはオトナの人だけなんだぞ?」
美希「そうなの?ミキのクラスの子何人か知ってるみたいだったよ?」
P「やな時代だよ」
美希「ミキね、他の人はゼッタイヤだけどハニーとだったらやってみたい!」
P「成人男性としてお断りします」
美希「ミキ、ハニーとやりたい!」
P「こーら、女の子が大声でやりたいやりたいって言わないの」
P「いまどこから『でも』がでてきたんだ」
美希「恥ずかしがってミキにつれない態度とるけど、ミキのこととっても大事にしてくれるところ♪」
P「まあな」
美希「だからハニーの赤ちゃん欲しいけど今日は我慢するね?」
P「今日は?」
P「え、何いきなり」
美希「おしえて欲しいの」
P「それ聞いたら帰ってくれるのか?」
美希「ハニーの愛を感じたら考えるの」
P「うーん」
P「人なつこい可愛らしい笑顔も(担当アイドルとして)魅力的だし、飽きやすいところもあるけど頑張ると決めたらとことんがんばるところも(担当アイドルとして)美点だな」
P「後は何ごともマイペースにこなせるところも(担当アイドルとして)感心するし、何より一途に俺なんかを想ってくれるところが(担当アイドルとして)好きだよ」
P「うん担当アイドルとしてね」
美希「はやくいっしょになろ?ハニー♪」
P「帰ってくれんだよね?」
美希「愛がふたりを引き寄せるの!」
P「いや帰ってくれんだよね?」
P「いたいいたいドアに挟まっていたい」
美希「ハニー、ハニー」
P「ちょっと引っ張んないでください」
美希「えへへちゅっちゅっ♪」
P「助けて大家さんウェディング姿のストーカーがキスしてきまちゅっちゅっちゅぱ」
美希「えっ、今のまだ準備運動だよ?」
P「おっさん殺しな娘っ子だよっ」
美希「本番はねー、もうちょっと暗くなってからなの!」
P「へえ、ドア開けないけどな」
美希「もうっハニーの照れ屋っ♪」
P「せやな」
P「はしゃぎすぎるから」
美希「ハニーおにぎりたべたい」
P「悪い子には作ってあげない」
美希「おにぎり…」
P「ああもう、ちょっと待ってろ」
美希「あ、ハニーのおにぎりの匂い」
P「ほら食え」
美希「えへへ…ミキね、ハニーのことやっぱり大好き♪」
P「調子いいやつだなぁ」
P「良かった良かったこれで帰れるな」
美希「うんっはやく入れてほしいの!」
P「お前の家はここじゃないの」
美希「えー、ここミキとハニーの家だよ?」
P「俺だけの家な、さあ本当に帰んないとみんな心配するぞ?」
P「俺には美希が何言ってるかわかんないよ」
美希「ハニー、そろそろ暗くなるからお家いれて?」
P「お前を家に入れたら俺の貞操終わりかなって思ってる」
美希「でも将来的にはしなきゃいけないんだよ?」
P「なんで俺ら子作り確定みたいな話になってんの?」
P「大変だじゃあはやく帰らないと!」
美希「すぅ…はにぃ」
P「美希、寝てるのか?」
美希「すぅすぅ」
P「風邪引くぞ~」
美希「はにぃ…はにぃ…」
P「はぁ…しゃーない」
美希「はにぃ…すぅすぅ」
P「やばいなこれは、起きたら俺終わるな」
美希「んんっ…」
P「ファンが見たら大変なことになるなこの図」
P「まあ抱き枕にされてる時点でかなり終わってるんですけどね」
P「ぐう」
美希「あれ、ハニー?」
美希「寝ちゃってるの?」
美希「はにぃ♪」ぷにぷに
美希「むー、起きないとつまんないよハニー」
美希「ハニーがおいしそうだから舐めてたの~!」
P「おえっ」
美希「むー、ミキそんなにばっちくないって思うな」
P「誰だって顔中舐め回されたらやだろ」
美希「ハニーにならいいよ」
P「うんお前はそういう子だったな」
P「十年後も俺が好きだったら考えておいてやるよ」
美希「えーっ今じゃだめなの?」
P「うんダメ」
美希「ミキ、絶対ハニーのことキライにならないよ?」
P「じゃあ待てるだろ」
美希「ドレス…着てきたのに」
P「…」
美希「ほんと…?」
P「うん、十年後が楽しみだ」
美希「えへへ、ハニーがそう言ってくれただけで満足なの!」
P「ほんと調子いいやつだなぁ、まあ今日は遅いから泊まってけよ」
美希「わあい!ハニー大好きなの~♪」
P「ははは、夜這い禁止な」
美希「えへへ楽しそう…ミキの夢かなぁ」
美希「あっダメだよ、パパは今寝てるの!」
美希「ハニーが何時の、どんな願望を見てるのか今のミキにはわからないけど」
美希「はやく戻ってきてねハニー」
「幸せな現実に」
何故か最後の台詞からホラー臭がwwww
乙
Entry ⇒ 2012.09.13 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
伊織「あんた、自分にいくらまでなら出せる?」
伊織「だからあんたがいくらかって聞いてんの」
P「いくらって何だ」
伊織「値段」
P「値段?何の」
伊織「だからあんたのよ」
伊織「そう」
P「ちなみになんでそんなん聞くの」
伊織「買うために決まってるでしょ?」
P「ちょっと意味が分からない」
伊織「あんたが欲しいから買いたいって言ってんでしょ!」
伊織「言ってみなさいよ」
P「人の生命、プライスレス。買えるものは水瀬カードで」
P「人はねぇ、お金で買えない価値があるんだよ伊織?」
伊織「ふーん、で早く値段言いなさいよ。一億?二億?」
P「ねえ聞いてた俺の話?」
P「不満だらけですけど」
伊織「今の家より更に大きな居住空間を用意するわ」
P「確実に持て余すなそれ」
伊織「あんたは働かず、ただ遊んでればいい。これでどう?」
P「お前ん中の俺は喜々としてヒモになるような男なのか」
P「何でだよ」
伊織「あんたを独り占めするからに決まってるでしょ。にひひ、いい考えだわ」
P「俺のプロデューサー生活に生き甲斐持ってるんでお断りします」
伊織「それだけは無理ね」
P「じゃあ交渉決裂ね、はい終わり。はよ仕事行け」
P「え、ごめんきいてなかった」
伊織「あんたにだけなんだからね…?」
P「お前何ひとりで照れてんの?」
伊織「うっさいわね今あんたに誓いのキスするとこなんだから邪魔しないでよ!」
P「こいつ妄想結婚式してやがる…早く、早くなんとかしないと」
P「安心しろ俺はいつでもプライスレスだ」
伊織「なんだタダなの」
P「値段つけられないくらい高いの」
伊織「じゃあローン組むわ。あたしの人生全部使うっていうのはどう?」
P「あのさあ…」
伊織「あんたに値段が無いならあたしにだって値段ないんだから」
P「そういう問題じゃないよね」
伊織「ならどういう問題よ」
P「人を金で買おうってのがまずおかしいだろ」
伊織「どうしても欲しいんだから仕方ないじゃない」
伊織「まず好きなだけあんたに甘えるわ」
伊織「それであたしに甘えたいときは徹底的に甘やかすの」
伊織「あと一日中くっついてたいし、して欲しいときにチュッてさせる」
伊織「それからあんたの欲しいものも何だってあげて」
伊織「その代わりあんたはあたしとずっと一緒なのよ」
P「おえっ砂糖吐きそう」
P「なになに?一日イチャイチャは三十分おき、チュウは一分まで?」
伊織「そうっ♪」
P「いやドヤ顔されてもわからん」
伊織「はあ?あんたのためにイチャイチャの時間にインターバル作ってあげたんでしょ!?しっかりしなさいよ」
P「何で俺が悪いみたいになってるのか」
P「だろ?伊織もこんな男好きにならないようにな」
伊織「もう遅いしそういうとこもひっくるめて愛してるんじゃないバカなのプロデューサー?」
P「おかしいなあお前の言葉から愛を感じないよ」
伊織「なんですってぇ!」
P「ただのスイミン不足だな」
伊織「あんたのシャツが落ちてたら拾って帰るくらいなんだから!」
P「この失踪したシャツはお前が犯人か」
伊織「いっつもあんたの飲み終わりのペットボトル回収してるんだからっ!」
P「きたね」
伊織「もうあんたの家にカメラ隠すとこもないしっ!」
P「もうやだこの変態」
P「あんたがいい加減にしなさいよ」
伊織「なんであんたはあたしのものにならないわけ?」
P「自由恋愛って知ってる?」
伊織「知ってるわよバカにしないでよね!」
P「あ、知ってたんだ」
伊織「ただあんたが他の人間を見ないであたしの一番近くにいて」
伊織「いっぱいいっぱいラブラブして誰にも邪魔されないで」
伊織「あたしと赤ちゃんを作って家族みんなで静かに暮らしたいだけなのっ」
P「無茶いうなよ」
P「なぜ買われる前提なのか」
伊織「あ、赤ちゃんができるための…をしてくれる度に百万円のボーナスはどう?」
P「金のために中田氏とか世も末だな」
伊織「お金はあたしからの感謝の気持ちを表している記号に過ぎないわ。あたしたちには愛があるじゃない」
P「たちって伊織と誰を指してるんですかね」
伊織「何よ」
P「人を人が金で買う自体おかしいんだよ」
伊織「じゃあどうすればいいの?」
P「自力で俺を振り向かせる」
伊織「あんた振り向かないじゃない」
P「まだ伊織の頑張りが足りないからだな」
P「うん」
伊織「じゃあ逆は?」
P「うん?」
伊織「わたしがあんたにわたしを売る」
P「いりません」
伊織「あんたが払う必要ないわよ。買ってくれたら全財産あげるわ」
P「おや鍵が開いている」
P「伊織か」
伊織「お帰りなさい」
P「部屋が札束で埋まってますけど」
伊織「これお代ね」
P「マイナスいくらだよこれ」
伊織「さあ?わたしの全財産よ」
P「じゃあ出てこうか」
伊織「褒めてんのよ、いっぱいくっつけるじゃない」
P「いやです」
伊織「その要望は聞けないわ」
P「所有物に意見を言われる俺」
P「結局俺んちに泊まりやがった」
伊織「いいじゃない別に、これからの日常なんだから」
P「返品したいです」
伊織「無理」
P「お金払いますから」
伊織「ふうんそう、じゃあ倍額で返金しなさいね」
P「ごめんなさい無理です」
P「いや」
伊織「これじゃ家庭内別居じゃない」
P「お前の家庭内別居の基準は五分単位なのか」
伊織「いいから早く出てくっつかせて」
P「トイレくらいゆっくりさせて」
P「はい」
伊織「なんで怒ってるかわかるかしら」
P「全然わかりません」
伊織「あんたわたしに隠れてこんなとこに泊まってたのね」
P「そもそもお前と同居してないから隠れてるつもり無かったんだけどね」
伊織「早く帰るわよ」
P「ホテル代勿体無いからやだ」
P「いやです」
伊織「このホテルの持ち主の命令なんだけど」
P「仰る意味がよくわかりませんが」
伊織「買い取ったの、あんたが居たから」
P「あれ、家にある金は俺のなんだよね?」
伊織「あんたわたしのこと買ってないんでしょ?あれはまだわたしのお金よ」
P「ああ、そうか」
P「いいこと考えた。ここに伊織が住む、俺が家に帰る」
伊織「意味ないじゃないそれ」
P「仰る通りです」
伊織「早くオトナのキスしなさいよね」
P「仕方ないなぁ」
伊織「…楽しみにしてるんだけど」
伊織「ちょっと聞いてんの!」
伊織「あれ?またトイレ?」
伊織「なんだまた逃げたの」
P「家に鍵かけてるだけだし」
伊織「開けなさいよ、開けないと酷いわよ」
P「今度は家の鍵でも買うか?売らないけど」
伊織「ちょっと待ってなさい」
伊織「ただいま、大家の伊織ちゃんよ♪」がちゃ
P「」
P「えっ事務所」
伊織「何しに?」
P「何って仕事」
伊織「はあ?あんたの仕事はわたしとイチャイチャすることでしょ?」
P「ははっ大丈夫かお前」
P「めんどくさい大家だなあ」
伊織「今日の家賃払いなさいよ」
P「隣の人の家賃徴収してこい、きっと大喜びだぞ」
伊織「ここもうあんた以外住んでないわよ?」
P「え」
P「しゃーないな」
伊織「やっぱりあんたの膝の上は最高ね」
P「今日は一日中外出してたな?何やってた」
伊織「にひひ、ちょっとね」
P「ちょっとなんだよ」
P「よし、早く事務所に行って社会復帰しないと」
P「あれ?開かない」
伊織「それ、溶接されてるからもう開かないわよ?」
P「!?」
伊織「ああ、ご飯とかは大丈夫。ここの小窓から業者が入れてくれるから」
伊織「耐震防火防浸水改築済みよ」
P「逃げることは出来ないのね」
伊織「周りが廃墟になってもこのアパートだけ建ってるくらいの性能よ?これでダメなら諦めてちょうだい」
P「ハイテクな牢獄だね」
P「なんかもうどうでもいいや」
伊織「最初からそうすれば良かったのよ」
P「わかったわかった早く甘えろよ」
伊織「うんっ」
P「さよなら俺の人生」
Entry ⇒ 2012.09.12 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
小鳥「小鳥と雛」
小鳥「ふわぁ……休みだからって寝過ぎたかしら……」
小鳥「今日は何しようかなぁ……買い物に行こうか、家でゴロゴロしようか」
小鳥「……ゴロゴロしよう」
小鳥(なんか年々、外出する気力が衰えてる気がする……マズいわ)
小鳥「……とにかく陽の光を浴びましょう。脱・引きこもり!」
ガラガラ
小鳥(あら? ベランダに何か……)ヒョイ
小鳥「卵……?」
小鳥(親どころか、それらしき巣も見当たらない)
小鳥「うーん……傷も無くて無事みたいだし、ほっとくわけにもいかないわね……」
小鳥「」キョロキョロ
小鳥(親鳥さん、もしいたらごめんなさい!)
小鳥「……っていうかこれ、本当に本物の卵なのかしら?」
小鳥「それに、勝手に鳥って決めつけてたけど、蛇とかトカゲって可能性も……」
小鳥「うーん……」
響「それで、自分のとこに来たと」
小鳥「ごめんね、響ちゃん。他に頼れる人が居なくって……」
響「別にいいよ。今日、予定なかったし」
響「で、これなんだけど、雀の卵だと思うぞ」
小鳥「あ、やっぱり?」
響「これ、孵したいのか? …………見たところ、不可能じゃないけど難しいと思う」
小鳥「……できれば」
響「っていってもなぁ……さすがの自分も孵卵器は持ってないし、そもそも野鳥を拾ったときには鳥獣保護法で届け出が……でもこの際そんなこと言ってる場合じゃないかぁ……」ブツブツ
小鳥(な、なんか響ちゃんが賢く見える!)
小鳥「?」
響「すぐ戻るー。卵、冷やしちゃダメだぞ」
小鳥「わ、わかったわ」ギュッ
…………
響「お待たせ。はいこれ」
小鳥「? 何これ?」
響「即席の孵卵器。発泡スチロールに電気あんか入れただけだけどね」
小鳥「お、おお……」
小鳥(な、なんか響ちゃんが頼もしく見える!)
響「じゃあ、これから小鳥と小鳥のための『卵の孵し方講座』、始めるぞ」
小鳥「お願いします!」
響「まず、さっき渡した孵卵器で卵を温めるわけだけど、そのとき注意することは三つ……温度、湿度、酸素だ」
小鳥「ふむふむ」
響「温度は38度を保つように。湿度は適度、って感じなんだけど、それは発泡スチロールの中に水の入ったコップとか濡れタオルを入れておけば大丈夫だぞ」
響「あ、電気あんかが濡れて火事にならないように注意はしてね」
小鳥「はい!」メモメモ
響「で、温度と湿度を保つために蓋をするんだけど……そのとき空気穴を開けなきゃダメだぞ。卵も生き物だからな」
小鳥「……ごくり」
響「『転卵』っていって、2~3時間に一回は卵を転がしてあげないといけないんだ」
小鳥「2~3時間に一回……」
響「当然、夜も定期的に起きなきゃダメだぞ。……ピヨ子、できるか?」
響「まあ……今じゃ自動転卵機なんてものもあるけど……」
小鳥「大丈夫。やってみせるわ」
響「……なんか、やけに気合い入ってるんだな。そんなに孵したいのか?」
小鳥「うん、なんとなくだけど……ほっとけないから……」
響「うーん、2週間から3週間ってとこかな?」
小鳥「そう、じゃあやっぱり……もしかしたら……」
響「?」
小鳥「な、なんでもないわ。それじゃ、ありがとうね」
響「あ、うん。また何かあったらいつでも相談に乗るぞ! 自分、こんなときしかピヨ子の役に立てないからな」
小鳥「ひ、響ちゃーん! ちょっとあなた良い子すぎるわー!」グスッ
響「ほ、ほら、泣いてないで! 頑張るんだぞ!」
小鳥「うん! じゃあ、またね!」
ガチャ バタン
響「………」
響「ごめん、ピヨ子……自分、全然良い子なんかじゃないぞ……」
その夜
小鳥「さて、いっちょがんばりますか!」
小鳥「」ジー
卵「…………」
小鳥「……眺めてても仕方ないか。TVでも観ましょう」ピッ
小鳥「お、真ちゃんが出てる。そっか、今日放送日だったっけ」
観客『キャー! カッコイイー! マコトサマー!』
真『あ、あはは……どうも』
小鳥「また"こういう"番組なのね。プロデューサー、この後文句言われたんだろうなぁ」クスクス
小鳥「さてと……」カシュッ
小鳥「…………」
小鳥「何ビール開けてんの私ぃぃぃ!」
小鳥「……っぷはぁ!」
小鳥「…………何飲んでんの私ぃぃぃ!」
小鳥「落ち着くのよ小鳥。これしきで私の意志は揺るがない!」
…………
小鳥「」ウトウト
小鳥「はっ! ダメよ小鳥! 小鳥の命がかかってるの!」
小鳥「……でも、ちょっとだけ仮眠を」
小鳥「今は11時過ぎだから……1時くらいに起きれば……」
小鳥「だいじょ…ぶ……」
小鳥「すぅ……すぅ……」
小鳥「うーん……むにゃ……」
小鳥「……はっ! い、今何時!?」ガタガタッ
小鳥「……い、1時……」
小鳥「勝った……!」
小鳥「…………ぐぅ」
小鳥「って寝たら意味ないでしょぉぉぉ!」
翌日 765プロ
響「初日からそれじゃ、先が思いやられるぞ……はぁ」
小鳥「面目ない……」グッタリ
響「でもその様子だとちゃんと頑張ったみたいだな」
小鳥「はい、頑張りました……」
響「……ちょっと寝た方がいいんじゃないか?」
小鳥「はい、ちょっと寝た方がいいと思います……」
響(大丈夫かな……)
P「おはようございます」
響「はいさーい、プロデューサー」
P「おはよう、響。……? 音無さん、どうかしたのか?」
響「起こさないであげてくれ。死ぬほど疲れてる」
P「お、おう。何かあったのか?」
響「んー、育児疲れ……かな」
P「!?」
響「まあまだ生まれてすらいないけどね」
P「!!??」
小鳥「……ふぁっ!? し、しまった! がっつり寝ちゃった!」
小鳥「どどどどうしよう!」
P「おはようございます」
小鳥「お、おはようございます! 仕事中に大変失礼しました!」
P「いえ、疲れてるみたいだし、構いませんよ。……そうだ、響からこれを預かってます」
小鳥「? メモ?」
ーー9時と11時にコロコロしておきました。響
小鳥「」グスッ グスッ
P「な、何泣いてるんですか?」
小鳥「い、いえ……一家に一人響ちゃんの時代かと思って……」グスッ
P「?」
小鳥「?」ゴシゴシ
P「もし本当なら、産休とか頼んだ方がいいんじゃないですか?」ボソボソ
小鳥「……サンキュー?」
P「とにかく、今日の分の事務は終わらせておいたのでゆっくりしててください」
小鳥「早っ! まだお昼ですよ!?」
P「今後も無理は控えてくださいね? 手伝えることは極力手伝いますから」
小鳥「は、はい……」
小鳥(仕事と子育て(?)、両立してみせる!)
二日目
小鳥「おはようございます!」
やよい「小鳥さん、おはようございまーす!」
五日目
小鳥「おはようございます」
亜美真美「おっはよー、ピヨちゃん!」
十日目
小鳥「おはようございます……」
千早「おはようございます、音無さん。あの、顔色が………」
小鳥「おはよ……ございま……」フラフラ
響「みるみる弱っていってるじゃないか、ピヨ子……」
P「今更だが、育児どうこうっていうのは鳥の卵のことだったんだな。てっきり小鳥さんが妊娠したもんだと……」
響「相手もいないのに?」
P「それ以上いけない」
P(何人かに言いふらしちゃったことは黙っておこう)
小鳥「響ちゃん……プロデューサーさん……ごめんなさい。音無小鳥、そろそろ限界です……」
P「は、はい。ソファで横になっていいですよ」
小鳥「……」ドサッ
響「泥のように眠り始めたぞ……」
小鳥「ごめんね、響ちゃん……家まで泊まりに来てもらっちゃって」
響「乗りかかった船、ってやつだぞ」
小鳥「そういえば響ちゃんのペットたちは大丈夫なの?」
響「みんな大人しいし、餌の場所はハム蔵といぬ美が知ってるから大丈夫だよ」
小鳥「? ハム蔵といぬ美がみんなに餌をあげるってこと?」
響「うん。自分が留守の時はどっちかに頼んでるんだ」
小鳥(常々思ってたけど、響ちゃんのペットって何者なの? いやペットなんだけど)
響「だーめ! そんな元気なら自分来なくてよかったんじゃないか? っていうかこの前もお酒飲んで失敗しかけたんでしょ?」
小鳥「そんな殺生な!」
小鳥「休みの前! しかも明日は誕生日! そんな日に飲まずしていつ飲むの!?」
響「……ちょっとだけだぞ」
小鳥「ありがとうございます!」
響「言っとくけど、自分はジュースだからな」
小鳥「うーん……小鳥が一羽……小鳥が二羽……」ウトウト
響「なあ、自分がいるからって油断してないか?」
小鳥「それだけ響ちゃんのことを信頼してるのよ。言わせないで恥ずかしい」キリッ
響「うっ……ま、まあ、自分完璧だからな! もっと頼ってくれて構わないぞ!」
小鳥「……ちょろい」
響「聞こえてるぞ!」
小鳥「あ、日付変わった」
響「誕生日おめでとー、ピヨ子」
小鳥「……また一つ年を取ってしまった……」ズズズ...
響「暗くなり過ぎだろ! 今夜たるき亭で誕生会なんだから、そんな顔してたらみんな悲しむぞ?」
小鳥「♪誕生日を迎える度に 何を祝うのかずっと謎だった……」
響「いいから! そういうこと考えなくて!」
小鳥「♪見えなくなってしまったものは 二度と帰らないと知ったとき……」
響「続きを歌うな!」
響「……ね、ねえピヨ子」
小鳥「?」
響「実は自分、ピヨ子に謝らなくちゃいけないことが……」
小鳥「ん……?」ゴシゴシ
響「本当に今更なんだけど……って、聞いてる?」
小鳥「今、卵動かなかった?」
響「……見間違いじゃないのか?」
ピシッ
小鳥響「!?」
小鳥「何これ!? 生まれるの? 生まれそうなの!?」
響「う、嘘……そんなまさか……!」
シーン
小鳥「あ、あれ? 止まっちゃった?」
響「触っちゃダメだぞ! 今……きっと頑張ってるんだ……」
小鳥「かれこれ2時間経つわ……」
響「でも地道にだけど、殻は破ってるぞ……」
ピシピシッ
小鳥「よしっ! そこだ! いっけぇぇぇ!」
響「ピヨ子うるさい!」
パキッ
小鳥「で……」
響「出た……」
いいぞもっとやれ
いいからさっさと書けw
小鳥「な、鳴いた! 今鳴いたわ!」
響「まだ目も開いてないのに、早すぎないか……?」
小鳥「細かいことはいいのよ! 宴よ! 酒持ってこんかい!」グビグビ
響「うおぉぉい! 飲み過ぎだぞ!」
シーン
小鳥「ね、ねえ、鳴いたっきり動かないけど、大丈夫かしら?」
響「……ま、まだ触っちゃダメだ」
響「…………」
小鳥「ね、ねえ、響ちゃん……」
響「やっぱり……」
小鳥「え?」
響「……ごめん、ピヨ子。自分、ピヨ子に謝らなくちゃいけないんだ」
響「その前に……」スッ
小鳥「あ……」
響「この子、ちゃんと弔ってあげないと……」
小鳥「……響ちゃんは、わかってたの?」
響「……わかってたっていうと嘘になる」
響「あの子は生まれてくることもできないと思ってた」
小鳥「……」
響「卵、ベランダに落ちてたんでしょ? いや、 置かれてたのかな」
小鳥「置かれてた……?」
響「親鳥はね、『この卵はダメだ』って判断すると巣から離す習性があるんだ。大抵は巣からたたき落とすだけなんだけど、時々自分で遠くに運ぶ親鳥もいる」
響「仕方ないことなんだよ。ほっておけば、他の元気な子に悪い影響がでちゃうかもしれない」
響「現に自分が卵を見たときはもう……」
小鳥「……それが謝らなくちゃいけないこと、なの?」
響「うん……言い出せなくて、ごめん……」
小鳥「謝る事じゃないわ。むしろ響ちゃんには色々と感謝しなきゃいけないもの」
小鳥「……全然、そんなことないわ」
響「あの子、最期に鳴いたでしょ? それだってあり得ないことなんだ。卵から出てのどができあがるまで、少し時間がかかるはずなんだよ」
響「きっと、ありったけの力を振り絞って殻を破って……最期の力を振り絞って小鳥に伝えたんだ」
響「ありがとう、って」
小鳥「……きっと、そうなのね。響ちゃんがそういうなら」
小鳥「もう、何で響ちゃんが泣くのよ」
響「だって……」
小鳥「貴重な体験、させてもらったわ」
小鳥「誕生日おめでとう、雛。短い間だったけど、ありがとう」
響「……?」グスッ
小鳥「ふふっ、あの子につけようと思ってた名前。小鳥と雛でお揃いでしょ? ちょっと期待してたとはいえ、まさか誕生日までお揃いになるとはね」
響「良い、名前だな……ハム蔵と同じくらい」
小鳥「……微妙な褒め方ね」
響「き、聞こえてるからな!?」
一同「誕生日おめでとー!」パチパチパチ
小鳥「ありがとー!」
真美「それでピヨちゃん、今年何さ……」
小鳥「小川さーん、とりあえず生お願いしまーす!」
亜美(逃げた……)
真(逃げた……)
小鳥「ほ、ホントだ! 嬉しいなー!」
伊織(露骨に話題を逸らしたわね……)
小鳥「? あら、これは……」
小鳥(手編みの、鳥のぬいぐるみ……)チラッ
響「」ソワソワ
小鳥(……ありがとう、響ちゃん)ニコッ
響「!」パァァァ
P「お、おい。確かにそうだが、一応適度に頼むぞ……」
社長「まあまあ、無礼講といこうじゃないか。時に君……」
P「?」
社長「私は今日、財布を忘れてしまってね。いや失敗失敗!」
P「しゃ、社長ぉぉぉ!」
アハハハハ ガンバレプロデューサー!
小鳥「あはは……ん?」
あずさ「? どうしたんですか、小鳥さん?」
小鳥「いえ、プレゼントは非常にありがたいんですが……」
小鳥「このマタニティーグッズの山は何の冗談ですか?」
一同「えっ」
終わり
一日遅れでごめんねピヨちゃん
いい響も見れたし、すごくよかったー
ひびきんが完璧可愛くて良かった
響が動物博士になったけど、まあ多少はね
Entry ⇒ 2012.09.12 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
美希「突撃!ハニーの晩ごはん!」
P「なのじゃないが」
P「なにかあったのかと思ってヒヤヒヤしたんだぞ?」
美希「……」
P「まさか、本当になにかあったのか?」
美希「……実はね、最近ちょっと悩み事があるんだ」
P「そうか」
P「きっと力になってみせるよ。よかったら話してみてくれ」キリッ
美希「……最近、」
P「うん」
P「」
美希「ねえハニー? 寂しさ、埋・め・て?」チラッ
P「……こいつ」ビシッ
美希「あうっ! い、痛い!」
P「大人をあんまりからかうな」
P「まったく心配して損した……」
美希「ご、ごめんなさい……」シュン
P「……はぁ」
美希「……うう」
P「ああ、もう」
P「分かった、分かった。あがってけ、あがってけよ」
美希「えっ」
美希「 い、いいの!?」
P「ただし出した物に文句をいったら即追い出す」
美希「それでもいいの! わーい! ハニーのお家!」
P「……素直なんだか素直じゃないんだか」
美希「意外と綺麗なんだね」
P「物が少ないんだよ。最近は家より事務所の方に長くいるし」
美希「へえー……」
P「あんまり眺めないでくれ。なんだかすごく恥ずかしい」
美希「だってすごく嬉しいんだもん! ハニーのお家にお邪魔するのって、ミキが初めてでしょ?」
P「まあ、そうかな」
美希「えへへ」
P「……」
P「はい。今日の我が家の晩ごはん」
美希「……冷凍ピラフにインスタントのスープ」
P「仕方ないだろ、なんの材料もないんだから」
美希「わー、おいしそうなのー(棒)」
P「大いに結構」
P「あんまりひっつくなよ。食いづらいじゃないか」
美希「他の誰もいないから、気にする必要ないと思うな」
P「そういう問題じゃなくて……」
美希「それにひとつのお皿を突つくんだから近づいちゃうのは自然なことなの!」
美希「~♪」パクパク
P「うまそうに食べてるけど、それ冷凍食品だからな?」
美希「ハニーと一緒に食べればこそなの」
P「……あ、そう」パクパク
美希「ハニーったら照れてるの?」
P「どうした? 最後の一口とにらめっこして」
美希「これを食べたら、晩ごはんは終わり」
美希「そしたら、もう帰らないといけなくなるの……」
美希「むむ~……」
P「……」
P「……」パク
美希「あー!?」
美希「ひ、ひどいよ……」
美希「久しぶりにハニーとたくさんお話できると思ったのに……」
P「……あー、ピラフ半人前は物足りないなー!」
P「どっかに食べ直しに行こうかなー!」
美希「!」
美希「ミ、ミキも行く!」
765プロ 事務所
亜美「じゃあミキミキは兄ちゃんの家でごはん食べたの?」
美希「そのあとお出かけにも連れてってくれたの! すごく楽しかったよ」
真「プロデューサーの部屋かあ。なんだか汚そう」ハハハ
美希「そんなことなかったよ! むしろ綺麗な方なの」
春香「へ、へぇ〜」
アイドル達(……羨ましい)
P宅 玄関前
P「あれ? 千早?」
千早「プロデューサー……」
P「俺の家の前でどうしたんだ?」
千早「えっと、それは……」
千早「……」ゴクリ
P「?」
千早「と、突撃! ハニーの晩ごはんっ!」ガ-
千早「ですっ!」
P「」
千早「……」
千早「!?」
P「エフッ、エフッ」
P「アハハハハハハハハ!!!」
千早「な、なんですかそのバカ笑いは」
P「いや、だってさ、千早がハニーって……似合わなすぎ」プ-クスクス
千早「が、頑張ったんです! 笑わないでください!」
P「悪かった、悪かった」
P「にしても、なんで美希みたいな真似を? 流行ってるのか?」
千早「……///」
P「えっ」
P「……マジか」
千早「い、いけませんか!?」
千早「ちょっと前まではレッスンに付きっきりだったのに、最近は他の子とばっかりで……」
千早「私、嫌われたんじゃないかと……」
P「そんなわけないだろう」
P「レッスンに顔を出さないのは、千早を信頼してるからであって」
千早「……本当は私の口うるさいのが面倒になったんじゃないんですか?」
P「……」
千早「……」
千早「……」ジー
P「さて千早! お腹も空いただろう! 俺が作ってやるから、ゆっくりしていきなさい!」
千早「……ふふっ。お邪魔します」
P「千早は普段料理とかは?」
千早「毎日してます。最近は創作料理にも……」
P「嘘はいけない」
千早「ごめんなさい」シュン
P「ははは、まあゆっくりしててくれ」
千早「……はい」
P(あんまり凝った料理でなくてもいいよな)
P(……ひき肉買っておいてよかった)
千早「なにを作るんですか?」
P「うわっ!? 急に後ろに立つな!」
千早「ごめんなさい。どうしても落ち着かなくて」
P「んー……」
千早「……」ジ-ッ
P「……一緒に作ろうか」
千早「はい!」
P「じゃあ玉ねぎを切ってくれ」
千早「はい!」
P「いい笑顔だけど使い方はこうな」ピトッ
千早「は、はい……///」
765プロ 事務所
やよい「千早さんはプロデューサーと一緒にごはんを作って食べたんですかー」
千早「ええ、包丁の使い方を教えてもらったわ」
小鳥「プロデューサーさんの料理ねえ……」
千早「とても美味しかったですよ?」
千早「メニューがハンバーグっていうのは、子ども扱いされてるみたいで癪でしたけど……」
真美「へ、へぇ〜」
アイドル達(羨ましい)
あずさ「突撃! ハニーの晩ごは~ん」
あずさ「ハニーって呼ぶの、なんだか照れますね」
P「……あの、あずささん」
あずさ「はい。なんですか? ……ハニー?」
P「……ここ、スーパーです」
あずさ「あらあら」
あずさ「なんででしょう? 美希ちゃんに地図を書いてもらったはずなのに……」
P「地図って……。まさかあずささんまでウチにくる気だったんですか?」
あずさ「はい~。なんだかみんなの話を聞いてたら羨ましくなっちゃって……」
P「うーん……」
あずさ「ダメ、ですか……?」ウルウル
P「ぐっ……」
あずさ「プロデューサーさんに晩ごはん食べてもらいたくて、もう材料も買っちゃったのに……」ガサッ
P「ぐぬぬぬぬ……」
P宅
あずさ「お邪魔しま〜す」
P(俺って甘いよなあ……)
あずさ「じゃあお料理してるので、待っててくださいね?」
あずさ「ハニー♪」ボソッ
P「」ズキュ-ン
あずさ「そ~らに♪ そびえる♪ くろがねのしろ~♪」
P(台所から見えるあずささんの後姿……)
P(……いかんいかん)
あずさ「はい、召し上がれ」
P「い、いただきます」
P(随分と本格的だなあ)
P「ん、うまい」
あずさ「本当ですか? 嬉しいです」
P「いや本当、俺なんかが作るより何倍もうまいです」ガツガツ
あずさ「あらあらうふふ」
あずさ「おかわりもありますよ?」
P「……」
あずさ「プロデューサーさん?」
P「いいですね、こういうの。すごく癒されます」ニコッ
あずさ「」ズキュ-ン
765プロ 事務所
伊織「じゃああずさはあいつに手料理をふるまったわけ?」
あずさ「何度もおかわりしてくれるからうれしかったわ~」
亜美「材料も一緒に買ったの?」
あずさ「そうよ~。ひとつの袋を二人で持つのって、なんだか手を繋いでるみたいでちょっと恥ずかしかったけど///」
律子「へ、へぇ~」
アイドル達(羨ましい……)
P宅
P「今日は誰もこないみたいだな……」
貴音「そのようですね」
P「今日はひさしぶりにゆっくり飯を食えそうだ……」
貴音「皆と食事を共にするのが嫌なのですか?」
P「いやあ、みんなと食べるのも楽しくて好きだぞ?」
P「けど、こう連続するとなあ」
貴音「そうでしたか……。どうやら都合が悪い時に訪ねてしまったようですね」
貴音「……」
貴音「日を改めたほうがよろしかったですか?」
P「いや、もう俺はなにも言わないよ……」
貴音「そうですか、では遠慮なく……」
貴音「突撃!はにいの晩ごはん!」
貴音「……」
P「さーて今日はなにを食べようかな……」
貴音「なにか反応がないと寂しいのですが……」
P「うーん。冷蔵庫にはなんにもないしなあ。冷食も切らしてる」
貴音「あなた様ー?」
P「出前か外食かなあ」
貴音(お困りのご様子……)
貴音「!」
P「ん?」
P「!?」
P(何時の間にテーブルに岡持が……)
貴音「味噌に醤油に、豚骨、しお、なんでもござれです」ガバッ
P「……余った分は?」
貴音「わたくしがいただきます」ニコッ
P「……ズズッ」
貴音「……ズズズッ」
P「まさかの月見ラーメンか……」
貴音「趣があってよろしいではございませんか」
P「うーん……」
貴音「ズズズッ……」
P「ま、いっか。……ズズイッ」
貴音「……」
貴音「ズッズッ、ズズズズッ」
(訳・月が綺麗ですね、あなた様)
P「貴音うるさい」
貴音「……いけずです」
765プロ 事務所
響「貴音はプロデューサーと一緒にラーメンを食べたのかー」
貴音「月見らあめんです。楽しい一夜になりました」
雪歩「月見ラーメンですか……。と、とっても素敵です」
貴音「そうでしょう、そうでしょう」
アイドル達(あんまり羨ましくない……)
貴音「なんと面妖な……」
ちょっと風呂入ってきます
どうか保守を!
次のアイドル
>>+2
某スーパー
P「うーん、肉は我慢かなあ」
P「でも野菜ばっかりといのも味気ない……」
P(肉、野菜、肉、野菜)
P(うーん、ダメだなにも思いつかない)
P「……お? 特売?」
『特売!もやし』
P(なるほど、もやし。そういうのもあるのか……)
P「ってラスト一袋か。早足で急ごう」
ガッ!
P「おっ?」
やよい「はわっ」
P「やよいかあ、奇遇じゃないか」
やよい「うっうー!プロデューサー! こんばんは!」
P「こんばんは」
やよい「プロデューサーもお買い物ですか?」
P「そう。晩御飯のね」
P「このもやしを買えば事足りるんだけど……」
やよい「ううー……」
P「うーん。まさかやよいと取り合いになる日が来るとは」
P「うーん、困ったな」
やよい「ご、ごめんなさい……」
やよい「プロデューサーには普段からお世話になってるから、このもやしは譲ります!」
P「ん、いいのか?」
やよい「はい……!」
P「……」ジッ
やよい「……うっう」
P「……やっぱ今日は豆腐の気分かな」
やよい「えっ」
P「もやしはやっぱりやよいが持っていってくれよ」
やよい「あ、ありがとうございます!」
P(その日の晩ご飯は野菜丼でした)
後日
765プロ 事務所
P(うう、徹夜明けの朝はつらい)
やよい「プロデューサー? なんだか顔色が……」
P(アイドルに心配させるわけにもいかないよなあ)
P「HAHAHA、なんともないよ。ちょっと夜中までモバマスをやっていてね」ハハハ
やよい「……」
やよい(プロデューサーが栄養失調になっちゃった!)
やよい(やっぱり、あのとき私がもやしを持って行っちゃったから……)
現場 撮影終了後
やよい「うっうー! お疲れさまでしたー!」
P「やよい、もう遅いし俺が送っていくよ」
やよい「本当ですか!? ありがとうございます!」
・・・
高槻家宅 前
P「はい、到着」
やよい「……」
P「やよい? やーよーいー?」
やよい「……zzz」
P「寝ちゃってるよ。寝顔もかわいいなあ!」
やよい「……///」
P(軽いなあ)
P「……ドアが開けられん。おーい、長介くん? いるk」
やよい「……」ギュ
P「やよい、起きてたのか」
やよい「プロデューサー……」
P「?」
戸「ガラッ」
長介「突撃!」
かすみ「高槻家のばんごはん!」
P「うおお!?」
やよい「プロデューサー、普通に誘ってもきっと遠慮するから……」
長介「聞いたよ兄ちゃん。もやし不足でフラフラって」
P(もやし不足って……)
かすみ「だから今日はみんなで食べようって、お姉ちゃんが」
P「そうか……」
P「ありがとうな!やよい!」
やよい「はいっ!」
長介「ところでいつまで抱っこしてるの?」
やよい「はわっ/// お、下ろしてくださいプロデューサー!」
P「あ、暴れないで!」
765プロ 事務所
春香「じゃあやよいの家でプロデューサーさんとお食事したんだ」
やよい「はいっ! もやしパーティ特別版です!」
響「プロデューサーはやよいの兄弟たちとは仲良くなれたの?」
やよい「みんな仲良しです! なんだか家族が一人増えたみたいでした!」
伊織「へ、へぇ~」
アイドル達(羨ましい……)
>>+2
P宅
雪歩「とつ、とつと突撃! ははははハニーの晩ごはん!」
P「……いらっしゃい」
雪歩「お、オジャマします……」カチコチ
P(手と足が同時に動いてるよこの子)
・・・
P[まあ、晩ご飯には早いし少しゆっくりしていってくれ」
雪歩「は、はい!」
P「……」
雪歩「……」
雪歩「き、綺麗な部屋ですね!」
P「物がないからなあ」
雪歩「……」
P「……」
P「そうだな。風が涼しくて良い日だった」
P「雪歩は海で撮影だったよな。大丈夫だった?」
雪歩「あ、はい。私はなんとも……」
P「それはよかった」
雪歩「……」
P「……」
P「ああ、スポーツ女王決定戦か。真の一人勝ちだったなあ」
雪歩「真ちゃん、格好よかったです」ポワー
P「本人からすれば複雑な心境だろうな」
雪歩「……」
P「……」
P「……どっこいしょ」ガタッ
雪歩「」ビクッ
雪歩(あ、プロデューサー……)
雪歩(うう、私の話がつまらないから、きっと退屈しちゃったんだ……)
雪歩「うう……」ションボリ
コトッ
雪歩「お茶?」
P「いやあすまん。出すのが遅れた……。折角のお客さんなのにな」
雪歩「い、いただきます……」ズズッ
雪歩「ほわあ……」ホワー
P「あはは、変な顔」
雪歩「えっ、そ、そんなこと言わないで下さいっ!」
雪歩「うう、恥ずかしい……///」
雪歩「……」ズズッ
雪歩(また会話が……)
雪歩(でもなんだろう。さっきまでとはちょっと違う)
雪歩「……ふふ」
P「どうかした?」
雪歩「なんでも無いです。ところで今日は良い天気でしたね」
P「それさっきも話したじゃん……」
雪歩「ふふ、そうでした」ニコ
千早「じゃあ、萩原さんはお茶の後に晩ご飯を?」
雪歩「はい。あんまりお話できませんでしたけど……」
貴音「まるで長年連れ添ってきた夫婦の日常のようですね」
雪歩「ふっ、夫婦……/// そ、そんな私はまだそこまで」
響「へ、へえ~」
アイドル達(羨ましい……)
次のアイドル
>>+2
響「うう、今度は自分の番か……」
響「自分も何か作って食べさせてあげたいけど、何を作っていこうかな?」
響「うう、どうしよう……」
P(……)
響「うがー! なにも決まらないよー!」
響「どうしようどうしよう……」オロオロ
P(あっ、このままじゃなくなこの子)
P(……)
\あー! カレーが食べたいなー!/
響「!?」
響「……カレー? 良いこと聞いちゃった!」
響「よし!プロデューサーをおどかしちゃうぞ!」
響「若い命がまっかにもえ~て~♪」
ピンポーン
P「はーい」
響「突撃! ハニーの晩ごはん!」
P「おっ、珍しく正攻法だな」
響「見てみてプロデューサー! 自分、ゴーヤカレーを作ってきたんだ!」ナベッ
P「おお! 本当か!? 丁度食べたい所だったんだ!」
響「自分、完璧だからね! プロデューサーの事ならなんでもわかっちゃうんだ!」
P「ははは、さすが響だなあ」ナデナデ
響「んっ……、えへへ///」
P「うーん、これはうまい」ガツガツ
響「プロデューサー、がっつきすぎだぞ!」
P「いやあ、ほんと。思った以上に美味しくて」
響「料理も完璧だもん! ……えへへ」
響「そんなにはまったなら、たまに作りに来てあげよっか?」
P「ほんとか? 冗談抜きでお願いしようかな」
響「うん! 任せてよにぃに!」
P「?」
響「あっ」
響「い、今の忘れて……///」
響「わ、忘れてってば!」
響「意地悪するやつにはカレー作ってあげないぞ!」
P「生意気言う奴には食後のゴージャスプリンはやれないな」
響「あっ! ずるい!」
P「ほーれほれ、欲しかったら奪ってみろ」
響「うがー! 持ち上げないでよー!」ピョンピョン
P「あはははは!」
765プロ 事務所
美希「じゃあ響はハニーにカレーを作ってあげたんだ」
響「うん! 毎週金曜はカレーの日だって!」
あずさ「最近の響ちゃん、なんだか元気いっぱいね」
響「それはにぃn、プロデューサーがちょっかいを出してくるから!」
真「へ、へぇ~」
アイドル達(羨ましい……)
>>+2
春香(ついに来ました私の出番!)
春香(今日という日のために色々計画してきたんだもん。他の子には負けられない!)
・・・
P宅
春香「というわけで」
春香「突撃! ハニーの晩ごはーん!」
ガチャ
春香「焦げ臭っ!?」
P「……よう、春香か」
P「いやあ、最近みんな俺の家に食べにくるだろ?」
P「作ってもらってばっかりで悪いし、お返しにお菓子でもと思って……」
春香「それで盛大に失敗しちゃったんですね? うわくっさ!」
P「……そんなに?」
春香「そんなにです! とにかく掃除しましょう!掃除!」
P「あ、ああ」
数時間後
春香「な、なんとか片付きましたね……」
P「すまん春香……」
春香「いいんですよ! 普段お世話になってるお返しです!」
P「晩ごはん、いまから作ったら遅くなっちゃうな……」
春香「い、いいんですってば! 元々急に押しかけてきたんですし」
春香「気にしないでください、また来ればいいんです」
P「ははは、それもそうかな」
P「ん? ビニール袋? 玄関にあんなのあったかな……」
春香「あ、あれはなんでもn」
P「うわっ、すごい量の食材が……」
P「もしかして春香、今日のために……」
春香「な、なんで気が付くんですかあ」
春香「どうせ今から作っても遅くなるし、もう持って帰りますよ」
P「で、でもなあ」
春香「い、いいんですよ。たまたまこういう日だったんです」
春香「……」グスッ
春香「それじゃあ、私帰りますね……」
P「ま、待って春香!」ガシ
春香「!」
P「料理、していってくれないか? 今日はまた失敗しそうで」
春香「でも、いまからじゃ遅くなっちゃいます……」
P「じゃあ、泊まっていけばいい」
春香「えっ」
春香「お泊まりかあ……」
春香「プロデューサーさん! 私頑張っちゃいますね!」
P「お? おう、応援してる」
春香「わっほい!」
P(なんだ? 急に元気になった……)
765プロ 事務所
千早「……」
春香「のヮの」
律子「……」
春香「のヮの」
雪歩「……へぇ~」
アイドル達(羨ましい)
>>+2
765プロ 事務所
律子「プロデューサー殿ぉ? なんだか最近楽しそうですねぇ?」
P「な、な~んのことかなあぁ? ボクさっぱりわからないよぉ~」
律子「とぼけなさんなっ! いい加減マスコミにばれますよ!」
P「そうは言うけど、あいつらが勝手に押しかけてくるのはどうしようもないだろう!」
律子「へえ、勝手に押しかけてくる」
P「律子?」
律子「つまり誰も来ないように見張っていればいい、という訳ですね!」
P宅
律子「……」フンス
P「あのー、律子さん? 玄関で仁王立ちしてないで、お茶でも……」
律子「結構です! 私はアイドル達を見張りに来たのであって……」
美希「ハニー! 一緒にごはn」
律子「ああ?」ギヌロ
美希「げえっ、律子!!」
美希「おじゃましましたー!」
律子「このようにアイドル達を見張りに来たのであって、遊びに来たわけではないんです!」
律子「ですから、おもてなしは結構です」
P「う、うーん……」
数時間後
律子「美希が3回、雪歩と千早が1回、あずささんが2回……」
律子(危険だわ……!)
律子「これもプロデューサーが甘いから……!」
天使律子『説教!説教!説教!』
悪魔律子『説教!説教!説教!』
律子「よろしい、ならば説教よ」
P「……zzz」
律子「寝てる」
律子(これは、ご飯の用意? 必要ないって言ったのに……)
律子(もう冷め切ってる……)
律子「……プロデューサー? プロデューサー、起きてください」
P「んあ、律子?」
律子「……ごはん、食べましょうか」
P「……! ああ!」パァァ
P「律子がどうしてもっていうなら、教えてもいいんだぞ」
律子「結構です。自分で覚えますから」
P「つれないの」
P「……ちょっと熊狩ってくる」
律子「普通にトイレで良いですよ」
・・・
律子「長いわね。まさか本当に熊狩ってるんじゃないわよね……?」
律子「……なんだか喉乾いちゃった」
律子「冷蔵庫の缶ジュース、貰っても大丈夫よね?」
プシッ
律子「……」
P「律子?」
律子「あ、ぷろりゅうさあ!」
律子「どこいってたんですかもお~」ベタベタ
律子「ほらほら~、ごはんちゃんと食べないと」グイグイ
P「律子? ああコイツ酔ってる!」
律子「んえ?」ヘベレケー
律子「くぉらぷろるうさ! そこに正座!」
P「は、はい!」
P(酔っぱらいこえー!)
律子「いいですか! ぷろりゅうたあとして、アイドル家にあげるなんて信じられません!」
P「いや、だからあれはアイドル達が勝手に」
律子「うるさい!」ベシーン
P「ああ!」ビターン
律子「大体あなたはいつもいつも誰にもかれにも優しくしてぇ」ノッシノッシ
P「の、乗るな! 乗らないで律子!」
P「も、もちろん」
律子「ほんとに?」ズズイッ
P「誓って」
律子「……」
P「……」
律子「……」ニヘラ
P「えっ?」
P「あの、ちょ、既成事実とかマジかんべn」
律子「んふふ、独り占め……」ギュゥ
P「ふわあ……」
律子「……zzz」
765プロ 事務所
やよい「起きたら記憶が飛んでいた? 大変ですー! 律子さんが病気に……!」
律子「あ、あんまり大きい声で言わないで……///」
真美「えっと……///」
律子「で、でも! 服に乱れはなかったから! きっとなんともないわ!」
律子「……きっと」
あずさ「へ、へぇ~」
アイドル達(羨ましい……)
次のアイドル
>>+2
伊織「突撃! ハニーの晩ごはん!」
伊織「うーん」
伊織「突撃! アンタの晩ごはん!」
伊織「嫌な気分にさせちゃうわね」
伊織「うう、どうすれば自然なの……?」
P宅
『…! ……!』
『…・! ……!!』
P「?」
P「なんだ? 外がやかましいな」
P「どなたですか?」
ガチャ
伊織「突撃!あなたの晩ごはん!」ニコッ
P「」ズキューン
伊織「あ、ああ!? い、今の無し! 今の練習!」
伊織「違うのよ! 本当はもっと!」
P「もっと?」
伊織「う、ううう……。いいからやり直し!」
P「お、おう」
ドア「バタン」
P「どなた?」
伊織「と、突撃!ハニーの晩ごはんっ!」ガー
伊織「スーパーアイドルの伊織ちゃんがいっしょに食べてあげるんだから、泣いて喜びなさい!」
P「うん」ニコニコ
伊織「あー! もう! さっきのは無しって言ったじゃない!」
P(テロだ)
伊織「で? 今日のメニューはなんなのよ」ソワソワ
P「おう、今日の晩ごはんはな」
伊織「……」ワクワク
P「俺お手製の!」
伊織「……」ゴクリ
P「焼き魚定食だっ!」
伊織「おおっ!」
P「……」
伊織「……ケホン」
伊織「ま、まあ妥当ね。庶民らしくて良いんじゃない?」
P「へえ」ニヤニヤ
伊織「な、なによ!」
伊織「へえ、どんな?」
P「魚の身をほぐして、おろし大根と混ぜて、そこに醤油をたらし」
P「あつあつの白米にのせてパクリ!」
伊織「!」
伊織「さっそくやってみましょう!」イソイソ
P「……」
伊織「む、むう……」イソイソ
P「……」
伊織「できない……」グスッ
P「……」
伊織「……」チラッ
P「……」
伊織「お、お願い、手伝って……?」
P「」ズキューン
P「おう! 任せろ! どんどん任せろ!」
P「はいできた」
伊織「これに大根おろしと醤油を……」
P「あとはごはんにのせて……」
P「はいあーん!」
伊織「あーん」
伊織「ちょっと、なにさせてるのよ!」
P「えー、だって伊織、箸の使い方下手なんだもん」
伊織「たまたま魚がほぐせなかっただけよ! 箸くらい使えるわ!」
P「ふーん。はいあーん!」
伊織「あーん」
伊織「おいしい!」テーレッテレー
伊織「だから何させてるのよ!」ムキー
P「まあ落ち着きなって」パクパク
伊織「あ、それ私の分でしょ! 食べちゃダメ!」
P「ごめんごめん。はいあーん!」
伊織「あーん」
765プロ 事務所
真「それで、プロデューサーに最後まで食べさせてもらったんだ?」
伊織「……///」
真美「でも、それって食べづらいんじゃないの→?」
伊織「そんなこと無いわ! 一口の量もちゃんと考えててくれて……」
亜美「へぇ→」
アイドル達(羨ましい……)
次
>>+2
あと申し訳ないけど時間がないから双海姉妹はセットで扱う
真美「突撃!」
亜美「ハニ→の晩ごはん!」
亜美真美「「イエ→イ!」」
P「近所迷惑になるから、あまり騒がないように」
「「はーい」」
P(子供が相手ならハンバーグで決まりだな)
P「出来てからのお楽しみ」
真美「じゃあ期待しても良いって事だよね」
P「そうだな。任せてくれ」
亜美「真美は何が食べたい?」
真美「ビーフガノンドロフ!」
亜美「シャレオツですな→」
真美「まさかハンバーグなんて子供騙しに釣られる歳でもないっしょ!」
P「う」
亜美「きっとハンバーグにしても、中にチーズが入ってたり→」
真美「ひと味違った創作ハンバーグだったり→」
「「楽しみだね! 兄ちゃん!」」
P「」グサグサ
P(こ、こいつら……)
P「ちょっと買い出し行ってくる! 留守番頼んだぞ!」
「「は、はーい」」
亜美「やりすぎた?」
真美「……かもね」
P「はいどうだ! カリオストロ風ミートボールスパゲティ!」
P「子供が一度は夢見る食べ物だろ!」
亜美「おおー……」
真美「すごいよ兄ちゃん」
P「どや」
亜美「すごいけど」
P「?」
真美「ちょっと時代が古いかなあ……?」
P「え、ええ……」
真美「うんうん。兄ちゃんの精魂が詰まった料理……」
P(それは精魂……あってるか)
真美「おれぁ、泣きそうだぜ……」
亜美「とっつぁん……」
P「小芝居はいいから、はよ食えはよ」
「「いただきまーす」」
P「……」
P(なんだ、美味しそうに食ってくれるじゃないか)ホッコリ
765プロ 事務所
貴音「では、三人で仲良く食事を?」
亜美「うん! ごはんの後にお菓子も作ってくれたんだ!」
春香「お菓子かあ」
真美「ゲームもいっぱいやったしね! また遊びにいきたい!」
雪歩「へぇ~」
アイドル達(微笑ましい……)
真(うう、男の人の家って緊張するなあ)
真(でも、ボクはボクらしく……!)
真「突撃! ハニーの晩ごはんっ!」バーン!
P「うおっ」ビクッ
P「ドアを勢いよく開けすぎだ! 真!」
真「あはは、ごめんなさい」
P「ああ、そろそろ真がくる頃だと思ってさ」
真「ホントですか? すごいですねプロデューサー!」
P(毎日ソワソワしながらオフの日確認してたら誰にでもわかるよ)
真「ホントですか? じゃあオジャマします!」
・・・
真(プロデューサー、なにを作ってくれるのかな?)
真「まっかなぷーらずまいま♪ ガレキのつちにたつ~♪」
P「はいお待たせ、ふわふわオムライス」
真「わっ、すごい!」
真「って、この形……」
P「ああ。真が熱心に読んでた雑誌についてた店のを真似してみた」
P「写真ほど上手く行かなかったけど……」
真「……」フルフル
P「真?」
真「プロデューサー! ありがとう! 大好き!」
P「お、おう」
P「も、文字? そうだなあ……」カキカキ
真「!」
P「どう?」
真「……えへへ。ありがとう、プロデューサー!」
真「接写!」パシャ
真「ボクも一緒に!」パシャ
真「ほらほらプロデューサーも!」
真「接写!」パシャ
P「接写!」
765プロ 事務所
真「ほら見てくださいよ! これが一番良く撮れてて!」
小鳥「あー、うん。すごいわねえ……」
真「ちゃんと聞いてます? なんだかみんなも生返事なんですよ!」
真「これってひどくないですか?」
小鳥(十回も同じ話を聞かされたら流石に答えるわ……)
小鳥「ところで、オムライスにはなんて書いてもらったの?」
真「えっ!?」
真「それは……その……///」
小鳥(恨めしい……)
後日
高木「なにやら、最近面白いことをしているそうだね?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
P「は、はい。ほんと、スイマセン」
高木「まったく君という奴は」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
P(やばい、これは『チャオ☆』られる。確実に)
高木「なんで私に言わないんだ! こんなに面白い企画に混ぜないなんて信じられん!」
P「は、はあ!?」
高木「罰としてだな、君にはこの企画を請け負ってもらうよ」スッ
P「は、はあ……」
高木「『突撃!アイドルの晩ごはん!』なんてのはどうだ?」
おわり
さすがに時間がかかりすぎた
余裕があれば社長とか小鳥さんも書きたかった
支援保守してくれた人に感謝
ピヨ子……
Entry ⇒ 2012.09.10 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
千早「天使が泊まりにやってきた」
小鳥「千早ちゃん、ずいぶんご機嫌じゃない。何かあったの?」
千早「……そう見えましたか?」
小鳥「ええ、とっても」
千早「実は……今日、春香がうちに泊まりに来るんです。それで柄にもなくテンションが上がってしまって……」
小鳥「ふふっ……友達と一緒に過ごすのは楽しいでしょ?」
千早「そうですね……以前までの私には考えられません。本当に、765プロにいてよかったと思えます」
千早「何がですか?」
小鳥「ほら、千早ちゃんって大人っぽいって言うか、ちょっと達観したところがあったでしょ?」
千早「それは……そうかもしれません。家庭環境のことがあったので……今となっては言い訳にしかなりませんけれど」
小鳥「そんな千早ちゃんが毎日のように笑顔を見せるようになったのは、やっぱり春香ちゃんのおかげかしら?」
千早「……はい。春香には本当にお世話になりっぱなしです。今日も料理を教えてもらう予定で……」
千早「そ、そうでしょうか?」
小鳥「ええ!今のうちに楽しんでおかないと損よ? 年月なんてあっという間に過ぎちゃうものなんだから……」
千早「……肝に銘じておきます」
ガチャッ
P「ただいま帰りましたー!!」
春香「ただいまですっ♪」
春香「千早ちゃん、お待たせ!」
千早「大丈夫よ。私もさっき収録から帰ってきたところだから」
春香「ちょっと待っててね。すぐに支度するから!」
千早「ええ」
P「春香から聞いたよ。今日はお泊まりなんだって? 春香、ずっとはしゃいでたぞ」
千早「そうなんです。そんなにはしゃいで……私の家には何もないのに」
P「ははは、千早と一緒にいられるのが嬉しいんだろ。千早は嬉しくないのか?」
P「冗談だよ。楽しみだって顔に書いてあるからな!」
千早「もうっ! プロデューサーはいじわるです……」
P「あっ、それなんか貴音みたいだな」
小鳥「はるちは! はるちは!」
P「音無さんは黙っててください」
P「ああ。歌のことはあんまり的確なアドバイスはできないかもしれないかもしれないけど……」
千早「天使って、存在すると思いますか?」
P「……は?」
千早「お願いします。答えてください」
P「何かの問題か? ……すまん、ヒントをくれ」
P「千早、さっきから言ってる意味がよく──」
春香「千早ちゃん! お待たせ!」
千早「ええ。それじゃあ行きましょうか」
P「お、おい千早! さっきの答えは……」
千早「ふふっ……すぐにわかると思います。それじゃあお疲れ様でした」
春香「お疲れ様でしたっ! プロデューサーさん、小鳥さん!明日もがんばりましょうねっ♪」ニコッ
バタン
P「……天使系アイドル…アリかな……」
小鳥「アリだと思います」
千早「ふふっ、プロデューサーもドジなところあるわね」
春香「ホントにそうだよ~……私がメガネを観付けなかったらどうなってたか……」
千早「でも、ドジなところは春香の方が上だけど」
春香「えーっ!? ひどいよ千早ちゃ~ん!!」
千早「ふふっ……でもそこが春香の魅力なんだけれどね」
春香「はぅっ! そ、そんなこと言われたら恥ずかしいよぉ……」
千早「(可愛い……)」
モブB「いやいや、小早川瑞樹でしょ。あの猫被った感じがたまらないよ」
モブC「アイドルはよく知らないけど、秋月涼って子が可愛いと思った(小並感)」
春香「それでね──」
千早「そうね──」
モブA「ん? おい、あの子は確か……」
モブB「765プロの天海春香と如月千早、だね」
春香「?」チラッ
モブC「こっちに気付いた。はっきりわかんだね」
春香「♪」ニコッ
モブABC「」ズギュゥゥゥン
春香「んー? アイドルの話をしてたみたいだから、私のことも知ってくれてるかと思って……」
モブA「ふるえるぞハート! 燃えつきるほどヒート!!」ズギャァァァン
モブB「…天使を見た……」ドキドキ
モブC「やべぇよ……やべぇよ……」
数ヶ月後、この三人が春香のファンクラブに入会し、ライブ時に最前列でバルログ持ちをして迷惑がられることになる
千早「食べるのだけじゃなくて教えてもらわなきゃいけないのだけれど……。とりあえず定番料理がいいわね」
春香「うーん……だったらカレーかな? 家庭によって味が違う定番中の定番だよ!」
千早「だとすると、私が天海家の味を受け継ぐことになるのね」
春香「そうだね~。どうせだから千早ちゃんのお嫁さんになろうかな? な~んてっ」
千早「私はそれでも全然構わないけれど」
春香「えっ」
千早「えっ」
千早「へぇ、ルウを何個か買うのね」
春香「うん。ブレンドするとおいしいんだよ! 千早ちゃんは甘い方がいいかな?」
千早「辛いものでも平気だけど……あまり辛いものは苦手ね。喉に負担がかかってしまうから」
春香「あ、そうだね。じゃあ辛口はやめて中辛を……」
『あれ?春香と千早?』
春香「勇者ヒビキューン!!」
響「必殺!! ヒビデバビデビィーーーム!!」
春香「うわー! やられたー!」
響「ってちがーう!! それは自分が声を当てたアニメの話! 自分は我那覇響だぞ!」
千早「我那覇さん、ノリがいいのね……それにしても響がヒビデバビデビーム……ぷふっ……!」
響「うぎゃーっ! 笑うな~!! プロデューサーが決めてくれた名前なんだぞ!?」
千早「ごめんなさい、ついおかしくって……」
貴音「私もおりますよ」
春香「あっ、貴音さん! 二人でお買い物ですか?」
貴音「はい。今日は響の家に泊まりなので」
春香「奇遇ですね! 私も千早ちゃんの家にお泊まりなんです!」
貴音「なんと、そうだったのですね」
千早「そういえば我那覇さんの家はこの近くだったわね。前にいぬ美を追い掛けてるのを見たわ」
響「うぅ……なんでそういうのばっかり覚えてるかなあ……」
響「貴音が食べたいって言うから、とびっきりの沖縄料理をごちそうするつもりなんだ! まあ和食中心かな?」
春香「和食かあ……羨ましいなあ。私、和食のレパートリーが少なくて……」
響「そうなの? 自分、和食が得意だから今度教えてあげよっか?」
春香「ホント? ありがとう響ちゃん! じゃあ今度お願いするね!」
響「うんっ! その代わり…ってわけじゃないけど、またケーキ作りとか教えて欲しいなあ……」
春香「それくらいならお安い御用だよ! 春香さんにまかせなさいっ!」ドンッ
響「ホントに大丈夫かな……」
春香「え~っ!? ひどいよ響ちゃ~ん!!」
千早「そうね。春香も我那覇さんも楽しそう」
貴音「それは千早も、でしょう?」
千早「ふふっ……四条さんこそ」
貴音「……はい。そうですね……」
千早「……?どこか思い詰めた顔をしているようだけど……どうかしたの?」
貴音「いえ、何でもありません。大したことではありませんので……」
春香「手なんか繋いじゃって仲いいなあ~」ニヤニヤ
響「そ、そういうわけじゃないぞ! これは貴音がふらふらしないようにしてるだけだからね!?」
春香「はいはい♪」
貴音「…………♪」ニヘラ
千早「……なるほど、今わかったわ。四条さん、あなた……」
貴音「千早、それ以上はとっぷしーくれっとでお願いします」
千早「……そうね、ごめんなさい。じゃあ、また」
春香「二人とも、またね!」
響「ばいばーい! おやすみー!」
ギュッ
千早「は、春香!?」
春香「えへへ、響ちゃんたちに対抗だよ! 向こうが手を繋ぐなら私たちは腕を組んじゃおう!」
千早「……春香。ここはスーパーの中よ」
春香「……あっ…」カァッ
千早「もうっ……」
千早「そうね……シンプルな方が作り方がわかりやすいからそっちの方がいいかしら」
春香「じゃあビーフカレーなんてどうかな? これが一番メジャーだと思うよ」
千早「ならそうしようかしら。春香は食べたいものとかあるの?」
春香「その……お菓子を……」
千早「却下」
春香「なんで!?」
千早「アイドルだってことを忘れてるでしょ……」
千早「ありえないわ。太って体系が崩れてしまってもいいの?」
春香「ちょっとぐらいなら大丈夫だよ! そんなに食べるわけじゃないし! ねっ?」
千早「……仕方ないわね…少しだけよ?」
春香「やったー!! ありがとう千早ちゃん! 大好きっ!」ニパッ
千早「調子がいいんだから……(かわいい……)」
春香「なーにー?」
千早「私、少しだけって言ったわよね?」
春香「こんなの少しだけだよ~。事務所のみんなで食べるとすぐなくなっちゃうもん!」
千早「……ファミリーパックのお菓子が5つ。これで少しだと言うの?」
春香「うんっ」
千早「返してきなさいっ!!」
春香「ふぇ~ん! 千早ちゃんが怒ったぁ~!!」
春香「まあまあ、これもお泊まりの醍醐味ってやつだよ!」
千早「でもお菓子はほどほどにね」
春香「はぁ~い……」シュン
千早「ふぅ……。さあ、着いたわ」
春香「ただいま~!!」
千早「ここは私の家なのだけれど」
春香「まあまあ! 堅いこと言わずに、ねっ?」
春香「遅くなっちゃったり朝早いお仕事がある時はお世話になってるもんね。今日は違うけど」
千早「そうね。そういえば今日泊まりに来た理由、聞いてなかったわね。どうして?」
春香「千早ちゃんと一緒にいたい気分だったから! ……なんてのはダメかな?」
千早「本当の理由は?」
春香「本当の理由も何も、それだよ? 千早ちゃんとゆっくりまったりしたかったから!」ニパッ
千早「……それよ……その天使の笑顔はGulltyだわ……」
春香「えっ?」
千早「い、いえ、なんでもない!」
千早「そうね。もういい時間だし」
春香「晩ご飯作ろっか?」
千早「ちょっと待ってくれる? ブラームスの楽譜が一ページ見付からないの」
春香「ぶー……どうせ私なんて楽譜以下の女ですよーだ!」
千早「拗ねた顔も可愛いわね」
春香「ふぇっ!?」
千早「あ、楽譜も見付かったわ。それじゃあ準備しましょうか」
春香「う、うん……」
千早「まな板……くっ……」ペタペタ
春香「? 千早ちゃん、どうしたの?」
千早「な、なんでもないわ」
春香「そう? 千早ちゃん、野菜の切り方はわかる?」
千早「ええ。こうよね?」ゴトッ
春香「千早ちゃん、それ違う! それじゃ大き過ぎだよ!!」
春香「それは小学校の話! ちゃんと作るならもっとしっかりしないと! あ、小さ過ぎてもダメだからね。野菜が全部溶けちゃうから」
千早「…カレーって簡単だと思ってたけど、思ったより面倒なのね……」
春香「慣れたら簡単なんだけどね。れじゃあ次はお鍋を用意して……」
千早「ここでカレールウを入れるのね」
春香「違うよ! ルウは一番最後だからね!?」
千早「そ、そう……」
千早「ええ」
春香「次に野菜を入れる……あれ? 千早ちゃん、玉ねぎは?」
千早「皮は剥いたけれど、切り方がわからなくて……」
春香「あちゃ~……」
千早「ごめんなさい……足を引っ張ってしまって……」
千早「でも……」
春香「ほらほら、そんな顔してたら幸せが逃げちゃうよ?」
千早「幸せって逃げるものなのかしら?」
春香「逃げるよ? 『こんなところにいられるか! 俺はもう帰る!!』とか言って」
千早「それは少し違うような気がする」
春香「それからこうやって切っていくの」サクサク
千早「へぇ……すごくわかりやすいかも」
春香「お母さんの受け売りだけどね。あとはお肉と一緒に炒めて……」
千早「わかったわ! ここでルウを入れて一緒に炒めるのね!?」
春香「千早ちゃん、小学校の時キャンプで作ったんだよね?」
千早「私はにんじんを切る係だったから……」
春香「ごめん、私が悪かったよ」
春香「ルウはまだだよ?」
千早「も、もうわかったわよ!」
春香「まず野菜の硬さを確認して、あく取りもちゃんとしないと」
千早「これは取った方がいいの?」
春香「うん。生臭さの元になるからね」
千早「なるほど……覚えておかないと」
千早「ルウね!? ルウを入れるのね!?」ワクワク
春香「何が千早ちゃんをそんなにワクワクさせるんだろう……」
千早「いいから早く!」
春香「う、うん」
ぽちゃん
春香「あとは焦げ付かないように、弱火でじっくり暖めながらかき混ぜるだけだよ!」
千早「いい匂いがする……」クンクン
春香「(千早ちゃんかわいい……)」
春香「単に混ぜたらおいしいからだよ! 家庭によって味が違うのはこれもあるんじゃないかな?」
春香「例えば甘味が欲しかったらバーモント、辛味が欲しかったらジャワカレーって感じにね!」
千早「春香の使ったのはバーモントカレー甘口、こくまろ中辛、ジャワカレー中辛ね」
春香「ちょっとスパイスが入ったのがいいかなって思って。バーモントはリンゴとハチミツのパワーで一味加えるのにいいんだよ!」
千早「少しずつ使ったせいで余ってしまったけれど……」
春香「大丈夫だよ! ちゃんと封をしておけばまた使えるから!」
春香「うーん、もうちょっとかな? あ、そうそう千早ちゃん、知ってる? カレーとシチューって作り方がほとんど同じなんだよ!」
千早「そうなの? 言われてみれば、具材もよく似てるような気がする」
春香「クリームシチューの場合、カレールウをクリームシチューのルウに変えて、あとは牛乳を加えるだけで出来上がり!」
千早「つまりカレーの作り方を覚えてしまえば、クリームシチューもビーフシチューも自由自在……!!」
春香「ビーフシチューはちょっと難しいかも……本格的にしようとすると赤ワインとか使うからねー」
千早「そ、そう……料理は奥が深いのね……」
千早「やっと完成したのね! カレーの作り方もメモして覚えておかないと……」
春香「それじゃあ食べようよ! いっただっきまーす♪」
千早「いただきます」
春香「はむっ……うん! おいしいね、千早ちゃん!」
千早「ええ。成功してよかったわ」
春香「これなら二回ぐらいおかわりしちゃうかも!」
千早「樽ドル……」
春香「や、やっぱり一回だけにしておこうかな!」
千早「おかわりはするのね」
千早「ごちそうさまでした。おいしくて私もおかわりしちゃったわ……」
春香「えへへ、これでおあいこだね♪」
千早「そういう問題?」
春香「だって千早ちゃんといっしょで嬉しいんだもん!」
千早「……わ、私も、春香といっしょで……その、嬉しい……かもしれないわ……」
春香「ホント? ありがとう、千早ちゃん!」ニコッ
千早「(この笑顔に弱いのよね……)」
春香「えっ? もしかして今日もやるの……?」
千早「日課だもの。日課は続けないと意味がないでしょう?」
春香「そ、そうだけど……ホントにやるの?」
千早「当然よ。日課だもの」
春香「わ、わかったよぉ……じゃあ準備するね?」
千早「ええ。じゃあ春香……動くわよ?」
春香「あんまり激しくはダメだよ?」
千早「ふっ……! んっ……!」
春香「あっ、ダメ! ずれちゃう……!」
千早「まだ……始めたばっかりよ…! しっかりして!」
春香「だ、だからダメ! このままだと……ああっ!!」
春香「はい……」
千早「もう少ししっかり持ってくれる?」
春香「だって千早ちゃんが激し過ぎるから……」
千早「もう……ノルマまでまだまだ残ってるのに……」
春香「どう考えても多過ぎだよ! 腹筋250回だなんて!!」
千早「そうかしら?」
春香「絶対多い! 私は間違ってないよ!!」
春香「お、お疲れ様……。私の方が疲れた気がするよ……」
千早「春香はトレーニングパートナーには向いていないのかしら……」
春香「あぅっ……。ごめんなさい……もっと精進します……」
千早「冗談よ。付き合ってくれてありがとう、春香」ニコッ
春香「千早ちゃんの笑顔……!これだけでカレーをあと二杯は食べれそう!!」
千早「やめなさい」
千早「もうこんな時間……時間が経つのが早く感じてしまうわね」
春香「そうだね~。それじゃあ千早ちゃん、入ろう?」
千早「何故ナチュラルに一緒に入ろうとしてるの?」
春香「え? だっていつも一緒に入ってるでしょ?」
千早「確かにそうだけれど……やっぱり恥ずかしいと言うか……」
春香「えーいっ♪」バサッ
千早「きゃっ!? な、何するの春香!?」
千早「もうわかったから! 一緒に入るからホックを外そうとするのはやめて!!」
春香「えへへ~♪ じゃあ千早ちゃん、準備できたら入ってきてね! 私は湯加減見ておくから!」
千早「え、ええ。後でね」
バタンッ
千早「はぁ……」
千早「まったく、変なところばっかり強引なんだから……」
千早「……どうせ拒否権はないんでしょう? それにしても……」
春香「?」プルンッ
千早「本当に羨ましいわね……胸は大きいし……」
春香「そ、そうかな? 別に普通だと思うけど……」
千早「ムダ毛が一切無いし……」
春香「こ、これは結構気にしてるんだけどなあ……みんな生えてて私だけずっと生えたことないし……」
千早「(天使にムダ毛は生えないということかしら)」
千早「いいことなんて全然無いわよ? 水着グラビアの時は処理しなきゃいけないし」
春香「む~……それも私には経験出来ないことだから羨ましいなあ……」ジーッ
千早「は、春香? 女同士とはいえ、あまり見られると恥ずかしいのだけれど……」
春香「……!」ティン!
春香「いいこと思いついた!」
千早「……春香? まさかとは思うけれど……」
春香「ふっふっふ……そのまさかだよ、ち・は・や・ちゃんっ♪」
千早「」
千早「……スースーする……」ツルーン
春香「これで水着グラビアもバッチリだよっ♪」
千早「夏はもう終わりなのだけれど……」
春香「(のヮの;)」
千早「……さようなら……私の毛……」
千早「おそろいなんかじゃないわ……」
春香「えっ?」
千早「……おそろいにしたいのなら、この胸を少し寄越しなさい!!」ガシッ
春香「ちっ、千早ちゃん!?」
千早「なるほど……生だとここまで柔らかいのね」モミモミ
春香「ゃんっ! だ、ダメ! 直接だといろいろ……んんっ!」
春香「あ……ぅ……よ、よかったあ……もうちょっとで……」
千早「春香には立派な胸がある。私には揉めるほどもない……」
千早「もうこれは運命だと思って放っておくしかないのね……」
春香「ほっとけない」
千早「……え?」
春香「ほっとけないよ!」ムギュッ
千早「ひゃっ!? は、春香!?」
千早「や……な、なにを……」
春香「ちゃんと揉めたよ、千早ちゃんのおっぱい」モミモミ
千早「あっ……揉めるほどはあったのね……」
春香「そうだよ! もっと自信持って!」モミモミ
千早「自信……確かに一番必要なことかもしれないわね」
春香「うんうん! その意気だよ!」モミモミ
春香「なにー?」モミモミ
千早「……どうしてずっと揉んでいるのかしら?」
春香「豊胸マッサージ……なんちゃって……」モミモミ
千早「やめて」
春香「はい……」モミッ
千早「あら、懐かしいわね」
春香「えへへ、千早ちゃんは覚えてる?」
千早「もちろん、忘れるわけがないじゃない。初めての大型ライブで、私たちがデュオ組んで初めてステージで歌ったこの曲を……」
春香「『My Best Friend』……歌詞とはちょっと意味合いが違ってくるけど、私たちも親友だもんね!」
千早「ありがとう、春香。あの時はまだまだ無名で、あまり会場を盛り上げることは出来なかったけれど……次の機会があれば必ず──」
春香「湧かせてみせる、よねっ!」
千早「ええ……必ず!」
千早「…服を着てもスースーする……」
春香「あとはパジャマパーティだよ、千早ちゃん!」
千早「その前に歯磨きを忘れちゃ駄目よ」
春香「はーい!」
千早「(この赤いコップと赤い歯ブラシもすっかり馴染んでしまったわね)」
千早「……ふふっ♪」
春香「どうしたの?」
千早「なんでもない」
千早「ねぇ春香。本当に布団を買うつもりはないの?」
春香「え? なんで?」
千早「余裕が無いわけじゃないでしょう? お泊まりも多いことだし、私の布団一つだけじゃ不便だと思うのだけれど」
春香「一緒に寝るからいらないよ~。それとも千早ちゃんは……私と一緒に寝るの、イヤ?」
千早「嫌なわけないじゃない。春香のことは好きよ」
春香「えへへ……私も千早ちゃんだーいすきっ♪」ガバッ
千早「ちょっ、ちょっと春香!?」
千早「肌が暖かい人は心が冷たいらしいわよ」
春香「じゃあ私はどうかな?」
千早「暖かいわね」
春香「それじゃあ私も心が冷たいのかな……」
千早「いいえ、はっきりしたわ。そんなものは迷信だって。春香は本当に優しい人……いいえ、天使のように思えるもの」
春香「じゃあ千早ちゃんもいっしょだよ。千早ちゃんも心があったかい人だもん」ギュッ
千早「……そうだといいわね」ギュッ
千早「何?」
春香「──したくなっちゃった……。してもいい?」
千早「……ほっぺだけならね」
春香「唇は? 女の子同士だからノーカンってダメかな?」
千早「かまわない……と言いたいところだけど、やっぱりやめておきましょう。そういうのは大事にしないと」
春香「ん……そうだね。あんまり軽々しくするようなものじゃないかも」
千早「……言ってみて」
春香「大好き、千早ちゃん」
千早「私も大好きよ、春香」
チュッ
春香「おやすみ、千早ちゃん」
千早「ええ。おやすみ、春香」
おわり
春香「おっはよーございまーす!」
千早「おはようございます」
小鳥「あら、二人ともおはよう。ゆうべはお楽しみだった?」
千早「お、音無さん! いきなり何を──」
春香「はい! 大満足でしたっ!!」
小鳥「キマシタワー!!」
千早「は、春香ぁっ!」
春香「だって満足だったことには変わらないんだもんっ♪」
春香「えへへ……」ペロッ
千早「(あざとい……けどかわいい……)」
ガチャッ
貴音「おはようございます!」
響「はいさーい……」
春香「二人ともおはよう!」
千早「…? なんだかいつもの二人とテンションが逆のような……」
千早「え? わ、わかったわ」
響「春香……ちょっといい? 相談があるんだけど……」
春香「う、うん。わかったよ」
千早「そ、そうなの?」
貴音「はい。寝顔が大変可愛らしく、もう我慢がなりませんでした……」
千早「確かに我那覇さんは可愛いわね……」
貴音「あれから一睡も出来ず、未だ興奮が覚めません。何故だか響も機嫌が悪くて……」
貴音「ああ! 私はどうすれば良いのでしょうか!?」
千早「そうね……とりあえず私に言えることは──」
春香「えぇっ!? た、貴音さんも大胆だね……」
響「貴音、寝ぼけてたのかな……自分にキスした後そのまま寝ちゃって……」
春香「……ホントに寝ぼけてたとは思えないんだけど……」
響「結局あれから全然寝れなくて……貴音が起きてきてもまともに顔も見れないままなんだ……」
響「ねぇ春香……自分はどうすればいいの? 教えてよ!」
春香「ええっと……そうだね……とりあえず私が思ったことは──」
春香「──もう付き合っちゃえばいいんじゃないかな」
小鳥「今日のお前が言うなスレはここですか?」
おわり☆
どうすればもっと天使っぷりを前面に押し出して書けるのかわかりません
いつのまに765プロはこんなに百合百合してしまったのか・・・けしからん、もっとやれ!
はるちは正義
Entry ⇒ 2012.09.10 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
春香「私、将来的にプロデューサーさんに嫁ぐじゃないですか」
春香「今のうちに子供の名前とか決めといた方がいいと思うんですよ」
P「え?ごめんよく聞こえない」
春香「そういえばプロデューサーさんは何人欲しいんですか?」
P「え?ごめんちょっと意味分からない」
P「なあ分かったから扉から手、放してくれないか」
春香「一人の子に愛情たっぷりあげたいじゃないですか?」
P「うんわかるわかる」
春香「ですよね」
P「分かったから南京錠切ろうとしないでくれる?」
P「誰だよハルヒコ」
春香「女の子だったら春音とかどうでしょう」
P「ああ、きっと春香に似た可愛らしい女の子になると思うよ」
春香「ありがとうございます、きっと春彦はプロデューサーに似た優しい子になりますよ」
P「大丈夫春香の子が他人の俺に似るはずないから安心してくれ」
春香「あはは何言ってるんですかプロデューサーさん」
P「なんだい春香」
春香「お義父さんお義母さんに挨拶したいんでそろそろ実家の場所を教えて欲しいんですけど」
P「そうか春香は両親と別居しているのか偉い偉い」
春香「よくわからないですけどありがとうございます」
P「どういたしまして、だから掴んだ手を放してくれないか」
P「ああ、手が温かいやつは心が冷たいらしいぞ」
春香「その冷たい心を春の日差しが溶かすんですか?」
P「お前はいったい何をいっているんだ」
春香「すいませんプロデューサーさんこの手」
P「なんだどうした春香」
春香「我慢できないんで舐めていいですか」
春香「後2センチくらいだったんですけど」
P「そろそろ閉めていいかドア」
春香「開けてくれるんですか?」
P「開けるにしても一回閉めなきゃならんだろうに」
春香「ああ、確かに」
P「じゃあ閉めるから」
春香「はい」
春香「プロデューサーさんもう十分経ちますよ」
春香「プロデューサーさん嘘はいけないですよ嘘は」
春香「プロデューサーさん近所迷惑になりますよ」
春香「プロデューサーさん寝ちゃったんですかプロデューサーさん」
春香「あ、プロデューサーさん南京錠まだ付いてますよ」
P「確かに付いているかもしれない、けれど心は繋がっている。そう思わないか?」
春香「じゃあ後は身体が繋がるだけですね」
P「待っていま警備呼んでるから」
春香「警備さんに見られてないと興奮しない性癖でも?」
春香「そうですか?」
P「ああ、離れていても誰かと繋がっている。それはとても素晴らしい事だ」
春香「まるで私とプロデューサーさんみたいですね」
P「ああ、春香とファンたちに似ているな。だから電話を返してくれ」
P「そうかもしれないな」
春香「好きな子ほど苛めちゃうみたいな」
P「イヤなことをイヤと言わないとかな」
春香「その天の邪鬼な心を春の日差しが暖かく包み込むんですよね」
P「ごめん春香のたとえ話は難しくて俺には理解できない」
春香「本当ですか」
P「ああ、いつも元気で前向きで」
春香「照れちゃいますね」
P「どんな苦難にも諦めず立ち向かう度胸も春香の美点だ」
春香「えへへ」
P「だからその前向きさを俺の家のドアを打ち破る事でなく是非ファンたちに全力で注いであげてほしい」
春香「はいどうぞ」
P「その話は明日事務所でしよう」
春香「私はその話をつい昨日聞きましたよプロデューサーさん」
P「だが今度は約束を守ると言ったら?」
春香「プロデューサーさんの『今度』は一昨日の筈だったんですけど」
P「どんな子だい」
春香「ちょっとドジで」
P「うんうん」
春香「だけど頑張りやで」
P「かわいいかわいい」
春香「リボンがトレードマーク」
P「あーちょっとご遠慮願うわぁ」
P「うーんそうだなぁ、ドアを壊さない子かな」
春香「ドアを壊さなければ誰でもいいんですか」
P「で、ちょっとおとなしめな感じで」
春香「ふんふん」
P「可憐で清楚っぽい子」
春香「わかりました。可憐で清楚な大人しいドアを破壊しない春香さんですね」
P「もうそれでいいや」
春香「スリーサイズは知ってるじゃないですか」
P「大丈夫興味ないから」
春香「どうぞどうぞ」
P「春香は好きなタイプとかないのか?年上の情けない感じの世話焼き男以外で」
春香「うーん、プロデューサーさんですかね」
春香「おはようございます」
P「天気がいいな」
春香「暑いですね~」
P「ああ、空調入れようかな」
春香「あーいいですね」
P「いいだろ?なあ春香」
春香「はい?」
P「窓ガラスの鍵付近にガムテープ貼ってるのはなんでだい」
P「ドアから入るのをやめたら窓にガムテープ貼る理由になるのか」
春香「あ、これは破片が散らないようにするんですよ」
P「ごめんちょっと意味がわからない」
春香「いやだからそのまま割ったら破片飛ぶじゃないですか」
P「わかったから金鎚しまえよ」
P「なんだい春香」
春香「今日の服気合い入ってると思いませんか」
P「うんとても可愛らしいな」
春香「学校の友達にも彼の家に行くって自慢してきちゃいました」
P「へえ、彼氏が待ってるから早く行っておやり」
P「まあ待て」
春香「はい、どうしたんですか」
P「言葉が悪かった、恋人の待つ家に行くんだろう?」
春香「はい」
P「そこに行ってあげなさい」
春香「もちろんですっ」
P「まあ待て」
春香「はい」
P「ガラスは、割るな」
P「俺は涼しいよ、きっと今春香の家も涼しいだろうなぁ」
春香「それはつまりプロデューサーさんの家が私の将来的な家であることを掛けた言葉遊びですか?」
P「違うよ、言葉どおりだよ」
春香「言葉通りここはお前の家だよということですね」
P「お願いだから帰ってくださいお願いしますお願いします」
P「春香はやればできる子だなぁ」
春香「よいしょ」
P「だから割るなって言ったよね俺」
春香「あ、ガムテープ回収するんで待っててくださいね」
P「俺がやっとくから春香は家にお帰り」
春香「ではお言葉に甘えまして、ただいまプロデューサーさん」
P「日本語って難しいなぁ」
春香「はい、どうしましたプロデューサーさん?」
P「俺出掛けたいな」
春香「デートですか?」
P「うんひとりで」
春香「じゃあお夕飯作って待ってますね」
P「大丈夫お前が帰るまでネカフェで暮らすから」
春香「ネットカフェに2人きりって狭いけど肌の密着具合すごそうですねっ」
P「うんだから俺の上からどいてもらっていいかな」
P「俺に身の危険が迫ってるからだよ」
春香「つまり男はオオカミだってプロデューサーさんが教えてくれる流れですか?」
P「俺が今オオカミに襲われてるんだけどな」
春香「オオカミいませんけど」
P「見回すなオオカミ」
春香「あっ私かぁ」
春香「どんなことですか?」
P「春香がマウント解除するじゃん?」
春香「それで今度はプロデューサーさんが上に?」
P「俺が立ち上がるじゃん?」
春香「ああ、立位」
P「でネカフェに行く」
春香「なんでプロデューサーさんは執拗にネットカフェプレイを推奨するんですか」
春香「どうぞどうぞ」
P「シャレになんないから口開けんのやめてくんない?」
春香「じゃあ私もトイレに一緒に入っていいですか?」
P「いやです」
春香「じゃあ」
P「だから口開けんのやめて」
春香「プロデューサーさん春香さんトイレですよ春香さんトイレ」
春香「はい」
P「降参だ、一緒にトイレ行こう」
春香「行きましょう、私が拭いてあげますね」
P「春香、男の子は拭かないんだぜ」
春香「あ、そうなんですか。残念だなぁ」
P「恥ずかしいから心の準備がしたい。まず春香から入って」
春香「わかりました」
春香「お返事ないですけど大丈夫ですか?」
春香「プロデューサーさん、録画の準備できましたけど」
春香「プロデューサーさーん?」
春香「あれ、もう家にいない」
春香「こんにちはプロデューサーさん」
P「偶然だな、こんなところで会うなんて」
春香「プロデューサーさんカプセルホテルでしたかったんですか?」
P「うんカプセルホテルで誰にも邪魔されずゆっくりしたい」
春香「鍵くれないと入れないんですけど」
P「入れる気ないけど」
春香「焦らしプレイしたいんですか?」
P「そうそう」
春香「じゃあ準備しながら待ってますね」
P「なんだい春香」
春香「下のカウンターで閉め出されたって言ったんですよ」
P「へえ」
春香「けど合い鍵貸してくれませんでした」
P「そりゃ当たり前だろうに」
春香「でもここのホテルの鍵って家のより開けやすくて良かったです」
春香「あれまた居ない。窓から出てったのかな」
春香「お帰りなさい」
P「行ってきます」
春香「まあまあ」
P「なんでセーフハウスの場所まで知ってんだ」
春香「いや嫁としては知っておかないといざという時大変じゃないですか」
P「おかしいな俺独身だけど」
春香「そういうと思って婚姻届持ってきたんですけど判子がないんですよー」
P「持ってて良かった印鑑全種」
P「ああ、確かに」
春香「これが指についてるだけで判子になっちゃうんですよ?」
P「びっくりだよな」
春香「素敵ですよね」
P「ああ、だから俺の親指を放してくれないか」
春香「動くと削げちゃいますよプロデューサーさん」
P「わかった、なら刃物をしまおう」
P「ああ、さっきから腕相撲状態だもんな」
春香「あとちょっとなんですけど」
P「あとちょっとだな、俺の親指が婚姻届につくまで」
春香「じゃあ一気に行っちゃいましょう1、2、3ヴァイッって感じで」
P「いいねそれ今度歌に使おう」
春香「でもプロデューサーさん全力で抵抗するんですね」
P「ん?こらだましたな何もないぞ」
春香「えいっ」
P「おっとあぶない、騙されるところだった」
春香「いやだなあ、あそこに2人の未来が見えただけですよ」
P「暗闇でしたけど」
春香「見えないところに愛があるってことですよ」
春香「そろそろやめないかという話ならお断りします」
P「いや、俺はもうだめだだから最後にお願いを聞いてほしい」
春香「いいですよ、最後と言わず何度でも」
P「渾身ののヮのをみせてくれないか」
春香「いいですよ」
春香「のヮの」
春香「あれ?婚姻届がない」
P「さあどこだ」
春香「あはは、もうっ子供みたいなんですから♪」
P「この部屋のどこかにあるぞー探してみよう」
春香「うーんどこかなぁ」
春香「プロデューサーさんヒント…あれ?」
P「ヒントは破きました」
春香「あーあ」
P「じゃあ諦めて帰るってのはどうだ?」
春香「それはできないですよー」
P「だよねーでも婚姻届ないからなんもできないよねー」
春香「じゃあ二枚目を出しましょう」
P「」
P「いやな夢だったな」
P「窓を強化ガラスにしよう、うん」
P「さて仕事に行くかな」
P「行ってきます」
「いってらっしゃい」
おしまい
えっ
Entry ⇒ 2012.09.09 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「ハム蔵が死んで一ヶ月か……」
律子「そう、ですねぇ……。少しずつ、元の明るさを取り戻してきているようにも見えますが……」
P「……が?」
律子「やはりまだどこか無理をしているというか……なんとなく、空元気を装っているように見えますね……」
P「そう……だよな……」
ジャンガリアンとか小型種だと2、3年
ガチャッ
響「はいさーい!」
P「お、おう。おはよう、響」
律子「お……おはよう」
響「? どうしたんだ? 二人とも。なんか話してたの?」
P「べ、別になんでもないぞ。なあ律子?」
律子「え、ええ」
響「ふーん。ならいいけどさ」
響「ん? ああ、駅前のお店で目に入ったから買っちゃった。可愛いでしょ?」
――そう言って、ハムスターのぬいぐるみを見せつける響。
――大きさは、両手で抱きしめるのにちょうどいいくらいである。
P「あ、ああ……」
律子「か、可愛いわね」
響「でしょ~? まあハム蔵ほどじゃないけどね! えへへ」
P「…………!」
律子「響……」
響「あ、もうレッスン行かなきゃ! それじゃまた後でね! プロデューサー、律子!」
P「あ、ああ。頑張ってな!」
P「…………」
P「…………はぁ……」
P「うん……。これまで全然、そういうのに興味なかったのにな……」
律子「どういうつもりなのかしら……。いくらぬいぐるみやらを集めても、ハム蔵はもう帰ってこないって……分かってるはずなのに」
千早「……埋め合わせを、しているつもりなのかもしれないわ」
P「千早」
――部屋の奥から千早が出てきた。その後ろには春香と貴音もいる。
律子「埋め合わせ、って?」
千早「たとえるなら……穴の開いたバケツに、必死に水を注ぎ続けているような……そんな感じじゃないかしら」
春香「……バケツ?」
千早「ええ。でもいくら水を注いでも、バケツに水が満ちることはない。ただ注ぐ端から、こぼれ落ちていくだけ……」
貴音「…………」
律子「…………」
千早「でも他にどうしていいか分からない。ただ、何かをしていなければ自分を保てなくなる……そんな状態なんだと思うわ」
貴音「…………」
千早「……一度失った大切なものは、もう二度と元には戻らない……。そのことを、我那覇さん自身も、本当は分かっていると……思うから」
P「……千早……」
春香「……千早ちゃん……」
春香「……そう、ですね……。今の私達が、響ちゃんにしてあげられることなんて、何も……」
貴音「…………」
P「……貴音。お前はどう思う?」
貴音「? わたくし……ですか?」
P「ああ。何でもいい。何でもいいから……今の響に、俺達がしてやれること……何か、思いつかないか?」
貴音「そう……ですね……」
律子「貴音……」
千早「四条さん……」
貴音「……分かりました」
P「! 貴音」
春香「貴音さん」
貴音「わたくしにどこまでできるか分かりませんが……やれるだけのことはやってみましょう」
P「貴音……ありがとう」
貴音「いえ……。ただわたくしも……」
P「?」
貴音「……早く、響の“本当の”笑顔が見たいですから」
P「貴音……」
春香「貴音さん……」
響「ハム蔵……」
――響はテーブルの上に置いてある、今日買ったばかりのハムスターのぬいぐるみを手で弄んでいる。
響「………………」
響「……うぅっ……」
響「……なんで、死んじゃったんだよぉ……」
響「……だから、もう、先に……」
響「…………」
響「……うぇええええ」
響「……えぐっ、ぐすっ、ひっく……」
響「ハム蔵……帰ってきてよぉ……」
響「自分は、自分は、ハム蔵がいないと……」
響「……うぇええええええ」
ピンポーン
響「! だ……誰?」
響「…………」 ゴシゴシ
響「…………」 スタスタ
響「…………」 チラッ
――玄関ドアの覗き穴から外を覗く響。するとそこには、ハムスターのお面を付けた人物が立っていた。
響「うっひゃあ!?」
響「だ……誰?」
???「…………」
響「貴音……か?」
――その上背、お面からはみ出している銀髪は四条高音に他ならなかった。
貴音「…………」
響「貴音……何やってるんだ」
貴音「…………」
響「そんな、お面なんか付けて……」
貴音「……上がらせて頂いても、よろしいでしょうか」
響「……いいけど」 ガチャッ
響「……お茶、入れるね」
貴音「お構いなく」
響(貴音のやつ……何考えてるんだ……)
響「……はい」 コトッ
貴音「ありがとうございます」
響「…………」
貴音「…………」
響「…………」
貴音「…………」
響「……ねぇ、貴音」
貴音「はい?」
響「……それ、取ったら?」
貴音「…………」
響「…………」
響「なんでさ」
貴音「今日から私は……“四条はむ音”と名乗ります」
響「……はあ?」
はむ音「…………」
響「……いや、いや」
はむ音「…………」
響「自分ちょっと意味が分からないぞ」
はむ音「安心して下さい、響」
響「安心できる要素が微塵も無いぞ」
響「そ、それがどうしたの」
はむ音「……何故ですか?」
響「えっ……」
はむ音「これまで響は、そのようなぬいぐるみなどを買うことはほとんどありませんでした」
響「…………」
はむ音「それがここ一ヶ月ほどで、こんなに……」
――改めて響の部屋を見回すはむ音。テーブルの上にベッドの上、さらにはテレビ台の上などにも、そこかしこにハムスターのぬいぐるみやグッズが所狭しと置かれている。
響「……べ、別にいいでしょ。自分が自分のお金で何を買ったって。……貴音には、関係ないじゃないか」
はむ音「…………」
はむ音「…………」
響「…………」
はむ音「……ハム蔵の代わりを、求めているのでしょう」
響「!?」
はむ音「…………」
響「…………」
はむ音「……違いますか?」
響「…………」
はむ音「…………」
響「……それこそ貴音には、何の関係も――」
はむ音「あります」
響「えっ」
はむ音「…………」
響「…………」
はむ音「何故なら私は……四条はむ音ですから」
響「……いや、だから意味が分からないぞ……」
響「…………」
はむ音「響はハム蔵が亡くなってからというもの……毎日のように、はむすたぁのぬいぐるみやすとらっぷなどを買い集めていました」
響「…………」
はむ音「それはまさしく、ハム蔵の代わり、代役をそれらに求めていたからにほかなりません」
響「…………」
はむ音「……しかしもう、そんなことをする必要は無いのです」
響「……え?」
はむ音「これからは……私が、四条はむ音が、ハム蔵の代役を務めます」
響「…………は?」
はむ音「誠心誠意、務めさせて頂きますので……宜しくお願いしますね、響」
響「何言ってるんだぞ、貴音……」
はむ音「貴音ではありません。はむ音とお呼び下さい」
響「…………」
はむ音「おっと。この喋り方はハム蔵らしくありませんでしたね」
響「…………」
はむ音「可能な限り、喋り方もハム蔵を模したものに致したいと思います」
響「…………」
はむ音「たとえばこんな感じに。……ぢゅーい? ぢゅいぢゅいぢゅい?」
響「…………ッ……」
はむ音「ぢゅーい? ぢゅいぢゅいぢゅい?」
響「…………」
はむ音「ぢゅぢゅ? ぢゅ~い」
響「…………めろ」
響「……やめろ……」
はむ音「ぢゅ~い? ぢゅぢゅ……」
響「やめろって言ってるんさ!」
はむ音「…………」
響「…………」
はむ音「…………」
響「……貴音が、自分の事、心配してくれてるのは嬉しいけど……」
はむ音「…………」
響「……こんな事されても、嬉しくないよ……」
はむ音「…………」
はむ音「…………」
響「自分、確かに、ハム蔵が死んで、すごく悲しくて……」
はむ音「…………」
響「……それ以来ずっと、心のどこかで、ハム蔵の代わりになるものを、探し求めていたのかもしれないけど……」
はむ音「…………」
響「……でも、それに貴音がなるのは……すごく……嫌だ」
はむ音「…………」
響「……貴音は、貴音だ。ハム蔵の……代わりなんかじゃない!」
はむ音「当たり前でしょう!」
響「!?」
響「……貴音……」
貴音「…………」
響「…………」
貴音「……響」
響「……何?」
貴音「……お水を、一杯頂けませんか」
響「……蒸れてたんだね、中……」
貴音「ええ……申し訳ありません」
貴音「……いいですか、響」
響「……うん」
貴音「響はさっき言いましたね。わたくしはハム蔵の代わりなどではない、と」
響「……うん」
貴音「その通りです。わたくしは四条貴音。たとえわたくしが面を付けても声色を操っても、ハム蔵の代わりなどにはなれません」
響「……じゃあ、なんであんなことを……」
貴音「……それは……響に、気付いてもらいたかったからです」
響「……何を?」
貴音「……なんぴとも、ハム蔵の代わりなどにはなりえない、ということを」
響「…………」
貴音「……ですがまあ、このことは……響は既に、分かっていたかもしれませんね」
響「…………」
響「もう、一つ……?」
貴音「ええ」
響「何なの? それって……」
貴音「それは……そもそも、ハム蔵の代わりなどを探し求める必要はない、ということです」
響「…………?」
響「……う、うん……」
貴音「そんなことはありません」
響「……?」
貴音「ハム蔵は……ただらぁめん屋に出かけただけです」
響「…………え?」
響「……い、いやいや」
貴音「……響。あなたは、友人……いえ、この場合は“家族”でしょうか……。いずれにせよ、そういった者がらぁめん屋に出かけた……ただそれだけのことで、いちいち悲しがったり、落ち込んだりするのですか?」
響「……それは……」
貴音「……いいですか? 響」
響「…………」
貴音「死ぬことは……終わることではありません」
響「…………」
貴音「……確かにハム蔵の肉体は朽ち、その愛らしい姿を直接目で見ることはできなくなってしまったかもしれません」
響「…………」
響「…………」
貴音「つまり、響がハム蔵のことを忘れず覚えている限り……ハム蔵は今までと何ら変わりなく、響と共に在るのです」
響「…………」
貴音「……ただハム蔵は、ちょっとお腹が空いたので、らぁめん屋に出かけてしまった……」
響「…………」
貴音「ただ……それだけのことなのですよ」
貴音「…………」
響「……貴音」
貴音「……はい」
響「……たとえが下手過ぎ」
貴音「うぐっ」
響「……ハム蔵は、ラーメンなんか食べないし」
貴音「……そ、それでしたら、ひまわりの種ということに……」
貴音「…………」
響「……貴音」
貴音「……はい」
響「……自分、ハム蔵のこと、死ぬまで……いや、死んだって……忘れないぞ」
貴音「……はい」
響「……ずっと覚えてて、いつかまた会えたら、そのときは……」
貴音「……そのときは?」
響「……自分を置いて出かけた罰として……たらふくラーメン奢らせてやる」
貴音「……ふふっ。ならそのときは……わたくしも、ご相伴に預かることと致しましょう」
貴音「……ふふふ」
響「…………」
貴音「…………」
響「…………」
貴音「…………」
響「……ねぇ、貴音」
貴音「……はい」
響「……ちょっとだけでいいんだけどさ」
貴音「……はい」
響「……ぎゅってして」
貴音「……はい」 ギュッ
貴音「…………」
響「……ねぇ、貴音」
貴音「……はい」
響「……ちょっとだけでいいんだけどさ」
貴音「……はい」
響「……頭、なでて」
貴音「……はい」 ナデナデ
貴音「…………」
響「……ねぇ、貴音」
貴音「……はい」
響「……ちょっとだけでいいんだけどさ」
貴音「……はい」
響「……泣かせてもらっても、いい?」
貴音「…………」
響「…………」
響「………う」
貴音「…………」
響「………うぇ……」
貴音「…………」
響「うぇええええええええ」
貴音「……よしよし」
響「うぇええええええええ」
貴音「……よく頑張りましたね、響」
響「うぇええええええええ」
響「……すん、ぐすっ……うん……」
貴音「……よしよし」 ポンポン
響「…………」
貴音「…………」
響「…………」
貴音「…………」
響「……ねぇ、貴音」
貴音「……はい」
響「……ちょっとだけでいいんだけどさ」
貴音「……はい」
響「……このままでいさせて」
貴音「……ちょっとだけと言わず……いつまででも」
響「…………ありがと、貴音……ぐすっ」
貴音「……ふふっ」
P「貴音……上手くやってくれたんだろうか。特に連絡無かったけど……」
律子「もうそろそろ来ると思うんですけどね……響も」
春香「……やっぱり今、私達が響ちゃんにできることって言ったら、これまでと同じように接していってあげること……くらいだよね」
千早「そうね……こればかりは、本人が壁を乗り越えない限り、どうにも―――」
ガチャッ
響「はいさーい!」
貴音「おはようございます」
P「お、おお……おはよう響、貴音。二人とも一緒だったんだな……って何だ響、その大きな荷物は?」
響「えへへ~、これ、皆にあげるさー!」
P「こ、これって……」
律子「響が最近買い集めてた……」
春香「ひ、響ちゃん? これ……私達がもらっていいの?」
響「うん、いいのいいの!」
千早「我那覇さん……」
P「響、お前……」
響「……ふふっ。もう、いいんだ」
P「もう……いい?」
響「うん。だって、自分には……ハム蔵がいるから!」
P「! 響……」
春香「響ちゃん……」
響「……ま、今は“らぁめん屋”に行ってるから、ここにはいないけどねっ!」
P「? ……“らぁめん屋”?」
律子「? どういうこと?」
貴音「ええ」
P「??」
響「っと、いっけない! 自分、今日は朝一でボーカルレッスンだった! 早く行かないと! じゃあ皆、また後でねー!」
P「あ、おい響! ……って、もう行っちまった」
千早「……ええ、私達がよく知ってる……いつもの我那覇さんだったわ」
律子「正直、何が何だか分からないけど……ともあれこれで一件落着、ってことなのかしら?」
貴音「…………」
P「……貴音」
貴音「はい?」
P「……ありがとうな」
貴音「…………」 フルフル
貴音「わたくしは、ただ……もう一度、響の“本当の”笑顔が見たかった……ただ、それだけのことです」
P「……そうか」
貴音「……はい」
響「はいさーい! 我那覇響到着しましたー!」
レッスン指導「あら、今日はやけに元気が良いわね。何か良いことでもあったの?」
響「えへへー、それはないしょです!」
レッスン指導「あらあら。ま、いいわ。それじゃあ今日も厳しくいくから、覚悟してなさいよ」
響「はーい! 自分、一生懸命頑張りますから、よろしくお願いしまーす!」
響(……えへへ。これからも自分の事、ちゃんと見ててよね……ハム蔵!)
了
感動した!
よかった。シュールさといい話さのバランスが特に
Entry ⇒ 2012.09.09 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
美希「思い出のかけらを集めよう」
それが、起き上がったプロデューサーさんに言われた最初のことば。
何を言っているのかわからなかった。
ミキが車に轢かれそうになったから、怒っていじわるをしているのかと思った。
でも、プロデューサーさんは不思議そうな顔でミキの顔を見つめるだけ……
近くにいた先生は、ミキを病室の外で待っているように言ったの。
可笑しいよね、ケガは大したことないって言ったのに。
どうやら彼は記憶喪失みたいだ……
事故の時のショックが原因かもしれない、そう付け加えて。
きおくそうしつ?
それって、昔のことが思い出せなくなるあれ?
じゃあ、プロデューサーさんはミキのことわからなくなっちゃたの?
プロデューサーさんの中からミキがいなくなっちゃったの?
記憶喪失って、どういうこと?
どうすれば、治るの?
ここが病院だなんてことを気にしないで先生に詰め寄った。
どうしたんですか、先生?
騒ぎが気になったのか、病室からプロデューサーさんが出てきた。
その時の、プロデューサーさんのミキを見る目は
ミキの知っている、いつもミキを見ているプロデューサーさんの目じゃなかった……
というか、多分夢……ううん、絶対にそうに決まっているの!
プロデューサーさんが、ミキのことを忘れるはずがないし。
それなら、ミキが気にすることなんて何もないの。
だって、事務所の扉を開ければ……
ほら、プロデューサーさんがいるの!
もし、昨日のことが夢じゃなかったらまだ病院のはずだもん。
それで、いつもみたいにミキが挨拶したら、『おはよう、美希』って言うの。
美希「プロデューサーさん、おはようなの!」
P「えっ……あっ、君は昨日の女の子」
おかしいな。金髪で目立つから、間違えるはずがないんだが……
・
・
・
この芸能プロダクション、765プロの場所は財布に入ってた名刺に書いてあった住所を見てやってきた。
プロダクションの社長、高木さんは俺を見るなり、『昨日のことは聞いているよ、大変だったね』と言った。
病院の方で、連絡がいっていたようだ。
社長「とりあえず、自分のことがわからないのは不便だろう。少し待っていてくれ、君の履歴書を持ってくる」
履歴書ということは、俺はここで働いているということなのだろう。
自分がここで、どんな仕事をしていたのか気になって改めて名刺を見てみた。
765プロダクション所属プロデューサー:P
担当アイドル:星井美希
プロデューサーって、何をする仕事なんだ?
マネージャーとは違うのか?
それに……
俺の担当アイドルの星井美希って誰だ?
美希「プロデューサーさん、おはようなの!」
P「えっ……」
考え事をしていると、声をかけられた。
声をかけてきた子は、可愛い女の子だ。
この顔、何処かで見たような……
「あっ」
そうだ、思い出した。
P「君は昨日の女の子」
P「俺のこと、『プロデューサーさん』って呼んだけど、もしかして、君は星井美希さん?」
ねぇ、どうして、そんな他人みたいな言い方するの?
美希「うん……そうだよ」
P「そ、そっか。良かった、間違えたらどうしようかと思ったよ」
ミキもプロデューサーさんのことをそこの人って言ってた時もあったけど、今は違うよ?
P「俺、記憶喪失みたいなんだけど……君のことをプロデュースしてたみたいだね」
ねぇ、お願い……プロデューサーさん。
P「記憶をなくして、色々と迷惑をかけちゃうかもしれないけど改めてよろしくね」
P「星井さん」
ミキのこと、いつもみたいに美希ってちゃんと名前で呼んで。
初めの頃は、うまくいかずに謝罪することが多かった。
だけど3日経った辺りから、それなりにこなせるようになっていた。
まるで、それが当たり前だったようにだ。
そう言えば、病院の先生が記憶には2つあると言っていた。
1つは、思い出などの一般的に呼ばれる記憶。
もう1つは、作業に関する記憶。
これがあるから記憶を失っても、俺はケータイも車も扱えるそうだ。
ということは、プロデューサーの仕事もこの記憶の一部になっているのだろう。
記憶を失う前の俺は、相当働いていたのかもしれない。
今日の撮影だって、バッチリだ。
でも、当の星井さんはどうも顔が暗い。
何かあったのかい?と聞いても『ううん、なんでもないの』っと返されてしまう。
俺は、星井さんが車に轢かれそうになった所を飛び出して助けたらしい。
星井さんは、責任を感じているのかもしれない。
だから、俺に心配をかけないようにそう言っているか?
……。
もっと、頼ってほしいよ。
いつもだったら、カメラマンさんに、『美希を、動きながらドンドン撮ってもらえませんか』って言ってくれるのに。
やっぱり、プロデューサーさんはミキのことを忘れちゃっているんだね。
ううん、わかってるの……それはわがままだって。
だって、プロデューサーさんがミキのことを忘れちゃったのはミキ自身のせいだもん。
だから、これ以上はプロデューサーさんに迷惑はかけれない。
今のミキは、プロデューサーさんと一緒にいるだけで十分なの。
……。
ミキ……ウソツキなの。
前は気にならなかったのに……今はとっても気が重い。
ハンバーガーのセット……ポテトも味がよくわからなくて美味しくないの。
美希「うーん……」
P「どうしたの、星井さん?」
美希「食欲なくて……プロデューサーさん、フライドポテト捨ててきてもいい?」
P「あぁ、別にいいよ。でも、鴨のいるお堀には、投げ捨てないでくれよ」
美希「はーい」
そんなこと、わかってるよ。前に同じこと注意されたし。
大体、あれは捨てているんじゃなくて、先生にエサをあげて
えっ……プロデューサーさん?
P「うおっ! ほ、星井さん?」
さっきまでダルそうな顔をしていた星井さんが、突然顔を近づけてくる。
記憶を失った夜に、先生に詰め寄っている星井さんの姿と重なった。
いったいどうしたっていうんだ?
美希「今、何て言った?」
何を言っていた? さっきの自分の言葉を思い返してみる。
P「フライドポテトを捨ててきていいよって」
美希「そうじゃなくて、その後!」
P「その後って……鴨のいるお堀には、投げ捨てないでくれよとしか」
……あれ?
なんで、俺こんなこと言っているんだ?
何で俺、そんな場所を知っているんだ?
P「!?」
美希「プロデューサーさん!」
頭が痛い……
美希「プロデューサーさん、大丈夫!?」
P「星井さん……俺は」
美希「うん、大丈夫。ゆっくりでいいよ……」
星井さんは、急かすことなく待ってくれている。
ゆっくりと頭に浮かび上がってくるものを星井さんに伝える。
P「俺……知ってるよ。星井さんが、鴨に向かってフライドポテトを投げているの……」
サイズだって覚えている、Lだ。
美希「うん、そうだよ。ミキとプロデューサーさんは、そのお堀に来たことがあるの」
美希「今から行ってみる?」
P「あぁ……」
ねぇ、何を考えているの?
P「可笑しいよね。『俺』がここに来たのは、初めてのはずなのにさ」
P「ここは……すごく懐かしいよ」
美希「そうなんだ。あっ、先生!」
P「先生って鴨のことかい?」
美希「うん、ミキは先生みたいにプカプカういて何にもしないで、楽にトップにいきたいの」
P「そんなこと言っちゃだめだよ。きっとあの鴨だって、最初からうまく浮けたわけじゃないさ」
美希「あっ……」
あの時と同じ言葉……
美希「よかった……」
まだ、ミキはプロデューサーさんから消えていないんだね。
それに……
やっぱりプロデューサーさんは、プロデューサーさんなんだね。
じゃあ、もっとプロデューサーさんとの思い出の場所にいけば、
プロデューサーさんはミキのことを思い出してくれる?
前みたいに、ミキのことを名前で呼んでくれる?
前みたいに、二人で笑いあえる?
もし、そうだとしたならミキは……
美希「ねぇ、プロデューサーさん」
P「うん……なんだい?」
美希「ミキと一緒に思い出のかけらを集めよう」
プロデューサーさんとの、思い出のかけら……
ミキ一人しか持っていないなんて、そんなのいやだもん。
そう言って、星井さんはソッと手を差し伸べた。
星井さんは、俺の失った記憶を探してくれるみたいだ。
でも俺自身は、失った記憶を取り戻したいかと聞かれたらあまりハッキリとしたことを言えない。
取り戻せるならそれもいい、でも別に無くても困らない。
どうでもいい、それが自分の中にある答えだった。
いや……違う。
俺は、星井さんが求めている「記憶を失う前の俺」に嫉妬してる。
星井さんに頼られていたであろう、彼女を笑顔にできたであろう……その「男」に嫉妬している。
だって、これは星井さんから言ってきたことだから。
星井さんをプロデュースしている間、星井さんは俺のやり方に対して文句一つ言わなかった。
俺のやり方に「うん、わかった」と頷くだけだった。
その星井さんが、俺を求めてくれている。俺と俺の失った記憶を探してと頼んでいる。
だから俺は……
P「俺の思い出のかけら……一緒に探してくれるかい?」
星井さんの求めに応えよう。
差し伸べられた白い手に、自分の手を重ねる。
美希「うん! よろしくね、プロデューサーさん!」
星井さんの笑顔を見たのは初めてだった……
だから、プロデューサーさんのケータイに電話をかけてみたの。
でも、プロデューサーさんはいくら鳴らしても出なくて……もしかしたらと思って事務所に行ったの。
そしたら、やっぱり机に向かってお仕事していたの!
P「ごめん、仕事が残っていてね」
残っているなんて、ウソ……そんなのバレバレなの。
ミキ、ホントは知ってるよ。
プロデューサーさんが、次のライブやイベントの企画をお休みの日にまでやっているの。
ミキのために、一生懸命なの知ってるよ。
P「えっ、でも……」
次のファンイベントの企画がまだ途中のままだ。
正直言って、このまま一気に終わらせたいのだけど。
美希「むぅ……お仕事とアイドルのお願い、どっちが大事?」
少し怒った顔をして、そっぽを向く星井さん。
こういう表情も珍しい。
美希「思い出のかけら、集めよ。約束したよね」
自分で手伝ってくれと言ってしまったから、それを出されると流石に弱い。
まぁ、企画はまだ先の話だし、家でやればいいか。
P「わかったよ。それじゃあ、行こうか」
美希「うん……行こ、プロデューサーさん」
こうして、俺と星井さんの俺の思い出のかけら集めが始まった。
とは行っても、俺は俺のことをよく知らないから星井さんについていくだけだけど。
P「どこって、ただの自然公園じゃないかな」
プロデューサーさんは、首を傾げる……やっぱり覚えてないよね。
美希「そうだけど、少し違うの」
P「少し違う? 言っていることがいまいちわからないんだけど」
美希「ここはね、ミキのPVをとった公園なの」
面倒くさくて、けっこうテキトーにやったのは内緒の話。
P「あぁ……どうりで」
美希「えっ、覚えてるの!」
プロデューサーさん、もしかして……
P「資料室でみた星井さんのPV、そこに映っていたね」
なんだ……残念なの
美希「ううん、気にしないでいいよ。すぐに全部思い出せるはずがないし」
星井さんの落胆の表情が胸に刺さる。
都合よく思い出せない自分がなんだか情けなく思える。
P「ねぇ、星井さん」
それでも、微かに思い出したことがあった。
P「星井さんって、のんびり屋……というかめんどくさがり屋?」
星井さんが『えっ?』といった顔になる。
あっ、目がよった
P「いや、星井さんあの時は凄くかったるそうな顔をしてたから」
口元に手をやって、「あふぅ」なんて欠伸をしていたし……
他にも俺の言うことを面倒くさそうに聞いている星井さんの顔が浮かぶ。
俺がプロデュースしている時には、絶対に見られなかった星井さんだ。
……。
星井さんって、本来はもの凄く手の掛かる女の子だったんじゃないか?
P「だった?」
美希「うん……初めはね」
美希「でも、少しずつ人気が出て、ファンも増えてきて、もうちょっと頑張ってみようって思ったの」
でも、頑張ろうって一番思ったのは……
側で見てくれる人が喜んでくれるから
ミキ……プロデューサーのためなら、頑張れるよ
美希「どうしたの、プロデューサーさん?」
P「もっと、そういう星井さんらしさを俺に見せていいんだよ?」
美希「えっ?」
事故が原因で、俺に対して何処か余所よそしかった星井さん。
そのせいで、星井さんは自分を押し殺している部分はあった。
悔しかった、目の前にいる星井さんを引き出せていない自分が。
P「俺は……星井さんのことを忘れてしまっている。星井さんがどういう人物だったのかわからない」
P「でも、いま俺の目の前にいる星井さんは本当の星井さんじゃないと思う」
P「俺は、本当の星井さんを知りたいんだ」
美希「うん……そっか……」
プロデューサーさん、分かってたんだ。
他の人には、気づかれないようにうまくやっていたのに。
ミキのことを、しっかり見ていてくれてるんだね。
P「俺は、本当の星井さんを知りたいんだ」
美希「うん……そっか……」
本当のミキ?
それって、前みたいにわがままを言ったりしてもいいってこと?
疲れた時は、プロデューサーさんが優しく起こしてくれるまで寝ていいの?
ミキ、プロデューサーさんに迷惑をかけていいの?
P「構わないよ……」
俺は星井美希をプロデューサーだ。
だから、ありのままの星井さんをプロデュースしたい。
美希「ミキ、たぶんプロデューサーさんにいっぱい迷惑をかけちゃうよ?」
P「望むところさ」
記憶を失う前の俺が出来たんだ、出来ないはずがない。
美希「じゃあ……あの、プロデューサーさん」
P「おっ、早速かい?」
美希「うん……ミキ、お腹すいちゃったの。だから、おにぎり買ってきてくれないかな?」
……まぁ、これも星井さんの一面なんだろう。
そう自分を納得させて、コンビニに向かって走った。
息を切らせて、公園に戻った時、
待っていた星井さんは、俺の顔を見て楽しそうに笑った。
手の掛かる女の子なんだな……
上手くは説明できないけど、前より気安い関係にはなれたと思う。
美希「あふぅ……」
P「星井さん、起きて! ロケバス、もう現地についたから! 関係者の人に挨拶しにいかないと!」
美希「う~ん、キャラメル……マキアート……」
P「後で、買ってあげるから、だから起きてくれーっ!」
その分、色々と問題は起きるようになったけど……
美希「う~ん、まあまあかな」
P「随分とおとなしいね。前は嫌がって、スタジオ飛び出したのに」
美希「それは言わないでほしいの」
星井さんと一緒に仕事をしていくうちに、俺の思い出のかけらが……記憶が少しずつ戻ってきた。
まぁ、ほとんど職場で同じ時間をすごしているわけだから、当然と言えば当然なのかもしれない。
スタジオを飛び出して、ペットショップにいる星井さんを連れ戻したことが
ラジオでうっかりな発言をしてしまった星井さんをフォローしたり
そういった思い出のかけらが集まって、俺が昔の俺に戻ってきている実感がなんとなく湧いていた。
記憶を失う前の自分に、嫉妬していた自分が少し恥ずかしく思えた。
俺は、もう星井さんに頼られる立派なプロデューサー、そう自信を持って言える。
でも、どうしてだろう……
俺は、何か大事なことを思い出していないままな気がする。
プロデューサーさんは一瞬困った顔をするんだけど、
『しょうがないな』って笑ってミキのわがままに付き合ってくれる。
ミキがいけないことをする。
プロデューサーさんは、ミキに怒るんだけど
その後に、いっぱい優しくしてくれる。
オーディションに合格する。
プロデューサーさんは、ミキより嬉しそうにはしゃいで、なんだか可愛いの。
お仕事で疲れちゃったから、事務所のソファーで寝る。
そうすると、プロデューサーさんはミキを置いて先に帰ったりなんかしないで、
近くの机でお仕事して、ミキが起きるまでずっと待ってくれている。
そして、おはようって言ってくれる。
とっても嬉しいの、前みたいに戻れて。
プロデューサーさんと、ミキが笑顔でいて、そうやって毎日が優しくすぎていくの。
でも、プロデューサーさん……
どうして、ミキはまだ『星井さん』なの?
どうして、ミキは『美希』じゃないの?
今日のお仕事も2本もあって疲れたの。
でも、平気……だって、プロデューサーさんがいるから。
P「お疲れ様」
いつもみたいに優しい声でミキのこと
P「星井さん」
……名前で呼んでくれないの。
P「んっ……星井さん?」
星井さんが急に立ち止まって、話しかけてくる。
どうしたんだろう?
もしかして、疲れて眠いからおぶってとでも言うのだろうか?
星井さんならいいかねない。
美希「プロデューサーさん、どうしてプロデューサーさんはミキのことを星井さんって呼ぶの?」
なんで、そんな当たり前のことを聞くんだ?
それが星井さんの言葉を聞いた直後に思ったことだ。
だって、そうだろ。
星井さんは、星井さんなんだから星井さんって呼ぶのは当たり前じゃないか。
違うの……
P「だから、星井さんって呼ぶのが当たり前じゃないか」
そうじゃないの、プロデューサーさん……
ミキが聞きたいのは、そういうことじゃないの。
P「ほら早く事務所に帰ろうよ、星」
美希「違う!」
P「……!?」
美希「違う、違うよ! そうじゃないの!」
美希「どうして、プロデューサーさんはミキのこと、『美希』ってちゃんと名前で呼んでくれないの!?」
美希「星井さんなんて……何か変だよ」
それが星井美希をさす呼び方なんだから、何も問題はないと思うんだけど……
P「呼び方なんて、こだわる必要ないんじゃないかな」
お互いが、お互いのことをわかることができれば
美希「……」
美希「プロデューサーさんのバカッ!」
P「えっ、あっ……待ってくれ、星井さん!」
あっという間に星井さんは駆けていく。
慌てて俺も追う。
だって、そっちは……
ひどいよ……プロデューサーさん。
ミキは、プロデューサーさんに美希って呼んでほしいの。
呼び方一つでもミキにとっては大事なんだよ。
美希って呼んでくれるだけで、それはミキの特別になるんだよ。
それなのに、どうしてわかってくれないの?
プロデューサーさんのバカッ!
胸が苦しくて、居てもたってもいられなくてそこから逃げ出した。
後ろからプロデューサーさんが追いかけてきているけど、走り続けた。
そしたら急に、パッとスポットライトみたいにミキの体に光があたったの。
気になって、その光の来る方向を見てみたら、
大きな音を立てて、車が走ってきたの……
星井さんって、足が速いんだね。
追いかけるだけで精いっぱいだ。
俺、実は足の速さは少しだけ自信あったんだよ。
伊達に毎日、営業で駆けずり回ったわけじゃないからさ。
俺は、君を失いたくない。
俺はどうなっても構わないから、
あの時と一緒で、また君を守ってみせるよ。
だから、頼む……間に合ってくれ!
P「美希――っ!」
だって、いまミキは車に轢かれそうになって……
あれ、車止まってる。ブレーキが間に合ったのかな?
でも、もしそうなら、どうしてミキは歩道にいるの?
「おいっ! しっかりしてくれよ!」
何処かから声が聞こえるの。
あれ、この声知ってる。
いつもミキのことを呼んでくれる、優しい声。
スーツに、ネクタイ、それに、
「美希! 美希! しっかりしてくれよ、美希!?」
その顔と……『美希』っていう呼び方。
P「いつまでも寝ぼけてないで、起きてくれ美希!」
プロデューサーさん……
美希「うん、平気だよ。プロデューサーさんは?」
P「俺も、平気だよ……ギリギリ間に合ったみたいだ」
美希「そうなんだ。ミキ、またプロデューサーさんに助けてもらったんだね」
P「美希……」
プロデューサーさんが、マジメな顔してる。
あっ、きっとミキ怒られるの。
2回目だから、叩かれるくらいされちゃうかも。
でも、それくらいなら我慢するの。だって、プロデューサーに怪我がなかったんだもん。
ミキ的には、それで十分すぎるの。
ギュッと目を閉じて、頬に来る痛みを待ち構える。
でも、いつまでたってもプロデューサーさんははたいてこなかった。
プロデューサーさんは、何も言わずにミキを抱きしめてきたの。
P「よかった。美希が無事でよかった……」
P「美希……俺の大切なアイドル」
プロデューサー、ブルブルって震えている。
泣いているの?
P「美希が、俺の前から消えてしまうって感じた時、すごく怖くなった」
うん……それ、わかるよ。
ミキもプロデューサーさんの中から、消えちゃうって考えた時とっても怖かったから。
P「同じ時間も、喜びも悲しみも分かち合ったもう一人の俺」
ミキが、もう一人のプロデューサーさん?
そっか、そういう考え方もあるよね。
P「どうした、美希」
腕の中にいる美希が顔をあげる。
美希「ミキは、もう一人のプロデューサーさんなんだよね」
P「あぁ……そうだよ」
美希「じゃあ、プロデューサーさんはもう一人のミキなんだね」
P「そうだな……そういう考えもあるな。」
男の俺が、もう一人の美希と言われても気持ち悪い気もするが案外悪くない。
美希にそう思われるほどに、俺は美希との記憶を、思い出のかけらを共有できたということだろう。
プロデューサーとして、こんなに誇らしいことはない。
美希「じゃあ、ミキとプロデューサーさんは一緒ってこと?」
P「そうなるな。お互いに……なくてはならない存在だ」
俺自身、もう美希のいない生活を想像できないくらいだ。
美希「ミキとプロデューサーさん、二人で一人なんだね」
P「いや、消えてないよ。だから、ついさっきまでの記憶まで全部あるよ」
P「『俺』が色々と迷惑かけたな」
美希「ううん……楽しかったよ」
P「それは本当かい、星井さん?」
美希「う~ん、やっぱり美希ってよんでくれた方が好きかな」
P「そっか……そう言ってもらえると嬉しいよ」
美希「嬉しいだけ? 他にはなにもしてくれないの?」
P「えっ?」
美希「ミキとプロデューサーさんは、二人で一人なの。もう絶対に離れられないの!」
P「うわっ、美希!? そんな抱きしめるなよ」
美希「えへへ~、プロデューサーさんが最初にやってきたの!」
P「どうしてだよ。もう俺の記憶は戻っただろ、今更するなんて」
美希「ううん、今までしたのは昔の思い出のかけら集め。それで、これからは将来の思い出のかけら集めなの」
P「言っている意味がわからないんだが……」
美希「わからないの? 要するに、これからいっぱい思い出をつくろうねってことなの!」
P「なるほどな……」
美希「ダメかな?」
P「いや、最高にいい考えだ。ぜひ、付き合わせてくれないか」
美希「うん、わかったの。それじゃあ、プロデューサーさん、行動開始なの!」
P「おいおい、まずは社長の所に行って今日の報告をだな」
美希「そんなのより、二人の時間の方がずっと大切なの! ほら、プロデューサーさん早くはやく!」
P「おっと、手を引っ張るなよ……」
美希「さぁ、プロデューサーさん! 二人の思い出のかけらを集めに行こうなの!」
fin
お疲れ様
Entry ⇒ 2012.09.08 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
雪歩「響ちゃん、ケータイ鳴ってるよ?」響「お。美希から電話だぞ」
雪歩「美希ちゃん? どうしたの?」
響「うん、なんか美希こっち来るって」
雪歩「え!?」
響「もう少ししたら着くっていってたから、あのお店で待ってようよ!」
雪歩「う、うん。たしかにこの遊園地でのロケは終わったけど……」
響「美希はこの近くで撮影してたんだって。なんかここに来たかったらしい」
雪歩「美希ちゃん元気だなぁ……」
雪歩「ううん。大丈夫だよ。響ちゃんは、……だいじょうぶそうだね」
響「平気だぞ! 自分、完璧だからなー」
雪歩「ふふっ、響ちゃんはすごいなぁ」
響「あ! 自分これにするぞ! 雪歩は?」
雪歩「う、うん。これにしようかなって」
響「あぁーそれも良いなぁ」
雪歩「それじゃ、半分っこしよっか!」
響「うん! ありがとうだぞ、雪歩!」
響「外にしようよ! 美希が来たときもすぐわかるだろうし」
雪歩「そうだね。それじゃ、っと……」ガタ
響「おぉーっ、遊園地に来てるって感じだぞ!」
雪歩「響ちゃん、私たちここに来たの朝だよ、いまさらだよ……」
響「仕事が終わったのはさっきじゃないか。自分、ちゃんと仕事のときは仕事のこと考えてるって!」
雪歩「そ、そうだね!」
響「それにしてもこのクレープ美味しいぞ!」
響「ほら、雪歩。食べてみてよ!」
雪歩「ありがとう、響ちゃん」パクッ
雪歩「わぁっクリームたっぷりで美味しいね!」
響「ふふん、そうだろそうだろ~?」
雪歩「ど、どうして響ちゃんが得意げなのかな……?」
響「………」ジーッ
雪歩「あっ、響ちゃんも一口どうぞ!」
響「わぁいっ!」パァッ
雪歩「ひゃあっ!」
響「あ、ごめん雪歩、脅かしちゃって」スッ
雪歩「だ、だいじょうぶだよ、響ちゃん」
雪歩「あ、それじゃ、交換しよっか」
響「うん!」
雪歩「はぁー幸せですぅ」ポワー
響「ほんのりとした苦味がたまんないぞぉー」ポワー
雪歩「響ちゃんといっしょに遊べて楽しかったよ!」
響「お化け屋敷の雪歩はかぁわいかったぞぉー!」
雪歩「や、やめてよぅ! そ、それに、響ちゃんも怖がってたじゃないっ」
響「こここここ怖がってなんかないぞ? 自分完璧だから、怖いものなんてないさー!」
雪歩「じゃあ、もいっかい行く?」
響「勘弁してほしいぞ……」
雪歩「ふふっ♪」
雪歩「わ、私は怖かったよぅ」
響「えへへ、雪歩、ジェットコースターもっかい乗りに行かないか?」
雪歩「い、いじわるだよぅ響ちゃん……」
ハヤイヨーーー!!! ギャオオオオオオン!
響「ほーら、すっごく楽しそうな声が聞こえてくるぞ!」
雪歩「あれは悲鳴だよぅ……!」
雪歩「うん! 私もまたプリン食べたくなってきたよ」
響「はい!」
雪歩「ありがとう。はい、どうぞ」
響「あーん!」
美希「ぱくっ! なの!」
響「え」
雪歩「あ、美希ちゃん!」
響「あ、あぁっ、美希ッ! 自分のクレープだぞそれ!」ガタッ
美希「響、ごちそうさまなの」ペコリ
響「うぎゃーっ! 美希にクレープ食べられちゃったぞー!」
雪歩「ひ、響ちゃん落ち着いて。ほら、抹茶プリンあげるからっ」
美希「うん、響はいいチョイスをしたの!」ペロッ
美希「ごほーびに苺ババロアを一口あげるの」スッ
響「うがああっ!」バクッ
雪歩「み、美希ちゃんも落ち着いて! プリン食べる?」
美希「ひどすぎるの! いくらなんでもやりすぎだって思うな!」
響「ふぁはーふぃおふぁおっ!」モグモグ
美希「なにいってるかわからないの!」
響「ごくんっ! ざまーみろだぞ!」
雪歩「そ、そんなこといっちゃダメだよぅ響ちゃんっ」
美希「響ぃーっ! 苺ババロアの恨みは怖いよ!」
響「美希だってクレープ食べたじゃないか!」
美希「ぜぇったい許さないって決めたの!」
響「こっちだって許さないぞ!」
美希「ぜんぶ食べるなんてやりすぎなの!」
響「こっちだって最後の一口だったんだ!」
美希「うぅぅーっ!」
響「ぐるるるるるっ!」
雪歩「こ、こらあああっ!」
――
―
響「ご、ごめんだぞ、雪歩……」
美希「ミキが悪かったの……機嫌なおしてほしいな」
雪歩「ケンカしちゃう二人なんて知らないもん!」プイッ
響「あう……」チラッ
美希「うぅ……」コクッ
雪歩「………」
美希「そ、そうでしょ? クレープも美味しかったの!」
響「じ、自分、苺ババロアにはまりそうだ!」
美希「そ、それはいいの! おすすめなの!」
美希「二人で仲良く食べるってステキなことだって思うな!」
響「そ、そうだよなー自分たち仲いいもんなー!」
雪歩「………」
美希「あは、あはは」
響「あはははは」
響美希「ほっ」
雪歩「あ、ふたりとも、抹茶プリン、どうかな?」
美希「欲しいの! すっごく美味しそうだね!」
響「じ、自分ももう一口だけ」
美希「それじゃあ響に先にあげるね。はい、あーん」
響「あーん」パクッ
美希「いただきますなの!」パクッ
響「うはぁーやっぱり美味しいぞぉー」
美希「本当なの、これはミキ的にかなりヤバいの!」
響「え? なにか食べなくていいのか?」
雪歩「美希ちゃん、お腹すいてないの?」
美希「来る途中でおにぎり食べたからへっちゃらなの!」ピョンピョン
響「よおーっし! それじゃまずはあのジェットコースターだ!」
グルグルダヨーーー!!! エリチャンシッカリシテー!
美希「うん! ミキもさっきから気になってたの!」
雪歩「ふえっ!? またあれに乗るの!?」ビクゥッ
美希「二人はもう乗ったの?」
雪歩「う、うん、収録中に」
響「たぁのしいっぞー! で、ぱっと横を見ると雪歩が目を見開いてかたまってるんさー! もう可笑しくって」
美希「あはっ☆ 雪歩は精進モノなの!」
雪歩「それをいうなら小心者だよ……」
響「修行僧みたいになってるぞ」
美希「こまかいことにこだわっちゃイヤン♪」
響「ごめん、地下鉄の路線図しかないぞ……」
雪歩「あ、あるよ美希ちゃん。っていうか、響ちゃんはどうしてそんなの持ってるの……?」
響「自分、電車の中でも地下鉄は苦手なんだ……」
美希「ありがとうなの雪歩! ミキも地下鉄は景色が見れないからあんまり楽しくないなっ」
雪歩「地上の線路から地下にもぐっていくときがたまらないですぅ」
響「ご、ごめん、よくわからないぞ……」
響「あと自分、地下鉄の駅のつながりもよくわからないさー」
美希「それはあるよねー。改札がすっごい離れてたりするの」
美希「ミキ的には空が見えたほうがいいって思うな!」
響「あと風が強いよね。髪がぐっしゃぐしゃになっちゃうぞ」
雪歩「あれは困るよね。私、帽子が飛んじゃったことあるよ」
美希「ミキはスカートがばさーってなっちゃったことがあるの。あは」
響「いや、笑ってる場合じゃないぞ美希!?」
雪歩「わ、私も気をつけないと……!」
美希「雪歩のスカート、とっても似合ってるって思うな!」
響「自分はあんまりスカートはかないから安心だぞ……」
雪歩「ふひぃ! た、高いですぅ!」
美希「あはっ☆ 雪歩ってば、これからもっと高いところまで上がるんだよ?」
響「やよいなら泣き出しちゃうかもなー」
響「美希、バッグこっちに置いとくよ」
美希「ありがとうなの!」
響「よし、乗ろう!」
美希「ほら雪歩。まんなかなら怖くないでしょ?」ストッ
雪歩「う、うん……」ストッ
雪歩「ふひぃ」
どうしてこうも差が出るのか
慢心、環境の違い
美希「後ろのほうが怖いって聞いたよ?」
響「あーらしいなー」ストッ
雪歩「え!? そっそうなの!?」
ガチャン
雪歩「ひゃわぁっ、だ、出してぇっ!」ジタバタ
響「わぁっ雪歩落ち着いて!」
美希「れっつごーなの♪」
――
―
美希「はーっ楽しかったの!」
響「雪歩ーだいじょぶかー?」
雪歩「」
美希「雪歩、途中から気絶してたの」
響「自分はがっちり腕を掴まれてたぞ……」
雪歩「」
響「ちょっとベンチで一休みするさー」
美希「りょうかいなの!」
響「にふぇーでーびる、美希」
美希「どういたしまして、なの。雪歩は?」
雪歩「う……はう……?」
響「おっ気がついたぞ」
美希「雪歩ーっ?」
雪歩「? あ、あれ……? ジェットコースターは?」キョロキョロ
響「えへへっ、もう終わったぞ」
美希「はい雪歩。これでも飲んで元気出すの」
雪歩「!? げほっ! けほっけほっ」
響「雪歩!?」
雪歩「美希ちゃんこれ炭酸強すぎだよぉ~っ」ウルウル
美希「あ……ごめんなさいなの」
響「ほら、雪歩。自分のと交換しよっ」
美希「ミキのもあげるよ!」
雪歩「美希ちゃんのもっと強そうだよ!?」
美希「そ、そうかも……」
雪歩「うんっ。次の乗り物にいこう?」
響「よーし! じゃあ次はあれに乗るさー!」ビシッ
美希「い、いや響、あれは」
雪歩「さ、さっきよりも高いですぅ!」
響「ロケじゃ乗れなかったけど、あの高いところから景色を見るアトラクションなんだろ?」ワクワク
雪歩「違うよぅ! あれは、あれはもっと恐ろしいものなんだよ……!」
響「え? ほらほら、登っていくぞ! うわーすごいなー!」キラキラ
美希「すりーつーわーん」
ゴッ
美希「あれは高いところから落ちるのを楽しむアトラクションなの」
雪歩「や、やっぱり怖いですぅ!」ガタガタ
美希「乗る? 響」
響「い、いやだぞ……」
響「なんだあれ、おかしいでしょ、落ちるって、落ちるって……」ボソボソ
美希「なんだか響がおかしくなっちゃったの」
雪歩「あれはやめようよ美希ちゃん」
雪歩「真剣な顔して何言ってるの!?」
響「そうだぞ! って、"たち"……?」
美希「雪歩! ここは美希と響に任せろなの!」ガシッ
響「ええぇぇぇぇっ!?」
雪歩「響ちゃん……」
響「雪歩っ! そんな哀しい顔しないでよ!?」
美希「ミキ、この戦争が終わったらハニーと結婚するの……」テクテク
響「いーやーだぁーっ!」ズルズル
響「うわあぁぁぁん! あんまー! にぃにー! 助けてー!」
美希「響ちょっとうるさいの」
響「素に戻ってる!?」
雪歩「響ちゃん……がんばってね!」キュッ
響「がんばりようがないぞ雪歩!」
ガコンッ
美希「あ、動いたの」
響「ひぃぃっ」
響「ま、まだなのか!? まだ上がるのか!?」
美希「響、目を閉じてちゃ景色が見れないよ? ほらすっごい遠くまで見えるの!」ブンブン
響「わぁぁっ美希、揺らさないでッ!」
響「って目を開けちゃったぞ! ――は」
響「すごい……街がぜんぶ見えるさー……」
美希「♪」
ガクン
響「!?」
カコンカコンカコン…
響「こ、壊れたかと思ったさ……」ドキドキ
美希「響、雪歩が手を振ってるよ」フリフリ
響「そうなのか? ってわひゃああぁぁ高いぃぃぃ怖いぃぃぃぃ!」
美希「あはっ☆」
響「み、美希! だましたな!」
美希「雪歩が手を振ってたのはウソじゃないの」シレッ
響「むあああああああっ!」
響「ま、また止まったぞ」
美希「ここが一番上なの」
美希「ねぇねぇ響! 事務所ってあっちのほうかなぁ?」
響「え? いやいや、こっちでしょ」
美希「そっか! あはっ☆ 見て見て響っ! 今ならなーんにでも手が届きそうなの!」バッ
響「おおっホントだぞ! すごいすごい!」パッ
ゴッ
響「うぎゃあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――」
雪歩「ひ、響ちゃん、だいじょうぶ……?」
響「」
美希「響も100%楽しんだって思うな!」
響「」
雪歩「言い返す気力もなさそうだよ……」
美希「それじゃ響、もっかい乗ろっ? 次は空を見上げて落ちるの! そしたらねぇ、」
響「――もう乗らないぞっ!」
美希「生き返ったの」
雪歩「死んでないよ!?」
――
―
美希「次はこれなの!」
雪歩「これは……ゴーカート?」
響「ようし、勝負だ! 美希、雪歩!」
…
響「ボロ負けしたぞ……」
美希「ハンドルを握った雪歩、怖かったの……」
雪歩「ご、ごめんね! なんだかよくわからないうちに……」
フネユラユラ
美希「ミキ、これはちょっと遠慮したいの」
雪歩「美希ちゃんも怖がるほどなの……?」
響「えへへ! 情けないぞ、美希! こんなのたいしたことないって!」
…
美希「ミキ、さかさまはあんまり好きじゃないな」
雪歩「う、わぁ……」
―――「うぎゃあーっこんなの聞いてないぞおぉっ!」
響「あー空中ブランコなー」
美希「これミキのスカートだとパンツみえちゃうかもなの」
美希「でも乗るの」
響「乗るの!?」
雪歩「美希ちゃん、もうちょっと恥ずかしがろうよぅ」
…
美希「雪歩の言うとおり、キモチよかったの!」
響「完璧なガードだったぞ……」
雪歩「!」
美希「……?」
響「どうしたんだ? ふたりとも」
美希「真クンの匂いがするの……」クンクン
雪歩「真ちゃんの痕跡がありますぅ」ナデナデ
響「え……?」
雪歩「びっくりミラーハウス……?」
美希「あはっ☆ なんだか楽しそうなの! 入ってみるの!」
…
響「みきぃ~っ! ゆきほぉ~っ! どーこーだー!?」
雪歩「響ちゃあんっ! こっちだよ、あいたっ」
美希「うん、今日もどの角度からもイケてるって思うな」クルリ
響「うぎゃーっ外に出られなくなっちゃったぞー!」
響「こ、ここは……」
美希「? どうしたの? 早く行こうよ!」
雪歩「こ、ここはだめだよ美希ちゃん! 冗談にならないよ!」
響「ミイラに4000年の呪いとかかけられちゃうんだぞ!」
美希「……ただのお化け屋敷だよ?」
響「いやいやいやいや、危険すぎる。ほんとほんと」
雪歩「次! 次いこっ? ね?」
美希「ぶぅーっ……」
響「え?」
雪歩「美希ちゃん?」
美希「響ってば、ぜーんぜん完璧じゃないね! だってお化け屋敷が怖いんでしょ!?」
響「………」
美希「お化け屋敷を怖がって完璧とか、ジョーダンきついの! あはっ☆」
雪歩「み、美希ちゃん」
響「……わかったぞ。お化け屋敷に入ってやる! 自分、完璧だからな!」バッ
美希(響、マーティみたいなの)
雪歩「ひ、響ちゃん……っ」
響「これ、預かっててくれ」スッ
雪歩「う、うん」
響「自分、必ず生きて帰ってくるからな。そしたら一緒に観覧車に行こう」
雪歩「う、うん?」
響「さぁ行くぞ美希!」
美希「いってらっしゃいなの!」
響「えっ」
美希「えぇーっ、ミキべつにお化け屋敷好きじゃないの」
雪歩「あんなに入りたそうだったのに!?」
美希「あれは響と雪歩が面白そうだったからなの」
雪歩「えぇぇっ!」
美希「おっと、口が滑っちまった、なの♪」
響「なんだよそれぇ!」
美希「……完璧」ボソッ
響「行くぞ! 美希、雪歩!」
美希「めーんどくさいのー」ズルズル
響「さぁ、自分の完璧っぷりを見せてやるさー!」
…
―――「うっぎゃあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
…
美希「こ、これは、予想以上だったの……」
雪歩「二回目なのに心臓が止まるかと思いましたぁ」
響「」
雪歩「わぁーきれい……」
響「右も左も全部見えるぞ!」
美希「さっきもよく見えたよ?」
響「思い出させないで欲しいぞ……」
雪歩「えっと、あ、ほ、ほら、響ちゃん! あそこ、この前ライブした場所じゃないかな?」
響「おぉっ! あんなに広かったのに、ちっちゃく見えるなー! あははっ」
美希「またあんな風にきらきらしたいの」
雪歩「できるよ!」
美希「うんっ! そうだよね! きっとまた、ハニーがきらきらさせてくれるって思うな!」
響「そうだね! がんばろっ!」
雪歩「ふふっ、おーっ!」
…
美希「はーっ満喫したのーっ」ノビー
響「お腹すかないか? なにか食べていこうよ!」
雪歩「う、うん! ちょっとおうちに連絡してくるね」
美希「ミキんちはだいじょーぶだよ♪ 響こそ、ハム蔵とか平気なの?」
響「みんな賢いからな! ごはん置いてきたし」
美希「そうなの」
雪歩「お待たせぇ」
美希「よーし、それじゃいっくのー!」ダッ
響「お腹すいたぞー!」タタッ
雪歩「あぁっ待ってー!」
――
―
響「それじゃ、撮影を早く終わらせて、ここに来たのか? あ、これ美味しい」
美希「そうなの! ミキ、ここに来てみたかったんだぁ。響、ちょっとちょうだい」
雪歩「どうして来てみたかったの?」
美希「ハニーとのデートの下見なの! 雪歩にもこれあげるの」
雪歩「ありがとう美希ちゃん」
響「美希は相変わらずプロデューサーばっかだなぁ! 雪歩、それ一口欲しいぞ」
雪歩「はい、どうぞ。響ちゃん」
響「あはは、意味わかんないぞ」
美希「響は当然として、雪歩はハニーのこと好きなの?」
雪歩「ごほっ!? げほっ! あうぅ」
響「美希!? 直球すぎるさ! ていうか自分は当然ってどういうこと!?」
美希「言葉のとおりの意味だけど……。これまた美味しいのーっ♪」
雪歩「けほっけほっ。んぐっ、ごくごく……っ」
響「大丈夫か? 雪歩」
雪歩「う、うん」
雪歩「み、美希ちゃん」
美希「はいなの」
雪歩「わ、私はね? プロデューサーのこと、嫌いじゃないよ?」
雪歩「こんなダメダメな私を助けてくれる、だいじょうぶって言ってくれる、すごく……安心するひと」
響「よくわかるぞ」
雪歩「男の人はまだちょっと苦手だけど、プロデューサーはだいじょうぶ」
雪歩「好きとは少し違うかもしれないけど……、一緒にいたいひと。私はそう思ってるよ」
美希「ふむふむなの。響、やっぱりこれはライバル登場なの」
美希「好きとは少し違うとか言ってるけど、これはあきらかに恋なの」コソッ
響「そ、そうなのか。たしかに、一緒にいたいっていうのは自分と同じだもんな」コソッ
美希「やっぱり響もそうなんだね。あはっ☆」コソッ
響「うぎゃああああ!」
雪歩「聞こえてるよ……」
雪歩「でも、ひんそーでひんにゅーでちんちくりんな私なんかじゃ、プロデューサーにつりあわないよ。美希ちゃんならお似合いかもしれないけど」
響「雪歩でちんちくりんなら自分はなんなのか教えて欲しいぞ……」
響「なんくるないさー……。自分、おとなしくパスタ食べてるぞ……」
響「どうせ自分はこのなかで一番背が小さいさー……」
雪歩「だ、だいじょうぶだよ! 胸の大きさなら……はうっ! やっぱり私はダメダメですぅ~っ!」
美希「ミキがハニーとお似合いなのは、たしかにそうだけど」
美希「雪歩だって、つりあわないなんてことないって思うな」
雪歩「え?」
美希「だってミキ、雪歩のすごいところちゃんと知ってるよ?」
美希「優しいし、気配りできるし、あとミュージカルのときの雪歩、すっごくカッコいいの!」
雪歩「響ちゃん」
美希「そうかもなの。だからもっと、自信を持っていいって思うな」
雪歩「美希ちゃん……、ありがとう」
響「えへへっ。美希がお姉さんみたいだな!」
美希「ミキはこのなかで一番若いの!」
雪歩「あ、わ、私がお姉さんだよね! うん! 雪歩おねえちゃんって呼んで!?」
響「雪歩ねぇね?」
美希「どうしたの? 雪歩おねえちゃん」
美希「ミキ、ほんとにお姉ちゃんがいるからヘンなカンジなの」
響「自分はにぃにだなぁー。にぃに、元気にしてるかなぁ……」
美希「じゃ、今度みんなで響の家にいこうなの! 響の大好きなおにーさんも見てみたいし!」
雪歩「それ、すごくいいかも……」
響「なんでそーなるんだ!? っていうか大好きじゃないしにぃにとか!」
美希「そーだよね。響が大好きなのはハニーだもんねー」
響「そっそれも違うからぁ~っ!」
――
―
響「ふわぁーっ遊んだ遊んだーっ!」
雪歩「楽しかったね。今度はみんなと来れたらいいな」
美希「ミキはちょっと眠たくなってきちゃったの。あふぅ」
響「それじゃあ今日はもう解散しよっかー」
雪歩「そうだね。暗くなってきたし、うちのひとたちも心配しちゃうよ」
美希「それがいいの。ベッドがミキを呼んでるのぉ~」
響「それじゃまた明日ね!」
雪歩「うん! 今日はありがとう!」
美希「おやすみなさいなのぉ~」
美希「ハニー!」ガバッ
P「おお、美希か。おはよう」
美希「おはようなの! ねぇねぇハニー、昨日ミキね、雪歩と響と遊園地に行ってきたんだよ?」
P「ほおーそれはいいじゃないか」
美希「それでね、すっごく楽しかったから、ハニーとも行きたいなぁって」
P「あーまぁ時間ができたらなー」
雪歩「ふふっ。美希ちゃん、嬉しそうだね」
響「いつもどおりさー」
響「美希ィっ!?」ガタッ
美希「あれ? あはっ☆ まちがったの。響が大好きなのはおにーちゃんじゃなくてハむごむご」
響「はぁっ、はぁっ、美希、ちょ、ちょっと、静かにしようよ」
P「? 響、どうしたんだ?」
響「い、いやっ!? な、なんでもないぞ!」
美希「むごむぐむーむむー」
響「美希、お願いだからそれはやめてよぉっ!」
雪歩「ふふっ。私は、この、このままで、幸せだよ?」
春香「ん? 雪歩、なにか言った?」
雪歩「ううん! なんでもないっ」ニコッ
おしまい
遅くまでありがとござした
響可愛い
乙
乙
Entry ⇒ 2012.09.08 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
真「みんなはプロデューサーとスキンシップを取りすぎてる!」
P「ただいま戻りましたー」
美希「ただいまー、なの」
小鳥「あらお帰りなさい……って、腕なんか組んじゃってどうしたんです?」
P「いやぁ、途中で美希に会いまして。それから離れてくれないんです」ブンブン
美希「ヤ! 振り回しても離れないの!」ギュ
P「ああもう。どうしたんだよお前……」
美希「ミキはハニーが大好きなの!」
P「わかったから離せって」
美希「なんにも分かってないの! 気持ちは表現しないと伝わらないの! これはミキの愛の形なの!」
美希「ハニー! 愛してる!」ギュ
ウウウウ
小鳥「あら〜」ニヤニヤ
あずさ(気持ちは……!)
雪歩(表現しないと……!)
伊織(伝わらない……!?)
ジリッ……
アイドル「……ムッ!?」
春香(美希の言葉を受けて全員が動こうとしてる……)
真美(でも全員が同時に動き出そうとしたせいで逆に全員が動けない……)
響(自分、完璧だから……)
やよい(うっうー! みんなでにらめっこでしょうか?)
千早(アクセルフォームは……高槻さんの近くでは使いたくないわね)
亜美(うあうあー! こうしてる間にもミキミキが兄ちゃんと……)
ジリジリッ……
貴音「…………」
アイドル「!?」
貴音「あなた様?」
P「た、貴音か! 頼む美希を剥がしてくれ!」
P「なんと!」
貴音「……」ギュ……
P「ふわぁ……」
貴音「親愛の念を表す手段と聞き及んでおります。……如何でしょうか?」
P「面妖だな」
美希「た、貴音! 今のハニーは美希専用なの!」
貴音「美希ももう少し寄りなさい」ギュ
美希「ふわぁ……」
貴音「少々暑いですね。ふふっ……」
美希「面妖なの」
小鳥「貴音ちゃんのハグは想像以上の威力のようね……」
貴音「すきんしっぷ、とはまこと良きことですね」ニコニコ
雪歩「プロデューサー、お茶をどうぞ」
P「おう、ありがとうな」
雪歩「……」
雪歩(気持ちは表現しないと伝わらない、か……)
雪歩「……プロデューサー? 何をやってるんですか?」
P「ああ。クロスワードパズルだよ。最近はまっててさ」
P「雪歩も一緒にやるか?」
雪歩「いいんですか? じゃあ隣、失礼します」スッ
雪歩(勇気出して隣に座ったのになんにも反応してくれない……)
P「『地下に出てくる風船のようなモンスター』」
雪歩「あ、それ『プーカ』ですね」
P「おお。知ってるのか?」
雪歩「よく見ますから」
P「よく見る?」
雪歩「あ、いえ……」
P「?」
雪歩「あはは……」
雪歩(もしかして、今がチャンス?)
雪歩(でも、インパクトで負けちゃダメだよね?)
雪歩(そう、美希ちゃんのように……)
雪歩(抱きつく?)
雪歩(抱きつくの? 抱きつけばいいのかな?)
雪歩(だ、抱きついていいんだよね?)
雪歩(ええい、ままよ!)
雪歩「ぷ、プロデューサー!」
P「どうしt」
雪歩「えいっ!」ガバッ
P「ゆ、雪歩っ!? これは一体」
雪歩「し、親愛の念を表す手段と聞き及んでおりますっ!」
P「急にどうしてしまったんだ!」
雪歩「美希ちゃんが、」
P「?」
雪歩「気持ちは表現しないと伝わらないって美希ちゃんが……///」ギュ
P「おおう……」
響「親愛の念!」ガ-
P「うわっ、響か」ギュ
響「迎えに来てくれたの?」
P「道すがら寄っただけだ」
響「そこは嘘でも迎えに来たって言って欲しかったぞ……」
P「わるいわるい」
響「ん。でも受け止めてくれたから許してあげる」ギュウウ
P「ははは……。響もハグがお気に入りか」
響「『も』?」
P「ああ。なんだか最近みんなやたらと抱きついてくるんだよ……」
響(ううー……。みんな積極的過ぎるぞ!)
P「響ー?」
響「な、なんでもない!」
亜美「兄ちゃーん! 親愛のねーん!」
真美「心から抱きしめてやるぜー!」
P「お前らもいつも通りのはずなんだけどなあ。変に意識してしまう」ヨシヨシ
亜美「んー? どったの?」
真美「もしかして真美達のハグでドッキドキな感じ?」
P「あーうん。そんな感じ」
亜美「えー、兄ちゃんなんかキモイ……」
P「や、やかましいわ!」
真美「これは慣れるためにも練習が必要ですなあ! 亜美隊員!」
亜美「了解! ジークブリーカー!」ギチギチギチ
P「ぐああ! ご褒美です!」
あずさ「なんだかみんなの間でハグが流行ってるみたいですね〜」
P「そうみたいですねぇ。簡単に男に抱きつかないで欲しいんですけどね……」
あずさ「でもハグって親愛の表現なんですよね? 素敵です」ギュ
P「……自然に抱きつかないでください」
あずさ「あらあら〜」グイッ
P「あの、体重をかけないで……」
あずさ「あらあら〜」グイグイッ
P「あ、あずささん!」
あずさ「あらあらあら〜」グイグイグイッ
P「ちょ、マジで」
あずさ「あらあらあらあらあらあら」
P「あ、ああ、あああああ……」
\あらあら〜っ/
春香「プロデューサーさん!親愛の念ですよ!親愛の念!」ギュ
P「はいはい面妖面妖」
P(慣れてきた自分が怖い)
真「……」ジ-ッ
P「あ、真」
真「……」プイッ
P「どうした? 元気がないみたいだけど」
真「な、なんでもないです!」
P「そうは言うけd」
真「ボク、ちょっと用事があるので失礼します!」スタスタ…
P「お、おう……。お疲れ」
真(ううううう、皆が羨ましい… …)
真(プロデューサーさんにあんなにベタベタして!)
真(……)
真(今日も怒鳴ったりしてプロデューサーに嫌われてないかなぁ……)
真(でも……)チラッ
雑誌「なんや」
真「でも、これで、良いんですよね……?」
雑誌「ええんやで」
『男にウザがれる! うっとおしいスキンシップ系女子の典型5パターン!』
『基本を抑えたうざさ』
『まず暑い』
『チャオ☆』
『その2、困ると抱きついてくる』
『発展的なうざさ』
『そして暑い』
『チャオ☆』
『その3、挨拶代わりに抱きついてくる』
『恒常的なうざさ』
『やはり暑い』
『チャオ☆』
『その4、しっとりと抱きついてくる』
『艶やかなうざさ』
『もれなく暑い』
『チャオ☆』
『その5、ことごとく抱きついてくる』
『どうあがいても、うざい』
『いい加減安い芸人の一発ギャグじゃないんですから連呼させないでください』
真「……」ゾゾゾゾゾ……
真「ボクは……」
真「ボクは、プロデューサーにウザがられたくなんか無い!」
P「この前から真がよそよそしいなぁ……」
P「……」
P「よし! ここはプロデューサーとして元気付けてあげないと!」
P「えーとこういう時はどうすればいいのかこの前読んだ雑誌に載っていたような……」ガサゴソ
P「お疲れ様だな。よかったらこれから飯でm」
真「……」スタスタ
P「」
・・・
P「真!」
P「偶然だな。よかったらこれから飯でm」
真「……」スタスタ
P「」
・・・
P「ま、真!」
P「おはようだな。よかったらこれから飯でm」
真「……」スタスタ
P「」
P「」
P「あ、うん」
千早「プロデューサー? なにか元気が無いようですが……」
P「あ、うん」
千早「……」
千早「私なんかが抱きついても、気持ちよくありませんでしたか……?」
P「あ、うん」
千早「……」ブワッ
P「あ、うん」
P「あ、うん」
伊織「この伊織ちゃんが抱きついてあげてるんだから、もっと喜びなさいよ!」
P「あ、うん」
伊織「……」
P「あ、うん」
P(嫌な事……)
伊織「ねえ! 応えてってば!」
P「……」ボソッ
伊織「え?」
P「……真……」ボソボソ
伊織「ま、真? 真がどうかしたのね!?」
伊織「私に任せないさい!」
P「……真」ボソ
伊織「だから元気出して? ねっ?」
P(真に……嫌われた……)
伊織「ねぇってばぁ……」
P(……真)
P「あ、うん」
夜
伊織「第一回! 765プロ円卓会議を始めるわっ!」
千早「……」
春香「千早ちゃん? 大丈夫?」
千早「なんだか頭の奥がチリチリするわ……」
亜美「にしてもいおりん荒れてるね→」
真美「……あの日?」
あずさ「あらあら〜、伊織ちゃん? 辛い日は無理をしないd」
伊織「あの日と違う!」
あずさ「どうしてもっていう時は仕事m」
伊織「違うってば」
伊織「今日の議題は真! アンタについてよ!」
真「えぇ、ボク?」
真「ぷ、プロデューサーの元気がない!?」
雪歩「そういえば最近、生返事が多くなったような……」
響「でも真にどんな関係があるんだ?」
あずさ「イラついて周りに当たってしまうこともあるけれd」
伊織「わからないわよ。だからこそこうやって直接聞く機会を作ったんじゃない」
あずさ「痛くても薬に頼りすぎないようにね? 適度な運動g」
美希「でも言われてみれば最近の真クン、ハニーに冷たい気がするの」
あずさ「でもやっぱり薬に頼りたいときもあると思うの。そういう時は漢p」
貴音「……確かに、何度かあの方からの呼びかけを無視している場面がありましたね」
貴音「何かあったのですか?」
やよい「? 真さん? 今なにか隠しましたー?」
真「え!? いやだなぁそんなことないよははは」
真美「……」
ニア『ぬすむ』ピッ
真美「せいっ!」
真「あまい!」バッ
ニア『再動』『必中』ピッ
ニア『ぬすむ』ピッ
真美「撃滅のセカンドブリッドォ!」ババッ
真「精神コマンド!? やられたっ!」
春香「普通のティーン雑誌だね」ペラペラ
真「やめてー!」
千早「特集記事? どれどれ……?」
真「やーめーろーよー!」
『男にウザがれる! うっとおしいスキンシップ系女子の典型5パターン!』
全員「」
真(みんなに黙って卑怯なことをしてしまったんだ……嫌われても当然……)
伊織「あの、真」
真「はい……」
伊織「……」
真「ご、ごめんなさい!」
真「どうしてもプロデューサーに嫌われたくなくて……!」
真「皆に黙ってズルしちゃいました!」
真「本当にごめんなさい!」
全員「……いやぁ」
真「?」
響「これを信じちゃう真の将来が心配だぞ……」
亜美「亜美的にもこれは無いかな……。解説も適当だし」
真「えっ」
雑誌「えっ」
貴音「すきんしっぷとは、はぐとは、愛情表現の一つなのです」
貴音「親愛の念を持ってして触れ合おうとする者を、あの方が拒むはずがございません……」
真「!」
美希「だから、大丈夫! 真クンのしたいように、気持を伝えればいいの!」
真「た、貴音……! 美希……!」
真「ううん! みんな! ありがとう!」
真「ボク、自分に素直になるよ!」
P「ん? 幻聴か?」
真「違いますよ! 幻聴じゃありません!」
P「え、うそっ!?」
真「いいですかプロデューサー! 一度しか言いません!」
P「え? あ、うん」
真「プロデューサー!」ギュ
真「 大好きですっ!」
P「ふわぁ……」
おわり
やよい「うっうー! プロデューサーと真さんが仲良しです!」
春香「確かに急に仲良くなったよねぇ……」
春香「美希と貴音が背中を押したからかな?」
美希「美希はハニーの落ち込んだ所を見たくなかっただけなの!」
美希「まさかあんなにベタベタするようになるなんて……」ワナワナ
千早「なにが利いたのかしら? 『さっぱりわからないわ』」
春香「……」
亜美「……亜美にはなんとなく分かるよ」
真美「兄ちゃんはまこちんの冷たい態度にノックダウン寸前だった……」
亜美「そしてそこに急なハグ!それも熱烈な!」
真美「言うなれば砂漠の中のオアシス! 兄ちゃん思わず陥落!」
やよい「? どういうこと?」
亜美「つまり兄ちゃんはツンデレに弱いってこと!」
全員「!!!!」
おまけもおわり
Entry ⇒ 2012.09.07 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「あはは、雪歩は泣き虫だなぁ」 雪歩「ヒッグ……」
雪歩「プロデューサー……」グスッ
P「でもな、雪歩聞いてくれ」
雪歩「……はい?」
P「俺が仕事で場を離れるぐらいで泣くのはやめないか」
雪歩「ご、ごめんなさい……」
P「ああ、じゃあ行ってくる」
雪歩「え……ふ……うっ……うぅっ……」
P「ウソです。冗談です。ずっとここにいます」
雪歩「じゃあ行きましょう」
P「うん、だから入り口で待っててくれ」
雪歩「え……?」
P「ここは男専用だからな」
雪歩「っ……うぅぅう……」
P「よし、一緒に行こう」
雪歩「は、はい……」グスッ
雪歩「はい!」
P「じゃあな、また明日」
雪歩「ふぇっ!?」
P「ゆっくり休めよ」
雪歩「うぅぅ……あっ……ヒッグ……ううっ」
P「やっぱり雪歩の家まで送るよ」
雪歩「ヒッグ……あ、ありがとうございますぅ……」
雪歩「えっ……と、泊まって行かないんですかぁ……?」
P「うん」
雪歩「そんな……私……わた……ふぇ……」
P「よし、冷静に考えよう」
雪歩「……」グスッ
P「オッケー、我慢我慢。それで俺は男でプロデューサー、雪歩は女でアイドル」
雪歩「……そうです」
P「だから泊まれない」
雪歩「えっ……な……何でですかぁ……グスッ」ブワッ
P「よし、分かった。とりあえず家にお邪魔します」
P「うん。寿命が縮むぐらいご挨拶も出来たしそろそろ帰るかな」
雪歩「え……」
P「ほら、ここには俺以外にもたくさん人がいるし」
雪歩「か、帰るんですか……?」
P「うん、もう雪歩も寂しくないだろ」
雪歩「そ、そんあぁ……ぁぅぅ……」グスグス
P「よーしパパ、雪歩が寝るまで一緒にいちゃうぞー」
P(そろそろ行こう、殺されかねん)
雪歩「……」ギュウウウ
P(寝てるのになんて強さだ)
雪歩「……」ギュウウ
P「フン」バシッ
雪歩「……」
P「よし、起きてない。帰ろう」ソロソロ
雪歩「あ、あれ……?プロデューサー……ぷろ……ぷ……ふぁぁぁぁん!!」グスッ
「何だ何だ!?お譲!?」バタバタ
P「やっぱり考えて行動しないと」
P「とりあえず言える事はただ一つ」
雪歩「何ですか?」
P「決まってるだろ。出来るだけもう雪歩には会わない」
雪歩「わ、私に……会わない……」
P「あれー、おかしいなー。さっきまで誰もいなかったのに」
雪歩「い、今の……ほ、ほんとぉ……」グスッ
P「やっぱり雪歩はかわいいな」ナデナデ
雪歩「ぁ……そ、そんなこと……ないです……」
P「へぇー、そんなことが」
P「うわー、何やってんだよ」
雪歩「私以外のアイドルとお喋りしないでください……」グスッ
P「俺は雪歩以外も色々担当してるから、お前を特別扱い出来ないよ」
雪歩「そ、ぇ……わ……ぅっ……ぃゃぁ」ポロポロ
P「雪歩、お前がナンバー1だ」
雪歩「私以外の人と連絡取り合わないで下さい……」グスッ
P「これは仕事だから」カチカチ
雪歩「こんなものこうなんですぅ」バキャッ
P「あ、俺の携帯が」
雪歩「えへへ」
P「じゃーん、ここに予備があったのだ」カチカチ
雪歩「え……うぇ……ふぁぁ……そん……だめ……ぁぁぁぅうう」ポロポロ
P「そうだな、歩きながら携帯はだめだよな」
雪歩「これで安心ですね」
P「これじゃあ雪歩と連絡も取れないな。残念」
雪歩「えっ、ずっと一緒ならそんなの必要無いですよぅ」
P「あはは、何言ってんだお前」
雪歩「だって私たちずっと……でs」
P「あ、ちょっと家の鍵かけ忘れたから帰るわ。またな」
雪歩「えっ……ふぁっ……あぁあっぁあ……グスッ」
P「やっぱ勘違いだった」
雪歩「何ですか?」
P「ここ女子トイレの個室」
雪歩「そうですよ」
P「俺捕まっちゃうよ」
雪歩「そんなことないですよぉ」
P「というわけで脱出するから」
雪歩「ぇっ……ひとり……わた……うぅぅ……」ポロポロ
P「ごめん、俺が悪かった。早くトイレすませて」
雪歩「えへへ、今日は帰らないで下さいね」
P「あっ、あれは何だ!」
雪歩「え?」クルッ
P「アデュー」ブオオオオオン
P「雪歩は走るの速いなぁ。車より先に俺の家に着いてるなんて」
雪歩「ど、どぅ゛じで、にげ……ふぁぁぁ……」ポロポロ
P「雪歩なら俺を見つけてくれると思ったんだ」ナデナデ
雪歩「あ……えへへ……」
雪歩「何がですか?」
P「まずいなあ」
雪歩「そうですか?」
P「どうしたらいいと思う?」
雪歩「えっと……とりあえずチューとかどうでしょう?」
P「まずいなあ」
雪歩「はい」
P「だからチューとかキスとか接吻とか一生無理なんだな」
雪歩「……ぇえぁぅぅうう」グスッ
P「って事も無いけどな、プロデューサーとアイドルの付き合い方にも色々あるし」
雪歩「そ、そうですよね……!」
P「でも俺はしないよ」
雪歩「……ふぁぁぁあ」グスッ
雪歩「はい」
P「俺は雪歩が嫌いじゃん?」
雪歩「え……そ、う……ぅぅぅぅああ……ふぇぇええええ」ポロポロ
P「ってこともないじゃん?」
雪歩「……じゃ、じゃあ大丈夫ですぅ」
P「でも雪歩は真が好きじゃん?」
雪歩「私の前で雌豚の話しないでくださいぃ……」グスッ
P「あれ、仲良かったよね」
雪歩「そうですか」
P「いや、何当然のように来てるんですか」
雪歩「?」ゴソゴソ
P「意味が分からないみたいな顔して服脱がないで」
雪歩「ご、5秒も……うぅ……がんばりますぅ……」ジワァ
P「うん」ダダッ
P「あはは、いつの間に玄関に落とし穴を作ったんだ」
雪歩「ぅぅぅ……ずっと帰ってこないから……私心配で」ポロポロ
P「全裸の女の子に引きずり出される俺」
雪歩「えっ……も、もしかして……私とはいりたく……うっ……」グスッ
P「正解」
雪歩「あぅぅぅっぅ……私がひんそーで……ちんちくりんだからぁ……ですかぁ……」ポロポロ
P「いや、一緒に入って理性を抑えられるかどうか」
雪歩「うぅぅぅぅぅう……わたしぁ……きらぃ……ですかぁぁ……?」グスッ
P「わーい、雪歩と一緒に入れるなんて幸せだ」
P「イヤだ。ノー。ムリ」
雪歩「ふぇぇぇぇやっぱり私がぁぁぁ……」
P「だってアイドルの身体触っちゃうことになるだろ」
雪歩「裸を見て一緒にお風呂に入ってるのに今更何言ってるんですかぁ……」グスッ
P「ここにきて割とまともな事を」
P「普通に洗ってるのに喘ぎ声出さないで」
雪歩「も、もしかして……気持ち悪い……ですか?」
P「まあ、うん」
雪歩「ごめん……なさぃぃ……きもち……わるくてぇぇ……ふああっぇえぇ」グスッ
P「いくらでも喘いでください」
雪歩「……」サワサワ
P「あの、何か手つきがやらしいんですが。俺の息子を執拗に狙わないで」
雪歩「わ、わたし……へんたいじゃぁないですぅ……」ニュルニュル
P「普通は自分の身体を使って人を洗わないと思うな」
雪歩「うぅぅ……へんたいでごめんなさぃぃ……グスッ」ニュルニュル
P「と言いつつ手も身体も止まってないぞ」
P「流石にそんなに見られると恥ずかしい」
雪歩「や、やっぱり……わたしがひんそー……うぅっぅ」
P「正直俺の全精神力を使って制御してる」
雪歩「ふぇぇぇ……うぅっ……ああっ……ヒック」サワサワ
P「泣きながら触らないで。俺の息子が抑え利かなくなるから」
雪歩「ヒッグ……」グスッ
P「なのに何だこの罪悪感」
雪歩「というわけで、晩御飯持ってきましたぁ」
P「うわぁ、流石雪歩。用意周到だな」
雪歩「こっちはプロデューサーです!」
P「何か色も香りもそっちと全然違うね」
雪歩「わ……わたしがつくったぁ……からぁ……」
P「たまには俺の話聞いてほしいかなーって」
雪歩「そ、……そうですよねぇ……わた……つくっ……あうぅぅ……」ポロポロ
P「もちろん全部食べます」
雪歩「あ……うーん……じゃあ交換しましょう」
P「え、良いの」
P「あれぇ……おかしいなぁ、身体が熱いよぉ」ハァハァ
雪歩「だってそっちは身体がすごく敏感になる薬が入ってますからぁ」
P「えっ……じゃあ雪歩の方は……?」ハァハァ
雪歩「こっちはひたすら性欲が強くなる薬ですね」ジュン
P「雪歩はかしこいなあ。どっちでも良いようにしておいたんだ」ハァハァ
雪歩「えぇ、そんな事言われても……困ります」サワサワ
P「ぁぅぅ……ぁっ」
雪歩「ふふっ……プロデューサー可愛いですね……」
P「ゆ、雪歩の方が……ふぁぁああ」ビクビク
雪歩「こんなプロデューサー見てたら……私……」
P「可愛い顔してるけど怖いよぉ、お姉ちゃん」ハァハァ
P「READY!!は良い歌だなぁ」
雪歩「きっと、ぜったいー♪」
P「でも今の状況だと別の意味にしか聞こえないですぅ」
雪歩「どんな意味ですか?」ペロッ
P「あぁぁん……んぃぃ」ビクンビクン
雪歩「はい?」スルスル パサッ
P「はやいなぁ、もう準備万端って感じ」
雪歩「えへへ」
P「それで、そろそろ遊びは終わりにしよう。もう十分ですよ」
雪歩「遊びなんかじゃないです。私は本気です」サワサワ
P「んあああああああかん」ギンギン
雪歩「こんなに感じちゃうなんて……」レロレロ
P「ゆきほのびやくはせかいいちぃぃいいぁぁぁぁん」
雪歩「は……んむ……んぐ……んっ」チュプッ
P「ぃっ……あっ……」
雪歩「えへへ、私でもおっきくできた……」
雪歩「……近藤さんって誰ですか?……もしかして……すきなひ……れすかぁぁ?」グスッ
P「そこにある、それが近藤さんだ」
雪歩「……私との赤ちゃんが嫌なんですかぁ……?ヒッグ……ふぁぁ」ポロポロ
P「いや、俺はお前の事を想ってだな」
雪歩「うぅ……分かりましたぁ……」プスプスッ
P「分かったとか言いながらゴムに穴開けないで。洒落になって」
雪歩「ヒッグ……ぅぅ……」プスプスッ
「ふぁぁぁぁぇ……ぇぇぇぇ……ヒック」
P「ゆ、雪歩!?」ビクッ
雪歩「何がですか?」
P「……いや、嫌な夢見てたんだ。ははは」
雪歩「もー、昼間から何言ってるんですか。先に行っちゃいますよ?」
P(良かった……全部夢だったんだ……)
P(そりゃそうか、ありえないもんなぁ)
「うぅぅ……グスッ……」
P(あ、さっき泣いてたのはこの娘か)
雪歩「ほら、もう泣かないの」
「ふぇっ……ぅぅぅ……ぅん……」
P(雪歩、このちっちゃい娘と知り合いなのか)
雪歩「全く、ちょっと離れただけで泣いちゃうなんて誰に似たんでしょうね。あなた」
P「」
雪歩はかわいいなぁ!
Entry ⇒ 2012.09.07 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
雪歩「ぴょんぴょん」
P「ほれ、ポッキーだ」
雪歩「ありがとうございますぅ」
ぽりぽり
小鳥「うさ耳で少しずつ齧ってる雪歩ちゃん可愛い」
P「うん、可愛い」
雪歩「はひっ!?」
P「諦めろ、可愛い」
小鳥「素直に認めるべきよ」
雪歩「ひうぅ……」
雪歩「穴掘って埋まっていたいですぅ…」
P(穴うさぎ…)
小鳥(穴うさぎ…)
小鳥「うーん、それは気になるわね」
P「尻尾も生えてますね」
小鳥「もふもふしてて触り心地いいですよ」モフモフ
雪歩「ひゃ……やめて下さいぃ…」
ピヨピヨー
イヤャァァァ!!
P(ビデオに撮っておこう…)
P(今夜は捗りそうだ)
小鳥「いやぁ最高!」
雪歩「もう! 小鳥さん酷いですぅ!」
とすん
P(あ、怒ってる)
小鳥(怒ってる…)
小鳥「あらら」
P「よし」
P「雪歩~、ナデナデしてあげるからおいで」
ひょこ
雪歩「ほ、本当ですか……」
P(耳いいな)
小鳥(うさ耳パワー)
ぽすっ
P「よしよし」ナデナデ
雪歩「~♪」
小鳥(普段の雪歩ちゃんからは想像できないくらい積極的ね)
すりすり
P「ん?」
P(顎を擦り付けてきてる…)
P「へえ…」
小鳥「要約すると……」
雪歩『プロデューサーは私のものですぅ!』
小鳥「ですね」
P「なにそれ可愛い」
雪歩「~♪」スリスリ
ぎゅう
雪歩「ひぁ……」
P「可愛いなぁ、もう!」
雪歩「プロデューサー…」
雪歩(嬉しい……)
雪歩「あ………ぁぁ…!」
P(ん、なにか生温かい…)
ふぅ…
P「はい」
小鳥「嬉しいとやってしまう習性でして」
P「へぇ…」
小鳥「抱きしめられたのがよっぽど嬉しかったんでしょうね」
雪歩「ぐす……ひっく…」
雪歩「も、もう死んじゃいたいですぅ…」
P「そんなに嬉しかったのか」
雪歩「はいぃ……ぇぐっ」
雪歩「迷惑かける…ぐすっ…つもりじゃなかったんですぅ……」
P「……」チラッ
小鳥「……」グッ
P「……」コクッ
P「ばかだなぁ、雪歩は」ナデナデ
雪歩「ふあっ……!」
P「嬉しくてやっちゃった事なんだろ?」
雪歩「は、はい……」
P「ならいいじゃないか」
P「男性恐怖症の雪歩が、俺に抱きしめられて嬉しく思ってくれてるなんて」
P「こっちも嬉しくなるよ」
雪歩「プロデューサー…」
P「いつまでも濡れた服だと風邪をひく」
雪歩「そ、そうですね」
雪歩「あ!」
P「どうした?」
雪歩「着替え……持ってません…」
P「」
雪歩「ぴょんぴょん」
完!
Entry ⇒ 2012.09.07 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
貴音「にゃん」
貴音「おはようございます」
P「ああ、おはよう…?」
小鳥「おはよう、貴音ちゃん…?」
P「貴音や」
貴音「はい?」
P「どうした、その格好」
小鳥「あの、服装じゃなくてね…」
P「ネコミミをつけてる理由が気になるんだ」
貴音「ねこみみ? はて…」
小鳥「??」
P「え、気付いてないの?」
小鳥「はい、鏡」
貴音「ふむ……!!」
貴音「なななな……面妖なぁ!!」
P「動いたぞ…」
小鳥「まるで生えてるみたい…」
貴音「あなた様! 私に猫の耳が!」
P「ネコミミ!」
小鳥「たかねこ! たかにゃん!」
小鳥「ええ!」
貴音「可愛い…でしょうか?」
P「貴音…」
貴音「はい」
P「語尾に『にゃん』をつけてくれ」
小鳥「……!!」ティン
貴音「はい?」
貴音「あなた様がそう言うのなら…」
貴音「わかりましたにゃん」
P「」
小鳥「」
貴音「やはり、変でしょうかにゃん?」
小鳥「ええ、可愛いすぎてもう…!」
貴音「なにやら照れますにゃん…」
P「うりうり」
ごろごろ
貴音「ふゅ…あなた様?」
P「いや、あごをごろごろしたくなった」
貴音「悪い気はしませんね…にゃん」
小鳥「無理に語尾につけなくてもいいわよ?」
貴音「はい」
ごろごろ
貴音「~♪」
貴音「……??」
P「どうした?」
貴音「いえ、お尻がむずむずして…」
小鳥「お尻!」
P「むずむず!」
貴音「おお、尻尾まで」
P「尻尾だよ!」
小鳥「うひゃあ!!」
貴音「まるで、こすぷれをしている気分ですにゃん」
P「ぐふっ」パタタッ
小鳥「こふっ」パタタッ
貴音「ああ、鼻血が!」
すぼっ
P「すまん」
貴音「……」ジー
P「どうした?」
てしてし
P「いたっ」
小鳥(ねこぱんち!)
貴音「はっ……すいません」
ぴこぴこ
貴音「らぁめん…!」
貴音「食しましょう」
小鳥「ねこにマタタビ、たかにゃんにラーメン……」
P「まあ、そういう事でしょう」
貴音「小鳥嬢、お早く!」
貴音「にゃん」
完!
Entry ⇒ 2012.09.06 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
P「貴音の髪の色って正直異常だよな」
P「だって美希って髪の毛をショートにしたら茶髪になったじゃん」
美希「ミキは染めてたからね!」
P「だろ?なら納得がいく」
美希「……」
P「……」
美希「異常なの!」
P「だろ?」
千早「」
P「どうした?」
美希「今どきの美容院じゃ髪の色をシルバーに出来るのは当然だよ?」
P「でも貴音っていつまで経っても根元の色、同じだよな?」
美希「常に美容院に通っているとか?」
P「でもシルバーにこだわる必要あるのか?」
美希「……」
P「……」
美希「異常なの!」
P「だろ?」
美希「どういうこと?」
P「美しい銀髪とは周りからは絶賛されているが」
P「あれって本当に銀髪か?」
美希「……」
P「……」
美希「灰…色かな…」
P「俺もそう思う」
P「その可能性は否めないな…」
美希「貴音…見た目より疲れてるのかな…」
P「ラーメン大食いもキャラ作りの為に幼少期から無理して…」
美希「……」
P「……」
美希「でも、無理してたとしてもあの量は異常かな」
P「その線は無しか」
P「今でこそ人気アイドルだしな」
P「そりゃ大忙しさ」
美希「プロデューサー名利につきるね、ハニー!」
P「ありがとう」
美希「……」
P「……」
美希「出会った頃から、あの色だったよ?」
P「仕事疲れって線も無しか」
P「じゃあ一旦他の子で考えてみようか?」
美希「例えば?」
P「真が黒髪なのはよくわかる」
P「でも、あずささんと千早はどうなんだ?」
美希「……」
P「……」
美希「あれはブルーブラックっていうんだよ」
P「別に普通なのか」
P「やよいってどうなんだ?」
美希「やよい?」
P「美希は脱色や染色をしていたわけだ」
美希「うん」
P「でも、やよいってどうなんだ?」
美希「……」
P「……」
美希「天然色にしては、ちょっとアレかも」
P「だよな」
美希「個人のプロフィールはハニーが目を通しているんじゃないの?」
P「日本人だったな」
美希「そっか」
美希「じゃあ、天然色だよ!」
P「そうだな」
美希「……」
P「……」
美希「…にしては濃いよね」
P「もはやオレンジだぞ、あれ」
P「栗色っていうのか?」
P「天然色でもなにもおかしくない」
美希「でもオレンジに近い茶髪は…」
P「やっぱり…」
美希「……」
P「……」
美希「ハニーに「給食費」という名目でお金を借りて…」
P「その先は言うな」
P「これ以上は何も言うまい」
美希「なの」
P「あれはきっと天然なんだ、そうなんだ」
美希「……」
P「……」
美希「でも…」
P「はい、やよいの話はやめやめ」
P「確かに…」
P「いや、待つんだ美希」
美希「なぁに?」
P「小鳥さんってどうなんだ?」
美希「……」
P「……」
美希「…カビが生えたのかな」
P「カビ!?」
美希「でも、あんな髪色そうそういないよ?」
美希「美容院なら出来るけど…」
美希「…正直、センス無いって思うな」
P「歳をとるとカビが生えるのか…」
美希「……」
P「……」
美希「ネタだよ?」
P「わかってるさ」
P「どうした?」
美希「響の瞳の色って異常だと思わない?」
P「綺麗なライトブルーじゃないか」
美希「……」
P「……」
美希「沖縄出身の日本人だよ?」
P「異常だな」
美希「まぁ、それならそれで納得がいくんだけどさ」
美希「髪の毛は黒いままなのは良いとして」
P「ライトブルーのカラーコンタクト…」
美希「……」
P「……」
美希「オシャレだね」
P「似合ってるしな」
父親が故人
美希「ねぇねぇ、ハニー?」
P「どうした?」
美希「貴音って実は人間じゃないって噂があるよね?」
P「確かに…」
美希「……」
P「……」
美希「まっさかー」
P「だよなぁー」
美希「うんうん」
P「月の住人の髪の毛の色がみんな貴音だったら、どう思う?」
美希「……」
P「……」
美希「かぐや姫が残念なことになっちゃうね」
P「そうだな」
P「それが一番有力だな」
美希「苦労してたんだね…」
P「もう少し労わってやらないとな…」
美希「……」
P「……」
美希「実は年齢詐称とか?」
P「あー」
P「特にヒップとか…」
美希「むっ!?」
美希「そしたらミキだって負けてないもんっ!」プルン…
P「ぬ…」
美希「……」
P「……」
美希「食べごろだよ?」
P「いやでも、美希は中学生だからなー」
P「えっ?」
美希「……」
P「……」
美希「……」ジーッ…
P「…それまでお前が俺のことを好きでいたならな」
美希「やったぁ!」
美希「ハニー、だーい好きなのっ!!」ギュッ…!
P「はは、こりゃ参ったな」
小鳥「…とりあえず、一発殴ってきても良いよね?」
貴音「…お供します」
おわり
Entry ⇒ 2012.09.06 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
あずさ「飲み屋あずさ」
律子「こんばんわあずささん…今日も相変わらず男の人がいっぱいですね」
あずさ「はい、おかげさまで、あ、カウンター席でいいかしら?」
律子「はい…よいしょ……ははは、もうよいしょなんて言っちゃう歳になってしまいましたね」ストン…
あずさ「あらあら、まだ全然お若いですよお客様」
律子「それは嫌味ですか?あずささんはいつまで経ってもキレイですもんね」
あずさ「そんなことないわよ、最近はお化粧することが増えたもの、困っちゃうわよね」
律子「……最近まですっぴんでお店を回していた人は流石ですね」
あずさ「ふふふ、ご注文を聞きましょうか?」
律子「それじゃあ鳥の軟骨と烏龍ハイで」
あずさ「はーい、少々お待ちくださいねー」
律子「おいしそう…それにしてもあずささん、一人でこれだけのお客を相手にして大丈夫なんですか?」
あずさ「これだけって言っても4、5人じゃない、まだ現役の頃の方がつらかったわ」
律子「私にはそうは見えませんでしたけどね…ホント、いつまでお若くて羨ましいです」
あずさ「もうそのお話はいいじゃないですか……最近はどうなんです?」
律子「あぁ…テレビ見れば分かる通り、大人気ですよ…一時期は他のアイドルに抜かれましたけどなんとか盛り返せましたね」
あずさ「あちらは不祥事が絶えなかったからね、自業自得というものね」
律子「ははは…ウチだって前までいつ不祥事が起きてもおかしくはなかったじゃないですか」
あずさ「でもあの人はちゃんとしてましたからそういう心配はありませんでしたね」
律子「んっ…んっ……あずささん、本当は残念じゃなかったんですか?」
あずさ「……あ、い、いらっしゃいませー」
律子「あ…逃げた」
律子「そうですかぁ?こういう席ではもう少し正直にならないと」
あずさ「……律子さんってそういう話あんまり好まなかったような…」
律子「今じゃあ結構あせってますからね、興味津々ですよ……ホント気づくのが遅かったですよ」
あずさ「律子さん……それじゃあ私達ってやっぱり行き遅れ組なのかしら」
律子「失礼な…でもあずささんならホイホイ捕まえそうですけど」
あずさ「もう!それこそ失礼ですよ!……運命の人はそこら辺にホイホイ居るわけじゃないんですから」
律子「へー…まだ追いかけてたんですか」
あずさ「……やっぱり今更何を夢見てるのかしらね、私」
律子「うーん…いいんじゃないですか?逆にあの頃、運命の人って言ってたのがおかしかったんですよ……このくらいの歳の方がセリフ的にピッタリですよ、あずささん」
あずさ「今遠まわしで馬鹿にされてるのかしら…私…」
あずさ「ふふ、なら私はお客様が皆恋人かしら」
律子「それ皆さんに言ってあげて下さい、このお店もっとおっきくできるかもですよ」
あずさ「言いませんよもう…仕事が恋人……私もあの時はアイドル一筋で頑張ればよかったかもしれないわ」
律子「………」
あずさ「あ、いらっしゃいませー」
律子「……アイドルの方にもっと意識を傾けさせられなかったのは私の責任ですね」
あずさ「そんな…律子さんのおかげで私はあそこまで頑張れたんです……ただ私が世間を少し軽く見てただけってことですよ……じゃあちょっと離れるわね」タッタッタ…
律子「………」
あずさ「いらっしゃいませ、ご注文はお決まりでしょうか?」
律子「あのあずささんが一人でお店……未だにあんまり信じられないなあ」
律子「何がです?」
あずさ「お客様、もうこの時間帯になるとほとんど出入りがなくなっちゃうの」
律子「意外ですね…こういう時間帯からこのお店本気出すのかと思ってました」
あずさ「?……どういう意味ですか?」
律子「いや、じゃあいいです」
あずさ「?」
律子「そういえば、最近皆と会ってます?」
あずさ「あ、あー…律子さんは?」
律子「私以外でですよ、私の方は春香や千早、響辺りとはよく会うわね」
あずさ「あの娘達はまだ全然テレビに出てるわよね」
律子「はい…千早はまだまだ現役ですよ、来週にも音楽番組に出る予定ですから」
あずさ「そうなの…元気でやってるのね、安心したわ」
あずさ「数年前までアイドルだったって知ってる子供は少ないでしょうね」
律子「そこまで時間経ってませんってば……でももうその三人もあの頃と比べればめっきり事務所に来ることも無くなって…」
あずさ「そうなんですか…ちょっぴり寂しいですね」
律子「そうでもありませんよ、他のアイドルの娘達が皆いい娘達ばかりだからこんな私にも優しくて……なんだか小鳥さんの気持ちがちょっとだけ分かっちゃいましたよ」
あずさ「そういえば音無さんは元気にしてます?」
律子「さぁ…何だかんだで嫁いでしまいましたから…今頃イケメン富豪のところで元気にしてるはずですよ」
あずさ「……私、あの人が事務員じゃないということがあんまり信じられないわ」
律子「同感です、今若い子がしてるんですけどあまり慣れなくて……やっぱりすごい影響力あったんですね、あの人」
あずさ「ええ、また会いたいわ…一回飲みにきてくれないかしら」
あずさ「うーん…正直に言っちゃうとあんまりもう……ね?」
律子「でしょうね…ここいいお店なのに皆あんまり知りませんもんね」
あずさ「そうね…やっぱり教えたほうがよかったのかしら?」
律子「それはそれで…元アイドルが何度も出入りする飲み屋っていうのも…」
あずさ「まあ元アイドルが経営してしまっている時点で……ねぇ?」
律子「ふふ、それもそうですね…あずささんも座って一緒に飲みましょうよ」
あずさ「んー…そうね…来るかもしれないお客様には申し訳ないけど今日は早めにお店閉めちゃおうかな」
律子「ありがとうございます…でもいつの間にかお酒を誘うのが逆になっちゃって変な感じですね」
あずさ「私はとっても嬉しいですよ、昔はいっつもしかめっ面で律子さんったら断るんだもの」
律子「未成年なら普通に断ります……それじゃあ改めて、思い出話を肴に乾杯」
あずさ「はい、乾杯」
カンッ…
――
―
あずさ「んっ…んー……今日も暑いわねぇ」
あずさ「9月なんだから早く秋にならないのかしら…」
あずさ「地球さんも困った人…ふふ…」
真「何言ってるんですかあずささん?」
あずら「あら?真ちゃんじゃない!お久しぶりね!」
真「はい…いやぁ~ごめんなさい、最近は全然お店に顔出せなくて」
あずさ「いいのよいいのよ、来てくれただけでうれしいわ…さ、入って入って」
真「それじゃあお邪魔しますね…」
あずさ「そういえば朝からこんな所でどうしたの?」
真「夫がまだ実家から帰って来ないので久々にジョギングを……ついでに朝ごはんを作るのも面倒だったので寄らせてもらいました」
あずさ「そう、じゃあちゃっちゃと作っちゃうわね」
真「はい、お願いします」
真「はあ…相変わらずおいしそう…私もこれぐらいおいしいものを作りたいなあ」
あずさ「あら?真ちゃん、変えちゃったのね?」
真「?何がです?」
あずさ「ボクから私、何だか違和感感じてしまうわ」
真「あぁー…流石にママになってボクっていうのは恥ずかしくて……今だけでも戻しましょうか?」
あずさ「真ちゃんの好きな方で、私はボクの方がいいけれど」
真「それじゃあボクしかありませんね…でもボクって治す時は結構苦労しちゃいましたよ」
あずさ「あら?そうなの?」
真「はい…夫と何度も矯正訓練を頑張りました……でも全然ダメで」
あずさ「ふふ、いい人じゃない」
真「はい、ボクなんかにはもったいないくらいですよ…それで子供を授かったときに思ったんです…ボクって今からお母さんになるんだなって」
真「それからです、自然にボクが私になっちゃって……あの時の感覚は今でも忘れられないなぁ」
真「何だか今までのボクという殻から抜け出したような…とても不思議な感覚でした」
真「ははは…何だか恥ずかしいですね、この歳になってこんな痛い発言…」
あずさ「そんなことないわよ、私なんて未だに運命の人を探しているのだから」
真「そうなんですか……ははは…あずささんは変わってないなあ」
あずさ「そうなの…はぁ…私を覆ってる殻がどんどん厚くなっていく気がするわ…」
真「大丈夫ですよ、あずささんはきっと見つけますから…その時はママの先輩としてみっちり教えてあげますからね」
あずさ「お手柔らかにお願いしますね…それじゃあ今度来るときはその人とお子さんを一緒にね」
真「はい…あっ…でもあの人、絶対あずささんに惚れちゃいそう…」
あずさ「ふーん、それじゃあ取っちゃおうかしら」
真「っ!な、何言ってるんですかもう!そ、そういう冗談やめてくださいよっ!」ガタッ
あずさ「ふふ、真ちゃんも案外変わってないわね、一途で可愛い所」
真「うっ……この歳で可愛いって言われるとは思いませんでした」
あずさ「さぁ…まだ現役なのかしら」
真「どうなんでしょうかね…でも会いたいですよ…ボクが好きだった男の人」
あずさ「あら、結構ザックリ言っちゃうのね」
真「もう今更なんで……あー…でも流石に何言ってるんだろうボク…久々に走ったせいで色んな所が熱持っちゃったかな」
あずさ「こういう話、前にも律子さんとしたばっかりなの……こんな歳で色気づくなんてみっともないかしら?」
真「全然、女の人はいつだって恋に燃えていますから……ボクも毎日燃えてるんで…へへへ」
あずさ「ふふ、やっぱり真ちゃんは本質的な所は変わってないわね……本当はお母さんになったからちょっと遠くに感じてしまっていたけれど、安心したわ」
真「そうだったんですか…けど遠く感じちゃうのも仕方ありませんよね…あの頃、皆が仲良かっただけに」
あずさ「……そうね…本当に遠くなったものね」
――
―
真「それじゃあご馳走様でした、また今度顔出しに来ますね」
あずさ「はい、ご家族一緒で大歓迎よ」
真「へへへ…ではまた」
あずさ「はーい、またいらしてくださいねー」
あずさ「………」
あずさ「よぉーっし!お昼に向けて準備しなきゃ!」
あずさ「………」
あずさ「子供か…いいなぁ…」
あずさ「ふぅ~…やっと着いたぁ…」
店員「おや?あずささんじゃないですか、今日はどのくらいで着きました?」
あずさ「聞いて驚かないでくださいね、42分ですよ」
店員「おぉー、そりゃまたすごいですねぇ、前は確か56分くらいだっけ」
あずさ「はい!私は日々進化しているってことですよ~」
店員「それじゃあそのまま頑張ってくださいねー、あっ!今日は卵安いですからお買い求めくださいね」
あずさ「あら、情報ありがとうございます…卵卵~♪」
???「あっ!あずささんじゃないですか!」
あずさ「ん?……まさかやよいちゃん!?」
やよい「はい!お久しぶりですね」
あずさ「とってもキレイになって……一瞬分からなかったわ」
あずさ「ふふ、相変わらず優しいのね…今日はやっぱりお買い物?」
やよい「はい、弟が部活の大会に出るのでお弁当を…」
あずさ「そうなの?それじゃあ気合を入れて作らないとね」
やよい「そうなんですよ~……でも…」
あずさ「?…でも?」
やよい「お弁当作るためにはウチじゃ少し狭いし色々足りなくて…」
あずさ「足りない?どういうことかしら?」
やよい「いえ…部活仲間の子達の分も作らなくちゃいけなくて…でもそれじゃあウチのコンロだけじゃ火力が足りなくて間に合わないんです…」
あずさ「仲間の子達の分まで…」
やよい「はい…私が作る料理を気に入ってくれて……でもやっぱりオーケーしちゃったのは間違いだったかもしれません…うー…」
やよい「え?あずささんのお家の厨房ってそんなに大きいんですか?」
あずさ「ええ、私今、お店やってるから」
やよい「!そ、そうなんですか!あずささんすごいですね!」
あずさ「ふふ、知らせられなくてごめんなさいね」
やよい「そんな…でも行きたいなぁ…あずささんのお店」
あずさ「それなら決定ね、今日は私がやよいちゃんを借りちゃうってお家の人達に連絡しておいて」
やよい「はい!あの…本当にありがとうございます!とっても助かります!」
あずさ「いいのいいの、その代わりやよいちゃんには頑張ってもらうつもりだから」
やよい「?」
あずさ「ふふ、楽しみねぇ~」
おっさん「おぉ!やよいちゃんじゃないか!アイドル辞めても元気してたぁ?」
やよい「はい!おじさん達が応援してくれたおかげで私は今も元気ですよ!うっうー!」
おっさん「おうおういい事言ってくれるじゃないの…よーっし!今日はやよいちゃんに免じて俺が奢ったるよ!」
後輩「「おぉぉぉぉぉぉ!!!」」
やよい「あずささん、からあげ持っていきました!」
あずさ「うん、ありがとう…ウチの常連さんなのあの人」
やよい「それに私のことを覚えててくれました……今でも覚えててくれて本当に嬉しいです」
あずさ「そうよね、本当手放したくないお客様だわ…あっ、今度は左端の座敷のお客様達に生ビールお願い」
やよい「はーい!……お待たせしましたー!」
あずさ「……これからもバイトで頼もうかしら」
あずさ「はい、お疲れ様やよいちゃん…いい働きっぷりだったわ」
やよい「あ、ありがとうございます…えへへ…今日も運んだだけなのにすごく疲れちゃいました…」
あずさ「そういえばやよいちゃんはお仕事どうしてるの?」
やよい「小さな会社でお茶を配ったりする雑務を……やってることは同じなのにすごく疲れましたぁ…」
あずさ「ふふ、それはきっとウチの常連客様達がやよいちゃんのこと大好きだからじゃないかしら?」
やよい「……どういうことですか?」
あずさ「だって一緒に飲んでいたじゃない…普通飲食店で従業員がお客様と一緒に飲んじゃうなんて以ての外なんだから」
やよい「うぅ…ごめんなさい…」
あずさ「いいのいいの、それだけ皆がやよいちゃんのことを気に入ってくれたってことなんだから」
やよい「……えへへ…そうだったら嬉しいな…」
あずさ「でもまだ寝るのには早いわよやよいちゃん、明日の準備準備」
やよい「は、はい…今起きます…」
あずさ「でも結局寝ちゃうのね…こんな所で寝ちゃうと風邪引いちゃうわよ~」
やよい「んん……んふぅ…」zzz…
あずさ「ふふふ、仕方ないわねもう…おやすみなさい」ファサッ…
あずさ「よし、それじゃあ仕込みしちゃおうかしら、お店とお弁当の」
あずさ「今日は夜更かし決定ね、お肌がボロボロになっちゃったらどうしましょ」
やよい「………」zzz…
あずさ「さて、私の味も気に入ってくれるかしら……これも将来の花嫁修業みたいなものよね」
あずさ「独身、三浦あずさ、頑張るわよー!」
――
―
やよい「……んっ…あれ?どこですかここ…」
あずさ「ごめんなさいやよいちゃん、カウンター席なんかで眠らせちゃって」ジャッジャ…
やよい「……あっ…あぁ!ご、ごめんなさい!私寝ちゃってました!」
あずさ「いいのよ、でも私なんかがでしゃばって良かったかしら?」
やよい「そんなっ…とっても助かります!ほ、本当にありがとうございますあずささん!」ペコペコ…
あずさ「そんなに謝らないで、それにほら、もうそろそろお日様も昇ってくるから早くやよいちゃんも取り掛かって」
やよい「はい!」
あずさ「ふふふ…腕がなるわね」
――
―
あずさ「ふぅ…終わったわね」
やよい「おいしそう…すっごく…」
あずさ「本当ね、私とやよいちゃんが揃えば最強ね~」
やよい「っ……あ、あずささんっ!」
あずさ「ん~?何?」
やよい「本当に…本当にありがとうございました!あずささんが居なかったら私…私…」ペコペコ…
あずさ「もう…そんなに堅くならないで…やよいちゃんが困ってたら助けるに決まってるじゃない…それとも私が困ってた時はやよいちゃん助けてくれないの?」
やよい「そんな!助けるに決まってますよ!」
あずさ「そうでしょう?だから何度も頭を下げないで……ね?」
やよい「……はい!分かりました!」
あずさ「よろしい、それじゃあ朝ごはん食べましょうか?」
やよい「はい!」
あずさ「うんうん、それじゃあ弟さんに頑張ってって伝えておいて」
やよい「はい!それじゃあまた…」
あずさ「あ、待ってやよいちゃん」
やよい「は、はい?何ですか?」
あずさ「昨日頑張ってくれたから、はい、お給料」ス…
やよい「えぇっ!?そ、そんな…受け止められませんよ!」
あずさ「いいからいいから、受け取ってくれないと私警察に捕まっちゃうわよ」
やよい「……あ、ありがとうございます…あの中見てもいいですか?」
あずさ「はい、どうぞ」
やよい「じゃあ………っ!ま、待ってくださいあずささん!やっぱり受け取れませんよ!」
やよい「こんな大金…昨日の働きに全然見合ってませんよ!ダメです…やっぱり…」
あずさ「ふふ、それじゃあそのお金は後で返しにきてくれるかしら?」
やよい「……後で?」
あずさ「そう、大会終わりにまた皆で……ご馳走をそろえて待ってるわよ」
やよい「っ!あ、ありがとうございました!私…あずささんにまた会えて本当に…本当に良かったです!」
あずさ「私も…やよいちゃんの笑顔が見れてとっても良かったわ……きっとまた来てね」
やよい「はい!絶対来ますね!それじゃあ!」タッタッタ…
あずさ「はい、またね~……よぉーし!今日も頑張るわよー!」
あずさ「それで、伊織ちゃん何にするの?」
伊織「そうね…とりあえずお腹が空いたわ、食べ応えのあるものを頂戴」
あずさ「はーい、ただいまー」
伊織「ふーん…やよいが言うから来てみたけどあずさのくせに結構いい店じゃない」
あずさ「そう?伊織ちゃんに認めてくれてよかったわ」
伊織「ふん…まあちゃんと働いてて良かったわ、あずさがアイドルを辞めて世間に出るなんて最初は考えられなかったんだけど」
あずさ「もう…私は立派な社会人よ」
伊織「はいはい、そういうことにしておくわ」
あずさ「……ふふ…やっぱり伊織ちゃんはいつまでも優しいのね」
伊織「なっ!ば、馬鹿言わないで早く作りなさいよ!」
あずさ「はいはーい」
伊織「オムソバ……まあいいけど」
あずさ「おいしいのよオムソバ、私は好きなんだけどなあ」
伊織「別に嫌いだなんて言ってないじゃない……いただきます」
あずさ「はい、どうぞ」
伊織「………おいしい…」パクパク…
あずさ「あらそう?伊織ちゃんのお口に合って良かったわ」
伊織「まあそうね、この伊織ちゃんがおいしいなんて言うのは珍しいんだから誇っていいわよ」
あずさ「ふふ…ありがとう伊織ちゃん」
伊織「………」パクパク…
???「店主、こちらにも同じ物をいただけますか?」
あずさ「あ、はーいただいま……って貴音ちゃん!?」
貴音「はい、お久しぶりですね、あずさ、伊織」
貴音「真から久々に連絡を貰いましたので、あずさの顔を見ようと…」
あずさ「そうだったの…嬉しいわ、ありがとう貴音ちゃん」
貴音「いえ、私こそ今まで音信不通で申し訳ありませんでした」
あずさ「そんなこと今となってはいいのよ…オムソバね、ちょっと待っててね」
貴音「はい、楽しみに待っております」
伊織「で、アンタは今何をしているのよ」
貴音「今でございますか?おむそばとやらを待っておりますが」
伊織「そうじゃなくて…アイドルを辞めて何をしているのかって聞いてるのよ」
貴音「……それはとっぷしーくれっとでございますよ」
伊織「激しく気になるわね…」
貴音「そうでしょうか?」
伊織「そうよ…はぁ…貴音って昔っから不思議だったけどここまで来ると人間なのか疑わしくなるわね」
貴音「伊織、人の秘密に土足で踏み入るものではありませんよ」
伊織「それって秘密があるのね…」
あずさ「はい、オムソバお待ちどうさま~」
貴音「来ましたか…卵が麺を包み込むとはなんと奇抜で面妖な……いただきます」
伊織「ふぅ…それにしてもあずさ、アンタっていつになったら運命の人を見つけるのよ」
あずさ「うっ……もうその話は律子さんとしたわよ!」
伊織「はぁ?知らないわよそんなの……で、いい男は見つからないの?」
あずさ「……まだ」
貴音「急ぐ事はありませんよ、運命に選ばれた者はその刻が来た時には現れますよ」
伊織「何言ってんの、そんな悠長なことしてたから今こうやって一人で飲み屋なんて切り盛りしてるんじゃない」
あずさ「………」ズーン…
あずさ「……私ってそんなに心配されてたの?」
伊織「当たり前じゃない、右に歩けば海に着いて、左に歩けば登山するくらいなんだから」
貴音「なんと、それは真でございましょうか?」
あずさ「まことじゃありません!……でも心配してくれててありがとう…伊織ちゃん」
伊織「別に、一緒にユニット組んだ仲間なんだから当然でしょ……おいしかったわあずさ、ありがと……また気が向いたら来るわね」
あずさ「うん、また来てちょうだいね」
伊織「そうね、その時は……アンタの本当の運命の人と来るかもしれないわね」ニヤッ
あずさ「っ!そ、それって!」
ピシャン…
貴音「ふふ、意地の悪い言い方をしますね、伊織は」
あずさ「えっ…」
貴音「あの方は今も独りでございますよ…伊織はあの方の連絡先を存じているのでああいうことを言ったのでしょう…伊織ならば存じていてもおかしくはありません」
あずさ「そ、そうだったの…ふぅ…」
貴音「ですがあずさ、あの方があずさの運命の人とは限りませんよ」
あずさ「………まさか」
貴音「……あの方がもし訪れたその時はあずさ、どちらがあの方の伴侶となるべき者か、必ずや決着をつけましょう」
あずさ「…分かったわ……お互い良い戦いになるように頑張りましょ」
貴音「ええ、負けませんよあずさ」
あずさ「ふふ、私だって」
貴音「はい、何でございましょうか?」
あずさ「どうしてあの人が独身だって知ってたの?」
貴音「……それもとっぷしーくれっとでございますよ」
あずさ「む?まだまだね貴音ちゃん、ここは私の戦場よ、あなたはアウェーって分かってる?」
貴音「?…一体どういう意味でございましょうか…」
あずさ「話してくれるまで……私の武器で攻撃するってことよ」ゴトンッ…
貴音「………これは…」
あずさ「芋焼酎……付き合ってもらうわよ、貴音ちゃん♪」
貴音「………」サー…
貴音「もう……飲めないでございまぁぁすよぉー…」
あずさ「ふふふ…貴音ちゃんったら可愛いんだから」
――
―
あずさ「んっ…んー…また今日の朝も天気いいわぁ~」
あずさ「………」
貴音『わ、私…今まで旅をしていたのでございます…』
貴音『そしてある所に立ち寄った時、そこでろけ番組を行なっていた者達がおりまして、その中にあの方が…』
貴音『私は嬉しく思いまして…ひっく…あの方に話しかけました』
貴音『それから他愛の無い話をして……その時にあの方にはまだその相手がおらぬと…』
あずさ「………まだあの人芸能界で頑張ってるのね…」
あずさ「それにしても一人旅かぁ…羨ましい~…」ノビー…
あずさ「私も運命の人を探すために旅に出ようかしら…なんて」
あずさ「よしっ!もしそういう事態になった時のためにも今日も頑張るわよ!」
あずさ「そ、そうね」
美希「頭きちゃったの…ミキ、まだ水着でも全然いける歳なのに」
あずさ「うーん…その雑誌の人達は美希ちゃんの魅力が分かってないのね」
美希「そう!そうなの!ミキまだお肌も胸もお尻だって他のモデルの娘に全然負けてないのに!」
あずさ「でも美希ちゃんはモデル業界ではトップだから……雑誌も迂闊なことが出来ないって判断したのかもしれないわ」
美希「?…どうして?」
あずさ「だって美希ちゃんが水着になっちゃったら皆がそっちに目が行って、他のモデルの娘が目立たないってことじゃない」
美希「……そっかぁ!うん、ミキもその通りだと思うの!」
美希「あ、デコ…社長から聞いたの」
あずさ「え?社長?」
美希「うん、水瀬伊織…デコちゃん」
あずさ「……え…えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?しゃ、社長になっちゃったの伊織ちゃん!?」
美希「そうなの、ミキが乗ってる雑誌の社長…でも雑誌だけじゃなくてお化粧品とかお洋服とか、そういう女の子の求める物を全部揃えてる会社の」
あずさ「し、知らなかったわ…何も言わずに言っちゃうんだもの…」
美希「だからミキ、社長に雇われて嬉しいんだけど…その社長の下の人達がダメダメなの…あー…やってらんなーい」
あずさ「……とりあえず飲んじゃう?」
美希「うん…お願いするの」
あずさ「それじゃあ最近流行ってるらしいマッコリにしようかしら」
美希「……やっぱりミキ…モデルよりもアイドルの方がいいなあ」
あずさ「そうね…美希ちゃんは確実にモデルよりもアイドルの方がいいわ」
美希「………」
あずさ「……そう…」
美希「何でハニー…事務所やめちゃったのかな」
あずさ「……はい、マッコリ一丁」
美希「ん…ありがとうなの」
あずさ「私も飲んでみたけどクセが強い気がしたわ、でも結構まろやかで好きな人は好きそうなお酒ね」
美希「……うん…ミキは嫌いじゃないな」コク…
あずさ「そ、よかった」
美希「あー…お仕事って何でこんなに辛いんだろう…あの頃はとっても楽しかったのになあ」
あずさ「そうよねえ…でも私は今の仕事が楽しいけど」
美希「ふーん…じゃあミキもあずさのお仕事手伝っちゃおうかなあ」
あずさ「ふふ、私は大歓迎だけど美希ちゃんやってみる?結構疲れるわよ?」
美希「……やっぱりやめておくのー」コクコク…
あずさ「もう美希ちゃんったら、少しだけ期待してたのに」
あずさ「ふふ、私は大歓迎だけどミキちゃんやってみる?結構疲れるわよ?」
あずさ「もうミキちゃんったら、少しだけ期待してたのに」
↓
あずさ「ふふ、私は大歓迎だけど美希ちゃんやってみる?結構疲れるわよ?」
あずさ「もう美希ちゃんったら、少しだけ期待してたのに」
気づかなかった…
あずさ「うーん…私がモデルかぁ」
美希「あずさのおっぱいならきっと上手くやれると思うの…」
あずさ「いや、そんなこともう出来る歳じゃないわよ…でもこのお店を畳むことになっちゃったら考えておこうかな」
美希「本当に?」
あずさ「本当本当、だからそれまでに美希ちゃんもモデル頑張ってね」
美希「うん……はぁ~…あずさが来てくれるまでミキは何を糧に頑張ればいいんだろう…」
あずさ「ふふ、私でよかったらいつでも来ていいからね」
美希「……うん!」
あずさ「それじゃあ私も飲んじゃおうかな」
美希「それはダメ!あずさが飲んじゃったら太っちゃうの!太ったらモデルできないの!」
あずさ「……よぉーし、今日は飲んじゃうわよー」
美希「あ、あれ?あずさ?どうしてそんなに顔が怖く…」
あずさ「美希ちゃんも付き合ってもらうわよ~」ニヤニヤ…
美希「っ!こ、来ないでほしいのぉぉぉ!!!」
――
―
あずさ「はぁ…最近は飲んでばっかりだなあ」
あずさ「売り物のお酒まで飲んじゃって…請求なんて出来ないし…はぁ…」
あずさ「………」
あずさ「うーん…何だか体も重いようなダルイような…」
あずさ「お昼前まではお客も来ないし…お医者さんのところに行こうかしら」
あずさ「はぁ…仕事を優先するなら自分の身をまず確認しないといけないし」
あずさ「よし、行かないと…」
あずさ「ふぅ…」
あずさ「………」
あずさ(どうしましょう…迷って歩いている間にいつの間にかダルさが無くなっちゃった…)
あずさ「今更行っても仕方ないわよね…帰りましょ…というかやっぱりただの二日酔いねきっと…」
???「あれ?もしかしてあずささんですか?」
あずさ「?……どちら様でしょうか…?」
真美「ふふ…真美だよ真美、あずさお姉ちゃん」
あずさ「えっ…ま、まさか真美ちゃん!?」
真美「そだよー、ていうか気づいてくれなくて超ショックだったんだけど」
あずさ「いや…何だか面影があるようでないような…でもとってもキレイになったわぁ~」
真美「へへへ、褒められて悪い気はしないな~」
真美「真美だって流石に常識に則って生活してるんだよ~?」
あずさ「まあそうよね…けど本当に分からなかったわ…変わっちゃったのね」
真美「いやあ、子供のままでいたかったよ…でも現実を見据えなきゃいけない時が来てしまってね…」
あずさ「ふふ…確かにその外見で昔の喋り方だと逆に不自然ね…真美ちゃんも現実を受け止めたのね」
真美「受け止めたって…あずさお姉ちゃんから見た真美って一体……それに普段はもっと知的な話し方なんだよ~」
あずさ「へぇ~…それは見てみたいわね」
真美「きっと度肝を抜かれるぜ~、お医者さん見習いだからもっと難しい専門的な話だってできるんだぜ~」
あずさ「お医者さん……うん、白衣姿似合ってるわ」
真美「そうっしょ?昔は派手なのを着てたから今じゃあこういうのが新鮮なもんで…」
あずさ「……そういえば亜美ちゃんは?」
真美「ああ、亜美なら今お昼ごはん買ってきてるよ~」
あずさ「!亜美ちゃん!まあまあ、キレイになっちゃって」
亜美「へへへ…突然ベタ褒めしないでほしいなぁ」
あずさ「あ~…もうあの時一緒にユニットを組んでいたあの女の子はこんなに成長しちゃったのね…」
亜美「ふっ…病院前で泣かないでくれよ姉ちゃん、変な噂立てられるからな」
真美「それじゃあ流石に戻ろうか、時間もヤバめだし」
あずさ「あら…ごめんなさい、迷惑掛けていたかしら…」
真美「そんなことないよ、丁度休憩時間だったし」
亜美「そうそう、それにあずさお姉ちゃんに会えただけでもうお昼ご飯さえいらない感じ~」
あずさ「?…どういう意味?」
亜美・真美「にっひっひっひっひ…こういう意味ぃ!」ムギュッ
あずさ「きゅあっ!も、もう!コラー!」
亜美「へへへー、あずさお姉ちゃんのメロンご馳走様でした~、またねあずさお姉ちゃん!」タッタッタ…
真美「後りっちゃん達から聞いてるよー、お店暇できたら行くからねー!その時はメロン以外のおいしい物頼んまーっす!」タッタッタ…
あずさ「……はぁ…成長したのかしてないのか…あの子達ったら」
あずさ「……早くお店の支度しないと…」
あずさ「………」
あずさ「皆変わっちゃってるのね…中身はあの頃と同じところがいっぱいだけど環境が劇的に変わっていってて…」
あずさ「もう昔の仲間たちがお互いの環境に入り込めないような…」
あずさ「………」
あずさ「何を言ってるのかしらね私…最近は考え事も多くなったし…」
あずさ「……お店開けないと」カラカラ…
???「こんばんわ!あずささん!お久しぶりですね!」
???「……こんばんわ、ご無沙汰しています」
あずさ「……あ、あなた達は…」
春香「っはぁ~…これのために頑張ってるもんですよー」
千早「春香、オヤジ臭いわよ」
春香「なっ…酷い…楽しみを終えた一言を認められないなんて…」
千早「春香、演技臭いわよ」
春香「……わ、私そんなに臭くないよ!」
あずさ「……ここに来る前にどこかで飲んできたの?」
千早「いえ…全然」
春香「大体何なんですか!打ち上げの時とか全然私の傍に誰も寄ってこないんですよ!酷いと思いませんか!?」
あずさ「ええ…そう思うわ」
春香「そうですよね!宴会はお酒を飲んで楽しくお喋りするためのものなのに皆さん!皆さんですよ!私を腫れ物を扱うように…」
千早「いつもお酒を飲むとこうなってしまうんです…無視してくれて大丈夫ですよ」
あずさ「お客様の愚痴だって聞くのが飲み屋のお仕事だから…任せて」
千早「ええ…昔はお酒が出るお店で歌ってたことはあるけども自分が飲むために来ることはないわね」
春香「ふーん…それじゃあ今日はじゃんじゃん飲んじゃおっか!」
千早「明日も仕事入ってるんでしょ?二日酔いで仕事に行ったら大問題よ」
春香「もう!千早ちゃんは親友の私を信じてないの!」
千早「ええ、お酒を飲んでる人を信じるほど馬鹿じゃないわ」
春香「………あぁぁぁぁぁぁぁ…どうして世間の風当たりはこんなに強いのぉぉぉぉ…」
あずさ「昔の春香ちゃんとは思えないわね、おつまみ要る?」
千早「はい、何も食べてないので…」
あずさ「了解でーす、後春香ちゃん」
春香「……はい?」
あずさ「他にもお客様がいるから、そんな醜態を晒しているとイメージダウンに繋がるわよ?」
春香「………」
千早「全くその通りよ、今の時代視聴者がテレビにタレコミすることがあるんだから」
春香「…わ、私もうお酒いいかもしれません…」
千早「いいんですか?一緒に飲んで…」
あずさ「いいのいいの、私がそういう緩いのを分かってて皆来てるし」
春香「私が言うのもなんだけど…それって大丈夫なんですか…?」
あずさ「ええ、だって常連さんたちは私のファンの人達なんですもの」
春香「っ……じゃ、じゃあ…」
あずさ「ええ、きっと春香ちゃんのことも知ってるはずよ」
春香「」バッ
おっさん「」サッ
千早「酒は身を滅ぼすのね…いい勉強になったわ」
春香「はぁ…これじゃあ本当にアイドルじゃなくてタレントになっちゃいますよ…」
千早「アイドルだなんて…もう書類上だけですよ、今となっては」
春香「そうなんですよ…今じゃあ女優活動とタレント活動……これだけですよ」
千早「私も歌だけです…最初はこの環境を望んでいたのですが」
あずさ「環境…」
春香「変わっちゃいましたよ、環境も、人間関係も」
千早「………」
春香「765プロは新人アイドルばかりで、知り合いはもう千早ちゃん、響ちゃんと社長さんだけ…」
千早「仕事だって望んでいた歌の仕事ばかりです…けど本当にそれだけ…」
春香「何だかんだありましたけど…やっぱりプロデューサーさんと一緒に頑張ってた時が一番でした」
千早「ええ…好まない仕事ばかりだったけれど……今となっては物足りないような…」
あずさ「………」
響「おーい!来たぞー!あずささーん!」
雪歩「こ、こんばんわぁ…」
あずさ「あら、響ちゃん雪歩ちゃん、いらっしゃいませ」
響「おいおい店を開いたのに自分たちを呼ばないなんて幾らなんでも酷いぞ!」
雪歩「あの…隣座ってもいいですか?」
春香「はーい、どうぞー」
千早「我那覇さんは私の隣に」
響「うん、失礼するぞー」ス…
雪歩「あの…私ウーロン茶でお願いします」
響「自分も同じので頼むよ」
あずさ「はい、ただいまー…それと鳥のからあげと枝豆、四人でお好きにつまんで頂戴」
響「お!丁度お腹空いてたんだー、いただきまーす」
春香「あっ!私も空いてるのに!いただきます!」
雪歩「私は実家のお手伝いを…とてもじゃないけどあずささんみたいなお仕事は出来なくて…」
あずさ「あらそう?慣れるとおもしろいのよこれが~」
響「雪歩もここでバイトしたらどうなんだー?」
雪歩「そ、そんな!私になんて無理だよぉ…」
千早「そんなことないわよ、萩原さんならきっと出来るわ」
雪歩「……そうかなぁ…」
春香「うんうん、だって雪歩っていつも最初は無理とか出来ないとか消極的に入るけど、結局やり遂げちゃいますからね」
あずさ「それが雪歩ちゃんの強みでいい所よね…私だったらいつでも待ってるわよ」
雪歩「っ!あ、ありがとうございます…本当はこういうお店で働くのって少し興味があったんですぅ…」
あずさ「ふふふ、暇な時でいいから顔出してね、雪歩ちゃん」
雪歩「は、はい!」
千早「そうね…私も本当に久しぶりよ、こんなに楽しいおしゃべりをしたのも」
響「自分も最近は外国へのロケとかのせいで体がボロボロだからこういうのとっても楽しいぞ」
雪歩「……皆…頑張ってるんだね」
春香「頑張ってるよ…でも何だか…」
雪歩「?…何だか…?」
春香「何だか昔の頃からズルズルとやってるような気がしてならないのよ…」
響「……確かに自分もそう思うな…」
千早「私も心のどこかでいつかまたあの頃に戻れると思って仕事をしているわ…そんなのただの幻のようなものなのにね」
あずさ「………」
春香「はぁ…本当に…本当に楽しかったなあ」
あずさ「……昔は思い出したって今の環境は変わらないわよ、春香ちゃん」
春香「もう、せめてお酒の席でぐらい夢を見させてくださいよ~」
あずさ「夢を見ていたっていつかは現実に潰されるものよ…お酒はその夢を見るものじゃなくて現実を忘れさせるためだけのもの、ちゃんと分かって飲んでね、春香ちゃん」
春香「あぁぁ…やっぱり当たりが強い…」
あずさ「個人差はあるわね、でもいい物よ、お酒って」
春香「そうですよー、お酒はいい物ですよー、もっと飲んじゃいましょう!」
あずさ「あら、春香ちゃんったらお酒もういいんじゃないの?」
春香「どうせ明日のお仕事に潰されてしまうんですよ、それなら気分よく潰されたほうがマシです!そうでしょう!」
響「おぉ!よく言ったぞ春香!自分も明日ブラジルに飛ぶけど飲みまくるぞ!あずさ、自分、生ビール一つ!」
雪歩「二人共明日大丈夫なのかなぁ…」
あずさ「お酒は自己責任よ、萩原さんの心配することじゃないわ」
千早「あの…本当に申し訳ありませんあずささん…こんなに騒ぐつもりはなかったんですけど…」
あずさ「いいのよ、本当はこういうお客様は迷惑極まりないけど」
おっさん「」ポリポリ…ゴクゴク…ニヤニヤ…
あずさ「他のお客様も承諾してるみたいなので、今回は特別ね」
千早「ありがとうございます…ほら、春香もちゃんと謝って」
春香「こんな所で謝るなんて場違いなことしないよ!ほら、あずささんも飲んじゃいましょう!」
あずさ「……それもそうね、飲んじゃいましょうか!」
――
―
雪歩「………」zzz…
響「うっ…き、気分悪い…」
春香「はぁ…はぁ……ち、千早…ちゃん」
千早「ごめんなさいあずささん、トイレはどちらに…」
あずさ「あ~、トイレならそっちの方を奥に行けばあるんじゃないかしら~」
千早「ありがとうございます…って行き止まりなんですが…」
あずさ「あっ…ごめんなさい間違えちゃったわ」
千早「………」
春香「ちっ…ちはっ…ちゃん……もう座らせて…」
千早「いいから頑張って歩きなさい春香、あずささんのお店を汚したくないでしょ?」
春香「うっ……ん…」
千早「はい、おかげさまで…でもこんな事になってしまって…」
あずさ「いいじゃない、いいじゃない…ほら千早ちゃんも飲んで飲んで」
千早「いえもう…」
あずさ「ぶー…ツレないなあ……でも楽しかったわ、ありがとう、千早ちゃん」
千早「……はい、私もですよ」
あずさ「あーあ…皆とこうやって楽しくできないかしらね…また…」
千早「………」
あずさ「お互いもう関わりが少なくなっちゃった皆とまた…こうやって他愛の無い話をして…楽しく食べたり飲んだりしたいわね…」
千早「……そうですね」
あずさ「……んっ…はぁ…」コクッ…
あずさ「……お酒が夢を見せてくれたらいいのにね、いつまで経っても現実しか見えないわ…悲しいことにね」
――
―
雪歩『それじゃあ私はこれで…』
響『の、飲みすぎたぁ…明日大丈夫かな…またな、皆……うっ…』
春香『もう一人で帰れるってばぁ…馬鹿にしな…いったぁ!…も、もう世界なんて嫌いよぉ…』
あずさ「春香ちゃんはお酒飲んでもそそっかしいんだから…」
千早「……皆、帰ってしまいましたね」
あずさ「そうね~…でもまた来てくれるわよね、絶対」
千早「ええ、皆このお店を気に入ったはずですから」
あずさ「ふふ、そういうのお店の人にしてみれば結構嬉しいセリフよね……ありがとう、千早ちゃん」
千早「いえ……あの…あずささん」
あずさ「?…どうかした?」
千早「………一つ相談いいですか?」
あずさ「ん~?何かしら?」
千早「………ごめんなさい……春香達がたくさん飲みましたけど…お酒…またお願い出来ますか?」
あずさ「……はい、ただいま」
あずさ「でも夜も深いしあんまり飲んじゃダメよ、明日キツくなっちゃうから」
千早「大目に見てください…明日はオフなので帰ったらそのまま寝てしまう予定なので」
あずさ「そう、じゃあ、お酌させてもらおうかしら」
千早「ありがとうございます…」コポコポ…
あずさ「………控えめにね」
千早「善処します…」
あずさ「それで、どんな相談かしら?」
千早「っ…驚かないでくださいね…」
あずさ「うん……それで」
千早「……私…結婚を申し込まれているんです」
あずさ「っ!……そう」
千早「はい…前に大晦日の歌番組で競演した人に毎回食事の誘いを受けてて…それから先日…結婚指輪を…」
あずさ「…嬉しかった?」
千早「とても……その指輪は私がいただくには少々もったいないくらい綺麗で……本当に申し訳なくて…けど同時やっぱり嬉しかったです」
あずさ「………」
千早「だから私、受けようと思ったんです……彼となら一緒になってもいいって思って…けど…」
千早「彼を思うたびに…ずっとちらつくんです…あの人が」
千早「とっくの昔に諦められたあの人がずっと頭の中に浮かんでくるんです…」
あずさ「………」
千早「そのたびに昔、あの人を想っていた自分とあの人を裏切ったような気がして……だから…彼の想いに答えられなくて…」
あずさ「……でも彼はあなたを待っているんでしょう?」
千早「はい…でももし、急いであの人への想いを隠しながら彼と結ばれたら……きっとお互い後悔するはずです」
あずさ「………」
千早「だから私はこんな未練がましい自分に彼を巻き込みたくありません……そう思っていつも渋っていても彼はめげずに何度もその指輪を渡しに来てくれて…」
あずさ「………」
千早「もう耐えられないんです…分からないんです……過去を引きずって彼と一緒になるのか…過去を引きずって彼と別れるのか…」
千早「でもどちらを選んでもお互い納得できない結果になってしまうはずです……私のせいで」
あずさ「……そっか」
あずさ「そうね…もやもやを吐きだした分、刺激のある物を欲しちゃおうものなんじゃないかしら、人間って」
千早「……そうかもしれませんね…それであずささんはどう思いますか…?」
あずさ「うーん…まあ仕方ないわよ、人と一緒になるなんてそう簡単に決められる事じゃないわ」
千早「……それは彼も同じです…彼もきっと悩んで決めてくれたと思います」
あずさ「そうね…残りの人生を一緒に添い遂げる人を決めるんだからきっと悩んだと思うわ」
千早「………」
あずさ「でもね千早ちゃん、彼が悩んだということが分かっているなら彼の想いがどれだけかっていうのも分かってるんでしょう?」
千早「……はい」
あずさ「それなら簡単に別れるなんて選択はしちゃダメよ、同じ過ちを犯してしまうことになっちゃうんだから」
千早「同じ…過ち?」
あずさ「ええ、もしその彼と別れた後に千早ちゃんはまた新しいいい人を見つける…でもまた過去のことを引きずっちゃう…堂々巡りね」
千早「うっ……そうかもしれません…」
あずさ「でしょ?でも確かにあの人への想いがあるのにその彼と一緒になるのは……考え物よね」
あずさ「……私は相談に乗ってあげるだけで解決させることは出来ないわ…ごめんなさい千早ちゃん」
千早「………そうですか」
あずさ「けど、一つだけ言えるの……時間が経てば環境が変わる…いつまでも昔のままじゃいられないの」
千早「………」
あずさ「千早ちゃんは少しだけ昔の環境を求めすぎている感じがするわね…どれ程あの頃が大好きだったのかが分かっちゃうぐらい」
千早「……はい」
あずさ「でもね、その頃の皆は今をちゃんと生きてる…私も、千早ちゃんも」
千早「………」
千早「…そうですよね」ゴクッ…
あずさ「ごめんなさい、あんまり力にはなれなかったわよね…私そういう経験ないから、こんな歳で」
千早「いえ、あずささんに相談してよかったです……でもやっぱりめんどくさい女ですよね、私」
あずさ「そんなことないわ、真ちゃんだって言ってたもの、女の人は毎日恋に燃えているって……千早ちゃんもきっと燃えてるのよ」
千早「恋に燃える……ふふ、何だか古いですね、そのフレーズ」
あずさ「あら、私も結構気に入ってるのに…もしかして私の感性って古いのかしら」
千早「どうですかね、今を生きている私には分かりませんよ」
あずさ「まっ…生意気……でも幸せになってね千早ちゃん、何があってもまたおいしいお酒用意して待ってるから」
千早「……はい…またきっと来ますね……彼と一緒に」ニコッ
――
―
あずさ「恋バナをこんな歳でするとは思わなかったわ~…何だか新鮮な感じ」
あずさ「………」
あずさ「でも千早ちゃんも苦悩してるのね…色々と」
あずさ「結婚や相手の人のこと、そしてプロデューサーさん……千早ちゃんだけじゃ抱えきれない大きな問題がいっぱい」
あずさ「それに比べて私は問題なくのほほんと生きているって実感しちゃったわね…」
あずさ「………」
あずさ「それも…一つの幸せかもしれないけれど」
あずさ「少し…寂しいかもしれないなぁ…」
???「……すいません」
あずさ「っ!?は、はい!」
???「今…このお店やってますか…?」
あずさ「あっ!はい、やってますよ……って!あなた!」
あずさ「どうしたんですか音無さん…気分でも優れないのかしら?」
小鳥「いいえ…でもごめんなさいねあずささん……久しぶりに会えたのにこんな見苦しい姿を…」
あずさ「そんな…会えただけでとっても嬉しいですよ…それで誰から…?」
小鳥「誰か?……たまには町をブラブラしようかなって思って…そしたらあずささん似の人が飲み屋の前に立っていたから…」
あずさ「そしたら私だった……なるほど」
小鳥「すごい偶然よね…私のアイドルセンサーが数年ぶりにビビっと反応しちゃったのかしら」
あずさ「ふふ、それよりもお腹空いていませんか?本当は今の時間帯は朝食メニューしか出せないんだけど、音無さんなら特別に食べたいものを作ってあげますよ!」
小鳥「っ…それじゃあその朝食メニューを……あずささんが…私のためだけに作ってくれた朝食が食べたいです…」
あずさ「はい、ただいま」
小鳥「……いただきます」ス…
あずさ「………」
小鳥「っ…っ……んっ…っ…」ハフハフッ
あずさ「ふふ…音無さん、そんなに急がなくても焼いちゃった鮭は逃げませんよ」
小鳥「……ご…ごめんなさいあずささん…止まらないの…もう…温かくてすごく…すごく止まらないの…」ハフハフ…
あずさ「………」
小鳥「んっ…こんなにおいしい朝食久しぶりです……タダで…本当にありがとうございます…」
あずさ「こらこら、誰も無料で作ってあげませんよ」
小鳥「ふふっ…もうっ…そこは大目に見てくれてもいいじゃない…」
あずさ「ダメです……ゆっくり食べてくださいね」
小鳥「……はい」ニコッ
あずさ「それで、どうしちゃったんですか音無さん」
小鳥「……あ、あのお味噌汁のおかわり…」
あずさ「ちゃんと訳を喋ってくれたらタダにしてあげても構いません」
小鳥「………強気なあずささんには勝てないわね」
あずさ「……観念したのなら話してくれませんか…私…こんな状態の音無さん…今まで見たことなくて…」
小鳥「そっか……うん、そうよね…前までの私とは似ても似つかないような女になっちゃったから…」
あずさ「………」
小鳥「私が嫁いだことは知ってる?」
あずさ「ええ、確か玉の輿って…」
小鳥「そうなの…けど最近……ううん…もう数年前からその相手の彼と別居してるような関係が続いてるの…」
小鳥「それでたまに家に居ても私とは無機的な会話ばっかりで…ごはんも稀にしか一緒に食べてくれないし……それも夜遅くとか」
あずさ「………」
小鳥「けど…彼は結婚した時言ってくれたのよ…ちゃんと夜の8時までには帰ってきて一緒にご飯を食べてくれるって…その約束は絶対守ってくれるって」
あずさ「……でも守れていない…」
あずさ「………」
小鳥「いつか彼がまた私と楽しく一緒にご飯を食べてくれる……そう、思っちゃうと自然に手が動いちゃって」
小鳥「だから私がいつも食べるご飯は冷め切っていて…温め直しても全然おいしくなくて…」
小鳥「彼も夜遅くに帰ってきて私が作った冷め切ったご飯を食べて……イヤそうな顔をしてすぐ自分の部屋に行っちゃって…」
小鳥「それから私も食べきれないから捨てるしかなくて……そういうのが毎日……ずっとその繰り返しなのよ…」
あずさ「………」
小鳥「私、毎日考えちゃってるの…昔に戻って浮かれていた自分を殴ってやりたいって…何が結婚だ…顔や金で踊らされやがってって」
あずさ「………」
小鳥「こんな悲しみを味わうんだから一生独身でいろ…って」
小鳥「言ってやりたい……結婚なんて…地獄の連続だって」
あずさ「………」
あずさ「………」
小鳥「お味噌汁、もう一杯もらえる?あずささん」
あずさ「はい…私なんかが作ったのでよければ」
小鳥「謙遜しちゃダメよ……ここ数年、私が飲んだお味噌汁の中ではトップなんだから」
あずさ「そうですか…それはよかったです」ス…
小鳥「ありがとう……ねぇ、あずささん」
あずさ「……何ですか?」
小鳥「この鮭の塩焼き定食……本当においしかったわ…何故か分かる?」
あずさ「………分かりません…」
小鳥「それはね、多分、私への愛情だと思うの」
あずさ「……愛情?」
小鳥「こんな状態の私を心配してくれたあずささんの愛情がこの定食の中につまってるのよ、たくさん……ってちょっと自意識しすぎかもね」
あずさ「……愛情…そうですよ、愛情です……よく気づきましたね、音無さん」
あずさ「……はい、満足してもらえて良かった…」
小鳥「ふふ……あー…でも考えちゃうなぁ…」
あずさ「…何をですか?」
小鳥「いや…私だって彼のために毎日愛情を込めて作ってるはずなのに…どうしてあんな顔するのかなって……あずささんは分かる?」
あずさ「っ………ごめんなさい…私には分かりません」
小鳥「そっか……うん、私も分からないわ……分かりたくもない」
あずさ「………」
小鳥「今日はとってもいい朝をすごせたわ…本当に感謝してもしきれないくらい」
あずさ「……今度は飲みに来てくださいね、おいしいお酒たくさん用意して待ってますから……来なかったら私の方から探して連れて来ますからちゃんと来るように!」
小鳥「っ…も、もう!オバサン泣かせるようなこと言わないでよ……またフラって立ち寄るからその時まで…さよなら、あずささん」
あずさ「はい…また絶対に会いましょうね、音無さん」
小鳥「っ……ええ」ニコッ…
――
―
あずさ「ありがとうございましたー、またいらしてくださいねー」
あずさ「………」
真『何だか今までのボクという殻から抜け出したような…とても不思議な感覚でした』
千早『どの道お互い納得できない結果になってしまうはずです……私のせいで』
小鳥『言ってやりたい……結婚なんて…地獄の連続だって』
あずさ「三者三様……皆…結婚によって大きく変わっていってる」
あずさ「……でも私ってそれくらい大きな問題をあんな若い時に平然と…はぁ…」
あずさ「恥ずかしいなぁ…本当に…」
あずさ「………」
あずさ「……考えても無駄よね…そんなこと」
あずさ「………」
あずさ「もう…お店閉めちゃおうかしら…」
カラカラ…
あずさ「っ!い、いらっしゃ……あっ…」
社長「こんばんわ三浦君……入っても良かったのかな?」
社長「いやあ…三浦君にお酌してもらえるなんて夢みたいだよ」
あずさ「そんな…私もとっても嬉しいです」
社長「それは良かった……うん、今日のお酒は格別だね」ゴキュ…
あずさ「………」
社長「けど、三浦君の表情はあまりいいとは言えないね、何かあったのかい?」
あずさ「……いえ…ただ少し色んなことがありまして…」
社長「ふむ…良かったら話してくれるかな、私も君が居た元アイドル事務所の社長として力になりたいんだ」
あずさ「………」
社長「もしかして私じゃあ頼りなかったかな?」
あずさ「いえ…でも飲み屋の店主としてお客様よりも自分を優先するのは…」
社長「そんなつまらない御託を僕は酒の肴にする気はないよ……だから三浦君、ここまで来ると信用されてないと思えてきて泣いてしまいそうだから話してくれるかな?」
あずさ「ふふっ…分かりました、それじゃあ私の悩みについての相談を聞いてくれますか?」
社長「ああ…どんと来なさい」
あずさ「昔の私はそれをすごく軽視していて……今、皆の状況を聞いて今更恐怖心が出てきてしまって…」
社長「……私も音無君の事情は知っていたよ…でもまさかそこまで悪化していたとは」
あずさ「……馬鹿ですよね…運命の人を探すためにアイドルをしていたのに結果、結婚自体に怖気づいちゃうなんて…」
社長「そんなことはないよ…でも一生を掛ける問題だ、あの頃の君は確かに結婚という行為を軽く見ていただろうね」
あずさ「………」
社長「けれど、結婚というのはそんなに重たいものでもないよ」
あずさ「……どういう意味ですか?」
社長「私が彼……プロデューサー君をプロデューサーに抜擢した理由を君は知っているかね?」
あずさ「………」
社長「簡単なことだよ、彼を人目見て、ティン!ときたからだよ」
あずさ「ティン…」
社長「そう、彼ならこの765プロを何とかできる人間だと、直感的に判断してしまったんだよ」
あずさ「直感…」
社長「そして彼は本当にやり遂げた……私の直感と判断は間違っていなかったんだ」
社長「分からないかい?結局私が言いたいことと言うのはね、三浦君、君はティンっと来るような瞬間があったかい?」
あずさ「………」
社長「その場面に出会った時、心から何かがあふれ出なかったかい?」
あずさ「あふれ出る…」
社長「そうだ、君の場合は心からこの人が好きだ、この人と一緒になりたい…という時が」
あずさ「………」
社長「もしあったのならそれが君の運命の人かもしれないし、違うかもしれない……けれど」
社長「その人と一緒になることはきっと幸せなことのはずだよ……結婚はそれだけの意味は確実にあるんだ」
あずさ「………」
社長「そして、それからの道はその人と一緒になって考えればいい、それが幸せか不幸せになるのか…それも結婚するからこそ分かる利点だよ」
あずさ「…何だか結婚っていう物がいい物のように聞こえますね」
社長「私は少なくともそう思ってるからね、君にもそう思ってほしいよ」
あずさ「どうですかね…」
社長「もし心からあふれ出るような瞬間が無くても今から見つければいい…君はまだまだ全然若いのだから」
社長「うん、悪いね……なあ三浦君、これからもここを贔屓にさせてもいいかな?」
あずさ「……はい、社長さんなら大歓迎ですよ」
社長「うん…とてもいいオアシスを見つけたもんだ……いいお酒といい女将さん…」
あずさ「ふふ、そんなに褒めたって何も出ませんよ」コポコポ…
社長「けれどまだ少し足りないかな…あるものが欠けているよ」
あずさ「……何がですか?」
社長「君が一番分かっているのだろう?」
あずさ「………やっぱり社長さんはすごいですね」
社長「そりゃあ私だって今まであの事務所を支えてきた人間だからね…それくらいは分からないと務まらないものだよ」
あずさ「………」
社長「今ならまだ全然間に合うと私は思うよ、三浦君」
――
―
あずさ「………」
社長『君が一番分かっているのだろう?』
あずさ「………」
社長『今ならまだ全然間に合うよ、三浦君』
あずさ「言わなくたって私だって…」
あずさ「………」
あずさ「何も出来ない…はぁ…」
伊織『そうね、その時は……アンタの本当の運命の人と来るかもしれないわね』ニヤッ
あずさ「……あれって…」
あずさ「………」
あずさ「皆ごめんなさい…約束よりも少し早めにまた会うことになるかもしれないわ…」
Prrr...
あずさ「ありがとう伊織ちゃん…皆を呼んでくれて」
伊織「いいわよ別に、久々に全員が集まるなんて私だって嬉しいんだから…」
あずさ「うん…私も嬉しいわ…本当に」
伊織「そ、じゃあ早く準備しなさいよね、皆が来て何も出せなかったら飲み屋の店主として失格よ」
あずさ「はい!それじゃあ伊織ちゃん、皆の分のグラスとか出してくれるかしら?」
伊織「……ホントしょうがないわね…あずさがこの伊織ちゃんを使うのは何だか癪だけど…今日ぐらいは許してあげる」
あずさ「やっぱり伊織ちゃんは優しい…きっと何十年経っても優しいままで居てくれるといいなぁ~」
伊織「っ!バ、バッカじゃないの!たかがグラスを出すだけでそんなことっ……あずさはとっとと作りなさいよ!」
あずさ「はいはい、ウチの臨時アルバイトさんはとっても厳しいわね」
ガラッ
あずさ「あら、やよいちゃんこんばんわ」
やよい「はい!あずささん、伊織ちゃんこんばんわ!……あれ?」
伊織「な、何よ…」
やよい「伊織ちゃん…あずささんのお手伝いしたいからもっと上手になるように料理を教えてほしいって言ってたのに何で食器類を…」
伊織「や、やよいっ!手伝うならほら早くこっちを先に手伝いなさいよ!……もう」
あずさ「それじゃあ後で伊織ちゃん、厨房手伝ってみる?人手がとっても足りないの…」
伊織「なっ……まああずさがそこまで言うなら伊織ちゃんは別に…」
ガラッ
響「はいさーい!来たぞみんなー!」
伊織「ちょっと響っ!もう少し空気読んで入ってきなさいよ!」
響「な、何で自分が怒られるんだ…?」
春香「ねえ早く入ってよー」
千早「あの…我那覇さん……早く入ってもらっても…」
響「だって自分何にもしてないのに怒られたんだぞ!?春香達だってそう思…」
真「はーいどいたどいたー!お店の前で溜まってるとお店の人に迷惑だよー!」
響・春香「うぎゃぁー」
あずさ「あら皆さんこんばんわ、好きな所に座ってくださ~い」
雪歩「あ、あの!私も手伝うことがあったら…」
あずさ「ふふ、じゃあ少し頼んじゃおうかしら」
雪歩「はいっ!」
ガラッ
亜美・真美「双子ドクターズ、ただいま参上ー!」
美希「あは!皆揃っちゃってるの!」
貴音「なんと懐かしい光景でしょう…心躍りますね」
やよい「皆さんこんばんわ!うっうー!」
亜美「真美さんよ、この女性は何を言っているのだろうか?うっうー?」
真美「おそらく社会という鉄檻の中で我を見失ってしまったんだろう……察してあげてくれ」
やよい「もう!イジワルしないでよ二人共!」
伊織「あーら、私の力があればやよいがどれ程になるのかしらね……美希?」
美希「うっ…社長も来てたんだ…」
伊織「ふふっ、私の前であんまり生意気なことは…」
あずさ「ちょっと伊織ちゃん!火を使ってるときに余所見しちゃダメでしょ!」
伊織「うぇっ!わ、分かってるわよ!」
美希「社長、料理ぐらい作れないとカッコ悪いのー」
伊織「料理ぐらいちゃんと作れるわよ!」
貴音「なんと良き香り…私の腹の中に眠る龍の目が醒めてしまいそうです」
響「貴音…少し見ない間に何だか色々と進化してたんだな…」
あずさ「……賑わって来たわね」
ガラッ
律子「うわっ…なんて濃い面子…」
小鳥「……こんばんわ、みんな」
美希「あぁっ!小鳥!小鳥だけ全然連絡くれないから心配してたの!ほら、早くこっち来て!」グイッ…
小鳥「っ…も、もう…私オバちゃんなんだからそんなに強くひっぱらないでよ…」
律子「………」
社長「懐かしいね、この景色」
律子「はい…純粋に懐かしいですね…けど」
社長「うん、まだ後一人足りないね」
あずさ「………」
伊織「はぁ…こんなに作ると流石にしんどいわね…」
やよい「うっわぁー!とってもおいしそうです!」
亜美「あぁっ!何ということだ!ここで亜美のゴッドフィンガーがおもむろにからあげに!」
真美「おぉっと!偶然にも真美のクレイジーフィンガーもエビチリの山に!」
律子「やめなさい、ホントいつまで経ってもそういう所は変わらないのね」バシッ
亜美・真美「ぐへっ」
貴音「………」グーキュルルーガオーッグギャァァァー
響「貴音!旅を思い出すんだ!これぐらいの苦痛はたくさんあったはずだぞ!」
春香「うん!とってもおいしそうだね!」
千早「そうね、けど明日も仕事なんだから食べすぎちゃダメよ」
春香「……ぶー」
美希「どうしよう…こんなに食べちゃったらお尻が……もうどうにでもなれなのぉ!」
社長「音無君、もし寂しかったらいつでも戻ってきてくれても構わないよ」
小鳥「………」
社長「今の765プロだってこれぐらい賑やかだからね、まあやっぱりこっちには負けてしまうかもしれないけれど」
小鳥「……いえもう大丈夫です」
社長「……本当かい?」
小鳥「はい…だってもうこの元気だけで私には十分です……これからも頑張れますよ」
社長「そうか…うん、君がそれでいいなら私はもう何も言わないよ」
小鳥「……あ~あ、私、社長と結婚すればよかったかなぁ」
社長「っ!き、君!?今そういうのはここで…」
小鳥「冗談です♪いい歳して可愛い反応するんですね、社長って」
社長「……はぁぁぁぁぁぁ…」
雪歩「……来ませんね」
あずさ「そうね…」
真「皆を待たせるなんてあの人らしくないですよね…」
あずさ「………」
あずさ「もう、始めちゃいましょうか?」
やよい「えっ…でも…」
あずさ「折角の料理が冷めちゃうわ…多分、彼だって先に始めておいてくれって言うに決まってますよ」
伊織「それもそうね、始めましょ」
貴音「……私もその考えに賛成でございます」
響「貴音は自分の本能に忠実だな…」
社長「それじゃあ、旧765プロ再会パーティを…」
ガラッ!
あずさ「………」
「いやぁ…なんとか間に合った…」
あずさ「……お久しぶりです、こんばんわ、プロデューサーさん」
P「はい…こんばんわ、あずささん」
あずさ「…ふふっ…ほら早く入ってください、皆待ってますよ」
P「はい…って本当に皆揃ってる…」
美希「遅いのハニー!ミキを待たせるなんていい度胸なの!」
亜美・真美「兄ちゃん老けたね久しぶりだねー!」
P「うるさいぞお前達……でも皆本当に変わったんだな」
春香「プロデューサーさんこそすっごく変わりましたね…確かに老けたような…」
千早「すごく新鮮な感じが……いいえ、老けているから新鮮というよりも……」
真「でも老けてるプロデューサー、ボクは渋カッコいいと思いますよ!」
P「……俺そんなに老けた?」
小鳥「今度私のこのお肌のハリを保つ秘密を教えてあげましょうか?」
律子「いやあ、こりゃもう手遅れでしょ」
P「いやそんなに老けてないって!」
やよい「皆待ってください!老けていてもプロデューサーはプロデューサーです!時間が経つことは仕方がないんです!」
貴音「やよいの仰るとおりでございますよ、刻の流れによる風化という物は抗いようがないものです…誰しも」
響「そういえば自分の家族も最近歳取ってきたんだ…どうすればいいんだろう…」
P「もういいよ…俺が老けてるってことで…」
社長「さ、君もグラスを手に取りたまえ、今からパーティの開始だよ」
P「あっ…はい…じゃあ…」ス…
社長「よし、全員揃ったね…それじゃあこれから旧765プロ再会パーティを開催します……乾杯っ!」
「「「「「「かんぱーっい!!!」」」」」」
―――
――
―
P「で…皆酔いつぶれちゃいましたね…」
あずさ「ふふふ、765プロってお酒弱い子が多かったのね~」
P「そういうあずささんもそんなに強くは無かった覚えがありますけど」
あずさ「……だってどこかの誰かさんのせいでたくさん飲んじゃった覚えがあるので~…」
P「………?」
あずさ「もう一缶開けちゃいます?」
P「それじゃあ……まだ酔えそうにないので」
あずさ「でもごめんなさい、もうビール缶しか残ってなかったの」コポコポ…
P「小鳥さんがあおるように飲んじゃってましたからね、仕方ありませんよ」
あずさ「いいじゃないですか、飲みたい時に飲む、そのための飲み屋あずさですよ」
P「……いいお店なんですね」
あずさ「そんなのあなたが一番知ってるじゃないですか…」
P「………」コク…
あずさ「この飲み屋あずさの最初のお客様…プロデューサーさん…」
P『えっ…本当に作っちゃったんですか!?流石あずささん……は?店への道が分からない…?』
P『はい、出勤中に見てきましたよ…でも本当にあの作りかけのお店があずささんのお店とは未だに何だか信じれませんね……いやっ!嘘ついてるなんて思ってませんって』
P『うん…すごくおいしいです…お店出して正解だったかもしれませんね……い、いやこれ以上俺で試作品を試さないでください!もうお腹いっぱいですって!』
P『工事の音が近所迷惑?……あー…大丈夫です、俺もついて行きますから一緒に謝りましょう?ね?』
P『とうとう完成しましたね、お店……それじゃあこれからも頑張ってください、あずさ店主』
P『店の名前?うーん……あずささんが経営しているので、「飲み屋あずさ」…みたいな感じでいいんじゃないですか?あっ!本気にしないでくださいよ!ちょっと!』
P「本当に採用するなんて思いもしませんでしたよ…いくらなんでも安直すぎですし…」
あずさ「でもこのお店のために力を貸してくれたプロデューサーさんがつけてくれた名前だから…採用しないわけないですよ」
P「俺はそんな大げさなことしてませんよ」
あずさ「私がそう思ったらそうなんです!……そうやって否定することから入る人は嫌われちゃいますよ…お酒の席なら特に」
P「それもそうですね……じゃあどういたしまして」
あずさ「………」
P「………」
あずさ「ふふっ…空気が凍っちゃいましたね」
P「はい…何だか一瞬妙に緊張しましたよ」
あずさ「……でもあんまり苦痛じゃありませんでしたよ?私は」
P「俺も全然、逆に落ち着いてて好きですよ、ああいう沈黙」
あずさ「………」
P「いや、そういう意図的にされるのは結構傷つくんだけど…」
P「……酔ってるんじゃないですか?」
あずさ「そうなんですかね…うーん…」
P「先に休んでください、後のこの人達は俺がなんとかしますから」
あずさ「………」
P「それじゃあ…」
グイッ
あずさ「………」
P「……あずささん?」
あずさ「せっかく帰ってきたのにそういうのはあんまりじゃないかしら……プロデューサーさん」
P「…すいません…それじゃあもう少し…」
あずさ「女子の融通が利く男の人は好感度高いですよ~」
P「融通利くのは人間なら誰だって好ましいと思うような気が…」
あずさ「もうそういうのはいいですから!ほら!座って座って!」
P「はいはい…」
P「………」
あずさ「座らせちゃったのはいいけど…また凍っちゃいましたね」
P「あんまり喋ることありませんからね」
あずさ「うーん…じゃあ話題探しのためにも一杯飲んじゃいますか?」
P「結構飲ませてきますね…」
あずさ「何ですか?私のお酒が飲めないって言うんですか…?」
P「いえいえ全然…第一、今日はあずささんのお酒を飲みに来たようなもんですから」
あずさ「……そうですか…じゃあはい、どうぞ」コポコポ…
P「……ありがとうございます」
あずさ「……そういえばプロデューサーさんは今まで何をしていたんですか?」
P「アイドルのプロデューサーを辞めてからはテレビの番組を作る仕事に携わっていました……結構大変でした、ああいう仕事も」
あずさ「……765プロを離れてまでするお仕事だったんですか?」
P「……どうですかね…でも新しい世界に触れられたのは新鮮でしたよ」
あずさ「でも…やっぱりプロデューサーさんはプロデューサーさんじゃないと…」
あずさ「………」
P「だから当分はあの世界から離れようと思っていた所なんです……本当にこの数年間、勝手なことばかりしてきましたよ」
あずさ「そうですね…プロデューサーさんが外れてしまったことで、皆もアイドルの仕事から離れていきましたから…」
P「はい…何だかんだで皆、俺に信頼のような物を寄せていたんですね…」
あずさ「……それだけじゃないと思いますけどね」
P「?」
あずさ「でも皆今を頑張って生きてますよ…結婚してたり、会社の社長になったり、一人旅をしていたり、芸能界で仕事を続けていたり…」
P「……それじゃあ皆…色々と変わっちゃったんですかね」
あずさ「いいえ、そんなことないんです…皆が居る世界は確かに変わったかもしれません、でも皆、あの頃から変わってません…」
あずさ「皆、あの頃と変わらない765プロの仲間です」
P「………」
P「いえ…いいこと聞いちゃったので当分忘れそうにないですよ」
あずさ「プロデューサーさんったら……あ、もう一杯飲みます?」
P「……いや、今日はもうこれぐらいにしておきましょう、あずささん」
あずさ「あら、まだまだ私は飲めますよ?」
P「でももう最高にいい気分なので…これ以上お酒を飲まなくても十分な気がするんです…」
あずさ「そうですか…それじゃあ今日はもうお開きってことですね」
P「はい、後あずささん…また今度でいいので……一緒に飲んでくれますか?」
あずさ「……っ…勿論です、では今後も飲み屋あずさをよろしくお願いしますね、お客様」ニコッ…
――
―
あずさ「………」フキフキ…
あずさ「あ~ああ…何だかあんまり脈があるような感じは無かったわね~…」フキフキ…
あずさ(でも…)
『また一緒に飲んでくれますか?』
あずさ(今はこれくらいで十分よね…)
あずさ「また…来てくれるはずだから」
ガラッ
あずさ「あっ、いらっしゃいませー」
「あの…今やってますか?」
あずさ「はい、営業中ですよ~」
「それじゃあ今日はここにしよっか?」
「「「おー」」」
「いやあまさかこんな所にお酒を飲める場所があるなんて思いませんでしたね」
「ラッキーだったな、ほら座れ座れ」
あずさ「ふふ、今日も頑張らないと…」
「あ、あの…」
あずさ「はい?何でしょうか?」
「もしかしてあなた…765プロのアイドルの…」
あずさ「……いいえ、今は違いますよ」
「えっ…でも…」
あずさ「今はもうアイドルじゃありません……私はただの飲み屋あずさの店主、三浦あずさです、お客様」ニコッ…
終わり
支援保守ありがとうございました
それではお疲れ様でした
しんみりしてて良かった!
お疲れ様
良いふいんきの話だった
すごくよかった乙
Entry ⇒ 2012.09.06 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「・・・見える」
P「くぅ、頭痛い・・・」
P「・・・?! なっ、なんだこれは・・・」
P「昨日は、社長と音無さんに付き合って、居酒屋で飲んだ後、そのまま帰って寝た」
P「そこまでは記憶があるが、目が覚めたら」
P「・・・・・・。ちょっとテレビでも付けて落ち着こう」
ピッ
P「っ!!」
P「やっぱり・・・やっぱり・・・夢じゃなかったんだ・・・!」
P「服が・・・」
P「服が透けて見えるぞ・・・っ!!」
P「・・・・・・」
P「俺のお天気お姉さんが、真っ黒な下着を・・・」ゴクリ
P「うおおぉぉぉぉ!!!」
立つかな?
・・
・
ブロローン
P「事務所に行くのがこんなに楽しみだなんて」
P「こんな朝もあるんだな」
P「ん?」
P「お、おお・・・!1 登校中のjk達も下着一枚で・・・」
P「・・・・・・」 ゴクッ
P「事務所に着くのが楽しみだなあ!」
・・
・
ガチャ
P「おはようございます」
小鳥「おはようございます。プロデューサーさん」
P「ああ、音無さん」チラッ
P(では、早速)
P(・・・)
P(なんだ・・・この、ものすごくやる気のない下着・・・)
小鳥「?」
P(でも、今時、ベージュて・・・)
P(小鳥さんそこそこ可愛いのに今だ独身なのは、やっぱり、こういうところに出るんだろうか・・・)
小鳥「??」
P「・・・ああ、すみません。仕事はじめます」
小鳥「はい。今日も頑張りましょう」
コトン
P「二日酔い軽減のドリンクです。さっきコンビニで買ったんですけど良かったら」
小鳥「あっ、ご、ごめんなさい。もしかして顔に出てたかしら」 アタフタ
P(顔どころか、下着にも出てますよ・・・)
P「ちょっと、スケジュール確認してきます」
小鳥「どうも、ありがとうございます。プロデューサーさん」
・・
・
ガチャ
真「おはようございます」
小鳥「おはよう。真ちゃん」
真「あのスケジュール確認したいんですけど、プロデューサーはいますか?」
小鳥「ああ、それならあっちのホワイトボードの前にいるわよ」
真「ありがとうございます!」
真「おはようございます!プロデューサー!」
P(早くアイドル達を・・・)
真「・・・あのプロデューサー?」
P(え?いつも撮影で水着姿見てるだろって?)
P(それとはぜんぜん違うんだよ・・・)
真「?」
P(完全に素っ裸ではなく、透けて見える)
P(しかも、俺に見られているということが誰も気付かない)
P(これが期待せずにはいられないだろ!)
P「なあ!男ならわかるだろ!!!」ガシッ
真「っ!」ビクッ
真「ボクの手を握って何か伝えようとしても、ボクは男じゃないので・・・」
P「ん? あぁ、すまん、真いたのか」
真「・・・い、いえ」ドンビキ
真「・・・」
P(黒のスポブラか。まあ、イメージ通りなんだけど・・・)
P(なんかなぁ、ちがうんだよなぁ)
P(ギャップゼロだしなぁ。かと言って、ピンクのフリフリとかだとイメージしても・・・)
P(うーん・・・。うわぁ・・・)
真(なんか、ものすごく嫌な視線を感じる・・・)
P「ないな、うん、ない!」
真「えっ!」
P「えっ?」
真「今日の午後から雑誌の仕事ありましたよね?!」
P「?」
P「スケジュールならそうだぞ」
真「いや、今ないって言ってたじゃ・・・。・・・はぁ。もう、いいです」
真「ちょっとトレーニングに、事務所の周り走ってきますね」
P「? おお、気を付けてな」
バタン
P(颯爽とかけ出しても何も揺れない・・・)
P(うーーん・・・。まあ、張りがあって良い尻だけど)
P(もっとこう、普段の姿からイメージできない娘が・・・)
ガチャ
P(誰かきたああぁぁぁ)
千早「おはようございます」
P( )シュン
千早「プロデューサーおはようございます」
千早「・・・?」
P(でも、見てしまうのが男の性)ジッ
P(色がライトブルーで、普通のブラだな・・・)
P(いや?)ジーッ
P(・・・ちょっと寄せて上げようとしている?!)
P(千早。やっぱり気にしてるんだな・・・)
P(でも、肉付きを考えると寄せる意味が・・・)
千早「・・・」
千早(なにか、ものすごく失礼な視線を感じる)
P(いや、でも大丈夫だ!俺に任せろ!)
P(次からのグラビア撮影には、もっとパット用意してやるからな!)グッ
千早「少し歌いたいので、レッスン場をお借りしたいのですが」
P「おお!頑張れよ・・・。俺はいつでも応援してるぞ・・・」ウルッ
千早「・・・」
千早「・・・まあ、なんでもいいですけど」
バタン
P(揉んだら大きくなるって言うし、今度俺が・・・)
P「・・・・・・」
P「・・・捕まるな」
P(ええい!次だ次!早く巨乳を!80以上を!)
ガチャ
やよい「うっうー、おはようございまーす!」
真美「おはYO!」
P( )ショボ-ン
真美「兄ちゃん、なんでそんな絶望した顔してるの?」
P「いや、少しな・・・。神の存在を疑いたくなってしまった・・・」ドサッ
真美「いや、ソファーにたそがれても、特にキマってないよ?」
やよい「元気ないんですか、プロデューサー?」
P「ああ、いや・・・」
P(俺は見てしまうのか。この二人のあられもない姿を)
P(・・・・・・)
P(ま、いつも水着姿を見てるからいいか)
P(そもそも、見えるのは不可抗力だし)ジーッ
やよい・真美「?」
P(・・・真美はイエローの、まだワイヤーが入ってないタイプか)
P(おっ、それでも、ちょっと谷間ができてる。成長したんだなぁ・・・)ウルッ
P(やよいは、白で)
P(・・・・・・)
P(その材質は・・・おそらく、セール品・・・)
P(やよいもそこそこ売れてきてるから、もっと、贅沢してもいいのに・・・)ウルウル
真美「? あっ、そうだった!」
真美「ねぇねぇ、兄ちゃん!さっき、近くの公園でクレープ屋があったんだけど~」チラッ
P「? ああ、買ってきていいぞ」
っ野口英世
真美「わーい!兄ちゃん大好き!」ダキッ
やよい「もー、真美!プロデューサーに迷惑かけちゃ」
P「やよいは食べたくないのか?」
やよい「えっ、そ、それは・・・」
P「好きなだけ買ってこい!」
っ福澤諭吉
真美・やよい「?!」
真美「なっ、なんで、真美はノグチで、やよいっちだけフクザワなの?!」
やよい「プ、プロデューサー!こんなに受けとれません」 アタフタ
P「やよいは今大事な時期だからっ!もっといっぱい食べて、もっといいの着けろよ!」
P「今頑張らないと、後で寄せて上げる事すら・・・ぐすっ・・・」
真美(ま、マジ泣き・・・)
やよい(やっぱりお仕事大変なのかな・・・。プロデューサーに迷惑かけないように、私が頑張らなくっちゃ・・・)
真美「と、とりあえず、やよいっち行こうか」
やよい「・・・そうだね、真美」
P「気を付けてな・・・ぐすっ・・・ぐすっ・・・」
P「最近涙もろくってダメだな、俺も、もうおっさんか・・・」
P「この空気を何とかしてくれる誰か・・・」
ガチャ
雪歩「おはようございますぅ」
P(!! ついに80越えきたああぁぁ!!!)
雪歩「あっ、プロデューサー」
雪歩「今日もいい天気ですね」ニコッ
P(・・・)ジーッ
雪歩「? ど、どうかしましたか・・・?」
P「真っ白だな・・・」
雪歩「? あっ、雲でしょうか。確かに真っ白ですね」ニコニコ
P(これは、素晴らしい)
P(雪歩の真っ白い肌に、真っ白の下着)
P「素晴らしいコントラストだ・・・」
雪歩「? 確かに青空と真っ白の雲は綺麗ですね」ニコニコ
P(これが、ひんそーでひんにゅーでちんちくりん?)
雪歩「あの・・・、もし良かったら・・・その、一緒にお散歩に・・・」 カアッ
P「おいおい、冗談はやめてくれよ」
雪歩「?!」
雪歩「・・・そ、そうですよね」
雪歩「ひんそーでひんにゅーでちんちくりんな私なんかとは・・・」 ウルウル
P(やっぱり、雪歩は、白が似合うなぁ)
P(もし、ヒョウ柄とか着けてたら、と、考えると・・・)
雪歩「やっぱり、こんなダメダメな私は、穴掘って埋まってま--」
P「うおおおぉぉ!!!それだけは止めてくれえぇぇええぇ!!」
雪歩「?!」 ビクッ
P「・・・!」 ハッ
P「も、もしかして声に出てた・・・?」
P「えーっと、すまん。あんまり話を・・・」
P「って、そんな泣きそうな顔するな、雪歩」
P「ちょっと、暑さにやられてな。その、なんだっけ・・・?」
雪歩「一緒にお散歩に・・・」
P「よし、じゃあ、行こう。今すぐ行こう」 グイグイ
雪歩「・・・はっ、はい!」
・・・
・・
・
P「それにしても、これだけでよかったのか? 特に何か買ったりとか・・・」
雪歩「いえ、いいんです。すっごく楽しかったです」ニコニコ
雪歩「・・・あの、プロデューサー」
雪歩「今なら、凄く良い詩が書けそうです。ありがとうございますぅ!」
P「そうか。それは良かった・・・」
雪歩「隣の部屋で、書いてきてもいいですか?」
P「あ、あぁ、行ってこい」
ガチャ
バタン
P「・・・。また、あの詩が増えるのか・・・」
P(・・・)
P(しかし・・・)
P(・・・雪歩を下着姿にして、街中を歩くという夢が叶ってしまった)
P(雪歩も良かったが・・・)
P(でも、もうちょっと上が来てもいいよなぁ・・・)
ガチャ
伊織「おはよう」
亜美「おはYO!」
P(!! この流れは・・・!)
律子「竜宮小町ただ今戻りました」
あずさ「あらあら~。プロデューサーさん、小鳥さん、おはようございます」
P「神はいたあぁあぁぁ!!」
伊織「!」ビクッ
伊織「ちょ、ちょっと、何大声出してんのよ!びっくりするじゃない!」
亜美「? 兄ちゃんの新手のいたずら?」
P「ああ、二人は別に・・・」
P「・・・・・・」
P「一応な、一応・・・」ジーッ
伊織「なっ、なによ」
P(・・・おお、これは見事なランジェリー)
P(サイズもぴったりだし、さっき真に想像したようなピンクのフリフリが)
P「素材もいいし、似合ってるけど・・・」
P(もっとこう・・・あっ!)
伊織「なによ、私の服になんか文句あるわけ?」
P「そう、ギャップだ!」
P「伊織!お子様プリントパンツを履いてくれ!」
伊織「?!」
伊織「~~~~っっ!!」
伊織「朝から何言ってんのよ、アンタは!変態っ!ド変態っ!!」 ゲシゲシ
P「いっ、いたい!や、やめろ、伊織!!」
伊織「ふんっ!あんたなんか、一生床に寝そべっておけばいいのよ!!」 ゲシゲシ
亜美「・・・今のは兄ちゃんが悪いと思う」ドンビキ
P「や、やめろ亜美、そんな視線を向けるな・・・」
P「俺の姿を見てないで、伊織を止め・・・」クイッ
P(なっ!!)
亜美「? どったの、兄ちゃん?」
P(こっ、このアングルは・・・?!)
P(ホットパンツ越しのフルバックショーツが丸見えにっ!!)
P(真美と同じ下着ながら、さっきはショーツをジロジロと見るなんて理性が邪魔していた。・・・が!)
亜美「? なんか、今日の兄ちゃんおかしいよ・・・?」 ジトッ
P(このアングル、否応にも目に入る!! そしてこの視線が・・・)ゴクッ
P(前面に可愛らしさを演出したリボン)
P(後面に成長期のおしりを包み込むその姿)
P(決して大人パンツとはいえない。しかし、子供からの成長を感じるそのショーツ・・・)
P(・・・さらにいえば、)
P(ホットパンツに合わせてちょっと食い込みが、ちょうど・・・亜美の・・・) ピンッ↑
伊織「・・・ん?」ゲシゲシ
伊織「・・・~~~~っっっ!!!!」
伊織「きゃあああああああああああ!!!」
伊織「なっ、なななな、なに踏まれて、おお、おぉおぉぉぉ、大きくしてるのよぉぉっっ!!!」
ゲシッ!!
P「※♯☆*◯゛!!」
・・・
・・
・
P「う、うーん・・・」
??「大丈夫ですか?プロデューサーさん?」
P「うーん、ここは・・・?・・・この枕柔らか・・・」ゴロッ
あずさ「・・・やんっ プロデューサーさん、そっち向いちゃ恥ずかしいです・・・」
P「・・・っ!!?」パチッ
P「あっ!あずささん?!なんで膝枕をっ」
P「~~っ!!!」
P(っ?! め、目の前に・・・っ!!)
あずさ「さっき、伊織ちゃんに蹴られてプロデューサーさんが気を失ってて」
あずさ「でも、伊織ちゃんは何があったか言ってくれないし・・・」
~~~~~~~~~~~~~~
伊織「きゃあああああああああああ!!!」
あずさ「何かあったの、伊織ちゃん?」
ゲシッ
P「※♯☆*◯゛!!」
あずさ「プ、プロデューサーさん!」
あずさ「ど、どうして・・・」
伊織「ふっ、ふん!別に私は悪くないわよ!!」
伊織(私に勝手にこどもパンツ穿かす妄想して、蹴られて、お、おおぉぉ、大きするなんて・・・)
伊織「このっ、変態っ!ド変態っ!EL変態っ!変態大人!!」
スタスタ
あずさ「あっ、伊織ちゃ・・・」
~~~~~~~~~~~~~~
あずさ「どうしたのかしら・・・?」
P(どうしよう・・・下着姿のあずささんに膝枕されてる・・・)
あずさ「あの・・・」
P(ちょっと上を見えば、今にも暴れそうなおっぱいが、フレンチカップにそっと包まれてて)
P(更に前を見れば、亜美と比べられないほど、前面の幅が狭いショーツ)
P(でもっ!ぎりぎり見えないもどかしさ!!)
P(さらに、セクシーさを彩るパープル色!)
P(これぞ、大人の下着!!)ピンッ↑
P「音無さん!これですよ、これ!」
あずさ「? プロデューサーさん?」
P「これが見れたら、もう死んでもいい・・・」
あずさ「プロデューサーさーん?」
P「はっ、はい?!」
あずさ「あの、お腹の方に向いて話されると、息がかかってくすぐったいんですけど・・・」
P「うわぁ!す、すみません・・・」コロッ
P(良かった。俺のマイサンがバレたのかと・・・)
あずさ「ふふっ。反対向いてくれるならいいですよ」
P(あっ!笑った拍子に、上から下から、凄く挟まれてるうっっ!!)
P(そうか、天国はパープル色だったのか・・・初めて知ったよ・・・)
P(・・・? あれ、よく考えたらもう目覚めたから、まだ膝枕される理由が)
スタスタ
律子「ちょっと、プロデューサー殿!」
律子「目が覚めたならさっさと起きてくださいよ、あずささんが困ってるでしょう」
P(?!)
あずさ「いえいえ、私は大丈夫ですよ、律子さん」
P(うおおおぉぉ!!!)
P(ソファーで膝枕されていると、律子のショーツとご対面する位置になるのかあぁっっ!)
P(・・・膝枕というか、最早、顔があずささんの胸置きになっているけど、今更どうでもいい!)
律子「いいえ!あずささんは、プロデューサーを甘やかしすぎです」
P(律子のスカートスーツ越しに、ショーツが・・・)
律子「大体、伊織に蹴られたんだって、どうせしょうもない理由で・・・」
P(しかも、黒・・・だとっ?)
P(くそっ!だから正面に座った時に、何も見えなかったのか!!)
P(いくら黒いストッキングを履いていても、明るい系の色のショーツなら、何か見えると思ってたのに・・・そういうからくりだったのか!!!)
P(普段のパンツルックじゃなく、たまに、スカートスーツで来るたびに、律子の∇ゾーンを探ってた過去の俺をぶん殴りたい)
P(そして、あの下に履いてるのは黒い下着なんだぜと囁きかけたい)
律子「・・サー?」
律子「ちょっと、プロデューサー!聞いてます?」
P「俺としたことが・・・っ」
あずさ「まぁまぁ、律子さん。プロデューサーさんだって、きっと疲れているんじゃないですかね」
あずさ「もうちょっと、いいんじゃないですか?」
律子「その割には目がいきいきしてますけど・・・」
律子「うーん、まぁ、あずささんがそういうなら・・・」
律子「プロデューサー殿は満足したらさっさと起きてくださいね。じゃあ、私は仕事に戻りますから」
スタスタ
P(あっ!)
P(尻が、尻が揺れるっ!揺れてる!あぁ!スーツの上から思いっきり鷲掴みしたい!)
P(いいよな!一回ぐらい!!)モミッ
あずさ「!!」
P(しかし、後ろから見ると、結構おしりの布の幅も狭いな・・・。ブラジリアンショーツだったのか・・・)モミモミ
あずさ「ちょ、ちょっと、プロデューサーさん。私の太ももを・・・あっ・・・!」
P(どうしよう、揉んだら怒られるかな)モミモミ
P(・・・いや、ああ見えて意外と顔を赤くしながら初な反応かも・・・?)
P(律子『プ、プロデューサー殿!やっ、やめてください・・・』)
P(P『よいではないか、よいではないか』)モミモミ
P(律子『私、そういうのは・・・っ』)
P(P『じゃあ、アイドル達に代わりにやってもいいのかい?』)
P(律子『そ、それはダメですっ!』)
P(P『じゃあ、一つしかないよな?』)モミモミ
P(律子『っ!で、でもっ・・・』)
P(P『別に誰もいいんじゃない。律子だからやってるんだぞ』)モミモミ
P(律子『プ、プロデューサー殿・・・!』)
あずさ「・・・・・・さん」
P(うーん、堪らん)モミモ
あずさ「プロデューサーさん!」
P「・・・はい?」
あずさ「あの、その、そんなに太ももを揉まれても・・・その・・・」
P「?」モミッ
P「・・・。うわあああぁっっ!すみませんでしたあああぁぁあぁぁ!!」
スタッ
ドゲザァ
あずさ「い、いえ、そこまでしてもらわなくても別にいいんですけど・・・」
P「本当に心から反省しております。なんでもするんで、どうか警察だけは」
あずさ「・・・じゃあ、プロデューサーさん。一つ言うことを聞いてもらってもいいですか?」
P「はい!一でも十でも百でも!!」
あずさ「・・・それじゃあ、次揉むときは太ももじゃなくて・・・」
ガチャ
響「はいさーい!」
貴音「おはようございます」
響「・・・プロデューサー、何やってんの?」
貴音「面妖な・・・」
・・・
・・
・
響「膝枕してくれたお礼に土下座?」
P「ま、まぁ、そんなところだ」
響「普通、そこまではしないでしょ?」
あずさ「まぁまぁ、いいじゃない」
貴音「あずさがそう言うのであればいいのですが」
P(それにしても)チラッ
響・貴音「?」
P(あずささんには及ばないけど、こいつら何食べたらこうなるんだ・・・)
あずさ「そういえば、今日はお仕事?」
P(ちょっとは千早に分けてやれよ!くそっ、千早安心しろ! 次のグラビアは、あとパッド2枚追加してやる!!)
P(・・・?)
P(あれ、響の下着って・・・)
響「あっ、そうだった。今日はお仕事がお休みだから、貴音とプールに行く約束をしてたんだ!」
P「ああ、だから下に水着を着てたのか!」
響「!!」ビクッ
響「なっ、なんでプロデューサーは、自分が下に水着着てるって知ってるんだ?!」
P「へっ?あっ、あ、ああ!なっ、なんとなく!」
P「響ならそうするかなーって(裏声」
響「な、なんか声が裏返って、やよいみたいになってるぞ・・・」
P「ま、まあ、いいじゃないか!ほら、行ってこい!」
響「っ、そ、それが・・・」
貴音「・・・」
P(ん?貴音・・・)
P(・・・?!)
P(な、何で透けてないんだ!!)
P「っ!」チラッ
あずさ「?」
P「っ!!」チラッ
響「?」
P「・・・」チラッ
貴音「・・・・・・」
P(やっぱり貴音だけ見えない・・・)
あずさ「それで、どうしたの?」
響「下に水着を着てきたから、下着を忘れちゃって・・・」
響「更衣室に予備があるからそれを取りに来たんだっ!」
P「あ、あぁ、そうだったのか」
P(響はどうでもいいけど、何で貴音は・・・)
貴音「なるほど。わかりました」
P「?!」
響「? どうしたんだ、貴音?」
貴音「いいえ、独り言です」
貴音「さあ、行きましょう響」
スタスタ
響「ああ!待ってよ貴音!まだ替えの下着持ってきてないんだから!」
ドタドタ
貴音(・・・あなた様)
P(なっ?! 背中越しに声がっ・・・)
貴音(女性のトップシークレットを覗こうとするのは、あまり感心いたしませんね)
P(す、すみません・・・)
貴音(しかし、貴方様も殿方だったということですね)クスッ
貴音(本日だけの、さーびす、ですよ)
スッ
P「なっ?!透けっ!!」
あずさ「?」
P「~~~っっ!!」
P(!! てぃ、てぃっ!!!)
貴音「ふふっ」
スッ
P(! も、もう?!)
響「貴音ー!持ってきたぞー!」
貴音「それでは参りましょう」
ガチャ
バタン
P(・・・・・・)
P(・・・てぃばっく・・・)
・・・
・・
・
P「素晴らしい尻だった・・・」
P「・・・・・・」
P「さて」
P「あとは、2人か・・・」
ガチャ
美希「おはようなの!あっ、ハニー!」グッ
P(ついに来た…っ?!っって、うわああぁっ!!」
ガバッ
美希「・・・? ハニーが避けないのは珍しいの」
P「あ、あぶなかった・・・倒れた拍子で頭を打つかと思った・・・」
P(下着を見ようと冷静になれなかった自分が哀しい・・・)
P(しかし、いまなら)
美希「でも、ミキ的には、ラッキーなの!」ギューッ
P「お、おい美希っ・・・。早く上から離れ・・・」
P(見えない!抱きつかれて肩紐以外見えない!すごく柔らかいけど!今は下着が見たいんだ!!)
美希「・・・?」
美希「ハニーからケダモノの視線を感じるの」
美希「今日だけ特別だよ」ポチポチ
P「な、なに、服のボタン外して・・・!」
美希「ほらみてっ!この夏の新作下着なんだけど、どうかな?」
P(くっ、フレッシュグリーンがめちゃくちゃ似合って・・・)
P(最早、谷間が直に見えてるけど!こいつ本当に中学生かよ!)
美希「あーでも、いくらハニーでも下着は脱ぐことはできないの」
美希「それ以上は、ナイショ、なの!」
P(ん?おい、下着を直に見たら、その下の肌色まで透けて見え・・・)
美希「・・・ハニー、目がヤラシイの」キュッ
P(くそっ!手が邪魔だ!下着を全部オープンにしてくれたら!)
P(あとちょっとで、その下のが!)
美希「?」
ガチャ
春香「おはようございまーす!」
春香「あっ、プロデューサーさん!美希も・・・って!」
P「?!」
美希「おはようなの、春香」
春香「ちょ、ちょっと、何やってるの二人とも?!」
美希「? なんか、今日はハニーがおかしいの」
P「 」パクパク
春香「むしろ、プロデューサーさんに馬乗りになって、半脱ぎの美希のほうがどうかと思うけど・・・」
美希「? 美希はフツー、いつも通りなの」
春香「まぁ、確かに・・・」
春香「そんなことより、ほらっ、プロデューサーさんが苦しそうに口をパクパクして・・・」
P「・・・は、はるか?!」
春香「? どうしました?プロデューサーさん?」
P「おまっ、おまえ!!」
P「ど、どどど、どうして!!」
P「下着を付けてないんだああぁぁっっっ!!!!!!!!」
-おしまい
特に書き溜めとかしてなかったので、保守していただいた方々感謝です
ありがとうございました
Entry ⇒ 2012.09.05 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
貴音「みそらぁめんを……」
店員A「あいよ、ミソラーメン一丁!」
店員B「あい、ミソラーメン入ります!」
・・・・・・
店員A「あい、ミソラーメンお待ち!」
貴音「」モグモグ
貴音「」モグモグ
貴音「」ゴクゴク
貴音「」プハッ
貴音「まことに美味でした……」
貴音「……」
貴音「……」
店員A「はい、ご注文ですか?」
貴音「しょうゆらぁめんをお願いします」
店員A「あいよ、しょうゆラーメン一丁!」
店員B「あい、しょうゆラーメン入ります!」
・・・・・・
店員A「あい、しょうゆラーメンお待ち!」
貴音「」モグモグ
貴音「」ゴクゴク
貴音「」プハッ
貴音「まことに美味でした……」
貴音「……」
貴音「……」
貴音「面妖な……」
店員A「はい?」
貴音「しおらぁめんをお願いします」
店員A「え?」
貴音「しおらぁめんをお願いします」
店員A「あ……あいよ、しおラーメン一丁!」
店員B「あい、しおラーメン入ります!」
・・・・・・
店員A「あい、しおラーメンお待ち!」
貴音「」モグモグ
貴音「」モグモグ
貴音「」ゴクゴク
貴音「」プハッ
貴音「……」
貴音「……」
貴音「……」ゴソゴソ
貴音「なんと……」
店員A(お、おい、あの客さ)
店員B(ん?)
店員C(どっかで見たような気が……)
店員A「は、はい?」
貴音「ちゃあしゅうめんをお願いします」
店員A「はい?」
貴音「ちゃうしゅうめんをお願いします」
店員A「チャーシュー麺、ですか?」
貴音「ええ。ちゃあしゅうめんです」
店員A「わかりました……チャーシュー麺一丁!」
店員B「あい、チャーシュー麺入ります……って、ええ?」
店員A「オーダー繰り返します。チャーシュー麺一丁」
店員B「……チャーシュー麺一丁」
・・・・・・
店員A「あの、チャーシュー麺です」
貴音「」モグモグ
貴音「」モグモグ
貴音「」ゴクゴク
貴音「」プハッ
店員A(なにこいつ……)
店員B(マジか……)
店員C(……あ、テレビで見たことあるような気が)
貴音「……」
店員C(携帯出してる)
貴音「もやしらぁめんをお願いします」
店員A「……はい」
客A「すげぇ……」
客B「どうした?」
客A「あの子、ラーメン四杯目だ」
客B「マジか」
貴音「」モグモグ
貴音「」ゴクゴク
貴音「」プハッ
貴音「五目らぁめんをお願いします」
店員A「五目ラーメンですね……」
貴音「あ」
店員A「はい?」
貴音「餃子も」
店員A「」
貴音「」ゴクゴク
貴音「」プハッ
店員B(……まさか!?)
店員C(どうした?)
店員A(おい、店員B? なぜ豚角煮を準備している!?)
店員B(黙って見てろ)
貴音「あの……」
店員A「はい」
貴音「豚角煮らぁめんをお願いします」
店員A(なんだと……)
客A「すげぇな、あの姉ちゃん」
客B「……あれ?」
客A「どうした」
客B「おい、メニューをよく見ろ」
客A「ん?」
貴音「餃子らぁめんをお願いします」
客A「!?」
客B「気付いたか」
店員B(くっくっくっ。餃子ラーメンは準備済みよぉ!)
店員A(こ、こいつ、メニューの並び順に注文してやがる!?)
店員C(どっかで見た顔なんだよなぁ……)
客B「……いったい何が彼女を……」
店員A(順番通りなら次は……)
貴音「煮玉子ときむちとめんまと焼き豚をお願いします」
店員B(サイドメニューまで律儀に頼むだと!?)
店員A「煮玉子、キムチ、メンマ、焼き豚入りました」
客B「下手なテレビより面白そうだな」
客A「俺は見届けるぞ、おい、ビールと焼き豚追加!」
客B「あ、こっちもビールと餃子追加」
店員D子「はーい、少々お待ちくださーい」
貴音「ちゃあはんをお願いします」
客C「……ご飯ものに入りやがった」
店員A「お待たせしました、チャーハンです」
貴音「……」
店員A(? 何故こんな不満顔を……)
貴音「ちゃあはんにはすぅぷが付く、と品書きにありますが?」
客A「スープまできっちり頼むだとっ?!」
店員A「し、失礼しました! すぐに持って参ります!」
店員A「スープ付き、ですか?」
貴音「? 品書きにはすぅぷ付きと書いてあるのでは?」
店員A「出過ぎた発言でした。平にご容赦を」
・・・・・
貴音「きむちちゃあはんをお願いします」
・・・・・
貴音「じゃこ入りちゃあはんをお願いします」
・・・・・
貴音「中華飯をお願いします」
・・・・・
客A「あ、こっちビール追加」
客B「こっちも」
・・・・・
・・・
・
客A「すげぇ、メニューの半分以上を制覇してるぜ……」
客B「ああ、なんちゅう胃袋だ」
客C「デブって訳でもないのになぁ」
店員C(思い出した。あれ、四条貴音だ)
店員A「次はエビチリの準備が出来ておりますが」
貴音「一分後に」
店員A「わかりました」
客B「ああ。だが、この店のメニューの最後尾は……」
客A「定食ものだ」
客B「まさか……」
客A「俺は奇跡を信じる。いや、奇跡じゃない、これは必然だ」
店員C(貴音さんすげぇ……)
店員D子(さっきからお客さんが増えてるんだけど、みんなビールとつまみばっかり)
貴音「餃子定食を」
店員A「かしこまりました。少々お待ちを」
客B「……」
客A「どうした?」
客B「すいません、唐揚げ定食とラーメンください」
客A「な……」
客B「これが食わずにいられるか……この状況を見て、食わずにいられるかよっ!」
客A「客B……お前って奴は……」(今日初めて会った人だけど)
客C「姉ちゃん、こっち、チャーシュー麺と餃子二つ」
客A「くっ……おい、こっちにエビチャーハン頼む」
貴音「らぁめんせっとお願いします」
店員A「仰せのままに」
店員C「お皿お下げしますね」
店員C(貴音ちゃんの皿ペロペロ)
店員A(何処の誰だか知らないが、見事だ……)
店員C(貴音ちゃんペロペロ)
店員D子「あの人以外にもオーダー来てんだから働けよコラ」
貴音「……」
客A「ウーロン茶で喉を湿して休憩中か」
客B「あと、三品……これは行けるな」
貴音「あの……」
客C「来たッ!」
店員A「はい」
貴音「プリンパフェを」
客A「おらぁっ!」ゴスッ
店員A「げふっ」
客B「だっしゃぁぁっ」ベキッ
店員A「がふっ」
客A「己は何考えとんじゃああああ!!!」
客B「この流れでメニューありませんが許されると思っとんかぁぁぁっ!」
客C「無かったら無かったで、近所の喫茶店かコンビニでも走って買ってこいやぁぁぁぁ!!!」
店員D子「行ってきまーす」
店員C「お客様、お皿お下げしまーす」(フヒヒヒヒ、貴音ちゃんの皿ペロペロ)
店員B「あれ? 皿が足りねぇ……?」
店員D子「すいません、プリンパフェあります?」
律子「あ、スイーツ類はそちらの棚にそろっております」
店員D子「あ、あったあった。これ、お願いします」
律子「×××円のお買いあげです」
店員D子「千円札で……あ、領収書下さい」
律子「はい、ありがとうございました」
店員D子「ロー○ンが近くにあって良かった」
・・・・・・・・
客B「メニュー制覇だと……」
店員A「くっ……」
店員B「膝を屈するな、店員A。俺たちが弱いんじゃない。あの人が強かったんだ」
店員C「あ、ちょっと早退させてもらいまーす、さーせん」ガチャガチャ
店員D子「店員C君、なんでお皿持って帰ってるのかな?」
貴音「」スック
貴音「まこと、美味でした」ニッコリ
店員A「……ああ、喜んでくれて幸いだ」
店員B「次は、もっと凄いメニュー用意してやるからな」
店員D子「スイーツメニューも充実させなきゃね」
貴音「ではまた、いずれ……」スッ
客C「すげぇ……すげぇものを俺たちは……」
感極まる客と店員。
食い逃げされたことに気付くまで、あと三十分
終
実家帰ろう
ではまた、いずれ……
>>70
さすがにバレましたかw
乙
お疲れ様
Entry ⇒ 2012.09.05 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
P「アイドル達に何も言わずに仕事を休んで今日で一週間か……」
アイドル達に何も言わなかったから、皆怒ってるだろうなぁ」
P「……まあ、その辺りは社長と小鳥さんが説明してくれてると信じよう。うん」
社長「ふふふ……」
小鳥「ぴよぴよ」
ガチャ
P「ただいま戻りました~」
美希「あ、おはようございます。ハ、プロデューサー!」
P「ああ、おはよ……え?」
亜美「プロデューサー、おはようございます!」
真美「おはようございます」
P「」
美希「毎朝、お疲れ様な、です! カバン持ちます!」
亜美「亜m、私は上着!」
真美「マミ、じゃなくて私は私は!」
P「ちょ、ちょっと待ってなにこれ?」
小鳥「フフ、おはようございます」
P「あ、おはようございます」
小鳥「フフフ、面白いですねー」
P「面白いですねーじゃないですよ。いったいなんなんですか? アイツらの変わり様というか」
小鳥「それがですね。何も言わずにプロデューサーさんが出て行かれて、どうやら事務所を辞めたと勘違いしたらしくて」
P「辞める!? まさか!」
小鳥「ええ、まあそうなんですけど。そこで社長と私がちょーっとその話に尾ひれをつけまして」
P「あー……なんとなく分かったような」
小鳥「プロデューサーさんが戻ってくるように、良い子になるんですって」ピヨッ
小鳥「んー、まあそこは乙女心と言いますかーピヨピヨ」
P「ん? まあ美希や亜美真見がマジメになるんでしたら越したことはないですが」
小鳥「他の子達もそれぞれ、良い子になってますからね」ピヨッ
P(すごく嫌な予感しかしない)
P(やれやれ。社長も小鳥さんも妙なところで子供っぽいというか)
P(っていうかまずこの背中にひっついてるのどうにかして)
美希「肩はこってませんか? マッサージしてあげますなの!」
P「いいよいいよ、それよりも今日は美希はオフだろ? しっかり休んでろって」
美希「いいえ! 今までサボってた分、イッショウケンメイになりますの!」ビッ!
P「良いことなんだろうけどどうも方向性が……分かった。後でレッスン見てやるから」
美希「ありがとうございますなの!」
ガチャ
貴音「あなた様……」
P「おお、貴音来た、か……えっと……」
貴音「さあ、早く参りましょう……」
P(なんか全体的に白くてしぼんだ貴音らしき物体が来た)
貴音「わたくしは何も変わりありませんが……?」
P「いや、今にも倒れそうな、っていうか全体的に存在自体薄くなってるぞ?」
貴音「そうですね……日頃食べるらあめんを節制したせいでしょうか……」
P「なっ……男の俺でも引くぐらいの量を食べてたお前がそんな……!」
貴音「良いのです……それもこれもあなた様に戻って頂くため……」
パタン
P「貴音ぇぇぇぇ!」
貴音「あなた様……わたくしは良い子になれましたでしょうか……?」
P「貴音……! ああ! お前は良い子だ!」ギュッ
貴音「あなた様……」
P「だが貴音! 俺は元気にラーメンを食べるお前の方が好きだ! 周囲が距離を取るくらい食べるお前は輝いてる!」
貴音「らあめん……」
P「ああ……! 食べて良い! お前は食べて良いんだ!」
貴音「……」
スッ
P「貴音……!」
貴音「参りましょうあなた様……いざ、戦地(ロケ地)へ……!」
P「ああ!(スタッフさん、先に謝っておきます!)」
事務所
P(あの店大丈夫かなー)
ガチャ
雪歩「……」
P「お、雪歩おはよう」
P「あー、今まで連絡しなくてごめんな。別に辞めたわけじゃn
雪歩「お、おはようごじあます、だぜ!」
P「え」
P(おー、どんどん赤くなってる)
雪歩「わ、私についてこい、なんだじぇぇぇ……」
P(あー、どんどん小さくなってく)
P「まあその、うん、気持ちは伝わったよ」
雪歩「その、私がダメでグズだからプロデューサーが辞めちゃったと思って、思ってぇぇぇ……」グスン
P「うんうん、頑張った。良い子だ。うん」
P「うんうん」
雪歩「それでその、真ちゃんと相談して」
P「うんうん……ん?」
ガチャ
真「プロデューサー! キュルルン☆ 真ちゃん、ただいまプリティーに推参なりYOー!」
P「……」
雪歩「……」
真「……あっ」
真「……」
雪歩「真ちゃん、その、私は可愛いと思って」
P「雪歩、それはいけない」
事務所 夜
P(何もなかった、なかったんだ)
P(さて、今日は残すは……あ)
美希「ハニー……」
初日終了
美希「プロデューサーは気にしないでください! それじゃあお仕事行ってきます!」
P(なんかすっごい罪悪感。いや、俺が悪いんだけど)
ガチャ
やよい「……」
P「お、やよい早いな。おはよう」
スタスタ
P「ん? やよいどうしt
ペチン!
P(ファ!?)
やよい「もうっ! ろくに電話もよこさないでなにやってたの!」
P「え? え?」
やよい「ちゃんと話聞いてるの!? お姉ちゃん怒ってるんだよ!?」
小鳥(キタコレ……!)
やよい「お姉ちゃんどれだけ心配したかわかってるの!?」
P「す、すいません……」
やよい「……」ギュッ
P(えええ!?)
やよい「うん……ちゃんと謝るならお姉ちゃん許してあげる……プロデューサーは良い子だもんね」ヨシヨシ
P「……お姉ちゃん!」
小鳥「おさわりまんこっちです!」ピヨ!
P「え?」
やよい「ほら、伊織。出てきなさい」
カチャ…
伊織「あ……」モジモジ
P(誰!?)
伊織「お、お兄ちゃん……」
P(妹!)
伊織「うん……」オズオズ
P()
やよい「ほら」
伊織「あの……お、おかえりなさい。お兄ちゃん」
小鳥「っしゃぁぁぁぁぁぁ!!」
やよい「ほらプロデューサーも。伊織に言うことあるでしょ?」
P「あ、うん……ただいま」
伊織「あ……お兄ちゃん!」ギュッ
P(そっか! 僕にはお姉ちゃんと妹がいたんだ! 僕は生きて良いんだ!)
やよい「よしよし……プロデューサーも伊織も、どっちもお姉ちゃん大好きだからね」ヨシヨシ
車内
P(ふぅっ……まったく俺も良い年こいてなにやってたんだか……)
P(それにしても響のやつ、午後から仕事だってのに電話も出ないで)
P(確か、響の住んでるマンションはあそこの角を曲がって……)
響宅
ピンポーン
P「響ー? いるかー?」
P(出ないか……寝てんのか? って、あれ? 鍵開いてる……?)
P(……よし)
ガチャ
P「響ー? 入るぞー?」
ザー
P「響ー? いるのかー?」
ザー
P(さっきからこの音……シャワー?)
ザー
P「おーいっ、響ー?」
ザー
響「……ぞぉ……ないぞぉ……」
P「え?」
P「響……?」
響「うぅ……臭いが落ちない……落ちないぞぉ……」
P(……oh)
P「それで、朝からずっと体を洗ってたわけか」
響「う……仕方ないじゃないですか。自分は動物をたくさん飼ってるんですから」プイッ
P「ん?」
響「なっ……!? べ、別に私はほ、方言なんてしゃ、喋らないですぞ」
P「へ~」ニヤニヤ
P「はいはい」ナデナデ
響「うー!」
P(めっちゃ仕事遅刻だけどまあ、なんくるないさー)
P「それじゃ、頑張ってこいよ」
響「なんくるないさー!」ダッ
P(やっぱり響は今のままが一番だな)
律子「お疲れ様です。プロデューサー殿」
P「おう。そっちもおつかれ。じゃあ、響のこと頼むわ」
律子「はい。わかりました」
P「……そういえば律子はどこか良い子になるの?」
律子「はぁ?」
P「ん~? どうしたの~?」ニヤニヤ
律子「オホン! まあその、私も少しは素直な後輩を演じてみようかなとは思いましたが」
P「別にそんなことしなくて良いよ。いつもの律子が一番だ」
律子「……はぁ」
P「え!? ため息!?」
P「あの子たち?」
律子「なんでもありませんっ。ほら、あずささんをお迎え行ってください」
P「あ、ああ」
律子「あー、でも」
P「ん?」
律子「いつかは貴方を超えて見せます。それが私の良い子です」ニッコリ
P「……期待してるよ」
P(近くの喫茶店で拾う予定だから、まあ距離的にはここだろう)
ガチャ
あずさ「……」
P「(いたいた)あずささん、お待たせしm
あずさ「おっそいてのプロデューサー!」
P「え?」
P(えー……っつうか酒くさっ)
あずさ「もうアタイの時間はこれからだっていうのに? このボディ持て余しちゃう感じ?」
P「あ、はい」
P「ああ、まあ……あ、お水すいません」
あずさ「これからアタイのマジイケてるダンスナンバーで? ゴーゴー?」
P「ワケわかんないです」
バシャ!
あずさ「うぅ……すいません」
P「いやまあ、はい」
あずさ「最初はぁ、プロデューサーさんのママになって甘やかしちゃおうって思ったんですけど~」
P(そっちじゃなくて良かった、たぶん。おそらく。きっと)
あずさ「伊織ちゃんとやよいちゃんの見て、かぶっちゃったなぁ~って」
P「そういうの気にする人なんすね」
P「僕も安心しました」
あずさ「……ママ、する?」
P「続きはwebで!」
2日目終了
美希「まだ……まだ……」
美希「あの、はい。気にしてません! 頑張りますなの!」ダッ
P(アイツ、あんなキャラだったっけ?)
ガチャ
千早「……」
P「おう、久しぶり。千早」
P(さあ千早、お前はどうくる? もうあらかたネタは出尽くしたぞ!?)
千早「……ぷろでゅーさぁ……」ホロリ
P(あ)
フエーン
P「あーあー、よしよしごめんな。連絡もしないでなー。悪かったなー」
千早「うぅぅ……」
フエーン
千早「……だっこ」
P「よーしよーし」
千早「……なでて」
P「よーしよーしっ」
千早「……ぎゅぅ」
P「よーしよーし!」
千早「zzz」
P「ようやく泣き止んだと思ったら……小さい子供みたいだ」
小鳥「それだけプロデューサーさんを信頼してるってことですよ」
P「そうなんですかねえ」
小鳥「ええ」
P「で、良い話で終わらせようとしてますけど、ちゃんとこの騒動のオトシマエはつけさせて頂きますからね」ニッコリ
小鳥「やよいお姉ちゃんビデオですね」ニッコリ
P「さてと、そろそろ自分はあがります」
小鳥「お疲れ様です」
小鳥「……さっきの編集編集っと」
P「やれやれ……一週間いないだけでこれか」
P「でもまあ、アイドルたちの違う一面を見れて新鮮だったかな」
P「それに、良い子ってのにも色々あるんだな」
P「なあ、春香」
春香「そうかもしれませんね。あ、お洗濯もの、出しちゃってくださいね」
P「ああ」
おわれ
乙
一週間のアイドル ゆきまこ編
雪歩「きっと私がダメダメで(ry
真「だったら強くなれば良いんだよ! 雪歩! 僕も女の子っぽくなるからさ!」
雪歩「真ちゃん……うんっ」
真「それでこれなんてどうかな雪歩!? キュルルン☆」
雪歩「え、あ」
真「よーし、これでプロデューサーを全力ノックアウトだー!」オー
雪歩(ま、真ちゃんが幸せなら!)
一週間のアイドル やよいおり編
伊織「あのバカはこんな可愛い伊織ちゃんを放って辞めるなんて! 大罪だわ! 追放よ!」
やよい「伊織ちゃん、それってやっぱりいなくなる……」
伊織「と、とにかく! あのわからず屋を連れ戻す作戦を考えるわよ!」
やよい「うん!」
伊織「……それでやよい、ちょっと私に良い考えがあるの」
やよい「え?」
その時の伊織ちゃんの顔は、私に変なことをしようとする怖いおじさんの顔に似てました
おい
一週間のアイドル ひびたか編
貴音「らぁめん……らぁめん……」
響「自分は臭い……自分は臭い……」
小鳥(やっべ)
一週間のアイドル あずりつ編
あずさ「お忙しそうですねぇ~」
律子「そりゃもうっ、連絡もなしに突然ですからね。もうてんてこ舞いですよ」
あずさ「そうね~、ひどい人よね~。律子さんもそう思うでしょ~」
律子「……私は待ってます」
あずさ「ふふっ」
一週間のアイドル 千早編
千早「……」グスン
一週間”後”のアイドル 美希と亜美真美
美希「ミキ達は頑張ったの」
亜美「度重なる兄→チャンとの接触の末、ついに我々は手に入れたのだ」
真美「もうはるるん大勝利とは言わせない」
P宅の合鍵
三人「フフフフフフ」
乙っした
Entry ⇒ 2012.09.05 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
P「こら貴音!どうしてすぐ俺をアブダクトしようとするんだ!」
P「入れたら拉致るだろお前」
貴音「そのようなことはありません。あなた様の合意のもと、共について来て頂きたいのです」
P「じゃあ合意しない。この話終わりな」
貴音「あなた様、外に船を待たせています。早く参りましょう」
P「貴音ってたまに俺の話聞いてくれないよね」
貴音「誰も居ない惑星を見つけたのです。そこで2人きりで支えあって生きていこうかと」
P「ごめん意味がよくわからない」
貴音「ふふふ、あなた様はいけずですね。女性にここまで言わせるものではありません」ガチャガチャ
P「壊れるからドアガチャガチャしないで」
貴音「今は仕方ありません。しかし、これからは2人きり…」
P「みんなに支えられ、時に助け、俺たちは生かされているんだ」
貴音「最初は寂しいかも知れません、ですがすぐに慌ただしくなることでしょう」
P「貴音、人という字はどうやって出来ているか知っているか?」
貴音「3人目が増えるでしょうから…ふふふ、照れてしまいます」
P「俺の話聞いて」
貴音「はて、何か問題が?」
P「俺は貴音に釣り合うようなやつじゃない」
貴音「そんなことはありません、さあ行きましょうあなた様あなた様」カリカリ
P「やめてドアひっかかないで怖いから」
貴音「共に新しい世界へ」
P「なんだい貴音?」
貴音「あなた様はやや子が生まれたら大層可愛がることでしょう」
P「もちろんだとも」
貴音「ふふふ、かあさまは少し妬いてしまいそうです」
P「貴音、妄想の中の息子と戯れるのやめよう」
P「貴音くらい綺麗だったらすぐ相手ができるさ」
貴音「あなた様と私のやや子に」
P「あー、一気にハードル上がった」
貴音「待ちきれなくなって参りました。早く参りましょう」
P「お断りします」
貴音「2人の幸福な家庭をでしょうか?」
P「いやそれは妄想だからちょっと置いといて」
貴音「はい」
P「もしだよ?俺が貴音と誰もいない星に行ったとするじゃん?」
貴音「ええ、とても素敵ですね」
P「そこで子供できたとするよ?」
貴音「2人の愛の結晶…ですね」
貴音「まあ、なんということでしょう」
P「その上俺たちが居なくなったらだぁれも居ない星にひとりぼっちだ」
貴音「何と…悲しいことでしょう…」
P「だろう?俺たちのわがままで生まれてきたその子が可哀想だ」
貴音「わかりましたあなた様」
P「そうだろうそうだろう」
貴音「目先の幸福に捕らわれ、私たちの子を蔑ろにするなど母親失格」
P「できてもいないのにもう母親のつもりなのか」
貴音「あなた様」
P「ああ、貴音…わかってくれたか」
貴音「あの星が私たちの子で埋まるほどやや子を作りましょう!」
P「」
P「なんにもわかってなかった」
貴音「私はかあさまとして頑張らなければいけませんね」
P「ああ、是非頑張って外のUFOを持ち帰ってくれ」
貴音「こうしては居られません、時間は有限ですあなた様」ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
P「やめてやめて怖い怖い」
貴音「やや子作りの準備のことでしょうか…?」
P「いやそんな熱っぽい目で見るな、違う」
貴音「はて、ではなんでしょう?」
P「その星はどんな星か詳しくわかっているのか?危険かも知れないだろう」
貴音「私を信じてくださいあなた様。あなた様を危険な場所に連れて行くはずがありません」
P「もうどうすれば諦めてくれんの」
P「実は俺好きな人が」
貴音「……」
P「ごめんなさいウソです。だからハイライトさん戻ってきてください」
貴音「あなた様、あまり悪ふざけされると困ってしまいます」
P「なら帰ろう、そうしよう」
貴音「とても寂しいですね…」
P「だろう?だから考え直そう、ユニットのみんなも悲しむぞ」
貴音「2人には伝えてあります」
P「oh…」
貴音「2人とも悲しんでおりましたが、最後にはお土産宜しくと言ってくれました」
P「絶対信じてねえよそれ」
P「うん?」
貴音「この住処は二度と帰らぬこの星のもの」
P「なんで行く前提になってるんですかね」
貴音「であればこの扉も今日限り二度と使わないもの…」
P「雲行きが怪しくなってきたなぁ」
貴音「この扉がなくなっても困りませんね」
P「やめてどうやってんのか知りたくもないけどドアの蝶番焼き切るのやめて」
P「ああ、入って来ちゃったよ宇宙の使者が」
貴音「さあ参りましょう」
P「いやです」
貴音「わがままはいけませんよ?」
P「俺がわがまま言ってることになってるんですが」
貴音「起きましたかあなた様?」
P「もしかして船の中?」
貴音「はい、もちろんそうですが?」
P「ああさらば地球」
貴音「星に着くまでまだかかりますので少し腰を落ち着けましょう」
貴音「はいあなた様」
P「帰りたい」
貴音「今からですか?」
P「ああ、みんなと別れたくないよ。俺は貴音みたいに割り切れない」
貴音「それは無理ですあなた様」
P「無理を承知で言ってるんだ。俺を地球に帰してくれ」
P「貴音はやればできる子だなぁ」
貴音「着いたら起こしますのでそちらの布団でお休みください」
P「ああ、じゃあすまんが寝るよ」
貴音「お休みなさいあなた様」
P「お休み」
P「おや着いたのか?」
貴音「はい、地球に戻って参りました」
P「良かった良かった」
P「やれやれとんだ宇宙旅行だったな。帰って寝直そう」
P「あ、でもせっかくの宇宙旅行なんだから外の景色よく見とくんだったな」
貴音「あなた様の望み通り、地球ですよ」
P「なんで誰もいないんだ…」
貴音「もうここに人類は居ないからでしょう」
P「俺はどれだけ寝てた?」
貴音「地球の時間で行きで千年、帰りで千年ほど」
P「冗談だろ?ここエジプトとかの砂漠かなんかだろ?」
貴音「いえ、俗に言うこーるどすりーぷをして頂いていたので」
貴音「今居る位地は事務所の前になりますね」
P「」
貴音「あなた様あなた様」
P「」
貴音「はて、どうしてしまったのでしょうか」
貴音「いずれにせよこの星には私たち2人きり…」
貴音「素敵な家庭を築いて参りましょうね?あなた様」
P「あれ?ここどこだ?」
貴音「随分うなされておりましたが大丈夫ですか?」
P「ああ、なんかすごい怖い夢だったわ」
春香「おはようございまーす…わわっ」
やよい「大丈夫ですかー!?」
真「春香はドジだなぁ」
春香「あ、あはは」
P「良かった、全部いつも通りだ…」
P「みんなおはよう!今日も頑張っていこう!!」
貴音「ふふふ、あなた様…涎が垂れていますよ?」ふきふき
春香「なんだか今日は元気いいねー」
やよい「いいことあったのかなぁ」
真「きっとそうだよ、朝から熱々だったし」
雪歩「えへへやっぱりお似合いだね」
千早「ええ、本当に」
真美「うんうんホント」
「パパとママはラブラブだね」
乙
Entry ⇒ 2012.09.04 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (5) | Trackbacks (0)
貴音「プロデューサーは心配症」
P「」ソワソワ
P「」ソワソワソワソワ
P「」ソワソワソワソワソワソワ
律子「ああああ!! 鬱陶しい!! バカみたいにソワソワしてっ!!」
P「だ、だって! 貴音がまだ帰って来てないんだぞ!?」
P「もう5時半だ! 5時半! いくらなんでも遅すぎる!」
律子「小学生じゃあ無いんですから……」
小鳥「日が落ちるの早くなりましたからねー」
P「なんでそんなに能天気なんですか! そんなんだから婚期も逃s」
小鳥「(ニッコリ)」
P「……ごほん」
P「……暗がりに隠れた悪漢に『チャオ☆』や『チャオ☆』みたいな目にあわされてるかと思うと」ゾワワ
律子「まさかそんなわk」
P「だ、ダメだ! 想像したら心配になってきた!!」
P「うおおおおお!! 貴音ぇぇぇぇぇぇ!!!」
P「貴音ぇぇぇぇぇぇ!!」ダダダダダダダ
貴音「……ズズッ」
貴音(仕事を終えた後のらぁめんは格別ですね)
貴音「……ズズズッ」
戸「ガラガラッ」
P「貴音ぇぇぇぇぇぇ!!」
貴音「!?」ビクッ
P「た、貴音! ここにいたのか! 心配したんだぞ!」
P「こんな遅くまでなにをしてるんだ!」
貴音(らぁめんを食しております!)
P「こんな時間までか? いくらなんでも遅すぎる!」
貴音「……ズズズズッ!」
貴音(まだ6時を回ったばかりですよ?)
貴音「……ズズズイッ! ズズイッ!」
貴音(わたくしとて子供ではありません。あなた様は神経質過ぎです!)
P「俺に口答えするのか!」
P「お前をずっとプロデュースしてきたのは俺なんだぞ!」
貴音「ズズッ!?」
貴音(らぁめんまで取り上げようと言うのですか!?)
貴音「ズッ……」
貴音(それはあまりにもいけずです……あなた様……)
貴音「……」ゴクゴク……
P「……」
貴音「ごちそうさまでした」フ-
P「……」
貴音「……」フキフキ
P「……」
貴音「さて、と」
貴音「もういい加減にしてください!」ダッ
P「ああっ! どこへいく!」
貴音「ついてこないでください」
P「夜の街で何をする気だ貴音! 非行は俺が許さないぞ!」
貴音「いい加減、奇行に付き合わされる身にもなってください! わたくしも恥ずかしいのです!」
P「ええい生意気な! 俺がいないと仕事も取れないくせに!」
貴音「事務所の誰一人『しぃらんく』にも連れていけない人が偉そうに言うものです!」
P「うぐっ!?」ビクッ
P「そ、それを……」
貴音「……」フンス
P「それを言うのは反則だろぉ……」グスッ
貴音「……」
貴音(いつからこうなってしまったのでしょう……)
貴音(昔はあんなにも優しく頼りがいのある方だったと言うのに)
貴音(今ではただ口うるさいだけではございませんか……)
貴音(昔は、もっと……)
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
貴音『あなた様! 巨大な城が!』
P『ああ、あれはマジンガーだよ』
貴音『まじんがー……』キラキラ
貴音『で、ではあれはなんと言うのです?』ワクワク
P『あっちはマジンカイザー。隣に並んでるのは真ゲッターロボっていうんだ』
貴音『まじんかいざー、しんげったー……』キラキラ
貴音『あなた様は物知りなのですね!』
P『ちなみに俺はマジンガーを動かせる』
貴音『な、なんとっ!』
・・・
貴音(あなた様は世間知らずのわたくしに色々な事を教えてくださいました……)
貴音(あれこれと質問ばかりのわたくしに、嫌な顔ひとつせず……)
貴音『あなた様? なにやら心惹かれる香りが……』
P『ああ、ラーメン屋だ』
貴音『らぁ、めん?』
P『初めてか? 折角だし食べてみようか。ご馳走するよ』
貴音『よ、よろしいのですか?』ゴクリ
P『もちろん。何と言っても俺は貴音のプロデューサーだからな!』
貴音『あなた様……』ジ-ン
・・・
貴音(あなた様と食事を共にした時でしたね、らぁめんとの出会いは……)
貴音(今では、らぁめんはわたくしの『そうるふーど』です)
貴音(なによりあなた様と食事を共に出来た事がうれしかったのです)
貴音(それだと言うのに……)
・・・
765プロ事務所
P「……zzz」
律子「ちょっとプロデューサー。もう始業時間ですよ?」
律子「いい加減起きてください」
P「……zzz」
律子「……このダメ男」ボソッ
P「なんだと! 俺は遅くまで書類と格闘しててだな」ガバッ
律子「仕事の途中で事務所を飛び出すから徹夜なんてする羽目になるんです!」
P「あ、貴音」
P「おはよう。昨日は帰れなくてごめんな。よく眠れたか?」
貴音「……」
P「……貴音、昨日の事でまだ怒ってるのか?」
貴音「……」
P「貴音?」
貴音「あなた様……」
貴音「家にも帰らないと思えば、律子嬢にまで迷惑をかけ、あまつさえわたくしには口うるさく小言を言う……」
貴音「我慢できません!」
貴音「もうわたくしには話しかけないでください!」
P「なんとっ!?」
P「何を言い出すんだ!」
貴音「……ふんっ!」プイッ
同棲してる?
律子「貴音、1人で仕事に行っちゃいましたね」
P「うーん……。まぁどうせすぐに機嫌直してくれるだろ」
P「それより1人で大丈夫かな……」
P「グラビア撮影と称してスタッフに『チャオ☆』なんてされたりしてないよな?」
律子「懲りませんね……」
律子「貴音がなんであんなに怒ったのか考えたりはしないんですか?」
P「難しい年頃だからなぁ。いちいち取り合ってたらキリがないさ」
律子「……そーですか」
・・・
終業後
P「久しぶりに家に帰るか」
P「お土産でも買って帰れば少しは機嫌直してくれるだろうか」
P(……)
P『お土産だぞー! 貴音ー!』
貴音『まぁあなた様!ありがとうございます!』
貴音『あなた様はわたくしをここまで思っていてくださったのですね……。そうともしらず申し訳ございませんでした……』ウルウル
P『ハハハ! 良いってことよ! 俺は貴音のプロデューサーだからな!』
貴音『あなた様ぁ!』
P『貴音ぇ!』
P『えんだあああああああああ』
貴音『いやああああああああ』
P(……)
P「よしっ! いける!」グッ
・・・
P宅
P「ただいまー」
P「……」
P「貴音はまだ帰ってないのか」
P「じゃあ飯でも作って待っててやるかな」
P「さきにテーブルを片付けて……」
ボトッ
P「……手帳? 貴音の日記かな」
P「……」ペラリペラリ
・・・
「あの方から『ぼぉるぺん』なるものを頂きました。まこと面妖な音を奏でる楽器で、夢中になって演奏していたら響に怒られてしまいました」
P「……」
○月△日
「あの方から『ぱふぇ』なるものをご馳走して頂きました。甘味もいいものですが、わたくしはらぁめんの方が好きです。そう伝えるとあの方は苦笑いしながら付き合ってくださいました」
P「……」
○月□日
「今日もあの方が色々な事を教えてくださいました。自分の世界が広がってゆくのを感じます。明日は何を教えてくださるのでしょうか」
「月を眺めるのがこんなにも憂鬱なのは初めてです」
P「……」
P「貴音には良い友達が出来たみたいだな……」
P「……『あの方』ってのは誰の事なんだろう」ペラペラ
P「……」
「あの方の誕生日が近づいて来ました。日頃のお礼に何か贈り物をしたいものです。しかし殿方を喜ばせる術をわたくしは知りません……」
P「お、男だったのか……」ワナワナ
「平生ならばあの方になんでも尋ねることが出来ましょう。しかし今回ばかりはわたくしが自分で考えなければ意味の無いこと」
P「随分と入れ込んでるんだ」
P「……」
P「そういえば最近、なんにも相談してくれなくなったよなあ」
P「どうしてだろ」
ドア「ガチャ」
貴音「ただいま帰りました」
P「あ、おかえり貴音」
貴音「!!! そ、それは」
P「ん? ああ。やっぱり貴音の日記だったのか」
貴音「よ、読んだのですか……?」
P「ああ、ちょっとだけ。ごめんな」
P「しかし関心しないなアイドルともあろうものが1人の男に……」
貴音「……!」パシ-ン
P「……っ!」
P「な、なにを」
貴音「見損ないました! 人の日記を読むなど……ふしだらです!」
P「お、俺はお前が心配で……!」
貴音「お黙りなさい! いくらなんでもやり過ぎというもの!」
貴音「あなた様なんて大嫌いですっ! もうこのような者がいる家には帰ってきません!」
P「た、貴音!」
貴音「好きにさせていただきます!」
夜
公園
貴音「……」
ギ-コ…ギ-コ…
貴音「……」
ギ-コ…ギ-コ…
貴音「……」ハァ
律子「貴音?」
貴音「律子嬢……」
貴音「どうしてこんなところに」
律子「それはこっちのセリフよ。こんな時間に出歩いてたら、どっかの誰かがうるさいんじゃない?」
貴音「……」
貴音「……もう、よいのです」
貴音「あのような者の事など、わたくしの知ったことではありません」
律子「……喧嘩、したのね」
貴音「……」
貴音「昔はもっと優しい方でした……」
貴音「なのに今では……」
貴音「わたくしはもう、あの方のおかしな姿は見たくありません」
律子「……そう」
律子「……」
貴音「事務所に、ですか?」
律子「うん。どうせ家には帰る気にはなれないんでしょう? 私もいてあげるから」
貴音「分かりました。ご迷惑を……」
律子「気にしないの」
律子「……」
律子(貴音と喧嘩したとなれば、あの人もどうせ……)
同時刻
765プロ 事務所
P「聞いてくださいよ……小鳥さぁん……」グス
小鳥「はいはい、聞いてますよ」
P「俺、貴音と喧嘩しちゃったんですよ……」
P「大嫌いだって言われて、家出されてしまいました……」
小鳥「そういえば、プロデューサーさんと貴音ちゃんは一緒に住んでましたね」
P「俺が勝手に引き取っただけです……」
P「身寄りのいない貴音が寂しい思いをしないようになるべく一緒にいてあげたかったんですが……」
小鳥「……」
小鳥(メール? 律子さんから……)
P「昔はなんでも話してくれたものですが、最近はどうも避けられている気がして……」
小鳥「……」
小鳥「プロデューサーさん。少し飲み過ぎですよ。私ちょっとお茶いれてきますね」
P「あ、はい」
P「……」
P「親代わりも、そろそろお役御免なのかな……」
ドアの外
貴音(なんと……)
貴音(すべて、わたくしの所為だったのですね……)
貴音(あの方はいつでもわたくしを思っていてくださったというのに……)
貴音(わたくしが面倒臭がって、疎んじて)
貴音(何も話さなくなってしまったから……心配症になってしまったのですね……)
貴音「あなた様ぁ……」グスッ
律子「……」
律子(まったく面倒くさい親子なんだから……)
律子「ほら、さっさと行って話して来なさい?」
律子「もう日付も変わってしまったわね……さて今日はなんの日だったか」
貴音「!」
貴音「律子嬢、いってまいります!」
律子「はいはい」
・・・
ドア「ガチャ」
貴音「あなた様……」
P「た、貴音!」
貴音「あの、このたびはまことに申しわk」
P「いい、いんだそんなこと……」
P「よく……帰って来てくれた……」ギュ
貴音「……」
P「ごめんなぁ貴音。目障りだったろう……」
P「日記も勝って読んでしまって本当にすまない」
貴音「……」
P「でも、お節介もこれで最後だ。お前が選んだ男なら間違いはないと思う……」
P「幸せになるんだぞ。お前の幸せは俺の幸せなんだ」スッ
P「……なんと言っても俺は、お前の親代わりなんだから」
貴音「あなた様……」
P「ああ。なんでも話してくれ」
貴音「実はわたくし、予てよりある殿方をお慕いしているのです」
P「……ああ」
貴音「その方はわたくしに色々なものを与えてくれました」
P「ああ……」
貴音「もう、その方以外と幸せになれるなどとは思えないのです」
貴音「できることなら、その方と添い遂げたい……」
P「……なら、それを本人にいってあげなさい」
貴音「……ですから、先ほどから申し上げているではありませんか」
P「……」
P「えっ?」
貴音「……」ニコリ
貴音「あなた様はご自身の誕生日も忘れてしまったのですか?」
P「あ……」
貴音「どうかわたくしめをもらってやってください……」ギュ
貴音「……もう、親代わりはお役御免ですね」
貴音「ね? 『あなた様』?」
おわり
支援保守してくれた人ありがとう
貴音は可愛い
Entry ⇒ 2012.09.04 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)