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久「働くのってバカらしいわね……」
久「働かなくてもお金が貰えるし、何もしなくても食事が出てくる……」
久「……私が望んでいたのはこんな暮らしだったっけ?もっと、こう……面白おかしい日々だった気がする」
久「……考えても仕方ないか。外にでも出て、暇でも潰してくれば忘れてしまう……そんな他愛のないことだ」
久「美穂子ーお金貸してもらえないかしら?」
久「んーそうなのよねぇ」
美穂子「私も今月は苦しいのですが……はい、上埜さん」
久「ありがとね、美穂子」
美穂子「上埜さんの為ならこれくらい……」
久「あ、そうそう。今夜は外で食べてくるから晩ご飯はいらないからね」
久「美穂子の奴……最近になって、渡してくれる額が減ってるのよねぇ」
久「ま、この不景気だし仕方ないのかな?」
久「これを元手に増やすとしますか」
久「そうと決まれば雀荘に行きましょうか」
「姉ちゃん強えなぁ」
「チッ……」
久「ふふ、これだけ稼げばしばらくは遊べるかな?」
「この卓、空いてますか?」
久「あら……?」
咲「久し振りですね……部長」
久「今は部長じゃないけどね」
咲「あはは、それもそうですね」
久「ホント久し振り……6年ぶりかしらね。スーツがよく似合ってるわ」
咲「もー、からかわないで下さいよ」
久「ふふっ」
久「そうねぇ……何もしてないわね」
咲「あ、ごめんなさい」
久「あら?別に謝らなくてもいいのよ?」
咲「まさか久さんがニートさんだったとは……ビックリしました」
久「ニートって言うのは語弊があるわね。強いて言うならヒモよ」
咲「扶養される相手が違うだけじゃないですかー」
咲「ふふ、そんなことないですよぉ」
久「それだけ打てれば、わざわざ働かなくてもプロでやっていけるんじゃないの?」
咲「私……麻雀ってそれほど好きじゃないんですよ」
久「そう……そうだったわね」
久「久し振りに会ったんだし、ちょっと飲みに行かない?」
咲「いいですね。久さんの奢りですか?」
久「そうねぇ……今夜は結構勝ったし、奢ってあげるわ」
咲「風越の福路さんがですか……それはなかなかのなかなかですね」コクコク
久「そうなのよぉ……最近は劣化してきてるし……そろそろ捨て時かしら?」ゴクゴク
咲「ふぅむ、なるほどなるほど……なるほど~」コクコク
久「あれだけしても何も言ってこないのが逆に怖いのよねぇ……咲は美穂子の考えてること分かる?」ゴクゴク
咲「まったくもって!」コクコク
咲「そうなんですか……」
咲「………」
咲「久さん、社会人から一言だけアドバイス……転職しても給料は下がるだけですよ?」
久「……え?」
咲「じゃあ私はこれで……」
久「あら?もう行っちゃうの?つれないのねぇ」
咲「生憎と明日も仕事なんですよ……それじゃあおやすみなさい」
久「おやすみ、咲」
久「………」
久「さてと、私はどうしましょうかね」
久「ふふ、久し振りにあの子にでも頼ろうかしら?」
久「そうねぇ……>>30にでも電話してみましょうか」
できる
久「あの子、まだ龍門渕のメイドを続けてるんだっけ?」
久「もしもし?」
『あれ?その声……清澄の……』
久「そうでーす」
『どうしたの?急に』
久「いや~今夜ちょっと泊めてもらえないかなって」
『……ちょっと透華に聞いてくる』
久「いい返事を待ってるわよ」
透華「お待ちしておりましたわ!ようこそ龍門渕家へ」
一「久し振りだね」
久「ホント久し振り……今日は急に押し掛けてごめんなさいね」チュッ
一「ちょっ……」
透華「んなッ!?」
一(いきなり何すんのさ!よりによって透華の目の前で!)ヒソヒソ
久(ふふ、久し振りに会ったらつい、ね)クスクス
久(食事も豪華だったし、この子も可愛いし言うことないんだけどね……)
一「も……もっとぉ……」
久(ちょーっと身の丈にあってないというか……居心地悪いっていうか……)
一「あっ……そこ……らめぇ……」
久(もう少し庶民的な所が良かったかな……)
一「はぁ……はぁ……んっ……はぁ……」
久「ごめんなさいね、朝には出てくつもりよ」
一「え……そんな……」
久(悪くはなかったんだけどね。覗かれてなければ)
透華(は、一が……そんなっ……)
衣(ねぇねぇ透華ぁ……一と悪待ちは何をしてるのだ?)
透華「………」
一「………」
衣「またきてねー」
久「さてと、次はどこ行こうかしら?」
久「そうね……>>55にでも電話してみましょうか」
全国キャラとか来ないかな?
『その声……久し振り……』ポリポリ
久「今から遊びに行きたいんだけど構わないかしら?」
『待ってる……』ポリポリ
久「あら?随分素直じゃない。好きよ、そういうの」
『それが自慢……』ポリポリ
久「鹿児島かぁ~遠いわね」
春「ずっと待ってた……」ポリポリ
久「ふふ、久し振りね。元気にしてた?」
春「うん……」ポリポリ
久「長野から鹿児島って遠いのね……すぐに行ける距離じゃないのが残念だわ」
春「食べる?元気でる……」ポリポリ
久「そんなのより春を食べたいわ」
春「……///」
霞「あらあら……遠いところからわざわざ」
初美「お久し振りですよー」
久(あれ?この人たち同い年だったよね?)
春「ゆっくりしていって……」ポリポリ
久「へぇ、初めて来たけどいいトコじゃないの」
巴(何やら邪悪な気配が……)
久「そうなのよ。ところで貴女たちは今でも巫女さんしてるの?」
初美「そうですよーお祓いとか祈祷とかしてるですよー」
久「へぇ、まだ小学生なのに偉いのね」ナデナデ
初美「うぅー絶対わざとですね?」
春「ふふ……」ポリポリ
霞「うふふ、はっちゃんは若くて羨ましいわ」
久(可愛い子が揃ってて良い所なんだけどねぇ……)
春「やっ……そんな……ところに黒糖……いれちゃ……やぁ……」
久(巴って子にやけに睨まれてるし、霞さんも少し怖いのよね……)
春「そ、それ……すごい……ん……あっ……やっ……」
久(小学生は守備範囲外だしなぁ)
春「ん……んあ……それ……いぃ……」
久(方言がキツいのが困りものよね……ここもダメかぁ)
春「らめっ……それ……らめぇ……」
久「そうねぇ……朝には帰るわよ?」
春「え……」
久「ごめんなさいね……私が求めてるものはここにはなかったの」
春「そんな……」
久「ふふ、そんな顔しないで……綺麗な顔が台無しよ?」
霞「あらあら……もうお帰りになるのかしら?」
初美「またいらして下さいですよー」
巴「………」
春「また……会える?」
久「さぁ?どうかしらね」
久「さてと、次はどこ行こうかしら?」
久「>>88にでも電話してみましょうか」
これさえあれば大丈夫
さあ頑張れ
『……誰?』
久「やぁ~ねぇ、忘れちゃったの?」
『冗談。忘れるわけがない……』ズズズ
久「ふふ、相変わらずね……今から遊びに行ってもいいかしら?」
『ん、待ってる……』ズズズ
尭深「お久し振りです……」
久「ふふ、久し振りね」
尭深「こんなとこで立ち話もなんですから、とりあえずお茶でも飲みに行きませんか?」
久「いいわねぇ……でもそんなのより尭深のお茶(?)が飲みたいわ」
尭深「……///」
久「飲みやすいのに風味があっていいわねぇ」
尭深「それが自慢……」ズズズ
久「そ、そうなんだ……」
久(参ったわね……この落ち着いた雰囲気……)
久さんがー(この子相手じゃエッチな気分にならないわ……)
久「………」ズズズ
尭深「………」ズズズ
久「………」ズズズ
久(相手から求められないってのは楽といえば楽なんだけどねぇ……)
久(なんか物足りないわ……)
尭深「………」モグモグ
久「………」パクパク
尭深「………」ズズズ
久「………」ズズズ
久(ま、たまにはこういうのも悪くはないけどね)
久(……次はどこ行こうかしら?)
そうしよう
照「もしもし?菫?」
菫「……照か。久し振りだな」
菫「お前から電話かけてくるなんて珍しいな……どうせまた面倒臭い頼み」
照「うん、実はね……咲ちゃんが1週間くらい残業で夜遅いから、晩ご飯作りに来てほしいの」
菫「……は!?」
照「だから晩ご飯……あっ、切れた……」
尭深「うん……」
久「さて、そろそろ旅費が尽きそうね……長野に帰ろうかしらね」
久「気付けばしばらく美穂子に会ってないわね……ふふ、同棲を始めてからこんなこと一度もなかったのに……」
久(……重いから?鬱陶しいから?)
久(そこがあの子の可愛いとこでもあったのにね……ここ最近、色んな子に会って気付かされたわ)
久(皆、何か美点があって何か欠点もある……ふふ、今更こんな簡単なことに気付くなんてね……)
久「私は美穂子と一緒にいた時間、何をしてたのかしら?」
久「あら?咲じゃない。一人で飲みに来ちゃ悪い?」
咲「で、しばらく他の女の子の所を渡り歩いた感想はどうでした?」
久「驚いた……知ってたんだ……」
咲「久さんならそんなことするんじゃないかなって思って、カマかけてみただけなんですけどね……ホントに渡り歩いたとか信じられないですね」
久「言ってくれるわね……」
咲「そうですか……」
久「いい子はいっぱいいたんだけどね……やっぱこの歳じゃもう恋は出来ないわ……」
咲「ふふ、まだ若いのに何言ってるんですか」
久「ねぇ、咲……前に会った時に言った言葉の意味って……」
咲「あぁ……他の女の子の所に行っても、今以上に状況は良くなりませんよ。だって、今まで一緒にいた子も、次に一緒になる子も自分で選ぶんですから……今までの子に不満を感じるようなら、次に一緒になる子も遅かれ早かれ不満を感じることになりますね。
人間関係だってやり直さなきゃいけない、今までの経験もほとんど役に立たない……また1からやり直しになってしまう。そんなことに体力使うくらいなら今いる環境を良くしたらどうですか?ってことです」
久「長い……要約して欲しいわ」
咲「人生は妥協と諦観が大事ですよ、ってこと」
久「それならなんとなく分かる気がするわ……」
咲「さぁ?どうでしょうね」
久「ねぇ、咲……今夜泊めてほしいな」
咲「絶対に嫌です」ニコッ
槓!
刺されるかと思った
Entry ⇒ 2012.08.20 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
シャア「アムロ、それは何だ?」アムロ「アイマスだよ」
アムロ「よし、好感度はバッチリだな」
シャア「アムロ、何をやっているのだ?」
アムロ「ん、シャアか。これだよ」スッ
シャア「THE IDOLM@STER……? なんだこれは?」
アムロ「知らないのかい? 有名なゲームだぞ?」
シャア「いや、聞いたこともない」
シャア「ふむ……大絶賛だな」
アムロ「ああ。良かったらやってみないか? PS3は持っているだろ?」
シャア「勿論だ。ガンダム無双3の為だけに買ったからな」
アムロ「なら話は早い。是非やってみてくれ」
シャア「よし!じゃあすぐ貸しtアムロ「自分で買え」
シャア「全く……アムロめ、奨めるなら貸すのが基本だろうに……」ブツブツ
アムロ『千早をホイホイと他の男に渡すわけがないだろう!!』
シャア「まったく……」
イラッシャイマセー オードリー!ドコニイルンダオードリー!
シャア「出たばかりだからな……仕方無いか」
アリガトウゴザイマシター ヒメサマヲミツケタラスグニホウコクシロ!イイナ! マリーダサンコソ!
シャア「よし、なんとか買えた。後は家で早速プレイだ」
シャア「シャア・アズナブル、帰る!」
シャア「ではパッケージを開けてっと……新品のゲームを開封する時は手をきちんと洗うのは基本だからな」
シャア「おっと、まずは説明書を読んでおかなくてはな。ゲームとは常に二手先三手先を読むものなのだよ」ペラリ
シャア「ふむ……アイドルをプロデュースして育てるゲームなのか、面白い」
シャア「では行くぞ!シャア・アズナブル、出る!」
春香『私、天海春香です!趣味はお菓子作り!よろしくお願いします!』
シャア「ふむ……」
千早『如月千早です。歌手の頂点に立ちたいと思っています』
シャア「ふむ……」
雪歩『は、萩原雪歩です……じ、自分を変えたくてアイドルになりましたっ!お願いしますっ!』
シャア「ほぅ……」
シャア「成る程……」
真『菊地真です!ダンスと運動が得意ですっ!』
シャア「ふふ……」
伊織『水瀬伊織よ。ま、あんたも精々がんばりなさい?』
シャア「む……?」
シャア「ほほぅ……」
真美『双海真美だよ→!(ry』
シャア「ほほぅ……」
美希『星井美希なのー!おにぎり無いと死ぬのー!』
シャア「ふぅん……」
シャア「ふふふ……」
貴音『四条、貴音と申します……以後、お見知りおきを……』
シャア「ふっ……」
シャア「どれも楽しそうな子達ではあるが……なにかピンと来ないものが……ん?」
やよい『高槻やよいです!家にお金をいーっぱい入れるためにアイドルになりました!よろしくお願いしますっ!うっうーっ!!』
シャア「こ……これは!!」ピキーン←ニュータイプの音
アムロ「やあ、シャア。買ったかい?」
シャア「ああ、だがまだ育てる子を決めた所までしかやっていない」
アムロ「誰を育てるんだい?千早かい?」
シャア「いや、やよいだ」
アムロ(やっぱりな……)
アムロ「いや、何でもないさ」
昼休み
シャア「アムロ、昼飯はどうする?」
アムロ「パンでも買うさ。プロデューサーは忙しいからな」
シャア「そうか……実は私もなのだよ、アムロ君」
アムロ「ふふふふ……」
シャア「はっはっはっ!!」
母性がないから
ヒント:ロリコンでありマザコン
購買
カミーユ「あっ、クワトロ大尉、アムロ大尉!」
シャア「カミーユか。できればクワトロPと呼んでくれ」
カミーユ「プロデューサー……?」
アムロ「ははは、僕も頼むよ」
シャア「カミーユ、知っているのか?」
カミーユ「勿論ですよ!あ、僕はあずささんが一番好きです」
シャア(マザコン……)
アムロ(BBA好きか……)
カミーユ「……」ピキーン!←ニュータイプの(ry
シャア・アムロ「ぐはぁっ!!」
カミーユ「あっ!すみません!何故か修正してしまって!」
アムロ「いや、大丈夫だ」
シャア「気にするな」
アムロ(流石は最強のニュータイプ……)
シャア(考えまで読めるとは……)
シャア「カミーユもアイマスをやっていたとはな」
アムロ「ああ、ここでも多くの人がプレイしているらしい」
ザッ
ハマーン「ここにいたか。探したぞ、シャア」
ハマーン「貴様、昼食は済ませたか?」
シャア「いや、これからだがどうした?」
ハマーン「じっ、実は昨日弁当を作り過ぎてしまってな。良かったら食べないか」
ハマーン「なんだと!?」
シャア「私はこれからアムロと打ち合わせだからな。プロデューサーは忙しいのだよ」
アムロ「いや、ここは彼女と昼食を食べるべきだ」
シャア「何っ!?」
アムロ(シャア、彼女の気持ちも分からないようではアイドルをプロデュースするなどは到底できないぞ)
シャア(どういうことだアムロ?現実と何か関係があるのか?)
シャア(それは確かアイマスの……そ、そうか!)
アムロ(そうさ。彼女の気持ちを考えて行動する事で、アイドルと接することの練習になるわけさ!)
シャア(成る程……流石だな、アムロ)
シャア「ハマーン、すまない、今のは無しだ」
ハマーン「?」
シャア「弁当を食わせてくれ」(キリッ
シャア(やよいの為に)
アムロ(自分から誘っておいて何を)
アムロ「頑張れよ、シャア」
バナージ「ハァッ、ハァ……くそっ、オードリーが何処にもいないなんて……」
マリーダ「くっ……一度休憩するぞ」
バナージ「マリーダさん!?今は休んでいる暇なんて無いんですよ!こうしている間にも、オードリーは……」
マリーダ「疲れた体で探すのが無茶だ。一端休み、それから姫様を探す方が賢い選択だ」
バナージ「でも……」
マリーダ「飲まず食わずで走り回ってきたんだ、腹も減っているだろう」
バナージ「マリーダさん……」
マリーダ「い、いいから早く食え!///////」キュン
ハマーン「先客が来ていたようだな」
シャア(あれもパーフェクトコミュニケーションの練習か……)
マリーダ「そ、そうか 喜んでもらってなによりだ」
バナージ「マリーダさんを嫁に貰う人は幸せでしょうね」
マリーダ「んなっ……/////」カアァァァッ
マリーダ「何を言っている! 口に米粒を付けて言う台詞ではないぞ!」ヒョイパク
バナージ「あ……」
マリーダ「……」
ハマーン「……」モグモグ
シャア「……」モグモグ
シャア「美味いな。ハマーンを嫁に貰う人は幸せだろうな」
ハマーン(キターーーーーーーーーー!!!!)
ハマーン「な、何を言っtシャア「結婚式のスピーチは任せてくれ。幼馴染み代表で話そう」
ハマーン「え……」
シャア「まあそもそもお前が結婚どころか恋人が出来るかどうかも怪しいしな、ははは」
ハマーン「……………………」
シャア「ん?どうした?」
ハマーン「この俗物がぁーーーーっ!!」ドゴォッ
シャア「わふぅっ!!」
シャア「がっ、ハ、ハマーン、なにをっ!」
ハマーン「シャアのバカっ!消え失せろ俗物!」ダッ
シャア「ハマーン!!」
放課後
アムロ「シャア、どうだった?」
シャア「それがだな……」
アムロ「それはお前が悪い」
シャア「何故だ!?」
シャア「くっ、私は必ずやよいをトップアイドルにしてみせる!」ダッ
アムロ「シャア……」
バナージ「駄目だ……何処にも居やしない……オードリー……」
マリーダ「仕方無い、今日は私の家に来い」
バナージ「え!?」
マリーダ「変なことは考えるな!明日姫様を捕まえる計画を立てる為だ!」
マリーダ「ついでに夕食も食べていけ!そして泊まっていけ!これは命令だ!」
バナージ「えええええ!?」
シャア宅
シャア「ふぅ……まったく、ハマーンはよく分からん……」
シャア「さて、今日もやよいを育てるかな」
シャア「くっ……五月蝿いぞ、アムロ!私はやると決めた!」
クワトロP『頑張ろうな、やよい』
やよい『うっうーっ!プロデューサー!私、張り切っちゃいます!』
シャア「やはりやよいは可愛いな」ニヤニヤ
セイラ「……」
やよい『あうう、なんで頭を撫でるんですか、プロデューサー?』
シャア「ふぅ……これが若さか……」
セイラ「……兄さん?」
[キラメキラリ]
シャア「来たああああああああああ!!」ガタッ
シャア「あった!ああっ、サビが!まだだ……まだ終わらんよ!」
セイラ「兄さん!」
シャア「フオゥッ!!」
セイラ「居たのかじゃないありません!」
シャア「す、すまん」
セイラ「……何やってるんです?」
シャア「いや、これはその、アイドルをプロデュースする……」
セイラ「……そうですか」バタン
シャア「あの軽蔑するような目はなんだ……」
バナージ「…………/////」
マリーダ「……//////////」
バナージ「まさかマリーダさんのクシャトリヤがあんなに風になるなんて思いませんでした……」
マリーダ「そ、そういう事を言うな!貴様のユニコーンだって見事な一本角だっただろうが!」
バナージ「んなっ……マ、マリーダさん……」
マリーダ「そしてデストロイモードであんなにも激しく……」
バナージ「やめて!!ごめんなさい!」
シャア「なんという会話だ」
アムロ「ああ、今のを聞いて僕のフィン・ファンネルもオールレンジ展開だ」
シャア「混ざろうとするな」
シャア「……ううっ!!このプレッシャーは……」
ハマーン「…………」スタスタ
シャア(やはり……昨日のことをまだ……)
アムロ「あんなにも強いプレッシャーは初めてだ!やばい吐きそう」
シャア「頼むからここではやめてくれ」
ハマーン「…………」
アムロ「シャア、やっぱり君はフォローを入れるべきだオボロロロロロロ」
シャア「だからやめろと」ウワアアアアアアアア
シャア「ハ、ハマーン?」
ハマーン「…………」
シャア「その、昨日はすまなかった」
ハマーン「…………」
シャア「私がお前を傷つけるようなことを言って悪かった、すまん」
ハマーン「……本当にそう思っているのか?」
シャア「(あ、喋った)ああ、勿論だ」
シャア「ありがとう、ハマーン」
ハマーン「ふん……」
アムロ「ナイスフォローだ、シャア」
シャア「まずはゲロを拭け」
アムロ「シャア!今日もアイマスかい?」
シャア「勿論だ。やよいをトップアイドルにするまで、プロデューサーとしての私の戦いは終わらんよ」
アムロ「僕も千早を精一杯育てるさ!お互い頑張ろう!」
シャア「ああ!」
シャア「ハマーンか。何だいきなり」
ハマーン「その……あの……」
シャア「ん、なんだ。 はっきり言ってみろ」
ハマーン「ああ……」
ハマーン「『アイマス』とはなんだ?」
シャア「うっ」
シャア(ここで『アイドルをプロデュースするゲームさ(キリッ』などと言ってみろ、ハマーンの機嫌がアクシズのように地に落ちるのが目に見える)
シャア(あのアルテイシアがあんなにも露骨に嫌な表情を見せたんだ、ハマーンならどうなるか……)
シャア(ここは嘘で切り抜ける!可哀想だが……無駄死にではないぞ、クラウン!)
シャア「アイマス?ああ、クラウンがやけに奨めて来るあれか」
ハマーン「でもしかし、さっきアムロとアイマスだとかやよいがどうとか言っていたではないか」
シャア「」
ハマーン「どういうことだ?シャア」
シャア(しまったああああああああああ)
シャア(雪歩の如く墓穴を掘ってしまった!ええいっ!クラウンめ、役に立たん!)
ハマーン「トップアイドルだとかプロデューサーだとか言っていたな……」
ハマーン「ひょっとしてそれはアイドルをプロデュースしてトップアイドルに育てるとか言うゲームじゃないだろうな?シャア」(キリッ
シャア(何故あれだけの単語でそこまで分かる)
シャア(こいつのニュータイプ力を甘く見すぎていた)
ハマーン「ん?どうなんだ、シャア」
シャア(もう全てを話すしかないのか……)
ザッ
ジュドー「あれ?ハマーンさんに……ロリコン大佐?」
シャア「!」
ジュドー「いや、これから帰るとこだけど……何かあったの?」
シャア(今だ!)ダッ
ハマーン「あっ!待てシャア!」ダッ
ジュドー「ああっ、二人とも!」
ジュドー「……一体何だったんだ?」
ジュドー「ま、俺は春香さんでも攻略しますか!」
ハマーン「シャア!待てっ!シャア!」ガシッ
シャア「くっ!なんという機動力だ!」
ハマーン「貴様が遅いだけだ!さあ話してもらうぞ!」
シャア「くっ……万事休すか……」
シャア「……というわけだ」
ハマーン「だから私に内緒にしていたのか……」
シャア「なんだと?」
ハマーン「何を隠れてこそこそしているのかと思ったらこんなことか……」
シャア「こんなこととはなんだ!」
ハマーン「途端に強気になりだしたな」
シャア「うっ……」
ハマーン「だが、私に隠れてしていたというのが気に入らん」
シャア「……」
ハマーン「男ならもっと堂々としていろ、それだけだ」フッ
シャア「……助かった、のか」
既にみんなのアイドル
ハマーン様は全国一億人のアクシズ将兵が誇るアイドルだろうが
マリーダ「バナージ、今日は何か用事などあるか?」
バナージ「いや有りませんが……」
マリーダ「そ、そうか なら…………」
バナージ「マリーダさん……/////」
アムロ「チッ」
カミーユ「くそっ」
シャア「やあアムロ、カミーユ」
シャア「大したことではないのだがな……」
アムロ「ハマーンにアイマスが認められたとは……」
カミーユ「良かったですね、クワトロP」
シャア「はっはっはっ、いやなに、はっはっはっ」
カミーユ「修正してやるっ!」バキィッ
シャア「何故ッ」
アムロ「カツでも殴ればいいじゃないか……」
昼
ハマーン「シャア、良かったら今日もどうだ?」
シャア「ああ、頼むよ」
シャア(やよいの為やよいの為やよいの為)
マリーダ「ほら、口を開けろ」
バナージ「え!?いいですよ……自分で食べますから!」
マリーダ「……」
マリーダ「……嫌なのか?」ウルッ
バナージ(うっ……)
バナージ「い、いえ……少し恥ずかしくて」
マリーダ「? 恥ずかしがる必要は無いぞ?ほらっ、あーん」
バナージ「は、はい……あーん」
カミーユ「」ガンガンガンガンガンガンガンガンガン
カツ「いっ、痛いっ、やめてくださっ、がっ……痛い……ぐうっ……がはっ」
シャア「成長したな、カミーユ」
ハマーン「どこがだ」
やよい『やりましたー!遂に私、トップアイドルになれましたーーーっ!!うっうーっ!!!』
シャア「…………」
ガチャ
アムロ「シャア、アイマスは……おお!」
シャア「アムロ……私は遂に……遂に……やったのだ…………」
アムロ「な、泣いている……」
アムロ「わあああああああああああああ!!」
シャア「テンション上がってきたああああああ!!」
アムロ「僕もうだめだあああああ!!もうダメだっ!アムロ、イッキまーす!!」ヌギヌギ
シャア「この私、シャア・アズナブルが裸になろうと言うのだよ!!」ヌギヌギ
アムロ「エロだよそれはwwwwww」
ハマーン「ふふふ……シャアにまた弁当でも作ってやるかな、おっともうこんな時間か」
ハマーン「今日はシャアの家で料理を……ふふ」
ハマーン「おい、シャア!待たせたな!」バタン
シャア「えっ」←全裸
アムロ「えっ」←全裸
(抱き合っています)
ハマーン「…………き、貴様らぁあああああーーーっ!!」
やよい『うっうーっ♪』
シャア「すまん」キリッ
アムロ「悪ふざけが過ぎたな」キリッ
(全裸でフルチンで正座中)
シャア「いや本当にすまん な、やよい」
やよい『うっうーっ!』
アムロ「流石シャアだ……既にやよいと会話まで……」
ハマーン「殴るぞ」
シャア「いや……その、着たいのはやまやまなんだが……」
ハマーン「どうした」
アムロ「女性の目の前で着替えるなんてはしたないじゃないか」←フルチン
ハマーン「全裸でなにを言っている……」
ハマーン「腑に落ちんが……まあいい」
ガチャリ
ハマーン「…………」
セイラ「ただいまー……ってあら?ハマーンさん?」
ハマーン「いや、馬鹿共の面倒を見ていただけだ」
ピキーーーーン
セイラ「兄さんとアムロですね、すみません」
アムロ「やあ、おはようカミーユ」
カミーユ「おはようございます、アムロ大尉」
アムロ「……どうした?その腕の傷?」
カミーユ「骨折しちゃいました、ははは」
アムロ「さあ……もう今頃は来ているはずなんだが」
カミーユ「ところでアムロ大尉、アイマスはどうです?」
アムロ「ああ、僕も千早をクリアしたよ。そうそう、シャアの奴もやよいをクリアしたらしい」
カミーユ「クワトロ大尉が?……まさか」
カミーユ「アムロ大尉、ちょっと探してきます!」ダッ
アムロ「お、おいカミーユ!」
某グッズ販店
カミーユ「クワトロ大尉!!」
シャア「カミーユ!?何故ここに!?」
シャア「なぜそれを……アムロか!」
カミーユ「ゲームをクリアしたと思ったら、学校をサボってグッズを買っているなんて……」
シャア「い、いいではないか!! やよいのストラップが欲しくなったのだよ!」
カミーユ「あんたの方が、よっぽどアイマスの重力に引かれているっ!!」
シャア(何も言い返せない)
カミーユ「そんな先輩……」ダッ
シャア「くっ!」
カミーユ「修正してやるーーーーっ!!」
「まあ待ちたまえ、カミーユ君」
シロッコ「私だよ、生徒会長、ハプテマス・シロッコだ」
カミーユ「シロッコ、こんな所で何をしている!」
シロッコ「貴音のグッズを買いに来たのだよ」
シロッコ「ふ、安直に物事を考えすぎるな。私はただ貴音のグッズを買いに来たわけではない」
カミーユ「どういうことだ?シロッコ」
シロッコ「君の手伝いをしに来たのだよ」
カミーユ「手伝い……?」
カミーユ「ああ、しかし何を企んでいるんだ!」
シロッコ「何も企んでなどいないさ。ただ、少しだけ私の力になって欲しい」
カミーユ「力?」
シロッコ「実は予約していた貴音のフィギュアを買いに来たのだが、所持金がライブのチケットで切れてしまってな……」
シロッコ「そこでだカミーユ君、私に金を貸しtカミーユ「ここからいなくなれぇーーーーっ!!」ボゴボゴォ
シャア(お前もだろう)
カミーユ「さ、帰りますよ大尉」
シャア「むぅ……仕方がない……」
シロッコ「くっ……このまま……逃がしはしん…………貴様の心も、一緒に連れてゆくーーーーっ!!」
アイム レディー アイムレイディー ハージメーヨーオー♪ ←(店内BGM)
シャア「どうした、カミーユ」
カミーユ「うわああああああああ!!」
シロッコ「はははは!学校という閉鎖空間からグッズ販店に来てこのBGM!!貴様などには耐えられんだろう!」
シャア「カミーユ!どうしたんだカミーユ!!」←(アニマス見てないから分からない)
バナージ「……あっ!そうだ、オードリー!!」
マリーダ「ああっ!…………だが、……」
バナージ「なんかマリーダさんと一緒にいると、どうでも良くなってきました……」
マリーダ「む…………」
バナージ「……/////」
おい
カツ「あっ、アムロっ、さん、痛いですって、何なんですか、やめっ」
アムロ「………………」
アムロ「シャア、カミーユ、早く帰ってこい」ガッガッガッガッガッガッ
アムロ「ハマーン?そうだ、シャアがどこにいるか知らないかい?」
ハマーン「私が今貴様に聞こうとしたのだが」
アムロ「君も知らないか……」
ハマーン・アムロ「「くそっ、何処だシャア……」」
アムロ「……はっ!」ピキーーーーン!
ハマーン「どうした!」
アムロ「READYが……READYが見えるよ……ララア……」
ハマーン「は?」
ハマーン「分かったのか!?」
アムロ「僕と千早の絆、なめてもらっては困る!!」ダッ
ハマーン「それは私の台詞だ!」ダッ
カミーユ「なんだろう……あれ……高木社長かな……」
カミーユ「こう、バァーって……」
シャア「カミーユ!カミーユうううううううう!!」
シロッコ「………………」グッタリ
バタン
ハマーン「シャア!!」
アムロ「何をやっているんだ、シャア!」ハァハァ
シャア「いや、カミーユが……」
カミーユ「あずささん!あずささあああああああああん!!」
あずさ『ごめんなさい……私、カミーユ君の母親にはなれないみたいなの。ごめんね。』フフッ
カミーユ「エンッ!!」バタリ
ハマーン「よし、行くぞシャア。事情は後で聞く」
シャア(なにこの人 怖っ)
アムロ(お前の幼馴染みだ)
ホラ コッチデスヨマリーダサン フフフ、マテコイツメ ハハッ、ツカマッチャッタ
ハマーン「……で?学校をサボってあの様、と」
シャア「……はい」
アムロ「今回の件、君は大いに反省すべきだ、シャア」
シャア「しかし!」
アムロ「君の気持ちは痛いほどよく分かる。だがな、実効に移すべきではない」
シャア「………………」
アムロ「本気で言っているのか?」
ハマーン「お前も反省しろ変な髪型」
シロッコ「変……だと?」
アムロ(ピンクヘルメットに言われたよこいつ)
アムロ「カミーユは早退するしカツは怪我で入院だし……散々な一日だったよ」
シャア「…………すまん」
アムロ「反省したのならもういいさ、それに言っただろう?君の気持ちも痛いほどよく分かると」
シャア「アムロ……」グスッ
シャア「ふふっ…………はっはっはっ!!」
アムロ「はははははは!」
~♪(ここでEDが流れる)
アムロ「ああ、構わないよ」
スーパー コンペイトウ
マリーダ「おっ、今日はクシャトリヤが安いな」
バナージ「マリーダさん、それピーマンです」
マリーダ「分かっているさ」
バナージ「流石です」
アムロ「長くかかるかい?」 ソレデモボクハ、スーパーノテンインダッ!
シャア「ああ。恐らくな」 キサマニワタスカネナドナイトイッタハズダ!
アムロ「じゃあ僕は食玩ガンダムでも探すとするよ」 シィーーーーーズメェーーー!!
シャア「分かった」
アムロ「おや、今日は食玩が全てハンブラビしかないとは」ヨマヨイゴトヲ!
アムロ「いつの間にか担架で運ばれていったカツにお見舞いで持っていってやるか」
シャア「ああ。そちらもか?」
アムロ「ハンブラビしか無かったよ。ははは」
シャア「そうか、では帰艦する!」
シャア「ただいマラサイ」
セイラ「おかえり……リ……リ……リーンホース」
シャア「やるな、アルテイシア」
アムロ「なんの挨拶だ」
アムロ「最初からそのつもりさ」キリッ
シャア「ははは、こいつめっ!」
アムロ「はははは!」
ハマーン「…………」ギリッ
マリーダ「今日は買い物を手伝ってもらってすまなかったな」
バナージ「いえいえ、気にしないでください!」
マリーダ「どうだ?良かったら夕飯を食べてかないか?」
バナージ「え!?良いんですか!?」
マリーダ「構わない。むしろ礼として食べていってくれ」
バナージ「じゃあ、お言葉に甘えて……」
オードリー「…………」ギリッ
シャア「食べ終わったか、では……」
アムロ「ああ……」スタスタ
セイラ「あの二人、やっぱり仲がいいわね」
[キラメキラリ]
シャア・アムロ「フッフーーーーー!!!!」
アムロ(まあいいや)
シャア「フーーーーーー♪!!」
アムロ「フッフーーーーー♪!!」
ハマーン(あの二人に全く付け入る隙がない……)
ハマーン(アイマスというのがあれほどまでに強力だったとは……)
オードリー「あ、ハマーン」
ハマーン「! ミネバ様!?」
ハマーン「? なんでしょう?」
オードリー「いやな、知り合いがな、人の見ている目の前でイチャイチャし始めてな」
ハマーン「…………」
オードリー「ビックリするぐらいの速さでフラグを回収して……」
オードリー「そして……」
ハマーン「………………」
オードリー「ん?」
ハマーン「いやなんでもありません。ただ世界は狭いなと思いまして」
オードリー「??」
ハマーン「……む!?」
オードリー「どうしたハマーン?」
ハマーン「そうか……そうすれば良いのか!」
ハマーン「ミネバ様!アイドルですよ、アイドル!!」
プル「プルプルプルプルプル~~~~~♪」
プルツー「プル~待て~~」
プル「あははははは!!」
マリーダ「微笑ましいな」
バナージ「ええ……童心に帰りたくなりますね」
マリーダ「童心…………、か」
ついうっかり間違えた
バナージ「……どうしました?」
マリーダ「いや、何でもない……」
オードリー「楽しそうだな」
バナージ「!?」
マリーダ「!?」
オードリー「嘘を吐かないで。仲良くスーパーで買い物しながら私を探していたの?」
バナージ「うっ……」
マリーダ「姫様、悪いのはこの私です。彼を責めないでください」
バナージ「マリーダさん……/////」
オードリー「…………」
オードリー「私が何故逃げていたか分かる?」
バナージ「……え」
オードリー「あなた達に仲良くしてもらいたかっただけ……」(うそです)
マリーダ「ひ、姫様……」
バナージ「オードリー……」
オードリー(これで、良いのだな、ハマーン……)
シャア・アムロ「フッフゥーーーーーっ!!!!」ダダダダダダ
シロッコ「寄付を!天使を降臨させるための寄付をォーーーー!!」ダダダダダダダダダダダ
マリーダ「…………」
カミーユ「俺には分かる!貴音厨は、生きていてはいけない人間なんだ!!うおおおおおおおぁぁああ!!!」ダダダダダダダダダダダダ
オードリー「…………」
ヤザン「ピヨちゃん!ピヨちゃん!うっ!……ふぅ」ダダダダダダダダダダダダ
http://www.youtube.com/watch?v=UE27t_LJpx0
ギレン「響は貧乳ではなかった!!何故だ!」
シャア「詐胸だからさ……」
カテジナ「貴方が悪いのよ……ウッソ、貴方は子供の癖に性欲が強すぎるから!!」
ウッソ「律子さんで抜くことの何が悪いんですか!おかしいですよ!カテジナさん!!」
ヒイロ「任務……完了」ドヤ
五飛「くっそおおおおおおお!!!」
ラクス「キラ、そろそろ働いて……」
キラ「ごめんよラクス、でも……もうどうしようもないんだ……」
キラ「美希は可愛いんだ……みんなの好みが、同じならいいのにね」
東方不敗「ドォモォォォォォォォォォォン!!!」
東方不敗「流派!アイドルマスターは!!」
ドモン「水瀬の風よ!」
東方不敗「デコ!」
ドモン「ツンデレ!」
ドモン・東方不敗「見よ!765プロは赤く燃えている!!!」
東方不敗「ぐふっ……」
ドモン「師匠……?しいいいぃぃぃぃぃぃしょおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
ロラン「なんですか……ってまた女の子の服!?もう嫌ですよ!!」
グエン「いいから……いいからほら、ふ、ふふふふふふ!!!」
ロラン「ぎゃおぉおおん!!」
ガロード「働いたらな」
ティファ「…………」
ジャミル「そんな無茶な!亜美も真美も私を待っているのだぞ!」
ガロード「無茶っていうな」
ティエリア「またか」
ロックオン「手がつけられねぇ」
アレルヤ「でもこの雪歩って子、可愛いと思うな」
ソーマ「……ほう?」
アレルヤ「あっ」
ハム「抱き締めたいな!ガンダム!!」
ティエリア「向こうは相変わらずか」
黒井社長『ハハハハハ!!我が世の春が来たァーーーーーッ!!!』
シャア「なんという……」
アムロ「シャア!!」
シャア「分かっている!こんな事務所に負ける私達ではない!!」
ハマーン「結局、こんな衣装を着ることになってしまった……」フリフリ
ハマーン「ふふ……いけるぞ!」
シャア「勝ったああああああああああああああああああ!!!」
アムロ「やったああああああああああああ!!もうダメだっ!アムロ、脱ぎまーーーーっす!!」カチャカチャ
シャア「ならば今すぐ愚民に服を脱がせてみろwwwwwww」ヌギヌギ
アムロ「なnバターン ハマーン「シャア!見ろこの服を……」
シャア「」←服パージ中
アムロ「」←服パージ中
ハマーン「な……」
終わり
えっ
オードリーはどうなった
まだシャアとハマーン様のいちゃラブがまだなんですが…
オードリーは二人を優しく見守っているよ……
>>373
多分絶対無いよ
またガンダムSS書くかもしれない
バナージとマリーダさんがイチャイチャしてたら多分俺です
本当にありがとうございました!
アニマス見てて、「あ、これシャアとアムロでも行けるな」と思って書いた
書いてて本当に楽しかった! ちなみにアイマスで一番好きなのは響
ぶっちゃけバナージとマリーダさんをイチャイチャさせたかったって言うのが一番の理由
マリーダさんが可愛かったから許す
乙
乙
乙
ありがとうシャア!
ありがとう>>1!
そんなこと言わずに!
アイマスデビューでシャアみたいになろうよ!
Entry ⇒ 2012.08.20 | Category ⇒ ガンダムSS | Comments (9) | Trackbacks (0)
あかり「それじゃあ、あかりはデスティニーガンダムさんにするよぉ」
ちなつ「これで全員コスト3000ですね」
京子「ふっふっふ、何であろうと京子ちゃんのマスターには敵わないのだ!!」
結衣「はいはい……シャッフル始まるぞ……」
あかり→デスティニーガンダム
ちなつ→ターンX
結衣→Hi-νガンダム
京子→マスターガンダム
あかり「わぁい!結衣ちゃんと一緒だ!」
ちなつ「ぐっ……あかりちゃんめぇ……」ギリギリ
京子「ちなつちゅわぁ~~~~ん!!ちゅっちゅ!ちゅっちゅ!」
ちなつ「離れてください!」ガン
あかり・結衣vsちなつ・京子
結衣「あかりは前出てくれ!」
あかり「オッケーだよ!」
ちなつ「京子先輩!前え……」
京子「あったり前田のクラッカー!!」ドシュウ
あかり「ひゃあ!マスターさんだぁ!あかりマスターさんちょっと苦手かな……」
結衣「大丈夫。私が後ろから援護するから」キリッ
ちなつ「…………」ギリギリギリギリ
あかり「ひゃっ!!」
京子「ちょ、ちなつちゃん!?」
ちなつ「」コレヲクラエェ!!
あかり「ひゃあああ!!」
京子「ゴフッ!!」
京子「み、味方ごとチャージショットで誤射とは……」
ちなつ「ごめんなさぁい☆ でもよくあることじゃないですかぁ☆」テヘッ
ちなつ「」アタルカァ!! ガチャガチャ
結衣(ちなつちゃんガチでターンX使ってるな……)
ちなつ「遅いですよ、結衣先輩!」ギュン
結衣「しまっ……」
あかり「結衣ちゃん!」ガチャターンッ
ちなつ「なっ!ここで妨害……!? くっ!」
あかり「あっ!」
京子「チャージショットの後が隙だらけだ!オラオラオラオラ!!」ガンガンガン
あかり「ああっ、ダメぇっ!」
結衣「あかり!」
ちなつ「私を忘れないでくださいよ、結衣先輩」
結衣「!!」
結衣「くうっ……!」
京子「オラオラオラオラァ!!」ガガガン
あかり「うぅ……」
あかり(マスターさんのデスコンフルに食らっちゃったよぉ……でも!)タンッ
京子「起き上がりこぼしィィィイイイィィッ!!」(※起き攻め)
あかり「ひゃ……えいっ!!」ビームブーメラン
京子「あっ」ガァン
ちなつ「こんな近くじゃファンネルはあんまり意味を成s」京子「ちなつちゃん!ちょっちまっちヘルプ!!」
ちなつ「んもう!良いところだったのに!!」
結衣(!)ハイパーバズーカ
ちなつ「あっ」ボォン
結衣「」ハイパーバズーカ
ちなつ「ああん/////」ボォン
ちなつ「京子先輩が落ちた! しかも覚醒ゲージ抱え落ち!?」
京子「いや~悪い悪い……こっから本気出すから」
ちなつ「私がやられたら終わりなんですけど!?」
京子「げ、これ二人とも3000だったっけ……バランス悪っ」
ちなつ「今更言わないでくださいぃーーーーーーーっ!!」ジュンスイニタタカイヲタノシムモノコソォ!!
結衣「あっ……!あかり、ごめん!!」ボーン
あかり「結衣ちゃーーーん!!」
京子「あぁ~~かぁ~~~~~りぃ~~~~~!!」ギュゥン!
京子「さっきはよくもやってくれたね!!覚醒マスターで仕返しじゃあ!」ガンガン
あかり「ひゃうぅ!京子ちゃん怖いよぉ!」
京子「く……まだ耐久力一桁は残ったか……」
京子「だがこれで終わらせてもらう!」
あかり「っ!」ガチャガチャッ
京子(! 避わされたか……)ガチャガチャ
京子(あかり、ステップ上手くなってる……!!)
京子「ブースト切れ!しめた!」
あかり「覚醒……!間に合わないよぉ……!!」
京子「とどめだぁーーーーーーーっ!!」
フィン・ファンネル!!
京子「ああっ!」
あかり「ゆ、結衣ちゃん!!」
あかり「うんっ!」
京子(ここで私をデスティニーで……?でもまだ私は耐久力に余裕が……!!)
京子(違う!私じゃない……)
京子(あかりの狙いは……ちなつちゃん!!)
ちなつ「はい?」
京子「あかりが来る!」
ちなつ「げっ!!」ギュンッ
ちなつ(やばいデスティニー来てる……でも距離があるから着地→チャージショットでイケる!!)
あかり「ごめんね、ちなつちゃん!」パアァァァァァァンッ
ちなつ「な……!!」
ちなつ(ここで覚醒……!!)
あかり「えええええいっ!!」アンタッテヒトハアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!
~WIN~
結衣「やったなあかり!!」
あかり「結衣ちゃんのおかげだよぉ!!」
ちなつ「くぅっ……!!」
京子「もう一回だ!もう一回やろ!な!?」
結衣「良いけど……あかりも良いか?」
あかり「大丈夫だよ!」
ちなつ「……私もやりたいです……」
京子「後ろに人は……いない!よっしゃ!早速やろう!!」
刹那「了解。刹那・F・セイエイ、出る」
結衣「私は……そうだな、ケルディムにするか」
ちなつ「なら私はクロスボーンX1改で行きます!」
京子「わったしはー、そうだなー、アストレイレッドフレーム!!」
結衣「またそんな微妙な機体を……」
京子「微妙とはなんだ微妙とは!」プンスカ
あかり・ちなつvs結衣・京子
ちなつ「チクショオオオオオwwwwwwww」
あかり「わぁいちなつちゃんと一緒!あかりちなつちゃん大好き!」
あかり「あっ、結衣ちゃんも大好きだよ!」
京子「結衣と一緒か……これは勝ったな」
結衣「お前こないだみたいに全部人に押し付けるなよ?」
パァン
あかり「あぶない!」
結衣「うーん、開幕狙いは流石に通じなかったか」
京子「あかりトロいからいけると思ったんだけどなぁ~~」
あかり「京子ちゃんひどいよぉっ!!」
結衣「京子、ABCマント剥がして」
京子「任せとけって!」ビシューンビシューン
ちなつ「相変わらず適当な射撃ですね……」シュッ
京子「ぎゃあああああ!ペズ・パタラだ!私こいつ嫌い!」
結衣「ステップで避けれるだろ……」
京子「そういう理屈抜きで嫌いなの!」
京子「おぅふ!」
ちなつ「」ガンガンガンガン
京子「ちなつちゃん……容赦無いね……」
結衣「」パァン
ちなつ「あっ!」
ちなつ(ABCマント剥がされたか……ん?今結衣先輩に……マントを剥がされた……?)
結衣「え?」
京子「よっしゃ!よく分からんがくらえっ!!」ギャン(←マ・クベのモビルスーツでは無い)
ちなつ「あ、やべっ!!」
京子「ヒャハハハハハハ!これが私の実力ってやつだ!!」
結衣「ん?」
あかり「結衣ちゃんごめんねっ!」ガァン
結衣「! あかりのあかりの闇討ち!?」
結衣(そうか! 余りの存在感の薄さを利用した闇討ち……!!)
あかり「結衣ちゃん今失礼なこと考えてなかった!?」プンプン
京子「あん?」
京子「ってちょwwwwwwwwwwwwGNアームズじゃねぇかwwwwwwwwwwww」ガァン
ちなつ「いやーあかりちゃんありがとね!」パァン
ちなつ「は?」ボーン
結衣「ちなつちゃん、余所見はダメだよ」(ドヤ
京子「逃がすかぁ!」ガーベラストレートォ!!
あかり「ああっ!」ビリビリ
結衣「…………」パァン
京子「しぶてぇ野郎だ……兄貴!やっちまいましょうぜ!!」
結衣「誰が兄貴だ」
ちなつ「オラァ!」ギュンッ
京子「うわお!」ステップ
京子「ううっ!しつこいな……!」ガチャガチャ
ちなつ「せい!」(覚醒)
京子「げっ!!」
ちなつ「せいせいせい!!」ガンガンガン
京子「ごっはあああああああ!!」ボーン
ちなつ「まだ……」チャージショット
結衣「!」
結衣(X1の覚醒チャージショットってことは……)
結衣「核弾頭か……!!」
ドドドドドドドドドドド
結衣(あ、避けきれない)ボーン
京子「残るコストは1500……1落ちでケリが着く」
京子「となりゃコスオバエクシア狙うしかねぇだろぉ!ゲヒャヒャヒャヒャヒャ!!」ギュウン
あかり「わあああああん!!」
ちなつ「!」ステップ
結衣「避けられたか……」
ちなつ「そうそう何度も当たりませんよっ!」ギュン
結衣(X1に詰められたらかなり危険だ!)
京子「待ぁああ~~~てぇ~~~~~~っ!!」
あかり「いやああああああああっ!!」
ちなつ「!」ステップ
ちなつ(あ……ここで踏んだら)
結衣「ナイス京子!」パァン
ちなつ「しまった……!」
あかり「トランザムっ!!」パァァァァァ
京子「あ゛」
オレガッ! オレタチガッ! ガンダムダッ!
京子(やばい……)
京子「お、助かる!」
京子(まあ格闘相手には意味ないんだが、エクシアの射撃にやられるのを防ぐので十分だな)
京子「よくもやったな!」ガーベラストレートォ!
あかり「ひっ!」ギュン!
京子「やっぱトランザムはえーな……」
結衣「ちっ……京子、後は頼んだ」
京子「頼まれた!そこだぁ!ガーベラストレートォ!」ビュン
あかり「あ!」ガァン
京子「今度こそとどめだぁ!」ドガァッ
京子「勝ったッ!ゆるゆりEXVS編完ッ!!」
あかり「へぇ……じゃあ誰があかりの代わりに主人公を努めてくれるの?」
結衣「エクシア……リペア……」
京子「ふ、ふん!そんな出来損ないで私に勝てるわけが無いだろう!!」
結衣「やめろ京子!そういうセリフは死亡フラグビンビンに立ってるから!」
ちなつ「あかりちゃん……お願い!」
京子(どう来る……!?まだ覚醒状態だから素早いし一気に決めてくるか……?)
京子(でもシールドビットで射撃は通じない!なら確実に格闘!)
京子(ならステップ回避→ストレート格闘で勝てる!)
京子「さあ来いあかり!」
京子(キターッ!格闘!ステップ回……あれ?消えた?)
京子(ってあ!これは……)
京子(特格踏みつけだああああああああああああwwwwwwwwwwwwwwwwww)ドガァァァァァンッ
~WIN~
あかり「あ、あれは偶然だよぉ」
京子「二度も……負けてしまった……しかも後輩に」
結衣「まあこれも良い思い出だろ?」
京子「ぐぬぬ……」
結衣「あと一回だぞ?」
あかり「なら今度はデスサイズヘルカスタムさん使うよぉ!」
ちなつ「えっ!」
京子「おっ、本物のアッカリ~ンが見れるぞ!!」
あかり「もう!京子ちゃあん!!」
結衣「あっはははは……」
終わり
すいません、ちゃんと考えて有るんですが疲れました、許してください
また機会があったら書きたいと思います
という訳で初めてのゆるゆりSSだったけど楽しかったです。EXVSのSS書くのも初めてだった
もし良かったら同じガンダム繋がりで過去に書いたガンダムSSもどうぞ→シャア「アムロ、それは何だ?」アムロ「アイドルマスターだよ」
明日仕事なのに全部見ちまったじゃねーかどうしてくれる
あかりは全体的に格闘寄りだな
乙乙
Entry ⇒ 2012.08.20 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (4) | Trackbacks (0)
DQN「10万円持ってこい」男「僕は今1億円持っている」
男「ようするに君は僕を見て10万円程度の価値しかない。そう思ったわけだね」
DQN「い、いや…10万ってのはただ何となくで…」
男「僕は家に帰れば自分1人で動かせるお金が15億円程度はある」
男「そんな僕に10万円?」
男「君は馬鹿なのかい?ああ、よく見れば知能が低そうな顔をしているよね」
DQN「う、うう、うるせぇ!!」
男「しかし、恐喝というのかい?これは」
男「何故、僕が恐喝の対象になったのか聞かせてくれないか?」
DQN(な、なんなんだよ、こいつはーーーっ!?)
DQN「あ、遊ぶ金が欲しかったんだよ…」
男「よくある話だね」
男「でも、それが10万円って。君は10万円ぽっちでどれだけ遊ぶ気でいたのかい?」
DQN「そ、そりゃあ、今日だけでパーッと使って…」
男「ほほう。10万円で1日も遊べるなんて、すごく慎ましい遊びをするんだね」
男「僕なら普通に遊ぶだけでも1千万円は普通に使っちゃうからさ」
男「日によっては2、3億使う日もあるけど、さすがに普段はそんなに使わないよ」
男「で、10万円でどんな遊びをするんだい?」
DQN(こいつ、もうやだ…)
男「え?10万円以下のワインなんて飲むんだ。なるほど、そういう所で使うお金を節約してるんだね」
DQN「いや、俺はビールだし…」
男「ゲームって何?どこのカジノ?そんな低レートなカジノは知らないなぁ」
DQN「普通にゲーセンだけど…」
男「あとナンパって何?船に乗ったりするのかな?」
DQN「何を言ってるのか、こっちが聞きたい」
男「まあ、それはともかく、話も聞けたし、恐喝された10万円くらいならあげようじゃないか」
DQN「マジかよ!?ひゃっほーっ!!10万円ゲットだぜ」
男「そのかわり、僕も君を恐喝する事にしよう」
DQN「へ?」
男「社会的地位や暴力を使って、君のご両親や兄弟に対し、僕が君という存在のせいで迷惑を被ったという理由をつけてね」
DQN「そ、そんなの通用するわけ無いだろ!!馬鹿か、テメェ!!」
男「ああ。でも、僕はお金持ちだから出来るんだよ。通用する、しないに関係なく」
男「それにさ。君がやった事と同じだから」
男「本来なら友人や学校の先生も対象にして構わないが、僕も手広く面倒な事はあまりしたくないんだ」
DQN「テメェ!!ふざけた事言いやがるとぶっ殺すぞ!!」
男「脅迫か。いいね、僕も君の親族に脅迫するとしよう」
男「両親は脅迫して離婚でもしてもらうとするか。兄弟がいれば、不登校くらいになってもらうとしよう」
DQN「わ、わけわかんねーよ、おめえ」
男「だが、君が恐喝しようとした事実は変わらない。金品の移動がなかったのはたんなる結果に過ぎない」
男「君は結果がなんともなければ過程はどうでもいいと思っているのかい?」
男「駄目だよ、それは。結果も大事だが、過程も大事だ」
男「だが、僕も鬼じゃない。恐喝するのはやめておこう」
DQN「あ、ああ。ありがてぇ」
男「とりあえず脅迫だけはしてみよう」
DQN(な、何を脅迫するかしらねぇが、うちの家族は脅迫くらいじゃビクともしねぇはずだ!!)
家に帰ると、そこには誰もいなかった。
父も、母も、姉も。
携帯電話も繋がらない。
近所の人に聞いても目を逸らし、消息はわからないと口を揃えていう。
警察に家族が行方不明だと届けても門前払い。
誰もDQNに関わろうとしない。
DQNは家で膝を抱えて座り込む。
ピーンポーン
DQN「誰だよ、一体」ガチャッ
男「やあ」
DQN「…て、てめぇ!!」
男「おや?家族の方はいないのかな?」
DQN「白々しい事言ってんじゃねぇ!!どうせ、お前が何かしたんだろ!!」
男「その通りだけど」
男「正確にはお願いしたんだよ。この家から出て、君とは関わるな、ってね」
DQN「なんで、そんな事しやがるんだ!?」
男「楽しいからだろう?」
男「だから、僕も出来る限りの財力を使って、君の家族を脅迫した」
男「それなりの散財だったが、君の絶望感に満ち溢れた顔は見ていて楽しかったよ」
男「ああ、君が家に帰ってきた時からずっと隠れてみていたんだけどね」
DQN「ちくしょう!!テメェ、マジでぶっ殺してやる!!」
男「ああ。いいのかい?僕を殴ったら、君は傷害罪で捕まってしまうよ」
DQN「構うもんか!!親父やお袋、姉貴もいないんだったら悲しむ奴なんか誰もいねえからな!!」
男「君の思考は短絡的だな」
DQN「嘘ついてんじゃねぇ!!」
男「僕は嘘はつかない。僕が嘘をつく意味がないからね」
男「さて、家族を元に戻すためには、まず僕を殴らない」
DQN「ぐっ」
男「真面目に学校に行く」
男「恐喝や脅迫等の犯罪行為を行わない」
男「毎日、壁に向かってごめんなさいを唱和する」
男「あと、自慰行為は禁止。家に女性を連れ込むのも駄目だ」
男「それをしばらくやって、気が向いたら家族は戻ってくるよ」
DQN「ぐぐぐっ…」
男「それじゃあ、僕は帰るとしよう」バタン
男「失礼します」
父「ああ、おかえりなさい。男さん」
母「ごめんなさいねえ、うちのDQNが迷惑を掛けてしまって」
姉「ホント、なんであいつはああなのかしら?」
男「いえいえ。気にしないでください」
男「とりあえず隠しカメラの様子はどうですか?」
姉「なんかベッドの上でひたすら苦悶してるみたいだけど」
男「はははっ。楽しそうじゃないですか」
男「とりあえずこの部屋の家賃と元々の部屋の家賃は僕が支払っておきます」
男「部屋が隣なので彼の外出時間と鉢合わせないようにだけお願いします」
男「ご両親が反省してるなと思ったら、隣の部屋に戻ってあげてください」
父「わかりました」
母「はい」
姉「でも、わざわざお金を使ってまでなんでこんな事を?」
男「彼と同じです。楽しいからやっただけです」
姉「悪趣味だね、あんた」
男「よく言われます」
男「それでは僕からの脅迫ライフを楽しんでください」
END
面白さやネタの濃度は度外視で。
短いのにイラッとしたりほぅ…と思ったりニヤッとしたり面白いSSだった
なかなかよかったわ
元スレ:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1345353104/
Entry ⇒ 2012.08.20 | Category ⇒ その他 | Comments (0) | Trackbacks (0)
女友「私に監禁されて、必死で抵抗してる女ちゃん可愛い」女「」
女「ここ…どこ……?」
女「体が動かないし、なんか…足の間がすごくむずむずする……」
女友「おはよ?女ちゃん♪
すごくいい抱き心地だったよ」
女「そうだ…私、女友ちゃんに監禁されてるんだっけ…」
いつもは元気なのに、朝はけっこう無防備なんだね」
女「…」
女友「なんか無防備な女ちゃん見てたらちょっとドキドキしてきちゃった…
ねぇ?いますぐ逝かせてあげようか?」
女「いっ…いや…」
女友「もう。いい加減素直になればいいのに♪
昨日からずっと逝かせてもらえなくって…
結局睡眠薬で寝かされちゃって、寝てる間ずっと足の間にローター入れられてて…
そろそろ限界なんじゃない?」
女「そんな事…ないよぉ……」
女友「もう。朝からそんなに切なそうな声出しちゃって…
あっそっか。まだローター入ったままなんだっけ?」
女「…」
女「っっ…!!」
女友「やっぱり…パジャマのここ、こんなに湿ってる…」
女「っ…!!」
女友「寝てるあいだにこんなに濡らしちゃったんだ…」くすくす
女「…ぁぁ…」
女友「もう…これ私のパジャマなのに…いけない娘♪」
女「ん…」
女友「だけど、これからは女ちゃんが濡らしちゃったパジャマを毎晩着れると思うとすごくうれしいな♪」
女「……」
とつぜん女のパジャマのズボンを下げる女友
女「いやぁ…!」
女友「くす…
びしょびしょ……」
女「ぁぁぁ……」
女友「こっちも私の下着なのに…
私の下着に女ちゃんの汁がいっぱいしみ込んじゃった…」
女「んん……」
女「……」
女友「じゃあ、しょうがないからそのローター取ってあげる」
女友「それとも逆に強くして、いまここで逝かせてあげようか?」
女「…と…って…」
女友「そっか。残念♪」
女「…」
女友「ねえ?、この汁舐めてもいい?」
女「だっダメ…!」
女友「えーっいいじゃない。昨日も舐めさせてもらえなかったんだよ?」
女「…」
女友「こんなに甘くて美味しそうなのに…一回だけ舐めるだけでもダメ?」
女「だめ…!」
女友「そっか。やっぱり直接舐めてほしいんだね」
女「…」
女友「じゃあ、朝ご飯作ってくるからちょっと待ってて?
それとももう少し後の方がいいかな?」
女「もう少し後がいい…。わたし、朝弱いから…」
女友「そっか。わかった」
女「やめて…!」
女友「だって時間が勿体ないじゃない」
女友「だけど…昨日から一回も逝けなくって、寝てるあいだもローターで責め続けられて、
そろそろ心も体も限界のはずの女ちゃんが必死にがまんしてるんだから…無理矢理ってのも可哀想かな?」
女「…」
女友「そうだよね…今までずっと頑張ってきたんだもんね…。
どうせ、逃げられないのに♪」
女「……」
女友「いいよ?もっと頑張ってがまんして?
がまんしてた時間が長いほど…がまんできなくなっちゃて私に『おねがい逝かせてぇー』っておねだりする女ちゃんは、
きっとすごく可愛いと思うから♪」
女「……」
女友「匂いだけでも嗅がせて?」
女「…」
女友「だけど女ちゃんが今着てるのは私のパジャマだから…
このパジャマの匂いは女ちゃんだけの匂いってわけじゃなのか…」
女友「って事はやっぱり、女ちゃんのために新しい服も買ってあげないとダメかな?」
女「…」
女友「そうだっ 朝ご飯が終わったら女ちゃんの服を買いに行ってあげる。
だからその間、留守番しててね?」
女友「大丈夫。女ちゃんが退屈しないように、逝けない程度に気持ちよくなるような状態で
放置して出かけてあげるから♪」
女「…」
女「…」
女友「ねぇ?女ちゃん的にはどう?」
女「どういう事よ…?」
女友「私の匂いがしみ込んだ服を全身に着させられて、私にあんあん言わされるのと、
新しい服を着て、私に女ちゃんの匂いを堪能されながら、私にあんあん言わされるのるのどっちが好き?」
女(どっちも嫌に決まってるじゃない…!!)
女(だけど、女友ちゃんが服を買いに行ってるあいだに逃げられるかもしれない…。)
女(って事は、女友ちゃんの服を着る方を選ぶと、女友ちゃんが出かけなくなっちゃうかもしれない…)
女「やっぱり、自分の服はほしい、かな…?」
女友「そっか。匂い嗅がれながらあんあん言わされたいんだね
私も可愛い服着ながらあんあん言ってる女ちゃんが早くみたいな♪」
女「…」
女友「だって朝ご飯までもうちょっと時間があるし…それまで暇じゃない」
女友「だから女ちゃんの体の匂いでもかいで待ってようかと思って…」
女「ちょ…ちょっと…!!」
女友「」すんすん
女友「やっぱり寝てるあいだにちょっと汗かいた女ちゃんって、すごくいい匂いがする…」
女「やめて…!」
女友「暴れたってだーめ。いくらもがいても、ベットに縛り付けられてるんだから逃げられないよ?」
女「うぅ…」
女「…なっ何言ってるの…!?」
女友「だーかーらー、体中舐め回していいかって聞いてるの♪」
女「だっダメに決まってるでしょ…!」
女友「どうして?私に舐め回されると気持ちよくなっちゃうから?」
女「そんなこと…ない…!!」
女友「くすっ…ほんとうかなぁー♪」
女「…」
女「えっ…?」
女友「もしウソツキだったら、逝かせちゃうよ?
一回逝ったあとも、『もうやめてぇー』っていってもやめてあげないで、気絶するまで何回も何回も逝かせちゃうよ?」
女「…!」
女友「だけどウソツキじゃないんだからいいよねー?」
女友「じゃあ舐めてあげる。別に気持ちよくないんだから、いいよね??」
女「……」
女「っっ…!!……!」
女友「んんっ…女ちゃん…すごく美味しい…」ぺろぺろ
女「……」
女友「ずっと女ちゃんってどんな味がするんだろって考えてたけど…こんなに甘くて美味しいかったんだ…
こんなことならもっと早く監禁しちゃえばよかった…」ぺろぺろ
女「っっ…!」
女友「あれ?今、声出しちゃった?」
女「出してないよ…!」
女友「そっか。残念♪」ぺろぺろ
女「……」
女「…」
女友「そうだ、腋、舐めていい?」
女「やだっ!やめて…!」
女友「いいじゃない。だって女ちゃんの腋、甘い匂いがするんだもん。
舐めなかったら勿体ないじゃない♪」ぺろっ
女「…!」
女友「あっ。ぴくってなった」
女「……」
女友「」ぺろぺろぺろぺろ
女「…。っっ…!」
女友「うんっ。すごく甘くて美味しい…」
女「…」
女友「女ちゃんの甘い匂い、もっと嗅ぎたいなぁ」
女「……」
女友「じゃあ、女ちゃんにドキドキしたり興奮してもらえばいいんだよね」すっ
女「…!
ちょっと!そんな所に手入れないで!」
女友「えーっ せっかくここを直接触ったら、女ちゃんが興奮してくれると思ったのに…」
だけど女ちゃんが嫌なら仕方ないか」
女友「じゃあ、服の上から撫で回してあげる♪」
女「いやっ…!やめなさいっ…!」
女友「うん。やっぱり。
服の上からでもあったかい。それにこんなに湿ってる…」さわさわ
女「あっ…ああっっ…!!!」
女友「あんなに一生懸命がまんしてたのに……」さわさわ ぺろぺろ
女「ぁぁっ…いぁ……!!」
女友「だけど腋を舐められながら、いちばん気持ちがいい所までさわさわされたんじゃしょうがないか…」さわさわ ぺろぺろ
女「んん…!っっ…!」
女友「だけど服の上から触られただけでこんなにあんあん言っちゃうのは、少し減点かなぁ…?」さわさわさわさわ
女「っっっっっ……!!!!」
女(このままじゃ女の人に…しかも友達に逝かされちゃう……!)
女(だけどすごく気持ちがいい…!!)
女「いやだぁ…もういやぁ…!」
女(逝きたくない……逝きたくないよぉぉぉぉ…!!!!)
女友「ん…女ちゃんの腋、すごくいい匂いがする♪」ぺろぺろ
女「…っっっ!!! ……!!」
女(いやだぁ…逝きたくないよぉぉぉ……。)
女友「もうそろそろ、限界なのかな?」
女「っっ…!!」
女(どうしよう…すごく気持ちがいい……。)
女友「じゃあ…そろそろ朝ご飯作ろうかな?」
女(え…!?)
とつぜん女から手を離す女友…
女「なんでも…ないよ…」
女友「そっか。じゃあ朝ご飯作ってくるから待っててね?
くすっ…女ちゃんの腋、ごちそうさま♪」
女「……」
女友「じゃあ、ばいばいっ」
女(って私は何考えてるのよ…!)
女(…。)
女(早く逃げないと、このままじゃ本当に女ちゃんに抵抗できない心と体にされちゃうかも…。)
一人で逝けないように両手を後ろで縛られるけど一人にしてもらえる…)
女(もしトイレのなかに抜け道があるかもしれない…)
女「女友ちゃん…!」
女友「あ、今そっち行くからまってて?」
とてとて
女友「どうしたの?」
女「トイレ行きたいんだけど…」
女友「わかった。じゃあ、この薬飲んでね?」
女(やっぱり抜け道なんてない…)
女(窓は開かないようになってるし、換気扇から叫んでも多分聞こえないしすぐに女友ちゃんに気づかれちゃう…)
女「おまたせ…」
女友「あっおわった?じゃあまたベットに縛り付けてあげるね?」
女「うん…」
女「そのあと私はベットに縛り付けられたまま朝ご飯ができるのを待ちました…」
女「そして、女友ちゃんと同じスプーンで手を縛られたままカレーライスを食べさせてもらって、
(ちなみにカレーの味はすごくおいしかった。こんな状況じゃなかったら、女友ちゃんのお嫁さんになって毎日食べさせてほしい!っていいたいくらい…)
少したった後、女友ちゃんが私の服を買いに行くために出かける事になりました」
女友「だけどその前に…そろそろあお向けに大の字で縛られてるの、疲れちゃったんじゃない?」
女「…!」
女友「じゃあ、違う縛り方にしてあげるね?」
女「……」
女友「あれ?ちょっと残念そう?」
女友「わかった。縄ほどいてもらえると思ったんでしょ?
いい加減あきらめちゃった方が楽になれるのに…」
女「…そう言うと、女友ちゃんは、いつもの力が入らなくなる薬を私に飲ませて、
両手と両足を縛って、私をベットの上に転がしました」
女友「大の字になってる女ちゃんも可愛いけど…こんな感じで転がされてる女ちゃんもすごく可愛い…///」
女友「じゃあ、行ってくるね?帰ってきたら、可愛い服着せてあげるから、もっと可愛いところ私に見せてね?」
女「…」
女友「あ、これ入れるの忘れてた」
女「いやぁ…!」
女の足のあいだにリモコン式のローターを入れてスイッチをいれる女友
女「…っっ!!」
女友「じゃあ、今度こそ行ってくるね
私がいないあいだに逃げようとしたら、ふふっ…」
女(…!!!)
女友「あ、でもそんな風に縛られてたらこの部屋からも出られないかな…?」
女友「じゃあ、ばいばいっ」
女「女友ちゃん…家から出て行ったよね…?」
女友が見えなくなるまで窓の外を見ている女…
女「今のうちに、どうにかして逃げないと…!」
なんとかドアの所まで這って行く女…
女「よいしょ…開けられた…」
部屋の外に出る女…
「……」
女「やっぱり女友ちゃんって一人暮らしなんだ…」
女「だけど玄関から外に出れば…」
女「もう少し…!」
女(あれ?なんかむずむずする…)
女(なんかローターの動きが激しくなってない…?)
女「いっ…いや…!!!ぁぁぁぁああああああ!!!」
女(どうしよう…腰に力が入らなくってうごけない…!!)
「あれ?どーしたの?女ちゃん♪もうちょっとで逃げられるんだよ?」
女「!!!!!!!」
女の上にまたがる女友…
女「女友ちゃん…!?ぁぁあ…なんで……!?」
女友「女ちゃんが逃げちゃうと困ると思って出かけたふりして裏口から入ってたの♪」
女「そん…なぁ…!!」
女友「もーっ逃げちゃダメっていったのに…♪」
女「いっ…いや……」
女友「涙目になってる女友ちゃん可愛い…
だけど許してあげないからね?」
女「…」
女(女友ちゃんがこわい…)
女友「ほら?これ飲んで?」
女「いやっ…んんん…!!!」
女の口が開いたすきに薬を口に入れて、鼻と口を塞ぐ女友…
女友「気がついた?」
女「あれ…?部屋じゃない…?」
女友「くすっ…恥ずかしい格好させられちゃって可愛そう…」
女「…!!」
いつの間にかスクール水着を着せられて、手を後ろで縛られて、
足を折り曲げたまま開いた状態で大きい椅子に縛られている女…
女友「もがいたってだめだよ?絶対にほどけないんだから…」
女「ほどいてよ…!」
女友「無理に暴れると、疲れちゃうだけだから止めた方がいいと思うなぁ…
私的には必死で無駄な抵抗をしてる女ちゃんの、微笑ましい姿が見られるからいいんだけど…」
女「…」
女「…っ!!」
女友「女ちゃんの胸にある可愛いふくらみが両方とも2つのローターで挟まれてるのが分かる?」
女「…!」
女友「それに、一番気持ちがいいところの周りにも4つ入れておいたから…
あ、でも、中に入れたわけじゃないから、逝く事はできないんじゃないかな?」くすくす
女「……!!!」
女友「あ、ちなみにその水着、私のだから、すきなだけ汚しちゃっていいからね?」
女友「今私が持ってるスイッチを押すと、水着の中に入ってるローターが一斉に動き出しちゃうわけなんだけど…
これなら退屈して逃げようなんて思わないでしょ?」
女「おねがい…やめて…女友ちゃん……。」
女友「女ちゃん可愛い♪だけどダメだよ?勝手に私から逃げようとしちゃった女ちゃんが悪いんだから♪♪」
女友「そうそう、この部屋、いくら可愛い声で叫んでも外に聞こえないから、
安心して可愛い喘ぎ声出しちゃっていいよ?」
女友「そうだ、折角だし女ちゃんの可愛い喘ぎ声、録音しちゃおうかな…
だけどそれは今度でいっか」
女友「じゃあ、今度こそ行ってくるね?」
女友「私が帰ってくる前におかしくなってちゃダメだよ?」
スイッチを入てから、部屋を出て行く女友……
女(どうしよう…すごく気持ちがいい…!!!)
女「あぁぁぁあああああ…」
女(女友ちゃんにこんなに気持ちよくしてもらってるんだ…)
女「いっ…いやあああああぁぁぁ…」
女(ダメ…ここで堕ちちゃったらこの後何されるかわからない…!!)
女(だけど何されてもいい、かな…?)
女(やだ…私何考えて…!!?)
女「ひゃあっ…ぁあああああああぁぁぁ…」
女友「おかえりー女ちゃん!可愛い服いっぱい買ってきてあげたよ?」
女「あぁぁぁぁぁ…ひゃあぁぁぁぁぁぁあああ……」
女友「ふふっ…幸せそう…だけど一回スイッチ切ってあげるね?」
女「うぅ…女友ちゃん…ひどいよぉぉ…」ひっくひっく
女友「すっかり甘えた声になっちゃって…///
あ、涙拭いてあげるね?」ぺろっ
女「女友ちゃん…」とろーん
女友「こんなに汗かいちゃて…ここもこんなにびしょびしょ…
水着から汁があふれちゃってるよ?
女「うぅ…見ないでぇ……」
女「…ぅ…ぅん…」
女友「だけどその前に…もう一回スイッチ入れちゃおうかな…?」
女「……」
女友「ねぇ?もう一回スイッチ入れてほしい?全身気持ちよくなりたい?」
女「っ…」
女友「あっ、否定できなくなっちゃった♪」くすくす
女「ぅぅ……」
女友「だけど女ちゃん私が出かけてる間ずっと頑張ってたから…
可哀想だからスイッチは入れないでいてあげる♪」
女「…」
女友「女ちゃん、可愛い♪」
女友「そろそろ休めた?」じゃあ、着替えさせてあげる。ほら?これ飲んで…?」
女「うん…」
――数分後
女友「可愛い…!女ちゃんすごく似合ってるよ?」
女「…」
女友「白いワンピース着た女ちゃん…すごく可愛い
いますぐ壊しちゃいたいくらい…」
女「…!!」
女友「もう、そんなに怖がらなくったっていいじゃない。
女ちゃんが気持ちよすぎて壊れちゃっても、ちゃんとなおしてあげるから♪」
女友「じゃあ、私の部屋にもどろ?またベットに縛ってあげる。
私はそのあとお昼ご飯作るから、ゆっくり休んでてね?」
女友「じゃあ…折角可愛い服買ったんだから、その服着て一緒に遊ばない?」
女「やだっ…!」
女友「えーいいじゃん。女ちゃんの可愛いところもっとよく見せて?」さわさわ
女「やめてっ…」
女友「そういえば気になってたんだけど…」さわさわ
女「…なにがっ?」
女友「女ちゃんってこうやって両手と両足を縛られた状態で転がされて触られるのと、
さっきみたいにあお向けに縛られて触られるのどっちが好きなの?」
女「…」
女友「もう…さっきはあんなに可愛くあんあん鳴いてたのに…」
女「えっ…」
ベットの上に寝て、後ろから女を抱きしめる女友…
女友「やっぱり女友ちゃんって柔らかくって抱き心地がすごくいい…
それにすごくいい匂いがする…」
女「…」
女友「あっだんだん抵抗できなくなってきちゃったみたい」
女「…」
女友「うしろから抱かれると、すごく落ち着くでしょ?」
女「……」
女友「大丈夫。怖くないよ?」
女「だっだめ…!」
女友「そっか…じゃあ足触ってあげる」
女「えっ…?」
女友「スカートをちょっとあげるだけなら、別にいいでしょ?」
女「う、うん…」
女友「やったぁ!ありがとう、女ちゃん!」
女「そんなこと…ないよ…!」
女友「そっかぁ…残念♪」すりすり
女「やっ…いつまで触ってるの…!?」
女友「女ちゃんが気持ちよくなってくれるまで♪」
女「やめて!はなしてよぉ…」ばたばた
女友「だーめっ♪」ぎゅっ
女友「あれ?足触ってるだけなのに可愛い声が出ちゃってるよ…?」
女「ちっちがうっ…!」
女友「」さわさわ
女「っっ…!!」
女友「あっ、こんどはびくってなった♪」
女「…」
女「……」
女友「」さわさわ
女「っっ…!!」
女友「わかったっ
女ちゃんって太ももの内側さわられると、気持ちよくなっちゃうんだ♪」
女「…」
女友「他のところだとがまんできるのにねー♪」くすくす
女「……」
女友「そしたら毎日逝かせまくって…そのあとこうやって優しくしてあげられるよ?」
女「いやっ…!なにいってるの…!?」
女友「」さわさわ
女「っ……!!」
女友「あんなに元気がよかったのに、私に触られてだけでおとなしくなっちゃうなんて
女ちゃん可愛すぎるよ…///」
女「…」
女友「ねえ?女ちゃん見てたら私こうふんしてきちゃった…///」
女友「キス…してもいい?」
女「だっダメに決まってるでしょ…!何考えてるの…!?」
女「…」
女友「今までだってさんざん恥ずかしい事私にされちゃったんだから…」
女「……」
女友「どうしてもダメ…?」
女「ダメ…!」
女友「そのあといっぱい気持ちよくしてあげるって約束しても?」
女「ダメ…!!!」
女「…」
女友「じゃあ…耳の中に舌入れて舐めるだけ!これならいいでしょ?」
女「ダメ…」
女友「どうしてもダメ…?」さわさわ
女「ダメっ…!お願いやめてぇ…!!!」
女友「もうっ…
だけどこんなに可愛い声で涙目になられながらお願いされちゃったらしょうがないか…」
女友「せっかく女ちゃんの味が堪能できると思ったのに…」
女「なっ何やってるの…!?」
女友「何って…耳の回り噛んでるだけだけど?」
女「やめてよ…!」
女友「えーっいいじゃない
だって私、キスもさせてもらえなかったし、耳の中も舐めさせてもらえなかったんだよ?
これくらいやらせてくれたっていいじゃない♪」
女「やめて!くすぐったいよ…!!」
女友「あれ?くすぐったくって気持ちがいいの?」
女「…!そんなの事…!!」
女友「そっか。残念」
女友「じゃあ…このままじゃ女ちゃんが可哀想だから、気持ちよくさせてあげる♪」さわさわ
女「っっ…!」
女友「こらっ暴れちゃダメでしょ?」ぎゅっ
女「いやっ…!」
女友「もう…いくらベットに縛り付けられてないっていっても
両手と両足縛られてるんだから逃げられるわけないのに…」
女友「あんまり暴れると、また恥ずかしい格好させてローターまみれにして放置しちゃうよ?」
女「っっ…!!!!」
女友「もう…そんなに怖がらなくってもいいのに…」なでなで
女「…」
女友「そうだ!女ちゃんが私に完全に堕とされちゃったら、
こんどは放置しないであの状態のまんま一番気持ちいいところも触ってあげる♪」
女「……」
女友「それならいいでしょ?」
女「絶対イヤぁ…!」
女友「そっか。残念♪」
シてあげるけど♪」
女「やめて…!」ふるふる
女友「じゃあ、堕とされないように頑張ってね♪
私的には、はやく女ちゃんにいっぱい気持ちよくなってもらって、
逝きまくりながら可愛い声であんあん言ってるとこ見せてほしいんだけど…」
女「…」
女友「だけど女ちゃんがイヤって言うならしょうがないよね…」
女「…」
女友「あっだけど私に逝かされまくりたくなったらいつでも言ってね?
すぐに壊れちゃうほど気持ちよくさせてあげるから、ね?」
女「…」
また必死に声出すのをがまんしてる女ちゃんを堪能しようかな?」
女「…」
女友「私的には女ちゃんが暴れまくって、睡眠薬を無理矢理飲まされちゃって、
またローターまみれにされて私の水着を汚しちゃうって展開もよかったんだけど…」
女友「やっぱり女ちゃんが必死に抵抗してるところは今のうちに見ておかないと後で後悔しちゃいそう…」はむはむ さわさわ
女「っっ…! っっ…!!!」
女友「くすっ♪」
女「はぁ…はぁ…」
女友「おつかれさまー
必死にがまんしてたから、疲れたでしょ?」
女「…」
女友「服の上から触ってあげたり、足触ってあげたり、耳噛んであげたりしただけなのに、
すごく汗かいちゃってるよ?」
女「……」
女友「あっ だけどトイレ行ったりお水飲んだりするとき以外はずっと触られてたんだからしょうがないかな…?」
女友「じゃあ、夕ご飯作ってきてあげるから、ちょっと待ってて?」
女友「こんどは逃げられないように両手縛ってるところとベッドの端を結んでおいてあげるから…
逃げちゃダメだよ?」
女「…」
台所近くだから、のどかわいたりトイレ行きたくなったら言ってね?」
女「うん…」
女友「お食事が終わったら、お風呂はいる前にもう一回体中の匂いかがせてね?」
女「いっいやっ…」
女友「えーっ
せっかくそのために誰の匂いもついてない新しい服買ってきたんだから嗅がせてよ!」
女「やめて…」
女友「そうだよね!いやがる女ちゃんを押さえつけて、無理矢理匂いかいじゃうってシチュもいいもんね♪」
女「…」
女友「それとも私におとなしく匂いかがれたい?」
女「…」
女友「そっか。じゃあ必死で暴れてるとこ無理矢理押さえ込んでかいであげるね♪
せっかく無理矢理かぐんだから、恥ずかしいところも念入りにかいであげようかな…?」
女「…」
女友「じゃあ、行ってくるね♪」
女友「じゃあ早速…女ちゃんの匂いかいじゃおうかな…」
女「やめて…!」ばたばた
女友「もう…そんなにいやがらなくってもいいのに…
だけどいやがってる女ちゃんを押さえつけて匂いかいじゃうのって…逆にそそる♪」
女「…」
女友「ふふっ。こんどはおとなしくなっちゃった…」
女友「じゃあ、無抵抗な女ちゃんの匂いを、思う存分かいじゃおうかなぁ♪」
女友「何って…スカートめくってるだけだよ?」
女「やめて…!」
女友「えーせっかく女ちゃんのパンツに顔うずめてすんすんしようと思ったのにー!」
女「いやっ…やめてよ!そんな事!!」
女友「スカートめくられるの、そんなにいや?」
女「いやよ…!」
女友「しょうがないなぁ…」
女「いやっ何やって…」
女友「何って…女ちゃんがスカートめくられたくないって言うから仕方なく…」
女「いや…!!」
女友「こらっ暴れちゃだーめ♪」
スカートの中に頭を入れたまま、足を両腕で抱きしめるように押さえる女友
女「いっいやぁ…」
女友「こらっおとなしくしてっ!」
女友「くすっ…女ちゃんのここ、すごくいい匂いだよ…?」
女「やめてぇ…」
女「だめっ…やめて…!!」
女友「何で?すごく汚れちゃってるよ?」
女「…」
女友「一回だけかるくぺろっって舐めるだけ。それでもダメ?」
女「ダメっ…!!」
女友「えーっ女ちゃんの汁の味、絶対甘くて美味しいと思うのに…」
女「いやっ…!!!」
女友「だって昨日も今日も、ローターについた汁舐めさせてもらえなかったんだよ?
ずっとお預けにされてたんだから、そろそろ舐めさせてくれたっていいじゃない♪」
女「だめっていってるでしょぉ…!!!」
女「…」
女友「じゃあその代わり、もっと匂い嗅がせてね?」すんすん
女「っっ…!」
女友「あれ?ぴくってなったよ?」すんすん
女「…!!っっ…!」
女友「またぴくってなった…。私に匂い嗅がれて、嬉しかったんだ…」すんすん
女「……っっ!!」
女友「くすっ…」
女(うぅ…すごく、はずかしい…)
女(女友ちゃんにこんなところの匂いかがれてるなんて…)
女(だけど…なんだろう…腰のあたりがちょっとあつい…)
女友「ねぇ?パンツのしみがだんだん広がってきて、甘い匂いもどんどん強くなってきてるけど…
もしかして私に匂いかがれて興奮しちゃってる?」
女「してない…してないよぉ…」
女友「びくびくしながら可愛い声出しちゃって…
もっと可愛い声ききたいから、もっと嗅いじゃお♪」
女「いや…そんなところで喋らないで…!」
女友「分かった、私の息がくすぐったいんでしょ?」
女「ちっちがうよぉ…!」
女「もう…っっ…!やめてぇ…!!」
女友「あれ?どうしたの?そんな切羽詰まった声だして…?」すんすん
女「いやぁ…お願い…ゆるしてぇ…っっ…!!!」
女友「くすっ…そんなにびくびくしちゃって…甘い匂いこんなに出してる…」すんすん
女「いやっ…!!いやぁ……!!!」ビクビクッ
女友「あれ?どーしたーの??」
女「……」
女友「もしかして今、逝っちゃった?」
女「そんなこと…ないっ…」
女友「そっか。残念。
匂いかがれただけで逝ちゃう女ちゃんも見てみたかったんだけどなあ」すんすん
女「もう…やめてぇ…」
女友「しょうがないなぁ…じゃあもうちょっとだけかいだらここはもうおしまいにしてあげる♪
だから他のところも嗅がせてね?」
女「…」
女友「じゃあ、女ちゃんの匂いも堪能したいそろそろお風呂はいろっか♪」
女「…」
女友「じゃあこれ飲んで?」
女友「今日は私に脱がされるのがいい?
それとも私にじっくり見られながら脱ぐのどっちがいい?」
女「…」
女友「じゃあ、今日は脱がせてあげる♪
ほら、ばんざいして?」
女「…」
ワンピースを脱がせてあげる女友
女友「女ちゃんってやっぱりすごく奇麗な体してる…
ねぇ?今すぐここで体撫で回してもいい?」
女「だめっ…!」
女友「どうせお風呂で体洗ってもらうときに撫で回されちゃうんだから、結局同じだよ?」
女「いや…」
女友「そっか。残念♪」
女「…」
女友「そうだ、媚薬が入ってるボディソープと入ってないボディソープあるけどどっちがいい?」
女「入ってない方…」
女友「くすっ…ちょっとだけ弱々しい声って事は…
本当は媚薬入りが良かったんだけど恥ずかしくって言えなかったんだ…」
女友「じゃあ、可哀想だから媚薬が入ってる方で洗ってあげるね?」
女「やめっ…っっ…!!」
女友「石けんがついた手で、全身撫で回されるの気持ちいい?」
女「気持ちよくなんてない…よぉ…」
女友「だんだん声が弱々しくなっちゃってる…可哀想…
だけどこうなっちゃったら、堕とされちゃうのも時間の問題かな?」
女「っっ…!」
女友「もう…私しかいないんだからがまんしないであんあん言っちゃっていいのに…
ここはお風呂場だから、ここであんあん言っちゃたら、外に聞こえちゃうかもしれないけどね♪」
女「…」
女友「女ちゃんが可愛くおねだりしさえしてくれれば、いくらでも逝かせてあげるよ?」
女「いや…」
女友「そっか。じゃあ頑張ってね♪」
女「うぅ…」
女(どうしよう…このままじゃ本当に女ちゃんに堕とされちゃうよ…!)
女「…!」
女友「じゃあ、シャワーかけてあげるね?」
立ち上がって、わざとシャワーを高い位置にもっていって、女にみずをかける女友
女「あっ…ああっっ…!!」
女友「ふふっ…女ちゃん可愛い…///
体の感覚が敏感になってるから、ちょっと高いところからシャワーかけられただけですごく気持ちいでしょ…?」
女「んんっ……ぁぁぁぁ…」
女「ぁぁぁぁ…」
女友「ほら?ちゃんと前向いて?」
女の体を前に向ける女友
女友「じゃあ、シャワーかけてあげるね?」
女「……!!!っっっ…!」
女友「どう?すごく気持ちがいいでしょ?」
女「…ぃ…ゃ…」
女友「くすっ…可愛い声♪」
女友「ねぇ?もっとその可愛い声聞かせて?」
女「ぁぁぁぁ…」
女友「女ちゃん大丈夫…。そんなに気持ちがよかったんだねっ」
女「……」
女友「だけどその格好…すごく可愛いよ?」
女友「ほら、またシャワーかけてあげる」
女「ぁぁぁぁぁ…んんんぁぁ…」
女友「恥ずかしい格好しながら恥ずかしい声出しちゃってる女ちゃん…すごく可愛い…///」
女「っっっっ…!!」
女友「ねぇ?」
女「んんっ…!!」
女友「このまま逝かせてあげようか?」
とつぜんシャワーを止める女友
女「えっ…?」
女「…」
女友「私も昨日からずっと監禁されて、いろいろ恥ずかしい事されちゃって、
お風呂場で媚薬を体中に塗られて、だんだん私に抵抗できない体になっていっちゃう女ちゃんを
逝かせられたらすごく嬉しい…」
女友「ねぇ?『逝かせてくださいっ』ってお願いするだけで気持ちよくしてもらえるんだよ?」
女「いや……」
女友「えー。もしたった一言『逝かせてくださいっ』って言ったら、
全身をシャワーで責めながら、私の指でちょくせつ気持ちがいいところ弄って逝かせてあげられるのになぁっ♪」
女「やだ…やだよぉ…」ふるふる
女友「そっか。残念♪
この様子だと、もうちょっとだと思うんだけどなぁ…」
女「…っ!」
女友「怖がらなくっていいよ?絶対に逝かせたりしないから」
女「…」
女友「あれ?ちょっと切なそう…」
女「そっそんなことないよ…!」
女友「そっか。じゃあ軽く洗ってあげる」
女友「うーんやっぱりなかなか取れないなぁここの石けん♪」
女「…」
女友「ねぇ?手で直接触って洗っちゃダメ?」
女「だめっ…!」
女友「そっか。女ちゃんがいやだって言うならしょうがないよね」
女友「だけど触ってほしくなったらいつでも言ってね?
女ちゃんが可愛い声で『もういやぁ』って涙目になりながら可愛い声を出しちゃうくらい
いっぱい触ってあげるから♪」
女「…」
女「…」
女友「じゃあ先に湯船に入ってて?」
女「うぅ…」
女友「どうしたの?もしかして湯船に入るとくすぐったくなっちゃうのが嫌なの?」
女「うん……」
女友「大丈夫。あんまりくすぐったくないように、今日はお湯少なめにしておいたから」
女「…」
女友「ほら。からだ支えててあげるから入って?」
女「うん…」
ちゃぽん
女(なにこれ…お湯がとろとろしてる…しかも…よく見ると薄いピンク色…?)
女友「ごめん、女ちゃんって入浴剤嫌いだった?」くすくす
女「なっなによこれ…!?」
女友「何って…見ての通り入れるとお風呂の水がとろとろになる入浴剤だけど…」
女友「全身敏感になっちゃてる女ちゃんには、ちょっと刺激が強すぎたかな…?」
女「っっ…」
女友「じゃあ、私も体洗うからちょっとまっててね?
そしたら一緒に入って、その中でいっぱい楽しもうね♪♪」
女「…!!」
女(だけどやっぱり女友ちゃんずっとこっち見てるから一人で逝けない…!)
女友「ん?シャワーの水欲しいの?」
女「っっ…!!」
女友「もうちょっとで一緒にはいってあげるから、もう少し待っててね?」
女(こんな状態で襲われたら断れないかも…)
女(って私は何考えてるの…)
女(どうしよう……このままじゃ本当に女友ちゃんに…)
女友「おまたせっ」
ちゃぽん
女「っっ…!」
女(水がくすぐったい…)
女(こんな事ならもう思い切って好きにして…って言っちゃうかな…そのほうが楽に……)
女(だけどやっぱりイヤ…!!)
女友「あれ?女ちゃんどうしたの?そろそろ観念しちゃったとか?」
女「ちがうよっ…」
女友「『私にだったら好きにされていいかなー』って思っちゃったとか?もう、女ちゃんって本当に可愛いなぁ!」だきっ
女「ちっちがうって言ってるでしょ…!!」
女友「ほんとうかなぁー」
女「っ…!」
女友「別に気持ちがよくないんならいいよねー?」
女「そんなっ…!」
女友「じゃあ、いくよー?」くすくす
女「っっっ…!!!!」
女友「必死でがまんしてるんだ…だけどもう、時間の問題だよ?」さわさわさわさわ
女「ぁぁぁぁぁ…!!」
女友「大丈夫。女ちゃんよく頑張ったよ!
監禁されてから2日、ずっと私に責め続けられてたのに心が折れなかったもんね♪
だからもう、楽になっちゃっていいんだよ?」
女「……っっ!!」
女友「あっ、女ちゃんの胸ってすごく柔らかいんだね…
ずっと触りたかったんだけど…服の中に手入れられるのいやがるから…」
女「ぁぁ…」
女友「ほら…胸の真ん中にある、ちいさくって可愛いふくらみも触ってあげるから…」
女「いやっ…やめ……てぇ…!!!」
女友「えーっダメ?しょうがないなぁ…
じゃあ太ももでがまんしてあげる?」
女「…!っっ…!!」
女「そんな事…あぁっ…!」
女友「私ね、こんな風に女ちゃんのことを、堕としてあげるのがずっとゆめだったんだ…///
そのゆめがもうちょっとでかないそうなの…」
女「やめて…もうやめてよぉ…!!」
女友「じゃあしょうがないなぁ…そんなに抵抗するんなら…」
女「…っっ!」
女友「一回だけ唇にキスしていい?大丈夫。舌入れたりしないから♪」
女「いやぁ…」
女「あぁっっ…!」
女友「そのまま逝かされまくっちゃう方がいいかな…?」さわさわさわさわ
女「んんっっ…!!」
女友「大丈夫だよ。力が入らなくなる薬のまされて、体中に媚薬塗られて、
とろとろのお風呂に入れられて、全身さわさわされちゃって堕とされったんらなしょうがないよ」さわさわさわさわ
女「ひゃぁ…!!!!」
女友「また可愛い声出しちゃったね…♪
じゃあもっと出させてあげようかな…?」
女「いやだぁ…!!」
女友「こらっ逃げようとしちゃだーめ♪どうせ力が入らなくって逃げられないんだから…」ずいっ
女「うぅぅ…」
女「…」
女友「キスしてお風呂からでる…?それとも力が入らなくなる薬が切れるまでさわさわされ続ける…?
もちろんさわさわされ続けて堕ちちゃったら、そのまま逝かせまくってあげるけど?」
女「薬って…どれくらいで切れるの…?」
女友「うーん。あと30分くらいじゃないかなぁ」
女(それなら…がまんすれば何とかなりそう…!)
女「いやっ…キス…したくない…」
女友「そっか。じゃあ全身触ってあげるね♪」
女「っっ…!!ぁぁぁぁああ!」
女(気持ちいい…)
女(だけどあと30分くらいがまんすれば逃げられる…!)
女友「ふふっ頑張ってね?女ちゃん?」さわさわさわさわ
女「ぁぁぁぁあああ…!」
女(どうしよう…触り方がどんどん激しくなってる…)
女(普通のところ触られてるだけなのに、すごく気持ちがいい…!!!)
女「ひゅっ…!」
女友「『ひゅっ』ってなあにー?必死であえいでるの隠そうと思って、おもわず声が出ちゃったの…?」さわさわさわさわ
女(あぁぁぁ…気持ちいいよぉ…)
こんな調子なら、30分経ったら、体、どうなっちゃってるんだろうね?」さわさわさわさわ
女「いやぁぁぁ…ぁぁぁぁ…!」
女友「だけど、逝っちゃダメだよ?逝っちゃったら、私に堕とされちゃったってことだから、そのまま逝かせまくっちゃうからねー?」さわさわさわさわ
女「……!!!っっっ…!!」
女友「くすっ…可愛く必死に抵抗してるところ…もっとよく見せて?」さわさわさわさわ
女「もうだめぇ…ゆるしてぇーー!!」
女友「『ゆるしてぇー』だって♪女ちゃん可愛い♪」さわさわさわさわ
女「あぁぁぁぁぁぁああああ…!!」
女(いやだぁ…!!女友ちゃんに逝かせられたくないよぉ…!!!)
女「っっっ…!! ぁぁぁぁぁ…」
女友「じゃあ、キスさせてくれたら止めてあげる♪♪」さわさわさわさわ
女「ぅぅ…」
女友「私はどっちでもいいんだよ?
女ちゃんの唇の感触が味わえるのも、堕ちていく女ちゃんが味わえるのも、どっちも嬉しいから…」さわさわさわさわ
女「んぁぁ…! …してぇ…」
女友「なぁーに?聞こえないーい?」さわさわ
女「キス…して…」
女友「もう…本当に可愛いんだからーっ」チュッ♪
女友「じゃあ…約束通り許してあげる♪」
女「うぅ…」
女友「ほら、湯船から出してあげる。そしたらかるくシャワーで流してあげるから」
女「…」
女友「うんっやっぱりそのパジャマに合ってる♪」
女「…」
女友「可愛いパジャマで私のベットに両手両足をベットの4墨に縛られてる女ちゃんって…
すごくそそる…///」
女友「ねぇ…今すぐ襲っていい?」
女「だめ…」
女友「くすっ…冗談よ♪」
そう言いながら自分もベットに横になって、女を抱きしめる女友
女友「もう少しで逃げられると思ったのにねー♪」
女「……」
女友「私的にはあそこで女ちゃんが逝かされちゃってもよかったんだけどねーっ」
女友「じゃあ、今日はそろそろ寝よっか?」
女「んんっ…!」
突然、女の口に睡眠薬を入れる女友
女「」zzz…
そう言いながら、寝ている女の足のあいだにローターを入れてスイッチを入れる女友
女友「うんっ これでよしっと。いい夢見てね?女ちゃん?」おでこにチュッ♪
女友「じゃあ、おやすみなさい」
そのままベットに横になって、女を抱きしめてねむる女友…。
―――監禁2日目。 おしまい。
ここまで読んでくださった方、支援してくださった方、
本当にありがとうございました!!
Entry ⇒ 2012.08.20 | Category ⇒ 男女「」SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
シャルル「ルルーシュの恋人ってだぁれだぁ!?」
シャルル「ふむ……枢木よ……」
スザク「はい」
シャルル「ルルーシュに変わりは、ないかぁ……?」
スザク「今のところは。皇帝陛下のギアスによる記憶の書き換えはまだ継続しています」
シャルル「とぉころでぇ……枢木よ。ルルーッシュの周りには、女子ぉが多いな……」
スザク「そうですね。ルルーシュはモテますから」
シャルル「……恋人はいるの、か?」
スザク「居ないと思います」
シャルル「ぬぁんたるおろかしさぁぁぁぁ!!!!!!アレだけいてぇ!!!!誰ともこぉうさいしていなぁいだとぉ?!」
スザク「そうですね。少し不思議です」
スザク「恋人の有無は需要なのですか?」
シャルル「当然だ。ワシがルルーシュぐらいの歳の頃は既にぃ!!両手足の指では数え切れないほどの女が……いたぁ……」
スザク「流石です」
シャルル「お前にも……ユーフェミアという存在がいた……そうであろう?」
スザク「ええ……」
シャルル「なのに……なのにぃ!!!我が息子のルルーッシュには、いなぁぁい!!!これはどういうことだぁ?!枢木ぃ!!!」
スザク「……ルルーシュも決めかねているのでは?」
シャルル「どういうことだ?」
スザク「選択肢が多すぎて、きっと決められないのでしょう」
シャルル「決められない?……ふふ……ふははは……ぬぁっはっはっはっはっは!!!!」
スザク「皇帝陛下?」
シャルル「一人に絞る必要がどぉこにある……言ってみせよぉ!!!!」
スザク「ど、どういうことですか?」
シャルル「全員娶ってしまえばいいだけのことよ……。ルルーシュはそんな簡単なことも、わからないのかぁ!!」
シャルル「とぉうぜんだ……」
スザク「何故?」
シャルル「シュナイゼルは何故かぁ婚姻を先延ばしにするぅ……」
シャルル「オデュッセウスは幼子以外に興味を示さん……!!」
シャルル「コォネリアァは浮いた話がぁひとぉつもなぁし!!!」
シャルル「ナナリーは……禁断のあぁいに酔っておるぅぁ!!!」
スザク「あの……」
シャルル「他の者たちも同様だ……。将来の相手にめぐまれておらぁん!!!」
シャルル「ならばこそぉ!!!ルルーシュに期待をよせるしかあるまぁい!!!」
スザク「何をですか?」
シャルル「―――枢木!!!」
スザク「は、はい」
シャルル「シャルル・ジ・ブリタニアが命じる!!!ルルーシュの恋人を見つけてこぉぉいぃやぁ!!!!」
スザク「イ、イエス、ユアマジェスティ!!」
スザク(―――と、皇帝陛下に言われたものの)
ルルーシュ「シャーリー。この資料を先生に渡しておいてくれないか?」
シャーリー「うん」
ルルーシュ「会長。いい加減、予算分配表の作成を急いでくれませんか?」
ミレイ「はいはーい」
ルルーシュ「アーニャ!勝手にピザを注文するな!」
アーニャ「お腹すいたから」
ルルーシュ「あのなぁ……ピザを注文するのはいい。生徒会の金を使うなといっている」
スザク「……」
ルルーシュ「スザク?どうした?」
スザク「ルルーシュ、後で話があるんだけど、いいかな?」
ルルーシュ「ああ。構わないが?」
スザク(とにかくルルーシュの気持ちを探ってみようか)
ルルーシュ「どうした?」
スザク「……ルルーシュって好きな人とかいるのかい?」
ルルーシュ「お、お前……」
スザク「どうなんだ?」
ルルーシュ「居なかったらどうする?」
スザク「早急に作ってくれ。好きな人を」
ルルーシュ「どうして?」
スザク「……」
ルルーシュ「人の心の問題だ。作れと言われてはいそうですかと作れるものじゃない」
スザク「そうだな……」
ルルーシュ「どうした?」
スザク「じゃあ、気になる人とかは?」
ルルーシュ「別に」
スザク「……ルルーシュって女の子に興味がないのか?」
スザク「……恋人にするならどんな相手がいい?」
ルルーシュ「スザク。様子がおかしいぞ?」
スザク「そうかな?」
ルルーシュ(こいつ……)
ルルーシュ「スザク……。俺はお前とは付き合えないぞ?」
スザク「え?」
ルルーシュ「悪いな。お前とは親友のままでいたいんだ」
スザク「……そうか。僕は振られたんだね」
ルルーシュ「……」
スザク「違う!!そうじゃない!!ルルーシュ!!君は思い違いをしている!!」
ルルーシュ「なに?俺に告白したいんじゃないのか?」
スザク「どうして君に僕が好きですって言わないとダメなんだ?!」
ルルーシュ「スザク!!俺のことが嫌いなのか?!」
スザク「嫌いじゃない!!でも、今は関係ないよ!!」
スザク「……難しい話なんだけど。君にはそろそろ将来の相手を決めて欲しい」
ルルーシュ(シャルルの差し金か……?)
ルルーシュ「悪いがまだまだそんなことを考える暇はない」
スザク「ルルーシュ!」
ルルーシュ「じゃあ、仕事が残っているから俺は戻るよ」
スザク「……」
ルルーシュ(シャルルめ……スザクを使ってまで……。まあ、奴の思い通りに動くつもりは更々ないがな)
ルルーシュ(ふふふはははは!!!)
スザク「……」ピッ
シャルル『どぉうだった?』
スザク「今は特定の相手はいないと言っていました」
シャルル『そうか……』
スザク「どうしますか?」
シャルル『枢木ぃ……もう少し、ワシのために動いてもらうぞぉ……?』
ルルーシュ「スザクに困ったものだな……」
ヴィレッタ「何かあったのか?」
ルルーシュ「恋人を作れといってきた」
ヴィレッタ「シャーリーでいいじゃないか」
ルルーシュ「そんなに簡単な話じゃない」
咲世子「ちなみにルルーシュ様の交際経歴は……なしです」
ヴィレッタ「……ふっ」
ルルーシュ「ヴィレッタ先生?扇との赤裸々な日々を公表されたいということですか?」
ヴィレッタ「やめろぉ!!」
ロロ「でも、兄さんに恋人なんて必要ないと思うけど」
ルルーシュ「どうして?」
ロロ「なんか、似合わないし」
ルルーシュ「どういう意味だ?」
ロロ「ひみつ」
ルルーシュ「あれ?誰もいないのか」
ルルーシュ「まあ、静かでいい……」
咲世子「ルルーシュ様!」
ルルーシュ「咲世子。どうした?」
咲世子「シャーリーさんとミレイ様とアーニャさんが何者かに拉致されたとの情報が」
ルルーシュ「ヴィレッタの監視の目を掻い潜ってそんなことをした奴がいるのか?」
咲世子「犯人はわかっておりませんが、三人の居場所は既に特定できています。皆様は別々の場所にいます」
ルルーシュ「そうか……ならば咲世子が助けに行ってくれ。俺は犯人の特定に―――」
咲世子「いえ。私が犯人を追います。なのでルルーシュ様は三人を救出しに向かってください」
ルルーシュ「……わかった。しかし、手分けしたほうがいいな。ロロの協力を―――」
咲世子「ロロ様も犯人を追っている最中です」
ルルーシュ「俺一人で救出か」
咲世子「お願いします」
ルルーシュ「ええい……仕方あるまい!!場所を教えろ!!今すぐ向かう!!」
ルルーシュ「ここか……」ガチャ
シャーリー「あ!!ルルー!!」
ルルーシュ「シャーリー!!大丈夫か!?誰に閉じ込められたんだ?!」
シャーリー「それが良くわかんない。いきなり目隠しされて、ここに居てくれって」
ルルーシュ「はぁ?まあ、怪我は無いようだし、よかったよ」
シャーリー「ありがとう、ルル……」
ルルーシュ「当然のことをしただけだ。立てるか?」
シャーリー「うん……」
ルルーシュ「教室まで送る」
シャーリー「ごめんね」
ルルーシュ「礼なんていい。いくぞ」
シャーリー「うん」
スザク「……」
スザク「最初はシャーリーか……」
ルルーシュ「会長!!」
ミレイ「ルルーシュ!!助けにきてくれたの?!」
ルルーシュ「ええ。すぐにここを離れましょう」
ミレイ「うん」
ルルーシュ「誰にやられたのですか?」
ミレイ「わからないわ。急に後ろから目隠しされたから」
ルルーシュ(状況が似ている……組織的な犯行ではなく、おそらく単独犯……)
ルルーシュ(何の目的で……)
ミレイ「でも、嬉しかった。ルルーシュが来てくれるなんて。誰に私が誘拐されたって聞いたの?」
ルルーシュ「咲世子さんですよ」
ミレイ「あ、なるほど。後でお礼いっておかないと」
ルルーシュ「そうですね」
スザク「二番目は会長」
スザク「アーニャは最後か。予想通りだ」
シャルル『結果はぁ?』
スザク「シャーリーを一番に助けました。次にミレイ会長。三番目がアーニャです」
シャルル『オデュッセウスとは違うということか……ふむ……ルルーシュめ、やりおるわ』
スザク「……」
シャルル『で?』
スザク「え?」
シャルル『次はだれだったのだぁ?篠崎咲世子か?ヴィィレッタァかぁ?ニィィナかぁ?かぁぐやぁか?ナァナリィーかぁ?!』
スザク「ちょっと、待ってください!!あの、皇帝陛下!!自分はシャーリーと会長とアーニャだけだと……!!」
シャルル『はぁぁぁぁ?!枢木ぃ!!!お前はなぁにをいっているぅ?!』
スザク「え……?」
シャルル『ワシの調べではぁ……ルルーシュを取り巻く女子ぉは多いと聞いているぅ。さぁんにんだけではなかろう!!』
スザク「あの……そんな一度に狂言誘拐に付き合ってくれる人はいません……」
シャルル『使えぬやつよ……枢木ぃ……もうよい』
スザク「皇帝陛下?!あの!!―――通信が切られてしまった。三人だけじゃないのか」
アーニャ「ルルーシュ、ありがとう」
ルルーシュ「気にするな」
シャーリー「でも、あれって誰だったのかなぁ……」
ミレイ「あんなすばやく人一人を持ち上げることができるなんて、スザクくんぐらいじゃない?」
ルルーシュ「持ち上げた?」
シャーリー「そうなの。目隠しされたけど、あれは肩に担がれた気がする」
ルルーシュ「アーニャもか?」
アーニャ「うん」
ルルーシュ「会長、もしかして会長の新しいイベントですか?」
ミレイ「違う違う!!今回は白よ白。シャーリーのショーツぐらい白」
シャーリー「もう!!会長!!」
アーニャ「ちなみに私は、黒」
ルルーシュ「ほう?」
シャーリー「アーニャちゃんも余計なこと言わない!!」
シャルル「……」
シュナイゼル『皇帝陛下。頼まれていたものをご用意しました』
シャルル「リストを」
シュナイゼル『はい』
シャルル「紅月カレン、ナナリー・ランペルージ、シャーリー・フェネット、ミレイ・アッシュフォード、千葉凪沙、ラクシャータ・チャウラー……」
シュナイゼル『他には、皇神楽耶、篠崎咲世子、コーネリア・リ・ブリタニア、ヴィレッタ・ヌゥ、アーニャ・アールストレイム、天子こと蒋麗華……」
シャルル「そして……C.C.か……」
シュナイゼル『ルルーシュがゼロであった時期も合わせるとこれだけの婦女子と深い関係にあったことになりますね』
シャルル「大いに結構。ワシの子どもとしては、少ないぐらいだがな……」
シュナイゼル『各人の携帯アドレスも入手しています。ただ、C.C.だけは……』
シャルル「よぉい。C.C.にならワシから伝えることができる……」
シュナイゼル『では……始めるのですね』
シャルル「うむ……ワシの目指す世界には……!!!必要なのだぁ!!!!」
シャルル「行くぞぉぉ!!!―――メール一斉送信んんん!!!」ピッ
シャルル「よぉい。これが最初の振るい落としだ」
シュナイゼル『では、礼の場所に集まらなかった場合は資格なしとするわけですね?』
シャルル「向こうに興味がないのであれば、仕方なしよ。ただ、ワシの予想では……」
シュナイゼル『はい』
シャルル「最低でも5人は来る……」
シュナイゼル『では、その中からルルーシュの妻となるものを?』
シャルル「違うな。間違っておるぞ。脈があるもの全員だ!!!」
シュナイゼル『……!』
シャルル「脈がある者、全員を娶らせる!!!全員だぁ!!!」
シュナイゼル『そこまでルルーシュのことを……』
シャルル「お前が妻を持ってこないからだ……痴れ者がぁ……」
シュナイゼル『それは申し訳ありません』
シャルル「では……ルルーシュにもメールを送っておくか……」
シャルル「ぬぁっはっはっはっはっはっは!!!!ルルーッシュよぉ!!!貴様は逃げられんぞぉ!!!己の運命からはぁなぁ!!!!」
ルルーシュ(結局、あの一件は何だったんだ……)
ルルーシュ(咲世子の話ではスザクの仕業であることと、会長が一枚噛んでいることは確かのようだが……)
ルルーシュ(何かが水面下で動いている。それも俺の想像を超える何かが)
ポーン
ルルーシュ(ん?PCのほうにメールが来たか。黒の騎士団からか……?)
ルルーシュ「……こ、これは?!」
『五日後の1900時。枢木神社にて話がある。シャルル。PS、小細工などは無意味なのでしないように』
ルルーシュ「シャルルからの呼び出しだと……?しかも、場所はあの枢木神社……?!」
ルルーシュ(罠だ……。こんなもの無視だな)
ポーン
ルルーシュ「また、メール……」
『そうそう。来ない場合はナナリーが酷い目にあるので絶対にくるように。シャルル』
ルルーシュ「おのれ……シャルル……!!ふざけるなぁぁぁ!!!!!」
ルルーシュ(でき得る限りの対策はさせてもらうぞ!!シャルル!!!)
ロロ「分かったよ、兄さん」
ルルーシュ「あとは……」
ピリリリ
ルルーシュ「C.C.か」
C.C.『ルルーシュ。どういうつもりだ?』
ルルーシュ「なんの話だ?」
C.C.『シャルルから伝言をもらった』
ルルーシュ「伝言?」
C.C.『ルルーシュがお前に言いたいことがあるそうだから、五日後枢木神社に来いとな』
ルルーシュ「なに?」
C.C.『お前、いつシャルルと連絡をとった?』
ルルーシュ「まて。俺は何もしらない」
C.C.『では、悪戯か?』
ルルーシュ「いや、俺も似たようなことをメールで伝えられた。五日後に枢木神社にこい、とな」
ルルーシュ「……」
C.C.『まあ、シャルルはお見通しなんだろ。気にするな』
ルルーシュ「奴は……」
C.C.『アイツに嘘は通じないよ。そして、お前が来ないと決断した段階で事に及ぶだろう』
ルルーシュ「ちぃ……まだ俺はシャルルを見縊っていたわけか」
C.C.『で、行くのだろう?私も行ったほうがいいか?』
ルルーシュ「出来れば」
C.C.『シャルルも来るか?』
ルルーシュ「お前と俺を呼び出したとなれば……きっとな」
C.C.『殺すのか?』
ルルーシュ「向こうから来てくれるのなら、好都合だろ?」
C.C.『いいだろう。私もいくつかシャルルには言いたいことがあった。付き合おう」
ルルーシュ「頼む」
C.C.『珍しく低姿勢だな。怖いのか?』
C.C.『どういうのだ?』
ルルーシュ「シャーリーとミレイ会長、そしてアーニャを拉致監禁した。もちろん、三人にある程度の事情は話していたようだが」
C.C.『それだけか?』
ルルーシュ「あと恋人は作らないのかと聞かれたな」
C.C.『……なるほどな』
ルルーシュ「どうした?」
C.C.『ちょっと燃えてきたよ、ルルーシュ』
ルルーシュ「おい、どうした?」
C.C.『また連絡する。いいか?五日後、お前は必ず来い。絶対だ』
ルルーシュ「行くに決まっている。ナナリーがどうなるか分かったものじゃないからな」
C.C.『ふふ……じゃあ、もう寝ろ。おやすみ』
ルルーシュ「あ、ああ……」
ルルーシュ(最後で妙に口調が柔らかくなったな)
ルルーシュ(ともかく、戦力と戦術がいる……タイムリミットは五日間。至急準備を進めなくては!!)
シュナイゼル『途中経過の報告をさせていただきます』
シャルル「うむ」
シュナイゼル『好意的な返信があったのは、紅月カレン、ナナリー・ランペルージ、シャーリー・フェネット、ミレイ・アッシュフォード、皇神楽耶、篠崎咲世子、コーネリア・リ・ブリタニア』
シュナイゼル『困惑している様子の返事を送ってきたのは、ニーナ・アインシュタイン、ヴィレッタ・ヌゥ、アーニャ・アールストレイム』
シュナイゼル『他は返信がありません』
シャルル「好意的の返信者はどのように言ってきておった?」
シュナイゼル『絶対に行く。何があっても必ず行きます。首を洗って待っていろ。等です』
シャルル「困惑しておる者へのフォローは?」
シュナイゼル『本当に大事な話があるから来て欲しいという旨を伝えておきました』
シャルル「わかった」
シュナイゼル『肝心のルルーシュは来るのですか?』
シャルル「来ない理由がない……」
シャルル「ルルーッシュよ……もう逃げられんぞ……そして、約束の地でお前は英雄となぁぁる!!!」
シュナイゼル『……』
シュナイゼル『ルルーシュはゼロとして現れるのですか?』
シャルル「それは奴次第だなぁ」
シュナイゼル『皇神楽耶のみゼロを語っていますから、ルルーシュが出てきたら大変なことになるのでは?』
シャルル「将来の妻となる者ならば、そのような瑣末事受け流せるはずだぁ」
シュナイゼル『そうですか』
シャルル「ナナリーは?」
シュナイゼル『ナナリーの返信は早かったです。送信してから30秒で返信がきたぐらいですから。一応、総督なのですけどね』
シャルル「ふん……ナナリーは今、ナナリー・ヴィ・ブリタニアだ。だが、呼び出すのはナナリー・ランペルージである」
シュナイゼル『どういうことですか?』
シャルル「ナナリーには自覚してもらう。自身が妹であることをな。皇族として呼び出せば、ルルーシュ・ランペルージとは結ばれると言い出しかねなぁい」
シュナイゼル『十分、自覚していると思いますが』
シャルル「ならぁば!!なぜ、返信が30秒でできようかぁ!!!」
シュナイゼル『貴方は……』
シャルル「コォネリアはまだしも、ナナリーでは血が濃すぎる……いい加減、ナナリーの目を覚まさしてやらねば……」
ルルーシュ「咲世子」
咲世子「はい」
ルルーシュ「枢木神社の件はロロから聞いているな?」
咲世子「無論です」
ルルーシュ「そうか。なら、いいんだ」
咲世子「あの……」
ルルーシュ「ん?」
咲世子「あ、いえ。メールのことは絶対に口にしないとのことでしたね。申し訳ありません」
ルルーシュ「何を言っている?」
咲世子「では、これで……」
ルルーシュ「……?」
ルルーシュ(まあいい。ロロと咲世子。ヴィレッタにも協力は求めた。これで最悪の事態にはならない)
ルルーシュ(あとはシャルルの出方次第か……)
シュナイゼル『最終報告を行います』
シャルル「……」
シュナイゼル『明日、枢木神社に来るものは紅月カレン、ナナリー・ランペルージ、シャーリー・フェネット、ミレイ・アッシュフォード、皇神楽耶、篠崎咲世子、コーネリア・リ・ブリタニア』
シュナイゼル『そして、ヴィレッタ・ヌゥ、アーニャ・アールストレイムです。ニーナは残念ながら、辞退するとのことでした』
シャルル「そぉか……」
シュナゼル『皇帝陛下も行かれるのですか?』
シャルル「うむ。だが、ルルーシュの前に姿を出すことはない。興味があるのはルルーシュの出す答えだけだ」
シャルル「奴がワシの息子なら必ず、全員を娶る……必ずぅぅ!!!」
シュナイゼル『……しかし、ルルーシュに交際の経験はないと聞きましたが?』
シャルル「ぬぁんにも問題はなぁい」
シュナイゼル『果たしてそうでしょうか?』
シャルル「ワシの息子だからな」
シュナイゼル『……』
シャルル「ぬぁっはっはっはっはっはっは!!!ルルーッシュ!!!期待しておるぞぉ!!!!そして明日は側室どもと寝屋でにゃーんにゃん!!!だぁ!!!」
ヴィレッタ「報告は以上です」
スザク「じゃあ、明日も引き続き―――」
ヴィレッタ「あの、枢木卿。明日は少しお暇を頂きます」
スザク「どちらへ?」
ヴィレッタ「私用で枢木神社のほうに」
スザク「何故?」
ヴィレッタ「……プライベートです」
スザク「……」
ロロ「プライベートなら仕方ないですね」
ヴィレッタ「ああ」
スザク「……分かりました。ですが、すぐに戻ってきてください」
ヴィレッタ「わ、分かっています」
スザク(枢木神社……)
ルルーシュ「よし……」
ロロ「兄さん、じゃあ僕は先に行ってるね」
ルルーシュ「悪いな」
ロロ「気にしないで」
ルルーシュ「……」ピッ
C.C.『―――どうした?』
ルルーシュ「シャルルから連絡は?」
C.C.『あるわけないだろ。私は既に行くと行ったのだからな』
ルルーシュ「そうか……」
C.C.『不安なのか?』
ルルーシュ「……奴は常に俺の斜め上を行く。最低限の対策は打っているが、どうなるかわからない」
C.C.『ルルーシュ、まだ時間はある。今からこっちにこい』
ルルーシュ「アジトにか?」
C.C.『少し話そう。今後のことをな』
ゼロ「……」
千葉「ゼロ。少しいいか?」
ゼロ「どうした?」
千葉「ゼロから可笑しなメールが来たが、なんの真似だ?」
ゼロ「みせてくれ」
千葉「これだ」
ゼロ「……」
『美しき姫君よ。可憐な貴方に伝えたいことがある。五日後の2100時に枢木神社に来て欲しい。ゼロより』
ゼロ「……」
千葉「消してもいいのか?」
ゼロ「ああ」
千葉「全く……誰の悪戯なのだろうか」
ゼロ「探っておこう」
ゼロ(どうやらC.C.と話す前にカレンや神楽耶様と話しておいたほうが良さそうだな)
カレン「は、はい?!」
ゼロ「私からメールが来ただろう?」
カレン「いえ!!ゼロからは何も来てません!!」
ゼロ(そういえば咲世子が言っていたな。メールの内容は口外しないと)
ゼロ(千葉のような文章が送られてきて、それに返信をしたら相手から何らかのアクションがあったと考えるべきか)
ゼロ「そうか。分かった」
カレン「あの!!」
ゼロ「どうした?」
カレン「ちゃんとお洒落します!!!」
ゼロ「……ほどほどでいい」
カレン「はい!!紅月カレン!!ほどほどに可愛くしていきます!!」
ゼロ(ええい。メールの内容を探ろうにも、忠誠心の高いカレン相手では聞きだせないだろう)
ゼロ(俺からの命令を素直に聞きいれている。俺が訊ねても約束を守るかどうかのテストだと思ってしまうだけだ)
ゼロ(神楽耶様はいないし……くそ……)
C.C.「カレンや千葉に?」
ルルーシュ「同様のメールが送られているはずだ。神楽耶様にもな」
C.C.「だろうな。千葉は驚きだが」
ルルーシュ「C.C.、やはり何か知っているのか?!」
C.C.「お前……前兆はあったのだろう?」
ルルーシュ「前兆?虚言誘拐のことか?」
C.C.「そうだ。そして今日の出来事。これらは繋がっている」
ルルーシュ「分かっているなら言え」
C.C.「そうだな。私も確証があるわけではない。ただ言えるのは……」
ルルーシュ「言えるのは?」
C.C.「枢木神社に来る者は全員女ということだ」
ルルーシュ「女?なぜだ?」
C.C.「分からないならいいよ」
ルルーシュ「ま、まて!!教えろ!!今、何が起ころうとしている?!」
ルルーシュ(C.C.め結局、はぐらかした。だが、命の危険はないようだな)
ルルーシュ(もし死ぬ可能性があるとすれば、共犯者であるC.C.が明言を避けるわけがない)
ルルーシュ「ふぅー……」
ルルーシュ「一体、何が待ち受けている……」
ルルーシュ「……」スタスタ
ルルーシュ「ん?」
ヴィレッタ「……来たか」
ルルーシュ「ヴィレッタ?」
ヴィレッタ「……で、話とはなんだ?」
ルルーシュ「……え?」
ヴィレッタ「大事な話があるのだろ?」
ルルーシュ「……いや、ないが」
ヴィレッタ「……ふっ。そうだろうと思った」
ルルーシュ「どういうことだ?おい」
ルルーシュ「説明をしろ、ヴィレッ―――まさか。俺からメールが来たのか?」
ヴィレッタ「正解だ」
ルルーシュ(おのれ、誰の仕業だ……)
ヴィレッタ「だが、良かった。これでお前の頼みごとに専念できる」
ルルーシュ「……」
ヴィレッタ「ではな」
ルルーシュ「あ、ああ―――」
ピリリリ
ルルーシュ「……はい?」
『ルルーシュ、違うね。間違っているよ』
ルルーシュ「誰だ!?」
『私の正体はどうでもいい。それよりも彼女を引き止めるべきだ』
ルルーシュ「何故!?」
『いいから。彼女が階段を下りてしまうまえに。早く』
ルルーシュ「ま、まて!!」ガシッ
ヴィレッタ「……!?」
ルルーシュ「……」
ヴィレッタ「な、なんだ?
ルルーシュ「このあとは?」
『それでいい。手を離し、一言謝ればね』
ルルーシュ「……わ、悪い」
ヴィレッタ「……」
ルルーシュ(これでどうなるっていうんだ……)
ヴィレッタ「あの……」
ルルーシュ「なんだ?」
ヴィレッタ「わ、私はここにいたほうがいいのか?」
『肯定するんだ』
ルルーシュ「あ、ああ……そうしてくれ」
ルルーシュ「おい。貴様は……」
『その調子で来る女の子をみんな足止めするんだ、いいね?』
ルルーシュ「まて!!お前は誰だ!!」
ルルーシュ「切れた……」
ヴィレッタ「ルルーシュ?今のは?」
ルルーシュ「分からない。ヴィレッタ」
ヴィレッタ「は、はい」
ルルーシュ「俺から来たメール、見せてもらえるか?」
ヴィレッタ「構わないが」
ルルーシュ「悪いな」
ヴィレッタ「えーと……これだ」
ルルーシュ「どれどれ?」
ヴィレッタ「……」
ルルーシュ(内容は千葉のものと同様。やはり、次のメールで公表しないようにとの一文があるな……。誰が何の目的で……)
ヴィレッタ「それでルルーシュ?話とは?」
ルルーシュ「それが―――」
咲世子「ルルーシュ様!!」
ルルーシュ「咲世子!?」
咲世子「お待たせしました」ギュッ
ルルーシュ「な、なんの真似だ!?」
咲世子「え?」
ルルーシュ「は、離れろ!!咲世子!!」
咲世子「も、申し訳ありません」
ヴィレッタ「咲世子か。お前にも仕事があったはずだが?」
咲世子「ええ。しかし、その前にルルーシュ様から愛の告白を受けることになっていますから」
ヴィレッタ「……ほう?」
ルルーシュ「咲世子!?何を言っている!?」
咲世子「違うのですか?メールの文面からはそう読み取れたのですが……」
咲世子「どうぞ」
ルルーシュ(文面は全く同じだ……。おいおい……)
咲世子「……あの。ルルーシュ様?」
ヴィレッタ「私は帰るぞ?」
ルルーシュ(なんだこの状況は……どうしたらいい……どうしたら……!!!)
ピリリ
ルルーシュ「はい」
『ヴィレッタを引き止めないと』
ルルーシュ「その前に貴様は誰か答えろ!!でないと、貴様の言うことなど誰がきくものか!!」
『それは困ったね。でも、ヴィレッタを帰らせると……大変なことになるよ?』
ルルーシュ「大変なこと?」
『そう……』
ルルーシュ(まさか……ナナリーか!!)
『ふふ……ルルーシュ。もう君は罠にかかっているんだ。君も彼女も蜘蛛の巣にかかった蝶なんだよ』
ルルーシュ「まて!!」ガシッ
ヴィレッタ「なんだ?」
ルルーシュ「ヴィレッタ!!ここにいろ!!」
ヴィレッタ「何故だ?咲世子が来てくれたではないか」
ルルーシュ「お前も咲世子もここから離れることは許さん」
ヴィレッタ「なんだと?」
咲世子「私はルルーシュ様から離れません」
ルルーシュ「ヴィレッタ。とにかく、この場に留まれ」
ヴィレッタ「……」
ルルーシュ「―――これでいいのか?」
『重畳だよ。さて、そろそろ本題に入ったほうがいいだろうね。後続が来ると面倒になるから』
ルルーシュ「後続?」
『咲世子はいいとして、ヴィレッタは早めに手を打たないとね。さぁ、ルルーシュ?ヴィレッタを口説こうか』
ルルーシュ「口説くだと!?意味が分からないぞ!!貴様の目的はなんだ?!」
ルルーシュ「……シャルルの側近か、貴様?」
『さあ、どうかな』
ルルーシュ(俺に届いたメールはシャルルから……。そしてC.C.もシャルルに……。各人に送られた同一文章のメール……)
ルルーシュ(スザクが先日起こした不可解な行動もシャルル……)
ルルーシュ(やはり、この状況はシャルルが求めたものか)
『さあ、ルルーシュ?始めようか』
ルルーシュ(ここで従わなければナナリーが……ナナリーが……)
『ふふ……』
ルルーシュ「ヴィレッタ……」
ヴィレッタ「なんだ?」
ルルーシュ「今まで色々とすまなかったな」
ヴィレッタ「え?」
ルルーシュ「ギアスをかけたり、脅したりして……」
ヴィレッタ「急になんだ。気持ち悪い」
ルルーシュ「ああ……」
咲世子「では、私は待ちます」
ヴィレッタ「伝える?何をだ?」
ルルーシュ「今までよく付き従ってくれたな。今後はもう自由にしても構わない」
ヴィレッタ「ルルーシュ?」
ルルーシュ「実は……ずっと言えなかったが……」
ヴィレッタ「……」
ルルーシュ「お前という先生がいて、俺は毎日が楽しかった」
ヴィレッタ「は?お前は心底嫌がっていただろ?」
ルルーシュ「違うな。間違っているぞ。そもそも何故、危険を冒してまでお前に近づいたと思っている?」
ヴィレッタ「それは私を利用するためで、しかも脅せるだけの材料があったから……」
ルルーシュ「この数ヶ月でヴィレッタ先生という存在が俺の中で大きくなったからだ」
ヴィレッタ「……私がそんな言葉を素直に信じるとでも思っているのか」
ルルーシュ「まあ、そうだな」
ルルーシュ「だが、本当だ」
ヴィレッタ「……」
ルルーシュ「お前には扇がいる。だから、一歩退いて見ていた。君の気持ちもあるからな」
ヴィレッタ「なんだと……?」
ルルーシュ「だが、地下司令室で、そして学園で先生と生徒として付き合っているうちに……どうしても自分の中でヴィレッタという女性が大きくなるのを抑えることができなかった」
ヴィレッタ「……!」
ルルーシュ「過去のこともある。扇のこともある。この想いは仕舞っておこうと思った。ただ、ヴィレッタ傍にいてくれればいいと自分を誤魔化した」
ヴィレッタ「お、おい……」
ルルーシュ「しかし、もう無理だと悟った。だから、今日、こうしてお前を呼び出したのだ!!」
ヴィレッタ「い、いや……誰が信じるか……」
ルルーシュ「信じてくれとはいわない。ただ、知って欲しかっただけだ。俺のあふれ出した感情を」
ヴィレッタ「しかしだな……えっと……」モジモジ
『では、止めの一言だよ。ルルーシュ?』
ルルーシュ「とどめだと?」
ヴィレッタ「なんだ!?」
ルルーシュ「俺の傍にいてくれないか。扇ではなく」
ヴィレッタ「扇は関係ない!!」
ルルーシュ「愛も地位も約束しよう。ヴィレッタ、俺の気持ちに応えてくれないか」
ヴィレッタ「なっ……」
ルルーシュ「……」
『よし。次は咲世子だ』
ルルーシュ「いいのか?」
『彼女の心にルルーシュという人間を滑り込ませた。それだけで十分だよ』
ルルーシュ「そうなのか」
ヴィレッタ「わ、私には扇が……でも……うーん……」
ルルーシュ「さてと、咲世子」
咲世子「はい」
『咲世子は簡単だね。一言で済むはずだ』
咲世子「喜んでっ」ギュッ
『条件は全てクリアだね』
ルルーシュ「貴様は誰なんだ」
『私のことはどうでもいいんだよ。その調子で頼むよ?』
ルルーシュ「くそ……」
ルルーシュ(俺がいつまでもマリオネットになっていると思うなよ……!!)
咲世子「ルルーシュさまぁ……」スリスリ
ヴィレッタ「はぁ……しかし、一応、教師と生徒だし……しかもテロリスト……いや、それは扇も一緒か……」
ルルーシュ「……ヴィレッタ、咲世子。持ち場に戻ってくれ」
咲世子「分かりました」
ヴィレッタ「あ、ああ……ルルーシュ?」
ルルーシュ「なんだ?」
ヴィレッタ「また……ゆっくり話そう。すぐには結論を出せない」
ルルーシュ「そうだな。答えはまた今度、聞こう。ただ、期待はさせてもらうけどな」
ルルーシュ(俺の手札はロロと咲世子とヴィレッタ……そしてギアスとC.C.……)
ルルーシュ(逃走経路は25パターンある。念のためナイトメアも引っ張ってきているから、万が一戦闘になっても問題はない)
ルルーシュ「しかし……」
シャーリー「ルルー、おまたせ!!」タタタッ
ルルーシュ「シャーリー?!」
シャーリー「話したいことって……なに?」
ルルーシュ(シャーリーまで……?)
『シャーリーもそこまで難しくないだろう?』
ルルーシュ「……」
シャーリー「ルル?」
ルルーシュ「……シャーリー、帰るんだ」
シャーリー「え?」
『ルルーシュ?ナナリーがどうなってもいいのかい?』
ルルーシュ「……だが……しかし……シャーリー……!!!」
ルルーシュ(もうシャーリーを俺の事情に巻き込みたくは……!!)
カレン「ルルーシュー!!」テテテッ
ルルーシュ「カレン?!」
シャーリー「カレンだ!!」
カレン「シャーリー!?どうして貴方がここにいるの?!」
シャーリー「カレンこそ!みんなすっごく心配してたんだよ?!」
カレン「それは……」
シャーリー「で、ルル!!どういうことなの?!」
ルルーシュ「これは……だから……」
カレン「ルルーシュ?話ってなに?」モジモジ
シャーリー「カレンにも話があるの!?どうして!?」
カレン「カレンにもって……シャーリーも!?」
シャーリー「う、うん……大事な話があるからって……」
ルルーシュ(この二人も口説かなければならないのか……?そんなこと……不可能ではないが……シャーリーは……シャーリーだけは……)
ルルーシュ「……っ」
シャーリー「ルル?どういうことなの?」
カレン「説明してよ」
ルルーシュ(待てよ……)
ルルーシュ「確認したいことがある」
『なんだい?』
ルルーシュ「振られる場合も考えられるが、そのときは?」
『ルルーシュには全力を出して欲しいが、それでも振られた場合は仕方ないね。強要するわけにもいかないから』
ルルーシュ「なるほど」
カレン「ねえ、ルルーシュどうし―――」
ルルーシュ「カレン」ギュッ
カレン「ぎゃわぁああ?!」
シャーリー「ルル!?どうしてカレンを抱きしめて……!?」
ルルーシュ「カレン……ずっと、ずっと伝えたかったことがある。聞いてくれるか?」
ルルーシュ「俺のお嫁さんになってくれ」
カレン「……」
ルルーシュ「……」
シャーリー「え……え……?ルル……どういうこと……?」
ルルーシュ「ダメか?」
カレン「こんなガサツな女でいいの……?」
ルルーシュ「そんなカレンがいいんだよ」
カレン「……じゃあ、いいよ?」
ルルーシュ「ありがとう」
カレン「……」ギュッ
ルルーシュ「次はシャーリーだな」
シャーリー「あはは……そういうことなんだ……うん……わかった……」
ルルーシュ「シャーリー?」
シャーリー「でも、こんな振りかたってないよぉ!!酷い!酷いよ!!ルル!!!」
シャーリー「ばかー!!!!」ダダダッ
ルルーシュ「……」
カレン「ルルーシュ……よかったの?」
ルルーシュ「ああ。これでいい」
『ルルーシュ……』
ルルーシュ「シャーリーは思い込みが激しい。ああなっては修復不能だ。そもそも、シャーリーを含めた時点で同時に口説くのは不可能だったんだよ」
『いくらでも手はあったんじゃないのかい?』
ルルーシュ「先にシャーリーを口説いていたら、カレンがシャーリーと同じような行動をしていたはずだ」
『なるほど。これは私の采配ミスかな』
ルルーシュ(これでシャーリーは完全に部外者となった。これでいい……これで……)
カレン「ルルーシュ、泣いてるの?」
ルルーシュ「うぅ……」
カレン「ルルーシュ……」ギュッ
ルルーシュ(さよなら……シャーリー……)
ルルーシュ「そうだな……。やはり……」
カレン「アタミにする?」
ルルーシュ「アタミ?」
神楽耶「あれ……カレンさん?」
カレン「神楽耶さま。どうしたんですか?」
神楽耶「いえ。ここにゼロ様が……」
ルルーシュ(やはり来たか)
神楽耶「……貴方は?」
『さあ、こちらはもう告白する手間もいらないだろう?君が正体を明かせばいいだけの話だ』
ルルーシュ「……」
神楽耶「まさか……貴方が……?」
ルルーシュ「ええ……そうです。私がゼロです」
神楽耶「……」
ルルーシュ(って、ブリタニア人だって知ったら流石に幻滅するか……?いや、そのほうが都合がいい。これ以上、シャルルの好きにさせて堪るか)
ルルーシュ「ええ」
神楽耶「お話とはこのことだったのですね、ゼロ様」
ルルーシュ「……」
カレン「ちょっと!!ルルーシュ!!いいの!?」
ルルーシュ「問題はない」
カレン「でも……」
神楽耶「―――分かりました」
ルルーシュ「神楽耶様?」
神楽耶「それだけですか?」
カレン「それだけって……」
ルルーシュ「ブリタニア人だったのですよ?」
神楽耶「ゼロ様?私はずっと言ってきたはずです。仮面の下がどのような人でも、鬼でも悪魔でも、私は貴方を選んだのですわ」
神楽耶「誰であっても私の気持ちは揺るぎません。残念でしたっ」
ルルーシュ「貴方は本当に器が大きいお人だ……」
神楽耶「王に側室がいるのは珍しいことではありませんわ、カレンさん?」
カレン「側室……!?」
ルルーシュ「神楽耶様が側室かも知れませんよ?」
神楽耶「ふふ、構いませんわ。いつでも貴方のための褥をご用意して待っていますわ……」
ルルーシュ「うぐっ……?!」
神楽耶「ふふふ……これでも、色々と勉強しましたのよ?」
カレン「べ、勉強!?」
ルルーシュ「お戯れを」
神楽耶「いいえ。大真面目ですわ。こんな為りではありますが、子どもだって産めますのよ?」
カレン「わー!!神楽耶さまなにを!!」
神楽耶「カレンさんこそ、これぐらいで赤面しているようでは、ゼロ様のような男性と添い遂げることは難しいとい思いますけど」
カレン「ど、どうしてですか?!」
神楽耶「だって、ゼロ様ほどの殿方ですのよ?きっと、もう足腰が壊れてしまうほどの遊戯を……」
カレン「ゆ、遊戯……」
神楽耶「はい?」
ルルーシュ「貴方の広い心には感服するばかりです」
神楽耶「そうですか?妻として当然のことですけど」
ルルーシュ「では、神楽耶様。私の帰りをアジトのほうで待っていてもらえますか?」
神楽耶「わかりました!また、いっぱい可愛がってくださいねっ!」
ルルーシュ「ええ。ところでお一人でここまで?」
神楽耶「いいえ。藤堂さんに護衛をお願いしました」
ルルーシュ「そうですか。カレン」
カレン「はい」
ルルーシュ「神楽耶様の護衛、任せてもいいか?藤堂を信用していないわけではないが、やはり護衛が一人では少々不安だ」
カレン「うん。わかった。いこ、神楽耶様」
神楽耶「ゼロ様!!またあとでー♪」
カレン「ルルーシュ!!温泉いこうね!!混浴しよ!!混浴!!」
ルルーシュ「はいはい」
ルルーシュ「もういいだろう。ナナリーを解放しろ」
『まだまだだよ?あと5人ほど残っている』
ルルーシュ(C.C.を除けばあと4人か……)
ルルーシュ(この傾向なら、次は……)
ミレイ「足下、注意してね」
アーニャ「うん」
ルルーシュ(シャーリーが来た時点でこの二人が来るのはと必然か)
ミレイ「あ、ルルーシュ!待った?」
ルルーシュ「いえ。今、来たところです」
ミレイ「かっこいい~」
アーニャ「さっき、道の脇でシャーリーが膝抱えて泣いてたけど、何かしたの?」
ルルーシュ「……いや、何も」
ミレイ「ふーん……。てっきり、シャーリーを振ったのか思ったけど」
アーニャ「それで、話ってなに?」
ミレイ「勿論あるわよ?留年して結婚は延期だけどね」
ルルーシュ「聞いたか?」
『関係ないよ。ビバ、略奪愛』
ルルーシュ「な、なんだと……?」
『シャーリーのような失敗は許されないのだよ』
ルルーシュ「会長は婚約者なんだぞ!!」
『ロイド伯爵の件なら私に任せてくれればいい』
ルルーシュ「貴様、あのロイドと関係があるのか!?」
『早くしてくれないかな?』
ルルーシュ(あのロイドに命令できるとしたら……)
ルルーシュ「……!!」
アーニャ「ルルーシュ?」
ルルーシュ(シュ……シュナイゼルか……!!この声の主は……!!!)
ルルーシュ(お、おのれ……シュナイゼル……!!)
アーニャ「なんか怖い顔。記録」ピピッ
ルルーシュ(相手はシュナイゼルとシャルルか……)
ルルーシュ(俺は知らない間にとんでもない奴を相手にしていたのか)
ルルーシュ「ふふふ……ははは……」
ミレイ「ちょっと……どうしたの?」
ルルーシュ(正体さえわかれば、いくらでも対処はできる)
ルルーシュ(兄上……これ以上、好きにはさせませんよ)
アーニャ「ルルーシュ、変。元からだけど」
ルルーシュ「―――二人に聞きたいことがある」
ミレイ「え?」
ルルーシュ「好きな人はいますか?」
アーニャ「別に」
ミレイ「……ノーコメントで」
ルルーシュ「では、気になる人は?」
アーニャ「私はルルーシュ」
ミレイ「え?!」
ルルーシュ「そうか。アーニャ?」
アーニャ「なに?」
ルルーシュ「俺が恋人になってくれと言ったら、どうする?」
アーニャ「恋人?」
ルルーシュ(兄上は勘違いしている。ヴィレッタもそうだが、この二人はこちらが本気に落としにかかなければ絶対に落ちない)
ルルーシュ(ならば、悟られないように手を抜けば簡単に俺は振られる)
ルルーシュ(奴らの玩具にされるのは俺だけで十分だ)
ミレイ「ルルーシュ……恋人って……」
ルルーシュ「どうだ?アーニャ?」
アーニャ「……」
ルルーシュ(ふっ。アーニャが靡くことはまずない。適当な積極性を見せてご破算とさせてもらうぞ、シュナイゼル)
アーニャ「いいけど」
ミレイ「アーニャ!?」
アーニャ「いいよ。恋人になっても」
ルルーシュ「アーニャ……?」
アーニャ「携帯電話奢って」
ルルーシュ「待て!!アーニャ!!恋人だぞ!?意味、わかっているのか?!」
アーニャ「うん」
ミレイ「……」
ルルーシュ(何でこんなにも簡単に……!?)
アーニャ「どうするの?」
ルルーシュ「……俺の恋人になるということは結婚するってことだぞ?!」
アーニャ「いいけど」
ルルーシュ「な……!?」
アーニャ「結婚。憧れだった。ルルーシュとなら別に結婚してもいいし」
ルルーシュ「ち、違う……間違っているぞ……そんな簡単に決めていいことじゃない……!!」
アーニャ「嫌になったら別れたらいいだけ」
ミレイ「そ、それは……そうかもしれないけど……」
ルルーシュ「バカか!?」
アーニャ「失礼」
ルルーシュ「アーニャ!!嫌になれば別れたいいだと!?そんな考えで交際なんてできない!!」
アーニャ「そんなに考えなきゃダメ?」
ルルーシュ「当然だろうが!!」
アーニャ「だって、私はいいと思った。ルルーシュも私をいいと思った。だから恋人になる。違う?」
ルルーシュ「あ、ああ……」
アーニャ「一緒にいる時間が長くなれば嫌な部分も見えてくる。そこを受け止められるなら結婚。ダメなら別れる。ただそれだけの話」
ミレイ「ア、アーニャ……」
ルルーシュ(こんな恋愛観を持っていたのか……)
アーニャ「だから、とりあえず恋人になることは別に間違ってないと思うけど」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ「え?!」
ミレイ「私もルルーシュと恋人になってもいいかなって思ってます!!」
ルルーシュ「会長、何を言っているんですか?!」
ミレイ「だ、だって……」
アーニャ「ルルーシュ、二股?バレないようにしてね」
ルルーシュ「お、おい!!」
ミレイ「ルルーシュ……結婚する前に、普通の恋愛もしてみたいって考えはダメかな?」
ルルーシュ「会長……」
ミレイ「ずっとガマンしてた。だけど……最後のモラトリアムってことで、ダメ?」
ルルーシュ「……」
ミレイ「ルルーシュ……」
アーニャ「ルルーシュ、どっちが好き?」
ルルーシュ(ど、どうして……こんなことに……!!)
『あははは。いいね。ルルーシュ。最高だよ』
コーネリア「本当にいるとはな」
スザク「コーネリア……皇女殿下!?」
コーネリア「久しいな枢木」
スザク「どうして……」
コーネリア「ルルーシュから呼び出しを受けたのだ。大事な話があるとな」
スザク「大事な話?」
コーネリア「ああ。反省し謝罪の言葉でも聞けるかと期待したが、どうやらそうではないらしいな」
スザク「ええ。何人もの女性を口説いています」
コーネリア「つまりあれか……私も口説かれるということか」
スザク「呼び出されたのなら、そうでしょうね」
コーネリア「おのれ、ルルーシュ!!剣の錆にしてくれる!!」
スザク「待ってください!!やるのはルルーシュが一人になったときでお願いします!!」
コーネリア「分かっている。その前に、枢木。一つ頼みがある」
スザク「た、頼みですか?」
ミレイ「う、うん」
アーニャ「ルルーシュ、私は今日から彼女でいいの?」
ルルーシュ「え……あー……」
『肯定だろ?』
ルルーシュ「黙っていろ!!―――そうだな、アーニャ。俺たちは恋人だ」
アーニャ「じゃあ、ブログに書いてもいい?」
ルルーシュ「名前は書くなよ?」
アーニャ「うん。自慢の恋人ができましたって書くだけ」
ルルーシュ「……」
ミレイ「ルルーシュ!!私は!?」
ルルーシュ「ええ……会長も恋人ですよ」
ミレイ「よかったぁ」
アーニャ「ルルーシュ。二股は私にバレないようにして。分かるとむかつく」
ルルーシュ「わ、悪い!今後、気をつける!!」
『いいよ。ルルーシュ。最高じゃないか』
ルルーシュ(くそ。このままでは……シャーリー以外が玩具にされてしまう!!)
ルルーシュ(いや。今日と言う日を乗り切り、明日以降、対策を練れば……)
ルルーシュ(このままシャルルとシュナイゼルの好きには―――)
コーネリア「ルルーシュ」
ルルーシュ「!!」
コーネリア「呼び出してくれてありがとう」
ルルーシュ「コ、コーネリア……」
『遂に真打の登場だね』
ルルーシュ「何をいう!!コーネリアは血が繋がった姉だぞ!!」
『心配は知らない。近親での交際は皇族の特権だよ』
ルルーシュ「なんだと!?」
『常に同じところで暮らしていたわけではないし、一人の女性として見ることはできるはずだけど?』
ルルーシュ「いや……そうだが……」
ルルーシュ「あ、姉上……お久しぶりです……」
コーネリア「……」
ルルーシュ「あの……」
コーネリア「ルルーシュ」
ルルーシュ(殺される……)
コーネリア「会いたかったぞ、ルルーシュ?」
ルルーシュ「え……」
コーネリア「ああ、ルルーシュ……可愛いルルーシュ」ギュッ
ルルーシュ「あ、姉上!!何を!?」
コーネリア「好きだ……ルルーシュ」
ルルーシュ「姉上……!?」
コーネリア「……ユフィのことは水に流す。私はお前の傍にいたい」
ルルーシュ「は……?」
コーネリア「ダメか?」
コーネリア「ふふ……。そんなに慌てて、可愛いやつだな」チュッ
ルルーシュ「ひゃぁ!?」
コーネリア「ルルーシュ?姉ではやはり、ダメか?」
ルルーシュ「だ、だめというか」
コーネリア「私はお前のことを一人の男として愛している」
ルルーシュ(罠だ……根っからの軍人であるコーネリアがこんなに艶っぽくなるはずが……!!)
コーネリア「ずっと抑圧された生活を送ってきたせいで……欲求にブレーキが効かなくて困るな」ギュゥゥ
ルルーシュ「あね……うえ……」
コーネリア「ルルーシュ?もうすっかり日も落ちた。誰もこない境内で二人っきり。気温も適温」
ルルーシュ「何を……」
コーネリア「さあ……脱げ……」
ルルーシュ「姉上!?」
コーネリア「お前を更に男前にしてやるよ……」
ルルーシュ(ぬぅぅ……罠だ!トラップだ!!計略だ!!!しかし!!俺は!!!)
ルルーシュ「……!!」
スザク「―――そこまでだ!!!」
バンッ!!
ルルーシュ「うっ?!」
コーネリア(来たか)
コーネリア「やめろ!!ルルーシュ!!実の姉になんということをする!!」
ルルーシュ「なんだと!?」
スザク「ルルーシュ!!君は最低だ!!みんなもそう思うだろ!?」
シャーリー「ルル……」
ミレイ「……」
アーニャ「記録」パシャ
神楽耶「ゼロ様」
カレン「ルルーシュ……」
ルルーシュ「スザァァク!!!何の真似だぁ!!」
咲世子「ルルーシュ様。そのような性癖が……?」
ルルーシュ「コーネリア!!」
コーネリア「戦場において、女の肉体は兵器に勝る武器だ。覚えておくといい」
ルルーシュ「ぐっ……!!」
スザク「ルルーシュ。これだけの女性を口説き、さらにはコーネリア皇女殿下にまで……これは許されることじゃない!!」
ルルーシュ「……!」
スザク「そしてやはり記憶は戻っていたようだな……」
ルルーシュ(しまった……。つい興奮して……!!姉上と言ってしまっていた!!)
ミレイ「……」
アーニャ「……」パシャ
ルルーシュ「違う!!これは罠だ!!」
スザク「関係ない!!君が屑であることは間違いないんだ!!」
ルルーシュ「……!!」
カレン「ルルーシュ、スザクから全部聞いた。みんなに同じメールを送ってたんだね……」
シャルル「よいぞぉ!!実によぉぉい!!!」
シュナイゼル「どうしてですか?」
シャルル「まだナナリーとC.C.は場におらんが……あの二人の答えは既に見えておるから、問題はない」
シャルル「肝心なのはぁ!!あの連中がルルーシュのことをどう思っているかであぁぁる!!!!」
シュナイゼル「つまり、枢木スザクとコーネリアは謀らずも最後の振るいをかけたと?」
シャルル「そのとぉうりだぁ。枢木ぃ……!!あやつめ、やりおったわぁ!!!!ぬぁっはっはっはっはっはっは!!!!」
シュナイゼル「なるほど」
シャルル「ここでルルーシュに幻滅する女はそれまでのこと」
シャルル「ここでルルーシュを選ぶのなら、それはぁ!!!―――最高の嫁ぇ!!!ルルーシュの恋人ぉ!!!」
シュナイゼル「確かに浮気も異常な性癖にも寛容な女性なら」
シャルル「安心して息子を任せられるぅ……」
シュナイゼル「しかし、全員がルルーシュに背を向けたら?」
シャルル「そのときは……ナナリーとC.C.に頼むしか……ないなぁ……。ナナリーは……最終兵器だ。できればぁ、避けたいが」
シュナイゼル「ルルーシュのカリスマと彼女たちの器に期待しましょう」
ルルーシュ「……!」
ミレイ「私……やっぱり、想いは隠してたほうがよかった?ルルーシュを困らせただけ?」
シャーリー「ルル……サイテーだよ!!ルル!!」
カレン「神楽耶様だけじゃなかったのね」
ルルーシュ「ふふ……」
神楽耶「ゼロ様?」
ルルーシュ「ふふふはははははは!!!!!」
スザク「何がおかしい!!」
ルルーシュ「ああ、そうだ。俺は近親者に欲情する下衆にも劣る人間だ!!」
咲世子「なんと……」
アーニャ「ふーん」
ルルーシュ「だが、そんな俺に騙されて顔を綻ばせたのはお前たちだ!!心の中で笑っていたよ。見る目のないバカな女どもだとな!!」
神楽耶「……」
ルルーシュ(これでいい。よくやってくれたな、スザク。これで彼女たちはシャルルとシュナイゼルの玩具にならずに済む……!!)
ヴィレッタ「そうだな。幻滅したよ、ルルーシュ」
ミレイ「ルルーシュ……」
カレン「……」
シャーリー「ルル……私……私……」
神楽耶「ゼロ様……いえ。ルルーシュ様」
ルルーシュ「はい?」
神楽耶「私はバカです」
ルルーシュ「え……」
神楽耶「愚昧で蒙昧で一度決めたことは絶対に譲りませんわ」
スザク「何を……」
神楽耶「私はそんなルルーシュ様のことが大好きですわ!!」
ルルーシュ「なっ……!?」
コーネリア「貴様!!正気か!?」
神楽耶「ええ……正気ではないのかもしれません。なぜなら、恋は盲目ですものっ」
神楽耶「お黙りなさい。何人口説こうとも、私へ投げかけてくれた愛は本物ですわ。枢木スザク」
スザク「……!」
神楽耶「殿方ですもの。麗人を見れば湧き上がる感情もありましょう」
ルルーシュ「神楽耶……様……」
神楽耶「それにみなさん、ここにいる女性陣たちを見比べてくださいまし」
カレン「え……?」キョロキョロ
神楽耶「ルルーシュ様は相当な美人が好き。それはここにいる人たちを見れば一目瞭然」
神楽耶「恋人の選考基準は厳しいと思います。容姿だけはないでしょう。中身も見ているはず」
神楽耶「そんなルルーシュ様に選ばれた。それだけで私は世の人たちへ自慢ができますわー!」
アーニャ「ポジティブ」
神楽耶「愛してくれないのは問題ですけど、愛してくれるなら別に構いませんわ。むしろどんな問題があるというのですか?」
ルルーシュ「神楽耶様……俺は……」
神楽耶「ルルーシュ様?どうされたのですか?どこか具合でも悪いのですか?」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ「……というわけだ。中にはこのようにどうしようもない馬鹿な女もいる」
スザク「君は!!彼女の気持ちも考えろ!!」
ルルーシュ「だが、馬鹿なほど愛くるしく、愛おしい」ナデナデ
神楽耶「ルルーシュ様、大事にしてくださいね?」
ルルーシュ「しますよ。勿論」
神楽耶「嬉しいですわっ」
コーネリア「狂っている……!!」
神楽耶「恋に本気になれない女に価値なんてありませんもの」
シャーリー「……!!」
ルルーシュ「神楽耶様」
シャーリー「ルル!!」
ルルーシュ「え……」
シャーリー「わ、私もルルのこと大好き!!……なんだけど……」
ルルーシュ「シャ……シャーリー……」
神楽耶「……」
シャーリー「い、今更ルルにいっぱい恋人がいても、その気持ちは消えないもん!!」
ルルーシュ「シャーリー……いいのか……?」
シャーリー「むしろ、私でいいの!?」
ルルーシュ「……」
シャーリー「……」
神楽耶「ルルーシュ様、シャーリーさんのお気持ちは本物だと思いますわ」
ルルーシュ「そんなことはずっと前から知っています」
シャーリー「ルルー!!」テテテッ
アーニャ「ちょっと待って」ガッ
シャーリー「きゃぁ?!」ズデーン
アーニャ「ルルーシュ?あなたは好きだって言ってくれた相手を全員、恋人にするの?」
ルルーシュ「え……」
アーニャ「あなたはそれだけ器用なの?」
ルルーシュ「何が言いたい?」
アーニャ「例えば、ここにいる全員が貴方の恋人になったとして、平等な愛を振り分けてくれるの?」
ルルーシュ「……」
アーニャ「私、クリスマスとか恋人と一緒に居たい」
ルルーシュ「なるほど、そういうことか。アーニャ、残念だが俺は器用ではない」
アーニャ「……」
ルルーシュ「恐らく特別な日は誰とも過ごさないだろう」
シャーリー「聖夜は一人なの?!」
ルルーシュ「もし誰かを選んでしまったら、俺はその一人を愛したほうがいいし、周りの者もそう思うはずだ」
神楽耶「ですね。私でも「ああ、愛されてないんですわね、よよよ」と枕とシーツを濡らすかもしれません」
アーニャ「甲斐性なし」
ルルーシュ「何とでも言うがいい。それにアーニャ、俺とは付き合う必要はない。神楽耶様やシャーリーのように全てを了承できないのなら、このまま踵を返すがいい」
スザク「どこまで上から目線なんだ!!」
ルルーシュ「俺は全部を曝け出した!!それでも尚!!好きだと言ってくれる者を受け入れるだけだ!!!それの何がおかしい!!スザァク!!!」
シャーリー「ルルー!!クリスマスは一人って結構きついよ!!」
神楽耶「私は全くもって問題ないですわ。前後日で帳尻を合わせてくれるのでしたら」
ルルーシュ「ええ……それぐらいの償いなら喜んで」
咲世子「嬉しいです」ギュッ
神楽耶「ルルーシュ様ぁ」ギュッ
シャーリー「むー……じゃあ、私もガマンするー!!」
ヴィレッタ「馬鹿しかいないのか」
コーネリア「……っ」ギリッ
スザク「ルルーシュ!!君は……!!」
ミレイ「どうしよう……私は……」オロオロ
カレン「ルルーシュ!!!あんたは最低だぁ!!!」
ルルーシュ「カレン」
カレン「どうしてそんなことを臆面もなく言えるのよ?!」
ルルーシュ「悪いが俺はもう開き直っている。俺は逃げも隠れもしない!!罵るなら罵れ!!カレン!!」
シャルル「うむぅ……イレヴンのほうが多いのは問題だな……」
シュナイゼル「そうですね。もう一人ぐらいブリタニア人が靡いてくれれば……」
シャルル「ここでアーニャがルルーシュに―――」
ナナリー「……」ウィィィン
シュナイゼル「あれは!?」
シャルル「ナァナリー?!遂に……きてしまったのかぁ……!!」
ナナリー「お兄様……お兄様……お兄様……」ウィィィン
シャルル「まずぅぅい!!!今、ナナァリーがいけばぁ!!皇以外の女子ぉがぁひいてしまうぅわぁぁ!!!」
シュナイゼル「止めます」
ロロ「―――させません」
シャルル「ぬぅ!?ロォロォ!?いつのまぁに!?」
ロロ「この計画は完全に潰します。そのためにナナリーを利用させてもらいますよ」
シャルル「おのれ!!!ぬぁんたるおろかしさぁぁぁ!!!!ロォォロォォ!!!!」
ロロ(ナナリー、いけ。そして全てをぶち壊してくれ)
ルルーシュ(俺だってそうしたい。だが、もう引き返せないんだよ……カレン……)
神楽耶「カレンさんはルルーシュ様の愛を独り占めにしたいってことですわね?」
カレン「それは……」
神楽耶「なら、カレンさん。それはルルーシュ様に求めては行けませんわ」
カレン「どういうことですか?」
神楽耶「愛を独り占めにしたいのなら、ルルーシュ様を振り向かせればいいだけのお話ですわ」
カレン「え……」
神楽耶「ルルーシュ様が私たちのことを眼中の外にしてしまうぐらい、貴方がルルーシュ様を魅了してしまえばいいだけです」
カレン「そんなこと」
神楽耶「ただ遠くで吠えているだけでは、誰も振り向いてくれませんわ」
カレン「くっ……」
ルルーシュ「……」
カレン「すきになれ~すきになれ~」
ルルーシュ「何をしている、カレン?」
ナナリー「階段があってあがれませんね……」
C.C.「ナナリー、奇遇だな」
ナナリー「その声はC.C.さん?」
C.C.「総督の仕事はどうした?」
ナナリー「そんなことお兄様からの呼び出しに比べれば児戯です」
C.C.「ほう?お前も本気か」
ナナリー「お兄様が私に何を話したいのかは分かりませんが、きっと何か重要なことのはずです」
C.C.「愛の告白だったらどうする?」
ナナリー「お受けします」
C.C.「いい答えだ。では、私が抱き上げてルルーシュのところまで連れて行ってやろう」
ナナリー「いいのですか?」
C.C.「行くぞ……よっと」
ナナリー「C.C.さん……では、お願いします」
C.C.「ああ。行こうか。さあ、ルルーシュ、正妻の到着だぞ?どんな答えを出してくれるか、楽しみだよ」
ルルーシュ「催眠術で得た愛で満足なのか?」
カレン「ギアス能力者にそんなこと言われたくないんですけど!!」
ヴィレッタ「もう帰っていいか?」
アーニャ「……」
ミレイ「この空気なら混じりにいっても……いや……でも……」
スザク「……ルルーシュ……」
コーネリア「ええい!!お前たち!!気でも触れたのかぁ!!!」
シャーリー「え?」
咲世子「何か問題でも?」
コーネリア「こいつは近親者に欲情するといったのだぞ!!?」
神楽耶「それが?」
コーネリア「近親者に欲情するなんて異常者だろうが!!よくもそんな奴のことを好けるな、お前たち!!!」
ナナリー「コーネリア姉様、その話は本当ですか?」
スザク「……!?」
シャルル「いかぁぁぁん!!!このままでぇはぁぁ!!!」
シュナイゼル「もう取り返しが……」
ルルーシュ「ナナリー!?……と、C.C.……?!」
C.C.「ここが祭り会場でいいのかな?」
スザク「まさか……C.C.とナナリーまで……呼ばれていたのか?」
ナナリー「はい」
シャーリー「ナナリー!?ナナリー総督?!」
ミレイ「ど、どうして総督まで……。って、コーネリア皇女殿下もいるし、驚くのもおかしいか」
コーネリア「ナナリー……お前まで……」
ナナリー「それでコーネリア姉様、先ほどの話は本当ですか?」
コーネリア「あ、ああ。そうだ!!ルルーシュは高らかに宣言した!!近親者に欲情すると!!!最低な人間だ!!!」
ルルーシュ「コーネリアァァァ!!!!!きさまぁぁぁ!!!!余計なことをぉ!!!」
スザク「ルルーシュ!!これが君に対する罰だ!!愛される者に嫌われろ!!」
ルルーシュ「だまれ!!スザァク!!」
ナナリーにとって最高のご褒美ですね
アーニャ「ナナリー様、どうやってここまで……この女に運んでもらったの?」
ナナリー「はい」
C.C.「ちょっと手が疲れてきたな」
ナナリー「もう少しだけ我慢してください」
C.C.「はいはい」
ナナリー「お兄様?」
ルルーシュ「ナナリー……姉上の話は……」
コーネリア「ふふん。言ってやれ、ナナリー。ルルーシュに。強烈な一言を」
ナナリー「……」
ルルーシュ「ナ、ナナリー……」
ナナリー「お兄様は……」
ルルーシュ「ぐっ……」
ナナリー「私でもその……変な気分になるんですか……?」
ルルーシュ「い、いや……俺は……」
ルルーシュ「……」
ルルーシュ(シャルルめ……ナナリーまでこの場によこしたということは……)
ルルーシュ(ナナリーまで利用するつもりかぁ!!ならばここが最終防衛ライン!!ナナリーだけでもこの場から離脱させる!!)
ルルーシュ「ふふ……ふふふ……あーっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!」
スザク「ルルーシュ!?」
ルルーシュ「ナナリー!!そうだ!!俺は何度、お前を襲おうと考えたことか!!」
ナナリー「!!」
C.C.「ほう?シスコンをこじらせたか」
ルルーシュ「お前を寝室に運ぶとき、着替えを手伝うとき……成長していくお前を見て俺の心中では邪な感情が渦巻いていた!!」
ナナリー「……」
ルルーシュ「俺はな、ナナリー。実の姉にも妹にも欲情する欠陥品なんだよぉ!!!」
ナナリー「……ふふ……ふふふ……」
カレン「ナナリー……あんた……」
神楽耶「まぁ……」
ルルーシュ「C.C.!!貴様!!よってくるな!!ナナリーを連れて去れ!!」
C.C.「言われているぞ?」
ナナリー「そうですね……ふふふ……うふふふ……」
スザク「ルルーシュ!!お前!!ナナリーになんてことを言うんだ!?貴様、それでも兄か?!」
ルルーシュ「馬鹿がぁ!!兄弟である前に男と女だ!!」
スザク「ルルーシュゥゥゥ!!!!」
コーネリア「最低の屑だな。このような男が皇族とは虫唾が走る」
咲世子「しかし、兄弟愛ともいえます」
ヴィレッタ「とんでもない愛だな」
シャーリー「ですね」
ミレイ「ああ……このカオスな状況なら……私一人が入っていっても……!!」
スザク「ルルーシュ!!君は屑だ!!人間じゃない!!」
ナナリー「スザクさん!!黙ってください!!」
スザク「ナ、ナナリー……!?」
ルルーシュ「ああ。俺はナナリーでも抱ける。最低は兄なんだよ」
ナナリー「お兄様、実の兄に抱かれてもいいと考える妹もいるのですよ?」
ルルーシュ「は……?」
C.C.「ほら、ナナリーを抱け」
ルルーシュ「あ、ああ……」
ナナリー「うふ。久しぶりにお兄様にだっこしてもらいました」ギュッ
神楽耶「羨ましいですわー。ルルーシュ様、次は私を抱っこしてください!!」
ルルーシュ「ナナリー……?」
ナナリー「お兄様はきっと普通なんだって思っていました。おかしいのは私だけなんだって」
ルルーシュ「え?」
ナナリー「だから、私はスザクさんが好きなんだと自分に言い聞かせていたときもあります」
ルルーシュ「ナ、ナナリー?」
スザク「どういうことだ?」
ナナリー「私もお兄様のことが大好きです。愛しています。家族としてもお一人の男性としても。私はお兄様が大好きな駄目な妹なのです」
ロロ「よし!!いいぞ!!これで兄さんはナナリー以外は目に映らなくなったはず!!異常な兄妹の雰囲気でみんなは兄さんから距離を取る!!」
ロロ「そして最後にナナリーを殺せば……!!兄さんは僕のもの……!!」
シュナイゼル「まずいね……」
ルルーシュ「ナナリー……」
ナナリー「お兄様……」
スザク「ナナリー!!待ってくれ!!」
ナナリー「なんですか?」
スザク「ルルーシュは色んな女性を口説き、追い詰められたら開き直る最低の―――」
ナナリー「お兄様が私のことを好きであること。それ以外に望みません」
スザク「な……に……」
ナナリー「お兄様に将来を誓った相手がいようが、お嫁さんがいようが、私のことを一人の女性として愛してくれる。それだけでいいのです」
C.C.「いい答えだぞ、ナナリー」
ナナリー「お兄様?私と結婚なんてしなくてもいいです、恋人にしてくれなくてもいい。ただ愛してください。私はそれだけで満足です」
神楽耶「ナナリーさん……ブリタニアにもこのような心の持ち主がいたのですね……」
咲世子「ナナリー様、素敵です」
カレン「ナナリー?!それでいいの?!」
ナナリー「勿論です」
神楽耶「ナナリーさん……いえ、ナナリー様。貴方とは仲良くできそうですわ」
ナナリー「えっと……」
神楽耶「神楽耶ですわ。皇神楽耶」
ナナリー「貴方が、神楽耶様?初めまして」
ヴィレッタ「ルルーシュ!!お前は妹をどうするつもりだ!?」
ルルーシュ(何を言ってもいい訳にしかならない……。まてよ……。ナナリーの発言を逆手にとれば、シャルルの計画を完全に潰せる!!)
ルルーシュ「そうか……ナナリー……嬉しいよ」
ナナリー「本当ですか?」
ルルーシュ「ああ。もうナナリーがさえいれば、何もいらないな」
カレン「なんでよ!!ルルーシュ!!」
ナナリー「お兄様……嘘はいけませんよ?」
ナナリー「お兄様は皆さんが好きなのですよね?」
ルルーシュ「……!!」
C.C.「ほう?それは嬉しいな。では、相手にしてもらおうかな?」
神楽耶「よかったぁ。ちょっと心配しました」
咲世子「ルルーシュさま……一生お傍に……」スリスリ
シャーリー「私もー!!スリスリしたい!!」
ルルーシュ「ナナリー!!どうして!!」
ナナリー「……みなさん、お兄様のことが本当に好きなのですよ?私だけなんて言わないであげてください」
ルルーシュ「ナナリー……」
カレン「ルルーシュ!!全員が好きってなによぉ!!」
ナナリー「カレンさんもミレイさんもアーニャさんもヴィレッタさんもコーネリア姉様もスザクさんも、お兄様は皆大好きですよ?」
スザク「ルルーシュ……」
コーネリア「……」
アーニャ「二股は許せない。でも、もうここまできたら、どうでもいいかも」
アーニャ「もういい。呆れを通り越して尊敬した。ルルーシュ、恋人にして。好きなんでしょ?」
ルルーシュ「お、い!!」
カレン「ルルーシュ!!本当に私のことも好きなの?!」
ルルーシュ「あ、ああ……」
カレン「……なら、いつか私だけを見てくれるように傍にいる!!いるからぁ!!」
ルルーシュ「カレン!!」
ミレイ「ああ!!じゃあ、私だって!!ルルーシュのことが大好きだったのー!!!結婚してー!!!」
ルルーシュ「会長まで何を言って―――」
ヴィレッタ「ああ……もう。コーネリア皇女殿下、これは私たちが彼女たちの目を覚まさせるために乗っておくべきではないでしょうか?」
コーネリア「そうだな……。ルルーシュの捻じ曲がった根性を正してやらねば……な」
シャルル「―――ぬぁっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!ゆかぁい、つぅかぁいぃ!!!」
ルルーシュ「誰だ!!」
シャルル「本当は姿を見せる予定ではなかったがぁ……これほどまでのものを見せられては賛辞の一つも送らねばならぁんかぁ!!!」
ルルーシュ「シャルル!!貴様!!!姿を現したか!!」
シャルル「ぬぅ……。ロロ……篠崎ぃ……」
咲世子「動かないでください」
ヴィレッタ「申し訳ありません……皇帝陛下」
ルルーシュ「ここで終わりだ。シャルル」
シャルル「枢木ぃ!!」
スザク「やめろ!!!」バキィッ
ロロ「うわ?!」
咲世子「くっ……!?」
スザク「皇帝陛下に刃を向けるとは……!!」
ルルーシュ「スザァク!!」
シャルル「多少の無礼はよぉい……下がれ、枢木」
スザク「は、はい」
ルルーシュ「シャルル……」
シャルル「まずは全員攻略おめでとう……というべきだな、ルルーッシュよぉ」パチパチパチ
シャルル「玩具ぅ?!何をいっておるかぁ!!!我が息子、娘たちが一向に結婚せんからワシはぁぁぁ!!!ルルーシュに賭けたのだぁ!!!」
ルルーシュ「は、はい?」
C.C.「ルルーシュためか?それとも自分のためか?」
シャルル「ルルーシュのためでもあり、ワシのことでもあぁる」
C.C.「ほう?」
シャルル「C.C.ぅ!!おまえがぁ!!もう少し積極的になっておればぁ!!!こんなことはしなくてよかったぁ!!!」
C.C.「な……なにを!?」
シャルル「何百年も生きておるくせに、童貞を口説くことに照れたか?」
C.C.「ば、ばかをいうな!!私はそんなこと考えたことなんてない!!」
シャルル「ルルーシュに体を許したのかぁ?!あぁん?!」
C.C.「な、ない……!!」
シャルル「迂闊ぅ!!!C.C.ぅ!!貴様がまだ乙女心を持っていたのが迂闊だったわぁ!!」
C.C.「シャルル!!黙れ!!」
シャルル「C.C.のヘタレっぷりを見かねてこうしてワシが出張ってきたというわけだ、ルルーッシュよぉ」
シャルル「……」
ルルーシュ「おい!答えろ、シャルル!!」
シャルル「……そろそろ……ベイビィ……が見たい……」
ナナリー「赤ちゃんですか?」
シャルル「そうだぁ……ベェイビィが見たい……ワシもいい年だぁ……なのにぃ!!なのにぃ!!!」
シャルル「シュナイゼルは何故かぁ美人な男の側近を傍に置きぃ……」
シャルル「オデュッセウスは12歳以下の女にしか興味を示さん……!!」
シャルル「コォネリアァはブラコォォンでシスコォォン!!!」
シャルル「ナナリーはもう色々超越してしまったぁ!!!」
シャルル「まともなのはぁ、ルルーシュしかおらぁぁん!!!のだぁ……」
カレン「あの……孫が見たいってことですか?」
シャルル「そぉだ……。紅月……お前は10人ぐらい産んでくれそうだなぁ……」
カレン「ど、どこみてるの!?」
シャルル「ぬぁっはっはっはっはっは!!生娘ばかりでルルーシュも幸せものよなぁ!!」
シャルル「ぬぅ?なんだぁ?」
ルルーシュ「ふざけるな!!貴様の私利私欲で彼女たちを産む機械として扱うなぁ!!!」
シャルル「違う!!ワシは!!ただ純粋にぃぃ!!」
ルルーシュ「黙れ!!シャルル!!彼女たちの気持ちも考えろ!!まだ学生の身だ!!出産など考えられるわけがない!!」
神楽耶「シャーリーさん、ご出産の経験は?」
シャーリー「あ、あるわけないでしょ!!……やっぱり、辛いのかなぁ……」
咲世子「ひっひっふーで大丈夫です」
ミレイ「初めてはやっぱり男の子よねー」
アーニャ「私は女の子がいい」
コーネリア「女の子2人がちょうどいいだろう」
スザク「男でも産めるのだろうか」
シャルル「ルルーッシュよぉ!!貴様!!これだけ思われても、それを踏み躙るかぁぁ!!!ぬぁんたるおろかしさぁぁ!!!!」
ルルーシュ「当然だ!!仕組まれた愛など、俺はいらない!!俺が欲しいのは俺が自分で手に入れたものだけだぁ!!」
ナナリー「お兄様、大好きですっ」ギュッ
おい
ルルーシュ「俺に恋人はまだいらない!!」
シャルル「おのれぇ!!おのれぇぇ!!!ルルーッシュぅぅぅ!!!!ここまで!!ここまでしてもぉぉぉ!!!!」
ルルーシュ「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる!!!シャルル!!貴様が自分で子作りに励め!!!」キュィィィン
シャルル「ルルーシュゥゥゥゥ!!!!!」
ルルーシュ「……自分で作って、赤ん坊を拝んでいろ」
シャルル「わぁかったぁ……シュナイゼルゥ!!」
シュナイゼル「はい」
シャルル「今から本国に帰って子作りに励むことにするぅ!!」
シュナイゼル「これ以上、増やすのですか?」
シャルル「だまれぇぇぇい!!」
シュナイゼル「ルルーシュ……」
ルルーシュ「兄上……誰かと結婚しろ!!!」キュィィィン
シュナイゼル「……そうだね。そろそろ、私も腰を落ち着けよう。カノンはOKしてくれるだろうか」
ルルーシュ「はぁ……はぁ……これでいい……これで……」
ルルーシュ「……何も言うな」
ナナリー「お兄様……本当に恋人はいらないのですか?」
ルルーシュ「俺には分不相応だからな」
ナナリー「では……お兄様?」
ルルーシュ「なんだ?」
ナナリー「私は傍にいてもいいいですよね」ギュッ
ルルーシュ「お前は総督の仕事が……」
ナナリー「私のことを女としてみてくれるお兄様の傍を離れたくなんてないのです。ランペルージに戻ります」
ロロ「……」キュィィィン
C.C.「ふっ!!」ドゴォ
ロロ「がはぁ?!」
ルルーシュ「あのなぁ……総督はどうするんだ?」
ナナリー「コーネリア姉様がいますし、大丈夫です」
ルルーシュ「全く、困った妹だな……」
ルルーシュ「なんだ、魔女?」
C.C.「恋人を作らないというのは少し勿体ないだろ?」
ルルーシュ「そうか?」
C.C.「ほら……同性愛者と勘違いされるかもしれないし、近親者にだけにしか興味がない人間に思われるかもしれない」
ルルーシュ「そうだな」
C.C.「だから、カモフラージュで一人ぐらいは恋人がいるんじゃないかな?」
ルルーシュ「言われて見ればそうだな。そういう相棒はいるかもしれないな」
ナナリー「まぁ、じゃあ、どなたにするんですか?」
ルルーシュ「……そうだな」
C.C.「そ、そういう相手は私ぐらいだろ?仕方ないから、恋人のふりを―――」
カレン「ルルーシュ!!それ私が立候補!!」
C.C.「カレン!?」
シャーリー「一般人のほうがいいと思うけど!!」
咲世子「私ならいつでもお隣にいれますよ?」
神楽耶「もう皆さん、ルルーシュ様が選ぶのを黙って待てないのですか?」
ヴィレッタ「お前たちではダメだ。ここは先生としてしっかりと指導をだな」
アーニャ「私、オススメ。学校では後輩」
コーネリア「いーや、私だ。こうなったら、四六時中ルルーシュに張り付いて、捻じ曲がった性格を叩きなおす」
スザク「……俺だ!!ルルーシュの毒牙から俺がみんなを守るんだ!!」
ルルーシュ「お前らな……」
ナナリー「大変ですね。お兄様?」
ルルーシュ「全員、ナナリーのような性格ならよかったのに」ナデナデ
ナナリー「ふふ……キスしてください、お兄様」
ルルーシュ(カモフラージュの恋人か……誰にすれば一番安全なのか……)
C.C.「……」モジモジ
ルルーシュ「……よし、決めた」
ナナリー「誰ですか?」
ロロ「僕だ!!」
咲世子「ルルーシュ様、おはようございます」
ルルーシュ「ああ」
ナナリー「お兄様、おはようございます」
C.C.「寝坊はしないんだな」
ルルーシュ「当然だろ?」
ロロ「―――ナナリー!!」キュィィィン
C.C.「はっ!!!」バキィ
ロロ「ぐはぁ?!」
ルルーシュ「―――ロロ。もう諦めろ。ナナリーの護衛にC.C.と咲世子が居る限り、貴様は何もできない」
ロロ「僕の居場所が……居場所がぁ……」
ナナリー「ふん」
ロロ「!?」
ナナリー「お兄様、行きましょう?」
ルルーシュ「ああ」
ナナリー「ふふ……お兄様、今日は暖かいですね」
ルルーシュ「そうだな」
シャーリー「ルル!」
ルルーシュ「どうした?シャーリー?」
シャーリー「えっと……来週なんだけどぉ……」
ルルーシュ「ああ……約束通り映画に行こう」
シャーリー「ありがとう!!楽しみにしてるね!!」
ルルーシュ「ふっ」
ナナリー「あれ……来週はヴィレッタ先生では?」
ルルーシュ「ヴィレッタ先生の都合で変わったらしい」
ナナリー「恋人を週替えなんて大変ですね」
ルルーシュ「毎日変わるよりマシだがな」
ナナリー「そういえばカレンさんが文句を漏らしていましたよ?2ヶ月待ちはいやだーって」
ルルーシュ「そういう規則だからな。我慢してもらうさ」
ルルーシュ「アーニャ。おはよう」
アーニャ「今からデート」
ルルーシュ「分かってるって」
ナナリー「お兄様、では後ほど」
ルルーシュ「ああ。咲世子に来させるから。少しここで待っていてくれ」
ナナリー「はい」
アーニャ「はやく」ギュッ
ルルーシュ「はいはい」
ナナリー「アーニャさん!ごゆっくりしてくださいねー」
アーニャ「言われなくてもする」
ルルーシュ「どこに行くんだ?」
アーニャ「どこでもいい」ピピッ
ルルーシュ「お前、俺の写真どれだけ撮るつもりだ?」
アーニャ「ブログ更新のためだから」ピピッ
C.C.「ルルーシュ?」
ルルーシュ「なんだ?」
C.C.「何をしている?」
ルルーシュ「予定表の制作だ。こうして書いておかないとどの予定が誰との約束だったのか分からなくなる」
C.C.「ふーん……」ギュッ
ルルーシュ「なんだ?」
C.C.「私とナナリーの予定がないな……」
ルルーシュ「当然だ。ナナリーとお前は……」
C.C.「ん?」
ルルーシュ「なんでもない。邪魔をするなら出て行け」
C.C.「いくじなし」
ルルーシュ「出て行け」
C.C.「はいはい。来週の日曜日だけは空けておけよ」
ルルーシュ「埋めるわけないだろ」
シュナイゼル「皇帝陛下は暫く公には出ることはできない。必要なことは私が……ああ。頼むよ」
カノン「また演説を行うのですか?」
シュナイゼル「仕方ないさ。シャルル皇帝は今……」
カノン「ほぼ休むことなく子作りに励んでいるそうですね」
シュナイゼル「ああ。どれだけの皇位後継者が誕生するのか……末恐ろしいよ」
カノン「お元気ですねぇ」
シュナイゼル「ところでカノン?」
カノン「はい?」
シュナイゼル「体は大丈夫かい?昨晩は少し無茶をしたからね」
カノン「もう、大丈夫です」
シュナイゼル「カノン……結婚を受けてくれてありがとう」
カノン「いいえ……殿下の……いえ、あなたのためなら」
シュナイゼル「ふふ……素敵だ……」
カノン「もう……やめてください……」
C.C.「ルルーシュ!!そろそろピザを!!」
ルルーシュ「分かっている。落ち着け」
ナナリー「こうしてお兄様とC.C.さんと一緒にお出かけできる日がくるなんて思いませんでした」
C.C.「ナナリーはいい子だな」ナデナデ
ナナリー「いえ。お兄様もC.C.さんを恋人にして差し上げればいいですのに」
ルルーシュ「ナナリー!!」
C.C.「妹の許可が出たな」ギュッ
ルルーシュ「魔女が!!よせ!!」
ナナリー「ふふ、お兄様照れてますね」
カレン「……私も混ぜてくれない?」
ナナリー「……カレンさん?決まりは守ってくださいね」
カレン「はい……」
C.C.「ルルーシュ。ほら、あーん」
ルルーシュ「やめろ!!チーズが垂れる!!」
ルルーシュ「全く……行儀が悪いんだよ」
ナナリー「お兄様とC.C.さんって本当の恋人みたいですよ?」
C.C.「だってさ」
ルルーシュ「虫唾が走るな」
C.C.「なんだと?」
ナナリー「お兄様、C.C.さんを恋人にしても、私のことはずっと愛してくださいね?」
ルルーシュ「ナナリーは特別だからな」
ナナリー「ふふ……」
C.C.「私は?」
ルルーシュ「……」
C.C.「私はどうなんだ?ルルーシュ?」
ルルーシュ「……特別だ」
C.C.「ルルーシュ、ピザだ。アーンしろっ」
ルルーシュ「やめろ!!俺に恋人はいない!!恋人面をするなぁ!!」
END
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Entry ⇒ 2012.08.19 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
だいすけ「ジッペイ!」ジッペイ「だいすけ君?!」
ジッペイ「だいすけ君!随分久しぶりだねえ。キミしばらく見てなかったけどどうしてたんだい?」
だいすけ「ハハハ、テレビ観てないのかい?僕は随分前に死んだんだよ。胃捻転でね!」
ジッペイ「え?死んだ?でも僕と君はこうやって普通に会話…」
だいすけ「キミもここへ来たって事はキミも死んでしまったんだね…」
だいすけ「思い出したかな?キミにとっては嫌な思い出だろうけど」
ジッペイ (あの時ご主人様と弟達とで車で出掛けて、ご主人様達は車から離れた。その後なんか暑くなってきて弟達も…)
だいすけ「…キミ大丈夫かい?体調悪そうだね。ま、ここでは病気もケガもないけどね!ハハハ!」
ジッペイ「う、うん。大丈夫…。じゃあここは天国なのかい?」
ジッペイ「そうか…僕はやっぱりあの時死んだんだね。あ、そういえば声が出る…」
だいすけ「声?喉を悪くしてたのかい?まあここなら生前の、一番健康な時でいられるからね!」
ジッペイ「そうなんだ。僕のは手術で喋れなくされたんだけど、そういうのも大丈夫なんだね」
だいすけ「え?手術で?…キミがどうしてここへ来たのか聞いてもいいかい?」
ジッペイ「うん…実は…」
ジッペイ「ハハハ…」
だいすけ「う~ん、でも大変だったねぇ~!車のもだけど、喉を手術されて喋れなくするなんて酷いねえ!」
ジッペイ「…僕たちはテレビの前では吠えちゃダメだから。僕はそのつもりはなかったけど、人間達に僕の言葉は通じないし」
だいすけ「だから車に閉じ込められても助けを呼べなかったんじゃないか!これはぎゃくたいだぁ~!!」
だいすけ「ハハハ!そう言われると照れちゃうよ!!まあ辛い事は忘れて、ここでは楽しくやろうよ!もう命令する人間もいないしさ!」
ジッペイ「フフフ…そうだね。あ、弟達はどうしたかな。僕と一緒に死んだんならここに来てると思うけど」
だいすけ「あ、そうかぁ!…そうだ!父ちゃんに聞いてみるよ!」
ジッペイ「キミのお父さんに?」
まさお「…ん~?何だぁだいすけ⁈」
だいすけ「父ちゃん!コイツ友達のジッペイ!最近死んだんだ!」
ジッペイ「ど、どうも初めまして…」
まさお「おぉ~!そうかそうか!ワッハッハ!ようこそ天国へ!キミもテレビ犬だったのか⁈ ワシも生前はポチたまって番組でよく暴れry」
だいすけ「そんなのいいから父ちゃん!
こいつの弟と仲間も一緒に死んだみたいなんだけど、同じ場所に来てないみたいなんだ」
だいすけ「長老?ジッペイ、行ってみようぜ!」
ジッペイ「うん!」
まさお「ネコじぃ!ネコじぃ!おるか~!」
ジッペイ「ネコじぃ?」
だいすけ「ああ、聞いた話によると随分前からここらを仕切ってるネコの爺さんらしい。かなり物知りみたいだぜ」
ジッペイ「へぇ~…。その人なら弟達の居場所知ってるのかな」
だいすけ「多分な」
まさお「今日はじいに頼みがあるんじゃ!実は…」
ネコじい「わかっとるわい。そこの白い坊の弟達の事じゃろ。察しはついとる」
ジッペイ「わ、わかるんですか⁈ ぜひ教えて下さい!」
ネコじい「ふん…坊よ、お前は人間に酷い目に遭わされ、そして殺された。人間達に恨みはないのか?ワシならここから人間達に復讐する方法も知っとるぞ。代わりにそれを教えてやってもいいぞ」
ジッペイ「確かに人間達に恨みはあるかもしれません…。でも今は弟達の事が心配なんです!だから居場所を教えて下さい!」
ジッペイ「!あ、ありがとうございます!」
だいすけ「やったなぁジッペイ!(ジッペイの漢気に濡れたワン…///) 」
ジッペイ「うん!」
ネコじい「さて、いくぞ坊よ。」
ジッペイ「え?そうなんですか?」トットッ
ネコじい「ここへ来たものはまず受付を通る。そこで生前悪さをした者は矯正層へ行き再調教される。そうでないものはここ天国へと通されるのじゃ」トストス
ジッペイ「へえ…。だいすけ君知ってた?」トットッ
だいすけ「知らん!(ドヤァ」チャッチャッ
ネコじい「おっと、これは秘密事項じゃった。くれぐれも内密にな」トストス
ジッペイ「は、はい…」トットッ
だいすけ「へぇぇ~!そうなんだぁ!スゲーなジッペイ!」チャッチャッ
ジッペイ「だいすけ君、声大きいよ…」
ジッペイ「あ、あれが…!」タタッ
だいすけ「待てよジッペイ!」タタッ
ジッペイ「弟達…まだ出てきてない…。」
だいすけ「ジッちゃん!すれ違ったって事はないかな⁈」
ネコじい「ここは一本道じゃし、すれ違う事はないのう。矯正層へ落ちたのなら別じゃがの」
だいすけ「コラじい!言っていい事と悪い事があるぞ!」ウ~!
ネコじい「ホホッ、なら待つ事じゃ。動物は毎日死んでここにやって来る。数は多いからのう、時間がかかっとるやもしれんの」
ジッペイ「 … 」
だいすけ「あ!誰か出てきた!」
ジッペイ「弟!それにみんな~!」
ジッペイ弟「ここはどこなんだい?俺たち車にいたと思ったらなんか知らない場所に来てるんだけど…」
ジッペイ「実は…」
ジッペイ弟「え~!俺たち死んだの?!で、ここが天国~?!」
ジッペイ弟「ああ…それはね、ちょうどそこの出口とこで…」
???「キュ~…」
だいすけ「なんだこの赤ん坊?犬っぽくないなぁ!」
ネコじい「ホッホッ、これは珍しい。パンダの赤子じゃのう」
だいすけ「パンダ?!」
ジッペイ弟「なんか足にしがみついてきて離れなくてさ。みんなと相談して一緒に連れていこうって決めてたのさ」
ジッペイ「そ、そうなんだ…良かったあ。でもパンダなんて育てられるかな?僕たちただの犬だし…」
ネコじい「フフフ…ここは天国、現世よりもずっと自由じゃ。犬でもパンダは十分育てられる。それに探せば大人のパンダもおるじゃろうしな」
ジッペイ「ネコおじいさん、初対面の僕たちの為に親切にありがとうございました。」
ネコじい「ホッホッ…ワシも生前は映画なんぞに出ててのう。それこそ撮影の為に酷い目にもあったもんじゃった」
ネコじい「だから同じような境遇の坊達が他人に思えなくての…つい手を貸したのじゃよ」
ジッペイ「おじいさん…」
ジッペイ「そ、そうだったんですね…おじいさんも…」
チャトラン「ホッホッ!坊は優しいのう!なに、今はこうしてのんびりやっておる。坊もこれからは弟達と楽しく暮らすのじゃよ!」
ジッペイ「…!はい!」
こうしてジッペイと仲間達は天国で幸せに暮らしたのでした。
2012.8.14 亡きZIPPEIに捧ぐ
乙でした
Entry ⇒ 2012.08.19 | Category ⇒ その他 | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「難聴が治った」
P「早期発見だったから割とすぐに治ったのは不幸中の幸いだったな」
P「そして、クリアな聴覚を手に入れてから何だかんだあって」
春香「……」
千早「……」
雪歩「……」
やよい「……」
律子「……」
伊織「……」
あずさ「……」
亜美「……」
真美「……」
真「……」
美希「……」
響「……」
貴音「……」
P「事務所の空気が最悪です」
P「元々、アイドルたちと話していてたまに聞き漏らす事が続いていたんだ」
P「と言ってもぼそぼそっと、聞こえなくても良いみたいな言い方だったから気にしなくても良いかとも思っていた」
P「だが人間ドックでちょっとばかし聴力の項目がよろしくなかったので、再検査したら、難聴だったというわけだ」
P「そうして治療後、今までは聞き漏らしていたアイドルたちの言葉を聞いてみると」
P「あれ、これ俺に気があるんじゃね?」
P「と思ってしまったのだ」
P「いや流石にそれはないだろと」
P「アイドルが自分のことを好きかもしれないなんて中二男子でも考えないレベルの自意識過剰じゃないかと」
P「そう思っていた時期が僕にもありました」
P「でもそうじゃなかったから、そしてアイドルに好かれてるなんて思って調子に乗ってしまった結果が>>1というわけだ」
P「一例を挙げよう」
美希「おはようなのハニー!」
P「おはよう美希」
美希「ぎゅう~」
P「おいおい美希、朝っぱらから抱きついてくるなよ」
美希「夜なら良いの? いやん、ハニーのえっち♪」
P「そういう意味じゃないよ」
美希「でも、朝一番だからこそハニー分を補充しないといけないと思うな」
P「なんだそりゃ。はちみつでも食っとけ」
美希「ハニー分はハニー分なの! ミキはハニー分を摂取しないと生きていけないの!」
P「はいはい」
美希「もう!」
P「まったく、そういうのは彼氏にやることだぞ。いや、それもどうかと思うけどな」
美希「ミキの彼氏になるのはハニー以外ありえないからこれでいいの」
P「そんな無防備なこと言ってると襲われちまうぞ」
美希「ハニーならいくらでも襲ってくれていいのに……」ボソッ
P「え?」
美希「もう、何でもないの!」
P「と、いつもならこんな会話になるんだが」
P「……なら襲っちまうぞ」ガバッ
美希「え?」
P「え?」
美希「……」
P「……」
美希「……」
P「な、こういうことになるかr」
美希「……いいよ?」
P「……え」
美希「ミキ、ハニーなら何をされてもいいの」
P「ミキ……」
美希「ハニー……」
P「とまあこういう具合だ」
P「こうして、色々なアイドルたちとそれぞれちょっとした事件を経て、ちょっとずつ親密になっていったんだ」
P「そして気づいたら>>1だ」
P「補足すると、確かに空気は悪いがアイドル同士がいがみ合っているわけではない」
P「あくまでお互いをライバル視してるっぽいだけだ……と思う」
P「まさかうちのアイドルたちに限って、嫌がらせとかそういうことはしないと思うが……」
P「まあ、元々仲の良い友達同士なんだから大丈夫だろう」
P「それにしても」
P「どうしてこうなった……」
P「どうしてこうなった……!」
P「さて、本当にこれどうすればいいんだろう……」
P「どうすればいいですかね、小鳥さん」
小鳥「」
P「……」
小鳥「……それを私に聞きますか」
P「聞きます」
小鳥「聞いちゃいますか」
P「聞いちゃいます」
小鳥「はああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
P「あらら、重い溜息ですね……幸せが逃げますよ」
小鳥「誰のせいですか」
P「はて」
小鳥「あんたや」
P「おっとこいつは一本取られたZE。HAHAHA」
小鳥「…………」
P「……すみません」
小鳥「はい」
P「あのー、それで一体どうすればいいでしょうか」
小鳥「手を出したプロデューサーさんが悪いです。きっちり責任を取ってください」
P「いや、手は出してませんよ?」
小鳥「そうなんですか」
P「ええ、まあ」
小鳥「なんだてっきり最近の流行りみたいに『エッチだってしたのにふざけんな!』っていう流れかと」
P「まさか。というかうちの事務所ほとんど未成年じゃないですか」
小鳥「ええ」
P「ええって……」
小鳥「成人以上の男性が初めてなんて娘は山ほどいますよ」
P「それはそうかもしれませんけど……」
小鳥「まあ、うちの娘たちはみんな賢いですからね。わざわざ自分を安売りするようなことはしないと思いますけど」
P「俺も別に、未成年は性体験するなとは言いませんよ」
小鳥「ほう」
P「ちゃんと歳相応に恋愛をして、その過程でする分にはいい経験だと思います」
小鳥「青春ですね」
P「でも流石に十代の娘が二十歳以上の男とってなると、どうしても恋愛って感じがしないじゃないですか」
小鳥「まあ、場合によりけりでしょうけど。大体はそうかもしれませんね」
P「もしするにしても、個人的には最低でも16歳以上、そして自分で生計を立てている娘なら、まだいいと思います」
小鳥「その心は」
P「万一の事態があっても、あくまでも自己責任の範疇でしょう」
小鳥「ですね」
P「まあ、それにしたって正しいな判断が出来る年齢かと言われれば、微妙だと思いますよ」
小鳥「なるほど」
P「あ、別に女の子が処女なきゃいけないって意味じゃないですよ」
小鳥「わかってます。年上の男性側の問題ですね」
P「はい。まあその辺はいったん置いておきましょう」
小鳥「そうですね」
P「それで、俺は一体どうすればいいでしょうか」
小鳥「そうですね……まず、確認していいですか」
P「はいどうぞ」
小鳥「えっちはしてない」
P「はい」
小鳥「キスもしてない」
P「は……い」
小鳥「はい、詳しくどうぞ」
P「えー、あー」
小鳥「はよ」
P「はい。何というか両者同意の上で、という意味ではキスはしてないです」
小鳥「ひゃくとおばんはなんばんだっけ……」
P「待ってください、逆です」
小鳥「逆とは」
P「俺が無理やりやったわけではないです」
小鳥「ほう」
P「こう、ちょっと油断した隙にちゅっと……」
小鳥「なるほど」
P「まあ、女の子にそこまでさせてしまっている時点で、俺が悪いとも言えますけど」
小鳥「その辺は微妙なところですね」
P「はあ」
小鳥「ちなみに、それは誰のことですか?」
P「えーと」
小鳥「もう今さらですよ」
P「まあそうですね。雪歩と響です」
小鳥「あら、結構以外なところが」
P「ですよね。まあ、響はなんとなくわからないでもないようなって感じがするじゃないですか」
小鳥「うーん、私としては逆のつもりだったんですが」
P「え、雪歩ですよ?」
小鳥「雪歩ちゃんは、男性恐怖症でずっと男性と触れ合う機会がなかったから、反動で余計に大胆になることもあるかなって納得しちゃいました」
P「じゃあ響は?」
小鳥「響ちゃんは普段は誰とでも別け隔てなく接する分、男女の機微に関しては初心な部分があるんじゃないかなと」
P「なるほど。なかなかの観察眼ですね」
小鳥「それほどでも」
P「もう俺の代わりに小鳥さんがプロデューサーになったらいいんじゃないかな……」
小鳥「見える、アイドルたちの病む姿が……」
P「怖いこと言わないでくださいよ」
小鳥「怖いのは私ですよ。下手したら刺されます」
P「いや、流石にそれは……」
小鳥「人間、追い詰められると何をするかわかりませんからね」
P「うーん……」
小鳥「まあ、それはいいですね。では、キスをしたのは雪歩ちゃんと響ちゃんということでいいですね?」
P「はい……あ」
小鳥「はい、どうぞ」
P「えーと、ほっぺたなら他にも」
小鳥「誰ですか」
P「千早と亜美です」
小鳥「なるほど……」
P「意外ですか」
小鳥「わからないでもないような感じです」
P「ちなみに、亜美は冗談めかしてたくさんしてきます」
小鳥「それは何となく想像がつきます」
P「千早は、頑張ったご褒美にしてほしいと言ってきます」
小鳥「あ、する方ですか」
P「自分でも正直ギリギリのところだと思ってます」
小鳥「ギリギリアウトですね」
P「ですよねー」
小鳥「最初はなでなでだったのが、段々エスカレートしてって感じですか?」
P「貴様見ているな」
小鳥「大切なアイドルたちですからね。毎日見てますよ」
P「それでちゃんと事務仕事も出来てるのがすごいですね」
小鳥「ありがとうございます」
P「ちなみに亜美の方は、ちょっとそういう雰囲気になったのをごまかした翌日くらいにいたずらめかしてやってきました」
小鳥「それを許したらずるずると続いていると」
P「はい」
小鳥「なるほど」
P「というか、亜美がそういうことに興味を持つとは思わなかったんですよね」
小鳥「ああ。多分本人が一番戸惑ってると思いますよ。だからこそ冗談めかしてでもキスして発散してるんでしょうね」
P「ふむふむ」
小鳥「なんと言ってもうちの最年少ですからね」
P「ですね」
小鳥「はい、じゃあ次に行きましょう」
P「はい」
小鳥「えー、じゃあハグやそれに類することをしましたね?」
P「何か聞き方が変わってませんか」
小鳥「だってしたでしょう?」
P「はい……」
小鳥「どうぞ」
P「やよいと伊織と貴音です」
小鳥「アウトー」
P「やよいは亜美より年上ですよ」
小鳥「そう言ってる時点で自覚がありますよね?」
P「うっ」
小鳥「まあそれはそれとして、貴音ちゃんですか……」
P「俺もびっくりしました」
小鳥「是非はともかく、やよいちゃんと伊織ちゃんは何となく想像がつきますね」
P「ですかね」
小鳥「ええ、二人とも甘えたいけど甘えられないって感じですからね」
P「あー」
小鳥「やよいちゃんはご両親の忙しいお姉ちゃんとして」
P「伊織は家族へのコンプレックスから、とかですか」
小鳥「大体そんなところですよね」
P「ええ、まあそんな状況でした」
小鳥「お兄ちゃんとか呼ばれました?」
P「やよいには呼ばれました。あ、あと響も……」
小鳥「あー。にぃに、ですか?」
P「はい」
小鳥「あれは可愛いですね」
P「はい」
小鳥「で、伊織ちゃんは」
P「伊織は、プレッシャーとかがあったんじゃないかなと」
小鳥「なるほど」
P「家でも甘えられないし、職場でもリーダーだから。少しでも助けになればという思いでしたよ」
小鳥「やよいちゃんもそういう感じですか?」
P「まあ、近いですね。やよいの場合はいつも元気に振舞ってるので、少しは休めるようにと」
小鳥「そうですね」
P「まあ、抱き枕じゃないですけど、気分的にはそういう感じでした」
小鳥「把握しました」
P「で、貴音ですか」
小鳥「はい」
P「まず、月見に誘われたんですよ」
小鳥「ほうほう」
P「それで、俺が座ってるところに貴音も座って来ました」
小鳥「なんと、お膝ですか」
P「それでまあ、手持ち無沙汰というか何というか」
小鳥「お腹の辺りに手をまわしたと」
P「はい」
小鳥「貴音ちゃんから抱きつくイメージはなかったですけど、そういうことでしたか」
P「ええ。それから気に入ったのか、たまに俺の膝に座って来ましたけど、貴音から抱きつくということはありませんでした」
小鳥「それで?」
P「え」
小鳥「貴音ちゃんを後ろから抱きしめて、それだけですか?」
P「うっ、本当にどこから見てたんですか」
小鳥「とっぷしーくれっとです」
P「やかましいわ」
小鳥「失礼しました」
P「えー、まあ、あれですよ」
小鳥「はい」
P「こう、後ろから抱きしめるとですね」
小鳥「はい」
P「普段は髪に隠れがちな貴音の耳が目の前にあってですよ」
小鳥「はい」
P「するじゃないですか?」
小鳥「ふーっですか? ぺろっですか? はむっですか?」
P「一通り……」
小鳥「こやつめ」
P「ハハハ」
小鳥「で?」
P「で、反応が可愛いわけですよ」
小鳥「わかります。わかります」
P「やめてくださいましとか言いつつも、毎回俺の膝に座ってくるわけですから。ねえ?」
小鳥「ですね」
P「ですよね」
小鳥「わかりました。では次はどうしましょう」
P「次ですか」
小鳥「(安価)+3とか+6とか+9もしちゃったりしました?」
※安価内容によっては未登場キャラが出てくる場合もありますがご了承ください
小鳥「耳かき、とかされました?」
P「えっと、カメラはどこに設置してるんですかね……」
小鳥「まさかと思って聞いてみただけなんですが……」
P「ばっちりされちゃいましたよあはは」
小鳥「はあ」
P「本気で呆れた顔でため息つくのやめてもらえますか心が痛いです」
小鳥「それで、相手は誰ですか? あずささんとか?」
P「お、ハズレです。正解は真美ですよ」
小鳥「ドヤ顔で言わないでください通報しますよ?」
P「ヤメテ」
小鳥「それで?」
P「はい、あれはそう、ちょうどこんなのどかな昼下がりでした……」
小鳥「そういう語りも要らないです」
P「あ、はい」
小鳥「で?」
P「えー、まあ、こんな気持ち良い感じの事務所でですね」
小鳥「はい」
P「音無さんも出ててアイドルも誰も居なかったんです」
小鳥「ほうほう」
P「で、ちょっくら仮眠しようとソファに横になってたわけですよ」
小鳥「なるほど。みんなが働いてる間に空調の効いた部屋で仮眠と」
P「やめて、Pのライフはもう0よ!」
小鳥「……」
P「はい。でですね、気づいたら膝枕で耳掃除されてたんです」
小鳥「なるほどねえ……」
P「真美っていうのは意外でした?」
小鳥「うーん。状況を聞くと、意外でもないかなと思ったりしますねえ」
P「そうですか?」
小鳥「寝てる間に耳かきって、正直ちょっと危ないですよね」
P「ああ、まあそうですね」
小鳥「その辺りに気が回らないのは最年少の真美ちゃんならではかなと」
P「なるほど」
小鳥「あと、本当はそれ、耳かきじゃなくて膝枕をしてみたかったんだと思いますよ?」
P「え?」
小鳥「それを誤魔化すために、耳かきしただけじゃないかな……と、私は思いますね」
P「あー、そういう解釈も出来ますねえ」
小鳥「真実はわかりませんけどね。私の妄想エンジンはそういう答えを弾き出してます」
P「ほうほう。今までの見てきたかのような推察もその妄想エンジンがあればこそですか」
小鳥「そうだったら面白いなって思ったことを言ってただけですね」
P「捗りました?」
小鳥「ええ」
P「それは重畳」
小鳥「まだ名前が挙がってないのは……あずささん、律子さん、真ちゃんに春香ちゃん、ですね」
P「うーん、特別なことは……あ」
小鳥「はいいってみましょう」
P「はい」
P「ちょっと前に、竜宮小町がミリオン達成したじゃないですか」
小鳥「はい」
P「その時に、律子に何でも願いを叶えるって言ったんですよ」
小鳥「おっと、これはまた……」
P「正直、考えなしだったかなーと、今では思います」
小鳥「それで?」
P「はい。結婚してくださいって」
小鳥「え?」
P「プロポーズですよ、プロポーズ!」
小鳥「…………」
P「すみません」
小鳥「それで、どうしたんですか?」
P「ちょうど難聴が再発しました」
小鳥「は?」
P「ちょっと聞こえないなーって」
小鳥「……」
P「いやだってあれはしょうがないですよ」
小鳥「ひどい人ですね」
P「うっ」
小鳥「あーあ、律子さん可哀想」
P「代わりに高いレストラン連れて行きましたし……」
小鳥「…………」
P「ごめんなさい」
小鳥「私に言ってもしょうがないですよ」
P「はい」
小鳥「他には?」
P「そうですね……俺が直接何かしたってわけじゃないんですけど」
小鳥「はい」
P「あの××って番組のオーディションがあったじゃないですか」
小鳥「ええ、春香ちゃんがレギュラーになったやつですね」
P「あれの時に、春香と真がタイマン対決しようって言い出して」
小鳥「ほうほう」
P「勝った方にご褒美をくれって」
小鳥「罪作りな人ですね……」
P「で、まあ知っての通り結果は春香が勝ったんですけど」
小鳥「はい」
P「真が泣き出しちゃって」
小鳥「あらあら」
P「負けたのは女の子らしさが足りなかったからだって」
小鳥「なるほど」
P「それで、まあ、何というか勢いで……」
小鳥「はよ」
P「お姫様抱っこして」
小鳥「ほう」
P「『真の可愛さは、ちゃんとわかってるよ』って」
小鳥「もうそれは責任を取るべきではないですか?」
P「すみません、何とか慰めようと思ったら……」
小鳥「スケコマシ」
P「はい」
小鳥「天然ジゴロ」
P「はい……」
小鳥「変態クソメガnP「もうやめて!」
小鳥「それで、春香ちゃんへのご褒美はどうしたんですか?」
P「本人に何が良いかって聞いたら、新しいリボンが欲しいってことで、頑張って選びましたよ……」
小鳥「プロデューサーさんが選んだのが良いってことですか」
P「よくわかりますね」
小鳥「わからいでか」
P「で、まあ何とか春香に似合いそうなやつを買ってきて」
小鳥「はいはい」
P「髪を梳かして付けました」
小鳥「なんとそこまで……春香ちゃん、きっと大事にしてくれますよ」
P「そうだと嬉しいですね」
小鳥「はい。で、あとは?」
P「うーん……なでなで、とか」
小鳥「今さらですか?」
P「まあ、他の娘ならそうなんですけど、相手があずささんなんですよね」
小鳥「あー、なるほど」
P「珍しいですよね」
小鳥「それで、そこに至る過程は?」
P「それはですね、さっき言った竜宮小町のミリオンとも関係があるんです」
小鳥「ほうほう」
P「ミリオン達成したからって、亜美をなでてた時にあずささんが来て」
小鳥「あーわかります」
P「じゃあもう良いですか?」
小鳥「そんなわけないですよね?」
P「ですよねー」
P「で、まあ、何かじっとこっちを見ていたので、どうしたんですかって聞くじゃないですか?」
小鳥「はいはい」
P「そうしたら、『私も……』ってぼそっと言うわけですよ」
小鳥「なるほどなるほど」
P「正直もう、色々と麻痺していたので、ね?」
小鳥「なでたと」
P「はい」
小鳥「わしゃわしゃと?」
P「いえ、しっとりと……」
小鳥「愛のささやきのオプション付きですね」
P「愛ではないですけど、『よく頑張ったね、偉いよ』って」
小鳥「なるほど」
P「はい」
小鳥「それで、どうするんです?」
P「どうしましょう……」
小鳥「もういっそ誰かと付き合ってみたらどうですか?」
P「それも少し考えましたけど、やっぱりアイドルとプロデューサーが付き合うっていうのはどうかなと」
小鳥「なるほど。では律子さんはどうです。それこそ結婚しても」
P「それはなかなか魅力的ですけどね。お互いの仕事のこともわかるわけですし。業界人との付き合いでの飲み会だとか、可愛いアイドルとずっと一緒にいることとかにも理解がありますから」
小鳥「まあ、それでも嫉妬するのを止められない律子さんも可愛いと思いますけどね」
P「ああ、それは良いですね……」
小鳥「では?」
P「でも、律子も俺も仕事がしづらくなるかなって」
小鳥「あー、まあそうかもしれませんね」
P「ほんとどうしよう」
小鳥「もういっそ、男性にしか興味が無いことにしてみては」
P「いや、それはちょっと……」
小鳥「ですよね」
小鳥「どうしましょうねえ……」
P「……事務員とか」ボソッ
小鳥「え、なんですか?」
P「いや、ナンデモナイデス……」
小鳥「こうなったらあれですね」
P「なんです?」
小鳥「最初にSランクになった娘と付き合うってことにしたらどうですか?」
P「いや、だからアイドルとは……」
小鳥「Sランクアイドルなら、何しても許されますよ」
P「あぁ……前例がありますもんね」
小鳥「はい」
P「……余計なことを」ボソッ
小鳥「え、なんですか?」
P「いや、ナンデモナイデス……」
小鳥「そうですか」
P「うちの事務員が難聴すぎて困る」
早く小鳥さんとのいちゃラブを
美希とか出てるし、ところどころ会話引用しちゃったけどね。
難聴すぎると腹立つけど、難聴が治っちゃうとそれはそれで爆発しろってなる不思議。
小鳥さんはアイドル達が大人になるまでそういうことはしないんじゃないかな(遠い目)
とりあえず出かけるので、続きを書くとしても夜になるかな。
夜になったら書くってことじゃないぞ、勘違いするなよ!
全員分のルート書いてみたらどうなん(提案)
おまけ
P「事務員にガッとやってチュッと吸ってはーんしてみた」
P「あれから、結局先のことはひとまず考えないことにして飲みに行くことになった」
P「いつもは冷静にツッコミを入れてくれる音無さんだが、お酒には弱く、いつも俺が家まで送るハメになる」
P「それがわかっててなお一緒に飲みに行く理由は、推して知るべし、だ」
P「というわけで、既に見慣れた音無さんの部屋」
P「音無さんの服を緩め、ベッドに寝かせる」
P「こんな気持ちを抱きつつも今まで手を出さなかった俺は、紳士なのかヘタレなのか」
P「ともあれ、それも今日までのこと」
P「今夜の俺は、飢えた獣」
P「いや、ヴァンパイアボーイだ!」
P「…………最近は20~30でも男子とか女子とか言うから良いよな」
P「とにかく、今日の俺はいつもと違うんだ」
P「ここで行かねば男がすたr……」
小鳥「いつまで待たせるんですか、プロデューサーさん……?」
P「アルコールのせいで上気した頬」
P「期待に濡れた瞳」
P「口紅の塗られた艶めかしくも赤い唇」
P「その時の音無さんは、まさしくヴァンパイアガールだった」
P「ガッとやろうとしたらチュッと吸われてはーんってなった」
P「何を言ってるかry」
P「結論。音無さんは魔性可愛い」
終わり
というわけで、本当に終わり。
あっさりさらさら読める感じを目指したのでこんな具合に。
この後Pが修羅場るも音無さんは手出しせず静観の構えだったりするのかどうかは知りません。
みんな支援とかありがとう。
というわけで、また会う日までノシ
元スレ:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1345128337/
Entry ⇒ 2012.08.19 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
京子「ひま!」
京子「あかりとちなつちゃんは二人でどっか行ってるし」ゴロン
京子「綾乃と千歳は勉強会……」
京子「むぁーっ、ひまだぁぁぁぁぁぁ」ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ...
京子「オふっ!」ゴチン
京子「」チーン
京子「……はあ、ひま」グテー
京子「ひまー、ひまー」
京子「ひま、ひまん……」
京子「ひまん……わり……?」
京子「!」キュピーン
京子「そうだ、ひまっちゃんと遊ぼう!」
prrガチャッ
綾乃『も、もひもひィ!?』
京子「あ、綾乃~?」
綾乃『とと、歳納京子ーッ!?』
京子「そうです、私が歳納京子ちゃんです」
綾乃『こ、こんな真昼間っから電話なんてどういうつもりよ!?』
京子「(え? 電話って昼にする方が普通じゃないの?)」
綾乃『ちょっと歳納京子、聞いてるの!?』
京子「あ、ごめんごめん。ちょっと綾乃に教えて欲しいことがあってさー」
綾乃『私に教えて欲しいこと……?』
綾乃『……す、少し待ってて!』
京子「へ? まだ何を教えて欲しいのか言ってないんだけど」
電話<チ、チトセッ!ドウシマショウ! アヤノチャンオチツイテー、コレハチャンスヤデ? チャ、チャンス!?チャンスナノ!? セヤデー
京子「おーい、綾乃ー?」
電話<コノチャンスヲリヨウシテ、トシノウサンニアヤノチャンノコトヲモットシッテモラウンヨ ワ、ワタシノコトヲ!?トシノウキョウコニ!? セヤデー
京子「だめだこりゃ、千歳と話してんのかな」
電話<デモワタシ、ソンナハズカシイコト... ユウキヲダシテーナアヤノチャンー ユウキ... セヤデー
京子「おっおっおっおっ、おっおっ、おっおー♪」フンフン
綾乃『……と、歳納京子ーッ!』
京子「あ、もういい? そんで、こっちの用件なんだけどさー」
綾乃『わ、私の今日のパンツは白よ!!!』 / 京子「ひまっちゃんちの住所教えてくんない?」
綾乃『∵』
綾乃『い、言ってない! なにそれそんなのぜんぜんぜんぜんぜんぜん言ってないわよ!!』
京子「そーぉ? じゃあ空耳だったのかな」ハテー
綾乃『そ、それでッ? ひまっちゃん……て、古谷さん? 古谷さんのお宅に行きたいの?』
京子「押忍、よろしくお願いしまっす」
綾乃『……どうして?』
京子「ぬ?」
綾乃『古谷さんに会いたいの? ……会って、どうするの?』
京子「……」
綾乃『……』
京子「こないだ娯楽部と生徒会で遊んだ時に撮った写真をプリントしたから早く渡してあげたいだけダヨー」シレッ
綾乃『なぁんだ、それなら納得徳島県ね!!』チョロッ
京子「(チョロい)」
京子「ほーい」
綾乃『えっと、まずは学校をスタート地点として考えた方がいいかしら。そこから~』
京子「(綾乃はいつか悪い女の人に騙されそうだなー)」
京子「(結衣とか)」
綾乃『~で、最後に突き当たりをギュワァンと曲がった所に見える一軒家が古谷さんのお宅よ。分かった?』
京子「へ、あぁうん、わかったわかった」
綾乃『……本当でしょうね?』
京子「だいじょぶだってー。一軒家でしょ?」
綾乃『そうよ』
京子「団地じゃなくて」
綾乃『一軒家よ』
京子「団地じゃなくて一軒家」
綾乃『くどいわよ歳納京子』
京子「はい、すみません」
綾乃『あっ待ちなさい歳納きょ』
pi
京子「さてっ、目的地も判明したし……」
京子「あっ」
~古谷家近辺~
京子「と言う間にひまっちゃんちらへんなう!」キュピーン
京子「この炎天下に外をうろつく描写とか勘弁して欲しいもんね」
京子「」チラッ
シーン...
京子「……ぅう、結衣の『なにに対するコメントだそれは』的なツッコミがないなんて……」
京子「ええい、気を取り直してひまっちゃんちを探すぞー!」オー
京子「もしもひまっちゃんちが団地だったら郵便受けが密集してて更に楽勝だったんだろうけど」
京子「でも団地じゃないからなー! ひまっちゃんち団地じゃないからなー!」
京子「仕方ないなー! この苦労もやむなしだなー! 団地じゃないからなー!」
京子「」チラッ
シーン...
京子「……おのれぇ、閑静な住宅街め。真面目に探そ」トボトボ
~数分後~
京子「めっけたー!」
京子「このちょっと古めかしくも趣のある佇まい! まさに一軒家! まさに古谷家!」
京子「よーし、そんじゃーチャイムチャイムっと……」
ピンポーン♪
京子「」ワクワク
京子「?」
...テッテッテッテッ
京子「!」
ガラッ
京子「!!」
楓「はぁい、どちらさまですか?」ピョコッ
京子「!!?」
京子「……」ジー
楓「あ、あの……?」
京子「」ジーーー
楓「どちらさ」
京子「ひまっちゃんが縮んだーーーーー!?」ガバァッ
楓「ふわぁっ!?」
京子「なんだ、どうした、組織の仕業か!?」ワタワタ
楓「えっ、えっ!?」ビクビク
タッタッタッタッ
向日葵「ちょっと櫻子、珍しくチャイムなんて鳴らしたと思ったら騒がし……歳納先輩!? なぜ歳納先輩が私の家の玄関先で楓を抱えあげてますの!?」
京子「おわっひまっちゃん! 縮んだんじゃなく分身してたのか!」
向日葵「分身!?」
楓「お、おろしてほしいの~っ」ジタジタ
向日葵「粗茶ですが……」スッ
京子「かたじけのうござる」ズズッ
楓「」ジー
京子「お茶うめえ!」プハー
向日葵「そう言っていただけるとなによりですわ」ニコ
京子「八割方ワープしてきたとは言え、外は暑いからねー。冷たいお茶うめえ!」
向日葵「(ワープ……?)あの、それで歳納先輩、今日は突然何のご用で……」
京子「あ、ちょっちまっち」
向日葵「中学生。どうしました?」
京子「いやほら、この子って?」チラ
楓「!」
京子「妹!」
向日葵「ええ、名前は……」
京子「ちょっちまっち」
向日葵「中学生」
スッ
楓「!」ビクッ
京子「こんにちは妹ちゃん、私は歳納京子って言います。お名前言えるかな?」
楓「えと、えっと……古谷楓です、6さいですっ」アセアセ
京子「楓ちゃんか! 自己紹介できてえらいぞー」ナデクリナデクリ
楓「ぁ……えへへ~」ニコニコ
京子「うん好きー。楓ちゃん可愛いしね!」ナデリナデリ
楓「えへへへへ~」ニパー
京子「ところでひまっちゃん、今までなにしてた?」
向日葵「え、洗濯物を干してたところですけど……」
京子「そっか、じゃあ続きしてきていいよ」
向日葵「えっ!? でも、お客様を放っといてそんな」
京子「気にしなくていいって。私は楓ちゃんと遊んでるからさー!」ヒョーイッ
楓「きゃーっ♪」
向日葵「そ、そうですか……? でしたらすみません、すぐ終わらせますから、その間だけ」
京子「ごゆっくりー」
楓「おねえちゃんがんばってー」
向日葵「……ええ、わかりましたわ」クス
向日葵「歳納先輩、楓、お待たせしました」
京子「あ、おっかれー」ヒラヒラ
楓「おねえちゃーん」ダキッ
向日葵「あらあら……楓、ちゃんといい子にしてました?」
京子「すげーいい子だったよ! さすがひまっちゃんの妹だね」ウンウン
楓「あのね、京子お姉ちゃんね、とーってもお絵かきが上手なのっ」
向日葵「まあ、お絵かきして遊んでましたのね」
楓「うんっ!」
京子「ほら見てひまっちゃん、ミラクるーん!」
向日葵「わぁ……とても綺麗。これを歳納先輩が?」
京子「ちょっと張り切ってみました。西京極ラム子のサイン入りで楓ちゃんにプレゼント!」
楓「京子お姉ちゃんありがとう~」ペコッ
京子「どういたしましてーっ」ギュー
向日葵「と、歳納先輩っ!? 楓ごと私まで抱き締めてますわよ!?」
向日葵「いえ……あの、お礼と言ってはなんですがクッキーと紅茶を用意しましたの。よろしければどうぞ」
京子「おおっ、食べる食べるー♪ ほら、楓ちゃんもこっちおいで!」カムカム
楓「はぁい」トテトテ...ストン
向日葵「(え、足の間に座りますの?)」ギョッ
京子「ぬわーなんだこのクッキーうま! 楓ちゃんも食べてみ、あーん」
楓「あーん」パクッ
京子「どう? やばうま?」
楓「えへへ、おねえちゃんのクッキーはいつもおいしいの」
京子「だよねー!」
向日葵「楓ったら……よっぽど歳納先輩のことが気に入りましたのね」
楓「うんっ。楓、京子お姉ちゃん好き~」
京子「ふふ、楓ちゃんが私をお義姉ちゃんと呼ぶ日も近いかもしれないね」キリッ
向日葵「ちょっ!?」
楓「!」ピクッ
向日葵「も、もうっ! 二度も胸のことを言ってからかわないでくださいまし!」カァァッ
京子「ごめんごめんー」ニシシ
楓「あ、あのあのあのっ」
京子「ん、どしたの?」
楓「……」
向日葵「楓?」
楓「お、おねえちゃんには将来を誓い合った人がいるの! だから、京子お姉ちゃんとは結婚できないの!!」ズバァッ
京子「なんと! 将来を……ほほう」
向日葵「か、楓!? いきなりなにを……!」
京子「ちなみにお相手は?」
楓「櫻子お姉ちゃんなの!」ズバァーン
向日葵「楓ー!?」
向日葵「あ、あの先輩? 今のは……そう、幼稚園児特有のジョークですわ! だからあまり本気になさらないで」
京子「ちょっちまっち」
向日葵「中学生」
京子「ね、ちっぱいちゃんっておっぱいちゃんちの隣に住んでるんだっけ?」
向日葵「ちっぱ……おっぱ……」
京子「ひまっちゃーん?」
向日葵「あ……はい、櫻子の家はうちの隣ですわ」
京子「歩いてどのくらい?」
向日葵「楓でも10秒かからない距離ですわ」
京子「向かいじゃなくて」
向日葵「隣ですわ」
京子「道路を挟まないで」
向日葵「歳納先輩くどいですわ」
京子「はい、すみません」
京子「うん……うむ!」スクッ
向日葵「先輩?」
京子「ひまっちゃん、お茶とクッキーごちそうさま! 先輩はこれからお隣に行きます」
向日葵「……はい?」
京子「楓ちゃーん」
楓「はぁい」トテトテ
京子「ごめんね、お姉ちゃん別の用事ができちゃったんだ。だから、楓ちゃんとはもうさよならしなくちゃ」
楓「え~……そんなぁ」ショボン
京子「でも大丈夫! さみしくなったら、お姉ちゃんが描いたミラクるんの絵を見てね! 元気になれるよ!」
楓「ほんと……?」
京子「ほんとほんと! インド人ウソつかない、京子ちゃんもウソつかない!」キュピーン
楓「……じゃあ、京子お姉ちゃん、ばいばいなの」
京子「おうっ、ばいばい! また遊ぼうね!」
楓「うんっ!」
楓「京子お姉ちゃん、ばいば~い」フリフリ
向日葵「行ってしまいましたわ……」
向日葵「……」
向日葵「……え!? 結局なんの用事が!?」
京子「楓ちゃんも可愛かったし」
京子「えー、次はー、大室家ー。大室家でーございまーす」ガタンゴトン
京子「ニコニコ静画で毎週月曜26時に更新されるスピンオフ漫画『大室家』もよろしくねー」ガタンゴトン
京子「っと」ピタッ
京子「ほんとに10秒かからなかったや……ちけえ!」
京子「さーて、チャイムチャイムっと」
ピンポーン♪
京子「」ワクワク
トタトタトタ...ガチャッ
撫子「はい」
京子「誰!?」ビクッ
撫子「……いや、あなたが誰?」
撫子「(なんで胸ばっか見てくるんだろうこの知らない子)」ジー
櫻子「あれっ? 歳納京子ーッ先輩!」ヒョコッ
京子「大室氏!」
撫子「なんだ、櫻子の知り合い?」
櫻子「うん、学校の先輩」
撫子「へー……」ジッ
京子「」キャピピン
撫子「もみあげないじゃん」
櫻子「それは杉浦先輩だって。この人は歳納京子ーーーッ!!先輩」
撫子「ふぅん……」
櫻子「ねーちゃんです!」
京子「……」
撫子「……」
櫻子「……」
「「(……名前とか!)」」クワッ
櫻子「?」コクビッ
撫子「……こほん。櫻子の姉の大室撫子です、よろしく」
京子「歳納京子でっす!」
撫子「いつも愚昧がお世話になってるようで」ゲザァ
京子「いえいえこちらこそ」ゲザザァ
撫子「!?」
撫子「……」
京子「」フカブカー
撫子「(姿勢も反応速度も一級……)」
京子「」フカブカーーー
撫子「(……アマチュアにもまだこんなゲザラーがいたとはね)」
京子「」フカブカーーーーーーーーーー...メコッ
櫻子「(床が凹んだ!)」
撫子「」スッ
櫻子「ねーちゃん?」
撫子「……気に入った。今晩ご飯食べていきな」
京子「ごっつぁんでーす!」
京子「ありがとうございまーす!」
櫻子「ねーちゃん早くしてよーおなかペコいよー」ブーブー
撫子「だったらあんたも手伝っ……いや、あんたはお客さんにお茶でも出してな」
櫻子「わかった、じゃあ向日葵呼ぶね」
京子「!?」
撫子「自分でやれ」ベシッ
櫻子「おでっ!? ちぇっ、わかりましたよーだ」スゴスゴ
撫子「じゃあ、待っててね」スタスタ
京子「ほーい……」
京子「(こっちの家も面白いなー)」
京子「!」
花子「!」びっくし
京子「(え、誰? なんか扉の影からめっちゃ可愛い女の子がこっち見てる)」
花子「」ジー
京子「(座敷わらし? イマジナリーフレンド? それとも大穴でちっぱいちゃんの妹とか)」
花子「……」モジモジ
京子「あのー」
花子「!!!」ビクーッ
京子「えっ」
花子「」ダッ
京子「あっ」
花子「」ピューッ
京子「行っちゃった……」
京子「あ、じゃあオレンジちょーだい!」
櫻子「オレンジは私のだからダメですよ!」カッ
京子「聞かれたのに!? ……あ、そうだ大室っち」
櫻子「はい?」
京子「さっきそこに知らない女の子がいたんだけど」
櫻子「なにそれこわい」
京子「髪が長くてー目がくりくりっとしててー。あと、サスペンダー」
櫻子「あ、なんだ花子か」
京子「トイレの?」
櫻子「花子」
京子「妖怪?」
櫻子「妹です」
京子「」ホッ
京子「いや目が合ってさ、声かけようとしたら逃げちゃった」
櫻子「あー、花子のやつプチ整形だからなー」
京子「えっそうなの?」
櫻子「はい!」
京子「若いのに大変だねぇ……」シミジミ
櫻子「ほんと、困ったもんですよ……」シミジミ
撫子「はいおたまでどーん」スコーン!
櫻子「いったぁ!?」
撫子「プチ整形じゃなくて内弁慶。誤解されるような間違え方するな」
京子「あー……」
櫻子「そ、そうとも言う」ピクピク
撫子「ほら、もうご飯出来たから。バカやってないで花子呼んできて」
櫻子「なんて妹使いの荒い姉だろうね……」シブシブ
「「いっただっきまーす!!」」
撫子「いただきます」
花子「い、いただきます」
パクッ
京子「んーっ! ビーフシチューうめぇ♪」パァァ
撫子「そう? 口に合ったんなら良かった」
京子「おねーさん料理うまいっすね!」
撫子「親が仕事で忙しいからね、姉妹持ち回りで家事やってるんだ」
京子「へ~……」チラッ
櫻子「花子ーサラダ取り分けてー」
花子「自分でしろし」
櫻子「ひでえ」ガーン
京子「……」
花子「!」びっくし
京子「どうもご挨拶が遅れまして……歳納京子ちゃんでっす、よろしく!」キャルルーン☆
花子「ぅ……」オドオド
京子「お姉ちゃんのご飯おいしいねー?」
花子「っ」プイッ
京子「家事は持ち回りって聞いたけど、花子ちゃんもお手伝いするのかな?」
花子「……っ」プイッ
京子「お嬢ちゃんサスペンダーが可愛いねぇ」
花子「っ!」ガタッ
京子「おわっ」
テテテッ...コソッ
櫻子「ぬ?」
花子「……」ギューッ
花子「は、花子が食べさせてやるし! 櫻子はじっとしてろし!」
櫻子「えっマジで? やったー楽チ……あぢゃあ!? ちょ、ちゃんと前見て食べさホワッチャア!?」
ドッタンバッタン
京子「ありゃりゃ……」
撫子「こらッ、お行儀よく食べな! ……ごめんね、なんか色々」
京子「お構いなく! 私ひとりっ子なんで、こういうの楽しいっすー」
撫子「ふむ……ますます気に入った。だったらうちの妹をメチャメチャにしていいよ」
櫻子「ねーちゃん!?」
撫子「あ。でも櫻子には心に決めたひま子がいるから、下の妹で我慢して」
花子「撫子お姉ちゃん!?」
京子「マジすか! じゃあ……」ギラリ
花子「ひッ」
京子「いっただっきまーす!」ガバァッ
花子「――っ!」ギュッ
花子「――、……し?」パチッ
京子「あげる!」ニコッ
花子「へっ……ちょ、これなんだし?」ペタペタ
京子「リボンのカチューシャ!」
花子「リボンのカチューシャ?」
京子「キラキラにゃんにゃんだよ」
花子「キラキラにゃんにゃ……えっ?」
京子「キラキラにゃんにゃん」
櫻子「おー良かったじゃん花子!」
撫子「うん、かわいいね」
花子「ぁ……」チラ
京子「へへ」ニカッ
花子「~っ!」カァァァッ
櫻子「ご?」
花子「ごちそうさまっ!」ダッ
ピューッ
撫子「あ、花子! お礼も言わないで……」
京子「ビーフシチューうめえ!」
撫子「切り替え早ッ」ビクッ
京子「おねーさんおかわりー!」
撫子「……いいよ。ちょっと待っててね」
櫻子「ねーちゃん私も!」
撫子「あんたは自分でよそいな」
櫻子「なぜだ!?」
京子「今日はごちそうさまでしたー!」ペコーッ
撫子「ううん、大したお構いも出来なくて悪かったね」
京子「いやいやそんな、ビーフシチュー超うまかったです」
撫子「なら良いんだけど」フフッ
櫻子「歳納京子ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ先輩、また遊びにきてくださいね!」
京子「おーよ! 次はひまっちゃんと結衣と四人で遊んでも楽しいかもね!」
櫻子「なにそれ楽しそう!」
京子「でしょー。じゃあ帰ったら結衣に話して……お?」
花子「……」ジー
花子「!」びっくし
撫子「ほら花子、お姉ちゃん帰るって」
花子「ぅ……」モジッ
京子「ばいばい花子ちゃん、また来るねー」フリフリ
花子「……」
京子「」ニコニコ
花子「……あ、あのっ!」
京子「うん?」
花子「ば、ばいばい……京子、お姉ちゃん」フリフリ
京子「!」パァァァッ
京子「おうっ、ばいばーい!」ブンブンッ
花子「……」フリフリ
京子「ただいまー!」ガチャッ
結衣「お前んちじゃねーよ」
京子「でへへ」
結衣「昼は私がいなかったとはいえ、今日はずいぶん来るのが遅かったな。ご飯は?」
京子「もう食べてきちった」
結衣「え、お前そういうのは先に言えって。二人分作っちゃっただろ」
京子「なんと、それはすまんこってす。ちなみに何?」
結衣「クリームシチュー」
京子「わぁいクリームシチュー! 私結衣のクリームシチューだーい好き!」
結衣「食ってきたんじゃないのかよ! ……ったく、太るから少しだけな」
京子「うぇーい」
結衣「そうか」
京子「ちなみに食べてきたのはビーフシチューだったんですけどね」ケロッ
結衣「ってオイコラ!? それも先に言えよ!」
京子「結衣のシチューもおいしいから問題ないよーん」モグモグ
結衣「……はぁ。でも懐かしいな、おばさんのビーフシチュー。私も久しぶりに食べたいよ」モグモグ
京子「うんにゃ、今日はちっぱいちゃんちでご馳走になってきた」
結衣「えっ」
京子「えっ」
結衣「……大室さん?」
京子「うん。その前はおっぱいちゃんちでおやつも食べたよ」
結衣「…………」
京子「だぶち」
結衣「二人の家って隣同士なんだっけ」
京子「そだよー」
結衣「向かいじゃなくて」
京子「隣だよ」
結衣「となると古谷さんちも」
京子「一軒家だよ」
結衣「団地じゃなく」
京子「立派な一軒家」
結衣「大室さんちが一軒家で古谷さんちが団地で向い合って建っている可能性が微粒子レベルで存在してい」
京子「ない」
結衣「古谷さんの妹がなんか変に悟った風なキャ」
京子「くどいよ結衣にゃん」
結衣「はい、すみません」
結衣「そりゃよかったな」
京子「明日はもっと楽しくなるといいね、ユイ太郎!」
結衣「誰がユイ太郎だ」
京子「へけっ!」
結衣「やかましい」
京子「そうだ!」
結衣「今度はなに?」
京子「結衣、私妹が欲しい!」
結衣「……」
京子「」ヘケッ
結衣「……言っとくけど……私がお前の欲しいものならなんでも用意すると思ってないだろうな」
京子「え~違うの~?」
結衣「オイコラ」
花子「櫻子ォオオーーーッ!!! 花子の牛乳勝手に飲むなって何度言えば分かるしぃぃぃぃぃぃ!!!」ギチギチギチギチ...
櫻子「ぐ、ぐえええ……! ちが、それ、としの、きょ……こーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ先輩、が……」ギブギブギブギブ
花子「黙れし! どうせ櫻子があげたんだし! 京子お姉ちゃんは悪くないし!!」
撫子「実際その通りだしね」
花子「大室櫻子ーッ!!!」ゴキャッ
櫻子「ギャース!?」グハッ
楓「今夜の花子お姉ちゃんはいつもよりワイルドなの!」
向日葵「(なんで歳納先輩のリボンをつけてるのかしら……)」
Entry ⇒ 2012.08.19 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ジェレミア「アーニャを養うことが我が大黒柱の務めである!!!」
ジェレミア「よし、これぐらいでいいだろう。アーニャ」
アーニャ「ふぁに?」モグモグ
ジェレミア「アーニャ、つまみ食いをするなら私にバレないようにしろといつも言っているだろう?」
アーニャ「美味しくて」
ジェレミア「当然だ。このジェレミア・ゴットバルトの手掛けるものに欠陥品は一つとして無し。品質管理は勿論のこと、糖度にも気を遣っている!!」
アーニャ「うん」
ジェレミア「しかし、最近は売れ行きが好調すぎて些か忙しいな。ナナリー様やアッシュフォード学園に贔屓してもらっているためか注文が多い」
アーニャ「嬉しい悲鳴」
ジェレミア「私はともかくアーニャに無理をさせるわけにはいかない。この辺りで手を打っておくべきだろう。働き手を募集しようと思う」
アーニャ「……なんで?」
アーニャ「私、別にこのままでもいいけど」
ジェレミア「アーニャは学校もある。ここで働きながら通学するもの辛いだろう」
アーニャ「大丈夫だけど」
ジェレミア「まぁまぁ、私に対しての忠義が痛み入る。しかし、こちらにも君を立派なレディするという責務がある!!」
ジェレミア「こんな農場で身を窶し、世間をズレた感覚、嗜好を持ってもらっては困る」
アーニャ「どうして?」
ジェレミア「言っただろう。私の手掛けるものに欠陥品は一つとしてないと!!それはアーニャ!!君とて同じ事!!」
ジェレミア「私と一緒に生活していく以上、どこに出しても恥ずかしくない女性になってもらう。そういうことだ」
アーニャ「出て行く気ないけど」
ジェレミア「早速、募集チラシの作成に移るか」
アーニャ「話を聞いて」
ジェレミア「こういう広告はシンプルイズベストに限るか」カキカキ
アーニャ「ねえ、出て行く気、ないけど」
ジェレミア「よし。アーニャ、これでどうだ?」
ジェレミア「来たれ若人!!みかん畑で己が忠義を果たすとき!!!」
ジェレミア我ながら惚れ惚れする煽り文句だ」
アーニャ「こんなのいらない」
ジェレミア「このまま出荷数が多くなれば、君への負担も大きくなる」
アーニャ「そのときはモルドレッドを使う」
ジェレミア「この農場を消し炭にする気か。そもそもあれは廃棄処分されたはず」
アーニャ「作る」
ジェレミア「その覚悟やよし。ならばこそ、こちらも相応の覚悟で人員の募集をしよう」
アーニャ「その理屈はおかしい」
ジェレミア「いざ!!ジェレミア・ゴットバルト!!まいる!!チラシを貼りに!!」
アーニャ「……」
ジェレミア「アーニャ、これを運んでくれ」
アーニャ「うん」
「すいません」
ジェレミア「ん?曲者か」
アーニャ「誰?」
咲世子「チラシを見てやってきました」
ジェレミア「咲世子!!咲世子か!!」
咲世子「ご無沙汰しております」
ジェレミア「どうした?君はナナリー様の傍でルルーシュ様への忠誠を示し続けるものだとばかり……」
咲世子「ナナリー様のお傍にいることも私の幸せでしたけれど、どうしてもルルーシュ様を思い出してしまって……うぅ……ぐすっ……」
ジェレミア「女性に涙は似合わない。このハンカチで拭うがいい」
咲世子「すびばぜん……チーン!!」
ジェレミア「ところで、働きにきたのか?」
咲世子「はい。何分、無職でして」
咲世子「そんなことはありません。私が子を授かれば、その子に私の全てを叩き込みます」
ジェレミア「頼もしい。では、採用」
咲世子「ありがとうございます」
アーニャ「待って」
ジェレミア「どうした?」
アーニャ「ちゃんと面接したほうがいい」
ジェレミア「面接の必要などない。彼女は騎士道に殉じた人物。それだけで信頼に値する」
アーニャ「でも……」
ジェレミア「それに咲世子の身体能力は力仕事にも向いている。多大なる助けになることはまず、間違いない」
咲世子「頑張ります」
アーニャ「……」
ジェレミア「不満か?」
アーニャ「……別に」
ジェレミア「では、咲世子。作業着等を授与しよう。こちらへ」
咲世子「はい」
アーニャ「……」
ジェレミア「アーニャ、そろそろ登校の時間ではないか?」
咲世子「行ってらっしゃいませ、アーニャさん」
アーニャ「……行ってきます」タタタッ
咲世子「私、嫌われているのでしょうか?殺意をもった眼差しを向けられていました」
ジェレミア「警戒しているだけだろう。人見知りをするようなタイプではないが、やはり年頃の娘。自身の領域に踏み込んできた者を気もするはず」
咲世子「なるほど。無言で年功序列ではなく、ここは実力社会だと私に訴えているわけですね」
ジェレミア「……イメージとしてはそうかもしれない」
咲世子「では、私の実力をアーニャさんに見てもらい、認めてもらうしかありませんね」
ジェレミア「そうだな」
咲世子「篠崎咲世子。不束ながら、ご助力いたします。ジェレミア様」
ジェレミア「私に忠誠を誓う必要はどこにもない。君の心はまだルルーシュ様と共にあるのだろう」
咲世子「……はい」
アーニャ「……」
カレン「おはっよ」
アーニャ「……」
カレン「ちょっと、無視?」
アーニャ「なに?」
カレン「なに?じゃなくて、挨拶したんだから返事ぐらいしてよね。過去にも色々あったけど、私は別にアーニャのこと嫌いってわけじゃないし」
アーニャ「おはよう」
カレン「うん。おはよう。で、なに見てたの?」
アーニャ「これ」
カレン「なに、これ?アルバイトの情報誌じゃない。アーニャ、バイトするの?」
アーニャ「わからない」
カレン「確か、みかん畑で働いてるんじゃなかった?」
アーニャ「そうだけど。あまり居たくない」
カレン「なんでよ?喧嘩?」
カレン「別にって顔してないでしょ」
アーニャ「……」
カレン「聞いている?」
アーニャ「咲世子って知ってる?」
カレン「咲世子?篠崎咲世子さんのこと?うん、面識あるけど?」
アーニャ「その人が来た」
カレン「へえ、良かったじゃない。あの人、肉体労働のプロって感じだからねぇ」
アーニャ「……それだと困る」
カレン「どうして?」
アーニャ「……」
カレン「あー、わかった。そうよねぇ、咲世子さんがいれば仕事しなくていいもんね。そうなると、アーニャは……クビ?」
アーニャ「……っ」
カレン「あー。ごめん、ごめん。冗談だから」
アーニャ「だから、アルバイトしたほうがいいかもって思って……探してた」
アーニャ「……」
カレン「……ねえ」
アーニャ「なに?」
カレン「まだ、バイト募集してる?」
アーニャ「あげる。いいバイトなかったけど、貴方ならキャバクラでもいけばいい」
カレン「もうバニーは嫌!!っていうか、あんたどこでそんな言葉を!?」
アーニャ「冗談。さっきのお返し」
カレン「……アーニャのところのバイト、まだ募集してるかってこと」
アーニャ「してるけど?」
カレン「なら、雇ってくれない?」
アーニャ「いや」
カレン「こっちもお母さんのこととかあるし、アルバイトぐらいしたいなって思ってたところなの」
アーニャ「……」
カレン「面接だけでもいいからしてよ」
咲世子「ジェレミア様!!収穫終了しました!!」ダダダダッ!!!
ジェレミア「1日の作業をわずか2時間で終わらせるとは……流石だな」
咲世子「次は何をすればいいでしょうか?」
ジェレミア「そうだな。次は……」
アーニャ「ただいま」
ジェレミア「アーニャか。おかえりなさいました」
咲世子「お帰りなさいませ。―――あら?カレンさん?」
カレン「咲世子さん!!久しぶり!!」
咲世子「はい。お久しぶりです。どうしたのですか?」
カレン「紅月カレン!18歳!!バイト募集の情報を聞いてやってきました!!」
アーニャ「面接を……」
ジェレミア「いいだろう。採用」
カレン「わーい」
アーニャ「あの……それはなし……」
ジェレミア「なるほど、母君の治療費のために……」
カレン「性格にはお母さんが働けないので、生活費を色々と工面しないといけなくて」
ジェレミア「君も大変だな」
カレン「そんなことありません。ナナリーやゼロのほうが……」
ジェレミア「その二人と自分を比べるか。ふふふ、君は健気だな」
カレン「いえ……そんなことは……」
ジェレミア「よし。正式に採用しよう。こちらが作業着一式だ。君に贈呈するので、仕事を辞めても返却する必要はない」
カレン「本当ですか?」
ジェレミア「ああ。無論、洗濯は自分でしてもらうがな」
カレン「はい。それぐらいでしたら」
ジェレミア「いつから働ける?あとシフトの曜日指定はあるか?」
カレン「いつでも大丈夫です」
ジェレミア「頼もしい。紅月カレン、君の忠義に期待しよう」
カレン「任せてください」
ジェレミア「では、仕事の説明を―――」
カレン「あの!いいですか?!」
ジェレミア「なんだ?」
カレン「私、アーニャに教わりたいです」
アーニャ「私……?」
ジェレミア「何故だ?」
カレン「ここではジェレミアさんの次にえらいんですよね?」
ジェレミア「まあ、農園を始めた当初からいるからな」
カレン「なら、アーニャはチーフみたいなものですよね。アーニャから仕事を教わっても問題ないと思います」
ジェレミア「まあ、確かに」
アーニャ「あの……どうして?」
カレン「私、アーニャと仕事がしたくて来たところもありますから」
ジェレミア「それならば仕方ないな。では、アーニャ。紅月カレンの指導は君に一任する」
アーニャ「めんどう……」
アーニャ「うん……」
ジェレミア「年下からの指導というのは時として自尊心を傷つけるときもあるのだが、彼女の場合は当てはまらないのか」
ジェレミア「先輩を敬うことに長けている。ということか。素晴らしい」
咲世子「糖度チェック完了しました」
ジェレミア「もうか。早いな」
咲世子「漏れがあるかもしれませんから、ジェレミア様自身でチェックされるのがよろしいかと」
ジェレミア「その必要はないだろう。君が失敗することが想像できない」
咲世子「そこまで期待されると緊張します。このような仕事は初めてですから」
ジェレミア「ふふ。謙虚だな。流石は日本人。よろしい、このジェレミア・ゴットバルトが自らミスがないかチェックしよう」
咲世子「お願いします」
ジェレミア「任せよ!!」
アーニャ「どうして?」
カレン「これでアーニャはこの農園には必要不可欠な存在でしょ?私の教育係として」
アーニャ「……別にそんなことしなくてもいいのに」
ジェレミア「今日はこの辺でいいだろう。―――では、給与を渡す」
ジェレミア「咲世子!!ご苦労だった」
咲世子「いえ」
ジェレミア「カレン!!」
カレン「え!?」
ジェレミア「どうした?」
カレン「いや、だって。私、全然働いてませんよ?来て3時間しか経ってませんし、それにアーニャに仕事の説明を受けただけで……」
ジェレミア「それも労働だ。きちんとした対価を払わねばならない。君が受け取りを拒否するのなら、私は強硬手段に打って出る」
カレン「えー?」
ジェレミア「手渡しはやめて、振込みにする。いいのか?」
カレン「そのほうが助かります」
ジェレミア「よかろう。では、そうする。今月の預金額を見て腰を抜かすがいい」
カレン「待ってください!!手渡しで!!手渡しでお願いします!!なんか訳のわかんない大金が振り込まれてそうで怖い!!」
ジェレミア「いい判断だ。それでいい」
アーニャ「続ける?」
カレン「うん。あの、明日は……?」
ジェレミア「午前5時には来てくれ」
カレン「朝のですか?!」
ジェレミア「午前といった」
カレン「……」
ジェレミア「不服か?」
カレン「えーと……」
アーニャ「……」
カレン「いえ!がんばります!!」
ジェレミア「うむ。咲世子はどうする?」
咲世子「できれば、住み込みをお願いしたいのですが。夜の警備もできますし」
ジェレミア「では、君の寝屋を作る必要があるな」
アーニャ「……住むの?」
ジェレミア「どうした?」
カレン「住み込みで働けるなら私も……」
アーニャ「……!」
ジェレミア「そうだな。そのほうが―――」
アーニャ「やめて」
カレン「え……」
アーニャ「……おねがいだから」
カレン「あ……」
ジェレミア「アーニャ。朝は早い。ここに居てくれたほうが彼女の体の負担も―――」
カレン「やっぱりいいです!私は自宅から通いますから!!」
ジェレミア「いいのか?」
カレン「はい!朝の3時におきればなんとかなります」
アーニャ「ごめんなさい」
カレン「いいのいいの。じゃあね、アーニャ」
咲世子「では、私の寝室はどこになるでしょうか」
ジェレミア「案内しよう。都合よく、空き部屋は3部屋ほどある」
咲世子「助かります」
ジェレミア「気に入った部屋を使ってくれて構わない」
咲世子「はい」
ジェレミア「どの部屋にも冷暖房は完備している。クローゼットもある」
ジェレミア「風呂とトイレだけは共同になってしまうがな」
咲世子「問題ありません」
ジェレミア「ふっ」
アーニャ「……」
ジェレミア「アーニャ、中に入ろう」
アーニャ「うん……」
咲世子「ご気分が優れないのですか?」
アーニャ「大丈夫」
ジェレミア「アーニャ、夕食ができた。食すがいい」
アーニャ「いただきます」
ジェレミア「それにしても驚いたな。君がカレンの入居を拒否するとは。そこまでの軋轢があるのか?」
アーニャ「……」モグモグ
ジェレミア「溝は深いようだな」
アーニャ「……」
咲世子「ジェレミア様、夜の見回りに行ってきます」
ジェレミア「無理だけはしないように」
咲世子「はい」
アーニャ「……」
ジェレミア「咲世子にもあまりいい顔をしないのは、やはり戦の所為か?」
アーニャ「違う」
ジェレミア「そうか。何か不満があるならいつでもいってくれ。私が力になる」
アーニャ「うん……」
カレン「ふわぁぁ……」
アーニャ「そこ、サボらない」
カレン「ごめん……でも、どうしてこんなに朝早いの……?」
アーニャ「品質管理は徹底してるから。小まめなチェックをしているだけ。はっきり言ってやりすぎだと思うけど、害虫が出ることも確か」
カレン「ふーん」
アーニャ「……こっちは終わり」
カレン「アーニャ、もしかして迷惑だった?私が来たこと」
アーニャ「別に」
カレン「そう?」
アーニャ「あなたが居なかったら、私はきっと本当に必要がなくなっていたと思うし」
カレン「なら、いいんだけど」
アーニャ「……」
咲世子「よし!!こちらは全て終わりました!!」
カレン「はや?!私たちまだ1/5も終わってないのに?!」
咲世子「はい」
カレン「やっと終わったぁ……。というか、アーニャ、いつもこんな生活してるの?」
アーニャ「そうだけど?」
カレン「すごいわね……」
アーニャ「慣れれば平気」
カレン「慣れかぁ……」
ジェレミア「そうそう。また、ナナリー様が我々のみかんを欲している。大型の注文が入った」
カレン「ナナリーですか?」
ジェレミア「ああ。政府関係者全員にポケットマネーで配っているらしい。ここの収入の2割ほどはナナリー様からのご注文で賄われている」
カレン「今のナナリー、指の先が黄色になってんじゃない?」
ジェレミア「ナナリー様には敬服せざるを得ない!!故に私は!!みかん一個といえど全力を尽くす所存!!!」
アーニャ「じゃあ、私が配達にいく」
カレン「そう言うのって業者に頼むんじゃ……」
ジェレミア「何をいう。アーニャはスペシャリストであろう。操縦に関してはな」
ジェレミア「これだ」
カレン「ナイトメア?!しかも、無頼……?」
ジェレミア「独自に配達販売ができるように取り寄せた。ルルーシュ様がご愛用されていたナイトメアフレームを再現したものである」
カレン「まだ、こんなの残ってたんだ……」
ジェレミア「では、アーニャ。学校が始まる前に配達をお願いできるか?」
アーニャ「任せて」
カレン「アーニャ!私も一緒に行っていい?」
アーニャ「ナイトメアで登校する気?」
カレン「それもあるけど、ナナリーに会いたいなーなんて」
ジェレミア「残念だが会うことはできないだろう」
カレン「そうなんですか?」
ジェレミア「当然だ。配達物の受け取りに本人が出てくるわけがない」
カレン「それもそうですね……。でも、一緒に行きたい。乗せて」
アーニャ「……いいけど。運転の邪魔だけはしないで」
アーニャ「着いた」
カレン「なんだ。飛行機で空輸するだけ……。そりゃ本人は―――」
ゼロ「待っていた!!!」バッ!!!
アーニャ「おはよう、ゼロ」
ゼロ「おはよう!!」
カレン「ぶふっ?!」
ゼロ「カレン?!どうして、君が!?」
カレン「あんたこそ?!なにしてるのよ?!ナナリーの護衛は?!」
ゼロ「ナナリー様にみかんの受け取りと空輸を命じられている。これは僕の仕事だからね」
カレン「アンタ、受け取って運ぶだけなの……?つかえねえ」
ゼロ「そんなことない!!これはナナリーがみかんが傷まないようにと考えて!!」
カレン「地が出てるけど、いいの?」
ゼロ「いや。これはナナリー様の勅命だからな。私はそれに従うまで!!!」バッ!!!
アーニャ「じゃあ、これにサインして」
カレン「こら!!故人の名前を書くな!!」
ゼロ「しまった!いつもの癖で!!」
アーニャ「学校あるから早くしてほしい」
ゼロ「ああ、ごめんごめん。すぐに書き直すよ、アーニャ」
カレン「ゼロにしては迂闊すぎない?」
ゼロ「まだ慣れていないだけだよ。これから頑張るつもりだ」
カレン「最初から全力でやりなさいよ」
ゼロ「カレン、学校は楽しいかい?」
カレン「え……。まぁ、うん」
ゼロ「それはよかった。アーニャ、ジェレミア卿はどうしている?」
アーニャ「元気。問題ない」
ゼロ「それならいいんだ。ナナリー様にいい報告ができる。―――ふはははは!!みかんは頂いていく!!さらばだ!!」
アーニャ「バイバイ」
カレン「ちょっと待って!!」
ホントにルルーシュゼロの真似してそうだな
カレン「ナナリーはどうなの?こっちも心配してるんだけど」
ゼロ「大丈夫だよ。ナナリーは元気だ。最近、指の先が黄ばんできたけど」
カレン「やっぱり……?」
ゼロ「関係者も最近みかんに飽きはじめているようだしね、独りで大量のみかんを食べているときもあるよ。この前は一個のみかんを丸ごと口に押し込んでいた」
カレン「批判とかされてるわけ?」
ゼロ「批判というか受け取らない人は徐々に目立ち始めている」
カレン「大丈夫なの?」
ゼロ「分からない。でも、ナナリーはジェレミア卿のみかんだからってだけで購入していないし、購入費はポケットマネーだから誰も文句は言えないはずだ」
カレン「このことアーニャには?」
ゼロ「勿論、伝えていない」
カレン「ゼロ、ナナリーを泣かせようにしなさいよね」
ゼロ「分かっている!!私はゼロ!!世界を壊し、創造する男だった!!!」
カレン「早く行きなさいよ」
アーニャ「……内緒話、終わった?」
ジェレミア「ふむ……」
咲世子「ジェレミア様、どうかされましたか?」
ジェレミア「いや、売れ行きが好調すぎて少しばかり不安の種が蒔かれた」
咲世子「不安の種ですか?バブルが弾けるとか?」
ジェレミア「主な出荷先はナナリー様、アッシュフォード学園、そして各青果店。しかし、これだけでは立ち行かなくなるだろう」
咲世子「そうなのですか?」
ジェレミア「特にナナリー様はそのうち、ご購入をやめてしまうだろう」
咲世子「何故ですか?ナナリー様はそんなことを……」
ジェレミア「個人で購入するにはあまりにも大量大金。我が忠義に果てはなくとも、ナナリー様の献身には限界もある」
ジェレミア「もっと画期的にこのジェレミア・ゴットバルトのみかんを広めなくてはならない」
咲世子「どうしてそこまで」
ジェレミア「愚問だな、咲世子。全てはアーニャのため」
ジェレミア「アーニャを養うことこそ、我が務め!!今はそう思っている」
咲世子「差し出された手をとった責任ですか?」
咲世子「左様ですか」
ジェレミア「とはえ、農園だけではアーニャに将来の旦那が見つかるまで養えるかどうか……」
咲世子「そうですね。みかん農園なんて各地域にありますし」
ジェレミア「ああ、困った。どうすればいいのか!!」
ジェレミア「このジェレミア・ゴットバルト!!混乱の極み!!!みかんの嵐!!!」
咲世子「新しいモノを栽培するのはどうですか?」
ジェレミア「二兎追うもの一兎も追えずだ」
咲世子「そうですねえ……」
ジェレミア「……」
ジェレミア「ここは、誰かに知恵を借りるしかないか」
咲世子「知恵ですか」
ジェレミア「咲世子。誰か適任者を知らないか?」
咲世子「急に言われましても……」
ジェレミア「誰でもいい。誰か、このみかん畑に奇跡の種を植えてくれる人物を!!」
リリリン!
玉城「はーい」
咲世子『玉城さんですか?私です、咲世子です』
玉城「あー、咲世子。久しぶりだなぁ。何してんだよぉ。偶には俺の店にも顔だせっての」
咲世子『あの、実はご相談がございまして』
玉城「相談だぁ?」
咲世子『実は今、みかん畑で労働をしているのですが、今後の経営に不安がございまして』
咲世子『そこで同じ経営者である玉城さんの知恵を拝借したいと思いまして』
玉城「おー!!いい考えだ!!よし!!俺に任せろ!!で、状況は?」
咲世子『はい。実は―――』
―――ガチャン
玉城「ふふ、俺の経営力の見せ所だな!!だーっはっはっはっはっは!!!」
千葉「下品なマスターだな、全く」
藤堂「静かに茶も飲めん」
玉城「それがよぉ。ジェレミア・ゴットバルトの経営するみかん農場をもっと大きくしたいって相談されたんだよ。で、どうしたらいいかって」
藤堂「国内生産だったか」
玉城「そうそう」
藤堂「厳しいだろうな。ライバルが多すぎるだろうし」
千葉「そうなんですか?」
藤堂「ああ。みかんに限らず他の農園の勢力を覆すのは並大抵のことではない」
千葉「なるほど。でも、ジェレミアのみかんは美味しいです。味では負けていないはず」
藤堂「それは同感だ」
玉城「やっぱりよぉ。目新しいことをしないと農園なんか盛り上がらないだろ?」
藤堂「どうするつもりだ?」
玉城「最近、流行ってるだろ?萌えなんとかって奴。あれをやればいいんだよ」
藤堂「……下らん」
玉城「なんだとぉ!?」
藤堂「何十番煎じかも分からない方法を用いて成功した事例など、私は聞いたことがない」
藤堂「ふん、それも多くの者がやっていることだ。飽きられれば終わる」
玉城「そんなもんなんだってあるだろうが!!」
藤堂「大きくしたいのならば、そのように小さなことを重ねていってもジリ貧にしかならん。待っているのは痩せ細ったオーナーと農地のみ」
玉城「てめえ!!俺の考えに文句ばっかりじゃねえかよぉ!!」
千葉「貴様、死ぬか?」
玉城「や、やめろよ!!じゃあ、藤堂!!てめえには名案があるんだろうなぁ?!」
藤堂「ない」
玉城「なんだとぉ?!」
藤堂「現状の把握もできないうちに経営方針等を決めるなど、無責任の極みだ。お前も電話で状況を確認しただけ、詳しいデータも従業員も私たちは知らない」
玉城「ぐっ……」
千葉「藤堂さん、どうするのですか?」
藤堂「……」
玉城「俺だってよぉ!!咲世子に頼まれた手前、やるしかねえんだよ!!」
藤堂「……ならば、引き受けた責務を果たせ。私もできる限りの協力をしよう」
カレン「アーニャ、これはどうするー?」
アーニャ「向こう」
カレン「うんっ」
ジェレミア「カレンも仕事に慣れてきたようだ。これは喜ばしいこと」
咲世子「元々、飲み込みが早いかたですからね」
ジェレミア「ところで、咲世子の友人から連絡は?」
咲世子「それがまだ……」
ジェレミア「ふむ……できるだけ早め早めの対策を練っておきたいのだが……」
咲世子「今もいい打開案を考えてくれていると思いますよ」
ジェレミア「他人にばかり任せるのも我が道に反する。自力での開拓も目指さなければ」
カレン「アーニャ……ずっと気になってたことがあるんだけど」
アーニャ「みかんは無農薬」
カレン「そうじゃなくて。アーニャってさ、ジェレミアさんのことどう思ってるの?」
アーニャ「……別に」
アーニャ「ジェレミアとは雇い主と従業員の関係だから」
カレン「でも、私がここに住むこと反対したよね?咲世子さんが住むって言ったときも嫌そうな顔してたし」
アーニャ「してない」
カレン「強情ね」
アーニャ「本当になんでもない」
カレン「……好きじゃないの?」
アーニャ「好きってなに?」
カレン「恋人にしたいとかあるんじゃないの?」
アーニャ「全然、そんなこと、ない、けど」
カレン「動揺してるじゃん」
アーニャ「仕事して」
カレン「はいはい」
アーニャ「……別になんともない」
カレン「わかったから」
咲世子「はい」
カレン「あー、やっと休憩かぁ。疲れたー」
ジェレミア「カレン、随分と慣れてきたようだな。これからも君の活躍に期待する」
カレン「あ、そうですか?」
アーニャ「……」
カレン「ジェ、ジェレミアさん、アーニャは私よりもよっぽど頑張ってるとおもいますけど!!」
ジェレミア「アーニャが誰よりも働いていることは百も承知だ。今更、アーニャにはいつも感服している次第だ」
カレン「だったら……」
ジェレミア「咲世子、飲み物の準備をしてくれるか?」
咲世子「はい」
アーニャ「いい、それ私がやる」
咲世子「え……」
ジェレミア「しかし、アーニャ。疲れただろう?」
アーニャ「平気。疲れてない」
アーニャ「……」スタスタ
カレン「アーニャ……」
咲世子「あの……」オロオロ
ジェレミア「まあ、アーニャに任せようか」
咲世子「そうですか」
カレン「あの、ジェレミアさん?アーニャは―――」
「失礼する」
ジェレミア「ん?曲者か」
咲世子「どちら様ですか?」
藤堂「ここがジェレミアみかん農園で合っているのか?」
ジェレミア「お前は……藤堂鏡志朗……」
玉城「さーよこ!!きてやったぜぇ!!」
咲世子「玉城さん!お待ちしていました!!」
ジェレミア「なるほど、奇跡の手土産でもあるのか。どうぞこちらへ、お茶でも出そう」
藤堂「紅月も働いているのか」
カレン「ええ、アルバイトで」
ジェレミア「彼女は黒の騎士団での活躍を彷彿とさせる働きをみせてくれている」
藤堂「なるほど」
玉城「カレーン!!元気だったかぁ!!」
カレン「先週も行ってやったでしょ!?あのクソまずいコーヒーを飲みにね!」
玉城「てめぇ!!まずいってなんだよ!!普通っていえ!!」
千葉「普通で満足なのか。謙虚かそれは?」
カレン「千葉さんまで。お久しぶりです。藤堂さんとは?」
千葉「結婚はまだ。藤堂さん、自分探しをしている最中で」
カレン「はぁ……」
アーニャ「もってき……増えてる」
ジェレミア「ありがとう、アーニャ。それは頂こう。残りの分は咲世子に用意させる」
アーニャ「わかった……」
ジェレミア「紅月カレン、アーニャ・アールストレイム、篠崎咲世子。そしてこの私!!忠義に生き!!忠義のために死ぬ男!!ジェレミア・ゴットバルト!!である!!」
ジェレミア「それがどうかしたかな?」
藤堂「……なるほど。これなら既に前提条件はクリアしているようなものだな」
ジェレミア「前提条件?」
藤堂「この農園を大きくしたい。そのように聞いた」
ジェレミア「ああ。その通りだ」
藤堂「では、まずは大々的な宣伝をしたほうがいい」
ジェレミア「コマーシャルでも流すつもりか?」
藤堂「いや、話題を作る。そうすることでこの農園のみかんの知名度を全国区にまで広げる」
ジェレミア「なるほど。しかし、話題作りのためになにをするつもりだろうか。びんちょうタンなるものを作るか?」
藤堂「違う。ここに今、様々な武器を持つ者が揃っていることに気がつかないか?」
ジェレミア「武器?」
藤堂「そう。喫茶店経営者の玉城。料理人顔負けの千葉。天才的な女中の篠崎。活発な美少女の紅月。寡黙な美少女のアーニャ。ここから導き出せる答えはただ一つ」
ジェレミア「……まさか。メイド喫茶か?」
ジェレミア「ほう?まだ私の想像の斜め上を行くのか?」
藤堂「最終目標はここのみかんを様々な商品に変え、世界で唯一のみかんで世界を席巻する企業にすることだろう?」
ジェレミア「うむ」
アーニャ「そうなの?」
藤堂「では、その先駆けとして店を出す。農園の喫茶店だ」
ジェレミア「メイド喫茶ではないのか?」
藤堂「可憐な店員は必須だ。ただし、そこを強調し、話題を得るようでは水物な商売と同じ」
藤堂「みかん専門の喫茶店と称し、店を出す。出す料理、飲み物はすべてみかん尽くし」
ジェレミア「ほう。みかんのみの料理など手ごわいのではないか?」
藤堂「千葉ならばそれができる」
千葉「がんばります」
藤堂「喫茶店で人気が出た料理をコンビニなどに卸す。それでまたこのジェレミア農園のみかんは有名になる」
ジェレミア「上手くいくだろうか」
藤堂「無論、保障はない。しかし、こういうことでもしないと農園そのものを大きくするのは難しい」
ジェレミア「世界を席巻するみかん農園。考えはすばらしいが……」
藤堂「どうする?」
カレン「なんで藤堂さん、あんなに協力的なんですか?」
千葉「自分探しの最中だからな」
玉城「カレンはあれだよな、バニーのウェイトレスだよな!!やっぱよぉ!!」
カレン「だれがするかぁ!!」
藤堂「ジェレミア、お前がオーナーだ。好きにするといい。私は提案に来ただけなのだからな」
咲世子「お飲み物、お持ちしました」
藤堂「すまない」
ジェレミア「……よし。やろうではないか!!」
アーニャ「え……本当に?」
藤堂「おぉ!!ありがたい!!」
ジェレミア「このジェレミア・ゴットバルト!!全力で我がみかんを世界に広めてくれる!!!」
アーニャ「また、人が増える?」
ジェレミア「ああ。中で腰を落ち着かせて今後の経営方針を決めよう」
藤堂「玉城、いくぞ」
玉城「あいよ」
千葉「藤堂さん……ついに……うぅ……」
アーニャ「……」
カレン「アーニャ、いいの?」
アーニャ「ジェレミア、嬉しそう」
カレン「え……」
アーニャ「ジェレミアが嬉しいなら、何もいえない」
カレン「そう……」
千葉「どうした?何か問題でもあるのか?」
アーニャ「別に。少し、散歩してくる」
カレン「あ、ちょっと。私も散歩する!!」
千葉「どうしたんだ……?」
アーニャ「よっと」
カレン「アーニャ!!無頼で散歩するの?!」
アーニャ「そうだけど」
咲世子「カレンさん。アーニャさんは時々、ああしてストレスと発散させているとジェレミア様が」
カレン「アーニャ!!私もいくって!!」
アーニャ「勝手にすればいい」
カレン「はいはい。咲世子さん、ジェレミアさんには今日は早退するって行っておいてください!!」
咲世子「分かりました」
アーニャ『発進』ギュルルル
カレン「まって!!いきなりはだめぇ!!」
咲世子「行ってらっしゃいませー」
千葉「あれは無頼か……」
咲世子「配達用のナイトメアです」
千葉「ジェレミア・ゴットバルトの忠義は本物か」
アーニャ『到着』
カレン「死ぬかとおもった……。って、空港?」
アーニャ「……いた」
カレン「え?」
ゼロ「……」
カレン「ゼ、ゼロ?」
アーニャ「ゼロ、こんにちは」
ゼロ「アーニャ。こんにちは。今日はどうしたんだい?」
アーニャ「実は……」
カレン「ゼロ!!あんたぁ!!なにやってんのよぉ!!!」
ゼロ「カレン!?どうしてここに?!」
カレン「私の台詞よ!!ナナリーの護衛は!?」
ゼロ「ふはははは!!今日はナナリー様の勅命を受け、配達物の受け取りに来ているだけだ!!」
カレン「……あんた、もしかして必要とされてないの?」
アーニャ「ゼロの仕事は空港で荷物を受け取って終わり」
ゼロ「アーニャ?!」
カレン「情けな……」
ゼロ「ま、待ってくれ、カレン!!これには海よりも深い事情があるんだ!!」
カレン「何よ?」
ゼロ「ナナリーはゼロのことを嫌っているんだ」
カレン「ナナリーが?」
アーニャ「ナナリー、ルルーシュを刺したゼロのこと大嫌いみたい。このまえゼロから聞いた」
カレン「なるほど……」
ゼロ「本当はSPとしてナナリーの傍に居たいんだけど、ナナリーはそれを絶対に許してくれなくて」
カレン「そうなんだ」
ゼロ「たまに護衛任務に就くこともあるけど、大半はこうしている」
カレン「英雄ゼロも地に落ちたわね」
ゼロ「これが僕の罪なら甘んじて受けるよ。でも、少し辛い」
ゼロ「うん、まだ時間もあるし大丈夫だよ」
アーニャ「実はジェレミア、今度喫茶店をすることにした」
ゼロ「そうなんだ。でも、そうなると従業員が増えちゃうね」
アーニャ「そう」
カレン「……」
ゼロ「アーニャはどうしたい?」
アーニャ「分からない」
ゼロ「応援したいか?それとも反対か?」
アーニャ「……どっちもある」
ゼロ「難しいね。でも、今のアーニャは応援したいんじゃないかい?」
アーニャ「どうして?」
ゼロ「邪魔したいって思っているなら、こんな相談はできないと思うから」
アーニャ「……そう?」
ゼロ「一度、応援してみるのもいいと思うよ。ジェレミア卿もアーニャのことを思っての決断のはずだから」
ゼロ「うん。完成したら教えてくれ。ナナリーと一緒に行くから」
アーニャ「分かった」
カレン「ゼロ。あんた、いつもアーニャの愚痴を聞いてやってるの?」
ゼロ「愚痴じゃないよ。アーニャはジェレミア卿に話せないことを抱えているだけだ」
カレン「それを愚痴って言うんじゃ」
ゼロ「カレンも喫茶店、手伝うのかい?」
カレン「まあ、一応従業員だしね」
ゼロ「余計、見に行きたいな」
カレン「来なくていいわよ。ナナリーだけ連れてきて」
ゼロ「本当にそうなるかもしれないから、そんなこと言わないでくれ!!」
カレン「地が出てるって」
ゼロ「カレン!!本当にそうなる可能性を考えないのか!!愚か者め!!!」バッ!!
アーニャ「ゼロ、ありがとう。バイバイ」
ゼロ「ああ。さらばだ!!!ふはははははは!!!!」
アーニャ「ただいま」
ジェレミア「おかえりなさいました」
アーニャ「話は終わったの?」
ジェレミア「ああ。オープン予定は半年後、それまでに様々な料理の開発、各小売店への根回し等も済ませる」
咲世子「それから、アーニャさん」
アーニャ「なに?」
咲世子「接客を覚えてもらいます」
アーニャ「なんで?」
咲世子「接客業務をアーニャさん、カレンさん、そして私でやるからです」
アーニャ「あの……」
ジェレミア「アーニャ、やってはくれないだろうか。アーニャのメイド服姿を私は堪能したいと思っている!!!」
アーニャ「……ロリコン?」
ジェレミア「アーニャは15歳!!ギリギリ、ロリ回避といったところ」
アーニャ「……」
アーニャ「断ったらどうなるの?」
ジェレミア「今まで通りの業務をしてもらえればいい」
アーニャ「……」
咲世子「どうされますか?」
アーニャ「……やる」
ジェレミア「おお!!そうか。アーニャがウェイトレスを買って出てくれたら安心だ!!」
アーニャ「……」
咲世子「では、採寸をいたしましょう」
アーニャ「うん」
ジェレミア「うむ。これで全ての準備は整った」
ジェレミア「あとは伸るか反るかの大勝負」
ジェレミア「しかし、我が忠義の炎を絶やすことなく、この身が朽ちるそのときまでルルーシュ様とナナリー様に捧げる!!!」
ジェレミア「ナナリー様に最高のみかんとみかん料理をご提供できるように死力を尽くします!!!」
ジェレミア「これぞ!!みかんの嵐!!!」
カレン「あの……スカート短いし、胸がすごく主張してくる服ですね……これ……」
咲世子「藤堂さんのデザインですから」
アーニャ「スースーする」パタパタ
咲世子「アーニャさん!!スカートで扇がないでください!!すぐに見せてしまいます!!」
アーニャ「見せちゃダメ?」
カレン「ダメだって。変なお客さんが増えちゃうし」
アーニャ「どんな?」
カレン「なんか太ってて脂ぎってて、カメラ持ってるような奴よ」
アーニャ「ふーん」
咲世子「では、基本的なマナーから学んでいきましょうか」
カレン「はい」
アーニャ「わかった」
千葉「喫茶店であることを考慮して、手の込んだ料理ではなく軽食を中心にしたほうがいいか?」
ジェレミア「無論だ。でなければ、大量生産するときのコストが大きくなる。とはいえ、メニューは豊富にあったほうがいいだろうし、いくつかそうのような料理は開発しておいたほうがいい」
カレン「お帰りなさいませ、ご主人様」
アーニャ「お帰りなさい、ご主人様」
咲世子「いいですね」
藤堂「待ってくれ、篠崎」
咲世子「は、はい?」
藤堂「紅月はそのままでもいいだろう。だがアーニャ」
アーニャ「なに?」
藤堂「君は違う口調にしておこう」
アーニャ「違う口調?」
藤堂「ああ。君は普段の口調で構わない」
咲世子「しかし、それでは接客に支障が」
藤堂「まぁまぁ。では、少し実践的な練習をしてみようか。私が客の役をしよう」
藤堂「まずは紅月から」
カレン「は、はい」
カレン「お帰りなさいませ、ご主人様。お疲れになったでしょう?こちらでお寛ぎくださいませ」
藤堂「ああ」
カレン「何か私にできることがあったら言ってくださいね?」
藤堂「―――ちょっといいか」
カレン「はぁーい」テテテッ
藤堂「このみかんジュースとみかんゼリーを」
カレン「畏まりました」
カレン「―――お待たせしました、ご主人様。どうぞ」
藤堂「食べさせてくれるか?」
カレン「はい。では、あーん」
藤堂「ふむ……うまいっ」
カレン「嬉しいです」
藤堂「―――紅月。経験でもあるのか?」
カレン「ないですよ!!」
アーニャ「おかえり」
藤堂「席はあるか?」
アーニャ「ああ、こっち」
藤堂「ふむ。注文いいか?」
アーニャ「注文、いいですかじゃないの?」
藤堂「注文……いいですか?」
アーニャ「口、くっさ」
藤堂「……」
アーニャ「で、なに?みかん丸ごとでいい?あんたのために料理つくるとか面倒だし」
藤堂「い、いや……」
アーニャ「ほら、あーん」ググッ
藤堂「うぐぅ?!」
アーニャ「無様」
藤堂「―――やり過ぎだが、悪くない」
藤堂「アーニャはまだ15歳。許される年齢だ。あと2年したら駄目だろうがな」
アーニャ「手がベトベトになった」ペロペロ
カレン「舐めないで洗ってこないと」
アーニャ「そうする」
咲世子「クレームの元ではないですか?」
藤堂「週に一度だけああいう店員が現れると謳っておけば問題はない」
咲世子「はぁ……藤堂さんがそういうのでしたら」
玉城「おーい、コーヒー入れたぜ」
藤堂「ああ、すまない」
玉城「月に一度はカレンのバニーちゃんを拝めるんだろうなぁ?」
カレン「しないって言ってるでしょ?!」
藤堂「そのような低俗な店にするつもりはない」
玉城「ぜってぇ受けると思うんだけどなぁ。アーニャのバニーちゃんでもいいぜ?」
カレン「変態!!消えろ!!」
咲世子「喫茶店のほうも出来上がりつつありますね」
ジェレミア「ああ。もうすぐだ。もうすぐ、我が忠義が形となる」
アーニャ「……」
カレン「はぁ……はっきり言って不安で一杯だけど……」
千葉「時期的にみかんが旬となる。タイミングはばっちりだ」
藤堂「うむ。問題はない」
玉城「ワクワクするなぁ!!」
カレン「玉城、自分の店は?」
ジェレミア「そうだった。玉城よ。これまでの協力に感謝する」
玉城「え?」
藤堂「当然だろう。君には君の店があるのだからな」
玉城「ちょっとまてよぉ!!」
ジェレミア「藤堂、貴方もこれまでありがとう。もう十分だ」
藤堂「なに……」
ナナリー「では、こちらの案件はお願いしますね。あと、みかんもどうぞ」
「それは結構です。では」
ナナリー「……」
ゼロ「ナナリー様」
ナナリー「勝手に入ってこないでください」
ゼロ「申し訳ありません。ええと、このチラシをお見せしたかったのです」
ナナリー「チラシですか?」
ゼロ「こちらです」
ナナリー「紙飛行機にして、そこからこちらに飛ばしてください」
ゼロ「……どうぞ」フワッ
ナナリー「……」パシッ
ナナリー「ジェレミア農園喫茶……近日オープン……。まぁ、アーニャさんが広告に写ってます!これは行かないと」
ゼロ「よければ私と二人で行きませんか?」
ナナリー「寝言は寝ていってください。私は一人で行きますから」
ジェレミア「では、現時刻をもってオープンしましたでございます」
カレン「やったー」
咲世子「感無量ですね」
千葉「ここはスタートラインに過ぎないのだろう?」
ジェレミア「その通り!!我々の伝説はここから刻まれる!!ここが終わりではなく、始まりなのだ!!!」
カレン「とはいっても、お客さんがゼロじゃあ」
アーニャ「うん」
ジェレミア「それでも結構。ナナリー様や関係者各所から無数の花も頂いた!!尽力するしかないのである!!!」
カレン「まぁ、そうですけど」
千葉「では、私は厨房に戻る」
カレン「お願いします」
アーニャ「接客開始」
咲世子「がんばりませんと」
ゼロ「注文、いいですかー?」
リヴァル「行こうぜ」
ニーナ「楽しみ」
カランカラーン
カレン「おかえりなさいま―――げ?!」
ジノ「おー!!カレン!!すごく可愛いじゃないか!!カメラを持ってくるべきだったか!!」
カレン「なんで……」
リヴァル「俺が誘ったんだよ」
カレン「余計なことを……」
アーニャ「ジノ。おかえりなさい」
ジノ「アーニャ!!こっちも可愛いなぁ!ただいまぁ、あははは」
咲世子「どうぞ、こちらのテーブル席へ」
ニーナ「メイドさんかわいい……」
ジェレミア「うむ。徐々に客が入り始めたか。この調子が続いてくれれば初日は成功といえるか……」
ゼロ「あのー注文いいですかー?」
ニーナ「みかんだぁ。おいしそう」
アーニャ「みかんジュース。どうぞ」
リヴァル「あ、はいはい。本当にみかんだけなんだなぁ。すげー。いくら旬の果物でもここまで徹底している店ってないぜ」
咲世子「そこが当店の売りですから」
ジノ「ははっ。こんなに美人の店員がいるなら、これからも贔屓にさせてもらおうかな」
カレン「毎回全品頼んでくれるなら来てもいいけど?」
ジノ「それを1ヵ月続けたら、カレンをテイクアウトできるのかな?」
カレン「で、できるかぁ!!」
ニーナ「あ、おいしい。酸味が少し効いてて、さっぱりしてる」
カレン「でしょ?それ、オリジナルだから」
ニーナ「持って帰ろうかな。ミレイちゃんも喜ぶだろうし」
カレン「どーぞどーぞ」
ゼロ「あのー注文したいんですけどー」
アーニャ「ゼロ、もう3時間以上いるけど仕事は平気なの?」
ゼロ「ナナリー。来なかった……どうして……」
カレン「ありがとうございましたー」
アーニャ「閉店、ガラガラ」
ジェレミア「お客様の人数は150名。予想を遥かに上回る結果だったな!!」
咲世子「この規模のお店で、立地条件も良いとはいえない場所だと考慮すれば成功でしょうか」
ジェレミア「悪くはない。だが、まだまだこれからだ」
カレン「でも、そんなに宣伝もしてないのに、どうして……」
千葉「それがネット上で誰かがこの店を大絶賛してくれているようだ」
アーニャ「なんのために?」
千葉「分からないが。紅月のボーイフレンドとかじゃないのか?」
カレン「そんなのいないし」
ジェレミア「まぁまぁ、その電子の妖精が我々に味方している以上、その波に乗らせてもらうほうがいい」
咲世子「これでお客様も増え、お店も農園も大きくできますね」
アーニャ「……」
カレン「千葉さーん!!みかんゼリー追加でー!!」
千葉「紅月!!こっちはフルーツサンドの用意で手がいっぱいだ!!」
カレン「じゃあ、アーニャ!!キッチンのアシストして!!」
アーニャ「うん」タタタッ
「すいませーん」
カレン「は、はーい!!」
ジェレミア「これは大変だ。予想以上の客入り。ここまで来ると、嬉しい悲鳴を通り越し、阿鼻叫喚!!!」
カレン「はぁ……はぁ……なんで……こんなに……」
アーニャ「疲れた」
カレン「アーニャ!!その場でしゃがむな!!」
咲世子「注文追加です」
千葉「篠崎!!もうお前は自分で作って自分で配膳しろ!!」
咲世子「分かりました」ダダダッ
ゼロ「すいませーん。みかんジュース、おかわり」
ジェレミア「皆の者、ご苦労様」
咲世子「連日、お客様が増えていますね」
カレン「あの……すいません……」
ジェレミア「アルバイトの募集は既にかけている」
カレン「あ、そうですか……」
アーニャ「……みかんは?」
ジェレミア「注文の電話が鳴り止まない。たった数日で世界が変わった」
千葉「喜ばしいことだが、やはり人手が圧倒的にたりないな」
咲世子「そうですね……」
ゼロ「……あの、手伝いましょうか?」
カレン「もう閉店ですけど?」
ゼロ「あ、うん……それじゃあ……」
アーニャ「バイバイ」
ゼロ「また、明日」
ジェレミア「今日も頑張らなければ。しかし、このままではカレンとアーニャが疲労で倒れてしまう」
ジェレミア「従業員の増員は急務か」
カランカラーン
ジェレミア「申し訳ない、まだ開店してないのです。お引取りを」
「ほう?ジェレミア、少し見ない間に大きな口が聞けるようになったものだな」
ジェレミア「その声は?!」
コーネリア「……久しいな」
ジェレミア「コーネリア様!!!ど、どうして!!?」
コーネリア「これを見てやってきた」
ジェレミア「アルバイト情報誌……まさか?!」
コーネリア「お前がオーナーなら雇ってくれると思ってな」
ジェレミア「しかし、何故?コーネリア様がアルバイトなどと……」
コーネリア「……色々あるのだ。訊くな」
ジェレミア「あぁ、コーネリア様。身分を捨て、この世で生きる辛さは身をもって痛感しております!!共にがんばりましょう!!!」
咲世子「はい」
ジェレミア「では、コーネリア様。詳しい仕事の内容はこちらの咲世子から説明させますので」
コーネリア「よろしく頼む」
咲世子「キッチンとホール。どちらをご希望でしょうか?」
コーネリア「メ……メイドになれるほう……が、いい、かな」
咲世子「では、キッチンですね。こちらへ」
コーネリア「よし」
ジェレミア「まさか、コーネリア様が……これは頼もしい……」
カランカラーン
ジェレミア「申し訳ない、まだ開店―――」
星刻「分かっている」
ジェレミア「あ、あなたは……中華連邦の……生きていたのですか?」
星刻「それよりも、まだアルバイトの募集はしているのか?」
ジェレミア「え、ええ……それがなにか?」
自由とはそういう事だ。
天子「は、はい……あの……」
ジェレミア「天子様、ご無沙汰しております。先の戦争では、多大なる無礼を……いくら謝罪の言葉を並べても我が罪は消えないでしょう」
天子「いえ、それはもう気にしていませんから」
星刻「今日は折り入って話がある」
ジェレミア「なんでしょうか?」
星刻「天子様と私を期間限定で雇ってはもらえないだろうか?」
ジェレミア「お二人を?!ですが、中華連邦のほうは?」
天子「私がお願いしたことなのです。日本の様子を知るために長期間の滞在を決めました。そして、日本のみなさんがどのような生活をしているのかを知りたいと」
ジェレミア「日本の?」
星刻「ああ。中華連邦も見習うべきところが今の日本にあると天子様が仰ってな。そのときここの存在を知った」
ジェレミア「いいのですか?飲食業は見た目よりもハードですが」
天子「構いません!!お願いします!!」
星刻「天子様にメイド服を!!!」
ジェレミア「分かりました。では、期間限定で雇いましょう。こちらも人手不足で困っていたところですから」
ジェレミア「カレン!!」
カレン「はい。って、天子様と星刻!?」
ジェレミア「二人に仕事の説明を」
カレン「は、はい。じゃあ、えっと……ホールとキッチン。どちらがご希望ですか?」
天子「私はホールでお願いします。色々な人と接したいので」
星刻「私はキッチンでいい。天子様の姿をいつでも監視できるのでな」
カレン「分かりました。じゃあ、天子様は制服のサイズを測らないとだめですね」
天子「お願いします」
カレン「咲世子さん!!キッチンのほうもう一人、お願いします!!」
咲世子「承知しました。千葉さんにやってもらいます」
千葉「なんだと!?こっちも開店準備で忙しいのに!!」
コーネリア「おい!!メイド服の授与はまだか?!」
咲世子「キッチンでメイド服なんて着るんですか?汚れますよ?」
コーネリア「貴様!!私を謀ったな?!」
アーニャ「おはよう。何の騒ぎ?」
ジェレミア「アーニャ!!聞いてくれ!!嬉しい知らせばかりだ!!」
アーニャ「どういうこと?」
ジェレミア「これで君は学校から帰ってきていきなりホールを駆け回るような苦行をせずにすむ!!」
アーニャ「……」
カランカラーン
ジェレミア「申し訳―――ん?!」
C.C.「美味しいみかんピザが食えるのはこの店でいいのかな?」
ジェレミア「C.C.……何故……」
C.C.「聞いてくれ、ジェレミア。ピザを食べるのにお金がいるんだ。なので楽して食べられるところを探していたら、ここに行き着いた」
ジェレミア「……」
C.C.「メイド服を着て立っていてやるから、賄いはみかんピザで頼むぞ?」
ジェレミア「あ、ああ……」
アーニャ「また、増えた……」
天子「は、はい」
カレン「そんな固くならないで、リラックス、リラックス」
天子「は、はい……」
C.C.「なんだ、この服は。胸が少し緩いな」
カレン「それ、私にピッタリの制服だからねー」
C.C.「今のはむかついた。お前、先輩だからと調子に乗るなよ?」
カレン「あーら、随分態度のでかい後輩ね。あんた、最後までルルーシュと何してたのよ?!」
C.C.「お前が聞いたら卒倒するぐらい大人なことだよ、小娘」
カレン「なっ……!!」
C.C.「生娘には刺激が強い話だったかなぁ?」
カレン「おのれ……」
アーニャ「カレン、学校遅れるけど」
カレン「あ、うん!C.C.!!帰ってきたらイジメてやるからね!!!」
C.C.「できるものならやってみろ」
カレン「あー、新人に説明するのに時間食っちゃった」
アーニャ「無頼なら間に合う」
カレン「よっと。今日は私が運転するから」
アーニャ「よろしく」
カレン「アーニャ、本当にいいの?」
アーニャ「……」
カレン「このままここが大きくなるのはみんなが望んでることだとは思うけど」
アーニャ「……カレン、呼ばれた」
カレン「え?」
アーニャ「咲世子も呼ばれた」
カレン「アーニャ……?」
アーニャ「私はもう……ジェレミアにとって、必要ないかもしれない」
カレン「そ、そんなことあるわけないでしょ!?」
アーニャ「私より仕事ができる人ばかり入ってくる……もう……私は……」
ゼロ「特盛みかんパフェとみかんジュース」
天子「は、はい。と、特盛みかんとジュースパフェ……ですね?」
ゼロ「いや、全然違います」
天子「あ、ご、ごめんなさい!!ごめんなさい!!」
ゼロ「特盛みかんパフェとみかんジュースで」
天子「みかん盛りのジューシュ?」
ゼロ「そんなのあるんですか?」
天子「な、ないです……」
ゼロ「……他の人は?」
天子「ごめん……なさい……ごめっ……なさい……」
ゼロ「そんな泣かれても困るのは私のほうだ!!ふざけるな!!!」バッ
星刻「お客様?」
ゼロ「え……」
星刻「表に出てもらいましょうか?」
ミレイ「すいませーん」
ジェレミア「なんでしょうか?」
ミレイ「今、突撃取材してるんですけど、カメラ入ってもよろしいですか?」
C.C.「いいんじゃないか。別に。いい宣伝になるじゃないか」
ジェレミア「ここには様々な人種が集まりすぎている」
C.C.「だからこそだろ。こんなに面白い店員がいる喫茶店なんて私は知らない」
咲世子「オーダー入ります!!みかんソースのステーキ!!」
コーネリア「よろこんで」
千葉「それは居酒屋だ!!お前、どこでバイトをしていた?!」
コーネリア「か、畏まりました!!ご主人様!!」
咲世子「低音すぎます。もっと声を高くしてもらいませんと」
コーネリア「む、難しいことを言うな!!」
ジェレミア「分かりました。取材してください。このジェレミア・ゴットバルトの名を刻むために!!!」
ミレイ「ありがとうございまーす」
ミレイ「今日、ご紹介するのはここ!ジェレミア農園喫茶!!もぎ立てフレッシュなみかんを使って様々な料理を提供することで今、注目を浴びつつあるお店です」
ミレイ「では、中に入ってみましょうかー♪」
ゼロ「うぅぅ……ぅぅ……」
ミレイ「入り口の前に大きな黒いゴミ袋がありますね。これは少し不衛生かもしれません。横に置いておきましょう」
ゼロ「ぅぅ……ぅぅうぅ……」
ミレイ「では、気を取り直して、お邪魔しまーす」
天子「おお、おかわりなさいませ、ごしゅじんしゃま!!」
ミレイ「いきなり違法な感じがします」
C.C.「お帰りなさいませ、ご主人様。お疲れになったでしょう?どうぞこちらへ」
ミレイ「可愛い子も居れば美人のメイドさんも居る。この喫茶店は一味違うようです」
咲世子「ご注文をどうぞ。ご主人様」
ミレイ「どれどれ。おー、見てください。どれもみかんが入っているようです。このみかんは表にある農園で取れたものですか?」
咲世子「はい。オーナーはみかん一個を栽培するのでも全力を出しています」
ミレイ「それは素晴らしい。かなり期待ができそうです。では、この大人気と書かれたみかんゼリーをお願いできますか?」
ミレイ「みなさんも是非、このみかんの味を堪能してみては如何でしょうか?それでは、また明日ー!!」
スタッフ「カット!!お疲れ様でした!!」
ミレイ「ふー……」
咲世子「ミレイ様、ご立派です」
ミレイ「ありがとう。それにしても、咲世子さんはこういうの本当に似合うわね」
咲世子「ありがとうございます」
ミレイ「本当はずっと来たかったの。ニーナがお土産でくれたみかんプリンがとっても美味しかったから」
千葉「その言葉が何よりの励みだ」
ミレイ「じゃあ、咲世子さん。またくるわ。今度はプライベートで」
咲世子「行ってらっしゃいませ、ご主人様」
C.C.「もういっちゃうんですかぁ?ご主人さまぁ」
天子「い、いってらっしゃいませ!!ごしゅじんしゃま!!」
コーネリア「またのご来店を!!」
千葉「だから、それ違うぞ。間違ってはいないが」
カレン「あー今日も忙しくなりそー」
アーニャ「……」
カレン「アーニャ、考えすぎだって」
アーニャ「……でも……ジェレミアは私のこと褒めてくれない」
カレン「……!」
アーニャ「褒めているのはいつもカレンと咲世子と……えーと……」
カレン「千葉さんね。千葉凪沙」
アーニャ「そのナギサのことばかり」
カレン「それは、ほら、もうアーニャはジェレミアにとっていて当然の存在になっていて……」
アーニャ「きっと消えても何も思わないと思うけど」
カレン「そんなこと―――」
C.C.「お前たち、早くこい」
カレン「C.C.?どうしたの?」
C.C.「どうしたもこうしたもあるか。店がバーストするぞ。早く働け」
千葉「みかんたっぷりフルーツサンドできたぞ!!」
カレン「はーい!!」
コーネリア「特盛みかんパフェもできた、持っていけ」
天子「は、はい……」
アーニャ「大丈夫?」
天子「は、はぃ……」ヨロヨロ
アーニャ「不安」
星刻「みかんピザができたぞ」
C.C.「ありがとう」
星刻「……」
C.C.「はむっ」パクッ
アーニャ「それ賄いじゃないけど」
C.C.「……ごめんなさぁい、ごしゅじんたまぁ」
星刻「狙いすぎていて腹が立つな」
C.C.「おかえりなさいませ―――」
ナナリー「C.C.さん」
C.C.「……カレン、接客は任せる」
カレン「ちょっと!C.C.?!」
ナナリー「カレンさん、お久しぶりです」
カレン「ナナリー?!どうして……」
ナナリー「やっと来ることができました。でも、座れそうにないですね」
カレン「えーと……えーと……」
ジェレミア「ナナリー様!!ようこそお越しくださいございました」
ナナリー「ジェレミアさん」
ジェレミア「今すぐ席をご用意いたします」
ナナリー「いえ、特別扱いは結構です。普通のお客さんとしてきましたから」
ジェレミア「ナナリー様……」
カレン「じゃあ、席があくまで暫くお待ちくださいね、お嬢様」
ナナリー「アーニャさん、お久しぶりです」
アーニャ「うん。案内する」
ナナリー「ありがとうございます」
アーニャ「ここでいい?」
ナナリー「はい」
アーニャ「どれにする?」
ナナリー「そうですねー……えーと……えーと……」
ゼロ「―――私は帰ってきた!!!」バンッ!!!!
アーニャ「ゼロ、おかえりなさい」
ゼロ「ナナリー様!!相席、よろしいですか?」
ナナリー「良く聞こえません。あなた、誰ですか?」
ゼロ「これは異なことを!!私の名はゼロ!!世界を壊し、創造した男だ!!!」バッ
ナナリー「なんですか。この大きなゴキ―――」
アーニャ「ナナリー、待って。私に任せて」
アーニャ「おかえり、ご主人。まずはやることがあると思うけど?」
ゼロ「なんだと?」
アーニャ「まずは跪いて「今日も生き恥を晒して帰ってきてしまいましたワンワン」でしょ?」
ゼロ「な、何故そのようなことを私がいわなければならない!!」
アーニャ「言ってくれないと相席は認められないけど?」
ゼロ「できるか!!そんなこと!!私はナナリー様と相席をするために待っていたのだ!!」
アーニャ「随分と態度の大きなご主人。それだとこの社会をうまく生きていけないと思うけど?もっと賢くならないと」
ゼロ「おのれ!!こちらは客だぞ!!ふざけるな!!!」
アーニャ「お客様は神様だ。なんて思うほうがどうかしていると思う。そんな屑の頭を開けたら、きっと何も詰まってないんでしょ?笑える」
ゼロ「それ以上、侮辱するならこちらにも考えがある!!」
アーニャ「口、くっさ」
ゼロ「臭うわけないだろう!!」
アーニャ「そんな仮面つけてマントまでして、存在そのものも、くっさ」
ゼロ「……っ」
ゼロ「ナ、ナナリー……!!」
C.C.「言いたい放題だな。何かのイベントか?」
カレン「そういえば、今日はアーニャの毒舌キャラの日だ」
ジェレミア「アーニャ!!それぐらいにしておくのだ!!仮面の騎士が人目につかぬ場所で泣いている!!」
アーニャ「そうなの?」
ゼロ「うぅぅ……ぅぅ……」
アーニャ「―――よっわ」
ゼロ「おわぁぁぁああああああ!!!!!!」ダダダダダッ
ナナリー「……アーニャさん、ありがとうございます」
アーニャ「あれ、男性限定のサービスだから。ナナリー、注文は?」
ナナリー「では、このみかんのショートケーキとみかんジュースを」
アーニャ「わかった。待ってて」
ジェレミア「アーニャ、あのキレ、あの毒舌。素晴らしい。私も罵られたい!!」
カレン「ジェレミアさん……」
ナナリー「どうも」
アーニャ「食べさせてあげる」
ナナリー「いいんですか?では、あーん……」
アーニャ「あーん……どう?」
ナナリー「……」
アーニャ「ナナリー?美味しくない?」
ナナリー「い、言え。とても美味しいです」
アーニャ「もう一口、いる?」
ナナリー「はいっ」
アーニャ「あーん」
ナナリー「あーん……おいしい」
アーニャ「よかった」
ナナリー「……」
コーネリア「メイド服はまだかー!!!」
ナナリー「……」
カレン「ナナリー?まだ、帰らなくてもいいの?」
ナナリー「あ、ごめんなさい。お邪魔でしたら……」
カレン「そんなことないよ。お客さんも落ち着いたしね」
ナナリー「夕方にこうなるのですか?」
カレン「喫茶店で夕食を済ませるって人はそんなにいないから」
ナナリー「なるほど」
アーニャ「みかんピザ、追加」
千葉「承知!!」
C.C.「疲れた」
咲世子「C.C.さん!!接客を!!」
C.C.「もう空いたし、私の今日の労働は終わりだ」
天子「あわ……わ……おさらが……たおれる……」ヨロヨロ
星刻「天子さま……最高だな……」
ジェレミア「皆の者、お疲れ様でございました」
コーネリア「おい、貴様。メイド服はどうなっている」
咲世子「頑張り次第で、私のようにキッチン兼ホールを任せられるようになれば良いだけの話です。貴方ならできる」
コーネリア「そ、そうか……よし」
天子「すぅ……すぅ……」
星刻「天子さま……あぁ……我慢だ……寝込みを襲うなど……武人ではない」
ナナリー「……」
カレン「ナナリー、今日はどうするの?泊まっていくの?」
ナナリー「あの、アーニャさん」
アーニャ「何?」
ナナリー「部外者の私がこんなことを言うのは、差し出がましいことであると十分に承知しています。けれど、私のように悲しい思いだけはしてほしくありません」
アーニャ「……」
C.C.「ナナリー……」
ナナリー「アーニャさん。素直な気持ちを言えるときに言っておかなければ、後悔します。私のように」
ナナリー「相手のためだと自分を偽り、何も言わなかった。もしもっと早く告白していれば結末は違っていたかもしれない」
カレン「それって……」
ナナリー「最近の私はそのことばかりを考えています」
星刻「ルルーシュのことか?」
ナナリー「はい。私はお兄様と一緒にいれるだけでよかった。お兄様の居ない明日なんて苦しいだけです。今も、今日で世界が終わるならどんなに楽だろうって考えています」
アーニャ「そう」
ナナリー「アーニャさん。確かに自分の気持ちを押し込め、ただ笑っていれば全てが解決するときもあります。でも、それでも誰かが傷つきます」
C.C.「その誰かは自分自身か」
ナナリー「お兄様を止める事はできなかったかもしれません。けれど、後悔はしないで済みました」
ナナリー「それだけでも全く違う想いで結末を見届けることができかもしれません」
アーニャ「……」
ナナリー「だから、アーニャさん。お節介なのは分かっています。大きなお世話であること。でも、知ってしまった以上は放っておくことは私にはできません」
アーニャ「うん……」
ナナリー「アーニャさん……」
千葉「そうだな。藤堂さんもお腹を空かせているころだろうし」
星刻「天子さま、行きましょう」
天子「あぁい……」
星刻「ぐはっ?!」
咲世子「ナナリー様、今晩は私の部屋でおやすみになられてはどうでしょうか?」
ナナリー「はい。お世話になります」
ゼロ「ナナリー!!迎えに来たぞ!!」
ナナリー「消えろ」
C.C.「ほら、空気を読め」
ゼロ「どうしてだ!!ナナリー!!」
コーネリア「メイドになるまで……ふふふ……」
アーニャ「……」
ジェレミア「座ろうか」
アーニャ「うん」
アーニャ「うん」
ジェレミア「何故、言ってくれなかった」
アーニャ「……ジェレミア、とても嬉しそうだったから」
ジェレミア「当然だ。君を養う目処がついたのだからな。農園だけでは君が自立するまで些か心許なかった」
アーニャ「……」
ジェレミア「君を守ることができる。そう思うと歓喜の念も内側から溢れてくるというもの」
アーニャ「……私は、違う」
ジェレミア「何が違う?」
アーニャ「私はジェレミアと一緒に居られたらそれでいい」
ジェレミア「アーニャ……」
アーニャ「二人でみかんをとって、いっぱい運んで、ジェレミアによくやってくれたって頭を撫でてほしいだけ」
ジェレミア「しかし、私は大黒柱。君を養う義務がある!!」
アーニャ「養わなくていい。ここまでしないとダメなら、学校いかない。ご飯はみかんだけでいい」
ジェレミア「だが……それでは……君の幸せが……」
ジェレミア「アーニャ……それで幸せなのか?」
アーニャ「うん……幸せ」
ジェレミア「あとで我侭を言うことは許さないぞ?」
アーニャ「……」
ジェレミア「好きな服もアクセサリーも自由には買えなくなるかもしれない!!それでもいいというのか?!」
アーニャ「うんっ」
ジェレミア「分かった。アーニャの覚悟、ここで見たり!!その熱意、意思、矜持を我が心に刻み込もう!!」
ジェレミア「そして!!私もそれに応えなくてはならない!!それが紳士!!騎士!!!」
アーニャ「……うるさい」
ジェレミア「ああ、すまない。少し熱が入ったな」
アーニャ「で、どうするの?」
ジェレミア「喫茶店は残す。既に従業員もいるし、その中には皇族もおられる。潰すことは私にはできない。だが、私がオーナーから退くことはできる」
アーニャ「ジェレミア……」
ジェレミア「大黒柱を他の者に譲るというのは癪ではあるが、アーニャの頼みであるのなら迷いはない」
ジェレミア「私も君の気持ちを蔑ろにし過ぎていたな。反省しよう」
アーニャ「私も我侭言って……ごめんなさい」
ジェレミア「アーニャ、女性の我侭をどれだけ許容できるかで男の価値は決まる」
アーニャ「……」
ジェレミア「君のように美しい女性の初めての我侭で立腹するほど、私は狭小な器は持っていないと自負している」
アーニャ「ごめんなさい」
ジェレミア「ふふ……アーニャ、よく話してくれたな」ナデナデ
アーニャ「……♪」
ジェレミア「君を知らず不幸の沼に落とそうとしていたとは。私もまだまだ修行が足りないといったところか」
アーニャ「喫茶店、どうする?」
ジェレミア「オーナー候補は既にいる。あいつ以外に任せられないだろう」
アーニャ「……ジェレミア、これからは?」
ジェレミア「また以前の生活に逆戻りだな。君と私だけでみかんを栽培するだけの生活に」
アーニャ「幸せ……それが、一番……」
ジェレミア「君に全権を譲ろうと思う」
咲世子「しかし、私に経営の才はないのですが」
ジェレミア「問題はない。星刻もいるし、私も放任するわけではない」
咲世子「おかざりのオーナーですか」
ジェレミア「それでもオーナーという肩書きはまさに無敵だ。誰も君には逆らえない」
咲世子「人事も一任させてくれると?」
ジェレミア「勿論だ。経理は……君のほうがいいかもしれないな」
咲世子「お任せください」
ジェレミア「あと、ここからは秘密の話だが」
咲世子「はい」
ジェレミア「喫茶店を切り捨ててはアーニャを養うことができなくなるかもしれない。既にこの農園は喫茶店に頼っているようなものだからな」
咲世子「なるほど。もしものときは喫茶店の売り上げの一部を譲渡しろと?そのような心配は不要だと思いますが……」
ジェレミア「恥ずかしい話だが君は我が大黒柱となった。アーニャを養うのは我が大黒柱の務めである!!!私の務めはアーニャの笑顔を守ることにある!!!」
咲世子「承知いたしました。元々、あの店は貴方のもの。おかざりのオーナーに拒否権はありません」
カレン「あー!!もう!!なんでこんなに忙しいのよ!!」
C.C.「働けー、メイドども」
カレン「あんたが働きなさいよ!!」
C.C.「私はピザが食えればそれでいい」
天子「おぉ……ぉ……」フラフラ
星刻「天子様!!3番テーブルまでもう少しです!!」
天子「しんくー!!きらいー!!!」
星刻「がはっ?!なぜ……?!」
千葉「手が遅いぞ!!何をやっている!!!」
コーネリア「これでも全力だ!!おい、新オーナー!!私の働きをみておけ!!」
咲世子「……それ以上、仕事が遅くなればクビです」
コーネリア「バ、バカな……!!」
ゼロ「アーニャの罵りフルコースはないんですか?」
カレン「冷やかしなら帰って!!というか、ゼロ!!あんた見たさで来る客も多いんだから出て行け!!仕事が増えるでしょ!!」
ジェレミア「アーニャ、これを運んだら休憩をしよう」
アーニャ「うん」
ジェレミア「今日は本当によく働いてくれたな。いや、アーニャはずっと良くやってくれている」
アーニャ「……」
ジェレミア「いつしか君が傍にいることが当たり前になり、感謝の言葉も私の口から消えていた」
アーニャ「私も当たり前になってたから、言えなかったことがある」
ジェレミア「聞こうか」
アーニャ「―――ありがとう。ジェレミア。大好き」
ジェレミア「ふふふ。そうか。君の口からその言葉が聞けるとは思わなかった。親愛なる者へは中々口にできないメッセージだな。特に身内ともなると尚更だ」
アーニャ「うん」
ジェレミア「では、私も言葉にしておこう。私もアーニャのことは好きだ。これからも果実を育んでいこうではないか、君と私の絆も一緒にな」
アーニャ「ジェレミア……」ギュッ
ジェレミア「さぁ、咲世子特製のお茶を飲んだら、作業を再開しよう。アーニャ、君の忠義と活躍に期待する!!」
アーニャ「うん、がんばる。貴方といるために」
おしまい。
何人か変態だったけどいい話だった
アーニャかわいい
Entry ⇒ 2012.08.18 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (4) | Trackbacks (0)
尭深「マジカル☆タカミにおまかせあれ」菫「…」
菫「さて全国大会のミーティングは以上。各自練習に戻れ」
照「菫、一緒に打とうよ」
淡「テルー、私も入れてよ」
亦野「尭深、一緒にどう?」
尭深「うん、いいよ~」ウキウキ
亦野「あれ?尭深、なんかご機嫌だね、どうしたの?」
尭深「なんでもないよ~///」ルンルン
尭深(今日やっとアレが届くんだもん♪)
宅配便「おるかー」ピンポーン
尭深「はーい」
宅配便「ここやで」トントン
尭深「サインですね…はい」サラサラ
宅配便「おおきにー」バタン
尭深「ありがとうございました」ルンルン
尭深「やっときた…やっと…」
尭深(私には部のみんなに隠してあることがある…それは…)ガソゴソ♪
尭深「すごい…まさに芸術品…」
尭深「某日曜8:30の魔法少女アニメの衣装デザインの人に、私にもっとも似合うようにとデザインを依頼し…」
尭深「その道のプロに裁縫していただいた一品ものの魔法少女服…」
尭深(そう、私は大の魔法少女ファンなのである!)
尭深「私のお小遣い2年分…」
尭深「そんなのこれを前にしたら安いもの!」
尭深「あ、そうだ。みんなに連絡しないと!///」イソイソ
八重桜
カスミン
パンジー
Sub:やっときました♪
本文:先日言っていたオーダーメイドの服が届きました
みなさんにもいろいろ助言をいただいて完成しました。ありがとうございます
画像を添付しますのでご覧ください
尭深「こんな感じでいいよね…」
尭深「送信…っと」ポチッ
尭深(とよねえさん、ヤエさん、カスミンさん、パンジーさんはSNSで知り合った魔法少女愛好家たちだ)
尭深(特にパンジーさんは同じ東京在住のようで親しくさせてもらっている)
尭深「あ、メール返ってきた~」カチッ…
From:とよねえ
Sub:おめでと~
本文:画像みたけどちょーかわいいよー
わたしも今作ってるのがもう少しで完成しそうだよ~
完成したら見せるから期待しててねー
あ、そうだ。来月に東京いくからナマで見せれるかもー
じゃーまたねー
尭深「へー…とよねえさん、東京にくるんだ…」
尭深「こ、この着信音は…八重桜さん!」カチカチッ
From:ヤエ
Sub:おめでとっ!
本文:見せてやるよ、王者の賛美をっ!!
よくできているじゃないか、アタシの服がかすんで見えちゃうよ
そうそう、来月東京にいくよ
アタシに勝ったヤツがどこまでやるのか見届けてやるのさ
機会があったら会おうね
それじゃっ!
尭深「え…八重桜さんも東京に!?」
尭深「あ、カスミンさんからもきた…」カチッ
From:カスミン
Sub:おめでとうございます
本文:ふんふむ…かなりの業物ですね
こちらの衣装も下ぼk…友人に作っていただいております
近いうちに完成するのでお見せします
そうそう、来月東京に行きますのでもしかしたらお会いできるやもしれませんね
では、今日はこの辺りで…
尭深「みんな東京に来るんだ…すごい偶然だな…」
おいおいまだ2桁だぞ、大丈夫大丈夫
フォローになってねぇwww
尭深「あ、パンジーさんからもメール来た!」カチカチッ
From:パンジー
Sub:おめでとう
本文:これで君も魔法少女の仲間入りだ
それにしてもうらやましいものだ
そんなに可愛らしい服は私には似合わないだろう…
私は魔法少女を応援する少女としてこれからも君を応援するよ
尭深「パンジーさんはいつも通り、ネガティブだなぁ…」
尭深「魔法少女になるには愛と正義とほんの少しの勇気があればいいのにな…」
尭深「そうだ!パンジーさんに相談してみよっと!」
To:パンジー
Sub:ありがとうございます
本文:パンジーさんもきっと似合いますよ^_^
そういえばとよねえさん、八重桜さん、カスミンさんたちが来月東京に来るみたいです。
それでオフ会ってやつをやろうと思うんですがいかがでしょうか?
From:パンジー
Sub:そうか
本文:そうだな、おもしろそうだ
ただ、私はその時期はちょっといろいろあって忙しいんだ
参加はできるだろうが幹事はできない
君はオフ会を主催したことはあるか?
あるなら幹事を任せたいのだが…
To:パンジー
Sub:わかりました
本文:幹事の経験はありませんががんばります
わからないことがあったらパンジーさんに聞いてもいいですか?
絶対に楽しいオフ会にしてみせます
マジカルタカミにおまかせあれ、です
~~~~~~~~~~
ティロリン♪
???「…」カチッ…
???「ふふっ…」クスッ
~~~~~~~~~~
尭深「幹事か…」
尭深「あんまり得意じゃないけど・・・頑張ってみよう…」
~~~~~~~白糸台高校麻雀部室~~~~~~~~~
尭深(こうしてみると…ウチの部員っていい素材多いよな…)
亦野「お…淡、なにやってるの?」
尭深(誠子は魔法少女戦隊にかかせないボーイッシュ、だけど乙女な女の子)
淡「べ~、セーコには教えないよーだ」
尭深(淡ちゃんはマスコットにしたいくらい生意気かわいい!いつまでもそのままのあなたでいてね)
ggrks
尭深(照先輩はそのカリスマ性でみんなを率いてくリーダー!なんだかんだでかっこいいな…)
菫「すぐに私に頼るな。自分の力でやれ」
尭深(菫先輩はなんといってもあの長い髪!よく手入れされてて艶のある黒髪!どんな服にも合いそう!)
(そしてクール&インテリ!!青とか水色あたりがよく似合いそう!)
尭深「……」
尭深「あ、弘瀬先輩、ちょっといいですか」
菫「どうした、渋谷?」
尭深「魔法しょ…」
尭深(…うじょの格好してくれませんか?…ってなに言いかけてるの、私!///)
尭深「ま、魔法書って変な名前が多いですよね、ネクロノミコンとか死海文書とか!?」
菫「…は?」ポカーン
尭深「な、なんでもないです!気にしないでください!!///」
淡「へー、タカミはいろんなこと知ってるんだね!すごい!」
尭深「あ、あはは///」
尭深(ご、ごまかせた…かな?///)
菫「…?」
尭深(それにパンジーってスミレの仲間…)チラッ
菫「…?渋谷、なにかあったか?」
尭深「な、なんでもありません///」
照「菫~、わたしのプリン食べたの菫?」
淡「あ、ごめんねテル~、食べたのあたし~」
照「そ、そうなの…」ショボン…
照「す、菫?な、なんでそんなに怒ってるの?」
淡「…」ソー…
菫「お前もだ、大星!」
淡「ひぃ!ご、ごめんなさい!」
菫「まったく、お前たちは何度言っても同じことを…」クドクドクド…
亦野「HAHAHAHAHA!!」
尭深(まさか…ね…?)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
なんやかんやでオフ会当日
尭深(ついに来た!オフ会当日!)
尭深(全国大会も昨日で全日程が終了、今日は部活も休みだし…)
尭深(今日は思いっきり楽しもう!)
尭深「えいえい、おー!」オー
ナニヤッテンノアノコ モリアガッテンナー… ラーメンタベタイ!
尭深「…」
尭深「///」
尭深「…それっぽい人はいないみたい」
尭深「さすがに集合時間30分前だし、いないよね…」
尭深「目印はリボンだけだし見つかるかな…」
尭深「私が緑、とよねえさんが黒、八重桜さんが黄色、カスミンさんが赤、パンジーさんがスミレ色…だったっけ?」
尭深「まぁ気長に待てばいいか…」
カガヤイテーココイチバーン…
尭深「あ、とよねえさんからメール…」カチカチ
To:とよねえ
Sub:ついたよ~
本文:黒い服着てるよ~
黒い服はわたしだけだからすぐわかるよ~
尭深「え…どこだろう?黒い服着てる人なんていないし…」キョロキョロ
尭深「と、とりあえず呼んでみよう…と、とよねえさーん!」
???「わわわ!」
尭深「え!?きゃあ!」
???「急に大声出してビックリしたよ~」
尭深「は、柱が喋っ…あ、人間…」
尭深「は、はい!とよねえさんですか?///」
とよねえ「うん!…あれどこかで…あ、もしかして白糸台の渋谷尭深さん?」
尭深「え…な、なんでわかるんですか!?」
とよねえ「あはは~、私も全国大会でてたんだ~、宮守女子の姉帯豊音っていうんだけど…」
尭深「そ、そういえば見覚えがあるような…」
豊音「決勝みてたよー、ちょーがんばってたねー」
尭深「あ、ありがとうございます///」
尭深「あ、姉帯さん…」
豊音「豊音でいいよー、あたしも尭深ちゃんってよんでいいかな?」
尭深「は、はい…豊音さん///」
豊音「それでなにかな?」
尭深「あ、豊音さんも…その…好きなんですか?///」
豊音「なにが?」
尭深「その…魔法少女…とか///」ボソボソ
豊音「うん、大好き!かわいいからね~」
尭深「で、ですよね!///」
尭深「な、なんでしょうか?」
豊音「宮永照さんと大星淡さんのサインもらえないかな~?」
尭深「サイン…ですか?多分大丈夫だとおもいますけど…」
豊音「ホントに!?ちょーうれしいよー」
尭深「喜んでもらえて私もうれしいです///」クスッ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
15分後…
豊音「それでねー……ってあれ?なんかコウモリがいるよー」
尭深「本当だ、珍しいですね…」
バサバサバサバサ…
尭深「え、こっちに来る…きゃあ!?」
豊音「わー」アタフタ
バサバサバサバサ…
???「待ち合わせ場所はこちらでよかったでしょうか…?」
尭深「コ、コウモリが人を連れてきた…」ドキドキ
豊音「…あれ?あなたたしか…」
尭深「し、知り合いですか?」
???「ずいぶんと珍しいところでお会いしますね」
豊音「小蒔ちゃんのサインありがとー!えっと、石戸霞さん…だっけ?」
尭深「あ、永水の大将…」
霞「覚えていてくれて光栄です、姉帯さんと…」
尭深「渋谷、渋谷尭深です…」
霞「渋谷さんね、覚えておくわね」
豊音「豊音でいいよー、って赤いリボン…え、まさか霞さんが?」
霞「そういうあなたたちもそのリボン…どうやらそういうことみたいね…」
霞「ネットではカスミンと名乗っております」ペコリ
尭深「え、え?…え~!」
豊音「霞さんが…」
霞「さ、次はあなたたちの番よ」
尭深「こ、今回の幹事のタカミです…///」ペコリン
豊音「とよねえです」ペッコリン
霞「フフフッ…」
尭深「///」
豊音「あははー」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
10分後…
尭深(集合時間まであと5分か…)
霞「遅いわね、パンジーさんと八重桜さん」
豊音「時間まだあるよー」
尭深「とりあえずメールを…」
テレレレンテレレテレレレン… テレレレンテレレテンテンテンテン…
尭深「こ、この曲はっ!」
豊音「この、あたりーちおーらいな曲はー!」
霞「晩成高校の小走やえ…」
やえ「なんだアンタ、アタシを知ってるのかい?」
霞「…いえ、少し小耳に挟んだだけです」
やえ「そうかい…とんだニワカだね…」
やえ「ニワカは相手にならんよ!」
やえ「…まぁいい。そんなことよりあんたたちが…」
やえ「穏乃!もういいよ、ありがとっ」
穏乃「いえいえ、やえさんの為ですんで…それに自分にはこれぐらいしかできないし…」カチャッ…
霞「あのラジカセ持ったジャージの子…このためだけに?」
尭深「あれはiPodですよ、霞さん」
やえ「…待ちな、穏乃」
穏乃「え…」
違います
あの人の影響で小走先輩+穏乃の黄金コンビが大好きですが
穏乃「…」
やえ「胸をはりな…アンタたちは強い、アタシが保障するよ」
穏乃「やえさん…はい!ありがとうございました!失礼します!」タッタッタ…
やえ「来年が楽しみだよ…穏乃…」
やえ「初瀬とアンタ…どっちが強くなるかね?」
霞「なにこのちょっといい話…」
豊音「いい話だよ~」ウルウル
尭深「その黄色のリボン…まさか八重桜さん!?…よくわかりましたね」
やえ「アンタらのリボンを見ればニワカでもわかるよ」
やえ「アタシは八重桜こと小走やえ!よろしくっ!」
尭深「幹事のタカミ、渋谷尭深です…///」
豊音「姉帯豊音、とよねえだよ」
霞「カスミン、石戸霞(18)です。よろしく」
やえ「アタシのことはやえでいいからね」
尭深「は、はい…」
尭深「あとはパンジーさんだけか…」
カガヤイテーココイチバーン…
尭深「あ、メールきた…パンジーさんからだ」カチカチ
From:パンジー
Sub:すまない
本文:諸事情により少し遅れる
1時間程度でそちらに行けると思うので
先に始めていて欲しい
豊音「パンジーちゃん遅れるの?」
霞「残念ですね…」
やえ「来れなくなったわけではないんだろ?」
尭深「そうですね…パンジーさんは後で合流という形になりますね…」
やえ「そうだね、それがいいよ」
霞「先に会場に行ってましょう…どちらでしょうか?」
尭深「あ、こっちの喫茶店です」
豊音「パンジーちゃん大丈夫かな~…」
尭深「場所は伝えてありますので大丈夫のはずです…」
喫茶・テルテロス
豊音「わーすごいねここ」
尭深「パンジーさんに教えていただいたんです」
やえ「へー…、こんな風に個室のある喫茶店は珍しいね」
霞「なかなか趣のあるお店ですね…」
やえ「さて、乾杯のドリンクでも頼もうかね」
尭深「あ、今呼びます」
ピンポーン
尭深「あ、緑茶おねがいします」
霞「梅昆布茶を」
豊音「ほうじ茶~」
やえ「え、えぇ~…げ、玄米茶で」
店員「か、かしこまりました~(チョイス渋っ!老人かっ!)」
店員(オレンジジュースとかコーヒーとか…なかったっけ?あるよな?)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
やえ「あ、どうも」
店員「それではごゆっくりどうぞ~」
尭深「それじゃあみなさんドリンクを手に持ってください」
尭深「本日はお集まりいただきありがとうございます」
尭深「では、なにに乾杯にしましょうか…」
霞「もちろん」
やえ「決まってるだろ?」
豊音「そうだねー」
尭深「そうですね…では」
尭深・豊音・霞・やえ「「「「魔法少女に乾杯!!」」」」
尭深「そうですね///」
霞「普段はこんなに声を大にして言えませんからね…」
豊音「そうだねー」
尭深「でも、びっくりしました」
霞「?」
尭深「みなさんが麻雀部で…しかも全国出場校だなんて」
やえ「アタシは違うけどね」
尭深「あ、すいませんでした…」
やえ「気にしなくてもいいよ、アタシたちは仲間なんだ。無礼講ってやつだよ」
尭深「やえさん…」
尭深「///」
霞「魔法少女にかける熱意は私たちの中でもNo.1ですからね」
尭深「か、霞さん///」
豊音「霞さんにもビックリしたよー」
霞「そ、そうかしら」
やえ「たしかにアンタはちょっと年が…」
霞「やえさん、何か言ったかしら」ゴゴゴゴ…
豊音「ふえぇえ~」ガクガクブルブル
やえ「おっと、失礼。アンタのイメージとは少し違ったものでね」
霞「…ふふっ、冗談よ。冗談」
霞(流石ね…噂されるだけはあるわ、小走やえ…)
霞「なにかしら、豊音ちゃん?」
豊音「なんで今日も巫女服なの?」
尭深「あ、確かに到着時のインパクトが強くて聞くの忘れてました」
霞「と、特に意味はありません。しいて言えば普段から着ている服ですので…」
やえ「…そういうものなのかい」
霞「…わ、笑わないでいただけますか?」
尭深「な、なんでしょう…」
霞「実はこの服の中はいろいろなものを隠せるようになっていて…」
豊音「ゴクリッ…」
霞「これを肌身離さず持ち運びできるんです」スッ
やえ「…これは手作りだね?」
霞「はい、そうです」
霞「子供のころに作ったもので…私の宝物なんです」
霞「テレビで見た少女の振るう魔法のステッキ…」
霞「もうぼろぼろですけどね」
尭深「そんなことないです… 」
やえ「少女はみんな魔法少女にあこがれる権利があるんだよ」
豊音「魔法少女がきらいな女の子はいないよー」
霞「…ありがとう、みんな」
一時間後…
尭深(ふぅ…なんとかいい雰囲気になったな…)
尭深(あとはパンジーさんが来てくれれば…
尭深(来てくれる…よね?)
尭深「あ、ちょっとお手洗いにいってきます///」
豊音「あ、あたしも」
霞「はい、いってらっしゃい」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
尭深「トイレ混んでたね…」フキフキ
豊音「そうだねー…ってあれ?」フキフキ
尭深「どうしたの、豊音さん?」
豊音「あの人…弘世菫さんだよね?白糸台の」
尭深「え?先輩がこんなところにいるわけ…ホントだ」
豊音「誰か探してる…のかな?」
菫「…」キョロキョロ
尭深「で、でもプライベートを邪魔しちゃ悪いし…あれ?」
豊音「あれ?あの人ってリボンなんてしてたっけ?」
尭深「普段はしてないはず…しかもスミレ色のリボン…」
豊音「まさか…?」
尭深「かもしれない…」
豊音「どうする?」
尭深「確かめてみる…」
「パンジーさんですか?」トントン
菫「は、はい。この度は招待していただき…」
尭深「やっぱり…」
菫「え?なんで渋谷おまえがここに…なんでその名前を知ってるんだ」
豊音「こんにちはー、パンジーさん」
菫「え…こ、この顔…たしか宮守女子の姉帯豊音!な、なんでココに!」
豊音「あたしのことしってるんだーうれしいよー」
尭深「…こんにちは、幹事のタカミです」
豊音「とよねえだよ」
菫「…は?」
尭深「残りの二人、カスミンさんと八重桜さんもご紹介します…こっちです」グイグイ
豊音「こっちだよー」グイグイ
菫「ひ、ひっぱるな、服が伸びる!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
やえ「…わかったよ、来週鹿児島にいけばいいんだね」
霞「お願い…やえさんの力が必要なの…」
やえ「仕方ないね…おっと、あいつらが帰ってきた、みやげも持ってね」
霞「?」
ガチャ
尭深「お、お待たせしました…」
豊音「パンジーさん連れてきたよー」
霞「こんにちは」ニヤニヤ
菫「お、お前は石戸霞!それに…」
やえ「八重桜こと小走やえ、よろしくっ!」
菫「まさかあの小走やえ…いやそんなはずは…」
豊音「とりあえず座ろうよー」
尭深「飲み物なに注文しますか?」
菫「水で」
店員「えっ」
菫「つ、つまりお前があのタカミだったのか…世間は狭いな」
尭深「そうですね、まさか先輩がパンジーさんだったとは…」
菫「そ、その…他の部員には…」
尭深「もちろん内緒にしますよ」
菫「助かる」
霞「話し合いは終わったかしら?」
豊音「こっちともお話しようよー」
霞「菫ちゃんはどんな魔法少女が好きなのかしら?」
豊音「どうして好きになったの?」
菫「わ、私が好きなのは、ごく普通の少女が誰かに魔法の力を与えられて活躍するのが好きだ」
菫「夢があるだろ、だから好きなんだ…」
やえ「いい顔で語るじゃないか、アンタの先輩」
尭深「魔法少女が嫌いな女の子なんていませんよ」
やえ「違いない」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
尭深(最初は戸惑っていた菫先輩も饒舌になって自らの理想の魔法少女像を語りだしたりした)
尭深(うっかり霞さんの逆鱗に触れるハプニングもあったがそれはそれで楽しかった)
尭深(しかし楽しい時間はすぐに過ぎていくものである…)
霞「もうこんな時間ね…」
やえ「もう夕方か…そろそろお開きの時間にするかい?」
菫「そうだな、そろそろ帰らないと」
豊音「うん、寂しいねー…」
やえ「ん?どこだい?」
尭深「みなさん衣装を持ってきてますよね」
豊音「うん、でも流石にここでは…ねー」
尭深「これからコスプレできる場所に案内します」
霞「本当に!?」
尭深「先輩も来てください」
菫「でも、私は衣装など…」
尭深「大丈夫です、マジカル☆タカミにおまかせあれ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
やえ「すごいね…都会」
尭深「ココには撮影できるスペースもあるんです。あとで記念写真とりましょう!」
菫「あ、この衣装カワイイ…」
尭深「先輩、ココに飾ってあるのはレンタルしているみたいです…着てみませんか?」
菫「え!?わ、私には似合わないから…その…」
菫「本当に…いいのか?」
尭深「はい」
菫「笑わない?」
尭深「もちろんです」
菫「わかった、来てみるよ…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
豊音「かわいいー」
霞「綺麗…」
やえ「ほう、なかなか」
尭深「最高です」
菫「ほ、本当に?」
尭深「鏡見てないんですか?ホラ見てください」
尭深「そうですよ、これであなたも魔法少女です」
やえ「おめでとう」パチパチ
霞「おめでとう」パチパチ
豊音「おめでとー」パチパチ
尭深「おめでとうございます」パチパチ
菫「あ、ありがとう」ウルウル
尭深「それじゃあ全員着替えたところで…記念撮影しましょう///」
霞「そうね」
菫「賛成」
豊音「いいねー」
やえ「すいません店員さん、写真撮ってもらえますか?」
店員「わかりました」
店員「それじゃあ撮ります・・・ハイチーズ」パシャ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
霞「私たちはたとえ離れていても同じ志を持つ限り一人ではありませんよ」
豊音「みんなに会えてちょーうれしかったよー」
菫「…尭深、ありがとう。私の本当の気持ちに気づけたよ。私はもっと素直に生きてみるよ」
尭深「みんな…。こちらこそ楽しかったです」
尭深(こうして魔法少女愛好オフ会は閉幕した)
尭深(5人のコスプレ写真が店員により流出したり…)
尭深(その写真にインスピレーションを得て、新たな魔法少女アニメが作られたり…)
尭深(そのアニメが国際的な映画のアカデミーな賞を獲得するのは別の話)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
照「菫、進路決めた?」
菫「ああ決めたよ」
照「大学?プロ?どっち?」
菫「私は…魔法少女になる」ドン
カン
3日位前に咲総合スレで1000とったやつに約束させられたSSいちおう完結だぜ
渋谷さん超可愛かった
小走先輩も格好良かったし満足だわ
Entry ⇒ 2012.08.18 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (3) | Trackbacks (0)
ぬ~べ~「まきますか、まきませんか?」
美樹「ぬ~べ~知らないの?おっくれてるぅー」
郷子「今はどこもこの話題でもちきりよ?」
ぬ~べ~「どんな噂なんだそれは」
広「家のポストに誰が出したのかも分からない招待状みたいな手紙が届くんだよ」
克也「中には『まきますか まきませんか』って書いてあるだけ。差出人も宛名も消印もなし」
まこと「もしその手紙に『まきます』とマルをしたら人形がくるのだ」
美樹「そして夜な夜なその人形がぁー……」
ぬ~べ~「ワァー!!」
みんな『ヒィッ!』ビクッ!
普段から妖怪騒動に巻き込まれてるお前たちがそんなことでどうする」
郷子「信じてないの?本当なんだからね?」
まこと「隣のクラスでも家に届いたって子がいたのだ!」
ぬ~べ~「はいはい分かったから早く家に帰れ。俺は抜き打ちテストをつくるのに忙しいんだ」
みんな『テストォ!?』
ぬ~べ~「そうだぞぉー?点数が悪いともれなくぬ~べ~印の問題集をプレゼントだ」
みんな『し、失礼しましたー!』
『大変だ早く帰って勉強しないと!それにしてもぬ~べぇ……』ワイワイ
ぬ~べ~「ようやく帰ったか。しかし……」ゴソゴソ
ぬ~べ~「みんなの噂も、あながちデタラメじゃないみたいだな」
≪ まきますか まきませんか ≫
【この世には 目には見えない闇の住人達がいる】
【やつらは時として牙を向き 君たちを襲ってくる】
【彼は そんな奴らから君たちを守る為 地獄の底からやってきた】
【正義の使者 なのかもしれない】
ぬ~べ~「ただいまーって言っても誰もいないのはいつもの事か……さて」
≪ まきますか まきませんか ≫
ぬ~べ~(この手紙が俺のボロアパートに届いたのは三日前のことだ)
ぬ~べ~(ひと目見て普通の手紙でない事には気付いた。だがなんというか、
妖気とは違う……不思議な力が漂っているとしか言えないのだ)
ぬ~べ~(迂闊に触って呪われでもしたらシャレにならない。ここは慎重にことを構えるつもりだった。だが……)
ぬ~べ~「生徒にまで噂が流れるようになっては、のんびりした事も言ってられないな……えぇい!」
ぬ~べ~「まいてやる!」
ヒュルルルルルルル………ガシャーン!ドカッ!!
ぬ~べ~「そ、そうだ!それよりも何かが頭に当たった気がしたんだが
……まさかこの鞄なのか?
だが何故こんなものが空から俺の部屋に……ッ!」ゾクッ
ぬ~べ~(この感じ、あの手紙と同じだ。やはりこいつが原因なのか)
ぬ~べ~「それにしてもコイツ、凄い圧迫感だ。開けるのはここか。よっ」
ガチャリ
ぬ~べ~「中身は人形?こんな大きなの実際に見るのは初めてだな。
それに、まるで生きているかのようなこの精密なつくり……ん?これは、螺子か」
ぬ~べ~「この穴に差し込んで巻けと、そういう事なのか?
……いいだろう。生徒にやらせるくらいなら、俺がやってやるさ」
キリ……キリ……キリ……
ぬ~べ~「鬼が出るか、蛇が出るか……」
ぬ~べ~「目を開いた!やはりこいつは生きにんぎょヘブッ!?」
真紅「遅い!どうしてまくかまかないかを決めるだけでそんなに時間がかかるの!」ペシン!
ぬ~べ~「……あの」(何か俺が思っていたのとは違うぞ)
真紅「なに!ここまで優柔不断な男は久しぶりよ!」
ぬ~ベ~「お前はいったい何者なんだ」
真紅「人に名前を聞く時はまず自分からと言いたいところだけれど、のろまなしもべに多くは求めないわ。
よく聞きなさい。私の名は真紅。ローゼンメイデン第五ドール、真紅よ」
ぬ~べ~「驚いた……ここまではっきりと喋れるとは。まさかこんな生き人形があったなんて、
これはゴーレム……いや、もはやこれは錬金術でいうホムンクルスのレベルだ」
真紅「さっきから何をブツブツ言っているの。仕方のないしもべね」
君たちローゼンメイデンは時を超えてアリスゲームという戦いを続けているのか」
真紅「そうよ。中々ものわかりが良いのね。ところで鳴介、紅茶はまだ?」
ぬ~べ~「あのなぁ、俺の部屋に紅茶なんてある訳が……
いや、昔もらったものがこの辺に……お!これだこれだ!三年前にお中元でもらったんだ」
真紅「早くいれなさい」
ぬ~べ~「態度のデカい人形だよまったく」
ぬ~べ~(だがこの人形はまるで生徒たちが噂しているような
恐ろしい存在とは思えない……なにか裏があるのか?それとも……)
真紅「何をボサッとしているの。レディをもてなすのは紳士の立派な勤めでしょう?」
ぬ~べ~「分かった分かった。今お湯を沸かしてくるよ。それにしてもお前、ちょっと態度がでかくないか?」
真紅「これが普通よ。それより鳴介、今すぐあなたにしてもらわなければならないことがあるわ。
お湯を沸かしたらこっちに来て頂戴」
ぬ~べ~「なんだ一体」
真紅「この指輪に口づけを」
ぬ~べ~「く、口づけ?俺にそんな趣味はないぞ!」
あなたは私と正式に契約を結ぶことになるわ。その力をもって私はアリスゲームを戦っていくの。さぁ」
ぬ~べ~「なるほど、そういう事ならば……断る」
真紅「そういい子ね……って断る?あなた自分が何を言っているか分かっているの?
さっきも言ったでしょう。もうアリスゲームが始まってしまうのよ。馬鹿なことを言わないでちょうだい」
クス……
ぬ~べ~「たとえ人間でなくとも、君のような子供に戦いをさせるわけにはいかない。
それも姉妹でだなんて、バカげているぞ」
真紅「あなたよりはよほど大人よ」
ぬ~べ~「いいや子供だ。命の重さが分からない者に大人を名乗る資格はない」
クスクス……
真紅「鳴介、いい子だからわがままを言わないで。私たちは人間ではないわ。
私たちはローゼンメイデン。姉妹で戦い、アリスゲームに勝つのが私たちの使命なのよ」
ぬ~べ~「しかしだな……ん?これは、羽?」
クスクス……クスクス……
ぬ~べ~「うわっ!」
―――ズドドドドドドッ!!!
ぬ~べ~「な、なんだ!外から黒い羽が!」
真紅「……言ったでしょう鳴介。アリスゲームに勝つのが『私たち』の使命だと。
私の愛しい姉妹がやってきたのよ。それも、とっておきの相手がね……」
水銀燈「こんばんわ、真紅ぅ」クスクス…
真紅「水銀燈……久しぶりね。こうやって会うのは236114時間37分18秒ぶりかしら」
水銀燈「236112時間47分25秒ぶりよ。寝すぎて時計がボケたのかしら?それともぼけたのは頭ぁ?」クスクス…
水銀燈「……感動の再会に水を差さないでくださる?ニンゲン」スッ
―――ドドドドドドッ!!!
真紅「羽がッ!鳴介!逃げなさい!」
ぬ~べ~「この白衣観音経、その程度の攻撃は通用しない!」
真紅「あ、あら」
水銀燈「……ふぅん、アイツの言うとおり、少しはやるじゃない」
ぬ~べ~(アイツ?)
水銀燈「でも、私の力がこの程度だと思ってもらっては困るわぁ
ねぇ真紅……それに、ニンゲン……」
【遊びましょ?】
ぬ~べ~・真紅「―――ッ!」ゾワッ!
真紅「水銀燈……あなた、その力はどうしたの。
そんな禍々しい力をあなたから感じたのは初めてよ」
水銀燈「あらぁ、抑えていても分かってしまうものなのね」クスクス…
ぬ~べ~「下がれ真紅!こいつは危険だ!」
水銀燈「ひどい事を言う人間だこと。ただのお人形相手に危険だなんて、ねぇ」
真紅「……ただのお人形はそんな凶悪な力を持っていないわ」
水銀燈「姉に対する口のきき方を教えてあげないといけないようね……」スッ
ぬ~べ~・真紅(―――来るッ!)
ピーーーーーーッ!!!!
水銀燈「なぁんちゃって。フフッ……さようなら、真紅……それと、ニンゲン。
今日は挨拶に来ただけ。遊ぶのはまた今度にしましょ。
あなた達なんていつでも壊せるもの……」クスクス…
ぬ~べ~「なんにせよ助かったのは事実だ。あのまま戦っていても、勝てたかどうか……
……あ!お湯!……アチチッ!」
真紅「水銀燈……あなた、いったい……」
………………。
…………。
……。
広「うひゃー、ぬ~べ~にそんな趣味があったなんてなぁ」
ぬ~べ~「バカ言え。これは噂の正体だ」
克也「噂?」
ぬ~べ~「昨日お前たちが言っていたやつさ。偶然俺のところにも来たんだ。
それでものは試しとやってみたら……結果がこれだ」
まこと「そのお人形がきたのだ?」
ぬ~べ~「触れるなよ。コイツは呪い人形だ」
郷子・美樹「の、呪い!?」
ぬ~べ~「あぁ。誰がやっているのかは知らないが、
こうやって手紙の送り先に呪いの人形までセットで届けてくるみたいだ。手の込んだことをしてくれる」
郷子「でも良く出来てる人形ね……まるで生きているみたい」
真紅「……」
まこと「綺麗なのだー」
克也「これ、名前はなんて言うんだよぬ~べ~」
ぬ~べ~「あぁ、真紅って言うらしい。西洋のアンティークドールでな、
霊視してみたんだがこいつはもう何人も呪ってる強者で……いてっ!」
郷子「ど、どうしたのぬ~べ~!?」
ぬ~べ~「な、なんでもない。人形が怒ったのかもな」
美樹「うげぇ不気味ぃ……やっぱり売れそうにないわね、こんなの」
まこと「カクカクレンジャーのほうがかっこいいのだ」
ぬ~べ~「お前たち、もし噂の手紙がきても自分たちだけで絶対に手を出すな。すぐに俺に知らせるんだ」
広「言われなくたってわかってるって。おいそろそろ行こうぜ」
郷子「じゃあねぬ~べ~。前みたいに人形の髪の毛燃やしちゃダメよ」
美樹「私もかえろっと」
まこと「先生さようならなのだー」
真紅「なにかしら。お望みなら呪ってさしあげてもよくってよ」
ぬ~べ~「お前なぁ!見えない角度から思いきりこっちを突いてくるなよ!」
真紅「あなたが私をこんなところに連れてこなければいいのよ。
そもそも何を考えているの?人形である私を昼間の、それも人の多い学校に連れてくるなんて」
ぬ~べ~「ここが俺の職場なんだから仕方ないだろう」
真紅「そういう問題じゃないでしょう。契約をしないのなら私はあなたに用はないの。
早急に別の契約者を探さないといけないのだから」
ぬ~べ~「その必要はないさ」
真紅「……どういう事?鳴介、あなたまさか昨日言っていたこと……本気なの?」
ぬ~べ~「あぁ、本気だ」
契約もせずにアリスゲームを共に戦い抜くだなんて、あなたくらいのものよ?」
ぬ~べ~「俺の力を見ただろう?まだ不満かい?」
真紅「当たり前でしょ。あなたは私に無力なまま戦場に立てと言っているんだもの」
ぬ~べ~「俺が君を守る」
真紅「……その目的は?はっきり言って今のあなたは水銀燈と同じくらい不気味よ。
何を考えているのか分からないもの」
ぬ~べ~「姉妹での戦いなんて見過ごせない、それだけさ。
そんな不毛な争いをしてなんになる。絶対に何か他の解決法があるはずだ」
真紅「他の解決法?」
ぬ~べ~「それを探す手伝いをしたいんだよ」
真紅「あなたの自己満足を満たすためにそんな分の悪い賭けに乗れと?」
ぬ~べ~「どうしても嫌なら他を当たってくれ……
だがそれでも俺は手の届く範囲なら君たちの戦いを止めるだろうな」
真紅「……とんだお人よしね。もはや愚かと言えるくらいだわ」
ぬ~べ~「よく言われるよ」
真紅「……ホーリエがあなたを選んだわけが、少しだけ分かったような気がする。
最初はどうしようもない男に見えたけれど……フフ、おかしな人」
ぬ~べ~「ん?どうした真紅」
真紅「なんでもないわ。そこまで言い切るのならやってもらいましょう。
しっかりと私を守り、そしてアリスゲームを終わらせてみなさい、鳴介。
今日からあなたは私の……そうね、パートナーといったところかしら」
真紅「よろしく、鵺野鳴介」
ぬ~べ~「あぁ、よろしくな、真紅」
校長「……さっきから一人で人形相手になにをしとるのかねキミは」
ぬ~べ~「ああぁ校長!?い、いえこれはですね!
そ、その除霊を依頼されて……えぇい出て行けこの悪霊!てやっ!どりゃっ!」バシンバシン
真紅(……やっぱり最低の男だわ)
……。
………。
………………。
郷子「綺麗だったわね」
広「なにが?」
郷子「なにがってアンタ……人形よ人形。ぬ~べ~が持ってたお人形」
美樹「呪い人形が趣味なのアンタ……うげぇ」
郷子「違うわよ!ただあの人形が綺麗だったなと思っただけ!」
広「ま、たしかに綺麗だったよな。おとぎ話に出てきそうな格好でさ」
郷子「でしょ?広もそう思うわよね」
美樹「あれは相当の値打ちものね。ウン十万じゃきかないわよ」
まこと「美樹ちゃんはお金の話ばっかりなのだ」
広「呪われてるって言ってたし悪霊が憑いてるんだろ?やっぱり不気味だぜ」
郷子「私はそうは感じなかったけどなぁ……あ、私こっちだから。じゃあねみんな」
広「おう、じゃあな」
美樹「あんまり執着すると憑りつかれるわよぉー」
まこと「また明日なのだ」
克也「じゃあなー」
広「うー、それにしても寒い季節になったよなぁ」
克也「こうやってるとポケットのありがたみが分かるってもんだぜ」
郷子「はたもんばとか、あのちゃんちゃんこの妖怪だって……ん?手紙?」
郷子「こ、これって……まさか……」
≪まきますか まきませんか≫
郷子「……」
郷子「どうしよう、ぬ~べ~は知らせろって言ってたけど……」
郷子「でも、あの人形……すごく綺麗だったなぁ」
………………。
…………。
……。
……。
ゆきめ「ただいまー」
翠星石「お、帰ってきやがったですぅ。洗濯物は畳んでおいてやったですぅ。感謝しろですぅ、ゆきめ」
ゆきめ「ふふ、ありがとう翠星石ちゃん」
翠星石「そ、それほどでもないですぅ
あ、お腹空いてないですか?スコーン作ったんですよ?」
ゆきめ「じゃあいただこうかな」
翠星石「かわいいかわいい翠星石の特製スコーンですぅ。味わって食べろですぅ」
ゆきめ「いただきまーす……うん、おいしい!」
翠星石「ゆきめの舌はもう翠星石のスコーンのとりこですぅ」
ゆきめ「あはは、そうかもね」
翠星石「ほ、褒めてもスコーンのお代わりなんて出ないですよ!?」
ゆきめ「そんなつもりじゃないんだけど」
ゆきめ「……ゴメンなさい、ダメだったわ。
知り合いのお店に頼んでインターネットでも話が出てないか調べてもらったんだけど、やっぱり見つからないみたい」
翠星石「そうですか……もう目覚めてるはずなんですけどねぇ。どこにいるのか……」
ゆきめ「ローゼンメイデンの持つ夢を渡る力では探せないの?」
翠星石「Nのフィールドには出られても、そこから蒼星石がどこにいるのかまでは……
向こうから何か合図のようなものを送ってくれればいいんですけれど……」
ゆきめ「それが無いってことは……」
翠星石「もしかして蒼星石はNのフィールドにも入れないような状況に陥っているとか……あああっ!そんなの嫌ですぅ!」
ゆきめ「落ち着いて翠星石ちゃん、頑張って二人で探そう?ね?」
翠星石「……ん、ありがとですぅ……ゆきめ」
ゆきめ「いいのよ。だって私たち、契約しちゃったんですもの」
翠星石「フフン、ミーディアムが雪女だなんて初めてですぅ」
ゆきめ「私も喋るお人形さんと一緒に住むのは初めてよ」
翠星石「かわいいかわいい翠星石と一緒に住めるなんて感謝しろですぅ」
ゆきめ「はいはい」
……。
………。
………………。
数日後。
ぬ~べ~「郷子は今日も風邪で休みと。広、お前何か聞いてないか?」
広「なんで俺にふるんだよぬ~べ~」
美樹「あつーいお二人さんのことだから隠し事なんて無いと思ったんじゃないのぉ?」
広「うるせーな美樹は!俺はなんにもしらねぇよ!」
ぬ~べ~「あぁ分かった分かった。帰りにでも俺が様子を見に行こう。
悪い病気とかじゃなければいいんだが」
美樹「郷子にかぎってそんな事あるわけないわよ。ねぇ」
まこと「美樹ちゃんはいつも一言多いのだ」
真紅「鳴介、少しいいかしら」
ぬ~べ~「ん、なんだ?他の人形の気配でもつかんだのか?」
真紅「いいえ。でも奇妙だと思わない?」
ぬ~べ~「どういうことだ?」
真紅「穏やかすぎるのよ。私はあなたと共にたくさんの生徒の目に触れているはずなのに、
噂の元である手紙の届いた契約者とローゼンメイデンは誰ひとりとしてこちらに接触してこない」
ぬ~べ~「良い作戦だと思ったんだけどな」
真紅「他の子の性格からしても私の事を知ったら
まず顔くらいは見せてくれるはずなのに、どういうことなのかしら……奇妙だわ」
真紅「失礼ねっ!」
ぬ~べ~「いてっ!お前なぁ。おっと、人がいる……って広じゃないか。
どうしたんだいったい。帰ったんじゃなかったのか?」
美樹「みんなで郷子のお見舞いに行こうって話になったのよ」
広「それでここでぬ~べ~が来るのを待ってたんだ」
克也「おせぇよぬ~べ~、早く行こうぜ」
まこと「日が暮れちゃうのだ」
ぬ~べ~「お前たち……そうだな、みんなに会えば郷子も元気が出るだろう!」
郷子母「あら鵺野先生!お久しぶりです!あらみんなも!こんにちはぁ!」
みんな『こんにちはー』
ぬ~べ~「すみません、お電話さしあげた時は私だけだったんですが、
生徒たちがどうしても郷子に会いたいと言ってまして」
郷子母「あらあら郷子も喜びます!でも今さっき寝付いたところで、ごめんなさいねぇ」
ぬ~べ~「いえいえ、あの……では顔だけでも見させてもらってよろしいでしょうか」
郷子母「もちろん。さぁどうぞ、お入りになってください。みんなもどうぞ」
みんな『おじゃましまーす』
郷子母「ところで鵺野先生、その人形は……」
ぬ~べ~「あ、こ、これですか?!これはその、悪霊退治の道具のようなものでして!
もし郷子に何か悪いものが憑りついていたらすぐに祓おうとですね!……ハハハ」
郷子母「あ、はぁ……」(変なところは昔から変わってないわねぇ……)
ぬ~べ~「と、とにかく、お邪魔しますね!」アセアセ
ぬ~べ~「……郷子、入るぞ」
広「ほんとに寝てら」
美樹「どれどれ……うわ、相変わらず色気のないパジャマ着てるわねぇ」
まこと「風邪なのだ?」
克也「どうだろうな、でもたいした事なさそうで良かったじゃん」
ぬ~べ~「うむ、そうだな…………ん?」
広「どうしたんだよぬ~べ~。あり、その棚の上にあるやつ、えらくでかい人形だな」
まこと「ぬ~べ~が持ってるやつみたいなのだ」
克也「服装もなんとなく似てるぜ。外国の御姫様みたいなヒラヒラの服だ」
ぬ~べ~(どういう事だ?ただの偶然か?)
美樹「ちょ、ちょっと広!これ!」
広「なんだ美樹!?なにかあったのか!?」
美樹「ほらこれスケスケ!あの子こんなの履いて」
ぬ~べ~「やめんか!」ペシンッ
ぬ~べ~「ん、そうだな。郷子も大丈夫みたいだしそろそろお暇するか」
まこと「じゃあねなのだ郷子ちゃん」
広「早く学校来いよな、寝てるお前に言っても仕方ないか」
美樹「下着だけじゃなくて普段の服装でも気合い入れていきなさいよーキシシ」
ぬ~べ~「さぁ行くぞお前たち。お母さん、お邪魔しました」
みんな『お邪魔しましたー』
……。
……ノ
……モット
……モット、アソブノ
……ヒナ、モット……
……キョウコト……ヒナ……モット……
………………。
…………。
……。
真紅「行くわよ鳴介。ようやく一人目が見つかったわ」
ぬ~べ~「まさか……あの人形か?」
真紅「あの子の名前は雛苺。あなたの生徒は彼女の夢に取り込まれている。
このままではいずれ夢の世界から出られなくなるわ」
ぬ~べ~「なんだと!?今すぐ助けにいかないと!」
真紅「慌てないで……そうね、大きな鏡はない?
あなたの姿を全て写せる姿見のようなものがいいわ」
ぬ~べ~「ここには無いが、学校に行けばあるぞ。だがそんなものをどうするっていうんだ」
真紅「では急いで学校に行きましょう。私の言う事に従って。
ローゼンメイデンにはローゼンメイデンの戦い方というものがあるのよ」
ぬ~べ~「……分かった。よし、待ってろよ郷子。今助けてやるからな」
真紅「いいわ……開くわよ」グニョン
ぬ~べ~「う、うわ!なんだこれ!」
真紅「Nのフィールドへの入り口よ。さぁ手を握って。大丈夫、怖くないわ」
ぬ~べ~「ええい!郷子のためだ!」グニョン
真紅「ここがNのフィールド。あなた達の言葉で言うのなら異世界、
いえ、世界の裏側とでも言ったほうが良いかしら。数多の次元を繋ぐ世界の架け橋、それがNのフィールドよ」
ぬ~べ~「なんだか浮いてるみたいで進みにくいな」
真紅「慣れれば楽なものよ」
ぬ~べ~「ん?オイ真紅、向こうに何かいるぞ」
真紅「え?誰かしら。まさか水銀燈……いえ、違うわね。あの背格好は、ラプラスの魔」
ラプラス「おやおやこれは赤色の御嬢さん、ごきげんよう」
真紅「ラプラスの魔よ。深く関わらないようにしなさい。ロクなことがないから」
ラプラス「おやおやこれはひどい。ただのウサギに何が出来ましょう」
真紅「何もしなくて結構だわ」
ラプラス「赤色の御嬢さんは手厳しい。ウサギは涙ながらに退散いたすとしましょうか
……あぁそこの人。そう、あなた」
ぬ~べ~「俺のことか?」
ラプラス「ゆめゆめお忘れなきよう。これは薔薇の姉妹の物語。あなたの舞台はべつにございますゆえ……それでは」
ぬ~べ~「……なんだったんだアレ?」
真紅「変人よ。それも関わってはいけない類のね……見えてきた。あそこよ鳴介。あそこに雛苺と、あなたの生徒がいる」
ぬ~べ~「なんだかよく分からんが、郷子!今行くぞ!」ガチャリ
郷子「良かったわね雛苺、次は何をして遊びましょうか」
雛苺「じゃあ次はお絵かきするの!ヒナね、もーっとキョーコと遊びたいの!」
郷子「うん、いいわよ」
雛苺「キョーコだいすき!ヒナもう寂しくないもん!キョーコがいるから大丈夫!」
ぬ~べ~「あの子が郷子を取り込もうとしているのか?」(また想像していたのと少し違う……)
真紅「悪意はないんでしょうけれどね……雛苺!」
雛苺「うゆ?あ!真紅なのー!真紅ひさしぶりー!」
真紅「久しぶりね雛苺。その子があなたのミーディアム?」
雛苺「そうよ!ヒナね、キョーコと契約したの!それでね、キョーコにいーっぱい遊んでもらってたの!」
雛苺「え?どうして、そんなこというの?」
真紅「あなたがしている事はミーディアムを衰弱させるだけよ。
いずれあなたのミーディアムは起き上がることもできなくなってしまうわ」
雛苺「うゆ、でもヒナは……ヒナはただ遊びたくて……」
ぬ~べ~「郷子!無事か!?」
郷子「あ、ぬ~べ~……うん、まだ、大丈夫」
ぬ~べ~「まだってお前、分かってやってたのか?!」
郷子「んー、一応体力には自信があったし、それにほら、
なんていうか放っておけなくてさ。あの子、本当に寂しそうにしてたから」
ぬ~べ~「今すぐここから出よう。このままではお前は取り返しがつかなくなる」グイッ
郷子「あっ」
雛苺「……!キョーコ!……いや!やめて!キョーコを取らないで!
悪いやつ!ヒナからキョーコをとる悪いやつ!出て行って!ここから出て行ってよぉ!!!」
真紅「雛苺……ッ!!」
郷子「きゃ、きゃあ!」
ぬ~べ~「あ!クソ!郷子を返せ!」
郷子「ぬ~べぇ~!」
ぬ~べ~「真紅!あれはなんだ!郷子があのデカいクマにつかまってしまった!」
真紅「ここは雛苺のフィールドよ。
ルールの優先権は彼女にある……どうやらあれがあの子の力のようね」
ぬ~べ~「クッ!あれを倒せばいいんだな!?」
真紅「駄目よ。倒してはダメ。
そうすれば雛苺は即座に新しいのを生み出すわ。あなたの生徒の力を無理やり使ってね」
ぬ~べ~「なっ!?だったらどうすればいいんだ!」
真紅「落ち着きなさい鳴介。あなたは私のパートナーであり、あの子の教師でしょう。
戦いでの基本は信頼よ。雛苺は私に任せなさい。
あなたのすべき事はあの心優しい教え子を助け出すこと」
ぬ~べ~「……分かった。気を付けろよ真紅」
真紅「あなたこそ……行くわよ!」
ぬ~べ~「おう!」
グゴゴゴゴゴ
ぬ~べ~「くそっ、なんて力だ!」
ぬ~べ~(鬼の手を使うか?いや、ダメだ!この化け物を倒してもまた次が出てくる!
そうなったら郷子は!)
真紅「……鳴介は苦戦しているようね。早く勝負をつけてしまいましょう」
雛苺「や!来ないで!」
真紅「ちょっと、危ないでしょう……この子は!」ピシャン
雛苺「う!うええええええええええ!」
真紅「……あ」
郷子「きゃああああああ!」
ぬ~べ~「なんだ!いきなりこいつの力が強く…ッ!このままじゃ抑えられない!うわああっ!」
郷子「ぬ~べぇ~!」
ぬ~べ~「郷子!クソッ!郷子が投げ出された!あのままじゃ……ハッ!」
真紅『飛ぶようにイメージをするの。ここは精神の世界よ。思うままに望みは叶えられる』
ぬ~べ~「一か八かだ!………飛べ!!」
郷子「きゃああああああああぁぁぁぁ…………あれ?」
ぬ~べ~「なんともないか?」
郷子「……ぬ~べ~が受け止めてくれたの?……っていうか、飛んでる!?え!?」
ぬ~べ~「それ以外に何があるっていうんだ。どうやらここは精神の世界らしいからな。
霊能力者の俺が本気で念じれば、これくらいは出来るみたいだ」
ぬ~べ~「あぁこっちはなんとか。そっちはどうしたんだ?」
真紅「ごめんなさい、説得をしようと思ったのだけれど……少し失敗をしてしまったわ」
ぬ~べ~「そうか……いや、お前が無事で良かった。ここはひとまず……」
郷子「…………人形が喋ってる」
ぬ~べ~「あ、ヤベ……きょ、郷子?これはだな、そのぉ」
郷子「その子もローゼンメイデンなの?」
真紅「そうよ。私はローゼンメイデン第五ドール、真紅」
郷子「第五?なら、あなたは雛苺のお姉さんってこと?」
真紅「そうなるわ」
郷子「―――ッ!」パシン!
真紅「………え」
郷子「どうしてお姉さんなら、妹が悲しんでいる時に来てあげなかったのよ!
雛苺はずっと泣いてたのよ!?寂しいって、一人は寂しいって!それなのに!」ポロポロ
ぬ~べ~「郷子、お前……」
郷子「そうだ!雛苺は!?雛苺はどうしたの!?
ぬ~べ~、雛苺のところに連れていって!お願い!」
ぬ~べ~「……分かった。しっかりつかまってろ」
雛苺「うぅぅぅぅ……えぐっ、ぐすっ、うぅぅうう……」
郷子「雛苺!」
雛苺「キョーコ?きょーこぉぉぉぉ!」
郷子「あぁごめんね雛苺、怖かったね、ごめんね」
ぬ~べ~「郷子、その子は」
真紅「待って鳴介……雛苺、さっきはごめんなさい」
雛苺「真紅?……いいよ。ヒナもう怒ってないもん」ニコッ
真紅「ありがとう雛苺。ねぇ、一つお願いがあるの。聞いてくれないかしら」
雛苺「キョーコを取るのはダメ!」
ただ、このままではその子は弱ってしまう。何も言わないお人形になってしまうの」
雛苺「ううぅ……やだぁ……」
真紅「でも、寂しいのよね」
雛苺「うん……もう一人はやなの……寂しいの……」
真紅「……私と来ない?雛苺がよければ、私と一緒にいましょう」
雛苺「いいの!?」パアッ
真紅「えぇ、構わないわ」
雛苺「で、でも……ヒナたちはアリスゲームをしてて……やっぱりダメなの……
ヒナたちはてきどうしなのよ……」
真紅「この男の指を見て、雛苺」
雛苺「……うゆ?指輪、してない?」
真紅「そう。私は契約をしていない。あなたと戦う意思はないわ」
雛苺「じゃ、じゃあどうやってアリスゲームをするの!?
水銀燈にローザミスティカを奪われちゃうのよ!」
でも、きっとそれは姉妹で戦う事に比べればなんてことない……今はそう考えているのよ」
雛苺「しんく……ヒナもね、考えたこと、あるよ?
みんなでいっしょにくらして、あそんで、ごはんたべて、いーぱいたのしいことするの。
もちろんおとうさまもいて、それで……アリスゲームなんでやらないですごすの」
真紅「ステキな考えね、雛苺」
雛苺「うん!きっと、とーっても楽しいの!……真紅はそれを目指してるの?でも、きっと大変よ?」
真紅「それでもやる価値があると教えてくれたのよ……この、ぬ~べ~先生がね」
雛苺「せんせい?ぬ~べ~せんせい?」
ぬ~べ~「あ、まぁ……そうだね。先生といえば、先生かな」
郷子「なぁに言ってるのよ。正真正銘、私たちの先生でしょ」
真紅「え?」
雛苺「ヒナも真紅のお手伝いする!戦わなくていいアリスゲーム!
すっごくすてきなの!ヒナそれがいい!みんなで楽しく遊んでアリスをきめるの!」
真紅「雛苺……ありがとう」ソッ
雛苺「うゆ?……エヘヘ、真紅に抱きしめられちゃったの」
郷子「もういいの?雛苺」
雛苺「うん!もう寂しくないの!ヒナかえる!
真紅もいるし、キョーコもいるし、それにぬ~べ~先生もいるからへっちゃらなの!」
ぬ~べ~「一件落着ってことでいいのかな?」
真紅「……そうね、これでなんとか―――ッ!?」
雛苺「ふぇぇ……クマさんこわいの……」
真紅「まだアレが残っていたわ。雛苺、あれはしまえないの?」
雛苺「ヒナあせって作っちゃったからよく分からないの」
真紅「困ったわね。このまま放置も出来ないでしょうし」
ぬ~べ~「倒すしかないってことか……仕方ない。みんなここで待っていろ」
雛苺「あ、あぶないのぬ~べ~先生!あれ、とーってもつよいのよ!」
ぬ~べ~「南無大慈大悲救苦救難」
雛苺「ふぇ?」
郷子「ぬ~べ~はね、普段は貧乏でだらしなくておっちょこちょいでスケベでどうしようもないけど……」
ぬ~べ~「広大霊感白衣観世音!!」
郷子「子供たちを守る時にはね……」
ぬ~べ~「我が左腕に封印されし鬼の手よ!今こそその力を示せ!」
郷子「どんな妖怪でも倒しちゃう、無敵のパワーを出せるんだから」
ぬ~べ~「悪霊!退散!」ズシャアアッ!!!
雛苺「ほぇ………すごいの!すっごいのおおおおおお!ぬ~べ~先生かっこいいい!!」
真紅「今回のアリスゲーム、とんでもない男に巡り合ったものだわ……フフ」
ぬ~べ~「いよっし!みんなで帰るとするかぁ!」
……。
………。
………………。
???「ほぅ、では……彼の力はそれほどでもないと」
水銀燈「そうよぉ。適当にいなしてるだけで殺しちゃいそうだったもの」
???「あまりなめない方が良いと、忠告しておきましょうか……」
水銀燈「なんでアンタにこの私がそんな事を言われなくちゃならない訳ぇ?」
???「フッ、人の忠告は素直に受けておいた方が得策ですよ」
水銀燈「生意気ね……私に意見する気?」
???「……勘違いをしないことだ。私はお前の下僕でもなんでもない。
私とお前は互いの利害が一致した為に歩調を合わせているだけなのだからな」
水銀燈「やるっていうの?」
水銀燈「―――っ、フンッ、バカみたい。なに本気になってるのよ。カッコわるぅい」
???「フフフ……その調子で頼みますよ」
水銀燈「フン!」
???「さて……見せてもらいますよ鵺野先生……あなたの言う、愛というものをね」
………………。
…………。
……。
ぬ~べ~「えー、という訳でここの計算は繰り上がりを考えるとー」
広「それで結局大丈夫だったのかよ」
郷子「うん。雛苺もあれからは加減を覚えてくれてるし、なにより……」
真紅「ダワダワダワダワ」
雛苺「ナノナノナノナノ」
のろちゃん「せ、先生ぃぃ!また!また人形が喋ってます!」
ぬ~べ~「なに!?この!悪霊退散!」ペシッ!
真紅(ね、あの子面白いでしょう?)
雛苺(ほんとーなの!今度はおめめをパチパチしてみるの!)
郷子「……まぁ、楽しそうにやってくれてるしね」タハハ
克也「ローゼンメイデンだろ、美樹」
まこと「変な名前なのだ」
美樹「そのローゼンなんとかがまだ何体もいるって言うじゃない。世の中は広いわよね」
広「他のやつはどこにいるんだろうな」
郷子「雛苺は分からないって言っていたわ」
ぬ~べ~「こらそこ!さっきから何コソコソ話してるんだ!」
広「やべっ!」
ぬ~べ~「まったく……じゃあ次のページにいくぞ。ここはだな……」
ぬ~べ~「今日はこれくらいにしておくか。おやリツ子先生」
リツ子「あら鵺野先生……どうしたんですかその可愛らしいお人形」
ぬ~べ~「あ、いやコレは」
雛苺「うにゅう~!うにゅうなのぉ~!」ガバチョモミモミィ!
リツ子「―――――ッッ!キャアアアアアアア!!人形がああ!!」バシバシドゲシッ!
ぬ~べ~「ちょ!待ってくださいリツこせゲフゥ!?」
リツ子「鵺野先生のバカバカ変態!私が怖いの知っててこんなのをわざわざ用意して!
もう知りません!」
ぬ~べ~「あ、あァ……そんな、リツこ……せん、せ……」
真紅「やりすぎなのだわ雛苺」
雛苺「あうぅ、ごめんねなのぬ~べ~先生」
何かあったの?……って、あったみたいね」
雛苺「あ、キョーコ!キョーコなの!」
広「俺達もいるぜ」ヒョッコリ
雛苺「ヒロシなの!ミキもマコトもカツヤもいるの!」
美樹「しっかしよく動くわねぇ。本当に生きてるみたい」
まこと「不思議なお人形さんなのだ」
ぬ~べ~「また来たのかお前たち……まぁいいか。ただし、他の生徒には言いふらすんじゃないぞ」
克也「言ってもぬ~べ~クラスの生徒以外は信じねぇよ」
真紅「自分で言うのもなんだけれど、あなた達は不思議な人間ね」
まこと「なんでなのだ?」
真紅「喋る人形に物怖じせず接してくれるような人間は案外少ないものなのよ、ぼうや」
郷子「ハイハイ……ところでぬ~べ~、他のローゼンメイデンは見つかったの?」
ぬ~べ~「いや、まだだ。方法を変えてこちらからも探そうとしてはいるんだがな」
真紅「Nのフィールドにもいないし、鳴介のフーチでも反応がないのよ」
ぬ~べ~「この土地は元々霊力や妖気がたまりやすいようで、
それがローゼンメイデンの反応を抑えているみたいなんだ」
真紅「といってもそろそろ……あら。鳴介、ちょっとこっちに来なさい」
……ルル
ぬ~べ~「ん?なんだ一体」
……ュルル
真紅「こっちよ。もっとこっち。そう、そこでいいわ。そこで左を向いてちょうだい」
……ヒュルルルルルル
ぬ~べ~「おいおい、いきなりなンゲフッ!?」ガシャアアアアン!!!
ぬ~べ~「イテテ……一体なんだってんだ……あぁ窓ガラスが!」
校長「……ん?鵺野くんこんな時間まで何をやっとるのかね?」
ぬ~べ~「こ、校長先生。これはですね」
校長「窓、弁償ね。給料から引いておくから」
ぬ~べ~「…………」バタッ
美樹「あ、倒れた」
真紅「……行ったわね。起きなさい鳴介。あなたも隠れていないでこっちに出てきなさいな、翠星石」
翠星石「…………」
みんな『新しい人形!?』
翠星石「ひぃ!に、ニンゲンがいっぱいいやがるですぅ!」ササッ
まこと「逃げちゃったのだ」
美樹「なぁによ失礼な人形ね。このナイスバディのミキちゃんを前にしてさぁ」クイッ
克也「翠星石か……なんつぅか、変わった名前だな」
翠星石「―――!バカにすんじゃねぇです人間ども!お前らなんて翠星石が本気をだせば」
広「ワッ!」
翠星石「ヒイイイイィィ!」サササッ
広「アハハおもしれー」
郷子「やめなさいよバカ」ペシン
だから早く来てくれですぅ、ゆきめ!」
ぬ~べ~「ゆ、ゆきめ!?君、今ゆきめと言ったのか!?」ガバッ
翠星石「ひぃぃ!声がデカいですぅ眉が太いですぅ顔が怖いですぅ!」
ぬ~べ~「お、オイちょっと暴れないでくれ!イテテッ!」
翠星石「ゆきめ助けてですぅ!」
ゆきめ「先生!な、何してるんですか!」ガラッ
郷子「あ、ゆきめさんだ」
翠星石「ゆきめぇー!怖かったですぅ!」テテテテッ
ゆきめ「ごめんね翠星石、一緒にいけばよかったね」ナデナデ
翠星石「さぁゆきめ!あの人間どもをケチョンケチョンにしてやるですぅ!」
ゆきめ「だからそれはできないってば」
翠星石「ちぇっ……命びろいしたですね人間ども!
これにこりたらちったぁ翠星石のことを敬えですぅ!」
まこと「いそがしいお人形さんなのだ」
まこと「そうなのだ?教えてくれてありがとうなのだ」
真紅「はいはい、一度落ち着きなさい。鳴介、お客様がきたのだからおもてなししなさい。
雛苺は私と席に。ローゼンメイデンの大事な話し合いよ。生徒のみんなはどうしようかしら……
そうね、静かにしているなら同席してもかまわないわ」
美樹(に、人形のくせに見事に仕切ってる。やるわねコイツ)ゴクリ
……。
ゆきめ「落ち着いた?翠星石」ナデナデ
翠星石「ふん、もとから翠星石は冷静沈着ですぅ」
真紅「あらためて、久しぶりね翠星石。元気だった?」
雛苺「おひさしぶりなの」
翠星石「元気でしたよ……目覚めたのは半月ほど前ですぅ」
翠星石「蒼星石は……うぅ……」ジワッ
ぬ~べ~「お、おい、いきなり泣き出してどうしたんだ君」オロオロ
翠星石「うるせぇですゲジマユ人間……こっちにもふか~い事情があるんですぅ」
ゆきめ「今日はその事で先生に相談があってきたんです……
この翠星石には、双子の姉妹で蒼星石というローゼンメイデンがいるんですが、その子を探してもらいたいんです」
ぬ~べ~「そうなのか真紅?」
真紅「えぇ。双子のメイデンは庭師をしているの。彼女の妹である蒼星石は、それは見事な鋏捌きだったわ」
郷子「ハサミ捌きよ、さばき。ハサミの扱いが上手ってことでしょ」
まこと「図工が得意そうなのだ」
克也「庭師って言ってたし、そういうのとは違うんじゃねぇか?」
ゆきめ「先生どうかお願いします」
ぬ~べ~「勿論君たちの頼みは引き受けたいんだが
……しかし、恥ずかしい話だがこっちもお手上げなんだ」
真紅「前から他のローゼンメイデンを探してはいるのだけれど、どうにも見つからないのよ。
この土地が原因らしいのだけれど、こんな事は初めてだわ」
翠星石「真紅もですか……翠星石も妙な感じなんですぅ。
Nのフィールドでも今までならなんとなく蒼星石の居場所が分かったのに、
この町ではそれが出来ないんですぅ」
雛苺「おてあげーなのよ!」
郷子「はいはい、暴れないでね」
真紅「あやまる必要はないわ。こちらとしてはむしろあなた達の行動に感謝しているのよ。
おかげでこうしてローゼンメイデンの一人に出会えたもの」
翠星石「……そのセリフ、真紅はやる気ってことですか?」
ぬ~べ~「お、オイ。姉妹で争うなんてやめるんだ」
真紅「勘違いしないでちょうだい。私にその気はないわ。勿論あなたもでしょう、翠星石?」
翠星石「翠星石は……蒼星石が見つかればそれでいいですぅ。
もし、どうしてもゲームをするのなら、蒼星石に……」
真紅「それはあなたの自由だけれど、私はいまこう思っているの……
みなが争わないですむ方法はないものか、とね」
雛苺「んーとね!みんなでたのしくあそぶの!それでアリスをきめるのよ!
いたいのとかかなしいのはめーなの!」
真紅「姉妹で傷つけあることなくアリスゲームを終わらせる方法……
蜘蛛の糸をつかむような事だけれども、私はそれをやってみようと思っている」
翠星石「本気ですか?絶対に無理ですぅ。仮に蒼星石が納得しても、
水銀燈が話し合いに応じるとは思えないですぅ。バカナリアは……まぁどうでもいいですけど」
真紅「やってみないと分からない。でしょう?」
ぬ~べ~「ん?あ、あぁ、そうだな。あの子も俺が止めてみせるさ」
翠星石「…………」
真紅「蒼星石は皆で一緒に探しましょう。微力ながら協力するわ、翠星石」
翠星石「本当にそんなことが出来るとはまだ思えねぇです
……でも、本当に、もし本当にできるのであれば……翠星石も手を貸してやらないこともないですぅ」
真紅「フフ、ありがとう。じゃあまずは蒼星石を探す分担を決めましょう。
私はこっち、雛苺はここを、それで鳴介とゆきめは……」
まこと「カクカクレンジャーの時間なのだ。ぼくも帰るのだ」
克也「……そうだな。俺もちょっと今日は早く帰りたい気分だぜ」
美樹「あら、克也ったら可愛い人形をみて色々考えちゃったの?やだー」
克也「ちげぇよ!そんなんじゃねぇっつーの!」
………。
………………。
金糸雀「おいしいかしら……意外だわ」
いずな「文句あるなら食べなくてもいいわよ」
金糸雀「あぁ食べるかしら!ダメぇ!卵焼きカナの!」
いずな「わーかってるわよ。アンタのために作ったんだもの。好きに食べな」
金糸雀「いずなちゃんはちょっとイジワルかしら」
いずな「こんな美少女中学生に拾われてなに文句いってんのよ、みたいな。
男なら生唾モノなんだからね?」
金糸雀「カナは男の子じゃないし、お人形さんだもの」
いずな「そりゃそうだ。今日も行くの?」
金糸雀「もちろんかしら!今日も頑張って真紅たちを見つけて、
ラクしてズルしてローザミスティカいただきかしら!」
金糸雀「ととと友達じゃないかしら!カナがやってるのはきびっしぃ戦いかしら!
甘えは許されないんだから!」
いずな「昨日ぐずってたのは誰よ。ほら、口もと汚れてる」
金糸雀「んむむ……とれた?」
いずな「取れたよ。じゃあ私もう行くから、鍵かけはしっかりね」
金糸雀「まかせるかしら!行ってらっしゃいかしら!」
いずな「おう!しっかり稼いでくるぜぃ!」
………………。
…………。
……。
??「あぁ、真紅ってやつと雛苺ってのもいたよ。
でも真紅は戦う意思は無いって言ってたぜ」
蒼星石「翠星石は?」
??「よく分からねぇけど乗り気だった気がする。
でも、なんか変な名前の……水銀なんとかが邪魔をするって言ってた」
蒼星石「水銀燈だね。彼女は危険だ……真紅の考えには絶対に賛同しないだろう」
??「そうなのか?」
蒼星石「彼女は狂信者だからね……もし仮にそうでなくても今の彼女は危険だ。
一度刃を交えてよく分かった。彼女はとんでもないミーディアムと契約している」
??「水銀燈ってお前が戦ったアイツかよ!あ、あんなの……化け物じゃねぇか!
ぬ~べ~でもかないっこないぞ!そんな奴の後ろにいる……誰なんだよ、そいつ……」
まるで信じられない話だけどね。まぁ僕が言っても説得力がないかもしれないけれど」
??「……また、やるのか?」
蒼星石「そうだね。もう少し休んで力が戻ったら、もう一度……彼女に挑もうとおもう」
??「ぬ~べ~達に手伝ってもらえばいいじゃねぇか!なんで一人でやろうとするんだよ!」
蒼星石「フフ、君は優しいね……」
??「そんなんじゃ、そんなんじゃねぇよ」
蒼星石「ただのワガママさ。戦いは一対一で、
ローゼンメイデンの誇りをかけて戦うんだ。それが僕の流儀」
??「……バカやろう」
真紅たちが危険なんだ。優しい彼女たちには今の水銀燈は危なすぎる」
??「それでお前が、壊れちまってもか?」
蒼星石「壊れないように努力はするつもりだよ?」
??「意地っ張り。強情。頭が固いんだよ。
使えるもの使って、なんでもいいから勝てばいいだろうが」
蒼星石「そうだね。だから次の戦いでは僕の全てを出すよ……力を貸してくれるかい?」
??「ッ!…………当然だろ、蒼星石」
克也「俺はお前の、ミーディアムなんだからよ」
……。
………。
………………。
数日後。
真紅「ダメね」
翠星石「てんでダメですぅ」
雛苺「ダメダメなの」
ぬ~べ~「お前らなぁ……揃いも揃って人のことをダメダメ言うなよ!」
真紅「ヨレヨレのシャツとネクタイ」
翠星石「ボサボサの髪の毛」
雛苺「おうちはビンボーなの」
翠星石「ゆきめとゲジマユ人間じゃあ月とスッポンですぅ」ヘッ
ぬ~べ~「あ~の~なぁ~!」
ゆきめ「わ、私は鵺野先生のこと嫌いだなんて思ってませんよ!む、むしろ……」
ぬ~べ~「ゆ、ゆきめくん……」
真紅「ハイハイ!時間がもったいないのだわ!そういう事は二人きりの時にして頂戴!
せっかくミーディアムで集まったのだから今後のことを決めていかないと」
雛苺「真紅がおこったのー」
翠星石「きゃーこわいですぅー。ゆきめぇー」
ゆきめ・郷子『ハイハイ、ちょーっと落ち着いてね』
ぬ~べ~(俺と違って上手く手なずけてるなぁ……)
ゆきめ「えぇ、そうだけど……お気に召したのならよかったわ」
真紅「おいしい紅茶に落ち着ける住まい……正直、翠星石が羨ましいわ」
ぬ~べ~「悪かったな狭い家で」
翠星石「ゆきめは渡さねぇですよ真紅」ギューッ
ゆきめ「まぁまぁ先生、翠星石もそんなに抱きつかないでねー」
真紅「と、いつまでも歓談していても始まらないわね。
この一週間で探した範囲をそれぞれ確認していきましょうか。そうね、まずは私から。今週は……」
…………。
……。
金糸雀「ふんふんふーん、今日もNのフィールドを探索かしらぁー」
金糸雀「ピチカート、なにか見つかった?え?何もない?うーん、まぁ仕方ないかしら」
金糸雀「うん?あれは……ゲェェ」
ラプラス「おやおやどなたかと思えば、黄薔薇の楽師どのでしたか」
金糸雀「ラプラスの魔……いやーな奴に会っちゃったかしら」
ラプラス「暖かいお言葉、ありがたく頂戴いたします。さてさてお嬢様、どちらにお向かいで?
まだ現は日も高い、夢に浸るのはいささか早すぎではございませんか?」
金糸雀「カナがいつどこで何をしてようとラプラスには関係ないかしら!」
互いに見えども触れはせず……あなたがなすことは私となんら関係がない。
たとえここで何をしようとも。たとえばそう、不意に足元が崩れようとも。
あなたがどに落ちようと、なんら私と関係はございません」
金糸雀「……へ?え、ちょ!ちょっと!なにこれ!え!
きゃああああああ!ラプラスぅぅぅぅぅぅ!
覚えてるかしらああああぁぁぁぁ…………」ヒュウウウゥゥ………
ラプラス「忘れなどいたしませんよ……
これは薔薇の姉妹の物語。
一遍たりともあまさず綴らせていただきますゆえ」
……。
蒼星石「……ん、こんなものかな」
蒼星石「幾分マシにはなったけれど、まだまだ手入れが必要そうだ」
蒼星石「翠星石がいればもっと早くできるんだけれど、まぁそうも言ってられないか」
ヒュルルルルルルル……
金糸雀「ぶべっ!」ズシャッ
なんなのよもうあのウサギ!いきなりカナを落として何がしたいのか意味不明かしら!嫌い!だいっきらい!」
翠星石「かな、りあ?」
金糸雀「うん?あら、蒼星石かしら……蒼星石かしら!蒼星石ぃー!」ダキッ
蒼星石「ちょ、ちょっと!いきなりどうしたのさ!?」
金糸雀「あぁようやく姉妹に会えたかしらぁー……みんなどこに行ってたのかしら!
カナさみしか……ったぁなんてことはなくってぇ!よ、余裕で見つけられたかしら!
カナがその気になればこんなものかしら!」
金糸雀「……ところでここはどこかしら?」
蒼星石「ここは克也くん……僕のミーディアムの心のなかだよ」
蒼星石「ウン。克也くんは僕のことで心を痛めてくれる優しい子だから。
こうやって時々手入れをしてあげてるんだ。
彼、夜が遅いからこうやってお昼寝してる時くらいじゃないと入れないんだけどね」
金糸雀「ふぅん。相変わらず蒼星石らしい気の使い方かしら
……あ!そうだったわ!蒼星石、他の姉妹の行方は知ってる?」
蒼星石「聞いてどうするつもりだい?戦いなら止めておいたほうが良いよ。
向こうはすでに真紅を中心に翠星石と雛苺が組んでいる。君ひとりじゃあかないっこない」
金糸雀「べ、別にすぐに戦うわけじゃないかしら!
たしかにアリスゲームは重要だけど、カナはそんながっつくようなことはしないかしら!
見ての通りカナはレディですもの」
蒼星石「フフ……相変わらず金糸雀らしいや」
蒼星石「真紅達なら童守小学校のぬ~べ~先生のところに集まってるみたいだから、
暇なときにでも行ってみればいいよ」
金糸雀「それはいい事を聞いたかしら。覚えておこうっと」メモメモ
蒼星石「僕とここにいたっていうのは内緒にしておいてね」
金糸雀「え?なんで?」
蒼星石「なんでも」
金糸雀「なんだか変な蒼星石。でもそこまで言うのなら守ってあげるかしら!
カナに感謝するといいかしら!」
蒼星石「ありがとう、金糸雀」
蒼星石「そうだよ。少し曲がってるけど立派なものでしょ?」
金糸雀「ほへー、うちのいずなちゃんには敵わないけど、立派な樹になりそうかしら」
蒼星石「いずな?それが君のミーディアムの名前?」
金糸雀「むむむ、思わず口から洩れちゃったかしら。まぁ名前くらいならいっか。
そうよ、いずなちゃんは私のミーディアム。素敵な子かしら……そうだ、良い事思いついたわ」
蒼星石「?」
金糸雀「~~~♪」
蒼星石「……金糸雀」
金糸雀「~~~♪~~~♪」
金糸雀「……ふう!こんなところかしら!」
金糸雀「あったりまえかしら!カナの演奏を聞いたんだからこの子も元気いっぱいかしら!
その元気で……蒼星石を支えてあげてね」ソッ
蒼星石「金糸雀……君ってやつは……」
金糸雀「ふふ、姉からのサービスってやつかしら!ありがたく受け取っておくがいいわ」
蒼星石「そうだね。ありがたく頂戴するよ」
金糸雀「……フフ」
蒼星石「……ッハハハ」
蒼星石「僕かい?僕は……水銀燈と戦おうと思っているよ」
金糸雀「水銀燈と?」
蒼星石「僕は前に一度彼女と戦ったんだ……その時は僕の負けだった。
圧倒的な力だったよ……長くアリスゲームをやっていたけれど、あんな強大な力は初めてだ」
金糸雀「じゃ、じゃあ絶対に負けちゃうの?」
蒼星石「分からない。彼女も自分の力を操りきれていないフシがあったから
まだ勝機はつかめるかもしれない……金糸雀、僕はね……彼女を止めたいんだ」
金糸雀「え?止める?」
蒼星石「水銀燈が自ら望んで動いているのか、それともあの力の持ち主に操られているのか
……僕はそれを見極めたいのさ。そしてもし操られているのなら……彼女を止めてやりたい」
金糸雀「……蒼星石は優しいのね」
蒼星石「みんなには秘密だよ?」
金糸雀「カナは嘘つくの苦手だけど……頑張るかしら」
蒼星石「ありがとう」
………。
………………。
いずな「毎度ありぃー」ヒラヒラ
いずな「いやぁー私の溢れる才能をもってすれば心霊写真の一枚や二枚、ちょろいもんよ」ハッハッハ
いずな「そろそろ警察がきそうだし場所かえよっかなー」
いずな「ん?あらどうだった管狐?……そっか、今回も収穫なしね。ありがと、戻っていいわよ」
いずな「うーん、ここら辺の家はどこもそれらしき人形は持ってない、か……案外見つからないものねぇ」
いずな「噂を広め小学生を怖がらせてどこに手紙が届くのか見つけやすくする作戦、
うまくいくと思ったんだけどなぁ……ズルして楽してとはいかないみたいなぁ」ハァ
余計なことに口をはさむなーお前は修行してろーとか、そればっかりなんだもん」
いずな「ん?どしたの管狐……そら?空がなんだっての……お!アレもしかして!」
いずな「ちょっとアレそうじゃない?マジでカナが言ってたやつっぽくない?
みたいな?あ!あっち行っちゃう!ちょっと追いかけるよ!」
……。
いずな「なんとか見失わずにすんだけど、あの人形いつまで飛び続けてるのよ……
あーようやく着地するみたい。場所は……びょういん?」
いずな「ここに契約者がいるのかしら。それとも別にただ降りただけ?」
いずな「ま、こんなとこで考えてても分かる訳ないっしょ。ちょーっと行ってみますか」
見事におじいちゃんおばあちゃんばっかり……もしかして契約者もヨボヨボだったりして?みたいな?」
いずな「行ってみれば分かるか。エレベーターはっと……あったあった」
ガヤガヤガヤ
いずな「おっと団体さんのご到着ってか?……え!?」
いずな「な、ななな、なんでアイツがまだここにいるのよ!他人のそら似!?
それとも『あの』妖怪がアイツに化けてたの!?」
いずな「なぁーんかヤなかんじぃーみたいなぁ……って言ってる場合じゃないカモ……」
ぬ~べ~「珍しいな、お前がため息なんて」
真紅「結果が思わしくないもの。私だってたまには、ね」
ぬ~べ~「どこにいるんだろうな……蒼星石に、金糸雀に」
真紅「水銀燈」
ぬ~べ~「……アイツか。あの力、放ってはおけない」
真紅「はっきり言って彼女の力は異常だったわ……
あの子のミーディアムは相当な力を持っている……鳴介、下手をすれば」
ぬ~べ~「あぁ、相手の実力は俺以上かもしれない」
真紅「それでもあなたは立ち向かうのでしょう?」
ぬ~べ~「ま、やるだけやってみるさ」
真紅「変なところで楽観的なのね。あら、人間だわ」
ぬ~べ~「お前は……いずなじゃないか。どうしたんだ急に」
いずな「やっほぉー、みたいなぁー」
いずな「そんなんじゃないって!今日は―――あ!その人形!」
ぬ~べ~「ん?あ、あぁ、これはお祓いを頼まれていてな。
少しこうやって一緒にいてやらないと霊が納得しないんだ……別にそんな趣味がある訳じゃないぞ」
いずな「わ、分かったからそんな怖い顔で睨まないでよ。大丈夫だって、
わたしも一応霊能力あるし、その人形からはイロイロ感じるからさ」タハハ…
ぬ~べ~「……で?なんの用があるんだ?」
いずな「うーんっとね……ん、やっぱ……いいや、ウン」
ぬ~べ~「はぁ?いずなお前、なにかあったから俺のところに来たんじゃないのか?」
いずな「まぁ自己解決できたっていうか……
ちょっと事情が変わったっていうかぁー……とにかくさよならっ!」
ぬ~べ~「あ、オイ!いずな!何かあったんなら隠さずに教えろよ!いいな!」
いずな「わぁーかってるって!みたいな!じゃねー!」
いずな「なぁんでセンセーも人形もってんのよぉ。
これじゃあセンセーも敵ってことじゃん。ありえないしぃー」
いずな「あー困った……とりあえずカナに話してみよぉ」
いずな「マジチョベリバ……ちょっち古いか」
………………。
…………。
……。
水銀燈「あらぁ、御目覚め?」
蒼星石「……ハァ、どういう事か説明してもらえるかな。
寝込みを襲うのが君の趣味なのかい?」
水銀燈「今ここで壊れるのがお望みかしら?」チャキ
蒼星石「よしてくれよ。君だってそんな事を望んでいるわけじゃないだろう」
水銀燈「あら、どうしてそう思うの?」
蒼星石「こんな夜更けに、ひっそりと僕にだけに会いにくる……
こんなまどろっこしいやり方を取るのは君の好みじゃないはずだ……
だったら何か理由があると推測するのが筋だろう?」
水銀燈「クス……おつむの冴えた妹で助かるわぁ」
蒼星石「何が目的だ、水銀燈」
水銀燈「私の目的はいつだってひとつ。ローザミスティカを集め、
アリスとなりお父様に会うこと……それだけよ」
蒼星石「真紅は戦わずに済む道を模索しているよ」
水銀燈「知っているわ……マヌケな真紅、かわいそうな真紅、
おかげで私の敵はあなた一人。他の姉妹なんて片手で相手をしても勝てるもの」
……今の君とは、正直長く話していたくない」
水銀燈「いい子ね蒼星石。敵意のある子は嫌いじゃないわ。
壊しがいがあるもの……三日後、Nのフィールドで待つわ。場所は……」
蒼星石「……わかった。だが何故そこなんだ?」
水銀燈「どうせ壊れるなら綺麗な場所がいいでしょう?姉からの優しさよ」
蒼星石「そう……おやすみ姉さん」
水銀燈「おやすみ蒼星石。限りある時間をせいぜい楽しみなさい……フフフ」
克也「…………」グッ
……。
………。
………………。
翠星石「ヒーッヒッヒッヒ、出来るもんなら取り返してみろです」ヒーッヒッヒッヒ
郷子「こらぁ!翠星石!金糸雀をいじめないの!」
雛苺「真紅、これはなんて読むの?」
真紅「松葉崩しね……こう、股を合わせて」
ゆきめ「そっちじゃなくてこっちの絵本を読んでてちょうだい!お願いだから!」
ギャアギャア
いずな「ちょーうるさいって感じ、みたいな」
ぬ~べ~「お前の連れてきたドールのせいか、やけにみんな元気だな」
いずな「ドール?」
ぬ~べ~「彼女たちのことだよ」
ぬ~べ~「まぁな。お前は金糸雀とはどれくらいなんだ?」
いずな「ひと月くらいかなぁ……家のポストに手紙が入ってて、
儲け話にでもなるかと思って手を出したらカナが来たんだ」
ぬ~べ~「しかし意外だな。お前があの子を大切にしているなんて」
いずな「ちょっとアタシをなんだと思ってんの?みたいな?
こう見えても管狐もきちんと育ててるんだからね。むしろアタシの方こそ意外ってかんじぃー。
センセーがあんなロリロリィな人形と仲良く暮らしてるんだから」
ぬ~べ~「そういう言い方をするのはこの口か。あぁん?」
いずな「暴力反対みたいなぁー」
ぬ~べ~「……で、話っていうのはこの事だったのか?」
いずな「え?」
ぬ~べ~「前に会った時、真紅のことを見たら急に逃げ出したろう」
いずな「……あぁ、アレか……当たらずとも遠からずって感じ、かな」
ぬ~べ~「言ってみろ。この事に関しては俺達は一蓮托生みたいなものだ。
互いに協力するのが最善だと俺は思っている」
だいたい分かってるんだけどさ、ここにいないドールが二体いるじゃん?」
ぬ~べ~「蒼星石と水銀燈だな」
真紅・翠星石「……」ピタッ
雛苺「うゆ?真紅どうしたの?」
金糸雀「返せかしらっ!……す、翠星石?」
いずな「うん。私、見たんだ……そのうちの一体」
真紅「水銀燈を見たの!?どこで!言いなさい!」
翠星石「蒼星石はどこにいるですか!?さっさと白状しやがれですぅ!」
ゆきめ「ちょ、ちょっと二人とも落ち着いて」
ぬ~べ~「どっちを見たんだ?」
いずな「……水銀燈。だと思う。黒い服を着て銀髪の人形だった。翼が生えてて空飛んでたし」
真紅「水銀燈……!」
翠星石「そうですか……蒼星石じゃねぇですか……」
ぬ~べ~「行き先や、どこから来たなどは分かるか?」
いずな「分かるよ。カナから聞いてたし尾行したもん……行き先は童守病院」
ぬ~べ~(タマモのいる病院じゃないか……まさか)
いずな「センセー……わたしさ、そこで見ちゃったんだ。
前に倒したと思ってた狐の妖怪、あいつがばけてた人間の医者が普通に働いてるの」
ぬ~べ~「お前はそいつがクサいと思ってるんだな」
いずな「うん。あれ、ヤバい……あの水銀燈って人形の相棒があの男だとしたら、ちょっとマズいよ」
郷子「ぬ~べ~……」
ぬ~べ~「行ってみよう、童守病院に」
ぬ~べ~(信じているぞ、タマモ)
雛苺「キャー!こわいのー!お化けなのー!」
翠星石「ほーれほれほれ!骨のお化けですよー!」
真紅「やめなさい翠星石、みっともない」
金糸雀「ここ何か流れてるわ……バッハかしら?」
ぬ~べ~「あー、その、これはだな……
ローゼンメイデンという呪い人形の一種で、ちょっとした付き合いで一緒にいるんだ」
タマモ「相変わらず酔狂な人だ」
いずな「……ねぇアンタ……私のこと、覚えてない?」
タマモ「…………いや、初対面だよ御嬢さん。誰かと勘違いしているんじゃないか?」
いずな「そんな訳あるか!アンタは私が退治した―――っ!?」
タマモ「もしそうなら何故私はここにいるんだい?」
いずな「~~~ッ!!ば、化けの皮はいでやるんだから……」
タマモ「鵺野先生、あの年頃の子は思いつきで話すことがよくある。あまり全てを真に受けていては身が持ちませんよ」
郷子「ねぇぬ~べ~、それよりも……」
ぬ~べ~「そうだったな。真紅、ちょっと来てくれ」
真紅「ようやく出番ね……」ジイッ
タマモ「呪い人形か。よく出来ている。まるで本当に生きているようだ」
ゆきめ「この子たちには魂があるのよ」
タマモ「冗談を。作り物に魂を宿すなど、人間の芸当では不可能に近い―――それも名も知らぬ人形師などがどうやって」
翠星石「お父様をバカにするなですぅ!」
雛苺「そうなの!お父様をバカにするなんてメーなの!」
真紅「二人とも静かに……違うわ鳴介。この男は契約をしていない。指輪もないし、外した後も見られないわ」
ぬ~べ~「そ、そうか」ホッ
タマモ「だから言ったでしょう。そんな人形に興味は無いと。まったく……」
郷子「タマモ先生は何か知りませんか?
この病院にローゼンメイデンの一人が入ったらしいんですけど……」
タマモ「さぁ……なにぶん全ての患者や医師のことを把握している訳ではないからな。
私の担当していない患者が契約者なのかもしれない」
ゆきめ「この病院を探しても?」
タマモ「好きにしろ。ただし患者に迷惑をかけるなよ」
真紅「行きましょう鳴介。この病院のどこかに水銀燈がいるはずよ」
ぬ~べ~「あぁ……じゃあなタマモ」
タマモ「ここで知り合った縁だ。何かあれば私からも伝えてさしあげますよ」
タマモ「もう出てきていいぞ」
水銀燈「あーぁ、なんでこの私が隠れなきゃならないのよ」バサッ
タマモ「今見つかるわけにはいかないのだろう」
水銀燈「フン……しかしよくあいつらが来るって分かったわね」
タマモ「お前と契約してから病院の周囲には気を配っているからな。
あの小娘が来た時点でこうなることも予測はしていた」
水銀燈「器用なものね……指輪の後を隠すなんて」
タマモ「変化の術の応用さ。奴らが帰ったら再契約だ」
水銀燈「魂のない人形に傅いて口づけするのはプライドが傷つくんじゃありませんこと?」クスクス
タマモ「フッ、私は目的のためには手段を厭わない……この程度で妖狐の誇りに傷などつかぬよ」
水銀燈「チッ……」
タマモ「フフフ……あと少しですよ、鵺野先生……」
…………。
……。
真紅「あぁもう!どうしてどこにもいないの!」
ぬ~べ~「落ち着けよ。お前が焦る原因もよく分かるが、そんなことをしても水銀燈は見つからないぞ」
郷子「でも真紅が怒るのも無理ないよ……結局病院にも水銀燈の手がかりは無かったし」
いずな「っかしぃなー絶対に見間違いじゃなかったはずなんだけど……」
ゆきめ「また地道に探すしかないですね」
ぬ~べ~「そうだな。もう一度フーチで……おっと、電話だ」
克也『ぬ~べ~、助けてくれ……』
ぬ~べ~「ッ!?どうした克也!何があった!」
克也『蒼星石が……蒼星石が死んじまう!』
翠星石「蒼星石!?いま蒼星石って言ったですか!?」
克也『うぅ……三日前に水銀燈が蒼星石に何か話してて、それで今日起きたらアイツがいなくて』
ぬ~べ~「落ち着け克也!……そうか、分かった。お前はそのまま家にいろ。いいな!」
郷子「ぬ~べ~!」
ぬ~べ~「どうやら、蒼星石と契約していたのは克也だったようだ……
蒼星石は水銀燈と何かの約束を果たすためにNのフィールドへ向かって行ったらしい」
ゆきめ「克也くんが?まさか、あの子がそうだったなんて……」
真紅「なるほどね……今にして思えば色々と納得がいくわ。
あの少年だけ他の子と違ってやけにこちらの事を詳しく聞こうとしていた……
あれはすでに同じような存在と関わり合いをもっていたという事だったのね」
翠星石「いきなり大声だすなですぅ!耳がキーンってするですぅ」
金糸雀「か、カナ……カナ……蒼星石に会ったことあるかしら!」
真紅「えっ!?」
翠星石「どどどどういう事ですかバカナリア!全部吐きやがれですぅ!」
金糸雀「や、やめるかしらデコを叩かないで欲しいかしら!言う!言うからぁ!」
雛苺「どこで会ったの?」
金糸雀「蒼星石のミーディアムの心のなかかしら。
Nのフィールドを探索していたらラプラスの魔に落とされたのよ」
翠星石「蒼星石はどんな様子だったんですか!?」
金糸雀「どうって……水銀燈を止めたいって、そう言ってたかしら。
本当は秘密だって言われたんだけど……言われたんだけど!
もう黙ってられないかしら!蒼星石があぶないの!助けて欲しいかしら!」
金糸雀「いずなちゃん……ありがとうかしら」
雛苺「水銀燈がみつかったの!蒼星石も助けるの!やることは決まったの!」
ゆきめ「そうね。今は話し合っている時間じゃないわ」
郷子「今すぐ蒼星石のところに行かないと!」
真紅「行くわよ鳴介、Nのフィールドへ」
ぬ~べ~「あぁ、もし二人が争おうとしているのなら止めなければ」
翠星石「っしゃー!待ってるですよ蒼星石!
かわいいかわいい翠星石が今すぐ助けにいってやるです!」
…………。
………………。
水銀燈「あら、早かったのね」
翠星石「罠をしかけられるかもしれないからね……当然のことさ」
水銀燈「フフフ……だったら今ここにはあなたの仕掛けた罠があるのかもしれないのね。こわぁい」
蒼星石「僕はそんな真似はしないよ」
水銀燈「知ってるわよぉ?あなたは純粋で愚直で周りがまるで見えていない……
そんな可愛らしい私の妹ですもの」
水銀燈「今さらねぇ。力のない主張には興味ないわ」
蒼星石「分かった……もうこれ以上は何も言わないよ」
水銀燈「それがいいわ。喋る余裕などもう生まれないでしょうから」フワッ
蒼星石「……ッ!」チャキッ
水銀燈「蒼星石、私の可愛い妹……ウフフ……さぁ」
【遊びましょ?】
雛苺「ヒナそんなに早く進めないのぉー」
ぬ~べ~「……仕方ない。ここは別れよう」
郷子「え?どういうこと?」
ぬ~べ~「Nのフィールドは鏡でつながっている。
雛苺と郷子、金糸雀といずなはそれぞれ克也と童守病院の様子を見てきてくれ。
克也は出来るならこっちに来させるんだ。万が一の時は俺達の側にいた方がいいからな」
金糸雀「どうしてあの病院に行く必要があるの?」
ぬ~べ~「水銀燈の動きに合わせて病院にいると思われる契約者が動く可能性もあるだろう……
それに、なにか嫌な予感がするんだ……」
いずな「センセーのカンか……信じてみる価値はあるね」
真紅「私と翠星石で出来るだけ水銀燈を止めてみるわ」
いずな「あ、ちょっとカナ!ったくしゃあないわね、そっちは頼んだぞセンセ!」
雛苺「みんなのおうちはこっちなのー!ヒナ前にこっそり行ったことあるから知ってるの!」
郷子「がんばってねぬ~べ~!ゆきめさん!」
ぬ~べ~「みんな掴まれ!全速力で飛ばすぞ!」
ゆきめ「は、ハイ!」
翠星石「あっちですよゲジマユ人間!」
真紅「お願い……間に合って……!」
克也「うっく……ちくしょぉ……」
克也「急に体が重く……蒼星石が力を使ってるのか……」
克也「俺が、側にいねぇと!アイツ絶対無茶しやがる!クソッ!」
雛苺「とーちゃくなの」
郷子「克也!ちょっとアンタ大丈夫!?」
克也「お、おまえ郷子ォ!?どっから出てきてんだよ!鏡ぃ!?」
郷子「説明は後!早く来て!蒼星石が大変なのよ!」
克也「蒼星石ッ!……わかった、俺を連れて行ってくれ!」
雛苺「よぉーっし!全速力で真紅達のとこにレッツゴーなのぉー!」
金糸雀「童守病院に到着……ってここ、タマモ先生のお部屋かしら」
いずな「回診中なのかいないわね……そもそもアイツ、本当に何も関係ないの?
絶対におかしいって。なぁーにかあるはずっしょ」
金糸雀「い、いずなちゃん?人の部屋を勝手に漁るのはよくないんじゃ……」
いずな「非常事態よ非常事態。何か私の霊能力者としてのカンがここらへんに―――ッ!か、金糸雀!コレ!」
金糸雀「なに!?なにかしらいずなちゃん!なにかあった!?」
いずな「これ!部屋の隅に隠されてたこの鞄!これって!」
金糸雀「……まちがいないわ、水銀燈のカバンかしら……なんでこんなところに水銀燈のカバンが……
タマモ先生は契約なんてしていなかったはずなのに」
いずな「理由は分からないけどこれでアイツが臭いのは確定したわね!
今すぐセンセー達に知らせないと!フッフッフ!みってなさい!
あのいけ好かない奴の鼻をあかしてやるんだから!」
タマモ「いけ好かないとはひどいな」
タマモ「子ネズミがチョロチョロしているかと思えば……大人しく筋書通りに動いていればいいものを」
金糸雀「い、いずなちゃん……?」カタカタ
いずな「ビビるなカナ!だ、大丈夫よ……こ、こいつは前に一度わたしが倒したんだから……
たいしたことない妖怪のはず……ッ!念力自然発火!」
ゴオッ!
タマモ「この程度の炎、あくびがでる」
いずな「ウソ、効かない?……だったら!フルパワーで!」
ゴオオオオオオッ!
タマモ「少しはやるようだが……私を倒すにはまだまだ甘い!」
タマモ「さぁ、これが全力か?ならばそろそろお前たちには……ん?」
タマモ「……逃げたか」
いずな「あんなのバカ正直に相手してられないってーの。
それに今はこの情報を届けるのが優先だしね。さぁいくよ、カナ!」
金糸雀「いずなちゃんらしいかしらー。オッケー、カナにまかせるかしら!」
………………。
…………。
……。
水銀燈「ホラァッ!」ゴウッ!
蒼星石「クッ……!」
水銀燈「逃げてばかりじゃお話しにもならないじゃない!少しは抵抗してみなさいな!」ダダダッ!
蒼星石「予想以上の……力だっ!」
水銀燈「なによもう、口ばっかりじゃないのぉ……つまんなぁい」フワッ
蒼星石「……はぁ……はぁ……」
水銀燈「ねぇ蒼星石。あなた、どう壊されたい?」
蒼星石「壊れるのは……御免こうむりたいねッ!」バシッ!
水銀燈「ふぅん。まだそんな力が残っていたのね」ヒョイ
水銀燈「いいえ、勝負はこれまでよ。大人しく壊れてしまいなさい」スッ
ドドドドドドドドッ!!!!!
蒼星石「クッ―――――!」
蒼星石(これは……かわせない!もう無理なのか……翠星石!克也くんッ!)
翠星石「待ちやがれですううううう!」
翠星石「ゆきめ!力を貸すです!てりゃああああああああ!」
ゆきめ「いいわよ翠星石!これでッ!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!
真紅「凄い……氷漬けの樹木……あれが二人の力?」
翠星石「これで縛り付けてしもやけにしてやるですぅ!覚悟するです水銀燈!」
水銀燈「イヤぁよ。溶けちゃいなさい」カカッ!
ジュウウウウウ……
翠星石「きいいぃぃぃ!あの余裕ヅラ!むっかつくですぅ!」
ぬ~べ~「もの凄い熱量だ……水銀燈ってのはあんな力があるのか?」
真紅「今までの彼女はあんな力を持ち合わせていることはなかった。
恐らくあれはミーディアムの影響ね」
水銀燈「無駄よ、ム・ダ。何度やっても溶かしてあげるわ」
翠星石「むっきぃいいいい!」
蒼星石「お、落ち着いて翠星石!僕は大丈夫だから!ね?」
翠星石「フーッ……フーッ……」
水銀燈「ヤダァ、サイみたぁい。野蛮ねぇ」クスクス
真紅「もの凄い力なのだわ。鳴介、タイミングを揃えて仕掛けましょう」
ぬ~べ~「お前はそこまで力がないんだ、下がっていろ。ここは俺が行く!」
水銀燈「―――あら、ようやく本命の登場?じゃあ私もそろそろ本気で―――」
金糸雀「ちょっと待ったかしらぁ!」
いずな「センセー!アイツが契約してる相手、突き止めたよ!
あのタマモって医者だった!やっぱりアイツがクロだったんだよ!」
金糸雀「カナも見たかしら。あの人の部屋に水銀燈のカバンが置かれてたかしら!間違いないかしら!」
ゆきめ「なんですって!?」
ぬ~べ~「ま、まさかあのタマモが……水銀燈に力を貸していたなんて……」
タマモ「おや、ついにバレてしまいましたか」
いずな「あ、アンタ!なんでここにいんのよ!病院にいたんじゃ!」
タマモ「フフフ……管と妖狐の区別もつかないとは、とんだ霊能力者もいたものです」
いずな「く、管狐ぇ!?」
タマモ「一応のアリバイとしてね……本物の私は最初からここにいましたよ」
ぬ~べ~「……水銀燈の異常なまでの力……お前がミーディアムであるというのならたしかに納得がいく……
だが!なぜだタマモ!いったいどういうつもりでこんな事をした!」
翠星石「お前の力は普通じゃねぇです!水銀燈と組んで何を企んでるですか!」
タマモ「それを説明するのは……おや、最後のお客さまが到着したようだ」
蒼星石「……え?」
雛苺「見えたのー!みんないるのー!」
郷子「ぬ~べ~、克也つれてきたよ!……ってタマモ先生!?どうしてここに……」
ぬ~べ~「……そいつが水銀燈のミーディアムだからだ」
雛苺「あっちょんぶりけなの!」
蒼星石「あ……克也くん……ごめんね?疲れちゃったでしょ……僕、戦う時に力を」
克也「バカやろう!そんな事どうだっていいんだよ!」ガシッ
蒼星石「……克也くん、泣いてるの?」
克也「泣いて、なんて……ねぇよ……クソ!」
蒼星石「ごめんなさい……僕……」
翠星石「ドールを泣かせるミーディアムは最低ですよ。
でもね蒼星石ぃ、ミーディアムに心配かけるドールもおんなじくらいさいってーですぅ!
しっかり反省しやがれです!」
克也「お前が壊れちまうかと思ったんだぞ!ふざけんなよ!」
蒼星石「もうしないよ。約束する」
克也「本当だな?こんなこと、二度とゴメンだからな……」
蒼星石「うん……僕もゴメンだ。翠星石や克也くんを残して壊れるかもなんて、
あんな恐怖……もう絶対に味わいたくない」
翠星石「ったく、世話のやける妹ですぅ」グスッ
ゆきめ「よかったね、翠星石」
タマモ「そうだな。そろそろ始めよう……ハアアッ!」
ゴウッ!
郷子「きゃああっ!」
ゆきめ「辺りを炎に囲まれた!?狐さん……あなた本気なのね」
真紅「水銀燈、なぜこんなことをするの」
水銀燈「いまさら聞くぅ?そうね……色々とあるけれど、やっぱり一番はオシオキかしら」
雛苺「お、オシオキ?」
水銀燈「えぇそうよ……そんな男の戯言に振り回されて、
お父様の言葉すら捻じ曲げてアリスゲームを終わらせようとする……
そんな妹たちにきつぅいオシオキをしてあげようと思ってねぇ!」
ぬ~べ~「あぁ……真紅は皆と一緒に下がっていろ。これは俺とタマモの」
真紅「無駄よ鳴介。ほら、あの子の顔を見て。絶対に逃がさないとかいてあるわ」
ぬ~べ~「だがお前の力は!」
真紅「ふふ……笑っちゃうわね。力も持たずに戦場に立つなんて……
それでも逃げられない時というのは来るものよ。やるだけやってみるわ」
水銀燈「フフ……フフフフッ……アーッハッハッハッハ!ようこそ真紅!
そして私のかわいい妹たち!ここで!今から!あなた達をさばいてあげる!
このローゼンメイデン第一ドール、水銀燈が!デキの悪い妹たちと遊んであげるわ!」
水銀燈「全力でね!」グワッ!!
ぬ~べ~「クソッ!この!」ブンッ!
タマモ「おっと」ヒラリ
タマモ「そんな見え見えの攻撃が当たるわけないでしょう……
やはり彼女が気になりますか?これではさすがの鬼の手も形無しといったところですね」
水銀燈「アハハハハハッ!どうしたのぉ真紅ぅ?このままじゃ当たっちゃうわよぉ?」
真紅「あらっ!ご忠告どうも!優しいのね……水銀燈はッ!」
水銀燈「はいはずれ。バカねぇ、契約もなしに私にかなうわけないじゃない」
真紅「やってみたいと……分からないわ……!」
水銀燈「やってみなくても分かるのよ!そぉれ!」
真紅(やっぱり力に圧倒的な差がある……このままじゃ!)
真紅「鳴介!?離れなさい!私は大丈夫だから!」
ゆきめ「先生!真紅!いい加減にしなさい狐さん!」バッ!
タマモ「お前はこいつの相手でもしていろ」
管狐「シャアアアアアア!」
ゆきめ「キャッ!」
翠星石「ゆきめになにするですかこのオバケきつねー!」
ぬ~べ~「み、みんな!」
タマモ「スキだらけですよ鵺野先生!」ザシュッ!
ぬ~べ~「ぐああッ!?くそっ!」
水銀燈「うるっさいわねぇ……言われなくても……そらぁ!」ドドドドドッ!!
ぬ~べ~「がああああっ!」
真紅「鳴介!どいて!このままじゃアナタが!」
ぬ~べ~「クッ……白衣観音経!」シャッ!
タマモ「ほぅ、お得意の結界ですか……そういえば前にも一度こんな事がありましたね。
あの時あなたが守っていたのは愛しい生徒でしたが、今いるのは縁もゆかりもない生き人形……
フフ、改めてあなたの無敵の力がどれほどのものなのか見せてもらいましょう!」
ぬ~べ~「ダメだ!」
タマモ「火輪尾の術……役小角レベル!」ゴウッ!
水銀燈「あらキレイ。真紅ぅ、そんな男ほうっておいてさっさと逃げたらぁ?」
真紅「黙りなさい水銀燈!鳴介!お願い離して!このままじゃあアナタが!」
ぬ~べ~「大丈夫だ!お前は俺が必ず守る!そう約束したろう?」
真紅「―――ッ!」
ぬ~べ~「ぐああああああ!」
真紅「ダメ……このままじゃ鳴介が……なにか、なにか手は……」
ぬ~べ~「大丈夫だ真紅!お前は、俺が守ってやる!」
真紅(くやしい!私に力があれば……鳴介と契約さえしていれば……契約ッ!?)
真紅「そうよ鳴介!私と契約して!その力があれば私も戦える!」
ぬ~べ~「……ダメ、だ」
ぬ~べ~「姉妹で争う力なんて……必要ないんだよ、真紅……」
真紅「違うの!違うの鳴介!」
真紅(いらない!そんな力、いらない!私が欲しいのは……私が、欲しいのは!)
タマモ「ハハハ!素晴らしいですよ鵺野先生!これが最後です!フルパワー、空海レベル!」
ガガガガガガガッ!!!!!
真紅「あなたを守る力!大切なものを守る力!それが必要なの!
でないとアナタが……アナタが死んじゃう!お願い、メイスケぇ!」
真紅「―――!!」
グワッ!!
ゆきめ「せ、先生!鵺野せんせい!」
郷子「ぬ~べ~!いやーっ!」
翠星石「しっかりしろです真紅!」
雛苺「しんく~!」
水銀燈「フン……見せてみなさいよ真紅……そのくだらない思いつきが、
どこまで通用するのかをね。まぁムリでしょうけれど」
タマモ「!?……フフ、どうやらそうでもないみたいだぞ……見ろ!」
水銀燈「……えっ?!」
ぬ~べ~「……」
真紅「……」
水銀燈「……生きてる?……ふ、フフ……そう!そうよねぇ!
それくらい、やってもらわないと困るもの!いいわよ真紅!
やっぱりアナタは私の手で壊してあげるわ!」
タマモ「無敵の力というわけか……」
ぬ~べ~「真紅……お前、本当に良かったのか……」
真紅「いいのよ鳴介。ありがとう……この力で私はあなたを守れた。
大切なものを守りたいと思う気持ち。その心の強さ。
こんな暖かい力、初めてだわ」
ぬ~べ~「―――暖かい力、か……ハハ、わかった。もう何も言わない。
俺はお前を信じる。その力で……あの分からず屋の姉を止めてこい!」
ぬ~べ~「行くぞ!真紅!」
真紅「えぇ!いきましょう、鳴介!」ザッ!
さらにパワーアップした私の炎にも耐えきれるとは!これが愛の力ですか!」
ぬ~べ~「何故だ!何故こんなことをしたタマモ!
お前は人間の愛を理解していたじゃないか!それがどうして!目的を言え!」
タマモ「私はねぇ!見てみたかったんです!彼女の『愛』を!
彼女の持つ狂信的なまでの造物主への愛の力を!だから手を貸した!それだけですよ!」
ぬ~べ~「水銀燈の愛は間違っている!」
タマモ「それを決めるのは誰です!神か!ならば彼女を作った父親がそれにあたるはずではないのですか!?
造物者の言葉に従ってアリスゲームを行う彼女の愛が間違っているとは私には思えない!」
ぬ~べ~「違う!……違うんだよ、タマモ!」
すばらしい
真紅「いい加減に、しなさい!」
水銀燈「あらこわぁい……それが鬼の力?」
真紅「鬼?」
水銀燈「あなたのミーディアムよ。左手が妖怪のモノだったでしょう?
私のミーディアムが狐のバケモノのように、あなたのミーディアムは鬼……デーモンよ」
水銀燈「悪魔の力まで借りて戦うあなたが争いのないアリスゲームを行おうとするんだもの……
笑っちゃうわよねぇ!そらぁ!」
真紅「……違うわ水銀燈!この力はそんなものじゃない!鳴介と繋がっている私には分かる!」
水銀燈「何が分かるっていうのよぉ!」
これは断じて鬼の……悪魔の力なんかじゃない!鳴介の!ぬ~べ~先生の、絆の力よ!」
水銀燈「だから!それがどうしたっていうのよ!コノォ!」
真紅「今なら分かる……私がどうしたかったのか!
争いのないアリスゲームのためにどうすべきなのか!」
水銀燈「ならどうするっていうのかしら?
……私はねぇ、口先だけで丸め込まれるような妹たちとは違うのよ……見せてみなさいよ真紅!
そこまで言うのなら、あなたの信じる愛の力ってものを!
もっとも、お父様がおっしゃた愛より正しいものなんてありはしないでしょうけどねぇ!」
真紅「水銀燈……あなた……」
お父様の言葉を捻じ曲げるあなたのその澄ました顔……すごく気に入らないわぁ!
お父様以外の愛なんて存在しないのよ!それを教えてあげる!真紅ぅ!」
真紅「ッ!……そう、そういう事なのね水銀燈……いいわ!私はあなたを……止めてみせる!」
真紅「受け止めなさい水銀燈!皆の!薔薇の姉妹の想いがこもったこの一撃を!」
ガガガガガガッ!!!!!
水銀燈「~~~ッ!!!!!?な、なに、コレ……こんな力……冗談じゃ、ないわ……よ……」
真紅「はぁ……はぁ……と、止められたの?水銀燈を……」フラッ
ぬ~べ~「大丈夫か真紅!?」
これが、あなた達の言う愛の力なのかしら」
ぬ~べ~「俺にはまだ愛ってのがどんなものなのか全ては分からない……
でも、お前がしたことは、確かに水銀燈を愛したゆえの行動だと、そう思うよ」
真紅「あたり、まえじゃない……だって水銀燈は、私たちの大切な、姉……なんですもの」
ぬ~べ~「……気が緩んで意識を失ったか。おいタマモ、そっちはどうだ」
タマモ「体の各箇所に損傷はみられますが、まぁそこまでひどくはありませんよ……
しかし、驚いたものです。私の力をフルに注いだこの水銀燈に勝ってしまうなんて……
やはり愛というものは恐ろしい。そして、素晴らしくもある」
ぬ~べ~「お前は愛というものを勘違いしているよ、タマモ」
タマモ「フッ、今日はそういうことにしておきましょう……?」
水銀燈「ふ、ざけんじゃ……ないわよ……そこの、ゲジマユ男……」
水銀燈「コイツの愛が、間違ってるですって……?
コイツはね……こう見えても、人形の私を……理解しようとしてくれたわ……
どんな愛でも、それが……見ず知らずのお父様のものでも、受け止めてくれた……!
それが、間違ってるんなら!アンタなんて……教師、失格よ……お、バカ、さん……」
タマモ「……いやはや」
ぬ~べ~「タマモ……俺は……」
タマモ「何を悩む必要があります。私があなたを焼き殺そうとしたのは事実ですよ。
それに、私はこの娘を受け入れたわけではない。
愛の研究の一例として考察してやったまでです……それでは」
ぬ~べ~「あっ……オイ!またな!タマモ!」
タマモ「―――ッ!……アディオス、鵺野先生」
ラプラス「これもまた一つの結末ですか……フム」
ラプラス「赤薔薇のお嬢様が願った終幕……これもまた一つの答え」
ラプラス「よろしい、それもまたアリスゲーム」
ラプラス「これからも拝見させていただきますよ……終わりなき薔薇の姉妹の物語……」
……。
………。
………………。
雛苺「返してぇー!それヒナのぉー!」
翠星石「ヒーッヒッヒッヒ!くやしかったら取り返してみろですぅ!」
美樹「あの緑色のやつ、相変わらず性格わるいわねぇ……」
まこと「美樹ちゃんにそっくりなのだ」
美樹「なぁんですってまことー!」
蒼星石「まったく翠星石は……いい加減にしなよ、雛苺がかわいそうだよ」
真紅「落ち着いて紅茶も飲めないのだわ」
金糸雀「いずなちゃんの作った卵焼きおいしいかしら~」
広「へぇ、いずなさんって料理得意だったんだな……どれ一つ、いてっ!」
金糸雀「ダメぇ!この卵焼きはカナの!」
水銀燈「……うるっさいわねぇ!静かにしなさいよ!集中して本が読めないでしょ!」
ギャアギャア ワイワイ ガヤガヤ
ぬ~べ~「相変わらず全員揃うと騒々しいな……」
タマモ「いつまでもこの若々しさを保つ呪法というのには少々興味がわきますがね」
いずも「あーあーカナまた口が汚れてるじゃん、ったくもー……」
ゆきめ「あんまり走らないでねー、周りの人に迷惑だから」
郷子「はいはい雛苺もすぐに泣かないの。ほら、笑って?」
克也「なんか託児所みてぇ……」
ぬ~べ~「アリスゲームを別の方法で終わらせることを模索してもう一月か……」
タマモ「黒魔術、錬金術、仙術、はてはブードゥーの呪法まで……
世界中の魔術には死者を甦らせ人を作り無生物に魂を宿す秘法が数多く存在します。
彼女たちの『アリス』という存在への道しるべもどこかに必ずあるでしょう」
ぬ~べ~「おやタマモ、もう水銀燈の愛はほうっておいていいのかぁ?」
タマモ「勘違いしないでいただきたい。私はあくまで彼女自身が動くことに意味を見出しているのです。
今の彼女はどうやら別の道を模索しようとしている……
それを支えてやるのがあの強力な『愛』の力を理解する最善策なのですよ」
それにしてもよくみんな仲良くなったよねぇ。特に水銀燈」
水銀燈「仲良くなってない!勘違いしないでちょうだいニンゲン、
私はそこの狐のもとで学べることが有意義だから暇つぶしもかねてここにいるだけよ……
その気になればこんな子たち、片手で捻れるもの……気まぐれよ。気まぐれ」
ゆきめ「素直じゃないわねぇ」
翠星石「オメーはむかしっからそうやって憎まれ口ばーっか叩いて、少しは成長しやがれですぅ」
水銀燈「アンタにだけは言われたくないわよ!」
雛苺「キャー水銀燈が怒ったのー!」
蒼星石「はい克也くん、紅茶……熱いから気を付けてね」
克也「お、おう……サンキュ」
ぬ~べ~「……ま、仲良きことは美しきかな、ってとこか」
ぬ~べ~「なんだよいきなり」
真紅「抱っこしてちょうだい」
ぬ~べ~「だ、抱っこ!?なんでいきなり!」
真紅「何を照れているの。私はお人形よ?人間に抱かれるのはごく自然なことだわ」
ぬ~べ~「い、いやしかしだな……」
真紅「だめなの?」
ぬ~べ~「……わかったよ。こうか?」
真紅「そう。もっと優しく、包みこむように……ふふ」
真紅「いいえ鳴介、何もないわ。そう、あなたのおかげで何もない日常を手に入れることができたの。
薔薇の姉妹が揃いながら、争わず、戦わずにすむ日々がね」
ぬ~べ~「それはお前たち自身の努力のおかげさ」
真紅「あら謙遜?意外と慎ましいのね……最初は粗野でダメな男だと思っていたのに、
優しくて頼もしくて、いざとなったらなんでもやってのけるスーパーマン……本当に不思議な人」
ぬ~べ~「オイオイ、褒めすぎだぞ」
真紅「褒めすぎることなんてないわ。頼りにしてるのよ、ミーディアム」チュッ
ぬ~べ~「―――ッ!?」
タマモ「おやおや。鵺野先生にそのような趣味がおありとは……」
翠星石「おー!ヒューヒューですぅ!やっちまえですぅ真紅!」
美樹「キャー!教師と人形のただれた恋!秘密の授業は僕の膝の上でー!?」
広「ぬぬぬ、ぬ~べ~がききき、キスぅ!?」
雛苺「やっちまえなのー!」
まこと「ちゅーしたのだ!」
いずな「うわーロリコンだー!マジやばー!アハハハハ!」
金糸雀「うひゃああ見ちゃったかしら!キスしてるの見ちゃったかしら!」
蒼星石「真紅って意外と情熱的なんだね」
克也「……すげ」
水銀燈「あーぁ、ばっかじゃないの……ふん」
真紅「フフ、私はあなたの幸せなお人形。これからもよろしくね、ぬ~べ~」
ぬ~べ~「……あぁ、こちらこそよろしくな、真紅」
おしまい
何か気の利いたレスをしてやりたかったが、俺にはスクリプトのようにしかできなかったわ
いや、しえんがなかったらさるさんもっと喰らってたろうから感謝だわ
しかし疲れた
こんな長いSS初めて書いたけど、次はもうちょっと時間とか考えて立てることにしよう
ぬ~べ~×ローゼンなんて埃かぶったような古いネタのSSを読んでくれてどうもありがとう
また何か仕上げたらvipで投下するわ
次回作にも期待
おもしろかったよ
おつかれ
めっちゃ面白かったわ
Entry ⇒ 2012.08.18 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
P「かな子の腹肉に顔を埋めたい」
P「なんだよあのわがままボディは」
P「世間一般で言う自称ポッチャリにアイツの体を見せ付けてやりたいね」
P「太すぎるわけでなくあるべき場所についた肉」
P「それでいてあの癒し系の性格、個性的なやつしかいない家の事務所ではマジ天使に見える」
P「一度でいいから腹とか腿とか好きにしたいなあ」
P「いかん、かな子にドン引きされるとか考えただけで落ち込んできた」
P「嫌われてはいないと思うから上手い事はこべばせめて二の腕くらい揉ませてくれるかも」
P「何か良い方法ないだろうか」
P「一人で考えてもしょうがないな、誰か適当な相手に相談してみよう」
>>8
事務所に誰か入ってくる
凛「おはようございます」
P「ん、おはよう凛」
P「(凛か…凛なら真面目に相談にのってくれるとは思うけど)」
凛「…?」
P「(流石に腹肉掴みたいとは言えない、直接的な事は伏せて仲良くしたいとかそんな感じに言ってみるか)」
凛「プロデューサーどうかした?私の顔に何か付いてる?」
P「ああ実はかな子と仲良くなるにはどうすればいいのかなって思って」
凛「………………」
P「(アレ?何でそんな怖い顔するの?」
P「は、はい」
凛「間違ってる、仮にもプロデューサー何だから」
P「ふぇぇ…(何でこんなに怒ってるんだ)」
凛「アイドルに手を出すとか何考えてるの?」
P「ちょっと待ってくれ!別に手を出すとかそんなつもりじゃ」
凛「そうじゃなかったらわざわざ仲良くしようなんて普通言わない」
P「あーそれは…その…理由があって」
凛「理由って?」
P「(適当に誤魔化す程度じゃ許してくれなさそうだ)」
>>16
知っての通りあいつの腹はヤバイからさ
知っての通りあいつの腹はヤバイからさ」
凛「…………」
P「(誤魔化せたかな)」
凛「嘘」
P「!?」
凛「かな子さんのセールスポイントはあの体でしょ?」
P「そ、それは、ほら!今のままじゃ健康的にも良くないだろ!」
凛「標準体重だよね確か」
P「」
凛「…それに、その」
P「(意識してないつもりだったのに)」
凛「まあ凄いもんね、私なんかとは比べ物にならないし」
P「あーちょっと待て、そういうのは良くない。凛にも凛の魅力がちゃんとあるからな?」
凛「…ありがと」
P「(話の流れというか何でこんな事に、そろそろ切り上げないとまずそう)」
凛「ねえプロデューサー」
P「すまん凛、悪いけどこの話はここでおしまいに」
凛「かな子さんの事が好きなの?」
P「」
凛「…………」
P「(参ったな、何故凛がこんなに真剣なんだ)」
P「(こういう事にはそっけないと思ってたけど、意外と熱いんだな)」
P「(いや落ち着いてるからこそこういう事にたいして真面目なのかもしれない)」
P「解ったよ凛、本当の事を話す」ポン
凛「あっ…ビクッ」
P「さっきは嘘ついて悪かったな、それだけ俺も真剣だったんだ」
凛…いいよもう、それより早く言って…覚悟決めたから」
P「(顔もやけに赤いし本当に真面目なだな)」
P「うん、俺はかな子の」
凛「っ!ギュッ」
P「腹を揉みたかったんだ」
P「お腹と言わず二の腕とか太ももとかを揉みしだきたいんだ」
凛「」
P「それで協力してほしかったんだ……凛?」
凛「プロデューサー」
P「「お、おう(なんだこの威圧感)」
凛「かな子さんが好きなんじゃなかったの?」
P「え?あ、そりゃ勿論好きだけど、そういう好きとは違うってば」
凛「………」
P「ちょっとスキンシップみたいなノリでアイツのお肉に触れ…たら…」
凛「ふふっ」
P「女の子の体とか気持ちとかもっと考えろって」
P「いいじゃねーか触りたいと思ったってさー!」
P「…でも説教してた時は珍しく笑ってた気がするんだよな、それ言ったらもう一度ビンタされたんだけど」
どうしよう
>>38
P「…………何でだ?」
P「思いつく人選で一番駄目な気がするのに」
杏「だったら相談しなきゃいいじゃん」
P「うおっ!?」
杏「あーあ来た直後にこんな事言われて杏は悲しいよ」
杏「せっかくやる気いっぱいだったのにプロデューサーのせいでもう駄目だー帰る」
P「はじめからやる気無かっただろ」
杏「いいから帰らせろー!」
P「(…まあとりあえず言ってみよう)」
P「>>44」
杏「は?」
P「肉付きのいい娘ってそそらない?」
杏「大事な事だから二回言ったの?」
P「うん」
P「肉付きのいい娘って(ry」
杏「もういいから」
P「…………」
杏「…………」
杏「(頭の中)大丈夫?」
P「杏に心配された!」
P「俺はいたって正常だって、ただ腹肉を揉みしだきたいだけなんだ」
杏「杏が付き添ってあげるから今日は仕事やめて帰ろうよ」
P「悪いが今日の俺は肉を掴むまで帰れない」
杏「いや本当にどうしたのさ、今更夏の暑さにやられたの?」
P「それで相談があるんだ、実は─」
杏「>>51」
P「え?」
杏「じゃね」
W・C
バタン
P「…………」
P「これもう(かな子を落とすスレだったのかどうか)わかんねえな」
どうしよう>>56
P「さっきから話が全く進んでない気がする」
P「相談するよりこうなったら本人に直接頼み込んだ方が意外と上手くいくかもしれない」
P「次で決めよう」
>>63
楓さんに相談しに行く
かな子に直接会いに行く
P「今日はかな子オフだし会いに行くぞ!」
ガチャ ドドドドド
ガチャ
楓「ふふっ、そろそろ私の出番ですね」
楓「プロデューサーの悩みをこのステッキで素敵に解決して…」
楓「あら?」
ジャー バタン
杏「すっきりしたー」
楓「」
P「とは言うものの、いきなり家に行くのはやっぱりまずいか」
P「まずは電話でもかけて」
プルルルル
かな子「もしもし」
P「お、かな子か?」
かな子「プ、プロデューサーさんですかっ?今日はお仕事お休みじゃ(もしかして私に用…?)」
P「うん実はさ」
P「>>72」
かな子「はい、揉ませてええええええぇぇ?!」
P「揉みしだきたいんだ」
かな子「いや、あの、プププ、プロデューサーさん?」
P「駄目か?」
かな子「駄目って言うか意味わかんないですぅ!」
P「(直球すぎたか、もう少し解りやすく)」
P「>>80」
かな子「ふぇ?」
P「………」
かな子「………」
P「ありのまんまんのお前を揉みたいんだ!」
P「今から家に行くから待ってろよ!」
かな子「いや、ちょっとプロデューサーさ」
かな子「切れちゃった」
かな子「……………と、とにかく掃除しなくちゃ!」
ピンポーン
P「かーな子ちゃん!あーそびーましょ!」
ガチャ
かな子「あ…どうも、こんにちわプロデューサーさん」ペコリ
P「(スルーか)うん、こんにちわ」
かな子「えっと…とりあえず中にどうぞ」
P「お邪魔します」
P「いきなりで悪かったな」
かな子「いえ特に用事もありませんでしたし」
P「…………」
かな子「…………あっ、お茶入れてきますね」
P「お、おう」
P「(よし…ここからが大事だ、上手く話を運ぼう」
かな子「お待たせしました」
P「ありがとう」ズズズ
かな子「(…もっと早く知らせてくれたらちゃんとしたお菓子作れたんだけどなあ)」
P「うん美味い」
かな子「良かったです」ニコニコ
P「(やっぱ天使だわ…)」
かな子「あの…それでプロデューサーさん一体今日はどうしてわざわざ家にまで?(もみたいって一体)」
P「ん、ああそれはだな」
P「>>95」
P「かな子の腹肉に顔を埋めたい」
かな子「」
P「……………」
かな子「」
P「……………」
手元のティーカップのきしんだ音が聞こえた気がした
かな子「………………」
P「(かな子の顔を見れない、今どんな表情をしてるんだろう)」
P「(駄目だったか、時間かけてもしょうがないと直球で行ったのが間違いだった)」
P「(いやそれともそれ以前の話か、凛も言ってたよな女の子気持ち考えろって)」
P「(誤ろう、今更許してもらえはしないだろうけど」
P「かな子、その」
かな子「─ですよ」
P「え?」
かな子「いいですよ、プロデューサーさんになら」
かな子「…こんな風に言われたのには驚きましたけど」
かな子「プロデューサーさん前からそういう目で私見てましたし…予想してたから」
P「(俺は普段本当にどんな目でアイドルを見てたんだろう)」
P「その、ごめん」
かな子「でも、嫌じゃありませんでした」
P「え?」
かな子「だって自分の体に自信が持てたのはプロデューサーさんのおかげですから」
かな子「私をスカウトしてくれた時の事は今でも忘れません」」
かな子「何のとりえもなく、体だってこんなだったのに」
「ア、アイドル!?冗談ですよね!」
「私こんなおでぶさんですし…とりえも何も…」
『何のとりえもない?何てことを!何てことを!その体こそが魅力なんだよ!』
「え、えええ///そんな事じゃ騙されないですよ!…あ、え?そのクレープもう一度食べてくれ?」
「モグクモグうんおいしいーって、だから…え?」
『そして何よりクレープを食べていた君の笑顔、そういう所が何より素敵で輝いてるっ!』
かな子「うふふ今思い出すと何だか笑っちゃいますね」
P「(好みド真ん中でテンション上がってたとはいえ俺んな事言ってたのかよ)」
かな子「ずっとコンプレックスだったけど、あれだけの事で気にならなくなったんですから」
かな子「今こうしてステージの上で踊れるようになったのもプロデューサーさんがいたからです」
かな子「えへへ///」
P「(天使すぎるじゃねえな、天使そのものだ)」
P「(それを俺は…自分の欲望のためだけに…)」
P「ごめん」
かな子「え?」
P「とにかくごめん、謝らないときがすまない」
かな子「はあ………それで、えっと、お腹さわりますか?」
P「ピクッ」
かな子「そのために来てくれたんですよね」
P「すまん、もう俺はそんな気にはなれな」
かな子「プロデューサーさんが触りたいなら…その…恥ずかしいですけど」
かな子「私も嬉しいから…さ、さわって欲しいかなって」
P「ブチン」
かな子「きゃあっ」
モミモミモミモミモミモミモミモミ
P「ああああ!!!!マーベラスッ!!!すげええええ!!」
かな子「ちょ、は、激しいですよプロデューサーさん!」
モフモフモフモフモフ
P「クンクンスンスン匂い甘いし肉は柔らかでああもおおおおお!!!!!」
かな子「嗅がないでくださいぃ…///」
モミィィィ
P「(やべえ止まれねえ!!!)ギュウウウ」
かな子「あっ…い、痛い、ですプロデューサーさん」
P「っ!?あっ、ごめん…つい夢中になって」
かな子「うう…駄目です、謝ったって許しません」
P「その、えっと」
かな子「…でも、もっと優しくしてくれたら許してあげます♪」
P「」
ガチャ
P「皆おはよう」
凛「おはようございますプロデューサー」
杏「帰っていいですか」
楓「お疲れ様ですプロデューサー」
かな子「おはようございます○○さん」
P「うん、おはようかな子」腹肉ムニィ
かな子「ふわぁ♪」
凛、楓『!?』
杏「(堂々とセクハラ…だと…撮っておけばゆすれるかな)」
P「ん?朝の挨拶だけど」モミモミ
かな子「んー♪」
凛「どう見てもセクハラですよ!」
P「なんだ大声出して凛らしくない、かな子にはちゃんと了承とってるよ」ナデナデ
杏「(ッチ…同意の上か)」
かな子「プロデューサーさんは甘えん坊ですからねー」
P「ああ、かな子のお肉…いや、かな子がいないと俺は駄目だからな!」
キャッキャウフフ
凛「私…体重増やそうかな」
楓「私も、ううっ!いやだめだわ!今の歳でそんな事をしたら…っ!」
杏「(しかし杏もかな子の肉つまみたくなってきたな、肉付きのいい子って良いね)」
P「ああ…幸せだ…モミモミ」
かな子「えへへ私だって負けないくらい幸せです♪大好きですよプロデューサーさん!」
おしまい
かな子は最高に可愛いね!腹もいいけど特に二の腕とか!
それと情事のシーンとか書けないので
良かったら誰か代わりにオナシャス
良いかな子だった
Entry ⇒ 2012.08.18 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
穏乃「なに……?ここどこ……?」憧「ホテルだよ……///」
穏乃「………」ボー
穏乃「昨夜はお楽しみだったんだっ……!!」
憧「忘れちゃダメそれ!」
憧「ホントに忘れちゃったの?しずが誘ったんじゃない///」
穏乃「えっ!?私が……?」
憧「そうでーす」
穏乃「え……ええぇぇぇぇぇええっ!?」
穏乃「まったくもって!」
憧「じゃあ昨夜のことも覚えてないんだ……」
穏乃「うん……」
憧「思い出させてあげよっか?」ペロ
憧「ちぇー、昨夜の穏乃は私のことあんなに求めてくれたのに……そんな態度取っちゃうんだぁ~酷いなぁ~」
穏乃(昨夜の私は一体何やらかしたんだよ……)
憧「私、初めてだったのに……傷ついた……すっごく傷ついた!」
憧「ふふ、許して欲しいの……?」
穏乃「うん……記憶がないとはいえ憧を傷つけちゃったのなら」
憧(ホントにいい子だね、しずは……)
憧「何してもらおうかなぁ~」
穏乃「そうじゃなかったら無茶な飲み方はしないと思うけど……うん、今日は仕事じゃないよ」
憧「奇遇だね、私もだ……」
憧「よし、決めた!しず、今日一日私とデートしよっ?」
穏乃「え……デート……?」
穏乃「今から……?」
憧「……私とじゃ嫌?」
穏乃「いや、全然。むしろお願いしたいくらい」
憧「ふふ、なら決まりだ」
穏乃「へ、変かな……?」
憧「ううん、変じゃないよ」
穏乃「憧はその……綺麗になったね」
憧「そ、そうかな?これくらいフツーだよ///」
穏乃「おまかせあれ!」
憧「……って、何でいきなり山に連れていくかなぁ?」
穏乃「えっ?えへへへ……」
憧「えへへ、じゃなーい!」ペシッ
穏乃「あいたっ……」
穏乃「憧……?」
憧「仕方ないなぁ……今日は私がエスコートするから。山とか論外だから」
穏乃「ごめん……」
憧「別に謝らなくたっていいから!ほら、行くよ?」
穏乃「うんっ!」
穏乃「ん~」
憧「あ、そうだ!学校行ってみない?」
穏乃「いいかも!」
穏乃「お~久し振りの学舎!」
憧「麻雀部、まだあるかな?」
穏乃「いや、ギバ子たちの代で廃部って聞いてるけど……」
憧「そっか……」
穏乃「でも誰かいるかもよ?」
憧「はは、変わっちゃったね……ここも」
憧「春絵がプロ行って、宥姉が卒業して、玄たちが卒業して、私たちが卒業して、ギバ子たちが卒業して……ホントここも変わっちゃった」
憧「いつまでもそのままじゃいられないのは分かってるつもりなんだけどさ……やっぱり寂しいよ」
穏乃「憧……」
憧「春絵が麻雀教室やってた時みたいにさ」
穏乃「うん……」
憧「はは、なんだか湿っぽくなっちゃったね……他の所行こっか?」
穏乃「そうだね……」
穏乃「そっか、憧は知らないんだ……」
憧「え……?何が……?」
穏乃「松実館、この不況の煽りで潰れちゃったんだ……」
憧「じゃあ玄と宥姉は……」
穏乃「2年くらい前かな……二人で上京してるよ。憧、知らなかったの?」
憧「うん……私は私で忙しくてちょっと、ね……」
憧「私?私も上京してるよ」
穏乃「えっ!?嘘、そんなの聞いてないよ」
憧「そりゃそうでしょ。誰にも言ってないもん」
穏乃「まさか憧まで東京に行ってたとはね……」
憧「しず……ごめんね。何も言わずに行っちゃって」
穏乃「ううん、憧が謝ることじゃないよ」
穏乃「ねぇ、憧……昨夜の私は憧とどんな話をしたのかな?」
憧「……聞きたい?」
憧「……と言っても、大して話してないんだよね」
憧「久し振りにこっち帰ってきてさ、偶然しずを見かけたから声かけたの。そしたら、しずが泣きながら抱きついてきちゃって……」
穏乃「え?私そんなことしたの?」
憧「落ち着いて話したいから居酒屋に連れてったら、しずがわんわん泣きながらハイペースで飲むものだから10分もしない内に潰れちゃって……」
穏乃「………」
憧「結局、放っておく訳にもいかないからホテルに連れてったの。私はしずと話したかったのに……」
穏乃「えっと……その……ごめんなさい」
憧「『昨夜はお楽しみだったんだだ』ってやつ?しず、夢でも見てたんじゃないの?」
穏乃「なぁんだ残念……じゃないよ!私が求めたーとか、傷つけられたーとかあれ全部嘘だったの!?」
憧「いやぁ……えへへ」
穏乃「えへへ、じゃなーい!」
穏乃「朝から何も食べてないもんねぇ~」クー
憧「しずは昨日の夜からだけどね。何か食べたいのある?」
穏乃「ラーメン食べたい!ラーメン!!」
憧「ふふ、ホント相変わらずだね……」
憧「デートで油っこいのを選ぶのはダメだと思うんだよね」チュルチュル
穏乃「えー?そうかなぁ~?」ズルズル
憧「そらそうよ。牛丼とか言い出してたら張っ倒してたわ」ズズズ
穏乃「美味しければ何でもいいと思うけど……」ズルズル
憧「……まぁ何でもいいけどねぇ」
穏乃「おかわり!」
憧「中々美味しかったね。しずの行きつけ?」
穏乃「そだよ~毎日通ってるんだぁ」
憧「毎日ラーメンって……バランス悪いなぁ。栄養偏るよ?」
穏乃「えへへ、憧が毎日ご飯作ってくれたら治るかもね」
憧「なぁに?それ口説き文句?」
穏乃「続けてるよ~私が麻雀続けてる限り何時か何処かでまた皆に巡り逢える、これ中学の時からの持論なんだぁ」
憧「しず……」
穏乃「憧は?続けてないの?」
憧「私は……あんまりかな……?ここ数年牌に触ってないや」
穏乃「え~憧、あんなに上手かったのに……勿体ないよ!」
憧「ホントにそう思う……?」
穏乃「うんっ!だって、私たちの中で一番上手かったのって憧じゃん」
憧「そこでちょっと騙されたっていうか……辛いことがたくさんあってね」
憧「今はなんとかやり直せてるんだけど、それでもあまりいい方向に転ばなくて……」
憧「実はここに戻ってきたのも少し疲れちゃったからなんだ……」
憧「ここに来れば昔に……楽しかったあの頃に戻れるなんて本気で信じてたんだと思う」
憧「だけど、やっぱりここも変わってた……全然私の知らない場所になってた。私の居場所なんか無くなってた……」
憧「でも……でもね、変わらないものもあった。しずだけは変わらないでいてくれた……」
憧「しずと久し振りに会って、驚いちゃったよ。だってしず、あの頃からちっとも変わってないんだもん」
穏乃「憧……」
穏乃「………」
憧「私、また麻雀始めようと思うんだ。麻雀を続けてる限り何時か何処かでまた皆に巡り逢える、か……いい言葉だね」
憧「ばいばい……しず……また逢えるといいね」
穏乃「私、待ってるから……憧のことずっと待ってるから!」
憧「しず……」
穏乃「自分の居場所がない!?なら私が居場所になってやるっ!あの教室で麻雀続けながらずっと待ってるから!」
憧「……っ!」
憧「んん……!?」
穏乃「今の私の初めてだから……だから、責任取りに戻ってきてよね?」
憧「しず……も~相変わらず強引なんだから……でも、アリガト」
穏乃「えへへ」
穏乃(あれから憧とはちょくちょく連絡を取り合ってる……憧は向こうでの問題を清算し終えたらこっちに戻ってくるそうだ)
穏乃「あの後、私は仕事を減らし、赤土さんがやってたみたいに麻雀教室を始めたんだけど……」
穏乃「しっかし……ここも人数増えちゃったなぁ~私一人じゃ手が足んないや。誰か手伝ってくれる人がいればいいけど……」
憧「まず一人!ここにいる!」
穏乃「憧!?」
憧「しず……ただいま!」
槓!
すばらっ!
Entry ⇒ 2012.08.18 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
P「アイドルとスキンシップをとりすぎた!」
レコーディング終了後
千早「プロデューサー」
P「千早、今日はよかったみたいだな。スタッフの人達もみんな褒めてたぞ」ナデナデ
千早「んあ…/// って…! い、いきなりなにを!」
P「よーしよしよし」ワシワシ
千早「…するんですか……///」
P「ん。頑張ってる千早を見てたら無償に褒めてやりたくなってな」ナデナデ
千早「わ、わけがわかりません!///」
P「嫌だったか? …確かに女の子の髪の毛に触れるのは失礼だったな。ごめん」パッ
千早「あ……」シュン
P「?」
千早「な、なんでもありません」
千早「……」
千早(も、もう少し続けて欲しかった…なんて言えないわよね…)
あずさ「ごめんなさいプロデューサーさん…。迎えに来てもらっちゃって…。お仕事の邪魔だったでしょう?」
P「そんなことないですよ。あずささんは765プロのアイドルなんですから、迎えに行くのも俺の仕事です。それに…」
あずさ「それに?」
P「美人を助手席に乗せてドライブなんて中々できませんし」ハハハ
P「? なにがです?」
あずさ「あらあら…」
P「そうだ、あずささん。お昼はもう食べましたか?」
あずさ「え? まだですけど…」
P「でしたら、これからどうです? この辺に昼にちょうどいい店があるんですよ」
あずさ「でも…」
P「仕事の途中で呼び出されたんです。あずささんには罰として俺の昼飯に付き合ってもらいますよ」ニヤッ
あずさ「」
P「…あずささん?」
あずさ「い、いいえ〜。喜んでお付き合いしますよ」
P「本当ですか? やった!」
あずさ(プロデューサーさんったら積極的なんですから…///)
亜美「兄ちゃ〜ん!!」
真美「ボディプレスをくらえー!」
P「んほぉ! お、お前ら…寝てる人に飛び乗るやつがいるかよ…」
真美「仕事中に寝るなんて飛び乗ってくださいと言ってるようなものだZE!」
亜美「双海式整体術をくらえー!」コチョコチョ
P「あはははっ! やば、これはマジでやばいって!」
亜美真「URYYYYYYY!!!!」コチョコチョコチョコチョコチョコチョ
P「ははははは!!」
P「はははははむグッ…!?」
P「………」
P「幸せ」モガモガ
真美「ひゃん!?///」
真美「な、なんか変な感じするからやめてよ兄ちゃん…///」
P「」
PのP「ムクリ」
亜美「?」ツンツン
P「あんっ……///」
P(これ以上は犯罪か…。 かくなる上は強行突破だ!)
P「うおおお!!! 大・雪・山! おろしぃ!!!」ドワ-
真美「あ…、あ→脱出されちゃった…」
亜美「つまんないの→」
P「まったくお前らは…仮にもアイドルなんだから、変にはしゃぎすぎないでくれよ…?」
P「それに、あれだ…。年頃の女の子なんだから…その…///」
真美「え……? …あ、あぅ///」
亜美「?」
真美(こ、子供扱いじゃない…だと…///)
真「で、そのとき掘った雪歩の穴が何時の間にか観光名所になっててさ~」
春香「あはは、それ本当~?」
真「本当だよ! なんでも後ろ向きのままコインを投げ入れる事ができたら恋が叶うとか…」
春香「なんだか雪歩ちゃんが神格化されてそうでちょっと心pうわあ!?」ステ-ン
真「ああっ、春香! 階段で転ぶのは冗談じゃなく危ない!」
春香(走馬灯が見える…ああ…さようなら私のアイドルじんせ…)スロ-モ-ション
春香「い?」
P「だ、大丈夫か春香!」
真「おーっとォ! 颯爽と現れたプロデューサーが落ちて来た春香を見事にキャッチしたァー!」
真「自然と見つめ合う二人ィー!」
真「これは非常に羨ましいィー!」
P「春香、お前に怪我なんてされたら俺は…俺は…」ギュウウウ
春香「ぷ、プロデューサー…/// はうぅ…」プシ-
P「は、春香?」
P「…気絶してる」
P「……真」
真「あ、はい」
P「春香運ぶの手伝ってくれ」
真「あ、いいですよ」
P「あー…。今日も疲れたなぁ」
律子「ですねー。今日は残ってる仕事もありませんし、早く帰っちゃいましょう」
小鳥「あ、それならこれからみんなでご飯食べに行きましょうよ!」
P「いいですね。最近は忙しくてなかなかいけませんでしたし」
律子「悪酔いしないでくださいよ?」
小鳥「善処しまーす」
P「ははは。とりあえず戸締り確認しましょうか」
P「む、読みかけの雑誌がある…。誰だ片付けなかったのは…」
P「 『キモイ! スキンシップ系男子の典型5パターン』…」
『馴れ馴れしいしいのが凄く鬱陶しい』
『純粋にキモイ』
P「んん!?」
(P「頑張ってる千早を見てたら無償に褒めてやりたくなってな」ナデナデ)
P「むう…。まぁ女子向けの雑誌の内容なんて適当な事ばかり書いてるんだろうな…」
『その2、なにかにつけてデートとかこつけてくる』
『変に言いふらされて周りに勘違いされそうで嫌だ』
『必死すぎてキモイ』
(P「もう少し付き合ってくださいよ。でないと(ry」)
P「…な、なあに。気にすることないさ」
『ロリコンじみてて気味が悪い』
『犯罪キモイ』
(P「年頃の女の子なんだから…その…///」)
P「んあー!?」ズガ-ン
『その4、どさくさに紛れて抱きついてくる』
『さりげなさすぎて拒否するタイミングを失う』
『卑怯キモイ』
(P「春香、お前に怪我なんてされたら俺は…俺は…」ギュウウウ)
P「ふべらっ!」ズゴ-ン
小鳥「……なにしてるんです?」
P「こ、小鳥さあぁあああん!!」スガリツキ
小鳥「ピヨッ!? 一体どうしちゃったんですかプロデューサーさん///」
P「小鳥さん、俺は…俺はもうダメです…」
小鳥「だ、大丈夫ですよぉ! よくわかりませんがプロデューサーさんはダメなんかじゃないです!」
P「小鳥さん……」
P「小鳥さん…ありがとう…あなたはまるで女神だ…」
小鳥「い、いやあ/// なんだか照れちゃいます///」
パサッ
小鳥「あら? 雑誌? どれどれ……」
『正直すごい迷惑』
『女々しいキモイ』
P「アバダケダブラッ!」ズゴンビ-ン
小鳥「きゃああああ!?」
P「コヒュ-…コヒュ-…」
小鳥「ぷ、プロデューサー…さん…?」
律子「今の悲鳴は!? どうかしたんですか!」ガタッ
律子「ってうわ。プロデューサー殿、虫の息じゃないですか。血涙なんて流して気持ち悪いなぁ…」
『気持ち悪いなぁ…気持ち悪いなぁ…気持ち悪いなぁ…』(エコー)
P「」
春香『インベルより気持ち悪いです。プロデューサー』
千早『不快です』
真『うわあ、プロデューサーって気持ち悪いんですね』
美希『ミキ…どうかしてたのかな…こんなキモいのと…』
貴音『わたくし、里帰りをさせていただきます…ぷろでゅーさーが気持ち悪いゆえ……』
やよい『うっうー! 近寄らないでください!』
あずさ『あらあら〜気持ち悪〜い』
真美『私思春期だけどキモいプロデューサーって…』
亜美『私思春期じゃないけどキモいプロデューサーって…』
伊織『ごめんなさい。冗談じゃなく気持ち悪いです』
響『自分、完璧だから…』
雪歩『穴に埋まって空でも見てな』
全員『マジ気持ち悪い』
小鳥「発狂した!?」
律子「お、落ち着いてくださいプロデューサー! 作品が違います! 」
P「マジンガーが相手だあああああああああ!!!!」
「「落ち着いてええええええ!!!」」
P「…………」
律子「プロデューサー。なにがあったかは分かりませんが、元気だしてくださいね」
律子「この前の事なら私も小鳥さんも気にしてないですし…」
P「あぁ…ありがとうな。律子。俺ならもう大丈夫だから」
律子「つらいことがあったなら、なんでも相談にのりますから。…それじゃあ私はちょっと出かけますので」
P「おう。頑張ってな」
P「…………」
P(俺は知らないうちにみんなのストレスになっていたようだ…)
P(プロデューサーともあろうものが情けない……!)
P「よし!俺はみんなとの距離感を見直すぞ!」
高木「 急にどうしたのだね君ぃ…」
P「社長! 俺はやってみせますよ!」
高木「あ、ああ…。存分に頑張ってくれたまえ…」
・・・・
・・・
・・
・
P「あなた追って出雲崎ぃ~ 悲しみぃのぉ日本海ぃ~」
千早「愛を見失い岸壁のうえ~」
P「千早は演歌も上手いなあ!」
千早「ど、どうも…」
千早「ところでプロデューサー…あの…」
P「ん? どうした? なんでも言ってくれ」
千早「今日レコーディングがあったんですけど…」
P「…まさか、うまくいかなかった、とか?」
千早「逆です! 今日も調子が良くて一発OKをもらったので早く終わったんです。それで…あの…」
千早「ホ、ホメテホシイカナ-ッテ///」ボソボソ
千早「!」
雑誌「ナデナデはあかんやろ」
P(そうだった! ナデナデはあかんかった!)ピタッ
千早「?」ソワソワ
P「う、うん! 俺は嬉しいぞ千早! 次からもその調子で頼むぞ!」
P「それじゃあな!」
千早「え? あ、あの…」
千早「行ってしまったわね…」
千早「頑張ったのに……」ションボリ
P「お。なんか機嫌良さそうだな」
伊織「そんなことないわよ~」
P「ははは、笑ってるのが隠しきれてないぞ。そんなにうまくいったのか、ライブ」
伊織「ふふ、そうね。私は今機嫌が良いから、ちょっと変態的な褒め方しても許してあげるわ」
雑誌「調子に乗ったらあかんで」
P(御意)
P「まさか。そんなことしたら伊織が嫌がるだろ?」
伊織「え?」
伊織「いや、私は…」
P「あ、オレンジジュースにしておくべきだったか。そうだな、今から買ってくるよ!」
伊織「ちょっと待っt」
P「プリン食ってていいからな! それじゃ!」
伊織「…………」
伊織「なによ…なによぉ…」
伊織「あ、プリン美味しい…」
P「む! 美希か…」
雑誌「気を使ってるだけやで…」
P(そ、それは結構キツい事実だ…。しかし美希! 優しいお前も好きだが俺はありのままのお前が…!)
美希「ハニー!」
P「はい雪歩にどーん!」
雪歩「きゃあ!?」
美希「ハニー!?」
P(思えば、男性恐怖症の雪歩にも相当な無理をさせて来たんだよな…すまぬ…すまぬ…)
P「美希! お前はもう俺にひっつくなよ」
P「そして雪歩! お前ももうお茶汲みはしなくていいからな」
美希「えっ…」
雪歩「そ、そんな…」
美希「は、ハニー? ミキのなにが悪かったの? ねぇハニー?」オロオロ
雪歩「わ、私がいけないんですうぅ…。プロデューサーに迷惑ばかりかけるから…」ズ-ン…
P(なんか想定してたリアクションと違ったけど、まあ良いか)
P「じゃあ俺は営業に行って来るから!」
P「じゃあな!バイビー!」
美希「は、はにぃ……」
雪歩「プロデューサー…? 私の事、嫌いになっちゃったんですか……?」
P(やよいか…。可愛いからと言って構い過ぎたかもしれん…)
P(これからは一定の距離を守って接しないとな…。やよいのためだ)
P「おう。どうしたやよい? なんでも言ってくれ」ス-ッ…
やよい「プロデューサー?」テクテク
P「ん? 聞こえてるぞ?」ス-ッ…
やよい「なんで後ずさるんですかぁ?」
P「ハッハッハ、やよいはかわいいなあ。俺はそんな事しないよ」
P「もちのロンさ!」
やよい「うっうー! プロデューサーさーん!」テテテテ
P「オライッ!オライッ!」ス-ッ……
やよい「うっうー!」テテテテ
P「オライッ!オライッ!」ス-ッ……
やよい「う、うっ、うぅ…」グスッ
P「えっ」
やよい「う、うぅぅ…グスッグスッ……」トボトボ
P「えっ」
P「あれ?」
P「……あれ?」
P「ちょっと話が…」
真美「………行こっか、亜美」
亜美「え? でも兄ちゃんが」
真美「行こ?」
亜美「あ…う、うん…」
亜美「じゃね…兄ちゃん」
P「」
P「フン…俺自ら距離を計り直すまでもないということか…」
P「……ぐふっ」
響「プロデューサー!」
P「おう、お疲れ響」
P「今日も良かったぞ。さすがは響だ」
響「え? そ、そう?」
P「ああ、感心した」
響「そ、そうか? じゃあ、あの、プロデューサー…」
P「うん? どうした?」
響「今日のお昼はプロデューサーの奢りさー!」
P「おお。良いぞ、任せてくれ」
響「本当!? やったー!!」
P「ははは、どんだけ嬉しいんだよ」
響「こんくらい!」
P「元気だなぁ」
P「じゃあ、これで皆と好きなもの食って来い」ピラッ
響「え?」
P「営業に回る事になっててな。すまん」
P「それじゃ!」
響「プロデューサー…自分とご飯は嫌なのか…?」
響「……」グス
P「………」
貴音「…ズズズッ」
P「………」
P(食事というのは士気に大きく関わるっていうよな…)
P(…健康のためにラーメンは控えるようによく言っていたが)
貴音「……ズッズッ」
P(好きな物を好きなように食べるのが一番健康にいいのかもしれない…)
貴音(あの方からのお叱りがありませんね…)
貴音「!」
貴音(もしや、わたくしは既に見限られてしまったのでは……!)ガ-ン
貴音「…………ズズ-ッ」
貴音(何ということでしょう……)
貴音「ズズズズ………」
・・・・
・・・
・・
・
P(一週間が過ぎた)
P(アイドル達とのスキンシップを減らす作戦も順調)
P(だが、なにかがおかしい…)
P(なんでアイドル達の調子が下がってばかりなんだ…)
P「どういう事だ! 教えてくれ雑誌さん!」ペラペラ
雑誌「気合が足りてへんのや……」
P「なるほど…」
P「作戦は継続か…」
信用したら負け
この手の雑誌に踊らされる方が嫌われるとあれほど・・・
千早「プロデューサー!」
P「お疲れ。PVの撮影、どうだった?」
千早「はい。今回も滞りなく進みました」
P「そっか、じゃあ次もその調子で頼む」
千早「……」
P「それじゃあな」
千早「!」バッ!
P「!?」
P「ち、千早? 道を塞がないで欲しいんだが…」
千早「…………」
千早「………」ジリッ…
P「今だ!」
P「クロックアップ!」ススッ!!
千早「!!」バババッ!!!
P「ラディカルグッドスピード!!」スススッ!!!
千早「!!!」ババババッ!!!!
P「こっちにはオーバースキルだってあるんだー!」ススススッ!!!!
千早「!!!!」ババババッ!!!!!
千早「ハァ…ハァ…」
P「ど、どうしてそこまでして俺の邪魔を…」
千早「そ、それは…プロデューサーが……」
P「…?」
千早「プロデューサーが…褒めてくれないから…」
P「別にそんなことは…」
千早「じゃあどうしてナデナデしてくれないんですか!」
P「え?」
千早「あ」
千早「…///」
P「ち、千早……」
P(雑誌さん…?)
雑誌「」
P(雑誌さん!? 応答してください!)
千早「…///」チラッ
P「」
千早「……///」ソワソワ
P「」
P「こ、こうすれば良いのかな?」ナデナデ
千早「!!!!!!」ビクゥ
P「うわっ!?」
千早「つ、続けてください…」
P「お、おう…」
P「……」ナデナデ
千早「……♪」
P「あの、千早?」ナデナデ
千早「~♪ なんです?」
P「そろそろ、良いんじゃないかな…?」
千早「 ……もう少し、お願いします」
P「は、はい…」
千早「~♪」ギュ
P(一体なにが……) ナデナデ
P「はい?」
あずさ「プロデューサーさん?」
P「はい。俺ですよ」
あずさ「あの…実は迷子になってしまって…」
P「本当ですか? えーと、じゃあ律子を向かわせるので」
あずさ「あ、あの!」
P「はい?」
あずさ「できればプロデューサーさんに迎えに来て欲しいです……」
P「え? それまたどうして…」
あずさ「と、とにかく来て下さいっ!」
プツッ
P(な、なんだ…?)
・・
・
P「あずささん。迎えに来ましたよ」
あずさ「ありがとうございます。プロデューサーさん」
P「いえいえこれくらいは…」
あずさ「あの…プロデューサーさん?」
P「はい」
あずさ「私、プロデューサーさんのお仕事を邪魔しましたよね」
P「ええっ? いやぁ、そんな事無いですよ」
あずさ「邪魔しましたよね?」ズイッ
P「は、はい。邪魔されました」
あずさ「……それじゃあ、私にはお仕置きが必要ですね?」
P「………ゴクリ」
あずさ「ねぇプロデューサーさん……」
P「はい!!!」
あずさ「お昼ご飯、食べに行きましょう?」
P「……はい?」
あずさ「プロデューサーさん言ってたじゃないですか、お仕事の邪魔をしたらお昼に付き合ってもらうって」
P(言ったような…言ってないような…)
あずさ「最近プロデューサーさんとお話し出来なくて寂しいから…私、わざと迷子になっちゃいました…///」
P「おおう…」
P(……おおう)
P「ん? 俺?」
伊織「そうよ鈍臭いわね!」
P「いきなり酷い…」
P「で、どうした?」
伊織「今日もライブが大成功だったわ!」
伊織「だ、だから…その…」
P「?」
伊織「わ、私を褒めなさい!!」
P「おう!任せろ!」
伊織「えっ?」パァァ…
伊織「…………」
P「…伊織?」
P「今回はオレンジジュースもちゃんとあるぞー…」
伊織「なによ…なによぉ…」グス
P「い、伊織!? なぜ泣く!」
伊織「知らないわよばかぁ…」
伊織「ううぅぅぅぅ……」
P「い、伊織、泣かないで…」オロオロ
伊織「ない、てなんか…ないっ…」グスグスッ
伊織「きゃ!!?」
伊織「ちょ、ちょっと!?」
P「よくやったな伊織ー! 俺は嬉しいぞー!」グルグル
伊織「わっ! や、やめてよ恥ずかしい!」
P「うーれーしーいーぞー!」ギュ-
伊織「な、なによ…」
伊織「なによぉ…/// この変態…///」
P(めちゃくちゃ笑顔じゃないですか)
P「雪歩…? お茶汲みはもう…」
雪歩「い、いいんです!」
雪歩「私がやりたいからやっているんです…」
雪歩(プロデューサーに嫌われたとしても…せめて…)
P「……」
P(雪歩のやつ…自ら男性恐怖症を乗り越えようと…)
P「雪歩……」
雪歩「は、はい…」
P「俺は嬉しいぞっ!」
雪歩「えっ」
P「お前の気持ち、よーくわかった!」
雪歩「えっ」
P「この前のことはすまなかった…」
P「今後もああいう事をしてしまうかもしれない…」
P「それでも、俺と一緒にやっていってくれるか?」
雪歩「は、はいぃっ!」
P「雪歩!」
雪歩「プロデューサー!」
P「雪歩ぉ!」ギュ
雪歩「きゅう…///」
雪歩(お父さん、お母さん…。私は幸せです…)
P「抱きつかれても我慢できるようになったのか…」
美希「ハニー!」
美希「ハニーハニーハニーハニー!」
美希「ハニィィィ!!!」ガ-!!
P「な、なんだ美希! 急に抱きつくな!」
亜美「あ→! ズルい!」
亜美「亜美も抱きつくもんね!」ダキッ
P「増えるなー! 収拾がつかない!」
P「こうなったら必殺の…」
P「大雪山おろs」
真美「ど→ん!」ダキッ
P「真美!?」
真美「阻止!阻止阻止!」
真美(そして自然にハグ!)
P「律子ー! 助けて!」
P「律っちゃん?」
律子「……」ギュ
P「なんで!?」
律子「た、たまには子どもの遊びに付き合ってあげるのが大人の対応ですっ!」
美希「遊びじゃないよ! ミキは本気なの!」
P「どうしたんだお前等!? 放してくれ!」
亜美「やーだねー! なんか兄ちゃん最近冷たいもん!」
P「それは真美が避けるかr」
真美「……うるさ→い!///」ギュゥゥゥ
P「んあー!」
P「春香? 俺の顔になにか…」
春香「…///」プイ
P「………」
P(この前のことまだ怒ってるのかな…)
P(まぁそりゃあそうか…)
P(思わずとはいえ春香の転倒にかこつけて抱きついたような物だし…)
P「なぁ春香」
春香「は、はい」
P「もしかして、怒ってる…?」
春香「い、いいえそんな…」
春香「・・・!」
P「?」
P「その…どうすれば許してくれるかな」
春香「じゃあ…一つだけお願いがあるんですけど…」
P「なんでも言ってくれ」
春香「わ、私を…」
春香「私を抱きしめてください!」
P「えっ」
春香「早くしてくれないともう口聞いてあげませんよ!」
P「えっと…じゃあ遠慮なく」ギュ…
春香「ああ……」
春香(なんだろう…プロデューサーさんに抱きつかれると…)
春香(なんだか……)
P「春香・・・?」
春香「・・・zzz」
P「寝てる・・・。まったく可愛いやつだなぁ・・・」ナデナデ
やよい「……」
貴音「やよい…もしやあなたも、ですか?」
やよい「貴音さんも?」
貴音「はい…実はわたくしも…あの方に見限られてしまったのです……」
やよい「うー…なにか怒らせることしちゃったのかも…」
貴音「そうかも知れません…わたくしも…あの方のお話をきちんと聞いていれば…」
やよい「…ごめんなさいしにいきましょう」
貴音「…!」
やよい「きっとごめんなさいすればプロデューサーなら許してくれます!」
貴音「…そうですね。謝りましょう…心から」
やよい「プロデューサー!」
貴音「あなた様!」
「「非常に申し訳ありませんでした!! 」」ガッ-
P「おいおい…二人してなにを」
やよい「だ、だってプロデューサーが避けるから…怒られてるのかなって…」
P「あれは…」
P「あれはむしろ俺がやよいに嫌われてるんじゃないかと思って…」
やよい「プロデューサーのこと嫌いになったりしません!」
P「やよい…」
やよい「だからもっと…仲良くして欲しい…です」
P「・・・・・・ああ、もちろんだよ」
P(やよいはかわいいなあ)
P「……貴音も顔を上げて」
貴音「わ、わたくしは…」
貴音「あなた様の忠告にも耳を貸さず己の好き勝手な振る舞いを……」
貴音「あなた様に見限られて当然です…」
貴音「恥をしのんでお願いがあります……」
貴音「どうか、どうかわたくしをもう一度……」
P「貴音」
貴音「・・・はい」
P「貴音…俺はもう怒ってない…。その言葉だけで俺は嬉しいよ…」
貴音「あ、あなた様ぁ…」
P(正直なんのことか分からないしな)
貴音「わたくしは…わたくしはぁ…」
P「おおよしよし…。良い子良い子」
P(…どうしたんだろう?)
響「プロデューサー!」
P「おお、びっくりした」
P「どうした響」
響「どうした、じゃないさー! また不健康な物を食べようとして!」
P「んー、でもなぁ。俺は料理とか出来ないし」
響「じゃあ自分が作ってあげるから! それは棚に戻して!」
P「えー…。なんか悪いよ…」
響「お金ならこの前もらった奴があるから心配ないよ」
P「ん? なんで使ってないんだ?」
響「…自分はプロデューサーとご飯が食べたかったのに…勝手に勘違いするから…」
響「だからあの日は結局、家で適当に食べたんさー」
響「ちゃんと二人で食べる時に使おうと思ってとって置いてたんだぞ」
P「そっか…」
P「じゃあ、お願いしようかな」
P「材料はスーパーで買える?」
響「うん! 一緒に行こう! 事務所で作ってみんなにも食べてもらうさー!」
P「それは良いな」
響「でしょー!」
・・・・
・・・
・・
・
P「・・・結局、いつも通りの感じで良かったみたいだ」
P「雑誌さんの言っていたことは間違いだったわけだけど…」
雑誌「」
P「俺は雑誌さんを責めたりはしない」
P「プロデューサーとアイドルが仲良くし過ぎるのは良くない。それを思い出させてくれたのは、他でもない雑誌さんだから…」
P「ただ…」
P「うんうん」ギュ
千早「あの! 今日の収録も上手くできました!」
P「よかったよかった」ナデナデ
あずさ「迷子になっちゃって…気がついたら映画館に…」
P「せっかくですし一本見ていきましょうか」
伊織「ね、ねぇ…あのさ…」
P「はーい、たかいたかーい」
亜美「兄ちゃーん!」
真美「こっち来てー!」
やよい「プロデューサー!」
春香「プロデューサーさん!」
響「プロデューサー!」
貴音「あなた様…」
雪歩「あ、あなた様ー……///」
P「…反動なのか、アイドル達との距離が余計に縮んだような気がする…」
律子「あーあ。モテモテですねぇプロデューサー殿」
小鳥「ううー…あんなに若い子に囲まれちゃったら付けいる隙なんてありませんよぉ…」
真「あっはは…大変ですねプロデューサーも」
律子「真、あんたは良いの? ボケっとしてると盗られちゃうわよ?」
真「ぼ、ボクは…その…」
小鳥「んんー…どうしちゃったんだねぇ君ぃ…」
律子「社長じゃないんですから」
小鳥「怪しいぜぇ…怪しいよなぁ…」
真「うひぃ…!」ゾクゥ
真「し、失礼します!」ガタッ
律子「あ、ちょっと…」
小鳥「んん? なんか落としていきましたね…」
小鳥「雑誌? どれどれ…」
『男にウザがれる! うっとおしいスキンシップ系女子の典型5パターン!』
おわり
代行ありがとうございました
支援保守してくれた人にも感謝
長々付き合わせてしまってごめんなさい
続編で逆パターンもみたいなあ(チラッ
Entry ⇒ 2012.08.18 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
桃子「就活って辛いっすね……」
桃子「そんなこんなで就職浪人になってしまったっす」
桃子「はぁ、こんなんじゃ先輩に顔向け出来ないっすよ……」
桃子「まぁ、お陰でお金には苦労しないんすけどね。バカツキさんが来なければまず負けないですし、例え負けたとしても気配消して逃げてしまえばいいんすから」
桃子「……どうしてこんなことになっちゃったんすかね……?」
「おいおい、姉ちゃん。リーチ宣言はしっかりしようや」
桃子「ちゃんとしたっすよ?」
「チッ……これで何度目だよ!」
「やってられるか!俺ァ帰るぞ!」
桃子「ふふん、ちょろいっすね」
「その卓、空いてる……?」
咲「あ、やっぱり東横さんだったんだぁ。久し振りだね」
桃子(この時間に来てスーツ姿ってことは……働いてるってことすか……麻雀も上手くて職に就いてるとか世の中不公平っすね)
桃子(ちょうどいいっす。今夜はこの人を毟ってストレス発散させるっすよ)
咲「………」
ステルスモモ、死亡確認
桃子(……自分で言っててちょっとヘコんでしまいそうっす)
咲「あ、カモ(お客さん)が来たみたいだね」
桃子「いつかの個人戦では不覚をとってしまったっすけど、今夜は負けないっすよ!」
咲「うんっ!」
咲「……はい」
桃子(ふふ、ちょろいっすね。河から拾い放題の私に死角はないっすよ)
咲「あらら、負けちゃったかぁ。東横さん強いんだね」
桃子「今は麻雀で食ってるようなもんすからね。このくらい強くないとやっていけないっす」
咲「へぇ……ねぇ、レート上げない?負けた分取り返さないと今月キツいの」
桃子(大負けして熱くなってきたようっすね。これはいいカモ見つけたっす)
桃子「いいっすよ。受けて立つっす!」
咲「………」
咲「それ、槓。もいっこ槓。もいっこ槓。12000」
咲「槓。もいっこ槓。もいっこ槓。もいっこ槓!16000オールです」
桃子(なんなんすか……この化物は……?)
咲「どうする?もっとレート上げちゃう?東横さん、麻雀で食ってるなら勝たないといけないんでしょ?」
桃子(ここは逃げるしかないっすね……)
咲「逃がすと思う?」ガシッ
桃子(ひぃ~~~っす)
桃子「………」
桃子(今までの稼ぎが全部パァっす……)
咲「東横さん、この後暇?」
桃子「私はいつでも暇っすけど……」
咲「じゃあ飲みに行かない?もちろん私の奢りで、ね」
咲「はい、カンパ~イ」
桃子「……カンパイっす」
桃子(せっかくのタダ酒なんだからせめて毟られた分を少しでも多く取り返すっすよ)ゴクゴクゴク
咲「いい飲みっぷりだね、東横さん」コクコク
桃子「これほどまでこの体質を呪いたいのは初めてだったっすよ」ゴクゴクゴク
咲「苦労してるんだねぇ……」
桃子「親から見放され気味でちょっと辛いっすね」ゴクゴクゴク
咲「ふぅ~む、なるほどなるほど……なるほど~」
桃子「私は先輩と対等に付き合いたいんすよ?れもれも、先輩はバリバリのキャリアウーマンれぇ……」ゴクゴクゴク
桃子「そんな先輩と私の関係じゃあ、先輩に捨てられちゃうかも知れないじゃないれすかぁ」ゴクゴクゴク
咲(面倒臭い拾い物しちゃったかな……?)
桃子「ぷはっ……おかわりっす!」
桃子「なんれすか……?」ゴクゴクゴク
咲「女の子にはね、就職する以外にも職に就く裏技があるんだよ」
桃子「へっ……?」ゴクゴクゴク
咲「それはね、永久就職ってこと」
桃子「つまり結婚すか……それは考えてもいなかったすね」ゴクゴクゴク
桃子「れもれも、私、家事とか苦手っすよ?ずっと放棄してましたっすからね……」ゴクゴクゴク
咲「だったら私の家に来ない?花嫁修業に」
桃子「……え?ええええええええっ!?」
咲「東横さんの有り金じゃあ、今日の負け分足りないはずだよ?だからね、その分の代わりに私の家で家事とかしてみないかってこと」
桃子「あう……」
咲「ねっ!」
桃子「………」
桃子「分かったっす……」
咲「今日からよろしくね、東横さん」
咲「それはちょうど良かったね」
桃子「でもいいんすか?親御さんたちの許可もなくて」
咲「お父さんとお母さんは仲良く海外行っちゃってるからね……今はお姉ちゃんしか家にいないの」
桃子「嶺上さんのお姉さんって……あの人っすか」
咲「そうだよ。でも、お姉ちゃんね、仕事が不定期で家でしょっちゅうゴロゴロしてるのに家事とかしてくれないから困ってたんだぁ」
桃子「そうなんすか……」
咲「だからね、東横さんが来て家事とかしてくれたら私、助かっちゃう」
桃子「お邪魔しますっす~」
咲「今は東横さんの家でもあるんだから……お邪魔しますじゃなくて、ただいまだよ」
桃子「……ただいまっす。なんだか照れくさいっすね」
咲「ふふっ」
桃子「これからしばらくお世話になるっす」
咲「こちらこそよろしくね!」
咲「お姉ちゃんったら……また帰ってくるなり服を脱ぎ散らかして、そのまま寝ちゃってるよ。もう……」
桃子「ってことはそのすっぽんぽんの人が嶺上さんのお姉さんすか……」
咲「恥ずかしながら……」
桃子「麻雀打ってる時と全然印象が違うっすね~」
咲「あはは」
桃子「なんすか……?」
咲「知らない女の子を家に連れ込んだら、お姉ちゃん何しでかすか分からないんだよね」
桃子「えっ……?」
咲「もしかしたら東横さん……ごめんなさい、何でもないや」
桃子「えっ?ちょっと……」ガクガク
咲「だからね、お姉ちゃんに見つからないように頑張ってね」
桃子「マジすか……」
桃子(私の影の薄さは既に常識の遥か外にあるっす……)
桃子(大学4年間、ずっとトイレの個室で誰にも気付かれずにお昼ご飯食べてきたほどの影の薄さ、見せてやるっす)
桃子(ここからはステルスモモの独壇場っすよ!)
桃子「物置っすか……」
咲「やっぱり嫌かな?だったらお姉ちゃんと相部屋に……」
桃子「いや、ここでいいっす!ここがいいっす!」アセアセ
咲「ふふっ」
桃子(やだこれもー)
桃子(先輩……私、頑張るっすよ)
桃子(だから……)
桃子(………)スースー
咲「東横さん……東横さん……」ペチペチ
桃子「ん……?なんすか……?まだ5時じゃないすか……こんな夜中になんすか……」
咲「もう……そんなこと言ってないで、そろそろ起きる時間だよ?」
桃子「え……?」
咲「今までどんな生活してたのか容易に想像がつくね」
桃子「………」ネムネム
咲「ほら、朝ご飯作るから手伝って」
桃子「ふあい……」
咲「おはよう、お姉ちゃん」
咲「私、今日も仕事だけどお姉ちゃんは今日は対局あったっけ?」
照「んーん……」
桃子(いきなり初日からお姉さんと二人きりっすか……)
咲(やっておいて欲しいことはメモに書いておくから頑張ってね)
桃子(はいっす……)
咲「はい、召し上がれ」
照「ハムッ、ハフハフ、ハフッ!!」パクパク
照「咲ちゃん、味付け変えたの?」
桃子(まさかもうバレた!?)
咲「美味しくない……?」
照「いや、咲ちゃんの料理が美味しくないわけないよ」
咲「ふふ、そっか」
照「咲ちゃんいってらっしゃい」
桃子(いってらっしゃいっす~)フリフリ
照「さてと」
桃子(さてとパパっと家事でもやるっすかね……ん?)
桃子(まっすぐ嶺上さんの部屋に向かってったっすね。何が始まるんすかね?)
桃子(ごみ箱をひっくり返して何やってるんすかね?お姉さんは……)
照「あれれー?咲ちゃん、最近してないのかなぁ?」
桃子(してないって一体なんの話っすかぁ~?)
照「まぁいいや……本来の目的はこっちだし」
桃子(今度は衣装棚を漁ってるんすかね……?)
照「あったあった~咲ちゃんのおパンツ~」
桃子(……は!?)
照「これがないと読書捗らないんだよね」
桃子(………)
桃子(私は何も見てないっす。私は何も見てないっす)ガタガタ
桃子(とりあえずメモ通りやればいいんすから簡単っすよ)
桃子(まずは……)ピラッ
『お姉ちゃんの部屋から歯ブラシや衣類、その他諸々を回収』
桃子(……は!?)
桃子(絶対間違ってるすよね……そんなの花嫁修業じゃないっすよね)
桃子(ないない!そんなの……っ!!)
桃子(でも……)ピラッ
『全項目を守れなかったら麻雀楽しませるから』
桃子(はぁ……先輩、私辛いっす)
桃子(ここからはステルスモモの独壇場っすよ!)
照「……あれ?私、寝ちゃってた……?」
照「掃除とか洗濯物が済んでる……」
照「すごいぞ私!寝てる間に家事とか出来るようになったのか!」
桃子(疲れたっすー)
照「咲ちゃん、おかえり~」
桃子(おかえりなさいっす!)フリフリ
照「咲ちゃん、咲ちゃん」
咲「ん?どうしたの?お姉ちゃん」
照「私、寝ながら家事とか出来るようになった!」ドヤァ
咲「あはは……そっか」
桃子(ちゃんと言いつけは守ったっすよ)
咲(偉い偉い)ナデナデ
咲「そろそろ東横さんが来てから一月経つのかぁ~」
桃子「大分家事も様になってきたっすよ!」ムフー
咲「そうだね……東横さん、覚えが早くてホント助かってるよ」
桃子「て、照れるっすよ」
咲(さて、そろそろ頃合いかな……?)
桃子(はぁ……先輩と会いたいっすー)
桃子(でも、今先輩と会ったらきっと甘えちゃうっすね……)
桃子(先輩、私は頑張ってるっすよー)
桃子(………)グーグー
咲「もしもし……あっ、お久し振りです――」
咲「東横さん、ちょっといいかな……?」
桃子(……?)
咲「東横さんは加治木さんと会いたい?」
桃子(勿論っす!)
咲「だったら花嫁修業もこれでおしまい」
桃子(えっ……?)
咲「一月程度の努力で主婦が勤まるかって言えばそれは無理があるけど、東横さんはずっと必死で頑張ってきたんだもん」
桃子(麻雀楽しませるって脅されてたっすからね……それは必死にもなるっすよ)
桃子(嶺上さん……)
咲「あの東横さんが大好きな先輩に連絡もせずにずっと頑張ってきたんだもん。だからきっともう大丈夫」
咲「あとこれは一月分の給料ね」
桃子(これって……あの夜負けた金額じゃないっすか……こんなに受け取れないっす!)
咲「二人暮らしするならきっとお金が必要になるよ?だから、ね」
桃子(嶺上さん……お世話になったっす!)
桃子(はいっす!)
「モモ……っ!」
桃子「せ、先輩!?」
ゆみ「心配したぞ?この一ヶ月、家に帰ってないし、連絡も取れなくて……」
桃子「先輩……どうしてここに……?」
咲「後は東横さん次第、だよ!」
桃子(嶺上さん……もしかして……)
桃子「先輩……!」
桃子「私を先輩のお嫁さんにして下さいっす――」
照「咲ちゃん、ごめんね……お姉ちゃん、ちょっと調子悪いみたいで……」
咲「まったくもう……」
槓!
Entry ⇒ 2012.08.17 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ゼロ「ユフィとカレン、どっちが好みだ?」スザク「うーん……」
ゼロ「枢木スザク!!」
スザク「ゼロ!!」
ユフィ「あ、スザーク。無事だったのですね」
カレン「ゼロ!無事だったのですね!!」
ゼロ「枢木スザク。貴様、カレンと一緒に居たのか?」
スザク「ゼロ!!お前はユーフェミア様と一緒に居たのか?!」
ゼロ・スザク「「羨ましいやつ!!」」
カレン「ゼ、ゼロ……そんな……うれしい……ですけど……」
ユフィ「スザク……あ、いや、ゼロ!羨ましいとはどういうことですか!?」
スザク「お前こそ!!ユーフェミア様を襲ったりしていないだろうな!?」
カレン「……ゼロ!!」
ゼロ「どうした?」
カレン「あたし、こいつに押し倒されました!!」
ゼロ「なに?」
スザク「カレン!!なんてことを言うんだ!!」
カレン「しかも、裸のあたしを」
ゼロ「ほう?枢木よ。貴様、軍人のくせに捕虜の扱い方も知らないようだな」
スザク「違う!!あれは事故だ!!」
ゼロ「犯罪者は皆そう言う!!」
ユフィ「スザク……本当なのですか……?」
スザク「ち、違います!!誤解です!!」
スザク「君が刃物を持って襲ってきたからだろ!!あくまでも自衛のためだ!!」
カレン「証拠でもあるの?あるなら見せてよ」
スザク「それは……」
ゼロ「カレン、こっちにこい。そいつは危険だ」
カレン「はーい」テテテッ
スザク「カ、カレン!!待て!!」
ゼロ「さてと、これで3対1。分が悪いな、枢木スザク」
スザク「ユーフェミア様!!ゼロは本当に何もしていないのですか?!自分には信じられません!!」
ユフィ「えーと……」
ゼロ「私はお前のような野蛮人とは違う。常に紳士的な―――」
ユフィ「……服を脱げって言われました」
ゼロ「?!」
スザク「ゼロ!!!お前!!!ユーフェミア様になにをしたぁぁ!!!!」
ユフィ「でも、本当ですよね」
ゼロ「あれは貴方の服が濡れていたから乾かす為に……」
スザク「そんな詭弁が通用するか!!」
ゼロ「黙れ!!性犯罪者め!!」
スザク「それはお前だ!!ゼロ!!お前は皇族に対し脱衣を強要した!!これは立派なテロだ!!」
ゼロ「ぬぅぅ……!!」
スザク「ユフィ!!こっちへ!!」
ユフィ「はーい」テテテッ
スザク「これで互角だな」
ゼロ「待て。これでは元の鞘に納まっただけだろ。なんで丸く収まっている。それでいいのか」
スザク「確かに。カレンを返すかわりにお前の素顔を晒させることができない」
ゼロ「私もユーフェミアを材料に貴様を仲間に引き込むことができない」
カレン「あの、ゼロ?もう行きましょう?」
ユフィ「スザク?」
カレン「え?!」
ゼロ「枢木。ユーフェミアを渡せ」
ユフィ「ど、どうしてですか!?」
スザク「……分かった。ユーフェミア様を渡す代わりにその仮面を取れ!」
ゼロ「カレンを渡す代わりに仲間になれ!!」
ゼロ・スザク「「断る!!」」
カレン「それがしたかったんですか?」
ゼロ「ああ」
ユフィ「……」
ゼロ「おのれ……枢木スザァク……!!」
スザク「ゼロ、やはりお前は卑怯者だ!!」
カレン「……ねえ、ゼロは本当に脱ぐように強要したの?」
ユフィ「あなたこそ、スザクは本当に押し倒したのですか?」
スザク「大人しくカレンを渡せばいいものを……!!」
カレン「あたしは本当に押し倒されたの。先に襲ったのはあたしだけど……」
ユフィ「じゃあ、貴方が悪いではないですか」
カレン「でも、女の子を押し倒す必要なんてあると思う?しかも裸なのに」
ユフィ「それは……」
カレン「でしょ?ほら、ゼロのところに行こうよ」
ユフィ「そうですね」
ゼロ「ん?どうした?」
カレン「やはりゼロのほうが信頼できるみたいなので」
ユフィ「はい」
ゼロ「ああ、それこそが正しい判断だ」
スザク「ユフィ!!!どうして……!!」
ユフィ「スザク!ごめんなさい!!やっぱり、女の子を押し倒すのはいけないと思うのです!!」
ゼロ「ふははははは、貴様の負けだな」
スザク「ユフィ!ゼロは君に脱衣を強要したんだろ!?」
ユフィ「でも、ゼロは私の裸を直接見てはいませんから」
スザク「な……」
カレン「ゼロ、あいつはあたしの裸体をマジマジと見てました」
ゼロ「最低だな」
ユフィ「ええ……」
スザク「カレン!!言っていいことと悪いことがあるぞ!!」
カレン「本当でしょ?!このスケベ!!」
スザク「……」
ゼロ「どうやら何も言い返せないらしいな。では、ユーフェミア様、カレン。行きましょうか」
カレン「はい」
ユフィ「どちらへ?」
スザク「待ってくれ!!カレン!!―――わかった。認めるよ。確かに僕はカレンを押し倒した。だけど、それには訳があるんだ!!」
カレン「何よ?押し倒す理由なんて―――」
スザク「カレン、君が本当に美しかったからだ」
カレン「はぁ?!」
ユフィ「スザク?!どういうことですか?!」
スザク「あの時、水浴びをしていた君は本当に綺麗だった。まるで水の妖精がそこにいるみたいだった」
カレン「ちょっと!!何いってんのよ?!」
スザク「そんな存在がいきなり僕に近づいてきた。しかも刃物を持って。僕は自衛のためだと自分に言い訳して君を押し倒した」
ゼロ「貴様……!!」
カレン「あの……」
スザク「それだけ魅惑的なカレンが悪いんじゃないか!!僕は男して間違った行動をしたつもりはない!!」
ユフィ「……」
ゼロ「枢木スザァク!!貴様!!!自分がどれだけ下劣な発言をしているのか自覚しているのか?!」
スザク「では、ゼロに問う!!カレンが裸で水浴びをしていて、急に近づいてきたらどうする?!何もせずにその場から立ち去れるのか?!」
ゼロ「それは……!!しかし……!!」
ゼロ「カレンが……裸で……」
カレン「ゼ、ゼロ?!こっちを見ないでください!!」
スザク「どうなんだ、ゼロ。何もしない自信はあるのか?」
ゼロ「ない!!!」
スザク「だろ?!」
カレン「ゼロ?!あの……あたしは……そんなに……」
ゼロ「残念ながら、カレンの肉体は素晴らしく整っている。容姿も同年代ならば間違いなくトップクラスだ」
スザク「そんな彼女が無防備なら、男としては放っておくことなどできない」
ゼロ「枢木、貴様……カレンにそれ以上のことしたのか?」
スザク「……してないよ。押し倒したのは咄嗟の行動だ。僕はそこまで本能で生きていないからね」
ゼロ「カレン、本当か?」
カレン「は、はい……」
ゼロ「よかった……」
カレン「ど、どういう意味ですか?」
スザク「は、はい!」
ユフィ「どうしてですか?!私のことはどうでもいいのですか?!」
スザク「えっと……。ゼロ!!どうなんだ?!」
ゼロ「なにがだ!?」
スザク「ユーフェミア様は裸を直接見られてはいないと言っていた。だけど、それは本当か?」
ゼロ「……!!」
スザク「お前はバレないように……見ていたのではないのか?!」
ユフィ「え?!」
ゼロ「……よくわかったな」
ユフィ「えぇ!?」
スザク「近くでユーフェミア様が着替えれば、誰でも覗きたくなるからね。逆の立場でもきっとそうしていたと思う」
ゼロ「当然だな。ユーフェミアも皇族だけあって、その美貌は全世界が嫉妬するほどだ。隠された部分に興味を持つのは致し方の無いこと」
ユフィ「え?!あの……え……?」
カレン「ゼロ……」
スザク「そうだ」
ユフィ「よかった……いえ。何か腑に落ちません」
スザク「ゼロ、お前はやはりカレンか」
ゼロ「当然だ」
カレン「はぁ……安心……」
スザク「でも、カレンも良い」
ゼロ「しかし、ユーフェミアも捨てがたい」
スザク「ゼロ……やはり、こうなるのか……」
ゼロ「そうだな。この島には男2人女2人だ。余ることはない」
スザク「救助が来るまでの間、どちらの女性と過ごすのか」
ゼロ「ここで白黒はっきりさせよう」
スザク「望むところだ」
カレン「望まれても困るけど……」
ユフィ「そんなのはっきりしているのではないですか?」
ユフィ「だって、スザクは私がいいと言ってくれました。ゼロもこちらの……ええと……」
カレン「カレンよ。紅月カレン」
ユフィ「あ、はい。カレンさんがいいと言っていました。なら、ペアは成立しているようなものですよね?」
ゼロ「違うな。間違っているぞ」
ユフィ「どうしてですか?」
スザク「自分とゼロはカレンにもユーフェミア様にも気になっています」
カレン「え?!」
ゼロ「つまり。本音で言えばどちらも欲しい」
ユフィ「そ、そんなこと?!」
スザク「ああ、それは許されない。一人がハーレムを作るなんて、絶対に」
ゼロ「ならばこそ!!ここで英断しなければならない!!カレンか!!ユーフェミアかを!!!」
カレン「ゼロ?!あたしじゃダメなんですか?!」
ゼロ「無論カレンで十分だ!!だが、ユーフェミアが隣に行くと思うと何故か悔しい!!」
スザク「隣の芝はいつでも青く見えるものだからね。僕もそうだよ」
スザク「ここは彼女たちに決めてもらうのが一番だと思う」
ゼロ「馬鹿か。そんなものカレンは私を選び、ユーフェミアは貴様を選ぶ!!」
スザク「それでいいと思う。彼女たちが自分の意思で選んだのだから」
ゼロ「それでお前は得心が行くのか?―――敷かれたレールの上を歩くだけの未来に!!!」
スザク「僕はいつでもそうやって生きてきた!!」
ゼロ「そのほうが楽だからな!!誰でもそうする!!しかし!!私はそれで満足しない!!自分の掴んだ未来でなければ意味がない!!」
スザク「お前……」
ゼロ「だから、ここは自分の意思で決めたほうがいいのだよ」
スザク「選んだ人が被ったらどうする?」
ゼロ「そのときこそ、その人に選んでもらえばいい。突き出した手を握ってもらえばいいだけだ!!」
スザク「なるほど、分かった」
ゼロ「よし。カレン、ユーフェミア。少し離れて並んで立っていてくれ。そして私たちがどちらか目の前まで移動し、一緒に居てほしいと告白して手を差し出す。承諾するなら手を握ってくれ」
カレン「は、はい」
ユフィ「わ、わかりました」
ゼロ「いいぞー!!そこでしばし待て!!」
カレン「はぁーい」
ユフィ「スザーク!!信じてますから!!私!!貴方のことをー!!!」
スザク「は、はい!!ご期待に応えられるよう善処します!!」
ユフィ「お願いしますねー!!」
ゼロ「さて……ここからが問題だな」
スザク「ゼロ、君の狙いは?」
ゼロ「それを喋ってどうする?」
スザク「僕は……カレンにする」
ゼロ「貴様!!今、善処すると言ったばかりだろうが!!」
スザク「だが、お前は言った!!自分で未来を掴めと!!」
ゼロ「ぐぅぅ……!!」
スザク「そうか。ゼロ、お前はまだ決めかねているのか。なら、僕が先に行く」
ゼロ「ちょっと待て!!私が決めるまで勝手なことをするな!!」
ユフィ「……」ソワソワ
スザク「だけど、二人を待たせることもできない。食料の調達だってある」
ゼロ「食料……!!」
スザク「どうした?」
ゼロ「なるほどな……。私もまだまだだ」
スザク「何がいいたい?」
ゼロ「貴様がカレンに固執する理由がやっと分かった。何故、主君であるユーフェミアを選ばず、カレンを選ぼうとするのか……」
スザク「……」
ゼロ「今、私たちは遭難している。サバイバルをしなければならない。そのとき、どちらの女性が役に立つか……それは、身体能力の高いほうだ」
スザク「ち、違う!!僕はそんなことで決めたわけじゃない!!」
ゼロ「カレン!!!」
カレン「はい!」
ゼロ「枢木はお前のことを狩りの道具としてしか見ていないぞ!!!」
カレン「スザァク!!あんたはぁ!!!」
ゼロ「既に戦いは始まっている。これを卑怯と呼ぶなら言うがいい。結果は全てにおいて優先する」
スザク「間違った得た結果に価値なんてない!!」
ゼロ「ふん。貴様の美学など、この場では何の意味も持たない。今の一言でカレンは勿論、ユーフェミアも貴様を見る目が変わる」
スザク「はっ!?」
ユフィ「スザク……やはり……カレンさんなのですか……?」
スザク「ち、違う!!ユフィ!!まだ結論は出していない!!」
ゼロ「ふはははは!!!」
スザク「やめろ!!そもそも僕は一人でも狩りはできる!!」
ゼロ「なんだと……」
スザク「ゼロ、君はどうなんだ?狩りができるのか?もしかして君もカレンを狩りに利用しようなんて考えていたんじゃないのか?」
ゼロ「やめろ!!」
スザク「カレン!!ゼロも同じことを言っている!!」
カレン「ゼロ?!そんな?!うそですよね?!」
ゼロ「スザァァァク!!!カレンの純粋さに付け入るような真似をするな!!!」
ゼロ「はっ?!」
ユフィ「ゼロ……カレンですか……」
ゼロ「まて!!ユーフェミア!!違う!!間違っているぞ!!」
ユフィ「はぁ……」
カレン「あれ……考えてみたら、あたしってモテモテ……?困ったなぁ……えへへ……」
ユフィ「はぁ……いいですね……」
カレン「ごめんねー、お姫様」
ユフィ「うぅ……」
ゼロ「くそ……これで分からなくなったか……」
スザク「どうする、ゼロ。どちらを選んでも確率は五分と五分」
ゼロ「これ以上、結論を先延ばしにすれば益々心象を悪くさせる。そうなれば……」
スザク「なれば?」
ゼロ「カレンとユーフェミアが結託してしまうかもしれない」
スザク「それって……カレンとユフィが一緒になるってことか?!それはまずい……僕はゼロとなんて協力できないのに……」
スザク「ゼロ……」
ゼロ「私からでいいか?」
スザク「いや、同時だ」
ゼロ「同時か……。それでいいだろう」
スザク「ふー……よし……」
ゼロ「行くぞ」
スザク「ああ。カレン!!ユーフェミア!!目を瞑れ!!」
カレン「は、はい!!……あぁ、緊張してきた……」
ユフィ「……もう……どちらもカレンさん……に……」
ゼロ「枢木……」
スザク「ゼロ……」
カレン「うぅ……足音が近づいてくる……」
ユフィ「はぁ……何がいけないのですかぁ……」
カレン「ゼロ……お願い……あたしのほうへ……」
カレン「は、はい……」
ユフィ「ん……?」
ゼロ・スザク「「カレン!!一緒に居てほしい!!」」
カレン「おぉ……」
ユフィ「……」
ゼロ「頼む!!」
スザク「大事にする!!」
カレン「えーと……どうしよっかなぁ……なんて……」
ユフィ「……うぅ……ぐすっ……」ウルウル
カレン「え?」
ユフィ「うえぇぇん……スザク……も……ルルーシュも嫌いぃ……」ポロポロ
スザク「え?ルルーシュ?」
ゼロ「っと!!ユーフェミア!!何を口走っている!!!」グッ!!
ユフィ「むぐぅ……?!」
ゼロ「違うな。間違っているぞ!!スザクをカレーのルーにしてやるーしゅって言ったのだ」
スザク「なんだ。カレーのルーに……それはまずいな」
ゼロ「(ユフィ!!お前!!)」
ユフィ「(だって、いくらなんでもこれは酷いです)」
ゼロ「(しかし、選ばなかった代償が俺の正体では釣り合いがとれないだろうが!!)」
ユフィ「(じゃあ、せめてルルーシュが私を選んでください)」
ゼロ「(それは……)」
ユフィ「ゼロの正体ですけ―――」
ゼロ「(ユフィ!!そんなことで手に入れた結果で満足なのか?!)」
ユフィ「(結果は全てにおいて優先します)」
ゼロ「ぐっ……!!」
スザク「ゼロ、いつまでユーフェミア様に抱きついている。いい加減、殴るぞ」
ゼロ「ああ、これは失礼した。枢木、仕切り直しだ。つまらない横槍が入ったからな」
スザク「……わかった。だけど、僕の答えは変わらないぞ、ゼロ」
スザク「ああ、準備はできている」
ゼロ「ふっ……。二人とも!!目を瞑れ!!」
カレン「はい!」
ユフィ「はいっ」
ゼロ「枢木。これで決めさせてもらう」
スザク「いいだろう。受けて立つ」
カレン「きた……」
ユフィ「……」
ゼロ「―――目をあけろ!!ゆっくりと!!」
カレン「はい」
ユフィ「はい」
ゼロ・スザク「「ユフィ!!一緒に居てくれ!!!」」
ユフィ「まぁ……嬉しい……」
カレン「ちょっと!!なんでぇ!?」
スザァァァァァク!!
スザク「カレーのルーにはされたくない!!」
ゼロ「この浮気者が!!」
スザク「この甲斐性なしめ!!」
ユフィ「あの、二人とも私のために争わないでください」ニヤニヤ
カレン「そ、それ!!あたしが言いたかった台詞ぅ!!!」
ユフィ「ごめんなさい。私も言ってみたかったんです」
カレン「くやしぃ!!」
ゼロ「まぁ、いい。よし、ユーフェミア!!好きなほうの手を握ってくれ!!」
スザク「やはり自分にはユーフェミア様しかいないと思いました!!!」
カレン「そんなぁ……こんな世間知らずのお姫様なんかに……」
ユフィ「では……はいっ。二人とも私と一緒に居ましょう」ギュッ
ゼロ・スザク「「え?」」
カレン「何よそれ?!」
ユフィ「二人選んではいけないという規定はなかったはずですけど、私の勘違いですか?」
ユフィ「カレンさんは強い人ですから、きっとお独りでも立派に生きていけると思いますよ?」
カレン「な……!!」
ユフィ「ね、ゼロ?スザク?」
ゼロ「あ、ああ……」
スザク「カレンならきっといいシングルマザーになれるよ」
カレン「スザァク!!一言多いのよ!!あんたはぁ!!」
ゼロ「だが、ユーフェミア。規定にないとはいえ、倫理的に許される行為ではない」
ユフィ「でも……私にはどちらかを選ぶなんてできませんし……」
スザク「なら、ユフィの言うとおりにしよう。選べないなら仕方が無い」
ゼロ「ふむ……」
カレン「ゼロ!!待ってください!!こんな無人島で一人は嫌です!!他に人がいるって知っていたら尚更です!!」
ゼロ「カ、カレン……」
カレン「やめてぇ……おねがいですからぁ……」
ゼロ「しかし……ぐぅぅ……どうすれば……!!」
ゼロ「カレン……そんなに……」
ユフィ「カレンさん、お見苦しいことはされないほうが……」
カレン「あんた……!!」
スザク「待ってくれ!!分かった。こうしよう」
ゼロ「なんだ?」
スザク「くじ引きでいいじゃないか」
ゼロ「くじ引きだと?!」
スザク「このままじゃ誰も幸せになれないから」
ゼロ「結末を天に任せるというのか。愚の骨頂だな!!」
スザク「ゼロ、お前だってまだ迷っているんだろ?」
ゼロ「……!」
スザク「僕だって同じだ。本当にユーフェミア様でいいのかどうか、迷っている」
ユフィ「え……」
スザク「なら、もう運命に託してみるしかないと思う。赤い糸で結ばれているのはどちらなのかはっきりするだろ」
スザク「こうなることは分かっていた。だから、もう用意している」
ゼロ「なんだと!?」
スザク「さあ、僕が持っている棒を一本選んでくれ。端に色がついたものが2本ある。色つきを選んだ二人がペアだ」
ゼロ「待て。それだと貴様と私がペアになる可能性もあるぞ」
スザク「そのときは……そのときだ」
ゼロ「それだけはダメだ!!」
スザク「何故だ!!」
ゼロ「男同士で何が楽しい!!」
スザク「でも、他に方法がないだろ?!」
ゼロ「……落ち着け、枢木スザク。お前は先を急ぎすぎている。いや、私もか」
スザク「ゼロ?」
ゼロ「一度、じっくり話し合おう。カレンとユーフェミアも一緒に」
カレン「な、何を話すのですか?」
ゼロ「一体、誰が誰のことを一番思っているのか、納得するまで話し合うべきだったんだ……。将来の相手になるかもしれないのに安易な方法で決断を下すなどできない」
スザク「ああ、なら腰を下ろして話し合おう」
カレン「あたしはゼロがいれば……」
ゼロ「―――では、枢木よ。お前はユーフェミアとカレン、どっちが好みだ?または、理想に近い相手はどちらだ?」
スザク「うーん……」
カレン「……」ドキドキ
ユフィ「スザク……」
スザク「理想は……ユフィだ」
ユフィ「まぁ」
カレン「なんか、悔しい」
ゼロ「ほう?何故だ」
スザク「外見でいえば、僕はユフィのほうがいい。でも性格で言えばカレンのほうが好みだ」
ユフィ「そんな……」
カレン「……ふんっ。別に嬉しくないけど」
スザク「さっきも言ったけど、カレンは本当にいいお母さんになる気がする。それは円満な家庭を目指すには必要なことだって思うから」
カレン「ゼロとだったら……あたし……」
ユフィ「セクハラじゃぁ……」
スザク「ゼロも同じ意見なのか?」
ゼロ「そうだな。恋人にするならユフィ。結婚するならカレンというところか」
ユフィ「よろこんでいいのかわかりません……」
カレン「つまり、ユーフェミアは都合のいい、お、ん、なってことですよね?」
ユフィ「な!スザク!!それは本当ですか?!」
スザク「ゼロ、でもユフィと結婚してもいい未来は待っているんじゃないのか?」
ゼロ「確かにユフィは優しく、思いやりもある。そして、言動も愛らしい」
ユフィ「ふふーん」
カレン「ぐっ……」
ゼロ「だが、少々我が強く、思い込みも激しい。一度こうだと決めたらなんとしてもやり遂げようとする」
スザク「いいことじゃないか」
ゼロ「恋人の関係である内は可愛いの一言で済ませることもできる。しかし、夫婦になれば別だ。ユフィの性格は喧嘩の種に成りかねない」
ゼロ(しまった……喋りすぎたか……!!)
スザク「……ファンか?」
ゼロ「そうだ」
スザク「そうか。なら仕方ないな」
ユフィ「あの、ちょっとよろしいでしょうか?」
ゼロ「なんですか?」
ユフィ「私も意見を言っても?」
ゼロ「どうぞ。今は互いの気持ちを確認する場ですから」
ユフィ「では、遠慮なく。―――私はスザクが大好きです」
ゼロ「……!」
スザク「わーい」
ゼロ「ええい!!ならば結婚してしまえ!!私はカレンを選ぶ!!」
カレン「やったー」
ユフィ「でも……ゼロのことも大好きです。この場合、どうしたらいいですか?」
ユフィ「いいえ……。一人の男性として好きです」
ゼロ「お前……!!」
ユフィ「でも、ダメですよね。こんな浮ついた考えでは……」
スザク「ユフィ……」
ゼロ「どちらと結婚したいかも選べない状況か?」
ユフィ「そうですね。ゼロもスザクもきっと私のことを大事にしてくれると思いますし」
カレン「何よ。優柔不断ね。あたしはゼロ以外、眼中にないけど」
ゼロ「それは嬉しいな」
スザク「カレン、君はゼロの記号に惚れているだけじゃないか?」
カレン「は?」
スザク「そもそも、ゼロが女性だったらどうする?」
カレン「はっ。そんなわけ……」
スザク「君はゼロの正体を知らない。ゼロは男のフリをしているだけかもしれない。女好きの女の子かもしれない。そう考えると素性が分かっている僕のほうがマシのはずだ」
カレン「そ……そういう言い方……卑怯……」
スザク「なら、仮面をとって証明してくれ!!」
ゼロ「それはできない!!」
スザク「もし君が女の子なら、僕に第三の選択肢が生まれる!!」
ゼロ「スザァァク!!!」
カレン「あ、あたしは!!ゼロが女性でも愛せます!!」
ゼロ「なに?!カレン!!お前……バイか?!」
カレン「ち、違います!!惚れた相手がたまたま女の子だっただけです!!」
ゼロ「ふむ……」
ユフィ「ゼロが女性だったら……?うーん……私も、大丈夫そうです」
スザク「ユフィ?!本気で言っているのか!?」
ユフィ「愛に性別は関係ないはずです。でも、ゼロは男性だと思っていますけど」
カレン「あたしもです!」
ゼロ「まあ、私は完璧な紳士だ。淑女ではない」
スザク「残念だよ、ゼロ。信じたかったのに、少しだけ」
ふざけるなよスザァァク!!
カレン「え?」
ゼロ「例えば私が女の子だったとしよう」
カレン「……そんな……」
ゼロ「違う。たとえ話だ。もし私が女の子なら結婚などできないし、子どもを作ることもできない。それでもいいのか?」
カレン「ゼロ……女の子なんですか……」ペタペタ
ゼロ「カレン?!」
カレン「胸は……無いですね」
ゼロ「触るな!!」バッ
スザク「女の子の反応だ!」
カレン「ゼロ……」
ゼロ「ち、違う!!胸を触られたら誰でも驚くだろうが!!」
ユフィ「ゼロって女の子だったのですか?」
ゼロ「ユーフェミア!!あなたは……!!」
ユフィ「私はあなたの正体なんて知りませんから、可能性の話をしただけです」
スザク「カレン。しかし、世間体の問題もあるよ。結婚するという条件なら普通の男性を選んだほうがいい」
カレン「うっ……!」
ゼロ「決まったな。カレンは結婚するならスザク、恋人にするなら私ということになる」
カレン「ゼロ……」
スザク「ユフィはまだ決められないかい?」
ユフィ「そうですねぇ……。強いて言うなら……私も恋人ならゼロ、結婚ならスザクです」
ゼロ「それは何故?」
ユフィ「ゼロと私が結婚は……少し、問題が……」
ゼロ「ぐっ……?!」
ユフィ「きっと……お姉様も大反対しますし……」
スザク「当然だ。ゼロはテロリストなんだから、総督は許すはずがない」
ユフィ「いえ。テロリストでなくてもきっとダメです。親戚中から猛抗議を受けます」
スザク「やはり、ゼロは女の子なのか?!」
ゼロ「ユフィ!!語弊のある言い方はやめろぉ!!」
ゼロ「そう……だけど……」
カレン「あ、たしは……女の子でも……きっと……イケます……」
ゼロ「カレン!!私は男だ!!安心しろ!!」
スザク「必死になるところが怪しい!!」
ゼロ「おのれ……!!」
ユフィ「そうですね。まるで図星をつかれて慌てているようです」
ゼロ「違う!!」
スザク「なら、僕も考えを改める必要がある」
ゼロ「なに?」
スザク「僕とゼロは言わばロミオとジュリエットだ」
ユフィ「まぁ……もしかして……」
スザク「禁断の愛。そういうのに惹かれる僕もいる」
ゼロ「私は惹かれない!!」
スザク「一人称も私だし、なんとなく女の子に見えてきたよ。ゼロ、もう君を女の子としてカウントしてもいいだろうか?」
スザク「ごめん。もう手遅れだ」
ゼロ「スザク……!!」
ユフィ「スザクって気が多いのですね」
スザク「将来の相手の選択肢が多いだけです」
カレン「ゼロ……」
ゼロ「分かった。この場で訂正は不可能だろう。私が男である場合と女である場合も含めて話し合おう」
スザク「恋人にするならユフィ、結婚するならカレン、でも一番燃え上がる恋愛ができるのはゼロだと思う」
ゼロ「敵同士だからか」
スザク「恋人と戦場で刃を交えるなんて、悲恋の物語でよくあるじゃないか」
ゼロ「なるほどな」
スザク「ゼロはどうだ?僕とそういう関係になるのは?」
ゼロ「お前と……?仮にだ、貴様が異性だとするなら……まぁ、無くはない」
スザク「うれしいよ!!ゼロ!!」
ゼロ「近づくな!!気持ち悪い!!」
ゼロ「ユフィ!!徐々に離れるな!!」
カレン「ゼロ!!もう決心しました!!女の子同士、がんばりましょう!!世間の風は冷たくても、紅月カレン!!負けません!!」
ゼロ「ええい!!私が女性であることを前提に話を進めるな!!私は男だ!!いい加減にしろ!!」
カレン「ゼロ……では、せめてあそこをパンパンして確認させてください……」
ゼロ「馬鹿か!?やめろ!!」
ユフィ「スザクが三人を恋愛の対象にするなら、私もそうしないとだめですね」
ゼロ「どういうことだ?」
ユフィ「私は恋人ならゼロ、結婚するならスザク、そして二人に振られた場合の逃げ道としてカレンさんの胸にしておきます」
カレン「あ、あたし?!」
ユフィ「この無人島では結局そういう結論になってしまいます。ゼロとスザクが結ばれたとき、私とカレンさんが結ばれないと……」
カレン「な、なんであんたなんかと!!」
ユフィ「私だってあまり嬉しくありません!でも、協力していくうちに、互いの心は惹かれあい「ああ、この人になら体を許してもいいかも」なんて思ったり思わなかったり」
カレン「やめてよ!!気持ち悪い!!あたしにそんな趣味はないんだから!!」
スザク「カレン、嘘はいけない。君はゼロが女の子でも受け入れると言ったばかりじゃないか」
ユフィ「それでも女の子を受け入れるだけの素養はあるってことですよね?」
カレン「そ、それは……」
ユフィ「カレンさん、私ではダメですか?」
カレン「うっ……」
ユフィ「飽く迄も最終兵器。最後の拠り所でも、ダメですか?」
ゼロ「カレン。想像してみるといい」
カレン「そ、想像ですか?」
ゼロ「そうだ。確かにカレンにとっては憎い相手だろう。だが、この無人島では協力して生きていかなければならないし、カレンも孤独は嫌っていた」
カレン「は、はい」
ゼロ「カレンが食料を探しにいき、ヘトヘトになって寝屋に戻るとユーフェミアが笑顔で……」
ユフィ「おかえりなさい、カレンさん。今日も一杯ありますね。ありがとうございます。疲れたましたよね?私が一生懸命、マッサージをしますからっ!」
カレン「うぐっ……」
ゼロ「どうだ?悪くはないだろ?」
カレン「いや……あの……でも……その……はい、ちょっといいと思いました」
カレン「いや……しない!!あたしはゼロだけ!!ゼロ一筋だから!!」
ユフィ「カレンさん!!私を好きになりなさい!!私も貴方を好きになります!!」
カレン「冗談でもやめて!!お願いだから!!」
スザク「よし。これは面白くなった」
ゼロ「なんだと?」
スザク「これでこの四人は誰が誰を選んでもおかしくない」
ユフィ「確かにそうですね」
ゼロ「ま、待て!!本当にいいのか?!」
スザク「ゼロも僕が異性ならいいと言った。それはつまり、心のどこかでは僕を受け入れているということじゃないのか?」
ゼロ「ち、違うな!!間違っているぞ!!」
カレン「それで、どうするっていうのよ?」
スザク「今から再度、救助されるまでこの無人島で一緒にいたい人をそれぞれが同時に選べばいい」
ユフィ「なるほど。いいですね」
ゼロ「つまり、もう私とスザク、ユフィとカレンという組み合わせが成立しても問題がない、ということか……」
ゼロ「貴様の選ぶ相手が目に浮かぶようだ」
カレン「で、どうやって選ぶの?」
ユフィ「せーのっ、で一緒に居たい相手の名前を叫ぶってどうですか?で、名前を呼ばれた者同士がペアになるということで」
ゼロ「フィーリング方式か」
スザク「それはいい考えだ。誰も不幸にならないね」
カレン「う、うん……」
ユフィ「では、みなさん。ペアになりたい方を決めましょう」
ゼロ「……」
スザク「……」
カレン「……」
ユフィ「……どうですか?」
ゼロ「私は問題ない」
スザク「決めたよ。後悔はしない」
カレン「あ、あたしも……決めたっ」
ゼロ「ユフィ!!」
スザク「ゼロ!!」
カレン「ゼロ!!」
ユフィ「スザク!!」
ゼロ「……なに?」
スザク「ゼロ!!どうして僕じゃないんだ?!」
カレン「ゼロ!!どうしてこっちのお姫様を?!」
ユフィ「スザク!!私ではないのですか?!」
スザク「い、いえ……ユーフェミア様はてっきりカレンを選ぶものとばかり……」
ゼロ「枢木スザク!!何故私だ!!」
スザク「どうせ救助されるまでの恋なら、燃え上がるほうがいいからだ!!」
ゼロ「私は男だ!!!」
スザク「そんなの知ったことか!!君はもう女の子にしか見えないんだ!!」
カレン「ゼロ!!あたしじゃダメなんですか?!あたし、ゼロしかいないんですけど!!」
ゼロ「いや……それは……」
ユフィ「(正体は黙っておきますから、本当に好きな人を選んでください)」
ゼロ「(ユフィ……)」
ユフィ「(私も貴方が誰を選ぶのか興味がありますから。あ、勿論、私でもいいですよ?)」
ゼロ「(わかった……)」
スザク「もう一度だね」
カレン「ゼロ……よし、あたし……決めました……!」
ゼロ「今度こそ決めるぞ」
ユフィ「はいっ。―――せーのっ」
ゼロ「カレン!!」
スザク「ゼロ!!!」
カレン「ユーフェミア!!」
ユフィ「スザク!!」
ゼロ「お前らぁ!!意見をコロコロ変えるな!!!」
ユフィ「そうです」
ゼロ「ああ、そうだな、すまなかった!!だが、カレェン!!お前、どういうことだ!?」
カレン「だって!ゼロはあたしのこと……」
ゼロ「一巡目はやんごとなき理由があったからだ!!」
カレン「じゃあ、私を選んでくれるんですか?」
ゼロ「それは―――」
スザク「ゼロ、その答えは三巡目で言うんだ」
ゼロ「あ、ああ……そうだな」
ユフィ「では、気を取り直して。―――せーのっ」
ゼロ「カレン!!」
スザク「ゼロ!!」
カレン「ゼロ!!」
ユフィ「ゼロ!!」
ゼロ「よし!!!いや!!まて!!どういうことだ?!」
ユフィ「もうスザクには愛想が尽きました。ゼロのほうがいいです」
スザク「ユフィ……ごめん……でも……僕は……ゼロがいいんだ!!」
ゼロ「……全員が私を選んだのは驚いたが。ともかく、これでペアは成立したな」
カレン「ゼロ……」
ゼロ「カレン、こっちにこい」
カレン「ゼロー!!あたし、信じてました!!」テテテッ
スザク「待ってくれ!!」
カレン「邪魔するな!!」
ゼロ「なんだ?!もういいだろ?!」
スザク「みんなはゼロを選んだ……ということは……これはもう、みんながゼロのペアでいいんじゃないだろうか?」
ゼロ「は?」
ユフィ「あ、それいいですね」
カレン「ちょっと、それって……」
スザク「ゼロ、君はこの無人島でハーレムを作ったんだ。誇っていいと思う。産めや増やせだ」
スザク「僕の子を産んでくれ、ゼロ」
ゼロ「俺は男だ!!」
スザク「それは今晩わかる!!」
ゼロ「よせ!!こっちにくるな!!」
カレン「スザクにゼロは渡さない!!!ゼロが男でも女でもぉ!!」
ユフィ「みなさん!!私にもゼロを分けてください!」
ゼロ「貴様ら!!頭を冷やせ!!とくにスザク!!」
スザク「僕は冷静だ!!」
ゼロ「ならば問う!!俺が男だったらお前はどうするつもりだ?!」
スザク「……カレンはユフィを受け入れるといった」
ゼロ「……」
スザク「ゼロ!!この無人島では敵も味方もない!!僕は君が何者でも受け入れる!!その覚悟も今、した!!」
ゼロ「そんなインスタントの覚悟で抱かれる俺の身にもなれ!!!」
スザク「ゼロ!!僕は必死だ!!」
カレン「ゼロ!!こっちへ!!」
スザク「どうして僕の想いを受け取ってくれないんだ。この無人島では協力しないと生きていけないのに」
ユフィ「ちょっと!みなさん!!ゼロのお相手は日替わりでお願いしますね!」
ゼロ「ユフィ!!お前も少し落ち着け!!」
カレン「ゼロ!!とにかく人気のない場所にいきましょう!」
ゼロ「どこにも人気などないぞ、カレン!!」
カレン「でも、見られると……」
ゼロ「何の話だ!?」
スザク「ゼロ……もう僕の中では君の素顔が浮かび上がっている。ロングヘアの黒髪で……」
ゼロ「聞いてない!!」
ユフィ「ゼロ、ここでなら誰の反対も受けなくて済みますね」
ゼロ「黙れ!!」
シュナイゼル「こちらから声がするね」
ロイド「あは~スザクくぅん。それからユーフェミア副総督まで。これはついてるぅ」
また邪魔をしに来たか!
シュナイゼル「君は……ゼロ?」
スザク「ロイドさん!?」
ロイド「よかった。大事なパーツがなくなって心配したんだからね」
ユフィ「シュナイゼル兄様……」
シュナイゼル「無事だったか。偶然ではあるけど、見つかってよかった。さあ、帰ろう」
ゼロ「よかった……地獄にならずにすんだが……カレン!!行くぞ!!!向こうにあるナイトメアを奪うぞ!!」
カレン「は、はい!!」
ユフィ「もう……終わりですか……」
シュナイゼル「何かしていたのかな?」
ユフィ「ええ……ちょっと……」
スザク「ゼロ……」
バトレー「ああ!!ガウェインがぁ!!何をする?!」
ゼロ「黙れ!!」ゲシッ
バトレー「あぁん」
カレン『副座?!このナイトメア二人乗り!?ゼロ!!あたし、これからこれに乗ります!!』
ゼロ『カレンには紅蓮があるだろう』
カレン『これがいいです!!独り乗りなんて寂しいから!!』
ゼロ『ええい!!ダメだ!!』
カレン『どうして……あ、今なら、調べられる……』
ゼロ『カレン!!どこを触っている?!やめろぉ!!!』
バトレー「あぁ……」
シュナイゼル「気にすることはない。所詮はテスト機。実用化はできないよ」
スザク「ゼロ……」
ユフィ「……もう少し、遊びたかったのに」
シュナイゼル「どんな遊びをしていたのかな?」
スザク「遊びではありません!!少なくとも自分はゼロと懇ろになりたいと思いました!!本気で!!」
シュナイゼル「ゼロは……女性なのかい?」
スザク「イエス、ユア・ハイネス!!」
ロイド「じゃあ、殿下。僕はスザクくんを連れて戻りますね」
シュナイゼル「ああ、そうしてくれ」
ロイド「じゃ、いこうか」
スザク「はい……」
ユフィ「はぁ……また、会えるでしょうか……」
スザク「ゼロ……今度出会うとしたら戦場か……」
スザク「僕は……迷わないよ、ゼロ。君が長く美しい黒髪の美少女でも……」
シュナイゼル「ゼロは女性……少し、見てみたいね」
スザク「眼鏡で……すこしそばかすがあって……笑窪もあって……」
シュナイゼル「なるほど……ゼロの素顔は随分特徴があるんだね」
スザク「胸は控えめで……」
シュナイゼル「ふむ……ちょっと、似顔絵を描いてもらえるかな?」
スザク「分かりました」
バトレー「これはすごい。ゼロを一気に追い詰められますね」
ニーナじゃね?
C.C.「おかえり。楽しかったか?」
ゼロ「楽しいわけがあるか。こっちは色々と大変だった」
C.C.「にしては、犬娘がかなり懐いているようだが?」
ゼロ「……」
カレン「ぜろぉ……性別なんて問題じゃない……あたしはあなたが好きなんです……」スリスリ
C.C.「説明があると、私は嬉しい」
ゼロ「なんでもない」
C.C.「お前……」
カレン「ゼロぉ……一生、ついていきます……」
ゼロ「分かった、わかった」
C.C.「おい、離れろ、犬」
カレン「はっ」
C.C.「貴様ぁ!!」
ゼロ「もうやめてくれ!!こういうのはたくさんだ!!」
スザク「できました、シュナイゼル殿下」
シュナイゼル「ほう……これがゼロの素顔か。コーネリア?」
コーネリア『はい』
シュナイゼル「今、似顔絵のデータを送る。各メディアで大々的に報じてくれ」
コーネリア『分かりました。―――枢木よ』
スザク「はい」
コーネリア『よくやったな。流石にこの功績は大きく、無視できるものではない。期待していろ』
シュナイゼル「その似顔絵に合致する者を探してみるといい」
コーネリア『元よりそのつもりです』
スザク「ゼロ……君に会える日が待ち遠しい……」
シュナイゼル「すぐに会えるよ」
スザク「……ゼロ……」
ユフィ(ルルーシュ、これで貴方が疑われることはありません)
ユフィ(ですから、もう一度ゆっくりと考えてみましょう。みんなで幸せになれる方法を……)
コーネリア「ゼロを捕らえることに成功した!!」
ニーナ「違う!!私じゃありません!!」
コーネリア「言い訳無用!!テロリスト風情が!!」
ニーナ「いやぁぁ!!!」
ユフィ「あなたが……捕まったの?」
ニーナ「ユーフェミアさま!?た、助けてください!!あのときみたいに!!」
ユフィ「……」
ニーナ「ユーフェミア……さ……ま……?」
ユフィ「ごめんなさい。私じゃどうにも……」
ニーナ「いやぁ!!」
コーネリア「こやつの裁判は3日後に執り行う!!極刑だがな!!!」
ニーナ「どうして!!私、何も悪いことしてないのにぃ!!!」
ユフィ「今は無理でも、刑を軽くする努力はしてみるから!!」
ニーナ「ユーフェミアさまぁぁぁ!!!」
スザク「ええ。ゼロが捕まったらしいですね」
セシル「まさか、アッシュフォードの学生だったなんて……」
スザク「いえ。ニーナはゼロじゃありません」
セシル「え……?」
スザク「ゼロはもっと……」
セシル「あ、ちょっと待って。―――はい?」
ギルフォード『ある作戦に参加してほしい。黒の騎士団も出てくるはずだ』
セシル「ええ。分かりました」
ロイド「あは~。がんばりまぁす」
スザク「ゼロ!!ようやく君にあえるんだね!!ゼロ!!」
ロイド「じゃ、はりきって行ってみようか」
スザク「ゼロ!!待っていろ!!」
スザク「君はニーナじゃない!!もっと国宝級に可愛いはずだ!!」
セシル「スザクくん!!興奮しないで!!」
ルルーシュ『ブリタニアめ。ゼロを捕まえたと浮かれていればいい。本物のゼロがこうして―――』
C.C.『ルルーシュ。何かくるぞ』
ルルーシュ『なに?』
ランスロット「ゼロ!!!やっと会えた!!!」
ルルーシュ『枢木か?!』
スザク『僕は今日!!君に伝えることがある!!』
ルルーシュ『なんだ!?』
スザク『僕は君に恋をしたぁ!!!!』
ルルーシュ『な……?!』
スザク『許されない恋であることは承知している!!だから、せめて!!僕の手で君も君も心も捕まえてみせる!!!』
ルルーシュ『馬鹿か!!いい加減にしろ!!私は男だ!!』
紅蓮「ゼロに手を出すなー」ピョンピョン
C.C.『カレン、フロートユニットがないのだから、地上で大人しくしていろ』
紅蓮「あたしも混ぜろー!!」ピョンピョン
ルルーシュ『黙れ魔女!!ハドロン砲を使う!!』
スザク『ゼロぉぉぉ!!!!好きだぁぁぁ!!!!』
ルルーシュ『こっちに来るな!!』
スザク『そっちに行くよ!!』
ルルーシュ『貴様さえいなければ!!!』
スザク『君が居てくれるから!!!』
ルルーシュ『もう諦めろ!!!』
スザク『諦められない!!』
ルルーシュ『私はお前を選ばない!!』
スザク『俺は君しか選べない!!!』
C.C.『どうでもいいが、私も選択肢にあるんだろうな、坊や?』
紅蓮「ゼロー!!あたしも忘れないでー!!」ピョンピョン
ルルーシュ『もういい!!俺はもう!!誰も選ばない!!!選ばないぞぉぉぉ!!!』
C.C.『なんだ、一生童貞か。それもいいな。お前らしくて』
おしまい。
Entry ⇒ 2012.08.17 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
灼「・・・学校に行くのがつらい」
女生徒A「は~…やっと終わったし」
女生徒B「あのクソババア10分も延長しやがってさー。マジありえないんだけどぉ」
女生徒C「もう学食ゲキ混みだよねー」
灼「…」ガサゴソ
灼「…いただきます」ボソッ
灼「…」モソモソ
女生徒B「うーん…あ、そうだ」ニヤッ
......ヒソヒソ
女生徒A「…あ、いいねそれw」
女生徒C「マジうけるぅw」
女生徒B「んじゃさっそく呼んでみよっか…ねえ、鷺森さーん!」
灼「…!」ビクッ
女生徒A「…あ? 無視かよ」
女生徒B「…おい」ガシッ
灼「…なに」
女生徒B「はぁ? なんだよその態度」
女生徒A「ちゃんとこっち向けよ」グイッ
灼「…っ」
女生徒C「wwww」
灼「…なんで私が」
女生徒A「えー、だって鷺森さん暇そうじゃん?w」
女生徒C「wwww」
灼「…暇じゃない。ご飯食べてる」
女生徒C「ご飯とかwwwブフォwww」
女生徒B「そんなん別にあとででも食べられるっしょw」
女生徒A「ちょ~っと学食行ってパン買ってくるだけなんだからさぁ…ねぇ、お願~い♪」
灼「…」
女生徒A「えー、だってめんどいじゃーんw」
女生徒B「いいから早く買ってきてよ。ちょーお腹すいたんだけど」
女生徒C「wwwwww」
灼「…」
女生徒A「あたしメロンパンといちご牛乳ね」
女生徒B「私はなんかレモンティーとチーズカレーパン」
女生徒C「えっと、私はぁ…」
女生徒B「…はぁ?」
女生徒A「あんたさぁ…マジ空気読めよ」
女生徒C「そーそー、自分の立場わきまえなってw」
灼「…うるさい。ジャマだから向こう行って」
女生徒B「…おい」ガシッ
灼「…っ! いた、い…!」
女生徒B「早くいってこいよ…ッ!」グググッ
灼「…やめ…て…っ!」
灼「…わか、った…わかりました…っ」
女生徒B「じゃあ早く行ってきな」パッ
灼「…っ」ジワッ
女生徒C「ちょwww泣きそうになってるww」
女生徒A「はーやーくしーてーよー」バタバタ
女生徒C「wwwww」
女生徒B「なに突っ立ってんの? 早くしろよ」ドンッ
灼「…痛っ!」ドテッ
灼「…」
灼「…はい」トボトボ
灼(…あいつらだけには目をつけられないようにしてきたつもりだったのに…)
灼(…これから私…どうなっちゃうんだろう…)
灼(…晴ちゃん…)
......ドンッ!
灼「…ご、ごめんなさいっ」ビクッ
穏乃「こっちこそ…って、灼さんじゃないですか!」
灼「あれ…シズ…」
穏乃「部室以外で会うなんて珍しいですね!」
灼「そ、そうだっけ…?」
灼「う、ううん…ちょっと購買に…」
穏乃「へ~、じゃあ私も今日は購買にしよっかな!」
穏乃「これから一緒に食べませんか? 灼さん!」
灼「え、えっと…」
灼(私にはおばあちゃんが作ってくれたお弁当があるし…)
灼(なにより、早くあいつらのところに持っていかないとどんな目に遭わされるか…)
灼「ご、ごめん…今日はクラスの子と食べる約束してるから…」
穏乃「そうなんですか…残念ですね~」
灼「ご、ごめん…」
穏乃「いいですって! また今度一緒に食べましょうね!」ニコッ
穏乃「どれにしよ~、迷っちゃうなぁ!」キョロキョロ
灼「…」
灼(シズは能天気そうでいいな…うらやましい…)
灼(っと…私も早く選ばなきゃ…)
灼(メロンパンと、イチゴ牛乳と…)
灼(それから…なんだっけ…?)
灼(ど、どうしよう…忘れちゃったよ…)ガクガク
「…たさん」
灼(もし違うの買ってきちゃったら…私…っ)ガクガク
「…灼さん!」
灼「ご、ごめんなさいっ!!」ブルブルッ
灼「あ…シズ…」
穏乃「そんなに震えて…何かあったんですか?」
灼「え、いや…別に…」
穏乃「…??」
灼「そ、それより決まった…?」
穏乃「はい! このチーズカレーパンってやつにします!」ビシッ
灼(…あ、そうだ…チーズカレーパンとレモンティー…)
灼「あ、ありがとう…シズ」
穏乃「え、何か言いました?」
灼「ううん…別に」
灼(よかった…とりあえず怒られずに済む…)
穏乃「ふぁい…んぐっ」
穏乃「また放課後! 部室で会いましょうね!」ダダッ
灼「…ふふ」
灼「…」
灼「…」ゴクリ
ガラッ
灼「…」ソソソッ
灼「お、遅れてゴメン…」
女生徒B「…」チッ
女生徒B「…いつまで待たせんだよチビ」
女生徒A「もう昼休みあと30分しかないじゃーん!」
女生徒C「ちゃんと買ってきてくれたのぉ?」
灼「う、うん…これでいいんでしょ?」スッ
女生徒C「さんきゅう♪」
女生徒A「またよろしくw」
灼「え…またって…」
女生徒A「えっ…まさかこれで終わると思ったの?w」
女生徒C「wwwwwww」
女生徒B「ほんとおめでたい頭してんなぁ…」ガシッ
......ググッ
灼「…いたっ!」
女生徒B「…今日からお前、うちらのパシリだから」ニヤッ
「「「wwwwwwwwwwwwww」」」
灼「…っ」
灼「…」
灼(…授業が全然耳に入ってこない…)
灼(…どうして…どうして私なの…?)
灼(…誰にも嫌われないように…迷惑かけないようにしてきたつもりなのに…)
灼(…どうしてこうなっちゃうの…?)
......コツッ
灼「…!」ビクッ
灼(…て、手紙…?)
『今日の放課後、教室残れよ』
灼「…」
灼(…もうヤだよ…こんなの…)
灼(…怖い…怖いよ、晴ちゃん…っ)ガクガク
灼「…」
女生徒A「へえ、ちゃんと残ったんだ…感心感心」
女生徒C「wwwwww」
女生徒B「…これからちょっと付き合えよ」
灼「つ、付き合うって…どこへ…?」
女生徒B「…んなの行きゃわかんだろ?」
灼「…は、はい」
女生徒A「…Bってば、今日はなんかちょー怖くない?w」
女生徒C「たしかにwwwww」
女生徒B「…なんか知らんけど、こいつすげえむかつくんだよねぇ…」
女生徒A「…な~るほどw」
女生徒A「残念だね~、鷺森さん。でもBの目に留まっちゃったのが運のつきってやつだわw」
女生徒C「wwwwwwwwwwww」
灼「…」
灼「ここは…コンビニ?」
女生徒B「コンビニって言っても、あんたに買ってきてもらうのはこれだけどね」ヒラヒラ
灼「それって…」
灼(タバコ…だよね? なんでそんなもの…)
女生徒B「そこのコンビニ、前は痴呆のババアが店員しててさぁ」
女生徒B「そんときは私ら制服のまんまでもタバコなんていくらでも買えたんだ」
女生徒B「でも最近になってクッソうぜえキモメガネに代わっちゃってさ…ろくに買えなくなっちゃったわけ」
女生徒A「そこであんたの出番ってわけよw」
灼「…ま、まさか…!」
女生徒A「そそw なんとかしてタバコ3箱買ってきてくんない?」
灼「…」
灼「痛っ…そ、そんなの無理だよ…っ! だ、第一、もうお金が…っ」
女生徒B「ごちゃごちゃうるせえよ! てめえはあたしらのパシリだろうがッ!」
女生徒B「いいから買ってこいっつーんだよ!」ドンッ
灼「…っ!」
女生徒B「…ほんとウジウジしててイライラするわぁ…」
灼「…っく…えっく…」
女生徒A「…ねぇ、いつまでそこに座ってるわけぇ?」
女生徒B「泣けば済むとでも思ってんのか…? あぁ!?」ググッ
灼「痛っ…い、痛いです…っ! ご、ごめんなさいごめんなさい…っ!」ボロボロ
灼「でも…っ、うっく…お、お金が…な、なくて…っ」
女生徒A「…どうするよ、B?」
女生徒B「…」
灼「…っ」ビクッ
女生徒C「あ、鷺森レーンってやつっしょw」
女生徒B「そそ。こーんなド田舎でボウリング場経営してんだ…たんまりお金だってあるんじゃないの?」
女生徒A「…なるほどぉw あったまいい~、B♪」
女生徒C「wwwwwww」
女生徒B「どっからでもいいから、金パクッてこいよ」
灼「…お、お願いします…どうかそれだけは…っ」
女生徒A「あぁ? せっかくBがチャンスくれてやってんだよ? それをムゲにする気?」
女生徒B「もし行かなかったら…どうなっても知らないよ?」
女生徒B「あんたの大事な大事なおばーちゃん…」ニヤッ
灼「…っ!!」ゾクッ
灼「や、やめて…! お、おばあちゃんだけは…っ!」
女生徒B「なら、早く行ってこいよ!」ゲシッ
灼「…うぐっ!」
灼「…は、はい…」トボトボ
なら、あとは分かるな?
灼「…た、ただいま…」
祖母「おかえり、灼」
灼「…お、おばあちゃん…」
祖母「…どうしたの? 灼」
灼「…っ」
灼(…いますぐすべてを投げ出したい…)
灼(おばあちゃんに、助けてほしいって泣いて叫びたい…っ)
灼(…おばあちゃんの胸の中で…安心したい…)
灼「…」
灼(…でも…そんなことしたら、おばあちゃんが…)
灼「…っぐ…」
祖母「灼…何があったの? 話しなさい」
灼「…っ」ゴシゴシ
灼「…な、なんでもないよ、おばあちゃん」ニコッ
灼「これから、友達と遊んでくるんだ。ちょっと着替えに戻っただけ」
灼「だから帰るのはちょっと遅くなっちゃう」
灼「あ、お夕飯は絶対食べるから…!」
灼「おばあちゃんの作るご飯…私大好きだし…へへ」
祖母「…」
灼「だから…その…」
灼「…」
灼「…ううん、なんでもない! それじゃあ自分の部屋行ってくる!」ダダッ
祖母「…」
祖母(…灼…)
灼「…っ」ヌギヌギ
灼(できるだけ、子供に見えないような格好で行かなくちゃ…)
灼(お金は…とてもおばあちゃんからは借りられない…あんな不安そうな顔をされたんじゃ…)
灼(…仕方ない、部の誰かに頼もう…土下座してでも)
灼(みんなはたぶん…まだ部室にいるはず…)
灼(そういえば私…今日休むこと、伝えてなかったな…)
灼「…」
灼「シズと放課後でって…約束したのに」
灼「…私…ダメな先輩だ…」ボロッ
灼「…っ」ゴシゴシ
灼(…なに泣いてるんだ私…!)
灼(今はそんな場合じゃない…一刻も早く急がなくちゃ…!)
ダダダッ
祖母「…灼!」
灼「…っ! な、なに…?」
祖母「…」
祖母「…なにか悩みがあるなら、相談しなさいよ」
灼「…」
灼「…ありがと、おばあちゃん」
灼「でも、そんなのないから…だから、安心して」ニコッ
灼「じゃ、行ってくるね」ダダッ
祖母「…」
祖母「…灼…一人で頑張るだけが、本当の強さじゃないんだよ…」
灼「ハァ、ハァ…つ、着いた…」
ガチャ
......ワイワイガヤガヤ
穏乃「あれ、灼さんじゃないですか!」
憧「遅かったじゃーん」
玄「心配してたんだよ?」
宥「5人揃って…ほっかほか…///」
灼「…みんな…」
灼(…みんなは私なんかのために、ずっと待っててくれたんだ…)
灼(それなのに…今から私は、そのみんなを裏切るようなことをしようとしてる…)
灼「…」
灼「く、玄…ちょっといいかな」
玄「え、別にいいけど…どうしたの? 灼ちゃん」
灼「玄にちょっと相談があってさ」
穏乃「相談って…灼さん、なにか悩み事ですか?」
憧「ちょっとシズ、あんま詮索するのはよくないよ。灼にだって事情があるんだろうし」
穏乃「そ、そっか…ごめんなさい、灼さん…」
灼「ううん、こっちこそごめん…」
灼「じゃあ、玄…ちょっと一緒に来てくれる?」
玄「うん」
灼「うん、おばあちゃんが体調悪くてね…薬が必要なんだけど、今月は稼ぎが悪くて…」
玄「そっか…うん、いいよ!」
灼「…ほ、ほんと?」
玄「うん、だって友達の頼みだもん! それに、灼ちゃんのおばあちゃんにも早く元気になってほしいし」
灼「…玄…ごめん」
灼(…ほんとに、ごめん)
玄「謝らなくていいんだよ。はい、受け取って?」スッ
灼「…玄…」
玄「うん」
灼「…あと、部活は今日休むね」
玄「わかったよ。他のみんなには私から伝えておくから」
灼「なにからなにまで、ほんとにありがとう…それじゃ」
玄「うん、おばあちゃんにお大事にって伝えて!」
灼「…」
灼「…うん」
ダダッ
女生徒A「お、きたきた」
女生徒C「遅すぎwwww」
女生徒B「どんだけ待たせんだよチビ」
灼「ご、ごめんなさい…」
女生徒B「いいから、すぐ買ってこい」
灼「は、はい…」
灼「…」トボトボ
ウィーン
店員「いらっしゃいませー」
灼「…っ」
店員「はい…?」
灼「そ、その青い箱の…」
店員「…? これですか…?」
灼「は、はいそれ…それを…み、みっつ…」
店員「…」
灼「…っ」
バックン......バックン......!!
灼(…ど、どうしよう…明らかに不審がられてる…)
店員「…君、中学生かなにか?」
灼「…っ!」
店員「つい最近も高校生がタバコ買いにきてさー…追い払うのに苦労したよ」
店員「君、名前は? どこの学校?」
灼「え…えっと…っ」
店員「早くしてよー、こっちだって暇じゃないんだから」
灼「ご、ごめんなさい…っ」
店員「ほら、学校」
灼「あ、阿知賀女子学院…です…」
店員「阿知賀って、あの有名なお嬢様学校じゃない?」
店員「なーんでこんなくだらないことしちゃうのかねぇ…」カキカキ
灼「…っ」
店員「名前は?」
灼「さ、鷺森…灼です…」
店員「灼ちゃん…ね」カキカキ
店員「んじゃ、警察に通報させてもらうから」
店員「待つも何も、君がこんなことするのがいけないんでしょ? 自業自得だよ自業自得」ピッポッパ
店員「あ、もしもしー!」
灼「…っ」
灼(もうダメだ…警察沙汰になったなら、学校や家に連絡が行くのは避けられない…)
灼(ごめん…おばあちゃん…玄…)
灼(…みんな…)
灼「…っく…えっく…」
先生「…どうしても、話してくれないんだな?」
灼「…」
先生「…残念だ…お前には失望したよ、鷺森」
先生「これから、お前の所属する麻雀部の顧問、赤土先生がくる」
灼「…っ!」ビクッ
先生「もしお前が反省しているのなら…今からでも遅くはない、先生に事情を話してやれ」
先生「私は警察の方と少し話がある。それじゃあな」
バタンッ
灼「…」
灼(…晴ちゃんが…くる…)
灼(…私…どんな顔で晴ちゃんと話せばいいんだろう…)
ガチャリ
晴絵「…灼」
灼「…は、晴ちゃん…」
灼「…」
晴絵「…私からも、そうやって逃げる気?」
灼「…」
晴絵「…灼!」
灼「…っ」ビクッ
晴絵「…私はあんたが喫煙してたなんて話、信じられない」
灼「…」
晴絵「でもねぇ…黙ったまんまじゃ、みんなそう思っちゃうんだよ。私だって立場上、そう思わざるを得ない」
灼「…」
晴絵「…灼、なにがあったのか話せ。誰かに言われてやったのか?」
晴絵「…灼」
灼「…私、言えない…」
晴絵「…」
晴絵「…そうか」
ガタンッ
晴絵「…鷺森灼。お前は以後、阿知賀女子麻雀部から除名する」
晴絵「…二度と麻雀部には足を出させない…わかったな?」
灼「…」
晴絵「…もう私から言うことは何もない。それじゃあな」
灼「…」
晴絵「…灼」
灼「…」
晴絵「…待ってるだけじゃ、誰も助けてなんてくれないぞ」
灼「…」
晴絵「…」
バタンッ
灼「…」
灼「…っく…えっぐ…」ボロボロ
穏乃「灼さんが…!?」
憧「じゃあ…昨日の用事って…」
玄「…うん…タバコを買うため、だったんだと思う」
宥「…」
穏乃「…そ、そんなの信じられないよ! 灼さんがそんなこと…!」
憧「でも、状況だけ見たらそう思うしか…」
穏乃「な、なに言ってんだよ憧! お前、灼さんは同じ麻雀部の…!」
憧「そんなのわかってる!! わかってるよ…」
穏乃「…っ」
玄「…でもね、少しでも考えちゃうんだ…やっぱり灼ちゃんは私を騙してたんじゃないかって」
玄「それでね…そんな考えがよぎっちゃう自分がイヤなんだ…」
玄「…ううぅ…っ」
宥「…玄ちゃん…玄ちゃんは悪くないんだよ」ギュ
穏乃「…玄さん…」
憧「…玄…」
ガチャ
晴絵「…」
憧「は、晴絵…どうだったの?」
晴絵「…」フルフルッ
憧「そんな…」
晴絵「…なんだ」
穏乃「先生だって、灼さんがあんなことするわけないって思ってるでしょ!?」
穏乃「ここにいるみんなだってそう思ってる! なのになんで何もしてやらないんですか!?」
憧「し、シズ…」
穏乃「私…今から灼さんに直に問い詰めてきます!」
晴絵「…待て、穏乃」
穏乃「…な、なんでですか!? もしかして先生は灼さんのことなんてどうでもいいと思ってるんですか!?」
晴絵「いいから落ち着け!」バシンッ
穏乃「…っ!」
晴絵「…だが、灼自身が心を開かない限り、私たちにできることはない…」
穏乃「…そ、そんな…」
晴絵「違うだろ、穏乃…? だからこそ…信じて待ってやるんだよ」
穏乃「あっ…」
晴絵「…あいつが、いつでも私たちに助けを求めてきてもいいように…な」
憧「そっか…そうだよね」
宥「私たちが信じてあげれば、きっとその思いは灼ちゃんに伝わる…」
玄「それを私たちは…信じる…っ!」
穏乃「…うん…!」
穏乃(灼さん…私たちの方はもう、準備できてますよ)
―――あとは、灼さんの気持ちだけです…!
灼(…私…最低だ…)
灼(玄や、みんなの気持ちを裏切った…)
灼(晴ちゃんに見捨てられるのも、当たり前だよね…)
灼(…おばあちゃんに、どう顔向けすればいいんだろ…)
灼(…私、もう生きてる価値ないよね…)
灼「…」
灼「どうせこれから、惨めで苦しい思いをすることになるなら…いっそ…」
「―――死んでみる…って?」
灼「…っ!」ビクッ
女生徒B「…手伝ってやろうか? 死ぬの」
灼(こいつらさえ…こいつらさえいなければ…)
女生徒A「へえ、まだ睨むくらいの余裕はあるんだぁ」
女生徒C「むかつくwww」
女生徒B「なに? ついに反抗期到来?」
「「「wwwwwwwwwwww」」」
灼「…」
女生徒B「…てめえ、いきがんなよッ」ガシッ
灼「…っ!」
女生徒B「ほら、C! バケツもってきな!」
女生徒C「あらほれさっさwww」
灼「…っ!」
女生徒B「お前死にたかったんだろ? ならウチが死なせてやるよッ!」
灼「…や、やめ…っ!」
バシャンッ
女生徒B「ハハッ…ほら、死ねよ! 死ねよ!」
灼「ぶはぁっ…!」
女生徒A「ちょ、Bってば…マジでやっちゃうの…?」
女生徒B「なに? 文句あんの? じゃああんた抜ければ!?」
女生徒A「い、いや別にそこまでは…」
女生徒C「顔wwwwウケるwwww」
バシャバシャ......!!
灼「ごぼっ…が…ぷはっ…!」
灼(…ダメだ…私、このまま死んじゃうのかな…)
灼(…死んじゃったほうが…いいのかな…)
―――そっか…私、逃げてたんだ
おばあちゃんを助けるため、なんて理由つけて…本当は、誰にも知られたくなかっただけ
いじめられてるなんて言うの…恥ずかしかったから
挙句は玄の気持ちまで利用して…
『…待ってるだけじゃ、誰も助けてなんてくれないぞ』
―――一人で抱え込んでさえいれば、誰にも迷惑をかけないんだと思ってた
でも、それは違ったんだ…
―――友達、家族、先生…
私には、こんなにも私のことを大切に想ってくれている人たちがいた
私は、いじめっ子に逆らうことなんてできない…弱虫だ
でも、誰にも相談しないで一人で抱え込む方が…よっぽど弱虫だ
結局私は…自分のプライドを守りたかっただけなんだ
死に物狂いであがこうとしてなかっただけなんだ―――
でも―――今度こそ言うよ…!
シズ、憧、玄、宥さん…そして晴ちゃん
私を―――
『わたしを たすけて』
......ポチッ
灼「…っ!」
ガシャン......!
女生徒B「もうすぐ楽になれるんだから、おとなしく死んどけよクソチビがッ!」
灼「…ごがっ…がっ…!!」
灼(みんな…早く…っ)
「うっぉおおおおおおおおおおおお…とりゃあああああっ!!!」
ズベシッ
女生徒B「ぐえっ!!」
ズザザーッ......!!
女生徒A「な、なに!?」
女生徒C「wwwwwwww」
穏乃「阿知賀の野生児・高鴨穏乃…ただいま参上!!」ハァッ
憧「…おっと、そこまでよ」
女生徒B「なっ…!」
憧「せいっ…!!」
ドスンッ
女生徒B「…あ、が」ガクリ
憧「柔道二段をなめてもらっちゃ困るわよ…!」フンッ
女生徒A「な、なんなのこいつら…!」ジリジリ...
宥「ふふふ…逃がさないから♪」
女生徒A「なっ…マフラー!?」
女生徒C「wwwwwwww」グェッ
玄「やめるのです、お嬢さんたち!!」
穏乃「…玄さん、遅いですって」
「…待たせたな」
灼「…ぁ」
晴絵「…よく言えたぞ、灼」ニコッ
灼「は、はるちゃ…っ」
晴絵「…もう安心していいんだぞ」ギュ
灼「うぅ…うわぁあああああああああああああん!!!」ボロボロ
憧「まったく、おいしいとこもってくなぁ…」
宥「まぁたまにはいいじゃない♪」
玄「たまにはって…お姉ちゃん…」
穏乃「なにはともあれ、一件落着じゃないかー!」
憧「だねっ」
一方で私は、タバコの件に関しては罪を免れ、麻雀部からの除籍も取り消された
こうして、阿知賀のイジメ事件は幕を閉じたのであった―――
ただ、今回の事件が与えたものは苦しみや悲しみだけではなかった
この日以来、シズたち麻雀部のみんなとの絆はより一層深まり…今では…
灼「―――学校に行くのが、楽しいです!」
カン
阿知賀はみんな仲良し! お疲れさまでした!
皆笑顔でウルトラハッピー!
阿知賀麻雀部最高や!乙!
対象スレ: 灼「…学校に行くのがつらい」
キーワード: 小走
抽出レス数:10
お前らやえさんを便利屋か何かと勘違いしとりゃせんか
ヒーローだからな
Entry ⇒ 2012.08.17 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
キリト「アスナがヤンデレだった」
アスナ『……』ジー
キリト「帰ってきてから着替えることすらしないで俺の心拍数と体温を見てる」
アスナ『ふふっ、キリトくん』ジー
キリト「……アスナ怖い」
しゅるっ
キリト「っ! い、いきなり着替え出すなんて!」
キリト「……うわぁ」チラッ
キリト「アスナの体が……」
アスナ『うん? ああ!』
キリト「やば! 心拍数!」
アスナ『普段運動はしないだろうし……今のキリトくんはきっと……んっ』ムニュムニュ
キリト「えぇっ、ちょっ、アスナ!?」
キリト「え、えろ……」
アスナ『キリトくんっ! 一緒にイこっ!? あっ、んんっ!』クチュクチュ
キリト「んなっ!? まさかアスナ、俺の心拍数が上がる度に!?」
アスナ『あぁんっ、ふぁっ、はぁっ!』
キリト「……あ」
キリト「アスナっ! アスナァっ!」シコシコ
アスナ『ふぁぁぁあああ!!』
キリト「はぁっ、はぁっ……」
アスナ『はぁ……はぁ……』
キリト(嘘だろ、本当に同時に……)
アスナ『キリトくん……えへへぇ……』チュッ
キリト「端末にキスされましても、俺じゃないじゃないですか」
キリト「ベッドに寝そべって……あれはオーディオ?」
アスナ『ん……』
キリト「目を閉じた、なに聞くんだろ」
キリト『アスナ、愛してる』
キリト「ぶふぉっ!」
キリト『好きだ、大好きだ……』
キリト『アスナ、アスナ、アスナっ!』
キリト「こ、これってアスナとリアルでのときのじゃないか!」
アスナ『……えへ、えへへぇ』
キリト「あの、許してくださいアスナさん、自分の声とか許してください」
キリト「あのアスナさん? そのヘッドフォンはまさか……」
アスナ『よいしょっと……~~ッ!!』ゴロゴロ
キリト「やめてくれアスナ! そんなもの聞きながら悶えないでくれ! 嬉しいけど、嬉しいけどっ!」
アスナ『うん、私も大好きだよキリトくん、うん、うん、えへへぇ』
キリト「相槌とかやめて下さいお願いしますからぁ!」
キリト「あれ?」
アスナ『♪~』
キリト「クローゼットを漁って……」
アスナ『キリトくぅん! んー!』スリスリ
キリト「抱きまくらぁ!? ちょっ、ちょっとアスナさん?」
アスナ『キリトくんキリトくん』スリスリ
キリト「うわぁ……」
アスナ『~~ッ!』バタバタゴロゴロ
アスナ『~~ッ!』バタバタゴロゴロ
アスナ『……』ピタッ
キリト「あ、止まった」
アスナ『……足りない、やっぱり足りないよ』
キリト「ま、まだ足りないのか!?」
アスナ『キリトくん……』ピッ
♪~
キリト「で、電話ぁ!?」
アスナ『ね、キリトくん、今から向こうの家に来れない?』
キリト「あ、ああわかった、すぐ行くから先に行っててくれ」
アスナ『うん、じゃあまた数分後にね』
ピッ
キリト「マジかー……」
アスナ『よいしょ、着るのはこれとこれと……』
キリト「なっ、なんだあの防御力の低そうな下着! 絶対防御力1で特殊効果付きじゃないか!」
アスナ『新しいキリトくんのを……んっ!』
キリト「ば、バイブ!?」
アスナ『冷たいけど、キリトくんのっ、あぁっ……』
アスナ『それとキリトくんのYシャツを……はぁぁぁ///』
キリト「……ログインしてくるか」
キリト「や、やあアスナ」
アスナ「キリトくん! お帰りなさい!」
ぎゅっ!
キリト「う、うん、ただいま」
アスナ「いきなり呼び出しちゃってごめんねキリトくん」
キリト「い、いや、構わないよ、いきなりどうしたんだ?」
アスナ「……キリトくんが恋しくなっちゃって///」
キリト「アスナ……」
キリト(純粋に可愛いと思ってたのに……)
アスナ「ん……」
キリト「……んっ」
ちゅっ
キリト「なに?」
アスナ「キリトくん、カメラは設置したんだね」
キリト「……え?」
アスナ「あんなにジッと画面見るキリトくん、可愛かったよ」
ぎゅうう
キリト「えっ、いやっ、えぇっ!?」
アスナ「でもダメだよキリトくん」
キリト「な、なにが?」
アスナ「私みたいにキリトくんに反応して撮影をする、ずっと使えるカメラにしないとすぐにみれなくなっちゃうんだよ? 良いの?」
キリト「」
なら切らずに見るんだが支援
なでなで
キリト「あ、アスナ?」
アスナ「えへへ、私生活の共有化だね、本当はストレージもなにもかも共有化したいけど、まだ同棲は出来ないし、これで我慢しようね」
キリト「」
クライン「なあキリ公、さっきから大変大変言ってっけど、口が緩んでんぞ?」
キリト「え、そりゃあ、な、へへっ」
クライン「……」
キリト「それにしてもあれだな」
クライン「なんだ?」
キリト「アスナがヤンデレだった」
クライン「エギル……オリャ、いつもキリ公が羨ましかったけど、色んな意味であの子はキリ公じゃないと無理だと悟ったよ」
エギル「……クライン、今日は飲め」
クライン「エギル……」
エギル「奢りはしないがな」
クライン「エギル……」
Entry ⇒ 2012.08.17 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
真「手紙を書いてみよう」
真「って言っても手紙なんて書いたことないや……。うーん…最初はやっぱりこれかな」
─元気にしていますか?─
真「うん!つかみはOK!それから……えっと……」
ガチャッ
伊織「ただいまー…あら?真じゃない。何してるのよ」
真「あ、伊織。実はある人に手紙を送ろうって思ってさ」
伊織「手紙?今時古風ね。で、誰に送るのよ?」
真「それは……」
真「意外とは余計だよ!それでさ、『この人』らしいイメージって何かあるかな?」
伊織「そうね……いつも突っ走ってるイメージがあるわね」
真「…客観的に見るとそうなるんだね……。それじゃあこうして…っと……」
─相変わらず突っ走ってますか?─
伊織「ねぇ真」
真「うん?」
伊織「『この人』は変わってると思う?変わらないと思う?」
真「そうだね…ボクもそれが一番気になるよ。へへっ、夢を叶えられてるといいんだけどね」
伊織「そうね…ま、簡単じゃなさそうだけど。にひひっ♪
真「ちぇっ、ひどいなぁ……」
─もう月日だいぶ経つけど 変わったのかな? 変わらないかな?─
伊織「また何か詰まったら相談に乗ってあげるわ。脳筋なアンタだけじゃ難しいでしょ?」
真「誰が脳筋だって?まったく……あ、そうだ!スポーツ!」
─いい汗かいてますか?─
伊織「うん、真らしいフレーズじゃない。…あ、そろそろ時間ね。それじゃあ私は雑誌の取材があるから」
真「そっか……伊織!」
伊織「何よ?」
真「ありがとう。取材も頑張って!行ってらっしゃい!」
伊織「…そういう思いやり溢れる笑顔で見送られると、文句なんて言えないじゃないの…。ありがとう、真。行ってきます」
バタンッ
真「(時々素直になるところがまた可愛いなあ。さっきも付き合ってくれたし…伊織のそういう優しいところ、好きだよ)」
真「それにしても思いやりかあ……へへ…ちょっと恥ずかしいけど……」
─思いやり忘れてませんか? ちょっぴり照れちゃうけど この手紙を書いてみよう─
ガチャッ
あずさ「ただいま帰りました~」
真「あ、お帰りなさいあずささん!今日は伊織とは別ですか?」
あずさ「ええ。今日は映画のの撮影だったの」
真「『隣に…』でしたっけ?ボク、絶対初日に観に行きます!恋愛映画って好きなんですよ!」
あずさ「うふふ、ありがとう。ところで真ちゃん、それは?」
真「これですか?かくかくしかじかで手紙を書いてるんですけど、ちょっと行き詰まっちゃって……」
真「そうですね…ボクはボクなりに全力で、ベストを尽くします。力を発揮しないまま諦めるなんて嫌ですから!」
あずさ「じゃあそれを書いちゃえばいいのよ~。そのためのお手紙、でしょ?」
真「あ、そっか!さっすがあずささん!じゃあこうすれば……」
─もしも行き詰ったなら その時はベストを尽くせばいい 今できること考えよう─
あずさ「うふふ、いいお手紙になりそうね~」
真「はい!でもボク、ベストを尽くしてもずっと男扱いされてるんですけど……」
あずさ「真ちゃん。真ちゃんの魅力って、素直に頑張ってることだと思うの」
あずさ「ええっと…キャピキャピはわからないけれど、ありのままの真ちゃんであればいいと思うの」
あずさ「そうすれば、きっとみんなに届くはずだから……。だから悩まないでいきましょう?」
真「……あずささん……。ボク、感動しました!!」
あずさ「あ、あら?そこまでいいことを言ったかしら~?」
真「はいっ!!あの、今の言葉を頂いてもいいですか?きっと『この人』にとっても最高の励ましの言葉になると思いますから」
あずさ「ええ、もちろんよ。『この人』が私のことを覚えてくれてるといいわね~」
真「……忘れませんよ、絶対に。みんな大切な人ですから」
─素直な気持ちで ありのままやっていれば みんなに届くよ だから悩まないで─
あずさ「ええっと…キャピキャピはわからないけれど、ありのままの真ちゃんであればいいと思うの」
あずさ「そうすれば、きっとみんなに届くはずだから……。だから悩まないでいきましょう?」
真「……あずささん……。ボク、感動しました!!」
あずさ「あ、あら?そこまでいいことを言ったかしら~?」
真「はいっ!!あの、今の言葉を頂いてもいいですか?きっと『この人』にとっても最高の励ましの言葉になると思いますから」
あずさ「ええ、もちろんよ。『この人』が私のことを覚えてくれてるといいわね~」
真「……忘れませんよ、絶対に。みんな大切な人ですから」
─素直な気持ちで ありのままやっていれば みんなに届くよ だから悩まないで─
あずさ「何でも聞いてちょうだいね~」
真「大人って、どうやってなるんでしょうか?ボクもあと3年もしないうちに大人になっちゃうって考えたら、何か不安で……」
あずさ「……ごめんなさい、それは私にもわからないわ」
真「そうですか……」
あずさ「きっと、気付かないうちになってるものじゃないかしら?例えば『この人』なら、きっとかっこいい大人になってると思うの」
真「かっこいい大人に、ですか……。ボク自身、かっこいい大人になりたいって思ってます」
真「顔だけじゃなくて、もっとボク自身を…ダンスとか歌とか、ボクの全体を見てかっこいいって言われる、そんな大人に」
真「か、可愛いですか!?ボク可愛いですか!?」
あずさ「ええ、とっても」
真「やーりぃ!これで父さんを見返してやれるぞっ!」
あずさ「真ちゃん、今はお手紙でしょ?集中を切らすのは、めっ!」
真「は、はいっ!」
真「(……優しくて可愛い……あずささんって理想の女性だな……)」
真「(でもボクはあずささんにはなれない。だから精一杯、かっこいい女性を目指します!)」
─いつも夢見ていた かっこいい大人に 気付かないうちになっている貴方へ…─
真「……今のボクはアイドル活動に夢中だけど、その頃は何かに夢中になったりしてるかな?」
真「アイドル……は、流石に無理だよね。まだ芸能界にいるのかな……」
─何かに夢中ですか?─
真「それから……好きな人とか……」
─誰か好きな人はいますか?─
ガチャッ
P「ただいま帰りましたー!」
真「っわわわっきゃあああぁぁっ!?」
真「びっくりしたのはこっちですよ!もうっ!」
P「はぁ…よくわからんけどスマン…。ん?何か書いてるのか?」
真「ああっ!それは……」
P「……へぇ…いいこと書いてるじゃないか。歌詞か?」
真「いえ、手紙なんですけど……」
P「そりゃ珍しい。古風だと思うけど、俺はそういうの好きだよ」
真「すっ、すす好きですか!?へへっ…まいったなあ……」
P「……?」
真「はい。10年後のボクがどうなってるのかちょっとだけ気になって。まあタイムカプセル的なものですね。あ、これも忘れないように……」
─大人になった時 この手紙を開けてみよう─
P「…惜しいなあ。本当に惜しい」
真「何がですか?」
P「これを歌詞にしてしまえば、すごくいい歌が出来るんじゃないかって思ってさ」
真「…また仕事のことですか……」
P「し、仕方ないだろ?なんだかんだで好きなんだよ、今の仕事が!」
P「でも時々辛くなることもあるよな。そんな時、真はどうする?」
真「そうですねぇ……」
P「ちなみに俺なら……ちょっと夜の街までお楽しみに──」
バキッ
P「ぐあっ!!お、怒るなよ真!ちょっとした冗談じゃないか!」
真「冗談でも言っていいことと悪いことがありますよ!ボクだって乙女なんですからね!?」
P「……漢女(おとめ)の間違いじゃ──いたたた!つねるな!地味に痛い!!」
P「ならリフレッシュしてみようか。さあ、どうするんだ?」
真「…………」スゥ
P「おっ?」
真「プロデューサーのバカ──────ッ!!!!!」
P「おぉう!?」ビリビリ
真「……はいっ!スッキリしました!」
P「ナイスな大声だった…掛け値なしに。今度876プロの愛ちゃんと大声対決をしてみようか」
真「また仕事のことを……あっ!そうか、これだ!」
─もしも辛くなったなら 思いきり叫んじゃえばいい リフレッシュして また進もう─
真「はいっ!…でもフレーズって…なんか歌詞みたいじゃありません?」
P「俺は諦めない!諦めないぞ!!いつかこの手紙を菊地真の作詞として曲をつけてやる!」
真「そういうつもりは無いんですけど…。でもどうせだから歌詞っぽくしちゃいます?」
P「ああ、その方が音楽業界人っぽいしな!この少し前にいいフレーズがあるから……これを少し改変してみるとかはどうだ?」
真「あ、それいいですね!でもここは応援の言葉をしっかりしておきたいんです」
P「そうだな……これは未来の真に宛てた手紙なんだろ?」
真「はい!」
P「真の魅力は良くも悪くも一途でまっすぐなところだな」
P「だから怒るなって!ほら、応援するから迷わずに頑張れ!」
真「あ…今のいいかも!ちょっと借りますね!」
─一途な想いで 真っ直ぐ歩いていれば 応援してくれるよ だから迷わないで─
P「うん、いい感じになったな!」
真「プロデューサーは──」
P「ん?」
真「プロデューサーは、ボクを応援してくれますか?ボクがキャピキャピでフリフリな女の子になれる手伝いを、してくれますか?」
真「えーっ!?そこは手伝うって言ってくれるところじゃないんですか!?」
P「アイドルにも需要ってものがあってだな……」
真「うぅ…ひどいですよプロデューサー……」
P「でもな…真がこの手紙のように、一途に真っ直ぐに行くというのなら、俺はどこまでも応援してやる。迷惑だって言われても手伝ってやるぞ!」
P「プロデューサーってのはそういう仕事だよ。担当の子が道を踏み外さないように、夢へと続く道に向かう背中をそっと後押ししてやる──」
P「そういう誇らしい仕事だ。俺はこの仕事が好きで仕方ないし、誇りに思う」
真「プロデューサー…ちょっとかっこよく見えますよ!」
P「ははは、惚れてもいいんだぞ?スキャンダルは勘弁だけどな!」
真「それはありません」
P「うぐっ…流石に応えるぞそれは……。おっと、ここも考えないとな」
真「えーっと…それじゃあさっきのプロデューサーのアドバイスに習って、ボクのなりたいものを少しだけ変えてみます!」
─いつも夢見ていた 素晴らしいレディに 気付かないうちになっている貴方へ…─
真「そ、そうですか?もうっ、照れちゃいますよ~!」
P「(口が『ω』になってる…ああもう可愛いなあ!)」
P「うーん…やっぱりちょっと勿体無いな。歌詞に出来れば……」
真「それだとタイムカプセルになりませんよ……」
P「だよなあ……」
真「……あっ!こういうのはどうです?もし10年後にお互い芸能関係の仕事をしてたら、この手紙に曲を付けて歌にするってことで!」
P「おおっ!それはいいアイデアだな!よし、約束だ!」
真「はいっ!」
真「(プロデューサー……さっきも言ったように、ボクがプロデューサーに惚れることは絶対にありません)」
真「(だって……ボクはもう、プロデューサーのことを──)」
真「うぅ…どうしよう…このままじゃどことなく未完成っぽいし……」
ガチャッ
雪歩「ただいま帰りましたぁ」
真「雪歩おぉぉぉぉっ!!」ズザー
雪歩「ま、真ちゃん!?滑り込んできたりしてどうしたの?」
真「今ね、手紙を書いてるんだ。10年後のボクに宛てた手紙をさ」
雪歩「へぇ~。そういうのってロマンチックで素敵だね」
真「それであとちょっとだけ書いて完成にしたいんだけど、どうも浮かばなくて……雪歩、手伝ってくれる?」
雪歩「うん、私でよかったら手伝うよ!ゆっくり考えるためにお茶淹れてくるね?」
真「ありがとう、雪歩。…うん、やっぱり雪歩のお茶が一番おいしい!」
雪歩「えへへ…ありがとう、真ちゃん♪」
真「さーて、どうしようかなあ……」
雪歩「真ちゃん、10年後がどうなってるかは考えてみた?」
真「うん、いろいろ考えてみたよ。元気にやってるかとか、好きな人はいるかとか」
雪歩「10年後の765プロってどうなるのかな?」
真「どうなるんだろう……その頃にはボクたちも20代後半かあ。もういい大人だね」
雪歩「その頃の私は芸能界にいるのかな?…765プロにいるのかな…?」
真「あっ……」
真「お、落ち着いてよ雪歩!ネガティブな想像ばっかりしてもしょうがないって!」
雪歩「でも…みんなと離れ離れになったら……真ちゃんと離れ離れになったら……!」
雪歩「ひっく……そんなのイヤですぅ……真ちゃんと一緒に……ぐすっ……」ポロポロ
真「そんなのボクだって嫌だよ!でも10年も経ったら……ひっく……あれ…?」ポロポロ
真「くそっ…ボクまで泣けてきちゃったじゃないかあ…!雪歩ぉ……」ポロポロ
雪歩「真…ちゃん……ぐすっ…わあぁぁぁぁぁん!!」
真「ゆ、ゆき………うわあああぁぁぁん!!」
雪歩「うん…なんだか恥ずかしいね……えへへ……」
真「……雪歩、約束するよ」
雪歩「…………」
真「これから先、例え離れ離れになったってボクたちの絆は変わらない。どんなに離れたって絶対に連絡を取り合おう!」
雪歩「……うん。離れたって一緒だよ!」
真「みんなとずっと仲良しで…。それから未来のボクにはこの言葉を」
─涙の前に これを書いてた あの頃を思い出してごらん─
真「雪歩もそう思う?ボクも…ううん、みんなそうなんだろうね。今は、今が楽しいから頑張れてるけど、10年後はどうなるってるかわからないし……」
雪歩「きっと大丈夫だよ」
真「えっ?」
雪歩「真ちゃん……私たちは離れても一緒だって、さっき言ったばかりだよぉ」
真「あ…ごめんごめん!そうだったね!…よし、あと一息ってところかな?ここからはボク一人で何とかするよ。ありがとう、雪歩!」
雪歩「うん。何かあったら遠慮なく呼んでね?真ちゃんのためならいつでも駆けつけるから!」
真「ありがとう。それじゃ!」
真「(雪歩……ボクの大切な同性の親友。敬介とはいろいろあって疎遠になっちゃったけど、雪歩とならいつまでも……)」
真「(いつもありがとう、雪歩。ずっと親友でいよう)」
真「この部分、歌にするならサビの部分になるんだろうな……。ボク自身、ここのフレーズはすごく気に入ってるから」
真「10年後は不安だけど…今までどおりに頑張れば、きっと今までどおりに乗り越えていけるよね?」
真「……うん、ここはこうしよう」
─一途な想いで 真っ直ぐ歩いていれば 今までの様に乗り越えて行けるよ─
真「ここまではかっこいい大人、素晴らしいレディで来たから……うん、一緒にしてみよう」
─いつも夢見ていた かっこいいレディに─
真「かっこいいレディか…なれてるのかな?ううん、きっとなってるよね。自分で気付かないだけなんだ」
真「宛先の『貴方』はボク…いや、『自分』かな?大人になる頃には『ボク』を卒業しなきゃ!」
─気付かないうちになっている自分へ…─
P「お、完成したのか?」
真「うわあっ!?だから急に出てこないでくださいよ!!」
P「いや、うまく出来たのかチェックにな」
真「ダメです」
P「ケチだなあ。少しぐらいはいいだろ?」
真「ダメです。一番最初に読むのが10年後のボクじゃないと意味がありませんから!」
真「あはは!10年後までプロデューサーと一緒にいるかどうかわかりませんよ?」
P「いや、一緒だよ。俺にはわかる。って言うかそうしてみせる!」
真「…プロデューサー?それってどういう……」
P「秘密だよ。今はまだ、な」
「懐かしいなあ……こんな手紙があったなんて、今の今まですっかり忘れてたよ」
「忘れてたからこそ意味があるんだろ?お前だけじゃない、あの頃のみんなの思い出だよ」
「もう…私もそんなに若くないんだから、涙腺が緩むようなことを言わないでよ!」
「お前はまだ20代だろ……。しかも女優なんて仕事をやってるせいか若々しく見えるしな。俺なんて30代だぞ?今まさに涙腺が……」
「ああもう!ほら、ちーんして、ちーん!」
「ちーん!」
「ホントにしょうがないなあ…。あの頃の私……ううん、『ボク』はこの未来を予想できたのかな?」
「さあ?ただ俺の言った事は当たっただろ?10年後も一緒だって」
「……うん。嬉しかった。あの頃の『ボク』も、ずっと好きだったから」
「何が?」
「たとえ事務所のみんなとバラバラになったとしても、どこに居ても絆は繋がってるって」
「何だ、当たり前のことじゃないか。この空は繋がってるんだからな!」
「ふふっ、ちょっとクサいよ」
「なんだとぉ?」
「でもいい言葉。世界中の手をとり……だね」
「ああ、そうだな……」
「春香はまたひとつ雰囲気が優しくなったね。いい意味で変わってる。貴音は……」
「変わらない、だろ?」
「……本当に何なんだろうね。30近くになってくると羨ましくてしょうがないや」
「昔からそういうところがあったからな……」
「あ、今度一緒に飲みに行こうってさ」
「そうか…楽しみだけど心配だな、いろんな意味で」
「あははは……」
「でもさ、お前も素敵なレディになったよな」
「…お世辞を言っても何も出ないよ?」
「そんなつもりじゃないさ」
「えっ?こんなにいきなり?CDの収録とミュージカルは発生方法が違ってくるから、ちょっと慣れておかないと……。そもそも出す曲なんてあったっけ?」
「メロディはもう出来上がってる。歌詞も完成してるぞ、お前の作詞でな」
「歌詞なんて作った覚えは……あっ!!」
「…思い出してくれたか?俺との約束」
「……うん」
「それじゃあ曲名を決めてしまおうか。どんな曲名にする?」
「そうだなあ……励ましの手紙だから……『チアリングレター』で!」
「うん、いい名前だ。それじゃあ収録に向けて練習を始めようか!」
「へへっ!久しぶりのプロデュース、よろしくお願いします!プロデューサー!『ボク』、ジャンジャンバリバリ頑張っちゃいますからね!!」
おわり
真の誕生日用に書いたつもりですけれど、いつ規制に巻き込まれるかわからないので早めに投下しました
でも今日はきゅんパイアを聴いてから寝ます。おやすみなさい
Entry ⇒ 2012.08.17 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
衣「働かない衣なんて誰も必要としないのだ」
透華「問題ナッシング!衣の百人や千人、私が養ってみせますわ!!」
衣「………」
衣(透華はああ言ってくれてるけど……)
衣(心根では衣のことを疎ましく思っているのだろうな……)
衣(久方振りに外界に出るか……)
衣「何も言わずに出てきてしまったが、透華たちは心配しているだろうか?……いや、衣のことなど何とも思っていないのだろうな……」
衣「唯一、衣の取り柄であった麻雀もとうの昔に止めてしまった。そんな衣が誰かに必要とされている道理などないのだ……」
衣「麻雀、か……雀荘に行ってみるか」
衣「……誰でもいいから壊してしまいたい気分だ」
「ちくしょう!やってられるかッ!」
「やめだ!やめだ!」
「もう帰るぞ俺ァ!」
衣(ふふ、相も変わらず衣と打った者はあの様になるのだな)
「お客さん……あんたみたいなのがいるとうちも商売あがったりだ……もうここらで帰ってくれねぇかい?」
衣「………」
衣「衣は誰かに必要とされているのかな……?」
衣「思えば大学生の時から誰かに話しかけてもらった覚えがない……」
衣「2軒目行くか……」
「二度と来るかこんな店!」
「こんなふざけたことがあるか!」
衣「またやってしまった……」
「この卓空いてる?」
衣「ああ……もしかしてお前は……咲か?久しいな」
咲「久し振りだね、衣ちゃん」
咲「あはは、そういう衣ちゃんは変わってないね」
衣「そのお陰で就活に失敗してしまってな……」
咲「じゃあ今は……?」
衣「自宅を守護している」
咲「そっか……」
咲「フツーにOLやってるよ?」
衣「……お前ほどの者がプロへはいかなかったのだな」
咲「うん……私、麻雀それほど好きじゃないから」
衣「衣もだ……久方ぶりに打ってみたが、衣が麻雀を打つとこんな風になってしまう」
衣「……どういう意味だ?」
咲「そのままの意味だよ。あんな勝ち方してたらこんな風になるのは目に見えてるよ」
衣「よく分からんな……」
咲「相手に次やれば勝てる、って思わせないと逃げられちゃうってこと」
衣「そ、そうなのか……?」
衣「ふむ……そういう考えもあるのだな」
咲「そうだよ。じわじわ真綿で絞め殺していくような勝ち方しないと毟り切れないよ」
衣(あれ?なんだか咲が怖いんだが……)
咲「あ、カモ(お客さん)が来たよ」
衣(正真の化け物か?)
咲「おじさん強いですねぇ。レート上げて貰わないと取り返せないや」
衣(点数調整が的確すぎる……他の二人を交互に勝たせて卓に縛り付けてる……)
衣(それでいて8連続±0だと!?そんなふざけたことがあるのか?)
衣(客も熱くなったようでどんどんレートが上がってきてるし……)
咲「あっ、ツモです。四槓子」
衣「衣はいつも暇だが……どうかしたのか?」
咲「いっぱい勝てたし、私の奢りで飲みにでも行かないかなって」
衣「いいだろう……付き合ってやる」
咲「えっ、嘘!?大学とかで飲まなかったんだ」
衣「そういう縁はなかったのでな」
咲「へぇ、そうなんだぁ……」
衣「飲んだことはないが、衣は恐らくうわばみだぞ?金は足りるのか?」
咲(衣ちゃん可愛い)
衣「ぐすっ……ぐすっ……」
衣「衣ね、大学れぇ透華たちとちあうとこいってれ、ずっとひとりぼっちらったの……」ゴクゴク
咲「そ、そうなんだぁ」
咲(泣き上戸は予想外だったな)
衣「ふえ……ふえぇぇぇぇぇえん」
衣「ずっといじめられれてらんらけどれ、それれもがんばっらの」ゴクゴク
咲「そっか……偉いんだね、衣ちゃんは」
衣「ぷはっ……おじさん、おかわり」
衣「」コクコクコク
咲「初めてとは思えない飲みっぷりだね」
衣「ぷはっ……」
咲「それで?他にはどんなことがあったの?お姉さんが全部聞いてあげるから」
衣「ふえぇぇぇぇぇえん!咲ぃぃぃぃいい!!」ダキッ
咲「よしよし、いい子いい子」ナデナデ
衣「ぐすっ……れもれ、勉強がんばればがんばるほろまわりからいじめられるろ」ゴクゴク
衣「それれも難しい勉強がんばっれね、就活はじめらの」ゴクゴク
衣「そしららね、面接すらしてもらえらいまま卒業迎えちゃらの」ゴクゴク
咲「そっか、それで引き篭りに……」
衣「ふえ……ふえぇぇぇぇぇえん!!」
咲「あーよしよし」ナデナデ
咲「あっ、寝ちゃった……」
咲「流石に飲ませ過ぎたかな……?」
衣「すーすー」
咲「衣ちゃん、仕様がないなぁ……家まで送っていくかな」
咲「うわっ、軽っ!30㎏あるの?この子」
咲「ホント、年上には見えないなぁ」
咲「さっきの話、衣ちゃんも苦労してたんだね……」
咲「なんとかしてあげたいな……」
衣「うぷっ……」
咲「えっ?衣ちゃん!?」
衣「オロロロロロロ……」ビチャビチャ
咲「うえ……下ろし立てのスーツが……」
咲「近くにホテルあったかな……?」
咲「あれ?受付に誰もいないけど……」
咲「もう……どうすればいいのか分かんないよぉ」アタフタ
「あれ?もしかして嶺上さんと海底さんっすか?」
「こんなところで再会するとは……分からんものだな」
ゆみ「久し振りだな」
桃子「お久し振りっす~」
咲「こんなところで何を……って聞くまでもないか」
桃子「えへへ」
ゆみ「………///」
桃子「嶺上さんは何しに来たんすか?見た感じえっち目的ではないみたいっすけど」
咲「えっと……実は――」
衣「くーくー」
咲「さてと……」
照「もしもし!咲ちゃん!?」
咲「あ、お姉ちゃん?」
照「こんな時間まで何やってるの!?」
咲「色々あってね、今日は帰れそうにないや」
照「えっ?えぇっ!?」
咲「明日の朝には帰るからね。じゃあね~」ピッ
照「咲ぃ……ご飯まだー?」クスンクスン
咲「……あった!ふふ、可愛らしいデザインの使ってるね」
咲「うわっ!すごい数の着信履歴……」
咲「全部自宅から……なぁんだ、やっぱり必要とされてないわけないじゃない」
咲「衣ちゃん、よかったね」ナデナデ
衣が追跡防止のためGPS機能破壊したとでも脳内補完してくだしあ
透華「もしもし?衣ですの!?あら……」
咲「すみません……りゅーもんさん、ですよね……?」
透華「どちら様かしら?」
咲「……宮永咲で分かりますか?」
透華「宮永……あぁ、久し振りですわね。それで?宮永さんがどうして衣の携帯を?衣は今何処に?」
咲「衣ちゃんは酔い潰れちゃって寝ちゃってて……それで今は介抱の為に近所のホテルに」
透華「なんだか状況が分かりかねますわね……」
咲「そうだったんですか……」
透華「迎えに行かせたいのですが、その場所を教えて下さらないかしら?」
咲「えっと……先程、衣ちゃんが吐いてしまってて、無理に動かしたくないので明日の朝まで待ってもらえないでしょうか?私が責任もって送り届けますので」
透華「えっ?あ、ちょっと!」
咲「それではおやすみなさい、透華さん」ガチャ
咲(こんな場所にいるの知られたくないもん。仕方ないよね)
咲「ホント可愛いなぁ衣ちゃんは」ツンツン
衣「んん……」
咲「ふふ、私もこんな子どもが欲しいな」
衣「ころもはこどもじゃない……」ムニャムニャ
咲「あは、ほっぺた柔らかぁい」プニプニ
咲「咲っちょだけならいいよね……」
衣「ん……」
「ただいまだし!」ガチャ
「あれ?部屋間違えた?邪魔したし!」バタン
咲「………」
咲「もういいや……眠くなってきちゃったよ。おやすみ、衣ちゃん」
和「義理姉さん、気を確かに」
照「あわわわまだ淡照時間じゃない」
咲「あ、衣ちゃん。起きた?」
衣「ん……あれ?咲?」
咲「そうだよ」
衣「うぅ~あたまがガンガンする……」
咲「衣ちゃん、たくさん飲んでたからね……二日酔いだよ」
衣「あれ……?衣、服着てない……」
咲「お洋服がシワになっちゃうと思ってね、私が脱がせたんだけど……寒かった?」
衣「んー」
衣「ん、そうする……」
衣「それよりここどこ……?」
咲「えっと……その……」
和「咲さんに限って夜遊びなんてそんな……」
照「そういう風に育てた覚えはないな」
照「でも、咲ちゃん可愛いからな。ラブホ照に連れ込まれるなんてことでもしたら……あわわわ」
和「一発ですか?一発ツモですか!?」
衣「咲、帰っちゃうのか?」
咲「衣ちゃんを家まで送ってからね」
衣「そうか……」シュン
咲「お家に帰りたくない?」
衣「……少し、な」
咲「迷惑、か……ねぇ、衣ちゃんは透華さんのこと嫌い?」
衣「そ、そんなわけない!」
咲「じゃあ好きなのかな?」
衣「うん……」
咲「だったらそれでいいじゃない。衣ちゃんは複雑な境遇かも知れないけどさ、自分を殺してまで好きな人から離れることはないと思うよ」
衣「本当か……?本当にそう思うか?」
咲「うん、それに衣ちゃんと透華さんは家族でしょ?なら尚更だよ」
衣「咲がそう言うと返す言葉もないな……」
咲「まぁ例外もいるけどね」ボソッ
照「くしゅんっ!」
和「くしゅんっ!」
衣「うんっ!」
衣「咲……手、繋いでもらってもいいか……?上手く歩けないんだ……」
咲「ん、いいよ」
衣「やた!えへへ」
咲(可愛いなぁもう)
衣「透華ぁ~!」ダキッ
咲「りゅーもんさん、もしかしてずっと外で待ってらしたんですか?」
透華「それはまぁ……心配でしたからね」
衣「透華ぁ、黙って出掛けてごめんなさい」
透華「ええ」
衣「衣、ここにいてもいいかな?透華と離れたくないんだ」
透華「ええ」
衣「衣、明日からハローワークに通おうと思うんだ」
透華「ええっ!?」
咲「頑張ってね、衣ちゃん!」
そもそも透華に相談したら龍門渕家に永久就職することになってまう
咲「うん、もちろん!」
衣「ホントにホントだぞ?ばいばい、咲」
咲「ばいばい。またね、衣ちゃん!」
咲「さてと、私も家に帰ろっかな」
和「そんなオカルト有り得ません……義理姉さん、どうしましょう……?」
照「ところでお前誰だよ」
槓!
原村さんのオチにワロタ
乙
咲「ただいま~」
照「咲ちゃん!?おかえりなさい」ダキッ
咲「もういきなり抱きつかないでよ~」
照「だって、咲ちゃん分が足りないんだもん。このままじゃ今日の対局に影響が出ちゃう」
咲「はいはい、それより朝ごはんまだだよね?」
照「私が一人で作るとでも?」
咲「パパっと作るからちょっと待っててね」
咲「召し上がれ。もしかして晩ご飯抜いてたの?」
照「咲ちゃんが帰ってこないからご飯が喉を通らなくて……」
咲「またそんなこと言って~」
照「ハムッ、ハフハフ、ハフッ!!ところで昨夜は何してたの?」
咲「雀荘行ったら友達と久し振りに会ったから、そのまま飲みに行ってホテルに///」
照「!?ゲホッゴホッ……」
咲「ちょっとお姉ちゃん!?大丈夫?」
咲「ホテルに連れ込んだって……私がホテルに連れてったんだよ?」
照「えっ?」
咲「ちょっと飲ませ過ぎちゃってね……介抱ついでに」
照「………」
照「咲ちゃん、今夜飲みに行こう」
咲「行きません」
照「これも咲ちゃんと同棲するための仕方ない支出……」
咲「はいはい……お姉ちゃん、いってらっしゃい。今日も頑張ってきてね」
照「いってくる」
照「………」
咲「……?」
照「いってきますのチューは?」
咲「ありません」
洋榎「なんや大将、辛気臭い顔しよって」
照「咲ちゃん咲ちゃん咲ちゃん……」ブツブツ
咏「今日はひとつよろしく頼むねぃ。知らんけど」
洋榎「あ、三尋木プロやないですか。今日はよろしくお願いしますー」
咏「ありゃ?照ちゃんどうかしたの?わかんねーけど」
洋榎「ウチが来たときには既にこんな感じでしたよ?」
咏「もう一人の子が来てないようだけど……あっはっは、新人の子に嘗められちゃってるね。知らんけど」
「お待たせ」
洋榎「なんや?寝不足か?」
照「まぁ似たようなとこ」
洋榎「それはアカンなぁ……今日は折角トッププロとの対局やったのに」
照「そうだったの?」
洋榎「それすら知らんかったのかい!」
照「……何を?」
洋榎「さっき三尋木プロから聞いたんやけどな、あの天江がプロ行き決めたんやって」
照「天江……?ああ、天江衣か」
洋榎「ずっとスカウト断ってきとったのに不思議やなぁ」
照「心境の変化でもあったんじゃないのかな?就職が決まんなかったから仕方なくって線もあるが……」
洋榎「就活に失敗したからって……流石にそんな訳ないやろー」
照「私がそうだが」
洋榎「えっ?」
洋榎「おおう……」
照「その後、妹と長野で職を探したんだが、この不景気だしね……」
洋榎「アンタも苦労したんやねぇ」
照「それで仕方なくプロに……」
洋榎「仕方なくでプロになれるアンタがスゴいわ」
照「照れるぜ」
咲「あ、お姉ちゃん。おかえりなさい」
照「お腹ぺこぺこ」
咲「はいはい……すぐに用意するからね」
咲「それより今日の対局どうしたの?ずっとボーッとしてたみたいだけど……」
照「咲ちゃんのこと考えてて気付いたら終わってた」
咲「まったくもう……」
咲「召し上がれ」
照「今日、洋榎から聞いたんだけど天江衣がプロにくるそうだよ」
咲「えっ?衣ちゃんが?」
照「ずっとスカウト断り続けてきたのにって不思議がってたよ」
咲「あれ?今朝ハローワーク通うって聞いてたのに……どうしちゃったんだろ?」
照「ん?なんだ、昨夜咲ちゃんと一緒にいた相手は天江衣だったのか」
咲「うん、そうだよ」
照「よし、如何にプロの世界が厳しいのかを骨の髄までお姉ちゃんが教えてやらんとな」
咲「りゅーもんさん、衣ちゃんがプロ行き決めたそうですけど……」
透華「そうですわ」
咲「私はてっきりハローワークに通うものだと……」
透華「……ところで、貴女は衣が就活に失敗し続けた理由はご存知で?」
咲「ロリロリだから?」
透華「いえ……」
咲「あの口調じゃ面接に難があるから?」
透華「まぁ、それもありますわね……」
咲「それも……?」
咲「えっ?」
透華「手書きの履歴書を書かせられる限り、衣は就活を失敗することになりますわ」
咲「ど、どうして……?」
透華「衣は……筆しか使えませんの」
咲「な、なんだってー!?」
変なとこだけど眠いから槓!
まともな咲さん久しぶりだから続けて欲しいな
Entry ⇒ 2012.08.17 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (2) | Trackbacks (0)
コーネリア「私はブリタニア公認、魔法皇女コーネリアだ!!!」
コーネリア「……抜けている。惚けている。堕落している」
ギルフォード「姫様」
コーネリア「これで何度目だ。我々がゼロに泥を塗られたのは」
ギルフォード「二度目です」
コーネリア「二度だぞ!!二度も辛酸を舐めさせられるとは……!!」
ダールトン「姫様、大変です」
コーネリア「どうした」
ダールトン「我々の敗北という情報がネットを通じて広まっているようで、総督の支持率が低下傾向にあります」
コーネリア「なんだと?!おのれ!!おのれ、ゼロめ!!」
ギルフォード(なんとかせねば……)
ギルフォード「ダールトン卿、このままでは民衆はゼロを支持し続けてしまいますね」
ダールトン「名誉ブリタニア人の兵士から離反者もできるやもしれんな」
ギルフォード「なんとか姫様に関心を向けさせないといけませんね」
ダールトン「我らは勝鬨を上げて得てきた。戦以外に方法などあるか」
ギルフォード「しかし、戦争ばかりでは兵も疲弊してしまいますし、それこそ支持の低下を加速させてしまう」
ダールトン「ふむ……」
ギルフォード「……ダールトン卿、ここは文化的な面を押し出してみるのは如何でしょうか?」
ダールトン「姫様に絵でも描かせるのか?」
ギルフォード「ええ。いい考えだと思うのですが」
ダールトン「前総督、クロヴィス殿下と同じ方法か。やってみる価値はあるかもしれないな」
ギルフォード「はい。クロヴィス殿下と同じ方法で民衆の心を掴もうと思うのですが」
コーネリア「……」
ギルフォード「姫様?何か問題でも?」
コーネリア「いや。いいだろう。で、何を書けばいい?」
ギルフォード「やはりここは皇帝陛下の絵がよろしいかと」
コーネリア「シャルル皇帝陛下か……」
ギルフォード「どうぞ、画材道具にございます」
コーネリア「ああ」
ギルフォード「では、後ほど」
コーネリア「……」ピッ
コーネリア「……ユフィ?」
ユフィ『はい、お姉様。なんですか?』
コーネリア「そうだったか?」
ユフィ「確か、十五段ぐらいカールさせていたような」
コーネリア「そうか」カキカキ
ユフィ「にしても、お姉様の人物画って目が大きいですよね」
コーネリア「う、うるさい」
ユフィ「昔から日本のコミックだけはお好きでしたものね」
コーネリア「うるさいといっている!!怒るぞ!!」
ユフィ「ごめんなさい」
コーネリア「全く」
ユフィ「最近はどんなものを集めているのですか?」
コーネリア「言う必要はない」
ユフィ「知りたいのに……」
ユフィ「わー、お上手です。目は大きいですけど」
コーネリア「……ダメだな」ビリビリ
ユフィ「ああ、勿体無い」
コーネリア「こんな少女マンガチックな絵柄では、駄目だ。クロヴィスとギャップがありすぎる」
ユフィ「まぁ、そうですけど」
コーネリア「はぁ……」
ユフィ「文化的な一面を見せて、親近感を出そうという試みは面白いと思いますけど」
コーネリア「私にはそちらの才能がないのだよ」
ユフィ「……そうだ!」
コーネリア「どうした?」
ユフィ「なら、お姉様のご趣味を全面に押し出せばいいのではありませんか?」
コーネリア「私の趣味だと?」
コーネリア「お、おい、ユフィ。私は別に……」
ユフィ「まぁ、まぁ、見てください」
コーネリア「もう……」
モニター『受けてみて、ディバインバスターのバリエーション!』
モニター『Starlight Breaker』
モニター『これがわたしの全力全開!!スターライトッ!ブレイカァァッ!!』
コーネリア「……ほう?」
ユフィ「どうですか?」
コーネリア「面白い作品だが、これをどうする?」
ユフィ「お姉様が成りきるのです」
コーネリア「なに?いや、どうやって……」
ユフィ「まずは発声練習からしましょう」
コーネリア「あ、ああ……。―――スターライト!ブレイカー!!」
ユフィ「……」
ギルフォード「姫様。絵は―――」
コーネリア「ジュエルシードを封印!」
ユフィ「えーと……Sealing mode set up. Stand by ready. Sealing. 」
コーネリア「リリカル、マジカル、ジュエルシード、シリアル―――」
ギルフォード「姫様!!何をされているのですか?!」
コーネリア「ギルフォード?!ぶ、無礼者!!勝手に入ってくるやつがあるか!!」
ギルフォード「絵のほうはどうなったのですか?!」
ユフィ「それが絵は上手くできなかったので、お姉様自身で芸術を表現できればと思いまして」
ギルフォード「はぁ……姫様が納得されているのでしたらいいのですが」
コーネリア「好きでやっているわけではない!!私は武人だぞ、ギルフォードよ」
ギルフォード「心得ております」
ユフィ「さあ、お姉様、続きを」
コーネリア「雪広あやか流合気柔術!!雪中花!!」
ギルフォード「……」
ダールトン「姫さ―――」
コーネリア「リリカル、トカレフ、キルゼムオール!!」
ギルフォード「魔法は封じましたぞ!!魔法皇女!!」
コーネリア「ならば……肉体言語にて語るまで!!」
ユフィ「パヤ」
コーネリア「プリンセス、チョークスリーパー!」ググッ
ギルフォード「おぉぉ……!!」
ダールトン「何をしている!!ギル!!貴様ぁ!!代われ!!!」
コーネリア「ダールトン、どうした?」
ダールトン「どうしたもありません。これは一体なんの騒ぎです!?」
コーネリア「これは……その……」ググッ
ユフィ「お姉様!!緩めないと!!」
コーネリア「あ、ああ!ギルフォードよ、すまない!!」
ギルフォード「い、いえ……私は幸せです」
コーネリア「そういう流れになった」
ユフィ「絵画等ではクロヴィス兄様がお披露目していましたから」
ダールトン「確かに新たしいブリタニア皇族の一面を出さなければ新鮮味に欠けますな」
ユフィ「そこでコーネリア姉様にブリタニア皇族も伊達ではないところを見せてほしいなと思いまして」
ダールトン「分かりました。そこまでの決意と熱意があるのでしたら協力いたしましょう」
コーネリア「私は別に……」
ギルフォード「しかし、ジャンルは魔法少女モノですか」
ユフィ「そうです。凛々しいお姉様とキュートな魔法少女の組み合わせはいいと思うのですけど」
ダールトン「姫様は確かにお美しい。だが、少女というには些か失礼では?」
ユフィ「そんなことありません。女性の心はいつでも乙女なのです。ね?お姉様?」
コーネリア「私はもう27歳だから、表立ってこういうことは恥ずかしいのだが」
ギルフォード「魔法少女となると、やはり空を飛んだり、とてつもない火力の銃器を持つべきでしょうね」
ダールトン「空を飛ぶか……。姫様、私にいい考えがあります」
コーネリア「なんだ?」
ロイド「はい~?」
ダールトン「特派は既にフロートユニットによるナイトメアの単独飛行を成功させているな?」
ロイド「ええ。一押しの技術ですけど」
ギルフォード「では、姫様をランスロットの背中に乗せて飛ぶこともできるな?」
ロイド「死んじゃってもいいならできますけど」
ギルフォード「死なないようにするのがお前の仕事だろう!!」
ロイド「無茶苦茶なぁ」
セシル「あの、コーネリア総督にお考えがあることはわかりましたが、非常に危険ですよ?」
ダールトン「なんとかシミュレーションしてみてくれ」
ロイド「まぁ、やるだけやってみますけどぉ」
ギルフォード「これは特派にとっても悪い話ではない。今後の作戦において優遇されることになる」
ロイド「え~!ホントですかぁ~?!じゃあ、がんばりま~す!!」
セシル「はぁ……どうするんですか?」
ロイド「ランスロットの背中に椅子でも付けて乗っけとけばいいでしょ」
ロイド「あは~、スザクくん。これは昇進のチャンスだよぉ?」
スザク「しかし、危険では?」
ロイド「残念でした~、どうしても乗せろって言ってるんだよ」
セシル「総督のお考えもあるのよ。最近、黒の騎士団に負け続けているから」
スザク「僕の力が及ばないばかりに……」
ロイド「とにかくぅ。今からランスロットの背中に椅子をつけるから」
スザク「椅子ですか?!」
ロイド「うん。もちろんシートベルトもつけちゃうよ~」
スザク「一緒に乗ればいいのでは?」
セシル「違うの。外に出ていることが大事らしいわ」
スザク「意味がわかりませんが」
ロイド「ともかく、やってみようか。セシルくん」
セシル「は、はい」
スザク「……」
コーネリア「―――というわけなのですが」
シャルル『……』
コーネリア「そのような催しを行っても問題はないかと」
シャルル『うむ……よぉし、コーネリアよ』
コーネリア「はい」
シャルル『ブリタニアの名誉を守るために、身を削るというのだなぁ?』
コーネリア「勿論です」
シャルル『わかぁったぁ!!!その生き様ぁ!!!見届けてくぅれるぅわぁぁ!!!』
コーネリア「感謝します」
シャルル『ぬぁっはっはっはっは!!!オール・ハイル・ブリタァァ―――』
コーネリア「……」ピッ
ユフィ「お姉様、お父様の許可は出たのですか?」
コーネリア「好きにやれと言ってきた。あまり、関心がないのだろう」
ユフィ「そうですか。きっとカッコイイ魔法皇女が見ることができると思いますのに」
ロイド「おめでとぉ~!!できたよ~!!」
スザク「本当に座席を取り付けただけなんですね」
セシル「でも、風除けもあるし、気圧の変化にも耐えられるようになっているから」
ロイド「うん。これでまず死ぬことはないね」
スザク「しかしGは……」
セシル「そこは……我慢してもらうしか」
スザク「あとで責任問題になりませんか?」
ロイド「ならないよ~。クライアントが無茶なこと言ってきたんだし」
セシル「いざとなったらシュナイゼル殿下に守ってもらえるから」
スザク「はぁ……」
ロイド「じゃあ、早速皇女殿下を呼んでみよっか」
セシル「はい」
スザク「大丈夫なんだろうか……」
ロイド「はぁい。お願いしま~す」
コーネリア「これで魔法少―――いや、民衆の心は掴めるのだな?」
ユフィ「もうばっちりです。決め台詞、ちゃんと覚えましたか?」
コーネリア「ああ」
ユフィ「では、行ってみましょう」
スザク『総督、準備ができましたら発進します』
コーネリア「分かっている」
ギルフォード「シートベルトは忘れずに」
コーネリア「……よし、枢木。いつでもいいぞ」
ダールトン「姫様の晴れ姿、地上からみていますから!!」
コーネリア「ああ!!」
セシル「枢木准尉。いつでもどうぞ」
スザク『ランスロット・エアキャヴァルリー!!発進!!!』ゴォォ
コーネリア「ひゃ―――」
ゼロ「ブリタニアに動きは?」
藤堂「今のところは何もないようだな」
カレン「やはり、二回連続で勝利したのが効いているんですよ」
ゼロ「カレン。敵は世界だ。たった二度の勝利で浮かれ、油断しては死ぬだけだぞ」
カレン「も、申し訳ありません」
藤堂「ゼロの言うとおりだな。勝って兜の緒を締めよというやつだ」
ゼロ「それにこのままコーネリアが何も手を打たないとか考えにくいからな」
藤堂「ああ。今後の動向が気になる」
ディートハルト「ゼロ、エリア11上空にランスロットが単機で現れました」
ゼロ「ん?どういうことだ?」
藤堂「戦か?」
ディートハルト「いえ、コーネリアの演説を空中で行うそうです」
ゼロ「空中演説?何の為に……」
藤堂「モニターに出せ」
スザク『総督、この当たりでよろしいですか?』
コーネリア「ああ」
コーネリア「―――皆の者!!よくきけ!!!」
コーネリア「私はコーネリア・リ・ブリタニアである!!」
コーネリア「しかし!!これは仮初の名!!本日はエリア11に住む者たちに私の正体を告げる!!」
コーネリア「私はブリタニア公認、魔法皇女コーネリア!!」
コーネリア「本当の名は、コーネリア・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタニアだ!!!」
コーネリア「もう一度言う!!コーネリア・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタニアだ!!!」
コーネリア「だが、急に言っても信じてもらえないだろう。そこで、魔法をお披露目する」
コーネリア「さぁ、私のマジックナイトメア!!起動しろ!!」
スザク『イエス、ユア・ハイネス!!』
コーネリア「いっけー!!リリカルぅぅ……ヴァリース!!!」
スザク『発射!!』バキュゥゥン
コーネリア「どうだ!!これが、コーネリア・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタニアの魔力だ!!」
ゼロ「なんだ……あれは……」
ラクシャータ「プリン伯爵も無駄なことするねぇ」
藤堂「魔法皇女だと……ふざけているのか!!あのれ、ブリタニアめ!!我々日本人をどこまで馬鹿にする!!」ダンッ!!
カレン「コーネリア、スザク……日本の空でなにしてんだぁ……!!」
ゼロ「ランスロット単機なのだな?」
扇「ああ、それは間違いない。どうする?」
ゼロ「ああして総督が無防備に出てきてくれたのだ。我々への挑発も兼ねているのだろう」
カレン「撃ちますか」
ゼロ「そうだな。カレン、紅蓮で出撃しろ。C.C.!!」
C.C.「ガウェインはいつでもいけるぞ」
ゼロ「私が先行し、地上へ逃げたところをカレンが仕留めろ」
カレン「はいっ!!」
ゼロ「敵機の位置情報は逐一送ってくれ」
扇「分かった」
コーネリア「こんなものか」
スザク『民衆に総督の覚悟は十分伝わったはずです』
コーネリア「ならば、満足だ。帰還するぞ」
スザク『イエス、ユア・ハイネス』
セシル『枢木准尉!!5時の方向から熱源接近中!!ナイトメアだと思われます!!注意して!!』
スザク『ナイトメア?!』
コーネリア「まさか―――」
ゼロ『ふはははは!!!コーネリア総督。民衆の支持票集めですか?涙ぐましい努力をする』
スザク『ゼロ!!』
コーネリア「これはいい。コーネリア・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタニアの初陣には持って来いの相手だな」
ゼロ『一騎討ちはあまり得意じゃないのですけどね』
コーネリア「黒の魔王!!ゼロよ!!エリア11の平和はこの魔法皇女コーネリア・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタニアが守る!!」
ゼロ『やってみろ!!』
スザク『いっくぞぉぉぉ!!!』
スザク『くっ!!ゼロ!!どうして―――』
コーネリア「枢木。お前はマスコットだ。勝手に喋るな」
スザク『も、申し訳ありません』
コーネリア「お前は私が技名を叫んだときだけ、喋れといっただろ」
スザク『は、はい』
ゼロ『コーネリア。本当に単機で来たようだな』
コーネリア「当然だ。正義の魔法少女―――いや、魔法皇女は正々堂々と戦う」
ゼロ『いい心がけだ。武人だな』
コーネリア「違うな。間違っているぞ。ゼロよ」
ゼロ『なに?』
コーネリア「今の私は魔法皇女コーネリア・フランソワーズ・ル・ブラン・ド―――」
ゼロ『ハドロン砲、発射!!』ゴォォ
スザク『うわぁ!?』
コーネリア「おのれ、魔王ゼロ!!卑怯な!!」
コーネリア「これは聖戦である。戦争ではない!!」
ゼロ『何を―――』
コーネリア「リリカルゥ……マジカルぅ……」
スザク『ヴァリスセット』
コーネリア「ヴェリース!!!」
ゼロ『ええい!!いちいち、使用兵器を叫ぶとは!!恥ずかしくないのか?!』
C.C.『私たちもだな』
ゼロ『……』
コーネリア「技名は叫んでこそだ!!何も恥じることは―――」
セシル『枢木准尉!!真後ろから高速接近する機影が!!』
スザク『なに?!あれは、カレンか?!』
カレン『―――もらったぁ!!!スラッシュハーケン!!!』バシュッ
スザク『しまった!!受けるしかない!!』
コーネリア「しまった!!触手か?!」
ゼロ『カレン!!よくやった!!C.C.、ハドロン砲を使え』
C.C.『言われずとも』ゴォォォ
スザク『くそ!!』
コーネリア「魔法剣マジカルソードだ!!枢木!!」
スザク『イエス、ユア・ハイネス!!』シャキン
コーネリア「リリカル・サイキック・ざぁぁぁん!!!」
スザク『うおぉぉぉ!!!』
ゼロ『撃て!!』
C.C.『ハドロン砲、発射』ゴォォォ
スザク『つっ!!』
カレン『もう一撃!!!』
コーネリア「触手か!!このままでは魔法少女の貞操が死んでしまう!!」
スザク『死ぬ……』キュィィン
スザク『僕は生きる!!!』
C.C.『坊やのかけたギアスだろ?』
スザク『俺は生きなければならないんだぁぁぁぁ!!!!』
コーネリア「こら!枢木!!どうした?!」
スザク『うおぉぉぉぉ!!!!』ガキィィン
カレン『うわぁぁぁ!!!』
スザク『俺は生きる!!死ねないんだぁぁぁぁ!!!』
ゼロ『まずい!!』
コーネリア「これが覚醒か……」
C.C.『退却するぞ。単機だからと甘くみてしまったな』
ゼロ『まあいい。この勝ち星でコーネリアがどうなるものでもない』
C.C.『よし』
スザク『うわぁぁぁぁぁ!!!!』
コーネリア「魔王を退けたか」
コーネリア「見たか!!民衆よ!!これがコーネリア・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタニアの力だぁ!!」
ギルフォード「姫様!!ご無事ですか!?」
コーネリア「ああ。何とも無い」
ユフィ「まさか、ゼロが現れるとは思ってもみませんでしたね」
コーネリア「そうだな。枢木はよくやってくれたよ」
ダールトン「姫様ぁ!!」
コーネリア「どうした?」
ダールトン「既にネット界隈は姫様の話題で持ちきりです」
コーネリア「ほう?」
ギルフォード「マジ萌え~。総督タンキタコレ。コーネリア様に踏まれたい。魔法の国のお姫様は実在したんや。などなど、様々な賛美が飛び交っていますね」
ユフィ「やりましたね、お姉様!!」
ダールトン「無論、全ての人間がいいと思っているわけではないようですが」
コーネリア「そういう輩はどこにでも沸く。好きに言わせておけ」
ギルフォード「ユーフェミア様にさせろカス。という意見もありますね」
ユフィ「わ、私ですか?!そんな恐れ多い……」
ゼロ「あれで民衆の支持を得たのか?」
ディートハルト「ネットを見る限り、ではありますがね。あの武人コーネリアがしたということが大きいでしょう。人は意外な一面に弱いものですから」
ゼロ「くそ……折角、黒の騎士団に傾きかけていた風が……!!」
カレン「ゼロ、早く手を打ったほうが」
ゼロ「分かっている」
ディートハルト「コーネリアは恐らく、我々との戦いと全てショーにしてしまうつもりなのでしょう」
ゼロ「ショー?」
ディートハルト「ええ。ゼロのことを魔王と呼称し、さらには民衆に対し何度も呼びかけていましたから」
ゼロ「つまり、黒の騎士団が悪だと明確に印象付けたいということか」
ディートハルト「はい。戦えば戦うほど、黒の騎士団に対する民の心象は悪くなるでしょうね」
ゼロ「ちぃ……やってくれる……コーネリア……」
藤堂「ゼロよ。どうする?」
ゼロ「藤堂……」
藤堂「このままでいいのか?!私は許せない!!日本を……日本人を……侮辱するあの行為には!!!」
ゼロ「そうだな……。しかし、どうする。コーネリアが戦いをショーにする限り、我々は常に悪役を演じなければならない」
ゼロ「恐らく、この戦いにどんな論理も通用しない。コーネリアに歯向かうもの全てが悪となる」
ディートハルト「ですが、コーネリアは結局武力での解決しか行っておりません。そこを理論的に説明すれば……」
藤堂「無駄だな」
ディートハルト「なんですって?」
ゼロ「どういうことだ?」
藤堂「既にコーネリアは正義の魔法皇女として認知されている。しかも、ネット掲示板でもスレが乱立するほどに」
ゼロ「それがどうした」
藤堂「植え付けられた種子は既に根を生やしている。それらを取り除くことなどどんな言葉を持ってしてもできん」
ゼロ「なるほどな。人は奇跡に弱いものだからな」
藤堂「魔法もまた然り」
ディートハルト「ですが、あれは魔法ではない。科学力だ」
藤堂「人が理解できない力は魔法と同じだ!!!何も知らぬブリタニア人め!!口を挟むな!!!」
ディートハルト「は、はい」
藤堂「ああ。同じことをする」
ゼロ「目には目をか」
藤堂「その通り。こちらも魔法少女を輩出するべきだ」
ゼロ「魔法少女か。こちらにもガウェインがあるし、やれないことは―――」
藤堂「まて、ゼロ。それではダメだ。二番煎じといわれ叩かれるに決まっている」
ゼロ「だが、それしか……」
藤堂「元来、魔法少女は大きく分けて3種類ある。変身ヒロイン、戦闘美少女、邪道魔法少女だ」
ゼロ「ふむ」
藤堂「コーネリアはどう見ても邪道魔法少女として正義を語っている。ならばこそ、こちらは正統派戦闘系魔法少女として立ち向かうべきだろう」
ゼロ「それで我々が正義だと思わせることができる?」
藤堂「無理だな。我々は後から出てきた。それに攻撃もしてしまっている。何をどう取り繕っても悪役から抜けだせん」
ゼロ「なんだと?」
藤堂「だが、正統派魔法少女が悪役を演じる。そのギャップは人心掌握を可能にする!!」
ゼロ「それは本当か!!藤堂?!」
ゼロ「なるほどな。だが、ガウェインに乗せないことには活動圏も狭まるぞ?そもそもランスロットに対抗できない」
藤堂「それは心配しなくてもいい。ゼロが出撃している間にラクシャータに頼んでおいた」
ゼロ「ラクシャータに?」
藤堂「小型フロートユニットだ」
ゼロ「小型……?」
藤堂「背中に付けるタイプが理想的だが、それではインパクトがなく、また可愛くも無い」
ゼロ「どこに装着するというのだ?」
藤堂「足だ」
ゼロ「足?」
藤堂「両足にフロートユニットを付けて、空を自由に飛ぶ。安全性が極まれば玩具として商品化もできる」
ゼロ「お前、もうそんなことまで」
藤堂「黒の騎士団は資金難だからな」
ゼロ「奇跡の藤堂……流石だな」
藤堂「日本人の常識だ」
モニター『見てください!!魔法皇女コーネリアのグッズ専門店ができました!!すごい行列です!!』
ディートハルト「広報活動の賜物ですね。コーネリアの支持率は78%。イレヴンの中でも支持する声は増えつつあります」
ゼロ「小型フロートユニットの完成は急務か」
ラクシャータ「ゼロォ。いいかい?」
ゼロ「……できたのか?」
ラクシャータ「できたよぉ。ラクシャータ特製小型フロートユニット『ストライカーユニット』だ」
ゼロ「これが」
ラクシャータ「まだ、実験はしてないけどね」
ゼロ「テストパイロットなら適任者がいる」
ラクシャータ「誰だい?」
ゼロ「……」
C.C.「なんだ?」
ゼロ「付けろ」
C.C.「断る」
C.C.「空中で爆発なんて考えるだけでも恐ろしいことをこの私にさせるのか?お前、外道すぎるぞ」
ゼロ「しかし……」
ラクシャータ「小型輻射波動機構も作ったんだけど」
ゼロ「それは……」
ラクシャータ「右腕に装着して使う。マジカルウェポンも必要だろぉ?」
ゼロ「尚更、C.C.だな。つけろ、魔女」
C.C.「断る!!そんなのはもう卒業したんだ!!」
ゼロ「ええい!!取り押さえろ!!」
藤堂「すまん!!」
カレン「みんなのためだから!!」
千葉「協力しろ!!」
玉城「やっほー」
C.C.「こ、こら!!どこを触っている?!玉城ぃ!!」ゲシッ
ゼロ(よし。この実験が成功すれば……くっくっくっく……コーネリア、お前の最後だ……!!!)
C.C.「……」ブゥゥン
ゼロ『調子はどうだ?』
C.C.「快適なのが腹立つな」
ゼロ『ふははは……さて、主賓が着たぞ』
C.C.「なに?」
コーネリア「民よ!!私はコーネリア・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタニアである!!今日もエリア11の平和は私が守る!!」
スザク『ヴァリヴァリ』
コーネリア「よしよし、今日もいい子だな、ランスロット?」ナデナデ
スザク(除隊したい)
C.C.「お、おい!!こんな話、聞いてないぞ!!」
ゼロ『前回と同じシチュエーション。ここで勝てば我々は魔法皇女コーネリアの正統なライバルとして認知させることができる』
C.C.「あのなぁ?!」
ゼロ『台詞は頭に入っているな?お前は正統派戦闘美少女だ。ぬかるな』
C.C.「くそ……この状況では逃げることも……ルルーシュめ……あとでお尻パンチだ」
コーネリア「なんだ?」
スザク『あれはC.C.……なんで空中にいるんだ?あの足に装着しているのは……』
ロイド『あれは!!小型のフロートユニットォ?!ラクシャータぁぁ……!!』
セシル『黒の騎士団はもうそんなものを……!?』
コーネリア「貴様ぁ!!何者だ!!」
C.C.「わ、私は光の国からやってきた、ギアスの姫!!プリンセスC.C.!!」
コーネリア「光のの国だと?そのような場所からなんの用だ?観光かな?」
C.C.「違う。コーネリア、お前……じゃない、あなたを魔法の世界に連れ戻しに来た……のよ」
コーネリア「なに?!刺客か?!」
C.C.「魔法の世界の姫が人間界に居続けることはできないことは知っているはず!!」
コーネリア「私には民を守る義務がある」
C.C.「それでも魔法の世界の秩序を乱していることには変わりがないだろう……ないわ」
コーネリア「ふふふ。面白い!!プリンセスC.C.!!そこまで言うなら魔法で勝負だ!!お前が勝てば大人しく魔法の世界に帰ってやろう」
C.C.「よ、よーし。負けないんだからぁ。―――ルルーシュ、絶対にあとでお尻キックだからな……」
スザク『イエス、ユア・ハイネス!!』
C.C.「くっ……!!」
コーネリア「そのような小さな体ではこのランスロットに敵うまい!!」
C.C.「きゃ、きゃあ……やだぁ……こわいぃ……」
コーネリア「私の魔法のすごさを見せてやろう。―――リリカルぅ……マジカルゥ……」
スザク『ヴァリス、セット』
C.C.「……!」
コーネリア「ヴェィリース!!!」
スザク『発射!!』バキュゥゥン
C.C.「ストライカーユニット、ターボ!!」ギュゥゥゥン!!!
コーネリア「なんだと!?」
スザク『なんて早さだ!!』
C.C.「甘いな、コーネリア。見かけに騙されてはお終いだぞ?次はこちらの番だ」
C.C.「―――とっておきぃ、ギアスマジック!!輻射波動……じゃなかったか……。もういい。面倒だ。輻射波動でいいか」
コーネリア「おのれ……C.C.……」
C.C.「コーネリア、どうしても魔法の国に戻ってきてほしいの」
コーネリア「だが、私には愛すべき人たちが……!!」
ゼロ『C.C.、技名は『マーブルスクリュー』だからな』
C.C.「ああ、思い出したよ。ありがとう。―――ひっさつ!!マーブルスク―――」
ゼロ『C.C.!!気をつけろ!!何かが接近してくる!!』
C.C.「なに?!」
ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~♪ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~♪
スザク『この歌は!?』
セシル『回線をジャックされているわ。強制的に流れてくるみたい』
スザク『この声……どこかで……』
C.C.「誰だ!?」
『お姉様、助けに来ました!!』
コーネリア「その声は……!」
スザク『ユフィ?!』
コーネリア「おまえ……その姿は……!!」
ユフィ「背中の翼は小型フロートユニットです」
C.C.「なんだと……もう一人……?」
ゼロ『ブリタニアも開発に成功していたのか?!』
ラクシャータ『プリン伯爵……』
ロイド『ラクシャータ、君のほうが若干小さい。僕は悔しいよ……』
C.C.「おい、どうする!?このままでは……」
ゼロ『くそ……』
スザク『ユフィ?!その頭の猫の耳は?!』
ユフィ「妹だから耳がいるらしいです」
スザク『はぁ……』
コーネリア「よし、ユフィ!!今こそ、私たち姉妹の力をみせるときだ」
ユフィ「はいっ!お姉様!!」
C.C.「この!!邪道にもほどがあるだろう!!」
コーネリア「ランスロット、仕掛けるぞ!」
スザク『イエス、ユア・ハイネス!!』
C.C.「ええい、このままでは!!」
コーネリア「マジカルぅ……リリカルぅ……」
ゼロ『後退だ!!C.C.!!』
C.C.「言われなくてもそうする、よ!!」ギュィィィン
コーネリア「ヴァェィス!!!」
スザク『ヴァリス、発射!!』
ユフィ「マジカル・RPG!」
C.C.「な―――」
ドォォォォン!!!!
コーネリア「よし。危機は去った」
ユフィ「やりましたね、お姉様」
藤堂「C.C.は?」
ゼロ「心配するな。重症ではあるが命に別状はない」
藤堂「不覚だった。ピンチになれば颯爽と現れる妹……。向こうにも軍師がいる」
ゼロ「これでは我らの存在意義が」
ディートハルト「ゼロ。そうでもありません」
ゼロ「どうした?」
ディートハルト「プリンセスC.C.は圧倒的な人気を得ています」
ゼロ「なんだと?」
ディートハルト「恐らく、小動物的な仕草をしたのが良かったのでしょう。嗜虐欲を刺激されたと思います」
ゼロ「そうか……。あれだけでも民衆の心を惹くことはできるのか」
藤堂「ゼロ、こちらも対抗手段を用意したほうがいい。また後手に回る可能性もある」
ゼロ「……そうだな。対抗手段と切り札を用意しておくべくか」
藤堂「では、紅月カレンで早速テストしてみよう」
ゼロ「ああ……頼むぞ……」
スザク「ユーフェミア様!!危ないではないですか?!」
ユフィ「ごめんなさい。でも、どうしてもお姉様をお助けしたくて」
スザク「ユフィ……」
コーネリア「本当に助かった。まさか、ここで登場するとは思わなかったがな」
ギルフォード「黒の騎士団が同様の方法で戦場に来ることは想定していましたから」
コーネリア「ありがとう、ギルフォード」
ロイド「でも、まだ小型フロートユニットは一つしかできてないんだよね」
セシル「ええ。急いで量産しないと。次に戦うときは恐らく、向こうも……」
ロイド「ラクシャータぁ……」
セシル「ロイドさん……」
コーネリア「ふむ。こちらももう一人ぐらい魔法戦士が欲しいところだな」
スザク「誰かいるでしょうか……」
コーネリア「枢木。できれば年下がいい。私とユフィだけでは平均年齢がすこしだけ高いからな」
スザク「年下……ですか……」
ルルーシュ(急いで戦力を補強しなくては……)
ナナリー「お兄様、お帰りなさい」
ルルーシュ「ただいま。ナナリー」
咲世子「ルルーシュ様、では私はこれで失礼させていただきます」
ルルーシュ「ありがとうございます。また、明日もお願いしますね」
咲世子「はい」
ナナリー「お兄様、聞きましたか?ユフィ姉様のご活躍を」
ルルーシュ「虐殺天使だろ?どうしてあんなネーミングにしたのかわからないな」
ナナリー「でも、いいと思いますよ?天使のように優しいユフィ姉様と不釣合いな虐殺という単語をつけることによってそこから生まれる懸隔は人の耳に残りますしインパクトだって―――」
ルルーシュ「ナナリー、ご飯にするか」
ナナリー「あ、ごめんなさい。私ばかり話してしまって」
ルルーシュ「気にするな。今日はゆっくりできる」
ナナリー「本当ですか?やったぁ。嬉しいです」
ルルーシュ(ナナリーのためにも……コーネリア……!!)
ニーナ「ぴぴるぴるぴるぴぴるぴー」
シャーリー「会長、ニーナは何をやってるんですか?」
ミレイ「ああ。虐殺天使ユーフィミアのテーマソングの別バージョン作ってるって」
シャーリー「あのときの歌ってニーナが?!」
ミレイ「そうそう。テーマソングを公募してたからね、ユーフェミア様」
シャーリー「知らなかった……」
ニーナ「ふふふ……ユーフェミアさまぁ……魔法の擬音で~……」
スザク「シャーリー、よかった」
シャーリー「どうしたの?」
スザク「魔法少女に興味はないかな?」
シャーリー「ない」
スザク「そうか……」
ミレイ「どうしたの?魔法少女なんて」
スザク「それが魔法少女になってくれる人材を探しているんです。でも、中々見つからなくて」
スザク「そうなる」
シャーリー「それって一般人でもいいの?」
スザク「武装を身に着けてこちらの指示通りに動いてくれればいいからね。特別な訓練はいらない。魔法少女だし」
ミレイ「私じゃだめ?楽しそう」
スザク「すいません。年齢制限が……」
ミレイ「えー?」
シャーリー「私ならいいの?」
スザク「17歳以下らしいから」
ミレイ「じゃあ……」
シャーリー「ですねえ……」
スザク「え?」
ナナリー「マジカル・ダーッシュ」ウィィィン
スザク「ナナリー……」
ナナリー「スザクさん?どうかしたのですか?」
ルルーシュ「……」
C.C.「よし。完全回復だ」
ルルーシュ「魔法少女も驚きの回復力だな。お前、悲惨な状態だったのに」
C.C.「悲惨な飛散をしたか?」
ルルーシュ「魔法少女失格だな」
C.C.「それは嬉しい。もうあんなことは御免だ。千葉あたりにやらせればいい」
ルルーシュ「お前でなければならない。既にお前は民衆にとっての偶像だからな」
C.C.「また、あんな恥ずかしい格好をしろというのか?!」
ルルーシュ「今度はセーラー服にスクール水着だ。衣装チェンジはパワーアップしたことを一目でわかるようするためだ。文句は言うな」
C.C.「なんのパワーアップだ……」
ルルーシュ「それにカレンにも同じ格好をさせる。問題はないだろ?」
C.C.「そういう問題じゃない!!」
ルルーシュ「切り札……あと一人……誰かいないか……」
C.C.「話をきけ」
カレン「爪弾くは荒ぶる調べ!!紅月カレンっ!!」
藤堂「違うな、却下だ」
カレン「はぁ……」
ゼロ「藤堂、調子はどうだ?」
藤堂「まずまずと言ったところだな。しかし、紅月くんの名乗りと決め台詞が中々決まらなくてな」
ゼロ「本名のままでいくのか?」
藤堂「迷っている」
ゼロ「折角月という言葉があるのだから、それを利用してみればいいだろう」
藤堂「そうか。では、プリンセスムーンメイクアップで頼む」
カレン「……プリンセスムーン!!メイクッ!!アップ!!!」
ゼロ「……違うな」
藤堂「何故かしっくり来ない」
カレン「それって私が可愛くないってことですか?」
ゼロ「そうだな。カレンはどちらかと言うと美人だ」
ゼロ「藤堂、任せたぞ」
藤堂「ゼロよ。見つかったのか?」
ゼロ「いや。まだだ」
藤堂「早くしたほうがいい。胸騒ぎがする」
ゼロ「藤堂……」
藤堂「……忘れてくれ」
ゼロ「……」
藤堂「ゼロ。これは独り言だ」
ゼロ「……」
藤堂「三人目は……神楽耶様を推す」
ゼロ「……!!」
藤堂「独り言だ」
ゼロ「分かっている」
カレン「フルアーマー・カレン!!!けん、ざんっ!!」
スザク(とてもじゃないがナナリーに協力を頼むなんてできない……)
スザク「でも、三人目は……」
コーネリア「枢木」
スザク「総督?!あの、すいません。まだ、三人目は……」
コーネリア「いや、よい。三人目は見つかった」
スザク「誰なのですか?」
コーネリア「中華連邦は日頃からブリタニアに媚を売ってきていたからな、利用してやろうと思う。やつらも自国の発展とパイプ作りに余念がないのだろう」
スザク「中華連邦に年下の女の子がいるのですか?」
コーネリア「お飾りのトップだよ。いい政治の玩具にされている」
スザク「それって……」
コーネリア「天子だ。知っているだろ」
スザク「ええ……ですが……」
コーネリア「これは聖戦。マジカルでリリカルの奴だけが参加できる。お前は……違う。お前はランスロットというマスコットの動力にすぎない。いいな?」
スザク「イエス……ユア・ハイネス……」
シャルル「ほう……。その情報に嘘偽りはあるまいなぁ……?」
側近「はい」
シャルル「そうか。下がってよい」
シャルル「……」
アーニャ「どうするの?やるなら、やるけど」
シャルル「ふふ……ふはははははは……ぬぁっはっはっはっはっはっは!!!!」
シャルル「よぉい!!よぉい催しだぁ、コォォネリアァ。ワシはいまぁ!!!心の底から打ち震えておぉぉぉるぅ!!!」
アーニャ「……」
シャルル「魔法皇女!!魔法少女!!これこそ正義!!!その肩書きは嘘などつかなぁぁぁい!!!!」
アーニャ「行くの?」
シャルル「この余興に参加せずしてどぉぉぉするぅ!!!」
アーニャ「じゃあ、行きましょう」
シャルル「魔法皇女コォォォネリアァァ!!!時はきたぁぁぁ!!!!」
シャルル「オール・ハイル・ブリタァァァニア!!!!」
ナナリー「ユフィ姉様、また演説を行うようですね」
咲世子「ナナリー様。折角ですし、現地に行ってみませんか?」
ナナリー「いいのですか?」
咲世子「はい」
ナナリー「でも、お兄様に……出るなって」
咲世子「このことは内緒ですよ」
ナナリー「咲世子さん……」
咲世子「では、お出かけの準備をいたしましょう」
ナナリー「はい」
咲世子「ふふ……よかったです」
ナナリー「え?」
咲世子「最近、少し元気がないようでしたので」
ナナリー「いえ。これは、あの……コーネリア姉様がどうしていつまでもマスコットと称してナイトメアに乗っているのかを思考していたのですそもそも魔法少女は自力ないし小物を用いて空を飛翔するべきで―――」
咲世子「わかりました。そのお話はあとでゆっくりと聞きます」
ゼロ「時は来た。憎きブリタニアは挑発ともとれるイベントを行う」
藤堂「コーネリア姉妹による演説か」
ゼロ「その通り。またランスロット単機。護衛はなし。これは我々に対する挑戦状を受け取った」
C.C.「で、また擬似魔法合戦をやるのか?勘弁してくれ」
カレン「戦いに代わりないでしょ?」
神楽耶「あのぉ……私なんかでよろしいのですか?」
ゼロ「神楽耶様に期待しているのはその魅力溢れるカリスマ性です。比較的安全圏で戦えるように配慮します」
神楽耶「はい」
C.C.「で、この服はなんだ?」
ゼロ「下着じゃないから恥ずかしくないだろ?」
C.C.「下着のほうが恥ずかしくないな。そもそも、カレンの衣装がまるで違うじゃないか。どうして体操着に犬の耳と尻尾なんだ?」
藤堂「私の趣味だ!!」
C.C.「……」
カレン「わんわんカレン!!いつでもいけます!!」
コーネリア「よし。ユフィ、準備はいいか?」
ユフィ「本当にゼロはくるのでしょうか?」
コーネリア「ここまで挑発してやったのだ。来ないわけがない」
ロイド「じゃあ、動かし方覚えた?」
天子「は、はい……でも……あの……私、戦いなんて……」
星刻「天子様。大丈夫。私の指示を信じてください」
天子「しんくぅ……」
星刻「そのミニスカート、最高です」
天子「しんくー!!」ギュッ
星刻「がはっ?!くそ……こんなときにぃ……!!」
スザク「総督、自分は反対です!!あのような小さな女の子を……」
コーネリア「ゼロも同年代以下を用意している。何も問題はない」
スザク「しかし!!」
コーネリア「くどいぞ。枢木、お前は黙って動力になっていればいいのだよ」
コーネリア「よし。このあたりでいい」
スザク『イエス、ユア・ハイネス』
コーネリア「ユフィ」
ユフィ「はーい」ブゥゥゥン
コーネリア「民よ!!私は魔法皇女コーネリア・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタニアである!!」
ユフィ「虐殺天使、ユーフェミア・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタニアです!!」
コーネリア「今日はいい天気だ。実はこれも私の魔法のおかげだったりする」
ユフィ「素敵です。お姉様」
コーネリア「でも、お前の花を咲かせる魔法には劣るよ」
ユフィ「お姉様……」
セシル『枢木准尉!!熱源反応を確認!!このサイズは……人間よ!!』
スザク『来たか……カレン!!C.C.!!』
C.C.「……」ブゥゥゥン
カレン「わんわんわんわんわんわん!!!!」ブゥゥゥン
C.C.「ああ。またきてった」
ゼロ『やる気を出さなければピザ抜きだ』
C.C.「ぐっ……。―――いつまで、人間界にいるつもりなの?私だってパパに怒られちゃうんだよ!?」
ユフィ「そちらのかたは……?」
カレン「あたし?あたしは―――ワンワン王国の姫君、わんわんカレン!!」
ユフィ「どこの国ですか?」
カレン「犬の妖精がいっぱいいる国よ。名前でわかるでしょ」
ユフィ「ごめんなさい」
カレン「プリンセスC.C.の頼みで貴方達を魔法の世界に連れて帰るお手伝いにきたの。覚悟してよね」
ゼロ『カレン。語尾にワンだ』
カレン「ワン!」
ゼロ『よし』
コーネリア「面白い。だがな、こちらにも帰る訳にはいかない。人間たちを守りたいから」
ユフィ「そうです。魔法の国だけが平和じゃだめなんです。この争いの絶えない人間界を救ってこその魔法だと思いませんか?!」
カレン「よっしゃぁ!!やってやるわよ!!ワン!!」
ユフィ「そんなどうしてわかってくれないのですか……私は……私は……戦いたくありません!!」
カレン「綺麗事で戦場に立つなぁぁ!!!」
ユフィ「―――リリカル・ショットガン!!」
カレン「え?!」
ユフィ「くだけてください♪」バァァン
カレン「あぶなっ!?」ギュィィン
ユフィ「おしい」
コーネリア「わんわんはユフィに任せる」
ユフィ「わかりました」
カレン「わんわんじゃない!!わんわんカレンだ!!」
ユフィ「マジカル・マグナム!!」バァァン
カレン「やめてぇ!?」
C.C.「大丈夫か、カレンの奴」
C.C.「それをしちゃうとパパに怒られちゃうもん。コーネリアこそ、早く帰ってきてよぉ。また一緒にケーキとかつくろ?ね?」
コーネリア「悪いが……それだけはできない!!マジック・ハーケン!!!」
スザク『イエス、ユア・ハイネス!!スラッシュハーケン!!』バシュッ
C.C.「触手、やだぁぁー!うぇぇぇん……!!」ブゥゥン
C.C.(ルルーシュ……末代まで祟ってやる……!!)
スザク『やはり、機動力は向こうが上か』
コーネリア「小回りが利くだけだ。魔法剣ヴァルキュリアソード!!」
スザク『イエス、ユア・ハイネス!!』シャキン
コーネリア「超・重・ざぁぁん!!」
スザク『うおぉぉ!!』
C.C.「くっ……」ギュィィィン
C.C.「―――掴まえたっ!」ガキィィン
コーネリア「しまった!」
C.C.「マーブル・スクリュぅぅぅ!!」
C.C.「なに?!お前……正気か!?ユニットもなしにシートから動くなんて!?」
コーネリア「接近戦ならば肉体言語で語るまでだ!!」
C.C.「くそ!!させるかぁ!」
コーネリア「遅いぞ!!―――プリンセス・アルゼンチンバックブリーカー!!!」グイッ
C.C.「あぁぁ!??!?」
コーネリア「どうだ……皇の必殺技は?」ググッ
C.C.「あぁぁぅぅう……ひゃぁ……!!」バンバン
コーネリア「降参か?」
C.C.「……!!」コクコク
コーネリア「ならば、その足のフロートユニットをよこしてもらおうか」
C.C.「それは……でき……」
コーネリア「……ふんっ」ゴキッ
C.C.「あがぁ?!」
コーネリア「早く渡せ。私も辛いのだからな」
ゼロ『カレン!C.C.の援護に回れ!!』
カレン「わんわん!!」ギュィィン
ユフィ「待ってください。あなたの相手はこの私です」
カレン「この……温室育ちの皇女がぁ!!」
ユフィ「カチーンです!今の言葉、撤回してください。でないと……マジカル・RPGですよ!!」バシュ!!!
カレン「ふん。いつまでも逃げてると思ったら、大間違いよ!!」
カレン「わんわんマジックぅぅ……わんわんハドロン!!!」ゴォォォォ
ユフィ「きゃぁ?!な、なんですか?!」
カレン「ハドロンバズーカ砲。どう?びっくりした?」
ユフィ「リリカル・手榴弾!!」ポイッ
カレン「空中で投げるな!!」バシッ
ユフィ「そう、優しい貴方は掴むしかない……」
カレン「ちっ!!こんなもの!!ランスロットぶつければぁ!!わんわんカウンター!!」ポイッ
ユフィ「ああ!!なんてことを?!」
コーネリア「なんだと?」
カンッ……コロコロ……
C.C.「これ、手榴弾か……」
コーネリア「なに―――」
ドォォォォン!!!!
スザク『総督!!!』
セシル『枢木准尉!!報告を!!』
スザク『ランスロットのダメージは軽微です』
セシル『違う!!そうじゃなくて!!総督が落ちたんじゃないの?!』
神楽耶「―――心配はいりませんわ」ブゥゥン
C.C.「おお……神楽耶……きてくれたか」
天子「ふーん……ふーん……」ブゥゥゥン
コーネリア「がんばれ……天子……」
天子「お、おもい……」
ユフィ「中華連邦の天子様です」
カレン「天子……様……」
天子「うー……よいしょっと。だ、大丈夫、ですか?」
コーネリア「ああ。すまなかったな」
スザク『お怪我はありませんか?』
コーネリア「掠り傷だ」
ゼロ『やはり向こうも切り札を用意していたか。だが、見るからに後方支援タイプだな。問題はなさそうだ』
コーネリア「予定よりも少しばかり早い投入となったが、構わない。天子よ。己が力、見せてみよ!!」
天子「は、はい」
神楽耶「天子様、何を……」
天子「ごめんね、かぐやぁ……。―――愛よ!勇気よ!希望よ!!愛と勇気と希望の名のもとに!!マジカルエンジェル、テーンシ!!」
天子「スカートだから……見えてしまいます……」モジモジ
C.C.「神楽耶、気をつけろ」
神楽耶「わ、分かっていますわ」
神楽耶「は、はい!」
神楽耶「ファンファン、ファイン。ランラン、レイン。プロミネンス ドレスアップ!!かーぐやっ☆」
コーネリア「ほう……。天子、奴はお前に任せるぞ」
天子「は、はい」
神楽耶「天子様……」
天子「かぐやぁ……ごめんなさい。ビューティーセレインアロー……」ガシャン
カレン「なにあれ?!」
ユフィ「開発途中の4連ハドロン砲。シュタルケハドロン砲です」
カレン「はぁ?!あんな小さな子になんてものを……!?」
天子「マジカルシュー!!」カチッ
C.C.「神楽耶!!逃げろ!!」
神楽耶「そうはいきませんわ」
神楽耶「―――絶対守護領域!!乙女の心!!」キュィィン
天子「え……効かない……のですか……?」
ロイド『またラクシャータ……』
天子「そんな……練習したのに……」
スザク『いまだ!!』
コーネリア「枢木!?」
スザク『やはり間違っています!!こんな子を戦場に出すなんて!!』
コーネリア「まて?!何をするつもりだ?!」
スザク『天子様!!申し訳ありませんが、落とさせてもらいます!!』
天子「え?!」
星刻『なにをしているぅぅぅ!!!やめさせろぉ!!!!』
神楽耶「C.C.さん!!」
C.C.「巻き込まれる。逃げるぞ」ブゥゥン
神楽耶「はい」ブゥゥン
スザク『ヴァリスを使う!!』
天子「ひっ……」
天子「で、でも……」
カレン「させるかぁ!!」
ユフィ「相転移エンジン。出力安定。いつでもいけます」
カレン「まだ、そんなものを……!?」
ユフィ「グラビティ・ブラスト、発射」
カレン「ただのRPGじゃ―――」
ドォォォン!!!
ゼロ『カレン!!応答しろ!!わんわんカレン!!』
カレン「わぁぁん……」
ゼロ『C.C.!!神楽耶様!!カレンの救出を!!』
C.C.「分かっている!!」
ユフィ「ふふ……させませんよ」
C.C.「……!!」
ユフィ「マジカル・ナパーム弾」ポイッ
天子「やだぁー!!しんくー!!」ブゥゥン
スザク『くそ!!』
セシル『枢木准尉!!うしろ!!』
スザク『え?』
コーネリア「どうし―――」
ユフィ「えーい」バラバラ
セシル『ナパーム弾を受け止めて!!』
スザク『イエス、マイロード!!!』
コーネリア「ユフィ!!やめろ!!何をしている!!」
ユフィ「あれ?お姉様?」
スザク『くそぉぉ!!!』
ドォォォン!!!
ゼロ『ランスロットは落ちたか!!天子様も離脱!!ふはははは!!あとはユーフェミアを残すのみか!!』
C.C.「何もしてないが、いいのか……」
C.C.「神楽耶、カレンを!!」
神楽耶「はい!カレンさーん!!」ブゥゥゥン
ゼロ『ちぃ……C.C.、カレンと神楽耶様が戻ってくるまで、時間を稼げるか?』
C.C.「そう容易い相手じゃないと思うがな」
ユフィ「ひどい……お姉様とスザクを……私は……私は……許しません!!」
C.C.「そっちが酷いことしてるんでしょ?ぷんぷん」
ユフィ「リリカル・LRAD」ドンッ
C.C.「は?」
ゼロ『それは音響兵器だ!!逃げろ!!』
ユフィ「マジカルスイッチ、オン」カチッ
C.C.「がぁ……ぁ……!!」
ユフィ「ふふふ……」
C.C.「こんな……ものまでぇ……」
ユフィ「では、魔法のスタンロッドで最後にします」
藤堂『時も止められぬ輩が現代兵器を用いて魔法少女を語るとは……!!!』
ユフィ「さぁ……いきます!!」ブゥゥゥン
C.C.「……私の右腕は電子レンジだぞっ」ガシッ
ユフィ「その輻射波動とこの魔法のスタンロッド『ドゥリンダルテ』はどっちが強いのでしょうか」バチバチバチ
C.C.「このぉ……!!」
ユフィ「ふふふ……出力最大です!」
C.C.「うっ!?」
『そぉこまでにしてもらおうかぁ、ユゥフェミアァ……』
ユフィ「え……」
C.C.「だ、誰だ……」
シャルル「ワシが!!!魔法皇帝!!シャルル・ジ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタァァニア!!!」ブゥゥゥゥン!!!!
アーニャ「……」ブゥゥゥン
ゼロ『あれはシャルル!!』
藤堂『しかも、あれは……ストライカーユニット!!』
やめろ・・・
ズゥゥゥン!!!
咲世子「な、なんの音でしょうか」
ナナリー「咲世子さん行きましょう」
ナナリー(今、とても大変なことが起こっている……私にもできることを……)
咲世子「これは……」
ナナリー「なんですか?」
咲世子「ランスロットですね。怪我人もいるようですね。―――スザクさん!!コーネリア皇女殿下!!」
ナナリー「え?!」
咲世子「大丈夫ですか?!」
スザク「あ……ぅ……」
ナナリー「スザクさん!!コーネリア姉様!!しっかりしてください!!」
スザク「ナナリー……僕は……もう……だ……め……」
ナナリー「スザクさん!!スザクさん!!」
コーネリア「ナ、ナナリーか……ふふ……因果なものだな……再会の場所がこんな戦場とは……」
シャルル「ぬぁっはっはっはっはっはっは!!!!!ユーフェミア、随分とやりおってぇ……!!」
ユフィ「お、お父様……」
シャルル「これはぁ……躾が必要かぁ……」
ユフィ「い、いや……」
アーニャ「逃がさない」ブゥゥン
ユフィ「なっ?!何をするのですか?!無礼者!!」
C.C.「シャルル……何が目的だ……」
シャルル「コーネリアが考案したイベントに実のぉ父親がぁ参加せずしてどぉぉするぅ」
C.C.「お前……まさか……」
ゼロ『C.C.!!シャルルを殺せ!!』
C.C.「無理だ。先ほどのスタンロッドの所為で輻射波動機構が死んだ」
ゼロ『なんだと』
C.C.「もう一つ、残念なお知らせだ。フロートユニットのエナジーフィラーがもう尽きる」
ゼロ『なに……!!カレンと神楽耶様はどうなっている?!』
ユフィ「な、なにを……」
シャルル「遊ぶぞぉぉ!!!ユーフェミアァァ!!!!」
ユフィ「ひっ?!」
アーニャ「だめ、逃げないで」
ユフィ「な、なんで?!」
アーニャ「たまには遊んであげて」
ユフィ「い、いやです!!」
シャルル「魔法皇帝!!シャルル・ジ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール・ブリタァァニア!!!が相手になってやるぅぅ!!!」
ユフィ「お父様!!これはあくまでも支持集めの一環で皇帝陛下が来ても―――」
シャルル「もぉんどう!!むよぉぉう!!!」ブゥゥゥン!!!!
ユフィ「いやぁ!!―――スザクー!!」
ランスロット「……」ゴォォォ!!!!
シャルル「ぬぁった?!」
C.C.「あれはランスロット……。こんなときに……!!」
コーネリア「無事か!!ユフィ!!」
ユフィ「お姉様ぁ!!」
シャルル「ほう……中々、しぶといやぁぁつぁあ!!」
コーネリア「……」
シャルル「でぇはぁ……さっそくぅ……」
ランスロット「お父様!!」
シャルル「なんだ!?貴様のようなデカ物を産ませたおぼえはぬぁぁい!!」
ランスロット「私です。ナナリーです」
シャルル「なに……」
ゼロ『ナナリーだと……?!』
C.C.「何をするつもりだ?」
シャルル「ふふふ……はははは……ぬぁっはっはっはっはっはっは!!!貴様かぁ!!!ナァァナリィィ!!!」
ナナリー『お父様……今年でおいくつになられたのですか?』
シャルル「へぇ?」
ユフィ「ナナリー?」
ナナリー『答えてください』
シャルル「62歳だが?」
ナナリー『もう少し落ち着いてください。魔法皇帝なんて恥ずかしくないのですか?!』
シャルル「ぬ……!!ぬぁんたるおろかしさぁぁぁ!!!ナナリィィィ!!!!ワシは!!ワシはぁぁぁ!!!!」
ナナリー『皇帝としての威厳も何もあったものではありませんね』
シャルル「ぬぁ?!」
ナナリー『あなたのような人が私の父親なんて、恥ずかしいです!!もう学校に行けません!!!』
シャルル「そこまでいうのかぁぁ!!!」
ナナリー『咲世子さん!!ヴァリスを!』
咲世子『了解』
シャルル「おのれぇぇぇ!!!!」ブゥゥゥン
ナナリー『お父様はもう少し立場というものを考えてください!!』
シャルル「ヌァナリィィィ!!!!」
というかみんな悶死
コーネリア「魔法皇帝……滅びたり……」
ナナリー『コーネリア姉様?』
コーネリア「な、なんだ……」
ナナリー『今年でおいくつになられたのですか?』
コーネリア「……」
ナナリー『魔法皇女だの虐殺天使だの……どうしてそんなことが臆面もなくできるのですか?』
ナナリー『それも魔法少女のまの字もわかっていらっしゃらないし』
コーネリア「あの……」
ナナリー『名乗りも振舞いも咲世子さんから聞き及ぶ限りでは、ただの痛い大人ではないですか!!』
コーネリア「ぐっ……」
ナナリー『とくに長い名前を作っているあたりが……もう……ダメ……です……』
コーネリア「な、ナナリー……」
ナナリー『もっと真面目に生きてもらえませんか?』
コーネリア「……ああ……すまなかった……」
ナナリー『ユーフェミア姉様?』
ユフィ「は、はいぃ」
ナナリー『なんでもマジカルとかリリカルとか付ければ可愛くなるとでも思っているのですか?それで何をやっても許されると?』
ユフィ「だってぇ……ダールトン将軍が色々と渡してくれるから、使いたくなって……」
ナナリー『その所為で地上の人たちに被害がでるとは思わなかったのですか?!』
ユフィ「お、思ったけど!!命の危険を感じたら使うようにってギルフォード―――」
ナナリー『いいわけは結構です!!』
ユフィ「ご、ごめんなさい……」
ナナリー『ユフィ姉様の年齢ではまだギリギリセーフだと思いますけど、今後は自重してください』
ユフィ「善処します」
ナナリー『私のお兄様なんて、そんな恥ずかしいこと一切していませんよ?!』
ユフィ「え……」
ナナリー『大勢の人たちの前で高笑いしたり、必死になって考えたような煽りをさもかっこよく言ったりしていません!!』
ユフィ「あ、うん……そう、だね……」
ゼロ『……』
C.C.「おい」
ユフィ「ナナリー、わかったから、とりあえず落ち着こう、ね?」
ナナリー『お兄様はいつも私の見本になろうとしてくれています』
カレン「あー……つかれた……」
神楽耶「大丈夫ですか?」
カレン「で、何事?途中でゼロと通信できなくなるし、エナジーフィラーは尽きるし……」
神楽耶「あれは……」
ナナリー『挑発されてわざわざ戦地に赴くような自意識過剰な人でもないですし、可笑しなキメポースをして呪文を唱えたりもしません!!』
ユフィ「ええ……そうね……そうよね……ルルーシュ、かっこいいもんね」
ナナリー『はい。だから、ユフィ姉様も目を覚ましてください。もうこんな恥ずかしいことはやめてください』
ユフィ「うん。やめる。目が覚めたわ」
ナナリー『よかったぁ……』
セシル『あの、今乗っているは……?』
咲世子『緊急事態だったため、拝借しました』
ロイド『君!!どこのだぁれ?!』
咲世子『篠崎咲世子ですけど』
ロイド『すばらしぃ~!!スザクくん並にランスロットを扱える人がいるなんて~!!』
咲世子『よくわかりませんが、すぐにお返しします』
ロイド『残念でした~。君、すぐには返さないよぉ』
咲世子『何故でしょうか?』
ロイド『僕は欲しいから。君のことを』
咲世子『嬉しいお誘いですが、お断りさせていただきます。私には……既に……』
ロイド『あ、いや、そんな話じゃなくて~』
咲世子『ナナリー様、そろそろ降りましょう。エナジーフィラーも限界ですし』
ナナリー『わかりました』
ロイド『あ、ちょっと!!まってよ!!!』
咲世子『知りません』
スザク「ナナリー……戦いは……?」
ナナリー「終わりました」
咲世子「さあ、スザクさん。病院に行きましょう」
スザク「僕は大丈夫ですから」
ナナリー「でも……」
スザク「ナナリー、ありがとう。僕では言葉の解決なんてできなかったと思う」
ナナリー「そんなことありません。ここだって思うところを撃てばいいだけですから」
アーニャ「ちょっと」
ナナリー「はい?」
アーニャ「……あなた、名前は?」
ナナリー「ナナリー……ですけど」
アーニャ「私はアーニャ。よろしく。そして、ありがとう」
ナナリー「え?」
アーニャ「これで私、皇帝陛下のごっこ遊びに付き合わなくて済む」
アーニャ「ありがとう。もう衝撃のなんとかって喰らわなくて済むかと思うと、嬉しい」
ナナリー「よかったです。貴方を助けることができて」
アーニャ「何かお礼を……そうだ」
ナナリー「そんないいですから」
アーニャ「これあげる」
ナナリー「これは……?」
アーニャ「皇帝陛下からもらったフロートユニット。足に装着したら、空を飛べるようになる」
ナナリー「ほ、本当ですか!?」
アーニャ「ばいばい」
ナナリー「ありがとうございます!!」
咲世子「よかったですね、ナナリー様」
ナナリー「よいしょ……よいしょ……」
咲世子「な、ナナリー様……あの……」
ナナリー「咲世子さん、ごめんなさい。装着するの手伝ってもらえませんか?」
藤堂「……千葉」
千葉「は、はい」
藤堂「私の私物を全て処分する。手伝ってくれるか……?」
千葉「でも……あれは藤堂さんが13歳のときから集めに集めたコレクションだって……」
藤堂「もう……私も……いい大人だ……卒業……しないとな……」
千葉「と、藤堂さぁん……うぅぅ……お、お手伝い……します……」
藤堂「すまない……すまない……」
ゼロ「……」
C.C.『指示をくれー』
ゼロ「撤退しろ……」
神楽耶『分かりましたわ』
ゼロ「フロートユニットは好きにしろ。廃棄するもよし、飾っておくもよし。もうそれが使われることなどないだろう。以上」
カレン『ゼロ?』
ゼロ「くっ……うぅぅ……」
カレン「C.C.、何があったの?ゼロ、涙声だった気がするけど」
C.C.「気にするな。やっと魔法少女とはおさらばだな」ポイッ
神楽耶「ちょっと残念ですわね」
カレン「折角、作ったのに……」
C.C.「なら、お前はソレをつけて戦場を駆ければいいさ。目立つぞ?」
カレン「死ぬでしょ!?」
神楽耶「……勿体無いですわ」
天子「しんくー!!!」ブゥゥゥン!!
星刻「天子さまぁ!!!お怪我はありませんか?!」
天子「うん……」
星刻「おのれブリタニアめ……天子さまを泣かせるなどとは……。いつか必ず、この恨み……我が剣を持って晴らす!!!」
天子「しんくぅ」ギュッ
星刻「がはっ?!もう少し……もう少しだけもってくれ……少しでも長く、この時間を……!!」
天子「しんくー」スリスリ
ルルーシュ「ただいま……」
ナナリー「あ、お兄様。おかえりなさい」
ルルーシュ「……ナナリー……」
ナナリー「なんでしょうか?」
ルルーシュ「ナナリー……あれは全部理由があるんだ……」
ナナリー「え?」
ルルーシュ「ああすることで……相手に……反論させないように……」
ナナリー「お兄様?何を言っているのですか?」
ルルーシュ「……」
ナナリー「お兄様……辛いことがあったのですね……私でよければ……」ギュッ
ルルーシュ「ナナリー……わざとなのか……?」
ナナリー「違います」
ルルーシュ「……ナナリー!!」ギュッ
ナナリー「お兄様ぁ!」ギュッ
ギルフォード「え?魔法皇女コーネリアは引退ですか?!」
コーネリア「ああ……。やはりそんな歳じゃなかったんだのだ……私は……」
ユフィ「私も……反省しています……」
ダールトン「しかし、もうグッズ販売も市場が拡大し過ぎていて……」
コーネリア「これ以上、私に恥をかかせる気か!!!」バンッ!!
ユフィ「ひっ」
ギルフォード「わ、分かりました。魔法皇女関連のものは全て撤退させます」
コーネリア「頼むぞ……。ああ、それから」
ギルフォード「はい」
コーネリア「私の部屋にある魔法少女関連のモノを全部処分しておいてくれ」
ギルフォード「いいのですか?あれは姫様が将来の夢は魔法少女になることと言っていた6歳から集めて―――」
コーネリア「もう言うな!!」バンッ!!!
ユフィ「ひっ」
ダールトン「姫様……うぅぅ……」
セシル「仕方ありませんね」
ロイド「まーねえ。いいパーツも逃しちゃったし……今回は骨折り損だねぇ」
セシル「あはは……」
スザク「ロイドさん、セシルさん」
ロイド「んー?どうしたの?」
スザク「暇のときでいいので、小型フロートユニットの開発続けてもらえませんか?」
ロイド「でも……」
セシル「予算のこともあるし。中々進まないと思うけど、いいの?」
スザク「ええ」
ロイド「何かあるの~?」
スザク「プレゼントしたい相手がいるんです」
セシル「そう……」
ロイド「じゃあ、暇なときに少しずつやってみるよ。期待しないでね」
スザク「ありがとうございます」
ニーナ「あぁ!!どうしてぇ?!ユーフェミア様?!何故虐殺天使を引退されるのですかぁ?!新しい虐殺音頭って曲もつくったのにぃぃ……!!」
ナナリー「ガシーン!ガシーン!―――ジャジャーン!!」
ミレイ「ナナリー、それどうしたの?」
ナナリー「これですか?マジカルアイテムです!」
シャーリー「それって……ユーフェミア様が付けてたのと一緒なの?」
ナナリー「これで……シャーリーさん。右足の側面にあるスイッチ押してください」
シャーリー「うん」カチッ
ナナリー「マジカル・フロート!!」ブゥゥゥン
ミレイ「すごいすごい」
ナナリー「これで自由にどこにでもいけます」ブゥゥゥン
リヴァル「ナナリー!!あんまり無茶するなよ!!」
ナナリー「マジカル・ターボォ」ブゥゥゥン!!!
ミレイ「おーい!!ナナリー!!!危ないから遠くにいかないでー!!」
ナナリー「はーい」
ナナリー「ああ……気持ちいい……。これが魔法少女なのですね……」
ナナリー「この世に魔法少女は私だけで―――」
ブゥゥゥゥン
ナナリー(この音は……フロートユニット……)
神楽耶「あら、ごめんなさい。ちょっと通りますわ」
ナナリー「貴方は……」
神楽耶「通りすがりの魔法少女ですわ」
ナナリー「私も魔法少女です」
神楽耶「そうですか。お友達ですわね」
ナナリー「いえ。ライバルです」
神楽耶「え……」
天子「かぐやー!!まってー!!」ブゥゥゥン!!!
ナナリー「そんなまだ……」
カレン「神楽耶様!!一人で行ったらダメですってば!!」ブゥゥゥン!!!
カレン「やば……」
神楽耶「お知り合いですか?」
カレン「いえ……しらない人です……。早く、行きましょう」
神楽耶「では、またごきげんよう」
天子「かぐやぁー」
ナナリー「……」
ナナリー「まだ完全にフロートユニットは廃棄されていなかったのですね……」
ナナリー「でも……魔法少女は私一人で……」
カレン「あーびっくりした」
神楽耶「ふふ。あの方、魔法少女だって言ってましたわ」
カレン「へー。そうですか」
神楽耶「この世に魔法少女なんておりませんに、ねー?」
天子「う、うん……いないと思う」
カレン「とにかくテスト飛行はこれぐらいにして、帰りましょう」
スザク「ナナリー!!」
ナナリー「はーい」ブゥゥゥン
スザク「やっと完成したんだ!!ナナリー専用の小型フロートユニット!!エンジェルウィングだ!!」
ナナリー「素敵ですね」
スザク「飛ぶたびに天使の羽が空中を舞うんだ。きっとナナリーにぴったりだと思う」
ナナリー「付けてくださいますか?」
スザク「ああ。これは本当にすごいよ。時速は最高で400キロ。目の見えないナナリーのために障害物を感知したら自動的に目標を破壊するスラッシュハーケンもついているんだ!!」
ナナリー「そんなものを……いいのですか?!」
スザク「もちろんだよ。飛んでみてくれ」
ナナリー「はい!!」
スザク「いってらっしゃい、ナナリー」カチッ
ナナリー「これで私は誰にも負けない魔法少女にまた一歩近づい―――」
ビュゥゥゥン!!!!
スザク「すごい……もう見えなくなった……」
カレン「この小型フロートユニット商品化しませんか?移動とかすごく便利ですけど」ブゥゥン
神楽耶「ですわ」ブゥゥン
C.C.「おいおい。もう魔法少女はやめてくれ」
カレン「いやいや、次世代の乗り物としてはいいと思うんだけど」
神楽耶「ええ。これさえあれば、海も個人で越えられますのよ?」
C.C.「遭難したらどうする?海は広いぞ?それにエナジーフィラーの消費も激しい。燃費が悪い。個人が持つには高価な玩具だよ」
カレン「そっか……難しいのね……」
神楽耶「でも、これをもっているのは世界で4人だけですから、自慢できますわね」
ゼロ「4人?」
カレン「ええ。あたしと神楽耶様、天子様。あとはあたしの知り合いの妹が」
ゼロ(そうかナナリーか。確かにあれを手に入れてから、ナナリーはすごく明るくなったな)
ゼロ(だが、ナナリーの幸せのためにはまだ俺は戦わねばならない……。たとえ、ナナリーに蔑まされる未来が待っていたにしても……!!!俺は戦い続ける!!!)
モニター『次のニュースです。エリア11上空を航行中だった皇族専用ヘリが墜落しました。シュナイゼル殿下も乗っていたとみられ、現在安否の確認を急いでいるとのことです』
モニター『墜落の原因は不明。目撃情報によりますと、天使が触手を伸ばしたという不可解な証言が―――』
FIN
シュナイゼルざまぁ
乙乙
Entry ⇒ 2012.08.16 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
パワプロ「そろそろ弾道上げたいなぁ」あおい「へー」
あおい「そういえばパワプロ君のHRって見たこと無いかも」ヒュッ
パワプロ「長打に自信が無いわけじゃないんだけどねー」パシッ ヒュッ
※パワプロ BACBBA 弾道1 チャンス4、対左4、広角打法、粘り打ち、キャッチャー○
手塚「ごゆっくりどうぞ^^」
パワプロ「えっ?あ、うん」
あおい「こ、コラ!早いとこ行ってきなよ、もう!」
パワプロ「何怒ってるの?」
あおい「…………別に」
※パワプロ ムード×
エースと主力に女子選手を配置した僕ら恋恋高校の注目度は高く、
なんとバッテリーごとロッテに指名されるなんて快挙まで成し遂げた)
あおい「……うん、そろそろあったまって来た。本気で投げるから、そっちもよろしく!」
※色々ごっちゃだからみずきとか聖とか雅ちゃんもチームにいるかもしれない
……受験間近の同級生には、何だか申し訳ないけれど)
あおい「……おーい、投げるよー?」
パワプロ「おっと……うん!ばっちこーい!」
パワプロ「……うん、いい感じ!」バシィ ヒュッ
あおい「そーいえばさっきの続きだけど」パシッ
パワプロ「うん?あぁ、弾道のこと?」
あおい「そうそう、何で今まで上げようと思わなかったのかなって」
パワプロ「んー……自分でもよく分かんないなぁ。特に打撃で困った事無かったし」
パワプロ「……そんなつもりで言ったんじゃないんだけど」バシィ
あおい「あはは、ごめんね、冗談……次、マリンボール!」
パワプロ「ばっちこーい」
あおい「えいっ!」シュッ グググッ
パワプロ「ナイスボール!」バシィ ヒュッ
あおい「……でも冗談抜きにさ、凄いと思うよ、パワプロ君の打撃センス」パシッ
パワプロ「あおいちゃんに褒められるなんて光栄だよ」
……殆ど痛烈なライナー球で、フェンスまで余裕で転がすなんて普通じゃないよ)
あおい「……猪狩守くんだっけ?キミのライバルの」
パワプロ「うん、今でも良いライバルだと思ってる」
あおい「彼も災難だったよねぇ」
パワプロ「……ああいうこともあるさ。野球だもの」
パワプロ「……最後のは体を張って止められちゃったけどね」
猪狩守「……ウッ……くそっ、プロ入りを控えているのにまだあの痛みが……!」
※パワプロ パワーA(99) 猪狩守 キレ2
聖「相変わらず仲睦まじいようでなによりだ」
あおい「か、からかわないでよ、もう」
パワプロ「おいおい二人とも、次期エースバッテリーなんだから練習には遅れないようにしてくれよ?」
みずき「ランニングとかしなくてもいいもん!」
聖「朝の自主錬で十分走り込んでいるのでな」
パワプロ「うん?」
聖「先輩達が自主錬する日はどうしても一緒に練習したいという我儘な相方が」
みずき「す、ストップ!聖、あんたねぇ!?」
パワプロ「^^」
あおい「^^」
みずき「うわぁぁぁん?!」
※みずき 人気者 聖 ささやき戦術
やっぱりパワプロ先輩のヒッテイング技術は超高校級だと痛感したわ)
聖(あの痛烈なライナーをまともに体に受けた猪狩守は未だに通院生活が続いているとか。
ある意味私達にとって最大の仇敵だった彼ではあるが、南無……)
猪狩守「ウグッ!?……く、くそ、まるで発作じゃないか……!」
※猪狩守 弾道4→弾道2
パワプロ「いやぁいい汗かいた」
みずき「狙って絶対にピッチャー返ししてこないのが相変わらずむかつくわ……むぎぎ……」
パワプロ「女の子だしなぁ、さすがにちょっとね」
みずき「かといって決め球を楽々流し打ちされるのも屈辱……いつかかならず目に物見せてやるんだから……」
聖(キャッチャーで良かったとこんなに思うことはかつて無かったな。
練習とはいえあのライナーを取らないといけない他の野手陣も大変だろうに)
※パワプロ 流し打ち 恋恋高校野手陣 守備職人
パワプロ「何?」
聖「あれだけの球を打てるなら……こう……なんだ、その……」
あおい「弾道の話?ちょうど二人の時話してたんだよねー」
みずき「あ、あおい先輩……もうちょっとその、恥じらいとかそういうのをですね……」
あおい「えっ」
パワプロ「えっ」
みずき「えっ」
聖「えっ」
聖(野球をしている時は女の子扱いしないで、という方針のせいで大事なものを無くしてしまったのか)
みずき(うろたえてるあおい先輩ぺろぺろしたい……)
パワプロ(……よく分からないけどフォローをするべきかな)
→フォローする
放っておく
聖「……そもそも何故パワプロ先輩ほどの打者が1なのだ?
あの当たり方なら、2もあれば十分HRも狙えると思うが」
みずき「文句つけられない活躍してたから言い出せなかったけど、
前から不思議ではあったのよね」
あおい「そうそう、だからボクも今日弾道について……」
みずき「あおい先輩!女の子なんだから!」
聖「……慎みは持とう、先輩」
あおい「う……よ、よく分かんないけど分かったよぅ……」
あおい「どうしたの?」
パワプロ「矢部君だよ、僕の弾道が1のままの原因!」
聖「ほう」(興味津々)
みずき「あの眼鏡が原因?」
パワプロ「うん。野球部発足当初の話なんだけどね……」
パワプロ『矢部君そんな暇があったら部員集めを真面目に……』
矢部『ふっふっふ……その部員集めに役立つものを拾ったのでやんすよ!
じゃじゃーん!!でやんす!』
『ダイジョウブダヨー、ダイジョウブジルシノセイヒンハ、ゾウガフンデモコワレナイ』
パワプロ『何その見るからに怪しいガラクタ……なんか音声付いてるし……』
パワプロ『ステータス?おいおいゲームじゃないんだから……』
矢部『パワプロ君!落ち着くでやんす!これはゲームでやんす!』
パワプロ『そっちが落ち着け!何を言い出すのさいきなり!?』
矢部『とにかくこれを使ってみるでやんす!さぁ!』
ミートとか、パワーとか?あんまりよくは覚えて無いんだけど」
みずき「それがどうパワプロ先輩の打球につながるの?」
パワプロ「……無かったんだよ。弾道以外」
みずき「え?」
パワプロ「矢部君が僕に勝ってる部分。当時は全く信じて無かったけど、今思えばそんな感じなのかもなぁ」
※パワプロ初期値 弾道1 EEDDED 矢部初期値 弾道2 FFDEFF (走力同値)
みずき「非力だからノック練習かってくらいの貧弱フライね。まぁたまにポテンもあるけど」
パワプロ「……それで『僕の特徴は弾道だけでやんす!僕の輝きを奪わないでくれやんす!』って当時いっつも言っててね」
聖「まさかそれで……」
パワプロ「うん。幸い僕は今みたいな打撃が性にあってたみたいだし、適材適所って感じじゃないのかな。
正直こんなにウチの野球部が強くなるなんて夢にも思わなかったし、
部員定着の為にも、一人一人の個性や見せ場を作る、っていうことは意識してたわけだしね」
みずき「それで今の先輩とダメガネに至るわけね……」
※矢部現在 BDBCCB 弾道4 チャンス2 ヘッドスライディング 積極走塁 (入団テスト受験予定)
「なんだ、薔薇っぽい展開を期待していたのだが……」
みずき「えっ」
聖「……さ、さて打球の原因は分かったのだ。その改善策を練るのだろう?ん?」
※聖 ポーカーフェイス消失 ノビ4
パワプロ「同じようなことを矢部君にも言われたんだけど『余裕ぶちかましてるリア充は爆発するでやんす』
とか意味不明のことを言いながら走って行っちゃんたんだよねぇ」
聖「うーんこの鈍感」
みずき(聖がおかしい……)
※パワプロ 体当たり 聖 ノビ5
あおい「?」
みずき(世間様では夫婦コンビなんて書かれちゃう位露骨にお膳立てしてるのに、
当の二人がこれじゃあねぇ)
あおい(やだ、何か顔についてるのかな?)
みずき「『やだ、何か顔についてるのかな』とか思ってそうな仕草のあおい先輩ぺろぺろ」
(もう、しょうがないんだから……)
あおい「」
みずき「」
※みずき ノビ5 キレ4 ムラッ気
あは!あははは!あおい先輩も、そんなウジ虫を見るような沈んだ顔なんてやめましょうよ!」
聖「うむ。まだプロ入りまでは時間があるのだ。ゆっくり調整して行けばいい」
パワプロ「……確かに、今までやって来た積み重ねもあるしなぁ。急激に変えようとするのがそもそも間違ってるのかも」
あおい「ソウダネ、イママデキヅイテキタカンケイトカモニタヨウナモノダヨネ、ウン」
みずき(その蔑むような視線もイイっ……!)
聖(みずきがおかしい……アリだな……)
※聖 ポーカーフェイス 意外性 みずき タイムリーエラー ケガしにくさ4
パワプロ「いやーなんだか久し振りに野球したなーって感じ」
あおい「む。なんだよぅ。いつものボクとの自主錬じゃ物足りないっていうの?」
パワプロ「そういうつもりじゃあないけど……でもみずきとか聖たちと一緒なのは久しぶりだったよ」
あおい「……まぁ、確かに私も、甲子園目指してた頃にちょっとだけ戻れた気がするけどさ……むむむ……」
パワプロ「?変なあおいちゃん」
あおい「ふーんだ!どうせボクは変な奴だもん!男女ですよーだ」
パワプロ(変わらないなぁ。ふふふ)
パワプロ「何?」
あおい「本当はさ、その……だ、だんどう……弾道のこと、どうなの?」
パワプロ「……ぷっ、さっきまで普通に言えてたのに」
あおい「なっ!わ、悪いの?!なんかこうみずきとか聖が慎み持てとか女の子なんだからとか言ってくるから、
普段女の子してない分せめてとか何とか思ったり思わなかったりしてこっちも色々」
パワプロ「はいはいわかったわかったから……弾道のこと、っていうのはどういう意味?」
あおい「むぅ……いや、何か、こう……何となくだけどさ。嘘ついてるような気がして」
パワプロ「誰が?」
あおい「キミが」
あおい「本当はさ、ホームランとか、打ちたいんじゃないの?」
パワプロ「……」
あおい「実際問題、プロに行ってもずっとあの打球じゃやっていけるか分からないし……
何より君自身、新しいことに挑戦するの、多分好きなんじゃないかなって」
パワプロ「……さすがにバッテリー組んでるだけはあるね。これならプロに行ってもうまく君とやれそうだよ」
あおい「ってことは……」
パワプロ「……勿論さっき言ってたことも全部が全部ウソじゃ無いけど、ね」
あおい「やっぱり打ちたい?」
パワプロ「……うん。プロ初安打はホームランで飾りたい位だね」
あおい「大きく出るなぁ」
パワプロ「今更さ」
あおい「……ふふ、そだね。『甲子園に行くぞー!』って当たりからそうだったね」
パワプロ「あはは、もうずっと昔みたいだよ、それ」
※パワプロ ムード×→ムード○
パワプロ「お?」
あおい「私の初勝利の決定打は、パワプロ君、キミのホームランがいいな」
パワプロ「……本気?」
あおい「本気」
パワプロ「大きく出るのは良いとして他力本願はよろしく無いと思います」
あおい「もちろんボクの完投完封デビュー付き、ね」
パワプロ「『ね』って……全く……マウンド以外でも好き勝手なんだから」
あおい「女房役なんだからっ、しっかり手綱を握ってるんだよ?」
冬服の少し長めのスカートがひらりと舞いました。季節は冬。天気は快晴。時刻は黄昏。
窓から射すオレンジ色に照らし出されたあおいちゃんの表情は、甲子園出場を決めた時の満面の笑みに重なり――
※パワプロ 弾道1→2
パワプロ「…………あれ?」
パワプロ「……俺、今なら打てる気がする」
あおい「えっ、ちょ……」
パワプロ「あおいちゃん!ボール投げて!100球で良いから!!」
あおい「多いよ!?ていうか私今制服……」
パワプロ「むしろそれで投げてくれたらもっと飛距離が伸びる気がへぶらっ」
あおい「すけべ!!えっち!!へんたーい!!」
パワプロ「ぐげっ……あっ、パンツ見え……ぎゃああああああああああああ!!!」
雅「す、すごいなぁ、漫画のラブコメみたい……はうぅぅいいなぁいいなぁ……」
※パワプロ チャンス4→5 ケガしにくさ4 サヨナラ男 満塁男 チャンスメーカー
あおい ブロック×
雅 恋の病
こんな感じ時で終わり 見てくれた人ありがとう 2011マイライフとか言う苦行に戻ります
乙
2012買うか15あたりに還ろう!
乙!
もっとキュンキュンするイベントはよ
なお第二ストレート持ちには全く歯が立たない模様
>>106
僕もみたいので誰か続けて下さい><
サクセスはストーリー楽しむならやっぱ女の子のいる学校だよな
恋恋しかり聖タチバナしかり
雅(胸が苦しい……これが……恋……)
雅「ということであおいちゃん!」
あおい「ひぇっ?!な、なにいきなり?」
雅「お弁当を作ろう!!」
あおい(何言ってるのこの子可愛い)
※続けられそうなので→× マイライフが不毛なので→○
あおい「お、おう、せ?」
雅「夕暮の部室にたたずむ二人!見つめ合う目と目!重なる二つの影!あぁっ!!」
あおい「お、おう」
あおい(完全に勘違いしてる……)
雅「ねぇねぇどこまでいったのどこまでいったの?」
あおい「ど、どこまでも何も……私がパワプロ君をはっ倒して」
雅「押し倒す?!いやあああ!過激いいいい!」
あおい「違――――う?!」
※あおい キレ4
雅 ムラッ気
あおい「で……お弁当って……」
雅「未来の奥様として、旦那様の胃袋を握っておくのは基本だよっ」
あおい「み、未来の奥様……そんな、ボクとパワプロ君はまだそういう……」
雅「プロとして体は資本にして基本だよっ」
あおい「ぷ、ぷろとして……」
雅「あおいちゃんもプロになって一流の選手を目指すなら、この位自分で出来ないといけないんじゃないかなっ」
あおい「そういうことなら……ちょっと、頑張っちゃおうかな……」
雅「その意気だよ!あおいちゃん、ファイト!」
あおい「あ、雅ちゃん!」
雅「!」ビクゥ
あおい「不格好だけど、ほら!前よりも全然美味しくなったんだよ!
これも全部雅ちゃんのおかげ……」
雅「……うぅぅぅぅぅぅううう……」
あおい「……雅ちゃん?」
雅「ご、ごめんなさいいいいいい」
あおい「えっ」
雅「い、今まで好き勝手言ったり指図したりしてごめんなさいぃぃぃ……」
あおい「」
※雅 恋の病 治療成功
あおい「ほ、ほらもうそんなに気にしてないから……」
雅「うぅぅ……ごめんなさい……」
あおい「……私にとっては得な事の方が多かったんだし、ね?」
雅「すん……うん……」
あおい(やだこのこかわいい)
雅「……でも、自主錬しつつお弁当のことも考えるなんてやっぱり大変だと思うの……」
あおい「大変じゃないって言ったらウソになるけど……ほら」
雅「え……?」
見代子「わー、いい感じですー」
はるか「見代子さんのも素敵ですね」
ほむら「細かい所までこってるとはさすがっスー」
あおい「……ね?」
雅「これは……」
あおい「みんな女の子だもん、料理のスキルとか、気にしてる子は多いってことだね」
雅「これも私の責任なのかなぁ……うぅ……」
あおい(やだこのこだきしめたい)
※雅 安定感2→3 ムードメーカー
矢部「……パワプロ君」
パワプロ「おはよう矢部君」
矢部「おはようでやんす……ところで」
パワプロ「んー?」
矢部「パワプロ君のクラスの女子の間でお弁当が流行っているとか言う噂を聞いたでやんす」
パワプロ「あー、そういえばそうみたいだね」
矢部「羨ましいでやんす!女子のレベルからして頭一つ抜けているクラスのくせに!
差別でやんす!下剋上を求めるでやんす!」
パワプロ「何に対してなんだよははは」
キーンコーンカーンコーン
矢部「くっ……予鈴でやんす!一時退散でやんす!」スタコラサッサ
パワプロ(今一歩踏み出せないのが矢部君らしいよなぁ……)
※矢部 安定感4
矢部(予鈴のどさくさにまぎれてロッカーの中からお弁当を探し出して、分からぬ程度につまみ食いするでやんす!)
矢部(いざっ……!!)
パワプロ「おっとこんな所に矢部君に似た像がー矢部君の物に違いない矢部君のクラスに戻さないとー」
矢部「やんすっ?!パワプロ君?!裏切ったでやんすね!?」
パワプロ「いみが、わかりません」ポイー ヤンスー
パワプロ(寸前で阻まれるのがさらに矢部君らしいよなぁ……)
※パワプロ ブロック○ 矢部 寸前×
あおい「……うぅ……」
雅「あ、あおいちゃん……昨日も駄目だったの?」
あおい「だ、だってぇ……」
はるか「昨日も聞きました」
菜美「あおいちゃんは押しが足りないんだよねー」
ほむら「野球の応援みたいに勢いが大事っス!」
美代子「気力が充実するツボとか押しますー?」
あおい「いや、それは勘弁して下さい……」
あおい(今日が今年最後のチャンス……でもいきなりお弁当とかハードルが高過ぎるんじゃないかなぁ……うぅ……)
パワプロ(うーん……)
はるか『最悪パワプロ君の方からあおいに促してもらえませんか?あの子気が強そうでもこういうことには疎いから……』
雅『あぁもう色々僕のせいでこんなことに……ごめんなさいごめんなさい……』
パワプロ(とか言われちゃってるし……ていうか外堀埋まり過ぎだろ……)
パワプロ(いや、あおいちゃんの手料理とかいくらでも来いって感じなんだけどなぁ……)チラ
あおい「ブツブツブツブツ……」ずーん
パワプロ(当の本人がアレじゃあなぁ……)
あおい「うぇっ!?な、なに?」
パワプロ「せっかく今年最後なんだし、本気で勝負とかしてみない?」
あおい「……最近僕の調子悪いの一番知ってるくせに……」
パワプロ「……そんなんでプロとしてやっていけるのか甚だ疑問だね、俺は」
あおい「なっ……」
パワプロ「調子が悪かろうが何だろうが、プロならプロとしてやらなきゃいけない時が来るに決まってるじゃないか。
今のあおいちゃんには、そういう意味でプロに行く気持ちが足りて無いと思うよ」
パワプロ「事情なんて知ったこっちゃないさ。最近ずっと俺を避けているんだもの、分かるわけ無いでしょ」
あおい「くっ……そんな言い方、ボク嫌いだよ。見損なった」
パワプロ「見損なっても何でもいいさ。でもそうやって勝負から逃げるんだね。呆れた」
あおい「……!ああ!分かったよ!その勝負、受けて立つよ!」
パワプロ(やれやれ、やっとやる気になってくれたか)
あおい「絶っ対、後悔させてやるんだから……!!」
パワプロ(……とはいえ、ちょっとやりすぎたかもなぁ)
※パワプロ ささやき戦術 あおい 短気
あおい「はぁはぁ……くっそぉ……」
パワプロ(動けん……)
あおい「……勝った方が疲れてるなんて皮肉だね」
パワプロ「……そんだけ集中してたってことだよ。
やっぱり爆発してる時のあおいちゃんはすごいや……」
あおい「……えぇと。負けておいて言う台詞じゃないけどさ」
パワプロ「うん?」
あおい「……ありがと。何か色々もやもやしてたんだけど、もう大丈夫みたい」
パワプロ「……そりゃ良かった」
あおい「何?」
パワプロ「えっと……そのですね」
あおい「うん」
パワプロ「お腹すいたなー、とか」
パワプロ(うそです。マジグロッキーです。少し休憩しないと無理です……
でも、まぁ、タイミング的に今しか無いから言うしかない)
あおい「……すごい棒読み加減だね、ふふ……」
パワプロ「わかるよねー」
あおい「……あーあ、結局はるか達に踊らされたようなもんだなぁ」
パワプロ「おっと、そこまで気が付くんだ」
パワプロ「何にも言って無いよ俺は?むしろ俺はあおいちゃんが女の子だって片時も忘れたこと無いんだけど?」
あおい「えー、野球してる時は女の子扱いして欲しく無いんだけどなぁ」
パワプロ(……マウンドに立ってる時の我儘さ加減が一番女の子っぽいだなんて言えねぇ)
あおい「……ま、いいや。よし……そろそろ動ける?」
パワプロ「何とか」
あおい「お弁当は?」
パワプロ「……問題無いかな」
あおい「ふふん!なら楽しみにしてていいよ!今日のは自信作だから!」
まだ立ち上がらない俺のすぐ横に座ると、そのまま小奇麗なフォークでたこさんウィンナーを一突き。
それを俺の顔に近づけて、「あーん」なんて言っていました。男子冥利に尽きるとはこのことかと、
ある種の悟りを開きつつ一口。懐かしいようで、新鮮な味わい。そりゃぁそうだ、お弁当は家族の味。
あおいちゃんは家族じゃ無い。『まだ』家族じゃ無い。そんな能天気で幸せな空想に浸りつつ……
※パワプロ 弾道2→弾道3 キャッチャー○→◎ 固め打ち
パワプロ「もう結婚して下さいマジで」
あおい「ええっ?!」
おわり
パワプロ B(70)A(99)C(60)B(70)B(70)A(80) 弾道3 チャンス5、、ケガしにくさ4、対左4、広角打法、流し打ち、粘り打ち、固め打ち、サヨナラ男、満塁男、チャンスメーカー、体当たり、ムード○、キャッチャー◎、ブロック○、ささやき戦術
とかいうキチガイ選手が誕生してしまいました ボクはもう寝ます 深夜テンションに付き合って頂きお疲れさまでしたありがとう
面白かった
乙
Entry ⇒ 2012.08.16 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
照「シャープシューターまじかる☆すみれ」菫「ふざけるな」
菫「ああ、麻雀部でもなにかやるか?」
照「うん、それで・・・演劇はどうかな?」
菫「ふぅむ・・・いいんじゃないか?」
菫「ただ、部員の了承を取ってから話を進めよう」
照「うん、よろしくね菫」ニヤッ
菫「というわけだ・・・どうだろうか」
淡「おもしろそ~、賛成賛成大賛成!」
尭深「いいと・・・思います」
亦野「ワタシも賛成」
照「みんな賛成みたいだね」
菫「・・・よし、それでは我が麻雀部は文化祭で演劇を行うことに決定だ」
ワーワー パチパチパチ ワーワー
照「はい!」
菫「ん?どうした照、やりたいものがあるのか?」
照「うん・・・ちょっと恥ずかしいんだけど・・・ね?」
菫「それはみんな知っている」
照「自分でも書いてみたくなって・・・こんなこともあろうかと脚本書いてあるんだ」
菫「そ、それは準備のいいことだな…」
亦野「文化祭まであと3週間・・・時間もないしそれでいいんじゃないですか?」
菫「そう・・・だな、明日持ってきてくれ」
照「うんわかった」
照「菫、持ってきたよ!」
菫「ほうこれが…どれどれタイトルは…」
シャープシューターまじかる☆すみれ
菫「・・・おい照」
照「あ、まちがえて持ってくるの間違えた…」
照「ほ、本当はハードボイルドな西部警察っぽい熱い脚本で…」
菫「持ってくるものを間違えたのは追求しないでおこう」
菫「これはお前の筆跡だ、もう一度聞こう。これはなんだ?」ゴゴゴ・・・
菫「これはなんだ、早く言え。答えられなくなる前に」
照「ひぃ!?は、白状します…趣味で書いてるものです…」
菫「もう少し詳しく教えてくれないか?」
菫「怒らないで…の間違いじゃないか?まあ約束はしよう」
照「…子供のころ魔法少女に憧れたよね?」
菫「…まあな、私にとって正直忘れたい過去ではあるが」
照「私は今でも好きなんだ…こんな風に妄想症説を書いちゃうくらいに」
照「だって菫ってカッコイイじゃん」
菫「…は?」
照「長身、ロングヘアー、清楚で弓まで使える」
照「まさに完璧!私の理想の魔法少女なんだよ!!」
菫「お、おう」
まどかさんとはやてさんは帰ってください
菫「…あきれてものも言えん」
照「言ってるじゃん」
菫「うるさい」スパーン
照「あ痛…」ズキズキ
照「え…本当に?」
菫「ただし、これからは本人の許可を取ってから書け」
照「え~、恥ずかしいよ~」
菫「勝手にこんな風にかかれる身にもなれ…おっと休み時間が終わりそうだ」
照「次は音楽だっけ、移動面倒だね」
菫「急ぐぞ照」ポロッ
照「待ってよ菫」タタタ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
???「ん?なんだこの本」ヒョイ
照「ううん、返してもらってないよ?」
菫「…となると落としたか…あんなもの人に見られるわけには…」
菫「先行っててくれ、ちょっと探してくる」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
菫「ない!!ない!!!どこにもない!!!」
菫(誰かに拾われたか!くそ、もう授業が始まってしまう!)
菫(な、なぁにあんなものただの本だ!誰に拾われてもたいしたことにはならない…はず)
菫(よ、よしあきらめよう。照にはなくしたことを後で謝らんといけないな…)
大丈夫、おれもこの先がまったく読めない
菫(結局放課後になっても見つからなかった…)
ガヤガヤ ワイワイ キャーキャー
菫(ん?部室がなにやら騒がしいな…)
ガラッ
菫「おはよう、お前たち何を騒いでいるんだ?」
亦野「あ、おはようございます!それがですね…」
淡「あ、おはよ~スミレ!今日の昼休みにこんなの拾ったんだ~」
菫「なんだ…こ、これは!」
シャープシューターまじかる☆すみれ
菫「こ、これはだな…」
尭深「照先輩の…ですよ///」ズズー
菫「え…?なんで知っている?」
尭深「たまにここで書いてましたので…」ズズー
亦野「それにしても…よくできていますよコレ」
菫「…へ?」
淡「笑いあり涙ありの一大スペクタクルって感じ~」
尭深「わかりやすいし、短くまとまっていますし…文化祭はこれでいいと思います」ズズー
亦野「書いたの照先輩だし、許可も取れるんじゃないですか?」
菫「そ、そうじゃなくてだな…その///」
淡「あ、もしかしてスミレ…」
尭深「…」ズズー
菫「そ、そうだ…」
菫「そうなんだ…恥ずかしくて…え?」
亦野「やだな~主役を後輩に譲らないと~、とか思ってるんでしょ、先輩?」
尭深「この話の主役は菫先輩がふさわしいですよ…」ズズー
菫「は、話を聞けお前たち…」
ガラッ
照「遅くなった」
照「あ、私の書いた本じゃない…見つかったんだ」
淡「ね~、テルー?」
照「なんだい、淡?」
淡「この話すっごく面白かったんだけど、コレを文化祭でやりたいな~って思うんだけど…いい?」
照「え、でも菫がやだって…」
照「…そうだね、みんな気に入っちゃったみたいだし」
菫「…最後の文化祭だ、恥をかくのも悪くないかもな…」
照「菫…何かを悟ったいい顔になってるよ」
菫「いいだろう、やってやる!」
菫「我が麻雀部の出し物は『シャープシューターまじかる☆すみれ』に決定だ!!///」
ワーワー パチパチパチ ワーワー
白糸台高校に通う弘世菫。彼女はごく普通の高校3年生であった
しかし友人・宮永照の正体をひょんなことから知ってしまい物語が動き出す
宮永照は本当は人間ではなく伝説のプロ麻雀せんべいカードの守護神の2人のうちの1人であった
このことは誰にも言ってはならない秘密であったが、友人・弘世菫をだまし続けることの
後ろめたさに耐えかね正体を告げる…
その日から二人で各地に散らばったプロ麻雀せんべいカードを集める旅が始まった…
順調に旅を続ける二人の前に謎の二人組、淡と尭深が登場する。
彼女たちもプロ麻雀せんべいカードを集める旅をしているということで友好を深めるが、
カードの独占をたくらむ淡と尭深は寝込みを襲いカードを奪おうとするも未遂に終わる
互いの信頼は砕け散り、四人は戦うことになる…
そこに新たな少女、亦野が現れ物語は更なる混沌へと誘われていく
尭深をめぐる淡と亦野の戦い…淡の衝撃の正体…
菫と照は真実にたどりつけるのか…
照「好きなんだもん、当然」
亦野「菫先輩、衣装の発注終わりました。2週間で届きます」
尭深「小道具、大道具も部員みんなで手分けしてやれば余裕を持って本番を迎えられます」
菫「ご苦労、一息いれてそれから練習にしよう」
淡「ねーねーテルー、この漢字なんて読むの?」
照「ん?ああ、それはね…」
尭深「…まずは先輩たちの最初のシーンから・・・ですね」
淡「じゃ~どうぞ!」
菫「・・・ああ///」
~~~~~~~~~~~~~~~~~
照『急にこんなところに呼び出して悪い』
菫『べ、べつに…いい・・・』
~~~~~~~~~~~~~~~
菫「いえるかぁ!こんなせりふ!!」
尭深「これ///」ニヤニヤ
『別にいいにゃん!それよりなにかにゃん、テル?』
亦野「最初の一言目からだめなんですか~」ニヤニヤ
菫「む、無理に決まってるだろ!だいたい最初はこんなのじゃなかったはずだろ!」
照「悪い、昨日書き直した」
菫「お前はなんでそんなところに無駄に行動力があるんだ!!」
照「え~会心の出来だと思うんだけどな~」
菫「いいから!」
照「もう…わかったよ。そういうと思って、語尾が普通のやつも作っておいてよかった・・・はいこれ」
菫「だったら、言われる前に出せ!!」
尭深「…」チッ…
淡「3・2・1・はいどうぞ~」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
照『急にこんなところに呼び出して悪い』
菫『別にいいにゃん!それよりな…にか・・・』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
菫「直してないじゃないか!思わず言ってしまった!!///」
照「間違えた、こっちだった」
尭深「照先輩…」チョイチョイ
照「何、尭深?」
尭深「録音完璧です」ポツリ
照「おまえは最高の後輩だ!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
菫「そんなこんなで文化祭一週間前になった」
菫「衣装が今日完成する予定だったな、亦野」
亦野「はい、本日1600に届く予定になっています」
菫「(ひとろくまるまる?)…衣装が届き次第衣装合わせだ、会議室を取っておこう」
尭深「小道具、大道具ともに大きな進行の遅れはありません。予定通りに納品予定です」
菫「わかった、では衣装納入まで自由時間だ」
尭深「市販の衣装に少し手を加えたものだよ…」
淡「へー」
尭深(二人を除いて…ね?)ニヤッ
尭深「あ、ちょっと写真部に用事があるから…」
淡「へ?うんわかったタカミ、またあとでね~」
尭深(ふふふっ、楽しみ///)
菫「衣装が届いた、上下セットになっているので確認してくれ」
菫「それでは呼ばれたものから受け取りに来てくれ」
菫「同級生A役、モブ1」
モブ1「はい」
菫「武器屋役、モブ2」
モブ2「はい…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
菫「これが照、おまえので…残ったのが私のだな」
照「あ、ありがとう…どれどれ…え?」ガサゴソ
菫「どうした照…って、え?」ガサゴソ
菫「…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
露出度高めの巫女服(例:はっちゃん)
照「…」
照「じゃあ間違えて届けられたのかな!そうだ、そうにちがいない!」
亦野「いえ、ちゃんと発注通りに届けられてますよ」
菫「い、いやしかし…」
亦野「届いたのは仕方ないですよ、もう予算もないんですし我慢してください」
照「で、でもこれはダメだろ、痴女じゃないか!」
亦野「大丈夫です、永水の副将も似たような服着て全国大会でてましたし」
照「で、でも…」
モブ2「防具は装備しなければ意味がないよ」
菫「武器屋は黙っていろ!…うう///」
照「そっちはまだましだよ・・・///」
亦野「覚悟を決めてください」
照「…」
菫「ほら、照も」グイグイ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
着替えはキング・クリムゾン!!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
菫「き、着替えてきたぞ・・・///」
照「・・・・・・・・・・・死にたい」
淡「似合ってるよ~二人とも」プププ…
亦野「サイズはどうですか?」ククク…
菫「二人ともピッタリだ、問題ない///」
照「チーズ蒸しパンになりたい…」ブツブツ
菫「え”…」
照「長野にいる妹に伝えてほしい…愛していると…」ブツブツ
尭深「こちらを向いてください」ジャキーン!
菫「待て待て待て!」
尭深「せっかくなんで決めポーズでお願いします」ワクワク
照「もう・・・何も怖くない…」ピース
菫「うぅ~・・・///」ピース
尭深「はい笑顔で~いいよいいよ~」カシャカシャ
照「これが終わったら…妹に会うのが夢なんだ…」ブツブツ
尭深「いいね~じゃあちょっとぬいじゃおっか///」カシャカシャ
亦野「やりすぎだよ、尭深」
尭深「ごめん・・・///」
菫「よ、よし衣装の確認も終わったし練習だ!」
照「・・・うん頑張る」
菫「…おや?なんだか人が少ないな」
~~~~~~~~~~~~~~~
尭深「照先輩の写真500円から」
モブ1「1000」ハイ
モブ3「3000」ハイ
モブ2「5000」ハイ
淡「10000」ハイ
~~~~~~~~~~~~~~~
なんやかんやで文化祭当日
菫「さて、準備はいいか?」
照「うん」
菫「そういえば、おまえ妹を招待したんだったかな?」
照「うん…」
菫「そうか…大会の後、こまめに連絡は取ってるのか?」
照「おはようからおやすみまでメールしてるよ」
菫「…終わったら少し話し合おうか、照」
淡「ん?テルー、なに客席見てるの?」
照「…大切な人を探しているだけさ」
亦野「淡~、尭深が探してたよ」
淡「え?なんだろ、今いくよ~」
菫「…」
照「…」
照「…うん」
菫「ひょっとして、魔法少女が好きなのはお前の妹なんじゃないか?」
照「…うんそうだよ」
照「この話は…咲の昔好きだった話を参考に書いたんだ…」
照「主人公に菫を使ったのは私の趣味なんだけどね」
菫「…それで?」
照「だからこうして昔好きだった話を見たら昔みたいに…話せるかなって…」
菫「…やれやれ、仕方のないやつだなお前は…」
照「菫・・・」
菫「…他でもないお前のためだ、最高の魔法少女を演じてやる///」
照「ありがと、菫」
菫「感謝は終わってからにしろ…さぁ一度みんなの所にいくぞ」
菫「さてもうすぐ舞台の幕が上がる、精一杯楽しむぞ!」
亦野「はい」
淡「うん!」
尭深「はい///」
照「ああ」
モブ’s「はい!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
パチパチパチパチ パチパチパチパチ パチパチパチパチ
ナレーション『ここは白糸台高校…そこにごく普通の少女、弘世菫とその友人宮永照がいた…』
ナレーション『彼女たちの日常は宮永照の告白により大きく変わろうとしていた…』
照(咲はいるか…あ!いた!咲だ!おーい)
菫(照!集中しろ!お前のセリフだ!)
照(あ…ごめん)
照『きゅ、急にこんなところに呼び出して悪い』
菫『別にいい、それより…なにかあった?』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
照『ありがとうスミレ、私のことを信じてくれて…』
菫『もちろんだよ、だって親友だもの』
菫(さぁこのあとは早着替え…うう、あの衣装か…)
照『さぁ、旅に出よう。私の力で旅にピッタリの服をだしてあげる!』
照『えい!』スモークモワモワ
菫『きゃー』
菫「急げ、時間ないぞ」ヌギヌギ
照「わ、わかってる…」キガエキガエ
菫「…よし、間に合った…」
照「…こっちも」
照『おやすいごようだよ、スミレ』チジョスタイル
ザワザワ ミ、ミヤナガセンパイ… ウソダロ… オネイチャン…
菫(会場がざわついているな…仕方ないだろう、いきなり痴女が二人現れたんだ)
菫(ここで取り乱したらいけない…冷静に演技を続けよう)
菫『さあ旅に出ましょう、カードを集める旅を!』
照『え…あ、そうだね行きましょう、こちらです!』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
淡「おつかれ!次は私とタカミの出番だから少し休んでて!」
尭深「行って来ます///」
菫「ふぅ…大丈夫か」
照「うん…やっぱり恥ずかしい…///」
菫「妹のために我慢しろ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
キング・クリムゾン!!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
照『このカードを使って淡を倒して!』
菫(照も慣れてきたみたいだな…)
菫『それはできない…だって彼女は…』
淡『いわないで!』
菫『…もう一人のお前なんだ!』
照『な、なんですって』
菫(このあとは私の必殺技…だったな・・・ハァ…)
照『でも…ううん、あなたを信じるわ』
菫『ありがとう、絶対成功してみせる』
淡『あたしのことはもういいの!あたしごと亦野を葬って!尭深の仇をとって!』
亦野(バーサーカー)『ウガァアァァァァッァ!!』
菫『大丈夫…あなたも救ってみせる!』
ここは思い切りいけ
亦野(バーサーカー)『ウガアアァァ!!』ドシュッ…
淡『やったの・・・?』
亦野『マダダ…マダ…・・・グフッ…』バタリ
照『終わったわ…』
淡『でも…タカミが…グスッ(目薬)』
菫『大丈夫・・・ほらあそこを見て・・・』
淡『!?タカミ!でもなんで…』
菫『あの攻撃の前に魔法をかけておいたの』
菫(ご都合主義だな・・・おい・・・)
尭深『・・・あわ・・・い?本当に・・・淡なの?』
淡『うわーん』ダキッ
尭深『甘えんぼさんね・・・淡?』ナデナデ
菫『これでカード全部そろったね…』
照『うん…そろっちゃったね…』
菫『これで本当にさよならなの?』
照『…うん』
尭深『淡…さよならはいわないよ・・・だから、またね』
菫『いやだ、別れたくない!』
照『・・・大丈夫、また会えるよ…』
菫『嘘じゃないよね…』
照『約束する…』
ナレーション『そしてカードの守護神2人はいなくなった・・・』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
教師(モブ4)『今日は転校生を紹介する・・・ほら挨拶して』
照『宮永テルです。ただいま、スミレ』
菫『・・・おかえり、テル』
ナレーション『彼女の友人・宮永照は約束を守り、彼女の隣に再び戻ってきた』
完
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ワーワー パチパチパチ ワーワーワーワー パチパチパチ オネイチャン…
菫(え…なんでこんなところにバナナの皮が…あ、亦野が変身するのに使ったんだっけ・・・)コケッ
ドッシーン
菫「いたたたた…」
ザワザワ ヒ、ヒロゼセンパイ… シャメトレ、シャメ ケイオンカヨ…
照「す、菫・・・」
菫「どうした?」
照「・・・見えちゃってる」
菫「・・・?」
菫「//////」バッ
その後のことを少し語ろう…
私は公演の後、妹に少し距離を置かれたがすぐに昔のような姉妹に戻れた。
亦野はあの迫真の演技を買われて演劇部に勧誘されている。
尭深は写真の販売で儲けたらしい、何の写真かはしらない。
淡はで私の真似をして物語を書いている。今のブームは官能小説・・・やめさせるべきだろうか?
菫は引きこもりになった。
菫「ふふふ、ピースかわいい」スマーイルプリキュア
照「もう一ヶ月も出てないんでしょ、みんな忘れたって」
菫「私は~シャープシューター・・・なんてね…」
照「麻雀部のみんなも待ってるんだからね」
菫「…もう少し待ってて」
照「…約束だからね」
終わり
とりあえず乙!
菫「終わったな…」
照「そうだね…」
菫「…お前は妹のところに行け」
照「…え?」
菫「行きたいんだろ・・・行け」
照「…うん、ありがとう」
尭深「先輩…」
菫「なんだ?」
尭深「みんな探してますよ///」
菫「ああ悪い、今行く」
~~~~~~~~~~
咲「お疲れ様、お姉ちゃん」
照「どうだった?」
咲「覚えててくれたんだね・・・あの話…」
照「もちろん…お前が作った話だからな…少しアレンジはしたが」
咲「アレンジしすぎだよ…あんなに恥ずかしい格好の登場人物いなかったのに」クス
照「あ、あれは…ちょっとした手違いで…」
照「…」
咲「こんなまわりくどいことしなくてもいいんだよ…」ギュ
照「…咲、ありがとう」ギュ
咲「ねえ、今日は一緒にかえろうよ」
照「ああ、ちょっと待っていてくれるか」
咲「約束だよ?」
照「うん、約束」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
亦野「お疲れ様サマです」
菫「この後は隣の部屋を使って打ち上げだ、菓子や飲み物はもう準備されている」
淡「わーい!スミレ大好き~」
尭深「TVはありますか?」
菫「あったはずだが・・・どうした?」
尭深「いえ…何でもないです」ニヤ
「「「「「「カンパ~イ」」」」」」
~~~~~~~~~~~~~~~~~
一時間くらい
~~~~~~~~~~~~~~~~~
尭深「・・・・・・」ゴソゴソ
亦野「お、そろそろ?」
尭深「うん///」
菫「?なんだ」
尭深「見てもらえばわかると思います///」
菫「そうか、見せてみろ」
尭深「では…」スイッチオン
照『きゅ、急にこんなところに呼び出して悪い』
菫『別にいい、それより…なにかあった?』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
菫「ブフォ」
淡「あ~今日のやつ?見たかったんだ~」
尭深(自分の演技を客観的に見るのはつらいはず)ニヤリ
亦野(それも魔法少女を演じている自分を見るなんて…)ニヤリ
菫『私に任せて!私の必殺・シャープシューティングならなんとかなるから!』
~~~~~~~~~~~~
菫「もうやめてぇ・・・おねがいだからぁ・・・」
淡「え?カッコいいじゃん、スミレ」
亦野(人の嫌がることをするのがこんなに楽しいとは…)
尭深(なるほど、これが・・・これこそまさに…)
亦野・尭深(愉悦ッ!!!)ニヤニヤ
亦野「ねぇ、先輩の顔よく撮れた?」ボソ
尭深「もう少しほしいかも」ボソ
淡「あ~面白かった!もう一回見ようよスミレ」
菫「え・・・いや、ちょっと…」
淡「いいからいいから」ニヤリ
淡「これでいいのかな?」ボソリ
尭深「よくできました、淡ちゃん」ボソ
亦野「100点だ、淡」ボソ
菫「もうやだおうちかえる・・・」グスッ…
尭深「か、かわいい…」カシャカシャ
亦野「破壊力あるな、これ」キュン
淡「スミレどうしたの?」ニヤニヤ
菫「あわいちゃん、あのね、すみれね、もうおうちにね、かえりたいの」グスン・・・
尭深「どうしよう・・・」
亦野「お持ち帰るか・・・」
尭深「そうね///」
淡「あたしもいい?」
菫「うん、たかみちゃんかえろ」グスン
亦野「ほら、手を繋ごうか」ギュ
淡「あ、ズルい。あたしも」ギュ
菫「おとーさんとおかーさんみたーい」キャッキャ
尭深「それじゃあ行きましょう」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
咲「お、おじゃましま~す・・・いないね?」
照「この時間ならまだいるはずなんだけど・・・帰ったのかな・・・」
咲「お姉ちゃん、私たちも帰ろうよ」
照「…そうだな、帰るか」
咲「うん・・・手つなごうよ」
照「咲は甘えん坊だな・・・ほら」ギュッ
咲「懐かしいな・・・お姉ちゃんの手」ギュッ
照「さ、帰るぞ・・・」
菫「…状況を整理しよう」
菫「なぜか昨日の記憶があいまいだ」
菫「ここは・・・どこかのホテルだ。おそらくいかがわしい方の」
菫「私は服を着ていない」
菫「・・・同様の姿の後輩、2年が二人、1年が一人」
菫「この状況から察するに…」
菫「なるほど、これは夢だ。よし寝よう」
淡・尭深・亦野「Zzz・・・」
カン
おつおつ
Entry ⇒ 2012.08.16 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
真「朝起きたら真美が5人になってた…」
真美A「あっおはよ、まこちん」
真美B「……」
真美C「おはよ///」
真美D「おっはよ→」
真美E「おはよう、まこちん」
真「…なんだ夢か」
真「これは夢だ…これは夢…」
真美D「まこちーん、夢じゃないよ、現実見ようよ→」
真「いや、えっと…なんで真美が5人いるの?」
真美E「起きたら5人になってたんだよ」
真「そうですか…」
真美B「……」
真「…いやおかしいだろ!なんで5人になるんだよ!」
真美D「まこちん何か心あたりない?」
真「いやまったく…」
真美A「そっかー…」
真「…それより1つ聞きたいんだけど」
真美D「何→?」
真「ええと…なんで皆裸なのかな?」
真美E「何言ってんのまこちん…昨日あんなに激しかったのに///」
真「…はい?」
真美E「もー忘れちゃったの?それじゃ今から続きする?」
真「いや…ボクにはそんな記憶一切ないんだけど…」
真「…え?」
真美B「おかしいと思ってたんだ…起きたら裸になってるなんて…そういうことだったんだ」
真「いやいや、ちょっと待って」
真美B「うるさい!この変態!」
真「なっ!?そ、そこまで言うことないだろ!」
真美A「そうだよー、まこちんに謝んなよ」
真美B「じゃあなんで裸になってるのか説明してよ!」
真「だからわからないって言ってるじゃないか!」
真美B「…ふん」プイッ
真美A「謝れって言ってるの!」ガッ
真美B「何すんの!このっ」
真美C「ちょ、ちょっと…喧嘩はやめようよ」
真(真美同士が喧嘩してる…なんかシュールだなあ…)
真美D「……」パシャッ
真美E「ねえまこちーん、昨日の続きしようよー」
真「いやだからそんな記憶はないって…そこの真美、なんでボクの携帯いじってるの?」
真美D「ん?いやーおもしろそうだから写メ撮って皆に送ってみました」
真「え…冗談…だよね?」
真美D「…てへっ」
真「てへっじゃないよ!どうするんだよ!」
真「ごめんちょっと静かにして…」
真(とりあえず皆への誤解を解くのは後だ…まずはこの場をなんとかしないと)
真「あーとりあえずそこの真美、喧嘩はやめようよ」
真美A「だってこの真美が謝んないんだもん」
真美B「真美は悪くないもん!」
真「えっと…そっちの真美、さっきは怒鳴ってごめん」
真美B「えっ…」
真「混乱してるのはボクだけじゃなくて皆もなんだよね…ごめん」ギュウ
真美B「うう…」
真「だからさ…とりあえず服着ようか?」
真美B「っ~~」パシンッ
真「……」ヒリヒリ
真美D「まこちーん、そこはかっこいいセリフで締めるとこっしょ」
真美A「はーい…」
真美C「///」
真美B「……」スタスタ
真美D「りょーかい」
真美E「えーやだ」
真「いや、なんで?」
真美E「だってー…まだ昨日の続きしてないもん」
真「いやだからさ…そんなことした記憶は一切ないんだ」
真美E「でもでもー」
真「でもじゃない、我儘言わないで服を着なさい」
真「えっ…」
真美E「それなら服着てあげてもいーよ?」
真「…はあ、わかったよ」
真美E「やった→そんじゃはい、まずはブラからね」スッ
真「…じゃあ付けるよ」プチッ
真美E「ありがとまこちん!んじゃ次はパンツね」
真「待った!…パンツは勘弁してほしいかな」
真美E「えーじゃあ今日はノーパンでいいや」
真「…あーもうわかったよ!それじゃ貸して」スッ
真美E「あっもう…強引だなあまこちんは///」
真美E「うん///」
真「よし、それじゃもう片方も」
真美E「わかった…」
真「後は上にあげるだけと…」スッ
真美E「ねえ、まこちん…今真美のアソコ…まこちんから丸見えになっちゃってる?///」
真「ええっ!?いや…見てないから大丈夫だよ」
真美E「そっか…」
真「これでよし…もう後は自分で着てくれると助かるかな…」
真美E「もう…まあ下着付けてくれたから今回はいいよ///」
真「ありがとう…」
真美D「やーいまこちんのエッチ、スケッチ、乾電池ー」
真「っ!?」
真美C「大胆だね///」
真美B「気持ち悪っ」
真「いやこれは…頼まれてやったことで…」
真美E「まこちんがやりたいって言ったんじゃん///」
真「」
真美B「やっぱり…朝裸だったのも…」
真「いや待って!違うから、ほんとに頼まれてやっただけだから!」
真美B「うるさい!この痴漢!ロリコン!」
真美A「そこまで言うのはどうかと思うけど…」
真「はあ…もういいよ、とりあえずそこの真美はボクのことが嫌いだってことはわかった」
真美B「えっ!?別にそんなこと…」
真「でも実際すごく不愉快だよ…まあ別にいいけどさ」
真美B「うう…」
真「はあ…どうすればいいんだよこの状況」
プルルルルル
真「ん、携帯鳴って…!?」(まずい…さっき真美がボクの携帯で写メ撮って皆に送ったってことは…)
真美A「まこちん携帯鳴ってるけどでないの?」
真「え、いや…出るよ」(はあ…ちゃんと話せばわかってくれるよね…)
ピッ
真『もしもし』
律子『もしもし真?さっきのはどういうことかしら?』
真『ええと…成り行きでなってたっていうか…その…』
律子『はあ?それになんで真美が4人もいるのよ?』
真『いや…正確には5人で…』
律子『…とりあえず事務所にきなさい、今日はオフだったとしてもこれは見過ごせないわ』
真『わかったよ…』
ピッ
真美A「えー真美も行くー」
真美D「真美も真美も→」
真美E「真美ももちろん着いてくよ」
真美C「ま、真美も…」
真美B「……」
真「はあ…わかった、それじゃそこの真美以外全員行くってことでいいかな?」
真美A「うん!」
真美B「あっあの…」
真「何?」
真美B「その…真美も行く」
真「…わかった、それじゃ皆準備できたら行こうか」
真美A「はーい」
真「おはようございます…」
真美ABCDE「「おっはよ→」」
春香「!?」
千早「な、何…何が起こってるの!?」
律子「真…どういうことか説明してちょうだい」
真「えーと…朝起きたらこうなってました」
真美D「ねえはるるーん」
春香「えっ!?な、何?」
真美D「はるるんって普通だよね→」
千早「ブフッ…」
春香「…千早ちゃん?」プルプル
千早「あっごめんなさい春香…普通って…」ケラケラ
千早「…ん、今なんて?」
真美D「ツルペタって言ったんだよ→やーいツルペター」
千早「……」ワナワナ
春香「つ、ツルペタって…」ゲラゲラ
千早「…真美、覚悟はできてるのね?」
真美D「ん、何のこと?」
千早「こっちきなさい」ニコニコ
春香「ま、真美…そろそろやめといた方が…」
真美D「ねー年下とバスト6センチも違ってどんな気持ち?ねえねえどんな気持ち?」
千早「……」ガシッ
真美D「あっやばっ…」
千早「……」ズルズル
真美D「わーちょっと待って千早お姉ちゃん、引きずらないでよ→」
ガチャッバタンッ
真「いやさっきも言った通り…起きたらこうなってたんだよ」
律子「はあ…とりあえず整理しましょう…まずなんで真は真美の家にいたの?」
真「竜宮小町が遠征って聞いて真美が1人じゃ寂しいっていうから泊まったんだ」
律子「たしかに私達が帰ってきたのはついさっきね、伊織達は1度家に帰ったけど」
真「亜美とは入れ違いになったのかなあ…」
律子「そうみたいね…それで1番の問題はあの写真よ…」
真「あれは…真美の悪戯で」
律子「たとえ悪戯だったとしても真美ハーレムを作った事実は消えないわよ?」
真「真美ハーレムって…あっそうだ!」
律子「今度は何?」
真「なぜかわかんないけど皆ボクのことをその…好き?みたいな感じなんだ」
律子「なるほど…ますますわからないわね」
真美B「……」
律子「あの青いリボンの髪留めつけてる真美かしら?」
真「そうそう…なぜか嫌われてるんだよね」
律子「それで他の真美は…」
真美E「ねえまこちん、まだ話終わんないの?」
真「ああ、もうちょっと待っててね」
律子「…この黒いリボンの髪留めつけてる真美は真にべったりなのね」
真「あはは…」
真美C「……」チラッ
真「ん、どうしたの?」
真美C「な、なんでもない…」
律子「白いリボンの髪留めを付けた真美はおとなしめ…」
雪歩「ふふっ気にしなくていいよ」
律子「黄色いリボンの髪留めをつけた真美はいつもと変わらない感じ…」
真「あれ、そういえばもう1人はどこに…」
春香「あっそれなら千早ちゃんにどっか連れてかれたよ」
律子「はあ…一段と騒がしかった真美だったわよね?」
真「うん、写真撮ったのもあの真美だったよ…」
真美D「……」ビクビク
千早「真美、次言ったら…ね?」
真美D「も、もう絶対言いません…」ビクビク
千早「わかってくれればいいのよ、ふふっ」
春香「うわぁ…」
律子「すごい怯えようね…」
真「まあ自業自得じゃないかな」
真「何?雪歩」
雪歩「その…真ちゃんは真美ちゃんと…そういうことしたの?」
真「ええっ!?ななななな何言ってるんだよ、するわけないだろ」
真美E「えっ…昨日はあんなに激しく真美の体求めてきた癖に///」
律子「…真?」
真「無実だ!ボクは無実だよ!」
春香「わ、わかってるから平気だよ真…」
真美A「でもさーさっきそこの真美にブラ付けてパンツ穿かせてたよねー」
千早「真…あなた…」
真「それも頼まれたからだよ…」
真「ボクにもさっぱりわからないんだ…」
春香「ええと…真は真美の家に行ってから何してた?」
真「何って…一緒にご飯食べたりお風呂に入ったりゲームしたり…かな」
千早「至って普通のお泊まり会って感じね」
律子「そうね…それじゃあ他に原因があるのかしら」
亜美「真美ー」
真美A「あっ亜美ー」
真美D「亜美だー」
真美E「亜美ー」
真美B「……」
真美C「亜美、お仕事お疲れ様」
亜美「おおう!?真美が大繁殖してる…だと?」
亜美「んー…あっそいえば!」
真「何か心あたりがあるの?」
亜美「うん!たしか1週間くらい前に竜宮小町のライブの帰りにファンのおばあちゃんから飴貰ったんだよ→」
春香「飴?それが何か関係あるの?」
亜美「なんかそのおばあちゃんがこの飴を舐めると面白いことが起こるって言ってたんだ→」
千早「それじゃあ…亜美がその飴を真美にあげたと?」
亜美「うん!真美にはいつも感謝してるからそのお礼でね」
真美A「嬉しいこと言ってくれるじゃんか亜美→」
亜美「んっふっふー、いいってことよ」
春香「それで…本音は?」
亜美「いやー亜美が舐めてもよかったけど実験台として真美に舐めてもらうことにしたんだ→」
律子「そんなことだろうと思ったわ…」
亜美「んー…あったしか飴を舐めた後に寝て起きたら1番最初に見た人のことが好きになるって言ってた気がする…」
真「なるほど…それなら納得いくね」
律子「でもなぜ5人になったのかしら…」
亜美「それはわかんないなー…おばあちゃんが言ってたのはそんだけだったし」
春香「じゃあ真美は昨日飴を舐めたのかな?」
真美A「あっ!レッスンの後に舐めたよ」
千早「それじゃあそれが原因ってことでほぼ確定ね」
雪歩「真美ちゃん、さっきから静かだけどどうしたの?」
真美B「…なんでもない」
雪歩「そ、そっか…」
亜美「あれ、どったの真美?なんか暗いよ?」
真美B「…別に」
亜美「反応薄!?ほらもっと明るく行こーよ」
真美B「…うるさいなあ」
亜美「えっ…真美?」
真美B「ほっといてよ…」
真美B「何?真美の勝手じゃん」
真美A「このっ」
真「真美、いいから」
真美A「でも…」
真「ねえ、そっちの真美…亜美に謝るんだ」
真美B「……」
真「別にボクのことが嫌いなのは構わない…でも他の人にそういうことは言っちゃだめだ」
真美B「…なにかっこつけてんの」
真「別にかっこつけてるわけじゃない…悪いことをしたら謝るのは当然でしょ?」
真美B「……」
真「ごめん、後にして…」
真美C「あ、あの…喧嘩はよくないよ…」
律子「真美のいうとおりよ…でもそっちの真美、ちゃんと亜美に謝りなさい」
真美B「…なんだよ、結局真美だけ悪者?もういいよ」ダッ
真「あっちょっと真美!」
真美D「ねえ亜美ーゲームしよ?」
亜美「えっ…あ、うん」
春香「ねえ…さっきの亜美の話だと真美は真のことが好きになってるんだよね?」
真美E「うん、真美はまこちんの恋人だかんねー」
真美D「真美が恋人っしょ→」
真美A「真美もまこちんのこと好きだよ」
真美C「ま…真美も///」
亜美「まこちんも罪なおと…女ですなあ」
真「今男って言おうとしたよね?」
亜美「すいやせん…」
春香「さっき出てった真美もさ…真のことが好きなんじゃないかな?」
真「いやそれはないと思うけど…」
春香「たぶんだけどさ…あの真美って伊織と同じで素直になれないんだよ…それできつく当たっちゃうんじゃないかな?」
亜美「あーたしかにちょっといおりんっぽい雰囲気はしたね」
千早「でも水瀬さんでもあそこまでは言わないわよね…」
律子「…反抗期じゃないかしら」
真美A「反抗期?」
律子「ええ、私もそんな時期があったから…」
千早「私もわかるわ…」
真美E「えっ真美ならここにいるじゃん」
真「真美、今はふざけてる場合じゃないんだ」
真美E「で、でも…あんな真美より真美の方がまこちんのこと好きだもん!」
真「…ごめん」ダッ
真美E「ま、待って!」
亜美「真美、だめだよ…迷惑かけちゃうよ?」
真美E「うう…なんで、真美だけを見てほしいのに…」
律子「何かしら?」
真美D「メガネ!」
律子「……」イラッ
千早「ブフッ…」
春香「真美、クッキーあげるから静かにしてて」
真美D「えっクッキー!?やったーありがとはるるん!」
春香「どういたしまして…」
真美B(…ほんとはあんなこと言いたくないのに…なんで強がっちゃったんだろ)
真「あっいたいた、真美ー」タッタッタ
真美B(あっまこちん…きてくれたんだ…真美のために…)
真「真美、さっきはごめん」
真美B「…悪いのは真美だよ」
真「えっ…」(あれ、急に素直になった…?)
真美B「まこちん…ごめんなさい…真美、ほんとはあんなこと…」ポロポロ
真「いいよ、気にしてないから」
真美B「…ほんとに?真美のこと…嫌いじゃない?」グスッ
真「ボクが真美のことを嫌いになるわけないだろ」
真「えっ…うん、わかった」スッ
真美B「……」チュッ
真「!?」
真美B「えへへ、先事務所戻ってるね///」タッタッタ
真「……」ドキドキ
真「…あれ、今の…ファーストキス…だよね」
律子「はあ…大丈夫かしら」グリグリ
真美D「痛い痛いっりっちゃんもう許してよ→」
律子「だめよ、また同じこと繰り返すかもしれないでしょ?」
真美D「うあうあーごめんなさいー」
雪歩「真美ちゃん、お茶どうぞ」
真美C「あ、ありがと…ゆきぴょん」
雪歩「ふふっこの真美ちゃんはおとなしいんだね」
真美C「え、えっと…そうかな…」
雪歩「うん、それにさっき喧嘩止めようとして偉かったよ」ナデナデ
真美C「ありがと///」
春香「ほら真美、すぐ戻ってくるから泣かないの」ナデナデ
真美E「はるるん…」
春香「私は真じゃないけど真美の力になってあげたいんだよ」
真美E「…ありがと」
真美A「千早お姉ちゃん、暇だから遊ぼうよ→」
千早「ええ、いいわよ」
真美A「んじゃ何する?」
千早「真美がしたいことならなんでも」
真美A「わーいありがと千早お姉ちゃん!」
真美B「……」
春香「あっおかえり…真美」
真美B「……」スタスタ
亜美「ん、どうかしたの?真美」
真美B「…えっと…その…さっきはごめん」
亜美「なんだそんなこと?ぜんぜん気にしてないよん」
真美B「でも…真美、亜美にひどいこと言っちゃって…」
亜美「真美…もういいって言ってるじゃん」ギュッ
真美B「亜美…」
亜美「でももうああいうことは言わないで欲しいかな…やっぱちょっと傷ついたし」
真美B「うん…」
千早「まだ真美が元に戻ってないわよ…」
律子「あっそうだったわね…どうすればいいのかしら」
春香「あれ、そういえば真は?」
真美B「あっまこちんは…その…真美が先戻っちゃっただけだからすぐ来ると思う」
春香「そっか」
美希「ただいまなのー」
真美A「あっおかえりミキミキー」
真美E「ミキミキだー」
真美C「お疲れ様、ミキミキ…」
真美B「おかえり…ミキミキ」
真美D「おにぎりー」
美希「な、なんなのこれ?」
律子「まあ驚くのも無理はないわね…美希、真からのメール見てないの?」
美希「あー!そうだったの、真クンどういうことなの!」
春香(…普通に流してるけど1人おにぎりって言ったよね)
美希「真クンったらミキというものがありながら浮気なんてひどいの」
雪歩「ま、真ちゃんは美希ちゃんとそういう関係じゃないよね?」
美希「むうー…そうだけど納得いかないの」
真美E「いくらミキミキでもまこちんは渡さないよ!」
美希「いい度胸なの真美、でもミキの方が胸おっきいよ?」
真美E「ま、まこちんは真美くらいがちょうどいいって言ってくれたもん!」
美希「そ、そんな…真クンやっぱりロリコンさんだったんだ…」
真美E「は、はるるん…さっき力になってくれるって言ったのに…」
春香「でも嘘はだめだよ真美…」
美希「そうだよね、真クンがそんなこと言うわけないよね…」
律子「はあ…そういえば美希、プロデューサーはどうしたの?」
美希「えっプロデューサーならやよいの現場に行ったよ?」
律子「そう、ありがとう」
響「ただいまだぞー」
貴音「ただいま戻りました」
真美A「あっお姫ちんお帰り→」ダキッ
真美D「お姫ちんだお姫ちんだ→」ギュウ
真美C「お帰りお姫ちん…」ギュッ
真美B「お姫ちん…お帰り」
真美E「お姫ちーん」
貴音「こ、これは…なんと面妖な…いえ…しかしこれはこれで…」
響「……」
春香(ドンマイ響ちゃん…)
貴音「ああ…私、人生に一片の悔いもありません…」
雪歩「も、戻ってきてください四条さんー」
響「な、なんで真美が5人もいるんだ?」
律子「あーそれは…まあ増えちゃったみたいね」
響「そうか…」
千早「四条さん…とても幸せそうな顔をしているわね」
春香「あはは、そうだね…」
真美A「んーなんか知らないけど朝起きたら増えてた」
貴音「そうですか…あの1つお願いが…」
真美A「何ー?」
貴音「1人だけでいいので私とともに…」
亜美「それはだめだよお姫ちん」
貴音「な、なぜですか亜美!?」
亜美「だって真美はまこちんのことが大好きだもんねー?」
真美A「うう…そうだけど…」
真美B「…好きだよ」
真美C「ま、真美も…」
真美D「うんうん!」
真美E「まこちんは真美のお嫁さんになるんだって言ってたもんね→」
貴音「なるほど…」
響「真はモテモテだな!」
響「ん、なんだ真美?」
真美D「はいさい!」
響「どうしたんだ急に?」
真美D「はいさい!」
響「はいさーい!」
真美D「はいさーい!」
春香「…律子さん、止めなくていいんですか?」
律子「2人とも楽しそうだしいいんじゃない?」
春香「そうですか…」
真「……」
真美E「あっおかえりまこちーん」ダキッ
真美D「あっ真美も抱きつくー」ダキッ
真美A「あー乗り遅れた!真美も真美もー」ダキッ
真美C「ま、真美も…」ギュッ
真美B「……」ギュッ
真「あはは、ただいま…」
律子「見事な真美ハーレムね…」
春香「これは…」
美希「むうー…」
響「ほ、ほんとに真はモテモテだな…」
貴音「ふふっ私では真には勝てないようです」
真美E「えーやだやだー真美はまこちんとずっと一緒にいるのー」
真美D「真美も真美もー」
真美C「ご、ごめんねまこちん…」スッ
真美A「まこちんが困ってるから皆離れようよ…」スッ
真美B「……」ギュウ
真「うわあっ!?ちょっと…」
真美B「…真美はまこちんとキスしたもん」
真美D「な、何だとー!?それじゃ真美もするー」ブチュー
真「っ!?」
美希「ちょ、ちょっとやめるの!」
真美D「ぷはっ…おいしかったよまこちん」
真美E「あーずるいー真美もするー」チュウ
真「……」
雪歩「……」ポカーン
春香「ちょちょちょっとここは事務所なんだから自重して!」
真美E「えへへ…今は事務所だから続きは夜ね?」
真「は…ははは…」
千早「真…」
真美D「うあうあーりっちゃんが怒った→」
真美E「うう…まこちん怖いよぉ」ギュッ
真「り、律子…ボクは大丈夫だから…」
真美A「まこちん…」
亜美「すげー…」
響「ま、真…自分まだまだ子供だってことを今知ったぞ!」
貴音「め…面妖な…」
伊織「……」ズルズル
律子「あら伊織…それどうしたの?」
伊織「事務所の前で鼻血出して倒れてたのよ」
小鳥「ピヨ…ピヨ…」ダラダラ
律子「はあ…小鳥さん、しっかりしてください」トントン
小鳥「ピ、ピヨッ!?」
律子「小鳥さん、仕事中は自重してくださいっていつも言ってますよね?」
小鳥「ま、まみまこ!いや…真ちゃんによる真美ハーレム…いいわあ」ダラダラ
律子「ああもう鼻血出てますよ…」フキフキ
小鳥「ありがとうございましゅ律子さん」
真美A「あっいおりんじゃん」
真美E「いおりーん」
真美D「デコちゃーん」
伊織「最後に言ったやつ前に出なさい」
春香「あの赤いリボンの髪留め付けてる真美だよ」ボソッ
伊織「そう…こいつね」ガシッ
真美D「なっ裏切ったなリボン!」
春香「お返しだよー」
伊織「それじゃちょっとこれ借りるわね」
真美D「ちょっいおりんミキミキだって言ってるんだしいいじゃん」
伊織「あんたの言い方にむかついたのよ」ズルズル
真美D「亜美ー助けてー」
亜美「すまない、今の亜美では真美を助けるほどの力は…」
雪歩「…はっ!?な、なななな何してるの真美ちゃん!」
響「遅すぎだぞ雪歩…」
美希「真美…すごいの…」
春香「美希が感心してる…」
貴音「私…恥ずかしながら接吻するところをこんなにも近くで見たのは初めてです…」
千早「誰だってそうじゃないかしら…」
律子「とりあえず小鳥さんは仕事に戻ってくださいね」
小鳥「はい…」
律子「それでどうするのよ…とりあえず真と離すと面倒だから真は真美と一緒にいなさいね」
真「はい…」
春香(真…もう諦めたんだね)
伊織「それなら家のホテル貸してあげるわよ」
真美D「うーごめんなさいいおりん…」
律子「そう、それじゃとりあえず戻るまでそこに泊まってもらうって方向で」
真「はい…」
真美E「それじゃずっとまこちんと一緒にいれるの!?やったー」
真美C「ず、ずっと一緒だねまこちん///」
真美B「し、仕方ないからまこちんと一緒にいてあげる…」
真美A「まこちんこれからよろしくね!」
真「よろしくー…」
P「ただいま戻りました」
やよい「ただいまでーす」
あずさ「ただいま戻りました~」
律子「あっプロデューサー、やよいとあずささんもお疲れ様」
あずさ「いえ私はちょうどそこで会っただけですよ~」
伊織「まあ私達は遠征から帰ってきたばかりだしね」
P「それより…聞いたとおり真美が5人になってるな」
真美A「あっ兄ちゃんじゃん」
真美A「何?」
亜美「これ、お土産…渡すの忘れててさ」
真美A「おーサンキュー亜美!」
真美D「亜美ー真美にもお土産ー」
亜美「えっ…」
真美E「あー真美にも真美にもー」
亜美「ちょ…」
真美C「ちょっと…亜美が困ってるからそういうのやめようよ」
亜美「ありがとよ真美ー」ダキッ
真美C「えへへ///」
真美B「…何?」
やよい「いつものあれやろーよ」
真美B「…うん」
やよい「それじゃはいたーっち」パチン
真美B「…はいたーっち」パチン
やよい「いえい♪」
真美B「…いえい」
やよい「なんかいつもの真美とちょっと違うね…」
真美B「ごめん…」
真美B「別にいおりんには関係ないじゃん…」
伊織「はあ!?なんなのよあんた!」
春香「伊織落ち着いて…この真美はちょっと照れ屋さんなんだよ」
真美B「……」
伊織「はあ…まあいいわ」
真美B「…ごめんね」
伊織「別にいいわよ…」(なんかやりずらいわね…)
真「ああ…それは成り行きで…ははは…」
律子「プロデューサー、真も真で疲れてるみたいだしそっとしておいてあげましょう」
P「そうか、悪かったな真」
真「いえ、構いませんよ」
真美D「あずさお姉ちゃーん」ダキッ
あずさ「あらどうしたの真美ちゃん」
真美D「やっぱあずさお姉ちゃんのムネムネはふかふかですなあ」
あずさ「あらあら~真美ちゃんったら」
伊織「ああ、貸切にしておいたからいつでもいいわよ」
律子「そう、それじゃ費用は元凶の亜美に払ってもらうってことで」
亜美「うえ!?ちょちょちょちょっと冗談っしょ?」
伊織「いいわよ別に、このくらいタダで」
亜美「ありがとよいおりーん」
律子「悪いわね伊織、それじゃあ真と真美…達は少ししたら向かってちょうだい」
真「了解…」
真「えっああ…いいんだよ」
真美C「でも…」
真「ほら、そんな顔しないで…真美は笑ってる方が可愛いんだからさ」ナデナデ
真美C「ありがと…」ドキドキ
真美E「あー真美もナデナデしてよまこちーん」
真「はいはい…」ナデナデ
真美E「えへへー」
真美A「ラジャー」
P「ああ、真と真美は明日はレッスンだからな…ええと、真美は全員で来るのか?」
真美A「んー…後で誰か1人決めとくよ→」
P「わかった、明日の午後1時だから遅れずにくるんだぞ」
真「わかりました、それじゃお疲れ様でした」
真美A「おつかれちゃーん」
真美B「…お疲れ様」
真美C「お、お疲れ様でした」
真美D「おつかれーしょん」
真美E「おつかれー」
ガチャッバタンッ
春香「そうですね…」
亜美「まさか真美があんな大胆な行動に出るなんてねー…」
千早「でも1人1人性格が違ったんだし…」
雪歩「そうだよね…」
美希「むうー…あの黒いリボン付けてた真美はなんか気に入らないの」
響「あの真美はかなり積極的だったな…」
伊織「なによ、そんな楽しそうなことになってたの?」
春香「楽しそうな事って…」
貴音「しかし皆とても可愛らしかったですね」
あずさ「そうね、とてもいいものが見れた気がするわ~」
やよい「どの真美もとーっても可愛かったなーって」
P「あはは、そうだな…それじゃ明日も皆頑張って行こうな」
アイドル達「はい!」
真「はあ…今日は色々あったね…」
真美A「うん…まこちん…ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど…」
真「…わかった」
真美A「これから言うこと…信じてくれる?」
真「…うん」
真美A「あのね…真美達…今日で消えちゃうんだ」
真「…そっか」
真美A「また明日からはいつもの真美…1人の真美に戻るの」
真「……」
真美A「なんとなくだけどね…皆そんな気がするって…他の真美達も言ってる…」
真「うん…」
真美A「だから…今日はいっぱい迷惑掛けちゃってごめんね…」
真美A「…え?」
真「ボクが1回外に出てまた事務所に戻ってきた時…皆抱きついてきたでしょ?」
真美A「うん…」
真「その時…真美…震えてたよね…それで何かおかしいと思ったんだ」
真美A「……」
真「まだ確証は持てなかったけど…そういうことだったんだね」
真美A「うん…」
真「…他の真美達もいるんでしょ?」
真美E「まこちん…」
真美B「……」
真美D「もっちろんいるよーん」
真美C「……」
真美A「あ、謝らないでまこちん…まこちんは悪くないよ」
真「真美…それじゃせめて、ボクに何かできることがあったら言って欲しいな」
真美A「まこちん…さっきの話信じてくれるの?」
真「当たり前じゃないか…さあ、何でもいいよ…ボクにできる範囲なら」
真美A「そ、それじゃ1人づついいかな?」
真「うん…」
真「わかった…」
真美E「あのね…やっぱ真美…まこちんのことが大好き」
真「……」
真美E「だから…エッチなことじゃなくていい…ただ…抱きしめて、キスしてほしいんだ…」
真「……」ギュウ
真美E「あ……」
真「……」チュッ
真美E「……嬉しい」
真「真美…」
真美E「ごめんね…真美…嬉しくて…」ポロポロ
真「……」ギュッ
真美E「…まこちん?」
真「落ち着くまで…ずっとこのままでいるから…今のボクにはこのくらいしかできないんだ…ごめん」
真「あはは…いいよ、それにボクも…真美に好かれるのは嬉しかったよ」
真美E「えっ…」
真「まあ恋愛感情かといわれると違う気もするけど…率直な感想を言うと嬉しかった」
真美E「よかった…真美、迷惑じゃなかったんだ…」
真「当たり前だろ…こんな可愛い少女に好かれたら同性でも嬉しくなるよ」
真美E「まこちん…ありがとう…」スッ
真「あ……」
真美E「これ以上甘えちゃうと…真美、だめになっちゃうから…」
真「…わかった」
真「うん…」
真美D「んーと…まこちん、今日はなんかごめんね、いつも以上にはしゃいじゃってさ」
真「たしかにちょっとやり過ぎなところはあったね…」
真美D「うん…だからさ…真美は…」
真「……」
真美D「…やだよ…消えたくないよ…まこちん」
真「……」
真美D「なんで…こんな楽しくて…事務所の皆も優しかったのに…なんで消えなくちゃいけないのかな…」ポロポロ
真「真美…」
真美D「それに…真美、こんなに人を好きになったの…初めてなのに」
真「……」
真美D「まこちん…助けて…」
真「っ…」(くそっ…ボクには…どうすることもできない…)
真「…ごめん」ギュウ
真美D「…ありがと」
真「……」
真美D「なんかさ、まこちんに抱きしめてもらったら不安なんて吹き飛んじゃったよ」
真「…そっか」
真美D「まこちん…今日はありがとね」
真「どういたしまして…」
真「うん、いいんだよ」
真美C「えっと…真美は…その…」
真「いいよ、ゆっくりで」
真美C「ありがと…それじゃあ…真美もキスしてほしいな///」
真「……」チュッ
真美C「!?」
真「……」スッ
真美C「…ファーストキス…まこちんでよかった」
真「そっか…ボクもだよ…真美」
真「正直最初は抵抗あったけど…今はそうでもないかな…」
真美C「そっか…」
真「……」
真美C「ありがと…真美はもう満足だよ…」
真「…うん」
真「ん、何?」
真美B「今日は…色々ひどいこと言っちゃってごめん」
真「あはは、それ公園でも聞いたよ…別に気にしてないからさ」
真美B「…なんでさ、まこちんってそんな優しいの?」
真「…そんなことないよ…優しくなんかない」
真美B「優しいよ…普通あんなこと言ったら嫌われるに決まってるもん」
真「…たしかに不愉快になったこともあったよ…でもさ、真美はちゃんと謝ったじゃないか」
真美B「そだけど…」
真「謝らなかったらボクも真美のことを嫌いになってたかもしれない…でも真美はちゃんと謝ったんだよ」
真美B「うん…」
真美B「か、可愛いって…ほんとに?」
真「うん、真美は普段から可愛いと思うけどさ…その時はなんというか…すごく可愛かった」
真美B「うう///」
真「あはは、話が逸れたね…ごめん」
真美B「ううん…それじゃ真美は…その、まこちんの気持ちが知りたいな」
真「ボクの気持ち?」
真美B「うん…真美のことどう思ってるのか…聞かせて」
真「わかった…ボクは真美のこと…好きだけど…やっぱりまだ友達としてなんだ」
真美B「……」
真「でも…真美から公園でキスされた時はさ…嫌じゃなかった…むしろちょっと嬉しかったんだ」
真美B「うん…」
真「だから…曖昧な答えで悪いけど…まだわからない」
真「いいよ…このくらいで気が済むなら…」
真美B「…真美のこと…消えても忘れないでね」
真「…もちろん」
真美B「えへへ、約束だよ…」
真「うん…」
真「この真美で最後だったね…」
真美A「真美はね…最後にお願いを聞いてほしいの」
真「お願い?」
真美A「うん…真美達のこと…忘れないで…」
真「うん…」
真美A「真美達は消えちゃうかもしれないけど…まこちんの中で生き続けたいって思うんだ…我儘かな?」
真「…そんなことないよ、約束する」
真美A「ありがと…」
真美A「…やだな」
真「…真美?」
真美A「元に戻るのは嬉しいよ…でもさ…まこちんのことを好きだっていうこの気持ちは…消えちゃうんだよね…」
真「……」
真美A「やだ…真美…こんなにまこちんのこと好きなのに…やだよ…」ポロポロ
真「……」
真美A「まこちん…大好きだよ」
真「っ!?」(ああ…まずい…泣いちゃう…絶対に泣かないって決めたのに…)
真美A「えへへ…ずっと一緒に…いたかったな」
真美A「もう…何泣いてんのまこちん…真美は消えるけど…元の真美は戻ってくるんだよ?」ポロポロ
真「でも…ボクはここにいる真美を…失いたくない…なんでなんだよ…なんで消えちゃうんだよ…真美」ポロポロ
真美A「まこちん…嬉しい…その気持ちだけで真美は十分だよ…ありがとう」
真「真美…嫌だ…消えないでくれ…」
真美A「だめだよまこちん…真美達はほんとはここにいちゃいけないんだよ…元の真美のこと…よろしくね」
真「真美…わかった」
真「うん…」
真美A「一緒に寝て…最後までそばにいて…まこちん…」
真「わかった…」
真美E「まこちん…お休み…大好きだよ」
真美D「おやすみ→」
真美C「お休み…」
真美B「まこちん…今日はありがとう…お休み」
真「お休み…真美」
真美A「お休み…まこちん…さようなら」
真(ありがとう…真美…絶対に忘れないよ…今日のこと)
真「ううん…」
真「朝…か…」
真「思ったより早く目が覚めちゃったな…」
真「あっそうだ…真美は…」
真美B「まこちんのエッチー…」Zzz
真美C「えへへー…」Zzz
真美D「はるるんのリボンゲットー…」Zzz
真美E「まこちん…そんなとこっ…あっ…」Zzz
真美F「まこちーん…カレーが食べたい…」Zzz
真美G「まこちん…その娘誰?」Zzz
真美H「ゆきぴょんのお茶おいしー…」Zzz
真美I「亜美ー…」Zzz
真美J「まこちん…子供の名前どうする?」Zzz
真「ふ…増えてる…」
END
面白かったよ
ありがとう
Entry ⇒ 2012.08.16 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
上条「行こうぜ!マンソン!」マンソン「ああ!!」
上条「不幸だー!」
インデックス「とうまのばか!あぐあぐ」
マンソン「おいおいどうしたんだこんなところで」
インデックス「あ、マンソン、とうまがタイムセールを勘違いしてお肉が買えなかったんだよ!!」
上条「明日になったら食べられるって言ってるじゃねーか」
インデックス「今日たべたいんだよ!!もう私のお腹はお肉って決まってしまったんだよ!」
マンソン「なんだそんなことか、それなら俺の部屋にこないか?」
上条「肉があるのか?」
マンソン「ああ、この間の公演で名産の牛肉をいただいてな、その塊がごろんと冷蔵庫に入ってて一人じゃ食べきれないんだ」
インデックス「おにく!!!」
マンソン「だから好きなだけ食べていいぞ」
シドニー・マンソン(ニコニコ大百科)
上条「ありがてえ・・・」
マンソン「それじゃあ三人で焼肉といこうぜ!」
インデックス「うん!!」
土御門「いよーうカミやん、マンソン」
上条「げっ」
マンソン「嫌な予感しかしねーな」
インデックス「え?何?」
土御門「まあ二人の予想は大体合ってるぜい」
マンソン「フランスでのことを思い出すな・・・・」
上条「ああ」
上条「ああ、あの高速ジェットに乗せられた・・・」
マンソン「そして・・・」
だいぶ前 フランス
上条「ぶはっ! げほっげほっ」
マンソン「大丈夫か上条」
上条「ああ、なんとか・・・・」
マンソン「とりあえず向こうの岸まで泳ごうぜ」
上条「そうだな、このままだと流されて海までいっちまう・・・」
マンソン「いきなり飛行機に乗せられて川にドボンか・・・やってくれるぜ土御門のやつ・・」
五和「あの!上条さん、マンソンさん!大丈夫ですか!?」
上条「あ、おまえは・・」
マンソン「五和じゃないか、久しぶりだな」
五和「お久しぶりです、お二人とも」
上条「イタリア以来だな」
マンソン「あの時は世話になったな」
五和「いえ、こちらこそお二人の協力がなければビアージオを倒すことはできませんでした」
上条「ところで五和はなんでここに?」
五和「私たち天草式がイギリス清教の先兵としてこのフランスで活動しているんですよ」
マンソン「そういうことだったのか」
五和「ひとまずここにいては目立ちます、行きましょう」
マンソン「大丈夫だ、今から買いに行こう」
五和「今からですか?」
上条「マンソン、金あるのか?」
マンソン「ああ、ヨーロッパで公演をすることもあるからユーロの口座はいくらか持っている」
五和「さすがマンソンさんですね」
マンソン「この辺も来たことがあるからな、ただ・・・」
上条「ただ?」
マンソン「いくらなんでもここまで緊迫した雰囲気は初めてだな」
五和「ええ、世界各地で大規模なデモが行われていることはご存知だと思われますけどここも例外ではありません」
マンソン「そういうことか、とりあえず急ごう、こんな雰囲気の中で空から人が降ってきたんだ」
上条「余計に刺激させちまったってことか?」
マンソン「ああ」
上条「いよいよ敵地に乗り込むか」
五和「ですが住民が暴徒と化してデモ行進をくりひろげています・・」
上条「つまり?」
五和「怪我ひとつ負わずに潜り抜けるには不可能と言っていいでしょう」
マンソン「なんだ、そんなことか」
五和「え?」
上条「五和、マンソンはメロディで人の感情をコントロールすることができるんだ」
マンソン「ああ、俺に任せてくれれ」
五和「そんなことができるなんて、さすがマンソンさんですね」
マンソン「左方のテッラ・・・」
テッラ「おやおや、こんなところに迷い込む観光客がいるとは思えませんねー」
五和「あなたは・・・左方のテッラ!!」
上条「こいつが・・・」
マンソン「あのヴェントと同じ・・・・神の右席の一員」
テッラ「ん?あなたがたはどう見ても異教徒にしか見えませんねー、なら・・・死んでもらうしかありませんねー」
五和「させません!!」
上条「五和!」
五和「チャージ三回、フリーエントリー、ノーオプションバトル!!!」
テッラ「チャージ三回、フリーエントリー、ノーオプションバトル!!!」
五和「うおおおおおおおおおおおお!!!!!」
テッラ「うおおおおおおおおおおおおお!!!!」
チャアアアアアアアジインンンンンン!!!!!!!
マンソン「それよりも個人的にきつかったのは、学園都市が送り込んだパワードスーツだ」
上条「あれはマンソン一人に押し付けちまってなんか悪かったな」
マンソン「気にするな、上条には五和を守りながらテッラと戦ってもらったんだからな」
土御門「マンソン一人に壊滅させられたパワードスーツは今学園都市総力をあげてグレードアップされてるぜい」
上条「あんなもん使うなんて・・・本当に戦争を起こすつもりなのか?」
マンソン「さあな、そうならないことを祈るだけだ」
インデックス「とりあえずニコニコしてるもとはるは何をたくらんでいるのかな?」
土御門「三人にはイギリスへ行ってもらう」
インデックス「イギリス?」
土御門「ああ、イギリスに重大な危機が迫っている、これはイギリスの女王陛下直々の命でもあるんだぜい」
マンソン「あのババアか・・・・」
上条「知っているのかマンソン」
土御門「クライアントの悪口を言っている時間はないぜい?三人にはいつもの飛行機を用意してある」
上条「いつもの・・・」
インデックス「うげえ・・・」
土御門「すぐにイギリスへ飛んでもらうぜい、空港までのタクシーも呼んである」
マンソン「ってことだ、すまんなインデックス、焼肉はまた今度だ」
インデックス「うぅ・・・ひどいかも・・・」
上条「ま、しょうがねーさ、イギリスで腹いっぱい飯を食うしかねーな」
マンソン「覚悟しとけよ、本当にまずいものしかないからな?」
インデックス「不幸かも・・」
上条「なあマンソン、インデックス」
マンソン「言いたいことはわかるぞ」
インデックス「あのジェットはいやなんだよ」
上条「今確認したら時間はかかるけどこのチケットでも普通の旅客機に乗せてもらえるみたいなんだ」
インデックス「本当!?」
マンソン「なら、選択肢は一つだな」
上条「ああ」
インデックス「おなかへったおなかへった・・・・・」グルル
上条「すまんインデックス、この機内食は有料みたいなんだ」
マンソン「と、いってこのままにしておくわけにはいかないだろ、味はとんでもないが少し食べたほうがいい」
マンソン「お姉さん、この子にビーフセットを、オレンジジュースもな」
上条「おいマンソン」
マンソン「気にするな、俺のおごりだ」
上条「すまねえ」
インデックス「ありがとうマンソン!」
マンソン「いや、礼を言われても困るな」
上条「ん?どういうことだ?」
マンソン「言っただろ?味がとんでもないって」
上条「すげえ・・・インデックスの箸が全然進んでない・・・」
マンソン「日本でうまいもの食べ慣れたらこれはもうしょうがないからな」
インデックス「もぐもぐ・・・」
上条「空腹は最高のスパイスって言うのは嘘だったのか?」
マンソン「まずいものはスパイスかけたくらいじゃどうにもならないってことだ」
インデックス「うなぎ・・・・ゼリーより蒲焼がいいんだよ・・・・」モグモグ
インデックス「肝吸いとおしんこ・・・」
上条「すっかり日本人になっちまってるな」
マンソン「まあこれでイギリスに着くまで我慢することができるだろう」
インデックス「もぐもぐ・・・・・」
上条「ん?」
マンソン「何だ?」
スチュワーデス「お客様の中にボーグバトラーの方はいらっしゃいますか?」
上条「どういうことだ?」
マンソン「おかしなことを言うな、何が起こってるっていうんだ?」
スチュワーデス「・・・・お客様中に、最強のボーグバトラーの方はいらっしゃいますか?」
上条「!!」スッ
マンソン「!!」スッ
インデックス「おいしくないんだよ・・・もぐもぐ」
上条「あれ?」
御坂「え?何であんたがここに!?」
黒子「またあなたですの・・・」
アックア「久しぶり、というわけでもないのであるが・・・」
ヴェント「あなたたちもいるなんてね・・・」
マンソン「アックアにヴェント・・・」
インデックス「オレンジジュースだけがおいしいんだよ」ゴクゴク
アックア「それで」
ヴェント「一体何がおこっているの?」
黒子「ずいぶん奇抜なメイクをされる方ですのね」
御坂「うん、なんか損してるだけにしか見えない」
ヴェント「うるさいわね!じゃあこれ全部はずしてやるわよ!」
ヴェント「これでどう?」
上条「あれ?かわいい・・ /////////」ドキッ
御坂「おいこら」
黒子「まあいいではありませんのお姉さま」
黒子(くっついてしまえばいいんですの!)
マンソン「何だって!」
アックア「ありえない話ではないのである」
機長「テロリストは倉庫に立てこもりつつもこの機内に無数のボーグを放ちこの機のコントロールを奪おうとしている」
御坂「最悪ね」
黒子「それで、被害はどのくらいでていますの?」
機長「既にコントロールの一部は奪われてしまった、今はサブのシステムでなんとか制御できているが・・・」
上条「それも時間の問題ってわけか・・・」
ヴェント「もっと早く気がつくことはできなかったの!?」
機長「すまない、すべては我々の不手際だ」
副長「私のもなんですよ」
スチュワーデス「私のはなんかバランスがおかしくなったみたいで」
テロリスト「おや、ボーグについてお困りですかな?」
機長「あなたは?」
テロリスト「ボーグ技師ですよ」
副長「と、いうことは」
テロリスト「ええ、あなたたちのボーグ、私がメンテナンスしてあげますよ」
スチュワーデス「まあ!願ってもないことだわ!」
機長「しかし我々はこれからイギリスへのフライトがあるんだよ」
テロリスト「奇遇ですね、わたしもあの飛行機でイギリスへ向かうんですよ」
副長「おお、私たちの飛行機だ」
テロリスト「ではフライトの間にあなた方のボーグをメンテナンスしておきますよ」
スチュワーデス「これは願ってもない話ね!」
御坂「なんて卑怯なことを・・・」
黒子「仕事で忙しくてメンテナンスもままならない多忙ボーガーの心理を巧みに・・・」
アックア「ゆるせんのである」
ヴェント「叩きのめしてやるわ」
上条「みんなの力をあわせればできるはずだ!!」
マンソン「ああ!」
アックア「とにもかくにもコントロールを完全に奪われてしまっては話にならんのである」
ヴェント「素早く性格なボーグが適任ね」
機長「そうだ、コントロールのシステムを攻撃しているボーグを撃退できるボーグは・・」
御坂「それならあたしと黒子が適任ね」
黒子「ですわね、私のテレポーティング・ベッドイン・ラバーとお姉さまのエレクトリカル・ツンデレールガンがあれば」
黒子「このくらい確実に成し遂げてみせますわ!」
マンソン「頼もしいな」
上条「そして次は・・・」
機長「エンジンルームの出力を下げさせようと攻撃しているボーグがある、ここはなんとしても死守しなくてならない」
ヴェント「私のジェットストリーム・ナイトメア・ジェットコースターの出番ね」
機長「テロリストが立てこもっているのはこのブロックだ」
マンソン「ならここは俺のハウリング・ロデオ・ドライブと」
上条「俺のプリーチング・パンチング・デストロイヤーの出番だな」
機長「頼むぞ、この機と乗員乗客の命は君たちにゆだねられた」
上条「やってやろうぜ!」
マンソン「おう!」
御坂「あんたに言われなくてもやってやるわ」
黒子「ですわ」
アックア「信じろ、とは言わぬが」
ヴェント「やってみせるわ」
テロリスト「この計画は何があろうと完璧にやりとげてみせる・・・・」
ビー!!ビー!!
テロリスト「何!!これは・・・」
御坂「いけええええ!!!エレクトリカル・ツンデレールガン!!!!」
黒子「お姉さまのサポートですわ!テレポーティング・ベッドイン・ラバー!!」
テロリスト「コントロールが・・・逆に奪い返されている・・・・どういうことなんだ!!」
テロリスト「ええい!!コントロールがだめでもエンジンを押さえてしまえば・・・」
テロリスト「やつらと取引をすることはできる・・・」
ビー!!ビー!!
テロリスト「なに!エンジンへ向かわせたボーグたちがやられている・・・」
テロリスト「馬鹿な!!精鋭中の精鋭だぞ!!」
アックア「叩き潰せ!!ゴッドハンド・バック・キーパー!!!!」
ヴェント「徹底的にやりなさい!!ジェットストリーム・ナイトメア・ジェットコースター!!!」
テロリスト「馬鹿な・・・・おのれ・・・・」
上条「そこまでだ!!」
マンソン「お前のたくらみもここまでだ!!」
テロリスト「なんてことだ・・・この機にボーガーが乗っているなんて・・・・」
上条「みんなを不幸にするような結末しか待っていねえようなことをやろうっていうんなら!!」
上条「まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!!!」
テロリスト「こざかしい・・・返り討ちにしてくれる!!」
テロリスト「いくらなんでもこの数にはかなうまい!!いけ!リモートボーグ!!」
マンソン「そんな寄せ集めのボーグが俺たちにかなうとでも思っているのか!!」
マンソン「グランピアノ・ヒーリング・フォルテッシモ!!!!」
テロリスト「なにっ!!馬鹿な!!」
上条「てめえの相手は俺がしてやる!!」
テロリスト「思い上がるなよ小僧!!」
テロリスト「チャージ四回、ハイジャックエントリー、エアーオプションバトル!!!」
マンソン「ハイジャックエントリーだと、相手のボーグを破壊する残虐ファイト・・・」
マンソン「テロリストを徹底的に叩きのめそうっていうんだな、上条」
上条「うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
テロリスト「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
上条「チャアアアアアアアアアアジインンンンンンンンン!!!!!」
テロリスト「チャアアアアアアアアアアジインンンンンンンンン!!!!!」
マンソン「おっと、このリモートボーグも後から後から沸いて来る・・・」
マンソン「だが上条の邪魔だけはさせないぜ!!」
テロリスト「来るがいい!!エアフォース・パイレーツコーストの餌食にしてやる!!」
マンソン「上条!いつものリズムを忘れるなよ!?」
上条「ああ!!」
御坂「ったく、後から後から沸いてくるんだから・・・」
黒子「たいした強さではありませんがこう数が多いと・・・」
御坂「あら、弱音?」
黒子「まさか、いいトレーニングになりますわ!!」
御坂「それでこそよ!!」
黒子「さあかかってきなさい!!」
上条「うおおおおお!!!負けるか!! プリーチング・ライトハンド・ストレートおおおお!!!」
マンソン「互角か・・・・・負けるな上条・・・」
カサカサカサカサカサカサカサカサ
マンソン「しつこいやつらだ、だが俺のハウリング・ロデオ・ドライブはこの程度でやられはしない!!」
アックア「敵の数が減ってきているのである!!」
ヴェント「って言っても気は抜けないんだけどね」
アックア「それにしては余裕があるのであるな」
ヴェント「そうね、あなたは休んでいてもいいわよ?」
アックア「これが終わったらな!!」
ヴェント「何よ、気合十分じゃないのよ!!」
上条「あたりまえだろうが・・・・」
テロリスト「俺の得意なハイジャックエントリー、エアーオプションバトルでなぜこうも・・・」
上条「いかにお前がこのバトルが得意でも俺にあってお前に無い者がある!!」
テロリスト「なんだそれは・・・」
上条「それは・・・とにかく言いたいことを全部相手にぶちまける熱い心だあああ!!!!」
テロリスト「何!!何いいいいいいい!!!!や、やつのボーグが大きくなっている・・・目の錯覚か!?」
上条「熱膨張って知ってるか!?」
テロリスト「熱膨張!?」
上条「ボーグはボーガーの心に応えてくれる!!なら、ボーガーの熱いこころを受けたボーグが大きくなるのは自然なことだろうがああ!!!」
テロリスト「馬鹿な・・・・馬鹿なああああ!!!!!」
上条「くらええええ!!!! ブレイキング・イマジン・ドリイイイイイイイム!!!!!!」
テロリスト「うわあああああああああああ!!!!!!!」
上条「マンソンも、リモートボーグを全滅させてるじゃねーか!」
テロリスト「ぐっ・・・・かくなるうえは・・・・・」ポチッ
上条「こいつ、何を!?」
ドオオオオオオオオオオオオン!!!!!!
マンソン「な、何事だ!!」
御坂「うそ・・・」
黒子「これは・・・自爆!!」
御坂「冗談じゃないわよ!これじゃあこの飛行機どうなっちゃうの!?」
黒子「・・・考えても仕方ありませんわ!一旦みなさんと合流しましょう!!」
アックア「エンジンが!!」
ヴェント「くっそ!!」
アックア「何か手はないのであるか?」
ヴェント「完全に爆発したわけじゃないから・・・とにかく機長に確認しなきゃ!」
御坂「まさかリモートボーグが自爆するなんて・・・」
黒子「システムに異常はありませんの?」
機長「システムはなんとか飛行するだけなら大丈夫だ、だがエンジンの出力が・・・」
アックア「くっ・・・」
ヴェント「私たちの責任ね」
マンソン「いや、エンジンの爆発を阻止しただけでももうけものだ」
上条「ああ、エンジンが爆発してりゃ今頃みんな仲良く墜落しちまってる」
機長「そのためこの機は一度で着陸を成功させなくてはならない」
御坂「なんてこと・・・・」
黒子「いちかばちかですわね・・・」
機長「何、私たちスタッフを信じてくれ」
機長「どうしたのかね」
スチュワーデス「先ほどの爆発の影響で着陸用の車輪を出すハッチが開かなくなっています!!」
アックア「なんということであるか・・・」
ヴェント「最悪ね・・・」
御坂「ってことは・・・」
黒子「胴体着陸しかありませんのね・・・」
機長「エンジンにダメージを負った状態で胴体着陸だと!!」
機長「そんなことをすればこの機が爆発する可能性が圧倒的に高い・・・」
上条「何か・・・何か手はないのか・・・」
マンソン「なに、手はある」
マンソン「車輪のかわりになるものがあるだろ?」
御坂「それってまさか・・」
マンソン「ああ、俺たちのボーグだ」
黒子「むちゃくちゃですわ」
アックア「いや、やってみる価値はあるのである」
ヴェント「そうね、どのみちこのままじゃ爆発してしまうんだもの」
上条「いちかばちか、だな」
マンソン「違うな、絶対にだ」
黒子「お姉さま・・・・黒子も覚悟を決めましたの!!」
上条「だけどバラバラにやっちまったら意味がないんじゃねーか?」
マンソン「ああ、だからみんなのリズムをひとつにするんだ!!」
アックア「なるほど」
ヴェント「あんたの得意なリズムね」
機長「君たち・・・やれるというのか!?」
上条「ああ、俺たちのリズムを合わせたボーグバトルは無敵だからな!!」
上条「ああ!!」
御坂「信じてるわ!!」
マンソン「いくぞ!! 俺の指先に集中しろ!!」
黒子「アン!!」
アックア「ドゥ!!」
ヴェント「トロワ!!」
マンソン「アン・ドゥ・トロワ!!」
上条「「アン・ドゥ・トロワ!!」」
御坂「アン・ドゥ・トロワ!!」
黒子「アン・ドゥ・トロワ!!」
アックア「アン・ドゥ・トロワ!!」
ヴェント「アン・ドゥ・トロワ!!」
というか原作丸写ししてるだけじゃん
こんなの許されると思ってんの?
マンソン「うおおおおおおおおおお!!!!」
上条「うおおおおおおおおお!!!!」
御坂「うおおおおおおおお!!!!!」
黒子「うおおおおおおおおお!!!!」
アックア「うおおおおおおおお!!!!!」
ヴェント「うおおおおおおおおおおお!!!!!」
機長「これは・・・なんて息のぴったりあったチャージなんだ・・・」
スチュワーデス「胴体着陸ギリギリまでチャージを溜めるなんて・・・」
機長「ああ、彼らとボーグならできるかもしれん・・・」
機長「わかった!!!みんな、あと10秒だ!!」
スチュワーデス「おねがい!!がんばって!!!」
マンソン「うおおおおおおおおおお!!!!」
上条「うおおおおおおおおお!!!!」
御坂「うおおおおおおおお!!!!!」
黒子「うおおおおおおおおお!!!!」
アックア「うおおおおおおおお!!!!!」
ヴェント「うおおおおおおおおおおお!!!!!」
機長「二!!」
スチュワーデス「一!!」 マンソン「今だ!!」
マンソン「チャアアアアアアアアアアジインンンンンンンンン!!!!!」
上条「チャアアアアアアアアアアジインンンンンンンンン!!!!!」
御坂「チャアアアアアアアアアアジインンンンンンンンン!!!!!」
黒子「チャアアアアアアアアアアジインンンンンンンンン!!!!!」
アックア「チャアアアアアアアアアアジインンンンンンンンン!!!!!」
ヴェント「チャアアアアアアアアアアジインンンンンンンンン!!!!!」
機長「信じられん・・・奇跡だ・・・」
スチュワーデス「これが・・・ボーグバトラー達の魂・・・・」
マンソン「うおおおおおおおおおお!!!!」
上条「うおおおおおおおおお!!!!」
御坂「うおおおおおおおお!!!!!」
黒子「うおおおおおおおおお!!!!」
アックア「うおおおおおおおお!!!!!」
ヴェント「うおおおおおおおおおおお!!!!!」
上条「幻想だ!!プリーチング・パンチング・デストロイヤー!!!!」
御坂「雷鳴よ!!!エレクトリカル・ツンデレールガン!!!!」
黒子「愛ですの!!テレポーティング・ベッドイン・ラバー!!!」
アックア「神よ!!ゴッドハンド・バック・キーパー!!!」
ヴェント「生きる力を!!!ジェットストリーム・ナイトメア・ジェットコースター!!!」
マンソン「みんな!!いいリズムだ!!!」
マンソン「旋律だ! ハウリング・ロデオ・ドライブ!!!」
副長「スピードが!!!スピードが落ちています!!」
機長「頼むぞ・・・・」
スチュワーデス「みんな・・・・」
副長「着陸・・・・完了しました・・・」
機長「エンジンはどうかね?」
スチュワーデス「なんとか安全に停止しました・・・」
機長「ボーグバトラー・・・彼らが奇跡を起こすとはな・・・・」
副長「ええ、ですが彼らはもっと大きなことをやってくれそうな気がします」
スチュワーデス「そうですね・・・私たちには想像もできないようなことを・・・」
インデックス「おなかすいたんだよ・・・イギリスに着いたのにマンソンもとうまもいないんだよ・・・」
インデックス「どこに行っちゃったの・・・?」
上条「ああ、イギリスで起こっているこの混乱の原因をつきとめてみせるぜ」
御坂「へえ、あんたたちもなの?」
黒子「まさかあなた方も?」
アックア「イギリスには昔いろいろとあったのである」
ヴェント「私は付き添いよ」
マンソン「ここまできたんだ、みんなの力を、そしてリズムを!」
上条「絆を!すべてをひとつに!」
御坂「ええ!」
黒子「やりますの!」
アックア「この英国に再び平穏を!!」
ヴェント「取り戻しましょう!!!」
土御門「悪の陰謀、それに呼応するかのように起こる英国の内紛、それを阻止するべく立ち上がる人々!」
土御門「だがそんな人たちの熱意もむなしく一人・・・また一人・・・仲間が倒れていく」
土御門「がんばれカミやん!負けるなマンソン!おなかいっぱいご飯を食べようインデックス!」
土御門「英国での戦いの火蓋が今切って落とされる!」
土御門「次回!!加齢なる女王、クイーン!エリザード!ババァスメル!!」
土御門「絶対見てくれよな!!」
土御門「熱き闘志にチャージ・イン!」
アンジェレネ「うぅ・・・見たこともないものがいっぱいです」
掃除ロボット「ウィーン」
アンジェレネ「あれが勝手にお掃除をしてくれるという便利アイテムですか・・・・」
アンジェレネ「それにしてもなんでこんなことに・・・」
神裂「はい、私がですか?ええ、わかりました」ピッ
神裂「ふう、困りましたね」
シェリー「どうかしたのかい極東宗派」
神裂「学園都市のインデックスに鑑定してもらいたいものがあったのですが、急遽私のほうに仕事がまわってきまして」
シェリー「そう、じゃあ仕事の後に行けばいいじゃない」
神裂「どちらも急ぎのものなのですよ」
シェリー「ってことは誰かに行ってもらうしかないってことかい?」
神裂「ええ、そういうことになりますね」
シェリー「なら私はだめだな、あそこで一暴れしているわけだし」
神裂「ですね、ほかの方に頼むことにします」
神裂「・・・・・」
シェリー「・・・・・」
神裂「誰かいませんかね?」
シェリー「あんたのとこの連中は?日本人いっぱいいたじゃない」
オルソラ「日本の美しい着物は私も一度着てみたいのでございますよ」
神裂「その天草式と一緒に行かなきゃいけないんですよ」
シェリー「と、なると、この中で日本に行ったことのあるやつで迷わずに学園都市にいけそうなのは・・・」
ルチア「何で私たちなんですか」
アンジェレネ「何か陰謀を感じます」
神裂「いえ、陰謀とかではなくてですね、単におつかいのようなものなのですが」
シェリー「おつかいねえ・・・・」ジー
アニェーゼ「ほう?その口からうかつなことをしゃべるとこの杖がうなりをあげますよ?」
ルチア「シスター・アニェーゼ、そういきり立たないでください」
神裂「アニェーゼは彼と一騒動あったみたいですし・・・」
シェリー「裸も見られてんだろ?」
アニェーゼ「この・・・・ /////////」プルプル
ルチア「そうやって彼女の心を乱すのはやめてください!!」
神裂「いえ、私にはそのつもりはないんですけど」
アンジェレネ「日本ですか・・・ウーメボシは怖いですけどかの国には世界より集めたお菓子をリスペクトする技術が・・・」ブツブツ
シェリー「なあ・・・」
神裂「私も同じことを考えました」
ルチア「しかしシスター・アンジェレネでは寄り道をしてしまい路銀が底をつく可能性のほうが」
シェリー「はじめてのおつかいってやつだろ?やらせてみればいいじゃない」
アンジェレネ「ちょ、ちょっとみなさん何かすごく失礼なことを言ってませんか!?」
神裂「いいえ、私はあなたならこの任務を成し遂げてくれると信じていますよ」ニコッ
アンジェレネ「当然です!!ただ学園都市に行って帰ってくるだけじゃないですか!!」
ルチア「ですが・・・心配です」
シェリー「あんたは母親かい?ただ行って帰ってくるだけじゃないか」
ルチア「・・・・・」
アニェーゼ「じゃあ決まりですね、シスターアンジェレネ、あなたもできるってところをみせやがってください」
アンジェレネ「はい!任せてください!」
アンジェレネ「お菓子もたくさん買っちゃいました!!」ゴッチャリ
アンジェレネ「ですが・・・」
アンジェレネ「なんでみなさん私にお土産を頼むんですか!!」
アンジェレネ「まあ日程に余裕はありますからまずはインデックスさんのところに行きましょう」
アンジェレネ「えーっと・・・えーっと・・・」
青ピ「なんや!!シスターさんやないか!!」
アンジェレネ「はい?」
青ピ「しかも金髪ロリっ子のシスターさんなんてめっちゃかわいいやんか!!」
アンジェレネ「あの・・あの・・・」
青ピ「この出会いは運命や!!ボクとお茶せえへんか!!」
青ピ「恥ずかしがることはあらへんで!この紳士のボクがやさしく教えてあ」マンソン「お前はやっぱりぶれないんだな」
青ピ「マンソン!」
アンジェレネ「あなたは!」
上条「小さい女の子にまでってお前引くぞ?」
アンジェレネ「あなたも!」
青ピ「何を言うとるんや二人とも、ボクの愛はまだまだこんなもんじゃあらへんでえ!!」
マンソン「そうか、じゃああの美人なお姉さんを口説いてきたらどうだ?」
青ピ「ん?」
麦野「だるー、なんでお風呂が壊れるのよ・・・・」テクテク
青ピ「ときめいたでええええ!!!これは恋やああああ!!!!」
青ピ「おねえええさあああああん!!!」
上条「さすがだな・・・」
マンソン「ああ・・・・」
アンジェレネ「はい」
マンソン「こんなところで一人でどうしたんだ?」
アンジェレネ「あの、その、インデックスさんに鑑定してほしいものがあるということで私が持ってきたんです」
上条「俺には日本に観光に来て駄菓子を買い漁っているだけにしか見えないんだが」
アンジェレネ「こ、これはお土産です!!イギリスのみんなにお土産を頼まれたんです!!」
マンソン「神裂やシェリーが駄菓子なんてもらって喜ぶなんて信じられないな」
アンジェレネ「ほ、ほんとうなんです、これは決して私が食べたくて買ったわけじゃないんですよ」
アンジェレネ「お小遣いをたくさん使ってここに来るまで食べ歩いたなんてことはないんですよ!」
上条「・・・・・」
マンソン「・・・・・」
アンジェレネ「そんな!!ちゃんと拭いたのに!!」バッ
マンソン「ほら、鏡だ」
アンジェレネ「ん・・・・」チラッ
アンジェレネ「どこにもついてないじゃないですか!!」
上条「嘘だからな」ニヤニヤ
アンジェレネ「ひ、ひどいです!!これは神罰ものです!!」
マンソン「悪い悪い、で、ソフトクリームはどうだった?」
アンジェレネ「おいしかったです ////////」
上条「そうだったな」
マンソン「まあ話は食事をしながらでもいいんじゃないか?」
アンジェレネ「食事ですか?」
上条「今日は焼肉だぞ」
アンジェレネ「ヤキニク?」
マンソン「ジャパニーズ、バーベキューだ」
アンジェレネ「是非参加させてください!!」キラキラ
上条「ちょろいな・・・」
マンソン「怖いくらいにな・・・」
上条「こいつも出会った時は敵だったんだよな・・・」
マンソン「俺はルチアの顔芸の方が思い出深いな」
上条「ああ、あれはひどかった」
マンソン「アンジェレネ、嫌いなものってあるか?」
アンジェレネ「ウーメボシは絶対に嫌です」
上条「食べたことあるのか?」
アンジェレネ「はい、神裂さんの手作りをいただきましたが・・・倒れてしまいました」
マンソン「海外の人にはたしかにきつそうだな」
マンソン「あれは確か法の書をめぐる一件・・・」
結構前
上条「は?」
マンソン「インデックスがさらわれた!?」
舞夏「そうなんだぞー」
上条「で、どんなやつだった?」
舞夏「背が高くて青い髪で神父のような格好をしてくわえタバコを・・」
マンソン「ステイルだな」
上条「ああ、あいつ何考えてるんだ?」
マンソン「かなり準備がいいな」
上条「それにしても学園都市の外に出るのなんてかなり久しぶりだな」
マンソン「俺はたまに公演で外に出ることはあるけどこんなにのんびりしたのは久しぶりだ」
上条「ステイルとインデックスが一緒にいることは間違いないからインデックスの身に何かあることはないだろうけど」
マンソン「また魔術絡みだろうな」
オルソラ「えっと・・・・・うーんと・・・・」
上条「・・・・・」
マンソン「・・・・・・・」
上条「なあ?」
マンソン「言いたいことはよくわかる」
上条「ああ、そうだよ」ハァハァ
マンソン「乗るのか乗らないのかはっきりさせないとバスの運転手も困るんだぞ?」
オルソラ「そうでございましたか、学園都市の技術はすごいのでございますね」
上条「だーかーら!ここは学園都市じゃないんだってば!!」
オルソラ「え?それでは私は学園都市へむかいますので」
マンソン「いや、学園都市に向かわなくても目的は遂げられるんだぞ?」
オルソラ「そうでございましたか、私は学園都市へ行かなければならないのでございますよ」ニコニコ
上条「っだあああああ!!!」
マンソン「落ち着け上条」
オルソラ「まあ、そんなに興奮しては汗をかいてしまいます」フキフキ
上条「お、おお・・・・」チラッ
上条(で、でかい・・・・・)
マンソン「顔がやらしいぞ?」
上条「そ、そんなことねーって!!」
インデックス「あ、とうまだ、マンソンもいる」
マンソン「よう、久しぶりだな」
ステイル「相変わらずのようだねマンソン」
アニェーゼ「あれ?横にいるのは・・・」
オルソラ「おや、あの方々がイギリスの・・・」
上条「ああ、そうだ」
マンソン「なあステイル、今回は何が起こったんだ?」
ステイル「うん、それなんだけどね、そのオルソラを探すのを手伝ってほしかっただけなんだ」
上条「は?」
マンソン「なんてことだ・・・」
インデックス「うん、だから三人でおいしいもの食べに行きたいんだよ!」
マンソン「ま、たまに外に出られたんだ、それでいいんじゃないか?」
上条「そうだな、そう思わないとなんかやってられねえ」
ステイル「こっちも拍子抜けするくらいあっさり解決して驚いてるんだよ?」
マンソン「こういうこともあっていいんじゃないか?」
ステイル「そうだね」
そうはいかないのよな シスター・オルソラは我ら天草式がもらいうける
上条「誰だ!!」
ステイル「天草式か!!」
ガコン
オルソラ「きゃあ!!!」
インデックス「地面が!!」
マンソン「しまった!!」
マンソン「味方だと思ったローマ正教・・・」
上条「それがあっさりひっくりかえるなんてな」
マンソン「あの時は混乱したけどなあ・・・」
上条「でもルチアの顔芸ではっきりしたんだよな」
マンソン「今思い出しても笑いがこみ上げてくるな」
上条「な、なあおい、今オルソラの悲鳴が聞こえなかったか?」
ルチア「あなた方に話すことは何もありません!!」
マンソン「なんだと・・・」
アンジェレネ「えと・・えと・・そういうことなので・・・」
上条「なあ、待てよ」ガシッ
ルチア「!!!!」
マンソン「ああ」
上条「もう一回やってくれねえかな」
マンソン「殴られるだけですめばいいけどな」
建宮「これでわかったのよな?」
上条「ああ・・・」
マンソン「きれいな顔したまじめ系のお姉さんキャラが顔芸をすると・・・」
上条「すごく笑えるってことだ・・・」
建宮「そういうことじゃないのよな?」
インデックス「オリアナが大変なんだよ!」
マンソン「ああ、なんて破壊力なんだ」
建宮「いや、それはもう考えることじゃないのよな?」
インデックス「オルソラが大変なんだよ!!」
ステイル「落ち着くんだインデックス」
インデックス「ステイル!!」
ステイル「写真に収めておいた、君もこの顔芸を見るといい」
ピラッ
インデックス「!!!!!」ブフッ
ステイル「落ちたか・・・」
上条「ああ」
マンソン「さすがルチアだよな」
建宮「だからそれどころじゃないのよな?」
マンソン「まさかあれだけの数を相手することになるとはな」
上条「ああ、あの時はもうだめかと思ったぜ」
マンソン「そうだな」
アニェーゼ「これは私たちローマ正教の問題なんですからねえ!!!」
上条「いまいちだな・・・」
マンソン「ああ」
アニェーゼ「はあ?」
轟!!
ステイル「その程度の顔芸では笑いをとることはできないぞ!!」
アニェーゼ「イギリス清教が何を!!」
ステイル「シスター・オルソラの胸から下げたその十字架はイギリス清教からかごを受けた証!!」
アニェーゼ「何を詭弁を!!」
ステイル「詭弁で結構、その程度の顔芸しかできないやつの意見に耳を傾ける必要などない!!」
アニェーゼ「はあ?」
アニェーゼ「な、なにをわけのわからないことを・・・」
上条「オルソラ、大丈夫か!?」
オルソラ「はい」
マンソン「顔芸すらロクにできないくせになんてやつだ・・・」
ステイル「ロリコンしか飛びつかないようなおっぱいをしていてそんなことで誰かが手を差し伸べてくれるとでも思っているのか!!」
建宮「その通りなのよな!!天草式一同アニェーゼには顔芸以外の別のネタを覚えてもらうのよな!!」
アニェーゼ「どいつもこいつも顔芸顔芸・・・・そんなに顔芸が大事ですか!!」
上条「あたりまえだ!!」
マンソン「お前は何もわかっちゃいない!!」
ステイル「パンツしか魅力しかないっていうのなら」
インデックス「つねにパンツ丸出しでいるといいんだよ!!」
建宮「お前のせりふだけローアングルでなああ!!!」
上条「やってみろ!!」
マンソン「俺たちの絆!!俺たちのリズムはお前の顔芸くらいでは揺るがすことすらできない!!」
ステイル「いくぞ!!」
建宮「おう!」
アニェーゼ「いいでしょう、なら私たち全員であんたたちを叩き潰してあげます!!」
アニェーゼ「チャージ三回、フリーエントリー、ノーオプション無制限チームバトル!!」
上条「チャージ三回、フリーエントリー、ノーオプション無制限チームバトル!!」
マンソン「チャージ三回、フリーエントリー、ノーオプション無制限チームバトル!!」
ステイル「チャージ三回、フリーエントリー、ノーオプション無制限チームバトル!!」
建宮「チャージ三回、フリーエントリー、ノーオプション無制限チームバトル!!」
上条「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
マンソン「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
ステイル「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
建宮「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
アニェーゼ隊「「「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」」」
アニェーゼ(こんなわけのわからないことを言う連中に負けるわけにはいきません!!)
アニェーゼ「チャアアアアアアアアアアアアジインンンンンンンンンンンン!!!!!」
上条「チャアアアアアアアアアアアアジインンンンンンンンンンンン!!!!!」
マンソン「チャアアアアアアアアアアアアジインンンンンンンンンンンン!!!!!」
ステイル「チャアアアアアアアアアアアアジインンンンンンンンンンンン!!!!!」
建宮「チャアアアアアアアアアアアアジインンンンンンンンンンンン!!!!!」
マンソン「数が多すぎて何が起こってるのかさっぱりだったな」
上条「だがそこは天草式」
マンソン「チームバトルに長けてるだけはあったよな」
上条「こっちも無傷ってわけにはいかなかったけどな」
マンソン「ああ、ステイルなんて必殺技を出すまえにやられてたからな」
上条「あいつ強いんだけどなあ・・・・」
マンソン「まあああいう流れだとしょうがないんじゃないか」
上条「わかっただろ!!戦いは数じゃねえんだ!!」
マンソン「そう、戦いは絆の強さ、そしてリズムだ!!」
アニェーゼ「なんですって・・・・この・・・やっちまいやがれ!!」
シスター「はい!!」
上条「マンソン!!」
マンソン「おう!」
上条「アン!!!」
マンソン「ドゥ!!!」
上条 マンソン「トロワ!!!」
シスター「きゃああああああ!!!!」
アニェーゼ「そんな・・・・私の精鋭部隊がこうも簡単に・・・」
アニェーゼ「そんな・・・そんな・・・・」
マンソン「仲間の絆!!仲間の力を信じて戦う俺たちにはお前たちの攻撃は通用しない!!」
上条「それ以前に、数に頼って観ているものを惹きつけるもののないお前たちに」
マンソン「ボーグはお前の持つ力以上のものを発揮することはない!!」
アニェーゼ「だからなんだっていうんですか!!たとえ私のボーグがやられたとしても」
上条「まだわからねえのか!!」
アニェーゼ「何っ!?」
マンソン「お前の部下はもう戦うことをやめちまっている!!」
アニェーゼ「そ、そんな!?」
アニェーゼ「何をしている!!まだ戦える者も何を手を止めている!?」
上条「お前と一緒に戦うことに戸惑いを感じているからだ!!」
アニェーゼ「そんな・・・・なんで・・・・」
マンソン「それは・・・それは・・・」
上条「お前に魅力がないからだああああああ!!!!」
アニェーゼ「そんな・・・・」
マンソン「顔芸がすべてとはいわない、だがな!!」
上条「顔芸においてもパンツにおいても中途半端なお前に俺たちがまけるわけがないだろうがあああ!!!」
アニェーゼ「そんな・・・ことで・・・・」
マンソン「ああ、そんなことだ、だがそれがどれだけ重要な要素を占めていることをしらないやつは!!」
上条「一生かかっても俺たちに勝つことはできない!!」
アニェーゼ「あ・・・あ・・・・・」ヘタッ
マンソン「いくぞ上条!ハウリング・ロデオ・ドライブ!!」
上条「ああ!プリーチング・パンチング・デストロイヤー!!!!」
上条「その幻想そぶちころす!!ブレイキング・イマジン・ドリイイイイイイイム!!!!!!」
アニェーゼ「うわあああああああああああ!!!!!!!」
アニェーゼ(こんなことなら・・・・もっと・・・・)
アニェーゼ(顔芸に・・・・磨きを・・・・)
アニェーゼ「うっ・・・・・・」パタッ
マンソン「やったな!上条!!」
上条「ああ!!」
インデックス「なんだかものすごく理不尽かも・・・」
ステイル「なあに、髪型が気にいらないくらいでボーグバトルを拒否する人間もいるくらいだ」
建宮「それにくらべれば・・・・まあ同じくらい理不尽なのよな・・・・」
マンソン「ああ」
アンジェレネ「ヤキニク♪ヤキニク♪」
上条「あれからいろいろあったけど」
マンソン「案外うまくやれてるよな」
上条「おーいアンジェレネー」
アンジェレネ「はい」
マンソン「野菜もちゃんと食べるんだぞ?」
アンジェレネ「もちろんですよ」
上条「インデックスも待ってるからな?」
アンジェレネ「あ、そうでした!」
アンジェレネ「そ、そんなことはありませんよ?」オドオド
上条「まあいいさ、とりあえず早くいこうぜ?」
アンジェレネ「は、はい!!」
マンソン「好きなだけ食べていいからな?」
アンジェレネ「本当ですか!?」
上条「インデックスがもう一人増えたみたいだな・・・」
マンソン「それはそれで楽しいからいいんじゃないか?」
上条「だな」
アンジェレネ「な、何か失礼なことを言ってませんか?」
マンソン「いや」
上条「全然」
マンソン「わかってるって」
上条「そのついでの焼き肉だよな?」
アンジェレネ「そ、そうです!!ヤキニクがメインではないのです!!」
マンソン「ちょろいな?」
上条「ああ、ちょろい」
アンジェレネ「本当ですからね!?」
マンソン「そうだな」
アンジェレネ「本当に本当ですったら!!」
上条「わかってるって」
アンジェレネ「こうなったらお肉全部食べつくしてやります!!」
マンソン「って言って」
上条「丸いシスターが二人もできあがるなんてな」
アンジェレネ「うぷ・・・」
インデックス「苦しいんだよ・・・」
マンソン「確かに肉も野菜も全部食べつくしたけど」
上条「張り合う必要があったのか?」
アンジェレネ「ぷ、ぷらいどのもんだいです・・・・」
インデックス「お肉がおいしいのがいけないんだよ・・・・」
上条「やれやれ」
マンソン「まあいいじゃないか」
インデックス「水もはいりそうにないかも・・・・」
上条「まあ今夜はここに転がしておくしかないか」
マンソン「そうだな」
土御門「おっと、その心配はいらないぜい」
上条「土御門!!」
マンソン「ってことは・・・」
土御門「ああ、二人にはこれから空港へ向かってもらう」
上条「二人はどうするんだ?」
土御門「安心しろ、舞夏に頼んである」
マンソン「で?今度はどこへ飛べばいいんだ?」
土御門「それは着いてからのお楽しみだぜい」
上条「不幸だ・・・」
マンソン「まったくだ・・・・」
おわり
他の作品のキャラをクロスさせるとかできたらよかったんですけど自分にはこれが限界です
マンソンのリズムを利用した攻撃が禁書の中で一番輝いていますよね
おもしろかった
で、マンソンって誰だよ
マンソンの活躍が多いだけで普通すぎる禁書だったな
Entry ⇒ 2012.08.16 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
照「咲からお年玉を借りてたことが発覚した」
幼咲「だって麻雀で負けたのはお姉ちゃんだよ…」グスン
幼照「だったらお年玉を貸してよ!いつか返すから!」
幼咲「…本当に?」
幼照「本当だよ!約束を紙に書いておけば、ぜーったいに忘れないから!」
・
・
・
照「忘れていた…」
照「う…」グサッ
渋谷「妹さんが本当に不憫です…」
照「ぐっ…」
亦野「私だったら姉を殴ってでも…」
照「えっ」
淡「…それで、何で今まで気付かなかったの?」
照「ああ、荷物を整理してたらこの紙が見付かったんだ…」ペラッ
わたし、みやながさきはおねえちゃん みやながてるに
おとしだまの8000えんをかします。
りそく 1ねん 100ぱーせんと
みやながさき(印) みやながてる(印)
菫「えっ」
渋谷「えっ」
亦野「えっ」
淡「えっ」
照「え?」
照「確かにパーセントをひらがなで書くのはおかしいが、十年前の話、問題は無い」
照「この丸っこい子供らしい字がまた可愛いと思わないか?」
渋谷「そうじゃなくて…」
照「この文字を可愛いと思わないのか…?」ゴゴゴ
渋谷「ひぃっ」
淡「…何で利息が書かれててるのー?」
亦野(一年に100%で二倍の…そのまた二倍の…)
菫「そう言う割には実際忘れていたわけだが」
照「うぐっ…だが今返せるなら問題は無い」
渋谷「返せる可能性ですが、限りなく低いと思いますが」
照「何で?1年に100%ってことは8000円」
照「つまり10年経った今でも確率は100%以上になることはないから8000円返せばいいんだろう?」
菫(…ああ、所詮は子供の頃の話か)
照「え」
淡「確率じゃなくて割合の問題だから、返さなきゃいけないお金は」
借りた金額×(1×利息)
淡「で求められるの。先輩の場合は」
8000×(1×1)
淡「で、8000円多く返さないといけないの」
照「え」
淡「しかもそれが十年分だから」
8000(元々借りた金額)+8000×(1+1)×10
=88000円
照「えっ…」
渋谷「…もっとひどい話になりますから、一回深呼吸してください」
照「すーっ、はーっ…ひどい話って?」
渋谷「複利と言って、利息分の金額からまた利息を取る方法があってですね…」
照「???」
菫「…つまりだな」
10000円、利息1年20%、複利じゃない場合
2年後返さなきゃいけない金額=14000円
複利の場合
10000×(1+0.2)の2条
=14400円
菫「つまり複利の方が多く返さないといけないんだ」
照「ああ、良く分かった」
渋谷(多分嘘ですね)
8000×(1+1)の10乗
=819,2000円
照「」
亦野「800万…GTOを思い出す金額ですね」
淡「言いたい事も言えないこんな世の中じゃ~♪」
菫「ポイズン」
渋谷「えっ」
菫「…返せる算段はあるのか?」
菫「別にこれは利息が高すぎるから、法律上は払わなくてもいい」
照「」
菫「…だが、これはお前の身内の問題だろう。結局返して貰えなかった妹さんの気持ちはさぞやつらかったろう」
照「」
菫「単利だったら返せる可能性もあるんだ、今からこつこつとだな…」
照「…ない」
菫「え?」
照「…この紙に従う必要は、どこにもない」
渋谷「誠子、落着いて!部室が歪んでるから、ねっ?」
淡「最低です、宮永先輩」
照「違う!思い出したんだ、この紙は咲が書いて…」
照「私の方が書いた紙を咲に渡したんだ」
菫「…つまりお前は自分の書いていた借用書の方を信じると?」
照「ああ…昔の私が書いたものに私は従う…その金額を絶対に支払う」
淡「もしも返せなかったら?」
亦野「その時は私の当てない打撃を」
照「いや…麻雀の表舞台から去る!」
菫(絶対裏に潜る気だな)
淡「えっ、私?」
照「いざ直接話そうと思ったが、良く考えたらもの凄い恥ずかしい事だった…」
菫「思い出し泣きもありえるが、身内の話は身内内で済ませようと思わないのか?」
照「…よ、よし…かけるぞ…」
照「も、もしもし…咲…私だ…」
照「え…いや、違う!詐欺じゃない」
照「何か秘密を言ってくれって?で、でも今は部室の中で…」
照「う…うぅ…鼻に八筒を突っ込んで死にかけた事がある!これで良いか?」
照「ああ、咲、お姉ちゃんだよ…それで…」
渋谷(なんだかもの凄い妹さんですね)ヒソヒソ
亦野(姉が姉だから、納得できる点はあるがな)
・
・
菫「今日に妹さんが照の書いた借用書を持って来る筈だが」
渋谷「駅前で待ち合わせなのに、宮永先輩は先に迎えに行くって行ってどこかに行って」
淡「セーコは変なロシア人と一緒にどこか行っちゃったし」
菫「こんな時の為にGPS携帯が役に立つ」ババーン
渋谷「本当に探索が楽になりましたよね」
菫「ああ、それで現在の位置は…新宿駅か」
亦野「お待たせ、他の選手に交替してきた」
菫「前よりはましだったけどな…何故か炭鉱の中で変則的な麻雀をやらされた時と比べると」
淡「セーコがいなかったら本当に今私達はどうなっていた事か」
咲「あの、初めまして…」ペコリ
渋谷(かわいい…)
照「たかが4文字で咲を表すんじゃあないっ!」ゴゴゴゴ
渋谷「ひぃっ!」
亦野「マタノコプターは中々楽しかった…それで、持って来たのか?」
照「咲…本当に申し訳ない…だが、今は…」ムギュッ
咲「!?」
照「今の私なら、昔の過ちにも逃げない、しっかりと向き合ってみせる」
照「こんな時の為に利息を設定したんだ、絶対に返してみせる…何年かかっても」ナデナデ
咲「お姉ちゃん…」グスッ
照(ああああああ咲かわいいよ咲良い匂いするよおおおおお)フンカフンカ
咲「うん…これなんだけど…」ペラッ
~~~~~~~~~~~~~~~~~
幼咲「おかあさん、りそく?ってなに?」
咲母「何パーセントか約束の日までに返せなかったら多めに返さないといけないことよ」
幼咲(…おとしだま、だから…1ねんで…ぱーせんとは…100ぱーせんとかな)カキカキ
幼照「おとーさん、りそく?ってなに?」
照父「何割か割り増しで払わないままだと東京湾に沈められる愉快なシステムだよ」
幼照(おとしだま、だから…1ねん…わりあい?わかんない…)
幼照(えーと…こうかいとく!)カキカキ
返せよ、借りた金は。ってこえーよwww
わたし、みやながてるはいもうと、みやながさきからおとしだまをかりました。
きんがく 8千円
りそく 1年 8千わり
きげん いっしょう
みやながてる(印) みやながさき(印)
淡「」
渋谷「」
亦野「」
菫(ああ、借りた金額と利息をごっちゃにしたのか…にしてもこれは…)
照「あ…あ……?」ガタガタガタガタ
咲「見付けた時は驚いたけど、あそこまで言ったならちゃんと返してね?」ニコッ
咲「因みに今お姉ちゃんが私に返さなきゃいけない金額は単利で64,072,0000円」
咲「複利だと859100839に0が44個付くけど…」
咲「お姉ちゃんの気持ちが本物なら、複利でも大丈夫だよね!」ニッコリ
照「あ…あああ…」ガタガタガタガタ
咲「お姉ちゃん!返す前に一生を終えたら、お母さんに借金が回ってくるから…」
咲「なるべく早く、耳を揃えて返してね♪」スマイルッ
照「うわあああああああああっ!」
カン
全く使いなれない桁なせいで凄さが判らないおつ
そこらへんの数字が使われるの初めて見たわ
咲には和の親がついてるからな
金持ちらしいし結構有名な弁護士だろうから勝つのは難しい
どんな弁護士でも8000割じゃ勝てねえよw
Entry ⇒ 2012.08.16 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
摩耶花「折木と二人で肝試しなんて冗談じゃないわよ。」
摩耶花「ちーちゃんは怖いものなさそうよね。
昨日の首吊りの影も怖がってなかったし」
える「そんなことありません。わたしにだって怖いものはあります。
映画のスクリームやアナコンダは幼い時に見てとても怖かったんですよ」
摩耶花「また、懐かしい洋物ホラーね」アハハ
里志「もちろん、この辺りでは出ないから大丈夫だよ。タヌキはいるらしいけど」
奉太郎「道はちゃんと整備されてるのか」
里志「舗装はされてないけど、ちゃんと整備されてるから安心して。
険しい道はない普通の散歩コースだから」
奉太郎(さすが、データベースを自称しているだけあって下調べは完璧…か。
なんとかして中止に持ち込みたいが…)チラ
えるはハイキングコース案内板と銘打った地図の描かれた看板を興味深そうに眺め、
目を輝かせている。肝試しを楽しみにしているのは傍目からでもわかる。
奉太郎(千反田があの様子じゃあ、難しそうだ)
この林道をまっすぐ500メートルほど行った先に神社がある。
その神社のわきの階段を上って、そこにある小さな祠にお参りをしてから折り返す。
どうだい単純だろ」
奉太郎(まあ、大した距離はないか。さっさと行って帰ってこよう)
奉太郎「ってことは、里志と伊原。おれと千反田ってことか」
里志「ホータローが自分から言い出すなんて珍しいね。そんなに千反田さんと行きた――」
奉太郎「違う。伊原は里志と行くだろ。そうなれば、自然とそうなるだろうが」
里志「そんなムキにならなくてもいいじゃないか」ニヤニヤ
える「でも、わたしも折木さんと同じように考えていました」ニコ
奉太郎(うっ////)
摩耶花「・・・・」
ちーちゃん、私たちと一緒に3人で行こ!」
里志「まあまあ、ホータローの言う通りでもいいんだけど、
今日はあえて趣向を変えてみようと思うんだ」
奉太郎(嫌な予感しかせん)
里志「今回は僕と千反田さん。摩耶花とホータロー。これで行くよ」
える「確かにあるようでなかった組み合わせですね」コクコク
摩耶花「折木とふたりで肝試しなんて冗談じゃないわよ」
奉太郎「そー言ってるぞ」
里志「摩耶花、わがまま言ってせっかくのイベントに水を差したらだめだよ」
摩耶花「で、でもふくちゃん!」
奉太郎「ブッ」
奉太郎(さ、里志のやつ。また、急に意味のわからん質問をしおって。
それじゃあ伊原に反対する材料をやるようなもんだぞ。いや、それが目的か?)
摩耶花「べ、別に嫌いなわけじゃないけど…」
奉太郎「は!?」
里志「なら、もう文句はなし。さっき言った通り、
僕と千反田さん。摩耶花とホータロー。それでいいね?」
奉太郎「待て、伊原。本当にそれでいいのか?」
摩耶花「うるさいわね!仕方ないでしょ!」
奉太郎(仕方ないって…。いつもならもっと反論してるだろうが)
える「決まり…でいいんでしょうか?」
里志「もちろん。たまにはこういうのもいいよ。千反田さんよろしくね」
里志「月が雲で隠れてるからね。まさに絶好の肝試し日和ってやつさ」
摩耶花「むりむり!やっぱりこんなのぜったいむり!
やっぱやめよ。ほ、ほら、折木だってさ、めんどくさいでしょ?」
奉太郎「まぁ、おれもやらないで済むならそうしたいが」
摩耶花「折木もそう言ってるし、ちーちゃんと、ふくちゃんで行ってきたら?ね?ね?
私たちはここで待ってるから。ふくちゃん、それでもいいんじゃないの?」
える「摩耶花さん。折木さんがついていますから、大丈夫です」
摩耶花「折木じゃ頼りにならないわよぉ」
里志「それじゃあ、ホータロー摩耶花チームスタート!」
摩耶花「ちょっ、まだ心の準備が…」
奉太郎「というわけだ、さっさと行って終わらすぞ」
摩耶花「まっ、待ちなさいよ!バカ折木!」
奉太郎「伊原」
摩耶花「……な、なによ」
奉太郎「おれの服を持つのをやめてほしいんだが」
摩耶花「持ちたくて持ってるんじゃないわよ。怖いから仕方なしよ」
奉太郎(昨日に引き続き、こんなうろたえる伊原が見れるとは…)
摩耶花「言っとくけど、変な誤解しないでよね」
摩耶花「なに気持ち悪い想像してるのよ」ジト
奉太郎「別に想像はしてない」
摩耶花「仮にも何もそんなことありえないから」
奉太郎「へーへー。さいで」
奉太郎「気味が悪いとは思うが、そこまで怖がるほどじゃあない。伊原は怖がりすぎだ」
摩耶花「そんなことないわよ。折木の感受性が乏しいだけじゃないの?」
奉太郎(一言多いやつだ)
奉太郎「もしそうだとしても、ここでおれが怯えてたら伊原も嫌だろうが」
摩耶花「まあ、それもそうね」
なんだかんだで、歩幅も合わせてくれてるし……)
奉太郎(伊原と一緒だと全然進まんな。
まあ千反田と一緒だといろいろと興味を持たれてもっと進まないか。
今回は伊原で良かったかもしれん)
奉太郎(里志のやつ。これだけ暗いのにこの階段はないだろう)
折り返し地点の祠に、人生の安寧を祈願したばかりの奉太郎は、
それをさっそく妨げんと言わんばかりの急階段に狼狽していた。
奉太郎(手すりはあるが、急すぎるな。上ってきた時はそれほどとは思わなかったが。
あとで里志に抗議しておくか…。いや適当にごまかされそうだな)
奉太郎が黙って階段を降りていると、前を歩く摩耶花が振り返ることもなく言った。
先ほどまで奉太郎の後ろをぴったりとついていたのだが、
不気味すぎた祠を直に背にしたくないらしく、前を歩かせてほしいと言いだしたのだ。
摩耶花「黙らないでよ…」
奉太郎(このまま黙っていたらどうなるんだろうな)
と言っても、伊原とは最近まともな会話をしてないからな。
何を話せばいいかわからん。えー、伊原の趣味は…。漫画か)
奉太郎「そうだな。最近面白い漫画はなんかあるのか?」
摩耶花「あんた、それ本当に知りたいの?」
奉太郎(正直ことさら興味があるわけではないが…。そう言うと怒るだろうからな)
奉太郎「ああ。知りたいね」
摩耶花「わかった。ちょっと考えさせて」
奉太郎(……真剣に考えてるな。相変わらず真面目なやつだ。
申し訳ない気もするが、少しは緊張も解けたみたいだし、いいだろう)
奉太郎(帰ったらすぐ寝よう)
そう奉太郎が考えた時、階段沿いの草むらから小さな影が飛び出してきた。
その影は一瞬で摩耶花と奉太郎の間を器用に駆け抜けていく。
奉太郎は手すりを持って体を支えたが、考え込んでいた摩耶花はバランスを崩して足を滑らしてしまった。
そのまま滑るように残りの数段を転げ落ちた。
奉太郎「伊原!大丈夫か!?」
摩耶花「っ……」
奉太郎「そうだ、救急車っ。伊原、携帯!」
摩耶花「…だい…じょうぶ。そこまではいい…から」
奉太郎「じゃあ、里志を呼ぶからとりあえず貸してくれ」
奉太郎「伊原。悪いが携帯がさっきの衝撃か何かで電源が入らん。
すぐに里志たちを呼んでくるから」
摩耶花「・・・・・・」
奉太郎「伊原、なぜ服をつかむ」
摩耶花「・・・・・・」
奉太郎「離してくれ」
摩耶花「・・・・・・」
摩耶花「最悪よ。携帯、この前買ったばっかりなのに」
奉太郎「ま、まあ、事情を話せば親も新しいものを買ってくれるんじゃあないか。
データだっていまは移せるんだろ?」
摩耶花「服もやぶけちゃったし。これお気に入りだったのよ」
奉太郎「まあ、伊原に似合う服ならいくらでもある。気にするな」
奉太郎「それぐらいじゃあ痕は残らないだろ。手当をすればすぐ治る」
摩耶花「……」
奉太郎(そう泣きそうな顔をしないでくれ。こういうとき里志ならきっと伊原を慰める
気のきいた言葉のひとつやふたつ出てくるんだろうが…。すまんな伊原)
摩耶花「ごめん折木。泣き言言っても仕方ないよね。
もう少し座ってたら、立てるぐらいになりそうだから。ちょっと待って」
奉太郎「やっぱり、無理するな。じっとしてれば耐えられるかも知れんが、
負担がかかればそうもいかないだろ。里志たちを呼んでくるから待ってろ」
摩耶花「そっ、それはだめっ!」
奉太郎「は?」
奉太郎「骨折してるかもしれないだろ。おとなしくしてろ」
摩耶花「もうちょっとしたら歩けるようになるわよ」
奉太郎「さっきから言ってるが、なってないだろ。それ以上悪くなったら―――――」
摩耶花「一人は怖いから嫌なの!わかりなさいよバカ折木!」
奉太郎(いや、まあそんなところだとは思ったが、それどころじゃあないだろう)
奉太郎「じゃあ、おぶってやるから」
摩耶花「へっ?」
奉太郎「おんぶだよ。ここでじっとしていたくないからな。
おかげですでに蚊に3か所刺された」
摩耶花「なっ、何言ってんのよ!」
奉太郎「なら、素直にここで里志たちを待て。来るまで10分もかからんだろう」
奉太郎(そしておれが楽だ)
奉太郎「おれと伊原じゃあ身長差がありすぎる。逆に足に負担がかかるだろ」
摩耶花「それはあんたがかがめばいいでしょ」
奉太郎「俺はお前に恭順した覚えは一切ない。それにかがんで歩くなんて俺の脚が持たん」
摩耶花「なによ使えないわね」
奉太郎「お前の言いたいことはわかった、里志呼んでくる」
奉太郎が立ち上がった瞬間、摩耶花がすぐさま奉太郎の腕をつかむ。
振り返ると、若干うるんだじと目で摩耶花が見つめていた。
奉太郎(どこまでも口が減らんやつだ)
奉太郎「ほら。座るから手を首にまわせ。まあ言わんでもわかるか」
摩耶花「こ…こう?」
奉太郎「よし、背中に体重掛けていいぞ。じゃあ立ち上がるからな」
さっき、絶対に抱きつかないって言った手前…悔しい上に恥ずかしい)
奉太郎(あいかわらず華奢で助かった。これなら、最後までおぶっていけそうだな)
奉太郎「歩くぞ」
摩耶花「……うん」
蝉と鈴虫の鳴き声の中に、奉太郎の足音が混ざっている。
摩耶花・奉太郎「」シーン
摩耶花「折木?」
奉太郎「ん?」
摩耶花「…………ごめん」
奉太郎「……気にするな。あれは仕方ない」
摩耶花・奉太郎「……」
摩耶花(どうしよう。ドキドキしてるの折木に伝わってないわよね……)
摩耶花「ねっねえ!」
奉太郎「うっ。急に大声出すなよ。びっくりするだろうが」
摩耶花「あっ、ご、ごめん」
奉太郎「」
摩耶花「」
奉太郎「なんだ、言わないのか?」
奉太郎「は?」
摩耶花「折木のこと、ほんの少し見直したって言ってんの!
あんた、今日に限っては頼りになる奴だったわ。むかつくけど」
奉太郎「さいで。そんなお言葉がもらえるなんて光栄だ」
摩耶花「なによ」
奉太郎「口さえ開かなければ、伊原は案外可愛らしい」
奉太郎(まあ、それじゃあ伊原らしくはないが)
摩耶花「懐中電灯で思いっきりぶん殴ってもいいかしら?」
摩耶花「それ褒めてないわよ。
それに、あんたの言い方じゃ私がみんなに嫌味言ってるみたいじゃない。
言うのはあんたに対してだけだし」
奉太郎「それなんだが、伊原に恨まれるようなことをした覚えはないぞ」
摩耶花「胸に手を当てて考えてみたら」
奉太郎「いや、考えてもわからんだろう。やめておく」
摩耶花「あんたね、ちょっとは、考えなさいよ」
頭にまわす可処分エネルギーはどこにもない。
おれのエネルギーが尽きたら、その場に置いていくかもしれん」
摩耶花「ちょっ、あんたさっきからそれずるいのよ!
お、置いていったら、ほんと一生恨んでやるんだから」
奉太郎(一生か…。そりゃあ、かなわんな)
奉太郎(疲れた)
500mの片道は意外にも往路より早く過ぎてしまった。
摩耶花はすぐさま青山荘に運ばれて、応急措置を受けたが大事にはならずに済みそうだ。
奉太郎(里志に見られたくないから降ろせとでも言われるかと思ったが、
伊原のやつ、最後までおとなしかったな。
それにしても、貴重な夏休みの数日間を怪我の治療で費やすなど伊原もかわいそうだ)
と、奉太郎が考えながら部屋の畳の上に寝転んでいると、
摩耶花の見舞いに行っていた里志が部屋に戻ってきた。
奉太郎「当然だ」
奉太郎(とはいえ、あそこでタヌキが飛び出してくるなんて里志も知るわけがないか…。
しかし、里志のやつなんでまたあの祠をコースに入れたんだ?)
奉太郎「ひとつだけ聞いていいか?」
里志「いいよ」
奉太郎「どうして神社で折り返すようにしなかったんだ?」
奉太郎「一応聞いておく」
里志「仕掛けも何もない肝試しだからね。
神社までだと変哲もない田舎道と、通り一遍の社殿しかない」
奉太郎「確かに神社までの道は意外に広かったしな。
肝試しと銘打ってなければ単なる夜道の散歩だ」
祠の寂れ具合とか、根元から折れた灯篭とか、
正直なところ、急な階段があるっていうのも一因だった。
まるで俗世から隔離されているような気がしたんだ」
奉太郎「なるほど里志の気持ちもわからんではない」
里志「仮に一人で、あの階段を上って祠へ行けと言われたら、
僕なら間違いなく躊躇する。僕の中ではあの祠あっての肝試しだったんだ」
奉太郎(筋は通ってるな…)ウーン
奉太郎「おいおい、こんな時に風呂に行くのか?」
里志「こんな時だからだよ。すこし落ち着きたいしね。
ところで、ホータローは摩耶花のお見舞いにはいかないのかい」
奉太郎「ここまでおぶってきたんだ。別に見舞う事もないさ。
それに、今日は伊原も俺の顔なんて見飽きただろうしな」
奉太郎「……まあ、考えとく」
里志「じゃあ、行ってくる」
奉太郎「ああ、あまり考え込みすぎて湯あたりするなよ」ニヤリ
里志「ははっ。肝に銘じておくよ」
奉太郎(見舞いねえ…。まあ、少しぐらい様子を見ておくか)
奉太郎「入っていいか?」
一瞬その場が静まりかえる。えるが出てこないので、おそらく部屋を空けているのだろう。
摩耶花「いいわよ」
奉太郎が入ると、布団を口もとまでかぶった摩耶花がいた。
奉太郎は摩耶花の枕もとに胡坐をかいて座る。
奉太郎「様子を見に来ただけだ」
摩耶花「ふーん。そうなんだ…」
奉太郎「足のけが、ひどくなさそうで良かったな」
摩耶花「まだわかんないけどね」
摩耶花「なによ、気持ち悪いわね。折木らしくない」
奉太郎「失礼なやつだな。俺だって心配ぐらいはする」
摩耶花「心配ねえ。折木にも人並みの感情が備わっているってことね」
奉太郎「お前は俺を何だと思ってるんだ」
摩耶花「そうだ、折木の服さ、私おぶったときに汚しちゃったでしょ。ごめん」
奉太郎「なんだよ急に、お前も十分気持ち悪い」
摩耶花「らしくない返しよ」
静寂が訪れて、二人の目がしばらく合った。気づけばどちらともなく笑いだしていた。
奉太郎はすっと立ち上がる。
摩耶花「あっ」
奉太郎「ん?」
摩耶花「ううん。なんでもないわ。折木……ありがとね」
奉太郎は振り返ることなく、手を挙げて答えた。
まだ畳にはわずかに温かみが残っている。
摩耶花(もう少し話がしたいなんて、言ったら折木どんな顔したんだろう)
摩耶花は目を閉じてそれ以上の思考をストップする。
それより先は考えてはいけないことだと思ったからだ。
鈴虫の音を聞きながら摩耶花は眠りについた。その顔には笑顔がうかんでいた。
間にちょいちょい、えると里志の会話が20レス分ぐらいあったんですが、がっつり削りましたw
それでところどころ、つぎはぎみたいになってるかも……。さーせん!
それでは、それでは、みなさまありがとうございました!
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摩耶花可愛いよ摩耶花
Entry ⇒ 2012.08.15 | Category ⇒ 氷菓SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
菫「君の心にシャープシュート!」 照「は……!?」
照「菫が部室に入った時からかな」
菫「最初からじゃないか!」
照「そうなの?」
菫「そうだろ!そして頼む!この通りだ、今のは忘れてくれ!」ドゲザー
照「それは無理」
菫「お願いします!」
照「忘れようにも、ほら動画撮ってあるから」
菫「」
はい
菫「うるさい」
照「頼むよ、もう一回だけ」
菫「うるさいだまれしね」
照「頼むって」
菫「うるさいうるさいうるさいうるさい」
照「……もう一回やってくれたら動画消すから」
菫「……本当か?」
照「本当だ(まあウソだけど)」
はい
照「消すって」
菫「本当に本当に本当に消すんだな?」
照「消すから」
菫「よし……」
照(こんなこともあろうかとあらかじめコピーしてあるから意味無いけどね)
菫「やるぞ…いいか?」
照「どうぞ」
淡「こんちわー」ガチャ
菫「きっ、君の心にシャープシュート!」カアァ
淡「えっ」
淡「えっと、菫先輩?」
菫「うわああああああああああああ」
淡「今のは…」
菫「聞くなああああああああああああ」
照(計画通り)
淡「テルー、今の何?」
照「あぁ、菫の必殺技(射殺)だよ」
淡「えぇー何それダサっ」
照「全くだ」
菫「死にたい」
淡「まぁまぁ」
菫「…」グスン
照(いやーしかし本当に菫をイジるのは楽しいな)
淡(ですね。見てるとこう…グッと来るものがありますし)
照(泣いてるときはネコミミみたいな髪が下向きになるんだな)
淡(新発見ですね。かわいいです)
菫「どうしてこんな…ウッウッ」グスン
照(かわいいなぁ)
淡(ですね)
照(立ち直ったかな)
淡(早いね)
菫「照ゥ!!」
照「どうかした?」
菫「とりあえず、動画消しといて」
照「あ、うん」ピッピッ
照(まあコピーしてあるけどね)
菫「淡ィ!」
淡「はい」
菫「今のは忘れろ」
淡(そんな無茶な)
照(実力行使か)
淡(助けてテルー!)
菫「聞いているのか?忘れろと言っているんだ」
淡「わ、わかりました」
淡(無理ですよ)
菫「そして照」
照「はい」
菫「言うまでもなく忘れろよ?でなければこいつで…」ギリギリ
照「はい。忘れます。だから射らないで」
菫「わかればいいんだ」スッ
照(こわかったなぁ)
淡(眼が本気だったね…)
照(それにしても…)
菫「…」
照(今はすました顔をしているアイツがさっきまであんなことをしていたと思うと…)
淡(やばいよテルー、笑っちゃいそう)
照(こらえろ!今笑ったら殺されるぞ)
淡(笑ってはいけない白糸台だね)
照(そういうこと言うなバカっ)
淡(むっ、バカって言った?)
照(やめろwwwww)
淡(ネコミミ魔法少女17歳シャープシューターすみれ)
照(やめろってwwwww)
淡(もしかしたら、家でもやってるかもしれませんね、真顔で)
照「まがおwwwwwwwwww」
菫「…」クルッ
照(やべっ)
淡(真顔でこっち見たwwwwwwwww)
SSSSSだ
照「いや、何も」キリッ
淡(この顔ですよ、いつも家でシャープシュートしてるときの顔)
菫「本当か?」
照「なっ、なんでも、ないっクッ」プルプル
菫「なぜ俯くんだ」
淡(シャーープシュートwwwww)
照「フフッ、なんでもないっからっ」プルプル
照(おねがいだからやめて淡wwwww)
照(危ない所だった)
淡(なかなかやるね、テルー)
照(お前のせいで死にかけたぞ)
淡(ごめんね、つい)
誠子「遅くなりました」ガチャ
照(やべっ、コマンドー来たwwwww)
淡「コマンドーwwwwwwww」
誠子「あ?」
淡(やべっ)
誠子「…」ジーーーー
淡(沈黙が恐い)
誠子「…」ジーーーー
淡(マジ恐い)
照(笑ったらHK91で撃ち殺されるぞ、ズドンと)
淡(不意討ちやめて!)
誠子「…」ジーーーー
誠子「…部活後に殺す」
淡「えっ」
照(似すぎィ!)
照(落ち着け淡。あれは誠子の持ちネタだから)
淡(持ちネタだったの!?)
照(うん、だから殺されるわけじゃないよ)
淡(よかった~)
照(そうだ、菫の完全版シャープシュート見る?)
淡(見る!)
照(ほら)ピッピッ
携帯「イクワヨ!コイノユミヤデキミノ…」パタン
照(やべっ音量が)
菫「ほう」ギュルン
照(180度回ってこっち見た…)
菫「おいィ?照ゥゥ??」ギュルンスタスタ
淡(戻ったけどこっち来た!逃げよ)
照(淡!裏切り者!)
菫「照ゥゥゥゥ??今のは何かなァ??」スタスタ
照(あばばばばば)
淡(菫先輩の背後に邪鬼が見える…)
菫「もしもし照ゥゥ????」スタスタ
照「いや、その」
菫「どうして消えてないのかな??どうして消えてないのかな??あははははっ」ケラケラ
淡(KOEEEEEEEEE!!)
菫「ちょっと貸してね」スッ
照「私の携帯っ」
菫「ん?」バキャァ
淡(片手ですかー!)
菫「正座」
照「ハイ」スッ
照「は、はい」ビクビク
菫「当然覚悟は出来てるよねェ?」ニコニコ
照「で、でも」
菫「あぁぁん!?」ダァン!
照「スンマセッ」ビクッ
菫「でもじゃねぇぞクソが!てめぇブチ殺されてぇのか?あぁぁ?」
照「」ビクビク
淡(マジかよ)
尭深「こんにちわ///」ガチャ
菫「」ギロリ
照「スンマセッ」
尭深「どうしたの…?」
淡「たかみーは関わらなくていいことだよ」
尭深「…?」
菫「さて照」ニコニコ
照「ハイ」
菫「お前には罰ゲームを受けてもらうとしようか」ニコニコ
照「ハイ」
菫「みんなで照にどんな罰ゲームをさせるか考えようか」ニコォ
淡(この笑顔は…)
誠子尭深(逆らえない…!)
菫「じゃあまず私から、そうだなぁ鉄の処女とかどうかな?」
照「死んじゃうよ!」
菫「あ?」ギロリ
照「スンマセッ」
菫「淡は何かある?」ニコォ
淡「(笑顔が恐いです)そうですね、一週間掃除当番とかどうですか?」
菫「なんだかんだこのゴミムシに迷惑かけられたでしょう?」
淡(そう言われれば…)
~入学当初~
淡(ここが白糸台麻雀部…目指せレギュラー入り!)
淡「失礼します」ガチャ
照「ちょwwwww菫、擬人化ラーメンみたいな奴が来たぞwwwww」
菫「」バキッ
照「アフン」
※ギザギザの上に正座して重り乗せられるやつ
照「やめてよ!」
菫「黙れよ」
照「スンマセッ」
菫「次は尭深、何かある?」
尭深「えっと…」
菫「遠慮しなくていいんだよ?ホラ、一年前のちょうどこの時期にコイツがやった事を思い出して」
尭深「一年前…」
尭深「はぁっ、はぁっ」タッタッ
尭深「玉露、部室に忘れちゃった…!」タッタッ
尭深「私の玉露っ…」ガチャ
照「菫ー私特製のお茶ができたぞー」ジョー
尭深「」
照「ん?尭深も飲むー?」
尭深「」
照「おーい、お茶。なんつってwwwww」
尭深「」
尭深(せっかくの玉露が台無し、しかも不味い)
尭深(あの時ほど人を恨んだことはない)
尭深(…その感情が蘇ってきた)
尭深「…※ファラリスの雄牛」
※簡単に言うと火攻め
菫「素晴らしい」
照「そんなに恨まれるような事なんてしてないよぉ」
尭深「は?」
照「スンマセッ」
誠子「私は特に…」
菫「何いってるの、コイツの事恨んでないの?」
誠子「まぁ…」
菫「呆れた…あんな持ちネタ勝手に持たされて恨んでないなんて」
誠子「…」ピクッ
菫「満更でもない感じ?コ マ ン ド ー さ ん」
誠子「…」ピクピクッ
誠子(最初は言われるのが限りなくイヤで)
誠子(あの時は事あるごとにイライラしていたんだった)
誠子(…憎い)
誠子(…この沸き上がる感情を忘れさせていたコイツが憎い!)ギロッ
菫「…で、何かある?」
誠子「当然。親指でも締めるか」
照「麻雀できなくなっちゃうよ」
菫「むしろ死ね」
照「スンマセッ」
菫「照?少しだけ情けをあげるわ」
照「えっ」
菫「四つの中からあなたが選ぶの」
菫「優しいでしょ?」ニコォ
照「ソッスネ…」
菫「鉄の処女、石抱き、ファラリスの雄牛、指締め」
菫「この四つから選ぶのよ」ニコォ
照「私…」
照「私は…」
菫「…」
照「菫、ごめん。騙してた。後で家にかえってペロペロしようと思ってたんだ。ごめんなさい!」
照「淡、ごめん。入学当初にラーメンの擬人化って言って本当にごめん!言い過ぎた」
照「尭深もごめん!尭深のって分かってて勝手に玉露使った。本当にごめん!謝っても謝りきれない」
照「誠子、毎日コマンドーって言ってごめん!嫌だったよね。本当にごめんなさい!」
照「みんな本当に本当に、ごめんっ!」ドゲザー
菫「…」
菫「…てる」
照「…え?」
菫「私は、土下座の無意味さを一番良く分かってる…!」
照「え?」
不意打ちすぎてワロタ
照「ちょ、ちょっと」
菫「どこであれ土下座ができる…!例えそれが…」
照「許してくれる流れじゃ…」
菫「肉焦がし…骨焼く…鉄板の上でもっ………!」ユビパッチン
鉄板「ども…」ジュー
照「なんで!?どこから!?」
菫「さあ…」
淡「さあ…」
尭深誠子「さあ…!」
照「ぐにゃ~」
\テルーゴハンヨー/
照「ゆ、夢か…」ドキドキ
照「まったく、どうなることかと思った」
\テールー/
照「はーい!今行くからー!」
照「…」
照「今日は誰をイジろうかな」
おわり
おつおつ
二部は多分ありません
あるとしたら次立てるスレがそれです
Entry ⇒ 2012.08.15 | Category ⇒ 咲-Saki-SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
やよい「今日は皆で遊園地にきました!」
美希「流石はデコちゃんなの!」
亜美「うんうん、いおりんの太っ腹ぶりときたら」
真美「天井知らずですなぁ~」
伊織「い、いいのよ別に、そんなの。単にこの遊園地がうちの系列ってだけのことじゃない」
美希「うんうん。ミキは懐の深い友達を持って幸せなの」
伊織「も、もう……わかったからそのへんにしときなさい。恥ずかしいじゃないの」
亜美「あれあれ、いおりんったら照れちゃって」
真美「かわゆいですなあ~」
伊織「も、もう! 年上をからかうんじゃないわよ! 亜美! 真美!」
響「…………」
美希「なんか浮かない顔してるの」
響「あ、いや……その……」
伊織「? 何なのよ? 響。もしかして、お腹でも痛いの?」
響「ち、ちがうぞ! えっと、その……伊織には、今日誘ってくれたこと、自分もすっごく感謝してるんだけどさ……」
伊織「?」
響「その……このメンバーって、どういう基準で選んだんだ?」
伊織「えっ?」
響「……と、いうと?」
伊織「遊園地に行って、喜んで遊びそうなメンバーよ!」
響「うぐっ……。や、やっぱりそうなのか……」
やよい「? 響さん? どうしたんですか?」
美希「響が何故かダメージを受けているの」
亜美「ふむ……これはどういうことですかな?」
真美「もしかして~。ひびきん、乗り物弱いとか?」
響「そ、そうじゃなくて……」
伊織「? 何なのよ?」
やよい「へ?」
美希「なんでなの?」
響「いいから!」
亜美「? よくわかんないけど、亜美達は中一だよ→」
やよい「私は中二ですー」
美希「ミキは中三なの」
伊織「私も中三よ。それがどうかしたの? 響」
響「うぅ……ほらぁ……」
伊織「?」
響「伊織ぃ……自分は、高二なんだぞ……」
伊織「? 知ってるわよ、そんなこと」
響「だからあ……」
伊織「?」
伊織「!?」
やよい「なっ……!」
美希「っ!?」
亜美「な……」
真美「なん……だと……」
伊織「あ、ああ、そ、そういう……こと……」
やよい「そう言われてみればそうでしたね……」
美希「ぜんっぜん気付いてなかったの……」
亜美「何の違和感も無かったよね」
真美「違和感仕事しろ→」
響「うぅ……皆ひどいぞ……自分、皆より、お姉さんなのに……」
伊織「ま、まあいいじゃない……響、遊園地好きでしょ?」
響「ぐすっ……お、沖縄には遊園地ってなかったからわかんないけど、楽しそうだなとは思うぞ……」
伊織「ほ、ほら! ならいいじゃない!」
響「で、でもでもぉ……なんかこう、自分、高校生なのに、中学生の皆と同じ扱いなのかなって思ったらなんか……」
亜美「あー、ひびきんが拗ね拗ねモードに入っちゃったねぇ」
真美「可愛いから許す」
中学生組に交じっても小さい響ちゃん
響「あー! 今……今子どもっぽいって言ったー! うわあああん!!」
美希「あーあ。デコちゃんったらいーけないの。いけないの」
亜美「いーやーや」
真美「こーやーや」
伊織「ちょ、ちょっと! 黙りなさいよあんた達! え、えっとね響、今のは、その、言葉のあやっていうか……」
響「うぅ……も、もういいんだぞ……」
伊織「響?」
響「じ、自分……本当は皆よりお姉さんだけど……でも、あんまりそういう風には思われてないって、なんとなく気付いてたし……ぐすっ」
伊織「い、いや、だからね響。えっと、その……」
というより律子が意外と小さいと言うべきか
響「!? やよい……?」
やよい「響さんはちゃんとお姉さんです!」
響「い、今更そんなこと言ったって……」
やよい「だって響さん、私より背、高いですもん!」
響「!?」
やよい「だから響さんは、立派なお姉さんです!」
響「や、やよい……!」
やよい「ね? 響さん?」
響「う、ううっ……や、やよい~~!!」
やよい「きゃっ、ひ、響さん……」
響「うぅ~、ありがとお~、やよい~!!」
やよい「ふふっ。いいんですよ、響さん。だからもう、泣かないでください」
響「うんっ……! ありがどお、やよいぃ……ぐずっ……」
やよい「ふふ。よしよし」
やよい「いえいえ。あ、響さん。お鼻が出てますよ。はい、ちーん」
響「ちーん」
亜美「…………」
真美「…………」
伊織「……えっ、と」
美希「……ミキ的には、もうそろそろ出発したいなーって思うな」
亜美「ミキに同じ!」
真美「それを言うなら右に同じ、でしょ→」
亜美「あ、間違えちゃったよ~てへぺろ!」
真美「あはははは」
亜美「あはははは」
響「? 亜美に真美、何笑ってるんだ? なんかバカっぽいぞ」
亜美「…………」
真美「…………」
美希「ミキ的には、やっぱりジェットコースターかな~」
亜美「うんうん、やっぱ最初からガンガンいかないとね☆」
真美「基本っしょ→」
響「……ねぇやよい、ジェットコースターって、あの、ゴーッていくやつだよね?」
やよい「はい、そうですよー! あっ! 響さん! あれじゃないですか?」
響「えっ」
ゴーッ キャー キャー シヌー フォカヌポォー
響「…………」
美希「よーっし! じゃあ速く走って並ぶのー!」
亜美「あー! ミキミキ待ってよ→」
真美「フライングはずるいよミキミキ→」
伊織「こらこら。急がなくたって、並ばずに乗れるわよ」
亜美「あ、そっか!」
真美「流石は水瀬家の力ですなあ」
伊織「う、うるさいわね……もう」
美希「でもでも、せっかくだから競争なの! ビリの人は後でジュースおごりなの!」
亜美「うぇっ!?」
真美「ちょ、おま」
美希「じゃ、そーゆーことで! よーい……スタートなの!」
亜美「あーっ!」
真美「待ってよミキミキー!」
伊織「もー! いきなりそういうこと言うのはやめなさいっての! こらー! 待ちなさーいっ!」
響「…………」
やよい「響さん?」
響「え? あ、ああ……ど、どうしたんだ? やよい」
やよい「どうしたんだって……皆、とっくに走って行っちゃいましたよ?」
響「え? あ、ああ……」
やよい「美希さんが、ビリの人はジュースおごりだーって。だから響さん、早く私達も行きましょー!」
響「い、行くって……あ、あの、ジェットコースターのとこに……か?」
やよい「? そうですよー? ほら、早くしないと、ビリに……」
響「ぐ……ぐわあああっっっ!!!」
やよい「!? ひ、響さん!?」
やよい「う゛ぅえ゛っ!? ど、どーしたんですかあ!?」
響「え、ええっと、その、自分、あ、足が……」
やよい「あ、足? 足が痛いんですか?」
響「そ、そうなんだ……だからやよい、ここは自分に任せて、先に……」
やよい「そんなことできません! 響さん、怪我なら救護室に行かなきゃ!」
響「えっ! い、いやいいんだやよい、そういうのは……」
やよい「めっですよ、響さん! 怪我はちゃんと治療しなきゃ、悪化しちゃいます!」
響「い、いや、えっと、自分のこれはその、古傷的なアレで……」
やよい「?」
響「だ、だからやよい、その、自分の事はいいから、先に……」
伊織「ちょっとあんた達。何やってんのよ」
響「あっ」
やよい「伊織ちゃん。どうしたの?」
伊織「どうしたのじゃないわよ。いつまで経っても来ないから、様子見に来たのよ。ほら、美希達が待ってるから早く……」
伊織「? 足?」
響「う……」
伊織「…………」
響「…………」
伊織「……なるほど、ね」
やよい「?」
伊織「ちょっと待ってなさい」
ポパピプペ
伊織「もしもし美希? うん、悪いんだけど先に乗ってて。うん。ええ、後で合流するから。うん。また連絡するわ。じゃあね」
ピッ
響「伊織……」
伊織「まったく、もう、手間掛けさせんじゃないわよ」
響「あ、ありがとう……伊織……」
やよい「?」
響「そ、そうだな」
やよい「でも響さんが足痛いから、あんまり激しくないのがいいんじゃないかなあ」
響「そ、そうだったな」
伊織「そうねぇ……じゃああれなんかどうかしら」
やよい「メリーゴーランド……」
伊織「あれなら、響“の足”も、大丈夫なんじゃない?」
響「お、おう! そうだな!」
やよい「うっうー! じゃああれに乗りましょー!」
響「あっははは! 楽しいなあ!! あっははは!!」
やよい「うっうー! 私も、すーっごく楽しいですー!」
伊織「もう、二人とも子どもみたいなんだから……ふふっ」
響「ふ~、楽しかったあ」
やよい「私もです! 初めて乗ったけど、こんなに楽しいなんて知りませんでしたー!」
響「えっ。やよいも初めてなのか? メリーゴーランド」
やよい「はい。私の家貧乏だから、今まで遊園地なんて来たことなくって……」
響「……そっか」
やよい「……はい」
伊織「ちょっとほら、何しんみりしてんのよ。次行くわよ、次!」
やよい「……ふふっ。伊織ちゃんも、なんだか楽しそうですー」
響「……だな」
やよい「ふふっ。なんでもないですー。ね、響さん」
響「うん、なんでもないぞー」
伊織「? 何なのよ、もう……ほら、着いたわよ」
響「お、次はなんだーって……え?」
やよい「あーっ! お化け屋敷ですー!」
響「…………」
伊織「ふっふっふ。このお化け屋敷はね、この遊園地で一番のウリなんだって。めっちゃくっちゃ怖いらしいわよ」
やよい「うえー!? そうなのー!?」
伊織「ま、パパから聞いた話だけどね。私も入るのは今日が初めてよ」
やよい「そーなんだー。大丈夫かなあ……」
響「…………」
伊織「まあそうは言っても、所詮は子供だましの作り物……って、響?」
響「……え? ど、どうしたんだ? 伊織?」
響「う……」
伊織「……これ“も”ダメなわけ……?」
響「う、うぐっ……」
やよい「……も?」
伊織「あっ」
やよい「も、って、どういう……」
響「なっ、ななななんでもないぞ、やよい! さー! 早く入ろうか!」
やよい「わっ! ひ、響さん、引っ張らないでくださいー!」
伊織「あ、ちょ、こらっ。待ちなさ……」
伊織「デコちゃん言うな! って、あら、あんた達も来たの?」
亜美「絶叫系三つ続けて乗ってきたとこだよ→」
真美「そろそろいおりん達と合流しようと思ったら、ちょうどいおりんが見えたってわけ」
美希「デコちゃんのおでこはよく光るから見つけやすかったの」
伊織「だからデコちゃん言うな! しかも何がよく光るよ! 失礼ね!」
亜美「……って、ひびきんとやよいっちは? いおりん」
伊織「えっ? 二人なら……あれ?」
真美「いないよ→?」
伊織(あ、あのまま入っちゃったのね……)
美希「もしかしてデコちゃん、迷子なの?」
伊織「違うわよ! 二人はここに入ったの! そこにあんた達が来たから……」
真美「うんうん! お化け屋敷とか、チョー久しぶりだし楽しそ→」
美希「ミキも早く入って涼みたいの」
伊織「えっ、あっ……(でも今入って、もし追いついたりしたら……)」
亜美「? どしたの? いおりん?」
真美「あれあれ~もしかしてぇ、いおりんてば怖くなっちゃったのかな? かな?」
伊織「ち、違うわよ! 何で私が!」
美希「じゃあ早く入ろうなの……ミキは暑くて溶けそうなの……」
伊織「い、言われなくても入るわよ、ほら」
亜美「わ→い」
真美「おー! すずしー」
伊織(まあ……大丈夫よね……。 やよいも一緒なんだし……うん……)
ベロベロバー
響「ぎゃああああああああ!!!!」
やよい「わあっ! ……なんだ、ちょうちんかあ。びっくりしたあ」
響「うぅぅぅ……やよいぃ、怖いよぉ……」
やよい「大丈夫ですよ、響さん。ほら、これただのちょうちんです」
響「うぅっ……もう帰りたいよぉ……」
やよい「響さん……」
響「ぐすっ、ご、ごめんねやよい……さっきから、こんなんばっかで……」
やよい「いえいえ。全然大丈夫ですよー」
響「じ、自分、お姉さんなのに、こんな……ぐずっ」
やよい「あ……(そういえばそうだった……)」
やよい「響さん……そんな、気にしないでください。誰だって苦手なもののひとつくらい、ありますから」
響「…………」フルフル
やよい「? 響さん?」
響「ひ、ひとつじゃないんだ……」
やよい「え?」
響「さ、さっき、ジェットコースター乗る前に、足痛いって言ったけど……あ、あれ、ウソなんだ……」
やよい「……えっ」
響「ホントはさ……怖かったんだ、ジェットコースター……」
やよい「……それならそうと言ってくれれば、別に……」
響「…………」フルフル
やよい「響さん……」
響「……自分、やよいよりお姉さんだから、その、そういうカッコ悪いとこ、やよいに見せたくなくて……」
やよい「…………」
やよい「……響さん」
ギュッ
響「! や、やよい……」
やよい「大丈夫ですよ」
響「やよい……」
やよい「心配しなくても……響さんは、元々カッコ悪いところもありましたから」
響「うんうん……って、ええっ!?」
やよい「……ふふっ。やっぱり、気付いてなかったんですね」
響「う、うん……。自分では、完ペキなつもりだったんだけど……」
響「うぐっ……」
やよい「それに、鼻ちーんしてもらったりとかも」
響「うぅ……」
やよい「でも」
響「?」
やよい「私は、そういう響さんの方が好きです」
やよい「完璧じゃなくても。カッコ悪くても」
響「…………」
やよい「もう高校二年生なのに、妙に子どもっぽくても。それで実際に子ども扱いされて、拗ねちゃったりしても」
響「う…………」
やよい「拗ねちゃった挙句、泣いちゃったりしても。さらに泣いちゃった挙句、年下の私に鼻ちーんしてもらったりしても」
響「う、うぐ……」
やよい「ジェットコースターが怖くても。しかもそれを隠すために、また子どもみたいなウソをついたりしても」
響「あ、あうぅ……」
やよい「さらにお化け屋敷も怖くて、そのうえまたそれを隠そうとして、無理やりそこに入ったりしても」
響「や、やよい……もうそのへんで……」
やよい「でもいざ入ってみたらやっぱり怖くて、私に泣きついたりしても」
響「や、やよい~……」
響「?」
やよい「……それでも最後は、そういう自分の弱いところを……カッコ悪いところを全部、私に見せてくれる。……さらけ出してくれる」
響「……やよい……」
やよい「だから私は、そういう響さんが好きなんです」
響「……………」
やよい「私は、何もかも完璧にこなしちゃう響さんよりも……自分のカッコ悪いところ、全部認めて、さらけ出して……こうやって泣いてる響さんの方が……ずっとずーっと、カッコイイって思います!」
響「ほ、本当……? やよい……」
やよい「はい!」
響「そ、そっか……ぐすっ」
やよい「だから響さん。もう無理に、お姉さんぶらなくてもいいんですよ」
響「……でもそこはお姉さんでいたい」
やよい「そ……そうですか」
やよい「……じゃあ化け屋敷の残りの順路、私の前に立って進んでくれますか?」
響「…………」フルフル
やよい「もう、困ったお姉さんですね」
響「……ごめんね、やよい……」
やよい「ふふっ。大丈夫です。今私、すっごく嬉しいですから!」
響「? そうなの?」
やよい「はい! ほら響さん、早く行きましょう! 伊織ちゃんが来ちゃいますよ」
響「あ、ああ、そうだな! 行こう! やよい!」
やよい「……って言いながら、しっかり私の背中に隠れるんですね……」
響「……だって怖いんだもん」
やよい「くすっ。はいはい。じゃ、行きましょー!」
響「あ、ま、待ってやよい。もうちょっとゆっくり……」
亜美「あ→! 出口だよ→」
真美「うお、まぶしっ」
美希「結構長かったの……もうお腹ペコペコなの」
伊織「パパが言うだけあって、なかなか迫力あったわね~(響は大丈夫だったのかしら……。結局追いつきはしなかったけど……)」
美希「あ、響とやよいなの!」
伊織「えっ」
響「あれー? 美希達も入ってたのかー?」
美希「うん。さっき、ここの入り口でデコちゃんと合流したの」
伊織「だからデコちゃん言うなっての!」
やよい「そーだったんだあ」
真美「ホントだ~。てっきり、泣き疲れてグロッキー状態だと思ったのに~」
響「だ、誰が泣くんだぞ! 失礼な!」
真美「んっふっふ~? 別に真美は、ひびきんが泣いてたなんて言ってないよ→?」
響「う、うぐっ……。そ、それならいいけど……」
伊織「はいはい、いつまでやってんの。もうそろそろお昼にするわよ」
やよい「わーい! お昼ごはん楽しみですー!」
美希「ミキはおにぎりが食べたいの!」
伊織「じゃあ皆、園内のレストランに移動するわよ」
亜美「ほ→い」
真美「もうお腹ぺこちゃんだよ→」
響「そうだな~。自分はやっぱり、ゴーヤチャンプルーとかかなあ」
やよい「あはは、響さんらしいですね!」
響「うん、自分、やっぱり好きなものが好きだからな!」
やよい「? どういうことですかあ?」
響「いや、なんていうか、好きなものは好き、苦手なものは苦手、って、なんか……それでいいのかなって」
やよい「響さん」
響「やよいのおかげで、なんか気付けたんだ。好きなものも苦手なものも、全部、思ったままに受け入れたらいいんじゃないかなって。それでどうするかは、それから考えたらいいんだって」
やよい「はい! 私も、そう思います!」
やよい「いえいえ、そんな、私なんて何もしてないです」
伊織「ちょっと響、やよいー? 何二人で話し込んでるのよ! 置いてっちゃうわよー?」
やよい「あ、待って-伊織ちゃん! ほら、響さんも早く!」
響「よーし! じゃあやよい、レストランまで競争だぞ! よーい、どん!」
やよい「あー! そんないきなりずるいですー! 待ってくださいー!」
響「待ったら競争にならないだろー!」
やよい「うっうー! そういうこと言うなら、さっきのこと皆に話しちゃいますよー?」
響「わーっ! そ、それはだめーっ! じ、自分のお姉さんとしての威厳があっ!」
やよい「じゃあそこで止まってくださーい! はいすとーっぷ!」
響「うぅ……やよいは結構強引だぞ……」
やよい「何か言いました?」
響「な、なんでもない……」
響「だってやよいが……」
伊織「やよいがどうしたの?」
やよい「…………」ジー
響「……なんでもないぞ」
やよい「くすくす」
伊織「?(……何があったか分からないけど、ま、取り越し苦労だったみたいね)」
亜美「も→、三人とも遅いよ→!」
真美「早く早く→!」
美希「ふふっ。早くしないと、ビリの人はジュースおごりなの。よーい、ドン!」
伊織「うえっ! また!?」
亜美「も→、相変わらず唐突すぎだよミキミキ→」
真美「汚いなさすが星井きたない」
響「よーし! 任せろやよい!」ギュッ
やよい「えっ?」
響「自分、足の速さには自信あるからなっ! それそれそれーっ!」
やよい「わー!? ひ、響さん、ちょ、まっ……」
亜美「うにゃーっ! ひびきんが凄まじい勢いで迫ってくるーっ!」
真美「しかもやよいっちを引っ張りながら……だと……」
美希「ふふふっ。流石は響。相手にとって不足はないの!」
伊織「……ったく、もう。皆子どもなんだからっ。こら、待ちなさーいっ!」
響「……自分、お姉さんだからなっ」
やよい「……え?」
響「……だから、その、やよいは……安心して、自分についてくればいいさー!」
やよい「…………」
響「……やよい?」
やよい「……はいっ!」
響「よーし! じゃあ一気にごぼう抜きだーっ! それそれそれーっ!」
了
乙!
いいね! 乙!
えがった
Entry ⇒ 2012.08.15 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)