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岡部「961プロ…?」
黒井「ウィ。その通りだ岡部とやら…貴様には何か光るものを感じたのでな」
岡部「俺が街中でスカウトされてホイホイついていく男だと思うのか?」
黒井「貴様、今の芸能界を何と見る?」
岡部「……闇の陰謀が渦巻く、混沌の極み」
黒井「…その通りだ岡部よ、そしてその混沌をお前の手で収束させたいとは思わんか?」
岡部「……なに?」
黒井「貴様の言った通り、今の芸能界はどこぞの者とも知れぬ奴らがはびこっている」
黒井「…その芸能界で、自らの力を示してみたいとは思わんか?」
岡部「……!!」
ゴロゴロゴロ ピッシャーン(雷の音)
黒井「ならばその力をわが961プロで…」
岡部「…いい、それ以上言うなMr.ブラックよ」
黒井「ほう」
岡部「…芸能界は混沌の極み、その道のプロフェッショナァルの貴方が言うのなら間違いないのだろう」
岡部「……だがMr.ブラック、俺が求めるものは統治された未来ではない」
岡部「なんだか分かるか?」
黒井「…言ってみろ」
岡部「更なる混沌だよ、Mr.ブラック」
黒井「……!!」
ゴロゴロゴロ ピッシャーン(雷の音)
岡部「…よかろう、この狂気のマァッドサイエンティスト!鳳凰院凶真がっ!!」
岡部「芸能界に更なる混沌を導いてやるっ!!!」ブワサッ
黒井「…くく、やはり私の思った通りだよ、岡部…いや、鳳凰院凶真」
岡部「フフ……」
黒井「フハハ……」
岡部・黒井「フゥーハハハハハハ!!!!!」
黒井「ゲホッ!ゲホゲホッ!」
岡部「Mr.ブラック、無理はいけない」
黒井「ふむ…すまんな」
岡部「知的のど飴だ」
黒井「うまいな」ペロペロ
黒井「おお冬馬か…問題ない、少し咳こんだだけだ」
冬馬「頼むぜ、俺のデビュー前に倒れられたら俺が困るんだからよ」
黒井「その件だが…お前のプロデュースはこの男がする」
冬馬「…誰だよ、この頼りないオッサンは」
岡部「おっさ…!……ゴホン!いいか、よく聞けぇ!」
冬馬「!?」
岡部「俺の名前は、フェニックスの鳳凰に院!それと凶悪なる真実で!」
岡部「ふぉおうおういんgきよおうまだ!よぉく覚えておけ青二才!」
冬馬「ぅぐっ…!」
冬馬(なんて言ったか聞き取れなかったけど…)
冬馬(…なんかカッケーじゃねえかっ!!)
冬馬「だ、だけどよ…こいつ素人なんだろ?大丈夫なのかよ」
岡部「案ずることはぬわぁい!なぜなら俺は世界を混沌に導く男!」
岡部「ならば芸能界を更なる混沌に導くことなど造作もあるまい!違うか!?」
冬馬「…そうだな!その通りだ岡部のオッサン!」
岡部「岡部ではない!鳳凰院凶真だっ!」
冬馬「分かったぜ凶真!」
岡部「ふむ、いい返事だ…よかろう、俺と貴様が組めば…」
冬馬「楽勝、だぜ!」
岡部「む…い、意外と熱い男なのだな…」
冬馬「さぁ!さっそく俺をプロデュースしてくれよ凶真!さぁ!」
岡部「う、うむ…」
岡部(いかん、けっこうこいつ苦手なタイプかも)
冬馬「ああ!今すぐにでもレッスンに行きたい気分だぜ!」
岡部「だが焦るな冬馬よ、まずは作戦を練らねばならん」
冬馬「作戦?」
岡部「ああ…何事にもやはり入念な準備は必要なものなのだ」
黒井「その大局を見る力…やはり私の見込んだ通りのようだ」
岡部「明日の朝10時、またここに来る…そのときに完璧な作戦を披露しよう」
冬馬「分かったぜ凶真!明日から俺たちのビクトリーロードが始まるんだな!」
岡部「それでは…エル・プサイ・コングルゥ」
黒井「アデュー」
岡部「……うむ」
ダル「で、僕達に助けを求めに来たってわけ?」
岡部「うむ」
ダル「甘い!甘いぜオカリン!勝手に面倒なことを引き受けといて他人様に迷惑をかけるなんて」
岡部「フェイリスのセーラー服コスプレ写真」
ダル「僕に出来ることならなんでもするお、オカリン」
岡部「頼りにしているぞ、マイフェイバリットライトアームよ」
紅莉栖「ハァ…男ってみんなこうなのかしら、あほらし」
岡部「んん?なぁにか言ったか、助手よ」
紅莉栖「だから助手じゃないって言っとろーが!」
まゆり「……」チクチク
岡部「ぬわぁいっ!」ブワサッ
紅莉栖「なんでそんな自信満々なのよ…」
岡部「ククク…なぜなら俺は!世界を混沌に導く狂気のマッド(ry」
紅莉栖「分かった分かった…なら作戦を立てるうえでも、まずはメンバーを教えなさいよ」
岡部「んん?実は仲間に加わりたかったのではないか、助手よ」
紅莉栖「んなっ…!そ、そんなわけあるかバカ岡部!」
ダル「リア充爆発しろ」
岡部「…む?まゆりはまた縫い物か?」
まゆり「んー…今度コスプレイベントがあるのです、るかくんに着てもらおうと思って…」チクチク
岡部「ふむ、そうか…ならばこちらの作戦への参加は無理強いすまい」
岡部「うむ、これがプロフィールだ」
紅莉栖「ふむん…天ケ瀬冬馬、か」
ダル「なんだ男かよ、そっ閉じ余裕ですた」
岡部「一度決めたことを無かったことにするのは俺の主義に反するのでな、なんとしても成功させる」
紅莉栖「…やっぱり、アイドルって言ったらグループで活動するのが普通なんじゃないの?」
ダル「うーん、今大人気の魔王エンジェルとかも3人組だもんなあ、そっちの方が良いと思われ」
岡部「ふむ、なるほど…助手よ、貴様もたまには良いことを言うではないか」
紅莉栖「べ、別に思ったことをそのまま…って、“たまには”とはなんだ“たまには”とは!」
岡部「よし!明日は早速メンバー探しに行くぞ!」
紅莉栖「人の話を聞けぇ!」
冬馬「…これが凶真の言う、ラボメンってやつらか?」
岡部「ああそうだ!どいつも有能にして忠実なわがしもべであり…」
ダル「オカリンオカリン、前置きはいいから」
岡部「む…ゴホン!それでは今日は、アイドル候補となるメンバーを探しに行く!」
冬馬「ま、待てよ凶真!別に俺一人でも…」
岡部「いいか、まずはこれを見るのだ冬馬よ」ピラッ
冬馬「…?」
岡部「これが今後のプランだ」
冬馬「す、すげぇ!俺の分析に始まり、それを補うために必要な要素!そしてトレーニング法までもが考えられていやがる!」
紅莉栖(昨日夜遅くまで2人でなにを作っていたかと思えば…)
ダル(正直フェイリスたんの写真1枚じゃ足りないってばよ)
冬馬「…わからねえ、わからねえよ凶真…!」
岡部「仲間の大切さ、だ」
冬馬「!!」
岡部「これは俺一人で作ったものではない…そこにいるスーパーハカー、ダルの尽力無しには完成しなかった」
ダル「スーパーハッカーな」
岡部「そして医学的見地に基づく効果的なトレーニング…それは助手が考えたものだ」
紅莉栖「ま、一般的な見解をデータ化しただけどね?あと助手ってゆーな」
岡部「人は一人ではなにも出来ない…貴様とて然りだ、冬馬」
冬馬「……」
岡部(…む?)
冬馬「俺は地方から上京してきて一人でビッグになってやるって決めたんだ!他のメンバーなんていても邪魔なだけだ!」
ダル「厨二病、乙!」
紅莉栖「ちょ、橋田…!今そんなこと言う場面じゃ…!」
岡部「冬馬」
冬馬「……なんだよ」
岡部「お前のプロデューサーは俺だ、少なくともアイドル業に関しては俺に従ってもらう」
冬馬「うぐっ…!」
紅莉栖「…岡部……」
冬馬「…分かったよ!ただし、俺を納得させられるようなメンバーを連れてこいよな!」
岡部「ああ、約束しよう」
ダル「んー、なんかあの冬馬くんと前のオカリンが、どこか似てるんだよね」
ダル「冬馬くんみたいなこと言ってる人を見たら、間違いなく説教するなーって思っただけだお」
紅莉栖「……そっか」
紅莉栖(…私は岡部と出会ってからまだ1週間くらいしか経ってない、あいつのこともほとんど知らない)
紅莉栖(……前の世界線がどうとか言われても、私にはなにも…)
「おい助手!早く来ないと置いていくぞ!」
紅莉栖「…へ!?あ、い、今行く!」
紅莉栖(でも、確実に私はこの世界線にいるし、あいつも目の前にいる)
紅莉栖(…とりあえず今は、日本での生活をエンジョイしようかしらね)
紅莉栖「待ちなさいよ岡部ー!」タッタッタ
chapter 1 『自尊感情のビッグディッパー』
岡部「というわけで街中に着いたぞ!」
ダル「で、まずはどんな人を探すの?」
冬馬「このプランによると…頼れる兄貴分みたいな存在か」
紅莉栖「そんな人が簡単に見つかるわけ…って、あれ漆原さんじゃない?」
岡部「む、確かにあれはルカ子だが…こんな街中で金髪の男と一体何を」
ダル「…どう見てもナンパだと思われ」
北斗「ねえキミかわいいね、俺とお茶でもどう?」
るか「え…あ、あの…ボク、その…」
北斗「自分のことボクって言うんだ!俺の好みド真ん中だよ!」
るか「こ、困りますぅ…」
北斗(最近は成績悪いしなぁ…この子も反応良くないし)
岡部「おいルカ子よ、こんなところで何をしている」
北斗「!」
るか「あ、おか…じゃなくて、凶真さん!え、エル・プサイ…」
岡部「ええい!それは別れの挨拶だと言っとろーが!」
北斗「えーっと…お嬢さんの知り合いかな?」
紅莉栖(一応確認しておくけど、お嬢さんではないのよね?)
ダル(いや、これは金髪兄ちゃんが悪いわけではないお)
冬馬(助手さんといいこのルカ子さんといい…凶真の知り合いにはイケてる女が多いなぁ…)
北斗「あははっ…ずいぶん面白いんだね」
岡部「して青年よ、こんな時間にナンパとは精が出るな」
北斗「サンキュー、まあ夜の仕事だしね…早起きしてもやることが無いのさ」
岡部「夜というと…ホストかなにかか?」
北斗「ご明答、そんな感じさ」
岡部「灰色の脳細胞を持つ俺からすればこんな簡単な問題はクイズにもならん」
北斗「はは、見たところ科学者、いや理科の先生かな?白衣なんて着てるし」
ダル(オカリンと普通に会話している…金髪ホスト、恐ろしい子!)
紅莉栖(いや、私からしたら普段アンタたちと会話してるメイド喫茶の人の方がすごいと思う)
るか(一体何が起こっているんだろう…)
北斗「ああ…それがなにか?」
岡部「…アイドル、やってみる気はないか?」
北斗「アイドル?なんでまた」
岡部「実はこういうわけでな…」
……
北斗「なるほど…それでメンバーを集めている、と」
岡部「ああ、見たところ貴様はホストをやるだけのルックスをしている」
岡部「あとは貴様のやる気次第だ」
北斗「……やる気、ねえ」
岡部「む、どうした冬馬」
冬馬「俺は反対だぜ、こんなチャラチャラしてるやつ」
北斗「…へぇ、初対面の割にけっこうハッキリ言うね」
冬馬「アイドルってのは甘い世界じゃねえ…中途半端な気持ちで来られても困るだけだ」
北斗「ならキミはどれくらい本気でやってるのか、ここで証明できるかい?」
冬馬「ああ、当然だ!見てろ!」バッ
岡部「お、おい冬馬!突然踊りだすな!」
ヤダーナンカオドッテルー アキハバラッテコワーイ デモカッコイー
紅莉栖(は、恥ずかしい…!知り合いと思われたくない…!)
ダル(でもとりあえずここにいる牧瀬氏マジツンデレ!)
北斗「…驚いた」
冬馬「…へっ!俺のダンスに言葉も出ないってか!」
北斗「周り見てごらんよ」
冬馬「へ?」
女1「きゃーこっち向いたー!写メ撮っちゃうー!」
女2「汗だくー!汗だくたまんなーい!」
冬馬「お、おい女ども!見せものじゃねえんだ、失せろ!」
キャーキャー ガッタイシターイ ムゲンパンチッテイッテー
北斗(何かに一生懸命打ち込む、か)
北斗(…今までの俺の人生に、そんなのあったかな?)
北斗「ま、彼のダンスは認めざるを得ないね」
岡部「…これで貴様がアイドルにならないと言うのなら、俺は無理には誘わない」
北斗「……アイドルになれば」
北斗「アイドルになれば、もっと女の子にモテますかね?」
岡部「ああ、今のホストクラブがどれくらいの規模か知らんが…恐らくその比ではないだろうな」
冬馬「お、おい凶真!俺はそんなつもりでアイドルやってるわけじゃ…!」
岡部「知っている、だがきっかけなど些細なもので構わない」
岡部「大事なのはそいつが物事に対してどれだけ真剣に取り組んでいるかだ、違うか?」
冬馬「ち、ちがわねえ…っ!」
ダル(冬馬くんチョロすぎワロタ)
北斗「なにより、こんなボウヤにバカにされたままじゃ俺のプライドが許さないんでね」
冬馬「んなっ…!誰がボウヤだ!」
岡部「ええい、うるさい!とにかくこれで2人目を獲得したのだ!」
岡部「さっさと3人目を探しに行くぞ!」
るか「あ、あの凶真さん!ありがとうございました!」
岡部「む?ああ気にするな、ラボメンの安全を守るのも俺のつとめだからな」
北斗「ごめんね迷惑かけちゃって…お詫びに今度お茶でもどうかな?」
るか「え!?あ、その…」
北斗「あはは、冗談だよ!でも、そんなところもかわいいなあ」
岡部(だが男だ)
ダル「ま、結局固まって行動するんだけどね」
紅莉栖「漆原さんはどうするの?」
るか「あ、ボクはまゆりちゃんと約束してるので…一回ラボの方へ行こうかと」
紅莉栖「そ、気を付けてね」
北斗「はは、まったく騒がしいな…ところで冬馬くん」
冬馬「あ?んだよ」
北斗「さっきの女の子の扱いを見るに…キミ、童貞だね?」
冬馬「」ギクッ
岡部「」ギクッ
ダル「」ギクッ
紅莉栖「童貞乙」
chapter 1 『自尊感情のビッグディッパー』 END
ダル「オカリン、なんで雷ネットABの会場なんて来たのさ」
岡部「いいか、雷ネットABは先を読み先を読み、頭脳を駆使する競技だ」
岡部「俺が次にアイドルユニットに必要だと考えるのは、先のことを見通す洞察力!」
岡部「すなわち雷ネットABでの上位成績者は、わが崇高なる計画に必要ということになるのだ!」
紅莉栖「こんなカードゲームに没頭している輩に、ダンスを踊れるとは思えないけどね」
ダル「ちょっと牧瀬氏、いくら牧瀬氏でも今の発言は見逃せないお」
冬馬「そうだぜ助手さん!雷ネットは実は子供向けというよりも、俺たちみたいな大人に向けた作品で、そこから派生したABも戦略と戦術が交差する熱い…」
ダル「え?」
岡部「え?」
冬馬「い、いや…なんでもねえ…」
紅莉栖(…なんだこの既視感……はっ!これがリーディングシュタイナー…!)
岡部「どうせ夜までヒマなのだろう、わがユニットの一員ならば当然の義務だ」
北斗「やれやれ、強引なお方だ」
ダル「うほっ!これは友情を超えた何かが舞い降りる予感…」
紅莉栖「んなわけあるか、このHENTAI」
冬馬(ば、バレてねえよな…?俺がキラリちゃんのフィギュアを持ってることもバレてねえよな…?)
フェイリス「凶真ー!」ダキッ
岡部「ぬおっ!?は、離れんかフェイリス!」
ダル「おほっ!フェイリスたんだお!こんなところで会えるなんて、なんという僥倖!」
フェイリス「ニャニャ!よく見ればダルニャンもクーニャンも…そっちのかっこいいお兄さんたちはどちらさまかニャ?」
フェイリス「ニャら、ホクニャンもフェイリスのお店に遊びに来るニャ!」
岡部「おい北斗、店はもうやめると約束したではないか」
北斗「そういえばそうだった、残念」
フェイリス「こっちのお兄さんはなんていう名前なのかニャ?」
冬馬「ああ!?俺は今それどころじゃ…」
冬馬「フェ、フェイリスさんだぁー!!」ズザー
岡部「え?」
ダル「え?」
北斗「え?」
紅莉栖「え?」
冬馬「フェイリス・ニャンニャンさんですよね!?俺ファンなんです!!」
フェイリス「ニャニャ~♪フェイリスもけっこう有名になったもんだニャ~」
冬馬「本物だ!すっげぇ!やっぱ東京はすご……」
冬馬「い…」
他のメンバー「……」
冬馬「……」
冬馬「…どうだった?俺の演技は」
岡部「ウェイウェイウェイウェイ」
ダル「これにはさすがのオカリンもツッコまざるを得ない」
chapter 2 『思春期のアパシー』
紅莉栖「そこから雷ネットABに興味を持ち始めて」
岡部「その道の第一人者であるフェイリスにたどりついた…と」
冬馬「そ、そうだ!決してメイドとかに興味があったわけじゃねぇからな!」
北斗「その割にはフェイリスちゃんのこと、そういう目で見てた気がするけどなぁ」
冬馬「んなっ…!テメェ勝手なことを…!」
フェイリス「そんニャこと言わないでほしいニャ~冬馬~」ギュッ
冬馬「あ…///」
岡部(これは違うところから入ったものの、今はメイドの方に興味津々のパターンだな)
ダル(典型的なアニオタのパターンだお)
紅莉栖(冬馬と凶真って響きが似てるわね…)
フェイリス「ニャニャ!今日はお仕事が休みだから、雷ネットの大会を見に来たニャ!」
ダル「まゆ氏も休みだったしなあ」
フェイリス「次の聖戦(ラグナロック)を戦い抜くためにフェイリスは次代の才能を…」
岡部「待て待て!今はそういう話はいらんのだ!」
フェイリス「ノリが悪いニャ~凶真♪」ダキッ
岡部「ええい!離れんかぁ!」
紅莉栖「……む」
北斗(…おや?)
冬馬(あーやっぱフェイリスさん可愛いなあ…やべえなあ…)
岡部「ああ、実はな…」
フェイリス「ニャるほど…死神ハーデスに立ち向かうために3人の勇者を集めてる最中だったニャんて…」
岡部「もう面倒くさいからそれで構わん…それで誰か見込みのある人材はいないかと思ってな」
フェイリス「う~ん、フェイリスは観客席から試合を見てたんニャけど」
フェイリス「目の付けどころがすごい少年が横にいたニャ」
岡部「…ほう?」
フェイリス「『そこでウィルスカード出しちゃバレバレだよ』とか、『次の一手はフェイクでしょ』とか」
フェイリス「あれはきっと第三の目を持つ一族の生き残りニャ、そうに違いないニャ」
フェイリス「そうニャ?見た感じ一人で来てるみたいだったし」
岡部「そうか……うむ…」
冬馬(なあなあ、なんで凶真はちょっと恥ずかしそうな顔してるんだ?)
紅莉栖(同族嫌悪ってやつよ)
冬馬(?)
北斗「でもその少年がどこにいるのか分からなかったら何の意味も…」
ナンダオメーコラァ! ナマイッテンジャネエゾコラァ! ガイア!ガイアァ!
岡部「…あっちの方が騒がしいな」
フェイリス「ニャ!あの囲まれてる少年…さっきの第三の目を持つ少年ニャ!」
岡部「…行くぞ、場合によっては加勢せねばならん」
岡部(……なんだか嫌な予感がする)
男1「あぁ!?オメェ4℃さんに生意気な口叩いてんじゃねぇぞ!」
男2「4℃さんは普段の30%で戦ってたんだよ!そんなことも分かんねェのかぁ!?」
4℃「お前ら、もう下がれ」
男1「で、でも4℃さん…!」
4℃「いいから下がれ…俺の絶対零度で二度と地に足つけられなくしてやろうか?」
男1「す、すんません!」
男2「ヒュウ…!さすがだぜ4℃さん…!」
翔太「もう茶番はいいかなー?僕、次の予定が入ってるんだけど」
4℃「クク…俺たちにケンカ売っといて、ただで帰れると思うなよ?」
4℃「そんな考えはカフェオレよりも甘い…言うなれば黒糖そのもの…」
4℃「食らわせてやるよっ!!」ビュッ
翔太「!!」
岡部「おいお前ら!相手は年端もいかぬ少年…!」
岡部「…!」
紅莉栖「す、すごい…!相手の攻撃を全部かわしてる…!」
ダル「見える…見えるぞ!状態ですねわかります」
冬馬「バク転まで…すげえ運動能力だ…」
翔太「ほらほら、もう終わり?」
4℃「くそっ…舐めやがって…!」
男1「ええっ!?さっきは手を出すなって言ったのに!」
男2「こまけぇこたぁいいんだよ!」
ザザザッ
翔太「…あはは、さすがにこれはやばいかも…」
4℃「…ふっ、これが俺の必殺技…」
4℃「エターナルフォースブリザ
北斗「ずいぶんとでかい顔してるじゃないか、功一」
4℃「…俺の必殺技詠唱を邪魔するとは、ずいぶんと不届きな輩もいたもんだ…って」
4℃「ほ、北斗さん!?」
4℃「で、でも…」
北斗「帰れ」
4℃「お、お前ら!帰るぞ!ガイアが俺にそう囁いてんだ!」
男1「嘘…私の上司クソすぎ…?」
男2「それでもついていきますよ4℃さーん!待ってー!」
タッタッタ…
北斗「チャオ☆」
翔太「…別に助けてくれなくても良かったのに」
北斗「その割には足が震えてたぜ、少年」
翔太「うるさいなあ」
北斗「気にしないでくれよ岡部さん、人ってのはどんなところでつながってるのか分からないってだけさ」
岡部(こんなこと、今までの世界線では有り得なかったが…これもシュタインズ・ゲートの選択か…)
ダル「オカリン、そんなことよりこの子誘わなくていいん?」
岡部「おっとそうだった…して少年よ、貴様名前をなんという」
翔太「御手洗翔太だけど…オジサンたちはなんなの?」
岡部「オジ…ッ!いいかよく聞けぇ!俺は狂気のむわっど(ry」
紅莉栖「こいつは岡部倫太郎、私は牧瀬紅莉栖、それでこっちが橋田至」
フェイリス「フェイリスはフェイリスニャン!」
岡部「うぐっ…!それでこっちは天ケ瀬冬馬に伊集院北斗だっ!」
翔太(なんだこの濃いメンツ)
岡部「ああそうだ、だが無理強いはせん」
翔太「でもめんどくさそうだしなあ」
冬馬「…そんなこと言って、怖いだけだろ」
翔太「…ん?今なんか言った?」
冬馬「逃げてるだけだって言ったんだよ、クソガキ!」
翔太「お兄さん、いくら僕が年下でも言いすぎじゃない?」
ダル「殴り合いから始まる友情もある…いいぞもっとやれ」
紅莉栖「い、いいの岡部!?このままじゃホントにケンカしちゃうわよ!?」
岡部「……お前らこっちを見ろぉぉぉ!!」
全員「!?」
岡部「……」スゥハァ
岡部「ぬぅんっ!!」バッ
岡部「いって」ドシン
岡部「……」スッ パンパン
岡部「どぅおうだっ!!」ブワサッ!!
冬馬「……はあ?」
翔太「え?」
紅莉栖「…まったく出来てないじゃないのよ!」
ダル「さすがにこれは僕でも擁護できないレベル」
岡部「気付いたか冬馬!そして翔太!」
翔太「!?」
岡部「俺はバク転ができない、翔太はできる…」
岡部「ならば翔太はアイドルをやるべきであろう!違うか!」
冬馬「!!」
フェイリス(その理屈はちょっとフェイリスにも分からないニャン)
岡部「バク転ができるほどの身体能力、そして雷ネットABでフェイリスを唸らせるほどの思考と洞察力…」
岡部「日々に退屈しているならアイドルになれ!俺についてこい!」
岡部「違う世界をお前に見せてやる!!!」
翔太「!!」
翔太「…岡部さん、それ本気?」
岡部「ああ本気だ、俺は嘘はつかん」
翔太「……じゃあ、やってみるよアイドル」
岡部「な、なにっ!?本当か翔太!」
翔太「ただし!」
翔太「退屈させたら、承知しないからねっ!」
ダル「わがまま年下ショタ…ありだな」
紅莉栖「無いわよHENTAI」
岡部「よぉーし!これで3人揃った!!」
岡部「明日からこの鳳凰院凶真の本格的なプロデュースが始まるのだ!フゥーハハハハハ!!」
岡部(…さて、今日は他のラボメンや冬馬たちもすでに帰った)
岡部(明日からはプロデュースをしていくわけだが…)
ダカライマーイチビョウゴトニー
岡部(……む?メール…冬馬からか)
from:冬馬
sub:今日はありがとな
今日はメンバー集めしてくれてありがとう。感謝してるぜ。
明日からはいよいよ俺のアイドル活動が始まると思うと、夜も眠れねえぜ!
…でも、他のメンバーについては俺はまだ認めてねえ。
凶真の判断ならそれに従うけどよ…うまくいくとは思えねえんだ。今のところ。
……愚痴みたいになってすまねえな。それじゃまた明日。
岡部「……」
>>79
1.「アイドル活動」について返信する 2.「他のメンバー」について返信する 3.返信しない
sub:案ずることは無い
まだ初日だ、他の2人のことを完全に受け入れろという方が無理な話だ。
俺ですらダルと気まずくなくなるまで3日はかかった…。
しかしひとつだけ覚えておけ。
貴様が相手を嫌ううちは、相手も貴様のことを嫌っている…とな。
俺の祖母が言っていた言葉だ。
今日はしっかり休め。エル・プサイ・コングルゥ。
岡部(…さて、明日は朝9時にラボ集合となっている…俺はこのまま泊まるとしよう)
岡部(メンバーは集まった、次は戦略か…)
岡部(……こんなときタイムリープが使えたら、楽なのだろうが)
岡部(俺は今を生きる、それが俺の選択だ)
岡部(…さて、寝るか)
chapter 2 『思春期のアパシー』 END
岡部「うむ、おはよう諸君」
冬馬「おう!朝から絶好調だぜ!」
北斗「若いなあ…俺はさっきまで仕事だったから眠くて仕方ないよ…」
翔太「さすがにいきなり仕事辞めるってのはできないよねー」
岡部「む、そうか…だがそんなことはどうでも良い」
岡部「今日はこの紙に書いてあることをしてもらう」ピラッ
冬馬「こ、これは…」
岡部「そう……」
岡部「【人間性をも凌駕する限界突破(レッスン)】だ…っ!」
chapter 3 『急転直下のブレイクダウン』
冬馬「はぁ…はぁ…!そ、そんなに言うなら、凶真が手本見せてみろよ!」
岡部「違うな、間違っているぞ冬馬よ」
冬馬「なんだと…!」
岡部「ならば貴様は宮崎ハヤオしかアニメ映画の批判をしてはいけないと思うのか?」
冬馬「!」
岡部「野球の批判をするのはイティロー、ファッションの批判をするのはトップモデルしか許されないのならば…」
岡部「批評家や解説者という職業がなぜ成り立っているのだ、冬馬よ!」
冬馬「た、確かにその通りだ…!」
翔太(冬馬くんチョロすぎでしょ)
岡部「俺は貴様らのプロデューサー…ならばレッスンにおいて口出しするのも当然であろう?」
冬馬「…すまねえ凶真!俺、どうかしてたみたいだ!」
北斗(と言っても、普通はダンスコーチが指導するもんだと思うけど)
北斗(…ま、俺はこのレッスンですら足がガクガクなんだけどね…)
岡部「よーし、それではレッスンの続きを…」
バタバタバタバタ…
冬馬「ん?下から誰か来たみたいだぞ」
岡部(あ、やべっ)
ガチャ バターン!!
天王寺「岡部ェ!てめぇまた怪しい実験でもしてんのかコラァ!!」
天王寺「わけだぁ?そんなもん知るか、また家賃上げるぞ!?」
岡部「それは困る」
天王寺「…ん?なんだそっちの男たちは…新しいラボメンってやつか?」
岡部「ああ、この者たちはですね…」
天王寺「…おめぇがアイドルのプロデューサー?変わった社長さんもいたもんだな」
岡部「俺の秘められた力を、彼が見抜いただけのことですよ」
天王寺「ま、なんでもいいけどよ…次うるさくしたら出てってもらうからな?覚悟しとけよ」
岡部「…肝に銘じておきます」
3人「……」
岡部「……なんだ、その目は」
冬馬「…いや、なんでもねぇ」
翔太「オカリンかっこわるーい」
岡部「んなっ…!オカリンではない!鳳凰院凶真だっ!」
翔太「いーじゃん、ダルさんも言ってたし!」
北斗「それにしても…ここじゃダンスレッスンは出来ないな」
岡部「うむ…うるさくしてはいけないからボーカルレッスンも出来ないし…」
岡部「……」
岡部「…ビジュアルレッスンしかないか」
岡部「お前しかおらんのだ閃光の指圧師よ、アイドルには女子目線の意見も大事なのだ!」
萌郁「…女子目線?」
岡部「うむ!どうしても俺だけでは偏った意見になってしまう…まあ、それでも売れることには違わんのだが…」
岡部「より確実に人気を得るために、女子の意見が必要なのだ閃光の指圧師よ!」
萌郁「……」カチカチカチカチ ピロリン
岡部「む?貴様またメールで会話を…」パカッ
『今度新しいケータイ買うのに付き合ってくれたら引き受けてあげる(*^_^*)』
岡部「…」
岡部「……考えておこう」
萌郁「……♪」
岡部「自分なりにアピールをし、指圧師の意見を参考にするのだ!!」
冬馬「よし!まずは俺からだな!」
冬馬「…俺のパフォーマンスに酔いしれろ!愚民共!」バッ
冬馬「ついて来れなくなっても…知らないぜ?」フワサァ…
冬馬「どうだっ!」
岡部(うわぁ)
翔太(うわぁ)
北斗(うわぁ)
萌郁「……」カチカチカチ
冬馬「ん?なになに…」
『ちょっと怖いカモ…(;一_一)
男の子は分からないけど、女の子は今のじゃ全然キュン☆としないぞ?』
冬馬「んぐっ…!べ、別に俺は女に受けたくてアイドルやるわけじゃ…!」
岡部「そういうわけにいかんのは分かっているだろう、冬馬よ」
冬馬「…くそっ!」
北斗「それじゃ次は俺かな…行きますよ、指圧師さん」ニコッ
萌郁「……」ギュッ
岡部「おい、無言で袖口をつかむな」
北斗「今日は俺と一緒に楽しんでくれよ、子猫ちゃんたち?」
岡部「ふむ…」
冬馬(俺とあんまり変わんねえじゃねえか…)
萌郁「……」カチカチ スッ
『キャラにも合っててイイカンジだとは思うけど…
おとなしい女の子はちょっと引いちゃうかも?(>_<)』
北斗「なるほどねぇ…店では比較的明るい女の子ばっかり相手にしてたからなぁ」
翔太「次は僕だね!」
翔太「僕のダンス、見ていってくれると嬉しいな?」
岡部「ほう…」
萌郁「……」カチカチ スッ
『うん!3人の中で一番アイドルっぽいと思う!(^O^)
あとは笑顔がもっと自然だったらカンペキかな?』
翔太「うーん、やっぱり作り笑顔ってバレちゃうよねー」
北斗「なんなら俺の店で働くかい?」
翔太「年齢的にもお断りしまーす」
冬馬「……」
冬馬「…ちっ、なんだよ」
岡部「…む?どうした冬馬よ」
冬馬「アイドルだからって女に媚びて…みっともねえと思わねえのか」
北斗「……冬馬くん、自分が低評価だったからって拗ねてるのかい?」
冬馬「…っ!北斗、てめえ!!」
岡部「冬馬、うるさくするなら出ていけ。さっき注意されたばかりであろうが」
冬馬「…!…くそっ!」
ズカズカズカ ガチャバタン!!
翔太「…なんだあれ」
岡部「……」
北斗「まだ午前中なのに、いいのかい?」
岡部「構わん…それに、メンバーが揃ってないのにレッスンを続けても意味が無かろう」
翔太「ま、僕はどっちでもいいけど!北斗くん、このあとご飯食べに行かない?」
北斗「いや、少し眠いんでね…今日はまっすぐ帰らせてもらうよ」
翔太「…んー、そっか分かった」
岡部「指圧師もすまなかったな、時間をとらせて」
萌郁「別に…いい…」
岡部「そうか」
萌郁「…岡部くん」
岡部「む?」
萌郁「このあと…頑張って」
岡部「……うむ」
冬馬「くそっ!なんだよアイツら…俺のどこがおかしいって言うんだ!」
冬馬(……ちくしょう)
岡部「こんなところで何をしている、冬馬よ」
冬馬「!?」
岡部「まあこのあたりで逃げ込むと言えばこの公園しか無いからな、ある意味計算通りというわけだ」
冬馬「…なにしに来たんだよ」
岡部「隣、座るぞ?」
冬馬「……」
岡部「…悔しいか?」
冬馬「…!!」
冬馬「俺はそんなこと一言も…!」
岡部「昔話をしよう」
冬馬「…?」
岡部「俺の知り合いに、ある天才がいた」
岡部「そいつは生意気で、高飛車で…そのくせ才能は俺よりあるもんだから、最初はどうも気に入らなかった」
岡部「今だからこそ言えるが、あれは嫉妬から来る逆恨みだろうな…自分でも情けないと思う」
冬馬「……」
岡部「…だがな、ある日気づいたんだ」
岡部「いつの間にか、そいつのことを目で追っている自分に」
岡部「ワクワクしていたんだよ、そいつの言動に」
冬馬「凶真、それって…」
岡部「…俺が困っているときにはいつもあいつが傍にいてくれた」
岡部「あいつの才能に、俺が何度助けられたか分からない」
岡部「もしかしたら、今のお前には北斗と翔太がうとましく思えるかもしれない」
岡部「…だがな、それは違う」
岡部「お前も薄々気づいているはずだ、それは憎悪ではなく、嫉妬の感情だということに」
冬馬「…!!」
岡部「視点を変えろ、目の前のことをすべて受け入れろ、自分の糧にしろ」
岡部「でなければお前という人間は、ここで永遠に留まることになる」
冬馬「……なあ、凶真」
岡部「む、どうした」
冬馬「ひとつ、聞きたいことがあるんだけどよ」
岡部「ダンス以外のことならなんでも答えてやろう」
冬馬「…さっきの“天才”って、助手さんのことなのか?」
岡部「…ふむ、どうだろうな」
岡部「なぜなら、それは―――」
「―――別の世界線の、話だからな」
翔太「遅いねー冬馬くん」
北斗「昨日あんなことがあったから、顔を出しにくいんじゃないか?」
岡部(…さて、今日は冬馬がどう出るか)
ガチャ バタン
冬馬「すまねえ!遅くなった!」
岡部「……」
翔太「あ、来た」
北斗「へえ」
冬馬「……」
冬馬「…昨日はすまなかった!!」バッ
北斗・翔太「!?」
冬馬「それを否定されたからって、あそこで飛び出しちゃあ俺がガキなだけだ!」
冬馬「…だからこうやって恥を忍んで頭を下げる!」
冬馬「俺にも正しいアピールを教えてくれ!頼む!」
北斗「!!」
翔太「…ぼ、僕は構わないけど」
岡部(…北斗はどうする…?)
北斗「…なあ、冬馬くん」
冬馬「……」
北斗「昨日、あんなカッコ悪いことしといてよくそんなお願いできるね?」
冬馬「……!!」
冬馬「…ああ、カッコ悪いことは百も承知だ」
冬馬「だからカッコ良いアピールを教えてくれって頼んでんだ!!違うか!?」
北斗「…!!」
冬馬「だから、頼む…俺の夢は、こんなところで終わらせるわけにはいかねえんだ…っ!」
北斗「……」
北斗「…やれやれ、そんなに頭を地面に擦りつけられちゃ、断れないだろ」
冬馬「ほ、本当か!?」
北斗「ただし、元ホストの指導は甘くないぞ?」
冬馬「ああ!なんでもかかってこいよ!」
翔太「…あはは、調子いいんだから」
翔太「え?オカリンも一緒にするんじゃないの?」
岡部「俺は俺でやることがあるのでな…冬馬、ちゃんとレッスンするのだぞ?」
冬馬「ああ!当然、だぜ!」
北斗「よーし、それじゃ昨日の反省点だけど…104点ある」
冬馬「んだとぉっ!?」
岡部(…うむ、ユニットとしてのバランスは徐々に取れてきたようだ)
岡部(だが、それも冬馬の問題が解決したに過ぎん)
岡部(過去に謎多き男、北斗…つかみどころの無い少年、翔太…)
岡部(……俺の仕事は、まだまだ終わらないようだ)
岡部(む?メール…誰からだ…?)
岡部(……黒井社長、だと…)ピッ
from:Mr.ブラック
sub:ウィ。私だ。
冬馬の調子はどうだね?
報告によると、新しいメンバーが2人加入したそうだな。
北斗と翔太と言ったか。
プロデュースに関しては貴様に任せているが…
何か困ったことがあったら連絡するといい。
なんといっても、私はセレブだからな!
それでは。アデュー!
岡部「……」
>>143
1.「新しいメンバー」について返信する 2.「セレブ」について返信する 3.返信しない
sub:このセレブフィフティが!
困っていると言えば…ラボの資金が多少心もとない感じでしてね…。
援助えおしていただけると助かる…
というのは冗談だ。3人ともどうにか上手くやっている。
数週間後、芸能界は更なる混沌に満ちた空間になっているだろう!
フゥーハハハ!!
ちなみにこの前ののど飴はスーパーで売っているから、セレブといえど買いに行くといい。
エル・プサイ・コングルゥ。アデューとは言わん!
岡部(…これで今日の活動は終わりか)
岡部(明日からは何をするか…)
岡部(……鳳凰院Pの本領発揮と言ったところか)
岡部(クク、楽しみだ…!)
chapter 3 『急転直下のブレイクダウン』 END
岡部「…よし、今日のレッスンはこれで終わりだ!!」
冬馬「へっ!この程度、楽勝だぜ!」
翔太「もうちょっとダンスも難しくしちゃっていいんじゃないかな、ねえ北斗くん?」
北斗「ん?あ、ああ…そうだな…」
岡部「…?」
冬馬「それじゃ今日はこれで解散ってことに…」
岡部「いや、お前たちこのあと時間はあるか?」
翔太「僕は何も無いけど…親も今日はいないし」
北斗「俺も以前の仕事はもう辞めたので、ヒマと言えばヒマだよ」
岡部「そうか、それでは……」
岡部「これより貴様たち3人の歓迎会を行ぁうっ!!!!」
北斗「…で、俺たちに買い出しをさせるわけなのか」
岡部「当然だ!働かざる者食うべからず、だからな!冬馬と翔太には部屋の掃除をさせてある!」
北斗「ははっ、そりゃ最もだ」
岡部「……なあ、北斗よ」
北斗「ん?」
岡部「貴様、なにか悩んでいるのではないか?」
北斗「…何を根拠に」
岡部「鳳凰院凶真の『全てを見透かす邪眼(シースルーアイズ)』があれば造作も無いことだ」
北斗「はは、参ったなぁ…」
北斗「…とりあえず、買い物を済ませようか」
chapter 4 『青春のシンパシー』
岡部「ほら、知的飲料だ」
北斗「運動後の疲れた体には嬉しいね」
岡部「冬馬や翔太は疲れていなかったようだが?」
北斗「意地の悪いこと言うなよ…俺だけダンス未経験なんだぜ?」
岡部「…お前、昔は何をやっていたのだ?」
北斗「別に…普通に学生やって、普通に悪さして」
北斗「普通にホストやってただけさ」
岡部「…それを世間では普通と言わないのだがな」
北斗「おや、狂気のマッドサイエンティストさんなら分かってくれると思ってたけどな」
岡部「……4℃達とは昔の知り合いか?」
北斗「ま、そんな感じだよ」
北斗「幸いなことに女の子からはモテたからね、不自由はしなかったけど」
岡部(リア充爆発…いや、なんだかダルに怒られる気がする)
北斗「女の子口説いて、デートして…」
北斗「結局何も残らないんだよな、そのあともさ」
岡部「だから冬馬がうらやましかった、と」
北斗「……怖いなあ、鳳凰院さんは」
岡部「あいつはアイドルになるために東京へ来た…そりゃあやる気も他人とは違うだろうさ」
北斗「…初めて冬馬くんを見たときさ、なんだこいつって思ったけど」
北斗「すごくキラキラしてたんだ、彼」
岡部「……」
岡部「言いたいことはそれだけか?」
北斗「……」
岡部「やりたいことなど今から探せばいい、それは何も恥ずかしいことではない」
岡部「みっともないくらい足掻いて足掻いて、足掻き通せば良いではないか」
北斗「…でも俺は年齢が」
岡部「年齢ごときで悩むな、ラボメンには社会人もいれば高校生もいる」
岡部「正確にはラボメンではないが、ブラウン管工房には小学生だっている」
岡部「なんならまだ生まれてないやつだっている!」
北斗「…?」
岡部「それが仲間というものだろう」
北斗「…!」
岡部「なんなら俺に相談したって…」
北斗「…はは、岡部くんってモテるだろ?」
岡部「んな?そんなことは無い、ラボメンのやつらは俺を便利な道具としか思っておらんからな」
北斗「どうだか」
岡部「…まあいい、戻るぞ」
北斗「ああ分かったよ、凶真」
岡部「む?お前今…」
北斗「ほらほら、せっかく買ったアイスが溶けちゃうぜ!」
岡部「あ、おい!」
いっそ9.61%とかじゃないか?
冬馬「甘いぜ翔太!俺のターン!ここでウイルスカードを起動!」
翔太「そっちこそ甘いよ冬馬くん!僕は伏せておいた特殊ターミナルカードを起動!」
ダル「うほー!翔太きゅんの先読み流石だお!」
フェイリス「あそこですでに伏線を張っておいたとは…ショーニャン恐るべしニャン!」
岡部「おいお前ら」
翔太「ん?ああオカリンおかえりーん!」
まゆり「おー!翔太くんさっそく使ってくれているのです!オカリンおかえりーん♪」
岡部「……」プルプルプル
岡部「掃除と準備はどうしたのだお前らぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「うるせぇぞ岡部ェ!!!」
岡部「あっすんません」
岡部「ならん!こういうことは節度が大切なのだ!」
紅莉栖「それが狂気のマッドサイエンティスト(笑)の言うことかしら?」
岡部「それとこれとは別だ!チリトリを持てぃ助手よ!」
紅莉栖「はいはい」
冬馬「……」
ダル「どしたの冬馬くん」
冬馬「…なあ、凶真と助手さんって付き合ってんのか?」
ダル「それ本人に言ってみ?多分壁殴り代行を頼まざるを得なくなるお」
冬馬「……」
紅莉栖「素直に歓迎パーティって言いなさいよね」
岡部「ええいうるさい!こういうのは雰囲気が大事なのだ!」
岡部「まずはルカ子、フェイリス!今日のために料理を作ってくれて、本当に感謝している!本当にだ!」
紅莉栖「こっちみんな」
るか「こ、こんなことでよかったらいくらでも…」
フェイリス「今日はオムライス無いけど許してニャン!」
岡部「そして指圧師!Mr.ブラウンへの説得は貴様の活躍が無ければ達成できなかった!」
萌郁「……」グッ
岡部「まゆりはイベント間近で忙しいのによく参加してくれた!」
まゆり「トゥットゥル~♪こんな楽しそうなこと無視できないよ~」
ダル「おまいらのためだお!言わせんな恥ずかしい!」
岡部「さあそれでは宴の始まりだ!」
紅莉栖「おい」
岡部「皆の者グラスを持て!」
紅莉栖「おい私は」
岡部「ラボメン及び冬馬、北斗、翔太の今後の活躍を祈念して…」
紅莉栖「岡部!」
岡部「くわぁんぷわぁぁぁぁいっっ!!!」
全員「かんぱーい!!」
紅莉栖「あーもうかんぱーい!!」
冬馬「…なあ凶真、ちょっといいか?」
岡部「む、どうした冬馬」
冬馬「……その」
冬馬「…ありがとな、今日はすげえ楽しかった」
岡部「うむ…まあ俺たちは普段からこんなことばっかりしているからな」
冬馬「へへ、うらやましいぜ!そういうの」
岡部「…お前はアイドルになるために単身上京してきたのだったな」
冬馬「ああ…でも後悔はしてないぜ!」
冬馬「ここまで来た以上、一人ででも絶対にトップアイドルになってやるって決めたんだからよ!」
岡部「ふむ、そうか」
冬馬「は?」
岡部「ふぉうおういん凶真が命じる!冬馬よ!外に行って涼んで来い!」ドンッ
冬馬「え?あ、おい!」
-ブラウン管工房前-
冬馬「なんだよ凶真のやつ…別に暑くなんて…」
冬馬「……!」
北斗「…チャオ」
冬馬「……なんだよそりゃ」
北斗「ま、隣座れよ」
北斗「…ごめんな、最近」
冬馬「あ?」
北斗「ダンスレッスンに付いていけてないの…俺だけだからさ」
冬馬「ああ、そのことか」
北斗「……でも、俺もこれから」
冬馬「気にしてねえよ、んなもん」
北斗「…え?」
冬馬「ダンス経験も無いうえに今までホスト生活だろ?そりゃ体だって動くわけねぇだろ」
北斗「だけど…」
冬馬「俺だって最初から踊れたわけじゃねえ、努力したから踊れるようになったんだ」
冬馬「今はちょっとズレてるかもしれねえけど…いつかはお前よりもアピールもうまくなって、ダンスも翔太よりうまくなって」
冬馬「トップアイドルになる、それが俺の夢だ」
北斗「…!」
冬馬「だから今はどんだけカッコ悪くてもよ…手段はなんだっていい、努力しまくってやるさ」
冬馬「足掻いて足掻いて…最終的に勝てば俺が正義なんだからよ」
北斗「……ああ、そうだな、そうだよ」
冬馬「お前もこんなところで油売ってねえで上がってこいよ、今ルカ子さんのファッションショーやってるぜ?」
北斗「ああ、それもいいが…」
冬馬「?」
北斗「雷ネットABのルール、教えろよ冬馬」
冬馬「…へへっ!俺のコーチは厳しいぜ?」
翔太「…だから友達の家だって」
翔太「さっきも言ったでしょ!?晩ごはんいらないって!」
翔太「…学校のことは今は関係無いだろ!?」
翔太「もういい!今日は家帰らないから!」ピッ
翔太「……はぁ」
ブーッ ブーッ
翔太「!!…って、携帯のバイブか…萌郁さん?」パカッ
『もう電話終わった?』
翔太「……終わりましたよ、っと」カチカチ ピロリン
ガチャ ギィーバタン
萌郁「……」
萌郁「……綯ちゃんと、電話…」
翔太「綯ちゃんって…ああ、下のオジサンの子供か」
萌郁「……」コクリ
翔太「でもどうして電話?せっかくパーティしてるんだから、連絡ならメールでいいじゃん」
萌郁「…しゃべる、練習…」
翔太「へ?」
萌郁「私…人と話すの苦手、だから…」
翔太「…ああ、それで綯ちゃんが練習に付き合ってくれてるってわけ?」
萌郁「……」コクリ
翔太「ふーん…」
翔太「……聞いてたんだ?」
萌郁「……ごめん」
翔太「僕も大きな声で話してたから仕方ないよ…うん、お母さん」
萌郁「…そう……」
翔太「まだ帰らないのか、学校はどうしたって…うるさいんだよ」
萌郁「学校、行ってないの…?」
翔太「…まあね、行っても面白くないし」
萌郁「……それは、どうして…?」
翔太「萌郁さん、けっこうガツガツ来るんだね」
萌郁「……」
翔太「テストもそうだし、口喧嘩とかじゃ負けたことない」
翔太「そんでダンスもずっと習ってたから、運動神経もいいんだよね」
翔太「…そしたら何があったと思う?」
萌郁「……」
翔太「いじめだよいじめ、嫉妬したやつらのさ」
萌郁「そう…」
翔太「あれ、驚かないんだ」
萌郁「…私も、似たようなものだったから…」
翔太「……そっか」
翔太「期待されたことをやってみても、それで嫉妬されるんだよ?」
翔太「ここのみんなは大人だけあって、楽しいからさ…いっそここにずっと…」
萌郁「……」カチカチカチ スッ
翔太「……?」
『それは逃げてるだけ。何も変わってない』
翔太「……!!」
『結局、自分から動かないと何も変わらない。人から言われたことをやるだけじゃ意味が無い。
私は、それを知っているから』
翔太「…萌郁さんに僕の何が…っ!」
萌郁「……」カチカチカチカチ
でも、ダンスを踊ってるとき、今日のパーティのとき。
翔太くんはすごく楽しそうだった』
翔太「!!」
『人間は、歩み寄ろうとしなきゃ絶対に近づけない。
人付き合いがめんどくさい、怖いなんていうのはみんな一緒。
でも、そこで一歩動かなきゃ何も変わらない』
萌郁「……」スッ
萌郁「…私も、その一歩を踏み出してる途中」
翔太「……」
萌郁「でも、お母さんとは…」
萌郁「…翔太くんの気持ちひとつで、一歩近づくことはできると思う…」
翔太「……」
萌郁「……大事なことは、口に出して伝えたいもの」
翔太「!!」
萌郁「…だから…よかったら親孝行するってことも、考えてほしい……」
萌郁「出来ないって気付いたとき…」
萌郁「……それはちょっと、悲しいから」
翔太「……親、孝行…」
翔太「ねえ萌郁さん」
萌郁「…?」
翔太「良かったら今度、遊びに誘ってもいい?」
萌郁「……」カチカチカチ スッ
『女の子は、押し倒してキスするくらいの強引さを求めているんだぞ☆(^_-)-☆』
翔太「…あはは、それはさすがに無理かなあ」
萌郁「……それじゃ」
翔太「……」
翔太「……」スッ ピ、ピピッ
翔太「…あ、お母さん?…うん、翔太だけどさ…」
岡部(ラボメンたちは各々家に帰り…)
岡部(アイドルの3人はこのラボに泊まっていくらしい)
岡部(翔太が家に帰りにくい、と言っていたのが大きな理由だが…)
岡部(明日は何があっても帰らせようと思う、翔太もそれは納得していた)
岡部(それから、冬馬と北斗はともかく、翔太がどこかふっきれていたのが意外だった…何があったのだろうか)
岡部(…まあ、今日のところは俺も家に帰るとしよう)
ダカライマーイチビョウゴトニー
岡部(……む、メールか)
岡部(……送信者は…)
岡部(北斗か)パカッ
from:北斗
sub:チャオ☆
今日はありがとう。凶真のおかげでどこかスッキリした感じがするよ。
これからは最年長であることを負い目に感じるよりも…
最年長の俺がユニットを引っ張っていけるよう頑張ろうと思う。
なかなか道は厳しそうだけど…
今の俺たちならどうにかなるんじゃないかな?
それじゃ、また。
PS、恋の相談ならいつでものるぜ?
岡部「……」カチカチ
>>209
1.「最年長」について返信する 2.「恋の相談」について返信する 3.返信しない
この狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真に恋など必要無い…
求めているのは更なる混沌、それだけだ。
貴様も早くダンスをマスターできるよう、頑張るのだな!
それではエル・プサイ・コングルゥ…。
岡部(……)
岡部(…む、今度は翔太か)パカッ
from:翔太
sub:まだ起きてる?
今日はパーティすっごく楽しかったよ!
今は3人で雷ネットABして、おしゃべりして…
こんなに笑ったの久しぶりかもしれない。ありがと!
それでついさっき冬馬くんから言われたんだけど…
最初、冬馬くんは僕に嫉妬してたんだって。ダンスの実力に。
だから初めて会ったときはヒドイこと言ってごめんな、だって!
素直だけど素直じゃないよね、冬馬くんは。
明日は家に帰ってお母さんとご飯食べるつもりです!
それじゃ、おやすみ!
岡部(……)カチカチ
>>216
1.「パーティ」について返信する 2.「冬馬くん」について返信する 3.返信しない
俺たちは普段からああいうことをやっているからな…。
貴様も時間が合えば参加するといい。
ちなみに、今日の料理はかなり出来が良い方だ。
助手とまゆりに作らせたら…それはそれはもう…。
今度は俺とダル、そしてお前ら3人で男子会も面白いかもしれないな。
この鳳凰院凶真の闇鍋…期待するがいい!
岡部(ユニットの結束も高まってきた、レッスンも積んできた)
岡部(次は…)
岡部(……オーディション、か)
「あ、おい!そこでリンクカードは卑怯だろ!」「卑怯も何も…俺はルール通りやっただけだぜ?」「あははっ!冬馬くん弱ーい!」
岡部(…今日のところは、ゆっくりとその翼を休めるがいい)
岡部「エル・プサイ・コングルゥ…」
chapter 4 『青春のシンパシー』 END
岡部「うむ、今日は皆よく集まってくれた」
冬馬「まあ最近はここに集まるのが日課になってるからな!楽勝、だぜ!」
北斗「楽勝ってなんだよ…」
翔太「で、今日は何すんの?レッスンだったら早く…」
岡部「ああ、そのことだが…助手よ、先ほどのホワイトボードをこちらに」
紅莉栖「もう助手についてはツッコまんからな…はい、ホワイトボードよ」
北斗「これは…」
岡部「うむ、ここには向こう数日のオーディションが記されている」
岡部「今日はこの中から、お前たちが受けるオーディションを決めてもらう」
岡部「名付けて…」
岡部「【絶対の狙撃手】作戦(オペレーション・サジタリウス)だ…!!!」
岡部「ああ、俺が選んでもよかったのだが…少しでもモチベーションを上げてもらおうと思ってな」
翔太「じゃあ、僕はこの『ゴールデンミュージック』がいい!」
冬馬「バッカ!そんなデカイ番組にいきなり…、って、新人枠?」
岡部「ふふ…やはり目の付けどころが違うな、〈第三の目(ザ・サードサイト)〉翔太よ」
岡部「その番組は期間限定で新人枠を設けている」
ダル「だから飛び込みのド新人でも、チャンスがあるってわけ」
岡部「ぐぬぅ…っ!そ、その通りだ…!」
北斗「へぇ…それじゃ、どうせならデカイところいきたいですよね」
岡部「だが、その道は狭く厳しい…修羅の道だぞ?」
冬馬「トーゼン!覚悟の上だぜっ!」
岡部「うむ!よく言った冬馬よ!」
ジュピタープロデュースしたい
岡部「各々努力を怠らぬように!!散!」
冬馬「ところでよ、凶真」
岡部「んがっ…、せっかく恰好良く決まったと言うのに…!」
冬馬「そろそろ俺たちのユニット名を決めたらどうだ?お前ら、って呼ばれるのもアレだしよ」
岡部「ああ、それならすでに考えてある」
翔太「へー!どんなのどんなの!?」
岡部「そうだな…それではユニット名にともなって作戦名も変更するとしよう」
岡部「……芸能界という混沌の闇に、一筋の雷光を轟かす…」
岡部「貴様たちのユニット名、及び作戦名はっ!!」
岡部「【天空の雷光神】作戦(オペレーション・ジュピター)だッ!!!!」
chapter 5 『常勝無敗のジュピター』
翔太「おー、ナイスバク転」
紅莉栖「コングラッチュレーション!すごいわ冬馬くん!」
冬馬「そ、そんなことないっすよ助手さん!」
翔太「冬馬くんデレデレしすぎー」
冬馬「バッ…!そんなんじゃねえよ翔太!」
ワイワイ ガヤガヤ
岡部「……冬馬がバク転を成功させたみたいだな」
北斗「…ま、あいつは才能に加えて努力してましたからね、いつかは成功すると思ってましたよ」
ダル「どうする北斗氏、振り付け変える?」
北斗「まさか!最年長がそんなことできませんよ」
北斗「了解、鳳凰院プロデューサー」
ダル(なあなあオカリン)
岡部(どうしたダルよ)
ダル(やっぱり北斗氏には無理があるんだって…曲のラストに3人連続バク転なんて)
岡部(だがそれくらい出来ねばあの番組には合格できん、諦めるならそこまでということだ)
ダル(そうだけどさぁ…ま、オカリンがそう言うなら僕は反対しないけど…)
岡部(…ところでダル、この振り付けは誰が考えたのだ?)
ダル(あ?僕のタイムマシンオフ会の友達だお!僕のコミュニケーション能力なめんなマジで!)
岡部(……世界は広いな)
ダル「…北斗氏、少しくらい休憩しなきゃだぜ」
北斗「……そうだね、ちょっと公園で涼んでくるよ」
ガチャ バタン カツカツカツ
翔太「北斗くん…」
冬馬「……」
紅莉栖「ほら、行ってあげなさい」
冬馬「じょ、助手さん…!で、でも、こんなときに声をかけるのは男として…!」
紅莉栖「こんなときだからこそ、追いかけて行って声をかけてあげるのが仲間よ」
冬馬「!」
紅莉栖「違う?」
岡部「ならば俺に耳を貸せぇい!冬馬、翔太よ!」
翔太「オカリン!」
岡部「いいか?北斗は今、バク転への恐怖を感じている…ならば、バク転への希望を見出させてやるのだ」
冬馬「ど、どうやって…?」
岡部「……決めポーズ、だよ」ニヤリ
紅莉栖「…嫌な予感がする」
-公園-
北斗「……」
北斗(…ま、すぐに出来るとは思ってなかったけど…我ながら情けないなぁ…ははっ)
だがほくほくはどちらでもバク転していないんだよね・・・
あとほくほくはダンスの動きもかなり違和感がある。やっぱ20歳すぎたらきついのかな
翔太「北斗くーん!」
北斗「翔太、それに冬馬…!なんでここに…!」
冬馬「凶真から多分ここだろうって聞いたんだ」
北斗「アイツ…妙な気遣いしやがって…」
冬馬「勘違いすんなよ?俺たちが勝手に飛び出してきただけだ」
北斗(…矛盾してるじゃないか、まったく)
翔太「北斗くん!これ見て!!せーの!」バッババッ
北斗「っ!?2人で同時にバク転して…」
北斗「……決めポーズ、だと…!?」
冬馬「楽勝、だぜっ!!!」(恋を始めるポーズ)ズバーンッ!!
,r '" ̄"'''丶,
./.゙゙゙゙゙ .l゙~゙゙゙゙ ヽ\
. i´ ri⌒.'li、 .'⌒ヽ 'i::`i,
.| ′ .゙゜ .゙゙゙″ .:::l::::::!
|, ,r'!ヾ・ ヽ, .::::.|:::::::i
.i, ./,r──ヽ, :::::::i::::,r'
゙ヽ、 .ヾ!゙゙゙゙゙゙'''ヽ、_ノ
`'''゙i ._____ l /ヽ
/\ へ ゙ヽ ___ノ’_/
へ、 | ̄\ー フ ̄ |\ー
/ / ̄\ | >| ̄|Σ | |
, ┤ |/|_/ ̄\_| \|
| \_/ ヽ
| __( ̄ |
| __) ~ノ
人 __) ノ
だからお前は誰なんだよ
翔太「だからさ!諦めないで頑張ろうよ北斗くん!!」(恋を始めるポーズ)
北斗「お前ら…」(ベンチに座っている)
翔太「わかんないとこがあったら、出来るまで僕達が教えるから!」(恋を始めるポーズ)
冬馬「それが俺たちジュピターだろ!?違うかっ!?」(恋を始めるポーズ)
北斗「……」(ベンチに座っている)
北斗「…分かったよ」スッ(立った)
翔太「!!」(恋を始めるポーズ)
北斗「お前らの求める未来……」(歩いて立ち止まった)
北斗「…こういうことだろっ!?」(恋を始めるポーズ)ズバーンッ!!
冬馬「北斗!!」(恋を始めるポーズ)
北斗「……それでも、いいのか?」(恋を始めるポーズ)
冬馬「違うな、出来るようにしてやるって言ってんだろうが」(恋を始めるポーズ)
翔太「それが仲間だよ、北斗くん!」(恋を始めるポーズ)
北斗「お前ら……」(恋を始めるポーズ)
冬馬「…よーっし!気合い入れっぞ!961プロー……」(恋を始めるポーズ)
3人「ファイトー!!オー!!!」(恋を始めるポーズ)
綯「ねえお父さん、あれってオカリンおじさんのお友達だよね?」
天王寺「……こりゃあ本気で立ち退きを考えなくちゃなあ…」
岡部(あれから数日、ジュピターの3人は以前よりも精力的に取り組んでいるようだった)
岡部(なにより、互いが互いを教え合う姿勢が見られるようになった)
岡部(ボーカルは冬馬、ダンスは翔太、ビジュアルは北斗、といったように…)
岡部(ある意味ではスキの無いユニットだと言えるだろう)
岡部(……だが、今度のオーディションではそうも言ってられない)
岡部(結局、北斗は補助有りでしかバク転を決めることが出来なかった)
岡部(…このオーディション、波乱が起こるかもしれ
ダル「オカリンオカリン、早くしないとオーディション始まっちゃうのぜ」
岡部「ええい!人が真面目に決めているときに!」
ダル「このオーディション自体を、短い番組として編集するらしいお」
岡部「まあ俺たちも会場に入れるからラッキーなのだがな」
ダル「他のアイドルも見れるとか…役得にもほどがあるだろ常考」
岡部「プロデューサー特権、というやつだな」
紅莉栖「ほら、そろそろ始まるわよ」
岡部「よし…行くぞ、貴様らッ!!!」ブワサァッ!!
ダル「オカリン、テレビ局でさすがにそれはないわ」
岡部(……ジュピターよ)
岡部(頑張れ…!!)
北斗「曲は『恋をはじめよう』」
翔太「一生懸命頑張ります!よろしくお願いします!」
~♪
客A「…ねえねえ、今歌ってる子たちカッコよくない?」
客B「確かに…みんなレベル高いよね」
岡部(つかみは上々…緊張しているようだが、逆に初々しさが出ていて好印象だ)
岡部(…歌も問題無い、今のところダンスも目立ったミスは無い)
岡部(……問題はここからだ)
アーイーシータイ アイシタイ イツモミライデー
岡部(…後半に入った!!)
翔太「やっ!」バッ
岡部(翔太は問題無い!)
冬馬「はっ!」ババッ
岡部(冬馬も今では完璧にできるようになった!!)
北斗「……!」グッ
岡部(…北斗……!!)
岡部(……頼むっ!跳べっ!!)
岡部(……っ!!)
岡部「跳べよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」
北斗「…たぁっ!」バッ!
クソワロタ
ここで持ってくるか
ダル「謝って済むなら警察はいらないわけだが」
紅莉栖「…そのツッコミを生で聞くとは思わなかったわ」
ダル「……牧瀬氏、『生で突っ込む』ってもう一回…」
紅莉栖「ぶっとばすぞHENTAI」
岡部「…しかし、まさか叫んだだけで会場から締め出されるとはな」
紅莉栖「当然でしょうが…はぁ、結果もどうなったか分からないし…」
岡部「まあ、結果については心配することもあるまい」
ダル「僕もそう思うお」
紅莉栖「…ま、そこは私も同感だけど」
岡部「それでは先にラボに戻るとしよう、祝勝会の準備だ」
ダル「オーキードーキー」
ガチャ バタン!!
冬馬「凶真!!やったぜ凶真!!」
翔太「合格したよオカリン!」
岡部「知っている、見ろこのドクペの量を!!」
北斗「あはは、祝勝会ってやつかい?」
紅莉栖「帰り際に買ってきたんだからな、感謝しろよな!」
ダル「荷物ジャンケンに負けた牧瀬氏マジ涙目!!」
冬馬「じょ、助手さんにこの量を持って来させたのか!?おい凶真!」
岡部「うるさい!ジャンケンは何者にも等しく平等なのだ!」
冬馬「指の形が悪くなるから女に重いものを持たせるなって俺のばあちゃんが言ってたんだよ!!」
ダル「古風すぎワロス」
岡部「今日はご苦労だった、冬馬よ」
冬馬「北斗もバク転決めたしな…次はいよいよ本番、生放送収録だぜ!」
岡部「ああ、その意気だ」
紅莉栖「ふふ、もう岡部は必要無いんじゃないの?」
岡部「む、お前はいつもそういうことを…」
冬馬「……」
冬馬「…あ、あのよ、ちょっと話したいことが…」
ガチャ
まゆり「トゥットゥルー♪まゆしぃです!」
ダル「お!まゆ氏キタコレ!」
冬馬「……ちっ」
北斗「来てくれるだけでうれしいよ、まゆりちゃん」
まゆり「あ、ほっくん!トゥットゥルー♪」
北斗「トゥットゥルー☆」
岡部「大丈夫なのか?イベントは明日なのだろう?」
まゆり「うん、そのことなんだけど…」
まゆり「明日のイベントはお休みすることにしたのです!」
紅莉栖「…え?なんで?友達が来られなくなったとか?」
まゆり「ううん、そうじゃなくてね…」ガサゴソ
まゆり「じゃーん!ジュピターくん達の新しい衣装でーす!」
冬馬「は?」
翔太「あ、ありがと…?」
まゆり「これはダルくん用のをちょっと改造しました!ほっくんの分!」
北斗「ど、どうも」
まゆり「そして最後はオカリン用のつもりだった…」
まゆり「はい!冬馬くんの分だよー!」
冬馬「お、おう」
岡部「ちょっと待て!イベントはどうした!それに俺用のコスとはどういう意味だまゆりぃ!!」ユサユサ
まゆり「オ~カ~リ~ン~、そ~れ~は~ね~」ガクガク
紅莉栖「まずはその揺するのをやめなさい!」
ダル「予定変更してジュピターのみんなにプレゼントしたってわけかお…」
岡部「俺たちにはギリギリになって頼みこむつもりだったとは…ズル賢い手段を考えおって!」
まゆり「うん、ごめんね…」
紅莉栖「謝ることは無いわ、まゆり…それよりイベントは大丈夫なの?急に欠席したりして」
まゆり「うん!もともとフリーダムな感じのイベントだったから、飛び込み出席も欠席も問題無いのです!」
紅莉栖「そう、それなら良かったわ」ナデナデ
まゆり「えへへぇ」
岡部「しかし急にこんなコスを渡されてもジュピターの3人も困るであろ…」
岡部「……冬馬?」
冬馬「………俺が、俺たちがイベントに出てやるよ」
全員「!?」
冬馬「だってそうだろ!?まゆしぃちゃんが俺たちのために大事な衣装をプレゼントしてくれたんだ!」
冬馬「だったらその恩義に報いるのがスジってもんだろうが!違うか!?」
ダル「その発想はなかった」
北斗「……やれやれ、お前がそう言うんじゃ仕方ないな」
翔太「トップアイドルになったらこんな楽しそうなこと、出来そうにないしね!」
まゆり「み、みんな…」
岡部「……ええい!ならば次のミッションを伝える!」
岡部「明日のコスプレイベント!ジュピターの3人で大盛況に終わらせろ!」
冬馬「ああ!楽勝、だぜ!」
岡部「作戦名は…【完全なる擬態】作戦(オペレーション・メタモルフォーゼ)だぁっ!!」
紅莉栖「……どうしてこうなった」
「キャー!カッコイイー!」
「こっち向いてー!」
「チャオー!ちゃちゃちゃ、チャオー!!」
岡部(イベントは大盛況で幕を閉じることとなった)
岡部(それもそのはず、トップアイドルを目指すようなイケメン3人が精巧なコスを着ているのだ)
岡部(世の婦女子の皆さんがこれに盛り上がらないわけがない)
岡部(…しかし、俺の中ではまだ全てが解決したわけではない)
岡部(イベントが終わったあと、冬馬から呼び出されたのだ)
岡部(……果たして、何を言ってくるつもりなのだろうか)
岡部(エル・プサイ・コングルゥ…)
chapter 5 『常勝無敗のジュピター』 END
冬馬「……」
岡部「今日はご苦労だったな、冬馬よ」
冬馬「…凶真」
岡部「どうしたのだ?急に呼び出して」
岡部「もしやこの狂気のマッドプロデューサーに謀反か!?んん!?」
冬馬「……」
岡部「…どうやらふざけている場合ではないようだな」
岡部「……隣、いいか?」
冬馬「…おう」
岡部「……」
岡部「……」
冬馬「…プロデューサー、辞めるんだろ?」
岡部「……なんだ、お見通しか」
冬馬「嫌でも分かるぜ…レッスンは俺たち任せ、オーディションすら俺たちに選ばせる」
冬馬「……俺たちだけでもやっていけるように、仕向けてくれたんだろ?」
岡部「…当然だ、俺は狂気のマッドサイエンティストだからな、それに…」
冬馬「それに……?」
岡部「……大学生だからな」
冬馬「…アンタ、大学生だったのかよ」
岡部「……大学の夏休みは長いのだ」
冬馬「いや…アンタが決めたことなら俺たちは従うだけだよ、別に文句もねぇ」
岡部「ならば一体何を…」
冬馬「…助手さんのことだ」
岡部「!!」
冬馬「この前言ってた“天才”ってのは…助手さんのことなんだろ?」
岡部「…だからそれは前の世界線の話だと」
冬馬「その世界線ってのが何か、俺には分からねえ」
冬馬「…今日はアンタの気持ちを聞かせてもらうぜ、鳳凰院…いや」
冬馬「…岡部倫太郎」
岡部「……」
chapter 6 『偶像崇拝のアイドルマスター』
冬馬「あれだけ良い女を放っておける方がおかしいぜ」
岡部「意外だな、てっきり女には興味が無いと思っていたのだが」
冬馬「所詮は俺も男だったってことだよ」
岡部「……俺の気持ち、か」
冬馬「ああ、鳳凰院凶真じゃねぇ…岡部倫太郎としての気持ちだ」
岡部「…ならばハッキリ言ってやろう」
岡部「俺は紅莉栖を愛している」
冬馬「!!」
岡部「そのために何度も苦難を乗り越え、この世界を手に入れた」
岡部「俺は紅莉栖のためなら、命を捨てる覚悟だってある」
岡部「やってみるがいい、だがやらせはせんぞ」
岡部「あいつは、俺のものだからな」
冬馬「……く、くくっ!あっはははは!!」
岡部「……どうした、何がおかしい」
冬馬「俺のもの、だってよ!助手さん!」
岡部「!?」バッ
ドサッ カラカラカラ…
紅莉栖「お、おかかかおかかべべべべべ/////////」
岡部「……なんで助手がここにいるのだぁっ!!!!!」
冬馬「というわけで、凶真は助手さんのことが好きだと思うわけだよ」
ダル・北斗・翔太「おっそ」
まゆり「冬馬くんはドンカンだねぇ~」
冬馬「んがっ!?ま、マジかよ!気付いてなかったの俺だけなのか!?」
翔太「そりゃ、あれだけ息の合った夫婦漫才見せられたらねぇ…」
まゆり「いくらまゆしぃでも気付いたのですっ!」フンス
ダル「ま、気にすんなお童貞くん」ポンポン
冬馬「一緒にすんな!…あ、一緒か」
北斗「…で、あの2人をくっつけてやりたい、と」
冬馬「……ああ」
冬馬「だから、あいつにも何か見返りがねぇと不公平だと思うんだ」
翔太「冬馬くんは変なところで律儀だね!」
ダル(ま、くっつけるのは別にいいとして…そんなこと言ったらオカリンは多分怒ると思うお)
冬馬「あとは助手さんの気持ち次第なんだけど…うーん、こればっかりは分からねえからな…」
北斗「いや、紅莉栖ちゃんも凶真のこと好きだろ」
冬馬「え?」
北斗「凶真がフェイリスちゃんに抱きつかれてるの見て、ちょっと嫉妬してたし」
冬馬「……え?」
全員「うん」
冬馬「……まじかよ」
イケメンし童貞
童貞
まゆり「よしよしだよ~冬馬くん」ナデナデ
ダル「じゃ、あとは計画だけだお!」
翔太「お!意外とダルさん乗り気?」
ダル「当たり前だお!こんな祭りのヨカーン、笹食ってる場合じゃねぇ!」
北斗「それではここは、元ホストの俺に任せてもらいましょうか」
翔太「出た!北斗くんのチャオチャオプラン!」
北斗「いいかい?まずは紅莉栖ちゃんを凶真の到着より少し遅らせてラボに来させるんだ、それで…」
まゆり「ふむふむ…」
ダル「ああん電話切らないでほしいお…大事な連絡だお」
ダル「…そうそう、今から冬馬くんの誕生日パーティするお!」
ダル「……え?前にプロフィール見たときはひな祭りのはずだったって?こまけぇこたぁいいんだお!」
ダル「だからドクペいっぱい買ってきてほしいお!」
ダル「あ、でも今冷蔵庫の食材を処理してる最中だから……」
ダル「1時間後くらいにラボに来てくれると助かるお」
ダル「…うーい、そんじゃよろしくだおー」ピッ
翔太「ダルさんさっすが!はい、キンキンに冷えたコーラ!」
ダル「恐れ、ひれ伏し、崇め奉るお」キリッ
冬馬「ああ、任せとけよ」
翔太「大丈夫だよ!オカリン単純だし、僕の考えた先読み台本通りでいけるはず!」
まゆり「ファイトだよ、冬馬くん!」
冬馬「ああ、この程度のミッション、俺たちジュピターにかかれば…」
冬馬「楽勝、だぜ!!」ブワサッ
・・・・
冬馬「……ってわけだ、どうだった俺の演技は?」
岡部「俺だ…どうやら機関の妨害工作を受けているらしい…ああ、そうだ」
紅莉栖「お、お、おれのものって、その、あの/////////」
冬馬「聞けよ」
岡部「お、お前ら!もしや全部聞いていたのか!?」
ダル「俺のものだからな(キリッ、…だってお!!なんだこれ、マグマかおっ!?」
岡部「き、貴様ダル!許さんぞぉ!」
北斗「…さ、それじゃ俺たちは帰ろうか」
翔太「そうだね!お邪魔みたいだし!」
岡部「お、お、お前ら!このまま帰れるとでも思っているのか!!」
冬馬「じゃあな凶真、頑張れよ」
岡部「あ、おい冬馬!」
岡部「……行ってしまった」
紅莉栖「……」
紅莉栖「……」
岡部「……怒っているのか?」
紅莉栖「…さっきのは」
岡部「…?」
紅莉栖「さっきのは、ホントなの…?」
岡部「……ああ、本心だ」
紅莉栖「アンタと私は出会ってまだ数週間だぞ?」
岡部「俺はそうは思わん」
紅莉栖「また別の世界線の話か…」
岡部「そんなことは関係無いと言っている!」
紅莉栖「!!」
岡部「今のお前がどの世界線の牧瀬紅莉栖であろうと!俺は!」
岡部「牧瀬紅莉栖!お前が好きなのだ!!」
紅莉栖「………っ!」
岡部「…それが、シュタインズ・ゲートの選択だ」
紅莉栖「…最後の一言は余計だろうが、バカ岡部ぇ……う、ううっ…」
岡部「な、なぜ泣くのだ助手よ!」
紅莉栖「分からん…分からんけど目から汗がぁ…!!あと助手ってゆーなぁ…!」
……。
まゆり「んー?なにが?」
ダル「オカリンのこと」
まゆり「…残念じゃないって言ったら、嘘になるのです」
まゆり「…でも、たまーにだけど」
まゆり「怖い夢を見たとき、夢の中でオカリンがまゆしぃを助けに来てくれるのです」
まゆり「オカリンもこわーい顔でね?ぶわーって!まゆしぃはそれで満足なのです!」
ダル「……」
まゆり「…だから今は、それでいいかなーって」
ダル「そっか」
まゆり「うん!」
ダル「…ま、NTRの極意ならエロゲマスターの僕に任せるといいお」
まゆり「ねとり?なにそれダルくん」
ダル「なんでもないお!ほら早くしないと電車乗り遅れるおー!」
まゆり「わわ!ま、待ってよダルくーん!」
翔太「はー、面白かった!」
北斗「それにしても冬馬、お前演技上手くなったな」
冬馬「俺なりに練習したんだよ…DVDとか見てな」
翔太「相変わらず真面目だなー冬馬くんは」
北斗「ははっ、ムキになるなって冬馬」
冬馬「ったく…」
翔太「……ね、二人とも良かったらさ」
北斗「ん、どうした?」
翔太「…このあと、ご飯行かない?」
冬馬「あ?今日はコスプレイベントにさっきのごたごたで疲れてんだよ」
北斗「…でも、行くつもりなんだろ?」
冬馬「……当然だろ」
翔太「…!じゃ、じゃあ僕、回転寿司食べたい!」
北斗「よーし!そんじゃ寿司食いに行くかー!」
冬馬「あ、おい!俺を置いて行くんじゃねえよ!!」
岡部「…さ、いよいよ本番だ」
北斗「今までありがとうな、凶真」
翔太「楽しかったよオカリン!」
岡部「ふん、本番前だというのに緊張しとらんのかお前らは」
冬馬「……」
岡部「…おや?冬馬は緊張しているのか?」
北斗「……じゃあ、俺たちは先にスタンバイしておくよ」
翔太「放送始まって30分くらいしたら僕達の出番だからね、オカリン!」
岡部「ああ、楽しみにしておく」
岡部「…」
岡部「……さて、冬馬よ」
冬馬「…俺は、昔テレビで見たアイドルに憧れて、アイドルになろうと思ったんだ」
冬馬「……東京に出てきて、信頼できる人なんてほとんどいなかった」
冬馬「地元で黒井のオッサンにスカウトされて、上京して…」
冬馬「知り合いなんて全くいない中で、信じられるのは自分だけだった…!」
岡部「……」
冬馬「…だけど、お前に会って、ラボメンのみんなと会って、ジュピターの2人と会って…」
冬馬「……仲良しごっこも、悪くねえなって思った」
岡部「…仲良しごっこのつもりは無いのだがな」
冬馬「そういう意味では、感謝してもしきれねえ」
冬馬「……今まで、ありがとうございましたっ!!」バッ
冬馬「……でも、感謝の気持ちは本当だ」
岡部「…つらくなったら、いつでもラボに戻ってくるといい」
岡部「なぜならお前たちも、ラボメンの一員なのだからな」
冬馬「きょ、凶真ぁ…!!」
岡部「ええい!男が泣くな気持ち悪い!」
冬馬「だ、だけどよ…!ぐすっ…」
岡部「まったく…そのような気構えでは、芸能界を生き抜くことなど出来んぞ?」
冬馬「へ、へへっ…ちげえねえや…」
岡部「ふむ、そうだな…」
岡部「……!!」
冬馬「へ?そ、それはいつも言ってる鳳凰院凶真…」
岡部「良い機会だ」
岡部「……貴様にも真名を授けてやろう」
冬馬「!!!」
岡部「この芸能界を生き抜くには、へぁんぱな覚悟ではやっていけないのはお前も分かっているだろう」
岡部「時には非情に…冷酷なまでに勝負に徹しろ…!!」
岡部「…そのために、貴様は鬼となれ、羅刹となれ……っ!!」
岡部「今日から貴様は……!!!」
岡部「“鬼ヶ島羅刹”だッッッッ!!!!!!」ブワサッ
冬馬「鬼ヶ島…羅刹……!!」ゴクリ
冬馬「凶真…」
「おーい冬馬ー!そろそろスタンバイしないとまずいぞー!」
「そうだよ冬馬くーん!早く早くー!」
冬馬「あ、ああ!分かった、今行く!」
冬馬「…それじゃ凶真、行って…」
冬馬「……!」
冬馬「…へへっ、もういねえ」
冬馬「ありがとよ、凶真…いや、岡部倫太郎」
冬馬「……」
冬馬「エル・プサイ・コングルゥ…」
岡部(ふむ、我ながら良いネーミングセンスだ)
岡部(鬼ヶ島羅刹…うん、いいなやっぱり)
岡部(……む?テレビ局から戻ってきたら、もうあいつらの出番か)
岡部(街頭テレビで申し訳ないが…しばし足を止めて見ていくとするか)
コイヲハジメヨウヨー♪ ジャン!!
岡部(って終わりかい!!)
岡部(…まあ、北斗もバク転を無事決めたようだし、問題無かろう)
岡部(これからは貴様ら次第だぞ?ジュピターよ…)スタスタスタ…
『それでは期待の新人、ジュピターの3人でした…って、と、冬馬くん!?』
『すんません!!ちょっといいですか!?』
『そうだ!テレビの前でこの番組を見てるお前だ!』
『今!お前にはやりたいことはあるか!?夢はあるか!?』
『無いなら見つけろ!あるやつは努力しろ!』
『少なくとも俺たちはそうした!』
『テレビの中の人物が自分じゃないなんてのは、誰にも決められねえんだ!』
『迷うくらいなら行動しろ!前に進め!』
『それが!!』
『シュタインズ・ゲートの選択だ!!!!』
chapter 6 『偶像崇拝のアイドルマスター』 END
紅莉栖「はぁー…講演疲れた、っと…」
紅莉栖(それにしても無茶苦茶ね、ジュピターの3人ったら)
紅莉栖(新人が生放送であんなこと言って…ま、@ちゃんねるではなんだか高評価みたいだったけど)
紅莉栖(これから彼らがどうなるのか…軽い気持ちで見守ってやるとしますか)
紅莉栖(……そ、それにしても…)
紅莉栖(わ、私と岡部って付き合ってるのよね?自分でもよく分からないわ…)
紅莉栖(……こ、このあと会ったら問い詰めてやろうかしら…えへへ)
紅莉栖(だってその…こ、恋人?なんだし…)
??「…む?あれは…」
紅莉栖(い、いかんいかん!こんなこと考えてるからHENTAI処女とか言われちゃうのよぉ!)
??「ちょ、ちょっとそこのキミ!」
紅莉栖「ふぇ?」
??「ああ!そこのキミ!そう、キミだよ!」
紅莉栖「…え?あ、私に何か…?」
??「そのスレンダーなボディに利発そうな顔立ち…ティンときた!」
??「ウチでアイドルをやってみないかね!?」
紅莉栖「……はぁ?」
岡部「961プロ…?」 END
黒井社長は最初のつかみだけで出番終わってしまいましたね
彼には可哀想なことをしました
ちなみに突っ込まれませんでしたが、メールの返信内容は特に展開にも関係ありません
投下中ヒマにならないようにというのと、シュタゲっぽさを出したかったから取り入れました
それでは、エル・プサイ・コングルゥ!
なにはともあれおtマグマ!?マグマだ!!
うまく融合してた!!
面白かったよ
Entry ⇒ 2012.06.06 | Category ⇒ シュタインズゲートSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
恒一「クラスの誰かが巨乳になる現象……?」千曳「あぁ」
千曳「しかし彼はあるとき、胸の惨状を嘆く女生徒の声を耳にした。優しい彼のことだ。放っておけなかったのだろう。彼はこういったんだ」
千曳「『彼女の胸はある!ほら、今も僕の掌に納まるほど豊満に!!』」
千曳「残念ながら女生徒の胸は断崖絶壁だったからそんな訳がない。女生徒は自覚していたから当然泣きだしてしまった。だが」
千曳「『本当だ!岬の言うとおり、胸がある!なんて大きいんだ!!』」
千曳「崇拝にも似た支持を受けていた彼だ。そんな彼の言葉を蔑には皆しない。
他の男子生徒も同様に女の子の胸があるように扱い始めた。それから他の男子生徒も、女子生徒さえも。
彼女の胸があるものと扱い始めた。当時、教育熱心な教師であった私も、若気の至りで、それが正しいと思ってね」
千曳「それから皆でその女生徒の胸があるように接し始めた。胸の近くで腕を振れば空を切ってもあたかも彼女の胸に触れたように。最初は居た堪れなさそうだったが、
やがてその女生徒も慣れていき、次第に自分に胸があるようにふるまい始めた」
千曳「大分大きめのブラを買ったりね」
恒一「そんなことが……」
千曳「信じられないと思うが、確かに現象はそこにあるんだ。因みに、その生徒と言うのは君のお母さんの理津子君だ」
理津子「えへへ///」テレテレ
恒一「母さん……」
千曳「付け加えれば十五年前は怜子君だった」
三神「えへへ///」テレテレ
恒一「怜子さん……」
バンッ
鳴「話は聞かせてもらった」
小椋「対策が必要ね!」
恒一「……」
小椋「しゃ、しゃーないわね!」ビシッ
鳴「誰かに押し付けるくらいなら、私が」スッ
綾野「いきなり始まったけど……『有る乳』って何?」
恒一「実はかくかくしかじか」
綾野「え、何それ!?ずるーい!あたしも!!」ビシッ
赤沢「……他は?」
勅使河原「つーか、いきなり始まったけどあるちちってなんだよー。親父あるあるか?」
赤沢「胸の無い女子の為に有るように扱ったら卒業後爆乳になるって話よ」
勅使河原「なんだそれ。ただの成長期だろ」
鳴「愚鈍に構っている時間などない」ギロッ
綾野「てっしーはお口チャックね」ギロッ
勅使河原「えっ、ごめんなさい……」
赤沢「勅使河原にしてはまともな意見だと思うけど、生憎そうとも言い切れないのよ。ねぇ、お義母様?」
理津子「この私が証明です!」
恒一「母さん……」
三神「私もです!」
恒一「怜子さん……」
赤沢「今配っているプリント見てもらったら解かるように、中学三年生の段階で絶望的だった胸が現象のおかげで
現段階でこれほどまでの膨張を見せているわ。つまり現象は――ある」
小椋「……!」ゴクリ
鳴「……!」タラリ
恒一「いや……僕は正直どうでも……大小関わらずその人の胸の個性を大切にすべきだと思うよ」
水野「流石榊原、良い事言うじゃねえか」
前島「おっぱいの前に大小など些事に過ぎない」
綾野「そ、そっか」
勅使河原「まぁ、眼福が増えるにこしたことはねーよな。望月もやったらどうだ?」
望月「えっ。それどういう意味?」
赤沢「え~、では、以上の三名の胸をこれから有るものとして扱ってください~。では、これで会議を終わります~(棒)」
小椋「始まったのね……!」
鳴「……刻が、動き出す」
恒一「ごめん……僕が千曳さんに怪談を訊きにいったばっかりに……」
赤沢「恒一君が自分を責める必要なんてないわ」ポヨン
桜木「そうです!元気を出してください!」ポヨン
鳴「私の胸で、傷付いた榊原君を癒してあげる」ダキッ
ゴリゴリ
鳴「気持ちいいでしょ?」
恒一「(痛い)」
ベシッ
鳴「き・も・ち・い・い・でしょ?」
恒一「あーはいはい気持ち良いですー」
鳴「そう。良かった」
桜木「そ、そうですよ!榊原君、痛そうです!」
鳴「桜木さん、それって大丈夫なの?」
桜木「あっ……!」
勅使河原「何も問題ないだろ。見崎の胸が無いことを指摘して人が死ぬわけでもあるまいし」
赤沢「見崎さん、そういう強引な手法はペナルティを与えざるを得なくなるわよ?」
鳴「チッ」
赤沢「まったく……恒一君、大丈夫?」ダキッ
恒一「ちょっ、赤沢さんっ!? あ、あの、さ?」ポヨポヨ
赤沢「うん?何?」ナデナデ
恒一「うぅ///」
鳴「……!」ギリッ
小椋「いやーもうねー!本当肩こりがひどくて大変だわー!!」ブンブン
杉浦「へぇ」
綾野「あたしもー」
杉浦「ふぅん」
小椋「あたしぐらい胸が大きいとさー!本当困っちゃう!男子の視線とかやらしいよねー!!」ノッペリ
綾野「本当やーねー」
杉浦「あ、中尾。日誌お願い」
中尾「まかせろー」
小椋「あたしくらい胸が大きいとさー!!」ツルペタ
杉浦「泉美、榊原君。いちゃつかない」
赤沢「い、いちゃついてなんかないわよ!?」パッ
恒一「温もりが……」
鳴「赤沢さんの断崖絶壁、痛かったよね、榊原君?」ナデナデ
恒一「……温もりがぁ」
恒一「おうふっ」ポヨポヨ
風見「」ガタッ
鳴「」グワッ
桜木「ど、どうですか?榊原君……/// あ、赤沢さんほどじゃないかもしれないですけど……」
恒一「いや、赤沢さんよりずっと大きいよ……とても気持ち良い、桜木さん……///」
桜木「そ、そうですか!よ、良かったです///」ギュゥッ
赤沢「ちょ、ちょっとゆかり、何しているのよ、離れなさい!」
桜木「あ、あうっ」パッ
風見「こ、此処にゆかりの胸がああああゆかりの胸があああああああああああああああ!?」ズリズリ
恒一「(痛い)」
鳴「……!」ワナワナ
赤沢「誰が淫乱よ……」
桜木「そ、そうですっ!もとはと言えば見崎さんが……」
鳴「煩い。それよりも二人とも、ちゃんとして。私の胸はある」
赤沢「はいはい」
桜木「解かってます……」
鳴「榊原君も、ね?」
恒一「う、うん。でも、出来れば抱きつくのとかは勘弁してほしいかな(痛いから)」
鳴「そう……恥ずかしいもんね?」
恒一「うん、まぁ」
鳴「こんなところで榊原君にその気になられたら大変だもんね。気を付けます」
恒一「ありがとう」
水野「おっと、わりっ」
小椋「ちょ、ちょっと気を付けてよね!女の子の胸はデリケートなんだからっ!」
水野「えっ今の骨」バキッ
小椋「同感だわ」
赤沢「……とまぁ、初日の終わり。二人からこんな意見が寄せられたわけですが」
勅使河原「赤沢も大変だな……」
赤沢「今日ばかりはあんたの同情も甘んじて受けるわ……そういうわけで、皆明日からもうちょっと頑張ってください」ポヨンッ
ハーイ
小椋「まったく!」スカッ
鳴「ちゃんとして」スカッ
恒一「(赤沢さんと同じように腕組みをして風が胸を素通りする姿……なんて嘆かわしい)」ブワッ
綾野「こういっちゃんよしよーし」ナデナデ
望月「そういえば、綾野さんは良いの?」
綾野「うん。飽きちゃった」
恒一「何?」
鳴「今日、この後暇?」
恒一「まぁ、特に用事はないけど」
鳴「付き合って欲しいところがあるの」
恒一「うん、良いよ」
恒一「(下着ショップ……まさか)」
鳴「今のブラ……ちょっと小さいから」
恒一「(してたんだ……)」
鳴「用事、無いって言ったよね?」グッ
恒一「いやあの実は今思い出して」
鳴「言った・よ・ね?」
恒一「あ、はい。いやでもこういうところに男の僕が入るのはまずいんじゃないかなーって」
鳴「誰も気にしないから、ほら、来て」グイッ
恒一「うっ……。……はぁ」トボトボ
恒一「(もう服じゃないかそれ)う、うん……良いんじゃない?」
鳴「じゃぁ、これ買う」
恒一「えっ。いや、でもさ」
鳴「明日……付けて来るから///」
恒一「(着てくるの間違いだろ?)」
店員「お客様」
恒一「あぁ!そうですよね、僕みたいな男がこんなところに居たら迷惑ですよね!はいっ、すぐ出ていきます!」
鳴「……?」
店員「……お客様にはちょっと合わないかと。なんでしたら、寸法を測り致しましょうか?
それから選ばれたらどうでしょう?」
鳴「……これから大きくなるから、これで良い」
店員「いや、流石にいきなりそれほどには……」
鳴「……これからちゃんとおおきk」
恒一「見崎! そう言わずにさ、ね?店員さんの厚意に甘えよう?ね?今日買ったのが小さくなったら、
また買いにくれば良いからさ、ね!?」
恒一「(此処で止めないと……あんなもの着て学校なんかに来られたら見崎がとんでもない恥をかくことになってしまう)」
鳴「……榊原君が、そう言うなら……」
店員「そうですか!では、こちらに」
鳴ちゃんには崩れるだけの胸は無かったね、ごめん
恒一「(――なんて居心地が悪いんだ!心なしか、周囲の視線が僕に集まっているような気が……!)」
恒一「(違うんです、僕はクラスの女の子に付いてきて欲しいと言われただけなんです……!)」
恒一「(むがーい僕むがーい)」ピョンピョン
赤沢「……恒一君?」
恒一「あ、赤沢さん!と杉浦さん!」ピョンピョン
杉浦「どうして飛び跳ねているの?」
恒一「あ、いや、これは、その、そういう事情があってねあはは……」ピョンピョン
杉浦「止めた方が良いと思う」
恒一「だ、だよねー……」
赤沢「それよりも!どうしてこんなところに居るの!?此処、何処だかわかってる!?」
恒一「解かってるよ!でも見崎が強引に……!」
……ってあぁ、現象の……どっちにしろ許せん」ギリギリ
恒一「そ、そういう赤沢さんは?」
赤沢「私は……まぁ、同じような理由ね。由美に強引に……」
小椋「これなんてどうかな?」
綾野「着ていくの?」
恒一「……お互い、苦労するね」
赤沢「本当……なんでこんな厄介な現象が……大体胸なんて放っとけば嫌でも大きくなるのに」ポヨン
杉浦「それ、絶対あの二人の前で言っちゃだめだからね」
赤沢「貴方こそ、なんで恒一君をこんなところに連れ込んでるのよ」
鳴「榊原君が来てくれるって言った」
恒一「(言ってない)」
赤沢「……嘘でしょ?」ジッ
鳴「嘘じゃないよね?」ジッ
恒一「あはは……」チラチラ
杉浦「(情けない男……)見崎さんは、何をしていたの?」
鳴「……胸の寸法測ってもらった」
杉浦「サイズは?」
鳴「……J」
鳴「J……もしかしたらK」
赤沢「はいはい巨乳巨乳」
鳴「赤沢さんは?」
赤沢「私?うーん、前に測った時はDだったけど……今そのブラじゃちょっときついのよね……」
恒一「……へぇ」
赤沢「――!? ちょっ、恒一君!今の、嘘、聞かなかったことにして!!」
杉浦「嘘なら、聞かなかったことにしなくて良くなっちゃうよ?」
赤沢「もー!なんでこんなところに男の子がいるのよぉ!!」
鳴「……」ガシッ
赤沢「えっ?」ムニュッ
鳴「……」モミモミモミ
↓
JA
↓
農協
↓
NO胸
つまりそういうことか
恒一「え?僕も良いの?」スッ
杉浦「良い訳ないでしょ!!」ドスッ
恒一「ごふっ……だよねー」ガクッ
赤沢「やめっ……もう!」パシッ
赤沢「なんなのよいきなり……!こんなところで人の胸もみしだいて何のつもりよ……!J(笑)なら自分の触ってなさいよ!!」
鳴「……取れないかなって」
赤沢「取れるか!」
赤沢「えっ、えっ!?」ペタペタ
赤沢「……えぇ?」 ツルペタ
恒一「赤沢さんと桜木さん、今日は欠席か」
勅使河原「実は巨乳が死んでいく現象だったりしてな!」
望月「縁起悪いよ、勅使河原君……」
小椋「いやぁ、昨日買ったブラもなんだかさーもうきつくなってきてー」
中尾「うぃーっすって小椋なんでブラジャー着て」バキッ
恒一「え、僕?」
杉浦「あんたは泉美のお気に入りだからね」
中尾「俺も行く!」
勅使河原「弱った赤沢も面白そうだから俺も!」
綾野「んじゃ、あたしもー」
小椋「泉美に胸枕しないといけないからあたしも!」
望月「とどめを刺しにいくつもりなの?」
鳴「……私も。赤沢さんには、いつもお世話になっているから」
杉浦「(とどめを刺しにくるつもりなの……?)」
美咲にお風呂で揉みしだかれてたし
えっ
桜木「……赤沢さんもそうなっているってことは、おそらくは」ペタ
赤沢「……」
桜木「……」
赤沢「こ、これって……まずい?」
桜木「どうなんでしょう……なんだか憑き物が落ちたような気持ちもするけど……」ペタペタ
赤沢「そうよね……なんか、思いっきり走り周りたい気分」
桜木「あ、解かる解かる!」
ピンポーン
赤沢「誰か来た」
赤沢「えぇ……元々体調が悪かったわけではないの。ただね」
勅使河原「……なんだか、物足りない気がするな」
恒一「あぁその気持ち、とてもよくわかる……」
中尾「そんな赤沢さんも好きだ」
綾野「なんだろうなー……うーん……」
赤沢「あはは……そのぉ……」ポリポリ
鳴・小「「」」ブフォッ
小椋「ちょっと泉美wwwwどうしたのその胸wwwww」
鳴「くっwwww胸まで無くなってwwwwもう何も無いwwwww」
赤沢「あはは……」ピキピキ
赤沢「……そうよ。今の私は貧乳よ」
鳴・小「「wwwwwwwwww」」ブフォモァッ
赤沢「私の部屋にゆかりも居るから……とりあえず、皆上がって」
風見「お邪魔します」
風見「そんな桜木さんも素敵だよ」
桜木「あ、ありがとうございます……」
恒一「なんか大変なことになったみたいだね」
赤沢「それほど悪い気分じゃないけどね?」
桜木「そうですね。なんだか動きやすいし!」
風見「そんなゆかりも素敵だよ」
勅使河原「まぁツンデレツインテで貧乳じゃなかった今までの方がおかしかったからなぁ」
赤沢「何語よそれ」
中尾「どんな赤沢さんでも、俺は好きだよ?」
赤沢「きもい」
望月「それよりも……どうしてこんなことになったんだろうね」
鳴「貧乳に泣く」
赤沢「別に泣いてないけど……」
桜木「これなら体育とか頑張れそうです!」
綾野「おっ、良いねー。泉美んち確か外にバスケットゴールあったよね?バスケしない?」
桜木「やりまーす!」
風見「やれやれ」カチャッ
勅使河原「そっちの方が面白そうだな!」
赤沢「まぁ、期せずしてバカの厄介払いが済んだから……ってあんたたちもあっちに行って来たら?」
小椋「いやいやwwwww」
鳴「こんなに面白いもの、ほかにないwww」
赤沢「あっそう勝手にしなさい……。とにかくこの現象、少し厄介かもね」
鳴「都落ちの気分はどうwwwどうwwww?」
恒一「やっぱり現象の仕業なのかな?」
杉浦「そうとしか考えられない。でなきゃ、こんな短期で胸が萎むなんて起こり得ないよ」
望月「だとしたら――実は巨乳になる現象じゃなかったとか」
鳴・小「「」」
赤沢「……かもしれないわね」
鳴・小「「はああああああああああああああああああああああああ!?」」
赤沢「何に僻めっていうのよ」
鳴「なんでも現象の所為にするのはどうかと思う。流石は無能ね」
赤沢「もうあんたたちしゃべんないでよ」
杉浦「元に戻る方法とか……ないのかな?」
赤沢「さぁね……私は別にこのままで構わないけど。ゆかりもなんだかんだ楽しそうだし」
小椋「泉美、ちょっとメジャーとかない?」
赤沢「黙ってろつってんのに……机の引き出しに入ってない?」
鳴「あった」
小椋「よし、泉美脱げ」
赤沢「馬鹿じゃないの、あんた」
杉浦「榊原君は止めたいんだね」
恒一「当たり前だろ!?」
中尾「はっきり言いやがったなこの変態」
恒一「もう僕を胸でよしよししてくれるのが杉浦さんしかいないだなんて……」
杉浦「しねーよ」
恒一「僕はなんとしても赤沢さんと桜木さんの胸を元に戻してあげたい。協力してくれ」
中尾「やだよ」
杉浦「二人は満足しているしね」
赤沢「で、測ったけど……あんたたちはどうなのよ」
小椋「黙れ」
鳴「死ね」
恒一「どうした望月。何か妙案が……?」
望月「三組一の巨乳は三神先生。訂正お願いね?」
恒一「よし、誰か何か対策はないのか?」
中尾「ねーよ」
杉浦「私もバスケしにいこうかな」
小椋「バスケでケリつけようぜ?なぁ」
鳴「だろ?」
赤沢「なんなのよ……あんたたち……」
恒一「……」トボトボ
桜木「榊原君――手加減はしませんっ!」ダッ
恒一「……」ババッ
桜木「きゃぁっ!」
ゴリッ
恒一「……勅使河原」シュッ
赤沢「脇ががら空きよ恒一君!」バッ
ゴリッ
恒一「……」
恒一「(いけない……全くバスケを楽しめない……)」
恒一「(あの二人の胸が無いというだけでこの喪失感……僕は……)」
恒一「(無くして初めて大切なものだと気付いた……おっぱい)」
恒一「……もっと触っておけばよかった!!」ガシッ
杉浦「」モニュッ
杉浦「……下種が」ペッ
恒一「くっ……畜生、僕はなんて無力なんだ……!」
恒一「……ただいま」
理津子「お帰り、恒一」
怜子「おかえりー」
恒一「うっ……怜子さあん!」ダキッ
怜子「おーおーどうしたの?」ヨシヨシ
恒一「(これだ……僕が学校に求めているのはこの温もり)」ズリズリ
理津子「何やってんのよあんた」ガシッ
恒一「あー怜子さーん」
怜子「こーいちくーん」
理津子「良い年こいて叔母の胸に埋もれてるんじゃないの。あんたも甘やかさない」
怜子「良いじゃない。ねぇ?」
恒一「ねぇ……?」
理津子「顔が下種なのよ、恒一」パンッ
恒一「……」ジンジン
理津子「人の所為にしない」
恒一「あんたたちが始めたんじゃないか!!」
理津子「恒一……」
恒一「嘘っぱちだ……畜生、夜見山岬に逢わせろ!!一発顔をぶんなぐってやる!!」
理津子「彼の顔にもう殴る箇所なんてないわよ……」
恒一「騙された……千曳さんもあんな嘘を教えやがって!何が卒業式には巨乳になる現象だ!
寧ろこんな大事な時期に僕のおっぱいが貧乳になったじゃないか!!」
理津子「あんたの胸は貧乳云々じゃないでしょ」
恒一「違う……そうじゃない……話を聞いてくれないか、母さん……」
理津子「聞きたくないけど……まぁ、話してみなさい」
恒一「あぁ……くそっ、なんでこんなことに……!!」
理津子「……それはないわ。確かに、糞山下種きの呪いのおかげで、私の胸は膨らんだから……
成長期にしては異常な膨らみ方をね。怜子もそうだった」
恒一「え……じゃぁ、じゃぁどうして僕のおっぱいは断崖のように萎んだんだよ!?」
理津子「だからあんたはおっぱい云々じゃないでしょ。もう変なところで馬鹿になるのあんたのお父さんそっくり」
恒一「あんな変態と一緒にいないでくれ!!」
理津子「十分あんたは変態でしょ」
恒一「あんな変態の話は良い……それよりも、夜見山岬に逢わせてくれないか……?それが本当なのか、聞きたいんだ」
理津子「千曳さんに聞いて勝手に会いに行って。私、あいつ嫌いだから」
恒一「……解かった」
ここまで酷い渾名はなかなか無い
千曳「榊原君。こちらが、件の夜見山岬君だ」
恒一「どうも、初めまして……榊原恒一です」
夜見山「あまり畏まらなくて良いよ、恒一君。それにしても、若い頃の三神さんになんとなく似ているね」
千曳「それは私も思ったな。お母さん似なんだね」
恒一「えぇ、まぁ」
夜見山「さて……世間話はこれくらいにして、本題に移ろうか。僕に訊きたいことがあるんだよね?」
恒一「……貴方が起こしたのは、本当に、貧乳が巨乳になる現象なんですか?」
夜見山「……あぁ、間違いないよ。現に三神さんは大きいだろう?」
恒一「少し垂れてきたようにも思えますけどね」
夜見山「悪意はなかったんだ……彼女が困っているように見えたから、なんとかしてやりたくてそれで……」
千曳「その通りだ。だから夜見山君を責めないでやってくれ。彼はもう、学生時代にこれほどかというほど理津子君から制裁
を受けたからね」
夜見山「止めてください先生……傷が、疼く」
夜見山「それはもう、断崖絶壁さ」
千曳「そこには何もなかったよ。愛も、脂肪も。それが夜見山君の働きのおかげで、あそこまでに
成長したんだ。これを奇跡と言わずなんと言おう?」
夜見山「おかげで僕はおっぱい星人にされましたけどね。尻の方が好きなのに」
千曳「今は……写真家をやっているんだっけ?」
夜見山「はい。あ、そうだ先生。これ今度出す写真集です」
千曳「ほほぅ、これはこれは」
夜見山「恒一君もどうだい?」
恒一「このアングル――良いですね」
夜見山「だろう?」
千曳「十一年の歳月を経て蘇ったと言った方が正しいかな。奇しくも同じ三神姓の少女にね」
恒一「それまでは……?」
千曳「誰もやろうとしなかったよ」
夜見山「よく考えれば当然ですよね。今思い出すと本当に、若気の至りだったとしか」
千曳「まずあれほどの断崖絶壁もなかなかいないからね(笑)」
夜見山「ですよね(笑)」
恒一「……それじゃぁ」
恒一「どうして、僕のおっぱいは萎んだんですか……!?」
夜見山「えっ(驚愕)」
夜見山「き、君……おっぱいがあったのかい?」
恒一「いえ……僕じゃなくて、僕のおっぱいが、萎んだんです」
夜見山「言っている意味が分からない」
恒一「……解かりました。ちょっと待っていてください」スタスタ
恒一「……これが僕のおっぱいです」
赤沢「初めまして……えっと……」
桜木「……?」
夜見山「これはまた……見事な絶壁だ」
夜見山「妹さんは知らないですが、確かに三神さんは他の女の子と比べるのは冒涜ですね」
赤沢「恒一君……千曳さんと……この人は?」
恒一「彼が、夜見山岬だ」
桜木「!? 夜見山岬って……現象を生んだ張本人……!」
夜見山「勘違いしないで欲しいんだけど、僕はおっぱいよりもお尻の方が好きだな」
赤沢「……下種ね」
桜木「最低……!」
夜見山「恒一君のお母さんにもよく言われたよ」
恒一「夜見山さん、この二人が僕のおっぱいです」
千曳「……なるほど、確かに萎んでいるな。夜見山君、そちらの子は解からないが、こちらの赤沢君は私とも親交のある
生徒なんだ。彼女の胸はこんな有様ではなかった」
夜見山「なんだと……それじゃぁ!」
恒一「二人がこうなったのは……どうしてなんですか、夜見山さん!!」
夜見山「……!?」
夜見山「僕なりに、調べてみるよ……といっても当時の同級生を当たるくらいしか出来ないけど」
恒一「……僕ももう一度母に当時の事を詳しく訊いてみます。それと怜子さんにも。
……二人とも、必ず元に戻してあげるからね」
赤沢「いや、別に良いんだけど」
桜木「寧ろこのままの方が……」
恒一「……必ず元に戻してあげるからね!!」
恒一「ごめんなさい……」
怜子「ふあぁ……ん?どうしたの恒一君、元気ないね?」ダキッ
恒一「怜子さん……」
怜子「ほれほれ~元気出して~?」モニュモニュ
恒一「ありがとうございます……」
怜子「何か困っていることがあるなら私になんでも相談しなよ~?」
恒一「はい……実は――」
恒一「はい……」
怜子「……」
恒一「僕……――二人を、もとに戻してあげたいんです」
怜子「恒一君……」
恒一「二人の胸を元に戻してあげたい……怜子さん、お願いです!母さんじゃ埒が明かない、当時の事、もっと詳しく教えてもらえませんか!?」
怜子「恒一君……ごめんなさい……私ももう大分昔の事だからあんまり覚えては……」
恒一「どんな小さなことでも構わないんです!お願いします!!」
怜子「――止めてよ!!……私、ちっちゃくないもん。あるもんっ」グスッ
恒一「うあっ、ごめんなさいっ!」
怜子「いえ、私の方こそ……昔の事をちょっと思い出して……そうね――そういえば私の年は……誰かの……胸が……」
恒一「!? 怜子さん、どうなったんですか!?」
怜子「ごめんなさい……私以外の誰かの胸で騒いだっていうのはなんとなく覚えているんだけど……詳しくは……」
恒一「……怜子さん」
恒一「(結局何もわからぬ仕舞い……か。千曳さん、夜見山さんはどうなんだろう……)」
望月「榊原君」
恒一「望月……」
望月「実は聞いてもらいたいことがあるんだけど」
恒一「うん……何?」
望月「うちの姉さんが働いている喫茶店……夜にはバーになるんだけどさ。その常連さんでね」
望月「三年三組の現象に深く関わった人が……いるみたいなんだ」
望月「うん……あんまりにもお笑い草だから姉さんに話したら……姉さんも、聞いたことがあるって。
そのお客さんが居ることを、話してくれたんだ」
恒一「その人は今何処に!?」
望月「それは解からないけど……今日、姉さんに詳しい話を聞きに行くのはどうかなって思ったんだよね」
恒一「ぜひ頼む……!」
鳴「クラスの女子総貧乳化開始」
小椋「ヒエラルキーってものを教えてあげましょう」
赤沢「詳しい事解かってないのに……あんたたち本当に必死ね」
恒一「はい。榊原、恒一と言います」
智香「三年三組の現象の話よね?」
恒一「はい……此処の常連さんが、深く関わったと聞いて。なんでも良いんです。
教えてもらえませんか?」
智香「えぇ……ええとね、秋山さんって人なんだけど――」
秋山『飲まずにやってられっかぁ!ちくしょう……またフラれた……これも全部胸が小さいからだ!!』
智香『関係ないと思うわ』
秋山『マスター!バーボンだ、バーボンもってこーい!!』
智香『本当に酒癖が悪いんだから……』
秋山『畜生……ヒック……これが全て過ちというのか。この俎板は罰なのか?そうなのか?』
智香『はいはい』
秋山『聞いてくれマスター……夜見北中学三年三組の悪夢の話を――』
智香『はいはい。後、別に私マスターじゃないから』
秋山『……ぐぅ』zzz
智香『って寝ちゃってるわね』
智香「というわけなのよ」
恒一「なるほど……その秋山さんって人は何処に!?」
智香「さぁ……流石にそこまでは……」
望月「三年三組の現象はただ胸が膨らむってだけじゃなくて……何か別の反作用があるってことかな?」
恒一「それで間違いないだろうな。おそらくそれは胸が萎む現象。赤沢さん、桜木さんそして……その秋山って人が、それを受けた」
智香「彼女が結婚できないのは胸云々は関係ないわね」
恒一「でしょうね。智香さん、他に何か解かることとかないですか?
智香「うーん……あ、そうだ」
秋山『三十路までには結婚したいのにー!後一年もないよー!!』
智香「と言っていたわ」
恒一「――ってことはその人、もしかして怜子さんと……!?」
望月「……行ってみよう、榊原君」
恒一「知ってるんですね!」バンッ
怜子「えぇ……まぁ、友達だったから……まぁ、最近じゃあんまり会ってないけど」
望月「その秋山って人……もしかして、胸が萎んだりしませんでしたか?」
怜子「萎む――あぁそうだそうだ!思い出した!!良子が教えてくれたんだ、三年三組の現象のこと!良子ってね、都市伝説とか大好きでね~」
恒一「そんなことどうでも良いんです!!」バンッ
望月「馬鹿野郎!良い訳あるかよ!!……三神先生、続けてください」
怜子「あ、ええとね。まぁ、当時私胸が本当に真っ平だったから。それ結構気にしてて……
大きくならないかなぁって思ってた時に教えてもらったのよ。現象の話を」
望月「なるほど。それで?」
怜子「それでまぁ、良子って結構騒がしいというか、それなりに中心的な子だったから、その現象を試してみようって言ってね…… まぁ、姉さんがされたようなことを同じように私もね……」
望月「何かしらのペナルティを与えられるような事はしていない……?」
怜子「ううん」フリフリ
恒一「え?」
怜子「あいつは罰を与えられるべきであり、そして受けた――あいつね、すっっっっっっっっごく私のこと馬鹿にしてきたのよ!
あぁ思い出したら腹立ってきた!!そうよ……自分が発育良いからって……事あるごとに人を馬鹿にして……!現象を始めた時もそう ……! あるように扱いながら、あいつが私を煽る視線!思い出しただけでうあああああ!!」ワシャワシャ
恒一「怜子さん、落ち着いてください!」ガシッ
望月「三神先生!」ダキッ
怜子「ふぅ……ふぅ……!とまぁ、そういうわけで。彼女が私を煽り続けたある日――彼女の胸が萎んだのよ。それはもう、ざまぁみろだったわ!
あっはっはっは!!そして卒業式の日に私はこの胸を手に入れた。これが十五年前の現象の始終よ」
恒一「……その現象の治し方とかは?」
怜子「知らないわよそんなの。う~ん、一応良子に話聞いてみる?連絡先くらいなら知ってるし」
望月「お願いします」
小椋(旧スク)「ひんぬービキニが許されるのは小学生までだよねwwww」
赤沢(ビキニ)「煩いわね……折角だから楽しみましょう、ゆかり」
桜木(ワンピ)「はい!私、今ならどんなスポーツも出来る気がします!」
風見「桜木さん、とても素敵だよ」
中尾「赤沢さん、最高です」
勅使河原「ビーチボール準備万端!」
綾野「海よー私は帰ってきたー!」
恒一「正直救いは杉浦さんだけかと思ったけど……あれはあれでアリだという事に気が付いたよ」
杉浦「スライスされろ変態」
望月「じゅ、ジュース買ってきました!」
理津子「ありがとー」
ハーイ
赤沢「ゆかり、ブイまで競争しない?」
桜木「望むところです!」
小椋「上等。負けた方が真の貧乳ね?」ズイ
鳴「とうとう雌雄を決するときが来た」ズイ
赤沢「あんたらは呼んでない」
パシャパシャッ
恒一「ん……あれは?」
夜見山「……」パシャパシャ
理津子「今度は盗撮かこの変態」ブンッ
夜見山「げぼら」ズサッ
夜見山「やぁ恒一君……こんなところで会うなんて奇遇だね?」
恒一「どうして此処に?」
夜見山「本能かな?」
理津子「恒一、私が息の根を止めるからあんたは穴掘ってなさい。はいこれスコップ」
夜見山「あぁ待ってくれ三神さん!違うんだ、話を聞いてくれ!」
理津子「何が違うっていうのよ……!あんたはただの変態、間違いないでしょ?」
その、君が本気で困っていると思ったからどうしても力になりたくて……」
理津子「やったことは最低最悪だけどね」
恒一「まぁまぁ母さん。そのおかげでコンプレックスを解消したんだから夜見山さんをそんな責めることないだろ?」
夜見山「恒一君……!」
理津子「……まぁ、そうかもしれないけど」
恒一「それよりも夜見山さん……どうでしたか?」
夜見山「あぁ。弟から話を聞いたんだが……実は、膨らむ話ではなく、萎む話……それを教えてもらったよ。
僕の弟ということもあって、なんとなくで始めたんだが、なんでも、対象者を馬鹿にした女生徒に降りかかったらしいんだ。
結局その年はその馬鹿にした子を戻すことに一生懸命で対象者の子はそれほど気にしていなかったこともあり中断。
再生に成功したけれど、元鞘だから記録としては残さなかったとか」
恒一「……!?どうやって戻したんですか!?」
翌日、彼女の胸が元通りになっていた。いや、少しだけ大きくなるというおまけつきでね」
恒一「おまけつき……!」ハァハァ
夜見山「元々無い物に接するよりも楽だったと言っていた。どうだろう、これで力になれたかな?」
恒一「はい!ありがとうございます!!」
理津子「怜子……あれ、欲しかったらあげる。私、いらない」
怜子「もーどうしたのー?」
望月「日差し、大丈夫ですか?」
理津子「望月君……家に来ない?」
望月「えっ」ドサッ
小椋「……戦いに負けて勝負に勝った……へっ、今どんな気持ち……?」ハァハァ
赤沢「はいはい。あ、あっちで多佳子たちがビーチバレーしてる。ゆかり、行きましょう」
桜木「はいっ!」
勅使河原「食材釣るぞー」
綾野「おー」
理津子「本当、望月君みたいな良い子がだったら家の息子だったらなぁ……可愛いし」
望月「い、いえ、僕はそんな」
怜子「ちょっとおねーちゃん。人の生徒誘惑しないでくれる?望月君は私のなんだから」
望月「」ブッ
風見「今日は、来てよかった」
中尾「あぁ」
夜見山「それにしても君のお母さんの尻の垂れ具合、あれは理想的だね」
恒一「皆に聞いてほしい話があるんだ」
勅使河原「なんだよ改まって」
恒一「皆、このままで良いと思うか?」
勅使河原「だからなんの話だよ」
恒一「赤沢さんと桜木さんの話に決まってんだろ!?」バンッ
勅使河原「何怒ってるんだよ……」
恒一「本当に……このままで良いのかよ!?」
勅使河原「うるせえよ……」
水野「……良くないな」
米村「あぁ……良くない」
勅使河原「水野……米村……」
前島「良いわけあるかよ、畜生!」
恒一「前島君……!」
高林「――フェアじゃないよ!!」
恒一「高林君……!!」
水野「できるのか、榊原」
恒一「あぁ……僕たちが力を合わせればな」
米村「……喜んで、協力する」
勅使河原「しょうもないなお前ら。まっ、でも眼福がないってのはそれはそれで寂しいから、
俺も協力するぜ?」
恒一「勅使河原……信じていた。さて、もとに戻す方法だけど――」
バンッ
中尾「お前ら黙って聞いていれば……赤沢さんを胸でしか判断してないのかよ!?」
風見「君たちはゆかりをなんだと思っているんだ……彼女の価値は胸ではない」
恒一「風見君……中尾君……」
風見「断固として君たちに異を唱えさせてもらう。ゆかりはそのままが可愛い」
水野「そんなことよりおっぱいだ!」
米村「おっぱい!おっぱい!!」
恒一「……二人の言う事はもっともだよ。だけど……――君たちが見ている赤沢さんと桜木さんは、本当に彼女たちなのか?」
中尾「なん……だと」
風見「どういう意味だ、榊原君……?」
それでも、あるがままの彼女たちだと言えるのか……?僕は、言えないと思う。彼女たちが
積み重ねてきた成長を、彼女たちの喜びや悲しみが詰まったおっぱいを無為にすることなど――
僕は許さないと思う!!」バンッ
中尾「――!!だ、だが!」
風見「君が言っているのは正論かもしれない……だが君たちの下劣な視線に、ゆかりを晒したくなんてないんだよ!」
水野「馬鹿野郎!」バキッ
米村「おっぱいを愛する心に、汚いも綺麗もあるか!!」バキッ
中尾「水野……!」
風見「米村君……!」
高林「誰しもフェアなんだよ。おっぱいに対する……思いは」
勅使河原「高林……!」
恒一「……これを見てくれ」スッ
中尾「!?」
風見「こ、これは……!」
僕たちに力を貸せば、その写真通り――いやそれ以上かもしれない彼女たちが手に入る」
中尾「」
風見「」
水野「駄目だ榊原……こいつらはもう」
米村「死んじまった……!」
恒一「……そうか。だが変わりはない。我々三年三組はこれより、桜木、赤沢の豊乳再生計画を実行する」
恒一「女子たちへの根回しは僕に任せてくれ……では、解散!」
来る日も来る日も、恒一たちは二人のおっぱいを有るものだと認識した。
幸いにも、皆それを行うのは簡単だった。誰しもが二人の豊乳の恩恵を受けていたからだ。
肘触れ、躍動、谷間。男たちは己の脳髄に眠るパターンを呼び起こし、状況に起こして取るべき反応を喚起した。
世界に刻まれる、少年たちの汗と涙。
最初こそ冷ややかだった少女たちも、やがてはその熱情に打たれ、赤沢泉美と桜木ゆかりの胸を有るものだとして扱い続けた。
鳴「ちょwww何これwww壁www?なんでこんなところに壁なんてあるんですかwww?」
小椋「ちがうよ鳴wwwwそれ泉美の胸だってwww」
鳴「うそwwwこれが胸www胸ってもっと柔らかいんじゃwww」
小椋「wwww」
この二人を除いては。
桜木「そうですね……運動とか、しやすくて良いですし」
恒一「でも赤ちゃんにおっぱいあげるとき困るかもよ?」
赤沢「そっ、それは……///さ、流石にそのときには元通りになっているわよ///」」
桜木「そ、そうですよっ///もうっ///」
恒一「いや、どうにも戻らないらしい」
秋山「証明は私です……」グスッツルペタ
赤・桜「「えっ」」
次第に事の重要性に気付いた彼女たちは――やがて、必死とも言える形相で事態に協力的になった。
雨の日も風の日も、雪が降った日も来る日も来る日も。
鳴「由美www雪玉作ったwww的当てやろうwww」
小椋「良いよwwwってこれ的じゃなくて泉美の胸www」
鳴「www」
こいつらは――二人を煽り続けた。
そして迎えた卒業式――。
赤沢「もう卒業か。案外、早かったわね」
桜木「そうですね……入学したのが昨日のように思えます」
恒一「二人とも、あっちで卒業写真撮るってさ」
鳴「胸の小さい人順で並んでくださいwww」
小椋「ほらほらwww二人とも前々www」
赤沢「普通に身長順でしょ?」
桜木「どちらにしても、お二人が最前列ですね……」
夜見山「とるよー。さんにいち、はいおしり」
パシャッ
恒一たちの血と涙の結晶は二人の胸に確かに詰め込まれ、見事豊乳を取り戻した。
赤沢泉美。
桜木ゆかり。
卒業式の翌朝、二人は安堵し、恒一に連絡した。
赤沢「ありがとう」
桜木「ありがとう、ございます」
だが返事が来ない……二人が耳を凝らしてみると……。
恒一「ウッ……グスッ……」
恒一は泣いていた。
智香「いらっしゃい」
鳴「……」ストン
小椋「……」ストン
智香「ご注文は?」
鳴「……胸が、膨らむ」
小椋「飲み物を」
智香「……」
「マスター」
智香「……私はマスターではありませんが、はい?」
「二人に極上の酒を……一杯やってくれ」
智香「……秋山さん」
秋山「それからあたしにも……ね?」
~END~
質問とかあったらどうぞ
ですよねーww
乙でした
乙
読んでくれてありがとう
たくさんの乙をありがとう
全てのおっぱいに、ありがとう
そもそも吸い取りじゃなくて胸が大きくなる現象でした
秋山さんが貧乳になったのはそういう現象ってだけです
だからクラスメイトが『有る乳』に参加していれば鳴ちゃんも小椋さんも巨乳になっていました。
>>217
尻だったら左ですね
Entry ⇒ 2012.06.06 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
ゲンドウ「父の日か…………」ソワソワ
ゲンドウ「…………」ソワソワ
冬月「………どうした碇」
ゲンドウ「問題ない。今日は父の日だからと言って特段、私に変わりはない………」ソワソワソワソワ
冬月(問題ないってお前………)
冬月「………」
(ドアの方を見て)
ゲンドウ「………」チラッ
冬月「………」
ゲンドウ「………」チラッチラッ
冬月「………」
ゲンドウ「………」ソワソワソワソワソワソワソワソワ
冬月「…………」
ゲンドウ「シンジか!!!!」ガタッ!
リツコ「あ……あの……碇司令、どうなさったんです」
ゲンドウ「…………チッ!」
リツコ「えっ」
リツコ「………は、はい」
リツコ「あの………」
ゲンドウ「………10秒」
リツコ「………その」
ゲンドウ「………20秒経過」
リツコ「ええと………」
ゲンドウ「30秒」
リツコ「シンクロテストの………」
ゲンドウ「30秒」
リツコ「結果で………」
ゲンドウ「30秒」
リツコ「………もう後でいいです」
冬月「碇、いくらなんでもあの態度はまずいぞ」
ゲンドウ「問題ない。こんな時に報告に来る赤木君の方が悪い」ソワソワソワソワ
冬月「……いや、今のはあからさまにお前が」
ゲンドウ「問題ない……問題ない………」ソワソワソワソワ
冬月「………」
ゲンドウ「………」チラッチラッチラッチラッチラッチラッ
冬月「………」
ゲンドウ「シンジか!」ガタッ!!!
ミサト「碇司令。報告なんですけどぉー」
ゲンドウ「チッ!!!!!!!!!」
ミサト「えっ…………」
ゲンドウ「減給」
ミサト「………はっ?」
ゲンドウ「だから減給だ。3ヵ月、いや、半年だ」
ミサト「ちょ、ちょっと待って下さいよ碇司令!私まだなにも………」
ゲンドウ「私の心を弄んだ」
ミサト「………はっ?」
ミサト「ちょ、ちょっと………!」
ゲンドウ「連れていけ」パチン
諜報部員「はっ!」ガシッ
ミサト「ちょ!ちょ!ちょおおおお!?」ズルズルズルズル………
ミサト「ちょっと!ちょっと!コレなんなのよぉぉぉぉ!!!!!!!!!訴えてやる!労基に訴えてやる!!!!!!!!!問題にしてやるわよぉぉぉぉぉぉ!!!!!」ズルズルズルズルズルズルズルズル………
ゲンドウ「問題ない」
冬月「………うわぁ」
ゲンドウ「彼女は普段から勤務態度が思わしくないからな。いっそ今すぐにでもクビにするか」ソワソワソワソワソワソワソワソワ
冬月「解雇予告という言葉を知っているか碇」
冬月「少なくとも30日前には解雇する旨を本人にだな………」
ゲンドウ「………問題ない」ソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワ
冬月(………聞いていない)
ゲンドウ「シンジか!」ガタッ!!!!!!!!!!!!
加持「いや、どうも碇司令」
ゲンドウ「チッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
加持「えっ………」
諜報部員「……失礼します」カチャッ
加持「えっ、えっ」
加持「えっ、それ銃……」
パアアアアアン!!!!!!!!!
加持「 」
ゲンドウ「連れていけ」
諜報部員「はっ!」
冬月「い、い、い、碇!い、い、今のは!!!!!!」
ゲンドウ「問題ない。急所は外した。」ソワソワソワソワソワソワソワソワ
冬月「…………ひぇぇ」
【数十分後】
青○「 」
日向「 」
マヤ「 」
アスカ「 」
リツコ「 」
ゲンドウ「………連れていけ」
諜報部員「はっ!」
冬月「ァヮヮヮヮヮヮヮ……………」
ゲンドウ「…………」チラッチラッチラッチラッチラッチラッチラッチラッチラッチラッ
冬月「……………」
ゲンドウ「……………」ソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワソワ
ゲンドウ「……………」チラッチラッチラッチラッチラッチラッチラッチラッチラッチラッチラッチラッチラッチラッ
ドンッ!!!!!!!!!!!!
冬月「ひゃあっ!!!!!!」
ゲンドウ「もうこれ以上は面倒だ。シンジ……ついでにレイも呼べ!」ビシッ!
諜報部員「はっ!」
冬月(いっそ最初からそうしてれば…………)
ゲンドウ「………」
シンジ「あ、あの……呼んだ?」
ゲンドウ「……レイはどうした」
シンジ「面倒事は嫌だから帰るって………」
ゲンドウ「………」
ゲンドウ「今日は何の日だ」
シンジ「………えっ?なんかあったっけ」
ゲンドウ「ヒントだ。ちっ!」
シンジ「えっ」
ゲンドウ「ほら、ちっ!ちっ!ちっ!」
シンジ「………は?」
シンジ「『ちっ』……って父さん」
ゲンドウ「そうだ、ちっっ!!」
シンジ「ひどいよ!!!!!!!!!」ドン!!!!!!!
ゲンドウ「……えっ?」
シンジ「呼び出しておいて……舌打ちするなんて!!!!!!!」
ゲンドウ「ちっ!ちが………」
シンジ「ほら、またした!」
ゲンドウ「ちっ、ちょっ……」
シンジ「まただ!ひどいよ!!!!!!僕………今日は父の日だからと思ってせっかくプレゼント用意したっていうのに…………!」
シンジ「父さんと……仲良くなれると思ったのに!!!!!!!!!」
ゲンドウ「そ、そうだ!私は『父の日』だということをだな………」
シンジ「ひどいよ!!!ひどすぎるよ!!!!!!!」タタッ
ゲンドウ「ま、まて!待ってくれシンジ!!!!!!」
シンジ「うわああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
ゲンドウ「………ぅゎぁぁ!!!!!!」
ゲンドウ「………」
冬月「自業自得だな」
ゲンドウ「冬月、どうしたらいいのだ!どうしたらいいのだ!!!!!!!」
冬月「知らんな」
ゲンドウ「………役にたたない男だ。連れていけ!」
諜報部員「………」
ゲンドウ「どうした!」
諜報部員「……付き合い切れません。失礼します」
プシュッ……
ゲンドウ「…………えっ」
プシュッ……
ゲンドウ「ふ、冬月………!」
ゲンドウ「…………すっ、好きにしろ」
ゲンドウ「………」
ゲンドウ「…………」
ゲンドウ「…………」
ゲンドウ「………誰かいないのか」
ゲンドウ「冬月」
ゲンドウ「………は、いないか」
ゲンドウ「………そうか、全員閉じ込めてあるんだったな」
ゲンドウ「レイは………帰ったか」
ゲンドウ「シンジは………」
ゲンドウ「…………ぐっ」
ゲンドウ「私は…………」
ゲンドウ「…………」
ゲンドウ「………帰るか」
ガタッ………
ゲンドウ「………ぅぅっ」
ゲンドウ「……シンジをあれだけ傷つけたのだ」
ゲンドウ「すまなかったな、シンジ………」
ゲンドウ「…………」
そ し て 誰 も い な く な っ た
ゲンドウ「………」トボトボ
シンジ「………父さん」
ゲンドウ「!」
ゲンドウ「し……シンジ!?」
ミサト「ふふっ」
リツコ「どうも」
加持「引っかかりましたね、碇司令」
綾波「…………」
ゲンドウ「どっ……どういう………」
リツコ「どうも」
加持「引っかかりましたね、碇司令」
綾波「…………」
ゲンドウ「どっ……どういう………」
冬月「お前が一週間も前からソワソワしていたのは知っていた。だからな、引っ掛けさせて貰ったよ、碇」
諜報部員「すいません……私もグルでして」
加持「いやはや、まさか副司令の読み通りに行くとは」
ミサト「さすがよねん♪」
ゲンドウ「えっ、えっ」
シンジ「父さんと……仲良くなりたくて、父の日のプレゼントを渡したかったんだけど、どうしたら良いのか分からなくてみんなや、冬月副司令に相談したんだ」
ゲンドウ「えっ、えっ、えっ」
ゲンドウ「そ……そうか………」
シンジ「ずっと素直になれなくてごめんね、父さん……これ僕からプレゼント」ニコッ
ゲンドウ「あ……ああ…………」
ゲンドウ「………」ニヤッ
ミサト「あれー、泣いてるのアスカー」
アスカ「う、うるさいミサト……!!!」
ゲンドウ「………す、すまないなシンジ」
シンジ「………うん」ニコッ
冬月「ふん、照れおって。もっと素直に喜んだらどうだ」
ゲンドウ「………うるさいぞ冬月」
シンジ「開けてみてよ、父さん」
ゲンドウ「ああ………」カポッ
ゲンドウ「こっ……これは…………!」
ゲンドウ「おお!ずっと欲しかったのだ!シンジ!」
シンジ「Tシャツを、もっと自由に、面白く。をテーマに、2003年よりスタートしたユニクロのTシャツブランドの「UT」。」
シンジ「毎年グラフィックTを1000色柄以上、世に送り出しているんだけど、今年は世界中で人気のキャラ、映画や企業とのコラボ商品を約50コンテンツ展開するんだ。」
シンジ「なかでも、今秋公開の最新映画『エヴァンゲリヲン新劇場版:Q』とのコラボレーションは話題になってるんだよ!」
アスカ「うわぁ!素敵なデザインね!」
綾波「どこで買えるの碇君」
シンジ「ユニクロ全店とオンラインストアーで買えるんだ。現在絶賛販売中だよ!」
アスカ「お店に急がなくっちゃ!」
ユニクロ Tシャツ特集 | EVANGELION
シンジ「とっても似合ってるよ、父さん!」
綾波「おめでとう」パチパチ
アスカ「おめでとう」パチパチ
マヤ「おめでとう」パチパチ
リツコ「おめでとう」パチパチ
子安「おめでとう」パチパチ
日向「おめでとう」パチパチ
加持「おめでとう」パチパチ
冬月「おめでとう」パチパチ
ゲンドウ・シンジ「ありがとう………」
ミサト「お父さんと仲の良い君も、悪い君も、ユニクロのエヴァTで父の日はサービスサービスぅ!」
―終劇―
エヴァプレミアム限定版13巻も予約受付中ですし、碇シンジ育成計画13巻も好評発売中ですよね!
お付き合いありがとうございました
さて、寝る前にちょっとユニクロ行ってくるは
ゲンドウ可愛いよゲンドウ
(.___,,,... -ァァフ| あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
|i i| }! }} //|
|l、{ j} /,,ィ//| 『おれはエヴァのssを読んでいたと思っていたら
i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ ユニクロのステマが始まっていたぜ』
|リ u' } ,ノ _,!V,ハ |
/´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
/' ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ おれも何をされたのかわからなかった
,゙ / )ヽ iLレ u' | | ヾlトハ〉
|/_/ ハ !ニ⊇ '/:} V:::::ヽ 頭がどうにかなりそうだった…
// 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
/'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐ \ 超スピードだとか催眠術だとか
/ // 广¨´ /' /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
ノ ' / ノ:::::`ー-、___/:::::// ヽ }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::... イ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
Entry ⇒ 2012.06.06 | Category ⇒ エヴァンゲリオンSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
凛「ヤッホウ皆!今日も元気かな!?」 P「 」
凛「どうしたのかなプロデューサー!もっと元気にあいさつしたまえ!わっはっは!」
P「おい……これどうなってんんだ!?」
ちひろ「さ……さっぱりです。私にもなにがなんだか」
杏「……おぉぅ」
凛「やっはっは!皆元気がないぞう!?」
P「お……おう」
ガチャ
P「おお、この状況を打破してくれる誰かか!?」
きらり「あ、にょ……どうも」
凛「はっはっは!どうしたきらり!元気がないな!!」
きらり「お、おにゃーしゃ……」
P「ええええええええええええええええええええええ!?」
杏「(やべぇ事になっちまったぜ……)」
渋谷凛
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3053924.png
千川ちひろ
ttp://iup.2ch-library.com/i/i0652993-1338726505.jpg
双葉杏
杏「いやだー!私は絶対に働かないからな!」
P「いやいや働けー!むしろ何のために事務所来てると思ってるんだ!」
杏「クーラーの効いた部屋でだらだらするため……?」
P「真面目な表情で何言ってんの!?」
杏「とにかく落ち着いてよプロデューサー!働かないということは一種の杏の個性なんだよ!?個性を尊重するのもプロデューサーの務めじゃん!」
P「個性よりも仕事の方が大切だろうが!」
杏「よくよく考えてもみてよプロデューサー!たとえば凛が元気はつらつとして騒がしかったらどうするのさ!」
凛「……」ピク
P「……え?凛が?」
杏「そう!元気はつらつで、『おはよう!!皆元気かな!?』とか言っちゃうんだよ!?」
P「……いやアリだろ」
杏「ゑ!?」
P「えじゃねーよ。普通に可愛いだけじゃねーか。むしろ元気キャラで動物番組に出させたいわ!」
杏「あ、新たなファン層が……!?」
家に持って帰って新婚生活を送りたくなるわ!!」
凛「……!!」
杏「……くっ、確かに!」
P「これでわかっただろ。精力的に働くお前もアリだということがな……
杏「……くそっ!
――――――
きらり「にょっにょわ〜♪」テクテク
ガチャ
きらり「おにゃーしゃー!」
「……てんだろうが!」
「……もさー!」
きらり「にょわ?杏ちゃんミーティングちゅーかな?☆」
杏「じゃあたとえばきらりが控えめで大人しかったらどうなるのさ!!」
きらり「……にょわ?」
杏「もしもの話だよ!」
P「ええ?きらりが控えめでおとなしい……?」
P「……最高じゃねーか!!」
杏「本当だよ!!」
きらり「!」
P「お前自分で言ってて気づかなかったのか!」
杏「気づくわけないじゃん!」
P「そんな……控えめで大人しいきらりとかひたすらかまってやりたくなるわ!」
杏「一緒に日向ぼっこしたくなるよ!」
P「それ別のアイドルの趣味な!」
きらり「……にょ、にょわ」
杏「思わずセクハラしたくなるよね」
P「それJKの発言ちゃう」
杏「プロデューサーだって思ってる癖に〜」
P「仕方ないだろ!!アイツどれだけナイスバディだと思ってんだ!」
杏「ぶっちゃけ私も羨ましいよ!なんで杏はああじゃないの!?」
P「栄養の差だろ!!」
杏「ですよね!!」
きらり「……にょ、にょわー」
杏「……(間違いない、絶対あれのせいだ)」
凛「うちの犬は可愛くてな!はっはっは!」
きらり「……」チラ ←構ってほしそうにチラチラ見てる
P「ああ、おう……おう……」
ちひろ「すみません私スタミナドリンクの在庫が切れてたので発注してきますね!!」
P「待てい」
ちひろ「!?」
P「スタドリなら冷蔵庫にダースで残ってますよ……」
ちひろ「……え、エナドを」
P「……ここに」
ちひろ「……ケース!?」
杏「あ、杏はレッスンがあるから……」ソソクサ
P「まてい」
杏「!?」
杏「えーと……自主練」
P「お前が自主的に練習するわけないだろうがー!」
杏「きょ、今日はしようかなって思ったの!」
凛「自主練か?関心関心!」
きらり「……が、がんばれー」
ちひろ「……(あれ?このきらりちゃん可愛い)」
ガチャ
しまむら「おはようございまー……」
P「確保ぉぉおおおお!!!」
しまむら「えええええええええ!?」
凛「おはよう卯月!!今日もいい天気だな!!はっはっは!」
しまむら「!?」
きらり「お、おにゃー、しゃーす……」
しまむら「!?」
P「……」
杏「……」
ちひろ「……」
しまむら「……私、どこの世界に飛ばされたんですか!?」
P「気持ちはわかるが、ここはいつもの事務所だ」
凛「……」フンス
きらり「……」モジモジ
しまむら「んなバカな!」
P「お前が今日はふつうに見える」
杏「うんうん」
P「言いたいことはよくわかる」
ちひろ「とりあえずエナジードリンクどうぞ」
しまむら「あ、はい……」ゴクゴク
ちひろ「100モバコインになります」
しまむら「お金とるんですか!?」
凛「今日も元気だな!はっはっは!」
きらり「……」モジモジ ←会話に参加したい
杏「この現状をどうするかだよ」
しまむら「何かの謎の機械でも使用されたんですか?」
P「もしかしたらそうかもしれないな……」
杏「……いや、その」
P「どうした杏!何か知ってるのか!?」
杏「(でもなぁ……すっごい言いずらいよなぁ……これ地味に二人はプロデューサーの事が大好きですって言ってるようなもんだし)」
杏「……うん!!プロデューサーはコーラ買ってきて!!」
杏「この状況を打破するために必要なの!!全員分!!」
P「仕方ない……わかった!」ダッ
タッタッタ……ガチャン
杏「……二人とも、いったんもとにもどって」
凛「……い、いや別に私は普段から」
杏「いいから!」
凛「……むぅ。どうしたんだよ杏。イメチェンだよ」
きらり「にょわ?にょわ?」キョロキョロ
杏「きらりー、Pはいないよー」
きらり「こ……これでPちゃんハピハピ!?」
杏「確かに可愛かったけども」
きらり「本当!?杏ちゃーん!!」
ガバッドゴォ
杏「ぐふっ」
凛「……そんなに変だったかな」
しまむら「いやいやそんな事ないですよ!」
杏「……は、まだ生きてる」
きらり「にょわー!杏ちゃんおめざめ!」
ちひろ「これはいったいどういうことなんですか?」
杏「昨日のプロデューサーとの会話がきっかけでね……」
――――
杏「……ということだったのさ」
凛「……///」
きらり「うきゃー!杏ちゃん恥ずかしいにー!」ドスッ
杏「あおごふっ……」
しまむら「双葉さあああああああああん!!」
杏「家族に伝えてくれ……働きたく……なかった……と」
しまむら「はい!!」
ガチャン!
P「……はぁ、はぁ!買ってきたぞ!!」
杏「ごくろう」
ちひろ「(あ、生きてた)」
P「で……どうなんだ!?問題の方は!!」
しまむら「あぁ……そうですね」
ちひろ「えっと……」
凛「おかえりプロデューサー!お疲れさま!スタミナドリンクでも飲むか!?」
きらり「……にょ、にょわぁ」
P「……くそっ!!なんということだ!!」
杏「……(あれ?これ見てるぶんには結構面白いかも)」
しまむら「(確かに)」
P「な、なんですか?」
ちひろ「実は打開策が見つかったんです!!」
P「えっ……本当ですか!?」
ちひろ「はい!プロデューサーさんが二人きりでずっとお話をしつづければ戻ります!」
P「なんだって!なら今すぐ……」
ちひろ「ただしそれはプロデューサーさんの家で行わなければなりません!」
P「ええ!?いくらなんでもそんな」
ちひろ「ついでに泊まらせてあげないといけません!」
P「な、なんだって!?」
凛「……!!」
きらり「……!!」
P「しかし、アイドルを家に泊めるなんて……」
ちひろ「そうですか……」
P「えっ」
P「もちろんです!アイドルのためだったら……」
ちひろ「じゃあお泊りくらい軽いですよね!!」
P「えっ」
杏「(ちひろさんマジ極悪)」
しまむら「(ああやって数々の人を課金地獄に陥れてきたんですねー)」
凛「……」ドキドキ
きらり「……」ワクワク
P「……わかりました!二人を家に」
ちひろ「ストォーップ!!」
P「えっ」
ちひろ「一人ずつの方が、いいわよね?」
凛「……!」コクコク
きらり「……!」コクコク!
P「そんな……もし間違いが起きでもしたら」
P「そんなわけないじゃないですか!!」
ちひろ「じゃあオッケーですね!!」
P「しまったあああああああああ!!」
ちひろ「じゃあじゃんけんで順番を決めて……」
ジャーン、ケーン……
―――――
P「(どうしてこうなった……)」
凛「は、はっはっは!プロデューサー!元気がないな!」
P「いや、一刻も早く問題を解決しよう。頑張ろうな、凛」
ギュッ
凛「あっ……///」
P「……戻った!?」
凛「な、なんのことだ!?わ、私はいつもこうだ!!」
P「むむ……」
ガチャ バタン
P「まぁ、適当にくつろいでてくれ」
凛「お、おう……(こ、ここがプロデューサーの家……)」
P「どうした?まさか元に――」
凛「な、なんでもないぞ!!はっはは!」
P「はぁ……やはりか。それにしても一体どういうことなんだろうな?」
凛「わ、私に聞かれても、わからん!」
P「だろうな……さてと。飯つくるわ」
凛「あ、手伝うよ」
P「いや……あれ!?」
凛「どどどどうしたんだ!?」
P「いや、今一瞬、いつもの凛が……気のせいか」
凛「きっ、気のせいだろ!!」
P「だよなぁ……」
凛「(キッチンで料理を作るプロデューサー……)」
凛「(……なんか)」
凛「(新婚さんみた……)」
凛「〜〜〜ッ!!!」
P「どうした凛!」
凛「な、なんでもない気にするな!!」
P「そ、そうか……」
P「(だがまぁ、今晩語り合えばもとにもどる……それまでの辛抱だ)」
コトン
P「……さ、食べてくれ」
凛「ぷっ、プロデューサーはぁ!」
P「ど、どうした」
凛「りょ、料理がうまいのだな!」
P「……そうか?一人暮らしなら、大体こんなものだ」
凛「そ、そうか!」
P「……本当に大丈夫か?凛。性格を抜きにしても、何か変だぞ?」
凛「そ、そんなことはないといっておろーが!」
P「そ、それならいいんだがな……」
モクモク
モクモク
P「……(なんだこの空気は)」
凛「ぷ!プロデューサァー!」
P「ど、どうした!?」
凛「今日はいい天気だな!!」
P「いや、もうすっかり夜だぞ」
※お昼のお仕事はちゃんと済ませてきました
凛「しし、知ってるわ!」
P「お、おう……」
P「な、なんだ!?」
凛「……やっぱり、明るくて元気な女の子が好き?」
P「……へっ?」
凛「いやなんでも―――」
P「待った!!」
凛「はわっ」
P「(今一瞬……いつもの凛に戻った!)」
P「(おそらく間違いない事は……凛は、明るくて元気でない自分を……気にしている?)」
P「(ここでの俺の答えが……凛が元に戻るかどうかにかかっている!!)」
凛「ど、どうした……」
P「凛」
凛「は、はい!?」
P「確かに、俺は明るくて元気な女の子が大好きだ」
凛「……そっか」
凛「……」
P「いつもの凛の方が、もっと好きだ」
凛「……っ!?」
P「冷静で、知的で……面倒見が良くて」
P「意外と動物好きで、笑った笑顔が可愛い」
P「騒がしくない。自己主張もしないが、確かにそこにいる、安心感を感じさせてくれる」
P「こんなアイドルは他にいないと思っていた」
凛「……」
P「……もしお前が、自分の性格を気にしてそうなってしまったのなら、やめてくれ」
凛「……」
P「確かに明るくて元気な凛も魅力的だ。だがな」
P「俺は……知的でクールな凛に一目惚れして、プロデュースすることにしたんだ」
凛「……っ!?」
P「……顔が赤い、発熱か!?」
凛「ち、違うわ!!」
P「……今晩はじっくり話そうかと思ったが、もう寝るか。きっと疲れてるだろ」
凛「(確かに疲れたかもね……このキャラは)」
P「じゃあ風呂沸かすから……」
凛「プロデューサー……」
P「なんだ……はっ、そのテンション、まさか元に……」
凛「一緒に入ろう」
P「……」
P「……」
P「……」
P「……は?」
P「……は? ……は?」
凛「だから、お風呂に入ろう、一緒に」
P「なに!?何言ってんの!?自分が何言ってるかわかってる!?」
P「ああああここまで進行してたとは!?びょ、病院!?病院って961だっけ!?」
凛「てい」
ガシャン
P「ああ俺の携帯ーーーー!!!」
P「……良かった、アイドルは無事だ」ホ
凛「た……たまにはプロデューサーと……は、裸の付き合いをしておくのも悪くはないと思ってな!!」
P「えええ!?」
P「……はっ!!まさか!!」
P「(もしかして凛やきらりには謎の霊が憑りついていたのではないか)」
P「(だからあんなに性格が違ったのではないか)」
P「(……あれ?じゃあさっきの凛は)」
P「(……そうか!!今凛は霊と戦っているんだ!!俺の家に来たことで、凛の自我が出てくるようになったんだ!!)」
P「(ならば……霊を油断させて、凛の自我を……!!)」
凛「へ?」
P「一緒に入ろう。凛」
凛「……っ!?」
凛「(じ、自分で言っておいてなんだけど)」
凛「(ぷ、プロデューサーとお風呂なんて……ふ、普通に恥ずかしいよ)」
凛「(でもここまできて……あわてるのもおかしいよね)」
凛「(……いっか。入っちゃお)」
凛「ああ!!風呂は沸いたか!?」
ピロリロリン オフロガワキマシタ
P「今沸いた」
凛「そ、そうか!!」
凛「(こ、心の準備くらいさせてほしかったなぁ……)」
P「……平常心、平常心」
P「これもアイドルのため……ブライダルでトップを勝ち取るため」
P「落ち着け……俺の息子……フゥ……」(※イったわけではありません)
『入るよ』
P「はhっひいいいいりりり!!いどぞうおう!!」
凛「(焦りすぎだよ、プロデューサー)」クスッ
ガララ……
P「ォぅ……ォウ……」
凛「ば、バスタオルは邪魔だったかな?」
P「そんなことないです!!全然そんなことないです!!」
凛「そ、そっか」
P「(あれっ……凛がもとに戻りかけてる……!?)」
P「(そうか……!!霊の願望が取り除かれたから、これで……!)」
凛「は!?」
P「(しまった……!!まだだったか!!)」
凛「え、いや……なんで?」
P「いやだって、願望は取り除かれたから……あとは除霊して」
凛「いや……何言ってんの?」
P「(……しまった!!ダメだったのか!?でも凛は完全に元に戻っている!?どういうことだ!?)」
凛「ま、まだ背中も……流して……ないじゃん」
P「!?」
P「(そうか……この霊の願望は、背中を流す事だったんだな!?)」
P「ようし!!思う存分俺の背中を流せ!!」ザバァ
凛「……っ!」
P「……あ」
凛「(み、見ちゃった……け、けっこう、しっかりしてるんだなぁ)」
P「な、流そうか……」
凛「う、うん……」
スッ……
凛「(ぷ、プロデューサーの背中って、やっぱり大きいんだ……)」
凛「(流石男の人っていうか……ごつごつしてる)」
P「(……おさまれ、息子)」
P「(何故おさまらん……!!)」
P「(ま、まぁこの位置からだと!!凛には見えないけどな!!)」
凛「……(ちらちら見える)」
グチュ……チュプ
P「(泡立ててる音のはずなのにエロすぎる!!!)」
ムニッ……
P「ムニ!?」
凛「プロデューサー」
P「はいっ!?」
凛「後ろ向かないでね」
P「は、はいっ!!」
凛「しょ、んしょ……」
P「(おいこれは……おいこれは!?)」
P「(もしもし、もしやこれは……)」
凛「私はその……」
凛「及川さんみたいじゃないけどさ……」
P「(確定だああああああああああああああ!!)」
Dになってしまえ
イベ和久井さんは怖いレベル
P「(……凛は確か 80-56-81 C )」
P「(地味にある!!)」
ニュル…… ニュクッ
凛「んっ……」ピク
P「……(こ)」
P「(この突起は!!!)」
P「(もうアレだ!!あれしかない!)」
P「(完全に)ウッ」
ビュルッ ビクビクン
凛「……っしょ、あれ?どうしたの?」
P「……ふぅ。いや、なんでもない」
凛「そ、そっか」
P「よし、じゃあ、そろそろ上がろうか」
凛「えっ」
凛「いや、まだ……」
P「……てか、お前、バスタオル」
凛「……え?ああ、とったよ。邪魔だから」
P「いや……そん」ボッキィィィン!!
凛「わ」
P「……愚息や、お前はもうちょっと落ち着けないのかね」
凛「……じゃあさ」
凛「私を洗ってよ、プロデューサー」
P「……はい?」
P「……正面向いて言うセリフじゃないよ。丸見えだし」
凛「見せてるって言ったら?」
P「興奮する」
凛「あはは。そう言うと思った」
P「てかお前、もとに……」
凛「ほらさっさと洗う!」
ギュッ
P「ちょっおま!!どこつかんでんだ!」
凛「どこだろうね」
凛「プロデューサー」
P「な、なんだ……」
凛「私肌弱いから、素手でお願い」
P「ええっ!?」
凛「アイドルを傷物にするんだ。へーえ」
P「お前それ意味わかってんの!?」
凛「解ってたら、どうする?」
P「……ああもうわかった!素手で洗えばいいんだろ!?」
凛「……♪」
ムニッ……
ヌルッ…… ニリュ
凛「……プロデューサー」
P「言うな」
凛「言うよ。お腹以外も洗って」
凛「どうぞ」
モミュッ
凛「……―――ッ」ピクン
P「……綺麗にしてやるからな」
凛「……お願い♪」
―――――――で。
P「……」
凛「……」
P「……凛」
凛「……何?」
P「髪の毛……びっしゃびしゃだけど」
凛「……一応、拭いたよ」
P「……そうか」
P「……凛、元に戻ったのか?」
凛「……元からこうだよ」
P「……いや、違ったような」
凛「……プロデューサーが」
P「ん?」
凛「……いや、なんでもない」
凛「(一目惚れしたって、言ってたから)」
凛「……おはよ」
しまむら「おはようございます!!元に戻って良かったですね!」チラ
杏「いやぁよかったよかった」チラ
ちひろ「一時はどうなることかと」チラ
P「……何故俺の方を見るんですか」
ちひろ「いいやぁ……?別になにもありませんけど?」
P「(目線が痛い……)」
ちひろ「え……?凛ちゃん?プロデューサーと……、そんなことを!?」
P「おおおおおおおおおい!!!?」
ちひろ「この事実を黙ってほしかったらプラチナガチャ30回引いてください」
P「わ、わかりました!!」
杏「(あの人鬼やでぇ……)」
しまむら「(頑張ってSレアの私を出してくださいね)」
凛「(……何も言ってないのに)」
ちひろ「……え?」
杏「は?」
しまむら「え?」
凛「……」チラ
きらり「……」モジモジ
P「しまったああああああああああああああ!!!」
ちひろ「じゃあ今日のお仕事終わりは、きらりちゃんお泊り決定ですね」
きらり「……にょ(にょわー!!Pちゃんの家にお泊り!?は、ハピハピすぅぅ……!)」パタパタ
杏「(あれ……?無言で喜びを表現するきらりって可愛い……?)」
ちひろ「(ククク……明日はエナドリをケースで買わせよう)」
テクテク
P「……」
きらり「……」
テクテク
P「……」
きらり「……」
テクテク
P「(まさか……きらりと無言で歩くことになろうとは……)」
きらり「(んにぃ……何かいつもと違うけど……きゅんきゅんすぅ……?)」
テクテク
P「……(ダメだ!!きらりの顔みるとヤバイ!!なんか可愛い!違う元から可愛い!
いつもの奇行のせいでごまかされてるだけで、きらりは可愛いしナイスバディだったんだ!)」
きらり「……んにぃ?」
P「な、なななんでもないよ!!ないよ!!」
きらり「……そっかぁ☆」
P「わ、我が家です……狭いところですがどうぞごゆっくり」
きらり「……んに?何で敬語ぉ?」
P「あいや別に!」
P「(いかん、昨日のテンション高い凛よりもやっかいな気がする!は、話しづらい!!)」
きらり「(ここがPちゃんの家かぁ……んにぃ……いいにぉい……)」スゥ
P「ご、ご飯食べるか!」
きらり「……うん。たべう」
P「(うわあああああああああああ可愛いいいいいいいいいい!!)」
コトン
P「め、召し上がれ……」
きらり「いただきますぅ……」
モグモグ カチャカチャ
P「……(ふつうに食ってる―――!!)」
P「(……ってあれ?いつもきらり、メシ食う時はふつうだよな?)」
P「(いつもいつも……妙な言動ばかりに惑わされてきたけど)」
P「(きらりって、普通の女の子なのか……?)」
きらり「……んに?きらりんの顔に、何かついてぅ?」
P「い、いやその、可愛いなぁと思って!!」
P「(はっしまったつい本音が!!)」
きらり「……!」
P「え、いや、その!!」
きらり「……嬉し」
P「(なに!?何この破壊力!!)」
P「(きらりはきらりでいつもどおりではないだけで!)」
P「(凛ちゃんとは全く違う攻め方してきおるこの子!!)」
きらり「……うぇへへ。ニヤニヤしちゃうー」
P「お、ほふお風呂入って寝ようか!!」
きらり「んに……」
P「(しまったァ!!これは昨日と同じで、『一緒に入るー!』というパタ……)」
きらり「ん……Pちゃん、先どうぞぉ」
P「……えっ?」
きらり「……どうしたにぃ?」
P「……ああ!!いや!!なんでも!!うん入ってくるね!!」
ダッ バチャーン
シマッタ!!ミズダッタ!!!
きらり「(Pちゃんあわててぅ……。でもなんだろ?ハピハピすぅ……)」
P「……」ソワソワソワ
P「(あっれぇ!?大丈夫だよね!?今普通にきらりが入ってるだけだよね!!)」
P「(何でかな!?なんでこんなにおちつ)」
ガララ
P「ホヒィ!!」
きらり「Pちゃん……」
P「な、ななになかな……ってぇえ!?」
きらり「……どしたの?Pちゃん」
P「いや、おま、バス……バスタッ……」
きらり「このバスタオル、短いにぃ……」
P「(いやそれはバスタオルが短いんじゃなくてお前が大きいとかじゃなくてえーっとそもそもなんでバスタオル一枚なのかせめて下着はていうかどうなってるのか
てかまじまじと見ちゃだめだけどまじまじと見るとやっぱでけぇええ様々な意味ででけぇ本当に無駄な脂肪が一切ないこの子グラビアでも一生いけるよていうか
なんで俺がこんな子の担当やってるんだろうね!!)」
きらり「……Pちゃん?」
P「はい!!!生きてます大丈夫です!!」
P「え、その」
きらり「……///」
P「一緒に、寝ろと」
きらり「……」コクリ
P「(でえええええええきるうううかあああああああ)」
P「(襲ってまう!!襲ってまうわ!!昨日も耳から血が出るくらい我慢して何とかなったというのに!)」
P「(二日連続でこの仕打ちはない!!ちひろさんエナジードリンクプリーズ!!)」
P「(いや来るわけないけど!)」
ガコン
P「!?」
P「あれ!?サイフの中身が!!」
きらり「……Pちゃん?」
P「は、はいぃ!!」
きらり「きらりんと一緒に寝るの……嫌?」
きらり「にょわっ」
P「一緒に寝たい!寝たいけどな!!」
P「俺だって我慢の限界なんだ!お前に何するかわからないんだよ!」
きらり「……いいよぉ」
P「え」
きらり「それでPちゃんがハピハピすぅなら……きらりん、頑張るにぃ」
P「 」
P「 」
きらり「…・・Pちゃん?」
P「(っぶねぇ意識飛んでた!)」
P「(この状況を打開できる手は……!?)」
きらり「……?」
P「(そうだ!きらりをもとに……)」
P「(もとに……?)」
『Pちゃーん!一緒にねうー!!』
どーん!
『服を着ろー!』
――――ほんわほんわ
P「(……あれ、全裸添い寝を回避できる方法が見当たらない)」
P「そうだきらり!!何か服を着よう!!風邪ひくぞ!!」
きらり「でもぉ……」
P「ど、どうした!?」
きらり「Pちゃんの服…・・・ 小さくて、入らないにぃ?」
P「(そうだったあああああああああああ!!)」←174cm
きらり「……ごめんにぃ」←184cm
P「(いやでも……Lサイズのワイシャツくらいなら!!)」
―――――
きらり「(Pちゃんの臭いがすぅ……)」クンクン
にょわああああああああああああああ
P「(裸ワイシャツ……)」
P「何やってんだおれはああああああああああ!!!」
きらり「にょわっ!?」ビク
P「あ、ごめんな……なんでもないから」
きらり「……おやすみすぅ?」
P「うん、うん、寝ようか……」
きらり「にょわー♪」
ガサガサ
パサッ
パチン
スッ……
モゾモゾ
P「……(いつも広いと感じていたベッドが、やけに、狭い)」
P「(あと無駄にいい匂いが……)」
P「……ん?」
きらり「こっちむいて!」グイッ!
P「!?」
きらり「うぇへへぇー……ニヤけるにぃ☆」
P「お前、もとに……?」
きらり「Pちゃん」
P「お、おう」
きらり「……きらりん、めんどくさい?」
P「え?」
きらり「……んにぃ。きらりん、ちょっとヘンかもーってのは、知ってるにぃ?」
P「きらり……」
きらり「でもでも、Pちゃんはぁ……きらりんの事……うきゃーっ!」
P「な、なんだよ」
きらり「い、今のナシ!」
P「きらり、ちょっま……」
モニ
きらり「……んに?」
P「あっごめっ……」バッ
ガシッ
P「え」
きらり「……きらり、言ったよ?いいよ、って。うきゃ」
モニュッ……
P「……っ!!」
P「(で……でかい!)」
P「(しかもすべすべでもちもち……)」
P「(揉みしだきたい!!も、揉みシダ期待!!」
きらり「……Pちゃん」
P「……何だ」
P「えっ」
きらり「にゃはは―☆なんでもないょー!」
P「きらり……」
きらり「……Pちゃんが、きらりの事わかってくれる人で、良かったにぃ」
P「きらり……」
きらり「うきゃーっ!恥ずかしいにぃー!寝る!もう寝るにぃ!!」ガバッ
P「モムゴッ!?」
きらり「うきゃ……Pちゃん、あったかいにぃ」
P「おまっ……ちょ」
きらり「うるさいにぃ☆」
ギュ
P「むごぉぉ!!」
きらり「……(本当は)」
きらり「(でも、Pちゃんが……絶対にしないってことも、知ってるにぃ☆)」
きらり「(だから、せめて…)」
P「(む、胸におぼれる!)」
パ
P「ふはっ!?」
きらり「……んにぃー」
ギュッ
P「おうっ……(顔近いっ)」
きらり「Pちゃんのが当たってうー……」
P「オウフ!?これはそのな!」
きらり「……知ってるにぃ☆きらりこれでも17歳だよ?うきゃー!」
グリグリ
P「こ、腰を押し付けるな!」
きらり「(せめて……これくらいは、許してにぃ?)」
P「……(社会人にもなって、夢精するとはな)」
きらり「にょわー!!おっすおっす!!」
ちひろ「完全復活ですね」
しまむら「ですねー」
杏「やめろ!来るな!!」
ニョワー!
グワアアア!
ドスーン
凛「元気そうで、良かった」
P「本当だよ、一時はどうなることかと」
ちひろ「昨日はきらりちゃんとお楽しみだったそうで?」
P「ちょっ……えええ!?」
ちひろ「ここにスタドリエナドリ鍵クロケーキ各50個ずつの超お得なセットが……」
P「買います!!買わせてください!!」
P「何はともあれ、無事に元に戻ってよかった」
凛「……」
きらり「にょわ?」
P「やっぱり、元の二人が一番だわ」
凛「……///」
きらり「……うきゃー!!」ドグッ
P「おぶう!?」
ちひろ「ま、なにはともあれ、一見らくちゃ……」
ガチャ
蘭子「あ、おはようございます……」
P「!?」
輿水「……あ、ごめんなさい。僕ですみません」
P「な、なんでだああああああああああああああああ!?」
終わり。
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3055255.png 神崎蘭子
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3055275.jpg 輿水幸子
ホントはこの子らも書きたかったけどそれは無理だな。うん。
きっと速報でもっと濃くて長いのやる……つもり。
仕事中に各アイドルのスカウトからデビューまで考えてるんだぜ……20人くらい……何やってんだ俺
まぁ要はモバマスしろってことだ!!キズナ招待させてお願い!!支援さんくす!またどっかで!
次は蘭子ちゃん編とさっちゃん編ですねわかります
きらりの破壊力がやばいな
モバマスで可愛いのが見れて満足乙
Entry ⇒ 2012.06.06 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
蓮「貴様……アイアンメイデン・ジャンヌか?」
「……ちゃま。ぼっちゃま。蓮ぼっちゃま!」
蓮「…………ム。馬孫か」ムクッ
馬孫「またベッドでお休みにならなかったのですか」
蓮「ああ。ブロッケンからの定期報告を読んでいたからな……今は何時だ?」
馬孫「恐れながら、午前8時15分にございます」
蓮「…………2時間も寝ていたのか」
馬孫「2時間しか、でございます!」
馬孫「うるさくもなります。よもや潤様に言われたことをお忘れに……」
蓮「ああ分かっている。忘れてなどいない。
『仕事を忘れてゆっくり羽を伸ばせ』、だろう?もう聞き飽きた」
馬孫「ではなぜここまできてそのように仕事をなさるのです」
蓮「姉さんはそう言うが、実際そうはいくまい。我が“雷帝グループ”は未だ軌道に乗っているとは言い難い。俺が休んでいる暇などない。
何より、ブロッケンやビル達を差し置いて俺だけ旅行などにうつつを抜かすわけには……ム」ピクッ
蓮「…………たったいまブロッケンの端末から新しいメールが届いた」
馬孫「ほほう……して、内容は?」
蓮「……たった一文、
『休みなさい』
という文章と、ボコボコにされたザンチンの写真が添付されていた」
馬孫「……潤様、ですな」
蓮「ああ。ザンチンをやったのは白竜だろう」
アイアンメイデンたんちゅっちゅ
蓮「……分かっている。重役連中が全員使い物にならなくなる前に、大人しく姉さんの言うことを聞いておいた方がよさそうだ」ヤレヤレ
馬孫「分かっていただけてなによりでございます」
蓮「フン、俺も丸くなったものだな…………
行くぞ馬孫。下のレストランで朝食にする」
馬孫「おや、いつもの“るぅむさぁびす”ではないのですか?」
蓮「…………姉さんに持たされたガイドブックに、ここの名物は朝食のバイキングだと書いてあったのだ」
---------------------------------------------------------------
蓮「美しいな、このウィーンという街は」スタスタ
馬孫「ははっ。街並み全てに『歴史』を感じますな」フヨフヨ
蓮「ああ。だが古いだけではないぞ馬孫。
あの市電を見ろ。ノンステップで騒音も少ない最新型だ」
馬孫「ほほぉ、“ばりあふりぃ”、ですな?」
蓮「そうだ。街が人を守り、人が街を作る。ウィーンはそのサイクルが完成されているから美しいのだ」
馬孫「なるほど…………」
蓮「そこに、我らが中国の目指すべきヴィジョンがある」
馬孫「……と、言いますと?」
だが、このまま発展していくには決定的に足りないものがある。それは何だ、馬孫?」
馬孫「…………この馬孫、骨の髄まで武人の身なれば、かような小難しいことは……」
蓮「先導者だ」
馬孫「!」
さながら、指揮者のいない楽団のようなものよ。そしてその先にあるのは破滅だ。……それは中国に限った話ではないがな」
馬孫「なるほど…………」
蓮「だから舵きり役が必要なのだ。巨大なうねりをねじ伏せることのできる指導者がな。
……そしてそれこそが、我が“雷帝グループ”の目指すところだ」
馬孫「ふぅむ…………」
そのためにオレは……………っ」ヨロッ
馬孫「ぼっちゃま!」
蓮「騒ぐな。石畳につまづいただけだ」フンッ
馬孫「ぼっちゃまのお考えはこの馬孫、しかと理解いたしました。
ですが、やはり少し無理がすぎるかと……」
蓮「くどいぞばそ……」
ゾクゥッ!!
蓮(な、なんだこのケタ違いの巫力は……!!?)
蓮(大きさだけではない。全身から力が抜けるような違和感……)
蓮(何よりオレは…………)
――――オレは、この巫力に覚えがある!!!
??「すみません!」ギュッ
??「ひょっとして……レン、道 連ではありませんか?」
蓮(色素の薄い髪、赤い瞳……そしてこの巫力)
蓮「貴様……アイアンメイデン・ジャンヌか?」
ジャンヌ「はい!」
蓮「やはりそうか……」
ジャンヌ「お久しぶりです!S.F.I.T(シャーマンファイト・イン・トーキョー)以来でしょうか?」
蓮「あ、ああ、そうだな……」
蓮(何故だ、こいつと顔を合わせた瞬間寒気が……)
蓮(俺は怯えているのか……いや、こいつから敵意は感じられない)
蓮「ああ。貴様もか?」
ジャンヌ「いえ、私は教会のお招きで児童福祉に関する講演をさせていただくことになっているのです」
蓮「そうか。X-LAWSの評判は中国にも届いているぞ」
ジャンヌ「ふふっ、うれしいです!」
蓮(いかん……頭も重くなってきた……)クラクラ
主の導きに感謝しなくてはなりませんね」
蓮「大げさだ」フン
ジャンヌ「そんなことはありません!」
蓮「……貴様の方こそ」
ジャンヌ「えっ?」
ジャンヌ「……確かに髪や身長は伸びていらっしゃいましたが」
蓮(身長のことは言うな)
ジャンヌ「貴方の巫力は、私の魂が覚えていました」
蓮「!!」
蓮「そんなものか……ゲホッ」ゴホゴホ
ジャンヌ「道蓮!?どうなさったのですか?」オドオド
蓮「な、何でも……ゴホッ!!」ヨロッ
馬孫「ぼっちゃま!」
蓮「何でもないと……言っている」
ジャンヌ「とてもそんな風には見えません!どこか具合でも悪いのではありませんか?」
蓮(視界も………かすんで……)
蓮「…………ム、限界、か……」フラァ
ドサッ
道蓮!しっかりなさってください!
…………………………
………………
………
蓮「……………ム」パチッ
ムクッ
蓮「…………馬孫か。……ゲホッ」
馬孫「無理はなさらずに!」
??「その持霊さんの言うとおりよ。まだ寝てた方がいいわ」
??「熱も下がってないし、体力も落ちてる。その状態で街中まで歩いてこられたことが不思議なくらいよ」
蓮「貴様……X-3の」
ミイネ「あら、覚えていてくれて光栄ね。ミイネ・モンゴメリよ」
ミイネ「X-LAWS・ウィーン支部。私の家でもあるけどね。この部屋は医務室」
蓮「………馬孫」
馬孫「はっ!」
蓮「ストリートで倒れたあと、俺はどうなったのだ」
ミイネ「びっくりしたわ。ドアを開けたらメイデン様が泣いてて、
あなたを担いだシャマシュが仁王立ちしてるんですもの」
蓮「…………そうだ、メイデン。奴はどこだ」
ミイネ「メイデン様なら下で………」
バタンッ!!
ジャンヌ「道蓮!!!」
馬孫「おお、メイデン殿」
蓮「…………ム」
ジャンヌ「気がついたのですね………よかったぁ……」ポロッ
蓮「!?」
蓮「」
ジャンヌ「ミイネ、ありがとうございました。あとは私が」
ミイネ「承知いたしました。では私は仕事に戻ります」
ミイネ「フフッ、分かっております。マルコ隊長にはしばらく黙っておきますね」
ジャンヌ「ミイネ………ありがとうございます!」パァァ
ミイネ「フフフ……それと道蓮」
蓮「何だ」
特に今日一日は絶対安静。分かったわね?」
蓮「…………フン」フイッ
ミイネ「……ハァ。まあいいわ。それではメイデン様、後ほど」
ジャンヌ「ハイ、ありがとうございました」
パタン………
ジャンヌ「何でしょうか、武将さん?」
馬孫「この度はぼっちゃまの命を救っていただき……この馬孫、厚く御礼申し上げる!」フカブカ
ジャンヌ「そんな、私は私の出来ることをしたまでです」
馬孫「ですが!!」
蓮「馬孫」
蓮「少し黙っていろ」
馬孫「は……ははぁ!!」ササッ
蓮「……メイデン」
ジャンヌ「は、ハイ!」
蓮「………世話になった。この借りは必ず返す」
ジャンヌ「!?」
馬孫「何ですと!?」
蓮「聞こえなかったか。ホテルに帰ると言っているのだ」
ジャンヌ「い、いけません!ミイネも今日は絶対安静だと…」
立てるようになった時点で休息は十分だ」スクッ
ジャンヌ「ですが………」
蓮「……っ」フラッ
馬孫「ぼっちゃま!」
ジャンヌ「道蓮!」
蓮「寄るな!」
馬孫「……恐れながらぼっちゃま」
蓮「何だ!!」イライラ
馬孫「ここは素直にメイデン殿のご厚意に甘えるのが最良かと」
蓮「甘えるだと……?ふざけるな!」
ジャンヌ「……………」ピクッ
ジャンヌ「………………」ワナワナ
馬孫「ですがその状態では……」
蓮「くどい!這ってでも俺は行くぞ!!」
ジャンヌ「…………道蓮」
ジャンヌ「失礼します!!!」
バッチコーーーーーン!!!
蓮「グフッ!!!」
ジャンヌ「……………!」
馬孫(ま………)
馬孫(幻の左―――――――――!?)
蓮「メイデン……貴様何を……!!」
ジャンヌ「自分を追い詰めないでください!」
蓮「何だと!」
ジャンヌ「今のあなたは生き急いでいるようにしか見えません!」
蓮「貴様、言わせておけば!」
ジャンヌ「何度でも言います!貴方は生き急いでいるだけです!!」
ジャンヌ「……本気で言っているのですか?」
蓮「無論だ!」
ジャンヌ「!!」
蓮「そもそも俺たちシャーマンにとって死など……」
ジャンヌ「えいっ!!!」
バッチコーーーーーーーン!!!!
蓮「ゲフッ!!!」
馬孫(こ、今度は右――――――!!)
ジャンヌ「………が……さい」
蓮「何だと?」
ジャンヌ「貴方がそんなこと言わないでくださいっ!!」ポロポロ
蓮「!」
蓮「ム…………」
ジャンヌ「巫力を使い果たしてその場にのこった……
祈ることしかできなくなった私の思いを汲んで、
死んだことへの恥も呑みこんで先へ進んだではありませんか……!」ボロボロ
蓮「メイデン………」
ジャンヌ「その貴方が、死んでも構わないなんて簡単に言わないでください!!!」
蓮「!!」
ジャンヌ「貴方を心配している人だっているはずです……」ギュッ
蓮「…………」
ジャンヌ「その人たちの……私たちの思いを踏みにじるようなことを、貴方が言わないでください………」ギュゥ
ジャンヌ「!」
蓮「顔を上げろ、ジャンヌ」
ジャンヌ「今、何と……」
蓮「…………すまなかった」
ジャンヌ「えっ?」
ジャンヌ「…………」
蓮「………俺たちはヤツから、―――今やこの星の一部となったハオから、しばらくの間地球を任された」
蓮「袋小路へ向かっているこの星を変えるためにがむしゃらにやってきたつもりだったが……」
蓮「知れば知るほど、この星はどうしようもなくて」
蓮「それでも何かできるはずだ、少しでも前へと急ぐばかりで」
蓮「その結果がこのザマ………笑えんな」
ジャンヌ「道蓮………」
蓮「フッ、『答えは悩みきること』などと、
ニクロムに偉そうなことを言っておきながら」
蓮「――――俺はまだ、迷っていたのかも知れないな」
蓮「何だと?」
ジャンヌ「少なくとも、私は貴方のくれた『迷い』のおかげでここにいるのです」
蓮「………?」
ジャンヌ「初めて貴方を蘇生したとき」
蓮「!?あ、あれは……」
ジャンヌ「貴方は『迷惑だ』と吐いて捨てましたね」フフッ
蓮「うぐっ!!」
蓮「くっ………」
ジャンヌ「でも、それでよかったと、私は思っています」
蓮「何………?」
ジャンヌ「あそこで貴方がそう言わなかったら、私はずっと聖・少・女としての自分に何ら疑問を持たなかったでしょう」
蓮「あれは、だな………俺が生き返ることよりも、そのために葉のヤツが犠牲になることに納得がいかなかっただけであって」
ホロホロは花の家に居候するくらい落ちぶれちゃってまあ・・・
マンガ完全版の後日譚で子ども作ってた
私は自分の正義に迷わぬまま闘い……そして死んでいたでしょう」
蓮「…………」
ジャンヌ「自分たちの他に正義がある……そのことに気づかせてくれたのは貴方なのですよ、道蓮」
蓮「…………そういう、ものか」
ジャンヌ「はい!そういうもの、です!」ニコッ
蓮「…………フン」
蓮「ん?」
ジャンヌ「あの時の貴方の眼がその……とても素敵で……」モジモジ
蓮「」
ジャンヌ「ああ、あの刃で貫くような瞳を思い出すだけで私、もう胸が高鳴ってしまって!」
蓮「あー…………」
思い出せば思い出すほど胸が締め付けられそうな……」
蓮「………メイデン」
ジャンヌ「………はい?」
蓮「…………その辺で勘弁してくれ」
ジャンヌ「………いやです」
蓮「何!?」
蓮「何だと?」
ジャンヌ「さっきのように名前で、『ジャンヌ』と呼んでくれるまでやめません!」
蓮「何を言い出すのだ!?」
ジャンヌ「いや、ですか?」ジワッ
蓮「うっ!
……………………了解した……ジャンヌ」
ジャンヌ「はい!」
ジャンヌ「はい?」
蓮「俺のこともフルネームで呼ぶのはやめろ」
ジャンヌ「?」
蓮「……………蓮でいい。それでお互い様だろう」フイッ
ジャンヌ「…………!」パァァ
ジャンヌ「はい………分かりました、蓮」
蓮「う、うム…………」
馬孫「そろそろよろしいですかな?」ヌゥ
蓮「!!!」ビクッ
ジャンヌ「きゃあ!」
馬孫「ええ、ずっと見ておりましたとも」
ジャンヌ「はわわわ………」カァァ
馬孫「して、結局これからどうされるのですか」
蓮「そうだな………」チラッ
ジャンヌ「」ジッ
蓮「……………」
ジャンヌ「…………」ジワッ
蓮「!!!
そ、そうだな!何だか急に旅の疲れがどっと出たようだ!」
ジャンヌ「!」
蓮「あーあ、体がだるくて一歩も動けんぞ!これはもうしばらく横になっていた方がよさそうだ!」
馬孫「そうでしょうそうでしょう!」
蓮「う、うむ。ならばジャンヌ」
ジャンヌ「ハイ!」
蓮「その…………今日一日だけ世話になる。それでいいか」
ジャンヌ「……………もちろんです!」ニコッ
ミイネ「ようやく観念したみたいね」ツカツカ
ジャンヌ「ミイネ!」
ミイネ「はい、どうぞ」コトッ
蓮「何だこれは」
ミイネ「ポトフよ。薄味だから疲れた胃でも食べられるわ」
ミイネ「ああ、あなたが寝ている間にメイデン様が作って置いたものを温めなおしただけだから」
蓮「何だと?」
ジャンヌ「わーわー!み、ミイネ!あとは私がやりますので、どうか通常業務にもどってけっこうですよ!?」アタフタ
ミイネ「クスッ、分かりました。そうさせていただきます」ツカツカ
パタンッ
蓮「…………」
ジャンヌ「…………あの」
蓮「…………何だ」
ジャンヌ「いえ、私、お料理の勉強を始めたばかりで………
これもミイネに手伝ってもらいながら作ったのですけど、あまり自信が………」
蓮「……………」
ジャンヌ「その、お口に合わないと思うのですが、よろしかったら………」
蓮「ジャンヌ」
ジャンヌ「!」
ジャンヌ「……!」パァァ
蓮「それに、今日一日世話になると決めたのだ。だから、その……」
ジャンヌ「………」ドキドキ
蓮「い、いただこう」
ジャンヌ「………はいっ!」ニコニコ
15分後
蓮「…………馳走になった」ウプッ
ジャンヌ「………お粗末様でした」
ジャンヌ(蓮……心なしか先ほどより顔色が悪いような気がします……)ズーン
蓮「…………腹に何か入るだけでだいぶマシだ。謝謝、ジャンヌ」
ジャンヌ「そうですか………」
蓮「それよりも」
ジャンヌ「はい?」
蓮「X-LAWSの総帥が、俺一人にかかりきりになっていていいのか?」
ジャンヌ「ええ。講演は明日ですし、打合せももう終わっているので」
蓮「そうか……」
蓮「ほう」
ジャンヌ「それで、ですね」
蓮「何だ?」
ジャンヌ「れ、蓮はご旅行中の計画は決まっているのですか?」
ジャンヌ「でしたら!」ズイッ
蓮「」ビクッ
ジャンヌ「私にウィーンを案内させてくれませんか!?」
蓮「貴様に?」
蓮「…………」チラッ
馬孫「」コクコク
蓮「」
ジャンヌ「私も、その方が折角のお休みを有意義なものにできるかと!」
ジャンヌ「はいっ!」
蓮「………さて、満腹になったら眠くなった。今日は早めに休もうと思う。
貴様も、明日は仕事なのだろう?」
ジャンヌ「そうですね。私も休むことにします」
蓮「む」
蓮「何!?」
ジャンヌ「へ?ど、どうかしましたか?」
蓮「きっ、貴様もここへ泊るのか!?」
ジャンヌ「はい……パリの本部に居る時以外は、こうやって支部に泊まることになっているのですが」
蓮「何だと!?……かっ、帰るぞ馬孫!!」アタフタ
ジャンヌ「えぇっ!?」
馬孫「何ですと!?」
蓮「そっそっ、そんな話は聞いていない!今からでもホテルに……!!」
ザンッ!!!!!!
蓮「…………!!!」ゾクッ
ジャンヌ「……シャマシュ・オーバー・ソール 刑具(トゥーチャーズ)」
蓮「」
ジャンヌ「あなたはまた……自分の言葉を違えるのですか?」
ジャンヌ「蓮?」
蓮「」
ジャンヌ「おやすみなさい」ニコッ
蓮「あっ、ああ……………」
馬孫(あの微笑み、潤様にそっくりですな)
蓮「…………ハァ」
馬孫「結局、この馬孫の言うとおりになりましたな」フヨフヨ
蓮「あぁ………だが何故だろうか、逆に寿命が縮んだような気さえするぞ」
馬孫「はっはっは。よい薬です」
蓮「………貴様も言うようになったな。……………アイツも」
馬孫「はい?」
だとしたら…………アイツに勝てんのもうなずける」
馬孫「アンナ殿もメイデン殿に負けず劣らずの女傑ですからなぁ」
蓮「そうだな………」ソッ
馬孫「…………ぼっちゃま?」
馬孫「」ニヤニヤ
蓮「ニヤニヤするな!!!クソッ、俺はもう寝るぞ!昼まで起こすな!!いいな!!!!」ガバッ
馬孫「承知いたしました」ドロンッ
蓮(くそっくそっくそっ!今になって顔が熱くなってきたではないか!!)カァァ
蓮(…………誰かに泣かれたのは、久しぶりだったな)
蓮(〜〜〜〜〜〜〜〜〜クソッ!)
ジャンヌ(どどどど、どうしましょう!)
ジャンヌ(まさか、この街で蓮に出会えるなんて……)
ジャンヌ(し、しかもお休みの間も一緒にウィーンを廻る約束までしてしまいました!)
ジャンヌ(……まだ心臓がうるさいです……)ドキドキ
ジャンヌ「…………たまおさん」
ジャンヌ「これが、『恋』、というものなのですね」クスッ
ミイネ「………もしもし、こちらウィーン支部」
ミイネ「ああ、あなたなのねジョン」
ミイネ「ええ………ええそう、さっきの件よ」
ミイネ「ええ……本当よ、まったく」
ミイネ「ばれたとき?そうね……ラキスト神父にでも応援を要請しましょうか」
ミイネ「今ローマにいるのよね?………分かった。私から連絡しておくわ」
ミイネ「………了解。じゃあね」
Pi!
ミイネ「ふう……問題はこれからね……」
ミイネ「あの過保護メガネ……一体どうしたものかしら?」
ミイネ「………まぁいいわ。他のみんなも協力してくれるし」
ミイネ「メイデン様……」
ミイネ「がんばってくださいね」ニコッ
第一部・完
蓮「…………ム」パチッ
馬孫「おはようございます、ぼっちゃま」
蓮「ああ」
蓮(………体が軽い)
馬孫「ゆうべはぐっすりだったようですな」
蓮「まあな」
蓮「そうか?」
ミイネ「ええ。はい鏡」
蓮「………確かに。目の隈が消えている」
蓮「いや……朝飯よりも風呂を借りたいのだが」
ミイネ「ああごめんなさい。今メイデン様が使ってるの」
蓮「アイツも風呂か?」
ミイネ「いいえ、朝の水責め」
蓮「」
これをやらないと落ち着かないからって……」ハァ
馬孫「そ、そういうものですかな……」
蓮「拷問とライナスの毛布を同列に語られてもな……」
ミイネ「あら、難しいこと知ってるのね」
蓮「バカにするな!」ニョキッ
蓮「……そうするか」
ミイネ「あら、意外に素直なのね」
蓮「………」ギロッ
ミイネ「ふふっ、半病人にすごまれても怖くないわよ」
馬孫「はははっ、ぼっちゃんもカタなしですな」
蓮「馬孫!!!」クワッ
馬孫「ももも、申し訳ありません!!」
蓮(さすがにもう空いただろう……)
ジャンヌ「蓮!おはようございます!」
蓮「あ、ああ」
ジャンヌ「………むぅ」
蓮「………どうしたというのだ」
蓮「は?」
ジャンヌ「『おはよう』と言われたら『おはよう』と返す。
万国共通の常識ですよ」
蓮「む、確かに……」
ジャンヌ「はいっ、やり直しです!」パンッ
蓮「………むう」
蓮「ああ、お、おはよう、ジャンヌ」
ジャンヌ「はい!」ニコニコ
馬孫(早速尻に敷かれておりますなー)
蓮「」ギロッ
馬孫(おっと)
ジャンヌ「え?あっ、すみません!私が占領していたばかりに」ゴシゴシ
蓮(まだ髪が濡れている……)
蓮「…………」ワシワシ
ジャンヌ「ふぁっ!?ちょっと、蓮?」
蓮「馬孫!!俺が入ってる間に着替えを取ってこい!」ツカツカ
ジャンヌ「え?……ええぇ???」カァァ
…………………………
………………
………
蓮(講演でのジャンヌは実に堂々としていた)
蓮(しかし、その言葉一つ一つには確かな意志があり)
蓮(未来を諦めないという、希望と自信に満ち溢れていた)
蓮(そこにいたのは虚ろなまやかしの聖・少・女などではなく)
蓮(一本芯の通った立派な女だった……)
ジャンヌ「蓮!」タタタッ
蓮「ジャンヌ。もういいのか」
ジャンヌ「ええ。司祭様にはごあいさつしてきました」ニコニコ
蓮「そうか。ならば行くぞ」
ジャンヌ「え?」
蓮「ウィーンを案内してくれるのだろう?」
ジャンヌ「………!まかせてください!!」
【中華三昧?】
――――夕食
蓮「…………」モグモグ
ジャンヌ「ここは一応、ウィーンで一番評判のいいチャイニーズレストランなのですけど……」
蓮「」ゴクン
ジャンヌ「い、いかがですか……?」
蓮「うむ、文句なく美味い」
ジャンヌ「よかったぁ!」ニパーッ
ジャンヌ「ただ?」
蓮「『中華料理』か?と訊かれれば……【否】と言わざるを得まい」
ジャンヌ「そうですか……」
蓮「…………今度本場の中華を食わせてやる」
ジャンヌ「!!」パァァ
蓮(面白い)
――――翌日
ジャンヌ「ここが一番のお気に入りなんです!」
蓮「…………まぁ、ハッキリ言って予想はしていた」
拷 問 博 物 館
蓮「……いや、ウチのキョンシーどもへの拷問がマンネリ気味だったところだ。こういうところであらためて学ぶのも悪くない」
ジャンヌ「それはすばらしいことです!」
蓮(やはり俺はこいつに甘いのだろうか)
シャマシュ「」
馬孫「おお、これが古代バビロニアの拷問ですかな……ふむ?」
シャマシュ「?」
馬孫「いえ、我が国でも同じようなものがあった気が……」
シャマシュ「!」
シャマシュ「!?」
馬孫「ええ、もちろん。たとえば………」
蓮(なにやらあっちでは恐ろしいことになっている気がする)
【今後の課題】
ジャンヌ「美術史博物館です!」
蓮「ガイドブックにも載っているな」
ジャンヌ「フェルメールの『絵画芸術』が最も有名ですが、ブリューゲルのコレクションも素晴らしいですよ」
蓮「すまないが西洋絵画はサッパリだ」
蓮(…………iP○dか)
ジャンヌ「あれ……あれれ……?」
蓮「どうした?」
蓮「…………」ナデクリナデクリ
ジャンヌ「ど、どうして無言で頭を撫でるのですか!?」
蓮(今後の商品開発の課題だな。あとでブロッケンに企画書を出させよう)
ジャンヌ「ウィーンといえば音楽!音楽といえばウィーン!」
蓮「そうだな」
ジャンヌ「今の時期だと、市庁舎の前の広場では連日野外演奏会が開かれていて」
蓮「ふむ」
蓮「ほう」
ジャンヌ「…………寝てはだめですよ?」メッ
蓮「………その言葉、覚えておけよ」
ジャンヌ「」スゥスゥ
蓮(わかりやすすぎるだろうが……!)
ジャンヌ(こうして、楽しい時はあっという間に過ぎて行きました)
―――――三日目の夜・シェーンブルン宮殿前
蓮「……美しいな」
ジャンヌ「そうですね……」
ジャンヌ「私、バンリのチョウジョウしか見たことがありません」
蓮「そうか」
ジャンヌ「…………いつか」
蓮「ん?」
蓮「…………ああ、約束しよう」
ジャンヌ「………きっと、ですよ?」
蓮「……ジャンヌ?」
蓮「…………」
ジャンヌ「私、蓮と一緒にいられて嬉しいはずなのに……」ポロポロ
ジャンヌ「こんなにも幸せなのに………」ポロポロ
ジャンヌ「ヒグッ……明日でお別れかと思うと………涙が……止まらなくて……」
蓮「………!」
ギュッ
蓮「…………時間とは残酷だな」ギュゥ
ジャンヌ「………?」
蓮「樹木の如く絆を育むかと思えば、大河のごとく人と人を引き裂く」
ジャンヌ「……………え?」
蓮「こんなにもお前と………離れがたく思うなんてな」ギュゥゥ
ジャンヌ「!!!」
ジャンヌ「はい……」
蓮「俺の選んだ道は長く、そして険しい」
ジャンヌ「存じております」
蓮「この道を選んだことに後悔はない。………ただ」
蓮「俺一人では、また無理をして倒れてしまうかもしれない。だからジャンヌ」
ジャンヌ「………は、い」ポロッ
蓮「俺とともに、覇道を進む気はないか?」
蓮「お前さえそばに居れば、もう俺に怖いものなどない!」
ジャンヌ「蓮………!!」ボロボロ
蓮「ジャンヌ、俺と結婚―――」
マルコ「さーーーーせーーーるーーーかーーーーーーーーーー!!!!!!」ガッシャァ
ミイネ「そうよ隊長!空気読んでください!!」
マルコ「やかましい!我らX-LAWSの聖・少・女がどこの馬のタマネギとも分からん男にそそのかされているのだ!
これが落ち着いていられるか!!」
ミイネ「だめよジョン!女性の年齢は爆弾の解体作業よりもデリケートなの!」
デンバット「大体なぁ、隊長は無駄に厳しすぎるんだよ!」
マルコ「何を言うか!私はただ一心にメイデン様のためをおもって!」
せっかくS.F.で同性のお友達ができたっていうのに唯一の通信手段が文通よ!?」
デンバット「あんときは口出さなかったけど何だ文通って!!」
マルコ「うるさーーーーーーーい!!!邪魔をするなーーーーー!!!」
蓮「……………馬孫。O.S.武神」ボソッ
マルコ「道蓮!!!我らがジャンヌ様の純真に付け込んで誑かすとは何たる卑劣漢!」
マルコ「たとえ主がお赦しになられても!」
蓮「……刀」
マルコ「この天使長。マルコが許さん!!」
蓮「………戟」
マルコ「この怒りの銃弾、百発でも二百発でも撃ちこんでくれるわ!!!」ジャキッ
蓮「……………多刃!」
蓮「四閃刀幻……!!」
ミイネ「メイデン様!!」
デンバット「あぶねー!道蓮!!」
??「ルシファーズ・ハンマー!!!!」
ガッシャーーーーーーーン!!!
マルコ「」
デンバット「ロリコンメガネ!」
マルコ「」
ミイネ「チビマルコ!」
マルコ「」
ミイネ&デンバット「「気絶してる……」」
??「ふぅ………間に合ったようだな」チャキッ
マルコ「」
ミイネ「あ、貴方は!」
ジャンヌ「ラキスト!」
ラキスト「ご無沙汰しております、メイデン様」ペコリ
ラキスト「めっそうもない。私はそこのミイネ君に呼ばれてこのチビマルコを止めにきただけだよ」
チビマルコ「」
ジャンヌ「ラキスト……」
ジャンヌ「はい」
ラキスト「後悔は、いたしませんかな?」
ジャンヌ「…………」
ジャンヌ「はい、誓います」コクッ
ラキスト「……道蓮、君もだ」
蓮「貴様らの主など知ったことか」
蓮「誰がそんなことを言った。俺が誓うのは胡散臭い貴様らの神ではない。
俺は俺自身の魂と」グイッ
ジャンヌ「きゃっ」
蓮「ジャンヌに誓う」
ジャンヌ「蓮………!!」
ミイネ「メイデン様……」グスッ
デンバット「んだよミイネ、泣いてんのか?」ズズーッ
ミイネ「あなたこそ!」グシグシ
ラキスト「なればこのラキスト・ラッソ!ここに道蓮と、アイアンメイデン・ジャンヌ両名の婚約を認める!」
ジャンヌ「蓮!」
蓮「……ジャンヌ」
ジャンヌ「ん……」
チュッ
デンバット「〜♪」
ミイネ「メイデン様ー!」キャー
チビマルコ「」
ラキスト「………結構。では私はこれにて」バサッ
蓮「待て、星組の神父」
蓮「そこで寝ている防弾メガネに伝えておけ。北京標準時において、明後日の08:00、道家の所有する決戦場にて待つとな」
ラキスト「ふむ………?」
蓮「この場を誤魔化したところでどこかで納得させない限りどうせそのメガネは何処までも追ってくる。
………ならば、いっそ迎え撃って叩き潰した方が手っ取り早い」
蓮「ジャンヌ」
ジャンヌ「あ、はい!」
蓮「お前の休暇はあと丸一日残っているのだろう?」
ミイネ「その気になれば、一週間でも一カ月でも伸ばせますが!」wktk
デンバット「やめとけ……腐れメガ……じゃなかった、マルコ隊長の胃が穴だらけになる」
チビマルコ「」
ジャンヌ「行くって、何処へですか?」
蓮「決まっている。俺の家だ」
ジャンヌ「ええっ!?」
ジャンヌ「だってそんな急に……」モジモジ
蓮「何を言う。結婚相手を紹介するのだぞ。早い方がいいに決まっている……それに約束しただろう」
ジャンヌ「え?」
蓮「本場の中華を食べさせてやる、とな」ニヤッ
ジャンヌ「蓮……大好きです!」ギュッ
ピッポッパ
Prrrrrrrr
蓮「……ブロッケンか。オレだ。大至急北京空港の滑走路を押さえろ。
……言い訳は聞かん!政府高官にわいろでも何でも渡してでも何とかしろ!」
蓮「それとだな、本家の姉さんに来客の準備をしておくよう伝えておけ。
……うむ。中華のフルコースで頼む」
蓮「………それと、ザンチンへの見舞金は……ああ、俺のポケットマネーから多目に包んでくれ」
蓮「よし、準備はいいか、ジャンヌ」
ジャンヌ「はい!
ミイネ!ジョン!」
ミイネ&デンバット「「はっ!」」
ミイネ&ジョン「エーーーーーーックス!!」ビシッ
蓮「では行くぞ!」
ジャンヌ「はい、蓮!」
………………
………
―――中国・道家
ババーン!
蓮「オヤジ!姉さん!帰ったぞ!」
潤「おかえりなさい、蓮」ニコニコ
円「蓮!!貴様何を考えているのだ!」
円「何がもクソもないわ!予定を繰り上げて帰ってくると言いだしたかとおもったら婚約した?
相手を連れてくる?
バカも休み休み言え!!!」
ジャンヌ「!」ビクッ
蓮「大声を出すなクソ親父。ジャンヌが怯えているだろうが」
円「うるさい!!大体だな……」
いらっしゃいメイデンちゃん。遠くからよく来たわね」
ジャンヌ「あ、はい。あの、蓮のお姉様、ですよね?」
潤「そうよ。道潤。よろしくね」ニコニコ
ジャンヌ「はい!よろしくおねがいします!」ペコッ
潤「……素直ないい子ではないですか」ヒソッ
円「ム……」
潤「ハイハイ。全く、そういうところ気が利かないんだから。ねぇ?」
ジャンヌ「いえ……そこが蓮のいいところです」
潤「ま。ヤケるわね」クスクス
円「」
………………
………
――――晩さん会
珍「ハァーーーーッハッハッハッハ!!!まさか休暇中に嫁を見つけてくるとはのう!!!」カッカッカ
蘭「もぅ、お父様ったら笑いすぎですわ。でも……オホホホ」
ジャンヌ「………///」
蘭「あら、ごめんなさい」オホホ
円「…………」ボロッ
蘭「……素敵な格好ね、アナタ」
円「フン!」
潤「ジャンヌちゃん、道家の味はお口に合うかしら?」
ジャンヌ「はい!とても美味しいです」
潤「そう、よかった」
ジャンヌ「あっ、これは潤さんが……」
潤「もうっ、『姉さん』って呼んで、ってさっき言ったでしょう?」
蓮「姉さん」
潤「ハイハイ、いじめてゴメンゴメン」
円「」ムッスー
蘭「アナタ、いい加減にしないと怒りますわよ」
円「………蓮」
円「お前の見合い相手は中国中に30人以上はいるのだぞ。お前が成人するまで見合いはしないなどとほざくから待たせているというのに、それに対して弁明はないのか」
ジャンヌ「蓮……」
蓮「ならば逆に聞くぞクソ親父。………そのなかにジャンヌよりも強い女がいるか?」
円「ウグッ!」
蓮「ジャンヌは世界でも数えるほどしかいない神クラスだ。俺などよりもはるかに強いぞ」
ジャンヌ「…………」
蓮「『高貴さは血筋にあらず、心に在り』」
円「何だ?それは」
蓮「今回の休暇中に感銘を受けた言葉だ。ドイツの格言だそうだ」
蓮「そいつらがどの程度の生まれかは知らんが、コイツよりも高潔な心を持った人間がいるなら連れてこい」
蓮「………もう一度だけ言うぞ、親父」
円「む?」
蓮「コレ以上ジャンヌを愚弄するならば、貴様も道家1800年の英霊の一人にしてやる」
ジャンヌ「蓮………!!」
円「」
言うようになったではないか、蓮!!ハッハッハッハ!!!」
珍「いやー今日は実に目出度いな!そうは思わぬか!のう円!!」
円「…………風に当たってくる」ガタッ
蘭「やれやれ、すっかり拗ねてしまって……私が慰めてまいりますわ」
ジャンヌ「い、いえ!私は未成年ですので……」
珍「目出度い席ぞ!堅いことを言うな!道家秘伝の紹興酒は悪酔いせんのだぞ?」ホレホレ
潤「おじい様、飲みすぎですわ」
珍「何じゃ、潤までそんな冷たいことをいうのか?」
珍「むぅ」
潤「かわいくありませんわよ、おじい様」
珍「……フフ」
ハーーーーッハッハッハ!
蓮「フッ」
ジャンヌ「うふふふふ」ケラケラ
ならば蓮、貴様が飲め!
ふっ、ふざけるなジジイ!
蓮のいいとこみってみったい♪
そーれイッキ、イッキ、イッキ♪
ジャンヌ!お前そんな下品なことを何処で覚えたのだ!!
え?いつもX-LAWSの打ち上げでマルコが………
あんの腐れメガネエエエエエエエエ!!
円「…………」
蘭「混ざりたいんですか?」
円「違うわ!」
蘭「まぁ、意地張っちゃって」
円「………蘭」
蘭「何ですか、アナタ」
蘭「そのセリフ、3年遅いんじゃなくて?」
円「それはそうなのだが……」
蘭「どうしたのですか?」
円「……一言くらいわしに相談してくれてもよかったのではないか?」
蘭「仕方がありませんわ。アナタ、あの子たちに信用されていませんもの」
円「………蓮」ショボン
ゆるすまじ
ガタッ
ぐぬぬ…
………………
………
―――夜半
パチッ
蓮「今日はこの部屋を使ってくれ。最上級の客間だ」
ジャンヌ「うわぁ……とても素敵なお部屋です!」
ジャンヌ「とても!」
蓮「……ジャンヌ」
ギュッ
ジャンヌ「あっ……」
蓮「あの時は腐れメガ……マルコの邪魔が入ってちゃんと言えなかったからな。
もう一度、聞いてくれるか?」
ジャンヌ「………はい」ギュゥ
蓮「俺と結婚してくれ、ジャンヌ」
ジャンヌ「……不束者ですが、よろしくお願いいたします!!」
………………
………
―――翌日 AM 07:58
ビュオーーーーーーーゥ
蓮「…………」
馬孫「ぼっちゃま」
蓮「!…………来たか」
マルコ「道蓮!メイデン様を誑かすだけでは飽き足らず、ラキスト神父と共謀してメイデン様を拐すとは!!
許すまじ!!」
蓮「逃げずにやってきたことは褒めてやろう!!だが今日こそはその眼鏡、
力の限りたたき割って貴様の墓標にしてくれるわ!!!」
マルコ「ほざくな下郎!!メイデン様は何処にいる!」
マルコ「呼び捨て禁止!!」
蓮「黙れ!!大体呼び方を間違えているのは貴様の方だ!!」
マルコ「何を!?」
マルコ「!!!!!!!!
きっさまぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
蓮「さぁかかってこい腐れメガネ!!俺に手傷の一つでもつけられたら、親族席に座らせてやらんでもないぞ!!」
マルコ「死刑(デス・ペナルティ)!!!!!!」
蓮「九天応元雷声普化天尊!!!!!」
終わり
「いいですか?たまおさん……あちらのOKAMIさんの言うことをちゃーんと聞くのですよ?」
「はい、ははうえ!」
「ほら、あなたからも何か言ってください」
「む……羽目は外すなよ。お前を向こうにやる目的を見失うな。いいな」
「はい、ちちうえ!」
「はっ!」
「黽を頼むぞ」
「ははっ!ぼっちゃまのことは、この馬孫めにお任せくださいませ!!」
「はい社長」
「任せてよ」
「はいよ」
「うむ、では黽、気をつけてな」ナデナデ
「はい!」
「大丈夫だろうか……」
「たまおさんの所ですもの。心配ありませんわ」
「……そうだな」
「心配ですか?」
「当然だ。愛するわが子が手元を離れるのはつらいさ」
「子ども相手にヤキモチをやくな、みっともない」
「最近言ってくださらないから」
「フッ……全く困った嫁だな」
「うふふっ」
「――――愛しているよ、ジャンヌ」
「私もです、蓮」
おしまい
完全版とマンタリテの内容を極限まで拡大解釈した結果が今回のお話でした。
いかがだったでしょうか?
今日は連投規制・さるさん・そしてなぜかブチブチ切れる回線との戦いでした。
それでは保守・支援・そして読了、本当にありがとうございました。
いずれまたの機会にお会いしましょう!
エロは無理でした。体力的にも技術てr(ry
これだけはマジ誰か書いてってレベルで無理。
チョコラブ「シャーマンキングゼロ・1巻好評発売中!
…………ってこれ俺に言わせんのか!?」
乙!
Entry ⇒ 2012.06.05 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
岡部「スマブラやるぞ」
紅莉栖「またそれぇ?ったく、ホンットに懲りないわね」
岡部「貴様こそ何度も水を指すなっ」
ダル「で、なんなん?エロゲやりたいんだからはよ」
まゆり「まゆしぃはお腹が減ったなー」
岡部「相変わらずのこのやる気のなさ。俺は悲しい!悲しいぞ」
紅莉栖「どうせまた下らない事なんでしょ?勿体つけてないで早く言いなさいよ」
まゆり「おでん缶たーべよっと」
岡部「下らなくなどなぁい!これを見るのだ!」 バァン
ダル「えっと、64?なに?今更そんなん出してきてどうするん?」
岡部「スマブラやるぞ」
岡部「う、うるさい!これもラボの結束のための重要なミッションであり──」
紅莉栖「はいはいワロスワロス、でも初代なんて中々話が分かるじゃない」
ダル「僕も初代が一番好きだお、それこそプレイ時間は3000時間は超えてる希ガス」
紅莉栖「そうよねー、飛ばした時の爽快感も初代が一番。やってて楽しいもの」
岡部「ほぉう?」
紅莉栖「な、なによ」
岡部「いやなに、ぼっちのクリスティーナがスマブラをやるとは少々意外だったものでな」
紅莉栖「なっ──!」
岡部「一人寂しくCPUと対戦でもしてたのか?ん?」
紅莉栖「し、してないわよ!」
岡部「それとも──」
紅莉栖「パパにメテオしまくってたら相手にされなくなったとか、VIPでネトスマとか、全然してないんだからな!」
ダル「牧瀬氏・・・」
まゆり「まゆしぃはオカリンのお家に行った時に何回かしてるよー?」 モグモグ
ダル「あ、まゆ氏まゆ氏”してるよー?”ってのもう一回よろ、出来れば──」
岡部/紅莉栖「言わすなHENTAI!!」
岡部「まあ良い、クリスティーナも経験者ならば話は早い」
岡部「早速オペレーション・トールに取り掛かる!みなのもの、コントローラーをもてーい!」
ダル「その前にセッティングだろ常考」ガチャガチャ
紅莉栖「岡部って後片付けとか他人任せのタイプよね、絶対」
岡部「ぐぬぬぬぬ・・・!」
まゆり「わわー!」 バシィ ワー \ キラーン /
ダル「ちょ、混戦してるとこにチャージショットとかマジ鬼畜」 ファーコン パーン!
紅莉栖「どさくさに紛れてファルコンパンチすんなっ」 PKファイヤー
まゆり「まゆしぃだけストック1だよぉー」
ダル「まゆ氏の敵は僕が討ってあげるお」 ファーコンキーッ ゲシッ
岡部「ぬわ!」
ダル「ふひひ、逃さないのだぜ」 空中↑A ゲシッ 空中↑A ゲシッ 空中↑A ゲシッ
岡部「おのれダルめぇ・・・!この鳳凰院凶真の分身をお手玉にするなどと!」
PKサンダー ドォーン ウワー!
ダル「おっと、その手には乗らないお、牧瀬氏」 ヒョイッ
バシィ! \ キラーン /
岡部「なっ──クリスティーナ貴様ぁぁ!これから華麗な体術でダルを翻弄するつもりだったのだぞ!」
紅莉栖「ちょ!避けんな橋田っ」
ダル「そいつは無理な相談なのだぜ」
岡部「時にまゆりよ、いい加減下に降りてきたらどうなのだ」 プカップカッ
まゆり「えぇー、だってまゆしぃがいったらすぐ飛ばされちゃうんだもん」
岡部「ふん、下手に生き残った所でこの鳳凰院凶真とタイマンになるだけだ」 ブゥゥゥゥゥン
まゆり「じゃあ降りてくるよーえいっ」 ストーン ゲシッ
岡部「おいまゆり、それは卑怯ではないか?」 \ ドォーン /
ダル「オカリン脱落乙!」
まゆり「えっへへー”ゆだのたいやき”、なのです」
紅莉栖「それを言うなら油断大敵よ!」 ガシッ&スロー
まゆり「わわ!投げられたー」
ダル「おっと牧瀬氏良い所に投げてくれたお」 ファーコン パーン! ドーン
ワー \ キラーン /
まゆり「あー、まゆしぃのかーびぃ・・・」
ダル「牧瀬氏がここまでやるとは思わなかったお」
岡部「やはりネトスマで鍛えられただけあって──」
紅莉栖「だからしてないってば!」
〜時間の壁〜
ゲームセッ
紅莉栖「く・・・橋田あんた強いわね・・・」
まゆり「さっきからダルくんのどくだんじょーだねぇー」
岡部「ダルは高校の頃その鬼神の如き強さからスマブラ王子と呼ばれていたからな」
ダル「いつの話よそれ、てゆか呼ばれてねっつの」
ガチャリ
まゆり「あ、るかくんトゥットゥルー」
るか「あの・・・皆さんこんにちは」
紅莉栖「はろー」
ダル「お、ルカ氏その手に持っているのはスイカではありませんか!」
るか「はい、お父さんが近所からたくさん頂いてきて、食べきれないので皆さんにもおすそ分けしようかと」
岡部「うむ、ラボへの食料提供感謝するぞ」
るか「はい・・・あの、皆さんゲームされてるんですか?」
紅莉栖「スマッシュブラザーズ64、漆原さんもやる?」
るか「え!?ボクもですか?いやあの・・・でもボク・・・やったことなくて」
まゆり「大丈夫だよー、るかくんもやってみようよぉ」
まとめ:オカリン=サムス
まゆり=カービィ
ダル=Cファルコン
紅莉栖=ネス
るか「あ、スイカならボクが」
ダル「良いの良いの、それにさっきから僕ばっか勝ってオカリン達涙目だろうし」
岡部「おのれダル、言わせておけば・・・!」
紅莉栖「橋田、あんた後で覚えておきなさい」
るか「じゃあお言葉に甘えて・・・皆さんよろしくお願いします」
るか「え?えっと、どうしよう・・・かな」
紅莉栖「初心者ならカービィとマリオあたりが使いやすいんじゃない?」
岡部「リンクもオススメだぞルカ子よ」
るか「えっと、このキャラ・・・ですか?」
紅莉栖「そうね、スマッシュなしでも高い火力、復帰操作のシンプルさ、良いんじゃない?」
岡部「それに清心斬魔流の使い手ならば剣を使うのが──」
紅莉栖「はいはい、厨二病乙」
るか「じゃあリンクにしますね、ありがとうございます岡部さん・・・」
岡部「べ、別に礼を言われる程の事はしておらん!」
岡部「馬鹿な事を言うな!勝負の世界は甘くないのだっ」 ドォーン
バシィ ウガァー \ キラーン /
るか「あぁ・・・」
まゆり「オカリーン、ひどいよぉ、るかくんは初心者さんなんだよ?」
紅莉栖「安心して漆原さん、今岡部殺すから」
岡部「おいそこ、さらっと怖い事言うんじゃない!」
ギャーギャー ガガガガ ベシッ \ キラーン /
岡部「ぐぐぐぐ・・・おのれぇ・・・まゆりもクリスティーナも俺ばかり狙いおってぇぇ!」
ダル「ちょ、オカリンマジフルボッコ」
紅莉栖「漆原さんを虐めるからよ、自業自得ね」ドヤァ
ダル「そろそろ休憩しね?スイカ切ったお」
まゆり「ありがとー、ダルくん」
紅莉栖「サンクス」
るか「ありがとうございます橋田さん」
岡部「覚えていろよクリスティーナ、必ずそのすまし顔を歪ませてやるからな」 パクッ モシャモシャ
※ゲーム進行中、ゲームに参加してない外野の発言は名前の前にスペース入れる
ダル「だが断る」 ヒョイッ ゲシッ
岡部「なぁっ!」
まゆり「ねーねーオカリーン。ちょっと食べさせてよー」 スゥー
岡部「自ら進んで食われるバカがどこにいる!却下だ!」 ヒョイッ
ダル「まゆ氏まゆ氏、僕の顔をお食べよ」
まゆり「えー、ファルコンパンチは使いにくいからいやだよー」
まゆり「ねーねーるかくんちょっとこっちに来て」
るか「えっと、どうしたの?」
スゥー パクッ キラリン
るか「わっ、た、食べられちゃった!?」
まゆり「えっへへー、まゆしぃはリンクさんカービィが一番好きなのです」
紅莉栖「漆原さん、迂闊に近づいちゃダメよ!」
ダル「まゆ氏、天使な顔して悪魔、マジピンクの悪魔」
ガチャリ
まゆり「萌郁さんトゥットゥルー」
るか「あ、こんにちは、桐生さん・・・」
岡部「スキありだまゆりよ」 ?スマ ゲシッ ワー \ ドォーン /
まゆり「わわ、オカリンひどいよー」
萌郁「何・・・してるの?」
岡部「スマブラだ!」
萌郁「・・・」 ハッ
カチカチカチカチ
ブーブー
岡部「む・・・プレイ中にメールなど見てられるか!口で言え口で!」
萌郁「・・・」 ガシッ
岡部「なな、なんだ?」
萌郁「私も・・・混ぜて・・・欲しい」 ググッ
るか「あぁ!岡部さん!避けて!」 シェアー! ゲシッ \ ドォーン /
岡部「こういう事になるから・・・」
紅莉栖「鼻の下のばしてぼーっとしてるからよ」
まゆり「じゃあまゆしぃが代わってあげるねー、はいっ萌郁さん」
るか「ボクもちょっと目が疲れたので・・・あの、牧瀬さんどうぞ」
岡部「しかし意外だな、指圧師がスマブラやるとは」
萌郁「・・・」
ダル「おー、桐生氏はフォックスすかー、玄人好みっすな」
紅莉栖「桐生さんの実力は未知数、橋田に挑むと削り合い、ここは岡部狙い安定ね」
岡部「こら!貴様この俺を何だと思っているのだ!」
紅莉栖「サンドバッグよ」
岡部「ぐぬぬぅ!」
萌郁「・・・」 キッ
チュン チュン ババババ ガスッ
紅莉栖「うそっ」 岡部「なっ」 ダル「ちょ」
まゆり「わわー!」
るか「すごく・・・速いです・・・」
岡部「おのれシャイニングフィンガー!」 ブゥゥゥゥン
岡部「貴様の好きにはさせん!食らえアルティメットバズゥゥゥ」 ガッガッガ ↑スマ \ キラーン /
紅莉栖「判断が早い・・・そして的確なコンボだわ!」
萌郁「・・・」 タタッ ガシッ&スロー \ ドォーン /
紅莉栖「ふぇっ!?い、いつの間に」
ダル「うは、距離感半端ないお・・・。これは久々に解放するかもわからんね、神の手を」
萌郁「・・・」 チュン チュン タッ
ダル「そこだ!桐生氏覚悟!ゴーッドフィンガー!」 ファーコン パーン!
ダル「え、ちょ」
ガスガスガス
ダル「マジなんなん、今の絶対当たるタイミングっしょ」
萌郁「・・・残像・・・だ」
トウッ チュン ガッ ゲシッ
ガガガガ ヒョイッ ゲシッ イェーン! ワァー
ファイヤー!
ダル「桐生氏覚悟だお!」 空中↓A ゲシッ \ ドォーン /
萌郁「・・・く」 キッ
岡部「ダルも負けてはない・・・がなんだこのヤムチャ視点は」
紅莉栖「悔しいけど一騎打ちでは勝てる気がしないわね」
まゆり「も、萌郁さんのフォックスちゃん動きがちょっと気持ち悪いよぉー・・・」
ゲームセッ
ダル「だぁー!後ちょっとの所だったのに!完全に判断ミス、やらかしたお、うぅ僕のバカバカ!」
るか「桐生さんの優勝・・・ですね」
岡部「おい指圧師!貴様なぜそんなに強い」
萌郁「・・・」 カチカチカチカチ
ブーブー
岡部「ぐっ!」
パカッ
件名:ずっと一人で
本文:CPU3体相手にプレイしてたら簡単に強くなれたよ♪ 萌郁」
岡部「喜べクリスティーナ、お前以上のぼっちが今ここにいるぞ」
紅莉栖「だ、だから私はぼっちじゃないといっとろーが!」
ガチャリ
フェイリス「ニャフフ、今日は一段と賑やかなのニャ」
まゆり「あ、フェリスちゃんトゥットゥルー」
るか「あ、こんにちは」
紅莉栖「はろー、続々と集まってくるわね」
ダル「ラボでフェイリスたんに会えるとは僥倖!なんという僥倖!」
フェイリス「それで皆ニャにをしてるのかニャ?」
ダル「スマブラですフェイリスたん、一緒にどうですか?なんだったら僕が手取り足取り──」
フェイリス「ニャニャ!現実戦争(リアルファイト)を引き起こすという曰くつきのあのゲームかニャ!?」
岡部「そう、これをプレイした者には例外なく厄災が振りかかる・・・」
岡部「サラ、クラウディア、シモーヌ、良い奴らだった」
フェイリス「ニャらば死んでいった皆のためにもフェイリスも犠牲となるしかないのニャ!」
紅莉栖「おーい、帰ってこーい・・・」
フェイリス「心配要らないのニャ!フェイリスは大が付くといっても過言ではないほどのスマブラフリークニャ!」
まゆり「そうなんだよー、毎年メイクイーンでね?イベントもやってるんだよ?」
ダル「うそ!まじ!?知らなかったお・・・僕はファン失敗だお・・・」
フェイリス「ニャフフ、近々スマッシュブラザーズ64フェイリス杯を開こうかと思ってた所ニャ」
ダル「参加させて頂きます!全力で!」
岡部「ならばフェイリス、貴様にコントローラーを譲ろう。俺はドクペを買ってくる」
フェイリス「ニャフフ、ありがとニャ!」
紅莉栖「あ!ちょ!岡部!」
岡部「さらばだクリスティーナ!3人の強者に囲まれて枕を濡らすのだなフゥーハハハ!」
ガチャリ バタン
紅莉栖「逃げたな」 ダル「逃げたお」 まゆり「逃げたねぇ〜」
岡部「ドクペドクペっと」
岡部(皆の分も買っておいてやるか)
岡部(そろそろ小腹も空いただろう、食料も提供してやる) ガサガサ
〜ブラウン管工房前〜
ワイワイ ギャーギャー
岡部「って、声が駄々漏れではないか、あいつらめ」 フッ
鈴羽「おーっす岡部倫太郎ー」
岡部「バイト戦士か」
鈴羽「ねえねえ、随分賑やかだけど、何やってるのさ?」
岡部「知りたいか?」
鈴羽「そりゃあね、すっごく楽しそうなんだもん」
岡部「ふむ」
鈴羽「ねえ教えてってばー」
岡部「良い事を思いついた、貴様には今から!ぅ生贄となってもらう!」 ビシィ
鈴羽「生贄ぇ!?」
岡部「付いてこい」
鈴羽「あ、ちょっと!」
カツカツカツ
〜ラボ〜
紅莉栖「う、鬱だ・・・」
萌郁「・・・」
フェイリス「まさかモエニャンがここまで使えるとは恐れいったニャ!」
ダル「そういうフェイリスたんも惚れ惚れする動き!さすがフェイリスたん!」
紅莉栖「プリンでここまで強いなんて・・・玄人ってレベルじゃねーぞ!」
フェイリス「ニャフフ、クーニャンはまだまだ修行が足りないニャ」
ガチャリ
まゆり「あ、オカエリーン」
るか「おかえりなさい、おか・・・あ、凶真さん」
岡部「オペレーション・トールの途中経過はまずまずのようだな。ところで皆に支給するものがある」
バサッ
岡部「ラボメン専用知的飲料ドクターペッパーだ!皆心して飲むが良い!」
ダル「そこはキンキンに冷えたゼロカロリーのコーラだろ常考」
岡部「そしてこの狂気のマッドサイエンティストの選別によるスナック菓子の数々もある」
ダル「うひょー!マジかよ、さすがオカリン!そこには痺れる憧れるぅ!」
岡部「最後にもうひとーつ!」
岡部「ラグナロックを戦い抜く同志としてバイト戦士も加わった、皆よろしく頼む」
鈴羽「う、うぃーっす、大所帯だねー」 ヒョコッ
るか「こんにちは」
紅莉栖「はろー」
フェイリス「ニャフフ、スズニャンもスマブラやりにきたのかニャ?」
鈴羽「スマブラ?なにそれ」
ダル「ちょ、阿万音氏スマブラ知らんの?」
紅莉栖「別におかしくは無いでしょ」
鈴羽「あはは・・・いやー・・・」
岡部「簡単に言えば4人同時対戦可能な格闘ゲームみたいなものだ」
鈴羽「良く分からないけど・・・格闘なら任せてよ!戦士だからね!」 グッ
岡部「って、いやいやいや。ゲームの話だからな?」
鈴羽「えっ?そうなの?」
岡部「まゆりにルカ子、コントローラーをもてーい!」 ビシィ
るか「は、はい!」
まゆり「えぇー、でもまゆしぃもお菓子食べたいなー・・・」
岡部「つべこべ言うなっ、期待のルーキーのために一肌脱ごうという気概はないのかっ」
るか「ボクも初心者ですし、気楽にやりましょう・・・」
鈴羽「そうなんだ、よろしくお願いするよ。漆原るか」
岡部「もちろんこの俺も付き合ってやろう」
鈴羽「サンキュー、岡部倫太郎」
鈴羽「そうだなー・・・」
岡部「初心者ならばカービィ、マリオ、リンク辺りが──」
鈴羽「マリオ!?マリオならあたしも知ってるよ!」
岡部「奴は全世界で最も有名なゲームキャラと言っても過言ではないからな」
鈴羽「じゃあマリオにする!」
るか「まずは基本操作の説明から・・・ですね」
鈴羽「ゲームがこんなに難しいものだとは」 ガスガス ドカッ \ ドォーン /
鈴羽「あぁー!もう!思うように動かないしーコレ!」
まゆり「鈴さんはまだまだ甘々だよー」
鈴羽「むむっ」
るか「誰だって初めは・・・そうですよ」
鈴羽「むむむっ」
岡部「その体たらくではこの鳳凰院凶真に太刀打ち出来るのはいつになることやらフゥーハハハハッ!」
鈴羽(周りの状況を確認するんだ。そしてスキを見つけたら素早く動く・・・。これさえ出来れば格闘なんて)
鈴羽「・・・」
鈴羽「ふふふっ、あたし必勝法見つけちゃったもんねー」
岡部「なんだと?」
あったわー
マリオで一回も死なずにハードモードクリアすると云々とか
岡部「言ってみろ、経験の浅いバイト戦士にどのような秘策があるのかぁを──」
鈴羽「こんなのは!」ズボッ 鈴羽「こうすれば!」ズボッ 鈴羽「良いんだよ!」ズボッ
るか「へ?」
岡部「なっ!?コントローラーを!」
鈴羽「へへーん、隙あり!」
まゆり「わわー!まゆしぃのカービィ止まっちゃったー」
ガッガッガッガ ガス ヤッフゥ \ キラーン / ヤッフゥ \ ドォーン / ヤッフゥ \ キラーン /
岡部「こ、こら!貴様戦士にあるまじき行為だという事を分かっているのか!」
鈴羽「戦場で情けは無用だよ!」
岡部「ふっざけるなぁぁぁ!」
ダル「いやぁ、しかし目の付け所が違うっすな」
まゆり「びっくりしたよぉー」
岡部「今度やったら追い出すぞ!」
鈴羽「あはは・・・ごめんなさーい」
岡部「言っとくがプレイヤーを物理的に殴り倒すとかも禁止だからな!」
鈴羽「わ、分かってるってば!」
岡部「貴様ならやりかねん」
鈴羽「だからー、やんないってばー」
岡部「十分に反省するのだな」
鈴羽「うわ!捕食された!」
るか「そこ、スキあり!です!」 ザシュ オウフ
鈴羽「くっ、やるじゃん漆原るか」
岡部「消し飛べバイト戦士よ!アルティ(略)」 ドォーン バシィ ウワーァァ \ キラーン /
鈴羽「ぐぬぬぅ!あんなゆったりした弾避けれないなんて・・・あたしは戦士失格だよ」 ガクッ
岡部「気を病むことはない、貴様が弱いのではなく、このぅおれぇが強いのだからなフゥーハハハハッ!」
岡部「先程の事は水に流して、貴様が一人前の戦士にクラスチェンジするまでビシバシしごいてやる」
紅莉栖「ねえ、あんたもしかして」
紅莉栖「俺TUEEEプレイしたかっただけ・・・じゃあないわよね?」 ニコッ
岡部「なっ──!そ、そんなわけがなかろう!」
紅莉栖「ふーん、本当かしら」
岡部「き、貴様、野獣の群れに捨て置いたことを恨んでいるのかっ」
紅莉栖「ひどい有様だったわよ・・・私だけついていけないあの屈辱・・・ウフフ」
岡部「わわっクリスティーナ目が笑ってない、笑ってないぞ!」
紅莉栖「あんたも味わいなさい!」
萌郁「・・・そろそろ」 ダル「僕らの出番かお?」 フェイリス「狩りの時間ニャ」
岡部「」
\ アッー /
岡部「諸君、よくぞ集まってもらった。では本日もオペレーションを遂行する」
鈴羽「よーし、今日もやるぞー!」
まゆり「るかくんも鈴さんも随分上達したねぇー、えっへへー」
紅莉栖「でも8人でやると中々順番回ってこなくて退屈よね」
岡部「そこで俺に1つ提案がある」
フェイリス「ニャニャ!?もしかしてこのカオスな状況を打破する魔技の習得に成功したのかニャ!?」
岡部「ちがぁーう!良いかよく聞け、これからトーナメント戦を行う!」
Ω ΩΩ<な、なんだってー
岡部「それもただのトーナメントではない」
岡部「二人一組によるチーム対抗トーナメント戦だ!作戦名はオペレーション・レーヴァンテイン!」 バサッ
Ω ΩΩ<な、なんだってー
紅莉栖「岡部にしてはまともな提案じゃない、後その作戦名は痛いから」
鈴羽「足引っ張れないなー、頑張らないと!」
岡部「A,B,C,Dと書かれているクジが二枚ずつ入った箱を用意した!」
岡部「これを一人ずつ引いていき、同じアルファベットの組み合わせがペアとなる」
ダル「おぉ、いつになく用意が良いお」
岡部「それではまず、ラボメンNo.1であるこの俺が引かせてもらーう!」 ガサガサ
岡部「とぉう!」
岡部「Bだ、次、ラボメンNo.2!」
まゆり「トゥットゥルー、まゆCでーす」
岡部「次、ラボメンNo.3!」
ダル「はいよっと」 ガサガサ
ダル「Dっすなー」
岡部「次!」
紅莉栖「ふむん」 ガサガサ
紅莉栖「げっ」
紅莉栖「B・・・岡部とね、はぁ」
岡部「そこ!露骨に嫌な顔をするんじゃない!次!」
萌郁「ん・・・」 ヒョイ
岡部「A・・・か。次!」
るか「はい、引かせて頂きます」 ガサガサ
岡部「残るアルファベットはA,C,Dだな・・・」
安価で決める、スキなアルファベットを選んでおくれ
ルカ子>>75
フェイリス>>80
鈴羽>>85
上手く組合わなかったら無かったら適当に決めるわ
キャラまとめ
オカリン=サムス
まゆり=カービィ
ダル=Cファルコン
紅莉栖=ネス
萌郁=フォックス
ルカ子=リンク
フェイリス=プリン
鈴羽=マリオ
萌>フ>ダ>紅>岡>ま>る>鈴
大体想像通り
だがこの数日で逆転したり追いついたり、久しぶりにやった奴が勘を戻してる、などなどあるかもしれないね!
>>78
そうだった、すまんこw
萌鈴
オカ・クリ
まゆるか
フェイダル
かな
フェイリス「ニャフフ、ダルニャンとペアかニャ、これは優勝いただきニャ」
まゆり「トゥットゥルー、るかくん頑張ろうねー」
るか「うん、ボク・・・足引っ張らないように頑張るよ」
鈴羽「桐生萌郁!やるからには優勝目指すよ!」
萌郁「・・・」コクッ
紅莉栖「それで、対戦相手はどう決めるの?」
岡部「回収したA,Bのクジを再び箱に入れ、同じアルファベットを引いたペアが一回戦の相手だ。代表は前に!」
オカリン、まゆり、鈴羽、ダルが引く、さあ再び安価だ、A,Bどちらかを選んでくれたまえ
鈴羽>>90
オカリン>>91
まゆり>>92
自分でコイン投げた、Aにする
鈴羽「とう!」 B
岡部「だぁ!」 A
まゆり「えいっ」 A
ダル「じゃあ僕はBだお」
ダル「相手にとって不足なしだお」
鈴羽「絶対負けないよ!」
フェイリス「ニャフフ、フェイリスのプリン、打ち破れるかニャ?」
まゆり「よろしくねー、オカリン、クリスちゃん」
るか「お手柔らかにお願いしますね・・・」
紅莉栖「負けられないわね」
岡部「それではチーム戦をする前にルールを説明する!」
岡部「アイテムあり、ステージランダム、同士討ちあり、ストック3、ハンデはなし」
岡部「異論はないな?」
紅莉栖「良いんじゃない?」
フェイリス「どんな条件だろうと負けるつもりは無いニャ」
岡部「貴様こそ!まゆりとルカ子に遠慮して”こうげきできなーい”などと言うなよ!?」
紅莉栖「誰が言うか!」
オカクリREDチームVSまゆるかGREENチーム
3 2 1 GO
プカップカップカッ
岡部「いきなり空中散歩とはのんきなものだなまゆりよ、そうしてるうちにも貴様の相棒はやられるのだぞ!」
岡部「いけい!クリスティーナよ!」 ブゥゥゥン
紅莉栖「ちょ、自分でいきなさいよ!何画面端で貯めてんだお前は!」
るか「牧瀬さん隙ありです!」 ザシュ ザシュ ザシュ
まゆり「えーい、ドリルキックなのです」 ガガガガガ
紅莉栖「ふぇ!?」
岡部「フフ、良い感じに固まっているな、食らえい!アルティメーット(略)」 ドォーン
紅莉栖「ちょ、あんた私に当たってるじゃない!」 PKサンダー
岡部「ええい!お前がそんなところにいるのが悪いのだ、さっさと戻って来い!」 ガスッガスッ
るか「岡部さん、ごめんなさい!」 フッ ザシュ
岡部「ぬな!おのれリンクめ!これでも食らえ!」 B↑ガガガガ
まゆり「オカリントゥットゥルー」 ストーン ゲシゲシッ
るか「ちょっとまゆりちゃん、ボクにも当たってる・・・」
ドォーン ウワー バシィ
岡部「おいクリスティーナ!貴様この俺に体当りしてどうする!」
紅莉栖「あててんのよ!さっきのお返しだ!」
ギャーギャー
ダル「だめだこいつら、早く何とかしないと」
フェイリス「ニャフフ、これぞカオスだニャ」
紅莉栖「そ、そうね、ちょっと熱くなりすぎた」
まゆり「はーい、クリスちゃんをパクパクするのでーす」 スゥー
紅莉栖「甘いわよ!」 ヒョイ
岡部「後ろががら空きだぞまゆりよ!」 横スマ ガッ ワー
ゴゴゴゴゴゴゴ
るか「マグマが浮き上がってくる、逃げなきゃ!」
まゆり「オカリンお返しなのでーす」 空中↓A ドガガガガガ
岡部「う、うおい!よせまゆり!」
紅莉栖「岡部!早く!上がってくる!」
ゴゴゴゴゴゴ バシャーバシャー
\ キラーン / \ キラーン /
まゆり「えっへへー、二人仲良くお星様になっちゃったねー」
岡部「えっへへーではなぁーい!」
るか「と、飛ばさちゃった!」 ウワー
紅莉栖「復帰させないわ!」 空中↓A ベシッ ウワー バシャー \ キラーン /
るか「あ・・あぁ・・・」
鈴羽「おぉー、牧瀬紅莉栖、極悪コンボだねぇー」
ダル「初心者に毛が生えた程度のるか氏に鬼畜だお」
フェイリス「クーニャンは大人気ないニャ」
紅莉栖「しょ、勝負なんだから仕方ないでしょ!」
岡部「良くやったぞ助手よ、さあ二人でまゆりを挟むのだ!」
まゆり「わわー!」
まゆり「こんな時はストーンなのです!」 ボン
岡部「甘いぞまゆり、ストーンは投技に弱い!」 Z チャッ
紅莉栖「ちょ、岡部避けてぇ!」
PKサンダー ドォーン ウワーォ バシィ \ ドォーン /
紅莉栖「ん、んなわけないでしょ!?今のはわざとじゃない!謝る!」
まゆり「危なかったよー。よーしるかくん今度はクリスちゃんを二人で倒すのでーす」
るか「う、うん」 シェアー ザシュ
紅莉栖「ちょ、岡部早く戻ってきて!」
岡部「いやだ」
紅莉栖「なにいってんのよ!やられちゃうじゃない!」
岡部「俺は元々高みから他人を見下ろし隙が有らばとスナイプするタイプなのだ!」 ブゥゥゥゥゥン
紅莉栖「そんな御託はいいから!」
ザシュ ガガガガガ オーケイ エイッ \ ドォーン /
紅莉栖「うう・・・こんな時にアピールミスとか」
岡部「フハハ、貴様の犠牲は無駄にはせんぞアルティ(略)」 ドォーン
まゆり「わわ!るかくん避けてー!」
バシィ ウアー \ キラーン /
岡部「フゥーハハハ!これぞサムスの醍醐味!」 ブゥゥゥゥン
岡部「もう一発お見舞いしてくれるわ!消し飛べぃ!」 ドォーン
まゆり「ストーンなのです!」 ボンッ
岡部「ぐぬぬ、こしゃくな」
紅莉栖「解除直後隙だらけよ!」 カキーン
ダル「おぉ、カービィ相手なら一度はやっときたいホームラン」
岡部「ふふ、助手よ!良い所に飛ばした」
まゆり「あうぅ」
岡部「くぁーくご!」 空中↓A ガッ
まゆり「あわわわわ」
バシャー \ キラーン /
紅莉栖「調子のってんじゃないわよ!リンクもやるわよ!」
るか「あ・・・ど、どうしよう・・・まゆりちゃん早くきてー!」
ダル「あ、るか氏今のもう一度──」
岡部「ダルよ」
紅莉栖「HENTAIは」
岡部/紅莉栖「自重しろ!」 ゲシッ ガッ ウワー \ キラーン /
フェイリス「ダルニャンに対して言ってるのにルカニャンがボコボコだニャ」
ダル「それにしてもこの夫婦、息合い過ぎである」
まゆり「負けちゃったよー・・・」
るか「ごめんまゆりちゃん・・・ボクがもっとしっかりしてれば」
岡部「フゥーハハハ、これこそ鳳凰院凶真の実力どぅあ!」
紅莉栖「何が実力よ、ほとんど端っこでチャージショット打ってただけじゃない」
岡部「な、なにを言う!あれほど緻密な作戦は──」
紅莉栖「はいはいラッキーラッキー!」
岡部「おのれぇぇ後で目にもの見せてくれるぅぅうぅ」
フェイリス「チーム内で喧嘩はよすのニャ」
ダル「さて、僕達の出番ですねフェイリスたん」
鈴羽「絶対負けないからね!」
萌郁「・・・私も・・・負けない」
3 2 1 GO
萌郁「・・・」 タタッ
フェイリス「ニャフフ、開始直後に突っ込んでくるのはお見通しなのニャ」 ヒョイ ガガガガ
ダル「ふひひ、フェイリスたんには近寄らないで欲しいんだお!」 キャッチ ドォーン
萌郁「・・・う」
鈴羽「桐生萌郁!援護するよ!」 ボッボッボッ
フェイリス「ファイヤーボールなんかには当たらないニャ」 プリン プリン バシッ
鈴羽「わわ、やっばーい!」
ダル「高く舞い上がったところをゴーーッドフィンガー!」 ファーコン ガシッ
萌郁「させない・・・」 空中↑A ゲシッ 空中↑A ゲシッ
フェイリス「ダルニャン、今助けるニャ」 空中↑A ガスッ
萌郁「・・・もう少しで・・・飛ばせたのに・・・」
キラーン
鈴羽「お、アイテム」
鈴羽「ふふ、レイガンか、良いもん拾っちゃった」
紅莉栖「中々いい勝負するわね」
鈴羽「えい!えい!」 ガン ガン バシィ ガン バシィ
フェイリス「ニャニャ!」
萌郁「ナイス・・・アシスト・・・」空中↑A ゲシゲシッ プリィィィン \ キラーン /
ダル「ああああフェイリスたーん!」
鈴羽「よっしゃー!いっちょうあがりぃ!橋田至もこの調子で行くよ!」 ガン ガン バシィ
ダル「あわわわわ」
ダル「あ!」 ガスガス \ ドォーン /
鈴羽「ナイスだよ!桐生萌郁!」
岡部「やはりシャイニングフィンガーの名は伊達ではないな」
まゆり「萌郁さんのフォックスちゃん”あらぶってる”ねー」
フェイリス「そこで銃を乱射してるスズニャンにはお仕置きが必要ニャ!」 ガシッ
鈴羽「げげ!フェイリスニャンニャン!いつの間に」 プリンッ
フェイリス「このフェイリスの屠竜破骨、とくと見るのニャ!」 ガッ バシ ガガガ ドォン ガシッ プリンッ
鈴羽「わ!何そのコンボ!全然逃げられないじゃんかー!」
フェイリス「ダルニャン、今ニャ!」
ダル「オーキードーキー!」 空中↑A ゲシッ アーオウ 空中↑A ゲシッ ウワーァァ \ キラーン /
鈴羽「あっちゃあー、やられちゃったよ・・・」
\ フォックス / \ フォックス / \ フォックス /
ダル「ちょ、桐生氏速すぎ」
フェイリス「ダルニャン、これを使うのニャ!」 ヒョイ
ダル「おぉ、それはビームサーベル、フェイリスたんのプレゼントならなんでも──」
萌郁「・・・」
キュイ
フェイリス「ニャニャ!?」
バシーン プリィィィィン \ キラーン /
紅莉栖「あの状況で投げつけられたアイテムリフレクするってどういうことよ・・・」
ダル「ふぇ、ふぇ、フェイリスたーん」
鈴羽「油断しすぎだよ橋田至っ!」 コイイイイイイン ヤッフゥ ガガガガガ
萌郁「これで・・・止め」 ポイッ バシーン ウァァァァ \ キラーン /
岡部「まさに萌郁無双・・・」
まゆり「わわっどうしたのフェリスちゃん」
フェイリス「ニャッフフフ・・・フェイリスの黒い血がふつふつと燃え上がってくるのが分かるのニャ・・・」
ダル「フェ、フェイリスたん?」
フェイリス「ダルニャン、まずはスズニャンを潰すのニャ!」ビシィ
ダル「は、はい!」 ガクガク
鈴羽「えっ、ええー!?」
フェイリス「このフェイリスを本気にさせた事を後悔するのニャ!」 空中横A ゲシッ ゲシッ
鈴羽「く!このぉ!」 ヤッフゥ
ダル「ご、ごめんお阿万音氏!」 ガッ ガッ
ゴォォォォォォ
フェイリス「たつまき発生、ダルにゃん、こっちに誘導するのニャ」
萌郁「・・・それは・・・させない!」 空中↓A クルルル
フェイリス「そう来ると思ってたニャ!」 ヒョイ ガシッ
フェイリス「ニャフフ、しばらくたつまきの中で回っているのニャ、モエニャン!」
フェイリス「さあスズニャン、覚悟だニャ!」 プリープーププリー
鈴羽「う、動けない!」
紅莉栖「空中で的確にうたう当てるとかすごいわね」
ダル「阿万音氏、フェイリスたんを怒らせた罪は重いんだお・・・、これで終わりだお!」 ファーコン パーン!
\ ドォーン /
鈴羽「うわわわわ・・・%溜まってないのに」
岡部「端でファルコンパンチを食らえばひとたまりもなかろう」
フェイリス「さあダルニャン、今のうちにモエニャンも畳み掛けるのニャ!」
岡部「さすがの指圧師もダルとフェイリスに囲まれていては迂闊に動けんようだな」
紅莉栖「でもじっとしてるだけじゃ阿万音さんが復帰するだけね」
フェイリス「ニャフフ、どうしたニャ?」
萌郁「相手するなら・・・」
萌郁「橋田至・・・」 タタッ
ダル「おおう!?」
フェイリス「ダルニャンしばらく任せるニャ!」
鈴羽「桐生萌郁今助けに──」
フェイリス「行かせないのニャ!」 ガガッ
鈴羽「ってええっ!?」
岡部「一気にマリオを片付けるつもりか」
フェイリス「スズニャンにはそろそろご退場願うのニャ!」 ガスガスッ ガッ
鈴羽「う、うごけなーい!」
\ プリン / \ プリン / \ プリン /
鈴羽「ああぁ・・・やられちゃったよー・・・」
ガガガガ ファイヤー ガッ ファイヤー ガッ
萌郁「・・・大丈夫、私のストック・・・使って」
ガスガス ファイ \ ドォーン /
鈴羽「ええー!?でも!」
萌郁「はやく・・・」
フェイリス「ニャフフ」
鈴羽「ごめん桐生萌郁!」 フッカーツ
紅莉栖「これで橋田スト2 フェイリスさんスト1 桐生さんスト1 阿万音さんスト1ね」
岡部「説明乙」
フェイリス「また眠ってもらうのニャ!」 ガッ
ダル「これもフェイリスたんに勝利を捧げるため、許して欲しいお!」 ガガッ
萌郁「・・・だめ・・・させない」 チュン チュン
鈴羽「わっちょちょ!」
フェイリス「このフェイリス達を敵に回した事を懺悔するのニャ!」
ガッ ゲシッ ヤッフ ガガガガ ファーコン パーン! \ キラーン /
\ Cファルコン / \ Cファルコン / \ Cファルコン /
鈴羽「うっ・・・失敗した失敗した失敗した、あたしは失敗・・・」 ガクッ
ダル「さあ桐生氏、覚悟は良いかお」 ジリジリ
フェイリス「逃げ場はどこにも無いのニャ」 ジリジリ
ガガガ ヒョイッ プリィィィン \ キラーン /
フェイリス「ニャニャ、フェイリス達相手にここまでやるとは・・・さすがモエニャン」
るか「これで橋田さんと桐生さんの一騎打ち・・・ですね」
ダル「フェイリスたん、僕のストックを使うんだお」
紅莉栖「まぁ・・・そうするわよね」
フェイリス「ニャフフ、ありがとニャ、さすがダルニャンは頼りになるニャ」 フッカーツ
ダル「うおおおお!フェイリスたんのデレキターーーーー!」
フェイリス「ダルニャンはフェイリスの一番のパートナーなのニャ」
ダル「ハフッハフッハムッ!フェイリスたんのためならどこへでも!なんでもしますお!」 ファーコンキーッ
紅莉栖「橋田って単純ね」
岡部「だが今のフェイリスの言葉で動きが良くなっている」
鈴羽「桐生萌郁!頑張って!」
ダル「桐生氏、その避け方はもう通用しないんだお!」 ガッ
空中↑A ゲシッ 空中↑A ゲシッ
岡部「ダルが萌郁をとらえた!」
フェイリス「ここでフェイリスが独り占めニャ!」 空中横A ガガッ
\ ドォーン / \ ドォーン /
ゲームセッ
萌郁「あ・・・」 ガクッ
鈴羽「あちゃー・・・」 ガクッ
ダル「ああん!フェイリスたんに蹴られて昇天・・・でも感じちゃう!」
紅莉栖「・・・勝てる気がしないんだが」 ガクッ
フェイリス「ニャフフ、いくら凶真が相手でもフェイリスは一切手加減しないのニャ」
ダル「今僕は鬼になったお、今ならなんでも出来る気がします、はい」
オカクリREDチームVSダルフェイリスGREENチーム ステージ プププランド
3 2 1 GO
フェイリス「ニャフフ、狭いステージでは端っこにいてもすぐ距離を詰められるのニャ」
岡部「うぐっ!こ、こっちに来るんじゃない!」 ガガガガ ゲシッ
ダル「牧瀬氏遅いお」 ガシッ トゥッ 空中↑A ゲシッ 空中↑A ゲシッ
紅莉栖「ちょ!」
まゆり「わわー、ダル君とフェリスちゃん、息ぴったりだねー」
紅莉栖「それが!」 PKサンダー
紅莉栖「できたら!」 キャッチ ドォーン
紅莉栖「苦労しないわよ!」 PKサンダー ベシッ ウワー \ ドォーン /
紅莉栖「ぬ、抜けられなかった・・・」
るか「す、すごい・・・」
フェイリス「ニャフフ、モエニャンとスズニャンの方が手ごわかったニャ」
ダル「今の僕達に敵はないお」
岡部「ぐぐぐ・・・おのれダル!フェイリスと組んだからと言って調子に乗りおってぇ・・・!」
紅莉栖「しかも微妙に賢者モードになってるのがムカつく」
岡部「えっ」 まゆり「んー?」
紅莉栖「えっ?」
紅莉栖「なななななんでもないわよ!」
\ プリン /\ プリン /\ プリン /
紅莉栖「ふぇっ!?」
岡部「ぬぁーにをやっている助手!ぼーっとするな!」
ダル「オカリン、一人の女性も守れないなんて・・・オカリンは男失格だお」
岡部「んなっ!」
まゆり「おぉー、ダルくんのいい男オーラメラメラバーニングしちゃってるね〜」
岡部「言ったなダルよ・・・後悔させてやるぅぅう!
岡部「紅莉栖!こいつらを叩きのめすぞ!」
紅莉栖「!?」
岡部「俺達の力をこいつらに見せつけてやるのだ!」
紅莉栖「ちょ///」(今・・・名前で・・・)
フェイリス「今から本気を出してもおっそいのニャー」
紅莉栖「岡部!私やるわ!」
紅莉栖「フェイリスさんの相手は任せろ!あんたは橋田を抑えてて」
岡部「あ、あぁ・・・」
紅莉栖(フェイリスさんのプリン相手に空中戦は禁物、隙の少ない攻撃で応戦・・・)
紅莉栖(できるだけ地面から離れず空中↑A・・・ガードが出たら削る!)
紅莉栖(飛ばしたらメテオと空中↑Aの連携をひたすら・・・!)
紅莉栖(いける・・・なんだかいける気がしてきたわ!)
紅莉栖「そこ!」 ベシッ ガッ オーウ ベシッ ガッ オーウ
フェイリス「ニャニャ!?」
ダル「ふぇ、フェイリスたん!?」
岡部「ダルよ!隙だらけだ!」 チャキッ
ダル「オカリン、サムスで投げは無いだろ常考」 ヒョイッ
岡部「はうっ!」
紅莉栖「これで終わりよ!」 ガッガッ
紅莉栖「ガードしても無駄っ!」 ガッバリーン! プリィィィィイン \ キラーン /
フェイリス「ぎにゃあぁー!」
まゆり「クリスちゃんすごーい」
紅莉栖(すかさず岡部の相手をしている橋田を殲滅)PKサンダー
ダル「だからその手には乗らないって言ってるだろ常──」 ヒョイッ
紅莉栖「そう避けると思ってた!」 ウワー ドォーン バシィ ウアァァァ \ キラーン /
ダル「うそ、まじ?」
るか「す、すごいです、牧瀬さん」
\ ネース / \ ネース / \ ネース /
岡部「ダルが避ける方向を予測して体当たりとは・・・恐れいったぞ」
紅莉栖「私の記憶力と分析力を侮ってもらっちゃ困る。私は天才脳科学者なのだぜ?」
岡部(キャラちげええ)
全員ストック1
フェイリス「フェイリスをここまで追い詰めるとは・・・正直言ってクーニャンをナメていたのニャ」
フェイリス「でもフェイリスの愛によってダルニャンが覚醒することを忘れているニャ!」
鈴羽「覚醒した橋田至は危険だよ!」
フェイリス「さあフェイリスのNo.1パートナーことダルニャン!凶真とクーニャンを懲らしめてやるのニャ!」
まゆり「おぉー、ここでまさかのフェリスちゃん、ラブ注入〜」
紅莉栖「フェイリスさんの作戦には1つ弱点があるわ」 クスッ
ダル「うん、わかったおフェイリスたん」 ポケー
フェイリス「ニャニャ!?ダルニャンどうしたニャ!?」
岡部「フハハ!目論見が外れたようだなフェイリス!」
岡部「ダルはすでに!」
岡部/紅莉栖「賢者モードだ!/よ!」
岡部「えっ」 紅莉栖「えっ」
紅莉栖「な、なんでもないから!」
岡部「落としたのは貴様だがな、フェイリス・ニャンニャン!」
紅莉栖「もうさっきみたいな橋田は期待できないわよ」
岡部「この鳳凰院凶真を敵にしたことを地獄で悔いるのだな」 ブゥゥゥゥン
フェイリス「ニャニャ!」
紅莉栖「動揺してるのがまるわかりよ!」 ガッ ゲシッ 空中↑A ベシッ プリィィィィン \ キラーン /
フェイリス「フェイリスが負けた・・・ニャ」
鈴羽「おぉー、まさか脱落者一人目がフェイリスニャンニャンとは。やるねー牧瀬紅莉栖」
岡部「フゥーハハハ!良くやったぞ助手!」
紅莉栖「ふぅぁーはっはっは!油断しすぎよフェイリスさん」
ダル「今日のお前が言うなスレはここみたいですね」 ファーコン パーン! ドォーン
紅莉栖「ふぇっ!?」
岡部「おい、賢者モードとは言えダルを甘く見るな!」
紅莉栖(場外に飛ばされた!)PKサンダー
ダル「牧瀬氏、悪いけどメテオで眠ってくれだお」
紅莉栖「あ、PKサンダーが・・・」
ダル「あ、失敗したお・・・まぁ良いや、これでネスは脱落っと」
岡部「紅莉栖!」
〜その時、岡部倫太郎の思考速度は加速を始め、意識は密度を増した〜
岡部(↑Bで紅莉栖を巻き込み助けるか!?しかしそれでは復帰直後無防備に・・・)
岡部(↓Bで爆弾を当てれば隙も少ない・・・しかしそれにはタイミングが重要、難易度も高い)
岡部(どうする!)
岡部(迷ってる暇はない!とにかくネスに近づかなくては!)
岡部(紅莉栖)
岡部(俺はお前を・・・助ける!)
〜なんとこの間約0.5秒〜
紅莉栖「岡部!?」
岡部「俺はお前を・・・助ける!」 ポチッ
ドォーン バシィ ウワー
\ キラーン /
紅莉栖「ちょ、おま」
\ サムス / \ サムス / \ サムス /
岡部「あ・・・あぁ・・・」
まゆり「オカリーン・・・なんでクリスちゃん倒しちゃったのー?」
ダル「放っておいても死ぬのに追い打ちとかさすがの僕も引くレベル」
フェイリス「なんだかよくわからニャいけど今のは酷いのニャ」
萌郁「岡部君・・・最低・・・」
岡部「いや、あの」
鈴羽「手柄独り占めしようなんて、さすが岡部倫太郎、悪逆非道だねー!」
まゆり「さすがにクリスちゃんかわいそうだよぉー」
ゲームセッ
岡部「違うのだ、今のは手が滑って」
るか「その・・・誰にだって操作ミス・・・はありますよ」
岡部「わ、分かってくれるかルカ子よ!」
ダル「とりあえず、サムスも落ちてったし僕達の勝ちですね分かります」
フェイリス「ニャフフ、世界はフェイリスの味方みたいなのニャ」
紅莉栖「ないわー、今のはさっすがに無いわー・・・」 フルフル
岡部「あわわわあわわわわ」
紅莉栖「おーかーべー!」 フルフル
岡部「す、すまん!今のばかりは俺が悪かった!だからその振り上げた洋書を──」
紅莉栖「許さない!絶対許さないからなー!」
岡部「」
\ あおおーっ /
\ ワァァァ /
フェイリス「みんニャー、今日はスマッシュブラザーズ64タッグマッチフェイリス杯に来てくれてどうもありがとニャー!」
\ フェイリス!ニャンニャン!フェイリス!ニャンニャン! /
ダル「うぅぅ、フェイリスたんどうして僕と組んでくれなかったん?」
岡部「”フェイリスは皆のフェイリスなのニャ”と、いつものように断られていたではないか」
ダル「フェイリスたんと僕が組めばぶっちぎり優勝できるのに」 ブツブツ
ダル「阿万音氏はバイト、桐生氏は用事。僕だけぼっちとかひどすぎだろ、納得いかんすー!」
岡部「甘いなダルよ」
紅莉栖「そうよ橋田」
岡部「何しろ・・・この大会」
岡部/紅莉栖「俺達/私達が貰い受けたのだから!」
まゆり「オカリンとクリスちゃんが仲良しになってくれて嬉しいのですーえっへへー」
ダル「あんな事があったのにすっかり意気投合してやんの、リア充爆発しろ」
岡部「何を言ってるルーカー子」
岡部「ラボメンとしてエントリーしているからにはまゆるかコンビも優勝を目指すのだ!」
るか「え!?でも僕優勝なんて・・・」
岡部「だがしかぁーし、このチームフェニックスがいる限りどれだけ頑張ろうが準優勝止まりだろうがなフゥーハハハ!」
岡部「そろそろ俺達の試合が始まる。行くぞ助手!」
紅莉栖「準備オーケイよ!助手じゃないけどね」
まゆり「それじゃあまゆしぃ達は別のお部屋で試合だからしばらくお別れだねー」
紅莉栖「まゆりと漆原さんも頑張ってね」
るか「はい、牧瀬さんも」
ダル「ちくしょー!僕も参加したかったお!」
岡部「食らえい!」 ドォーン
参加者A「そんな棒打ちチャージショット当たるかよ!」
参加者B「初心者かよお前!」 プギャー
岡部「今だ!」 紅莉栖「オーケイ!」
\ カキーン / ドォーン \ キラーン /
参加者A「なん・・・だと」
参加者B「跳ね返して当ててきやがった・・・だと」
岡部「甘い、甘すぎるぞ貴様ら」
岡部「兵は詭道なり、と言う言葉を知らんのかフゥーハハハァッ!」
岡部「勝利は」
紅莉栖「私達の」
岡部/紅莉栖「手の中にある!」
ダル「それにしてもこの夫婦ノリノリである」
紅莉栖「ちょっと岡部、フェイリスさんに失礼じゃない」
ダル「そうだお!その発言は万死に値するお!」
紅莉栖「私達が強くなりすぎたのよ」 ドヤァ
岡部「あるいは・・・そうなのかもしれんな。フフ、クリスティーナも言うようになったではないかフゥーハハハハッ!」
まゆり「トゥットゥルー、オカリンとクリスちゃん勝ったんだねー」
岡部「む、まゆりにルカ子、試合はどうだったのだ?」
まゆり「えっへへー、それがねー、なんと!まゆるかだいしょーり!なのです」
ダル「おぉ、まゆ氏渾身のVサインktkr」
紅莉栖「あら、すごいじゃない」
岡部「それでこそ我がラボの一員だ、良くやったぞ」
るか「はい・・・ボク・・・勝ちました!」
紅莉栖「決勝で会えると良いわね」
岡部「ラボメン同士の決勝戦となればこの未来ガジェット研究所の知名度も上がるというもの」
岡部「二回戦も気を抜くなよ、まゆり、ルカ子」
岡部「知ってるのか?」
ダル「噂だとかなり卑怯な手を使ってくるって話だお」
〜二回戦〜
岡部「フゥーハハハ!」
紅莉栖「ふぅーははは!」
ダル「息ぴったりすぎ、どうしてこうなった」
まゆり「うぅー、負けちゃったよー・・・」
るか「ごめんまゆりちゃん・・・ボクがもっとしっかりしてれば・・・」
岡部「なんだ、負けてしまったのか」
紅莉栖「残念ね・・・」
まゆり「相手の人たちずるいんだよ!るかくんにずっと話しかけてきてさー!」
るか「うぅ・・・」
ダル「どうやら噂通りみたいだお・・・ヴァイラルアタッカーズ」
ダル「雷ネットアクセスバトラーズでも自称”宿敵”としてフェイリスたんにしつこく絡んでくる奴らだお」
岡部「スマブラでも粘着とはな・・・ご苦労な事だ」
ダル「対戦相手に話かけまくったり、レーザーポインター目に当てて妨害してくるって話もあるほどのDQNだお!」
紅莉栖「ひどい話ね、人として最低の行為だわ」
ダル「スマブラでも妨害してくるなんて・・・許さない、絶対にだ」
岡部「フフ、ならばこのチームフェニックスが直々に敵をうってやろう!」
るか「ありがとうございます・・・岡部さん・・・」
岡部「凶真だ!」
るか「は、はい!」
紅莉栖「任せて、まゆりと漆原さんの雪辱は必ず私達が晴らすわ」
まゆり「うぅー、ありがとうクリスちゃん」
ゲームセッ
岡部「覚えておくが良い・・・”鳳凰院凶真” お前達を破った者の名だ」
〜準決勝〜
ゲームセッ
紅莉栖「覚えておきなさい・・・”牧瀬紅莉栖” あなた達を破った者の名よ」
まゆり「おぉー・・・オカリンとクリスちゃん、決め台詞まで被っちゃってるよー」
ダル「なんかもうお腹いっぱいだお・・・」
るか「岡部さん・・・素敵です・・・」
岡部「ついにここまできたか」
紅莉栖「ええ、これが正真正銘最後の戦いね」
岡部「しかし」 紅莉栖「けれど」
岡部/紅莉栖「今の俺達に/私達に! 敵はない!」
フェイリス「さってさてみニャ様お待ちかね!ついに決勝戦がはじまるのニャ!」
\ ワァァァ /
フェイリス「それではAルームの覇者に登場して頂くのニャ!」
フェイリス「その身に渦巻くは煉獄の炎!チーーッムフェニーーーックス!ニャ」
\ ワァァァ フェイリス!ニャンニャン!フェイリス!ニャンニャン! /
紅莉栖「改めて見るとすごい人数ね」
岡部「と言うかこいつら全員フェイリス目当てではないくぁ!」
フェイリス「失われし古代の魔道具を扱う美女と野獣!ブラウン管工房チーーッム!ニャ」
\ ワァァァ フェイリス!ニャンニャン!フェイリス!ニャンニャン! /
岡部「な、なにぃ!?」
紅莉栖「はぁ!?」
天王寺「よぉ岡部と紅莉栖嬢じゃねーか。ははっまさかおめーらが決勝の相手とはな」
綯「こ、こんにちは・・・オカリンおじさん・・・と助手のおねーちゃん」
岡部「なぜあなたがここにいるのだミスターブラウン!」
天王寺「いちゃワリーのかよ。いやな?綯がスマブラの大会に出てえっつうもんだから」
天王寺「バイトに店任せて遥々来たってわけよ」
岡部「まさかあなたがスマブラプレイヤーだとは・・・意外でしたよ」
天王寺「昔世話んなった人に勧められてな」
天王寺「ゲームなんてのはそれまでやったこたぁ無かったんだがよ」
天王寺「楽しそうにプレイするあの人の横顔見てたら俺もやってみたくなってよ、このザマだ」
天王寺「ははっ、俺も良い年したオヤジなんだがなぁ」
天王寺「なめたらいけねぇぜ紅莉栖嬢、綯はつえーぞぉ?」
綯「ウチでね、お父さんと良く対戦してるの」
紅莉栖「へぇ〜、羨ましい、仲良いのね」 ニコッ
天王寺「ほら、あんまり綯がつえーもんだから学校でも相手がいなくてよ」
岡部「そ、それは今のガキどもの時代はX・・・」
天王寺「あぁ!?何か言ったか岡部ぇ!」
岡部「いいいいえ、なんでもないです、はい」
岡部「と、と言うか!ヴァイラルアタッカーズは!?」
天王寺「あぁ?ヴァイラルアタッカーズゥ?」
紅莉栖「黒ずくめの相手なんですが」
天王寺「あぁー・・・もしかして準決勝の相手か?あいつらいちいち話しかけてきて鬱陶しいったらありゃしなかったぜ」
天王寺「それによぉ、綯をビビらせるもんだからついガン飛ばしちまってよ」
綯「お父さんカッコ良かったよ?」
天王寺「おぉ、そうか、ありがとなー綯」
岡部「ちょうど良い、普段の鬱憤をここで晴らさせてもらいましょうミスターブラウン!」
天王寺「あぁ!?そりゃこっちのセリフだっての」
岡部「時にミスターブラウン、こちらが勝った暁には家賃の値下げを・・・」
天王寺「じゃあ俺達が勝ったら家賃倍な」
岡部「そ、それは困る!」
天王寺「うっせぇ!というかこんな時にまでいちいち家賃の話すんじゃねぇ!」
天王寺「来いよ岡部、紅莉栖嬢、全力で・・・な」
フェイリス「ニャフフ、お喋りは終わったみたいニャ」
フェイリス「それではキャラを選ぶのニャ」
岡部「ドンキーですか、フフッ、あなたの体を表す良いキャラですねミスターブラウン」
天王寺「おめーもひょろっちいサムスじゃねーかよ岡部」
紅莉栖「綯ちゃんはピカチュウね・・・」
綯「PKサンダー体当たりには当たらないよっ」
まゆり「オカリーン!クリスちゃーん!頑張ってー!あ、店長さんも綯ちゃんもー!」
3
2
1
フェイリス「GOニャ!!」 \ フェイリス!ニャンニャン!フェイリス!ニャンニャン /
ピカッチュウ ピッカチュウ ピッカチュウ
ブンブンブン
紅莉栖(くっ・・・遠距離からヒットストップ狙い) ガッ ベシッ
岡部(動きが止まったところにドンキーのハードパンチ、シンプルだが強力な戦術ではないか) ガガガ ピッカー ベシッ ベシッ
PKサンダー ドォーン ウワー
ガシッ
紅莉栖「そんな!掴まれた!?」 ピッカッ
綯「体当たりの距離なんて把握してるよおねーちゃん」 バッバババババ
フェイリス「投げと同時に矢のように飛び出すピカチュウ!回転電撃がネスを襲うニャ!」
天王寺「おっと、邪魔すんじゃねえよ岡部」 ベチィ ベチィ ベチィ
岡部「おのれミスターブラウン!後ろ蹴りばかり連発しおってぇぇぇ」
岡部「これでも食らうがいい!アルティメットバズゥゥゥクァ!」 ドォーン
天王寺「んなの当たるかよ」 ヒョイ
綯「・・・」 ガシッ
紅莉栖「ふぇっ!?」 ピッカ ドォーン ウワー \ キラーン /
フェイリス「ニャニャ!敵のショットにネスを投げ込むピカチュウ!これは極悪ニャ!」
天王寺「仲間の事ばっかし気にしてっと、おめーも死ぬぜ?」 ガシッ ヴォフ
岡部「ぬなっ!」
天王寺「ほらよっと、いっちょ上がりだ」 空中→A ガッ \ ドォーン /
フェイリス「ドンキー、ステージ端からのバックスローアーンドメテオが炸裂ー!サムス復帰ならず!強い!強いのニャ!」
岡部「うぐぐぐぐ!」紅莉栖「ぐぬぬぬぬ!」
岡部「ぬぬぬぬぬっ 言わせておけばっ ミスターブラウンめっ」
紅莉栖「・・・ふー」
紅莉栖「聞いて岡部、私に作戦がある」 ヒソヒソ
岡部「──! 言ってみろ」 ヒソヒソ
紅莉栖「まず綯ちゃんを集中攻撃、その後──」 ヒソヒソ
天王寺「おうおう、なんだか作戦練ってるみてーだけどよ、そろそろ無敵時間はおしまいだぜ!」
綯「電撃サポート行くよお父さん」 ピッカチュウ ピッカチュウ ピッカチュウ
フェイリス「ステージに復帰したサムスとネスに電撃が容赦なく襲い掛かるー!そしてドンキーが接近ニャ!」
岡部「よし、行くぞ!クリスティーナ」
紅莉栖(まずは店長さんを足止め──)
PKファイヤー PKファイヤー ボォォ
天王寺「ちっ」
綯「!?」
岡部「覚悟しろ小動物!!」 空中←A ゴォォォォ
紅莉栖「上に逃げても無駄よ!」 空中↓A ガッ ピガー
天王寺「なっ!てめえら寄ってたかって綯を!」
ガスガス ピガー PKファイヤー
フェイリス「ここでサムスとネスがピカチュウを集中攻撃!%がみるみるうちに溜まっていくのニャ!」
綯「お父さん・・・」ジワッ
天王寺「な、綯ぇ!」 PKサンダー
天王寺「て、てめぇら!」
岡部「スキありですよミスターブラウン!」 空中↑A ガガガガッ
岡部「今だクリスティーナ!」
紅莉栖「任せろ!」 ドォーン ウワー! バシィッ \ キラーン /
フェイリス「動きが止まったドンキーにPKサンダーアタック炸裂ニャー!これは良い連携ニャ!」
\ ネース / \ ネース / \ ネース /
天王寺「やるじゃねぇか・・・くそ、俺とした事が頭に血ぃ昇っちまった」
岡部「見くびってもらっては困りますねミスターブラウン」
〜時間の壁を超えました〜
フェイリス「残るストックは全員1!ダメージもじわじわ蓄積されお互い警戒心が高まっているのニャ!」
フェイリス「ニャフフ、そろそろ決着が付きそうだニャ!はたして先に仕掛けるのはどっちニャのか!」
紅莉栖「岡部!もっかいあれやるわよ!」
岡部「了解した、右腕の封印を今再び解こう!」 ブゥゥゥンン
岡部「食らえ小動物!アルティメットバズゥゥゥクァァァァ!」 ドォーン
綯「そんなの当たらないよっ」 ヒョイ
天王寺「綯!そのまま上に居ろ!ネスが打ち返すつもりだ!」
紅莉栖「そうかしら!?」 ガシッ
フェイリス「ニャニャニャ!?チャージショットを打ち返すと思いきやネスがドンキーを掴んでそのまま──」
紅莉栖「店長さん、私たちはね」 エイッ ドォーン
天王寺「うお!?」
フェイリス「サムスの放ったチャージショットを当てつつバックスルー!ドンキー吹っ飛んだニャー!」
岡部/紅莉栖「無敵なのだ!/なのよ!」 空中←A ゲシィ!
フェイリス「追い打ちと言わんばかりにドンキーにサムスの後ろ蹴りが入る!ドンキー脱落ニャ!」
\ キラーン /
\ サムス / \ サムス / \ サムス /
天王寺「くっ・・・そう!」
フェイリス「チームフェニックスの連携が光る!光る!光るのニャ!」
綯「あぅ・・・」
天王寺「岡部ぇ!てめー綯をいじめやがったら承知しねぇぞ!」
岡部「ここここんな時くらい親ばかは勘弁して頂きたい!」
綯「うぅぅ・・・おとーさーーん!」 ピッカチュウ ピッカァ
紅莉栖(店長さんが脱落した事で動揺してるわね。今なら・・・)
岡部「フゥーハハハハッ、そんなものは当たらん!この鳳凰院凶真の動きに翻弄されるがいい!」 ヒョイッ ヒョイッ
紅莉栖(良い感じに岡部が綯ちゃんを煽ってる・・・。今回ばかりはその厨二病もGJだわ!) PKサンダー
綯「あ、当たってよぉぉ!」 ピッカー
ドォーン ウワー! バシィッ
ピッカァァァ \ キラーン /
岡部「おぉぉ!」
フェイリス「き、決まったニャー!」
フェイリス「サムスの動きに気を取られていたピカチュウ!背後からPKサンダーアタックに気づかずヒットー!星になったのニャー!」
フェイリス「優勝はチームフェニックスに決定ニャー!!」 \ ワァァァ フェイリス!ニャンニャン!フェイリス!ニャンニャン! /
紅莉栖「ふぇっ!?お、岡部こそ・・・陽動作戦ご苦労なのだぜ///」
岡部「欲を言えば俺の手で引導を渡したかったがこの際贅沢は言うまい!」
岡部「さあミスターブラウン!約束通り家賃を半分に──」
紅莉栖「おい」
天王寺「綯を泣かせやがったから家賃倍な」
綯「・・・」 ジワッ
岡部「なっ!そんな!約束が違うではないかミスターブラウン!」
岡部「しょ、小動物もこれしきの事で泣くんじゃない!」
天王寺「こら岡部ぇ!泣いてる綯に怒鳴るんじゃねえよ!家賃三倍にすっぞ!」
岡部「待ってくださいミスターブラウン、それはあんまりでは!」
紅莉栖「ゴ、ゴメンね綯ちゃん・・・泣かないで。あなたは本当に強かったわ」 ナデナデ
岡部「浮かれてなどおらんっ」
フェイリス「まだ戦ってもらわなきゃいけない相手が残っているのニャ」
岡部/紅莉栖「なんだと?/ど、どういうこと?」
フェイリス「その相手とは・・・」
岡部/紅莉栖「その相手とは?」
フェイリス「フェイリスなのニャ!」
\ ワァァァ フェイリス!ニャンニャン!フェイリス!ニャンニャン! /
岡部/紅莉栖「なんだと!?/は、はぁ!?」
ダル「な、なんですとー!?」
まゆり「わわー、フェリスちゃんがらすぼす?」
るか「さ、さすがですね・・・フェイリスさん」
フェイリス「これこそフェイリス杯の醍醐味、真の黒幕は姿を隠しておくものなのニャ!」
フェイリス「今この時のためにダルニャンとの友情も今は亡き兄との約束も反故にしたのニャ・・・」
岡部「いや、待て待て待て、戦うのは良いがもしかしてお前一人で相手するつもりか?」
フェイリス「そこまで甘く見てはいないのニャ」
フェイリス「いかにフェイリスと言えども、ラブラブ天驚拳をマスターした二人に一人で挑むほど──」
紅莉栖「ら、ラブラブじゃねーし!全然ラブラブじゃねーし!///」
フェイリス「二人とも話は最後まで聞くのニャ。実は前回のフェイリス杯優勝者に来て頂いているのニャ!」
岡部「前回優勝者だとぉ!?」
フェイリス「さあ二人とも慄くがいいのニャ!フェイリスと前回優勝者のコンビネーション!打ち破れるかニャ!?」
フェイリス「それでは前回優勝者にご登場頂くのニャ!」
\ワァァァ フェイリス!ニャンニャン!フェイリス!ニャンニャン!/
フェイリス「その名も」
フェイリス「ドォークター中鉢こと」
フェイリス「牧瀬章一さんなのニャ!」
中鉢「やあ、どうも、どうも」 ドヤァ
岡部/紅莉栖「ドゥオクター!?/パパァ!?」
中鉢「なっ!お前は紅莉栖!なぜここにいる!」
紅莉栖「パパこそ・・・」
中鉢「ぐぅぅ・・・!またしても、またしても紅莉栖・・・お前は私の前に立ちはだかるのかぁぁ!」
中鉢「お前が私のルイージを上から叩きつける様・・・」
中鉢「あの時のお前の勝ち誇った顔・・・忘れはせんぞ!」
紅莉栖「パパ・・・」
中鉢「なんだその目は・・・親に向かって!」
中鉢「哀れんどるのか?蔑んでいるのか?娘の分際で!」
中鉢「お前に分かるのか!大した%も溜まっていないのに復帰力が足りず地に堕ちていくあの時の私の気持ちが!屈辱が!」
フェイリス「ま、待つニャ!ここはフェイリス杯の会場、今は優勝者と前回優勝者の夢のバトル」
フェイリス「な、何か事情があるみたいニャけど、そこは一旦忘れてスマブラでお互いの魂をぶつけあうのニャ」
岡部「フ、フフ」
岡部「フゥーハハハハッその通りだフェイリス・ニャンニャン!」
中鉢「な、なんだ若造!」
岡部「この勝負・・・貴様らが勝てばこの狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真が何でも言う事を聞いてやろう」
中鉢「なんだと?」
岡部「だがしかぁーし!」
岡部「俺達が勝ったら逆に俺たちの言う事を聞いてもらおう!」
中鉢「突然何を言い出している?」
岡部「怖いのか?怖いのだな?所詮貴様は紅莉栖に、いや俺達には勝てん」
紅莉栖「ちょっと岡部やめてよ・・・こんな時くらい・・・」
中鉢「良いだろう!その条件、乗ってやる!」
岡部「来いよドクター!親子のわだかまりなんて捨ててかかってこい!」
中鉢「後で泣き言を言っても無駄だからな?」 ニヤァ
岡部「大丈夫だ」
岡部「俺は負けない」
岡部「さあドクター!この俺が操るサムスの数々の美技、見きれるかな?」 ドヤァ
中鉢「ほざくな!この私のヨッシーで目にもの見せてくれる!」
フェイリス「ニャフフ、ニャらばフェイリスのプリンも全力で行かせてもらうのニャ!」
中鉢「紅莉栖!お前のPKサンダーは私が消し去ってやるからな!覚悟しとけ!」 ニヤァ
紅莉栖「パパ・・・」 クスッ
中鉢「わ、笑うな!そのためにふんばりのあるヨッシーにキャラチェンジまでしたのだぞ!」
岡部「心配するな。消されても俺が救い上げてやる。何度でもだ」
紅莉栖「岡部・・・」
紅莉栖「チャージショットは・・・禁止だからなっ///」
おしまい
なのだぜ
見てくれた人、保守の人、感謝なのだぜ
後は相変わらずメテオ食らいまくって顔面緑の中鉢さんなり、無事リベンジ果たしてデレる中鉢さん、その他の中鉢さんを妄想してください
お付き合いありがとうございました
Entry ⇒ 2012.06.05 | Category ⇒ シュタインズゲートSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
恒一「見崎を棺桶の中に閉じ込めてみた」
鳴「そういえば榊原くん」
恒一「なに?」
鳴「自分が死者なんじゃないか、って疑ってみたって聞いたけど」
恒一「ああ……」
鳴「疑いは解けた?」
恒一「ん……まあ……」
鳴「……」
恒一「?」
タッタッタ…
恒一(……店の奥に走って行った?)
恒一「見崎? どこに行くの?」
タッタッ…
恒一(カーテンの奥かな?)スッ
恒一「……あれ? これって……」
「――新しい人形が、この中に収められるみたい」
恒一「!?」ビクッ
恒一「……あっ」
鳴「……」
恒一(見崎……なんで棺桶の中に……?)
恒一「……」
鳴「……安心して」
恒一「……」
鳴「死者じゃない」
恒一「……」
鳴「榊原くんは死者じゃn」恒一「えいっ」バタンッ
鳴「……」
鳴「……」
鳴「……えっ?」
鳴「……ちょっと、榊原くん」
恒一「……」
鳴「何で棺桶の蓋閉めたの?」
恒一「……」
鳴「ねえ聞いてる?」
恒一「……」
鳴「ちょっと」
恒一「……」
鳴「……ねえ、返事してよっ」バンッ
恒一「……」
鳴「……もしかして私に意地悪してるつもり?」
恒一「……」
鳴「だとしたらこんなの不毛ね。私は別にこのぐらいどうとも思わないもの」
恒一「……」
鳴「こんなの暗くて狭いだけ。少しも怖くないし、ちょっと息苦しいだけよ」
恒一「……」
鳴「だから早く私を出した方がいいよ。今なら怒らないであげるから」
恒一「……」
鳴「……ねえ」
恒一「……」
鳴「…………だから返事してよっ!」バンッ
恒一「……」
鳴「っ……」
恒一「……」
鳴「……いいわ、なら自力で開けてみせ、るっ……!」グッ
恒一「っ!」
鳴「うううっ……!」グググ
恒一「……! くっ……」ググッ
鳴「や、やっぱり外から押さえつけ……棺桶の前からどいてっ!」ググググ
恒一「っ……」グググッ
鳴「あ・け・て〜〜〜っ……!!」グググググ
恒一「くぅっ……!」
恒一「……!」ググググ
鳴「くっ……はぁっ」パッ
恒一「!」
鳴「はぁ、はぁ、はぁ……」ゼェハァ
恒一「ふぅ……」
鳴「はぁ……はぁ……」
恒一「……」
鳴「……どうやら意地でも開けてくれないみたいね」
恒一「……」
恒一「……」
鳴「悪ふざけにしてもそろそろいい加減にした方がいいと思うんだけど?」
恒一「……」
鳴「榊原くんがこんなことする人だとは思わなかった……」
恒一「……」
鳴「ねえ、何とか言ったらどうなの榊原くん?」
恒一「……」
鳴「……お願いだから何か言ってよ」
恒一「……」ゴソゴソ
鳴「……? 何して――」
ガチャッ
鳴「!?」
恒一「……」
鳴「今の音なに? ガチャって」
恒一「……」
鳴「もしかして鍵閉めた? 閉めたでしょ?」
恒一「……」
鳴「閉めたんでしょ棺桶の鍵」
恒一「……」
鳴「ねえ聞いてるの? ねえってば」
恒一「……」
鳴「……だから返事してよっ!」バンッ
恒一「……」
鳴「ここから出たら酷いからね? 絶対に後悔することになるから」
恒一「……」
鳴「だから今の内に解放した方が榊原くんの身のためよ。これ以上閉じ込めるつもりなら、もっと酷いから」
恒一「……」
鳴「……」
恒一「……」
鳴「……?」
恒一「……」
鳴「……ねえ、榊原くん?」
恒一「……」
鳴「もしかしてこっそり何処かに行ったってこと、ないよね? 私を置いて」
恒一「……」
鳴「……い、いるよね? 棺桶の前に居るんだよね?」
恒一「……」
鳴「榊原くん、返事してよ」
恒一「……」
鳴「……さ、榊原くんっ、榊原くんっ!」バンッ
恒一「……」
鳴「返事してっ! そこにいるんでしょ!?」バンバンッ
恒一「……」
鳴「っ……わ、わかった。アレでしょ」
恒一「……」
鳴「このまま居なくなったフリして私を不安がらせる作戦なんだよね?」
恒一「……」
鳴「ふんっ、小学生みたいな発想ね。バレバレ」
恒一「……」
鳴「ほら、バレたんだから諦めて返事してみて? そこにいるんでしょ?」
恒一「……」
鳴「っ……!! 榊原くんっ!」
恒一「……」
鳴「私、本気で怒ってるんだからね? わかってるの?」
恒一「……」
鳴「もう絶対に許さない。今さらごめんなさいって謝ってきても遅いからね」
恒一「……」
鳴「例え土下座しても許さないからね」
恒一「……」
鳴「……」
恒一「……」
鳴「……お願いだから、何か言ってよぉ……」
恒一「……」
鳴「……ねえ、私何かした?」
恒一「……」
鳴「榊原くんが嫌がるようなことした? もしかして知らない内に怒らせたりしてた?」
恒一「……」
鳴「だとしたわ謝るわ。榊原くんがこんなことするんだから、よっぽどのことだよね?」
恒一「……」
鳴「私何しちゃったの? 教えてくれればちゃんと謝るから」
恒一「……」
鳴「ねえ……教えてってば……」
恒一「……」
鳴「……」
恒一「……」
鳴「――もうっ! ホントいい加減にして!」バンッ
恒一「……」
鳴「怒らせるようなことしてたなら謝るって言ってるのに、どうして何も言わないの!?」
恒一「……」
鳴「私がここまで言ってるのに!」バンッ
恒一「……」
鳴「そこにいるんでしょっ! ねえっ! わかってるんだから!」バンバンバンッ
恒一「……」
鳴「おいっ! 榊原! 返事しろっ!!」バンッバンッバンッ
恒一「……」
鳴「開けて! 開けろバカきばらっ!」バンッバンッ
恒一「……」
鳴「ねえっ……くっ」
恒一「……?」
鳴「うぅっ……ふ、蓋叩き過ぎて手のひら痛い……」ジンジン
恒一「……」
鳴「ふー、ふー……」
恒一「……」
鳴「……」
鳴(ダメだ……言葉でどう言っても榊原くんは開けてくれない……)
鳴(ホントどういうつもりなの……? なんでこんなことするの……?)
鳴(一体どうしたら開けてくれるんだろう……)
鳴(……)
鳴(……)
鳴(……そうだ!)ピーン!
恒一「……」
鳴「私、ちょっとトイレ行きたいんだけど」
恒一「!?」
鳴「実はさっきからずっと我慢してたの、もう限界」
恒一「っ……!」
鳴「このままじゃここで漏らしちゃうわ。榊原くんは私がこんな所で漏らしてもいいの?」
恒一「……」
鳴「流石にまずいよね? だからここ開けてくれる?」
恒一「……」
鳴「ほら、早く開けないと私が悲惨なことになっちゃうよ?」
恒一「……」
恒一「……」
恒一(……声に余裕があるし、多分嘘だな)
恒一「……」
鳴「……う、嘘だよね?」
恒一「……」
鳴「もしかしてこのまま漏らせって言うの? 冗談だよね?」
恒一「……」
鳴「流石に榊原くんはそこまで酷い人じゃないよね? 女の子にお漏らしさせるなんて……」
恒一「……」
鳴「っ……! あ、開けてよっ! 早く開けて!」バンッ
恒一「……」
鳴「漏らしちゃうから! お願いだからトイレ行かせて!」バンバン
恒一「……」
鳴「〜〜〜っ……! このっ……変態!」
恒一「……」
鳴「女の子を閉じ込めただけじゃ飽きたらず、お漏らしまでさせようなんて……榊原くん、真正の変態だったのねっ」
恒一「……」
鳴「変態っ……鬼畜!」
恒一「……」
鳴「サド! サディスト! 榊原くんはドSの変態よっ!」
恒一「……」
鳴「っ……こ、ここまで言われてるんだから何とか言ったらどうなの!?」
恒一「……」
鳴「悔しくないの? 変態なんて言われて」
恒一「……」
鳴「もしかして榊原くんは本当に変態なの? だから何も言い返さないわけ?」
恒一「……」
鳴「っ……このっ、バカ! バーカ!」
恒一「……」
鳴「榊原くんのもやし! 変態! 変態もやし!」
恒一「……」
鳴「ストーカー! 質問厨! 犯罪者予備軍っ!!」
恒一「……」
鳴「ぜぇ、はぁ……」
恒一「……」
鳴「……意地でも何も言わないつもりなのね」
恒一「……」
鳴「少しぐらいなら言い返してもいいんだよ? 眼帯オバケー、とかチビー、とか」
恒一「……」
鳴「今日は特別に許可するから。試しに言ってみてよ」
恒一「……」
鳴「ほら復唱して。『邪気眼女ーっ!』って」
恒一「……」
鳴「……」
恒一「……」
鳴「…………言えよっ!!」ガンッ
恒一「……」
鳴「普段ローテンションの私でもそろそろ本気でキレるレベルだよ!? わかってるのっ?」
恒一「……」
鳴「キレた私は本当に凄いよ? 現象でも裸足で逃げ出す程なんだからっ!」
恒一「……」
鳴「だから、ほらっ、開けて! 棺桶の蓋っ!」
恒一「……」
鳴「キレた私なんて見たくないでしょ? なら開けてよ!」
恒一「……」
鳴「あー! けー! てーっ!!」
そんな事したらお前専用の棺桶が必要になるぞ
恒一「……」
鳴「はぁ……はぁ……」
恒一「……」
鳴「……ねえ、何でここまで言っても開けてくれないの?」
恒一「……」
鳴「私、本当に何したの? ここまでされるようなこと、した?」
恒一「……」
鳴「ねえ榊原くん……」
恒一「……」
鳴「榊原くん」
恒一「……」
鳴「さかっ……榊原、く……」
恒一「……」
鳴「さか……」
恒一「……」
鳴「……」
恒一「……」
鳴「…………グスッ」
恒一「!?」
恒一「っ……!?」
鳴「ひぐっ、うっ、うぇっ……」
恒一「っ……」
鳴「バカっ……さ、さかぎばらくんのバカぁっ……」
恒一「……」
鳴「あ、あやまっ、謝るって……言ってるのに゛ぃ……」
恒一「……」
鳴「うぇっ、ひっく……お、お願いだから……返事してよぉ……ぐすっ」
恒一「……」
鳴「さかきばらくぅん……」
鳴「うぇえええん……うぁああ……うぇええぇっ……」
鳴「ひぐっ……榊原ぐん……」
鳴「さかぎばらくん……榊原くんっ……」
鳴「開けて……開けてよぉ……ここから出してよぉ……」
鳴「お願いだからぁ……出して……」
鳴「榊原くん――」
――ガチャッ
鳴「……ふえっ?」
恒一「よい、しょっと……」
鳴「……」
恒一「……」
鳴「……さ、榊原、くん?」
恒一「……うん」
鳴「……あっ……」
鳴「……」
鳴「…………うぇっ」
鳴「……うっ、うぇええっ……」
鳴「やっど……やっと返事しでくれだぁ……」ボロボロ
恒一「……」
鳴「ひぐっ、うっ、うぐっ……うぅっ……」
恒一「……み、見崎?」
鳴「ふぐっ、ふぅっ……うっ、うぇええっ……」
恒一「……ごめんね?」
鳴「うああっ……うっ、うああああっ……」
恒一「いや、まさか泣くとは思わなくってさ……」
鳴「うあああぁっ……うぇっ、うぇええええんっ……!」
恒一「……」
鳴「うっ、うぁっ……うあああああんっ!」
恒一「……あの」
鳴「うぇええええんっ!! うぐっ、ふっ、うぇええええんっ!!」
鬼畜すぎるwwww
恒一「……いや、ホントごめん」
鳴「ばがッ、ばがぁっ……なにぞれぇ……榊原くんのばかぁっ!!」
恒一「最初はちょっと見崎をからかうだけのつもりだったんだけどさ」
鳴「うぇええっ……ぐすっ……か、からかう?」
恒一「うん……あの、見崎をこのまま棺桶に閉じ込めたらどうなるのかなーっ……って」
鳴「ぐすっ……ううぅっ……」
恒一「どういう反応するのか気になって、最初はすぐ開けるつもりだったんだけど」
鳴「うぐっ……すんっ」
恒一「そしたら途中から止めるに止められなくて……」
鳴「ぐすっ……」
恒一「うん……別に見崎は何も悪いことしてないよ」
鳴「……ホントに?」
恒一「うん」
鳴「私、榊原くんを怒らせるようなことしてない?」
恒一「うん……見崎は何もしてないよ」
鳴「……」
恒一「……」
鳴「…………――か」
恒一「え?」
鳴「――バカぁっ!!」バチンッ
恒一「ぶっ!?」
恒一「うっ、うおおっ……ほ、頬に思いっきり……」
鳴「私本当に不安だったんだからっ……!」
恒一「めっ目の中で火花が……」
鳴「私、さっ、榊原くんに……知らずに酷いことしたんじゃないかって、不安でっ……」
恒一「うああ……ち、チカチカする……」
鳴「傷つけてたんじゃないかって思って……わ、私っ……! ぐすっ……」
恒一「いてぇ……ぜ、絶対腫れてるよこれ……」
鳴「わだしっ……さ、榊原くんに謝らなきゃって……うっ、うぇっ……」
恒一「誰か氷、氷を……」
鳴「聞いてるのっ!?」
恒一「っ!! はい! き、聞いてますっ!!」
恒一「……」
鳴「……」
恒一「……あ、あの……見崎」
鳴「……許さないからね」
恒一「えっ?」
鳴「言ったでしょ、土下座しても許さないって」
恒一「……あ、あの」
鳴「――正座」
恒一「へっ?」
鳴「取りあえず、そこに正座して」
鳴「いいから早くしてっ!」
恒一「!? は、はいっ!」サッ
鳴「……」
恒一「……」
鳴「……」
恒一「……」
鳴「……」
恒一「……み、見崎?」
鳴「……」
鳴「……」
恒一「あの……」
鳴「……」
恒一「ね、ねえ見崎」
鳴「……」
恒一「いつまでこうしてればいいの……?」
鳴「……」
恒一「ち、ちょっと足が痺れてきたんだけど……」
鳴「……」
恒一「……見崎?」
恒一「っ! な、なに?」
鳴「私が棺桶に閉じ込められてたのって、時間どのぐらいだった?」
恒一「え? じっ……時間?」
鳴「そう、時間」
恒一「えーっと……十分から十五分ぐらいだと思うけど……」
鳴「そう……じゃあその十倍ね」
恒一「え?」
鳴「今から百五十分、そのままね」
恒一「………………え?」
恒一「えっ……え、ちょ、ちょっと待って!?」
鳴「その間私は自分の部屋で本でも読んでるわね」
恒一「ま、待ってよ! もしかして正座したまま二時間以上も!?」
鳴「そうだけど、何か問題?」
恒一「い、いや……あの」
鳴「……」
恒一「さっ、流石にそれはきついかな〜……って」
鳴「……」
恒一「……見崎?」
鳴「……わかった」
恒一「え?」
鳴「更に追加して二百分間にしましょう」
恒一「はあっ!?」
鳴「榊原くんはどうも反省が足りないみたいだから」
恒一「えっ……ま、待って! ちょっと待って!」
鳴「――絶交」
恒一「!?」
鳴「もし出来なかったら、絶交ね」
恒一「っ……!!」
恒一「……」
鳴「時々様子見に来るから、ズルしたらダメだよ?」
恒一「……」
鳴「途中でお茶でも持ってきてあげるから……頑張ってね? さ・か・き・ば・ら・くん」
スタスタスタ……ガチャッ バタン
恒一「……」
鳴「」
恒一「……」
恒一「……」
恒一「……」
恒一「……」
恒一「……うぅっ」モゾッ
恒一「くっ……あ、足が痺れっ……」モゾモゾ
恒一「っ……」
恒一「……」
恒一「……」
恒一「……」
恒一「……」
恒一「……」
ガチャッ
恒一「!」ビクッ
恒一「うぐっ……! あ、足に振動がっ……!!」
鳴「調子はどう? 榊原くん」スタスタスタ
恒一「み、見ての通りだよ……」
鳴「ふーん……」
鳴「そうなの?」
恒一「うん……最初じんじんしてたのが今は皮膚の感覚すら曖昧と言うか」
鳴「へえ……」
恒一「……」
鳴「……」
恒一「……」
鳴「……」
恒一「……み、見崎?」
鳴「――えいっ」ツンッ
恒一「いいいい゛っ!!?」ビクゥッ!
鳴「ダメだよ榊原くん、動いたら」
恒一「いやいやいや……こ、これはダメ……マジでダメな奴だから……」
鳴「動くたびに時間十分追加ね」
恒一「はあっ!?」
鳴「それっ」ツンッ
恒一「はうあああっ!?」ビクゥンッ!
鳴「そーれ」ツンツン
恒一「ふおっほお!? や、止めっ……!!」
鳴「それそれ」ツンツン
恒一「やめてーっ!?」
――結局
その後、僕が解放されたのは五時間後
日が暮れて、家から携帯に電話が掛かってくるまでだった
それまでの間、見崎に痺れる足をつつかれたり足の裏をくすぐられたり
挙句の果てに膝の上に乗っかられたりと色々あったのだけど
それらを伝える気力は、今の僕にはもう無い
……一つ、誓ったことと言えば
もう二度と、見崎に悪戯は仕掛けない、と言うことだろう
おわれ
最後尻切れ蜻蛉でごめんね
もうバイトの時間だから仕方ないね
お疲れ様でした
鳴ちゃん可愛い
好きな子は虐めたくなる
Entry ⇒ 2012.06.05 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
クーデリア「ロロナと一緒にお昼寝したい……な」チラッ
クーデリア「……え?」
ロリナ「あっ、くーちゃん!」
クーデリア「ロロナ……よね。む、む、昔の……」
クーデリア「……かわいいっ! かわいすぎるわあんた!」
クーデリア「ねえねえ何で小さくなっちゃったの? あたしよりちょっと小さいぐらいよね」
ロリナ「ん〜……分かんない」
こんな感じでまず自分より小さい事に喜びそう
ロリナ「だって分かんないもん……」
クーデリア「そ、そう……。ハッ、まさかあの薄気味悪いアストリッドじゃないでしょうね」
ロリナ「あっちゃん? あっちゃんなら後でくるよー」
クーデリア「そう……後で説明して貰わないと」
冒険者「あのー依頼を……」
クーデリア「え? ああはい。待っててねロロナ、ちょっと仕事があるから……」
ロリナ「うん!」
アストリッド「おお、くーちゃん。久しぶりだな」
クーデリア「くーちゃん言……もうそれはどうでもいいわ! どうしてロロナがこんな小さくなってるのよ!」
アストリッド「ふふふ、実はな……」
〜〜
クーデリア「ふうん、若返りの薬ね……。で、ロロナを実験台にしたわけ?」
アストリッド「実験とは失礼な! 実験は他の人に……」
クーデリア「……」
アストリッド「ともかく、気合を入れすぎてロロナを14歳よりもっと若くしてしまったのだ」
アストリッド「ん、まあ……そうなるな」
クーデリア「記憶も、幼くなったから飛んでるんでしょ? 早く元に戻してあげなさいよ」
アストリッド「う、それがちょっと調合する材料を集めるのに手間取っててな……」
クーデリア「いつも人任せにしてぐーたら寝て何処かふらついてるあんたが? 信じらんないわよ」
アストリッド「こう見えても私は毎日、危険な所に行って材料を集めてるんだぞ。それともロロナはこのまま、小さい方がいいか?」
クーデリア「い……良くない! あんまりあたしの事も覚えてないんだし!」
クーデリア「えっ? あ、後でね……」
ロリナ「やーだー! 今あそぶの!」グイッ
アストリッド「……しばらくくーちゃんが面倒を見てくれないか?」
クーデリア「な、なんであたしが!」
アストリッド「危ない所によく行くからな。ロロナを魔物から守ってやれないかも知れないだろう?」
クーデリア「わ、わざわざ連れて行く事ないじゃない!」
アストリッド「あ〜、あれだ。遊び相手だ。お前に任せる」
クーデリア「あたしは仕事があるのよ!」
アストリッド「お前にしか任せられないんだ」
アストリッド「ロロナのアトリエも近いし、材料さえ揃えればすぐに元に戻す薬が作れる」
アストリッド「必要な材料は、夜の領域という場所にある。ここからなら一週間ぐらいで行けるからな」
クーデリア「……その間までロロナを預かればいいのね?」
アストリッド「そうだ。では頼んだ!」ダッ
クーデリア「あっ! まだ預かるなんて言ってないわよ!!」
クーデリア「わ、分かったわよ……」
ロリナ「こっちこっち!」ダッ
クーデリア「ごめんっ今日は休みに! 後は任せるわ!」ダッ
受付嬢「えっ先輩?」
ロリナ「あ〜! 何か懐かしい!」
クーデリア「そ、そうね……」
クーデリア「鍵はこのタルに……あったあった」
クーデリア「この家でおままごとするのね?」ガチャッ
ロリナ「うん!」
ロリナ「えーっと、じゃあくーちゃんはお父さんで、ロロナはお母さんで……えーと……」
クーデリア「ん?」(配役が無茶苦茶ね……)
ロリナ「ん〜……一人足りない」
クーデリア「そ、そう……。ところで、ロロナ……あたしのこのペンダント、覚えてる?」
ロリナ「……さあ?」
クーデリア「そう、あたしの事……どれぐらい覚えてる?」
ロリナ「だいじょーぶって言ってくれて。えと、それから……」
クーデリア「もう十分よ。ロロナ、ありがとう。」(幼い頃の記憶は覚えててくれてる……)
ロリナ「じゃあ、絵本描いてていい?」
クーデリア「ええ、良いわよ」
ロリナ「じゃあ、パイの絵かこーっと!」
クーデリア「へえ、上手じゃない」(何処かで聞いた事あるわね……)
ロリナ「これは、暗黒パイ! 食べたら倒れちゃうの!」
クーデリア「そ、そう……」(っていうかこれロロナが作ってたパイじゃない!)
ロリナ「これは生きてるパイ! これはね……」
クーデリア「寝ちゃったわね……」
ロリナ「ん……」スースー
クーデリア「ソファーで寝るのも、ロロナっちゃロロナよね……」
クーデリア「こんなロロナのかわいい寝顔を見るの、もう十五年以上前、か……」
クーデリア「まるで過去に戻ったみたい……」
クーデリア「何で今はツンツンしちゃうんだか」
クーデリア「……ロロナが元の姿に戻ったら、ちゃんと言おうかな。正直な気持ちを」
クーデリア「……なんてあたしらしくもない! 今日は休みだしたまには昼寝も良いわよね! おやすみ、ロロナ」
ロリナ「う〜……くーちゃん?」ユサユサ
クーデリア「ん……もう夕方!?」
ロリナ「お腹空いた〜」
クーデリア「そうね、レストラン行きましょう」
――レストラン
イクセル「お、クーデリア……と、そのちっさい子……」
イクセル「ん? 何か見た事あるな……」
クーデリア「ロロナよ」
ロリナ「えへへ、いっくんひさしぶり!」
クーデリア「アストリッドのせいで若返ったのよ。9歳ぐらい……かしら?」
イクセル「まじかよ……」ジー
ロリナ「ねえ料理作ってーお腹空いた!」
イクセル「お、おう……待ってろよ。お子様用の料理は〜っと……」
ロリナ「わー! さすがいっくん!」
クーデリア「意外にかわいい料理作れるじゃない」
イクセル「まあな、味はどうだ? ロロナ」
ロリナ「おいしい!」モグモグ
イクセル「そいつはよかった。で、こいつどうするんだ?」
クーデリア「しばらく預かってるわ」
イクセル「預かってるって……仕事はどうすんだよ?」
クーデリア「預かってる間、休みを貰うわ。愛しのジオ様には悪いけど……」
イクセル「俺も休み貰いたいぐらいなのにちきしょう……」
イクセル「ったく、お前ほんと昔からロロナ好きだよな」
クーデリア「う、うるさい」
ロリナ「くーちゃん、ロロナのこと好きなの?」モグモグ
クーデリア「そ、そうよ……昔からの……友達だから」
ロリナ「えへへ」
クーデリア「ええ、頑張りなさいよ」
イクセル「そっちもな」スタスタ
――――
ロリナ「またいっくんの料理食べたいな〜」
クーデリア「また今度ね」
♪♪♪
クーデリア「……この音色……まさか」
タントリス「愛しい君……何処へ行く〜♪」
クーデリア「相変わらず気持ち悪い歌ね」
タントリス「おっ、君はクーデリア……、そして可愛らしい子……」
クーデリア「何か犯罪者のにおいがするわねそのセリフ」
クーデリア「つるつる……あははっ!」
タントリス「うっ……頭の話はやめて貰えないかな……」
タントリス「ところで、君は誰だい?」
ロリナ「ふえ? えっと、ロロライナ・フリクセル、です!」
タントリス「……そうか……」
クーデリア「な、何でビックリしないのよ。おかしいでしょ普通」
クーデリア「はあ……」(やっぱり頭イカれてるのかしらね)
ロリナ「ねー、早くおうちに帰りたい!」グイ
クーデリア「そうね。じゃっまた来週ぐらいに会いましょう!」
タントリス「えっ? どうして小さくなったんだい? しかも明日じゃ……」
クーデリア「風の声で分かったんでしょ。仕事は来週ぐらいまで休み取ったから、後は受付嬢に任せて。じゃ」スタスタ
タントリス「え? ちょっと……」
タントリス「行ったか……。まあいいや、あの子が居ない今、受付嬢さんを口説けるチャンスだ」
ロリナ「ねむたい……」ウツラウツラ
クーデリア「まだ7時過ぎね……」
クーデリア「やる事も無いし……あの女の部屋は鍵かかってるし」
クーデリア「……あたしも家に帰らないと」
ロリナ「え? くーちゃん、帰っちゃうの?」
クーデリア「ごめんねロロナ、正直……一人にさせるのは不安だけど、一度帰らなきゃ……」
ロリナ「ええ! やだ! 夜こわいもん……」
クーデリア「そうよね……じゃ、今日はずっと居てあげる」
ロリナ「うん!」
クーデリア「ロロナ、起きなさい」ユサユサ
ロリナ「ん〜……後一時間……」
クーデリア「バカ言ってるんじゃないわよ……」
ロリナ「えへへ……おはよう!」
クーデリア「さ、朝食を作っておいたから顔を洗って、手を洗って、歯を磨いて?」
ロリナ「はーい」
ロリナ「うん」スタスタ
クーデリア「やっぱり私もついていくわ」(だいぶ昔、落っこちそうになってたし)
――
ロリナ「うう……重い」ググッ
クーデリア「貸して。う……水、入れすぎよ」
クーデリア「頂きます」
ロリナ「頂きます!」
ロリナ「……」ヒョイ
クーデリア「こら。野菜を退けない!」
ロリナ「苦いもん、ピーマン」
クーデリア「はあ〜……」(そういえばピーマンが嫌いだったっけ……)
ロリナ「あ、このステッキほしい!」
クーデリア「ええ? 結構かわいいけど……」
ティファナ「ロロナちゃん、小さくなっててかわいいわ……」
クーデリア「た、確かにかわいいけど……記憶とか、結構忘れちゃってるのよね……」
ティファナ「でも、元に戻れば思い出すんでしょう? アストリッドさんならきっと、うまくやってくれるわ」
クーデリア「はあ……」
クーデリア「……私も、思うわ」
ロリナ「これ、ください!」
ティファナ「はい、15コールになります」
クーデリア「ありがとう、ティファナさん。」
ティファナ「またロロナちゃんのかわいい姿、見せてね」
ロリナ「はい! ありがとうございましたっ!」
クーデリア「あ、リオネラ……」
リオネラ「クーデリア、さん……と、その子は……」
クーデリア「ああ、この子はね……。ほら、自己紹介」
ロリナ「ロロライナ・フリクセルです! ロロナって呼んでね〜」ペコ
リオネラ「ロロナ……ちゃん、なの? えっ?」
ホロホロ「おいおいしばらく見ないうちにずいぶん小さくなったな」
アラーニャ「あのロロナちゃんが? 信じられない……」
リオネラ「そう、なんですか……はあ……」ジー
ロリナ「え〜と、じゃあじゃあ……りおちゃん、って呼んでいい?」
リオネラ「! もちろん良いよっ、ロロナちゃん……」
クーデリア「……忘れてても仲良さそうね」
ホロホロ「大丈夫かよこのちっこいロロナ。大人になっても危なっかしい奴だったし」
アラーニャ「失礼よ。ごめんなさいね」
クーデリア「ま、まあ否定はしないわ……」
リオネラ「そ、そう? これは大道芸の衣装で……」
ロリナ「何、それ?」
リオネラ「じゃあ、見せてあげるね!」
――
リオネラ「きっと出来るよ。ロロナちゃん」
クーデリア「ねえ、この前までアランヤ村に行ってたんじゃなかった?」
リオネラ「うん、自信を付ける為に向こうで大道芸やってたの……」
クーデリア「そう……詳しくは聞かないけど。あんたにしては、頑張ったわね」
リオネラ「そうかな……。まだ、人見知りしちゃうから……」
ロリナ「人見知り? ロロナもするよ。でも、りおちゃんにはしなかったよ?」
リオネラ「ふふ、それは前にも会ったことあるからだよ」
ロリナ「んー、よく言われるけど思い出せない……」
リオネラ「そのうち思い出すよ。ロロナちゃん、安心して」
ロリナ「? うん……」
リオネラ「そろそろ、二回目の準備しなきゃ……」
クーデリア「頑張りなさいよ! それじゃあ、またね!」
リオネラ「クーデリアさんも、気をつけてね。ロロナちゃんも……」
ロリナ「ばいばい! りおちゃん!」
アラーニャ「分からないわね、あの人の考える事だから……」
リオネラ「ふ、二人とも……あの人の事、悪く言わないで」
ホロホロ「はいはい悪かったよ」
アラーニャ「ロロナちゃんが元に戻ったら、とっておきのを見せてあげるんでしょ?」
リオネラ「う、うん……まだ見せないのに、緊張しちゃう……」
ホロホロ「さ、早くお客さん待たせてるし行こうぜ」
アラーニャ「自信もって!」
リオネラ「! うん……!」
クーデリア「そろそろあの女が帰ってくる頃だっけ……いや、後一週間かー」
アストリッド「ただいま」
クーデリア「って、帰ってきた……」
アストリッド「トラベルゲートは便利だからな」
クーデリア「ああ、トトリが持ってたわねそれ」
アストリッド「確かに持っていたな。流石、弟子2号だ。私のはそれを上回る性能だがな」
クーデリア「で、ちゃんと材料採ってきたのよね?」
クーデリア「リオネラの芸を観に行ってるわ」
アストリッド「ああ、りおちゃんか……」
クーデリア「で、その元に戻す薬、何日かかるの?」
アストリッド「そうだな、天才の私にかかれば三日ほどか」
クーデリア「結構かかるのね」
アストリッド「普通の奴がやれば一年はかかるだろうな。ロロナでも一週間ぐらい必要だな」
クーデリア「ふうん、結構すごいのね、あんた」
クーデリア「へえ、どんな?」
アストリッド「封印していた竜を呼び覚ましてしまった」
クーデリア「冗談でしょ……」
アストリッド「いいや、冗談ではない。しかも夜の領域からはこの国が一番近い、だから……滅ぼしてくるかもしれん」
クーデリア「ちょ、じゃあすぐに避難を呼びかけないと!」
アストリッド「それはやめてくれ。私の立場が無くなってしまう。だからな、弟子2号……トトリが居るだろう?」
クーデリア「え、でもトトリはアールズに派遣されて……」
アストリッド「緊急の用事とか言ってとりあえずアーランドに帰ってもらえ」
クーデリア「……本当なのよね?」
アストリッド「ああ、別にトトリを実験台にしようなんて思ってはいない」
クーデリア「……」
トトリ「じゃあ、私はアーランドに帰るね」
メルル「うん……」
トトリ「すぐ帰ってくると思うから安心して?」
メルル「だ、だってまだトトリ先生にいっぱい教えてもらいたい事が……」
トトリ「ほむくんとほむちゃんが知ってるから大丈夫だよ、メルルちゃん」
ほむくん「はい、材料や調合方法は全て暗記してあります」
ほむちゃん「ですから何も問題はありません、ピコマスター」
メルル「調合とかじゃなくて! トトリ先生がいないと寂しいよお!」
トトリ「もう、わがまま言わないで……しばらくの辛抱だから。ね?」
メルル「はい……」
ロロナ「あ〜トトリちゃんだ!」
トトリ「わわ! ろ、ロロナ先生?」
〜略〜
トトリ「はあ……そうなんですか」
トトリ「って、じゃあ緊急で呼び出されたのって……」
アストリッド「ああ、それはただこんな話をしに呼び戻したわけじゃないぞ」
アストリッド「ほら、魔女とよく言われていただろうトトリよ」
アストリッド「あの冒険者の頃を思い出せ」
トトリ「冒険者の頃って……別にぷにを叩いてたり爆弾投げつけてたりドラゴンをN/Aで爆殺してたり……」
アストリッド「それだそれ、ドラゴンを最後のN/Aで爆殺だ」
クーデリア「結構、あたしが思ってた以上の強さなのね……」
ロロナ「トトリちゃんは凄いんだよ〜」
アストリッド「弟子だというのに怖く感じてしまうな」
トトリ「えへへ……」
トトリ「はあ……えええええ!?」
アストリッド「正直、あんな奴は私でも手に負えん。だから頼む」
トトリ「そそ、そんな無理ですよアストリッドさんですら手に負えないなんて……」
アストリッド「人手が足りないんだよ。出来る限り街に入る前に食い止めたいんだが」
トトリ「え〜と、じゃあとりあえずドナークリスタルでおびき寄せれば……」
アストリッド「そうそう、それからラケーテレヘルンで周りを凍らせてブレスで森林火災が発生しないようにして……」
クーデリア「……なんか恐ろしいわね」
ロリナ「皆、お出かけするの?」
クーデリア「私とロロナはお留守番よ。ついていっちゃ絶対駄目よ」
ロリナ「はーい……」
アストリッド「お前がいたから助かった。多分、あの竜は数日後に襲ってくるだろうな」
トトリ「まだ余裕がありますね……でも、どうして竜が目覚めたんですか?」
アストリッド「……」
トトリ「あの……」
アストリッド「ロロナを元に戻すための材料、『竜の卵』が必要だったんだ。あれには別名、時の卵と言われててだな……」
トトリ「あ、聞いた事あります!」
アストリッド「幻級のレアなんだぞ。取らずにいられるか」
トトリ「まあ、気持ちは分かります」
クーデリア「あ、あのさ……その竜って一匹なわけ?」
アストリッド「分からん」
アストリッド「ああいうタイプは群れで行動するからな……正直、参ってる」
トトリ「じゃ、じゃあ二人だけじゃ足りませんよ!」
トトリ「凄い冒険者とか……あ! メルお姉ちゃん! マークさんも!」
アストリッド「あ〜……増えるのは構わんがな、私のせいでっていうのはちょっと、な……」
トトリ「黙っておきますけど……」
クーデリア「……ミミは?」
トトリ「あ、そっか。トラベルゲートで皆連れて帰ればいいんだ」
アストリッド「おい待て。それはまずい」
トトリ「ど、どうしてですか?」
アストリッド「急にこのアトリエにプロの冒険者が大量に入っていったら怪しまれるに決まってる」
アストリッド「色々と都合が悪いんだ」
トトリ「こんな緊急事態な時にわがまま言わないでください!」
トトリ「とりあえず出来る限り、私の知ってる人みんな連れて行きます!」
アストリッド「うう……」
――ある程度集合、ロロナのアトリエ
ジーノ「強いんだよな? 相当」
ミミ「と、トトリが来いって言うから来ただけで……」
マーク「私の科学の力が必要になるなんてね」
メルヴィア「久しぶりね〜トトリ」
アストリッド「いや〜すまんな」(なんだ、ステルクの奴は来ていないのか……)
ジーノ「おしっ、じゃあそのドラゴンさっさとぶっ倒そうぜ」
マーク「マクヴェリオン……久々に使う時がくるとはね」
クーデリア「あ、あの時は悪かったわね、トトリ……こいつの仕業だとは思わなかったわ」
トトリ「いえ……」
ミミ「敵の数は不明……ま、これぐらいいれば大丈夫でしょ」
メルヴィア「そうね〜、久々に腕が鳴るわ」
アストリッド「じゃあ各自、適当に後は頼んだ」
ロリナ「う〜……いっぱい人きてる……」
ミミ「……」(どうせならトトリに飲ませれば良かったのに)
ジーノ「まあ、ドラゴン退治してれば戻ってるんじゃねーのか?」
マーク「きっとそうなるだろうね。また競い合いたいものだ」
クーデリア「じゃあ、戦ってる間、あんたは呑気に調合してるわけ?」
アストリッド「ああ、これだけの人数が居れば私がいなくても多分大丈夫だろう」
クーデリア「まあ、そうね……」
ミミ「任せて。私一人で退治してあげるから」
トトリ「無茶しちゃ駄目だよ」
ミミ「え、ええ!」
クーデリア(相変わらずね、ミミも)
トトリ「やっぱり旅人の靴は楽で良いや〜」
ミミ「これ、凄いわね……」
トトリ「でしょ? 最大まで性能を引き上げたんだよ」
ミミ「……はあ」
――旅人の街道
ジーノ「トトリが先頭なんてずるいだろ〜」
メルヴィア「ぶっちゃけ、あの子ら二人でぜんぶ倒すんじゃない……?」
マーク「マクヴェリオンを出して街の近くに置いておいたから防衛もバッチリだよ」
メルヴィア「きっと今頃、大騒ぎしてるわよねー」
\グオオオ……/
トトリ「!」
ミミ「ちょっとあの量……」
トトリ「わ、思ったより多い……どうしよう」
ミミ「まあ何とかなるでしょ」
トトリ「そうかなぁ……とりあえずラケーテレヘルン!」ポイッ
――ロロナのアトリエ
アストリッド「思ったより早く完成したな……」
ロリナ「ほえ?」
アストリッド「ほれ、飲め」
ロリナ「やだー!」
クーデリア「ロロナ、お願い! 飲んで!」
ロリナ「いやったらいや!」
アストリッド「私を信じないのか」
クーデリア「ええ」
アストリッド「大丈夫だ、ちゃんと14歳になるようにしてある」
クーデリア「ちょ、ちょっと! 元に戻すって言ったじゃない!」
アストリッド「元に戻すというのは、私が当初計画していた、ロロナを14歳にする事だろう?」
クーデリア「は、はぁ!? そっちじゃないわよ! ちゃんと元のロロナに戻してよ!」
アストリッド「分かった分かった、はぁ、せっかく作ったのに。また数時間かかる羽目に……」
クーデリア「あんたが悪いんでしょうが」
トトリ「N/A投げるよ!」ポイッ
ミミ「あ〜もう色々と何か飛び散っていくわね!」グサッ
トトリ「もう一個!」ポイッ
ミミ「もう二匹倒したの!?」
――旅人の街道
ジーノ「こねーな」
メルヴィア「そのうち凄まじいスピードで戻ってくるでしょ、きっと」
マーク「油断は禁物だよ……ほらきた!」ダッ
ジーノ「おっしゃー! って、一匹だけかよ!」ダッ
メルヴィア「さっさと角もらって帰ろうかな!」タアッ
トトリ「あ、リーダーっぽい真っ黒なドラゴンが」
ミミ「逃がすかっ! トトリ!」
トトリ「え〜っと、ドナークリスタル! あっ、外しちゃった」
ミミ「ちょっと! あんたあのドラゴンを追いかけてなさい! こいつらは私が!」
トトリ「気をつけてね!」
――旅人の街道
ジーノ「おっ、今度は強そうなドラゴンがきたぞ!」
メルヴィア「何か他のやつと雰囲気違うけど……」
マーク「僕たちを無視して街に行こうとしている! こいっマクヴェリオン!」
ロロナ「うぅ……」
クーデリア「ロロナ!? 大丈夫?」
ロロナ「う、うん……」ハァハァ
アストリッド「高熱か、副作用かもな」
クーデリア「副作用……って、これだけで済むのよね!?」
アストリッド「さあな……」
クーデリア「さあな、って……何よ! もう!! 天才とか言ってる癖にっ!」
アストリッド「そう怒るな。すまんなロロナ……少し休んでろ」
クーデリア「ロロナ……」
ロロナ「元の姿、戻ったから……」スースー
クーデリア「うん……」
アストリッド「まあ、この賢者のハーブを飲ませればすぐ良くなるだろう」
アストリッド「さて、外が騒がしいがまさか……」
クーデリア「え……?」
ジーノ「……マクヴェリオン、なんか押されてないか?」
メルヴィア「ここを死守しないと街が……」
トトリ「デュプリケイト、N/A、デュプリケイト、N/A……」パンパンパン
ミミ「早くしなさい!」
トトリ「わわ、急かさないでよ……」
トトリ「えーい!」ポイポイポイポイ
マーク「ああ! マクヴェリオンに当てるな!!」
トトリ「ごめんなさい!!」
ジーノ「おう!」ダッ
メルヴィア「はいよ!」ダッ
――城門
アストリッド「ふむ……もうここまで来るとは、早いな……」
クーデリア「どど、どうすんのよ! 街の人みんな見てるじゃない!」
リオネラ「あ、クーデリアさん……これは?」
イクセル「なんか戦争やってる見たいだな……」
タントリス「……少女達が恐れも無く戦うとはね……」
ティファナ「まあ……ここに来ないと良いけど……」
メリオダス「おいトリスタン! さっさと仕事……なんじゃありゃ」
クーデリア「くー……、何でよ?」
アストリッド「いいから、あれでケリをつける」
クーデリア「? 分かったわ」ダッ
――
ジーノ「くっそーこりゃきついな……」
ミミ「硬すぎる……」
トトリ「ええと、デュプリケイト、N/A、デュプリケイト、N/A……」パンパンパン
ミミ「あんたしかダメージ与えられないんだからね!」
メルヴィア「頑張れトトリ〜」
マーク「ああ、僕のマクヴェリオンの装甲がどんどん剥がれていく……」
アストリッド「でかした。後は任せろ」ダッ
クーデリア「ちょ、ちょっと行ったら危ないわよ!」ダッ
――旅人の街道 周辺
アストリッド「この杖はお守りでもあるんだ」
クーデリア「え?」
アストリッド「ロロナが今まで、魔法のような技を使っていただろう。あれはこの杖の魔力を使って出してるんだ」
クーデリア「は、はあ……」
アストリッド「正直、この杖に秘められた魔力は無限大だろうな……私も正直こんな凄いものを作るとは思わなかった」
クーデリア「だ、だから何なのよ! あのドラゴンに何する気?」
アストリッド「この杖で、封印する」
クーデリア「封印、って……」
アストリッド「というか、ボールのように丸くする訳だな」
クーデリア「そ、そんな事できるの!?」
アストリッド「まあついてからのお楽しみだ」
トトリ「あ、アストリッドさん! クーデリアさんも!」
アストリッド「とりあえずあいつをおびき寄せろ。後は私がやる」シュッ
クーデリア「……あたしもちょっとだけ協力してあげる」カチッ
ミミ「動きは私が止めてあげるわ」ダッ
マーク「マクヴェリオン! 押さえつけろ!」ポチ
ジーノ「おっしゃー俺は脚を切っておくか!」ダッ
メルヴィア「岩でも投げつけてあげようかしらね〜……」グッ
アストリッド「……今だ!」
アストリッド「とりゃあ!」バシイイイイイ
……
……
ドラゴン「……」ピョンピョン
アストリッド「ふふふ、うまくいった。そうだな……技名……『ぷちおしおき』にしてやろう」
クーデリア「ぷち所じゃないでしょ……」
トトリ「じゃ、じゃあ爆弾でやっちゃっていいかな……?」
ジーノ「あー! 俺がトドメ刺す!」
ミミ「ちょっと私が……」
マーク「マクヴェリオン! 踏み潰せ!」
メルヴィア「させるかあああああ!」ブンッ
クーデリア「とりゃあ!」ブチッ
アストリッド「うわあ、手で殺すとは……」
クーデリア「しょ、しょうがないでしょ。銃じゃ当たらないし」
ジーノ「あーあ、もう終わりか」
ミミ「そうね、なんだかんだで昔のメンバー、結構集まってたわよね」
トトリ「う〜ん、ステルクさんがいたらな……」
アストリッド「あんな奴はどうでも良い。何処かの国のお姫様に夢中なんだからな」
トトリ「あ! 早くアールズに帰らなきゃ、メルルちゃん達が心配してるよ!」
ジーノ「えー、もう帰んのか?」
メルヴィア「もうちょっとゆっくりしても良いでしょ。これでも皆、生死の戦いしてたんだし」
マーク「マクヴェリオン……」
トトリ「ごめんなさい……」
トトリ「あ! ロロナ先生が……」
クーデリア「やっと元に戻ったわよ」
ロロナ「……トトリちゃん……」
トトリ「こんなに熱が出て……ええと賢者のハーブ!」
アストリッド「コンテナにあるぞ」
トトリ「本当だ、すり潰して……」
クーデリア「あ、あのさ……後はあたしがやるから先にレストラン、行ってなさいよ」
トトリ「え? でも……」
クーデリア「良いって、行きなさいよ」
トトリ「じゃあ……先生、また後で」
ロロナ「うん、ありがとね……」
クーデリア「え? ちょっ……。はあ……」
ロロナ「ねえ、くーちゃん……」
クーデリア「ん? 何?」
ロロナ「元に戻ったら……言ってくれるって言ったよね」
クーデリア「えっ!? な、なんの事よ……」
ロロナ「え〜ずるい。無かった事にするなんて」
クーデリア「な、なんで知ってるのよ。だってあんた寝てたのに……」
ロロナ「えへへ、ぼーっとしてて、くーちゃんの声が頭に響いてて……」
ロロナ「そのまま気持ちよくてあの時は寝ちゃって忘れたけど」
ロロナ「ちゃんと私を大事にしてくれてたんだね……」
クーデリア「そ、そりゃあ友達だし……」
ロロナ「親友、じゃないかなあ……」
クーデリア「……親友……」
ロロナ「ペンダント貰ったのも、ちゃんと思い出したよ」
クーデリア「っ……」
ロロナ「多分、傷ついてたよね……くーちゃん。辛そうだった」
クーデリア「べ、別に……どうせすぐ元に戻るから……」
ロロナ「一時的でも、悲しいのは悲しいよ。私でもくーちゃんと同じ気分になるかも」
ロロナ「くーちゃん、今までありがとう。これからもずっと私の親友で居てね」
クーデリア「ぁ……!」グス
クーデリア「は、ハーブすり潰さないと……」クルッ
ロロナ「あ、私……熱あるんだった」クラクラ
ロロナ「うぅ、喋りすぎて気持ち悪い……」
クーデリア「あ〜あ、しっかりしてなさい。今飲ませるから……ほら」
ロロナ「あ〜ん……」パク
ロロナ「うう、苦い……」
クーデリア「我慢しなさい、ほらさっさと寝る!」
クーデリア「えっ!? な、何……?」ドキドキ
ロロナ「大好き」
クーデリア「あ、たしも……」
クーデリア「……好き……」
ロロナ「うん」
終わり
アトリエSS誰一人書かないから遅筆即興ながらも……
おやすみ
乙
この二人は友情と百合の間くらいの微妙な関係がとても良いと思うの
乙
Entry ⇒ 2012.06.05 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「冬馬が765プロに?」黒井「ウィ」
P「いいですねぇ俺も久々に一杯やろうかな」
小鳥「あぁプロデューサーさんいたんですか」
P「今さっき帰ってきたとこです」
小鳥「それはどうもお疲れ様です」
小鳥「そういえばさっき社長から連絡入ったんですけどね」
小鳥「天ヶ瀬冬馬君が来週からうちに来るらしいですよ」
小鳥「響ちゃん泣いて喜んでましたねぇ」
P「皆貴音に食われたと思ってましたからね…」
律子「ところでその天ヶ瀬冬馬なんですけど、どういった扱いになるんですか?」
P「おぉ律子もお疲れ」
律子「お疲れ様です。うちとしては竜宮とあまり関わらせたくないんですけど」
P「そうだなぁその辺りは社長が決めてくれるんじゃないか」
小鳥「プロデューサーさんは既に大所帯ですしねぇ」
P「IUもIAも終わったのに忙しいのは相変わらずですからね…定時が恋しくなりますよ」
小鳥「リリースした曲が全部ミリオンは凄いですねぇ」
P「フェアリーだって頑張ってるんだけどな…彼等はやっぱり規格外だよ」
小鳥「竜宮小町も七彩ボタン以降伸びてますしうちも安泰ですけどね」
P「でもそんな戦局で冬馬をこっちに寄こすなんて黒井社長は何を考えてるんだ」
小鳥「黒井社長とはあれからどうなんですか?」
P「なんか毎日嫌味を書いたメールが届くようになったよ」
律子「気持ち悪いですね」
P「気に入らないなら無視すればいいのにあの人も物好きだよな」
小鳥「敵情視察ですね」
P「確認しておきたいこともありますしね。律子もくるか?」
律子「頼まれたって961プロになんて行きませんよ。お一人でどうぞ」
P「そうか。じゃあ俺はあがりますね」
小鳥「えぇー飲んで帰らないんですか?」
P「朝から直接行く予定なんで今日は控えときますよ。社長達にはうまく言っておいてください」
小鳥「ピヨヨ…今日も一人で枝豆がうまい…」
P「それじゃ、お疲れ様です」
P「実際問題冬馬をどうしたものか…このまま行けば俺が担当になりそうだけど」
P「フェアリーと残りの子に加えてなんてやってたら体が持たないぞ」
P「黒井社長に相談してみるか…」
ヒーカーリーノーソトーヘー
P「なんだこんな時間に…貴音?」
sub:らぁめんなう 画像アリ
本文:財布を忘れて困っています。助けて頂けないでしょうか
P「何やってんだあいつは!」
貴音「申し訳ありません…」
P「入る前に財布くらい確認しような…通報される前に間に合ってよかったよ」
貴音「あまりに空腹でしたのでつい浮き足立ってしまいました」
P「アイドルが無銭飲食なんて洒落にならないんだから気をつけてくれ」
貴音「はい…」
P「わかってくれたならいいさ。明日も早いんだし帰ったらすぐ寝ろよ」
貴音「はい。あなた様…ありがとうございました。明日もよろしくお願いします」
P「あぁ明日なんだが、俺は朝イチで961プロに行くから貴音達は律子の指示に従ってくれ」
P「ほら、IUの後に冬馬がうちにくるって話あったろ」
貴音「豚肉を宅配してきた時ですね」
P「ブタ太な…で、来週からうちに来るそうなんだよ。それの確認だ」
P「俺が担当する可能性が高いからな、対策は早いうちに立てたほうがいい」
貴音「なるほど…そうですか、天ヶ瀬冬馬が」
P「そういえば冬馬は妙に貴音に怯えてたけど何かあったのか?」
貴音「特にないと思いますが」
P「ふむん」
P「まぁいいや。気をつけて帰れよ」
貴音「まこと、感謝の言葉もありません。おやすみなさいませ」
P「961プロにくるのも久しぶりだな…黒井社長にはメールしてあるけど受付まで話いってるんだろうか」
「辛気臭い声がすると思ったら貴様か」
P「その嫌味も聞き慣れましたよ。おはようございます黒井社長」
黒井「ウィ。相変わらず働きアリの如く動き回っているなちんちくりんプロデューサー」
P「というか俺が事務所に来るたびに入り口で迎えてくれてますけど暇なんですか?」
黒井「ノンノン。セレブな私のオーラに貴様が引っ張られているだけだろう。勘違いはするな」
P「は、はぁ…」
黒井「とりあえず突っ立ってないで入ったらどうだ。貧乏人にもそのくらいの権利はある」
P「貧乏貧乏って人が気にしてることを…まぁいいや、よろしくお願いします」
P「えぇ、来週からこちらに移ると話を聞きまして」
黒井「事実だ。予定としては一ヶ月間だ」
P「俺の時と比べると随分短期間ですね」
黒井「貴様如きと比べるなこのへっぽこプロデューサー!あいつの場合は少し特殊だからな」
P「特殊…?」
黒井「ウィ。あいつはな…チェリーボーイなのだ」
P「は?」
黒井「童貞だと言った」
P「黒井社長が!?」
黒井「冬馬だ馬鹿者!いや少し理由付けとしては正しくないな。あいつは女への免疫が無いのだ」
P「あんなモテオーラの塊のような男がですか?信じられませんね…」
黒井「あいつは幼い部分があってな。女遊びよりも男同士で騒ぐほうが好きなタイプだ」
P「そんな感じではありますね」
黒井「だから765プロに預ける」
P「なるほど」
P「いやいやいやいやいや」
P「うちのアイドルに傷でもつけられたらどうするんですか!訴えますよ!」
P「そんな話願い下げだ!」
黒井「ま、待ちたまえそんなに興奮するな」
P「これが落ち着いていられるか!第一…」
黒井「あいつはホモだ!」
P「えっ」
黒井「ホモなのだ」
P「……」
黒井「…」
P「お疲れ様でした」
黒井「待て」
黒井「まぁ聞け。ジュピターはこれから更に多忙を極めるだろう」
P「でしょうね…」
黒井「それでこのまま恋愛もしないまま10代を終えるのは嫌だと言い出してな」
P「やめてくださいっそれ以上聞きたくない!」
黒井「その手の店は行きたくないらしく、希望を聞いたら765プロを指名したのだ」
黒井「私としてはアイドルが恋愛など言語道断なんだが、事務所同士口裏を合わせれば大丈夫だろう」
P「無理…無理です…俺は女の子が好きなんですよ…」
黒井「説明できることは以上だ。あぁ担当だが勿論貴様だからな」
P「そんな…」
黒井「一ヶ月だけの辛抱だ。貴様を半年預かったうちと比べるとマシだろう」
P「IUとホモなんて話の重さが違いすぎですよ…」
黒井「とにかく!話は以上だ。さっさと忌々しい765プロに戻るんだ」
P「…」トボトボ
P「」チラッ
黒井「早く出て行け」
P「うわあああああああああああああ」
北斗「それより良かったんですか社長、冬馬怒りますよ」
黒井「北斗か…盗み聞きとは趣味の悪い男だな」
黒井「フン、やつを鎮めるにはこうする他なかったのだ」
北斗「女嫌いを治すために行くって素直に言えばよかったじゃないですか」
黒井「さっきの奴に言っても納得はせんだろう」
北斗「765プロのアイドル達はプロデューサーさんにお熱ですからね」
黒井「ウィ。あの中に今更冬馬一人放り込んでも玩具にされて終わりだろう。いい薬になる」
北斗「全く冬馬が羨ましいですよ」
黒井「お前達は一ヶ月地獄の特訓漬けだ。実力でも冬馬に追いつくのだ」
北斗「仲良しごっこはともかくスポ根は好きじゃないんですけどね…」
黒井「さぁくだらん話はここまでだ。今日はCM撮影の日だったろう」
北斗「社長もこられるんですか?」
黒井「私はセレブだからな。今からTV局に観光だ」
北斗「やれやれ…それじゃ、チャオ☆」
P「黒井社長に恩はあるがこれはちょっとぶっ飛びすぎだろ…」
P「アイドル達に手を出さないだけマシと考えるべきか…はぁ」
冬馬「おい」
P「ひっ!」
冬馬「な、なんだよ普通に呼んだだけでそんな驚くなよ」
冬馬「あんたらと違って体調管理は徹底してるんでな。問題ないぜ」
冬馬「ところで話は聞いてると思うが俺は来週から…」
P「あぁ!聞いてるぞ!じゃあ貧乏な俺は忙しいからこれで!」
冬馬「ちょっおい!…行っちまったよ…なんなんだ」
響 「美希はいつだってやる気ないだろー」
美希「そんなことないの。ハニーが見てくれてたら元気150倍なの」
響 「よくわかんないぞ…」
貴音「撮影も済みましたし帰りますよ」
美希「はーいなの」
響 「今日は貴音元気だなー」
貴音「プロデューサーに頼まれましたから」
響 「こっちも現金だったさ…」
P「ただいま戻りました…」
真美「遅いぞー!兄ちゃんはお腹も根性もたるんどる!」
小鳥「お帰りなさいプロデューサーさん」
春香「お疲れ様です!クッキーですよ、クッキー!」
雪歩「今お茶持って来ますぅ」
P「あぁありがとう…」
真 「どうしたんですか?頭なんか抱えちゃって」
やよい「どこか痛いとこあるんですかー?」
P「…ちょっと冬馬の件でな」
小鳥「そういえばどんなお話されたんです?」
P「皆に言っていいのかな…実は…」
真 「」
真美「」
雪歩「はぅ」パタン
やよい「はわっ!雪歩さーーん!」
小鳥「支援」
千早「ただい…何この空気」
P「よぉ千早…」
P「気が狂いそうだなーはは」
春香「なんですかそれっ!変態ですよ、変態!」
真 「漫画とかではよく見ますけど実物なんて初めてですよ…」
やよい「うっうー!雪歩さんが息してませんー!」
P「はは…千早も笑え」
千早「あの」
P「笑えよっ!俺はトップアイドルにケツ狙われてるんだよ!」
千早「まだプロデューサーと決まったわけではないのでは?」
P「なんでだよ…ホモなんじゃもう詰んでるだろ…」
小鳥「ま、まさか」
千早「社長がいるじゃないですか」
P「!」
小鳥「イケメンアイドルと芸能事務所の社長そういうのもあるのか!」
真 「その発言は洒落にならないですよ」
千早「そうですよ」
春香「で、でも担当にプロデューサーさんをむぐぐ」
千早「それ以上言わないで春香」
真 「冬馬と社長って親子ほどの差があるんじゃ…」
P「熟女好きだっているんだ!問題ない!」
P「よかった!本当によかった!」
\冬/
の三角関係か。。。
雪歩「あ、穴掘って…掘る…穴を…?あぁぁ」ガタガタ
真 「あーあーごめんやよい水持ってきてくれる?」
やよい「は、はいー!」
P「っはー何かほっとしたら腹減ったよ。クッキーもらうぞ春香」
春香「あ、はいどうぞ」
P「うーん相変わらず美味いな!嫁に欲しいくらいだ!」
春香「ほんとですか!」
千早「お昼行ってきます」
P「冗談だよ。それじゃ社長に報告してくる」
春香「プ、プロデューサーさんがよければすぐにでも引退して…ってあれ?いない」
社長「あぁ君か。朝から大変だったようだね」
P「はい。でも社長のほうがこれから大変なのでは?」
社長「ん?まぁそうかもしれないな。ところで来週からの話だが」
社長「天ヶ瀬君は君が担当してくれたまえ。他の子は律子君と分担することになるだろう」
P「わかりました。黒井社長からスケジュール頂いてるんで予定組んでおきます」
社長「期待してるよ君ぃ…ところで天ヶ瀬君の移籍の目的なんだがね」
社長「性癖…?まぁそうとも言うのかな」
社長「とにかく出来るだけ事務所内に居る時はアイドル達との会話に混ぜてやってくれ」
P「普段そっけない態度をとって…ってやつですね。社長もやるなぁ」
社長「?とにかく頼んだよ」
P「はい!社長もご武運を!失礼します!」
社長「…何か勘違いでもしてるんだろうか彼は」
美希「ハニー!ミキ今日も頑張ったの!なでなでしてほしいな!」
響 「嘘はよくないぞ!一番頑張ったのは自分だ!」
美希「響の頭なでたらハムスターが飛び出てきそうだからダメって思うな」
響 「そ、そんなことないぞ!ハム蔵達は留守番してるんだからな!」
美希響「ぐぬぬ」
P「お疲れ、お守りありがとな貴音」
貴音「この程度。問題ありません」
P「お前は一体何を言ってるんだ」
春香「え?だって…あ、冗談だったのかな?えへへ私ったら勘違い…しちゃって…」
P「お、おい」
雪歩「プロデューサーお茶淹れなおしましたぁ」
P「あぁそこに置いといてくれ…春香も変な冗談言って悪かったよ。な?」
春香「いいんです…私なんてそこらへんにいるダブルリボンなんで…」
美希「あー!ハニーに頭ぽんぽんしてもらうのはミキなの!」
響 「じ、自分だってたまには…」
P「あぁもう…今いるやつ昼奢ってやるから。それでいいだろ?」
雪歩「や、やったぁ」
美希響 「ギャーギャー」
P「だって貴音だけリクエストしてきたから…」
貴音「昼にらぁめんは社会人の嗜みですよ美希」
春香「とんこつですよ、とんこつ!」
やよい「うっうー!トッピングブタ太でお願いしますー!」
響 「もうそのネタはやめてくれっ!本当にトラウマなんだからな!」
真美「やよいっちはもやしトッピングすると思ったよー」
やよい「好きでもやし食べてるわけじゃないから…」
真美「ご、ごみん」
P「でもこれでお前達に冷たいのも納得がいくよな」
真 「プロデューサーに妙につっかかってたのも意識してたのかなぁ」
P「怖いこと言わないでくれ…」
P「あ、社長の指示で事務所内にいる時は冬馬とコミュニケーションをとってほしいそうだ」
美希「えぇーハニー以外の男なんて興味ないの」
真美「適当に遊んでやればいいのだよミキミキ」
雪歩「わ、私は…ちょっと…」
P「雪歩は無理のない範囲でいいよ。お茶くらいは頼む」
雪歩「わかりましたぁ」
P「よし、じゃあ午後は確か全員レッスン入れてたよな」
真 「確かそうでしたね」
P「終わったら直帰でいいからな。頑張ってこい!」
美希「頑張るからハニィあたまなでなでしてー」
P「ラーメンの匂いがする女の子はちょっと…」
美希「ハニーが連れて行ったのにあんまりなの!」
貴音「なんと…」
P「ほら時間は待ってくれないんだ。行った行った」
小鳥「相変わらずモテモテですねぇ男女問わず」
P「最後が余計ですって」
律子「竜宮小町も落ち着いたんで今回はフォロー回れますよ」
P「助かるよ」
小鳥「じゃあ今日こそ飲みに行きましょうか!」
P「帰ってスケジュールの調整したいので…また今度お願いします」
小鳥「ピヨ…」
社長「さて諸君。明日から天ヶ瀬君が来るわけだが」
美希「社長のために痔の薬買ってきたの」
社長「ん?ありがとう?まぁともかく一ヶ月だが仲良くしてやってくれ」
春香「あのっ私いいお医者さん知ってますから!何か不調を感じたらすぐ言ってください!」
P「がんばってくださいね!社長!」
社長「頑張るのは君だろう…それじゃあ今日はこれで解散だ。戸締りは私がするから皆帰りたまえ」
お疲れ様でしたー!
P「なんだこんな朝早く…社長?」
P「も、もしもし」
社長「あぁ朝早く済まないね君。悪いが今日は961プロに向かって天ヶ瀬君を迎えにいってやってくれ」
P「お、俺がですか…?社長のほうが喜ぶのでは?」
社長「君のほうが都合がいいに決まってるだろう。頼んだよ」
P「あっ社長!…切れてしまった」
P「嫌な予感がする。とても嫌な予感が」
黒井「遅いぞ。時間は有効に使え鈍足プロデューサー」
P「あぁ黒井社長…」
黒井「なんだ浮かない顔をして。冴えない顔が台無しだぞ」
冬馬「ようプロデューサー」
P「や、やぁ」
冬馬「これから一ヶ月世話になるぜ。よろしくな」
P「そ、そうだな…社長もきっと受け入れてくれるとおもうぞ」
冬馬「は?何の話だよ」
P「何の話って…」
黒井「ノンノン!無駄話はそれまでにしろ!さっさと行け!」
冬馬「あ、あぁ。じゃあ社長行ってくる」
冬馬「…」
冬馬(なんだよこの気まずい空間は)
冬馬「なぁ」
P「!な、なんだ…?」
冬馬「…いや、何でもねぇ…」
P「そうか…」
P「そ、そういえば冬馬は」
冬馬「おっなんだよ?」
P「年上派なのか…?」
冬馬「はぁ?」
P「い、いや…50台と20台の子だったらどっちのほうが好みだ?顔は考慮しないとして」
冬馬「なんでいきなり恋バナなんてしなきゃいけねーんだよ…」
P「そ、そうだよな…すまん…」
冬馬「…そりゃ20台だろ」
P「えっ!?」
冬馬「なんで好き好んでそんな親みたいな年齢を選ぶんだよ。変態じゃあるまいし」
P「だ、だって…千早が…」
冬馬「誰だよ」
P(はっ!そういえば…!)
社長『頑張るのは君だろう君ぃ』
P「あ、あ、あ、ああああ…」
冬馬「おい!運転中に余所見すんな!殺す気かよ!」
小鳥「あ、プロデューサーさんおはよう…ございます…?」
冬馬「この人急に震えだしたんだけど調子でも悪いの?」
千早(もうバレたのね)
春香(気づいちゃったんだね…)
美希(茶髪ロンゲには興味ないけどハニーをとられるのは勘弁してほしいの)
真 (さすがにホモと比べたらレズのほうがマシかなぁ)
雪歩(男好きの男の人なら少しは安心かも…)
やよい「うっうー!おはようございますー!」
真美「あまとうがきたよ…」
亜美「あまとうだね…」
冬馬(な、なんだよ歓迎されてねぇな…)
ブタ太「ブヒブヒ!」
冬馬「おっ!お前あん時のブタじゃねーか。元気でやってるか?」
響 「ブタ太ー!先に行ったら危ないぞ!ってお前は冬馬!」
貴音「…」
冬馬「フェアリーの連中か」
伊織「私達もいるんだけど?」
あずさ「あらあらおはようございます〜」
律子「挨拶も済んだし早速今日の予定を伝えるわよ!」
律子「プロデューサー殿は天ヶ瀬冬馬とTV局へ営業でしたね」
P「そ、そうだったな」
律子「他の子はレッスンよ!さぁ散った!」
美希「ハニー今日も頑張ってくるのー」
千早「先に出てますね」
P「がんばれよ美希…」
冬馬「それじゃ俺達も行こうぜプロデューサー」
P「よ、よし行くか!」
冬馬「はいっよろしくお願いします!」
P「一緒だなんて…そんな」
TV局の偉い人「なんだか君は今日元気ないねぇ。ビシっとしてくれよ?」
P「は、はい!すみません!」
冬馬「…」
P「な、なんだ」
冬馬「俺が気に入らねーのはいいけどよ。仕事にまで持ち込むのは無しにしようぜ」
P「べ、別に気に入らないわけじゃ…」
冬馬「あんた朝から俺に対して変じゃねーか。961にいた頃は普通だったのによ」
P「そ、それは…」
P(お前をノンケだと思ってたから…)
冬馬「とにかく仕事だけはきっちり頼むぜ?社長にどやされちまう」
P「そうだよな…すまん。気をつけるよ」
P(そうだこれは仕事なんだ…なら仕方ないじゃないか)
冬馬「慣れないことすると結構疲れるもんだな」
小鳥「お帰りなさい。二人とも」
雪歩「あ、あの…」
冬馬「あん?なんだよ」
雪歩「ひぃっお、お茶ですぅ…」
冬馬「お、おう。サンキュ」
雪歩「プロデューサーもどうぞですぅ」
P「ありがとな」
ブタ太「ブヒヒー!」
冬馬「おわっ茶持ってるときに来るんじゃねーよ!零れちまうだろ!」
P「動物に好かれる体質なのかもなぁ」
響 「なんだか複雑だぞ」
春香「冬馬君もクッキー食べる?」
冬馬「お、甘いものは結構好きだぜ」
真 「やっぱり趣味も女の子っぽくなるのかなぁ」
春香「どうなんだろ…」
冬馬「さっきからその生暖かい視線はなんなんだ…」
真美「んっふっふ〜そのクッキー貰い!」
冬馬「あっおい!勝手に取るんじゃねーよ!」
P「! あぁ、俺も覚悟を決める」
小鳥「ついにきたか」
春香「プロデューサーさん!ファイトですよ、ファイト!」
真 「ドーナツ座椅子って効果あるのかな」
雪歩「どうなんだろう…」
P「そうかもな…」
冬馬「ちょっとはマシな対応になったじゃねーか。最初からそうしろよな全く」
P「悪い、俺も踏ん切りがつかなくてな」
P「だけどもう迷わない。これもプロデューサー業の一環なんだ」
冬馬「迷う?何言って」
P「冬馬…俺はノーマルだが、お前が俺を求めるなら…いいぞ」
冬馬「は?」
冬馬「お、おい何言ってるんだあんた…」
P「俺は前も後ろも初めてだからリードは出来ないが…精一杯頑張るよ」
P「さぁホテルに行くぞ。夜の超ダンスレッスンだ」
冬馬「待てっ!さっきから何怖いこと言ってんだおかしいぞ!」
P「え、だってお前…ホモなんだろ?」
冬馬「…」
冬馬「」
黒井「うおっ!な、なんだ冬馬よ。961プロには期日まで戻るなと…」
冬馬「どういうことだよこれは!なんで俺がホモになってんだよ!?」
黒井「あ」
冬馬「おかしいと思ったんだ!プロデューサーは妙におどおどしてるし女共は妙に生暖かい視線だった!」
冬馬「外から帰ってきたらドーナツ型の座椅子を渡された気持ちがわかるか!」
冬馬「女嫌いを治す話なんて誰一人知らなかったぞ!」
冬馬「なんで納得させるために俺がホモになるんだよ!もう俺765プロに戻れねーよ!」
冬馬「結局俺に出来た友達はブタ一匹だった…女嫌いどころか人間不信になっちまうよ…」
P「そんなことないぞ!冬馬!」
冬馬「…なんで追いかけてきたんだよ…」
P「ノンケのお前となら俺は仲良くやっていけると思ってる!だから諦めるな!」
P「妙な噂なんて俺がかき消してやる!ブタ太もお前を待ってるぞ!」
P「だから…俺と来い!冬馬!お前が必要なんだ!(仕事のために)」
冬馬「プロデューサー…!」トクン
冬馬「へっそこまで言われちゃ仕方ないよな」
P「冬馬!」
黒井「冬馬!」
冬馬「俺は行くぜ社長。ジュピターに逃走は許されないんだからな」
黒井「そうだ…それでこそジュピターだ!765プロなど蹴散らしてやれハーハッハッハッ!」
堕ちたな
>冬馬「プロデューサー…!」トクン
まさか・・・
黒井「今回は素直に詫びてやろう。負け犬プロデューサーにしてはよくやってくれた」
冬馬「社長…」
黒井「ウィ。今のお前なら十分な成果を期待できるだろう」
P「よし、事務所に戻って残りの皆の誤解も解くぞ!」
冬馬「あぁ…俺とあんたなら楽勝、だぜ!」
翔太(うっわ…冬馬君なんかホモくさくなってる…)
小鳥「なんだ…がっかりです」
冬馬「そこは安心しとけよ…」
亜美「あまとうがホモじゃなかったってことは?」
真美「どうなるの?」
千早「私達でカウンセリングするのよ」
美希「ボラギノール無駄になっちゃったの」
冬馬「そんなもん捨てろ!」
ブタ太「ブヒブヒ!」
冬馬「はっお前だけは変わらねーな」
やよい「ムツゴロウさんみたいですー!」
P「貴音は朝から機嫌悪そうだけどどうしたんだ」
響 「禁ラーメン略して禁メンしてるらしいぞ」
P「なんでまた」
貴音「あなた様はいけずです…」
P「まぁ程々にな」
春香「鈍感は罪なんですよプロデューサーさん」
伊織「あれはもう病気よ、病気」
P「とにかく冬馬は俺達の仲間だ。よろしく頼むぞ」
はーい
亜美「HEYあまとう焼きそばパン買って来いYO!ダッシュな!」
冬馬「は?んなもん自分で買えよ」
真美「やめときな亜美君…このアホ毛はパンも自分で買えない養殖ホモなんだZE」
亜美「HAHAそりゃ仕方ないね真美君」
冬馬「誰がホモだ!パン買うくらい楽勝、だぜ!961プロをなめんなよ!」
真 「あ、ボクgokuriパインね」
律子「ジャイアントポークフランクお願い」
伊織「オランジーナ」
冬馬「いきなり会話に混ざるんじゃねーよ!ちっこれ以上増える前に行ってくる」
小鳥「はい冬馬君笑ってー!ふふ」
冬馬「なんで俺がこんなヒラヒラ着るんだよ!」
響 「宣材写真はインパクトが大事って社長が言ってたからな!」
冬馬「だからってお前らと同じ衣装とか完全に変態じゃねーか…」
雪歩「あ、合ってるんじゃ…」
冬馬「合ってねーよ!」
雪歩「ひぐっ!こ、こんな不正解で失敗作の私は穴掘って埋まっときますぅ…」
冬馬「穴なんか掘るか!いい加減にしろ!」
貴音「天ヶ瀬冬馬」
冬馬「な、なんだよ…」
貴音「もう少し協調性を持ちなさい」
冬馬「そ、そんな睨むなよ…わかったよくそっ」
P「ずっと気になってたんだが何で冬馬は貴音には腰が引けてるんだ?」
冬馬「別に…なんか威圧されてる感じがするだけだよ」
真美「よーするにビビッてるってことじゃん!」
亜美「あまとうは甘ちゃんのへたれってことじゃん!」
冬馬「びびってなんかねーよ!苦手なだけだ!」
春香「はいさーい!そろそろ休憩しませんか?クッキー持ってきましたよ!」
雪歩「お茶いれてきますぅ」
冬馬「はぁ…俺の心のオアシスはプロデューサーとお前だけだよ…」
ブタ太「ブ?」
貴音「…」
真美「お姫ちんが震えている」
あずさ「禁メンもそろそろ一週間だものね〜」
美希「ねぇねぇ茶髪ロンゲの人。ハニー落とす攻略法教えて欲しいな」
冬馬「俺は天ヶ瀬冬馬だ。プロデューサーなんて押せ押せでいけるんじゃねーのか」
美希「でもミキは夜の超ダンスレッスンなんて誘われたことないの…その点ロンゲは羨ましいって思うな」
冬馬「お前もロンゲだろうが…へっまぁお前なんかより俺のほうが魅力的なのかもな」
冬馬「なんせ俺は961プロのジュピ…ん?なんだよ」
真 (今のホモっぽかったなぁ)
千早「まぁ、なんでもいいですけれど」
小鳥「ピヨピヨ」
冬馬「お前ら変な勘違いすんなよ!」
P「ん、どうした?えらく気合入った顔してるな」
貴音「らぁめんを絶ってから10日が経ちました」
P「そ、そうか…カロリーを気にするのはアイドルの常だからな」
貴音「そろそろして頂きたいのですが」
P「何を?」
貴音「で…をです」
P「何だって?」
貴音「なでなでして欲しいのです」
P「それとラーメンに何の関係があるんだ…」
P「そんなこと言ったっけ?まぁ貴音の頼みなら断る理由もないな」
貴音「で、では…」
P「美希も見てないしほら、おいで」
貴音「あぁ…絶食していた甲斐があるというものです」
P「絶食!?別にラーメン食べてもなでなでくらいしてやるから!」
貴音「面妖な…あぁ面妖な…」
冬馬「はぁ〜あいつらといると疲れる…って、プロデューサー何やってやがる!」
P「何ってなでなでを…」
冬馬「お前らー!プロデューサーが浮気してるぜー!」
美希「茶髪ロンゲったら何適当なこと…ハニィイイイ!!」
P「すみませんでした」
貴音「10日分の価値はありましたよ。響」
響 「自慢しないで欲しいぞ…」
春香(10日間転ばなかったらなでなでしてくれるのかなぁ)
雪歩(お茶を10日間は辛いですぅ)
冬馬「これに懲りたら贔屓なんてしないことだな」
美希「アホゲロンゲにしてはよくやったの。ライバルに認定してやるの」
あずさ「あらあら〜」
冬馬「そーいうんじゃねーよ!」
P「…」
真美「兄ちゃん誰とメールしてんの?」
P「黒井社長だよ。最近頻繁にくるんだ」
亜美「なになに〜どんなのか見せて!」
sub:ウィ
本文:今日も暇をしてるのかね鉄腕プロデューサー
春香「やだ…なにこれ…」
雪歩「まるで友達ですぅ」
やよい「うっうー!社長さんと仲良しになるなんてプロデューサーすごいです!」
冬馬「ジュピターには業務連絡しかしねーくせに何やってんだ…」
亜美「嫉妬かね?」
冬馬「ち、ちげーよ」
高木「竜宮小町の歌姫フェス勝利を祝してー」
律子「皆ありがとう、乾杯!」
かんぱーい!
春香「プロデューサーさん!おしゃ」
冬馬「ほら、飲めよプロデューサー」
P「お、悪いな。お前も…って未成年だったな」
冬馬「俺はウーロン茶で十分。それより焼き鳥食おうぜ」
春香「…ホモ」
冬馬「!?誰か今ホモって言わなかったか!」
やよい「うっうー!から揚げ祭りですー!」
千早「高槻さん口についてるわよ、ほら」
春香「プロデューサーさん!はい、お料理とってあげますよ!」
P「いつもありがとな春香」
春香「えへへ…そんなことないですよぉ」
高木「今日で天ヶ瀬君は765プロを離れ961プロの下に帰ることになる」
高木「最初はいろいろ大変だったが皆仲良くなってほっとしているよ」
冬馬「俺はホモじゃないけど、今まで世話になった」
冬馬「この経験をジュピターに活かしていきたいと思う。ありがとよ」
春香「ということでお別れパーティin二十朗を開催します!いえーい!」
真美亜美「いえーい!」
冬馬「はぁ?俺はこれから961プロに…」
P「まぁいいじゃないか。最後くらいパーッと騒ごう」
美希「ライバルの門出なの。せっかくだから祝福してあげようって思うな」
ブタ太「ブヒヒ!」
冬馬「ブタ…お前も行けって言うんだな」
あずさ「このために朝昼抜いてきたのよ〜」
響 「今日の響チャレンジは大豚ダブル完食だぞ!」
貴音「ずいぶん緩いチャレンジですね」
やよい「伊織ちゃん!千早さん!手繋いでいきましょー!」
伊織「はいはい」
真美亜美「楽勝、だZE!」
美希「楽勝、なの!」
響 「なんくるないさー!」
貴音「…では勝負しますか」
冬馬「う、じょ、上等じゃねーか…今日で苦手意識を断ち切ってやる!」
小鳥「胃薬持ってーお財布持ってー戸締り確認準備完了です♪」
P「よーしせっかくだから歩いていこう!」
小鳥「それは帰りに一杯フラグですけどいいんですか!?」
P「余裕があれば行きますか」
小鳥「ピヨー!やったー!」
冬馬「戻ってきたぜ、社長」
黒井「冬馬か…プロデューサーから話は聞いているがどうだった」
冬馬「いい経験だったよ。仲良しごっこも悪くねぇ」
冬馬「女嫌いのほうも耐性はついたしな」
黒井「そうか…下がっていいぞ。今日は帰って休め」
…
黒井「…」
黒井「あいつは女嫌いではなく男好きなのかもしれん」
おわり
ならホモにするしかなかった。反省している
なんか和んだ
たまにはホモもいいよね!
アイドルのためなら仕方ない
Entry ⇒ 2012.06.05 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
セイバー「き〜み〜と〜一緒がぁ一番♪」
士郎「」チラッ
セイバー「あぁあっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ!!!!!!!!」
士郎「え?あぁ、えっと大丈夫!大丈夫だから!ね!?」
セイバー「何が?大丈夫なのですか?どういう意味なのです!?」
士郎「何も聞いてないし!何も見てないよ!」
セイバー「もういいです!!」タッタッタッタッタッタ
士郎「え!?ちょっと待ってよ!なんで!?なんで!?すーぱー☆あふぇくしょんなのぉぉぉ!?」
凛「うぉうぉ!うぉうぉ!うぉうぉ!いぇい!いえぃ!うぉうぉ!うぉうぉ!うぉうぉ!いぇい!いえぃ!」
アーチャー「今日は随分機嫌がいいんだな、凛」
凛(ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!)
凛「はっ、あ、アーチャー!?…み、見てたの?」
アーチャー「見てたも何も外まで丸聞こえだったぞ?」
凛「う…、うぅ…もうお嫁に行けない!!」タッタッタッタッタ
アーチャー「おい!凛!何処へいくつもりだ!?待て!」
凛「うるさい!付いて来ないで!!」タッタッタッタッタ
慎二「あぁ〜腹が減ったなぁ…おい!桜〜」
シーン ゴトゴト
慎二「あれ?さくら〜飯つくれよぉ〜」
ガタガタ
慎二「ん?部屋で何してんだ?あいつ」チラッ
桜「き〜みと〜いっしょがっ…間違えた!もう一回もう一回…、き〜みっと〜あれ?おかしいなぁ…こうかな?」
慎二(え?何してんの?ダンス?これは邪魔しないほうがいいのか?)
慎二「」グゥ〜
慎二(は!?しまった!?)
桜「え?兄さんなんでここに?」
慎二「おなかが空いて…て、ていうかお前!何してんだ!」
桜「え?これは…これはその…」
慎二「なんだよ?気になるじゃないか!教えろ!」
桜「えっと…えっとごめんなさい!」タッタッタッタッタ
慎二「ちょっと!おい!桜!飯!」
竜之介「なに!?なにそれ!?超クールじゃん!ねぇ!俺にも教えてよ!」
ジル「く…竜之介…、見られてしまいましたか…」
竜之介「いいじゃん!いいじゃん!それより、俺にもそのクールなダンスを」
ジル「申し訳ございませぬ!!私はもうここにいることはできません!!」タッタッタッタッタ
竜之介「ちょっと!旦那ぁ!俺にも教えてくれよぉ!!」
アイリ「き〜みっと」 イリヤ「はいっ♪」
アイリ「一緒が一番!」 イリヤ「いぇい!」
切嗣「アイリ…イリヤ…」
アイリ「切嗣!?」 イリヤ「ぱぱ…」
切嗣「すまん…あまりにも楽しそうだったもので…その、」
アイリ「行きましょう!イリヤ!」 切嗣「おい!待ってくれ!何処へ行くつもりだ!?」
アイリ「何処へって? 切嗣には関係ない!」タッタッタッタ
切嗣(僕はどうすればいいんだ…舞弥…)
舞弥「さ、さぁ…。多分、文化祭か何かの練習なのでは?」
切嗣「…、それだとアイリの行動の説明がつかない…」
舞弥「そうねですね…、あ、練習のお手伝いとか」
舞弥の携帯<き〜みっと!一緒がぁ一番〜♪好きよって
舞弥「!?」
切嗣「…、舞弥…きみも…」
舞弥「す、すみません 切嗣!」タッタッタッタッタ
ケイネス「ソラウ!一体どうしたと言うのだ!」ガチャッ
ソラウ「しまった!つい感極まって…」
ケイネス「ソラウ…、やはり君に令呪を…」
ソラウ「っるさい!この車輪男!」タッタッタッタッタ
ケイネス「あぁ…、ソラウ」シクシク
ランサー「ケイネス殿」
言峰「これはこれは…皆さん揃って何のご用件かな?」
士郎「セイバーが家出して…帰ってこないんです!」
切嗣「僕の妻と娘も!」
アーチャー「凛だって!突然飛び出して!」
言峰「まぁまぁ、落ち着いて」
ケイネス「落ち着いていられるか!私のソラウが!そらうがぁぁぁぁぁぁ!」
藤村「みんな〜!ちゃんと練習してくてれた!?」
全員<ハーイ
藤村「それじゃぁ!合同練習はじめま〜す!!」
全員<ウォォォォォォォォ!!
凛「はぁ…ちょっとセイバー、踊りはいいんだけど音外しすぎよ」
セイバー「すみません。凛、こうですか?きぃぃみとぉぉぉぉ」
凛「ふざけないで!真面目にやって!」
セイバー「私は真面目です!あんまり…こういうことはしたことがなくて…」
凛「とりあえず!踊りは出来てるんだから!がんばりなさい」
セイバー「はい!」
藤村「ちょっと!動きが全然じゃない!ちゃんと練習してきたの?」
ウェイバー「ちゃんと練習してきたよ!」
イリヤ「練習してきてそれとか…ぷぷ」
ウェイバー「おい!笑うなぁぁ!」
ジル「」ニッコリ
勿体ないとか思ってしまう
言峰「またせたな…、原因がわかったよ」ポンッ
士郎「なにこれ?チラシ?」
切嗣「冬木市祭?」
慎二「ダンスカーニバル?」
ケイネス「どういうことなのだ?説明しろ!」
言峰「どうやら彼女らはこのダンスカーニバルの大人数枠にに出場するようだ」
士郎「なんでまた…」
言峰「優勝賞金は1000万円!市町村の行事では群を抜いた数字だ」
言峰「いたのか、ギルガメッシュ」
ギル「あの雑種共はお前達に黙って賞金を山分けしようとしているのだ!」
竜之介「旦那が…俺をだます…?」
士郎「違う!セイバーはそんなのことしない!」
慎二「桜…、きっと家出の資金にするつもりだ…」
ケイネス「あぁ…ソラウ…」
士郎「だから違うって!きっとサプライズで!」
ギル「サプライズ?笑わせるな雑種。では、必ず賞金を獲得できるという自信が彼女たちにあるというのだな?」
士郎「それは…」
慎二「ちくしょう!僕達はどうすればいいんだ?黙って知らないふりでもしろっていうのか?」
アーチャー「俺達が賞金を奪えばいい」
全員「!?」
アーチャー「なぁに…もともとは凛たちも賞金が目当てなのだろう?
だったら俺達が賞金を手に入れて…後は分けてやるのなり好きすればいいだろう?」
慎二「確かにそれだと主導権は僕達が握ることができる…」
切嗣「なるほど…、彼女たちに反省の意があったとするなら獲得した賞金を渡してやってもいいわけか」
士郎「う〜ん…」
言峰「そ、それでは君達…そろそろかえって」
ケイネス「きみ、もちろん協力はしてくるな?」
切嗣「練習するには持って来いの場所だ」
言峰「おい勝手に話をすすめるな!」
ギル「よいではないか言峰。貴様もたまには雑種共の馴れ合いに付き合え」ハッハッハッハ
言峰「くっ、ギルガメッシュ…余計なことを」
ライダー「はっはっはっは!!なにやら面白そうだ!」
全員「!?」
ライダー「いやな、内の坊主がどうも…隠れてなにやら躍りを練習していたようので気になっておったのだ」
士郎「やっぱり…みんな他の人には内緒にするのか…」
ライダー「全く…賞金が欲しいのであれば余が獲ってきてやるものを…」
言峰「私は!参加せんからな!そのような戯言!」
時臣「まぁ、そうな綺礼」
言峰「マ、マスター!?」
言峰「いえ、まだ私は未熟な弟子であります…」
時臣「なら、君も参加したまえ。私も参加する」
切嗣「遠坂、どういうつもりだ?」
時臣「私の妻もどうやら参加するみたいでね…私だって遠坂の立派な頭首であり
葵の夫だ。私が必ず賞金を手にする」
言峰「マスターの…命令であるならしかたあるまい…」
雁夜「ちょっと待て!!!」
シーン
雁夜「おい!待てよ!俺だってあの二人のために!」
慎二「誰だよ…、あの犯罪者予備軍を呼んだのは…」
時臣「困ったものだ…実に醜い…」
切嗣「悪いが君は関係のない話だ帰ってくれ」
士郎「そうだよ!この人は悪い人じゃない!」
雁夜「ありがとう!俺!桜ちゃんと葵さんのためにがんばるよ!」
時臣「…」
ギル「はっはっはっはっは!駒が揃ったようだな!我を存分に楽しませろよ!」ハハハハハハハ
ライダー「なにを言う?お前も参加するのだぞ?」
ライダー「我らのためではないぞ?」
ギル「なに?」
ライダー「世の万物は全て貴様のものなのであろう?なら、我らがそれを奪い合おうとしているのを
ただ黙って見物するというのか?まさか…英雄王が聞いて呆れる」
ギル「ほざくな雑種!いいだろう、貴様ら雑種共があの賞金を手に入れれるとは思えない…。我が
手に入れる!我についてこい!雑書共!」
切嗣(英霊はどいつもこいつも何でこんな…)
男どもの課題曲決まってないけど
案があれば!候補にいれたいです!
ランサー「ケイネス殿!何ですか!その足の動きは!」
ケイネス「す、すまない…ランサー、もう一度はじめから頼む」(いや…単純にまだ完治してないだけで…)
アーチャー「士郎!ステップが甘いな!もっとこう…」
切嗣「君も人に言えるほど出来ていないがな…」
アーチャー「ほう、俺より上手いというのか?」ジリジリ
士郎「ちょっと!二人とも!!喧嘩は!!」
ライダー「ほう!これはすごい!お主!見事だ!」
ギル「ふん、踊りなど!お安い御用だ!なんだ?ライダー。その動きは…」
ライダー「はて?こうではないのか?」
ギル「違う!!ちゃんと我が教えた通りにしろ!!」
言峰(教会がぶっ壊れる…)
セイバー「」ぐぅぅぅぅぅ
藤村「ふぅ…さすがに疲れちゃったわね〜。みんな!休憩しましょ!」
全員<ハーイ
葵「みなさん!おにぎりもって来ましたよ。さぁ!たべてください!」
セイバー「おぉぉ!葵殿!早速!いただきます!」
ウェイバー「はぁ…。辛い…、僕やっぱりみんなの足を引っ張ってるのかな?」
ジル「そんなことないですぞ!それに目的を履き違えてはいけませんよ!」
ウェイバー「え?」
私たちがカーニバルに参加するのは賞金が目当てというわけではない。
私達の周りの大切な人への日ごろの感謝を踊りで伝える!っていう
目的ではないですか!賞金なんて二の次です!」
ウェイバー「確かにそんなこと言ってたなぁ」
ジル「良いですか?ウェイバー殿は誰の足も引っ張っておりません!」
アイリ「そうよ?ウェイバーくんは一生懸命がんばってる!それでいいじゃない!」
ウェイバー「アイリスフィールさん…はい!僕もっとがんばります!ライダーに僕の全力をみてもらいたいし!」
それに比べて男どもときたら
士郎(セイバー…俺はセイバーを信じてる!けど…)
ケイネス(なんとしてでも…賞金を手に入れて…ソラウに振り向いてもらわなければ)
慎二(桜…家出なんて…絶対に許さないからな!!)
切嗣「思っていたより皆真剣ですね」
時臣「ふふ、青春ってこんな感じなのか?」
雁夜「魔術の道に進んだお前にはわからないか?このみんなで何か一つのために団結する楽しさを!」
時臣「なぁ、衛宮。君はどう思う?」
切嗣「いいんじゃないか?僕は嫌いじゃない」
時臣「そうか、さて練習に戻ろう」
雁夜「おい!無視するな!いいこと言ったぞ!俺!」
桜(兄さん…少しは優しくなってくれるかな?)
凛(アーチャーに日ごろの感謝を伝えるチャンスなんて滅多にないわ!頑張らなくっちゃ!)
ジル(竜之介!待っていてください!このジル・ド・レイ、最高のクールをお見せします!!)
ソラウ(らんさぁぁぁ!らんさぁぁ!!!!!!!!!らんさぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)
アイリ「いいわね〜みんな良い顔してる♪」
藤村「そもそも、このカーニバルにはプロも参加するわけだし…
賞金なんてねぇ…ふふ、無理無理」
葵「ふふ、そうね〜でも、楽しいです!」
藤村「よぉし!がんばるぞぉぉぉ!!!」
セイバー「あ、あの…士郎…」モジモシ
士郎「どうしたの?セイバー」
セイバー「これ、チケットです…明日、私が参加するんで!よければ…そのぉ…」モジモジ
士郎(え?どういうことだろう…やっぱり、ドッキリ?)
士郎「あ、ありがとう!セイバー!絶対見に行くよ!」ニコッ
セイバー「本当ですか!うれしいです!」
士郎(まずいな…なんかすごい嫌な予感が…)
士郎「というわけなんだけど…」
切嗣「僕もだ…」
言峰「これは…一体…ギルガメッシュ!我々に黙って賞金を山分けというのは!」
ギルガメッシュ「知らん!我は知らん!」プイッ
時臣「いまさら辞退するわけにも…」
ライダー「とにかく、明日になれば全ての真相がわかる!それに…今日はもう遅い
皆、明日に備えてこの辺にしておくとしよう」
司会「えぇ、それでは次のグループは藤村大河さん率いる…タイガー・ファンタズムのみなさんです!!」
http://www.youtube.com/watch?v=GI-AeHFJ_hE&feature=related
全員「きみ〜と!一緒が〜一番!好きよってもっとぎゅぅっとね♪」
セイバー(見てますか!?士郎?)
凛(アーチャーどこかな?)
切嗣「きっと初めから賞金なんて興味なかったんだな」
時臣「単純に私達に見て欲しかった…っか」
ケイネス「あぁ…!ソラウ!私はここだぞ!」
ソラウ(げ!あんたじゃなくて!ランサーに歌ってるのよ!)
竜之介「旦那ぁぁ!超クールだぜ!!!最高だよ!!」
ジル(おぉ…竜之介!)
ライダー「坊主!なかなかやるじゃないか!素晴らしい動きだ!」
ウェイバー(ライダー!僕の感謝の気持ち伝わってるかな!?)
ギル「はっはっはっは!セイバー!我もお前と一緒が一番だぁぁ!!」
雁夜「葵さん!桜ちゃん!秘密の場所って!?行きたい!つれてって!!!」
言峰(馬鹿か?こいつら…)
セイバー「士郎!どうでしたか!日ごろの感謝の気持ち伝わりましたか!?」
士郎「うんうん!最高だったよ!ありがとうセイバー!」ニコッ
セイバー「士郎///よかった//」
アーチャー「素晴らしかったぞ、凛。」
凛「アーチャー///」
切嗣「アイリ、イリヤ…そして舞弥。本当によかった」ウルウル
アイリ「切嗣ったら…もう!しっかりしてよ!ふふ」
舞弥「よろこんでいただけて嬉しいです。」
イリヤ「パパ!どこがよかった!?どこが可愛かった!?」
切嗣「そうだね、また後でゆっくり話そう」ニコッ
司会「それでは、続きましてギルガメッシュ率いる…AUOの皆さんです!」
士郎「えぇと…話はあとで…」
アイリ「ちょっと!なんで切嗣も出るの?説明して!」
切嗣「困った…これは困った」
ギル「雑種共!!我らの華麗なる踊りで!賞金をいただくぞ!」
アイリ「へ〜、そういうこと…」ジーッ
凛「あんた…サイテー」
アーチャー「まて!これは…違うんだ!凛!」
葵「踊りが終わったらお話があります」ニコッ
時臣「あ、あぁ…」アセアセ
桜「兄さん…」
慎二「な、なんだよ?桜…怖いよ…」
桜「兄さん…」
慎二「ひえぇぇ!!」
司会「あのぉ…そろそろよろしいでしょうか?」
ギル「構わん!いくぞ!雑種共!」
司会「それでは改めまして!AUOの皆さんで曲はFellowsです!」
http://www.youtube.com/watch?v=IFw31MAgl28
おしまい
本編では真面目に聞いてなかったけど
今聞き返したら
最高じゃねぇか!!
桜かわいい
今日のzeroの放送が終わった後の雁夜ファンの反応が楽しみでならんよ
はっはっはっ愉悦愉悦
Entry ⇒ 2012.06.04 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
恒一「有田さんがモテまくる現象……?」
恒一(わざわざ念を押さないでほしいなぁ……)
久保寺「それでは、あの席へ」
恒一(二人欠席……? 一番窓際の列の、一番前と一番後ろ)
江藤「……そんな事より先生! それで松子は何で休みなんですか!」
恒一(転入生をそんなことって……)
江藤「そうじゃなくてっ! ……っ!? う、うぅ……」
久保寺「落ち着いたようですね、それでは、授業まで静かにしていてください」
恒一(何か……わけあり?)
勅使河原「ほぁー、サカキって頭良いのな」
恒一「そうでもないよ。それに、ちょくちょく入院もしてるから」
風見「是非とも、クラス委員としてこのお調子者の更正を手伝ってほしい限りだ」
勅使河原「おいこら」
望月「体はもういいの?」
恒一「体育は、当分見学だね」
江藤「…………」
恒一(さっきの子、ずっと俯いてる)
キーンコーンカーンコーン
江藤「…………ッ!」
恒一(さっきの子、終わった途端に走って帰っちゃった……)
多々良「……ねぇ、悠、大丈夫かな?」コソコソ
佐藤「……あの子は、もう始まっちゃってるから」コソコソ
多々良「でも、あれじゃ、有田さんが……」
佐藤「しっ、それ以上はダメ」
勅使河原「おーっし、サカキ! せっかくだから、学校案内と行こうぜ!」
恒一「ねぇ、勅使河原君。望月君の後ろの席の子、何て名前なの?」
勅使河原「うん? あぁ、江藤か。えっとたしか……江藤悠だったはずだぜ。でも一体何でそんな……あ」
望月「勅使河原君! ……それ以上は……」
勅使河原「えっと、まぁ、それはおいおい説明するとして、まずは学校見学と行こうぜ!」
恒一「勅使河原君、なんでそんな風にはぐらかすのさ!」
風見「その質問には、僕が答えるよ。残念な事に担当者が欠席だからね。でも、ここじゃ問題だから、学校見学の途中で」
恒一「それで、一体江藤さんはどうしたの?」
風見「君は、呪いとかって信じるかい?」
恒一「普通だよ」
勅使河原「このクラスは今な、呪われてるんだ」
風見「勅使河原、いったん僕から離れた方が……」
勅使河原「あぁ……いや、大丈夫だ。俺が欠席だって、そう簡単に落とされやしないぜ」
風見「……わかった。気をしっかり保てよ」
勅使河原「お前もな」
風見「すまない、話がそれてしまったね。……単刀直入に言おう、このクラスは「恋」の呪いにかかっているんだ」
風見「26年前、ある生徒が三年三組にいた。彼はもの凄くモテた。夜見山内外から毎日ラブレターが届くほどね。ただの中学生でありながら、人気はアイドル並だったらしい」
風見「羨ましいと思う? そう、その通り、彼は嬉しくもなんともなかった」
風見「クラスでももちろん彼……あぁ、性別はわからないから、便宜的に彼と読んでいるんだ。クラスでも彼の事が大好きな生徒はいっぱいいたらしい」
風見「告白なんて日常茶飯事。危うく暴行を受けそうになった事もあるらしい。そんな彼は、人生を諦めた」
風見「それから、三年三組には呪いが起きるようになった」
風見「特定の生徒に対して、毎月一人以上が恋愛感情を持つようになる。そんな呪いだ」
風見「最低でも12人。最高記録……と言っても複数回あったんだが、多いときはクラス全員が、その生徒を好きになった」
風見「生徒の性別、「始まった」生徒の性別は関係ない。男女問わず、その呪いは降りかかる」
風見「「始まった」生徒は、そんな事には気付けない。「始まってない」生徒は、モテまくる生徒が気に入らない」
風見「それはもう、居たくも無いクラスだろうね」
恒一「その生徒が……有田さん?」
勅使河原「言うな! まだ説明は終わってねぇ!」
風見「唯一、「いないもの」を作る以外にはね」
風見「その、モテてしまう生徒を「いないもの」として扱うんだ。そんな生徒はクラスにいない。そう自分に信じ込ませる」
風見「いないものに恋は出来ない……まぁ、結局、その子を好きにならなければ良いんだ。現にその対策が発案されてからは、毎年「始まる」生徒は少ない」
恒一「じゃあ、江藤さんは「始まった」って事?」
風見「……辛いことに、毎年誰かが「始まる」までは、誰が「いないもの」になるべきかはわからない」
風見「最初の一人からすれば、自分の好きな人が、よくわからない理由で無視されているんだ。一年間、辛いだろう」
風見「だから、君もその、「いないもの」が登校してきても、反応をしないで欲しい。君が反応する事で、周りの生徒も気にしてしまう。それは危険なんだ」
恒一「……信じようが無いけれど、とりあえず、言われた通りにはするよ」
風見「……ありがとう。クラスの代表として、お礼を言うよ」
勅使河原「おうし! ちょっと望月もいるであろう美術部でも覗くか!」
恒一「美術部は勘弁してほしいなぁ……」
風見「あぁ、三神先生がいたら大変だもんね」
恒一「うん、覗きにきましたって言うわけにも行かないからさ……」
勅使河原「ちぇー」
望月「おはよう、榊原君」
恒一「うん、おはよう」
恒一(昨日欠席だった場所は……一番前は病院にお見舞いに来てくれた赤沢さんだな)
恒一(そして、一番後ろが……有田さん)
恒一(思ったり、普通な子だ……その二つ前に座ってる眼帯の子の方が、よっぽど不思議なオーラが出てるよ)
江藤「あ…………」
恒一(江藤さん、有田さんをチラチラ見てる……)
望月「ねぇ、榊原君。家での三神先生ってさ……」
恒一(やっぱり、無視しなきゃいけないのは辛いんだろうな……)
望月「僕が思うに、パジャマが似合うと思うんだよね。それも、出来るだけかわいい系の」
恒一(こういう様子を見てると、嘘であってほしいのに、本当だとわかるな……)
望月「ほら、やっぱりあのキリッとした三神先生だからこその……ねぇ、榊原君聞いてる?」
恒一「え?」
有田「…………」スタスタ
恒一(お弁当持って、どこかに行っちゃった)
江藤「…………っ!」タタタタ
赤沢「……待ちなさい、悠」
江藤「……赤沢さん」
赤沢「どこにいくつもり? トイレなら反対側よ」
江藤「……赤沢さんには関係ない!」
赤沢「大ありよ、「始まっている」とはいえ、貴方があんまりそういう事をするなら、私も何かしらをしなくちゃいけない」
赤沢「貴方は加害者になりたいの? 「あの子」はそんな事、望まないわ」
江藤「っ! …………いやだよ、そんなの」タタタタ
風見「今度は止めないのかい?」
赤沢「今度は、「あの子」とは逆方向に走っていった。悠だって、わかってはいるのよ」
赤沢「……今の会話は、皆忘れて。……それと榊原君、あとで話があるんだけど、良い?」
恒一「? 良いよ」
恒一(なんだろう……呪い関係かな)
赤沢「風見君から、説明はしてもらっているのよね」
恒一「うん、多分大体の事は」
赤沢「そう、ならいいわ。病院でも自己紹介をしたけれど、私は対策係の赤沢泉美。何の対策かは、もうわかるわね?」
恒一「うん、有田さんを「いないもの」にしたりするんだね」
赤沢「風見君も、好きな人がいるから、そうそう落ちない自信があるんでしょうね。でも、クラスの中では、いつ自分が「始まる」か不安な人も大勢いる」
赤沢「釘を刺すようで悪いけれど、榊原君。くれぐれも、「あの子」の事を考えないでね。くれぐれも、何かしようと思わないように」
恒一「……わかってるよ、昨日聞いた。でもね、赤沢さん」
赤沢「何?」
恒一「さっきの江藤さんとの会話、もっと言いようは有ったと思うよ」
赤沢「……反省はしてるわ。冷たく言い過ぎたと思う。でも、言ってる事は間違ってると思わない」
恒一「そっか……僕に対しての用は、説明を受けたかの確認と、釘を刺すだけ?」
赤沢「……ええ、そうよ。これからこのクラスでやりづらいでしょうけど、耐えてね」
恒一(本当だよ)
恒一(赤沢さんはクラスに入ってっちゃうし、僕はなんだか居づらくて出てきちゃうし……って、あれ、江藤さん?)
江藤「…………」
恒一「……江藤さん、お昼食べないの?」
江藤「説明は受けたんでしょ、私に話しかけないで」
恒一「そう言われても、君をいないもの扱いしろなんて、僕は言われてない」
江藤「私はもう「始まってる」の! いつあの子の事を口にしちゃうかわからない。だから……」
江藤「……名前、言って良いの?」
恒一「僕はほら、転校生だから好きになりようがないからね」
江藤「……一目惚れだってあるかもしれないよ」
恒一「それなら、とりあえず第一関門は突破出来たみたいだね」
榊原「だった……?」
江藤「今は……わからない。三年三組になって、気がついたら松子の事が、恋人として好きになってて……そしたら、皆に「始まった」って言われて……」
江藤「私、わからないよ。自分の中では、自然に松子の事が好きになったのに、それが呪いのせいだなんて思えない。思いたくもない!」
江藤「私、耐えられないよ。私が好きになったせいで松子が「いないもの」にされて……松子もそれを望んで……そうなってからは、松子はよく休むようになったんだよ? 松子だって辛いのに……私は支えてあげる事も出来ない」
恒一「江藤さん……有田さんだって、わかってくれてると思うよ」
江藤「転校生の榊原君にそんな事、わかるわけ無いよ」
恒一「わかるよ。江藤さんさ、ずっと有田さんの事、チラチラ見てたよね」
江藤「うん……」
恒一「有田さんもね、見てたんだよ、江藤さんの事。江藤さんにバレないように、江藤さんが見てない隙を狙ってね」
江藤「え……?」
恒一「さすがに僕には気づいてなかったみたいだけど、有田さんだってきっと、江藤さんの事が気になるんじゃないかな」
江藤「で、でも、そんなのただの予測で……」
恒一「じゃあさ、僕が聞いてくるよ。追いかけようとしたんだから、わかるんでしょ? 有田さんの居場所。江藤さんが聞けないなら、僕が聞く」
江藤「そ、そんな事をしたら!」
恒一「言ったじゃないか、転校生の僕が、有田さんの事を好きになるはずがない。僕はただ単に、このクラスの事が知りたいんだ」
江藤「で、でも……」
恒一「江藤さん。僕は何よりね、君が泣いてるのが嫌なんだ。それに、もしかしたら有田さんまで泣いてるのかと思うと、どうにかしたいと思っちゃう」
江藤「え、あ……涙……」
恒一「お願い。今から授業をすっぽかしてまで有田さんを探すより、昼休みの内に有田さんに会えた方が、問題が起きない」
恒一「そっか、ありがとう」
江藤「ごめんね、巻き込んじゃって……私が、松子に恋をしなければ……」
恒一「それは違うよ、江藤さん。僕は自分から巻き込まれに行ってるし、それに……」
恒一「恋をしなければ、なんて嘘、ついちゃダメだ」
恒一「……時間も無いから、そろそろ行くね。また後でね、江藤さん!」タタタタ
江藤「…………榊原君」キュン
恒一「はぁっはぁっ……走るのは、やっぱ、ダメ、だね……」
有田「っ!?」タタタタ
恒一「待って! 有田さん!」
有田「……!」フルフル
恒一「江藤さんに聞いてきたんだ!」
有田「……悠ちゃんに?」
有田「せ、説明を受けてないの? 私に話しかけないで!」
恒一「聞いたよ。多分全部知ってる」
有田「なら何で……」
恒一「有田さんの気持ちを聞きに来たんだ」
恒一「江藤さんはね、心配してた。有田さんの事が好きになって、そしたらこんな事になって、有田さんと満足に話す事も出来なくなった。だから、責任を感じてるし、有田さんが辛そうにしてる事を心配してる」
有田「私、辛そうにしてる? 頑張って、皆に、特に悠ちゃんには、見つからないようにしてたのに……」
恒一「普通さ、こんな状況になって、辛くない人なんて、いないんじゃないかな」
有田「でも、私のせいで、皆が呪われるなんて……嫌だよ。悠ちゃんが呪われるなんて、すっごく嫌なのに……」
恒一「……江藤さんの事、心配?」
有田「心配に決まってるよ! ずっと一緒にいた親友と、途端に話す事も出来ない状態になっちゃって……それに、悠ちゃんは、呪いのせいで、私の事が好きになっちゃって……」
有田「それが本当なら、私なんかより、もっと辛いと思う。それでも、私に話しかけないように、必死で耐えてくれてる」
有田「っ!? そんな……!」
恒一「でも、有田さんも同じくらいそうなんじゃないかな。少なくとも僕には、そう見える」
有田「わ、私は、「いないもの」になってればいいんだよ。そんな事……」
恒一「なれてないよ、「いないもの」に」
恒一「初対面の僕に対して、江藤さんの名前を出された瞬間に、色々喋っちゃうんだもん。それってさ、有田さんもそれくらい追い詰められてたって事だよね」
有田「…………」
恒一「何で、他に方法が無いなんてわかるの?」
有田「だって「いないもの」以外に今まで……」
恒一「僕が言いたいのは過去の話じゃない、これからの、未来の話だよ」
恒一「「いないもの」だって、所詮は自己暗示みたいな物だ。なら、自己暗示の仕方なんて、他にもいくらでもある。いっそ、有田さんと江藤さんは別に教室で授業を受けたっていい」
恒一「僕はね、二人の気持ちを聞いて、怒ってるんだ。「いないもの」なんてものに頼って、結局やってるのは、呪いを押しつけてるだけだ。それで親友と呼び合う二人が離されるなんて、納得行かない」
有田「そ、その気持ちは、素直に嬉しいよ……でも、榊原君はわかってないかもしれないけれど……榊原君がそう思う気持ちだって、呪いのせいかもしれないよ?」
恒一「有田さん、それは違うよ。僕は今、好意でも何でもなく、僕の価値観に反してるから、こう言ってるだけだ。……有田さん、君がそう言うのなら、僕はあえて君に言うよ」
恒一「僕は、君の事が別段に好きだと思ってない」
恒一「会ってまだ数時間。話してまだ数分間。それだけで、人を本当に好きには僕はならない」
恒一「一目惚れだって、先入観を持つだけで、本当に好きになるとは思ってない」
有田「……勘違い?」
恒一「「始まった」人の考えている事は、全部が全部、呪いの結果なの? 違うよね、呪いは恋をさせるけど、それだけだ」
有田「そ、それこそ、榊原君の妄想かもしれないよ。そんなの、転入してすぐの榊原君にわかるわけが…」
恒一「なら、「始まった」人の言葉なら、納得してくれる?」
恒一「そろそろ、出てきなよ、江藤さん。先に走って置いてっちゃったけど、そんなに時間はかからないはずだよね」
ガチャ
江藤「…………松子」
有田「悠ちゃんっ!」
江藤「呪いなんて、もう関係ないよっ! 私ね、思ったの。例え呪いのせいだろうと、松子の事が好きになった事を、悪い思い出にしたくないって」
江藤「呪いは怖いし、私だって、どこまで呪いの影響なのかわからないけれど、私は今、心から松子の事が好きなの」
江藤「昨日、松子が休んだ時にね、私、不安で不安でどうしようも無くて、授業が終わったら走って松子の家まで行ったんだよ」
江藤「でも、怖くて中に入れなかった。松子からすれば、松子の事を好きになった私なんて、気持ち悪くてもう友達じゃないのかもって、そう思ったら入れなかった」
有田「そんな事無いよッ! 私だって、私のせいで悠ちゃんが呪われて、勝手に自分の気持ちを変えられたりしたら、きっと嫌われてるって……」
江藤「それこそ、ありえないよぉ……私、私、松子の事が大好きだもん、一緒にいる事が出来なかったのに、嫌いになれなくって……ずっと私、寂しくて……」
有田「悠ちゃん……悠ちゃんっ!」ダキッ
恒一(……やっぱり、こうあるべきだったんだよね。変な形で、引き離す方がおかしかったんだ)
恒一(僕に出来る事があるとしたら、今は、二人をそっとしておいてあげる事だけだ)
恒一(それに、これからやらなきゃいけない事もある)
ガチャン
赤沢「で、榊原君から何の用?」
恒一「有田さんと江藤さんと話したよ」
赤沢「はぁっ!?」
恒一「クラスのルールを破ったのは謝る。ごめん。でも、間違った事をしたつもりは無いよ」
赤沢「あなた、そんな風にッ!」
恒一「君は、率先して有田さんを「いないもの」にして、事態を治めようとしたの?」
赤沢「……「いないもの」は、クラスの中で多数決を取ったわ。票は割れたけど、それでもクラス全体で決めた事よ」
恒一「僕は、君自身の意見を聞いてるんだ」
赤沢「私は……「いないもの」に賛成したわ」
恒一「……他に案は考えなかったの?」
赤沢「考えたわよ。でも、一番可能性があるのが、あの方法だった」
赤沢「無いわ。事実、4月の「始まった」人は江藤さんただ一人だった。あれは成功しているもの。これ以上変える必要は無い」
恒一「……なら、僕個人でやる」
赤沢「待ちなさい、あなた、一体あの二人と何を話したの?」
恒一「何も、ただ、二人が面と向かって話す機会を作っただけだよ」
赤沢「そんな事をしてっ!」
恒一「そんな事をして、どうなるの? 何の為に、わざわざ廊下に赤沢さんを呼び出したと思う? 二人は今、屋上で話してる。もうすぐ鐘も鳴るし、見つかる事は無いだろうね」
恒一「しいて言うなら、君が「始まる」くらいだよ。でも、君にこの事を伝えないでいるよりは、君にとってマシだと思ったけど、違う?」
赤沢「私の事じゃないわよ! 貴方が「始まったら」どうするつもり?」
恒一「どうもしないよ。ただ有田さんが好きになるだけじゃないかな」
赤沢「それが大問題じゃないの」
恒一「問題なのは、僕だけじゃないかな。その時は、僕も「いないもの」にすればいい。むしろ今からだって江藤さんも「いないもの」にする方が良いくらいじゃないかな」
赤沢「……それは考えていたわ。でも、結果的に12人が「始まる」呪いは、最後には影響が大きすぎるの」
赤沢「数年前の事例はそうしようとして、クラスの1/3が「いないもの」になり、破綻した」
赤沢「それよりは、最後まで被害の少ない、呪われた生徒だけを「いないもの」にする方が、ずっとマシよ」
恒一「なら、「いないもの」を別のクラスにすればいいんじゃない?」
赤沢「それは、学校の協力が必要になりすぎるの。そこまでやるには、学校にも大義名分がいる。それに、今の校長は呪いについてはからっきしで……」
恒一「……思ってたより、赤沢さんも考えてたんだね」
赤沢「そうよ……と言いたい所だけど、ほとんどが受け売りよ」
恒一「受け売り? 誰の?」
赤沢「第二図書室の、千曳先生。二十六年前の三年三組の担任で、今は図書室の司書をしているわ。呪いに関しては、誰よりも詳しいと思う」
恒一「第二図書室……美術部のある校舎の方だよね?」
赤沢「ええ、そうよ」
恒一「ちょっと行ってくる」タタタタ
赤沢「はぁっ!? ちょっとっ! 授業っ!」
恒一「はぁっはぁっ……失礼します、千曳先生って……」
千曳「何だいその尋常じゃない焦りっぷりは。君は、たしか……」
恒一「三年三組の転入生の、榊原恒一です」
千曳「あぁ、君が……」
恒一「お願いしますっ! 二十六年前の三年三組の話と、今までの対策について、僕に教えてくださいっ!」
千曳「……まったく、授業中だと言うのに。……だが、その様子だと、事情もありそうだ。教員免許があろうと、今の私は教師では無いからね、注意はしないよ」
千曳「そうだね、何から話せばいいか……」
恒一「はい、その、ついでと言ってはいけないんですけど……もしかして理津子って生徒は……」
千曳「理津子君? あぁ、いたよ。……君は、もしかして」
恒一「僕の、お母さんです」
千曳「そうか……君のお母さんも、三年三組だったよ。そして、深く関わっていた。夜見山岬君ともね」
恒一「夜見山岬……?」
千曳「そして、彼の事を好む生徒はたくさんいた」
千曳「悔しいばかりだよ。私も必死で彼の精神面のサポートをしていたが、結局助けてやる事は出来なかった」
千曳「男女問わずに好まれ……いや、恋をされていたと言っても、あの時を知っている人なら、誰も否定は出来ないだろう」
千曳「まぁ、その辺りは、君も知っている通りだ。君のお母さんは、彼の生前に、クラスの中で唯一、恋をしていなかった生徒だ」
千曳「正直な所を言うとだね、彼等の関係を正しく説明するのは、今でも難しい事なんだ。理津子君と岬君の関係は、ある種の愛だったと言っても良い」
千曳「……君のお母さんについて、そんな風に言うべきでは無かったね。すまない。彼女はとても正義感の強い子だったよ。さっき君が、ここに飛びこんで来たように、彼女も走って職員室に来たものだった。そして、私を呼んでくれた」
千曳「そっくりだったよ。彼女は、自分の手でどうにか出来る問題は、必ず自力でどうにかした。彼女のいるクラスで、ささいな問題は、担任の耳に入る必要も無く、無事に片付く」
千曳「だが、彼女の身に余る問題も、あった。特に、岬君の問題なんかがね」
千曳「クラス内の色恋沙汰なら、ある程度彼女もカバーできたが、岬君がらみはそうもいかない」
千曳「狂信的、と言えば聞こえは悪いが、事実、彼の周りに取り囲む色恋沙汰は、そうだった」
恒一「ええ、お願いします」
恒一(これが……お母さん……怜子さんに、やっぱり似てるな)
千曳「二十六年前は、そんな所だ。今でもはっきり覚えているよ。岬君のお葬式の場で、彼に恋した人が泣き喚いている中、彼女だけが、静かに手を合わせ、その怒りを抑えながら泣いていた姿をね。彼女は自分の不甲斐なさが許せなかったんだと、私は思う」
千曳「その後取られた対策は……「いないもの」を筆頭に、数多くがあるね。だが、呪いを止めたとなると……十五年前、か」
恒一「十五年前、何が有ったんですか?」
千曳「私にも、事実は分からない。だが、あの年は、結果として、「始まった」のは四名だけだった」
恒一「怜子さんに、ですか」
千曳「あぁ。彼女は、十五年前の三年三組の生徒であり、その年の「呪われた生徒」だ」
恒一「怜子さんが……っ!?」
恒一「おかえりなさい……怜子さん、十五年前の話、聞かせてもらってもいいですか?」
怜子「……赤沢さんから聞いたわよ……というか、恒一君達三人がいない間に、クラス会議があったの」
恒一「何か、決まったんですか?」
怜子「……貴方達三人を「いないもの」にするって」
恒一「そうですか」
怜子「思ってたより平気そうね」
恒一「有田さんを一人だけ「いないもの」にするよりは、ずっと良いと思いますから」
恒一「……一五年前は、どうやって途中で止めたんですか?」
怜子「……わからない。本当にわからないの。夏休みに何かをしたのは覚えてるんだけど……そこから先は、どうやっても思い出せない」
恒一「そうですか……」
怜子「落胆しないの、ほら、さっきも言ったでしょ、血は争えないって」
怜子「実は、心当たりのありそうな人に、もうすぐ会うの。私だって、姉さんの妹だよ。何もしてないわけないじゃないの」
恒一「怜子さん、ありがとうございます!」
怜子「こらから、学校はいろいろ大変だと思うけど、頑張ってね」
恒一「おはよう、勅使河原君」
勅使河原「……………………」
恒一「あぁ、気にしないで、わかっててやってるから」
勅使河原(やるなよ……)
恒一「「いないもの」か、たしかに不思議な気分だね」
江藤「おはよう、榊原君」
有田「おはよう! 榊原君っ!」
恒一「おはよう、二人とも。ごめんね、いろいろあって、江藤さんも「いないもの」にしちゃって……」
江藤「ううん、私も皆にそうしてもらおうと思ってたから、何だか先を越された感じかな」
有田「そ、それよりも、榊原君まで……」
榊原君「僕は良いんだ。自分からやった事だから。二人は仲直り出来たんだね?」
有田、江藤「うん!」
恒一「それはよかった」
勅使河原(何で、俺を挟んで会話するんだ……)
江藤「私はいいよ? 次の授業は、そこまで大事でも無いし」
有田「私も大丈夫だよ。悠ちゃんみたいに、大事じゃないとは……言えないけれど」
恒一「そっか、じゃあ行こうか」
屋上
恒一「えっとまず、報告なんだけど、もしかしたら、呪いを止める方法があるかもしれない」
江藤「本当っ!?」
恒一「事実、十五年前は止まった。それについては今、調べてもらっているんだ」
有田「止めれるかも、しれないの?」
恒一「絶対とは言えないけど、ね。それともう一つ。近い内に僕達は、別の教室で授業を受けることになると思う」
恒一「れいこさ……三神先生のおかげというか何だけどさ、その、元々こういう時の為に、三神先生は校長の弱みを握ってたらしくて……是が非でも、そうするってさ」
江藤「三神先生……そんな人だったんだ……」
恒一「だから、呪いの止め方がわかるまでは、この三人で授業を受けることになるね。……あぁ、僕お邪魔かな?」
有田、江藤「そ、そんな事無いよっ!」ハモリ
恒一「え、あ、そ、それならいいんだけど……本当に良いの?」
有田、江藤「良いの!」ハモリッ
恒一「空き教室に三つだけ机と椅子が並ぶと、寂しいね」
有田「仕方無いんじゃないかな?」
江藤「そうだよ。気にしたら負けだよ!」
恒一「それはそれでおかしいと思うんだ」
恒一「でも、千曳先生が呼ばれるほどなんですね」
千曳「職員は増やせないからね。ところで榊原君、君、前の学校ではどこまで授業が進んでいたんだい?」
恒一「一応、高校の頭までは……」
千曳「なら、大丈夫だね」
恒一「……何がですか?」
千曳「何、このクラスは基本的に、私がこうやって監督をするだけで、自習をしてもらうんだ」
千曳「榊原君といういい先生がつきっきりで教えてくれるんだ。二人とも文句は無いだろう?」
有田、江藤「はいっ!」
千曳「良い返辞だ」
恒一「えっと三角比ってのはね……」
江藤「ねぇ、サインって何? 名前でも書けばいいの?」
恒一「サインは正弦でね……」
有田「ルート3って、2よりおっきいの?」
恒一「ルート3は1.732……で「ひとなみにおごれや」って覚えると良いよ」
江藤「コサインって何? サインの子分?」
恒一「コサインは余弦で、もうすぐ出てくるタンジェントは正接だよ」
有田「ね、ねぇ、これ何?」
恒一「えっとこれはね……」
千曳「はっはっは、若い頃を思い出すね」
有田「悠ちゃんもう帰る?」
江藤「んー、やっぱり三組の人と下駄箱で鉢合わせになるのは嫌だしなぁ……」
有田「それもそうだね……なら、何してようか」
恒一「有田さんと江藤さんって、家は近いの?」
江藤「うーん、近からずも遠からず?」
有田「私が朝見台で悠ちゃんが原河町だから……うーん」
江藤「榊原君、地名聞いてもわけがわからない。って顔してるね」
恒一「さすがにね、朝見台はなんとなくわかるけど……」
有田「なら、榊原君を案内してあげるよっ!」
恒一「ちょっと高台なんだね」
江藤「勅使河原君と風見君は、たしかこのあたりかな」
有田「ここが御先町!」
恒一「普通に住宅街だね」
江藤「見崎さんは、この辺りのはず……」
恒一「見崎さん?」
江藤「松子の二つ前で、眼帯つけてる子」
恒一「あぁ、あの子か」
有田「見崎ちゃんだから御先町なのかな?」
江藤「それはあんまり関係無いんじゃない?」
恒一「なんでそんなにコソコソしてるの?」
江藤「このあたり、赤沢さんが住んでるから。ほら、やっぱり特に気まずいんじゃない?」
有田「う、うぅ……」
有田「ここが朝見台!」
恒一「朝見台に来たのに、夕日が綺麗だね」
江藤「せっかくなら、その辺も計算して夕見ヶ丘に行けばよかったね」
有田「うーん、えっと、じゃあ、私の家に上がってく?」
有田「うん! すぐそこだよっ!」
恒一「いや、でも、ほら、突然行ったら悪いしさ……」
有田「……来ないの?」
恒一「いやぁ、家族の方の迷惑になっちゃうし……」
有田「お父さんは今、海外に出張中で、お母さんは北海道に出張中だから、大丈夫だよ!」
恒一「そうなんだ、じゃあ有田さんは一人暮らしなの?」
有田「うん! だから、来てくれると嬉しいなっ!」
恒一(怜子さん、何て言うかな……)
江藤「女の子の部屋に入るチャンスだよ」ボソッ
恒一(危険は、侵す為にあるよね!)
恒一(女の子の部屋……やっぱり怜子さんの部屋とは違うな……)キョロキョロ
江藤「興味津々だね」
恒一「や、やっぱりキョロキョロはすべきじゃないよね!」ギクッ
江藤「松子はそんなに気にしないと思うよ? それに、たしかこの辺に松子の隠してた……」
ドタバタドタバタガチャン
江藤「何それ?」
有田「た、たしかバスケのルールで、触ったらダメ! みたいな奴?」
恒一「あんまりわかってないんだ」
有田「えへへ……とりあえず、そこはダメだよ、悠ちゃん」
江藤「じゃあ、何が入ってるか口頭で……」
有田「ゆ、悠ちゃん! そんなに喉が渇いてたなら、行ってくれれば良いのに! ほら! お茶っ! 飲んでっ!」
江藤「えっ、ちょ、まっ、んぐっ!? んく……んく……んー」バンバン
恒一「だ、大丈夫なの?」
有田「言う気が無くなるまで、口を放しちゃダメだよ、悠ちゃん」
恒一「あ、有田さん! 一人暮らしって事は、料理は出来るの?」
有田「んー、一応、かな。……あんまりおいしくは無いんだぁ……」
恒一「そっか、僕もね、前の学校では料理研究会に入ってたんだ」
有田「本当っ!? じゃあ、私に料理を教えてっ!」テヲニギッ
恒一「あ、有田さんっ! そんなに勢い良く放すとっ!」
有田「え、あっ! きゃぁっ!?」
バシャァー
江藤「まー、つー、こー」
江藤「びしょびしょになったのは誰のせいだぁっ! 必殺びしょびしょ抱きつきだぁ!」ギュウ
有田「つ、冷たいよ悠ちゃん!」
江藤「妖怪マツ公になるまでこうしてやるぞぉ!」
恒一「あ、あの、二人とも、風邪ひくよ?」
江藤「はっ……」ビショビショ
有田「あっ……」ビショビショ
恒一(女子の部屋に、男子を一人にしていいものなの!?)
恒一(観察しちゃダメだ! ほのかに漂う香りに、必死に鼻を動かしちゃダメだ!)
恒一(ベットの皺が物凄く気になったり、タンスから少しだけはみ出てるピンクの何かが物凄く気になったりするけど、気にしちゃダメなんだー!)
恒一(平常心、心頭滅却すれば火もまた涼し、明鏡止水……そういえば、さっき江藤さんは、有田さんの何を……)
恒一(親指の先くらいの、白い宝石?)
江藤「月長石……ムーンストーンって言った方が良いかな」
恒一「う、うわぁっ!? 江藤さんいつからそこにっ!?」
江藤「榊原君が、ベットの皺を食い入るように見てたあたりから」
恒一「着替えるのが速いんだねっ!」
恒一「でも、この宝石が、何であんなに秘密なの?」
江藤「んー……まぁ、うん、昨日、仲直りの印に二人で買ったんだ。それは、松子の買った奴」
恒一「女の子っえ、こういうの好きだよね、何か意味の有る宝石なの?」
江藤「長寿とか健康とかまぁ、いろいろかな……純粋な愛とか」ボソッ
恒一「ん? 江藤さん何て言った?」
江藤「ほら、そろそろしまわないと、榊原君も妖怪にされちゃうよ」
恒一「う、うん? わかったよ」
恒一「どうしたの?」
有田「せっかくだから、私に料理を教えて、そのまま食べて行かない?」
恒一「そ、そこまでお世話になるわけには……」
有田「お願いっ! このままじゃ、いつまでたってもお嫁に行けないのっ!」
恒一「う、うーん、なら、料理の出来る旦那さんならいいんじゃないかな?」
有田「それは、そう言う意味なんだよねっ!!!」
恒一「? そのままの意味だよ?」
有田「……うん」ショボン
江藤「女の子の出来たて手料理」ボソッ
恒一「くっ……」
江藤「それを、その子の自宅で……」ボソッ
恒一「くうぅ……」
江藤「もちろん、両親は不在」ボソッ
恒一「ちょっと怜子さんに電話してくる」ガタッ
恒一「何でわかるのっ!?」
怜子「まぁ、何となくはわかるかな」
恒一「えっと、その、こっちで晩御飯を頂く事になって……」
怜子「へぇ……やるじゃない」
恒一「何もやってないよ!」
怜子「良いわよ。思う存分、楽しみなさい。帰る頃には電話してね。車で迎えに行くから」
恒一「いいの?」
怜子「泊まって行きたいの?」
恒一「それはダメだよ! ……たぶん」
有田「榊原君の!」
江藤、有田「料理教室っ!」ドンドンパフパフ
恒一(何でちっちゃな太鼓とラッパがあるの?)
有田「よろしくお願いします」ペコリ
江藤「します」ペコリ
恒一「江藤さんもなの?」
江藤「ううん、私は食べるだけ」
恒一「料理はしないの?」
江藤「料理の出来る人と共に生きれば問題ないよね?」
恒一(だから、僕に有田さんの料理を改善してって言ってるんだよね?)
有田「買い置きがあったから、カレーライスだよ!」
江藤「無難だね」
恒一「僕は手伝うよりも、有田さんの監視をしたほうが良いのかな?」
有田「か、監視するほどでもないよ!」
江藤「監視の方が良いと思う」
恒一「じゃあ、監視だね」
有田「私の意見はっ!?」
江藤「…………」ゴゴゴゴゴゴ
有田「ど、どう? だった?」
恒一(僕、あれだけしっかりみてたよね! 何でいろいろ間違った味なの!?)アイコンタクト
江藤(私にも、わからない……噂には聞いてたけど、実際に一人で作る所は見たことが無かったから)アイコンタクト
有田「え? やっぱり、ダメだった?」オロオロ
恒一(塩を間違えて砂糖ってわけでも無いのに、そもそも塩を入れた場面も無いのに、どことなく砂糖の味がするぞ?)
有田「…………」ウルウル
恒一(何が問題って、結果的に味は、食べられない物ではないってところだ。なんとなく砂糖の味がするけれど、おいしいわけじゃないけど、食べる事が苦じゃない……だからこそ、コメントしにくい)
有田「や、やっぱりおいしくないよね。自分じゃあんまりわからないから、気が利かなくてゴメンねっ」
江藤、恒一「待ったッ!」
恒一「有田さん、お金は半分出すから、これから毎日夕飯は僕が指導するよ。一朝一夕に終わらせない。有田さんは、僕がお嫁に出せるレベルまで育てる」
江藤「とりあえず、おかわり」
有田「え、あ、ま、ままま毎日っ!? おかわりっ!? え? だってさっきまで……」
江藤「私は、食べる係だよ?」
有田「ゆ、悠ちゃん……」
有田「そ、それに榊原君、毎日って! 毎日っ!?」
恒一「一度よろしくお願いされたんだから、僕は負けない。目指すはクラス一位の料理上手だ」
有田「そ、それって榊原君を抜かないと!」
恒一「そうだよ、僕を越えるんだ。僕より料理上手になってみせるんだ、有田さん!」
有田「え、えええぇぇぇっ!!」
怜子「ん? もう帰ってくる?」
恒一「うん、食べ終えたから、ね。江藤さんも送ってこうかと思うんだけど、お願いしていい?」
怜子「もちろん良いわよ」
恒一「それと怜子さん、もしかしたら、いや、もしかしなくても僕、たぶん……」
怜子「「始まった」?」
恒一「うん、でも思ってたより、何も変わらないね、狂信的なんて聞いてたから、もっと変わるかと思ってた」
怜子「人によるのよ。本当に私生活まで変えちゃう子も、たまにいるの」
恒一「そっか……」
怜子「とりあえず、車でそっちに行けば良いかな?」
恒一「うん、あ、その前に、一つ質問」
恒一「ムーンストーン、月長石の意味って何?」
怜子「え、たしか、「純粋な愛」とか愛の象徴みたいなのが多いわね。あとら健康とかだったはずよ」
恒一「そっか、ありがとう。じゃあ、車待ってるね」
怜子「ええ、また後で」
恒一(純粋な愛……)
怜子「江藤さん、有田さん元気?」
江藤「はい、元気ですよ」
怜子「そっか……、江藤さんは、有田さんの事が好きなんだよね?」
江藤「はい。好きです」
怜子「恋愛感情?」
江藤「はい、恋です」
怜子「そう……、多分、これはあくまでも多分だけど、有田さんなりにも考えがあると思うの。この後、どうなろうと、それはわかってあげてね」
江藤「……それは、先輩としての助言ですか?」
怜子「うーん、一応、クラス担任としての助言かな。私は、さ、自分が呪われていた頃の記憶がどうも、ね」
恒一「クラス担任だったの!?」
江藤「気づいて無かったの?」
恒一「うん……」
怜子「そう、なら、これからはHRの時間くらいは顔を出そうかな」
怜子「千曳先生はどうしてるの?」
江藤「連絡事項が無い日は、何時までは教室にいろよー、とか言って帰っちゃいます」
怜子「……明日からでも、ちゃんと顔を出す事にするわ」
怜子「江藤さん、家このあたりよね?」
江藤「はい、そこの角を右に行って……」
江藤「おやすみ、榊原君」
怜子「夜まで遊んでいたからって、学校に遅刻しないようにね」
ブロロロロロロ
恒一「ねえ、怜子さん」
怜子「ん? 何?」
恒一「呪いの無い年も、あるんだよね」
怜子「ええ、あるわよ」
恒一「今年が、そうだって可能性は、あるんですか?」
怜子「江藤さんが、「始まった」わけでは無く、純粋に有田さんの事が好きになった、って事?」
恒一「うん、出来れば、そうあってほしいなって……絶対に呪いのせいとは限らないんですよね」
怜子「恒一君は、自分の事はどうなの? さっき電話で「始まった」のかもしれないって言っていたわよね?」
恒一「それは……だってさ、三人だけの同じクラスで、ずっと一緒に勉強してさ、そしたら、その……そう思ったって、おかしくは無いよ」
怜子「男子中学生らしい発想ね」
恒一「……そんなもんだよ。男子中学生って」
恒一「変ですか……」
怜子「……そう思いたい気持ちはわかるわよ。それに、それが無いなんて言わない」
恒一「じゃあ……」
怜子「ただ、それの答えは、呪いを解くか、6月の「始まる」人をがいなければ……あぁ、でも、「三年三B組」になった以上、どうなるんだろ?」
恒一「呪いを解く方法って、どうなったんですか?」
怜子「今度の週末に、会いに行くわ。一緒に来る? 彼も当事者を拒んだりはしないみたいだし、せっかくなら二人を呼んでもいいわよ?」
恒一「どこに行くんですか?」
怜子「市外の、海の近く……さすがにまだ五月だし、海には入れないわね。バーベキューくらいする?」
恒一「もう僕たちも行く気まんまんなんですね」
怜子「行かないの?」
恒一「……行きます。二人も誘って」
有田「う、うう海っ!?
え、どうしよう、水着とか何にも用意して、どこで買えば、どこでも売ってないよ!
その前にダイエットしなきゃ!
あ、でもせっかく榊原君と一緒に料理が出来るのに、朝は、やっぱりぬいちゃダメだし、お昼……今日いっぱい作っちゃったよ……
そもそも週末までにダイエットって……無理だよぉ!」
江藤「松子、普通に考えて、海に入れる季節じゃないよ?」
有田「あぁっ! 良かったぁ……」
恒一「……行く?」
有田「う、うん! お邪魔じゃないなら行くよ!」
江藤「行くよ。その方法ってのも、気になるし」
恒一「お邪魔にはならないよ。この人数なら、車にも乗れるし、日帰りだし、あ、でも、れいこさ……三神先生はバーベキューくらいはするかもって」
有田「バーベキュー! あ、でも、そんなにしてもらっちゃったら、お金とか……」
恒一「……その、ここだけの話なんだけど、どうやら三神先生、クラスの行事として行くらしくて……その、ね」
江藤「職権乱用とか、気にしなくていいの?」
有田「何で白く濁るの? 人の息には毒でも含まれてるの?」
恒一「有田さん、石灰水はそういうものだと理解してほしいな。それに、人の息に毒があったら僕たち死んでると思う。今回は、人の息に含まれる二酸化炭素だよ」
江藤「おたまじゃくしってさ、拡大すると可愛くないよね」
恒一「そりゃまあ将来はかえるだからね。って、そこは範囲じゃないよ! 理科便覧を見返して手を止めないで!」
千曳「ふむ……この本、尋常じゃないね」
恒一「先生も何か、手伝ってくださいよ!」
有田「おたまじゃくしって、かえるになるのっ!?」
恒一「待って、僕はそこから説明しなきゃいけないのっ!?」
江藤「お疲れ様、六時間もありがとうね」
恒一「うん、さすがに疲れたよ……」
有田「さ、榊原君! 今日の晩御飯、何が良い?」
恒一「うーん、僕としては、有田さんの買い物から監視しておきたいから、一緒に買い物に行こう。昨日の冷蔵庫の様子だと、どの道買いにいくよね?」
有田「う、うん! 一緒に行こう! 悠ちゃんも来るよね?」
江藤「……私は、食べる係。料理はしないよ?」
有田「うん、一緒にご飯を食べよ!」
江藤「松子……」キマシタワー
恒一「今日は、ラーメンを作ろうと思います」
恒一(これなら、材料を切って、麺をゆでるだけだ。何も入る余地は無い)
江藤「醤油? 味噌? 塩? つけ麺なんかもあるけど……」
恒一「そうだね、二人の意見を聞きたいけれど……」
有田「わ、私は、つけ麺がいいな! ほら、他のラーメンってどれも二人前で、三人だと食べづらいけど、つけ麺なら麺を一皿で出して、みんなで食べればいいでしょ!」
恒一「うん、いいんじゃないかな」
有田「良かった。一度やってみたかったんだ、みんなで一つのお皿から麺を食べるの」
恒一「有田さん、つけ麺の材料って他にある?」
有田「うーんとね、オススメはネギとかチャーシューとかあるよ」
恒一「じゃあ、それも買って帰ろうか」
有田「お湯を沸かしながら、野菜を切って……」
恒一(調味料は、キッチンから隔離した)
江藤(昨日のような油断はしない)
有田「スープ用のお湯も沸かして……」
恒一(とりあえず、おかしな所は無い)
江藤(……もうなんか、未知の領域)
江藤「何で作った本人が疑問系なの?」
有田「えへへ……ほら、ラーメンとかって、スーパーだと二人前でしか売ってないから、作るの始めてだったんだ。だから、ちょっと不安になっちゃった」
恒一「まぁ、とりあえず食べてみようか」
全員「いただきます!」
恒一(こ、これは……っ!?)
江藤(ど、どうして……っ!?)
江藤(どこに穴があった? どこで混入した?)ズルズル
恒一(いや、カレーと同じく、食べられないわけじゃないけれど)ズルズル
江藤(うーん、なんか、この味に慣れた?)
有田「こうやって、皆で晩御飯を食べるとおいしいねっ!」
江藤「っ! ……そうだね」
恒一「これが、有田さんの味だと思えば……これも良いね」
有田「もう帰っちゃうの?」
恒一「これから毎日だから、いつまでも怜子さんの車に頼るわけにもいかないし、江藤さんを送っていかなきゃいけないからね」
江藤「い、いいよそんなの。私も一人で帰れるし……」
恒一「それはダメだよ、江藤さんみたいな可愛い子が、夜道を一人で歩くなんて、あり得ない。そこは絶対に譲らないよ」
江藤「か、可愛いっ!?」
恒一「もちろん、有田さんも戸締まりはしっかりね。可愛い女子中学生の一人暮らしなんて、いつ襲われるか気が気じゃないよ」
有田「か、可愛いっ!?」
恒一「うわぁ、こうしてみると、やっぱり都会より星が綺麗だね」
江藤「都会はそんなに見れないの?」
恒一「んー、やっぱりこことは比較にならないよ」
江藤「そっか……それはちょっと、寂しいね」
恒一「こうやって見てれば、流れ星だって見えそうだよ」
江藤「意外と見えるよ? ……ほら! 今あっちに!」
恒一「え? ええ? 見逃したなぁ……」
江藤「気長に待つしかないよ。運が良ければ、すぐに見えるよ」
恒一「うーん……そんなもんなのかなぁ」
恒一「え? 星の事?」
江藤「んーん、違うよ。ちょっとコッチの事」
恒一「悩みがあるなら聞くよ?」
江藤「じゃあ……男としてさ、二股は悪だと思う?」
恒一「うーん、そこに悪意があるならそうだし、両方と秘密で付き合ってるとかはダメだと思うよ。でも、どっちも比べられないくらいに好きな事は、悪では無いんじゃないかな?」
江藤「そっか……うん、ありがとう。聞いてよかった」
恒一「そう? 役に立てたなら良いんだけど」
恒一「それじゃ、また明日、江藤さん」
江藤「……うん、また明日」
恒一「どうしたの?」
江藤「……どうもしてないよ。週末楽しみにしてるからね! また明日だよ恒一!」タタタタ
怜子「どうしたの?」
恒一「なんか、よくわからない……」
怜子「良い話?」
恒一「多分、良い話。でも……やっぱりよくわからない」
怜子「何がわからないの?」
恒一「……女心」
怜子「……へぇ」ニヤリ
怜子「と、いうわけで! 三年三B組修学旅行!」
恒一「修学旅行っ!?」
怜子「まぁ名前だけ、ね。恒一君は修学旅行に行ってないんだから、気分だけでもそうしておきなさい。本当は泊まりにしたかったんだけど……」
恒一「怜子さん……ありがとうございます」
怜子「いーのいーの、さ、二人は後ろに乗って。ちゃんと言っておいたもの、持ってきたわね?」
江藤「はい!」
有田「……はい」
恒一(何で有田さんは、あんなに自信が無さそうなんだろう?)
怜子「え? 恒一君も後ろよ?」
恒一「え?」
車内
有田「あはは、こうやって座ると、やっぱり狭いね」
江藤「そもそも、真ん中が一番でかい人なのは、おかしいと思うんだけど」
恒一「あはは……」ギュウギュウ
有田「きゃぁっ!?」ギュッ
恒一「うわぁっ!?」
江藤「うわ、速い……」ギュ?
有田「びびび、びっくりしたぁ……」ギュー
恒一「大丈夫?」
有田「さ、最初に驚いただけだよ! 私は大丈夫」ギュー
恒一(手は、放さないんだ……うん、いいんだけどね)
江藤「…………」
恒一「どうしたの? 江藤さん」
江藤「私が恒一って呼んでるんだから、恒一も悠って呼んで」
恒一「よ、呼び捨て?」
江藤「当然」ギュー
恒一(それだけ強く抱きしめられるとですね。いろいろ男子中学生な僕にも思うところはあるんですよ。有田さんの方もそうだけど、向こうは怖がって掴んだから、耐えるしかない。とりあえず、何が問題って、静まれ!)
江藤「だめ?」ウワメヅカイ
恒一「わ、わかったよ、悠」
江藤「それでよし」ギュウ
恒一(手は放さないんだ……)
恒一「ほ、ほら、そのさ、男子がいきなり呼び捨てって、勇気がいるというか……」
有田「だ、ダメなの?」ウルウル
恒一「だ、ダメじゃないけど……」
有田「呼んでほしいな、恒一君」
恒一「……松子」
有田「やったっ! ありがとう、恒一君!」
怜子(青春ねぇ……)
恒一「ここで、会うんですか?」
怜子「ええ、ここのプールでね」
恒一「え?」
怜子「言ったでしょ? 海には入らないって」
恒一「僕、聞いてないですよ? それに、二人にも泳がないって……」
江藤「昨日、突然「水着を持ってくるように」って、言われたよ」
有田「うう……」
恒一「そ、それに僕は水着を……」
怜子「私が持ってきたわよ?」
恒一「あ、はい……」
江藤「ま、松子っ!? タオルとった瞬間に飛び込まなくても……」
有田「だ、だって……お腹とか見られちゃうし……」
江藤「そんなに気にするほどじゃないよ?」
有田「悠ちゃんとは違うんだよぉ……」
恒一(二人とも、なんだかんだでビキニなんだな。怜子さん含めたら、三人とも)
怜子「なぁーにじろじろ江藤さんの後ろ姿を見てるの?」ニヤニヤ
江藤「なっ!?」
バシャーン
江藤「い、今のは……」
有田「えいっ!」バシャ
江藤「な、お返しだぁ!」バシャバシャ
有田「あはは、やぁっ!」バシャ
江藤「このっ!」バシャ
怜子「恒一君も入ったら?」
恒一「僕は、このまま少し、眺めてますよ」
怜子「それ、意味を取り違えると、ただの変態だからね」
江藤「早く来ないと、そこまで水をかけちゃうよ!」
恒一「ようし、ちょっと離れててね!」タタタタ
バシャーン!
江藤「あはは、一番水が跳ねたっ!」
有田「……そこだっ!」バシャ
恒一「う、うわっ! く、この!」バシャ
江藤「な、恒一、なんで私を!」バシャバシャ
怜子(うーん……)
怜子「いいえ、あの子達見てたら、待った気なんてしないわよ」
松永「……あの子達が、呪われた子と、「始まった」子か。呪われたのは誰だ?」
怜子「あの、元気そうな子よ」
松永「……へぇ、意外だな」
怜子「そう?」
松永「俺はてっきり、あの男だと思ってたよ」
怜子「ええ、私は覚えてないんだけど、皆が呪いが解けてからの貴方が、一時期変だったって……」
松永「変、ねぇ……俺もあの時は、あんまり詳しくはなぁ……」
怜子「どうやって解いたか、思い出せない?」
松永「……わかんないな……夏休みの時に……俺たち五人で……何かはしたと思うんだけど……あ、でも、じゃあ、あれは……」
怜子「何か思い出せそう?」
松永「……うん、俺、何か隠した気がする……あの三組の教室に……何だっけ……たしか、何かを残さなきゃいけない気がして」
松永「…………悪い、俺がわかるのはここまでだ。こんな所まで来てもらって、すまん」
怜子「良いのよ、何かを隠したってだけで十二分だもの」
怜子「そうでも無いよ、もうずいぶん変わっちゃった」
松永「なぁ、卒業式で俺が告白したの、覚えてるか?」
怜子「ええ、貴方、呪いが解けても後遺症みたいに残ってたわよね」
松永「あの時、怜子は俺に何て言ったか覚えてるか?」
怜子「……何だったかしら?」
松永「「後遺症が治ってもそう言うなら考える」って言ったんだぜ」
怜子「若い日の思い出ね」
松永「もう、十五年たったんだ。今更後遺症なんて言わないよな?」
怜子「え?」
松永「なあ、今度食事でも行こうぜ」
怜子「……そうね、それもいいわね」
有田「もう無理……今日だけで痩せた気がする……」
江藤「明日筋肉痛になりそう……」
怜子「はーいじゃあ皆、着替えてバーベキューするわよー」
恒一「あ、あれ? 待ち合わせた人は……?」
怜子「貴方達がきゃっきゃっしてた間に、一通りの話は聞いたわよ?」
恒一(楽しみすぎたかな……)
恒一「それなら、もう焼けてますよ」
江藤「恒一、お肉とって」
恒一「僕は使い魔か、ほら、野菜も」
有田「恒一君、どのお肉がおいしいかな?」
恒一「うーん、この辺りのなら、もう焼けてるから良いと思うよ」
怜子「次は次は?」
恒一「僕にも食べるタイミングをくださいっ! あとみんな、野菜も食べてっ!」
江藤「野菜……あーん」
恒一「それ僕が悠にあげたやつじゃ……あーん」モグモグ
恒一「お肉……いいの? あーん」モグモグ
怜子「あ、私はやらないからお肉とって」
恒一「まったく……」
有田「あーん」
恒一「あ、あーん」モグモグ
江藤「あーん」
恒一「モグモグ……あーん」モグモグ
有田「あーん」
恒一「両極端だよっ!」
有田「……くー、くー」モタレェ
江藤「んん……だめだよぉ……松子も恒一もそんな……えへへ……」モタレェ
怜子「行きは両側から抱きつかれて、プールでは水のかけ合いをして、バーベキューではあーんってして、帰りは眠った二人にもたれ掛かられる……中尾君あたりが聞いたら、我を忘れて暴れそうだねモテ一君」
恒一「そ、そんなんじゃ無いですよっ!」
怜子「そういうのはね、客観的にみた判断の方が、結局正しかったりするからね」
恒一「……それで、今日の目的は、どうなったんですか?」
怜子「彼から聞いた話だけどね……」
怜子「そゆこと、あんまり目立って入られても困るから、自習の時にでも探してもらえる?」
恒一「わかりました」
怜子「ごめんね、もっと核心に迫れると思ったんだけど……」
恒一「いえ、手がかりの在処がわかるだけで、充分です」
怜子「……頑張ってね」
恒一「はい」
恒一「それじゃ、おやすみ、えとうさ……」
江藤「悠」
恒一「……悠」
江藤「うん、おやすみ。松子は……まだ寝てるか、今日ははしゃいだから、仕方ないかな。ちゃんと王子様が、家までエスコートしてくれるし」
恒一「そんな良いもんじゃないよ」
江藤「またまた」
恒一「でも、お姫様をエスコートはするけどね」
江藤「……なら、いいよ。ちゃんと連れてってあげてね」
恒一「もちろんだよ。じゃあ、おやすみ、悠」
江藤「おやすみ、恒一」
恒一「松子ー、家についたよー?」ユサユサ
有田「う、うーん……ぐぅ……」
怜子「中まで運んであげたら? 部屋の場所はわかるんでしょ?」
恒一「うん、じゃあそうするね。松子、ちょっと失礼するよ!」グイッ
怜子「大丈夫? 荷物くらいは持って行こうか?」
恒一「ううん、大丈夫だよ、怜子さんは車で待ってて」
有田「恒一、くん……本当に、好き?」
恒一(寝言か……本当に、好き……僕も、そうであってほしいよ)
有田「私……は、本当に好き、だよ)
恒一(っ!?)
有田「でも、悠ちゃんの……事も、好き」
恒一(…………)
有田「でも、二人は……私を……」
恒一(僕は、どうなんだろうな……)
恒一「おやすみ、松子」
恒一「と、いうわけで、うん、これは1日かかりそうだね」
江藤「マスク持ってきて、正解だったね」
有田「へっくしょん! 埃っぽいよ……」
江藤「マスクを鼻までかけないからだよ」
有田「うぅ、そうすると息がしにくいよぉ……」
江藤「くしゃみが止まらないよりは、マシなんじゃない?」
有田「うぅ……」
恒一「とりあえず、手分けして探そうか」
有田(なんか可愛い髪飾りがあるよ! つけたら怒られるかな、学校の備品だもんね……)
江藤(あの窓、割れそうだな、離れとこう)
恒一(そもそも、隠した物が何かわからないんじゃなぁ……)
恒一「あった!」
江藤「まさしく、って感じだね……表面には「将来このクラスで有り得ない恋をさせられた後輩達へ」か……」
有田「あ、開けてみよう!」
ビリビリペリペリ
恒一「カセットテープ?」
江藤「そんなの、聴ける機械が……」
有田「私の家にあるよ!」
恒一「千曳先生に言って、学校早退しようか」
松永「これを聴いてる三年三組の生徒の皆、俺は「始まった」生徒だ。いや、皆が言うには、正確にはだった、らしい。俺は皆と違って、今でも、怜子の事が好きなのに……!」
恒一「だ、大胆だね」
江藤「本当に未来に残す気あるの?」
松永「とりあえず、結果として、呪いは解けた。当事者でも何があったのか、わけがわからないが、それでも、後輩達に、俺がわかる範囲で、何をしたのか伝えたいと思う」
松永「きっかけは、怜子だった。怜子のお姉さんが、提案したらしい」
恒一「お母さんが……?」
松永「○○なら、きっと、とかそんな事を言っていたらしい。よくわからない。とりあえず、夏休みに俺たち五人……怜子と「始まった」四人で、学校に泊まったんだ。三年三組に」
松永「悪い、会話の内容は、思い出せないんだ。塗りつぶされたみたいに、わからない」
恒一「なんか、たまに音が聞き取れないね」
有田「古いテープだからね、仕方がないよ」
松永「俺に言える事はこれだけだ、三年三年で、呪われた生徒と始まった生徒が全員集まって夜を迎えると、○○が○て○○○○○○は○○になるんだ。そしてそれが、呪いを解く方法だ」
松永「誰も、あの出来事を覚えちゃいねぇ。いや、俺だけが覚えていることがおかしいくらいだ。理由はわからない、俺だっていつ忘れるかわからない。だから、こうして記録する」
松永「役に立つことを願うよ、頑張ってほしい、後輩達」
プツン
江藤「で、でもさ、本当に信じるの? あの様子だと、何が起きてたのかわからないみたいだったよ?」
有田「……呪いを解く方法は、これしかないんだよね?」
恒一「うん、おそらくはこれしか」
有田「……なら、やろう? 十五年前みたいに夏休みってわけにはいかないから、明日にでも」
江藤「うん……」
怜子「三組にお泊まり……うん、もう好きにやりなよ。職員会議だろうと何だろうと、校長がその身をかけて、ねじ伏せてくれるから」
恒一「ありがとう、怜子さん。これで、終わってくれるかな?」
怜子「私には記憶が無いから……でもまぁ、終わるんじゃないかな。姉さんの助言なら、それこそなんとこなりそうだよ」
恒一「うん、そうだね。じゃあ、行ってきます」
怜子「行ってらっしゃい」
江藤「昨日、ある程度は掃除しておいて良かったね」
恒一「でも、もう少し生活出来るスペースが欲しいな」
有田「あ、じゃあ、窓開けてくるね!」
江藤、恒一「危ないっ!」ダッ
パリン
恒一「この窓、割れそうだから、気をつけてね」
江藤「昨日、言っておけばよかったね。ごめん、松子。怪我は無い?」
有田「うん、二人のお陰で無事だよ。ありがとう!」
恒一「ふぅ……体育ようのマットとか、何でここにあるんだろう? おかげで寝やすそうだけど……」
有田「実は、前にもこんな事があったのかもね。体育館から持ってきたとか」
江藤「一番の問題は、シャワーを浴びれない事だね。着替えもあるけど……ねぇ」
恒一「僕、向こうを見てようか?」
有田「じゃあ、お願いしよっかな」
恒一(はっ!? 布の擦れる音が……っ! いかんいかん)
シュルルル
恒一(今、二人はどんな格好なんだろうか……)
有田「悠ちゃん、またおっきくなった?」
恒一(何がっ!?)
江藤「ま、松子!? 何でこんな所でそんなっ!?」
有田「え? だってほら、身長が……」
江藤「あ、うん……ゴメン、ちょっと伸びた……」
江藤「これ、で、私の勝ちっ!」
有田「うー、また負けちゃったよー!」
恒一「松子は顔に出すぎなんじゃないかな。どれがジョーカーかすぐにわかるよ」
江藤「ポーカーフェイスの練習の為に、ポーカーでもする?」
有田「トランプはもうやだよぉ……」
江藤「そう、だね。テープの通りなら、目が覚めるらしいけど、その後に記憶を消されてるってことは、これが最後の会話になるのかな」
有田「最後……」
恒一「言いたいことは、今の内に言った方が、良いかもね」
江藤「……私は、松子が好き」
江藤「……あんまり驚かないね、恒一」
恒一「ちょっとだけ、予想してたから」
江藤「そっか……」
有田「わ、私も!」
恒一「ええっ!?」
有田「私のは、驚くんだ……」
恒一「ご、ごめん……予想してなかった……」
江藤「松子……」ギュッ
有田「悠ちゃん……」ギュッ
江藤「それで、恒一の返答は? 二人から告白されて、何もいわないとけは無いよね?」
恒一「……うん」
有田「えへへ」
江藤「……ばか」
恒一「驚かないんだね」
江藤「驚かないよ、私達三人は、こうなる気がしてたもん」
恒一「そっか、なら、これで何事もなく朝が来たら、きっと呪いなんて、関係がなかったってわけだね」
有田「……うん、きっとそうだよ。だから、皆、おやすみ」
江藤「おやすみ、二人とも」
恒一「おやすみ」
??「ねぇ、起きて」
恒一(誰だ? 松子?)
恒一「松子……?」
??「松子? あぁ違うんだ。今はちょっと、体を借りてるだけ。僕は岬。夜見山岬だ。はじめまして、理津子の息子の恒一君」
恒一「夜見山岬……? 二十六年前の?」
夜見山岬「そう。君は、どことなく理津子のおもかげがあるね」
恒一「……松子の、呪いを解いてくれるの?」
岬「うん? 君はもしかして、勘違いをしてる?」
恒一「えっ?」
岬「この二人は、君達の言葉で言えば「始まった」子だよ」
恒一「じゃあ、悠が松子の事を好きになったのは……」
岬「僕の知ったことじゃないね」
恒一「……良かった」
岬「へぇ……何が良かったの?」
恒一「だってそれなら、二人の想いは、呪いのせいで生まれた物じゃないって、断言できるから」
岬「君はつくづく理津子の息子だね。言ってる事がそっくりだ」
恒一「どういう……」
岬「後の二人の、君に対する想いは、呪いから出来てるんだよ? それでいいの?」
恒一「……良くは無いよ。でも、僕や悠から、松子への想いが消されるよりは、あの二人の間が残るだけ、ずっといいんじゃないかな?」
岬「嫌いだよ、そういう考え。それは、二人の気持ちは考えて無い」
恒一「でも、じゃあ!」
岬「だって、彼女達に記憶は残るんだよ? ただ、恋だけ消え去って。それがどんな気分か想像できる? 出来ないよね? 君達はそういう人達だ」
岬「君といい、理津子といい、理津子の妹の、怜子といい、皆同じ用な事を言う」
恒一「怜子さんも……」
岬「少し、昔話を教えてあげよう。あるところに、冴えない男の子がいました。彼には好きな女の子がいました。でも、彼女は人気物です」
岬「彼は悩みました。そして、彼女を越すくらい人気者になればいい。そう思いました」
岬「必死に努力しました、彼は人気者になりました。でも、彼女は彼の事に、見向きもしません。彼女は、自分にどうにかできる事しか考えないのでした。人気者になった彼の事は、自分ではなく、他の人に頼んでしまうのです」
岬「彼は結局、彼女の為に背負った、人気者の照合に押しつぶされて死にました。結局彼女は、最後まで、彼の事を気にしませんでした」
恒一「それって……」
恒一「母さんが、そんな事……」
岬「僕がどんなに彼女に思いを伝えようとね、彼女は僕の事は背負えないって言うんだ。僕にはもっと相応しい人がいるって! そんなはず無いだろう? 僕は君の為にこうなったのに、何でもっと相応しい人がおるのか!」
岬「結局、彼女はそう言って、僕を受け入れる事はなかった」
恒一「待って、それは違うよ」
岬「何が違うんだい? 君の生まれる前の話に、君が何を言うんだい?」
恒一「母さん、お前の葬式のとき、泣いてたって……静かに、震えながら泣いてた……」
岬「それが何? 泣いてたら何? 僕の思いは伝わってたというの? 受け入れてもらえなければ、何の意味もない!」
恒一「受け入れてたんだよ! 応えるのは遅かったけど、たしかに受け入れてたんだよ!」
岬「何を……」
恒一「怜子さんの時に、ここに行くよう言ったのは、母さんだ! それがどういうことかわかる? 母さんは、お前がこうなってることを理解して、その上で、自分が近づけない事もわかっていた。だから、自分と同じ考えの怜子さんなら、きっとお前に伝えれると想ったんだ」
恒一「あるよ! 僕が確証だ! 妹である怜子さんにだっていわれた、僕と母さんの考え方は同じだって。だから、僕には母さんの考えてる事がわかる!」
岬「だけど、遅すぎたんだ。もう僕は死んで、呪いとなった。これ以上、どうしようもない!」
恒一「あるじゃないか! お前の思いが届いてたんなら、お前がこうして、呪いである必要はもうない! 母さんだってこう言うさ。お前はもう、呪いから解放されなきゃいけないって!」
岬「な……そんな、事……」
恒一「あるよ。そんな事が、ある。母さんならきっと、わかってた」
岬「…………そう、か。僕は、もう……ごめん、理津子、僕も大概、気がつくのが遅いね」シュウウウ
恒一(う、うん? 夜見山?)
恒一「あれ、朝? 夜見山は……」
有田「この土地がどうしたの?」
江藤「もう、生徒が登校してきてるよ」
恒一「呪いは、解けたの?」
恒一「え?」
江藤「恒一が呪われた生徒で、呪いが解ければ恋心を失う。だから記憶を消してやろうか? そう言われた」
有田「でもね、断ったんだ。だって、恋心を失ったって、私達にとっては、恒一君を好きだった、大切な記憶だもん」
江藤「そしたら、その……もちろん、恋心は消えたよ」
有田「でもね、その記憶を思い返せば返す程に、私達は、恒一君を好きなんだって思ったの」
江藤「前に、言ったよね、「一目惚れはきっかけで、その後に一緒にいるから、本当に好きになる」って。それの逆だよ」
有田「きっかけが消えても、私達は恒一を本当に好き。それが残ったの。だから」
江藤、有田「呪いが解けても、大好きだよ! 恒一(君)!」
おわり
保守してくれた人達まじでありがとう!
有田さんが変態なSSが多いけど、こういう有田さんも可愛いと思うんだ!
江藤さんも可愛いと思うんだ!
本編出番少ない組は、多々良さんだけ多いけど、他の子も可愛いよ!
頭痛がひどいから、もう寝ます
3pはきっと、頑張れば夢の中で
俺得なSSだった
Entry ⇒ 2012.06.04 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ラオウ「・・・!!(この拳王が痴漢されているだと・・・!?)」
ガタンゴトン
ラオウ「(この拳王に痴漢する輩には容赦せぬ・・・!後悔せ・・・・)」
ケンシロウ「サワァ!サワサワサワサワサワァァァ!! 貴様はもう、感じている・・・(ボソッ・・・」
ラオウ「ぬぅっ!?(か、体が・・・)」
ケンシロウ「ラオウよ、性を捨てる時がきたのだ!」
ラオウ「(体が思うように動かぬ・・・。これが北斗神拳か・・!)」
はよ…
はよ
評価する
アミバ「間違えたかな……」
やられたwwww
これは卑怯ww
そんな格好だから痴漢されるんだよwww
Entry ⇒ 2012.06.04 | Category ⇒ その他 | Comments (0) | Trackbacks (0)
梓「どうも。ゆいあずの黒髪ツインテールの方、中野梓です」
梓「いや、ゆいにゃんとは呼ばれてないでしょう」
唯「あずにゃんネコなのにネズミ苦手なの?」
梓「いえ、ネコではないです」
梓(まあ、美味しいは美味しいけど)
唯「あずにゃんそんな資格持ってるの!?」
梓「そっちの方が意外です唯先輩」
唯「重症だねぇ」
梓(私も食べられないんだけどなぁ)
唯「おおっ、そんな情報までっ」
梓「お冷をギンッギンに冷やすお店ってなんなんでしょうね」
唯「お冷しすぎだよねぇ?」
梓「えっ?」
唯「あずにゃん私もギターだよ!?」
梓「いや、私たちお笑い芸人じゃないですっ」
律(ツッコんだ・・・)
澪(ツッコんだ・・・)
紬(ツッコんだ・・・)
唯(美味しければ違いは気にしない、ていうかわからない方、唯だよー)
梓「ああ、クーラー苦手なんでしたっけか」
唯「へ〜、あずにゃん手ぇ見せてっ」
梓「どうぞ」
唯「ほうほう?」じー
梓(自分で『実は』とか言っちゃいますか)
唯「私は目玉焼き〜」
梓「どこまで曲がるんですか?」
唯「こんくらい」ぐにゃ〜
梓「おおっ!?」
タイバニ次回予告前編
タイバニ次回予告後編
唯「私はわかるよ!軽トラでしょ?ワゴン車でしょ?ダンプカー、ショベルカー・・・」
梓「ちょっと違います」
澪「こんにちは。りつみおの縞パ・・・おい、誰だこの原稿書いたのはぁ!」
唯「えへー♪」
唯「あずにゃん!それじゃあ私が天然みたいじゃん!」
梓「天然でしょう」
梓「マヨラー意外はそうでしょうね」
唯「気持ち良いもんねぇ」
梓「唯先輩の一番好きなアイスは何ですか?」
唯「うーん、最近はピノかなぁ?」
唯「あずにゃんもなかなか通ですなぁ」しみじみ
梓「ああ・・・」
唯「ラッキーカラーは緑だった気がする!」
唯「何かの予兆かも?」
梓「やめてください」
梓「一人一回だけ使えるルールです」
唯「あずにゃんもう一回言ってみて?」
梓「・・・んじゃめりゃ!」
唯「もう一回!もう一回!」
梓「もう嫌ですっ!」
梓「私はあんまり知らないです」
梓「ムギの方って!?と言うか、ゆいむぎって!?」
唯「結成しましたっ」フンスッ
紬「新コンビよ〜」フンスッ
憂「えっと、ういあずの流されやすい方、平沢憂です」
唯「あずにゃーんっ!」
梓「私も生姜焼きが好きですね」
唯「うーん、私はCCレモンかな?」
梓「唯先輩、趣旨が変わってます」
梓「どうも。純の髪の毛のあの部分を、密かに『モコ毛』と呼んでる方、梓です」
純「モコ毛て!そんなにモコモコしてないわー!」ビシッ
梓(なんか違うなぁ・・・)
和「何をやってるの唯?」
唯「和ちゃんっ、これまでの流てからいって、ここはまず自己紹介をする場面だよっ!」
和「それより、さくらんぼのあの茎の部分、尻尾って言うの?」
唯「和ちゃーん!」
和「はいはい」
唯「和ちゃん自虐が過ぎるよっ!」
唯「この前私も借りて読んだよ〜」
唯「私は魚住かなぁ」
梓「えっ?」
唯「んー?」
梓「捏造しないでください」
梓「えっ?何があったんですか?」
唯「うん。りっちゃんの部屋のクローゼットを開けたらね?」
梓「あ、開けたら・・・?」ドキドキ
唯「・・・同人誌が」
梓「乙女違いじゃないですかっ!」
唯「私一回も骨折ったこと無いよ〜」
梓「よく転んでそうですけどね」
梓(ちょっと観たいかも)
トンちゃん「 」プカプカ
梓「トンちゃーん、ご飯だよ〜」ニコニコ
ニヤニヤ
唯(可愛い)
澪(トンちゃんに話かけれる)
律(梓一人の時はこんなことしてたのか)
紬(梓ちゃん可愛いわぁ)
唯「コンビを組まされちゃった方、唯だよ〜」
さわ子「アクエリアス!」
唯「アクエリアス!」
梓「唯先輩らしいですね」
唯「讃岐典侍日記をうどんの日記だと思ってた方、唯だよ〜」
梓「どうも。ネタが切れてきた方、梓です」
唯「じゃあここら辺で終わらそうか?」
梓「そうですね。暇があったら誰か続けてください」
唯「バイバーイ!」
おしまい!
Entry ⇒ 2012.06.04 | Category ⇒ けいおん!SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「俺が引き抜き!?」黒井「ウィ」
真 「あ、プロデューサー!」
律子「プロデューサー殿!これは一体どういうことなんですか!?」
P「うおおっ朝っぱらから皆集まってどうしたんだ?」
春香「プロデューサーさん!引き抜きですよ、引き抜き!」
P「へぁ?」
真 「プロデューサーが961プロに移籍するって本当なんですか!?」
P「ははっ何を言ってるんだ真、そんなアホは話が…」
「今日も情けない顔をしているな負け犬プロデューサー」
P「ぐ、その聞きなれた嫌味な発言は…」
真美亜美「961プロのおじさん!」
黒井「おじさんじゃない!流石高木のところのアイドルは教養も無いな」
P「黒井社長…こちらに出向いてくるなんてどうしたんです?」
黒井「フン。それはだな…」
伊織「ちょっとあんた!勝手に移籍なんて決めてどういうつもりよ!」
響 「うぎゃー!プロデューサーが辞めちゃったらハム蔵達のご飯代がなくなっちゃうぞ!」
雪歩「ひぃっ!ぷ、ぷろでゅーさぁ…」
P「このままじゃ埒が明かないし仕方が無い。俺も準備したらすぐに行くから案内してやってくれ」
雪歩「はいぃ…で、ではこちらへ…」
黒井「ウィ。丁重にもてなすことだ三流アイドル」
…
律子「で、プロデューサー殿?説明していただけますか」
P「そんなこと言っても俺にも何がなんだか…寝耳に水すぎて訳がわからん」
真 「プロデューサーのことなのに知らないんですか?」
P「そうなんだが…ん、そういえば音無さんと社長は?」
律子「社長は知りませんけど小鳥さんはそこで縮こまってますよ」
小鳥「ピヨ…」
春香「っていうか小鳥さんが言ってたんですよ。プロデューサーさんが移籍するって」
真美「こーいうの晴天の絶壁って言うんだよね?千早お姉ちゃん!」
千早「くっ」
P「それを言うなら晴天の霹靂な…まぁ黒井社長を待たすと何を言われるかわからないし、とりあえず行ってくる」
…
伊織「本人が知らないってどういうことよ小鳥!」
小鳥「ピィ…」
響 「これはなんくるなくないぞ…いやなんくるなくなくないのか?」
黒井「ご苦労。へたれプロデューサーはまだこないのか?全くセレブな私に無駄な時間をかけさせるとは」
雪歩「プ、プロデューサーはへたれなんかじゃ…」
黒井「この私に意見するのか?四流アイドル」
雪歩「ないですぅ…」
P「お待たせしました。雪歩もありがとう、あとは俺だけでいいから下がってくれ」
雪歩「はぃ…あの、失礼しますぅ」
黒井「セレブな私を待たせるとはいい度胸をしてるじゃないか貧乏暇無しプロデューサー」
P「はぁ…毎度の失礼な発言はいいんですけど、今日はどうされたんです?俺の妙な噂に関係してるんですか?」
黒井「ノンノン。噂とは間違った物言いだな。貴様の移籍は確定事項だ」
P「話が飛びすぎですよ…そもそも本人や社長の許可無しでそんなこと通ると思ってるんですか?」
黒井「高木となら話はついている」
雪歩「だ、大丈夫だよ真ちゃん…ちょっと怖かっただけだから」
律子「961プロが来たのはやっぱりプロデューサーの移籍関係なのかしら」
雪歩「私はすぐ退室したので何も…こ、こんな無能で四流な私は穴掘って…」
伊織「はいはい穴掘るなら公園に行ってね。とりあえず現状をまとめましょうか…小鳥!」
小鳥「ピェ!じゃ、じゃあこのボードにまとめるわね…」
・美人事務員小鳥ちゃんが出社したら見覚えの無い書類を見つけた
・内容はプロデューサーさんの961プロ移籍に関する内容だった
・社長は朝から姿を見せてない
・プロデューサーさん自身も事態を把握していない
小鳥「書類もあるけど見る?というかプロデューサーさんは移籍と言っても…」
伊織「見るに決まってるじゃない。さっさと貸しなさいよ!」
小鳥「ピヨヨ…」
律子「私も内部の書類はよくわからないけど…移籍の確認と…これ移籍って言っても期間を設けてある?」
小鳥「そ、そうなんですよ!別にプロデューサーさんが765プロを辞めるってわけじゃ」
伊織「ならさっさとそう言いなさいよ!このから揚げ!」
小鳥「ピヨピヨ…」
春香「つまりどういうことなんですか?」
真「プロデューサーが辞めるなんてボク納得できませんよ!」
ドサッ
美希「ハニーが辞める…?え?え?」
伊織「このタイミングで来るなんて狙いすぎよあんた…」
黒井「ウィ。高木のヤツからの申し出でな。貴様を我が961プロで働かせたいそうだ」
P「出向って765の社員のまま961へ行くということですよね?なんで社長はそんなことを…」
P「そもそも黒井社長は俺なんかを迎え入れる気なんですか?今度は何を企んでるんです?」
P「それに他のアイドル達はどうするんだ?律子一人で回るはずないじゃないか…一体なにを考えて…」
黒井「質問はひとつずつにしたまえ。考えることは後にしてとりあえず私の話を聞いたらどうだ」
P「は、はい…すみません取り乱して」
黒井「ではまず結論から言おうか。貴様と貴様のプロデュースするユニット3人は来週から961プロに所属する」
P「俺だけじゃなくてあいつらも!?」
黒井「所属と言っても出向扱いだ。期間は半年間、目標はIU…アイドルアルティメイトを獲ることだ」
黒井「IUのことは知っているな?」
P「アイドルアカデミー賞と同じくトップアイドルの第二の登竜門と呼ばれる賞…ですよね」
黒井「そうだ。貴様達は先日のフェスで我が事務所最強を誇るジュピターに敗北した」
P「…」
P「…はい」
黒井「こちら側の機材の故障にも関わらず敗北したのだ。心が折れるのも無理は無い。所詮貴様達の実力はその程度なのだ」
黒井「だがそれも現時点での話だ」
P「現時点…?」
黒井「貴様はプロデューサーをいう職業に就いてまだ半年足らずらしいな。その程度の経験では私達に負けるのも必然」
P「あの、言ってる意味がよく…」
黒井「あの日の夜高木から連絡があってな。アイツ何を血迷ったか貴様を961プロで鍛えてやってほしいと言い出した」
黒井「前々から思っていたのだが765プロにはプロ意識が足りない。芸能界は学生の部活動ではないのだ」
黒井「高木もそのことは気にしているらしくてな、このままではお前を伸ばせないと感じたらしい」
P「そこで961プロに行き学んでこいと?」
黒井「ウィ。敗戦プロデューサーにしては察しが良いな」
黒井「高木が成し得なかった貴様の教育を私がするのだ。成長したお前を見る度にアイツは悔しがるぞ」
黒井「それに忌々しいが高木の眼は確かだった。これだけの原石を磨かずに投げ出すのは惜しい」
P「確かにあいつらは優秀でまだまだ伸びると思いますが…」
黒井「私の言う原石とは貴様のことだ石ころプロデューサー」
P「え?」
黒井「貴様は根性無しの負け犬だが中々見所はある。あの鳴かず飛ばずのアイドルをここまで育てたのだからな」
黒井「今回最大の目的は貴様のレベルアップなのだよ。理解できたかね?ユニットはあくまでおまけだ」
P「俺の…レベルアップ…」
黒井「ジュピターを任せるのも考えたんだがな。全てが新しくなると貴様も戸惑うだろう」
黒井「それにあいつ等は私の最高傑作だ。今の貴様が手を入れてもデメリットしかない」
黒井「あとはその怠け癖の矯正だな」
P「は、はぁ」
響 「うぎゃー!どうしてこうなったさー!」
春香「だからまだ私達もよくわかってなくて…」
ガチャッ
伊織「出てきたわ!」
黒井「では荷物をまとめて備えておきたまえ」
P「はい…」
美希「ハニー!961プロに行くなんて嘘だよね?ハニーは美希のこと見捨てたりしないよね?」
真 「プロデューサー…」
黒井「フン。相変わらず仲良しごっこを続けているな」
真 「なんだとっ!」
黒井「質の低い事務所に所属しているアイドルもやはり相応ということだハーッハッハハ!」
亜美「おじさんさっきから何なのさ!」
黒井「お…まぁいい。これで私は失礼する。後はそこの低能プロデューサーに聞くがいい、アデュー!」
…
律子「まず確認します。今回の騒動は事実ですか?」
P「あぁ…俺の知らないところで話が進んでいた」
律子「わかりました。じゃあ皆に明日にでも説明してもらいます。いいですね?」
伊織「ちょっと律子!なんで今聞かないのよ!」
雪歩「い、伊織ちゃん…プロデューサーも疲れてるみたいだから…」
伊織「っ…わかったわよ…悪かったわね」
律子「とにかく今日は皆解散!他の子も現場から直帰してもらうから」
春香「プロデューサー…」
P「悪い…必ず話すからさ。俺自身混乱してるんだ」
千早「…行きましょう春香」
小鳥「ピヨ…」
P「二人には話しておかないとな。俺も整理するのに精一杯だが」
律子「ということはやっぱり…」
P「あぁ、俺…とユニット3人は来週から961プロに行くことになる」
律子「来週!?急展開すぎますよ!」
小鳥「プロデューサーさんも知らなかったということは社長が話を?」
P「そうです。俺を鍛えなおすのが目的で社長のほうから打診したらしい」
律子「社長のほうからって…一体あの人何を考えて」
高木「そこから先は私が話そう」
P「社長…」
高木「ついさっきまで961プロにね。そこでアイドル達とすれ違ったがまぁ酷い顔だったよ」
小鳥「そりゃそうですよ…」
高木「もう黒井から話は聞いていると思う。まず君達の了解を得ずに進めてしまったことを許して欲しい」
高木「まず反対されるだろうと思ったし、じっくり話を詰める時間もなさそうだったからね」
律子「時間…?どういうことですか?」
高木「彼とアイドル達は961プロに渡りIU受賞を目指してもらう」
小鳥「IUってあの、IAと同時期に開かれるあの?」
高木「そうだ。IAとは期日の関係上重複出場は現実的でないが、今すぐ行動を起こせば申請自体は間に合うと思ってね」
高木「残念ながらIAを獲るという目標は達成できなかった。だが君にはそこで終わってほしくないのだよ」
律子「…」
高木「君は原石だ。磨けばまだまだ光ることができる…残念ながら私では研磨までは上手く出来なかったがね」
高木「律子君に質問しよう。765プロにあって961プロにないものとは何かな?」
律子「…絆、でしょうか。私達とアイドル達の繋がり…それが961プロには欠けていると思います」
高木「そうだな。じゃあ反対に765プロにないものは何だと思う?」
律子「それは…」
P「プロ意識」
小鳥「え?」
P「黒井社長はそう言っていました」
高木「その通りだ」
小鳥(…)
高木「あくまで961プロと比べると、だよ。君達が遊び感覚で仕事をしているなんて思ってはいない」
高木「私が考えるに私達に足りないものはハングリー精神だと思っている」
高木「君達とアイドル達はよくやってるよ。だがそれは事務所内ではということだ」
高木「他の環境と比べるといささか温すぎるのだよ…ここは」
高木「やるだけやろう。ダメだったらそれでもいい最後まで頑張ろう」
高木「そんなものは遊びでしか通用しない。ここは社会の場なのだから」
律子「そんな…私達そんなつもりじゃ…」
高木「黒井なら仲良し倶楽部とでも皮肉るのだろうな」
P「っ…」
高木「だが君は別だ」
P「俺が…」
高木「私は君の資質は凄いものだと思っている。この私がティンときたんだから間違いない」
高木「君の才能をここで潰してしまうのは余りにも惜しいのだよ」
高木「黒井も君自身のことはいたく買っていたしな。流れるように話は進んだよ」
P「それで俺を961プロに?」
高木「あぁ。半年間みっちり鍛えてもらうよう頭を下げたよ」
高木「ジュピターとの対戦以降君はどうも腑抜けてしまっているようだからね。いい薬になるだろう」
高木「あとわかっているとは思うが、あくまで765プロの社員として961プロに行くのだから必ず戻ってきてくれたまえよ!」
小鳥「ピヨッ!?」
高木「皆に、特にユニットメンバーにはしっかり説明しないといけないしな。大変だよ君ぃ」
P「は、はぁ…」
高木「それでは、今日もランキングどっとっぷTVの時間だよ!」
律子「放送日今日じゃないです…」
高木「そ、そうか…」
小鳥「ピヨヨ…」
高木「とにかく君達も疲れただろう?戸締りは私がするからもう帰って休みたまえ」
P(移籍なんて考えたこともなかった。そんな余裕もなかった)
P(IAがダメでも皆とこれからも楽しくやっていこう程度に思っていたけど…)
P「俺は…」
…
美希「ハニー!」
P「美希は今日も元気だな。おはよう皆」
春香「プロデューサーさん!おはようございます!」
美希「ミキも961プロに行く!ハニーとお別れなんて絶対や!」
あずさ「美希ちゃん…」
美希「ミキも移籍するの許してくれないと離れないの!」
伊織「あんたはいい加減に…!」
P「いいよ。一緒に行こう」
千早「は?」
真 「え…」
律子「…」
美希「ハニー…!」
P「皆揃ってるしな。今のうちに言っておく」
P「俺と美希、響、貴音は来週から961プロに移籍するんだ」
やよい「えーーー!!!」
真美「そ、そんな…兄ぢゃん…」
貴音「なんと…一体どういうつもりなのですか。あなた様」
…
P「ということだ」
千早「スキルアップのために…良かった。ここを辞めるわけではないんですね?」
P「あぁ。半年経ったらちゃんと帰ってくるよ」
響 「なぁ貴音、IUってなんだ?」
貴音「IAと双璧をなす頂上へ至る道とでも言いましょうか」
響 「あぁ自分完璧だからわかるぞ。ラストダンジョンだな」
P「みたいなもんだ。なぁ、俺達はジュピターに負けてIAを諦めてしまったよな」
貴音「そうですね…」
響 「そんなことないぞ!自分いつだってダンスやってるからな!」
真 (そのネタもう飽きたよ)
やよい「うっうー!プロデューサーは毎日頑張ってると思いますー!」
あずさ「そうですよ〜私達の大好きなプロデューサーさんはいつでも一生懸命だったじゃないですか」
P「ありがとうございます…だけどあのフェス以来、俺はどうにも腑抜けていたらしい」
P「そこで社長が黒井社長に頼んでくれたんだ。俺達を鍛えてくれってな」
P「俺も正直どうかと思ったけどな、違う環境でプロデューサー業をしてみるのもいいかもと思ったんだ」
P「こんな機会二度と無いだろうし正直なところ俺はやってみたい」
貴音「共に頂上を目指す身なのです。私はどこまでも、あなた様について行きます」
春香「プロデューサーさん…」
伊織「…なによそれ…何なのよそれ!」
やよい「い、伊織ちゃん?」
P「伊織…」
伊織「あんたが出て行ったらやよい達はどうなるのよ!律子に全部任せる気?あんた765プロ潰すつもり!?」
伊織「昔はともかく今は皆それなりに売れてるのよ?あんたそれを律子に押し付けるっていうの?冗談じゃないわ!」
伊織「みんなも何か言ったらどうなのよ!」
響 「う…自分…」
千早「私は…」
千早「私はプロデューサーの移籍に賛成です」
伊織「千早…?」
千早「私達はプロなんだから。プロに求められるのは結果のみよ」
千早「それを追求するための努力なら否定はしないわ」
春香「千早ちゃん…」
千早「ファンの皆やスタッフの方々は過程なんて見てくれない」
千早「自己満足で終わるのならそれでもいいかもしれない。でも私達はそうじゃない」
雪歩「そ、それに…プロデューサーは半年でまた戻ってくれるんですよね?」
P「あぁ、それは間違いないよ。黒井社長も言っていた」
雪歩「だったら…だったら私も我慢できると思います。プ、プロデューサーのためなんですから」
伊織「雪歩まで何言ってんのよ…」
律子「さすがにずっと一人じゃ限界がきますけどね…崩壊しない程度には保てると思います」
P「すまないな、律子」
真美「兄ちゃんは真美達のこと嫌いになったんじゃないんだよね?」
亜美「アイソ→尽かしちゃったんじゃないよね?」
P「当たり前だろ。俺が帰ってきたらお前達もビシバシしごいてやる!」
真美「なら寂しいけど…クラス替えみたいなもんだよね!いまなまの別れってやつじゃないならいいや!」
P「今生な、その気になればいつでも会えるんだ。大丈夫だよ」
亜美「兄ちゃんは大人ですなー老けてますぜ」
伊織「…」
真 「伊織…うん。ボクも完全に辞めるんじゃないなら」
真 「これって強化合宿みたいなものだしね。へへっ一皮剥けたプロデューサーに会うのも楽しみかも」
あずさ「私はプロデューサーさんがそう決めたのならもう何も言いません」
伊織「やよい…」
やよい「わ、私はよくわからないけど、プロデューサーが行きたいならいいかなーって…」
伊織「なによそれ…私一人悪者みたいじゃないのよ…」
伊織「いいわよもう…私ちょっと出てくるから。用があったら電話して頂戴」
やよい「伊織ちゃん…」
春香(私だけ呼ばれてないんだけど…)
春香「あ、あの!私も」
美希「ミキはハニーと一緒に居られたらどこだっていいの!一生ついていくの!」
P「はは、美希は変わらないな」
春香「私もついていきますよ!」
P「よし、じゃあ湿っぽい話はやめだ!今日のスケジュールを決めるぞ!」
春香「はい!プロデューサーさん!レッスンですよ、レッスン!」
羅刹「あのプロデューサーが…フン、面白そうじゃねーか」
北斗「へぇ…楽しくなりそうじゃない。いつから来るんです?」
黒井「来週からだ。お前達に直接関わることだから前もって伝えておく」
翔太「あのプロデューサーさん、僕達見てプロデュースしたくなったりしてね!」
羅刹「そりゃねーだろ…それにうちは直接的なプロデュース業なんてないしな」
北斗「そうそう。他所は他所、うちはうちで程ほどに頑張ろう」
黒井「あとはプロジェクト・フェアリーのメンバーもこちらに来ることになっている」
羅刹「げっ!あいつらも来んのかよ…」
北斗「それは素敵ですね社長。ますます楽しみだ」
翔太「んん?なんで冬馬くんは嫌がってるの?」
羅刹「嫌がってるわけじゃねーよ!俺…あいつ苦手なんだよ…背の高い面妖なやつ…」
羅刹「なんか言ってることよくわかんねーし妙な威圧感あるし…」
翔太「ははっ!冬馬くんもしかしてびびってるの?面白ーい!」
羅刹「びびってなんかねーよ!苦手なだけだ!」
黒井「とにかく!お前達も舐められないようにな。以上だ」
羅刹「了解だ社長。どんなやつらが来ようが俺達は楽勝、だぜ!」
北斗「はいはい…スマートに行けばいいんだけどね。それじゃ社長、チャオ☆」
翔太「またねークロちゃん!」
黒井「まったく…あいつら実力は一流なんだがな…」
P「また負けた…なぜだ…本気でやってるのに」
貴音「此度も良いじゃんけんでした。ふふ、ふふふ」
響 「明日は自分と勝負だからな!プロデューサー!」
美希「明日はミキの番だって思うな。目を瞑っても勝っちゃうの!アハっ」
響 「なら明後日は自分とだぞ!とっておきのモノマネを用意しとくから覚悟しとくさー!」
P「楽しみにしてるよ…さ、今日もお疲れ様。帰ってゆっくり休んでくれ」
貴音「ではプロデューサー。お疲れ様でした」
響 「美希ー!二十朗まで競争さー!」
美希「ミキ的には喫茶店のほうがいいの…」
貴音「では参りましょうか」
P「ふぅー今日も一日お疲れ様俺…っと」
P「ん?まだ居たのか、どうした?」
美希「でこちゃんにもお話聞いてあげてね」
美希「あの後会えなかったしきっと落ち込んでると思うの」
美希「ハニーの力で、でこちゃんをハニーフラッシュ!なの。アハっ」
P「あぁ、心配してくれてありがとうな美希」
美希「ハニーのためならなどうってことないの!それじゃミキ行くね」
P(電話しても1回も出てくれなかったしなぁ…どうしたものか)
P「机周りの整理でもしながら考えるか」
…
P「今日はここまでかな」
律子「プロデューサー殿。こんな遅くまでお疲れ様です」
P「なんだ律子か…気づかなかったよ、お疲れ」
P「はは、申し訳ない…」
律子「移籍の話、問題なく進んでよかったですね」
P「そうだな。皆良い子でよかったと思うよ」
P「ただ…」
律子「伊織ですね」
P「あぁ。朝以来話せてないんだ、電話も繋がらない」
律子「あれだけ癇癪起こしたんだし恥ずかしいんでしょうね」
小鳥「ふふ、伊織ちゃんも可愛いとこありますねぇ」
P「あ、いたんですか音無さん」
小鳥「ピヨ…」
律子「そうしてください。後引きずったらアレですし」
小鳥「よ、よーしじゃあこれから3人で飲みにいきましょうか!飲み会ですよ、飲み会!」
P「いや、今日は疲れたし伊織のこともあるんで遠慮しときますよ」
律子「私まだ未成年です」
小鳥「ピィ…」
小鳥「と、ところで社長見かけませんね」
P「色々と調整してくれてるんでしょうね…ありがたいですよ」
律子「伊織のこと頼みましたよー」
小鳥「明日ならいけるかな…?ピヨピヨ…」
P「はは…じゃあ…」
…
伊織「随分遅かったじゃないの」
P「い、伊織?お前事務所の前で何やってんだ」
伊織「あんた待ってたに決まってんでしょ」
P「中に入ればよかったのに」
伊織「今日は顔合わせられないわよ…」
P「うーん…とりあえずどこか店入るか」
P「それなら電話出てくれても良かったじゃないか。心配だったんだぞ」
伊織「こういうのは直接言う主義なのよ。あの、プロデューサー…」
伊織「朝のことは悪かったわ。ごめんなさい」
P「伊織…あ、頭上げてくれよ別に怒ってないからさ」
伊織「本当?でも私は怒ってるわ。あんたは勿論社長にもね」
P「マジかよ…どうすればいいんだ?」
伊織「どうもしないでいいわよ。私の気が済むまで変わらないんだから」
伊織「これは私のけじめよ。決意表明とでもいうのかしら」
P「けじめ…?」
伊織「あんたはあんたの望む道を進むがいいわ。私はその結果の更に上に行くだけ」
P「伊織…」
伊織「それだけよ。今週まではよろしくね。将来有望なプロデューサーさん」
P「あぁ…俺も伊織に追いつけるように頑張るよ」
伊織「ふん、それじゃさよなら」
P「あ、送って…」
伊織「いいわよ、気持ち悪い」
P「うぐっそうか…」
伊織「じゃあね」
P(こうして伊織との話は終わってしまった)
P「ごめん美希…ハニーフラッシュできなかったよ」
社長「今日もお疲れ様諸君。知ってると思うが今日を最後にプロデューサー君はここを離れ961プロの元へ行く」
社長「なに、これでお別れというわけではないんだ。彼の成長を願って欲しい」
春香「ぶろでゅーざーざん…お別れでずよ…お別れ…」
P「春香、俺が帰ってくるまでに転ぶのは1日2回くらいにまでは減らしておいてくれよ」
春香「ヴぁい…ヴぁい…」グスグス
真 「プロデューサー!半年後より女の子らしくなったボク見ても驚かないでくださいね!」
P「ははっ真は今でも十分女の子らしいよ。無茶なトレーニングは控えるようにな?」
やよい「あの、プロデューサー!暑くても寝るときはタオルケットくらい使ってくださいね!扇風機はタイマーで…」
P「ありがとうな、やよい。風邪引かないように気をつけるよ」
千早「頑張ってくださいねプロデューサー。私にはまだ貴方という翼が必要なんです」
P「あぁ。必ず戻って今以上にサポートできるようにするよ」
P(それぞれ俺を快く送り出してくれた…伊織を除いて)
P「いいんだよ。伊織にも思うところがあるんだろう」
P「それより響達はお別れの挨拶とかないのか?随分あっさりしてるけど」
響 「自分達は昨日お別れカラオケパーティしたからな!問題ないさー!」
小鳥「昨日は盛り上がったわねぇ…途中から記憶ないけど」
あずさ「音無さんは酔ってましたもんね〜」
亜美「あずさお姉ちゃんも相当だったよ…」
あずさ「あらあら〜」
P「はは、それじゃ一安心だよ」
美希「ミキ、今日は帰りたくないなー?」
雪歩「だ、だめだよ美希ちゃん…」
P「はいはい。途中まで一緒に帰ろうな」
貴音「打ち上げらぁめんというのも有りではないでしょうか」
P「無しだな」
貴音「面妖な…」
P「それじゃ、皆律子の言うことよく聞くんだぞ!特に真美亜美!」
亜美「それが兄ちゃんの最後の言葉になるとは…」
真美「真美達はまだ…、ま、まだ知る…うぅ…」グス
響 「うぎゃー!自分のアイデンティティを奪うなよー!」
真美「兄ちゃん…」
P「うおっ抱きつくなって…恥ずかしいだろ?」
美希「あー!ずるいの!ミキも抱きつくの!」
亜美「ミキミキに続けー!」
あずさ「あらあら〜じゃあ私も〜」
P「ちゃかさないでください…ほら、歩けないだろ」
美希「このまま駅までレッツゴー!なの!アハっ!」
春香「めそめそしてたら出遅れた…」
雪歩「私も…穴掘っても掘りきれないよぉ…」
P(こうして最後まで騒がしく765プロとの生活は終わった)
黒井「ウィ。今日も貧相な顔つきだなへっぴりプロデューサー」
P「あ、黒井社長!えぇと今日からお世話になります!よろしくお願いします!」
黒井「ノンノン。先に言っておくが私は貴様達を歓迎などするつもりはない」
P「え…?」
黒井「高木の手前教育などと言ったがな。私はお前達を手助けすることはない」
黒井「必要と感じたことは教わるのではなく盗め。でないといつまでも負け犬根性が染み付いたままだぞ」
黒井「ま、不憫な貴様の顔に免じて業務マニュアルと研修、歓迎会くらいはしてやるがね。ではついてきたまえ」
P「あ、ありがとうございます…」
黒井「ではこれからの説明だが…まずIUとはどういうものか話しておこう」
P「よろしくお願いします!」
黒井「ウィ。まぁIUと言ってもやることは単純だ。アイドルを育てフェスで勝ち抜く。以上だ」
P「え?オーディションでランク上げたり思い出打ち放題とかじゃないんですか?」
黒井「私にもわかる言語で喋ってくれよ寝言プロデューサー」
黒井「IAの場合一定期間のランキングチャート上位がノミネートされそこから選考されるのは知っているな?」
P「はい」
黒井「私のジュピターは間違いなく運命のランキングでTOPを飾りそのまま大賞を取りに行くだろう」
P「…」
P「出たとこ勝負ですか」
黒井「ウィ。負ければそこで終わり、勝てば次のフェスまで一定の期間が設けられる仕組みだ」
黒井「恐らくだが最大で3回戦ほどの数になると思え」
P「…意外と少ないんですね」
黒井「IUに参戦するだけでも相当な力が必要だからな。ふるいは既にかけられているのだよ」
黒井「最後に、我がジュピターもIUを狙っている。せいぜい努力することだ」
P「ジュピターが!?でも彼らはIAを目指してますし、二冠なんて聞いたことないですよ!」
黒井「だからこそ達成する価値があるのだ。常に最上の結果を目指すのが私達だろう?」
P「た、確かにそうですが…」
黒井「話は以上だ。さっさとその疲れた顔でアイドル達に会いに行け」
黒井「あぁ忘れていたが。961プロにいる間は765プロ関係者とは一切連絡を取るな。これは高木も同意の上だ」
P「わかりました。失礼しました…」
羅刹「よう。765のプロデューサー」
P「ん?あ、君は…鬼ヶ島羅刹!」
羅刹「ヶしか合ってないじゃねーか!俺の名前は天ヶ瀬冬馬だ!」
P「そ、そうだ。天ヶ瀬冬馬!…でも君の名前羅刹になってるぞ」
羅刹「はぁ?何言って…うおっ!翔太のやつまたいじくりやがったな!」
冬馬「ふぅ、これでいい…おい」
P「あぁ、これから961プロで働くんだけど…話は聞いてるのか?」
冬馬「大体はな。なんだ仲良しごっこじゃ勝てないからってうちに泣きついてきたそうじゃねーか」
冬馬「何回でも言ってやる。力こそパワーなんだ。どんな相手でも圧倒的力で捻じ伏せる!これが俺達のやり方だ」
翔太「冬馬くん、それ言うなら力こそ正義なんじゃないの?」
冬馬「翔太も来たか…ってお前!また俺の名前かってにいじっただろ!やめろよな!」
翔太「ごめんごめんっ反省してまーす!」
北斗「俺もいるんだが…やれやれ。ご機嫌いかがかなプロデューサーさん」
P「思った以上に馴染めそうで安心してるとこだよ」
翔太「また僕達に負けて泣きべそかかないようにね!」
冬馬「それじゃ行くか。今日も楽勝、だぜ!」
北斗「待てよ冬馬。お嬢さん達に挨拶したいんだけど…行っちゃったよ。仕方ないな」
北斗「それじゃ、チャオ☆」
P「あぁ、またな」
P(ジュピターは俺の想像とはちょっと違ったユニットなのかもしれない)
P「さ、美希達に会いに行くか」
美希「あ、ハニーなの!ハニィィィイ!」
P「おごっ!タ、タックルはやめろ…朝飯が飛び出そうだ…皆来てるな」
貴音「おはようございます。プロデューサー」
響 「事務所が変わってもファイトだぞー!」
美希「ハニー!美希遅刻しないでちゃんと来たよ、偉い?」
P「当然かな…」
P「はぁ…こんなとこ黒井社長が見たらまた嫌味言われそうだ…」
黒井「見ているんだがな。萎びたプロデューサー」
P「はわっ!びっくりしましたー!」
響 「なんだそれ…」
黒井「まぁ今日くらいは見逃してやる。それよりも今日の予定を伝えに来た」
黒井「あいつらは勝手に営業に行き勝手に勝利をもぎ取ってくる。無能な貴様達と違ってなフーッハッハッハ!」
貴音「それで、予定とは?」
黒井「フン、つまらん奴だ…貴様達に聞くがIU出場に向けて何か準備を進めてあるのか?勝算はあるのか」
P「そんなの、決まってますよ!いくぞ!」
響 「友情!」
貴音「努力!」
美希「勝利なの!」
Pこれが、俺達プロジェクト・フェアリーです!」
4人(決まった…)
黒井「…」
P「え?」
黒井「ノンノンノンノン…」
美希「おじさん壊れちゃったの。アハっ」
黒井「おじさんじゃない!貴様達は一体なんのためにここに来たのだ!ここまできて今更精神論を持ち出すのか!」
P「何って…IUで勝つために…」
黒井「それがわかっていながら具体策も無く友情だの努力だの言ったのか!」
貴音「勝利は問題ないのですね」
黒井「ウィ。勝利こそ全て…過程や方法などってそんなこと今はいい!」
黒井「例えば現状を大きく変えたいなら新曲だ。貴様達次の曲をリリースする予定はあるのか」
響 「ないぞ!」
黒井「じゃあ衣装はどうだ。自身の気持ちの切り替えにも繋がる重要な要素だ」
美希「ないの!」
黒井「貴様達本当に何も考えずに来たのか…遠足じゃぁないんだぞこれは」
P「そ、そのへんも考えますよ…明日くらいから!」
黒井「明日では遅い!そんな腑抜けたことを抜かすから貴様達は万年負け犬なのだ!」
貴音「あの、そろそろお昼の時間ですが…一旦休憩を挟んでは?」
黒井「認めん!」
貴音「なんと手厳しい…」
P「え、新曲…?フェアリーにですか?」
黒井「そうだ…好きに使え…セレブな私はこれからTV局に観光に行ってくる…」
P「それって営業なんじゃ…」
黒井「いちいちうるさい奴だ!いいからさっさと準備をしろ!フェスは待ってはくれんのだ!」
P「は、はい!」
黒井「高木はなぜこうなるまで放っておいたのだ…理解できん…ぶつぶつ」
響 「なんか勝手に怒鳴って勝手に行っちゃったけどどうしたんだ?」
貴音「新曲が手に入ったのですよ。響」
響 「おぉ!これでまたヘビ香達に餌買ってやれるぞ!」
美希「ハニィお腹減ったのーおにぎり食べたいな」
P「し、新曲…衣装まで…ふふ、ふふふ」
美希「ハニーまで壊れちゃったの…あふぅ」
P「オーバーマスターか…今までにない曲調だなこれは!」
P「売り込むにはまずオーディションだが…いきなり全国にいくよりまず西あたりを攻めるか」
P「オーディションに行ってからは営業とレッスンを交互かな…曲に慣れきったら全国で出演させよう」
貴音「お待たせしました。あなた様」
P「貴音、仕事中はプロデューサーって呼べって…おぉ」
響 「自分この衣装すごく気に入ったぞ!」
美希「ミキ的にもオッケーなの!」
P「いいなこれは…うん、いい」
P「心なしか響のバストが増えてみるな」
響 「うぎゃー!この変態プロデューサー何言ってるさー!」
貴音「びよんどざすたーず。という名称とのことです」
P「曲とかけてるのかな…?黒井社長もなかなか粋なことしてくれるじゃないか」
美希「ミキもう歌詞覚えちゃったの。あふぅ」
響 「自分まだチェックしてないのに…」
P「とりあえず今週はレッスン漬けだ。その後各自で曲をマスターしてくれ。仕上がり次第売り込みに行くぞ」
P「俺は営業に行ってくるから顔を合わせる機会は少ないと思うけど」
美希「えぇー!ハニーと一緒じゃないとやる気でないのー!」
P「そんなこと言ってくれるなよ…リーダーなんだし、しっかり頼むぞ?」
美希「頑張ったらギュってしてくれる?」
P「IU獲れたらいくらでもしてやるさ」
美希「ならミキもがんばっちゃうの!」
TV曲の偉い人「なんだか君の顔見るのも久々だねーフェアリーには期待してたんだから頼むよ」
P「よろしくお願いします!!」
レコード会社の偉い人「相変わらず貴様のところの四条はいいな…やはり手を打つべきか」
P「よろしくお願いします!!!!」
映像会社の偉い人「うんうん、じゃあPVの撮影日時だけど…」
…
P「はぁーここ数週間すごい働いた気がする…誰にも頼れないってのは辛い…」
P(765プロの皆が恋しい…雪歩のお茶と春香のクッキーが食べたい…皆寂しがってないかな…)
真 「IUが始まってすらないんだからまだまだかかるだろうね」
春香「プロデューサーさんーウサギは寂しくなると死んじゃうんですよー」
千早「それは迷信よ」
真美「あぁ!ピヨちゃん2000なんだから先落ちしないでよー!」
小鳥「そ、そんなこと言ったって相手の攻撃がよ、避けっピイイイ」
真 「はぁ…律子は竜宮にかかりきりだし段々仕事は減ってるし」
真 「早く帰ってきてくださいよ…プロデューサー」
雪歩「皆お茶が入ったよ。春香ちゃんのクッキーもあるし一緒に食べよう?」
真美「いやっふ→!この瞬間を待っていたんだぁ!」
やよい「うっうー!このクッキー弟達に持って帰ってもいいですかー?」
春香「プロデューサーさんとクッキー食べたいなぁ…」
黒井「んん?マヌケな声が聞こえたと思ったらろくでなしのゾンビ顔プロデューサーじゃないか」
P「あ、黒井社長…今日も営業ですか?」
黒井「ノンノン。何度言えばわかるんだ貴様は。セレブな私は今日も繁華街で人物チェックのあと観光だ」
黒井「ところで貴様達のユニットの調子はどうだ。961プロが噛んでいるのだから相応の成長はしてるのだろうな」
P「えぇ、まだ最終調整とまではいきませんが大したものです。彼女達とあの曲すごくマッチしてますよ」
黒井「それはそうだろう。なんせこの宇宙一のスーパーセレブ黒井社長が用意したのだからなハーハッハッハ!」
P「ほんと凄いですよ…俺だけの力じゃ彼女達をあそこまで引き上げるのは無理でした」
P「社長やあなたは俺に目をかけてくれているみたいですけど、自分じゃとても…」
黒井「貴様の場合実力よりも、その腐った性根と怠け癖が一番の問題だな」
黒井「貴様が出払っているからだろう。何も問題は無い」
P「そうですか」
黒井「…IU初戦だが恐らく来週頭に発表がある。覚悟しておけ」
P「え…情報はギリギリまで伏せられているんじゃ?」
黒井「961プロを甘く見ないことだ。対戦相手までは教えん。初戦敗退するような貧弱なユニットを預かってはいないからな」
黒井「ではセレブな私は繁華街まで足を運ぶとしよう。人物観察はいい息抜きになるからな。アデュー!」
竜馬「おい」
P「とりあえず明日にでも一度4人で話を詰めるか…」
竜馬「おい!」
P「うわっ驚いた…って天ヶ崎竜馬じゃないか!」
竜馬「ちょっとずつ間違えてんじゃねえ!俺は天ヶ瀬冬馬だ!」
P「あ、そうだ冬馬…君またいじられてるぞ」
竜馬「なに!?くそっあいつらくだらないことしやがって!」
冬馬「ふぅ…こうして顔合わせるのも久々だな。営業か何か?」
P「あぁ、全国走り回るのは疲れるよ。冬馬は一人なのか?」
P「その様子じゃ上手くいってるみたいだな」
冬馬「当然!この程度の営業なんか楽勝、だぜ!」
P「はは、961に来てから冬馬達の印象も大分変わったよ」
冬馬「な、なんだよ…俺は裏で汚いことをする765プロが気に食わないだけだ。あんた自身に恨みはねぇ」
P「汚いこと?一体なんの話だ?」
冬馬「今のあんたに話しても意味ねーよ。じゃ、俺行くから」
P「あ、あぁ…気をつけてな」
P(汚い?765プロが…?一体なんの話だ)
P「皆おはよう!さっきも少し触れたが、IU初戦が来週にも始まるらしい」
貴音「ついにこの時がきたのですね。私高揚してきました」
響 「来週でも今日でも自分達はいつでも完璧さー!」
P「皆随分気合入ってるな。やっぱり961プロの力は大きいのかな」
貴音「それもありますが、私達のために骨を折っているプロデューサーを見ているとやる気も出るものです」
響 「自分完璧だけど、プロデューサーの姿見てたらもっと完璧になろうって思ったんだぞ!」
P「俺ってそんなに普段頑張ってなかったのか…ところで美希は?」
美希「あふぅ…あ!ハ、ハニー!おはようなの!」
貴音「ここ数日あなた様の姿を見かけないので美希も気が緩んでいたのですよ」
響 「ハニー分が足りないってうるさかったぞ」
P「燃費悪すぎだろ…本番までにはしっかり調整してくれよ?」
美希「合点承知なの!」
P「さて、今日はIU初戦だ!皆気合いれていくぞ!」
貴音「はい!」
響 「どんな強敵でもなんくるないさー!」
美希「普通に頑張って普通に勝っちゃうの!」
北斗「おや、これは朝から幸先がいい。フェアリーの皆じゃないか」
P「北斗か、他の二人も来ているのか?」
北斗「ええ。今日は俺達IU準決勝戦ですからね」
響 「ジュピターは今日勝てばあとは決勝かー自分もはやく勝ち進みたいぞ」
貴音「油断はいけませんよ響。大事な初戦を前に気の緩みは禁物です」
響 「わ、わかってるよ!」
P「ま、君達も油断なんてしないとは思うが頑張れよ」
冬馬「朝からご挨拶だな。765のプロデューサー」
冬馬「な、何だよまだ何も言ってねーだろ…睨むなよ…」
翔太「相変わらず貴音さんにはへっぴり腰なんだねー冬馬くん!」
P「二人とも、おはよう。今日は準決勝だってな」
冬馬「あぁ。どんな相手だろうと俺達は楽勝、だぜ!」
翔太「冬馬くんそればっかりだねー。プロデューサーさん達は今日が初めて?」
P「あぁ、しかし対戦相手がまだわからないのは不安だな…」
北斗「そろそろ発表されるみたいですよ。ホラ☆」
P「大層な電光掲示板だな…っと相手は新幹少女か。彼女たちも出てるとはな」
冬馬「はっなんだこりゃ!ふざけんじゃねーぞ!」
P「フェス前に揉め事はやめてくれよ…一応見に行くか」
冬馬「おいプロデューサー!見ろよあれを!」
P「あれって君達の対戦相手か…あれは…え?」
律子「あ、プロデューサー殿!」
亜美「兄ちゃーん!お久しぶりぶり→!」
P「おま、律子に亜美?もしかしてジュピターの相手は…」
伊織「そう。あいつらの相手は私達竜宮小町よ」
あずさ「お元気でしたか〜プロデューサーさん〜」
P「伊織…あずささんも」
伊織「暫くぶりね。まぁあんた達の顔なんて見たくなかったけど」
あずさ「伊織ちゃんったら〜ダメよ?そんなこと言っちゃ」
伊織「ふん…」
律子「プロデューサー殿も無事にIU参戦されたんですね」
P「あぁ、というか律子達がいることに驚いたよ」
律子「えぇ、話せば長くなるんですけど…」
伊織「律子。こいつらと話してる時間なんてあるのかしら」
律子「っとそうだった!それじゃプロデューサー殿お互い決勝で会いましょうね!」
あずさ「それではプロデューサーさん〜後ほど〜」
P「え、えぇ…」
響 「なんだなんだ?何で律子達がいるんだ?」
P「…本物だよ。彼女達竜宮小町もIUに出てるみたいだ」
貴音「なんと。それはまこと、よきことですね」
P(しかしなんで今更?竜宮小町は過去のフェスで冬馬一人に完敗してから活動は控えていたのに…)
P(いや、何を馬鹿なことを。俺達と同じじゃないか!復活したんだ、何か手を使って)
P「やっぱり新曲かな…」
美希「ハニー?どうしたの?」
P「悪い、まだ開始まで時間あるよな?ちょっと出てくるから!」
響 「ちょっとプロデューサー!何考えてんの!?」
P「すぐ戻るから待っててくれ!」
P(ここ数週間ランキングは確認してないがSMOKY THRILLは俺が765プロを離れた時点で50位を下回っていた)
P(もともと地力のあるユニットなんだ。何をきっかけに復活するかわからない)
P「竜宮小町とジュピターの会場はここか…」
ワアアアアーーーーーーー!!
P(竜宮小町のところには観客が詰め掛けている。震度10なんてものじゃない)
P「冬馬…」
P(ジュピターの前には女性ファンが数人いるだけで…後は…)
P「一体何が…?竜宮はどんな手品を使ったんだ」
P「くそっもう時間だ。フェアリーのところに行かないと」
…
冬馬「はは…ざまぁねえや…」
翔太「冬馬くん…」
北斗「…」
冬馬「あいつら、俺が叩き潰した時とは全く違ってやがった…何があったんだ」
北斗(妖精さん達を慰める予定が慰められることになりそうだな…残念)
響 「やっときたぞ!」
美希「ハニー遅いよーもうすぐ始まっちゃうの」
貴音「今回は間に合わせたので良しとしましょう」
P「ほんとすまない…さ、相手は懐かしの新幹少女だ。万が一ということもあるし気を抜くなよ」
「「「はいっ!」」」
美希「それじゃ気合入れていくのー!」
貴音「三!」
響 「2!」
美希「1!」
「「「えい!えい!おー!」」」
P「ターッチ!」
響 「空気読んでくれよな…」
P「す、すまん」
P「この程度の相手なら俺が指示しなくても勝ってくれるだろう」
P「彼女達を信じて俺は敵情視察だ!」
黒井「待てそこのひよっこプロデューサー」
P「く、黒井社長!来てたんですね」
黒井「あぁ。最低なものを見せられたよ。全くあいつらは」
P「そのジュピターですけど…あの、調子悪かったんですか?」
黒井「そんなことはない。ジュピターは常にベストコンディションだった」
P「じゃあ何で!竜宮小町はそんなに凄かったんですか?」
黒井「少なくとも今のジュピターよりはな。不愉快な連中だ」
黒井「たかがスーパーブレークの結果と侮っていたが中々手強いらしい」
P「そうだ、彼女達も新曲出してるはずなんだ。一体どんな曲なんです?」
黒井「どっとっぷTVに毎週のように出てるが…これがデモテープだ」
P「『七彩ボタン』…」
P「社長のですか」
P「そういえば、さっき見かけましたけど、衣装も変わってましたね」
黒井「条件は貴様達と同じ。今の知名度からするとフェアリーがやや不利といったところか」
黒井「しかしとんだ誤算だ。我が最強を誇るジュピターがまさか準決勝ごときで敗れるとはな!」
黒井「これでIUは失ったも当然。二冠の夢は潰えたわけだ」
黒井「全く使えんやつらだ。961プロが765プロに負けるなど許されん」
冬馬「そうだな。俺達は口先だけだった」
黒井「冬馬か…残りの二人はどうした」
冬馬「さぁな。俺の知ったことじゃない」
黒井「私は負け犬の面倒をこれ以上見る気はない。その意味がわかるな?」
P「と、冬馬!お前何言って…」
黒井「ノンノン。何を寝ぼけたことを言っているのだ冬馬よ」
冬馬「え?」
黒井「IUはお前達の力が足りなかったがIAノミネートにはまだ時間がある。弱音を吐く暇があったらさっさと鍛えなおして来い」
冬馬「社長…」
冬馬「すまねぇ。恩に着る」
黒井「つまらんことは言うな。結果だけ残せばそれでいい」
P「黒井社長…」
黒井「先に戻っている。アデュー!」
美希(ミキ達フェス終わったんだけど…ハニーったら何してるの)
貴音(何やら重要な話の様子。暫く様子を見ましょう)
美希(はぁいなの…)
P「あぁ、残念だったな…ジュピター」
冬馬「そんなこと今はどうでもいい。竜宮小町のことだ」
P「彼女達がどうしたんだ?」
冬馬「あいつら…とんでもないぜ。鬼気迫ってた」
P「穏やかじゃないな」
冬馬「あのでこっぱち…961プロよりうちが優れてることを証明するだの息巻いてたが」
P「伊織か…」
冬馬「名前なんてしらねーがな。負けた後だと痛感するぜ…」
北斗「俺達にはチームワークとやらが欠けてるらしいですよ」
P「北斗、それに翔太も」
翔太「今まで僕達好き勝手に動いてたからねーツケが回ってきたのかも」
翔太「そうそう。これから僕達も仲良くやっていこーよ!」
北斗「ま、俺も仲良しごっこはそんなに嫌じゃないけどね」
翔太「それほんと!?じゃあじゃあ今からさっそく次の作戦会議しよーよ!」
冬馬「そういうことだ、プロデューサー。俺達次はIA大賞を目指す。あんた達も気合入れろよ」
北斗「それじゃ俺達はこれで。チャオ☆」
翔太「待ってよー!クロちゃんも誘って4人で行こうよ!ねぇってばー!」
P「ジュピター…あの調子ならIAはきっといけるさ。頑張れよ」
P「おぉ?って美希か!あれ、フェスはどうしたんだ?」
響 「そんなのとっくに自分達の勝利終わっちゃったぞ…見てくれなかったんだな」
P「ご、ごめんな…ちょっと込み入った事情があって」
貴音「あなた様」
P「ん?」
貴音「皆の夕食代で手を打ちましょう」
P「はい…」
貴音「なんと。律子嬢達も新曲を携えて参戦していたのですね」ズルズル
P「あぁ、全くの計算外だったよ」
美希「っていうか竜宮小町の曲って七彩ボタンでしょ?ここ最近ずっとランクインしてるの」モグモグ
P「俺961に来てからは営業してるか寝てるかだったから全くチェックしてなかったよ…」
響 「プロデューサーとしてどうなんだそれ…」
貴音「あの、あなた様…替え玉をしても?」
P「好きなだけするといい」
貴音「恐らく伊織が言い出したのでしょう」ズルズル
響 「なんで伊織ってわかるんだ?」
貴音「とっぷしーくれっとです」
美希「ハニー!ミキのために毎日ラーメンを作ってほしいなっ」
P「めんどくさい」
美希「あふぅ」
P「祝勝会と考えたらこれくらい安いもんだよ。まだ2戦残ってるしな」
響 「じゃあ自分このまま帰るさー!皆お疲れ様!」
美希「ばいばいなの」
P「タクシー拾わなくていいのか?」
響 「なんくるないさー!じゃなー!」
P「貴音はどうする…ってもういない。相変わらず不思議な子だ」
美希「ねぇハニィミキ少し休みたいな?」
P「家に帰ったら好きなだけ休め。ほらタクシー拾ってやるから」
美希「そんなのってないの!」
P(竜宮小町は気になるけど765プロとの接触はNGなんだよなぁ)
P「とりあえず七彩ボタン聴きながら対策でも練るか」
…
P「なんだよこれ…箱にも収録しろよ…」
P「っといかんいかん疲れが溜まってるな」
P「曲は確かに凄いな。社長の隠し玉というのも頷ける」
P「だけどこれは…どうしたんだあいつら」
P「気づいてる子もいると思うんだが」
P「うーん…」
美希「ハニーさっきの対戦相手なんて名前だっけ?ミキ全然憶えてないの」
P「ん?なんだっけ…魔王ナンジャラスだったかな。まぁ負けた相手より決勝の相手を考えないとな」
響 「決勝で思い出したけど今日あずさに会ったぞ」
美希「えぇー羨ましいの!ミキも久しぶりに皆でお喋りしたいな」
響 「決勝で会おうなって言ったら微妙な顔されて行っちゃったんだ。自分何か悪いことしたのかな…」
美希「お腹でも痛かったのかなって思うな」
響 「それじゃ仕方ないさー」
貴音「…」
P「貴音は何か心当たりあるか?」
貴音「いえ…今日はどこのらぁめん屋へ行こうかと考えておりました」
美希「ミキ的にこれ以上ラーメン食べたらちょっとピンチなの…」
千早「そうね」
真 「あれ、あんまり興味なさそうだね」
千早「そうでもないけれど…」
春香「私はやっぱりプロデューサーさんに勝って欲しいなぁ。えへへ」
真美「真美はどっちにも勝ってほしいなー」
やよい「うっうー!どっちも応援できるように両手にうちわ持って行きますー!」
真 「てかさ、ボク達…最近一日中事務所にいない?」
雪歩「ホワイトボードが雪のように真っ白だね…」
千早「竜宮小町の大切な時期なんだから仕方ないわ」
真 「それにしたってレッスンすらしてないのはおかしいよね。自主トレのみって何だよ…」
小鳥「みんなー!今日のおやつはプリンよぉー!」
真美「Yahoo!!」
雪歩「お茶淹れてきますぅ」
真 「はぁ…」
TV曲の偉い人「IUにも出てるのに竜宮小町は凄いねぇ。これからもヨロシクね」
「「「ありがとうございましたー!」」」
律子「次は…や、やっと終わりだわ…ちょっと電話してくる…」
あずさ「さすがにヘトヘトね〜」
伊織「何言ってんのよ。事務所に戻ったらビデオ見ながら決勝にむけて勉強会するわよ」
亜美「うあうあー!もう亜美疲れちったよー!」
あずさ「ねぇ伊織ちゃん、ちょっとくらいなら休憩したってバチは当たらないと思うわよ〜?」
伊織「もう決勝まで時間がないのよ?あんた達ここで気を抜いて負けてもいいっていうの?」
亜美「…もう亜美は別にどっちでもいいかなーって思ったり…」
伊織「なんですって」
あずさ「まぁまぁ伊織ちゃん」
亜美「だ、だって勝っても負けても765プロの勝ちっしょ?なら別にこんな練習しなくても兄ちゃん達と」
伊織「全っ然違うわ!」
亜美「ひっ!」
伊織「あいつらが勝ったら今までの私達が否定されるのよ!」
伊織「そんなの認めない、765プロが間違ってるなんて思わない。それを証明するためにここまで来たのよ!」
伊織「仲間のことを疎かにするようなユニットに負けるなんてそんなの許されないわ!」
あずさ「で、でも伊織ちゃん、プロデューサーさん達だって頑張ってるのよ?」
伊織「…もういいわ。このまま話しても平行線よ。私先に戻るから」
亜美「いおりん…」
あずさ「あらあら〜亜美ちゃん大丈夫?可愛い顔が台無しよ〜ほら一緒に帰りましょ」
亜美「うん…ケーキ食べたい…」
あずさ(こんなにバラバラで仲間や絆を語る資格あるのかしら…)
あずさ「プロデューサーさん…私どうすればいいんでしょう…」
美希「すっごく疲れたのーもう動けないのーついでにお腹がパンパンなのー」
貴音「ちゃぁしゅう丼はまこと美味でしたね」
冬馬「よう。フェアリーとプロデューサー」
P「冬馬か。君も今戻ってきたのか?」
冬馬「いや今日はオフだから自主トレにな。もう一人は?」
貴音「響のことなら失踪した家族を捜索中です」
冬馬「そ、そうか…悪かった」
P(ブタ太のことなんだけどな)
冬馬「来週はIUの決勝だな」
P「あぁ、相手にとって不足無し。全力でぶつかるだけだよ」
冬馬「へっあの時のフェスとはえらい違いだぜ。こんなに根性あるとはな」
冬馬「今のあんた達は961プロの名前も背負ってるんだ。負けんなよ」
美希「そこの人頭打っちゃったのかな」
貴音「面妖な…」
冬馬「そこの人じゃねえ!俺は天ヶ瀬冬馬だ!」
冬馬「ちっじゃあ俺行くから」
P「気合入ったよ。ありがとうな」
P「純粋なんだよ彼は」
響 「お、皆待っててくれたのか!待たせてごめんなー!」
貴音「響、ちゃあしゅうは無事見つかったのですね」
響 「チャ、チャーシュー!?ブタ太のことを言ってるのか!?」
美希「ミキ的にはトンカツでもいいって思うな」
響 「ブタ太は家族なんだぞ!食べたりしないからな!」
ブタ太「こいつら目がマジだ…」
美希「これに勝てば念願の、なの!ハニー覚悟しててね!」
P「?あぁ頑張ってくれよ」
響 「やれることは全部やったんだし後は歌って踊るだけさー」
P「そのことなんだがな。皆に提案がある」
貴音「今になって、ですか?」
P「あぁ、無茶は承知なんだが…」
伊織「やっとあいつを見返すことができるのね。腕が鳴るわ」
亜美「…」
あずさ「あの、伊織ちゃん」
伊織「余計なことは言わないで頂戴。今は勝つことに集中したいの」
あずさ「ごめんなさい…」
律子「なんだかギクシャクしてるわねぇ。明日までになんとかしときなさいよ、じゃ今日は解散!」
亜美「バッドコミュニケーションってレベルじゃないよ…りっちゃん…」
あずさ「じゃあ皆で帰りましょうか〜あら伊織ちゃんは?」
亜美「さっさと帰っちゃった」
あずさ「あ、あらあら〜はぁ…」
響 「そんなの言われなくたって皆知ってるぞ!」
P「そ、そうだよな。とにかくチバリヨー!」
響 「おぉ!やるなプロデューサー!」
貴音「今日は美希も時間通りですね」
美希「さすがに最後くらいはビシっとしないと見捨てられちゃうの」
P「よし、じゃあ出発だ!」
…
P(皆は衣装合わせ中だ)
「プロデューサーさん!」
P「何奴っ」
春香「私ですよ、私!天海春香です!」
P「おぉー久しぶりだな!元気してたか?」
春香「プロデューサーさんがいないと元気カラッポですよぉえへへ」
春香「はい!今日は765プロ全員で観戦なんですよ!」
千早「お久しぶりです。プロデューサー」
P「千早か。相変わらずだな」
千早「ええ」
春香「千早ちゃん、他の皆は?」
千早「あっちで応援の準備してるわ…春香、そういえばあなた呼ばれてたわよ」
春香「え?なんだろ…ちょっと行ってくるね。プロデューサーさん、頑張ってくださいね!」
P「ありがとなー」
千早「まぁ、嘘なんですけど」
P「嘘!?千早がそんなこと言うなんてどうしたんだ」
千早「竜宮小町のことでお話があります」
P「…それを聞いてどうするんだ?」
千早「どうもしませんよ。プロデューサーとしての意見を聞きたいだけですから」
P「凄い力をつけてると思うよ。七彩ボタンを完全にモノにしてる」
P「PVの時点ではダンスも問題ない。息の合った完成度の高いユニットになったな」
P「ただ…」
千早「ただ?」
P「伝わってこないんだ」
P「アイドルはファンを笑顔にさせるのが仕事だろ?だけどあいつらの歌は、何ていうか」
千早「自身も観客も見ていない。別の何かに執着している」
P「そんなとこかな…」
千早「十分です。ありがとうございました」
千早「どうしても聞いておきたかったので」
千早「でも安心しました。プロデューサーはやはりプロデューサーだったんですね」
P「そう簡単に変わったりはしないさ」
千早「見違えましたよ、まるで初めて出会った時のようです」
P「…移籍前の俺ってそんなにダメだったのか?」
千早「ふふっ想像にお任せします」
千早「それでは私はこれで。伊織達の指導よろしくお願いします」
P「あぁ、その辺りも考えてるよ。皆によろしくな」
P「さ、そろそろ皆集まってるかな?」
美希「この衣装懐かしいの!ちょっと楽しみになってきたって感じ」
響 「うわっハム蔵そんなとこに入っちゃだめだぞ!」
貴音「それにしても決勝戦で曲を変えるとは思い切ったことをするのですね」
P「あぁ。俺も最初はオーバーマスターのままでいくつもりだったんだが」
P「どうも教育が必要なやつがいるようでさ」
P「貴音には迷惑かけるが二人をサポートしてやってくれ」
貴音「承知しました。あなた様」
P「今回の相手は知っての通り竜宮小町だ。ジュピターを破ってここまで勝ち抜いてきた」
P「実力という意味では俺達と五分だと思うが、今回もリラックスしていこう」
響 「リラックスって…竜宮小町相手にそんな調子でいいのか?」
美希「ハニーはミキ達が負けてもいいってこと?浮気なんて許せないの」
P「別に負けろとは言ってないさ。今回の目標はずばり、全力で楽しめ!」
響 「楽しむって、歌って踊って皆を喜ばせる?」
美希「キラキラすることって思うな」
P「それでいいよ。自分達の思うように動いてくれ」
響 「そんなのいつも通りだぞ!誰が相手でもなんくるないさー!」
美希「ハニー今日はちゃんと見てくれるんだよね?」
P「う、ごめんな。今日はしっかり美希達を見守るからな!」
美希「それならぴっかぴかに輝いちゃうの!でこちゃんなんかに負けたりしないの!」
伊織「久しぶりね」
P「あぁ。まさかIU決勝で当たるとは思わなかったよ」
伊織「あんたに見せてあげるわ。765プロは961プロに劣ってないってことをね」
律子「伊織!またかってに飛び出して…ちょっとは皆のことも考えなさいよ!」
伊織「はいはい、それじゃあプロデューサー。せいぜい健闘することね」
律子「ちょっと伊織…!はぁ〜なんでこうなっちゃったんだろう」
P「律子も大変そうだな」
律子「あぁプロデューサー殿…あなたがいない間にうちはもうガタガタですよ…早く戻ってきてもらわないと」
P「もう暫くの辛抱さ。IUが終わればすぐ元通りになるよ」
律子「そうだといいんですけどね。今からあずささんを探してこないと…それじゃプロデューサー殿!」
P「あぁ、そっちも頑張れな」
黒井「久々の仲間との再会はどうだった。へなちょこプロデューサー」
P「黒井社長…来てくれたんですね」
黒井「それにしても貴様…今回は楽曲と衣装を変更したらしいな」
P「えぇ。少し思うところがありまして…勝手な判断をしてすみません」
黒井「好きにしろと言ったはずだ、責任は全てお前が持て」
黒井「しかしオーバーマスターと比べると少々力不足だと思うが?」
P「そうかもしれません。ですが765プロとして竜宮小町と対するうえでこれがベストだと判断しました」
P「ある人が言っていました。観客やスタッフには過程は関係ない。結果が全てだと」
黒井「その通りだ」
P「だから俺は、黒井社長の言う仲良しごっこを続けて最高の結果を出そうと思います」
黒井「…それが961プロで学んだお前の答えなのか」
P「黒井社長には感謝してますよ。環境に甘えてた俺をここまで立て直してくれたんですから」
P「はい。お世話になりました。黒井社長」
黒井「さっさと行け!」
…
黒井「…結局あいつは骨の髄まで高木の765プロに侵食されていたようだ」
冬馬「何しょぼくれた顔してるんだよ社長」
黒井「ジュピターか…無能な社員が辞めて喜んでいたところだ」
北斗「その割には随分と世話を焼いていたようですが」
翔太「クロちゃんツンデレだからねー!」
黒井「やかましいぞ!フン、お前達も後学のために見ておくんだな。仲良しごっこの集大成らしい」
北斗「それはいい経験になりそうだ。後輩的な意味では見逃せない」
冬馬「そうだな…行こうぜ。社長」
黒井「私はもう引き上げる。お前達だけで見てこい」
北斗「あのプロデューサーに思うところでもあるんだろう。俺達には関係ないさ」
冬馬「じゃあ行くか。見せてもらうぜプロデューサーの答えってやつをな」
北斗「しかし冬馬はその私服なんとかならなかったのか?」
冬馬「あん?別に着れりゃ何だっていいだろ」
翔太「ちょっとアキバっぽいよね!ははっ冬馬くん臭ーい!」
冬馬「く、臭くねーよ!なんで距離取ってんだよ!」
ギャーギャー…
P「頼むぞ、皆!」
貴音「皆で頂点へと至るための大きな一歩です」
美希「律子、さん達が相手でもなんくるないさーなの!」
響 「あ、自分の台詞とるなよぉ!」
P「気合入れていくぞ!」
貴音「三!」
響 「2!」
美希「1!」
「「「「トップアイドル!」」」」
やったー!
春香「美希ー!頑張ってー!」
真美「お姫ちーん!気合いっぱつー!」
やよい「うっうー!響さんファイトですー!」
真 「そういえば千早さっきどこ行ってたの?」
千早「ちょっとね」
小鳥「竜宮小町の皆も出てきたわよ!」
真美「あずさお姉ちゃーん!亜美ー!がんば→!」
やよい「うっうー!伊織ちゃんがんばってー!ゲホッゲホ!」
雪歩「ああっやよいちゃん大丈夫?こ、これゆっくり飲んでね」
やよい「うー…ありがとうございますー」
春香「プロデューサーさーん!頑張ってくださいー!!」
真「プロデューサーはステージにいないよ…」
亜美「いおりん!始まるよ!」
伊織「え、ええ!わかってるわよ!」
君が触れたから七彩ボタン♪全てを恋で染めたよ…
美希「それじゃこっちもいくのー!READY!!」
真 「オーバーマスターじゃないんだ」
春香「プロデューサーさん!READY!!ですよ、READY!!!」
ARE YOU READY I'M LADY 始めよう♪
貴音「やれば出来るー!」
響 「きっとー!」
美希「ぜったーい!」
「「「私NO.1!」」」
あずさ(比べてこっちは…)
春香「お客さん、フェアリーのほうに流れてってるね」
千早「でしょうね」
真 「うーん…竜宮はなんか気合が空回りしてるのかなぁ」
千早「心のこもってない歌で観客を魅了できるわけないわ」
やよい「うぅー伊織ちゃん…」
真美「ゆきぴょん!どう責任とってくれるのかね!」
雪歩「え、え、こ…こんな無責任でひんそーでちんちくりんな私は穴掘って埋まっておきますぅ?」
真 「疑問文で聞かれても…」
小鳥「ピヨ…ビール切れちゃったピヨ…」
律子「あ、プロデューサー殿…はは、完敗ですよ」
P「それより今の曲が終わったらすぐアンコールが始まるよな!?」
律子「え、えぇ。普通はそうなるでしょうね…それが何か?」
P「竜宮小町貸してくれ!6人でアンコールだっスタッフには既に話してある!」
律子「は…6人って、セクステットライブですか!?そんな無茶な!」
P「無理を通して道理をぶっ壊すのが俺達765プロだろ!頼む律子!」
律子「そんなの聞いたこと無いんですけど…あぁもう!好きにしてください!」
P「ありがとう!3人が戻ってきたらこっちに寄こしてくれ!」
律子「3人が了解しなかたらどうするつもり…いえ、断るはずないか」
あずさ「伊織ちゃん…」
伊織「結局私達はジュピターと同じだったのね…相手に勝つために力をつけただけ」
伊織「そんなんじゃファンはついてきてくれないわ…ごめんなさい皆」
律子「そんなあなた達に朗報よ」
伊織「律子…」
律子「プロデューサー殿の計らいでアンコールに招待されてるんだけど、どうする?」
あずさ「あらあら〜プロデューサーさんったら…」
亜美「いおりん!」
伊織「死体に鞭打つとはこーいうのかしら…全く最低な男ね」
伊織「いいわよ、どうせなら私達の歌であいつら食っちゃうわ!行くわよあずさ、亜美!」
亜美「やったー!」
あずさ「うふふ、楽しくなりそうね〜」
響 「違うぞプロデューサー!自分達4人の結果だぞ!」
貴音「あなた様の力添えが無ければここまで来るのは到底不可能でした…まこと感謝いたします」
美希「ご褒美ゲットなの!これで春香達に一歩リードできるの!」
P「ご褒美なんて後でいくらでもやるさ!さぁ後はアンコールだぞ」
亜美「兄ちゃーーん!突撃→!!」
P「オウフッ!あ、亜美か…よく来てくれたな」
あずさ「今日はありがとうございました〜最後にもう一度お付き合いよろしくお願いしますね〜」
伊織「ふん」
P「あずささんに伊織…ありがとう。来てくれて嬉しいよ」
伊織「負けたんだから仕方が無いわ。その代わりゲストに主役を食われても文句言わないでよね!」
P「あぁ、お手柔らかに頼むよ」
美希「あーらほらさっさなの!それじゃ気合いれるのー!」
「「「「「「765プロ、ファイトー!」」」」」」
…
冬馬「うおっあいつら負けた竜宮と組んでアンコールやんのかよ…」
北斗「もしジュピターで同じことが起こったら冬馬はどうする?」
冬馬「アホらしい。そんな仲良しごっこやってられるかよ」
冬馬「って今までの俺なら言うんだがな。あいつら見てるとそれだけじゃダメなんだろうな…」
翔太「でもでも冬馬くんがフリフリ着てあんなの歌うのはちょーっと痛いよね!」
北斗「別のファン層は獲得できるかもしれないけどな」
冬馬「いちいち突っ込むんじゃねーよ!黙って聴いとけ!」
北斗「やれやれ…俺達はまだまだみたいですよ。プロデューサーさん」
高木「それではプロジェクトフェアリーの勝利と竜宮小町の健闘を称えて!」
かんぱーい!
春香「プロデューサーさん!お酌ですよ、お酌!」
P「あぁ、ありがとう…なぁ美希離れてくれないと飲めないよ」
美希「ハニー言ったの!IU獲れたら好きなだけギュってしていいって!」
P「ご褒美がどうとか言ってたのはそれだったのか…気づかなかった…」
美希「今日から一週間くらいはずっと離れないのー!んーなのー!」
春香「プロデューサーさん!なんこつですよ、なんこつ!」
律子「だから私は未成年…あぁもう亜美は髪いじるのやめなさい!」
やよい「うっうー!この枝豆長介達に持って帰ってもいいですかー?」
響 「ブタ太ー!出て来ーい!自分が悪かったさー!」
真美「ひびきんのブタはお姫ちんがさっき食べてたよー」
響 「嘘だよな!?チャーシューって言ってたのは本気でブタ太を狙ってたのか!?ブタ太ーー!!」
小鳥「ピェエエエエエエエイ!」
あずさ「あらあら〜テーブルが回って見えるわ〜」
真美「お腹ん中がパンパンだZE」
雪歩「うぅ…苦しいですぅ…」
春香「ゆ、雪歩大丈夫?無理に食べさせるから…」
亜美「めんごめんご」
響 「ブタ太…どこ行ったんだ…」
律子「後ろに3人乗ってねー」
あずさ「千早ちゃん〜隣失礼するわね〜」
貴音「千早はどうぞ真ん中へ」
千早「最悪の配置だわ」
小鳥「ピヨ…気持ち悪い…」
真 「小鳥さん吐くなら外出てくださいよ!」
社長「それじゃあ諸君明日は全員オフにしてあるからゆっくり休みたまえよ!音無君は出社だけどね」
小鳥「ピェ…ォップ…オロロロロロ」
真 「ひいいいいい!」
伊織「私とやよいはこのまま私の家まで行くわ。迎えもすぐくるから心配ないわよ」
やよい「うっうー!今日はお父さんがいるのでお泊り許してもらえましたー!」
P「はは、よかったな。…美希、そろそろ腕が痺れてるんだが」
美希「今日はテコでも動かないの。戦車持ってきてもダメなの二人で歩いて帰るの」
P「はぁ…仕方ないな。じゃあ伊織達は迎えくるまで店で待っとけよ。俺と美希はもう帰るから」
やよい「お疲れ様でしたプロデューサー!」
伊織「あの…」
P「そうそう伊織はフェスで負けた責任で一週間事務所のトイレ掃除な」
P「どうせ765プロ同士で争うなら何かあったほうが面白いだろ?ちなみに発案者は音無さんだ」
伊織「あの手羽先女…覚えときなさいよ」
P「悔しかったら今度の定例ライブで俺達に勝ってみるんだな」
伊織「…上等じゃない。今度こそあんたらをコテンパンにしてやるから!」
美希「ミキ今日は帰りたくないなー」
P「楽しみにしてるよ…ほら美希もアホなこと言ってないで行くぞ」
P「今日はオフなのに自然と足が事務所に向いてしまった」
P「961プロに預けてた荷物は全部こっちに送ってくれてるらしいが…」
P「音無さんと適当に話でもして暇つぶししようかな」
ガチャ
春香「プロデューサーさん、おはようございます!」
P「うおお春香!?今日はオフのはずだろ?」
真 「ボクもいますよー」
やよい「おはようございまーす!」
千早「毎日がオフみたいなものでしたから」
真美「事務所で時間潰すのが日課になっちゃったもんねー」
小鳥「ピヨピヨ…書類が減らない…」
真美「生気が無いトリガラのようだ」
響 「…」
雪歩「お茶ですぅ」
P「あ、あぁありがとう」
亜美「貴重なオフが…めっちゃ寝れると思ったのにー!」
あずさ「でも気楽に事務所に居られるのはいいわね〜」
春香「それよりプロデューサーさん!美希と一夜過ごしたってホントなんですか!?」
真美「え”っ」
美希「ふふん。なの」
雪歩「ええぇぇええ!?そ、そんな…」
美希「ミキは女の子から女にランクアップしたの。これでハニーはミキのものなの」
P「あぁゴネるから俺の家に泊めただけだ。俺もすぐ寝たし早朝すぐ帰したよ」
雪歩「ね、寝たなんて…うぅ〜」
春香「不潔ですよ、不潔!」
P「何を勘違いしてるんだこの子らは」
伊織「あら、あんたも来たのね」
千早「滅多に見られませんよこんな水瀬さんは」
伊織「同情するなら代わりなさいよ!宇宙一のスーパーアイドルがゴム手袋してトイレ掃除なんて!」
小鳥「はいはい敗残の将はなんとかかんとか〜ピヨヨ〜♪」
亜美「あ、いおりん臭いからソファーに来ちゃダメだよー」
伊織「むきーー!!」
…
冬馬「相変わらず仲良しごっこやってんのな」
亜美「うあうあー!あまとうがなぜここに!」
P「ん、冬馬じゃないか。どうしたんだこんなとこまで」
冬馬「送り忘れた荷物を持ってきてやったのと社長から、あんたんとこの社長へ伝言だ」
律子「なにそれ!横暴すぎるわ!」
雪歩「ひぃぃ…ぷろでゅーさぁ…」
冬馬「今日は荷物返しに来ただけだから、詳しい説明はまた社長達がするんじゃないの。それじゃ」
P「お、おい!…行っちゃったよ」
美希「ミキはハニーが居れば何だっていいって思うな」
真美「あまとうを我らの手下にするのはどうかね亜美君」
亜美「あまとうパン買って来いよ!ダッシュな!ってやってみたい!」
貴音「天ヶ瀬冬馬には一度焼きを入れねばなりませんね」
P「一息つけると思ったのにまだまだ忙しくなりそうだな…」
おわり
春香さん不憫すぎ泣いた
面白かったよ
ブタ太…
響のブタはどうなったんだろうか
Entry ⇒ 2012.06.04 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
紅莉栖「面接を始めます、お名前をどうぞ」 岡部「鳳凰院凶真だ!」
岡部「鳳凰院凶真だ!」
紅莉栖「いきなり名前詐称してどうする!」
岡部「詐称ではない、これこそが俺の真名であり──」
紅莉栖「真面目にやらないとこれよ」 トン・トン
岡部「わ、分かった、真面目にする!真面目にするからその洋書を置け!」
紅莉栖「よろしい」
岡部「岡部倫太郎だ」
紅莉栖「出身校をお願いします」
岡部「東京電機大学だ」
紅莉栖「・・・専攻は?」
岡部「無い!強いて言うならば世界の支配構造の変──」
紅莉栖「おのれはやる気があるのか!」
岡部「あるに決まっているではないか」
紅莉栖「あんったがインターンの面接通らないって言ってるからわざわざ練習に付き合って上げてるんでしょ!」
岡部「うるさい!半ば貴様の押し付けではないか!」
紅莉栖「あ、そう、だったら良いわよ。 いずれ就職活動の時苦労するのはあんたなんだからな」
紅莉栖「言っとくが今の厨二病のままじゃ絶対通らないからな。 NNTのままフリーター・ニートとして生きていきなさい」
岡部「うっ・・・。分かった、もう一度チャンスをくれ・・・」
紅莉栖「だったらまず敬語を使いなさい、話はそれからよ」
岡部「ぐぬぬ・・・!」
年月的にはSG世界線に到達2,3ヶ月後という設定でおながいします
1年でインターンとか意識しちゃったのは不況で不安&助手のため
岡部「わ、わたくし岡部倫太郎と申します」
紅莉栖「出身校はどちらですか?」
岡部「東京電機大学です」
紅莉栖「専攻をお聞かせください」
岡部「世界の支配構造の変革です」
紅莉栖「そこは変わらないのかよ・・・」
紅莉栖「では自己アピールをお願いします」
岡部「わ、わたくしの長所はみなを引っ張っていけるリーダーシップを持っている所であり──」
紅莉栖(確かに・・・強引ではあるけどあながち間違ってはないのよね)
岡部「常に素早く的確な判断を下し、みなと協力し1つの目標に向かって努力する事が出来ます」
紅莉栖(素早くて的確かどうかは別だけど)
岡部「また、仲間が問題を抱えているのであればすぐに駆けつけその問題を解決する手助けをする・・・そんな人間です」
紅莉栖(確かにずっと一緒にいて実感する、岡部は仲間の事を何より大切に思ってる・・・)
岡部(自分で言っててこそばゆいな・・・かゆっ!)
紅莉栖「・・・」
岡部「おい、クリスティーナ?」
紅莉栖「ふぇっ!? じゃ、じゃあ、その・・・ごほん! そのRPがよくわかる具体的なエピソードをお聞かせください」
岡部「そ・・・そうだな」
岡部「そ、その・・・幼馴染の命が危険に晒された時、自分の命も顧みず──」
紅莉栖(・・・そっちなんだ)
〜割愛〜
岡部「おい、クリスティーナ、早く次の質問をせんか」
紅莉栖「分かりました。 それでは先程の話で分からない点があったのですが」
紅莉栖「タイムリープマシンとは一体なんです?聞いた事ありませんが」
岡部「おい、この前あらかた説明したではないか」
紅莉栖「何のことだか分かりません、説明お願いします。 後敬語!」
岡部「ぐ・・・。 タイムリープマシンとは電話レンジという偶発的に生まれた未来ガジェットの改良機で」
岡部「過去の自分に現在の記憶を送らせるという機械です。」
紅莉栖「それはすごいですね、作ったのは誰なんですか?」
岡部「いやいやいや、お前だと言ったではないか!」 ガタッ
紅莉栖「岡部さん? 面接中ですよ?」
紅莉栖「その人なら知ってます。 若いのの人類史に刻まれるような発明を生み出すなんて、天才なんでしょうね」
紅莉栖「たとえあなたの妄想の中だったとしても」
岡部(この女殴りたい・・・)
紅莉栖「ご、ごほん! 話がそれました。次の質問です」
紅莉栖「特技は何かありますか?」
岡部「リーディングシュタイナーだ」
紅莉栖「・・・はぁ」
紅莉栖「それで? そのリーディングシュタイナーというのはどういう特技なんですか? 聞かせてください」
岡部「世界線を超えてもなお記憶を持ち続ける能力だ・・・です」
紅莉栖「・・・その能力は当社で働く上でどのようなメリットがあるとお考えですか?」
岡部「ん・・・む・・・SERNを始めとする機関がタイムマシンを使用する事によって過去を改変したとしても・・・」
岡部「俺にはその事を感知でき、改変に対して対策を練る事ができる!」
紅莉栖「もういいです」
紅莉栖「学生時代に力を入れた事を話して頂けますか?」
紅莉栖「あ、これはこれから頑張ろうとしてる事でも──」
岡部「未来ガジェットの発明であーる!」
紅莉栖「・・・では具体的にどんな物を発明したのか、1つ2つ例を挙げてください」
岡部「よろしい!ならば説明しよう!」
岡部「まず1号! ビット粒子砲! 光線銃の中にリモコンを埋め込んだ遊び心満載のガァジェットだ!」
岡部「次に2号! タケコプカメラー! 竹とんぼ式のCCDカメラであり動力なしで遥か上空からの撮影が可能だ!」
岡部「そして3号! もしかしてオラオラですかーッ!? 親指の汗のかき方によって反省するウソ発見器、あらゆる嘘を見抜く最高傑作!」
岡部「4号! (略)」
岡部「5号ぅ!(略)」
岡部「るぉく号!(略)」
岡部「ぬぁぬぁ号!(略)」
岡部「そしてふぁち号こそが人類史に名を刻むであろう電話レンジ(仮)である!」
岡部「まあ別の世界線の話なので今は存在しない・・・が我がラボの最終兵器だフゥーッハッハッハ!」
紅莉栖「それと先程から”少々”面接を受ける態度ではないみたいですけど、これで終わりにしましょうか?」
岡部「バカを言うな。これは助手ゆえの態度だ。企業相手ならちゃんとするに決まっているだろう」
紅莉栖「・・・普段の言葉遣いや態度と言うものは案外とっさの時に出たりするもんなんですけどね」
岡部「フフゥ!」
紅莉栖「何がおかしいんです?」
岡部「貴様のその言葉、重く受け止めよう! いや! 確かにそうだ、確かにそうであるなフハ、フハ、フハハ」
紅莉栖「ぜんっぜん重く受け止めてるようには感じないんですが!」
岡部「ぬるぽ」
紅莉栖「ガッ」
岡部「うむ、確かににじみ出るネラー臭は隠し通せないようだなフゥーッハハハ!」
紅莉栖「も、もういいから!もういいから次の質問!」
紅莉栖「うおっほん!好きな色を教えて下さい!」
紅莉栖「ちょっとした心理テストのようなものなので深く考えずに直感でお答えください!」
岡部(ちょろい、ちょろすぎるぞ助手よ)
紅莉栖(カームダン!カームダンよ私!) スーハー スーハー
岡部「好きな色。もちろん白だ!」
紅莉栖「その理由は?」 フー
岡部「白は白衣の色。白衣はマッドサイエンティストの必需アイテム。知性と恍惚の象徴であり──」
紅莉栖「つ・ぎ・の質問です!」
岡部「ぐっ・・・!」
岡部「少なくとも@ちゃんねらーを隠し通しつつ意思疎通をするくらいは、な」
紅莉栖「け・い・ご!」 ギロッ
岡部「ヒィン!」
紅莉栖(いちいち煽りやがって・・・私が本当の面接官だったら即落とす!っていうか論破してやる!)
紅莉栖「こほん。ではその溢れ出る自信の根拠を教えて下さい!」 ジロッ
岡部「う・・・」 タジッ
岡部「そ、その・・・3月に設立させて頂いたばかりの当ラボラトリーではございますが、今やラボラボラトリーのお活動では7名様に参加して頂いており」
岡部「さ、さらに7年後にはもう一人お加入して頂く予定でございます、はい」
岡部「これぞわたくし岡部倫太郎のコミュニケーションスキルの高さの証明と省庁であるかと自負しております、はい」
紅莉栖「・・・高いコミュニケーションスキルの根拠としては少々弱く感じられますね」
紅莉栖「それと、敬語変ですから。日本人としてそれでは恥ずかしいですよ?」
紅莉栖「後、7年も猶予を設けておきながらたったの一名というのは──」
岡部「だぁっ! 黙れっこのセレセブがっ!下手に出れば良い気になりおって──」
紅莉栖「それでは本日の面接はこれにて終了とさせて頂きます」 ガタッ
岡部「い、いや、申し訳ありません、このまま終わらずにお付き合い頂ければ幸い・・・はい」
紅莉栖(でも岡部って確かにコミュ障ってワケじゃないのよね・・・厨二病ではあるけど)
紅莉栖「分かりました、続けましょう」
紅莉栖(しかも周りには結構・・・いや、結構なんてレベルじゃないほど可愛い女の子ばかり)
紅莉栖(まゆり、桐生さん、フェイリスさん、漆原さん・・・は男だけど)
紅莉栖「固くならず正直に思った事を話してください」
岡部「・・・」
紅莉栖「返事」
岡部「は、はい」
紅莉栖「先ほどおっしゃっていたラボの方々であなたが最も信頼する人物との関係」
紅莉栖「それと・・・信頼している部分を教えて下さい」
岡部(随分と突っ込んだ質問になったな)
岡部「高校以来の友人で付き合いは3年ほど・・・です」
岡部「信頼している部分は・・・そうだな・・・どんなムチャぶりにも割りとガチで付き合ってくる所・・・でしょうか」
紅莉栖(橋田・・・か。私じゃないんだ、そりゃそうよね)
岡部「では、その友人から見てあなたはどんな人間だと思われてるか、想像して見てください」
岡部「ん・・・む・・・ラボの所長として尊敬されている、と言った所でしょうか」
紅莉栖「・・・分かりました」
紅莉栖「こ」
紅莉栖「こ」
紅莉栖「こ」
岡部「こ?」
紅莉栖「恋人はいらっしゃいますか?」
岡部「はぁーん・・・?」
紅莉栖「い、良いから聞かせなさ──! ごほん、お聞かせください///」
岡部「い、いや、恋人はいないが」
紅莉栖「では、過去にいた事は?」
岡部「ぬぁぁぜそんな事まで言わねばならんのだ!」
紅莉栖「ど、どれだけ充実した学生生活を送ったのかの確認よ!さあ答えなさい!」
岡部「く・・・」 ギリッ
岡部「・・・ない。居た事は・・・ない」
紅莉栖「そうですか、分かりました」
紅莉栖「誕生日にもらったら嬉しい物は?」
岡部「は?」
紅莉栖「誕生日にもらったら嬉しい物、です」
岡部「う、うーん・・・」
岡部「タイムトラベル理論・・・の学術書」
岡部(こんな質問、なんの意味があるというのだ!)
紅莉栖「そうですか、タイムトラベル理論」
紅莉栖「夢のある方のようですね」
紅莉栖「それに誕生日に学術書なんて、勤勉なんですね」
岡部(なんだこの取って付けたような感想は)
岡部「・・・」
岡部「白子だ」
紅莉栖「白子・・・」
岡部「・・・悪いか?」
紅莉栖「いえ、ただ珍しいなと思っただけです」
紅莉栖「他にはありますか? た、例えば家庭で調理されるような物とか・・・」
岡部(こいつ・・・まさか)
岡部(ぐっ!思い出したら俺の腹が世界線を超えて訴えてかけてきやがった!) ギュルルル
岡部(失敗のしようがない料理・・・なんかないか!)
岡部「カ、カレー・・・とか」
紅莉栖「カレー!いいですね、味は・・・辛さはどうです?甘口?辛口?」
岡部「辛口・・・が好みだがあまり辛すぎても食えん」
確かあまりうまくないはず
岡部(間違いない、こいつ間違いない)
紅莉栖「聞かせてもらえると・・・その嬉しいな・・・ていうか・・・じゃなくて!」
岡部(さっきの仕返しにちょっといじってやる、フハハ)
岡部「そうですね、やはり女性らしくくびれがあり胸の膨らみが豊かな女性・・・に惹かれますな!」
紅莉栖「──!」
岡部「後は大和撫子であり、たおやかさと可憐さが同居したような女性・・・うむ、古き良き時代の理想的女性像」
紅莉栖「!!」
岡部「それと二面性を持ち合わせいて、たまに見せる意外な一面にぐっと来ることもある」
紅莉栖「・・・」
岡部「さらに言うならば・・・幼い頃から一緒に過ごしており気心の知れた仲、という状況も恋人としての魅力の一部であろう」
紅莉栖「・・・・・・」
岡部(フフフ・・・フハハハ・・・貴様が今何を考えていてどう感じているか・・・あの世界線に居た俺には手に取るように分かるぞフゥーハハハ!)
紅莉栖(幼い頃からーってのはまゆりよね、どう考えても)
紅莉栖(くびれがあって胸が豊か・・・桐生さん)
紅莉栖(大和撫子・・・コレは絶対漆原さん!男だけど!)
紅莉栖(後二面性・・・って)
紅莉栖(これ私よね!私のことよね!?)
紅莉栖(ねらーとしての私にぐっときてた・・・?そういう事でいいのよね!?)
紅莉栖(ラボメンの女の子の中でフェイリスさんの事だけ言及されてないのは良く分からないけれど)
紅莉栖(これってキターーーーーーって事でいいのよね!?)
岡部(ふは!ふは!ふはは!どうした助手よ、顔が真っ赤だぞフゥーハハハ!)
岡部(ラボメンガールズの中で自分だけ挙がっていない事を悔しがっているのだろう)
岡部(小刻みに震えている・・・なんだかそろそろ可哀想になってきたな)
紅莉栖「あの・・・」
岡部「フッ、案ずるな」
紅莉栖「え?」
岡部「お前が俺の・・・一番大切な人だ」
紅莉栖「ちょ!///」
岡部(あえてタイプの女性像から外しておいて最後にサプライズ)
岡部「今の好みの女性像というのは」
紅莉栖「わ、わかってるお!」
岡部「・・・は?」
岡部「はい?」
紅莉栖「は、はいじゃないが!はいじゃないが!///」
岡部「おい」
紅莉栖「ねぇねぇ今どんな気持ち!?面接中にいきなりこ、こ、告白なんかしちゃって!ねぇ今どんな気持ち!?///」
岡部「話を」
紅莉栖「あぁもう汚いなさすが岡部汚い///」
岡部「」
紅莉栖「ホント汚い!大事なことなので三回言いました!大事なことなので三回言いました!///」
岡部「」
紅莉栖「あぁぁ、もう頭がフットーしそうだよおっっ!///」 チラッ
岡部「」
ダルよりキモイとか手の施しようがないないな
岡部「おい紅莉栖・・・?」
紅莉栖(岡部の顔、困惑・・・狼狽・・・)
紅莉栖(すごい一体感を感じる。今までにない何か熱い一体感を。)
紅莉栖(風・・・なんだろう吹いてきてる、確実に、着実に、俺たちのほうに)
紅莉栖(中途半端はやめよう、とにかく最後までやってやろうじゃん)
紅莉栖(ネットの画面の向こうには沢山の仲間がいる。決して一人じゃない)
紅莉栖(信じよう。そしてともに戦おう)
紅莉栖(工作員や邪魔は入るだろうけど、絶対流されるなよ)
岡部「おい紅莉栖よ」
紅莉栖「んなわけあるかーっ!!!」
岡部「うぉぉぉう!?」
岡部「く、紅莉栖さん?」
紅莉栖「学生がねらーかどうかを確かめるための・・・演技よ!!」
岡部(ここまで来ると逆に清々しいな栗悟飯よ・・・)
岡部「おい、何を勘違いさせてしまったのかは分からんが──」
紅莉栖「おっと!そろそろ面接終了の時間ではないですか!いやぁ、話が盛り上がってしまいましたね!」
岡部「フフッ」
紅莉栖「ウフフフ」
紅莉栖(あぁ・・・絶対に引いた、ねらーなだけじゃなくて、変な勘違いまでして絶対岡部に引かれた!)
紅莉栖(グッド・バイ・マイ・ラブ))
紅莉栖「それではこれで面接を終了とさせて頂きます!」
紅莉栖「本日はありがとうございました」
岡部「1つ質問・・・良いか?」
紅莉栖「どうぞ」 ガックシ
岡部「紅莉栖」
岡部「俺はお前が好きだ」
紅莉栖「ふぇっ!?」
岡部「お前はどうなんだ?」
紅莉栖「そ、それって・・・」
岡部「さっき言っただろう。お前は俺の一番大切な人だと」
紅莉栖「で、でも私勝手に勘違いして暴走して・・・」
岡部「前にも話したとおり俺は他の世界線の記憶を持ち続けている」
岡部「あの程度の暴走・・・など・・・可愛いもんだ///」
岡部(実際にはかなり衝撃的ではあったがな)
紅莉栖「な、何言ってる!た、大切だとか可愛いとか・・・」
紅莉栖「何が・・・よ///」
岡部「今まではあえて隠しきたつもりだったがこの気持は抑えきれんようだ」
岡部「前の世界線でのお前と今の世界線のお前・・・俺にとっては同じ紅莉栖」
岡部「しかし当の本人からしてみれば前の世界線の記憶を持っていない・・・そんな紅莉栖のそばに俺がいて良いのかって思ってた」
岡部「というのも俺に自信が無さを隠すための言い訳でもあったようだな、ふふ・・・」
紅莉栖「岡部・・・」
岡部「茶化すような真似をしてすまなかった」
岡部「お前は一生この俺の助手でいろ、この俺から離れることは絶対に許さん!」
紅莉栖「それって・・・」
岡部「こんなんじゃ・・・ダメか?」
紅莉栖「採用よ///」
おしまい
徐々にスイーツ(笑)的質問なっていって、ってのは考えてたんだが
助手のポテンシャルは俺の予想を図るに超えて遠くに行ってしまったようです
見てくれてどーもサンキューなのだぜ
ここまで全部助手の妄想
Entry ⇒ 2012.06.03 | Category ⇒ シュタインズゲートSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
エリカ「お久しぶりです、レッドさん」
レッド「……」
エリカ「ゴールドさんに聞かなければずっと探し続けてました」
レッド「…………」
エリカ「なにも言ってくださらないのですね」
レッド「…… …… …… ……
…… …… …… ……」
エリカ「バトル……でもしましょうか」
エリカ「モンジャラお願いします」
レッド「……」
ピカチュウのあまえる!モンジャラの攻撃ががくっとさがった
エリカ「それでも電気タイプの技は効きにくいのですからなんとかここは……」
ピカチュウは倒れた!
レッド「……」
エリカ「ですが、ここまでですね」
レッドはリザードンをくりだそうとしている!
エリカ「あらあら……」
レッドはリザードンをくりだした!
エリカ「モンジャラ、ウツボット、ワタッコ、キレイハナ……」
エリカ「みんな、ごめんなさい」
モンジャラは倒れた!
リザードンの火炎放射!
ウツボットは倒れた!
リザードンの火炎放射!
ワタッコは倒れた!
リザードンの火炎放射!
キレイハナは倒れた!
エリカは目の前が真っ暗になった!
……
エリカ「また来てしまいました」
レッド「……」
エリカ「なにか言ってください」
レッド「…………」
エリカ「バトル……ですか」
レッド「…… …… …… ……
…… …… …… ……」
…………
……
エリカは目の前が真っ暗になった!
…… …… …… ……」
エリカは目の前が真っ暗になった!
レッド「…… …… …… ……
…… …… …… ……」
エリカは目の前が真っ暗になった!
レッド「…… …… …… ……
…… …… …… ……」
エリカは目の前が真っ暗になった!
レッド「……」
エリカ「女の子が山を登るなんて大変なことなんですよ?」
レッド「……」
エリカ「私の服装って動きにくいんです」
レッド「…… …… …… ……
…… …… …… ……」
エリカ「はい、お相手いたします」
エリカはモンジャラをくりだした!
エリカ「私、色々と考えたんです」
ピカチュウのあまえる!モンジャラの攻撃ががくっと下がった!
エリカ「私、賭け事とか嫌いなんですけど」
モンジャラのねむりごな。ピカチュウは眠ってしまった!
エリカ「でも、今回だけは引けません」
エリカはウツボットをくりだした!
レッド「……」
エリカ「ピカチュウ、ごめんなさい」
エリカ「何度も何度も倒してごめんなさい」
ピカチュウは倒れた!
レッド「……」
エリカ「……」
レッドはリザードンをくりだそうとしている!
エリカは目の前が真っ暗になった!
ピカチュウは倒れた!
レッドはリザードンをくりだそうとしている!
エリカは目の前が真っ暗になった!
…………
……
エリカはウツボットをくりだした!
ピカチュウは倒れた!
レッドはリザードンをくりだそうとしている!
エリカは目の前が真っ暗になった!
レッド「……」
エリカ「覚えていませんか?」
レッド「……」
エリカ「私はちゃんと覚えてます。これで28回目」
エリカ「貴方に会いに来たんです」
ピカチュウのあまえる!モンジャラの攻撃ががくっとさがった!
モンジャラの眠り粉!ピカチュウは眠ってしまった!
エリカはウツボットをくりだした!
ピカチュウは倒れた!
レッドはエーフィをくりだそうとしている!
エリカ「!」
エリカ「くさタイプはほのおタイプに弱い。常識です」
エリカ「でも、どくタイプはエスパータイプにも弱いですよね?」
エリカ「モンジャラじゃダメだったんです」
エリカ「ウツボットはくさ・どくタイプですから」
エリカ「さぁ、おいで。イーブイ」
レッドはエーフィをくりだした!
エリカ「タマムシのマンションで手に入れたイーブイ」
エリカ「こんなに強くなったんですね」
エリカ「でも、イーブイ……いいえ、エーフィ」
エリカ「あなたはこのままでいいのですか?」
エーフィはいうことをきかない!エーフィはそっぽをむいている!
エリカ「正直ですね、ポケモンは」
エリカ「ごめんなさい。今は倒れてください、エーフィ」
エーフィ「ピカチュウによろしくね」
エーフィは倒れた!
レッドはリザードンをくりだそうとしている!
エリカ「一歩前進です」
エリカは目の前が真っ暗になった
レッド「……」
エリカ「返事ぐらいしてくれてもいいじゃないですか」
レッド「……」
エリカ「もう……拗ねちゃいますよ?」
レッド「…… …… …… ……
…… …… …… ……」
エリカ「では、いきます!」
エリカはモンジャラをくりだした!
ピカチュウのあまえる!モンジャラの攻撃ががくっと下がった!
モンジャラの眠り粉。ピカチュウは眠らなかった!
エリカ「あらあら」
ピカチュウはいうことをきかない!ピカチュウのあまえる!
エリカ「ピカチュウもレッドさんについていけないと言ってますよ」
レッド「……」
エリカ「もう……バトルは結構でしょう」
エリカ「あなたはいつから強さのみを追い求めるようになってしまったのですか?」
エリカ「マサキさんに無理を言ってあなたのボックスを見させていただきました」
エリカ「メタモンと卵ばかりで……」
エリカ「オーキド博士に聞いたら図鑑は230匹ほどとの事」
エリカ「ほかのポケモンはどこへ行ったのですか?」
エリカ「ですが、それでもまだそのピカチュウやエーフィを使っているのは……」
エリカ「貴方がポケモンマスターを目指した頃の気持ちを忘れていないからでしょう?」
レッド「……」
エリカ「はい」
レッド「強くなれば全てのポケモンを守れると思った」
レッド「強くなれば悪いことに使われるポケモンを救えると思った」
レッド「だから強くなった」
レッド「ジムで勝った。ポケモンリーグでも勝った」
レッド「グリーンにも勝った」
レッド「それでもすべてのポケモンは救えなかった」
レッド「強さが足りなかったんだ」
レッド「だからシロガネ山に来た。ここなら強くなれると思った」
レッド「でも、どこまで強くなればいいのか分からなかった」
レッド「たまに来るトレーナーと勝負をした。勝った」
レッド「強くなった。そう思った」
レッド「山をおりた」
レッド「でも、少し人が多いところに行けばポケモンを使った悪事があった」
レッド「バトルをした。倒した」
レッド「そこで気がついた」
レッド「そもそも人がポケモンを使っていること自体がおかしいということに」
エリカ「そう……ですか」
レッド「ボックスのポケモンは殆ど逃がした」
レッド「強くなるために必要なものだけを残して」
レッド「だけどそれもエゴだった」
レッド「個体の厳選はかなり前にやめた」
レッド「でも、ポケモンセンターに行く機会がなくてメタモンを逃がしてあげられてないけどね」
レッド「そう。でも、ピカチュウもエーフィも愛想をつかしちゃったみたいだけど」
レッド「いや、カビゴンもフシギバナもリザードンもカメックスも実際はそうなのかもしれない」
レッドはエーフィ、カビゴン、フシギバナ、リザードン、カメックスをくりだした!
レッド「さぁ、みんな。好きなとこに行くといい。もう誰も命令しない」
エリカ「……それは違うと思います」
エリカ「ポケモンの幸せとはなんでしょう?」
レッド「それは自由なこと。誰にも利用されることがなく」
エリカ「そうでしょうか?」
レッド「そうだと思います」
エリカ「それは違うと思います。トレーナーと一緒にいることが幸せなポケモンもいます」
レッド「良いトレーナーの場合はね。僕はそうじゃない」
レッド「戦わせて、戦わせて……ずっとその繰り返し」
レッド「良いトレーナーのわけがない」
エリカ「みな、レッドさんが好きなんですよ」
レッド「みんな、遠慮はしなくていいよ。どこへども好きなところへ……」
ピカチュウ「ピカ!ピカピ!」
エリカ「昔からピカチュウは貴方の後ろをずっとついてきました」
エリカ「ボールにいれることもなく……」
エリカ「貴方はそんな優しい心を持っているんです」
レッド「そう……僕の事を好きな人がまだいたんですね」
エリカ「はい。私だけじゃないです。ここのポケモンはみんなレッドさんが好きです」
レッド「遅くないですかね?」
エリカ「やり直しは誰でもできます」
エリカ「一度、ゲームコーナーに来てください。すごく治安がよくなったんですよ」
エリカ「いいえ、そこだけじゃない。カントー全体が良くなりました」
エリカ「はい」
レッド「一緒についてきてくれますか?」
エリカ「是非」
レッド「おりよう、シロガネ山を」
エーフィ、カビゴン、フシギバナ、リザードン、カメックスは引っ込んだ!
エリカ「ポケモン自ら……」
レッド「ありがとう……」
ピカチュウ「ピカ?」
レッド「ピカチュウ……一緒に行こう!」
ピカチュウ「ピカピ!」
レッド「困った……」
エリカ「どうしたのです?」
レッド「空を飛ぶを覚えているポケモンがいない」
エリカ「あらあら」
レッド「遠いけど、歩いていこうか」
エリカ「わかりまし……あら?」
バサバサッ
レッド「ピジョット?」
エリカ「前にレッドさんがお持ちになっていたポケモンですね」
レッド「乗せていってくれるみたいだ」
レッド「本当にありがとう」
エリカ「着きました」
レッド「ありがとう、ピジョット」
エリカ「ゲットはしないのですか?」
レッド「え?」
エリカ「ピジョットも一緒にいたいのでは?だから逃げずにずっと待っているんですよ」
レッド「そうか。それじゃあ、ピジョットまたよろしく頼むよ」
おめでとう!ピジョットをつかまえた!
レッド「活気があるね」
エリカ「はい」
男「うーっす、過去のチャンピオン!」
レッド「久しぶり」
男「もうアドバイスする事はない!ポケモンを信じて突き進め!」
レッド「……うん!」
エリカ「ふぅ、私の旅もこれでおしまいですね」
レッド「ありがとう、エリカさん。エリカさんがいなかったら僕はずっとあそこでみんなに心配をかけ続けていた」
エリカ「いえいえ、これもひとえに愛がなせる技です」
レッド「じゃあ、一度マサラタウンに戻るよ」
エリカ「はい」
レッド「色々とやることがあるから遅くなるけど、また来るよ」
レッド「だから、それまで待っていてください」
エリカ「はい。今度は私が待つ番ですね」
エリカ「あ、そうだ。このわざましんを……」
レッド「これは……。ありがたくいただくよ」
レッド「それじゃあ……」
エリカ「いってらっしゃい」
レッド「久しぶりだな」
グリーン「お!レッドじゃねーか!久しぶり!」
レッド「うん」
グレーン「なんだなんだ。うんしか言わねーとか。もっと言うことがあんだろ」
レッド「うん……」
グリーン「ま、そんな事はいいや。ポケモン勝負しようぜ!」
レッド「うん!」
レッド「いけ!ピカチュウ!」
グリーン「さっさとライチュウに進化させろよ!」
レッド「ずっとピカチュウはピカチュウのままだよ」
グリーン「そうかよ!サンダース!でんこうせっかだ!」
レッド「ピカチュウ!おんがえしだ!」
ピカチュウ「ピカ!」
END
乙
おつおつ
なんでラブラスなんだ
エーフィさんはクビになった
Entry ⇒ 2012.06.03 | Category ⇒ ポケモンSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
純一「みんなで、イチャイチャしようよ+!」
こんこん…
梅原「ん、なんだろうな。こんな時間に…」
純一「さあ? とっくに消灯時間過ぎてるし、高橋先生じゃないかな」
梅原「どうして俺達の部屋に……あんまり騒ぎ過ぎたか?」
純一「それほどまで騒いでないはずだけど……お宝本鑑賞してただけだし」
こんこん…
梅原「…うーむ。ちょっくら開けてくるか」
純一「先生かもしれないよ? まだおきてるのかっー! なんて怒られるかも」
梅原「そんときゃそん時だ。つか、修学旅行で就寝時間きっちり寝てる奴なんて誰も居ねーよ」すたすた…
純一「そりゃそうだけど……」
梅原「はいはーい。今開けますよいっと──うおっ!?」
純一「ん? どうしたんだよ梅原───うわぁあっ!?」
絢辻「──……しぃー! 静かに! 二人共!」ぼそぼそ…
絢辻「……この私を誰だと思ってるのよ? きっちり時間を見ながら巻いてきたに決まってるじゃない」フンスッ
純一「どうして見回りの時間帯を知ってるの……」
絢辻「うん? 企業秘密?」
純一「……なるほど、口には言えないんだね…」
梅原「つか話はそれぐらいにしておいて、とりあえず絢辻さん、中に入ろうぜ?」キョロキョロ…
絢辻「あ、ごめんなさい梅原くん。そうしたらお言葉に甘えて……」そそくさ… ばたん
絢辻「──ふぅーっ。緊張したぁ〜……ちょっぴり怖かったわっ…うふふっ」
純一「現れた時、物凄く堂々としてたけど…」
絢辻「だって自信はあったもの。それよりも二人共、急に押しかけてきてごめんなさい」ぺこ
梅原「いいってことよー! こんなむさ苦しい男どもの部屋によくぞ来てくれました! なんて言いたいぜ俺は」
絢辻「あら、ありがと梅原君……何処の誰かみたいに反応が悪いとは大違い」
純一「調子がいいやつめ……」
純一「見たところ一人みたいだけど……確か同じ部屋って薫だったよね?」
絢辻「そうね、今回はちょっと棚町さんに手助けしてもらってココに来てるの」
梅原「……ははーん。なるほど〜…そりゃまたご苦労さま、絢辻さん」
絢辻「うふふっ、話が早くて助かるわ。梅原君」
純一「……? 二人共、どういうことなの?」
梅原「あーあ、俺もこんな可愛いかわいい彼女が欲しいぜえー……つぅーこって大将!」ばしん!
純一「あいたっ!? なんだ急に…っ!」
梅原「俺はちょいとマサの部屋に用事ができちまった。ということで今からちょっと行ってくる」
純一「……は? ちょ、待ってよ。お前こんな時間に外に出たら…!」
絢辻「今はちょうど交代の時間で、このフロアには先生居ないわよ梅原君」
梅原「さんきゅー絢辻さん! んじゃ橘、あとはよろしくなぁ〜」すたすた…
純一「ま、待てって梅原……!」ばたん
絢辻「──そぉーれっ!」ばっ
純一「え、ちょ、絢辻さんっ…!?」
絢辻「うふふっ……んん〜っ」ぎゅう…
純一「ど、どうして急に僕に抱きついてくるの…っ? ちょ、ジャージだから生地が薄くて…そのっ…!」むぎゅむぎゅ
絢辻「むふふっ……ん〜? だって当ててるんだもの、わかってるでしょ?」ぐいっ
純一「え、ええっ!? どうしてそんなに積極的っていうか……あわわっ! 絢辻さん、耳元で喋らないでっ…!」ぞくぞく…
絢辻「……橘くんって、耳弱かったのかしら? うん?」
純一「そ、そういうわけじゃないけど……ひぃいっ!?」びくん!
絢辻「ふぅっ〜…ふっふ〜…ふふっ」
純一「っ〜〜〜〜〜〜!!」ぞくぞく…っ
絢辻「……随分と気持ちよさそうね、そんなにあたしの息……気持よかった?」
純一「はぁっ…はぁっ……うん、気持よかった…」
絢辻「うふっ、正直でよろしい」すっ…
純一(あ、これでオシマイか……もっとして欲しかったな…)
純一「ぐっ……いきなり絢辻さんがそんなことしてくるからじゃないかっ…!」
絢辻「……あら、それじゃあ嫌だったの? してほしくなかったのかしら?」
純一「……いえ、とても良かったです」
絢辻「またまた素直でよろしい。……ご褒美にキス、する?」
純一「い、いいのっ!?」
絢辻「ふふっ、だーめ。そんなにがっついてしてくるのは、あたしは嫌いだもの」くるっ
純一「そうなんだ……」シュン…
絢辻「でも」ちら…
純一「……でも?」
絢辻「──あたしからがっつくのは、とても大好き」
純一「お、おおっ……さらっと凄いこと言うね、絢辻さんは」
絢辻「だってだって……このあたしだもの。貴方の予想通りに行かない女よ?」
純一「ごくり…」
絢辻「……貴方からしてくれる…?」ぼそっ
純一「う、うん…」
絢辻「じゃあ、お願い……」すっ… ぎゅっ…
純一(お、おお……首に両手を回された……! 顔がお互いにとっても近いよ…!)
絢辻「……」こくん?
純一(首を傾げる絢辻さん可愛い! ……こ、これはもう僕からちゃんとするかしかない…!)
絢辻「……純一くん、あたしに何かしたいの…?」
純一「うん、僕は………絢辻さんに、キスしたい…」
絢辻「そうなんだ……うん、じゃあしていい」
純一「……するよ?」すっ…
絢辻「うん……」すっ…
ちゅっ
純一「──……二回目は?」
絢辻「──んっ……貴方に任せるわ、ふふっ」
純一「ちゅっ、ちゅ───……はっ!?」
絢辻「──んっ、はあ……え、どうしたの…?」
純一「勢いのままにずっとキスしてたけど、その前に絢辻さん! どうして僕の部屋にきたの?」
絢辻「……」
純一「あ、あれ…? 僕、なんか変なこと言ったかな…?」
絢辻「……今更、そんな疑問なの…?」
純一「う、うん。どうしてなのか気になって……」
絢辻「…はぁ。橘くんって時にとってもかっこ良くて、時にとってもムードを読めないわよね…」
純一「えっと、それって褒めてるの…?」
絢辻「褒めてない」
純一「だ、だよね…あはは」
絢辻「………」じぃー
純一「……すみません、反省してます…」
絢辻「……ここまであたしにキスしておいて、まだ分からないのって言いたいのよあたしは」
絢辻「…………」
純一「……うーん、と…」
絢辻「………もうっ! どうして貴方って人はそう抜けてるのかしらっ」
絢辻「あ・な・た・に! 会いに来たの!」
純一「ぼ、僕に会いに来た…?」
絢辻「そう! あたしが部屋を抜けだしてまで、橘くんに会いたくて会いたくて仕方なくてっ……
……それでここまで頑張ってきたってわけ! わかったっ?」
純一「絢辻さん……そんなに僕に……」
絢辻「い、今更そんな風にしても駄目よ…! もう呆れてるんだから貴方にはっ!」ふんっ
純一「ごめん……だって絢辻さんがそんなにも、僕に会いたがってるなんて思わなくて…」
絢辻「…………」ちらっ
純一「ううっ……」
絢辻「……っ〜〜〜……」
絢辻「……だ、だってしょうがないじゃない…っ」
純一「え…?」
純一「え、でもっ…ちゃんと晩ご飯の時とかっ、廊下ですれ違ったときはちゃんと挨拶とかしてたし…」
絢辻「………それで、満足なの?」
純一「ま、まんぞくって……」
絢辻「貴方はそれで、今日は満足できたのっ…?」
純一「……できっこないよ、多分」
絢辻「……記念すべき修学旅行だっていうのに貴方と一緒に行動できないなんて…あたしは耐え切れない。
だからこうやって少しでも多く、橘くんと同じ時間を過ごしたくて…過ごしたくて、あたしは……」
純一「絢辻さんて……」
絢辻「……あたしは貴方の部屋まで頑張ってきたのよ…?」
純一「そうだったんだね…ごめん、僕ってば無神経で…」
絢辻「……いいの、そんな橘くんを好きになったんだから」
純一「っ……絢辻さんっ……!」ぎゅうぅっ
絢辻「んっ……褒めてくれる? 頑張ったアタシを」
純一「うんっ……頑張ったね、すごいよ絢辻さん…っ!」
純一「………僕も寂しかったよ、絢辻さんと一緒に今日は行動できなくてさ」
絢辻「……ホント? うそじゃない?」
純一「本当だよ。僕だって絢辻さんと一緒に、いつだって同じ時間を過ごしたいんだ。
……これは僕の本心からの気持ち、嘘は絶対にないよ」
絢辻「……そっか。嬉しい」
純一「……絢辻さんが嬉しいのなら、僕も嬉しいよ」
絢辻「………」ぎゅっ…
純一「よいしょっと」ぐいっ
絢辻「ひぁっ!? え、なに急に…!」
純一「うん、お姫様抱っこだよ」
絢辻「ど、どうしていきなり…っ?」
純一「かわいくて、つい」
絢辻「か、かわいくてって……ちょ、ちょっと! 下ろして…!」ばたばた…
純一「だめだよ、ほらほら、いくよーそれー!」すたすた…
純一「どこって…とりあえずそうだなぁ…ここ、とかかな?」
絢辻「こ、ここって……ベットの、うえ…?」
純一「では、一緒にベット上に……よいしょっとぉー!」どさぁっ!
絢辻「きゃぁー!」ぽすんっ
純一「──あははは! どう、絢辻さん? ちょっとしたスリリングな気分味わえたかな?」
絢辻「っ……こ、恐いじゃないっ! 怪我をしたらどうするつもりなの…!」
純一「でも痛くなかったでしょ?」
絢辻「……ま、まあ…橘くんが下地になってくれたから、痛くなかったけれど…そうじゃなくて!」
純一「あはは、そんなに怒らなくてもいいじゃないか、絢辻さん。気分転換だよ、気分転換」
絢辻「気分転換って……」
純一「ちょっとした遊び心だよ、絢辻さんと一緒に過ごすのなら…こういったこともないとね」
絢辻「……なによ、もうっ」ぷいっ
純一「………」じぃー
絢辻「……ど、どうしたのよ。そんなにあたしの顔見つめて…」
絢辻「や、やめなさいよ……まじまじとそんなに見つめないで……っ」もじもじ…
純一「やっぱり絢辻さんって、可愛いよね。改めてそう思った」
絢辻「っ! ……な、なによ。急に…」
純一「うん、こうやって近くで見つめるとほんっと綺麗で、かわいくて……
……こんな子が僕の彼女なんて今でも信じられないよ」
絢辻「か、彼女じゃない……実際に!」
純一「……そうだね、絢辻さんは僕の彼女だ。僕の一番大好きな女の子…」
絢辻「っ………」もじもじ…
絢辻「や、やめてよ……改めて言われると、恥ずかしいから…」
純一「どうしてさ、だってもっと言ってあげたいよ絢辻さんに。
僕が絢辻さんのどんな所が好きなのか、惹かれたの、恋したのか……もっといってあげたい」
絢辻「それが恥ずかしいって言ってるんじゃない…なに、橘くんあたしを虐めたいの…っ?」
純一「そうじゃないよ、虐めるだなんて。そんなこと僕はしないさ」
純一「──ただ、そうやって恥ずかしがってる絢辻さんの表情がとても可愛くて…もっと見てみたいだけなんだ」
純一「…僕に好きだって言われるの、嫌かな?」
絢辻「っ…………嫌じゃないけど…」
純一「じゃあ、嬉しいんだ。絢辻さん、大好きだよ?」
絢辻「っ! ……で、でもっ…急に言うのはだめ…っ」
純一「じゃあ何時言うのさ、僕はいつだって絢辻さんのこと好きなのに。
この溢れかえる感情を……僕はいつ絢辻さんにぶければいいの?」
絢辻「そ、それはっ……その、あれよ……っ…」ちらっ…ささ、ごにょごにょ
純一「………」
絢辻「………………いまが、いいです…」ぼそっ
純一「…………」
絢辻「…………ううっ…」もじもじ…
純一「───絢辻さん、顔上げて」
絢辻「なによっ……んっ」ちゅっ
絢辻「……四十三回目、このキスは」
純一「おおう! ちゃんと数えてたんだ、やっぱり凄いね絢辻さんは。
……もしかして、今までしてきたキスの回数も知ってたりするのかな」
絢辻「そんなわけ無いでしょう…! ど、どんだけあたしがキスが好きって思ってるのよっ」
純一「……あれ? どうしてそこで焦るの……まさか、本当に───」
絢辻「ち、違う違う! 違うってばぁ…!」あたふた…
純一「ん」ちゅっ
絢辻「んむっ……ん〜〜〜!?」
純一「ん、んっ………ぷは。今のは今までの合計で、何回目?」
絢辻「…………三百二十一回目……はっ!?」
純一「おおっ……!」
絢辻「ち、違うのっ…! こ、これはそういうのじゃなくてっ……ああ、もうっ…ニヤニヤしないっ!」
純一「だって本当に数えてて、僕は嬉しいんだ。ありがとう、絢辻さん」
絢辻「っ〜〜〜〜……ど、どうしてお礼をいうのよっ…!」
そのキスのことを……きちんと覚えてる。それって何よりも嬉しいことだから」
絢辻「っ〜〜………」ごそごそ…
純一(あ、毛布をかぶってしまった……でも、顔だけのぞかせてる。可愛い!)
絢辻「ううっ……こ、こんなの……変態じゃないかしら…?」ひょこ…
純一「変態なんかじゃないよ! むしろ淑女だよ!」
絢辻「……それって、いいこと?」
純一「いいことだよ! とってもいいことだよ! どんどん誇っていいことだよ!」
絢辻「……橘くんがそういうのなら、そう思うことにする」
純一「うん! だから絢辻さん……」もぞ…
絢辻「うん…? なに、橘くん?」
純一「もっともっと、僕とキスをしようよ……もう、絢辻さんがきちんと覚えきれないぐらいに。
沢山キスの思い出をつくって、キスのことで頭をいっぱいにさせようよ!」
絢辻「キスで、いっぱいに…?」
純一「そうだよ! だって絢辻さん、キス好きでしょ?」
絢辻「……………」もぞもぞ…
絢辻「……………すき…」もぞ…
純一(毛布の中に顔を隠した……恥ずかしかったんだね、可愛いなぁ!)
純一「……だからさ、絢辻さん。もっとキスしようよ」
絢辻「………これから、いっぱい?」
純一「うん、いっぱいに。お互いに唇腫れあがるまで、イチャつこうよ」
絢辻「………そしたら明日、みんなにバレちゃうわよ」
純一「ばらしたっていいよ! むしろ魅せつけてやろうよ!」
純一(一昨日のバスの時のことも、普通にみんな噂になってたしね! もう逃げられないし!)
絢辻「…………橘くん、こっち」くいっ
純一「…うん? こっちって、毛布の中に?」
絢辻「……」こくん…
絢辻「…………」
純一「よいしょっと……あはは、また顔が近くなったね」
絢辻「…………」
純一「……絢辻、さん? どうかしたの?」
絢辻「…………」ぐいっ
純一「あやつ──……むぐっ!?」ちゅっ
絢辻「んっ…ふっ……ちゅ、ちゅうっ…」
純一「ん、んむっ!? ん、ちゅっ……!?」
絢辻「ちゅ、ろ……ちゅううっ……ぷはぁ……」
純一「んっ……んはっ……はぁっ…はぁっ…あ、あやつじさん…?」
絢辻「……いまので、三百二十二回目……ちゅっ」
純一「あ、ちょまっ……んっ!」
絢辻「────……んっ、今のでっ…はぁっ…はぁっ…三百二十五回目…」
純一「あ、絢辻さんっ…? どうしたの……急に…?」
純一「え……?」
絢辻「もっともっと……純一くんと、キスがしたいの…」
純一「そ、それは分かってるけど……こんなにもハイペースじゃなくても…!」
絢辻「……キス、嫌い…?」
純一「大好きです!」
絢辻「あたしも大好き……はぁはぁ……だから、純一くん…もっともっと…」ぐいっ
純一「あ、そこは耳だよっ…やめっ───ッ〜〜〜〜!」ぞくぞくぞく…
絢辻「ん、ちゅる……はむ…ぷは、もっともっと……ちょうだい、貴方を……あたしに…」もぞもぞ…
純一「っ〜〜〜〜!? …だ、だめだよ…! 流石に、そこは…!」
絢辻「───まだ覚えてるから、とめられないの……」
純一「ど、どういうこと……っ? うあっ、だめだって、絢辻さん…!」
絢辻「まだ覚えてる…橘くんとどんなことしたかって、あたしは覚えてる……だから…」
純一「…だ、だから…っ?」
絢辻「あたしを、あたしの頭の中を純一くんで───……いっぱいにしての」
純一「え……?」
絢辻「もっともっと……純一くんと、キスがしたいの…」
純一「そ、それは分かってるけど……こんなにもハイペースじゃなくても…!」
絢辻「……キス、嫌い…?」
純一「大好きです!」
絢辻「あたしも大好き……はぁはぁ……だから、純一くん…もっともっと…」ぐいっ
純一「あ、そこは耳だよっ…やめっ───ッ〜〜〜〜!」ぞくぞくぞく…
絢辻「ん、ちゅる……はむ…ぷは、もっともっと……ちょうだい、貴方を……あたしに…」もぞもぞ…
純一「っ〜〜〜〜!? …だ、だめだよ…! 流石に、そこは…!」
絢辻「───まだ覚えてるから、とめられないの……」
純一「ど、どういうこと……っ? うあっ、だめだって、絢辻さん…!」
絢辻「まだ覚えてる…純一くんとどんなことしたかって、あたしは覚えてる……だから…」
純一「…だ、だから…っ?」
絢辻「あたしを、あたしの頭の中を純一くんで───……いっぱいにしてほしいから」
純一「っ〜〜〜〜〜〜」ぞくぞくぞく…
純一「……だ、だめじゃない…よ」
絢辻「……本当に? だめじゃない…?」
純一「うん、駄目じゃない……もっともっと、僕で絢辻さんの頭の中をいっぱいにしてあげる…」
絢辻「あたしが…あたしで居られなくなるぐらい、に?」
純一「うん、普段の絢辻さんとは大違いなほどに……めちゃくちゃにしてあげるよ」
絢辻「……」ドキドキ…
絢辻「………この気持は、嬉しいだと思う。貴方にそう言われて、あたしは嬉しがってる…」
純一「あはは……絢辻さんって、ちょっとMっ気あるんじゃないかな?」
絢辻「………」
純一(あ、殴られるかな…?)
絢辻「……んっ」ちゅっ
純一「んむ…っ」
絢辻「っ……はぁっ…はぁっ…そうかも、しれないわね…うふふっ」
純一「……嬉しいよ、どんどんおかしくなって欲しいぐらいだ」
絢辻「……もっと普段らしくないこといってもいい?」
純一「どうぞどうぞ」
絢辻「………」ぎゅうっ…
純一「っ……ど、どうしたの耳元に顔を近づけて…」
絢辻「うふふっ……そうね、そうしたら……こういってあげようかな」
絢辻「───純一くん、もっとあたしを……めちゃくちゃにして頂戴」
純一「っ………」
絢辻「貴方のキスで、貴方の……身体で、ね?」
純一「──お、お安い御用だよ。つかさ…っ」
絢辻「………ありがとう、純一君」
純一「お礼は…め、めちゃくちゃした後にね…!」
絢辻「…そお? そしたら、そうしとくわ…ふふっ、じゃあ純一君───」
絢辻「───これからもっと、あたしを壊し続けてね?」
純一「…………」うつらうつら…
梅原「……大将、大丈夫か? 飯が口の端からこぼれ落ちてるぞ…」
純一「…………」ぐらぐら…
純一「はっ!?」びくん
純一「だ、だめだよ…! もう僕、でないからぁ───って、あれ?」
梅原「よう」
純一「え、あ、あれ……梅原…? ここは……?」
梅原「大広場だ。修学旅行組で使われてる食事する場所だぜ」
純一「お、おう……そうか、ごめん…」
梅原「……どうしたんだよ、本当によぉ。朝からずっとそんな感じで…なんかあったのか?」
純一「……う、うん……なんというかその……」
梅原「あーいいって、言いたくないんなら言うな。……こっちが聞きたくねえ話しっぽいしな、うん」ずずっ…
レスが飛んでる気がするぞ
梅原「おうよ、マサとケンで朝までお宝本鑑賞会だったんだぜ〜? いやーなんというか、
ああいうのが修学旅行の醍醐味だよなぁ、うんうん」
純一「そっか……僕もそっちがよかったかもな……」
梅原「……っておい、お前さんがそれを言うなよ。大将こそ、修学旅行の最大的イベントを経験してたじゃねえか!」ぐいぐい
純一「肘で押すなよ……まあ、そうなんだろうけどさ。いや、なんというか…あそこまで行ってしまうと…」
梅原「うん?」
純一「ちょっとした、今後の僕の体力が心配になるっていうか……」
梅原「どういうことだよ? 絢辻さんとなんかあったのか───」
「おはよう、ふたりともっ」
純一「ッ……」びくん!
梅原「──ん、おう! おはようさん絢辻さん、なにやら今日は一段と元気そうで!」
絢辻「──あら、そう見えるかしら? うふふっ」ツヤヤカ
絢辻「でもそうね……確かに今日はすごぶる機嫌がいいわね。そう思わないかしら? た・ち・ば・な・くん?」
純一「そ、そうですね……あはは、あっははは!」
梅原「?」
絢辻「さて、今日もはりきって修学旅行を満喫するわよ! 二人共! 朝の朝食はきちんと済ませること!」
梅原「うぃーすっ」
純一「…はい……」もぐもぐ…
梅原「ん、絢辻さんは朝飯食べずにどっかに?」
絢辻「そうなの、ちょっとミーティングにね……言ってるあたしが食べれないようじゃ、身も蓋もないわね」
梅原「あんまり働き過ぎて、倒れないようにしないとな……ほら、橘。お前も一言いってやれって」
純一「……あ、絢辻さん…」
絢辻「うん、なにかな?」
純一「が、がんばってね…!」
絢辻「頑張るわ!」ピカー!
純一「いや、僕のはいいよ…後で自分でつぎにいくから…」
梅原「あいよー」すたすた…
絢辻「………」
純一「……元気そうだね、絢辻さん」
絢辻「当たり前じゃない。委員長が元気なくてどうするの、だって修学旅行だもの」
純一「そっか、そうだよね」
絢辻「……それに比べて貴方は、なんなの? そのクマといい…もっとしゃっきりとしなさい!」
純一「う、うん……」
絢辻「もうっ。───じゃあ仕方ないわね……橘くん、こっち向いてくれる?」
純一「え、なに───」
ちゅっ
純一「──っ!? あ、絢辻さんっ…!? み、みんながいるのにっ…!? 誰かに見られたら…!」
絢辻「……んふふ、元気でた?」
絢辻「それぐらいで恥ずかしがらないの、あれだけあたしを夜に…めちゃくちゃにしたくせに」
絢辻「気にしない、あたしは気にはしない」
純一「僕がきにするよ…!」
絢辻「だったら気にしないぐらいに、もっとしてあげよっか?」
純一「……気にしませんっ」
絢辻「素直でよろしい。では、橘くん……最後にもう一つ」
純一「なにかな、絢辻さん…」
絢辻「……今日もまた、ずっと一緒にいるわよ? いい?」
純一「………」こくり
絢辻「返事は口でするものよ、もう一回」
純一「わ、わかったよ絢辻さん! 今日もまた、ずっとずっと……」
純一「一緒に同じ時間を過ごそうねっ!」
絢辻「よろしい!」
絢辻さんが前スレをあたしだけで落としたら許さないって言ったから
こうやってまた書き直してる所存あれ、こんな時間にだれか(ry
前回はすみませんでした
仕事のミスで帰ってこれずに保守ありがとうございました
次はひびきちゃん
四時半に書く
ザァアアアア…
響「───んー、凄い雨ね…」
響(部活終わりに降りだして、どうせ濡れて帰ってもいい。なんて思ってたけど……
……ここまで本降りになるなんて、ついてないわ)
響「……これだと、あの子も濡れてかえってそうね」
ザァアアアアア…
響「……今頃、なにをしてるのかしら───…橘くんは」
橘家 玄関
「うひぁあー! すっごい降ってきたよっ……あ〜、制服がびちゃびちゃだ…」ぱっぱっ
純一「明日には乾くかな……まあ除湿機にかければ大丈夫だろう」
純一「………それにしても急に降りだしてきたなぁ。これだと先輩──……塚原先輩、無事に帰れてるかな」
純一「……ただいまー」がちゃ
「──ん? あ、にぃにお帰り〜」
純一「ああ、ただいま美也って……七咲?」
七咲「どうも」ぺこり
美也「みゃーがね、途中で雨宿りしてた逢ちゃんを見つけてね〜」
七咲「…雨が弱くなるまで家に上がっててもいいといってくれたので」
純一「なるほど、まあ何も無いけどゆっくりしていってよ……って待てくれ七咲!」がしっ
七咲「はい、わかりまし──……はいっ!? な、なんですか急にっ…!?」
美也「ちょ、ちょっとにぃに!? 逢ちゃんになにしてんのっ!」
純一「ちょっと美也は黙っててくれ! そ、それってつまり部活帰りに雨宿りをしたってことだよなぁっ!?」がくがくっ
七咲「は、はははいっ…! 今日は先輩は水泳部のマネージャー休んでたので、知らないと思いますけど…!」
純一「知らないよ! だって補修だったもの! そ、それで! 先輩は!? 塚原先輩はっ!?」がくがく
七咲「つ、塚原先輩ですかっ…? せ、先輩はっ…ちょっと部室に用事で残ってたので、今頃帰宅していると…!」
純一「……今頃、帰宅?」ぴた…
七咲「え、あ、はいっ……!」
純一「………先輩がもしかしたら、困ってるかも知れない」だっ! がちゃ! ばたん!
七咲「え、ちょ先輩……!?」
七咲「うん……別にいつものあんな感じだから、機にはしてないけど…」
七咲(……塚原先輩を迎えに行ったのかな。傘も持たずに)
七咲「……大丈夫かな、先輩」
とある路地
「はぁっ…はぁっ……」ぱしゃぱしゃ…
純一「──ふぅっ……はぁっ…はぁっ…!」ぱしゃっ…
純一(先輩の帰宅ルートはこのへんだったはず……以前に行ったことあるし、間違いは無いと思うけど…)きょろきょろ…
純一「───……あっ、いた!」
響「……ん?」
「──せんぱぁーい! つかはらせんぱぁー!」ぱしゃぱしゃ
響(なにかしら、どこからか声が……この声は橘くんっぽいけれど。まさかね…)
響「…って、橘くんっ!?」
純一「は、はいっ! どうも! こんな所で雨宿りをしてたんですねっ……ちょっと探しちゃいましたっ…!」
純一「え? あ、本当だ……あはは。すみません、なんか無我夢中で家を飛び出してきちゃって」
響「どうして家を飛び出してきたのよ……聞く分だと、なにやら私を探しに来たみたいだけど…」
純一「はい! そうなんです……七咲から今頃、塚原先輩が帰宅していると行ってたんで。
もしかしたら困ってどこかで雨宿りしてるんじゃないと思って…こうやって走って着ちゃいました」
響「きちゃいましたって……そんな格好でどうするの。
来てくれたことは素直に感謝したいけど、雨を防ぐものをもってこずにどうするつもりだったの?」
純一「あはは、なんにも考えずに来てしまったんです…すみません…」
響「……はぁ。とりあえず中に入ってくれないかしら、風邪を引いてしまうわよ」
純一「あ、ありがとうございます……うひゃー! びしょ濡れだ…!」
響「雨で制服の色が変わっちゃってるわよ。これは乾かすのが大変そう」
純一「まあ何とかなりますって、あはは……へっくしょん!」
響「ま、そうよね。男の子だもの、それぐらい平気よね」くすくす…
純一「……す、すみません。お見苦しいところを見せてしまって」
響「別にいいわよ。きにしてないから」
純一「はい、ありがとうございます……へえええくしょん!」
純一「だ、だいっ、大丈夫……でふぅえくっしょん!」
響「大丈夫じゃなさそうね、どれどれ……」すっ… ぴとっ
純一「っ……つ、塚原先輩…っ?」
響「動かないの、ちゃんと熱を測れないじゃない」
純一「は、はいっ…!」
純一(う、うわぁー! 塚原先輩の顔がこんなにも近くにっ…!
おでこを合わせて熱を測るだなんて、塚原先輩って本当に母親気質だなぁ!)
響「───うん、熱はないようね。 身体も冷たくはないし…
…だけど後から熱が出るって場合もあるから気をつけるのよ?」
純一「…………」ぼー
響「橘くん、聞いてるの?」
純一「は、はいっ! 聞いてますお母さん!」
響「……お母さん?」
純一(これは物凄く失礼なことを行ってしまったのでは…っ!?
確かに塚原先輩はとってもお母さんっぽくて、優しくて、強くて、凄い人だけど…!)
響「……お母さん…」
純一(あ、ほらやっぱり気にしてる! どうしよう……怒ってしまったかな?
なんて謝ればいいのだろう、お母さんっぽくて大好きです。とかか…?)
響「………ねえ、橘くん」
純一「は、はい! なんでしょうか塚原先輩…?」
純一(だめだ、怒られる───)
響「───もう一回、言ってくれないかしら、その……」
純一「……え? も、もう一回…?」
響「…うん。もう一回、さっきの言葉を」
純一「………お母さん?」
響「…………」
純一(なんだろう、この間は……)
純一(……笑ってる!? え、どうしてっ…なにか僕おもしろいこといっただろうか?)
純一「塚原、先輩…どうかなされたんですか…?」
響「……えっ? あ、うん…なんでもないの。こっちの問題だから…フフ」
純一「は、はあ……」
純一(なんだろう、笑いが堪えられないみたいだけど……やっぱりこれって───)
純一「──……お母さん」
響「っ」ぴくん
純一(あ、反応した! どうしてだろう、お母さんって呼ばれるがもしかして……)
純一「……先輩、あの…」
響「え、あ、ど、どうかしたのかしら?」
純一「………その、先輩って。お母さんって呼ばれるの……けっこう好き、だったりしますか…?」
響「………」
純一「………」
響「……そ、そんなわけないじゃない…」すっ…
響「ば、馬鹿なこと言わないの。それよりもほら、濡れた髪ぐらいは拭いおきなさい」ごそごそ…
純一「え、そ、そそそそれって…先輩が部活で使ってた、バスタオルですかっ!?」ぱさっ…
響「そうよ、それがどうかしたの?」
純一「……」じぃー…
響「…あ。私が使ったあとが嫌だったら…」
純一「そんなことないです! このバスタオルだからこそ良いんです!」
響「そ、そうなの?」
純一「そうなんです! じゃあ早速、このタオル借りますね………」
純一「…………」ドキドキ…
響「…橘くん?」
純一「くんくん……」
響「橘くん!?」
響「え? じゃなくてっ…ど、どうしてバスタオルの匂いをかぐの…!」
純一「え、だって普通…嗅ぎませんか?」
響「普通は嗅がないっ」
純一「そうなんですか……でも、良い匂いでしたよ? 塚原先輩のシャンプーの匂いがしましたし…くんくん」
響「か、かがないのっ…! やめてちょうだいっ…!」
純一「え〜……じゃあもっとかがせてください、お母さん」
響「っ───……だめでしょ! お母さんの言うこと聞かなきゃっ!」
純一「…………」
響「って、あ……私、いまなんて…!」
純一「…あはは。本当にお母さんに怒られた気分でした、塚原先輩」
響「っ〜〜〜〜…こ、これは違うのっ。なんていうかそのっ…!
ご、ごめんなさい…橘くん…急に変なこと言ってしまって…っ」
純一「僕は気にしてませんから、大丈夫ですよ」
響「で、でも……ああ、もう。私ったらなんてこと口走って…」
響「い、居るわけ無いでしょ!」
純一「あはは、ですよね。すみません…
…でも、どうしてそんなにも『お母さん』って呼ばれるのが気になったりするんですか?」
響「そ、それは急に言われたら誰だって……」
純一「それはそうですけど、なにやら塚原先輩…お母さんって呼ばれること、好きみたいに思えるんですよ」
響「だからそれも違うって言ってるじゃないっ」
純一「でも、さっきまで笑ってましたよ?」
響「えっ……本当に?」
純一「…気づいてなかったんですか」
響「う、うん…」こくり
響「……笑ってた? 私が?」
純一「はい」
響「………」
純一「あの、塚原先輩…?」
純一(あ、あれ…? なんだか落ち込んでしまっている…?
さっきはあんなに嬉しそうだったのに……笑ってたって自覚したら急に…)
響「…私って、そんなにお母さんっぽいかしら」
純一「………」
響「…正直に答えて、橘くん」
純一「……ちょ、ちょっとだけ」
響「ちょっとだけ…? 思わずお母さんって呼んだしまったのに…? ちょっとだけ…?」
純一「……とてもお母さんぽいって思います、はい」
響「……そう、そうなのね───わかってたことだったけど、うん……」
純一「で、でもっ…! 僕、そういう風な面倒見がいい母親気質の人って……とても良いって思いますよ!」
響「………」
純一「そ、それに…! 別にお母さんって思われても、特段悪いってことでもないような…」
響「…どうしてかしら? だって…お母さんよ? それって言い換えれば、そう呼んだ人にとってその人は……」
響「……何でもないわ、気にしないで」
純一「え? どうして……」
響「気になるかも知れないけれど、この話はここでオシマイにして」
純一「…わ、わかりました」
響「…ありがとう」
純一「………」
響「………」
ザァァアアアア…
純一「…………」
響「……雨、止まないわね」
純一「そうですね……」
響「──橘くん、別に私なんか気にせずにもう帰ってもいいわよ?」
…こうやって時間が過ぎていくよりも、むしろ急いで濡れて帰ったほうがマシじゃないかしら」
純一「……」
響「私も様子を見て走ってでも帰るつもり、だから橘くん───」
純一「──いやです、塚原先輩」
響「えっ…?」
純一「僕は帰りません。先輩が無事に家についたと確認するまで……
その安否がわかるまで、僕はここを動きません」
響「何を意地になってるの…帰ったら電話でも何でもするから」
純一「いやです、絶対に帰りません」
響「……もうっ、なにをいってるのよ。馬鹿な子ね…」
純一「…馬鹿で結構です」
響「…風邪を引いてしまうかもしれないわよ?」
純一「じゃあ先輩がつきっきりで看病してください」
響「それは……無理よ、部活があるんだもの。そして貴方も、水泳部のマネージャーの仕事があるじゃない」
響「意固地にならないの、そうやって意地になっても駄目なものは駄目」
純一「…どうしてですか、僕はただ先輩と一緒にいたいだけなのに」
響「……今日はいられるかも知れない。でも、明日からどっちかが風邪を引いた時、
もっと長い期間一緒に居ることが少なくなるわよ?」
純一「…そんな難しいことは僕にはわかりませんよ」
響「難しくなんかないでしょう。ただ、君が考えることをやめているだけ」
純一「………」
響「…私と一緒にいたいって思ってくれてることは、素直に嬉しい。実際に……私も同じ気持を感じてる」
響「でも、きちんと現実を捉えてられてないことはいけないことよ」
響「その場の感情に流されては駄目な時もある。今が、その時なの」
純一「………」
響「……わかってくれたかしら?」
響「………君が動かないのなら、私から動く」すたすた…
純一「え、先輩…!」
響「もう帰るわ。ごめんなさい、ここまで来てくれたけど…それは感謝してるから」すた…
響「じゃあね、また明日……橘くん」
純一「……───」
〜〜〜〜〜
橘家
美也「え? にぃにって彼女いないよ?」
七咲「……え、どうして?」
美也「どうしてって……そりゃあのにぃにだもん。できっこないよ〜」
七咲「で、でもっ…最近色々と先輩は仲良くしてる女の人がいて…!」
美也「……あー、もしかして塚原先輩とのこと?」
七咲「あ、知ってたの…? うん、そうなんだけど…」
……なんだか曖昧っていうか、はっきりしないっていうか…」
七咲「…どういうこと?」
美也「うん、にぃにはすっごく塚原先輩のこと──好きだって思うんだよね、寝言でもゴニョゴニョ言ってたしさ」
七咲「そ、そうなんだ……」
美也「なのに、それにたいする塚原先輩がね…ちょっと一歩引いてるっていうか、近づかないようにしてるっていうか…」
七咲「…塚原先輩は、橘先輩のこと好きじゃないのかな」
美也「う〜んっとね……好きだと思うけど、それってちょっと違う好きかもしれないかなって思うんだ、みゃーはさ」
七咲「違う、好き?」
美也「そうそう。塚原先輩ってとっても面倒見がいい人だって思うんだよね。それに比べてにぃにはだらしなくて、
お馬鹿さんで、頭悪くってしょうがないにぃにだもん」
七咲「……う、うん」
美也「知ってるでしょ? にぃにはそんな性格だから、塚原先輩も……まるで親みたいな感じで接しちゃうんじゃないかなぁって。
みゃーはそう思ってるんだ、うんうん」
七咲「へぇ〜美也ちゃん、何でも分かってる…すごいね。まるで大人の女性みたい」
美也「えっへへ〜……まあでもね、これは人から聞いた話だからみゃーが考えたわけじゃないんだー」
美也「ところどころ、みゃーの解釈も入れて話してたけれど。元の話をしてくれたのは……とある先輩なのだっ」びしっ
七咲「…とある先輩?」
美也「そっだよー! 多分だけど、みゃーが思うに───」
「──その人は塚原先輩、にぃにのことをいろんな事知っててね」
純一「………」
「──その人はお互いの気持ちを、よく理解してる」
響「………」
「──その人は二人の幸せをいっつも願ってて」
純一「──塚原、せんぱい…!」
「──その人はいつも見守り続けてるんだよ」
響「……まだ何か用?」くるっ
七咲「それって……もしかして」
美也「そうだよ、逢ちゃんの想像通りだと思う」
美也&七咲「───森島先輩!」
純一「──これ、誰かの置き忘れでしょうか…?」がさ…
響「え…?」
純一「そこに置いてあったんです、綺麗な傘だけど…」
響「それ、私の傘…!」
純一「えっ? 本当ですか? 今日は傘を持ってきてなかったんじゃ……」
響「元々学校においてあったのよ、忘れたままだって言い換えてもいいけれど……
…今日に限って誰かに盗られちゃったかな、なんて思ってればこんな所に…」
純一「そうなんですか…偶然ですね、どうぞ」すっ
響「ありがと───偶然、そうかしらね」
純一「え? どうしてですか?」
響「…………」
響「……」バッ! くる!
響「………」じぃー
純一「…塚原先輩?」
響「──気のせい、かしらね。誰かに見られてると思ったのだけれど…まあいいわ」
響「………」
純一「とりあえず、こうやって塚原先輩の傘が見つかったということで…
…良かったですね、先輩。僕もこれで安心して家に帰れます」
響「………」
純一「それでは、これで。風邪を引かずに夏の大会、頑張りましょうね」
純一「じゃあこれで───」
響「──ま、まって…!」ぐいっ
純一「……え?」
響「ちょっと……待ってくれないかしら、橘くん…!」
純一「えっと…はい、別に構いはしませんけど」
響「そ、そう……ありがとう、ごほんっ」
純一「…?」
純一「はい?」
響「…………」じぃー
純一「先輩……?」
響(───ああ、もう! やっぱり私には無理よ…! はるか!)
響(……貴方が言うとおり、まったくもってはるかの言うとおり!
この子は雨宿りしているところまで私を探しに来てくれた…)
響(そしてこうやって、私のことを心配してくれてて…)
響(しかも私のことをお母さんみたいだと思ってるみたいってことも合ってるし、
それにこっちが帰りなさいって言ったら、意地を張って帰りたがらなくなった)
響(───すごいわね、はるか…全部あたってる)
響(普段はあれだけ空気を読めないっていうのに…こういう時に限ってあれなんだから…)
響「……はぁ、私もどうしてはるかの作戦に乗っかっちゃったのかしら…」
純一「……え? 今、なんて言ったんですか?」
響「っ……な、なんでもないわ! うん!」
こうやって雨宿りしているのは、全部はるかが考えた作戦……)
響(……君がこうやって私を探しに来てくれるのか。どう普段思っているのか。
なんてことを図るためにやってしまったこと…)
純一「………?」
響(…言ったら怒るわよね、はるかはバラしても怒らないって言ってたけれど。
流石にここまでやってしまったら……だめよね、うん)
響(どうしよう……後はこの傘で一緒に帰って作戦は終わるのだけれど。
ううっ…なかなか言い出しづらいわ…なんて顔をしながら言えばいいのよ…!)
響「………橘、くん…」
純一「……なんですか? 僕になにか言いたいことでも…?」
響(……言いたいことは沢山、ある。君に言いたいことは、いっぱいあるわ)
響(なんだって言いたい、どんなことだって伝えたい。でも…私はそれに躊躇してしまっている。
君が私のことを……お母さんって呼んでしまったように)
響(……私も、君のことが本当に好きなのかって。きちんと一人の子として……ううん、違うわね)
響(──一人の男性として、本当に好きなのかって。戸惑いが残ってしまっている)
純一「───……」すたすた…
響(でも、それが本当に君のために、自分の本心で言ってることなのか…とてもじゃないけど自信がないの…)
純一「………」ぴた
響(あの時の、私の料理を食べに来てくれた日のこと……私は一日たりとも、今まで忘れたことはないのに…)
響(……どうして、ここまで曖昧なのかしら。最低ね、わたしって……)
純一「……先輩、ちょっといいですか」すっ
響「──……え? どうしたの、たち……」ぴとっ
響「っ〜〜〜〜!? な、なにっ? 急にどうしたのっ?」
純一「動かないでください、きちんと体温を測れないじゃないですか…うーむ」
響「測れないってっ……で、でもおでこを当てなくてもいいじゃない…っ」あたふた…
純一「先輩だってやってくれたじゃないですか」
響「そ、それはそうだけどっ……ううっ…」ぷい…
純一「……ちょっと熱っぽいですね、というか先輩。貴方だって雨に濡れてるわけですから、寒いんじゃないんですか…?」
純一「でも女の子です。強がっちゃダメですよ」
響「お、女の子……?」
純一「そうです! 塚原先輩は一人のか弱い女の子です!」
響「……でも、お母さんっぽいのでしょう?」
純一「そうですけど、それは別に塚原先輩が強いってことにはなりませんし。
それに、お母さんっぽいってだけで…僕は塚原先輩を蔑ろにするつもりはこれっぽっちもないですよ」ぎゅっ…
響「っ……」
純一「……ほら、こんなにも手がつめいたい。さっきから変に強がってると思ってましたけど、こんなにも身体冷えてるじゃないですか」
純一「やっぱりダメです。一人で帰らせるなんて、僕には出来ません。
傘は見つかりましたけど、それでもやっぱり僕は心配です」
響「だ、大丈夫よ…」
純一「だめです。とりあえずここからどっか行きましょう、先輩の家は……遠いからちょっとあれですね」
響「え…まあ、そうね…でも、他に行く場所なんて…」
純一「ありますよ、ここから近くて雨宿りができるところ」
純一「───僕の家です、塚原先輩」
がちゃ…
純一(せ、先輩……どうぞ!)こそこそ…
響(こ、ここまで来ておいてなんだけど…やっぱり私は…!)こそこそ…
純一(何言ってるんですか…っ! これから帰ったら、逆にあそこから遠くなってますよ…!
だからもう雨が止むまで、ここにいてください…!)
響(で、でも…! 七咲だって居るのでしょうっ…? もしバレたら明日どんな顔をすればいいのか…!)
純一(見せつけてやればいいですよ! ほら、はやく上がってください…!)
響(あ、ちょっと…背中を押さないで…!)
自部屋
純一「───ふぅ、なんとかバレずにここまでこれた…」ばたん…
響「…………」きょろきょろ…
純一「あ、すみません。とりあえずなんか拭くもの持ってきますね、先輩」
響「えっ、あ、うんっ…ありがとう、橘くん…」
純一「いえいえ」がちゃ ばたん
響「………」
響「……勢いで来てしまったけど、まさか橘くんの家にあがることになるなんて」
響「……。これも予測してたのかしら、はるか…」
響「へくちっ……ああ、我慢してたくしゃみが…」
響(あの子を心配させないために、我慢してたけれど…そろそろ限界ね)
響「……それにしても、ここが橘くんの部屋なのね。ふーん、意外に綺麗なものね……」ちらっ
響「ってあれは、なにかしら?」すたすた…
響「……押し入れが半分、開いてる。なにか挟まってるみたい」ずずっ…
響「あ、落ちた……なになに──…雑誌?」
響「なんの雑誌かしら……っ!?」
響「こ、これって……」きょろきょろ…
響「……ごくり」
数分後
純一(やけに美也と七咲に絡まれて少し遅くなってしまった……あれ、なんだか静かだなぁ)
純一「先輩、ちゃんと部屋にいますか───」
響「………」
純一「あ、ちゃんといた…なにやってるんですか? 押入れの前に座り込んで…」
響「………」
純一「…ん? 先輩、なにをして………」
純一「………先輩? それって僕のお宝本…」
響「っ〜〜〜〜!? た、橘くんっ!?」ばっ
響「ち、違うのっ! こ、これは押入れから勝手に…!」あたふたっ…
純一「……か、勝手に押し入れから取り出して読んだんですか…?」
響「そ、そうじゃなくてっ…! 押し入れから出てきて…!」ぶんぶんぶん
純一「…………」
響「ち、違うのよっ……別に興味が惹かれてたわけじゃなくて……そのっ……」
純一「……でも、えらく興味津々によまれてたみたいですけど…?」
純一「………」じぃー
響「……なにっ…? そんなに見つめて…っ」ちら
純一「……興味があるんですか? 先輩ってそういうの」
響「……きょ、興味があっちゃ悪いっていうの…っ?」
純一「えっ! い、いや…悪くは無いですよ、一応……女子高生ですしね…うん…」
響(……って私ったらなんてことを! 勢いでなんてこと言ってるのよ…っ!)ぷるぷる
響「い、いい今のは忘れて…! 忘れなさい! 橘くん!」
純一「忘れろって……そんな、無理ですよ」
響「無理じゃないのっ…忘れないさいっ」すたっ
純一「えっ…!?」
響「いいっ!? このことは忘れるっ! わかった!?」がしっ
純一「は、はははいっ…! わ、わかりました…!」
響「よ、よろしい……じゃあこれは、私が没収します…」
響「……橘くんにはまだ、早すぎると思うの。こういうのは」ぱちんっ
純一「かばんに仕舞われた……って塚原先輩!? それってただ自分が読みたいだけなんじゃ…!」
響「ち、違うわよっ。私は別にそんなこと……」
純一「……はぁ、わかりました。じゃあとりあえず、没収という形で…」
響「形じゃなくて、ちゃんとこれは没収…っ」
純一「……わかりました。没収で」
響「うんうん……」
純一(えらく気に入ってるみたいだけど、ジャンルはなんだったのかな……多分、お姉さん系だな。
昨日、寝る前に読んでたし…)じぃー
響「………な、なに?」
純一「…あ、いえ。なんというかその、先輩も……お姉さんっぽくて良いですよねって思って」
純一「はい、大人っぽくて頼り甲斐があって……僕が想像する通りのお姉さん、って感じがしますよ」
響「へぇ〜……そう、なんだ……ふ〜ん…」
純一(あ、嬉しそう…塚原先輩ってなんだか家族で例えられるの好きなのかな…?)
響「そんなことより! 橘くん、そのバスタオルかしてくれるかしら?」
純一「あ、はい! どうぞ!」すっ…
響「ありがと、それじゃあ借りるわね」す、すすっ…
純一「あ、先輩が髪を解くのって初めて見るかも知れませんね」
響「…そうかしら?」
純一「はい、なんだか髪を下ろした先輩って……いつも見ている姿と変わって、ちょっと新鮮ですよ」
響「ふふっ、そういうものかしらね。私にはちょっとわからないけれど……」ごしごし…
純一「……とりあえず、吹き終わったらですね…先輩、ちょっとお願いがあるんですけど」
響「なにかしら?」
純一「えっとその、あれです……制服、脱いでもらってもいいですか?」
純一「……あ、いや! 別に変な意味はこれっぽっちもないですよ! ただ、乾かすためにそういってるだけであって…!」
響「ふふっ…わかってるわよ、そんなに慌てないの」
純一「そ、そうですか……」
響「それじゃあそうね、上着をお願いしてもいいかしら」
純一「え、だめですよ。ちゃんとシャツもスカートも乾かさないと!」
響「え、でも……」
純一「着替えは…僕の服を貸してあげます。えっと確か……ああ、あったあった」
純一「ちゃんと洗ってあるので、大丈夫です。ど、どうぞ…」すっ
響「あ、ありがと……」すっ…
純一「………」
響「…そして君は?」
純一「えっ!? あ、そうですよね! 僕がいたら着替えられないですよね…あはは!」
純一「わ、わかりました! じゃあまたあとで…!」
響「う、うんっ……」
がちゃ… ばたん
響「……橘くんの服かぁ…くんくん」
響「……洗剤の匂い…って私っ…! これじゃあ橘くんに言える身じゃないわね……」
響「……とりあえず、着替えましょうか」ごそごそ…
数分後
純一「……また、お宝本読んでるってことは無いよね。うん」がちゃ
純一「───せんぱい、着替え終わりましたか…?」
響「…終わってるわ。それとノックはきちんとしなさい」
純一「すみません……─────」じぃ
響「…ん、どうかしたの? 黙りこんで…」
純一(せ、先輩が……ぶかぶかの僕の服を着て……髪を下ろしてベットに腰掛けてる…!)
純一(どうしよう……とてつもなく無防備だよ塚原先輩!
ベットに腰掛けるだなんて……もしそのまま押し倒してしまったらどうするつもりなんだろう…!)
純一(…まあ、そんなことはしないけど)
純一「着替えたみたいですね、サイズは大丈夫でしたか?」
響「うーん……意外と着れたわね。身長がキツイかなって思ってたけれど、案外君って身体が大きいのかしら」
純一「あはは、先輩よりは大きいつもりですよ。それじゃあ制服をこっちに…」
響「はい、それじゃあよろしくお願いするわね」
純一「わかりました、それじゃあ乾燥機に入れてきます」
数十分後
純一「だからどうして美也と七咲はやけに僕に絡んでくるんだよ……また時間がかかってしまった…」
純一「せんぱい、すみません……遅くなってしまって…」がちゃ
響「すー……すー……」
純一「……塚原先輩?」
響「すぅ……すー…」
純一「……先輩、塚原せんぱーい…?」
響「すぅ……」
純一「………」
純一(───え、本当に寝てしまってるのか? 嘘だろ…)
響「すぅすう……」
純一「本当に無防備すぎるっ…先輩、貴方には身の危険というのはないのですか…」
純一(…まるで森島先輩みたいだ…塚原先輩はそういったことはしないって思ってたのだけれど…)
純一「この眠りようだしなぁ……うん」ぎしっ
塚原「すぅー……すー…ん、んんっ…」ごろり
純一(わわっ……胸元がはだけて、中が……見てませんよ! 僕は見てません!)ちらっ
純一「──ぶっはっ!? え、先輩……こ、これって…!」
純一(下着をつけて……ない!)
純一(ど、どうして…あ、そうか! さっきのたたんでいた制服の中に入れ込んでおいたのかな…
…すると下着まで濡れてたのか…ふむ、なるほど……)
純一(って、なるほどじゃないよ! こ、これは大変なことになった…まさか塚原先輩、なにもつけずに…
…僕の服を着ているとでもいうのかっ!?)
純一(──この服は、一生洗わずに置いておこう)
純一「……それにしても、塚原先輩。なんでこうも無防備なのだろう…」
塚原「…すぅ…すぅ…」
純一「……僕が、お母さんって読んでしまったからかな。だからこうやって、何も気負わずにできるのだろう…」
純一(それは、僕にとって嬉しいことだけど…だけどやっぱり、そういうのってどうなのかなぁ)
純一「……やっぱり、僕って男して見られてないのかもしれない、のかな」
純一「…………」
塚原「……すぅ……」
純一「──仕方ないかな、僕ってばどうしようもないし……先輩、ほら風邪を引いてしまいますよ」
純一「──よし、これでいいね。ちゃんと毛布を被せられた」
響「すぅ……」
純一「………」ぎしっ…
純一「───先輩、塚原先輩。僕は先輩のこと大好きです」
純一「あの時に告白してから……ずっと僕は先輩の専属マネージャー、まではいかないけれど。
水泳部の一員として先輩の側で頑張って来ました」
響「すぅ…すぅ……」
純一「たった数カ月の事だったけれど、この塚原先輩と過ごしてきた日々は……僕にとってなによりも大切な一時でした」
純一「………」
純一「……でも、それも。僕はやめたほうがいいのでしょうか」
純一「こうやって曖昧な関係のまま……側に付き添って行くのは、塚原先輩にとって迷惑ではないですか…?」
響「すぅ……」
純一「貴方がごくまれに、見せる表情で───困った顔をしているのを知っているんです」
純一「───やっぱり、無視はしてはいけないことだと思うんです」
純一「僕は先輩のことが好きで、ずっと傍にいたくて……でも、それが塚原先輩にとって迷惑なのなら…」
純一「……僕は、貴方の側から離れても良いと思ってます」
純一「……それはとっても辛いですけど、耐え切れないほどに、泣きたくなってしまうけれど……」
純一「僕は、塚原先輩のためならなんだってするつもりです。だから、だから───」
純一「───僕を嫌いになるのだけは、どうかしないでください……」
純一「………」
純一「………こんなこと、絶対にいえないや。言える自信なんてこれっぽっちもないよ」
純一(だけどこれは僕の本心だ───いつかは言わなくちゃいけなくなるって分かってる。
きちんと話をして、決心をしなくちゃいけないことだ)
純一「……でも、もう少しだけ…先輩、響先輩……貴方の側にいさせてください」すっ
ちゅっ…
純一「───ごめんなさい、こんな形で奪ってしまって。二度目の…キス、ですけどね」
純一(──さて、僕は……ちょっと外に行って雨の様子でも見てくるかな。
この部屋の窓からでも確認できるけど…あはは、先輩も寝てるしね)
純一「……それじゃあ、先輩。おやすみなさい」
純一「七咲が帰ったのが確認できたら、また起こしに来ますから……では」
純一「よいしょっと……」ぎしっ…
ぎゅうっ
純一「───え、なんだ……うわぁっ!」ぐい
ばたん……
純一「な、なんだ……っ?」
「───行かないで、お願い…」
純一「え、つ、塚原先輩……?」
響「…………」
響「…お願い」
純一「え、ええっと……お願いと言われましても…!」
響「…本当にお願い。行かないでくれたら……嬉しい」ぼそ…
純一「……わ、わかりました。何処にも行きませんよ…」
響「うん……ありがと、橘くん」
純一(う、うわああー! 服越しにっ…柔らかいのが、二つ腰にあたってる…!)ドキドキ
響「………橘くん」
純一「は、はい…なんでしょうかっ?」
響「………」
純一「…………」ドキドキ
響「……私のこと、嫌い…?」
純一「…え、そんなことないですよ…!」
純一「っ……辛くはない、って言いたいですけど……」
響「………」
純一「……今の関係は、僕にとっては辛いです」
響「…そっか、そうよね」
純一「…はい」
響「…………」
純一「…先輩は、辛くは無いですか」
響「…私は───……うん、辛いわ」
響「君と曖昧の関係のままで……どうしようもなくて、辛くて、わけがわからなくなってる」
純一「…僕もです。先輩とうやむやのままで、どうしたらいいのわからなくて…とっても辛いです」
響「うん、わかってる……わかってるの……ちゃんと、私にも」
純一「………」
響「でも、どうしよもない……考えても、一生懸命に考えても…どうしたらいいのか、全くわからない…」
響「……この気持は、君と一緒。どうにかしたいって思ってるのに、どうにもできない…
……だって悩んで考えてることと、思ってることに…とても違いがあるんだもの…」
響「必死に考えても、結局はこうじゃないのって…思ってしまって。最初からやり直し」
響「私は結局───……君のこと、本当に…好きなのかって思ってしまう」
純一「………」
響「……君はなにも悪くない。むしろ私にとってとても良くて、何度も何度も助けられたことだって…
…この数ヶ月でいっぱいあったわ。だけど…それに答えるほどに…わたしは…君に…」
響「…してあげられることなんて、考えても思いつかなくて……」
純一「………」
響「だから、なにも思いつかない私は……本当に君のことを大切に思ってるのか、不安でしょうがなくて…
…なにかしてあげたいって思うのに、それなのに……」
純一「……先輩、ちょっといいですか」
響「…なに、橘くん…?」
純一「……この際、はっきりといいますけど……僕はべつに塚原先輩からお返しを欲しがってるわけじゃないです」
純一「当たり前です。僕はお返しをして欲しくて…先輩の側にいるわけじゃないです。
ただただ僕の自己満足を満たすために、塚原先輩に近づいてるだけなんです」
純一「そんな馬鹿で、みっともない僕の行動に……先輩がきにすることなんてこれっぽっちも無いですよ」
響「……でも、君は…」
純一「…たしかに、そうやって僕の勝手に塚原先輩が何も言わないのは……凄く辛いです」
響「………」
純一「でも、ですよ」
響「……でも、なにかしら…?」
純一「でも、僕は───…そうやって先輩が一人で悩まれてるほうがとっても辛いです。
僕の事で凄く悩まれてること……それは僕にとって一番に辛いことです」
響「私が悩むことが…?」
純一「はい、だって……先輩が僕の事で悩むだなんて」
純一「──とっても苦しくて、悲しくて……そして何よりも嬉しいんですから」
響「……嬉しいの?」
純一「はい、どんな感情よりも…僕はとっても嬉しいです」
先輩にとって……僕にたいするお返しでもあるんです」
響「お返し……」
純一「そうですよ、僕はもうちゃんと貰っていたんですよ……塚原先輩。
先輩から僕にきちんと返していたんです」
響「…こうやって悩むことが、君にとって嬉しいから。それがお返しになるってこと?」
純一「はい、こうやって先輩が悩んでることを言ってくれただけで……僕はとっても幸せです」
純一「…だから今の僕は、全くもって辛くはありません」
響「橘くん……君は…」
純一「……僕は、そんな奴なんです。きちんとしたお返しがなくても、たったそれだけで嬉しがる馬鹿な奴なんです」
純一「だから塚原先輩………いや、ひびき先輩。僕は貴方の側にずっといたいんだ」
純一「片時も離れず、貴方の側で……同じ時間を過ごしたい。
そうして響先輩も…いっぱいいっぱい悩んでください、辛がってください」
純一「僕はそれをずっと受け止め続けますから。一瞬も気も抜かずに、これからずっと」
純一「……先輩を好きで居させてください」
響「……これからずっと…」
純一「……はい、これからずっと」
響「わたしは……まだちゃんと自分の思いに収拾がついてないけれど…それでも、いいの?」
純一「いいんです、だったら僕と一緒に見つけましょう。その先に何が待ってるか…僕と一緒に」
響「君と、一緒に……こらからずっと…」
純一「……僕は今、そうしたいって思ってる。響先輩はどうですか?」
響「……私は…」
純一「…今、僕にこう言われて。今思っている気持ちはどうですか」
純一「───嬉しかったのなら、そうしたいって思ってくださったのなら……頷いてください」
響「………」
純一「………」
響「………」
響「………うん、そうしたい」こくり…
響「………」ぎゅう…
純一「あはは、先輩……痛いですよ」
響「……たちばなくん…っ…」ぎゅう…
純一「どうかしましたか…?」
響「……ごめんなさい、本当に私は…我侭で…どうしようもなくて…」ぎゅっ…
純一「いいですって。だって僕も馬鹿で、どうしようもないですから……似たもの同士ですよ、僕らって」
響「……うん、うん…」
純一「だから、似たもの同士なら…これからもずっと仲よくやって行けれますって!
心配なんていりません。反省なんて入りません…だって僕らは似たもの同士だから」
響「お互いに思ってることは……もう、わかってる」
純一「そうです、考えたことも悩んだことも……僕らは言葉にする前にわかってしまっている。
こんなのって、家族以外にいませんよ。響先輩ぐらいですって」
響「…私も、橘くんぐらいよ…本当に」
純一「あはは」
純一「感謝だなんて、大げさですよ」
響「ううん、言わせて欲しい。これは……ケジメだから」
純一「…ケジメ、ですか?」
響「そう、私のケジメ……言葉にすることによって私も君も。
そうしなきゃいけないってことを決めるための──…けじめなの」
純一「どんな…ケジメですか?」
響「……こっちをむいてくれるかしら、橘くん」
純一「はい…」くる…
響「……」じぃ…
純一「……先輩?」
響「……抱きついてきて」
純一「……え?」
響「〜〜〜……その、私にっ…そのまま抱きついてきて欲しいの」
純一「本気でいってるんです、か……?」
響「ほ、ほら……ね? 私はいいから……君から私に抱きついて…」
純一「っ……わ、わかりました…! じゃ、じゃあ……」ぎしっ…
ぎゅ、ぎゅう……
純一「こ、こうですか…先輩…?」
響「んっ……そう、そんな感じ…」
純一「……あ、暖かいですね…!」
響「そうね…暖かい……」
純一「……そ、それでっ…あの、これはどういった理由で…?」
響「……今、必死になって考えた…君へのお返し、かな」
純一「…お返し…?」
響「そう……君は悩んでくれるだけでいいって言ってくれたけど、私はやっぱり…
…行動で表したほうがいいって思う。だから…こうやって抱きついてみた感じかな、うん…」
純一(……あ、よくよく思い返してみるとこれって響先輩に没収されたお宝本と同じ展開だ…)
響「……ど、どうかな? 嬉しい、橘くん…?」
響「そ、そっか……うん、よかった頑張って…」かぁあ…
純一「えっと、それじゃあ先輩……」
響「…うん?」
純一「このあとの展開って……あはは、考えてたりしてます…?」ドキドキ…
響「それは…まだ考えてなかったりする、わね」ドキドキ…
純一「そ、そうですか……だったらその、僕の方で良い展開を思いついたんですけど…」
響「……そうなの? あ、でもまって…私もちょっと思いついたかもしれない」
純一「え、本当ですか…? 奇遇ですね、それじゃあお互いに……思いついた展開を、やってみますか…?」どき…
響「……いい、考えね橘くん。私もいいと思うわ、それって……」どき…
純一「……じゃ、じゃあその…」すっ…
響「……うん、橘くん……」すっ…
響「───私も、好き……橘くん」
すすっ……ちゅっ
純一「っ……もっと、しますか…?」
響「……君の展開は、そう望んでるのかしら…?」
純一「それは響先輩と一緒のはずですよ、ちゃんと」
響「ふふっ……そうね、確かにそうだわ」
響「とっても奇遇ね、私も……まだまだ展開が思いついてくるわ…」
純一「凄いですね、もしかしたら僕とまったくもって一緒だったりするんじゃないですか…?」
響「……かもしれないわ、例えるなら……そう、さっきの雑誌みたいな展開、とかかしら?」
純一「っ……な、なるほど。それはとてもいいことですね…!」
響「うふふっ……なるほどね、こういうのって…素直にうれしくて、楽しいわ…橘くん…あのね」
純一「はい、なんでしょうか…?」
響「私は…君のこと大好き。だから、お願いしてもいいかしら───」
響「──これからも、ずっと私のそばに居てくれること。最後まで、ずっとね」
途中なんども寝落ちすんませんでした
次は安価でもしようかな>>190を書きます
ではうんこ
話のつながりはなく
みんなとイチャコラするのが目的です。それと前回の続きってことで
八時十分に書きます
高橋「ごくごく……ぷあぁ…」
高橋「今日も暑いわねぇー……」
純一「……それはもちろん、夏ですからね」
高橋「そうよねぇ、こんな日はクーラーがきいた部屋の中でキーンと冷えたビールを一杯……」
純一「先生、お酒弱いじゃないですか…」
高橋「弱くたって飲みたいものは飲みたいんですっ!
ですから橘くん、さっささとすませて帰りますよ!」
純一「…はぁ、そうしたいのはやまやまなんですが……終わりそうもありませんよ、これって」
高橋「初めから諦めてかかってはダメです! 始まりがあるものは必ず終わりがある、
この言葉を忘れてはダメですよ?」
純一「まあ、そうなんでしょうけど……でも」
純一「この量の仕事は……流石に、僕と高橋先生だけじゃ無理ですって…」
高橋「うっ……そ、そう言われると……」
純一「……よくもまあこれほどまで貯めこみましたね、先生…」
純一「…まあそうなんだろうと思いますけど、先生…なんというか、その…最近ちょっとだらしなくないですか…?」
高橋「えっ? だ、だらしない…?」
純一「ええ、少しだけそう思ったんですけど……こうやって放課後まで事務室で書類の分担を残してるし。
それに昨日も僕が手伝わないと終わらなかった仕事が残ってたじゃないですか」
高橋「うっ……」びくん
純一「そんな感じで、最近の高橋先生って…だらしないというか、気が抜けてるというか」
高橋「…そ、そうかな? 自分じゃなんにも気づいてなかったけれど…」
純一「そうでしょうね、というかそれも…だらしないっていうのは普段の授業ではあんまり見せてませんし。
どっちかというと、僕と一緒にいるときに限ってだらだらしてるというか…」
高橋「そ、そんなことないわよ…! 先生は誰にだって区別なく接しているつもりよ…!」
純一「…じゃあ僕は今日、何時に帰れるんでしょうかね。とっくにもうみんな帰ってしまってるのに」
高橋「そ、それはっ…その………うん……ごめんなさい、橘くん…」
純一「…はぁ。いいですよ全然、僕は気にしてませんし……というか先生がきにしてください」
純一「はい、そんな風にだらけるのって……大人として、というか女性としてどうなのかなって思いますよ、僕は」
高橋「大人の女性として……」
純一「昔の先生はもっとしゃきっとして、かっこよかったのになぁ〜…」
高橋「……今の私って、橘くんから見て…かっこよくないのかしら…?」
純一「…見る影もないですね、はい」
高橋「そんなっ……」ガーン
純一「それはそれで…まあ僕は面白くて好きですけどね」
高橋「えっ……そ、そうなの?」
純一「ええ、そうです。好きです、今の感じの先生も」
高橋「ええ、そんな……もう、橘くんったら……えへへ」もじもじ
純一「…先生、手を動かしてください」
高橋「あ、はいっ…!」びくん
純一(───やっぱり、おかしい!)
高橋「よいしょ…よいしょ……」
純一(な、なんなんだッ───この、先生の優しすぎる優しさは……ッ!
なんとなくワーワーと言ってしまったけれど、物凄く素直に聞いてくれたし……ッ!)ダラダラ…
高橋「これは、これで……うん?」ちら
純一(しかも僕が先生を窘める展開が普通に起こってしまっている…!
どうして僕が場の流れの主導権を握ってるのだろう…!なんだこれ!)じぃー
高橋「…」にこっ
純一「…あ、あはは…」
純一(微笑みかけられた……くそ、可愛いからいいか)
純一(って駄目だろ僕! これは駄目なんだ……僕が好きになったのはこういった甘いところがあるから、
ってのもあるけれど…! それよりも僕は以前までのキリッとした先生も好きだったんだよ…!)
純一(あの頃の先生に戻って欲しい、と。僕は思ってる……また当時みたいに怒ってくれる先生に会いたい!)
純一(僕はまた先生にお尻をはたいて欲しいんだ! だから……くそ、考えるんだ僕…!)
純一「どうしたら……どうしたら、いいんだ…」
純一(──あ、そっか! 先生に怒られるぐらいのことをしたらどうだっ?)
純一(怒られるほどなことをしてしまえば、先生も当時の自分を思い出してくれるかも知れない…ものは試しだ、やってみよう!)
高橋「うんしょっと──……うん? なにかしら橘くん」どさっ
純一「ちょっと、失礼します……そこの書類がとりたくて…」すっ…
高橋「え、どこかしら? 先生がとってあげますよ」
純一「いや、大丈夫です。僕が取りますから───」すすっ…
さすり…
高橋「───きゃっ…!」ぴくんっ
純一(ど、どうだ…!? 遠くの物を取ると見せかけ装い、先生の背筋をさするこの行為…ッ!
ポイントはさり気なさを醸し出しつつ、実は思いっきり狙ってたよと分かる風にすることだ!)
高橋「………」
純一(これなら先生も…流石に怒るに決まっている! さあ! 怒ってください先生!)
高橋「……も、もうっ…くすぐったいじゃない…」ぷいっ…
純一「えっ……?」
高橋「今度から、気をつけなさい……先生、背中弱いんですから……」かああ…
高橋「い、いいですよっ……先生は気にしてませんから…っ」
純一(いや気にしてください! どうみてもわざとがっつりとさすってたじゃないですか…!
それにどうして恥ずかしがるだけなんですか……なんなんですか…)
高橋「っ……」もくもく…
純一(……ってあれ? なんだか気まずい雰囲気になってる…?
先生、本気で恥ずかしがってるじゃないかっ……いや、違います! こんな雰囲気が欲しかったわけじゃないです!)
高橋「……先生は、きにしてませんから…ほら手が止まってますよ」ちらっ
純一「あ、はいっ……ごめんなさい…」
高橋「わ、わかればいいんです…っ」がさごそ…
純一(完全に気まずくなってしまった…恥ずかしがりすぎだよ先生!可愛い!
くそ、これじゃ駄目だ…もっと強引でわかりやすいようにしないと今の先生にはだめだ…!)
純一(どうすれば、いいんだ……打開策を、なにか……うーん…)
純一「……あ、そうだ。これがあるじゃないか…」
高橋「……ん? どうかしたの?」
純一「えっと、先生……ちょっと言い忘れてたことがあったんですけど…いいですか?」
純一「えっと、あはは…それはですね」
純一「───僕、明日の提出の課題…まったくやってないです!」
高橋「え……?」
純一(定番中の定番! 課題のど忘れ! この流れは僕が高橋先生が担任になってからずっと行われてきた
スタンダードな問題だよ! どうだ先生……へっへ、これなら僕のこと怒ってくれるでしょう…?)
高橋「………」
純一「すみません、すっかり忘れてて……あはは」
高橋「………───」ぐぐっ
純一(う、うおおっ……先生が身構えたっ! くるのか、くるのか!? あの一撃が!?)
高橋「…………」ぐぐっ…ぐっ…ぐす…
純一「えっ…?」
高橋「ご、ごめんなさいっ…私が最近、色々と仕事を手伝わせちゃったから……貴方が課題をする暇がなかったのね…」ポロポロ…
高橋「まさか貴方がそんな風に困ってただなんて……わたし、わたしっ…教師失格よね…っ…ぐしゅっ…」
純一「そ、そんなことないですよ…! 僕がただ、課題のことを忘れてただけで…!」あたふた…
高橋「で、でもっ……ぐすっ…忘れてしまうほどにっ…私が手伝わせてたせいでしょう…?」
純一(違います! まったくもって本当に忘れてました!)
高橋「本当にごめんなさい……私ったらっ…ひっくひっく…」
純一「先生……別に僕は先生のせいだって言いませんよ…?
僕が好きで先生の仕事の手伝いをしているだけで、なにも高橋先生は悪くありませんから…」ぎゅっ…
高橋「ぐすっ……ほんとうに…?」
純一「ええ、本当です。だから…泣かないでください、どうかお願いします…」
高橋「ぐしゅっ……ふふっ…そっか…うん、わかったわ……ごめんなさい、急に泣き出しちゃって…」にこ
純一「はい…」
高橋「すぐっ…年下に慰められるなんて、先生も駄目ね。えへへ……」
高橋「…ありがと、橘くん。もう離してくれていいわ…先生、大丈夫だから」
純一「あ、はい……」
高橋「…そうね、君も大変だって分かったから。今日はぱぱっと終わらせてしまいましょう、
仮に終わらなくても先生一人で残って終わらせますから、橘くんは気にしなくて大丈夫よ?」
純一「わ、わかりました……」
純一(……どうしよう、なんだか先生恐いよ…優しすぎるのを通り越して、ちょっと恐怖を感じるよ…)
純一(もう、今の先生になにをしても怒らないんじゃないか……?
なんかもうどんなことしても平気な気がするよ…)
純一「……先生、あの」
高橋「どうしたの?」くるっ
純一「………」
高橋「うん?」
純一「あたま……撫でていいですか?」
純一「……急に撫でたくなってきてしまって、とりあえず聞いてみようかなって…」
高橋「………」
純一「あはは、困りますよね? すみません変なこと言ってしまって…」
ずいっ
純一「……高橋先生?」
高橋「っ……ほ、ほら…いいわよ…?」
純一「え、」
高橋「撫でたいんでしょう…? だ、だから……ね?」
純一「………」ポカーン…
純一「あ、はい…」なでなで…
高橋「………」ドキドキ…
純一「あ、はい……もっとなでさせください…」なでなで…
純一「……あ、そうだ。匂いも嗅いでいいですか?」
高橋「……えっ!?」
高橋「っ〜〜〜〜……い、いいわよ…!」
純一(いいのっ!? じゃ、じゃあ遠慮なく……)くんかくんか…
高橋「え、あ、ちょ……そこはっ…首だから──んっ…」ぴくっ
純一「……嗅いでいいっていってくれたじゃないですか…くんくん…」
高橋「んっ! 息が首にっ……そ、それは髪の匂いだって思ってたから……っ」
純一「大丈夫ですって……先生、何処を嗅いでもいい匂いですから……」もぞもぞ…
高橋「あっ…そこは、ちが、う……んっ」
純一(凄い! もうなんだってありだよ!)
素晴らしい、素晴らしすぎる……)
純一(……なんかもう当初の目的忘れちゃったな…何がしたかったんだっけ、僕…)
高橋「たち、ばなくん…っ…」じぃっ…
純一「っ……高橋、先生……」ドキドキ…
がたっ……すた、すた…ぐいっ…
純一(勢いで壁に押し付けてしまった……)
高橋「はぁ…はぁ……たちばなくん…?」
純一「…先生、息が荒いですけど…どうかしましたか…?」
高橋「……だって、そんなことするから…」ぷいっ…
純一「そんなことって…なんですか? 言ってくれなきゃわからないですよ…僕」
高橋「……もう、意地悪しないで…」ぎゅっ…
純一「意地悪だなんて、僕はただ……生徒として、先生に質問してるだけですよ」
純一「……あはは、そうですかね? だって困ってる先生の顔、可愛いですから」
高橋「………ほんとうに、イジワルね」かぁあー…
純一「先生…顔を、上げてくださいよ」
高橋「…いや」
純一「どうしてですか、僕は上げて欲しいです」
高橋「……キスするつもりなんでしょ、だからイヤ」
純一「ダメですか?」
高橋「………だめじゃないけど、私は顔をあげないの」
純一「……」くいっ
高橋「っ……えっ…たちばな、くん…?」
純一「──じゃあ僕が顔を上げてあげました、ちゅっ」
高橋「んっ……!」
高橋「──…………」
純一「先生?」
高橋「え、あっ……うん、すっごくいい…と思います…先生は……」
純一「……もう一回したいですか?」
高橋「……」こくり…
純一「じゃあ、お言葉に甘えて……」
ちゅっ…ちゅ
高橋「ふぅ──んっ……たち、ばなくん……」ぎゅうっ…
純一「……良かったですか?」
高橋「うんっ……すっごくいい…先生、とってもキュンキュンしてるから…もっと…」
純一「わかりました、それじゃあもう一回……」
純一(デレデレすぎるよ!!!!!)
なんということだ、今まで妄想してきたノリを全部実現できてる…!)
高橋「………」じぃー…
純一(どうしてこんなにも先生は素直になったのだろう……わかんないや、これって僕に…惚れてるから?)
純一(……いやいや、確かに僕と先生は付き合ってるけれど。それでも、そこまで行くのはさすがに…)
高橋「……だいすき、橘くん…」ぎゅうっ…
純一(──あり得るかも知れない! どうだろう、またものは試しに……こんな事、言ってみるとかどうだろう…?)
純一「……高橋先生、僕…貴方に言いたいことがあるんです」
高橋「なに、かしら……?」
純一「あのですね……昨日…」
高橋「昨日…?」
純一「……昨日、先生の仕事の手伝いの後…」
高橋「仕事の手伝いの後…何かしら?」
純一「───他の女の子と、一緒にかえゴハァッ!?」ドス!
純一(ボディー…ブロー……っ!? こ、こんな一撃…今まで貰ったことがない…!)
純一「くっ…かはっ…たかはしっ……せんせぇ…っ?」ぷるぷる…
高橋「………」
純一「どう、して……こんなこと、を…?」
高橋「───先生は先生として、不純異性交遊を見逃すわけにはいけません」キリッ
純一「せ、先生が言ってもっ…なんら説得力がないんですけど…っ…」
高橋「口答えは許しません」
純一(暴君だ…)
高橋「……橘くん、君には色々としっかりいって置かなければならないことが沢山あるようね。
いいかしら、男子高校生たるものきっちりとした生活習慣を身につけなければなりません!」
純一「は、はいっ……」
高橋「それはいずれ大人になる為に──……ってこら、いつまでうずくまってるの! 正座よ正座!」
純一「わかりました……」ささっ…
純一(う、ううっ……そうだった、先生は自分に甘いくせに…他人のことになると物凄く怖くなる人だった…
そんな自分勝手なところがあるって知ってたけれど、ううん…違うな。そうだって最近になって知ったんだけど…)
純一(そこがまた、先生の可愛い所なんだってしって……僕はまたさらに好きになったんだった…)
高橋「つまりはです、私が言いたいのは───」
純一(先生はとってもかっこよくて、綺麗で、素晴らしい人だって……そんなことはとっくにわかってる。
みんが知っていることで、誰にだって周知の事実だ)
純一(……でも、こんなふうに身勝手に振る舞う先生を知っているのは──…僕だけだ。
僕にだけ、そう先生は僕にだけ勝手を押し付けてくれる)
純一(だからそれは先生が変わってしまったというわけじゃない)
純一(──先生が、僕に対して変わってくれたんだ)
純一(自分の想いを素直にぶつけてくれるんだって、先生として生徒としてじゃなくて。
……一人の人間として、一人の女の人として…僕と付き合ってくれてるんだ)
純一「……やっぱり、可愛いな麻耶ちゃんは」
高橋「……なんですか、今ぼそっていったのは! 聞いてるの? 先生の話しを!」
高橋「まやっ……こらっ! 急に下の名前でよばない!」
純一「じゃあ何時呼んであげたらいいんですか。僕はいつだって麻耶ちゃんって呼んであげたいです」
高橋「そ、それはっ…時と場合で……その、あれよ…」
純一「じゃあ今、僕は呼びたいです。麻耶ちゃん」
高橋「っ……もう、さっきから呼んでるじゃないの…っ」
純一「あはは、そうでした。だからもっと呼びたいですよ、麻耶ちゃん」
高橋「………下の名前で呼びすぎよ、もう…!」
純一「……照れてるんですか?」
高橋「照れてませんっ!」
純一「やっぱり可愛いです、麻耶ちゃん」
高橋「や、やめなさいっ…! ほんっとにもう、やめて…!」ばたばた…
純一「まやちゃーん」
純一「………」ぴた
純一「……今は、僕ら二人だけですよ」
高橋「え、あ、そうだけど……それでもっ!」
純一「それでも? なんですか高橋先生…?」
高橋「……それでも、私はそんな風に…」ごにょごにょ
純一「ああ、なるほど。下の名前で呼ばれるのは……もっと大切にして欲しいってことですか」
高橋「そ、そうよっ……あんまりそうやって気軽に呼ぶのは、先生はどうかって思うから……」
純一(名前を呼ぶぐらいで、いちいち気にする麻耶ちゃん可愛い)
高橋「……だ、だから! 先生は…っ!」
純一「──わかりました、先生。僕はこれからそんなに気軽に下の名前で読んだりしませんよ」
高橋「…本当に?」
純一「ええ、本当です。もっと時と場所を選んでいってあげます」
高橋「あ、ありがと……」
高橋「え、なに……急に近づいてきて…?」
純一「先生がいう、その……時と場所をですね」
純一「……この瞬間に、つくろうと思います」
高橋「ど、どういうこと……かしら…?」
純一「……僕が思うに、先生は…イチャイチャしているときに呼んで欲しいんでしょう?
雰囲気がいい時に、ここぞってときに言って欲しい。そうじゃないですか…?」ぐぐっ…
高橋「そ、それはっ……というか、たちばなくん顔が近い…」
純一「近づけてます。だから、ね……麻耶ちゃん」ぼそっ
高橋「うっ…ひっ…!」ぴくん
純一「───もっと今から、イチャイチャしましょう。仕事なんて放っておいて、僕と一緒に……ね?」ぼそぼそ…
高橋「っ〜〜〜!……だ、だめですっ…先生は、きちんと仕事は…っ」
高橋「っ……そ、それはっ……」
純一「大丈夫です、先生がもし教師をクビになっても……僕が養ってあげますから」
高橋「──え、それって……」
純一「……どうとでも受け取ってください。それぐらいに、僕は麻耶ちゃんのこと好きなんです」
高橋「たちばな、くん……」
純一「……いいや麻耶ちゃん、それは違うよ」
高橋「え、え、ええっ…!?」
純一「───純一、じゃないか。ほら、言ってごらん」ぼそぼそ…
高橋「っ〜〜〜……じゅんいち…」
純一「はい、お利口さんですね。頭を撫でてあげますよ」なでなで…
高橋「………」なでなで…
純一「…うん? どうしたの? なんだか嬉しそうだね麻耶ちゃん…?」
純一「そっか…それじゃあもっと、撫でて欲しいかな?」
高橋「う、うん……撫でて欲しい…」こくり…
純一「………」なでなで
高橋「………」
純一(すっごい嬉しそうだ……猫みたいだね、猫麻耶ちゃん!)
純一(さて、ここまでやっておいてなんだけど……どう収拾つけようかな…)
純一(仕事サボるのは流石に……うん、どうしよう!)
高橋「……純一、くん……」ポソ…
純一「あ、はい……ごほん。──なにかな、麻耶ちゃん…?」
高橋「そのね…あのね……」ごにょごにょ…ちらっ
純一「…うん?」
高橋「………───」
高橋「───……キス、したいかな?」
純一(このタイミングで! いや、いいタイミングではあるのだろうけど…
…いや、僕はただ怒られるのをやめたかっただけで…!)
高橋「…だめ?」
純一「だ、だめじゃないです! けど…その…!」
高橋「じゃあ……私から、するわ…」ぐぐっ
純一「え、でもちょっと待ってください…! やっぱり仕事とか…!」
高橋「…そんなのもう、どうだっていい。今は君しか見えてないから」
純一「うっ……」
純一(目が本気過ぎる…!)
高橋「…ねえ、こんな風に迫ってくる……大人の女性は、嫌い?」
純一「……き、嫌いじゃないです…はい…」ドキドキ…
高橋「そう、よかった……それじゃあ、いい?」
純一「いい、です………」
ちゅ
純一「……やっぱり…?」
高橋「貴方とキスするのは、とっても楽しくて……とっても嬉しい」
純一「ぼ、僕もです…」
高橋「ありがとう、ふふっ……もっと、したい?」
純一「もっとしたいです…!」
純一(…あれ? なんだか主導権がいつの間にか───)
高橋「そう、だったらいっぱいしましょう……もう、何もかも忘れるぐらいに。
仕事とか、課題のこととか……全部、忘れて…」すすっ…
純一「先生が…そんな事言っていいんですか…?」
高橋「うん? いいのよ、だって───」
高橋「───今は貴方の前にだけに居る、一人の女だもの」にこ
うんこ長すぎてすまん
便秘野郎なんだ
次はどうすっかな
美也らへんでも書くかな 十二時にかえってくる
落ちたらそれまで
じりりりりいりいりりり……
純一「───う、うーん……」
純一「……もう、朝か…早いな……うぅーん…」ごそごそ…
純一「……」ばん
純一「……もう、あと五分だけ……むにゃむにゃ…」
純一「………」
純一「………ん?」
純一(なんだこれ、暖かい物体が腹の上に……)ごそごそ…
「にゃー」
純一「……にゃー?」
純一「ってまさか!?」ばさぁっ
美也「ぐぅー…ぐぅー…」
純一「美也っ!? またお前、僕のベットの中に潜り込んできやがったなっ…!?」
純一「……そしてなんだよ、その下手くそな嘘寝は。起きてるんだろう?」
美也「すやすや……オキテナイヨ-……むにゃむにゃ…」ぽそっ…
純一「………」
純一「とぅおりゃっ!」ぐいっ!
美也「──にゃああー!?」がばぁっ
純一「うぉおおおおおー!!」ぐいっぐいっ
美也「にゃあ! にゃああああああー!!」
純一「どうだキツイだろう!? いきなり抱えられたらキツイだろう!?」
美也「にゃああああー!! にぃに下ろしてぇええー!」
純一「あっははははは! どぉーだ朝っぱからのこのハイテンションは!!
うざいだろうっ!? 面倒くさいだろう!? あっはははは!!」
数分後
純一「おえっ…気持ち悪い……」
美也「みゃーは楽しかったよ? にっししし」
純一(くそっ…最近、こんなノリが多くて慣れてきやがったなコイツ…)
素晴らしい…
美也「みゃーのお陰だねっ」ドヤッ
純一「ドヤ顔するなよ……さて、朝ごはんでも食べようかな。ほら、ベットの上からどけって美也」
美也「………ごろごろー」ゴロー
純一「………」イラッ
純一「───ふんふーん、今日はいい天気だから布団でも干そっかなー」すすっ
美也「……え、ちょ、にぃにっ…みゃーはまだお布団の上にいるからっ…畳んじゃだめ、うにゃー!」ばさっ
純一「んー? なんか声が聞こえたかなぁ、わからないなぁ」てきぱき
美也『にぃにー…!』
純一「よいしぉっと、うん?……なんだか近くで美也の声が聞こえた気がする……気がするだけか…」すたすた…
美也『にゃぁああー!!』ばたばた
純一「おかしいなぁ…暴れだすお布団なんてぼくしらないなぁ…」すたすた…
純一「もぐもぐ……明日は晴れか」
純一「よかったよ、明日はあれだったし───ん?」
ばたばたばた…… がちゃ!
美也「はぁーっ…はぁっー……!」
純一「よっ! 美也、今日は遅かったなぁ〜」
美也「はぁっ……はぁ……もう少しで、にぃに…お母さんに本当に干されそうになったんだよ…っ!」
純一「へぇーそっか。大変だったなぁ……もしゃもしゃ…」
美也「大変だったじゃないよっ! もう、ちょっと甘えたらすぐ怒るんだからっ!」
純一「朝っぱらからそうされたら、誰だって怒る」
美也「ふんだッ、にぃにはまったくもってわかってないよ! こうやって妹に起こされる兄が、
どれだけ恵まれてるかってねっ!」
純一「そっか、僕はそんなこと一生わからなくていいよ、うん」
美也「ぐぬぬっ…にぃにのばかっ!」ばたん!
純一「もぐもぐ……なんだよ、一体…ごくん」
美也「……くぅう…最近、にぃにってばちょっとみゃーに冷たい気がするっ…!」
美也「………」
美也(前は──……前の時は、自分に向かってえすこーとしやがれって言ったくせに……なんなのかな、あの態度っ!
みゃーはみゃーらしく、やってるつもりなのに。当の本人があれじゃ意味ないよ!)
美也「……はーあ。なんでこんな頑張ってるんだろ……みゃー…」
美也「………」いじいじ…
美也「───そんなこと……いまさら考えなくてもわかってるけど、ね」
美也「………」
美也「──とにかく今日も頑張ろぉっと! 元気にね、うん!」ぐっ!
美也「あ、そういえば明日って………」
居間
純一「ごくん……うっし。ごちそうさまでした!」ぱん
純一「今日一日は暇だなぁ〜……明日はあれだし、どこかでかけるのもなぁ〜…」がちゃ
美也「………」じぃー
美也「……もうとっくに食べたよ」
純一「あ、そうなんだ」
美也「………」じぃー
純一「な、なんだよ……とりあえず入って来いって」
美也「………」がちゃ… すたすた…
純一「…どうしたんだよ、まだ怒ってるのか? だったら謝るからさ…うん、面倒くさいけど」
美也「………」
純一(あれ、怒んないや……機嫌が悪いんじゃないのか?)
美也「…あのね、にぃに。ちょっと聞きたいんだけどいい?」
純一「どうしたんだよ?」
美也「……明日、修学旅行だよね。おみやげちゃんと買ってきてくれるんだよね」
純一「……やだ」
美也「えー!? 買ってきてよ!」
美也「……もっと?」
純一「……なんでもない、おみやげ? ああ、買ってきてやるよ。なにがいいんだ?」
美也「ほんとぉー! そしたらねぇ、にっしし。みゃーは京都版まんま肉まん八つ橋がいいなぁ!」
純一「…なんだそれ、ちゃんとした食べ物なのか?」
美也「ちゃんとしてるよ〜! みゃーはそれがいーい!」
純一「わかったよ、まんま八つ橋な。りょうかいりょうかい」
美也「違うよっ! 京都版まんま肉まん八つ橋だよ!」
純一「わかってるって。ごめんごめん、ちょっと間違ったよ」
美也「ものすごく違うからねっ! もう、ちゃんとわかってるのかなぁー……」
純一「大丈夫だって! ……それよりも美也、今日は暇か?」
美也「え、どうして?」
純一「うん、だったらさ───」
純一「やっ!」ぱしん
美也「えいっ!」ぱしっ
純一「おっ、打ち上げたな……そしたらここだぁ!」ぱしん!
美也「──ふっふっふ〜、にぃにの癖はわかりきってるんだよ!」ぱしっ!
純一「んなぁにっ! 僕の最高に決まったスマッシュがいとも簡単に…っ!」ぱしっ
美也「にっしし! それぐらい妹のみゃーだったらお茶の子さいさいだよ〜?」ぱしん
純一「くそっ…伊達に数年、僕とバトミントンしてるだけあるな……美也!」ぱしん!
美也「なんのっ! にししー!」ばん!
純一「こ、これもだめか……あ、しまった───」ぽすん
美也「いぇーいっ! みゃーのかっちぃー!」
純一「ぐ、ぐううっ……兄であるこの僕が…妹に負けてしまうなんて…っ」
美也「これでみゃーが通算でいうと……勝ち越しだけどね!」
純一「くそうっ……仕方ない、そしたら美也は何が欲しいんだ」
美也「素直でいいね、にっしし!」
純一「罰ゲームだしな、ここは素直に負を認めるよ」
美也「ひっどーい! そんなの罰ゲームにしないでよね!」
純一「冗談だって……それで? 美也はなにを欲しいんだ?」
美也「う〜んっとね……えっとね〜……あ、そうだ!」ぽん!
純一「あんまり高いものは買わせるなよ……」
美也「ううん、高いものじゃないよ? というか買ってほしいものなんてみゃーないし…」
純一「え? じゃあどうするんだよ、普通にまんま肉まんアイスバーとかでもいいぞ?」
美也「…………えっと、ね。そのぉ〜…」そそくさ…ちらっ
純一「なんだよ、はっきりしないなぁ…」
美也「……言っても怒らない、かな?」
純一「怒るものってなんだよ、そんなのが欲しいのか?」
美也「…うん、そんなのが欲しいんだ。みゃーは」
純一「うーん、まあとりあえず聞いてから決めるよ……どんなのが欲しいんだ美也?」
純一「…僕の?」
美也「……にぃにの、口にね……」いじいじ…
純一「僕の口? なんだよ、タバスコでも塗りたいのか……それはやめてくれ…」
美也「ち、違うよ! そ、そうじゃなくて…そういうことじゃなくて……っ」
純一「じゃあなんだ?」
美也「っ……っ………」もじっ…
純一「…なんだっていうんだ、そんなにも言いにくいことなのか?」
美也「えっ!? ん、まあ…そう、かな…?」
純一「…この際、ハッキリといってくれ。僕までドキドキしてきたから…」
純一(どんな罰ゲームを言ってくるかわかったもんじゃないし…美也は僕の出来る限界を把握してるからな…)
美也「じゃ、じゃあ……言っちゃうよ? いいの?」じっ…
純一「う、うん……」
純一(それにしても…さっきから美也のやつ。顔が赤いな…どうしたんだろう)
純一「お、おう……」
美也「にぃにと……その、ね………」
純一「その……なんだ?」
美也「………………………」
純一「……美也?」
美也「……っ〜〜〜〜……にゃあああー!!」ばっ
純一「…え? なに、美也っ! どうして飛びついてきて……!」
かぷっ
美也「んっ、んんんっ〜〜〜!!」
純一「あ、ちょ、こ、こらっ! 美也!? なんでお前、鼻に噛み付いてくるんだ…っ!」
美也「むむむっ! んん! んん〜〜〜!!」
純一「あ、暴れるなって!? 暴れるに決まってるじゃないかっ!? 痛いからやめてくれ…!」
純一「こ、これが罰ゲーム…!?」
美也「そうだよ、これが罰ゲーム……にぃには大人しくみゃーに噛まれてばいいんだよっ」かぷ
純一「ちょ、そこは耳だからっ…! うひゃひゃひゃひゃ!」
美也「もぐもぐもぐ……」
純一「く、くすぐったい! や、やめてくれっ…僕が悪かったから! 本当にやめて…!ひゃひゃひぁ!」
美也「もぐっ……ぷはあ───……最近、みゃーに冷たくてごめんなさいはっ?」
純一「えっ!? 美也、お前何言って……ひゃひゃひゃ! わかった! ごめん美也! 冷たくしてごめん!」
美也「もぐもぐ…ぷは、もうしませんはっ! もぐもぐ!」
純一「も、もうしませんっ! もう美也にはこれからずっと冷たくしません誓います!」
美也「ぷはっ……そ、それじゃあ……にぃには、みゃーのこと……ちゃんと、見てくれてるって…」
純一「ひゃひゃっ……えっ? なんてっ…?」
美也「……がぶうっ!」
純一「痛ぁああああああああ!?」
純一「いたた……まだ耳がひりひりするよ…」
美也「………」ムスー
純一「…なんなんだよ、一体。これほど好き勝手しておいて、まだ何か不満なのか?」
美也「……べっつにぃ。みゃーは何も思ってないよ、ふん!」ぷいっ
純一「………」
美也(……謝らせたことはできたけど、やっぱりにぃには朴念仁だよっ。
なーんにも乙女心がわかってない……やっぱりにぃには、にぃにだ)
美也(……というか朴念仁ってどういう意味なんだろう? なんとなく使ってるけど…うーん)
純一「……美也、ちょっとこっちを向いてごらん」とんとん
美也「…え、なに? にぃに──」ぷにゅっ
純一「やーい! ひっかかったぁ〜」
美也「……にぃに?」
だめだぞ美也! これは僕からの愛情表現なのだから!」
美也「……こんな愛情表現、みゃーは嫌い」
純一「そう冷たく言うなよ……いくら不死身の僕だって傷つくんだぞ?」
美也「身体は強くても、にぃには心と頭は、お豆腐さんみたいにふっにゃふにゃでしょ」
純一「豆腐メンタルか……これは言い返せないな」
美也「それでなんなの? ただいたずらしたかっただけ?」
純一「うん? いや、まあ、そうだけどさ……ちょっと機嫌は直ったかって思ってさ」
美也「…どういうこと?」
純一「今も機嫌が悪いみたいだけど、さっきとは違った機嫌の悪さだなってことだよ。
……いくらか顔色も良くなってるみたいだし、やっぱ外で運動ってのが良かったのかな」
美也「…えっと、さっきとみゃーの機嫌……違うかな?」
純一「全然違うな。それぐらい兄だったらわかるさ」
純一「自分のことなんて、案外自分では気づけなかったりするもんだ。
むしろ他人のことのほうが上手く気づけたりするもんだぞ?」
美也「それって…にぃにの経験談なの?」
純一「とりあえずね。まあ美也には関係のないはなしだよ、うん」
美也「なにそれー! またみゃーに隠しごとっ?」
純一「またってなんだよ、僕は美也には別に隠しごとなんてしてないだろ」
美也「してるよ! 今も……そして今までもしてるよ!」
純一「今は……まあ認めるけど、今までってのはなんだよ」
美也「っ……だ、だって……」
純一「だって?」
美也「……にぃには、あれから……ずっと何も言ってくれないから……っ」
純一「あれからって……何時のこと?」
純一「信用できなくなるって……なにか僕、隠してるかな?」
美也「っ……───」
美也「───もう、もうっ……知らないっ!…にぃにのばかっ…!」
純一「お、おい……泣いてるのか?」
美也「ないて、なんかっ……いないよっ! どうしてみゃーが泣かなくちゃいけないのっ…ぐすっ…」
純一「泣いてるじゃないか…実際に」
美也「う、ううっ……ぐすっ…ばかっ…にぃにのばかっ…すけこましっ…変態さんっ…!」
純一(えらい言われようだ……)
純一「ああ、もう…泣くなって。ほら、好きなもの買ってやるからさ、な?」すっ…
美也「ひっく……ぐすっ……」
純一「なにがいいんだ? 今は手持ち少ないけど、買えるものならなんだって──」ごそごそ…
ばしんっ
美也「──みゃーは、なにも買ってほしくないっ! いらないよ!」
美也「みゃーはっ…なんにも欲しくなんか無いっ…にぃにから、なんにもっ…!」
純一「………」
美也「そうやって…そうやってすぐにごまかすにぃにからはっ…もう、なにも欲しくない…!」
純一「………はぁ、そっか。わかった、今の僕からは何も欲しくはないんだな」
美也「ひっくっ…ぐしゅっ……けほっ…」
純一「……」すたすた…
純一「だからって、財布をはたき落とすなよな……小銭が散らばっちゃったじゃないか…」ひょい…
純一「───なぁ、美也。ちょっといいか」ひょい
美也「ぐすっ……なに…?」
純一「───僕は別に、あの時のことを忘れてなんかいないよ」ひょい…ひょい…
美也「……え…?」
純一「ちゃんと覚えてるって言ってるんだ。それに、それを隠してるつもりもない」すた…
純一「…出すわけ無いだろ、そんなこと。一応、兄妹なんだからさ」
美也「………ぐす…」
純一「僕は僕なりに──考えてやってるつもりだよ、美也。お前がそうであるように、僕もまた…
…僕なりに考えているんだ。きちんと、ないがしろにせずに」
純一「あの時に行った言葉は──……あの時に伝えた気持ちは、今だって忘れない」
純一「お前を好きになるための準備は出来ている。だろ?」
美也「……うん、にぃには…そういってくれた…」
純一「ほら、ちゃんと憶えていたじゃないか。うん、それでどうしたって話だけど……あのさ、美也」
美也「なあに、にぃに…?」
純一「───僕はきちんと、お前のことを好きになってるよ」
美也「………え、でもっ……えっ…?」
純一「家族とかじゃない、妹だからとかじゃない……きちんと、一人の女の子として。
僕はお前を好きになってるよ」
純一「ふっふっふ……どうだ、気持ち悪いだろう? だから言いたくなかったんだ……うん」ぽりぽり…
美也「………」
純一「まあ、お前がそんな風に悩んでたなんて、正直な話……今までわかってなかった。
こういうことってちゃんと話しておかないといけないんだな、家族だからって甘く見てたよ」
美也「み、みゃーも……そんな風に考えてただなんて…思ってもなかった…」
純一「ははっ、そこは血の通った兄妹だなホント。
でもいいさ、こうやってまた分かりあえたんだ。きちんと、家族として人としてさ」
純一「心配させてゴメンな、美也。僕はきちんと……お前のことを見ているよ」
美也「っ……本当、に? みゃーのこと、ちゃんと見てる…?」
純一「ああ、見てるよ。僕の前で、僕のために泣いている娘が一人、見えてる」
美也「そ、そうだよっ……みゃーは、みゃーは……にぃにを思って…泣いたんだよ…!」
純一「そうだな、凄いよ美也は。人のために泣くなんて、そうそうできることじゃない」
美也「うんっ……うんっ……ぐすっ…」
純一「……泣くなって、ほら。おいで美也」ちょいちょい
純一「こっちだこっち──……よし、つかまえた」ぎゅっ
美也「ぐしゅっ…ひっく……」
純一「ああ、ほら…そんなに泣いちゃうと目が腫れるぞ?」
美也「ひっくひっく……けほ、ぐすっ…」
純一「本当に美也は泣き虫だなぁ……昔っから変わんないよ」
美也「……ぐすっ……」ぎゅうっ…
純一「本当に昔から……変わらないな、美也は…可愛い妹だよ、本当に…」なでなで…
純一「──そんなに心配するなって。僕はちゃんと側に居続けてやるから、ずっとな」
美也「……ずっと、ずっとだよっ…?」
純一「ああ、ずっといてやる。美也の側に…こんな僕で良かったら、いてやるよ」
美也「にぃにっ……ひっく…」
純一「…うん? どうした、美也?」
美也「あのね、にぃにこと……みゃーは…本当に、好きだから…っ」
美也「ほんとうはねっ……にぃにが修学旅行に行っちゃうの、寂しいんだよっ…!」
純一「…だから今日は布団の中に潜り込んできたのか?」
美也「そうだよっ……昨日の夜、そう思って…忍び込んだんだっ…」
純一「あはは、どれだけさびしんぼうさんなんだよ」
美也「だってだって……五日間もにぃにとあえないなんてっ……」ぎゅっ…
純一「たった数日じゃないか。これまでの時間と比べたら、これっぽっちだろ?」
美也「それでもっ…みゃーは、みゃーは……」
純一「…そっか。寂しいのか、困ったなぁそれは…」なでなで…
美也「………ぐすっ…」
純一「──あ、そうだ! そしたら美也! これなんてどうだ?」
美也「え、どうしたの…?」
〜〜〜〜^
「ありがとうございましたー」
純一「……ふぅ、なんとか所持金で買えたなぁ。よかったよかった」
純一「それが欲しいって言ったのは美也だろ…」
美也「そうだね、みゃーはこれが欲しかったんだっ」ちゃり…
純一「…猫のキーホルダーか。美也らしいな」
美也「そしてこれがにぃにのだよっ」ちゃりっ
純一「え、いつの間に…」
美也「隙を見て買っておいたの、にぃに貰ってくれる…?」
純一「…ありがとうな。嬉しいよ」
美也「おそろいだね!」
純一「ああ、そうだな……そしてもう寂しくなんか無いな」
美也「本当はもっと大きなぬいぐるみとか買って欲しかったけど……贅沢は言えないよね〜」
純一「それは…いくらになるのかわかったもんじゃないからな…」
美也「うんっ! どーんっと行って、みゃーにいっぱいおみやげ買ってきてよね!」
純一「一杯は無理だ……出来れば京都版まんま肉まん八つ橋ぐらいにしておいてくれ…」
美也「あ、覚えててくれたんだ…」
純一「ん? おいおい…当たり前じゃないか、だって買ってきて欲しいんだろ?」
美也「うん……楽しみにしてるからね、にぃに」
純一「ああ、待っとけって」
美也「……にしし、それじゃあ帰ろっかにぃに!」ぐいっ
純一「えっ? あ、こら…こんな町中で腕を組むなよ…!」
美也「これぐらいへーきへーきっ。兄妹なら誰だってしてるよー」
純一「で、でも……ああ、もう!わかった! んじゃ帰るぞ美也!」
美也「おっけーなのだっ!」
すたすた…
「っち………」
「──橘、さん……どうして君は……」
「……くそっ」がんっ
「……こんなの、絶対に間違ってるんだッ…! 絶対に…!」
翌日 二年教室・放課後
美也「ふんふーん…♪」ニコニコ
七咲「今日は一日、ご機嫌だったね美也ちゃん」
紗江「…なにか、いいことでもあったのかな?」
美也「えー? ごきげんに見えるかなぁ? にっしし!」
七咲「うん、とっても嬉しそうっていうか……良いことがあったみたいな感じで」
紗江「うんうん……あ、そのキーホルダーかわいいね美也ちゃん」
美也「わ、わかるかなっ!? かわいいよねこの猫さん!」
紗江「う、うん…! 最近はやりの、中に磁石が入ってて…もうひとつのキーホルダーとくっつくやつでしょ…?」
紗江「う、ううん……別にいいけど…」
七咲「そういえばそのキーホルダーを見て、ずっとニヤニヤしてたけど…誰からかのプレゼントなの?」
美也「うん? そうだよ! これはねぇ〜……にっしし! にしし! 秘密だよっ!」
紗江&七咲(絶対にお兄さんからだ……)
七咲「…そうなんだ、ともあれ良かったね美也ちゃん」
紗江「いいなぁ…私もプレゼントしてもらいたい…」
美也「大丈夫だよ! 紗江ちゃんなら、望めば誰からだってプレゼントしてもらえるよっ?」
紗江「え、ええっ…! 誰からでもって…そんなこと、ないよ…っ」
美也「え〜? そんなことあるよね、逢ちゃん?」
七咲「確かに…中多さんなら、誰だってプレゼントしたくなるかも」
紗江「ええっ…! 逢ちゃんまで…!」
七咲「うん、バイバイ美也ちゃん」
紗江「また明日…っ」
美也「ばいばーい、また明日ね〜!」ぶんぶんっ
ぱたぱた…ばたん
「………」すっ…
「………」たったった…
帰宅路
美也「今日も寒いねぇ〜……へくちっ」
美也(今頃、にぃにはご飯でも食べてるのかな…好き嫌いが激しいから、
梅ちゃんに押し付けたりしてるかも…しょうがないなぁにぃには)
美也「さぁーて、早く帰ってまんま肉まん食べながら、ビーバー三国志でもよもっと……」
「あの───」すた…
美也「…うん? 誰だろ──……あっ」
「──久しぶり、って言ってもいいのかな」
美也「うん。二年になってから、まったくお話ししてないし…」
「そう、だよね……」
美也(……以前に、みゃーに告白してきたクラスの子だよね)
男子「その、いきなり話しかけてごめん。迷惑だったかな…?」
美也「ううん、大丈夫。迷惑なんかじゃないから…」
男子「そっか、よかった……」
美也「…それで、私に何か用事?」
男子「……ちょっとそこの公園まで、いいかな」
美也「ここじゃ言えないことなの?」
男子「うん、そうなんだ」
美也「…わかった」
男子「……………」
美也「……それで、話ってなにかな」
男子「…うん、話ってのはもうなんとなく分かってると思うけど」
美也「…………」
男子「もう一度、橘さんに……想いを伝えたくて、こうやって君を呼び止めたんだ」
美也「…………」
男子「しつこいってのはわかってる、わかってるんだ…でも、どうしても諦めつかなくて。
俺はやっぱり橘さんのこと……とっても好きなんだって、今になって更に思い始めてるんだ」
美也「…………」
男子「この気持は、どうやっても止まらないんだ。橘さん……もう一度だけ、考えてみてくれないかな?」
美也「……私は、あの時から変わってないよ」
男子「………」
美也「貴方のことは色々と聞いてる、すっごく部活を頑張ってるんだってね。
女の子にモテてるってのも聞いてる」
男子「そ、そんなのただの噂だから! 俺は、橘さんを一目見かけた時からずっと…君のことが!」
男子「……あの時と、返事とかわらないってこと…かな」
美也「うん。気持ちはとても嬉しいけど、私は貴方とは付き合えない」
美也「ただ、それだけなんだよ…ごめんなさい」
男子「………」
美也「……私、もう帰るね。これからも部活、がんばって───」すっ…
男子「───めだよ、そんなの……」
美也「え…?」
男子「だめだよそんなのっ…橘さん! それはだめなんだよ…!」
美也「な、なに…? どうしたの急に…?」
男子「っ……ごめん、いきなり大声をあげて。でも、俺は言いたんだッ…」
男子「橘さん、君は…駄目なことをしようとしてるって! だってそれは…」
男子「……橘さんのためには、絶対に成らないよ…!」
美也「…どういうこと?」
美也「っ……」
男子「お互いに浮かべてる表情は……まるで恋人同士のようで、俺はすごく寒気がした」
美也「そ、それはっ……」
男子「それに街で腕を組んで歩いて、お互いに買いあったプレゼントを見せ合ってた。
……これは流石に俺も仲のいい兄弟だって思ったけれど、でも…」
男子「…橘さんは、きっとそうじゃないって思ってたはずだ」
美也「…………」
男子「そしてあのお兄さんも、そう思ってるはず。兄妹で仲がいいんじゃなくて、
その先の関係に歩もうとしているってことを」
美也「貴方に、なにがわかるっていうの…っ」
男子「わかるよ! だって、俺は橘さんのことが好きだから!」
美也「……っ」
男子「好きだから……君がお兄さんに向ける笑顔が、とても輝いてることがわかるんだ」
男子「でも、それは駄目だって思うんだよ! 俺は、俺は…橘さんのことを思って…!」
美也「──黙って、くれないかな」
美也「いくら私でも、怒るときは怒るんだよ。だからちょっと黙ってくれないかな」
男子「いいや、黙らないよ! 俺はキチンと話しが通じるまで…!」
美也「………」
男子「通じるまで……っ……」
美也「………」
男子「っ………くっ!」
美也「きちんとお話は、私の耳に届いてる。聞こえてるし、ちゃんと理解もしてる」
美也「でもね? 私はそんな話を貴方から聞きたくないっていってるんだよ」
男子「……そんなに、お兄さんのことを…」
美也「うん、好きだよ」
男子「……一人の男性として…?」
美也「好きだって思ってる。心からね」
男子「そんなのっ、間違ってるよ…!」
美也「好きだっていう気持ちは、もうどうやっても止まらない。
だから私はそれに従って突き進むだけ」
男子「………」
美也「…わかって欲しいなんて贅沢なことはいわないよ。でも、これだけはわかってほしい」
美也「──貴方が私を好きだって言ってくれたのと同じように、私もお兄ちゃんのことが好きなんだって」
男子「っ……」
美也「ただ、それだけなんだよ」
男子「くっ……でも、それでも……俺は、俺は……!」
美也「………」
男子「俺は君の幸せを願いたいんだっ……だからっ!」
美也「…やめて」
男子「っ…橘、さん…?」
美也「そんなの、聞きたくなんか無い…にぃにとみゃーの関係を壊そうとするのなら、本当に怒るよ」
美也「───流石ににぃに以外に本気で怒ったこと無いけど、どうなっても知らないから」
男子「橘、さん…っ」
美也「…でもまだ大丈夫。みゃーは怒ってない、寸前で止まってる」
美也「そもそも怒ることって嫌いだから、したくないしやりたくもない」
男子「………」
美也「……だからね? 今日は大人しく帰ってほしいんだ。そしてもう、これから邪魔をしないで欲しいんだよ」
美也「みゃーはいつだって、にぃにのそばにいることを決めた……だから、そのためにだったら何だってするよ」
男子「っ……そんな怖い表情、するんだ」
美也「するよ、にぃに以外に見せたこと無いけどね」
男子「……にぃに、にぃに…か」
美也「……」
男子「──そうだよ、あの人が悪いんだっ…彼女は、橘さんは悪くなんか無いっ…!」
美也「……何を言ってるの…?」
美也「…?」ちゃり…
男子「───そんなものが、そんなものがあるから……君はおかしくなってしまうんだ…っ」すたすた…
美也「っ…な、なに? や、やめてよ…!」
男子「こんなものがっ…あの男がいるから…!」ぎちっ
美也「あ、返して! みゃーのキーホルダー…っ!」
男子「ッ……」ぶんっ!
ぽちゃ…
美也「あ、ああ…!」
男子「はぁっ…はぁっ──……あ、俺なにをして…」
美也「にぃにからもらったキーホルダーが池の中にっ…!」すたすた…
男子「あ、橘さん…!? どこに…!?」
美也「にぃにからっ…初めてもらった…プレゼントなのにっ…!」バシャバシャ…
男子「ぐっ……だめだよ! こんな寒い中で、しかももうすぐ夜になる!」
美也「キーホルダー……みゃーのキーホルダー…っ」ばしゃ…
男子「っ………くそ、俺はどうしたいんだよっ!」ばしゃっ
美也「え……?」
男子「お、俺も探す! 自分でやっておいて何言ってるんだって思うかもしれないけど…っ」
美也「………」
男子「…なにも、言わないでくれ。わかってるから」
美也「…じゃあ貴方はそっち、みゃーはこっち探すから」
男子「…わかった」
二時間後
美也「………………」すたすた…
美也「………………」すた…
美也(見つからなかった──……猫のキーホルダー……)
美也「………」
美也(……クラスの子、とても反省してたな。悪いのはこっちなのに)
美也(投げられたことは、確かに悪いけど……あんな言い方しちゃったら、誰だって怒るよね)
美也(……彼も、みゃーのことを思ってやったわけだから……ううん、こんなこと考えたって意味ない)
美也「……もう、見つかんないのかなキーホルダー……にぃにから、買ってもらったプレゼントだったのに…」ぽろ…
美也「……あれ? 雨ふってきたかな───あ、そっか…また泣いてるんだ。みゃー……」
美也「えへへっ…本当にみゃーってば泣き虫だなぁ。また買って貰えればいいのに、全然それですむのに…」
美也「……それで、簡単にすむのに」
美也「───ひっく、ぐすっ……でも、だめなんだよねっ…やっぱり…それじゃあ……ひっく…」
美也「あれだったから……みゃーはうれしくって……だから、だからっ……」
美也(どうにか泣きやんで、赤くなってないか確認してから帰らないと……)
美也「ぐすっ……ずず、っはぁ。にぃにに……会いたいな」
美也(思いっきり抱きついて、今日あったことを話したい…頑張ったんだって、
にぃにのために辛くても立ち向かったんだって…なでなでしながら褒めてもらいたい)
美也「にぃに……にぃには、いま…どこにいるのかな…修学旅行を楽しんでるのかな…」
「───いいや、お前の後ろにいるよ」
美也「ッにゃあああああああああー!?」
純一「えっ!?な、なんだなんだ!? どうしたんだよ美也!?」
純一「そ、そうだよ。びっくりしたぁー…急に叫ぶなよ!」
美也「そりゃ叫ぶよ! 急に後ろから話しかけられたら、誰だって叫んじゃうよ!」
純一「ま、それはそうか……ふむ」
美也「ふむ、じゃなくて! え、どうしてにぃにがここに……修学旅行はっ? まさか乗り遅れちゃったのっ?」
純一「バカ言え、ちゃんと飛行機の時間には間に合ったさ。でも中止になったんだ」
美也「ちゅ、中止ぃ? どうしてそんなことに…」
純一「なんだかわからないけれど、飛行機が飛ばなかったんだ。雪が何とか言ってたけど…詳しくはわからん」
純一「だからこうやって、時間だけが過ぎて…今帰宅になったというわけだ」
美也「じゃあ修学旅行は…?」
純一「明日に延期になったみたいだよ。そのぶん、期間が減っちゃったけどね」
美也「そ、そうなんだ……」
純一「それよりも──なんだよ、美也。また泣いてたのか?」
純一「泣いてるじゃないか、しょうがないやつだなぁ……ほら、抱きしめてやろうか?」
美也「か、からかってるでしょにぃに…!」
純一「あはは、バレたか」
美也「ぐすっ……もうっ、本当ににぃにってば…!」ぽかぽか…
純一「な、なんだよっ? いきなり殴ってくるなって!」
美也「ばかばかっ! にぃにのばかっ!」
純一「……あーもう、よくわからないやつだなぁ。ほら、ちょっと黙っとけって」ぎゅっ…
美也「っ……ぐすっ、にぃにのばか…」ぽか…
純一「ああ、馬鹿でいいよ」
美也「…………」
純一「……じゃあそんな馬鹿なにぃに教えてくれよ、美也。どうして泣いてたんだ?」
美也「それは……」
純一「どうしたんだ、寂しくなってたのか? キーホルダー買ってあげたじゃないか」
純一「……ん? まさかお前、もう失くしたとか言うんじゃ──」
美也「………」ボロボロ…
純一「──って、どうしてそこで号泣するんだよ…」
美也「に、にぃにっ…あのねっ…」ぼろぼろ…
純一「ああ、うん……聞いてやるからゆっくりと話してくれよ、な?」
〜〜〜〜
純一「…ふーん、なるほど。元同じクラスの男子にね」
美也「……そうなの。その子も一生懸命探してくれたんだけど…見つからなくて…」
純一「そっか、そこの子も探してくれたんだ。いい子じゃないか」
美也「それは、そうだよ…みゃーの事を思って言いにくいことを言ってくれたほどだもん…」
純一「えらくカッコいい奴に好かれたじゃないか。どうなんだ、実際のところは? ん?」
美也「……みゃーはにぃにのものだから、だめ」
純一「お、おう……そ、そっか…」
純一「…そうか、ならだんだんと慣れていくよ。いきなりは流石に無理だから」
美也「そっか、そうだよね。今までだってそうだったし」
純一「そうだよ、それが僕達が進んでいく道なんだから」
美也「……でも、にぃに。ごめんね、せっかく買ってくれた猫さんのキーホルダー…」
純一「良いってば。仕方ないことだったんだよ、僕らにとってはさ」
美也「……うん」
純一「…どうしたんだ? やっぱり気になる?」
美也「……………うん」
純一「うーん、でもなぁ…美也とその子で二人がかりでも見つかんなかったんだろ?
それをどうやって探せばいいのか───あ……」
美也「……どうかしたの? にぃに?」
純一「……出来るかも知れない、見つけるの」
美也「えっ…本当っ!? 猫さんのキーホルダー見つけられるのっ!?」
純一「とにかく、その池に落ちたっていう美也のキーホルダーを見つけられるかも知れないぞ!」
美也「どうやって見つけられるの!?」
純一「──それはだな、ちょっとばかし人の手助けが必要だな」
美也「人の、手助け…?」
純一「ああ、そうだ。こんな時間に呼び出しても引き受けてくれる……お人好しで、面白くて、
なのに全然モテないかわいそうな奴がね!」
美也「……誰だろう、そんな人居たかなぁ…」
純一「お前も知ってるやつだよ、ああ、そいつの名前は───」
数十分後
「───待たせたな、大将」
「───いや、時間ぴったりだ梅原」
純一「流石は梅原、時間にうるさいだけはある」
梅原「ったりめーよ。寿司は時間が命だぜ? いつだってー俺は時間を守るナイスガイだ!」ぴしっ
梅原「ああ、大将こそな…あの飛行場での、暇を持て余すクラスメイト共を沸かした…最強のギャグ、
俺は一生忘れないぜ…」
純一「忘れてくれお願いだ……それよりも梅原、例のブツは?」
梅原「バッチリよ。ここにきっちり持ってきておいたぜ」
純一「すまん、本当にありがたいよ。こんな時間に親父さんにバレずに来るのは大変だったろ…ほら、報酬だ」がさ…
梅原「……うほっ。これお前、秘蔵中の秘蔵の…!」
純一「それぐらいの仕事をこなしてくれたってことだ、対価に見合った報酬だよ」
梅原「……なるほどな。大将、これから男を磨きにかかるってワケか?」
純一「ご想像にお任せするさ」
梅原「おう、大将……俺は何時だてお前の味方だ。どんな道を歩もうとも、俺はその背中を見守るぐらいはしてやっからよ」
純一「…ありがとう、恩に着るよ」
梅原「ばーろぅ。このお宝本の前にして、感謝の言葉をくちばしんじゃねーよっ」
梅原「おうよ! ソレはそんまま大将の家に置いといてくれ!
修学旅行の帰りにでもとりくるからよっ! んじゃまったなー!」
純一「ああ、それじゃあ……」
美也「……お話、終わった?」
純一「終わったよ。どうだ? 最高のやつだろ、僕はアイツ以上の最高のやつを知らないよ」
美也「まあ梅ちゃん、にぃにのこと大好き過ぎるからね……ちょっと心配になるぐらいに」
純一「え? どういうこと?」
美也「なんでもないよーだ、それよりもにぃに……その梅ちゃんが持ってきたのってなんなの?」
純一「これか? これはだな、ふふっ……」すぅー……
純一「……釣竿だよ、美也!」
美也「つりざお…? どうして釣竿なんか梅ちゃんに借りたのって……まさかキーホルダーを釣るつもりなのっ?」
純一「うむ、実にその通りである!」
美也「……みゃー、にぃにがばかだって言ってるけど。本当にお馬鹿さんだったんだね…」
美也「うん、そう思ってるけど……違うの?」
純一「大丈夫、僕に任せるんだ美也……なんてたって、この思いの強さには自信がある!」
美也「…想いの強さ?」
純一「そうだ! 僕が美也に対して…想ってる、この強さだよ」
美也「っ……きゅ、急に変なこと言わないでよ…!」
純一「照れるな照れるな、さて……作戦開始だ」
純一「作戦名『猫大好きホールド』だ!!」
美也「……にぃにってセンス悪いよね」
純一「う、うるさいっ!」
公園
純一「それじゃあ行くよ、美也」
美也「うん、というかにぃに…その釣り糸の先に何をつけてるの?」
純一「これか? これは───…美也が買ってくれた、猫のキーホルダーだよ」
純一「怒るなよ…きちんと説明するからさ」ひゅんっ ぽちゃ
美也「ああっ…! せっかくにぃにのために買ってあげたのに…っ!」
純一「美也に僕が買ってあげた奴と、同じやつだろ?」
美也「そうだよっ! なのに、にぃにはそんなぞんざいに扱うんだ……そうなんだ……」
純一「ああ、もう泣きそうになるなって! 違うよ!」
純一「あのキーホルダーにはだな! 特定の磁気に反応する、小さな磁石が入ってるんだよっ」
美也「…磁石?」
純一「そう、それが飛行場の検問所で反応しちゃってさ…色々と大変だったんだけどね」ひゅんっ
純一「…そんなことはどうだっていいんだ。その磁石ってのが意外と優秀でさ、同じキーホルダーに
入ってる磁石にしか反応しないっていうシロモノなんだ」
美也「そ、そうなの…? あ、でも紗江ちゃんもそんなこと言ってた気がする…」
純一「そんな訳で、こうやって釣り糸に垂らして頑張ってれば…釣れるんじゃないかって…おっ?」くいっ
美也「───あっ…! に、にぃに…!」
純一「うん、そうだね。ちょっと汚れてしまってるけど…僕が美也に買ってあげたキーホルダーだ」
美也「ほん、っとに…見つかった…もう見つからないって思ってたのに…!」
純一「バカ言え、どんなことをしたって僕が見つけてやったさ」
美也「うんっ、うんっ……ありがとにぃに…!」
純一「ううん、いいんだ。むしろお礼は梅原に言っておいてくれよ」
美也「梅ちゃんにも後で、きちんとありがとうっていうよ…!」
純一「よし、お利口さんだ。それじゃあほら……後で洗ってあげろよな」
美也「綺麗に洗ってあげるよ…大切だからね、にぃにから…買ってもらったものだから…っ」
純一「うん、ついでに僕のキーホルダーも洗いっこしてもらってやってくれ」
美也「……じゃあ、にぃにもついでに洗いっこする?」
純一「ぼ、僕はいいよ…! またあとで一人で洗いっこするから…!」
純一「それは良い提案だけど、今日はとりあえず…そのキーホルダーたちを洗ってやってくれ」
美也「…わかった、でもにぃにの背中はいつかみゃーが洗うからね!」
純一「お、おう! いつだってかかってこい!」
美也「かかってこいってなんなのさ……」
純一「あはは……って、あれ…? これって…?」
美也「え……あ、雪かな…?」
純一「………ホワイト修学旅行か。そりゃ飛行機も飛ばないよ」
美也「…明日、つもったりするのかな」
純一「うーん、どうだかな。積もられるとこっちはちょっと困るけど」
美也「……みゃーは積もって欲しいな、雪」
純一「ん、どうしてだ?」
美也「だって……積もったらにぃに、また修学旅行延期になるんでしょ?」
美也「なら明日だってまた───……にぃにのお布団の中に、潜り込めるかも知れないしねっ! にっしし!」
では次、という感じで生きたいのですが
お仕事の時間です。すみませんがここまでで
出来なかった娘は次スレを建てようと思う
このようなながらクオリティでよろしかったら次もまた出会うことを
ご支援ご保守ありがとう
次は森島先輩でもかきたいな
ではではノシ
乙
良かった
Entry ⇒ 2012.06.03 | Category ⇒ アマガミSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
みゆき「みんなでカラオケ、ウルトラハッピー!」
やよい「で、でも、今回はれいかちゃんに苦手科目対策を見てもらったから!少しは前よりマシだったよね!」
あかね「ほんまになぁ。れいか、おーきに。これでなんとか、今月の小遣いは減らされずに済みそうや」
れいか「ふふっ、みなさん頑張りましたものね。なお?徳川五代将軍は書けたかしら?」
なお「な、なんとか。一人ひらがなになっちゃったけど……はぁー、この開放感っていいよね!前は散々だったからそれを味わう暇もなかったけど」
あかね「せや、せや!終わったもんの話はせんと、みんなでパーッとしよか!」
やよい「今日まで部活はお休みだもんね!それじゃ、秘密基地に……」
みゆき「あっ!はいはいはーーいっ!あっかねちゃん!あかねちゃんさん!!星空みゆき、提案がありまーーす!」
あかね「ほほぅ、何かね星空くん。聞かせたまえ」
なお「なんのノリなの二人とも」
れいか「ふふっ、はしゃいでおいでなのね」
みゆき「みんなでカラオケ、行こうよ!!」
なお「あ、いーね!そういえばこのメンバーで、行ったことないっけ」
あかね「ええやん!ん?なおってあんま、カラオケとか行かへんイメージやけど」
なお「はるとひなが、歌大好きなんだ。たまーに家族で行くよ」
やよい「か、カラオケかぁ。私、あんまりみんなの知ってそうな曲、しらないけど……」
みゆき「そんなの気にすることないよー、やよいちゃん!気持ちよく歌えればウルトラハッピー!だよ!」
キャンディ「クルゥ?お歌クル?」
みゆき「そうそう!キャンディも一緒に歌おうねー!それじゃ、みんなカラオケでいい……」
れいか「あ、あの。みゆきさん?ちょっといいかしら」
みゆき「?なぁに、れいかちゃん?あっ、ひょっとして何か用事……」
れいか「いえ……カラオケ、とは。なんでしょうか」
みゆき「……えっ?」
れいか「……『カラオケ 空オーケストラの略』」ペラッ
あかね「れいか、何もそないなぶ厚い辞書まで引っ張りださんでも……」
れいか「歌唱またはメロディパート(主旋律)を担う楽器を演奏する際に、生演奏ではなく事前に録音された伴奏を再生し合唱・合奏する行為をいう』なるほど、つまりは本格的な演奏に近い状態で歌の練習をすることができる機械、ということなのね?」
やよい「……れいかちゃん凝り性すぎー」
なお「まさかわざわざ図書館に行って調べることになるとは……うん、そういうことだよ。練習というか、楽しむために歌うだけだけどね」
あかね「……や、これはうちらがなんや漠然とした説明しかできへんかったのが悪い、しゃーない。納得できたかー、れいか?」
れいか「はいっ。とても興味深いですね。私も是非、みんなで行きたいわ」
みゆき「よかったー。それじゃ、レッツ・ゴー・カラオケー!」
あかね「待ちやー。みゆきはまだあんまこの辺のこと知らんやろがーぁ」
みゆき「あ、えっへへ。そうでした」
なお「はい、ドリンクバー付きフリータイムで五人。機種?空いてるのでいいです」
やよい「慣れてる!」
あかね「どうやろ、まごつくのが嫌いやからな、なお。ともあれ頼りになるわー」
れいか「ここで歌うのですか……?な、なんだか恥ずかしいですね」
なお「れいか、ここロビー。大丈夫、今から個室に行くから」
みゆき「何歌おうかな〜!」
キャンディ「クルゥ!キャンディも楽しみクルー!」
なお「あ……すいません、なるべく角の部屋とかにしてもらっていいですか?」
やよい「キャ、キャンディが見られたら大変だもんね」
れいか「見られる……?やはり、他の方からも……?」
なお「大丈夫、行けばわかるよれいか。っていうかれいかならそれでも堂々と歌いそうだ」
あかね「あの舞台でも一人涼しい顔やったもんなぁ……」
なお「この建物の中に、同じような部屋がいくつも入ってるからさ。あんまり広いと、数を確保できないんだよ」
れいか「なるほど……ふふっ、なおは物知りね?」
なお「任せてよ。れいかより詳しいことがあると張り切っちゃってさ」
あかね「なおは昔から〜ってやつやなぁはいはいごちそーさん!ほいデンモク、そっちはなおがれいかに使い方教えたってなー」
みゆき「電気消すー!?あっ!ここミラーボールあるー!ウルトラハッピー!」
あかね「はしゃぐなやーみーゆーき。キャンディもミラボに上ってんとちゃうぞー」
やよい「BBcyberDAM……映像がたくさん……でも……うーん」
あかね「?やよい、何をうなっとんの?」
やよい「ぴっ!?あ、ううん!なんでもないなんでもない!!」
あかね「はいはい、みゆきからでえーで。ほれ」
みゆき「あっりがとー!えへへー、実はもう決めてきたんだよねー」ピッピピッピッ
なお「みゆきちゃんってどんな曲歌うんだろ」
れいか「……」ジーーーーッ
やよい「うーん」
あかね「れいか真剣に選んどんな……やよいも曲本めくりっぱなしやし。みゆきー、まさか、ハハ。童謡とか歌うんちゃうやろなー」
AI/ハピネス
みゆき「んー?あかねちゃんなんか言ったー?」
あかね「……すんませんでした」
http://www.youtube.com/watch?v=uKgmu8g-kXE&ob=av3e
キャンディ「クルゥ、くっるぅ♪」
みゆき「もっと もっと 幸せは広がる〜〜♪」
あかね「おー、上手いやんみゆき!」
なお「だね。歌詞もみゆきちゃんにぴったりな感じだし」
れいか「なるほど、自分の身の丈にあったもの……」
なお「れいか、そんなに硬くならなくていいって」
やよい「……やっぱり一般歌手かぁ」
みゆき「ラ〜ラ〜ラ〜ララ〜〜♪」
あかね「変もなにもあらへんて、上手かったでーみーゆき」
なお「うんっ!みんなに幸せになってほしい、って気持ちがすごい篭ってたよ」
れいか「えぇ、かわいらしくてみゆきさんそのものでした」
やよい「と、とっても上手だったよ、みゆきちゃん!あ、あれだよね、炭酸飲料のCM!知ってる知ってる!」
みゆき「あ、そーなの?私この人の曲大好きなんだー!」
やよい「あ、うん!い、いいよねー!」
あかね「よっしゃ、うちいくで!うちとゆえばお好み焼き!お好み焼きとゆえば大阪!大阪やーゆうたら……!」ピピピッ
Dreams Come True/大阪LOVER
http://www.youtube.com/watch?v=s3S6L1CDZho
みゆき「あっははー、なにそれー!」
あかね「ふふん、笑うてられるんわ今だけやで、みゆき!」
〜〜〜〜♪
あかね「何度ここへ来たって 大阪弁は上手になれへんし〜〜♪」
れいか「あら……ですが、なにやら歌詞は……」
あかね「楽しそうにしてたって あなた以外に連れはおれへんのよ〜〜♪」
やよい「……れ、恋愛ソングなんだ……ちょっぴり切ない」
あかね「東京タワーだって あなたとみる通天閣にはかなわへんよ なんでそんなに笑って!一生に一度の告白やんか〜〜♪」
あかね「恋しくて憎らしい大阪〜〜〜〜♪」
みゆき「笑ってごめんなさいでしたー!いい曲でしたーー!」
あかね「せやろ、せやろ。大阪最高ーーー!」
なお「いや、あんまり大阪が良いな、って思うような曲ではなかったけどね。良い曲ではあったけど」
れいか「二人の男女の道はこれからどうなっていくのでしょう、これからの展開が期待される終わり方でしたね」
やよい「れいかちゃんそんな、感想文みたいな」
みゆき「次は次はー?あ、やよいちゃんいれる!?」
やよい「あ、わ、わたしはその、まだ……」
なお「あ、じゃぁ私先に入れちゃうね?ゆっくり選びなよ」ピピピッ
槇原敬之/Tag team
あかね「な、なおってマッキー歌うんか」
なお「お母さんの趣味で……私もほら、最近の人とか知らないし。でもいい曲だよ、うん。直球だしね」
あかね「大事なんそこやろ」
あかね「う、上手いな。男の曲やのにさらっとうたっとるで、なお」
みゆき「なおちゃんかっこいー!」
やよい「男の子の声もいけそうだもんね、なおちゃん……なんとなく」
キャンディ「クルゥ?喧嘩した歌クルー?」
れいか「えぇ、家族と喧嘩して飛び出してしまった、とありますね」
なお「自分のいるべきチームは あの家以外ないのかもしれない♪」
やよい「あれ?なんだかなおちゃんらしさが……」
なお「かくも家族というものは よく考えられて組まれたTag Team 他人なら愛想尽かして 会わなきゃそれで終わる所も
そこはさすが神様だ 絆というロープの中で 遠慮せずにお互いと ぶつかり合える 向き合える 〜♪」
みゆき「……えへへっ」
あかね「あー、まさになお、やな!」
れいか「えぇ、ふふっ。なおったら良い笑顔」
やよい「みんな、よくかんがえてるなぁ……うーん」
なお「この家族しかつかめない 幸せがこの先に必ずある〜〜♪」
あかね「なおオカンよかったでー!」
なお「オカン言うな!」
れいか「さて、三人とも歌いましたし、そろそろ私かやよいさんが……」
やよい「え、う、うん……あの、れいかちゃん先に、ど、どうぞ」
れいか「そう、ですか?と言っても私も……では」ピピッ
精密採点DX
なお「あ、れいか。それ違うよ、曲を入れるのはここ、ここで選んで〜」
れいか「あ、そうだったわね。えーっと……」
キャンディ「精密採点?そりなにクル?」
みゆき「えーっと、画面の上に音階が表示されてー、あってるかどうかを見ながら採点していけるやつ、だよね?私あんまりやったことない、けど」
あかね「せやなー、せっかく楽しんどんのに野暮やし。じゃー消しておくで……」
れいか「あ、あかねさんすみません。もう入れてしまったわ」ピピピッ
あかね「あ、そーなん?れいかがえぇんやんやったら、えーんや、け、ど……」
THE虎舞竜/ロード(ショートver)
http://www.youtube.com/watch?v=tCLxZgTXP0k
キャンディ「クル?」
やよい「(流石の私も知ってる)」
なお「」
あかね「……え、こ、これでええの?れいか?」
れいか「さ、さぁ……とりあえず私も、道、ということで入れてみました」
なお「れ、れいかだからそんな選び方しなくてもいいって……」
みゆき「そ、そうだよれいかちゃん?知らないってことは、歌えないんじゃ……」
れいか「えぇ、聞いたことはありませんが……ですけど、あそこに音階がありますから。平気ですよ?」
やよい「え?それ、って……」
れいか「今から考えると、あの時(あの頃)は幸せだったと思うこと ♪」
あかね「うまっ!?!?!?」
なお「あー、れいか音感すごいから……」
みゆき「れいかちゃんすごーーーい!」
キャンディ「クルぅ!ほとんど満点くるー!」
あかね「あー、音程を1ミリも外さへんかったからなぁ。あんま抑揚なかったけども」
なお「この機械じゃ得点が出やすい歌い方だったのかもね。れいか、ほら、お爺さんの趣味で演歌とか聴くでしょ?そういうのでもいいんだよ?」
れいか「まぁ、演歌まで入って……」
やよい「……(あんな、あんな、れいかちゃんには悪いけど、魂の入ってない歌、で、満点……)」フルフル
やよい「……(違う、違うもん!歌っていうのは……もっともっと!熱く!ハートを燃やして!それで、それで!)」
あかね「なーんや、やよい?まだ決まらへんの?」
やよい「ふぇ!?あ、ご、ごめんね!えっと、えーっと……」
みゆき「あー、じゃぁ私『スイマーよ!』入れていいー?」
あかね「ちょっと待ったらんかいみゆkみゆきがB'z!?」
あかね「あー、やよい?こういうときは、やな……てーいっ!」
やよい「えっ!?あっ!!」ピピピピッ
あかね「ランダム選曲やー!ふっふっふ、歌えへんかったら、罰ゲームやでー?」
やよい「えぇぇぇえええ!?!?」
なお「ちょっとあかねー?」
れいか「あかねさん。意地悪はいけませんよ?」
あかね「あっはは、冗談や、冗談。やよい、なーんでも気楽にいれてええんやで?さっきは茶化しかけたけど、別に童謡でもなんでも。あんたが好きなもん、うちらがバカにするはずないやん?な!」
やよい「あ……う、うん!じゃ、じゃあその……『青空に」
doa/英雄
やよい「」
http://www.youtube.com/watch?v=mnknhrNCTV8
みゆき「わー、なんだかかっこいい曲だね、キャンディ?」
キャンディ「クルゥ」
なお「あー、でもほらやよいちゃん困ってるし。演奏停止しようよ」
れいか「あ、ここね?あら?あ、キーを上げてしまって……」
あかね「あーやよい、すまんすまん。すぐに……」
やよい「……マイク、貸して」
あかね「へ?」
やよい「マイク!!!」
あかね「は、はいっ!ど、どーぞ……」
パシッ!
やよい「かっこつけてるつもりで得意になってぇええーーーーーーーー!!!!!!!!」
みゆき・キャンディ・あかね・なお・れいか「「「「「 」」」」」
やよい「大事なことは全部置き去りにしちゃって 自分で自分を苦しめている囚人 そんな僕にサヨナラさ Trasformation!!!」
みゆき「や、やよいちゃん!?あれ!?変身したのかと思った、あれ!?」
キャンディ「く、クルぅ。それくらいの入り込みクルぅ」
やよい「闇が怖くてどうする?あいつが怖くてどうする?足踏みしてるだけじゃ進まない……」
やよい「おぉとこならぁああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
れいか「全身全霊、といったご様子、ですね……」
やよい「 ただそれだけ 出来れば 英雄さぁあああああああ!オーライッ!!!……っはぁ、はぁ、ふぅ!!きっもちよかったーーーーー!!!!」
みゆき「あ、や、やよいちゃんあの、す、すっごいね!その、き、キラキラしてたよ!?」
あかね「い、今もものっすごい目ぇが輝いてるんやけど、な」
やよい「うん!なんだか歌ったら吹っ切れちゃった!あ、みんなまだ入れない!?じゃあ私、続けちゃっていいかな!?」
みゆき「い、いいよ!やよいちゃんは今、順番最後だったし……」
やよい「ありがとう!えいっ!」ピピピッ
Action -Zero /桜井侑斗&デネブ(CV.中村優一&大塚 芳忠)
http://www.youtube.com/watch?v=CyJBhLQif-c
みゆき・キャンディ・あかね・なお・れいか「「「「「 」」」」」
やよい「最初に言っておく!俺はかーなーり、強い!!!!!!」
みゆき「……」
キャンディ「……」
やよい「極めつけの VegaAltail 始まるBattle ドントストップ! Action -Zero!!!!!!」
なお「……」
れいか「……」
みゆき「……かっこいい」ボソッ
あかね「いやいやいや……うん……いや、いやいやいやいや」
あかね「あ、いや……そ、その、おもうてたより、かっこえぇ……あ!や、役者!役者、かっこえぇんやなぁ、って!みとったで!」
やよい「そうなの!あのね、この電王は今までのライダーと……」
みゆき「そ、それより!やよいちゃん!」
やよい「えっ!?あ、あぁ!ごめんなさい私ばっかりマイクもって!あの、みゆきちゃんどうぞ……」
みゆき「……私、喉疲れちゃった!!!」
やよい「……え?い、一曲で!?もー、みゆきちゃんそんなんじゃ全然ダメダメー!JAMのメドレーなんて歌えない……ゴホン!」
なお「……わ、私はその、選曲迷ってるからとりあえずパス、かな!」
れいか「……私も。あかねさんは、どうですか?」
あかね「あ、あー、うちはその……じゃ、じゃぁ……いや……あー、そういや元気がよくみよった、なんやっけ?こうゆうんの……が、ガオ?ガオ……」
やよい「任せて!!!っくー!元気くんわかってるーーーーー!!!!」
山形ユキオ/ガオレンジャー吼えろ!!
http://www.youtube.com/watch?v=EkiY2tm4_ag
あかね「お?や、やよい?始まって……」
画像『ガオ!!もっと!ガオ!!強く!
やよい「……命あるところ、正義の雄たけびあり!!!!」
やよい「……ガオ、ガオガァアアアアアアアアオオオオォオオオオオゥ……!!!!!!!!!」
なお「アレンジ……!そういえばさっきも最初にせりふを……」
れいか「ノリノリですね……」
やよい「百獣戦隊 ガオレンジャーーー!!!」
あかね「これや!これこれ!や、やよいすごいなぁ……」
みゆき「うん!うん!やよいちゃん、すっごい!かっこいいいいい!!」
なお「あー、うちの弟達がいたらすっごい喜んでたかも……えっと、やよいちゃん?こういうのは、あれだよね?日曜朝の、いや、それが悪いとかじゃなくって」
れいか「やよいさん、大好きなのですものね。歌っているのをみれば分かります。とても生き生きしてらっしゃるわ」
やよい「……」
やよい「みんな、まだまだ分かってないよ」
みゆき「え……?」
やよい「これは確かに私の大好きな曲たち。でも、いまや日朝の!特撮音楽のレベルは遥かに上がっているの!!」
あかね「や、やよい?なん、なんの話なん?」
やよい「かっこよさ!!熱さ!!それを追い求めていった東映特撮と!!!!一般歌手をも凌駕するこの人のこの曲を聴けば!!!」ピピピピッ
やよい「私達は!アストロスイッチでその扉を開き 未来を作る!!!」
COSMIC MIND/May'n&椎名慶治(ex.SURFACE)
http://www.youtube.com/watch?v=WcnyGSIR_7c
やよい「Show me your COSMIC MINDーーーーーーーーー!!!!!!」
やよい「コーズーミック!コーズーミック!コズミーーーックマーーーインド!」
やよい「無数の星 集める引力」
やよい「コーズーミック!コーズーミック!コズミーーーックマーーーインド!」
やよい「一人よりもみんなで 大気をボルテックス」
やよい「最後に不可能超える 誓いはきっと 絆=超銀河フィニッシュ!!!」
やよい「Show me your COSMIC MINDーーーーーーーーー!!!!!!」
やよい「はぁ、っはぁ、はぁ……」
みゆき「……」
キャンディ「……」
あかね「……」
なお「……」
れいか「……」
やよい「あ、あの……どう、だったか、な……みんな、す、少し興味……」
みゆき「詳細を教えてくださいっ!!!!」
やよい「……ふふっ」 スッ つiPod
・
・
・
・
・
・
やよい「はいっ」
「お時間10分前となっております♪いかがいたしますか?」
やよい「延長でっ!!」
みゆき「あっかねちゃーん!このタイムレンジャーの曲とかどーかなっ!!」
あかね「えぇな、丁度女の人やし……みゆき!一緒に歌ってみよかー!」
なお「うーん、なんだかこのゴセイジャーとかいうのは憎い……なんでだろう?」
れいか「ふふっ、聞いてみれば好きになるかもしれないわよ?なお?やよいさん、あいぽっど、お借りしてもいいですか?」
やよい「うん!もちろん!どんどん聞いちゃって!……えへへっ」
やよい「みんな特オタ……とってもぴかぴかぴかりん☆」
完
やよい「あ、あかねちゃん!あかねちゃんにはこれとかどう?『怪奇大作戦』の『恐怖の町』!歌ってるのは……ふふっ、サニー・トーんずっていうの!」
あかね「サニェー・トーンズ……誰がサニェーや!うちはサニェーやゆうとるやろ!!!」
今度こそ 完
バッドエンド組も今なら五人の熱い力でいけるんちゃうかな!ちょちょいと!
じゃあの!
ABC朝日放送 日曜朝八時半
スマイルプリキュア!
大好評放送中!
関連グッズも続々発売中!!
面白かった
Entry ⇒ 2012.06.03 | Category ⇒ プリキュアSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「お前らにはレッスン修了試験だけが足りない!」
亜美「何を修了すんのさ?」
P「このレッスンをだ」
響「ってコトは?」
千早「つまり?」
P「そう!これが最終回だ!!!」ババーン!!!
一同「な、なんだってー!!!」ワー! キャー!!
雪歩「あまり良い思い出が無いですぅ…」
真「…」
律子「それで?具体的には何をするんですか?」
P「前回と同じく、役柄を掘り下げるやり方でいこうと思う」
小鳥「あ」
P「愚問です小鳥さん!」
小鳥「知ってました…」
P「最初のときみたいに、苗字の五十音順でいいんじゃないかな?」
あずさ「律子さんで始まって、伊織ちゃんで終わるんですね?」
真「…」
P「異論が無ければ始めたいと思うが、みんなどうだ?」
貴音「わたくしは何もございません」
美希「ミキもオッケーなの」
P「よし。それじゃあ律子から」
真「あ、あの、プロデューサー!」ガタッ
真「えっと…お願いがあるんですけど…」
P「何だ?遠慮せずに言ってみな」
真「ボクを…ボクを最後にして貰えませんか!」
雪歩「真ちゃん…」
貴音「何やら、胸に期する物がある様子ですね」
律子「それはまぁ…いろいろあるでしょうね」
真「ダメ…ですか?」
春香「うわっ、軽っ!」
真「ホントですか?」
P「うん。みんなも異論無さそうだし」
伊織(真が言うなら仕方ないじゃない…)
響(異論なんて言えるわけないぞ…)
真「あ、ありがとうみんな!」
律子「前回と同じですね」
P「そういうこと。じゃあ律子、よろしく」
律子「はいはい」ガサガサ
あずさ「いい流れを作ってくださいね、律子さん」
律子「それはクジ次第です」ガサッ
P「何を引いた?」
律子「【あざとい】【同級生】です…」
春香「うわー、難しそうだなー」
P「…うん、とりあえず始めてみようか」
P「おはよう秋月」
律子「えへへ」チラッ
P「…何だよ」
律子「え?えっと…み、見てるだけ!えへへ」チラッ
P「そ、そうか」
春香「あー、いるよねーあんな子」
響「…うん」
P「いや、話が全く見えないんだけど…」
律子「え、えっとね…お弁当作り過ぎちゃったぁ!えへっ」
P「そ、そうなのか」
律子「あーあ。誰か食べてくれる人いないかなー」チララッ
小鳥「律子さんもタフになりましたよね…」
千早「それは音無さんもです…」
律子「えぇ!そ、そんなの悪いよぅ!」アタフタ
春香「うわーあの動きあざといなー」
伊織「いいからアンタは黙ってなさい…」
P「まぁ、そんなに大量じゃなさそうだし」
律子「あ、ありがとうp君!私…これから毎日作りすぎちゃおっかな!!」ニコッ※
P「き、期待しとくよ」
p=Pの下の名前と解釈して下さい
真美「ナイスファイトりっちゃん」
P「うん。実に良かったぞ。合格だ」
律子「これで最後だと思えばこれくらいは…」
P「じゃあ春香。クジ引いて」
春香「は、はい!」ガサガサ
伊織「もう甘酸っぱいのは止めてよね」ボソッ
春香「これにします!」サッ
P「読み上げてくれ」
春香「【泣き虫な】【メイド】です!」
千早「…もう何も言わないわ」
P「…よし。やってみよう」
P「ど、どうも」
春香「ご注文お決まりですかぁ?」キララッ
響「もう合格でいいと思うぞ…」ボソッ
亜美「まだ泣いてないんだけどね…」ボソッ
P「じゃ、じゃあこの"キラキラオムライス"を」
春香「はーい!少々お待ちくださいませぇ」クネッ
春香「お待たせいたしましたぁ!ピカピカハンバーグでございまーす!」
P「へ?いや、キラキラオムライスを頼んだんだけど…」
春香「えぇっ!ち、違ってましたかぁ!?」
P「ました」
春香「ふ、ふぇーん…私、オーダー間違えちゃいましたぁ…」チラッ
真「出たぞチラ見…」
律子「あれが本式なのね…」
春香「だって…だってぇ…」グスッ
P「このハンバーグも美味しいそうだし、これでいいよ」
春香「ホ、ホントですかぁ!」ウルウル
P「う、うん」
春香「私…私…」
P「な、なに?」
春香「ご主人さまがだーい好きでぇす!」ニッコォ!
やよい「春香さんプロですぅ」
雪歩「そ、そうだね…」
P「よ、よく頑張ったな春香。合格だ」
春香「ありがとうございまーす」
伊織「ある意味完成系じゃない…」
P「お次は…小鳥さんですね」
小鳥「は、はい!」ガサガサ
響「なんかイヤな流れだぞ…」
亜美「頼んだよぴよちゃん」
小鳥「えっと…【不思議ちゃんな】…【娘】?」
律子「あぁ…」
貴音「なんと…」
P「…やってみますか」
P「え?」
小鳥「パーパッ!」
P「な、なんだい小鳥?」
小鳥「…なんでもない」
春香「さすがに照れますよねこれは…」
P「ハッハッハ。言いたいことはちゃんと言わなきゃダメだぞ?」
小鳥「う、うん…」
P「小鳥ももう6歳なんだからな!」
小鳥「!?」ビヨッ
律子「またそうやってハードルを…」
美希「小鳥に6歳の子供がいても」
伊織「おだまりっ!」
美希「ぶー」
P「小鳥の将来の夢は何かな?」
小鳥「えっとねぇ…小鳥はねぇ…」
P「小鳥は?」
小鳥「えっと…」
真「考えてる考えてる…」
小鳥「マ、マルマイン!」
真美「まさかのポケモン!?」
高速だいばくはつで敵も味方も蹴散らしてやるんだって
小鳥「す、素早いから!」
P「…うん?」
小鳥「それに電気だもん!」
P「そ、そっか…でもポケモンならピカチュウとか」
小鳥「ミッキーの方が好きだもん!」
千早「危険な子供ね…」
律子「いろいろとね…」
何かとは言わないけど
P「か、可愛らしい6歳でしたよ!」
真「そ、そうですよ!すっごく可愛かったです!」
小鳥「マルマイン好きなんです…丸いし」
P「そうですよね!丸くて可愛いですもんね!」
亜美「フォロ→しまくってるよ…」
伊織「自業自得よ」
P「も、もちろん合格ですよ!何言ってるんですか!」
貴音「響もなかなか引きが強いようですね」
真美「良いのばっか引いてるよね」
響「これにするぞ!」サッ
P「さてさて今回は?」
響「んっとね…【怖がりな】【先輩】だぞ!」
P「お!今回も良さげだな!それじゃあやってみよう!」
P「どうしたんですか響先輩?」
響「じ、自分、肝試しとか苦手なんだよ…」
律子「なるほどね。そういう設定できたか」
P「大丈夫ですよ、何も出りゃしませんって」
響「だ、だけどさ…」キョロキョロ
春香「普段の響とギャップがあって可愛いかも」
貴音「たしかに」
P「先輩の大声の方が怖いと思いますけど」
響「あ、あのさp」
P「なんすか?」
響「シャ、シャツの裾を掴んでてもいい?」
P「えー」
響「うぅ…頼むよぅ…」グスッ
雪歩「響ちゃんだとあんまり…」
伊織「あざとくない?」
雪歩「う、うん…えへへ」
響「い、いいの?」
P「伸びるからあんま引っ張らないでくださいね?」
響「う、うん!じゃあ…」キュッ
P「さっさとゴールしちゃいますか」
響「ちょっとゆっくりでもいいぞ?」ボソッ
P「ん?何か言いました?」
響「な、何でもないぞ!…えへへ、何でもない」キュッ
貴音「なるほど…わたくしも伸びても構わないしゃつを用意しておかなければ…」
P「うん。響は安定してるな。合格だ」
響「わーい!合格だぞ!」
貴音「たかねぇね、しゃつの裾を掴んでも…などと」
春香「次は千早ちゃんだね」
千早「ええ。演じやすい役柄だといいのだけれど…」ガサガサ
律子「千早もずいぶん成長したわね」
亜美「…笑いズム」ボソッ
真「あ、あれ?背筋が寒い…」
千早「えっと…【元気な】【幼馴染み】」
P「面白そうだな!いってみよう!」
P「おお、千早。おはよ」
千早「今日もいい天気だねっ!」
P「千早は今日もいい元気だな」
伊織「何上手いこと言ってんのよ」
千早「げ、元気だけが私の取り得ですから!」
P「いやいや。他にもたくさんあると思うぞ?」
千早「た、例えば?」
お前ら…
千早「ななな何を言ってんのよまったく朝から止めてよねまったくホントに冗談もほどほどにして下さい!」
やよい「これ以上ないくらい慌ててますぅ」
P「いや、本気で言ってるんだけど」
千早「そそそんなこと…えっと…バ、バカァ!」
伊織(嬉しそうな顔してんじゃないわよ、まったく)
千早「け、結婚なんて考えたこともないわよ!」
小鳥「…」
P「まぁ、いざとなったら…」
千早「な、何よ」
P「やっぱやーめた」
千早「あっ、ズルい!ちゃんと最後まで言いなさいよ!」
P「そのうちなー」
千早「もう!pのバカ!!!…ふふ。バカ…」
千早「う、うん…」
P「何か嬉しそうな顔して演技してたな。千早もついに演技の楽しさに目覚めたか」
律子「…はいはい」
千早「そ、そうですね…」
P「うん。千早も合格だ。よく頑張ったな」
千早「…ありがとうございます」
貴音「お次はわたくしですね」ガサガサ
響「貴音は毎回スゴいからな」
雪歩「ま、毎回見入ってしまいます」
貴音「ふふ。今回は…【どえすな】【おねえさん】と記してあります」
あずさ「あら〜。前回の私と同じね〜」
律子「うーん…何というか…」
P「虐げて喜ぶ、みたいな?」
小鳥「虐げられて喜んでる顔を見て自分も興奮する、みたいな?」
貴音「なんとも面妖な性癖でございますね…」
P「まぁ、出来る限り俺がリードするからさ。とにかくやってみよう!」
P「は、はい!?」ビクッ
貴音「わたくしと同じ目線で話そうなどと、身分をわきまえなさい!」
P「ど、どうすれば…」
貴音「跪きなさい」ニコッ
P「は、はい!」サッ
貴音「ふふ…いい子ですね」ナデナデ
亜美「あれって演技?」ヒソヒソ
真美「そういうことにしとこうよ…」ヒソヒソ
伊織「言葉で虐げるタイプなのね…」
貴音「まったく汚らわしい!」
P「ありが…すいません!」
やよい「喜んじゃってますぅ」
P「ほ、ホントにやるの?」ボソッ
貴音「痴れ者!同じ言葉を何度も言わす気ですか!」
P「は、はい!」ゴツン
律子「あーあー、擦り付けてる擦り付けてる」
P「た、貴音様に命を捧げます!」
春香「大人の人の本気土下座、初めて見た…」
P「は、はい!」スッ
貴音「ホーホッホ!何と醜く腐った目なのでしょう!」
P「…」
貴音「わたくしは誉めているのですよ?お礼も言えないのですか?」
P「あ、ありがとうございます貴音様!」
美希「ミキ、ひょとして見る目が無かったの?」
伊織「お似合いだから安心しなさい」
P「…」
響「2人とも放心状態だぞ」
律子「新しい自分を見つけたみたいね」
あずさ「あら〜。それはおめでたいですね〜」
伊織「赤飯でも炊いてやりなさい」
真「次は…やよいだね」
やよい「はーい!頑張りますよぉ!」ガサガサ
千早「…」ソワソワ
亜美「この2人は相変わらずだねぇ」
響「もうツッコまないぞ」
やよい「はーい!【ドMな】【彼女】ですぅ!」
伊織「!!!!!」ガタッ!!!!!
千早「!!!!!」ガタッ!!!!!
響「!!!!!」ガタッ!!!!!
亜美「ひびきん…」
P「そ、それはだな…」
律子「さっき貴音がやった演技の逆をやればいいのよ」
真「虐げてられて喜ぶ…みたいな」
やよい「うぅ…難しいですぅ」
伊織「ちょっとアンタ!やよいに悪さしたら許さないわよ?」ヒソヒソ
P「お、俺だってそのつもりだよ」ヒソヒソ
やよい「とにかくやってみますぅ!」
P「そ、そうだな!やってみよう!」
やよい「?」
P「や、やよい」
やよい「どうしましたかぁ?」
真「やよいの笑顔が眩しい…」
小鳥「あの笑顔を虐げるなんて…」
やよい「はい!」
P「お、お前は今から俺の犬だ!」
やよい「へ?イヌ美のマネすればいいんですかぁ?」
P「い、いや、そうじゃなくて…ワンと鳴け!」
やよい「えっと…わん!」
春香「見てるだけなのにものスゴい罪悪感が…」
やよい「えへへー。頭撫でられちゃいましたぁ」
亜美「なぜか兄ちゃんを応援したくなってきた…」
P「じゃあ次は…えっと…」トクトク
千早「お皿に水を…」
雪歩「まさか…」
P「さぁ、やよい」コトッ
やよい「へ?なんで床に置くんですかぁ?」
P「い、犬のような格好でこの水を飲め!」
小鳥「あ、悪魔!」
それがやよい
P「え、演技だから!なっ?なっ?」ボソッ
やよい「…」フルフル
響「じ、自分、変わってやりたいぞ…」
P「は、早く飲めよ!この…やよい犬!」
律子「さすがにメス犬とは言えないみたいね…」
やよい「…飲めば…良いんですね?」グスッ
伊織「あぁ…泣かないでやよい…」
真美「やよいっちが…やよいっちがぁ…」
やよい「…」ゴクゴク
千早「頑張って…頑張って高槻さん!」
やよい「…」ゴクゴク
P「すまない…すまないやよい…」
やよい「…飲みましたぁ」
響「やよい…やよいぃ!」
やよい「へ?へ?」
P「もういいんだ!もうこんな真似しなくていいんだ!!」
やよい「あの…」
伊織「何も言わなくていいの!やよいは最高だったわ!そうでしょ?」
P「あ、あぁ!最高だった!合格だ!!」
やよい「ホントですかぁ!私、ドMでしたかぁ!」
雪歩「完璧なドMだったよぅ!」
やよい「うっうー!やりましたぁ!!!」
律子「やよいマジックね…」
真「それがやよいマジックさ…」
P「さて、お次は…」
雪歩「わ、私ですぅ!」ガサガサ
真美「いい流れに乗りたいところだね」
律子「さて、どうなることやら」
雪歩「はわわ…【ツンデレな】【妹】ですぅ…」
P「ツンデレの雪歩か!面白そうだな!やってみよう!!!」
雪歩「な、何よお兄ちゃん!学校では話かけてこないで!」
P「いいじゃん。兄弟なんだからさ」
雪歩「い、いやだよぅ!だって恥ずかしいもん!」
P「そう言うなって」
雪歩「そ、それで?何の用?
響「雪歩の妹役はハマるね」
貴音「ええ。連れ帰りたいほどに…」
雪歩「ある…けど」
P「貸して?」
雪歩「イヤっ!」
P「いいじゃん」
雪歩「イーヤっ!むきー!」
春香「ツンデレってむきーとか言っちゃうの?」
伊織「言ったこと…無いわよ、たぶん…」
雪歩「き、気持ち悪い呼び方しないで!」
P「ダメ?」
雪歩「し、仕方ないなぁ!ほらっ!」サッ
P「お!サンキュー!」
雪歩「ちゃんと洗って返してよねっ!」
P「もちろん。ありがと雪歩」
雪歩「よ、用がすんだら向こう行って!」
P「ハハハ。わかったわかった。じゃあな。帰ったら桃鉄の続きやろうぜ」
雪歩「う、うん!今日は負けないからねっ!えへへ…」
千早「良かったわよ萩原さん」
P「うん。こっちも演じ易かったしな。合格だ雪歩」
雪歩「は、はい!」
律子「次は…亜美が先でしたっけ?」
P「ああ、亜美からだな」
亜美「オッケ→!」ガサガサ
P「あんま悪ノリすんなよ?」
亜美「んっふっふ〜。それはどうかな?えっとねぇ…【寂しがり屋な】【友達】だよ→!」
P「よし、やってみよう!」
亜美「ええ→、まだいいじゃん!亜美、次はガイル使いたい!p君はまたザンギね」
P「やだよ!お前のガイル待ってるだけじゃん」
亜美「待ってないよ→!溜めてるだけだもん!」
P「もっとダメじゃん!」
千早「ゲームの話かしら?」
真「対戦型格闘ゲームだよ」
P「また明日な」
亜美「明日の何時何分何秒まで待てばいいのさ→?」
響「いつもの亜美だぞ」
P「明日の15時30分ちょうどに来るから」
亜美「亜美そんなに待てないよ→!寂しいよ→!!!」
真美「真美たちいつもこんな感じなの?」
真「だいたいね」
真美「ちょっとだけ反省…」
P「なんだよ?」
亜美「p君泊まってけばいいじゃんか!」
P「無理だろ!一応ほら…」
亜美「なにさ?」
P「男と女だし…」
小鳥「この流れは…」
律子「さて、と」
P「それはそれ!」
亜美「p君…」キュッ
P「なぜ袖口を掴む…」
亜美「亜美、寂しいな…」
P「だ、だからぁ…」
亜美「一緒に寝ようよ、兄ちゃん?」ボソッ
律子「はい終了ー!!!」
美希「意義なしなの!!!」
伊織「何を見せる気よ、まったく」
P「演技に関しては、まぁ合格かな」
亜美「余裕っしょ!」
真美「真美も余裕で合格しちゃうかんね!」ガサガサ
律子「まともなの引いてよね」
真美「えっとねぇ…おやおや→」
P「何だよ?」
真美「【甘えん坊な】【後輩】と書いてありますぜ!」
律子「ああ、また…」
P「…うん。やってみるか」
美希「さっそくなの」
P「お、おお、双海」
真美「えへへー。pセンパイ?」ボソッ
伊織「いつの間にそんな声出せるようになったのよ」
P「な、なに?」
真美「おひざ」
P「ひ、膝?」
真美「センパイのおひざにコロンってしたいな→」
千早「将来が不安ね…」
真美「うん」
P「ここで?」
真美「うん」
P「は、恥ずかしいよ」
真美「じゃあ真美がしてあげます」チョイチョイ
P「も、もっと恥ずかしいよ!」
P「す、する方かな」
真美「じゃあ、失礼しま→す」コロン
美希「律子!止めるの!早く!」
律子「呼び捨て?」
美希「…さん」
律子「もう少し様子を見ましょ」
美希「ハイなの…」
P「そ、そうだな」
真美「真美、眠くなってきちゃいました」
P「そうか…」
真美「あたま」ボソッ
P「へ?」
真美「いい子いい子してください」ボソッ
P「う、うん…」ナデナデ
真美「えへへー。ホントに好きになったら責任取ってね、兄ちゃん?」チラッ
P「しゅ、終了ー!!!」
P「あ、危ないところだった…」
律子「しばらく塀の中で暮らすのも悪くないんじゃないですか?」
真美「どうだった兄ちゃん?真美、合格かなぁ?」
P「うん、合格!…合格させとかないと危険な気がするから」
美希「よし!美希の番なの!チューするの!」ガサガサ
律子「その前に止めるから安心しなさい」
美希「えっと…【やる気のある】【アイドル】…えっ!?」
P「それは楽しみだな。やってみよう!」
美希「お、おはようございますなの、ハニー!」
P「今日もダルいな」グテー
美希「ハ、ハニー!ちゃんとやる気だしてくれなきゃ困るの!」
P「いいじゃんいいじゃん」グター
美希「ミキ、たくさんお仕事したいの!」
伊織「レアね」
響「レアだぞ」
真「レアだね」
やよい「雨が降りますぅ」
美希「い、いやなの!ミキ、ちゃんとレッスンしたい!」
P「ほうほう。例えば明日はどんなレッスンがしたい?」サッ
雪歩「手帳を取り出しましたぁ…」
美希「え、えっと…明日は1日中ダンス!」
P「了解」カキカキ
美希「ほ、ホントに書いちゃう必要は無いと思うな、ミキ」
P「いや、念のため。明後日は?」
美希「明後日は…営業にいくの!レコード会社を片っ端から回っちゃうんだから!」
P「営業(レコード会社総ざらい)と」カキカキ
P「ゴールデンウィークの予定は?」
美希「や、休み無し…なの…」
P「いやー、美希は働き者だなー、尊敬しちゃうなー」カキカキ
美希「り、律子…さん…」
律子「何よ?」
美希「終了ー、って…」
律子「異議あり」
P「明日からスケジュールパッツンパッツンだぜ!やったね美希ちゃん!」パチパチ
P「うん。演技に関してはアレだったけど、仕事への情熱を評価して合格にしよう!」
伊織「良かったじゃない」
春香「明日から頑張ってね」
あずさ「私の番ですね〜?」ガサガサ
律子「お待たせしました」
あずさ「いえいえ〜。えぇっとぉ…あらあら〜。うふふ」
亜美「どったの、あずさお姉ちゃん?」
あずさ「【ちょっとエッチな】【姉】です〜」
P「よろしくお願いします!!!!!」
P「なに、姉ちゃん?」
あずさ「お姉ちゃん、肩が凝っちゃったの〜」ニコニコ
P「う、うん」
あずさ「揉んでもらってもいいかしら〜」ニコニコ
小鳥「これは…」
律子「強烈ですね…」
あずさ「うふふ、ありがとう。お姉ちゃん、どっち向けばいいかしら?」ニコニコ
P「む、向こうむいて!」
あずさ「あら〜、残念だわ〜」ニコニコ
P「では、失礼します…」ゴクリ
あずさ「どうぞ〜」ニコニコ
P「こ、この辺り?」モミッ
あずさ「あっ…」
P「ご…ごめんなさい!!!」
P「す、すいません…」
あずさ「続けて?」ニコッ
P「は、はい」モミモミ
あずさ「ん…p君上手ね〜」ウットリ
P「す、すいません…」モミモミ
亜美「うわ→…」
真美「真美、勝てる気がしないや…」
美希「ミキもなの…」
伊織「肩揉んでるだけなのに…」
ぱねえ
P「は、はい…」モミッ
あずさ「ん…」
雪歩「は、はわわ…」
やよい「恥ずかしいですぅ…」
あずさ「ありがとうp君。だいぶラクになったわ〜」ニコニコ
P「そ、それは良かった…」
あずさ「それじゃあ、次は腰を」
P「しゅ、終了ー!しゅーりょー!!!」
P「こ、これはヤバい…何だかよくわからんがヤバい…」
律子「お察しします」
あずさ「私、合格できたでしょうか?」
P「も、もちろんです!大合格です!!!」
伊織「どんな合格よ」
春香「次は伊織だね」
小鳥「今日も可愛いのお願いね?」
伊織「ふんっ…」ガサガサ
響「伊織も安定してるからなー」
伊織「当然よ!えっと…【気弱な】…【若奥さま】」
P「(今日もニヤニヤできそうだな)よし、張り切っていってみよう!」
P「ただいま、伊織」
伊織「あ、あの…」モジモジ
小鳥「うふふ…」
律子「ふふ…」
P「ん?何だい伊織?」
伊織「えっと…その…」モジモジ
P「ハハハ。遠慮せずに言ってごらん?」
伊織「た、ただいまのチューは?」
春香「え?」
千早「え?」
美希「の?」
伊織「う、うん…嫌…かな?」
亜美「いおりんってば、役に入り込んでるね」
P「えっと…」
伊織「うん…」ウルウル
やよい「伊織ちゃん可愛い…」
P「お、オデコじゃダメかな?」
伊織「オデコでもいい…」ウルッ
響「えっ?えっ?」
真「ホントにしちゃうの?」
伊織「はい…」
美希「律子さん律子さん律子さん!!!」
小鳥「美希ちゃん!静かにしてて!!!」
真美「びよちゃん…」
P「で、では…」チュッ
春香「きゃー!!!」
亜美「きゃ→!!!」
あずさ「あらあら〜」
伊織「…うん」
P「えっと…」
伊織「おかえりなさい、あ・な・た…」ニコッ
P「た、ただいま!」
響「これは可愛いすぎるぞ…」
貴音「真に…」
春香「…」
千早「…」
美希「…」
律子「伊織らしいわね」
響「分かりやすい当てつけだね」
P「まぁ…合格ではあるけど」
亜美「罪な男だねぇ」
真美「どこが良いんだろうねぇ」
P「なんのことだ?」
律子「はいはい。もう何も言いませんよ」
真「さて…」スクッ
春香「い、一気に空気が張り詰めたね」
雪歩「真ちゃん…」
P「…真」
真「…プロデューサー」
P「心の準備は?」
真「バッチリです!」
律子「最後の最後よ」
小鳥「しっかりね、真ちゃん…」
真「ハイ!ガツーンと決めてやりますよ!!!」
真「はい…」スッ
亜美「…」ドキドキ
真美「…」ドキドキ
真「…」ガサガサ
春香「真…」
雪歩「真ちゃん…」
真「これに決めました!」バッ
真「はい」スッ
響「…」ドキドキ
貴音「…」ドキドキ
あずさ「…」ドキドキ
真「【可愛い】…」
美希「可愛い?」
伊織「や、役柄は?」
真「う…うぅ…グスッ…【可愛い】…【お姫さま】です!!!」
小鳥「…」
律子「…」
真「うぅ…ぐ…」グスグスッ
春香「…おめでとう」パチパチ
真「え?」グスッ
千早「おめでとう」パチパチ
貴音「おめでとうございます」パチパチ
響「おめでと」パチパチ
真「み、みんな!」
やよい「おめでとうございますぅ!」パチパチ
亜美「おめでと、まこちん」パチパチ
真美「おめでと→」パチパチ
真「ありがとう…ありがとうみんな…うぅ…」
伊織「おめでとう」パチパチ
あずさ「おめでとう」パチパチ
美希「おめでとなの」パチパチ
小鳥「おめでとう」パチパチ
雪歩「おめでとう…おめでとう真ちゃん…」パチパチ
P「おめでとう、真」パチパチ
真「プロデューサー…ボク…ボク…」グスッ
真「な、何ですか?」
律子「可愛いお姫さまは"ボク"なんて言わないでしょ?」
春香「そうそう」
真「そ、そっか…へへ…慣れてないから照れ臭いや」
伊織「そんな言葉使いもしないわよ?」
貴音「ふふ…」
雪歩「えへへ」
P「では真姫様、ステージへどうぞ。僭越ながらお手をお貸し致します」スッ
真「は、はい!」スッ
真「は、はい!得意です!ボク…じゃなかった、わ、私は!」
P「では、私めとワルツを一曲如何ですか?」
真「えっと…私、そういうダンスは踊ったことが無くて…」
P「リードするから大丈夫」ボソッ
真「え?そ、それでは…えっと…お願いいたします!」
伊織「ワルツとか踊れたのね、アイツ…」
律子「もい驚かないわよ、今更」
真「わっ!」
美希「むー。腰に手を」
春香「ダ、ダンスなんだから仕方ないよ」
千早「ええ…仕方ないわ…」
P「では、始めましょう。1.2.3.1.2.3」
真「わわわっ」アタフタ
P「力抜いて。あと、ストリート系のダンスみたいに重心を下げすぎないで」ボソッ
真「は、はい!」
伊織「形になってきたわね」
真「ありがとうございます…」
律子「あらあら。おしとやかになっちゃって」
雪歩「ふふ…やっぱり真ちゃんは可愛いよ」
真「私…幸せです」
真「ハハ。それは良かった」
真(いろんなことがあったけど…)
〜あなたの心に 笑いズム!ババーン!〜
真(あきらめずに頑張ってれば、いつかはきっと…)
〜ムーンラブレーザー!!!〜
真(プロデューサーがボクらに教えたかったのは、きっとそういうことなんだ!)
春香「幸せそうなお姫さまを止めるのは気の毒だし」
貴音「食事ですね?」スタッ
響「自分、何だかんだで楽しかったぞ」
雪歩「響ちゃんは良いのばっかり引いたから…」
亜美「東京都生まれの足立区育ち♪」
小鳥「亜美ちゃん、止めてあげて…」
真美「真美、お肉食べたい!」
やよい「私もですぅ!」
伊織「あら?焼き肉?」
あずさ「うふふ。支払いはもちろん?」
美希「ハニーなの!」
千早「賛成。ふふ…」
P「…終わり」
真「…魔法はもう解けちゃったんですね?」
P「そういう…ことかな?」
真「へへ…」
P「飯行くか?」
真「あの…」
P「何だ?」
P「ん?こうか?」
チュッ…
P「…へ?」
真「えへへ!ボク、先に行ってますね!」
P「…やれやれ。プロデューサーはツラい仕事だぜ!」
一同「お前が言うな!!!」
P「それでは皆さん、ご機嫌よう」
お し ま い
さすがにマンネリ化してきたので、この辺りで打ち止めでございます
良さげなキャラ設定(ヤンデレお姫ちんとかドSあずささんとか小悪魔やよいとか)をピックアップしてSS書けたらなーって
では読み返して参ります
このPはレベルが高すぎるな…
良設定ピックアップSS楽しみに待ってるぞ
今までの中なら、ヤンデレ亜美と律子やよいの漫才が面白かったな
Entry ⇒ 2012.06.03 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
岡部「今日はノーカンだ!」 紅莉栖「ふぇっ?!」
岡部「最近、リーダーとしての威厳が足りてないやもしれぬ」
ダル「前からじゃね」
岡部「ダルよ」
ダル「なんぞ?」
岡部「いいリーダーの条件とは何だ?」
ダル「ggrks」
岡部「ふむ……部下の意見を聞き、時に労うことも大切、か」
ダル「まぁテンプレよな」
岡部「ふん、普段の行いを省みれば、これぐらいは既に達成しているだろう!」
ダル「オカリンそれサバンナでも同じ事言えんの?」
岡部「ぐぬぬ……」
岡部「助手にか?」
ダル「あんだけ構ってオーラ出してんのに、オカリンこき使うだけ使って放置プレイですしおすし。 マジおにちく」
岡部「くっ……。そ、そもそもリーダーたる俺が助手に気を使うこと自体……」
岡部「!」
ダル「よく聞け雑種。偶には当たって砕けて……死に物狂いで謳え雑念―!」
岡部「ダ、ダルビッシュ……!」
岡部「あいつは結局言いたいことを言った後」
ダル『あ、これから僕デートなんで。フヒヒヒヒヒwwフフヒヒフヒフォカヌポゥwww』
岡部「などと言い残し帰ってしまった。爆ぜろ」
岡部「……あいつに支えられ、想いをいくつも犠牲にしてきた結果、この世界線にたどり着けたのは事実」
岡部「それを思えば、多少の感謝の意を表すのもやぶさかではないが……」
岡部「け、決してダルの好意を持っている云々に反応したわけではない!」
ガチャッ
紅莉栖「ハロー……」
岡部「ですよね」
紅莉栖「視神経から後頭葉抉り出して味噌煮込みにするわよ」
(´・ω・`)・ω・`) キャー
/ つ⊂ \ 怖いー
*
,, ,,+ うそです
ヽ(*゚Д゚)ノ+
*
紅莉栖「別に……ただ、少し研究で悩んでて」
岡部「例のやつか。確か、アメリカのラボからの依頼だったか」
紅莉栖「そ。記憶を薬でコントロールする研究」
紅莉栖「まぁ現実味の無い話だしね」
岡部「人類の脳も神経学が進歩したとはいえ、未だブラックボックスが多いと聞くからな。実用化はまだ当分未来の話だろう」
岡部「……ん?」
紅莉栖「……完成しちゃったのよ。ものの弾みで」
岡部「」
紅莉栖「もらった臨床結果と考察をさらって、薬学の教授に聞きながら構造式を直していったら……つい」
岡部「つい、ではない! そんな簡単にできたら誰も苦労なぞしとらんだろう!」
紅莉栖「わ、私だってこんなあっさり片付くと思わなかったのよ!」
岡部「む、そうなのか? それなりの成功報酬が約束されてたんじゃ……」
紅莉栖「それは、そうだけど……幾らもらったって、こんな規模の馬鹿でかいもの、私の許容範囲外よ」
岡部「うむ……」
岡部「(好奇心と探求欲で身を滅ぼす恐ろしさ、この先も忘れることはできないだろう……)」
岡部「(しかし、まさかそんな驚天動地な代物を完成させるとは……天才少女は伊達ではないか)」
紅莉栖「そっ! それは、どうせ私が断ったら誰かにお鉢が回るでしょうし、私が買って出るしかなかったのよ!」
岡部「本当にそれだけか?」
紅莉栖「うっ……」
紅莉栖「……」
岡部「……」
紅莉栖「……研究したかったからです」
岡部「うむ」
紅莉栖「HENTAI言うな! マッドサイエンティストじゃない! ああもう突っ込みきれん!」
岡部「だがあえて許そう! このラボメンのリーダーたる鳳凰院凶真、その程度のことは受け止めてやる! フゥーハハハ!」
紅莉栖「……ついていけんわ」
紅莉栖「そうなんだけど……やっぱり研究者の最終目標は、臨床実験なわけよ」
岡部「んな……またお前は無茶を」
岡部「……貴様、まさか」
紅莉栖「そう。自分で試して自分で結果を残せば、誰にも迷惑をかけずにすむでしょ」
紅莉栖「ふぇっ?!」
岡部「お前の力を信用していないわけではないが……人に作用するものである以上、万が一ということもある」
岡部「勝手にそのような危険な行為に及ぶなど、この俺が認めん!」
紅莉栖「な、なによそれ!」
紅莉栖「(ていうか、岡部、そんなに私のこと心配してくれてるんだ……)」
紅莉栖「(岡部……私のことちゃんと考えてくれてたんだ……)」
岡部「……む、助手、急に顔がにやけてきたぞ。……はっ、もしや既に薬を使ったのか?!」
紅莉栖「使っとらんわ」キリッ
岡部「うむ」
岡部「(……しかしそこまでの研究成果、結果を見ずに埋もれさすのも酷な話か)」
岡部「……んん?!」
紅莉栖「な、なによ急に!」
岡部「クリスティーナよ! 俺は今、IQ170の灰色の脳細胞を駆使し、素晴らしい名案を思いついた!」
紅莉栖「名案?」
岡部「ずばり、俺に使え!」
紅莉栖「?!」
岡部「それすなわち無礼講!全てノーカン! 普段この俺になにを思っているか、今日は包み隠さず暴露するがいい!」
紅莉栖「脳姦?」
岡部「シャラップ! もし俺に対し不満でもあるのならば、この機会に溜め込んだものを全て発散するのだ!」
岡部「そして、その後俺はその薬を飲み、今日その時間帯の記憶を消す……」
岡部「どんなに言い難いことだろうが、これさえあれば安心して口に出せるというものどぅあ!」
岡部「どうだ! この一分の隙も無い、巧妙かつ綿密な作戦は!!」
岡部「俺が
飲むで
FA」
紅莉栖「把握」
岡部「ふぅん、自信のありそうな口ぶりだったくせに、いざとなるとビビるかこのクリスピーチキンめが!」
紅莉栖「妙なあだ名を追加するな! べ、別に自信が無いわけじゃないけど……」
紅莉栖「べ、別にあんたのことを心配してるわけじゃないからな!」
岡部「……そうか、違うのか。……少し残念だ」
紅莉栖「ふぇっ?!」
岡部「ではなんなのだ」
紅莉栖「えっ、その……」
紅莉栖「……」
紅莉栖「……」グスッ
岡部「ええい、泣くな。俺が悪かった」
紅莉栖「……まぁ、そこまで言うのなら……もし気が変わったらすぐに言いなさいよ?」
岡部「善処しよう! ところで、その薬はどのように使えばいいのだ?」
紅莉栖「えーと、別に薬を飲んですぐに記憶が消える、なんて魔法みたいなものじゃないのよ」
紅莉栖「この薬を飲んで、その日一日の出来事を思い出していく形で口に出し、記憶を鮮明化する」
紅莉栖「そうすると短期記憶から長期記憶に保存するプロセスが麻痺して、その該当するエピソードが保存されないってこと」
紅莉栖「セーブしますか?
はい
ノァいいえ 」
岡部「把握した」
紅莉栖「そういうこと」
岡部「なるほど……では、まずその一日を過ごすことから始めねばならんな」
紅莉栖「まあね」
紅莉栖「また唐突な……本当になんでもいいの?」
岡部「無論だ、今日限りの出血大サービス、なにを言われようと寛大な心で許し、忘れてやる!」
紅莉栖「じゃあ、お手」
紅莉栖「だから、お手」
岡部「……い、いや、クリスティーナよ。確かに何でも言えとは言ったが、別に俺が何でも言うことを聞くというわけでは……」
紅莉栖「できないの?」
岡部「ぐっ……」
岡部「ほら、これでいいか?」ポンッ
紅莉栖「あっ……」
岡部「?」
紅莉栖「……」
岡部「……」
紅莉栖「……////」ポッ
紅莉栖「(ほっこりするというか、キュンとくるというか、満たされるというか……)」
紅莉栖「(とにかく……)」
紅莉栖「(これ、いいかも……////)」
岡部「ん」ポン
紅莉栖「ふせ!」
岡部「難しいな……」ペタリ
紅莉栖「ち、ちn」
岡部「テンプレ通り進めるなHENTAI!」
紅莉栖「んふー……」
岡部「なんだか当初の趣旨からだいぶ変わってきているのだが……」
紅莉栖「いいじゃないの。私は楽しんでるんだから」
岡部「そうか……」
岡部「(まぁ好きにしてくれ)」
紅莉栖「その……えっと……」
岡部「?」
紅莉栖「あ、頭でも撫でればいいと、言ってみる……テスト……」
岡部「」
紅莉栖「べ、別にどうしても嫌だったら無理しなくてもいいからな!」チラッ
岡部「(といいたいところだが……あれだけ啖呵を切った手前おちょくれんな……)」
岡部「(所詮今日限りの記憶……助手もわざわざ自分の黒歴史を蒸し返さんだろう)」
岡部「(しかしこんなバカップルの所業を、まさか素面でやろうとは……おまけに古いな)」
紅莉栖「ふぁっ?! あっ……」
岡部「ど、どうだ?」ナデナデ
紅莉栖「ん、その……いいと、思う……」
紅莉栖「(いっつも髪が乱れるって払いのけてたけど……)」
紅莉栖「(なんというか……)」
紅莉栖「(幸せかも……)」
紅莉栖「……も、もうちょっと」デレデレ
岡部「ぐぬぬ……」ナデナデ
紅莉栖「えへへ……」デレデレ
岡部「ぐぬぬ……」ナデナデ
紅莉栖「も、もういいかしらね」
岡部「そ、そうか」
紅莉栖「つ、次は……そうね」
岡部「ん?」
紅莉栖「せ、折角だし……思い切り抱きしめればいいんじゃないかしら」
岡部「ぬわぁ」
紅莉栖「ち、ちがっ……そ、そうよ。悪い?!」
紅莉栖「この際だから言っとくけど、あんたが朴念仁だからこっちは常日頃欲求不満なんだからな?!」
岡部「なっ?!」
岡部「なにもいってないではないか!」
紅莉栖「うっさい! 今日ぐらい好きにさせろ!」 ぎゅっ
岡部「ぬおぉ?!」
紅莉栖「(岡部の腕が、腰に……っ、ううう、おかべぇ)」スリスリ
岡部「じょ、助手よ……これで満足か?」
紅莉栖「……助手禁止」
紅莉栖「ティーナも禁止。セレセブ禁止」
岡部「……紅莉栖」
紅莉栖「ぅあっ……ん」
岡部「こ、こうか?」ナデナデ
紅莉栖「んんっ、それ、いいかも……」デレデレ
紅莉栖「ん……別に、デレデレでも、いい……」スリスリ
岡部「そ、そうかー……」
紅莉栖「今日一日は、好きなこと言えるんだから……」スンスン
紅莉栖「(はあぅぅ……岡部だぁ……)」クンカクンカ
紅莉栖「(岡部、岡部が近くに……)」
紅莉栖「(うう……好きなだけ、したいことができる……)」
紅莉栖「(岡部……んっ、おかべぇ……)」スリスリ
岡部「(そもそも当初は、俺に対する不満をぶちまけることでストレスを解消させようと思っていたのに、どうしてこうなった!)」
岡部「(くっ、このまま精神陵辱が続けば、俺の狂気的超自我(エゴ・ルナシィ)が耐えられん!)」
紅莉栖「ぇう?」トロン
岡部「(ぬおお!! 静まれマイハート!)」
紅莉栖「ぷぁ……ん」
岡部「そ、そろそろ次に移ろうではないかぁ。いい加減、この体勢も辛く……」
紅莉栖「ん……あと、ちょっと……」
岡部「ぬうぅ……」
岡部「も、もういいか?」
紅莉栖「うん……」
岡部「そ、そうか。そ、それで、次はどうするんだ?」
紅莉栖「その……何でも、いいんでしょ?」
岡部「ま、まぁ、一応そうだが」
紅莉栖「だったら……」
岡部「(確かに俺は、好きなことを言えとは言った……ああ言ったとも)」
岡部「(だがしかし、何故俺は……)」
紅莉栖「うう……岡部……」スリスリ
岡部「(どうして紅莉栖のホテルのベッドで寝ているのだ?!)」
岡部「な、なんだ?」
紅莉栖「私……」
紅莉栖「……岡部が、好き」
岡部「!」
紅莉栖「岡部から消える記憶の中だから、正直に言うけど……」
紅莉栖「私は、あなたが好き」
紅莉栖「あの時、パパから助けてくれて……」
紅莉栖「……ううん、それよりも、私の中に微かに残ってる、岡部との記憶」
紅莉栖「あまりに現実離れしてて、厨二病とか笑われそうだけど……」
紅莉栖「それでも、私には岡部と過ごした日々の思い出があるの」
紅莉栖「……ううん、再会する前から、きっと、私は岡部の事が好きだった」
岡部「紅莉、栖……」
岡部「(まさか……思い出した、のか……?)」
紅莉栖「……私、岡部に……その、抱かれたい、というか……」
岡部「ぬ?!」
紅莉栖「で、でも、あんたが覚えてないのに、こっちだけ覚えてる初体験なんて、寂しすぎるし!」
岡部「……紅莉栖」
紅莉栖「めんどくさい女ってのは承知の上よ! た、ただ……」
紅莉栖「こうでもしないと、私は、いつまでたってもあんたと先に進めないと思って……」
紅莉栖「あ、当たり前でしょ……あんたじゃないと……岡部だから、言ってるのよ……」
岡部「……最初に確認しておく。絶対に本番はしない……いいな?」
紅莉栖「分かってるわよ……」
岡部「気にするな。お前が面倒なやつだということくらい、既に承知の上だ」
紅莉栖「……もう」
岡部「紅莉栖……」 ぎゅっ
紅莉栖「んっ……」
岡部「(あの後、ベッドの上で散々お互い盛りあった)」
岡部「(紅莉栖も、初めてだというのに手や口で何度も俺のを宥めてくれた)」
岡部「(恥部に擦り付けるときなど、誤って挿入してしまわないよう苦労した……)」
岡部「(だが童貞だ)」
岡部「(最後あたりは、半分泣きながら失禁までしてしまう始末だった)」
岡部「(キスしながら胸をまさぐった時の切なそうな表情は、とても可愛かった……)」
岡部「(だが、処女だ)」
紅莉栖「はっ、あ……」
岡部「大丈夫か?」
紅莉栖「ん……」
岡部「ふぅ……」
岡部「ん?」
紅莉栖「その……約束、守ってくれて」
岡部「……当たり前だ。あれぐらいで揺れる様なら、ここまで童貞はこじらせていない」
紅莉栖「ふふっ……なによそれ」
紅莉栖「そうね……」
岡部「……本当にあの薬を飲めば、忘れてしまうのか?」
紅莉栖「理論上はね」
岡部「そうか……」
岡部「うむ……」
紅莉栖「ほら、早く服を着なさい。全部忘れていきなり裸だったらびっくりするでしょ」
紅莉栖「なに?」
岡部「……お前、何を言いたそうにしている?」
紅莉栖「ふぇっ?!」
岡部「俺は言いたいことはなんでも言えと言った筈だ。この期に及んでまだ溜め込むなど許さん」
紅莉栖「あ、あんたには関係ない!」
岡部「ここまでしておいて何を言うか」 ぎゅっ
紅莉栖「わぁっ!?」
紅莉栖「……」
紅莉栖「……っ」ジワッ
紅莉栖「ぅっ……ぁっ」
紅莉栖「……忘れられたく、ないぃ……っ!」グスッ
紅莉栖「岡部と好きなことできて……我儘も聞いてもらって……」
紅莉栖「全部、全部……岡部は忘れちゃうのに……」
紅莉栖「ひっ……そんなの、そんなの……っ!」
岡部「……」
紅莉栖「岡部と好きなことできて……我儘も聞いてもらって……」
紅莉栖「全部、全部……岡部は忘れちゃうのに……」
紅莉栖「ひっ……そんなの、そんなの……っ!」
岡部「……」
紅莉栖「周りの皆が忘れて、その思い出を覚えてるのは自分だけなのに……」
紅莉栖「何度も何度も、世界線を移動して……」
紅莉栖「誰も覚えてないのに、必死に頑張ってきて……」
紅莉栖「なのに……なのに、私は……っ」
岡部「紅莉栖……」
紅莉栖「っ……うん」スッ
岡部「これを飲んで、一日の出来事を話せばいいのだな」
紅莉栖「うん……」
岡部「……そうか」
岡部「うおおおぉおおぉっ?!」
紅莉栖「?!」
岡部「と、突如我が右腕が謎の暴走をおぉ?!」
岡部「お、落ち着け邪気眼!我が理性はここに……あぁあ右手が勝手にいぃ!!」ぽいっ
紅莉栖「なっ!?」
岡部「フフフ……フゥーハハハ! 残念だったな助手ぅー、貴様の成果は、我が右腕によって駆逐されたぁ!」
何でこんなのがDTなんだよ....
紅莉栖「……して」
岡部「むん?」
紅莉栖「どうして……飲まなかったの……?」
岡部「俺とて、今日の出来事をなかったことにしたくなかっただけだ……」
紅莉栖「なん、で……」
岡部「俺だって、お前と同じ気持ちだからだ」
紅莉栖「それって……」
岡部「好きだ、紅莉栖」
紅莉栖「!!」
岡部「なにより……今日を忘れてしまっては、いつお前に本音を言えるか分からんからな」
紅莉栖「……岡部」グスッ
紅莉栖「うえぇ……おかべぇ……」
岡部「……愛してるぞ、紅莉栖」
紅莉栖「うん……っ、私も、愛してる……」
―――後日、ラボ
岡部「フゥーハハハ!! 助手よぉー、相変わらず@ちゃんねるかぁ! (´・ω・`)おじさんスレでも立てているのかぁ!?」
紅莉栖「立てとらんわこのHENTAI!」
ダル「だめだこいつら、はやくなんとかしないと……」
まゆり「えっへへー、二人が仲良しさんでまゆしぃ大勝利なのです」
ダル「んお、ルカ氏とデートだっけ? 百合展開ktkr!」
岡部「何度もいうがルカ子は……男だ」
ダル「男の娘百合とか……新時代すぎるだろjk」
岡部「違うな、まゆりは……女だ」
紅莉栖「いい加減にしろこのHENTAI共が!」
岡部「またか。よくそこまで通い続けられるな」
ダル「ふっ……オカリン、愛は金じゃ買えないんだぜ?」
岡部「今の状況と真逆の台詞を言うな」
紅莉栖「ええ。じゃあね」
ダル「オカリン……ティッシュは1日1箱までな」
岡部「DE★TE★KE」
紅莉栖「……」
岡部「……」
紅莉栖「……」ススッ
岡部「……」ゴソゴソ
紅莉栖「……」ポスン
岡部「……」ギュ
岡部「なんだ?」
紅莉栖「好きよ」
岡部「俺もだ」
...‐''゙ . ` ´ ´、 ゝ ''‐...
..‐´ ゙ `‐..
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゙゙゙゙゙;;;;;;;;............ ;゙ ゙; .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
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ノi|lli; i . .;, 、 .,, ` ; 、 .; ´ ;,il||iγ
/゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li ' ; .` .; il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
`;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `, ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙i|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι
お わ り
 ̄ ̄V ̄ ̄
σ  ̄ λ
〜〜〜〜
(´・ω・`)  ̄"⌒ヽ
/ ) ヽ' / 、 `、
/ --‐ ' ヘ. ;
f 、 ヾ ★ / )
! ノヽ、.★'`"/ _,. '"
レス、支援感謝しております。
また機会がありましたら、何卒よろしくお願いいたします。
乙
久しぶりに悶えたわ
Entry ⇒ 2012.06.02 | Category ⇒ シュタインズゲートSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「かな子のふかふかボディに顔を埋めて深呼吸したい」
P「うーむ……」
P「ぬぬぬ……」
凛「……どうしたの」
P「いや実はだな」
凛「うん」
P「……やっぱいいや」
凛「そっか」
P「……うーん」
P「ごもも……」
P「むくく……」
凛「……素直に話したら?」
P「……そうする」
凛「そこまでの事を考えてたの?」
P「ああ、四六時中」
凛「……病院行く?」
P「いやそれは大丈夫だけど」
凛「……まぁ、話せないことなら無理に話さなくても良いよ」
P「話したくはないが、誰かに相談したいんだよな」
凛「矛盾を孕んでるね」
P「だな」
P「……うーむ。しぶりんなら大丈夫か」
凛「私、別に何言われてもプロデューサーへの態度変える気ないよ。あとしぶりんって呼ぶのやめて」
P「……かな子いるじゃん」
凛「うん」
P「あ、かな子知ってる?三村かな子」
凛「流石に一緒にCDデビューした人まで忘れるほどひどくないよ」
P「そうだったな。ごめんしぶりん」
凛「いいよ。でもしぶりんって呼ぶのやめて」
P「悩みというのが実はそのかな子に関することでな……」
凛「何かあったの?」
P「あったというか……」
凛「煮え切らないね。ゆっくりでいいよ」
P「ありがとうしぶりん。実はな……」
凛「うん。だからしぶりんって呼ぶのはやめて」
杏「……」カチカチカチ
かな子「むむむ……」
杏「……」カチカチカチ モグモグ
かな子「……ようし!決めた!私ダイエットします!」
杏「ええええっ!?」ガタンッ
かな子「ええっ!?どうしました!?」
杏「いやいや!どうしたのはこっちだよ!ダイエットするかな子なんて精力的に働く杏くらい異常だよ!」
かな子「わ、私どんなキャラだと思われてたんですか!?」
杏「お菓子製造器兼お菓子回収機」
かな子「(ひ、否定できない……!!)」
杏「そんなことよりどうしたのさ。普段の私なら絶対スルーしてたろうけど、ここまでの異常事態となったら……」
かな子「私がダイエットってそんなにおかしいんですかね……」
かな子「その……」
かな子「……えと」
杏「長い三行で」
かな子「三行ってどういうことですか!?」
杏「ちっ……プロデューサーならちゃんと三行で返してくれるのに」
かな子「……三行って、喋る時どうするんですか?」
杏「たとえば
こんな
かんじ」
かな子「……は、はぁ」
杏「やっぱいいや。それより事情kwsk」
かな子「事情というか、なんというか……」
かな子「や、やっぱり、男の人は、痩せてる女の子の方が好きなのかなって……」
杏「ほう」
杏「煮え切らないなぁ……ようは○クロスしたい男ができたってこと?」
かな子「!?!?」 プシュー!
杏「……本当に同い年か疑問に思えてくるよ」
かな子「私もですよ……」
杏「いいじゃん。おっぱいあるんだから」
かな子「む、胸ですか!?」
杏「うんおっぱい」
かな子「い、いちいち言いなおさないでください!」
杏「別に痩せなくとも、それ押し付けてたら勝手に落ちるよ。あっ衣装とられたクッソ……」
かな子「……何やってるんですか?」
杏「モバマス。パンピーにはわからないよ」
かな子「……もばます?」
杏「あ、携帯持ってるんだったら後で招待させてよ。モバコイン欲しい」
かな子「……は、はぁ」
凛「うん」
P「きっとふかふかじゃん」
凛「表現がよくわからないけど、多分そうだよね」
P「だから……」
凛「うん」
P「かな子のふかふかボディに顔を埋めて深呼吸したい」
P「呼吸困難に陥るまで!!」
凛「……そう」
P「おおっ!?その程度の反応!?」
凛「……んー、でも、私も一回抱きしめて寝てみたいし」
P「それはいいな……」
凛「よく眠れそう」
P「うんうん」
凛「犬みたいだし」
凛「なんとなく言うこと聞いてくれそうだし」
凛「うん、わかるよ。プロデューサーの気持ち」
P「(微妙にニュアンスが違うが、まあいいか)」」
P「ありがとうしぶりん、話せてすっきりしたよ」
凛「ううん。何でも話してくれていいよ。あとしぶりんって呼ばないでくれたらいいんだけど」
P「ははっ。やっぱりしぶりんには敵わないか!」
凛「しぶりんって呼ばないで」
prrrrr
P「オウ!?こんな時にだれからだ!?」
P「はいもしもし……ええっ!?マジですか!?今すぐ行きます!」
ピ
P「ごめんしぶりん!俺仕事の打ち合わせが入ったから行く!」
タッタッタ…… ガチャ バタン
凛「……(明日殴ろう)」
かな子「はい?」
杏「結局どうなの?その男が振り向いてくれさえするのならダイエットしなくていいの?」
かな子「そ、そのおと、男なんて!」
杏「いや隠さなくてもわかるしあとどうせここにいる人間だから100%プロデューサーだってことはわかるけど、どうなの?」
かな子「……!?!?!?」
杏「全くもう……くっそ!なんでSレアしまむらさん出ないんだよ!!」
ガチャ
しまむら「呼びました?」
杏「何で出ないんだよ!訴えるぞ!」
しまむら「何がですか!?」
かな子「(杏ちゃんもきっと大変なんだろうな……よくわからないけど)」
しまむら「ええ!?」
かな子「ちょっ!ちょ!」
杏「何?杏の貯金ならあげないよ」
しまむら「(これがオリコン4位の実力……)」ゴクリ
かな子「(もうわけわかんないことになってる……)」
杏「……あれ?つまり解決してる?」
しまむら「そうなんですか?」
かな子「ええっ!?」
杏「いやだってさ、かな子はプロデューサーに振り向いてほしくてダイエットしようとしてたわけでしょ?」
かな子「ええとその……はぁ」
しまむら「……」キラキラ
かな子「(しまむらさんの目が恋バナ聞くときの女子だ……)」
杏「で、プロデューサーはそんなの気にしないからいいじゃん。はい論破」
かな子「はい……あれ!?」
杏「そうだよ。尻村だって無事Sレアになれたんだし」
しまむら「今尻村って言いませんでした!?」
杏「気のせいじゃない?ほらここでイメージあげとかないとファンのみなさんがガチャ回してくれないよ」
しまむら「はっ……そうですね!」
かな子「……は、話についていけません」グスン モグモグ
杏「それでもお菓子は食べるんだね……」
島村「さすが三村さん……」
杏「で……いやかな子の特権だね」
かな子「いまデって言いかけませんでした!?」
杏「気のせいだよデな子」
かな子「デな子!?」
しまむら「そうですよ、幻聴ですデミ村さん」
かな子「デミ村さん!?」
http://blog-imgs-55.2nt.com/s/s/h/ssh123/s_simamura.jpg
http://blog-imgs-55.2nt.com/s/s/h/ssh123/s+_simamura.jpg
かな子「えっ……それは困ります」
しまむら「(なんでそんなピンポイントなんでしょうか)」
杏「……まぁアレだよ。とどのつまりさっさとPに『抱いてください!!』って言いに行けばいいんだよ。はい解決」
しまむら「わーぱちぱちー!」
かな子「そ、そんな急に……」
杏「……あ、いや別に杏はどうでもいいんだけどー」
かな子「……」
杏「プロデューサー……人気あるんだよなぁ……」ボソ
かな子「!!!」
杏「100人くらいから……好かれてるんだよなぁ」
尻村「そんなにですか!?」
杏「いやぶっちゃけ嘘は言ってない」
かな子「……!」ガタッ
杏「お」
かな子「……あの」
杏「……どしたの」
かな子「……プロデューサーさん今どこにいるんでしたっけ」
杏「……いや、知らないけど」
しまむら「私もです」
かな子「……ですよね」モグモグ
杏「……どれだけ持ってきてるんだよ」
しまむら「一個ください」
かな子「どうぞ」
杏「……飴ある?」
かな子「はい!」
タッタッタ
P「こんな事になるとは……微塵も思わなかったなぁ……」
タッタッタ……
――――――
P「……またか」
P「またかーっ!!」
P「くそっ!くそ!!俺が何社受けたと思ってんだよ!!」
P「俺が何したって言うんだよー!!」
P「……はぁ、これが就職氷河期か」
P「……本当に就職できなかったら、どうしよう」
『むむっ!?』
P「……ん?」
P「……は、俺ですか?」
「そうそう!そこの君!良い面構えだ!ティンと来た!」
P「……はぁ、どちら様でしょうか」
「むむっ、私としたことが名乗り遅れてしまったな……。
765プロという会社で代表をやらせてもらってる高木だ。よろしく頼むよ」
P「……765プロ!?あの大手プロダクションの!?」
社長「いや、そんなに大手という程大きい会社ではないのだが……」スッ
P「(本物の名刺!?いやわからんけど!)いやいや!今のテレビ界を席巻していると言っても過言じゃないじゃないですか!」
社長「はっはっは。そこまで褒められると照れるね。そこで君、頼みがあるんだが」
P「……はあ、俺でよければ」
社長「我が765プロはアイドルのプロデューサーを募集していてね、君にやってもらいたいのだが どうだね?」
P「……は?」
社長「おや?聞き取れなかったかね?」
P「いや、その……は?」
P「シンデレラガールズ……プロジェクト?」
社長「うむ。そのへんにいる女の子をアイドルにスカウトし、トップアイドルにするという企画だ」
P「ええ!?んなことできるわけないじゃないですか!」
社長「いやできるよ。私はそういう人材を探していたんだ」
P「……つまり、俺に」
P「そこらへんの女の子をスカウトして、トップアイドルにしろと?」
社長「うむ」
P「むっ……」
P「無理に決まってるじゃないですか!!オーディションを勝ち抜いてきた女の子だってどうかわからないっていうのにそこらへんにいる女の子なんて!」
社長「いいや、君にならできる!」
P「いや……」
社長「手取り20万……」
P「!?」
P「う、うわあああああああ!!」
社長「君、見たところまだ内定を貰っていないね?」
P「た、確かにそうですけど……」
社長「今は何月かな?」
P「じゅ、11月です……」
社長「見込みは」
P「……」
社長「どうだね君、わが社は君を歓迎するが」
P「やります……やらせてください!プロデューサーをッ!!」
社長「うむ!その心意気だ!さぁついてきたまえ!」
社長「以上で説明は終了だ」
社長「何か質問はあるかね?」
P「はい」
社長「何かね」
P「あの、僕が聞いた限りでは」
社長「うむ」
P「名刺やるからそこらへんの女の子連れてこい」
P「という風に聞こえたんですけど」
社長「崩した言い方ならその通りだな」
P「!?」
社長「何を言っているんだ。それこそがシンデレラガールズプロジェクトの醍醐味だろう」
P「……(むちゃくちゃだぁぁ!)」
社長「彼だって、何も知らないズブの素人から始めたんだ。一緒だろう」
P「(伝説のプロデューサーと同等に扱われてもなぁ……)」
『さぁ行ってこい!良い結果を期待しているよ!はっはっは!』
P「……無茶だ」
P「無茶すぎる……」
P「そんな都合よくアイドルになれるような女の子なんて……」
フワッ……
P「……ん?いい匂いだな」
『……ひ、ひとつください!』
『あいよー』
P「ああ、クレープ屋か……こんなところに来てたんだな」
P「……(可愛い子だなぁ)」
かな子「……はむっ!」パクッ
かな子「……」
かな子「……」
かな子「……おいしい〜!!」 パァァア
P「ッ!?」 キュン
P「(なんだこの胸の高鳴りは……!?)」
P「(もしやこれが……)」
P「(ティンときた、ってことなのかッ!?)」
P「きっ、き、そこの君!!」
かな子「は、ははい!?」ビクゥ
P「い、いや……アイドルになってみないか?」
かな子「……はい?」
P「(普通に売り出してもいけるルックスだが……やはりインパクトが弱い)」
P「(だが、この食事風景を前面に押し出せば……!!)」
かな子「あの……その……えっと……その」
P「パフェおごるから話だけでも聞いてくれるかな」
かな子「はい!!!喜んで!!!」
P「(ちょろ……)」
――――
P「(結局喫茶店で話すことになってしまった)」
かな子「ほ、本当になんでも頼んでいいんですか?」
P「ん?ああいいよ。でも流石に全部とかはやめてね」
かな子「い、いくらなんでもそんなことしませんよ!」
P「はは」
P「ああはい、クラブハウスサンドとアイスコーヒーを」
かな子「ロイラルグレートデラックスジャンボビッグイチゴパフェGを」
店員「かしこまりました」
P「(そんなメニュー存在したの!?)」
―――――
パク
かな子「ん〜♪おいしい……♪」パァァア
P「(出た!!この笑顔だ!!)」
P「(この笑顔の前だと胃もたれするだけであろう強大なパフェでもおいしそうに見える……)」
P「……」ゴクリ
かな子「あ、プロデューサーさんもひとくちいかがですか?」
P「え?いいの?」
かな子「はい、どうぞ」
スッ
P「(ってこれ予期せぬ形で『あーん』じゃん!!)」
P「(どうしよう……)」
かな子「……///」
P「(ああ自分の過ちに気付いてマジ照れてるー!!)」
P「ウォッホン!えー、えーとだね、君のデビューの件についてだが」
かな子「は、はい!」
P「まずはアイドル候補生という形に……あ、てかそもそもアイドルになるかどうかさえ聞いてなかったよね、ごめん」
かな子「い、いえ!」
P「ぶっちゃけどう?どうしても無理っていうんだったらあきらめるけど……」
かな子「……」
かな子「……あの」
P「おう」
かな子「……私なんて、何のとりえもないのに、本当にアイドルになれちゃうんですか?」
P「当たり前だ!というか取り柄がないなんて何を言ってるんだ!」
P「あっ、ごめんっ」
かな子「ふふっ……いえ」
P「だが、君はきっと一流のアイドルになれる。俺を信じてくれ」
かな子「……わかりました。ちょっと信じられないですけど、信じてみます」
P「……ってことは!?」
かな子「はい、私でよければ、アイドル……やらせてください!頑張ります!」
P「イヤッホオオオオオオオウ!!」ガタン
店員「お客様……他のお客様のご迷惑になりますので……」
P「大変申し訳ありません……」
P「ええはい……そうです。はい……」
P「すみません……失礼します」 ピッ
かな子「……お疲れ様です。クッキー、焼いてきたんで、どうぞ」
P「おお、ありがとう……悪いな、なかなか仕事がとれなくて」
かな子「いえいえ。私も正直……何していいかわからなくって」
P「待っててくれ、必ずお前の実力を発揮できる仕事を探してくるから!」
かな子「……はい」ニコ
―――――
P「……えっ!?その話、詳しく聞かせてください!」
P「……はい、はい、わかりました、構いません」
P「はい!ありがとうございます!」
ピッ
かな子「なにかいい事でもあったんですか……?」モグモグ
P「ああ……喜べ!初仕事だ!」
P「いやいきなりではないだろう」
かな子「え、まぁ、そうですけど……」
P「急で申し訳ないが明後日オーディションがあるんだ。オーディションというほどの規模ではないが……
偉い人がくるぞ」
かな子「は、はひっ!?」
P「大丈夫だって。かな子ならなんとかなる」
かな子「そ、そそそんなこと……」
P「はっはっは。俺に任せろ」
かな子「は、はぁい……」
P「(びびってんなぁ……というか俺仕事の探し方慣れたなぁ……)」
かな子「おっ、おははおはようございます!!」
P「おはよう。緊張しすぎだろ」
かな子「で、ですがすが……」
P「……」
ムニ
かな子「っっひゃぁっ!?どこつまんでるんですか!?」
P「お腹」
かな子「し、知ってます!もー!私がコンプレックスに感じてるの知ってますか!?」
P「いや知らん。というかコンプレックスじゃないだろ。これは立派な武器だ」
かな子「ぶ、武器……!?」
P「そうだ。芸能界を勝ち抜いていくための、強力な、武器だ……」
かな子「は、ほへぇ……」
P[(いい感じに緊張がとれてきてるな)」
P「お?どした、改まって」
かな子「プロデューサーさんと一緒なら……私、変われるかもって思えるんです」
P「……」
かな子「私、アイドルになってみせます!見ててくださいね!」
P「……あぁ」
P「(ま、今のままでも十分可愛いんだがな」
――――
宣伝部長「今回はわが社のお菓子を大々的にキャンペーンするということで……」
宣伝部長「わざわざお越しいただきすみません」
かな子「は、はいっ!」
P「確か、オーディションがあるんですよね?」
宣伝部長「ええ。すみません。何故か今回は応募が多くてですね」
P「いいえ、何も問題ありません」
宣伝部長「流石765プロさんですね。やはり急にでも参加していただいてよかったです」
かな子「……」ドキドキ
審査員「では一番の方どうぞー」
一番「はい!特技はダンスと歌です!!」
審査員「おお、ではよろしくおねがいします」
一番「はいっ!」
オォォォ……パチパチ
かな子「……は、はわわわ」
P「どうしたかな子」
かな子「む、無理です……私歌も踊りもできません。どうしようも……」
『二番の方―』
P「大丈夫だ。お前は他の誰にもできないことができる。俺が保証する」
かな子「わ、わかりました……」
かな子「私……プロデューサーさんを信じます!」
かな子「は、はい!!」
かな子「な、765プロダクション、三村かな子、17歳です!
しゅ、趣味はお菓子を作ることです!!」
クスクス……フツウノコジャナイ?
ダヨネー。ホントニ765プロ?
P「(甘いな……)」
P「かな子っ」
かな子「は、はいっ!?」
審査員「……お?(激励かな?)」
P「差し入れだ」
ポス
かな子「……ほえ?」
審査員「(あれは……今度宣伝する、お菓子?)」
P「食べていいぞ」
かな子「こ、ここでですか!?」
かな子「(そ、それはそうですけど……)」
審査員「どうぞ」
かな子「え?」
審査員「いや、それは何かのアピールですよね?構いません。どうぞ」
かな子「……」ゴクリ
かな子「(実は今朝……あんまり緊張しすぎちゃって、朝ごはん少な目なんだよね)」
かな子「(……いいよね!!)」
ピリリッ
パクッ
かな子「……」
かな子「……美味しい!!」パァァァ
審査員「!?」
宣伝部長「!?」
他アイドル「!?」
代表取締役「おい」
秘書「は、はい!?」
代表取締役「あれの在庫まだあったか」
秘書「は、そ、それはもちろん」
審査員「あ、私の分もお願いできますか」
宣伝部長「あ、私も……」
他アイドル「私たちも……」
かな子「……ほえ?」
P「……(これがかな子の、『キラースマイル』!)」
P「(あれを見てしまったが最後……かな子の食べてるものが食べたくてしょうがなくなるのだ!)」
P「……かな子、ちょっとくれ」
かな子「……あ、すみませんプロデューサー、全部食べちゃいました」
P「ええええええ!?」
P「……その後かな子はキャンペーンガールとして大成功」
P「その会社からCMのオファーが来て……」
P「後はもう、CDまでとんとん拍子だったな……」
P「ってと。今日の仕事はこれで終わりか」
P「……といっても書類まとめる仕事があるがな」
P「……はぁ、事務所帰るか」
〜♪ 〜♪
P「ん?この着信音は……」
『もしもし!プロデューサーさんですか!?』
P「あれ?卯月?これかな子の携帯じゃあ……」
『はいそうです!じゃあ三村さんに代わりますね!」
P「は?」
『 ガタンッ ガタ エーッ!? あ、 えと その』
P「かな子か。どうした急に」
P「なんだ、煮え切らないな」
『あの……や、やっぱりいいです!!』
ツー、ツー……
P「……意味が解らん」
ガチャ
P「お」
杏「お」
しまむら「あ」
かな子「え」
杏「ほら、私たちは還るよ」
しまむら「ええっ!?シャッターチャンスなのに!?」
杏「もっとSレアとしての風格を持ちなさい」
しまむら「は、はい先輩!!」
バタン……
P「どうしたんだかな子」
かな子「え、いやそのあのえっとその……」
P「何だ?俺たちの仲だろう?はっきり言ってくれ。たとえアイドル辞めたいと言われても俺は……」
かな子「そ、そんなことないです!!」
P「ええ!?ど、どうしたんだ!?」
かな子「いえ……違うんです」
P「な、何がだ……?」
かな子「私、幸せだなぁ、って……」
P「……へ」
かな子「何のとりえもない……私が」
P「そんなことは……」
かな子「いえ……なんのとりえも『なかった』私を」
P「……」
かな子「……キャンペーンガールにしてくれて」
かな子「CMにも出させてくれて……」
かな子「他にも、本当に、いっぱい……」ポロポロ
P「かな子……」
かな子「それも……全部、全部、プロデューサーさんのおかげです」
かな子「思えばあの時から、不思議な魔法をかけてくれてたんですよね」
かな子「こんな私を、素敵なアイドルにしてくれる、不思議な魔法……」
P「……」
かな子「プロデューサーさん、私、プロデューサーさんの理想のアイドルになれてます?」
P「……ああ、もちろん!」
かな子「……えへへ。プロデューサーさんと出会ったときから、魔法が続いてるんです。きっとこの先もずっとずっと……ですよね?」
P「当たり前だろ……まだまだ、もっともっとファンを増やして……Sランクになって……」
かな子「その後、どうします?」
P「え?」
かな子「だから、その後」
P「……えーと、引退?」
かな子「その後は」
P「……印税生活?」
かな子「杏ちゃんですか……」
P「……!?」
かな子「……私を変身させてくれた不思議な魔法」
かな子「もしかして今度は、『プロデューサーさんをもっと好きになる魔法』とか、使いました?」
P「……か、かな子?」
ギュッ
P「!?」
かな子「ドキドキしてます。すっごく」
P「……かな子、やめ」
かな子「嫌です♪」
プチン
かな子「……ぷちん?」
P「ウオワアアアアアアアアアアアアアア!!かな子オオオオオオオオ!!!」
かな子!?」
P「ずっと前からこうしたかった!!ああいい匂い!!やわらかい!!スーハークンカクンカ!モフモフ!!」
かな子「ぷっ、プロデューサーさん!?」
P「かな子……かな子かな子うわあああああああああ!!やわらかい!すっごいやわらかいよかな子ぉぉおお!!!」
モニモニ
かな子「あっ……ん、ふぁっ……!!」
P「最高だ!!かな子の肉に包まれ……ウッ……!!」ビュクンビュルル
P「……」
かな子「あ……ふぁ?」
P「……最低だ、俺って」
かな子「……プロデューサーさん?」
P「大切なアイドルを押し倒し……あまつさえ乱暴しその上……」
かな子「……プロデューサーさん」
P「なんだかな子今のお 「ていっ」 ドサッ
P「え、ちょ!?何すんの!?」
かな子「えへへ♪プロデューサーさんって、あったかいんですね」
P「ちょ、やめろ!また息子が元気になってしまう!」
かな子「いいじゃないですか!息子さんも一緒にケーキ食べましょう?」
P「いやムリだから!物理的に無理だから!」
かな子「やっぱり私、プロデューサーさんにプロデュースしてもらえて、本当に、よかったぁ……」
P「かな子……」
かな子「……これからも、ずーっと魔法かけ続けてくださいね?プロデューサーさん?」
P「わかった、わかったから降りろ!!」
かな子「嫌です♪」
P「なんでだあぁあああああああ!!!」
かな子「えへへ、私、今とーっても幸せですっ!!」
終わり。
モバマスSSが!!もっと増えればいいなと思いました!!
後モバゲーやってない人は招待させてください!!マジで!!1500コイン欲しい!!超欲しい!
やってる人はキズナ招待させ(ry
支援サンクスでしたー。またどこかで。
腹の肉をぷにぷにして嫌がってるのをニヤニヤしながらみたいよかなこおおおおおおおお!
乙! かな子かわいいよなぁ!
Nかな子やるから続きはよ
Entry ⇒ 2012.06.02 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)
ギルガメッシュ「許さんぞぉ時臣…」時臣「どうか慈悲を…英雄王…」
時臣「どうか慈悲を……寛大な……お心で……どうか」
ギル「ゆる……ゆる……」
ドゥルルルルルルルルルル
時臣「ど、どこからともなくドラムロールが……」
ギル「ゆる……ゆる……」
時臣(神よ……っ)
ジャン!
ギル「許ーーーーーす!!!!!」テッテレー
時臣「ぃやったぁああああああ」ヒョーイ
龍之介「え、ええ!?」
時臣「王よ!デパートではこのようなことは多々起こりえます!彼に罪はない!どうか慈悲を!」
ギル「我に意見するか時臣!貴様はいつから我に意見できるほど偉くなった!?」
時臣「くっ……」
ギル「ゆる……ゆる……」
龍之介「え……え……?」
ドゥルルルルルルルルル
龍之介「ど、ドラムロールが……」
ギル「ゆる……ゆる……」
時臣(英雄王……っ)
ジャン!!
ギル「許ーーーーーーーす!!!!」テッテレー
時臣「ぃやったぁああああああ」ヒョーイ
龍之介「え?え?」
ライダー「おお、英雄王か。すまんすまん、ちっさくて見えなかったわ!」HAHAHA!
時臣(これは許されないぞ。許されないぞ)
ギル「ゆる……ゆる……」
ライダー「いやしかし遊園地というのはすごいところだな。あのように立派な城まである」
ギル「ゆる……ゆる……」
ライダー「ここであったのも何かの縁、どうだ?一緒に写真でも撮らんか?おーい坊主、シャッターを押してくれ」
ウェイバー「何だよさっきから。はしゃぎすぎなんだよお前は……ってアーチャー!?」
ドゥルルルルルルルルル
ウェイバー「ドラムロール!?」
時臣(英雄王……慈悲をっ……)
ジャン!
ギル「許ーーーーーーーーす!!!!!」テッテレー
ウェイバー「1+1はー?」
ギル時臣ライダー「にー」パシャ
時臣「お待ちください英雄王!彼は肩に付いた糸くずを取っただけです!」
バーサーカー「」コクコク
雁夜「時臣ぃ……ゆるさんぞぉ」
時臣(な、私が許されてない……っ?)
ギル「ゆる……ゆる……」
雁夜「許さん……時臣ぃ……お前を殺してこのライオンの餌にしてやる……」
バーサーカー「」オロオロ
時臣(何のことだかわからんが、とにかく慈悲をっ……英雄王……)
ドゥルルルルルルルルルルル ジャン!
ギル「許ーーーーーーーす!!」テッテレー
時臣「ぃやったぁあああああああああああ!」ヒョーイ
雁夜「許さんぞ時臣!行け!バーサーカー!!」
バーサーカー「ゴォァアアアアアアアアア」
時臣「ひっ」
そんなだからおっさんはだめなんだよ
セイバー「やめてください!人違いです!」
ギル「貴様!!我が未来の伴侶に無断で近づくとは愚劣の極み!!」
時臣(これは絶対確実に許されない絶対)
ギル「ゆる……ゆる……」
キャスター「聖処女よ!ビーチに咲く一輪の花よ!どうかオイルを塗る役目は私めに」
セイバー「やめてください!人を呼びますよ!」
ギル「ゆる……ゆる……」
時臣(祈るだけ無駄なのか……っ?慈悲を……)
ドゥルルルルルルルルルル ジャン!
ギル「許ーーーーーーーーーーーーす!!!!」テッテレー
時臣「逆転勝利!!!!」ヒョーイ
キャスター「ジャァアアアンヌゥウウ!!!」
セイバー「エッカリ!!!!」ドゴォオオオ
キャスター「光がっ!」ドカーン
セイバー「すいませんアイリスフィール」
アイリ「魔力消費がハンパなくて切嗣びっくりしてたわよ」
セイバー「申し訳ない」
時臣(許される問題が起きない……!どうする、英雄王……?)
アイリ「戻りましょセイバー。切嗣が海の家で焼きそばを買ってきてくれているわ」
セイバー「ほ、ほんとですかアイリスフィール!」
アイリ「ふふっ!こういうところで食べる焼きそばは別格だって切嗣は言ってたわ。早く行きましょ」
ギル「……ま、まて」
時臣(声が小さい……っ!)
セイバー「」タタタッ
ギル「……くっ」
時臣(案の定行ってしまった……)
ギル「……許していた。許していたんだからな……!」
時臣(英雄王……)
ギル「綺礼か。無駄な詮索をするとは、お前らしくもない」
ドゥルルルルルルルルルル
言峰「やめろ、まだ出番じゃない」
アサシン「すいませんマスター」シュン
言峰「あれほどタイミングには気をつけろと言ったはずだ」
ギル「よい、許す」
アサシン「あ」
言峰「タイミングには気をつけろと言ったはずだ!!」
アサシン「す、すいませんマスター!!」
言峰「今!!」
アサシン「は、はい!」
ドゥルルルルルルルルルル ジャン!
ギル「そう怒ってやるな綺麗。許す」テッテレー
アサシン「ぃやったああああああ!!」ヒョーイ
言峰「やったなお前ら!」
言峰「まだ元気がないのか」
ギル「……」
言峰「セイバーのサーヴァントのことだろう?」
ギル「……」
言峰「ふっ。こうして水族館のクラゲコーナーにいても解決せんぞ?」
ギル「……」
言峰「ここに映画『宇宙兄弟』のチケットが二枚ある」
ギル「……」
言峰「どうすればいいかわかるな?」
ドゥルルルルルルルルル
ギル「……ふん。我を誰だと思っている」
ジャン!
ギル「我は英雄王。このチケットでセイバーを逢い引きに誘うことくらい容易いことよ!」テッテレー
言峰「いつもの顔に戻ったな」フフフ
ギル「……あ、のだな」
セイバー「早く用件を言ってくれるとありがたいのですが」
ギル「……」
セイバー「……」
ギル「え、映画の」
ケイネス・エルメロイ・アーチボルト「まったく!何で私が映画なんて見に行かなきゃならんのだ!」
ランサー「しかし我が主よ。ソラウ様よりいただいたこのチケット、無駄にはできません」
ケイネス・エルメロイ・アーチボルト「ではなぜそのソラウが来ていない!」
ランサー「そ、それは……(言えない、我が主に喜んでもらいたくてこのチケットを自分が買っていたことは……)」
ケイネス・エルメロイ・アーチボルト「役立たずめ!!」
ギル「……」
アイリ「セイバー!もう時間よー、『宇宙兄弟』始まっちゃうわー」
セイバー「はーい、今行きますー。それでは英雄王、失礼します」タタタッ
ギル「ゆるさんぞぉ……」プルプル
先生だから敬ってんだよ
ギル「見ていたのか、時臣。我の無様な姿を」
時臣「お許しください。私は英雄王の身を思って……」
ギル「ゆるさんぞぉ……ゆるさんぞぉ……」
ギル「……いや……許せないのは……好きな女に勇気も出せない我の弱い心だ……」
時臣「英雄王……今からでも遅くありません。映画を見に行ってください」
ギル「我に意見するか……」
時臣「どのような処罰も覚悟の上、言わせていただきます」
セイバーのサーヴァントが見ている映画は、英雄王の見る映画と同じ。
なれば、上映終了後、彼女をカフェに誘い、感想などを議論し合うのがよろしいかと」
ギル「……」
時臣「英雄王……どうか英断を」
ドゥルルルルルルルルル ジャン!
ギル「忠臣の願いだ。聞き入れんわけにはいかんさ。では、行くぞ」テッテレー
時臣「……はっ!行ってらっしゃいませ、英雄王!」
ギル「何を言っている。お前も行くのだ。チケットは二枚ある」
時臣「は、はっ!すぐに!」タタタッ
ギル「せ、セイバー!」
セイバー「ああ、英雄王ですか。あなたもこの映画を?」
ギル「あ、ああ!そ、それでだな……!」
時臣(英雄王……!)
アイリ「ちょうど良かった。ならみんなでランチに行かない?映画の感想を言い合いながら」
ギル時臣「!」
セイバー「いいですね。どうですか英雄王。この後予定は?」
ギル「あ、あ」
時臣(英雄王……どうか、勇気を……!)
セイバー「英雄王?」
ドゥルルルルルルルルル ジャン!
ギル「い、いいだろう!さっそくランチとやらに行こうではないか!」テッテレー
時臣「ぃやったぁああああああ!!!!」ヒョーイ
アイリ「何!?」ビクッ
ギル「どうだ綺礼。我にかかればこの程度」フフン
言峰「しかし二人きりではなく四人とは……これではデートとは言えんな」ククク
ギル「……貴様、許さ……いや、その通りだ」ショボン
言峰「だが前進。これは大きな一歩だ、英雄王」
ギル「そ、そうだろう!?そうだよな!」
言峰「慢心するな、英雄王。お前の悪い癖だ」
ギル「ぐ……」
言峰「次に事を運ぶのだ。英雄王。次こそ二人きりのデートだ」
ギル「ふ、二人か……大丈夫なのか?いつ行くのだ?どこへ?」
言峰「落ち着け英雄王。今までお前はいくつものデートスポットを回ったはずだ」
ギル「ああ、デパートに遊園地、動物園に水族館。綺礼、お前が行けと言ったのだろうが」
言峰「全てはここまでの伏線。二人きりのデートのための布石」
英雄王……お前は色んなところへ赴き、色んなことを感じたはずだ。
何が楽しかったか。何が嫌だったか。よく考えろ。
英雄王……お前は彼女をどこへ誘いたい……?」
ギル「……我は……」
ギル「ああ、そうだろう、そうだろう」
セイバー「あっ!あっちはクラゲコーナーですよ!英雄王!」フンフン
ギル「ああ、その場所は我が一等気に入っている場所だ」
セイバー「そうですか、綺麗ですね」ポケー
ギル「……ああ、綺麗だ、セイバー」
セイバー「ええ、クラゲとは美しいものです。これも初めて知りました」
ギル「……セイバー、クラゲを見たままで良い、聞いてくれ」
セイバー「?」
ギル「我は、以前この場所に来たとき、貴様のことを考えていた」
セイバー「クラゲのことじゃなく?ここ、クラゲコーナーですよ、英雄王」
ギル「我と貴様は敵同士、本来相容れぬ関係にある、しかし我は英雄王ギルガメッシュ。
この世に持ち得ぬものはなく、叶えられぬこともない」
セイバー「?」
ギル「つ、つまりだ。聖杯戦争なんて関係ない。我が何とかしてやる。だから……」
セイバー「?」
ギル「黙って聞け!セイバー!我は……我は……!!」
ドゥルルルルルルルル
ギル「アサシン。いや、ハサンよ。今は、今だけはやめてくれないだろうか……?」
アサシン(……あの英雄王が、頼み事、だと……?)
セイバー「?」キョトン
ギル「今から我は、我の力だけで好いた女を口説くのだ……!」
セイバー「好いた……女……!?」ボンッ
ギル「セイバー、聞いてくれ」
セイバー「えっ?えっ?」アタフタ
ギル「……セイバー、キミが好きだ。キミを守りたい。
この世の全ての悪意から、キミを救い出したい。
この我の全ての財宝を投げ出してでも、キミの笑顔がほしい。
キミの涙の一滴を止めるために、我はこの身を削ったってかまわない。
我が聖杯に望むのは、キミへの愛だけだ。
キミが聖杯に望むことは知っているつもりだ。
だが、我はその願い以上の愛を持って、キミを幸せにして見せる!」
セイバー「あわ、あわわ///」プシュー
セイバー「……」カオマッカ
時臣(よくぞ勇気を……!さすが我が英雄王!!)
言峰(ふっ。やるじゃないか、英雄王)
アサシン(神よ、どうか英雄王に慈悲を……っ!)
セイバー「あの……まだ、よくわかりませんが、その」
言峰「アサシーーーーーン!!」
アサシン「はいっ!」
ドゥルルルルルルルルル
セイバー「あの、えーと」
ドゥルルルルルルルルル
ギル「……」
ジャン!
セイバー「お友達からで……」テッテレー
ギル「ぃやったぁあああああああ!!……のか!?」
ギル「我のことはギルガメッシュと呼べ、いや、呼んでほしい」
セイバー「は、はい……ギルガメッシュ。では、私のことはアルトリアと……」
ギル「ああ、アルトリア!」ギュッ
セイバー「……エヘヘ」カオマッカ
時臣「やりましたね!英雄王!」タタタッ
アサシン「立派でした!感動しました!」タタタッ
言峰「ふん。お前にしては上出来だ」テクテク
ギル「貴様たち……!」
セイバー「あの……ギルガメッシュ?」
ギル「ああ、紹介しようアルトリア。多少知っているかもしれんが、こいつらは、その……我の、『仲間』だ」
時臣「ヘヘッ」
言峰「フフ」
アサシン「ニヒヒ」
セイバー「そうですか。英雄王はいい友人をお持ちだ」
セイバー「そ、それは、その……」プシュー
言峰「慢心するな!英雄王!全てはこれから始まるのだ!」
ギル「これから……?」
言峰「そう!これからお前は自らの力を持ってして、かのアーサー王の愛をつかみ取るのだ!アサシーーーン!!」
アサシン「はいっ!!」
ドゥルルルルルルル
言峰「いいか英雄王。これよりお前の進む道は茨渦巻く魔境の道そのもの!
引き返すことはもとより、止まることさえ許されぬ地獄の行軍!
しかし、それを乗り越えることすなわち彼女の愛を手に入れることは、まさしく天上の愉悦すら凌駕しうる代物!最高の宝!!」
ドゥルルルルルルルル
言峰「これから先は二人の物語になる!英雄王ギルガメッシュと騎士王アルトリアとの恋物語にするんだ!
わかるかギルガメッシュ、もう私から言うことはただ一つの言葉だけだ!それはっ!!」
ジャン!!!
言峰「頑張れ、ギルガメッシュ」
ギル「綺礼……」
アサシン「ええ、この先に立ち入ることがいかに無粋か、赤子や暗殺者でもわかることですからね」
言峰「さあ行け!!英雄王よ!愛をつかむのだ!!」
ドゥルルルルルルルルル
セイバー「行きましょうギルガメッシュ!私、あっちの深海魚コーナーも見たいです」フンフン
ギル「ああ!行こう!アルトリア!」
ドゥルルルルルルルルル
時臣「英雄王!どうか最後に慈悲ある一言をっ!!」
ドゥルルルルルルルルル
ジャン!!!!!!!!
ギル「さらばだ、みんな!そしてセイバー!!好きだっ!!!」テッテレー
セイバー「さっき聞きましたよっ!ギルガメッシュ!」カオマッカ
オワリ
和んだ
面白かった
Entry ⇒ 2012.06.02 | Category ⇒ FateSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
まどか「さやかちゃんって、いつもその髪留めしてるよね」
さやか「てやっ!」ザシュッ
魔女「―――」ブゥンッ!
さやか「っと!」ヒラリ
バチンッ
さやか「え?」ワサワサ
さやか「あ、あああぁぁぁ!!あたしの髪留めがあああ!!?」
魔女「―――」
さやか「くそっ、先に魔女を倒してから……っ!」ズバンッ
魔女「!!」ボロボロ…
さやか「結界が崩れる前に回収回収……っと」ヒョイ
まどか「あっ、さやかちゃん!大丈夫だった?」
さやか「うん、あたしは大丈夫。ただ……」
まどか「?」
さやか「あたしの髪留めが……」
ボロッ
まどか「あー……ポッキリ行っちゃてる……」
さやか「くそー……ちょっと油断したなぁ……」
さやか「いや、直す」
まどか「え、直すの!?」
さやか「うん、直す」
まどか「新しいの買った方がいいんじゃないかなぁ……」
さやか「いや、直す!」
まどか「うーん……まぁ、さやかちゃんがそれでいいならなにも言わないけど……」
まどか「さやかちゃんって、いつもその髪留めしてるよね」
さやか「え?うん、まぁね」
まどか「そんなに大事な物なの?」
さやか「うん。すっごい大事な物」
まどか「誰かからの贈り物とか?」
さやか「ま、まぁ、ね」
まどか「わたしと知り合った時には既に持ってたよね」
さやか「あたしの思い出の物だからね」
まどか「ふーん……」
そんなことはいいんだ重要なことじゃない
さやか「んー……」イソイソ
さやか「よ、よし。これでとりあえずは……」パチンッ
さやか「ちょっと形が歪になっちゃったけど……まぁ、いいかな」
さやか「はぁ……ヘコむなぁ……」
さやか「昔っからずーっと大事にしてたのに……」
さやか「……恭介……」
さやか『ありがとー、恭介』
恭介『はい、誕生日プレゼント』
さやか『うわぁ、ありがとう!開けていい?』
恭介『うん、いいよ』
さやか『なんだろう……』ガサガサ
さやか『……髪留め?』
恭介『うん。僕一人で、何がいいかなって決めたんだ』
さやか『あ、ありがとう恭介!』
さやか『う、うん!』パチンッ
さやか『ど、どう……かな?』
恭介『すっごい似合ってるよ!僕の予想通り!いや、それ以上かも!』
さやか『えへへ……あたし、可愛い?』
恭介『可愛い!さやかの髪色に、よく合ってるね!』
さやか『これ、一生大事にするね!』
恭介『あはは、そんなに大事にするような物でもないと思うけどね』
さやか『ううん!恭介からのプレゼントだもん、一生大事にする!』
さやか『将来、誰かと結婚する時もこれ付けていたいなぁ』
恭介『結婚って……どれだけ未来の話をしてるのさ?』
さやか『女の子は、みんなそういう夢を持ってるの!』
恭介『……うーん、将来さやかと結婚する人ってどんな人かなぁ?』
さやか『もうね、心に決めた人はいるんだよ?』
恭介『そうなの!?それじゃあ、言う程遠い未来ってわけでもないんだね。で、誰なの?』
さやか『あはは、教えなーい!』
恭介『えー、いいじゃないか教えてくれたって』
さやか『絶対に教えないもん!あたしたちがもっと大きくなったら、恭介にも教えてあげる!』
恭介『約束だよ、さやか?』
さやか『うん。約束』
さやか「でも、もう、それも無理かな。恭介には……」
さやか「ううん、いいや!考えないようにしないと!」
さやか「……っ、ふわぁぁ〜……そろそろ寝ようっと」カチカチ
さやか「この髪留めもちゃんと外して……っと」パチンッ
さやか「………おやすみ、恭介」
さやか「行ってきまーす!」タッタッタ
さやか「おはよう、まどか、仁美!」
まどか「おはよう、さやかちゃん!」
仁美「おはようございます、さやかさん」
さやか「んじゃ、行こっか!」
まどか「さやかちゃん、髪留め、直したんだね」
さやか「うん、昨日家に帰ってからね」
仁美「髪留めですの?……あら、形が歪んでいますわ」
さやか「あー、昨日、ちょっとあってね」
仁美「それをわざわざ直したんですの?」
さやか「そうだよ」
仁美「新しいのを買えばよろしいのに……」
仁美「?」
さやか「なんて言うか、長年愛用してたものだから愛着が湧いてんのよ」
仁美「そうですの。物を大事にするというのはいいことだと思いますわ」
さやか「あっはは、まぁねー」
まどか(昨日は思い出の物って言ってたのに、仁美ちゃんにはその事は言わないんだ?)ヒソヒソ
さやか(その事は伏せといて、まどか)ヒソヒソ
まどか(う、うん……)ヒソヒソ
さやか「おっ、あそこに見えるは恭介だね」
仁美「……」
まどか「仁美ちゃん?」
仁美「な、なんですの?」
さやか「あー、あたしには気を遣わなくっていいって。恭介んとこ、行ってあげなよ」
仁美「……すみません」タッ
仁美「―――」
恭介「―――」
さやか「はぁ……世話の焼ける二人だこと」
まどか「さやかちゃん……」
さやか「おはよ、ほむら」
まどか「おはよう、ほむらちゃん」
ほむら「おはよう二人とも……あら、さやか?」
さやか「ん、なに?」
ほむら「髪留め……」
さやか「うーん……やっぱり目立つのかなぁ、これ?」
ほむら「あら、気付いてたのね」
さやか「どういう意味?」
ほむら「てっきり歪んでいるのに気付かずに付けているのかと思ったわ」
さやか「失礼なっ!」
さやか「え、うん。覚えてたんだ」
ほむら「一応、ね」
まどか「さやかちゃんの誕生日パーティ、やらないとね!」
さやか「あ、ありがとう二人とも……」
ほむら「わたし達だけじゃないわ。マミも杏子も、すっかりその気よ?」
さやか「本当に?いやぁ、なんか気恥ずかしいですなぁ」
ほむら「当日はマミの家でやるってマミが張り切っていたから、気付いていないフリをしてあげなさいよ?」
さやか「なんでそう言うことばらすかな!それならサプライズの方が嬉しいのに!」
ほむら「あなたを喜ばせるのはわたしのポリシーに反するわ」
さやか「相変わらずですねぇほむらさんは……」
恭介「日曜?ごめん、その日は外せない用事があるんだ」
仁美「そうですの?」
恭介「何かあったかい?」
仁美「いえ、用事があるのならいいんですの」
恭介「ゴメンね、仁美さん」
仁美「ちなみに、どんな用事ですの?」
恭介「ちょっと、ね」
仁美(さやかさんの誕生日に、わたくしには話せない用事……)
仁美(………ちょっと、悔しいですわね)
マミ「みんな、準備は終わった?」
杏子「最終確認だ!」
まどか「お部屋の飾りつけ、よし!」
ほむら「お祝いのケーキ、よし」
マミ「クラッカー、準備OK!」
杏子「うしっ、完璧だな!んじゃ、さやかをお出迎えに行くとするか!」
マミ「美樹さん、家にいるのかしら?ここまで準備しておいて、美樹さんが用事あるなんてことになったら目も当てられないわ」
ほむら「心配することはないと思うわよ、マミ」
マミ「そうかしら?」
ほむら「ええ」(事前に話はつけてあるもの)
杏子「おう!マミとほむらは、留守番な!」
マミ「ええ、わかっているわ。お出迎え、よろしくね」
ほむら「待っている間、暇すぎてクラッカーを全て使いきってしまうかもしれないわね」
まどか「だ、ダメダメほむらちゃん!」
ほむら「ふふ、流石にそれは冗談よ」
杏子「ほら、行くぞまどかー!」
まどか「あっ、待ってよ杏子ちゃーん!」タッタッタ
マミ「うふふ、美樹さん驚くかしら?」
ほむら「きっと驚くわ。反応が楽しみね」(さやかのリアクションが楽しみ、という意味なのだけれど)
杏子「ほれ、さやか」
まどか「今日の主役はさやかちゃんだよ!」
さやか「あはは、なんか照れるなー」
ガチャ
マミ「いらっしゃい、美樹さん!」パァァン!
ほむら「クラッカー、ちゃんと残しておいてあげたわよ」パァァン!
QB「マミの家に来たのは間違いだった……どうして僕までクラッカーを鳴らさなきゃダメなんだ」パァァン!
さやか「おぉう!?クラッカーまで用意してくれたの!?いやーさやかちゃんは幸せものですなー!」
ほむら「……」(ちっ、無難にこなしたか)
マミ「美樹さん、お誕生日おめでとう!」パァァン!
まどか「おめでとう、さやかちゃん!」パァァン!
杏子「おめでとう、さやか!」パァァン!
ほむら「一応わたしも言っておくわ。おめでとう、さやか」パァァン
QB「おめでとう、美樹さやか」パァァン
さやか「ありがとー、みんな!あと、キュゥべえ。こういう時くらい、もう少し嬉しそうに言ってくれてもいいんじゃない?」
QB「そんなことを言われてもね。クラッカーを鳴らすのだって僕にとっては重労働なんだよ?」
さやか「まぁ、体小さいしね……」
さやか「?」
『はっぴーばーすでー美樹さやか』
さやか「………ほむら」
ほむら「なにかしら?」
さやか「バレバレですよこれ」
ほむら「あなたの為にわざわざやってあげたのだから感謝なさい」
さやか「いや、いくらなんでもフルネーム書きにひらがなで『はっぴーばーすでー』って……」
まどか「ほむらちゃんなりの照れ隠しだと思えばいいんだよ、さやかちゃん」
ほむら「ちょっ、まどか!?」
さやか「ほほう?そう考えると、なんだか急に可愛げが出て来たように見えますなぁ?」
ほむら「くっ……」
杏子「素直じゃねぇなぁほむらは」
プルルルル プルルルル ガチャ
恭介「……あっ、もしもし。上条恭介です。はい。さやか、いますか?」
恭介「え、いない?友達の家にお呼ばれして行ってる……ですか」
恭介「はい、はい……わかりました」
恭介「うーん……さやか、忘れてるのかなぁ……」
恭介「携帯に電話、入れてみよう」
ピ ポ パ プルルルル プルルルル……
さやか「うーん、相変わらずマミさんの作ったケーキは美味ですなぁ♪」
マミ「美樹さん、すっかりご機嫌ね」
さやか「あっはは、そりゃお祝いされちゃったらご機嫌になりますよ!」
杏子「チョコは食わねぇのか?」
さやか「ん、これは最後のおたのしみに取っておくのだ!」
ほむら「そんなことせず、ひと思いに食べてしまいなさい」
さやか「ん?んん?恥ずかしいのですかな?これを残しておくのが」ニヤニヤ
ほむら「そっ、そんなわけないでしょう?」
まどか「じゃあ、そのまま残しておいても問題ないよね!」
ほむら「まどかぁ……」
QB(なんだか話しかけにくいな。さやかの電話、鳴っているのだけど)
プルルルル プルルルル……
QB(おや、止まったね)
恭介「女の子同士、楽しくパーティやってるのかな」
恭介「もしそうなら、邪魔しちゃ悪いな。まぁ、何も今日じゃなくってもいいか」
恭介「………誕生日プレゼント、出来るなら今日渡したかったけど……」
恭介「数日くらい、遅れても問題ないか。約束も、その時に一緒にしちゃえばいいし」
恭介「急に暇になっちゃったな。仁美さんのお誘いも断っちゃったし」
恭介「……ヴァイオリンの練習でもしてよう」
………〜〜♪
さやか「それじゃマミさん、ごちそうさまでした!」
マミ「いいのよ、気にしないで。みんな、気をつけて帰ってね?」
まどか「はい!マミさん、また明日!」
杏子「腹減ったらマミんとこお邪魔するわ〜」
マミ「もう、佐倉さんったら……」
バタン
マミ「さて、と……後片付けしなくっちゃ」
QB「誕生会、終わったんだね」
マミ「あら、キュゥべえ。途中でいなくなったと思っていたけれど、どこに行っていたの?」
QB「僕がいちゃお邪魔かな、と思ってね」
マミ「そんなことないのに…」
マミ「携帯?」
QB「さっき、みんなで騒いでいた時に鳴っていたのだけれど」
マミ「そうなの?多分、気付いていないと思うけど……相手の名前、表示されていたわよね?それは見たの?」
QB「確か『上条恭介』と表示されていたはずだね」
マミ「!?」
QB「さやかが契約する時に助けた男の名前だったっけ?」
マミ「ほ、本当に!?なんで教えてあげないのよ、キュゥべえ!」
QB「みんな楽しそうにしていたからね。話しかけにくい雰囲気だったからだよ」
マミ「ああ、大変だわ……美樹さんの恋路がかかっていたのかもしれないと思うと……」オロオロ
QB「大事なのかい?」
マミ「そうに決まっているでしょう!?女の子にとって、とっても大事なの!」
QB「僕にはちょっと理解できないけれど……だとしたら、悪い事をしてしまったかな」
さやか「……ん。着信あり?誰からだろ」ピッ
まどか「誰かから電話あったの?」
さやか「………」ピタッ
まどか「さやかちゃん?」
さやか「……恭介からだ」
まどか「上条くんから?」
さやか(あれ、なんだろう。何か、大事なことを忘れてるような……っ!!)
まどか「さ、さやかちゃん!?」
さやか「大事な用事を思い出したの!」タッタッタッ
まどか「………行っちゃった」
まどか(そう言えばさやかちゃん、毎年誕生日は上条くんのヴァイオリンを聴かせてもらってたんだっけ)
まどか(去年は事故でそれがなかったみたいだけど……一年、間が空いたから、さやかちゃんも忘れてたのかな?)
まどか(…………それだけが理由じゃ、ないのかも)
さやか(なんで、こんな大事なことを……あたしのバカっ!)タッタッタッ
さやか(恭介にはもう恋人がいるとか、そんなこと恭介はなんも考えてなかったんだ!)タッタッタッ
さやか(この髪留めの約束のこと覚えてるかななんて、人の事言えないじゃん!)タッタッタッ
さやか(恭介、家にいるのかな……っ!)タッタッタッ……スタスタ
さやか「……電話、してみようかな」
さやか『ありがと、恭介』
恭介『今年からは、毎年僕のヴァイオリンの演奏を聴かせてあげるよ』
さやか『えっ、いいの!?』
恭介『大切な僕の幼馴染だからね。さやかの為だけの、単独コンサート』
さやか『やった!それじゃ、早速演奏してよ!』
恭介『うん。今日のお客さんは、さやか一人だけ』
〜〜♪
さやか『嬉しいなぁ、なんかあたし、恭介の特別になったみたい』
恭介『……』〜♪
恭介『……はい、おしまい』
さやか『すっごい!なんか、日に日に上達してるね!』
恭介『そりゃあ、毎日のようにヴァイオリンの練習してるからね。上達してなかったら僕が落ち込むよ』
さやか『そっか、それもそうだよね!』
恭介『その髪留め、大事に使ってくれてるんだね』
さやか『えへへ、うん!大事に使わせてもらってます!』
恭介『その髪留めが、僕とさやかの絆の証、だね』
さやか『これがなくっても、あたしと恭介にはしっかりと絆があるもん!』
恭介『あはは、なんか照れるな』
さやか『なに?』
恭介『さやかが心に決めた人の話、まだ聞かせてもらってなかったね』
さやか『え?あ、あぁ……覚えてたんだ』
恭介『僕の方から言い出したことだもん、忘れるわけないよ』
さやか『ふんふん。それじゃ、あたしと恭介が中学に上がった時の最初の単独コンサートの時に、恭介がまだ覚えてたら教えてあげる!』
恭介『よし、わかった。それまで、絶対に僕は覚えてるからね?』
さやか『ちゃんと恭介が覚えてるかどうか確認出来ないから、恭介の方から聞いて来ること!』
恭介『その心配は無いよ。僕が、忘れるわけはないからね』
さやか『……期待して、待ってるから』
さやか「恭介が、忘れるわけ、ないって言ってたんだ」
さやか「なのに、あたしの方がそれを忘れてて……」
さやか「………恭介……」
プルルルル プルルルル
さやか「!」
プルルルル プルルルル
さやか「恭介から……」
プルルルル プルルルル ピッ
さやか「も、もしもし……?」
恭介『あっ、さやか?やっと繋がった』
恭介『話は、直接会ってしよう?さやか、今どこにいるの?』
さやか「……公園前」
恭介『それじゃ、今から僕の家まで来れる?何か用事、あるかな』
さやか「う、ううんっ!あたしも、ちょうど恭介の家に行こうって思ってたところ」
恭介『そうなの?それじゃ、家の前で待ってるよ』
さやか「うん……すぐ、行くから」
恭介『了解。それじゃね』ガチャ
さやか「………」
さやか(恭介……あたしは………)
恭介「………」
さやか(深呼吸、深呼吸……)スー ハー スー ハー
さやか(よ、よしっ!)タッ
さやか「お、お待たせ恭介」
恭介「ん、いらっしゃいさやか」
恭介の部屋―――
恭介「まずは、っと……」コトッ
さやか「……」
恭介「誕生日、おめでとう、さやか」
さやか「あ、ありがとう恭介」
さやか「う、うん、覚えてるよ」
恭介「よかった。僕一人だけ覚えてたらどうしようって思ってたけど、いらない心配だったみたいだね」
さやか「あ、あははっ…」(さっき思いだしたとは言わないでおこう)
恭介「とりあえずは、去年出来なかった単独コンサートから、だね」
さやか「うん……」
恭介「………」…〜〜♪
さやか(相変わらず、上手だなぁ…長いブランクを感じさせないし。やっぱり、才能、なのかな)
恭介「………」〜〜〜♪
さやか(楽しそうに演奏してる……うん、よかった。またこうやって、恭介の演奏が聴けて……)
恭介「……ん、おしまい」
さやか「うん、よかったよ」パチパチ
恭介「ありがとう、さやか」
さやか「これなら、世界にも通用しそうだよね!」
恭介「あはは、まだまだだよ、僕の演奏は。……でも、いずれは、そうだね。僕の演奏を、世界中の人に聴いてもらいたいかな」
さやか「うん……」
恭介「……さやか」
さやか「な、何?」
恭介「未だに、その髪留め、使ってくれてるんだね」
さやか「そりゃあ、もう。あたしと恭介の……」
恭介「『絆の証』……だよね?」
さやか「っ…」コク
さやか「え?」
恭介「僕なりに、色々と考えたんだよ。去年の埋め合わせ、ってわけじゃないけどさ」コトッ
さやか「……これ、は……?」
恭介「誕生日プレゼント。開けてみてよ」
さやか「……っ」シュルル
さやか「……!こ、これ……」
恭介「その髪留め、ちょっと歪んでるよね?それに気付いたから、新しいのを買ったんだ」
さやか「デザインが、似てる……」
恭介「似てる奴探すの、苦労したんだよ?」
さやか「気付いてたんだ、この髪留めの事……」
恭介「当然だろ?僕がプレゼントした物なんだしさ」
さやか「……」パチンッ
パチッ パチッ
さやか「どう、かな?」
恭介「うん、大丈夫!似合ってるよ、さやか」
さやか「………っ」
恭介「……さやか?」
さやか「ダメ、だよ恭介……」
恭介「え……?」
さやか「恭介には…………が、いるんだから」
恭介「……?」
恭介「仁美さん?」
さやか「いくらあたしが幼馴染だからって……これは、その……」
恭介「…………なんか、すごい思い違いしてない?さやか」
さやか「え……?」
恭介「僕と仁美さんが、付き合ってるって思ってるでしょ?」
さやか「そうじゃ、ないの?」
恭介「うーん……仁美さんに黙ってこんなこと言っていいものかわからないんだけどさ……」
恭介「僕と仁美さん、付き合ってるわけじゃないよ?」
さやか「……え、え?」
さやか「ちょ、ちょっ!ストップストップ!」
恭介「……」
さやか「え?なんで?だって、いっつも二人で歩いてるし、いつの間にか二人とも下の名前で呼び合ってるじゃん!」
恭介「いや、あの……」
さやか「それなのに付き合ってないっての?」
恭介「まぁ、一応、そういうこと、に、なる、の、かなぁ?」
さやか「詳しく話せ!あたしが納得するまでっ!!」
恭介「わかった、わかったから落ち着いて!ちゃんと全部話すからっ!」
さやか「最初から、詳細にっ!」
恭介「なっ、なんでそんなに気にするんだよさやかはっ!?」
さやか「あたしと恭介は幼馴染でしょ!?なら、あたしは詳しく聞く権利があるっ!!」
恭介「いやいや、それは理屈になってないっ!」
さやか「この髪留めは、あたしと恭介の絆の証なんでしょ!?隠し事は無しっ!!」
恭介「っ……はぁ、わかったよ。確かに、仁美さんには告白された」
恭介「でも、今の僕はヴァイオリンに忙しいんだよ」
恭介「だから、付き合うとか、そういうのは無理だ、って断ったんだ」
恭介「その後、仁美さんは、お付き合いを前提に親密に接しますって言ってきて、さ……」
恭介「それまで断る理由はないし、友達なら、まぁ、いいかなって思ってさ」
恭介「今日も、仁美さんに誘いを受けたんだけどさ、断ったんだ」
恭介「毎年さやかの誕生日には、こうして僕のヴァイオリンを聴かせてただろ?」
恭介「去年はそれが出来なかったから、今年こそは、って思ってね」
さやか「なんで、仁美の誘いを断ったのさ?」
恭介「……いくら幼馴染の為とは言え、もし付き合ってたのなら僕だってそっちを優先させてるさ」
恭介「でも、僕たちは付き合ってない。だから、幼馴染であるさやかとの約束を優先させた」
恭介「……これで、納得、出来ない?」
さやか「恭介……」
恭介「って、これだとなんか僕が嫌な男みたいだね。でも、さやかとの約束を優先させたかった」
ちょっとわろた
恭介「さて、と。それじゃ次は、さやかの番だ」
さやか「えっ?」
恭介「ホラ、この髪留めをプレゼントした時の約束」
さやか「………っ!!」
恭介「ホントなら去年だったんだろうけど、去年はこうしてお祝い出来なかったからね。今年に持ち越しになっちゃったけど」
恭介「さやかの心に決めた人、教えてよ?」
さやか「え、ええといやそれはホラあの……」アタフタ
恭介「ホラ、この髪留めは、僕とさやかの絆の証だろ?隠し事は無し、だ」
さやか「か、カウンターですか……」
さやか「………」
恭介「まぁ、こうして二人とも覚えてたんだしさ。僕だって、流石にそこまで鈍くは無いし」
さやか「恭介……」
恭介「ただ、僕の方からは絶対に言わない。自惚れになるだろうから、ね」
さやか「っ……」
恭介「さやかの口から、聞きたい」
さやか「………け」
恭介「え?」
さやか「あ、あたしの心に決めた人ってのは、その、か、上条……け……です」カァァァァ
さやか「〜〜〜……もうっ!!そ、そんな、わかりきったこと、いちいち聞いてこないでよ恥ずかしい!」
恭介「ちょっ、え、なんで!?」
さやか「何さ!あんたは、あたしを恥ずかしがらせたいの!?」
恭介「いやいや、だって僕の口から言ったら絶対自惚れになるだろ!?」
さやか「天才ヴァイオリニストなら、自惚れのひとつやふたつ、どうってことない!!」
恭介「それはおかしいだろ!?絶対僕の方からは言わないからねっ!」
さやか「ひ、卑怯モノー!!」
恭介「第一、教えてくれるって約束したのはさやかの方じゃないか!!」
ワーワー ギャーギャー
恭介「や、病み上がりにさやかとの言い合いはキツイっ……」
さやか「じ、自業自得!女の子から、そういうことは言わせないでよもうっ……」
恭介「あーもう……仕方ないな。自惚れだろうとなんだろうと知ったことか。言うよ、言うからね!?」
さやか「………っ、す、ストップ!」
恭介「なんだよ、結局止めるんじゃないか!」
さやか「こ、心の準備を……っ!」スー ハー スー ハー
さやか「よ、よしっ!オッケー!ドンと来いっ!」
恭介「あ、ゴメン。今度は僕の方の心の準備が」
さやか「ちょっ……はぁ……もういいよ……」
恭介「問答無用なの!?ちょっ、待っ……」
さやか「上条恭介、って言う、天才ヴァイオリニストだよ」
恭介「おぉう……」
さやか「……こ、これで満足?」
恭介「胸がいっぱいです」
さやか「……なんか恭介、この状況楽しんでない?」
恭介「正直楽しんでました」
さやか「もうっ……あたしがどんだけ頭を悩ませたと思ってんのさ……」
恭介「だってさやか、からかいがいがあるんだもん」
さやか「普段からかわれるのはいいけど、こう言う時くらいはシリアスになってよ……」
恭介「あはは、ゴメンゴメン」
さやか「いつから気付いてたの?」
恭介「うーん……確信が持てたのは、さやかも約束をしっかりと覚えてたって所辺りからかな」
さやか「ついさっきじゃん……」
恭介「そりゃあ、ね。考えてみれば、だいぶ昔に貰った髪留めを未だに大事にしてるなんて、普通に考えたらありえないな、って思ったし」
恭介「それに気付いたら、なんか、妙に気恥ずかしくなってさ」
恭介「それで、こういう感じになってしまいました、と」
さやか「他人事みたいに言って……で?」
恭介「はい?」
さやか「はい?じゃないよ。人に告白させといて、返事も無しなの?」
恭介「!?」
恭介「え?それ、今更答えなきゃダメ?」
さやか「自惚れになるからちゃんと返事聞かなきゃあたしも納得出来ませーん」
恭介「くっ、意趣返しのつもりかい……?」
さやか「ま、さっきの恭介の言ってた通りなら、返事はわかりきってるけどね」
恭介「え?」
さやか「『今の僕は、ヴァイオリンに忙しい』……だったっけ?」
恭介「………」
さやか「だから、あたしのこの気持ちも恭介には届かないわけで」
恭介「参ったな……」
恭介「………」
さやか「『これからは今まで以上に、距離を縮めるからね』……と」
恭介「さやかは、それでいいのかい……?」
さやか「何言ってんのさ。仁美にだって、そういう風にさせたわけだし。仁美とは付き合うの無理で、あたしとはオッケーなわけ?」
恭介「まぁ、理屈で言ったらそうなるんだけどさ……」
さやか「もし、ヴァイオリン以外のことを考える余裕が出来たらさ。その時、また、あたしは恭介にアタックするよ」
さやか「それまでは、あたしと恭介は、幼馴染」
さやか「そういうこと」
恭介「わかった。一人前になるまで、さやかにも、仁美さんにも、待ってもらうことにする」
さやか「あたしも仁美も、心変わりするかもしれないからね?頑張って、恭介」
恭介「……こう言う時は、なんて言ったらいいのかな?」
さやか「そりゃ、乙女を待たせるわけだし。『ゴメンね』、じゃない?」
恭介「………ゴメン」
さやか「ん!それだけ聞ければオッケー!」
恭介「え?」
さやか「ほら、今日貰った新しい髪留めがあるしさ。これを恭介の側に置いておけば、必要以上に頑張れるんじゃない?」
恭介「はは、ホントに参ったな……さやかには完敗だ」
さやか「今まで、仁美にはずいぶんとハンデを与えちゃったみたいだし。これくらいは、させてもらわないとね」
恭介「うん。大事に、預からせてもらいます」
さやか「ん!この新しい髪留め、大事に使うから」
恭介「そうしてくれると、僕も嬉しいかな」
さやか「でいっ!」ブゥンッ!
ズバァァ!
魔女「……」ヒュッ
さやか「おっとっ!!」ヒョイ
さやか「っ……」クシャ
さやか(よかった、無事だ)
さやか「よくもあたしの大事な髪留めを狙ったな、この魔女め!!」チャキッ
ズバァァァァァン!!
魔女「っ!!」ボロボロ…
まどか「お疲れ様、さやかちゃん!」
さやか「にしても、なんでこう…誰も助けに来ないんですかねぇ?」
まどか「あはは、仕方ないよ。みんな、それぞれパトロールしてるんだし」
さやか「この新しい髪留めだけは絶対に死守せねば……!」
まどか「そう言えば、いつの間にか新しいのに変わってるね。結局、変えちゃったんだ?」
さやか「ん、まぁね」
まどか「前に付けてたのはどうしたの?」
さやか「ん?それはね……」
さやか「未来の為に、とある場所に置いて来たのだ!」
終わり
後悔はしていない
数年後―――
「えー本日は、今や世界的に有名となった天才ヴァイオリニスト、上条恭介氏に来ていただいております」
「前回のコンサートも、大盛況でしたね」
恭介「ありがとうございます」
「今のお気持ちを、誰に伝えたいですか?」
恭介「そうですね……僕の大切な幼馴染に伝えたいですね」
「幼馴染ですか?恋人かなにか、ですか?」
恭介「はは……まだ、恋人ではないですけどね。でも、いつかは、結ばれたいと思っています」
ほむら「ほらさやか、あなたの想い人の晴れ姿よ?」
さやか「うっさい!恥ずかしくって直視なんて出来るか!!」
ホントに終わり
良い終わり方だった!
Entry ⇒ 2012.06.02 | Category ⇒ まどかマギカSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
恒一「見崎と赤沢さんは水と油」
見崎「そして、相いれない存在ってこと?」
恒一「あっ……いや、そこまで言うつもりは……」
赤沢「そう?まあ、あながち間違っているとは思わないけど。私、見崎さんのこと好きではないし」
見崎「私も赤沢さんには苦手意識がある」
恒一「……」
赤沢「……ちなみにこの場合、どっちが水でどっちが油なの?」
恒一「えっ?(そこまで考えてなかったけど…)…しいて言うなら見崎が水で赤沢さんが油かな」
赤沢「コラァ〜!勝手に恒一君の発言を捏造するな!」
見崎「これは失礼。ギトギト赤沢さん」
赤沢「ヘンなあだ名で呼ぶな!」
恒一「あ、いやこれは比喩で……」
赤沢「わかっているわ、恒一君。見崎さんがヘンなことを言うから諌めただけよ」
見崎「榊原君、本当に比喩と言い切れる?赤沢さんのこの体を見ても?」
恒一「えっ?それはどういう……」
見崎「榊原君って本当に鈍いのね。ほらこれよ、これ」モミモミ 恒一「!」
赤沢「!……見崎さん…やめて……わ、私の胸を……」
赤沢「人の胸を脂身とか言うのはやめなさい!」
赤沢「…こ、恒一君も見てないで見崎さんを止めてよ……」
恒一「え?……あ、うん、見崎も人の胸で遊ぶのはやめなよ」
見崎「は〜い」パッ
赤沢「…た…助かった……」ゼェゼェ
見崎「…でもこれでわかったでしょ?比喩ではないってことが」
恒一(赤沢さんの手前、これを肯定していいものか……)
赤沢「そ、そういうあなたはどうなのよ!こ、この……ビショビショ見崎め」
見崎「ビショビショ、か……まあ…私、雨に濡れるのは嫌いじゃないから」
恒一「そういえば僕が転校してまもなくの頃、雨の日なのに傘もささずに帰る見崎を見たなあ」
見崎「そういうことだから、私のことは自由に呼べばいいわ。ビショビショでもビシャビシャでも」
赤沢(何故か私が負けてるような感じだわ……)
赤沢「あ、雨の日が好きだなんて変わってるのね」
見崎「そう?…まあ、赤沢さんはいかにも晴れの日が好きそうな感じだけど」
恒一「確かにそういうイメージだね。実際はどうなの?」
赤沢「もちろん晴れの日のほうが好きよ。焼けることを除けば、日の光は嫌いじゃないわ」
恒一「そうなると、見崎と赤沢さんは雨と晴って感じかな」
恒一「その肌の色を見てもいかにもそんな感じだね」
見崎「赤沢さんが光なら、私は陰といったところかしらね」
赤沢「あら?そんなに自分を卑下することはないと思うけど」
見崎「自分を陰に喩えたとしても、それが卑下だとは思わないわ。だって…」
恒一&赤沢「?」
見崎「私が陰なら、私にとっての光は榊原君だから」
恒一&赤沢「!」
恒一「あ…ありがとう。でも、やっぱり自分を陰に喩えることはないと思うよ」
恒一「自分にとっての光っていうのは……その……お互い様なところもあるし」
赤沢(こっちはこっちでのろけて…………)
見崎「それはどういたしまして……じゃあ何だったらいい?」
恒一「そうだなあ……赤沢さんを光に喩えたから……光……晴れ……太陽か」
赤沢「じゃあ見崎さんは月ね。自分で光ることのできない哀れな星」
見崎「私、太陽より月のほうが好きだからそれでいいわ。赤沢さんに照らされなくても……」
見崎「というよりそもそも光る必要性を感じないし」
赤沢「ぐぬぬ……」
赤沢「見崎さん、地球ってどうやってできたのか知ってるわよね?」
見崎「もちろん知っているわ。でも、これはあくまでたとえ話だから」
見崎「あなたまさか自分が榊原君と見崎鳴を産んだとでも言いたいの?」
恒一「そ……それはちょっと自意識過剰かも」
赤沢「あ〜〜もう!二人して意地悪しないでよ。本来の話に戻しましょう」
見崎「もともとこれって雑談じゃなかったの?」
恒一「…まあ、一応見崎と赤沢さんの違いについての話、だったよね」
赤沢「恒一君の好きなようにしてもらって構わないわ」
見崎「私もよ」
恒一「もしかしたら意外な共通項もあるかもしれないしね」
恒一「とはいえ、最初は答えの予想がつきやすい質問をするけど」
恒一「好きな科目は?」
赤沢「国語よ」
見崎「…美術」
恒一「ああ、やっぱり」
赤沢「どういうこと?」
見崎「どういうことって言われても、国語でよくある『この時の主人公の気持ちを述べなさい』とか」
見崎「『作者の考えをまとめなさい』とかそういう問題が得意そうだから」
赤沢「そうね。そういう問題って素直に考えれば解けるものなんじゃないの?」
見崎「ふぅん。私は好きじゃないわ、そういう問題。曖昧さを残しておきながら正解は一つとか」
恒一「とはいえ、よほどの悪問でなければちゃんと絞れるようにはなってるんだけどね」
見崎「そうなの?じゃあ今度榊原君に問題を解くコツでも教えてもらおうかしら」
恒一「いいよ」
赤沢「わ、私には何か教えてくれないの?」
見崎「今、国語は得意って言ったじゃない」
恒一「赤沢さんは数学は好きじゃないの?」
赤沢「国語と比較すればの話ね。なんか無味乾燥としてて」
見崎「そうね。だから逆に無味乾燥とした試験とむしろ相性がいいから、私はまだマシだと思う」
赤沢「あ〜、それは一理あるかもしれないわね」
赤沢「でも、私も試験はあまり好きじゃないからやっぱりドライな感じのする教科は……」
恒一「なるほどね。じゃあ試験とかはあまりない美術とかは?」
赤沢「私、絵を描くのは得意ではないから……」
恒一「僕も美術は好きでも、あまり上手い方ではないんだよね」
恒一「本当?見崎がそう言ってくれるなら是非そうしたいな」
赤沢「あ、あの……私は……」
見崎「あら、赤沢さんは私に絵の描き方を教えてほしいのかしら」
赤沢「別にそういうわけじゃ…(…これ以上この二人が一緒に過ごす時間が増えるのは……)」
恒一「…赤沢さんもいれてあげたら?見崎は絵が上手なんだし」
見崎「榊原君がそう言うなら仕方ないか」
赤沢「よしっ」
見崎「しかし、無味乾燥としてないはずの美術が苦手というのはどうして?」
赤沢「私は何であれ、できることなら上手くやりたいのよ」
恒一「……どうも赤沢さんは完璧主義者の気があるみたいだね」
赤沢「そういうやり方は私が許さないわ」
見崎「まあ自分のポリシーに留めておくだけならいいけど……」
赤沢「だいたいそういう見崎さんは、学校というものに対する態度が適当すぎるんじゃないの?」
恒一(あ〜、そういう話の流れになるのか……)
見崎「いいじゃない、適当って。適当って褒め言葉よ」
赤沢「ま、まあ確かに良い意味でも使う言葉だけど」
見崎「それに『いない者』だったんだから、私がいないほうがクラスの人には迷惑にならないと思ったまでよ」
恒一「まあ、そうだね。それに『いない者』が僕と見崎になった後は……」
赤沢「その言い方は気になるわ。ハッキリ言ってよ恒一君」
見崎「私も榊原君が自分のことについて何か言うなら、ちょっと気になるかも」
恒一「……後で言うから、今は二人とも待っててほしい」
赤沢「わかったわ」
見崎「…そう」
恒一「じゃあ次の質問。好きな飲み物は何?」
見崎「紅茶」
赤沢「コーヒー」
恒一「ですよねー」
赤沢「負けって何よ!?」
見崎「恒一君と好みが合わないということに」
赤沢「そ……それは……あっ…でもこの前勧めたコーヒーは美味しかったでしょ?」
恒一「ハワイコナのエクストラファンシーだっけ?確かにあれはコーヒーが苦手な僕でも飲めたよ」
赤沢「そういうことよ」
赤沢「私は、たとえ苦手なものであっても最高の物を提供することによってそれを無きものにできるわ」
見崎「むむむ…」
赤沢「だいたいあなた、紅茶が好きとか言ってたけど普段飲んでるのは缶紅茶じゃない?それでよく紅茶が好きとかいえるわね」
見崎「むぅ……か、缶紅茶も立派な紅茶の一種よ」
見崎「その心配はいらないわ」
赤沢「どうして?」
恒一「あ、それは僕も気になるかな」
見崎「誰かさんと違って、頭使ってるから糖分補給をするのは問題ないわ」
赤沢「何〜!?まるで私が頭使ってないみたいじゃない!そ、そりゃあ対策に関して言えばその…」
見崎「無能のそしりを受けても仕方ない、だっけ?」
赤沢「わざわざあんたが言うな!」
恒一「確かに対策係としては赤沢さんはちょっと……」
赤沢「恒一君まで私に追い打ちを……」シクシク
赤沢「そ、そうよ!あなたが藤岡未咲さんのことを話してたら、『ある年』だってすぐ分かったのに!」
見崎「その話と、榊原君に最初に事情を知らせなかったのとは別問題だと思うけど」
恒一「病院にいた時に教えてくれれば、僕がこんなに動き回らなかったというなら確かにそうだね」
赤沢「恒一君……」
恒一「でもね、まあ……怪我の功名だけど、結果的にそうなって赤沢さんには感謝してるよ」
赤沢「え?何故?」
見崎「確かにそういう見方もできるわね。ありがとう赤沢さん、私たちを『いない者』にしてくれて」
赤沢(何……この敗北感は……)
赤沢「そ、そういうことならもっと私に感謝しなさい!」
見崎「この度はまことにありがとうございます、赤沢泉美様」ペコリ
赤沢「慇懃無礼って言葉、知ってるわよね?頭を使っているとのたまう見崎さん?」
見崎「もちろん知っているわ。だから今、こうしているんじゃない」ニヤリ
赤沢「わ、私をどこまで怒らせたら気が済むんだ〜!!」キーッ
恒一「ま、まあまあ赤沢さん落ち着いて。今度また一緒にコーヒーでも飲みに行こうよ」
見崎「好きじゃないわ」
赤沢「恒一君……またあのコーヒーをご馳走してあげるからね」
恒一「え?う、うん……」
見崎(おや?この反応はもしかして……)
見崎「榊原君……この前は本当に赤沢さんにコーヒーご馳走してもらったの?」
赤沢 ギクッ
恒一「お金は僕が出したよ。まあ美味しかったからいいけどさ」
見崎「何それ…人にお金まで払わせて自分の好みを押しつけてるだけじゃない」
赤沢「そ、それは……」
恒一「まあ、そうだね。見崎は他人は他人、自分は自分って感じだからね」
見崎「赤沢さん……こう言っちゃなんだけど、そういうところが榊原君と合わないところだと思う」
赤沢「あなたに訊くのは癪だけど……教えてほしいです」
見崎「赤沢さんは無意識的に自分と他人は同じだって思っている」
見崎「それで、もし仮に違う場合は基本的に自分の方が正しいと思っている」
見崎「だから好みを押しつけてしまったりする」
見崎「…とは言っても、大多数の人は自分と他人を基本的には同じだと考えてると思うから、群れるのにはそっちが有利だけど」
赤沢「なるほど……」
恒一「赤沢さんはクラスの中心的な人物だもんね」
赤沢「見崎さん……あなた恒一君が多数派の人間じゃないって言いたいの?」
見崎「もちろんそう。というか榊原君は常識はあるけど、相当な変人よ」
恒一「変人って……」
赤沢「意外だわ。見崎さんが恒一君のことをそんな風に言うだなんて……」
恒一(ん〜?)
見崎「赤沢さんならやっぱりそういうと思った。そもそもそこからして認識に違いがある」
赤沢「どういうこと?」
押しの強い赤沢さんとちょっと頼りない恒一というのもなかなか。
見崎「それは言いかえれば、他人と同じであることを重視する、価値があると判断するっていうこと」
見崎「だから、私が榊原君のことを変人だと言ったらネガティブな意味に赤沢さんは捉えた」
見崎「でも……そうね、榊原君は…どう思った?私に変人だと言われて」
恒一「え?ああ……嬉しいってことはなかったけど、悪い気もしなかったよ」
赤沢「そうなの?」
恒一「うん……」
見崎「そういうこと」
見崎「だからね……そもそも自分と他人が基本的に同じか違うかって認識が赤沢さんと榊原君では違うのよ」
赤沢「見崎さんはああ言ってるけど……恒一君はそれに同意するの?」
恒一「見崎の言ってることは概ね合っていると思うよ」
赤沢「そうなの……ふ〜ん……つまり見崎さんと恒一君は似ているって言いたいのね?」
見崎「自分と他人に対する認識については、ね」
赤沢「そっか……何だかそういう言い方をされると興味がわいてきたわ」
恒一「何に?」
赤沢「恒一君と似てるっていう見崎さんについて」
見崎「!」
赤沢「そういうわけで、あなたのこと色々私に教えなさい!見崎さん」
見崎「嫌」
赤沢 ガーン
恒一(やっぱりそうなるよね……)
赤沢「ど、どうして?私はあなたへの好意の印として色々知りたいって言っているのに」
見崎「別に好意っていうのを理解してないわけじゃない……」
赤沢「じゃあどうして?それとも、私のこと先に色々言ったほうがいいか。言いだしっぺだし」
恒一「そういう問題じゃあないと思うよ、赤沢さん」
赤沢「じゃあどういう問題?」
恒一「会って間もない頃、見崎に『質問攻めは嫌い』って言われちゃったんだよ」
赤沢「!…え?…恒一君が……見崎さんに?…信じられないわ……」
見崎「まあ、あの時は榊原君が質問攻めになるのも無理はないと思ったけど」
赤沢「え……それで……何故見崎さんは自分のことを話すのが嫌なの?」
赤沢「普通は仲良くしたいならするでしょ?そういうことを」
恒一「それはそうなんだけど……見崎は他の人に比べるとそのスピードが遅いんだよ」
見崎「…そうね。それは否定しない」
恒一「それと理由はもう一つあるよね、たぶん」
見崎「!……」
赤沢「どういうこと?」
恒一「話すだけじゃなくて、自分のことを意図せず知られてしまって……というパターンもあるのかな」
見崎「私、榊原君にそんなこと話してないのに……よく分かるのね」
恒一「去年、そういうことを考える機会がたまたまあったからかな?」
見崎「去年……ああ……なるほどね……」
赤沢「……話がよく理解できないわ。わかりやすく説明してもらえる?」
見崎「ここからは私が説明する。そのほうが確実だし、私のことを知りたいっていう赤沢さんの希望にも合致するわ」
見崎「赤沢さんは私のことを知りたいんでしょう?」
赤沢「ええ、そうよ」
恒一「いいの見崎?本当に……」
見崎「まあ、今の赤沢さんなら理解してくれるでしょう」
赤沢「もったいぶらずに早く教えなさい」
赤沢「あ……でも、その前に今恒一君の言った『去年そういうことを考える機会が…』という意味を知りたい」
恒一「……大した話じゃないよ。ただ名前のことで去年ちょっと嫌な目に遭ったっていうだけの話」
赤沢「あ……ごめんなさい」
恒一「いいよ別に。もう終わった話だからね」
見崎「簡単に言うとね……他人に攻撃されないためよ。私が自分のことを話さないのは」
赤沢「???……むしろ、それをしないほうが攻撃の対象になるんじゃない?」
見崎「まあ、そういうこともあるか。でもね、それならそれで話さないほうがまだマシなのよ」
見崎「知られたくないことを知られるよりは」
赤沢「見崎さん、あなた……そんなに他人に知られたくないことがあるの?」
赤沢「な、何かやましいことでもしてるの?」
見崎「別にしてないわ」
赤沢「じゃあどうして?」
見崎「あなたは……たまたま環境に恵まれてたから分からないんでしょうけど……」
見崎「私の場合だったら、この眼帯の下のこととか家庭のこととかね」
赤沢「見崎さんは……以前にそういうことを知られて……嫌な目に遭ったのね」
見崎「そうよ」
赤沢「それで、そういう目に遭いたくないから……自分のことは話さない、と?」
見崎「そう」
赤沢「…でも、それって人間不信とも言えるんじゃない?」
見崎「…そうかもね」
赤沢「見崎さん……あなたは本当に……それでいいの?」
見崎「別に自分のことを人に晒す願望はそんなに強くないし……無用な攻撃を受けるよりはいいわ」
赤沢「そんな……」
恒一「!」
赤沢(またしてもそういうオチか〜〜〜)
赤沢「なんか……ごめんなさい。急にそんな踏み込んだことを訊いて」
見崎「構わないわ。赤沢さんはそういう人間だって私はわかっているから」
赤沢「それ褒めてるの?」
見崎「別に褒めても貶してもいないわ。ありのままを口にしただけ」
見崎「…というわけで赤沢さん、少しは私のことをあなたに教えたわ」
赤沢「え?今さっきそれを拒否されたような気がするのだけれど」
見崎 ハァー
恒一「え?まあ、ね」
赤沢「じゃあ教えて」
恒一「そうだね……見崎は自分のことについて他人に話したがらない性格だってことをさっき言ったんだよ」
赤沢「なんだか煙に巻かれたような気分だわ。そういう回答を用意する時点であなたも相当ひねくれてるわね、見崎さん」
見崎「そうかもしれない」
恒一「見崎はちょっと卑屈なところがあるよね、赤沢さんは堂々って感じだけど」
見崎「そうね。恒一君に褒められてるわよ、ドードー赤沢さん」
赤沢「いちいちヘンなあだ名にするな!」
赤沢「……これは素直に喜んでもいいものなのかしら」
赤沢「あなたがそういうことを言うとは意外だわ」
見崎「そう?別に私、あなたを褒める意図で言っているわけではないから」
赤沢「そういうことを言うあたり、本当に素直じゃないのね見崎さんは」
恒一「まあ、見崎は口ではそうかもしれないけど……」
赤沢&見崎「?」
恒一「行動を見てると、感情の一端が垣間見れて結構面白いというか可愛らしいというか」
赤沢「そうなの?少なくとも私に対しては何もアクションを起こされてないから分からなかったわ」
見崎「確かにそうね。私から赤沢さんに対して何かした覚えは一度もないわ」
赤沢「なんかその言い方、ハッキリ嫌いといわれるより傷つくかも……」
赤沢「そんなものなのかしら」
見崎「それで、どんな行動に感情の一端が垣間見れるって?」
恒一「本人に自覚がないとなると言いづらいな。僕が自意識過剰みたいに思われても嫌だし」
見崎「お願い。言ってほしい」
赤沢「私もそれは気になるかもしれないわ」
恒一「まあ、例えば携帯が嫌いといったくせに僕に番号のメモを渡したり、とかね」
赤沢「あら、そうなの?見崎さんも案外やるわね」
恒一「う〜ん……まあ、それもそうか」
赤沢「他には何かないの?」
恒一「…まあ、見崎は時々言葉というより行動や仕草で『誘う』よね」
赤沢「『誘う』ってどういう意味?」
恒一「興味をそそられることをする」
赤沢「例えば?」
恒一「学校ではじめてあった時に『私にはちかづかないほうがいい』と言ったり…」
見崎「…それは単なる事実じゃない」
見崎「それは……」
赤沢「あなた、そんなこと言ってたの?『いないもの』のくせに、呆れるわね」
見崎「……」
赤沢「どうせ他にも何か恒一君の興味を惹くようなこと、やってたんでしょ?この際だから白状しちゃいなさい!」
見崎「そんなこと言われても……」
恒一「はじめて見崎の家……その時は人形館が家だとは知らなかったけど……」
恒一「そこで会ったときには唐突にこう言われたよ」
赤沢「何何?」
赤沢「あら、見崎さん…………大胆」
見崎「ちょっと……榊原君も誤解を招くような言い方しないでよ……私が言ったのは眼帯の下のことで」
赤沢「ふぅん?でも何でそんな話になるのかしら?」
見崎「それは……前に病院で会った時に……眼帯のこと気にしてたみたいだから……それで……」
赤沢「あなたさっき自分のことはあまり人には言いたくないなんて言ってたけど……案外そうでもないのね」
赤沢「見崎さんも……実はその時から……好きだったんじゃない?恒一君のこと」
見崎「……そう言われると……否定できないかも……」カァァ
赤沢「見崎さん、学校は適当でいいとか言っていたのに……」
見崎「え、あ……いやそれは……榊原君が学校で喋る相手がいないと退屈するかもと思って……」
赤沢「へぇ〜」ニヤニヤ
見崎「何よ、その笑みは」
赤沢「あなたさっき自分と榊原君は似ているって言ったわよね?」
見崎「そう」
赤沢「それで見崎さん、あなたは一人でいるほうが好き…よね?」
見崎「まあそれは……そうね」
赤沢「だったら……その自分と似ている榊原君が一人でいたい、とは思わなかったの?」
見崎「!」
見崎「…………私だって…………」
見崎「人と話をすること自体が嫌いなわけじゃない……」
見崎「それに…………いえ、今さら否定することもないのかな、赤沢さんにここまで言われて…」
見崎「ええ、そうよ。本当はたぶんあなたの言うように私が求めていたんだと思う、話し相手を」
恒一「見崎……」
見崎「ごめんなさいね、赤沢さん。さっきはあんな言い方をして」
赤沢「えっ?」
見崎「本当は……嬉しかったんだと思う。榊原君と二人で『いないもの』になれて」
見崎「だから改めてお礼を言うわ。ありがとう、赤沢さん」
恒一「あなたって……何?」
赤沢「いえ、これを言うと負けた気がするから言わないわ」
見崎「今更何の負けを気にするのかしら」
赤沢「何〜!……やっぱり言うのやめたわ、ちょっと可愛いところもあるのかと思ったけど」
恒一「もう思いっきり口に出してるよ……」
見崎「赤沢さんは表情がコロコロ変わるから面白い」
赤沢「誰が変えさせてるんだ!」
見崎「……そしてそこが可愛い」
恒一&赤沢「!」
赤沢「そうね。何か心境の変化でも…」
見崎「あなたとは常にそれっきりの関係でいたいだけ」
赤沢「つまり、貸し借りや嫌なのね」
見崎「あなたもそうなんじゃない?少なくとも私との関係については」
赤沢「それはそうかもしれないわね」
赤沢「恒一君にだったらいくら尽くしてもいいと思うけど、見崎さんに対してそういうことは思わない」
恒一「……改めてそんなことを言われるとなんか恥ずかしいな……」
恒一「なんというか……ごめんね、赤沢さん。僕からは何もしてあげられなくて」
赤沢「いいのよ。私が一方的に好きなだけだから」
赤沢「じゃあ……今度、勉強教えてくれる?」
恒一「それくらいならいつでもいいよ」
見崎「…赤沢さんって成績は良い方じゃなかった?」
赤沢「そうよ。あなたとは違ってね」
見崎「そうね。私も私の家族も学校の成績には無関心だから」
恒一「……でも、これ以上の成績が何か必要な理由でもあるの?」
赤沢「それはまあ……親が決めた進学先の高校に私は行きたくないから……」
恒一「なるほど、そういうことか。成績をさらに上げることで進学先の自由度を上げたいんだね」
見崎「……私も知らなかったけど、赤沢さんは赤沢さんで大変のようね」
見崎「あまり相手のことも知らずに『恵まれてる』なんて言ってごめんなさい」
赤沢「いいのよ、別に。全体的な話でいえば、見崎さんの言うことは間違ってない」
赤沢「ただ……どうしても……兄が死んでから……兄の分まで……私に……」
恒一「それでも親の言うことに反発しないで、さらに上を目指そうって考えるのはすごいと思う」
見崎「私もそう思う」
赤沢「ま、まあ……その、期待は愛情の裏返しっていうの?ええと……」
赤沢「自分で言うのも変かもしれないけど、親から愛されてるっていうのは理解してるから」
見崎「そう……そういう素直なところはちょっと羨ましいかもね」
恒一「えっ?」
赤沢「見崎さんが他人を羨むなんて……」
恒一「う〜ん……ああ、でもそういうこともあるか……」
見崎「私は自分が他の人とは違うってことを理解しているけど、別に他の人と比較しないわけじゃないから」
赤沢「そうなの?でもその比較対象が私っていうのは……」
見崎「まあ、それはたった今ちょっと思っただけだから気にしないで」
恒一「見崎は……もっと身近に……そういう人がいたもんね……」
赤沢「……!……ああ、そういうこと……」
見崎「姿かたちはほとんど同じだしね、環境要因を除けば性格も似てたと思う」
恒一「今も……羨ましいって気持ち……あったりするの?」
見崎「ううん。そういうことより……もっと話をしておけばよかったと思ってる」
恒一「……そっか」
赤沢「……あなたって……ほんとに素直じゃないわ、あきれるほどに」
見崎「人の性格なんてそう簡単には変えられないわ。あなたの勝ち気なところだって……そうでしょう?」
赤沢「そうかもしれないわね」
見崎「それに、そこはあなたの個性なわけ。それは大事にした方がいいと思う」
赤沢「そうなの……?どうも素直じゃない見崎さんにそう言われても、すぐには納得できないんだけど」
恒一「僕もそう思うから安心していいと思うよ、赤沢さん」
赤沢「恒一君までそう言うのなら、見崎さんの言うことを信じるわ」
赤沢「でも……何か腑に落ちないわね……見崎さんは私のことを苦手だと言っているのに……」
恒一「にも関わらず、なんでその苦手な人の個性を認めることができるのかって?」
赤沢「そう……それが引っかかる」
見崎「…いいよ」
恒一「見崎は僕のことを変人と言い、僕も見崎のことをどちらかといえばそう思う」
恒一「変人っていうのは、まあ……数が少ないから変人なわけで……」
恒一「それ故、変人の側から見ると自分の周囲の人間は自分とは違うと思うわけだ」
赤沢「そういう話をさっきしていたわね」
恒一「そう。そして、変人は変人であることを……周囲と違うことを理由に攻撃されやすい」
恒一「……変人が変人であるのも……ひとつの個性だ。もうわかるかな?赤沢さん」
赤沢「そうか……変人は変人で自分の個性…存在を認めてほしい」
赤沢「だから、周囲の違う人間に対してもその個性を認めざるを得ないってことね」
見崎「だいたいそんなところよ」
赤沢「今までそんなこと……全然考えたことなかった……」
赤沢「もしかしたら私も無意識のうちにそういう人たちを攻撃していたのかもしれない」
恒一「赤沢さんは正義感が強いから大丈夫だと思うけど。見崎はどう思う?」
見崎「さあ?」
赤沢「見崎さんは相変わらずって感じね」
見崎「…少なくとも私はそういう思いをしたことはないけど、他の人がどう思ってるかまではわからないから」
赤沢「……なるほどね」
恒一&見崎「!」
赤沢「色々教えてくれて。見崎さんを知ることで……その、恒一君のことも間接的に知ることができたし」
見崎「それはどういたしまして」
赤沢「あと恒一君が見崎さんのことを好き理由……もなんとなくわかった」
恒一「改めてそうやって口にされるとなんだか照れるね」
見崎「私は赤沢さんが榊原君を好きな理由を知らないけど……まあ、いいか。知る必要もないし」
赤沢「いちいち憎まれ口を叩かないの、見崎さんは」
見崎「は〜い」
恒一(ん〜……前よりは仲良くなれたかな?)
赤沢「これからは今まで以上にガンガン押すから覚悟してなさい!恒一君」
恒一「う、うん……」
見崎「せいぜい頑張ってね、赤沢さん」
赤沢「覚悟するのはあなたもよ、見崎さん」
見崎「え?」
赤沢「見崎さんにも恒一君のこと、色々教えてもらうつもりなんだから!」
見崎「なんでわざわざ敵に塩を送るような真似をしなくちゃいけないの?」
赤沢「普通は…普通はそう考えるわよね……。でもあなたは…………変人なんでしょう?」ニヤリ
見崎「!………まあ、今回は…特別に認めないこともない」
赤沢「だ…だから見崎さん……私の…その…友達になってくれる?」
見崎「……何を言っているの?」
赤沢「やっぱりダメか……」
恒一「ええと……いいんじゃないの、それくらいは?」
見崎「そうじゃなくて…………もう私たちは…友達よ」
赤沢&恒一「!」
おわり
鳴ちゃんと赤沢さんは本編でもSSでもケンカしてるか対立してることが多いから少しは仲良くなって
もらいたいと思って書いてみました
よく赤沢さんはツンデレキャラだと言われるけど、鳴ちゃんの赤沢さんに対する態度もそうであって
ほしい……と思ってみたり。本編では、そもそもツンツンすらしてないけど
Entry ⇒ 2012.06.02 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
女騎士「なっ!ち、違う!これは違うぞ!」
女騎士「と、当然だろう!?こんな汚ない部屋……きちんと整理整頓しろばかものっ!」
女騎士「え……?しゃ、シャツ?」
女騎士「あ、ああ、まずはこれから畳もうと思ってだな、うん……」
女騎士「なっ!に、においなんか嗅いでない!何を言っているのだ!」
女騎士「嗅いでないったら嗅いでない!おまえの見間違いだ!絶対にそうだ!」
女騎士「と、当然だろう!?こんな汚ない部屋……きちんと整理整頓しろばかものっ!」
女騎士「え……?しゃ、シャツ?」
女騎士「あ、ああ、まずはこれから畳もうと思ってだな、うん……」
女騎士「なっ!に、においなんか嗅いでない!何を言っているのだ!」
女騎士「嗅いでないったら嗅いでない!おまえの見間違いだ!絶対にそうだ!」
女騎士「え……?そろそろベッドから出てきたらどうだって……」
女騎士「あ、ああ!ああ!そうだったな!まだ朝も早いから多少眠気があったけれどおまえも来た事だしな!うん!」
女騎士「な、なんだ?名残惜しくなんてないぞ……」モゾモゾ
女騎士「ほ、本当だ!寝るとおまえのにおいに包まれてるような感じになるベッドなど誰が名残惜しいものか!」
女騎士「そもそもこんな朝早くからどこに行っていたのだ。鍵もかけずに不用心な……」
女騎士「ん、休日だから朝の散歩か。それはいいな、健康的で」
女騎士「というか、わたしが休みなのはよく見ればわかるだろう?今は鎧も剣も持っていないのだから」
女騎士「……なんだその目は?わたしが私服を持っているのがそんなに不思議か?」
女騎士「はあ、失礼なやつだな。いや、謝るな。怒ったわけではない」
女騎士「いや、そんな事はないぞ」
女騎士「キツそうに見えるって……なんだ、わたしが太っているとでも言いたいのか?」ギロ
女騎士「え?違う?腹じゃなくて胸?」
女騎士「っ///!?こ、この変態が///!」
これこそ女騎士のあるべき姿
女騎士「知っているのだぞ!おまえは普段わたしが素振りをしている時もむ、む……」
女騎士「胸ばかり見ているだろうが!バレバレだ!この変態め!」
女騎士「え?しっかり恥ずかしがってるところがかわいい?」
女騎士「ばっ、ばか!何を言っているのだ!かわいいなど!」
女騎士「おまえのようなただの変態程度、見られようが触られようが……」
女騎士「ひゃあぁあ!?な、なに本当に触ろうとしてるのだばかもの!」
女騎士「ひっ!へ、変なふうに指を動かすな!」バチン!
女騎士「ふ、ふん!痛くしたのだから当然だ!」
女騎士「本当にやった側が言うのもなんだな……しかし、まあそれは自覚はある」
女騎士「そういう意味でも、やはりまだまだわたしは未熟だ……」
女騎士「今そんな事を言っても、立派なのは忠誠心だけだと笑われるだろうが……」
女騎士「と、というかどうしてこういう話の時だけは真面目にしているのだ?普段はあれだけ不真面目なのに……」
女騎士「おまえのそういうところが、わたしは……」
女騎士「えっ?い、いや、なんでもない!」
女騎士「たとえ拷問されても、この気持ちは決して変わらない」
女騎士「それほd、ん?なんだ?」
女騎士「本当に拷問されても変わらないか試してやる?」
女騎士「は、なにをバカな事を。どこからつっこめばいいかわからんわ」
女騎士「その時の姫様の下着の色を言え……は?」
女騎士「はあ!?い、今なんと言った!?」
女騎士「そうだろう?おまえだって姫様に忠誠を誓っているのだから、本気で言ったわけではないだろう?」
女騎士「うむ、そこはまともで安心した」
女騎士「まあ冗談にしても問題発言だが……え?」
女騎士「かわりにわたしの今日の下着の色でいい……?」
女騎士「ばっ、ふざけるな!姫様はもちろん他の女ならいいという問題ではないわ!」
女騎士「しかも『かわりに』とか『でいい』とかなんなのだ!この上なく失礼だわ!」
女騎士「い、言わないぞ!どんな拷問を受けようとも、おまえのような変態に……ひゃっ!?」
女騎士「あはははははは!あっはっはっはっはっは!や、やめ!くすぐるなっ!くくっ……あはははは!」
女騎士「だ、誰が言うか!誰が観念するかぁ!」
女騎士「ひゃあぁあ!?な、なに直接腹を触ってるのだばかものっ!」
女騎士「ひゃわぁあぁあ!?や、やめろっ!わき腹を揉むなこの変態っ!」
女騎士「あはははははは!ぐ、グニグニするな!あーっはっはっはっはっは!」
女騎士「ば、ばかものっ!ばかものっ!やめっ……ひっひひひ!あーっはっはっはっはっは!」
女騎士「い、言う言う!言うからやめろぉ!そこ弱いぃい!あはははははは!」
女騎士「が、柄も!?ふざけ……あっはははは!」
女騎士「は、花とちょうちょいっぱいついてるやつうぅう!フリフリもたくさんあるやつうぅ!あはははははは!」
女騎士「あはは!……げほっ、はあ、はあ……」ビクン!ビクン!
女騎士「は、はあ、はあ、お、おわっ、た……」
女騎士「……機嫌など直るはずないだろう、まだ殴り足りないくらいだ」
女騎士「この場に剣があったら、間違いなくきっていたぞ」
女騎士(というか、わざわざ正直に下着の事を答えなくても、適当に言えばよかったのではないか?ばかかわたしは……)
女騎士「女性をくすぐって下着の色をはかせるなど、どんな変態だ!」
女騎士「む、むう……なんだ珍しく素直に頭を下げて」
女騎士「確かに今回のはやり過ぎだと思った……か」
女騎士「……本当に反省しているのか?」
女騎士「……なら、今回だけは許す」
女騎士「た、ただし!次にやったら本当に許さないからな!」
女騎士「どうせおまえのような暇人、だらだらと過ごすつもりだろうが……」
女騎士「え……?」
女騎士「こ、恋人と……デート?」
女騎士「……なら余計ダメではないか。他の女にいやらしい事をするなど……」
女騎士「いや、うん、この話はまた今度にしよう」
女騎士「すまんな、これから愛する人と過ごすというのに、押しかけて……」
女騎士「……なに?」
女騎士「デートはうそ?恋人なんていない?」
女騎士「なんで意味もなく嘘をつくのだ!本当に悲し……びっくりしたではないか!」
女騎士「ふん!そもそもよく考えればおまえのようなやつに惚れる女がいるわけがないわ!」
女騎士「ひどいじゃない!自業自得だ!一生独り身ですごせばーか!」
女騎士「まったく……少しトイレを借りるぞ」
パタン
女騎士「よ、よかったぁ……」
女騎士「な、泣きそうだったけど、なんとかこらえられた……」
女騎士「いやいや、でも油断は禁物……あいつはやる時はやる男だから人気もあるようだし」
女騎士「それに気のせいかとは思うが……姫様も最近あいつを見る目が……」
女騎士「だ、ダメだ!いくら姫様でもあいつだけは……」
女騎士「うう……」
コンコン
女騎士「あ、ああすまん。今出る……なっ!お、おっきいほうではないわ!」
女騎士「おまえ、本が好きなのか?あんまりイメージにはないが……」
女騎士「そうか、実は読書家だったと……」ドサ
女騎士「あ、すまない。一冊落としてしまった」スッ
女騎士「……今わたしがしゃがんだ時、胸を見てただろう?」
女騎士「バレてる。バレバレだ、この変態」
女騎士「まったく、そんなに好きなのか?男というやつは……」
女騎士「ちょ!何を本棚の裏をあさっているのだ!」
女騎士「そこにへそくりがある?じょ、冗談だ冗談!」
女騎士「冗談に決まっているだろうが!100万でも嫌だわ!金の問題ではない!」
女騎士「胸でなく肩を揉んでやろうとは思わんのか……」
女騎士「あ、いや、そんな本当にやろうとしなくてもいいんだぞ?」
女騎士「別に嫌々おまえと一緒にいるわけではないのだし……」
女騎士「ん……そんな、お礼なんてしなくても……」
女騎士「で、でもそこまで言うのなら、お願いしよう……かな」
女騎士「よければ肩を揉んでる間読んでいてくれ、か、わかった」
女騎士「ちなみにたくさん本があるなかでこれを選んだのはなぜだ?」
女騎士「ん、なるほど。おすすめだからか」
女騎士「それじゃ、少し読ませてもらうとしよう」
女騎士「ん?なんだ?」
女騎士「あ、当たり前だ!いやらしいシーンなぞあってたまるか!そんなもの読ませたらタダじゃおかないからな!」
女騎士「……『おっと手がすべった』なんて事をするなよ?」
女騎士「図星か……まったく」
女騎士「ちょっとは真面目にやってくれ」
女騎士「か、肩に手を置く時はきちんと言え!」
女騎士「び、敏感すぎるだと!?仕方ないではないか!わたしだって好きで敏感なのではないわ!」
女騎士「ひああああっ!?」ビクウン!
女騎士「こ、この……!背中をなぞり上げるとはどういうつもりだ!」ボカッ!
女騎士「んっ、ああ、そこだ、そこが気持ちいい」
女騎士「……何を変な想像してるのだ。肩だ肩。そこがこっているという意味だ」
女騎士「んっ、そうだ。そこがこっている」
女騎士「なるほど、面白いな、この小説は」
女騎士「特にここだ、この場面が……」
女騎士「ふわっ!?の、覗きこむな!顔が近い!」
女騎士「え?借りてもいいのか?けっこう高そうだぞこの本」
女騎士「ん、まあたしかに、人から借りた物を汚したりするような人間じゃないことはわたし自身さすがに自覚はあるが……」
女騎士「うん……そうか、じゃあ借りていくよ。ありがとう」
女騎士「ひゃあっ!?」ビク!
女騎士「み、見るな!来るな!」ダダダ
女騎士「な、なんで追いかけてくるのだ!来るなって言っているだろうが!」ダダダ
女騎士「やめろ……見るな……見ないでくれえ……」
女騎士「違うのだ……この髪も、服も……わたしの意思じゃないんだ……」
女騎士「髪をいじられて、こんなふりふりの服を着せられて……」
女騎士「ど、どういうふうに話したかって?」
女騎士「……スケベでだらしのない同僚がいると、話しただけだ……」
女騎士「なのになんでこんな目に合うのだ……うう……」
女騎士「おまえ、今なんと言った……?」
女騎士「い、嫌だ!こんな格好で出歩けるものか!」
女騎士「さっきだってどこか人の少ない店に入ろうと思ってたのだ!なのにおまえに見つかって……」
女騎士「ま、ましてや見回りのやつらに見つかったらどうする!?笑い者にされるだけだ!」
女騎士「やっ、ま、待て!見回りのやつらを呼んで来ようとするな!ずるいぞ!騎士の誇りはどうした!卑怯もの!」
女騎士「せ、せめて帽子か何か買ってくれ……見回りのやつらに見られたら、本当に……」
女騎士「うう……ならバレないような道を歩いてくれ、頼むから……」
女騎士「はぐれないようにって……今わたしは猛烈にはぐれたいのだが……」
女騎士「うあっ、わ、わかった、つなぐから他のやつらには言わないでくれ」ギュ
女騎士「こんなところにクレープ屋があったのか」
女騎士「い、いや、別に食べたいわけでは……」
女騎士「で、でもおまえが食べたいなら……付き合いとして、わたしも……」
女騎士「そ、そうか!食べたいか!仕方ないやつだな、うん!」
女騎士「あむ、ん……」
女騎士「え?い、いや、おまえのぶんまで食べるわけには……」
女騎士「……ほ、本当にいいのか?」
女騎士「じ、じゃあ遠慮なく……はむ」モグモグ
女騎士「ああ、そうだ。この前借りた本、読み終わったから今度返すぞ」
女騎士「うん、最後は二人が結ばれて幸せになる、王道だが、いい小説だった」
女騎士「なんだ?意外とああいう恋愛に憧れがあるのか?」クスクス
女騎士「え?本当にそうなのか?」
女騎士「いやに素直に認めたな……そんな恥ずかしい事を」
女騎士「……え?」
女騎士「わ、わたし……と?わたしとああいう恋愛をしたい……?」
女騎士「ほ、本気だ、って……そ、そんなこと……」
女騎士「きゃっ!?」
女騎士「わ、わかった。本気なのはわかったから……」
女騎士「だ、だから離してくれないか……?そうやって抱きしめられたままだと、恥ずかしい……」
女騎士「あうう……またそうやっていじわるして……離してくれえ……顔が、あつい……」
女騎士「本当にわたしでいいのか……?」
女騎士「だって、言葉使いも女らしくないし……すぐ手が出るし……」
女騎士「いや、うん……嬉しいぞ。そう言ってくれるのだな」
女騎士「わ、わたしも、その……///」
女騎士「あ、愛して……いる……///」
女騎士「だ、だから、えっと……///」
女騎士「これからは、恋人として、よろしくな///」
おわり
読んでくれた人ありがとう
乙乙
乙
乙!
元スレ:女騎士「なっ!ち、違う!これは違うぞ!」
Entry ⇒ 2012.06.02 | Category ⇒ その他 | Comments (1) | Trackbacks (0)
岡部「助手以外のラボメンガールズ全員とイチャイチャしたらどうなるか」
---ラボ---
岡部「まゆり。 いるか?」ガチャ
まゆり「あーっ、オカリン〜。 とぅっとぅるー♪」
岡部「(まゆりはいつものコス作り中か……)」
岡部「いたか。 隣、座るぞ」スッ
まゆり「うんっ。 どうぞ〜」
岡部「………」
まゆり「………」
岡部「(さて……と)」
まゆり「ん〜?」
岡部「……」ギュッ
まゆり「オカリン? なあに?」
岡部「まゆり……」ギュッ
まゆり「ふ、ふぇええ!? オカリーン!?」
岡部「少しの間でいい…… このままでいさせてくれ……」
まゆり「あわ、あわわわわ……」
岡部「ああ…… まゆりの匂いがする……」
まゆり「まま、まゆしぃの匂いなんて嗅がないでよぉ……」
岡部「いい匂いだ…… まゆり……」
まゆり「あわわわわわ……」
岡部「まゆりは本当に抱き心地がいいな……」ボソッ
まゆり「みみっ、耳元で変なこと言わないでよぉ……」
岡部「いつまでもこうしたくなる……」ナデナデ
まゆり「ふぇえ!?」
まゆり「(いつまでも!? それって……////)」
岡部「まゆり……」
まゆり「オカ……リン……」
岡部「お前を抱くのは、この俺だけだからな……」
まゆり「 」
岡部「こうしてるとあの頃を思い出すな」
まゆり「あ、あの頃ってぇ?」
岡部「お前の祖母の墓の前でのことだよ」
まゆり「……」
岡部「あの時、お前を何処にも行かせないと言った。 覚えてるな?」
まゆり「う、うん……」
岡部「今、まさしく同じ気持ちだ」
まゆり「え……えぇぇ!?」
岡部「まゆり」
まゆり「オカ……リン……」
岡部「お前を何処にも行かせない」
岡部「一生俺の側にいろ。 絶対だ」
まゆり「 」
岡部「(少し臭すぎたが、まあまゆりが喜んでいたようだからいいとしよう)」
岡部「(さて、幸先良いスタートを切った所で次は誰にしようか……)」
キキーッ
岡部「んっ、このブレーキ音は……バイト戦士か」
オハヨウゴザイマース,テンチョー
スズハオネーチャーンッ
岡部「……よし、次はバイト戦士だな」
岡部「……暑いな……」
鈴羽「あ、岡部倫太郎っ。 店長に何か用?」
岡部「工房に用はない。 むしろ遠慮したいぐらいだ」
天王寺「言ってくれるじゃねえか岡部。 あぁ?」
岡部「ひっ! い、いらしてたのですかミスターブラウンっ」
天王寺「いたら都合がワリイみたいな言い方だな?」
岡部「そ、そんなことは断じてない! ……ありません!」
天王寺「ああ、そうかい。 んま、そんなことより頼んだぞ、バイト」
鈴羽「わかってるよ。 そんなことより、いい加減バイトっていうの止めてよ店長っ」
岡部「…? これから用事か、ミスターブラウン」
天王寺「綯を連れてちと買い物に行ってくる。 それじゃ、留守番しっかりな」
鈴羽「はいはーいっ」
岡部「(……ほぉ)」
鈴羽「いってらっしゃーい」 岡部「オジサン言うな!」
〜〜〜
鈴羽「……とゆーわけであたし暇なんだよね〜」チラッ
岡部「……」
鈴羽「こんなにいい天気なんだし。 どっかにサイクリングにでも行きたいな〜」チラッ
岡部「……」
鈴羽「でも一人で行くのもなんだしな〜…… だれか一緒に行ってくれないかな〜」チラッ
岡部「……」
鈴羽「……」
〜〜〜
鈴羽「風が気持ち〜♪」シャー
岡部「ああこうなるだろうなっ!」キコキコ
鈴羽「はい、ドクターペッパー」
岡部「はぁっ、ふぅっ、 た、助かるっ、」ハァハァ
鈴羽「汗だっくだくだね。 普通の速さで走っただけなのに」
岡部「んっ、 んっ、 ……っはぁ!お、お前と俺の普通を一緒にするなっ!」
鈴羽「岡部倫太郎は本当に体がひ弱だなぁ。 毎日少しでもいいから動けばいいのに」
岡部「お、俺の本質はこの頭脳にあるわけで、体力など必要はないのだっ!」
鈴羽「ふふ〜。 言い訳はかっこ悪いよ? 岡部倫太郎っ」
岡部「ぐっ……。 こ、こいつっ!」ダッ
鈴羽「へへーん! 捕まえてごらんよっ!」ダッ
岡部「そ、そうだなっ。 こんな炎天下の中で走るのはもう懲り懲りだっ……」
鈴羽「……あれ?」
岡部「ん…? どうしたのだバイト戦士」
鈴羽「マウンテンバイクが……無い……」
岡部「……は?」
鈴羽「ここに置いてあったはずのマウンテンバイクが無いの!」
岡部「なん……だと……」
鈴羽「岡部倫太郎の自転車はあるけど……」
岡部「……これはもしや……」
鈴羽「……盗ま……れた…?」
岡部「……」
盗まれたら泣き崩れちゃうだろ
鈴羽「うえぇ……」
岡部「それにこの炎天下。 MTB探しなどしてたら熱中症になりかねん」
鈴羽「うーん……」
岡部「今日はとりあえず帰るぞ。 後日MTBを探そう」
鈴羽「……うん…」
〜〜〜
鈴羽「大丈夫? 岡部倫太郎」
岡部「こ、これっしきのことっ、この鳳凰院凶真にとってはっ、何の苦でもない!」ギッギッ
鈴羽「やっぱりアタシが前で漕ごうか?」
岡部「気にするなっ! 二人乗りで女に漕がせられるかっ!」
鈴羽「う、うん……」
岡部「くっ、 ぬぐっ、 んがっ、」
鈴羽「……」
岡部「なんだっ…… 藪から棒にっ!」ギッ,ギッ,
鈴羽「こんな暑い中サイクリングを無理強いさせて…… 公園でも鬼ごっこさせて……」
鈴羽「挙げ句の果てにMTBが盗まれて…… 二人乗りで漕いで貰っちゃってるし……」
岡部「……ふっ、 ……んっ、」ギッ、ギッ
鈴羽「岡部倫太郎もうんざりだよね…… 今後こんなこと頼んだりしないから」
岡部「馬鹿者がっ!」 鈴羽「っ、」ビクッ
岡部「いいかバイト戦士! ラボのリーダーである俺が! ラボメンの頼みを無碍に断るものか!」
岡部「正直久々に運動したものだし、気分は悪くはなかったぞ!」
鈴羽「……岡部…」
岡部「ああ、それとな! 」
岡部「俺がお前としたいからやってるんだ! 鈴羽!!」
鈴羽「 」
岡部「それ故にお前とは交流が少ないっ!」
岡部「だからこういう時ぐらいは素直にお前と遊びたいっ!」
鈴羽「岡……部……」
岡部「……俺が漕いでる理由の一つでもある……」
鈴羽「………」
岡部「わかったら素直に俺の後ろで景色でも眺めてるがイイ……」
ムギュッ
岡部「ふおうっ!?」
鈴羽「へ、へへーんだっ! 岡部倫太郎らしくないこと言ってさ! この暑さでヤラれちゃってるんじゃないの〜?」
岡部「お、お前っ!」
鈴羽「そうだよ……こんなに暑い日なんだもん……」
ムギュムギュッ
岡部「FOOO!?」
鈴羽「アタシも……ヤラれちゃったみたいだよ……////」
岡部「(とばっちりを食らうわけにもいかんので俺は鈴羽と別れた)」
岡部「(……別れ際に何度もこっちを振り返っていたが、まあ気にせんでいいだろう)」
岡部「しかしこれでラボにも戻れなくなった……」
岡部「……こんな暑い日で涼めるところと言えば……」
---メイクイーン+ニャン2前---
岡部「やはりここだろう」
岡部「(それに、涼みよりも大きい目的もあるわけだしな……)」
岡部「(しかし、フェイリスと会えば訳の解らん厨二妄想談義が始まってしまうのは読めている)」
岡部「………」
岡部「ここは少し、趣向を変えてみるか……」
フェイリス「おかえりニャさいませっ、ご主人……ニャニャっ! 凶真!」
岡部「今日はまるで仕向けられたかの如く太陽が輝き続けるのでな。 一時撤退の場として借りさせてもらうぞ」
フェイリス「ニャはり、終にアポロンがフェイリス達人間に」
岡部「留未穂」
フェイリス「神罰の業火をもってして裁断の見極めを…………」
フェイリス「……えっ?」
岡部「どうした留未穂。 お前が狼狽した姿勢を見せるなど珍しい」
フェイリス「ま、また!?」
岡部「フゥウウウウハッハッハ!!! 留未穂ともあろうものが、まさか業火に焼かれてしまったわけではあるまいな?」
フェイリス「ななななな、なに言ってっ、」
岡部「ん〜? 顔が赤いな。 本当に熱でもあるのか? 留未穂」ピタッ
フェイリス「ニャッ……////」
岡部「ふむ……、熱は無いようだ……。 良かった…」
フェイリス「よ、良かったってなんニャっ! それより手をっ」
岡部「留未穂」
フェイリス「ニャっ…」
岡部「良かった……。 留未穂」ニコッ
留未穂「 」
フェイリス「……ニャっ」
岡部「気付いたか……」ナデナデ
フェイリス「ここは……更衣室…? って、何やってるニャ!」
岡部「何って…、膝枕だが」ナデナデ
フェイリス「だから、それが何してるってことニャ!」
岡部「もしかして、頭をなでられるのは嫌いだったか? 留未穂」ナデ....
フェイリス「べ、別に嫌ってわけじゃ……、ってまたっ!!」
フェイリス「さっきっから何で本名のほうで呼ぶのニャ!」
岡部「そりゃ、ラボメンだからな」ホ
フェイリス「い、意味がわからニャいニャ……」
岡部「それにだ、留未穂よ」
フェイリス「な……なんニャ…?」
岡部「少なくとも俺は、お前とはこう呼び合うような仲だと思ってるわけだが」ナデ....
留未穂「 」
岡部「……また気を失ってしまった……」
岡部「自分がリードすることに慣れてるばかりで、リードされることには初心な所がある…か」
フェイリス「ニャ〜……」
岡部「悪かったフェイリス。 誂うばかりかバイトの邪魔もしてしまったな」ナデ...
岡部「お前とはいつも紙一枚の隔たりを感じていたんだ」
岡部「だからこそ、偶にはお前とこういった新鮮な触れ合いもしてみたかったんだ」
フェイリス「………」
岡部「だが、やってみてわかった。 お前はやはり訳の解らん厨二談義している時のほうが輝いて見える」
岡部「だからこれで最後にしておこう」
フェイリス「………」
岡部「またな、留未穂よ。 次はいつも通りの俺で来る」ガチャ
....バタン
「………」
留未穂「岡部さん……////」
岡部「……」
岡部「近い所まで来たし、寄ってくとするか……」
---柳林神社---
ヤッ! ハッ!
岡部「……おっ」
岡部「この暑い中、精が出るな」
岡部「ルカ子」
るか「えっ? ああっ、岡部さんっ」
岡部「この炎天下でか? よくやった、流石は我が愛弟子だな」
るか「ま、愛弟子……///」
岡部「その苦労が汗となって滲み出ているのがわかる。 偉いぞ、ルカ子」
るか「そんな……今日は少しやる気が出ていただけで……////」
岡部「というわけで風呂に入るぞ、ルカ子」
るか「別に岡部さんに褒めてもらおうとかそんな……」
るか「………え?」
岡部「ちょうど俺も汗をたっぷりかいた後で白衣がベタついてな、風呂に入りたかったんだ」
るか「え、えええええええ!!?」
岡部「何をそんなに驚いている……」
るか「お、お風呂って、まさかっ、 おお、岡部さんと二人でですか!?」
岡部「無論、そのとおりだ」
じゃなかったらいきなり女の子と風呂に入ろうとする不審者だぞ
岡部「心の準備も何も男二人の風呂だろうが」
岡部「ああ、いや。 風呂というのは少し語弊があるか。 二人でシャワーでも浴びる、といったほうが正しいか」
るか「そんな大して変わりませんよ! あうぅ……」
岡部「それにどうだ、これを機に(友情を)深め合おうではないか」
るか「ふふっ、深め合うぅ!? お、岡部さんとボクで……、そんなっ、」
岡部「ええいごちゃごちゃ言うな! シャワー借りるぞ。 ルカ子も来いっ」
るか「ふあっ、ふあぁあ……」
岡部「いつまでマゴマゴしているルカ子よ。 さっさと入ってきたらどうだ」
るか「う、ううぅ……」
岡部「さっさと入らんと汗が冷えて風邪をひく。 それはお互い嫌だろう?」
るか「で、でも……」
岡部「……ああもう面倒だっ! 早く来いっ!」グイッ
るか「きゃぁっ!」
バタンッ
岡部「………」
るか「………」
岡部「なぜ………」
るか「………////」
岡部「なぜタオルを巻いている!!」
岡部「わけが分からん……。 ほら、そこに座れ。 俺がシャワーをかける」
るか「ううぅ……。 はい……」オソルオソル
岡部「目をつぶる意味も分からん……」
るか「ううぅ……」
〜〜〜
岡部「このぐらいでいいか?」
るか「はい……。 とっても気持ちいいです……」
岡部「ふむ……」ナデ
るか「ひゃぁっ! ……あ、あの……岡部さん? 一体何を…」
岡部「いや、随分と白い肌をしているな、と思ってな」
るか「………」
岡部「……ルカ子?」
岡部「何だと?」
るか「岡部さんと比べたら腕も足も細いし、肌だって白いし……」
岡部「………」
るか「内気でナヨナヨしてて……岡部さんを困らせてばっかりだし……」
るか「これだったら……いっそのこと女の子として生まれたほうが良かった……」
岡部「ルカ子よ、言いたいことはそれだけか?」
るか「……えっ?」
岡部「では一言言っておく……」
岡部「そんなことはどうでもいい!」
るか「っ、」ビクッ
岡部「いくら自己主張が乏しく、恥ずかしがり屋な所があろうとお前はお前だ!」
るか「お、岡部さん……」
岡部「お前が自分に自身を持てない気持ちはわかる!」
岡部「だがな、自分を嫌いになることは! 自分を否定することは絶対にするな!」
るか「岡部……さん……」
岡部「お前がお前を嫌いになるんじゃない……」
るか「………はい……」
岡部「謙虚で内気で恥ずかしがり屋がなんだ! それ全部を含めてこそ『漆原るか』なのだ!」
るか「……はいっ」
岡部「そんな所が俺は好きなのだ! だからこそ、それを否定するのはやめろ!」
るか「はいっ!!」
るか「………えっ?」
岡部「ん? 好きなものを好きと言って何が悪い」
るか「っ、!?」
岡部「お前の謙虚な所! 内気であるがやると決めたことはやり抜き通す所! 全部好きだ!」
るか「えええええ!!?」
岡部「だからいいか? 『るか』 」ガシッ
るか「ふぁっ」
岡部「俺の好きなお前を否定するな」
るか「 」
るか「あふぅ……」パタリ
岡部「(バスタオル一丁のルカ子をルカ子の部屋に運んでいる所をルカパパに見つかった時は心臓が止まりそうになった)」
岡部「(俺とルカ子を一瞥した後、何か納得したような顔で頷いたのは何だったのだろうか……)」
岡部「っと……、もう日が沈んでいたとは」
岡部「さっさとラボに戻るか……んっ」
♪〜♪〜♪
From:閃光の指圧師
【私メリーさん】
[今、ブラウン管工房の前にいるの]
岡部「…指圧師? このメールは……」
♪〜♪〜♪
From:閃光の指圧師
【私メリーさん】
[今、メイクイーン+ニャン2の前にいるの]
岡部「こ、このパターンは……」
【私メリーさん】
[今、柳林神社の前にいるの]
岡部「どんどん近づいてきてる……。 と言うことはっ」
From:閃光の指圧師
【私メリーさん】
[今……]
「アナタの後ろにいるの……」
岡部「ファオッ!?」
萌郁「………どう?」
岡部「どう? ではない! 貴様またこのパターンを使ったなっ!」
萌郁「でも……岡部くん……驚いた……」
岡部「う、うるさい! 二度目であろうが不意打ちのようなものだ!」
萌郁「………?」
岡部「……どうして貴様がここにいるのだっ」
萌郁「取材の……帰り……」
岡部「取材って……また心霊スポットのか? こりん奴だ……」
萌郁「……」カチカチカチ
♪〜♪〜♪
【怖かったよぉ〜(;_;)】
[夏の肝試しとして有名な所の取材だったんだけど、どこも真っ暗でどこからともなく音がなったりしてさ!
生きて帰れたことが奇跡って感じだよぉε-(´∀`*)ホッ]
岡部「一人で行ったのか……。 怖がりのお前がよく行けたもんだな…」
萌郁「……」カチカチカチ
【えっへん( ̄ー ̄)】
[すごいでしょ? 褒めて褒めて☆]
岡部「別に褒めるほどすごいことでは無いとは思うが。 まあ、よくやったな」
萌郁「……うん……」
萌郁「……」グッ
岡部「何をするっ! 離さんか指圧師!」
萌郁「怖い……」
岡部「……何だと?」
萌郁「アパートまでの道……怖い」
岡部「……一緒に来い、と?」
萌郁「……」コク
岡部「………」
萌郁「………」
〜〜〜
---ボロアパート前---
岡部「これでいいだろっ! そろそろ離せっ!」
萌郁「……うん…」パッ
萌郁「………」グッ
岡部「今度は何なんだっ! 家にも着いたし、することっつったら飯食って寝るだけだろうが!」
萌郁「夕飯は……もう、食べた……」
岡部「ああそうでらっしゃいますかだったら布団に入ってゆっくり寝てろ!」
萌郁「……い…」
岡部「……は?」
萌郁「……」カチカチカチ
岡部「ったく……口で言え口……で……」
【一人で寝るのも怖いの(;_;)】
[添い寝……してほしいな〜……なんて/// (/ω\)キャー]
岡部「……」
萌郁「……お願い……」
岡部「………」
萌郁「……」コク
岡部「例えお前が完全に寝てなかったとしても俺が寝たと判断したた出ていく。 これでいいな?」
萌郁「……」コクコク
岡部「よし……ならばさっさと布団しけ」
萌郁「……」カチカチカチ
【(//∇//) テレテレ】
[今の岡部くんの言葉……ちょっとエッチ////]
岡部「ふ、ふざけてる余裕があるなら帰るぞ!」
萌郁「……」グッ
岡部「……わかった……。 ほら、寝るぞ」
萌郁「……うん」
岡部「ああ、寝ろ寝ろ……」
萌郁「……」
岡部「……」
萌郁「岡部くん……いる……?」
岡部「いる」
萌郁「……」
岡部「……」
萌郁「岡部くん……」
岡部「いる」
萌郁「……」
岡部「……」
萌郁「おk」
岡部「いいからさっさと寝んかっ!」
岡部「……なんだ?…」
萌郁「手、繋いで……?」
岡部「……繋げば寝るか?」
萌郁「寝る……」
岡部「……ほら」
萌郁「ん……」ギュ
岡部「………」
萌郁「………」
岡部「……指圧師?」
萌郁「………」
岡部「……やっと寝たか」
岡部「萌郁よ……」
萌郁「……」
岡部「ラボメンで一番年上のお前がこんな子供らしい姿を見せてくれるとは思わなかった」
萌郁「……」
岡部「そして、俺の手一つでも、お前の役に立つことができて俺は嬉しいと思う……」
萌郁「……」
岡部「俺は行く。 だが、代わりの物を置いておく。 これで我慢してくれ」スッ
萌郁「……」ファサ
岡部「それじゃあ、おやすみ。 萌郁」ガチャ
バタン...
萌郁「……」ムクリ
萌郁「……岡部くんの……白衣……」
萌郁「少し汗臭いけど……暖かい……」
萌郁「……嬉しい……////」
岡部を尾行してずっと行動を監視してたとかだったら怖い
---ラボ内---
まゆり「オカリーンッ……えへへ〜」ギュッ
フェイリス「キョーマー……ゴロニャー……ニャフフッ」スリスリ
鈴羽「岡部倫太郎! 今日もいい天気だねっ! 一緒にサイクリング行こうよ! 勿論、二人乗りでね!」
るか「お、岡部さんっ! こんな日にサイクリングに行ったら汗だくですよね! 帰ってきたらお背中流しますっ!」
萌郁「お風呂の後は……お昼寝……。 今度は……私が……添い寝してあげる……」
ガチャ
紅莉栖「………」
紅莉栖「ああ、私だ。ラボに入ったら実に奇妙な光景が広がっていた」
紅莉栖「まゆりが岡部に抱きついてフェイリスさんが岡部に膝枕されていて」
紅莉栖「阿万音さんが岡部を二人乗りのサイクリングに誘って漆原さんが岡部を風呂に誘って桐生さんは添い寝すると言っている」
紅莉栖「新手の精神汚染攻撃だろうか。今回は強力過ぎるようだが」
紅莉栖「……すまない、正直耐えられそうにない……。 ああ、お前だけでも生き残ってくれ……」
紅莉栖「エル・プサィ・コングルゥ………」
紅莉栖「アハハコレハキカンニヨルコウゲキデアッテケッシテゲンジツナンカジャナイソウダワタシハダマサレナイゾ」
完
原作でも紅莉栖ちゃんが全部かっさらっていったの見たんでしょ?まゆしぃ☆()とかwwwwwwww
現実逃避して二次創作に生きちゃう男の人って・・・・
もういいっ…!休め…!!
紅莉栖「論理的に考えてこれは絶対的に矛盾してるわええそうよこれじゃ世界の秩序が崩壊するわ」
紅莉栖「抱きつきに膝枕に二人乗りにお風呂に添い寝?どうみてもこれ彼氏彼女のすることよねおかしいわよね」
紅莉栖「逆転すれば私とはこれ以上のことをしなければならないという結論に行き着くのよね」
紅莉栖「そうよそうすればこの場も丸く収まるし皆HAPPYよねなんて私ったら天才なのかしら」
紅莉栖「以上に挙げた行動以上の行為となればこれはもう結婚よそうね結婚しかありえないわ」
紅莉栖「私と岡部の新婚ライフなんて考えただけで顔が自然とニヤケついてきちゃうけどそれは岡部も同じよね?」
紅莉栖「ねえ岡部?勿論この期に及んで逃げ出すなんてそんなことしないでしょう?受理してくれるよねこの婚姻届」
紅莉栖「子供の名前はどうしようね?私と岡部の名前から取ったほうがより良い子に育ってくれる気がするわ」
紅莉栖「いいえ私と岡部の子供ですもの名前なんて関係なく良い子に決まってるわよねだって私と岡部の子供だもの」
紅莉栖「ああ、そういえばパパと会う約束してたよね今すぐ行きましょう思い立ったが吉日よさあ準備して岡部」
紅莉栖「勿論明日は岡部のご両親に挨拶に行くわとってもいい印象を与えられるよう努力するから安心してね岡部」
紅莉栖「ああごめん今私変な顔してるよねごめんねでもやっぱりどうしても嬉しすぎてニヤケが止まらないの」
紅莉栖「えへへ。えへへへへへ。えへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ」
紅莉栖「岡部大好き岡部大好き岡部大好き岡部大好き岡部大好き岡部大好き岡部大好き岡部大好き岡部大好き岡部大好き岡部大好き岡部大好き岡部大好き岡部大好き岡部大好き岡部大好き岡部大好き岡部大好き岡部大好き岡部大好き岡部大好き岡部大好き」
乙
│ . : :´: : : : : : : : : : : : : .
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│: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
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│: :イTrzミ`l: :{: : : : : : ;イ: : : : : : !
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│' xx /イr云K |: : : : : ;
│ ′ 弋c不l: : : : : '
│ ' xx .: : : : : ′ このスレは助手に
│ 、__ /!: : : : / 監視されています
│ ヽ イ-イ: : : :/
│、 ー‐ェ : ´: : : : /: : : :/
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Entry ⇒ 2012.06.01 | Category ⇒ シュタインズゲートSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
恒一「有田さんをナデナデしたら、真っ赤になった」
勅使河原「どうした?」
恒一「僕さ、有田さんをナデナデしてみたいんだ」
勅使河原「……は?」
恒一「だから、有田さんをナデナデしてみたいんだ」
勅使河原「あぁ、うん……すれば?」
恒一「そんな簡単な事じゃないんだよっ! ナデナデをするからには、人目につかず、長時間いられる場所じゃないとっ!」
勅使河原「サカキ、どんだけナデナデするつもりだよ」
恒一「最低三時間」
勅使河原「なげえよっ!」
勅使河原「いや、別に相手が許してくれるんなら、勝手にナデナデでもしておけよ」
恒一「問題はそこじゃないんだよ!」
恒一「そもそも、僕はあまり有田さんと会話をしたことがないんだ。突然ナデナデさせてくださいなんて言ったら、間違いなく変態だと思われちゃう!」
勅使河原「充分変態だろ……」
恒一「そんな事をしたら、もう二度と有田さんをナデナデ出来なくなるじゃないかっ!」
勅使河原「そんなに何度もするつもりなのかよ」
恒一「……わからないんだ。僕にもよくわからない。今までこんな風に思ったことは無かったんだ。有田さんの頭をナデナデしたい。撫で回して、撫で回して、撫で回したい! 僕はもう、この胸の高鳴りを止められないんだ!!!」
勅使河原「サカキ、お前まさか……」
恒一「そうだよ、赤沢さんが転入初日に教えてくれた、あれ。きっとそのせいだよ」
勅使河原「くそっ、そんな事って……」
恒一「クラスの中の誰か一人が異常な性癖に目覚める現象……転入生の僕がそうなるなんてね」
勅使河原「言うな、サカキ。それ以上は」
恒一「押さえ込めば、いずれ性欲を抑えられずに「いないもの(牢屋行き)」になってしまう」
勅使河原「サカキ……」
恒一「笑ってくれよ、勅使河原君。僕はもう、有田さんの頭無しでは生きてけない体なんだ」
勅使河原「間違い無いんだな?」
恒一「うん、僕はこうして君と話している今も、有田さんをナデナデしたいんだ」
勅使河原「わかった……俺も協力するぜ、サカキ」
恒一(有田さんナデナデ作戦、第一段階、「仲良くなろう」)
恒一「お、おはよう! 有田さんっ!」プルプル
有田「おはよう! 榊原君」
恒一(あぁ、もう挨拶もしたし、ナデナデしても良いよねっ! 良いよねっ!!!)
恒一(はっ……ダメだ。持続可能なナデナデライフの為に、僕はまだ、ナデナデをしてはいけない)
勅使河原(よく我慢したぜ、サカキ。手が震えている中、よく耐え抜いた)
恒一「て、勅使河原君。僕の症状の進行が速い。ステップを早めないと……」プルプル
勅使河原「くっ、昨日とは大違いだな。……本当は、もう少し段階を踏むべきなんだろうが、サカキなら大丈夫だろう。行くんだ、サカキ!」
恒一「うん!」タタタタ
恒一「あ、有田さんっ!」
有田「さ、榊原君!?」
恒一「……一緒に、お昼を食べない?」プルプル
有田「ええっ!?」
有田「い、良いよ?」
恒一「ありがとう! 有田さん、君は女神だっ!!!」
有田「そんなに誉められる事なのっ!?」
恒一「さあ、行こう有田さん! 今日はお日様が輝いているよ! こんな教室で食べるなんてもったいない! 屋上へ行こうっ!」ガシッ
有田「ええええっ!? ど、どうしたの、榊原君っ!?」
勅使河原(あぁ、サカキが壊れた)
恒一「ごめんね、強引に連れ出して……でも、伝えなきゃいけない事があるんだ!」プルプル
有田「あ、愛の告白っ!?」
恒一「ちょっと違うよ!」
有田「ちょっとなのっ!?」
恒一「ごめん、有田さん! ナデナデさせてくれっ!」ガシッ
有田「えっ!? ……きゃあっ!」
恒一「あぁ……」ナデナデナデナデ
有田「え、ええ……?」
有田「……えっと、その、榊原君? 落ち着いたらで良いんだけど、説明してもらえる?」
恒一「うん、ただ、もう少しこのままでいさせて……」ナデナデナデナデ
有田「う、うん……」
十分後
有田「落ち着いた?」
恒一「……うん」ナデナデナデナデ
有田「それって、あの?」
恒一「そう、三年三組の、あれ」ナデナデナデナデ
有田「そっか……それが、その、これ?」
恒一「ごめんね、有田さんを巻き込んじゃって……」ナデナデナデナデ
有田「う、ううん。私でよければ、これくらい、いくらでも……」
恒一「……ありがとう」ナデナデナデナデ
恒一「数日前に、有田さんを見たときから」
有田「症状は、ナデナデしたい。で良いの?」
恒一「……正確には、有田さんをナデナデしたい。かな」
有田「わ、私限定っ!?」
恒一「……うん」
有田「えっと、その……とりあえず、クラスの皆に打ち明ける?」
恒一「そ、それは……」
恒一「ごめんね、勝手に巻き込んで、その上黙っていろだなんて……」
有田「ううん、そう思うのは当然だもん。私が榊原君だったとしても、そうしたいだろうから……」
恒一「ありがとう、有田さん。本当にありがとう」
有田「良いんだよ、私で良ければ。それより、ご飯食べない?」
恒一「うん、そうだね! 僕なんかと二人で良ければ、一緒に食べよう!」
恒一「うん、お陰で溜まってたナデナデは出来たから……だだ、出来ればなんだけど……」
有田「私に出来る事なら、何でもするよ?」
恒一「ありがとう……念のために、放課後には残ってもらっても、良いかな?」
有田「うん! それくらい、何て事無いよ」
恒一(はうっ!? ま、まずい……ナデナデしたいっ! あ、あと五分なんだ……た、耐えろ! 耐えてくれ!)プルプル
有田(榊原君の様子がおかしい? もしかしてっ!?)
有田「せ、先生! ちょっとトイレに行ってきます!」
先生「ええ、構いませんよ」
恒一「ぼ、僕も行ってきます!!!」
先生「二人もですか……しょうがないですね」
恒一「ご、ごめんね……」ナデナデナデナデ
有田「ううん、仕方がないよ。授業も終わりかけだったし、大丈夫だよっ!」
恒一「ありがとう、有田さん……僕、相手が有田さんで、本当に良かった」ナデナデナデナデ
有田「榊原君……」
有田「……ねえ、榊原君」
恒一「な、何?」
有田「もし、立場が逆だったら、榊原君は私にナデナデされてくれる?」
恒一「もちろんだよ! 有田さんにナデナデしてもらえるんなら、本望さ!」ナデナデナデナデ
有田「そ、そこまで言わなくても……も、もう! 授業が終わったら、思う存分ナデナデさせてあげるから、一旦終わりっ!」
恒一「う、うん……」
恒一「……」ナデナデナデナデ
有田「……」
恒一「……」ナデナデナデナデ
有田「……」
恒一「……」ナデナデナデナデ
有田「……」
恒一「……」ナデナデナデナデ
有田「……あ、あの、榊原君?」
恒一「っ!? ご、ごめん!! つい夢中になって……って、こんな時間っ!?」
有田「わ、私も気がついたらこんな時間だったから、良いよ。でも、そろそろ帰らないと……」
恒一「そうだね、そろそろ帰らないとね……」
有田「明日の朝まで持ちそう?」
恒一「うん、さすがにどうにかなりそうだよ」
有田「それは良かったね! それじゃあ、また明日っ!」タタタタ
恒一「うん、また明日……」
恒一(怜子さんに、何て言おう……)
怜子「恒一君が、現象に……」
恒一「うん、今は有田さんの協力もあって、どうにかなってるんだ」
怜子「それは幸いね。でも、これからどうするの? いつまでも、クラスの皆に秘密には出来ないわよ?」
恒一「うん……でも、呪われたってバレるのは……」
怜子「気持ちはわかるけど……ナデナデだし大丈夫じゃないかしら」
恒一「うん……」
怜子「まぁ、そこは貴方がしたいようにしなさい。私は、あんまり力になれそうにも無いから……」
恒一「ううん、助かったよ。ありがとう、怜子さん」
怜子「どういたしまして」
久保寺「今日は、榊原君から皆さんに、伝える事があるそうです……」
恒一「……僕は、現象に呪われました」
ザワザワ ザワザワ
恒一「定期的に、有田さんの頭を撫でなければならない性癖です」
恒一「抑えられる限りは、抑えなければいけないけれど、どうしようもない時が、必ず来ると、思う」
恒一「だから、有田さんが受け入れてくれる範囲で、僕は有田さんの頭をナデナデする事になる」
恒一「変態だと罵ってくれてもいい。だけれど僕は、もうどうしようもないんだ」
恒一「授業中に、迷惑をかけることになるけれど、言わない訳にも行かないと思ったから、こうして伝えました」
赤沢「……質問、良いかしら?」
恒一「うん、良いよ」
赤沢「有田さん以外の頭じゃ、ダメなの?」
恒一「うん、ダメなんだ」
赤沢「そう……」ショボン
有田「皆に認めてもらえて、良かったね!」
恒一「うん! こうして皆の前でも有田さんを撫でられて、僕は嬉しいよ!」ナデナデナデナデ
有田「あはは……私はちょっと恥ずかしいかなぁ」
恒一「ご、ごめん……」ナデナデナデナデ
有田「そういう意味じゃないよ。それに、それくらいには慣れないとね」
恒一「ねぇ、有田さん」ナデナデナデナデ
有田「うん? どうしたの?」
恒一「どうして、そんなに僕に良くしてくれるの?」ナデナデナデナデ
有田「うーん……まだ秘密、かな?」
恒一「そっか、いつか教えてくれるの?」
有田「いつか、ね」
恒一「有田さん、おはよう!」ナデナデナデナデ
有田「おはよう。榊原君!」
恒一「昨日はごめんね、土日は、ナデ溜めをしておかないと、まずいね……」ナデナデナデナデ
有田「うん……上手く、土日もナデナデをしておかにいとね……」
恒一「とりあえず、金曜にたっぷりナデナデしておくしか無いのかなぁ」
有田「でもそれでも限度があるだろえから、やっぱり毎週日曜に会う方が良いかもね」
恒一「そっか……まだ慣れないね」
有田「あはは、大変だね」
有田「ねえ、榊原君」
恒一「どうしたの?」
有田「その、この一週間、どうだった?」
恒一「どうって?」
有田「えっと……私の頭を撫でていて……って事」
有田「そ、そうじゃなくって!」
恒一「そうじゃなくて?」
有田「……榊原君は、異性の頭を撫でて、何も思わない?」
恒一「な、何も思わないわけないよ!」
有田「じゃあ、何か思う?」
恒一「そりゃ……もちろん……」
恒一「あ、有田さんっ!?」
有田「だから、榊原君もそうあってほしいなって、そう思うの」
有田「ねえ、この一週間、私の頭を撫でて、榊原君は……嬉しかった?」
有田「……良かった。榊原君がいやいや呪いにしたがってるのかもって、ずっと怖かったの」
恒一「そんな事、無いよ。いやいやなんて、絶対無い」
有田「榊原君……」
恒一「有田さん、少し撫でても良いかな?」
有田「うん、良いよ」
恒一「有田さんが、僕に撫でられるのが嫌かもしれないからって、ずっと言えなかったんだけどね……」
恒一「ねえ、有田さん。この一年間、僕にずっとナデナデされてくれる?」
有田「うんっ! よろしくねっ!!」
勅使河原(何でこいつら、朝っぱらから教室でこんな会話してるんだろうなぁ……)
Aritar
おわり
次回、また出来ることならリベンジしたいと思う
見てくれてありがとう
乙
乙
乙
Entry ⇒ 2012.06.01 | Category ⇒ AnotherSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
チャド「一護の霊圧が…消えた…?」
チャド「…いや、なんでもない…」
チャド「だから…なんでもないんだ」
一護「俺の霊圧がどうこうとか、言ってただろ」
チャド「…」
チャド「…ああ」
浦原「しかもその上絶交を言い渡された、と」
チャド「……」
浦原「で、どうにかして黒崎さんに謝りたい、と」
チャド「…頼む」
チャド「…何故だ、あんたならこういうときの対処法を知っているはずだ」
浦原「そりゃ知っているには知っていますが」
チャド「後生の頼みだ」
浦原「大体、なんでそんな笑えないようなこと言っちゃったんですか」
チャド「…つい、出来心で」
チャド「仕方ないだろう、俺は今まで『チャドはすぐ霊圧が消える』と散々弄られてきたんだ」
チャド「そんな状況を、一気に逆転してやりたかったんだ」
浦原「だからって、ホントに霊圧消えちゃった黒崎さんに対してドヤ顔で言うことないでしょう」
チャド「別にドヤ顔なんか…」
浦原「してなかったんですか」
チャド「……」
浦原「……」
浦原「…困ったなぁ」
鉄裁「おや、どういたしましたかな」
浦原「ああテッサイさん。それがですね…」
チャド「…手を貸してくれるのか?」
鉄裁「私で良ければ、力になりましょう」
浦原「おおよかった。ではアタシは用事があるんで」
チャド「…え?」
浦原「後は頼みましたよ、テッサイさん」
鉄裁「承知」
チャド「…」
チャド「……」
鉄裁「……」
チャド「……」
鉄裁「……」
チャド「……」
鉄裁「……」
チャド「……あの」
チャド「……いやあの、近くない……ですか?」
鉄裁「おっと、これは失礼」
チャド「……」
チャド「それで、俺は一体どうすれば…」
鉄裁「ふむ、まぁお茶でも飲みなさい」
チャド「あ、いや……」
鉄裁「どうぞどうぞ、遠慮なさらず」
チャド「お茶なんか飲んでる暇ないと思うんだが…」
鉄裁「おや、どうしてですかな?」
鉄裁「…まぁ、仲間内でのあなたの評価はガタ落ちでしょうな」
チャド「急がないと、俺の霊圧どころか居場所まで消えてしまう」
鉄裁「自分でも言ってしまってるではありませんか」
チャド「……」
鉄裁「……ともかく、一旦落ち着きましょう」
鉄裁「ほら、気分が落ち着きますよ」
チャド「ズズッ」
鉄裁「……」
チャド「……美味い茶だな」
鉄裁「……」
チャド「……ッ」
鉄裁「……」
チャド「クッ……これは……!?」
鉄裁「……」
チャド「ッ……テッ、サイ……さ……」
バタッ
チャド「……こ、こは……?」
チャド「……俺は……一体……」
チャド「確か……浦原さんの店に行って……」
チャド「……ッ!テッサイさん!」
鉄裁「おや、お目覚めですかな」
チャド「これは一体なんだ!」
鉄裁「見れば分かるでしょう。拘束されているんですよ、あなたは」
チャド「な、なんのために!」
鉄裁「それは……」
一護「……目、醒めたか」
チャド「……! 一、護……!?」
一護「……チャド、俺は今まで、お前のことを誰よりも信頼してきた」
一護「どんなときでも、お前に背中を預けておけば、怖いものは何もなかった」
チャド「……一護……?」
一護「まぁそれは喧嘩のときの話で、尸魂界や虚圏の時はほとんど役立たずだったけど」
チャド「」
チャド「」
一護「でも、例えそうだとしても、俺はお前のことを誰よりも信頼してきた」
チャド「一護、説得力が無さ過ぎるんだが」
一護「そんなお前が、あんな、あんなことを言うなんて……!」
チャド「いや、今お前が俺に言ったことのほうが五倍はきついぞ」
チャド「!石田!?」
石田「キミはもっと、人に配慮する性格なのだと思っていたよ」
石田「正直、失望した」
チャド「そこまで言うか……」
織姫「……あの、チャドくん」
チャド「……井上もいるのか……」
織姫「チャドくんは、外見はおじさんだし、なんか無口で少し怖いけど」
チャド「」
織姫「で、でも!優しい人だから、私、チャドくんのこと好きだったよ!」
チャド「……だった?」
恋次「おう、そろそろいいか」
チャド「あ、阿散井まで!?」
恋次「……そうだよな、俺のこと見えてねぇんだよなコイツ」
チャド「な、なんでお前が……」
恋次「あぁ、えっとだな。なんか一護がスッゲェ馬鹿にされたって聞いたもんでな」
チャド「尸魂界にまで伝わるほどなのか……そんなに酷いこと言ったのか俺」
恋次「そんで、二つの世界を救った一護がそんな風に馬鹿にされたんじゃ、下の連中に示しがつかないんだとさ」
チャド「示しって……」
恋次「そういうわけで、今からお前を罪人として尸魂界に連行する」
チャド「……は?」
恋次「悪く思うなよ、馬鹿にした相手と馬鹿にする内容が悪かったんだ」
チャド「え、ちょっと……え?」
チャド「おい一護!いくらなんでもこんな仕打ちは……」
一護「俺がそう言ったんじゃねぇよ。向こうのお偉いさんが勝手に決めたんだ」
チャド「……あんまりだ」
一護「俺だって、何もそこまでする必要ないって言ったんだけどな……どうも取り合ってくれないみたいでさ」
一護「そういう訳だから、じゃあなチャド」
石田「向こうでも元気で」
織姫「た、たまには面会に行くからね!」
恋次「あぁ、そういえば、投獄される場所は藍染のとこの隣だぞ」
チャド「そ、そんなに罪重いのか!?」
愛染の隣wwwwwwwwwww
200年位拘束wwwwwwwwwwwwww
チャド「……」
チャド「……」
チャド「……」
チャド「……」
チャド「…………冗談だろ……」
チャド「……」
藍染「……」
チャド「……」
藍染「……」
チャド「……」
藍染「……」
チャド「……」
チャド「……しゃべれるのか」
藍染「……その声……どこかで聞いたことがあるぞ」
チャド「……」
藍染「…………そうだ、思い出した。黒崎一護の仲間の一人だな」
チャド「……もう、仲間じゃない……と思われてるだろうが……」
藍染「……そうだろうな。そうでもない限り、こんな場所に君がいるはずがない」
チャド「……こんなことになるなんて、思ってもみなかった」
藍染「あと二万年、ともに生きていこうじゃないか」
チャド「……あんまりだ……」
藍染「……それでは、しりとりでもしようか」
チャド「……藍染、イメージというものを大切にしたほうがいいぞ」
藍染「さっきも言っただろう。ここでは誰もそんなことを気にしないと」
チャド「……『胡麻』」
藍染「『マングース』」
チャド「尸魂界にマングースなんているのか」
藍染「いいから」
チャド「……『西瓜』」
藍染「『カブ』」
チャド「……『ブラソデレチャデヒガンテ』」
藍染「……は?」
チャド「……俺の、右腕の名前……」
藍染「プッ」
チャド「」
チャド「流石に、泣いていいか?」
藍染「いやいや……かっこいいじゃないか」
チャド「……」
藍染「……えっと、で、『デスガロン』」
チャド「……」
藍染「……」
チャド「……」
藍染「……『でんぷん』」
藍染「いや、この雰囲気で続行は無理だろう」
チャド「……というより何故言い換えた」
藍染「いや……君よりもっとネーミングセンスがオサレな名前を言おうとしたんだが……無理だった」
チャド「……それで……でんぷんか」
藍染「……すまない」
チャド「遠慮しておく」
藍染「」
チャド「あんたの過去なんか聞いたらもっと鬱々とした雰囲気になるだろう」
藍染「……そうか」
藍染「……」
チャド「……」
藍染「……将棋でもしようか」
チャド「……盤も駒もないだろう」
藍染「……」
チャド「……」
まぁボッシュートされてますよねー
チャド「……どうだっていいだろう」
藍染「気になるな、私は」
チャド「笑うに決まっている」
藍染「何を笑うというのだ。私以上に滑稽な罪を犯した者など、いるはずがない」
藍染「世界を変えると、神になるとのたまっておきながら、この姿はなんだ?」
藍染「世界を裏切り、部下を裏切った結果が、こんな地の奥底深くの牢獄だ」
藍染「笑うしかないだろう。さぁ、言ってみなさい」
チャド「……」
藍染「……」
チャド「い、一護を……馬鹿にした……から」
藍染「」
チャド「……」
藍染「……その、なんだ」
チャド「……」
藍染「……すまない……いや、すいませんでした」
チャド「……あぁ、いいさ」
チャド「……こんな牢獄で二万年生きたところで、いいことなんかおこるはずない」
藍染「……出所というか、ともかくここを出れば、明るい未来が……」
チャド「……」
藍染「……ごめん、無責任なことを言ってしまって」
チャド「……」
チャド「……!なんだ!?」
浮竹「よーし、おーらいおーらい」
藍染「……浮竹か」
浮竹「……二人とも、喜べとは言わないが、新しい仲間だ」
チャド「……何?」
浮竹「本来ここはこんなホイホイ人を入れるような場所ではないんだけど……」
藍染「……で、誰だ」
浮竹「それは本人から聞くといい」
???「……」
浮竹「……では」
ゴォォン
チャド「……」
藍染「……」
チャド「……だ、誰だ……」
???「……」
藍染「……まさか、黒埼一護の仲間、か?」
???「……」
チャド「……」
藍染「……」
???「……」
チャド「……」
藍染「……」
???「……」
チャド「……」
藍染「……」
チャド「!?」
藍染「……」
???「俺は!」
チャド「だ、誰なんだ!」
藍染「……」
???「お、俺の名は、志波岩鷲だ!」
チャド「……」
藍染「……だ、誰なんだ!」
岩鷲「」
チャド「……いや、ねぇ」
藍染「すまない、これは本当にすまない。本気の本気で、君は一体誰なんだ」
岩鷲「お、俺は、あの志波海燕の弟の!志波岩鷲だ!」
チャド「……いや、知ってるが」
藍染「……志波海燕の……、弟がいたなんて初耳なのだが」
岩鷲「……そりゃ、俺は死神でもねぇし、噂になってなくて当然だけどよ」
チャド「……」
藍染「……」
岩鷲「……」
チャド「……無理を言うな」
藍染「……あぁ、虚圏に帰りたい」
チャド「……帰る場所じゃないだろう」
藍染「……そうか」
岩鷲「……たっくよー! あ、そうだ、しりとりしようぜ、しりとり!」
チャド「」
藍染「」
チャド「『ゴローン』」藍染「『五トン』」
岩鷲「」
チャド「……寝るか」
藍染「……そうだな」
岩鷲「えぇ!?ちょっと、おいマジかよ!」
チャド「……」
藍染「……」
岩鷲「」
チャド「……なんだ」
岩鷲「俺が連れてこられた理由とk」
藍染「寝ろ」
チャド「そうだ、寝ろ」
岩鷲「……わかった、寝る」
チャド「なぁ藍染」
藍染「どうしたチャド君」
チャド「岩鷲が一言もしゃべらなくなって早二週間が過ぎた訳だが」
藍染「君時間の流れが分かるのか?」
チャド「大体なら」
藍染「そうか……流石に伝えるべきかな」
チャド「まぁ次に誰かが投獄される時にでも」
藍染「そうだな……でも、ここはそんなホイホイ人が送られるような場所じゃないs」
ゴォォン
京楽「浮竹じゃないよ」
チャド「なんだ京楽さんか」
京楽「やぁ、こんなことになって残念だね」
チャド「全くです」
藍染「それで、何の用事だ。まさかまた誰かを連れてきたって訳じゃないだろう」
京楽「そのまさかさ。新しいお仲間の……って、ちょっと君たち、この人凄いぐったりしてるけど大丈夫?」
チャド「あぁ、二週間前から喋らなくなったんです」
京楽「それは大変だ、早く様子を見ないと」
京楽「それじゃ、新しいお仲間と仲良くね。……山じい、一人様子がおかしいからちょっと連れてくね」
京楽「んじゃ」
ゴォォン
藍染「できるだけそこそこの知名度を持っている人が望ましいんだが」
???「……あぁ、知名度で言ったらそこそこだな」
藍染「ほう。してその正体は」
チャド「どうした喋り方」
藍染「いやなんとなくだよ」
???「……名乗っていいか」
藍染「あぁ、どうぞ」
???「あ、その前にヒント出すわ」
チャド「もったいぶるな」
???「いいじゃねぇか、名乗るだけじゃ面白みねぇし」
藍染「いいだろう、さぁ」
???「じゃぁヒント、元隊長です」
チャド「!?」
藍染「!?」
???「なんだ」
チャド「流石にこれは名乗らないほうがいい」
???「なんでだよ」
藍染「いや……だって、元隊長がここにいちゃまずくないか」
???「お前だって元隊長だろ」
藍染「それはそうだが……、ん? そういえばこの声……」
???「リアクション薄いぞ。まぁいい」
???「そうだな、第二ヒントいくぞ」
チャド「だから名乗らないほうが……」
???「ここに来た時点でプライドも藍染への憎しみも全部かなぐり捨ててやったわ」
チャド「……憎しみ云々は分からないが、そこまで言うならもう止めはしない。というかヒント言われても俺にはわからないからもう答え言ってくれ」
???「……そうか、まぁそこそこ知名度だし、お前とは多分初対面だしな」
チャド「やっぱり知らない人だった」
藍染「それもそうだろう、そこそこだし」
拳西「元隊長⇒元仮面の軍勢⇒元隊長と来て、なんやかんやでここ送りになった」
チャド「仮面の軍勢……一護と一緒にいたってやつ等か」
拳西「まぁそんなとこだ」
拳西「あぁ、あの一件の後な」
藍染「どうして君がここへ?黒埼一護の悪口を言ったから?」
拳西「はぁ? なんだその理由……そんなくだらねぇ理由でこんなとこに送られるわけないだろ」
藍染「あっ」
チャド「……」
拳西「……喧嘩しちまったんだ」
藍染「……は?」
拳西「真子と喧嘩した結果がこれだ」
チャド「」
藍染「」
大して活躍してないどころか責任あるのに
チャド「いや、十分すぎるほどくだらないんだが」
藍染「チャド君と大差ないじゃないか」
拳西「あのな……喧嘩っつっても、隊長同士の喧嘩だぞ?」
チャド「そりゃ凄まじそうではあるが」
拳西「俺は卍解して真子に殴りかかったんだが、いつの間にかあいつ、『逆や』を発動してやがってな、あらぬ方向へ攻撃が行っちゃったわけよ」
藍染「あぁ、『逆や』ね」
チャド「わからないんだが」
拳西「あいつの能力だ。まぁそれはいいとして、誤爆した先がまずかったんだ」
藍染「というと?」
拳西「山本総隊長がよく一人でこっそり鍛錬してる山」
藍染「おやおや」
拳西「しかも、ちょうどそのとき総隊長が鍛錬する時間でな」
チャド「なんでそんなところで喧嘩したんだ」
拳西「成り行きで……・で、結果総隊長の怒りに触れ、ここへ来たって訳さ」
拳西「あぁ、真子は俺に攻撃しなかったし、引き換え俺は卍解まで使っちまったからな」
チャド「卍解ってそんな軽々しく使っていいのか」
拳西「ダメだからここにいるんだろ」
藍染「いや、『逆や』をされた結果こうなった訳なのだろう?っていうか『逆や』って、攻撃されてるではないか」
拳西「まぁ難しい話は俺にはわかんねぇよ。出たときにでも聞いてくれ」
けど真子が刀解放した回の終わりに「ついに卍解が…」的な事書いてあった
そのジャンプ捨てたからソースはないが確実に書いてた
あれ編集側のミス。平子は始解までしかしてない
拳西「あぁ。ところで、お前誰だ?さっきから気にはなってたんだが」
チャド「……茶渡だ、一護の仲間だった」
拳西「へぇ。それで、さっきの話の続き」
チャド「ん……隊長だったということは、現世の情報もある程度持っているよな?」
拳西「あぁ、総隊長にボッコボコにされる前までなら、知ってるぜ」
藍染「よく生きていられたな君」
藍染「三ヶ月って……もうそんなに経っているのか」
チャド「俺の体内時計での話だが」
拳西「三ヶ月前な……現世では色々あったみたいだぞ」
チャド「何があった?一護たちは無事か?」
拳西「無事も何も、あいつ死神に戻ったぞ」
チャド「……は?」
藍染「うそ…だろ…」
拳西「あぁ」
藍染「何が『俺自身が月牙になることだ』だよ、『最後の月牙天衝』だよ、ふざけんなよ」
拳西「おいキャラ崩壊してるぞ」
チャド「……そうか、死神に……」
拳西「……おい、どうした?」
チャド「……よかった」
拳西「……」
藍染「……」
チャド「そうか……死神に戻ったのか、そうか……」
藍染「……チャド君……」
チャド「!?」
拳西「!?」
藍染「この警鐘音は……!」
拳西「まさか!」
チャド「なんだ、どうした!?」
拳西「俺は初めて聞くが……おい藍染、この警鐘、そういうことだよな!?」
藍染「あぁ、間違いない……、ここまで聞こえてくるとは驚きだが……」
チャド「おい、だからなんなんだ!」
藍染「この警鐘が鳴らされるのは、『瀞霊廷に何者かが侵入した時』……」
チャド「……!?」
藍染「旅禍だ」
拳西「一護!?なんで……あいつらなら入廷許可下りるはずだろ!」
藍染「何か目的があるのだろう……大体見当はつくが」
チャド「……一護……!」
『黒崎一護を肉眼で確認!黒埼一護は現在瀞霊廷北西部を猛進中!……これは…、黒埼一護は、すでに卍解している模よ…ヒッ!』
『おい、それ地獄蝶だろ。ちょっと貸せ』
『今から俺の仲間を助けに行くんで、死にたくない奴は邪魔しないでくれ』
『以上、死神代行・黒埼一護からでした』
拳西「らしいな」
チャド「……一護……!」
〜三日後〜
チャド「……」
藍染「……」
拳西「……」
???「……」
チャド「……あの、一護」
???「い、イチゴじゃねぇ」
???「ななな、なんのことだか私にはさっぱり」
チャド「……」
拳西「流石に虚化ありだったとしても、一人で隊長格全員と喧嘩したらそりゃあな」
???「さ、さっきからなんのことを言ってるんだ君たちは」
チャド「……」
藍染「調子乗っちゃったんだよね」
拳西「あぁ、『ただの剣圧だ』、だもんな」
???「ぐっ……」
拳西「あんた一人であしらってたじゃないか」
藍染「いやぁまぁ」
拳西「あ、別にほめてないからな」
藍染「ともかく、隊長達にフルボッコにされたって、落ち込むことないよ、死神代行・黒埼一護くん」
???「う、うるせぇ!」
チャド「……一護……」
???「いや、チャドが謝る必要は……」
チャド「いや、元はといえば俺があんなことを言ってしまったばっかりに……すまない」
拳西(あんなことって?)
藍染(いや、私も知らない)
???「いや、そもそもを言えば、チャドの霊圧が消えるたびに毎回同じようなリアクションとってた俺が悪いわけであって……!」
拳西(霊圧ってそんな消えるもんか?)
藍染(個人差があるんだろう、多分)
???「俺が、俺が悪かった!許してくれチャド!」
チャド「すまない一護……俺に力がなかったばっかりに……!」
一護「そんなこと言うんじゃねぇよチャド!ルキアを助けるときも、井上を助けるときも、お前は戦ってくれた!」
チャド「……役立たずとか言ってたじゃないか」
一護「あ、あの時は、……その、あれだ、俺もいらいらしていたし!」
一護「とにかくチャド!お前がなんと言おうと、悪いのは俺だ!俺なんだ!」
チャド「いや、一護、お前は悪くない!悪いのは〜……」
拳西(これ俺たちには見えてないけど、実際周りから見たら固定されたミイラ男二人で一緒に懺悔しあってる、っていうなかなかシュールな画になってるよな)
藍染(まぁ……それは言うな)
重國「……気分はどうじゃ、黒埼一護」
一護「!総隊長!?」
重國「全く、阿呆な真似をしおってからに」
一護「む……」
重國「護廷十三隊へ宣戦布告をし、あまつさえ多くの隊士に刃を向けるなど、本来ならば極刑物だぞ」
一護「仕方ないだろ……どうせ言っても聞かないんだし」
重國「いや……聞かないなどと一言も言っていないのじゃが」
一護「え?」
チャド「え?」
一護「いや、当然だと思うんだけど」
重國「わしに言われても困る。人を裁くのは我々ではなく四十六室じゃ。あやつら、お前が言うように頭が堅くてのぉ。融通が利かぬというか、なんというか……」
一護「利かないにもほどがある」
重国「まぁ待て。先日、お前が侵入する直前に、四十六室で議会が開かれての。そして、この者の刑期を大幅に短縮することが正式に決定したのじゃが……」
チャド「」
一護「」
〜現世〜
石田「結局、僕達だけが帰ってきちゃったわけだけど」
織姫「大丈夫かな……二人とも」
恋次「まぁ、殺されはしないから安心しろよ」
ルキア「それにしても、藍染と同格か……あやつも出世したものだな!」
恋次「目を輝かせるな、目を」
石田「……当然といえば当然か」
織姫「ん?何が?」
石田「いや、現世では感じ取れないんだなぁ、って」
ルキア「何を……あぁ、そういうことか」
恋次「確かに、消えちまってるな、完全に」
織姫「……黒崎君のはちょっと残ってるけど……チャド君のはもう、ね」
「チャド達の霊圧が…消えた…!」
読んでくださった皆さん、保守してくださった皆さん、ありがとうございました。
このスレは雑談にでも使ってやってください。
乙
楽しませてもらった
せて寝るか
次も期待してる
乙!
Entry ⇒ 2012.06.01 | Category ⇒ BLEACH SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
貴音「妙な発言をしてめんばぁの反応を見る、ですか」
貴音「ですから 不意に妙な発言をみなにぶつけ、どのような反応をするかを調べ愉しむ娯楽です」
P「それは娯楽ではないような気がするな…」
貴音「…妙な発言、ですよ では私がどのような発言をするか気になりませんか?」
P「ああ そこ1か所に絞ればかなり気になるな」
貴音「では、行って参ります故 撮影をお願いします」
P「うん 撮影必要なのね」
貴音「今宵の余興は完全に私次第となるもの ふふっ、愉しみです」
貴音「ちんこんか、ですか」
貴音「春海天香、ですか」
貴音「三つ巴の戦い、ですか」
貴音「土日と祝日の過ごし方、ですか」
貴音「めんばぁに不良のような態度を取る娯楽、ですか」
貴音「ぱそこん、ですか」
貴音「推理、ですか」
貴音「おや春香…おはよう 今日もいい具合に前髪が揃っていますね」
春香「はい! …はい!?」
貴音「ですから、いい具合に前髪が…」
春香「こ、こういう髪型なんですよ! というか貴音さんも揃ってるじゃないですか!」
貴音「…そうでした 私も気に入っています」サワサワ
春香「いいですよね! ぱっつんっていうんですよ って知ってますよね…」
貴音「ほう…ぱっつん 知りませんでした …面妖ですが可愛らしい名称ですね」
春香「ぱっつん仲間ですね!」
貴音「ええ…! ぱっつん、仲間ですか…♪」
春香「目的ですか?」
貴音「いいえ、なんでもありませんよ …それにしても春香、本日もまことに普通ですね」
春香「はい! …はい!? って2回目ですよ、2回目!」
貴音「失礼いたしました では春香は異常ですね」
春香「そういわれても… あはは…」
貴音「すみません 実はこれも余興なのです 本当は、春香は今日も可愛いですよ」ニコッ
春香「え、あ…ありがとうございます…」
貴音「微妙な空気になりました」
貴音「おはよう千早 今日は仕事までの時間、一緒に演歌でもいかがですか」
千早「おはようございます… え、演歌ですか」
貴音「嫌でしょうか…歌はお嫌いですか?いえ、そのようなわけがありませんね となると私とでゅえっとは嫌ですか?」
千早「…ま、待ってください そんなこと言ってませんから」
貴音「では共に歌いましょう "人生、谷ありゃ板あるさ"」
千早「…そんな歌しりません」ムスッ
貴音「怒らないでください 冗談ですよ」
千早「プロデューサーに、こう言え! とでも言われたんですか? パワハラです」
貴音「…ええ 実はそうなのです」シクシク
P(やばい)
千早「四条さん ホントに怒りますよ」
貴音「これもプロデューサーにためしにこの曲名を伝えろと言われました… 許してください、千早」ウルッ
千早「はっ… し、四条さんすみません そうですよね 四条さんがそんな意地の悪いこというはずない…」
貴音「いえ…事実、口に出してしまったのは私です 1回私を叩いてください、千早…」
千早「そんなことできません… プロデューサー、やっぱりそういうところばかり見てるんですね…」
P(おい貴音 やめてくれ)
貴音「…ふふっ」ニコッ
P(さすがは余興大好き 俺へのダメージ気にしてない 天使であり悪魔でもある)
貴音「おはよう美希 知っていますか? 普段、比較的眠くなりやすい体質は…」
美希「えっ、なになに?」
貴音「実は 死期の近さを… 知らせています」
美希「あははっ 貴音、真顔で言ってると本当みたいなの!」
貴音「…はぁ… 普通は…信じないものでしょうね」
美希「えっ…」
貴音「もう1つの特徴として その眠気が急になくなったとき その日のうちに、ほぼ命は消えます」
美希「……ほんと…?」
貴音「いつ言おうか悩んでいました …すみません 当日に言うなど…」
貴音「…残念ながら 近いでしょうね」
美希「………嘘じゃない?」
貴音「医学界の神 ソーナ・ウデノスが提唱した、実際に結果の出ていることです…」
美希「………」
貴音「美希 …気をしっかり持つのです」
美希「…は、ははは… 嘘だよ…」
貴音「ええ 嘘です」
美希「…えっ」
美希「えっ う、嘘? 嘘なの?」
貴音「ええ そのような医学界の神など存在しません "嘘なのです" を並び替えた名称ですから」ニコッ
美希「ちょ、ちょっと… そういう嘘はやめてほしいの…」ヘナヘナ
貴音「すみません しかし本当に寝すぎは身体に悪いのですよ 本当に死期が早まらぬよう、気を付けたほうがいいでしょう」
美希「わかったの… 安心したら眠くなってきたの」
貴音「…眠るのですか…」
美希「お、起きてるの!」
貴音「伊織、おはよう」ニコッ
伊織「おはよう… なによ いきなり笑顔なんて貴音らしくないわね」
貴音「伊織 なにか食べ物をください」
伊織「え…食べ物?」
貴音「食べ物を… 食べ物食べ物食べ物…!」クワッ
伊織「ひゃ! っ…わ、わかったわよ! 本当は15時に食べようと思ってたんだけど…」スッ
貴音「これは…! 高級感の溢れるぷりんですね!」
伊織「あんたそんなにひもじいの…? 給料は普通にもらってるはずよね…?」
伊織「う… ど、どうぞ」
貴音「…なんて 冗談ですよ まさか本当にいただけるとは思っていませんでした」
伊織「冗談? な、なによ また余興ってわけ?」
貴音「さすがは伊織ですね 余興です」
伊織「…ぷ、プリン返しなさいよ!」
貴音「ええ お返しします…」シュン
伊織「………」スッ
貴音「………」
伊織「ああもう! あげるわよ、食べていいからそんな目で見ないでよ」
貴音「ありがとうございます… 伊織殿、お慕いしております♪」
伊織「安い"お慕い"ね…」
貴音「ええおはよう 真美」
亜美「えっ、やだな→おひめちん! 亜美は亜美だよ?」
貴音「そうですね 真美は真美です」
亜美「…えっ!」
貴音「どうしました、真美?」
亜美「……お、お姫ちん? 亜美のことわかんないの…?」
貴音「いえ? 双海真美、765プロに所属する元気な双子の姉、でしょう」
亜美「それ…真美だよ…」
亜美「亜美は亜美だってば」
貴音「先ほどから何度もどうしたのです わかっていますよ…」
亜美「わかってないよ!」
貴音「亜美はどうしたのですか? 1人でとは珍しいです」
亜美「…っ……」ウル
貴音「はっ お…おいでなさい、亜美」
亜美「えっ」
貴音「度が過ぎましたね 冗談ですよ」
貴音「そうです すみません、まさか涙を浮かべるとは…」
亜美「亜美のこと忘れちゃったのかと思ったよ→」
貴音「そんなこと… 何十年もすれば保障できませんが、今はあり得ないことですよ」
亜美「…だよね! おひめちん、ゲームしよゲーム!」
貴音「かまいませんが、もう少し後にしましょう」
亜美「わかった! 頑張ってモンスター倒そうね!」
貴音「ええ… いい子です」
貴音「そうでしょうか 私には比較的緩やかに感じますが…」
あずさ「えっ… そ、そうね 緩やかかしら!」
あずさ(ま、まさか私の足腰が弱って… いやだわ)
貴音「しかし、私も疲れていると少し苦に感じますよ」
あずさ「…ど、どっち?」
貴音「ふふ どちらでしょうね」
あずさ「……貴音ちゃん、意地悪は嫌よ?」
貴音「…し、失礼しました 階段の勾配は変化していませんよ」
あずさ「…そ、そうよねぇ」
あずさ「………」
貴音「あ、あずさ 人間、何事にも"気のせい"というものはありますよ」
あずさ「そうね…」
貴音「…あずさ! きっと今日は身体の調子が悪いのです」
あずさ「そうかもしれないわね…」
貴音「う… あ、あずさ! 私も正装で行動していると、夫人と勘違いされることが!」
あずさ「え… あ、あるわよね! そうよね、貴音ちゃんもあるわよね!」パァ
貴音「ええ 実をいうと、頻繁にありますよ…」
貴音(よかったです)
貴音「真… なんだか今日は可愛いですね」
真「え… な、なに貴音? いきなりなに?」
貴音「今日の真は可愛いです まことに…」
真「や、やめてよ 照れるよー!」
貴音「つい、撫でたくなりますね 撫でても良いでしょうか」
真「なんだか変な貴音だなぁ… でも、撫でるのは別にかまわないよ!」
貴音「……」ナデナデ
貴音「ええ」ナデナデ
真「そ、そっかぁ 可愛いんだ…」
貴音「…敢えて言いますが…」
真「なに?」
貴音「真はいつも可愛いですよ」ニコッ
真「貴音… あ…ありがとう… …でも、お世辞はいいよ…」
貴音「ふふっ 私はお世辞は苦手なのです」
真「そっか…そっか! …へへ」ニコッ
貴音「…まこと、真はまこまこしいですね」
貴音「…そうですか」
雪歩「え… い、要らないですか?」
貴音「ええ 本日の私は、らぁめんなどに興味はありません」ウズウズ
雪歩「そ、そうですか… 他にラーメン好きな人っていたかなぁ…」
貴音「や、やよいに差し上げるとよいのでは 家族も多いですし…」ウズウズ
雪歩「あっそうですね し、四条さんはこんなお土産のラーメンになんか興味ないですよね… すみませんっ」
貴音「はい まったくもって…」ウズウズウズ
雪歩「……」シュン
貴音「………すみませんでした雪歩 今すぐに茹でてください 全責任は私が取ります」
雪歩「え…?」
貴音「そのお土産らぁめんを私に!ぜひください!」
雪歩「よ、よかったぁ! すぐに作ってきますね!」タタタッ
雪歩(全責任ってなんだろう)
貴音「雪歩、まことに優しい子ですね 私の好みを考え、わざわざ… うっ…」
貴音「む、無理をするものではありませんね… らぁめんに興味がないなどという意見… うっ、無理のし過ぎで若干の嘔吐感が…」
貴音「…? 何を言っているのです、それで問題ありませんよ」
雪歩「そ、そうですか… なるととほうれんそうしかなかったんですけど…どうぞ」
貴音「ありがとう 全身全霊で食しますよ」ニコッ
貴音「…いただきます」ズルルモグモグ
雪歩「お、おいしそうに食べてくれてうれしいですぅ」
貴音「ふふっ …っん おいしいですよ」モグモグ
雪歩「よかったぁ」
貴音「雪歩… 今度、良きお茶を持ちましょう… お礼はそのときにしますよ」
雪歩「そんな 気にしないでください!」
貴音「雪歩のような嫁が欲しいですね」
雪歩「…そ、そうですかぁ…」
貴音「律子嬢 お疲れ様です…」モミモミ
律子「おーっ? なんか悪いわね、肩揉んでもらうなんて」
貴音「いえ… …プロデューサーには聞いたことがないのですが…やはり仕事は大変ですか?」
律子「んーまぁね でも、やりがいがあるからこうやって頑張れるのよ 楽しいしね」
貴音「そうですか…それならば良いのです …律子嬢のような夫がいたら、幸せに暮らせそうですね…」
律子「…ん? なんか微妙に引っかかる言い方ね 夫って…」
貴音「そうですね 今の時代、妻が働く家庭もおかしくはありませんね」
律子「え、ええ… ところで何の話…?」
律子「うーん…? まだ全然よ 20中盤くらいに焦ればいいかなーって」
貴音「そうですか」
律子「う、うん だって今は仕事が楽しいし…ってなんでこの話になったのよ…?」
貴音「特に理由はありませんよ」ニコッ
律子「そ、そう 貴音は? 18ならもう結婚はできるけど」
貴音「ふふ とっぷしーくれっと、といいたいところですが」
律子「ですが?」
貴音「そのような相手はおりませぬ故…」
律子「あー ってそれいったら私もそうよ…」
律子「ん?」
貴音「いえ 律子嬢とは、何故か自然に話せますね」
律子「そういえばそうかも 歳が近いのもあるからじゃない?」
貴音「…はて、律子嬢の今の齢は…」
律子「19だけど…?」
貴音「なんと! …そうでしたね」
律子「そこで驚かないでよ」
貴音「おや… どうしたのですか真美」
真美「えっへへ この間のハグハグお姫ちんのお返しだよ」
貴音「ああ… あの余興の… っ!」
真美「ど、どしたの?おひめちん!」
貴音「あ、いえ 真美…」
真美「なに→?」
貴音「もう一度、貴音お姉ちゃんと呼んでいいのですよ」
真美「え?」
真美「ま、真美ちゃん!?」
貴音「ええ 何か変でしょうか 真美ちゃん」
真美「お姫ちんが"ちゃん"付けるのはちょっとヘンだよ→」
貴音「そうですか では真美ちん」
真美「ま、まみちん!?」
貴音「はい 私がお姫ちんならば真美は真美ちんでしょう」
真美「そしたら貴音ちんだよ…?」
貴音「ふふ 名前を呼びましたね では次にお姉ちゃんと」
真美「お姫ちんがこわいよ→!」
貴音「ええ 余興中ですよ」
響「ふぅん… 自分にはまだよく分かんないぞ… なっハム蔵?」
貴音「はむぞう… ああ…そういえば ワニの肉は珍味らしいですね」
響「あー 外国では食べるんだっけ…?」
貴音「不意に…少し食べてみたいのですが… どこかにいいワニを知りませんか?」
響「た、貴音…? ワニ子はダメだぞ!?」
貴音「ああ… いるではありませんか…」ユラリ
響「わーっ! ダメ、ダメー!」
響「たかねぇ… ね、ねえ! 貴音だって家族を食べられたらいやでしょ!?」
貴音「私の家族は食べられる対象ではありませんが」
響「あーそういうことじゃなくてぇー… わ、ワニ子ー」
貴音「ふふっ …なんて、冗談です 大丈夫…ワニ子をいただくはずがないですよ、響」
響「…そ、そっか… そうだよね、いくら貴音でも」
貴音「ワニ肉を食べてみたいのは本当ですが」
響「わーっ!」
貴音「響は可愛いですね 大丈夫ですよ ふふっ」
響「最後の"ふふっ"がなければ完璧に信じるぞ…」
貴音「おや… ふふっ」
貴音「やよい、ごきげんよう 今宵ももやしですか?」
やよい「そうですよぉ! よくわかりましたね!」
貴音「いえ やよいが事務所に入る瞬間の"すきっぷ感"でわかりましたから」
やよい「えーっ そんなにご機嫌でしたかぁ…?」
貴音「ええ …あぁそうです、やよい」
やよい「はい?」
貴音「先日の夜も、もやしですか?」
やよい「昨日は違いますねー」
貴音「では明日は…もやしですか…?」
やよい「ち、ちがいますー」
やよい「あ、ありがとうございますー」
貴音「これで、明日ももやしですね」
やよい「あの、貴音さん」
貴音「どうしました?」
やよい「べ、別にもやしが大好きってわけじゃなくて… 安いから… あ、おいしいですけど…」
貴音「…ふふっ わかっていますよ すみません、やよいを少しからかってみただけです」
やよい「貴音さん 意地悪です」シュン
やよい「えへへ 怒ってないですよー!」
貴音「優しく、強いやよいは…そう まるで母のようですね」
やよい「えーっ それ、あずささんが真さんに言われてましたよ? あずささんと私なんかじゃ、違いすぎて…」
貴音「やよい? あいどるは個性を生かして光るのですよ 評価してくれている方がいるのに"私なんか"と自分を過小評価してはいけません」
やよい「はい…!」
貴音「いい子です あの…今宵は、やよいの家で食を共にしても良いでしょうか?」
やよい「えっ…はい いいですよ! もやしパーティなので、モリモリ食べてくださいね!」
貴音「ありがとうやよい …なにか、良いものを用意して向かいます故…お楽しみに」
やよい「うっうー! 楽しみにしてます!」
鶏胸?
小鳥「…え、今日は特に関わってないけど…?」
貴音「そうではありません 帰りは、やよいの家に寄るために仕事場から直帰したいのですが」
小鳥「ああ、わかったわ 仕事終わりの時間にここを出た、ってことにしておくね」
貴音「ええ よろしくお願い致します」
小鳥「ところで、いい絵はとれたの?」
貴音「それはプロデューサーのみぞ知ること…」
P「うん 今コピーしてるとこだ」
小鳥「くださいね」
P「1分100円ですからね」
貴音「もし…? これは商用ではありませんよ」
小鳥「あまり変わらないじゃないですか…さてはやっぱり1人じめ…」
P「こ、小鳥さんにもあげますから」
小鳥「ふふん 当然です!」
貴音「…こう、やり取りを見ていると まるで夫婦のようですね」
P「なっ、た、貴音 小鳥さんに失礼だろ」
小鳥「夫婦… っていえいえ!別に失礼じゃないですよ!」
P「えっ…」
小鳥「えっ…」
貴音「ふふっ 余興ながら、高みを目指し いずれはお二方のきゅぴーっとになるのが私のあいどるの次の夢です」
貴音「…なんて、冗談ですよ」
おわり
読んでくれてる人ありがとう
Entry ⇒ 2012.06.01 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
クー子「……少年、今夜だけ、いっしょに寝る」真尋「え、え?」
クー子「……うん、卵の名前を冠した、豆もやしに変形する生物も多用してくる」
真尋「意味がわからない……」
クー子「……とにかく、一緒に寝て?」
真尋「うっ……」ドキドキ
クー子「……狭い」モゾモゾ
真尋「し、仕方ないだろ、僕一人用なんだから!」
クー子「……わたしもお布団に入りたい。でも当然少年も入りたい」
真尋「うん」
クー子「……妙手がある」
……
クー子「……横が駄目なら縦。わたしが下で少年が上。少年が地震の落下物からも守ってくれて完璧」
真尋「いや……この体勢はやばいだろ……」
クー子「……少年、どうして産まれたての仔鹿の体勢なの?」
真尋「おま……僕が両手足を曲げたらどうなるかわかるだろ……」
クー子「……持ち上がっちゃったお布団が降りてくる」
真尋「違う!」
真尋(持ち堪えろ僕の両手足!)
クー子「……少年、どうしたの?」
真尋「ぐ……!そ、そうだ!僕が床で寝れば
クー子「……少年が視界に入ってないと安心できない」袖ひっぱり
真尋「」
〜20分後〜
クー子「……少年、寝ないの?」
真尋「く、クー子こそ……早く寝たらどうだ……?」プルプル
クー子「……地震怖くて眠気が飛んだみたい」
真尋(僕は出来るなら筋肉的にも睡魔的にも倒れこみたいよチクショウ!)
クー子「……?」
真尋(僕は倒れたい。けど倒れたらクー子にのしかかる格好になる)
真尋(よって僕は四肢を踏ん張らせて起き続けなくてはならない)
真尋(でもなんかクー子から甘いいい香りがして引き寄せられる……)
真尋(でもそうして引き寄せられるとクー子にのしかかる格好になってしまう)
真尋(なんだこの嫌なループは)
真尋(息を止めても目からクー子の姿が入ってくるし……)
真尋「え!?き、気にしないでくれ……」
真尋(くそ……至近距離すぎる!なんでクー子はそんな普通でいられるんだ……!)
真尋(ニャル子みたいに下心で潜り込んできたわけじゃないから、フォークも使えない……!)
真尋(しかし、炎の神性が地震を怖がるとはなぁ……なんだかんだでこいつも女の子……って意識しちゃ駄目だ!)
〜さらに30分経過〜
真尋「うぐぐ……(人間、頑張れば意外と耐えられるもんだな……)」プルプル
クー子「……少年、もしかして僕は悪い魔物じゃないよごっこ?」
真尋(もはやツッコミを入れる気力が……)
クー子「……少年が仲間になりたそうな目でわたしを見ている。仲間にしますか?」
真尋「見てないよ!ついでに遊んでもない!」プルプル
クー子「……じゃあもしかして寒いの?それなら……」グイツ
真尋「うわっ!?」
クー子「……ほら、わたしの身体あったかいよ。これで寒くない」
真尋(うわああああああああああああぁぁぁぁぁ!?)
真尋(柔らかいあったかい気持ち良いいい匂いじゃなくて早く起き上がれ僕っ!)
真尋(この状態は最愛だ!このままじゃ僕のSAN値が削り取られた挙げ句SON値を上げてしまう!)
ぐらり……
真尋「っ!また地震か!?」
クー子「……!」ギュッ
真尋「な、なんでここで抱きつくクー子ぉぉぉ!?」
……
クー子「……くすん。またあるかもしれないから、このままがいい」
真尋「ちょ……」
クー子「……少年抱き枕、ニャル子抱き枕とはまた違った抱き心地。悪くない……」ギュ
真尋「クー子、くっつきすぎだ……!」
クー子「……ぴったりくっつけば、二人でもお布団かぶれるよ?」
真尋(くそぉ!なんでこいつは平気でこんなことできるんだ……!)
真尋(多分クー子だから何も考えてないんだろうけど……)
真尋(ある意味ではニャル子よりたちが悪いな……おかげでフォークも……)
クー子「……?……少年、何かお腹に当たってる……?」
真尋「あ」
クー子「……!……少年……溜まってる?」
真尋(僕の方が欲情してどうするんだ……もういっそ誰か僕をフォークで刺してくれ……)ドンヨリ
真尋「…………」
クー子「……少年………………わたしとえっち、する?」
真尋「し、しないよ!てかごめん!すぐに離れるから……!」エビゾリ
クー子「……少年、そんな超人的な動きで拒否されると、さすがに傷つく……」
真尋「し、仕方がないだろ……っ!?(このまま後ろに反って……!)」
クー子「……少年、わたしの身体、やっぱり魅力がないの?」
真尋「え……?」
クー子「……わたしはニャル子の裸を見ると凄く興奮する」
クー子「……でもニャル子はわたしの裸を見ても、全然興奮してくれない……」
クー子「……少年も駄目。興奮したのは、お姉ちゃんだけ……」ションボリ…
クー子「……少年?」
真尋「お前、もうちょっと自分が魅力的って自覚持った方がいいぞ!?」
クー子「……魅力的?わたしが?」
真尋「あーそうだよ、僕が普段からどれだけ我慢してると思っているんだ!」
真尋「戦闘時も裸に近いわ、風呂でも仁王立ちするわ、所構わずニャル子に発情するわ……」
真尋「今だってそうさ!夜中に男女で一緒の寝床なのに、警戒心0で……!」
真尋「僕だって男なんだ!毎回可愛い子のそんな姿見たら、嫌でもこうなるよ!」
クー子「……少年」
真尋「はぁはぁ……だからクー子、もっと自信をもて」
クー子「……少年……ありがとう」
真尋(……慰めるためとはいえ、なにかとんでもないことを口走ったような……)
クー子「……少年の口からそんなこと聞けるなんて、意外だった」
真尋「〜〜っ!う、うるさいな!……ほら、わかったら早く寝た寝た!」
クー子「……少年、それはどうするの……?」
真尋「うっ……まあ少し本音ぶちまけて楽になったし、眠れば朝には落ち着いてるだろ……」
クー子「……わたしにえっち、しないの?」
真尋「ばっ……だからお前なぁ、なんで軽くそんなことを……!」
クー子「……でも少年、かなり辛そう」
真尋(クー子の誘惑攻撃は無自覚のようだ……こうなったら……>>39してこの場を切り抜けるしか!)
おでこにちゅ。
クー子「……してるよ?」
真尋「とにかくだ、ハス太がいれば僕のこの愚息も落ち着くと思うんだ」
クー子「…………!わたし、ハス太君に負けた……!?」
真尋「違う違う!さすがに(見た目)子供の前なら自重するだろってこと!」
クー子「……なるほど」
真尋「そういやクー子、なんで僕の部屋に?ハス太でもよかったんじゃ……」
クー子「……少年の方がよかったから」
真尋「……そ、そうか」
クー子「……うん」
真尋「(意識したら駄目だ!)ハス太ー、悪いんだけど僕たちと」ガチャ
ハス太「だ、ダメだよシャンタッ君……そこは……!」
バタン……
真尋「…………」
クー子「…………」
真尋「…………」
クー子「…………少年、戻ろう?」
真尋「ああ…………」
むしろ松来さんだから良いんだろ
あ?
クー子「……よく考えたら、ハス太君もくるとお布団が狭すぎる」
真尋「……」
クー子「……やっぱり、少年だけの方がいい」ギュッ
真尋(むしろSAN値を下げる結果になろうとは……)
クー子「……少年、あのハス太君もえっちしてた」
クー子「……少年もしていいと思う」
真尋(というか追い込まれた……)
真尋(いくら本人がいいって言っているからって……)
真尋「なあクー子、お前、ニャル子が好きなんだよな?」
クー子「……うん、愛してる」
真尋「だったら……さ、やっぱり、ニャル子のためにも……」
クー子「……少年、優しい」
クー子「……でも、そんな優しい少年だから……えっちしてもいいんだよ……?」
真尋「」
クー子「……むしろ……………して欲しい」
クー子「……少年すごい汗。熱かった?」
真尋「クー子……悪いけど僕の身体は孕めたりは……」
クー子「……少年なら……わたしが孕まされる側でも構わない……」
真尋「……!」
クー子「……大丈夫。最初に言ったけど、一緒に寝るのは今日だけ……」
クー子「……少年がいずれニャル子を選ぶのはわかってる。だからえっちも今日だけ……」
クー子「……でも少年は今は楽になる。あとは黙ってれば今日のことは二人だけの秘密……」
クー子「……樹海に生息するじゃれてくるワニに甘噛みされたと思えばいい……」
クー子「……前にも言った。少年なら、構わない」
真尋「……クー子」
クー子「……少年」
真尋(僕は……)
真尋「……それはできない」
クー子「……ッ!しょうね
真尋「そんな軽い気持ちで抱けるわけないだろ……?」
クー子「……ごめんなさい」
真尋「……謝るのはこっちだ、クー子。本当に虚弱貧弱無知無能の僕で構わないのか?」
クー子「……え?」
真尋「ニャル子じゃなくて……僕で」
真尋「……地球人の性欲は凄いぞ。特に今の僕は」
クー子「……うん」
真尋「……もうすぐ、僕のSAN値が無くなる。自制心なんてものも、多分なくなる」
クー子「……うん」
真尋「多分ニャル子からの制裁が下る」
クー子「……う、うん」
真尋「……今日限りなんて言わないなら……地球人と付き合う覚悟があるなら……」
真尋「クー子……お前を抱いてもいいか?」
クー子「……少年こそいいの?ニャル子じゃなくて……」
真尋「……クー子だからだ」
クー子「……少年」
真尋「……クー子」
クー子「……少年…んっ……ちゅ……」
真尋「仕方がないだろ……面と向かってキスなんて……」
クー子「……」
真尋「……お前だって、顔赤いぞ……」
クー子「……わたしはクトゥグアだから」
真尋「答えになってないぞ……」
クー子「…………わたしだって、姉さん以外の人に触れられたことないもの……」
真尋「クー子……」
クー子「……できれば、優しくしてほしい」
クー子「……うん」
真尋(……なんだろうこの背徳感は)プチプチ
クー子「……ん……」
真尋「……っ!」
クー子「……少年……どう?」
真尋「クー子……その……綺麗……だ……」
クー子「……!」
真尋「……触っても、いいか?」
クー子「……あんまりないけど……」
真尋「いや、十分だよ」フニッ
クー子「――ッ!」
真尋「お、おい大丈夫かクー子!?」
アニメでは転入時にマニア心をくすぐるAカップとスピーカーが言ってた
真尋「わ、悪い……痛かったか?その……こういうのは、初めてで……」
クー子「……痛くない。けれど、妙な感覚……」
真尋「クー子……」
クー子「……ひぅ!?しょ、少年……いきなり吸いつかないでほしい……」
クー子「……ッ!?あっ……やぁ……!?しょ、少年……!?」
真尋「クー子の胸……小さいけど柔らかくておいしい……」
クー子「……んっ……んん……!少年、まだミルクはでな……ふぁ!?」
クー子「……ぁぅ……少年?」
真尋「………止まれそうにない」
クー子「……え?あ、んっ!はぁ……ぁ……んっ!」
真尋「クー子……もっと、声を聞かせてくれ……」
クー子「ん……あっ!…ふっ……くぅぅ……!少年……!急に全身撫でるのはずるい……!」
真尋「クー子の身体、すべすべだな……」
クー子「……ちょっ……待って……少年……!」
真尋「言っただろ、止まれないんだ……!」
真尋「ん……ここが気持ちいいのかクー子?」
クー子「……うん。でも待っ……ひん!?」
真尋「なら、念入りに触ってやらないとな」コリコリ
クー子「んっ……!やぁ……そこ弄っちゃ、駄目……!」
真尋「じゃあ、こっちはいいか?」
クー子「〜〜っ!反対も、だめ……!」
真尋「クー子……なんで顔を隠すんだよ?」
クー子「……わからない。でも、少年に見られると……なんだか恥ずかしい……」
クー子「……うぅ、少年の手、ニャル子じゃないのに這いよってくる……」
真尋「……嫌か?」
クー子「……ううん……気持ちいい」
真尋「ならよかった……」
クー子「でも……」
真尋「でも?」
クー子「少年の手つき…………姉さん以上にいやらしい」
真尋「」
クー子「……少年が真っ白に!?ごめん、嘘。……優しくてあたたかい……とても……」
真尋「あの人よりいやらしい=犯罪者なんだぞ……冗談でもやめてくれ……」
クー子「……待ってて言ったのに待ってくれなかったお返し。それより少年、そろそろ……」
クー子「……わたしの……ここに…………」
真尋「……」
クー子「……少年の焼きごてを入れてスクリュードライバーして……大丈夫、見切りは閃いてない」
真尋「なんでそこでネタを挟むんだよ!」
クー子「………………ニャル子には平気なのに、少年だと恥ずかしいから。あまり……見ないで?」
真尋「クー子……こんなに濡れて……」
クー子「〜〜っ!少年に言われなくても、わかってる……!」
真尋「ご、ごめん……」
クー子「……少年、今度はわたしが少年のズボンを引き摺り降ろす」
クー子「……問答無用。えいっ」ズルリ
ベチン
クー子「んぅ!?……こ、これが少年の……!?」
真尋「なあ、クー子、悪かった。悪かったからその……僕のもそんなに凝視しないでくれ」
クー子「……少年、わたしの計算と違う」
真尋「なんの計算だよ……」
クー子「……こんなに大きいのは想定外」
真尋「んー……まあとりあえず、野良ニャルラトホテプに短小と言われても、即否定できる程度ではあるな……」
クー子「……」ゴクリ
真尋「クー子、無理は……」
クー子「大丈夫だ、問題ない……!」ギュッ
ぶつり
クー子「―――――――ぁっぅ!」
真尋「うっ……!きつ……!クー子、大丈夫か!?」
クー子「……!だい、じょう、ぶ……!……動いて、いいよ?」
真尋「クー子……!」ヌプッ
クー子「……んっ……!ぁ……!」
真尋「クー子の膣内……すごくあたたかくて気持ちいい……!」
クー子「よかっ……たっ……!少年のも、苦しいけど、気持ちいい……!」
真尋「はぁ……はぁ……クー子、クー子ぉ!」
クー子「あっ……ふぁぁ……!少、年……キス、して……!んぅぅ……!」
クー子「ん……!わた、しも……!少年、膣内に出して……いいよ?」
真尋「ぐっ……ぅ!さ、さすがにそれは……!駄目だ、抜くよクー
グラグラグラ!
クー子「……!?」ガッシリ
真尋「な、なんでここで地震が!?じゃなくてクー子離――あああああ!?」
クー子「〜〜〜!!」
………
クー子「……ん、少年もわたしと一緒」
真尋「その……ごめんなクー子。大丈夫だったか?」
クー子「……ちょっと痛かったけど平気。少年のおかげで地震も平気だった」
真尋「いやそれもそうなんだけど……」
クー子「……ごめんね少年、今日は安全な日。次はちゃんと大丈夫な日で赤ちゃんつくろ?」
真尋「逆だろ普通!?」
クー子「……少年、まだこのままでいい?」
真尋「ん、あぁ……構わないよ」
クー子「……今日はありがとう少年。また少年に迷惑をかけた……」
真尋「いや、僕もその……なんというか……色々ごめん」
クー子「……少年、あらためて……不束者ですが、これからよろしく」
真尋「……ああ、こちらこせ、クー子」
ニャル子「まっひろさーん!今日も元気に……這いよる……」
真尋「ん、おはようニャル子」
クー子「……ニャル子、おはよう」
ニャル子「な、なんであんたが私の真尋さんと一緒にご飯を作っていやがるんですか!?」
クー子「……花嫁修業?」
ニャル子「はあ!?とうとう脳みそ完全燃焼したんですか!?」
クー子「ファイアブランドが共鳴する……この卵を叩き斬れと……」
真尋「だからそれ出すな!手で割れ!あー……ニャル子、言いにくいんだが……」
ニャル子「え、なんですか真尋さん!まさか愛の告白ですか!うっひょー
クー子「……少年は、わたしの夫になった」
ニャル子「」
ニャル子「クゥゥゥゥゥコォォォォォォ!真尋さんの陰からでてきやがれってんですよぉ!?」
クー子「……ぐすん。ニャル子、痛い。大丈夫、わたしはニャル子の妻でもある……」
ニャル子「黙れってんですよ!真尋さんどいてください、その可燃物をすり潰せません!」
真尋「落ち着けニャル子!……僕の方が先に手を出した」
ニャル子「なんですと!?私の熱烈アタックを断り続けた真尋さんが!?」
クー子「……ニャル子、わたしに熱烈アタックしてもいいんだよ?」
ニャル子「うぐぐ……!認めません、認めませんよこんなの!」
真尋「……ハス太はそこで気絶してるよ。シャンタッ君も」
ハス太「」ツヤツヤ
シャンタ「」ツヤツヤ
クー子「……わたしも少年と熱い夜を過ごしたけど、二人はそれ以上……」
真尋「こいつらになにがあったんだ……」
クー子「……少年、今度は………お尻の方で究極合体する?」
ニャル子「あんた今すぐに最新型蕃神に取り込まれて駄女邪神になっちまいやがれです!」
真尋「少し落ち着けよ、ニャル子……」
ニャル子「だ、だって……だって……」
真尋「おいクー子!?」
クー子「……奪いかえせばよい。……できるものなら」
ニャル子「……!じょ、上等じゃねーですかクー子のくせに!」
真尋「おい、よくわからんが、喧嘩すんだったら容赦なくフォークがいくぞ」
クー子「……大丈夫。より少年に相応しい家庭的な奥さんで勝負」
ニャル子「はっ!まともな料理も作れないあんたになにができますか!」
真尋「お前も普通の食材使ってくれればいいのにな……」
クー子「……少年、確かにわたしはニャル子ほど料理が上手くないけど……」
真尋「ん、どうした?」
クー子「わたし、素手でアイロンがけもできるし、ほら目玉焼きやおにぎりも焼ける」ジュー
クー子「水もすぐお湯にできるし、冬はストーブ。昨夜もしたけどゆたんぽにもなる」
クー子「……眷属の力で冷蔵庫やクーラーもいらない。光熱費大幅カットで家計に優しいよ」
真尋「あ、それはかなり助かるな」
ニャル子「ひ、卑怯すぎるでしょこのクトゥグアァァァ!」
ニャル子「つ、束の間の天下を楽しむといーですよ!最後に真尋さんを手に入れるのはこの私です!」
クー子「……負けない」
ニャル子「真尋さん……!不甲斐ない私をお許しください……!すぐにクー子の魔の手から解放を!」
真尋「待ておまえら、僕の意思無視してんだろ!」
ニャル子「完璧なニャル子ちゃんになって、クー子の存在なんて忘れさせてあげますから!」
ニャル子「……もちろん、物理的にもクー子を消してやりますとも!」
真尋「お前はまず少しクー子を受け入れる努力からだな……」
真尋「ニャル子のやつ、本屋行ってくるって何を買うつもりだ……?」
クー子「……わからないけど、少年のため」
クー子「……ニャル子が少年のことを第一に考えてるのは間違いない。そこはわかってあげて」
真尋「う、うん……しかしクー子、さっきのニャル子との話は……」
クー子「……ニャル子がどう頑張っても勝てないくらい、わたしも頑張ればいい」
クー子「……少年……真尋は、ニャル子には渡さない。絶対だよ」
真尋「ク、クー子……」ドキドキ
クー子「……これからもよろしくね」
真尋「ああ、こちらこそ」
クー子「……そして、わたしに勝てなくて落ち込むニャル子も隙をみて頂く、まさに完璧な作戦」
真尋「やっぱりか!」
人様のスレを勝手に乗っ取ったり、ぐだったり、拙かったりで色々申し訳ない。
ここまで付き合ってくれた人、どうもありがとう!
乙
Entry ⇒ 2012.06.01 | Category ⇒ ニャル子さんSS | Comments (0) | Trackbacks (0)