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あかり「・・・意気地なし」結衣「!?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1326545912/
■繁華街歩道■
あかり「ほらぁ、早くしないと遅れちゃうよぅ」
結衣「大丈夫だって、それより手を引っ張るな!」
あかり「だって結衣ちゃん、遅いんだもん!」
わたしはこのコが嫌いだ
控えめのようでいて人を振り回すし
こうやって、すぐ人にふれてくる
あかり「ぜぇぜぇ、あのまま・・・ぜぇぜぇ、歩いてたら」
結衣「わかったから、息整えなよ」
あかり「はひ・・・ぜぇぜぇ」
わたしはこのコが嫌いだ
自分の体力も分かってないくらいトロいし
なにより
わたしの想いに気付いてないから嫌いだ
あかり「やっと落ち着いたぁ」
結衣「十分時間みてるから、問題ないって言ったじゃん」
まったく
あかりを慌てさせないために、余裕もって出てきたっていうのに
あかり「だって映画の前にお茶したかったんだもん」
結衣「はいはい、アイスティでいいんだよね」
あかり「うん、シロップ2つね」
結衣「わかってるって」
あかり「だから結衣ちゃん好き♪」
くぅ
無神経にそゆこと言う、あかりは嫌いだ
あかり「わ~い♪」
結衣「ほい、シロップ2つ」
あかり「結衣ちゃんはなんにしたの?」
結衣「わたしはカフェオレ」
ほんとは同じのにしようと思ったけど、やめた
すっごくバカみたい、わたし
あかり「わ!ちょっと飲ませて!」
な、なに言ってんのあかり
間接キスになっちゃうじゃん!
結衣「や、やだよ、自分の飲みなよ」
あかり「え~?ケチぃ」
そうだよ
ケチとかいう問題じゃないよ
ドキドキするじゃんか
あかり「ええええ?あかりには飲ませたくないってこと?」
わ、話題変えないと
持たない
結衣「あかりはちょっと猫舌なんだよね、大変だな」
あかり「うん、熱いのどうしても遅くなっちゃう」
結衣「わたしとの時は、ゆっくり飲めばいいよ」
わたしとの時って、ちょっと強調しちゃった
あかり「じゃ、そのカフェオレ飲まして♪」
まだ言うかっ
結衣「それとこれとは話が別!」
結衣「ふ~んだじゃないよ、氷解けちゃうよ?」
わたし、顔赤くなってないかな
あかり「そういえば、映画館も久しぶりだね~」
結衣「あんまり面白そうなの、やってなかったしね」
なんてウソ
意識しすぎて誘えなかったんだ
一人で映画観るの、意外に切なかった
あかりはどうなのかな
誰かと来てたりしないよね
あかり「この映画は絶対観たかったんだ」
聞いてみようかな
結衣「相手がわたしで良かったの?」
あかり「え?」
そうだよ
普通はそうなんだよ
あかり「そんなことないよ、結衣ちゃんと観たかったんだもん」
ちくしょう
優しいけど、友達としてだよね
当たり前なんだけど
だけどさ
結衣「え~?寂しいな、それ」
なんだろ
なんでわたし、こんな自虐的になってんの?
あかり「あ、そろそろ行こっか、10分前から入れるよ」
結衣「そ、そうだね」
情けない
あかりの手
どうしても意識する
いきなり握ってみようかな
もしかして、握り返してくれるかも
いや
そんなことないよね
気持ち悪がられるだけ
あかりに気持ち悪いとか言われたら
わたし、どうなっちゃう?
でも
でもさ、近付けてさわるくらいなら
だって手を繋いできたんだし
そうだよ
全然問題ないじゃない
ぴとっ
結衣「!?」
あ、反射的に謝っちゃった
さわる前に手を引っ込めちゃうって
心のどっかで思ってたのに
不意打ちだよ、こんなの
あかり「こ、こっちこそ」
どう思ったかな
あかりは、どう思ったかな
結衣「気持ち悪いよね、はは」
あかり「気持ち・・・悪い」
!?
そうだよね
そうなんだろうけどさ
あれ?
いまあかりの声だった?
もしかして聞き間違いかも
そんな訳・・・ないか
結衣「ほ、ほんとにごめん」
もう消えたい
あかり「・・・・・・」
あかり、さっきから黙ったままだ
うぅ
この沈黙には耐えられないよ
結衣「どうした?気分でも悪くなった?」
あかり「そ、そんなことないよ、あはは」
無理してる
謝らなきゃ
さっきのこと、謝って許してもらわなきゃ
結衣「あの、さっきのことだけどさ」
あかり「ごめん結衣ちゃん、やっぱり調子悪いみたい」
あかり「先に帰るね!」
結衣「あ!」
やだよ
行かないでよ、あかり
そんな顔したままいなくならないでよ
でも、でもさ
わたしの足、言うこと聞いてくれないや
プルルルルル
頼む、あかり出て
あかり『はい、もしもし』
良かった、出てくれた
結衣「あ、あかり」
あかり『・・・結衣ちゃん』
結衣「その、大丈夫だった?」
あかり『うん、心配かけてごめんね』
結衣「そ、そっか」
あかり『・・・・・・』
結衣「あの、さ」
だめだ
言葉が出て来ない
結衣「な、なに?」
あかり『もう遅いから、また明日』
結衣「そうだね、おやすみ、はは」
あかり『・・・意気地なし』
!?
見抜かれてる
わたしが臆病で、謝りも出来ないのが
見抜かれちゃってる
もう
だめだ
明日、どうやってあかりと顔を合わせればいいのか
わからない
終わっちゃった
こんなことで終わっちゃうこともあるんだね
こんなちっぽけなことで
結衣「こうしてわたしの恋は終わりました・・・か」
わたしは枕に顔を押し付けて
泣いた
■繁華街歩道■
あかり「ほらぁ、早くしないと遅れちゃうよぅ」
結衣「大丈夫だって、それより手を引っ張るな!」
あかり「だって結衣ちゃん、遅いんだもん!」
わたしは今日、浮かれてた
結衣ちゃんと久しぶりの映画
学校でも一緒にいられるけど、こういうのは特別
わたしの中ではデートだったから
もちろん、結衣ちゃんは知らない
わたしのこんな気持ち
あかり「ぜぇぜぇ、あのまま・・・ぜぇぜぇ、歩いてたら」
結衣「わかったから、息整えなよ」
あかり「はひ・・・ぜぇぜぇ」
失敗しちゃった
手を繋げて、テンション上がっちゃったよぅ
結衣ちゃん呆れてないかな
うぅ
あかり「やっと落ち着いたぁ」
結衣「十分時間みてるから、問題ないって言ったじゃん」
あかり「だって映画の前にお茶したかったんだもん」
だって
その方がデートらしいもん
結衣「はいはい、アイスティでいいんだよね」
あかり「うん、シロップ2つね」
結衣「わかってるって」
わかってるって、なんかいいよね
だから言っちゃおうかな
もう
言っちゃえ
あかり「だから結衣ちゃん好き♪」
あかり「わ~い♪」
結衣「ほい、シロップ2つ」
あかり「結衣ちゃんはなんにしたの?」
結衣「わたしはカフェオレ」
ちょっと試しに言ってみたりして
あかり「わ!ちょっと飲ませて!」
結衣「や、やだよ、自分の飲みなよ」
あはは
やっぱり無理だったよ
あかり「え~?ケチぃ」
あかり「ええええ?あかりには飲ませたくないってこと?」
ちょっとスネてみたりして
結衣「あかりはちょっと猫舌なんだよね、大変だな」
あれれ
話を反らされちゃった
あかり「うん、熱いのどうしても遅くなっちゃう」
結衣「わたしとの時は、ゆっくり飲めばいいよ」
じゃあ
遠慮なく話を戻しちゃえ
あかり「じゃ、そのカフェオレ飲まして♪」
結衣「それとこれとは話が別!」
ちぇ
結衣「ふ~んだじゃないよ、氷解けちゃうよ?」
あんまりしつこくしても、しょうがないよね
あかり「そういえば、映画館も久しぶりだね~」
前に結衣ちゃんと来て以来だから
いつだっけ
結衣「あんまり面白そうなの、やってなかったしね」
あかり「この映画は絶対観たかったんだ」
もちろん結衣ちゃんとだよ
結衣「相手がわたしで良かったの?」
あかり「え?」
なに?
なに言ってんの?結衣ちゃん
そ、それはそうなんだろうけど
いま言わないでよ
いまは結衣ちゃんとデートなんだよ?
あかり「そんなことないよ、結衣ちゃんと観たかったんだもん」
結衣「え~?寂しいな、それ」
寂しいなんて、なんで言うの?
やめてよ
どうしよう、話題変えなきゃ
そうだ
あかり「あ、そろそろ行こっか、10分前から入れるよ」
結衣「そ、そうだね」
結衣ちゃんの手
すっごく意識しちゃうよ
握ってくれないかな
ずっと結衣ちゃんの方に手を置いてるんだけどな
でも
彼氏とかじゃないもんね
無理だよね、あはは
だ、だけどさ
万が一ってあるじゃんね
もう少し
もう少しだけ、結衣ちゃんの方に伸ばしてみようかな
ぴとっ
あかり「!?」
え?
なんで謝るの?
やっぱりこういうの、変なことなの?
あかり「こ、こっちこそ」
結衣「気持ち悪いよね、はは」
!?
いま
いまなんて言ったの?
あかり「気持ち・・・悪い?」
結衣「ほ、ほんとにごめん」
お願いだから
何回も謝らないでよ
気持ち悪いなんて思わないでよぅ
あかり「・・・・・・」
どうしよう
気持ち悪いって思われてる
どうすればいいんだろう、うぅぅ
結衣「どうした?気分でも悪くなった?」
あかり「そ、そんなことないよ、あはは」
嫌われたくない
結衣ちゃんに嫌われたくないよ
結衣「あの、さっきのことだけどさ」
!!!
あかり「ごめん結衣ちゃん、やっぱり調子悪いみたい」
あかり「先に帰るね!」
逃げよう
いまは少しでも早く、逃げよう
でないと
泣き顔・・・見られ・・・ちゃうよ
あぁ
今日の朝は、あんな幸せな気持ちだったのにな
急降下しちゃったよ
プルルルルル
あ、電話
お姉ちゃん・・・はお風呂か
あかり「はい、もしもし」
結衣『あ、あかり』
!!!
あかり「・・・結衣ちゃん」
結衣『その、大丈夫だった?』
あかり「うん、心配かけてごめんね」
結衣『そ、そっか』
結衣『あの、さ』
どうしよう
言葉が出て来ない
なにか
あかり「結衣ちゃん」
結衣『な、なに?』
あぅ
涙が出てきた
声で泣いてるってわかっちゃう
また
気持ち悪がられちゃうよぅ
あかり「もう遅いから、また明日」
結衣『そうだね、おやすみ、はは』
逃げた
また逃げちゃった
あかり「わたしの意気地なし」
わたしは大声で泣いた
お風呂から出てきたお姉ちゃんの慌てぶりからすると
すっごい泣き方だったんだろうって思う
こうして
バカなわたしの初恋は終わった
■あかり自宅■
あかり「はぁ」
学校行くのがこんなに憂鬱になるなんて
思わなかったよ
さぼっちゃおうかな
さぼりなんてわたしのキャラじゃないけど
あはは
あかり「いってきます」
ガチャ
あかり「!?」
結衣「おはよう」
結衣「謝ってもらいに来た」
あかり「え?」
結衣「わたしは意気地なしなんかじゃないから」
結衣「いまから、それを証明する」
あかり「意気地無しって、え?」
結衣「いくら嫌われても、いくら気持ち悪く思われて言う」
あかり「な、なにを?」
あかり「!?」
結衣「たとえこれで避けられたって、口を聞いてくれなくなったって」
結衣「この気持ちは譲らないから」
あかり「・・・・・・」
結衣「・・・・・・」
あかり「・・・すごいね」
結衣「え?」
あかり「すごい勇気だよね、さすがわたしのおやびんだよ」
結衣「・・・あかり」
あかり「でもね」
結衣「な、なにぃぃぃぃぃ!?」
あかり「だから謝らないもん」
結衣「う・・・謝りなよ」
あかり「やだよ、逆にこっちが謝って欲しいくらいだもん」
結衣「なんでさ」
あかり「だって、わたしの言いたいこと、み~んな言われちゃったから」
結衣「は?それってどういう・・・」
あかり「さぁ結衣ちゃん、学校いこ♪」
結衣「待ってあかり、いまのどういう意味!?」
あかり「さぁ?」
結衣「ちょっと、あかりぃぃぃぃぃ!」 おしまい
あかり「どうだった、どうだった?この紙芝居!」
結衣「どうだったって」
結衣「長いよ、京子なんか寝ちゃってる」
京子「zzz」
あかり「ひどい!?」
ちなつ「あかりちゃんがヒロインぶってて、すっごくムカツク」ぼそぉ
あかり「ちょっとぉ!そゆことは心の中だけで言ってよぉ!」
ちなつ「ちっ」
あかり「舌うちまでっ!?」
あかり「京子ちゃん、紙芝居!あかり紙芝居やってたんだよ!?」
京子「あ~、そうだっけぇ・・・おやすみ」zzz
ちなつ「わたし口直しに飲み物買って来ます」
あかり「ちょっとぉぉぉ!」
がくっ
結衣「まぁまぁ、わたしはちゃんと見てたから」
あかり「うぅ、やっぱり優しいのは結衣ちゃんだけだよぉ」
あかり「ん?」
結衣「ずいぶん内容きわどいじゃない」
結衣「バラしちゃうかと思ってヒヤヒヤしたよ」
あかり「だって、最近さぁ」
結衣「わかったよ、映画連れてけってことだろ?」
あかり「ちゃんと手も繋いでね」
結衣「わかった、わかった」
あかり「えへへ、だから結衣ちゃん好き♪」
END
Entry ⇒ 2012.01.15 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
千歳「ウチのな…ウチの本当の気持ちは……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1326352869/
綾乃「としのーきょーこに告白するわっ!」バッキン
千歳「な、なんやてぇ!?ずいぶん唐突やけど…綾乃ちゃん本気なん?」
綾乃「大マジジブラルタル海峡よ!私もいつまでもくすぶっていてはいけないって思ったの」
綾乃「そりゃあふられるのは怖いけど…だけど、もう決めたことなのよっ」
千歳「そっか~これは応援せなな…ウチもついていこっか?」
綾乃「ううん、一人で行くわ。ありがとね、千歳」
千歳「りょーかいや、したらここで上手く行くのを祈ってるわぁ」
千歳「それにしても二人がついに正式に恋人に…ああ~ええなぁ~」ダクダク
綾乃「ちょ、ちょっと千歳…あーっもう!いってくるわね!」ガラガラ
綾乃(ううっ…いつになく緊張するわ…よ、よぉーし!!)
綾乃「とっ、としのーきょーこぉー!」ガラッ
京子「おーう、綾乃のアイドル京子ちゃんだよー♪」
綾乃「ちょっ…!?つまんない軽口叩いてんじゃないわよ!///」
京子「えへーごめんごめん。それで今日はどしたのー?」
結衣「どうせ提出物でも忘れてんだろー?」
ちなつ「そうそう、京子先輩ったらだらしないんだから。ねー結衣先輩っ」
京子「なんだよぉー二人してぇ~」ブー
綾乃「そ、そうじゃなくって!」
京子「えぇー手伝いぃ?しょうがないなー…あかり、ちょっと代わりに行ってこいよ」
あかり「ふぇ!?なんであかりにこういう役ばっかr」
綾乃「ちがうの!!!!」
4人「!!?」ビクッ
綾乃「あ…だ、だからね?ととっとしのー…きょーこにお願いしたいっていうか…だからその……うぅ…」
京子「…わかったよ。そんなにこの私を必要とするならついて行ってやろうではないかーっ」
綾乃「あ…う、うんっ、ありがと…」
京子「いーっていーって!」ニッ
綾乃(うああぁあぁあ……///)
京子「それらしいのは見当たらないよ?」
綾乃「うん…あ、あのね…」
京子「?」
綾乃「その…手伝いっていうのは…嘘で…」
京子「なにぃー!?この歳納京子をだまくらかすたぁ一体どういう」
綾乃「きいてっ!!!」
京子「おぁ」
綾乃「でも、こんな所まで来てもらったのは、大事な話があって…」
京子「話……?」
綾乃「変に飾ると上手く言えなくなっちゃうかもしれないから、単刀直入に言うわね!!」
京子「う、うん…」
綾乃「わ、私ね!私…としのーきょーこが…ううん」
綾乃「京子が…あなたが…好きなのっ…」
綾乃「いつも屈託のない笑顔を見せてくれる…そんなあなたが好き……なの…」
京子「綾乃……そっか」
京子「綾乃の気持ち、すっげー嬉しいよ」
綾乃「……きょう」
京子「でも…その……ごめんな」
綾乃「っ……」
京子「私……さ。付き合ってる人がいるっていうか…」
結衣「おーい、京子ー綾乃ー」
京子「およ?結衣だ」
綾乃「船見さん…」
京子「ちょうどいいや、紹介しておこう」グイッ
結衣「わ!おい何す…」
京子「これが私の恋人の船見結衣ちゃんだ」
綾乃「な……」
綾乃「なんですってえええ~~~~っ!!?」
結衣「ああ、綾乃には言ってなかったっけ?といってもつい最近なんだけどさ」
綾乃「そ…そんな……仲がいいとは思っていたけどまさかそんなっ……」
結衣「…な、なんだよ」
京子「ああ、夕日に照らされた横顔がかっこかわいいぜユッピー…んーっ♪」チュッ
結衣「んむっ…!?」
綾乃「んなぁっ!?」
結衣「ぷぁ…ば、ばか、綾乃が見てるだろ…キョッピー///」
綾乃「な、なななななな……」
綾乃(なんなのコレはぁ~っ!?いきなりキスしてるしなんか恥ずかしいあだ名で呼び合ってるし~!!)
結衣「ふん…きょーうこぉ~」ガシッ
京子「うわぁっ!?」
結衣「そらっ」モゾ
京子「ひゃぁっ///」ピクン
綾乃「ちょぉおぉ!?///」
京子「だ、だって…あんっ、ダメだよゆいぃ……///」
綾乃「あ、ああぁ…ちょ…ふ、ふふふな、ふなふなふなっ…」
結衣の指が京子の濡れそぼった(以下アッカリーン)
しかし京子も負けじと結衣の(以下アッカリーン)
(\アッカリーン/\アッカリーン/\アッカリーン/\アッカリーン/)
綾乃(あ、あああ…ああぁああああぁぁ…なんなのよコレはぁ…)ヘタリ
綾乃(そう…ゆ…夢よ…こんなの……悪い夢…)
綾乃「う…ううう……っ」
二人「…?」
綾乃「うわああああああん!!こんなのいやああああぁああぁぁぁ~~……」ピュゥゥゥ
結衣「あ、綾乃……」
京子「足がひと昔前の漫画のように…」
綾乃(がんばって…ぐすっ…告白したのに…ふられただけじゃなく…このっ…この仕打ちはなんなのよぉ……!)
綾乃(ぐす…くっ…涙が…止まらない…ひっく…止まらないないナイアガラよお……)
ドンッ!
綾乃「きゃっ!ご、ごめんなさ……え、な、何これ?大きな……足?」
???「うにー?」
綾乃「…って、ええぇえぇえええっ!!?」
綾乃「な、ななななな……」パクパク
???「うにー」
綾乃「なんなのこの東京タワーほどの大きさの子供はあああ!?」バァァァァン
綾乃「あ…あああ…あ…」ガクガク
大きな子供「もみあげー」ガシッ
綾乃「きゃああああああぁぁあああぁああ!?」
大きな子供「もみあげーもみあげー」ブンブン
綾乃「ひぃええええ!!はーなーしーてええぇぇぇ~~っ!!誰かっ、誰かたすけてええええぇぇ~~~!
!」
綾乃「いやあああああああぁぁぁ……
----
--
綾乃「あああぁぁぁ……はっ!!?」ガバッ
綾乃「はあっはあっ…はっ…はっ……ゆ、夢……」
綾乃(ああ……恐ろしい…恐ろしい夢だったわ……)
綾乃(途中からなんだかわけがわからなかったけど…)ゲッソリ
綾乃(夢とはいえ好きな人にふられるのは……やっぱり、辛いわね……)グスン
???「う~ん…綾乃ちゃん…?」モゾモゾ
綾乃「ぅわぁ!?ちっ、千歳!?」ドキッ
綾乃(ってそうだ、千歳が勉強会で泊まりに来てて…)
綾乃「う、ううん…なんでもないの、起こしちゃってごめんね千歳」
千歳「綾乃ちゃん…」
千歳「…もしかして、泣いてるん?」
綾乃「な、何言ってんのよ…ぐす…な、泣いてなんか……」
千歳「綾乃ちゃん…」
千歳「ウチなんかで良ければ、話してみてくれへんかなぁ?」
綾乃「千歳……ぐすっ」
綾乃「うぅ……ふわぁぁんちとせぇ~~~…」
千歳「あららら…よしよし」ナデナデ
綾乃「うん…おかしいわよね、私ったら夢だっていうのにこんな悲しんじゃって…」
綾乃「ほんっと、バカみたい……あはは…」
千歳「……よっしゃ」
綾乃「…?」
千歳「綾乃ちゃん、ちょっとじっとしててな?」ギュッ
綾乃「わ…///ちょ、ちょっと千歳…?」
綾乃「え?え?」
千歳「なんちゃらほーるどや~っ!」グワッ
綾乃「きゃっ…!」
……ぽふんっ
綾乃「……びっくりした…きゅ、急になんなのよ千歳…」
千歳「えへへ、綾乃ちゃん、今日はこうやって二人できゅってしながら寝よ!なっ?」
綾乃「う、うん…ありが」
千歳「おっと、勘違いしたらあかんねんで」
綾乃「ふぇっ?」
千歳「ウチがあったかくなりたいからってだけであって、別に綾乃ちゃんを元気づけたろってわけやないねんからなっ」プイッ
綾乃「…………」ポカーン
千歳「…………」
綾乃「…ぷっ、ふふふっ…なんなのよソレ……」
千歳「ん~?綾乃ちゃんのものまねやけどぉ~?」
綾乃「ふふ…わたしっそんなんじゃ……あはははっ…」
千歳「えへへへ…」
千歳「綾乃ちゃん…寝てもうたかな」
千歳「綾乃ちゃんの寝顔、子供みたいでかわええわぁ」ナデ
綾乃「…んん……」
千歳「ごめんな綾乃ちゃん、ちょっとだけ離れるな…んしょっ」
千歳(……)
千歳「歳納さん、うらやましい限りやなあ…」
千歳「夢に出てくるくらい綾乃ちゃんに想われとるなんて…」
千歳「…出てきてへんねやろな……」
千歳「…」ソッ
綾乃「……んっ…」ピクッ
千歳「ふふ…綾乃ちゃんのほっぺ、あったかいわぁ……」
千歳「…綾乃ちゃんのさっきの、夢で歳納さんに告白したって話を聞いてな、ウチも改めて気づかされたんや」
千歳「ただ綾乃ちゃんのそばに居れたらええって思ってたけど、やっぱりそうやない…」
ウチの…本当の気持ちは……
千歳「……ふふ…」
千歳(……綾乃ちゃんに、迷惑かけるわけにはいかへんもんね…)
千歳「ん~あかんあかん、ウチももう寝てしまおっ」
綾乃「すぅ……」
千歳(綾乃ちゃん、今度はどんな夢を見てるんやろか…)
千歳「……綾乃ちゃん、ホントの告白は上手くいったらええなっ」
ちゅっ
おしまい
おそまつさまでやんした
乙うううう
乙乙
おつ
Entry ⇒ 2012.01.15 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
櫻子「冗談で向日葵に抱きついたらなんか真っ赤になってた」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1326200124/
櫻子「は!?ち、ちげーし!!」
向日葵「急に目の前でもじもじしだしたと思ったら……」
櫻子「してねーし!!向日葵の方だろ!!」
向日葵「わたくしはそんなのする余裕もなく抱きつかれましたもの」
櫻子「ぐ、ぐぬぬ……」
向日葵「全く……」
櫻子「べっ、別に。ちょっと向日葵を驚かせてやろうと思っただけ」
向日葵「……」ジトッ
櫻子「な、なんだよぉ!」
向日葵「はぁ……いつまで経っても櫻子は
子供のままですわね」
櫻子「むかっ!」
向日葵「なっ!?」
櫻子「このあだるとおっぱい!!」ペチンッ
向日葵「きゃっ!」
向日葵「な、何をしますの!?そ、それに、あだるとだなんて、そんな言葉をどこで……」
櫻子「ふん!ちなつちゃんに教えて貰ったもんね!」エッヘン
向日葵「威張ることじゃないですわ」
櫻子「うっさい!このあだると向日葵!」
向日葵「悪口になってませんわよ」
櫻子「いいじゃん別に。誰も困らないし」
向日葵「わたくしが困りますのよ!!」クワッ
櫻子「向日葵しか困らないじゃん」
向日葵「あなたはわたくしを何だと思ってますの?」
櫻子「向日葵しかこんなことできないんだからさせてくれたっていいじゃん」
向日葵「なっ……!?また恥ずかしいことを……」
櫻子「は!?ち、ちげーし!!らいばるって意味でだし!!向日葵なんかと仲良くするわけないだろ!!」
向日葵「はいはい……なんだか疲れましたわ」
櫻子「ぐぬぬぅぅぅっ」
櫻子「うっ……だ、だって……」
ちなつ「だってじゃありません!」クワッ
櫻子「ひっ!ご、ごめんよちなつちゃん……」
ちなつ「私は別にいいけど、向日葵ちゃんともっと仲良くなりたいって言ったのは櫻子ちゃんでしょ?
せっかく勇気だして抱きついたのにイタズラで済ましちゃってどうすんの?」
櫻子「は、恥ずかしくてつい……」
ちなつ「それを乗り越えるのが今回のミッションでしょ!?」
櫻子「だ、だけど!」
ちなつ「だけどじゃない!!」クワワッ
櫻子「ひぃっ!」
櫻子「こ、これを乗り越えたらあだるとになれるの!?」
ちなつ「アダルトどころじゃなくて……妖艶な女になれるよ」
櫻子「幼稚園じゃ子どもじゃん!!」
ちなつ「もーう!幼稚園じゃなくてよ・う・え・ん!!」
櫻子「よ、妖艶?なにそれ?」
ちなつ「と、とにかく凄いの!妖艶な女ってのはアダルトよりもっともっとすごいんだから!」
櫻子「よくわかんないけどなんかすごそう!!よーしっ!ようえんな女になるためがんばるぞぉ!おーっ!」
あかり「おーっ!」
ちなつ&櫻子「あかりちゃんいたのっ!?」
あかり「ひ、ひどいよぉ!あかりずっと居たよ!?」
あかり「無視っ!?」ガーン
ちなつ「他人任せって、一番成長しないんじゃないかなぁ……」ハァ
櫻子「えっ!?ち、ちなつちゃん!」
ちなつ「何をしたらいいかじゃなくて、何がしたいかで自分を語りなよ……」ハァ
櫻子「えっ!?えっ!?」
あかり「さ、櫻子ちゃんは向日葵ちゃんになんかしたいこととか、言いたいこととかあるの?」
櫻子「そ、それは……」
あかり「あるんだね」ニコッ
あかり「あかり、よくわかんないけど、正直にそれをしてみたらいいと思うなぁ」
櫻子「……じゃ、じゃあ……も、もっかい抱きつく。な、なんか……物足んなかったから」
あかり「うん!」ニコッ
櫻子「い、行ってくる!!」ガタッ
タッタッタッ
ちなつ「はぁ~……楽しいわぁ」ニヤッ
あかり「ちなつちゃん……」
向日葵「……」ジトーッ
櫻子「な、なんだよばか向日葵!じろじろ見んな!」
向日葵「櫻子、もうイタズラはやめてって言いましたわよね?」
櫻子「は、はぁ!?まだするなんて言ってないじゃん!」
向日葵「ということはやっぱりするともりでしたのね。まあそのモジモジをみればわかりますけど」
櫻子「げっ!!」
向日葵「で、具体的に何をするつもりでしたの?」
櫻子「だ、だきつこうと……」
向日葵「なっ!?……はぁ……まだですの……」
櫻子「い、いいだろ別に!何をしようと私の勝手だー!!」
櫻子「なんだとー!」
向日葵「じゃ、わたくし職員室に呼ばれてますので」クルッ スタスタ...
櫻子「こ、こんの~……ば、ばか向日葵ー
!!」タッタッタ ギュッ!!
向日葵「きゃっ!!ちょ、ちょっと危ないですわね!!急に後ろから抱き付かないでくださる!?」
櫻子「ひ、向日葵がばかにするからだろ!ふんっ!」
向日葵「どうでもいいから早く離れなさいな!こんなとこで!」
櫻子「い、いやだねっ!!」ギュー
向日葵「はぁ!?意味がわかりませ……ちょっと櫻子、あなた真っ赤ですわよ?」
櫻子「ばっ、あ、赤くねーし!!それを言うなら向日葵だって真っ赤っ赤じゃん!!やーいやーい!!」
向日葵「なっ……ほんっとうに子どもですわね……」ワナワナ
櫻子「まだ中学生だもん!!」
向日葵「いいから離れなさい!」
櫻子「だ、だって……」
ちなつ「だってじゃない!!」
櫻子「でも」
ちなつ「でもじゃない!!」
櫻子「じゃ、じゃあ」
ちなつ「あーもうじれったい!!ちゅーすればいいじゃんもう!!ちゅー!!」
櫻子「え、えぇ!?」
ちなつ「でもじゃない!!!!」
櫻子「い、言ってないし!!」
ちなつ「さすがにちゅーされたら好きって気づくでしょ。ね?あかりちゃん」
あかり「えっ?えっ?じゃ、じゃああの時の」
ちなつ「ああ、あれは違うけど」
あかり「えぇっ!?」ガビーン
櫻子「えっ!?えぇ!?」
ちなつ「ほらほら!早く行かないと昼休憩終わっちゃうよ!」
櫻子「う、う~っ……」
ちなつ「妖艶な女になるんでしょ!?」
櫻子「……わ、わかった。……ちゅ、ちゅーしに行ってくる!!!!」ガタッ
タッタッタッタ
あかり「あわわ、ほんとに行っちゃったよぉ……」
ちなつ「大丈夫大丈夫!ほんとにちゅーはしないでしょ、さすがに」
あかり「ちなつちゃん……」
あかり「あぅ……」カァ
ちなつ「櫻子ちゃん……今なんて?」
櫻子「だ、だから……ちゅ、ちゅーしてきたけど、次なにすればいいかなあって……」
ちなつ「え?……ちゅ、ちゅーをしてきた……?」
櫻子「だ、だって!妖艶な女になりたかったんだもん!!」
ちなつ「……そんな……驚きのあまりあかりちゃんのお団子落としちゃった……」
あかり「最初のポロッてその音だったのぉ!?わぁ!ほんとだ!!右側が無い!!」アタフタ
櫻子「だ、だって……ひ、向日葵と……な、仲良くなるためには、ちゅ、ちゅーしたら気づいてもらえるって……」モジモジ
ちなつ「ちょ、ちょっと詳しく聞かせて?参考にするから」
櫻子「え、えっと……」
向日葵「失礼しました」ガラッ
櫻子「あっ、ひ、向日葵っ!!」
向日葵「きゃ!……って、櫻子!?突然でてこないでくださる!?」
櫻子「び、びっくりする向日葵が悪い!!」
向日葵「はぁ……で、またですの?」ジトッ
櫻子「うっ……うん」
向日葵「いい加減にしなさいな。さっきもよろめきましたし、抱きつこうにもあなたは加減を知らn」
櫻子「ちゅ、ちゅーさせろ!!」
向日葵「……は?」
櫻子「ちゅ、ちゅー!させろ!!」
向日葵「は?い、意味がわかりませんわ!ちゅー!?」
櫻子「そ、そうだ!!」
向日葵「な、ななな、なにを……!あなた、いくらなんでもおふざけがすぎますわよ!?」
櫻子「おふざけじゃないし!!」
向日葵「……はっ?」
櫻子「あ、いや、ちが、違うし!!!!違うし!!!!!」
向日葵「もう何がなんだか……」
向日葵「次体育ですわよ?早く教室に戻らないと遅刻しますわ」クルッ スタスタ
櫻子「ちょ、ひま、向日葵ぃ~」タッタッタ
向日葵「はぁ……櫻子が何を考えてるのかわかりませんけど、おふざけなら本当にやめた方がいいですわよ?
抱きつくなら100歩譲ってありだとしても、キ、キスとなるとおふざけでするようなことでは無くなってしまいますもの」
櫻子「……」
向日葵「ちょっと、聞いてますの?」
櫻子「ねえ、向日葵」
向日葵「ん?」クルッ
櫻子「 」チュッ
向日葵「……えっ?」
櫻子「……お、おふざけじゃないもんね!!ばか向日葵ぃ!!」タッタッタッタ
向日葵「……えっ?」
向日葵「えっ?」
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木間市タワー [Kima City Tower]
(1990竣工 日本)
ちなつ「……す、すごいよ櫻子ちゃん!!ほんとにするなんて!!」
櫻子「ま、まぁね……えへへ」
あかり「ま、待って、その後向日葵ちゃんはどこに行っちゃったの!?」
櫻子「ひ、向日葵なら……自分の席に、いる」プイッ
あかり「え?」
向日葵「……チラッ……チラッ……チラッ……チラッ」
ちなつ「ご、5秒に一回くらいこっち見てる……」
あかり「ひ、向日葵ちゃん真っ赤っ赤だよぉ……」
ちなつ「ちょっと、話してきたら?」
櫻子「べ、別に、話すことないしっ」プイッ
櫻子「うっ……な、なんか、今になると恥ずかしいんだもん」
ちなつ「いいのかなぁ……向日葵ちゃん話したそうにしてるけどなぁ」
向日葵「……チラッ……チラッ……チラッ…………チラッ」モジモジ
櫻子「そ、そんなのわかんないじゃん!」
ちなつ「ふ~ん……ま、櫻子ちゃんがそういうことなら別にいいけど」
櫻子「うぬぬっ……」
ちなつ「おーい!向日葵ちゃーん!ちょっと来てくれるー?」
向日葵「えっ!?」ビクッ
櫻子「ちょ、な、なにしてんの!?」
ちなつ「別に?私が個人的に向日葵ちゃんに用があるだけだけど」
櫻子「ちょ、ちょっとトイレ……」
ちなつ「あかりちゃん」クイッ
あかり「ごめんね、櫻子ちゃん」ガシッ
櫻子「わぁ!は、はなせぇ!」
あかり「あ、あかりだよぉ!お団子一個ないけどあかりってわかるよね!?」
向日葵「あ、ああ、よく見たら赤座さんですわね」
ちなつ(今までお団子で判断してたんだ……)
あかり「もぉ!ひどいよぉ向日葵ちゃん!」プンプン
向日葵「ごめんなさいですの……それと……」
櫻子「……ふ、ふんっ!」
向日葵「……」プ、プイッ
眠い
向日葵「な、なんですの?」
ちなつ「向日葵ちゃんってさぁ……」
向日葵「は、はいですの」
ちなつ「……好きな子いるの?」ニヤッ
向日葵「な、ななな、何を!?えっ?ど、どうしてですの!?」
ちなつ「いや、特に深い意味はないけど……ね?櫻子ちゃん?」
櫻子「え、な、なんでここで私にふるの!?」
ちなつ「べっつにぃ~」ヒューヒョー♪
向日葵「……」チラッ
櫻子「」チラッ
向日葵「!!」バッ
櫻子「!!」プイッ
ちなつ「まっ、聞かなくても私は知ってるんだけどね」
向日葵「えっ!?ど、どどど、どういうことですの!?」
櫻子「な、なんでちなつちゃんが向日葵の
好きな人知ってるの!?」
ちなつ(誰でもわかると思うけど……)
あかり「わあ!すごいねちなつちゃん!なんでもお見通しだね!」
ちなつ(この3人以外なら……)
向日葵「ハッ!!さては櫻子!言いましたわね!?」
櫻子「な、なんでそうなるんだよぉ!私も向日葵に好きな人がいるなんて聞いてねーし!!」
ちなつ「あ、そういえば櫻子ちゃんもいるよね」
櫻子「ちょっ!!」
向日葵「えぇ!?さ、櫻子が!?」
櫻子「い、いいい、いねーし!!」
ちなつ「効いてる効いてるw」
寝るっ!後は頼んだ!
向日葵「そ、それで、誰ですの!?その櫻子のす、すす、好きな人というのは!?」
ちなつ「え~っ?」
櫻子「わ~っ!わ~っ!!」
向日葵「お、教えてください!!ですの!!」
ちなつ「別にいいけどぉ……」
櫻子「ダ、ダメに決まってるじゃん!!何言ってんの!?」
ちなつ「その前に、向日葵ちゃんはなんでそんなに櫻子ちゃんの好きな人が気になるのかなぁ~?」ニヤニヤ
向日葵「そ、そそそ、それはっ!!」
ちなつ「ん~?」
櫻子「というか私の教えるなら向日葵のも教えろ!!」
向日葵「い、嫌ですわよ!」
ちなつ「えー、それは公平じゃないと思うけど」
向日葵「うぐっ……わ、わかりましたわ……櫻子の好きな人は諦めます」
ちなつ「えっ?諦めちゃうの?」
向日葵「仕方がありませんわ……」
ちなつ(これはダメな流れ……そうだ!)
ちなつ「じゃあ、当てあいっこしない?」
櫻子「へ?」
向日葵「あ、当てあいっこ……?」
ちなつ「お互いに好きな人のヒントを出し合って、相手の好きな人を予測する、みたいな」
櫻子「えっ!?そ、そそそれじゃ向日葵にバレちゃうじゃん!!」
ちなつ「でも櫻子ちゃんも向日葵ちゃんの好きな人わかるかもよ?」
櫻子「あっ……なるほど」ニヘヘ
ちなつ「向日葵ちゃんも、どう?」
向日葵「……し、心理戦のようなものですわよね? ということなら、櫻子に負ける気はしませんわ!ノーリスクハイリターン、ですわ!」
櫻子「な、なんだとぉこの脳みそおっぱい!!」
向日葵「いくらでも吠えるといいですわ。今に黙り込むでしょうから」
櫻子「わんわん!わん!」
向日葵「本当に吠えてどうするの!?ですわ!?」
ちなつ「よーし、じゃあ決まりね」
ちなつ(というか櫻子ちゃんも向日葵ちゃんも、「向日葵にバレちゃう」とか「ハイリターン」とか言っちゃってる時点で
もうお互いカミングアウトしてるようなもんなんだけどね……)
向日葵「って、なんで櫻子が先ですn」
キーンコーンカーンコーン
ちなつ「……へっ?」
向日葵「あぁ!し、しまった!ですの!次体育だということをすっかり忘れてましたわ!」
櫻子「えっ!?うわっ!ほんとだ!教室に私たち3人しかいない!?」
ちなつ「こ、これは急がないと遅刻しちゃう!じゃあ、続きは放課後で!」
パタパタパタ
あかり「……」
あかり「……あ、あった!やっと見つけたよぉ!私のお団子さん!!」シャキーン
あかり「やったぁ!!……って、あれ?」シーン
あかり「わ、わぁ!次体育なの忘れてたよぉ!うわーん!」
パタパタパタ
櫻子「そういえばあかりちゃんは?」
ちなつ「あっ」
向日葵「見かけませんわね……」
あかり「ここに居るよ!?」
ちなつ「い!?いつの間に……」
あかり「いつの間にって、更衣室でちなつちゃんと遅れてごめんってお話したのにぃ!」
ちなつ「えっ?……あはは、そうだっけ……?」
あかり「忘れられてる!?」ガーン
あかり「もう!ひどいよぉ!」プンプン
ちなつ「ご、ごめんねあかりちゃん……」
「ハーイ、それじゃあ体操するから2人組作ってー」
あかり「ちなつちゃーん!」
向日葵「吉川さん、よければわたくしt」
ちなつ「やろっか!あかりちゃん!」
櫻子&向日葵「……っえ?」
櫻子&向日葵「……」キョロキョロ
櫻子&向日葵「……」
「おっ、大室と古谷がちょうど余ってるから、2人でペア組めよ~」
櫻子&向日葵「……」
櫻子「……し、仕方なくだから!!別に向日葵と組みたいとかじゃないし!!」
向日葵「べ、別に聞いてませんわよ」
櫻子「……は、はいっ」スッ
向日葵「……えっ?」
櫻子「えっ?じゃなくて腕!!組んでよ!!体操するんでしょ!?」
向日葵「あっ、そ、そうでしたわね……」
ギュッ
そして放課後
ちなつ「各自活動は終わった?私とあかりちゃんは結衣先輩が美しすぎて部活休みになったけど」
あかり「えぇっ!?違うよぉ!結衣ちゃんが親戚の子が来るからって早く帰っちゃってすぐ終わったんでしょ!?」
ちなつ「あぁ、そういえばそうだったね。ま、一緒じゃん」
あかり「どこがっ!?」
向日葵「わたくし達も資料の整理だけだったのですぐでしたわ」
櫻子「ちょちょいのちょい!って感じだった!」
向日葵「櫻子は先輩方に手伝って貰って」
櫻子「だぁぁ!もううっさいうっさい!私の方が先輩方に気に入られてるってことだもんね~!」
向日葵「はいはい……」ハァ
櫻子「う、うん……」
向日葵「……」
ちなつ「じゃあ、あかりちゃん、スタートコールお願いね」
あかり「任せて!さくひま、はっじまっるy」
ちなつ「よーいスタート!!!」クワッ
あかり「えぇぇっ!?」ガビーン
櫻子「……そ、その」
向日葵「え、えぇ……」
櫻子「……だ、だから……」
向日葵「な、なんですの……?」
櫻子「あ……あぁもう!なんて聞けばいいかわかんない!!」
向日葵「はぁ……」
櫻子「ま、待ってよ!!まだ聞いてないし!!」
向日葵「何聞けばいいか分からないって言ったのは櫻子の方ですわ」
櫻子「わからないだけで私のターンが終わったわけじゃないもん!!」
向日葵「はぁ……仕方ないですわね」
櫻子「え、えーっと……」
向日葵「……」
櫻子「う~ん……」
向日葵「……」
櫻子「向日葵の好きな人って誰?なんちゃって」テヘヘ
向日葵「ふざけんなですわ」
これではいつまで経ってもわたくしの順番が回ってきませんわ!!」
ちなつ「えっ、いいの?」
櫻子「よぉし!言ってやれちなつちゃん!」
ちなつ「本当にいいんだよね?」
向日葵「櫻子に任せていたらキリがありませんもの!!」
ちなつ「ふふふ……じゃ、頼まれちゃおっかな」
向日葵「どんとこい!ですわ!!」
ちなつ「向日葵ちゃんの好きな人って、ヘアピン2つしてる?」ニヤッ
向日葵「ちょ、ちょちょちょ、ちょっと待つですわ!!!!」
櫻子「へ?ヘアピン2つって私じゃん」
向日葵「ま、待つですわ!!!待ちなさい!!!」
あかり「ひ、向日葵ちゃん落ち着いて!」
ちなつ「ん?つまりヘアピン2つが答えってこと?」
櫻子「え゛っ!?」
向日葵「ち、ちちち違いますわよ!!」
ちなつ「違うの?」
向日葵「ち、ちがっ……つ、次行きますわよ!!次!!」
櫻子「な、なんだよそれ!はっきり答えてないとかずるいし!!」
向日葵「仕方ありませんの!!」
櫻子「はぁ?意味わかんねーし……ちぇっ」
向日葵「わ、わたくしの番ですわね!」
櫻子「……」ジトーッ
向日葵「問答無用ですわ!!」
櫻子「なーんだ、そんなの余裕じゃん!おーいえす!」
向日葵「お、おーは要りませんわ」
ちなつ「それで生徒会に入ってるんだよね」
櫻子「おーいえs……ってちなつちゃん!!」
向日葵「せ、生徒会……?」
櫻子「な、なしなし!今のなし!流れで言っちゃっただけ!!」
向日葵「その方は生徒会の方ですの?」
櫻子「な、なんで!?というか二回もずるいし!!」
ちなつ「あ、もしかしてカチューシャしてたりして」ニヤッ
櫻子「な、なななななっ!!」
向日葵「そ、それって……」
あかり「ち、ちなつちゃん……」
ちなつ「質問が生ぬるすぎてつい口出しちゃう……」テヘッ
櫻子「と、とにかく質問は一回だから!同じ学校ってだけ!はい終わり!」
あかり「ふ、2人の好きな人って誰なんだろう……あかりまだそういうのよくわかんないけど、なんだかすっごくドキドキするよぉ!」ドキドキ ドキドキ
櫻子「わ、私の番だ!」
向日葵「と言っても質問するのは吉川さんでしょう……」
ちなつ「なんか先が遠すぎて終わりそうにないから、2人共生徒会の中の誰かが好きだってことをバラしちゃってもいい?」
櫻子「えっ」
向日葵「へっ……?」
あかり「ちなつちゃん!言ってる言ってる!」
ちなつ「……あっ」コツン☆ミ
櫻子&向日葵「えぇぇえぇえっ!?」
向日葵「さ、櫻子!!だ、誰ですの!?」
櫻子「ひ、向日葵だって!誰!?」
向日葵「うぅぅぅぅっですの!」
櫻子「ぐぬぬぬぬぬっ!」
ちなつ(ふふふふふふふ……面白くなってきた……)
ちなつ「ま、人の恋愛範囲なんて半径100mっていうし?そういう近いところにいる人のことを好きになっちゃうのは当たり前なんだけどね」
ちなつ「ほら、例えば家が近いとか」
向日葵&櫻子「!?」
櫻子「え……?ひま、ひまわ」
向日葵「な、なななんですの!?」
ちなつ「あ、そういえば2人の家は隣同士だったんだっけ?」ニヤニヤ
櫻子「そ、そうだけど……」
向日葵「櫻子……あなたまさか……」
櫻子「ひ、向日葵だって……」
というかまあ私は知ってるから隠しても無駄だけど」
向日葵「……うーっ……は、はいですの」
櫻子「!!」
櫻子「……え、えと……わ、私もあってる」
向日葵「!!」
ちなつ「で、向日葵ちゃんと櫻子ちゃんに家が近い人なの?」
向日葵「……」チラッ
櫻子「……」チラッ
ちなつ「沈黙は肯定とみなす」
ちなつ「それで、向日葵ちゃんはヘアピン2つで櫻子ちゃんはカチューシャの子が好きと……」メモメモ
向日葵「そ、そそそれは……!!」
櫻子「ま、まだわかんないじゃん!!せ、先輩達とかだっているし!!」
向日葵「な、何をですの!?」
櫻子「何を!?」
ちなつ「向日葵ちゃんは櫻子ちゃん!櫻子ちゃんは向日葵ちゃんが好きぃー!って!」
向日葵「そ、そそそんなの絶対ねー!ですわ!!」
櫻子「あ、ありえないから!!向日葵なんておっぱいだし!!」
ちなつ「じゃあなんで2人とも真っ赤で目ぇ合わせないの?」
櫻子&向日葵「!」ビクッ
櫻子&向日葵「だ、だって……」
ちなつ「だってじゃない!!!!」クワッ
向日葵「と、とてもしっかりした方で……尊敬できるというか……」
ちなつ「じゃあ池田先輩は?」
櫻子「いっつもフォローしてくれて優しい!」
ちなつ「松本先輩は?」
向日葵「影で私達を支えてくれてるといいますか……」
櫻子「すごい仕事できるしね!!」
ちなつ「じゃあ櫻子ちゃんは……?」
向日葵「うっ……」
ちなつ「向日葵ちゃんは?」
櫻子「げっ……」
ちなつ「はぁ……」
あかり「あ、そっか!」
ちなつ「ん?どうしたのあかりちゃん」
あかり「2人はお互いのことが好きだから、恥ずかしくてどう思ってるか言えないんじゃない?」
櫻子&向日葵「!!」ドッキーン
ちなつ(あかりちゃんナイス!!略してナイス!!)
ちなつ「そこんとこ、ど・う・な・の?お二人さん」ウシシシ
向日葵「そ、そそそっそそ、そん、そそっ」
櫻子「ねーし!!絶対ねーし!!そ、そんなのあるわけ……」
向日葵「」チラッ
櫻子「」チラッ
櫻子&向日葵「!!」プイッ
ちなつ「ま、さすがにここまで言えば気づいてるでしょ」
向日葵「……」
櫻子「ね、ねーし……」
ちなつ「じゃ、後はお二人でよろしくやってね!私、これからあかりちゃんと結衣先輩の美貌について語らないとだから!」
あかり「何それ!?あかり聞いてないよぉ!?」
ちなつ「ほらっ!あかりちゃん行くよ!」パシッ
あかり「あっ……」ドキッ
タッタッタッタ
向日葵「……っ」モジモジ
櫻子「……う、うーっ」モジモジ
櫻子「……な、なんで私が向日葵と2人で……」
向日葵「そ、それはいつものことじゃありませんの……」
櫻子「そ、そうだけど……ち、違うじゃん!!今日だけは……な、なんか違う!!」
向日葵「な、なんかってなんですの!?」
櫻子「わからないー!!違う違う違う!!なんかドキドキするー!!」ウルッ
向日葵「えっ……」ドキッ
櫻子「あっ……ち、違うし!!ド、ドキドキなんてしてないし!!」
向日葵「さ、櫻子……」
櫻子「と、とにかく違うから!!!!」
向日葵「わ、わたくしは……してますわよ……?」
櫻子「えっ……?」
向日葵「わ、わたくしは……あなたと並んで歩いて……ド、ドキドキ……してますわよ?」ウルッ
櫻子「えっ……?ひま……向日葵……?」
向日葵「……櫻子は……本当に、ドキドキ、しないんですの?」
櫻子「わっ、私は……」
向日葵「……私は?」
櫻子「……う、うぅぅうぅぅぅぅっ、うっ……うわあああ!!」タッタッタッタ
向日葵「ちょ、さ、櫻子っ!?待ちなさい!!」タッタッタッタ
櫻子「な、なんでついてくるんだよぉ!」
向日葵「あ、当たり前ですわ!!自分だけ逃げるなんて卑怯ですもの!!」ガシッ
櫻子「はぁ……はぁ……ちぇっ」
向日葵「櫻子……」
櫻子「な、なんだよもう……」クルッ
向日葵「……」チュッ
櫻子「……え゛っ!?」
向日葵「……あ、あの時の……し、仕返し……ですわ」タッタッタッタ
櫻子「えっ……い、いま……ちゅ、ちゅー……」カァァァ
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木間市タワー [Kima City Tower]
(1990竣工 日本)
櫻子「……」プルプル
櫻子「……こ、こらー!!ばか向日葵ぃー!!」
櫻子「じ、自分だけ逃げるなんて、卑怯だぞー!!!」タッタッタッタ
この後、向日葵に追いついた櫻子が何をしたのかは、ご想像にお任せ
終わり
続けなさい
向日葵「な、なんで追いついてくるんですの!?」タッタッタッ
櫻子「こらー!止まれー!」
向日葵「い、嫌ですわ!!」
櫻子「な、なんだとぉ!!止まれー嫌味みたいに揺らしやがってぇー!!」
向日葵「か、関係ないですわっ!!」バインバイン
櫻子「くぅぅうぅぅぅっ……じゃあもう!!走ったまま言うから!!知らないから!!」
向日葵「か、勝手に言えばいいじゃないですの!!何を言うのかわかりませんけど!!」
櫻子「言うから!!本当に言うからね!!」タッタッタッ
向日葵「だ、だから、勝手にすればいいじゃないですの!!」タッタッタッ
櫻子「ほ、本当の本当に言うからな!!」
向日葵「な、なんですの一体!!いつものように嫌味の一つなら、さっさと言っちゃいなさいな!!」
櫻子「うっ……うぅぅぅぅぅっ!!」
櫻子「こっ……こら向日葵!!!」タッタッタッ
向日葵「なんですの!?」タッタッタッ
櫻子「わ……私……ほんとは……ほんとは……」
櫻子「す、すっっっごいドキドキしてたんだからぁー!!!!」
向日葵「櫻子!!」ギュッ
櫻子「わぁ!」ムギュ
櫻子「急に止まって抱きしめないでよ!!」
向日葵「ごめんなさい……ごめんなさいですわ……でも……でも」ギュッ
櫻子「な、なんだよぉ……」
向日葵「あまりに、あなたが可愛くて」ニコッ
櫻子「なっ、ななななっ、何言ってんのばか向日葵ぃ!?」カァァァ
向日葵「櫻子……」ギュウッ
櫻子「わわっ、く、苦しいって!ひま、向日葵ぃ!!」
向日葵「……はぁ、なんだか、隠すのもばからしくなってきましたわ……」
向日葵「本当に、吉川さんには、感謝ですわね」
櫻子「え?な、なに言ってんの?」
向日葵「櫻子……わたくし」
向日葵「……あなたのことが、好きですわ」
向日葵「この世で一番、ですわ!」
向日葵「その……櫻子も、気づいてはいたでしょう……?」
櫻子「……え、えっと……まぁ……今日の、放課後のあれで、も、もしかしてって……思ってはいたけど」
向日葵「大正解、ですわ。この勝負、わたくしの負けですわね」
櫻子「えっ?」
向日葵「だってそうでしょう?相手の好きな人の当てあいっこですもの。櫻子に、当てられてしまいましたわ」
櫻子「……そ、そんなの……嬉しくないし!!」
向日葵「えっ?さ、櫻子?」
櫻子「だ、だって、向日葵自分で答え言っちゃったじゃん!!そ、そんなの部屋じゃないし!!」
向日葵「フェア、ですわね……」
向日葵「えっ……でも、それって……」
櫻子「あぁもううっさいうっさい!!ほんとは知ってるんでしょ!?私の好きな人!!」
向日葵「……ま、まあ……そうですわね……100%とは言いませんけど……」
櫻子「だ、だから、100%にしてあげるって言ってんじゃん!!」
向日葵「わ、わかりましたわ……そこまで言うのなら……」
櫻子「わ、私は……わ、私も!!」
向日葵「さ、櫻子」
櫻子「わ、私も!!向日葵が……す、すす、……好きぃ!!!!」
向日葵「さ、櫻子……!!」
櫻子「……う、うわああああ!!!!!」タッタッタッタ
向日葵「だ、だから!!なんでそこで逃げるんですのー!!」タッタッタッタ
終われ
本当に乙
乙乙
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ←IRS5
...
、::::::............. Sドラドゥス
゙ `"─-::.::::........ 2000 (28億km) ........::::::::::::::::- "  ̄
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1(130万km)
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木間市タワー [Kima City Tower]
(1990竣工 日本)
さくひまR・最終回
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┼ヽ -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ __ノ
Entry ⇒ 2012.01.14 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
向日葵「櫻子とひたすらイチャイチャしてやりますわ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1326361699/
向日葵「なにごとですの!?」
櫻子「だからさ、私と付き合ってくれないかな、なんて」
向日葵「櫻子……実は私もずっとあなたのこと……」
櫻子「わ、私のこと?」
向日葵「好き……ですわ」
櫻子「うれしい!」ギュゥ
櫻子「えっとね、ぎゅーって抱きしめたり」
向日葵「今してますわね」
櫻子「それから、見つめ合ったり」
向日葵「今してますわね」
櫻子「き、キスとかしちゃったり」
向日葵「今からしますわね」チュ
向日葵「って、私ったらなに自然にキ、キキスしてますの!?」
櫻子「えへへー、なんだかぽぉーっとする///」ギュ
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木間市タワー [Kima City Tower]
(1990竣工 日本)
向日葵「櫻子と恋人……いい言葉ですわね」
櫻子「デートしよ、向日葵」
向日葵「でーと!?」
櫻子「ちなつちゃんが恋人同士はデートするもんだって言ってたから」
向日葵「吉川さんナイスですわ!」
向日葵「アクション映画ですの?」
櫻子「んー……今は、ラブストーリーが見たいかな」
向日葵「ラブ……」
櫻子「参考になるかもしれないし、色々と」
向日葵「んん///」
向日葵「映画館で食べると格別美味しいですわよね」
櫻子「うん、コーラも一番大きいの買っちゃおう」
向日葵「そんな大きなの買って大丈夫ですの?」
櫻子「向日葵と一緒に飲むから大丈夫!」
向日葵「ひとつのコーラを二人で///」
櫻子「飲ませっこしようね!」
向日葵「!?」
櫻子「わぁ……」
向日葵(素直になれない二人……なんだか私たちみたいですわ)
櫻子「もう……そこで好きって言っちゃえばいいのに」
向日葵「好き」
櫻子「向日葵?」
向日葵「大好き櫻子!」
櫻子「///」
向日葵「ちょっと塩辛いですわね」
櫻子「でもそこが美味い!」
向日葵「喉乾いたでしょう? ほら、コーラ……飲んで?」
櫻子「ちゅーコクコク……ぷはっ」
櫻子「美味しいよ向日葵、今度は私から……」
向日葵「櫻子の飲んだコーラ……」ゴクッ
向日葵「……コクンコクンっ」
櫻子「美味しい?」
向日葵「櫻子が飲ませてくれたから普通のコーラよりずっと美味しいですわ!」
櫻子「えへへ」
向日葵「ほんとですわ」
櫻子「私たちに似てても、キスは私たちのほうが早かったね///」
向日葵「///」
櫻子「ねえ、キス……しよっか」
向日葵「ん……」チュ
櫻子「んんー」チュ
向日葵「は、ふぅ……///」
櫻子「私たちも負けないくらいラブラブになろうね///」
花子「櫻子おかえりだし」
撫子「どうしたのニヤニヤして、気持ち悪い」
櫻子「ヒドイ! でも、いいんだ私今とっても幸せだから」
花子「?」
撫子「ふーん……さては櫻子」
櫻子「待って、自分から言う……私、向日葵に告白して付き合うことになった!」
撫子「へー」
花子「!?」
櫻子「あれ、そんな驚いてないね?」
花子「!?」
撫子「まあいつかそうなるだろうと思ってたからね」
花子「!?」
楓「お姉ちゃんおかえりなさいなの」
向日葵「♪」
楓「お姉ちゃんなんだかとっても嬉しそうなの」
向日葵「あら、気付いちゃいました?」
楓「すぐにわかるの! なにかあったの?」
向日葵「実はね、その、櫻子と、お、お付き合いすることになったんですのよ//」
楓「わぁ! お姉ちゃんおめでとうなの!」パァ
向日葵「ありがとう楓」
楓「楓ほんとはとっくの昔に付き合ってるものだと思ってたの」
いいね
向日葵「櫻子ー」
櫻子「なにしてるのー?」
向日葵「お昼ごはん作ってますのよ」
櫻子「そっかー」
向日葵「ふふ……」
櫻子「えへへ」
向日葵「きゃっ、ちょっと危ないですわよ」
櫻子「ひまわりー」ギュー
向日葵「もう、しょうがないですわね」ギュ
櫻子「向日葵はぎゅってしたくなかった?」
向日葵「そ、それは……」
櫻子「それは?」
向日葵「したかったに決まってますわ!」ギュギュー
櫻子「ふあ……///」
向日葵「私が奥さんですの?」
櫻子「二人ともお嫁さんだよ」
向日葵「可愛いお嫁さんですわね」
櫻子「向日葵の方が可愛いし///」
向日葵「櫻子の方が可愛いですわ!」
櫻子「向日葵の方が可愛い!」
向日葵「櫻子の方が……これじゃあ終わりませんわね」
櫻子「向日葵が可愛いから仕方ないじゃん///」
向日葵「も、もう///」
向日葵「どうぞ」
櫻子「んー」
向日葵「あっ、指熱くないんですの?」
櫻子「うん、大丈夫……美味しい」
向日葵「よかった」
櫻子「向日葵も味見……舐めて」
向日葵「えと///」
櫻子「私の指、舐めて向日葵」
向日葵「うーですの!」チュプ
櫻子「美味しい?」
向日葵「ええ……頭がクラクラするくらいですわ」
向日葵「私は美味しそうに食べてくれる櫻子の顔を見るのが大好きですわよ」
櫻子「えへへ、美味しい!」
向日葵「あら、ご飯粒ついてますわよ」
櫻子「え、どこどこ?」
向日葵「ここ、ですわ」チュ
櫻子「ありがと……///」
向日葵(可愛い……)
櫻子「ちゅっ……おかえし///」
向日葵「うー///」
楓(お姉ちゃん幸せそうなの)
櫻子「宿題?」
向日葵「やっぱりしてませんのね」
櫻子「めんどいな」
向日葵「ちゃんとやりなさいよ……私の恋人なんですから」
櫻子「う、うん、えへへ///」
向日葵「私も手伝ってあげますわ」
櫻子「ありがと、向日葵大好き///」
向日葵「私が見てあげるんですから、ヤル気出しなさい」
櫻子「うえー」
向日葵「だったらこういうのはどうかしら?」
櫻子「なに?」
向日葵「一問答える度にその、キス、してあげますわ///」
櫻子「そ、そいつは捗る///」
向日葵「あってますわよ」
櫻子「じゃ、じゃあ……んー」
向日葵「ご褒美の……」チュ
櫻子「えへへ///」
向日葵「櫻子もやれば出来るんですわね」
櫻子「向日葵がいてくれるから」
向日葵「そう///」
向日葵「私も好きでやってるからいいですわよ」
櫻子「そう言ってくれると嬉しいな」
向日葵「好きな人の為ですもの、当たり前ですわ」
櫻子「///」
向日葵「告白してくれてありがとう、櫻子が言ってくれなかったら」
向日葵「私きっといつまでも素直になれなかったと思いますわ」
櫻子「我慢出来なかったんだよ、向日葵が大好きでたまらなかったから!」
向日葵「///」
櫻子「おはよあかりちゃん」
向日葵「おはようございます赤座さん」
あかり「……? 二人とも何かあったの?」
櫻子「やっぱり、わかっちゃう?」
あかり「うん……二人の空気がいつもより柔らかいような感じ」
向日葵「赤座さん、私たち恋人になりましたの」
あかり「わぁーそうなんだぁ! おめでとぉ!」
櫻子「えへへ」
向日葵「階段を下りながら振り返るなんて危ないですわよ」
櫻子「段差があると、ちょうどおっぱいの位置に顔が来るんだよね」
向日葵「さ、櫻子」
櫻子「ふっかふか」パフパフ
向日葵「んんん///」
櫻子「今日からおっぱい解禁!」
向日葵「ひゃふぅんっ!?」
櫻子「うん」
ちなつ「な、なんて羨ましい……じゃなくて、おめでとう!」
向日葵「ありがとう吉川さん」
ちなつ「……で、どこまで行ったの?」
櫻子「どこまで?」
ちなつ「どこまでやったかって聞いてるの!」
向日葵「やるって!? その///」
櫻子「キスは、したよ///」
ちなつ「そっかーキスかー……私もいつか結衣先輩と……イヤーン」
櫻子「向日葵、食べさせあいっこしよ」
向日葵「み、みんな見てますわよ!?」
櫻子「みんなにアッピルするのもいいと思わない?」
向日葵「…………あーん///」
櫻子「はむっ、えへへ///」
ちなつ「……」
櫻子「向日葵あーん///」
向日葵「あ、あーん///」
あかり「……」
綾乃「え、なんのこと?」
向日葵「池田先輩にはわかってしまいますのね」
千歳「ま、まさか!?」
櫻子「恋人になりました、いわゆるワイフです」
向日葵「そ、それじゃあ結婚してることになりますわよ!」
櫻子「あれ、そうだっけ?」
千歳「ブフッ」
綾乃「千歳ぇー!」
千歳「お、おめでとうな、二人とも」
綾乃「なんだかよくわからないけど、二人ともおめでとう」
千歳「綾乃ちゃんも頑張らんとな」
綾乃「なな!?」
櫻子「待ってー」
向日葵「はいはい」
櫻子「おまたせっ」ギュ
向日葵「わわっ」
櫻子「腕組んで帰ろ」
向日葵「もちろんですわ」ギュ
櫻子「えへへ」
向日葵「なんですの?」
櫻子「呼んでみただけ」
向日葵「……///」
櫻子「えへへ」
向日葵「櫻子」
櫻子「なに?」
向日葵「呼んでみただけ、ですわ」
櫻子「もー、向日葵ったら///」
櫻子「今日のごはん何にするの?」
向日葵「あら、今日も食べていくんですの?」
櫻子「あったりまえじゃん!」
向日葵「なら櫻子の大好物にしましょう」
櫻子「やった、向日葵大好き!」
向日葵「///」
櫻子「……あのさ、今日向日葵ン家泊まっていい?」
向日葵「!?」
櫻子「ん……ありがと」
向日葵「……///」
櫻子「向日葵っ、手繋ご!」
櫻子「恋人繋ぎ!」
向日葵「わっわっ///」
櫻子「えへへ、ぎゅ~」
向日葵「うーですの///」ギュ
撫子「はいはい」
花子「!?」
櫻子「んじゃ、行ってくるね」
花子「待つし! 櫻子が泊まっていくなら、ウチに楓を泊めるし!」
櫻子「へ、なんで?」
花子「なんでもだし!」
撫子「ふーん……ま、人数合わせできるからいいんじゃない?」
櫻子「そうかなー?」
撫子「それに櫻子もひま子と二人っきりの方がいいんじゃない?」
櫻子「!?」
向日葵「いらっしゃい」
櫻子「えへへ」
楓「櫻子お姉ちゃん、今日お泊りしていくの?」
櫻子「うん、そうだよ、それで楓さウチに泊まってかない?」
楓「櫻子お姉ちゃんの家? どうして?」
櫻子「花子も待ってるよ」
楓「花子お姉ちゃんが? うん、行くの!」
向日葵「あら、楓もお泊りするんですの?」
楓「えへへぇ、お泊りなんて初めてなの、キンチョーするの」
櫻子「いってらっさい」
櫻子「えへへ、知ってた」
向日葵「!?」
櫻子「向日葵とイチャイチャしたな///」
向日葵「櫻子……」チュ
櫻子「ひま……ぅん」チュ
向日葵「櫻子の口唇、とっても柔らかくって、幸せな味がしますわ」
櫻子「あったかいよ、向日葵……ぽかぽかするぅ」ギュ
向日葵「……うー///」ギュ
櫻子「やったー」
向日葵「いただきます」
櫻子「うーん、良い匂い! いただきます」
向日葵「……」ドキドキ
櫻子「ん……向日葵、私の大好物作るって言ってたよね」
向日葵「え、ええ」
櫻子「なんでにんじん……」
向日葵「わ、私が食べてあげますわ!」
櫻子「も、もしかしてそのために作ったの!? どんだけイチャイチャしたいんだよ///」
櫻子「もう、しょうがないなー……あーんしてよね」
向日葵「もちろんですわ! あーん」
櫻子「んむんむ……向日葵もあーん」
向日葵「パクッ……はぁ、幸せですわ」
櫻子「ずーっとこうして過ごしていきたいね」
向日葵「ええ、私もそう思いますわ」
向日葵「バスタオル置いておきますわね」
櫻子「いや、そうじゃなくて」
向日葵「?」
櫻子「一緒に入ろ……ってこと、なんだけど……」
向日葵「ええ!?」
櫻子「入ろうよ///」
向日葵「……///」コクン
向日葵「そうかしら?」
櫻子「そうだよ、ほら前は腰くらいまであったけど今は」サワサワ
向日葵「ひゃんっ」
櫻子「肩くらいまでだし」
向日葵「長いほうがよかったかしら?」
櫻子「ううん、どっちでもいいよ、向日葵は向日葵だし……どっちの向日葵も大好きだよ」サワサワ
向日葵「んんぅ///」ゾクゾク
向日葵「はい」
櫻子「ありがと……あわあわ」
向日葵(櫻子が目をつぶって……)
櫻子「ふんふ~ん」
向日葵「……ちゅ」
櫻子「ん?」
向日葵「櫻子っ……ちゅ~」
櫻子「/// め、目が見えないからって、不意打ちは卑怯だぞ///」
櫻子「でも、もっと///」
向日葵「好き……櫻子」チュ
向日葵「ごしごししますわ」
櫻子「おっぱいごっしごし」
向日葵「ひぅっ……くすぐったいですわ」
櫻子「えへへ、向日葵にはもっと綺麗になって欲しいなー」
向日葵「も、もう///」
櫻子「綺麗だよ向日葵」
向日葵「櫻子には敵いませんわね///」
向日葵「湯船でのイチャイチャは流石に危険かもしれないですわね」
櫻子「でもする! 向日葵が大好きだから」ギュ
向日葵「うーですの!」
櫻子「向日葵の顔もっと見せて」
向日葵「櫻子……」
櫻子「可愛い、私の大好きな向日葵」チュ
向日葵「んん……あなたの大好きな私は、世界一の幸せ者ですわ」チュ
向日葵「あ……」
櫻子「ちょっと恥ずかしくなってきちゃった///」
向日葵「そ、そうですわね」
櫻子「向日葵はもうちょっと入ってて?」
向日葵「え、ええ」
向日葵「ふう……お風呂に入っていては気を落ち着けることも出来ませんわ」ドキドキ
向日葵「……はぁ、櫻子……好き好き好き……幸せ」
向日葵「ふう……パジャマを着て、と……」
向日葵「櫻子、どこですの?」
向日葵「さくらこー」
向日葵「?」
向日葵「寝室……ですの?」
向日葵「私の布団が膨らんで……」
向日葵「櫻子?」
向日葵「…………寝てる!?」
向日葵「あ、そうでしたの」
櫻子「向日葵は低血圧だから、布団暖かくしてあげようと思って」
向日葵「そ、それはありがとう」
櫻子「ほら」ポンポン
向日葵「もしかして……一緒に寝るんですの!?」
櫻子「はやくー」
向日葵「うーですの///」
向日葵「いいえ、初めてですわ……恋人同士になってから初めての同衾ですのよ」
櫻子「オーキードーキー?」
向日葵「同衾ですわ、同じベッドで寝ることをそういうんですの」
櫻子「そ、そっか///」
向日葵(顔がこんなにも近い、それにちょっと薄暗くて……)
櫻子「ドキドキするね」
向日葵「ん…………キス、したくなりましたわ」
櫻子「ちゅっ……したくなったらいつでもしていいよ?」
櫻子「いいんだよ、好き合ってるんだから」
向日葵「そうですわよね」
櫻子「うん……」
向日葵「好き、大好きですわ……櫻子」チュ
櫻子「ずっと一緒にいようね」チュ
花子「か、楓!」
楓「どうしたの、花子お姉ちゃん?」
花子「楓とひたすらイチャイチャしてやるし!」
楓「?」
おしまい
はなかえはよ
楓「大丈夫なの、楓は一人でも色々出来るの」
花子「あ、そ、そうなんだ」
楓「だから心配しなくても問題ないの」
撫子「でも、ウチのお風呂は初めてでしょ、一緒に入ったほうがいいんじゃない?」
花子(ナイスだし!)
楓「そうかな?」
花子「そうだし!」
楓「じゃあ花子お姉ちゃんお願いするの」
楓「えへへぇ」
花子「ど、どうしたの?」
花子(楓の笑顔かわいいし!)
楓「誰かと一緒にお風呂に入るの久しぶりで楽しみなの」
花子「そ、そうなんだ」
楓「えへへぇ」
花子(天使だし!)
花子「一人で脱げる?」
楓「大丈夫なの」
花子「そ、そっか」
楓「ぷはっ」
楓「お風呂なの!」
花子「わーいだし」
花子「そうだよ」
楓「ごしごし洗うの」
花子「楓ほんとに一人で出来てるし!」
楓「あ……折角だから楓はこの赤いシャンプーで花子お姉ちゃんに洗ってもらいたいの」
花子「いいの!?」
楓「楓もたまには甘えたいの……駄目?」ウルウル
花子(そ、そんな目で見られたら居ても立ってもいられないし!)
楓「えへへぇ」
花子「か、楓……どこかかゆいところとかある?」
楓「とっても気持いいの」
花子「そ、そっか、よかったし!」
楓「……もう大丈夫なの」
花子「じゃあ、お湯かけるし」
楓「んんーー、ぷはぁ」
花子「大丈夫?」
楓「うん、ありがとう花子お姉ちゃん、綺麗になったの」
花子「ええ!? そんな、いいし!」
楓「いいの?」
花子「あっ、ちが、よくなくないし! 花子も楓に綺麗にしてもらいたいし」
楓「よかったぁ」パァ
花子(絶対尻に敷かれるし……)
楓「わしゃわしゃなの」
花子「き、気持ちいいしー……」
楓「わかったの……んしょ」
花子「大丈夫?」
楓「だいじょ……わっわっ」
花子「楓!?」
楓「ちょっとお湯が深いの……」
花子「あ、そっか……」
花子「じゃ、じゃあ花子の上に乗るし!」
楓「わかったの、えへへぇ」
楓「楓よくお姉ちゃんにもしてもらってたの」
花子「そ、そうなんだ」
楓「なんだか懐かしくて嬉しくなったの!」
花子「楓が嬉しいなら花子も嬉しいし!」
楓「えへへぇ」
花子「えへへだし!」
楓「いーち」
花子「にー」
楓「さーん」
花子「よーん」
楓「ごー」
撫子「昔の櫻子とひま子を見てるみたいで、実に和む」
楓「きゅーじゅーきゅー」
はなかえ「ひゃーく!」
ザバァ
楓「すっごく温まったの!」
花子(密着し過ぎで頭がフットーしそうだったし!)
撫子「上がったなら、私入るね」
花子「もうこんな時間だし!」
楓「花子お姉ちゃん、楓はどこで寝ればいいの?」
花子「どこで……」
花子(順当に考えれば櫻子の部屋? でも、こんなチャンス滅多にないし!)
花子「花子ももう眠いから花子の部屋で一緒に寝るし!」
楓「花子お姉ちゃん一緒に? わぁいなの!」
花子「天使だし!」
楓「?」
花子(こ、言葉に出ちゃってたし、危ないし!)
花子「楓と一緒に……///」
楓「花子お姉ちゃん?」
花子「は、花子も入るし!」
楓「わぁ」
花子「楓と一緒のベッドなんて……ドキドキするし」
楓「ドキドキするの?」
花子「あ、えと……するし、ドキドキするし!」
楓「花子お姉ちゃん、お姉ちゃんとおんなじなの!」
花子「え?」
花子「そ、そうなんだ」
楓「それってきっと……恋だと思うの」
花子「か、楓!?」
楓「花子お姉ちゃんは恋してるの?」
花子「えとえと……その……」
楓「楓もとってもドキドキしてるの、お風呂に長く浸かってたからじゃなくて」
楓「花子お姉ちゃんと一緒にいるからドキドキしてるの」
花子「楓っ」
花子「花子は……花子はっ」
楓「花子お姉ちゃんの口から聞かせて欲しいの」
花子「花子は……楓が好きだし! 大好きだし!」
楓「ほんとなの?」
花子「本当だし! 大好きだし!」
楓「えへへぇ、楓も花子お姉ちゃんのこと大好きなの」ギュ
花子「楓ぇ///」ギュ
花子「朝っぱらから櫻子元気すぎだし」
向日葵「楓、迎えに来ましたわよ」
楓「お姉ちゃん、今から準備するから待ってて欲しいの」
向日葵「ゆっくりしてもいいですわよ」ホクホク
櫻子「ね、向日葵ー」ホクホク
花子「櫻子たちがホクホクしてるし!」
花子「楓! また……また泊まりに来るし!」
楓「えへへぇ、もちろんなの!」
向日葵「あらあら」
櫻子「ほほぅ」
撫子「この空気……今なら私の彼女を呼んでも問題ないな、計画通り!」
おしまい
こちらも素晴らしいほど甘かった
超乙だし
Entry ⇒ 2012.01.14 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
結衣「京子の部屋で京子作のエロ漫画みつけた」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1326210774/
結衣「週末だし、久しぶりにナモクエやりたくなってきたなぁ……」
結衣「でも京子に貸しちゃってるし」
結衣「まあ良いや、返して貰いに行くか」
結衣「そのまま京子の家で遊んでもいいし」
結衣「しかし、京子ん家に行くのも久しぶりだな……」
京母「はーい」
結衣「こんにちは」
京母「あら、結衣ちゃん、お久しぶりね」
結衣「お久しぶりです。京子居ますか?」
京母「今ちょっと出てるみたい。たぶんすぐに帰ってくるけど」
結衣「あーそうですか……」
京母「京子の部屋で待っとく?」
結衣「じゃあ、そうします」
京母「はい、じゃあジュースとお菓子はここに置いておくわね」
結衣「ありがとうございます」
京母「じゃあまた用があったら呼んで」
結衣「はーい……」
バタン
結衣「……」
結衣「京子の部屋に来たのもいつぶりだろう」
結衣「京子って意外と几帳面だから、部屋は綺麗なんだよなぁ」
結衣「机の上は汚いけど……」
結衣「暇だし、ちょっと整理しといてやるか」
結衣「ん、これ京子の同人漫画か」
結衣「そういえば締め切り近いって言ってたな……」
結衣「枚数がやけに多い……」
結衣「今回出すのは、どんな漫画なのかなっと……」ペラッ
結衣「ミラクルンじゃないのか……」
結衣「恋愛物……えっ?」
結衣「なんだこれ……」
京母「あら、おかえり。結衣ちゃん来てるわよ」
京子「えっ、結衣が? 何処に?」
京母「あんたの部屋で待ってるわよ。早く行ってあげなさい」
京子「えっ……え? 結衣が? 私の部屋で?」
京母「そうよ。どうしたの、そんな慌てた顔して」
京子「えっ? 結衣が? え? 何で勝手に部屋に入れてるの?」
京母「別に良いじゃない。何か困ったことでもあるの?」
京子「か、母さんの馬鹿!」ダッ
京母「なによ、そんな怒らなくても……」
京母「エロ本でも隠してたのかしら……」
京子「結衣!」バタン
結衣「ああ、京子。おかえり。何処にいってたの?」
京子「コンビニだけど……」
結衣「そうか。実はナモクエ返してもらおうと思って来たんだけど」
京子「ナモクエ? ああ、それは返すけど……」
結衣「まあまあとりあえず座ってお茶のみなよ。顔赤いぞ」
京子「あっ、うん、どうも」
京子「ねえ、まあお茶は美味しんだけどさ」
結衣「ん?」
京子「なんか変なもの見なかった?」
京子「う、うん。いや、何も見てないならそれで良いんだけど」
結衣「あそこで腐りかけてる蜜柑とか?」
京子「あ、あーうん、あれね。捨てる捨てる」
結衣「じゃあ、あの変なぬいぐるみとか」
京子「あ、あークラゲ人形ね。ゲーセンで取っちゃってさー……」
結衣「机の上に放置されてた京子作の漫画とか」
京子「……」
結衣「……」
結衣「何を?」
京子「漫画……」
結衣「どの漫画?」
京子「いや、だから、その……」
結衣「もしかして、歳納京子ってキャラが主人公で船見結衣ってキャラがヒロインの京子作の漫画?」
京子「……」
結衣「登場キャラの歳納京子と船見結衣が互いに想いあっているにも関わらず同性の壁や幼馴染という微妙な距離感に悩み、擦れ違いを続けながら」
京子「はい、それです……」
結衣「……」
京子「……」
京子「……」
結衣「ねえ、あの漫画なんなの?」
京子「えっ……それは、その……」
結衣「なんかすごい長かったけど。製本したら三冊分くらいにはなるんじゃない?」
京子「うん、まあ、そうかも……」
結衣「京子ってそういう趣味あったの?」
京子「ち、違う!」
結衣「じゃああれは何なわけ?」
京子「あ、あれは……」
結衣「え?」
京子「ほら、前に紙芝居かいたじゃん! 私と結衣の恋物語を冗談でさ!」
京子「あれを今度は漫画でやろうと思っただけだから!」
結衣「ふーん、ドッキリねぇ……」
京子「そ、そうそう。ちぇー……せっかく皆の反応を楽しみにしてたのに結衣に見られちゃったよー」
結衣「ふーん……」
京子「うん、まあ、うん……」
結衣「……」
京子「……」
結衣「京子はさ」
京子「ん?」
結衣「皆に見せる漫画で、私と京子の……その、エロシーンを描くんだな」
京子「」
結衣「そこまでって?」
京子「いや、だって、その……そ、そういうシーンはかなり後半にあるっていうか……」
結衣「一通り目を通したよ。ざっくりとだけど」
京子「」
結衣「濃厚なキスシーンでも驚いたのに、そのあと普通に、その……エッチしだして尚更びっくりしたんだけど」
京子「」
結衣「めちゃくちゃ絵が本気だし」
京子「」
結衣「なんか焦らしたりしてるし。Sだよ。この漫画の中の私ドSだよ」
京子「えっ……結衣ってSじゃないの?」
結衣「……いや、まあどちらかというと、Sだけど」
京子「……」
結衣「……」
京子「……」
結衣「京子はドッキリ用の漫画に自分のエッチなシーンを描くのか?」
結衣「皆に見せるものに全裸の姿とか喘ぐ姿を描かれるこっちの身にもなってほしいんだけど」
結衣「もし本当にドッキリ用に描いたものなら普通に怒るよ」
京子「いや……あの……」
結衣「ん、なに?」
京子「いや、その……」
京子「ほ、本当はドッキリ用じゃないです……」
結衣「……」
京子「……」
結衣「売る気、だったのか?」
京子「えっ?」
結衣「絵にもあんなに力入れてるし、枚数も多いし」
結衣「販売するつもりだったんじゃないだろうな?」
京子「違う!」
京子「結衣の裸も描いてあるのにそんなことしない!」
結衣「そ、そう……」
結衣「じゃあ結局何なんだ、あれは」
京子「……」
結衣「……」
京子「……」
結衣「だんまりか……」
結衣「……」
京子「……」
京子「あの、さ……」
結衣「ん?」
京子「もう許して、ほしいんだけど……」
結衣「はっ?」
京子「い、いやあのさ。私が悪いのは分かってるよ?」
京子「ごめんね、結衣。勝手に裸とか、その……エッチなシーンとか描いちゃってさ……」
京子「気持ち悪いよね……」
京子「もうこの漫画も全部捨てるから。それでもう結衣の裸とか描いたりしないから」
京子「だから、もうこのことは忘れてよ……お願い……」
結衣「……」
京子「……」
結衣「ちょっと何を言ってるのか分かんないんだけど」
京子「」
結衣「いやだから、謝るとかそういう話じゃないって」
結衣「別に気持ち悪いとも思ってないし……」
結衣「なんでそんなもの描いたのかって訊いてるの」
京子「……」
結衣「まただんまりか……」
京子「……」
結衣「……」
結衣「……今ふと思いついたんだけど」
結衣「もしかして、他にもこれと同じような漫画描いてるんじゃないか?」
京子「!」
京子「ほら、それ一つでめちゃくちゃ枚数あるじゃん!」アセアセ
京子「それだけだって!」
結衣「京子」
京子「はい……」
結衣「私が京子の嘘を見抜けないとでも思ってるの?」
京子「」
結衣「汗もだらだら出てるし」
京子「そ、そんなの恥ずかしいからに決まってるじゃん!」
京子「こんなの描いてるってバレてさ……」
京子「嘘なんかついてないし!」
結衣「京子」
京子「は、はい」
結衣「ほんとのこと言わないならさ」
結衣「この漫画のこと、みんなにバラすよ」ニッコリ
京子「」
結衣「うわっ……同人本何冊分だこれ……」
京子「わ、わかんない……」
結衣「これで全部?」
京子「うん……」
結衣「そっか……」ペラッ
京子「ちょっ!」
結衣「ん、なに?」
京子「よ、読むの?」
結衣「そりゃ読むけど」
京子「結衣、駄目だって……お願いだからさ……」
結衣「知らん」
京子「」
京子「……」
結衣「……」ペラッ
京子「……」
京子「お、終わった?」
結衣「まあザックリだけど」
京子「そ、そっか……」
結衣「……」
京子「……」
結衣「あのさ、今さらだけど」
京子「な、なに……」
結衣「これ、全部私と京子の恋愛話じゃん」
京子「……」
京子「……」
結衣「話を戻すけどさ」
結衣「何でこんなもの描いたんだ? 何で全部私と京子なんだ?」
京子「……」
結衣「で、この質問には答えてくれないと……」
京子「……」
結衣「……」
京子「……」
結衣「仕方ない、朗読でもするか」ペラッ
京子「えっ……?」
結衣「……『結衣、今頃なにしてるんだろう』」ボソッ
京子「!」
結衣「『早く会いたいな……早く明日になれば良いのに……』」
京子「ちょ、ちょっと!」
京子「……」
結衣「『でも同姓だから、何度も何度も諦めようと思って……』」
結衣「『それでもやっぱり離れられなくて……』」
結衣「『どうしたらいいんだろう……』」
結衣「『結衣……結衣……んっ……』」
京子「……」
結衣「……」
京子「うっ……うぇぇ……」
結衣「!?」
京子「う、うぅぅぅ……うぇぇぇっぇぇえん……」
そりゃ泣くわw
京子「だってっ、ゆっ、いがっ」ポロポロ
京子「ゆっい、がっ、いじめるっん、だっ、もんっ……」ヒック
結衣「ご、ごめん。謝るからさ、泣きやんでよ……」
京子「ゆっ、い、のばっかっ……うぇぇっぇぇ」
結衣「ごめん……ごめんな……」ナデナデ
京子「うっぇぇぇぇっん……」
………………
…………
……
京子「うん……もう大丈夫……」
結衣「ごめん、ちょっとからかいすぎた」
京子「いいよ……元はと言えば私があんなの描いたのがいけないんだし……」
結衣「……」ナデナデ
京子「……結衣に膝枕してもらったのも久しぶりだなー」
結衣「そうだっけ?」
京子「私が泣き虫だった頃はよくこうやって宥めてくれたじゃん」
結衣「そうだったかなぁ……」
京子「……私さ」
京子「あの頃からずっと結衣のことが好きだったんだよねー」
結衣「……」
京子「だから、告白とかするわけにも、付き合うわけにもいかないからさ」
京子「ああやって漫画にして、一人で楽しんでたんだよね」
結衣「だから、あんなに……」
京子「気持ち悪いでしょ?」
結衣「そんなこと、ない」
京子「またまたー」
結衣「そんなことないって」
京子「……優しいなぁ私の結衣にゃんは。ドSだけど」
結衣「……」
京子「……」
結衣「えっ?」
京子「いやーだってさ、結衣本人に見られちゃったし」
京子「それに、そろそろ諦めつけなきゃって思ってたところなんだよね」
京子「成就するわけないのに、いつまでも引きずってたら良くないしさ……」
京子「それに、あれのせいで同人誌の方の進みが遅くなったりもしたし!」
京子「だからもう、あの漫画を描くのは止めるよ」
結衣「……」
結衣「……なに?」
京子「ごめんね……こんなの見せちゃってさ……ガッカリしたでしょ……」
結衣「……」
京子「でもさ、私にとって結衣はやっぱり大切な人なんだよね……」
京子「両想いになれないって分かっててもさ……そんなこと抜きにしても……」
京子「だからさ、これからも変わらずに友達で」
結衣「嫌だ」
京子「えっ?」
結衣「嫌だ!」
チュッ
チュッ
京子「ちょ、ちょっと」
チュッ
京子「結衣、タンマ!」
チュッ
京子「結衣!」グイッ
チュッ
………………
…………
……
京子「な、何十回もキスされた……」
結衣「……」ハァハァ
京子「な、なんで……」カァァ
結衣「……」
結衣「勝手に片思いだ、なんて決めつけるなよ」
結衣「私もずっとずっと京子のことが好きだったのに……」
京子「う、うそ……」
結衣「嘘じゃないよ」
京子「だって、あんなに意地悪して……」
結衣「顔を真っ赤にしてる京子が可愛かったからな」
京子「……ほんとにほんと?」
結衣「ほんとにほんと」
京子「……」
結衣「……」
結衣「!」
京子「結衣ぃ……ゆいぃ……」ポロポロ
結衣「こらこら、さっき泣いたばかりだろ……」ナデナデ
京子「だ、だって……嬉しくて……うぅっ……」
結衣「忙しい奴だな、お前は」
京子「結衣ぃ……愛してるよ……」
結衣「ああ、私も愛してるよ……」
………………
…………
……
茶道部室
京子「めでたし、めでたし!」
ちなつ「」ギリギリッ
あかり「ちなつちゃんが凄い形相をしてる……」
結衣「……」カァァ
ちなつ「百回くらい拳を叩き込みたくなりましたよ!」
京子「えーなんだよ、せっかく力入れて描いてきたのにさぁ……」
ちなつ「いくら絵が綺麗でも、こんな妄想見せつけられても困りますよ!」
京子「え? これ妄想じゃないよ? ね、結衣」
結衣「ん、まあ、うん」
あかり「えっ?」
ちなつ「へっ?」
京子「というわけで」
京子「私と結衣は晴れて付き合うことになりました!」
ちなつ「えぇぇぇっぇええぇぇぇえ!? 実話!?」
あかり「ひょええっぇぇぇぇぇえ!」
おしまい
乙
大変よろしゅうございましたダバァ
Entry ⇒ 2012.01.13 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
あかり「結衣ちゃん、相談があるんだけど…」 結衣「ん?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1326096306/
あかり「…ごめんね急に相談事なんて」
結衣「気にするなって」
あかり「で、でも」
結衣「…あかりは私の大切な幼なじみなんだ」
結衣「そんな悲しそうな顔してると私も辛いからさ」
結衣「良かったら聞かせてもらえるかな」
あかり「ゆ、結衣ちゃん…」グスッ
あかり「うぅぅ…」ポロポロ
結衣「ごめんなあかり…気づいてあげられなくて」
あかり「ゆ、結衣ちゃ……ぐすっ…」
結衣「私に出来る事は限られてるけどさ」
結衣「きっとあかりの力になってみせるよ」
あかり「…あ、あのね」
結衣「うん」
あかり「あかりはどうすればもっと存在感を出せるのかなぁ…」
結衣「あぁ…」
結衣「……」
あかり「その無言はなんなのぉ!?」
結衣「…え、いや別に」フイッ
あかり「あかりから目を逸らさないでよ~!」
結衣「…」
結衣「その相談はちょっと荷が重…くて」
あかり「そ、そんなぁ~」グスッ
結衣「うっ…」
あかり「もう空気キャラは嫌だよぉ…」
結衣「よしよし、いい子だからもう泣くなって」ナデナデ
あかり「…うん」
結衣「無理に前に出ても空回りが多いからなぁ…」
あかり「…そうだね」
結衣「自然に…むむむ…」
あかり「……」
結衣「ごらく部恒例のパターンなんだけどさ」
あかり「うんうん」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
京子『ちなつちゃ~ん、ちゅっちゅー』
ちなつ『ちょ、ちょっとやめて下さいよ!結衣せんぱ~い』
結衣『オイコラ、京子』ゴン
京子『いった~てへへ』
ちなつ『結衣せんぱ~い』ゴロニャン
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あかり「よくある光景だねぇ、これがどうしたの?」
結衣「あかりの『あ』の字も出てないんだよね…」
あかり「……」
結衣「…そうなることで」
結衣「あかり、いたんだ…の定番に入ってる気がする」
結衣「どうにかしてこの中に割り込む事ができれば…」
あかり「あのね…」
あかり「あかりもその中に混ざりたいなぁ~って思うけど」
あかり「三人で完結してるんだよね…」
結衣「うっ…確かに」
あかり「入る隙が無いと言うか…」
結衣「…」
結衣「うん?どうしたのあかり」
あかり「…結衣ちゃんに話したらスッキリしたよぉ」
あかり「相談に乗ってくれてありがとう!」ニコッ
結衣「…何も解決出来てないけど」
あかり「それでもだよぉ~、結衣ちゃんありがとっ!」
結衣(気丈に振舞ってるけどきっと辛いんだろうな…)
結衣(私が同じ立場だったら…考えるだけで悲しいよ)
結衣(どうにかしてあかりの悩みを…)
あかり「なぁに結衣ちゃん?」
結衣「…あかりのためなら私なんだってするよ」
あかり「えへへ、その言葉だけでも嬉しいよ~」
あかり「なんでもするかぁ…いいこと考えちゃった!」
結衣「いいこと?」
あかり「うん!あかり頑張って三人の輪に入ってみせるよっ!」
結衣「いいことってなにかな、気になるんだけど」
あかり「ふふっまだ秘密だよ~」
結衣「…気になる」
京子「歳納京子カレーに豆乳!」
ちなつ「こんにちは~ちょっと遅れちゃいました」
京子「おや珍しいコンビだね、あかりと結衣なんて」
結衣「別に珍しくはないだろ」
あかり「えへへ、結衣ちゃんにお悩み相談してt」
ちなつ「は、はっくちゅん!!」
あかり「ひゃあ!だ、大丈夫ちなつちゃん」
ちなつ「ずび~ちょっとむずむずしちゃって」
京子「そっかそっか、まぁ幼なじみだし別に珍しくはないよね」
あかり「うんうん!」
結衣(せっかくの発言がちなつちゃんのくしゃみにかき消されたか)
結衣(健気な相づちが涙を誘う…)ホロリ
ちなつ「京子先輩とはいえさすがにその意見には同意です」
京子「むぅ~その言い方ちょっと傷つくかも」
ちなつ「そうですかそうですか」
京子「つれないなぁ…ちなちゅ~!」ダキッ
ちなつ「ちょ、ちょっと…何するんですか!!」
京子「いいじゃんいいじゃん」スリスリ
ちなつ「もぉー!やめて下さいよ!」
結衣(おなじみの光景がきたけど……どうするんだあかりは)
あかり「……」モジモジ
京子「よいではないか、よいではないかぁ」スリスリ
結衣「はぁ、…おいこらきょうk」
あかり「ゆ、ゆ、結衣ちゃーんっ!!」ダキッ
結衣「うわぁ!?」
結衣「ちょ、ちょ、ちょっとあかり!?」
あかり「よいではないかぁ、えへへ」スリスリ
結衣「ほ、ほっぺすりすりするなってコラ!」
あかり「結衣ちゃ~ん♪」ギュッ
ちなつ「え?」
京子「ほう…」
結衣「はぁ…私に抱き着くのがあかりの考えたいいこと?」
あかり「うん、こうすればあかりも輪に入れるかな~と思って」
あかり「…結衣ちゃん、迷惑だった?」
結衣「迷惑じゃないって、ちょっと不意を突かれたというか」
結衣「それになんでもするって言ったからね」
結衣「…私はされるよりぎゅっとする方がいいかな」ギュッー
あかり「わわっ!…ぇへへ、あかりもこっちのほうが好きかも」
結衣「ふふ、よしよし」ナデナデ
あかり「結衣ちゃんのなでなで落ち着くよぉ…」
ちなつ「え?」
京子「ふむ…」
京子「ちなつちゃんが呆けるのも無理はない」
京子「あかりからほとばしる圧倒的な存在感…!」
ちなつ「いや、それもそうですけど!」
ちなつ「なんであの二人がいちゃついてるのかって話ですよ!!」
京子「確かに二人の世界が出来てるね…」
結衣「ふふふ」
あかり「えへへ」
ちなつ「見つめ合って笑うの禁止ッ!!」
あかり「そ、そんなべたべたしてたかな?」
京子「おーおー自覚なしかあかり、そりゃもうすごかったぞ」
京子「もう2人は付き合ってるんじゃないかってくらい」
あかり「え、えぇぇ!?」
結衣「馬鹿なこと言うなっての」コツン
京子「あいたっ…てへへ」
あかり「…」チラッ
結衣「うん?どうかした、あかり」
あかり「なな、な、なんでもないよっ!」アセアセ
あかり(女の子どうし…うん、おかしいよねそんなの)
京子「顔真っ赤だぞ~あかり」
あかり「ちょ、ちょっと暑いかなーこのお部屋」
ちなつ「…むしろ寒いくらいだよあかりちゃん」
結衣「あかり…?」
京子「そうだねぇ…無難にババ抜きなんてどう?」
結衣「ババ抜きか…」
ちなつ「ちょっとトランプはマンネリが否めませんねぇ」
京子「そう言うと思ったよ~。だから罰ゲームを用意しました!」
あかり「ば、罰ゲーム!?…大丈夫かな~」
京子「ふふふ、弱気だなあかり。その調子じゃ罰ゲームはあかりかな」
あかり「むむむっ…あかり負けないもん!」
京子「よーし、やる気なったところでいってみようか!」
京子「へへへ、私もアッガリ~ン!」
あかり「変にもじらないでよぉ…京子ちゃん」
結衣「次どっちかが揃えば終わりか」
京子「ちなつちゃん決めちゃえ~!」
ちなつ「そんなプレッシャーかけないで下さいよ…」
ちなつ「…こっちかな」
あかり「…」ニタァ
ちなつ「…やっぱこっちにしよっと」
あかり「な、なんで分かったの!?」
ちなつ「え…まぁ、うん」
京子「だね、まあ罰ゲームはあかりに決定!」
あかり「うぅぅ…」
京子「はいよ、この箱から一枚選んでちょーだい」
あかり「怖いなぁ…京子ちゃんが考えた罰ゲーム」ゴソゴソ
あかり「えいっ!」
あかり「…えぇぇぇ!?」
京子「どれどれ…ぷぷっ、こりゃいいな」
ちなつ「えーっと…結衣先輩と姉妹ごっこ!?」
結衣「え?」
ちなつ「そうですよ!こんなの…こんなの」
結衣「ちなつちゃん…」
ちなつ「こんなの罰ゲームじゃなくて、ご褒美ですよっ!!」
結衣「…私が言いたいのはそういう事じゃなくて」
結衣「なんで私も罰ゲームなんだよ京子!」
ちなつ「あ、なるほど」
京子「へへへ、まぁまぁそっちの方が盛り上がるじゃん」
結衣「…ていうかこれを私が引いたらどうするつもりだったんだ」
京子「そんときはそんときだっ!」
結衣「…はぁ」
あかり「あかりがこんな罰ゲーム引いたせいで…」
結衣「…大丈夫だよ、ほらこっちおいで」
あかり「…?」
結衣「私が一個上だしお姉ちゃんでいいかな、あかり」ナデナデ
あかり「ゆ、結衣ちゃん優しすぎるよ~…」
結衣「こらあかり、今は姉妹なんだから呼び方変えないと」
あかり「あ、…えっと…ゆ、結衣お姉ちゃん」モジモジ
結衣「……悪くない」
あかり「え?」
結衣「い、いや何でもないよあかり」
あかり「結衣お姉ちゃん…」
結衣「…」ギュッ
あかり「お、お姉ちゃん!?」
結衣「私一人っ子だったからさ、甘えられるのに弱くて…」
結衣「…こんなに何回も抱きしめて迷惑だよね」
あかり「ううん、結衣お姉ちゃんにぎゅっとされるのあかり大好きだよ」
結衣「そっか…普段からもっと私に甘えてもいいんだからな?」
あかり「ほんと!?それじゃもっともーっと甘えちゃうからねっ」
結衣「ふふ、可愛いなぁあかりは」ナデナデ
あかり「えへへ…」
あかり「結衣お姉ちゃん…」
ちなつ「いつまで続くんですかコレ」ビキビキ
京子「ちなつちゃん落ち着いて、落ち着いて!」
ちなつ「だ・か・ら罰ゲームじゃなくて、ご褒美だって言ったんです!!」
京子「…あはは」
京子「おっけー、おいこの尻軽女もう終わり!」ペシッ
結衣「あいたっ」
あかり「えへへ、なんかあっという間だったね」
京子「ったく…いちゃつきすぎだっつーの」
あかり「い、いちゃついてなんかないよぉ!」
京子「あれだけしておいて否定するのかよ…」
結衣「し、尻軽女って…」
ちなつ「えぇ~まだやるんですか?」
京子「もちもち、お餅!一回だけじゃつまらん!」
結衣「…あかり、ちょっと耳貸して」
あかり「え?どうしたの結衣ちゃん」
結衣「ごにょごにょ…」
あかり「…ふむふむ、なるほどぉ!」
京子「どったの~二人とも、トランプ配るよん」
結衣「ふふ、いつでもどうぞ」
あかり「ぇへへ」
結衣「私もあがりだ」
ちなつ「てへへ、結衣先輩とワンツーフィニッシュですね!」
結衣「ふふ、そうだね」
結衣「さて…さっきと同じ状況だけど」
ちなつ「どちらかが揃えば終わりですね…」
京子「ふふ…このパターン勝ったな!」
あかり「ま、まだ分からないよぉ!」
京子「強がっちゃって可愛いなぁあかり、さぁ引いちゃうよん!」
あかり「…」ニタァ
京子(ぐふふ…あの間抜け面、こっちはババだな!)
京子「やっぱりこっちだ!」スッ
あかり「!?」
京子「やりぃ~私の勝ち…な、なにっ!?」
あかり「残念だったね京子ちゃんっ!そっちはババだよ!」
京子「な、なんでだ!?さては結衣、あかりに話したな!」
結衣「ふふ、こっちの方が盛り上がるだろ?」
京子「よ、余計なことすんなよ~!結衣のばかぁ!」
結衣「えぇっと…ババを引かれそうになると、あかりは顔に出ちゃうから」
ちなつ「にたぁっと笑いますよね」
結衣「うんうん、だからババじゃないほうを引かれそうになったら…」
ちなつ「あの不気味な笑いをするように言ったんですね?」
結衣「一回きりの作戦だけどね、あとは見守るしか…」
あかり「…」ニタァ
京子「そ、その顔をやめろぉぉおおおおおおおッ!」
結衣「京子が動揺してる…」
ちなつ「ボディーブローのようにじわじわ効いてますね…」
あかり「罰ゲームを受けるのは、あかりじゃなくて…京子ちゃんだよっ!」ビシッ
京子「ぐぐぐ…あかりが主人公に見える」
結衣「あぁ、まるであかりが主役みたいだ」
ちなつ「明日は槍でも降りそうですね」
あかり「たまには主役っぽいことさせてよぉ…」グスッ
あかり「…こっちだ!」
京子「あっ!」
あかり「揃った、揃ったよぉ!あっがり~んっ!」
京子「はぁ…負けたぁ、くっそ~」
結衣「あかり、良かったなおめでと」
あかり「うん!結衣ちゃんのアドバイスのおかげだよぉ~」
ちなつ「あかりちゃんは顔にすぐ出ちゃうからね」
ちなつ「けっこーひどい顔してたよ…」
あかり「ひ、ひどい顔!?そこまでなの!?」
結衣「自分で考えた罰ゲームを自分で消化するって…おバカすぎるよ京子」
あかり「京子ちゃん…」ニタァ
京子「あぁぁあぁぁあぁあぁっ!悔しい、悔しい!!」
京子「ちくしょー!私の罰ゲームはこれだ…!」
京子「おろ?…へっへ~ん」
京子「ちなつちゃんにマッサージしてもらう、だってさ!」
ちなつ「はぁ…?」
結衣「してもらう?どこが罰ゲームなんだよ!?」
あかり「あわわわわわあわわわわわ…」ブルブル
これはまさしく罰ゲームだ
あと、ともこさん・・・・・・・・
ちなつ「…でも結衣先輩とあかりちゃんも罰ゲームこなしましたし」
ちなつ「私だけやらないわけにはいきませんよ」
京子「さっすが私のちなつちゃん!」
結衣「コラ京子、調子に乗らないの」ガシッ
京子「ふがふが…」
結衣「ったく…本当にちなつちゃんはいい子だね」
ちなつ「結衣先輩からその言葉を聞けただけで…!」
ちなつ「私は補給無しで1か月戦えますよ!」グッ
結衣「そ、それはよく分からないけど…」
京子「…ぷはっ、あれ~あかりはどこ行ったんだ?」
結衣「部屋の隅で子犬のように震えてる…」
ちなつ「うふふ…」
ちなつ「先輩方が修学旅行でいない間、あかりちゃんにマッサージしてあげたんです」
京子「へぇ~それは初耳だよ」
ちなつ「あかりちゃんってば泣いて喜んでくれたんですよ~」
京子「あかりのお墨付きってワケだね!?」
ちなつ「はいっ!」
京子「それは楽しみだな~。へへっ私ってば幸せ者!」
ちなつ「まったく調子いいんだから…さ、うつ伏せになって下さい」
京子「てへへ」
京子「…ちなつちゃん、こんなくだらない部に入ってくれてありがとね」
ちなつ「わ、私は結衣先輩がいるからここにいるだけで…」
京子「それでもだよ、ありがと」ニコッ
ちなつ「っ!…調子狂うんで止めて下さい」
京子「ふふふ~照れちゃって可愛いのちなっちゃん」
ちなつ「照れてなんかないです!…ほら、いきますよ」
京子「うん!」
結衣「ほらあかり、怖くないからこっちおいで。ちっちっち」
あかり「…」トコトコ
結衣「よしよし、何か怖い事でも思い出したのか?」
あかり「ゆ、結衣ちゃん…」ビクビク
結衣「この怯えようはなんなんだあかり」
あかり「京子ちゃんを今すぐ助けないと…」
結衣「へ?それってどういう…」
<あ゛ア゛ーあ゛っあ゛っ あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!??
結衣「な、なんだよこの悲鳴!?」
あかり「ひいぃぃいいいいいぃいい…」
ちなつ「うふふ、そう言ってあかりちゃんも喜んでくれましたよ」ググッ
京子「にゃ゛あ゛ア゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ア゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
ちなつ「うわ…足裏もそうとうこってますね」グッ
京子「足は、ダメなの゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」
あかり「き、京子ちゃんが…!」
結衣「マズイなこれは…ちなつちゃん!」
ちなつ「ぐりぐり気持ちいいですか~京子先輩。フフフ」
京子「…」ピクピク
結衣「聞いちゃいねぇ…ちなつちゃん!!もうやめて!」
あかり「ちなつちゃんっ!!!」
ちなつ「うふふ…もっといい声で鳴いて下さい…」
・・・・・・
・・・
・
結衣「で、大丈夫なの?」
京子『あはは、大丈夫大丈夫』
京子『まさかあんなエグいマッサージするとはね…』
結衣「ちなつちゃんあんな可愛い顔して…」
結衣「まぁ京子の自業自得だろ今回は」
京子『かもね…でもちなつちゃんからの愛は感じたよ~』
結衣「ふふっなんだよそれ、…私晩御飯作るからそろそろ切るよ」
京子『お~もうそんな時間か』
結衣「腰も足もあまり無理するなよ、じゃあね」
京子『にしし、分かってるよ~ばいばいっ』
結衣「ふぅ…」ピッ
結衣「あっ…お味噌切らしてたんだ、スーパー行かなきゃ」
結衣「寒い寒い、早く帰ろ」
結衣「…またこんな雪積もったのか」テクテク
結衣「実家の雪かき大丈夫かな…」
結衣「お正月に顔見せたばかりだけど、今度帰ろうかな」
結衣「さ、寂しいとかじゃなくて…雪かきするためだから、うん」
結衣「…最近独り言増えたかも」
結衣「…は、はっくちゅん!…さむっ」
結衣「ここの公園懐かしいなぁ…」
結衣「京子とあかりでジャングルジムで遊んだり…」
結衣「このブランコから靴飛ばしたりしたな、ふふ」
あかり「あっかり~ん…」
結衣「…うわぁ!あ、あかり!?」
あかり「ゆ、結衣ちゃん…」
結衣「こ、こんな時間にブランコで何してるんだよ!?」
あかり「ぇ、ぇへへ…ちょっとブランコに乗りたい気分で」
結衣「…なにそれ、頭に雪積もってるよ」クシクシ
あかり「…んっ」
あかり「え?」
結衣「いま夜の7時なんだけど、あかり」
結衣「雪まで降ってるのに、こんなとこにいなきゃいけない理由は?」
あかり「え、えーっと…」
あかり「こ、公園で童心に帰りたいなぁ~なんて思ったり…」
結衣「…三回目はないからな、次で本当の事言わないと」ゴゴゴ
あかり「言う!言うから、その石をギッシリ詰めた雪玉しまって結衣ちゃん!」
結衣「…ったく」
あかり「お母さんは町内会の人と会合で…」
あかり「お父さんはお仕事の出張で…」
あかり「お姉ちゃんは今日、ちなつちゃんのお姉さんと遊ぶから遅くなるの…」
結衣「うん」ナデナデ
あかり「だから、お家にだ、誰もいなくて…鍵も忘れちゃって」グスッ
結衣「…だからここで時間を潰してたんだね」
あかり「ゆ、結衣ちゃ…ん」ポロポロ
結衣「体も冷え切ってるじゃないか…」ギュッ
あかり「…」グスッ
結衣「ほら、行くよあかり」
あかり「え?…行くってどこに?」
結衣「私の家に決まってるだろ」
あかり「で、でも!」
結衣「このままここにいたら凍死するって」
結衣「…ほら手貸して」
あかり「…」ギュッ
結衣「ただいまっと」
あかり「お、お邪魔します…」
結衣「あかり、お風呂温まってるから入っておいで」
あかり「で、でもあかり着替え持ってきてないよ?」
結衣「私のパンダ貸してあげる、ちゃんと洗ってあるから」
あかり「ほんとっ!?」
結衣「…下着も私の貸してあげるから」
あかり「…」カァー
結衣「ほ、頬を染めるなよ!こっちも恥ずかしくなるだろ!」
あかり「…き、気のせいだよぉ!」
結衣「…まだあかりお風呂から出てこないよな」
結衣「エヘンッ、あーあー…よし」
結衣「ごーゆるりっと、にゃ、にゃにゃにゃ…」ボソッ
結衣「べ、別に自分の家なんだし気にする必要ないか」
結衣「ごーゆるりっと にゃにゃにゃにゃー」ザクザク
結衣「ごーゆるりっと にゃにゃにゃにゃー」グツグツ
結衣「ひまつぶーし ひつまぶーs」
あかり「…」
あかり「お、お風呂いいお湯だったよ…」
結衣「…」
あかり「それにしても可愛い歌詞だったねっ!」
あかり「にゃにゃにゃにゃ~♪」
あかり「ぇへへ…」
結衣「…」ポカッ
あかり「あいたっ!な、なんで小突かれたのぉ!?」
結衣「ばか…」
あかり「結衣ちゃん可愛かったのに…」
結衣「う、うるさい!!」
あかり「ブリの照り焼き、大根サラダ、お味噌汁、温泉卵…」
結衣「ごめん、ちょっと質素だったね」
結衣「あり合わせの材料だから…本当にごめんな」
あかり「結衣ちゃん…」プルプル
結衣「うん?」
あかり「将来絶対いいお嫁さんになるよっ!!」
結衣「そ、そっか…ありがと」
あかり「美味しそう…」
結衣「あかり、よだれよだれ」
あかり「あっ、えへへ…」
結衣「ほんと美味しそうに食べるな、あかりは」
あかり「だって本当に美味しいんだもんっ!」
あかり「こってり甘辛でご飯が進むよ~」
結衣「そう言ってもらえるとありがたいよ」
結衣「…ふふ、あかりほっぺにご飯付いてる」ヒョイパク
あかり「あっ…ゆ、結衣ちゃん!もうっ…」
結衣「ん?」
あかり「そういう事誰にでもするの…?」
結衣「いやそういうわけじゃないけど…」
あかり「ふ、ふ~ん…ぇへへ」
結衣「サラダも全部食べたんだ、えらいぞあかり」
あかり「子ども扱いしすぎだよぉ」
結衣「まだまだ子供だと思うけどね」ジー
あかり「あ、あかりの胸見てそんな事言わないでよぉ!」
結衣「ふふ、ごめんごめん」
あかり「…」
結衣「あ、あかり?」
あかり「…ふーんだ」ムスッ
結衣「あ、あれ怒ってる…?」
あかり「怒ってるよぉ…あかりの胸はどうせ小さいですよーっだ」ベー
あかり「でもきっと結衣ちゃんや向日葵ちゃんみたいに大きくなるもん!」
結衣「あかりはそのままが一番いいと思うけどなぁ」
あかり「…ゆ、結衣ちゃんは小さいほうが好きなの?」
結衣「えっ!?…大きさどうこうというより」
結衣「あ、あかりのは可愛いと思う…」
あかり「それ褒めてるの…?」
結衣「と、とりあえずお風呂入ってくるから!お皿よろしくな」
あかり「むー…」
あかり「…」ゴシゴシ
あかり「…にゃにゃにゃにゃ~、ぇへへ」ジャー
あかり「…おしまいっと!」キュッキュ
あかり「…結衣ちゃんバスタオル持っていったかなぁ」
あかり「結衣ちゃん、バスタオルここに置いておくから」ガラッ
結衣「うっ、うわぁぁあぁああああ!?」
あかり「はだ、はだ、はだ、は、裸…」フラッ
結衣「だ、脱衣所なんだからノックくらいしろよっ!!」
結衣「あ、あかり…?」
結衣「鼻血出して気絶してるし…千歳かよ」
あかり「むにゅ……あ、あれ結衣ちゃん?」
結衣「やっと目覚ました、そのまま起きないかと心配したよ」
結衣「今まで気失ってたんだよ、頭とか打ってない?」
あかり「うん、平気だよぉ」
結衣「そっか…良かった」ナデナデ
あかり「でもどうしてあかりは気絶なんてしたんだろ…」
結衣「…」
あかり「あっ!…ご、ご、ご、ごめんなさい結衣ちゃん」カァー
結衣「その様子じゃ思い出したみたいだな…」
あかり「…うぅ」
結衣「ふふ、なんてからかったらまた拗ねちゃうかな」
あかり「…」モジモジ
結衣「あかり?」
あかり「ふぇっ!?」
あかり「も、もう9時半だね歯磨きして寝なきゃ!」
結衣「あぁそっか、9時にはもう寝るんだっけ」
結衣「歯ブラシ新しいのおろしてあげるよ」
あかり「う、うん」
あかり「…うん」
結衣「電気消すよ」パチッ
結衣「おやすみ、あかり」
あかり「…おやすみなさい」
結衣「っと寝る前に少しお話しない?」
あかり「う、うん…」
あかり「…えっと」
結衣「私は別に目立つ方でもないし、京子に相談すれば良かったんじゃないか?」
あかり「…そっちのお布団行ってもいい?」
結衣「ん?あぁいいよ、おいで」
あかり「…本当の事を言うとね」
結衣「うん…」ナデナデ
あかり「結衣ちゃんと2人でお話しするきっかけ欲しくて…」
あかり「存在感なんてほんとはどうでも良かったの」
結衣「…そっか」
あかり「あかり、嫌われてるんじゃないかなぁと思って…」
結衣「そんなわけないって」
結衣「今思えば京子に振り回されてたから」
結衣「あかりと2人で行動するってなかなか無かったね」
あかり「うん…」
結衣「機会が無かっただけで、嫌いとかでは絶対ないよ」
あかり「ほんと?」
結衣「ほんとにほんと」ナデナデ
あかり「良かった…」
あかり「うん…」
結衣「どうしてごらく部のみんなに連絡しなかったの?」
あかり「京子ちゃんとちなつちゃんはご両親がいるから」
あかり「晩ごはん時に行くのは気が引けるというか…」
結衣「…それなら一人暮らしの私の家に来ればいいだろ」
あかり「最初はそうしようと思ったけど…」
結衣「うん」
結衣「迷惑じゃないって」
あかり「それにね…」
結衣「ん?」
あかり「あかりなんだか結衣ちゃんの事を考えるとドキドキしちゃって…」
あかり「こ、こんな気持ち生まれて初めてで」
あかり「頭の整理がつかなくて…」
結衣「…それで公園にいたんだ」
あかり「…」コクン
あかり「…」
結衣「…あかりはきっと私に恋をしてるんだろうね」
あかり「あかりもそうだと思う…」
結衣「好きな人に迷惑かけたくないというのは理に適ってるしね」
あかり「で、でも!」
あかり「あ、あかりと結衣ちゃんは女の子と女の子なんだよ…?」グスッ
あかり「こんなの、こんなの絶対おかしいもん……ひっく…」ポロポロ
結衣「あかり…」
結衣「私は嬉しい、あかりの初恋の人になれて」ギュッ
結衣「女の子どうしでもおかしくなんてない」
結衣「お互い好きならそんなの関係ないよ」
あかり「うぅぅぅ…ゆ、結衣ちゃ……」ポロポロ
結衣「だからさ、あかりさえ良かったら私の恋人になってほしいな」
あかり「うん、うん」グスッ
結衣「ふふ、あかりパンダは泣き虫だね」ナデナデ
あかり「…うん」
結衣「…ありゃ」
あかり「…」zzz
結衣「可愛いなぁほんと、泣き疲れて寝ちゃったか」
結衣「おやすみ、あかり…」チュッ
あかり「結衣ちゃん、結衣ちゃーん朝だよぉ」
結衣「…むにゃ」
あかり「ぇへへ、結衣ちゃんすごい寝ぐせだね」
結衣「…っともう8時か、すぐ朝ご飯作るからね」
あかり「ふふん」
結衣「なんだその得意気な顔は…あれ、いい匂いする」
あかり「朝ご飯はあかりが準備しました、結衣ちゃん隊長っ!」
結衣「あ、あかり…」
結衣「うん、寝ぐせもしっかり直したよ」
あかり「それじゃ~」
あか結衣「いっただきまーっす」
あかり「トーストに、スクランブルエッグ、あとサラダ…」
あかり「ぇへへ、簡単なものだけど我慢してね」
結衣「はぁ…幸せ」ハムハム
あかり「ふふふ」
あかり「コーヒーもどうぞ、結衣ちゃん」
結衣「至れり尽くせりだね、ありがと」
あかり「ほんとっ!?」
結衣「うん、どこか行きたいところはある?」
あかり「結衣ちゃんと一緒ならどこでもいいよぉ!」
結衣「それじゃノープランでぶらぶらしようか」
あかり「そうだね、楽しみだよぉ」
結衣「…あ、あかりまだ言ってなかったね」
あかり「なぁに?」
結衣「…す、好きだよ」
あかり「…ぇへへ、あかりも結衣ちゃんだーい好きっ!!」
結衣「ずっと一緒だからな」
あかり「うんっ!」
おしまい!
支援ありがとうございました
乙!
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/.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:::/ .::::. .:.:.:.:.:.:ト、:.:. .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V:∧::::.:.:.:.:.:.
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リ:.:.:::Y `-- " ))v}:/.:.::::::|:::::::::::::::::|
. /.:.:.:::::::ヽ、 ノノ/ア.:.:::::::::|::::::::::::::::|
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人:.::::从'//{_ /.:.:.:.:::::::::/// ハ :::::::::|
原作で結衣あかもっと増やしてほしいよね
Entry ⇒ 2012.01.13 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
結衣「可愛い妹達に囲まれて幸せに過ごしたい」
結衣「……」
京子「結衣、何やってんの?」
結衣「ギャルゲー」
京子「ふ~ん、きらナモ以外にも持ってたんだ?」
結衣「うん、最近買ったやつだけど…」
京子「なんていう、タイトルの?」
結衣「シスター・クインセブン」
京子「……」
京子「シスター…何?」
結衣「シスター・クインセブン、妹ゲーだよ」
結衣「個性豊かな妹達と、仲良くなって行くんだよ」
京子「へ、へぇ~…」
結衣「特に、私はこの子がお気に入りでさぁ」カチカチ
『お姉たま、今日は何して遊ぶの?』
京子「ぷっ、お姉たまだってぇ~」
結衣「いや、確かに呼び方はアレだけど…」
京子「お姉たま」
結衣「……」
京子「お姉たま、お姉たま、お姉たまぁ~」ニヤニヤ
ゴッ
結衣「……」カチカチ
京子「結衣、妹とか欲しいの?」
結衣「欲しいと言えば欲しいかな、小さい子好きだし」
京子「…誘拐とかすんなよ?」
結衣「毎日毎日、ちなつちゃんにちょっかい出すお前にだけは言われたくない」
京子「今日も突っ込みが冴えてるね、結衣にゃん!」
結衣「はぁ…」
京子「そう言えば、ちなつちゃんって妹じゃなかったっけ?」
結衣「…うん、そうだね」
京子「後、あかりも」
結衣「……」
京子「……」
京子「…黙るなよ」
妹いっぱいだな
結衣「少なくとも、お前に『お姉たま』呼ばわりされるよりかは嬉しいよ」
京子「…さっきの、そんな根に持ってるの?」
結衣「お気に入りの子だって言っただろ?」
京子「許してよ、お姉たまぁ~」
結衣「また殴られたいの?」
京子「ちぇ、なんだよ」
京子「私は結衣のお気に入りになりたいだけなのに…」
結衣「まさか、ゲームの子に嫉妬してる?」
京子「そ、そんなんじゃないやい!」プイ
京子「…と、言う訳で!」
あかり「んんっ!?」
京子「どうした、あかり。何かおかしなとこでもあったか?」
あかり「おかしなところも何も、京子ちゃんまだ何も話して無いよねぇ!?」
ちなつ「一体、何が『と、言う訳』なんですか?」
京子「いやぁ~、結衣の趣味を言いふらすのは良くないかなっと思ったので…」
京子「全部、私の回想で済ませておきました!」
あかり「それじゃ、あかり達には何も伝わらないんじゃ無いかなぁ!?」
ちなつ「結衣先輩の趣味って何ですか!?お、教えて下さいよっ!!」
京子「あかりもちなつちゃんも、普段結衣に迷惑かけてるだろ?」
あかり「一番迷惑かけてるのは、京子ちゃんだと思うんだけど…」
ちなつ「私、結衣先輩に迷惑なんてかけてないもん!」
京子「だから、ここらで1つ恩返ししてみない?」
あかり「結衣ちゃんに恩返しかぁ…」
ちなつ「いいですね。やりましょうよ、恩返し!!」
ちなつ「膝枕に耳掃除、マッサージまでしちゃうよ♪」
あかり「!!」ドキッ
あかり「そ、そこまでしたら結衣ちゃん遠慮しちゃうんじゃないかなぁ?」アセアセ
ちなつ「そうかな?」
京子「そうだよ、そういう事は結衣じゃなく私にすべきだ!」
ちなつ「京子先輩にはしたくありませんから」プイ
京子「ちぇ、なんだよ。釣れないなぁ~」
あかり「…命拾いしたね、京子ちゃん」
あかり「う~んと、あかりはねぇ……えへへ」
京子「まぁ、もう私が考えてあるんだけどね!」
あかり「じゃあ、なんで聞いたの!?」ガーン
ちなつ「どーせ、京子先輩の考える事なんてロクなもんじゃありませんよ!」
京子「いやいや、今日のは本当に結衣を喜ばす為だから!」
ちなつ「…信用しても、いいんですね?」
京子「おうよ!」
ちなつ「何か、かけますか?」
京子「んじゃ、私はあかりの左のお団子をかけるよ」
あかり「んんっ!?」
ちなつ「それじゃ、もし結衣先輩が喜んだら右のお団子あげますね!」
あかり「ちょっと、待ってよぉ!!」
京子「良かったな、あかりのお団子をあげるって提案が役に立ったぞ!」
あかり「あかり、そんな事一言も言ってないからぁ!!」
結衣「……」
結衣「…何故、私は1人で登校してるんだ?」
京子『結衣にはナイショであかり達に話をするから、結衣は先に行っててよ!』
結衣「はぁ…」
結衣「どーせ、あいつの考える事なんてロクなもんじゃないよな」
???「…だよう!!」
???「…ですわ!!」
結衣「んっ、校門で騒いでるのは…」
結衣「大室さんと、古谷さん?」
櫻子「あっ、船見先輩だぁ~」
向日葵「あら。おはようございます、船見先輩」ペコッ
結衣「2人共、こんな所で何を騒いでるの?」
櫻子「聞いて下さいよぉ~、向日葵が…」
向日葵「櫻子が、ですわよっ!!」
結衣「…はっ?」
向日葵「あなたがどちらが先に入ったかを聞いたから、素直に答えたまでですわ!」
櫻子「どこが素直にだよ、向日葵が先にくぐったような言い方してただろう!?」
向日葵「事実、わたくしの方が先にくぐりましたもの!」
櫻子「なんだよ、証拠でもあんのかぁーっ!?」
向日葵「胸囲の差、ですわよ!」
櫻子「なっ」カチン
櫻子「普段コンプレックスとか言ってる癖に、こういう時だけ利用しやがって!」
向日葵「自分の体をどう使おうと、櫻子に文句を言われる筋合いはありませんわ!!」
結衣「あの…」
櫻子「きぇ~~、おっぱい禁止ぃ~っ!!」ポヨン
向日葵「きゃあ!?///」ビクン
向日葵「あなた、言い返せないからって胸を叩くのは止めなさいなっ!!///」
結衣「はぁ…」
櫻子「へっ?」
向日葵「はい?」
結衣「このままじゃ、拉致があかないから再戦しない?」
櫻子「再 ですか?
向日葵 戦ですの?」
結衣「2人共、ここから3歩下がって…」
櫻子「」スタスタ
向日葵「」スタスタ
結衣「よーーい…」
2人「「!!」」ヒクッ
結衣「どんっ!!」
櫻子「うおぉぉぉぉぉおお!!」
向日葵「負けませんわあぁ!!」
京子「ごぉ~~るっ!!」ダッ
3人「「「えっ?」」」
結衣「きょ、京子!?」
京子「わったしっが、いっちばぁ~~んっ!!」
2人「「ポカーン」」
タッタッタ
ちなつ「ふふふ、私が二番だよ!」
あかり「うわ~ん、あかりは三番だよぉ!」
結衣「あかりに、ちなつちゃんまで…」
京子「結衣は馬鹿だなぁ、2人だけなら敗者と勝者しか居ないけど…」
京子「3人以上居れば、揉めてる2人を丸ごと敗者に出来るんだよん!」
結衣「はは。京子は相変わらず滅茶苦茶だなぁ」
櫻子「えっ、私歯は治せないよ?」
向日葵「それは歯医者ですわよ!」
京子「敗者の2人には、勝者である私の言う事を1つ聞いてもらいます!」
櫻子「え゛ぇ!?」
向日葵「いつ、そのような取り決めが行われましたの!?」
京子「細かい事はいいじゃーん!」
京子「そこは、その大きなおっぱいのように関大な心で流してくれよ」ムニムニ
向日葵「いやぁ!!///」ビクン
結衣「おいこら、すぐそういう事するのやめろよな!!」ゴッ
京子「いでっ」パッ
櫻子「わぁ~、私はおっぱい小さいから聞かなくてもいいんですね!?」
あかり(小さい?)
ちなつ(無いの間違いでは?)
京子「ちっぱいちゃん、自分で言ってて悲しくない?」
櫻子「!!」ドキッ
櫻子「聞きます、聞かせて下さい~」ゲザァ
京子「あっ、これからナイショの話するから結衣は先に教室行ってて」
結衣「またそれかよ!?」
京子「それもこれも、みーんな結衣の為なんだからね!」
結衣「はいはい、期待しないで待ってるよ」スタスタ
京子「もー、このツンデレさんめぇ~」
櫻子「先輩、ツンデレって何ですか?」
あかり「人前ではツンツンしてるけど、2人きりだとデレデレする人の事だよぉ」
向日葵「!!」ドキッ
櫻子「ふぇ~、あかりちゃん者知り~」
あかり「えへへ、あかりが解説しちゃったよ♪」
ちなつ「結衣先輩が京子先輩と2人きりの時にデレデレなんてあり得ませんから!!」
京子「ふっ…」
ちなつ「なんなんですか、その含み笑いは!?」
ちなつ「結衣先輩が京子先輩にデレデレだなんて、認めませんからねっ!!」
結衣「……」ソワソワ
千歳「船見さん、おはようさん」
綾乃「太陽さんさんサンフランシスコよ!」
結衣「ぶふっ」
綾乃(これ、イケるわねっ!?)
千歳(綾乃ちゃん、船見さんは基本何でも笑うで…)
結衣「2人共、私に何の用?」
千歳「いや~、歳納さんはどしたんかなって」
千歳「…綾乃ちゃんが」
綾乃「ち、千歳ーーっ!!///」カァー
結衣「はは、あいつならとっくに学校来てるよ」
綾乃「そ、そうなの?」ホッ
千歳「あはは、綾乃ちゃん今ホッとしたやろ?」
綾乃「べ、別に。歳納京子が船見さんと一緒じゃ無いから休みなのかしら、それは心配ね……とか、そんな事全然思って無いんだからねーーっ!?///」フシャー
結衣「ハッ!!」
京子『もー、このツンデレさんめぇ~』
結衣(もしかして、綾乃はツンデレなのか?)
綾乃「大体、何で私があいつの事心配しなきゃいけないのよっ!?///」ブツブツ
綾乃「理由が無いじゃないの、理由がっ!!///」
結衣(なるほど、京子の事が好きだからか…)
結衣(まさか『一緒に帰って噂されると恥ずかしいし』とか言っちゃう人なのか?)
結衣「綾乃、今日は京子と一緒に帰ってみない?」
綾乃「!!」ピクン
綾乃「……」プルプル
結衣「えっ」
綾乃「今日は…京子と…ふふ……」プルプル
結衣(今日は京子と…イケるなっ!!)
結衣(…あれ、私はさっきまで何を考えてたんだっけ?)
結衣「……」シーン
京子「ッパ!!」
結衣「…何故、そこだけ繰り返した?」
綾乃「歳納京子、ちょっと来るのが遅いわよっ!!」
京子「わりぃわりぃ……って、なんで綾乃が怒るの?」
綾乃「!!」ドキッ
綾乃「そそそそれは、その……生徒会副会長だからに決まってるでしょ!?///」カァー
千歳「んふ~ふぅ~♪」ボタボタ
結衣「うわぁ!?」ビクッ
京子「ふぅ~ん、まぁいいや」
京子「悪いついでに、生徒会の1年生2人を今日1日借りていい?」
綾乃「か、構わないけど……あの2人に何の用があるの?」
京子「ナ・イ・ショ♪」ウィンク
綾乃(可愛い…///)
京子「よし、全員娯楽部に集まったな?」
5人「「「「「……」」」」」」
京子「それじゃ、点呼を取るぞぉ~!」
あかり(これって、またあかりが忘れられるパターンなんじゃ無いかな…)
あかり(ううん、これはピンチじゃなくてチャンスだよ!)
あかり(ここであかりが1番を取って、存在感を発揮するんだから!)
あかり「いーちっ!!」
京子「いちじゃなくて、ワンと言えっ!!」
あかり「えぇ!?」ガーン
京子「ワンツーさんしー、基本だろ?」
あかり「うぅ…分かったよぉ……」
あかり「ワ、ワンっ!!」
京子「わぁ~、あかりわんわんだぁ~」
あかり「酷いっ!!」ガーン
あかり「あれ、点呼はっ!?」
京子「いや、どう見たって全員居るじゃん?」
あかり「うわぁ~ん、またあかりだけ恥ずかしい思いしちゃったよぉ~」
あかり「」チラッチラッ
4人「「「「……」」」」
あかり「……」
京子「一区切りついたところで、ここから先は結衣に主役交代だ!」
結衣「おいこら、初めから主役は私だよ!!」
京子「あっ、そうだっけ?」ケロッ
京子「まぁ、結衣が一歩引いてくれてたお陰で」
京子「私とあかりじゃ、話が全っ然進まない事が証明されたよ!」
あかり「半分、あかりのせいなんだ…」
結衣「それじゃ、京子の言うナイショで準備していた出し物(?)を見せてくれよ」
京子「よし来た、トップバッターはあかりわんわん!」
あかり「気持ちを切り替えなくちゃ…」
あかり「……」
あかり「」キリッ
結衣(あかりがいつに無く真剣な表情に!?)
結衣(これは、私が思っているより真面目な事なのか?)
あかり「……」
あかり「」ニコッ
結衣「えっ」
あかり「えへへ、結衣……お姉ちゃ~ん♪」
結衣「……」
結衣「……」
結衣「…おぉ、あかりが妹だ!」
京子「どうだ、結衣。気に入ったか?」ニヤニヤ
結衣「うん、流石リアルの妹だね」
結衣「京子と違って、とてもふざけているようには見えないよ」
京子「ぐっ…」
京子「なんだか、あかりに負けたような複雑な気分だ」
あかり「結衣お姉ちゃん、結衣お姉ちゃん♪」ピョコピョコ
結衣「…でも」
結衣「あかり、他に何か無いの?」
あかり「えっ!?」ドキッ
あかり「う~んと、う~~んとねぇ…」
結衣「……」
4人「「「「「……」」」」」
あかり「結衣お姉ちゃん、行って来ま~す♪」ガラッ
京子「あっ、あかりが逃げた…」
京子「2人目もリアル妹だよ、ちなつちゃ~ん!」
ちなつ「うふふ、結衣お姉様~」キラキラ
結衣「お、お姉様!?」ビクッ
ちなつ「結衣お姉様、チーナをあなたのスールにしてぇ」キラキラ
結衣「ちなつちゃんは妹と言うより、何かの役に入り込んじゃってるよ!」
結衣「顔まで、少女漫画風になってるし…」
ちなつ「結衣お姉様、ロザリオはどこにあるんですか?」
結衣「ロザリオって…」
結衣「京子、そんなの用意してあるの?」
京子「先生、打ち合わせと違うじゃないですかーっ!!」
結衣「アドリブかよっ!?」ガーン
ちなつ「そこ、ブラウスの中に閉まってあるのね?」サワサワ
結衣「ひぃぃーっ!!」ゾワゾワ
京子「ちなつちゃん、ストップストーップ!!」
結衣「あわわわわ…」ガクガク
京子「全員、ちなつちゃんを取り押さえるんだ!」
櫻子「任せて下さい、歳納先輩っ!!」スクッ
向日葵「わ、わたくしも!?」ドキッ
ガシッガシッ
ちなつ「ちょっと、今いいとこなんです離して下さい!!」
京子「こんなの、誰も望んで無いから!!」グイグイ
ちなつ「私が望んでるんです。結衣お姉様、結衣お姉様ぁ~」ガラッ
ピシャッ
結衣「はぁ…はぁ…」
京子「…どうだった?」
結衣「あれを見て、感想を聞くんだ?」
京子「一応…」
結衣「あの顔で間近に迫られたから、かなりの迫力があったよ」
京子「3人目もまたまたリアル妹、ちっぱいちゃ~ん!!」
櫻子「船見のねーちゃん!」
結衣「ぶっ」
結衣「…大室さん、それじゃ近所の子供だよ」
櫻子「ふぇ?」
櫻子「私、ねーちゃんの事をねーちゃんって呼んでるんですけど」
結衣「そうじゃなくて……あっ」
結衣「そもそも、2人は私の事を下の名前で呼んで無いんだっけ?」
結衣「大室さん、今日は…」
結衣「いや、これからも私の事を結衣って呼んでよ」
櫻子「へへ、了解です。結衣ねーちゃんっ!!」ビシッ
結衣「…あぁ、こういうタイプの妹もいいかも」
結衣「…かもね」
結衣「正直、あかりやちなつちゃんは元々妹みたいなものだったし」
京子「それ、あかりは兎も角ちなつちゃんが聞いたらショック受けるよ?」
結衣「そうかな、今の私は妹にしか興味ないんだけど」
京子「私は土俵にすら立ててないのかよ!?」ガーン
櫻子「つまり、妹代理である私は結衣ねーちゃんに愛されてるって事ですか!?」
結衣「大室さんさえ、迷惑じゃなければ…」
櫻子「そんなぁ、私の前世から来世まで愛しちゃって下さいよ~っ!!」
結衣「はは、今度は姉妹になれるといいね」ナデナデ
櫻子「へへへ~、結衣ねーちゃんはウチのねーちゃんと違って優しいや♪」ウキウキ
向日葵「……」
結衣「おいこら、私がおかしな事を言ったような言い方するなよ!」
結衣「1人っ子の妹への憧れなんて普通だろ?」
京子「私も1人っ子だけど、妹が欲しいなんて思ったこと無いよ?」
京子「なんせ、自分1番ですから!!」
結衣「それこそ、カミングアウトだろ!」
京子「スーパーナルシスト・京子ちゃん!!」
櫻子「うはぁー、それ超格好いいじゃないですか!?」
結衣「うわっ、食い付いて来た!?」ビクッ
京子「だろぉ~?」ドヤァ
櫻子「それで、一体どういう意味なんですか!?」ワクワク
結衣「凄い自己中な京子」
京子「その言い方、明らかに悪意あるだろ!?」ガーン
結衣「妹好きを馬鹿にした報いだよ、スーパーナルシスト・京子」
向日葵「……」
京子「ラストォ、おっぱいちゃん!」
向日葵「……」
向日葵「……」
京子「…あれ?」
京子「おっぱいちゃんの番だよ」
京子「ほら、そこのシスコンに『お姉たま』って言ってやりなよ」
結衣「後で覚えてろよ」
向日葵「……」
櫻子「なんで黙ってるんだよう、向日葵?」
結衣「…古谷さん?」
向日葵「わたくし……じゃ、ありませんの」
結衣「えっ?」
向日葵「わたくしは、妹じゃありませんのよ!!」
京子「それでは、シスコマンダー・結衣を満足させる事が出来ないじゃないか!」
櫻子「シ、シスコマンダー!?」ピクン
結衣「あぁ、また変な肩書きに大室さんが反応してる…」
結衣「古谷さん、私は別にリアルな妹にこだわってる訳じゃないよ」
向日葵「いえ、そうではなくて…」
向日葵「こちらの問題ですわ」
結衣「…古谷さんの?」
京子「して、その問題とは!?」ワクワク
向日葵「人を姉のように呼んだ事が無いものですから…その……」モジモジ
向日葵「恥ずかしいん…ですの///」カァー
3人「「「……」」」シーン
櫻子「…うわ、ブリっ子きもっ」
向日葵「うるさいわねぇ、恥ずかしいものは恥ずかしいんですわっ!!」
結衣「それじゃ、どうしたら私の事をお姉ちゃんって呼んでくれるのかな?」
向日葵「それは…」
京子「おやぁ~?」ニヤニヤ
京子「さっきまで、淡々とこなしているような素振りだったのに」
京子「結局、結衣もノリノリなんじゃないか!」
結衣「…それは、否定出来ないかも」
向日葵「わたくしには、やっぱり無理…」
櫻子「仕方ないなぁ、駄目駄目駄目な向日葵に櫻子様がお手本を見せてやろう!」
向日葵「なっ!?」カチン
櫻子「結衣ねーちゃ~~ん♪」ダキッ
結衣「うわっ!?」ビクッ
櫻子「どーだ!これなら、ブリっぱいにも分かるだろう?」
向日葵「くっ…」ギリリ
向日葵「たかが船見先輩を姉呼ばわりしただけで、調子に乗りすぎですわっ!!」
結衣「おぉ、流石ライバル同士だね」
向日葵「ただし、条件として櫻子には退出願いますわ!」
櫻子「なんだとぉ~!?」
櫻子「先輩方、向日葵の言うことなんて聞く必要ありません!」
京子「……」
櫻子「そうだ、拷問して無理矢理言わせちゃいましょうよぉ~」
京子「…ちっぱいちゃん」
櫻子「なんですか、歳納先輩?」
京子「外に行って、あかりとちなつちゃんと一緒に反省会やってて」
櫻子「そんなぁ…」
櫻子「結衣ねーちゃんは、私の事を見捨てませんよね!?」
結衣「大室さん…」
結衣「後で、いっぱい遊んであげるよ」
櫻子「うわぁぁ、グレてやるぅぅぅ!!」ダッ
京子「…それで」
京子「おっぱいちゃんは結衣の事、なんて呼ぶの?」
向日葵「えっ、あの…その……」
向日葵「ふ、船見先輩のリクエストに従いますわよ///」
結衣「私は別に何でもいいけど」
京子「お姉たまでいいじゃん!」
結衣「!!」ドキッ
向日葵「…はっ?」
京子「結衣は、お姉たまが一番好きなんだよねぇ~」
結衣「おいこら、そういうこと言いふらすなよ!!」
向日葵「船見…先輩……?」
結衣「違うんだよ、古谷さん。それはあくまでゲームの話であって…」
京子「お姉たま、お姉たま、お姉たまぁ~」ニヤニヤ
結衣「」イラッ
ーーーーー
京子「…と、言う訳で」プスプス
京子「私も追い出されてしまいましたとさ!」
あかり「へぇ、結衣ちゃんはお姉たまがお気に入りなんだ…」
ちなつ「それじゃ、今部室は結衣先輩と向日葵ちゃんの2人きりなんですか!?」
櫻子「結衣ねーちゃんを独り占めなんて、向日葵ずりぃー!!」
京子「まぁまぁ、結衣さんは妹好きらしいし…」
京子「リアル妹にはかなわないっしょ!」
ちなつ「きゃーーっ、それ本当ですかぁ!?」
櫻子「あっ、それ私も聞いたから本当だよ!」
あかり「…あれ?」
あかり「でも、京子ちゃんは1人っ子だよねぇ?」
京子「うん、泣いていい?」
ちなつ「?」キュルン
京子「ちなちゅお姉ちゅあ~ん!」ダキッ
ちなつ「ちょっと止めて下さいよぉ~、京子…」グイグイ
ちなつ「先・輩っ!!」ドンッ
京子「うわぁ~~!!」
京子「どうして私は、ちなつちゃんの先輩に生まれてしまったんだぁ!?」
京子「どなたか、3年生の方を知りませんか~」
櫻子「確か、ウチの生徒会長が3年生ですよ!」
京子「なぬぅ!?」ピクン
京子「よっしゃ~、生徒会室に妹になり行くぞぉ~!!」
京子「ばびゅーーんっ☆」ダダッ
シーン
3人「「「……」」」
あかり「…反省会、しよっか?」
向日葵「……」
結衣「…あっ」
向日葵「えっ?」
結衣「いや」
向日葵「はい?」
結衣「うん…」
向日葵「……」
結衣「……」
結衣(京子を追い出したのはいいけど…)
結衣(古谷さんと2人きりで、お姉ちゃんと呼ばせるなんて気まず過ぎるだろ!!)
向日葵「…ふふっ」
結衣「えっ!?」ビクッ
向日葵「これでは拉致が開きませんわね」ニコ
結衣「あはは、そうだね…」
向日葵「やはり、歳納先輩の仰っていた呼び方が宜しいんでしょうか?」ヒクヒク
結衣「そ、それはいいよ!!」ガタッ
結衣「あいつの言ってた事は忘れてくれていいから!」アセアセ
向日葵「それは、安心しましたわ」ホッ
結衣「…ごめんね、古谷さん」
結衣「こんな罰ゲームみたいになっちゃって」
向日葵「いえ、そんな…」
向日葵「船見先輩は一人っ子と仰られてましたし」
向日葵「わたくしのような妹持ちに分からないような…その……」
向日葵「とても寂しい想いをしていたと思うと、ほっとけませんもの!」
結衣「古谷さん…」
結衣(まさか、ギャルゲーの影響で妹好きに目覚めたなんて言えないよな)
結衣(…いや、元々小さい子を好きではあったけど)
向日葵「船見先輩の事を、どのように呼んで差し上げれば宜しいのか」
結衣「古谷さん、さっき妹が居るって言ってたけど」
結衣「その妹の呼び方を参考にしてみるのはどうかな?」
向日葵「わたくしの妹の呼び方を…」
向日葵「……」
楓『向日葵お姉ちゃん♪』
向日葵『結衣お姉ちゃん♪』
向日葵「///」ボッ
結衣「うわぁ!?」ビクッ
向日葵「むむむむむ無理無理、そんなの呼び方絶対に出来ませんわよっ!!///」カァー
結衣「えっ、あぁ、そうなの?」
向日葵「はぁ…はぁ…」
結衣(普段、一体どんな呼ばれ方されてるんだ?)
結衣(今のセリフ、『お姉たま』を聞いた瞬間連呼した京子に聞かせてやりたい)
向日葵「……」ズーン
結衣「ハッ!!」
結衣「そ、それじゃあさぁ!」
結衣「私の事を如何に恥ずかしくないよう呼ぶか、じゃなくて」
結衣「仮に古谷さんに姉が居たらどんな風に呼んでたか、を考えてみない?」
向日葵「わたくしに姉が居た場合…ですの?」
結衣「そう、一度くらいは姉が居たらって考えた事ないかな?」
向日葵「確か小さな頃に一度、大室さんのお姉さんを見て…」
向日葵「……」
向日葵「…お姉さん」
向日葵「そうですわ、わたくしが姉を呼ぶのでしたら『お姉さん』ですわよ!」
結衣「おぉ、お姉さんか…」
結衣「うん、古谷さんらしくていいね!」
結衣「それじゃ、さっそく言ってみて欲しいな」
向日葵「はい、では……お姉」
結衣「……」ジー
向日葵「ちょっ!?///」ドキッ
結衣「…えっ?」キョトン
向日葵「そんな、ジッと見つめられたら照れますわよ!///」
結衣「ご、ごめん。別に、古谷さんの邪魔をしようとした訳じゃなくて!」アセアセ
結衣「いざ、古谷さんに『お姉さん』って呼ばれると思うと緊張するんだ…」
向日葵「あの船見先輩が……緊張を?」
結衣「そんな意外そうな顔しないでよ、私だって人間だよ?」
向日葵「す、すみません。わたくし、そんなつもりでは…」
結衣「はは、いいよ。これでおあいこかな?」
向日葵「船見先輩…」
結衣「言い終わるまで、私は目を瞑ってるね」ツムリ
向日葵「気をつかわせてしまい、申し訳ありませんわ」
結衣「じゃあ、改めてお願いするよ。古谷さん」
向日葵「……」
結衣「……」
向日葵「……」ゴクッ
結衣(あっ、今唾を飲んだ)
向日葵「……」
向日葵「…おねすっ」
向日葵「///」ボッ
結衣(あぁ、噛んじゃったよ…)
向日葵「ふぅ…ふぅぅぅ……」スーッハーッ
結衣(頑張って、古谷さん!)
向日葵「……」
櫻子「反省会おっわりぃ~♪」
あかり「えへへ、ちなつちゃんを説得するのに時間かかっちゃったよぉ」
ちなつ「最後の砦『お姉様』は守り抜きましたよ、結衣お姉…」
2人「「……」」
ちなつ「……」
結衣「あっ」
向日葵「あっ」
ちなつ「えええぇぇぇぇぇええ!?」ガーン
櫻子「おい、向日葵。結衣ねーちゃんと見つめ合って、何やってたんだよう!?」
向日葵「ななな何って、わたくし達は特別何もしていませんわよ!?///」
結衣「そうだよ。私はさっきまで目を瞑ってたから、見つめあってはいないよ!」
櫻子「へっ、そうなんですか?」キョトン
櫻子「なぁ~んだ、2人が向かいあってるから勘違いしちゃったん♪」
結衣「…ふぅ」ホッ
あかり「でも、なんで結衣お姉ちゃんは目を瞑ってたの?」
結衣「いや、目を開いてると古谷さんが照れちゃうからさぁ」
ちなつ「向日葵ちゃんが、照れる?」
櫻子「う~ん、ますます訳分かんない」
櫻子「あかりちゃん、ちょっと私と向かい合って目を閉じてよ!」
あかり「こう?」ツムリ
櫻子「……」
あかり「……」
ちなつ「…ちょっと、これって!?」
2人「「ハッ!!」」ドキッ
あかり「えっ、えっ?」パッ
櫻子「ちなつちゃん。2人が何をしてたのか、分かったの?」
ちなつ「もしかして結衣お姉様、向日葵ちゃんと」
ちなつ「キス、しようとしてたんですかぁーーっ!?」
櫻子「私を追い出して結衣ねーちゃんとキスするとか、ふざけんなよぉ!!」バタバタ
結衣「みんな、少し落ち着きなよ!」
向日葵「そうですわよ、誤解ですわ!」
向日葵「わたくしと船見先輩はまだ、そういう関係じゃありませんのよ!」
ちなつ「まだ、そういう関係!?」ピクン
ちなつ「ちょっと、それどういう意味よ!?」
向日葵「いえ、ですから船見先輩とわたくしは姉妹関係では無いと…」
ちなつ「姉妹じゃないなら、なんなのよ!?」
あかり「恋人…かなぁ?」
櫻子「キスしようとしてたし…」
ちなつ「こここここ恋人ですってぇーーっ!?」ガーン
結衣「うわっ、コンボが繋がった!!」
向日葵「この子達は、何故そう悪い方向に事を運びやがりますの!?」
結衣「はぁ…」
結衣「これ以上騒ぐと、お姉ちゃん怒るよっ!!」カッ
3人「「「!!!」」」ビクッ
向日葵「!!」キュン
結衣「みんなが妹である限り、私は絶対みんなの事を裏切ったりしないから!!」
あかり「結衣お姉ちゃん…///」ドキドキ
ちなつ「結衣お姉様…///」ドキドキ
櫻子「結衣ねーちゃん…///」ドキドキ
向日葵「船見…先輩……///」ドキドキ
結衣(ふふ。シスター・クインセブンの名台詞、一度言ってみたかったんだ!)
結衣「流石に、一緒に住もうとまでは言えないけど」
結衣「それでも、ここに居るよりはずっと雰囲気が出るハズだからさ」
あかり「わぁ~い、結衣お姉ちゃんちで遊んで貰えるよぉ♪」
ちなつ「ふふふ、今日は妹としてワンランク上のイベントを狙うよ☆」
櫻子「結衣ねーちゃんの家に一番乗りして、ご褒美貰うぞぉーーっ!!」ダッ
結衣「えっ!?」
ちなつ「櫻子ちゃん、抜け駆けはズルいよっ!!」ダッ
あかり「うわはぁ~ん、あかりを置いてかないでよぉ~」タッタッタ
向日葵「お待ちなさい、櫻子っ!!」
向日葵「あなたはそもそも、船見先輩の家を知らないでしょーーっ!?」
シーン
向日葵「…みんな、行ってしまわれましたわ」
結衣「はぁ、しょうがない妹達だなぁ」
向日葵「全くですわね」
向日葵「はい、あの子達に足並みを揃えるメリットがありませんもの」
結衣「ご褒美は、欲しくないの?」
結衣「みんながノリノリな以上、ちゃんとあげるよ」
結衣「夕飯のメニューの決定権とか、そんなもんだけど」
向日葵「あら、ご褒美ならもう貰っていますわよ?」
ギュッ
結衣「!!」ドキッ
結衣「ちょ、古谷さん!?」
向日葵「出来るだけゆっくり、時間をかけて歩きましょうね」
向日葵「…お姉さん///」ポッ
お わ り !
最高だった
ハーレム編待ってるぞ
Entry ⇒ 2012.01.12 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
向日葵「バイバイ」
~とある休日、櫻子の部屋~
トントン
向日葵「櫻子、入りますわよ?」ガチャリ
櫻子「な、急になんだよー!勝手に部屋に入ってくんなー!」プンプン!
向日葵「はいはい……しっかし、久しぶりに櫻子の部屋に入りましたけど、あなた掃除くらいきちんとしなさいな」
櫻子「入ってくるなりいきなり小言とか……鬼姑か」ブツブツ
向日葵(高校に入っても、変わりませんのね……櫻子は)フフッ
櫻子「それより、なんの用?」
向日葵「え、あ、ああ、櫻子、今日暇ですわよねっ?」アセッ
櫻子「こう見えて私忙しいんですけどー……テレビ観たり、いもチップス食べたり」
向日葵「暇ですわね?じゃあ、一緒に映画でも行きません……?///」
櫻子「……」
櫻子「……行く」ウナズキ
向日葵「そう、よかった……どうしても観たい映画があったんですけど、一人じゃ映画館に行きづらくって」
櫻子「ちなみに映画館って、街の?」
向日葵「そ、そうですわよ?」
櫻子「じゃあ、今から走れば電車間に合うなっ!」ダッ
向日葵「えっ?あ、待ちなさいなっ!!」アセッ
櫻子「膳は急げだぁーっ!」ダダダッ
向日葵「それを言うなら『善は急げ』ですわーっ!」
……………
向日葵「ハァッ……ハァッ……待って……櫻子……」ハァハァ
櫻子「ほらほらっ!早くしないと次30分待ちだよ!もう、仕方ないなー……ほら」
ギュ
櫻子「駅まで……引っ張っていってやるから……///」
向日葵「え……///」
櫻子「走るよっ!」ダッ
向日葵「ああっ!ちょっと櫻子っ!待っ……」
プシュー……ガタン……ガタンガタン
櫻子「ふぃー……なんとか間に合ったなぁ……」ハァハァ
向日葵「もう……バカ……さくら……こ……っ」ゼエゼエ
向日葵「あなた……人の話も聞かないで……」ハァハァ
櫻子「だって、長い間電車待つの嫌いなんだもん!」
向日葵「じゃあ……私が観たい映画が何時に始まるか……知ってますの……?」ゼエゼエ
櫻子「え?映画って好きな時間に観られるもんじゃないの?」キョトン
向日葵「このバカ娘っ!映画は始まる時間が決まってますのよ!私の観たい映画は開始まであと3時間もありますわよっ!」
櫻子「ええー!じゃあ全然急ぐ必要ないじゃん!」
向日葵「そういう他人の言うことを全然聞かないとこ、中学の時から変わってませんのね……」ハァ
櫻子「……」
櫻子「……うるさいっ!このデカっぱい!超乳!」ムキー!
……………
向日葵「時間もありますし、早めに昼食でもとります?」
櫻子「高級フレンチ!もち向日葵のおごりなっ!」
向日葵「ファミレスでかまいませんわね……」
櫻子「スルーすんなし!」
~ファミレス~
向日葵「……」モグモグ
櫻子「……」モッキュモッキュ
向日葵「……」ソワソワ
櫻子「……」キュップイ
向日葵「……ふぅ」ドキドキ
向日葵「……ね、ねえ、櫻子?」
櫻子「ん?どした」
向日葵「あなた……今、学校ではどうなんですの?」
櫻子「どうって、元気にやってるよ?向日葵こそ友達少ないから大変なんじゃー?」ニヤニヤ
向日葵「くたばりやがれですわ……私だって友達ぐらいたくさんできましたのよ?」
櫻子「へ、へぇー、よかったじゃん……」アセッ
向日葵「それで……その……」モジモジ
向日葵「赤座さんから聞いたんですけど……」ソワソワ
櫻子「なんだよー急にモジモジして、キモいぞ?」
向日葵「その……彼氏……出来たんですって?」
櫻子「!!」
櫻子「……」
櫻子「ドリンク取ってくる!」フイッ
向日葵「あっ……」
向日葵(はぁ……なんで私がこんなに気を張らないといけないんですの……)
向日葵(あの時……心に決めたじゃありませんの……!)
向日葵(『櫻子の幸せを祈ろう』って)
向日葵(『友達のままでいよう』って)
向日葵「……」ボー
櫻子「おまたせおまたせ~って向日葵?……向日葵ってば!」ユサユサ
向日葵「!?」ビクッ
櫻子「どうした!?ボーっとしちゃって」
向日葵「ご、ごめんなさい……ちょっと考え事してましたわ」アセアセ
櫻子「……」
櫻子「それより、私の彼氏について聞きたいんだろ~?存分に聞かせてやるよ!」ニヤニヤ
向日葵「……」
向日葵(まさかこの娘に……彼氏が出来るだなんて考えてもいませんでしたわ)
向日葵(卒業式の日に……あんな笑顔で……私に気持ちをぶつけてきた櫻子に……)
~数ヶ月前、七森中卒業式~
あかり「ふぇええん……向日葵ちゃん、櫻子ちゃん、卒業しても2人ともずっと友達だからね~っ!」シクシク
向日葵「もう、当たり前ですわよ」フフッ
櫻子「あかりちゃ~ん……私、あかりちゃんがいないとダメだよ~!結婚して~っ」シクシク
あかり「え、ええっ!?///」
向日葵「こら櫻子、卒業の日まで赤座さんを困らせるんじゃないわよ」
向日葵「ところで……吉川さんはどちらへ?」
あかり「ちなつちゃんなら結衣ちゃんにお話があるからって部室にいったよ~?」
櫻子「……!!」ドキドキ
向日葵「そうなんですの……一緒に写真を撮っていただきたかったんですが」
櫻子「ひ、ひまわいっ!!」
向日葵「ど、どうしたの……?」
櫻子「痛っつー舌かみまみた……」
櫻子「……あの、ちょっと来て」クイクイ
向日葵「え、ちょ、ちょっと……ごめんなさい赤座さん、またお会いしましょうね」トテトテ
あかり「うん!向日葵ちゃん、櫻子ちゃん、またね!」バイバイ
あかり「……がんばってね、櫻子ちゃん」
~校舎裏~
櫻子「げえっ、結構人いるな……みんな考えは同じか」シミジミ
向日葵「ちょっと、こんな所まで引っ張ってきて、何なんですの!?」
櫻子「いや……ちょっとね、私、向日葵にどうしても言わなきゃいけないことがあって」
櫻子「私たちさ、高校でとうとうバラバラになっちゃうよね……」
向日葵「まぁ、学力の差もありますし、しょうがないですわ……けど、家もお隣りですし――」
櫻子「私さ!」
櫻子「今までずっと、ずーっと……」
櫻子「向日葵のこと……好き……だったんだ」ニコッ
向日葵「んなっ……ええっ!?///」
櫻子「……///」プイッ
櫻子「こ、答えはっ!……答えは急がないし……気持ち聞いてほしかっただけだし……///」
櫻子「それだけっ……!」ダッ
向日葵「待ちなさい!櫻子っ!」
櫻子「」ビクッ
向日葵「櫻子があんなに真剣に、一生懸命気持ちをぶつけてくれたんですもの……答えてあげないと、私だけ逃げたみたいで嫌ですもの」フフッ
向日葵「私はね……」
向日葵『私は……』
向日葵『あなたとはお付き合いすることはできませんわ』
~ファミレス~
向日葵(あの時……私は櫻子の気持ちを聞く、ずっと前からその答えを決めてましたのよね……)
向日葵(私も彼女と同じ気持ち……櫻子のことが好きでしたわ……)
向日葵(だけど……だからこそ、私の存在で櫻子のことを縛りつけたくなかったんですわ)
向日葵(櫻子の幸せは……私の幸せですもの)
向日葵(だから……)
櫻子「……で、彼が……んで……って、向日葵、聞いてる?」
向日葵「え……あ、ご、ごめんなさい、またボーっとしてて……」
櫻子「なんだよー!お前が聞きたいからって話してたのにー!」ブーブー
向日葵「ほんとごめんなさい……」
櫻子「……」
櫻子「向日葵さ……」
櫻子「今日なんで私を誘ってくれたの?」
向日葵「え?そ、それは……一人じゃ映画を観に行きづらいからって」
櫻子「うそつけ!何か別の理由があんだろ!」
向日葵「そんな……ありませんわよ!」
櫻子「うそだっ!お前、この映画そんなに興味ないだろ?」
向日葵「えっ、なんでそんな」アセッ
櫻子「だって向日葵はこんなコテコテなアクション映画、普段全く観ないだろが!」
向日葵「えっ、この作品アクション物でしたの……?」
櫻子「そっから!?」
櫻子「……とにかく、別に映画観たいわけじゃあないんだな?」
向日葵「……そうですわ」アセッ
櫻子「じゃあなんで私を誘ったの?」
向日葵「それは……中学校卒業してから、ずっと櫻子と顔すら合わせていませんでしたし……その、学校での話とか、櫻子のか、彼氏の話とか聞きたかったし……///」
櫻子「そんなの私の部屋ですればいーじゃん」
向日葵「それは……それはなんだか、落ち着かない気がして……」
櫻子「私が向日葵にフラれたからか」
向日葵「!」
向日葵「べ、別にそんな……」アセアセ
櫻子「私に『友達でいましょう』って言ったのはお前だろっ!」
向日葵「……っ!!」ズキッ
櫻子「だから……だから私だって今日頑張ってここまで来てやったってのに……」
櫻子「そんな気の遣われ方するとは思わなかったっ!!」ダッ
向日葵「櫻子っ……」
櫻子「もう帰るっ!!じゃあね!!バイバイ!!」
向日葵「ちょ、待ちなさいっ!」ダッ
~駅のホーム~
櫻子「……っ!」ハァハァ
向日葵「さくら……っこ……待ちなさいよっ!!」ハァハァ
櫻子「もうっ!離して!」
櫻子「……」
向日葵「はぁっ……はぁっ……」
櫻子「私はさ……」
櫻子「向日葵にとって、なんなの?」
櫻子「幼なじみ?親友?それともなんでもないの?」
向日葵「あなたはっ……!」ハァハァ
櫻子「学校変わったら急に態度変えやがってさ……そんな気ぃ遣う関係なの?」ジワッ
櫻子「これじゃあ……コクってフラれた私が馬鹿みたいじゃん……!」ポロポロ
ガタンガタン……ガタンガタン……
プシュー……
櫻子「じゃあ……私、あっちから乗るから……お前は別のところから乗れよ」
向日葵「そんな……!」
櫻子「私、もう向日葵とは会わない……」
櫻子「もう……友情関係も解消してやるよっ!!」ブワッ
櫻子「せいぜい……学校で元気でな……」
プルルルルルルル……
櫻子「……っ!!」ダッ
向日葵「……」
ガタンガタン……ガタンガタン……
向日葵「……っ!」ジワッ
向日葵「なんで……こんなことに……!」ポロポロ
向日葵「私はただ……櫻子とまた仲良く……!」ポロポロ
向日葵「うぅ……うわぁああああああああん!!」ブワッ
……………
ガタンガタン……ガタンガタン……
向日葵(私が……私がいけなかったんですわ)
向日葵(私が中途半端なことをしてしまったから……)
向日葵(もう……忘れましょうか……)
向日葵(櫻子のことも……全部……)
ズキンッ
それで……
それでいいの……?
向日葵(……!!)
向日葵(いいわけ……ないでしょう……っ!)
ズキンッ
どうしたら……
じゃあ、どうしたらいいの……?
向日葵(どうしたらって……)
向日葵(私は……)
素直に、ならなきゃね?
向日葵「……」コクン
~古谷・大室宅前~
向日葵「さっ、櫻子っ!!」ハァッハァッ…
櫻子「……なんだよ」
向日葵「間に合い……ましたわね……!」ハァハァ
櫻子「……ふんっ」スタスタ
向日葵「待って!!」
櫻子「……」
向日葵「……ごめんなさいっ!!」ペコッ
向日葵「私が……私が全部悪いんですわっ!私が素直じゃなかったから……!」
櫻子「もう……いいよ」
向日葵「よくないですわっ!」
向日葵「私……あなたに彼氏が出来たって聞いて、いてもたってもいられなくなって……」
櫻子「だから……もう向日葵に関係ねーじゃん」
向日葵「関係あるのっ!」
向日葵「私が卒業式の時、あなたからの精一杯の告白を受けて……素直に答えていれば……!」
櫻子「……」
向日葵「今更何を言っても遅いのかもしれない……だけどっ!私は――」
櫻子「もういいってば!!」
向日葵「!!」ビクッ
櫻子「聞きたくない……そんな都合のいい言葉……だから……」
「私のことはもう忘れてよ……向日葵」ニコッ
向日葵「……えっ」ポロポロ
櫻子「もう別々の道を歩き始めちゃったんだよ、二人とも」
櫻子「今更、昔みたいに戻りたいだなんて……ずるいでしょ?」ウルウル
櫻子「だから……」
櫻子「バイバイっ!!」
向日葵「ううっ……」ポロポロ
向日葵(もうダメですわ……あんな……あんな櫻子を観てしまっては……)
向日葵(私には諦める以外に……)
~古谷宅~
ガチャ
向日葵「……」シクシク
向日葵(やっぱり頑張って忘れよう……あの娘のために……)
『もうっ!向日葵、おせーぞ!!』
向日葵「……櫻子っ!?」バッ
向日葵「……いるわけ……ないですわよね……」
『今日は黒毛和牛のステーキが食いたい!』
向日葵「!!」バッ
向日葵「……もう……わたしは……っ!」ジワッ
『先、部屋上がってるねー!』トテトテ
『なんだとーっ!このでかっぱい!』プンプン
『遊び行くぞーっ!』ニパッ
『向日葵……今日泊めて……』シュン
『宿題写させろーっ!』ウガー
『これ、余ったやつだからっ!……おいしくなかったらごめん……///』テレテレ
『向日葵っ!』『向日葵ー』『ひまわりぃ~』『ひまちゃん!』『向日葵』『ひまわり』
『ずっと向日葵のこと……好き……だったんだ』ニコッ
向日葵「……っ!!」ブワッ
向日葵「もうっ……忘れられるわけ……ないじゃない……っ!!」ポロポロ
……………
~数日後・古谷宅~
ピンポ-ン
あかり「ごめんくださ~い……」
『はーい!今出ますのー!』トテテテ
ガチャリ
楓「はい……あ、ええと……あかり……おねえちゃん?」
あかり「あっ、楓ちゃん!覚えててくれたんだね~!うれしいよぉ」ニコニコ
楓「お姉ちゃんは……今ちょっと体調を崩してて……」アセアセ
あかり「うん……知ってるよ、今日は向日葵ちゃんのお見舞いに来たんだけど……」
楓「部屋からずっと出てきてくれないから……あかりお姉ちゃんでも会えないかもしれないの……」ジワッ
あかり「楓ちゃん、大丈夫だよ……向日葵ちゃんなら、きっと……」ナデナデ
楓「ふぇ……ふぇええええん……」ギュ
あかり「よしよし……よく頑張ったね」ナデナデ
あかり「じゃあ、上がるね」
楓「うん……けど、もしお姉ちゃんがあかりお姉ちゃんに酷いことを言ったりしたら……ごめんなさいなの」
楓「お姉ちゃんは、今凄く辛そうなの……傷つけて傷つけられて……けど、お姉ちゃんを責めないであげてほしいの」
あかり「大丈夫……私は向日葵ちゃんのこと、大好きだから!」ニコッ
トントン
あかり「……向日葵ちゃん、起きてるかな?あかりだよぉ」
あかり「杉浦先輩から向日葵ちゃんがずっと学校に来てないって聞いて、心配になって――」
向日葵『帰ってくださいな……』
あかり「……心配になって、私に何か出来ないかなって思って」
向日葵『もう……私なんて放っておいてください……』
あかり「何かあかりにしてほしいことはないかなぁ?たとえば、お話聞いてほしいとか――」
向日葵『もうっ!帰ってって言ってるじゃないっ!!』バンッ
あかり「……」
向日葵『このままじゃ……赤座さんを傷つけてしまうだけですから……だから私のことは忘れて――』
あかり「あかりは……帰らないよ」
あかり「向日葵ちゃんのことだって、忘れてなんかあげないっ!」
あかり「向日葵ちゃん、あかり卒業式の時に言ったよね……『卒業してもずっと友達』だって……」
あかり「学校が違っても、卒業からずっと会ってなくても、友達は友達だよ……?」
あかり「心配しないわけがないし……辛そうな友達を見捨てて逃げたりしないよ」
あかり「あかりは……向日葵ちゃんを見捨てないよ」
あかり「あかり……こう見えて、意外と頑固なんだよぉー!」ニコニコ
向日葵『……』
向日葵『あり……がとう……』ポロポロ
あかり「そ、そんな!あかり、まだ何もしてあげてないよー?」
あかり「だから、ありがとうはまだとっておいてね!」ニコッ
あかり「今のあかりに出来ることは……話を聞いてあげることくらいだけど」
あかり「話してくれるかな……向日葵ちゃん」
……………
向日葵『……ということですわ』
あかり「……」
あかり「ねぇ、向日葵ちゃん」
向日葵『……なんですの?』
あかり「卒業式の日に、なんで櫻子ちゃんの告白を断ったの……?」
向日葵『ですから……櫻子の幸せを考えて、その時の私は――』
あかり「違うよ、向日葵ちゃん……あかりが聞きたいのは、本当の理由だよ」
向日葵『え……?』
あかり「だっておかしいよ、櫻子ちゃんも向日葵ちゃんも両想いだったんでしょ?……だったら、櫻子ちゃんの幸せは向日葵ちゃんとずっと一緒にいることだったと思うんだけど……」
あかり「それを向日葵ちゃんが思い違いするとは、あかり、どうしても思えないよぉ」
向日葵『……』
あかり「向日葵ちゃんが櫻子ちゃんのことをちゃんと考えているなら、素直に告白を受けることができたと思うよ?」
あかり「けど、あの時……素直になれなかったのは……」
向日葵『……ねぇ、赤座さん』
あかり「どうしたの?」
向日葵『こんな話をドア越しにするのもなんですし、部屋に入ってきても……よろしいですわよ』
あかり「うん……わかった……!」
向日葵『ふふっ、そんな身構えなくても私には何もできませんわ……私の汚い格好をお見せするのは気が引けますけど』
あかり「あかりも、ちゃんと向日葵ちゃんの顔を見て話したいから……」
ガチャリ
あかり「おじゃましまーす……」
あかり「それで……素直になれなかった理由は……」
向日葵「それは……ただ……」
向日葵「私が自分勝手過ぎただけですわ……」
向日葵「私は……櫻子と両想いになって、お付き合いすることになったとして、その先のことがとても怖かったんですわ……」
向日葵「学校が違う……たったそれだけで、私は櫻子と今まで以上の関係を維持できるか、不安になっていたんですわ……」
向日葵「きっと……二人で話すことも、喧嘩することも、笑い合うことも、出来なくなってしまうんじゃないかと……」ジワッ
向日葵「だから、あの時の私は、そんな想いをするなら、いっそのこと……友達のまま、それまでの二人のままでいる方がいいんじゃないかと……」ポロポロ
向日葵「櫻子が傷つくことは……わかっていたのに……私は……私は……っ!」ポロポロ
あかり「本当の理由……教えてくれてありがとうね」ナデナデ
向日葵「……」シクシク
あかり「じゃあ、ここであかりも一つ、秘密にしてたことを向日葵ちゃんに教えてあげよっかなぁー」ニコッ
向日葵「な…なんですの……?」
あかり「実はね、卒業式の日に櫻子ちゃんが向日葵ちゃんに告白すること、あかり知ってたんだぁ」
向日葵「え……?それって……どういう……」
あかり「あかり、卒業式のちょっと前に、櫻子ちゃんから相談受けてたんだよー」
あかり「向日葵ちゃんと離れ離れになる前に、素直な気持ちを伝えたいって」
向日葵「そう……だったんですのね」
あかり「それで、実は櫻子ちゃんも、今の向日葵ちゃんみたいに凄く悩んでたんだよ」
あかり「今までの関係を崩すくらいなら……向日葵ちゃんへの好きって気持ち、忘れちゃった方がいいのかなって」
向日葵「え……あの櫻子が……そんな……」
あかり「向日葵ちゃんはいつも一緒にいて気付かなかったかもだけど、櫻子ちゃん卒業式前まですごくやつれてて、辛そうだったんだよぉ……」
あかり「だから、あかりは『今は自分をごまかせても、この先ずっと辛い気持ちを背負うことになるよ』って櫻子ちゃんに言ったの」
あかり「櫻子ちゃんと向日葵ちゃんの絆なら、そう簡単に崩れるはずないよ!って……」
あかり「えへへ……ちょっと無責任すぎだよね……あかり」
向日葵「いえ……全然、そんなことありませんわよ」
あかり「けどまさか、向日葵ちゃんも同じ悩み事をしてて、自分の中ですでに答えを出してたなんて、あかり予想外だったよぉ……」
向日葵「私だって……自分のことばかりで、櫻子の考えなんて少しも考えていませんでしたわ……」
向日葵「けど……櫻子は独りよがりにならずに、赤座さんに相談して、自分の気持ちに素直になれた……今回ばかりは私の完敗ですわね……」フフッ
あかり「そんな、向日葵ちゃんの判断が間違っていたなんてあかりは思わないよ!それに……」
向日葵「それに?」
あかり「それに、まだ遅くないと思うし……!」ニコッ
向日葵「遅くない?それってどういう……」
あかり「あーあ、あかり、内緒にしておきたかったんだけどなぁー……」ニヤニヤ
あかり「けど、向日葵ちゃんの素直な気持ちを聞いちゃったから、あかりも素直になっちゃうよー」ニコニコ
向日葵「……」
あかり「あのね、櫻子ちゃんに、彼氏なんて実はいなかったんだよ……?」
向日葵「えっ……?うそ、だってあなたから聞きましたのに……!」
あかり「あかり嘘つくの苦手なのに、その話を聞いた時の向日葵ちゃんは、きっと嘘を見抜けないほど動揺してたんだね」ニコニコ
向日葵「えっ?ええっ!?じゃ、じゃあ、あの娘もずっと嘘をつき続けて……」
向日葵「けど理由……理由がわかりませんわ!そんな意味のない嘘をつく理由が……」
あかり「まぁ……櫻子ちゃんなりの仕返しというか……」エヘヘ
向日葵「そんな、じゃあ、この間の喧嘩は……」
あかり「それは……、あかりが言えるのはここまでかなぁ」ニコニコ
あかり「櫻子ちゃん、今も部屋で待ってるよ」
あかり「行ってあげて」ニコッ
~櫻子の部屋~
トントン
向日葵「櫻子……入りますわね」ガチャリ
櫻子「……帰れよ」
向日葵「……」ツカツカ
櫻子「な、なんだよ……近づいてくんなっ!!」
向日葵「櫻子……」
ギュ
櫻子「!?」
櫻子「おいっ!離せよ!!はーなーれーろーよっ!!///」ジタバタ
向日葵「もう、帰りませんし……離しませんわ……!」ギュー!
櫻子「わかった!わかったから……離して……苦しいから……向日葵絞めすぎぃ……」ギブギブ
向日葵「ふぅ……」アセアセ
櫻子「ふぅ、じゃねーし!危うくその無駄乳で窒息しかけたじゃんか!」
向日葵「あら……ごめんなさい、気がつきませんでしたわ」ニコニコ
櫻子「絶対確信犯だ……」
櫻子「で、今更何しに来たんだよ……」ムスッ
向日葵「……この数ヶ月間のことを……全部、謝りにきたんですわ」
向日葵「本当に……今まで櫻子を傷つけつづけてしまって……ごめんなさいっ!!」ゲザァ
櫻子「あの向日葵が……土下座……」ゴクリ
櫻子「お、おいバカ!もういいから!もうそんな怒ってないから!……というか土下座なんてされたらこっちが悪いみたいじゃん!」アセアセ
向日葵「私には櫻子のことを忘れるだなんて……できませんの……!だから……!!」ウルウル
櫻子「わかった!わかったから!まず土下座やめろ!」アセアセ
向日葵「……」ポロポロ
櫻子「ああもう……なんでこんな流れになるかなぁ……」ポリポリ
櫻子「私が『忘れろ』って言ったことを……本心じゃなかったって言ったらそれは嘘になるけど……」
櫻子「けど、あの時は私もちょっと言い過ぎた……向日葵のことを何も考えずに、なんか八つ当たりみたいになっちゃってた……」
櫻子「ごめん……」
向日葵「さ、櫻子……っ!」ガバッ
櫻子「だーからっ!そんな抱き着いてくんな!まだお前のことを許したわけじゃないんだからなっ!!」
向日葵「え……?」
櫻子「向日葵がどんな気持ちで私を振ったのかはわかった、けど、私はまだ許してないんだからな……」
向日葵「……」
向日葵「あの時の答えを撤回する……だけじゃ甘すぎですわよね?」
櫻子「うんうん」
向日葵「じゃあ……私から」
「大好きですわ……櫻子」
「その……もしよろしければ……お付き合いしてください」ニコッ
向日葵「……///」カァー
櫻子「ひ……ひひ……ひま……」フルフル
向日葵「さくら……こ……?」
櫻子「ひまわりのぶぁかーっ!」ブワッ
櫻子「いつまで……いつまで待たせるつもりだったんだよぉー!」ビエーン
向日葵「……ふふっ」
櫻子「わらうなぁばかぁー!ひっぐ」シクシク
向日葵「遅くなってごめんなさいね……櫻子」ナデナデ
櫻子「あやまるなぁー!うわーん!頭も撫でるなぁー!!」ジタバタ
……………
櫻子「ひっぐ……ひっぐ……」シクシク
向日葵「答えは急ぎませんし、どんなものであろうと私は文句ありませんわ……」
櫻子「……」ゴシゴシ
櫻子「答え返さないと……ダメ?」
向日葵「え……ダメじゃ……ないけど……」シュン
櫻子「なーんてねっ!いいよ!私も向日葵がす……好きだから!///」
向日葵「しかし、付き合うって……一体何をすればいいんでしょうか?」
櫻子「さぁー……私もよくわかんない」キョトン
向日葵「え?櫻子には愛しの彼氏がいるんではなくて?」ニヤニヤ
櫻子「あ……ああ!忘れてた!」アセアセ
向日葵「私と付き合っちゃうと……浮気になるんじゃないの?」ニヤニヤ
櫻子「あああ……それはぁ……」アセアセ
向日葵「ふふっ、かわいいですわね櫻子」ニコッ
櫻子「な、なんだよ急に!笑うなよ!///」
向日葵「もう、全部知ってますのよ?赤座さんから全部教えていただきましたから」
櫻子「え、ええー……なんだよ、早く言えよー……」ガクリ
櫻子「まぁ……付き合うってことがどーいうことかはわかんないけどさ……」
櫻子「今からさ、この前見れなかった映画……観に行かない?」
向日葵「櫻子から……デートのお誘いだなんて……!!」ウルウル
櫻子「ででで、デートじゃねーし!///」
向日葵「いいえ、デートですわっ!」
櫻子「デートじゃねーって!///」
向日葵「エスコート、よろしくお願いしますわね!」ワクワク
櫻子「もう……じゃあ、早く支度しろよっ!///」
~古谷宅前~
あかり「向日葵ちゃん、上手くいったかなぁ……」
あかり「けど、あの2人なら心配ないかな!」
あかり「……」ジワッ
君の選んだ人は とても優しい人なんだろな
遠くに行っても そう どうか元気で
じゃあね
バイバイ
おしまう
いつもいつも、ほんと間が悪い時に投稿してすまんです
個人的にはフジファブリックの『bye-bye』という曲をききながら
歌詞もちょろっと
あかりが勝手にしゃしゃりでてきて、ハッピーにしました
あと、あかりは櫻子が好きな感じです
実はあかりもひまさくと同じ感じで、自ら身を引くと
わかりにくい
よく頑張ってくれた
あかり出番あって正解だー
ありがとうー
Entry ⇒ 2012.01.12 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
結衣「ペルソナ!」
ロードしますか?
YES / NO
▲
ブブブッ
京子「……!」ビクッ
京子「あ、あれ……ここは、保健室?」
京子「なんで私、保健室で寝てたんだろ」
『ずっと京子を守り続けて……独り占めしたかったの……』
『お前は、私じゃない…!』
『私が臆病だったから、否定しちゃって……ごめんね……』
『私を受け入れてくれて、ありがとう……』
京子「そ、そっか……私、あのまま疲れて寝ちゃってたんだ……」
京子(なんだか、夢見たいな話だけど……現実、なんだよね)
京子(心の中に、確かに歳納さんを感じられるし……)
京子「げ、もう放課後だ、午後の授業、完全にスルーしちゃった」
京子「ま、いいか……こんな時だし」
京子「結衣と千鶴は……」
京子「うーん、まだ起きてないか」
京子「あんな事があったんだから、仕方ないかも」
京子「特に結衣は、色んな意味でショックだっただろうし」
京子「千鶴も、ごめんね、巻き込んじゃって……」
京子「……」
京子「そだ、二人の荷物、保健室まで運んであげよっと」
京子「それに、千鶴の事を千歳に伝えておいてあげないといけないしね」
京子「うーん、流石にこの時間になると誰もいないなあ……」テクテク
京子「あかり達はまだ娯楽部に残ってるかもしれないけど……」
京子「千歳って、まだ残ってるのかな?」
ガシャッ
京子「おわ、何でこんな所にガラスが落ちてんの、あっぶないなあ……」
京子「って、あれ……」
京子「廊下の窓ガラスが、殆ど割れてる」
京子「何だろこれ、鋭利な刃物で切り裂いたみたいな跡だ……」
京子「……」
京子「え、お昼休みまでは、こんなんじゃなかったよね?」
京子「な、なにがあったんだろ」
ブブブッ
京子「……あーもー、なに?真冬なのに羽虫?」ブンブン
ツーツーツー
京子「……だめ、繋がらない」
京子「あ、あかりも、ちなつちゃんも、繋がらない……な、なんで?」
京子「他の生徒や先生も全然見かけないし……」
『多分、合わせ鏡のおまじないをしたのは、結衣だけじゃないと思う』
『シャドウは、願い事に準じて、勝手に動き出す』
『とても、危険な存在だわ』
ブブブブッ
京子「も、もしかして、これって、シャドウがやった事なのかも……」ゾクッ
京子「……ど、どうしよう……私、私どうしたら……」
京子「こ、怖いよ、ひ、一人じゃ、怖いよぉ……」ウルッ
『娯楽部の皆や、生徒会の皆が、ずっと幸せでいられますように』
京子「……!」
京子「そ、そうだ、落ち着け、私……」ゴシゴシ
京子「あの夜の私の願いは、嘘じゃないんだから……叶えるための努力をしないと……」
京子「そ、それに、私には、歳納さんが居てくれるんだから……!」
京子「い、今だけは、存分に怖がろう……」
京子「けど、4秒後には、立ち直れる……大丈夫……」
京子「……わん」
京子「……つー」
京子「……さん」
京子「……しー」
京子「……」
京子「あ、あははは、怖さがどっか行っちゃった」
京子「もう、怖くないよ、多分」カクカク
京子「けど、娯楽部にはあかりやちなつちゃんしか居ない……」
京子「なら、まずあかりとちなつちゃんの安全を確認した方が、いいよね」
京子「この時間なら、あかりやちなつちゃんは、娯楽部にいる可能性が高いと思うし……」
京子「よし、娯楽部へ行こう!」
ブブブブッ
~校舎玄関~
京子「げた箱にも、何かで斬ったような跡が……」
京子「いったい、何で斬ったらこんなにバッサリ斬れるんだろ」
京子「幸い、私の靴は無事だったけど……」ハキハキ
京子「……あかり達、大丈夫かな……」
ブブブッ
京子「……」ゾクッ
京子「な、なんだろ、また寒気が……ま、まあ、冬だからね」
京子「そ、それに、何か、変な音が……さっきから……」
ブブブブブブッ
京子「……」ゾクゾクッ
京子「い、いやいやいや、大丈夫」グッ
京子「こ、怖くない、怖く……」
京子(な、なんで、どうして、こ、こんな)
京子(さっき、結衣のシャドウと向かい合った時は、こんなに怖くなかったのに)
京子(や、やっぱり、私は、結衣が居ないと、駄目なのかな……)
京子(い、今から、保健室に戻って、結衣に助けを……)
京子「だ、だめ、結衣には頼れない」
京子「まだ起きる事も出来ない結衣に、頼って、どうするの……」
京子「わ、わたしひとりで、頑張らないと……」
京子「ちなつちゃん、あかり、待ってて!」タッタッタッ
京子「うあ、なにこれ、部室の扉が、真っ二つに斬られてる……」
京子「ち、ちなつちゃん!あかり!居る!?」
ちなつ『京子先輩、こんにちわ』
京子「ち、ちなつちゃん!無事だったんだ!よ、よかったぁ……」
ちなつ『無事って、当たり前じゃないですか、変な京子先輩』
京子「あ、あかりは!?」
ちなつ『……知りません』
京子(あかり、もう帰ったのかな?それならいいんだけど……)
京子「え、あ、うん、結衣はちょっと具合が悪くて、保健室で寝てるよ」
ちなつ『そうですか……』
京子「……ちなつちゃん、あの、校舎の窓が沢山割れてるの、知ってる?」
京子「そ、それに、部室の扉が真っ二つになってるし……いったい何が……」
ちなつ『きょおこせんぱい』
京子「え、な、なに?」
ちなつ『うふふふふふふふふふふふふふ』クスクスクス
京子「ち、ちなつちゃん?」
ちなつ『美味しいお茶葉が、入ったんですよ?』ニコ
ちなつ『さっき、杉浦先輩が来たから、このお茶勧めてあげたんですけど』
ちなつ『杉浦先輩、無視して校舎に戻っちゃって』クスクス
京子「あ、綾乃が?」
ブブブブブブッ
京子(え、ど、どうして、こんなに)
京子(どうしてこんなに、寒気が……)
京子(何時もの可愛らしいちなつちゃんが笑ってくれてるだけなのに、どうして)
京子(ど、どうしてこんなに怖いんだろ……)
ちなつ『きょおこせんぱい』ニコ
京子「は、はい!」
ちなつ『おちゃ、はいりましたよ、うふふふふふふふふ』
ちなつ『あはははははははははははははははははははは』
ちなつ『あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは』
京子「ち、ちなつちゃん……?」ゾクゾクゾクッ
京子(そっか、これは、ちなつちゃんのシャドウ……)
京子(ちなつちゃんも、合わせ鏡のおまじない、してたんだ……)
京子(な、なら、早く私も歳納さんを呼ばないと……)
京子「 」
京子(あ、あれ、私……身動きが取れない……声も……)
『本物の私は、私を否定した……自分の本心なのにね……』
『だから、私はもう、別の存在……』
『我は影、真なる我』
『蝿の王チーナ……』
『私は、私自身の願いを叶える……』
ブブブブブブブブブブッ
京子(だから、このシャドウは……ユイの時みたいに、人間以上の力を発揮してるんだ……)
京子(だ、だめ、わ、わたし、こ、怖くて、これ以上考え事が、できない、そ、そう……)
京子(そうだよ、お茶でも飲んで落ち着けば、怖さがなくなるよね……)
京子(ちなつちゃんが淹れてくれたお茶を……)
京子(それにしても、このお茶、中身がまっくろだ……)
京子(まるで地獄の穴みたいに……)
≪京子≫
ブブブブッ
ブブブブブブブブブブブブブブブブブブブッ
≪蠅達に近づくのも危険よ、恐慌を付与される≫
ブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブッ
京子(なんだろう、これ、羽音……?あ、そうか)
京子(これ、蠅の羽の音だ……)
京子(真冬に蠅なんて、おかしいなあ……)
京子(煩くて、何も聞こえないや……)
≪京子……≫
ブブブブブブッ
≪起きて≫
結衣「ん……」
結衣「あれ、私……寝てたの?」
結衣「た、確か、私、京子と話してる最中に、倒れて……」
結衣「……京子?何処?」
≪京子が危ない≫
結衣「……!」ビクッ
結衣「こ、この声は……私?」
≪部室に≫
結衣「思い出した……京子は、私を守るために、身を呈してくれた……」
結衣「京子が危ないなら、今度は、私が、私が京子を守らないと……」
≪私は貴女、貴女は私≫
≪貴女の望みは、私の望み≫
結衣「うん、そうだね……一緒に京子を助けよう……!」
結衣「うわっ、どうしたんだろ、これ、窓ガラス沢山割れてる……」
結衣「壁も、何か大きな剣で斬られたみたいになってる……」
結衣「いったい何が……」
ブブブブブッ
結衣「……?」
結衣「何、この音、虫の羽音?」
結衣「こんな真冬に虫なんて……」
綾乃『船見さん』
結衣「ひゃっ!?」ビクッ
綾乃『歳納京子は、どこかしら』
結衣「え、あ、ああ、私も、今探してる所なんだ」
結衣「多分、娯楽部の部室に居るんじゃないかなって思うんだけど……」
綾乃『……さっき、様子を見に行ったけど、吉川さんは知らないって言ってたわ』
結衣「え、じゃあ、すれ違いになったのかな……」
綾乃『……』
ブブブブッ
結衣「……」ゾクッ
結衣(な、なんだろ、突然寒気が……)
綾乃『歳納京子と、約束があるのよ』
綾乃『放課後、生徒会室に行くって言う、約束が』
結衣「そ、そうなんだ」
結衣「……じゃ、あの、一緒に娯楽部に行ってみる?」
結衣「京子、今度はいるかもよ?」
綾乃『害虫退治もしないといけないしね』
結衣「が、害虫?」
結衣(な、なんだろ、綾乃、様子が変だ……)
結衣(それに、綾乃、瞳が赤い……)
結衣(これじゃ、まるで、さっきまでのユイみたいだ……)
結衣(も、もしかして、綾乃も……)
綾乃『船見さん』
結衣「え、な、なに?」
結衣「綾乃……」
綾乃『私、待ってるから、何時までも』
綾乃『歳納京子との約束だから』
結衣「……」
綾乃『……』
結衣(私を騙そうとしてる目じゃ、無いよね……)
結衣「うん……判った、京子に会ったら、伝えておくよ」
綾乃『ありがとう』
結衣「じゃ、私は娯楽部に行くから」タッ
綾乃『……ええ』
ブブブッ
綾乃『……』
ブブブブブブッ
綾乃『デスバウンド……』ブンッ
バッキンッ!
ブブ…ブ……ブッ
綾乃『……蠅、耳触りよ』スッ
プチッ
………
……
…
アハハハハハハハハハハハハハハハハハ
結衣「こ、これ、ちなつちゃんの笑い声?」
結衣「なんだろ、これ聞いてると、凄く、凄く怖くなってくる……」ガクガク
結衣「……これは、もしかして、シャドウの能力?」
結衣「ちなつちゃんも、合わせ鏡のおまじない、してたんだ……」
結衣「……ど、どうしよう、私、私……こわくて、前に進めない……」
結衣「私、京子の王子様なのに、守らなきゃならないのに……」
結衣「私は……」
『私は王子様じゃなくて』
『結衣のことが好きだもん』
結衣「……!」
結衣「そ、そうだ、私は、船見結衣……」
結衣「王子様だからじゃない、船見結衣だから、京子を守りたいんだ!」
結衣「……なら、王子様じゃなくて、船見結衣のやり方で……!」
結衣「ちなつちゃーん」ボソッ
結衣「一緒にデートに行かない~?」ボソッ
結衣「……」
結衣「///」
結衣(うわあ、私、格好悪い、あんなに大見得切って色仕掛けとか///)
結衣(しかも、これ、無視されたら恥の上塗りなんだけど///)
結衣(け、けど、笑い声は止んだし……反応してくれてるって事だよね?)
結衣「ち、ちなつちゃー……」
チーナ『お待たせしました、結衣先輩』
結衣「ひぃ!?」ビクッ
チーナ『結衣先輩から誘ってもらえるなんて、感激です』
結衣「そ、そう、それは良かった」
チーナ『結衣先輩、えっちな事、いっぱいしましょう……』
結衣「え///」
チーナ『もう、照れてる結衣先輩も素敵です、結婚したいです、そして子供を作りたいです』
結衣「あ、ありがとう、ちなつちゃん……あの、京子は、どうしたのかなー?」
チーナ『京子先輩なら、私の笑顔でメロメロになっちゃってますよ』
結衣「……は?」
チーナ『……見ますか?私の魅力でメロメロになった京子先輩を……』
チーナ『あのだらしない顔を見れば、きっと、結衣先輩も諦めがつくと思いますよ……』
チーナ『ふふふ……見れば判りますよ』
チーナ『ほら、結衣先輩、中に入りましょう……?』
結衣「……酷い事してないよね?」
チーナ『酷い事なんて、してませんよ、寧ろ、良い事をしてあげたんです……』
チーナ『ほら……』
結衣「きょ、きょうこ……?」
京子「ちなつちゃんの笑い声が……声が……ちなつちゃんが……」ガクガク
チーナ『ほら、京子先輩、私の魅力でメロメロになっちゃってるでしょう……?』
チーナ『もう私の名前しか口にしてない……京子先輩は私の恋の奴隷……』
結衣「え、い、いや、恋の奴隷っていうか……」
結衣(さっきの私みたいに、恐慌して動けなくなってる……?)
京子「……」ガクガク
ちなつ「京子……しっかりして!」
チーナ『無駄ですよ、もう結衣先輩の声も届かない、快楽の向こうに居るんです……』
チーナ『ですから、結衣先輩、もう京子先輩の事は諦めて……』
結衣「……ちなつちゃん」
チーナ『何ですか、私の結衣先輩……』
結衣「京子を、解放してあげて」
結衣「ちなつちゃん、お願い……私、乱暴なことは、したくないよ」
チーナ『どうして、ですか、何時も』
チーナ『何時も何時も何時も何時も京子先輩ばっかり』
チーナ『ずるいですよ、幼馴染だからって』
チーナ『もっと、もっと私を見てください……』
チーナ『私だけを見てください!結衣先輩!』
ブブブブブッ
結衣「これは……校舎でも聞こえた虫の羽音?」
チーナ『……それとも、やっぱり、そうなんですか?』
結衣「ちなつちゃん?」
チーナ『結衣先輩は……本当は、本当は私のことを……!』
チーナ『私のことなんて……!』
チーナ『メロメロにして……何も考えられないようにしてあげますから……!』ブワッ
ブブブブブブブブブブブブブブブブブブフッ
結衣「こ、これは、蠅……!?部屋の四方から沢山の蠅が……」ゾクッ
結衣(何だ、また、さっきみたいに恐くなってきた……)
結衣(そ、そうか、ちなつちゃん、笑い声だけじゃなく、この蠅達を使って恐慌を付与するんだ……)
結衣(な、なら、蠅に纏わりつかれる前に……何とかしないと!)
結衣(お願い、力を貸して……!)
チーナ『……結衣先輩、好きです、愛してます……』
結衣「…ル……」
チーナ『これで、私を見てくれますよね……』
結衣「……ソ…」
チーナ『私だけを……』
結衣「………ナ」
チーナ『結衣先輩……?』
結衣「……キングフロスト!」
パリーン
マハブフーラッ
カキーン
チーナ『こ、これは、部屋が、全部凍りついた……!?』
結衣「蠅も、全部凍結させた」
結衣「ちなつちゃん……もう止めようよ、私はちなつちゃんの事を……」
チーナ『……まだですよ、結衣先輩』
チーナ『私の眷属は、校舎にも一杯いるんですから……それを呼べば』
サバトマッ
シーン
チーナ『ど、どうして?どうして私の招き寄せに眷属達が反応しないの……!?』
チーナ『……校舎で何かあったって言うの!?』
ブブブッ
綾乃『歳納京子が何処にいるかは判らないけど……』
綾乃『蠅の耳障りな羽音のせいで、歳納京子が生徒会室に辿り着けないかもしれない……』
ブブッ
綾乃『これで、最後』ザシュッ
………
綾乃『さあ、これで静かになったわ』
綾乃『歳納京子……待ってるわよ』
綾乃『約束どおり、生徒会室で……』
チーナ「ど、どうして……」
結衣(ちなつちゃんが戸惑ってる……)
結衣(今なら、ちなつちゃんを倒すことが出来そうだけど……)
結衣(私の望みは、ちなつちゃんを倒すことじゃない)
結衣(京子が私にしてくれたみたいに……私もちなつちゃんを、助けてあげたいんだ)
結衣(本物のちなつちゃんが、シャドウを受け入れてあげれば、あのシャドウも大人しくなるはず)
結衣(けど、けど、本物のちなつちゃんは、いったい何処に……)
≪結衣≫
結衣「え、この声は、もう1人の私?」
≪この部屋に、温度が下がりきっていない存在が4つある≫
≪ひとつは貴女、ひとつは京子、ひとつはシャドウ≫
結衣「そ、そうか、だったら残るひとつは……もしかしたら……!」
ちなつ『……ゆ、結衣先輩、私は、私は諦めませんよ……』
結衣「……ありがとう、ちなつちゃん」
ちなつ『……え?』
結衣「何時も、私に好意を向けてくれて、ありがとう」
結衣「私に笑いかけてくれて、ありがとう」
結衣「私なんかを気にしてくれて、ありがとう」
チーナ『結衣、先輩?』
結衣「けどね、私……知ってるんだ」
チーナ『な、なにをです?』
結衣「ちなつちゃんが、ちょっと腹黒な所」
ガタンッ
結衣「私と親しくなる為に、色々と工作してたって言う事も、実は知ってる」
ガタンガタンッ
結衣「けど、けどね、私」
結衣「そういう、ちなつちゃんも、嫌いじゃないよ?」
結衣「私に対して、一生懸命努力してくれてる子を、嫌いになんてなれるわけないじゃないか」
チーナ『ゆ、ゆいせんぱい……』
チーナ『……ど、どうしてそれを……』
結衣「私のペルソナは対象の温度を下げる能力があるから……」
結衣「例え、壁越しにでもちなつちゃんの体温を察知する事ができる……」
結衣「だから、ちなつちゃんが何処にいるか、判るよ」
結衣「姿は見えなくても、声は届いてるよね、ちなつちゃん」
結衣「だから、お願い、自分の影を、否定しないであげて」
結衣「私、もっと知りたいよ、ちなつちゃんの可愛いところ以外も」
結衣「嫌な所も、怒る所も、悲しむ所も……もっと、もっと……」
結衣「ちなつちゃん……お願い、心を開いて……」
結衣「ちなつちゃんがどんな子でも、私は大切に想うから………」
結衣「ちなつちゃん……」
結衣「ちなつちゃん?」
チーナ『ありがとう、ございました、私なんかを、大切に想ってくれて』
チーナ『私、やっと、やっと受け入れてもらえました……本物の私に……』
結衣「ちなつちゃん……」
チーナ『ゆいせんぱい……本物の私、泣いてるみたいです……』サラサラ
チーナ『今だけでいいですから、優しく、慰めてあげてください……』サラサラ
チーナ『けど、甘やかし過ぎちゃ、だめですよ、私って、すぐに調子に乗りますから……』サラサラサラ
結衣「うん、判った……」
チーナ『じゃあ、ゆいせんぱい、またね……』サラサラサラサラ
結衣「またね、ちなつちゃん……」
ガラッ
結衣「ちなつちゃん、大丈夫?」
ちなつ「……はい」グスン
結衣「ちなつちゃん……」
ちなつ「わ、わたし、ずっと、ずっと怖かったんです……」ヒック
ちなつ「本当は、本当は結衣先輩に嫌われてるんじゃないかって」グスン
ちなつ「だって、だって、わたし、わたし、いけない事考えちゃう子だから……」ヒック
ちなつ「あかりちゃんや、京子先輩にも、いっぱい、いっぱい迷惑かけてますから……」
ちなつ「だ、だから、私、あの晩、結衣先輩に嫌われませんようにって、お願いを……」ヒックヒック
結衣「……そっか」ナデナデ
結衣「ん、いいよ、私達はね、ちなつちゃんに迷惑かけるのも、かけさせられるのも、嫌じゃないから」ニコ
結衣「そうだろう?京子」
京子「こ、こわい、こわいよ、蠅こええええ……」ガクガク
結衣「……」
結衣「キングフロスト」パリーン
結衣「いい加減、目を覚ませ」ホホピタ
京子「ひやっこい!」ビクーン
ちなつ「ふ、ふふふ…結衣先輩、京子先輩、おっかしい」クスクスクス
結衣「これは……悪魔のカード?」
ちなつ「悪魔……」
ちなつ「そっか、もう一人の私、このカードの中に……」
ちなつ「ふふふ……、私、悪魔でもいいです……」
ちなつ「結衣先輩に、嫌われないって判ったから、例え世界を敵に回す存在になったって、平気です」ニコ
結衣「ちなつちゃん……」
ちなつ「結衣先輩、ありがと……う、ござ……います」
ちなつ「あと、デートの約束……わすれな…いで…」カクン
結衣「おっと……」
結衣「……流石ちなつちゃん、あの状況でも、約束が聞こえてたんだ……」
結衣「……デートはまた今度ね……今は、ゆっくり休んで……」ナデナデ
●京子のペルソナ
歳納さん(女教皇)
原型:スカアハ
スキル:アムリタ・他
特徴:氷結攻撃に強い
●結衣のペルソナ
キングフロスト(皇帝)
スキル:マハブフーラ・他
特徴:火炎攻撃に弱い
≪スキル補足≫
アムリタ:味方全体の状態異常を治療
マハブフーラ:敵全体に中威力氷結を放つ魔法攻撃
デスバウンド:敵全体に高威力斬撃を放つ物理攻撃
サバトマ:仲魔を召喚する魔法
結衣「はい、ちなつちゃん、私が使ってたベッドで申し訳ないけど」フサッ
ちなつ「ゆいせんぱい、むにゃむにゃ……」zzz
京子「良かったね、ちなつちゃんに笑顔が戻って……」
結衣「うん、色んなちなつちゃんを知りたいって言ったけど……」
結衣「やっぱり、笑っていてほしいからね、ちなつちゃんには」
京子「うー……それにしても、まだ頭ががんがんするよぉ」
結衣「もう一回、キングフロスト呼ぶ?」
京子「ひゃっこいのはもういいです!」
結衣「うん、あの蠅達には恐慌を付与する効果があって、ちなつちゃんのシャドウがそれを操ってたみたい」
結衣「あとは、ちなつちやんの笑い声にも、同じような効果があったらしいよ」
結衣「ちなつちゃん自身は、恐慌じゃなくて魅了の効果だって思ってたみたいだけど……」
京子「ちなつちゃんらしいね」クスクス
京子「蠅では、あんな跡は残らないよね?」
結衣「もう一人、シャドウが居るんだと思う」
結衣「多分、それは……」
≪京子≫
京子「ん?歳納さん?」パリーン
フワッ
京子「ど、どうしたの歳納さん?」
歳納「ごめんなさい、さっきは、助けられなくて、ごめんなさい……」ギュッ
京子「ちょ、歳納さん///」
歳納「わたし、わたし、京子が苦しんでるのに、何も出来なくて……悔しくて……」ヒック
京子「歳納さん……」ナデ
京子「仕方ないよ、歳納さんは、私が呼ばないと出て来れないんだし……」
京子「だから、泣かないで?私、歳納さんが泣いてたら、悲しいよ……」ナデナデ
歳納「ごめんなさい、そうよね……京子の涙を拭く存在である私が泣いてるのは、おかしいものね」ゴシゴシ
京子「うーん、そりゃ、私が泣いてる時に慰めてくれるのはありがたいけど……」
京子「それよりも、私は歳納さんの事が好きだから泣いてほしくないのっ」
歳納「きょ、京子///」ギューッ
京子「と、歳納さん、そんなに強く抱き知られると、あの///」
結衣「おい」
歳納「結衣、邪魔しないで」
結衣「と、歳納さんこそ、今大切な話してるんだから邪魔しないでよ!」
歳納「……もう1人の、シャドウの事でしょう?」
結衣「……う、うん」
歳納「私にも、心当たりがあるわ……生徒会室に……」
歳納「ああ、もう戻らないと京子に負担が……結衣」
歳納「あとは頼んだわよ……」スッ
京子「ああん、歳納さん、私の中に戻っちゃった……」
結衣「……京子、取り合えず生徒会室へ行こう」
京子「え、あ、うん、綾乃達も心配だからね」
結衣「……」
京子「結衣?」
結衣「……京子、朝に綾乃と会った?」
京子「う、うん、会ったけど……そういえば、あの時、綾乃に……」
京子「……」
京子「///」
結衣「……え、なんで赤面してるの京子」
京子「い、いや、なんでもないよ///」
結衣「きょうこ?あやのとなにかあったの?」
京子「ちょ、結衣、顔が近いって……」
京子「う、うう、結衣にゃんが恐い……」
結衣「実は私もさっき綾乃と会ったんだ」
京子「え?」
結衣「その時、京子に伝えてくれって言われてた事がある」
結衣「約束だから、ずっと生徒会室で待ってる……だって」
京子「約束……」
『……放課後、生徒会室に行きましょう』
『約束よ』
京子「そっか、綾乃、あの約束を……」
京子「あんな些細な約束を、大切に思ってくれてたんだ……」
京子「ん?」
結衣「多分、京子が会った綾乃も、私が会った綾乃も、シャドウなんだと思う」
京子「……うん、今から考えると、綾乃と朝会った時、瞳が赤かったからね……」
結衣「……京子は、綾乃も助けたいんだよね?」
京子「うん」
結衣「それは、あの、綾乃が好きだから?」
京子「うん、好きだよ」ニコ
京子「それが恋愛感情かどうかは判んないけどね」
結衣「……」
結衣「はぁ……」
京子「え、なんでため息?」
結衣「いや、京子はお子様だなぁって……」
京子「……」
結衣「?」
京子「合わせ鏡に、願ったんだ」
京子「娯楽部の皆や、生徒会の皆が、ずっと幸せで居られますようにって」
結衣「……うん、京子なら、本当にそう願うと思ってた」
京子「けど、これって、多分、幸せになった皆から代償を貰いたいって事でもあるんだと思う」
京子「実際、結衣にはさっき守ってもらっちゃったしね」
結衣「あれは、当然の事だろ……」
京子「どうして?」
結衣「だって、私は京子の事が、その、好きだし///」
結衣「そ、それに、京子には命懸けで助けてもらったから……あ」
京子「それが私の願い」
京子「それが本当の私」
京子「勿論、それだけじゃないんだけどね」
京子「結衣の事を助けたのだって、好きだからって理由が一番強いんだし」
結衣「京子……」
京子「けどね、私は否定したくないんだ」
京子「馬鹿みたいに子供っぽい、我侭な結論で申し訳ないけど……」
京子「私は、皆を助けたい」
京子「だから、皆には私を支えて欲しい、優しくしてほしい」
京子「そういう願いを、子供っぽい私を、否定したくない」
京子「幻滅、しちゃった?」
結衣「……ううん、そんな事無いよ」
京子「そっか……良かった」ホッ
結衣「……京子、私が、いっぱい優しくしてあげる」
結衣「守り続けてあげるから」
京子「ありがとう、結衣……」ニコ
結衣(京子との絆を感じる……もう、さっきみたいな目には、合わせない……!)
京子「あ、綾乃?居る?」ソーッ
『いらっしゃい、歳納京子』
京子「綾乃……!」
『約束、守ってくれるのね……嬉しいわ』
京子「ううん、私こそ、遅くなってごめんね……」
綾乃「……」zzz
京子「うん、奥で寝てる方の綾乃が、本物の綾乃なのかな……」
京子「綾乃、他の生徒会役員は……?」
『関係ない人は、生徒会の権限で全員帰宅させたわ』
『千歳は、渋っていたけど』
京子「そ、そう、良かった……」ホッ
『名乗らないのは騎士の礼に反するから名乗っておくわね』
『我は影、真なる我』
『妖精騎士アヤノ』
『本物の私は、私を受け入れる事が出来なかったから……』
『私は、独自の存在として、私自身の願いを、正々堂々と叶える事にする』
結衣「……!」
結衣「……キングフロスト!」パリーン
京子「結衣!?」
結衣「アヤノ、それ以上、近づかないで」
京子「結衣、そんな脅すような事は……」
結衣「壁や下駄箱、それに窓に残った切断跡がアヤノの仕業なら」
結衣「無闇に近づけるのは危険だよ、京子」
京子「け、けど、アヤノは、私たちにまだ何もして無いのに……」
結衣「アヤノはちなつちゃんと違って、物理的な破壊力を見せてる」
結衣「私、もう京子を嫌な目にあわせたくないよ……!」
京子「結衣……」
結衣「さっきだって、京子が恐慌してて、本当に、恐かったんだから……」
アヤノ『船見さん』スタ
結衣「……!」
アヤノ『まだ約束は果たせてないの……邪魔するなら、生徒会室から出て行って……』ザワッ
京子「あ、あれ、アヤノの、髪が……動いて」
アヤノ『デス』
結衣「ブフ」
アヤノ『バウンド』ブンッ
結衣「ダイン!」ピキピキ
バッキンッ
カキンッ
結衣「そう、廊下や窓の斬跡は、髪による攻撃で出来たもの、なんだ……」
結衣「けど、私の氷結の方が、威力は上みたいだね?」
アヤノ『……』カキンッ
結衣「京子!アヤノが凍りついてる今のうちに!」
京子「う、うん……!」タッ
京子「あ、綾乃!起きて!」ユサユサ
綾乃「……むにゃ、としのーきょーこ……」zzz
アヤノ『……』バッキンッ
結衣「流石に長時間凍らせるのは無理か……けど、何度でも凍らせてあげる」
結衣「ブフダインっ!」ピキピキッ
アヤノ『白の壁……』キンッ
結衣「凍り……つかない!?」
アヤノ『この壁は、氷結への耐性があるのよ』
アヤノ『氷結さえ防げれば、貴女のペルソナで私を抑える事は出来ない……』
綾乃「……だめよ、としのーきょーこ、そのプリンは私のなんだから……」zzz
京子「だ、だめだ、全然目が覚めない」
≪魔法による眠りのようね≫
京子「そ、それなら……」カッ
京子「お願い!魔法の眠りを打ち消して!」
京子「歳納さん!」パリーン
歳納「任せてちょうだい、京子」
アムリタッ
デスバウンドッ
結衣「くっ……」ガクッ
アヤノ『これ以上は、危険よ、船見さん、もう生徒会室から出て行った方がいいわ』
結衣「京子を置いて、出ていけるはずないだろ……!」
アヤノ『どうして、邪魔をするの、私は約束の続きをしようとしてるだけよ』
アヤノ『教室では、歳納京子が嫌がったから……だから、生徒会室で』
結衣「……ああ、やっぱり、朝、京子と何かあったんだ」フラッ
結衣「京子が、嫌がるような事、したんだ……」
結衣「……京子を……誰にも渡したくない……」
結衣「例え無理やりにでも、京子と愛し合いたい……」
結衣「それが私の想い……だった」
結衣「けど、今は!」ブワッ
結衣「京子が嫌がる事を、したくない、誰にも、されたくないんだ!」
結衣「京子には笑っていてほしい!」
結衣「それが新しい私の、願い!」
結衣「それが新しい私!」
≪そう、それが新しい私≫
≪私は貴女、貴女は私≫
≪貴女が変われば、私も変わる≫
≪さあ、呼んで、新しい私を≫
結衣「ペルソナ……!」カッ
結衣「オーディン!」
パリーン
アヤノ『ペルソナが変わった……?』
結衣「これが、新しい私のペルソナ……」
アヤノ『例え誰が相手でも、約束の続きを邪魔するなら、生徒会室から出て行ってもらうわ』
アヤノ『デス』
結衣「万物」
アヤノ『バウンド!」ブンッ
結衣「流転!」ヒュルッ
バッキンッ
ゴゥッ
綾乃「ん……と、としのうきょうこ……?」
京子「よ、よかった、綾乃……!」ホッ
綾乃「わ、私は……」
綾乃「そ、そうよ、私は、鏡の中から出てきたもう一人の私を追いかけて……」
京子「うん、綾乃……自分の影を、否定しちゃったんだよね……?」
綾乃「あ……」
綾乃「あ、あああっ///」
綾乃「あんなの、私じゃ///」
歳納「綾乃」ガシッ
綾乃「え、え、と、歳納京子が二人?」
歳納「それは、後で説明するから……教えて、貴女は、鏡に何と願ったの?」
綾乃「わ、私は、私は……」
アヤノ『……まるで、嵐のような魔法ね』ボロッ
結衣「アヤノ……」
アヤノ『結局、私は、船見さんには、勝てないのかしら』
アヤノ『悔しい、なぁ……』
アヤノ『けど、諦めたくない……私だって……』
アヤノ『私だって、歳納京子を……』
京子「待って!」
結衣「……京子?」
アヤノ『としのう、きょうこ……それに、もう一人の、私も……』
綾乃「……」
綾乃「……そうまでして、あの願いを、叶えたかったの?」
アヤノ『あたりまえよ……』
アヤノ『ずっと、ずっと、願ってきたじゃない……』
アヤノ『それは、貴女だって、同じでしょう』
綾乃「けど、けど、私は、傷つくのが嫌で、出来なかった……」
綾乃「と、歳納京子に、否定されるのが、嫌で……貴女を認める事が出来なかった……」
綾乃「そ、それなのに、貴女は……貴女は……」
アヤノ『傷つくのなんて怖くないわよ、だって、私は、歳納京子の事が……』
綾乃「ええ、私も、私も歳納京子の事が……」
綾乃アヤノ「「大好きだもの」」
アヤノ『そう、私を、認めてくれるのね……』サラサラ
綾乃「ええ、ごめんなさい、貴女を否定して、ごめんなさい……」ウルッ
アヤノ『私こそ、ごめんね……結局、願いを叶える事は、出来なかったし……』サラサラ
綾乃「ううん、貴女の勇気は、私が受け取るから……」ゴシゴシ
綾乃「私、頑張るから……消える前に、見て行って……」
アヤノ『うん、頑張れ、わたし……』
京子「は、はい!」
綾乃「……」ギュッ
京子「!?」
結衣「ちょ!綾乃!?」
歳納「……結衣、ちょっとだけ、二人に時間をあげて」
結衣「と、歳納さん……」
綾乃「……きょ、きょ」
京子「綾乃?」
綾乃「京子っ!」
京子「はいっ」
綾乃「京子も、私の事、呼んでっ///」
京子「う、うん……」
綾乃「京子っ」ギュッ
京子「あやのあやのっ///」
綾乃「きょ、きょ、京子っ」
京子「あやのあやのあやのあやのあやのあやのっ///」
綾乃「きょ、京子っ、京子京子京子っ!」ギューッ
歳納「あれが、綾乃の望みだったみたいね」
結衣「え?」
歳納「京子に抱きついて、ちゃんと名前で呼び合いたい……それが綾乃の望み」
歳納「それが、アヤノの望み」
結衣「そ、そんな、願いの為に……あれだけの苦労を?」
歳納「……貴女には、判らないかもしれないわね」
結衣「歳納さん……?」
歳納「私も、ずっと、そうしたかった」
歳納「京子の心の中に居たけど、京子とは触れ合う事ができなくて」
歳納「名前で呼ばれる事もなくて……ずっと、ずっとそうして過ごしてきたんだから」
歳納「だから、私も、綾乃の気持ちが少しわかるわ」
結衣「……」
綾乃「ありがとう、わたし……勇気をくれて、ありがとう……」
アヤノ『これからも……勇気を忘れないで……』サラサラサラッ
綾乃「うん……忘れないわ、だって、貴女は私なんだもの……」
アヤノ『うん……』サラサラサラサッ
綾乃「もう一人の私、消えちゃった……」
京子「///」プシュー
綾乃「あ、ご、ごめんなさい、歳納京子っ///」パッ
京子「う、うん、気にしないで///」
京子「これは、塔のカード?」
綾乃「カードの中に、アヤノが感じられるわ……」
綾乃「……ありがとう、私」
綾乃「たとえどんな困難が待ち受けていても……私は貴女と一緒に立ち向かっていくわ……」
綾乃「これからも……」
●京子のペルソナ
歳納さん(女教皇)
原型:スカアハ
スキル:アムリタ・他
特徴:氷結攻撃に強い
●結衣のペルソナ
オーディン(皇帝)
スキル:万物流転・他
特徴:火炎攻撃に弱い
●綾乃のペルソナ
???(塔)
スキル:デスバウンド・白の壁
特徴:氷結攻撃に弱い
≪スキル補足≫
アムリタ:味方全体の状態異常を治療
万物流転:単体に超威力疾風を放つ魔法攻撃
デスバウンド:敵全体に高威力斬撃を放つ物理攻撃
白の壁:氷結攻撃への耐性を得る
綾乃「え、ええ、ちょっとフラッとするけど、平気よ」
京子「綾乃、頑丈だなあ……結衣やちなつちゃんは、シャドウを受け入れた後は倒れちゃったのに」
綾乃「……さっき誓ったばかりだもの、困難に立ち向かうって」
京子「そっか……」
結衣「……まあ、色々あったけど、これで、解決かな?」
京子「うん、そうだね……」
綾乃「……それは、あの、私の攻撃の余波で壊れちゃったんだから……生徒会の予算で何とかしておくわ」
京子「流石!副生徒会長!」ダキッ
綾乃「と、歳納京子///」
京子「あれ、名前で呼んでくれるんじゃ……?」
綾乃「あ、あれは、その……慣れるまで、待って///」
京子「うん!待ってやろう!」
京子「千鶴に、何て説明しよう……」
結衣「……私が、やった事だし、私が謝るよ」
結衣「千鶴に一発殴って貰うくらいしないと、私の気が済まないし」
京子「結衣……わ、私も一緒に謝るからっ!」
結衣「ありがと、京子」ニコ
京子「歳納さん?どうしたの?」
歳納「え、ええ……あの、何か忘れてないかしら」
結衣「ん?」
綾乃「別に何も忘れてないと思うけど……」
京子「そうだよ、変な歳納さん!」
歳納「……」
綾乃「な、なによ?」
歳納「貴女は、誰から合わせ鏡の事を聴いたの?」
綾乃「え、赤座さんからだけど……」
京子「……そういえば、私達も」
結衣「あかりから、聞いたんだよね」
歳納「……あかりは、何処?」
京子「というか、私、途中から、あかりの事がスッポり頭から抜けて……」
結衣「私もだ……」
歳納「……あかりを、探しましょう」
歳納「あかりも、合わせ鏡のおまじない、やった可能性があるから」
京子「……!」
結衣「……!」
綾乃「……!」
京子「あかり、何処にもいないね……」
綾乃「ええ、下駄箱にはまだ赤座さんの靴が残ってたから……まだ校内に居るはずなんだけど」
結衣「あと、残ってるのは……屋上だな」
京子「あかり……無事だといいんだけど」
~屋上~
キィー
京子「あ、あかりー?」
『京子ちゃんっ!』ガバッ
京子「あかり!?」
結衣「良かった、無事だったんだな……」
綾乃「ま、まって!向こうにも、赤座さんが……!」
あかり「……あ、京子ちゃん、結衣ちゃん、杉浦先輩まで」
『きょ、京子ちゃん、たすけて、あの子、あの子が……』
『あかりなんて、居ないって、言うのっ』
『あかり、あかり、ちゃんとここに居るよっ』
『ここに居るのにっ』
京子「あ、あかり……」
『京子ちゃん、もっと、もっとあかりを見て……京子ちゃん、お願いっ……』
『あかり、消えたくなんて、ないよ、もっと、もっと目立ちたいよぉ……』
京子「こ、この子、あかりの、シャドウ?」
結衣「凄く、弱々しいけど……」
あかり「ごめんね、京子ちゃん」
京子「あかり?」
あかり「もう一人の私が、迷惑かけちゃってるよね……ごめん」
あかり「大丈夫、もう消しちゃうから、安心して?」
京子「あかり……!だめ!この子を否定したら……!」
『京子ちゃん、たすけて!あかり、まだ、まだ消えたく……』
あかり「ペルソナチェンジ」
あかり「オルフェウス」
パリーン
綾乃「消えた……?」
結衣「京子、あかりの傍に、別にシャドウが!」
≪京子≫
京子「と、歳納さん?」
≪シャドウじゃないわ≫
京子「え?」
≪あれは、あれは……≫
あかり「刑死者のアルカナを持つ、目立ちたがり屋なあかり」
あかり「今呼んだのは、愚者のアルカナ、オルフェウス……」
あかり「あかりが、一番最初に呼んだペルソナなんだよ?」
京子「あかり、ペルソナ使いだったの!?」
あかり「うん、そうだよ、あかり」
あかり「ずっと、ずっと、ずっと、ずっと」
あかり「仮面をかぶってきたの」
京子「あ、あかり?」
あかり「京子ちゃんの為に」
京子「え、わ、わたしの?」
あかり「うん」ニコ
京子「う、うん、覚えてるよ」
あかり「京子ちゃん、凄く泣き虫だったよね」
あかり「だからね、あかり、京子ちゃんを、支えようと思ったの」
あかり「京子ちゃんが、泣かなくて、済むように」
京子「あかり……?」
あかり「合わせ鏡が教えてくれた仮面が、京子ちゃんに笑顔を与えてくれるって、信じて……」
あかり「京子ちゃんを苛める子達がいたから、その子達を裁く為に審判の仮面をかぶった……」
あかり「京子ちゃんが怪我して泣いてたから、涙を拭いて立ち上がれるよう導く為に法王の仮面をかぶった……」
あかり「他にも、いっぱい、いっぱい、仮面をかぶったの」
あかり「数えきれないくらい……」
あかり「けど、京子ちゃんは、一度は立ちあがれても、またすぐ泣いちゃって……」
あかり「結衣ちゃんみたいに、強いだけでは京子ちゃんの涙は止められない」
あかり「なら、なら……」
あかり「なら、京子ちゃんより、弱くなったら……?」
あかり「あかり自身が、京子ちゃんより、弱くなったら……京子ちゃん、強くなってくれるんじゃないかなって」
あかり「あかりを守る為に、強くなってくれるんじゃないかなって」
あかり「だから、あかりは、京子ちゃんより弱くなる為に、月の仮面をかぶった」
あかり「蝉や蚊にすら怯える、弱い弱い私になる為に……」
京子「……そうだ」
京子「私、あかりを助ける為に……強くなろうと思ったんだ……」
あかり「ありがとう、京子ちゃん……何時も助けてくれて……」ニコ
あかり「……もう、大丈夫だって、思った」
あかり「京子ちゃんが強くなって、更に結衣ちゃんがそれを支えてあげれば」
あかり「何も心配する事は、ないもんね……」
結衣「あかり……」
結衣「え……?」
あかり「だって、てっきり、結衣ちゃんは京子ちゃんの恋人になってくれてると思ってたから」
結衣「な///」
京子「あかり///」
あかり「けど、結衣ちゃんは、京子ちゃんの王子様のくせに、臆病で」
あかり「ちなつちゃんとも、仲良くして……」
結衣「あ、あかり?」
あかり「杉浦先輩に京子ちゃんの恋人になって貰おうかなって思ったけど……杉浦先輩も、臆病だったから……」
あかり「それなら、いっそ、皆の本心を暴いちゃおうかなって……」
あかり「だから、皆に、合わせ鏡のおまじないを、教えてあげたの」
あかり「そうすれば、皆が本心と向かい合ってくれるだろうから」
結衣「あ、あかり……あかりが、黒幕だったの?」
あかり「うん、そうだよ、全部、全部京子ちゃんの為にやったの」ニコ
あかり「うん、知ってる……京子ちゃんなら、そう言うだろうなって、思ってた」
あかり「ごめんね……京子ちゃん」
あかり「結衣ちゃんと杉浦先輩も、ごめんなさい……」ペコ
結衣「え、あ……うん」
綾乃「……確かに、色々とあったけど、あの、最終的には、丸く収まったから、別にいいわよ」
結衣「……私達が、最初から自分の本心とちゃんと向かい合ってたら、こんな事にはなってなかったんだしね」
綾乃「そうね……」
あかり「うん、あかり、皆を信じてた」
あかり「ちゃんと本心を受け入れられるって、信じてたよ」ニコ
綾乃「そうね、赤座さんに、敵意とかは無かったわけだし……」
あかり「うん、私は、京子ちゃんが幸せになるなら、それでいいよ」ニコ
結衣「あかりは、本当に優しいなあ……」ナデナデ
あかり「えへへ///」
京子「……違う」
京子「私が望んでなかったのは、あかりが、あかりがそんなに沢山の仮面をかぶってる事」
あかり「京子ちゃん?」
京子「私を助ける為に、あかりが仮面を被り続けたのなら、本当のあかりは、何処に居るの?」
あかり「……」
京子「私が見てきたの、全部、あかりの仮面だったの?」
京子「確かに、仮面もあかりの一部だけど……けど」
京子「私、仮面を被ってないあかりも、知りたいよ」
京子「仮面を被ってないあかりとも、会いたいよ!」
あかり「……ごめんね、京子ちゃん」
あかり「あかりは、もう……本当の自分を想いだせないの」
あかり「今まで被ってきた仮面が多すぎて、重すぎて、あかりは、もう」
あかり「けど、大丈夫、あかりが用意した仮面は、全部京子ちゃんの為の物だから」
あかり「自由に選んでくれて、いいよ?あかり、京子ちゃんの好きなあかりに……」
京子「嘘」
あかり「京子……ちゃん」
京子「あかりだって、本当の自分を思いだしたい、はずだよ」
あかり「そんな事ないよ、だって、だってあかりは……」
京子「なら、どうして……」
京子「どうして、泣いてるのさ」
京子「それが、きっと、あかりの願いが叶ってないからだと思う……」
京子「思いだして、あかり、子供のころ、鏡に、何て願ったの?」
あかり「あかりは……あかりは……」
あかり「だめ、だめだよ、思い、だせない……」ポロ
あかり「大切な、事だったのに、どうして……」ポロポロ
あかり「京子ちゃん……私、私、やだよ、本当の自分を想いだせないなんて、やだ……」グスン
あかり「あかり、もう、仮面なんて、かぶりたくない……もう、もう……」ヒック
京子「大丈夫、あかりが持ってる仮面、全部はがしてあげるから……」
京子「だから、もう泣かないで……あかり」
結衣「まったく……しょうがないなあ、京子は」
綾乃「仕方ないわよ、歳納京子なんだもん」
京子「ありがとう、二人とも」ニコリ
あかり「ぺ、ぺるそなちぇんじ」ヒック
京子「ペルソナ……」カッ
結衣「ペルソナッ」カッ
綾乃「ペルソナ!」カッ
あかり「イジメイケナインジャー!」パリーン
京子「歳納さん!」パリーン
結衣「オーディン!」パリーン
綾乃「クーフーリン!」パリーン
あかり「京子ちゃんを苛めた子達を裁くために、あかりは審判の仮面を被った……」
結衣「万物流転!」ヒュルッ
あかり「マカラカーン!」キンッ
パキーンッ
結衣「は、反射された!?」
綾乃「魔法が反射されるならっ!」
デスバウンドッ
あかり「ペルソナチェンジ……」カッ
あかり「はっぱ仮面!」パリーン
あかり「泣いてる京子ちゃんが立ち上がれるよう、導くために、あかりは法王の仮面を被った……」
ディアラマッ
綾乃「そ、そんな、傷がふさがる!?」
あかり「ペルソナチェンジ……」カッ
あかり「京子ちゃん!」パリーン
歳納「ど、どうして京子があかりのペルソナに!?」
あかり「京子ちゃんを深く理解するために、あかりは京子ちゃんの仮面を被った……」
あかり「京子ちゃんを幸せにできない子達は、全部、全部燃えちゃえ……」
マハラギオンッ
結衣「あ、あついっ……」バタバタ
綾乃「ど、どうして私達だけっ」パンパンッ
あかり「ふふふ、結衣ちゃん杉浦先輩、あっちっちだね……」
歳納「二人とも、伏せてっ!」
マハブフーラ
結衣「歳納さん、消火するにしてももう少しやり方が……」
綾乃「つ、つめたい……」
歳納「そんな事より、子供の頃からペルソナ使いやってただけあって、あかりの方がペルソナの扱いに長けてるわ」
京子「こ、こんな時、ちなつちゃんが居てくれれば……」
結衣「そ、そうか、ちなつちゃんなら……!」
ちなつ「呼びました?」
京子「ちなつちゃん!?」
ちなつ「目が覚めたら、何か屋上から凄い音が聞こえてきたんで急いで駆け付けてきたんですけど……」
結衣「ちなつちゃん、ペルソナ、使えるよね!?」
ちなつ「へ、あ、ああ、使えると思いますよ、多分」
結衣「じゃあ……ちなつちゃんのペルソナで、あかりを魅了してあげて!」
ちなつ「はい!結衣先輩の望みであれば!」
ちなつ「……ペルソナ」カッ
ちなつ「ペルゼブブ!」
パリーン
ちなつ「デビルスマイルっ!」ニコ
あかり「……!」ビクッ
京子「よし、あかりのペルソナが止まった……みんな!一斉攻撃のチャンス!」
一同「「「うん!!」」」
ブフダインッ
マハブフーラッ
デスバウンドッ
デビルスマイルッ
結衣「こ、これでどう!?」
あかり「……」フラッ
あかり「……ぺ、ぺるそな、ちぇんじ……」カッ
京子「あ、あかり、まだ駄目なの……!?」
あかり「おんねん!」
パリーン
あかり「幽霊が怖かった京子ちゃんを守る為に、私は隠者の仮面を被った……」
ちなつ「どんなペルソナが来たって、私の笑顔の前には……!」
あかり「愚者のささやきっ……」ボソッ
オンネンガオンネンッ
ちなつ「……」ニコ
ちなつ「あれ、力が発揮されない?」
歳納「駄目、私達ペルソナのスキルを封じられてるっ」
綾乃「こ、ここまで来て……!」
あかり「京子ちゃん、もう、もう無理だよぉ、早く、早く逃げて……」グスン
京子「あかりを放ってなんて、いけないよ!」
あかり「だめ、だめなの、もう、あかりじゃ、止められない……」ヒック
あかり「噴き出してくるペメソナ達を止められない……」ヒックヒック
あかり「で、出てくる、もう……もうだめ、きょうこちゃん……」
あかり「おねがい、にげて……」
あかり「ぺるそな」
あかり「ちぇんじ」
あかり「おねえちゃん」
パリーーーーーーンッ
あかね「あかりに害する者は、全て滅ぼす」
あかね「 メ 」
あかね「 ギ 」
あかね「 ド 」
あかね「 ラ 」
あかね「 オ 」
あかね「 ン 」
詰んだ
詰んだわ……
京子(結衣や、綾乃や、ちなつちゃんまで……巻き込んで……)
京子(やっぱり、やっぱり、私は、弱いままなんだ……)
京子(子供の時と、同じままなんだ……)
「う、うう、ヒック」
「うぇぇぇ…」
「だから、だから言ったのに……」
「この世界は、辛いことや悲しいことでいっぱいだって……」
「絶望で一杯だって……」
京子(うん、そうだね、もう一人の私……)
「辛いのは、判ってるのに、怖いのは、判ってるのに」
京子(うん、私は、それでも前に進む……)
京子(だって、あかりは、私の大切な友達だもん)
「……ひっく」
京子(だから、お願い、もう一人の私)
京子(怖いだろうけど、少しだけ、力を貸して……)
「……うん」
京子「ペルソナ、チェンジ」
京子「アリス!」
パキーーーンッ
綾乃「そんな、子供に、戦えるの……?」
京子「み、みんな、耳ふさいで!」
アリス「ううぅ、ひっく…うぇ……」
あかね「どうしたのかしら?どうして泣いてるの?」
アリス「わたし、わたし、欲しい物があるの」ヒック
あかね「あら、何かしら?飴ちゃん?」
アリス「飴ちゃんも欲しいけど、友達が欲しいの……」グスン
あかね「そう、じゃあ、私が友達になってあげるわ、だから泣かないで……」
アリス「本当?じゃあ、じゃあ、あのね~」
アリス「死んでくれる?」
あかね「 」
アリス「ありがとう、友達になってくれて、死体になってくれて」
アリス「ずっと、欲しかったんだ、お友達」
アリス「もっと、もっとお友達欲しいな、私を守ってくれて、優しくしてくれるお友達……」
京子「ぺ、ペルソナチェンジ」カッ
アリス「あれ、もう終わり?もっと遊ぼうよ……」
京子「歳納さん!」パリーン
フワッ
歳納「……京子、死神のペルソナ使うなんて、無茶し過ぎよ……」
京子「う、うん、もう、使わない……あの子、ちなつちゃんより、怖かった……」
京子「あかり……」
あかり「あかり、どうしたら、いいのかな」
あかり「これから、どうしたら……」
京子「あかりは、思い出せた?あかりのお願い事」
あかり「……」
あかり「あかり、京子ちゃんと、一緒に、ちゃんと遊びたかったの」
あかり「何時もお家の中で泣いてる京子ちゃんと一緒に、遊びたかったの」
あかり「それが、あかりの願い」
京子「そっか……じゃあ」
京子「今から、遊びに行こう?」
あかり「きょうこちゃん……」
京子「だから、泣くのはもうやめて、外に出て、一緒に遊ぼう?」
京子「私も、結衣も、綾乃も、ちなつちゃんも、本当のあかりと遊びたいと思ってるから」
京子「みんな一緒に遊べば、きっと楽しいよ?」
あかり「……うん」ゴシゴシ
あかり「ありがとう、京子ちゃん」
あかり「あかりを、迎えに来てくれて」
あかり「ありがとう……」ニコ
仮面の笑いじゃなくて、本当の私の笑い。
ありがとう、京子ちゃん。
ありがとう、結衣ちゃん。
ありがとう、ちなつちゃん。
ありがとう、綾乃ちゃん。
本当の私を見つけてくれて、ありがとう……。
あかり「京子ちゃーん!早く早く―!」
京子「ちょっと待ってよ、あかり、元気すぎ……」ハァハァ
結衣「ずっと仮面を被ってきたんだから、普通に遊ぶのは久しぶりなんだろうな」
綾乃「ええ、本当に楽しそうな顔だわ」
ちなつ「あかりちゃーん!ちょっと休もうよー!」
あかり「やーだよー!」ピューッ
ちなつ「もう!私ちょっとあかりちゃん捕まえてきます」タッ
あかり「追いついてみろ―!」
京子「あはは、本当、あかりが楽しそうで良かった……」
結衣「うん、これで、一件落着……かな?」
綾乃「……歳納京子」
京子「ん?」
綾乃「あの、私、ちゃんと言ってなかったから、今、言わせてもらうけど///」
結衣「……だったら、私も、前に言ったけど、改めてもう一度言うよ」
京子「え?え?」
綾乃「私は……」
結衣「京子の事が……」
歳納「大好き!」
京子「歳納さん!?」
京子「え、と、歳納さん、私呼んだっけ///」
歳納「ううん、やっと京子の呼び出しなしで出てこられるようになったのよ、これも、私と京子の絆のおかげね///」チュッ
京子「も、もう、歳納さん、いきなりキスしないで、恥ずかしいよ///」
歳納「恥ずかしくなんてないわよ、貴女は私、私は貴女なんだから」
歳納「言ってみれば、これは自慰みたいなもの、みんな、みんなやってるのよ……」チュッ
京子「あふん///」
結衣「……」
綾乃「……」
京京だったでござる
綾乃「ええ、それ以前に、倒さなければならない相手がいたようね」
結衣「そうだね、何時までも、自分が一番好きとか言ってられると、困るし」
綾乃「これは、歳納京子の為でもあるわ」
結衣「私は、もう幼馴染の仮面は捨てる……」
綾乃「私も、照れ屋な仮面は捨てる……」
結綾「「そして」」
結綾「「歳納さんより、魅力的な女の子になってやる!」」
これは仮面を巡る、少女たちの成長の物語。
彼女たちの未来に、幸があらん事を。
完
支援ありがとうでした。
自分が一番好きと言ってたのを今思い出した
京京はさすがに流行らねえよww
京京よかった!
≪京子のペルソナ≫
アリス(死神)
スキル:死んでくれる?(敵全体に高確率呪詛)・ムドブースト(呪詛成功率上昇)
歳納さん(女教皇)
元ネタ:スカアハ
スキル:アムリタ(味方全体異常回復)・マハブフダイン(大威力の氷結攻撃)
特徴:氷結攻撃に強い
≪結衣のペルソナ≫
オーディン(皇帝)
スキル:万物流転(単体に超威力疾風を放つ魔法攻撃)
特徴:火炎攻撃に弱い
≪綾乃のペルソナ≫
クーフーリン(塔)
スキル;デスバウンド(敵全体に大威力斬撃)・白の壁(氷結攻撃への耐性)
特徴:氷結攻撃に弱い
≪ちなつのペルソナ≫
ベルゼブブ(悪魔)
スキル:デビルスマイル(敵全体に恐慌付与)
オルフェウス(愚者)
スキル:無
目立ちたがり屋(刑死者)
スキル:無
泣き虫あかり(月)
スキル:無
イジメイケナインジャー(審判)
元ネタ:アヌビス
スキル:マカラカーン(魔法攻撃反射)
はっぱ仮面(法王)
元ネタ:だいそうじょう
スキル:ディアラマ(ダメージ全回復)
京子ちゃん(正義)
元ネタ:ウリエル
スキル:マハラギオン(敵全体に大威力火炎攻撃)
おんねん(隠者)
元ネタ:オンギョウキ
スキル:愚者のささやき(敵全体のスキル封印)
おねえちゃん(節制)
元ネタ:ヴィシュヌ
スキル:メギドラオン
Entry ⇒ 2012.01.11 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
京子「ペルソナ!」
京子「暇だから恐い話でもしようぜ~」
結衣「恐い話って…真冬だぞ、今」
京子「ストーブで暖かいから、ちょっとヒヤッとした気分を味わいたいんだよ~」
ちなつ「嫌ですよ恐い話なんて…外出ればヒヤっとしますから、出てくればどうです?」
京子「ちなつちゃん!ナイスアイデア!」
京子「じゃ、ちょっと外行って来るね!」ガラッ
あかり「あっ!京子ちゃん扉開けたら…」
ヒュー
京子「さむっ!」バタン
結衣「ストーブの前を占領するな」
京子「えー、じゃあ、結衣が私を暖めてよ」
京子「あの時みたいに、私をぎゅっと抱きしめて暖めてよ…」
結衣「なっ///」
ちなつ「あ、あの時ってなんですか!?」
結衣「ち、ちなつちゃん、京子の冗談だから、真に受けちゃ駄目だよ」
京子「夏場に膝枕とかしてもらうと涼しいけど」
結衣「人を冷房器具みたいに言うな」ポカ
京子「い、いたいよ、ゆいぃ」
あかり「んー、あかり、1個だけ恐い話知ってるよぉ」
あかり「ふぁっ、京子ちゃんに頭撫でられちゃった///」
ちなつ「あかりちゃん、私が恐い話嫌いだって知ってるよね…」
あかり「んー、けど、これくらいならちなつちゃんも大丈夫なんじゃないかなあ?」
あかり「あのね…」
ちなつ「やっ!結衣先輩恐いですっ!」ダキッ
結衣「ちなつちゃん、まだ話始まって無いから…」
あかり「鏡の中からもう1人の自分が飛び出てきて」
あかり「願いを叶えてくれるんだって、恐いよねえ…」
京子「ふんふん、それで?」
あかり「……おわりだよ?」
結衣「……」
ちなつ「……」
京子「あははは、こやつめ」グリグリ
あかり「え、え、京子ちゃん、痛いよ?やめてよぉ」
ちなつ「びっくりするほど、恐くなかったですね…」ハァ
あかり「まあ、あかりだからなあ…」
結衣「んー…」チラッ
京子「え、どうしたの結衣、私の顔に何かついてる?」
結衣「いや…そうだな、皆で旅行に行きたい…とかかな」
ちなつ「流石、結衣先輩♪」
京子「ちなつちゃんは?どんなお願いするの?」
ちなつ「わ、わたしは…ある先輩ともっと仲良くなりたい…かな?」
京子「ちなつちゃん…そんなに私のことを…」
ちなつ「京子先輩のことじゃありませんから」ニコ
京子「ガーン…」
あかり「あかりは…」
結衣「もっと出番が増えたい…かな」
ちなつ「もっと目立ちたい…だよね?」
あかり「ふ、2人とも、酷いよぉ!」プンプン
京子「あはは、あかりは相変わらずだなあ」
京子「そうだなぁ…色々あって迷うけど…」
京子「娯楽部の皆や、生徒会の皆が、ずっと幸せでいられますように…かな」ドヤァァァ
あかり「きょ、京子ちゃん……」
ちなつ「京子先輩……」
結衣「京子……」
結衣「それで本音は?」
京子「ラムレーズンを1日1個食べたい!」
ちなつ「ですよねぇ」
~京子宅~
京子「よし、原稿も完成したし…そろそろ寝るかなあ」
京子「えーと、今何時だ…23時55分か…」
『夜中の0時に合わせ鏡を作って願い事を唱えると…』
京子「……一応、試してみようかな?」
京子「鏡を用意して…と」
京子「えーと、願いごと願いごと…と」
京子「……お願いします、娯楽部の皆や、生徒会の皆が、ずっと幸せで居られますように…」
「う、うう、ヒック」
「うぇぇぇ…」
京子「って、か、鏡の中に、子供が映ってる!?」
「う、うぇぇぇん…」
京子「なんだろ、この子、見覚えがある……」
京子「あれ、もしかして…」
京子「小さい頃の、私…?」
京子「ど、どうして、小さい頃の私が鏡に映ってるの…?」
「ゆい、あかりちゃん、だれか、だれでもいいから、わたしを助けてよぉ…」
京子「……どうしたの?どうして、泣いてるの?」
「この世界は、辛いことや悲しいことでいっぱいなの……」
「だから、わたしは、恐くて1人では前に進めない……」
「他の誰かを利用しないと生きていけない……」
「だから、助けて欲しいの……」
「誰でもいいの、ゆいや、あかりちゃんじゃなくても、あやのや、ちなつちゃんでも……」
「わたしに優しくして欲しい、わたしを助けて欲しい、でないと私は……私は……」
「う、ううう……グスン」
京子「……そっか、この子は、私自身なんだ…」
京子「何でかは知らないけど……私の本音が鏡に映ってるんだ……」
京子「誰かを利用しないと、生きていけない……」
京子「……あ、あはは、私、泣き虫だった頃と、変わってないな……」
京子「誰かを利用して……それでやっと立っていられる、弱い人間のままなんだ……」
≪その子の言う事に耳を傾ける必要は無いわ≫
京子「……え?」
京子「今度の私は、私と同じ年齢みたいだけど……」
≪京子は、弱い自分を克服する為に、努力してきたわ≫
≪結衣やあかりに、守られなくてもいいように、強くなろうとしてきたじゃない≫
≪だからこそ、京子はあんなお願い事をしたんでしょう?≫
≪自分の幸せではなく、他者の幸せを願うなんて、弱いだけでは出来ない事だもの≫
≪…だから、こんな子供の泣き言に耳を傾ける必要は無いわ≫
京子「えっと、あの、だれ?」
≪貴女が頭を打った時に分離した、もう1人の貴女≫
≪……けど、それではややこしいから……私の事は、歳納さんと呼んで頂戴≫
京子「としのうさん……」
京子「わ、私の中に、こんな大人っぽい私が居たのか、な……?」
京子「け、けど、他人のような気もしないし……」
≪だから、消してしまいましょう≫
「う、うう……グスン、貴女も、貴女達も、わたしをいじめるの……?」
「こ、こわいよ……いや……辛いことも、悲しいことも、全部、全部いやなの……」
≪うるさいわね、京子は、もっと強くて、優しいのよ≫
≪子供の貴女が居なければ、京子はもっと強くなれる≫
≪だから、貴女なんて……≫
≪貴女なんて≫
京子「待って、待ってよ……」
「う、ううう……いやだよ……恐いよ……」
京子「大人っぽい、強い私……」
≪ええ、京子、貴女はもっと強くなれるわ……≫
京子「……」
≪京子?≫
京子「どっちも、私なんだ……」
京子「子供の頃の私の想いがあるから……私は、立っていられる」
京子「歳納さんが居るから、私は前を向いていられる」
京子「だから、だから、私は、子供の頃の私を、否定したくないよ……」
京子「ずっと、貴女の事を忘れていて、ごめんね……」
京子「もう、大丈夫だから……貴女の事も、ちゃんと抱えていてあげるから……」
「う、ううう……ほんとう?」
京子「うん、ほんとだよ、だから、一緒に行こう?」
京子「利用するだけが友達じゃないって、貴女にも教えてあげるよ」
「……うん」サラサラ
「ありがとう……私……」サラサラサラ
京子「あ……子供の頃の私、鏡の中から消えちゃった……」
京子「代わりに、何だろう、カードが降ってきた……これは」
京子「死神のタロットカード……?」
京子「……そっか…判るよ、カードの中に、子供の頃の私が感じられる」
京子「大丈夫、これからは、寂しくないから……」ギュッ
≪なに、京子≫
京子「歳納さんも、ありがとう」
京子「何時も、私のことを見守ってくれてたんだよね」
≪……ええ、これからも、京子の事を見守っていくわ≫
≪例え京子が誰かに裏切られたり、傷つけられたりしても……≫
≪京子は一人じゃないから……私がついていてあげるから……どうか、負けないで……≫
京子「ありがとう、歳納さん、凄く、勇気が出るよ」ニコ
≪///≫
京子「あ、歳納さん、照れた」
≪次に貴女と会える機会があるかどうか判らないから……言っておきたい事が、あるの≫
京子「どうしたの?」
≪わ、私ね、実は……≫
≪京子の事が……好きなの≫
≪愛してるの……≫
京子「え、え?」
≪自分自身に告白するとか……変なのは判ってるけど……どうしても押えられないわ……≫
≪今まで頑張ってきた京子の心も、あんまり成長してないその身体も、全部が好き……大好き……≫
≪この鏡の壁がなければ……私は貴女に抱きついて、キスしたいとさえ思ってる……≫
≪ごめんなさい、こんな事、言われても、迷惑よね……ごめんなさい……≫
京子「と、歳納さん……」
≪え……?≫
京子「もう、はやくっ!」
≪え、ええ、判ったわ……≫スッ
京子「……」チュッ
≪きょ、京子///≫
京子「あの、私も、歳納さんの事、嫌いじゃないよ……」
京子「私とは思えない、格好良さがあるし……」
京子「さ、さっきの告白も、可愛かったし///」
京子「だから、あの、これからも私を好きで居てくれると、嬉しいな……」
≪ありがとう……京子……≫サラサラ
≪こんな、私も、認めてくれて、ありがとう……ずっと、ずっと、一緒よ……≫サラサラサラ
京子「歳納さんも……鏡の中から消えちゃった……」
京子「あ、またタロットカード……今度は女教皇、か」
京子「……歳納さんの存在も、カードの中に感じられる……」
京子「うん、ずっと一緒だよ、歳納さん……」
………
……
…
京子「……ふご」
京子「あれ、何か、変な夢見てたなあ……」
京子「……うわあ!?もうこんな時間じゃん!」
京子「は、早く学校行かないと……!」バタバタ
カランッ
京子「あ、あれ、鏡がこんな所に……」
京子「……何だろう、何か大切な事を忘れてるような気が……」
京子「と、今は急がないと!」タッ
京子「ふぅ……ギリギリ遅刻にならなくてすんだぁ……」
京子「あれ、結衣が居ない……どうしたんだろ」
綾乃『歳納京子』
京子「ん、綾乃、おはよ~」ニコ
綾乃『おはよう』
綾乃『船見さんの事なんて、どうでもいいじゃない』
京子「え、綾乃?」
綾乃『歳納京子……私を見て』
京子「ど、どうしたの、綾乃……真剣な顔しちゃって」
京子「あ、プリント?プリントならここに……」ガサゴソ
綾乃『……』ギュッ
京子「ふえ///」
綾乃『歳納京子は、私に抱きつかれるの、いや?』
京子「え、嫌じゃないけど…あの、恥ずかしいよ、皆見てるし///」
綾乃『じゃあ、誰も居ないところへ行きましょう、生徒会室とか』
京子「え、ええ!?い、いや、今から授業始まるんだけど///」
綾乃『……放課後、生徒会室に行きましょう』
綾乃『約束よ』
京子「う、うう、判ったから離して///」
京子(ま、まだ綾乃の体温が身体に残ってて、凄くドキドキする///)
京子「……」チラッ
綾乃『……』ジー
京子(うわあ、綾乃、授業始まってるのに、じっと私の事を見てる///)
京子(というか、さっきは気付かなかったけど……綾乃、ちょっと瞳が赤い?)
京子(カラコンでも入れてるのかな……)
~廊下~
京子「う、うう……あれからずっと、綾乃に見つめられてたから、何か疲れた……」グッタリ
京子「結衣の携帯に電話しても出ないし、綾乃は変だし……どうなってんだろ……」
キャッ
京子「ん、何処かから、悲鳴が聞こえたような……」
京子「屋上へ続く、階段から……?」
千鶴「けほっ……けほっ……」
京子「あ、あれ、結衣じゃん、学校来てたんならどうして教室に……って」
京子「ど、どうしたの、千鶴!く、苦しそうだよ!?」
結衣『ほら、千鶴、京子に言う事があるだろ……?』
京子「え……?」
千鶴「……」
千鶴「わ、判った、判ったから……と、歳納」
千鶴「あ、あの、今まで、冷たくして、すまん……暴力とかも……すまなかった……」
京子「え、え、ど、どうしたの、千鶴、結衣も……何か様子が変だよ?」
千鶴「そ、それは……」
結衣『千鶴……』ガシッ
千鶴「ぐっ……」
京子「ゆ、結衣!?な、なんで千鶴の首絞めてるの!?やめてよ!」
結衣『お前が京子に冷たく接したせいで、京子がどれだけ苦しんでたか判ってるの……?』
結衣『京子、泣いてたんだよ……それなのに、お前は』
結衣『お前は何も考えずにずっとずっと京子を拒絶して……』グググ
結衣『京子はお前の友達になりたかっただけなのに……!友達に……!』ググググ
千鶴「……!」バタバタ
京子「ゆ、結衣!だ、だめ、千鶴死んじゃう!や、やめて!」ドンッ
京子「ち、千鶴!?大丈夫!?千鶴!?」
結衣『京子は優しいなあ……そんな女とまで友達になろうとして……』
結衣『大丈夫だよ、私が、手伝ってあげるから』
結衣『当然だよね、私は、京子の王子様なんだし……』
京子「ゆ、結衣、どうしちゃったの……?」
京子「え、ちょ、結衣?」
結衣『京子……きょうこぉ……』スリスリ
京子「ゆ、結衣、どうしたの、ほ、ほんとに様子おかしいよ!?」
京子「そ、それに、瞳が、瞳が赤い……?」
結衣『何も無いよ…ただ、ただ自分の本当の気持ちに気づいただけ……』
京子「本当の……気持ち?」
京子「ちょ、ゆい///」
結衣『京子を抱きしめて、髪に顔を埋めて、匂いを嗅いで……』
結衣『私の匂いを京子につけてあげたかったの……』
結衣『ずっと京子を守り続けて……独り占めしたかったの……』
結衣『そして、えっちな事をしてみたかったの……』
京子「ゆ、ゆい?」
結衣『……もうそんな必要は無いから』
結衣『だから、ね?京子、いいでしょ……』
結衣『まずは、ちゅーしよ?ね?』グイッ
京子「や、ちょっと、待ってよ!結衣!」
結衣『もう、力じゃ私に勝てないって、知ってるでしょ、京子……』ギュッ
京子「ん、や、やぁっ///」
??「やめろ!」
ドーン
京子「え、え、結衣が、もう1人……?」
結衣「京子、騙されないで、こいつは……」
『どうして、邪魔するの、私』
『昨日、願ったじゃない、京子と愛し合えますようにって、願ったじゃない』
『それが私の本音でしょう』
結衣「ち、違う!私は、こんな形を望んだわけじゃない!」
『私に隠し事は出来ないよ』
『私は確かに願っている……無理やりにであっても、京子と愛し合いたいと』
『だから、私は鏡の中から出てきてあげた……』
『貴女に代わって私が願いを叶えてあげる為に……』
『願いを叶える為の障害は、全て取り除く』
『全部全部全部取り除く』
『だから、京子、愛し合おう?ね?』
結衣「う、うん、昨日、試しに願いを唱えてみた……け、けど!」
結衣「……けど嘘だ、こんな事、望んでない……京子、信じて……」
京子「ゆ、ゆい……」
『京子、ねえ、早く、愛し合おうよ、きょうこぉ……』
結衣「こんな、こんなのは、私じゃない………」
結衣「お前は、私じゃない…!」
『あはははは、否定するんだ、自分の本性なのに』
『じゃあ、もういいや……私は、貴女じゃなくてもいい……』
『貴女とは違う私に、なってやる……』
京子「さ、さむっ!な、なに、もう1人の結衣の身体から冷気が……!」
ユイ「……我は影、真なる我」
ユイ「氷の王ユイ……」
ユイ「私は、私自身の望みを叶える……」
ユイ「さあ、京子、こっちに来て……」
ユイ「そんな結衣は放っておいて、私といい事、しよう?」
結衣「や、やめろ……やめろぉ!」
ユイ「邪魔しないで」
結衣「う、あ、な、なに、身体が、凍りつく……」
京子(何か、人間以上の能力を使ってる……!)
京子「や、やめて!結衣に酷いことしないで!」
ユイ「京子、ユイは私だよ……私の力があれば、ずっと京子を守ってあげられるから……」
ユイ「京子も、それを望んでるでしょ?守られたいって、思ってるでしょ?」
ユイ「京子は、何時も王子様を必要としてるもんね……」
ユイ「だから、ね?こっちに来て……」
京子「け、けど、結衣が……」
ユイ「大丈夫、私は、京子さえいてくれれば、誰も傷つけないから」
京子「ほ、本当?」
ユイ「うん」ニコ
結衣「きょ、京子、だめ、行かないで……」
京子「結衣……ごめんね……」
結衣「きょうこ……」
ユイ「ああ、京子、京子京子京子!」ギュッ
ユイ「やっと、やっと私のものに、私だけのものになってくれた……」
京子「ひゃっ、ゆ、ユイ、冷たいよ……」
ユイ「ごめんね、大丈夫、すぐに眠くなって、寒さを感じないようになるから……」ピキ
ユイ「私の腕の中で、ゆっくり眠ってよ……」ピキピキ
京子「ゆ、ゆい……」
京子「本当……だ、凄く、眠く……」ピキ
京子「というか、私の身体、凍って……」ピキピキピキ
京子「え……ゆ、ゆい、やめて……誰も傷つけないって……言ったじゃない……」
ユイ「傷つけないよ、ただ、永遠に眠ってもらうだけ……」
京子「そんな……そんなの……」
京子(どうしよう、私では、私ではユイを止められない……)
京子(どうしたら……)
京子(誰か、誰か助けて……)
≪京子≫
京子「……え?」
≪私を、呼んで≫
京子「だ、誰……?」
≪私は貴女、貴女は私……≫
≪私は何時でも、貴女を見守っているわ……≫
京子「私……もう1人の、私……」
京子「……そうか、思い出したよ」
ユイ「さあ、全部、凍らせちゃおう……」
京子「…ル……」
ユイ「綾乃も、千鶴も、千歳も、ちなつちゃんも……」
京子「……ソ…」
ユイ「……これだったら、京子も寂しくないよね……」
京子「………ナ」
ユイ「京子?」
京子「歳納さん!」
パリーン
アムリタッ
パキーン
ユイ「な、なに?氷が全部吹き飛んじゃった……!?」
結衣「あ、あれは……京子が、2人、いる……?」
京子「と、歳納さん……?」
歳納「京子……」
京子「ちょ、と、歳納さん!?」
ユイ「え」
歳納「ああ、もう、こんな、直接抱きつける日が来るなんて思ってもみなかった…!」
歳納「京子、好き、好きよ、大好き……」チュッ
京子「ひゃっ///」
歳納「もう、照れなくてもいいじゃない、私は貴女なんだから……」チュッ
京子「え、け、けど、あの、結衣達が見てるし///」
京子「ふ、ふぁっ///と、歳納さん、そ、そんな所に手を入れないでよ///」
結衣「きょ、京子……?」
ユイ「や、やめろ……」
歳納「ふふふ、京子の感じるところは、私、全部知ってるわよ……」サワッ
京子「あっあんっ///」
ユイ「やめろ!」
歳納「駄目よ、京子は私のなの……」チュッ
京子「と、としのうさん、キス、上手すぎだよぉ……」ポー
ユイ「く、くそっ!止めて!」
結衣「そ、そうだ……止めろ!」
結衣「京子は、京子は……!」
ユイ「私だけのものなんだ!他の誰にも……」
結衣「誰にも!」
ユイ結衣「「誰にも渡したくない!」」
結衣「……」
ユイ「……」
歳納「正直に言わないと、京子にもっとえっちな事するけど……」
結衣「……」ビクンッ
ユイ「……」ビクンッ
結衣「今まで隠してきたけど、嫌なんだ、京子が他の子とキスするのが……」
結衣「誰にも、誰にも渡したくないんだ……ずっと京子の王子様で、いたいんだ……」
結衣「けど、けど、もし告白して、フラれたら……」グスン
結衣「それが理由で、友達ですら居られなくなったらと思うと……」ヒック
結衣「もし、京子がもう二度と私の部屋に来なくなったらと思うと……恐くて……」ヒックヒック
結衣「全然、王子様じゃないもんね……」ヒック
京子「……嫌いになんてならないよ、結衣」
結衣「え……」
京子「王子様かどうかなんて、関係ない……」
京子「私は、私は王子様じゃなくて、結衣のことが好きだもん」
結衣「京子……」ゴシゴシ
京子「この≪好き≫が、結衣が期待してる≪好き≫なのか、私にもわかんないけど……」
京子「結衣とは、ずっと一緒にいたいと思ってるよ!」
結衣「きょうこ……」
結衣「う、うん……ありがとう、京子……」
結衣「そ、それに……」
ユイ「……」ビクッ
結衣「もう1人の私も、ごめんね……」
結衣「私が臆病だったから、否定しちゃって……ごめんね……」
結衣「貴女は、私なんだ……」
結衣「貴女の想いは、私の想いなんだ……」
ユイ「……うん」
俺はどっちでもいいけど
ユイ「……」
結衣「これからも、私の中に、居てほしい……」
ユイ「……ありがとう」サラサラ
ユイ「私を受け入れてくれて、ありがとう……」サラサラ
ユイ「頑張って……私……」サラサラサラサラ
結衣「うん……頑張るよ、私……」
結衣「消えてないよ……私の中に、ユイがいるのが感じられるから……」
京子「あ、それ、カード……」
結衣「うん、皇帝のカード……京子を守る、王子様になる為のカードだ……」
結衣「京子……私、私……」フラッ
京子「え、ゆ、結衣?」ガシッ
歳納「色々あったから、疲れて寝ちゃったみたいね……」
京子「そっか……」
京子「結衣……」ナデナデ
京子「私を想ってくれて、ありがとうね……」
結衣「……」zzz
歳納「手伝うわ」
京子「ありがとう、歳納さん」ニコ
歳納「これくらい、当然よ、私は、京子のために居る存在なんだから…」
歳納「寧ろ、もっと一杯頼ってくれた方が嬉しいわ」
京子「そっか……じゃあ、色々頼んじゃおうっかなあ?えっちな事とか……」
歳納「な///」
歳納「ち、違うのよ、京子、あれは、その、結衣を影と向き合わせるための口実って言うか……」
京子「あ……口実、なんだ……そうだよね、私になんて、えっちな事したくないよね……」
京子「胸だって、こんなに小さいし……」
歳納「そんな事無いわ!私は小さい方が好きよ!」
京子「もう、歳納さんって本当にえっちだよね……」ニヤニヤ
歳納「……!」
歳納「京子、からかわないでっ」プイッ
京子「もう、冗談冗談……」
京子「あれ、保険の先生居ないや……」
歳納「取りあえず、二人をベッドに寝かせておきましょう」
歳納「千鶴はショックで気を失ってるだけみたいだし、しばらくすれば眼を覚ますでしょう」
歳納「結衣は、新しい自分に慣れるまでちょっと動けないかもしれないけど……」
京子「そっか……」
京子「……早く、元気になってね、結衣」ナデナデ
歳納「…………」
京子「え、え、もう、戻っちゃうの?」
歳納「ええ、ペルソナである私が何時までも外に出てると、貴女の負担になるの」
京子「そ、そっか……」
京子「あ、あの、歳納さん?また、会えるよね……?」
歳納「……ええ、すぐまた、会えると思うわ」
京子「よ、良かった」ホッ
京子「ん?どうしたの、歳納さん」
歳納「気をつけて、多分、合わせ鏡のおまじないをしたのは、結衣だけじゃないと思う」
京子「……え?」
歳納「あのおまじないは、願い事を媒介に人間の心の影……シャドウを実体化させる力があるみたい……」
京子「シャドウ……ユイみたいな感じの、もう一人の自分って事?」
歳納「ええ、私みたいに、主人格に受け入れられたシャドウは、ペルソナになるけど……」
歳納「それ以外のシャドウは、願い事に準じて、勝手に動き出す」
歳納「とても、危険な存在だわ、だからもしシャドウと遭遇したら、すぐに私を呼ぶのよ?いいわね?」
京子「う、うん、判った」
歳納「それじゃ、戻るわね……」
京子「あ、待って、歳納さん!他にも合わせ鏡のおまじないした人って、いったい誰が……!」
「多分 三人 」
「ちな 」
「 」
「 あかりに 」
「 気をつけて 」
京子「消え、ちゃった……いや、私の中に、戻っちゃった……」
京子「ベッドはもう一つあまってるし、私もちょっと寝ようかな……」
京子「ちょっとだけ……ちょっと、だけ……」
京子「……」zzz
京子「むにゃ、としのーさん……」zzz
セーブしますか?
YES / NO
▲
よかったぜ
面白かった
楽しみに待ってるよ
第二部にも期待
続き→結衣「ペルソナ!」
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京子「相手の心が読める薬?」
京子「西垣ちゃ~ん、皆の宿題出しにきたよ~」
京子「お~い」
京子「……」
京子「西垣ちゃ~ん?」
京子「西垣センセーイー!」
京子「……いない」
京子「ん?」
理科準備室
京子「……」
京子「そういや入ったことないな……」
京子「ふむ……」
京子「」
京子「あ……開いてる」
京子「……」
京子「……うし!」
京子「ちょっとだけ覗いてくか!」
京子「うわ~いかにもアヤシイ物ばっか置いてるな~」
京子「ほうほう」ジロジロ
京子「おおう、棚にもヤバそうなの置いてあ……」
京子「ん?」
相手の心が読める薬
京子「なんだこれ?」ヒョイッ
使用方法は飲み薬と一緒
相手の心が読めるようになる効果がある
効果期間は一粒約8時間
京子「……」
京子「おもしろいもの見つけちゃったかも」
京子「ふふふ」
京子「一粒だけ~っと」
…………
ガララッ
京子「バッビューン歳納京子だよ!」
結衣「遅かったな~京子」(そういや宿題出しに行ってたっけ?)
京子「おおう……」
結衣「ん?どうかした?」(どうしたんだ京子の奴)
京子「いや~なんでも」
結衣「また変なこと企んでるんじゃないだろうな」(京子は今日もカワイイな)
京子「」ブブッ
結衣「おい、どうしたんだよ?」(京子大丈夫か?)
京子「い、いやなんでもないよ」
京子「さ、さて…ミ、ミラクるんでも読もうかなぁ!」ドサッ
京子「……」ゾワッ
結衣「まぁいいや」(そういや……)
結衣「……」(部室で二人っきりって久しぶりだな)
結衣「……」(な、なに意識してるんだよ私///)
京子(……)ゾワゾワ
京子(な、なんだこれぇー!!!)
京子(とりあえずわかった)
結衣「……」ペラ(このモデルの子かわいいな)
京子(この薬の効果はホントだったんだな)
京子(…………)
京子(それにしても)チラッ
結衣「ん、どうした京子?」(でもやっぱ京子の方がかわいいかな)
京子「べ、別に~///」
京子「……」
京子「あ、今日結衣ん家泊まり行っていい?」
結衣「また唐突だな…」(そういやラムレーズン無くなりかけてたっけ)
結衣「別にいいよ」(また泊まりに来たときのために買っとかなきゃな……)
京子「りょ~かい」
京子「ヘヘッ」ニヤニヤ
結衣「?」
あかり「掃除当番で遅れちゃったよぅ~」(ごめんね~みんな)
ちなつ「結衣せんぱ~い!」(……結衣先輩二人きりがよかった)
結衣「ん、いらっしゃい」(掃除当番だったのか)
京子「いや~二人はブレないな~」フフッ
あかり・ちなつ「?」
京子「まーな」
ちなつ「また変なこと企んでるんじゃないですか……?」(怪しい……)
京子「失礼な!~私は愛しのちなちゅには変なことしないよ~!」ガバッ
ちなつ「ちょ、離してください京子先輩!」(来たッ…結衣先輩に抱きつくチャンス!)
ちなつ「それが変なことなんですって~!」(結衣先輩カモ~ン!!カモ~ン!!!)
京子「イテッ」
結衣「ほんとにコイツは……」(……カワイイなぁ)
ちなつ「怖かったです~結衣センパ~イ」ギュッ(自然に自然に……フヘヘ)
結衣「ごめんねちなつちゃん、気にしなくていいから」ナデナデ
(ただやっぱちなつちゃんにちょっかい出しすぎなのはよくないな)
ちなつ「結衣先輩…」ウルウル(結衣先輩結衣先輩結衣先輩///////////////)
京子「oh……」
京子「……」ジー
あかり「なに?京子ちゃん」(なんだろ?)
京子「あかりはつまらないな~」
あかり「ええ!?」ガーン(そ、そんな~)
京子「いや~ごめんごめん冗談だって」
あかり「もう!」プンスカ(もう!)
あかり「いくら京子ちゃんでも怒るんだからね!」(いくら京子ちゃんでも怒るんだからね!)
京子(あかりはいい子だな……)シミジミ
綾乃「歳納京子ぉー!!!」(に今日も会いに来ちゃった///)
千歳「失礼します~」(綾乃ちゃん…がんばってや!)
京子「あ、綾乃?」
綾乃「あなたまたプリント出してないでしょ!!!」(プ、プリントを取りにきただけよ///ええ、そ、そうだわ私はそのために来たんだから!!プリントプリントプリントプリントあぁ~///!!!)
千歳「そんなこと言うて本当は歳納さんに会いたいだけちゃうん?」(綾乃ちゃんも素直になればええのに)
京子「……」ジー
綾乃「な、なによ!」(な///なに見てるのよ///とととと、歳納京子がみみてててててる///ああえっとえっとわ、私今日は変じゃないわよね!!変じゃないわよね!!!!ななななんでそんなじっと見るのよ~!!!/////////)
京子「綾乃……は、はいコレ……」
綾乃「は、始めっからちゃんと出しなさいよ」(ななな、なんか引いてる!どどどどうしよう……わ、わたし何かへ、変だったかしら変だったかしら!!ねぇ私ってどこかおかしいの!!)
結衣「ブブッ!」(堪えろ堪えろ私!!ば、罰金バッキンガム……ブブッ!wwwwwwwwwwwww)
京子「……あ、え~と」
京子「綾乃……いつもありがとね」ニコ
綾乃「と///当然のことをしたまでよ!!」ガラッ(ふふふふふふふ//////と、歳納京子にお礼いわれちゃった!ふふふふ///……は!……ち、違うわようれしくもなんともないわよ、うれしくもなんとも……ふふふふふふ///って……ああぁぁー!!!!もう違うわよ!!!!)
千歳「ほな、さいなら~」(やったな!綾乃ちゃん!グッ)
京子「……」
京子(綾乃ほんとにツンデレだったのか……)
京子(嫌われてなかったんだ……よかった)
京子「ただいま~♪」ガチャッ
結衣「いやお前の家じゃないからな」(まったく京子は……)
京子「いいや~結衣の家であり私の家でもあるから無問題!」フンス
結衣「何言ってんだよお前……」(相変わらずだな)
京子「わ~い」ダダダッ
結衣「てか勝手に上がるなよ」(まぁ誰もいないからいいけど)
結衣「……」(誰も……)
京子「……」
結衣「……?、何?」(?)
京子「ただいま、は?」
結衣「へ?」(へ?)
京子「た・だ・い・ま!」
結衣「……」(京子……)
京子「……」
京子「おかえり!」ニコ
京子「さ~て部屋でも物色するか~!」ピューン
結衣「おいコラ」
結衣「……」
結衣「まったく」
結衣「……ただいまって言ったの久しぶりだな」フフッ
結衣「ん?」(そういや私も今日進めようと……)
京子「……」キラキラ
結衣「はぁ……いいよ」(やめとくか…)
京子「よっしゃ!」
京子「……」ピコピコ
結衣「……」ジ~(回復アイテム買いすぎだろだろ…)
京子「……」ピコピコ
結衣「……」(次の町すぐだからここで武器買わなくても……)
京子「……」ピコピコ
結衣「……」(違う、道間違えてるってそこじゃなくて右……)
京子「…………」
結衣「…………」(そのスキルはいらないとおもうなぁ、もっといいスキルがすぐ出でくるのに……てかスキル振り方間違ってるぞ……)
京子「…………」
結衣「…………」
(火耐性もっと上げないと、ここの敵炎属性が多いんだから、防具も耐性無視で装備してるし、そもそもレベルが……クドクド)
京子「……………………」
結衣「……………………」
(もうボス行くのか?…もっとレベル上げてからが……クドクド、いやそれより宝箱取り逃してるし……クドクドクドクド、あ~まだ回復早いよもう少し……クドクドクドクドクドクド)
結衣「………………」
(ほらやられた~そもそも京子はスキルの振り方がヘタなんだよ、バラバラに振っちゃ技習得できないじゃん……クドクドクドクド……装備もレベルも足りてないし……クドクドクドククドクドクド)
京子「うるさいな!お前がやれ~!!」イライラ
結衣「い、いきなり何だよ!?」ビクッ
結衣「ん?もうこんな時間か」ピコピコ(すこし夢中になりすぎたな……)
京子「……」グ~
結衣「……」(さて、夕飯作らないと)
京子「飯にしようぜ!」
結衣「わかった」(さて何を作るか……)
京子「オムライス」結衣(まぁオムライスだろう)
結衣「わかった」(やっぱりな)
京子「おおう……」
結衣「?」
京子「……」ピコピコ
結衣「……」(---♪---♪)
京子「ん?」ジー
結衣「……」(お喋りぺちゃくちゃ止まらない♪何年経ってもあの子がいい♪)
京子「」
結衣「……」(ごゆるりと~にゃにゃにゃにゃー♪ごゆるりと~にゃにゃにゃにゃー♪)
結衣「っと」
京子「」
結衣「できた」(今日もうまくできた)
結衣「京子ー運ぶの手伝ってー」(さてと)
京子「」
京子「」
結衣「おい京子!」(なにやってんだ?)
京子「へ?あ、わ、わかった」
京子「……」ソソクサ
京子(なんか違う一面を見てしまった気が……)
結衣「ん、おそまつさま」
結衣「洗い物するから先に風呂入って」
京子「わかった」
結衣「よっと」ガチャ
結衣「……」ガチャガチャ(ドキドキどきまきときめくの♪ブラウスの中身を見せてよ♪)
京子(またかー!!!)
結衣「……」ピコピコ(あと2レベルはほしいか)
京子「……」
結衣「……」ピコピコ(でも経験地マズくなってきたなぁ…いやでも新しい狩場に行け……)
京子「ふあぁ」
結衣「……」(寝よう)
結衣「もう寝る?」(もうこんな時間か……)
結衣「そっち私の布団な」(まぁどっちでもいいけど)
京子「細かい!」
結衣「じゃあ電気消すぞ」(レベル上げは早く寝て明日朝やればいいか)
京子「了解!おやすみっす!」ビシッ
結衣「うん、おやすみ」カチ(おやすみ京子)
京子「……」
結衣「もう寝たのか……」(……)
京子「……」
結衣「……」(……)
結衣「……」(京子が家にとまるのもこれでもう何回目だろう……)
京子「……」ピク
結衣「……」(勢いで一人暮らし始めたけど、すぐホームシックになったっけな……)
京子「……」
結衣「……」(でも京子が泊まりにくるようになって、これはこれでいいかもって思ったりして……)
結衣「……」チラッ
京子「……」スースー(……)
結衣「……」ナデナデ
結衣「……」(……)
結衣「……」(……私がお前に気があるなんて知ったらコイツはどう思うんだろ……)
結衣「……」(……)
結衣「……」(気持ち悪がるんだろうな……女同士だし)
京子「……」(……)
結衣「……」(私の家に泊まりにくるのも信頼できる友達だから……)
結衣「……」グス(……)
結衣「……」ポロポロ(嫌だなぁ……)
京子「……」(……結衣)
結衣「……」(私は京子に━っての大切な『友達』で居て━らな━と)
結衣「……」(私の人慮がりで京子を傷つ━るこ━なんてできな━━ら……)
結衣「……」チラ(……)
結衣「……」(……)
結衣「……」(……で━)
結衣「……」(今だ━はもっと近く━━させて━れ)
結衣「京子…」ギュッ
京子「……」
結衣「……」(大す━━……)
京子「……」(私は……)
結衣「……ん」
結衣「もう朝か……」チラッ
8:00
結衣「」サアー
結衣「きょ、京子……おい!起きろって!!」ユサユサ
京子「ん……あと十分~…」
結衣「起きろおおおぉぉぉぉ!!!」バサッ
京子「結衣早いって~」ハァハァ
結衣「お前が全然……起きないからだろ!!」
京子「朝は弱い……んだって~」ハァハァ
結衣「知る……か!」ゼェゼェ
京子「……」ピクッ
京子「……」ダッ
結衣「お、おい京子……?」
京子「うおおおぉぉぉぉぉ!!!!」ピューン
結衣「……」
結衣「おい!待てって!」
京子「……」
結衣「おい……」ハァハァ
結衣「京子……急にどうしたんだよ」ゼエゼエ
結衣「早く教室に行かないと……」
京子「……」
結衣「…なんだよ」
京子「……」
京子「……」スゥー
京子『私と付き合ってくれー!!!』
結衣「……」
結衣「…………は?」
結衣「え、えっと……」
結衣「え?え?……」
京子「だ~か~ら~告白したんだって!」
結衣「告白って?……私に?」
京子「そう」
結衣「……ぇ」
結衣「で、でも女同士だぞ」
京子「関係ない」
結衣「お……お前はそれでいいのか」
京子「むしろ結衣以外ありえないって♪」
結衣「……」
京子「……」
京子「ヘヘヘ」ニカッ
結衣「……」グス
京子「え?」
結衣「グス……エグッ……」ポロポロ
京子「あれ?、え?……そんなに嫌だった!?」オロオロ
結衣「ち……ちげーよ……バカ」ポロポロ
京子「結衣……」
結衣「……」
結衣「…」
結衣「私も……」
結衣「私も京子のことが大好きだ!」
京子「うん!」
京子「ずっと」
京子「これからも」
京子「ずーっと一緒にいような!!」
結衣「……」ゴシゴシ
結衣「……ああ!当たり前だバカ!」グス
京子・結衣「……」
京子・結衣「あ……」
京子・結衣「……」チラ
京子・結衣「…………」
結衣「急ぐぞ京子!」ダッ
京子「うわ~!!また綾乃に怒鳴られる~!」ビュ~ン
西垣「……」ガサガサ
りせ「……」ゴソゴソ
西垣「ふぅ~」
西垣「いや~ほんとゴミが増えたな」
りせ「……」
りせ「……っ……」
西垣「し、しかたないだろ、ただでさえゴミの分別は面倒なんだから」
西垣「それになかなか物が捨てられなくてな」
りせ「……」
西垣「わかったわかった必要無い物は捨てるって」
西垣「ん?……このビンは」ヒョイ
『相手の心が読める薬』
西垣「……また懐かしい物を、アイツに会ったばっかの頃はコレに世話になったっけな」
西垣「……」
西垣「もうこれは必要ないな」ポイバサ
西垣「え、だからちゃんと分別しろって?」
りせ「…………」
西垣「わ、わかった、わかったからからそんなに怒らないでくれぇ!!~……」
おわり
面白かった
料理しながら心の中で歌う結衣がカワイイ
あの薬は西垣ちゃんがりせ会長のことを理解するために作ったのか
なんか納得した
Entry ⇒ 2012.01.09 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
向日葵「よく覚えてましたわね」
「……」
生徒会活動中だというのに櫻子はぼうとしている
「櫻子?」
「えっ、なに?」
「生徒会中ぐらい集中しなさいよ」
「ご、ごめん……で、なに?」
「もういいですわよ」
自分で取ってしまった
「生徒会は生徒の代表ですのよ、自覚を持ちなさいよ」
「あー、うん」
「はぁ……少しはヤル気を見せなさいよ」
「わかったってば、うるさいな向日葵は」
櫻子が生徒会にいる理由は私が入ったから
なるほど、それでは櫻子のこの態度も頷ける
「櫻子は生徒会活動に意義を持っていませんのね」
「事実を羅列したに過ぎませんわ」
「私だって色々考えてるんだもん!」
櫻子の色々はいつだっていい加減でどうしようもない事で
「どうせ口だけでしょう?」
「ちがっ……違うもん!」
櫻子の違うはいつだっていい加減でどうしようもない事で
「はぁ……わかったから仕事してくださいな」
「む……」
「ふう……二人分の業務はくたびれますわね」
「私のぶんまでよく働いてくれたな、ごくろう向日葵」
櫻子は何様のつもりなのだろう
「はぁ……もうなれましたわ」
「どうしたの、帰ろうよ?」
櫻子はいつも私を悩ませる
櫻子も同様に謙虚であれば私がどれだけ気楽でいられるだろう
「寒いね」
「冬ですもの」
「なんだか懐かしいなーこの感じ」
白い息が口元から漏れる
私の息と櫻子の息が空気中で混ざり合う
「早く帰って温まりたい、そうだ向日葵ん家でコタツに入っていい?」
「駄目と言っても入るつもりでしょう?」
「えへへ」
「おかえりなさいなの、櫻子お姉ちゃん」
どうして櫻子がただいまをして、楓がおかえりなさいをしているのか
今更、疑問に感じることもなくなってしまった
「お姉ちゃんもおかえりなさい」
「ただいま、楓」
「お外寒かったよね、もうすぐ帰ってくると思って紅茶用意してたの」
楓は本当によくできた妹、撫子さんが可哀想になってくるほどですわ
「ありがとう楓」
「櫻子お姉ちゃんにはホットミルクなの」
「……」
「温まったらさっさと家に帰りなさいよ」
「なんで? ご飯も食べていきたいんだけど」
櫻子も少しは遠慮というものを知ってほしい
「自分の家で食べなさいよ」
「いつものことじゃん、そんなに気にすんなって」
何だかんだと櫻子は私のご飯を食べる、懲りずに作り続ける私も私だ
「今日のご飯は何にするの?」
「そうですわね、冷蔵庫の中を見て有り体のものになりそうですわ」
「そっか、まあ向日葵のご飯は何でも美味しいし、それでいいよ」
たまに来る不意打ちに狼狽えるわけにもいかず、私は冷静を装い憎まれ口を叩く
「櫻子はただ座っているだけでいいから、本当に楽でいいですわね」
当然櫻子に皮肉が通じるわけもなく
「向日葵は私のために働き給えよ」
まったく、しょうがない櫻子
こたつにもたれかかりながら私に聞く
「これから晩御飯だって言うのに蜜柑ですの?」
「蜜柑はいつ食べたって美味しいし」
櫻子が食べていくと聞いて気合いを入れて作るつもりだったのに……
「蜜柑を食べるなら少なめに作りますわよ」
「なんで? 蜜柑も食べるし、向日葵のご飯もいっぱい食べるよ?」
確かに櫻子は私の作ったご飯を残したことは一度もない
「わかりましたわよ、好きなだけ食べればいいですわ」
櫻子の前に蜜柑の入った箱をそっと置く
「これこれ、こたつにはやっぱりこれだよね」
「お姉ちゃん、炊飯器セットできたの」
「ありがとう楓、そろそろ晩御飯を作り始めますわね」
楓は家事も出来て、櫻子とは大違いで自慢の妹ですわ
「楓もお手伝いするの」
「ありがとう楓、一緒に作りましょうね」
「頼んだぞ、二人とも」
まったく、しょうがない櫻子
「そう、まあ褒められるのは悪く無いですわね」
蜜柑を貪っていたとは思えないほど綺麗に食べ尽くしてくれた
「お皿を舐めるのはどうかと思いますけど……」
マナー以前の問題だと思う
「残すのもったいないじゃん、ねえ楓」
「お姉ちゃんのご飯は美味しいけどそれはどうかと思うの」
「楓、もっと言ってもいいんですのよ?」
「ううん大丈夫、いくら櫻子お姉ちゃんでもわかってくれると思うの」
悪意のない辛辣な楓の言葉に流石の櫻子も沈黙を強いられた
食後にのんびりとしていた櫻子が突然すくっと立ち上がった
「私帰るね」
「もう帰りますの?」
いつもの調子ならここから一時間はゴロゴロしているはずだった
「さっさと帰れって言ってたのは向日葵でしょ?」
「確かにそうですけど……」
「それに私することあるしね」
にわかには信じがたいが櫻子にも用事があるようで
私に引き止めることは出来ず、その必要も……ない
「また明日ですわね櫻子」
「どうしましたの? 櫻子にしては珍しい」
いつも元気な櫻子が寝ぼけ眼で私を迎えに来た
「んー、ちょっとあかりちゃんとねー」
赤座さんと?
「ふあ~……」
「そう……」
赤座さんと櫻子、二人は確かに仲がいい
「ちなつちゃんおはよー」
「おはようございます吉川さん」
吉川さんはいつも愛嬌があって、羨ましいですわ
「櫻子ちゃん眠そうね」
「まーねー」
櫻子にも少しぐらい吉川さんを見習って欲しい
「櫻子ちゃん、今日放課後大丈夫?」
「もちろんオッケー」
「今日はちょっと用事があるから行けないよ」
昨日はぼんやりしていて、今日は来る来ない時点の話だ
「また怠けますの?」
「怠けるって……いいんだもん、副会長に許可貰ってるんだもん」
「え、そうなんですの?」
櫻子が私に内緒で話を進めている
「そんなことって……」
「遅くなりそうだから、先帰ってていいよ」
「え?」
「どうしたの古谷さん、溜め息なんかついて」
「あ……私、溜め息ついてました?」
「そりゃあもう盛大についてたで」
指摘され、顔が赤くなっているのを自覚してしまいますわ
「わかる、わかるで! 大室さんがいなくて寂しいんやね!」
「な、そそそんなことあるわけないですのよ」
池田先輩ったら、櫻子がいないくらいで私が寂しくなるわけないですわ
本当に
「そうやで、その時ちょうど綾乃ちゃんと一緒にいたんや」
「まぁ、そうでしたの」
池田先輩と杉浦先輩は一緒にいることが多い、私と櫻子のように
「歳納さんの事で綾乃ちゃんに相談受け取ったんやで」
「ちょっ、千歳!?」
杉浦先輩は乙女ですわね、私だって杉浦先輩みたいになれたらいいですのに
「って何考えてますの私!?」
「ん? どうかしたん、古谷さん?」
「そうやね」
「……」
昨日、櫻子に注意しておいて今日は私がこのザマだ
「すみません、ろくに仕事もしないで……」
「気にせんでええよ、たまにはこういう日もあるで」
「そうよ、あまり気落ちすることもないわ」
ありがとうございます
「……」
どうにも腑に落ちず、つい櫻子を待ってしまう
「校門前で待てば来ますわよね」
桜の木はか細い枝に小さな蕾を付け、今か今かと春を待ちわびている
「私はいったい何をしているのかしら……」
櫻子がいつここを通るのか、そもそももう通りすぎてしまっているかもしれないのに
帰ってしまおうかと、桜の木の下で右へ左へ
「こんなの私らしくないですわね……」
帰ろう、たまにはこんな日があってもいい、そう思い込もう
「櫻子ちゃん、忘れ物ない?」
櫻子の名前を聞いて、なぜか隠れてしまった
「赤座……さん?」
「大丈夫だよ、あかりちゃんはほんといい子だよね」
「えへへぇ、ありがとう櫻子ちゃん」
櫻子は今日、赤座さんと一緒に?
「……」
なに……この気持ち、胸がざわつく
「へくっ……寒いからですわね」
「向日葵、まだ寝てるの?」
「んん……あまり寝られなかったから……」
「快眠快食の向日葵らしくないな」
私がそう呼ばれたことなんて一度もないしそれは櫻子のことに違いない
そんなツッコミも出ないほどほとほと疲れはてていた
「気にしすぎ、ですわね……」
「私が向日葵の心配するのってそんなに変?」
「あなたに言ったんじゃないですわ」
「?」
「昨日いなかったぶんしっかり働いて貰いますわよ」
「わかったわかった」
私をあしらうように手を振る櫻子に苛立ってしまう
「あなたねえ!」
「まあまあ古谷さんも怒らんとき、いつもとおんなじやん?」
池田先輩にそう言われては顔を潰すわけにもいかないですわね
「……櫻子、仕事しますわよ」
突然メガネを外して鼻血を流し出す池田先輩、いったい何に反応したのかしら
「予算、櫻子に任せて大丈夫ですの?」
櫻子にお金の管理をさせるなんて不安で仕方がない
「あ、私が頼んだのよ」
「杉浦先輩が? まあ、それならいいですけど」
それでもとても任せてはいられない
「櫻―――」
「ごらく部の部費どうなってんの? ちょっと話聞いてくるね!」
「あ、ちょっと櫻子!」
私の話も聞かずに櫻子はごらく部へ走っていった
「古谷さん、これお願いできるかしら」
「あ、えと……はい」
これは……そういうことなのだろうか
「櫻子……」
ごらく部は部と名乗ってはいても顧問もいないので正式な部活動ではない
もとより部費なんて出ていない
櫻子は、赤座さんに会いに行ったのだ
「櫻子……」
「櫻子、あなたいったい何していたんですの!」
赤座さんに会いに行ったの? などと聞けるはずもなく
「いやぁ、部費の話で盛り上がっちゃってさ」
下手な嘘
それでも私は櫻子に再度問いただすことが出来なかった
櫻子の口から答えを聞くのが怖かったから
「どうしたの向日葵、元気ないみたいだけど?」
「なんでもないですわよ」
「……そう?」
櫻子が私の顔を覗く、珍しく心配そうな顔をして
「ま、元気だしなって!」
背中を叩かれる、櫻子なりの活の入れ方だ
空元気を無理やり浮き上がらせる
「痛いですわよ! もうっ、さっさと帰りますわよ!」
「大室さんちょっといい?」
「あ、船見先輩いま行きます」
船見先輩が櫻子を呼び出すだなんて珍しいですわね
櫻子は本当にごらく部に入り浸っているらしい
「……」
少し離れたところから二人の話し声が聞こえる
聞きたい、でも聞きたくない
耳をふさぐ? そんなの不自然だし私らしくない
自分をなくしてしまったみたい
「それはよかった、じゃあ放課後また部室でね」
部室、今日もまたごらく部に行くつもりなのだろうか
「櫻子、生徒会は……」
「今日も休むからね、よろしく」
「よろしくって……」
「例によって許可は取ってるから」
サボってばかりなのにいつの間にそんな根回しまで
もう、我慢ならなかった
「ん、なに?」
「そんなに赤座さんと一緒にいたいなら、生徒会なんて止めてしまえばいいんですわ!」
「櫻子なんてごらく部でもどこでも好きな場所に行ってしまいなさいよ!」
「はぁ!?」
「いきなりなに言い出してんの!? わけがわからないんだけど!」
「わけわからないのは私の方ですわよ!」
「え……向日葵、泣いて……」
「ううっ……」
櫻子に背を向け、教室を飛び出した
逃げるように走っていると図書室から出てきた歳納先輩にぶつかってしまいましたわ
「きゃっ!」
「ととっ、おっぱいちゃん大丈夫?」
「ご、ごめんなさい歳納先輩、私前も見ずに」
「いやいや、私だって華麗に避けるべきだったよ」
その場でクルクルと回転し目を回すモーションをする歳納先輩につい笑をこぼしてしまいましたわ
「よかった笑ってくれて、おっぱいちゃんに泣いてる顔は似合わないしね」
「お、お恥ずかしい所をお見せしましたわ」
「ごらく部のみんなも、生徒会のみんなも、ね」
「歳納先輩……」
歳納先輩はみんなのことを本当によく考えてくれていますわ、櫻子とは大違い
「昨日だってちっぱいちゃんが部室に来てさ」
「あ……」
櫻子の話にほんの一瞬、顔がこわばってしまう
「おっぱいちゃん?」
それでも歳納先輩は私の変化に敏感に気づいてしまいましたわ
「ご、ごめんなさい私……ッ」
そして私はまた逃げ出した
「ねえ向日葵」
「……ッ」
「向日葵は生徒会行くよね」
私は行かないけどね、そう言いたいのだろうか
「もちろんですわよ……」
「ん、そかそか」
櫻子が何を言いたいのか私には本当にわからなくなってしまった
「はい……」
「ちょっと仕事頼まれてほしいねんけど」
「わかりました」
…………
「古谷さん大丈夫かしら……」
「心配やね、でももう少しの辛抱やで」
「そうね、私たちも早く準備しましょう」
一人で考えるには丁度良くて正直助かった
「櫻子……」
仕事の間も櫻子のことばかり考えてしまう
「仕事しましょ」
図書室で調べ物、そういえば歳納先輩は図書室から出てきましたわね
何を調べていたのかしら
櫻子に似ていると思っても、やっぱり大違い
「あー、向日葵ちゃんいたいたぁ」
「あ……赤座さん、どう……しましたの?」
「大変なんだよぉ、こっち来て!」
「な、なんですの?」
「櫻子ちゃんが大変なんだよぉ!」
「櫻子になにがありましたの!?」
櫻子が私のいない所で何かに巻き込まれた……心配だ
「こっちだよ!」
「開けるよぉ!」
赤座さんが生徒会室を力一杯開きましたわ
「「おめでとー!」」
「え? え?」
生徒会室はきらびやかに装飾され、奥には下手くそな字でおめでとうと書かれた幕が掛かっていた
「誕生日おめでとう、向日葵ちゃん」
「秘密で準備するの大変だったんだから」
「これプレゼント、ちっぱいちゃん監修のもとに描いたんだ」
「もう注文多くて多くて、それに資料も必要で大変だったよ」
歳納先輩から渡されたものは綺麗な向日葵と満開の桜の木が描かれた絵でしたわ
「まあ、不思議な光景ですわね……綺麗」
「でも、今日は私の誕生日じゃないですわよ?」
「「え?」」
「う、うん……櫻子ちゃんが今日は大切な日だって」
櫻子が私の誕生日を間違えた?
そんなことって……
「櫻子はどこにいるんですの」
「準備するから、後で来るって言ってたわ」
廊下の方でドタドタと走る音が聞こえてくる、櫻子に違いない
「向日葵ー!」
「櫻子! これはなんですの!」
「うわぁ! 何で怒ってんの向日葵!?」
「誕生日ってどういう事ですの!」
「誕生日って、誰の?」
「どういう事?」
「それはこっちのセリフですわ」
「今日って向日葵ちゃんの誕生日じゃなかったの?」
「誰がそんな事言ったの?」
「櫻子ちゃんだよぉ! 大切な日だって言ってたでしょ?」
「そうだよ?」
「でも、誕生日じゃないんでしょ?」
「大切な日、今日はね」
「うん!」
「ブフッ」
「千歳ぇ!?」
「ウチは大丈夫や、二人の邪魔にはならへんで! 続けて!」
「よく覚えてましたわね」
「忘れるわけ無いでしょ?」
「櫻子……」
「下僕が出来た記念だしね!」
「櫻子!」
「冗談だよ」
「ごめんね、寂しい思いさせたね」
「櫻子が私の元から離れていくんじゃないかって、怖くて、怖くて」
「驚かせようと思ったんだけど、逆に悲しませちゃったね」
「ううん、いいんですのよ、私とっても嬉しいですわ」
「向日葵、これあげる」
「なんですの?」
「手出して」
「あ……指輪」
「婚約指輪、手作りだけど」
「……嬉しい」
「これからもよろしくね向日葵」
「不束者ですがよろしくお願いしますわ、櫻子」
おしまい
/ ⌒ ⌒ ::: \
| (●), 、(●)、 | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, | < すばらしい
| ト‐=‐ァ' .::::| \_____
\ `ニニ´ .:::/
/`ー‐--‐‐―´´\
いいさくひまだった
Entry ⇒ 2012.01.09 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
京子「あかりのお団子が巨大化してる」
結衣「あかり、髪伸びたんじゃないか?」
あかり「えぇーそうかなぁーいつもと変わらないよぉー」
結衣「伸びたって」
京子「私が切ってやるよー!!」チャキーン
あかり「えぇー?それって図工用のハサミだよねぇ!?」
京子「パンチにする?アフロにする?それともペガサス昇天盛りMIX?」
あかり「どれも嫌だよぉ!しかもそれ全部ハサミで出来る髪型じゃないよねぇ!!」
ちなつ「あかりちゃんのお団子…昨日より大きくなってる」
あかり「本当かなぁ、あかりのお団子さん、いつもと同じだよぉ」
ちなつ「ええー?中にお菓子とか隠してるんじゃないの?」
あかり「そんなことしないよぉ」
京子「エサのあげすぎで育ったんじゃないのかー?」
結衣「生き物じゃないんだから…なあ、あかり」
あかり「お団子さんのごはんはいつもと同じだよぉ」
結衣「いや否定しろよ」
京子「頭と同じくらいのサイズになってる…」
結衣(おっ、おい京子)ヒソヒソ
結衣(あかりのお団子、さすがに変じゃないか…?)
ちなつ(わ、わたしもそう思います…!)
京子(結衣が魔法カード使ったからだろー)
結衣(アホか)
ちなつ(しかもあかりちゃん、今日は一言もしゃべらないんですよ…)
京子(え?)
あかり「…………」
結衣(確かに…ものすごい威圧感を感じる…!)
京子(えー…どうすればいいんだよー?)
結衣(京子、さりげなく聞き出すんだ!)
ちなつ(がんばってください京子先輩!)
京子(わ…わかった…)
京子「な、なあ、あかり?」
あかり「………」ゴゴゴゴゴゴ
京子「おーい…?」
あかり「フシュウウウウウ…フシュウウウウウ…」
京子(狩られる!!!!)ゾクゥ
あかり「シュウウウウウウ…プゥウウウウウ…」
京子(無理無理無理!!なんか人語を話してないもん!!)ヒソヒソ
結衣(あ…ああ…いつものあかりじゃないな…)
京子(ちなつちゃん、最近あかりに変わった様子とか無かった…?)
ちなつ(い、いえ…昨日まで普通のあかりちゃんでしたけど…)
結衣(そういえば…存在感の薄さをイジられるのが辛いってこの前言ってた…)
ちなつ(それが原因であんな状態に…?)
京子(存在感発揮しすぎだろーアレ!!)
あかり「ピェエエエエエエエエエエイイイ」
京子・結衣・ちなつ(!!!)ビクッ
ちなつ(私たちがヒソヒソ話ばかりしてるから構ってほしいんじゃ…)
結衣(……)チラ
あかり「ピョレポ…ピョレ…」
結衣(なんて言って構ってやればいいんだよ…)
ちなつ(人間の話題、通じなさそうです…)
京子「お、おーい…あ、あかり…?」
結衣(京子が行った!!)
ちなつ(すごい、頼りになります!!)
あかり「ピョエッポウ!!!!ピョエッポウ!!!!」バンバン
結衣(お、怒った!!)ヒィイイー
ちなつ(いや、これは喜んでるんじゃないですか…!?)
京子「きょ、今日のあかり…目立つぞぉー…へ…へへへ…」
ちなつ(そ、その調子です先輩!!がんばって!!)
あかり「ピョロロロゥ,フィアアアアポ」
ちなつ(な、なんか言ってますよ…)
結衣(京子、なんて言ってるかわかるか…?)
京子「無理無理無理ぜんぜんわかんない」ガクガク
結衣(そうだな)コク
ちなつ(わかりました)コク
結衣「おっ、あ…あかり目立つなぁー…」
ちなつ「そ、そうそう!!目立ってるよあかりちゃん…」
京子(どうだ……?)チラ
あかり「ポロロロロロロロロロロロロ」
京子(めっちゃ怪奇音垂れ流してるよー!?)イヤアアア
京子「ほ、ほんとほんと!!目立ってるよ!!」
あかり「………ペウ」チョイチョイ
結衣(こっちへ来いってジェスチャーしてる!!)ビクゥ
京子(いやいやいや怖すぎ!!!!)
あかり「ペウ!!!ペーウ!!!」
ちなつ「あ、あかりちゃーん、お茶入ったよー」
京子(ナイスちなつちゃん!!)
あかり「フゥゥウー」ジーッ
京子(じっとお茶見てる…)
結衣(飲むのか…?)
あかり「………」ブワッ ピュルピュル
ちなつ(お団子から何か出た!!!!!)
結衣(触手!!!!?)
京子(しょ、触手で湯呑み調べてる…絶対索敵してるよ…)ビクビク
あかり「…」ズズズズズ
結衣(触手を戻してお茶飲みだした…)
京子(お茶が安全と判断したのか…)
ちなつ(よかった…)
あかり「ショー」コトッ
結衣(お茶飲み終わったみたい)
ちなつ(じゃあ私おかわりを…)
京子(待ってちなつちゃん!!)
ちなつ(!?)
結衣(おい、罠って…)
ちなつ(どういうことですか?)
京子(あかりは、湯呑みを取りに近づいたちなつちゃんを捕獲する気かも…)
結衣(ええ!?)
ちなつ(まさか、あかりちゃんがそんなこと…)
京子(わかってるって、あくまで可能性だけど…)
あかり「ジョオオオオオオオオ ジョオオオオオオオ」ゴンゴン
京子(机に湯呑みを打ち付けてる…!!!)
ちなつ(絶対おかわり要求してますよね!!?)
あかり「ピョレポ」
結衣(おいおい、どうするんだよ京子!!)
京子(でもちなつちゃんを危険にさらすわけには…)
ちなつ(わたし、行きます!!)スック
京子(ちなつちゃん…)
ちなつ(大丈夫です!あかりちゃんが誰かに危害を加えるなんて、あるはずがないですから)スタスタ
ちなつ「あかりちゃん、今お茶入れるねー」
結衣(おねがい…ちなつちゃん無事で…)
あかり「ポー」
あかり「フショル」
結衣(おお、ミッション成功)
ちなつ「うふふ、たくさん飲んでね」
あかり「ピョエエエエ!!」ンバアッ シュルシュルッ
結衣(触手!!まさか!!)
ちなつ「いやあああああああ!!」
シュルシュル モフッ モフッ
京子「ツインテールが!!!」
結衣「ちなつちゃんのもふもふに触手が!!!」
あかり「フィイイイイイイ」モフモフ
ちなつ「いやああああああ!!」
京子「あれ…もしかして…」
結衣「ちなつちゃんの髪、撫でてるんじゃないか…?」
あかり「ペウ」モフモフ
結衣「あかりが大人しくなった…」
京子「さっすがちなつちゃん!」
あかり「ポー」モフモフモフ
ちなつ「もう、あかりちゃんってば…」
ちなつ「いいよ、このまま触ってても」
京子「いいぞちなつちゃん、このままあかりを懐柔しててくれ!」
あかり「ポロロロロロロロロロ」
京子「っていうか、あかりはお団子に乗っ取られてると思う」
あかり「ポロロロロロロロロ」
結衣「うん、それは間違いないな…そもそもあのお団子は何者なんだ?」
あかり「ポロロロロロロロロ」
京子・結衣(さっきからあかりが鳴き声発してるんだけど…)
結衣「おお!そうかも…ってか先生の薬が原因だったりして…」
京子「ちなつちゃん!」
ちなつ「はいっ!」
京子「私たち、西垣ちゃん呼んでくるから、その間あかりをたのむ!」
結衣「今頼れるのはちなつちゃんだけなんだ、よろしく」
ちなつ「任せてください!私たち、仲良しですから!ねーあかりちゃん」
あかり「ポロロロロロロロ」
結衣「うん、じゃあちなつちゃん、すぐ戻るから!」ダッ
ちなつ「はい!」
あかり「ポォォォォ…」プルプル
ちなつ「…!?」
あかり「ピョエポォォオオオオオオウ」
ベリッ ベリベリッ
ちなつ「いやあああああああああああっ!!」
結衣・京子「!?」
京子「どうした!ちなつちゃ…あっ!!」
結衣「ち、ちなつちゃ……服が破けて…」
あかり「フォオオオオオオウ」
あかり「フォウ!フォウ!」
ペロペロペロペロペロペロ
ちなつ「……っっ……はあっ…」
ペロッペロペロペロ
ちなつ「……………!!」ビクッビクッ
京子「これは…激しいかも…」ゴクリ
結衣「…」ゴクリ
ズゴゴゴゴゴゴゴ
京子「舌でストロークを…!?」
ちなつ「…………」ビクンビクン
あかり「ポー!!!!」
ドドドドドドド ドン!!
ちなつ「」シュウウウウウ
結衣「終わったみたい…」
あかり「ポロロロロロロ」ギロッ
京子「こっちへ来る!!!」
あかり「ポロロロロ…ロ…」ヨロヨロッ
結衣「!?」
あかり「………」ドサァ
京子「え?」
結衣「おい、あかり…」
京子「あっ、お団子が…元に戻ってる!!」
あかり「……スースー」
結衣「寝てるし…」
あかり「zzzzz…」
あかね「あかりを運んできてくれてありがとうね」
結衣「いえ…」
ちなつ「それより…あかりちゃんはどうして…?」
あかね「そうね…みんなには言わなきゃいけないわよね…」
京子「あかりが狂ったのと、お団子が巨大化したのには何か関係が…?」
あかね「ちょっと言いづらいことなんだけど…」
あかね「あかり、ここしばらくオナ禁してたみたいなのよ…」
あかね「お団子が大きくなったのは性欲が溜まってたせいかも…」
結衣(どんな体質だよ…)
京子(ってかあかり、オナニーしてたんだ…)
あかね「毎日5回が日課だったのに…この前からぱったり…」
ちなつ(多っ…!!)
結衣(ってかなんでこの人、あかりのオナニー回数知ってんだよ…)
結衣(えっでも触手は?)
京子(理性が飛ぶと触手って出るものなのか…!?)
ちなつ「あかりちゃん…いろいろ悩んでたんだね…」
あかね「ええ…私も早く異変に気付いておけば…姉失格だわ…」
京子(いや普通の姉は妹のオナニー回数とか気にしないから)
結衣「あのー今日はもう遅いし…私たちそろそろ…」
京子「そうだなー、じゃあ、あかりをお願いしますー」
ちなつ「はやく元気になってね、あかりちゃん」
あかね「みんな、ありがとねー」
バタン
あかね「ふう…」
あかね(私もムラムラしてきたわ…)
あかり「ごめんねぇーみんな、あかり昨日熱で倒れたんだってねぇ」
結衣「あ、ああ…びっくりしたぞ」
結衣(あかねさん、うまく言い訳したな)
京子(そりゃあオナニーの回数数えてました、とか言えないだろ)
ちなつ「みなさーん、お茶が入りましたよー」
あかり「ありがとぉーちなつちゃん」
ちなつ「はいっあかりちゃん、どうぞー」
あかり「わぁーい」ピトッ
ちなつ「あっ、あんっ」ビクン
京子・結衣「!?」
あかり「ごめんちなつちゃん、手ぶつかっちゃったね」
ちなつ「い、いいの…気にしないで…」ポッ
京子(女の顔だーーー!!)
結衣(ああ、間違いなくあかりのテクニックの虜になってしまったな…)
ちなつ「ね、ねえ…、あかりちゃん…?」
あかり「どうしたのぉー?」
京子(うわっ、ちなつちゃんすごくモジモジしてる)
結衣(かわいいな…)
ちなつ「今日…あかりちゃん家に泊めて…?」
結衣(ど直球だーー!)ガビーン
京子(この子攻めよる!!!)
ちなつ「あかりちゃん、また熱出さないか心配で…そばにいたいの…」
あかり「そうなんだぁ、ありがとー」
ちなつ「うふふっ」
結衣(これちなつちゃんの目的って…やっぱり…)
京子(間違いなくあかりを襲うことだろうな…)
結衣(ちなつちゃんが肉食獣に…)
京子(それより結衣、これは危険だぞ…!)
京子(そう、ちなつちゃんが『普通の』あかりとレズるのならぜんっぜん問題ない)
京子(むしろちょっと見てみたい)
結衣(おい)
京子(でも、今のちなつちゃんの目を見てみろ、あれは昨日の野獣あかりを狙ってるぞ)
結衣(えっ…)チラ
ちなつ「うふふふふ」ギンギン
結衣(ああ、欲望に捕らわれてしまった目だ…)
京子(ちなつちゃんがそばにいれば、あかりのオナニーは封じられる)
結衣(それで再び性欲を溜めさせてバーサク状態にしようってわけか…)
京子(その通り)
結衣(でも、あかりがバーサクになったとしても、ちなつちゃんが性欲のはけ口になるから別に私たちは…)
京子(甘い!!)
結衣(なっ)
京子(間違いなく妹のあかりにも変態の血は流れてる…)
京子(そんな性欲をちなつちゃん一人で受け止めきれるわけないだろ!!)
結衣(でも昨日は…)
京子(それが甘いっつってんだよ!!)
結衣(お前さっきから何者なんだよ)
京子(昨日はまだ若干、あかりに理性が残っていたんだ…)
京子(でも次はどうなるかわからない、今度こそ欲望に対して従順になってしまうかもしれない)
京子(ああ、あかり…人と獣の間で迷っている不憫な子…)
結衣(だからお前誰だよ)
ちなつ「わたしたちお先に失礼しますねー」
京子・結衣「!!」
あかり「晩御飯なにがいいー?」スタスタ
ちなつ「えーっとねー…」スタスタ
・・・・・・
結衣「行っちゃったぞ…どーすんだよ…」
京子「どーすっかなー」
結衣「そんな悠長なこと言ってられないぞ…もし次あかりが暴走したら…」
京子「ああ…」
京子・結衣「七森町が終わる」
あかり「ふぅー宿題終わったぁー」
ちなつ「疲れたねぇー」
あかり「あっ、あかりちょっとおトイレ行ってくるよぉー」
ちなつ(!!!!!)
ちなつ(トイレの個室でオナニーするつもりね!させないわよ!!)
ちなつ「待ってあかりちゃん、私も行く!!」
ちなつ(あかりちゃんの性欲、全部私のものなんだから!!)
あかり「いいよぉー、じゃあ一緒におトイレしよぉー」
・・・・・・・・・・・・
京子「解説の船見結衣さん」
結衣「はい」
京子「これはまずいですね」
結衣「ええ」
京子「さて、私たちはあかねさんの部屋であかりたちの監視をしているわけですけれども」
結衣「ええ、この設備すごいですよね」
京子「ところで、あの2人一緒にトイレに行ってしまいましたね」
結衣「まずいですよ、ちなつちゃんの誘いも変態的ですけど、それを受け入れるあかりも十分に変態です」
京子「はい、これ間違いなくあかりの変態の素質が目覚めつつありますよ」
結衣「あっ帰ってきました」
京子「女どうしで連れションとか、いったい二人ともどんな体勢で放尿したんですかね」
結衣「まあ、あまり想像してもグッと来るものではありませんし…」
京子「そうですね、失礼いたしました、では実況を続けていきましょう」
ちなつ「あっそっか、あかりちゃん寝るの早いんだもんね」
あかり「うん、ごめんね、眠くなかったら起きててもいいんだよ?」
ちなつ「ううん、いいの、でもその代わり…一緒の布団で寝よっ…?」
ちなつ(布団のなかでこっそりオナニーするつもりだったんだろうけど、無駄よ!!)
・・・・・・・・・・・・・・・
結衣「ちなつちゃん、徹底的に妨害するつもりですね」
京子「あー、あかりの両手をホールドして行為に及べないようにしていますよ」
結衣「これはあかり辛いでしょうね」
京子「あかり、夢精ならぬ夢潮とかで性欲発散したりしませんかね」
結衣「ないと思います」
京子「そうですか」
ちなつ「……スースー」zzzzz
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
京子「二人ともぐっすり寝てしまいましたね」
結衣「そうですね」
京子「あかりのお団子の大きさも問題ないですし」
結衣「今日のところは大丈夫そうですね」
ガチャ
あかね「どうかしら、あかりの様子は…」
結衣「今日は心配なさそうです」
あかね「そう…残念…」ボソッ
京子「えっ?」
あかね「いえいえなんでもないのよー」
あかね(あかりが暴走してくれたほうが面白いのに…)
結衣「こんな設備使わせていただいてありがとうございます」
あかね「いいのよーあかりのお友達だもの」
結衣「それで明日も使わせていただけると助かるんですけど…」
あかね「ええ、いつでもいらっしゃい」
結衣「ありがとうございます、ではまた」
あかね「二人とも気を付けて……あら?」
ポロロロロロロロロ…
京子・結衣「!!」
あかね「これは…あかりの発情した声ね…」
結衣(そうだったんだ…)
京子(なんでわかるんだよ…)
結衣「ちょ、ちょっとモニター見せてください」
結衣「!!!!京子!!」
京子「あっ、寝てるちなつちゃんの手があかりのデリケートゾーンに!!」
あかね「これはたまらないわね…」
結衣「お団子はちきれそう…」
京子「のんびりしてる場合じゃない、いくぞ結衣!」
結衣「あ、ああ!」
あかね(あらあら、あかりったら…うふふ)
京子「あかりーー!!」
あかり「ポー」ユラァ
結衣「うわっ出た、バーサク状態のあかり…」
京子「ひるむな結衣!私たちには最終兵器がある!」
結衣「そ、そうだったな…!お、おいあかり!!これを見ろ―!!」
ブィイイイイイイイ
結衣「バ、バイブだぞ!!これで…オ、オナニーしろぉー!!!」
ポイッ ゴトッ
あかり「ピョエッピョエッ」
京子「いいぞ、興味を示した!!」
あかり「ポロロロロロロ」ヒョイッ
京子「おお、拾ったぞ!!さあ、使え!乱れろ!濡らせ!垂れ流せぇー!!」
結衣「なんて下品なんだ…」
あかり「ポォー!!!」ズボッ
京子「おおおお!!…って、え?」
結衣「鼻の穴に入れた!?」
京子「バカな!あれは超極太なのに!!」
あかり「ピョレーピョレー」
結衣「こんなオモチャ、鼻に入れて遊ぶくらいが丁度いいってことか……!!」クッ
結衣「もう、無理だって…」
京子「結衣………」フルフル
京子「やだよっ…こんな…やだっ…」
京子「あかりぃーーー!!!!」
あかり「ポー」
京子「なんだよぉー!!どうして何も言ってくれなかったんだよぉー!!」
京子「勝手にオナ禁なんて……相談くらいしてくれたって……」
結衣(いや普通そんな相談しないだろ)
京子「あかり…私たち…友達…ヒック…友達じゃん…ヒック…」ポロポロ
あかり「………」
京子「あかり……ウッウッ」
京子・結衣「!?」
京子「今の声は…?」
結衣「もしかして、あかりのお団子か!?」
お団子「ああ…」
京子「えっ…君しゃべれるの?」
お団子「隠していてすまなかった…」
結衣「じゃあ初めから話せよ…なんで怪言語使ってたんだよ…」
お団子「それで宿主さまと話をしてみたくなって声をかけた」
お団子「そこでつい、我々お団子が性欲をエネルギーとしていることを口にしてしまったんだ…」
京子「いやらしいお団子だなあ」
お団子「私の宿主さまは優しいから…おそらく私のために…」
京子「性欲を溜めようとして、オナ禁をはじめたというわけか…」
結衣「あかり信じたんだ、その話…」
京子「あかり…いい子だな…!」
結衣「変態だけどな」
お団子「あの優しかった宿主さまが、性欲に支配されて…あんな奇怪な鳴き声まで…!!」
結衣「あれってお団子が原因じゃなかったのか…」
京子「こわっ…あかりの本性…」
お団子「だから私は、宿主さまをどうにか止めようと決めた」
京子「ど、どうやって…?」
お団子「そうすれば、変態的素質が芽生えるのを食い止めることができるだろう」
結衣「万能だな、お団子」
京子「理にかなったようなこと言ってるけど、結局性欲の話だよね」
お団子「私の全生命エネルギーを投じればその程度のこと、可能なはずだ」
京子(死亡フラグたったよ、どうする結衣)
結衣(私に聞かれても…)
お団子「宿主さまを、頼んだぞ…」スッ
結衣「あっ」
ボカァ-ン
京子「爆発したぞ」
結衣「あかり大丈夫かな」
京子(とりあえず…)
結衣(叫んどいてあげるか…)
京子・結衣「お団子ぉーーー!!!」
あかり「う、うーん…あれ、京子ちゃん!?」
結衣「よかった…いつものあかりだ…」
あかり「ああっ…!?あかりのお団子…無くなってる!!」
京子「ドラゴンボールになって世界中に散らばったよー」
あかり「えぇー!?」
結衣「どんな嘘だよ…あかりもデタラメ信じるなよ」
京子「実は、あのお団子はお前を守って消えてしまったんだ…」
結衣(見せ場なのに演出不足だったけどな)
京子(宿主に似て不憫なお団子だったな)
あかり「何かひどいこと考えてない!?」
京子「おおっ、あかりのお団子大きくなってきたんじゃないかー?」
結衣「うん、私もそう思う」
あかり「ほんとぉー?あかりの新しいお団子さん、早く大きくなるといいなっ」
お団子「………」
京子「結衣の胸もー?」
結衣「バカか」
・・・・・・・・・・・・・
ちなつ「あかりちゃーん?」ギンギン
あかり「ヒィッ!」ビクゥ
あかり「ち、ちなつちゃん、驚かせないでよぉー…」
ちなつ「あかりちゃんのお団子、早く育つといいね」ギンッ
あかり「う…うんっ」
あかり(なんでだろう…ちなつちゃんの視線が怖いよぉ…)
ちなつ「うふふ…」ジュル
支援感謝
乙乙
Entry ⇒ 2012.01.08 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
京子「西垣先生の薬を結衣に飲ませたけど媚薬だった」
「おい京子?そういえば今日締め切りの生徒会のアンケート出したか?」
「あ!出してない!」
「……やっぱり。あんまり綾乃に迷惑かけるなよ?」
「おう!今から出してくるー!」
カバンからプリントを引っ張り出し、バタバタと娯楽部を後にした。
「たのもー!!!」
勢い良くドアを開けて叫んだ。
「………」
しかし生徒会室にはだれもいなかった。
「とりあえずプリント出さないと……」
キョロキョロと室内を見回す。
アンケートの山を発見したので、そこにアンケートを置いた。
「さて……ちょっとここで面白いもの探すかー!誰もいないんだし。」
家捜しをするような気分でいろいろ物色する。
あるのはプリントやファイルばっかりで特に面白いものはない。
「ちぇー真面目だなー」
しかし、その呟きを撤回せねばならないようなものを発見した。
とマジック書かれたダンボール。こういう物を見つけて開けないのは無粋だ。
ドキドキしながらダンボールを開ける。
「西垣先生のかな?」
ビーカー、フラスコなど、理科で使うような器具が一通り入っている。
実験器具ばかりかと思ったら、小さなビンの薬品を発見した。
「なにこれ?」
錠剤だった。
先生の発明なんだろう。
瓶にペンで書かれたメモが貼ってあった。
――――――――――――
素直になる薬
松本で実験済
水に一錠溶かして使用
ただし興奮作用あり
――――――――――――
……先生、生徒を実験台とか正気ですか?
というか薬の名前……
そう思ったが、私は面白そう、という気持ちに支配されていた。
「ちょっとだけ貰ってもバレ無いよね?」
私は瓶から一錠出して、ティッシュに包みポケットに入れた。
そして瓶を元に戻しダンボールの蓋を閉め、生徒会室を後にした。
あっという間に下校時刻になり、いまは四人で帰り道を歩いている。
「じゃあ結衣先輩、私たちはここで。」
「またね、結衣ちゃん、京子ちゃん」
ちなつとあかりと別れ、私は結衣と二人になった。
「結衣~今日、結衣ん家行ってもいい?」
「私の家ばっかり来てるけど大丈夫なのか…勉強とか。」
結衣はため息をつきながら言った
「しょうがないな京子は……」
「よっしゃー!!」
なんだかんだで結衣は私に甘い。
そう思うのは自惚れかもしれない。
でも、さりげに優しくされるたび、私の胸は高鳴る。
この気持ちが何かよくわからない。
でも、結衣と一緒に居ると嬉しい。
これは確かな事だった。
「結衣~そろそろボス行かないの?」
「いや、あと5レベ上げないとコテンパンに出来ない。」
「回復薬駆使しながら行けば勝てるんじゃない?」
「いいや、これは私のポリシーだ」
さいですか…
「あと薬系って高いだろ?」
……薬……薬
そうだ、すっかり忘れていた。
「珍しいな京子がそんな事言うのは。まぁお願いするよ」
「ラジャー!!!」
立ち上がり、台所に行き、お茶を入れる。
そしてパジャマのポケットから生徒会室で見つけた錠剤を取り出す。
湯呑みの中に落とし、揺すって錠剤を溶かした。
「結衣~お待たせ~」
「ありがとう京子」
結衣は私からお茶を受け取りごく、ごく、と飲み干した。
「喉乾いてたの?」
「あぁ。ありがとう……京子」
そう言って結衣は私に微笑む。
「京子…………」
結衣が私にぐっと近づいて来る。
「……京子」
ぐいっと肩を掴まれた。
「ななな何?」
普段と結衣の様子が違う。
……これって薬の効果なの?
「もう……我慢……出来ない……」
ヤバイ、結衣の目が据わってるよ……
「ななな何のガマ…………んむっ…」
唇に柔らかく、熱いものを感じた。
……こここコレってキス……されてる!?
「ぷぁっ……ゆゆ結衣……冗……談……だよね?」
結衣が唇を離した。
私はきっと茹蛸のように真っ赤になっているだろう。
「えっ?」
「すき……京子……好きだ!!」
「えぇぇぇぇええっ!?」
驚きや恥ずかしさ、戸惑いなど、いろんな感情がないまぜになる。
「京子…んむぅ……ちゅ…」
もぅ、顔が茹で上がってしまいそう。
それにぼーっとする。
「!?」
結衣が舌をおしいれてきた。
私は必死にそれを押し返そうとする。
「んりゅっ……ちゅるっ……れるっ……」
押し込まれた舌が歯茎をなぞり、私の舌と触れ合い、絡み合う。
そのたびに私の思考が蕩けてくる。
「んちゅっ……れろっ…ちゅぷっ…」
いつのまにか私も自分から舌を絡ませていた。
どちらともつかない所でねっとりと舌が絡み合う。
濃厚な大人のキス。
私はそれにどっぷりと引きずり込まれていった。
舌と舌とが離れキラキラとした銀色のアーチを作る。
「はぁっ……はぁ……結衣っ……」
「京子ぉ………京子の全部……見せて……」
「……ゆ結衣?……どういうっ……わぁあ!?」
ガバッと結衣に押し倒された。
「ゆ……結衣?」
私に覆いかぶさりキスをする。
「んむっ…………ちょっ……ゆ……い……?」
結衣は私の唇を舐め、そのまま首筋に舌を這わせる。
「ふぁっ…………あふっ…………」
結衣の舌が触れたところがピリピリと熱い。
「京子の声……可愛いよ……」
声を抑えようとしても声が漏れてしまう。
結衣はパジャマの上から、胸をやんわりと包み込み、円を描くように撫で回す。
「んぅっ……はぁっ……んくっ……」
パジャマ越しに感じる結衣の暖かさを感じる。
胸に与えられるやわらかな刺激が脳を甘く麻痺させる。
「やぁっ……ゆいっ……んぁっ……ゆいぃ…」
結衣は私のトマトの着ぐるみパジャマの中に手を滑り込まる。
「んはぁ……ゆっ結衣!?ダメだって。」
そしてふんわりと胸を包み込みさっきと同じように揉む。
「んひゃうっ……んぅっ……やぁっ……」
さっきよりも結衣の暖かい手を感じる。
私の素肌と結衣の手の間を隔てているものが、一つ減っただけなのに…
「はぅっ……くはぅ……んぁっ……」
結衣の指が、ブラと素肌の境界線の辺りに来た。
そのまま指を滑らせて、ブラと素肌の隙間に手を侵入させる。
円を描くように撫で、ふにゅふにゅと揉みしだく。
「京子……柔らかい……」
「んやっ……ゆいっ……はふっ…くぅぅん……」
もう結衣の手と私の素肌を隔てるものは何も無い。
ダイレクトに結衣を感じる。
胸に与えられる刺激は快楽となり、私を蕩けさせる。
「ふふっ……」
結衣は微笑むと、胸を揉みながら膝をぐいぐいと私の股に押し付けた。
「ふひゃぅっ!?…ふぁっ……んぁ……らめっ…」
ふわふわとした胸に与えられる刺激に、じわじわと感じる股の刺激が追加される。
身体が熱を帯び、快楽に酔いしれていた。
手を胸から離し、膝も離すと、結衣はパジャマのボタンを一つづつ外した。
そしてパジャマをはだけさせた。ゆっくりとブラをずらす。
「京子……綺麗……」
恥ずかしい。
はだけたパジャマにずらされたブラ。
裸よりも恥ずかしい気がする。
それを結衣に見られている。
恥ずかしいのに、何かを期待してしまう自分がいる。
結衣はそっと控えめに膨らんだ双丘に口づけ、チロチロと舌を這わせる。
「んやぁぁぁっ!?……んぅっ……んひゃうっ……」
揉まれた時とは異なる、濃厚な刺激。
舌が胸を這うたび、舌が触れた場所が、奥の方から熱くなる。
結衣は舐めてない方も手でふにふにと揉みしだく。
また、時折口に含んで引っ張ってみたり、甘噛みして、更に刺激を与える。
「んくっ……んむぅっ……ふぁぁあっ…」
結衣は攻めるのを止め囁いた。
「んぅっ……いっ…言うなぁ……」
「でもほら、こんなに……」
結衣は人差し指でクニクニと乳首を刺激する。
「はぅぅぅぅううんっ!?」
「ふふっ京子、えっちぃ」
結衣は私が恥ずかしがるのを楽しんでるみたい……
私はもう顔から火が出そうだ。
結衣は丘に咲く一輪の桃色の花を、慈しむように舌で舐め上げた。
「ふぁぁあああん!?」
ビリビリっと今までに感じたことのない快楽が身体を駆ける。
結衣は乳首を口に含み、ねっとりと舌を絡めた。
舌先で突いたり、甘噛みしたりして様々な刺激を与える。
「ふぁっ…あふぅっ…らめっ……そこっ……感じすぎちゃうぅっ」
結衣は更に乳首にキスをし、ちゅうちゅうと吸い上げた。
「んやぁっ…そんなっ…ちくびっ……はぅっ…ちくび吸っちゃ……らめっ…」
乳首から口を離し、ゆっくりとズボンをずらした。
「ふふっ京子、もうびっちょびちょ……」
「んっ……はずかしいこと……いうなぁっ…」
「いやらしいね……京子」
私に覆いかぶさり、耳元で囁く。
恥ずかしすぎる。
結衣の息が耳にかかってゾクゾクと何かが身体を駆ける。
「オマンコこんなに濡らして……そんなに気持ちよかったの?」
耳を舐めながらショーツ越しにワレメを指でなぞる。
「んひゃうんっ!?…はふっ………んゃあっ……」
結衣はワレメに指をぐりぐりと押し付けた。
くちゅくちゅと淫靡な水音が部屋に響く。
「んやぁっ……はずか…しいこと…ふあっ……言うなぁ…」
羞恥も恥辱も、私を昂らせる。
指が往復するたび、じわじわとアソコが甘く疼く。
「京子、ショーツ下ろすね…」
結衣はするするとショーツをずらした。
ショーツと京子の秘所を一筋の透明な橋が繋いだ。
京子の秘所は愛液できらきらと光っている。
結衣は指で愛液を掬い、京子に見せ付ける。
「ほら、京子……なんだか分かる?」
「んひゃうぅぅっ!?……汗…だよ……」
「そう?汗はこんなに糸引かないよ?」
結衣は私の目の前でぬちゃぬちゃと糸を引くのを見せ付ける。
「うぅっ……」
「京子、顔真っ赤だね」
「………うぅっ」
恥ずかしさとこれから起こることへの期待。
結局は期待が恥ずかしさを打ち破り、そっと脚を開く。
「京子、いっぱい気持ち良くしてあげる」
結衣は私のアソコに顔を埋め、舌でワレメをなぞる。
「んぁぁぁぁぁっ!?……ふぁっ…ゆい………んくっ……そこ…はぁっ…汚いよぉ…」
「れろっ……ちゅっ……京子に汚いとこなんてないよ」
結衣はひたすら舐めつづける。
時折キスしたり、舌でつつく。
「ひゃぅっ……んぅっ…ふぅっ…んやぁ…」
結衣が秘所を舐める音と京子の嬌声が部屋に響く。
結衣はじゅるるるっと汚い音を立てて愛液を吸い上げる。
「んやぁぁあっっ……ふあっ…すっちゃ……らめぇ」
アソコから来るビリビリとした甘い快楽の電流。
結衣の愛液を吸い上げる音は、私を恥ずかしめ、恥ずかしさは快楽の助燃材となる。
既に理性の糸はちぎれ、快楽に身を委ねていた。
「んひゃぁっ……んはぅっ……くぁっ……オマンコぉ……きもちい…よぉ……ひぁっ」
結衣は口を離し、指でアソコを広げた。
「綺麗なピンクだね。」
「んぁ……言わないで……」
結衣は下を膣内にねじ込んだ。
「ふぁぁぁああっ!?……らめっ…んくっ………ふあっ…」
結衣はいったん秘唇をつぅっとなめ上げた。
そしてさらに奥へと舌を進めるクリトリスに舌を絡める。
じくじくと快感がアソコからこみ上げる。
じわじわとおへその裏からの熱が身体全体をまとい、熱い。
「ふひゃぅっ…んぅっ…くぅっ……はぁ…イクっ…イキそうっ……」
徐々に嬌声の間隔が狭まる
「京子、好き。好きだよ」
絶頂の大波がついに押し寄せる。
脳にビリビリと甘い痺れが走り、頭が真っ白になる。
「ひゃぅぅぅぅぅぅうぅんっっっ!?」
ガクガクと身体が痙攣し、快楽の渦に飲み込まれた。
余韻に浸りながら結衣を見つめる。
「ゆ…………い…………?」
結衣はボーっとしてる。
「京子…………」
ガバっと私に覆いかぶさった。
「……………………結衣?」
「………すぅ………すぅ……」
「って寝てるし!?」
寝息を立てて気持ちよさそうに寝ている。
事後の処理を済ませ、
押入れから布団を引っ張って結衣を寝かせた。
そしてシャワーを浴びて、結衣の隣に入った。
「結衣、ごめんね、薬なんかで結衣の気持ちを………」
「ごめんね結衣。」
結衣のほっぺにキスをして、私は瞼を閉じた。
朝のまぶしい日差しが部屋を照らす。
瞼を開くと結衣の顔が目に入った。
「おはよう京子」
「う………うん……おはよう結衣」
………………昨日あんなコトしたし、なんか気まずい
うん、いろんな意味で寝ちゃったよ結衣…………
顔が真っ赤になる
「どうした?急にあかくなって?」
「昨日、結衣と……その………えっ……ち…………」
ボンっ
結衣の頭から蒸気が上がった。
「うわああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!?」
結衣が絶叫する。
「ううううるさい!無理やりだけど私も感じてたしっ!!それに結衣のこと好きだから!!」
「えええええぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」
「えええエッチのことは置いといてゆゆゆ結衣はどうなんだ私のこと?」
「すす…………好きだぞ………………んむっ」
私は結衣の口を唇で塞いだ。
「………………きょうこ?」
「昨日の夜の話はもう終わり!これからよろしくな…その……恋人として………」
「…ああ」
終わり
最後雑になってゴメン
乙
盛大に乙
Entry ⇒ 2012.01.07 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
千鶴「最近歳納なんたらがやたらしつこい」
先週図書館でちょっかいを出された時は正直鬱陶しかった。
一応、歳納が私を私の姉さんだと勘違いしていたから、あんな風にちょっかいを出していたのは分かったんだが…
あの時私と歳納は特に親しくなった訳でも無い。
なのに歳納は私とスキンシップを取りたがる。
後ろから無駄に明るい声がした。
ゾクゾクッと悪寒が走る。
また来たよ…
いつもならここで回し蹴りを炸裂させるが、今日は何故か廊下に人が多い。
コイツを蹴ろうとすると他の人に被害が及ぶだろう。
走って逃げるにも人が沢山いて無理そうだ…
私が逡巡している間にぽふっと抱き着かれた。
「………」
コイツ以外と柔らかいのな……
…じゃなくて
「お!?そういえば今日は逃げないで抱き着かせてくれたねー
うひひ千鶴デレ期到来?」
「うっせえ!黙れッ!」
歳納の頭にチョップを振り下ろす
「いでっ!?」
こんな人の沢山いる中で抱き着いてくるとか歳納は恥ずかしくないのだろうか。
私に話し掛けるくらいなら実は少し嬉しいのだが、こうスキンシップは止めてほしい
私にはそういうコトへの耐性がない。
そんなことを考えていると歳納の後ろから船見さんがやって来た。
「あっ京子、ここに居たんだ」
「…………大丈夫」
大丈夫じゃない。
今日は特に迷惑してる。
「そう?ならいいんだけど。ほら、京子いくよ?千鶴さんごめんね?」
船見さんは歳納の襟首を掴むとズルズルと引きずっていく。
「ほら、お前まだ6時間目提出のプリント終わって無いだろ?さっさと飯食って終わらせるぞ。」
さすが船見さん。歳納の扱いに慣れてる。
私は二人に背を向け、教室へ帰ろうとした。
振り返ると歳納が船見さんに引きずられながら喋ってる。
「放課後暇か~?暇なら娯楽部来いよ~」
「暇じゃない。図書室行く。」
そう言って再び背を向け教室へ帰った。
今まで図書室に通っては読み進めていた伝記を読み終えた。
色々と詳しく知りたい所があったので、私は席を立ち、伝記をもとあった所にもどしてから、関連する本を開いては知りたいポイントを探し、読み進めた。
私はこの時、忍び寄る気配に気づかなかった。
私の耳に何かあったかいものが触れたように感じた。
電流のような得体の知れない何かが私の身体を駆け巡る。
「ひゃぁんっっ!?」
「えへへ千鶴耳弱いの?」
さっきのは歳納の息を吹き掛けられたみたいだ。
私が歳納を振り払おうとしたとき、歳納はわたしの耳をつーっと舐めた。
私が歳納を振り払おうとしたとき、歳納はわたしの耳をつーっと舐めた。
「んっ…はぁっ……」
歳納が触れたところがピリピリして熱を持っている。
どうしてこんな声が出ちゃうんだよ私…
更に耳たぶを甘噛みし、うなじを舐める
本当なら離れて蹴りをお見舞いしてやるはずだが上手く力は入らないし、がっちりと抱きしめられている
「千鶴、可愛いよ」
手がスカートの中に滑り込み私の太腿を撫で回す。
「くぁぅっ…んっ…なんで…っんぁ…歳納が…ふぅ……こんなとこに…いるんだ……」
畜生…
私そんなこと言ったっけ?
覚えてないけど不覚だ…
そもそも歳納ってスキンシップをやたら取りたがる奴だとは知ってるけど、これはスキンシップの域を越えてるんじゃないか…?
「だって千鶴可愛いんだもんっ」
するり…と私のアソコのワレメをショーツの上からゆっくりとなぞる。
「んぁああっっ…ふぁっ…うっせぇっ…ぁふっ…すっこんっ…でろ…んっ」
私のワレメを指でなぞって愛液を掬い、指を私の前に持っていき見せ付けた。
「…うっうるせぇ……だまってろ…」
今まで後ろから覆いかぶさるように抱き着いていた歳納はいったん私から離れた。
そして私の肩をつかみそっと歳納のほうに身体を向け、私たちは向かい合う恰好となった。
じりじりと歳納が一歩、二歩と私に迫ってくる。
普段の私ならここで回し蹴りを炸裂させるのだが、今はそんな余裕が無かった。
身体が熱を帯び、熱が私を心身共に蝕んでいる。
一歩、二歩と後退りすると、背中にひやりとした感触があった。
壁だ。もう逃げられない。
歳納は私の肩に手を乗せ、私に囁いた。
「服…捲るよ?」
「いやっ…捲るなぁっ…」
私の懇願など無視してワンピース型の制服のスカートを捲りあげる
「千鶴、えっちな下着だね…勝負下着?」
歳納は私の身体をなめ回すように視姦する。
先週末新しい下着を買おうと思ったら、
『大丈夫やで、ウチの使ってない新品のあげるわ~。とっておきのやつやで~』
と言って姉さんが渡してきたのがこれ。
フリフリの付いた薄い紫色の下着
。普通の下着よりも若干面積が小さい気もする。
と受け取るのを拒んだが
『まぁまぁ、そな固いこと言わんといてーな』
と言われて結局貰うハメになった。
「まぁいいや、千鶴、沢山気持ち良くなってね?」
手をワンピースの中に滑らせブラの上からやんわりと私の胸を包み込む。
「んぅっ……」
「千鶴って意外にあるんだね♪」
円を描くように胸を撫で回し、時折軽くつねる。
再びじわじわと身体が熱くなる。
「はぁっ…ひゃぅっ…んはぁぁ…ダメっ…」
「そろそろ千鶴のおっぱい見せてー」
歳納はニヤリと笑うと私の背中に腕を回した。
そして器用にホックを外し、プチッという音とともに胸に開放感。
悔しいのに。
それなのに私の身体が言うことを聞いてくれない。
「んむっ…ちゅ……」
歳納は私の唇にキスをした。
どうしてだろう…頭がぼーっとする。
「れろ……ちゅる…」
そのまま舌を首筋、鎖骨へと滑らせ、二つの小高い丘へとたどり着く。
一方の丘には舌をチロチロと這わせもう一方は手で揉みしだく
「んはぁあぁぁっ…やぁっっ…やめぇっ…」
歳納の舌が触れたところがじくじくと不思議な感覚に襲われる。
「ダメぇっ……んっはぁ…っふぅ」
「千鶴?気持ちい?」
この感覚が気持ちいってことなのだろうか?よくわからない。
桜色の頂点には決して触れない、ねちっこい舌の愛撫。
「そろそろいいかな?」
双丘の頂点に優しくキスをする
「んひゃうぅっ!?」
ビリビリと今までにない感覚が身体を駆け抜ける。
「んむっ……ちゅっ…ぺろ…」
乳首にキスを打ち込んだり口に含んで舌先でつつき、
万華鏡のように変化する刺激を与えてゆく。
「ひゃうぅぅっ……んああぁあっ…ぁふぅっ…」
「ふふっ千鶴、乳首固くなってる」
二つの頂点はピンと立ち、自己主張していた。
口内でねっとりと舌を絡め、執拗に攻め立てる。
「ふぁぁぁ…違っ…やぁっ…んっ……んぅっ……」
「もっとよくしてあげるね?」
キスかと思ったらそのまま歳納はちゅうちゅうと乳首を吸いはじめた。
「んひゃうっ…ダメぇぇっ……乳首っ乳首すうなぁっ…」
ちゅぱちゅぱと歳納の私の乳首に吸い付き、なめ回す音が図書室に響く。
くそっ…
どうしてだろう…
こんな奴に襲われて
色んなところを蹂躙されて
屈辱なのに頭も身体も上手く働かない。
身体全体が熱を持ちオヘソの下の辺りもじんじん熱く疼く。
歳納に触れられるたび、脳が甘い痺れに襲われる。
「ふふっ…千鶴のえっちな声、もっと聞かせて…」
乳首を攻め続けながら秘所へと手を伸ばす。
「いやぁぁっ!?……そこっ…らめぇっ……」
既にショーツはじっとりと濡れそぼり、下着としての意味を為していなかった。
ショーツの上からワレメに指をぐりぐりと押し付けては離すたび、クチュクチュと厭らしい水音が図書室に響いた。
「んぁぁあっ…ふ……黙れぇっ…」
「ひひひっ強情なんだから♪」
歳納はにんまり笑うと私のショーツの中に手を突っ込みワレメを指でなぞる。
「ふーん…だらしなくよだれ垂らして、こんなにオマンコ濡らしてるのに?」
「ふぁ……んくっ……うっうるせぇ歳納…」
私が何と言おうとも、歳納は手を休めない。
「まだ素直にならないね千鶴…もっと弄ってあげたら素直になるかなぁ?」
厭らしい笑みを浮かべ、つぷっと膣内に指を入れた。
「ん~~?千鶴のオマンコがキュッとくわえ込んで抜けないよぉ?…ひひっ凄い締め付け…ねぇ千鶴、コーフンしてるの?えっちなオマンコに指入れられてコーフンしちゃってるの?」
恥ずかしい、悔しい…
でも身体は芯から熱くなりじわじわと疼きが収まらない
「そんなっ……んゃっ…違ぇっ…」
指を動かし、膣壁をこすられる。
「んんっ……はぁっ…んやぁぁぁあっ…」
「こっちも弄ってあげないとね♪」
乳首を口に含みわざと音を出して吸いあげたり甘噛みして乳首への攻めを再開する。
ビリビリと二カ所からの刺激が快楽となり、私を追い込んでゆく。
「んひゃぁぁぁぁぁっ……はふ…ダメっ…触るなぁっ…」
「なかなか強情だね…そんなにダメなら止めてあげるよん♪」
アソコから指を抜き、乳首からも口を離す。
「あっ……」
ピタッと刺激が止む。
歳納は楽しそうに笑いながら私に問い掛ける。
身体の芯がじんじん熱く疼いて治まらない。
私の身体は刺激を欲していた。
あの今まで感じたことのない蕩けるような快楽をもう一度…
そう望む自分がいた。
黙っていると歳納が囁いた
「どうしたの?言わないとシてあげないよ?」
コイツはわかってる。
絶対にわかっていてそんなことを言っている。
コイツに弄ってと懇願するのは恥ずかしいし、何しろ屈辱だ。
「そろそろ帰っちゃおうかなー?」
ニマニマしながら歳納が囁いた。
なんでこんな奴に…
「………って」
結局は快楽を欲する自分に勝てなかった
「何ー?よく聞こえなかった。」
歳納はペロリと舌を出した
「弄って…」
「どこをー?」
「どこって…うぅっ…アソコを…」
「言わないの?ならシてあげられないな~」
コイツ…なんでこんなに嬉しそうなんだよ…
明らかに私に言わせようとしている。
恥ずかしいのに…悔しいのに…
「………んこ…」
「え?なんてー?」
「お…おまんこ……いっ弄って…」
もうびしょびしょのショーツを膝上まで下ろして、指を膣内に押し込んだ。
「んぁぁあああっ!?」
そのまま膣内で愛液を指で掬ってはクリトリスに塗り付ける。
身体が待ち侘びていた刺激を与えられ、快楽の深淵に飲まれてゆく。
「んひゃぁぁっ…ぁん……くぁ…んひぃ…」
ちゅぷちゅぷと秘所からの淫靡な水音が図書室に響く。
「んはぁっ…ふぁ…んくっ…ぃやぁぁっ…」
膣内を掻き混ぜるように激しく指を動かす。
「んぅっ…んひゃうぅっ……らめっ……激しっ……」
じわじわと泉のように湧き上がる快楽に支配されていた。
疼くように熱いものが何か込み上げてくる。
「んぁっ…はぁっ…おまんこっ…おまんこ熱いっ…んぅ…なにかっ……何かきちゃうよっ……」
さらに指の動きを早める。
「んやぁぁぁぁっっ…らめっ…変に…ふぁ…なっちゃうぅ……」
思考は蕩け、身体も快楽だけを感じ、ふわふわと浮き上がるようで、立っていれない。
歳納によりかかり、肩を抱きしめ、快楽に身を委ねる。
徐々に嬌声の感覚が狭まり、ついに絶頂の波が押し寄せた。
「んひゃぁぁぁぁんっっ」
ガクガクと身体を痙攣させ、床へ崩れ落ちた。
こんなに気持ちいいなんて……
余韻に浸りながら眠りへと落ちていった。
意識が朦朧とするなか歳納の声が聞こえる。
「起きて!起きてよ千鶴!」
瞼を開けると歳納の顔があった。
歳納の双眸は潤んでいて、顔は青ざめていた。
「どうかしたのか?」
「どうしたもなにも私…千鶴を…その………えっ………ち…………して」
歳納は真っ赤になり涙を浮かべていた。
「私、気づいたらあんなことしてたっていうか…その……」
「うっせぇ歳納。」
私は静かに言った。
寝ていた所為か、私は頭がやたらスッキリしていた。
いや、吹っ切れたという表現のほうが適切かもしれない。
「ち、千鶴っ」
「許してやるから責任……取れよ……」
「……でも」
「黙ってろ」
私は歳納の口を唇で塞いだ
ガラガラっと戸が開いて船見さんが入ってくる。
「「「あっ………」」」
全員が凍りついたように固まった。
「えっえーと……ご、ごゆっくり…」
「おーい、歳納?上手くいったか?」
戸が開いて、西垣先生がやって来た。
「ん?なんだこの妙な空気は?爆発物はないから安心してくれ。」
いや確かにそういう心配もあるいけれど、今はそれじゃない。
「薬?何かあったのか京子?というか先生、危ないものじゃないですよね…」
西垣先生、あなた本当に教師ですか……
船見さんはジト目で西垣先生を見つめる。
「はぁ……生徒を実験台にしないで下さいよ…で、京子は先生に何貰ったの?」
「千鶴が抱き着こうとしても逃げるからなんとかなるものないかなーって」
先生はドラえもんじゃないぞ歳納…
「うっ…うん」
私と歳納は顔を赤らめて俯く。
キス以上のこともしてるわけで…
「まぁ…その…なんださっきマウスに投与したところ…」
「ちょっ…せめて先にマウスで実験してから人間で実験してくださいよ!」
「いや、調度良いところに歳納がフラーっとやって来たからつい、だな。」
「つい、じゃないですよ!」
「悪い悪い」
先生は苦笑いしながら誤った。
…あんまりこの人は反省していないみたい。
「はぁ………で、マウスに投与したらどうなったんです?」
「こっ交尾!?」
「いやーまさかこんな効果が出るなんて想定外だったが、歳納も池田にはそんなことないみたいだな。よかったよかっ………」
セリフの途中で先生の顔色が変わった。
先生は冷や汗をダラダラとかきながら下の方を向き、フリーズしている。
まさか…バレた?
船見さんは先生に尋ね、
先生の視線の先と同じ所を見つめると急に顔を赤らめた。
何かあるのだろうか?
私も二人と見ている辺りに視線を落とす。
バレた…
そこには薄紫色の私のブラがあった。事後の処理で私に付け忘れたな……
「こっこれは…その…違くて……」
「ちちち違いますから…その…」
茹蛸のように真っ赤になりながら否定する私たち。
茹蛸のように真っ赤になりながら否定する私たち。
フリーズしていた二人ははっと我に帰った。
「あっ愛のカタチは…その……いろいろだし…私も……松本と………な?船見?」
「わわっ…私に振るんですか?……えと…はい…せせ性別は関係ないかと……私も…あかりと…」
二人とも動揺してる所為か、私たちが聞いちゃいけないようなコトも垂れ流しちゃってるんですが…
「はい、先生」
「「ごゆっくりー!!」」
二人は疾風のように去って行った。
「後ろ、向いとけよ…」
「ごごごゴメンっ」
去っていった二人は同性愛に偏見の無いようでよかったな…
そんなことを思いながらワンピースを脱ぎブラを付ける。
「もう向き直っていいぞ歳納」
歳納は遠慮がちに私に向き直る。
歳納が呟いた。
「謝るなって。薬だから仕方ない」
「千鶴怒ってないの?」
「許してやるって言ってるだろ」
「うん……」
「うん。……さー帰りますか!!」
前はイラついていたあの態度も、今は心地好く感じた。
カバンを持ち、立ち上がる。
「うん…帰ろう」
暗闇にぽつぽつと点在するあかりに沿って私たちは帰路を歩く。
「歳納、このあとうちに来れるか?」
「もうこんな時間だよ」
「訂正する、このままうちに来い。泊まり。」
「命令形!?まぁ勿論行くよ♪」
「そう…ふふっ…よかった」
「……一つだけな」
「やっぱ千鶴やさしー!」
「いきなり抱き着くな!!」
放課後は……だったから、今夜は……わかってるよな、歳納。
書き忘れてました
終わり
ss投下は初めてでしたが、いろいろ詰め込みすぎてしまいました。
駄文にお付き合いしてくださりありがとうございました。
では良いお年をー
乙
Entry ⇒ 2012.01.06 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
あかり「未来日記?」
結衣「随分と眠そうだな。また夜更かししてたのか?」
京子「あーうん。ちょっと深夜アニメ見てたらさ」
あかり「へえ~、何ていうアニメ?」
京子「『未来日記』ってのだよ」
あかり「『未来日記』?」
未来に自分が書き込むはずの内容が記される『未来日記』に変えられちゃうんだよね」
ちなつ「それって、未来が分かるって事ですか?」
京子「まあ、簡単に言えばそういうことかな」
あかり「へえー」
結衣「ったく・・・アニメもいいけどほどほどにしとけよな」
京子「えー」
あかり(・・・あれ、ここどこ?夢?)
???「お前は選ばれたのだ」
あかり「えっ、誰?何??」
???「お前に未来日記を与えよう――」
あかり(『未来日記』って、昨日京子ちゃんが話してた・・・?)
あかり「ちょ、ちょっと待ってよ!どうしてあかりが?」
???「・・・・・・」
あかり「ねえってば!」
あかり「ハッ」
あかり(何か変な夢見た気がするけど・・・)
あかり「・・・思い出せないや。学校行く支度しないと」
結衣「ほら、渡せよ!」
京子「ゆ、結衣!やめろってば!」
あかり「おはよー!京子ちゃん、結衣ちゃん・・・って、何してるの?ケンカ?」
結衣「・・・はっ!?あ、ああ。おはようあかり」
京子「お・・・おはよー!」
あかり「どうしたの二人とも。何か変だよ?」
京子「そんな事ないぞ!あかりは気にしーだな!」
結衣「・・・おい京子」
京子「・・・ごめん」
あかり「??どうしたの?」
結衣「ああ」
あかり「それって昨日京子ちゃんが話してた、あの?」
京子「そうそう、それそれ」
結衣「初めは夢かとも思ったんだが・・・」
結衣「ふあ・・・なんか変な夢見たな。昨日京子があんな話するから」
結衣「ん、メールが来てる」ピッ
結衣「何だ迷惑メールか。よし、まだ時間あるし少しゲームでも・・・ん?」
結衣(何かおかしいな・・・)ピッピッ
6:05
学校に行く準備の前にゲームを始める。
「φなるクエスト」を続きからプレイ。
6:30
氷の洞窟の最深部にてボス戦
6:35
全体攻撃のブレスに苦しめられ敗北。
炎耐性の装備をしていなかったのが敗因。
学校に行く準備をするためゲーム終了。
結衣「こ、これって・・・」
結衣(・・・もしかして私、夢遊病だったのか?)
結衣(氷の洞窟の入り口からか。とりあえず奥を目指そう)
20分後――
結衣「やっと最深部か。もうすぐ6時半に・・・ハッ」
結衣(戦闘前の会話でちょうど半になるくらいか?いや、偶然だ偶然)
結衣「・・・一応炎耐性の装備に変えてみるか」ピコピコ
結衣「装備変更完了・・・って、氷の洞窟で何で炎なんだよ。馬鹿らしい」
(ブゥーンン・・・)
結衣「あれ、ケータイからノイズ?」ピッ
6:31
氷の洞窟の最深部にてボス戦
6:36
全体攻撃のブレスが厄介だったが炎耐性の装備のおかげでボスを撃破。
学校に行く準備をするためセーブしてゲーム終了。
結衣「内容が書き換わってる・・・!?」
結衣「まあいい、とりあえずボス戦だったな・・・何だって、『凍土の火竜』?
どうしてこんなところに火竜が居るんだよ。卑怯だな」
5分後――
結衣「倒した・・・強かったな、レベル高めのはずなのに」
結衣(もし装備を変えてなかったら・・・)
結衣「――とりあえずセーブして学校に行く準備しよう」
京子「おはよー結衣・・・ちょっと話があるんだけど」
結衣「・・・おい京子」
京子「えっ、何?」
結衣「お前私のケータイに変な細工しただろ」
京子「いやしてないよ?細工って何さ」
結衣「嘘つけ!まったく、お前はいつもいつも・・・」
京子「あっ、私の話ってのもケータイの事なんだけど――」
結衣「人の話を聞けよ!」
京子「なんか未来日記になっちゃったみたいなんだよね」
結衣「・・・えっ」
京子「いや、私も信じられなかったけど本当なんだってば!勝手に内容書き換わったし!」
結衣「・・・マジか」
京子「まじまじ!」
結衣「そうか。実は私も――」
(かくかくしかじか)
結衣「ああ。どうやらゲームのプレイ情報が記されるみたいだ」
京子「なるほど、『ゲーム日記』ってところだね」
結衣「それでお前はどんな内容なんだ?」
京子「うーん、そう言われると自信なくなってきちゃったな」
結衣「どういう事だよ」
京子「だってある意味でどうでもいい内容だったし」
結衣「いいから言ってみろって」
京子「うん、分かったよ」
京子「もう朝かー、学校行く支度しないとー・・・」
京子「あれ、ケータイどこ行った?」ガサゴソ
京子「あったあった」ピッ
7:05
お目覚めのラムレーズン。今日も一日がんばれそうだ
16:20
生徒会室で千歳と綾乃の目を盗みラムレーズンを拝借する。
ラムレーズンうめえ!今日もいい一日だった!
17:40
結衣の家で『φなるクエスト』のプレイを見ながらラムレーズンを頬張る。幸せだ!
京子「・・・何だこれ」
京子「いただきまー・・・」
京子(・・・待てよ、さっきのは未来日記?)
京子「・・・・・・」
京子「よし、今日の朝はラムレーズンお預けにしてみよう。
力は補充できないけど、がんばれ私!」
(ブィーンン・・・)
京子「ん?ノイズ?」ピッ
今朝のラムレーズンはおあずけ。冷凍庫にしまう。
ラムレーズンパワー無しでこの先生き残れるだろうか・・・
9:30
体育の授業。100m走のタイムが普段より0.5秒くらい遅い。
ラムレーズン食べなかったせいで力が出ない・・・
12:40
ランチタイム終了。から揚げおいしかった!
デザートにラムレーズン食べたい・・・
14:20
国語の授業中。二葉亭四迷って面白い名前だよね。
そんな事よりラムレーズンはまだか・・・
16:20
生徒会室で千歳と綾乃の目を盗みラムレーズンを拝借する。
ラムレーズンうめえ!何とか今日一日を乗り切ったぞ!
17:40
結衣の家で『φなるクエスト』のプレイを見ながらラムレーズンを頬張る。幸せだ!
京子「うそっ!?」
京子「ってな感じで」
結衣「・・・つまり、お前の未来日記は」
京子「『ラムレーズン日記』!」
結衣(・・・いらねえ)
京子「まったく、これで他の日記所有者をどうしろっていうんだろうね?」
結衣「はっ?」
京子「・・・ん?」
結衣「どうしろ、って何だよ?」
京子「えっ。何って、何が?」
結衣「未来日記の詳しいストーリーを教えろ!」
京子「えっ?わかったよ」
結衣「うん」
京子「主人公は未来日記を利用してテストで満点取ったり目立つようになる」
結衣「ふむふむ」
京子「それで、3rd・・・あっ、日記所有者は12人居て三番目の人ね。主人公は1st」
結衣「12人、か・・・それでその3rdがどうしたって?」
京子「あー、主人公が3rdに命を狙われる」
結衣「はあっ!?何でだよ!!」
京子「お、落ち着いてって!3rdは殺人犯で所有日記が『殺人日記』なんだよ」
結衣「あ、ああ。なるほどな」
結衣「ふむ」
京子「3rdを消滅させる」
結衣「消・・・滅?日記所有者から一般人に戻ったって事か?」
京子「違うよ、文字通り『消滅』。日記所有者は日記を壊されるとこの世から消えちゃうんだよね」
結衣「・・・お前、それ本気で言ってるのか?」
京子「いや、そういうストーリーなんだってば」
結衣「すると何か?このケータイが壊れたら私は消えてなくなるのか?馬鹿な事言うなよ・・・!」
京子「そうと決まったわけじゃないけど・・・」
結衣「何でだよ!どうしてこんな・・・」
京子「落ち着いてってば!本当にそうなるのかは分からないし、まだ話は途中だから!」
結衣「あ、ああ。そうだな、とりあえず最後まで聞かないとな」
結衣「話?」
京子「うん。未来日記所有者同士で戦い合い、最後に生き残った一人が次の神になるって」
結衣「・・・何だそれ」
京子「そして未来日記を用いたバトルロワイヤルが始まるんだよ」
結衣「京子。絶望しか無くなったんだがどうしてくれる?」
京子「お、大げさだよ結衣!アニメの話だって!」
結衣「・・・そうか、そうだよな」
京子「うんうん」
結衣「うん、それならいいよな・・・京子、携帯貸せ。試しに折ってみるから」
京子「はぁっ!?」
結衣「ほら、渡せよ!」
京子「ゆ、結衣!やめろってば!」
あかり「そ、そんな・・・」
結衣「・・・さっきはごめん、京子。少し錯乱してた」
京子「まあでも、このケータイが未来の情報を記してる事は確かだから不安になる気持ちは分かるよ。
というか、現実問題として警戒しないとまずいかもね」
結衣「そうだな・・・まったく、どうしてこうなったんだ」
あかり「・・・あ」
京子「どうしたのあかり?」
あかり「あかりも夢で未来日記がどうのとか言われてたこと思い出しちゃった・・・」
結衣「あかりも・・・!?」
京子「ケータイは見たの?」
あかり「いや、今日はまだ一度も・・・ちょっと見てみるね」
結衣ちゃん、京子ちゃんと物語の大筋に関わるお話をしている。
あかり目立ててるかな?
8:15
ちなつちゃんとお話。主役であるあかりの視点で物語が進んでるよ!
9:40
授業中問題を答えさせられた!正解、さすが主役だね!
11:30
また授業で当てられた。不正解だったけど、これはこれでおいしいよね・・・
あかり(・・・何これ)
結衣「これは・・・」
京子「主人公である自分の活躍を記した『主役日記』?」
あかり「うわぁっ、二人とも勝手に見ないでよー!」
京子「あはは、ごめんごめん」
あかり「確か未来日記所有者って12人居るんだよね?」
京子「うん。まあ原作ではだけどね」
結衣「ふむ・・・この三人が選ばれたとなると、おそらくちなつもだな」
あかり「そうだね」
京子「うーん・・・」
結衣「どうした京子?」
京子「いや、どこまで原作通りかなって思ってさ」
あかり「どういうこと?」
京子「例えば、『未来日記』では未来日記所有者同士で近しいのって主人公とヒロインくらいだし
それを踏まえると、この三人が選ばれてる時点で原作とは少し遠いなって」
結衣「なるほど。原作の情報はそれほどあてにならないって事か」
結衣「うーん・・・まずは学校で情報を集めるしか無いな」
京子「そうだね、もしかしたら他の所有者も見つかるかもしれないし」
結衣「私たちは綾乃や千歳を当たってみる。あかりはちなつや生徒会の一年生を頼む」
あかり「うん、分かった!」
京子「あんまり直接的な質問は駄目だからね。未来日記と関係ない人の場合困るし」
結衣「了解」
あかり「はーい」
あかり「ちなつちゃん!おはよー」
ちなつ「あっ、あかりちゃんおはよー」ソワソワ
あかり「何そわそわしてるの?」
ちなつ「えっ?私、何か変?」チラッ
あかり(露骨にケータイ意識してるんだけど・・・)
あかり「ケータイに何かあった?」
ちなつ「え、ええっ?あーそうそう、実は好きなバンドのライブチケットの当選メールを待ってるの!
まあ、当たるとは限らないんだけどね・・・」
あかり「なーんだ、そういうことかー」
あかり(ちなつちゃんは違うか。次はあの二人だね)
向日葵「さっきから何ですの?」
櫻子「だって、今日の数学の小テストで向日葵に負けるって書いてあるんだもん!」
あかり(か、書いてある!?)
向日葵「そんなの当然ですの。日記を見るまでもない事ですわよ」
あかり(日記!?)
櫻子「何だとー!」
あかり「ちょ、ちょっと二人とも。書いてあるとか日記とか何の話?」
向日葵「あっ・・・櫻子、少し声が大きいですわ!」
櫻子「へっ?聞かれてた?」
あかり「あ~、心配しなくても大丈夫だよ!」
あかり「実はそうなんだよ~」
櫻子「ちなみに私の日記は向日葵との競り合いの情報が記される『次期副会長日記』だ」
向日葵「私の日記は生徒会の仕事の情報が記される『生徒会日記』ですわ」
あかり「なるほど」
櫻子「で、あかりの日記は?」
あかり「え、ええっ?それは秘密だよ」
向日葵「あら、自分の日記の情報だけ隠すんですの?」
あかり「しゅ、『主役日記』だよ!あかりの主役としての情報が記されるの!」
向日葵「ああ、そういう・・・」
櫻子「ま、がんばれよ・・・」
あかり「何その反応・・・酷いよ二人とも・・・」
結衣「なるほど、ちなつは白だったのか」
あかり「そっちはどうだったの?」
京子「生徒会全員が未来日記所有者だってさ・・・」
あかり「ええっ!?」
結衣「マジらしい。まず綾乃の日記は『歳納京子日記』。京子の行動が筒抜けみたいだな」
京子「えへへ、照れるなー」
結衣「次は千歳の日記、『百合妄想日記』だそうだ。京子と綾乃の遭遇・やり取りについて書かれるらしい」
京子「私ってば人気者だね・・・」
結衣「そして会長は・・・よく分からん。ただ未来日記所有者という事は確かみたいだ。
それと一年生コンビは・・・お前も知っての通りだろう」
あかり「あっ、うん。えーっと・・・これで8人?」
結衣「そうなるな。あと4人はどこに居るのか」
あかり「あっ、ちなつちゃん」
京子「ちなつちゅわーん!」
結衣「む・・・」
ちなつ「三人で何の話してたんですか?」
あかり「な、何でもないよ?」
結衣(そうだ、ちなつは未来日記所持者じゃない・・・巻き込むわけには・・・)
京子「『未来日記』の話だよ」
ちなつ「未来日記・・・?」
結衣「ばっ・・・!京子!」
京子「えっ、どうかしたの?」
京子「そうそう」
あかり「う、うんうん」
結衣「あっ・・・」
結衣(そうか、馬鹿は私の方だ。ここで変に隠したら怪しまれてしまうじゃないか。
『未来日記』という作品は存在するんだから適当にごまかせる・・・)
京子「いやあ、『未来日記』が手に入るならどんな日記がいいかなーって思ってさ」
ちなつ「なるほど」
京子「ちなみに私は『ラムレーズン日記』!未来に食べるラムレーズンの情報が記される!」
結衣(だが京子、それは少し言い過ぎじゃ・・・)
ちなつ「それ、あんまり意味ないんじゃないですか?楽しみも半減してしまいますし・・・」
京子「えっ、そうかなー?じゃあちなつちゃんはどんな日記が欲しい?」
ちなつ「私ですか?うーん・・・いきなり振られても思い浮かびませんね」
ちなつ「それはそうですよ。未来が見えるってすごい事だから迷っちゃいます」
京子「なるほどね」
ちなつ「・・・あっ、ちょっと用事を思い出したので今日はもう帰りますね」
あかり「あ・・・うん、また明日ね」
結衣「おう、お疲れ様」
ちなつ「はい、さようなら」トテトテ
京子「またねー」
京子「・・・怪しい」
結衣「えっ?」
京子「ちなつちゃんほどの猛者なら『結衣先輩日記』が欲しい!と言いそうなものなのに」
結衣「猛者って何だよ。でも、まあ確かに・・・」
あかり「じゃあちなつちゃんも所有者って事?」
京子「分からないけど、私の中では限りなく黒に近い!」
結衣「ふーむ・・・」
京子「そんなわけで、生徒会室行こうぜ!」
結衣「どんなわけだよ」
京子「おーっす!」
綾乃「あ、あら。歳納京子、来たのね」
千歳「来たのね、じゃないやろ~?日記で知ってたはずやんか~」
綾乃「そ・・・そうだったかしら?そういえばそんな事書いてあったかも・・・」
あかり(この二人の日記には京子ちゃんが来る事が記されてたって事だよね・・・)
りせ「・・・・・・」
結衣「おっ。会長も居たのか」
京子「会長、日記見せろー!」
あかり「だ、駄目だよ京子ちゃん。あの、日記見せてもらえませんか?」
りせ「・・・・・・・・・」スッ
・・・・・・
16:40
・・・・・・
17:00
・・・・・・
17:15
・・・・・・
あかり「うわ・・・」
京子「な、何じゃこりゃー!?」
りせ「・・・・・・・・・」
西垣「自分の身の回りの未来が分かる『寡黙日記』、だと言っている」
結衣「西垣先生!」
りせ「・・・・・・・・・・・・」
西垣「おそらく誰にも読めないと思うが、私には未来の情報が読み取れる。と言っているな」
あかり「先生こそどうしたんですか?」
西垣「いや、何となくな。ああそうだ・・・私の日記も見るか?」
結衣「えっ、先生も日記所有者なんですか?」
西垣「うむ。見てみろ」
16:30
調合中に出歩いてしまったせいか、理科室にて爆発。
幸いな事に犠牲者は無し。
17:15
調合中の素材がまだ安定化してなかったらしく、理科室にて爆発の第二波。
松本を巻き込んでしまったが、幸い軽傷で済んだ。
西垣「『爆友日記』だ!」
結衣「おいコラ」
西垣「なに、あと15分ある。ゆっくりして行こう」
結衣「アンタって人は・・・」
西垣「そうそう。この未来日記だが、私が作ったものだ」
京子「へ?先生が?」
結衣「ああ・・・どういう原理かは分かりませんが納得は一瞬で出来ました」
西垣「だから当然ながら、日記が壊れたら所有者が消滅する、なんて事はない」
千歳「消滅~?何やー、そんな物騒な設定あったんか?」
りせ「・・・・・・」
(ブィィンン・・・)
りせ「・・・・・・?」カチャッ
りせ「・・・!」
西垣「おお、そうだな。そろそろ止めに行くか。
日記を作ってるところなんだが、良かったらみんなも一緒に・・・」
あかり「え、ええー・・・怖いよ~・・・」
京子「でもちょっと見てみたいかも!」
りせ「・・・・・・」
西垣「・・・松本も一緒に止めに行こうと言っているぞ」
綾乃「まあ、会長が行くのならついて行くけど・・・」
千歳「そうやなぁ」
西垣「じゃあ、止めてくるぞ」スタスタ
綾乃「はい」
西垣が理科室へと入っていく。
りせ「・・・・・・」
結衣「・・・ったく。あの先生何とかならないのか?」
京子「無理だと思う」
千歳「うちもそう思うわ~」
綾乃「まあ、ああいう人だから仕方ないわね」
西垣の声「おーい、もう入ってきて大丈夫だぞー」
綾乃「よし、行きましょうか」
りせ「・・・・・・」
りせがみんなの前に立ち塞がる。
あかり「会長さん?」
りせ「・・・」スッ
16:24
・・・・・・
DEAD END
結衣「・・・はっ?」
あかり「な、なになに!?」
りせ「・・・」ポーイ
りせがケータイを理科室の中に放り投げる。
綾乃「会長!?何して・・・」
りせ(先生を、止めてあげて)
(ドオオオオォォン!!)
理科準備室から西垣が出てくる。
結衣「先生・・・」
西垣「むぅ。これは・・・」
りせ「」シュゥゥゥ…
あかり「ゆ、結衣ちゃん!会長さんが・・・」
綾乃「消え、て・・・?」
京子「おい、一体どういう事だよ先生!?」
西垣「日記が壊れて所有者が消滅、か・・・やはり本物だったか」タッタッタッ
逃げる西垣。
結衣「待て!!」
だがまさか、命を賭してみんなに伝えるとは・・・思いもしなかったよ。
西垣「・・・ふむ」
西垣(あいつは日記が壊れると所有者が死ぬという事実を知ってたのか?
いや――どちらか分からなかったからこそ日記を捧げたのか・・・)
西垣「さすが松本だ」
西垣(しばらく秘密基地に身を隠そう)
結衣「・・・ごめんみんな、先生を見失ってしまった」
あかり「結衣ちゃんは悪くないよ・・・」
千歳「でも何でやろか?先生の日記には爆発は16:30って・・・」
結衣「操作して爆発の時間を早めたか、あるいはケータイのメモ帳機能で普通に書いたのかもな」
京子「たぶん、私たちの日記もどこかで書き換わってたはず・・・
ノイズが発生して、私たちの中の誰か――或いは全員にDEAD ENDフラグが立ってたはずなんだ」
綾乃「会長が消えた・・・って事はつまり、日記が壊れたら所有者が消えるって事・・・?」
結衣「そうだな。西垣先生の捨て台詞からして、先生が日記を作ったという事自体も嘘っぽい」
綾乃「なんて物騒な代物なの・・・明日大室さんと古谷さんにも伝えないとね」
千歳「千鶴にも教えてやらんとなぁ」
京子「・・・ん?千鶴?」
千歳「あの子も未来日記所有者なんや~」
あかり「な、なんだってー」
結衣「百合妄想・・・って、あれ?それは千歳の日記じゃ・・・」
千歳「ふふ、それがなー。あの子の『百合妄想日記』はうちと綾乃ちゃんの遭遇情報ややり取りを記すんや~」
あかり「な、なるほどー」
結衣「つまりこれで所有者は・・・私、京子、綾乃、千歳、千鶴、それと先生と会長と、えっと・・・」
あかり「結衣ちゃん、誰か忘れてない?」
結衣「ああ、一年生コンビが居たな。9人か」
あかり「どうして二人が出てあかりが出ないの!?」
結衣「あ、あー・・・悪い悪い。10人だな」
京子「それとちなつちゃんで11人!」
結衣「決め付けるなって。だがもしそうだとしても1人足りないな」
結衣「思い当たらんが・・・」
京子「・・・あっ!」
綾乃「歳納京子、何か思いついたの?」
京子「ラムレーズン食べてない・・・そこにあるのは分かってるぞー!」
綾乃「はぁっ!?どうして知ってるのよ!」
結衣「『ラムレーズン日記』か。おい京子、17:40に私の家で食べるんだろ?」
京子「そうだった」
結衣「とりあえず、今日のところは帰ろうか」
千歳「そうやなぁ」
あかり「あれ?ちなつちゃん、櫻子ちゃんと向日葵ちゃんは?」
ちなつ「さあ・・・今日はまだ一度も見てないよ」
あかり「そう・・・」
あかり(どうしたんだろう、二人とも)
[生徒会室 PM0:50]
あかり「えっ、生徒会室にも顔出してないんですか?」
綾乃「ええ・・・昨日の事もあるから忠告してあげようと思ったんだけど」
千歳「心配やわぁ・・・」
あかり「そう、ですか」
あかり「・・・というわけなんだけど」
結衣「二人とも来てないのか。心配だな」
京子「まさか西垣先生に・・・」
結衣「やめろって」
京子「でも、先生もまだ見つかってないしさ」
結衣「それはそうだが・・・」
結衣「ああ、今日も用事があるって帰って行ったぞ」
あかり「また?」
京子「露骨に避けてる・・・やっぱり怪しい!」
結衣「うーむ。もしちなつちゃんが所有者だったとして、危険性があることを知ってるのかどうか・・・」
あかり「うーん・・・」
まり「うにー!」
あかり「あ、あれ!?まりちゃん??」
結衣「お前、どうしてここに・・・」
まり「うに食べに来た!」
結衣「ねぇよ」
結衣「・・・日記だと?」
まり「うん。これだ!」
16:00
おねえちゃんたちのへやのおそとでうにはっけん!
17:00
うにぶんがたりない・・・
18:00
ごはんをたべる。うにはなかった
結衣「これは・・・」
まり「うにのことが書かれる『うに日記』!」
京子「うわ、つかえねー」
結衣「いやお前が言うなよ」
結衣「部屋の外にうにがあるって書いてあったな」
まり「あっ、あれだ!」
30mほど先の皿に乗ったうにの寿司を指差すまりちゃん。
結衣「うわ・・・露骨に置かれてるな」
あかり「何でこんなところに?」
京子「罠?」
結衣「うーん、少し周りを警戒しつつ近づこう」
あかり「・・・結局何もなかったね」
結衣「いや、まだ分からないぞ。このうにに毒が盛られてるかも・・・」
まり「そんなばかな!」
京子「まあ西垣先生が敵だもんねー。普通にありそう」
まり「なんだって。ここまできておあずけ・・・」
結衣「仕方ないだろ。あんなところにうに寿司が置かれてる時点でおかしいんだよ」
まり「ぶー」
結衣「ん?ああ、まあな」
まり「どんなの?見せて!」
結衣「えっ・・・」
京子(・・・・・・)
京子「おー、いいぞ。ほれ」
まりちゃんにケータイを差し出す京子。
まり「へえ、これが・・・えいっ」バキッ
まりちゃんがケータイを折る。
結衣「なっ!?お前何して・・・!!」
あかり「京子ちゃん!!」
京子「あー・・・はっはっは!」
あかり「消え・・・ない?」
京子「ごめんごめん、まりちゃん。それ私が用意しておいたダミーだったよー。本物はこっち」スッ
まり「なぬっ」
結衣「おい、まり・・・お前どういうつもりだ?」
まり「こ、これはつまり・・・にげのいって!」ステテテテー
結衣「待て!!」
結衣「追い詰めたぞ、まり」
まり「うう・・・」
京子「どういうことか説明してもらおうか!」
まり「へんなふくめんをつけた人が・・・」
結衣「うん?」
まり「へんなふくめんをつけた人が、きんぱつかくろかみのケータイをこわせって・・・
そうすればうにをあげるって言ってたんだよ!ほら、日記のここ見て・・・ってあれ?」
16:32
ざんねん、うにを食べることなくばくはつしてしぬ。
DEAD END
(ドオオォォン!!)
結衣「くっ・・・まり!!」
爆発が収まると、壊れたケータイが――消えていくところが見えた。
京子「まりちゃん・・・」
あかり「ひどい・・・こんなのってないよ・・・」
結衣「・・・クソッ!!」
結衣「・・・・・・」
京子「結衣・・・」
あかり「結衣ちゃん・・・」
結衣(こうしていても始まらない、か・・・)
結衣「なぁ・・・さっきの、誰の差し金だと思う?」
あかり「えっ?」
京子「うーん、それは私も考えてたんだけど・・・」
結衣「あの爆発、やっぱり西垣先生かな」
京子「そうとも言い切れないよ。まりちゃんは『金髪か黒髪のケータイを』って言ってたよね?」
結衣「やっぱりお前もそこが気になってたか」
京子「うん」
あかり「あかりの『主役日記』が脅威じゃないと考えた?」
結衣「いや・・・それなら京子の『ラムレーズン日記』や私の『ゲーム日記』の方が限定的で使えない」
京子「そうだよねぇ・・・」
結衣「とすると、やはり・・・あかりをかばいたい人物って事になるよな」
あかり「あかりを?」
京子「うーん・・・でも、そんな人居たっけ?」
結衣「怪しいのは、生徒会の一年生コンビだな。今日は誰も目撃していないし」
あかり「櫻子ちゃんか向日葵ちゃんが!?」
京子「あるいは、その両方だね」
結衣「なるほど。黒幕はまりちゃんの事を信頼しておらず、ちゃんとケータイを狙うならそれでよし、
私たちに味方して情報を流してもそれはそれで混乱を誘える・・・って作戦か」
京子「そして後者の場合はすぐに始末するつもりだった・・・」
結衣「ふむ。とすると、私たちが最初にまりちゃんの日記を見た時はDEAD ENDフラグは立っていなかったが
最期にまりちゃんが日記を確認した時点では立っていたというのも・・・」
京子「うん。最初はまりちゃんが私たちのケータイを狙うつもりだったから殺す気は無かったけど
それに失敗して私たちに情報を流した時点で用済みになったから・・・ってこと」
あかり「えっと、DEAD ENDフラグって何?」
京子「ああ、あかりには説明してなかったっけ。全ての未来日記共通の予知内容で、
そのまま過ごしていたら持ち主が死ぬであろう時間の記述に『DEAD END』って書かれるんだよ」
あかり「ええっ!?それ書かれちゃったらもう終わりって事!?」
結衣「どうやらそうでもないらしい。持ち主、或いは他の日記所有者の行動によっては回避も出来る」
京子「アニメだと結構回避してたしね。特に未来日記所有者が集まってる場所だとあてにならないよ」
あかり「へえー・・・」
結衣「分からんな。どれも推測の域を出ないし」
京子「怪しいのは西垣先生と生徒会の面々・・・それに千鶴だね」
結衣「それ今分かってる全員じゃねーか」
あかり「あ、あはは・・・あっ。そういえば京子ちゃん、ダミーなんて作ってたんだね」
京子「ああ、あのサンプルのケータイ?こんなこともあろうかとね!」
結衣「ったく、あれ壊された時はどうなる事かと思ったぞ」
京子「日記の内容が役に立たないなら他でカバーするしか無いのだ!12thとか催眠術使ってたし」
結衣「何だよそいつ・・・」
あかり「寝坊した!早く学校行く準備しないと!」
(ピンポーン)
あかり「あっ、はーい!」ガチャッ
あかりが玄関のドアを開けると、そこに居たのはちなつだった。
あかり「あれ、ちなつちゃん?」
ちなつ「・・・」
あかり「な、何?どうしたの?」
ちなつ「あかりちゃん」ガバッ
突然あかりを押し倒すちなつ。
あかり「いたっ!ち、ちなつちゃん何するの!?」
ちなつ「抵抗しないで」
あかり「嫌、駄目だよこんなの・・・!」
あかり「え――」チュッ
そう言うとちなつはあかりの唇を奪った。
あかり「っ~~!!」
ちなつ「・・・ぷぁっ。フフ、作戦は成功ね」
あかり「ひどいよちなつちゃん・・・作戦?」
ちなつ「私の未来日記は結衣先輩と私の未来を記す『結衣先輩日記』!
今日結衣先輩の唇を奪うための作戦を決行するわ。デモンストレーションは完璧・・・」
あかり「うう、あかりをデモンストレーションに使うなんて・・・」
ちなつ「それじゃ、また学校で会おうね」バタン
家から出て行くちなつ。
あかり「まったく、ちなつちゃんにも困ったものだよ・・・」
あかり「ああっ!!早く学校に行く準備しないと!」
ちなつの声「きゃああっっ!!」
あかり「えっ!!ちなつちゃん!?」
急いで家の外に出てあたりを見回す。倒れているちなつを見つけた。
あかり「ちなつちゃん!」
ちなつ「ぅ・・・日記・・・」
あかり「日記?・・・無いの!?」
そこへあかりを迎えに来た京子と結衣がやってくる。
京子「あれ・・・ちなつちゃん!!」
結衣「おい、どうした!?」
京子「あっ、ちなつちゃんやっぱり日記所有者だったのか!」
結衣「いやそれより・・・誰に取られた!?」
ちなつ「分からないです・・・急に・・・あれっ・・・?」シュゥ…
ちなつの体が消え始める。
あかり「ちなつちゃん!?」
結衣「日記を壊されたんだ!」
ちなつ「」シュウゥゥ…
ちなつが完全に消える。
京子「ちなつちゃん・・・」
結衣「さて」
京子「完全に遅刻したわけだが」
あかり「ご、ごめんなさい・・・」
結衣「いやそれはいいよ。それよりちなつちゃんが消えた件だ。授業なんていってる場合じゃない」
京子「えーっと、とりあえず日記所有者は娯楽部の4人、生徒会の5人、先生、まりちゃん、千鶴・・・」
あかり「あっ、12人揃ったね」
結衣「その内すでに死亡が確認されているのはちなつちゃん、会長、まりちゃんの三人だな」
あかり「行方が分からないのは櫻子ちゃん、向日葵ちゃん、西垣先生だね」
結衣「ふーむ」
あかり「どうして?」
京子「勘だ!」
結衣「まあ、それはともかくやっぱり一年生コンビと先生が怪しいよな」
結衣(だとして、だ。うーむ・・・)
結衣「情報が少なすぎる・・・」
あかり「そうだね、ちなつちゃん自身も誰に襲われたか分かってなかったし」
京子「現状ではどうしようもないねー」
西垣「ふぅ・・・さすがに地下までは警戒されてないらしいな」
西垣(さて。少し、外の様子を見てくるか)
秘密基地の外に出る西垣。
西垣「・・・ふむ、今日も異常は――むっ?」
少し離れたところに人影を発見する。隠れながら様子を見守る西垣。
千歳「うーん、見つからへんな~」
西垣(誰かを探してる・・・私か?)
千歳「あの人さえ何とかすれば、後は仲良しこよしの甘ちゃんばかりなんやけどなぁ」
西垣(な・・・に?)ガサッ
西垣「しまっ・・・!」
千歳「おやぁ?」
西垣「クッ」タッタッタッ
逃げる西垣。それを追う千歳。
千歳「やっぱり、西垣先生や~。逃がさへんよ?」タッタッタッタッ
西垣(秘密基地に逃げ込むのはやばいな。一端学校へ・・・)
考えていると、目の前からも誰かが現れる。
西垣「なっ!?」
千鶴「逃がしませんよ」
西垣「妹か・・・!」
西垣(後には池田・・・どうする?逃げ道は・・・)
西垣「くそっ!やっぱりここしかないか!」
地下への扉を開ける西垣。
千歳「そんなところに隠れてたんなぁ。どうりで見つからへんはずやわ~」
西垣「篭城戦か・・・」
千歳「先生。ここ、開けてもらえへんやろか?」ドンドンドン
西垣「それは出来ないな。ああ、一つ言っておくが、その扉は無理やり開けると爆発するぞ」
千鶴「嘘ですね。爆弾が付いているのならば今すぐにでも起爆しているはずです」
西垣(こいつ・・・!)
西垣「・・・よく一瞬で見破ったな。だがこの基地自体に自爆装置が付いている」
千鶴「確かに、それは貴女ならやりかねませんね」
西垣「フフ・・・そこを開けた瞬間お前たちも巻き添えにして自爆するぞ」
千歳「何や、それなら簡単や~。ここを開けたら千鶴一人で突入すればええんやろ?」
千鶴「そうですね、姉さん」
西垣「お前ら・・・!」
千鶴「はい」
西垣(駄目だ、このままでは時間の問題だ。日記によるとDEAD ENDは今日の夕方・・・
ここにある発明品を使えば一端は何とか切り抜けられるということか。
だが、ここを破棄してしまったらもう発明環境が無くなってしまう。
そうなったら私に勝ち目は無い・・・学校は敵だらけ・・・)
西垣「そしてDEAD END、か」
西垣(ここで私が死んだら、ほぼ100%池田の勝利で終わる・・・
こうなったらせめてそれだけは阻止してやるぞ!)
杉浦が『歳納京子日記』で、大室と古谷は行方不明、松本はもう居ない・・・
歳納、船見・・・ともう一人の一年はいつも一緒に行動してる」
西垣(ここまでの情報でまず池田姉妹の戦力を削ぐ方法は見えているんだ。問題はこの先・・・)
西垣「対抗馬となる歳納と船見の日記が『ラムレーズン日記』と『ゲーム日記』。あと一人のは・・・忘れた」
西垣(こいつらが使えないんだよな・・・)
西垣「いや、よく考えろ私・・・とりあえず池田姉妹のヤバさを伝えるのは必須だ。
だが私では、ここを脱出して命を投げて伝えたとしても信用されるかどうか・・・
それにただ知らせるだけではあの姉妹に対抗できる気がしないし・・・
せめて頼りになりそうな船見がしっかりした日記を持っていれば・・・」
西垣(・・・いや待てよ?そうか、なるほど!)
(ブゥゥン・・・)
西垣「このノイズ・・・」ピッ
日記の内容を確認する西垣。
西垣「クク、これが上手く行けば船見たちの勝利が見えてくるな」
西垣「完成した・・・この薬があれば」
千歳「待たせたな、千鶴ー」
千鶴「おかえり姉さん。これで中に入れるね・・・」
千歳「そうやなぁ。待っててや、先生」
西垣「やなこった!」ガチャ
千鶴「出てくる気!?」
身構える千歳と千鶴。西垣は扉を開けると閃光弾を放つ。
千歳「これは・・・千鶴、目と耳!」
千鶴「はい!」
(キイィィィーン)
千歳「くっ・・・」
千鶴「ううっ・・・!」
西垣「ふぅ、やはり逃げ出す事自体は容易だったか」
西垣「そして幸いな事に今は授業中だな」
西垣(目指すは二年教室!)
[七森中・京子たちの教室前 AM10:13]
西垣(ここだな・・・)スゥッ
少しドアを開け、教室内を覗き込む西垣。
西垣(歳納と船見は居ないか・・・だが杉浦が居るなら上出来だ)
綾乃「歳納京子・・・はぁはぁ・・・」
西垣(ケータイ見て何やってるんだあいつ。まあそっちの方が都合がいい)
西垣が教室に入り込む。
授業中の教師「に、西垣先生!?」
綾乃「えっ!?」
綾乃の元へ駆け寄る西垣。
西垣「杉浦、授業中にケータイ使うな!没収だ!」パシッ
綾乃「あっ!!」
西垣「では、失礼しました!」スタスタスタ
綾乃「ちょ、ちょっと待って!」タッタッタッ
綾乃から携帯を取り上げ教室から立ち去る西垣、綾乃はそれを追う。
西垣「ふむ、やはり歳納たちは部室か」
綾乃「先生!!突然現れて何なんですか?私の日記を使わないでください!」
西垣「まあ落ち着け。世界の平和のためだ」
[西垣の秘密基地前 AM10:20]
千鶴「姉さん、大丈夫?」
千歳「大丈夫や・・・」
(ブゥゥーンン・・・)
千鶴「ノイズ?」
千歳「・・・私の日記やな。5分後に歳納さんと綾乃ちゃんが遭遇?」
千鶴「えっ?今は授業中のはず・・・」
千歳「ふむぅ。先生、何か仕掛けてきおったなぁ」
西垣「さて、と。少し離れろ杉浦」ポイッ
爆弾を放り投げ、部室の入り口脇に身を隠す西垣。
綾乃「な、何を・・・!?」
(ドオオォォォン・・・!)
爆発音を聞いてあかり、京子、結衣が部室から出てくる。
京子「何だ何だ!?」
結衣「あれ、綾乃・・・うっ!?」ガバッ
西垣「おっと、動くな」
結衣は西垣に後ろを取られ拘束される。そしてそのまま10mほど離れる。
西垣「動いたら船見にこの薬を飲ませる」
西垣「さーて。とっても面白い薬なんだが、ちょっと言えないな」
綾乃「どうしてこんな事を・・・!」
西垣「おっと、杉浦の日記もこっちの手にあるんだぞ」
京子「卑怯な!結衣を放せ!」
結衣「・・・目的は?」
西垣「さすが船見は話が早いな。私の話を聞いて欲しいんだ」
結衣「話だと?」
西垣「ああ」
京子「ちゃんと12人見つけたぞー!」
西垣「そうか、それは良かった。ちなみに私の真の日記内容は『発明日記』だ。
自分の発明品についての情報が記される。これで容易に発明品が作れたよ」
京子「なに、『爆友日記』はブラフだったのか!」
結衣「それで?どうしてそんな事を教える?」
西垣「ここからの話をするに当たって少しでも信用を得たかったんだ。
それで本題だが・・・池田姉妹は神の座を狙っている」
杉浦「神の座って・・・」
結衣「・・・まさか、他の日記所有者を殺してるって事か?」
西垣「その通り。行方知れずの大室と古谷もあいつらにやられたのかもしれん」
あかり「二人が・・・!?」
結衣「・・・その話が本当だという証拠は?」
京子「そうだ!そんな事言って同士討ちさせる寸法だろ!」
西垣「証拠、か・・・そんな物は無いが、私の命を賭けよう」
あかり「えっ?」
千歳「先生!」
どこからか千歳と千鶴が駆け寄ってくる。
千歳「先生、また変な嘘言うのやめてや・・・」
千鶴「そうですよ。こんなの、酷すぎます」
西垣「フフ・・・お前らは本当に優秀だな。だがそんな茶番には付き合ってられん」
結衣「うぐっ!?」
西垣は結衣に謎の薬を飲ませると、その場を離れた。
西垣「そしてさらばだ!私と杉浦の死を無駄にするなよ!」カチッ
綾乃「えっ・・・」
(ドオオォォォン!!)
あかり「自爆した!?」
綾乃「あ、あああ・・・」シュゥゥ…
京子「綾乃!!」
綾乃「」シュゥン…
千歳(くぅ・・・うちと千鶴の『百合妄想日記』はそれぞれ「歳納さんと綾乃ちゃん」、「綾乃ちゃんとうち」の
二人両方が居ないと効果のない日記・・・綾乃ちゃんが欠けた時点でうちら姉妹の日記の価値は無くなる・・・)
千鶴(そして、娯楽部の三人が共に行動する事を考えると、その内の一人の情報が分かる『歳納京子日記』は
是非とも利用したい日記だった・・・それを失うなんて・・・)
結衣「う、うう・・・」
京子「・・・はっ。大丈夫か、結衣!」
結衣「ああ、何だか頭がおかしくなった気がするが・・・何だこれ。これ現実か?」
あかり「結衣ちゃん!やっぱり変な薬飲まされちゃったんだね・・・」
結衣「ああ。人が死んでいってる重い状況なのに実感が無いっつーか・・・」
結衣(そうだ――まるで、ゲームでもやってるかのような)
(ブイィィン・・・)
結衣「このノイズは・・・?」ピッ
10:45
千歳が騙し討ちを仕掛けてくる。どうやら先生の攻略情報通り敵だったようだ。
まあ、善人面した悪役なんてよくある話か。
10:47
千鶴が助けに入ったことで千歳に逃げられる。今回は勝てないイベント戦闘か。
結衣(なんて事してくれるんだあの先生は!)
あかり「結衣ちゃん、大丈夫?」
千歳「大丈夫か~?」
結衣「ああ、ばっちりだよ。把握した」
京子「把握?」
千歳「しかし、綾乃ちゃんの事は残念やったなぁ・・・あの先生、むちゃくちゃやわぁ」
結衣「そうだな、無茶苦茶だな」
千歳「せやから、うちらが変な事企んでるなんて嘘、信じひんよな?」
結衣「ああ」
そう言うと千歳はハンカチを取り出す。
結衣「おっと、すまないな」スッ
千歳(いただきや!)ニィッ
千歳の持っていたハンカチに隠されていたナイフが顔を出す。
だが結衣はそれを読み、ケータイを引っ込める。
結衣「・・・なんて、騙されるか!」サッ
千歳「何やて!?」
京子「ち・・・千歳!?」
あかり「まさか・・・」
京子「うおっ!?」
千歳の元に駆け寄る千鶴。
そして千歳を抱き寄せると結衣たちから離れた。
結衣「お前ら・・・」
千歳「フフフ・・・ああ、そうや。うちは神の座を狙ってるんや。
ここで船見さんを始末できれば楽やったんやけどなぁ・・・」
京子「千歳、やっぱり敵だったのかー!」
千歳「せやけど、うちの攻撃を見破るとはどんなマジックや?」
結衣「それは、この『ゲーム日記』に書いてあったからだ」
あかり「ええっ!?」
京子「うそっ!」
結衣「その通り。でも、ゲームってテレビゲームだけじゃないだろ?」
千歳「まさか・・・この未来日記を使った争いを『ゲーム』とでも言い張る気なんか?」
結衣「私だってとてもそうは考えられなかったさ。でも西垣先生に飲まされた薬によって、ね」
京子「あの薬にはそんな効果があったのか・・・」
千歳「・・・アホらし。今回はここまでにしとこか・・・千鶴!」
千鶴「はい、姉さん」
そういって立ち去る千歳と千鶴。
京子「あっ、待てー!」
結衣「お前が待て。深追いはやめろ」
千歳「ふーむ・・・」
千鶴「どうしたの、姉さん」
千歳「船見さんの『ゲーム日記』、厄介やなぁ」
千鶴「・・・はい」
千歳「でも、日記の情報は他の所有者の行動によって変わったりもする・・・
何とか逆手に取れそうな気もするんやけどな。決め手に欠けるわぁ」
千鶴「私たちの日記ももう役に立たないし・・・」
千歳「そうやなー。もはやDEAD ENDフラグしか書かれへん、足かせのような物やから・・・
・・・いや、DEAD ENDフラグ・・・やから、つまり・・・」
千鶴「姉さん?」
千歳「・・・行けるかもしれへんな」
娯楽部部室前にて待ち構える結衣、京子、あかり。
そこに千歳が一人でやってくる。
千歳「待っててくれたんか?嬉しいわぁ」
結衣「・・・来たな」
京子「あれ、一人?千鶴は?」
結衣「大丈夫だ京子。何を企んでようとこの『ゲーム日記』で見破るさ」
千歳「ふふ・・・企むだなんて人聞き悪いこと言わんといてや~。うちは話し合いに来たんよ」
あかり「い、今さら話し合いだなんて・・・」
千歳「仕方ないやろ?うちには『ゲーム日記』を破る方法は思い浮かばへん。よくて相討ちや」
結衣「相討ちまで持っていけると?」
千歳「どうやろなぁ。実は、うちには既にDEAD ENDフラグが立っとるんや。ほれ」
11:35
DEAD END
千歳「元々は歳納さんと綾乃ちゃんの事を記す日記やから、DEAD ENDにもうちの死因が書かれへんのやな」
結衣「・・・そうか。で、それを教えてどうするつもりだ?」
千歳「ゲームをしようや。うちが勝ったら三人の日記情報にDEAD ENDフラグがあるかどうか見せてもらう。
うちが攻撃する事でどれくらい被害を与えられるか知りたいんや。負けたら・・・そうやね・・・
まあ、どっち道死ぬ運命やから日記を差し出すわぁ」
あかり「ほんとに?」
千歳「ゲームの内容は、21を言ったら負けというゲームや。1からスタートして、お互いに数字を最大3つカウントし合う。
数字を言い合っていき、最終的に21をカウントしてしまった方が負け・・・」
結衣(聞いた事あるな。確か必勝法があったはずだが・・・)
(ブゥゥーン・・・)
結衣(ノイズ・・・?)ピッ
11:34
21を言ったら負けゲーム開始。先攻では勝てない、後攻をもらう。
後攻側は4の倍数をキープしていれば最後に20を確保できるので負けない。
千歳→1,2,3、私→4、千歳→5,6、私→7,8
11:35
千歳→9,10,11、私→12、千歳→13、私→14,15,16
この時点で千歳が思考をめぐらし負けを悟る。私の勝ち。
千鶴「はい、姉さん!」
結衣たちの背後から千鶴が襲い掛かる。
京子「なにぃ!!」
結衣「しまった!?」
(ブゥゥーン・・・)
11:34
千鶴のバックアタック。体勢を整えられない。
11:35
千鶴の攻撃、自爆。私に即死ダメージ。
DEAD END
結衣「自爆・・・!?」
千鶴「うおおぉぉ!!」ギュッ バタン
千鶴が結衣を押し倒す。
あかり「結衣ちゃん!」
京子「え、ええっ!?」
千鶴「姉さん、後はがんばって」
(ドオオォォォン!!)
京子「うおっ!?」
あかり「うわぁっ!!」
千歳「あーはっはっはっは!やっぱり『ゲーム日記』にはゲームで対抗するのが一番やったみたいやなぁ」
あかり「そんな・・・結衣ちゃん・・・」
千歳「いやー、船見さんが『未来日記』初心者で助かったわぁ。日記なんて所有者の集まる場所では
そこまでの信頼性はあらへんのや。所有者たちの行動でころころ変わるからなぁ。
せやけども、無視できるレベルってわけでもないってところが難しいんやけどな~」
京子「千歳!お前、DEAD ENDフラグはどうしたー!」
千歳「ああ、あれか?あれは千鶴の日記や。そっちを油断させる材料が少しでも多く欲しかったからなぁ。
千鶴の体に時限爆弾をセットしてあったんやわ。発明品類を残してくれた西垣先生に感謝せんと」
あかり「妹を道具のように使うなんて、ひどい・・・」
うちが生き残るなら千鶴がいつ犠牲になってもかまわへんわ」
あかり「でも・・・!」
千歳「千鶴も了承済みや。最後に二人で生き残ってもどの道殺さなあかんやろ?それも嫌やん」
京子「むぅ・・・」
千歳「まあ何にしても、船見さんが消えてくれてありがたいわぁ。残りが雑魚二人なら・・・
・・・ああ、そういえば他の日記所有者知っとるん?12人にはあと2人足らんのよ。
うちの知ってる限りだと、生徒会5人と先生、千鶴・・・それと娯楽部の3人だけや」
あかり「・・・3人?ちなつちゃんは?」
千歳「ほお、娯楽部は4人ともそうやったんかいな」
京子「ちなつちゃんは千歳がやったんじゃないのか!?」
千歳「知らんなぁ」
あかり「って事は、まりちゃんをあかりたちに差し向けたのも違うの?」
千歳「誰やそれ・・・まあ、それはおそらく西垣先生やろなぁ。その子はどうなったん?」
京子「・・・死んだよ」
千歳「ほうほう」
京子「こっちも聞きたい事がある!生徒会の一年生2人はどうなった!」
千歳「さあなぁ。まあ、ここまでまったく音沙汰がないという事は西垣先生に消されたんやろうけど」
あかり「あ、あれ?でも先生は池田姉妹が消したと思うって言ってたよ?」
千歳「そうなんか?なら、もしかしたら千鶴がやったんかもなぁ。それか吉川さんか、まりちゃんって子か・・・
どちらにしても残るはうちら3人だけやな。安心したでぇ」
あかり「うう・・・」チラッ
11:50
主役なのにいいところが無いまま殺されちゃう。
DEAD END
あかり(あかり、死んじゃうの・・・?)
千歳「あらあら・・・どうやって変えるつもりやろか?そのゴミ日記二つで」
あかり「あ、あかりに出番があればゴミじゃないもん!」
京子「それに今は千歳が一番ゴミだろー!?」
千歳「あはは、せやったせやった。でもこっちにはDEAD ENDフラグが立ってへんし、どうやらそっちには立ってるみたいやよ?」
京子「ふ・・・フッフッフ!こいつを受け取れー!」ポーイッ
京子はポケットから何かを取り出すと千歳へと投げる。千歳はそれを反射的に受け取ってしまう。
千歳「何やっ・・・!?」パシッ
あかり「ラムレーズン??」
千歳「何や、つまらんジョークかいな。冗談きついわー」ポイッ
そう言うと千歳はラムレーズンを投げ捨てた。
(ブゥーンン・・・)
千歳「さて、そろそろおしゃべりは終わりや」
京子「・・・・・・」ピッ
京子は日記を確認する。
千歳「そんなゴミ日記見たところで何も変わらへんわ!覚悟しぃ!」
千歳がどこからかナイフを取り出し、京子に襲い掛かる。
あかり「京子ちゃん!」
スウェーで千歳の攻撃をかわす京子。
千歳「はっ・・・?」
京子「そして右のわき腹に僅かな隙が出来る!」デュクシ!
千歳「ぐはぁっ!!」
京子が千歳のわき腹にパンチを叩き込むと、千歳はその場にうずくまった。
あかり「ええっ!?」
千歳「ば、馬鹿な・・・何でや・・・?」
京子「私の日記はゴミ日記じゃなくて『ラムレーズン日記』だ!」
千歳「ら、ラムレー・・・・・・ま、さか・・・」
京子「フフフ・・・見ろ!」
千歳が我が愛しのラムレーズンを無碍にする。絶対に許せねえ!
11:46
ラムレーズンをゴミのように扱った千歳が襲い掛かる。
初撃は喉元狙い。その攻撃によりラムレーズンを馬鹿にした輩の右わき腹に死角が生まれる。
11:47
カウンター気味に入ったパンチによりラムレーズンを粗末にした千歳をKO。
ラムレーズンは正義!
あかり「す、すごい・・・」
千歳「んな・・・アホな・・・それは、卑怯、やろ・・・?」
京子「ところがどっこい!これが現実だ!」
千歳「は、はは・・・歳納さん、らしいわ・・・う、うちの負けや・・・」
京子「うむ。策を練り、みんなを陥れ、私たちを追い詰めた数々の行動、
ご苦労だった・・・と言いたいところだがお前には消えてもらう!」
千歳「今まで堪忍な・・・二人なら、きっといい世界を築けるわ・・・」
京子「・・・死ぬがよい」バキッ
千歳「」シュゥゥン…
京子は千歳の日記を破壊した。
あかり「終わったね・・・」
京子「・・・・・・」
あかり「京子ちゃん?」
京子「あかり、私はラスボスだぞ?」
あかり「えっ・・・」
京子「あかりが神になる上での最後の障害だ」
あかり「あ、あかりはそんなつもりないよ?」
京子「じゃあ私が神になってもいい?」
あかり「えっ、それって・・・」
あかり「だからあかりを・・・?」
京子「私も気乗りしないけどさ。勝った方は神になる」
あかり「・・・あかり、そんなの興味ない」
京子「私も、そこまではね。でも神になれば世界は思うまま・・・」
あかり「だから、興味ないってば・・・」
京子「本当に?みんなを生き返らせて、また平穏な日常を送れるかもしれないのに?」
あかり「あっ・・・」
京子「そうだよ、あかり。このままだとみんな死んじゃったままだ。
だったら一時的にでも戦い合って、神になった方がみんなの居る平穏な世界を作ろう」
あかり「それは、確かに・・・それがいい」
あかり「ええっ!?じゃ、じゃんけんとかじゃ・・・」
京子「えー、それじゃつまんないよ」
あかり「つまらなくていいから早く平和な世界に戻りたいんだけど・・・」
京子「まったく、あかりはあかりだなー。せっかく未来日記手に入れたんだよ?」
あかり「こんな日記もううんざりだってば!」
???「嫌だわ、早くすり潰さないと」バキッ
京子「・・・へっ?」シュゥゥ…
京子の背後から何者かが現れケータイを破壊する。
あかり「京子ちゃん!?」
京子「」シュゥン…
――京子は消滅した。
あかり「そんな、京子ちゃん・・・一体誰が!?」
あかね「・・・あかり」
あかり「お、お姉ちゃん!?どうして・・・」
あかね「このゲームの勝利者は神になれる」
あかり「なんでお姉ちゃんがそれを・・・」
あかね「私は神になってあかりと二人きりの世界を作り出すのよ」
あかり「えっ」
あかね「ふふ、そうよあかり。私も未来日記所有者・・・」
あかり「お・・・姉ちゃんが・・・?」
あかり「そんな!所有者は12人のはずじゃ・・・」
あかね「それは原作の話でしょう?」
あかり「・・・お姉ちゃん、『未来日記』知ってたの?」
あかね「そうよ。前からずーっと、欲しいって思ってたのよ」
あかり「何を・・・?」
あかね「この未来日記。あかりに近づく虫どもを教えてくれる『妹日記』を、よ!」
あかり「そ、そんな・・・」
あかり「櫻子ちゃんと向日葵ちゃんはお姉ちゃんが・・・!?」
あかね「そしてうにうに言ってる子供を使ってさらに数を減らそうとした・・・失敗したけどね」
あかり「まりちゃんも・・・あっ、それで私を狙わなかったのか・・・」
あかね「後はあのにっくきピンク髪ね・・・」
あかり「ちなつちゃんも?」
あかね「当然よ。あの子はあろう事かあかりの唇を奪った・・・だからあかりにも死に様を見せてあげた」
あかり「そういえばケータイ取られたって・・・わざわざあかりが駆けつけてから壊したんだね・・・」
あかね「うふふ、その通りよ。あとは勝手に潰し合ってくれたし・・・残るはあかり一人だけ」
あかり「お姉ちゃん・・・こんなの絶対おかしいよ・・・!」
そしてそのために私は一度だけあかりを手にかける・・・自らの手でね」
あかり「やめようよ、お姉ちゃん!」
あかね「どうして?あかりはお姉ちゃんの事好きじゃないの?」
あかり「そ、それは好きだけど・・・でも、こんなの嫌だよ!」
あかね「うふふ、怖いのね。かわいいわ。大丈夫、痛みは一瞬だから・・・」
あかり「そ、そうじゃなくって・・・いやそれもそうだけど・・・」
あかり(そうだ、日記は・・・)ピッ
12:30
主役が姉に殺されちゃうなんて・・・
DEAD END
あかり(駄目・・・なの?)
あかり「うう・・・」
あかね「ほら、私の日記の方にはもうあかりに近付く悪い虫は居ないと・・・」ピッ
12:30
あかりに赤座あかねという虫が近付く。あかりのために排除すべし。
あかね「えっ」
(ブゥゥーン・・・)
あかり「ノイズ・・・?」チラッ
12:30
さすが主人公!千歳ちゃんが使ってたナイフで最後の日記所有者を倒し、見事エンディングを迎える。
HAPPY END
あかり(これは・・・!)
あかり「お姉ちゃん、ごめん!」ベキョッ
その場に落ちていたナイフを使い、あかねのケータイを傷つける。
するとあかねの体が消え始めた。
あかね「ああっ」シュゥ…
あかり「お姉ちゃん・・・」
あかね「私は・・・間違って・・・」シュゥウン…
あかねは完全に消滅した。
突然あかりの周りの風景が変わる。
あかり「あ、あれ・・・?ここ部室だったよね?」
???「おめでとう。お前は見事勝ち残った・・・」
あかり「あなたは・・・」
神「我は神・・・今は、だが」
あかり「今は・・・?」
神「我はもうすぐ滅びる・・・お前はこのゲームに勝利した。次はお前が神になる」
あかり「あかり、神になんてなりたくない!みんなを返して!」
神「そう言われてもな・・・もう決まった事だ。お前が神になってから変えればいい」
あかり「あかりが・・・?」
結衣「なげーよ」
ちなつ「・・・私が全然活躍してなかった気がしますけど?」
あかり「あかり、殺し合いなんて嫌だよ・・・」
京子「あはは、最初は適当にみんなの未来日記がどんな感じになるか考えてただけなのに
気付いたら本当に戦い始めちゃってたよ。ごめんごめん」
結衣「お前なぁ・・・」
京子「だけど、あれだよね。未来は分からないからこそ面白い、だから人は生きる・・・みたいな?」
ちなつ「いい事言ったみたいな感じで締めくくろうとしないで下さい」
京子「何だとー!そんな事言ったら落ちがつかないだろー!」
結衣「えっ、私か?そうだな・・・やっぱり平凡な人生ってのが一番ってことなんじゃないか?」
ちなつ「キャー!先輩かっこいい!しびれます!」
京子「薄っぺらさでは私と大差ないじゃんか!えこひいきするなー!」
あかり「あ、あはは・・・でも、『平凡が一番』か。そうだよね!
きっとあかり、そこで神になったら・・・平凡で平穏で平和な、そんな世界を願ったと思う」
京子「おお、あかりがそれっぽい事を!」
結衣「・・・まああかりは平凡じゃなくて空気だけどな」
ちなつ「ですよねー」
あかり「ええっ!?みんなひどいよー!」
END
Entry ⇒ 2012.01.05 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
結衣「ちなつちゃんに笑ってほしい」
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1324434714/l50
何度も落としてすみません
完結させたいので、こちらに移動します
短い間になるとは思いますがよければお付き合い下さい
京子が先生に呼び出しを食らい、廊下で掃除をしているあかりともすれ違ったから
部室にはちなつちゃんしかいないはずだ。
急ぐ理由なんて無いけど、この季節、廊下はひどく冷えていて、
自然と足早になってしまう。
早く中に――
あっという間に辿り着いた部室の前。ドアに手をかけて、それから私は。
そのドアを開くことが出来なかった。
結衣「……ちなつちゃん?」
薄く開いたドアの隙間。
こちらに背を向けて座っているちなつちゃんは。
なんだか、泣いているみたいだった。
結衣「……」
バクバクと鳴っている心臓を落ち着けようと、私は大きく深呼吸した。
思わず戻ってきてしまった教室には誰もいない。
おかげで声を出して息を吐き出すことが出来た。自分の声で、少し頭が
冷静になってくれる。
結衣「……なにやってんだ私」
冷静になった頭で、私はどうして逃げてしまったのだと後悔した。
ちなつちゃんはいつも明るくて、泣いているところなんて見たことなかったから。
一人で泣いてるなんて、見られたくないだろうし。
なにより、私なんかが声をかけていいのかわからなかったから、どうしても部室に
入れなかったのだ。
京子「あれ、結衣?」
自分の対応に頭をかきむしりたくなったとき、のんびりとした声が
私を教室へと引き戻した。
結衣「京子……」
京子「先部室行ったんじゃないのー?さては私を待っててくれたか!」
結衣「ちげーよ」
えぇと口を尖らせながら、京子は自分の机に駆け寄って置いてあった鞄を肩に
かけた。
どうやら今の今まで先生にこってり絞られていたのだろう。
けれどそんな様子は微塵も見せずに京子はそう言って私に寄って来た。
ちょっと待ってと言う暇もなく、京子が私の背を押して教室を出ようとする。
京子「今日はなにする?」
結衣「なにするって……」
なんとか鞄を持ち出しながら、私は返答に詰まった。
京子はちなつちゃんが泣いていたことを知らない、当たり前だけど。
それに私だってちなつちゃんがどうして泣いていたのかなんてわからないし。
京子「結衣?」
結衣「……っ」
立ち止まった私を、京子が「なんだよー」というように振り返った。
行きたくないわけではないけど、今ちなつちゃんと顔を合わせるのは
正直きつい。
結衣「ごめん、今日は」
そう言い掛けたとき、京子が「どうした?」と首を傾げた。
「なにが」と問い返すと、「なにかあったのかなって」
結衣「……そういうわけじゃ、ないけど」
こういうときの京子はへんに鋭い。
それでも私は、京子から目を逸らして首を振った。
なんとなく、ちなつちゃんのことは言い辛かった。京子のことだからちなつちゃんに
真正面切って何か言いそうだし。
京子「ふーん?」
結衣「と、とりあえず今日は私」
けれど、京子は「大丈夫だって」と笑った。
そのまま、私の後ろに回ると教室を出たときのようにぐいぐいと私の背中を
押して行く。
結衣「ちょ、京子」
京子「あかりもちなつちゃんも待ってるしさ」
ちなつちゃんも。
私は何も言えなくなって、結局部室の前まで来てしまった。
けれど、ここまで来てなお京子がドアに手をかけようとしたのをつい止めて
しまっていた。
京子「なに?」
結衣「いや……」
京子「結衣の手邪魔なんだけど」
結衣「う、うん……」
無理矢理私の手をどかそうとする京子と、なんとか中に入るのを阻止しようとする私。
結局押し問答になってしまったとき、中からこちらへ走り寄って来る音が聞こえた。
結衣「あっ……」
そして、あっけなく開いてしまったドアから顔を覗かせたのは。
きょとんとした表情のちなつちゃんだった。
ちなつ「……な、なにやってるんですか」
京子が「結衣のやつが」と文句を言い始めるのを口に手を当てて阻みながら、
私は苦笑して「なにも」と答えた。
結衣「……えっと、遅くなってごめんね?」
ちなつちゃんは一瞬何か言いたそうな顔をしたあと、すぐに首を振って
笑ってくれた。
ちなつ「結衣先輩が来てくれただけで嬉しいですっ」
その笑顔を見て、私はようやくほっとした。
―――――
その日はそれ以上なにも変わったことなんてなくって、いつものとおりの部活
(というかただの遊び)が始まって。ちなつちゃんも変わった様子はなく、けれど
私はちなつちゃんの小刻みに震えた背中が忘れられなかった。
結衣「……」
ちなつ「……」
結衣「……」
ちなつ「……あのっ、結衣先輩っ?」
だから次の日からも、ついちなつちゃんの顔をじっと観察してしまっていた。
ちなつちゃんが少し赤くなって「どうしたんですか?」と慌てるのを、私は
「いやなんでも……」と同じく慌てながら目を逸らした。
あかり「えへへ、結衣ちゃんさっきからちなつちゃんのほう見てばっかりだよぉ」
ちなつ「キャー、やっぱりそう!?」
京子「結衣にちなつちゃんは渡さんぞ!」
結衣「何言ってんだよ」
とりあえず京子に突っ込みながら、私はお茶に手を伸ばした。
ちなつちゃんの淹れてくれたお茶はすっかりぬるくなってしまっていた。
あかり「京子ちゃん、あかりは?」
京子「あかりはどうでもいい!」
あかり「そんなっ!?」
今日は少し、いつもより苦い気がした。
それでもごくんとそれを身体に流し込むと、私はコップ越しにまた、ちなつちゃんの
横顔をじっと見詰めて。
結衣「……」
変わったことはない、たぶん。
ただ、時々ふとした瞬間に見える翳りがどうしても気になってしまった。
たとえば京子が私になにか言ってきたときとか、京子がちなつちゃんに何かしている
ときとか。
結衣「……ん?」
ってことは、ちなつちゃんが泣いていたのは京子のせいってこと?
私はわからなくなってぐびっとお茶を飲み干して首を傾げた。
帰り道。
後ろを歩く一年生組を気にしながら、私はこそっと京子に話しかけた。
京子「うん?」
結衣「だから、お前、ちなつちゃんになんかした?」
京子「うん、してるよ!」
えっ、と言いかけてすぐに思い直す。
確かに京子はちなつちゃんに毎回なにかしているわけだし。
結衣「……じゃなくて、ちなつちゃんを、泣かせるようなことっていうか」
今度は京子が「えっ」という番だった。
「はあ?」というように首を捻る京子。
京子「いくら私でも大事なちなつちゃんを泣かせるわけなんてない!」
結衣「……うん、そうだよな」
本当に、そうなのだ。
京子は人に迷惑をかけてばかりだけど、誰かを泣かせるなんてことはするわけないし、
京子ができるはずなんてない。
ちなつ「先輩、私がどうかしました?」
声が大きかったのか、ちなつちゃんが後ろから不思議そうに声をかけてきて
私は慌てて「なんでもない!」と答え返して、京子の手を引いて少しだけ足早に
なった。
京子「えっ、なに?ちなつちゃん泣いてたの?」
結衣「いや……」
京子は「なんだよー」と突いてくるけれど、それ以上なにかを聞いて来ようとは
しなかった。無理矢理聞いてくるような奴じゃなくて良かったとこういうときになって
思う。
だからそんな京子に、私はぽつりと訊ねてみた。
結衣「もし、泣いてたとしたら京子ならどうする?」
京子「笑わせる」
結衣「即行だな」
京子「ちょっとかっこよくない?」
結衣「……まあ」
笑わせる、か。
あの時逃げてしまったこともあって、京子の言ったことなのに、
その言葉はずしりと重く聞こえてしまった。
―――――
結衣「……んー」
その夜、私は薄暗い部屋でテレビを垂れ流しながら、クッションを胸に抱えて
ごろりと後ろに倒れこんだ。
カーペットの上だとしても、床だから少し頭が痛い。
こういうとき、ごらく部の部室はいいよなあ、なんて思ってしまう。
畳は過ごしやすいのだ。
そんなことよりも。
結衣「……」
テレビから聞こえる笑い声をBGMに、私はちなつちゃんのことを考えていた。
泣いているところを見てしまったからには、やっぱりそのままにしておくわけには
いかないと思ったのだ。先輩としても、同じ部活の仲間としても。
今さらかもしれないし、あの時なにかあっただけであの後すぐにあかりが行っているはず
だから解決してるかもしれないけど。
時々見える翳りだって、もしかするとまだなにかあるのかもしれないわけで。
私なんかが、なにかできるかはわからないけど、それでもやっぱり
考えずにはいられない。
昔から、誰かの涙には弱いのだ。
京子のやつも、あかりのやつも小さい頃はすぐに泣いちゃって。
私がずっと二人のお守り。
ちなつちゃんのことも、何からかはわからないけど守ってあげなきゃ。
結衣「……」
とは思いつつ、逃げちゃったものだから本人を前にしては聞きにくい。
突然「どうして泣いてたの」と訊ねるわけにもいかないし。
そんなふうに思考がぐちゃぐちゃになって、私はテレビも消さずに目を閉じた。
ちなつちゃんの背中が、ずっと目蓋の裏に映ったまま。
翌日の放課後、まるで図ったかのように部室にはちなつちゃんしかいなかった。
ドアを開きかけて思わず止めてしまったのは、またちなつちゃんの後姿が
見えたから。
けれど今日は、泣いているわけではないみたいだった。
結衣「……」
そっと部室に入ると、ちなつちゃんは小さく身動ぎ。
眠っているみたいだった。
私は今朝あかりに聞いた話を思い出しながら、ちなつちゃんの隣に腰を下ろす。
あかり『え、ちなつちゃん?』
京子にちなつちゃんを任せながら、私はあかりにこっそり訊ねていた。
最近、元気なかったりとかするかな。
するとあかりは「うーん」と首を傾げたのだ。
あかり『そんなことはないと思うけどなぁ』
ちなつちゃんはいつも通りだよ、とあかりは確かにそう言って。
あかりは嘘をつけるような子ではないし、第一ちなつちゃんが元気ないみたいなのなら
すぐに私達に言ってくるだろう。
うん、そうだよねと私は苦笑して。
代わりに、「それなら」と言った。
あかり『……えーっとね』
きょとんとしながらもあかりは、「なんでも」と答えた。
問い返すと、今度はいつものあかりの笑顔で。
あかり『結衣ちゃんのすることなら、ちなつちゃんはきっとなんでも嬉しいだろうし
どんなことでも元気になると思うなぁ』
――なんでも、ね。
結衣「……はあ」
私は溜息をついて、机に頬杖。
なんでもと言われたって、具体的にどんなことをすればいいのかわからない。
あかりもちなつちゃんはいつも通りだといっていたから、どうして泣いていたのかも
聞けなかったし。
ちなつちゃんのことは気になりながらも、中々前へ進めない自分がひどく
もどかしかった。泣いていた理由もわからないのにちなつちゃんを元気にできるわけ
なんてないわけで。
私って案外へたれなのかもな、なんてことを思いながら。
びくっとした。
突然名前を呼ばれて、ちなつちゃんが起きてるのかと思ったけれど、
覗き込んだ横顔はちゃんと眠っている。
結衣「……なんだ」
ほっと安堵の息をつきながらも、どんな夢見てるんだろうなあ、と考える。
私の名前を呼ぶってことは、私のことを見てくれているのだろうか。
少し、嬉しくなる。
最初は茶道部志望で、無理矢理京子に入らされたこのごらく部に今でも律儀に
居続けてくれているちなつちゃん。
ちょっと黒いところもある気がするけれど、本当にいい子だと思う。
私と京子、そしてあかりの幼馴染三人しかいなかったこの部活に、ちなつちゃんが
入ってきてくれて本当に良かったと思うし、最初は少し浮き気味かななんて思っても
いたけれど、今となっては手の掛かる可愛い妹が増えた感じだ。
そんなちなつちゃんだけど。
やっぱり私はまだまだちなつちゃんのことをわかっていないんだなとも思って。
ちなつちゃんの柔らかい髪に埋もれる、そっと伸ばした手。
あたたかいし、気持ちいい。
ちなつちゃんの温かさだな、なんて柄にもないことを思って赤面したくなる。
結衣「……」
ちなつ「……ふふっ」
気持ち良さそうなちなつちゃんの寝顔に、
けれどそんなことまでどうでもよくなってきてしまった。
少しあどけないくらいの子供っぽい横顔。
こんな顔を見るのも、今までなかったような気がする。
ふと、ちなつちゃんはどんな顔をして泣いていたんだろうと思った。
背中しか見えなかった、あの時。
もちろん、見たかったわけではないけれど。
ちなつちゃんの頭をゆっくりと撫でながら、私は首をふるふると振って。
ぼんやりそう思った。
いつのまにか、ちなつちゃんの寝顔を見詰めていると自分まで眠くなってきてしまい、
うとうとと頭が傾き始める。
やばいかな。
ちょうどそう思った時「結衣先輩……?」と寝ぼけたちなつちゃんの声が
聞こえ、眠かった頭が一気に覚めた。
結衣「あ、ちなつちゃん……!」
慌ててちなつちゃんの頭に置いていた自分の手を引っ込めた。
ちなつちゃんは気付いていなかったのか、こしこしと目を擦りながら「なにか
しましたか?」と。
結衣「いや、なにも」
私は苦笑して、微妙に熱くなった手をそっと背後に隠した。
見えていたってなんの問題もないわけだけど。
ちなつ「そうですか?」
結衣「うん」
ちなつ「……そっかあ」
身体を起こして、ちなつちゃんは少し残念そうにそう言った。
一瞬、その表情に落ちた影に、ドキッとした。
それからすぐに、ちなつちゃんは恥ずかしそうにはにかんで。
私は「ううん」と首を振りながらそっとちなつちゃんから目を逸らした。
『結衣ちゃんのすることなら、ちなつちゃんはきっとなんでも嬉しいだろうし
どんなことでも元気になると思うなぁ』
あかりの言葉を思い出す。
私は迷いながらも、ちなつちゃんと目を合わせないようにしながら「ちなつちゃん」と
名前を呼んでみた。
ちなつ「へっ!?」
結衣「えっ」
ちなつ「ななな、なんですか結衣先輩!?」
あまりにもいきなりだったからだろう、ちなつちゃんは噛み噛みになりながら
私を見詰めてきた。
結衣「う、うん……」
ちなつ「あ、お茶ですか?それなら私、すぐに――」
結衣「いや、そうじゃなくって!」
見上げたちなつちゃんは、困惑したように私を見返してくる。
その視線を、今度ははっきり受け止めて私は言った。
結衣「私になにかしてほしいこととかある、かな」
ちなつ「……結衣先輩に、してほしいこと……ですか?」
うん、と私は真剣な顔をして頷いた。
ちなつちゃんは「そんなの、そんなのそんなのそんなの……!」と今にも叫びだしそうな
くらいぱたぱたとして――脱力したようにその場に座り込んだ。
ちなつ「……そ、そんなのたくさんありすぎて」
あぁ、たくさんあるんじゃなくってその……!
ちなつちゃんは「もう私ったらなに言ってるのよ」と頭をふるふる縦に横に振って。
それからぺたんと座り込んだまま。
ちなつ「私、結衣先輩と一緒にいられるだけで、その……」
時々ちらちらと私に視線を向けながら、今にも沸騰しそうなくらい真っ赤になった
ちなつちゃんが小さな声でそう言った。
ちなつ「……だから、これからも一緒にいて、ほしいなあ、なんて」
ちなつちゃんの様子を見ているうちに、私まで落ち着かなくなってきてしまった。
熱くなってきた頬をなんとか冷めさせる方法はないかと考えあぐねながら、
私は「そんなの当たり前だろ」と。
少しだけ、言葉遣いが荒々しくなってしまったかもしれない。
ちなつちゃんの「えっ……」という小さな声。
結衣「いや、だから……一緒にいられない理由なんてないんだし」
ちなつ「……先輩」
結衣「だからね、私、その他にちなつちゃんにしてあげられること、ない?」
言い方がまずかっただろうか、そう考えていると、ふいに再起動したちなつちゃんが
「そ、それじゃあ!」と。
結衣「うん、なに?」
ちなつ「今だけで、いいんですけど……」
――ちなつ、って呼んでくれませんか?
ちなつちゃんは、不安そうな瞳で私を見上げてきて。
そんな目で見られて、断れるはずなんてなかった。
第一自分がちなつちゃんのためになにかしたいと言ったのだから。
結衣「……ほんとに、そんなことでいいの?」
そんなことで、ちなつちゃんが元気になるとは思わないけど。
それでもちなつちゃんがこくんと頷いた。
私はかりかりと頬をかいて、ちなつちゃんの不安そうな瞳から視線を逸らした。
結衣「……ちな、つ」
しかたがない。
せっかく冷め始めていた熱がまたぶり返してくるのがわかった。
結衣「……」
ちなつ「……」
結衣「……ちなつちゃん?」
中々反応のないちなつちゃんのほうを見ると、ちなつちゃんは放心状態のように
ただ一心に私を見ていた。
真正面からそんなふうに見られると、恥ずかしいどころじゃない。
「ちなつちゃん、あの……」ともう一度声をかけると、ちなつちゃんはようやく
はっとしたようにこちらへ戻ってきた。
ちなつ「す、すみません私……!」
結衣「いや、いいけど……」
とりあえず視線を逸らされてほっとする。
本当にこんなことでいいのだろうか。ちなつちゃんがこれで元気になってくれるのなら、
いくらでも呼べる気がするけど。
結衣「びっくりって、ちなつちゃんが呼んでほしいって言ったのに」
ちなつ「そ、そうなんですけど……」
あたふたとしながら私になにかを伝えてこようとするちなつちゃんが、
すごく可愛く見えた。
「嬉しかったかな……?」と訊ねてみると、ちなつちゃんは「それこそ当たり前です!」と。
ちなつ「う、嬉しくて、ほんとに……!」
結衣「……ち、ちなつちゃん!?」
今度は私が驚く番だった。
思わず膝を立てると、ちなつちゃんは自分でもきょとんとした顔で。
ちなつ「や、やだ私ったら……!すみません……!」
私が慌てる訳に気付いたのか、ちなつちゃんは俯いて目許を拭った。
それでも止まらないのか、ぽたぽたとちなつちゃんの膝に涙が零れ落ちる。
どうしてちなつちゃんが泣いているのかわからなくて、だから私は。
ちなつ「……ゆいせんぱい?」
ちなつちゃんが、はっとしたように息を呑んだのがわかった。
私は照れや戸惑いを押し殺して、ちなつちゃんをぎゅっとする。
声にできない言葉の代わりに。
結衣「……ちなつちゃん、どうしたの?私に言えないようなこと?」
ちなつ「へ……?」
結衣「教えて欲しいんだ、ちなつちゃんが泣いちゃう理由」
お互いの顔は見えない。
今、ちなつちゃんがどんな顔をしているかもわからないし、私がどんな顔をしているかも
わかるはずない。
私ね、前にちなつちゃんが泣いてるとこ、見ちゃったんだ。
だから、正直に私はそう言った。それからそっとちなつちゃんを離すと、
今度はきちんと目を合わせた。
結衣「だから、教えてほしい」
私はちなつちゃんの力になりたい。
ちなつちゃんが泣いているなら、私はちなつちゃんの涙を止めてあげたいと思う。
京子やあかりのときみたいに。
ちなつ「……結衣先輩」
ああ、もうどうすればいいんだ。
そう思った瞬間。
ちなつ「……好きなんです」
なんの声も出なかった。
ただ、ちなつちゃんは他の誰にでもなく、私にその言葉を言っていることだけは
はっきりとわかって。
ちなつ「結衣先輩のことが、好きなんです」
一度言ってしまったことで吹っ切れてしまったのだろう。
今度は本当に、私のことが好きなのだと、そう言った。
やっと出てくれた声は「えっ」という間抜けなものだった。
結衣「……ちなつちゃん」
ちなつ「私、本気なんです」
潤んだ瞳で怖いくらいに真剣な顔をして私を見詰めてくるちなつちゃんに、
冗談だろと笑い飛ばせるはずもない。
ちなつちゃんの涙が、肩に置いた私の手を伝って畳の上に落ちた。
なんだか生ぬるいのか冷たいのか、わからなかった。
ちなつ「……なんて」
結衣「え?」
ふと、ちなつちゃんは目を伏せて小さく笑った。
なんて、こんなこと言っちゃったらさすがの結衣先輩も引いちゃいますよね。
ちなつ「……結衣先輩が優しくしてくれて、私本当に嬉しかったです!」
結衣「ちなつちゃん……あの」
ちなつ「私、今日はもう帰りますね!」
俯いたままでちなつちゃんはそう言うと、ばっと私から離れて鞄を持つと、
ぺこっと私に頭を下げて部室を飛び出して行った。
ちなつちゃんが頭を下げたとき、また一粒、ちなつちゃんの涙が畳を湿らせたのが見えて。
守ってあげなきゃなんて考えてたくせに。
ようやくわかった理由に、私は打ちのめされそうになる。
ちなつちゃんの「結衣先輩のことが、好きなんです」という真剣な声が
何度もリピートされて、今さらになって頭がぼんっと熱くなってきて。
結衣「……」
追いかけられなかった。
追いかけられるはずなんてなかった。
私はただ呆然と、ちなつちゃんが出て行ったほうに背を向けていた。
―――――
あかり「結衣ちゃん、今日はあんまり元気ないね」
結衣「……えっ」
あかりに声をかけられて、私ははっと顔を上げた。
あかりだけじゃなく、京子も怪訝そうな顔で私を見ている。
あれからすぐに京子とあかりが来て、ちなつちゃんのいないまま、ごらく部の
活動が始まった。
結衣「そ、そんなことないよ」
京子「そうか?最近の結衣、ちょっと変」
結衣「京子には言われたくない」
京子「んなっ!別に私は変じゃないもんねー!」
ね、ちなつちゃん、と京子はいつものように言いかけて、「あっ、いないのか」と。
あかりが「なんだか一人いないだけでも変な感じだよねぇ」と苦笑する。
その言葉通り、たった四人の部活で一人でも欠けると、ただでさえ無駄に広い茶室を
占拠してしまっているのだ、途端に物寂しくなってしまう。
ちなつちゃんが入る前は三人だけだったけれど、ちなつちゃんが入ってからは四人の居場所として
定着してしまっていたから、次第に落ち着かなくなってしまう。
京子「あー、ちなつちゃんのお茶が飲みてー」
あかり「あかり淹れようか?」
あかり「そんなっ!?」
あんまりあかりをいじめんなと京子をどつこうとしたけれど、なんだか今日は
そんなことすらできる気がしなかった。
ちなつちゃんのことがずっと、頭から離れない。
あかり「あっ、そういえば……」
なんだかんだ言いながらも京子のためにお茶を準備するあかりが、ふと気付いたように
私を見た。
あかり「ちなつちゃん、今日先に部室に来てたはずなんだけど……」
結衣「えっ、あ、うん……」
帰っちゃったのかなぁと首を傾げるあかりに、私は曖昧に頷いた。
「一緒に遊びたかったのになぁ」とあかりが頬を膨らませるのを見て、
あかりが私たち以外で誰かに執着するのは珍しいなとぼんやり思った。
結衣「……」
あかりにとっても、もちろん京子にとっても、ちなつちゃんは大切なごらく部の
仲間で友達で後輩で。
私だけが大切に思っているわけじゃないのだ、そんなのわかっていて。
きっと、ちなつちゃんだって。
――『結衣先輩のことが、好きなんです』
ただ、私たちとは違う種類の好意を私に寄せてくれているだけで。
なにを、返せるのだろう。
京子「あーっ、ちなつちゃんをもふりたい!」
あかり「えへへ、そんなこと言ったらまたちなつちゃんに怒られちゃうよぉ」
賑やかでもなんだか少し足りない気のする会話を聞きながら、
私はあかりの淹れた薄いお茶を、こぼれそうになる溜息を押し込むために
こくんと喉の奥に流し込んだ。
突然着信が鳴り響いて、私は読んでいた本を思わず投げ出しそうになった。
読んでいたとはいっても内容はまったく頭に入っていなかったから、眺めていただけ
というほうがきっと正しいのだろうけど。
結衣「……ちなつちゃんからだ」
声に出して呟いたのは、騒ぐ心を落ち着かせるためだ。
一件のメール。
いつもちなつちゃんからメールをもらっているはずなのに、告白(だと思っていいだろう)されて
からのメールを見るのは、なんだか色々ときつかった。
内容は、やっぱり今日のことだった。
『件名:放課後のこと』
突然変なこと言っちゃってごめんなさい。
気にしないで下さいね。
あとそれから、しばらく部活には行けないかもです。
変わらない、絵文字がいっぱいのちなつちゃんらしいメール。
それなのになんだか私は怖かった。
怖いというよりも、きっと不安だ。
ちなつちゃんがいなくなってしまうかもしれないという不安が、私をとらえて離さなかった。
しばらく部活には行けないかもです。
ごめんなさい、という絵文字つきのその一文だけ、私は何度も何度も読み返した。
今日最後に見たちなつちゃんの涙を思い出す。
私は、なにも言えなかった。
好きですと言われたとき、なにも言ってあげることができなくて。
気まずくないはずなんてないのだ、いくらちなつちゃんでも。
退部という二文字が、私の頭の中でちらつきだす。
そんなはずはないし、京子が許すはずないと思いながらも。
一人、欠けてしまった放課後の茶室。
少し前の風景に戻っただけのはずなのに、随分とよそよそしく思えた。
それがもしかしたら現実になってしまうかもしれないと思うと、怖くて仕方がなかった。
いつのまにか四人でのごらく部が私の生活の一部になってしまっていた。
それくらい、大切だって思えるのに。
一人でも欠けてしまったら、きっともうだめになってしまう。
そうならないために、だったら私は――
―――――
京子「ちなつちゃん、今日は部活来るかなー」
呑気な声でそう言う京子の隣で、私は「来るよ」と固い声で答えた。
「はあ?」と京子が怪訝そうに断言した私を見る。
私が、来させるから。
声には出さずに、私は自分に言い聞かせるためにも心に言い放って。
昨日の夜、結局メールは返せなかった。
それでもずっと悶々とちなつちゃんのことを考え続けていたのは本当だ。
そして私が出した答え。
結衣「ごめん、ちなつちゃん連れて来るから京子は先に部室行ってて」
茶室の前まで来ると、私はくるりと踵をかえした。
さすがの京子も「ちょっ、結衣!?」と慌てた声を上げる。
そんな京子に自分の鞄を押し付けて、私は一年生の教室の方へ歩き出した。
緊張、しているのかもしれない。
外のひんやりとした空気を胸いっぱい吸い込んでも、今から既に頭が熱かった。
手もすっかり汗ばんでしまっている。
やっぱり私は俗にいうへたれというやつなのだろう。
だとしても、とりあえず言わなきゃいけないことは言わなきゃ。
私は一年生の波に紛れて、ちなつちゃんを探した。
結衣「あっ……」
ここ数日、ずっと頭の中にちなつちゃんの後姿があったから、
見つけることは容易だった。
きっと友達だろう、数人の女の子たちに囲まれているちなつちゃんの背中。
遠くたって、間違えるはずはない。
部活へ、家へ急ぐ一年生たちをすり抜けて、私はちなつちゃんに近付いた。
一人の女の子が私に気付いたようにちなつちゃんに何かを耳打ちした。
振り返ったちなつちゃんは、驚いたみたいな顔をして。
結衣「ちなつちゃん」
私が名前を呼ぶと、今度はまた、昨日みたいに泣き出しそうな顔をした。
結衣先輩、どうして。
私の数歩後ろを歩きながら、ちなつちゃんが言った。
迎えに来たんだ。
そう答えると、ちなつちゃんは「へ?」と声を上げて立ち止まった。
ようやく自分が茶室へ向かっていたことに気付いたのだろう。
ちなつ「……結衣先輩」
結衣「ちなつちゃん、あのさ」
私は立ち止まったちなつちゃんと向き合って。
ちなつちゃんが、逃げ出そうとしたのか一歩後ろに退がったのを、無防備な手を
掴んで引き止めた。
ちなつ「な、なんですか」
掴んだ手から、一瞬ちなつちゃんが驚いたように震えたのが伝わってきた。
そんなにびっくりさせるつもりはなかったのにと苦笑したのも、きっと
私自身を落ち着かせるためだ。
結衣「私のこと、好きだって言ってくれただろ?」
ちなつ「……い、言いましたけど」
結衣「本気だって、言ってくれたよね?」
だんだんと、こくんと頷いたちなつちゃんの頬が赤く染まっていく。
自分だって、鏡を見なくてもそうだということはわかっている。
私はそれでも言った。
ちなつちゃんが、はっとしたように私を見る。
だったら。
私たち、付き合おうか。
ちなつちゃんが、これからもなんの気負いもなしにごらく部にいられること。
あかりも京子も私も、ちなつちゃんがごらく部に来られなくなるのは嫌だから。
私が昨日、出した答えはそれだった。
結衣「付き合おうよ」
ちなつ「……結衣先輩……っ?」
結衣「それで、ちゃんと部活に来て」
赤い顔のまま、こくんと頷いてくれた。
「これから先輩と私、恋人同士なんですね」と笑うその一瞬の間、ちなつちゃんの
表情が翳ったことに私は気付かない振りをして。
結衣「……うん、そうだね」
そう言って微笑みかけて。
ちなつちゃんは、今度こそ本当に、嬉しそうな笑顔を見せてくれた。
―――――
京子「あ、ちなつちゃん!」
二人で部室に戻ると、京子が待っていたかのように立ち上がった。
それからいつものようにちなつちゃんに抱きつこうとするのを、私はがしっと
止めた。
結衣「ちなつちゃんが嫌がるからやめろ」
京子「ええー、久し振りにちなつちゃんに抱きつけるのにー!」
ちなつ「久し振りって、昨日会わなかっただけじゃないですか」
私の後ろに隠れながら、ちなつちゃんが言う。
いつもより、私の制服の裾を掴むちなつちゃんの力が強いような気がした。
京子「ちぇー別にいいじゃん」
結衣「だめ」
ぐぐぐと京子を押し留めていると、あかりが流しから顔を覗かせた。
「あー、ちなつちゃん!」と嬉しそうに名前を呼ぶ。
ちなつちゃんは、あかりがお茶を持っているのを見ると、「私やるよ!」と
駆け寄っていった。
それをほっとして見送って、京子の頭から手を離した。
京子もようやく楽に息が出来るようになったのだろう、大きく息を吐いて。
ぼそりと呟いた。
「え?」と聞き返すと、京子はちなつちゃんに触れられなくて手持ち無沙汰に
なったのであろう手をぶらぶらさせながら「だってさー」と言った。
京子「あかりが結衣たち来る前に、今日はずっとちなつちゃんの様子が変だったって
言ってたから。何かあったのかなって思って」
そっとあかりたちの消えた流しのほうに目をやった。
なにやら賑やかな音と声が聞こえてくる。
「なんでもないよ」と私は言った。
京子「結衣の話してないんだけど……」
結衣「私がなんでもないって言うんだからなんでもない」
なんだそれと言うように京子が頬を膨らませる。
なんでもないんだ、と私はもう一度心の中で呟いた。
ただ、私とちなつちゃんが付き合い始めただけで。
今日はずっとちなつちゃんの様子が変だったって。
その言葉に少しだけ、ずしりと心が重くなったけれど。
その夜届いたメール。
『件名:Re:
本文:先輩に付き合おうよと言われたとき、嬉しくて死ぬかと思いました。
本当に嬉しくてしかたなかったです!キャー!
これからもよろしくおねがいしますね♪大好きです! 』
私はうん、と一言だけ返そうとして。
これはメールなのだと気付いた。頭の中で思い切りちなつちゃんの声で再生されて
しまっていたから、思わず「うん」と声に出していた自分に苦笑する。
一人暮らしでよかったな。
そんなことを思いながら、私は返信した。
『件名:こちらこそよろしく
本文:昨日は何も言えずにいてごめんね。
ちなつちゃんの気持ち嬉しかったよ。』
家を出ると、ちなつちゃんがいた。
翌朝のことだった。
結衣「え、ちなつちゃん?」
ちなつ「えへへ、来ちゃいました」
私の反応に嬉しそうにはにかみながら、ちなつちゃんが腕にぎゅっと抱きついてきた。
ちなつちゃんとこんなふうになる前からもよくされていたけれど、その前でも
ちなつちゃんが私のことを好きだと思ってこうしてくれていたのなら、私は随分と
ひどかったんだなと少し落ち込みそうになってしまった。
今度こそ、ちなつちゃんを泣かせないようにしなきゃ。
心の中で私ははっきりそう自分に刻み付けた。
ちなつ「少しでも結衣先輩と二人きりになりたいんですっ」
結衣「そ、そっか……」
これまではこんな言葉も本気には捉えていなかったけれど、今こうしてはっきり
言われてみると、私はこんなにも真直ぐ好意を寄せられていたんだなあと思う。
そしてそう思うと、なんだかすごくこそばくて、照れ臭くなってしまった。
ちなつ「朝からこんなふうに結衣先輩に抱きつけるなんて、すっごく幸せです」
結衣「うん……」
ちなつ「結衣先輩は」
ふと、ちなつちゃんがそう言って立ち止まった。
私は家の鍵を閉めながら、「え?」とちなつちゃんを見た。
ちなつちゃんは私を見上げるわけでもなく、むしろ私からの視線を避けるかのように
俯いていた。
結衣「私が、なに?」
ちなつ「……」
結衣「……ちなつちゃん?」
しばらくの間、お互いの呼吸を探るかのような沈黙。
それから立ち止まったときと同じようにふと、ちなつちゃんは顔を上げて
「すみません」と笑った。
そう言って、私の腕に絡めた腕の力をこれでもかっていうくらい強くして、
「行きましょう」と元気に歩き始める。
半ば引っ張られる形になりながらも、私は「そんなに強くしなくても離れないよ」
そう言おうとして。
言えなかった。
―――――
どうやら私は、またちなつちゃんを泣かせてしまったらしい。
「らしい」というか、実際そうなのだけど。
結衣「……」
京子「おーい、結衣さーん?」
結衣「うっさい」
軽く頭を叩くと、ごふっとわざとらしく私の机に倒れこんできた京子が、
倒れこんだまま恨めしそうな顔をして私の顔を覗きこんできた。
京子は本当に、お節介というかなんというか。
今朝のちなつちゃんのことを思い出す。
いつもの待ち合わせ場所に着く前には、もうすっかり普段のちなつちゃんに
戻っていたけれど、確かにちなつちゃんの横顔は泣いているように見えた。
もしかしたら、私がちなつちゃんの一挙一動に敏感になりすぎているだけなのかも
知れないけれど。
泣かせないと決めたはずなのに、やっぱり朝の私の反応がまずかったのだろうか。
もう溜息さえ出てこない。
ちなつちゃんを泣かせないために、私はどうすればいいんだ。
ちなつ「結衣先輩」
放課後、ごらく部がいつものように何事もなく活動を終了した直後、
控えめなちなつちゃんの声がして私は「うん?」と振り向いた。
それからすぐに、「どうしたの」と出来るだけ優しい声になるよう気をつけて、
私は訊ねなおした。
ちなつ「あ、はい……」
京子たちはまだテーブルの周りでぐだぐだしている。
ちなつちゃんは、流しの前に立つ私の隣に立つと、「今度の日曜日、どこか行きませんか」
結衣「え?」
ちなつ「……先輩と、デートしたいです」
思いつめたような声に聞こえた。
そっとちなつちゃんの様子を伺うと、ちなつちゃんは俯きながらじっと、冷たい水の
溢れ出す蛇口を見詰めていた。
いやまあそういう言い方になるんだろうけど。
ちなつちゃんが、「だめですか?」というように顔を上げて私を見た。
少しドキッとした。大丈夫、ちなつちゃんは泣いてない。
ちなつ「結衣先輩と恋人らしいこと、したいんです」
ちなつちゃんの瞳は、希望というよりも不安に揺らいでいた。
恋人らしいことの、その意味も考えずに私はこくんと頷いた。
「しよう、デート」
これが今の私にできる精一杯だ。
―――――
結衣「どこに行きたい?」
ちなつ「結衣先輩はどこがいいですか?」
結衣「私はどこでもいいよ」
日曜日。
可愛い服に身を包んだちなつちゃんが、うきうきしたように「それじゃあ!」と言った。
私たち中学生でも、少し無理をすれば十分に行ける範囲の、すっかり廃れ始めた遊園地。
ちなつちゃんはそこに行きたいと言った。
今日は少し混んでるかも。
そうは思ったけれど、ちなつちゃんのいる手前、そんなことを言い出すのもよくないと
思って「わかった」と頷いた。
お金ならなんとかなるはずだし、ちなつちゃんを楽しませてあげたい。
もしかすると、ダメ元で言っただけなのかもしれない。
だとしても、少しでもいいとこを見せなきゃ。
私は「いいよ、行こう」ともう一度。
ちなつ「わあ……!一度好きな人と二人で行ってみたかったんです!」
結衣「……そっか」
好きな人という言葉に、少しだけ痛みが混じった。
乗っていたバスを降りて、遊園地行きのものに乗り換える。
予想通り、いくら廃れ始めたとはいっても日曜日だから、それなりに
人の数はあった。親子連れだったり家族の波に揉まれて、正直車酔いしそうになる。
言いかけて、突然身体が傾いた。少し前に立っていたちなつちゃんの身体も、
私のほうへ倒れこんでくる。
慌てて踏ん張って、ちなつちゃんの身体を受け止めた。
ちなつ「は、はい……」
前の車が急停止したらしい。バスの中が少しだけ騒然とするが、
すぐに元通りの雰囲気になる。
ただ、私たちだけはそうもいかなかった。
ちなつ「……」
結衣「……」
こんなこと、別に大したことじゃないのに。
私のほうに倒れ掛かってきたちなつちゃんの身体をなんとなく離せなくて、
ちなつちゃんも恥ずかしそうに俯いたまま、そのまま。
あんなふうに、誰かに気持ちをぶつけられることなんてめったになかったのだから。
結衣「……大丈夫?」
やっとのことで搾り出した声に、ちなつちゃんはハッと顔を上げた。さっきも同じようなことを
聞いたはずなのに、頭がまわらないから気の利いた言葉もかけられない。
大丈夫です、と答えたちなつちゃんの声も、いつものちなつちゃんからは考えられないくらい
か細いものだった。
結衣「そっか、良かった」
ちなつ「すみません、結衣先輩に掴まっちゃって」
ようやくの会話が私たちを冷静にしてくれたのか、私たちの間に
それ相応の距離ができる。
これまでの私たちの関係にふさわしい、距離。
ただ、今の私たちはこれまでの私たちではなくて。
この距離はそれ相応の、と言えるのだろうか。
私にはよくわからないけれど。
ちなつちゃんの表情を見れば、なんとなく違うんだろうなとは思う。
恋人らしいことって、たとえばどんなだろう。
今さらになって、考える。
『まもなく、七森遊園地に――』
車内アナウンスが聞こえて、人でいっぱいのバスが、今度はゆっくりと
小刻みに揺れながら停車した。
立ったままだったこともあって、早く着いてほしいと思っていたから
「あ、着いたみたいだね」と言った私の声は弾んでいたのかもしれない。
ちなつちゃんは少し意外そうな顔をしたものの、「私、だんだんわくわくしてきました……!」と
ぱあっと顔を輝かせた。
ちなつ「いえ、昔はよく来たんですけど……」
結衣「今はあんまり?」
ちなつ「だって、ここって結構子供っぽいじゃないですか」
バスを降りる人の流れに身を任せ、私たちも外へ出る。
子供っぽい?と訊ね返すと、ちなつちゃんはバスを飛び降りて、
私を振り返った。
ちなつ「子供っぽくないですか?乗り物とかもぜんぶ」
まあ、それはそうかもしれないけど。
確かにちなつちゃんの言う通り、この辺りを少し出たところにある大型テーマパークに
比べたら面積も小さいし、なにより子供だましのアトラクションばかりだ。
廃れ始めているのもそのせいで、私たちよりうんと小さい子なんかは喜んでくるだろうが、
小学校の高学年になればみんなここよりも大型テーマパークに行きたいと言うに決まっている。
結衣「ちなつちゃん、それを平気で言っちゃうのはどうかと思うよ……」
一応、周りには夢の国だと信じて疑わない無垢な子供だっているんだし。
「よっ」と駐車場の砂利道に足をつけ、私は苦笑する。
ちなつちゃんは、少し遠くのほうに見える入口と、その向こうにある乗り物を
指差しながら、「でも」と。
上がっていた腕が、力なく下ろされた。
ちなつ「でも、そういうのって嫌いじゃないです」
だって、嘘の世界で、ちゃんとそれもわかるんだけど一生懸命な感じがして許しちゃえるじゃないですか。
ちなつちゃんはそう言って。
そんなふうには考えたことなかったし考えることもなかったから、そんなちなつちゃんの横顔が
大人びて見えた。
ちなつ「結衣先輩、次あれいきましょう、あれ!」
結衣「え、ちょっと待って……」
中へ入ってからのちなつちゃんのはしゃぎっぷりは凄かった。
あっちへ行ったりこっちへ行ったり、さっきの大人びた雰囲気とはうって変わって歳相応の顔を見せる。
楽しそうなちなつちゃんに手を引かれながら、ほんとにころころ表情変わるよなあと思う。
京子やあかりもそうなんだけど、ちなつちゃんも。もしかしたらあの二人以上かもしれない。
だからなのだろうか、どうしても、ちなつちゃんから目が離せない。
ここ最近はずっとそうだったわけだが、今はなんというか、泣きそうな顔を探しているわけではなくて。
単純に、ちなつちゃんの色々な表情が見たくて。
結衣「あれって、お化け屋敷……?」
ちなつ「はいっ」
結衣「ちなつちゃん、怖いのだめなんじゃなかったっけ?」
全力で頷いたちなつちゃんに問うたものの、ちなつちゃんは「結衣先輩がいるなら大丈夫です!」の
一点張り。
ちなつ「心配しすぎですよー」
と嬉しそうにちなつちゃんが言うのは私にとっても嬉しいから、ちなつちゃんの心配というより
自分の身を案じていることなんて言えるはずもない。
(ちなつちゃんの怖がり様はホラー映画やお化け屋敷なんかよりも遥かに怖いと思う)
その列を並んで、私たちは中へ入る。
ちなつちゃんが早速というように私の片腕に抱きついてきた。
うっ、痛くない痛くない――
さすがに小さい子が多いからか、中の造りはそこまで本格的なお化け屋敷ではない。
されどお化け屋敷。あっちからこっちから叫び声やら泣き声が聞こえてきて、ちなつちゃんがその度
びくっとするのが伝わってくる。
ちなつ「こ、こ、怖くなんか、全然、ないですね……!」
結衣「……そうかな」
言葉とは裏腹に、ちなつちゃんの声はがたがたに震えてるんだけど。
まだ入口付近。不気味な声や生ぬるい風がくるだけで、私はなんともないものの、
ちなつちゃんには少し厳しいのかも。
しかし入ってしまったからには引き返すわけにもいかなくて。
ちなつちゃん自身が嫌がるだろうし。
ほら、さっさと歩いてさっさと出ちゃおう――
そう言い掛けて。
目の前に血だらけの女の顔が。
いや、私は少し出てしまったかもしれない。何も声が出ずに、息を呑んだのはきっとちなつちゃんだ。
ちなつちゃんはぱっと私の腕を離すと、目の前のお化け役の人を蹴散らして一目散に逃げ出した。
結衣「ちょっ!?」
ちなつちゃんがお化け屋敷を一人で出られるはずなんてない。
それに暗闇で走ったら危険だ。頭の中、冷静にちなつちゃんを追いかける理由を並べ立てながらも、
私の身体はそれより先にちなつちゃんを追っていた。
あかりや京子がいないからかもしれないけど、いつもなら少し考える暇を作ってしまうのに。
ごめんなさい、とちなつちゃんに一蹴されてきょとんと座り込んだお化けの人に頭を下げ、
ちなつちゃんを追う。
けれど他のお客さんもいて、脅かしてくるお化けもいるからそう簡単には追いつけなかった。
ちなつちゃん、どうやって潜り抜けたんだろうと思うくらいのゾーン(たぶんこのお化け屋敷の山場だろう)を
くぐりぬけて、一息吐いたとき。
ふと顔を上げて、ぎょっとした。お化け屋敷のセットの隅に、震える背中。暗い中、一瞬驚いてしまったが
それでもすぐにちなつちゃんだと気付いた。
結衣「……やっと見つけた」
こんなに時間がかかるとは思わなかった。
外から見れば、そこまで大きいお化け屋敷には思えなかったのに。
私の声に気付いたちなつちゃんが、「ゆいせんぱい……?」とそっと私を振り返った。
ちなつ「……す、すごく」
手を差し出しながら訊ねると、ちなつちゃんはそう気まずそうに目を伏せた。
さすがに大丈夫だと言いながら、あの勢いで一人逃げたことを気にしているのだろう。
背後を親子連れが通って、それでもまだ目を伏せ耳を軽く塞いだままのちなつちゃんに、
私は「ほら、出よう」ともう一度声をかけた。
ちなつ「……うぅ」
だけどまだ迷っているらしいちなつちゃんに、私は自然としかたないなあ、と漏らしていた。
そのまま、ちなつちゃんの手を掴んで引っ張って。
驚いたようなちなつちゃんに、「もう大丈夫だから」
結衣「私から離れないで」
ちなつ「結衣先輩……」
でもまた離れられると困ってしまうし。
自分の中で言い訳しているうちに、震えていたちなつちゃんの身体が、少しずつ落ち着きを取り戻していく。
そんなちなつちゃんの手を引いて、残りの道を辿っていった。
あとはもうたいした仕掛けもなく、私たちは無事に外に出て。
なんてことはない明るさが眩しかった。
結衣「……はあ、やっと出れた」
ほっと一息。
ちなつちゃんも「良かったです……」と息を吐いて。
それから、顔を見合わせた。繋いだ手。
ぱっと離そうとして。
「このままでいてください」
ちなつちゃんが、真剣な顔で私を見ながらそう言った。
ちなつ「ま、まだ怖いから……」
そんなふうな目をして言われて、断れるはずなんて無い。
少しは恋人らしいこと、できているのかもしれないし。
離しかけた手を、私は握りなおして「うん」と頷いた。気恥ずかしかったけど、
この手が離れなくて少しだけ嬉しかった、というか。
そろそろ帰らなきゃいけない時間だ。
そんなこと言い出せるはずもないんだけど。
ちらりと時計に向けた視線にちなつちゃんは気付かなかったのか、それとも
気付かない振りをしたのかはわからない。だけど、「結衣先輩、観覧車」と。
結衣「へ?」
ちなつ「私、次は観覧車乗りたいです」
目の前を見上げたちなつちゃんに釣られて、私も観覧車を見上げた。
今日遊園地に着いたときは随分小さいと思っていたけれど実際近くで見てみると
やっぱり大きいものは大きい。
ちなつ「乗りましょう」
結衣「えっ……」
ちなつちゃんは私の返事も聞かず、強い口調でそう言って先に歩き出した。
手は繋がったままだから、自然と足はちなつちゃんの後ろをついていってしまう。
帰りたくないような、このまま帰ってしまいたいような、微妙な気分。
ぽつりぽつりと人が乗っている程度。
他のカップルがいても、ちなつちゃんは繋いだ手を離そうとはしなかった。
むしろ、握る手の力を強くして。
楽しんできてくださいねーという声に見送られて、乗り込んだ観覧車が動き出した。
それまで私たちの周囲を包んでいた喧騒が、高いところへ上がるにつれて消えていってしまう。
うるさかったはずなのに、今はそれが恋しく思えるほど不自然な沈黙の空間が出来上がって。
ちなつ「……」
結衣「……」
二人きり。
デートの定番中の定番、たぶん。
向かい合った椅子に座って、私は必死に考えをめぐらせた。
ちなつちゃんを泣かせてしまった私が、そんなちなつちゃんにできること。
私のことを好きだって言ってくれたちなつちゃんに、できること。
きっとたくさんあって、あるんだけど。
今日一日、私に付き合ってくれてありがとうございました。
ぽつり、とちなつちゃんが言った。
観覧車が、ちょうど一番高い部分に来たときだった。
結衣「えっ、うん」
ちなつ「私、ほんとにすごく楽しかったです」
ちなつちゃんの顔が、うまく見られなかった。
なにを言い出すのかまったくわからなかったから。
ちなつ「やっぱり結衣先輩、すごく優しくてかっこよくって」
結衣「……そんなこと」
ちなつ「私、やっぱり大好きなんだなあって思っちゃいました」
夕日に照らされた頬が、よけいに熱くなる。
本気で告白されてるのだとわかっているから、話を逸らすことだって
できなくて。
結衣「……うん」
結衣先輩は、私のこと、どう思ってますか?
意外にも静かな声で、ちなつちゃんはそう言った。
答えるべき言葉が見付からず、好きだよ、そう答えようとして。うまく言葉にできないことに
気が付いてしまった。
好きなのに、私だって。
もちろん、ちなつちゃんの好きとはきっと違うのだとはわかっていたけれど。
言葉にしてしまえばいいのだと思っていた。言葉にして伝えてしまえば。
それなのに、声に出せない。
顔を上げて、目が合ったちなつちゃんは、案の定泣いていたから。
観覧車は、急降下していくみたいにあっという間に地上へと私たちを
運んでいく。
降りる前に、なにか言わなきゃ。
でも、なにを?
どうすればちなつちゃんを傷付けずに済む?
そもそも、傷付けたくないからこうやって――
自分の考え方に嫌になる。
傷付けたくないから。
ちなつちゃんを、じゃない。きっと私を、だ。
私が傷付きたくないから、ちなつちゃんの泣いている姿を見たくないから。
全部全部、ほんとのところは私自身のためでもあって。
結衣「……っ」
ガタンッ
私たちの乗っていた箱が僅かに揺れ、さっきとは違うスタッフの人が
早く降りるようにと急かすみたいに扉を開けた。
すくっと立ち上がったちなつちゃんは、まだ泣いていたけれど。
いつもの調子で私の手を引いて、観覧車を降りた。
ずっと揺れていたから、やっと地上に足がついて少しくらっとした。
結衣「ちなつちゃん……」
手は、すぐに離された。
そして言葉通り、ちなつちゃんは先に立って出口へと進んでいく。
隣には並べないから、私はその後ろを追って。
外に出ると、一気にひんやりした空気が私たちを包んだ。
もう真っ暗だ。
お化け屋敷の暗闇のときとはまた別の恐怖が襲ってくる。
駅まで乗せてくれるバスは、今さっき出て行ったばかりらしく
バス停には誰の姿もなく、そこまでくると、ちなつちゃんはぱっと私を振り向いた。
思わず手を伸ばしかけて。
「すみませんでした」
ちなつちゃんの声に、中途半端なまま。
ちなつ「……私、ちゃんとわかってたんです」
結衣先輩が、私のこと好きじゃないってこと。
私が気まずくならないように、付き合おうって言ってくれたこと。
そう言って、ちなつちゃんは笑った。
泣いたまま、きれいな笑顔。
ちなつ「ちょっとの間だけでも、結衣先輩と過ごせて良かったです」
―――――
結衣「……」
深夜の1時を過ぎている。
それでも眠れずに、私はごそごそと布団の中で寝返りを打った。
最後のちなつちゃんの声と表情が、頭から離れなかった。
ずっとずっと、頭の中で同じ場面が繰り返される。
笑うちなつちゃん。
立ち尽くす自分に、過ぎてくバス。
結衣「……っ」
自分のどうしようもなさ。
ちなつちゃんへの気持ち。
全てに整理がつかない。
別れ際、ちなつちゃんはそう言っていたけれど。
私は、ちなつちゃんのいないごらく部は考えられなかった。
京子やあかりのためにも、私がごらく部を守らなきゃなんてへんなこと。
だから、あの言葉に安堵したことは事実だ。
それならもう、ちなつちゃんと付き合う理由なんてなくて。
ちなつちゃんが私のことを忘れてくれるのなら、ちなつちゃんが泣いてしまう
ことだってなくなるだろう。
そんなずるいことも、考えるのだけど。
今はどうしても、それじゃいけない気がした。
暗い中、私は枕もとの携帯を手にとった。
ぼんやりした光が私の目を刺す。
着信0件。
メールは1件。
まだ開けられない、ちなつちゃんからの。
だけど。
開けなきゃ。
私はすっと息を吸い込んで、吐き出すのと同時にメールを開封。
いつものちなつちゃんのメール。
私たちが、こうなる前に普段からしていたような、そんな内容の。
だけど、メールを打ちながら泣いてたのかもしれない。
ところどころにおかしな誤字。
その姿が目に浮かぶようで。
突然、ちなつちゃんを抱き締めたいような衝動に駆られた。
本当になんてことはない内容なのに。
だからこそ、それが少し悲しくて、寂しくて。
ちなつちゃんのことを思うと、苦しくなってくる。
『……好きなんです』
そう言ったちなつちゃんが、泣いていた理由が少し、わかった気がした。
言葉に出来ない気持ちが、代わりに涙となって現れてしまう。
だけどきっと、私が泣くわけにはいかないから。
こんなにも、ちゃんと想いを示してくれる人がいるのだ。
私がしなきゃいけないのは、きっとそれに応えること。
翌朝、目を覚ました私は真っ先に顔を洗って制服に着替え、
朝ごはんもそこそこに家を飛び出した。
待ち合わせ場所。
ちなつちゃんの姿を見つけ、私は止まりそうになる足を必死に前へ
押し出した。
ちなつ「あ……」
結衣「……おはよ」
ちなつ「……おはようございます」
『明日も一番に結衣先輩待ってますから♪』
そう締めくくられていたメールを思い出す。明るい内容とは裏腹に、
ちなつちゃんはもう既に泣き出しそう。
結衣「……うん」
昔から、誰かの涙に弱かった。
あかりでも京子でも、誰かが泣くたびに私は決まって正義面。
だけど。
ちなつちゃんの前じゃ、私はそれもできないらしい。ちなつちゃんを
泣かせることはできても、笑ってはくれない。
だからただ、笑ってほしいと思う。
きっとこれもまた、私自身のためなのかもしれないけれど。
結衣「あのね、ちなつちゃん」
ちなつ「はい?」
きょとんとちなつちゃんが見上げてくる。
その目にはきっと、少しだけ期待が混じっているだろう。
それ以上の不安も、絶対に。
昨日からずっと、考えていた言葉。
ちなつちゃんが「そう、ですよね」と。
きっと泣くのを必死に堪えながら。
結衣「でも、ちなつちゃんに笑ってほしい」
ちなつ「……え?」
結衣「どうしたら笑ってくれるかはわからないけど、でも私はちなつちゃんの笑顔が見たいよ」
だからもう少し、私の近くにいてくれないかな。
顔を上げたちなつちゃんの瞳から、ぽろっと一粒大きな涙。
それから堰をきったように次々とあふれ出していく。
恋人っていう関係には少し違うかもしれないけど。
それでも、このまま離れてしまうのは、私自身が嫌で、まだぼんやりしているこの気持ちが
なんなのかを確かめてみたい。
結衣「……って、やっぱり私がいたら泣いちゃうかな」
じっと私を見上げたまま泣いているちなつちゃんに、私はおろおろと。
けれど、ちなつちゃんが首を振ってくれたので少しほっとした。
ちなつ「……結衣先輩が、もう少しだけじゃなくってずっと傍にいてくれるなら」
結衣「……いるよ」
嘘なんかじゃなくって、私だってずっと、ちなつちゃんの近くにいたいと、思うから。
言葉に出来ない気持ちだけど、きっとこれだけは本当。
ちなつ「……」
私の声に、ちなつちゃんは。
ごしごしと涙を拭って、「なら笑います」
得意げな、いつもの笑顔。
終わり
また書いてくれ楽しみにしてる
結衣が自分に向き合ったラストでよかった
次も期待してる
すごくよかったよ
Entry ⇒ 2012.01.04 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
あかり「恋の目覚めは白雪姫」
ちなつちゃんは眠ってしまったみたいだった。
「……可愛い寝顔だなぁ」
思わずそう呟いてしまうほど、ちなつちゃんの寝顔は幼くあどけない。
なんだかいつものちなつちゃんと違うちなつちゃんを見ているみたいだった。
ギュッと閉ざされた目蓋も、柔らかく染まった頬も、薄く開いた唇も。
自分の唇をそっと人差し指でなぞった。
いつかちなつちゃんのそれが重なったときのことを思い出す。
あのときは無理矢理だったけど、気持ち悪いとは思わなかった。
今だってそう。
それより、その感触が恋しくてしかたない。
「ごめんね」
私はそう言い置いて。
ちなつちゃんの唇に、自分の唇を重ねた。
生温かなちなつちゃんの感触。
なにやってるんだろなぁ、あかり。
身体を離して、私はぽつりとそんなことを思った。
「嫌いじゃないよ」とちなつちゃんは言う。
嫌いじゃないなら、好きでもないっていうことなのかな。時々、そんなふうな考え方をするように
なってしまったのは、ちなつちゃんに対して他のお友達とは違う感情を抱くようになってからだ。
あかり「それであかりがね――」
ちなつ「……えっ、なに、あかりちゃん?」
あかり「むうー、また聞いてなかったでしょー」
ごめんごめん、とちなつちゃんは笑うけど、その目はきっと私を映してない。
まだどこかの世界へワープ中なのだろう。だって、少しだけ触れている指先にも
なんの反応も示してくれない。どちらにしても、あかりのことなんて意識外なのだろうけど。
期末テストが終わり、あともう少し学校に通ってしまえば待ちに待った冬休み。
そんな季節。
部室で二人こもりっきりになってもちっとも話を聞いてくれない。
少し寂しいかなぁ、なんて思ったりもしちゃう。
せっかく一緒にいるのに。
もっと色々なことを知って色々なことを知ってほしい。
もちろん、そんなことは絶対口には出来ないけど。
変な子だって思われちゃうかもしれないもんね。
ちなつ「はーあ……結衣先輩に会いたいなあ」
二年生は修学旅行があったから、一年生三年生とは期末テストの期間が少し違う。
だから京子ちゃんたち二年生は、今がまさに期末テストの真っ最中。
京子ちゃんも結衣ちゃんもテスト期間まっすぐ家に帰ってしまうから部室には必然的に私たち二人だけになる。
ちなつ「うー、結衣先輩分不足が深刻域に達したわ……」
本当に枯れたお花みたいにしおしおになったちなつちゃんが、テーブルにへたり込んだ。
ここ数日間、ちなつちゃんはあかりの前で結衣ちゃんの話しかしてくれない。
嫌なわけじゃないし、あかりだってちなつちゃんの話を聞くのは楽しいし結衣ちゃんのことだって
好きだから嬉しいけど。嬉しいはずなのに。
あかり「……ちなつちゃんは、あかりだけじゃ不満かな」
ちなつ「……え?」
つい口を突いて出た言葉に、ちなつちゃんが困惑したように顔を上げた。
あかりも自分自身に対して困惑してしまい、それ以外の言葉は喉の奥に張り付いて出てくれなかった。
あかり「う、うん。そうだよね……」
ちなつちゃんの顔も、あかりの顔もきっと同じくらいに困った顔のはずだ。
普段なら冗談で済ませられるかもしれないのに、ちなつちゃんだって大して今の言葉を気にしたりなんか
しなくて、それなのに今日は、ちなつちゃんもあかりも妙な沈黙に押しつぶされそうになる。
ちなつ「……」
あかり「……」
ちなつ「……」
居た堪れなくなった私はつい立ち上がると「ごめん、ちなつちゃん」と。
ちなつちゃんと一緒にいたいのに、一緒にいたくない。
「あかり用事思い出しちゃったから」
そう言って駆け足気味にちなつちゃんに背を向けた。
家に帰って、お姉ちゃんのお喋りに付き合いながら携帯を手にちなつちゃんからのメールをわくわくしながら待つことが
私にとって最近の楽しみだった。
けれど今日は、携帯を机に放置したまま、お姉ちゃんのいない部屋で一人ベッドに沈んでいる。
その日の夜。
お姉ちゃんはお出かけ中で今日は家に帰ってこないと聞いて少し安心してしまったのは
今の私がお姉ちゃんに心配をかけてしまうほどひどい顔をしていることがわかっていたから。
あかり「……」
どうしてあかりは、ちなつちゃんを困らせるようなこと言っちゃったのかなぁ。
結衣ちゃんのことになると一生懸命なちなつちゃんを見ることが好きで、結衣ちゃんのことを嬉しそうに話すちなつちゃんの声が
好きで、結衣ちゃんのこと――大好きなちなつちゃんのことが好きで。
あれが私の本心。
だとしたらあかり、ちなつちゃんの友達じゃいられなくなっちゃうよね――
ぐすっと、泣き虫な私が姿を現す。
声を上げて泣きたくなったのは久し振りだった。
けれど、必死に堪えてしまう。泣きたくなんてなかったから、必死に堪えてよけいに悲しくなって。
唇を噛締めた。
きつく噛締めすぎて滲んできた血の生暖かさが、ぼんやりちなつちゃんのことを思い起こさせた。
―――――
翌朝、ベッドからごそごそ起き出して鏡を覗くと、びっくりするくらい暗い顔をした自分と
目が合ってしまった。
こんな顔をして登校したら、きっとみんな心配しちゃう。
ごしごしと顔を洗って、にっこり笑顔を作る。
お団子は、乱れてないかな。大丈夫。
もう一度鏡の中に笑いかけ、気合を入れた。
あかりはいつでもあかるくいとかなくっちゃ。
朝ごはんを食べて家を出た。
この頃冷たくなってきた空気を吸い込むと、清清しい気分になる。別にちなつちゃんとケンカしたわけでもない。
いつも通りに振舞えば、ちなつちゃんだっていつも通りの笑顔を返してくれるはずで。
昨日に限って、どうしてあんな雰囲気になったのかなんてわからないし、わからないからこそ不安。
その不安の理由もわからないままに、いつも通りに戻るのは、なんだか少し怖かった。
怖いというよりもきっと、嫌なのかもしれない。
なにが嫌なのか、あかり自身でも理解できないのに。
あかり「……」
あぁ、でもだめ。
またあかり、暗い顔しちゃいそうになってたよぉ。
ふう、と大きく息をついたとき。
「あかりー、おはよう!」
どんっと背後から誰かの身体が押し付けられてきた。
びっくりしすぎて心臓がばくばくだ。
振り向くと、京子ちゃんが「へへっ、驚いたか」と笑っていた。
あかり「もうー、朝からびっくりさせるなんてひどいよぉ」
京子「いやあ、こうやってあかりをいじらないと頭がパンクしそうでさ」
そういえば、京子ちゃんたちはまだ期末テスト。
特に一夜漬けの京子ちゃんなんて、ふらふらになってしまうに決まっている。
お疲れさまぁと笑いながら、自分がちゃんと笑えていることにほっとする。
結衣「おーい、京子、なにやってんだよ」
京子ちゃんの背後から結衣ちゃんの声もして、少しだけドキッとした。
結衣ちゃん自身が嫌なわけじゃ無いし、結衣ちゃんのことだって大好きだ。
だからこそ、昨日少しの間抱いてしまった結衣ちゃんへの嫌な気持ちで申し訳なくなってしまう。
あかり「う、うん、おはよう!」
私達に追いついた結衣ちゃんが、いつも通りに声をかけてくるのを私はとてもいつも通りとは思えないふうに
返してしまった。
結衣ちゃんが首を傾げる横で、京子ちゃんが「ちなつちゃんまだ来ないからあかりに触ろう」と抱きついてくる。
京子ちゃんに抱きつかれるのは嬉しいけど、いつも抱きつかれてるちなつちゃんが「暑苦しい!」と怒っている気持ちも
わからなくはないかもしれない。
ちなつちゃん、早く来ないかなぁ。
そう思い掛けてけれど。
あかり「……」
うぅ、よくわからないよ。
来て欲しいけど来て欲しくないような。
こんなふうに思ってしまうのが初めてで、戸惑って仕方が無い。
結衣「おいこら……って、きたきた」
ぐりぐりと私に頬ずりしてくる京子ちゃんを窘めかけた結衣ちゃんが、
ぱっと気が付いたように声のトーンを上げた。
確かに、ちなつちゃんの足音だ。
京子「ちなつちゃんおはよー!私の胸に……」
ちなつ「……」
京子「ありゃ?」
遅くなってすみませーんと走ってきたちなつちゃんは一瞬ぽかんと立ち止まって。
私に抱きついたままちなつちゃんに手を伸ばした京子ちゃんが、首を傾げる。
けれど本当に一瞬で、「遠慮しときますっ」と京子ちゃんの手を掻い潜ってちなつちゃんは
「結衣せんぱーい」と抱きつきにいった。
ちなつ「おはようございますうっ」
きゃーと嬉しそうに声を上げるちなつちゃんに、京子ちゃんの「ちぇっ」という軽い舌打ち。
結衣ちゃんの困ったような顔と、それからあかりは。
あかりは今、どんな顔してるんだろう。
ちなつ「あ……」
京子ちゃんに抱えられたままぼんやりしていると、ちなつちゃんがふとこちらに視線を
向けた。
目が合う。
目が合って、ちなつちゃんは「あかりちゃん、おはよう」
あかり「……お、おはよう、ちなつちゃん」
すぐに逸らされたけど。
確かに聞こえた小さな声。
気付かなかった京子ちゃんが「あかり、行くぞー」といつのまにか私から離れて手を引っ張ってきた。
ちなつ「……」
あかり「……」
昼休みの部室。
いつのまにか放課後じゃなくてもここに集まることが習慣になっていた私たちは、けれどまだ二人きりだということを
忘れていて。
別に絶対部室で過ごさなきゃいけないわけでもないのに、教室にも帰りづらくて結局二人。
昨日のことがあって、少し、というよりもかなり気まずい。
今さら本気で言ったわけじゃないんだよぉ、と笑えるわけもなくて。
あかり「ちなつちゃん、あの、お茶、淹れようか」
身体を震わせた。
その反応に少しだけ落ち込みそうになる。
ちなつ「あ、うん……って、私が淹れるよ!」
あかり「そ、そう……?」
ちなつ「あかりちゃんがお茶汲みってちょっと変な感じだし!」
そうは思いつつ今日初めてきちんと話せたことにいささか安堵。
このまま違う話題を出して話をつなげてしまえばいつもみたいに――
ちなつ「あのね、あかりちゃん」
けれど。
ちなつちゃんはカチャカチャとお茶の用意をしてくれながら、いつもとは
少し違う声音でそう言った。
つい、私まで身体を固くしてしまう。
ちなつ「……その、すっごく言いにくいんだけど」
あかり「う、うん……」
湯呑みに熱いお茶を注ぐちなつちゃん。
一杯、私のを淹れ終えると、ちなつちゃんはそれを私に差し出した。
あかり「ありがとう……」
それから気付かれないようにちなつちゃんの表情を窺って。
――赤い。
あかり「ち、ちなつちゃん……?」
ちなつ「あかりちゃん、私のこと、どう思ってるのかなって」
ちなつちゃんの人差し指が、その口許に触れた。
いつか重ねたことのある、柔らかくて温かな唇。
ドキンッと胸が鳴った。
数日前の放課後の光景が頭を過った。
眠るちなつちゃん。
外から差し込むやわらかな夕日のオレンジと、それから冷えたちなつちゃんの指先。
転がったシャーペンにどうしようもなく止まらない気持ちと。
二回目のキスの味。
かあっとすごい速さで頭に血が上っていくのがわかった。
恥ずかしさとか後悔とか、色んなものが交じり合って頭が正常に動いてくれない気がした。
ちなつちゃんが、私に目を向けないまま「……好き、なの?」
あかりは、ちなつちゃんのこと――
私はえへへと笑って、そう言った。
ずぶずぶと泥沼にはまっていくような感覚。けれど。
ちなつちゃんのことは大好き。
たぶん、誰よりも大好き。
けれど、ちなつちゃんは。
結衣ちゃんのことが大好きなんだもんね。
たぶん、誰よりも大好きなんだもんね。
あかりがちなつちゃんのこと好きなわけなんてないんだよ。
そう思わなきゃ、どうにかなっちゃいそう。
こんなにも今の気持ちに当て嵌まる言葉が「好き」だなんて、そんなの。
ちなつ「……そ、そうだよね」
自分の湯飲みにお茶を注いでいたちなつちゃんは、こぼれそうになる間際ようやくはっとして
手を止め、私を見た。
どうしてか、そんなちなつちゃんの瞳は揺らいでるみたいに見えた。
やだなぁ、こんな顔しちゃったらちなつちゃんがまた。
ちなつ「ごめんね、へんなこと言っちゃって」
あかり「……ううん」
ちなつちゃんが照れたようにはにかんで、あかりから視線を逸らした。
私もうん、と俯いて。
大丈夫、涙はこぼれてこない。あかりは泣いてなんかいない。
ただ、噛締めた唇が痛かった。
―――――
結衣「ちょ、ちょっとちなつちゃん!?」
ちなつ「結衣先輩、もっと私の名前呼んでください!」
結衣「え、あの……」
それから数日後。
二年生の期末テストも終わっていつものごらく部。
京子ちゃんが畳の上に寝そべって、結衣ちゃんに抱きつくちなつちゃん――
あかり「へっ!?」
つい結衣ちゃんたちから目を逸らしてしまう私に気付いた京子ちゃんが、
よいしょ、と起き上がって訊ねてきた。
なんでもないよと首を振る私に、結衣ちゃんが「そうかな……」と低い声で呟いた。
結衣ちゃんに抱きついたままのちなつちゃんは俯いたまま、密かに肩を震わせたのがわかってしまった。
あかりとちなつちゃん。
あれで気まずい雰囲気ではなくなったはずなのに、依然距離は開いたままだった。
ちなつちゃんも私に話しかけてはくれない。
眠っているちなつちゃんにキスしたことを、本当はちなつちゃんは知っていたのかもしれない。
そう思うと、ちなつちゃんの態度も当たり前で、何も言えなくなってしまう。
それに、このままちなつちゃんと微妙な関係を保ったままのほうが
楽なんじゃないかなんて。
そんなことを思って。
ちなつ「な、なんで私なんですか!?」
京子「え、いや……」
結衣「あかりと今一番仲いいのあかりかなって」
京子ちゃんの言葉を引き継いで、結衣ちゃんが言う。
私が「ほんとになんでもないってば!」と言いかけたとき、ちなつちゃんの声。
ちなつ「なんでもないですっ」
ちなつ「……なにも、なかったし、なんでもないんです」
ぷいっと顔を逸らしたちなつちゃんがそう言って。
京子ちゃんは「そっかー」と首を傾げながらもそれっきり何も言わなくなった。
きっとなにか察してくれたのだ、京子ちゃんは言いたくないことは無理に言わせたりなんてしないから。
結衣ちゃんも同じで、私はこんな幼馴染でよかったなぁって思う。
だからこそ、そんな二人にも心配はかけたくないとも思った。
こんなあかりなんて、あかりじゃないもんね。
ちなつちゃんと仲直りして、それからそれから――
ちゃんと、友達に戻らなきゃ。
帰り道、京子ちゃんたちと別れた昇降口。
私は思い切って「ちなつちゃん」と呼び止めた。
靴を履き替えて、上履きを下駄箱に仕舞いかけていたちなつちゃんが「えっ」と私を振り向いた。
ちなつ「あかりちゃん……」
あかり「あ、あのね、あかり……」
必死で声を絞り出す。
あまり話せていなかったせいで、ちなつちゃんとどんな会話をすればいいのか咄嗟には
思いつかない。
あかり「あかり……」
ちなつ「……ごめん、あかりちゃん」
えっ、と自然と漏れ出た声に、ちなつちゃんはもう一度「ごめんね」と言った。
その声に、どうしてかドキドキしてしまう。
隠していた気持ちが、ちなつちゃんが私に向けた声に引きずり出されてきたみたい。
あかり「どうして……?」
ちなつ「えっと、ここ最近無視してた感じだし、だから……」
だんだんと迷ったように言葉が萎んでいく。
お互い、なにを話せばいいのかわからない。
あかり「それはあかりも、一緒だし……ちなつちゃんが悪いわけじゃなくって」
ちなつ「う、うん……」
すごくぎくしゃく。
ちなつちゃんのことを意識しすぎて、言わなきゃいけない言葉も思い付かない。
ごめんなさい?
それともありがとうかな?
それは絶対に違うよね――
それならえっと。
ぼそりとしたちなつちゃんの声に、思考がぱたんと止まってしまった。
ふとちなつちゃんを見ると、いつかと同じように頬が上気していて。
きっと、寒さのせいだけじゃない。
あかり「……どういう、意味かな?」
訊ねると、ちなつちゃんは「うぅっ」と壁に突っ伏した。
やわらかな髪に、ちなつちゃんの表情が隠れてしまう。
――どうしてあかりちゃんのこと気になっちゃうのよ……。
だから、その言葉をちなつちゃんがどんな顔で言ったのかはわからない。
それでもそれが嘘じゃないとはっきりわかって、視界がぼんやりした。
ちなつちゃんのその声は、思考だけでなく理性すらも止めてしまったみたいだ。
唐突に湧き上がってくる気持ち。
ちなつちゃんの寝顔を見たときと同じような、激しい何か。
ちなつ「……あ、あかりちゃん?」
言葉通りこっちを向いたちなつちゃんは、どうしようもないくらいに可愛くて。
もっかいキスしたら、あかりのこと好きになってくれる?
そんな言葉が、躊躇いもせずにこぼれ出てきた。
ちなつ「……ちょ、ちょっとあかりちゃん」
二度目は初めて自分からしたから、かちんこちんだったけれど。
三度目は――
ちなつ「……んっ」
やっぱり、触れるだけ。
だけどこれまでで一番、温かくて優しい、そんな気がした。
あかり「……えへへ」
照れ笑いを浮かべて、私はそれから。
ちなつちゃんを離してその場にへたりこんでしまった。今さら、真っ赤になって。
あかり「……あ、あの、えっと……」
ちなつ「……なんで今正気に戻っちゃうのよもう……」
それから、笑った。
笑ってちなつちゃんが屈みこんできて、もう一度――
ちなつ「……好きになっちゃった責任、とってもらうからね」
ちなつちゃんの囁き声。
ぼんやりした頭の中、「あかりの台詞だよ」小さく反論してみた。
キスで目覚めたのは白雪姫だけじゃないっていう、そんなお話。
結衣「……」
京子「……」
結衣「……先帰ろっか、京子」
京子「私たちもやる?」
結衣「おいこら」
京子「照れ屋さんな結衣さんだ」
終わり
年末に幸せをありがとう
ちなつ「そうだねえ」
あかり「色々あったよねぇ」
ちなつ「まさか私たちがここまでになるとは思わなかったわ」
あかり「えへへ、そうだねぇ。はい、みかん」
ちなつ「ん」パクッ
ちなつ「あかりちゃんも、あーん」
あかり「あーん」モグモグ
ちなつ「でもさ、あかりちゃん」
あかり「うん?」
ちなつ「私たちの世界って、サザエさん空間だからいつ一に戻るかわかんないんだよ」
あかり「年を越してもまた戻っちゃうかもしれないんだよねぇ」
あかり「そうだねぇ」
ちなつ「それでもあかりちゃんは私のこと好きになってくれる?」
あかり「うん」
ちなつ「結衣先輩のこと諦め切れなかったり、京子先輩にふらふらしちゃっても?」
あかり「うん」
ちなつ「私が――あかりちゃんのこと嫌いになっちゃったりしたら?」
あかり「そんなわけないから大丈夫」
ちなつ「……へんな自信」
あかり「それに、もしそうだとしてもあかりが頑張って振り向かせちゃうよ!」
ちなつ「できるかなあ」
あかり「来年はあかりがガンガンリードするからね!」
ちなつ「はいはい。覚悟しとくね」
あかり「えへへっ」
Entry ⇒ 2012.01.04 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
綾乃「千歳と温泉旅行」
大学が長期休暇に入る直前、同居人の池田千歳が唐突にそんなことを言い出した。
彼女とは中学からの付き合いで、当時から私の事を色々と支えてくれている大切な友達だ。
中学卒業後は同じ高校に進学。
高校卒業と同時に恋人になり、少し遠い大学に一緒に通うために同棲を始めた。
それから二回目の冬。
就職活動が本格的に始まり、忙しくなる前に…ということだろうか。
二人きりの時間が減ってしまうことが少し淋しいと思っていた矢先にこの提案だ。
本当に私の事をよく見てくれているんだな、と嬉しくなる。
「温泉旅行ねぇ…」
「どうかな?綾乃ちゃんと温泉行きたいなぁ~」
お願いがある時のお決まりのポーズだ。
そんなことをしなくても断ったりはしないけど、なんとも愛らしいこのポーズを見たいがために時々焦らしたりもする。
「ふふ、そうね。行きましょうか」
「ほんまに?やったぁ~」
ぴょんぴょんと跳ねながら全身で喜びを表現する千歳。
こんな姿を見せられては、彼女の頼みを何でも聞いてあげたくなってしまう。
「それで、どこに行きたいの?」
「伊豆とかどうかな?」
「その辺はウチに任せといて!」
自信満々に親指を立てる千歳に一抹の不安を覚える。
色々と良くしてくれるのは嬉しいが、時々的外れなことをしたりもするのだ。
最近ではそれさえも楽しみになってきてはいるが…、今回は旅行である。
「そ、そう…?じゃあ任せるわね…」
とはいえそんなことを言えるはずもなく。
期待と不安を胸に、旅行の日がやってきた。
「では、出発!」
千歳の所有する車に乗り込み、七森町を後にする。
丸みを帯びたボディに黄色い塗装がされたこの車に、千歳は一目惚れしたらしい。
「たくあんみたいで可愛いやろ~?」などと同意を求められたが、私にはよく分からなかった。
長い付き合いだと思っているけれど、今でも時々その思考が読めなくなる。もちろん良い意味で。
「~♪」
カーステレオから流れる曲に合わせて鼻歌を歌う千歳。
「楽しい旅行になりそうね…」
胸の中にあった不安もいつしか消え、思わず呟いた言葉に。
「うんっ」
千歳は満面の笑みで応えてくれた。
「ついたで!」
「ここが恋人岬…?」
何度か休憩を挟みつつ、最初の目的地に到着した。
海からの風がとても心地良く、今自分が住み慣れた町を離れているんだということを実感させてくれる。
「恋人岬はあっちの遊歩道からやで~」
確かに、ここはまだ駐車場だ。
奥のほうに木々の中を通る小道が見える。
「綾乃ちゃんっ」
右手に触れる温かい感触。
「……!」
「ふふ、さぁ行くで~」
恋人岬。
その響きが、なんだかとてもくすぐったく感じる。
「いい眺めね…」
遊歩道をしばらく進むと、展望台に出た。
目の前には青い海が広がり、そしてその向こうには。
「あれ、富士山かなぁ?」
「こんなに綺麗に見えるのね…」
「凄いなぁ~」
天気の良さと冬の澄んだ空気のお陰で、対岸や富士山がくっきり見える。
「あ、綾乃ちゃん見て見て!」
「うん?」
千歳の指差す先を見る。
そこは愛の鐘の台座部分。
「ほら、これ…」
「凄い…。小銭がハート型に並んでる…」
少し形は歪んでいるものの、硬貨が大きなハートの形を作っていた。
「なんかこういうのええなぁ」
そう言いながら、ハートの形を整えていく千歳。
「これを置いていった人達がウチらみたいに幸せだとええね」
千歳の笑顔。
見慣れているはずのその笑顔が、凄く眩しく見えて…。
「う、うん…」
熱くなった顔に、海からの風が心地良かった。
顔が真っ赤になっているのを指摘されると思ったけれど、何事もなかったかのように話し続ける千歳。
それはそれでなんとなく寂しい。
「この鐘を三回鳴らすと、永遠に愛が続くんやって」
「三回ね…」
そんなことで永遠の愛が手に入るものなのだろうか。
半信半疑な私に、しかし千歳は人差し指をピンと立てて。
「結構難しいらしいで?」
と、いたずらっぽい笑みを浮かべる。
「うん、恥ずかしがって回数が少なかったり…」
「勢い余って多めに鳴らしてしまうことが多いみたいやね」
難しい、と聞くと上手に出来るか不安になってしまう。
私の根っこはいつまで経ってもいわゆるヘタレのままだった。
「……」
「あはは、緊張することないで~」
そう言って微笑む千歳。
その笑顔に勇気付けられる。
「うん、いくで~」
「せーのっ」
ゴーンゴーンゴーンゴー…ン
「……」
やってしまった…。
鐘が思ったよりも重く、力を入れると今度は逆に勢い良く揺れてしまったのだ。
涙目になる私の頭に柔らかい感触。
「うぅ…、ごめんね千歳」
「よしよし~」
私が失敗したときは、いつも千歳がこうして励ましてくれる。
「旅行はまだ始まったばかりやで!」
「…うんっ」
「綾乃ちゃん、そのアイス一口ほしいなぁ~」
駐車場に戻ってきた私達は、隣接している売店へ足を運んだ。
どうやらアイスが名物らしく、二人で別々の味のアイスを注文してみる。
少し高かったが、味のほうはなかなかのものだった。
「ふふ、いいわよ」
「あむっ」
アイスを差し出すと、てっぺんからかぶりつく千歳。
ほっぺたをおさえて美味しさを表現した後。
「はい、お返しやで!」
今度は千歳がその手に持っているアイスを差し出してきた。
「う、うん…。はむ…」
食べさせあいっこは未だに照れてしまう私。
少し躊躇した後、アイスを一口頬張る。
可愛らしく小首を傾げる千歳。
不意打ちは卑怯だ。
「え…ええ、こっちも美味しいわね…」
顔の火照りを沈めるかのようにアイスを味わう、が。
恥ずかしくて正直よくわからなかった。
「二人でいるとお得やね~」
千歳は相変らず満面の笑顔で。
「…ふふ、そうね」
その笑顔を見るだけで、私も幸せな気分になれた。
恋人岬を後にした私達は、伊豆半島を南下。
ほどなくして次の目的地に到着した。
「らんの里、ね…」
「世界中のらんの花が見られるみたいやね」
らんの花にそんなに種類があるんだろうか…。
世の中まだまだ知らないことだらけである。
メインエントランスに辿り着いた私達が案内看板を見ていると。
「らぶぱわーすぽっと…?」
どうやら施設の奥のほうに、恋人の聖地と呼ばれる場所があるようだ。
「そ、そうね…」
またしても顔が熱くなる。
伊豆にはどれだけ恋人の聖地があるのだろうか。
「結構距離あるみたいやけど、頑張ろうな~」
看板を見てみると、ラブパワースポットを経由したコースは約45分と書いてあった。
「ファイトファイトファイファイビーチね!」
さっき失敗した分を取り返してやるんだから!
世界中の様々ならんの花を見ながら、施設の中を奥へ奥へ進む私達。
「ここから分岐みたいね…」
分岐の先は、フォレストゾーンと書いてある。
ラブパワースポットは、このフォレストゾーンの中にある。
森の中を進むわけではないのだろうけど…。
「結構大変そうやね…」
途中には吊り橋やらアスレチックもあるようだ。
仲が深まることうけあいである。
「ふふ…」
ここまで来た以上は引き下がれない。
千歳の手を引いて。
フォレストゾーンのゲートへ歩き出した。
「…思ってたより小さいなぁピラミッド」
長い長いエスカレーターを上り終えると、少し歩いた先にそのピラミッドはあった。
そのピラミッドこそが、どうやらラブパワースポット「愛の絆」らしい。
「中に入ってみましょう?」
「そやね」
中を覗き込んでみると少し薄暗い。
入り口の左右にはおみくじや絵馬があり、ピラミッドというより神社のようだ。
中に入ると内壁が私達を歓迎するかのように点灯し、星空のイルミネーションを映し出す。
そしてピラミッドの中心には、大きな水晶が鎮座していた。
「これは玻璃塊(はりかい)いうて…、これに触りながら、願いを込めて周囲を回るんよ~」
「そうすると成就するの?」
「…ということやろうね」
さっきの鐘を鳴らすよりは簡単そうである。
「じゃ、じゃあ…」
「バターにならないように気をつけような~」
また何を言っているのか分からない…。
けれど、緊張を和らげようとしてくれているのだということは分かった。
「……」
玻璃塊に手を乗せ、二人でゆっくりと周りを回る。
「これでええんかな?」
「なんだかお願いしてばっかりね…」
愛の鐘に引き続いてこれである。
困った時の…ではないが、お願いしてばかりというのもなんだか気が引けてしまう。
「それに、ウチら二人がお互いを想い合う事が一番大事やねん」
確かに。
中学時代から、千歳の愛情は身をもって感じている。
しかしその台詞は少し恥ずかしすぎる。
「さ、次は復路を頑張ろうな~」
顔を赤くする私に、千歳の非情な一言が突き刺さる。
吊り橋にアスレチックかぁ…。
もう少し動きやすい服装で来れば良かったと、今更後悔。
実際にはそこまで険しいものではなく、杞憂に終わったのだが。
「ふぅ、良いお部屋ね…」
「畳はやっぱりええなぁ~」
その日の宿。
二人で泊まるには少々広いくらいの和室に通され、とりあえずお茶を淹れてくつろぐ。
「窓からの眺めもなかなか…」
千歳の言葉に窓の外へ目を向ける。
どこまでも広がる海と、そこに浮かぶ大小様々な岩場。
「あ、あそこ…」
「うん…?ああ、そういえば釣りができるってフロントの人が言うてたね」
「釣り…」
「まだ夕飯まで時間あるし、やってみる?」
私は今まで釣りをした事がない。
チャレンジしたとしても、恐らく一匹も釣れないだろう。
けれど、開放的な気分になっている今なら何でもできそうな気がした。
「そうね、やってみましょうか!」
「むむむ…」
「綾乃ちゃん、どお?」
やっとのことで竿に糸と針をつけ、今度は餌になる冷凍エビと格闘する私に千歳が声をかけてくる。
「なかなかエビがとれなくて…」
少し溶けはじめた小さいエビは、一匹ずつとろうとするとボロボロと形を崩していく。
ちゃんととれたかと思えば、今度は針につけようとすると形を崩す。
なんだか手馴れた感じでエビをとり、針につける千歳。
「……はい、できたで!」
「あ、ありがとう」
千歳は私の世話を焼くのが本当に好きなようだ。
時々手間をかけてばかりなのが申し訳なくなってしまう。
私も千歳の為ならなんでもしてあげたいと思っているのだけれど…。
「いえいえ」
笑顔の千歳。
怒った顔や泣いた顔や悲しそうな顔は、見たことがない。
「え、ええ…」
そんな顔も見てみたい。
そう思うのは我侭なんだろうか。
「……」
水面を見つめながら、一人考える。
(そういえば…)
ふと気がつく。
(この後どうすれば釣れるのかしら…)
こんな基本的なことも、私は知らなかったようだ。
「なかなか釣れないわね…」
餌に魚が食いつく、ということは恐らくぐいぐい引っ張られるんだろうと結論付けた私。
なんとなく水面を見続けていたが、魚の陰も見当たらないことに気付いた。
千歳のほうも収穫はないらしく、何度か竿を引き上げては、また針を水の中に投げ込んでいるようだった。
「釣りは忍耐やで~」
楽しそうにこちらを向く千歳。
その視線が私の持つ竿の先、水面へと向き…。
「…って、綾乃ちゃんそれ食いついてるんちゃう…?」
反射的に竿を引き上げようとする。
すると、ぐいぐい引っ張られる感覚。
「ち、千歳…これ…!」
「綾乃ちゃんファイトッ」
「うぅ…、このっ!!」
千歳の声援を受け、立ち上がりながら竿を思い切り引き上げる。
竿から伝わる抵抗がなくなり、その先に少しの重みを感じる。
糸の先を見ると、そこには小さな魚が一匹引っかかっていた。
「やったなー、綾乃ちゃん~!」
足場が不安定な岩場に立っているというのに、勢い良く抱きついてくる千歳。
「ちょ、ちょっと千歳っ」
「あ、ごめんなつい…」
「い、いえ…」
…抱きつかれて嬉しくないわけじゃないけれど。
「こ、これ…どうすれば…?」
しかし竿ごと入れられる訳がない。
「そしたら魚の口から釣り針とって……」
「………」
やっぱり、そうなるわよね…。
「綾乃ちゃん…?」
もう一度言おう。
私の根っこの部分はヘタレなのだ。
「ち、千歳…。怖くて触れない…」
魚は未だピチピチと元気が良く、本当に怖くて触れない。
「……」
そんな私を無言で見ていた千歳が。
何故か鼻血を出して倒れる。
「千歳ー!?」
うわごとで。
「だから上目遣いは反則やで…」と言っていたのが、かろうじて聞こえた。
「美味しかった…」
「せやな~」
部屋に戻り、温泉を堪能し、海の幸をふんだんに使った豪華な料理を食べ終えた私達。
「まさか釣った魚を調理してくれるやなんて思わなかったわ~」
フロントに釣った魚を渡したところ、天ぷらにして夕飯と一緒に出してくれたのだ。
「露天風呂最高やね~」
満天の星空の下で入る露天風呂はとても気持ちが良かった。
「危うくのぼせるとこやったけど…」
露天風呂でなかったら、また鼻血を出して倒れていたかもしれない。
「……」
「……」
あとは寝るだけ、その状況のせいで。
なんとなく、緊張してしまう。
「あ、そうや綾乃ちゃん」
「な、なに?」
またしても、いたずらっぽい笑みを浮かべる千歳。
「もっと気持ち良い事…せぇへん?」
「…!?」
その言葉に。
今度は私がのぼせそうになった。
「あ…そこ…」
「ここがええのん…?」
「んっ…」
「綾乃ちゃん、凄く綺麗やで…」
千歳の言葉に、顔が紅潮する。
そう言いながらも手を止めない千歳。
「んふふ、気持ち良さそうな顔やね~」
「い、言わないで…」
とは言え、やはり恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。
「千鶴も気持ち良さそうな顔するんよ~」
「千歳が上手だから…」
本当に上手だと思う。
痛みも感じない。
「えへへ、嬉しいなぁ~」
耳元で聞こえる千歳の声。
柔らかい、千歳の…。
「…はい、おしまい!」
「あ、ありがと…」
顔が熱い。
手をパタパタさせながらお礼を言う。
「収穫はなしやね~」
広げたティッシュを私に見せる千歳。
「一応毎日してるから…、耳掃除」
「次はウチの番やね!」
千歳の耳掃除をした後、二人で再び温泉に入り、就寝した。
翌日。
朝食を食べたあと、宿を出る。
遊覧船に乗る予定だったのだが、あいにくの悪天候で欠航。
仕方なく伊豆半島を回り、次の目的地へ。
「寝姿山についたわ!」
「ここも縁結びの名所みたいやね~」
最早定番となった千歳の解説。
今ではそれを聞くのが楽しみになっている。
「な、なるほど…」
そう言われてもピンと来ない。
一体どんなセンスの人が言い出したんだろう…。
「まずはロープウェイに乗らんとな!」
「ロープウェイ…」
昨日の釣りに引き続き、これまた初体験である。
ロープ一本で車両を支えている…、そう考えただけで凄く怖い。
「そ、そんなわけないないナイアガラよ!」
最近はツンツンしないように頑張っているのだが、ふとしたときに強がってしまう。
「んふふ」
はいはい、わかってますよ~という千歳の笑顔。
「さぁ、行くわよ!」
その手をとり、いざロープウェイへ。
結局千歳にしがみつきながらロープウェイに乗ってしまった。
ロープウェイを降りると売店があり、そこを出るとちょっとした展望台になっていた。
目的の愛染堂は山の上である。
「ここからまた少し登らないといけないのね…」
「ファイトやで綾乃ちゃん!」
愛染堂を目指して歩き出す。
道端には池があり…。
「うん?…鯉やね」
赤や白、黄金に輝く鯉が悠々と泳ぎまわっていた。
「大きいわね…」
「ほんまやね…、何歳くらいなんやろ…」
「うーん…」
考えても分かるはずがない。
こんなことを真剣に考えてしまう自分達が、なんだかおかしくて。
「あはは、いこか~」
「ええ」
見つめ合い、笑い合ったあと。
再び手を繋いで山頂を目指す。
「ここが愛染堂やね」
「ハートの絵馬があるわ…」
珍しい形の絵馬である。
書いてあるのはやはり恋愛成就の願い事ばかり。
中には家族へのものもあったけれど。
「もちろん書くやろ?」
「そ、そうね…」
なんでもお見通しである。
恥ずかしい気持ちが大きいが、私がこういったことに人一倍憧れているのを分かっているのだ。
「これだけお願いすれば、きっとウチらは死ぬまで幸せやね~」
絵馬に願いを書き込む私に、ニコニコしながら言う千歳。
「そう…だといいな…」
「絶対そうやって!」
千歳の力強い言葉に。
「…うん、そうよね」
私はまた、勇気を貰った。
「今日の露天風呂は貸し切りにできるみたいやね」
その日の宿。
どうやら家族や恋人向けに、貸し切り露天風呂のサービスがあるようだ。
「貸し切り…」
「楽しみやね~」
にこにこする千歳。
恋人向けの貸し切り露天風呂。
そう言われると変に意識してしまう。
けれど…。
「綾乃ちゃん?」
私の顔を覗き込む千歳。
「…ふふ、そうね」
自分でも自然な笑顔になっていたのがわかる。
「どしたん?」
予想外の反応だったのだろう。
少し心配そうな千歳。
楽しみだと言う千歳の言葉に嘘はない。
千歳が楽しみにしているのは、私と想い出を作ることなんだ。
その気持ちが嬉しくて。
「楽しみねっ」
この旅行の中で、一番の笑顔になれたはずだ。
貸し切り露天風呂は、温泉にしてはそこまで広さがあるものではなかった。
しかし家族向けという言葉通り、二人で入るには充分な広さだった。
お風呂の隣のガラス戸は外に繋がっていて、そこにはもう一つお風呂がある。
「外のお風呂は…、少し小さいわね…」
「くっついて入ればええやん」
「く…くっついて…!?」
「うふふ」
さすがにそれは恥ずかしい…、けれど。
「…そうね」
大切な想い出作り。
そう自分に言い聞かせて。
「夜景が綺麗やねー」
「本当…」
昨日とは違い、今度は夜景が目の前に広がる。
上へ目を向ければ、満天の星空。
「綾乃ちゃんもうちょっとこっちおいで?」
「う、うん…」
外のお風呂は、さすがに二人で入るには狭すぎたようだ。
肩が、腕が、触れ合い。
なんとなく黙り込んでしまう。
「……」
けれどその沈黙も嫌なものではなく。
「明日は七森に帰るんやね…」
「…ええ」
二人きりの旅行も、終わりが近づいている。
「また二人で旅行しような~」
「うん、また…二人で」
それはいつだって私の心を柔らかく、温かくしてくれる。
「次は綾乃ちゃんがエスコートしてな?」
その笑顔に、私は何を返せるだろう。
「ふふ、任せておいて!」
二人だけの時間が減り、一緒の休みを迎えることも難しくなるかもしれない。
それでも。
(いつまでも、二人一緒にいられますように―――)
旅の途中、何度も願った想いと。
今までより大きくなったお互いへの気持ちを胸に。
私達は、日常へと帰っていく。
おしまい!
支援ありがとうでした!
Entry ⇒ 2011.12.29 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
京子「ごめん………」結衣「クリスマスだからさ」
結衣「いいよ、気にするな」
京子「ごめん…………」
京子「………結衣、ごめん、カーペットの上にコーヒーこぼしちゃった」
京子「…………ごめん」
結衣「大丈夫だって、すぐに洗えば大丈夫だから」
京子「………………」
京子「………結衣」
結衣「ん?どうした?」
京子「ごめん、壊しちゃった………」
結衣「気にするなよ、安もんだからさ」
京子「(大好きな結衣に迷惑かけてばっかだよ………)」
京子「(だから………結衣に………なんかしなきゃ………)」
京子「(そこで…………ね……もうすぐクリスマスだ……)」
京子「(そこで結衣にプレゼントをしよう)」
京子「(気持ちを込めたものを…………)」
京子「(結衣にプレゼントしよう)」
京子「(そして………そのとき私の気持ちも………)」
京子「(すごいの作って結衣を驚かそう)」
京子「ふっふっふっ」
クリスマスイブ前日
京子「よしっ」
京子「我ながら、いい出来だ」
京子「結衣のやつ驚くぞぉ」
京子「『京子大好き』って言って抱きついてくるかもね」
京子「ふふふっ」にやにや
ピーンポーンピーンポーン
がちゃ
結衣「おお、なんだ京子か」
京子「そうだよ~」
結衣「って、うお、なんだその大きい持ち物は」
京子「いや~後でのお楽しみぃ」
結衣「まぁ、とりあえずあがってよ」
京子「さっそくだけど、結衣、冷蔵庫借りるよ」
結衣「いいよ」
結衣「(京子、今日はクリスマスイブだし、なんか作ってきてくれたのかな)」
結衣「(京子ったら…………)」にこにこ
結衣「んじゃ、とりあえずゲームでもするか」
京子「うん」
結衣「よしっ、勝った」にこっ
ピコピコ
京子「私はレアアイテムげっとした~」にこにこ
ピコピコ
ピコピコ
ピコピコ
京子「(…………そろそろかな)」
京子「よしっ、結衣、そろそろ、お楽しみのものを紹介しま~す」
とことこ
バタン
京子「よっと………今から持ってくから」
京子「結衣……ちょっとテーブルの上片付けて………」
結衣「うん」
京子「ふふふ~ん」
とことこ
ずるっ
京子「えっ!?」
どしゃん
京子「いたた~」
結衣「大丈夫か?京子」
京子「うん、大丈夫……ちょっと床ですべっちゃ…………あ」
結衣「あ…………………」
京子「ケーキ………………」
結衣「……………………」
京子「……………」
うっうっうっ
京子「ゆいぃ、ごめん、ごめんなさい」
結衣「だ、大丈夫、大丈夫だよ」
結衣「(ん?なんか絵が書いてる………これって………私?)」
結衣「(『結衣、迷惑かけてごめんね、結衣のこと大好きだよっ』)」
結衣「(京子…………)」
京子「結衣……………また迷惑かけちゃったね」
京子「ははは、最近いつもドジって迷惑かけてるのに」
京子「それで迷惑のお詫びをしようとしたらまた迷惑なんて」
京子「ねっ」
京子「結衣もそう思うでしょ」
結衣「…………………………」
だきっ
京子「」!?
結衣「京子…………ありがとう」
結衣「ありがとう」
結衣「嬉しいんだよ」
結衣「私は京子といられるだけで嬉しいんだ」
結衣「だから京子が何しようと関係ない」
結衣「それに、京子がわざわざ私のためにケーキを作ってくれるんだもん」
結衣「嬉しいにきまってるだろ」
京子「結衣…………」
京子「(結衣………いまなら………)」
結衣「だから、いいって、な、京子」
京子「……いや………ごめん」
結衣「謝るなよ……な、大丈夫だから」
京子「いや………『今から』やることに謝ってるんだよ」
チュッ
結衣「///////」
京子「……これが私の気持ちだよ」
京子「女の子が女の子にキスだなんて」
京子「でも、私は結衣のことが好きなんだ」
京子「本当だったらさ、ケーキ渡して、告白して……って流れにしたかったんだよ」
京子「でも、失敗しちゃってさ」
京子「でさ、そこで」
京子「結衣が私が何しようと関係ないって言葉をきいて」
京子「テンパっちゃって」
京子「気づいたらキスしてた」
京子「………………うん」
京子「分かってるよ」
京子「今のはいくら謝っても謝りきれないって」
結衣「…………………」
結衣「ちがう……………」
結衣「私も…………好きだよ」
結衣「………………京子」
結衣「私も好きだよ、京子のこと」
京子「いつから…………」
結衣「気づいたらいつのまに」
京子「私と同じだ…………」
結衣「…………私はてっきりお前はちなつちゃんのことが好きだと思ってたんだけどな」
京子「あの好きと結衣に対しての好きは別物だよ」
京子「最初はミラクるんにそっくりだったから……」
京子「でもね……気づいたんだ」
京子「ちなつちゃんに絡むと結衣は見てくれてるってさ」
京子「そして、いつしか、結衣のために絡むようになった………」
京子「ちなつちゃんには悪いけどね……………」
結衣「……今は私のことが好きでも」
結衣「いつか、京子の魅力に気づくんじゃ……って思って」
京子「ふふっ………私たち似たもの同士だね」
結衣「うん………」
結衣「そだね」
結衣「/////」
京子「ゆ、結衣、なんでいきなり顔が赤くなる」
結衣「い、いや、さっきキスをされた………」
結衣「………実感がわいてきて」
京子「……/////」
結衣「うん」
結衣「…………私のファーストキスなんだよ」
結衣「相手が京子で良かったよ」
結衣「うん、そうだ」
京子「私も………ファーストキスだよ」
京子「………うん」
京子「………………………」
結衣「…………………………」
京子「…………………………」
京子「(き、気まずい)」
結衣「(………気まずい)」
京子「………………あっ、結衣、言う事があるんだ」
結衣「言う事?」
結衣「言いたい事………」
京子「それはいまの私たちにぴったりの言葉」
結衣「…………うん、そうか!」
結衣「私にもあるよ言いたい事」
結衣「たぶん、そうだね………京子と同じ事」
結衣「うん、これを言えなかったら一生後悔する気がする」
京子「せーの」
二人「「私と付き合って下さい」」
京子「結衣!」結衣「京子!」
結衣「ふふふっ」
京子「えへへっ」
正確には>>43からないんだが
少し書き溜めてくる
京子「うん」
結衣「……………って暗っ」
京子「もう、6時だもんね」
結衣「京子がきたのが2時だったから」
結衣「………もう4時間経ったのか」
京子「でも、結構、ほら密度が濃かったよね」
結衣「うん、いろいろあったな」
京子「………うん、やめとくよ」
京子「今、泊まると、キス以上のことをしちゃう気がする」
京子「こういうのは段々とがいいんだよ」
京子「それに結衣……実家に帰るんでしょ、クリスマスイブだし」
結衣「う、うん、そうだった、忘れてたよ」
京子「……あ、忘れてた、明日デートね」
結衣「えっ?」
京子「私たち付き合い始めたんだし」
京子「明日はクリスマスだよ」
京子「デートでしょ」
結衣「………しょうがないなぁ、京子は」にこにこ
京子「じゃあね」にこっ
バタン
結衣「あ…………ケーキ片付けなきゃ」
京子「(いろんな事、あったな)」
とことこ
京子「(結衣とキスしたり、付き合える事になったり)」
とことこ
京子「(最高の日だよ)」
とことこ
京子「(ねぇ、結衣)」
とことこ
京子「メリークリスマス」
京子「(いい日を)」
とことこ
結衣「ケーキ勿体ないよなぁ」
結衣「少し、食べよっか」
ぱくっ
結衣「うん美味しい」
結衣「(…………わたしの顔と京子のメッセージのケーキ)」
結衣「京子………メリークリスマス」
結衣「………それにしても量が多いな」
ピーンポーンピーンポーン
京子「あれっ?」
ピーンポーンピーンポーン
京子「おかしいな結衣、寝てるのかな」
京子「……ケータイに電話しよ」
プルルルルルルプルルルルルル
がちゃ
京子「もしもし、結衣?」
京子「ちょっと結衣、ドアを開けてよ」
結衣「………………」
京子「ちょっと、結衣なんなの?」
結衣「………後ろ後ろ」
ぐるり
京子「………結衣」
結衣「うん」
結衣「あ~、えっと、ね」
結衣「私、実家に帰ってただろ?」
結衣「で、今日、クリスマス当日、京子の家に行ったんだ」
結衣「そしたら、京子が私のマンションに向かったって」
結衣「ってこと」
京子「………私、心配したんだよ」
結衣「うん、ごめん」
結衣「……………」
だきっ
結衣「これでいいか?」
京子「うん」
京子「えへへっ」
結衣「無謀すぎたな」
結衣「あらかじめケータイで連絡すれば、よかったよ」
京子「………でもさ………お互い同じ時間に誘いにいって」
京子「こうして今、会えてる…………」
京子「これだけで、私たち…………」
京子「お似合いって気がしない?」にこっ
結衣「……ああ、そうだな」
結衣「私………デートプラン作ったんだ……」
京子「あ、私も作った………んだけど結衣に任せるよ」
結衣「いや………なら、二人でそのプランを見せ合って」
結衣「合わせたものにしよう」
結衣「いいだろ?」
京子「うん」にこっ
①近くの遊園地に行く
②そして夜景を見る
結衣「とまぁ……なんていうか………普通で………で」
京子「私のは……」
①結衣と一緒に遊園地に行って遊びまくる
②そして暗くなったら町にいって適当にブラブラする
京子「とね…………結衣とだいたい同じ………」
結衣「ふふふっ」
京子「えへへっ」
二人「「お似合いだね」」
結衣「遊園地までだいたい40分ぐらいかかって………」
結衣「遊園地は10時に始まるから………」
結衣「ぴったしだね」
京子「うん」
結衣「それじゃあ、行くよ」
結衣「京子………手」
京子「うん………」
にぎっ
次は~遊園地前~遊園地前~
結衣「ほらっ、京子、起きろ、ついたぞ」
京子「う~ん、もうちょっと………」
結衣「おいおい………」
ぷしゅー
どかどか
どかどか
結衣「みんな行く人が降りてるよ」
結衣「きょ~こ」
結衣「起きろ~」
結衣「よっと…………」
だきっ
とことこ
結衣「すみません………中学生二人です」
とことこ
ぷしゅー
結衣「ふ~危なかった」
結衣「お、やっと起きたのか」
京子「……うん……って、私……宙に浮いてる?」
京子「(えっと、ってことは…………結衣にお姫様だっこされてる!?)///」
結衣「よし、ならおろすぞ」
すちゃ
京子「………ありがと///」
結衣「うん」
京子「いや~結衣とのデートが楽しみで寝れなくてさ」
結衣「………////」
結衣「……まぁ、今日のとこは許してやるよ」
結衣「クリスマスなんだから」
結衣「いっぱい楽しもうよ」
結衣「な」
結衣「京子」
京子「うん」
結衣「………………」
京子「……ん?」
結衣「……………手///」
京子「うん」
にぎっ
結衣「デートはこうでなくっちゃ」
結衣「ね」
京子「そうだね」
結衣「さて、無事遊園地に入れたし……どこ行く?」
京子「うん……とりあえずジェットコースターかな」
結衣「よしっ」
とことこ
とことこ
京子「うわ~人がいっぱい並んでるね」
京子「どうする?」
結衣「………今日はクリスマスだし、どこも似たようなもんだろ」
結衣「退屈なんてするもんか」
京子「うん」にこっ
とことこ
とことこ
京子「60分まちか………」
京子「ってことは、60分結衣とおしゃべりできるんだね」
結衣「うん………そういうことだ」
京子「………まわり………カップルだらけだね」
京子「私たちは………どう見えてるのかな」
結衣「う~ん……『仲のいい二人』って感じじゃない?」
京子「うん…………そうだよね、カップルには見えないよね………」
結衣「………私は、周りにカップルって思われなくてもいいと思うんだ」
結衣「ただ………付き合ってるってことを二人が分かってればいい」
結衣「ちょっと、クサい台詞だけど………ね」
京子「結衣…………」
結衣「デートするためにきているんだよ」
結衣「だから…………さ」
京子「………うん」
だきっ
京子「結衣、だ~い好きっ」
結衣「おいコラ、人前だぞ///」
結衣「…………そうこうしてる間に順番がまわってきたな」
京子「ずいぶんはやかったね」
結衣「うん、はやかったな」
次の方どうぞ~
京子「呼ばれたね」
結衣「ああ」
ガタンガタン
京子「動きだしたね」
結衣「うん」
ガタンガタン
結衣「………………」
京子「………………」
ガタンガタン
京子「なんかさ………こう独特な雰囲気があるよね」
結衣「うん」
京子「こう動き出したとき………さ」
結衣「うん分かるよ」
ガタンガタン
京子「この独特な音が私たちをステージに引き込んでくれる」
京子「そういう気がするんだ」
京子「うん、ステージ」
結衣「うん」
ガタっ
結衣「おっ!」
京子「のぼり始めたね」
結衣「綺麗だ………」
京子「綺麗………」
京子「おっ、てっぺんだね」
ガタン
シューシューシューシュー
結衣「きゃぁ」
だきっ
京子「………結衣抱きついてきちゃって」
結衣「………しょうがないだろ、怖かったんだから」
京子「……可愛い」
結衣「いうなバカ///」
シャーシャーシャー
ガタンガタン
ガタンガタン
安全バーからお手を離してお待ちください
京子「…………この声で私たちは一気に現実世界に連れ戻される」
京子「ステージからおろされる」
京子「余韻をもってね」
結衣「………今日の京子………詩人だな」
京子「…………///」
とことこ
とことこ
結衣「次は何に乗る?」
京子「いいよ、ジェットコースターは私が決めたんだかから」
京子「結衣が決めて」
結衣「………なら………」
結衣「これぞデートって感じでしょ」
京子「いいねぇ」
とことこ
とことこ
結衣「え?80分まち………?」
京子「さすがクリスマス長いね」
京子「でも……待つのもデートでしょ」
結衣「うん」にこっ
結衣「もう順番まわってきたね」
京子「おしゃべりしてるとはやいね」
京子「………結衣と……ね」
結衣「/////」
京子「…………乗るよ」
結衣「いいよ」
京子「結衣は前後ろどっちにする?」
結衣「私は後ろかな………京子を抱きしめられるし………」にやっ
京子「……………///」
京子「なら……乗るね」
結衣「うん」
すちゃ
結衣「私もっと………」
すちゃ
京子「……………」
結衣「………………」
だきっ
とくん
京子「(聞こえる………)」
とくん
とくん
京子「(結衣の心臓の音…………)」
グラっ
結衣「おっ、始まったね」
京子「うん」
とくん
京子「……………」
とくん
とくん
京子「……………うん」
とくん
とくん
京子「……………結衣」
ぷしゅー
結衣「お、もう終わりか」
結衣「楽しい時間ってはやいもんね」
京子「そうだね」
結衣「………あ、もう1時か………遅くなったけどお昼にしよっか」
京子「うん」
結衣「たぶん、すごくこんでると思うけど………」
京子「それも楽しみのうちだよね」
とことこ
とことこ
とことこ
結衣「よしっ、着いた~」
結衣「って、アレっ?」
京子「そうだね……」
京子「きっとみんな乗り物で忙しいんだよ」
結衣「うん、そうだな」
結衣「京子はなに食べる?」
京子「私は…………」
結衣「んじゃ、私もそうしよ」
結衣「すみません、オムライス二つ」
京子「それと、パフェを一つ」
結衣「」!?
京子「えへへっ」
ぱくぱく
結衣「…………パフェ………」
もぐもぐ
京子「いや………これが私からの結衣へのプレゼントだよ」
ぱくぱく
京子「昨日失敗しちゃったし………さ」
結衣「京子…………」
京子「オムライス食べ終わったね」
京子「パフェパフェ………と」
京子「結衣、口開けて」
結衣「ん?」
京子「あ~んしてあげる」
あ~ん
結衣「分かった」
あ~ん
ぱくっ
結衣「………美味しい」
結衣「……………」
結衣「スプーン貸して、京子」
結衣「あ~んしてあげる」
京子「い、いや、いいよ」
京子「これは私からのプレゼントだよ」
結衣「だからこそだよ」
結衣「私たちは恋人同士………」
結衣「だから分け合うんだよ」
結衣「なんにしても………そう」
結衣「嬉しさも悲しさも分け合いたいんだよ」
結衣「だからさ…………まずは………」
京子「うん………」
あ~ん
京子「あ~ん」
あ~ん
ぱくっ
京子「うん………美味しい」にこっ
結衣「そうか」にこにこ
京子「ふ~食べ終わったね」
結衣「……あ~んのし合いっこはさすがに恥ずかしかった………」
京子「それもデートだよ」
結衣「………そうだな」
結衣「あ……もう一つ何か乗ったら帰ろうか」
結衣「名残惜しいけど………さ」
京子「うん」
京子「分かってるよ、結衣」
結衣「それでね………」
結衣「最後に乗りたいのがあるんだ」
京子「私もある」
京子「たぶん………結衣と同じ
結衣「なら……一緒に言うか?」
京子「もちろん」
結衣「なら………せーの」
二人「「観覧車」」
京子「えへへっ」
二人「「お似合いのカップル」」
二人「「だねっ」」
結衣「それじゃあ、行こうか………」
京子「うん♪」
とことこ
結衣「やっぱりクリスマスだけあって、90分まち」
京子「すごいね………やっぱ」
京子「でも………デートの楽しさは」
結衣「待ち時間でもあるんだよな」
京子「ふふふっ」
結衣「えへへっ」
次の方どうぞ~
京子「もう順番まわってきたね」
結衣「はやいよ………ね」
京子「楽しいと………さ」
結衣「じゃ、最後のアトラクションを楽しみますか」
京子「ねっ」
京子「よっと……」
京子「だんだんと高くのぼる」
京子「そして下にかえってくる………か」
結衣「どうした京子?」
京子「ううん、なんでもない」
結衣「///」
結衣「う、うん、いいよ………」
京子「ありがと…………」
結衣「あ、てっぺんだよ」
結衣「綺麗………」
京子「綺麗だね」
京子「ふ~綺麗だったね」
とことこ
結衣「うん綺麗だったね」
とことこ
京子「………って終わりっぽくなってるけどまだ4時だよ」
京子「夜景、夜景~楽しみぃ」
結衣「そうだな」
ぷしゅー
どかどかどかどか
結衣「きょ~こ着いたよ」
結衣「起きろ~」
京子「(………こうしてたら……結衣またお姫様だっこしくれるよね)」
結衣「………京子………愛してるよ」
京子「……………」にやっ
結衣「おいコラ、起きてるな
結衣「当たり前だ」
結衣「おりるぞ」
京子「うん」
とことこ
結衣「中学生二人で」
とことこ
ぷしゅー
京子「うん、暗いね」
結衣「それじゃあ、行くか」
京子「うん」
二人「「あ、手をつなご…………」」
結衣「ふふふっ」
京子「えへへっ」
二人「「お似合いだよ」」
にぎっ
結衣「イルミネーション綺麗だね」
とことこ
京子「うん」
とことこ
結衣「暗いからこそ輝く………」
とことこ
京子「うん………」
とことこ
結衣「着いた」
京子「わぁ、綺麗……」
京子「クリスマスツリー」
結衣「綺麗………うん」
ぎゅっ
ぎゅっ
京子「ふふふっ」
結衣「京子……ここでも言いたい事がある………」
京子「分かってるよ、結衣」
二人「「メリークリスマス」」
結衣「京子」京子「結衣」
結衣「京子はまだ行きたいとこある?」
京子「私も大丈夫」
京子「だから、結衣の家に行こっ」にこっ
結衣「ああ」にこにこ
とことこ
とことこ
とことこ
がちゃ
ギー
バタン
結衣「ふ~、帰ってきたぁ」
京子「疲れたね、楽しかったけど」
結衣「うん」
京子「へっ?………」
京子「えっと…………ミネストローネ!」
京子「ミネストローネが食べたい」
結衣「ミネストローネか………いいよ」
京子「やったぁ」
京子「食後は……」
結衣「ラムレーズンだろ、分かってるよ」
京子「さっすが結衣、分かってるぅ」
京子「いや………私も手伝うよ」
京子「それが恋人なんでしょ」
京子「結衣、言ってたじゃん、分け合う事が大切って…………」
結衣「………ああ、そうだな」
結衣「さぁ作りましょうか」
トントントン
ぐつぐつ
かちゃかちゃ
ぐつぐつ
結衣「よしっ、出来たな」
結衣「京子、味見してみて」
ぺろっ
京子「うん、美味しい!」
京子「うん、分かった~」
京子「コップ、コップ………と」
ことっ
京子「飲み物飲みもの……」
バタン
京子「あった、あった~」
京子「(あ………私が作ったケーキ……)」
京子「(結衣…………)」
ぱくぱく
ぱくぱく
二人「「ごちそうさま~」」
京子「いや~結衣の作るご飯は美味しいなぁ」
結衣「いや~、そんなことないよ」
結衣「そしたらラムレーズンだな」
京子「いや………今日はいいよ………」
結衣「………うん、そうか………」
結衣「私は片付けしとくから」
京子「なら……私も………」
結衣「いや、いいよ、結構量すくないし………」
京子「うん……じゃ入ってくるね」
京子「結衣~お風呂からあがったよ~」
結衣「よし、入るか」
結衣「ふ~いい湯だった………」
京子「………………うん」
結衣「うんいいよ……………」
がさごそがさごそ
結衣「布団ひき終わったな」
京子「だね」
京子「おやすみ、結衣」
結衣「……………………」
京子「……………………」
結衣「……………………」
京子「……………ねぇ、結衣、起きてる?」
結衣「ん?なんだ?」
京子「……………一旦やめない?」
結衣「えっ!?なんで……………」
京子「…………ドキドキが多すぎるんだ」
結衣「……………ドキドキ……………」
京子「うん、ドキドキ」
結衣「うん…………知ってるよ」
京子「私は………恋愛でもそう思うんだ…………」
京子「うん…………そう思う」
結衣「そうか……………」
結衣「分かった、いいよ、やめよう…………」
結衣「うん……………分かった」
京子「それに………私は『いま』を楽しみたい」
京子「結衣、あかり、ちなつちゃん…………のごらく部を壊したくない」
京子「そりゃ、いつかなくなるかもしれない………でも…………」
京子「わざわざ早めることはしたくない」
京子「私と結衣が付き合ったらちなつちゃん…………ごらく部にこなくなっちゃうかもしれないから」
結衣「…………うん」
京子「一旦停止だからね、ステージからおりないでよ」
結衣「うん………誰がこんな面白いステージからおりるもんか」
京子「よかった……………」
京子「………結衣…………そばにいっていい?」
結衣「うん…………いいよ」
京子「えへへっ」
京子「あったかい」
結衣「私も……………」
とくん
とくん
京子「(結衣の心臓のおと………)」
京子「(私が、虐められてたとき………)」
とくん
京子「(助けにきてくれて………)」
とくん
京子「(抱きしめてくれたとき)」
とくん
京子「(聞こえた)」
京子「(力強く)」
とくん
京子「(暖かいおと)」
とくん
京子「(うん……………)」
結衣「ああ、おやすみ」
二人「(メリークリスマス)」
おわり
すばらしかった
Entry ⇒ 2011.12.27 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
結衣「なら私とゆりゆりすればいいだろ!」 あかり「えっ?」
ガラッ
あかり「結衣ちゃん京子ちゃん遅れてごめんねぇ、今日は何して遊ぼっか」
結衣「やぁあかり、外寒かっただろ」
あかり「うん寒かったよぉ、えへへおこたぬくぬくだね」
結衣「あぁ、おこた無しはもう考えられないな…」
あかり「そうだねぇ…」
あかり「…冬だね、結衣ちゃん」
結衣「冬だな、あかり」
結衣「そっかそっか、京子も家で同人誌書くってさ」
あかり「今日は京子ちゃん来ないんだぁ」
結衣「……くふっ」
あかり「えぇっと、何かおかしい事言ったかなあかり」
結衣「いや何でもないよ」
あかり「きょうはきょうこちゃん…」
結衣「…ぷぷっ」
あかり「えぇぇ……」
結衣「な、何だよその目は!」
あかり「…ダジャレにすらなってないと思うよ」
結衣「そもそも笑ってないし、あかりが幻覚でも見たんだろ」
あかり「…結衣ちゃんその言い訳はちょっと苦しいんじゃないかな?」
結衣「う、うるさいな!…今お茶淹れてくるから」
あかり「ぇへへ、ありがと結衣ちゃん」
あかり「うんありがと、結衣ちゃん」
結衣「まったく…まさかあかりにいじられるとはな」
あかり「ご、ごめんね」
あかり「ふふっ結衣ちゃんはクールに見えて笑いの沸点が低いよね」
あかり「そのギャップがすごい可愛いと思うんだぁ」
結衣「かっ可愛くなんか……そのお団子そぎ落とすぞあかり」
あかり「そ、そぎ落とす!?それだけは勘弁なすってぇ!」
結衣「ったく…」
結衣「あぁいいねそれ」
あかり「ネギに白菜にお豆腐に鶏肉いっぱい入れてぇ…」
結衣「…あかり、ヨダレ出てるよ」
あかり「ふぇっホント!?」ゴシゴシ
結衣「ふふっ嘘だよ」
あかり「もぉー結衣ちゃんってば!」
結衣「あはは、ごめんごめん」
結衣「ふふふ」
あかり「…この間結衣ちゃんとデートしたってちなつちゃんから聞いたよ」
結衣「デートというか…確かに二人で遊びに行ったね」
あかり「本当に嬉しそうだったよぉちなつちゃん」
あかり「3日間は延々とその話聞かされて大変だったけど…」
結衣「あはは…」
あかり「結衣ちゃんもなかなかスミに置けないよねぇ」
結衣「ど、どういう意味だよそれ」
あかり「別に、深い意味はないよぉ」ズズー
結衣「む…」
結衣「毎週ってわけじゃないけど…」
結衣「週末はたまに泊まりに来てるね」
あかり「そうなんだぁ」
あかり「ふふっごらく部みんな結衣ちゃんと仲いいよねぇ」
結衣「そうだね、二人っきりで遊ぶような仲だしね」
あかり「あかりもよく結衣ちゃんと二人っきりで遊ん…」
あかり「あ、あれぇ!?」
結衣「えっ?」
結衣「お、落ち着けなにが無いんだよ!あかりの胸か?」
あかり「うん全然育たなくて…って違うよぉ!合ってるけど違うよ!!」
あかり「気にしてるからそれは言わないで!」
結衣「わ、分かったって」
あかり「結衣ちゃんと二人っきりで遊んだ記憶が無いよぉ…」
結衣「……」
結衣「……あぁ」
結衣「……京子にずっと付きっきりだったからな」
あかり「……うぅ」
結衣「あ、あかり」
結衣「きょうきょうこが…」
あかり「そんなダジャレであかり笑わないよぉ!?」
結衣「ご、ごめん…でも面白いのに」
あかり「そんなので笑うの結衣ちゃんと杉浦先輩くらいだよぉ…」グスッ
結衣「……そうなのか」
結衣「何言ってるんだよ!!!」
結衣「あかりは私の大切な幼なじみだろ…そんな事言わないでよ」
あかり「……ありがと、でもね」
あかり「今さらだけどあかりね、ごらく部で浮いてる気がしてきたんだ」
あかり「あかりだけゆりゆりしてないもんね…」
結衣「そんなの関係ない!!…それが嫌なら」
結衣「わ、私とゆりゆりすればいいだろ!」
あかり「えっ…」
結衣「あっ…」
結衣「…あかりは嫌なの?」
あかり「ううん、でもそんなの結衣ちゃんに迷惑かかっちゃうもん」
結衣「…迷惑なんかじゃないよ」
あかり「…存在感を出すために結衣ちゃんにすり寄ったなんて思われるもん」グスッ
結衣「あかりは存在感が薄い子なんかじゃないよ」
あかり「そんなのウソだよぉ…」
結衣「ウソじゃない!」
あかり「!」ビクッ
結衣「大室さんに割りばし貸してあげたり、絆創膏で治療したり」
結衣「ソーイングセットでボタン付けてあげたりね」
あかり「…誰から聞いたの?」
結衣「ちなつちゃんだよ」
結衣「あかりは人より一歩下がって、周りをよく見渡してくれてるんだ」
結衣「スポットライトが当たらないだけ、あかりは空気なんかじゃない」
結衣「…周りに気を使える、優しいあかりが大好きだよ私は」
あかり「ゆ、結衣ちゃん……」
あかり「でもアッカリーンなんて効果音考えたの結衣ちゃんだよね」
あかり「小さいころから薄々気づいてたよ…手の施しようのない存在感だって」グスッ
結衣「うぅぅ…あかりぃ…」
あかり「ぇへへでもね」
結衣「うん?」
あかり「結衣ちゃんがあかりのことも見ててくれてたんだなぁって」
あかり「それが分かってホント嬉しいんだぁ」
結衣「あかり…」
結衣「…大切な私の幼なじみなんだから当たり前だろ」ギュッ-
あかり「ぇへへ、結衣ちゃん暖かいよぉ…」
あかり「うん、ありがと結衣ちゃん」
あかり「う~ん…」
あかり「ゆりゆりするってどんなことすればいいのかなぁ」
結衣「うーん…私もよく分からないな」
結衣「さっきあかりを慰めるためにハグしたけど」
結衣「…そういうスキンシップとかすればいいのかな?」
あかり「なるほど、結衣ちゃんのハグ暖かくてほんわかしたよぉ」
結衣「私もあの感覚好きだな、安心するというか」
あかり「うんうん!」
あかり「…そ、そうだね」
あかり「ふ、2人っきりでハグだもんね」
結衣「放課後の部室で2人っきり…ハグ……あかり」
あかり「ゆ、結衣ちゃん…」
結衣あか「………ぷっ…あはははははははははははは!」
結衣「ふふっ、あかり顔が耳まで真っ赤だよ」
あかり「結衣ちゃんだってリンゴさんみたいに真っ赤っかだよぉ~!」
結衣「えっ嘘!?」
あかり「ほんとだよ~」
あかり「ぇへへ、なんだか可笑しいねぇ」
結衣「はー笑った……ん、そろそろ日が落ちてきたね」
あかり「本当だ、もう真っ暗だね」
結衣「そろそろ帰ろうか、あかりの家まで送っていくよ」
あかり「うん!ありがと、結衣ちゃん」
結衣「忘れ物しないでね」
あかり「はーい!」
あかり「ふふ、結衣ちゃん転ばないようにね」
結衣「…私はあかりが心配だよ」
あかり「ぇへへ」
<ブロロロ~ プーップップー
結衣「あかり、車来てるよ!!」グイッ
あかり「きゃあ!?」
結衣「ったくあんなスピード出して危ないな…大丈夫か?」ギュッ
あかり「う、うん」
あかり「ぇへへ…結衣ちゃんそんな抱きしめたら苦しいよぉ」
結衣「わっ…ご、ごめん」
あかり「ううん」
あかり「……今日だけで2回結衣ちゃんに抱きしめられちゃったね」
結衣「ど、どっちもその…不可抗力と言うか」
あかり「…さっきの結衣ちゃんとってもカッコ良かったよ」
あかり「助けてくれてありがと、結衣ちゃん」ニコッ
結衣「っ!……ど、どういたしまして」
あかり「ぇへへ~♪」
結衣「…なんかほっぺ熱い」
結衣「あぁ、また明日学校でな」
あかり「うん!」
結衣「寒いから風邪引かないでね」
あかり「ふふ、結衣ちゃんもね」
結衣「ちゃんと宿題するんだよ」
あかり「ふふっ分かってるよぉ」
結衣「…じゃあまたね」
あかり「…うん」
あかり「今日は結衣ちゃんとお喋りして…は、ハグしてもらって」
あかり「車から助けてもらったりして…カッコ良かったなぁ」
あかり「結衣ちゃんの事考えるとドキドキする…」
あかり「ぇへへ、結衣ちゃぁん」
あかり「…寝る前に結衣ちゃんにメールしてみようかな」
あかり「迷惑じゃないかなぁ」
あかり「……」メルメル
結衣「…1人で食べるのってやっぱ味気ないな」
<ゴーユルリ ト ニャニャニャー
結衣「メール…ふふ、あかりからだ」
結衣「『今日は結衣ちゃんといっぱいお喋り出来て楽しかったよ!』」
結衣「『明日はお家からミカン持っていくよぉ、皆で食べようね!』」
結衣「『また明日学校で、おやすみなさい』」
結衣「ふふ、まだ9時なのにもう寝ちゃうのか…あかりらしいな」
結衣「私も楽しかったよ……」メルメル
<カゲ ガ ウスイトカー
あかり「ひゃう!?」
あかり「もう返ってきた…どれどれ」
あかり「『私も楽しかったよ、今度2人で遊びに行こうな』」
あかり「『ミカン楽しみにしてるからね』」
あかり「『おやすみ、あかり』」
あかり「ふ、2人で遊びに…ぇへへ今日の話覚えてくれてたんだ」
あかり「おやすみなさい、結衣ちゃん」
あかり「…」zzz
あかり「みんな、あかり今日はねみかん持ってきたんだよ」
京子「でかしたぞあかり!!」
ちなつ「コタツにみかんですか~、いいですね」
結衣「一体何の部活なんだろうなここは…」
京子「まぁまぁいいじゃん、食べよ食べよ」
ちなつ「あかりちゃんありがと」
結衣「あかりありがとね」
京子「サンキューあかり!」
あかり「ぇへへ、ミカンのおかげであかりいっぱい目立ってるよぉ」
ちなつ「あかりちゃん……」ホロリ
結衣「ん?あ~ん…うん、おいしいよ」
結衣「はいあかりも、あーん…」
あかり「ぇへへ、あ~ん」
結衣「はむ、なんちゃって」
あかり「もぉー!結衣ちゃんひどいよぉ!」
結衣「ふふふ」
京子「…ちょっとちなつちゃん」
ちなつ「えぇ言いたいことは分かります」
京子「なんかあの2人すっごい甘々だよね」
ちなつ「幸せオーラがすごいです…」
結衣「へ?」
あかり「結衣ちゃんがこれからあかりとゆりゆりするって約束してくれたんだぁ」
結衣「まぁ…うん」
京子「そ、そんな…私とは遊びだったのね」
結衣「変な事言うなっての」
ちなつ「…結衣先輩が本当にそう言ったんですね」
ちなつ「……ふふ、あかりちゃんこれから夜道には気を付けてね」
あかり「ひぃぃ!?」
あかり「また…」
京子「へ??今日はね~これを使って遊ぼうかと」
ちなつ「箱が二つ…」
京子「へへ~この箱から選ばれた2人に!」
京子「こっちの箱に書いてある事を成し遂げてしてもらいます!」
結衣「また変な事考えて…」
あかり「でもおもしろそうだねぇ」
京子「まぁまぁ、王様ゲームだと思ってさ」
ちなつ「ふふっ…これで結衣先輩と…」
ちなつ「…私と結衣先輩でお願いしますよ」
京子「そんなプレッシャーかけないでよ!…そりゃっ」
京子「ん~私と、ちなつちゃんが……プッキーゲームだってさ」
ちなつ「えぇぇぇぇ…ちょっと京子先輩!」
京子「えっへへ~」
結衣「いきなりプッキーゲームって、先行き不安だな…」
あかり「ぷっきーげーむ??」
結衣「ん?まぁ見てればだいたい分かるよ」
京子「ふへへ、ちなつちゃんわざと折らないでね」
ちなつ「はぁ・・・せめて結衣先輩が良かったなぁ」
京子「観念しなよ~、次は結衣と出来るかもしれないじゃん」
ちなつ「はいはい…」
ちなつ「早く終わらせて次に行きましょうか」
京子「乗り気じゃないなぁ~ちなつちゃん」
ちなつ「もぉ…やってあげるだけ感謝して下さいよ」
京子「ぶ~」
ちなつ「……」コクン
ポリポリポリポリ
あかり「えぇ!?こ、こんな恥ずかしい事するのプッキーゲームって…」
結衣「み、見てるだけでも結構恥ずかしいね」
ポリポリポリポリ
あかり「あわわ、口と口がくっ付いちゃうよぉ」
結衣「あかりにはまだ早い」スッ
あかり「ひゃあ!?」
あかり「手であかりの目を塞がないで!見えないよぉ結衣ちゃん!!」
あかり「うぅ~あかりも見たいよぉ!!」
チュッ チュー
結衣「うわぁ…すご」
あかり「な、何が起こったの!?」
結衣「見てみてなよあかり…2人とも蕩けてだらしない顔だ、よだれも出してさ」
あかり「見せたいのか見せたくないのかはっきりしてくれるかなぁ、結衣ちゃん!」
京子「ぁ…」
ちなつ「…うぅ、どうして止まらないんですか!!」
京子「ち、ちなつちゃんだって止まらなかったじゃん!」
京子「えへへ、しちゃった…」
ちなつ「もぉー!」
あかり「……あれ?京子ちゃんとちなつちゃん顔真っ赤だね」
ちなつ「な、何言ってるのよあかりちゃん!!」
ちなつ「私が京子先輩相手に顔赤くするわけないじゃない!」
京子「ち、ちなつちゃんってば舌まで入れてくるんだもん…」
結衣「そ、それはすごいな」
ちなつ「なにさらっと誤解されるような事言ってるんです!?」
ちなつ「京子先輩、次変な事言ったら…!」
ちなつ「あかりちゃんのお団子をそぎ取ってカラッと揚げますからね!?」
あかり「んん!?あかりのお団子関係ないよねちなつちゃん!」
ちなつ「私が舌と舌を絡ませるのは結衣先輩だけですからね!」
結衣「え、えぇ!?」
京子「えへへ、さい先いいなぁ…よし次行ってみよう!」
京子「んん~よっと…」
京子「私と、あかりが…愛してるを言い合う」
結衣「さっきから京子ばっかりだな」
ちなつ「そ、そうですねきっとズルしてますよ!」
京子「す、するかぁそんな事!」
京子「んん~なんだ嫌そうな顔だなあかりぃ」
あかり「ううん、嫌なんかじゃ…」
結衣「ちなつちゃん、はいミカン」
ちなつ「えぇ!?そんないいんですか!…あ、あ~ん」
あかり「……」チラッ
結衣「うん?どうしたんだあかり」
あかり「な、何でもないよぉ!…結衣ちゃんのバカ」
結衣「?」
あかり「…ふぅいくよ京子ちゃん」
ちなつ「結衣先輩もミカンどうぞ、あ~ん」
結衣「うんありがと、あーん」
あかり「もぉー!!…京子ちゃん大好き!!」
あかり「結衣ちゃんなんかよりずっと、ずーーーーっと大好き!!!」
京子「おぉう、…なんか照れるな」
結衣「ふーん…」
あかり「ふーんだっ!」
あかり「…うん」
結衣「……」
京子「よしよし、それじゃ次行こうか」
結衣「まだやるのかよ」
京子「もちもち、そいやっさ…」
京子「結衣、あかりが後ろからハグ」
京子「へへへ、だってさ~」
結衣「…ふん」
あかり「ふーんだっ」
あかり「そうだね、は・や・く終わらせようね結衣ちゃん」
結衣「むかっ…ホラこっちおいでよ、寒いからコタツで座りながらだ」
あかり「別にそんな気づかい、いらないよぉ」
結衣「あかりの事なんか別になんとも思ってないけど」
結衣「私が寒いの嫌なだけだから、勘違いするなよ」
あかり「むむむむむっかぁ~!」
京子「ちょっと、私のせいなのかな」
ちなつ「さぁ、どうでしょうね」
ちなつ「とりあえず見守りましょうか」
京子「そうだねぇ」
あかり「結衣ちゃんのイジワル…」グスッ
結衣「イジワルってなんだよ!」
結衣「…あかりは私より京子の方が好きなんだろ?」ギュッ
あかり「そ、それは結衣ちゃんとちなつちゃんが仲良くしてたから…」
結衣「…嫉妬してたんだ?」
あかり「ち、違うもん!ただそれ見てヤキモキして胸が苦しくなっただけだもん…」
結衣「それ嫉妬って言うんだよ」ギュッ
あかり「違うったら違うもん!…あかりは結衣ちゃんなんかに焼きもちやかないよぉ!」
結衣「素直じゃないな…」
結衣「ふーんそっか」
結衣「あかりは私の事なんとも思ってないんだね」
あかり「え、え?」
結衣「もうゆりゆりするの止めようか」
あかり「そ、そんなぁ…!」グスッ
結衣「だってそうでしょ、嫌がってるのに無理強いするのは悪いし」
結衣「…私はあかりの事好きだったのになぁ」
あかり「い、イジワル言わないでぇ結衣ちゃん!…あかり嫌がってなんかないよ!」
結衣「どうだかねぇ」
あかり「うぅぅぅ…」グスッ
あかり「いやだよぉ!あかりは結衣ちゃんとゆりゆりしたいよ!」
結衣「なんで?大好きな京子とすればいいじゃん」
あかり「うぅぅ…あかりが好きなのは結衣ちゃんなの!!」
結衣「……知ってる」ニコッ
結衣「やっと言ってくれた、結構頑固だよねあかりって」
あかり「…知ってて言わせたの!?結衣ちゃんのイジワル、イジワル!!」ポカポカ
結衣「あはは、ゴメンゴメン」
あかり「…もうこんなひどい事しない?」グスッ
結衣「しないよ、だから泣かないで」
あかり「…結衣ちゃんのバカぁ」
結衣「ふふっ…」ナデナデ
京子「……なにこれ」
ちなつ「えへへ京子先輩」
京子「な、なにかなちなつちゃん」
ちなつ「…ちょっと修学旅行のお土産の木刀借りますね」
京子「ちょ、ちょっと落ち着いてちなつちゃん!」
ちなつ「離してください、今の私は誰にも止められませんから」
ちなつ「ふふっ、幼なじみなんて…」
京子「そ、そうだ次のゲームに移るぞ!そりゃっ…」
京子「京子、ちなつが1週間カップルごっこ…」
京子「だってさ!」
ちなつ「……もうこの際京子先輩でいいですよ」
京子「えへへ、この際っていうのが気になるけど」
結あか「イチャイチャ」
ちなつ「……」
ちなつ「とりあえず、今日はもうどこか行きましょ」
ちなつ「このままだとダークサイドに落ちそうなんで」
京子「そ、そうだね…カラオケでも行かない?」
ちなつ「…私今日はノド枯れるまで歌いますから」
京子「よし、今日は私のおごりだ!」
ちなつ「さり気ないところで気が利きますよね、ほんと」
ちなつ「ワリカンでいーですよ、その代わり今日一日付き合ってくださいね」
京子「へへ~もち」
結衣「はいはい、ワガママだなぁあかりは」ギュー
あかり「ぇへへ、あったかいよぉ」
結衣「…あかりの髪いい匂いだね」スンスン
あかり「んぅやだぁ…くすぐったいよ結衣ちゃん」
結衣「……」
結衣「…なぁ、あかり」グスッ
あかり「ゆ、結衣ちゃんどうして泣いてるの?」
あかり「うん…」
結衣「結婚なんて出来ないしさ、ただ一緒にいる事しかできない」
結衣「それに…」
結衣「あかりは可愛いし、ちょっとドジだけど、優しくて家庭的だし…」
結衣「きっと素敵な男の人と幸せになれると思う」
結衣「だ、だから…もう終わりに」
あかり「結衣ちゃん、ちょっとうるさいかな」
結衣「えっ?」
あかり「……んっ…ちゅっ…」
結衣「!?…んぅ…」
結衣「お、お前私の話聞いてたのか!?」
あかり「聞いてたよ?」
結衣「それならどうして…」グスッ
あかり「あかりは結衣ちゃんが大好きだもん」
あかり「クールでかっこよくて、お料理が上手で、ダジャレが好きで、ちょっと寂しがり屋なところも…」
あかり「ぜ~んぶ大好きだよっ」
結衣「わ、私が言いたいのはそういう事じゃないんだよ…」
あかり「…」
あかり「結衣ちゃんと一緒にだったらそれでいいのあかりは…」
あかり「それがあかりにとっての幸せだから」
あかり「ねぇ結衣ちゃん」
あかり「……そこまで真剣に考えててくれてあかり嬉しいよ」
結衣「う、うぅ…うわぁあああああ……」ポロポロ
あかり「ぇへへ、よしよし」
あかり「泣きたいときは胸をかしてあげるよ結衣ちゃん」
あかり「だから一人で抱え込まないで…」
結衣「うん、うん…」
あかり「ぇへへ、あかりだってやる時はやるよぉ」
結衣「あかりの胸…」
あかり「ふふ、暖かったでしょ?」
結衣「小さかったなぁ…」
あかり「もぉーまたそれ!?心配して損したよぉ!!」
結衣「ぷっあははは、ありがとなあかり」
あかり「ふーんだっ」
結衣「また拗ねた…」
あかり「…イジワル言わないなら」
結衣「ふふそれはちょっと無理かな」
あかり「もう!…あかりも結衣ちゃんとずっと一緒がいいな」
結衣「そっか、…女の子どうしだからきっと心無い事を言われるかもしれない」
結衣「でもそんなの私が守ってやるから」
あかり「うん、でもあかりにも結衣ちゃん守らせてほしいな」
結衣「ありがと…あかりこれからもゆりゆりしような」
あかり「ふふっそうだね、結衣ちゃん!」
おしまい!
Entry ⇒ 2011.12.26 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
あかり「安価で放課後を楽しもうかな」
どうしようかな
よし>>5をしよっと!
{/ / ∨-=ミマ \
/ / ヽ ∨i{ /} }}
/ / /| : / i: ∨/ ノリ /⌒)
/イ : / ⌒ト | /| ∧ |: |、__,彡 { ⌒)
|/ . : : :| :/ | l |/ /⌒ト、:/∨:!: |/: : : ハ / ̄ ̄
(⌒ヽ レイ: : : : 〃⌒心八 │ ∨ | :/\| : | : : : : : |
. ヽ ヽ、 -、:|: :|: イ{{. i_ノ:.:ハ \| |/ :|/ 厶L:_:」_:リ
\ `( }八八ハ. 弋いソ __ / ,: : : : : | ゆるゆりはっじまるよー
. / ⌒ヽ ∨ : : :j(//) . ⌒¨¨~ヾ /: : / : リ
〈 ´ ̄) | : { _ (//) : : / : : |
' '⌒) }i| : :丶 「 } ∠/: : / : : : |
'. ノ´ {八 : :∧\ __ノ / : : : / : : : : 人|
} \厶:∨::> _,,,... ´/: :/| 〃丶:∧: :/
/〉 ∧ /{:::|「::::::::::::::::: ∧ // /|/::::::::::\|/
/ / / 〉 八:||:::::::::::::::::/_ /:::::::::::::::::::/>、
きっとみんなも持ってきてるはず!
,. -‐‐-y'ニ二_に
,ィ'ニ'.v ´: : : : : : : : : : : : `ヽ、
{イ: :/: : : :/: : ; : : : : : : : : : : : Yニiヽ
,ゞ/: : : ;イ: /|: : : : : :_:イ: : : : : V: :リ
彡: |: :|: / |/ V、: : :./`ト i: : : : :.iイ
\:!: : / ヽ'´ Vヽ: : : :|:.ヽ,
,|ハ:i `ー ´ 、 j/: : :|: : r''
ノ|:.:゙| l i `ー‐ /: : :/_ル'
'ヘ|.: :! l i ,': : :イ
j:ノ:ヽ、 /) j/:/|
ヽ: :ハ>、 n _. .ィ':,ィ::∧j
,イニ三ニ! } }__/三≧x_j/
| ゙ミ三ニ}〈 }ニニ7' `i
| ゙ミ三!'ヽ_ノ}ニヲ' |
{,r‐=t ∨: : : :/‐" l |
{三ニニ}/: : : :/ {三三}
゙ミニヲ':´: : : :/:| {三三}
/ヽ、:_;/: :| /: : : :/
/ l: : : :l /: : : :∧
うーん、じゃあ>>8ちゃんとやろうかなっ!
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,,::"::::::::::::::/ ヽ/ ヽ:::::::::::::"::,,
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i':::::{. -----‐‐‐‐‐ │ ‐‐‐‐‐----- }::::::::i
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, -‐‐- 、::i, ヽ. / /::i'
/ ヽi, ヽ /゙゙゙゙゙゙゙"'‐--‐'"゙゙゙゙゙\ / /:i'
{ } ヽ \ / i/ ./'´
ヽ ノ:::::::\ `''‐-、,,,,,,,,,_______,,,,,,,、-‐'´ /
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ヽ. /ヽ、,,,,________,,,/ /::::::/
\ /ー----------‐‐''´:::::::::/
「こんにちはあかりちゃん!」
わー、ドラえもんだぁ!「さっそくあかりのメノクラゲとゴーストと勝負だよ!」
「ふふふ、僕勝てるかな?」
ドラごとき、コテンパンにしてやってください
「えっ?」
「もしもボックス~!――もしも僕がポケモンの世界に入れたなら」
キュィィイイイイイイン
// //
. / / //
/ / _.. ~'::""::''ヽ、 / /
// /:;r‐、:::::::__:::::::::::\ / /
// /:::ノ ・ _)( ・_`つ、::::::ヽ、 l l
/ /::r(__ ノ´(:;;:)´__ノ〃ヽ:::::::} | |
/:::::ノ二ニ彡 ノ 三彡-、 )::ノ | | うわああああああ
{::::( -_二 -‐'' ̄ )(::/ ノ ノ
ヽ:::ヽ( ,r'' " ''‐-‐′ノl//
ヽ )`― ''′_ .... __ノ//
ゞニニ二 -(/∂-‐//
ドラえもんがあかりのゲームの中に転送されていくよぉ!
いよいよ勝負だね!あかり、負けないよ!
あかりのポケモンは・・・あっ、メノクラゲはもう進化したんだった!
手持ちは
ドククラゲ
ゴース
ゴースト
どうしよっかな・・・ドラえもんは強そうだし・・・
とりあえずゴースで様子を見よっと!
「いけっ!ゴーちゃん!」
. : : : :
. : : : : . . : : . . ;';'; : : : :
. : :;';';: : : : : : : : : : : : : : : : : : .
,イ : :,: --- 、 ;';';.:.: : : : : ;';'; : : : :
. : :/ レ:´::::::::::::::::::;::ヽ . : : : : : : : : :
l l::::::::::::::::::/l:::::::', :.:';';':.: : : :
| |:::::::::::/ l::::::::i : : : : : : .:;';';:
ト'ノ::::レ' , l::::::::l : : : : : : '
lス、::::ヽ、__ ノ:::::ノ : :.:;';';.: : : :
`ヽ==ャ-‐''´: : : : : : : : : :
: :.:;';';:.: : :
,-、 nn
.r-、 _00 /::::'┴'r'
.|::::'´::::r┘ !「`L00、|.l└ク_;厂 /
.|::::「|:::| l| |Ln:::r┘|.l _lニユ、 ./
. ̄└r''"´]_ l| | r゙=゙┐ |└ァ::/ / /
、ヽ、 ,ゞ´_::::| l| |「二:::7 .|.l └′/ / /
. \\`´ |:::|. l| l 〈::/ 、 ! '/
\ ̄ l ,>ィ''ヾト:r:‐、_
. , / ,.-、/ /::\ `‐'^ヾ;<´
/ { ゝイ /.:::::....`丶、.__戈‐
! _ | ::| |::::::::::::::::::::::::::::::;イ:l
/ `ヾl、 l:::(\____:::::::/ l::|
. { ,ム\\:`‐-‐':/ /:/
ヽ;:-ィ'´,.、 `㊦、、 ̄´ /='ィ⌒i
! {. ヾ;| l \ `ヾ='´;: -‐'^'''゛ 「そんなレベルで僕に勝てるわけないじゃないか!」
', '、 \\_,,> ノ::/ } !
ヽ,\ ヾ;、.__,/∠_ ノ/
丶丶、ヽ;:::::::;:ィ´ ゙, /
`'‐-<.___ノ
. -――‐-〃‐ .
.// /⌒ ⌒\\
イ⌒ ヽ/ ' ヽ.ヽミヽ
./ / \ /{ } .ィ ∨ }
、 _/ ./{/{/ヽV ハ/ハ リ ∨
: /γ⌒ヽ ∨γ^ヽ∨ .
|. | iii、_ノ 、._ノii| |
<ハY| N xxx . ―- 、 xxx.{ |
J | / . } | 「ゴーちゃんを馬鹿にしたなぁ!」
| ∧ |. / | ./| }/
「空気砲!」ドン!ドン!ドン!
こうかが ない みたいだ
「なんだって!?22世紀のひみつ道具なのに・・・!」
「あかりのポケモンにはそんな攻撃効かないんだよっ!」
でも・・・あれ、なんでだろ、涙が出てくるよぅ
__
.: : :´ : : : : : : : : :`: : ..、
//  ̄`: : : : ´ ̄`丶 :Yて`ヽ
/⌒: : : :-=‐: : : : : =ミ: : : : :\f :}: :|
.′/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .V::ノ_
弋/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :  ̄:<
/./: : : : : 八: : : : : ∧: :/- 、: : : : : :ト、/
: :/: : :/|ィ/ \: :./ ∨ ∨:: : : : :|¨~
:┴i: :{ .|!/____ ` .____V} : i : :|
. | i : Т.「 ̄  ̄| 「 ! : i: : :!
. 人 | | __. | | 丿: :i: : :`
|: ヘ.:>zf^i、__ヽノ_/)ァ:<ノ)ノ) 丿
′ }:::::::{:: . |::::::::|
}::::::::|\/}::::::::}
ト- ' /ヨ 廴.ソ
. 丿 /: :| /、
r′ /: : :| { ∧
└ト、./: :/: |__|_xく
「¨ーr‐t‐t厶.-‐ ´
|`ーi′ ヽ_ノ}
L.Y . V.j
「ゴーちゃん!のろいっ!」
/ 〃__.ヽ / /:::::ゝ ∠::::`丶、 \`ヽ \
. { {{'´ ヽ ソ / \} l\}
. 人 ヽ ∨ / \j ノ
/ `7ー--ァ / / 、 `くヽ、
く 〃 /// / .イ { } \\
`ヽ<、 / {イ イ /:::::|ハ }、,ハ } | ヾ/
|V i { /:::|7ー--::ヘ } 'ー/-- | / }:.レ'´
| !|人 /:::::x=ミ::::::::::ヽハ./::x==j.ハ ハl
j l/| ヽ{:::::{{ }}i:::三三三::{{ }}| / |
/:{: : l | :::::ゝ==:''::::::三三三::ゝ==:''ノィ′ i | 怨念はおんねん・・・!
{ハ: : :、 |:::: ::::{/ ハ|
rヘl\ヽ |:、 ―- 、 ノ /
xヘ::::::::::ヾ\::\ { ソ /}//
/ \::::::::::::::::::::{丶 、`¨ ´_....<jノ/'´ }
| ヽ\:::::::::/⌒ヽ 二二/::::::::::://´ ̄`ヽ
| __\`>'/ V///::::::::/ / l
〉/::::::::::::::::/ | V/::::/ / l
{' ::::::::::::::::: / | 》]´ } ハ n i i }
「うわぁぁあああああああ!頭がっ!頭がっ!」
やったぁ!効いたみたいだよっ!
/
/
` ー
_,.>
r "
ワッ!!! \ _
_ r-''ニl::::/,ニ二 ーー-- __
.,/: :// o l !/ /o l.}: : : : : : :`:ヽ 、
/:,.-ーl { ゙-"ノノl l. ゙ ‐゙ノノ,,,_: : : : : : : : : :ヽ、
__l>ゝ、,,ヽ /;;;;;;;;;;リ゙‐'ー=" _゛ =、: : : : : : : :ヽ、
/ _________`゙ `'-- ヾ_____--⌒ `-: : : : : : : :
...-''"│ ∧ .ヽ. ________ / ____ ---‐‐‐ーー \: : : : :
! / .ヽ ゙,ゝ、 / ________rー''" ̄''ー、 `、: : :
.l./ V `'''ー-、__/__r-‐''"゛  ̄ ̄ \ ゙l: : :
l .,.. -、、 _ ‐''''''''-、 l !: :
| / .| .! `'、 | l: :
l | .l,,ノ | ! !: :
/ '゙‐'''''ヽ、 .,,,.. -''''''''^^'''-、/ l !: :
r―- ..__l___ `´ l / /: :
\ `゙^''''''―- ..______/_/ /: : :
スーッ
こうかが ない みたいだ
「なんだって!?」
「無駄無駄っ!そんな塊は当たらないんだよっ!」
ドラえもんの道具もたいしたことないなっ!
このままゴーちゃんで行っちゃおう!
「ナイトヘッド!ナイトヘッド!ナイトヘッド!」
「ぎゃあああああああああああああああああああ!!」
\ ̄ l ,>ィ''ヾト:r:‐、_
. , / ,.-、/ /::\ `‐'^ヾ;<´
/ { ゝイ /.:::::....`丶、.__戈‐
! _ | ::| |::::::::::::::::::::::::::::::;イ:l
/ `ヾl、 l:::(\____:::::::/ l::|
. { ,ム\\:`‐-‐':/ /:/
ヽ;:-ィ'´,.、 `㊦、、 ̄´ /='ィ⌒i
! {. ヾ;| l \ `ヾ='´;: -‐'^'''゛
', '、 \\_,,> ノ::/ } !
ヽ,\ ヾ;、.__,/∠_ ノ/
丶丶、ヽ;:::::::;:ィ´ ゙, /
`'‐-<.___ノ
「レベル15の威力だって積み重ねれば大ダメージになるんだよっ!」
「ギブアップ!ギブァァアアアップ!!」
> つァ、
/ (/,ニヽ
__ / ⌒` _ノ
〃⌒` / .√´
__ {i /⌒`丶、 /フ__\ .′ /
___/ -= ⌒ミ \{ ト< }/ .′
/ V7 ヽ人ノ_)/ ′
{ (}/ / .| ヽ ヽ 个=ト/ ′.
弋_/ .′j | ! ト⌒,ハ },∨ 7
>' //{ .⌒八 ト、,斗=ミ } Ⅳ 7
{/ { | |ハ ,ニ、\ .{ __ノハi} | .′ /
、 ゙ ̄|_ヘ 人〃r'ハ 弋z.ソ .′ .i } ;′
. \ |ヘ, 弋.ソ , , , //} ,八 ハ
. ヽ. ∧ { ,ハ' ' ' r 丶. 'イ /\\ // }
. //∧,ハヽ` . 丶. ′. イ 7\ \\/ノ
\///\ハト、≧=≪ //} \ ー/
ヽ、_ i |,///// .//// .`У
V}V,'///>y'/// } ノ
} V// {⌒)/´ ヽ /
,' \/// }
.′ /_7
「あかりちゃんのポケモンは強いね。全然僕の攻撃が効かなかったもの」
「えへへ。あかりも頑張って育ててるんだよぉ」
「すごいや。まるで空気見たいだったもんね」
「……」
まあいっか!あかりの勝ちだもんねっ!
勝負は終わったけど、ドラえもんを>>42
1 元の世界に戻す
2 戻さない
「元の世界に戻して」
ウワァァアアアアアアン
「ありがとう、あかりちゃん」
「いえいえ。楽しかったよ、ドラえもん!」ワーイ
「この世界ではきみには勝てないのかもしれないね。きみはすごいよ」
「えっへっへー。そうだと思うよ」
/⌒
ゝ´⌒`´⌒` 丶.、
ィ'⌒>'´ `<⌒ヽ
{{ ∨ ヾ: }}
八/ / / | | | l ヽ ハ八
/ / / 八 | { ∧ l | | 〉
\{ l l /∨ \{ 八{ ノハ | |/
| l N三≧ ≦三 ノ ノ | 「私、ゆるゆり主役の赤座あかりですからっ!」
| :八|{ ''' ''' イ .l
从 ハ _ ノ .l .ノ
\Y^ゝ、. ____ /⌒Y/
|\ Yミ∀彡( ノ\
.| ̄ ̄ |"∧^´| ̄ ̄ | .}!
.| :::: | !::! | :::: |ミノ
| :::: :: | |:::| | ::::: /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄乂__ノ  ̄ ̄ 乂_ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「ドラえもん・・・また、会えるよね?」
「もちろんだよ!」
\===========,、,、
い い .ぼ 戦 .楽 き |ニニニニ./ ̄ ̄ ̄ \ニミ
つ つ く い し み /ニニニ / \ミ、
ま ま は を. か と <───‐| ま じ l、
で で わ .っ の ヽ───ヽ. た ゃ ノミ、
も も す た l───/ ね. あ ヽ㍉
. : れ , -─‐- 、 ! 。 、 l"´
. : な / ヽ\ /
。 い ! l ー-, , -‐'´ -‐'"´
。 , 、 ! l〇 〃´|‐''"´
、 ,.イ_,,」`ー─‐ ヽ / / .|_, -─
| ー───‐- 、/ | .| {====='´,/ |
|──‐┼─┼ヽ‐┼┤ / , l、 |──--
|. | | ._」 ! ◯ヘ c ノ l .|
| _」 -‐''¨´ /⌒ヽ--‐'`^ `¨''ー 、 _
-‐''¨´ ニ三ゝ__ノ三ニ `''
ニ三三三三ニ
ぐすん、寂しいよぉ…
あかり、なんか人恋しくなっちゃった
夕方だけどまだみんな学校に残ってるよねっ!
よし、>>50ちゃんのとこに行こっと!
「やっほー、みんなー!・・・あれ、ちなつちゃんだけ?」
「あかりちゃんおそーい」
_. . -. . .、__r‐ァ, .-: : ´ ̄`': :-. . .、
, : ´: : : : γ⌒': ´: : : : : : : : : : : : : : : : :` ヽ,r‐-、 _
/ ; :,-――!/´ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ },. ':´: : : : :`: . 、
/: :/´:, :-: /; : : . . : : 、: : : ハ^ヾ´ ̄`ー‐-、 ヽ、
:/: ./: ://: : : : : . . . ./. . /: : . . . . . . : : : : : : '; : : ハ }‐-、: : : : `': ハ
|': : ://: :///:/: : : :,: : : : :/: : /:, : : : ,: : : : : : :!: : : : `; : ノ|イ: : ヽ、ミ、. : : : :`!、
/: : // . /: :|:/ : : :∥: : :/:|: : :!/: : : : |、:!: : : : |:, : : : : ',: : :|: : ',: : :`、'、: : : : :ハ
: : : !;': : :': /|/ : ィ: ||: : :/ ';!: : |l : : : : | '、:! : : : |:| : '; : : ',´ノ|: : : '; : : : 、: i: : : : : !
{ : : i}: : : : l/:| : /| | |-‐|‐‐|-: ||V: : : !|、_ヾ__: |:!: : '; : |:!ノ:,': : : : ',: : : :!: !: : l: : :!
ヽ: : !: : : ::i}:└┘ト:!,,ー‐ -、L_」| ハ: : :|| __VL_`ン!: : :|: ;'|': ;': : : : : :!: : : !:ノ: : |: : ;
ヽ: : : : : |: : : /:ハ イこテミミ、  ̄´rテ=テ=ミミァ : |_!: !:ノ: : : : : :|: : : |': : : :! :ノ
'; |: : : :'; : /イ:/:ハ弋_ー'_リ ` トイ_, リ'/: : : !. }ノ: : : : : : :!: : ノ ; : : !'´
ノノ!:!、 : ' ´: l/: !: ! ,, ,, `ー─''/ : :i、: K: : : : : : :!: ! ´: : ノ!:ノ´
"´ ';',`、ヽ : !;/八 ` '' '' /イ: :|:! :|、`、: : : : !:ノ : : ノ/:/
. ヾ、 `!:,、: イ/´ ゝ、 、 , !_ノ '´ ヽ!: : : //: : !´,/'´
` リヽ; ( > _ _, イ´ ´ },、: ∥' !:ノ
` ´ `ー___,,,,,,ィ'| ´ |ヽ、__ -‐'´ヽ: { _ノ' 「結衣せんぱい…独りぼっちにするなんてひどいですぅ」
,寸三三三三ニl /三三ニ=- 、_ `ヾ、
/ ', 寸三ニニニニ!,_ ,-!三三三三三ニ>、
ム. ',. 寸三ニニニニl_,,,,-,,,_!三三ニニニン´:. ヽ
| , 寸三三三ニ!三ニ!三三三三ン´ , |
,イ ', , 寸三三三!ニニ|三ニニニン´ :,' |
{ ',;. 寸三ニニ!三!三ニニン´ ,' l
「結衣先輩がまだ来てないの!もぅ・・・」
「京子ちゃんは?」
「あ?知らない」
そっかぁ、でもちょうどちなつちゃんに会いたかったしいっか!じゃあちなつちゃんと>>57をしようかな!
「えー、にらめっこぉ?子どもっぽーい」
「ええっ!?あかり達まだまだこどもだよぉ!」
「しょうがないなー、することないし、じゃ、あかりちゃんから」
「見ててねー、行くよー!」
γヽ γヽ
( ノ ( ノ
- 、V レ'
( > 二 ヽ― 、
r‐≠ 、 ヽ \ ∫
γ^ヽ У //へV ハ ヘヽ γ^ヽ
| ノ /ィ / \ レV ̄V |リ/ \ ノ
「  ̄ | / | /V u '''  ̄ レ Ⅳ /
{ } へ.V { З ''' リ / / 「ぶーぶー!」
ヽ >r:<レヽ / / ノ
\ /// V≧ > 、.__ . ィ./ /
<// V//{. ノ///ハ//У
X. V//=/// /
/ ヽ/// /
ノ 笊 /
./ 〃 }} /
く{{ 〃/. {{. |
く 》、 〃 / | }} リ
___ __ _
,. :´: : : : : , ‐。、´ ̄: : : : ̄` : :、, -。,-: ´ ̄`: :ヽ、
,≠´: : ;::-r⌒´: : : : : : : : : : : : : : : ヽrト、‐-、: : : : : :ヽ
/: : : :./: : ;>" : : : : : : : : : ハノ : : :ヽ、: : : ヽ
. / : : : : : :/: : : : : :∥: :/:,、: : :,、: : : : : ; l::::. : : : : : : : : ハ
{: : : : ; : : /イ: : : |: ;∥_レハヽ┼ヘ、」_; : :`l:::::. : : . . . . . . :ハ
{: : : :/: : : :::|': :!::||ノ ̄凵'L! ‐┘ L儿;|:: : ;|::::. : : : : : ヽ: : λ
{:Λ:|: : : :.::└-!,」 -r===テ テ===ァ|_|ノ::::::. : : : : : : |:: : ノ
レ V: : : :.:::::::/ハ `-´ `-´ ∧ヽ、:: :、: : : : : |:;ノ
|Λ : ::::::'ヽ、λ "" ' "".ムハ/:::: : } : : : : イ
| ):.:;::::|:;/´>、 _ , ι.ィ ヽ、:::::: :v': : : :ノレ
ムイヽ、(’ `> _  ̄ , イ `Y: ノ :ィ ´ 「正直冷めるわぁー」
χ|.  ̄ |-、 ):人:{
,....::::´〈‐- -‐〉:`::.、 "
ィ、ヽ::::::::::::v===v::::::::::;`,>
イ.',ヽヽ、::::::V ̄V::::::;//.`!
l ', ``ミ=、-∨-,イィ ´ /.}
〉、 ハ `Θ] | イ/ /
l_ヽ_ハ / ̄', |./_ ^l
イ::::::::::::::} /:.:.:.:.:.', イ:::::::::::::}
「ええっ!?あかりはちなつちゃんを笑わせようと・・・」
「はっ、ないない。あかりちゃんは子どもだなぁ」
「鼻で笑ったのをカウントするなら負けでもいいけど、どうする?」
「えー、わたしー、そんなのできないー」
-- 、
. -‐  ̄ ̄ `YY⌒ ̄` _\
, -― T >' (/⌒ \ `ヾ
/⌒.-‐(_/ 7 { ヽ ヽヽ, ',
/ 彡 l \ リ ||`|
. |// /イ / /イ |ハ V八 ヽ //
. l// /〈 イ /__イ'/__/| .斗‐'┴入 _ ハ: // _ ノ
|{! `|_ハ┘、`丶 '´ / / l\)-ミ |:{/ ___ / |_,,
ぃ ヽ| /ノハ. >  ̄:::: |L 」ノ )/>r┬ '´ _ >'
`ヽ | {ーく/|」:::: , ヘ /77 ̄ ̄ l l! | > '´ 「わたしー、かわいい可憐な乙女だしー」キャー
ー'´ヽゝ > 、 __ \ノ イ|/// || l l! 厂´
ぅ<//ハ-彡|// |// ̄
l ' /)、`丶ミV彡' !´
ゝ、ム 〈ツ |
// ヽハ∧ |!ヽ |
l´ . イ ∨ |! ’, !
. \_ ノ /l: /::: : ’, ト、
/ / : :: :: ’, |∧
「ち、ちなつちゃん」
「でもまあ、やってあげないこともないけどぉ」ソワソワ
あれ、やってくれるんだ。ちなつちゃんは優しいなぁ
「私の方が大人だから仕方なく、ね」
「見てなさい!」
,. -:――-
/ `ヽ
// / ●<  ̄`ヽ
. /: :/: : : :|: : : : : : ● ヽ ,ハ
. /: :./:.|: : :|: {: |: : : : : : :|: |: : : : :/:小 ハ : : |
/: :./: /ハ: :|: |: |: |: : | : : !: l: : /: :.:|: : : : : :}: : :|
〃|: :|: :ll|ハ_|:_|爪_|_|_: : |: ハ: : : : :/|、 : : : :|.:.:. |
{ |: :|: :l|:|:|:|:|払斗匕|:|lL/: :/レ=ミ /:,ハ : : : :| : : |
|_」斥|:|:|:|:||レ=ミl:l:|:|:|/: :/ |/ヽ }/ : :|: : : : | : :/
/|{》l:|:|:|:ト==彳!|:| {: : {:.リ んリ: : : :|: : : : : :/
/|:./ ,:::|:|:|:|:|:|:|::/:. ハ: : / _ノ:.:. : :∧ : : : /
{ |/ ゞ:: {:: { '∨ 厂`ヽ:_/ |: : :|:{
!>r__ / |ヽ |: : 从
‘r―― ,.イ l 从:.| `
ヘフ , イ7 | //j:|ゞ
{__x≦三7 | 八
j人ハア′ |
| |{≧ix、「これが大人の笑いってやつよ、あかりちゃん」
,ィiI7 / __,ノ三三ハ
_,x生7 厶-=E三三三三三込
/三三I{_/三三三三三三三三三
´ ̄ ⌒Y⌒ ̄ ̄`
/ /⌒ ⌒\ \
--/ x-- 、
〃{ / / / / \ ヾ ハ
{i ∨ / / / l 八 ヽ ヽ ∨ }
_ゝ / / / /ハ | /} l \ | l ∨ノ_
/ ,′ // l {l l∧ | // ノノ八ハ | | 〈 \
\ { 丨l/⌒ヽ∧ j/l l l /⌒ヽ}ノ } | /
ヽ| {ハ |〈 l l Yl l l l }| ハj l |/
| l Ⅵ 、 l l l l l l l ノノⅣ l |
| l {ハ ^冖'^ ^冖^´ }ハ l |
| l |ハ ハ} l |
|八 八人 「 ̄ | イ 八 八|
\( \> 、 、 _ノ < / )/ 「はうっ!」
\{ハノハ 〕トー‐ セ〔ハノイノノ}/
...:<{ }>:...
..:<:::::::::::::::∧ __ /::::::::::::::::> 、
{ \\::::::::::::::∨::::::::∨::::::::::::// }
__ _ _
_ __ . ´  ̄`丶、, -、/ `丶
´ _>l/ /⌒>'´ ̄ \
/ / ( / ヽイ `ヽ'、
. / / | \ |. ∧
/ .// :| ハ∨ :::ヽ\ ヽ\ |::::... ’
.| /イ ::| ./lレハ |{. ーr‐|-| ∨ヾ::::::::::::.. |
! / / / /|-‐'「|| | リ丶‐┘ l_」-く::::::::::::::::.. ... ヽ /
∨| | :: ヽ、_l |_/  ̄ x ._-‐ュ‐ 入::ヽ、:::::::::::: ::::: い/
. ヽ | ::::.:::::::::入-r=-ミ '´///////.::∨:V、:::::::::::: ::::: ::l |
lト、 ::::::::::/ィ ∧//// , イ :::::|:::::〉 \::::::..::::::::: / ′
\| ::::::/:::L 个n、 ___ _ 「lTl>‐' ´ )::::|:::::::/
l ::| L彡'^ l l | | ∨ }||| l || -ー '^ヽ::{
ノ_ 人,ゝ l | | |ト,、 ` ‐ | `' //l 「やーん、恥ずかしー」クネクネ
', \l ≧T ¨/ 人_ _
. _ヽ Yレク l ///' ⌒ヽ
/∨} l|‐._ | /'/イ |
. l ∨ ハ|-‐-/| ∨ | / |
/ V ,ト | / l ∨ レ'´ |
. /-‐/ l 「X T´ ! ∨―- 、 /
/ニ/ l テ〒 | ∨ミ `〈
ど、どうしよう・・・面白いというより怖かったよぅ、わーん!
「で、どうなの?面白いでしょ?」
「う、うん、あはは、あかりの負けだぁ」
あ、あれ、言わされてるのかな?
にらめっこやってよかったな
ちなつちゃんの笑顔見てるとあかりまで嬉しくなってくるよ
/⌒`
r― y .´  ̄ `ゞ´  ̄ `ゝ -― 、
./ {=/ \リ .|
.| / \ \ 丿
,/ / ./ /i |ヽヽ .ヽ ヽ<
\// ./i //| |/ヽ 、 ! .| \
| | / |/ \/ \ヾiヾ | |,/
| ヽ i x===z x===z | .ノ |
| ,,|,,,,, ,,,,,,|,| .丿
ヽ 、 r.- 、 イ.! /
!,、∧ .ヽ _ヽ .ノ, ノ∧ノ.∨
/、 \/ ノ|
/ヽ、i  ̄ ´ハ i ヽ
./ヽ .ノ .ノ | ノヽ
´.! ̄ ノ .i丶 .`丶
ゝ、__/ | .| .\_ノ
`─,__/!__.|ヘ!__!--`
ヽ__| |__/
.`、! !ノ
そろそろ暗くなってきたなぁ
冬は日が沈むのが早いね
これからどうしようかな
>>93
「どうしたのあかりちゃん?」
「ううん、別に」
どうしたんだろう、この気持ち・・・なんだか変な気分だよぉ
/ i || .ハ .| ヽ | ヽ .i ヾ i | i .ヽ
/ ./ | i( i / 、 | /|´ .ヽ |、 .i 丶 |/ | __ゝ
/ / | /i ハ |丶 | V | | | /_`V ヽ.|.ヽ | |、 リ| , イ´ ̄
. //| |/ | i | |ヽヾゝ | / リ/ _ - - _|/ | .| |ヽ ´ |
// | /| |.| /| |__| 丶| .ヽ.、|、 | ./ - /〃-´,⌒心ヽヽ| i ./ |.ヽ |
|/ | .| | |.| | | |、 |``ヘ.ト-\|ヽ V  ̄ .( {、,、 ) . }}.ヽ | /|/i | .| |、 ヾ.|
! /|、 |.ヽ | .|.ヽ |ヽ| , ゝ=、 ヽ | 、.{::{ .,.又.ヽ,} ノ | /.リ/ | | |.| ヽ|
/ .|ヽ| /、 `、| .ヽ | .ソ〃,⌒,.心、 ヽ! .ヽゝ{、 _丿 i./ /リ i、 .i | | | .| |
| | ヽi| .ヽ ヽi .i、 .| | { {{、,.), -.、〟 ` ´ !イノ | | ||.| .リ | |
| .ゝ/\ヽ |.\ヽ ヽ入{ 又 }} /////// | .| .| ./|/ .| |
"´ ゙ `ゝ | .ヽ人 丶ゞ___,ノ .| | |/ | |.∧.| 「(身体がムズムズして変な感じだよぉ)」
|ヾ゙ ヽ, ` | / | リ リ .∧ !/ .リ
| .ヽi、 | .ゝ////// .| ./| | / / 丶 i/
| ヽ| | 丶 _ , -、 | / | | .ゝ─ヽ . ∨
.| ヽ | |\ ._, .、 ゙ - ´ /ソ | /丿./ ヽ へ 、
| .ヽ、 |, _ .-,^/ ノ.) / |/ | /ゝ/ / \
| i ハ y , ´ ,/ ,/´) -, 、 ._ - .´ ./| | // ./ / ´⌒\
ヽ| .ハ ./ ./ / ., ´ /ヽ/ゝゝ ヽ |/ / / / 丶
|./ヽ/ ,/ ,.´ / ,.´´ ./ ,/ヽ, |ノ ./ /,
リ { ´ / | | / / / / / / ,
.| ./ | | / ´ / ./ /
「向日葵ちゃんの家いこっ!」
「え、今から!?」
「うん!」
なんか・・・我慢できない!
「はーい」ガチャ「どちら様・・・って櫻子ですの」
,,,......................,,_
_..-‐"´ ^''ー.._
.ィ' \,
/, .'' , ..ヽ
./フ / / ,イ ,イ li ヽ l い
./ .i イ / / / | / | ハ l i !
’ リ| f f l\| .f | / |/ l .| | |
,/ l__.| | │ |\| |__' イ__ ∥ |=== l l
,......./ / | | ̄ __,, ̄ ,_,, ̄ 'ー|=== | l\
_....-ァ' i ./ ,r イ iィ≡≡ミ、 ,r==≡ミ | | |\ \
/´ - ,'il !: : :) l" , ノ ノ ノ llヽ )
! 、___,ノ ノ |,ン' 丿: : : : : : : : / i / '-、_''/,/
! `r‐r'~ ,r' ,λ r'  ̄ `ヽ ( ゝ/、 `Y、_ノ
ゝ _......:::/./ ,-ィf ∧( 人_ __ ゝ ノ .入 ゙ヽ, ̄ヽ,l lー´ 「今日も宿題を見せてもらいに来たのだったー」
`'く. ,' ,'~ ゝl ヽ、ゝ、,l|:.:.`.ー┐  ̄´ ノ:`<、,) ノ )ヽ ノ ノ`、
゙ l l、 `ゝ|`~T 、ヽ:.:.:.:.:ト----イ:.:.:.:.:.r'~/、ノ`=彡'ノ /
ゝ_ゝ__, | | i、 ゙llii、:.:|: : : : :/:.:.:.:.:.( (´ ''ヽノ-、 f (
\ , ! ト、ゝl、゙llllllヽ: : :/llllllllllゝゝ- ノ `iゝ_`-'
゙ゝ ヘ. `ゝ`ー≧ ゙llllllllゝ,|llllllllllllllll`i ( / l
ゝ::::::::..lllllllin、 ゙lllllllll|」llllllllllllllllノ人ゝ__, |
゙ヘ::::llllllllllllin、 ゙lllllll||llllllllllllllll'lllll|` |
`|lllllllllllllin、 ゙lllll||llllllllllllllllllllll| / |
〈llllllllllllllin、 ゙lll||lllllllllllllllllllll| / .|
「はあ、まったく櫻子は。少しは自分でやったらどうですの?」
「いいじゃんかよー、けちけちー」
「まあ玄関で話していても仕方ありませんわ、上がりなさいな」
「わーいわーい、じゃまするぜー」
「なんですの?」
「簡単にドア開けちゃうんだなーって。怪しいやつだったらどうすんだよー」
「ま、まあ、確かに。(櫻子の癖にもっともなことを言いますわね…)」
「あっれー、もしかして私がくるの待ってたとかー?ねーねーどうなんだよー」
「なっ!?そ、そんなわけないでしょう!」コノコノ
「い、いたっ!やったなー!!」
-───- _
_/ ノ─ : \ ´ ̄ ̄ ̄`
/: : : : : : : : : /⌒:::_::: ─: : \ / /  ̄\
.: : : : : : : : : : :|:::/ : : : : : : : : : : \ / ヽ
|: : : : : : :′ : : |/: : : : : : : : \: : : : : ヽ / / ./ / /
|.: .: .: : .:| : : : : |: :\.: : : .: : .: :|: : |: : : : / / ./| / / ヽ ‘,
|.: .: .: : .:| : : : : |: : |>、.: : .: : .:|\l: : :| : | / / .メ .| /| | _l | / .|
|.: .: .: : .:| : : : : |: /| \ : :/| x=ミ: :| : |. \/ ム=ミl\| | | iヽ|l || ||
|: : :|: : : | : : : : |: : |x:≠ミ ∨ ノ} { :ハ/. ∨/ ノ:| └x≠ミx_l|ニニ! :|| |′
|: : :|: : : |.: .: : : :\|_ノ::i} 弋},(\:| |T}弋ソ _ノ::::i:} |ニニ! :|| |
ノ.: .:.|: : : : : : : : : : :代ヒノ ` ''''} ヽ l .|{'''' , 弋/⌒'| || |
| : : :l: : : : \: : \: :\'''' . ァ .イ | | 八 ´'ノソ/Y .八 \
.八: : : 、.:\: : :\ : |\: :> └' /) ヽ. | / / ゝ ヽニ) / / Y /|\. \
\: \(: : : : : \} ー _. .イ \_ ヽ、 ./ / . ヘ、_ | } (. |. 〉 〉
\_\ : : .: : )、 /__: :イ ヽ | :\ 〈( (/' . イ( / } ノ イ / ./
/:::/ ̄⌒⌒ ̄`\.: .: :〉 \ / : : : \ \. \|/| イ ./ /八| (
/:::/ / ̄7 ̄`ヽ、.|/: : : . : : : :`ー/ ̄ ̄.: : .:| . イ/ |. 〈.イ::く 八 ‘,
./:::::/ ./::::::/:::::::::::/\\.: .: :/ ̄: : : : : .: : : : : :|. イ ‐/ .ト.. ニ=‐:\ ) 〉
/:::::/ ./::::::/:::::::::::/ : : :  ̄ ̄.: .: : : : .: : : .: : : : .: :| :::|__| /::::::::::/ ̄\/ /
|::::::| /::::::/:::::::::::/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :__/:::::::::::八 |::::::/ ー=ニ. イ
|::::::| __/:::::::::/:::::::::::/: : : : : : : : : : : : : : : : : //⌒Yヽ:::::::::::::::ゝニ=- /|
ノ:::::ノ /⌒ ̄ ̄\_/\_______,/ ̄⌒ | \/ ̄ \| / .|
ピンポーン「あら、誰か来ましたわね」
「あ、あかりだよっ!」
「あと吉川もいまーす」
「あらっ、今行きますわ」ガチャ
\ ___
xヘ_}_/ - 、丶.`丶_
__/ニゝ '¨ ̄` `く-=ヽ\
イー/'´ \ } }
{ ∨ / ヽ ヽンヘ
∨ / } } ヽ ', _.ゝ
〃:| / { { : ハ∧ }| l''´l
_.ゝ| { { ハ∧{ : j / j V| | |: |
/ :::: | ヽ V { ___\{′x:== 、jイ j:|: |
ヽ::::::| \{ 〃⌒` ::::::: | ./:|}リ 「えへへ、来ちゃった」
\:| ! { :::::: '_ . |/: : j/
(´ |ヽ ト 、 V } /j/ィ/j/
\/ヾ >ー-r-‐ '{/:`'く
ヽ | ∧:::::/_ -/::::::::::::;ゝ、
\/ \{::`ン::::::: / |
| (;;)ー ''´/ |
| lニコ / イ
| /:iハ /^'ー---}
l /:::l::∧ {::::::::::::::::{
「どうしたんですの?こんな時間に」
「あかりね、向日葵ちゃんと遊びたくなっちゃった」
「そうでしたの、そういってもらえると嬉しいですわ。どうぞ上がって下さいな」
ドキドキするよぉ・・・!
「あれっ、あかりちゃんとちなつちゃんじゃーん」
「あ、櫻子ちゃん」
「おじゃましまーす」
「へー、物好きだねー、向日葵なんかの家に来るなんて」
//: : : : /彡イ : : : : : : : : : : :-ゞ: : ヽ
/::/: : : :∠<: : : : ; ;| : : : : : : : ::i : : : : : :ヽ
/: : : : : : : : : : : /: : / |: l: : : : : :l::|: : : : : : : ヽ
.; : : : : : :/: : : : /: :/ :l:.:| l:::. : : :.∧:. l: : : : : : !
i : : : : : .l: : :.:|:/|: / ヽ: l: ::::::.: :| ヽ:|: :i : : : l
l : : : : : |: : : | ̄/¬ ._ \卜:::::.:l ,/∨|: :.: :l
l : : : : : |: : : | ___\n, ! 从/__ |/: : !
|:, : | : : |: : : | |:::::::| |::::::| /: : :|: |
レ: : |: : : : : : | ゞ::ソ ゞ:ソ l: : : |: |
/::::: : i ::. : : :::| ,,,, , | : : l :l
i ::::: : : :i : :. : : | '''' |:: : :/ !
l: ::::| : : : : :::. l::| u ノ::: /
| : :lヽ: : : : : :::::i\. ⌒ /::.::/
!: :\\: : : : : : 乂> _ イ |:::/
ヽ : :二ソ: :∨: ::》\ i:: : i ::/シ|/ 「櫻子、そういうこと言うなら追い出しますわよ」
./\::::::..r-く´ \ /ヽi::::.l.::ノ
/  ̄/:::::\ / カ ゞ-く`ヽ
/ |:: :i: : :l / l l l: i: : :| l
「せっかく来た下さったのに」
「ふんっ、なんだよー」
2人は学校から帰ってもいつも通りなんだね
でも、今日はあかり・・・あかり・・・!
「どうしたんですの吉川さん、そんな顔して」
-‐‐ 、  ̄ ̄ ̄ ̄ 、
/ \ / \
/ ─- 、 Y⌒) \ _, -─-
. : ´ V⌒) ヾ⌒) \
/. : ゝ< ∨Y⌒` 、 ヽ
. / / . :/ / } }ヽ V :.
, . :/ / / .:/ .:∧ .:| l:. l \ :.
i . :/ / . :/ / / .:/ } __/_ } .:| |:. | l \ \ }
{. :〃 . :{ / . -‐/ 7 .:/ / ..:ノ lー- _| |:. |:. \ / ヽ ′
∨:. { : :∨\{__{ _,.二.,_ ー 一'′ ノ─ --l`ノ |: / :. /
| i{ ヽ /| . l. \ ィf´.::://}` u ァ‐‐-ミ、 〉─‐ j__/ ヽ. l: . /
|八:. :.. ∧| : l: . ∧乂辷ツ {.::://} ∨\: : / :. j/
⌒ヽ :}i /. :|: l: : . }//// ー‐'′/:l ∨ } } |
} .:八 . :{ / ー┴─ く u ' ////:_:l___} .:. ∧.:/
.厶:イ \( _}: 、 ____ u , '⌒ヽ: : : . /: / }/
__ ノ:::} >/ ---く_,. イ }: : :ノ //
∠-- 、:::::::::::::〈u ' ニ厂:::::-r 、 厶イ人( 「なんかね、あかりちゃん、今日ちょっと変なの」
/ ⌒\\::::::::::∧ | ニ}:::::::::::| }ハ
′ \\:::::::∧ :| u /:::::::::::// !
{ \\::::∧ | :{ :::::::::// |
「変?って、どういうことですの?」
「わかんない・・・けど、なんかね。来る途中も鼻息荒くて」
「はあ・・・?赤座さんが、ねえ。きっと大丈夫でしょう」
「わ、わたしもそこまで大変だとは思ってないけど!でも・・・女として何かを感じるというか・・・」
今日だっておうちに二人でいて・・・羨ましいなぁ
櫻子ちゃんとはよくおしゃべりしするけど、よく考えたらあんまり向日葵ちゃんとは話せてないんだよなぁ
いつも、櫻子ちゃんが傍にいるからね
幼馴染
わたしにも結衣ちゃんと京子ちゃんがいるけどあの2人はいつも一緒・・・それを見てるからかな
割って入りたい
向日葵ちゃんともっと仲良くなりたいよ!
今日は、すごく、すごく向日葵ちゃんに甘えたいよぉ!
,. ´ ̄ ̄`Y´ ̄ ` .
-‐- 、 /: : : : : x-=: : : : : ‐=ミ. : : :\〃⌒ヽ`ヽ
/:. ///:. :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ\/}:}: : Y
. l:.:. l:.:./:.: / . . . . .: : : : ヽ. : : : : : : : :.:.V//: : :ノ
. 人:. ∨: :/: : :.:.:./: : :./ : : : : : : : ト、: : : : : :\:.∨ く
/: :. :.y′//:./′/l: : : : : : : ハ: :! ヽ..:|: : : : :ヽマ´、: :\
..〈/: : : :./:.:.〃: :./ lX |: : :. :.:.:./ : :! j∧: |: : :.:.l !: : ヽ: :.〉
\/! l: : :{:|:.:./ U .\ハト、: : :/ ! ノ / V: | ト、!:|: : : :lV
└|: : : :∨ ,ィf孑丐ミー j/ ,斗,ィf 丐ミx、 V:.:|:.:.:.|`ー'′
. /|: : : :.lハ {{ {ト、.j::ハ ん..:/ハ }}│:.!:.:.:.|
/ !: : : :抓 弋い.ソ V辷ン '′レv: : :.|
. | |: : :ト.ハ ,,,,,,,,, ' ,,,,,,,,, ∧!: : : :|
レ! ∧!: : :|: ::: .'''''''' ''''''''' /イ: : : :.:ト、
. レ,j∧:.:.:.ト、vヘ , ─‐ 、 u,イ : ||!: : / ト、!
}ヘ.:.:|/::::::::::... . イ/j/ l:.:/j/
人! .、:::::::::::::::`__ _ __<._/ :::..ヘj/
/ \\:::::::::::ハ .x-‐-x /::::::::::::://⌒ヽ
v‐く二)__i. V´  ̄ `〉r‐~<./
l / .{ } i l`ヽV///`Y^i⌒i⌒Y´ │
. 」/ 八 ィ V:(' ' ' ' .ノ |
「もう我慢できない!」
ポヨン
「あ、あああ赤座さん!?」
「ごめんね、ずっと前からしてみたかったの!」モミモミ
,,ィ : : : : :_;,;,;,;,;,;,;,;、,,_: : : : : : : : :、:ヽ
,ィ: : : :.,、nilllllllF''''"~~ ̄ : : : : : : : : ヽ: :ヽ
_ィ: : : : ,il|F'"~: : : : ; : : : : : : : : : : : : : : : ヽ ::ヽ
jl: : : : ,il!' : : : : : : : : : :i: : : : l: : : : : : : : : : : : i: :ヽ
./:,,: : : : : : i: : : : : : : : : : l : : : :iヽ、,;,; : :: : : : : : :i : ヘ
,t'~: : : : : : :,li: : : :i : : : : : :|ヽ、: _i/ゝ: : : : : : : : : l: : ハ
j : : : : : : : :/゙弋 : :l、 : : i : :| ,X:ノ==ii、ゝ、i : : : : : : l : : :l
j: : : : : : : : :i ゙弋i 弋 i`ヽ' /,r-vin、 ヽi:l : : : : : : :i : : :i
!: : : : : : :i;,;|_ ` i i`i i i ` f、,,,d,illll| i |: : : : : : : i: : : :i、
!: : : : : : i: :|  ̄`‐ i i i i i i 乂!!':':.ノ ,'l: : : i: : : i: : : : i
! : : : : : :i i、l ,f"r'~`h、i i i i i i  ̄ ノ |: : : i : : i : : : : |
. !f|; : : : : i:i `|l .l|luul|ヘ i i i i u |:i|: : i: : :i : : : : :i
|i`i: : :i、:i:ヽ弋,弋:.:.:ン 、 i; | : i:i : i : : : : : i
ヽ.l:ゝ:iヽ:i :ヽ`  ̄ ノ i :i: i :i: : : : : : :i
|: l:`: :ヽ: : lヽ , --, ノ; :iノ: : : : : : :ノ「そ、そんなっ・・・んっ」オドオド
l:λ: :i: : : i:`ヘ `"´ ノ' |:l^、: : : : 彡'´
`| 弋 :ヽ: i : : ゝ ,/ i:弋l ; ; ; 〉
ヘ ゙゙ヽ`、i: :,、; : `; : . 、 __ , ィ" ゝ 'i :i: ノ ,,-、_
ヽ `l`: :| ヽ;;: : : 、: : : , : : : / 〉| :)-ー'~ノ
弋: :ゝ ゝ、: :ゝノ : :ノ' | f: : ノ /
ゝ: :`: -': , ; ; :}`~ 丿 ,i:ヘ:ノ/
「ひ・・・向日葵ちゃんっ!ギュってして!お願いっ!」ダキッ
「あ、赤座さん・・・分かりましたわ///」
ギュー
ああ・・・幸せだよぉ///
/, / /.:.:.:λ.:,.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.//.:.:.:..::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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..// /./|.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:,.:|.:,|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:..::γ.:.:.:.:.:;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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└--┘| .:.:.:.:.:.:.:.:.-----...、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:|.:.:.:.:.:.:..|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|.:ソ.:.:,ヘ.:.: ゙̄丶、.:.::.:|.:.:|.:.:.:.:.:.:.:|,.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\.:.:.:.:.:.:.:.
へ, .:.:.:.:.|. ヘ .:.:.:.:.:.:`丶.:.:| | .:.:.:.:.:λ | .|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:\.:.:.
`--┘ 三_.:.:.:.:.:.:.:.:.:| .| .:.:___Π | | .:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
) __  ̄ ̄ ̄ ^  ̄ ̄ λ| .| .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
-´| ニ____..... _____. _ ヘ| | .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
ノ ../::::::::::::::::::_==-^ ι ノ | ,|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:彡 「こうやって大人の階段をのぼっていくのね」キャー
ノ `´`´ ̄ ̄ ̄ / .:.:|.:.|\.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
ノ / / / / / ./.:.:.:.:.:.:|.:| \.:.::.:.: /
.\ / / / / / / /|.:.:.:.:|.:|.:.:.:|\/
\ |. | .| .:.:.:|.:|.:.:.| /
` , | | |.:.:.:.:.:.:Y.:.:.:| |
ι .| | .|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.γ
`, `=- |.| |.:.:.:.:.:.:.:ナ | /
\ ι .|/ |_.:.:ノ^ > /
丶、 ^ ...,,,,----/| /
「私ももっと積極的に・・・ん?」
「ぐぬぬぬぬー」
「さ、櫻子ちゃん!?」
「べ、べっつにー!」
「な、何か聞こえてきた気がしたんだけど・・・」
‐ - _
´ `
/ .ヽ
, ' ヘ .ヘ
/./ / ヘ .ハ
. / / / l i
'イ / .,、 l..l l
/ハ l / /.ハ / ハ l l l ハl
{ハ .l l l ハ .ハ ./ li、 l、._ Ll ヘ、
ハ l li .Tト廴__,{.ヘi {、、斗匕´L,リlニニ! l l ハ`ヽ
{ト{:.{:.`.r=テ示ミ.` ´ .'''Tテて,),'ニニ! 、 ヽ }
/ :::/.).゙ ゞニソ ゞニノ' .::l ヘ ヽ )
/ .{.〈 ! ` , ` ( .:::::l :) .) 人
人 ハ ` ゝ- .、 ヽ .ゝ:/ ,' .(
ヽ `:..、 .ヽ ‐ ....< ハ ヽ::::; .j 、ミィ 「えー、しーらない」ムッスー
、 )::...:::リ:::::\ `l¨:::::::::: リ .ハl ,' ィ ⌒ヽ
ゝ:::_::::ィ ::::/f./ .l::ヽ ゝ='ィ.) イゝ(_ .ヘ
. /, イ 八 ハ. ゝ=,イ //ゝ乂_ i
. ヘ{ゝl .リ:::::\ l::::ヘ /.八{//// ハ
j l::::::::::::::`:.!、_;:::〉-=////////l./ .l
l ,':::::::::::::::::::::::::;イ=ニ////////'/ ハ
. j/::::::::::::::::::::::::::jマニ///////:j' .ハ
i::::::::::::::::::::::::::::;'/∨/////:::::l ハ
. j::::::::::::::::::::::::::人/////:::::::::::l´三三三三三≧={:::i
. /::::::::::::::::::::::::::j `ーヤ :::l三三三三三三三j::::ヽ
「あ、あはは、なんだかご機嫌斜めだね」
「なんかさー、向日葵が同級生の癖にあかりちゃんにお母さんぶってて生意気ー」フン
「う?うーん、向日葵ちゃあん」スリスリ
「なんだよー!私のこと適当に扱いやがってー!向日葵のだらしないおっぱいが悪いんだー!ばかーばかー!」
「なっ!?」
. : : :⌒ヾー: :'⌒ : : .
. : :´:/::::::::ヽ:/::::::::\: : :\
/: : : ;斗≦三三三三三≧、: : :ヽ
.: : : : : 厶斗-─¬冖¬─-=ミ 、: : : .
/:/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ハ
{/: : : : : : : : : :{: : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : :
/: : : : :/: : : /:∧: { : : : : : ト、: : : :ハ: : : : : }
,′: : : : : : ‐/L廴: : :、: : : : !_ ヽ}斗: } : }: : ;′
{: { : : : {: : :/ ≫=ミ、: :ト、:V r==≪∨: : : : ′
{:∧: : 小: :{〃トイ刈 ヽ{ ` トイ刈 》}:/: : {
. :{ {:、: : :ヽ{ 乂 ツ 乂 ツ // : : :}!
|! 从: : : :∧ /////// /イ : : ; 八
〉: :、 : : ヽ ′ /: :// ;ハ
. /: :{: :\ : :个: . ´ ` . イ/ィ : :' :/ ): 「人が気にしていることを・・・!」
ミ 、{\ : \ノ : : 〕 -- 〔:/ : ノイ: ;厶イノ
> ミ:_:´-=人 人: : ´: :イ=≦、
/ __r─<` ミ 辷 彡'^弋:_:_;ノ ',
{ r┴=ミ 、 ヽ /: : :} }
、 r‐=ミ、 ∨、厶 -┐イ:Y ヽ ′
. ハY ⌒ヽ V | ′ Y {
′{ 人 レ ´ ̄´ . : : : : } 八
〈 人: : : : : `ヽ '、: : : : : : : : : : : :ノ 〉
「やーいやーい、乳牛ー!」
「ちょっと待ってよ!櫻子ちゃん!」
「櫻子ちゃん!そういうこというのはひどいよ!向日葵ちゃんだって気にしてるんだからさっ!」
いつもいっしょにいるんだから、それぐらい分かってるはずだよね
なのに、そこを気遣ってあげないなんて向日葵ちゃんが可哀想だよ!
今日は、今日は言っておかなきゃ!
「櫻子ちゃんは向日葵ちゃんをいつも自分のもののように好き勝手扱ってるけど・・・でも、でもでも・・・そんなのだめだよ!」
}}
. -――‐-〃‐ .
.// /⌒ ⌒\\
イ⌒ ヽ/ ' ヽ.ヽミヽ
./ / \ /{ } .ィ ∨ }
、 _/ ./{/{/ヽV ハ/ハ リ ∨
: /γ⌒ヽ ∨γ^ヽ∨ .
|. | iii、_ノ 、._ノii| |
<ハY| N xxx . ―- 、 xxx.{ |
J | / . } |
| ∧ |. / | ./| }/ 「向日葵ちゃんは櫻子ちゃんだけのものじゃないんだよっ!」
|ハ ヽ| > 、{ |/ | /
∨Vへ.ィ/>ー‐z:<}/}/}/
「 {{ ̄ ̄ 〈 〈 \
. 、
. ´ ` 、
/ ィ ィ´ ./ .ヽ
, '/イ./ /イ / .ヘ
. /.' .// ,ィヘ /' .ィ/ './ / / }
/' ,' ' / /∨ ///..∥ ./ イ/ ./ l l
. l j / / ./ヘ ' {' } // レ /.ィ´l l
. { / ./ / ,.r=ミミ、 .└、/ ´ /.ィ ´.l , l l
/ / ./ .Y/γ .y:.ヾ~ i,r 彡=ミ、.リl lニニコ
. `∨ .' .l { 心uイ::::} "ィ .y:::.ヾx ,' l
. / ハ .弋:::::::ソ .心uイ:::::} i レ'ニニコ,'
, --ィ ノ/}.//// 弋::::::::ソ 'イ' j
.´ __ イ .人l ////. ' ////´ ./ /
_,,... ィ ハ //// イ /
´,ィ ィ ´ / ,' ヽ. , ‐ ,、 u /´ // / 「なんだよー!」ムゥゥ
. / '´ ./ . ,' .\ ゝ _ ) ヽ ,イ /' //
. ' 、_ ノ、 ,' .{ ` 、 .ィ ハ / .l' /イ
`´ ヘ { .{ / }:::‐ ´ .レ .} / .l {' {
ヾ、 .乂,ィ'.::´:j .l:::ン } .ヽ l
,.r:::::::::´:/:::::::f ' (、 _ 斗' j ヽ 乂
. ,イ::i::::::::/:::::::::::::j.、 ,r´:::::‐-, .....-‐ノ .} }:.、
/::l::l:::/::::斗ヤ´:::::}/:´`i::::::/ /´:;r ´,r .ノ ィ::::
/::::::Y:::´::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::l:::弋 {:::/,.:´:{ ,r:::´::::::::::::::
「あかり、大人しくしてられないよ」
「なんで、なんでなんで、今日はそんななの!?」
「だって・・・あかり・・・あかり・・・向日葵ちゃんのこと」
「!? だ、だめー!そういうこと言っちゃだめーっ!」
「馬鹿はどっちですの、櫻子。赤座さんの話はまだ途中だったでしょうに」
「いいんだよー!言わせちゃだめなんだよーっ!」
/:::::::::::彳''て"~~""'''‐.`、:::::::::\
/::::::::::::::::::::::::{::::::::::::::::::::::::::`::ゝ:::::::::ヽ
./:::/:::::::::::/:::::λ::ii::::::::::::::ハ::::::::::::::::::::ヽ:ヽ
/:::/::::::ii:::イ:::::/│::iiii::::i:::i:::ハ::::i:::::::i:::::::::i:ハ
∥〈:::::::iii4:=:/-‐ヘ::iiiii::iii:::i::l`'ヘ:}、::::li:::::::::}::l
.{::::l:::::::iiii.l::/,,..,,,_、 \iiiiiiヘi:リ レ ヽ:ト::::::::::|:::|
イ:::{::i::::iii .yて了ヾ Nヘl yャニエェ、. }:::::::::}リ
│::::i:iii:::iii 廴弋エフ | 弋ノリ .}::::iii::i::l
│i::::iiiiii::ii ト、二zイ 从.二ノノ./::::iii:::i:リ
{iii::::ii::iiヘl ,',',' ' .,., ̄ /:::iiiiii::::/
.〈iiii:::::::::ii '.'.' /イ/iiii::::リ 「また、櫻子はわがままばっかり・・・」
}iiiiii::::::::ヘ -. u /iiiiiiii:/l:|
|:i i:iiiii:ii:::::ii\ イiiii:iii/ハリ
{::ヘ:::iiiiiiiiiii:::iiiiiiト- .____,..-'''iiiiiiiii:::ii:λ} レ
ト::N::::iiiiiii::iiiiiiiリ トiiiiiiiiiiii:::::/丿ノ
`┐::::::/ `丶、 .l`メ、iiiii:iiiイ/
, -'''"´フ:::ヘ ヽ η 〉 レ >、iiii〉
/ │::::::::〉 .ヽ / .ト、`、 //\| {ii::\
ヽ ´ヽ::ソ v `γ ヽ::::::}ヽ
ヽ Y \ |υ \{ }
l x n l ヽ l
「い、いいんだ!私が向日葵に何言ったっていいんだっ!別に誰かに口出しされることじゃないもん!」
「・・・はぁ、赤座さん、吉川さん、櫻子なんて置いてあっちでお菓子でも食べましょう」
「う・・・うぅ・・・」
/// / / .,' | い /
. /' / 〃 ,' , , ! ' ヽ、i' | | r´ な な
/'. ,i / , / f. ィ ' i ,'. ハ ノ __`‐ .| i | │ ん ん
丿 |:./ ,' / /! /| l i. ト |i i ´ ` i / l. i ゝ | で で
|/ / /. |\,' i.λ N .| i { i , ィ´ ' |:. ` | な !?
,' ,'イ. / |. f\v i l | !、 l. i .i ヘl / l√i ,'ニニコ. |:.:.:.、_ .| の
|イ |:.:| λ \|. `ヽー'' ゝ_ゝゝ_{ /`ー┘ ||_fニニコ |:.:.:.:.:.:./` -! !?
|'i .|:.:.i ,':.ヘr-三ニミ 、 、 ` ,,,ィニニニニミヽ |ヽ ヽ/
/|:.:` 、|:.:i. f:.:.:.ヽ‐´ ゙゙゙ヾ ,/''"´ `ーi ´ |:.:ヽ/
./ /:.:/:.:.:.:.:l、 |:.:.:.:.:l /////// ////// | ゙、 !:. / ば .な
! i::∥:.:.:.:.:ノ\|::ノ:::ハ 、 i ! ヽ/ .っ .ん
゙゙''''''‐‐ー┴ ハ:.__./ /' /:人 _,,,,,,,,,,,,,,,,,,、 ヘ ヽ / か .で
| ノ' ノゝ、ヘ. r'/ ヽ 入 \/ な .あ
|. /:.:.:.:.:.:.:.7~> . !' } ,.. イト:::::::ヽ .| .の か
. 役. 私. .|. /´i.:.:.:.:.:.:.:.:/ |:::::::::`::.... ゝ ノ < ! }::::::::| 、_| ! .り
. 目. の. ..|. |:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:f |:::::::::::::::::::::::::`.....- ´ ノ::::::::| \ ? ち
. を 面 | i:.:.:.: :`.:,ノ! ` {:::::::::::::::::::::::::::::::::i /:::::::::ノ | ゃ
. 忘 .倒 | ` 、___ /, ゝ:::::::::::::::::::::::::::::::i , /::::::::::ノ |. ん
. れ を .|_゙=--‐ '´,ノ ゙、::::::::::::::::::::::::::::::i ゝ、 /__ ノ´, ノ| .と
. た 見 /--‐ ´ `、:::::::::::::::::::::::::::i `rー...~ ノ ノ:::|
. の る | /::::, ― 、_ 、 ゛、::::::::::::::::::::::::i /:_ , - ´:::::::|
. か | ノ:/ /'^'lヽ、_ | ゙、:::::::::::::::::::::i`,,,,-,,,,,´::::::::::::::::::::::::::::::::|___
|:::f / ⌒iノ....|. \::::::::::::::::::';';';';';:::::、-r⌒´ `、:::::/
l:::゙、 / ,' ⌒!:::| \::::::::::::::::':';'::::::r'´ 、 ヽ ヽ::
, ´ ` 、
r' ヽ
/ ヽ
f い
l ' : ¦ ハ ヽ
! ''、 | , i | ! | 、 i ヘ
_,ノ !,' / `トl、ノ| .|∧ |i ノ|i l|='l |.| !
. r'~ ィ,' | レ,|ム,トノ |_ノ|_ノムイ´l='l |! 「なんだよなんだよ向日葵ばっかいい顔してさ…グスッ
: _ィ:::| | i |'~ィこミ'` fニミ'`ノ-'ト' 私が悪いみたいじゃんか!もう!もうもう!
ヽ ,´l:::::| | ヽl `ー´ `- ' ,´:::、`、 向日葵は私と一緒にいればいいんだ!
、 ノ ノ ヘノ ハ ヽ.,' ' ' ' 'ノ::`,:::} ヽ, ずっとそうしてきたんだからこれからもそうなんだ!
`ー イ (´ ノ 乂 ノ ノ -' ィ:::l:::::ii:ノ ノ そうじゃなきゃだめなんだもん!嫌なんだもん!」
、_ノ nヽ (__ノ:::ノ f,,_≧ <´ヽ::::|:;ノ (、_,
 ̄´ _) ノ,ヘ:::::::(、 ゝ、_ハ oi` '::::::...ィ iヽ、 r-'
`7f:::::ゞ:::::::::::`ヽ,f´::ヘ、`、__:::::ノノ゙-' }ノ
!::::::::::::::::::、::::::::':::::::::::::::`:..`:::ヽ ニニヽ
|::::::::::::::::::::ヽ:::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::;;;;;;;ヽ
゙:::::::::::::::::::::::)::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;}
゙:::::::::::::::''''">;;;;;;;;;'''''´ヽ ̄ー-、;;;ノ
ヘ"~__, - ~ ヽ, ´ ヽ ヘ'
. ノ;;;ヘ、 , ´::`. ハ
`、;;;;;:ヘ、 /l:;:;:;:l:V }
〈:::::::::へ、 , イ:;:;:;l;l:;:;:;l:弋__ノ
ハ::::::::ノ:l:`:´l:.:.:l::;:;:;l:l:;:;:;:l:;:;:;|:|
〈:::::;" :l : : l: : :l: : :l:l ::;:;:;l;:;:;f´
`´j: : l : : l: : :l: : :l l: : :;:;l:;:;:i、
{: : :l: : :l : : l: : :l: l: : : :l:;:;:;:i
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./.: : .: .:/:/:/´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
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|.: : : .: : : .: : .:|: : : / ',.: :l: : ; `ー ‘,|:.:|
| : : |: .: : : : : :|: : /_,/ハ /|: / xf斥|/: 八
| : : |.: : : : : : :|/xf示斥 |/ |弋_ |∨ハ)
| : : |.: : : : : : :|. /:::弋_ 弋::ノ |.: :|
| : : |.: : : : : : :|.八:::::::ノ 、/i/|: :ハ
| : 八: : : : : .: :\/i/i/ /.:八:|
| : ∧ヽ::: : : : :|⌒ '^ /:|/ ) 「櫻子……」
|: :|. ヽ:\: : : \> ..___. ィ.|.: .:|
. \\__〉 : \: : : \ / :::::::::リ: :/
¨¨フ\.: : .: ̄√ /\__/:/
./:::: (: : ̄\:\ \}|: : : )
「ごめんなさい、赤座さん、吉川さん」
「どうしたの、向日葵ちゃん」
「机の上のお菓子、好きに食べていて下さいな。櫻子のとこへ行ってきますわ」
「向日葵ちゃん・・・でも、でもっ」
「ちょっとだけですから。あの子・・・櫻子は、私がいないとだめなんですの。そして、私も」スッ
そうだよね、いきなりあかりがずかずか入り込むなんてことはできないんだよね
向日葵ちゃんは本当に優しくていい子だし
櫻子ちゃんも、向日葵ちゃんのことが大事で一緒にいたいのがひしひし伝わってくるよぉ
はぁ
寂しいなぁ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.|:.::.:.:.:.:.:.:.ハ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:./.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',ヽ
:.:.:.:.:.:.:.i!:.:.:;ォ―-' _ !:.:.:.:.:i!:.:.:.:.i!:.:.:.:.,':.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.i!:.ハ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ |:.:./ i!:.:.:./|:.:.:.:,':.:.:.:.:.:./.!:.:.:.:.:.:.i!:.:.i!::.:.}
:.:.:.:.:.:.:.|.,.≠ = ミ !:.:/ .|:.:.:.:.:.:.:.:.:; '、 i:.:;':.:.:.:.i!:.:.i!:./
:.:.:.:.:!;'.〃.≠ ´ ヽ !/ |:.:,':.:.:.:/ ト、 |:.:.:.:i!:.:.}/
.:.:.:.:;' i! ,′ ,′ |:;':.:/ |:.ハ:.:.:.:.:.:.:.′
:.:.:.:i!. r ヽ _/ |/ ,≦.、ヽ !; ':.:.:.:.:.:,′
:.:.:.:|. `ー ′ / } .i! 〃:.:.:.:.,'
:.:.:.i! { ノ 〃/:.,':.;:,:',′
:.:.:.| , こつ ´/:.:|:.:.从:/
、:.:.ト、 _ ,..'ノ:.:.:i/:.:./ ぐすん……
. ヽi \ ー` /イ:.:.〃:.:.:./
. \ __ ,... <::/:.:./:.:.:/
 ̄ /:::/::::/ /:.:./;/
「ちなつちゃん・・・!」
-‐ ´ ̄ ̄`
__ / ` <`ヽ
/ __Y⌒7 ヽ く) ゝ
. / ̄ /⌒ハ ∧ ヽ. ハ | ヽ \
/ -八_∧ |/斗― |ハ | ィ Tヽ| ト、 〉 l
. / / | ∨ |イ | L」| L 」 フ=-、} | l/ 、 |
|/ / {ヽ || | レ _ - うハ Yレヘ Y
|.l / | ハ_|ハィ `イ' ⌒` し′{∨.| |
l{| |l ( | l\ ::::::: ′ ::::: | 〉! l!|
|人 /ヾ、 ! _ト ┌‐┐ 「 / リ
| 丶ゝ|/彡'´ ` < 丶 ノ イ /
. }ハ { ≦ノ 、 _ .イミ| | / ねっ?
/ `ー / \ /ヽ、 '´``
/-―- 、 \ ∨ ト、
イ´ \ l_」. | |
. // 、 l | 〉//
. イ \ 八 |/ィ 〉
/ | \{. ヽlイレク
. / |―――┐ 区l |_7
/ l二二二」 7||/
-/ |--――l /l |/ l
. /</___ | |//l / l
/ | | /l/ |
「ほら、一緒にお菓子食べよ?」
「う、うん、ありがとう、ちなつちゃん」
ちなつちゃん、優しいなぁ
本当にありがとう
「え?う、うん」
「女の子はね、涙の数だけ強くなるんだから」
,--、. .-‐: : : ‐-. . .、 _ , _ _
. -:_ ̄-`:,-レ, ´ : : : ヽ、)<´_: : :`: .、
. :,: :´: : : :/イ/: : :,: : :,、: : 、: : :',: : :、 : ヽ、): : :`: : 、:ヽ
. //,: :´: :,: ´// :/:/l: : ィV、: :ヽ、、:'、,: :ヽ、: :、、: :、: : : : : :ハ
|:/: : : /: : :/l: :/|/, 彳__| ヽ ヽ_ゝ┴ー、ヽ: :ハヽ: 、:、: : : : :!
l': : : / : : /: レ/x,>っニニコo lニニニも V」/ヽ: :ヽ', : : :。:'
!: 。:/: : : /: : {/イヽ/// ゚ ' /// ハヽ: : ',: : :||: : : : }
゙: : |: : : /: : Y 'ニユ;´ r-―-ァ ゚oΛ N x ', リ: : : : |
ヽ、: /: : : :Λ  ̄フ 。 ヽ _ ノ イ-レ´: : : :',: : : : :ハ{
!,、: : : ,': :,〉 `ヾx、 _ イ ヽ: ',: : : : ': : : ノ `
しヽ:,、://゙i. ト'ー≧ ‐-.<| -' ` -、: : :,、: {
)ノ// | |',::::::\ ト、 )ノ ヾ 「私も、負けないもん」
/( ,l !',::::::::::\-__V::`ヽ
/::/ , -| lヽ:::::::。::\`l:::::::小、
'‐--ゝ/:::/| ! ヽ、:::::::::::ヽ!:::::::::〉',
イ:/:::! ', ` - _::::::`゚/ } .',
Y:::(| l `(X)] |_,,ゝ
ヽ‐', / | | .|:::::::`、
|` -'´ || |::/ヽ
| | | |、 ヽ
{ | | .|.ヽ ヽ、
/', ,'.|', | ト, \ \
,' , , | , ト、 | ! \ ` 、
,' , , | , ', ! !ハ、 ヽ、
,' ' | , ', ヽ `- _ \
「えへへ、よく分かんないけどちなつちゃんも頑張ってるんだね」
「やっぱり積極的にガンガンいかないとだめね!うん!ガンガン!」
ちなつちゃんもこう言ってくれてるし、元気出さなきゃね
: ; .: /\ .ヾ/ : / i | .ヽ
\ ; l ヽ: : / ./ .l , l .l .l
ヽ、 , ! / / : / ハ .l. /、 l ハ i : i .ハ | .|
.ゝ´ , .:: / / l l / 、 i l / ; .l::リ ; .l:: l ||
| l .|:: ; / , l / ,ヽ.l リ l l l::: ; l:: ; :l .ノ|
.|,' .;l l:: ;//┼─┼:- ´ ヾ l l  ̄ .++-l:: l :::: : ;./.リ
./ ; l , i l::; l/'__リ_、 .l., /.|./__ リ l.:; ;: : ; ./ !
,' ; : ./: | l イ 心 : : マ ソ r .): :マ ̄ゞ / /
l ハ ハ .: ; : | .l 、 弋: :- / .匕 - : ノ ´ / /´
|l 、 l: ; l | : ; l 从  ̄ ̄  ̄ ̄./ : ".;´|
リヽ l: ;、 .| | ; ; : | ヾ (//) , (//), / l
ヽ.ハ ソ l |.ヽ lヽ ./: : : l
リ ヽ: ; 、| ;ヽ, l ` 、 _ ノ : : ; ハ.l
ヽ | ソゝ .∧ .l ` 、 ., イ | ./i : ; /.リ
.,/.三三ヽ..ヽ`、 ` ゝ -, - ´ .ハ/ |/ l ./ 「はぁ」
. /三三三 :ヽ、 ` /v三` !/ ソ
/三三三三三 \ V三三三` 、
やっぱり、あかりは入る余地がないのかなぁ
「あかりちゃん!」
なんだろう、櫻子ちゃんの後ろで向日葵ちゃんがもじもじしてる
「向日葵のおっぱい、半分こしよ!」 -
. ´ `
´ `
/ ィ , / .\
/ ./. ,' .ヘ
/ / / ,l .l .{ .l .l .ヘ
. イ / l ,'l .ハ l、 .l ハ
イ ./廴 ./ .l l ヘ .j、 l.ヘ ,レ ', ',
. /.l ∥. ,','. リ { ト 、l l 从廴レ リ´ lヘ ', ',
/ l l.i x,r==ミ、ゝ ┘ 彡==、x.lニニコ,' .', i
} ll lリ 〃ィ ,):ヽ` ´ィ ,):ヽヘYニニ! .lリ
イ ハ .lハ. !{ l::`:.イ:::::i i::`:.イ:::::j }.!j / l
,ィ .', { .ヽ{ ミ .乂 ニ ノ .乂.c_っ' ハ/ ', 廴__
. l ..::乂ゝ 从 ///// ' ///// / :. ',:.... `Y
. j .::::ィ ..::ノ ヘ .i :::. ヘ::::::::.. .l
.( ィ ィ´,:::: ..:::イ:::`...ゝ ` - ´ λ ::.ヽ ヽ:::::::. l
. ゞニ.,´ / l:::::::::´::::::::_:::::ヽ イ:::ヽ :::::::Y、 > 、 ゝ- ')
. ,イ ', ゝ::::::;:ィ:´:::`. 、:>...... ....≦::::::::::::::::::Y l:::ヽ ヽ‐ ´
,' ,r‐‐乂 ヽ:::::::::::`ヽ::}::::::::::¨斗―┴ 、::::::::::::::j リ/ ノ
. 乂( `.>、 Y::::::::::::` <、、_::::::: ヽ‐‐:ノ , ィ´ .イ
` .イ:::)ノ::::::::::::ヽ:::::```:::::: ヘ`´:Y ...,.<',
/:::::::: x―x:::::::::`ヽ:::::::::::::ハ::::l r:´/ i 「ふふん!」
Yイ//::::::/: /:,rヽ::::::::::`ゝ、.,__::::::::.';:ゝ.乂_ ノ !
. Y∥:::://::.l:/:::::::::`:.、:::::::::::::斗<⌒ヽ.i::::イ`¨¨´ `i
「私ももう中学生で大人だから、半分こならいいよ!」
「ほ、ほんと?いいの?」
「いい!私が許す!」
「さ、櫻子ったら」モジモジ
「そ、そうなんで・・・しょうか」
「そーだそーだ!半分こさせないならおっぱい禁止ー!」
「きゃっ!?」
_ ___ -―――-
/:.:.:/:.:.ィュ:.ヾ⌒ヽ / ヽ
/:.:.:.:.:.:.:.:.:´¨¨¨¨¨¨`ヾ、 / '.
/:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.イ:.:.:.:.:l:.:.ハ /| j__jヾキ l
/:.:.:.:.:l:.:.:.:.:|:./|/ |::.:.:.:/:.:.:.:.', ‘‐ '. //! | l 、.!- 、
|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:|',,_\ゝ;;:斗/:.:.N ) ゝ '! : : ! l: . '.:_:_ゝニヽ
/ィ::...::::ト;:.:.:.リ ̄` ´=/::jノ ヽ,.へ! : : : :〉 、: : : : `ヽ: :├ノ
. 《_j::::Y::::ハ:.:/ ,....._ ' ,:'::「 '.ー|j!: : : :ヽァ'⌒ヽ l_: ヽ)
>ゞ::y:ノヽリヽ ー‐',. イ:.j` `ニい: : : :/! \,ノ´′
/: : `¨´い:  ̄ゞ´;ノ jノ _,,..f¨¨´ (ハ: : ( l :、 \
/: : : : : : ! : : 、:-<fレ、) __,,.. -=≦////ハ´ `¨{ l \ /、
/、!: : : : :.,' : : : :ヽ: ヽ `y'´////////////ニ -‐ゝ-―― 、i | \,イ.///\
. / : |: : : : : 〉: : : : : }/__.. ゝ////ニ-‐ ¨´ ヽ! `У//j\__
. /: : :'. : : : : { : : : .:ノ;ノ‐┬‐ ´,.三} 丶..,_ //// ゝ
. ,: : : : :! : :--j-‐_'"三三ニl―‐¨‐’ \’ //// 〉
j : : : : '. : : : : : : : : : : ≧ュ‐ ´ ̄ ミ ヽ:, //// / ヽ
,′: : ::::::ゝ.___: : : : : j__ ミ //// / ///ハ
/ : : : : : : : : : : /  ̄ ̄ ` 彡 ̄ `ーr、' ̄ ̄///////ツ
. /: :ヽ: : :_: : -‐:/ ー ´ ̄ \/////////
7 、.;_;_;_;_;_;_;./ \/////イ
,╋ ..,┃_/ \///l
l┃l ┃/ \lノ
(
´ ̄ ̄`\  ̄ ̄ ̄` 、
_ / ´ ̄ ̄  ̄ ̄` \ ___
`V / /⌒ ⌒ヽ \∨´⌒ヽ `ヽ
〃⌒У 〈 } } } l
ハ / / \ / ノノ |
∨ ∨ /-=彡 ノ
i / / / ヽ ∨--r-<、
/ / / } |、 ∨ ∧ \
/ / / i | ハ | ヽ l V ∧ /
. / 厶 7T l | / 「 丁ハ | ∨ }/
∧ ハ / 八 { |/ } ノ } | | |/
{/ ∧ j V \(\|( ノ/ ノⅥ ∧} |
{ ∧ { r≡≡ミ 彡≡≡x |∧ i |
il \_V / } i| | 「うん!」
i| ∧: : : : , : : : : 厶イハ i| |
i{ / ∧ 、 , / ∧} i l |
ノ八__(_(ハ\ ` ´ /)_ノ ノ_ノ八ノ
「向日葵ちゃん、失礼します」モニュ
「あ、いえ、こちらこそ///」
柔らかいなぁ///
「へへへー、みんな仲良し仲良し。私は大人だなー」
えへへ、やっぱり櫻子ちゃんには敵わないや
「あ、ちなつちゃんも半分こするー?向日葵のおっぱい」
「え!?いい!いい!私は!っていうかどうやって半分こするの!?」
__ _. '´ ` <‐〈
´ く_> 、 ヽ) `丶
/ '´ ̄ `ヽ) ∨ \
/ ヽ | | ∨ い \
/ ∨ l| ハ ハ |'_lL.」 l ト
|/ l /| _ 斗‐| | | 「 l| l |∨ | 」
. / | ィ「_/..、|/|_ ノ x壬く, } レ´
l | | | / フチニミ ´ 勹 lリル┘ 「まったくもう」
| ハ | l / l‐l/ 廴ノ l ト ノ ハヽ
l{ ∨.| // / \ 弋_ーノ `´::{ | ハ
l ハ. / / 「` ::::::::: ′ ノ_レ┘ >
l| ∨ ィL _ | ,_、 / l /> ´
ヽ. 彡 > 、 ィ 丿入|′
} 」. l´ / |ノ ` ー</ \  ̄ `ヽ
‐' ´ ヽゝ く { / \
「あかりちゃん、よかったね」
「え?・・・う、うん!」
「あーあー、私も結衣先輩と仲良くしたいなー」
今日はみんなといつも以上に向かい合えた気がするなぁ
向日葵ちゃんと櫻子ちゃんの仲は固いけど、少しずつならあかりも入っていけるよね
結衣ちゃんと京子ちゃんの間にも、きっと
ちなつちゃんは傍にいると優しく声をかけてくれたりする
部活も同じだし、これからもっともっと仲良くなれるよね
// ̄,ヽ´ \ \ /ゝ⌒`\
{ ヾ/ ヽ // .l .ヽ
ヽ/ i .ヽ{ ヾー.| |
/ ,.l , , 、 ヽヽ、 ノ ノゞヽ、
-=彡, , /| , , ./i .ハ | | .` i ´ .ミ
リ{ , ハ i | | ./ 丿 | .ノ ヽ i | .| | , , i/
ヽ.! .| リ ㍉ .|/ 〃 ヽ!、 ,' , | | _ ゾ
ヾ, | ヽ | イ,二ヽヾ|/ ./ , | | }
./゙´ヽ r==ミ ゙ 、{: 乂: }} /,' .l i | , .`、
i , i ,,,, 辷 :ノ ." ; : | i .|
| | 、 ' ,,,,, ./ ; ./ / | リ
リ.、, 人 r─ .、 ./ / ,ソ, ,ソ"リ
゙ ヾリ /丶、 ヽ_ .ノ , イ / !、"!ノ
i |:::::::::::;r´.)- ´ ノ//:::::::ヽ、
| .ヽ:;/., ,-、 ./:::::::::::::::::::`ヽ、
.ゝ / -´-┤ , ':::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
{ ./ `--i . /::::::::::::::::::::::::::::::::::/´ヾ
今日はいい日だったなぁ
色々と成長して大人になれた気がするよぉ
そういえばドラえもんにも会えたしね!
また放課後を違った形で過ごしてみたいなぁ
彡ィ / / / _. -}- |、 ヽ |∨ノ/ノ
/'|| { ∧- : | |: ハ ト、 | | ':ー '⌒ヽ、
、|| |∧'´| ヽ { | :j | / V ヽ |:. || Vハ ヽゝ
ヽ | j : | ヽ! \ |: / j/.ィチ丁ミjハ: ト:l | :, }リ
: :|| | ィチ丁ミヽ \{ヽ/ 〃 ノ ハ: }||l | イ}/
ヽ | |/:/、ノ ハ うーイ }' | j |
| ヽ:{\:ト { うーイ 乂(ノン j/ |
`Tl \ヾ 乂(ノン l''「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|:| {:ハ ::::::: ' | |
|ハ { {: `∧ , | |
| ヽ \: : ヽ `¨ ´ | |
| |、: :\ `: : : : > ,| | ┼ヽ | ニ|ニ / l
| | \:} : ヽ: : i ト、: jxィi` _. 彡 " ̄\ d⌒) 、_,ノ .cト、 レ ノ
ヽ:| ノノV\:トj /::/ハ / ー‐= 、 ヽ
_. ''´:::::::{' } / `¨¨ヽ }ー‐'
/´::::::::::::::::::ヽ / ‐┐ }、_)
長時間ありがとうございました
乙
乙乙
Entry ⇒ 2011.12.26 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
結衣「もう、嫌だ」あかり「……もう、嫌……」
そこは、暗い部屋。
時々、見る夢。
今日は、誰が来るんだろう。
京子ちゃんかな。結衣ちゃんかな。ちなつちゃんかな。
結衣「………」
―――今日は、結衣ちゃんだ。
結衣「……くそっ」
―――また、始まるんだ。
結衣「私の身にもなれよ………」
棒立ちで、ぶつぶつとつぶやく結衣ちゃん。
何回、経験しても。
あかりは、まだ慣れないなぁ……。
………。
結衣「毎日、来る気か………? もう、うんざりだ……ラムレーズン……」
話しかけたいのに、話しかけられない。
私は、結衣ちゃんが見えてるのに。
結衣ちゃんは、私が見えない。
結衣「ちなつちゃんも、ちなつちゃんだ……。私にばかり……たまには、京子に……疲れるから、やめてくれ……」
………。
悲しいよ。
もう、やめてよ。
もう、やめてよ……。
結衣「私は昔からそうだ誰かに頼られてばっかりで私は頼るなんてことは出来ない今も昔もずっとずっと何でなんだ疲れる疲れる疲れる…………」ブツブツ
結衣「いつも損ばっかりだいつも支えてばっかりだ、なのに感謝の言葉はもらえなくて、みんな私が居ることを、みんな私に頼るのを当たり前だと思ってるいい加減にしろ…………」ブツブツ
結衣ちゃん。結衣ちゃん。
ごめんね、ごめんね。
だから、お願い。もう、やめてよ。
結衣「くそっ……くそっくそっくそっ…………!!!!私は私のために……なんでこうなった……!? そりゃ、最初はうれしかったさ……」
結衣「……はぁ、はぁ……」
結衣「…………まぁ、私も元気をもらってるんだし、不満ばっかりでも仕方ないか」
結衣「…………」スクッ
ガチャ…バタンッ
結衣ちゃんは、部屋から出ていった。
・・・・・・
・・・・
・・
・
あかり「……っ!!」ガバッ
あかり「……はぁ……はぁ……」キョロキョロ
あかり「………………」
あかり「また、この夢……」
あかり「……見たくない、のに……」
あかり「……………………」
あかり「学校、行かなきゃ………」
あかり「………」ボーッ
ちなつ「―――で、クラスでもずっと、こんな調子なんですよ」
京子「ふーん………ずっと?」
ちなつ「そうなんですよ! 何をするにしても上の空で!」
結衣「重症だな……」
京子「……よし。それじゃ、私達で元気づけてあげよう! あかりー!何かして欲しいことある?」
あかり「………」ボーッ
京子「……あかり?」
あかり「………」ボーッ
京子「あかりってばー!!!」
京子「………ダメだわ、聞いてないなこりゃ……」ジッ
あかり(結衣ちゃん……疲れてるんだよね……どうすれば……)ボーッ
結衣「……あかり」
あかり「……」ボーッ
結衣「あかり」ユサユサ
あかり「―――うわっ! あ、その、えっと……結衣ちゃん、いつもごめん!」
結衣「……?」
ちなつ「何で謝ってるのあかりちゃん……?」
結衣「……どうしたの、本当に?」
あかり「あっ………いや、なんでも、ない、よぉ………」
京子「何でもない風に見えないんだけど」
ちなつ「でしょ? でも、熱もないみたいだし……どうしましょう?」
京子「……うーん」
京子「ほっとけばいいんじゃない?」
結衣「おい」
京子「だって、無理に元気づけてもさぁ。私達の話は聞く耳持たずだしー」
京子「いつのまにか元気になってるでしょー」
ちなつ「はぁ……テキトーですね」
京子「なんだよー! 私はあかりのことを思って言ってるのにぃー!」プンプン
あかり「………あ。みんな、あかりのお話してるの……?」
ちなつ「……あ、あかりちゃん……」
結衣「本当に、重症だな……」
あかり「えっと、あかりのことは、ほっといていいよ……気にしないで……」
京子「ほら見ろ!」
結衣「……まぁ、あかりが言うなら。あかり、あんまり無理するなよ?」
あかり「……結衣ちゃんこそ」ボソッ
結衣「……え?」
あかり「あ、いや、……なんでも、ないよぉ」
京子「ま、あんまり気にしないようにしようよ。あかりも困ってるじゃーん」
結衣「おまえは気にしなさすぎだ」
ちなつ「あはは、たしかに」
京子「なんだよ二人して!失礼だなぁー!」プンプン
ガヤガヤガヤガヤガヤ
あかり「………」ボーッ
・・・・・
・・・・
・・
・
あかり「…………おやすみなさい」
あかり(……)
あかり(今日は、あの夢を見ませんように………)
あかり(…………)ソワソワ
あかり(…………)ソワソワ
あかり(………眠く、なってきた…)ウトウト
あかり(………)
あかり「すー……すー……」
・・・・・
・・・
・・
・
…………暗い、部屋……。
まさか……また?
………今日は、誰………?
ガチャ
京子「……………」
……京子ちゃんだ。
京子「……あーあ。やってらんないなぁ……」
…………。
また、始まるの?
京子「いっつも、そうだよ……。私が言うと……」
やめてよ。
京子「……私、普通にあかりが心配なだけだったのに……」
それ以上は、ダメだよ。
京子「……大体さぁ」
あかり……
悲しく、なっちゃうよ。
やめて、やめて。
京子「でもさ、ただの提案じゃん。『ほっとけば』って。私はそれが1番だと思ったそうだよ私はそれがあかりのためだと思ってなのに結衣とちなつちゃんは私が言ったからってテキトーテキトー……」
京子ちゃん……
京子「いっつもそうだよねー私が言ったら呆れたりなんなりしてさ、意味わかんないよちゃんと話きいてよ実際あかりは『ほっといて』欲しかったワケだしさ」
京子「………あーっ………」
…………。
京子「なんで!!!いっつも!!!テキトーとかって!!!あーあ!!!イライラするなぁ!!!」
そう、だよね。
決めつけは、よくないよね。
京子「………うん」
京子「まぁ、確かに、理由もなく『ほっとけば』って言うのはテキトーぼかった……かな」
京子「…………」
ガチャ……バタンッ
……………。
……………。
この夢を見るたび
あかりは、悲しくなっちゃう。
・・・・・
・・・・
・・
・
あかり「………っ!!」ガバッ
あかり「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
あかり「……………また……………」
あかり(………最近は、見る回数が多くなってきたよぉ……)
あかり(……どれも、生々しくて……強烈で)
あかり(………………ぅぅ)
あかり(本当に、あんなこと思ってるみたいだよ……)
あかり「……」
・・・・・
・・・
・・
・
あかり「・・・」ボーッ
ちなつ「―――で、今日はさらにヒドイんですよ……」
京子「顔色わるっ!」
結衣「あ、あかり……何か悩み事でもあるのか? ちゃんと寝てる?」
あかり「………え、へへ………大丈夫………ちょっと、寝不足気味なだけだから………」フラフラ
ちなつ「ね?」
京子「……むむむむ……」
結衣「寝不足にしては、何か考え込んでるみたいだけど……?」
あかり「・・・」ボーッ
京子「ダメだこりゃ……」
ちなつ「………ハァ」
結衣「バカ」
京子「…………えっ?」
結衣「寝不足が原因じゃないだろ、これは。なにか、他のことだよ」
京子「………あ、まぁ。そうだけどさぁ。ベツニソコマデ………」
あかり「……!」ピクッ
京子「―――あ、普通に本人に聞き出せば……」
結衣「おいコラ」
京子「―――なに!?」
結衣「昨日だって話さなかったんだから、話したくないことに決まってるだろ?」
ちなつ「そうですよー」
京子「……ハイハイ、ソウデスネ」
あかり「っ……っ……」
結衣「え、あ、ありがとう」
ちなつ「そんな結衣先輩が大好きです~♪」ギュー
結衣「うわっ、ちょ、ちょっと……」
京子「………」ジッ
ちなつ「先輩~♪」
結衣「は、はは………ハハ」
京子「……」ジッ
ちなつ「~♪~♪」
結衣「………」
あかり「………」
あかり「…………ヤメテヨ」ボソッ
・・・・
・・・
・・
・
あかり(……怖くて、起きてたけど……)
あかり(………もう、11時……さすがに寝ないとね………)
あかり「…………おやすみなさい」
あかり(……………)
あかり(おねがい………おねがい………)
・・・・
・・・
・・
・
……………!!
…………いい加減に……………
…………して………………
ガチャ
ちなつ「……………」
ちなつちゃん……
ちなつ「………あー………はぁーあ………」
―――やめてね、ちなつちゃん?
聞こえなくして欲しいな。
ちなつ「………うまくいかないなぁ………」
おねがい。
ちなつ「………結衣先輩………チッ京子先輩………」
それ以上、言ったら
あかり、壊れちゃうよ。
……………。
ちなつ「的外れなことばっかり言っていちいち邪魔してきて私がごらく部に来てる1番の理由は結衣先輩なのに京子先輩が邪魔してどうするの、そもそも結衣先輩も結衣先輩で………」
……………。
ちなつ「もっと私の方を見て欲しいのに今日だってアピールしてたのに迷惑そうにして何で私、こんなに結衣先輩が大好きなのに、こんなに思ってるのになんで上手くいかないの?」
……………。
ガチャ
ガチャ
―――っ!?
京子「あーあーあー今日も責められましたっと………」
結衣「今日も疲れた………」
結衣ちゃん、京子ちゃん……!?
京子「―――って、ちなつちゃんに結衣じゃん」
結衣「うわ、なんで」
ちなつ「………結衣先輩………京子先輩………」ジロッ
ちなつ「京子先輩、いい加減にしてくださいよ」
京子「なに? ……あっ、今日はよくも私を責めてくれたなぁ……!」
ちなつ「はぁ?」
京子「本当に疲れるからさーやめてくれない? 私、真面目に言ってるだけなのにさ 」
ちなつ「―――それは、京子先輩が悪いんじゃないですか。的外れなことばっかり言って結衣先輩の邪魔するから……」
京子「……は、的外れ? 私は―――」
結衣「おいコラ。二人とも」
ちなつ「―――なんですか?」
京子「なんだよ!」
結衣「1番疲れてるのは誰か、分かってる?」
ケンカ、しないでよ。
ちなつ「えっ」
京子「フォロー? 私、フォローなんてしてもらった覚えないけど」
結衣「―――うわ、おまえ、本当に私に感謝してないんだな………」
京子「は?」
ちなつ「ちょっと待って下さい!私の対応に困るってどういうことですか!?」
結衣「そのままの意味。抱きついて何がしたいの?」
ちなつ「いや、それは、結衣先輩が好きで……」
結衣「困るからやめてくれ」
ちなつ「えっ」
ちなつ「――そんな言い方しなくても――」
ここは、きっとごらく部なんだ。
結衣「――事実だから仕方な――」
現実と、違うのは
京子「――私の話もちゃんと――」
ここは、みんなが本音をぶつけあう場所だってこと。
そして、本音をぶつけあう時
あかりは、邪魔。必要ないんだね。
京子「――そもそも誰がごらく部を――」
やめてよ……
結衣「――辞めてやろうか?――」
みんな……………
ちなつ「――私は別に――」
あかりも、話に入れてよ。
あかりも、本音をぶつけたいから。
みんな、ちょっとズレてるだけなんだよ?
みんな、お互いに好きなはずだよね?
えっ
結衣「ああ。じゃあな」
待って
ちなつ「…………ふんっ」
………………
あかり「みんなっ!!!!!!!!」
・・・・・
・・・
・・
・
あかり「……はっ!!」ガバッ
京子「―――あっ、起きた!」
結衣「よ……よかった……」
あかり「え……? え……?」
ちなつ「あかりちゃん……!」
あかり「ここ、どこ……? あれっ?」
結衣「病院だよ」
あかり「―――病院!? なんであかりが!?」
結衣「あかり、倒れて……一日ぐらい、寝込んでたんだ」
あかり「い、一日……」
あかり「……あれ、今日って何曜日だったっけ?」
京子「金曜日でーす!」
あかり「―――学校は……?」
ちなつ「……なに言ってるの、あかりちゃん?」
あかり「え…………?」
京子「あかりが倒れてるのに、学校なんて行ってらんないよ!」
あかり「………………」
結衣「……まぁ、京子が言い始めた時は正直迷ったけど」
結衣「めちゃくちゃだけど、いい提案かなって」
京子「あーあ……失礼な子だよ」
結衣「―――その提案に感謝してるぞ?」
京子「!…………へへ、そうだろうそうだろう」ニシシ
あかり「みんな、あかりのために……?」
あかり「いや、そのぉ……」
京子「無理してんじゃないよっ!」ペチッ
あかり「きゃっ」
結衣「おいコラ」
京子「なんだよー。軽くだからいーじゃん。スキンシップですよっ」
結衣「病人だぞ……」
あかり「……えへへ」
ちなつ「まったく……京子先輩は」
……やっと、言えるね。
京子「――へへっ――」
だから、いっつも、どこかで溝を感じてて。
結衣「――ったく――」
だから、あんな夢を見ちゃったのかも。
ちなつ「――結衣先輩~――」
でも、あかりは一人じゃないよね。
そんなの、当たり前だよね。
みんな、少しでも疑っちゃってごめんね。
京子「――あれ、あかり?――」
心の片隅に、不満を持ってたりするかもしれないけど。
結衣「――そうだよ、あかりの見舞いにきたんだから――」
そんな不満よりも、もっと、もっと大きい本音。夢じゃ言えなかった、あかりの本音。
ちなつ「――あかりちゃん?――」
ありがとう。
ずっと、ずっと、あかりと仲良しでいてね。
あかり「みんなっ、大好きっ!」ニコッ
終わり
Entry ⇒ 2011.12.26 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
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