スポンサーサイト
トランクス「もし完全体セルが大したことなかったら」
ベジータ「そいつが完全体とやらか。やはり、思ってたよりも大したことなさそうだ」
セル「……ふむ」
ベジータ「あんなカスみたいなやつをいたぶってうれしいか?」
セル「これは失礼。ではキミが、わたしのウォーミングアップを手伝ってくれるのかな?」
ベジータ「いいとも。ウォーミングアップでおしまいにしてやるぜ」
セル「よろしく」
セル(ふはは……素晴らしい、素晴らしいぞこのパワー!!今なら誰にも負ける気がしない!!」
ベジータ「おい、心の声が漏れているぞ」
セル「む、これは失礼」
皆様、お気づきかもしれませんが、この話のテーマは“家族愛”です。
人と人との関係が希薄な昨今、やはり最後まで味方でいてくれるのは家族だけだと思います。
皆様にこの作品を通じて、家族の大切さを再認識していただけたらと思います。
長々とお付き合いいただき、重ね重ね感謝の言葉を述べさせていただきます。
最後にこのような駄文を載せることは蛇足と思いながらも、謝辞を言わせていただきます。
自分は、物書きとしてまだまだだと思いました。
力量不足のため、わかり辛い表現が多かったことも多々あったと思います。
それでもお読みくださった皆様に御一層の発展を願います。
セル「ふんっ!」ガッ
ベジータ「! ほう……」
セル(素晴らしいっ……以前は受け止めてもガードごと吹っ飛ばされたのに、今は受け止められるっ!!)
セル「はっはっはぁ!」ブンッ!
ベジータ「ちいっ!」バッ
セル「そぅらっ!!」シュッ!
ベジータ「はぁっ!!」ガシッ!
セル「ぐぬっ……!?」
ベジータ「どうしたセル!?そんなものかぁ!!」バギッ!!
セル「まだまだだっ!!」
クリリン「す、すげぇ……完全に互角だ……」
トランクス「あれだけ修行した父さんと互角なんて…でも、これなら……」
クリリン「……ああ、わかってる。お前は、更にとんでもない力を隠してるってんだろ」
トランクス「! ……気付いてたんですか……」
クリリン「なんとなくな……。でも、その力でベジータに加勢すれば、セルをやっつけることだって出来るんじゃないのか?」
トランクス「……父さんはプライドの高い人だ……俺が父さん以上の力を手に入れてしまったなんて、言えるわけないじゃないですか……」
トランクス「あのまま父さんが勝ってくれればいいのですが……最悪、負けても気を失いさえすれば、俺が代わりに戦いに出ることもできる……」
クリリン「……あ、ああ。俺もその方がいいと思うぜ」
セル「はぁ、はぁ、……ふふふ、そいつはどうも……!」
ベジータ「だが、次でおしまいだ!かぁぁぁぁっ……!!」バチバチッ…!!
セル「!?」
ベジータ「ファイナルフラーッシュ!!」カッ
クリリン「は、離れろトランクスーっ!!」バッ
トランクス「くっ!」バッ
セル「ぐぅっ!!?」バッ
ドシュウウウウウウウウウ!!!
セル「ぐ、ぐぬぅ……!!」
ベジータ「は、はぁっはっはっは!!!ざまぁみやがれ!!これで、俺と貴様には決定的な差が出てしまったな!」
セル「ま、まだだっ……!はぁっ!!」ズルゥゥ!!
ベジータ「なっ……!?」
セル「は、ははは……!わたしがピッコロの細胞も持っていることを忘れたのか!?」
ベジータ「ちぃっ……!」(まずい、今ので気をほとんど使い果たしてしまったっ……!!)
ベジータ「があああああっっ!!?」ドガァァァン!!
パラパラ…
ベジータ「……」フッ
セル「ふ、ふはは……!やった、ベジータを倒したぞ!!これで、俺に敵う者はいない!!」
クリリン「お、おいトランクスっ!!」
トランクス「わかっていますっ!!」
トランクス「はぁぁぁぁぁぁ……っっ!!」ググググググッ……!!バチンッ!!
セル「!?」
トランクス「………」スゥゥゥゥ…スタッ
セル(な、何と言うパワーだっ……!?)
トランクス「クリリンさん!父さんを連れて武天老師様のところへ!」
クリリン「あ、ああ、わかった!勝てよ、トランクス!!」
トランクス「はい、任せてください」
セル(し、信じられん……!!こんな奴がこの世にいるとは……!?べ、ベジータ以上……!?)
セル「ひっ!?」サッ
トランクス「でぇいっ!!」ブゥン!!
セル「ぐっ!?」サッ
トランクス「くっ!!」ババッ、ブゥン!!ブゥン!!
セル「ぬは、ぬは、ぬははは!!どうしたトランクス!?ひっ、あ、当たらなければ、どうということは、くっ、ないぞっ!?」サッ サッ サッ
トランクス「ちぃっ、すばしっこい奴め!!」バババ、ブンッ!!
セル「ふ、ふはは、うおっ、悔しかったら、むっ、当ててみろよトランクスっ!」ササッ バッ
セル「ふ、はは、は………パワーを重視するあまり、スピードが犠牲になっているのだ!それではいくらやってもこのわたしに攻撃を当てることなど、で、出来んぞっ!!」
セル(当たったらひとたまりもないだろうが……言ったもの勝ちだ!!)
セル「貴様はバカなのだ、トランクスめがぁ!!」
トランクス「う、うおおおおお!!?」バシュウウ!!
セル「ひぃっ!?」ビクッ
トランクス「でやぁぁぁ!!」ブゥン!
セル「しまっ……!!」
バキャッ…
セル「うぉぉぉぉぅ……!!!」ボトッ
トランクス「は、ハハハ!!バカはどっちだ!!油断したなセル!!」
セル「ち、ちくしょうっ……!はぁっ!」ズルゥ!!
トランクス「! ちっ……そう言えば、ピッコロさんの細胞も持っていたんだったか…!」
セル「は、ははは……!貴様のパワーがどれだけ凄かろうと、一気にわたしを倒すことができなければわたしは何度でも蘇るぞ!」
トランクス「くっ……くそおおおおお!!!」バッ
セル(ふ…ははは!奴のスピードにも慣れて来たぞ!!)ササッ
トランクス「でやっ!!」シュッ
セル「ぬははは!!どうしたトランクス!!」サッ ババッ
トランクス「はぁっ……はぁっ……!」
セル「はぁ……はぁ……どうしたトランクス……だいぶ息が上がって来たではないか……!」
トランクス「くっ……でいっ!」ブンッ
セル「これ以上、いくらやっても無駄だ!」ササッ
トランクス「くっ……くそっ……!ダメだ、攻撃が当たらないんじゃいくらやっても……!」
セル「そうとも、わたしを倒すことは不可能だ。理解したかな?」
トランクス「……」
セル(とはいえ、あれだけ強いと俺の攻撃もダメージ通らなそうだよな……どうしよう……)
トランクス「……!?どういうことだ!?」
セル「武道大会を開いてやろうと言うのだ、このわたしが」
トランクス「な、何のことだ……?」
セル「間を置き、互いに更に修行を積んで再戦しようと言うのだ。悪い話ではあるまい?」
セル「今ここに姿を現さない孫悟空も、恐らく修行しているのだろう?」
トランクス「ご、悟空さんなら、必ずやお前を倒す!俺はそう確信している!」
セル(やっべぇ……)「い、いい答えだ。では、後日。場所や日にちなどは追って知らせてやろう。ではな」バッ
トランクス「ッ……」
セル「どうしたものか……と、とりあえずリングを作ろう」
荒野―――
セル「…ふむ。ここらでいいだろう」スタッ
セル「しかし……奴らは短期間であれほどの成長をしたと言うのに、わたしはのんきにリングを作っている場合なのだろうか……」
セル「考えねば………奴らに対抗する術を……」
セル「……むぅ………」
セル「と言うことは、遠いながらもピッコロ大魔王の細胞……と言い変えることも可能なのではないだろうか?」
セル「確か奴は、同族を生み出す術を持っていたな……。ピッコロ本人にその力は備わってはいないようだが……」
セル「物は試しか。わたしになら出来るかもしれん」
セル「……と言っても、どうやって生み出すのかがわからぬからな……」
セル「とりあえず適当に気を高めて……」シュインシュインシュイン
セル「口から……だったか?んんん……うぉえっ……」シュインシュイン……パシュウウウ…
セル「はぁっ…はぁっ…」
セル「ダメだ……生み出せる気がせん……むしろ、吸収した17号、18号を戻しそうだ……」
セル「………そうだ、口がダメなら他から出すのはどうだ?」
セル「幸い、わたしには尻尾がある。ここからなら……んんんんんんんん……」ググググググググッ……
ポンッ
セル「!?」
セルJr「……」ムクッ
セル「おお……」
Jr「ウン」
セル「おお……」
セル「よし、いいか?今からお前は俺の仲間だ。今度、武道大会があるのだ。集まってくる敵を相手に、戦えるな?」
Jr「ウン、タタカエルヨ」
セル「おぉう……」(なんだ、この気持ちは……)
セル「ま、まぁあれだ。今日はもう遅いからな。とりあえず、修行は明日から始めることにしよう」
Jr「ウン、ワカッタヨ」
Jr「パパ」
セル「!?」
Jr「……Zzz」
セル(岩場の側で横になって寝ている……)
セル(それにしても…わたしがパパ…だと…?)
セル「ふ、ふはは……まぁ、これでとりあえずの戦力を確保する事が出来た」
セル「セルゲームが楽しみだ!」
セル「!?」
セル「……孫悟空……か?」
悟空「とうとう完全体になったか……」
セル「……そ、そういうことだ」(なんかやたら強くなってね?)
悟空「トランクスから話は聞いた。武術大会を開くそうだな……」
セル「ああ。名を『セルゲーム』と言う」
悟空「いいか、オラ達はその大会に出てやる。だから、もう人間に危害は加えるんじゃねーぞ?」
セル「元よりそのつもりだ。場所は……まぁ、言わんでもわかるだろう。ここにリングを作るから、今日より7日後に、ここに集まるがいい」
チュインッ
セル「……っ、はぁ……はぁ……」ガクッ
セル(なんだ今の気は……!?奴め、とんでもなく強くなっている……!!)
セル「ふ……ははは……これは落ち着いている場合ではないな……」
セル「よし、わたしも修行を始めるとするか!」
Jr「オハヨウ、パパ」
セル「む、起きたか。うぅむ……修行の前に、まずはそのカタコト言葉をなんとかするか」
Jr「?」
セル「わたしと楽しい勉強会だ」
数時間後―――
Jr「あーあー。こんにちは、はじめまして。僕はセルジュニアです。セルは僕のパパです」
セル「うむ、完璧だ。しかし、名前がセルジュニアとは流石に安直だな……」
Jr「?」
セリア「せ、り、あ?」
セル「いい名だろう?」
セリア「僕の名前?」
セル「そうだ。今後はそう名乗るといい。では、もう一度自己紹介の練習だ」
セリア「えーと……。こんにちは、はじめまして。僕の名前はセリアです。セルは僕のパパです」
セル「いいだろう、先ほどよりも自己紹介がよくなったぞ」
セリア「ありがとう、パパ」
セリア「てい、やあ!」
セル「なかなか筋がいいぞ、セリア!この調子ならば、ピッコロぐらいならば余裕で勝てるだろうな!」
セリア「はぁ、はぁ……」
セル「ふふふ……この調子で行けば……。ふふふははは……」
セリア「パパ、休憩しよう」
セル「ああ、そうだな」
セリア「パパ、修行しなくてもいいの?」
セル「ああ、根を詰め過ぎても良い結果にはならん。たまには休憩も必要なのだぞ?」
セリア「うん、わかった」
セリア「…Zzz」
セル「ん……寝たのかセリア…」
セル(しかし…なんだろうな、この気持ちは。これが父親と言うものか……)
セル(考えてみれば、わたしの中にはベジータや悟空の細胞もあるのだな)
セル(それらの細胞がわたしをこんな気持ちにさせるのだろうか……)
セル「そうだ、すっかり忘れていた。セルゲームのリングを作らなくては」
セリア「リング?」
セル「ああ。一応、武道大会ということになっているからな。リングがなくては話にならん」
セル「~♪」ボゴッ ビビッ ピッ
ガララララ… ヒュヒュヒュ ピッ ビビビッ ザザザザンッ
セル「よし、完成だ。我ながら中々しゃれたデザインに仕上がったぞ」
セリア「やあっ!!」シュビッ
セル「ふっ!」ヒュンッ
セリア「くっ!たあ!」ブンッ バキャアッ!!
セル「あ」
セリア「……あ」
セル「せっかく作ったリングが……」
セリア「ご、ごめんなさいパパ」
セル「……」ず~ん…
セル「いよいよ明日か……。はぁ……」
セル「リングを作り直さねば……。はぁ……」
セリア「パパ!」
セル「む、どうかしたかセリア」
セリア「こっちに来て!」
セル「一体どうしたと言うのだ……」
セリア「あの、リングを壊しちゃったのは僕だから、作り直したんだけど……どうかな?」
セル「……セリアよ」
セリア「は、はい」
セル「お前は良い子だなぁあああああ!!!」ガッシ!!
セリア「うわっ!?」
セル「よくやったぞセリアぁぁ!!」ぐりぐり
セリア「ぱ、パパ、くすぐったいよ」
セル「いよいよ今日、セルゲームだ」
セリア「……っ」ゴクリ
セル「セリアよ、お前はとりあえずどこかに隠れていろ」
セリア「え?」
セル「セルゲームのサプライズだ。奴らは、わたし一人だけだと思っているだろうからな。奴らが揃ったところで、お前が姿を現すのだ」
セリア「……」
セル「せっかくの武道大会だ。趣向を凝らしたいだろう?」
セリア「うん、わかった!」タッタッタ…
セル「よし……。ふふふ、早く来い孫悟空達よ……」
セル「来たか。ようこそセルゲーム会場へ」
シュタッ
16号「………」
セル「ほぉ……16号。お前もまだ生きていたのか」
悟空「さて、と……まずはオラからやらしてもらおうかな」グッグッ
セル「おっと、ゲーム開始の前に、わたしからちょっとしたサプライズがある」
悟空「えっ?」
セリア「……」ひょこっ
ベジータ「な、なんだあのちっこい奴は……?」
セル「紹介しよう。わたしの自慢の息子、セリアだ」
セリア「こ、こんにちは、はじめまして!僕の名前はセリアです!セルは僕のパパです!」
トランクス「むす……こ……?」
セリア「よ、よろしくお願いします!」
悟空「ありゃぁ……」
セル「ふはは、心配することはない。見た目はちっこいが、パワーはかなりのものだ」
セリア「……っ」カチコチ
悟空「………まぁ、いっか!」
悟空「よろしくな、セリア!」スッ
セリア「! ……」チラッ
セル「握手だ、セリア」
セリア「……よ、よろしくおねがいします!」ガシッ
セル(微笑ましい光景だ……)ホンワカ
セリア「っ!」タンッ
悟空「でやっ!!」ブンッ
セリア「くっ!?」タシッ
セル(そうだ、いいぞセリアよ……受け止めるでもなく回避するでもなく、受け流すのだ)
悟空「へぇ……ふっ!!」シュビッ!
セリア「は!」パシッ
悟空「おっ?」グラリ
セル「今だ、セリアああああああ!!!」クワッ
悟空「!?」
悟空「ぐっ!?」ヒュウウウ……スタッ
悟空「あ、あぶねぇあぶねぇ……リングアウトになるところだったぞ」
セル(流石孫悟空だ……武道大会のなんたるかを心得ているな)
悟空「おいセル!今の卑怯じゃねぇか!」
セル「何の話だ?」
悟空「いきなりでけぇ声出しやがって!黙って観戦出来ねぇのか!?」
セル「そいつは失礼した。少々興奮してしまったようでな」
トランクス(一体何が起こっていると言うんだ……?)
セリア「くあっ……!!」ヒュウウウウウ……ドォォォォン
セル「せ、セリアあああああああああああああ!!!」タッ バシュウウウウウ!!!
悟空「やっべ……ちっと力入りすぎちまった」
セル「大丈夫か、セリア!?」ガバッ
セリア「うう……ごめんなさい、パパ。僕、負けちゃった……」
セル「いや、気にする事はない!お前が無事ならそれで……!」
セル「ああ、大丈夫だ!心配かけたな!」
悟空「そっか、よかった!」
ベジータ「チッ!おいセル!さっさとゲームを続けやがれ!」
セル「ああ、そうだったな。本日のセルゲームは、これにて終了だ!」
全員「!?」
ベジータ「ふ、ふざけるなセル!!俺は貴様と戦いに来たんだぞ!!」
セル「バカものがあああぁぁぁぁぁっ!!!」
ベジータ「!?」
セル「戦いなんぞよりも……戦いなんぞよりもっ!!自身の息子の方が大事だろうがあああああああ!!!」
ベジータ「なっ……!?」
セリア「……」ビクビク
セル「おっと、すまないなセリア。つい大きい声を出してしまった」
セリア「う、ううん。大丈夫だよ」
ベジータ「くっ……バカにしやがってぇぇぇ!!」バシュウウウウウウウ!!
トランクス「とっ、父さん!?」
ベジータ「貴様の都合など知ったことか!俺と勝負しやがれええええ!!!」ダァンッ!
セリア「ぱ、パパ!!」
セル「ふぅ、仕方ない……セリア、下がっていろ」
ベジータ「食らえええええぇぇ!!」ダダダダダダダ!!
ドドドドドドドォォォン!!!
悟空「お、おいおいベジータ!ちっとやりすぎじゃねえか!?」
ベジータ「やかましいカカロット!!俺は一度奴と戦っているのだ!!この程度でくたばるような奴では……」
ベジータ「!?」
セル「せいっ!!」バキャ!!
ベジータ「ぐぅ!?」ズザザッ!
セル「全く、ふざけおって……貴様にも息子がいるだろう!!」
ベジータ「な、何を…!?」
セル「俺の、息子を想う気持ち、貴様にもわかるはずだ!!」
ベジータ「……」
トランクス「と、父さん……」
ベジータ「…………チッ!!」タンッ バシュウウウ!
悟空「あ、おいベジータ!……行っちまいやがった」
トランクス「僕が父さんを追いかけます!」タンッ バシュウウウ!
セル「孫悟空」
悟空「……なんだ、セル?」
セル「正直なところ……今のわたしは、貴様などどうでもいい。ただ、セリアと穏やかに暮らせれば、それで……」
セリア「……」
セル「ああ、わかっている……わたしも、息子を持ったことで自身の罪の重さを理解したつもりだ」
悟空「………もう一度確認するが、今後はもう一般人を襲うつもりはねぇんだな?」
セル「今のわたしでは……恐らく、貴様には勝てん。だが、貴様に拘るつもりも既にわたしには無いのだ。これからは、セリアと二人、静かに修行でもしながらすごしたいのだ」
悟空「そっか!悪いことをしねぇってんなら、オラはそれでいいさ」
クリリン「い、いいのかよそれで……」
悟空「今までセルに殺された奴は、ドラゴンボールで生き返らせればいい。もう、セルは悪い奴じゃねえさ」
クリリン「で、でもよ…」
クリリン「!」
セル「案ずることはない。ドラゴンボールの力ならば、わたしが吸収したその二人も元に戻すことが出来るだろう」
クリリン「ほ、本当か?」
セル「そうだとも。わたしのこの姿が変わることもないだろうが、それでとりあえずは解決ではないのか?」
クリリン「そ、そっか……でも、俺はお前を許さないぞ、セル!!」
セル「貴様の怒り、甘んじて受け入れる。殴りたくば殴るがいい」
セリア「パパ……」
クリリン「くそ……息子の見てるところでお前を殴るなんて出来るわけないじゃないか……」
セル「すまないな、クリリン。礼を言う」
クリリン「うるせぇ!俺はお前を許したわけじゃないんだからな!」
セル「ふはは……貴様とも、いずれわかり合いたいものだな」
セル「む?」
16号「俺はどうすればいい?」
セル「貴様のことなど知るか。本来わたしがいた未来に、16号などと言う人造人間は存在しなかった。16番は欠番だったのだ。それがどういうわけか、この世界では貴様が存在している」
セル「貴様がどうしたいか……それは、貴様にしかわからんさ」
16号「………俺、オレ、おれは……」ガガッ ピーッ
セル「!」
悟空「お、おい16号!?どうしたんだ!?」
16号「せいじょうナしこう、フノウ……フノウ……」プスプス……ピタッ
16号『重大なエラーが発生しました。至急メンテナンスが必要です。繰り返します。重大なエラーが……』
セル「………」
悟空「あちゃあ……オラ、メカのことなんて全然わかんねぇぞ……どうすっかなぁ……」
16号『緊急停止します。緊急停止します』ピーッ ドゥウウウン……
セル「こいつは、恐らく17号と18号を抑止する役割を担っていたのだろうな。その役割が不要になり、どうしていいのかわからなくなったのだろう」
悟空「よくわかんねぇ…」
セル「そうすれば、今後このようなことになることもないだろう」
悟空「そっか!ブルマんとこ持っていきゃあいいんだな!」ガッシ
悟空「おーい悟飯!オラ達もけぇるぞー!」
悟飯「あ、ハイお父さん!それじゃね、セリア」
セリア「うん!悟飯、バイバイ!」
悟空「んじゃな、セル!息子と仲良くな!」
セル「「ふん、貴様に言われずとも。また、いつでも来るといい。セリアも、喜ぶだろう」
セリア「うん!僕、また悟飯とお話したい!」
セリア「うん!」
悟空「うしっ、行くか!悟飯、クリリン!」タンッ バシュウウウ!
悟飯「はい!」タンッ バシュウウウ!
クリリン「お、おう!」タンッ バシュウウウ!
セル「行ったか……ふふ、不思議な男だ、孫悟空」
セリア「……」
セル「セリア、悟飯と仲良くなったのだな」
セリア「うん、仲良くなった!」
セル「ふはは、いいことだ。さて、わたしたちも一休みとするか!」
悟飯「はい!戦いは好きじゃないですけど、組み手ならやってみたいです!」
悟空「そっか!よかったな、悟飯!」
クリリン「はぁ……ま、物騒な戦いになんなくってよかったって思えばいいのかな……」
悟空「ま、そうだな。……おっ?ベジータとトランクスがいるな」
クリリン「放っておけよ、悟空。アイツも、色々と複雑なんだろうさ」
悟空「んー……そうだな。トランクスもいるし、心配することはねぇか!」
トランクス「父さん……僕は……」
ベジータ「何も言うな、トランクス」
トランクス「……」
ベジータ「わかっている……わかっているさ、俺もな」
トランクス「父さん……」
ベジータ「…………お前は、いつ未来に帰るんだ?」
トランクス「え、えぇ、もうこの時代に残る理由もなくなりましたから……宇宙船の準備が出来ているなら、明日にでも」
トランクス「!」
ベジータ「………いや、何でもない。忘れろ」
トランクス「出来るなら、僕もゆっくりしたいんですが……僕がいた未来では、相変わらず人造人間が暴れているでしょうから、早めに帰りたいんです」
ベジータ「そう……か、そうだな。今のお前なら、二人の人造人間になど遅れは取らんだろう」
トランクス「だとは思いますが……」
ベジータ「……頑張れよ、トランクス」
トランクス「父さん…!」
ベジータ「ふんっ!」タンッ バシュウウウ!
トランクス(母さんの言っていた通り、不器用だけど優しい人だった……父さんは)タンッ バシュウウウ!
トランクス「では、僕は帰ります」
悟飯「トランクスさん、お元気で!」
トランクス「はい!悟飯さんも、お元気で!」
悟空「未来にも、平和をな!」
トランクス「ありがとうございます、悟空さん!」
ベジータ「……」ピッ
トランクス「……」ピッ
トランクスの乗り込んだタイムマシンは宙へと浮かび、やがてその姿を消した。
セリア「パパ?どうかした?」
セル「いや……トランクスが、行ったようだな」
セリア「とらんくす?」
セル「ああ。ベジータの息子だ」
セリア「……」
セル「わたしが言うことではないかもしれんが……頑張れよ、トランクス」
セリア「頑張れ、トランクス!」
セル「さて、セリア!組み手の続きだ!」
セリア「うん、パパ!」
終わり
>>2で家族愛を指摘するコピペが貼られてひやっとした
最初からこの終わりを予測してたのかこいつは
Entry ⇒ 2012.06.17 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (2) | Trackbacks (0)
越前「俺はUFOキャッチャーで上に行くよ」
越前「……」ザッ
越前「…到着、っと」
(UFOキャッチャーフロア)
ドューンドュドューンピコーンザワザワ……
越前「……」キョロキョロ
越前「……ふーん…」
越前「……」
越前「へぇ…面白いじゃん」テクテク
ドンッ
越前「…いてっ」
海堂「……オイ、どこ見て歩いてるチビ」ギロッ
越前「そっちがぶつかって来たんじゃん」
海堂「あ?」ブチッ
海堂「おいチビ…見ない顔だな」
越前「…どうでもいいけど――」
越前「チビって呼ぶのやめてくんない?」
海堂「……!」ブチッ
海堂「どうやらテメェもUFOキャッチャーをやるようだな…」
海堂「……俺と勝負しろ、クソガキ」ギロッ
越前「いーけど」
――――
菊丸「大石ーっ!アイス買ってきたよーん♪」
菊丸「…ってあれれ?海堂のやつ何やってるのかにゃー?」
大石「あの隣にいるちっこいの、誰かな?」
河村「えーっ、なんか不穏な空気だけど…」オロオロ
乾「厄介事の確率…98%…」
桃城「おーッ何か面白そうだなーッ!」
桃城「これは見逃せねぇなぁー!見逃せねぇよ!」
海堂「このUFOキャッチャーで勝負だ、チビ」
海堂「俺が右の台を使う。テメェは左だ」
海堂「先にこのリラックマを取った方が勝ちだ」
越前「いいよ、それで」
海堂「それ以上減らず口叩けねぇようにしてやる…」フシュー
越前「まぁ、負けるのはアンタだけどね」
海堂「…………チッ…」フシュゥゥゥ
不二「おっと…これは穏やかじゃないね」
不二「止めなくても良いのかい、手塚?」
手塚「……」
不二「…こりゃ大変」クスッ
【越前(1年) vs 海堂(2年)】
店員「それでは!1年越前、対、2年海堂の試合を始めます!」
●15分経過
桃城「オォーッ!? やるなぁチビ助!」
大石「見たところ、あの少年も相当な実力者だね」
不二「少なくても素人じゃないね、あのキャッチャー捌き」
菊丸「頑張れおチビーッ♪」
乾「ただ…海堂の真の実力はここから発揮される」
乾「果たしてあの少年に着いていけるか」
果たして…
チャリンチャリンチャリンチャリン
越前「へぇ…スタミナだけはあるようだね」フゥ
海堂「……ほざけ」フシュゥゥゥゥゥ……
乾「海堂は100円玉を惜しみなく使い」
乾「少しずつ確実にプライズを穴に引き摺り込む」
乾「いわば、金銭的な持久戦を得意としている」
乾「大金を使い果たした挙句諦めかけている相手を」
乾「更に精神的にジワジワと追い詰めプレッシャーを掛ける」
乾「そのプレイスタイルから付いたあだ名が――」
越前「――そのしぶとさ、『マムシ』みたいッスね」
海堂「……!!」ギロリ
越前「おー、怖」
●30分経過
海堂「チッ……しぶとい野郎だ…」フシュゥゥゥー
越前「まだまだだね」フゥ
菊丸「おわわーっ!」
菊丸「大変大変!マムシの100円玉が尽きてきたにゃー!」
大石「あの海堂をあそこまで追い詰めるなんて…」
桃城「オイオイあの1年やるじゃねーか!」
乾「いや…海堂はまだ『アレ』を使っていない」
乾「海堂の過去のプレイデータから算出すると」
乾「60秒以内に『アレ』が発動する確率……」
乾「……100%」
越前「あれだけ大きな口叩いてた割には」
越前「大したことないッスね、先輩」ニッ
海堂「……!!!!!!!」ブチッ
ユラーリ……ユラーリ……
大石「海堂の動きが変わったぞ…!」
菊丸「きたきたーっ!」
桃城「よっしゃあー!行けマムシー!!」
乾「データ通り……」 クイッ
不二「出るよ…、海堂の『十八番』――」
海堂「…海堂薫を……」
海堂「ナメんじゃねえええェェーーーーーッッ!!!」ダッ
ギュィィィーーーーーン
ジャラジャラジャラジャラ
シュゥゥーーーーン スタッ
越前「……!!」
越前(今の一瞬で…)
越前(1000円札を両替してきた……?)
海堂「……」フシュゥゥゥー…
乾「蛇の様に無駄のないしなやかな動きで両替機へ向かい」
乾「長い手足を利用して瞬時に両替を済ませ」
乾「ブーメランの様に素早く元の位置へ帰ってくる…」
乾「海堂の得意技――【ブーメラン・スネイク】」
乾「海堂はこの技で、『両替してる間に目当てのプライズが他の人に横取りされる』という弱点を克服した」
乾「もう誰も、海堂のプレイの邪魔は出来ない…」
越前「へぇ、少しはやるじゃん」
海堂「ここからが本番だ、チビ」フシュゥゥ…
手塚「そこまでだ」
越前「!」
海堂「…、手塚先輩…」
手塚「海堂、今は部の活動中だ。部外者との勝手な試合は認めない」
手塚「罰として、太鼓の達人10曲」
海堂「で、ですがこのチビが…」
手塚「20曲」
海堂「……ハイ」ダダッ
部費かな?(´・ω・`)
手塚「…」
越前「これ、入部届けなんだけど」
手塚「……」
手塚「…いいだろう。入部を認める」
越前「うぃーす」
越前「んじゃ明日からヨロシクってことで」スタスタ
手塚「…越前、か」
手塚「…というわけで、本日から我が部の一員となった越前だ。前に出ろ、越前。」
越前「越前リョーマっす」
菊丸「よっろしくねー♪おチビ!いぇーい♪」
不二「昨日の試合、見させてもらったよ。期待の新人ってトコかな?」クスッ
桃城「うおぉぉぉー!俺らも負けちゃいられねぇなぁ!いられねぇーぜ!」
海堂「……チッ…俺は認めてねぇからな…」ゴゴゴゴ…
河村「まぁまぁ海堂、抑えて抑えて」
桃城「よっしゃー、越前!早速俺と試合やろーぜ!」
菊丸「えーっ!ちょっとーっ!抜け駆けなんて桃城ずるいずるいーっ」
大石「気が早いなぁ、桃城」
乾「良いんじゃないか。それに、早いうちに初期データを取っておきたい」
不二「波乱の予感がするね」フフ
桃城「手塚部長!いーっすよね!」
手塚「…良いだろう。試合を認める」
桃城「よっしゃあぁー!」
越前「俺の意思は関係ないんスね…いいっスけど」
桃城「これで勝負だ越前!」
乾「ふむ…片側だけにアームが付いているキャッチャー…」
乾「プライズである小箱にくっついているプラスチックの輪にアームを引っ掛けて落とすタイプの機体を選んだか」
大石「アームを輪の中に入れられても、思ったようにプライズが動かないのが厄介だね」
越前「何でもいーっスよ」
越前「負けないっスから」
桃城「言うじゃねーか!このっこのっ!」ゲシッゲシッ
越前「痛いっス桃先輩…」
店員「本ルールでは、先にプライズ『けいおん!きゅんキャラ vol.2』を2箱獲得した者の勝利とします!」
店員「では両者!始め!」
桃城「うおぉぉーっ!行くぜーっ!!」
越前「!」
大石「桃城が先に動いた!!」
乾「桃城は、爪が片方のみのアームの扱いに長けている」
乾「1つしかない爪に全神経を集中させ、狙いを定め」
乾「まるで刃物の様に鋭利な角度からプライズを引っ掛け獲る」
河村「このタイプの機体を選んだのも、自分の得意分野に引き入れるため…」ゴクリ
不二「容赦ないね、桃城」クスッ
桃城「喰らえぇーッ!」
桃城「【ジャックナイフ】!!」
ググッ
菊丸「うわぁーっ!すごい!動いた動いたーっ♪」
河村「1回のキャッチであそこまで動かすなんて…」
不二「絶好調だね」
越前「やるじゃん」ニッ
桃城「まだまだこれからだっつーの!」ヘヘッ
大石「桃城の方のプライズ、箱の半分ほど台から出てるね」
河村「あと数回くらいで落とせそうだよね」
不二「いや、あと1回で落とすよ」
河村「えっ!?」
乾「桃城にはもう1つ長けた能力がある」
乾「桃城の跳躍力と思い切りの良さから放たれる、上から叩きつけるように無理矢理押し込むアーム使い…」
乾「使い所さえ難しいが、驚異的な獲得力へと繋がる技ーー」
桃城「いっくぜぇーーーっ!!」
大石「桃城が飛んだ!!」
ダダッ ヒューーン ポチッ
河村「そのまま落下と共にボタンを押した!!」
菊丸「きたきたーっ!!」
菊丸「桃の【ダンク・スマッシュ】!!!」
チャラチャッチャチャーン♪
マシン「ゲットオメデトウ♪ オメデトウ♪」
桃城「…ドーン☆」
店員「フィフティーン ラブ!桃城!!マッチポイント!」
不二「桃が先手を取ったね」
手塚「あぁ、妥当なところだろう」
手塚「だが越前の力は未知数だ」
手塚「油断せずにいこう」
不二「そうだね」
桃城「ヘヘッ、越前!この勝負、俺が貰っちまうぜ?」
越前「まだ始まったばかりなんだけど」
桃城「口達者なことで」ニッ
越前「んじゃ、そろそろ行くよ」
スッ
桃城「!?」
大石「ボタンを押す手を、変えた…」
菊丸「えーっ!!おチビのやつ、左利きだったのかにゃー!?」
不二「これは驚きだね」
乾「利き手ではない手を使って、あの実力だったというのか…」
海堂「チッ…どこまでも胸糞悪ィガキだ…」イラッ
越前「まだまだだね」
桃城「だが、俺のジャックナイフの前ではそんなもの……」
越前「…【ドライブB】」
桃城「!?」
チャラチャッチャチャーン♪
マシン「ゲットオメデトウ♪オメデトウ♪」
桃城「な、何っ!?」
大石「な、何だ、何が起こったんだ?」
不二「アームの爪の、金属部分とプラスチック部分の間の隙間で、輪の先端部を抑えつけたんだんだね」
不二「抑えつけた反動で、軽い小箱のプライズは勢いよく動く」
不二「上下方向に強いアームと、伸縮性のあるプラスチックの輪の性質を利用したんだね」
乾「押し込むでもなく、引き上げるでもなく、プライズを『弾き飛ばす』…」
乾「高い集中力、空間認識力、それに運がなければ成功しない高度なテクニック…」
乾「桃城のプレイスタイルよりも更にギャンブル性が高い技だ」
不二「桃相手にこの技を使うとは…挑戦的なルーキーだね」クスッ
越前「ーーそのプライズ、跳ねるよ」ニヤッ
店員「ゲームセット&マッチ!」
店員「ウォンバイ!越前!!」
桃城「ちっくしょー!!負けたかーっ!」
越前「まだまだだね」
菊丸「すっげーっ!!やるじゃんおチビーっ!」ワシャワシャ
乾「良いデータが取れた、ふふふ…」
海堂「無様に負けやがって、桃野郎」ボソッ
桃城「何だとマムシ!!やんのかてめぇ!」
海堂「あぁ!?んだとゴラァ!もっぺん言ってみろ!」
河村「ちょっとちょっと2人とも~」オロオロ
大石「やれやれ…」
不二「さて、」
不二「とんだダークホースが入部したものだね、手塚」
手塚「あぁ」
不二「これからが楽しみだね」フフッ
手塚「……」
手塚 (俺がアームを動かせる内に…)グッ
手塚 (いや、まだ早いか)
手塚 (もうしばらく様子を見るとしよう)
越前「俺はUFOキャッチャーで上に行くよ」
1章 終わり
書き溜めしてた分と、
後半は勢いで書きました
時間とネタがあったら
そのうちまた続編書きたいと思います
続編期待
期待してる
UFOキャッチャー部なんだろうかこれはw
Entry ⇒ 2012.06.08 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
蓮「貴様……アイアンメイデン・ジャンヌか?」
「……ちゃま。ぼっちゃま。蓮ぼっちゃま!」
蓮「…………ム。馬孫か」ムクッ
馬孫「またベッドでお休みにならなかったのですか」
蓮「ああ。ブロッケンからの定期報告を読んでいたからな……今は何時だ?」
馬孫「恐れながら、午前8時15分にございます」
蓮「…………2時間も寝ていたのか」
馬孫「2時間しか、でございます!」
馬孫「うるさくもなります。よもや潤様に言われたことをお忘れに……」
蓮「ああ分かっている。忘れてなどいない。
『仕事を忘れてゆっくり羽を伸ばせ』、だろう?もう聞き飽きた」
馬孫「ではなぜここまできてそのように仕事をなさるのです」
蓮「姉さんはそう言うが、実際そうはいくまい。我が“雷帝グループ”は未だ軌道に乗っているとは言い難い。俺が休んでいる暇などない。
何より、ブロッケンやビル達を差し置いて俺だけ旅行などにうつつを抜かすわけには……ム」ピクッ
蓮「…………たったいまブロッケンの端末から新しいメールが届いた」
馬孫「ほほう……して、内容は?」
蓮「……たった一文、
『休みなさい』
という文章と、ボコボコにされたザンチンの写真が添付されていた」
馬孫「……潤様、ですな」
蓮「ああ。ザンチンをやったのは白竜だろう」
アイアンメイデンたんちゅっちゅ
蓮「……分かっている。重役連中が全員使い物にならなくなる前に、大人しく姉さんの言うことを聞いておいた方がよさそうだ」ヤレヤレ
馬孫「分かっていただけてなによりでございます」
蓮「フン、俺も丸くなったものだな…………
行くぞ馬孫。下のレストランで朝食にする」
馬孫「おや、いつもの“るぅむさぁびす”ではないのですか?」
蓮「…………姉さんに持たされたガイドブックに、ここの名物は朝食のバイキングだと書いてあったのだ」
---------------------------------------------------------------
蓮「美しいな、このウィーンという街は」スタスタ
馬孫「ははっ。街並み全てに『歴史』を感じますな」フヨフヨ
蓮「ああ。だが古いだけではないぞ馬孫。
あの市電を見ろ。ノンステップで騒音も少ない最新型だ」
馬孫「ほほぉ、“ばりあふりぃ”、ですな?」
蓮「そうだ。街が人を守り、人が街を作る。ウィーンはそのサイクルが完成されているから美しいのだ」
馬孫「なるほど…………」
蓮「そこに、我らが中国の目指すべきヴィジョンがある」
馬孫「……と、言いますと?」
だが、このまま発展していくには決定的に足りないものがある。それは何だ、馬孫?」
馬孫「…………この馬孫、骨の髄まで武人の身なれば、かような小難しいことは……」
蓮「先導者だ」
馬孫「!」
さながら、指揮者のいない楽団のようなものよ。そしてその先にあるのは破滅だ。……それは中国に限った話ではないがな」
馬孫「なるほど…………」
蓮「だから舵きり役が必要なのだ。巨大なうねりをねじ伏せることのできる指導者がな。
……そしてそれこそが、我が“雷帝グループ”の目指すところだ」
馬孫「ふぅむ…………」
そのためにオレは……………っ」ヨロッ
馬孫「ぼっちゃま!」
蓮「騒ぐな。石畳につまづいただけだ」フンッ
馬孫「ぼっちゃまのお考えはこの馬孫、しかと理解いたしました。
ですが、やはり少し無理がすぎるかと……」
蓮「くどいぞばそ……」
ゾクゥッ!!
蓮(な、なんだこのケタ違いの巫力は……!!?)
蓮(大きさだけではない。全身から力が抜けるような違和感……)
蓮(何よりオレは…………)
――――オレは、この巫力に覚えがある!!!
??「すみません!」ギュッ
??「ひょっとして……レン、道 連ではありませんか?」
蓮(色素の薄い髪、赤い瞳……そしてこの巫力)
蓮「貴様……アイアンメイデン・ジャンヌか?」
ジャンヌ「はい!」
蓮「やはりそうか……」
ジャンヌ「お久しぶりです!S.F.I.T(シャーマンファイト・イン・トーキョー)以来でしょうか?」
蓮「あ、ああ、そうだな……」
蓮(何故だ、こいつと顔を合わせた瞬間寒気が……)
蓮(俺は怯えているのか……いや、こいつから敵意は感じられない)
蓮「ああ。貴様もか?」
ジャンヌ「いえ、私は教会のお招きで児童福祉に関する講演をさせていただくことになっているのです」
蓮「そうか。X-LAWSの評判は中国にも届いているぞ」
ジャンヌ「ふふっ、うれしいです!」
蓮(いかん……頭も重くなってきた……)クラクラ
主の導きに感謝しなくてはなりませんね」
蓮「大げさだ」フン
ジャンヌ「そんなことはありません!」
蓮「……貴様の方こそ」
ジャンヌ「えっ?」
ジャンヌ「……確かに髪や身長は伸びていらっしゃいましたが」
蓮(身長のことは言うな)
ジャンヌ「貴方の巫力は、私の魂が覚えていました」
蓮「!!」
蓮「そんなものか……ゲホッ」ゴホゴホ
ジャンヌ「道蓮!?どうなさったのですか?」オドオド
蓮「な、何でも……ゴホッ!!」ヨロッ
馬孫「ぼっちゃま!」
蓮「何でもないと……言っている」
ジャンヌ「とてもそんな風には見えません!どこか具合でも悪いのではありませんか?」
蓮(視界も………かすんで……)
蓮「…………ム、限界、か……」フラァ
ドサッ
道蓮!しっかりなさってください!
…………………………
………………
………
蓮「……………ム」パチッ
ムクッ
蓮「…………馬孫か。……ゲホッ」
馬孫「無理はなさらずに!」
??「その持霊さんの言うとおりよ。まだ寝てた方がいいわ」
??「熱も下がってないし、体力も落ちてる。その状態で街中まで歩いてこられたことが不思議なくらいよ」
蓮「貴様……X-3の」
ミイネ「あら、覚えていてくれて光栄ね。ミイネ・モンゴメリよ」
ミイネ「X-LAWS・ウィーン支部。私の家でもあるけどね。この部屋は医務室」
蓮「………馬孫」
馬孫「はっ!」
蓮「ストリートで倒れたあと、俺はどうなったのだ」
ミイネ「びっくりしたわ。ドアを開けたらメイデン様が泣いてて、
あなたを担いだシャマシュが仁王立ちしてるんですもの」
蓮「…………そうだ、メイデン。奴はどこだ」
ミイネ「メイデン様なら下で………」
バタンッ!!
ジャンヌ「道蓮!!!」
馬孫「おお、メイデン殿」
蓮「…………ム」
ジャンヌ「気がついたのですね………よかったぁ……」ポロッ
蓮「!?」
蓮「」
ジャンヌ「ミイネ、ありがとうございました。あとは私が」
ミイネ「承知いたしました。では私は仕事に戻ります」
ミイネ「フフッ、分かっております。マルコ隊長にはしばらく黙っておきますね」
ジャンヌ「ミイネ………ありがとうございます!」パァァ
ミイネ「フフフ……それと道蓮」
蓮「何だ」
特に今日一日は絶対安静。分かったわね?」
蓮「…………フン」フイッ
ミイネ「……ハァ。まあいいわ。それではメイデン様、後ほど」
ジャンヌ「ハイ、ありがとうございました」
パタン………
ジャンヌ「何でしょうか、武将さん?」
馬孫「この度はぼっちゃまの命を救っていただき……この馬孫、厚く御礼申し上げる!」フカブカ
ジャンヌ「そんな、私は私の出来ることをしたまでです」
馬孫「ですが!!」
蓮「馬孫」
蓮「少し黙っていろ」
馬孫「は……ははぁ!!」ササッ
蓮「……メイデン」
ジャンヌ「は、ハイ!」
蓮「………世話になった。この借りは必ず返す」
ジャンヌ「!?」
馬孫「何ですと!?」
蓮「聞こえなかったか。ホテルに帰ると言っているのだ」
ジャンヌ「い、いけません!ミイネも今日は絶対安静だと…」
立てるようになった時点で休息は十分だ」スクッ
ジャンヌ「ですが………」
蓮「……っ」フラッ
馬孫「ぼっちゃま!」
ジャンヌ「道蓮!」
蓮「寄るな!」
馬孫「……恐れながらぼっちゃま」
蓮「何だ!!」イライラ
馬孫「ここは素直にメイデン殿のご厚意に甘えるのが最良かと」
蓮「甘えるだと……?ふざけるな!」
ジャンヌ「……………」ピクッ
ジャンヌ「………………」ワナワナ
馬孫「ですがその状態では……」
蓮「くどい!這ってでも俺は行くぞ!!」
ジャンヌ「…………道蓮」
ジャンヌ「失礼します!!!」
バッチコーーーーーン!!!
蓮「グフッ!!!」
ジャンヌ「……………!」
馬孫(ま………)
馬孫(幻の左―――――――――!?)
蓮「メイデン……貴様何を……!!」
ジャンヌ「自分を追い詰めないでください!」
蓮「何だと!」
ジャンヌ「今のあなたは生き急いでいるようにしか見えません!」
蓮「貴様、言わせておけば!」
ジャンヌ「何度でも言います!貴方は生き急いでいるだけです!!」
ジャンヌ「……本気で言っているのですか?」
蓮「無論だ!」
ジャンヌ「!!」
蓮「そもそも俺たちシャーマンにとって死など……」
ジャンヌ「えいっ!!!」
バッチコーーーーーーーン!!!!
蓮「ゲフッ!!!」
馬孫(こ、今度は右――――――!!)
ジャンヌ「………が……さい」
蓮「何だと?」
ジャンヌ「貴方がそんなこと言わないでくださいっ!!」ポロポロ
蓮「!」
蓮「ム…………」
ジャンヌ「巫力を使い果たしてその場にのこった……
祈ることしかできなくなった私の思いを汲んで、
死んだことへの恥も呑みこんで先へ進んだではありませんか……!」ボロボロ
蓮「メイデン………」
ジャンヌ「その貴方が、死んでも構わないなんて簡単に言わないでください!!!」
蓮「!!」
ジャンヌ「貴方を心配している人だっているはずです……」ギュッ
蓮「…………」
ジャンヌ「その人たちの……私たちの思いを踏みにじるようなことを、貴方が言わないでください………」ギュゥ
ジャンヌ「!」
蓮「顔を上げろ、ジャンヌ」
ジャンヌ「今、何と……」
蓮「…………すまなかった」
ジャンヌ「えっ?」
ジャンヌ「…………」
蓮「………俺たちはヤツから、―――今やこの星の一部となったハオから、しばらくの間地球を任された」
蓮「袋小路へ向かっているこの星を変えるためにがむしゃらにやってきたつもりだったが……」
蓮「知れば知るほど、この星はどうしようもなくて」
蓮「それでも何かできるはずだ、少しでも前へと急ぐばかりで」
蓮「その結果がこのザマ………笑えんな」
ジャンヌ「道蓮………」
蓮「フッ、『答えは悩みきること』などと、
ニクロムに偉そうなことを言っておきながら」
蓮「――――俺はまだ、迷っていたのかも知れないな」
蓮「何だと?」
ジャンヌ「少なくとも、私は貴方のくれた『迷い』のおかげでここにいるのです」
蓮「………?」
ジャンヌ「初めて貴方を蘇生したとき」
蓮「!?あ、あれは……」
ジャンヌ「貴方は『迷惑だ』と吐いて捨てましたね」フフッ
蓮「うぐっ!!」
蓮「くっ………」
ジャンヌ「でも、それでよかったと、私は思っています」
蓮「何………?」
ジャンヌ「あそこで貴方がそう言わなかったら、私はずっと聖・少・女としての自分に何ら疑問を持たなかったでしょう」
蓮「あれは、だな………俺が生き返ることよりも、そのために葉のヤツが犠牲になることに納得がいかなかっただけであって」
ホロホロは花の家に居候するくらい落ちぶれちゃってまあ・・・
マンガ完全版の後日譚で子ども作ってた
私は自分の正義に迷わぬまま闘い……そして死んでいたでしょう」
蓮「…………」
ジャンヌ「自分たちの他に正義がある……そのことに気づかせてくれたのは貴方なのですよ、道蓮」
蓮「…………そういう、ものか」
ジャンヌ「はい!そういうもの、です!」ニコッ
蓮「…………フン」
蓮「ん?」
ジャンヌ「あの時の貴方の眼がその……とても素敵で……」モジモジ
蓮「」
ジャンヌ「ああ、あの刃で貫くような瞳を思い出すだけで私、もう胸が高鳴ってしまって!」
蓮「あー…………」
思い出せば思い出すほど胸が締め付けられそうな……」
蓮「………メイデン」
ジャンヌ「………はい?」
蓮「…………その辺で勘弁してくれ」
ジャンヌ「………いやです」
蓮「何!?」
蓮「何だと?」
ジャンヌ「さっきのように名前で、『ジャンヌ』と呼んでくれるまでやめません!」
蓮「何を言い出すのだ!?」
ジャンヌ「いや、ですか?」ジワッ
蓮「うっ!
……………………了解した……ジャンヌ」
ジャンヌ「はい!」
ジャンヌ「はい?」
蓮「俺のこともフルネームで呼ぶのはやめろ」
ジャンヌ「?」
蓮「……………蓮でいい。それでお互い様だろう」フイッ
ジャンヌ「…………!」パァァ
ジャンヌ「はい………分かりました、蓮」
蓮「う、うム…………」
馬孫「そろそろよろしいですかな?」ヌゥ
蓮「!!!」ビクッ
ジャンヌ「きゃあ!」
馬孫「ええ、ずっと見ておりましたとも」
ジャンヌ「はわわわ………」カァァ
馬孫「して、結局これからどうされるのですか」
蓮「そうだな………」チラッ
ジャンヌ「」ジッ
蓮「……………」
ジャンヌ「…………」ジワッ
蓮「!!!
そ、そうだな!何だか急に旅の疲れがどっと出たようだ!」
ジャンヌ「!」
蓮「あーあ、体がだるくて一歩も動けんぞ!これはもうしばらく横になっていた方がよさそうだ!」
馬孫「そうでしょうそうでしょう!」
蓮「う、うむ。ならばジャンヌ」
ジャンヌ「ハイ!」
蓮「その…………今日一日だけ世話になる。それでいいか」
ジャンヌ「……………もちろんです!」ニコッ
ミイネ「ようやく観念したみたいね」ツカツカ
ジャンヌ「ミイネ!」
ミイネ「はい、どうぞ」コトッ
蓮「何だこれは」
ミイネ「ポトフよ。薄味だから疲れた胃でも食べられるわ」
ミイネ「ああ、あなたが寝ている間にメイデン様が作って置いたものを温めなおしただけだから」
蓮「何だと?」
ジャンヌ「わーわー!み、ミイネ!あとは私がやりますので、どうか通常業務にもどってけっこうですよ!?」アタフタ
ミイネ「クスッ、分かりました。そうさせていただきます」ツカツカ
パタンッ
蓮「…………」
ジャンヌ「…………あの」
蓮「…………何だ」
ジャンヌ「いえ、私、お料理の勉強を始めたばかりで………
これもミイネに手伝ってもらいながら作ったのですけど、あまり自信が………」
蓮「……………」
ジャンヌ「その、お口に合わないと思うのですが、よろしかったら………」
蓮「ジャンヌ」
ジャンヌ「!」
ジャンヌ「……!」パァァ
蓮「それに、今日一日世話になると決めたのだ。だから、その……」
ジャンヌ「………」ドキドキ
蓮「い、いただこう」
ジャンヌ「………はいっ!」ニコニコ
15分後
蓮「…………馳走になった」ウプッ
ジャンヌ「………お粗末様でした」
ジャンヌ(蓮……心なしか先ほどより顔色が悪いような気がします……)ズーン
蓮「…………腹に何か入るだけでだいぶマシだ。謝謝、ジャンヌ」
ジャンヌ「そうですか………」
蓮「それよりも」
ジャンヌ「はい?」
蓮「X-LAWSの総帥が、俺一人にかかりきりになっていていいのか?」
ジャンヌ「ええ。講演は明日ですし、打合せももう終わっているので」
蓮「そうか……」
蓮「ほう」
ジャンヌ「それで、ですね」
蓮「何だ?」
ジャンヌ「れ、蓮はご旅行中の計画は決まっているのですか?」
ジャンヌ「でしたら!」ズイッ
蓮「」ビクッ
ジャンヌ「私にウィーンを案内させてくれませんか!?」
蓮「貴様に?」
蓮「…………」チラッ
馬孫「」コクコク
蓮「」
ジャンヌ「私も、その方が折角のお休みを有意義なものにできるかと!」
ジャンヌ「はいっ!」
蓮「………さて、満腹になったら眠くなった。今日は早めに休もうと思う。
貴様も、明日は仕事なのだろう?」
ジャンヌ「そうですね。私も休むことにします」
蓮「む」
蓮「何!?」
ジャンヌ「へ?ど、どうかしましたか?」
蓮「きっ、貴様もここへ泊るのか!?」
ジャンヌ「はい……パリの本部に居る時以外は、こうやって支部に泊まることになっているのですが」
蓮「何だと!?……かっ、帰るぞ馬孫!!」アタフタ
ジャンヌ「えぇっ!?」
馬孫「何ですと!?」
蓮「そっそっ、そんな話は聞いていない!今からでもホテルに……!!」
ザンッ!!!!!!
蓮「…………!!!」ゾクッ
ジャンヌ「……シャマシュ・オーバー・ソール 刑具(トゥーチャーズ)」
蓮「」
ジャンヌ「あなたはまた……自分の言葉を違えるのですか?」
ジャンヌ「蓮?」
蓮「」
ジャンヌ「おやすみなさい」ニコッ
蓮「あっ、ああ……………」
馬孫(あの微笑み、潤様にそっくりですな)
蓮「…………ハァ」
馬孫「結局、この馬孫の言うとおりになりましたな」フヨフヨ
蓮「あぁ………だが何故だろうか、逆に寿命が縮んだような気さえするぞ」
馬孫「はっはっは。よい薬です」
蓮「………貴様も言うようになったな。……………アイツも」
馬孫「はい?」
だとしたら…………アイツに勝てんのもうなずける」
馬孫「アンナ殿もメイデン殿に負けず劣らずの女傑ですからなぁ」
蓮「そうだな………」ソッ
馬孫「…………ぼっちゃま?」
馬孫「」ニヤニヤ
蓮「ニヤニヤするな!!!クソッ、俺はもう寝るぞ!昼まで起こすな!!いいな!!!!」ガバッ
馬孫「承知いたしました」ドロンッ
蓮(くそっくそっくそっ!今になって顔が熱くなってきたではないか!!)カァァ
蓮(…………誰かに泣かれたのは、久しぶりだったな)
蓮(〜〜〜〜〜〜〜〜〜クソッ!)
ジャンヌ(どどどど、どうしましょう!)
ジャンヌ(まさか、この街で蓮に出会えるなんて……)
ジャンヌ(し、しかもお休みの間も一緒にウィーンを廻る約束までしてしまいました!)
ジャンヌ(……まだ心臓がうるさいです……)ドキドキ
ジャンヌ「…………たまおさん」
ジャンヌ「これが、『恋』、というものなのですね」クスッ
ミイネ「………もしもし、こちらウィーン支部」
ミイネ「ああ、あなたなのねジョン」
ミイネ「ええ………ええそう、さっきの件よ」
ミイネ「ええ……本当よ、まったく」
ミイネ「ばれたとき?そうね……ラキスト神父にでも応援を要請しましょうか」
ミイネ「今ローマにいるのよね?………分かった。私から連絡しておくわ」
ミイネ「………了解。じゃあね」
Pi!
ミイネ「ふう……問題はこれからね……」
ミイネ「あの過保護メガネ……一体どうしたものかしら?」
ミイネ「………まぁいいわ。他のみんなも協力してくれるし」
ミイネ「メイデン様……」
ミイネ「がんばってくださいね」ニコッ
第一部・完
蓮「…………ム」パチッ
馬孫「おはようございます、ぼっちゃま」
蓮「ああ」
蓮(………体が軽い)
馬孫「ゆうべはぐっすりだったようですな」
蓮「まあな」
蓮「そうか?」
ミイネ「ええ。はい鏡」
蓮「………確かに。目の隈が消えている」
蓮「いや……朝飯よりも風呂を借りたいのだが」
ミイネ「ああごめんなさい。今メイデン様が使ってるの」
蓮「アイツも風呂か?」
ミイネ「いいえ、朝の水責め」
蓮「」
これをやらないと落ち着かないからって……」ハァ
馬孫「そ、そういうものですかな……」
蓮「拷問とライナスの毛布を同列に語られてもな……」
ミイネ「あら、難しいこと知ってるのね」
蓮「バカにするな!」ニョキッ
蓮「……そうするか」
ミイネ「あら、意外に素直なのね」
蓮「………」ギロッ
ミイネ「ふふっ、半病人にすごまれても怖くないわよ」
馬孫「はははっ、ぼっちゃんもカタなしですな」
蓮「馬孫!!!」クワッ
馬孫「ももも、申し訳ありません!!」
蓮(さすがにもう空いただろう……)
ジャンヌ「蓮!おはようございます!」
蓮「あ、ああ」
ジャンヌ「………むぅ」
蓮「………どうしたというのだ」
蓮「は?」
ジャンヌ「『おはよう』と言われたら『おはよう』と返す。
万国共通の常識ですよ」
蓮「む、確かに……」
ジャンヌ「はいっ、やり直しです!」パンッ
蓮「………むう」
蓮「ああ、お、おはよう、ジャンヌ」
ジャンヌ「はい!」ニコニコ
馬孫(早速尻に敷かれておりますなー)
蓮「」ギロッ
馬孫(おっと)
ジャンヌ「え?あっ、すみません!私が占領していたばかりに」ゴシゴシ
蓮(まだ髪が濡れている……)
蓮「…………」ワシワシ
ジャンヌ「ふぁっ!?ちょっと、蓮?」
蓮「馬孫!!俺が入ってる間に着替えを取ってこい!」ツカツカ
ジャンヌ「え?……ええぇ???」カァァ
…………………………
………………
………
蓮(講演でのジャンヌは実に堂々としていた)
蓮(しかし、その言葉一つ一つには確かな意志があり)
蓮(未来を諦めないという、希望と自信に満ち溢れていた)
蓮(そこにいたのは虚ろなまやかしの聖・少・女などではなく)
蓮(一本芯の通った立派な女だった……)
ジャンヌ「蓮!」タタタッ
蓮「ジャンヌ。もういいのか」
ジャンヌ「ええ。司祭様にはごあいさつしてきました」ニコニコ
蓮「そうか。ならば行くぞ」
ジャンヌ「え?」
蓮「ウィーンを案内してくれるのだろう?」
ジャンヌ「………!まかせてください!!」
【中華三昧?】
――――夕食
蓮「…………」モグモグ
ジャンヌ「ここは一応、ウィーンで一番評判のいいチャイニーズレストランなのですけど……」
蓮「」ゴクン
ジャンヌ「い、いかがですか……?」
蓮「うむ、文句なく美味い」
ジャンヌ「よかったぁ!」ニパーッ
ジャンヌ「ただ?」
蓮「『中華料理』か?と訊かれれば……【否】と言わざるを得まい」
ジャンヌ「そうですか……」
蓮「…………今度本場の中華を食わせてやる」
ジャンヌ「!!」パァァ
蓮(面白い)
――――翌日
ジャンヌ「ここが一番のお気に入りなんです!」
蓮「…………まぁ、ハッキリ言って予想はしていた」
拷 問 博 物 館
蓮「……いや、ウチのキョンシーどもへの拷問がマンネリ気味だったところだ。こういうところであらためて学ぶのも悪くない」
ジャンヌ「それはすばらしいことです!」
蓮(やはり俺はこいつに甘いのだろうか)
シャマシュ「」
馬孫「おお、これが古代バビロニアの拷問ですかな……ふむ?」
シャマシュ「?」
馬孫「いえ、我が国でも同じようなものがあった気が……」
シャマシュ「!」
シャマシュ「!?」
馬孫「ええ、もちろん。たとえば………」
蓮(なにやらあっちでは恐ろしいことになっている気がする)
【今後の課題】
ジャンヌ「美術史博物館です!」
蓮「ガイドブックにも載っているな」
ジャンヌ「フェルメールの『絵画芸術』が最も有名ですが、ブリューゲルのコレクションも素晴らしいですよ」
蓮「すまないが西洋絵画はサッパリだ」
蓮(…………iP○dか)
ジャンヌ「あれ……あれれ……?」
蓮「どうした?」
蓮「…………」ナデクリナデクリ
ジャンヌ「ど、どうして無言で頭を撫でるのですか!?」
蓮(今後の商品開発の課題だな。あとでブロッケンに企画書を出させよう)
ジャンヌ「ウィーンといえば音楽!音楽といえばウィーン!」
蓮「そうだな」
ジャンヌ「今の時期だと、市庁舎の前の広場では連日野外演奏会が開かれていて」
蓮「ふむ」
蓮「ほう」
ジャンヌ「…………寝てはだめですよ?」メッ
蓮「………その言葉、覚えておけよ」
ジャンヌ「」スゥスゥ
蓮(わかりやすすぎるだろうが……!)
ジャンヌ(こうして、楽しい時はあっという間に過ぎて行きました)
―――――三日目の夜・シェーンブルン宮殿前
蓮「……美しいな」
ジャンヌ「そうですね……」
ジャンヌ「私、バンリのチョウジョウしか見たことがありません」
蓮「そうか」
ジャンヌ「…………いつか」
蓮「ん?」
蓮「…………ああ、約束しよう」
ジャンヌ「………きっと、ですよ?」
蓮「……ジャンヌ?」
蓮「…………」
ジャンヌ「私、蓮と一緒にいられて嬉しいはずなのに……」ポロポロ
ジャンヌ「こんなにも幸せなのに………」ポロポロ
ジャンヌ「ヒグッ……明日でお別れかと思うと………涙が……止まらなくて……」
蓮「………!」
ギュッ
蓮「…………時間とは残酷だな」ギュゥ
ジャンヌ「………?」
蓮「樹木の如く絆を育むかと思えば、大河のごとく人と人を引き裂く」
ジャンヌ「……………え?」
蓮「こんなにもお前と………離れがたく思うなんてな」ギュゥゥ
ジャンヌ「!!!」
ジャンヌ「はい……」
蓮「俺の選んだ道は長く、そして険しい」
ジャンヌ「存じております」
蓮「この道を選んだことに後悔はない。………ただ」
蓮「俺一人では、また無理をして倒れてしまうかもしれない。だからジャンヌ」
ジャンヌ「………は、い」ポロッ
蓮「俺とともに、覇道を進む気はないか?」
蓮「お前さえそばに居れば、もう俺に怖いものなどない!」
ジャンヌ「蓮………!!」ボロボロ
蓮「ジャンヌ、俺と結婚―――」
マルコ「さーーーーせーーーるーーーかーーーーーーーーーー!!!!!!」ガッシャァ
ミイネ「そうよ隊長!空気読んでください!!」
マルコ「やかましい!我らX-LAWSの聖・少・女がどこの馬のタマネギとも分からん男にそそのかされているのだ!
これが落ち着いていられるか!!」
ミイネ「だめよジョン!女性の年齢は爆弾の解体作業よりもデリケートなの!」
デンバット「大体なぁ、隊長は無駄に厳しすぎるんだよ!」
マルコ「何を言うか!私はただ一心にメイデン様のためをおもって!」
せっかくS.F.で同性のお友達ができたっていうのに唯一の通信手段が文通よ!?」
デンバット「あんときは口出さなかったけど何だ文通って!!」
マルコ「うるさーーーーーーーい!!!邪魔をするなーーーーー!!!」
蓮「……………馬孫。O.S.武神」ボソッ
マルコ「道蓮!!!我らがジャンヌ様の純真に付け込んで誑かすとは何たる卑劣漢!」
マルコ「たとえ主がお赦しになられても!」
蓮「……刀」
マルコ「この天使長。マルコが許さん!!」
蓮「………戟」
マルコ「この怒りの銃弾、百発でも二百発でも撃ちこんでくれるわ!!!」ジャキッ
蓮「……………多刃!」
蓮「四閃刀幻……!!」
ミイネ「メイデン様!!」
デンバット「あぶねー!道蓮!!」
??「ルシファーズ・ハンマー!!!!」
ガッシャーーーーーーーン!!!
マルコ「」
デンバット「ロリコンメガネ!」
マルコ「」
ミイネ「チビマルコ!」
マルコ「」
ミイネ&デンバット「「気絶してる……」」
??「ふぅ………間に合ったようだな」チャキッ
マルコ「」
ミイネ「あ、貴方は!」
ジャンヌ「ラキスト!」
ラキスト「ご無沙汰しております、メイデン様」ペコリ
ラキスト「めっそうもない。私はそこのミイネ君に呼ばれてこのチビマルコを止めにきただけだよ」
チビマルコ「」
ジャンヌ「ラキスト……」
ジャンヌ「はい」
ラキスト「後悔は、いたしませんかな?」
ジャンヌ「…………」
ジャンヌ「はい、誓います」コクッ
ラキスト「……道蓮、君もだ」
蓮「貴様らの主など知ったことか」
蓮「誰がそんなことを言った。俺が誓うのは胡散臭い貴様らの神ではない。
俺は俺自身の魂と」グイッ
ジャンヌ「きゃっ」
蓮「ジャンヌに誓う」
ジャンヌ「蓮………!!」
ミイネ「メイデン様……」グスッ
デンバット「んだよミイネ、泣いてんのか?」ズズーッ
ミイネ「あなたこそ!」グシグシ
ラキスト「なればこのラキスト・ラッソ!ここに道蓮と、アイアンメイデン・ジャンヌ両名の婚約を認める!」
ジャンヌ「蓮!」
蓮「……ジャンヌ」
ジャンヌ「ん……」
チュッ
デンバット「〜♪」
ミイネ「メイデン様ー!」キャー
チビマルコ「」
ラキスト「………結構。では私はこれにて」バサッ
蓮「待て、星組の神父」
蓮「そこで寝ている防弾メガネに伝えておけ。北京標準時において、明後日の08:00、道家の所有する決戦場にて待つとな」
ラキスト「ふむ………?」
蓮「この場を誤魔化したところでどこかで納得させない限りどうせそのメガネは何処までも追ってくる。
………ならば、いっそ迎え撃って叩き潰した方が手っ取り早い」
蓮「ジャンヌ」
ジャンヌ「あ、はい!」
蓮「お前の休暇はあと丸一日残っているのだろう?」
ミイネ「その気になれば、一週間でも一カ月でも伸ばせますが!」wktk
デンバット「やめとけ……腐れメガ……じゃなかった、マルコ隊長の胃が穴だらけになる」
チビマルコ「」
ジャンヌ「行くって、何処へですか?」
蓮「決まっている。俺の家だ」
ジャンヌ「ええっ!?」
ジャンヌ「だってそんな急に……」モジモジ
蓮「何を言う。結婚相手を紹介するのだぞ。早い方がいいに決まっている……それに約束しただろう」
ジャンヌ「え?」
蓮「本場の中華を食べさせてやる、とな」ニヤッ
ジャンヌ「蓮……大好きです!」ギュッ
ピッポッパ
Prrrrrrrr
蓮「……ブロッケンか。オレだ。大至急北京空港の滑走路を押さえろ。
……言い訳は聞かん!政府高官にわいろでも何でも渡してでも何とかしろ!」
蓮「それとだな、本家の姉さんに来客の準備をしておくよう伝えておけ。
……うむ。中華のフルコースで頼む」
蓮「………それと、ザンチンへの見舞金は……ああ、俺のポケットマネーから多目に包んでくれ」
蓮「よし、準備はいいか、ジャンヌ」
ジャンヌ「はい!
ミイネ!ジョン!」
ミイネ&デンバット「「はっ!」」
ミイネ&ジョン「エーーーーーーックス!!」ビシッ
蓮「では行くぞ!」
ジャンヌ「はい、蓮!」
………………
………
―――中国・道家
ババーン!
蓮「オヤジ!姉さん!帰ったぞ!」
潤「おかえりなさい、蓮」ニコニコ
円「蓮!!貴様何を考えているのだ!」
円「何がもクソもないわ!予定を繰り上げて帰ってくると言いだしたかとおもったら婚約した?
相手を連れてくる?
バカも休み休み言え!!!」
ジャンヌ「!」ビクッ
蓮「大声を出すなクソ親父。ジャンヌが怯えているだろうが」
円「うるさい!!大体だな……」
いらっしゃいメイデンちゃん。遠くからよく来たわね」
ジャンヌ「あ、はい。あの、蓮のお姉様、ですよね?」
潤「そうよ。道潤。よろしくね」ニコニコ
ジャンヌ「はい!よろしくおねがいします!」ペコッ
潤「……素直ないい子ではないですか」ヒソッ
円「ム……」
潤「ハイハイ。全く、そういうところ気が利かないんだから。ねぇ?」
ジャンヌ「いえ……そこが蓮のいいところです」
潤「ま。ヤケるわね」クスクス
円「」
………………
………
――――晩さん会
珍「ハァーーーーッハッハッハッハ!!!まさか休暇中に嫁を見つけてくるとはのう!!!」カッカッカ
蘭「もぅ、お父様ったら笑いすぎですわ。でも……オホホホ」
ジャンヌ「………///」
蘭「あら、ごめんなさい」オホホ
円「…………」ボロッ
蘭「……素敵な格好ね、アナタ」
円「フン!」
潤「ジャンヌちゃん、道家の味はお口に合うかしら?」
ジャンヌ「はい!とても美味しいです」
潤「そう、よかった」
ジャンヌ「あっ、これは潤さんが……」
潤「もうっ、『姉さん』って呼んで、ってさっき言ったでしょう?」
蓮「姉さん」
潤「ハイハイ、いじめてゴメンゴメン」
円「」ムッスー
蘭「アナタ、いい加減にしないと怒りますわよ」
円「………蓮」
円「お前の見合い相手は中国中に30人以上はいるのだぞ。お前が成人するまで見合いはしないなどとほざくから待たせているというのに、それに対して弁明はないのか」
ジャンヌ「蓮……」
蓮「ならば逆に聞くぞクソ親父。………そのなかにジャンヌよりも強い女がいるか?」
円「ウグッ!」
蓮「ジャンヌは世界でも数えるほどしかいない神クラスだ。俺などよりもはるかに強いぞ」
ジャンヌ「…………」
蓮「『高貴さは血筋にあらず、心に在り』」
円「何だ?それは」
蓮「今回の休暇中に感銘を受けた言葉だ。ドイツの格言だそうだ」
蓮「そいつらがどの程度の生まれかは知らんが、コイツよりも高潔な心を持った人間がいるなら連れてこい」
蓮「………もう一度だけ言うぞ、親父」
円「む?」
蓮「コレ以上ジャンヌを愚弄するならば、貴様も道家1800年の英霊の一人にしてやる」
ジャンヌ「蓮………!!」
円「」
言うようになったではないか、蓮!!ハッハッハッハ!!!」
珍「いやー今日は実に目出度いな!そうは思わぬか!のう円!!」
円「…………風に当たってくる」ガタッ
蘭「やれやれ、すっかり拗ねてしまって……私が慰めてまいりますわ」
ジャンヌ「い、いえ!私は未成年ですので……」
珍「目出度い席ぞ!堅いことを言うな!道家秘伝の紹興酒は悪酔いせんのだぞ?」ホレホレ
潤「おじい様、飲みすぎですわ」
珍「何じゃ、潤までそんな冷たいことをいうのか?」
珍「むぅ」
潤「かわいくありませんわよ、おじい様」
珍「……フフ」
ハーーーーッハッハッハ!
蓮「フッ」
ジャンヌ「うふふふふ」ケラケラ
ならば蓮、貴様が飲め!
ふっ、ふざけるなジジイ!
蓮のいいとこみってみったい♪
そーれイッキ、イッキ、イッキ♪
ジャンヌ!お前そんな下品なことを何処で覚えたのだ!!
え?いつもX-LAWSの打ち上げでマルコが………
あんの腐れメガネエエエエエエエエ!!
円「…………」
蘭「混ざりたいんですか?」
円「違うわ!」
蘭「まぁ、意地張っちゃって」
円「………蘭」
蘭「何ですか、アナタ」
蘭「そのセリフ、3年遅いんじゃなくて?」
円「それはそうなのだが……」
蘭「どうしたのですか?」
円「……一言くらいわしに相談してくれてもよかったのではないか?」
蘭「仕方がありませんわ。アナタ、あの子たちに信用されていませんもの」
円「………蓮」ショボン
ゆるすまじ
ガタッ
ぐぬぬ…
………………
………
―――夜半
パチッ
蓮「今日はこの部屋を使ってくれ。最上級の客間だ」
ジャンヌ「うわぁ……とても素敵なお部屋です!」
ジャンヌ「とても!」
蓮「……ジャンヌ」
ギュッ
ジャンヌ「あっ……」
蓮「あの時は腐れメガ……マルコの邪魔が入ってちゃんと言えなかったからな。
もう一度、聞いてくれるか?」
ジャンヌ「………はい」ギュゥ
蓮「俺と結婚してくれ、ジャンヌ」
ジャンヌ「……不束者ですが、よろしくお願いいたします!!」
………………
………
―――翌日 AM 07:58
ビュオーーーーーーーゥ
蓮「…………」
馬孫「ぼっちゃま」
蓮「!…………来たか」
マルコ「道蓮!メイデン様を誑かすだけでは飽き足らず、ラキスト神父と共謀してメイデン様を拐すとは!!
許すまじ!!」
蓮「逃げずにやってきたことは褒めてやろう!!だが今日こそはその眼鏡、
力の限りたたき割って貴様の墓標にしてくれるわ!!!」
マルコ「ほざくな下郎!!メイデン様は何処にいる!」
マルコ「呼び捨て禁止!!」
蓮「黙れ!!大体呼び方を間違えているのは貴様の方だ!!」
マルコ「何を!?」
マルコ「!!!!!!!!
きっさまぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
蓮「さぁかかってこい腐れメガネ!!俺に手傷の一つでもつけられたら、親族席に座らせてやらんでもないぞ!!」
マルコ「死刑(デス・ペナルティ)!!!!!!」
蓮「九天応元雷声普化天尊!!!!!」
終わり
「いいですか?たまおさん……あちらのOKAMIさんの言うことをちゃーんと聞くのですよ?」
「はい、ははうえ!」
「ほら、あなたからも何か言ってください」
「む……羽目は外すなよ。お前を向こうにやる目的を見失うな。いいな」
「はい、ちちうえ!」
「はっ!」
「黽を頼むぞ」
「ははっ!ぼっちゃまのことは、この馬孫めにお任せくださいませ!!」
「はい社長」
「任せてよ」
「はいよ」
「うむ、では黽、気をつけてな」ナデナデ
「はい!」
「大丈夫だろうか……」
「たまおさんの所ですもの。心配ありませんわ」
「……そうだな」
「心配ですか?」
「当然だ。愛するわが子が手元を離れるのはつらいさ」
「子ども相手にヤキモチをやくな、みっともない」
「最近言ってくださらないから」
「フッ……全く困った嫁だな」
「うふふっ」
「――――愛しているよ、ジャンヌ」
「私もです、蓮」
おしまい
完全版とマンタリテの内容を極限まで拡大解釈した結果が今回のお話でした。
いかがだったでしょうか?
今日は連投規制・さるさん・そしてなぜかブチブチ切れる回線との戦いでした。
それでは保守・支援・そして読了、本当にありがとうございました。
いずれまたの機会にお会いしましょう!
エロは無理でした。体力的にも技術てr(ry
これだけはマジ誰か書いてってレベルで無理。
チョコラブ「シャーマンキングゼロ・1巻好評発売中!
…………ってこれ俺に言わせんのか!?」
乙!
Entry ⇒ 2012.06.05 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
クーデリア「ロロナと一緒にお昼寝したい……な」チラッ
クーデリア「……え?」
ロリナ「あっ、くーちゃん!」
クーデリア「ロロナ……よね。む、む、昔の……」
クーデリア「……かわいいっ! かわいすぎるわあんた!」
クーデリア「ねえねえ何で小さくなっちゃったの? あたしよりちょっと小さいぐらいよね」
ロリナ「ん〜……分かんない」
こんな感じでまず自分より小さい事に喜びそう
ロリナ「だって分かんないもん……」
クーデリア「そ、そう……。ハッ、まさかあの薄気味悪いアストリッドじゃないでしょうね」
ロリナ「あっちゃん? あっちゃんなら後でくるよー」
クーデリア「そう……後で説明して貰わないと」
冒険者「あのー依頼を……」
クーデリア「え? ああはい。待っててねロロナ、ちょっと仕事があるから……」
ロリナ「うん!」
アストリッド「おお、くーちゃん。久しぶりだな」
クーデリア「くーちゃん言……もうそれはどうでもいいわ! どうしてロロナがこんな小さくなってるのよ!」
アストリッド「ふふふ、実はな……」
〜〜
クーデリア「ふうん、若返りの薬ね……。で、ロロナを実験台にしたわけ?」
アストリッド「実験とは失礼な! 実験は他の人に……」
クーデリア「……」
アストリッド「ともかく、気合を入れすぎてロロナを14歳よりもっと若くしてしまったのだ」
アストリッド「ん、まあ……そうなるな」
クーデリア「記憶も、幼くなったから飛んでるんでしょ? 早く元に戻してあげなさいよ」
アストリッド「う、それがちょっと調合する材料を集めるのに手間取っててな……」
クーデリア「いつも人任せにしてぐーたら寝て何処かふらついてるあんたが? 信じらんないわよ」
アストリッド「こう見えても私は毎日、危険な所に行って材料を集めてるんだぞ。それともロロナはこのまま、小さい方がいいか?」
クーデリア「い……良くない! あんまりあたしの事も覚えてないんだし!」
クーデリア「えっ? あ、後でね……」
ロリナ「やーだー! 今あそぶの!」グイッ
アストリッド「……しばらくくーちゃんが面倒を見てくれないか?」
クーデリア「な、なんであたしが!」
アストリッド「危ない所によく行くからな。ロロナを魔物から守ってやれないかも知れないだろう?」
クーデリア「わ、わざわざ連れて行く事ないじゃない!」
アストリッド「あ〜、あれだ。遊び相手だ。お前に任せる」
クーデリア「あたしは仕事があるのよ!」
アストリッド「お前にしか任せられないんだ」
アストリッド「ロロナのアトリエも近いし、材料さえ揃えればすぐに元に戻す薬が作れる」
アストリッド「必要な材料は、夜の領域という場所にある。ここからなら一週間ぐらいで行けるからな」
クーデリア「……その間までロロナを預かればいいのね?」
アストリッド「そうだ。では頼んだ!」ダッ
クーデリア「あっ! まだ預かるなんて言ってないわよ!!」
クーデリア「わ、分かったわよ……」
ロリナ「こっちこっち!」ダッ
クーデリア「ごめんっ今日は休みに! 後は任せるわ!」ダッ
受付嬢「えっ先輩?」
ロリナ「あ〜! 何か懐かしい!」
クーデリア「そ、そうね……」
クーデリア「鍵はこのタルに……あったあった」
クーデリア「この家でおままごとするのね?」ガチャッ
ロリナ「うん!」
ロリナ「えーっと、じゃあくーちゃんはお父さんで、ロロナはお母さんで……えーと……」
クーデリア「ん?」(配役が無茶苦茶ね……)
ロリナ「ん〜……一人足りない」
クーデリア「そ、そう……。ところで、ロロナ……あたしのこのペンダント、覚えてる?」
ロリナ「……さあ?」
クーデリア「そう、あたしの事……どれぐらい覚えてる?」
ロリナ「だいじょーぶって言ってくれて。えと、それから……」
クーデリア「もう十分よ。ロロナ、ありがとう。」(幼い頃の記憶は覚えててくれてる……)
ロリナ「じゃあ、絵本描いてていい?」
クーデリア「ええ、良いわよ」
ロリナ「じゃあ、パイの絵かこーっと!」
クーデリア「へえ、上手じゃない」(何処かで聞いた事あるわね……)
ロリナ「これは、暗黒パイ! 食べたら倒れちゃうの!」
クーデリア「そ、そう……」(っていうかこれロロナが作ってたパイじゃない!)
ロリナ「これは生きてるパイ! これはね……」
クーデリア「寝ちゃったわね……」
ロリナ「ん……」スースー
クーデリア「ソファーで寝るのも、ロロナっちゃロロナよね……」
クーデリア「こんなロロナのかわいい寝顔を見るの、もう十五年以上前、か……」
クーデリア「まるで過去に戻ったみたい……」
クーデリア「何で今はツンツンしちゃうんだか」
クーデリア「……ロロナが元の姿に戻ったら、ちゃんと言おうかな。正直な気持ちを」
クーデリア「……なんてあたしらしくもない! 今日は休みだしたまには昼寝も良いわよね! おやすみ、ロロナ」
ロリナ「う〜……くーちゃん?」ユサユサ
クーデリア「ん……もう夕方!?」
ロリナ「お腹空いた〜」
クーデリア「そうね、レストラン行きましょう」
――レストラン
イクセル「お、クーデリア……と、そのちっさい子……」
イクセル「ん? 何か見た事あるな……」
クーデリア「ロロナよ」
ロリナ「えへへ、いっくんひさしぶり!」
クーデリア「アストリッドのせいで若返ったのよ。9歳ぐらい……かしら?」
イクセル「まじかよ……」ジー
ロリナ「ねえ料理作ってーお腹空いた!」
イクセル「お、おう……待ってろよ。お子様用の料理は〜っと……」
ロリナ「わー! さすがいっくん!」
クーデリア「意外にかわいい料理作れるじゃない」
イクセル「まあな、味はどうだ? ロロナ」
ロリナ「おいしい!」モグモグ
イクセル「そいつはよかった。で、こいつどうするんだ?」
クーデリア「しばらく預かってるわ」
イクセル「預かってるって……仕事はどうすんだよ?」
クーデリア「預かってる間、休みを貰うわ。愛しのジオ様には悪いけど……」
イクセル「俺も休み貰いたいぐらいなのにちきしょう……」
イクセル「ったく、お前ほんと昔からロロナ好きだよな」
クーデリア「う、うるさい」
ロリナ「くーちゃん、ロロナのこと好きなの?」モグモグ
クーデリア「そ、そうよ……昔からの……友達だから」
ロリナ「えへへ」
クーデリア「ええ、頑張りなさいよ」
イクセル「そっちもな」スタスタ
――――
ロリナ「またいっくんの料理食べたいな〜」
クーデリア「また今度ね」
♪♪♪
クーデリア「……この音色……まさか」
タントリス「愛しい君……何処へ行く〜♪」
クーデリア「相変わらず気持ち悪い歌ね」
タントリス「おっ、君はクーデリア……、そして可愛らしい子……」
クーデリア「何か犯罪者のにおいがするわねそのセリフ」
クーデリア「つるつる……あははっ!」
タントリス「うっ……頭の話はやめて貰えないかな……」
タントリス「ところで、君は誰だい?」
ロリナ「ふえ? えっと、ロロライナ・フリクセル、です!」
タントリス「……そうか……」
クーデリア「な、何でビックリしないのよ。おかしいでしょ普通」
クーデリア「はあ……」(やっぱり頭イカれてるのかしらね)
ロリナ「ねー、早くおうちに帰りたい!」グイ
クーデリア「そうね。じゃっまた来週ぐらいに会いましょう!」
タントリス「えっ? どうして小さくなったんだい? しかも明日じゃ……」
クーデリア「風の声で分かったんでしょ。仕事は来週ぐらいまで休み取ったから、後は受付嬢に任せて。じゃ」スタスタ
タントリス「え? ちょっと……」
タントリス「行ったか……。まあいいや、あの子が居ない今、受付嬢さんを口説けるチャンスだ」
ロリナ「ねむたい……」ウツラウツラ
クーデリア「まだ7時過ぎね……」
クーデリア「やる事も無いし……あの女の部屋は鍵かかってるし」
クーデリア「……あたしも家に帰らないと」
ロリナ「え? くーちゃん、帰っちゃうの?」
クーデリア「ごめんねロロナ、正直……一人にさせるのは不安だけど、一度帰らなきゃ……」
ロリナ「ええ! やだ! 夜こわいもん……」
クーデリア「そうよね……じゃ、今日はずっと居てあげる」
ロリナ「うん!」
クーデリア「ロロナ、起きなさい」ユサユサ
ロリナ「ん〜……後一時間……」
クーデリア「バカ言ってるんじゃないわよ……」
ロリナ「えへへ……おはよう!」
クーデリア「さ、朝食を作っておいたから顔を洗って、手を洗って、歯を磨いて?」
ロリナ「はーい」
ロリナ「うん」スタスタ
クーデリア「やっぱり私もついていくわ」(だいぶ昔、落っこちそうになってたし)
――
ロリナ「うう……重い」ググッ
クーデリア「貸して。う……水、入れすぎよ」
クーデリア「頂きます」
ロリナ「頂きます!」
ロリナ「……」ヒョイ
クーデリア「こら。野菜を退けない!」
ロリナ「苦いもん、ピーマン」
クーデリア「はあ〜……」(そういえばピーマンが嫌いだったっけ……)
ロリナ「あ、このステッキほしい!」
クーデリア「ええ? 結構かわいいけど……」
ティファナ「ロロナちゃん、小さくなっててかわいいわ……」
クーデリア「た、確かにかわいいけど……記憶とか、結構忘れちゃってるのよね……」
ティファナ「でも、元に戻れば思い出すんでしょう? アストリッドさんならきっと、うまくやってくれるわ」
クーデリア「はあ……」
クーデリア「……私も、思うわ」
ロリナ「これ、ください!」
ティファナ「はい、15コールになります」
クーデリア「ありがとう、ティファナさん。」
ティファナ「またロロナちゃんのかわいい姿、見せてね」
ロリナ「はい! ありがとうございましたっ!」
クーデリア「あ、リオネラ……」
リオネラ「クーデリア、さん……と、その子は……」
クーデリア「ああ、この子はね……。ほら、自己紹介」
ロリナ「ロロライナ・フリクセルです! ロロナって呼んでね〜」ペコ
リオネラ「ロロナ……ちゃん、なの? えっ?」
ホロホロ「おいおいしばらく見ないうちにずいぶん小さくなったな」
アラーニャ「あのロロナちゃんが? 信じられない……」
リオネラ「そう、なんですか……はあ……」ジー
ロリナ「え〜と、じゃあじゃあ……りおちゃん、って呼んでいい?」
リオネラ「! もちろん良いよっ、ロロナちゃん……」
クーデリア「……忘れてても仲良さそうね」
ホロホロ「大丈夫かよこのちっこいロロナ。大人になっても危なっかしい奴だったし」
アラーニャ「失礼よ。ごめんなさいね」
クーデリア「ま、まあ否定はしないわ……」
リオネラ「そ、そう? これは大道芸の衣装で……」
ロリナ「何、それ?」
リオネラ「じゃあ、見せてあげるね!」
――
リオネラ「きっと出来るよ。ロロナちゃん」
クーデリア「ねえ、この前までアランヤ村に行ってたんじゃなかった?」
リオネラ「うん、自信を付ける為に向こうで大道芸やってたの……」
クーデリア「そう……詳しくは聞かないけど。あんたにしては、頑張ったわね」
リオネラ「そうかな……。まだ、人見知りしちゃうから……」
ロリナ「人見知り? ロロナもするよ。でも、りおちゃんにはしなかったよ?」
リオネラ「ふふ、それは前にも会ったことあるからだよ」
ロリナ「んー、よく言われるけど思い出せない……」
リオネラ「そのうち思い出すよ。ロロナちゃん、安心して」
ロリナ「? うん……」
リオネラ「そろそろ、二回目の準備しなきゃ……」
クーデリア「頑張りなさいよ! それじゃあ、またね!」
リオネラ「クーデリアさんも、気をつけてね。ロロナちゃんも……」
ロリナ「ばいばい! りおちゃん!」
アラーニャ「分からないわね、あの人の考える事だから……」
リオネラ「ふ、二人とも……あの人の事、悪く言わないで」
ホロホロ「はいはい悪かったよ」
アラーニャ「ロロナちゃんが元に戻ったら、とっておきのを見せてあげるんでしょ?」
リオネラ「う、うん……まだ見せないのに、緊張しちゃう……」
ホロホロ「さ、早くお客さん待たせてるし行こうぜ」
アラーニャ「自信もって!」
リオネラ「! うん……!」
クーデリア「そろそろあの女が帰ってくる頃だっけ……いや、後一週間かー」
アストリッド「ただいま」
クーデリア「って、帰ってきた……」
アストリッド「トラベルゲートは便利だからな」
クーデリア「ああ、トトリが持ってたわねそれ」
アストリッド「確かに持っていたな。流石、弟子2号だ。私のはそれを上回る性能だがな」
クーデリア「で、ちゃんと材料採ってきたのよね?」
クーデリア「リオネラの芸を観に行ってるわ」
アストリッド「ああ、りおちゃんか……」
クーデリア「で、その元に戻す薬、何日かかるの?」
アストリッド「そうだな、天才の私にかかれば三日ほどか」
クーデリア「結構かかるのね」
アストリッド「普通の奴がやれば一年はかかるだろうな。ロロナでも一週間ぐらい必要だな」
クーデリア「ふうん、結構すごいのね、あんた」
クーデリア「へえ、どんな?」
アストリッド「封印していた竜を呼び覚ましてしまった」
クーデリア「冗談でしょ……」
アストリッド「いいや、冗談ではない。しかも夜の領域からはこの国が一番近い、だから……滅ぼしてくるかもしれん」
クーデリア「ちょ、じゃあすぐに避難を呼びかけないと!」
アストリッド「それはやめてくれ。私の立場が無くなってしまう。だからな、弟子2号……トトリが居るだろう?」
クーデリア「え、でもトトリはアールズに派遣されて……」
アストリッド「緊急の用事とか言ってとりあえずアーランドに帰ってもらえ」
クーデリア「……本当なのよね?」
アストリッド「ああ、別にトトリを実験台にしようなんて思ってはいない」
クーデリア「……」
トトリ「じゃあ、私はアーランドに帰るね」
メルル「うん……」
トトリ「すぐ帰ってくると思うから安心して?」
メルル「だ、だってまだトトリ先生にいっぱい教えてもらいたい事が……」
トトリ「ほむくんとほむちゃんが知ってるから大丈夫だよ、メルルちゃん」
ほむくん「はい、材料や調合方法は全て暗記してあります」
ほむちゃん「ですから何も問題はありません、ピコマスター」
メルル「調合とかじゃなくて! トトリ先生がいないと寂しいよお!」
トトリ「もう、わがまま言わないで……しばらくの辛抱だから。ね?」
メルル「はい……」
ロロナ「あ〜トトリちゃんだ!」
トトリ「わわ! ろ、ロロナ先生?」
〜略〜
トトリ「はあ……そうなんですか」
トトリ「って、じゃあ緊急で呼び出されたのって……」
アストリッド「ああ、それはただこんな話をしに呼び戻したわけじゃないぞ」
アストリッド「ほら、魔女とよく言われていただろうトトリよ」
アストリッド「あの冒険者の頃を思い出せ」
トトリ「冒険者の頃って……別にぷにを叩いてたり爆弾投げつけてたりドラゴンをN/Aで爆殺してたり……」
アストリッド「それだそれ、ドラゴンを最後のN/Aで爆殺だ」
クーデリア「結構、あたしが思ってた以上の強さなのね……」
ロロナ「トトリちゃんは凄いんだよ〜」
アストリッド「弟子だというのに怖く感じてしまうな」
トトリ「えへへ……」
トトリ「はあ……えええええ!?」
アストリッド「正直、あんな奴は私でも手に負えん。だから頼む」
トトリ「そそ、そんな無理ですよアストリッドさんですら手に負えないなんて……」
アストリッド「人手が足りないんだよ。出来る限り街に入る前に食い止めたいんだが」
トトリ「え〜と、じゃあとりあえずドナークリスタルでおびき寄せれば……」
アストリッド「そうそう、それからラケーテレヘルンで周りを凍らせてブレスで森林火災が発生しないようにして……」
クーデリア「……なんか恐ろしいわね」
ロリナ「皆、お出かけするの?」
クーデリア「私とロロナはお留守番よ。ついていっちゃ絶対駄目よ」
ロリナ「はーい……」
アストリッド「お前がいたから助かった。多分、あの竜は数日後に襲ってくるだろうな」
トトリ「まだ余裕がありますね……でも、どうして竜が目覚めたんですか?」
アストリッド「……」
トトリ「あの……」
アストリッド「ロロナを元に戻すための材料、『竜の卵』が必要だったんだ。あれには別名、時の卵と言われててだな……」
トトリ「あ、聞いた事あります!」
アストリッド「幻級のレアなんだぞ。取らずにいられるか」
トトリ「まあ、気持ちは分かります」
クーデリア「あ、あのさ……その竜って一匹なわけ?」
アストリッド「分からん」
アストリッド「ああいうタイプは群れで行動するからな……正直、参ってる」
トトリ「じゃ、じゃあ二人だけじゃ足りませんよ!」
トトリ「凄い冒険者とか……あ! メルお姉ちゃん! マークさんも!」
アストリッド「あ〜……増えるのは構わんがな、私のせいでっていうのはちょっと、な……」
トトリ「黙っておきますけど……」
クーデリア「……ミミは?」
トトリ「あ、そっか。トラベルゲートで皆連れて帰ればいいんだ」
アストリッド「おい待て。それはまずい」
トトリ「ど、どうしてですか?」
アストリッド「急にこのアトリエにプロの冒険者が大量に入っていったら怪しまれるに決まってる」
アストリッド「色々と都合が悪いんだ」
トトリ「こんな緊急事態な時にわがまま言わないでください!」
トトリ「とりあえず出来る限り、私の知ってる人みんな連れて行きます!」
アストリッド「うう……」
――ある程度集合、ロロナのアトリエ
ジーノ「強いんだよな? 相当」
ミミ「と、トトリが来いって言うから来ただけで……」
マーク「私の科学の力が必要になるなんてね」
メルヴィア「久しぶりね〜トトリ」
アストリッド「いや〜すまんな」(なんだ、ステルクの奴は来ていないのか……)
ジーノ「おしっ、じゃあそのドラゴンさっさとぶっ倒そうぜ」
マーク「マクヴェリオン……久々に使う時がくるとはね」
クーデリア「あ、あの時は悪かったわね、トトリ……こいつの仕業だとは思わなかったわ」
トトリ「いえ……」
ミミ「敵の数は不明……ま、これぐらいいれば大丈夫でしょ」
メルヴィア「そうね〜、久々に腕が鳴るわ」
アストリッド「じゃあ各自、適当に後は頼んだ」
ロリナ「う〜……いっぱい人きてる……」
ミミ「……」(どうせならトトリに飲ませれば良かったのに)
ジーノ「まあ、ドラゴン退治してれば戻ってるんじゃねーのか?」
マーク「きっとそうなるだろうね。また競い合いたいものだ」
クーデリア「じゃあ、戦ってる間、あんたは呑気に調合してるわけ?」
アストリッド「ああ、これだけの人数が居れば私がいなくても多分大丈夫だろう」
クーデリア「まあ、そうね……」
ミミ「任せて。私一人で退治してあげるから」
トトリ「無茶しちゃ駄目だよ」
ミミ「え、ええ!」
クーデリア(相変わらずね、ミミも)
トトリ「やっぱり旅人の靴は楽で良いや〜」
ミミ「これ、凄いわね……」
トトリ「でしょ? 最大まで性能を引き上げたんだよ」
ミミ「……はあ」
――旅人の街道
ジーノ「トトリが先頭なんてずるいだろ〜」
メルヴィア「ぶっちゃけ、あの子ら二人でぜんぶ倒すんじゃない……?」
マーク「マクヴェリオンを出して街の近くに置いておいたから防衛もバッチリだよ」
メルヴィア「きっと今頃、大騒ぎしてるわよねー」
\グオオオ……/
トトリ「!」
ミミ「ちょっとあの量……」
トトリ「わ、思ったより多い……どうしよう」
ミミ「まあ何とかなるでしょ」
トトリ「そうかなぁ……とりあえずラケーテレヘルン!」ポイッ
――ロロナのアトリエ
アストリッド「思ったより早く完成したな……」
ロリナ「ほえ?」
アストリッド「ほれ、飲め」
ロリナ「やだー!」
クーデリア「ロロナ、お願い! 飲んで!」
ロリナ「いやったらいや!」
アストリッド「私を信じないのか」
クーデリア「ええ」
アストリッド「大丈夫だ、ちゃんと14歳になるようにしてある」
クーデリア「ちょ、ちょっと! 元に戻すって言ったじゃない!」
アストリッド「元に戻すというのは、私が当初計画していた、ロロナを14歳にする事だろう?」
クーデリア「は、はぁ!? そっちじゃないわよ! ちゃんと元のロロナに戻してよ!」
アストリッド「分かった分かった、はぁ、せっかく作ったのに。また数時間かかる羽目に……」
クーデリア「あんたが悪いんでしょうが」
トトリ「N/A投げるよ!」ポイッ
ミミ「あ〜もう色々と何か飛び散っていくわね!」グサッ
トトリ「もう一個!」ポイッ
ミミ「もう二匹倒したの!?」
――旅人の街道
ジーノ「こねーな」
メルヴィア「そのうち凄まじいスピードで戻ってくるでしょ、きっと」
マーク「油断は禁物だよ……ほらきた!」ダッ
ジーノ「おっしゃー! って、一匹だけかよ!」ダッ
メルヴィア「さっさと角もらって帰ろうかな!」タアッ
トトリ「あ、リーダーっぽい真っ黒なドラゴンが」
ミミ「逃がすかっ! トトリ!」
トトリ「え〜っと、ドナークリスタル! あっ、外しちゃった」
ミミ「ちょっと! あんたあのドラゴンを追いかけてなさい! こいつらは私が!」
トトリ「気をつけてね!」
――旅人の街道
ジーノ「おっ、今度は強そうなドラゴンがきたぞ!」
メルヴィア「何か他のやつと雰囲気違うけど……」
マーク「僕たちを無視して街に行こうとしている! こいっマクヴェリオン!」
ロロナ「うぅ……」
クーデリア「ロロナ!? 大丈夫?」
ロロナ「う、うん……」ハァハァ
アストリッド「高熱か、副作用かもな」
クーデリア「副作用……って、これだけで済むのよね!?」
アストリッド「さあな……」
クーデリア「さあな、って……何よ! もう!! 天才とか言ってる癖にっ!」
アストリッド「そう怒るな。すまんなロロナ……少し休んでろ」
クーデリア「ロロナ……」
ロロナ「元の姿、戻ったから……」スースー
クーデリア「うん……」
アストリッド「まあ、この賢者のハーブを飲ませればすぐ良くなるだろう」
アストリッド「さて、外が騒がしいがまさか……」
クーデリア「え……?」
ジーノ「……マクヴェリオン、なんか押されてないか?」
メルヴィア「ここを死守しないと街が……」
トトリ「デュプリケイト、N/A、デュプリケイト、N/A……」パンパンパン
ミミ「早くしなさい!」
トトリ「わわ、急かさないでよ……」
トトリ「えーい!」ポイポイポイポイ
マーク「ああ! マクヴェリオンに当てるな!!」
トトリ「ごめんなさい!!」
ジーノ「おう!」ダッ
メルヴィア「はいよ!」ダッ
――城門
アストリッド「ふむ……もうここまで来るとは、早いな……」
クーデリア「どど、どうすんのよ! 街の人みんな見てるじゃない!」
リオネラ「あ、クーデリアさん……これは?」
イクセル「なんか戦争やってる見たいだな……」
タントリス「……少女達が恐れも無く戦うとはね……」
ティファナ「まあ……ここに来ないと良いけど……」
メリオダス「おいトリスタン! さっさと仕事……なんじゃありゃ」
クーデリア「くー……、何でよ?」
アストリッド「いいから、あれでケリをつける」
クーデリア「? 分かったわ」ダッ
――
ジーノ「くっそーこりゃきついな……」
ミミ「硬すぎる……」
トトリ「ええと、デュプリケイト、N/A、デュプリケイト、N/A……」パンパンパン
ミミ「あんたしかダメージ与えられないんだからね!」
メルヴィア「頑張れトトリ〜」
マーク「ああ、僕のマクヴェリオンの装甲がどんどん剥がれていく……」
アストリッド「でかした。後は任せろ」ダッ
クーデリア「ちょ、ちょっと行ったら危ないわよ!」ダッ
――旅人の街道 周辺
アストリッド「この杖はお守りでもあるんだ」
クーデリア「え?」
アストリッド「ロロナが今まで、魔法のような技を使っていただろう。あれはこの杖の魔力を使って出してるんだ」
クーデリア「は、はあ……」
アストリッド「正直、この杖に秘められた魔力は無限大だろうな……私も正直こんな凄いものを作るとは思わなかった」
クーデリア「だ、だから何なのよ! あのドラゴンに何する気?」
アストリッド「この杖で、封印する」
クーデリア「封印、って……」
アストリッド「というか、ボールのように丸くする訳だな」
クーデリア「そ、そんな事できるの!?」
アストリッド「まあついてからのお楽しみだ」
トトリ「あ、アストリッドさん! クーデリアさんも!」
アストリッド「とりあえずあいつをおびき寄せろ。後は私がやる」シュッ
クーデリア「……あたしもちょっとだけ協力してあげる」カチッ
ミミ「動きは私が止めてあげるわ」ダッ
マーク「マクヴェリオン! 押さえつけろ!」ポチ
ジーノ「おっしゃー俺は脚を切っておくか!」ダッ
メルヴィア「岩でも投げつけてあげようかしらね〜……」グッ
アストリッド「……今だ!」
アストリッド「とりゃあ!」バシイイイイイ
……
……
ドラゴン「……」ピョンピョン
アストリッド「ふふふ、うまくいった。そうだな……技名……『ぷちおしおき』にしてやろう」
クーデリア「ぷち所じゃないでしょ……」
トトリ「じゃ、じゃあ爆弾でやっちゃっていいかな……?」
ジーノ「あー! 俺がトドメ刺す!」
ミミ「ちょっと私が……」
マーク「マクヴェリオン! 踏み潰せ!」
メルヴィア「させるかあああああ!」ブンッ
クーデリア「とりゃあ!」ブチッ
アストリッド「うわあ、手で殺すとは……」
クーデリア「しょ、しょうがないでしょ。銃じゃ当たらないし」
ジーノ「あーあ、もう終わりか」
ミミ「そうね、なんだかんだで昔のメンバー、結構集まってたわよね」
トトリ「う〜ん、ステルクさんがいたらな……」
アストリッド「あんな奴はどうでも良い。何処かの国のお姫様に夢中なんだからな」
トトリ「あ! 早くアールズに帰らなきゃ、メルルちゃん達が心配してるよ!」
ジーノ「えー、もう帰んのか?」
メルヴィア「もうちょっとゆっくりしても良いでしょ。これでも皆、生死の戦いしてたんだし」
マーク「マクヴェリオン……」
トトリ「ごめんなさい……」
トトリ「あ! ロロナ先生が……」
クーデリア「やっと元に戻ったわよ」
ロロナ「……トトリちゃん……」
トトリ「こんなに熱が出て……ええと賢者のハーブ!」
アストリッド「コンテナにあるぞ」
トトリ「本当だ、すり潰して……」
クーデリア「あ、あのさ……後はあたしがやるから先にレストラン、行ってなさいよ」
トトリ「え? でも……」
クーデリア「良いって、行きなさいよ」
トトリ「じゃあ……先生、また後で」
ロロナ「うん、ありがとね……」
クーデリア「え? ちょっ……。はあ……」
ロロナ「ねえ、くーちゃん……」
クーデリア「ん? 何?」
ロロナ「元に戻ったら……言ってくれるって言ったよね」
クーデリア「えっ!? な、なんの事よ……」
ロロナ「え〜ずるい。無かった事にするなんて」
クーデリア「な、なんで知ってるのよ。だってあんた寝てたのに……」
ロロナ「えへへ、ぼーっとしてて、くーちゃんの声が頭に響いてて……」
ロロナ「そのまま気持ちよくてあの時は寝ちゃって忘れたけど」
ロロナ「ちゃんと私を大事にしてくれてたんだね……」
クーデリア「そ、そりゃあ友達だし……」
ロロナ「親友、じゃないかなあ……」
クーデリア「……親友……」
ロロナ「ペンダント貰ったのも、ちゃんと思い出したよ」
クーデリア「っ……」
ロロナ「多分、傷ついてたよね……くーちゃん。辛そうだった」
クーデリア「べ、別に……どうせすぐ元に戻るから……」
ロロナ「一時的でも、悲しいのは悲しいよ。私でもくーちゃんと同じ気分になるかも」
ロロナ「くーちゃん、今までありがとう。これからもずっと私の親友で居てね」
クーデリア「ぁ……!」グス
クーデリア「は、ハーブすり潰さないと……」クルッ
ロロナ「あ、私……熱あるんだった」クラクラ
ロロナ「うぅ、喋りすぎて気持ち悪い……」
クーデリア「あ〜あ、しっかりしてなさい。今飲ませるから……ほら」
ロロナ「あ〜ん……」パク
ロロナ「うう、苦い……」
クーデリア「我慢しなさい、ほらさっさと寝る!」
クーデリア「えっ!? な、何……?」ドキドキ
ロロナ「大好き」
クーデリア「あ、たしも……」
クーデリア「……好き……」
ロロナ「うん」
終わり
アトリエSS誰一人書かないから遅筆即興ながらも……
おやすみ
乙
この二人は友情と百合の間くらいの微妙な関係がとても良いと思うの
乙
Entry ⇒ 2012.06.05 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
カズマ「最近かなみの様子がおかしいんだけどよ」 劉鳳「……」
劉鳳「なぜそれを俺に言う」
カズマ「まともそうなのがお前だけだったんだよ!」
劉鳳「お前の友人はどうした」
カズマ「君島かぁ?……なんかわかんねぇけど、めんどくさくなりそうなんだよ」
劉鳳「クーガーは……」
カズマ「なに言ってんのかわかんなくなると思う」
劉鳳「……それもそうだな」
カズマ「…で、どうすりゃいいと思う?」
劉鳳「俺にもよく分からん、そもそもかなみの様子がどうおかしいんだ」
カズマ「どう……ってなぁ」
カズマ「なんつーか…あんまり面と向かって話さなくなったな」
かなみ『カ、カズくん はい、お昼ごはん』
カズマ『ん、おお、ワリィな』
かなみ『だ、大丈夫だよ……』タッタッタッ
カズマ『お、おい、かなみ!』
劉鳳「ふむ……」
劉鳳「どこか体調がおかしいのかもしれんぞ」
カズマ「それも考えたんだが……本人に聞いてもなんでもないって言うんだ」
劉鳳「……」
カズマ「……」
劉鳳「分からんな」
カズマ「やっぱりか」
劉鳳「どういう意味だ」イラッ
カズマ「最初から期待してねぇってことだよ」ヘラッ
劉鳳「人を頼っておいてその言い草か……絶影!!」
カズマ「ハッ!やろうってのかよ、いいぜぇ!!」
―― ドンガラガッシャーン
社長「で、この有様ってわけですか」
劉鳳「すまん……」
クーガー「水くせぇなぁカズヤ!そんなことならもっと早く、最速に!俺に相談すればよかっただろう」
カズマ「カズマだぁ!……あんたに相談するとまともな答えが帰ってこねぇ気がするんだよ」
君島「でもよぉ、そのかなみちゃんのその反応って、答えがまんまでてるようなもんだろ?」
カズマ「いたのかよお前」
君島「ひっでぇ!」
劉鳳「……で、かなみの反応の正体とはなんだ?」
社長「それは…」
クーガー「おぉっと!野暮なマネはするなぁ! ここはひとつ、カズヤ自身に気づかせたほうが面白…文化的だろう!」
カズマ「おい、面白いってなんだぁ!」
君島「ま、たしかに昔っからお前はそんなんだからな、そろそろ改善したほうがいいぜ?」
劉鳳「ついでにバカなところもな」
カズマ「バカは余計だぁ!大体『そんな』ってどんなだよ!」
クーガー「『そんな』は『そんな』だ!このバカチンがぁ!」
カズマ「ぐっ!よりよってバカの『さいじょーきゅー』ってやつを…」
社長(たしかに、そろそろカズマとかなみちゃんの関係もなぁなぁで済ませていい物じゃなくなってきますし、丁度いいかもしれませんね)
水守「最近、カズマくんを見てると胸が苦しい?」
かなみ「はい、そうなんです…そのせいで、カズくんともあまり話せなくなって…」
シェリス「んっふっふー、乙女ねぇかなみちゃん!でも大丈夫、私達もその問題に何年も付き合ってきたわ!」
水守(付き合ってきただけで、解決はしてないんだけれど……)
かなみ「そ、そうなんですか?」
シェリス「ええ!だから、その悩みの正体をズバリ言うわよ!」
水守「シェリスさん、ちょっと古過ぎやしないかしら……」
シェリス「かなみちゃんの悩みの正体、それはね……」
ドゥルルルルルル……
かなみ「は、はい…」
ルルルルルル…
水守「どこから聞こえてくるの?この音楽……」
ルルルルルル……
シェリス「それは……」
ルルルルルr…
かなみ「それは……?」
ドゥドゥン!
シェリス「ズバリ!恋よ!!!」
かなみ「こ、こい?」カー…
シェリス「そう、恋!例えば私達としては劉鳳と一緒にいたいし、キスしたいし、押し倒してラブラブチュッチュしたい!そういう感情が恋よ!!」
水守「うん、後半はあなただけね」
かなみ「ら、らぶらぶちゅっちゅ?」
水守「かなみちゃんはしらなくていいのよ。あの娘、半分頭おかしくなってるから」
シェリス「し、失礼ね!私が頭おかしいっていうなら水守さん、あなたも相当よ!」
水守「なにがかしら……」
シェリス「そのペンダント!」
水守「…これがどうかしたのかしら?」
シェリス「――のウラに付いているチップの中身を私は知っている!」
水守「なっ?!」
シェリス「3GBにわたる劉鳳の(隠し撮り)写真の数々……HDDの中にいたっては「言わないでー!!」」
水守「うぅ…いつの間に……」
シェリス「敵情視察は常識よ!
かなみ(ついていけない……)
かなみ「あ、あのう」
水守「ハッ!ご、ゴメンね、かなみちゃん……コホン!ようするに、恋っていうのはその人のことをもっと知りたいとか、色んな表情を見たいっていう想いよ」
シェリス(水守さんが言うと生々しい)
水守「かなみちゃんは、カズマくんにそういう想いを持ってるかしら?」
シェリス(そして、うまくまとめた)
かなみ「もっと…はい、多分あります、私の中に」
かなみ「…あと、カズくんに喜んで欲しいとか、ずっと一緒にいたいとか……色んな想いが…」
シェリス「あはは……プラトニックね、水 守 さ ん と 違 っ て」
水守「そうかしら?個人的にはシェリスさんよりはマシだと思ってるわ、あなたのソレは既に腐れ爛れた肉欲よ」
シェリス「うふふ〜♪」
水守「ふふふ♪」
かなみ(なんだか怖い……今のうちに出たほうがいいかも、また来ます水守さん、シェリスさん)
劉鳳「というか、俺はもう帰りたいんだが」
クーガー「おーいおいおいおい、面白いところはこっからだぜぇ?劉鳳、それにこれはお前さんにも関係ある」
劉鳳「……なに?」
社長「ああー…大いにありますね」
君島「劉鳳くんに関係ありすぎて宇宙がヤバイ!だな」
劉鳳「ええい!俺にも関係あるのならさっさと教えろ!」
カズマ「全くだ!気づくって、俺が何かしたのかよ!」
クーガー「ん〜したといえば、したし してないといえば、してない」
カズマ「だぁ!さっきから一々もったいぶんなよ!『最速』がアンタの信条だろうが!」
クーガー「ああ、確かに俺は最速を求める、しかしなこれはお前の問題だ
己の心の想い、そして相手の想いを悟ろうとせずに生きれば
いつか必ず破滅がやってくる、そして何よりも文化文明とは
考えることからも始まるのだ!あらゆる実験思考証明過ちを繰り返し
人類はここまで進歩してきた!これは恋愛や人間関係にも同じことが言える
アイツは今何を考えているのか、何をして欲しいのか、そうしたことを
いち早く察し、それに応えてやる!それがあらゆる人間関係を円滑にし
何よりも自分の人生における速さを挙げてくれる秘訣なのだァ!」
君島「……なに言ってるか、分かったか?」
社長「はじまりだけ……」
カズマ「わ、わけわかんねぇこと速攻で言いやがって……」
劉鳳「いやまて、クーガー……いま貴様、「恋」と言ったか?」
クーガー「……さ、さぁ〜何のことやら」
社長(言っちゃいましたね)
君島(口滑らせたな)
カズマ「こい、だぁ?」
クーガー「……ああ、恋だ!そういったさ!」
君島「開き直った!」
クーガー「過ちを悔いても始まらない!俺は俺の道を最速で走り抜けるだけだ!」
社長「いや、カッコつけてもダメですよ」
カズマ「こい、こい……」
劉鳳「恋愛、というやつか…なるほど」
カズマ「な、なにテメェ一人で納得してやがる!」
劉鳳「ふん、どうせ貴様のことだ、「こい」という文字も「恋」とは分からんのだろう」
カズマ「こいこいうっせぇ!!」
劉鳳「恋…すなわち恋愛とはだ」
クーガー「おぉ〜っと劉鳳、お前の広辞苑的な知識じゃぁ、カズヤは理解できん」
劉鳳「……それもそうだな、実体験のあるやつから聞いたほうがいいだろう」
カズマ「さり気なくバカにしやがったな」
君島「事実だろーカズくん それじゃ、一番成功例を叩き出してるあすかくんからどうぞぉ!」
社長「ぼ、僕ですか?!」
―
カズマ「よーするに、かなみのやつは俺と一緒にいると「ドキドキ」ってやつがすんのか」
劉鳳「そのせいで顔も見てられないというわけだな」
カズマ「イマイチわっかんねぇなぁ」
社長「まぁ、こればっかりは実際になってみないと……」
君島「っていうかよ、お前はかなみちゃんのことどう思ってるんだ?」
クーガー「ああ、それをいの一番に聞くべきだったな」
カズマ「俺がかなみのことをどう思ってるかぁ……?」
カズマ「……難しい言葉じゃ言えねぇけど『題字』とか『耐雪』ってやつか?」
社長「カズマ、字が違います。「大事」に「大切」です」
君島「おほほうおほほう……中々なアンサーが帰って来ましたなぁ兄貴」ニヤニヤ
クーガー「全くだぁ、思ったより心配はしらんかもな」ニヤニヤ
劉鳳「何故ニヤついてるんだ」
カズマ「気味わりぃ……」
社長「とりあえず、カズマ あの二人のことは置いといて、対策を教えます」
カズマ「本当か?!やっぱアンタは頼りになんな!」
社長「ありがとうございます そうですね…まず、カズマは今までと同じ感じでかなみちゃんと接していいです」
カズマ「そうなのか……?」
劉鳳「コイツのいつもどおりはお前のいつもどおりと随分違う感じがするが」
カズマ「うっせぇな!人がマジメに聞いてんだから入って来んじゃねぇ!」
社長「そして……出来れば」
カズマ「あん?」
社長「さっきの言葉を、かなみちゃんにも言ってあげて下さい」
カズマ「さっきのって……「大切」とかか?」
社長「ええ、あなたの態度でも分かっているでしょうが、やっぱり一度くらいは言葉で言わないと……」
カズマ「そうか、分かった!あんがとな、橘!早速帰るわ!」
社長「ええ、お気をつけて」
クーガー「……俺たちは無視か」
君島「全く、恩知らずなやつだ!」
劉鳳「いや、当たり前だと思うが……さて、今度こそ俺も帰らせてもらうぞ」
クーガー「おぉーっと、待ったぁぁ!!お前さんの方にも関係があると言ったろ!」
君島「ねぇねぇ劉鳳くん劉鳳くん、結局君はあの二人のどっちを選ぶのん?」
劉鳳「何のことだ!いいから帰らせろ!」
クーガー「おいおい、今更知らんぷりはないだろう……?」
君島「うまくいかないとnice boat!クー!羨ましいねぇ!!」
社長「ご愁傷様です、劉鳳……」
ワイワイガヤガヤ
――
―
カズマ「戻ったぞぉ、かなみぃ」ガチャッ
かなみ「あ、カズくん!お、おかえりなさい…」
カズマ「……」
かなみ「……」ソワソワ
かなみ(カズくんだ…なにを話せばいいんだろう……)
かなみ(恋をしちゃったの……とかだめだよね!ダメダメ!!その前に言えないよ!」
カズマ「うぉ?!いきなりどうした、かなみ」
かなみ「あ、ううん なんでもないよ」
カズマ「そうか……」
かなみ「うん……」
カズマ「……」
かなみ「……」ソワソワ
かなみ(いきなり叫んで…吃驚しただろうな……嫌われたり、しないよね?)ウルッ
かなみ(だ、大丈夫だよ!カズくんだもん、本当は、だれよりも優しいんだもん……)グスッ
かなみ「だけど、だけどぉ…うぇぇっ!」
カズマ「か、かなみ?!お、落ち着け!何があった?あの黒蛇野郎にでもなんかされたか?!だ、だったら今すぐぶっ飛ば……」アタフタ
かなみ「違う、違うよカズくん…!どこも、どこにも行かないで!」
カズマ「……かなみ」
かなみ「最近、おかしいの カズくんがいないと寂しくて寂しくて、どうしようもなくて……」
かなみ「だけど、一緒にいたらいたで……なんだか胸が苦しくて……」
もっと増えてほしいものだ
カズマ「かなみ」
ギュッ
かなみ「へ?」
カズマ「大丈夫だ、俺はどこにも行かねぇ 行ったとしても、速攻で戻ってきてやる」
ナデナデ
かなみ「ほんとう……?」
かなみ(カズくんに、抱きしめられて、なでられてる……安心する)
カズマ「ああ、本当だ」
カズマ「……ははっ情けねぇな、俺は」
かなみ「カズくん?」
カズマ「お前が泣くまで、行動もできねぇなんてよ なぁにがシェルブリットのカズマだ」
かなみ「どういう……?」
カズマ「かなみ、いいか?よく聞いとけ」
かなみ「う、うん」ドキドキ
かなみ(まさか……まさか…?!)
カズマ「俺はな、お前のことが……」
かなみ「うん、うん……!」ドキドキドキドキ
かなみ(だ、大丈夫だよね、年齢差なんて…!
カズマ「いっちばん守ってやりてぇ、そばに居てやりてぇ……笑っていてもらいてぇんだ」
社長『僕の場合、キャミーのことが大好きです、あの娘を泣かせるのなら、どんな者であろうとも倒すというくらいに』
カズマ(こういうことかよ、橘……「大好き」っつーのはよ)
かなみ「!!」
かなみ「ふぇ、ふぇぇえええ」
カズマ「か、かなみ?!どうしてまた……!やっぱどっか痛ぇのか?!」
かなみ「違う、違うよぉ、嬉しいの!とっても……とっても!嬉しいの!!」
カッコ良いのにロリコンなのか
やめてよね
ロリコンが認められない世界は嫌なんだ!
かなみ「わたしも、私も大好きだよぉ!カズくん!!」ヒック
カズマ「ああ、ありがとな…俺も、大好きだ」
―――
――
―
夢を、夢を見ていたんです。
とても幸せで幸せな夢を
大好きな大好きなあの人のことを
私は、久しぶりに見ていました……。
かなみ「カズくん!早く起きないと君島さん来ちゃうよ!」
カズマ「んー…今何時だぁ…」
かなみ「もう8時!ほら、着替えて着替えて!」
カズマ「おー……」
だけど、今は夢を見なくても、あの人の側に居られます。
とっても幸福で、夢なんじゃないのかと想うほど幸福な毎日を、送ることができています。
夢のなかじゃないあの人は、ちょっぴりだらしないけど、いつまでも私との約束を守ってくれる
私の一番大好きな……いえ、世界で一番愛してる人です!
おわり
http://www.animax.co.jp/program/NN10001207
上手い事纏まった終わり方だった
その後の展開期待していいのかな
乙
Entry ⇒ 2012.05.25 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
魚見「私はタカくんの事が好きです」シノ「…私もだ」
魚見「どうしよう、勉強がはかどらない」
魚見「…初めて出会った時から気になっちゃった」
魚見「それからは何かと理由をつけてタカくんに会いに行ったなあ」
魚見「…もう、親戚としてじゃなくて、タカくんの彼女として側に居たい」
魚見「何かいいきっかけはないかな…」prrrr
魚見「電話だ。え〜と、コトミちゃんからだ」ピッ
魚見「もしもし」
魚見「こんにちは、コトミちゃん」
コトミ『こんにちは〜、お姉ちゃん』
コトミ『えぇと、ちょっとお願いを聞いてもらえたらと思って電話したんですけど、いいですか?』
魚見「はい、私に出来る範囲でなら構いませんよ?」
コトミ『実は、お父さんとお母さんが出張に出かけてしまって、明日までタカ兄と二人だけなんです』
コトミ『タカ兄も生徒会の仕事で何時に帰るのか分からなくて』
コトミ『私が晩御飯の用意でもしようかなと思ったけど、よく考えたら私は料理下手で』
コトミ『だから、お姉ちゃんさえ良ければお願いしようかな、なんて思って』
魚見「コトミちゃん、何か食べたい料理はありますか?」
コトミ『…じゃあ、お姉ちゃんの得意料理が食べたいです!』
魚見「私の得意料理ですか…、シチューなんてどうです?」
コトミ『シチューですか!私、大好きなんです!』
魚見「じゃあ、それで決まりですね。今から買い物をして行きますね」
コトミ『は〜い。楽しみにして待ってま〜す!』ピッ
魚見「………」
魚見「やったあ♪」
桜才学園・生徒会室
シノ(………)
シノ(………はぁ)
シノ(津田の事が好きで堪らなくなってしまった)
シノ(最初は服装の身だしなみを注意したのが切っ掛けだったな)
シノ(あの時は、半ば無理矢理に生徒会に誘ったけど)
シノ(今では立派に私の右腕として働いてくれている)
シノ(もう、津田の居ない生徒会なんて考えられないな)
シノ(………)
?「会長!聞こえていますか?」
シノ「わぁっ!?何だ、津田!驚かすな!」プンプン
タカトシ「すみません、会長。何度も声を掛けたんですけど、気づいていなかったみたいで」
シノ「あぁ、すまん。ちょっと考え事をな」
タカトシ「何かあったんですか?…オレで良かったら相談に乗りますけど」
シノ「特に大した事じゃないから大丈夫だ」
シノ(お前の事を考えていたなんて言えない)
シノ「ふむ………、特に間違った所は無いな」チラッ
シノ「おや?もうこんな時間か。今日はこれで終わりにしよう」
タカトシ「でしたら、お先に失礼しますね」
シノ「そんなに急いでどうしたんだ?」
タカトシ「実は、両親が出張に出かけていまして」
タカトシ「コトミ一人でずっと留守番させているのもアレなんで、早く帰ろうかと」
シノ「そうか。じゃあ早く家に帰ってやれ」
タカトシ「ありがとうございます、会長。じゃあ失礼します」
シノ「ああ。また来週な」
やはりお姉ちゃん属性は強力なのか
シノ「多分、津田兄妹の事だから、晩御飯は弁当とか、インスタントで済ませそうだ」
シノ「栄養が偏ってしまうから、しっかりとした物を食べて欲しいのだが」
シノ「…仕方ない。私が何か夕食のお裾分けでもしに行くか」
シノ「いや、別に津田に会いたい訳じゃないんだからな!」
シノ「って、私は何で一人ではしゃいでいるんだ…」
帰り道
タカトシ「今日は疲れたなあ」
タカトシ「父さんと母さんは出張で居ないし、夕飯の準備どうしようかなあ」
タカトシ「…まあ、レトルトかなんかでいいか」
タカトシ「どうせコトミは何もしていないだろうし」
津田家
タカトシ「ただいまーー」
魚見「お帰りなさい」
タカトシ「………」
タカトシ「えっ?」
魚見「ご飯にしますか?お風呂にしますか?それともーー」
タカトシ「いやいやいや。何で魚見さんがウチに居るんですか?」
魚見「『お姉ちゃん』」
タカトシ「は?」
魚見「『お姉ちゃん』と呼ぶって約束しましたよね?」
タカトシ(あー、面倒だな…)
タカトシ「どうしてお姉ちゃんが居るんですか?」
魚見「それは後で説明しますから、とりあえず中に入って、着替えてきてくれませんか?」
タカトシ「あっ、はい」
リビング
魚見「実は、お昼頃にコトミちゃんから電話がありまして」
魚見「ご両親が出張で居ないとの事なので、頼まれて晩御飯を作りに来ました」
タカトシ「そうだったんですか。わざわざすみません」
魚見「気にしなくても大丈夫ですよ?どうせ今日はヒマでしたし」
魚見「私達は親戚同士ですから、お互い助け合うのは当然です」
魚見「でも、帰りがこんなに遅くなるなら、連絡くらいして下さいね?」
タカトシ「はぁ(来るならオレにも連絡して欲しかったんだが…)」
魚見「裸エプロンで待ってたけど、タカくんの帰りが遅いから、風邪引きそうになったので結局、服着ちゃいました」
タカトシ「あはは…(それは家事の項目に入らないと思う)」ピンポーン
タカトシ「あ、誰かお客かな?」
シノ『あっ、津田か。私だ』
タカトシ「あれ、会長ですか?」
シノ『ちょっと外が寒いから、お邪魔していいか?』
タカトシ「そうですね、どうぞあがって下さい」カチャ
シノ「お邪魔します」
魚見「あら、天草さん。どうも」ペコリ
シノ「あ、ウオミーも来ていたのか」
シノ(何で彼女が居るんだ?)
シノ(それも、エプロン姿で!)アセアセ
シノ「ああ、君が帰る時に、ご両親が出張で居ないと言っていただろ?」
シノ「食事の準備も大変だからな、夕食のお裾分けをと思ってだな…」
タカトシ「会長、ありがとうございます。わざわざ持って来てくださるなんて」
シノ「え…、いや…その、作りすぎただけだ!」アセアセ
コトミ「え?何を作りすぎたんですか?」ヒョコ
魚見「想像妊娠による子供ですよ」
コトミ「じゃあ、私もう、叔母さんに、なっちゃうのか〜」
シノ「…よし、津田?ツッコんでくれないか」
タカトシ「ツッコミはオレの本業じゃないんですけどね」
キッチン
シノ「ところで、ウオミーは何を作っているんだ?」
魚見「コトミちゃんのリクエストで、シチューです」
魚見「シノっちは何を?」
タカトシ(シノっち?)
シノ「私は肉じゃがだが…、和風と洋風になったな」
魚見「ちょっとアンバランスになりましたね」
タカトシ「それに、いろんな味が楽しめそうで嬉しいです」
シノ「おぉ…、そうか、津田がそう言ってくれるなら問題ないな」
魚見「良かったですね」
魚見「じゃあ、私もいいですか?」
タカトシ「でしたら、冷蔵庫の中の物は好きに使って下さい」
シノ「よし、任せておけ!」
魚見「………」ジュワァァ
シノ(あの手捌きは、ウオミーなかなかやるな!)ジュウジュウ
魚見(シノっちも。いつも料理している人は、手際の方もさすがですね)ジュワァァ
魚見(しかし、姉キャラポジションを確たるものにするためにも、負けられません!)
コトミ「まるで…そう!界○拳みたい!!
タカトシ(こいつはいつから厨二病を患うようになったんだろうか)
シノ「どうぞ召し上がれ」スッ
魚見「私の方もどうぞ」サッ
タカトシ・コトミ「「いただきます」」パクッ
コトミ「このシチュー、とっても美味しいです!こっちの肉じゃがも!」
タカトシ「ほんとだ、やっぱり料理上手の人って良いですよね」
シノ「そうか?まあ、料理は出来て当たり前だからな」
魚見「このくらいは出来て当然です」
シノ・魚見(津田に(タカくんに褒められた!嬉しい!)グッ
タカトシ・コトミ「「ごちそうさまでした」」
シノ・魚見「「おそまつさまです」」
シノ「じゃあ、後片付けをーー」
タカトシ「わざわざ作ってくれたんですから、オレ達でやりますよ」
タカトシ「それに、もう遅いですし、そろそろお二人は帰った方が」
シノ「ふむ、もうこんな時間か。そうだなーー」
魚見「え?泊まっちゃ駄目?」
タカトシ・シノ「「へ?」」ギョッ
タカトシ「そう言われると、そうなんですが(実際どうなんだ?)」
コトミ「お姉ちゃん、泊まっていくんですか?」
魚見「はい。そのつもりで着替えとかも用意して来ましたし」
コトミ「ねぇ、タカ兄?せっかくだから泊まっていってもらおうよ」
タカトシ「ちょ…、泊まるっていうのは…」
魚見「気にしなくても大丈夫ですよ、ちゃんと親には言って来ましたから」
タカトシ(いや、そんな意味で言ったんじゃないんだけど)
シノ「あぁ!こんな時間だと、一人で帰るのはちょっと恐いなあ!」
シノ「と言う訳で、私も泊まって構わないか、コトミ?」
コトミ「えっ、私に聞くんですか?…でも、全然問題ないですよ!」
シノ「そうか!じゃあ、遠慮なく泊まらせてもらおう!」
タカトシ(あれっ?オレ無視されてる?…まぁ確かに、会長一人で帰るのも危険だし、客間で寝てもらえればいいか)
いろいろあって1時間後
コトミ「シノさん、私のパジャマきつくないですか?」
シノ「あぁ、大丈夫だ」
コトミ「それは良かったです」
シノ(アリアが着た時は、きつそうに見えたのに、やはりムネの差か…)ストーン
タカトシ「会長?どうかしましたか?」
シノ「いや、なんでもない!!」クワッ
タカトシ「はぁ(何で怒られたんだ?)」
さらに1時間後
コトミ「………」グー
コトミ「おなかすいちゃった」
魚見「じゃあ、お夜食でも作りましょうか?」
シノ「では、料理対決第2ラウンドだな!」
魚見「私も負けるつもりはありませんよ?」
タカトシ「どうした、コトミ?」
コトミ「いいなぁ、私もあんな、『好敵手=とも』が欲しいなぁ」
タカトシ「そうなんだ(何故か、コトミが言うと違う字になるんだよな)」
さらにさらに1時間後
タカトシ「会長、魚見さ…お姉ちゃん、客間に布団を敷いておいたのでどうぞ」
シノ「わざわざすまないな」
魚見「ありがとうタカくん」
コトミ「ふわぁ〜、お休みなさいタカ兄、シノさん、お姉ちゃん」ユラッ
魚見「お休みなさいコトミちゃん」
タカトシ「じゃあオレも部屋に戻るので、二人はゆっくりして下さい」
シノ「お言葉に甘えるとしようか。お休み、津田」
魚見「タカくんお休みなさい」ニコッ
タカトシ「はい、お休みなさい」
客間
シノ「あまり迷惑掛けないように私達も寝るとするか」
魚見「そうしましょうか」
・・・・・
魚見「………」
シノ「………」
魚見「シノさん?」
シノ「どうしたウオミー?」
魚見「一人で帰るのが危ないならタカくんに送ってもらえば良かったですし」
魚見「…ひょっとしてタカくんの事が好きだからなんですか?」
シノ「なっ、何をバカな事を!私が津田の事を好きだなんて…」
魚見「そうですよね。主従に愛なんて必要ないですもんね」
シノ「えっ?ワタシと津田ってそう見えるの?」
魚見「ここからは真剣に聞きますね?」
魚見「さっきの反応からしてシノさんはタカくんの事が好き」
魚見「間違い無いですね?」
シノ「………」
魚見「私はタカくんの事が好きです」
魚見「出来る事なら親戚同士の関係じゃなくて、ちゃんとタカくんの彼女になってお付き合いしたいです」
魚見「シノさんはどうお考えなんですか?」
シノ「………」
シノ「…私もだ。私も津田の事が好きだ」
シノ「生徒会の会長・副会長の関係ではなく恋人になりたいと思っている」
シノ「これが私の津田に対する気持ちだ」
魚見「………」
シノ「そうだな」
魚見「………」
シノ「………」
魚見「…でも、正直言ってシノさんと大切な人を奪い合う関係にはなりたくありません」
シノ「私も同じ気持ちだ」
シノ「何か良いアイデアでもあるのか?」
魚見「はい。私もシノさんもタカくんの事が好き」
魚見「だけどお互いに奪い合いはしたくない」
魚見「だったら、二人でタカくんを共有するのはどうでしょうか?」
シノ「………」
魚見「ですよね?二股は世間的に良くないですが」
シノ「お互いに同意の上なら問題無い」
魚見「私もシノさんも、これからも良い関係でいたいですし」
シノ「私もそう思っている」
魚見「タカくんだって最初は戸惑うでしょうけど、内心は嬉しく思うはずです」
シノ「こんな美少女二人を彼女に出来るんだからな」
シノ「今からか?さすがにこの時間じゃ迷惑じゃないか?」
魚見「いえ、善は急げと言いますし、年頃の女の子と一つ屋根の下ですよ?緊張して寝れないはずです」
シノ「もしかしたら私達をオカズに勤しんでいるかもしれないな」
魚見「それは…、ちょっと嬉しいですね」
魚見「じゃあ行きますか?」
シノ「ああ」
タカトシの部屋
タカトシ「………」
タカトシ「………」
タカトシ「………ふぅ」
コンコン
タカトシ「ん?コトミか?」
タカトシ「はーい」
魚見『私ですが、お邪魔していいですか?』
シノ『私もいるぞ』
タカトシ(廊下で待たせるのもアレだし、とりあえず……どうぞ」ガチャ
シノ・魚見「お邪魔します」
タカトシ「こんな遅くに2人ともどうしたんですか?」
シノ「夜這いしに来た」
タカトシ「はぁ?」
シノ「冗談だ。…冗談にしたくないけどな」
魚見「タカくん、ちょっと聞いて欲しい話があるのでよろしいですか」
タカトシ「…まあ大丈夫ですよ。ベッドの端で良かったら腰掛けて下さい」
魚見「失礼します」ドサッ
シノ「よっと」ドサッ
タカトシ「それで、話ってなんですか?」
俺の隣で寝てるよ
タカトシ「えっ?いや今は別に居ないですよ。校則にも校内恋愛禁止ってありますし」
魚見「そうですか(よかった)」ホッ
シノ「そうか(よかった)」ホッ
シノ「じゃあ…その…好きな人は、付き合いたい人は居るのか?」
タカトシ「そう急に言われても…」
魚見「そして、その人は私達の目の前に居ます」
タカトシ「それって…」
シノ「ああ。私は津田、お前の事が好きだ」
魚見「私も。私もタカくんの事が好きです」
シノ・魚見「「私とお付き合いして下さい」」
タカトシ(…オレの事が好きだったら良いのになとは思っていたけど、まさか二人ともで、両想いだったなんて)
魚見「私とシノさんを彼女にしてくれますか?」
タカトシ「…ええと、オレは二人ともを彼女にしろって事ですか?」
魚見「その通りです」
タカトシ「それでいいんですか?周りから二股掛けられてるなんて言われるんじゃ?」
シノ「外野の声なんて気にする事は無い。私もウオミーも互いに納得しての決断だからな」
魚見「そうすれば誰も傷つく事が無いですから」
シノ「ああ」
魚見「はい」
タカトシ「…分かりました。こんなオレで良かったら二人ともよろしくお願いします」
タカトシ「実はオレも前から二人の事が好きでした」
シノ「…ありがとう津田」ニコッ
魚見「…よろしくお願いしますタカくん」ニコッ
タカトシ「まさかこんな展開になるとは思わなかったですよ」
シノ「私も晩御飯のお裾分けしに来ただけだったのにな」
シノ「学校ではいつも通りに会長と副会長の関係でいいな?校外で付き合うなら校則違反にもなるまい」
タカトシ「そうすべきですね」
魚見「私は学校が違うからなかなか会えませんけど、二人きりな時やシノさんも含めて三人の時はしっかりと愛して下さいね?」
タカトシ「はい、頑張ります」
魚見「そうしましょう」
タカトシ「ですね…って、何でオレのベッドで寝ようとしてるんですか!」
シノ「何でって…」
魚見「私達、恋人同士になったのでしょう?」
シノ「だったら一緒に寝るのはおかしくないな」
タカトシ「いやいやいや」
シノ「何かやましい事を考えてないか?」
タカトシ「そんな訳…会長のおっしゃる通りです。すみません」
タカトシ「そんな事は」
シノ「まあ津田ならへんな気は起こさないと信じてるからな?」
タカトシ「はぁ…、分かりました。観念します」
魚見「では、私とシノさんを挟んで真ん中にお願いします」
タカトシ「まさかこんなオチが待っていようとは…」
シノ「でも嫌じゃないだろ?」
タカトシ「…はい」
タカトシ「ちょっと会長!ひっつき過ぎですよ!」
シノ「『シノ』」
タカトシ「えっ?」
シノ「シノって呼んでくれ。そしてお前の事を…タカトシって呼んでいいか?」
タカトシ「…分かりました。シノさん、お休みなさい」
シノ「あぁ、お休みタカトシ……」
タカトシ「ええと」
魚見「まだ私の名前は決まってないですもんね」
魚見「今まで通りにお姉ちゃんと呼んでくれませんか?」
タカトシ「はい。お休みなさいお姉ちゃん」
魚見「うん。お休みなさいタカくん」
シノ・魚見「ZZzzz」ピタッ
タカトシ(寝れない)
タカトシ(2人がオレの彼女か…、絶対に悲しませる事だけはしないように気をつけよう)
タカトシ(………)
タカトシ「ZZzzz」
シノ・魚見「ZZzzz」ピタッ
翌朝9時頃・リビング
タカトシ・シノ・魚見「「「ごちそうさまでした」」」
タカトシ「後片付けはオレがしますね」
魚見「じゃあシノっち、私達はお掃除の準備でもしましょうか」
シノ「そうだな…って、タカトシ?まだコトミは寝ているのか?」
タカトシ「そうみたいですね。後で起こしに行きましょうか」
シノ「そうかもしれないな」
タカトシ「まあ起こしたら、オレ達が恋人同士になった事を説明しないといけませんね」ピンポーン
魚見「誰か来たみたいですね」
タカトシ「すみません、手が離せないのでお願いしていいですか?」
シノ「ああいいぞ」
玄関
アリア「シノちゃん、津田くんちに居るのかな?」
スズ「多分そうでしょう」
シノ「はい、おや?」ガチャ
魚見「どちら様ですか?」チラッ
シノ・魚見・アリア・スズ「………」
アリア「…はっ!」
アリア「4P!?」
タカトシ「コトミを入れるなよ!」
コトミの部屋
コトミ「ZZzzz」スヤスヤ
コトミ「………」
コトミ「タカ兄〜、そんなとこ舐めちゃらめだよぉ〜……」
コトミ「ああん、シノさんもお姉ちゃんもダメですぅ……」
コトミ「あぁぁ…4人でするのって、とっても気持ちがいいよぉ……」
コトミ「………」
コトミ「ZZzzz」スヤスヤ
終わり
主役はシノとウオミーだから今回は脇役で
初めてで拙い感じだったけど見てくれた人ありがとう
最後にウオミーは俺の嫁で、シノさんは俺の恋人
「生徒会副会長まさかの5P!?」とかやってくれそう
おもしろかったよ、乙
Entry ⇒ 2012.05.19 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
バルクホルン「お前は私の妹だからな!」
ミーナ「そうよ。もしもの時、誰とでもロッテを組めるようにしておきたいでしょ。だから試しに部屋を変えてみようと思うの。」
坂本「うむ、普段からコミュニケーションを取っていれば戦闘時にも活かせるかもしれんからな」ハッハッハ
ゲルト「なるほど。理屈は分かった。しかし、ペアはどうするんだ?」
エイラ「わ、ワタシはサーニャと一緒がいいゾ!」
サーニャ「だめよ、エイラ。私達は元々同じ部屋でしょう?別の人と組まないと」
エイラ「ソンナァ〜」
ゲルト(宮藤とペアに…!宮藤とペアに…!)
ペリーヌ(もしかしたら少佐と同じ部屋になるかもしれませんわ!)ハアハア
エイラ(ちぇっ、サーニャと同じ部屋じゃないなら誰とでもいいや…)
エイラ「ワタシはこれだ!」
エイラ「なになに〜、誰と同じナンダ?」
\ウジューヨシカトオナジダー/
\よろしくねサーニャン/
\シャーリーさんと同じですね/
\ハッハッハミーナと一緒か/
\どうしてわたくしだけ一人部屋なんですの〜!/
エイラ「てことは…」
エイラ「あのシスコン大尉と同じか…」ゲェー
エイラ「おい大尉、どうやらワタシ達がペアみたいダゾ?いつまでもヘコんでないで部屋に行こう?」
ゲルト「エイラか…ちっ、妹ではないな…」
エイラ「おい露骨に舌打ちスンジャネーヨ!このシスコン大尉!」
ゲルト「なにを言う!私はシスコンではない!妹達は私の戦う理由そのものだからな」ドヤァ
エイラ(うわぁ…)
ゲルト「なにをボサッとしている。早く部屋へ行くぞ」
エイラ「オイ、待ってくれヨ〜」
ゲルト「荷物の搬入は大体終わったな」
エイラ「ソウダナ。大尉も疲れたろ?コーヒーでも入れてくるよ」
ゲルト「ん?あぁ、頼む」
ゲルト(意外と気がきくんだな)
コポコポ トン
エイラ「ホイヨ。ブラックでよかったダロ?」
ゲルト「ああ、ありがとう。………うむ、おいしいぞ!」
エイラ「そうだろそうだろ〜!コーヒーの淹れ方には自信があるんダ!」ニコッ
ゲルト「…」
エイラ「あっ!それ町で人気のお菓子屋さんのヤツじゃないか!大尉がそんなの買うなんて意外ダナ」
バルク「なっ!べっ、別に私が買ってもいいだろ///包みがかわいいからじゃないぞ!単純に美味しいから買ったんだ!」カァァ
エイラ(勝手に顔真っ赤にして照れてら。そうだ!ちょっとからかってやろっと。)ニシシ
エイラ「なあ食べてもいいのか?」
ゲルト「ああ、いいぞ。好きなだけ食べるといい」
エイラ「やった〜!ワタシこのお菓子大好きなんだ!ありがとう!」ダキッ
ゲルト「エ、エ、エエイラ!!!いっ、いきなりどうした?!」
エイラ(大尉の胸が頬に当たる…///)
ゲルト「〜〜〜〜〜!!!!」
ゲルト(なんだこの可愛らしいのは???いきなりどうしてこんなに甘えてくるのだ???)
ゲルト「じっ自分で食べられるだろう?どうして私がそんなこと…」
エイラ「お願い!オネーチャン!」ウルウル
ゲルト「…………うっ」
エイラ「いきなりどーした?!」ビクッ
ゲルト「……ふぅ、まったくエイラは甘えん坊さんだな」ニコニコ
ゲルト「ほら、私の膝の上においで」パンパン
エイラ「うっ…えっ……」
エイラ(マズイ…大尉のスイッチが入ったゾ…)
ゲルト「ほら、遠慮しないで早く来い。」グイッ
エイラ「う、うん…」チョコン
ゲルト「ふふふ、ほら、お前の好きなクッキーだぞ。あーん」
エイラ「えっえっえっ…いいよ!自分で食べられるヨ…///」カアア
エイラ(うぅ、涙目になっちゃった…。こんなにしおらしい大尉は初めて見たゾ)
エイラ「あーモウ!ほら、食べさせてくれヨ!あーんして!」
ゲルト「う、うん!ほら、あーん」パァァ
エイラ「あーん///…うん、おいしいヨ」
エイラ(普段ハルトマンに怒ってばっかだけど…なんだか笑うとかわいいナ///)
エイラ(もっと見ていたいナ…。もうちょっと甘えてみようかな)
ゲルト「ふふ、おいしいだろう?今度また買ってきてやるからな」
エイラ「オネーチャン、今度はワタシと遊んでくれヨ」
ゲルト「ああいいぞ!何がしたい?トランプでもやるか?それとも外に散歩でもしに行こうか?そうだ、本を読んでやろう」
エイラ「ウン!」ワクワク
エイラ(あれ…?なんだか楽しくなってきたゾ…)
ゲルト「…こうして、いたずら好きのダックスフントは、年増の怖ーいオオカミと眼帯を付けたサムライドーベルマンに叱られて良い子になりましたとさ。めでたしめでたし。エイラ、どうだったか?」
エイラ「……スースー」zzz
ゲルト「ふむ、眠ってしまったか…」
ゲルト(しかし…突然エイラが甘えてきたがどうしたんだ…)
ゲルト(私としたことがついお姉ちゃんなどと呼ばれたものだから興奮してしまった)
エイラ「………………」ゴソッ
ゲルト(しまった!起きてしまったか?)
エイラ「……………ムニャムニャ」
ゲルト「なんだただの寝返りか…。さて、私もそろそろ寝よう。おやすみ、エイラ」
エイラ「………………」パチッ
エイラ(た、大尉がワタシのことをカワイイだって…///)
エイラ(なんだろう…すごく嬉しいゾ///)
ゲルト「起きろエイラ!朝食の時間だ!」バサッ
エイラ「うーん…、分かったから布団を取らないでクレ〜」
ゲルト「私は先に行くから、すぐに来るんだぞ!」バタン
エイラ「……………」
エイラ(姉妹ごっこはもう終わりなのかな…)
食堂
ゲルト(危ないところだった…。まさか寝起きのエイラがあんなにかわいいだなんて…)
ゲルト(さっさと出なければ理性が飛んでいたかもしれん)
ゲルト(それにしてもかわいい…。またお姉ちゃんって呼ばれたい///)
シャーリー「どうしたカタブツ?ニヤニヤして」ニヤニヤ
ゲルト「なっ!別にそんなことは無い!!!」
エーリカ「え〜トゥルーデ、エイラまで妹にする気なの?」
ゲルト「ちっ違う!そこのリベリオンがデタラメを言っているだけだ!」
シャーリー「んなこと言って、顔真っ赤だぜ?図星かあ?」ニヤニヤ
ゲルト「だっ誰がエイラなんて妹にするものか!!!もういい!」ガタン
エーリカ「あーあ、怒って出てっちゃった」
シャーリー「ちょーっとやりすぎちゃったかなあ…」
エイラ「仕方ない、そろそろ起きて食堂に向かうゾ」
「…どうした?エイラを―――する計画でも―――てたか?」
エイラ「ん?食堂からワタシの名前が聞こえたような?」ソローリ
ゲルト「ちっ違う!そこのリベリオンがデタラメを言っているだけだ!」
エイラ「なーんだ、また大尉どうし喧嘩してんのか」
ゲルト「だっ誰がエイラなんて妹にするものか!!!もういい!」
エイラ「えっ…」
エイラ(こっこっちに来る…隠れないと)ササッ
エイラ(バルクホルンがオネーチャンだなんて、どうかしてるよ)
エイラ(結局甘えたかったのはワタシの一方通行だったじゃないか…)ジワッ
エイラ(…………)ダッ
芳佳「あれ…?エイラさん?」
エイラ「…………」
エイラ「………オネーチャン」グスッ
芳佳「どうしたんですか?エイラさん」
エイラ「ミヤフジ?!なっ何でもネーヨ」
芳佳「本当ですか?」
エイラ「ああ、別に…ただぼーっとしてただけダ…」
芳佳「嘘がヘタですね。エイラさん、泣いていますから。」クスッ
エイラ「ち、ちげーよ!!ちょっと…これはアレダヨ。あくびをしただけダヨ」
芳佳「ふふ。エイラさん、横座りますね」
芳佳「ここ、私のお気に入りの場所なんです。なんだかブリタニアでリーネちゃんと友達になった時を思い出せて」
芳佳「私も落ち込んだ時によく来るんです。」
エイラ「………」
エイラ「…話が無いならワタシはもう行くぞ」
芳佳「あっあの…、お姉さん…いるんですか?」
エイラ「…!」
エイラ「ナンダヨ…聞かれてたのかよ」
エイラ「名前はアウロラ。今は502でストライカーの回収班にいるんだ」
芳佳「ストライカー回収班?」
エイラ「まー簡単に言えば不時着したストライカーユニットとウィッチを迎えに行くんだ」
エイラ「一応501にもいるんだぞ?」
芳佳「へ〜、そんな班があったんですね」
エイラ「ああいいぞ!アウロラオネーチャンはスゴイんだぞ〜」
エイラ「なんてったって素手で熊と戦うんだ!」
芳佳「素手で!?」
エイラ「それにスコップでネウロイを撃墜したこともあるんダゾ!」エッヘン
エイラ「ワタシのオネーチャンは本当にスゴイんだ!」
芳佳(お姉さんの話をしているエイラさん…すごく生き生きしてる)
エイラ「小さい頃にワタシの好きな不思議の国のアリスの衣装を作ってくれたりしてナ」
エイラ「ワタシのためにいろいろしてくれたんダ」
エイラ「エェー?そんなことナイッテ」テレテレ
芳佳「お姉さんのことを話すエイラさん、すごく生き生きしてますよ!ほら、さっきまで泣き顔だったのに、今は元気じゃないですか!」
エイラ「………ああ、そうなのかもな」
エイラ「本当はさ…、ワタシ、オネーチャンの事大好きナンダ。もっと甘えたい。」
エイラ「でもまあ、オネーチャンと別れて生活してるのも今まで平気だったんだ。」
エイラ「たまに手紙も書いてるし、オネーチャンも必ず返事を書いてクレル」
エイラ「でもさ…、バルクホルンと同じ部屋になってさ、思い出しちゃったヨ」
エイラ「バルクホルンのヤツ…故郷で一緒に遊んでくれたオネーチャンにそっくりなんダヨ」
エイラ「それで、昨日はバルクホルンに思いっきり甘えちゃったんダ」
芳佳「バルクホルンさんはとっても優しいです!きっと、寂しくなったらまた甘えてもいいと思いますよ!」
エイラ「それは…ムリダナ」
エイラ「バルクホルンが今朝言ってたんだ…。」
エイラ「ミヤフジも食堂にいたから分かるダロ?」
芳佳(ああ、あれは…)
エイラ「ワタシのこと、妹なんかじゃないって!」
エイラ「きっとワタシが甘えるのだって迷惑だったんだ」グスッ
エイラ「それに…昨日の夜カワイイって言ったのもきっと…」
芳佳「バルクホルンさんだって、きっとエイラさんに甘えられて嬉しかったはずです!」
芳佳「ミーナさんが言ってました!私たちは家族だって!そしたら絶対、バルクホルンさんがお姉ちゃんですよ!」
芳佳「きっとあの時は恥ずかしくてつい言ってしまったんだと思います。大丈夫ですよ」
エイラ「ソウカナ………ウン!」
エイラ「そうだよな!なんたって501のオネーチャンなんだからナ!」
エイラ「ワタシの本音、ぶつけてみるヨ!」
芳佳「はい!その意気です!」
芳佳(良かった、エイラさんが元気になって。元気なエイラさんの方が絶対似合ってるよ)
エイラ「アリガトな、ミヤフジ!ワタシを元気づけてくれて」
エイラ「ミヤフジはやっぱり良いヤツだよ」ナデナデ
芳佳「……エイラさん///」キュン
ゲルト「どこ行っていたんだ?朝食にも来なかったらしいじゃないか」
エイラ「ちょっと、訳あってナ…」
ゲルト「まったく、軍人たるものエネルギーの摂取も立派な…
エイラ「大尉!話があるんダ!」
ゲルト「…どうしたんだ?」
エイラ「昨日の夜の事、覚えてるダロ?」
ゲルト「昨日の…!あっあれは…///その…エイラが急にお姉ちゃんなんて…」
エイラ「迷惑だったか?」
ゲルト「そ、そんなことはない!私こそ、浮かれてエイラを子供扱いしてしまったな。すまなかった。」
エイラ「いや、謝らないでくれ。最初、ホントは悪ふざけだったんダヨ」
エイラ「だけど、その…大尉に甘えてみるとさ、あまりにも心地よくって」
エイラ「故郷のオネーチャンを思い出しちゃったんダ」
エイラ「この年になってまでホームシックだなんて…」
ゲルト「…エイラ、さあこっちに来い。」ダキッ
エイラ「うぇ?」
ゲルト「誰しも故郷の家族を思い出して泣くものさ」
ゲルト「もちろん私もだ。だからそのことを恥じることは全くない」
ゲルト「だから寂しくなった時は私たちを頼っていいんだぞ?」
ゲルト「私たちは、家族じゃないか」ギュッ
エイラ「ウン………」グスッ
エイラ「ワタシのオネーチャンでいてくれる?」
エイラ「ずっと、甘えさせてくれる?」
ゲルト「ああ!もちろんだ。なんたって…」
ウーウーウーウーウー
ウジューネウロイダー
ゲルト「警報!くそっこんな時に!」
ゲルト「エイラ、話は後だ!急ぐぞ」ダッ
エイラ「ウン!」
ミーナ「今回の敵は中型1機に小型が5機よ」
ミーナ「イェーガー大尉とルッキーニ少尉、エイラ中尉とペリーヌ中尉でロッテを組んで出撃」
ミーナ「残りのメンバーは基地待機とします。」
ミーナ「各員、出撃準備!」
全員「了解!」
戦闘空域
シャーリー「こちらイェーガー、敵を発見した!これより戦闘に入る!」
シャーリー「エイラとペリーヌ!こっちは中型を狙う!」
シャーリー「そっちで小型を引きつけておいてくれ!」
エイペリ「了解!」
ペリーヌ「トネール!」バリバリダー
エイラ「くそ〜、どんどん子機を出しやがって…」
エイラ「でももう大体終わったんダナ」
エイラ「シャーリーたちは大丈夫そうダナ」
ペリーヌ「ちょっとエイラさん!よそ見しないでくださる!」
エイラ「えっ?あ、しまった!小型に逃げられる!」
エイラ「くっ、追いかけるゾ!」
ペリーヌ「わ、わたくしもう弾がありませんわ!」
エイラ「ならそこで待機しててくれ!」
エイラ「大丈夫、小型1機くらい楽勝ダヨ!」
エイラ「くそっ、随分みんなと離されてしまった」
エイラ「これで、終わりダ!」ダダダッ
エイラ「ふぅ、やっと片付いたゾ!」
エイラ「さっさと皆のところへ戻ろ」
ギュワイウーン!!!
エイラ「ネウロイ!まだ残ってたのか!」
エイラ「くっ、中型が2機も…」
エイラ「まんまとネウロイの手のひらの上で踊らされていたわけか!」
エイラ「もう魔法力も弾も少ないゾ!」
ミーナ「そう、戦闘は終了したのね。お疲れ様」
シャーリー「いや、エイラのやつが小型を追いかけてる間に離れてしまったんだ!」
シャーリー「追いかけようにも私たちにはもう魔法力も弾も残ってないんだ」
ミーナ「なんですって!エイラさんが…!」
ミーナ「エイラさん!聞こえる?応答して!エイラさん!」
ミーナ「通じないわ!」
ゲルト「……………くっ、あのバカ!」ダッ
ミーナ「トゥルーデ!どこへ行くの?待ちなさい!」
エイラ「くそっ!なんて攻撃ダ…」
エイラ「うわっ」ヒュン
エイラ「もうビームを避ける魔法力も残っちゃいない…」
エイラ「大人しくツンツンメガネも連れてこりゃ良かったヨ」
ネウロイキュイーン
エイラ「もうダメだ…ビームが……」
エイラ「誰か!オネーチャン……助けて!!!」
ゲルト「ずおりゃあああああ!!!!!」ダダダダダッ
パリーン
エイラ「バルクホルン!?」
ゲルト「大丈夫かエイラ?」
ゲルト「少し待っていろ、すぐに終わらせる」
ゲルト「よくも!」クワッ
ゲルト「よくも!私の妹をいじめてくれたなあああああ!!!!!」
ゲルト「うおりゃあああああああ!!!!!!!」ダダダダダダダッ
パリーン
エイラ「す、すごい!」
エイラ「………助かった」フッ
ブーン
エイラ「………ん?ここは…」
ゲルト「気がついたか?」
エイラ「わっ!ワタシなんで大尉に背負われて」
ゲルト「戦闘が終わった途端気絶したんだ」
ゲルト「魔法力を限界まで使ったんだ、無理もない。」
ゲルト「基地に着くまで大人しくしてるんだな」
エイラ「すまなかったヨ…ワタシが無茶をするから…大尉にまで迷惑かけて」
ゲルト「全くだ!お陰で私が命令違反までして駆けつけてしまったではないか」
エイラ「えっ?命令違反!?」
エイラ「そ、そんなに心配してくれたのか?」
ゲルト「と、当然だ!なんたって…」
ゲルト「お前は私の妹だからな!」
おわり
サーニャ「エイラ、最近バルクホルン大尉と仲が良さそうね」
エイラ「ソウダロソウダロ~!なんたって自慢のオネーチャンだからな!」フンス
サーニャ「………」
エイラ「今度一緒にお菓子を買いにいくんダ〜」ニコニコ
エイラ「サーニャの分も買ってきてやるからな?」
エイラ「……って、サーニャ…さん?なんか目がコワイヨ?」
サーニャ「…エイラ、そこに正座」
エイラ「わ、ワタシをそんな目で見んナ〜〜〜」
終われ
乙!
他の妹もたのんだ
エイラかわいいよエイラ。
エイラ姉って公式設定だったのか…。
>>81フランス外人傭兵時代モロッコの恐怖と呼ばれ、最強のスナイパーを部下に持ち、弟を無被弾エースに仕立て戦争を生き抜いた漢だよ
Entry ⇒ 2012.05.18 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
宮藤「バルクホルンさんって変態だったんですね!」
宮藤「……」ジー
ゲルト「な、なんだ突然」
ゲルト「私は変態じゃないぞ」ビクビク
宮藤「……」
ゲルト「なんだ?」
宮藤「少しもえっちな事、考えたりしないんですか?」
ゲルト「あ、あぁ…」
宮藤「嘘ですよね?普通ちょっとはありますよ、そういう事」
宮藤「変態!」
ゲルト「!?」
宮藤「やっぱりバルクホルンさんって変態だったんですね!」
ゲルト「ち、違う!お前が、」
宮藤「聞きたくない聞きたくない!!」
宮藤「変態!色情狂!色情魔!色欲魔人!異常性癖!淫乱!ヤリマンガバマンクソビッチ!!」
ゲルト「やり?くそっ…び、なんだって?」
宮藤「変態!」
タッタッタ
ゲルト「……」
サワサワ
ピチャピチャ
ベットリッ
ゲルト「罵られて興奮しているのか、私は…」
リーネ「大変だね芳佳ちゃん」
宮藤「そうなんだよー」
エーリカ「トルゥーデの事悪く言うのはミヤフジでも許さないよ」
宮藤「うわっ!いたんですかハルトマンさん」
エーリカ「撤回してよ」
宮藤「……」
エーリカ「撤回しなよ」
宮藤「いやです」
ゲルト「やめろハルトマン!」
エーリカ「トゥルーデ…邪魔しないで」
ゲルト「それは私から宮藤に頼んだ事なんだ!」
エーリカ「…?」
ゲルト「わ、私は…」
ゲルト「私は!」
ゲルト「宮藤に罵られて興奮する変態なんだ!!」ニヤァ
だが支援だ
リーネ「気持ち悪い…」
宮藤「変態…」
エーリカ「…変態」
ゲルト「あ、あぁ!!」ゾクゾク
リーネ「私鳥肌たっちゃった芳佳ちゃん」
宮藤「私は吐き気がするよ」
エーリカ「うへぇ」
ゲルト「お前に言われると無性に腹が立つなリベリアン」
シャーリー「なんだよぉーあたしも罵ってやろうと思ったのにぃー」
ゲルト「結構だ間に合っている」
シャーリー「ちぇっつれないなぁー」
スタスタ
ゲルト「……」
サワサワ
ピチャピチャ
ゲルト「……」
ゲルト「なぜだ…」
ゲルト「…本当だ」
坂本「そうか!」
ゲルト「?」
坂本「実は私も前々からお前のケツに目をつけていてなぁ!」
ゲルト「ケツ…だと?」
坂本「ああ!!叩かせてほしいと、そう思っていた」
ゲルト「……」
坂本「一度だけ、一度だけ、な?」
素晴らしいな
マゾげるとちゃん!
スパーン
ゲルト「っ!?」
坂本「おお!おお!いい音で鳴くなぁ!」
スパーンスパーン
ゲルト「く、くぅ…」カァ
坂本「あーはっはっはっは」
スパーンスパーンスパーン
ゲルト「(早く終わってくれ…)」
ゲルト「み、宮藤!?」
坂本「味はどうだ」
ペロッ
ゲルト「っ!?」
坂本「んむ」モッチャモッチャ
ゲルト「な、なにを…」
坂本「お前、ちゃんとケツを拭いているか?」
ゲルト「っ!!」
ゲルト「ふざけるな!!」
ブンッ
坂本「おっと」サッ
ゲルト「うわあああああ!!」
タッタッタ
坂本「少し、いたずらが過ぎたか…」
ゲルト「み、宮藤、お前…」
宮藤「どこ行ってたんですか?探したんですよ」
ゲルト「探す?私を?」
宮藤「はい」
ゲルト「私の事を嫌っているんじゃないのか…?」
宮藤「変態」
ゲルト「…ぅ…(ケツトラウマ…)」
宮藤「でも、変態で大変ですけど…」
宮藤「嫌いじゃないですよ」
ゲルト「っ!?」
宮藤「私が嫌ってても私の味方をしてくれました」
ゲルト「…?」
宮藤「ハルトマンさんの時です」
ゲルト「……」
ゲルト「あ、あぁ…」
ダキッ
ゲルト「おっ…お…」
ギュ
ゲルト「……」ポッ
サワサワ
ゲルト「!?な、なんだ?」
宮藤「びしょびしょですよ」
ゲルト「そ、それは、」
宮藤「バルクホルンさんって変態だったんですね!」
終わり
乙
Entry ⇒ 2012.05.17 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
DIO「なぁ承太郎」承太郎「ん?」
承「ん?」
DIO「最近のアニメはパッとしないよな」
承「やれやれ・・・分かってないなDIO」
承「最近なら氷菓だな・・・なにせ原作が小説だ。面白くないはずがない」
DIO「そうなのか?その・・・なんて言ったかな?」
承「氷菓――だ。メモは取ったか?メモは大事だ・・・メモはな」
DIO「今度見てみる事にしよう」
承「ん?」
DIO「ツイッターって知ってるか?」
承「やれやれ・・・TVやネットでもあれだけ宣伝されていれば嫌でも知るぜ」
DIO「もしやっているならフォローし合わんか?フォロワーが3人しかいないのでな」
承「いいぜ・・・。フォローしておいたからそっちからもしておいてくれ」
DIO「承太郎・・・・フォロワー多いな」
承「スピードワゴン財団の知り合い達だ・・・」
承「ん?」
DIO「久しぶりに時止め合戦してみないか」
承「やれやれ・・・いいぜ。スタープラチナ!ザ・ワールド!時よ止まれ!」ズギャーン
シーン
DIO「ザ・ワールド!」ズギャーン
DIO「どうやらこのDIOの勝ちのようだな」
DIO「後何秒続くんだ?」
DIO「・・・・・あっ」ズギャーン
承「やれやれ・・・DIO・・・俺が時を止めた後の1秒の間は何だったんだ」
DIO「いや、勝ちたかったからだ」
承「ん?」
DIO「けいおんって面白いのか?」
承「やれやれ・・・見てない奴に面白いか面白くないかなんて伝えても仕方ないが・・・」
承「ほのぼの系が好きならおすすめだぜ・・・」
DIO「DVD借りてこよう」
承「ん?」
DIO「バンド、しないか?」
承「やれやれ・・・もうけいおんに影響されたのか?」
DIO「いやそうじゃあないんだがな・・・私と承太郎、スタープラチナとザ・ワールドを入れれば4人だから出来るかなって」
承「じゃあ俺はギターをやるぜ・・・。スタープラチナにはドラムをさせる」
DIO「じゃあ私はボーカル兼ギター。ザ・ワールドにはベースをさせよう」
承「楽器はあるのか?」
DIO「盗ってくるわ」
それはそれで見てみたい
承「ん?」スパー
DIO「貴様はいつも煙草を吸っているが・・・うまいのか?」
承「やれやれ・・・別にうまいと感じた事はないぜ・・・肺が圧迫されるのが好きなんだ」スパー
DIO「そういうものか」
承「そういうものだ・・・」クルッ
承「ん?」
DIO「ドーナツを買ってきたんだが食べるか?」
承「やれやれ・・・じゃあエンゼルフレンチをもらうぜ・・・こいつは好きなんでな・・・」
DIO「ポンデリングは食べないのか?」
承「チョコなら食べれるんだが・・・砂糖かかっているのは苦手なんだ」
承「ん?」
DIO「ラブプラスを買ってきたんだがどのキャラがおすすめなんだ?」
承「やれやれ・・・自分の好みで選ぶのが一番だが・・・あえていうなら小早川だな・・・」
DIO「この小さい奴だな」
承(・・・ネネを攻略させないようにしないとな・・・)
承「ん?」
DIO「内職してみんか?スタープラチナならかなり儲かると思うんだが」
承「やれやれ・・・内職は昔試したぜ・・・内職としては駄目だった・・・内職としてはな」
DIO「どういうことだ?」
承「機械的な速さなんでな・・・専属でやってくれと言われたんだ・・・」
DIO「内職の専属・・・内職に就職とは面白いじゃあないか」
承「全然面白くないぜ・・・」
承「ん?」
DIO「時間にルーズな奴ってどう思う?」
承「やれやれ・・・別にどうも思わないぜ・・・」
DIO「時止められるしな」
承「そうだな・・・」
承「ん?」
DIO「暇だな」
承「やれやれ・・・俺はそうでもないぜ・・・」
DIO「何をやってるんだ?」
承「昆虫の標本だ・・・」
DIO「ふぅん」
承「ん?」
DIO「これからコンビニに行くが必要な物はあるか?」
承「・・・・カルピスソーダ・・・」
DIO「500mlでいいな」
承「あぁ・・・頼むぜ・・・」
承「ん?」
DIO「新しい携帯がほしいんだが・・・スマートフォンって奴だ」
承「やれやれ・・・店にでも行って好きなのを買ったらいいと思うぞ」
DIO「ちょっと行ってくる」
承「・・・ついていってやるか・・・」
DIO「色んな携帯が置いてあるものだな」
承「・・・どいつがほしいんだ」
DIO「そうだな・・・。この薄い奴なんかいいな」
承「やれやれ・・・しっかりスペックも見た方がいいぜ・・・まぁそれがほしいなら無理にとは言わんがな・・・」
DIO「承太郎が選んでくれないか」
承「・・・じゃあこいつはどうだ」
DIO「ピンクだな」
承「あぁ・・・ピンクだ」
DIO「やっぱりこれにしよう」サイショニエランダヤツ
承「やれやれだぜ・・・」
承「ん?」
DIO「煙草買ってみたんだ」
承「やれやれ・・・ホープとは渋い選択だ・・・火、つけてやるぜ」シュボッ
DIO「あぁ、すまないな」ジー
DIO「? 火がつかないんだが」
承「・・・火をつけながら吸うんだ・・・」
DIO「ふむ・・・」チリチリ
DIO「ついt・・・ごほっ!」
承「一気に吸うと波紋よりキくぜ・・・」
承「ん?」
DIO「久しぶりに居酒屋でも行かないか?」
承「いいぜ・・・ちょうど腹が減ってたんでな・・・」
店員「お先にお飲み物のご注文をお伺いしてもよろしいですか?」
DIO「そうだな・・・カシスオレンジをくれ」
承「俺はハイボールで頼むぜ・・・」
店員「ありがとうございます!失礼します」
店員(あの2人から何かを感じる・・・まさかスタンド使い・・・?)
承「・・・あぁ、そうだな・・・だがひとつ気になる事があるんだが・・・」
店員「失礼します!お待たせしました、こちらハイボールになります。こちらカシスオレンジになります」
DIO「すまない、ありがとう」
店員「お料理がお決まりになりましたらこちらのボタンを押してお申し付けください!」
店員「もしも・・・お前らがここで生き残れたらなッ!」
DIO「なにッ!?」
承「やれやれ・・・こんな所にスタンド使いがいたとはな・・・時間はせいぜい4秒までといったところか・・・」
承「相手の能力が分からないが・・・最初に攻撃がこなかったという事はこの酒が怪しいぜッ!オラオラオラッ!」ガシャーン
承「そして時は動き出す・・・」
DIO「ザ・ワールド!時よ止まれ!」ズギャーン
DIO「どれ・・・ほう・・・もう承太郎が相手のスタンドを無力化したようだな」
DIO「本体を叩くとするか・・・このDIOに向かってスタンドを出す事は自殺と同然ッ!」
DIO「そして時は動き出す・・・」
店員「!? あぐべあッ!」ドサ
店員「あわわわわッ!ずびばぜん!ずびばぜんんんん!!!」
承「おい・・・」
店員「ひゃ、ひゃいッ!」ビクッ
承「チーズピザとなんこつのからあげをくれ・・・」
DIO「あとなすときゅうりの1本漬けもな」
店員「ひゃ、た、ただいまお持ちしますゥゥッ!」ビューン
DIO「やれやれ・・・だな」
承「やれやれだぜ・・・」
承「そうだな・・・」
DIO「帰りどっか寄っていくか?」
承「いや・・・いい・・・今日は早く寝たいぜ・・・」
DIO「そうか」
承「ん?」
DIO「マリオカートやらんか?」
承「やれやれ・・・いいぜ」
DIO「負けたら1週間のトイレ掃除だ」
承「言っとくが俺はゲームは・・・自信あるぜッ!」
承「・・・・」
DIO「はーぁ・・・・」
承「・・・・・・」
承「スタープラチナ!」シャカシャカ
承「やれやれ・・・今日だけだぜ・・・後6日はがんばれよ」
DIO「あぁ、すまない承太郎。感謝する」
承「ん?」
DIO「なんか面白い漫画ないか?」
承「やれやれ・・・俺は鋼の錬金術師が好きだぜ・・・」
DIO「練成とかなんとかの奴だな」
DIO「今度見てみるわ」
承「・・・・・・」
DIO「・・・・・・」クイックイッ
承「・・・・DIO・・・何をしてるんだ?」
DIO「あ、これか?スマートフォンのな、フリック入力って奴だ」
承「やれやれ・・・メールでも打ってたのか?」
DIO「あぁ、久しぶりにヴァニラの奴にな」
承「ん?」
DIO「なんだ・・・その・・・じゃんけんでもして負けた方が3日間風呂掃除っていうのはどうだ」
承「急にどうしたんだ・・・別にいいぜ」
DIO「不正は無しだ、もし時止めなんて使ったら倍の6日間掃除だぞ」
DIO「じゃんけん・・・(ザ・ワールド!)」ズギャーン
DIO「どれ?ふふん、振りかぶる時にチョキを出しているじゃあないか。これならグーで必勝だな」
DIO「時は動き出す ぽい!」グー
承「・・・」パー
承「俺は振りかぶる時はいつもチョキを出すくせがついててな・・・別に反則ってわけじゃあないんだが・・・どうも後だししているような気分になるんだ・・・」
DIO「そ、そうだったのか・・・」
DIO(バレてなかったか・・・バレてないなら3日間ぐらい掃除してやろう)
承「そういえば・・・イカサマ行為は倍だったな」
DIO「!?」
承「DIO・・・お前の袖に俺の袖にあった磁石がついてるぜ・・・いつつけたんだ?」
DIO「・・・おのれジョースターの血統・・・!」
承「ん?」
DIO「チョコが食べたくないか?」
承「やれやれ・・・食べたいなら買ってくればいいと思うぜ・・・」
DIO「買って来るわ」
承「・・・・カルピスソーダ・・・」
DIO「分かった」
承「ん?」
DIO「火をくれ」
承「いいぜ・・・」カチッ
DIO「・・・・」チリチリ
DIO「ふぅ」
承「・・・」シュボッチリチリ
承「ふぅ」
承「ん?」
DIO「TVでも買うか」
承「やれやれ・・・どうせならでかいのがほしいぜ・・・」
DIO「奮発するか」
承「・・・やれやれだぜ」
承「ん?」
DIO「そろそろ寝るか」
承「・・・・そうだな」
DIO「じゃあソファーで寝る」
承「今日は俺が布団だな・・・」
DIO「また明日」
承「あぁ・・・」
ネタ切れ感がやばいのでそろそろ寝ます
また明日にでも書き溜めしてスレ立てるのでそんときはまた来てください!それじゃ!
癒されたわ
Entry ⇒ 2012.05.16 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
桜木「マオーは俺が倒す!」流川「どあほう」
魔王「ふははははっ! この程度か、人間ども!
どいつもこいつも弱すぎて、まるで相手にならんわっ!」
側近「どうやら人間界には、魔王様に対抗できる人間はいないようですな」
魔王「うむ、手応えがなさすぎる! このまま一気に人間界を支配するぞっ!」
側近「はっ!」
連日のように各国の代表による会議が開かれたが、打開策は生まれず、
もはやお通夜ムードであった。
「ムリだ、勝てっこない」 「魔王軍は強すぎるんだ……」 「もうダメだ……」
「どうしようもない……」 「終わりだ……」 「なんとか人類が生き延びる道を──」
しかし──
安西「私だけかね……?」
安西「まだ勝てると思ってるのは……」
「湘北国の安西国王!?」 「しかし、勝てるワケがない!」 「もう諦めるしか……」
安西「最後まで、希望を捨てちゃいかん……」
安西「諦めたら、そこで人類終了だよ」
彼は密かに、魔王に対抗しうる戦力を育成していたのだ。
勇者、桜木花道!
戦士、流川楓!
武道家、赤木剛憲!
盗賊、宮城リョータ!
魔法使い、三井寿!
僧侶、木暮公延!
彼ら六名は、さっそく安西のもとに集められた。
桜木「ようやくこの勇者の出番か! 待ちくたびれたぞ、オヤジ!」タプタプ
赤木「よさんか、バカモン!」
ゴンッ!
桜木「うぐ!」
安西「魔王軍は各国を脅かし、進撃の勢いはとどまるところを知らない。
各国ともどうにか食い下がってはいますが、戦力差は否めない」
安西「人類の運命は、今や君たちにかかっています」
安西「君たちが魔王軍に勝利を重ねれば、それは人々に勇気と活力をもたらし、
人類全体の勝利につながることでしょう」
安西「しかし、もし君たちが敗れてしまうようなことがあれば、人々は絶望し、
瞬く間に人類は滅ぼされてしまうでしょう」
流川「おめーが勇者じゃ、勝てるもんも勝てねーな」
桜木「なんだと!? ルカワ、てめえ! 戦士の分際で!」
木暮「よさないか、二人とも!」オロオロ
三井「ま、分かりやすくていいじゃねーか。
俺たちが勝てば世界は終わりだし、勝てば世界は救われるってワケだ」
宮城「もちろん勝つのは俺たちだけどな」
赤木「よし……じゃあやるぞ、おまえら」
六人「俺たちは強いっ!!!」
安西(ほっほっほ……この六人ならやれるかもしれない……)
桜木「とうっ!」ビョン
魔族A「なんてジャンプ力だ、信じられんっ!」
桜木「庶民スラッシュ!」
ザシュッ!
魔族A「うぎゃあっ!」
桜木「がははははっ! さすが天才勇者!」
赤木「調子に乗るな! 今のは敵の油断があったおかげだ!」
桜木「ぐぬぬ……」
流川「どうせマグレだ」
桜木「なにぃっ!?」
魔族B「なんだ、あの若造は!?」
魔族C「くそっ、ほとんどアイツ一人に部隊をやられているぞ!」
流川(あと二匹……)ダッ
魔族B「ゲ、こっち来やがった!」
魔族C「うわぁっ! 来るんじゃねぇっ!」
ドスッ! ザンッ!
魔族B&C「ぐはぁ……っ!」
流川「終わった」
赤木「さすがだな、流川……」
三井「まったく大したヤローだぜ」
桜木(おのれ、ルカワ〜……!
たかが戦士の分際で、この勇者を差し置いて目立つとは……!)
赤木「ああいうのは、俺に任せろ」ズン
宮城「ダンナ!?」
魔族D「ガハハハッ、脆弱な人間の攻撃など効かんぜ!」
赤木「うおおおおっ!」バッ
赤木は大きな石を持ち上げ、それを持ったままジャンプすると──
赤木「ウホッ!」
ドゴォンッ!
──石を魔族Dの脳天に叩きつけた。
魔族D「げ、はぁ……」ドサッ
宮城「すげぇ……!」
桜木「出やがった、ゴリ必殺のゴリラダンク!」
魔族E「くっそぉ〜アイツ、いったいどうやってここに入ったんだ!?」
宮城(ピッキングこそ盗賊の生きる道なんだよ!)
魔族E「逃がすんじゃねぇっ!」
魔族F「あの宝箱には貴重なアイテムが入ってるんだ、絶対に取り返せっ!」
宮城「さいならっ!」ビュッ
魔族E「なんて速さだ……!」ハァハァ
魔族F「ちくしょう、逃がしちまった!」ゼェゼェ
宮城「へへへ、これで人間(こっち)がだいぶ有利になるぜ」
魔族H「なんか呪文を唱えてるが、あんな遠いところから当たるワケねぇ」
三井「“火炎呪文(ミッチャン)”」
ゴォァアアッ!
強烈な炎が、魔族たちに直撃した。
魔族G「ぐああああっ!」
魔族H「あっちぃぃぃぃぃっ!」
三井「静かにしろい。この悲鳴が……俺を甦らせる。何度でもよ」
桜木「おお、やるじゃねーかミッチー! この天才ほどじゃないけどな!」
赤木「ブランクがあったにもかかわらず、あの威力と命中率……。
三井め……やはり魔法センス抜群だ」
桜木「くわぁ〜、今日はけっこうやられちまったぜ。あんな庶民どもに……」
流川「てめーが好き勝手動くからだ、どあほう」
桜木「なんだとォ!?」
赤木「よさんか!」
ガンッ! ゴンッ!
三井「木暮、みんなの回復を頼むぜ」
木暮「オッケー、“回復呪文(ポカリ)”」パァァ…
勇者パーティは連戦連勝であった。
桜木「フンフンフンフンフンフンフンフンフン!」ブンブン
宮城「うわ、あっぶねぇ! 花道のヤロウ、混乱させられやがった!」
三井「くっそ、あのバカ!」
流川「まったく世話の焼ける……」
赤木「いい加減にせんか!」
ゴツンッ!
桜木「──はっ! いてて……俺はいったいなにを……!?」
流川「いつも通り、足手まといになってただけだ」
桜木「てめぇ、ルカワ〜! 今日こそブチのめす!」
バキッ! ドガッ! ガスッ! ドゴッ! バキッ!
木暮「おいおい、よせよ! 仲間同士で争うな〜!」アセアセ
並の魔族では相手にならず、幹部級の魔族ですら苦戦しつつも倒してみせた。
さらに、彼らの強さに勇気づけられた各国の兵たちも奮起し、
人類と魔王軍との戦いは、圧倒的劣勢から五分五分のところまで持ち直したのである。
桜木「ま、この勇者のおかげだな」
流川「俺がいたからだ」
三井「俺の魔法があればこそ、だな」
宮城「もちろん、俺の力だろうな」
赤木「まったく、こいつらは……!」イライラ
木暮「ハハハ、まぁまぁ」
木暮(でも本当に強いぞ、このメンバーは……!
もしかしたら本当に……本当にあの魔王を倒せるかもしれない……!)
側近「くそっ、いまいましい! なんなんだ、あの勇者どもは!」
側近「まさか、人間にもあんなヤツらがいたとは……」
側近「だが、まだこちらにも主力は温存されています……。
きちんとした作戦を立てて、ヤツらにぶつけさえすれば──」
魔王「よせ」
側近「魔王様!?」
魔王「下手に作戦を立てたところで、勇者たちには通用せんだろう。
むしろ、作戦に縛られ力を発揮できなくなる恐れがある」
魔王「奇策といわれるあらゆる作戦……。
そのほとんどは、相手のことを考えすぎて、本来の自分を見失った姿にすぎぬ」
魔王「うむ……分かっておる」
魔王「だからワシは、ヤツらに真っ向勝負を挑もうと思っている!」
側近「真っ向勝負!?」
魔王「場所と時間を決めて、勇者どもと我が軍の主力で対決を行うのだ。
人間どもに絶望を与えるため、ギャラリーは多い方がいい」
側近「なるほど、大勢の前でヤツらを叩きのめすというワケですね?」ニヤッ
魔王「うむ」
魔王「そうと決まれば、さっそく我が軍の精鋭を招集せよ!」
側近「はっ!」
魔王「よくぞ集まってくれた」
魔王「我が配下が勇者どもの手で敗走を重ねる中、
未だに人間たちに対し優勢でいるのはキサマらの軍勢だけだ」
魔王「だからこそ、このタイミングで集まってもらった」
巨竜、ドラゴン!
魔剣の使い手、暗黒騎士!
鉄壁の甲羅、巨大亀!
ザコキャラからの大出世、スライム!
魔王「これに魔法のエキスパートである側近と、このワシを加えた六名で、
勇者どもを打倒する!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
勇者どもに告ぐ
我ら魔王軍の精鋭と、キサマら勇者パーティとで対決を行いたい。
場所は世界の中心地、日時は一週間後の正午。
こちらのメンバーはワシを含めた最強の魔族六名。
魔族と人間のギャラリーを大勢集め、盛り上げようではないか。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
安西「おそらく……我々の快進撃に脅威を感じ、
こちらに主力をぶつけ、一気にケリをつけようという魂胆でしょう」
安西「ギャラリーを集めるというのは、大勢の前であなたたちを叩きのめすことで、
魔族に自信を植えつけ、人間たちに自信喪失させるのが狙いでしょう」
木暮「だったらこんな挑戦、受けない方がいいのでは……」
安西「かもしれません」
安西「しかし、もし受けなければ、勇者は魔王から逃げたという風評が広がり、
今奮戦している各国の軍隊の士気に悪影響をもたらす恐れがある」
木暮「そんな……じゃあどうすれば……」
木暮「え?」
桜木「せっかく敵の大将が出てくるチャンスなんだ。
真っ向から受けて立って、この勇者がマオーを倒す!」
三井「ま、コイツのいうとおりかもな。こんなチャンスを逃す手はねぇ」
赤木「うむ、チマチマ各国で戦闘を繰り返すより、分かりやすい」
宮城「決まりだな」
流川「…………」スースー
安西「ほっほっほ、ではこの勝負、受けて立つことにしましょう」
安西「これから君たちには、この水晶で魔王軍主力の映像を見てもらいましょう。
他国の魔法使いが、映像に収めてくれました」
桜木「なにっ!? へへへ、用意がいいじゃねぇかオヤジ」タプタプ
安西「ハッキリいって、現時点での実力は彼らの方が上だ」
桜木「おい、俺たちを信じてねぇのか……!?」
安西「しかし、君たちなら一週間で彼らを超えられると私は思っている」
桜木「当然!」ニヤッ
安西(下手をすると、対決前に自信喪失させてしまうかもしれない……。
だが、君たちはそこまでヤワではないと信じている)
ドラゴン『グハハハハ、俺の炎で焼き尽くしてくれるわ〜!』ゴォォ…
宮城「うわっ、でけぇ!」
桜木「ゴリよりデカイんじゃねえか!?」
赤木「…………!」
三井「しかも、デカイじゃなく動きも巧妙だ。これは厄介だぜ」
安西「このドラゴンに対抗できるのは、ウチでは赤木君しかいないでしょう。
当然、ドラゴンには赤木君についてもらうことになります」
赤木「分かりました……全力で抑えます!」
暗黒騎士『我が剣のサビになれ……』ズバッ
木暮「なんて速さとテクニックだ……! 人間が次々に切り裂かれていく……!」
安西「彼は魔王軍随一の剣の使い手です。魔王軍のエースと呼べる存在でしょう」
桜木「エースだと!?」
流川「む……」ピクッ
安西「一対一の接近戦であれば、彼は魔王よりも上かもしれません」
安西「彼には──流川君に相手をしてもらいましょう」
桜木「なんで俺じゃねえんだ、オヤジ!」
流川「当然だ」
桜木「ンだと!?」ガルル…
安西「さて、次の映像にいきましょうか」
巨大亀『よぉ〜し、やるぞぉ〜!』ノロノロ…
桜木「なんでぇ、ただのノロマじゃねーか!」
安西「彼はディフェンスに定評があります」
安西「しかし、彼を一対一で無理に倒す必要はないでしょう。
宮城君のスピードで翻弄し、他の幹部を倒した後にじっくり攻めましょう」
宮城「任せて下さい!」
<スライムの映像>
スライム『えい、やぁっ!』プルプル
三井「コイツは全然大したことがないな……」
安西「スライムについては、ほとんど情報がありません。
木暮君、当日は君がスライムにくっついて実力を見極めて下さい」
木暮「分かりました!」
安西「側近は魔王軍一の魔法の使い手といわれています。三井君、お願いします」
三井「はいっ!」
安西「そして魔王は──」
桜木「この天才というわけだな!」
安西「いいえ」
桜木「へ?」
安西「おそらく魔王は、最初は動かず部下に戦闘を任せるでしょう。
ですから、桜木君にはみんなのフォローをお願いしたい」
桜木「なんでこの天才が、凡人のフォローなど──」
安西「この対決、魔王が出てくるまでにどこまで敵を消耗できるかにかかっています。
君の役割が一番重要なのです」
桜木(一番重要……一番重要……一番重要……)
桜木「よかろう! 任せとけ、オヤジ!」
流川(単純すぎる……)
赤木「よぉーし、魔王軍に俺たちの強さを見せつけてやるぞ!」
桜木「おうよっ!」
流川「うす」
三井「おう!」
宮城「よっしゃ!」
木暮「目指すは魔王討伐だ!」
…
……
………
六人は一週間必死で特訓し、出来る限りのレベルアップを果たした。
安西(しかし、これだけレベルアップをしても、
単純な能力ではまだ魔王軍の方が上でしょう……)
安西(魔王軍に勝つには、当日のみんなの爆発力にかかっている……)
安西(期待していますよ、皆さん……)
安西「さて、ここで皆さんに話しておくべきことがあります」
桜木「なんだ、オヤジ?」
安西「明日の心構えについてです」
安西「明日の対決、いうまでもなく全人類の運命がかかっている」
安西「おそらく、戦いは一進一退となるでしょう」
安西「君たちが魔王軍に対して優勢に戦えば、人間側のギャラリーの応援にも
自然と力が入るだろうね」
安西「しかし、もし君たちが魔王軍に対して劣勢になると──」
安西「人間側にも、保身を考える人々が増えてくる。
そして、勇者を応援しないで魔王軍を応援するから、
自分の命だけは助けてくれという雰囲気になってくる」
桜木「なんだと……」
安西「魔王討伐を成し遂げたいのなら、もはや何が起きようと揺らぐことのない──」
安西「断固たる決意が必要なんだ!」
赤木(魔王討伐……!)
世界の中心地にあるコートには、人間と魔族のギャラリーが大勢集まっていた。
ワイワイ…… ガヤガヤ……
魔族側──
「やっと、あのいまいましい勇者どもが死ぬところを見れるのか」
「俺は300年魔王軍を見てるが、今年の魔王軍はいいぞ」
「ドラゴンと暗黒騎士だけで十分なんじゃねえか?」
人間側──
「なぁ、勝てると思うか?」
「厳しいだろうな。いくら勇者たちが強いといっても、相手は魔王軍最強のメンバーだ」
「とにかく今は全力で応援しよう!」
『武道家、赤木剛憲!』
ワアァァァァァッ!
赤木(必ず魔王討伐を成し遂げる……!)
『盗賊、宮城リョータ!』
ワアァァァァァッ!
宮城(やってやるぜ!)
『魔法使い、三井寿!』
ワアァァァァァッ!
三井(安西国王のためにも、絶対勝つ!)
『僧侶、木暮公延!』
ワアァァァァァッ!
木暮(うわぁ、すごい歓声だなぁ)ドキドキ…
ワアァァァァァッ! キャーキャー! ルカワクーン!
流川「…………」
『勇者、桜木花道!』
ワアァァァァァッ! ブーブー! ブーブー!
桜木「くっ、なんでこの勇者にだけブーイングが……!」
流川「妥当だな」
桜木「こ、このっ……!」
赤木「いいから、早く整列せんか!」
ゴッ!
『魔族の首領、魔王!』
ワアァァァァァッ!
魔王(まぁ、ワシの出番はないと思うがな)
『魔族のブレーン、側近!』
ワアァァァァァッ!
側近(魔王様の手はわずらわせません。せいぜい楽しませて下さいよ、勇者たち)
『魔族一の巨漢、ドラゴン!』
ワアァァァァァッ!
ドラゴン「グハハハハッ、どいつもこいつもひねり潰してやる!」
魔王(今から100年前……ドラゴンが魔王軍に入ってから、
人間界支配が夢でなくなった……)
ドラゴン「魔王様、もう軍を辞めます……」
魔王「…………」
ドラゴン「デカイだけで足手まといって、みんなから陰口を叩かれてるんです」
ドラゴン「もうこんな生活、耐えられません……!」
魔王「デカイだけ? 結構じゃないか。体力や技術は身につけさすことができる。
だが、おまえをでかくすることはできない。
たとえ、ワシがどんな名魔王であろうともな」
ドラゴン「魔王様……!」
魔王「ワシは人間界侵攻をする時、おまえを幹部にすると決めている。
おまえならば、人間どもを蹂躙できると信じている」
ドラゴン「は、はいっ!」
魔王「よし行こうか、練習だ!」
ワアァァァァァッ!
暗黒騎士「ふん……」
魔王(コイツに一対一で勝てる剣士はまずおるまい)
『鉄壁の守備、巨大亀!』
ワアァァァァァッ!
巨大亀「やるかぁ〜!」
魔王(巨大亀の守備力は、魔王軍一を誇る!)
『軟体生物、スライム!』
ワアァァァァァッ!
スライム「ボクも頑張るぞっ!」
魔王(見せてやれ、キサマの努力の成果を!)
ワアァァァァァッ!
赤木「三井……」
三井「なんだ?」
赤木「魔法で俺の筋力を上げてくれ。
おそらくこのままでは、ドラゴンのパワーに対抗できん」
三井「オイオイ、いきなりかよ。アレはおまえにかかる負担もでかいぜ」
赤木「いいからドーピングだ!」
三井「……分かったよ。じゃあ──」
三井「ぬっ!」
巨大亀「魔法は使わせないよぉ〜!」ザッ
三井「なにぃ!?」
「三井を巨大亀がマーク!?」 「あれじゃ魔法は撃てない!」 「どうする!?」
今までの戦いでは、素早さを隠してやがったのか!?
ちくしょう、振り切れねぇ……!)キュッキュッ
巨大亀「ふっふっふぅ〜」キュッキュッ
魔王(出おったか、巨大亀必殺の“スッポンディフェンス”!)
魔王(あれだけ密着されれば、もはやあの魔法使いはなにもできん!
さて次は──)
赤木(くそっ、いきなり三井を封じ込めに来るとは! フォローせねば!)ダッ
ドラゴン「させるかよっ!」
バチィッ!
ドラゴンの尻尾が、赤木を大きく吹っ飛ばした。
赤木「ぐわぁっ!」ドサッ
桜木「ゴリ!」
「マジかよ!」 「あのゴリラが吹っ飛ばされた!」 「すげぇパワーだ!」
木暮(あの赤木をあんなに吹っ飛ばすなんて……なんてパワーだ!
まずいぞ、俺たちと魔王軍は思った以上に差があるんじゃ……)
桜木「庶民スラッシュ!」
ズバァッ!
桜木の剣で、ドラゴンが吹っ飛ばされる。
ドラゴン「ぐおおぉっ……!」ドサッ
「おおっ!」 「あの赤毛勇者もすげぇ!」 「やってくれるぜ!」
桜木「ふははははっ、さすが天才!」
ドラゴン「や、やりやがったな……!(こんなチビ助に……!)」
側近「ちっ……ならば私の魔法で──!」
宮城「させっかよ!」
ガゴンッ!
宮城の飛び蹴りで、側近がダウンする。
側近「ぐぅっ……コイツいつの間に!」
宮城「スピードなら、誰にも負けないぜ」
暗黒騎士「……どうした、来ないのか? 俺が怖いか?」
流川「にゃろう」
ガキィン!
流川と暗黒騎士、エース同士の一騎打ちが始まった。
キィンッ! ガキィン! ギャリン!
「なんだありゃあ!」 「すげぇ戦いだ!」 「どっちも譲らない!」
ワアァァァァァッ!
ギィンッ! キィンッ! カキィン!
魔王(暗黒騎士とまともにやり合える人間がいたとは……計算外だ!)
桜木(まぁいい、この天才も大活躍をして目立てばいい!)チラッ
ドラゴン「オラァッ!」ドゴッ
赤木「ぐあぁ……っ!」
桜木(ゴリめ、またあの大トカゲにいいようにやられてやがる)
桜木(よぉ〜し、すぐ天才らしい助太刀に──)ダッ
スライム「えぇ〜い」プニョッ
桜木「ぐわっ、なんだコイツは!? 庶民スラッシュ!」ブンッ
スライム「おっと」ヒョイッ
桜木「ぐぬぬ、すばしっこい!」
木暮「すまん桜木、逃がしてしまった!」ハァハァ
側近(くっ……くそっ、なんてスピードだ! 接近戦じゃ勝ち目はない!)
宮城(いける! コイツを倒せば、一気に俺たちが有利になる!)ダッ
しかし──
スライム「よっこらしょ」プニィッ
宮城「うわぁっ!?」
側近「ナイスです、スライム!」
側近「“針呪文(センドウ)”!」
ズドドドドッ!
無数の小さな針が、宮城に突き刺さった。
宮城「ぐわぁぁぁっ!(ノータイムで撃ってきやがった!)」
桜木「リョーちん!」
桜木「おのれこの天才率いるパーティが、あんなザコにコケにされるとは……!」
木暮(あのスライム……戦闘能力は低いが、一番やっかいかもしれない!
巧みに動き回って、俺たちのチームプレイをことごとく潰している……!)
まだ魔王が戦闘に参加していないにもかかわらず、
状況は勇者側にとって思わしくなかった。
流川は暗黒騎士との戦いで手一杯。
大黒柱である赤木はドラゴンに抑え込まれ──
魔法使い三井は巨大亀にへばりつかれ、まだ魔法を一発も撃てていない。
残る桜木、宮城、木暮の三人はスライムの動きに翻弄され、
側近の魔法によって苦しめられていた。
魔王(どうやらワシの出番はなさそうだな。
今、魔王軍を動かしているのは側近でもドラゴンでもなく──)
魔王(スライムだ!)
スライム「どうかボクを、魔王軍に入れて下さい!」
魔王「キサマが……?」
体力があるわけでも、魔法が使えるわけでもなく、技は体当たりだけ……。
魔王軍は到底ムリだとワシはいった。
モンスターにはショックな言葉だ。
スライム「とにかくボクなりに頑張りますので!」
魔王(悔しくはないのか?)
そうではなかった。
スライムは戦闘において、徹底的に敵と味方の動きを観察していた。
さらに1日500回の体当たりの練習を欠かさなかった。
スライムは唯一できる体当たりで、味方をサポートする道を選んだのだ。
スライムの働きは大いに魔王軍を助け──
魔王「スライムを魔王軍幹部に任命する」
スライム「はいっ!」
──異例の大出世に、異論は出なかった。
スライムのせいで、思ったような動きができない桜木。
桜木「くっ、たかがスライムなどに……!」
宮城「しょせんスライムだ! 花道、一気に叩きのめせっ!」
桜木「おうよ! リョーちんっ!」ブンッ
スライム「おっと、危ない」ヒョイッ
桜木「なにっ!?」
スライム「うおおおおおっ!」プルン
ドゴッ!
桜木「ぐわぁっ!」
スライムの体当たりで、体重が数倍はあろう桜木の体が吹っ飛んだ。
宮城(マジかよ!?)
ドラゴン「魔王軍幹部の座を取った男だぞ、ナメんなよ」
スライム「ドラゴン……」
桜木「ぐっ……!」
お前が預言者か
やるじゃん
早くも人間側のギャラリーに、諦めの色が漂い始めた。
魔王が戦っていない状態でこれでは、無理もないかもしれない。
赤木(いかん、ここはこの俺がなんとかせねば……!)
赤木(この俺が……!)
ドラゴン「グハハハハッ! どうした、もっとぶつかってこい!」
赤木「くうっ!」
ザシュッ!
ドラゴンの爪攻撃が、赤木の頭を切り裂いた。
赤木「ぐおっ……!」
赤木(俺が……俺が、コイツに勝たなければ……!)ハァハァ
三井(あのヤロウ……熱くなりすぎだ!
あんなデカイ相手と、まともにパワー勝負してどうすんだ!)
三井(こういう時は、俺がやらなきゃならねーのに……!
このカメがしつこすぎる!)ハァハァ
巨大亀(くっくっくぅ〜、息が乱れてきたなぁ〜?
やはり側近様のデータ通り、コイツにはスタミナがないぃ〜!)キュッキュッ
三井(ちくしょう、振り切れねぇっ!
だが、コイツを振り切らねぇと、魔法が撃てねぇっ!)ハァハァ
巨大亀(絶対に振り切らせないよぉ〜!)キュッキュッ
三井(くそっ、俺はなんであんな無駄な時間を──!)ハァハァ
怪我が原因ですさんでしまった時期があった。
三井「勇者パーティなんか、ぶっ潰してやる……!」
しかし、仲間の説得と──
木暮「なにが魔王討伐だ……夢見させるようなこというな!」
宮城「一番過去にこだわってるのは、アンタだろ」
安西によって──
三井「安西国王……魔王討伐がしたいです……!」
──パーティに復帰したのだった。
しかし、二年のブランクはやはり大きく、技術はともかくスタミナに不安があった。
三井「うおおおおっ!」ダッ
巨大亀「なにぃ〜!?」
「ここにきてすげぇダッシュ!」 「あのカメを振り切ったぞ!」 「マジかよ!?」
三井(あのドラゴンに生半可な呪文は通じねぇ……ならば!)
三井(ここで俺がすべきことは、赤木を立ち直らせることだ!)
三井「“召喚呪文(チャージドタイムアウト)”!」
召喚呪文を使うと、ランダムで何者かを召喚することができる。
三井は賭けに出た。
三井(頼むっ! すごいヤツが来てくれ!)
ズゴゴゴゴ……
赤木の目の前に、包丁を持った板前が現れた。
赤木「なんだ!?」ビクッ
三井「なんかとんでもないもん呼び出しちまった!」
桜木「ゴリよりでけぇ! ボ、ボス猿!?」
板前は大根を剥きながら、赤木に告げる。
魚住「華麗な技を持つドラゴンは鯛……」
ドラゴン(俺は竜なんだけど……)
魚住「おまえに華麗なんて言葉が似合うと思うか。赤木、おまえは鰈だ。
──泥にまみれろよ」
赤木「!」
シュウウウウ……
魚住は帰っていった。
安西(三井君……ファインプレーですよ)
赤木(俺が勝てなければ、このパーティは勝てないと思っていた)
赤木(だが、そうじゃない!)
赤木(俺にできることは、この体で他のヤツを活かすことだ!)
赤木(現時点で俺はドラゴンに負ける……。でも、勇者パーティは負けんぞ!)
ドラゴン(このゴリラ……目つきが変わりやがった!)
赤木「ぬおおおっ!」バッ
「飛び上がったぁっ!」 「なにする気だ!?」 「ま、まさか──!」
ドラゴン「俺より高く──!?」
赤木「フンガァ!」
バチィンッ!
ドラゴン「ぐごぁっ!?」
振り下ろすような凄まじい平手打ちが、ドラゴンにクリーンヒット。
宮城「よっしゃあ、ダンナ!」
桜木「ゴリ必殺のハエタタキだっ!」
三井「赤木のヤロウ、完全復活だな」ニヤッ
桜木「行くぞ、リョーちん!」
桜木「フンフンフンフンフンフンフンフンフン!」ブンブンブンブン
スライム「うわっ、なんだこれ!」
側近「なんというムチャクチャな剣だ!」
桜木が“フンフンオフェンス”で、敵の混乱を誘ったところに──
宮城「おりゃあっ!」
バキィッ! ドゴォッ!
スライム「うわぁっ!?」
側近「ぬぐぉっ!」
──強烈な飛び蹴りを浴びせる。
木暮(いいぞ……! 赤木のプレーでみんなに力が戻った!)
ギィンッ!
暗黒騎士(あの武道家が復調したら、コイツにも力が入り始めた……!)
流川「世界一の戦士ってどんな戦士だと思う……」
暗黒騎士「?」
流川「きっと世界を救う戦士だと思うんだよな。俺はそれになる」
流川「一歩も引く気はねーぜ」
ガギィンッ! ──ザシュッ!
暗黒騎士「ぐぅっ!?」
魔王(暗黒騎士が一太刀浴びるなど、何十年ぶりだ!?
いや一対一では、初めてかもしれん!)
魔王「側近、暗黒騎士をフォローしろ!」
側近「はっ!」
桜木(今こそ合宿での二万回の素振りの成果を見せてやる!)
桜木「おうよ、合宿スラッ──」
スライム「とうっ!」プルッ
桜木「おのれ、またジャマを!」
側近「さすがですよ、スライム。“召喚呪文(チャージドタイムアウト)”!」
宮城「くそぉっ、コイツ呪文の詠唱がとんでもなく早い!」
ズゴゴゴゴ……
側近の魔法で呼び出されたのは──
南「おまえがエースや」
ガッ!
流川「ち……!」
流川の顔面にエルボーが決まり、片目を塞いだ。
南「うち薬局やねん」ヌリ…
流川(なんなんだ、いったい)
──が、すぐ治った。
宮城「よし、ラッキー!」
桜木「どうせなら毒を塗り込め!」
側近(これは……失敗してしまいましたね……!)
一転して、今度は魔王軍のチームワークがチグハグになってきた。
魔王(こうなれば……ワシが出るしかなかろう!)
ザッ!
「魔王が!?」 「ついに魔王が動いた!」 「ここからが本番だ!」
安西(そう、ここからが本番ですよ……)
側近「申し訳ありません、魔王様! 我らが不甲斐ないばかりに──」
魔王「シケたツラするでないわ! 観客が見ておるぞ!」
側近「はっ!」
魔王「さて、さっそく暴れさせてもらおうか!」
ヒュルルルル……
諸星「はっきりいって、自信なし」
ドガァッ!
上空から降ってきた諸星が、桜木を蹴り飛ばした。
桜木「ぐわぁっ!」
三井(あれほどの高等呪文をあっさり使うとは……!
魔王の名はダテじゃねーってことか!)
ドラゴン「グハハハハッ! さすが魔王様だぜぇっ!」
赤木「おのれぇっ!」
暗黒騎士「これはもう、キサマ程度に手こずってはおれんな」
流川「にゃろう……!」
側近「さて、私たちも魔王様に負けていられませんね」
スライム「はいっ!」
魔王の加入で、崩れかけていた魔王軍が瞬く間に立ち直った。
安西(ふむ、魔王が加わったことで、魔王軍にもさらなる力が宿りましたね……。
ここで流れを持っていかれては、勝ち目はなくなりますよ……)
魔王(む、あの盗賊は精神的にタフだな。先に叩いておくか)
魔王「なるほど、キサマが我が軍の軍備を次々に奪ってくれたという盗賊か……。
こんなチビだったとはな」
宮城「んだとぉ……!」イラッ
宮城が飛びかかるが、逆に足を掴まれてしまう。
魔王「キサマのすばやさは厄介だからな、先に始末しておこう」
ブオンッ!
魔王は壁めがけて、宮城を投げつけた。
宮城(やべぇっ!)
木暮「まずいっ!」
桜木「リョーちん!」ダッ
壁に激突する寸前、桜木が宮城をキャッチした。
桜木「リバウンド王、桜木!」
魔王「なんだとっ!?」
宮城「すまねぇ、花道!」
桜木「ふははははっ、任せたまえ!」
魔王(アレが勇者、桜木花道か……。
勇者というわりに、赤木や流川には劣るという認識だったが──
あの瞬発力は、あなどれんな……!)
赤木「あーっ!!!」
ビリビリビリビリ……
「赤木が吼えたぞ!」 「すげぇ気迫だ!」 「あれで本当に人間なのかよ!」
ドラゴン「吼えたって何もやらせ──」
赤木「ウホッ!」
ドゴォン!
赤木は近くに落ちていた石を、ドラゴンの頭に叩きつけた。
ドラゴン「ぐおお……っ!」ガクッ
「出たぁっ!」 「ゴリラダンクだ!」 「効いてるぞ!」
赤木(これでしばらくドラゴンは動けん! みんなをフォローせねば!)
バチィンッ!
側近「ぐえぇっ!」
スライム「うぎゃっ!」
桜木「さすがゴリ!」
赤木「いや、さっきのおまえのリバウンドも見事だった」
赤木「俺も少しはいいところを見せんとな!」
さらに、三井にへばりついている巨大亀を持ち上げ──
巨大亀「なんだぁ〜?」
魔王「まさか──!」
赤木「ウホッ!」
ズガァンッ!
──巨大亀で魔王の頭にダンクを決めた。
ワアァァァァァッ!
桜木「すげぇぞ、ゴリッ!」
木暮「赤木……!」
魔王(くぅぅ……っ! なんという屈辱だ!)
三井「おうよ!」
ここぞとばかりに、魔法を唱えまくる三井。
三井「“攻撃力増強呪文(ホワチャア)”!」
パーティ全員の攻撃力が上がった。
三井「“防御力増強呪文(イケガミ)”!」
パーティ全員の守備力が上がった。
三井「“日焼け呪文(マキ)”!」
パーティ全員の肌が少しだけ黒くなった。
「出やがった!」 「三井の三連続魔法だ!」 「3ポイントだァーっ!」
巨大亀「すいません、魔王様ぁ〜!」
魔王「忘れろ! すぐに三井につくんだ、これ以上好き勝手やらせるな!」
三井の呪文でパワーアップしたパーティは、一気に戦況を盛り返す。
これで形勢は分からなくなった。
勇者パーティと魔王軍の戦いは全くの互角であった。
赤木は力勝負に固執しないことで、ドラゴン相手に善戦。
流川は暗黒騎士と一進一退の攻防を続け、
桜木、宮城、木暮も、魔王、側近、スライム相手にどうにかふんばっていた。
だが──
三井「ぜぇ……ぜぇ……」フラッ
桜木「ミッチー、大丈夫か!?」
三井「バカヤロウ、俺を誰だと思っていやがる……!」
三井の体力と魔力が、限界に近づきつつあった。
ずいぶんスタミナをロスしちまった……!)
巨大亀(くっくっくぅ〜、そろそろかなぁ〜!)
巨大亀「甲羅アタック!」シュルシュル
三井「!?」
ズガァッ!
巨大亀が高速回転しながら、三井にタックルをかました。
三井「が、は……っ!」
ドザァッ!
十数メートル吹き飛んだ三井に、もはや立ち上がる力は残っていなかった。
桜木「ミッチー!」
赤木「三井!」
木暮「三井!」
宮城「三井サン!」
流川「先輩……!」
巨大亀「やったぞぉ〜!」
魔王「フハハハハッ、よくやったっ!」
木暮「みんな、なんとか頑張るんだ!」
魔王「フハハハハッ! この差は頑張りでどうなるものではないわぁっ!
一気に決めてしまえっ!」
スライム「えーいっ!」プルン
ドガァッ!
木暮「うわぁっ!」
側近「これで大がかりな魔法を唱える隙もできますね」
側近「我らに仇なす者たちの“平常心”と“判断力”を奪い取り……
“自信”と“攻撃意欲”を消失させたまえ……」
側近「“能力減退呪文(ゾーンプレス)”!」
ズオオオオ……
勇者パーティ全員の能力が下げられた。
スライム(出た、側近様の最強補助魔法! これで決まりだ!)
出番だぜ、カク
カクには悪いがスピードもパワーも感じねえ!
カクには悪いがスピードもパワーも感じねえ!
>>130
魔王軍がここぞばかりに猛攻をしかける。
暗黒騎士「側近様のゾーンプレスが、だいぶ効いているようだな……。
一気に動きにキレがなくなったぞ……?」
ザシュッ!
流川「ちいっ……!」
ガギィンッ! キィンッ!
エース対決は、ここで暗黒騎士が一歩リードした。
ドラゴン「これで終わりだっ!」
ゴォアアアッ!
ドラゴンが吐いた炎を、動きが鈍った赤木がまともに喰らってしまう。
赤木「ぐああああっ!」
魔法使いが倒れ、エースと大黒柱が抑えられては、もはや手のうちようがない。
木暮(ここまでか……!)
宮城(ちくしょう……!)
しかし、一人だけ諦めていない男がいた。
やはりこの勇者がやらなきゃならねーようだな!」
桜木は大きく深呼吸をすると、大声で叫ぶ。
桜木「マオーは俺が倒す!」
流川「どあほう」
ザワザワ…… ドヨドヨ……
「なに考えてんだアイツ」 「まだ諦めてねぇのかよ」 「すげぇ……!」
観客がどよめく。
桜木「どうだオメーら、これでもう勝つしかなくなったぜ」
魔王(コイツ、これだけの差を見せつけてもまだ気力があるというのか……。
ふははははっ! 面白いッ!)
グオッ!
魔王が桜木にトドメをくわえんと、一気に迫る。
ザシュッ!
桜木「ゴール下スラッシュ!」
ズバッ!
桜木「アーンド頭突き!」
ゴツンッ!
魔王「が……っ!」ドサッ
桜木の三連撃を受けた魔王が、初めてダウンした。
ワアァァァァァッ!
観客が沸き上がった。
すると桜木はスライムを片手で掴むと、そのまま思いきり側近の頭にぶつけた。
ブチャッ!
スライム「うぎゃあっ……!」
側近「あぐぅ……!」
「スライムダンクだっ!」 「スライムダンクが決まったっ!」 「すげぇっ!」
ワアァァァァァッ!
ギャラリーの盛り上がりが最高潮に達する。
桜木「どうだキツネ! テメーなんぞ、この俺の足元にも及ばねーんだ!
オメーは一生そのヨロイ男とたわむれてろ! がーっはっはっは!」
流川「…………」ピクッ
暗黒騎士(ん、コイツの剣に力がこもった……!)
ガキィン! キィンッ! ガィンッ!
暗黒騎士(なにぃ!? ゾーンプレスで、能力が下がったハズなのに……!)
流川「俺は世界一の戦士になる、おまえを倒してな」
キィンッ! ギャィィンッ! ゴキィンッ!
暗黒騎士「人間如きが……!」
安西「…………!」ブルッ
安西(見てるか谷沢……おまえを超える逸材がここにいるのだ……。
それも二人同時にだ……)
本来の予定では、安西は彼を勇者にするつもりだったのだ。
しかし、安西の厳しい指導に嫌気がさした谷沢は、
まだ基礎もできていないのに勝手に勇者を名乗ってパーティを作り、
魔王討伐に出発してしまった。
谷沢は才能と体格に恵まれ、装備も高級品だったため、
最初のうちは順調に勝利を重ねた。
しかし、他国から送られてきた谷沢の映像を水晶で見た安西は──
安西(まるで成長していない……)
安西(ちゃんと地道な修業をして、レベルアップしているのか?)
安西(パーティメンバーともうまくコミュニケートできてないようだ)
安西(そもそもこのパーティはなんだ!?
ろくに回復をしない僧侶、後先考えず大魔法をぶっ放す魔法使い、
剣の性能に頼りきりの戦士……まるでまとまっていない)
安西(これじゃ谷沢は魔王軍に殺される!)
安西は谷沢と連絡を取ろうと努力したが、谷沢はつかまらなかった。
いつかの国王の言葉が、近頃よく頭に浮かびます。
「おまえのためにパーティがあるんじゃねぇ、パーティのためにおまえがいるんだ」
このパーティは誰もぼくを回復してくれません。
国王やみんなに迷惑をかけておきながら、今おめおめと帰るわけにはいきません。
いつかぼくの剣で魔王を倒せるまで頑張るつもりです。
勇気ある者──その名を名乗るだけで、ぼくは強くなれると思ってたのかなぁ……。
安西のもとに一通の手紙が届き──
谷沢は魔王軍どころか、魔王軍に恐れをなしたパーティメンバーの裏切りで
命を落としたという悲報が入った。
赤木がドラゴンの巨体を持ち上げ、地面に叩きつけた。
ドグシャアッ!
ドラゴン「が……は……っ!」
ワアァァァァァッ!
「決まったぁーっ!」 「ドラゴンダンクだ!」 「ゴリ絶好調ーっ!」
魔王(くっ……!)
魔王(あの桜木のせいで、一気に勇者パーティが息を吹き返した……!
戦い方はシロート同然だが、さすがは勇者といったところか!)
魔王(仕方あるまい!)
魔王「ワシが宮城を倒すっ! 側近、巨大亀、スライムは三人がかりで
桜木をツブせっ!」
魔王「木暮とかいう僧侶は放っておいてかまわん!」
赤木「…………!」
しかし、宮城も持ち前のスピードで粘る。
ブオンッ! ブウンッ!
魔王「おのれ、小僧がっ! ちょこまかと!」
宮城「へっ、当ててみやがれ!」ハァハァ
一方、三対一になった桜木は大ピンチだった。
側近「“針呪文(センドウ)”!」ビュビュビュッ
巨大亀「甲羅クラッシュ!」ドゴッ
スライム「とりゃあっ」プニュッ
桜木「この勇者に、よってたかって……!」グラッ
三人の幹部の猛攻で、桜木は瀕死になっていた。
だが──
赤木「木暮フリーだ、唱えろっ!」
赤木「うおおおーっ!」
流川「お」
宮城「おっしゃあ!」
パーティ全員の体力が回復した。
魔王「な!?」
魔王(しまった──! あの僧侶、全体回復呪文など使えたのか!?
くそっ、真っ先に始末しておくべきだった!)
魔王(全体回復など、何度もできる呪文ではない……。
使うべきタイミングをずっと待っておったのか!)
魔王「ワシのミスだ……!」
魔王(アイツも僧侶として頑張ってきた男なんだ……。
侮ってはいけなかった……)
三井「“火炎呪文(ミッチャン)”……!」
ゴォアッ!
強烈な炎が、巨大亀にヒットした。
巨大亀「うわぁ〜っ! なんで三井が復活してるんだぁ〜!?
あの呪文で回復しきれるダメージじゃなかったはずだぁ〜!」
三井「おう、俺は三井……諦めの悪い男……」
巨大亀(コイツ、不死身かぁ〜?)ゾクッ
木暮の回復呪文で、ここにきて勇者パーティが一気に優位に立った。
──かに思われたが。
桜木「…………!」ハァハァ
回復呪文の直前に、桜木が集中攻撃で受けた傷は深かった。
赤木「大丈夫か!?」
宮城「花道!」
桜木(くっ、体が動かねぇ〜……せっかくメガネ君が回復してくれたってのに……!
ちくしょう、動けぇ……!)
木暮(マズイ……! 俺の少ない魔力じゃ、あの呪文を一発使ったら、
もう回復呪文は使えない──!)
流川「…………」
流川「もう立てないんなら、ジャマにならねーように寝てろ。
立てるんならさっさと立て」
桜木「────!」ブチッ
桜木「ざけんな、キツネ! この勇者がもう立てないワケがねーだろうが!」ガバッ
ワアァァァァァッ!
流川の激励(?)で、桜木も復活を果たした。
スライム「あの僧侶の全体回復にはしてやられたけど、
アレであの僧侶はガス欠、魔法使いもフラフラのハズ。
こちらの数的有利は変わらない」
スライム「ここからが勝負だよっ!」
ドラゴン「おうっ!」
暗黒騎士「うむ」
巨大亀「了解ぃ〜!」
側近「分かりました」
魔王(よし、スライムのおかげで動揺は少なくて済んだ……。
もう互いに余力は少ない……おそらくあと数分で決着する!)
赤木「いいかみんな、全てを賭けてくれ……!」
赤木「ここからの数分間、全てを出し尽くすんだ!」
赤木「数分後、コートに立っているのは俺たちだっ!」
桜木「おうっ!」
流川「うす」
宮城「もちろん!」
三井「分かってるぜ!」
木暮(頼むみんな……! 頑張ってくれ……!)
ピピピ〜〜〜〜〜!
ワアァァァァァッ!
赤木&三井&宮城&流川&桜木「うらぁぁぁぁっ!!!」
先ほどまでのように、各自マッチアップするかと思いきや──
勇者パーティは一斉にスライムめがけて突撃した。
スライム「なに──!?」
ズガァンッ!
スライム「ぐわぁっ!」
五人分の突撃を喰らい、スライムは壁に激突し──
スライム「ま、魔王様……す、みま……」ガクッ
──動かなくなった。
魔王(ぬかったわ! コイツら、ワシらのチームプレーの要となっていた
スライムを真っ先にツブしに来るとは……!)
魔王「だが、こちらの方がまだ戦力は上だっ! かかれぇっ!」
流川「む……」クラッ
流川「…………」スースー
側近「流川を眠らせました! 今です、暗黒騎士!」
暗黒騎士「……もらった!」ブオンッ
──ガキィンッ!
刃は受け止められた。
暗黒騎士「!?」
流川「何人たりとも俺の眠りを妨げるヤツは許さん」
ズシャアッ!
逆に、寝起きの流川の一閃が暗黒騎士を斬り裂いた。
暗黒騎士「ぐはぁ……っ!」ドサッ
側近(なんという誤算! あの戦士、眠った方が強かったのですか!?)
側近「む!?」
三井「“召喚呪文(チャージドタイムアウト)”!」
側近「“召喚呪文(チャージドタイムアウト)”!」
二人は同時に召喚呪文を唱えた。
三井は鉄男を、側近は彦一を召喚した。
召喚獣同士の戦いが幕を開ける。
バキィッ!
彦一「なんてパンチ力……要チェックや……」ドサッ
側近「私の召喚獣が……!」
鉄男「次はテメェだ! モップクラッシュ!」
ドゴォッ!
側近「ぐふっ……こ、こんな……!」ドサッ
鉄男のモップをまともに喰らい、ついに側近も崩れ落ちた。
鉄男「じゃあな、マジックマン」シュウウ…
三井「これで俺の魔力も……すっからかんだ……」ハァハァ
ダダダダダッ!
ドラゴン「なんてスピードだ! 目で追い切れんっ!」
巨大亀「くっ、くそぉ〜っ!」
宮城「今だ、ダンナ!」
赤木「おうっ!」ガシッ
巨大亀「うわぁ〜!?」
赤木(もうこの一撃で俺は倒れてもいい……やっと掴んだチャンスなんだ!)
赤木「ウホォォォッ!」
ズガドゴォンッ!
──巨大亀をドラゴンの脳天に叩きつけた。
巨大亀「こ、こんな……」ガクッ
ドラゴン「バカ、な……」ドサッ
「うおおおーっ!」 「過去最高のゴリラダーンクッ!」 「すげぇ〜っ!」
「一撃で二人倒した!」 「スゴすぎるっ!」 「ゴリラだぁ〜っ!」
安西(これだ……! 勇者パーティにあって魔王軍にない爆発力……!)
ワアァァァァァッ!
安西(しかし、残る魔王は本当に手強いですよ……)
魔王(いや、そもそも木暮を先に倒しておけばこんな事態には──!)
魔王(部下たちの敗因はこのワシ……ワシの部下は最高の戦いをした!)
魔王(だが、ワシがおる以上、魔王軍は負けてはおらぬ!)
魔王「キサマらが部下を倒しているうちに、準備は整ったっ!
まとめて片付けてくれるわ!」
魔王「“即死呪文(テクニカルファウル)”!」
たとえ死なずとも、大ダメージは免れない。
赤木「ぐぅぅ……っ!」ガクッ
三井「ぐああっ!」ガクッ
宮城「なんだこりゃ……!」ガクッ
木暮「なんて呪文だ……!」ガクッ
魔王「さすがに即死はせんか……。
だが、消耗した体でこの呪文を受けるのはキツかろう!
ふはははは……!」
魔王「さて……」チラッ
魔王「かろうじてワシと戦う力が残っているのは、キサマら二人だけか」
桜木「一人で十分だ!」ハァハァ
流川「オメーがいらん」ハァハァ
スポッ!
桜木の剣は疲労のためすっぽ抜け、どこかへ飛んでいってしまった。
桜木「あああーっ!」ガーン
流川「どあほう」
魔王「これでワシと戦えるのは流川とやらだけ、か」
流川「…………」
だが、暗黒騎士と長時間打ち合った流川に、魔王を倒すほどの体力はなかった。
魔王「そんなヘトヘトで、ワシの相手になれると思ったか!?」
ドゴォッ!
流川「ぐぅ……っ!」
魔王「ふははははははははははっ!
剣のない勇者に、体力の残っていない戦士……勝負は見えたな」ニヤッ
魔王の拳によって、ダウンさせられる流川。
流川「ぐ……!」
魔王「ふははははっ!」
魔王「ワシはな、こうやってワシに挑んだきた愚か者どもが、
地面に転がっているのを見下すのが好きなのだ!」
流川「よくしゃべるヤツだ……」ハァハァ
ギィンッ!
魔王「無駄だっ! 今のキサマでは、ワシに傷一つつけることはかなわん!」
流川「…………」ハァハァ
魔王「トドメだっ!」
グオァッ!
魔王の爪が、流川を引き裂く寸前──
流川「!」
流川が放り投げた剣が──
パシィッ!
──桜木の手に渡った。
ズシャアッ!
魔王の爪に引き裂かれる流川。胸から血を噴き出し、崩れ落ちる。
魔王(あの天上天下唯我独尊男が、パスを出すとは!)
桜木「…………!」チャキッ
魔王(だが、勇者に流川ほどの剣の腕はないハズ!)ギロッ
桜木「ルカワの剣なんて死んでも使いたくねえけどよ──」
桜木「やっと……ダンコたる決意ってのができたよ」チャキッ
魔王「終わりだ、勇者っ!」グオオッ
桜木は試合前の一週間で身につけた、あの技を思い返していた。
桜木「おおっ、できたぜ! オヤジ!」
安西「ほっほっほ、ついに会得しましたね」
安西「二万回、素振りをした成果がありましたね、桜木君。
コツは左手はそえるだけ、ですよ」
桜木「おうっ!」
桜木「さっそくこの技に名前をつけねーとな!」
桜木「えぇと、合宿で身につけたから──」
桜木「合宿スラッシュッ!!!」
ザ ン ッ
桜木の一撃が、魔王を一刀両断にした。
魔王「この、ワシがやら、れるとは……」
魔王「だが……これで終わりではない、ぞ……」
魔王「いつか必ず……はいあがってみ、せる……」
魔王「負けた、ことがある……と、いうのが……いつか……必ず……」
魔王「おおき、な、財産に……な……る……」
魔王「ふは、はははは、ははっ! ……は、は……!」
ブワァァァ……!
不気味な笑い声を響かせ、魔王は消滅した。
歩み寄る二人。
桜木「…………」
流川「…………」
そして──
この日初めて、水と油の関係だった二人がハイタッチを交わした──
桜木「…………」プイッ
流川「…………」プイッ
宮城「花道……流川……!」
木暮「やった……! やったぞ……っ!」
桜木「メガネ君、これで人類の寿命が延びたな」
木暮「泣かすなよ……勇者のくせに」
赤木「…………!」グスッ
桜木「さぁ、整列だ」
赤木「おう……分かっとるわ!」
流川「ま、名前だけとはいえ勇者なんだから、あのくらいは……やんないと」
桜木「ンだと!?」
『ただいまの対決、勇者パーティの勝ちです!』
「あ(りがとうございま)したっ!」
勇者パーティの奮闘によって勇気づけられた人間たちの軍は──
その後の魔王軍残党との戦いでウソのようにボロ勝ちした。
勇者パーティの面々もそれぞれの道を歩み始めた。
宮城は盗賊から足を洗い、三井とともに気ままな旅に出た。
宮城「なんでついてくるんすか、三井サン」
三井「なんだよ、なんか文句あるか」
宮城「いや、別に……」
三井「俺は赤木や木暮みたいに、マジメにってのはどーも性に合わん」
宮城「じゃあ、二人で財宝探しでもしますか!」
三井「おもしれぇ!」
木暮「よう」
赤木「おう」
木暮「赤木、道場の方はどうだ?」
赤木「どいつもこいつも根性が足らん! 一年後には、何人残っているか分からんな」
木暮「ハハハ、少しは手加減してやれよ」
赤木「おまえも教会で授業をやってるんだろ? 頑張れよ」
桜木(うぬぬ、おのれルカワめ……!
どっかの戦士団にスカウトされたらしいが、この勇者の補欠に決まってる!)
安西「ほっほ、元気があり余っているようですね。
それでは、今日のリハビリはキツめにいきますか?」
桜木「おうよ!」
安西「それでは、久々に“アレ”になるとしましょうか……」ゴゴゴ…
桜木「アレ?」
安西「桜木、ダッシュ200本いってこい」ゴゴゴ…
桜木「えっ」
安西「分かったのか? 分からんのか?」ゴゴゴ…
桜木「わ、分かった!」
白髪鬼安西の地獄のリハビリによって、桜木もまもなく復帰することができた。
桜木「ルカワ、てめえ! この勇者を差し置いてまた出しゃばりやがって!
悪党どもをほとんど一人で倒しやがって、個人プレイヤロウめ!」
流川「だれかがモタモタしてたからだろーが、どあほう」
桜木「なんだと!?」
流川「敗北者め」
ドガッ! バキッ! ドゴッ! ベキッ! バキッ!
「またやってるよあの二人」 「だれか止めろよ」 「だれが止められるんだよ……」
桜木と流川は湘北の戦士団に所属し、末永く国の平和と安全を守り続けたということだ。
〜おわり〜
ありがとうございました!
スラダンは好きですか?
大好きです。今度は嘘じゃないっす
Entry ⇒ 2012.05.13 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
のび太「え?僕童貞じゃないよ?」
/ /⌒ ⌒ヽ\
/ , ┤ ・|・ |-、ヽ
l / ー ●ー ヽ は?何見栄張ってるんだよ。
. | / 三 | 三 | _ 小学生だろ君?
| | /⌒\ __|_/^ヽ l(__)
ヽヽ ( ______ / / /
>━━━━,-、━━イ /
/ / ヽフ ヽ l/
( _) | ____ | |
l ヽ ヽ _____ ノ ノ l
, ──── 、
ゝ/ _______ヽ
i | / /⌒ ヽ/⌒ヽ
| _| _| ・|・ |__ 小学生だから童貞とか時代遅れだよ
, ─i 、 ヽ __ o__ ノ ヽ 童貞なんかドラえもんが来た次の日に捨てたよ
! `-、 | !
\ ヽ、 ──┘ ノ /
\ \二二へ二ヽ/
\ | |
| |
/ /⌒ヽ⌒ヽ\
/ , ┤ (|) |- ヽ
/ / `ー ●ー′ ヽ なんだって!?どうやってさ!?
i / 二 | 二 l、 相手は誰なんだよ!?
| | ─ | ─ __)
| | /´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / /
! ! i /⌒ヽ⌒ヽ / /
ヽ ヽ/⌒ヽ___/ /
┝/ \_ノ━━6━━、
/ / ___ ヽ \_
| | ヽ ノ | (__)
____
/ \?
i──────┐ ヽ
| ⌒ヽ ⌒ヽ\ | | 何言ってるのさ、しずかちゃんに決まってるだろ
| >|・ |─-|_ / なーに、実に簡単だったよ
j ーc ─ ′ ヽ
⊂____ /! _ノ
_(\ \ \ __/ /
(─ ヽ、 ` ─_──イ- 、
ヽ二_ノ \/|/\ / \
\
え
は
./ `'i、
l r‐---,,,,,,_、 `'i、
l゙ | r'ニミ' "ニ"'''',!'" 友情カプセルを使って出木杉に頼んだのさ
゙.l- -,l {.i''rl |l,!.} j゙l しずかちゃんを騙して誘いだすようにね
.l゙゙li.ゝ ''‐'` .,. ''‐' |,l゙
゙'-r、 ,,, _.. ,l゙
゙',,,,、 `` ,/
.,-'''''''|`'二ニ''"ニ、
,r" ゙―'"`-" ゙'、
| | / ̄ ̄ ̄\ /. ̄ ̄\.. |
| | |:::;/─__─__- (_:(;:(\,::::::::ヽ. |
| | |:(t (0. (0| |0)` t):::::::ノ | 後はホテルにしずかちゃんを拉致して直結さ
| | `'ヽ、 ┌.` | i _ '>;< |出木杉は忘れろ草で全て忘れさせて帰ってもらったよ
| | ,-'---, ′ `-┐イ \) |
| | (⌒\/ヽ , \ / ̄ヽ. |
| | `\__ |;;;;;;;;;;;;| ̄| ( |⌒| | |
| | / |──..| ̄| |_| |_|.. |___
| |/ |--┬.(___) / (__ノ_| /:::::::::::::::::::.\
|. ̄ ̄ ̄ ̄ .| |┌'--'┐  ̄| ̄| .|::::::::::::::::::::::::::::::|
|  ̄ ̄ ̄ ̄ | | | | .| | | .|:::::::::::::::::::::::::::::|
| HOTEL .|| ⊂二⊂,└---┘ ⊂二] (_\::::::::::::::::::::/)
| ピーナス | | \\::∧:/ノ
/| . |. | /──ヽ
|______|─' / ̄ ̄ ̄ ̄\
├-| |┤
__ 〈⊃ } /____ヽ
/ ._  ̄ \ | | .| | --‐' 、,.-、l
/ _./\|/ニヽ ヽ ! ! 、 | _| _;_;::;ノ |< || まぁ僕は石ころ帽子つけてたから何も問題グエァ!
| /ニヽ_゚ノo<_ノヽキ| / ,,・_ .(6 _ー っ-´.}
| ├__⊥_つT / , ’,∴ ・ ¨ \.ヽ_  ̄ ̄ノノ_
| l/___ /ノ / 、・∵ ’ /(_ ∧ ̄ / 、 \
/  ̄7 ̄O ̄ヽ . / /  ̄ ./\ _\
(__◯-─┐| / / / (t )
////////////////ヽ
////////////////////ヽ
i////>----- 、////////∧ な、なにするのさ!
f ´; ´ーニ=ミ. ∨////////} ドラえもんが言ってただろ?頭を使えって?
,t≦ ./ ´r, ヽ L__.∨/-///// どこにも隙がない完璧な道具の使い方じゃないか!?
L {6Yヽ.._¨__ ノ }´`)///
ゝxノ u ニr////
',` ゙ /¨ Y
\ t==、 ∨
ヽ ̄´ __ ∨_
` -- ´ヽ x< {
У-=¨¨` =←=、
,、='' ̄::::::::::::::: ゙̄'''ヽ、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/:::::_,_、:::::::>‐-、:::::::::::::::::::::::::::::
/::::/~ヾ,}::::j| 。 }::::::::::::::::::::::::
l::::/|_ ゚ ,.>ー、ゞー≠ ̄ヽ:::::::::::::: ああ、凄い頭を使ったね。
|::/ ヾ≦ヘ,_ノヽ \::::: でもそれ犯罪だから、計画犯罪だから。
|Y l| ヽ
|ノ〆 l| ー- |
/| / l| ー- |
l / r 」{, ヽ |
l, ヘ_ _,,>ー=、_ /
∧ `Σ,,、-‐─゙ゝ=´ /
ヘ ===一 ノ
x`.:::::>-'''''''''''''''ー<.ゝV
> fナーヽ ナーヽ∨; i
\ |l ・ }{ ・ } }::!!
`h/ゝ __ ノcゝ __ノ\, 、! 罪を犯してでも貫かなきゃいけない事が・・
|;{ ヾ ! ノ あると信じているんだ僕は(キリッ
`ヘ ー-./\ j゙
ゞ、 ノ ゞ__
_ イ }`ー{, ーイf::. ヽ、
ゝ _、( ナ´.:.:.:{.:.::. ゝヽ
,ヘ´.:.:ヽイ´.:.:.:.:.:i!.:.:.:::.._(
メ.:.:}.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}.:.:/ ∨
/.:.:.:{.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i∧
____
..:::::´:r ノ、\、\
/::::::::::_」 0|0 l__::\
/::::::::::/ `ーr'⌒Y´ \:ヽ うん、そうだね。
,:::::::::::/  ̄ ̄ ーr‐'  ̄ ̄ l.:l 続きは警察署で聞くよ。準備しな
|::::::::/  ̄ ̄ l  ̄ ̄ |::|
|:::::::l ´ ̄ -─┴- 、 ̄` l/
ヽ::::| / ヽ /
`ミ三≧====ァ=r=≦ヤ′
/::::::::::/ (〒) ヽ::::ヽ、
{:::::::i:〈 ___ 〉l::::::ト、
{:::::::|::::ヽ ( )ノ::厂´ ノ
/.:::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..ヽ
,':Y´ `ヘ:; まぁ落ち着きなよ。
l:::》___ ___ {/l 起承転結、起がなければ何も起こらない
l:: { }大{.ェェ }r、 彼女の携帯には精液まみれになったしずかちゃんの画像を送っておいた
`トヽー j .ー ゙i リ (もちろん出木杉の携帯から)
l::V:::::―- ノ 今日までしずかちゃんは被害届を出していない
i:::::::::::_,.イl つまり、事件など起きていないと言うことさ
,小:::::::::::l 人
/ | ゝ,._ _/j \
_, - ´ \/ ヽ/ ` ー _
// //
. / / //
/ / _.. 〜'::""::''ヽ、 / /
// /:;r‐、:::::::__:::::::::::\ / / 何言ってるんだよ・・
// /:::ノ ・ _)( ・_`つ、::::::ヽ、 l l じゃあしずかちゃんは今日の今日まで我慢してたのか
/ /::r(__ ノ´(:;;:)´__ノ〃ヽ:::::::} | | 脅して口止めまでするなんて・・
/:::::ノ二ニ彡 ノ 三彡-、 )::ノ | | 僕はこんな事の為に道具を貸してるんじゃないぞ!!
{::::( -_二 -‐'' ̄ )(::/ ノ ノ
ヽ:::ヽ( ,r'' " ''‐-‐′ノl//
ヽ )`― ''′_ .... __ノ//
ゞニニ二 -(/∂-‐//
___ /___ ヽ?
. / \ |−、ヽ | ヽ まぁいいじゃない
/ ノ- 、 ヽ |ヽ |─|__ i ドラえもんは僕を幸せに出来れば
●- ′ ヽ ヽ c−´ ) / それでおk?みたいな?
| 三 | |. └─┐ \/
(___ | ! `─┬__´/ヽ、
\ | / /l/\ / i
o━━━━━━ _∩_/ | | |
/| ヽ | ∈ | | | |
,,;;':::::::::::::::::::::::::::::;;;,,
,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'.
,'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'.
|:::::::/¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨ヽ::::::|
|:::/'>ー、、,,.ィー .. .l:::::|
r、|ーl lYl l-l::::::| なーに、心配いらないよ!
{(,| `'''7、,. `''''''''' |/ニY しずかちゃんを含めて今日まで毎日レイプしてたからね!
ヾ| ^'^ ′-、 ,ノr')リ 一日一犯!!
| 「匸匸匚| '"|ィ'( 今日まで何もないんだ!今後も罰なんて当たらないね!
, ヘー‐- 、 l | /^''⌒| | |
-‐ノ .ヘー‐-ィ ヽ !‐}__,..ノ ||
''"//ヽー、 ノヽ∧ `ー一'´ / |
//^\ ヾ-、 :| ハ  ̄ / ノ |
,ノ ヽ,_ ヽノヽ_)ノ:l 'ーー<. / |
__,冖__ ,、 __冖__ / //
`,-. -、'ヽ' └ァ --'、 〔/ /――--、..,
ヽ_'_ノ)_ノ `r=_ノ / :::::::,-‐、,‐、ヽ.
__,冖__ ,、 ,へ ,ィ:::::_|o | ゚|-i、 僕やタイムパトロールの目を盗んで何てことを!!
`,-. -、'ヽ' く <´ 7_// . ` ' ● ' ニ 、 のび太くん!君は確実に死刑だぞ!
ヽ_'_ノ)_ノ \> / ニ __人__ノ 僕が今から通報してやるからな!!!
n 「 | / / ̄ _ | i
ll || .,ヘ / |( ̄`' )/ / ,..
. n. n. n ヽ二ノ__ { `ー'´`'ー゙' / '(__ )
|! |! |! _| ゙っ  ̄フ====( i)==::::/
o o o (,・_,゙> / :/ ヽ:::i
::::| _,.. -- 、 j::::: :::::
::::| ____ イ ,_ `ヾ___止-- タイムパトロ〜ル〜??
:::::´/ ` xi ´,イ  ̄ゞソ .|>´∨: ああ、そんな連中いたね〜
ヘ,| l<´ ̄?ッ、|≠j|ヾ´ー  ̄´´ . j ヾ 奴らならとっくに僕の所に来てたよ。
ト'. メ  ̄ ̄ .jヘ ヽ メ ”何故か”偶然仲良くなってね〜
`ヽー―― `∧ - -- _ 今日も「異常なし」と上に報告しているはずだよ
`∧ ! ┐ j 「 友情カプセル様々だねぇ
ヽ、 k _ / |
\ -‐=ニ ¨-´ / ト、
\ / ∨∧
ヽ . < / j
`ー―´ / .ノj
_ _ __
,. ´ , - 、, -、 `丶、
/ , -{ ollo }‐- 、 ヽ
/ / `ー/⌒V ヽ. }
,′/ ─‐ `T ´ 二 ∨
! l 二二 | ─ ′
l | ,. -┴-、 /
. l l `ー─−' /
ヽ >──────く
/ ̄ ̄ ̄ラ⌒く ̄ ハ
丶 ', ', ,' ; '::::::::::::::::::::::::::ヘ
゙、 ', ', ; ,'/:::::::::::::::::::::::::::::::|
∠、 '、 ,' '/:::::rー' ::::::::__::::::::|
/,ゝ、`ー' , '〈_j:::::`ー′::::|_/::::::|
,. ┴─‐ l゛−"/:::::|::::::、::::::::::::::::::::::::| …妙な殺し屋みたいな連中も来たけどさ。
/:::::::::::::::::::ハ n /}::/ ヽ::::ヾニァ':::::::::::::| 所詮は小学生と侮っている馬鹿どもさ・・
. /::::::::::::::::::::::ト、]_[ノ::{ \:::::::::::::::::::::::ト
. /:::::::::::::::/ ̄'| |`ヾ、`ー-、`´__ l:::::::::::::::\
/:::::::::::::::〈 rニL上z'^) i´ |::::::::::::::::::::}
::::ノ⌒ヽL{ 、___厂丶 l l::::::::::::::::::::|
:::::::::::l7丁{ 、___}:::::::::ヽ ! l:::::::::::::::::::::`l、__
:::::::::::K`Y^>、___,ノ:::::::::::::`、 /:::::::::::::::::::::∠b }〉
:::::::::::|、>へ//7ー′::::::::::::: '、 ン:::::::::::::::::::∠仏レヘ
:::::::::::lヘ/::://:::::::::::::::::::::::::::::∨::::::::::::::::::/仏j/::::::::\
:::::::::::|'´::::::://::::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::/ム/::::::::::::::::::∧
:::::::::::l:::::://:::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::/レ'::::::::::::::::::::/×\
、? | i ;r-、 | |i // j , /
? :{ |i.i ヽノ | i ; i ;jl∨し、/ ,////
. ミ .:乂li.i.|:! `⌒7 | ,.:.::..:.:.:.:.:.:. ii/Y⌒Y/ ,,////
. ミ .:{i.i.i.i从:. |ii/iヘ、|i;,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨/`ヾ//,, , /////
ミ . .:乂{⌒ヾヘヘヽ |/!! l.:.:rヽtーノ+.:l / , /////// ′ 自分の方が上だと油断しきっていてさ・・
ミ . :.:.:.{ \|:i:i|!i !; rl/l77lーl7/l l./ , /////// ' ′ 僕の射撃の餌食になってもらったよ。
ミ`ー=ヘ. \|:i:i:i i ヘト  ̄.↓ ̄イ},' ,'//////∨/ ,′
. ミ`ー==〉 ∨:i i ヽ ´⌒` / , // ∧ ∨/ ,'
{ー‐< ?i{ {↑ー‐=↑ , /'′/}´ ̄`Y
{|_几| :} ∨ / , ?? /,' /' / {!|不| :} | i
〈|:|:: l|り |: ∨,/ / , V/ , ,..//{, ' 〔|::::!|〕l | l
||:|__||'′! `?/ / /V,/,///゙/ |::::!|り ;!
!!::::::|!:!| | __彡イ彡イ彡イ//彡イ ;|::::!| | |
. |:::::!| i __彡へ、///}}///}}イイ/`ヽ:::!| i i
. |:::::!| |: \ `ヾミニ=─{{_}}─<_/::::::/, /
. `L!´ ; 丶\\\ ノ厶 `ヾ'////
| | 、\\丶 く< //, / ,
! ; 、ミヽ\ \\ /\. ///, /
. 、ミヽ ヽ \\/ `Y´ \ / '//' ,
、ミヽ 、\\/\> ヽ / ' \
/´ ,,.. ヽ
f イ`ゞ-、`j
l , 、フ_f ;心.lt なんだろうね、人の命は軽いって実感したよ
`. '.'. j゙, ゝ- ゙ > こんな一発いくらもしない弾で消える命だよ?
ヾ:;;;;>ヘ ーf 僕をイジめてた連中の命も同じ軽さだと知っとき・・
ノ >t-´ , 、__, どうしたと思う?
,ノゝ ___, У´j >
メ`ヽ、__,.ハ / ヘ
/ ゝ
.´ , ' ヽ
/ヽ ゝ j´ 丶
,j ヽ イ`丶/ ∧
{ \ { .ノ ,
´.___ j, ヘ,イ /
j´ `j/ ヽ , ___ , 、 r ´ __,.イ´
.j >-< ) ゝ-_ナ´`ー< .゙
' ´ ` 、_ゝ `´ーー)゙ゝ ,_xrーrー―───i
i ゙ ー- ;., _,rメ二f {{三{,、テ´ ̄ ̄ ̄´
ゝ . f 二`t゙コf ̄ ゙´
゙ ´ ゙> 、 ,,.._ ,、 -f´
/ vvvvv ヽ ____
のびたー__ |_| / ┃_┃ | /_____ ヽ?
| ____ <( ⊂⊃ヽ |− 、− 、ヽ| | (気づいたんだよ)
.. |__| | ・|・ |. ̄ .| | _ | ・|・ |─|__/ (震えが止まっている事に…)
( ` - o-´> /(ヽ、 3 ノ ∩//)、 | −o− ´ )、
. ヽ、 <. / ヽ二二二ノヽ. | ヽ ノ ヽ└── ノ ノ
_∩ / ▽▽ヽ i (_) (_) \/\ノ /ヽ▽▽^ /
∈ | ̄ | | | | | (_) (_) | / | | |′
 ̄ ̄ ̄ | | | | | (_) (_) |_ / | | |
____
. / /⌒ヽ⌒ヽ 、
/ , -|/ ・|< |、\
/ / `ー ●ー ′ ヽ ま、まさか・・ジャイアンとスネヲが行方不明になったのは・・!?
l / 三. | 三 |
| l /⌒\_|_/^l l
l | l , ─ 、− 、 l /
ヽ l ヽ ___)__ / /
〉━━━O━━━´⌒ヽ
/ / ヽ l l
/ / /
/ / /
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\/_
| .., ‐:、 , ‐:、 , ‐:、 || | -- _
l 弋_ノ 弋_ノ 弋_ノ || | ,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:` 、
| || | /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:, ああそうさ、どこでもドアで南極におびき出したよ
| .., ‐:、 , ‐:、 , ‐:、 || | |::|.:.:.:i!.:.:'.:.:.:i.:!、:.:.:.:;! 「財宝を見つけた」と言ったら飛びついてきてさ・・
l 弋_ノ 弋_ノ 弋_ノ || | ':>、,,,_ ,,;xュ !::、;!後は追いかけて追い詰めて惨たらしく千切れ飛んでもらったよ
| || | l tlーl ・ l! /
| .., ‐:、 , ‐:、 , ‐:、 || | t -ノ ー '
l 弋_ノ 弋_ノ 弋_ノ || |/ ` ー- , '
\________/ /|_ _メ ̄んi ハノ /^、
(_||つ{_,{ \-- --' ─-‐ ヽ
/ (___つ.|' | !
ヽ<}-- ' .|ヽ-- ´ー -‐ ‐‐ - ´
V!---'  ̄ !: /
! /
/ /
__...........-::::、:::::ヽ ____ -‐ ーi
/ :\:::::::::/::::::::::::::::::<
.───┐ ∠_ \L
 ̄ ̄ ̄| | llヽ _| ヽ
| | |l ̄| | l なぁに、事故さ事故事故、不幸な事故
| | / ´\ / 二人共地獄で仲良くやってるって
| | ヽ、_ `^イ そんなことより・・・
二二二 」 _ __ lニ二二l、
─┴┐ ⊆フ_)__./ ┌ヽ ヽ┐
二二二二二二l / | | | |
_l_____| /`ー─‐|_| |_|
| /`ヽ__, ─ 、ノ |─l
|───/ /lニ/ /二ニluul.
_____
/ /⌒ヽ⌒ヽ\
/ , ┤ (|) |- ヽ
/ / `ー ●ー′ ヽ
i / 二 | 二 l、 な、なんだよ・・
| | ─ | ─ __) まだなにかあるのか!?
| | /´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ / /
! ! i /⌒ヽ⌒ヽ / /
ヽ ヽ/⌒ヽ___/ /
┝/ \_ノ━━6━━、
/ / ___ ヽ \_
| | ヽ ノ | (__)
;:::/::: i:|::j//八乂\\、、:::::::::::::ハ
|/:从从'⌒ヾ 〃 ⌒ヾ\::::/^Y
jハ/'Y //,}ー{ ィ戈ア}⌒リ){ } これまでの罪を反省し、生まれ変わろうと思う!
{ 人 ノ i ヽ. ノ ,、_ ノ 散っていった命の為にも僕は生きねばならない!
\ハ`¨¨´ j `¨¨´ リ/ この命!有意義に使うと決めた!
八 ^ー^ イ′
\ ´ ̄ ` / ト、
}ヽ _ / / /\
. -‐/} / /: . .
;:::/::: i:|::j//八乂\\、、:::::::::::::ハ
|/:从从'⌒ヾ 〃 ⌒ヾ\::::/^Y
jハ/'Y弋戈>}ー{ ィ戈ア}⌒リ){ } と、いう訳でドラえもんも協力してくれ・・
{ 人 ノ i ヽ. ノ ,、_ ノ 僕が世界で唯一信じられるのは君だけだ
\ハ`¨¨´ j `¨¨´ リ/ 君だけがこの野比のび太の拠り所なんだよ・・
八 ^ー^ , .イ′
ヽ `  ̄ / ト、
}ヽ _ / / /\
. -‐/} / /: . .
そ、そんなおだてても・・・
いや、君が生まれ変わるというなら・・
まぁ、亡くなった方は過去に戻って死亡回避すれば・・
_____
// / − 、 - 、\ヾ ____
/ , - #| ・|. |-、ヽ /__ ヽ?
/ / ♯♯- ●-♯# ヽ| |ー 、 | ヽ
(( i | ── | ── | ′ |・ |─|__ | (チョロイな・・・)
| | 二二 | 二二 | - c− ′ 6) /
ヽヽ \___|__/ / ヽ (__ \ /
\ヽ \__/ /○ ヽ _ __i
━━○━(t)━━ / ノノ /── ヽ
/ / / \ | / |
しずかちゃんの殴りながら犯した僕ももういないんだ!!
,斗=ニ三≧:、i_
,:イ三三三三三ヘ _,, 、
孑=ニ三≧z:、 ヘ'',-ミ、./`ヽ ヘ三} / , - ヽ
,イ三三‐,、? 、イ_ ハ′9.}{.9 ├‐レヘγヽ"二∨
仁三ニ/ l '´{ {j´{_ .ヽゝーc`ー_ニ _ ソ ゝ-Y__ァ }
{三/`ヾ ν _′ .ゝ_ー<__ノイ-ミ、 |`ニ"|
.マニゝァ ,.-‐.、{_ィ'ヽ_,ィ"´「¨7マ .〃 ,//マ` .!
,ィ三;r-:{_ i ミ}ヾ", ヾミヽ|∨ `' .?// ノ
{三://´ヾミ廴__片ゞ`ー,厶イヘ `ゝ、 ̄
.'ヘ/ {/イY`ー'ハ ゝl=| ∨ _,斗ヘ
、l,..-―‐-- 、
,r' ヽ
i'r‐;;;;''''''''''''''‐;;;;-,゙l
l.l,r;ニミ`'Y''≦、ヽl.l
i´l iソ;i 人 iソ;i ,ゾi だから僕は綺麗な心でやり直す
',i`''ー''" ン゙''‐''" iノ 古い肉便・・もといしずかちゃんを諦める!
゙、 ,;:=:、 ノ 新しい彼女を見つけ幸せな過程を築いてみせるぞ!!
゙''-,.,, ̄,,.,-''"
,r''"~l_,.ニニ.,_l~゙''ヽ、
/:::::::::::::::Xゝj_jリ:::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::ノ_,,..、 `´゙`?::::i
/::::::::::::::::::_//"二_ ヽ !、 ハj
i'"´,,.zェヲーl ィモヲ `ヾー, i´、__{
.. l./´ヽ'´ .ノ 丶`¨ ̄´ 丿ハヌ ヒメ{ l 早速だがドラえもん!タイムテレビの用意をしてくれ!
j r`丶¨ l.` ー- ´ ,)ーi´ 僕のお嫁さんになってくれそうな子はピックアップしてある!
{ i´ら 、 l , 、´,、 l 僕の知能と君の道具があればどんな子も落とせるはずだ!
. ヽr- ソ!. ', ,イ ` { ,'
.l l ', 、ー-イ /
「¨ミ>、 ヽ、 ⌒ /
ノ \ 丶 ゝ _/
/ \. <, -‐´
,' "´  ̄` > ヽ /__,
? / ',, ? 「∧!
____
. // ⌒ ⌒ヽ `\
//|/’ |,\|ヽ ヽ っ
(( _/ ヽ ー● ー ´ \ ヽ っ え?あ、うん・・?
ヽ 二 / 三 ヽ l わかった・・ちょっと待ってね
`ー⌒ー⌒ヽ、__/⌒ヽ | |
) | l /⌒ヽ
/⌒ヽ __(二二二)__ノ / >、_ ノ
(( ヽ _ ノ`━━O━━━━/ / ノノ
. \/ / \ /
神社の娘だから巫女服プレイも期待できる!親友の泉こなたはロリ体型だ!
, ィ//____
/´ ̄: : :!: : : : : :.`ヽ
┌‐ァ´/:/: :.l: ∧: :.!: : :`ヽ: \
Y´:{:/: : /__:イ:/ !__!、:.!: : :ヾー ゝ
{:::::/:{: /´/l/ l/ `}:|: : l: :}
`Y: イ:ャ≠rミ r-=rァ: :|: :|
|∧!:/ r、:::| トィ,.:} 〉: ト、l
|l: 込.弋シ 弋ツ{ }イ:|
|:!:. ート、'''' 。 '''ノl" l:.|
|:.ヽ: :| ` ァ-ャ<. |: :l:.|
|: :.}: :| /l ></ ト、 |: :l.:|
|: :.|: :|/ |/}::::{ヽ!l V: :イ.:|
|: :.|: :| /| { .》::《 | |∧/ !:.|
,. -──- 、
/ /⌒ i'⌒iヽ、 親友関係ないだろ?
/ ,.-'ゝ__,.・・_ノ-、ヽ
i ‐'''ナ''ー-- ● =''''''リ _,....:-‐‐‐-.、
l -‐i''''~ニ-‐,.... !....、ー`ナ `r'=、-、、:::::::ヽr_
!. t´ r''"´、_,::、::::} ノ` ,.i'・ ,!_`,!::::::::::::ヽ とんでもない!
ゝゝ、,,ニ=====ニ/r'⌒; rー`ー' ,! リ::::::::::::ノ お世話になるかもしれないだろ(体が)
i`''''y--- (,iテ‐,'i~´ゝ''´  ̄ ̄ヽ` :::::::::::ノ
| '、,............, i }'´ 、ー_',,...`::::ィ'
●、_!,ヽ-r⌒i-、ノ-''‐、 ゝ`ーt---''ヽ'''''''|`ーt-'つ
( `ーイ ゙i 丿 ;'-,' ,ノー''''{`' !゙ヽノ ,ヽ,
`ー--' --'` ̄ `ー't,´`ヽ;;;、,,,,,,___,) ヽ'-゙'"
(`ー':;;;;;;;;;;;;;;;ノ
隣のダッサイ服の白モヤシもまだ手をつけていない!先を越される前になんとかしなくては!!
/// / / / / :. :i :. :. ,. .-:―: ‐-. 、{:.{
. 〃 , i ,:' ,:' / .;′′.:l l: l :l:、 .: i { /: : : : : : : : : : : ヾ:ヽ、
′ ′/ : i / , i l ! :ハ ! l }l :l 从': : /: : : : : : : : : : : j: :..ヽ
, / l{ / イ l :l /lハ jl lヽ l:、 :レ从_l: l: :〃: /_:_:_:_; ィ: :_; : : : : : :ヘ
ノ イ l: ト、/ ! :、´ j厂}`jメ、ヽ 从xく j l:/://メ:`フ:〃: ̄:/:.}、: : :.l: : :.
´ :. :! !´ ! / ! ト、i{'fッ==x \ゞ'‐/ /:./'ァx/ /: : ; ィ_; 'j:./ヾ、: :.l : : :
i l l l 、:lハf'! ∧ヘ `ー‐ '´ ヽ i从/ ん:リ/:/,イ/ /´ヽ ミ: ;': : :.i
. _ リl :、! ヽ 'j/! l从 / 八ハ ゞ' {´ '´ ,イ云x `ミ、/: : :,:′
,.ィ:´::::>ァxl j: :l l / l :、 !、 \ __, ,イ{:八 、 ' 弋:::ツ i} jf: : : : :/:j
. ,イ:::::::::/ /:r'八ハ /l l i:从 ヽ{ > 、 ´ー' /j/ヾ:ノヘ {`ヽ、_, ` ´ ´- Y:..:./〃
/:::::::::::; ,::::ヘ / 从i八 ヽ ヽ /ヽ≧‐‐' / _,.ィ:.∧ `¨´ _,._ー_', イ: :/ /
:::::::::::::l l:::::::::`ヽ、 i__ ー='ァ/`:¨,ニ=ニ、 l: i: : :.l: ;′
:::::::::::::! !::::::::::::::::::`::::ー―:::´::::::::>、_  ̄〃 `ヽ:,ハ:ト、{ヾ:、
::::::::::::l l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /::`:ヽ、 ,′ ヽY ヾ \
ハハッまさか
,. - : : : : : ,, -::::::::::::::
/ . : : : : : : : : /_,ゝ ≧;;::::::::::\
:!-=≠⌒ \: : :/,.イ,・>〈,,,・,》-、:::::: もちろんこの子が大きくなるまで待つんだよね?
L、 ィ_,,. |: : :!|  ̄'Yヾ ヽ:::::
{ :lト :j゚ 》 :l: : |:〆 :l! ニ :!::
「ノ  ̄ j,,ノ l:〃 l| ヽ |
!ゝ_ " ヽ(_,. -- 、__ゝ /
ヽ,ヾ ` \ ≧ニ三 ノ
ヽ _ ,,/ > -==
.! > /ミ/”ヾシ
まさに僕に犯されるために生まれてきたような女の子・・・あれ???
.// , `` /-'´ ̄` 、 、 丶
/ / λ=- 、_ ,,. -=ニ::ーイ l, l,
/ .i' /:::::::::::::::::::ヽ、,イ:::;-=::、_:::::| | l,
/ l |彡 '  ̄````゛´´ ゛フ | l
| :| { / / .| {
//l i 'l ハ | \
./ l ハ, - ' ̄  ̄゛`'7 {, ヒ、 \
/ / | _,. -、 ,-- 、\ l, ヽ ` \
_l / ノ ´ _ 人 | ノ l
/ ゝ、 .::/ .イ ,,==ニ 'ニ== 、 | | ν ./
/ r-‐‐う__,∠´lム_´ ; ソノイ ../
/ | T/ l | | {:`i ' ゝ、イ::::;::/l
l l | _イ l, |/ l;:人 ‐_ー /|::://´ / |
| ..::::::/ ´ヽ:::ヽ_ゝト- |、\ヽ. _ ,. イ|::|::`f_'__, |:. |
ヽ ::::::::::ヘ ヽ、 `´:: ト-ノ:ハ:::::::|> 、 r '´ |:::::|::ヽ::::. |:: |:..
____
/´ − 、 - 、\
/ , −| /・|・\| 、ヽ どうしたのさ?
/ / ` ー●ー ′ ヽ ____
l l 三 | 三 | ゝ/____ヽ
| | /\ l / | , ─ w−、! いや、あれ?この子は前に襲いに行ったんだよな・・?
ヽヽ / \ / | __|-| +|+ | なんで手を出さずに帰ってきたんだっけ・・・
>━━━━6━━< ( `ー oー |
/ /___ヽ ヽ /ヽ、/^\__/ ノ ・・・・ああそうだ、仮面被った変質者が出てきて・・・
◯ l ヽ__ノ ノ l○ l、(uu ー,─ 、´
(ヽ ` ー── ´ ) l \ __/┬ ′
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
N ./ / \ ハ V|
| ヽ / / V i / |
.| Y i V Y i
| | | .|
__.| | | |
 ̄ |. 、 | | / i─ 消え失せろ下衆が!!
V ヽ | __∠|| / / 少しでも恥を知っているなら即刻自害せよ!!
ヽ ヽ ヽ _,-‐壬,ィ<ヽリ/ /
ヽ ヽ \ |//弋ノ_ノ /ノ/ /
ヽ ヽ\ `ー、__ .|ー、__...,イ´// /
ヽ \\_  ̄ ̄ ̄ _// /
\  ̄フ > ヽ、 ̄ /
_なにそれ怖い , ──- 、
/ − 、−、 \ /____ ヽ?
/ , -| /・|・\|- 、ヽ | ⌒\ | ヽ
/ / ` −●- ′ ヽi. |・ |.─|_ | とか言うんで逃げ帰ってきたのさ
| / 二 | 二 |. d 、__ノ ヽ !
| | ─ |__ ─ ! (__ _ノ /
ヽ ヽ __) / (__ ヽ/
\ ヽ _) / ` ,-──l、
l━━6━━━━┥ /|/\/ \
| / \ | | | |
恥がないってことだろ
変なコスプレで戦ったりしてるから、たまに影から援護射撃とかしてあげてるよ!
Go alone for a town a day off ,! `ヽ、,、、
休みは一人で街に出る / `''ー-===t' ヾ:、 Glass is my blood. and touh is my mental
/ 、、 ヽo8o、 ミ 血潮はガラス 心は豆腐
ハ、 ,,_\ヽ ゙♀癶、 ミ、
ト、ヾー-=-ヘ.l |ア//-、``
``} '" リ狄/ィ',/‐;
The achievement a lot of battle and jobs overd lonely `ヽ ,_.: /{〜イん、
幾多の戦場を越えてボッチ…… `´_尨" ̄`Y__ァ、〉
。ネ!ヾ ノ
ィ゚´ !|Ч、、 ハ Neve had friend
乂 ヾ!弋_ ィ ただの一度も友は居らず
臣主圭尤三i、
臣圭圭! Y /{ Nor known to oneself
臣圭圭! | ,{ ただの一度も理解されない
臣圭斗弋j ハ /ヘ
She drink tea alone in cafe ,イシ'´ i | / ∧
彼の者は喫茶店で独り紅茶を啜る .// ゙:、 { }>' ∧
/ :/ / ゙:、 〉ー‐ヘ _,,.- ''´
/ / i _rッ/}_斗!:::::::_j
({ :/ |,ィ「 /込アxLr:' Yet, her PDA's address book is meaningless
゙7゙ う!.!./〉ムァ/ソU __ 故に、PDAのアドレスデータに意味はなく……
厶ッ--‐''^ヽ〈/ィッ/=イ  ̄ ̄
,.., , ' ' ,X , -‐ || 、 V __ イ/,ィf/ |
; ; , ´: || .λハ_〉/,ィf/ ,.r-l:、 o
,;,,;,;,;,, So as I pray, unlimited death flag ヾ{///,ィf/くf"/Y/〈 ||
; ; その身体はきっと、無限の死亡フラグで出来ていた ,∧ ゙!////,! __||__
. l l'^l l } l// ヽ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
☆――‐イ Dノノノ ノ | | レ- 、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
\ l `ー ' l / ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
\ |_____ヽ,__/___ l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
| | l / ヽ / ヽ /ヽ/ / l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
. ∨ ∨ ∨ ∨ / /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
. , ┐ _/ ∠、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
//⌒ト、 __ヽ/ ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
/7トィト、、ハ|_ ヽ、 / l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
L.ノ;.二_ミ、ゝ’_! ____〉 /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
にニミ}>‐イ \ / __/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
. `ー?)/⌒l¨ヽ 、 __ヽ′ ヽ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
r‐ニ彡l 〉 ) \ / ):.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.; '
ヽ ヽ`r‐ュ---イ / _/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_. - '
. l ̄ハ:.:.:.:.:l `ー- _ ):.:.:.:.:.:.:.:.:.:_ -‐ ¨
. 〈 〈 }:.:.:.:.l  ̄ ̄ ̄
. | 「¨⌒Y\
うん、次行こうか!次! _,,,,,,,,,
>一'''==‐ュ、,,_ ,、='' ̄::::::::::::::: ゙̄'''ヽ、
/ . : : : : : : : : : : \ ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/ : : : : : : ,,,_: : : : : : ヾ/:::::_,_、:::::::>‐-、:::::::::::::::::::::::::::::
ム≠ー'" ̄~'''ー_\: : : : : /::::/~ヾ,}::::j| 。 }::::::::::::::::::::::::
j| ヽ:: : :l::::/|_ ゚ ,.>ー、ゞー≠ ̄ヽ:::::::::::::: ねぇ、見間違いじゃなければこの子
l、_ イ__,,,_.._、_ |l: : |::/ ヾ≦ヘ,_ノヽ \::::: 今・・首がもげなかった?
l}=、 `チC ̄`ヽ |: : |Y l| ヽ
{ lト {! ,} |: :|ノ〆 l| ー- |
゙t,,_.j くミ、二,,ノ 7_/| / l| ー- |
| ノ ゙" 'l / r 」{, ヽ |
| ゝ,‐ l, ヘ_ _,,>ー=、_ /
∧ =ー--、 ∧ `Σ,,、-‐─゙ゝ=´ /
ヽ ヾ≧ ′ .ヘ ===一 ノ
ヘ´ / | ∧
ゝー┬イ'''" |_ \≧≡=ニー ノ 、
|、′ /´ ]、 ̄ _ニ=、 ,,..
/ヽ_/>'" 〃/」,,廴 / ヽ \-‐ニ´
/ 「 ヘ ≦〆 / /_ο _z
\ / / {二=ー '"´
/ \、_..,、_
パンを半分上げれば惚れてくれるというコスパの良さも見所!
アルターとかいう変な能力持ってるけど僕の海綿体はそんなのキニシナイ!
/.:.:.:.:.:.:.:-=≦三≧x==キ≧≠.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:⌒.:.:.:.}?.:.:.:.:.\
-=≦三三三三三三三≫´:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.
≦三三三三三三≧z/.:.:/.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
ノ/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.!.:.:.:.:./.:/.:.:.:.:.:/.:イ.:.:.:.:.:.:.:ハ:.:、:.:、:i:|
く:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.|.: .:.イ.:/.:.:.:./}/ i.:.:.:./:.:/ }.:}.:.:.|.:.|:|
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:-=彳l.:.:.:.:.::r|/、|/.:.://⌒ メ.:.;イ/⌒Yノ.:.:.:l.:.ト|
\:.:.:.:.:__.:-=彡∧:.:.:.:.{ f⌒)l:/ ィ外i^// r作ミ/.:./.:.:八|
Y.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:八.:.:八廴.i:.( 代ツ ヒソ //}/
廴彡.:.:./.:.:./.:.:.:?.:/\|:.:.l  ̄ , ̄l.ノ
).:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`<.:.:.|.:/、 ___ ノ}
//.:.:.:.:.:.:/.:.:.:f´ ̄ ̄ lリ \ 、__ア.イ:/
ノ.:.:.:.:.:.:.://.:.:.:.:?>x / 、___/ ^l/
{.:.:.:/://.:.:.:.:.:.:_」:_: : : :  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄¨}:r{|
ただ問題があってさ、この間襲いに行った時に・・
, ──- 、 _____
ゝ/ ___ヽ //⌒ ⌒ヽ `\
/ |_/ /⌒ヽl / / ・/・ / 、 ヽ 家庭的なのはいいじゃない。
l /| |-| ・| // `ー●ー ´ \ ヽ
l ヽl j ヽ __ ノo /^ 三 / 三 ヽ l
\ ヘ/ l ヽ.__ / __ l |
. ヽ ノ | ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ / | l
|二二 ヽ ̄ ∩/) ヽ \/  ̄`ヽ/ / /
/ /⌒ヽ / く ヽ ヽ、__/ / /
| ヽ \/\_ ノ >━━,-、━━━━┥
| ヽ / / / ヽフ /⌒ヽ ̄ l
,イ_j〔 〕l〔 rrク7.l rク7.ノト、 | ll
{j{ ヽ、__人Y`ニ´ノ`ー'´¨` ハ l |l
ヽ、_.∠ニX´ーr'´二} ーァ´ハ l |l
! リ く 匸二ニ、_¨二ーァ'´´ }-、.l、.ト、 j ,'
V } `7¨`ヽニフ´ .ノ } l:! |::V ,'/ ,ィ
{ X { ` ー --‐ ' ´ ノ j:| j:::::V/:/
X ヽ __,,..イY::::レ'::/:::::/ ノ
く ヘ `ー┬ァ冖7ハ:::/::Ll_ ノ::/::::::,.ムィ1:::
〉 } ノヘ、__ノ___V::::ハY::::/::::,イ:::::::::/:::::
ノ / 厶-‐‐'´, ニ、`¨7:::::{::::/::`7:::/:::::,'
/V ! / 〈 o ノ/厶、::Y::::::/::/:::::/ かなみが欲しい?
l|/ ヽ l |/´ ,. -‐ィイr'´`ニ´ィ L.._l:ィ´::/::::,イ::
リ } !/ ∠::r‐、:|_l 、({ト、`ヽ、ミレ1レ'´/:::
. 〈 / ノ ,イl´:::::l }l_} / `ヽ、 `ヽ、l N:l:::::/:::/
〉く { イ l ヘ._しイソ {l O } ! } i lレ'::ノ::: 答えは『NO』だ!!!
X´ ヽ、 ヽニ-‐ ¨´ ゝ、_,,..イノ 、_ノノリレ'´_ノ::
{ j {`r 、 、__ ノ ` ∠才ィ::レ'⌒`
ヽ 〉 〉::ヽ`ヽ、 _...∠-'´〈 `三 =-
{ \ ,':::::::::ヽ `_二下、三二 ‐'´ヘ二>‐'´
_ /  ̄ <_
_.>`´ ___<
ノ ̄ ̄`ヽ、―ニ > r‐'" ̄ ̄ ヽ 、―ニ ブベラッ!!!
/ ´`ヽ _ 三,:三ー/ , | `ヽ _ 三,:三ー
.ノヽ--/ ̄ , `  ̄/ | ノ ` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
} ...| /! / /⌒ヽ,| ミ }
}`ー‐し'ゝL _ レ l d _}
ヘr--‐‐'´} ;ーー- | ヽ、_, _,:ヘヽ-------------
`ヾ---‐'ーr‐'"== .|/| \ r= ==-
ヽ/l/|` ー------r‐'"  ̄ ̄
/______ヽ
/ | ノ ─ 、− 、|
! __|─| //|ヾ | 全く乱暴な奴だったよ。
( U − o-U l お医者さんカバンが無かったら即死だった
| /⌒ヽ__U___)/) 次行こう!次!!
ヽ、ヽ ___ /ノ(⊃ )
/^\/\ノ\/ ̄/
, -────- 、
. / /⌒ヽ⌒ヽヽ
/ , -| / (|)\ | \ え?あ、うん・・
/ /U ヽ、 .l、__ ノ\ヽ 君って地味に頑丈だよね・・
. / /  ̄ ● ヽl
i /  ̄ ̄ | ── |
|. l  ̄ ̄ | ── !
|. !  ̄ ̄ | ⌒ヽ
|. | __|___ノ
ヽ | / ̄ ̄ /
>━━━━━━,-、━━く
/ / '、フ ヽ ヽ
/ / ⌒ヽ ⌒ヽ \
/ , -| ・|・ |- 、 ヽ ちょっと待ちなよ、もう夜の0時を過ぎてるじゃないか
/ / `ー ●ー ´ \ ヽ 君、明日リアルに通院だろ?早く寝なよ
l / ─ | ─ ヽ l
. | l ─ | ─ l |
, ─ 、l ─ | ─ | !
l l , ─┴─ 、 l /
ヽ、__ ノヽ / \ l/
ヽ ヽ━━━,−、━━━━く
\ / ヽフ \ ヽ
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :i
i: : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : : : : : : : : |
l: : : : : : ,-´^´´ ̄´´´`` ̄``-、; : : : :| おっとそうだったな。
i: : : : :r´ ヾ: : :i じゃあここらで投げ出して寝るとしよう。
|:、: : r ヽ、゙i : l
/ヾ::/ソ ‐‐--、 , , ,_ノ^\ヽ l::l"゙ヽ
'、 (ヾ,, r‐‐--、_`il,i゙__-‐‐==、 |lヽ l 枕元に好きなキャラのグッズを置いて寝ると
ヽ、`| \(゜ c/;;i=i c )゙/|l'ノ/ そのキャラをハメる夢が見られるぞ!
ヽ| 弋_/⌒⌒). ヾ____ノ´ /l.,/ 皆も是非やってみてくれ! おやすみ!
__,∠| 、 ./ / / ) / 入─、、,,_
_,.-´'" |.r- |./゙ ,/ / /_!/` / .l /./ ~\
_,、-‐´'" |.| / / / / /ヽ / / ./ `:,,、_
‐'" |.| ノ / .ノ /  ̄ ̄` .ノ / / / ゙''`,,、_
. ノ/ ノ / / ./ ./ / _/ `
/ / /./ / _/ /
ノ , `゙ /―''' /
-完-
奇遇だな俺も明日病院だ
楽しめた
乙
続編待ってるから
Entry ⇒ 2012.05.13 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
歩「セラを精一杯愛でてみよう」
セラ「はい、おはようございます、今日も髪の毛がクソ虫の巣のように荒れ放題ですよ」
歩「ははは、朝から手厳しいな」
セラ「なら早く直してください、目障りです」
歩「ああ、でも朝ごはん作ってからな、ハルナたちももうそろそろ起き出す頃だろうし」
セラ「そうですか、それじゃあ私も手伝いましょうか?」
歩「え?…セラが?」
セラ「……分かっています、ただの冗談です、それに私だってクソ虫と一緒に台所に立つなんて考えられませんし…」
歩「いや、手伝ってくれると助かったんだけど……時間無いんだ、手伝ってくれないか?セラ」
セラ「!……分かりました…でも私とは1メートル程距離離して作業してくださいね」
歩「狭すぎだろっ!」
セラ「私が…ですか?」
歩「ああ、俺もサポートには入るから、それにセラは作り方さえちゃんと直せばきっとおいしい料理が作れると俺は思うぞ」
セラ「……こんな朝からお世辞を言えるようになるなんて、クソ虫も案外進化しているのですね」
歩「いやお世辞じゃなく、本当にセラの料理はおいしいよ、俺が保障する」
セラ「………」
歩「ほら、セラ、そこから小さい鍋取ってくれ、それで味噌汁作るからさ」
セラ「…分かっています、私だって歩がお味噌汁を作っているところは何回も見ているので」
歩「そっか、それじゃあハルナが卵焼き作りに来るまで作り終わっててくれ、アイツは自分以外の奴が台所に居ると怒るからな、技を盗むなーって言って」
セラ「はい、それじゃあ歩も精々頑張ってください」ススス…
歩「あ…やっぱり離れるんですね」
セラ「………」トントントン
歩「おお、おはようハルナ」
ハルナ「何やってんだよバユムー!起こしてくれないからお前の弁当作れないかもしんないじゃーん!」
歩「いやいや、まだ後30分ぐらい猶予があるからさ、頼めるか?ハルナ?」
ハルナ「ふふーん!この天才魔装少女ハルナちゃんに任せとけー!」タッタッタ
歩「おー、任せたぞー」
セラ「………」
歩「それにしてもどうしたんだよセラ、今さっきから全然動かないし話さないじゃないか」
セラ「…いえ、別に」
歩「?」
ユウ『何かあったの?』
歩「ああ、いやただセラと一緒に朝ごはん作っただけだよ」
ユウ『………』
ユウ『…マジ?』
歩「いやマジって……大丈夫だって、ちゃんと作れてるから」
セラ「………」
ユウ「………」
ユウ『分かった、期待する』
歩「おう、期待してハルナが作り終わるまで待っててくれ」
ハルナ「いただきまーっす!それじゃあ味噌汁から…」ズズ…
セラ「!……ど、どうですかハルナ?今日のお味噌汁は」
ハルナ「………」
セラ「………」ドキドキ
ハルナ「うまいっ!今日の味噌汁、何だかいつもと違う味な気がするけど歩が作ったのか?」
歩「いや、今日は俺じゃないよ、今日は…」
セラ「…私です」
ハルナ「おぉ!やるじゃん葉っぱの人!バユムが作るよりもうまいぞこれ!」
セラ「っ……はい、そうに決まっています、私がクソ虫に劣るわけがないので」
歩「……よかったな、セラ」
ユウ『よかったよかった』
ユウ『いってらっしゃい、今日は午後も熱いらしいからアイスクリームも買ってきて』
歩「っ!」
妄想ユウ「おにいちゃん、ユウ、なんだか今日体がとっても熱いの……おにいちゃん、ユウの体…ひ・や・し・て♪」
歩「う〜ん、とってもちゅめた〜いの買ってきてあげるぬぇ〜」
セラ「早く行ってください、クソ虫がこの場に居るだけで空気が汚染されるというのに」
歩「はいはい、もう行きますよーっと」
ハルナ「ハルナちゃんはアイスはストロベリーなんだかんな!忘れんなよ歩!」
歩「おーう」
セラ「………」
歩「じゃ、いってきまーす」
ユウ『いってらっしゃい』
セラ「何を独り言を言っているんですか歩、気持ち悪い」
歩「?どうかしたのかセラ、あ、そういえばお前の分のアイスは何買ってくればいいんだ?」
セラ「…そんなことより……今日の朝のことを」
歩「朝?……ああ、それがどうしたんだ?」
セラ「いえ、ただ……改めてお礼をと思って…」
歩「お礼?いいっていいって、俺はほとんど何もしてないんだから、セラがうまいものを作っただけ、だろ?」
セラ「ですが……でも……」
歩「いいってセラ、それにお礼ならもっと料理上手くなって今よりももっと旨いもの食べさせてくれたら俺はそれでいいよ」
セラ「……仕方ないですね、いつまでもクソ虫如きに借りを作るのも癪なので…今日から私も台所に立つので、歩、早く帰ってきてくださいね」
歩「ああ、それでセラはアイスどうする?」
セラ「………」
セラ「…歩と同じもので……私は構いません」
一応好感度MAXらしいよ
織戸「おいおい、何着実に完全ハーレム計画進めてんだお前は、いやもうハーレムなんだけども」
歩「はいはい、でもどうしようか、一体どういうのを教えればいいのか」
織戸「まあセラちゃんはバイオレンスなものさえ混ぜなければ全然おいしいと……思うからな〜」
歩「そうなんだよな、料理初心者って訳でもないから…うーん…」
トモノリ「何悩んでんだ?相川」
歩「ん?いや、セラが料理始めるから何から教えてやろうかと思ってさ」
トモノリ「セラフィムが?」
歩「まあな、あ!トモノリの場合、初心者っぽいけど初心者じゃない奴にどういう料理を教える?参考にしたいんだけど」
トモノリ「うーん…俺的には…」
歩「インスタントラーメンって……流石にセラでもそれぐらい作れるだろ」
トモノリ「いやでも…セラフィムならインスタントラーメンも怪しいとオレは思うんだけど…」
歩「……確かに」
トモノリ「でも頑張ってくれよ相川、セラフィムもきっと今よりも美味しい料理が作りたくてしょうがないはずだから」
歩「ああ、俺の出来る範囲で頑張ってみるよ、ありがとな、トモノリ」
トモノリ「……オ、オレも…毎日相川のために料理……が、頑張るからな!それじゃ!」
歩「……はは、俺のため…か」
歩「………」
歩「女の子にそんなこと言われるのってやっぱりいいよなぁ〜」ニヤニヤ
歩「いやあ〜、最高にハイな気分だぜ〜」ニヤニヤ
セラ「街中をニヤニヤしながら歩くなんて、歩はクソ虫以上にクソ虫ですね」
歩「セ、セラ!?」
セラ「……全く」
セラ「……今夜のために材料の調達を」
歩「ああそっか、そういえば今、冷蔵庫は空だったからな、助かったよセラ」
セラ「…別に、女の子とイチャイチャしながら約束をすっぽかす歩に褒められてもうれしくありません」
歩「す、すいません……ってアレ?俺がトモノリと一緒だったこと何で知ってるんだ?」
セラ「………メイル・シュトロームの邪魔をしないように…ではなく、歩が変態行為に走らないように監視していただけです」
歩「走るか!…でもゴメンな、早く帰るって約束…と、アイスも買うっていう約束も」
セラ「別に私はなんとも…それよりも早くアイスクリームを買って帰ったほうがいいと思いますよ」
歩「そうだな、それじゃあちょっとそこまで付き合ってくれるかセラ?」
セラ「……しょうがないですね、それでは私は飛びますので鈍重でクソ虫な歩はその四本足でちゃんと着いてきてくださいね」
歩「いや二本足だし!というか飛ぶな!人目につくだろ!」
セラ「ただの冗談です、それぐらい判別してください歩」ニコッ
ハルナ「おっそいぞー!歩ー!ストロベリー!」
歩「あー、はいはい、ほらちょっと溶けてるかもしれないけどな」
ハルナ「おぉ!バーゲンダッツじゃん!確かに溶けてるっぽいけどしゃーなしだな!」タッタッタ
歩「走ると転ぶぞー」
セラ「ハルナは歩のように鈍臭くないので心配ないでしょう」
歩「……何だか今日は毒舌の量がすごいな」
セラ「……気のせいでしょう」
歩「気のせいとは思えないんだが」
ユウ『おかえり、アイスは?』
妄想ユウ「おにいちゃんおっそーい!…もう体が火照ってしょうがないよぉ〜」
歩「おっけおっけー、お兄ちゃんがその火照り、止めてあげるからね〜」
セラ「………」
歩「そうだな、それじゃあ何を作ろうか」
セラ「作るものはもう決まっています…これです」ドンッ
歩「ん?野菜炒め?……それでレシピまで準備したのか」
セラ「はい、やるからには本気で挑む主義なので」
歩「そうですか、それじゃあ作ろうか、セラ」
セラ「はい、ご指導お願いします」ペコ
歩「!…セ、セラがこの俺に頭を…!?」
セラ「確かにクソ虫と同類の歩に頭を下げるのは恥以外の何者でもありませんが……教えてもらう以上、こういう礼儀は大切かと思いまして」
歩「……そっか…俺からもよろしくな、セラ」
セラ「……はい」
ユウ「………」
ユウ『二人共、今日はとっても仲良し』
ハルナ「?何言ってんだ、根暗マンサー?」
セラ「……それが出来ないので今まで…」トントン
歩「…悪い……って、塩胡椒ないな」
セラ「塩胡椒?安心してください歩、それに代わる物はもう用意しています」
歩「あ、そうだったのか…で?その代わる物って?」
セラ「これです」スッ…(火薬)
歩「うん、炒めた途端ボカンだな」
セラ「今さっきのは冗談です……本気にしないで下さい」
歩「………」
歩『冗談と思えません』
セラ「何故ヘルサイズ殿の真似をするんですか気持ち悪い」
歩「いや!だって何か間違ったこと言えばその火薬でボカンとされるから!」
セラ「そうですか、確かにこれなら歩の体にも効きそうですね」ス・・・
歩「嘘ですすいません!冗談をいつまでも引きずってごめんなさい!」
セラ「……分かればいいんです…さあ、続きをしますよ」
歩「よし、ここで塩胡椒で味付けだな」
セラ「……はい」サッサ…
歩「うん、ちゃんと作れてる、やっぱりセラは料理うまいな」
セラ「…そんなことありませんよ、私だってちゃんと自覚しています、料理が下手ということくらい」
歩「何言ってるんだよ、こうやって作れてるんだから上手いに決まってる」
セラ「ですが…私が作る料理の味はいつもダメで……歩だって本当は分かっているのでしょう?」
歩「確かに味はアレかもしれないけど、料理は味だけで上手いかヘタかじゃない、他にも…」
セラ「……今日は妙に私のことを擁護しますね、何か変なものでも食べました?」
歩「いや、俺は本当のことを言ってるだけで…」
セラ「ああ、そういえば食べていましたね、今日私が作ったあのお味噌汁、やっぱりおいしくありませんでしたか」
歩「!今さっきからどうしたんだよセラ!お前のほうがおかしいぞ!」
セラ「……おかしいのは歩のほうです」
セラ「別に、私のほうこそ真実を言っているだけです」
歩「違う!何度も言うようにお前の作る料理は旨い!俺が保障する!」
セラ「っ…そんなわけありません!……分かっています、私はハルナやメイル・シュトローム…そして歩のように料理は上手くないってことを…作り方もおかしいっていうことを」
歩「ああ、作り方はおかしいかもしれない、けど…」
セラ「もう止めてください!」
歩「っ…」
セラ「どうしてそんなことを言うんですか…なぜ私なんかにそんな言葉をかけるのですか…」
歩「……セラ」
セラ「嬉しいですよ…確かにとっても嬉しいです…たかがクソ虫に褒められるだけで私はとっても嬉しいです……でも同時に…」
歩「……同時に?」
セラ「……何でもありません…歩、申し訳ありませんでした、このようなつまらないことで熱くなってしまい……頭を冷やしてきます」
歩「………」
歩「……何をだよ」
ハルナ「料理スキルの下手さに」パクパク
ユウ『でも自分では上手いと言ってた』パクパク
ハルナ「ふーん、何で気づいたんだろうな」パクパク
歩「………」
ハルナ「それよりその葉っぱの人はどうしたんだよ、全然帰ってこないし」パクパク
歩「………」
ユウ『一人になりたいときもある』
歩「……ご馳走様」
ハルナ「?…歩もう食べ終わったのか?」
歩「ああ、ちょっと食欲無くてな……セラが帰ってきたら呼んでくれ」
ユウ「………」
セラ「ええ…それで居づらくなり…」
サラス「フッ、セラフィム、お前はそれでも吸血忍者か?」
セラ「……こんなことで挫ける私は吸血忍者として失格ですか?」
サラス「ああ、愛する男の言葉を真正面から立ち向かわない愚か者が吸血忍者の資格があるわけがない」
セラ「……!?あ、愛する男…ですか?」
サラス「そうじゃないのか?」
セラ「あ、当たり前です!誰があんなクソ虫を…」
サラス「ふむ…あの美尻を前に好意的感情がないとは…」
セラ「尻目当てなのはあなただけかと思いますが…」
セラ「……ええ、嬉しかったですよ、たとえ嘘だとしても」
サラス「それならそれでいいはずだ…なのに何故反発した?」
セラ「何故といわれても…」
サラス「……嘘か…私のマイ・ダーリンが嘘を言うとは思えないがな」
セラ「いえ、立派な嘘です……この私の料理が美味しいわけがないのですよ」
サラス「それならお前は今日作ったその味噌汁を飲んでどう思った?」
セラ「……いつも以上に良かったです」
サラス「そういうことを聞いてるわけではない、美味か否かだ」
セラ「………おいしかったです」
サラス「なら美味なのだろう、それを何故自分で否定する?」
セラ「……分かりません…ですが、否定してしまうのです」
サラス「………」
セラ「………」
サラス「分かった、今日は好きなだけここにいろ……だが踏ん切りがついたら帰ることだな、マイ・ダーリンの元に」
セラ「はい…ありがとうございます、サラスバティ」
ユウ『そういう日もある』
ハルナ「そういう日?…うーん…流石に天才美少女ハルナちゃんにも分からないな〜」
ユウ『分かったらハルナは本当に天才だと思う』
ハルナ「いや、今の時点でハルナちゃんは天才だっての!」
ユウ『そうだね、でも知らないこともたくさんあると思う』
ハルナ「なっ!根暗マンサー!それはこの天才魔装少女ハルナちゃんへの挑発か!?」
ユウ『む?やるか?』
ハルナ「おっしゃぁ!今日はもうすぐ寝る時間だけどしゃーなしだな!やるぞぉ!」
ハルナ「なっ!そこで空中コンボはなくねぇ!?」
ユウ『攻略wiki最高すぎる』
歩「おはよう、ユウ」
ユウ『おはよう』
歩「…その…サラは?」
ユウ『分からない』
歩「……そっか」
ハルナ「おーっい!歩ぅー!今日はちゃんと早く起きれたぞー!」
歩「ああ、おはようハルナ」
ハルナ「しゃーなしだな!それじゃあ今日の卵焼き弁当は通常の3割り増しで作ってやる、特別だかんな!歩」
歩「ありがとな……ハルナ」
ハルナ「おお!だから早く元気出して葉っぱの人と仲直りしてくれよな!」
歩「………ああ」
ユウ「………」
ユウ『頑張って、歩』
ユウ『応援してる、二人共』
ハルナ「ハルナちゃんのほかほか卵焼きができるまでだかんな!早くしないと焦げ卵焼き100個一気食いの刑だかんな」
歩「そっか…じゃあ行って来る!」
ユウ『行ってらっしゃい』
サラス「どうだ?寝たらスッキリしたか?」
セラ「はい…ありがとうございました…」
サラス「まだ浮かない顔だが?」
セラ「もう大丈夫です…申し訳ありませんでした、サラスバティ、あのようなつまらない事でこのような迷惑を…」
サラス「何、気にするなセラフィム、お前も女だ、致し方なかろう」
セラ「!で、ですから私は歩のことなんて…」
サラス「フッ…だがなセラフィム、私は決してお前にマイ・ダーリンのあの美尻を渡すつもりはないぞ!」
セラ「……もういいです…ありがとうございました」
サラス「フフ…さすがはマイ・ダーリンだ、あのセラフィムまで魅惑の呪いをかけるとは…」フフフ…
セラ「それで私を探してここまで?」
歩「ああ…やっぱりここに居たのか…はぁ…コスプレ喫茶」
セラ「はい、今日はサラスバティにここで寝泊りさせてもらいました」
歩「はは、そっか…そりゃよかった…」
セラ「……それにしても歩こそ、どうしてそのようにクソ虫のように這いつくばっているのですか?」
歩「そりゃあ…クソ虫だからかもな」
セラ「ちゃんと説明してください、あなたにはクソ虫と違ってちゃんと人の言葉を喋れる口があるはずでしょう?」
歩「いや俺ゾンビっすから…太陽の下はな…ハハハハハ」
セラ「……まさか私を探してるときはずっと太陽の下を?」
歩「ああ…日光から隠れながらじゃ探せるわけないし…」
セラ「………そうですか…それはご苦労でしたね」
セラ「本当に……ご苦労様です」ニコッ
セラ「そうですか……でも流石に何も言わずに出て行ったのは間違いでしたね」
歩「ああ…でもごめんなセラ、俺も言いすぎたよ」
セラ「……いえ、言い過ぎたのは私のほうです、歩の気遣いまで無碍にして」
歩「そんなことないって、俺の言葉がセラを傷つけたのは事実なんだからさ」
セラ「…違います、傷ついてなんていませんよ……逆に嬉しかったです」
歩「………」
セラ「でも私は…その…ク、クソ虫に褒められるということに慣れていなくて…」
歩「………」
セラ「ですからあのように取り乱して……歩…怒ってもいいのですよ?」
歩「怒るわけないって」
セラ「……本当ですか?」
歩「本当だって、だから早く帰ろうぜ、ハルナが朝飯作ってるし」
セラ「…はい」
歩「いやいや作りすぎだ!一体俺はどれだけの卵焼きを弁当に詰めてもっていかなきゃならんのだ!」
ユウ『おかえり』
セラ「はい、ご心配をおかけして申し訳ありませんでした、ヘルサイズ殿」
ユウ『仕方ないよ、そういう時だってあるもの』
セラ「……ありがとうございます、こんな私のことを…」
ユウ『でも歩はもっと心配してたから、ちゃんと謝って、自分の気持ちを言ってね』
セラ「!?ヘ、ヘルサイズ殿までそのようなことを!?」
ユウ『?』
セラ「っ…わ、私がクソ虫相手に……冗談じゃありません!…全く」
ユウ『???』
歩「い、いやな…何だか体が重くってさ…それに頭も…」フラフラ…パタン
ハルナ「!お、おい歩!しっかりしろ!どうしたんだよおい!」
歩「ハハ…太陽はやっぱり俺の敵だ……いつかあの座から絶対に引きずりおろして…」
ハルナ「!?あ、歩!?おーい!根暗マンサァー!」
ユウ『どうかした?』ヒョコ
ハルナ「歩が!歩が突然倒れて…!」
セラ「!?あ、歩!?一体どうして!?」
ユウ『多分日光のせい』
セラ「……そうですか…やはりあの時の…」
ハルナ「と、とにかく根暗マンサー!歩を…歩を!」
ユウ『大丈夫。私に任せて』
ユウ『普通に寝かせておけば大丈夫』
ハルナ「そうならそうってちゃんと言ってくれよな!……驚かせやがって」
セラ「………」
ハルナ「しゃーなしだな、それじゃあ天才医療系美少女ハルナちゃんが傍で見守っててやるか」
ユウ『ダメ、卵たくさん無くなったから買いに行かないと』
ハルナ「えー!でもぉー!」
ユウ『明日もし歩が学校に行くなら、卵が無いとお弁当が作れないよ?』
ハルナ「じゃあ今日作りすぎた分持って行けばいいじゃーん」
ユウ『腐っちゃうよ?』
ハルナ「うーん…しゃーなしだな、じゃあ私は行って来るよ」
ユウ『私も行く』
ハルナ「そっか、じゃあ葉っぱの人、歩むのこと任せたかんな」
セラ「………はい」
歩「ん…おお…セラ…ってあれ?何で俺ベッドで寝てんだ?」
セラ「倒れたからですよ…日光に当たりすぎたせいで」
歩「ああ…そういうことか…ごめんなセラ、俺が弱すぎるばっかりにまた迷惑掛けて…」
セラ「何を言っているのですか…迷惑を掛けたのは私のほうです…私が勝手な真似ばかりをしてしまったばっかりに歩をこのような目に合わせてしまって…」
歩「違うよセラ、それこそ俺の勝手だ…俺の自業自得だって」
セラ「……ですが…」
歩「大丈夫だってセラ、それにお前が俺のことでそんな顔するなって、いつもみたいにクソ虫って言って罵倒してくれ」
セラ「………」
歩「俺の知ってるセラは今みたいにしおらしくないんだからさ」
セラ「……歩ってこういう時は遠慮なくつっかかってくるんですね」
歩「毎日俺につっかかってくるんだから、今日ぐらいはいいだろ別に」
セラ「………後で八つ裂きですよ、クソ虫」
セラ「そうでしたね、私も出来るだけクソ虫と意見交換はしたくありませんからね、世間体というものがありますから」
歩「世間体って…吸血忍者もそういうこと気にするのか」
セラ「当たり前です、女装趣味の変態高校生とは違うので」
歩「……許可した途端のこの毒舌…溜まってたのか?セラ?」
セラ「別に、あなたみたいなクソ虫を前にすると自分が抑えられないだけで……っ!?」
歩「?どうかしたのかセラ?」
セラ「い、いえ!私はあなたみたいなクソ虫と違って自分の欲を抑える術はしっかり存じています!」
歩「は?……よく分かんないけど…これも罵倒の一種?」
セラ「……今の言葉は忘れてください」
歩「……そっか…でも俺に当たりたいときはいつでも当たっていいからな」
セラ「……別にストレスなんて溜まっていませんよ?」
歩「あれ?違うのか?」
セラ「………」
セラ「そうですか、それじゃあハルナの卵焼きがあるので食べますか?」
歩「ああ、そうしようかな…ごめんセラ、持ってきてくれるか?」
セラ「仕方ないですね、歩は卵焼き一つも持って来れないクソ虫ですから私が持ってくるしかありませんね」
歩「ごめんな、セラ…任せるよ」
セラ「分かりました、それでは持ってきますので待っていてください」
歩「おーう」
セラ「すごい量ですね…これを私達だけで消費するのでしょうか」
セラ「………」
サラス『ああ、愛する男の言葉を真正面から立ち向かわない愚か者が吸血忍者の資格があるわけがない』
ユウ『でも歩はもっと心配してたから、ちゃんと謝って、自分の気持ちを言ってね』
セラ「………」
セラ「今日だけですよ…歩」
セラ「……別に…昨日から同じ服を着ていただけなので」
歩「そうか…でもなんでメイド服なんだ?」
セラ「何でって……他意はありません」
歩「いやありすぎでしょ流石に、メイド服って一体何を狙っているんだ!?ていうかやっぱり色々溜まって…」
セラ「溜まってないと言っているでしょう、また太陽の下に放り投げますよ」
歩「すいません、ただただ眼福です、ありがとうございました」
セラ「何とも気持ち悪い、たかが服を着替えただけで劣情に襲われるなんて、歩は骨の髄までクソ虫なんですね」
歩「……もはやクソ虫が一体何なのか僕にはもう分かりしぇん」
歩「あのぉ…セラさん、今何をなさっているのか分かっていますか?」
セラ「はい?何って、食べさせているだけですが」
歩「いやでも…こういうのってセラ的にはセーフなのかなあって思って…」
セラ「はい、安心してください、私は歩のことはただのクソ虫としか認知していませんので」
歩「あっ…そうですか、俺は男以前に虫ですかそうですか」
セラ「とにかく早く食べてください……私だって我慢してやっているんですから」
歩「ああ、そうだな…あーん」
セラ「っ…ど、どうぞ!」ズイッ
歩「あぐっ!?……うん…うまい、でもセラ、いきなり口に突っ込むのはナシにしてくれないか?」
セラ「何か文句でも?食べさせてもらっている立場の分際で」
歩「……無いです、すいません…それじゃあもう一口」
セラ「……あ……あー……ど、どうぞ!」
歩「あー…あむぐっ!?」
セラ「はぁ……もういいですか?」
歩「あ、ああ…もういいよ、ありがとなセラ」
セラ「別に…仕方がなかったので」
歩「そっか、じゃあちゃんと動けるようになったら俺が昼飯作るから、セラは休んでてくれ」
セラ「っ……分かりました」
セラ「そうですね、私のせいで」
歩「だからセラのせいじゃないって、強いて言うなら俺か太陽だろうな」
セラ「クソ虫程度が偉大な太陽に向かって暴言とは何様なんでしょうかね」
歩「うぅ…なんだかさらに気分が悪くなってきたような…セラが優しいこと言ってくれたら治りそうかも…」
セラ「人間様に依存してやっと生きれるクソ虫が厚かましいですね」
歩「……すいません…何でも無いです」
セラ「…ですが仕方ないですね、今日は歩への罵倒は控えましょうか」
歩「ああ、そうしてくれると助かる……たった今さっき罵倒を言うことを許可したんだけど」
セラ「いえ、歩が私の罵倒のせいで体調の悪化が進むというなら仕方がありません」
歩「いや体調というか…精神的にというか…」
セラ「精神的?」
セラ「なっ!?……誰も歩のことを嫌いだなんて言っていませんよ」
歩「でもいつもクソ虫クソ虫、今日はいつも以上にクソ虫がバーゲンセールだからさ、やっぱりセラは俺のことをって思って…」
セラ「……クソ虫は被害妄想だけはご立派なんですね」
歩「はは、クソ虫ゾンビなもんで」
セラ「ですが…私は別に歩のことを嫌いだなんて思っていませんよ……嫌いなら一緒に住むなんて考えられませんし」
歩「……そっか、よかった…セラに嫌われてたらどうしようかと思ってたよ」
セラ「……嫌いになることなんてありませんよ…多分」
歩「……やっぱりいつものセラに戻ってくれ、何だかやりずらい」
セラ「一体何なんですか歩は……そういう中途半端なところがクソ虫のように鈍重な感じがするんですよ」
歩「うんうん、やっぱりこっちのセラのほうが俺は好きだよ」
セラ「!?……歩みたいなクソ虫が私に擦り寄ってこないでください、汚らわしい」
セラ「!あ、歩!」
歩「ん?どうしたセラ?」
セラ「歩はもう少し寝ていてください…お昼ご飯は私がどうにかします」
歩「……でも…いいのかセラ?」
セラ「はい、私はもう自分の料理の腕前に嘘は付きません…ですから歩」
歩「…はい」
セラ「もしおいしくなくても、ちゃんとおいしくないってはっきり言ってください……じゃないと切り刻みますから」
歩「……分かったよ、それじゃあとびっきり旨いモン期待して待ってるからなセラ」
セラ「はい、明日からもし歩が台所に立てなくなっても私のせいにはしないでくださいね、ただでさえ料理以外の家事は私に任せっきりなんですから、ヒモと呼ばれても文句はありませんよね?」
歩「すごい自信だな、マジで明日からは俺やることなくなるかもな」
セラ「それではクソ虫改めヒモ虫、調理し終えるまで休んでいてください」
歩「ああ……今日は本当にありがとな、セラ」
セラ「……いえ…お礼を言うのはこちらです」
歩「おぉ!野菜炒めか……昨日は途中で終わってたからな」
セラ「申し訳ありません、昨日の分は…」
歩「ああ、俺が途中から作って食べたよ、まあ炒めただけなんだけど…でも今回は最初から最後までセラが作った野菜炒めだからな、期待が高まるってもんだな」
セラ「それでは……どうぞ」
歩「ああ、いただきます」
セラ「……今回は歩の指導も無かったので本当にちゃんと出来ているのか不安なんですが…」
歩「………」モグモグ
セラ「ど、どうでしょうか?」
歩「………」モグモグ
セラ「………」ドキドキ
歩「うん、普通においしいよ」
セラ「!…そうですか、まあ当然の結果ですね」
歩「ああ、誇っていいよセラ、この野菜炒め、確実に俺が作ったものよりおいしいからな」
セラ「……いえ、流石に歩の料理には勝てません、悔しいですが」
歩「いいや、俺のよりもおいしかったよ……やっぱりセラは料理が上手いよ、うん、この真実は絶対だな」
セラ「………ありがとうございます…これも一重に歩のおかげです」
歩「いやいや、俺じゃなくてセラがもともと料理が上手かっただけなんだってば」
セラ「……何だか素直に喜べませんし、信じられませんね」
セラ「いえ…歩にこうやって認められるというのは初めてで、それに料理のことで歩以上と言われると流石に…」
歩「こういう時に嘘ついたってしょうがないだろ」
セラ「それでもです……嬉しいのですがやはり信じられないのです…」
歩「……そっか…でも明日からまためきめき腕を上げていくんだからさ、俺よりも絶対に上手くなるのは時間の問題だろうな」
セラ「…いえ、私はもうこれ以上台所には立ちません」
歩「え…何で…」
セラ「何だかんだ言って、私もハルナも、そしてヘルサイズ殿も歩の料理が食べたいのです…いくら私の料理が美味しくなったとしても意味がありません」
歩「……そういわれるのは嬉しいけどさ、ハルナ達だってお前の料理も食べたいと思っているはずだ」
セラ「そうだといいんですけど……今までハルナ達には私の料理で何度か迷惑をかけましたし…」
歩「何言ってんだよ、家族の手料理が食べたくない奴なんていなさいさ、それがおいしくなくてもな」
セラ「……家族」
セラ「………」
歩「だから俺はセラの手料理がこれからも食べたい、家族だから……ってそれじゃあ俺本当にやることなくなるな」
セラ「……歩、あなたという人はクソ虫という点以外では本当にいい人ですね」
歩「え?今まさか褒めた?」
セラ「私だってずっと悪態ばかりつくわけではないのですよ……家族なのに知らなかったんですか?やはりクソ虫はどう頑張ってもクソ虫止まりなんですね」
歩「ああ…たった一瞬で終わった…」
セラ「……でもありがとうございます歩、私のようなものを家族と言ってくれて…」
歩「……おう、だからこれからはどんだけまずくてもセラ、お前のメシは俺が全部平らげる、だからまた作ってくれよ」
セラ「はい…喜んで」ニコッ
ユウ『ハルナ、もう一回街に出ましょ』
ハルナ『天才空気読める美少女ハルナちゃんはその考えに賛成だ』
歩「ああ、セラの手料理のおかげでなんとかなったよ、ありがとな」
セラ「クソ虫如きに食べさせるのはもったいなかったですかね」
歩「ははは〜…」
セラ「……冗談ですよ、真に受けないでください」
歩「お!セラが悪態ついた後に一言添えてきた!?うぅ…優しさが心に染みる…」
セラ「たった一言で調子に乗るなんてクソ虫歩は本当にクソで気持ちが悪いですね」
歩「とうとうクソって言ってきたぁ!……うぅ…悪口が心に刺さる…」
セラ「………」
―――自分の気持ちを言ってね―――
セラ「……あ、歩…?」
歩「ん?何だセラ?」
セラ「……今さっきの…その家族というのは一体どういう意味なんですか?」
歩「どうってそりゃ…」
セラ「………まさかとは思いますが……わ、私が歩の……妻としての意味…何ですか?」
歩「は、はぁ!?」
歩「どうって…俺はただの家族として…」
セラ「ですから私は!……歩にとっての私の家族としての立ち位置は何なのかと思って…」
歩「……いや…その…」
セラ「は、早く答えて下さい……出来るだけ秘剣、燕返しを歩に行使したくないので」
歩「………」
セラ「………」ドキドキ
歩「いや…えっと……確かに一回考えてみると…そう…なるよな」
セラ「!?ほ、本当ですか!?」
歩「まあ、ユウとハルナは妹みたいな立ち位置だからな……だからセラは…あっ、姉っていう位置も…」
セラ「………」
歩「?…セラ?」
セラ「私が…妻…?……歩の…妻」カァ…
歩「………」
セラ「………」
歩「あのぉ〜…セラさん?」
セラ「喋りかけないでください、今考えているので」
歩「あ、はい」
セラ「………」
サラス『フッ…だがなセラフィム、私は決してお前にマイ・ダーリンのあの美尻を渡すつもりはないぞ!』
セラ(サラスバティ…)
トモノリ『……オ、オレも…毎日相川のために料理……が、頑張るからな!それじゃ!』
セラ(メイル・シュトローム…)
ユウ『よかったよかった』
セラ(ヘルサイズ殿…)
ハルナ『と、とにかく根暗マンサー!歩を…歩を!』
セラ(ハルナ……私は…そんな皆を裏切って歩と…)
歩「……俺は一体どうすれば」
セラ(もしも私がここで歩と誓いの…キスを行えば歩とは夫婦の関係となる…ですが)
セラ(私のこの想いは一時のものであって…時間が経てば…)
セラ(いやそれ以前に…)
セラ(私は本当に歩のことを……)
セラ「……歩」
歩「あ、はい、何ですか?」
セラ「私は…私は本当にあなたのことが好きなのでしょうか?」
歩「……え!?」
セラ「……あ」
セラ「ち、違います!あ、歩!今のは絶対に忘れてください!絶対に!」
歩「……あー…えっと…そういうのは俺じゃあ多分さっぱり分からないと思うな」
セラ「……まじめに答えないで下さい、アルティメットクソ虫、相川歩」ゴゴゴ…
歩「えー…」
歩「え!?」
セラ「どうせ私には向いていないのですよ、妻…いや、家族などというものには」
歩「……セラ」
セラ「私は生まれてこれまでほとんど刀を取って戦ってきました…そんな私が今になって誰かと結ばれ、家庭を築くなんておかしな話でしょう」
歩「………」
セラ「ですから、歩、私のことは今後もう家族と思わないで結構です、そのような歩にとって大切なものに私が居たら…邪魔なだけです」
歩「………」
セラ「……それでは私は下でハルナ達の帰りを…」
ギュッ…
セラ「なっ!?」
歩「もらったぁっ!」
ダキッ!
セラ「……な、何をしているんですか歩!?このような真似をしてただで済むと…」
歩「ただで済むなんて思ってない!後で好きなだけ俺に秘剣をかましてくれて構わない、だから、今は俺の傍で、俺の言葉だけを聞いてくれ!」
セラ「……早く済ませてください…クソ虫とこうやって密着しているだけで気持ちが悪く…」
歩「セラ、好きだ、結婚してくれ」
セラ「なって……歩…今何と仰いましたか?」
セラ「しょ、正気ですか歩!?私ですよ!?ハルナでもヘルサイズ殿でもメイル・シュトロームでもサラスバティでもない、この私ですよ!?」
歩「分かってるよ、セラだから俺はこうやってプロポーズしてるんじゃないか」
セラ「…本当……なんですか?」
歩「ああ、本当だよセラ」
セラ「あっ…あああ…あああああ…ひ、秘剣…つ、燕返…」カタカタ
歩「って、何で刃を自分に向けてるんだセラ!?」
セラ「何でって…あ、歩が…私のことを好きになるはずがないじゃないですか…」
歩「……それこそ何でなんだよ」
セラ「……私は毎日歩に悪口ばかり言ってます」
歩「もう正直馴れたんだよな」
セラ「…時にはケンカもして、毎回歩を傷つけています」
歩「ゾンビだからな、それくらい大したことない」
セラ「………いつも反抗的な態度ばかり取っています…そんな私を好きになるわけがありません」
歩「そういう態度がセラ的には精一杯なんだろ、それぐらい分かってるって」
セラ「……後で後悔することになりますよ?…歩」
歩「ああ、毎日生傷が絶えないだろうな……でも大歓迎だ」
歩「また何で?」
セラ「あなたの周りには素敵な人がたくさん居るというのに……こんな私を選んで…」
歩「…確かに俺は皆のことも好きだけどさ、セラのことはもっと好きだからさ」
セラ「……こ、こういうことはあまり言われ馴れてなくて…」
歩「安心しろセラ…俺も正直言い馴れてない…」
セラ「………大事なときにカッコつかないクソ虫ですね」
歩「しょうがないだろ!正直今も動いてるかも分からない心臓がバックバクなんだからさ!」
セラ「…でも、そういう所が歩なんですよね…分かっています」
歩「はは…そっか……なあセラ」
セラ「はい…何ですか?」
歩「その…吸血忍者の里に伝わる婚約の誓いはいつ…」
セラ「………」
―――チュッ――
セラ「そうですか……でも今…してしまいましたね」
歩「……ああ」
セラ「これで歩、あなたはもう私と結ばれる運命になりました……もう絶対に逃がしませんよ?」
歩「はは…そりゃおっかないな」
セラ「………あの…歩…今さっきの不意打ちではお互いの真意を測りながらでの誓いではないと私は思うので……もう一度…」
歩「………」
―――チュッ――
歩「……これで…満足か?セラ」
セラ「……もう一度です…もう一度しましょう……歩」
ユウ「………」
ハルナ「………」ハァハァ
ユウ『これは……どうすれば?』
ハルナ『天才ハルナちゃん、ただいま困惑中』
ユウ『同感、私も困惑中』
ハルナ『これからどうすればいいんでしょうかね?』ガクガク
ユウ『分かりません、本当に分かりません』ブルブル
ハルナ「………」
ユウ「………」
ハルナ「卵焼き…消費するか」
ユウ「」コク
セラ「言い方が下品です、止めてください気持ち悪い」
歩「ごめん…でも…その……あ、ありがとうございました!」
セラ「……こちらこそありがとうございました…歩」
歩「うん…じゃあもうそろそろ夕飯作ろうか」
セラ「あっ…」
歩「それにしてもアイツらはいつになったら帰って…」
ギュッ
歩「……セラ?」
セラ「私も…一緒に作ります」
歩「いやでも…セラは昼は作ったから夕飯なら俺が…」
セラ「それでも…私はあなたと一緒に作りたいのです……ダメですか?」
歩「…いや…一緒に作ろう、セラ」
セラ「はい……夫婦、初めての共同作業ですね」ニコッ
歩「いや、それは違うと思う」
歩「あ、おはようセラ」
セラ「はい、おはようございます歩…今日はいつも以上に早いんですね」
歩「ああ、今日は早めに作って自分の立ち位置を確保しようと思ったんだけど……先に取られてたか」
セラ「はい、申し訳ありませんがもうほとんどの準備を終えました」
歩「そっか…でもやっぱり旨そうだなセラの料理は…」
セラ「味見してみますか歩?」
歩「ああ、じゃあ一つもらってもいいか」
セラ「はい歩…あーん」スッ…
歩「あーん」パク
歩「……うん、旨い、やっぱりセラには料理の才能が」
チュッ
セラ「………こっちの味は…ど、どうですか?歩」
歩「ああ、いつも通りおいしいよ、セラ」
セラ「…ふふ、それじゃあもっと美味しいものを味あわせてあげます……クソ虫歩」ニコッ
終
もう悔いはありません
なので誰かユーちゃんとちゅっちゅするSSお願いします
10時間近く皆さんお疲れ様でした
それでは
乙
セラがこんなに可愛いとは…
Entry ⇒ 2012.05.12 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
アバン「ダイ君、君はそろそろ安価で転職すべきです。」
ダイ「転職…?って一体なんなんですか?」
アバン「そうですね。簡単に説明しますと新しい呪文や技を覚える為に
必要な儀式…でしょうか。まぁ難しくないのでちゃっちゃと
終わらせてしまうとしましょう。」
ダイ「わかりました!」
アバン「ではダイ君が初めてつく職業は…これだッ!>>5」
アバン「…気持ちはわかりますがこれは安価なのです。安価は絶対なのでしたがって
ください。」
ダイ「は…はぁ…それで一体どのような職業なのですか?」
アバン「そうですね…ち○この効果は…>>15ですね。」
極限状態になると赤い液体も飛ばせる
アバン「勿論ですよ!黄色い液体とは魔界の猛毒で白い液体は天界の回復薬!
そして赤い液体とは魔界のマグマのことなのですから!」
ポップ(本当かよ…。)
アバン(まぁ…ダイ君は元々潜在的な力を秘めていますので、職に関係なく
強くなれるでしょう…。)
アバン「そうですね。ポップは魔法使いになってから結構経つので、そろそろ
転職してもいいかもしれませんね。」
ポップ「やった〜!じゃあ俺が次につく職は…これだッ!>>26」
なんなんだろう?」
ポップ「アバン先生は知っていますか?」
アバン(これは…ダイ君に負けないくらい酷いですね…。本当の事を
教えてしまうと精神の幼いポップは傷ついてしまいそうなので
黙っておくとしましょうか…。)
ポップ「先生〜!聞こえてますか〜?」
アバン「おっと…これは失礼しました。それでどうしたんですか?」
ポップ「だ〜か〜ら〜!セロハンテープの職業能力を教えてくださいって、
言ってるじゃないですか〜。」
アバン「ああ、そうでしたね。セロハンテープの効果は…確か>>32だったと
思いますよ。」
相手を縛り付けて動きを封じる
粘着質な話術で精神攻撃
水が弱点
アバン「ええ、勿論です!」
アバン(人生の主人公は誰でも自分ですからね…。)
ポップ「やった〜い!主人公だってさ!な!ダイ!」
ダイ「いいな〜羨ましい!」
ポップ「えへへ…。」
アバン「…さて、転職も終えた事ですし次はアバン流刀殺法海破斬の特訓をする
としましょうか!」
ダイ「うん!」
ハドラー「ふふふっ…久しぶりだな……アバン…!」
アバン「お前は…魔王ハドラー…!やはり復活していたのか…。」
ハドラー「そうだ。俺は死の間際、魔界の神バーン様によって命を救われたのだ!」
アバン「魔界の神バーン…!」
ハドラー「そして俺はバーン様より不死身の肉体を頂いたのだ。」
アバン「くっ…。」
ハドラー「さぁ覚悟しろアバン!今度という今度こそ貴様の息の根を止めて
くれるわッ!」
アバン「うぐっ…!」
ハドラー「終わりだアバン…死ねッ!」
アバン「…ハドラー……お前だけはこの場で倒す…!」
ハドラー「なにっ!?」
アバン「終わりだ、ハドラー…>>44!」
>>44 1メガンテ 2バーングクリメイション 3ジゴスパーク 4その他
完全に終わった
黒のコアってあの時点で付いてたんだっけ?
新しい体貰った時点で付いてる
安価下
アバン「いかにかつての魔王ハドラーとはいえ心臓を貫かれては生きられまい…。」
ハドラー「くっ…だが俺の心臓は左右に二つ……うぐっ……うおおおああああああッ!」
アバン「なっ…ハドラーの様子がおかしいぞ…!?」
ハドラー「ぎやぁあああああああああッ!」
アバン「こっ…この光は……まさかっ…!?」
その瞬間島が輝いた!
ダイ「なっ…なんだこの光は…!?」
ポップ「まさか…アバン先生が!」
ダイ&ポップ「う…うわああああああッ!!!」
2死んでいる
>>55
爆破により死亡。世界は魔王軍の手のものになるかに見えた。しかし…
北の勇者を名乗る少年が現れ、世界は思わぬ方向に進んでいく…。
ノヴァ父「そうらしい。お前も魔物と戦うのはいいが、少しは気をつけろよ。」
ノヴァ「全く…父上までそんな事を…。」
ノヴァ「そこまで言うのであれば、ボクが一人でも生きていける人間だって証明
してみせます!」
ノヴァ父「証明…?」
ノヴァ「ええ。ボクは明日から旅にでます!引き止めても無駄です。絶対にいきます!」
ノヴァ父「なっ…。」
ノヴァ父「…本当に行くのか…?」
ノヴァ「しつこいですね。もう行きますよ。さようなら。」
ノヴァ父「…。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ノヴァ「さてと、一人で来たのはいいけど…やっぱり一度でいいからボクも
転職というものをしてみたいな!」
ノヴァ「旅には必須らしいしね!それじゃあなにに転職しようかなー…>>64」
ハーレム男?そんなのはいらん!」
ノヴァ「そんな事をしなくたって勇者になればもてるだろうしね!」
ノヴァ「だが安価は絶対…。」
ノヴァ「いや、時代が変わったわけだしフラグ建築士の効果も変わってるかも
しれないな。」
ノヴァ「それに期待しよう!さぁ一級フラグ建築士を継ぐものの効果は…>>70!」
この能力欲しいな
ノヴァ「ダメだ…やっぱりクソジョブであることに変わりは無かった…。」
ノヴァ「…だがまだ諦めないぞ!ボクは魔王を倒す勇者ノヴァなんだ!」
ノヴァ「職業ごときで嘆いてる暇などないッ!」
???「ほぅ…職業ごとき…ねぇ…。」
ノヴァ…職業 一級フラグ建築士を継ぐもの レベル1
技 オーラブレイド ノーザングランブレード マヒャド
特殊能力…なし
フレイザード「魔王軍六団長氷炎将軍…フレイザードだ。」
ノヴァ「フレイ…ザード…!?」
フレイザード「北の勇者ノヴァよ…魔王軍に仇名す敵としてお前を討つ!」
ノヴァ「…ふふっ…早速来たか魔王軍め…この勇者ノヴァを舐めるなよ!」
フレイザード…職業 氷炎将軍レベル35→消滅の魔神レベル58
技 メラゾーマ マヒャド 凍てつく冷気 煉獄火炎 メドローア
オーロラブレス 凍てつく波動 フィンガーフレアボムズ
氷炎爆火山 弾丸爆火山
特殊能力…自動回復 通常攻撃無効化 ヒャド系で回復 メラ系で回復
ノヴァ「こい!化け物!」
フレイザードが現れた!
ノヴァ(随分と変わった魔物だな…だが全力でいくぞッ!)
フレイザード「こい!職業とレベルがいかに重要であるかを貴様に教えてやる!」
フレイザードは様子を見ている!フレイザードは笑っている!
フレイザードは様子を見ている!
ノヴァ「様子を見ているだと…?なめるなぁあああああッ!」
ノヴァはマヒャドを唱えた!フレイザードは吸収した!
ノヴァ「くっ…まだまだァ!」
ノヴァはオーラブレイドで斬りつけた!フレイザードには効かなかった!
ノヴァ「なっ…。」
フレイザード「クククッ…残念だったなァ…。俺はバーン様が禁呪法で作り
だした魔物なんだぜ。」
フレイザード「つまり俺はバーン様自身でもあるのだ!」
フレイザード「その俺に貴様如き雑魚が傷を負わせる事が出来るとでも思ってたのかァ…?」
フレイザード「これで終わりだ…。この俺の極大消滅呪文…メドローアで跡形も
なく消えな!」
ノヴァ「ッ…!」
ノヴァ(マズい…このままでは確実に負ける…。メドローアとかいうのがどんな呪文かは
わからないが、喰らったら確実に終わりだろう…くそっ!一体どうすれば
…!?>>81)
安価なら下
駄目だ!死んだ!
ノヴァ(だが、今ボクが出来ることは安価で与えられた使命をまっとうする事
のみ…くっやるしかないッ!)
フレイザード「覚悟が決まったようだなァ…それじゃあいくぜ…!」
ノヴァ「こい!フレイザード!」
フレイザード「メドローアッ!!」
ノヴァ「うおおおおおおおおッ!」
ノヴァはメドローアを飲み込んだ!ノヴァは…>>86
尻から出そう
フレイザード「メっ…メドローアを飲み込むとはッ!」
ノヴァ「うぐっ…なっ……なんだこれは…!?」
ノヴァの体は光に包まれた!
フレイザード「ク…クカカカカッ!馬鹿め!メドローアを飲み込んだからといって
メドローアその物が無効化される訳でない!」
フレイザード「腹のなかで爆発して木っ端微塵だァー!」
ノヴァ「…。」
フレイザード「なっ…生きている……だと!?それにその姿…一体?」
ノヴァ「……。…。」
ノヴァはギガデインを唱えた!フレイザードに244ダメージ!
フレイザード「ぐわあああああッ!」
ノヴァ「…」
ノヴァはバギクロスを唱えた!フレイザードに168ダメージ!
フレイザード「ぎやあああああっ!」
ノヴァはベギラゴンを唱えた!フレイザードに158ダメージ!
フレイザード「くっ…クソがあああああっ!」
フレイザードをやっつけた!
技 ???
特殊能力…???
超魔生物を越えた何か 大抵の事は可能 3回行動
光と闇と竜の闘気で体を守っている
ノヴァは次は魔王軍六団長の誰を倒そうか考えているようだ…。
誰を倒すか>>101
ノヴァ「…。」
ー魔の森ー
ノヴァ「…お前が…クロコダインだな。」
クロコダイン「…人の住処に勝手に上がり込んでおいて言うことはそれだけか?
北の勇者よ。」
ノヴァ「クロコダイン…安価の使命より、貴様を討つ!」
クロコダイン「…いいだろう。丁度バラン様より貴様の殺害命令が下ったところだ。」
クロコダイン「返り討ちにしてくれるッ!」
クロコダイン…職業 獣王LV85
技 獣王激烈掌 大魔神斬り 灼熱の炎 大防御 バイキルト ルカニ
スカラ ピオラ
特殊能力 2回行動 呪文・息無効化
クロコダイン「さぁいくぞッ!」
クロコダインはバイキルトを唱えた!スカラを唱えた!
ノヴァ「…」
ノヴァはメマゾーマを唱えた!クロコダインには効かなかった!
ノヴァは輝く息を吐いた!クロコダインには効かなかった!
クロコダイン「ぐははははッ!残念だが俺にはブレスや呪文は一切効かん!」
ノヴァの攻撃!クロコダインに78ダメージ!
クロコダインは大防御をした!
クロコダインは獣王激烈掌を放った!ノヴァに296ダメージ!
ノヴァはオーラブレイドで斬りつけた!クロコダインに1のダメージ!
ノヴァはノーザングランブレードを放った!クロコダインに1ダメージ!
ノヴァの攻撃!クロコダインに1のダメージ!
ノヴァ「…卑怯な。」
クロコダイン「卑怯ではない。これが策と言うものだ。」
クロコダイン「…攻撃の効かない俺と無尽蔵のMPで回復し続けるお前…。」
クロコダイン「この勝負、決着はつきそうにないな。」
ノヴァ「…。」
クロコダイン「お互いに決め手となる技がない。残念だが引き分けだ。」
ノヴァ「そのようだな…。」
クロコダイン「それにしてもこの俺とこれほど長時間戦いつづけるとはな。」
クロコダイン「よし、決めた。今日で魔王軍をやめお前の旅について行くとしよう。」
ノヴァ「…いいだろう。」
クロコダインが仲間になった!
安価下
ー翌日ー
クロコダイン「さて…次はどうする?」
ノヴァ「…お前に任せよう。」
クロコダイン「そうか。ならば次は>>117でもするとしようかな。」
>>117 1レベルアップ 2転職 3魔王軍討伐(倒す相手を書いてね)
クロコダイン「そうだな。面白そうだ。いいだろう。」
クロコダイン「ではバーンパレスに向かうとしよう。」
ノヴァ「…。」
ーバーンパレスー
ノヴァ「…ここが…バーンパレス。」
クロコダイン「気をつけろよ。ここの敵の多さは尋常じゃない。」
クロコダイン「全力で行くぞ!」
クロコダイン「むっ…この下卑た笑い声は…。」
ノヴァ「…。」
???「久しぶりじゃな。『裏切り者』獣王クロコダイン。」
クロコダイン「出たか。妖魔司教ザボエラ。」
ザムザ「俺の事も忘れてもらっちゃ困るな。妖魔司教補佐ザムザだ」
ザボエラ「イッヒッヒ…それにしても魔王軍最強をうたわれたお前ほどの男が
愚かな人間どもの味方につこうとはな。」
技 メラゾーマ イオラ ベギラマ 麻痺攻撃 甘い息 焼け付く息
猛毒の霧
特殊能力…どくどくボディ
ザムザ…職業 魔法使い Lv48
技 メラゾーマ イオナズン 変身
特殊能力 HP自動回復
としよう。」
クロコダイン「それでザボエラよ…悪いがそこをどいてはくれないかな?
俺達は大魔王に用事があるのだ。」
クロコダイン「貴様も馬鹿ではあるまい。命が惜しくばそこを素直にどけ。」
ザボエラ「嫌なこった〜!」
クロコダイン「…ならば仕方ない。この場で皆殺しにするまでだ!ザボエラ覚悟ッ!」
ノヴァ「…。」
ザボエラ「おっと…わし自身が戦う、などとは一言もいっておらんぞ…。」
クロコダイン「なにッ…?」
ザボエラ「いでよ超金属の戦士たち!裏切り者を殺すのじゃあ〜!」
クロコダイン「…なんだこの不気味な戦士達は…?」
ザボエラ「こいつらはわしがザムザと協力して作り出したオリハルコンの
戦士達よ。」
ザムザ「キーヒッヒッヒ…!」
ザボエラ「禁呪は使い慣れないので苦労はしたが、まぁ見ての通りよ。」
クロコダイン「…なるほどな。オリハルコンか。」
ザボエラ「さぁこれで形勢は逆転じゃ。やれ、マキシマム!」
マキシマム「了解だ。裏切り者クロコダインと侵入者を排除する!」
マキシマム(な〜んて素直にしたがうとでも思ったか?これだけ凄い肉体を
もらっちゃお前なんぞ用済みよ。こいつらを蹴散らしたら次は
お前の番よ!)
マキシマム(なんせこの戦士どもの指揮権はわしにあるんじゃからな!)
※マキシマムは馬鹿なのでザボエラを殺したら自分が死ぬことを理解していません。
ノヴァ「…わかっている。」
マキシマムが現れた!オリハルコンの戦士が現れた!
クロコダイン「奴等の攻撃は俺が防いでおこう。お前は敵を倒すことに
集中するんだ。」
ノヴァ「…了解。」
クロコダインは大防御をした!クロコダインは仁王立ちした!
クロコダイン「さぁ遠慮なくいけ!」
ノヴァは闘魔滅砕陣を張り巡らせた!オリハルコンの戦士達の動きを封じた!
オリハルコンの戦士に109ダメージ!
ノヴァの攻撃!ノーザングランブレイド!オリハルコンの戦士Aに365ダメージ!
ノヴァの攻撃!オリハルコンの戦士Aに124ダメージ!オリハルコンの戦士Aを
やっつけた!
オリハルコンの戦士たちの攻撃!クロコダインに1ダメージ!
クロコダイン「ぐふふふふっ…。」
マキシマム「…く…邪魔しおって。…ならば!キングスキャ〜ン!」
マキシマムはキングスキャンを使用した!
マキシマム「…ほう…色々と厄介な技をもっておるなぁ…。」
マキシマム「特に厄介なのはノヴァのノーザングランブレイドか。」
マキシマム「ただでさえ強力な上に光・闇・竜三つの闘気が合わさって威力を
数倍にあげているな…。」
マキシマム「闘気のメドローア…ノーザングランメドローア…とでも言っておこうか。」
マキシマム「あの技だけは喰らわないようにせねばな…!」
喰らっていられる程丈夫ではないだろうしな。」
※マキシマムは大防御という技を理解していません。
マキシマム「適当に攻撃していてもなんとかなるだろう…。」
マキシマム「さぁ行くぞ!袋叩きにしてやるのだ!」
マキシマムの攻撃!会心の一撃!クロコダインに1ダメージ!
クロコダイン「ぐふふふ…どうした……?その程度か?オリハルコンなどという
大層な名前の割に大したことないのだな。」
マキシマム「強がりをいうでない。直にお前たちは死ぬのだ。無駄な足掻きは
よさんかッ!」
マキシマム「…なぜだ…我が無敵のオリハルコン軍団が……全滅!?」
クロコダイン「残念だったな…。所詮貴様の実力などその程度と言うことだ。」
ザボエラ「もうよい。お前は良く頑張った。さっさとオリハルコンの塊に
なるのじゃ。」
ノヴァ「マキシマム…最後の時だ。」
マキシマム「…くっ…こうなったら…。」
クロコダイン「ん?」
マキシマム「恥をしのんで貴方に頼む!このわしを仲間にしてはくれないか!?」
ザムザ「なっ…!?」
ザボエラ「貴様、裏切る気か!?まさかこのわしに作られた恩を忘れたと
いうのか!?」
クロコダイン「…どうする…?」
ノヴァ「…>>141…だ。」
ない。」
マキシマム「…えっ…?」
クロコダイン「グフフフッ…これはまた難題を出したものだな。」
マキシマム「えっ…いやでもその‥あn『安価の命令を全てにおいて優先する』
マキシマム「…。」
ノヴァ「…出来ないようだな…ならば終わりだ…。」
マキシマム「いや!やります!やらせてください!」
ザムザ「おいお前!」
マキシマム(理由はどうあれこの場から逃げることが先決よ!手段は選ばん!
逃げて逃げて逃げ延びてやる!)
マキシマム「…と言うことで。さらば!シュタッ!」
クロコダイン「さて…これで残るはお前たち二人だ。」
クロコダイン「今度こそザボエラ、終わりだ。」
ザボエラ「キーヒッヒッヒッヒ…残念じゃったなぁ…まだ終りゃせんのじゃよ。」
ザムザ「そういうこった!」
ノヴァ「何をするつもりだ…?」
ザボエラ「ふん、馬鹿はそこで大人しく見ていればよいのじゃ!」
ザボエラ「超金属合成〜!」
ザボエラは辺りに散らばったオリハルコンの欠片を身にまとった!
ザムザ「うおおおおおおッ!変身!」
ザムザは超魔生物へと姿を変えた!
超金属魔人(ザボエラ)「イッヒッヒッヒ…これでわしの地位も安泰じゃあッ!」
技 キングスキャン スーパーキングスキャン
特殊能力 呪文・息無効化 ダメージ半減
オリハルコンの戦士達 職業 駒 平均Lv15
技 バギクロス イオナズン メラゾーマ ベギラゴン マヒャド
超熱拳 ニードルサウザンド キャスリング ライトニングバスター
技 なし
特殊能力 自動HP回復 捕食
超金属魔人ザボエラ…職業 超金属魔人 レベル15
技 なし
特殊能力 呪文・息無効化 ダメージ半減
クロコダイン「…体が大きくなれば勝てるとでも思ったか。この程度…造作もないッ!」
ザボエラ「本当にそうかどうかは戦って試すのじゃな!」
クロコダインはバイキルトを唱えた!クロコダインの大魔人斬り!会心の一撃!
超魔生物に796ダメージ!
ザムザ「…くっ、流石に効くな。戦いというのはやはりこうでなくてはな!」
ザボエラ「いいからさっさと攻撃せんかい!」
ザムザ「わかっていますとも!」
超魔生物の攻撃!ノヴァに246ダメージ!
超金属魔人の攻撃!クロコダインに198ダメージ!
超金属魔神に377ダメージ!
ザボエラ「うぐっ…人間のくせになかなか高等な技をつかいよる…。」
ザボエラ「じゃが!その程度ではわしは倒せんぞ!」
ノヴァはオーラブレイドで斬りつけた!超魔戦物に499ダメージ!
ノヴァはフィンガーフレアボムズを唱えた!超魔生物に567ダメージ!
クロコダイン「なかなか耐えるな……仕方あるまい。」
クロコダインは仲間を呼んだ!鬼棍棒が現れた!ヘラクレイザーが現れた!
なんになるというのじゃ!」
クロコダイン「グフフフッ…こやつらは我が百獣魔団最強の兵よ」
クロコダイン「雑魚と侮っていると痛い目をみるぞ…?」
ザボエラ「はったりがわしに通じると思ったか?虫けらなんぜ踏み潰して
やる!」
クロコダインは獣王激烈掌を放った!超魔生物に671ダメージ!
超金属魔神に389ダメージ!
ヘラクレイザーの攻撃!超魔生物に324ダメージ!
鬼棍棒の攻撃!会心の一撃!超魔生物に588ダメージ!
超魔生物をやっつけた!
ザボエラ「ちっ…役立たずめが。…こうなったらわし一人で片付けてくれるわ!」
ザボエラの攻撃!痛恨の一撃!鬼棍棒に335ダメージ!
ザボエラ「イッヒッヒ…所詮は雑魚。真の力を持つこのわしには遠く及ばんわい。」
クロコダイン「他者の力で真の力をなのるとは…落ちるところまで落ちたな、
ザボエラよ。」
ザボエラ「ふん…負け犬の言うことなど聞く価値はない。何が最強の獣王じゃ。」
ザボエラ「脳筋野郎はさっさと死ねっ!」
ノヴァはバイキルトを唱えた!ノヴァはメドローアグランブレイド!
超金属魔人に409ダメージ!ノヴァの攻撃!超金属魔人に124ダメージ!
クロコダインは獣王激烈掌を放った!超金属魔人に412ダメージ!
クロコダインの攻撃!超金属魔人に214ダメージ!
ザボエラ「くっ…このわしがここまで押されるとは…。」
鬼棍棒「とどめだ…ザボエラッ!」
鬼棍棒の攻撃!超金属魔人に127ダメージ!
超金属魔人をやっつけた!
超金属魔神は爆発とともに砕け散った
クロコダイン「…哀れな奴よ。」
ノヴァ「先に進むとしよう…。」
その時突如何もない空間に穴があき、ノヴァの体を巨大な鎌が引きずり込んだ!
ノヴァ「ッ…!?」
クロコダイン「ノヴァッ…!」
???「ウフフフフッ…さぁいらっしゃい……地獄の決闘場へ…!」
ノヴァ「…くっ。」
???「やぁ…ようこそ我が決闘の空間へ。」
ノヴァ「貴様…何者なのだ…?」
キルバーン「…ボクの名前はキルバーン。口の悪い友達はボクの事を『死神』
なんて呼んだりするけどね…。」
ノヴァ「死神…キルバーン。」
キルバーン「さて…無駄なお喋りはここまでだ。ザボエラ君やオリハルコンの騎士団を
やぶった実力は認めるが…舐めてかかると痛めに合うよ…!」
ノヴァ「…。」
キルバーン「さぁ…勝負だノヴァッ!」
クロコダイン「…ノヴァの奴が突然異空間に引きずり込まれてしまった…。」
クロコダイン「まぁ彼奴の事だし心配する必要はないだろうが…。」
クロコダイン「まぁ先に進んでみるとしよう。」
ーバーンパレス 白の庭園ー
クロコダイン「…敵が全くでないな。どうなっているんだ?」
クロコダイン「…まさか…」
???「…その通りだ。…即ちそれは絶対的な信頼のおける強者が守りについている
証拠。」
???「もはや雑魚の番人など不要という事だ…!」
ミストバーン「…久しぶりだな。獣王クロコダイン。」
ミストバーン「まさかお前が人間どもの味方をするとは思っていなかったぞ。」
クロコダイン「味方をしている訳ではないのだがな。」
ミストバーン「理由はどうあれ大魔王様に刃向かった罪は重いぞ。」
ミストバーン「…例えかつての僚友とは裏切るのであれば殺す。」
ミストバーン「…今からでも遅くは無い。再び大魔王様に仕えはしないか…?」
クロコダイン「ふっ…そうだな…>>170。」
>>170 1はい 2いいえ 3その他
クロコダイン「グフフフッ…さぁどうだろうな…?」
クロコダイン「何にせよ再び大魔王に使える気はない。悪いが諦めてくれ。」
ミストバーン「そうか。…残念だ。本当に残念だ。」
クロコダイン「俺はそこまで評価される程の男ではない。」
ミストバーン「……致し方あるまい。…クロコダイン…覚悟ッ…!」
クロコダイン「こい!ミストバーン!」
キルバーン「はぁはぁ…ノヴァ……ここまで出来る奴だったとは…!」
ノヴァ「…これで終わりだ……キルバーン…!」
キルバーン「待て…!」
ノヴァ「なに…?」
キルバーン「…ボクを…仲間にしてくれッ!」
ノヴァ「!?」
キルバーン「実はボクは大魔王のやつにこき使われていてねェ…暗殺や
諜報をはじめとした汚い仕事ばかりさせられていたのさ…。
その上……………
ー5分後ー
キルバーン「…と言う理由なんだ。だからお願いだ…ボクを君たちの仲間に
してくれないかな…?」
ノヴァ「…>>176……。」
キルバーン「…だから………。」
キルバーンはたくみな話術を駆使してノヴァを言いくるめた
ー10分後ー
キルバーン「…なわけだ。なのでキミ達の仲間になりたのだが…どうかな?」
ノヴァ「…>>183」
ノヴァ「…。」
キルバーン「…返事がないのはイエスととるが…問題ないね?」
ノヴァ「…?」
キルバーン「…よし。今日から君の仲間だ。よろしくね…!」
ノヴァ「!?」
ノヴァ(…どっ…どうなって……いるんだ…?)
キルバーンが仲間になった!
キルバーン…職業 死神Lv75
技 トラップ ファントムレイザー メダパニ ザラキ マヌーサ
ラリホー マホカンタ
特殊能力…不死身
ミストバーン「うぐっ…獣王……これほどとはッ!」
ミストバーン(…マズい…このままではッ…!)
クロコダイン「とどめだ…ミストバーン!」
ヒュンケル「まてッ!そこまでだ…クロコダイン!」
クロコダイン「…ヒュンケルか。」
ヒュンケル「ミストバーン。大魔王様がお呼びだ。天魔の塔へ戻れ。」
ヒュンケル「ここは俺に任せておけ。」
ミストバーン「ヒュンケル…。」
ヒュンケル「さあいけっ!」
ミストバーンは姿を消した
ヒュンケル「…クロコダイン…貴様の相手は俺だッ!」
技 闘魔傀儡掌 闘魔滅砕陣 闘魔最終掌 ビュートデストリンガー
デストリンガーブレイド マホカンタ
特殊能力…無敵
技 大地斬 海波斬 アバンストラッシュ(未完成) ブラッディースクライド
闘魔傀儡掌 闘魔滅砕陣
特殊能力…無し
クロコダイン「…貴様は…死神キルバーン!」
ヒュンケル「どういうつもりだ?説明してもらおうか。」
キルバーン「説明…?説明することは何もないよ。君の相手をするのはボク…
それだけさ…!」
クロコダイン「どうなっているんだ…?」
キルバーン「ああ、クロコダイン君。ボクは今日からキミ達の味方さ…
よろしくね。」
クロコダイン「味方もなにも…。」
キルバーン「まっ…説明は後でゆっくりするとして……勝負だよ…ヒュンケル君。」
ヒュンケル「…クロコダインに続いて貴様まで魔王軍を裏切る気か…?」
ヒュンケル「いいだろう。俺がこの手で引導を渡してくれる!」
キルバーン「ノヴァ君も天魔の塔の下で待っているはずだ。頑張ってくれよ。」
クロコダイン「…ああ。わかった。」
キルバーン「それじゃ…いってらっしゃい。」
ーバーンパレス 天魔の塔ー
クロコダイン「ここが…天魔の塔か。」
ノヴァ「クロコダイン…。」
クロコダイン「ノヴァか。ここに大魔王バーンがいるのだな。」
ノヴァ「多分…ね。」
クロコダイン「では行くとしよう。」
???「そうはさせん。」
クロコダイン「またかっ…!今度は誰だ…?」
ラーハルト「…そしてバラン親衛隊だ。」
クロコダイン「…バランか。やはり最後はお前が相手か。」
バラン「…お前が裏切ったと聞いた時は心底残念だったが…まさか味方についた
のが人間だったとはな…。」
バラン「失望の極みだ。お前だけは信用できると思っていたのだがな…。」
クロコダイン「…そういえばお前は人間の事を深く恨んでいたな。」
バラン「…部下の責任は上司の責任だ。お前はここで始末する。」
バラン「死ね。クロコダイン!」
クロコダイン「…いくぞ…バラン!」
ノヴァ「…」
クロコダイン「いきなり竜魔人化とは…くっ全力でいくぞ。ノヴァ!」
ノヴァ「わかっている…。」
バランは竜魔人へと変身した!
竜魔人バランが現れた!親衛隊ラーハルト、ボラホーン、ガンダルティー
が現れた!
バランはドルオーラを唱えた!クロコダイン達に平均569ダメージ!
クロコダイン「うぐおっ…!」
バラン「…まだだ。」
バランはギガデインを唱えた!クロコダイン達に平均251ダメージ!
クロコダイン「ぐわあああああああッ!」
ノヴァ「くっ…!」
バランに789ダメージ!ノヴァはノーザングランメドローアを放った!
バランに661ダメージ!
バラン「…流石だ…だがこの程度では私は倒せんぞ!」
クロコダインは大魔人斬りを放った!会心の一撃!ガンダルティーに
671ダメージ!ガンダルティーをやっつけた!
ボラホーン「ガンダルティー!」
ラーハルト「一撃か…。」
クロコダインの攻撃!ボラホーンに342ダメージ!
技 ギガデイン ライデイン ギガブレイク ドルオーラ 凍てつく波動
特殊能力…呪文無効化
ラーハルト…職業 陸戦騎Lv42→親衛隊長Lv32
技 ハーケンディストール 隼斬り 疾風突き ピオラ ピリオム
特殊能力…攻撃回避
ボラホーン…職業 海戦騎Lv33→親衛隊Lv21
技 冷たい息 ヒャダルコ
特殊能力…息ダメージ半減
ガンダルティー…職業 空戦騎Lv17→親衛隊Lv9
技 赤い羽 白い羽
特殊能力…ダメージ倍加
バラン「くっ…流石は獣王…やりおるわ。」
クロコダイン「…やはり……魔軍指令の肩書きは伊達ではないな…。」
バラン「ふっ…次で決着をつけてやるわッ!」
ノヴァ「…負けるわけには…いかないんだよ…!」
バランはギガブレイクを放った!クロコダインに1ダメージ!
バランはドルオーラを唱えた!クロコダインに1ダメージ!
バラン「…卑怯な奴め…そのような姑息な手段で私を愚弄しおって…!」
クロコダイン「愚弄などしていない。対等以上の相手だからこそ最善を尽くして
いるのだ…!」
バラン「…ッ!」
ノヴァは火炎斬りを放った!バランに161ダメージ!ノヴァは氷結斬り
を放った!ノヴァの攻撃!会心の一撃!バランに322ダメージ!
バランをやっつけた!
クロコダイン「俺達は大魔王に用があるだけだ。殺しはしない。そこで決着が
つくのを待っていてくれ。」
バラン「情けをかけるつもりか…?いいのか?ここで私を殺さなくても。」
ノヴァ「…今は理由はないからな…。」
バラン「ふん…私の傷が癒えたとき再び人間どもを滅ぼすかもしれんぞ…?」
バラン「それでもいいのか…?」
クロコダイン「その時はその時よ。」
ノヴァ「…だな。」
クロコダイン「死神か。ヒュンケルはどうしたんだ?」
キルバーン「死んだよ。向こうに彼の腕が落ちている。拾って持ってくれば
よかったかな?」
クロコダイン「…そうか。」
キルバーン「それじゃあ行こうか…天魔の塔へ…!」
ー天魔の塔 最上階ー
ノヴァ「…。」
バーン「…よくぞここまでたどり着いた…などと偉そうな事を言うのは
やめておこう。」
クロコダイン「…お前が…バーン……なのか?」
バーン「いかにも。…余がバーン。大魔王バーンだ…!」
クロコダイン(なんたる威圧感…これが大魔王なのか…。)
バーン「それにキルバーンよ。お主までそちら側につくとはな。流石にそれは
予想外だったぞ…。」
キルバーン「…これまたご冗談を。これくらい予想されていたのでしょう?」
バーン「ふふふっ…まぁそんな事はどうでもいいだろう。」
バーン「あの魔軍指令バランはじめとした強力な六団長をほぼ全て倒すとは…
これには余も驚かさせた。」
バーン「それほどの力…殺すのはとても惜しい。」
バーン「…一応聞いておこう。…ノヴァよ…余の部下にならんか…?」
ノヴァ「…その質問の答えは…>>216だッ!」
クロコダイン「…。」
キルバーン「流石はノヴァ…一般人の常識と言うものをことごとく裏切って
くれるねェ…!」
バーン「ふっふっふ…これは驚いた。まさか交渉の余地があるとはな。」
バーン「お主程の男を引き入れることが出きるのであれば金に糸目はつけん。」
バーン「ではとりあえず時給500000ゴールドでいかがかな…?」
ノヴァ「…>>219」
>>219 はい いいえ
ではまずクロコダインを血祭り
ノヴァが仲間になった!
クロコダイン「なっ…!?」
ノヴァ「…そういう事だ…悪いが死んでくれ。クロコダイン…!」
キルバーン「じゃあボクもバーン様の味方につこおっと!」
キルバーン「ボクにもちゃんと給料下さいね?」
バーン「貴様には一人殺す度に10000000ゴールドというとてつもない額の
報酬を渡しているではないか。なぁミストバーンよ。」
ミストバーン「…おっしゃる通りです。」
キルバーン「チッ…ミストまで…。」
ノヴァ「…承知した。」
クロコダイン「くっ…見損なったぞ!ノヴァ!」
ノヴァ「…そいういう貴様こそ冥竜王のいいなりになっているではないか。」
クロコダイン「なっ…。」
ノヴァ「僕を監視する為に冥竜王の送り込んだ使者…それがお前だ。」
ノヴァ「違う…とはいわせんぞ。」
クロコダイン「…死神…!」
キルバーン「ごめんねェ…ボクはまだお仕事の最中なんだァ…!」
クロコダイン「…。」
ノヴァ「…さぁ覚悟しろ…クロコダイン…!」
クロコダイン「貴様等全員ここで殺してやる…!」
バーン「くるぞ…!」
真・クロコダインが現れた!
クロコダイン「さぁこい…全員まとめて相手をしてやる。」
ノヴァ「…言われなくても!」
ノヴァはノーザングランメドローアを放った!
クロコダイン「ぐわああああああッ!!」
ノヴァ「…流石にこの技は貴様といえど効果があるようだな。」
バーン「…。」
バーンはカイザーフェニックスを放った!
クロコダイン「ぐわああああああッ!」
クロコダインは攻撃を無効化した!
バーン「ほう…余のメラゾーマを喰らっても立っていられるとは…流石は
ヴェルザーの腹心だな。」
それから数日間大魔王とクロコダインは戦い続けた。しかし真の力を開放し
ぐわああああマスターの職をコンプリートしたクロコダインにはとうとう
勝てなかった。だがクロコダインの側も無限のMPを持つバーンの使う
ベホマズンのせいで決着がつくことは無かった。
クロコダイン「メドローア!」
バーン「…マホカンタ」
クロコダイン「ぐわあああああああッ!」
クロコダイン「煉獄火炎!」
バーン「ベホマ…そしてイオラ連発」
クロコダイン「ぐわあああああッ!!」
バーン「…そのようだな。それでお主はどうするのだ?」
クロコダイン「これ以上無駄な争いを続けても時間の無駄だ。一度魔界に
戻りたいせいをを立て直すとしよう。」
バーン「賢明な判断だ。」
クロコダイン「…ルーラッ!」
バーン「さて…余もそろそろ転職などして鍛え直すとするかな。」
ノヴァ「…そうだな。」
ー大魔王バーン編 完ー
冥竜王ヴェルザー編に続く…
最後まで付き合ってありがとう。
乙!
Entry ⇒ 2012.05.06 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
女商人「さてアレフガルドに向かいますか」
〜ルイーダの酒場〜
ルイーダ「いらっしゃい。どんな人がお望み?」
商「金のかからない武闘家と、無料薬草…いえ、僧侶と、無料キメラの翼…いえ、魔法使いを探してるんですが」
ル「…なるべく節約したいわけね。それならうってつけの武闘家が一人いるけど…」
商「ほんとですか?」
ル「あんまりオススメ出来るタイプじゃないけど…連れてくるから、仲間にするかどうかはあんたが決めて」
男武闘家「押忍!あんたかい?腕の立つ用心棒を探してるってのは?」
武「ほうほう……よし!あんたと一緒に行こう」
商「即決ですね。連れていくかどうか決めるのは私なんですが。では、雇用の条件についてですが…」
武「待ちな。金はいらないぜ」
商「行きましょう。ルイーダさん、あなたが無賃契約の証人です」
武「即決だな。まあ聞いてくれよ」
商「はい?」
特に、あんたみたいな綺麗な女がな」
商「はあ」
武「だから、最低限度の食事と、二日…いや、三日でいいか」
商「?」
武「三日に一回、あんたが一晩俺の相手をしてくれりゃあ金はいらないぜ?」
商「いいですよ」
商「その条件なら、私も願ったりと言ったところですかね」
武「よっしゃ!話がわかるぜー!」
ル「…いいのかい?」
商「? 何か問題が? 無賃労働してくれるなんて素晴らしいじゃないですか」
男戦士2「俺もどうよ!?」
男盗賊「俺も俺も!昼も夜も頑張っちゃうよ!?」
商「ふーむ」
ル「…まったく、男ってヤツは…」
代ってやるぜ?」
男戦士「ああ!?ナメてんじゃねーぞクソが!」
男戦士2「調子のってんじゃねえ!」
武「破!」
男戦士「ぐあ!」
男戦士2「ぐ!」
男盗賊「ギャア!」
武「契約成立、だな」
商「よろしくおねがいします」
武闘家が仲間になった!
女僧侶「うわあ、乱闘してる…あの人強いなあ」
女魔法使い「あっちはにぎやかだねえ」
ル「ん?ああ、なんでも修業中らしくてね。大して魔法も使えないみたいだから暇してるみたい。
まあ、その分安く雇えるんじゃない?」
商「…なるほど」
僧「それにしても、声かかりませんね…」
魔「ホイミとメラしか使えないコンビじゃやっぱダメか…なんか売れない娼婦みたいだね私たち」
僧「むむ…やはり仲間に呼ばれるにもお色気が必要なんでしょうか…!?」
魔「それは関係ないと思うけど…にしてもヒマだ」
魔「…え?あ、私たち?」
商「はい。僧侶と魔法使いを探してるんですが、よければ一緒にいきませんか?」
僧「行きます!よろしくお願いします!」
魔「え?で、でも私たち修業中だから大して役に立たないと思うけど…それでもいいなら」
商「ええ、あなたたちも雇用の条件に問題がなければ…これでどうですか?」
…………
魔「…修業中の私たちには破格の条件だね…何か裏がありそうな気がするけど」
僧「そ、そうなんですか!?商人さん!?」
魔「…本人に聞いてどうすんのよ」
商「…商人ですからね。時には先行投資もしますよ。私の知り合いに似てるんですよ、あなたたち。
私の勘が言ってます。あなたたちは伸びる、と」
魔「そういうことなら、こちらからお願いしたいくらいです」
商「決まりですね」
僧&魔「よろしくおねがいしまーす!」
僧侶が仲間になった!
魔法使いが仲間になった!
商「ええ、商談成立です」
僧「あ、さっきの強い人だ。よろしくおねがいします」
魔「ほんとだ。よろしくおねがいします」
武「ああ、よろしく。いやーいいねえ。可愛いねーちゃん揃いで張り切っちゃうぜ」
商「さて、それではひとまず我々はアッサラームを目指します。
キメラの翼で飛んでもいいんですが…お二人の修業も兼ねて徒歩でいきます」
僧&魔「はーい」
魔「…緊張するなあ」
僧「頑張りましょう!」
武「まあこの辺には雑魚しかいねーから気楽にいけよ。俺もいるし…と、さっそくお出ましか」
一角ウサギがあらわれた!
武「そんじゃま、お手本ってことでまずはかるーく俺が」
商「ツノは折るんじゃねえ!ボディにしろボディに!」
武「!? お、押忍!」
商「オゥシ!一角ウサギのツノゲットォ!良い値で売れるぜぇ〜」
武「しょ、商人さん…?」
商「で、腹を裂いて…と。あったあった。何故かこいつらゴールド飲み込んでんだよなw」
商人はさらに3ゴールドを見つけた!
商「この目玉もくりぬいていくか…アホなガキに宝石ってことで売りつけられるだろ」
僧&魔「……(ガタガタ)」
商「…さて、この調子でいきましょう」
僧「ホイミ!」
魔「メラ!」
商「滅びよ…」
魔物の群れを倒した!
魔「ふぅ…」
僧「やりました!」
武「おう、上出来だ。なかなかいい感じじゃねーかお前ら」
僧「そ、そうですか?えへへー」
魔「…それにしても、商人さん滅茶苦茶強いですね…商人とは思えません」
商「大したことはありませんよ」
武「よっしゃ!来たぜ来たぜ〜。商人、約束忘れてないよな?」
商「ええ、報酬をお支払いしましょう」
武「そうこなくっちゃ!そういうわけでお前らお子様組はあっちの部屋な」
魔「誰がお子様よ」
僧「…不潔です」
僧「たしかにそうですけど…」
魔「二人の契約の問題だし、私らは大人しく休みましょ…さすがに疲れたし…」
僧「そうですね…」
…………
武「やっぱり、いい体してるな、あんた…」
商「そうですか…?では…ん…」
…………
商「……ん」
武「ちょ、ちょっと待った、さすがにもう出来ねえって。また3日後な」
商「…何を言ってるんですか?『一晩』の契約でしょう?」
武「そ、そうだけどよ、さすがにもう5回も…」
商「夜明けまではまだまだ時間がありますよ」
武「ちょ、ちょっと待っ…あ…!」
商「まだまだイケますね」
武「ちょ…!もうほんとに…!アッー!」
商「…………」パンパンパン
〜二時間後〜
武「あひぃぃいぃい!もうらめなのぉおおおおお!!!」
商「…………」パンパンパンパン
テレレレテーッテッテー♪
武闘家はレベルが上がった!アヘ顔を覚えた!
武闘家はレベルが上がった!アヘ顔ダブルピースを覚えた!
僧「アーアー何も聞こえませーん」
〜三時間後〜
武「…もう………らめぇ…え…」
商「…………」パンパンパンパンパン
テレレレテーッテッテッテー♪
武闘家はレベルが上がった!潮吹きを覚えた!
武「……」ピクピク
商「ちょっとヤリ過ぎましたかね…まあいざとなったらアッサラームの男娼館にでも売り飛ばせば高値がつきそうですね」
商「おはようございます」
魔&僧「お、おはようございます…」
武「…………」
僧「武闘家さんが虚ろですけど…」
武「は!ハイィ!ご主人様!」
魔「一晩で調教されてやがる」
商「さて、今日もはりきっていきましょう。アッサラームまでもうすぐです」
僧「出来た!手作りぬいぐるみ〜」
魔「これで、全員の分出来たかな」
商「…何をしてるんですか?」
僧「あ、商人さん。孤児院の子ども達にぬいぐるみを作ってました」
商「孤児院?」
魔「私たち、孤児院で育った幼馴染なんですよ。孤児院に少しでもお金入れて恩返ししようと思って、
冒険者の真似ごとしてたんですが、鳴かず飛ばずで…」
商「…いえ、あなたたちの努力の賜物ですよ」
僧「この旅が終わったら、商人さんもぜひ一緒に孤児院に来て下さい。皆で歓迎会しちゃいますよ」
商「…そうですね、考えておきます。ではまた明日」
魔「…商人さん、なんか元気なかったね」
僧「うーん、体調悪いのかな」
魔「ヒャダルコ!」
魔物の群れを倒した!
僧「大丈夫ですか?べホイミ」
魔「ありがとう。うーん、私たちも大分強くなってきたんじゃない?」
僧「そうですねーこれも商人さんのおかげですねー」
魔「そうね…まだまだあっちの二人にはかなわないけど」
魔「そうね…まだまだあっちの二人にはかなわないけど」
武「捷星魔光弾!」
商「ヒャッハー!!魔物の腸から5ゴールドゲットー!」
僧(やっぱり怖い)
〜宿屋〜
僧「それにしても、ほんとに商人さんって強いですよねー」
魔「そうよね、並の戦士や武闘家じゃ歯が立たないと思う」
魔「なんか、用事があるってどっかいっちゃったけど」
僧「よくいなくなりますよね…ミステリアスな人です」
魔「…魔物に対しては容赦なさ過ぎてちょっと怖いけど」
武「…まあな。でもアレで結構優しいところもあるんだぜ?こないだだって…」
…………
武「…とまあ、いい女だと思うわけよ、俺は…どうした?ニヤニヤして」
僧「いや〜ひょっとして、武闘家さん、商人さんのこと…」
僧「キャー!やっぱり!」
武「この旅が終わったら、あいつに…」
魔「…まずはご主人様と奴隷みたいな関係を解除しないとね」
武「う…そ、そうだな…」
僧「まあまあ!とりあえず飲みましょう!」
〜アッサラーム〜
商「さて、アッサラームにつきました」
武「色んな店があって面白い町だぜ」
商「私はちょっと仕入れがあるので、一旦自由行動にしましょう。あっちの方はあんまり治安がよくないので
近寄らないように。特に僧侶さん」
僧「はーい」
商「武闘家、ついてきなさい。荷物持ちが必要です」
武「はい!」
商「では、後ほど宿屋に集合で」
商「お久しぶりです」
武器屋「頼まれてたもの、入ったぜ」
商「さすがに仕事が早いですね」
武器屋「まず、裁きの杖が10本に、いかずちの杖が3本、眠りの杖に魔封じの杖が一本ずつ、毒針が10本、
毒蛾の粉が10セット。それに、このオーダーメイドの盾、これでよかったかな?」
商「ええ、ありがとうございます…いい出来ですね」
武器屋「苦労したぜ? まあ俺様に揃えられないもんはないけどよ…と言いたいところだが、
例のアレはさすがに無理だったぜ…とはいえ、情報は手に入ったぜ」
武器屋「ああ、どうやら、今度のオークションに出る可能性があるらしい…参加してみる価値はあると思うぜ」
商「わかりました。ありがとうございます。お代です」
武器屋「まいどあり」
武闘家「例のアレってなんですか?」
商「質問を許可した覚えはありませんよ?」
武「はい!」
魔「ちょっと!そっちは行っちゃダメだって言われたでしょ!」
モヒカン「ヒャッハー!ここは通さねえぜ〜」
モヒカン2「命が惜しけりゃちょっと付き合ってもらおうか!」
僧「え?え?」
魔「言ったそばから…」
女賢者「バシルーラ!」
モヒカン「うおおお!?」
賢「大丈夫?だめよ、この辺は変なの多いから気をつけないと」
僧「あ、ありがとうございます」
賢「あ、私も帰らないと…ルーラ!」
魔「…なんだったんだろう」
女戦士「はい勇者、あーん♪」
勇者「…いや、自分で食べれるんだが」
戦「あ〜ん、いいじゃない、ほら、あーん」
女賢者「ただいまー、頼まれたもの買ってきたわよ…って何ベタベタしてんのよあんた!」
戦「チッ!邪魔者が帰ってきやがったか…」
賢「邪魔者はあんたでしょ!私と勇者がいれば世界は回るのよ!」
戦「うるせー魔法バカ!」
勇「…フフ」
賢「何笑ってるのよ勇者!」
戦「そうだ!勇者はどっちに飯食わせてもらいたいんだよ!」
勇「いや、だから自分で食うけど」
戦「つれない!でもそこがステキ!」
…………
勇「…………ふぅ」
勇「いや…ここに、彼女もいれば、と思ってさ……」
賢「……」
戦「…ああ」
勇「…さて、賢者も帰ってきたことだしそろそろ行くか」
〜アッサラーム〜
商「さて、そろそろ出発しますか。次の目的地はピラミッドです」
僧「ピラミッドって、あの砂漠にある奴ですか?」
魔「黄金の爪っていうと、確か武闘家用の武器…」
武「ご主人様…!」
商「ええ。まあそれはどうでもいいんですけど、高値で売れるので」
武「ですよねー」
〜ピラミッド〜
魔「…死ぬかと思った…」
僧「敵の数半端じゃなかったですね…」
魔「なんてタフなの…商人さん…」
〜アッサラーム地下オークション〜
僧「こ、ここは…?」
商「一般人は入れないオークションです。普通の店では扱えない品物やお宝が流通してるので中々面白いですよ」
魔「…うわー、いかにも呪われてそうな剣や鎧が…」
僧「あの宝石の王様みたいなヤツはいくらくらいするんでしょうか…」
武「…あのモンスターも売り物なのか?」
僧「ヒィ!?」
商「冗談ですよ、冗談」
魔(目がマジだった)
バイヤー「さてお次の品物は!なんとあの王家の秘宝!黄金の爪!10万ゴールドからスタート!」
商「おっと、出ましたね。頑張って釣りあげますか」
…………
商「黄金の爪、120万ゴールドですか…まあまあですね…とりあえず、これだけあれば落とせるでしょう」
商「まあ、ちょっとしたコツです。さて、私はまだ用事がありますので、あなたたちは先に帰っていてください」
僧「えー? 私ももっと色々見たいですー」
商「…ここから先は、興味半分で見て良い世界ではないですよ?」
僧「…え?」
武「おい…なんか向こうの方から聞いたことのない唸り声がするんだが…」
商「…次の商品が来たみたいですね」
魔「…確かに、帰ったほうがいいみたいね」
バイヤー「さて!お次の商品は!伝説の魔獣……」
商「さて…本気でいきますか」
バイヤー「続いての商品は、あの伝説の剣……」
……………
商「ひとまず、目的の物は手に入りましたか。戻るとしましょう」
客「あの商人…すげえな…魔王でも倒しに行くのか?」
客2「半端じゃない買いっぷりだったな…」
武「うーん…」
僧「どうしたんですか、武闘家さん。珍しく真面目な顔して」
武「いや、ちょっと気になってることがあるんだけどよ。なんで魔物っているんだ?」
魔「なんでいるかって言われても…」
武「あ、いや、そもそもの話じゃなくてだな。魔王バラモスは倒されたんだよな?」
僧「ええ、勇者様が討ち倒したという話ですよね」
武「なのになんで魔物はまだうじゃうじゃいるんだ?」
武「…俺も昔、戦に参加したことがあってよ。残党狩りもやったことあるが…そりゃあ悲惨なもんだぞ?
なんつーか、魔物どもには残党の悲惨さがないんだよな…まあ、人間と一緒に考えるのも無理があるけどよ。
それで、もうひとつ気になってるんだけどよ」
僧「なんですか?」
武「肝心の勇者様はどこに行っちまったんだ?」
魔「…そう言えば、アリアハンに凱旋したと思ったらすぐに姿が見えなくなったらしいね」
僧「うーん。言われてみれば不思議ですね…」
武「まあ考えてもしょうがないことなんだけどよ、なーんか気になっちまってさ」
武「あー…今度ヒマな時にでも聞いてみるか」
〜草原〜
魔「イオラ!」
僧「おお!」
魔「できた!」
僧「すごいです!わ、わたしも!バギマ!」
魔「おお…!」
武「…ん?なにやってんだ?」
僧「あ、武闘家さん、私たちまた新しい魔法覚えたんですよ!」
武「おお、二人とも随分成長したな」
僧「ありがとうございます!これも武闘家さん達のおかげです!」
魔「あんたは何やってんの?」
武「俺か?あと3万ゴールド貯めたらご主人様が手握ってくれるっていうから魔物狩りの途中だよ」
魔「…そう、頑張ってね」
魔「…なんかちょっとやつれてるし…大丈夫かな、あの人」
〜一週間後〜
魔「ベギラゴン!」
僧「おお!」
魔「できた!」
僧「私もいきます!ベホマ!」
魔「…うん!スゴイ回復した!」
武「……」ガサッ
僧「あ、武闘家さん!」
武「ブツブツ…あと5万ゴールドで名前を呼んでいただける…ブツブツ…」
僧「……」
魔「ボッタクリってレベルじゃねーぞ」
本人が幸せならいいんじゃねwwwwww
魔「バイキルト!」
武「よっしゃ!破ァ!」
僧「バギクロスー!」
魔物の群れを倒した!
僧「いえーい!私たちいい感じじゃないですか?」
武「ああ、連携もバッチリだしな!」
魔「結構いいパーティだと思うわ。ね、商人さん」
魔「ん?」
商「いえ、なんでもありません」
商「ふむ、あの二人がここまで伸びるとは予想外でしたね…そろそろ行きますか」
〜宿屋〜
商「さて、大分資金も出来たところで、ここらで大きな商売をしたいと思います」
僧「おお?どこに行くんですか?」
商「まずはロマリアにいきます」
商「いえ、将を射んとすればまず馬ごと一刀両断。相手は王様です」
武「お、王様?相手してくれるのか?」
商「大丈夫です」
〜ロマリア〜
衛兵「では、こちらでお待ちください」
商「はい」
武「すげーな…顔パスかよ…」
商「お久しぶりです」
ロ「今日は…おお!これはわし好みの女と男じゃな!買った!」
僧「ええ!?」
武「俺もかよ!好みって!」
商「お望みとあらば売りたいのですが…」
魔「ええ!?」
商「あいにく、今日の商品はこちらです」ドンッ
商「100万ゴールドでいかがでしょう」
ロ「よし!買った!」
僧「さすが王様…」
商「ありがとうございます」
ロ「ところでどうじゃ、商人、ちっとカードでもしていかんか?」
商「よろしいですよ」
商「はい」
僧「王様とカードですか…どんな勝負なんですか?」
商「単純なポーカーですよ。一勝負、勝てば10万ゴールド」
僧「へー…って10万!?」
………………
商「…私の勝ちですね。しめて100万ゴールド。とりあえず今日のところは王冠でも頂いていきましょうか」
武「王様相手でも容赦ねえな」
商「では、また」
魔「すごい商売と勝負でしたね…」
武「ぶっ飛んだ王様だったな…大丈夫かこの国」
商「まだまだこれからですよ。次は…そうですね、イシスに向かいましょう」
〜イシス〜
衛兵「では、こちらに…」
魔「やっぱり顔パスなんだ…」
商「お久しぶりです」
僧「うわあ…凄くキレイな人ですね…」
イ「今日は…ふむ、女官のための男娼ですか?あまり感心しませんが…」
武「え?俺ってそんなに男娼ヅラしてんの?」
魔「……」
僧「……」
武「黙るなよ」
武「ええ?」
商「今日はこちらをお持ちしました。ロマリアのおいしい水です」
イ「おお、これは…!」
商「50万ゴールドでいかがでしょう」
イ「頂きましょう」
僧「やっぱり王様ってすごいですね…」
魔「すごいですね、なんていうか別世界で…」
商「まあ、色々と欲しいものがありまして…ふむ、そろそろいいですかね」
武「ゴールドが重てえ…」
商「早くしなさい男娼ヅラ」
武「ヒドイ!でも嫌じゃない…」
魔「ほんとに男娼みたいになってやがる」
〜宿屋〜
商「さて、次の目的地ですが」
商「アレフガルドに向かいます」
僧「アレフ…?」
魔「…実在するんですか?」
僧「な、なんですか、それ?」
商「アレフガルド。この世界の地下にある、伝説の大地です。そして、そこに勇者一行がいます」
武「マジかよ…?」
商「本当です。勇者一行は魔王バラモスを倒した後に現れた、大魔王ゾーマを倒すために地下世界アレフガルドにいます」
武「そんなヤツがいたのかよ…」
僧「でもなんで商人さんはそんなことを知ってるんですか?」
商「それは…秘密ですが、確かな筋からの情報です」
僧「す、すごいですね、ついに私たちも伝説に…!」
武「腕が鳴るぜ!」
商「では、明日の朝出発しますので、今日はゆっくり休んでください」
僧「すごいなー地下世界ですって…!」
勇者一行の通ったのとほとんど同じルートみたいよ」
僧「そうなんですか?…勇者様一行の足取りも知ってたし、ひょっとして、商人さんって…」
魔「勇者のパーティの一員…かもしれないわね…タダものじゃないのは確かだし」
僧「すごい…!救世の勇者様一行の一員だなんて…! …でもなんで今は一緒じゃないんでしょう?」
魔「…うーん、色々事情があるんじゃないの?そう言えば、よく姿が見えなくなるし、町で色々やってるみたいだし。
極秘任務とか。なんたって世界を救うような旅をしてるわけだし」
僧「そうですね、とにかく今日は寝ましょうか。明日は新世界ですし…でも地下ってどうやっていくんだろう…」
商「はい、では飛び降りてください」
僧&魔「無理無理無理!」
商「どうしました?」
僧「ど、どうしましたって!こんなの飛び降り自殺と同じじゃないですか!」
商「大丈夫ですよ、地下世界につながってますから」
魔「いや、そう言われても…」
見張り番「命は大事にしなさい…」
商「しょうがないですね、武闘家、いきなさい」
武「はい!」
僧「あ!ほんとにいっちゃった!」
商「さあ、あなた方もどうぞ」
魔「いやいやいや」
商「しょうがないですね…じゃあいっしょにいきましょう。それっ」
僧&魔「キャアアアアアアアア!!!!」
商「ふう…どうやら無事についたようですね」
僧&魔「…………………」
商「二人とも、起きてください、つきましたよ」
僧「…………生きてる…」
魔「…ほんとに来たの…?」
商「どうやら武闘家がクッションになってくれたようです」
武「……………」
商「返事がない。ただのしかばねのようだ」
僧「縁起でもないこと言わないでください!ベホマ!」
武「うお!?」
魔「大丈夫?」
武「夢か…雨を避けて走れる技を会得したと思ったんだが…」
魔「大丈夫?みたいね…」
僧「ふぅ…ここが、アレフガルド…?」
商「普通に人もいますし、町やお城もありますよ。ただ、モンスターは手強くなってますから気をつけてください」
武「さっそくお出ましだぜ」
魔物の群れがあらわれた!」
…………
魔物の群れを倒した!
魔「…確かに手強かったわね」
僧「でも、なんとかなりましたね」
僧「立派なお城ですねー」
魔「ほんとに、私たちのいた世界とあんまり変わらないね」
僧「今度、孤児院の皆連れて来てあげようよ。地下世界見学ツア〜」
魔「あ、それいいかも」
商「…仲がいいんですね」
僧「ええ、そりゃもう、孤児院の皆が私たちの家族ですから!」
魔「はーい」
〜ラダトーム路地裏〜
密偵「勇者一行は、大魔王の討伐に成功した模様です。今はラダトームに帰ってくる途中、とのことです」
商「ご苦労様…取っておきなさい」
密「それから…これが、例の物です…すごい代物ですね…」
商「ふむ…大枚はたいた甲斐がありました。約束の金です。取っておきなさい」
密「は!ありがとうございます…こちらは、いつでも大丈夫ですぜ」
商「…ついに、ここまで来ましたか」
商「…しかし、彼女たちはどうするべきか…」
〜宿屋〜
商「武闘家」
武「はい!」
商「普通にしゃべって良いですよ。一つ聞きたいことがあります」
武「あ、ああ…なんだ?」
武「なんだ、いきなり…帰る場所か…俺が10才の時に、住んでた村は野盗に襲われて全滅しちまったからな…
悔しくって、必死に修業して、15の時にそいつら全滅させて、それから流れの傭兵稼業だ。
だから、特に帰る場所は…と、そういえば」
武「この旅が始まる前に、アリアハンで昔の俺みたいなガキと会ってよ…帰ったらそいつに
武術を教えてやるって約束したんだ…なんだか、死んだ俺の弟に似てて、目が離せねえ感じなんだ。
…強いて挙げるなら、それくらいかな」
商「…そうですか。わかりました」
武「…どうした?」
商「いえ…なんでもありません」
商「何を迷うことがあるのですか。利用できるものは全て利用するのが私たちのやり方でしょう…」
商「…………迷うくらいなら、最初から…しかし、これはやはり私の問題……」
商「…やはり、ここから先は一人…ですかね」
〜翌日〜
商「全員揃ってますね」
僧「あ、商人さん。大事な話ってなんですか?」
商「…これを」
商「この旅の報酬です。皆さん、私の期待以上に頑張ってくれましたからね」
武「ちょっと待った。この旅の報酬って…」
商「ええ。パーティはここで解散です。後は私一人でいきます」
僧「えー!?ここで終わりなんですか!?」
商「…はい。この先に、私の目的である勇者一行がいます。ですから、ここで解散です。
皆さんのおかげで大分助かりました」
魔「やっぱり…!」
武「タダものじゃあないとは思ってたが…」
僧「私も勇者様に一目あってみたいです! 商人さん、連れてってくださいよー」
商「…何か勘違いしているようなので、言っておきますが」
僧「…え?」
商「私の目的は、勇者を殺すことです」
商「ついてきたりしたら、ただでは済みません…では、話は以上です。さようなら」バタン
僧「あ!商人さん!」ダッ
魔「勇者を殺すって…どういうこと?」
武「わからねえ…とにかく話を聞くぞ」
僧「商人さん!商人さーん!」ドンドンッ
武「どいてろ…破ァッ!」ドガッ
僧「そんな…武闘家さんの蹴りでもビクともしないなんて…なんなんですかこのドア!?」
武「…どうやら、本気みたいだな」
僧「そ、そんな…勇者様を殺すだなんて…」
武「…仕方ねえ。明日、商人が出てきたら話を聞こう。場合によっちゃあ力づくでも止める。
あいつを力づくで止めるとなったら骨だからな…お前らはひとまずしっかり休んでおけ。
ここは俺が見張っておく」
魔「そうね…」
僧「商人さん…」
武「どういうことだよ…」
…ん?なん…だ…これ………zzz」
魔「zzz…」
僧「zzzzzz…」
商「…眠りの杖、うまく利いたようですね」
商「さて…いきますか。これで最後です」
〜ラダトーム付近〜
賢「さーて、ゾーマも倒したことだし、そろそろアリアハンに戻りましょうよ」
戦「そうねー私と勇者の新居も探さなきゃならないしー」
賢「戦士は過酷な闘いで悪い頭がさらに悪くなったみたいね」
戦「なんだとぉ?」
勇「…そこまでだ。何か来るぞ」
賢「え?」
〜宿屋〜
武「おい!お前ら起きろ!商人がいねえ!」
魔「! もう昼近いじゃない!」
武「何かアイテムを使われたみたいだ…!とにかく追うぞ!支度出来たらついてこい!」
〜ラダトーム付近〜
盗賊団「ヒャッハー!!勇者御一行とお見受けする!あんたに恨みはねえが金のため!死んでもらうぜ!」
盗賊団2「待った待ったぁ!勇者を殺るのはこの俺たちよぉ!!」
盗賊団3「おっとぉ!俺たちを忘れてもらっちゃ困るぜ!!」
勇「…なんだ、こいつらは」
賢「数だけは多いですね…300はいるかな」
戦「1人100人か。おもしれえ」
勇「いや、10人でいい。あとは俺がやる」
賢「さすが勇者様。頼もしい」
勇「なんなら休んでてもいいぞ」
盗賊「ヒャッハー!かかれー!」
勇「ギガデイン」
盗賊51「一瞬で仲間が…!?アリアハンの勇者は化け物か!?」
勇「魔法を使うまでもないか」
盗賊51〜100「ギャア!!」
盗賊「剣の一振りで…!?」
…………
勇「これで終わりか」
盗賊「あ、あれだけの人数があっという間に…」
盗「ヒ!ヒイ!」
勇「金のため、と言っていたな。誰かに頼まれたのか?」
盗「は、はい!恐ろしく冷たい目をした、女に…」
勇「…誰だ、それは」
商「私ですよ」
勇「…お前が黒幕か」
商「300人を一蹴ですか…少しは削れると思ったんですが…甘かったですかね」
勇「恨みを買った覚えはない、とは言わないが…」
戦「一人で出てきた度胸は認めるけどね。勝ち目ないぜ?」
賢「そうよ、私がいる限り、勇者には指一本触れさせないわ」
商「…女に守られて、いい身分ですね、勇者様。そうやって私の姉も誑かしたんですか?」
勇「…姉? …! もしかして、君は…!」
商「いきますよ」
戦「おっと。まずは私が相手だぜ?」
戦「わかってる。…手加減する」
商「ナメられたものです…いきますよ」バッ
賢「…あれは、裁きの杖?」
戦「ハッ!そんな貧弱な装備でどうしようってんだ」
商「これだから物の価値のわからない人は…商人の闘い方を見せてあげましょう」ブン
戦「フン、こんなそよ風…な、なんだ?体が…!?」
商「どうしました?隙だらけですよ」ドカッ
賢「キアリク!」
勇「裁きの杖で起こした風で毒蛾の粉を飛ばしたのか…」
戦「助かったぜ賢者…」
賢「こういう相手なら私がいくわ。メラゾーマ!」
商「甘いですね」
賢「キャアア!」
商「魔法が使えないと思って甘く見ましたか?」
勇「さざなみの杖…いつの間に」
商「道具を使いこなしてこその商人ですからね…例えば、こんな風に」
戦「さざなみの杖二本…?マホカンタ二重にかけても無意味だろ」
商「まどうしの杖」ブン
商「このメラ程度の火の玉をさざなみの杖の間で往復させていくと…」
戦「…おいおい、とんでもねえ速さになったぞ」
商「くらいなさい」
賢「次から次へと…まるで手品師ね」
商「言ったでしょう?道具を使いこなしてこその商人だと…では、あなた方は?お嬢さん。
剣を振りまわすだけで戦士ですか? 派手な魔法が使えるだけで賢者ですか?
楽な職業ですね。私も明日から大戦士か大賢者とでも名乗りましょうか」
戦「んだとテメエ…!」
勇「挑発だ。乗るんじゃない」
戦「賢者!同時にいくぞ!私が道具使うヒマを与えねえ。その間にキツイのをぶっ放してやれ!」
賢「了解!」
商「…!早い…!」
戦「どうしたぁ!?ご自慢のアイテムは品切れか!?」
商「…く!」
戦「今だ!賢者!やっちまえ!」
賢「いくわよ…! …イオナズン!」
商「…かかった」
賢「キャアアアアア!?」
勇「戦士! 賢者!」
商「…よし」
勇「…! その盾…魔法を跳ね返すのか…!」
商「正確には3倍返しです…ふむ、大金を掛けて開発させただけのことはありましたね」
勇「さざなみの杖は囮か…」
商「杖にだけ気を取られていたおかげでうまくいきましたね」
勇「…そっちも、あまりこちらを侮らないほうがいい」
商「…なに?」
戦「…………くっ…まだまだ!」
賢「この程度でやられる私たちじゃないわよ…!」
商「…まだ立ち上がりますか…きっちりとどめを差さなければならないようですね」
商「…! まだ、こんな力が!?」
商「これで…! 裁きの杖×10!」
戦「うおおおおお!?」
賢「バギクロース!!」
商「…そっちもまだ元気ですか」
賢「この大賢者様をナメてもらっちゃ困るわね…」
勇「十本まとめてバギクロス並の風を起こすとは…」
……………
戦「ハァ!」
商「くっ…! ま、まだ…!」
戦「…よくやったよ、あんた。でも、ここまでだ…!」
商「く…やはり、強い…!」
勇「戦士」
戦「わかってる。手加減はする。とりあえず、半日は足腰立たないようにしとくか」
戦「覚悟しな」
商「…切り札を使うしかないようですね」
戦「なに?」
商「稲妻の剣と吹雪の剣…」
戦「…二刀流?おいおい、商人風情が剣の勝負で私に勝とうってか?ナメてんじゃねーぞ!」
商「ナメてるかどうか、試してみればいい」
戦「これで終わりだ!」
商「食らいなさい」ブン
勇「二本同時に…!?」
戦「イオラとヒャダルコ程度だろ!今さらそんなショボイ呪文でこの私が…な、何!?うああああああ!!」
勇「!? 戦士! 吹雪が爆発した…?なんだあれは…!?」
賢「ま、まさかあれは…!?伝説の…」
勇「知っているのか賢者?」
賢「…合体魔法。賢王と称された伝説の大賢者が編み出したとされる秘術よ。まさか、こんな方法で…」
賢「普通に振れば、二本同時に振ったところで別々の効果しか出ないはず…それが、なぜ…?」
商「…これだから物の価値のわからない人たちは…物の声を聞き、物の持つ力を最大限に引き出してやればいい。
一流の商人にはたやすいことですよ」
賢「…たやすく秘術使われたらたまらないわね…どうやら本当に、とんでもない商人みたいね、あなた」
商「お褒めにあずかり、光栄です…さあ!喰らいなさい!」
勇「マホカンタ!…何!?」
賢「ダメよ!あれはもう魔法であって、魔法でない。跳ね返せないわ!」
勇「くっ…!」
商「終わりです! 最大出力…!喰らいなさい!」
バキッ!
商「!? しまった…!剣が合体魔法に耐えられなかったか…!」
賢「今だ!戦士!ベホマ!」
戦「よし!今度こそ終わりだ!食らえ!」
商「くっ…!」
戦「ぐあ!」
賢「新手!?」
武「追いついたぜ…!成り行きとはいえ、こうなっちまったからにはやるしかねーな」
商「…ついてくるなと言ったはずです」
武「…ったく、あんたはほんとに…金の勘定は得意だけど人の気持ちがわかんねーな」
商「…人の…気持ち…?」
商「……」
勇「…惚れた女のために命を掛けるか…止めておけ。死ぬぞ?」
武「それが惚れるってことだろうがよ」
商「…武闘家…馬鹿ですね、あなたはほんとに…」
武「ああ、きっと死んでも治らねえ。だから」
武「付き合うぜ、地獄の果てまで」
僧「ハアハア…しょ、商人さん…!」
魔「…一触即発って感じ…やるしかないか」
賢「…あの二人…どこかで見たような」
商「…パーティは解散したはずです」
魔「だから、自分の意思できました」
僧「ええ…雇い主はいなくなっちゃったんですけど…私たちの恩人が無茶してるってきいて…助けようと…」
孤児院に戻れなくなります」
僧「そうなったら、商人さんの弟子にしてもらって、影から孤児院を援助する足長おじさん的なのも悪くないかなーとか
思ったり…へへ…それに!いくら勇者様だろうと、商人さんをいじめるなら私の敵です!」
魔「そういうこと」
僧「絶対にごめんなさいって言わせてみせます!」
魔「…そんな呑気な闘いじゃなさそうだけど…まあ」
魔「後のことは後で考えましょう」
商「…わかりました。いきましょう」
武「それじゃいくぜ!」
戦「おっと!あんたの相手はあたしだよ」
武「おもしれえ!」
戦「惚れた女に命を掛ける、か。馬鹿だね。でもそういうの、嫌いじゃないよ」
武「ありがとよ!」
戦「オラァ!」
賢「さて、それじゃあこっちはこっちで遊びましょうか」
僧「こうなったらしょうがないですね…」
商「やりましょうか…」
勇「……」
商「毒針×10と裁きの杖×10で毒針の嵐!くらいなさい!」
勇「くっ…」
賢「急所に当たらなくてもヤバイわね…!バギクロス!」
商「まだまだ!いかずちの杖×3!」
魔「ピオリム!」
僧「バギクロス!」
賢「マホカンタ!」
商「ボディがお留守ですよ!」
賢「くっ…!」
勇「強いな…やはり、彼女の…」
……………
武「破ァ!」
戦「終わりだ!」
ドガッ!
武「…しくじった…」ドサッ
戦「…やるじゃ…ないか…」ガクッ
商「…勝機! いかずちの杖×3!」
賢「く!」
武「…ふう、助かったぜ」
賢「戦士!ベホマ!」
しかし魔法は封じられている!
賢「え!?いつの間に…?」
商「武闘家!」
武「おう!魔法の使えない賢者なんざ…!」ドカッ!
賢「キャア!!」ガクッ
商「…4対1です。覚悟しなさい」
勇「…仕方ない」
武「悪いな、勇者様。いくぜ!」
魔「バイキルト!」
武「もらったぁ!」
ガシッ!!
武「な!?俺の拳を掴んだだと…!?」
武「グハ!!」ドサ
僧「ぶ、武闘家さんが一撃で…」
魔「メラゾーマ!!」
僧「バギクロスー!!」
勇「甘い」
僧「キャアア!!」
魔「剣風で魔法を跳ね返…! キャアアア!!!」
勇「…かもな。1対1、だな。そしてこれで…」
勇者は賢者の石を使った!
戦「ふう、すまない、勇者」
賢「助かりました…」
勇「3対1だ」
商「…どうやら、本当に、アレを使うしかないようですね」
戦「まだ何かあるのかよ!?」
戦「!? 私のと同じ…!二本あったのか!?」
商「偉大なりしはゴールドの力と言ったところですかね…驚くのはまだ早いですよ」
商「…王者の剣」
勇「…!? なん…だと…!?」
商「調達に苦労しましたよ…いきます」
賢「…伝説の武器二刀流とはいえ、武器が同じなら力量が上の者が勝つ。
あなたに勝ち目は…! ま、まさか…!?」
賢「最上位魔法同士の合体…!下手をすればあなたも仲間も消し飛ぶわよ!?」
商「…覚悟の上ですよ」
勇「まずいな…!」
商「終わりにします…!」ブン
戦「く…! ……?な、なんだ?剣が唸ってる…?なんだか知らねえけどヤバそうだぞおい!」
商「つ、剣が…!?」
勇「く…!間に合え!!」
暴走した魔力が爆発を起こす!
……………………
……………………
……………………
勇「………………………………く………」
賢「勇者! う…! ベホマ!ベホマ!ベホマ!」
勇「……な、なんとか…間に合ったか…」
商「…なぜ…なぜ、私をかばったんですか…」
勇「それは……う…」
賢「ベホマ!」
勇「も、もう大丈夫だ…」
勇「…一つ、聞きたいことがある。君はやはり…彼女の妹なのか?」
商「…ええ、そうです。あなたに唆されて馬鹿な夢を見て死んだ…馬鹿な商人の妹ですよ。
あなたが町を作れなんて言わなければ、姉さんは…!」
勇「…やはり、そうか…君に、見せたいものがある。これだ」
商「手紙…? …! その封印と筆跡は、姉さんの…!」
勇「彼女が手に入れてくれたイエローオーブと俺たちに宛てた手紙の他に、もう一通。
妹に宛てた手紙が残されていた。これから探しにいくところだったんだが…君に渡そう」
商「…………」
何が書かれているのかは俺も知らない。それを読んで、どうするかは君が決めろ」
商「…………」
勇「ベホマズン」
武「う…」
僧「あ、あれ…?私たち、どうなって…?」
魔「…生きてる」
勇「…できれば、次は敵ではなく会いたいものだ」
魔「商人さんは…?」
僧「…しばらく一人にしてほしいって…」
魔「そう…」
武「…あいつがどういう答えを出すのかわからねーが…どんな答えだろうと俺はついていくつもりだ。
お前らはどうするんだ?帰るんなら今のウチじゃねーか?」
僧「見損なわないでくださいよ!商人さんを見捨てていったりしませんよ!私だってついていきます!」
魔「右に同じ。…まあ、勇者一行とまた闘うことになったら今度こそヤバいけど」
親愛なる妹へ
あなたがこの手紙を読んでいるということは、おそらく私はもうこの世にいないのでしょう。
多分、知っているとは思いますが、私は今、自分の作った町の牢獄でこれを書いています。
あなたに伝えておくことが二つあります。
まず、私はこうなったことを後悔していません。あなたも商人ならわかると思いますが、
自分の商売で町が発展していく姿を見るのは、商人冥利に尽きるというものです。
結果、こうなってしまいましたが、私は後悔していません。
そして、二つ目。
私は勇者のことを恨んだりしてはいません。
あなたは私が勇者に唆されてこうなったと思っているかもしれませんが、そんなことはありません。
最初にこの話が来た時、勇者は私を止めようとしました。しかし私は自ら望んでここに残りました。
それでも私は耳を貸さず、ただ町を発展させることだけを考えていました。馬鹿な女です。
今にして思えば、私が本当に充実した時間を過ごせていたのは、勇者と共にいた時だったと思います。
彼と共に居た時は、本当に日々が充実していました。商人としても。女としても。
こんなことになって、初めて気付くとは、本当に馬鹿な女です。
この気持ちを伝えられなかったことだけが、心残りと言えば心残りです。
勇者に宛てた手紙にも書きましたが、出来れば、あなたの口からも、私が感謝していたということを
彼に伝えてくれないでしょうか。
最後に。私はいつでも貴方を見守っています。あなたの行く道が、幸せなものであるように祈っています。
どうか、あなたの未来に幸多からんことを 姉より
覚えてねぇ
確かFC版はいなくなる
死んだかどうかは分からなかったような
〜翌日〜
武「…朝か」
僧「…うあ、おはようございます…」
魔「おはよう…机で寝ちゃったわね…」
商「……おはようございます」
魔「商人さん!」
武「…もういいのか?」
僧「商人さ〜ん!心配したんですよ〜」
商「ごめんなさい…」
武「俺たちが聞きたいのは謝罪じゃないぜ」
魔「そうそう、まず、商人さんと勇者様の間に何があったのか聞きたいんだけど…」
商「…お話します」
……………
商「…つまり、すべて私の勘違いでした」
商「あなた達を巻き込んだ事は本当に申し訳ないと思っています。許してくれとは言いません
私のことは好きにしてくれて結構です」
武「……そう言われても、なあ?」
魔「ねえ?私たちが勝手についていっただけだし…今にして思えばとんでもないことしたわね…」
僧「そうですよ。仲間を助けにいくのは当然のことです」
商「……仲間」
僧「そうです。仲間に助けてもらったら、ごめんなさい、とか許してくれ、とか言ってたら変ですよ」
僧「そうです。よくできましたー」
魔「フフ…」
武「それで、これからどうするんだ?」
商「…もう一度、勇者さんに会いに行きます。今度は、謝罪とお礼に…本当は、わかっていたんですけどね…
姉さんが死んだのは、彼のせいではない、なんてことは…それでも、何か、理由をつけないと、とても…」
僧「行きましょう!私も一緒に謝りますよ!」
武「そうだな、行こうぜ」
商「勇者さん」
勇「君か…」
戦「おっと。リベンジかい?」
賢「そんな雰囲気じゃないわね」
商「すべて…私の勘違いでした…本当に、申し訳ありません」
僧&魔&武「すいませんでした!」
勇「…いや、いいんだ。彼女のことは、俺にも責任がある」
勇「…そうか」
戦「…すげー頼りになったぜ、あんたの姉ちゃん」
賢「そうそう。頼れるおねーさんだったわ。そういえばアッサラームで…」
戦「ロマリアでも…」
……………
勇「君に、見てもらいたいものがあるんだ」
商「なんですか?」
勇「不死鳥ラーミア。君の姉さんが俺たちに残してくれた翼だ」
僧「でっかい鳥さんですね!」
勇「乗ってくれ」
魔「す、すごいね…」
武「五人らくらく乗っちまったぜ…」
勇「行くぞ」
僧「うわー!すごいすごい!高い!早い!気持ち良い!」
魔「落ち着きなさいよ」
武「あんまりはしゃいでると落ちるぞ」
商「これが…姉さんの残した翼…」
勇「ああ。彼女がいなければ、俺たちは魔王を倒せなかった…そろそろだな」
〜商人の町〜
商「ここは…もしかして…」
商「…………」
勇「…君にとっては、憎しみの対象かもしれないが…それでも、君に見てもらいたかった」
商「…姉さんの町……」
僧「すごい活気ですねー」
勇「アッサラームを抜こうかというところまで来ているという話だ。
…複雑かもしれないが、この町には活気が漲っている。
色々と、問題はあるかもしれないが、君の姉さんが愛した町だ」
商「姉さん…」
勇「ん?」
商「この町に負けない…いえ、姉さんを超える、世界一の商業都市を私の手で作ってみせます」
勇「そうか…」
商「勇者さん。ありがとうございました」
勇「いや、礼には及ばない…そうだな、そういうことなら、ラーミアを君に託そう」
商「え?」
勇「世界を股にかけるのなら、必要だろう?…旅の予定の無い俺たちと一緒に居ても、ラーミアも退屈だろうしな」
武「よっしゃ!それでこそ俺の商人だ!」
僧「元気になってきましたね!」
武「世界を股にかけるなら、用心棒が必要だな!今度はほんとに無賃でいいぜ!」
僧「今なら無料薬草もついてきますよ!」
魔「無料キメラの翼もいるよ」
商「皆さん…」
勇「いいパーティーだな」
………………
商「勇者さん、戦士さん、賢者さん。本当にご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
そして、心から、ありがとうございます」
勇「達者でな…姉さんの分まで、幸せになってくれ」
戦「おう、今度はいっしょにメシでも食いにいこうぜ」
賢「何か困ったことがあったらいつでも言ってね。あなたの姉さんには本当に世話になったから」
商「…ありがとうございます」
武「魔王かよ」
僧「商人さんなら魔王にだってなれますよ!」
魔「あんまりシャレになってないと思うけど」
商「見ていてください…姉さん」
――その後、商王と呼ばれた女商人とその仲間たちが、世界一の商業都市を作りあげるのだが――
――それはまた、別のお話――
おしまい
サル二回も食らったけどなんとか終わりました
なんかベタの寄せ集めみたいになったけどまあ細かいことは気にしないでほしい
あと小ネタわかってもらえると嬉しいね
乙
面白かったぜ!
>>1乙
ありがとー
Entry ⇒ 2012.05.04 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
泉野明「特車2課のみんなと再会…かあ」
半ドキュメンタリー映像作品「機動警察パトレイバー」
財政難にあえぐ特車2課の予算を一時的に補う手段でしかなかったが、コアなファンの獲得に成功し、『それなり』な一大コンテンツとなり
また、レイバーの知名度や普及に大きく貢献した。
その最後の映画公開から幾年の月日がたった
これは特車2課の面々の久々の再会の記録である―――
―上海亭―
『本日貸切』
野明「……まだあったんだ」
遊馬「てっきりもう、潰れてなくなってるもんだと思ったが」
遊馬「相変わらず汚いまんまだなぁ」
カランカラン
店主「いらっしゃい」
遊馬「上海亭のオヤジが生きてる!」
野明「ちょっと、失礼だよ遊馬っ!」
店主「ああ泉ちゃんいらっしゃい……ケッ、坊主も一緒か」
遊馬「それが元常連に言うべきセリフか」
野明「あれ、一番のりだと思ったのに」
遊馬「後藤隊長と南雲隊長かぁ……なあ、野明、面白そうだからちょっとこっそり覗いてやろうぜ」
野明「ええー、悪いよ遊馬ぁ」
遊馬「とか言いつつ顔が笑ってるぞ、お前」
こっそり
遊馬「静かにな」
野明「………うん」
南雲「…………」モグモグ
後藤「しのぶさん、それ、どこの?」
南雲「……さあ。忘れたわ」
後藤「そう」
南雲「………」モグモグ
後藤「………」モグモグ
こっそり
野明「……なんか、会話が弾まないね」
遊馬「……10年振りだったか。気まずいと言えば気まずいな」
野明「だよね、会ったのがあれ(パトレイバー2)以来じゃあ……」
遊馬「……もともと、財政難に苦しむ特車2課の活躍を描いた本人出演のドキュメンタリー映画って触れ込みだったが、監督のご乱心であのラストになった。」
遊馬「その後財政難は解消されたものの丁度特車2課も再編され……ま、俺達第2小隊はその後WⅩⅢで再会したけど、尺の都合で南雲さんは出演叶わず…と」
野明「でもさ、にしては距離が近いような」
遊馬「……確かに、久々にあった気まずい知人同士のようにも見えるが、ある程度こなれた夫婦の食事風景に見えなくも…ない」
野明「……どうなんだろう」
遊馬「だけどまさか南雲隊長が後藤隊長と…そんなあるわけが」
野明「ないよね」
後藤「そう思うか」
遊馬「だってあのペテン中年が美人でエリートの南雲隊長と結婚なんてあるわけが………」
野明「って、ごっ、後藤隊長ぉ!?」
遊馬「だっ、だっ、だって、いつの間に!」
後藤「ま、座れや。ほれ、注文」
遊馬「……じゃ、じゃあ生中で」
野明「あ……あの、じゃああたしは烏龍茶で……」
後藤「飲まなくていいのか?」
野明「今はちょっと……へへっ」
南雲「ふふっ、全然変わってないのね二人とも」
遊馬「変わりましたよ、毎日毎日つまらない書類とにらめっこさせられて、それに耐えうる忍耐力がつきました」
野明「とか言って仕事中に毎日隠れてゲームやってるの、知ってるんだからね」
遊馬「……誰が喋った」
南雲「最初からおばさんだっただけよ」
進士「あ、いました、いましたよ」
山崎「どうも」
後藤「おっ、進士、山崎」
野明「進士さん、ひろみちゃん!お久しぶり!」
進士「いやぁ、どうも……」
山崎「お久しぶりです。あ、これ沖縄のシークヮーサーとちんすこうです。皆さんでどうぞ」
遊馬「聞いたぞひろみぃ、べっぴんの嫁さん、貰ったんだってぇ?」
山崎「え……ええまあ……」
遊馬「このっ、このっ、にくいなひろみぃ!」
進士「アップルと提携出来まして……なんか、自分でも信じられなくって」
野明「すごいよねぇ!ねっ、遊馬」
遊馬「……なんだよその眼は」
進士「でも本当に嬉しいです。こうしてまたみんなで会えるなんて……」
野明「シゲさん!」
シバ「ありゃりゃ、一番のりだと思ったんだけどなぁ、見込みが甘かったかなこりゃ」
遊馬「シゲさん、ついに整備班の牛耳りに成功したんだって?」
シバ「まぁね!……でもおやっさんほどじゃないけど」
シバ「いつまでも越えられない運命なのかなぁ……」
野明「榊さんは?」
シバ「………おやっさんは」
一同「…………えっ」
シバ「その………おやっさんは………おやっさんは………」
進士「そんな」
山崎「まさか……」
シバ「ひぇっ!?」
榊「お前はまだ東京湾に叩き込まれ足りねえのか!?」
一同「榊さん!」
シバ「い、いやぁ、用事があるって言ってたら、遅刻するんじゃあと思いましてね!」
榊「ったく、お前ってやつは相変わらず……」
榊「紹興酒、お願い出来るかな」
榊「しかしシゲ、今の整備班の体たらくは何だ。」
シバ「いや……あの………」
野明「……シゲさんも榊さんも全然かわんないね」
遊馬「一生変わんないだろう、あの二人の関係はさ」
後藤「しかし、幹事の太田はどうしたってのよ、随分と遅いんじゃない?」
南雲「そうねぇ、もう予定は30分ほどオーバーしてるんじゃ……」
太田「…………」
遊馬「よう、太田。ようやく来たか……って」
野明「どうしたの太田さん!?そんなボロボロで………」
太田「………オヤジ、生、ジョッキで」
店主「あいよ」
進士「ど…ど……どうしたんです太田さん……」
太田「進士」
進士「……は、はい」
太田「……ようやくお前の苦労が分かったような気がしなくもない」
進士「…………はい?」
遊馬「やけに表が騒がしいな」
野明「……って、あれ、なんか聞き覚えがあるような声が」
香貫花「シャラップ!あなた、それでも常識があるつもり!?」
熊耳「あらそっちこそ!ちょっとヒステリック過ぎるんじゃなくて?」
野明「か……香貫花」
遊馬「………熊耳さん」
熊耳「別になんでも?昔の部下との再会を喜んでただけじゃないのよ!」
香貫花「だからってベタベタ触りすぎるのよあなたは!」
熊耳「あら、外国ならあれくらいのスキンシップは当たり前なんじゃないのかしら?過敏過ぎるんじゃないの香貫花さん」
香貫花「あれは行き過ぎよ!どうかと思うわよ、あなたのその考え!」
熊耳「あら、夫婦だっていうのに未だに夫を名字で呼び捨てだって方がどうかと思うわよ」
香貫花「シット!夫婦の間に口を挟まないで頂戴!」
熊耳「なら、私と太田くんとの再会にも口を挟まないでもらいたいわね」
香貫花「それとこれとは話が違うわよ!」
野明「あの……二人とも………」
後藤「昔から変わっとらんなぁ、熊耳も香貫花も」
遊馬「ケッ、太田ぁ、あんなに偉そうにしときながらすっかり香貫花の尻に敷かれちゃってまあw」
太田「お前こそ泉の尻にしかれとろう」
遊馬「いやいや太田さんちよりかは」
遊馬「……」
太田「……」
遊馬「やるか太田」
太田「望むところだ」
遊馬・太田「オラアアアアアアアアアア!!」
進士「ちょ、ちょっと太田さぁん!」
遊馬「だまれ恐妻家を通り越した嫁の奴隷!」
太田「奴隷は口を出すな!」
進士「………何ですって」プチン
山崎「あ………あの………」
進士「オラアアアアアアアアアア!!!」
ガッシャン!ガッシャン!ガッシャン!ガッシャン!
後藤「あーあー……」
南雲「あーあーじゃなくて、止めて頂戴」
後藤「……無茶、言わないでよ。しのぶさん」
太田「根性叩き直してくれる!」
進士「まとめてかかってきなさい!」
香貫花「シャァアアアアラップ!」
熊耳「やめなさいッ!」
野明「遊馬!!」
ピタッ
遊馬「………」
太田「………」
進士「………」
遊馬・太田・進士「ごめんなさい」
野明・香貫花・熊耳「よろしい」
太田「……」
進士「……」
野明「……」
香貫花「……」
熊耳「……」
後藤「あ、ああ、じゃあ……ええ……」
後藤「乾杯」
一同「……乾杯」
野明「うん……それより香貫花、ニューヨーク市警の特車2課みたいなところの課長になったんだって?」
香貫花「まあね、ゆくゆくは……もっとレイバーを普及させたいの」
野明「で、太田さんはレイバー隊員の育成を手伝ってるんだよね」
香貫花「意外な才能ってやつね。彼、結構慕われてるのよ」
野明「熊耳さんも、神奈川県のレイバー隊の隊長ってすごいよね!」
熊耳「そうかしら……私ももっとレイバーの普及を進めたいわ。ニューヨーク市警察に負けないように」
香貫花「……」ジッ
熊耳「紹興酒おかわり」
香貫花「わたしも」
バチバチバチバチ……
野明「……あの、二人とも飲み過ぎないでね?」
太田「………」キョロキョロ
遊馬「………」キョロキョロ
太田「……もう一杯ぐらいなら大丈夫か」
遊馬「………大丈夫だろう」
シバ「なにしてんの二人とも」
遊馬「……飲みすぎだとか何とか野明がうるさくて適わん」
太田「…俺も香貫花が」
進士「わかります、僕も多美子さんが……」
遊馬「……ようやく分かり合えた気がするな」
太田「………ああ」
進士「そうですね」
シバ「……思わぬところで変な絆が生まれたね」
香貫花「………」ゴトッ
熊耳「………」ゴトッ
香貫花「おかわり」
熊耳「私も」
野明「ちょ、ちょっと飲み過ぎだよ二人とも……顔真っ赤じゃない……」
香貫花「飲まなきゃやってらんないわよ」ヒクッ
熊耳「ほんとよっ!」ヒクッ
野明「………」
香貫花「熊耳さん、あなた世界の七不思議、言える?」ヒクッ
熊耳「ええと、ギザの大ピラミッドでしょ、バビロンの空中庭園…エフェソスのアルテミス神殿にオリンピアのゼウス像、それからハリカルナッソスのマウソロス霊廟にロードス島の巨像。あとは……あとは……アレクサンドリアの大灯台!」ヒクッ
香貫花「やるわね……じゃあ……五大湖は?」ヒクッ
熊耳「スペリオル湖、ミシガン湖、ヒューロン湖、エリー湖……それから……」
熊耳「……うーん」ヒクッ
太田「毎晩毎晩香貫花に酔っ払う度に投げられる俺の気持ちがぁ!」ヒクッ
遊馬「お前もわかるか!なんでもかんでも、野明野明野明で、おまけになる俺の気持ちがぁ!」ヒクッ
進士「ふざけんじゃないですよぉ……ぼくなんて、稼いだお金みーんななくなって、大企業の社長なのに小遣い三万円なんですからねぇ……」ヒクッ
山崎「みなさん……カリブカイモンクアザラシにそっくりですね……絶滅しちゃいましたけど」ヒクッ
シバ「な……なんなのよ一体これは」
熊耳「なーにがシャフトよ!シャフトって!ひとを散々コケにして…」ヒクッ
香貫花・熊耳「おかわり!」ヒクッ
野明「ふ…ふたりともそろそろ……」
熊耳「そうよ泉さぁん!」ヒクッ
野明「い、いや、だからあたしは……」
南雲「………」
野明「あっ、南雲隊長ぉ!助けてください、香貫花と熊耳さんが」
南雲「………」ヒクッ
野明「南雲……さん……?」
南雲「……ふざけるんじゃないわよ後藤ォ」ポソッ
野明「えっ」
南雲「なんなのよ、第2小隊が最初に出動したときから最後まで第1小隊を噛ませ狗扱いにして……巻き添えに汚名は着せられるわ手柄は横取りされるわ」ヒクッ
南雲「映画だってそうよ、第1小隊の出番はまるでないわ、現実は過労死寸前だったわ」
南雲「それにだらしないったらありゃしないわ、片付けてって言っても……片付けないわ、なんなのよ、一体全体」ヒクッ
南雲「私が怒ってもニヤニヤニヤニヤするばっかりで全然聞かないわ、ニヤニヤすれば事が済むとでも思ってるのかしら」ヒクッ
熊耳「……南雲隊長、よくおっしゃいました」ヒクッ
香貫花「たまってるものはいっそ、吐き出すべきです」ヒクッ
南雲「そうね…ちなみに五大湖のあとひとつはオンタリオ湖よ」ヒクッ
野明「そ……そうなんだ……」
グイッ
遊馬「後藤たいちょーもこっちの組にはいるべきなんじゃあないんすか?w」ヒクッ
太田「そうです!尻にしかれてるもんはしかれてるどーし、はなしあうべきなのです!」ヒクッ
進士「よく言った太田!」ヒクッ
シバ「うわぁ……」
後藤「……ちょっと酔っぱらい過ぎだよみんな」
シバ「ちょっとちょっと、本当にもうやめときなよね、参ったなぁ、一番はしゃぐつもりだったんだけど、いつの間にか介抱役に回っちゃうなんて」
榊「ま、それだけお前が成長したってことなのかもしれないな、シゲ」
シバ「おやっさん……」ジーン
榊「あいつらが退化しただけなのかもしれないが」
シバ「……おやっさん」
熊耳「なんなのかしらね本当……」ヒクッ
南雲「そうだわ、後藤さんは先月だって……」ヒクッ
野明「まあまあ……」
野明「…んっ?南雲隊長、『先月』って」
南雲「そうよ、先月後藤さんが……」
野明「確か南雲さん、後藤隊長に会うの、10年振りだとか…この間電話で言ってませんでしたっけ」
南雲「えっ」
野明「えっ」
後藤「えっ」
野明「……そうだよね、遊馬」
遊馬「言った言った!え、なに、って事は後藤隊長と南雲隊長は先月、会ってたってわけですか!」ケフッ
進士「しかもわざわざ僕たちに隠してですか!」ケフッ
南雲「そう言う訳じゃ……ねえ?」
後藤「………ねえ」
遊馬「怪しい……怪しいぞぉー」
太田「……何だ、どういうことだ」
進士「相変わらず太田さんはあれですね、アホですね」ケフッ
太田「ぬぁ!ぬぁんだとぉ!」ガタッ
香貫花・熊耳「………」ジッ
太田「………」カタン
遊馬「俺たちに黙ってアレだったんですか!」グイッ
遊馬「どうなんですか!」グイッグイッ
進士「きっかけはなんだったんですか!」グイッグイッグイッ
遊馬「絶対有り得ないと思ったんですがなんなんですか!」グイッグイッグイッグイッ
後藤「あ、流れ星」
進士「今日は曇りです」
熊耳「そうね香貫花さん」
香貫花「水浴びがしたいわ」
熊耳「でも服が濡れるのはいやだわ」
香貫花「そうよね」
香貫花・熊耳「………」ジッ
遊馬「これ以上はなにも出てきそうにないか」ヒクッ
遊馬「しかし太田、そっちはどうなんだ」ヒクッ
太田「ったく、アメリカには英語喋るやつしかいなくてな、軟弱な野郎ばかりで、根性叩き直して……」ヒクッ
香貫花「太田!」
熊耳「太田くん!」
太田「ひゃい!」ビクッ
香貫花「太田、立ちなさい」ヒクッ
太田「はい!」
熊耳「太田くん、上海亭の中には海があるのよ、ほらアソコの席のほう」ヒクッ
太田「……い、いや、海なんてありませんが」
熊耳「海ができたのよ!!」
太田「はい!」
熊耳「だから太田くん、代わりに浴びてきて」ヒクッ
太田「……えっ?」
香貫花「できないの?」ヒクッ
太田「いや、出来ないというか何というか……」
熊耳「ならあれね、香貫花さん」ヘベレケー
香貫花「そうね」ヘベレケー
太田「えっ……」グイッ
香貫花「いくわよ太田!」
太田「へっ」
香貫花「はいはいはいはいはいはいはい!!」
太田「い、いや!海なんてないぞ!あるのは床だけだ……って!ぬあああああああ!?」
香貫花「私には海が見えるのよ!!」
野明「ちょ、香貫花!?」
……ズドーン!
香貫花「complete!」
太田「ぐぅ………」
野明「あ……あちゃあ……」
野明「くっ…熊耳さんまで!」
太田「……ひいっ!」
熊耳「はいはいはいはいはいはい!」
ズドーン!
太田「 」ピクピク
進士「いいぞ太田さーん」
遊馬「よっ!日本一!」
店主「………貸切にして正解だったな」
後藤「…あとで、修理代は請求しといてください」
太田「……ああ」
野明「みんな……すっかり出来上がっちゃって」
シバ「おやっさあああああああん!!!」ギュウウッ
榊「……飲み過ぎだぞシゲ」
野明「シゲさんも途中までは良かったんだけどなぁ……」
野明「……でもみんな、変わってなくって良かった」
太田「泉」
野明「どうしたの太田さん」
太田「…いや、なんでもない」
後藤「しかし、太田、力一杯投げられるなんて、香貫花に愛されとるなぁ…ああ、熊耳にもか」
南雲「……あら、後藤さんも投げられたい?」ヒクッ
後藤「………遠慮しとこうかな」
進士「そうですね……色々変わりましたけど……ここだけは変わらないですよね」
進士「……この間子供に『クソジジイ死ね』って言われちゃいましたけど」
遊馬「そんなにでっかくなったのか」
後藤「と……ああ、もうこんな時間か」
シバ「ええー、もうお開きぃ?」
野明「そうですね、みんな明日早いみたいだし……遊馬、帰るぞ」
香貫花「頭がガンガンするわ……」
熊耳「私も……」
店主「まいどありー」
ガラッ
香貫花「……嫌だわ、私こんな年になってあんなこと」
熊耳「お互い、ストレスが溜まってたのよ」
太田「………」
進士「楽しかったですよ」
山崎「そうですね、またやりたいですね」
野明「じゃあ………私たちはあっちだから」
遊馬「んじゃ、またな、みんな」
シバ「たまには特車2課にも顔だしてよ!」
後藤「元気でやれや」
榊「気を付けてな」
南雲「また今度」
野明「………」
野明「また、あえるよね?」
野明「本当だよね!」
熊耳「……ええ」
野明「約束だよ!」
太田「しつこいやつだな」
山崎「もちろんです」
進士「そうですよ泉さん」
野明「……本当に……本当に?」
野明「やだ!やっぱり皆と別れたくない!皆ともっと……」ぐすっ
野明「一緒に………」
野明(……みんなが霞んで)
野明(……あれっ、あれっ)
野明(…………あれ?)
……
………あ
…………のあ
…………………野明
野明「ふぇっ」
遊馬「ようやく起きたか」
野明「えっ……えっ?」
熊耳「寝ながら泣いてたけど……何かあったの?」
野明「………」
野明「ゆめ?」
遊馬「どんな夢みたら、そんな顔になるんだ」
野明「あー、ええっと………この世界は半分ドキュメンタリーで映画とかあってそれで10年ぐらいぶりにみんなとあって…」
遊馬「何を言っとるんだお前は」
野明「ええと、それで……後藤隊長と南雲隊長が怪しくて…あれ、なんだっけ忘れちゃった」
太田「ボケッとするなボケッと」
山崎「いきますよ泉さん」
進士「今日は神田方面みたいです」
野明「う、うん」
ガチャ
後藤「ほら、出発だぞお前たち」
特車2課一同「はい!」
遊馬「ほら、しっかりしろよ。行くぞ」
野明「………うん!」
こうして2課の1日が、始まる
おわり
しのぶさん(^ω^)ペロペロ
コメディ回の要素がいっぱい入ってて面白いねぇ
Entry ⇒ 2012.05.01 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ウィッチ「棚の修理は進みましたか?」シェゾ「ああ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1335286088/
ウィッチ「あら、シェゾにしては仕事が早いですわね」
シェゾ「……」
ウィッチ「なんですのその目は? あなたが売り物の魔法薬が入ったビンを割ったのが悪いんでしょう?」
シェゾ「ちっ……」
ウィッチ「あーら、わたくしとしては壊した分の代金を頂ければ構いませんでしたのに。弁償する代わりに労働して貰ってるんじゃない」
シェゾ「もういいだろう。オレは帰るぞ」
ウィッチ「あっ……ま、待ちなさいよ」
シェゾ「お茶だあ?」
ウィッチ「紅茶一杯飲んでいくくらいの暇はあるでしょう。というより、いつも暇でしょう?」
シェゾ「オレは忙しいんだ! 魔導力を上げるために文献を読んだりダンジョンに潜ったりな!」
ウィッチ「あらそうですの。言っときますけど、損失分は今日の労働だけじゃとても賄えませんからね」
シェゾ「な……」
ウィッチ「さっき計算してみたところ、あなたが無駄にした魔法薬はざっと一週間分の労働で得られる金額に相当しますわ」
シェゾ「おい、一週間働き続けなきゃいけないのかよ!?」
ウィッチ「そういうことになりますわね」
ウィッチ「わたくしも鬼じゃありませんから、労働の後にはちょっとしたサービスも用意して気遣ってさしあげてるのですわ」
シェゾ(ねぐらに置いてある本や道具を売って金を作るか……いや、どれも必要なものばかりだ)
ウィッチ「お湯も湧いたみたいですわ。さあ、大人しく私の厚意を受取りなさいな」
シェゾ「くそ……用意してあるなら早く持ってこいよ」
ウィッチ「ふふ……まあ、お待ちなさいな」
―――
―
ウィッチ「どうですか?」
シェゾ「何がだ?」
ウィッチ「紅茶の味に決まっているでしょう! どれだけ鈍いのかしらね」
シェゾ「飲めないレベルではないな」
ウィッチ「ふん!」ゲシッ!
シェゾ「いてっ!……脛けるんじゃねえよっ!!」
ウィッチ「せっかく人が淹れてあげたのにそんな物言いはないでしょう! 礼儀も知らないのかしらこのヘンタイは!」
シェゾ「ヘンタイじゃねえし、そもそもそれとこれとは全然関係ねえだろうが」
今回はシェゾウィッチアルルくらいしか出て来ないんだ
ごめんね
シェゾ「で、明日からはいつ来ればいいんだ?」
ウィッチ(紅茶がそもそも好みじゃないのかしら? 意外とカフェオレとか飲んでるのかも……)
シェゾ「おい、ウィッチ」
ウィッチ「はっ……何かしら?」
シェゾ「オレは一週間おまえにこき使われることになったんだろう。これからはいつ来ればいいんだ?」
ウィッチ「そうですわね……じゃ、じゃあ、店じまいしてからでお願いしますわ」
ウィッチ(開店しているときに脇で動かれたら変な噂が立ってしまうかも知れませんからね)
ウィッチ「明日遅れたら承知しませんわよ!」
シェゾ「分かってるわい!」
バタン!
ウィッチ「ふう……嫌がってた癖に自分から働く時間を聞いてくるなんて、シェゾも意外と律儀なところがありますわ」
ウィッチ「明日もアイツと二人きりで……」
ウィッチ「……」カアァァ
ウィッチ「ま、まあたっぷりと働いて貰いますわ! 荷物運びに掃除に陳列に……」
アルル「あれ、シェゾじゃん」
カーバンクル「ぐー」
シェゾ「アルルか。こんな夜遅くに何やってんだ?」
アルル「ボクはね、基礎の呪文を練習してたのさ」
シェゾ「……いつもだったら魔力を奪ってやるところだが、今のオレはそんな気分じゃない。幸運だったな」
アルル「……どうかしたの? なんか元気ないみたいだけど」
シェゾ「おまえには関係無い」
アルル「あ、わかった〜。拾い食いでもしてお腹壊したんでしょ? シェゾいつもギリギリな生活してるもんね!」
シェゾ「……おまえって奴は本当にお気楽で能天気なガキだな。羨ましくなることはないが」
シェゾ「いてえっ! 脛蹴るなよ!」
アルル「シェゾが馬鹿だから悪いんだよ! 行こうカーくん! こんなヘンタイほっといてさ!」
カーバンクル「ぐー!」
シェゾ「ちっ……くそ……今日はいつもにもましてツイてねえ!!」
――――――
―――
―
アルル(話す気が無いようだったからちょっとした冗談で場を和ませてからから聞くつもりだったのに)テクテク
アルル「ああ、もう、思い出したらまた腹が立ってきた!!」
アルル(……ん? でもこんな時間まで何してたんだろ? 来た道はダンジョンの方じゃ無かったし)
アルル(確か……シェゾが歩いてきた道を辿ればウィッチの店に着くよね?)ピタッ
アルル「…………」
カーバンクル「ぐー?」
アルル「あ、ごめんカーくん。足止めちゃってたね」
カーバンクル「ぐぐっ?」
アルル「うん、大丈夫。心配してくれてるんだね、ありがとう」
【ウィッチの店】
アルル「ウィッチ、これくれないかな」
ウィッチ「はいはーい」
アルル「…………」チラッ チラッ キョロキョロ
ウィッチ「……どうされましたの? 落ち着きなく店内を見回されて」
アルル「あ、いや、なんでもないよ! ところでさ、ウィッチ……」
ウィッチ「なんですの?」
アルル「昨日特訓の帰りにシェゾに会ってさ。とってもデリカシーないこと言われちゃったよ!」
ウィッチ「そうですの。まあ、シェゾが唐変朴なのは私も存じておりますけど……」
ウィッチ「そ、そうですの……」
アルル「いつも困らされてるのにね。ウィッチもうんざりでしょ?」
ウィッチ「そうですわね。昨日も……あ」
アルル「?」
ウィッチ「いえ、なんでもありません」
アルル「! まあいいや。そろそろいくね」
ウィッチ「はい。ありがとうございました」
ウィッチ「そう邪険にするほど悪いヤツでは……」ボソッ
アルル「ん、なんか言った?」
ウィッチ「いえ、なんでもありません! お気をつけて!」
アルル「……うん」
バタン
アルル「ウィッチも昨日……シェゾと何かあったんだ……!」
アルル「くっそー……なんかモヤモヤするなあ。気付くとウィッチとシェゾのことばっかり考えてる」テクテク
アルル「ボクってそんなに噂好きな方じゃないのになあ……あっ」テクテク
シェゾ(もうそろそろ仕事の時間だな。ウィッチはうるさいから少し早めに行くか)
アルル「シェゾ!」
シェゾ「うおいっ! アルルか、驚かせるな!」
アルル「こんなところで会うなんて奇遇だね。勝負しようよ!」
シェゾ「……悪いな。今はそんな気分じゃねえんだ」
シェゾ「今は時間がないんだ」
シェゾ(あいつの店で働かされてるなんて知られたらオレの沽券に関わるな)
アルル「そんなこと言って〜〜本当はボクのこと怖いんでしょ。
奮発して魔導力を増加させる薬を買ったから試させてよ!」
シェゾ「へえ。値が張るのによく買えたな」
アルル「そうだよ、ボクはキミと違って貧乏って訳じゃ……って、なんで高いものだって知ってるの?」
シェゾ「! そりゃ、ウィッチの店に置いてあったもんだから……」
アルル「……ボクは今日初めて見かけたんだけど、結構前から置いてたのかな」
シェゾ「オレも知らんが多分そうだろ。ていうかもういいだろ。あばよ!」
フッ
アルル「あっ! テレポート……」
パッ
シェゾ「ふう……」
シェゾ「店内に直接ワープしたが……ウィッチはどこだ。閉店時間にはまだ早いはずだが……」
「ふんふんふ〜ん♪」
シェゾ「風呂場か。そういや、店の奥に居住スペースがあるんだったな。でもなんでこんな時間に……」
【風呂場】
ウィッチ(今日はシェゾをまた二人きりになりますからね。あんなヤツとはいえ男ですから、汚れたところは見せたくありませんわ)ゴシゴシ
ウィッチ(〜〜♪)
ウィッチ(今日はカフェオレでも出してやりましょうかしら……♪)
「おーい」
ウィッチ(シェゾの声!?)
ウィッチ「ちょ、ちょっとなんで既にここにいるんですの? 約束の時刻より大分早いですわよ!」
「いいだろ、別に!」
ウィッチ「ぜ、絶対にこっちに来てはいけませんわよ! 来たらメテオの刑ですわよ!!」
ウィッチ(あああ! きっと遅刻ぐらいしてくると思ってましたのに!)
―――
―
ウィッチ「お待たせしましたわ」
シェゾ「こんな時間に風呂かよ? 女ってやつはよく分からんな」
ウィッチ「お、お店で働いているときに汚れてしまったのですわ!」
シェゾ「それで仕事にならなくなって閉店時間を繰り下げたのか」
ウィッチ「そうですわ!」
ウィッチ(本当は汚れてなんかいませんでしたけど、そういうことにしておきましょう)
シェゾ「ま、お手柔らかに頼むぜ。で、今日の仕事は」
ウィッチ「商品の陳列を頼みますわ。需要が減ってきたものは取り除いて、売れ筋をより目立つように。
利益率が高いものはその隣に置いて目に付くようにします。店内用のポップも作りたいのですが……これは私がやりますわ」
シェゾ「……結構本格的に営業してるんだな。いろいろ考えてるわけだ」
ウィッチ「な、なんですのその意外そうな目は! わたくしだって遊びでお店を開いてる訳ではないんですからね!
ヘンタイ魔導師には分からない世界でしたかしら!?」
シェゾ「ちっ。そう突っかかってくんなよ。並べる品は奥だな? まずは需要が低いものを取り除こうぜ」
ウィッチ「……そ、そうですわね」
シェゾ「商品入れる木箱なり籠なりがあるだろ。どこにある」
ウィッチ「ああ、それなら―――」
―――
―
シェゾ「ふいー……疲れた」
ウィッチ「お疲れさまでしたわ! はい、どうぞ。カフェオレですわ」
シェゾ「お……」
ウィッチ「シェゾ、今日はありがとう。陳列だけやって貰うつもりだったのに、棚の配置換えまでやって頂いて……」
シェゾ「時間が余ったからついでに片づけただけだ!」
ウィッチ「ふふふ。結構いいとこあるじゃない」
ウィッチ(塔でおばあちゃんを助けてくれたときといい、シェゾってば妙に面倒見がいいところがありますわね)
シェゾ「それより作業中ずっと気になってたが、おまえは風呂上りにそんな薄着でいいのか? 薄い生地に半袖で……」
ウィッチ「もう春ですから大丈夫ですわ。わたくしだっていっつもあの服装というのは暑くて困りますからね」
シェゾ「どうした。ぼーっとして……熱でもあるんじゃないか?」
ウィッチ「い、いえ! それよりもうそろそろお帰りにならなくていいのかしら!?」
シェゾ「……なあ、ウィッチ」
ウィッチ「なんですの……?」
ウィッチ(まさか……「今日は帰るつもりはない」とか…………)ドキンドキン
シェゾ「カフェオレおかわりあるか?」
ウィッチ「へ?」
―――
―
シェゾ「ふわぁあ……柄にもなく熱心に働いちまったな」
シェゾ「もうテレポートで帰るか。昨日みたく風に当たって気を鎮めたい気分でもないし……お?」
カーバンクル「ぐっぐー!」
シェゾ「げ、おまえか。一人か? アルルはどうした?」
カーバンクル「ぐぐっぐー!」ゲシッ
シェゾ「いてっ! 脛蹴るなって!」
シェゾ「やめろっつってんだろうが!! この……」ハッ
シェゾ(蹴り飛ばしてやりてえがアルルに恨みごと言われて面倒なことになるかも……)
シェゾ「くそっ……」
カーバンクル「ぐぐっ……ぐっ!?」
ドカッ
カーバンクル「ぐうっ!?」
てのりぞう「ぱおーん!」ドカッ
シェゾ「お、おまえかあ! 面倒見れないから逃がしたのに」
てのりぞう「……」コクリ
フッ
カーバンクル「ぐぐぅ」
「カーくん、いくらシェゾでもいきなり蹴ったらダメだよ」
カーバンクル「ぐー」
アルル「うん? ボクを困らせるからだって? あ、気付かれてたかあ……」
アルル「やっぱり、ウィッチの店の方から歩いてきたよね……二日連続で……」
アルル
【ウィッチの店】
アルル「こんにちは」
ウィッチ「おいっす!」
アルル「ちょっと、昨日買った薬のことで聞きたいんだけどさ」
ウィッチ「はい」
アルル「これっていつ頃から店先に並べてあったものなの?」
ウィッチ「ああ、それならアルルさんがお越しになられた日の朝に店の奥から出したものですわ」
アルル「そっか。ところで昨日はシェゾは来たのかな?」
ウィッチ「は……い、いえ」
アルル「ふーん……」
ウィッチ「な、なんでそんなことをお尋ねになるのかしら?」
ウィッチ「そ、そうですの……くしゅん!」
アルル「どうしたの? 風邪?」
ウィッチ「風邪というほどのことでは……くしゅん!!」
アルル「なにか身体を冷やすような真似でもしたの?……はっ」
アルル(まさかシェゾと……)ポワポワポワ〜ン
アルル(な、何を考えてるんだよボクは!!)カアァァァ
ウィッチ「またのお越しを……くしゅん!!」
バタン
アルル「絶対だよ! 絶対シェゾとウィッチは二人でなんかやってる!!」
カーバンクル「ぐぐっ?」
アルル「べっつにシェゾが誰と何してようが構わないけど、なんかイライラするなあ……」
アルル「……そうだ! もういっそのことウィッチの店を張ってようかな!
どうせボクの想像なんて外れてるに決まってるんだし、それを確かめるだけだよ」
カーバンクル「ぐー!」
アルル「そうだよ、うん。精神衛生上の問題になってるからね」
アルル(でも、もし……想像通りの関係だったら……ボクは……)チクリ
―――
―
【ウィッチの店】
パッ
シェゾ「よう」
ウィッチ「ひゃあ! 突然現れるから驚きましたわ! テレポートは控えて!」
シェゾ「歩いていこうとすると面倒なヤツに会うんだよ」
ウィッチ「まあ、いいですわ。今日の仕事は……くしゅん! ううぅ」ブルブル
シェゾ「おい、風邪か? 大丈夫かよ」
ウィッチ「心配には……くしゅん!……及びませんわ……」フルフル
シェゾ「……無理すんなよ」
ウィッチ(やってくるシェゾが見たかったからなんて言えませんわ)
ウィッチ「今日の仕事は……そうですわね、お掃除でも頼みましょうかね」
シェゾ「ああ……顔真っ赤だが、平気なのか?」
ウィッチ「道具は……っ」フラッ
シェゾ「! おっと!」トサッ
ウィッチ「はぁ……はぁ」
シェゾ「おい、大丈夫か!?」
ウィッチ「……ふぅ……はぁ……」フルフル
シェゾ「持ち上げるぞ。よっと」ヒョイ
ウィッチ「シェ、シェゾ……」
ギュッ
シェゾ「ど、どうした!?」
ウィッチ「行かないでね……」
アルル「やっぱりボクの思い過ごし?」
アルル「きっとそうだよね。帰る前にちょっと窓を覗いていこっと……」トテトテ
シェゾ「わかったわかった。居てやるから。じゃあベッドに行くぞ」
ウィッチ「そっと運んでね……」ギュッ
シェゾ「おう。でも服を掴むなよ……」
アルル「…………………………!!」
ウィッチ「アルルさん……!? み、見られ……」ボンッ!
シェゾ「ちっ!」
【ウィッチの部屋】
シェゾ「下ろすぞ」
ポスッ
ウィッチ「……うう……うううぅぅ」カァァァァ
シェゾ「こりゃひどい熱だ。顔もますます紅潮してるな」
ウィッチ(それは別の理由ですわ……)ドキドキドキ
ウィッチ「ありがとう……」
シェゾ「安静にな」
バタン
シェゾ(アルルに知られちまったかもな……こんなカッコつかねえところを……くそ)ゴソゴソ
シェゾ(思えば俺は『神を汚す華やかなるもの』だったはず……どうしてこんな真似してるんだろうな)
シェゾ「あった。水を汲んで持っていってやるか」
―――
―
シェゾ「落ち着いたかよ?」
ウィッチ「ええ。薬に毛布に氷枕に……助かりましたわ……くしゅん!」
シェゾ「水、また入れて来てやろうか?」
ウィッチ「お願いできますかしら」
シェゾ「ああ」
バタン
ウィッチ(アルルさんには、やはり前々から疑われていたんでしょうね)
ウィッチ(先ほどのアルルさんの顔……単純な驚きだけが浮かんでいるのではありませんでした)
ウィッチ(ごめんなさい……シェゾと一緒にいたいのは私だけではなかったのですね)
アルル(思わず走って逃げ出しちゃった)
アルル「やっぱり想像した通りだった。外れてて欲しかったけど……的中しちゃった」
カーバンクル「ぐぐっ……」
アルル「二人ともボクには黙ってたのに! はぐらかしたり嘘ついたりさ!」
アルル「どうして本当のことを言わなかったんだよ! ボクには関係ないことなのにどうして……」
アルル「目立つ関係になるのが嫌だったから? それとも単に面倒だったから?」
アルル(まさか、ボクの気持ちに気付いてて……それで……二人で笑ってたのかも……!?
秘め事のときにボクを笑って話の肴にしてたのかな)
アルル「いや、そんな訳ない! でも、嫌な想像ばっかり湧いてくるよっ……!」
カーバンクル「ぐぐっ……ぐっ!」
アルル「うん? どうしたの? ……え?」
ウィッチ「ねえ、シェゾ。悪いんだけど着替えを置いてくれませんか?」
シェゾ「き、着替えだと? 構わねえけど、お、おまえはいいのかよ!?」
ウィッチ「ええ。そこの箪笥の下から二段目にパジャマが入っていますの
間違っても一番上の段は開けないでくださいね」
シェゾ「お、おう。この箪笥だな」
シェゾ「…………」ゴソゴソ
ウィッチ「……なにか想像してませんか?」
シェゾ「なわけねえだろ!」
ウィッチ「ええ……そうだ。シェゾ、退勤時間を大幅にオーバーしていますわね」
シェゾ「そうか。もう深夜になるな」
ウィッチ「……」ドキドキ
シェゾ「…………」
ウィッチ「もう、帰ってもいいですわよ。あなたに風邪が移るかもしれませんわ」
シェゾ「いいのか? いや、おまえが『行かないでね』なんていうからよ。帰るタイミングがつかめなかったのも事実だが」
ウィッチ「な! わたくしがいつそんなことを!?」
シェゾ「倒れたときだよ。俺の服掴みながら呟いてたじゃねえか」
シェゾ「帰らせてもらえるならありがたい。明日は大人しくしてろよ。店も開けるなよ」
コンコン
シェゾ「ん? 来客か?……まさか」
ウィッチ「……」
シェゾ「どうする?」
ウィッチ「シェゾは下がってて。店の主人はわたくしですから」
ガチャ
アルル「ウィッチ! 大丈夫!?」
ウィッチ「え? は、はい。なんとか」
アルル「風邪ひいてるんでしょ!? 果物とかよく風邪に効く草を持ってきたよ!」
カーバンクル「ぐー」
てのりぞう「ぱうぅぅ」パシャ
ウィッチ「え、ええ!?」
アルル「おかゆ作ってあげるね。ささ、大人しくベッドに戻って!」
アルル「やあ、シェゾ。お勤めご苦労さま。もう二度とお店のもの壊しちゃだめだよ!」
シェゾ「は? おまえ、俺がここで働いてることを知ってるのか」
アルル「うん! この子が教えてくれたんだ」
てのりぞう「ぱおー」パシャ
シェゾ「こいつが?」
アルル「シェゾ〜〜キミ、この子に写真取られてることに気付かなかったの?
ビンを割ったシーンとか棚作ってるシーンとか、珍しいシェゾがたくさん見られたよ!」
シェゾ「そっか……」
シェゾ(まあ、てのりぞうのおかげで拗れずに済んだのは事実か)
栄養が付く野菜も入れてるから、不摂生なシェゾにはぴったりだよ」
シェゾ「そういや、オレも腹が減ってるな。ごちそうしてもらえるとはありがたい」
ウィッチ「アルルさん……」
アルル「ふんふんふ〜ん♪」トントントン
アルル(まったく、本当のこと知ったら拍子抜けしちゃったよ。
てのりぞうくんが言ってたことをカーくんに翻訳してもらわなかったら、ずっと勘違いしたままだったなあ)
アルル「え〜と、お鍋は……」
ウィッチ「あ、しばらく使わなかったもので天井近くの棚に置いていますわ」
アルル「あそこかあ。う〜ん、背伸びしてもギリギリか……なかなか取れない」グイグイ
ズボッ
アルル「あっ!」フラッ
シェゾ「!」トサッ
てのりぞう「ぱおーん!」パシャ
―――
―
〜二日後〜
シェゾ「ふう! 予定より早く解放されたぜ!」
てのりぞう「ぱおーん!」
シェゾ「しかし、どうしてだろうな? やっぱりウィッチが風邪ひいたとき長時間働いたからか?」
てのり「……」パシャ
シェゾ「そういや、おまえのおかげで面倒ことが増えるのを避けられたんだよな。ありがとよ」
アルル「やあ、シェゾ」
シェゾ「アルルか。むう……今日は見逃してやる。行け」
アルル「ボクだって戦う気はないよ」
シェゾ「なら好都合だ。オレはこれ以上女どもに掻き乱されるのは勘弁だぜ」
アルル「ふん、ベーだ!」
アルル「さてと、カーくんはてのりぞうくんと遊びに行ったし」ゴソゴソ
アルル「シェゾがボクを支えてくれた写真をじっくり見れるね!」パッ
アルル「ふふ、シェゾってばいいとこあるのに、もったいないなあ。顔も悪くないのに」ニコニコ
【ウィッチの家】
ウィッチ「てのりぞうから譲って貰ったこの写真……いつ見てもいい気分になりますわ」
ウィッチ「その代わりシェゾを閉店後の労働から解放するよう頼まれましたけど、安いものですわ」
ウィッチ「うふふふふ……カッコいいですわね。交渉に手間取った甲斐がありましたわ。
王子と言っても通用するのに、なんでああも抜けてるんでしょうか」
アルル「滅多に見れないけど、いいとこあるんだよね」ニコニコ
シェゾ「ふう……」
シェゾ「ゆっくり休むのも久しぶりな気がするな。そして……」ゴクリ
シェゾ「うむ。やはりカフェオレはうまい」
おしまい
これで心置きなく眠れる
ぷよ魔導系のSSでこういうの読みたいっていうのある?
コンパイルは時代の先見過ぎ
今でも通用する設定のキャラをずっと昔に世に出してたんだよな
凄い楽しめた、機会があれば次もよみたいな
Entry ⇒ 2012.04.27 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
しんのすけ「フシギなちからが、そなわったゾ!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333724696/
風間君がオラに手を差し伸べた。西日が強く差し込み、焦点を合わせるのに時間がかかる。黒い陽炎のようにぼやけた風間君は、徐々にクリアになって歯を覗かせた。ため息交じりに笑った。
カザマ「みんな待ってるんだからさ」
いつもの公園では変わらぬ顔ぶれが揃っていた。
五人ともスーツで、背丈も子供のころとはえらい違いだ。
それもそうだ。あの時から、20年近く経ったのだから。
幼いころからの赤毛は長くのび、キューティクルが幾層にも重なっていて美しい。昼間は結っていたのだろう、軽くウェーブがかかっている。
艶やかな前髪からのぞく細い眼はひどく魅力的で、マサオ君がさきほどからちらちらと盗み見ているのが分かった。
オラが小さく笑うと、ネネちゃんは、しんちゃんは変わらないわね、と付け足し笑った。
マサオ「ほんとだよ。むかしっから、遅刻ばっかしてたよな」
そうは言ったものの、マサオ君も笑っていた。
耳まで隠すミディアムヘアは、オニギリ頭の面影もない。あの頃からいちばん変わったのは、彼なのかもしれない。
褐色の肌色は健康的で、顔つきから自身が満ち溢れ、そこここにこぼれおちていた。真っ赤なネクタイも、その表われか。
ボーちゃんは相変わらず、というわけでもない。
以前にも増して無口になったが、それは美徳だ。沈黙は金である。
そんなことよりも、口数に比例するように身長が伸びた。180はゆうに超え、それでいて手足は細い。
スタイリッシュなストライプスーツを身につけ、煙草をくゆらせている。
カザマ「さて、やっとそろったな」
リーダーは今も昔も彼だ。
スーツの胸元には老若男女問わず知っている大企業のバッチがまぶしい。
地味なスーツだが、ブランド物のカフスボタンや靴のセンスはほのかな色気を振りまいている。いやらしくない程度に薫る香水も、きっと高級品なのだろう。
すっきりとした短髪はみていて気持ちがよかった。
オラが思いついたようにこぼすと、八つの目はいっせいにこちらを向いた。
マサオ「……懐かしいな」
カザマ「……ああ」
禁句を口にしたようだ。オラたちは、あの日愛する防衛隊を解散したのだった。
ネネ「……懐かしいね」
ネネちゃんが宝物を扱うように、繰り返した。
たしか、オラの家の二階で集まったのだと思う。
夜も更け、マサオ君が船をこぎ出したころボーちゃんが言った。「星が見たい」。
ネネちゃんは目を輝かせて賛成し、カザマ君の声も珍しく上ずっていた。
上気した頬のまま、ネネちゃんはマサオ君を起こし、オラたち五人は裏山に向かった。
たしかオラが高いところの方が見やすいゾ、だとかなんとか言ったのだと思う。
昔から、振り回して迷惑をかけてばかりだ。そして、今も。
想像していたよりも空はかすみ、薄められた夜空に星はまばらだった。
それでも、そのころのオラたちにとって、世界はあまりにも広かった。遠かった。
マサオ君が泣きだしたのを機に、帰ることにした。
家に誰もいないとなって両親を心配させるのは気が引けたし、純粋に、みんな怖くなっていたのかもしれない。早足で山を下った。
その途中だった。ボーちゃんが指さす先に流れ星が瞬いたのだ。
ネネちゃんは喜び、マサオ君は泣きやんだ。カザマ君は「おかしいな」と屁理屈を並べようとしていたものの、そんな時間もなかったのだ。
光の玉は徐々に大きくなり、マサオ君がまた泣き出す前にオラたちの前に落ちた。
オラたち五人は気を失い、五人がいっせいに目が覚めたのは、新聞記事に見出しが躍った翌日の事だった。
『K市で園児五人の変死体が発見される』
たぶん、うれし泣きだった。
父ちゃんの伸びた髭が痛かったのを覚えている。後でみんなに訊いたら、どの家もそんなふうな反応だったらしい。
そうやって、オラたちは蘇った。
医療ミス、という言葉で片付けられるまでに一週間ほどかかり、その間は連日オラたちのニュースで持ちきりだった。
あのとき、父ちゃんと母ちゃんがマスコミを怒鳴りつけていなかったら、オラはぐれたりひきこもっていたりしてしまっていたかもしれない。
父ちゃん母ちゃんには、本当に頭が下がる。
あと、ワイドショーでまつざか先生が自慢げにオラたちのことを話していたのも忘れていない。
かくして大変な目にあったオラたちだが、再び集まるともっと大変なことになった。
みんながフシギなちからを手に入れていたのだ。
それを本能的に恐れたオラたちは、それを五人の秘密にし、かすかべ防衛隊を解散することにした。
子供ながらにも、危険な力だとはわかっていたのだ。
そして時は流れ、五人が五人就職し生活を持つようになった。
ネネちゃんに至っては、結婚もしている。
今日まで定期的に集まってはいたが、それはあくまで旧友としてだ。
いつの間にか防衛隊という言葉自体避けられ、タブーに近いものとなっていた。
そして――
カザマ君がベンチに愛ちゃんの屋敷の見取り図を広げ、説明を始めた。
マサオ「フェイクっつーと?」
ネネ「どこか別の場所に隠れてるってこと?」
カザマ「そうなんだけど、そうじゃない」
カザマ君はニヒルにわらってみせた。
そして、見取り図の中心を人差し指でトントンと叩き、言った。
カザマ「地下だ」
カザマ「昔の地図と比較したら、屋敷の下には防空壕があった。こんな辺鄙な土地に大企業の令嬢が引越してきたのがそもそもきな臭い。それに、屋敷の前の尋常じゃない警備はこの町に必要ない」淡々と言葉を並べた。
ネネ「愛ちゃんは無事かしら」
ネネちゃんが憂いを帯びた顔で言う。
ボー「無事でいてくれないと、困る」
ボーちゃんが口を開いた。渋みのかかった低音はどこかに懐かしさが残っていた。
残ったみんなが顔を合わせ、頷いた。
マサオ「しんちゃんのためにも」
ネネ「愛ちゃんのためにも」
しんのすけ・ボー「かすかべ防衛隊」
オラとボーちゃんの声が重なった。
みんな「ファイヤー!」
樽のような腕を前に組み、サングラスをかけている。夜なのにうっとおしい奴らだ。
少し離れた場所でそれを確認し、ため息をついた。
マサオ「俺が行くよ」
マサオ君が先陣を切って二人の前に向かった。
右手を水平に挙げ、手のひらで拳銃をかたちどった。
二人の屈強な男は、警戒の濃い色を帯びさせ、組んでいた腕をほどいた。
だが、遅かった。
マサオ君は突き出した手を軽く握り、はじいて音を鳴らした。
途端、片方の男が悲鳴を上げる。
うろたえる、片割れ。マサオは続けざまに反対の指もならす。
パチン
音に呼応するように、もう一人の男も悲鳴をあげた。
足もとから炎が立ち上っているのだ。
――パイロキネシス
念発火能力だ。
二人の男はもがきながらも無線機のようなものを操作しようとする。
マサオは指揮者のように、両手を広げ、ならした。
二つの無線機が音を立てて爆発した。
後にはススのようなものが散るのみで、それもすぐに夜の闇に紛れてしまった。
隠れていたネネちゃんは悪戯っぽく口角をあげ「その能力がないマサオ君は、今頃フリーターとかやってると思うわ」と言った。みんなが小さく笑った。
隠れていた場所に戻ってきたマサオ君は、笑っているみんなをみて首をかしげた。
刑務所の出入り口のように厳重なそれは、当然だが施錠されていた。
ずい、と一歩前に出たのはボーちゃんだ。
ボーちゃんは目をつむり、両手をひろげて突き出した。
すると、地鳴りにも近い音が局地的に起こり、どっしりとした鉄の壁がかたかたと震え始めた。
施錠が解除される音が何度も聞こえる。
そして、手を触れることなくドアは開かれた。
――サイコキネシス
念動力能力だ。
そう言ったボーちゃんの後にみんなが続く。
いちばん前はオラの定位置だったんだけどなあ。
カザマ「ちょっと待って!」
カザマ君が声をはりあげ、みんなが足を止めた。
ネネ「どうしたの?」
ネネちゃんの問いを黙殺し、カザマ君は地に手をつけた。
マサオ君のつばをのむ音が、やけに大きく聞こえる。
カザマ「ボーちゃん!」
ボーちゃんはすぐさまカザマ君のもとに駆け寄り、何度か頷くとすぐに両手を広げて念を込めた。
すると、近くの茂みからなになやら音がした。
しばらく待つと、赤いレーザーを発する機械が転がりでた。
即座にマサオ君がそれを焼いた。
おそらく、センサーを発する警報装置の類だろう。
彼は、地面の意志を、いわゆる残留思念といったものを読み取ったのだ。
――サイコメトリー
接触分析能力だ。
カザマ「こっちだ!」
カザマ君は正門を避け、裏庭にみんなを導いた。
オラ、いいとこ無しだゾ……。
噴水はこんこんとわき上がる水を湛え、花は話しあったかのように一斉に咲いている。
しんのすけ「夜なのに、不気味だゾ……」
カザマ君はオラの言葉も無視し、地に手をついた。
しばらくすると、マサオ君に目配せをする。
マサオ君は頷き、指を鳴らした。
噴水のわきの一帯が燃え上がり、四角く切り取られたコンクリートの出入り口を露わにした。
ボーちゃんが四角いパネル状の入り口を持ち挙げ、中を覗くと暗闇に梯子がおりていた。
ところどころに苔が群生しているようで、どうにも足もとが不安定だ。
しばらく待って、目を暗闇に慣れさせることにした。
しばらくして、景色がしっかりとした輪郭を持つようになった。
前を歩いていたカザマ君とマサオ君は壁伝いに歩き始めた。
突然、いちばん後ろを歩いていたネネちゃんが言った。
「カザマ君、あと二歩。マサオ君、あと五歩」
二人は足を止めて、ネネちゃんを振り返った。
ネネちゃんは子供のように笑っていた。
もちろん、ウサギのぬいぐるみだ。
ボーちゃんに向けてそれを放ると、二匹のウサギはふわふわと宙に浮いた。
目測でカザマ君の二歩先とマサオ君の五歩先までウサギを飛ばし、それぞれ落とした。
がこん!!!
派手な音と共に地面にぽっかりと穴が開いた。
マサオ君が発火で照らすと、一瞬だけ底が覗けた。
いや、底など無かった。奈落に程近い落とし穴だったのだ。
ウサギの落ちた音は聞こえずじまいだった。
ネネちゃんはくすくすと上品に笑った。
カザマ君とマサオ君は顔を合わせて苦笑した。
――プレコグニション
予知能力だ。
マサオ君の一瞬のあかりで再び真っ暗になってしまったオラたちは、
しばらくその場にとどまって、目を慣らしてから歩をすすめた。
カザマ君が用心深くドアノブを引くと、拍子抜けするほど簡単にドアは開いた。
想像以上の光量に、みんなは目を閉じた。
そして、ゆっくりと目を開けるとそこは広い部屋になっていた。
豪奢な家具が並び、暖炉まで設けられている。
部屋の真ん中で、ロッキングチェアに座る二人の背中が見えた。
一人はティーカップを片手にゆらゆらと揺れ、
もう一人は、ピクリともしていなかった。
揺れていたロッキングチェアが止まり、やつれた女性が振り向いた。
愛「あら、誰でしたっけ、あなた?」
マサオ「僕だよ、僕。マサオだよ」
愛「……?」
愛「ああ、ああ、あのオニギリ頭」
口もとに手を置いて笑う愛ちゃん。
カザマ君とネネちゃんは笑わなかった。
愛「と言うことは、隣の二人はネネちゃんとカザマ君ね」
二人は無言でうなずいた。
愛ちゃんは、まあそんなこといいけど、と言わんばかりにカップに口をつけた。
マサオ君の震える肩を、名前も挙がらないボーちゃんが叩いた。
カザマ君もネネちゃんも黙り込んでいる。
愛「ほら、しん様も挨拶なさったら?」
「懐かしい顔ぶれよ」と笑いながらもう一つのチェアを引き、こちらに向けた。
屋敷に入って来た『四人』は顔をそむけた。
しんのすけの腐乱死体から。
死ぬ直前に、四人に連絡したんだ。
――テレパシー
超感覚的知覚
オラのちからで、みんなに言ったのすっかり忘れてたゾ。
最初にカザマ君が差し伸べてくれたのはオラの遺影で、
四人たす遺影の五人で集まったんだ。
だからびみょうに会話が成り立ってなかったんだな!
もー、むねがどきどきしてたゾ!
愛ちゃんは訊いてもいないのに語り始めた。
愛「ほんとに、変わらず素敵でしたわ」
だから、この部屋に閉じ込めたの。
私だけのものにしたかったの。
もちろんご家族から捜索願もだされてたみたいだけど、
一ヶ月もしたら警察は捜査を辞め、自殺ってことになったわ。
お金って素敵よね。
どうして貴方達がここを知ったのかわ分からないけれど、
つい三日くらい前までは、身体は腐っても息はあったのよ?
さすが、私のしん様だわ。
恍惚とした表情の愛ちゃんは、お金って素敵ねとまたうわごとのように言った。
マサオ「うん、もっとはやく連絡すれば良かったのにな」
ネネ「そうね」
マサオ「しかも、久しぶりにしんちゃんの声がしたと思ったら」
カザマ「ああ、助けてくれとか、そんなんじゃなかったよな」
ネネ「なんであんなこと、最期に言ったのかしらね」
マサオ「そんなこと、わかってるっつのな」
カザマ「ああ、まったくだ」
ネネ「当り前よ」
ボー「当然」
――「かすかべ防衛隊は、永遠に不滅だゾ!」
愛ちゃんが「ナカムラ」と言うと、貫禄のあるスーツ姿の初老の男がどこからともなく現れた。
ナカムラは手際よくしんのすけを担ぎあげ、ずっしりとした本棚を側面から押した。
裏にあった隠し扉に愛ちゃんとしんのすけを担いだナカムラが滑りこむと、
扉はすぐに閉まり、四人は取り残されてしまった。
すべては一瞬の出来事だった。
カザマ「やられた」
ネネ「予知はできてたんだけど、ちょっと、ショックで」
マサオ「……あれを見たら、しかたねーよ」
カザマ君が隠し扉を押したり引いたりしてみるがびくともしない。
部屋には、敗戦の色が濃く落ちていた。
マサオ「言ったん出て、作戦の練り直しか」
ネネ「そうね。いったん引きましょう」
三人が苦しそうな顔でいると、ボーちゃんが口を開いた。
ボー「待てない」
三人がボーちゃんを見た。
ボー「待ってなんか、いられない!」
マサオ「でも、ここは行き止まりじゃ
ボー「あの執事が現れた入口があるはず!」
顔を合わせ、無言でうなずく、四人。
カザマ君はすぐさま地に手をあてた。
そして、四人は迷うことなくその中に飛び込んだ。
四つん這いになってやっと一人通れるくらいの通路をすすむと、
一般的な教室程度のひらけた場所に出た。
そこでは、みるからに頑丈そうな鉄製の鎧を身にまとった男が仁王立ちで立っていた。
男「ようこそ愛様の級友」
男は続けた。
男「ジャンプ漫画みたいな展開は嫌いかい?」
支援
男の先にはまた扉があった。
逆にいえば扉は二つしかない。後は、密閉された鉄の立方体だ。
男「あらかじめ言っておくと、この先には愛様がいるよ」
マサオ君以外の三人は走り出す姿勢を取っていた。
男「いや、先の先の先の先かな」
男が笑ったのと、マサオ君が指を鳴らしたのは同時だった。
男の目の前が発火し、咄嗟に男は目をつむる。
その隙に、三人は駆け出し次のドアへと進むことが出来たのだ。
男「まあね」
男は兜のようなものをかぶった。
鎧というよりは、西洋の甲冑に近いのかもしれない。
とにかく、男は完全に外界から遮断された。
男「この素材はね、燃えないんだよ、どんなに高温でもね」
男はククク、とマンガみたいに笑いながら言った。
男「門番も浮かばれるってもんだ」
マサオ君はやれやれと言わんばかりにネクタイを緩めた。
男「ここで死んでも、誰も気付かないんだよね」
いやらしい笑い方をする男だ。
マサオ「しんちゃん、俺はもう泣き虫じゃねえよ!」
マサオは手に力を込めた。
無機質な立方体だ。そして、やはり男が仁王立ちしていた。
男「……」
ネネ「!」
カザマ「ネネちゃん? どうした?」
ネネ「……この人、視えない」
男はジーパンに白シャツといった軽装だったが、
瞳は海のように深く、まったく思考が読み取れそうになかった。
ボー「じゃあ、ここは僕が行く」
カザマ「ああ、頼むぞボーちゃん」
ボーちゃんが一歩前に出ると、男は首を振ってネネちゃんを指さした。
ネネ「……ご指名はいっちゃったみたい」
カザマ「でも」
ネネ「さっきのマサオ君を見たでしょ。あれは一人ずつ分散させるのが目的なのよ」
カザマ「……視えないんだろ?」
ネネ「話し合ってる間に、しんちゃんは遠くにいっちゃう!!」
ボー「……行こう!」
カザマ「……」
カザマ「……ちゃんと追いついてくれよな」
ネネ「当然よ」
軽装の男はつかつかとネネちゃんに歩み寄ると、ニタリと笑った。
ネネちゃんは演技がかった声色で言う。
ネネ「ご指名ありがとうございまーす」
男が飛びかかった。
ネネ「リアルおままごとに、こんな設定なかったんだけどなあ」
ネネちゃんは男の拳を寸前で避けた。
ネネ「まあ、いいわ」
胸元からウサギのぬいぐるみを取り出す。
ネネ「レパートリーが増えるわね、しんちゃん」
今度の男は岩のような巨体だった。
腰に巻いた布以外はなにも身に着けておらず、鼻息荒く座っている。
立ってしまうと、部屋に入りきらないのだ。
カザマ「……どうやってこの部屋に入ったんだよ」
ボーちゃんは目をつむり力を入れてみたが、男はピクリとも動かない。
ボー「この部屋は、僕の担当みたい」
カザマ「……持ちあがらないの?」
ボー「うん。本気出せば少しは浮くと思う。でも、それだけ」
カザマ「……」
ボー「わかってるよね」
カザマ君は無言で走り出した。
次の扉へ向かって一直線に。
それは暴力の塊のような一撃で、扉はひしゃげ、つぶれてしまった。
男は大きな口をゆっくりと開き、かたことで言った
男「オレ、タタカワナイ」
ボー「……」
男「デモ、オマエ、イカセナイ」
ボーちゃんは煙草に火をつけ、ため息と一緒に紫煙を吐いた。
二口吸って、煙草を地面に落とし、踏み消す。
ボー「しんちゃん……」
男が興奮からか鼻息を荒げ、言った。
男「オレト、ガシ、シロ」
ボー「すぐ行くよ」
最後であろう部屋に待っていたのは、他でもないしんのすけだった。
正確にいえば、『しんのすけだったモノ』。
つぎはぎだらけの着ぐるみ。
いや、着ぐるみだなんてそんな可愛いものではない。
あちこちからどす黒い液体が滴り、腐敗臭があたり一面に漂う。
現実味のなさが、それがしんのすけであることをかえって主張していた。
しんのすけの皮を剥ぎ、それを被っているのは。
愛「待ちくたびれましたわ」
カザマ君は再び嘔吐した。
そして、涙もぬぐった。
カザマ「愛ちゃん!!!」
愛ちゃんはしんのすけの生皮をかぶり、
腕を、足を、胸を、頭を、腹を、性器を、
はじからはじまで執拗に撫で始めた。
もっとも、皮をかぶっている状態なので、
しんのすけ自身がしんのすけをまさぐっているように見えるのだが。
あいちゃんはしん様しん様、と、とりつかれた様に繰り返した。
くねくねとダンスでも踊るように身もだえる『しんのすけだったモノ』。
カザマ君はめまいで倒れそうになっていた。
カザマ君は抵抗する気力も失せ、その場に立ち尽くしていた。
触れるほどの距離まで二人は接近した。
そして遂に、カザマ君の手に『しんのすけだったモノ』が触れてしまった。
その瞬間、カザマ君の能力が発動した。
しんのすけの残留思念が流れ込んできたのだ。
ふと気付くと、目の前には本物のしんのすけがいた。
間違いない。それは、しんのすけだった。
しんのすけ「よっ! カザマ君! おひさしブリブリ!」
しんのすけ「おーっとすとっぷ! これ以上きちゃだめだぞ」
カザマ「助けに来たぞ! はやく戻ってこい!」
しんのすけ「うーん、それは無理なお願いだぞー」
カザマ「なんでだよ!?」
しんのすけ「オラ、死んでるぞー」
カザマ「……なんでヘラヘラ笑えるんだよ……」
しんのすけ「いやー、照れますなー」
カザマ「……」
しんのすけ「おー、知ってるぞ! お助けに来てくれたの、ずっと見てたぞ!」
カザマ「マサオ君も来てくれたよ」
しんのすけ「マサオ君はオニギリ頭で、泣き虫さんだからなあ」
カザマ「ああ、子供のころはそうだったよな」
しんのすけ「頼りないゾー」
カザマ「……いいや」
しんのすけ「うん、嘘だゾ」
カザマ「……ああ」
しんのすけ「すっごく頼れる、強い男だゾ!」
マサオは指をパチンと鳴らすと、甲冑の男は口から血を吐いて倒れた。
もっとも鉄の継ぎ目から血がこぼれただけで、口から吐いたかどうかは分からないが。
間もなく、甲冑の中がパチパチと燃え、音を立てて崩れ落ちた。
耐火甲冑は、確かに良くできた代物だった。
いっさい燃え溶けることなく、中身だけを焼き尽くしたのだから。
マサオ「脳味噌カラッカラで、中身を燃やしずらかったよ」
マサオ「……」
マサオ「……しんちゃんなら、どうやってやっつけたかなあ」
マサオ「……」
マサオ「……しんちゃん」
やはり、彼は今でも泣き虫だった。
しんのすけ「おままごとはもうごめんだゾー」
カザマ「色っぽくなったよ」
しんのすけ「考えられないゾー」
カザマ「それで、今も戦ってるよ」
しんのすけ「それはかんたんに想像できるなあ」
カザマ「……勝つところも?」
しんのすけ「当然だゾ!」
とっさにぬいぐるみを避けようとした男は、飛んできた蹴りに反応が間に合わなかった。
軽装の男が倒れる。が、すぐに起き上った。
ネネ「女になぐられるなんて、みっともないわねえ」
ネネちゃんは立ちあがった男にすぐ罵声を浴びせた。
男「……蹴られただけだ」
ネネ「一緒でしょー。あー、みっともない」
男「……」
ネネ「ウサギさんにびっくりしちゃったんでちゅかねー」
男「……」
ネネちゃんの役者のようなわざとらしい喋り方に、男は苛立っていた。
瞳の深さも、もはやうかがえない。
ネネちゃんはまた、悪戯っぽく笑った。
なぜなら、もう男の動きが『予知』できるようになっていたのだから。
ネネちゃんは男が飛び込んで繰る場所に拳を向けて――
しんのすけ「おー! ボーちゃんはボーちゃんのままだゾー!」
カザマ「僕たちの中で、いちばんカッコよくなったよ」
カザマ「背も伸びて、スタイルも良くなって」
しんのすけ「カザマ君はわかってないなー」
カザマ「……?」
しんのすけ「むかしっから、ボーちゃんがいちばんカッコよかったゾ!」
カザマ「……」
カザマ「そうだな」
そんなことを考えながら、ボーちゃんは座っていた。
巨体の男の口と鼻を念動力でふさいでから、もうすぐ5分になる。
はじめはじたばたともがいていた男も、腹をくくったようだ。
充血した目をつむって、その時を待っている。
それからさらに5分後、男は泡を吹いて肩から崩れ落ちた。
ボーちゃんは立ち上がり、ひしゃげたドアを念力でひっぺがした。
ドアを剥がすと崩れたコンクリートの欠片がうずたかく積まれ、道をふさいでいた。
ボーちゃんはそれをひとつひとつ丁寧にのける。
途中、めずらしい形の欠片を見つけた。
ボー「しんちゃんは、なんて言うかな」
ボー「……」
ボーちゃんは欠片をポケットにしまい、作業に戻った。
カザマ「……行くなよ!!」
しんのすけ「もー、カザマ君はさびしがり屋さんだなあ」
カザマ「しんのすけ……」
しんのすけ「お助けに来てくれて、ありがとうだゾ」
カザマ「……やめろよ」
しんのすけ「最後に、お願いがあるぞ」
カザマ「……なんだよ」
カザマ「なんだって言ってくれ」
カザマ「ちゃんと守るよ!」
カザマ「だから!!」
しんのすけ「それはね……」
カザマ「行かないでくれえ!!!」
しんのすけ「――――
不気味に踊りまわる『しんのすけだったモノ』。
呪詛のように親友の名前をつぶやく女性。
そして、しんのすけの願い。
カザマ君の頭は割れてしまいそうだった。
愛「ああ、はやくしん様と二人きりになりたいですわ」
愛「もう見せびらかすのは十分ね」
愛「行きましょ、しん様!」
カザマ「待てよ!」
愛「ナカムラ」
ナカムラ「はっ!」
一足でカザマの胸元に飛び込んだ執事は、
カザマに向かって体重の乗った右手を放った。
おそるおそる目を開けると、拳を振り上げたまま執事は静止していた。
ボー「おまたせ」
カザマ「ボーちゃん!!」
安心してか、腰が抜け、その場に座り込んでしまったカザマ君の上をぬいぐるみが通過した。
ネネ「間に合ったかしら?」
カザマ「ネネちゃん!!」
そして、ぬいぐるみが静止してる執事の顔の前で燃えた。
マサオ「なさけねーなあ」
カザマ「マサオくん!!」
愛ちゃん「よくも……」
『しんのすけだったモノ』を被った愛ちゃんに、カザマを除く三人は息をのんだ。
カザマ君は三人を落ち着かせるように、冷静な声で言った。
カザマ「しんのすけから、最期の願いをあずかってきた」
カザマ君は平静を取り戻していた。
それはもちろん、ほかの三人のおかげであった。
すぐさまさっきの事を三人に話す。
三人は初めこそ渋い顔をしたものの「しんちゃんらしいや」
と言い合って、笑顔になった。
愛ちゃんと対峙する四人。
迷いはなかった。
愛ちゃんはしん様しん様と叫びながら、身体を小刻みに震わせている。
マサオ君が震える手でしんのすけの皮を手に取る。
震えてはいたが、もう、泣いてはいなかった。
ネネちゃんは愛ちゃんの前に立ち、「謝りなさい」と言った。
愛ちゃんは聞こえていないのか、愛する男の名前を繰り返し続けた。
カザマ君は言った。
僕らは嫌だ。君を今すぐ消してやりた。
でも、しんのすけの願いだ。
それに付き合うとするよ。
カザマ君は同意を取るように他の三人を見まわす。
三人とも、力づよく頷いた。
大きく息を吸って、言った。
カザマ「愛ちゃん、君を、許すよ」
震えを止めるように自分自身の体を抱いた。それでも震えは止まらなかった。
ぱくぱくと口を動かし、開かれた目は忙しなく動き回っている。
カザマ「行こう」
そう言って、『五人』は来た道をゆっくりと戻り始めた。
マサオ「愛ちゃん、置いてくの?」
カザマ「連絡が無くなったら、絶対に誰か迎えにくるよ」
ネネ「それもそうね」
カザマは部屋を出るとき、愛ちゃんの口から、
ごめんなさい、と聞こえたような気がした。
でも、振り返らなかった。
もうすぐ夜が明ける。
話し合った末、今日のことは黙っていることにした。
もうしんのすけが戻ることはないのだし、彼の言う
「愛ちゃんを許してやってほしいゾ」というのは
おそらくそう言うことなんだと思う。
そもそも、僕たちの超能力を説明できないしね。
しんのすけの皮はマサオ君が焼いた。
さすがに泣いていたけれど。それは四人とも一緒だ。
わんわん泣いて、今日の疲れも一緒に流した。
疲れも、悲しみも、思い出も。
もちろん、四人だけで。
しんのすけの遺影を再び家からお借りした。
さすがにちょっと不審に思われたかもしれないけれど、
みさえさんとひろしさんはやつれた顔で笑っていた。
「いつまでも友達でいてくれてありがとう」
二人は本当にタフだ。
遺影に手を伸ばし、しんのすけに向けて言った。
カザマ「ほら、しんのすけ、早く行くぞ」
* * *
風間君がオラに手を差し伸べた。
西日が強く差し込み、焦点を合わせるのに時間がかかる。
黒い陽炎のようにぼやけた風間君は、徐々にクリアになって歯を覗かせた。
ため息交じりに笑った。
カザマ「みんな待ってるんだからさ」
しんのすけ「ほっほーい!」
(おわり)
乙
お疲れ
Entry ⇒ 2012.04.21 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
マリオ「また誘拐されたのかあのビッチ・・・」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334541309/
マリオ「・・・なんで?」
キノピオ「え?どういう意味ですか・・・」
マリオ「聞いたまんまだよ、俺ただの配管工だぜ?てかお前ら城の警備何してたの?」
キノピオ「え・・それは急にクッパが来たので・・・・それにいつもマリオさんが行ってくれるから・・・」
マリオ「はぁ?」
キノピオ「だ、だったら・・・」
マリオ「最初に助け出した時は嬉しかったよ、国の危機を救いお姫様を助けられたからな」
キノピオ「そ、そうですよ!マリオさんはこの国一の英雄ですよ!!!」
マリオ「・・・・本当にそう思っているのか?」
キノピオ「そ・・・それは一部の心ない方々が・・・」
マリオ「お前ら最初から解ってたんだよな、ステージに置いてあるブロック等が・・・」
キノピオ「あ、あの・・・」
マリオ「この国の住民が魔法で変えられた姿だと・・・解っていてあえて黙ってたんだよな・・・・!!!!!」
マリオ「今はこんなもんだが帰国した時は酷かったんだぜ」
マリオ「感謝の言葉の変わりに罵声を浴びせられ、花束の変わりに石を投げられ・・」
マリオ「家に帰れば大量の暴言が書かれていた・・・マリオペイントってレベルじゃねーぞ・・」
マリオ「その時お前ら城で何やってた?お祝い?姫と祝杯?舐めてるのかよ・・・」
キノピオ「それは・・」
わろた
公式?
公式
魂を解放するために、どんどん壊しましょう!
冷静に考えたらかなり酷いこと言っているな
ルイージ「兄さん・・・誰か・・・来たの・・・う・・」
マリオ「ルイージ!起き上がったら駄目だ!寝ていろ・・」
ルイージ「はは・・ごめんね・・・大人しく寝てるよ・・・」
ゴソ・・
マリオ「・・・見ての通りだ。ルイージはもう限界なんだよ・・何でかは解るよな・・・?」
キノピオ「・・・・はい・・」
マリオ「・・・あのキノコは何だったんだよ・・」
マリオ「力が増す?ああ増したな!不自然に筋肉が盛り上がり体格が変わるほどにな!」
マリオ「フラワーも凄かったな!人間の手から火が出る!それの熱さは全く感じない」
マリオ「スターは凄まじいよな!どんな敵に体当たりしても痛くも痒くもなかったぜ!!!!」
マリオ「・・何のリスクもなしにそんな状態になるって美味すぎる話だと思ったんだよ・・・」
キノピオ「・・・」
キノピオ「そ、それは予想外の・・」
マリオ「予想外?知ってただろ?最初から!全部!!!!!!」
マリオ「おかしいと思ったぜ・・・こんな便利なもの、城の兵士たちが使うのを拒否していたんだからな・・」
キノピオ「じゃ、じゃあ素のままで結構ですので・・あの・・そうだ!ヨッシーがいるじゃないですか!彼となら・・・」
マリオ「本気で言っているのか・・・?」
一回死んでも生き返るとかおぞましい
キノピオ「え・・・」
マリオ「散々敵を食い、産卵し、割られ、挙句ジャンプ台にされ谷底に落とされる・・」
マリオ「あいつら笑ってたよ、「こんなの何でもないです!世界を救ってください!」ってな・・」
マリオ「大丈夫なわけなかったんだ・・気づいていたのに見て見ぬふりをした・・俺は・・最低だった・・」
キノピオ「か、彼らも本望だったはずです!自らその道を選んだんですから・・・だから・・・」
マリオ「・・・お前ちょっと黙れ・・・」
ジャンプ台にしたりサンシャインでイタズラに水につけたりしてごめんな
マリオ「そもそも何で俺なんだよ・・配管工だぞ・・加齢臭がするオッサンだぞ・・・」
マリオ「国の有事の際にどうにかするのがお前らだろ!税金納めてる俺が何で行かなきゃいけねーんだよ!!!!!」
マリオ「・・・知ってるぜ・・姫助け出して帰国した時にお前らが何をしてたのか・・」
キノピオ「・・・・」
マリオ「城に国中の女を集めてたよな・・クッパに貢いで自分達だけでも助けてもらおうとしてたよな・・・!!」
キノピオ「そ・・・それは・・・誤解ですよ・・・」
マリオ「俺は頭の中が真っ白になったよ・・」
マリオ「そっから先、お前らに頼まれて何か色々やった気がしたがうっすら覚えてるぞ・・」
マリオ「配管工に病原菌退治させたりクッキー焼かせたり散々舐めたマネしてくれたよな・・」
キノピオ「ち、違いますよ!国の英雄マリオさんに色々な依頼が来ていただけで僕らはそんな・・・」
マリオ「ところで道中俺が貯めたコインどうなった?」
キノピオ「え・・・」
キノピオ「そ、それはマリオさんの延命に必要な重要アイテムに変えさせて頂いたので・・」
マリオ「重要アイテム・・・?まさかこの緑とかありえない色のキノコを言ってるんじゃないよな・・?」
キノピオ「・・・・」
マリオ「俺ら兄弟が戦っていた間の手当、今の状況言ってみろよ・・・」
キノピオ「・・・えと・・・傷病手当金と・・・えと・・・」
マリオ「それだけだろうが・・・」
マリオ「「マリオさんまだまだ働けるでしょw」とか鼻で笑われたんだぞ!!!!!」
キノピオ「い・・いやー、マリオさん若々しいしまだまだ戦えると思・・」
マリオ「ふざけるな!!!!!!!!!!!!!」
ガシッ!
キノピオ「ヒィ!!!!!」
キノピオ「ガハッ!!」
マリオ「ほら!よく見ろよ!ルイージの体を!呼吸器を外したら3分と生きていられない体だ!!!」
キノピオ「そ、それはクッパの手下から受けた傷で我々は・・」
マリオ「殆どがお前らがよこしたアイテムの副作用だよ・・・・!!!!!」
ルイージ「に・・兄さん・・乱暴は駄目だよ・・・ごめん・・・・僕のせいで・・・僕は大丈夫だから・・・」
キノピオ「ほ、ほらご本人も大丈夫だと言って・・」
ガスッ!!!!
キノピオ「ゲハッ!!!」
マリオ「黙れよ・・・」
キノピオ「へ?」
マリオ「何も知らないと思うなよ、お前らが姫を隣国の王へ妻として送り出そうとしていたことを・・」
キノピオ「そ、そうですよ!隣国の王と姫は仲睦まじく愛し合っていたので我々で後押しを・・・」
マリオ「巨大な軍事勢力で制圧されるのを恐れての生贄だろ?この国は吸収され植民地化だ」
キノピオ「・・・・・それがなんですか、民の命を護るためにしかたないでしょう!」
マリオ「ほー、お前ら城の役職どもが隣国で重要ポストを得るのも民のためか?」
キノピオ「!?」
キノピオ「・・・チッ・・」
マリオ「軍を解体し兵器を全て放棄する事も入ってたよな・・」
マリオ「元々軍事力なんて全くないこの国で兵器扱いされているとしたら・・・」
キノピオ「・・・・」
マリオ「俺たちだ」
キノピオ「・・あの糞亀・・・・」
マリオ「あの女、クッパと相思相愛だったらしいな・・」
マリオ「簡単に誘拐されるはずだ、自分から望んでついていってるんだからな」
マリオ「俺が毎回救い出しても頬へのキス一つ、何かおかしいとは思ってたぜ・・・はは・・」
マリオ「で、お前らは隣国への生贄を連れ戻すと同時に兵器を消耗させて壊そうとしていたわけだ・・」
キノピオ「・・・・」
キノピオ「・・・・別にいいじゃないですか」
マリオ「あ?」
キノピオ「ただの配管工が!大冒険を味わい!国の英雄となる!それのどこが不満なんですか!!!」
キノピオ「我が国の民の為に死んでください」
マリオ「それが本音か・・・」
マリオ「いいぜ・・・死んでやるよ」
キノピオ「え?」
マリオ「ああ・・・ただし・・・・」
ドンッ
キノピオ「・・・なんですかその箱」
マリオ「俺は配管工だからな、この国の下水道は全て通ったことがあるんだよ・・・」
マリオ「そしてジャンプで壊せない物なんか無いぞ・・・!!!!!」
パカッ
ピカッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
キノピオ「な、何ですかその量のスターは!!!」
マリオ「マンマ・ミーア!!!!!!!!!!!!!!!!!」
キノピオ「うおおおおおおおおおお!!!!」
ドガアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!
キノピオ「く、あいつ土管の中に!!??何をしている!!!!」
マリオ「ヤッフー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドドガガガガガガガガガ!!!!!!!!!!!!!!
キノピオ「やめろ!城が!!!!街がああああああああああ!!!」
グラッ
キノピオ「!!!て、天井が・・・ヒ、ヒギャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」
グシャッ
マリオ「ルイージ・・・すまない・・・・」
ボガアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!
マリオ「ヨッシー・・・償いはするよ・・・・」
バガガガガ!!!!!!!!!!
マリオ「クッパ・・・・後は頼む・・・あんな女でも俺は・・・・」
…!!!・・・・・・・・!!!・・・!!
‥・・・・!!!・・・!!!!
・・・・・
・・・
クッパ「姫よ・・・・主の国が滅びたらしい・・・」
ピーチ「え・・そ、そんな・・・」
クッパ「主を捧げようと企んでおった連中は皆死んだとの事だ・・」
ピーチ「一体なんで・・・隣国が攻めてきたのですか・・・」
クッパ「わからん・・・だが、何があろうとお前だけは守る。絶対にだ・・」
ピーチ「クッパ・・・」
-END-
…
ヨッシー「昔、世界中で争いが起こっての・・・ワシらも一度滅亡しかけたんじゃ・・・」
ヨッシー「仲間達がの、最後の力で子を産み・・息絶えた・・・・」
ヨッシー「世界も殆ど滅びてしまったが、お前たちにこの島を残すことができたわい・・」
ヨッシー「今度聞かせてやろう、昔爺ちゃんが一緒に戦った人の事を・・・」
ダダダッ
子ヨッシー「じいちゃん!なんか空から見たこと無い生き物が落ちてきた!これなに?」
赤ん坊「オギャー!オギャー!マンマミーア!」
-HappyEND-
Entry ⇒ 2012.04.20 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ロック「レヴィって実は処女?」レヴィ「しょ、処女じゃねーよ!!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334479683/
ロック「……」ペラッ
レヴィ「ふわぁぁ……暇だなぁ。頭がバターみたいに溶けちまいそうだ」
ロック「いいことじゃないか」
レヴィ「よくねーよ。このままじゃあたしのカトラスが錆び付いて、弾が出なくなるだろ」
ロック「簡単な荷運びなら俺も大歓迎だね。戦場よろしく銃弾を掻い潜るのは避けたいしね」
レヴィ「けっ。そんなんだから、いつまでたってもそのホワイトカラーと童貞臭さがとれねーんだよ」
ロック「俺は童貞じゃないけどね」
レヴィ「ふーん」
ロック「……」ペラッ
レヴィ「え?」
レヴィ「お前、日本に嫁でもいんのか?」
ロック「いないよ?」
レヴィ「はぁ?」
ロック「何を言ってるんだ?」
レヴィ「お前こそ何言ってんだ?」
ロック「え?」
レヴィ「お前、したことあるんだよな?誰とだよ」
ロック「そんなの言う必要ないじゃないか」
レヴィ「おかしくねーか?だって、あれだろ、そういうことは結婚してからだろ」
ロック「……」
ロック「何を……?」
レヴィ「コンスタンチマンの絵みたいに、女を無理やり……」
ロック「学生時代に彼女がいたんだ。その子とだよ。無理やりじゃない」
レヴィ「で、その女はどうしたんだ?」
ロック「レヴィ。過去の詮索はしないんじゃなかったの?」
レヴィ「これは過去の詮索じゃねーよ、タコ。てめえに罪を告解させようとしてんだ」
ロック「いつからシスターになったんだ」
レヴィ「いいから。その女はどうしたんだ?」
ロック「一年ぐらいで別れたよ」
レヴィ「やったのにか?!」
ロック「……」
レヴィ「うわー、流石のあたしもひくぜー」
レヴィ「んだよ?ジゴロックさん?」
ロック「なぁ、レヴィってさ……したことあるのか?」
レヴィ「え?なにを?人殺しならずっとやってきたぜ……ずっとよ……」
ロック「違う違う」
レヴィ「じゃあ、なんだよ」
ロック「男と」
レヴィ「男と?」
ロック「寝たこと」
レヴィ「……」
ロック「……」
レヴィ「ある。すんげーある」
ロック「ふーん」
レヴィ「ほらあたしの唇はいつもふやけてるだろ?もう毎晩、やべーよ」
レヴィ「今日もいかつい男と朝までヘイルメリーだ」
ロック「レヴィって実は処女?」
レヴィ「しょ、処女じゃねーよ!!」
ロック「だって」
レヴィ「ばかやろう!!ふざけんな!!あたしが生まれ育った街じゃあ、女は体を売るか銃を振り回すことでした生きていけなかったんだぜ!!」
ロック「そう」
レヴィ「あんま調子こいてると殺すからな」
ロック「レヴィ、俺とできるかい?」
レヴィ「なにを?」
ロック「だから、セ◯クス」
レヴィ「……!!!」ガタッ
ロック「……」
レヴィ「あ、あたしはそんな軽い女じゃねえんだよ!!ふざけんな!!バーカ!!バーカ!!!」
レヴィ「こっちくんな!!」バッ!!
ロック「……」
レヴィ「てめぇ……この三角定規がカトラスだったら、今頃蜂の巣だからな」
ロック「ごめん、ごめん。もう言わないよ」
レヴィ「……」
ロック「ほら、コーヒーでもいれるから」
レヴィ「……おう」
ロック「でも、レヴィが男と遊んでるイメージなかったな」
レヴィ「遊びまくりだっつーの」
ロック「どんなことして?」
レヴィ「えーと……あれだ。エロいビデオ見まくってる」
ロック「……バラライカさんと?」
レヴィ「なんで知ってんだ?」
レヴィ「まてよ!!姉御のところには男がいっぱいいるだろ!!そーいうことだ!!」
ロック「乱交してるってこと?」
レヴィ「もうあたしのおっぱいに吸い付いてくる男が多いのなんのって」
ロック「へえ」
レヴィ「姉御はいつもケツを攻めてるしな。姉御はたまんないぜ」
ロック「バラライカさんが攻めるほうなんだ」
レヴィ「おう」
ロック「……はい。コーヒー」
レヴィ「さんきゅ」
ロック「なんでエッチなビデオみてるの?」
レヴィ「え?」
ロック「女同士で」
レヴィ「えーと……それは……あれだよ……なんというか……べんきょう?」
レヴィ「そう!!そうだ!!勉強だ!!」
ロック「意味がわからないけど。それってどういう勉強?」
レヴィ「かーっ!ほんとに鈍いな、ロック!んなもん、ヤるための勉強だろ!!」
ロック「すごいね」
レヴィ「まーな」
ロック「じゃあ、レヴィ先生。仕事も今日はないし、保健体育の授業でもしてほしいな」
レヴィ「ほけんたいいく?なんだそりゃ?」
ロック「俺は恥ずかしいことに経験したのは2回しかないんだ」
レヴィ「はっ!!こりゃ笑えるぜ!!てことはその股間に真っ赤なリンゴを隠してるのかよ?!」
ロック「そうそう」
レヴィ「あはははー!!」
ロック「だから、性に関すること俺に教えてよ」
レヴィ「……なんだと?」
レヴィ「ま、まあ別にいいけど」
ロック「よかった。じゃあ、質問なんだけど、子供はどうやって生まれるの?」
レヴィ「子ども?あたしはガキが嫌いだ」プイッ
ロック「そんなレヴィの好き嫌いはどうでもいいよ。子どもはどうやったら生まれるの?」
レヴィ「えっと……それは……あれだ……一晩、一緒に寝たらだろ?」
ロック「もっと具体的に」
レヴィ「具体的って……だからー、ヤればできるんだろ?」
ロック「え?」
レヴィ「え?」
ロック「じゃあ、レヴィって子持ちなのかい?」
レヴィ「……!?」
ロック「どうなの?」
レヴィ「えっと……」
レヴィ「誰が聖処女だこらぁ!!ぶっころすぞ!!この定規でてめえの背中を叩く!!」ブンブン
ロック「危ない!危ないってレヴィ!!」
レヴィ「ケロイドになるまでぶったたくからなぁ!!覚悟しろぉ!!」ペチペチ
ロック「いたっ!!これかなりいたい!!!」
ガチャ
ダッチ「よう、ご両人。バージンロードを歩くにしちゃあ、大声過ぎるな」
レヴィ「んだと!!ダッチ!!口には気をつけろ!!あんたの血でレッドカーペットにしてやろうかぁ?!」
ダッチ「おお、こわ」
ロック「おかえり、ダッチ。仕事はあったのかい?」
ダッチ「猿が喜びそうな仕事が一件だけ舞い込んだ」ドサッ
レヴィ「なんだよそれ」
ダッチ「非合法ビデオの検閲だ」
ロック「どういうこと?」
ダッチ「裏に出回ってるポルノビデオってことだよ、旦那」ニヤッ
ダッチ「文句を言ってたら明日のパンは食えねえんだよ、ロック」
ロック「そんなもんか」
ダッチ「じゃ、まかせた」
ロック「え?」
レヴィ「お、おい」
ダッチ「これから仕事を取りに行く。セールスマンも楽じゃあねえな」
ロック「いってらっしゃい」
レヴィ「おいダッチ!!これ、あたしとロックでやれってか!?」
ダッチ「やってもいいけど事務所を汚すんじゃないぞ?ちり紙にも経費はかかるんだからな」
レヴィ「なっ……!?」
ロック「……これ、結構あるな」
レヴィ「ぉぅ……」
ロック「レヴィ?どうかしたの?」
レヴィ「……べつに……」
レヴィ「なぁ!」
ロック「なに?」
レヴィ「こういうの見るとき、シャワー浴びたほうがよくないか?」
ロック「俺はいいよ」
レヴィ「あたしは浴びる」
ロック「ごゆっくり」
レヴィ「よ、よし……」
ロック「……」
ロック「さてと」ピッ
テレビ『―――アァン!!オー!!!シィィィ!!』
ロック「海外のは全く興奮できないんだよなぁ」
レヴィ「おいロック!!うるせえぞ!!音量さげろ!!!」
ロック「えぇ……?」
テレビ『……』ボソボソ
ロック「ま、確かに音声はあまりいらないかもしれないけど」
ロック「……」
ロック「レヴィー」
レヴィ「な、なんだよ!!?まだあらってんだよ!!」
ロック「いつまでやってるんだ?はやくこいよ」
レヴィ「ばっか!!おまえ!!もうちょっと待てよ!!せっかちは嫌われるんだぞ!!」
ロック「……」ピッ
テレビ『―――オォォォ!!!シィィィ!!!カモーン!!!』
レヴィ「ロック!!音量下げろ!!近所迷惑だろ!!」
ロック「銃を街中で撃っちゃうどこかのハッピートリガーに比べれば善良だよ」
レヴィ「あんま褒めんなよ!!ばぁーか」
ロック「……」
ロック「シャワーだけなのに長くないか?」
レヴィ「うっせえなぁ。こまかいことはいいんだよ」
ロック「はやく。今日中に終わらないぞ」
レヴィ「わ、わかってるって……」モジモジ
ロック「じゃ、いくぞ」
レヴィ「お、おぅ……」
ロック「……」
レヴィ「……」ジーッ
テレビ『オーーゥ!!アァァン!!オォォー!!シーィィ!!!』
ロック「これも普通のビデオだな。ローワンが買い取りそうなビデオじゃ……」
レヴィ「……な、なあ、ロック?これ、ケツにいれてんのか?」
ロック「うん」
レヴィ「へぇ……」ジーッ
レヴィ「おい!ロック!!日本人のやつだ!!」
ロック「そうだね」
レヴィ「なあ、足とか舐めてるけどこれ気持ちいいのか?」
ロック「さぁ、したことないから」
レヴィ「そっかぁ」ジーッ
ロック「レヴィ?」
レヴィ「なんだよ」
ロック「レヴィはやっぱり処女……」
レヴィ「処女じゃないっつってんだろ!!!」
ロック「……」
レヴィ「がるる……」
ロック「わかったよ。もう言わない」
レヴィ「ったく」
エダ「今日、暇だっていってたよねぇ。レヴィのやつ」
エダ「久々に一緒にのんでやるかぁー」
エダ「ロックもいるかねぇ……」
『アァ―――ン、アー』
エダ「……ん?」
エダ「なにさ……変な声が……」ソーッ
『アァン!!ァン!!もっと!!アァァ!!!』
エダ「……!?!」
エダ「え……ちょ……うそ……マジ……?」ドキドキ
エダ「……」ソーッ
『カモーン!!シィィィ!!!アァァン!!!』
エダ「レヴィのやつ……やることやってんのかよ……!!」
エダ「くそ……くそ……」
エダ「帰ろう……」
ロック「これで終わりだ」
レヴィ「……ロック!!!」
ロック「なに?」
レヴィ「便所いってくる」
ロック「んー」
レヴィ「……」コソコソ
ロック「はぁ……」
ロック「高く売れそうなのは、このキッズポルノぐらいだったかなぁ。俺には理解できないけど」
ロック「あとでローワンに電話しなきゃ」
ロック「あー、疲れたぁ」
ロック「……」
ロック「レヴィってやっぱり経験ないのかなぁ……」
ロック「あのレヴィが……?」
ロック「……」ニヤニヤ
エダ「はぁ……くそ……仕事ばっかりしてて、完全に行き遅れ……」
エダ「あのレヴィもしてんのに……なさけないねぇ……」トボトボ
ロベルタ「……」スタスタ
エダ「……」チラッ
ロベルタ「……」スタスタ
エダ「……」
エダ「……?!」バッ
エダ「な……!?」
ロベルタ「……なにか?」
エダ「あ、いや……なんでも……」
ロベルタ「もし?」
エダ「な、なにさ?」
ロベルタ「ラグーン商会の事務所はこの道でよろしかったでしょうか?」
ロック「レヴィ?トイレながいけど、大丈夫か?」
レヴィ「もうちょっっとなんだよ!!邪魔すんな!!」
ロック「じゃあ、買い物いくけど」
レヴィ「いってこい!!あとプリンもな!!」
ロック「はいはい」
―――ガチャ
レヴィ「―――はぁ、すっきりした」
レヴィ「ったく、ロックのやろう、あたしの体ばかり見て来やがって、いやらしいにも程があるだろ」
レヴィ「……」
コンコン
レヴィ「ん?ロックか?財布でも―――」ガチャ
ロベルタ「……」
レヴィ「……!?」バタン!!
ロベルタ「閉めないでくださいまし」
ロベルタ「いいえ。今日はある荷物を運んで欲しいと思いましてここまでやってまいりました」
レヴィ「ほ、ほんとうだろうな……?」
ロベルタ「だから、開けてくださいまし。でないと、無理やりにでも」
レヴィ「わかったよ……」ガチャッ
ロベルタ「どうも」
レヴィ「でも、残念だったな。今は社長が不在だ。勝手に仕事は受けられねえ」
ロベルタ「そうですか。では、待たせていただきます」
レヴィ「ちっ……」
ロベルタ「……」
レヴィ「……勝手にしろ」
ロベルタ「はい」
レヴィ「……」
ロベルタ「……」
レヴィ「……くっそ、おちつかねえ」
ロベルタ「そのように警戒しなくとも、襲ったりしませんわ」
レヴィ「……」
ロベルタ「……テレビでもみたらどうですか?」
レヴィ「うっせーな!そうしようと思ってたところだ!!てめえみたいなクソメイドと一緒だと肺に泥を詰められたみたいだぜ!!」
ピッ
テレビ『―――アァン!!アァン!!カモォォン!!』
ロベルタ「……!!!」
レヴィ「あ、ロックのやつビデオいれっぱじゃねーか」
ロベルタ「……なさい」プルプル
レヴィ「あ?」
ロベルタ「消しなさい!!!」
レヴィ「な、なんだよ?!」ビクッ
レヴィ「……あー?もしかして、お前……」
ロベルタ「な、なんですか……!!」
レヴィ「エッチなこと苦手かぁ……?」
ロベルタ「ふ、ふん。何を仰いますか。私はラブレス家のメイドとして清く健全な……!!」
レヴィ「おっぱい」
ロベルタ「……!!」ビクッ
レヴィ「キス」
ロベルタ「やめてぇ!!!」ドゴォ!!
レヴィ「ごっほ!?」
ロベルタ「……全ての不義に鉄槌を」
レヴィ「てめえ……いい度胸だ、こらぁ……」
ロベルタ「貴女に全ての非がありますわ」
ロベルタ「メス……!?」ギリッ
レヴィ「エッチなビデオも直視できないんじゃあ、夜の奉仕はどうしてるんでございますかぁ?」
ロベルタ「わ、若様はそのような淫らな行為はしません!!」
レヴィ「でも、お前は毎晩妄想に耽っては、便所で発散させたんだろ?」
ロベルタ「……っ!!!」カァァ
レヴィ「あはははは!!お前、絶対処女だろ!!」
ロベルタ「処女じゃない!!」
レヴィ「お前、キスしたこあるのかぁ?」
ロベルタ「あ、あります!!」
レヴィ「え……」
ロベルタ「キ、キスどころか胸をもまれたことだって……ありますわ」キリッ
レヴィ「強姦はノーカンだぜ?」
ロベルタ「合意の上です!!」
レヴィ「なんだとぉ!?ふざけんな!!!」
ガルシア『すぅ……すぅ……』
ロベルタ『若様……失礼いたします……』モゾモゾ
ガルシア『うぅん……ラザロ……』
ロベルタ『わ、わかさま……だめ……』
ガルシア『おいでぇ……ラザロぉ……』チュッ
ロベルタ『!?!!?』
ガルシア『ん……ラザロ……かわいい……よしよし』モミモミ
ロベルタ『若様……』
レヴィ「……」
ロベルタ「もう結婚したも同然ですが、若様は何も仰ってくれません。それだけが不安です」
レヴィ「それ、強姦じゃねーか」
ロベルカ「な……!?若様は女性を襲ったりしません!!訂正を!!!」
レヴィ「誰がどうみてもレイプだろ!!一人で女になったとかおもうんじゃねーよ、クソメイドがぁ!!」
レヴィ「黙れ!!男はウルフなんだよ!!」ポカポカ
ガチャ
ロック「うわぁ!!なにしてるんだ!?」
レヴィ「あ、ロック!!聞いてくれよ。こいつが自分は処女じゃないって言い張るんだ。どうにかしてくれ」
ロック「はい、プリン」
レヴィ「やっほー♪」
ロベルタ「処女ではありません。もう貫通していますわ」
ロック「で、何のようかな?」
ロベルタ「仕事のご依頼を」
ロック「そっか。でも、今はダッチがいないから……」
ロベルタ「それは聞きました。ですので待たせていただいてます。しかし、私を処女だと決め付けるこの処女をどうにかしてくださいまし」
レヴィ「処女じゃねっていってんだろ!!いい加減にしろ!!あたしは抱かれすぎて一週回って処女に戻っただけだ!!」
ロベルタ「ほう……?つまり処女だと?」
レヴィ「セカンドヴァージンだ!!てめえといっしょにすんな!!」
レヴィ「がるる……」
ロベルタ「ウゥゥゥ……」
ロック「えっと、何か飲む?」
レヴィ「ココア!!」
ロベルタ「オレンジペコ」
ロック「分かった。ちょっと待ってて」
レヴィ「ちっ……いい加減認めれば楽になんのにな」
ロベルタ「こちらのセリフです」
レヴィ「あぁ?!」
ロベルタ「この定規でペチペチといきますわよ」
レヴィ「この三角定規がビーム銃ならお前はとっくに灰になってるからな」
ロック「……二人とも。ちょっといいかな?」
レヴィ「んだよ?」
ロック「処女の定義を教えてくれない?」
ロック「どうもさ。二人はなんか勘違いしている気がするというか、していると断言できる」
レヴィ「はぁ?」
ロック「とにかく聞かせてほしい。二人にとって処女の定義を」
レヴィ「そんなもんヤったら処女じゃなくなるんだろ」
ロベルタ「ええ」
ロック「うん。じゃ、その処女を失う場合の例をいくつか教えてくれないか?」
レヴィ「え……それは……そのだな……うーん……」
ロベルタ「手を繋いだら?」
レヴィ「それだ!!」
ロック「ちょっとまって!!」
レヴィ「うるせえなぁ」
ロック「つまり、二人にとってヤるって手を繋ぐことなのか?」
レヴィ「ばっかにすんな!!ちゃんと夜のベッドの中で繋ぐんだ!!」
ロック「……」
レヴィ「す、するけど!!でも、まずは手を繋ぐとこからじゃねーのか?!」
ロック「ああ、なるほど。手を繋ぐって開始の合図ってこと」
レヴィ「そうそう」
ロベルタ「手を繋ぐのは重要ですわ」
ロック「キスは?」
ロベルタ「……!!」ビクッ
レヴィ「キスはあれだろ、手を繋いだあとでするんだろ」
ロック「胸とかを触られるのは?」
レヴィ「そのあとだ」
ロック「……裸になるのは?」
レヴィ「電気を消してからだな」
ロック「……」
ロベルタ「セクハラですわよ」
ロック「ごめん……そうだな……。もうやめるよ」
レヴィ「つーか、お前。何をどこまで運ばせようとしてんだ?」
ロベルタ「この資料をホテル・モスクワのバラライカまで」
レヴィ「自分でいけよ。犬だから自分のケツも満足に拭けないのか?」
ロベルタ「バラライカからラグーン商会を介すようにとのことでしたので」
レヴィ「資料だけか?」
ロベルタ「はい」
ロック「―――レヴィ。バラライカさんから仕事の依頼があるよ」
レヴィ「ダッチが言い忘れてたのか?ついに痴呆が始まったか」
ロック「バラライカさんが言い忘れてたみたいだ」
レヴィ「ふーん。んじゃ、さくっと終わらせるか」
ロック「ああ」
ロベルタ「では、お留守番をしています」
レヴィ「こいつ以上の番犬は思いつかねえなぁ」
レヴィ「あねごー」
バラライカ「悪いわね。わざわざこんなことで足を運ばせてしまって」
レヴィ「じゃ、これでおしまいな」
バラライカ「まちなさい」
ロック「まだ何か?」
バラライカ「あのフローレンシアの猟犬はどうしている?」
ロック「事務所にいますけど」
バラライカ「そうか……」
レヴィ「なにかあるのかよ?」
バラライカ「実は少し気になる情報を耳にしてね」
ロック「なんでしょうか?」
バラライカ「ロック?最近、この街にポルノビデオが大量に流れてきているのは知っている?」
ロック「え……?は、はい」
バラライカ「奴はここに来る前に貨物を爆破してる。中身は大量のポルノビデオだった」
バラライカ「それにしては硝煙の臭いが強烈すぎるわね」
ロック「そうなんですか」
バラライカ「またこの街で暴れるつもりならちょっと放っておけないでしょ?」
ロック「まぁ、そうですね」
レヴィ「どうするんだ?あいつを拘束するなんて無理だぜ、姉御」
バラライカ「仕方ないわね……」
ロック「ここまで連れてきましょうか?」
バラライカ「だめよ。ここを壊されたら嫌だもん」
レヴィ「あぁ、そうかい」
バラライカ「私が直接出向くわ。ダッチはいるかしら?」
レヴィ「生憎と営業回りだ」
バラライカ「そう。なら、ロック?」
ロック「はい?」
バラライカ「ハーブティーを用意しておいて。血の匂いが消えるぐらいに強烈なハーブで」
ロベルタ「暇ですわね……」
ロベルタ「お掃除でも……」
ロベルタ「……」ゴシゴシ
ガシャーン
ロベルタ「……壷が」
バリーン
ロベルタ「花瓶が……」
ベキィ
ロベルタ「キーボードが……」
ロベルタ「あぁ……」オロオロ
ロベルタ「……」
ガチャ
ロベルタ「?!」ビクッ
レヴィ「大人しくしてた―――かっ!?」
レヴィ「なんだよ!!なにしてんだ!?」
ロベルタ「こ、これは……」
ロック「あーあ……」
バラライカ「ロック、喉が渇いたわ」
ロック「分かりました」
レヴィ「説明しやがれ!!なんで荒らした?!あぁ!?」
ロベルタ「誤解ですわ」
レヴィ「誤解もなにもめちゃくちゃじゃねーか!!お前はグレムリンかよ!!!」
ロベルタ「がんばった結果です!!褒めてくださいまし!!」
レヴィ「うっせぇ!!どこを賞賛したらいいんだよ、くそったれ処女がぁ!!」
ロベルタ「処女じゃありませんっ!!!」
バラライカ「これはなにかしら?ねー、ロックー?これなーにー?」
ロック「それはダッチが持ってきたポルノビデオですよ」
バラライカ「あら。いいわねえ。犬と猿の喧嘩が終わるまで見ましょうか」
ロック「あ、バラライカさん!!」
ピッ
テレビ『あっ!あっ!んっ!!おっ!!んぁ!!』
レヴィ「!?」
ロベルタ「!?」
バラライカ「んー、いいわねえ」
レヴィ「姉御、いきなりはやめてくれよ!!」
ロベルタ「消してくださいまし!!」
バラライカ「おやおや?この程度の情事で動揺するとは、猟犬もまだ花散らす前の乙女ということかしらね?」
ロベルタ「処女ではありません」キリッ
レヴィ「姉御ー、やっぱりこいつ処女だよなぁ?」
バラライカ「そうねえ。処女よねえ。この反応は」
レヴィ「やーい、やーい、処女がー」
ロベルタ「……っ」プルプル
バラライカ「そう?」
ロベルタ「処女っていう人が処女ですわ!!」
レヴィ「はっ。いつにガキみてえな反論しかできなくなったか」
ロベルタ「くっ……!!」
バラライカ「しかし、処女はいいものだぞ?大事にしたほうがいい」
ロベルタ「え?」
バラライカ「処女は男を燃え上がらせる要素の一つだ。後生大事にしておけ」
ロック「……?」
レヴィ「やっぱそうなのか?」
バラライカ「処女なんていつでも捨てられるでしょ?本当に愛すべき男が現れるまでとっておいても問題はない」
レヴィ「さっすが、姉御!!わかってるぜ!!」
ロベルタ「ふ、ふん……。処女ではありませんが、その言葉には感銘も覚えます」
バラライカ「そうでしょう?ふふ……」
ロック「……」
ロベルタ「ええ、当然ですわね」
バラライカ「あははは」
ロック「バラライカさん?」
バラライカ「え?なに?」
ロック「あの……大変、失礼かもしれないんですけど」
バラライカ「うん?」
ロック「バラライカさんって実は処女ですか?」
バラライカ「しょ、処女じゃない!!!不敬だぞ!!ロック!!ロォォック!!」
ロック「あ、すいません」
レヴィ「おいおい、ロック。姉御の武勇伝をしらないのか?」
ロック「武勇伝?」
レヴィ「そうだ。姉御は、ロアナプラ中の男と寝たんだぜ?」
ロック「……へぇ。そうなんですか?」
バラライカ「そうよ?寝たわよ」
ロック「……」ジーッ
バラライカ「……」プイッ
レヴィ「当然、ロックも見てんだろ!?」
ロック「え?!」
バラライカ「……!?」ビクッ
レヴィ「この街にきた男はまず、姉御の裸をみるらしいからなぁ。な!姉御!?」
バラライカ「う、うん……そうね……」
レヴィ「でも、姉御はすげーよなぁ。わざわざ男に強姦されるなんて……」
バラライカ「この街を治めるためだからね」
レヴィ「で、ロック?この際だから聞くけどよ、姉御はどうだったんだ?」
ロック「それは……」
バラライカ「……」ウルウル
ロック「……すごく、がっちりしてた」
レヴィ「そっか!!」
バラライカ「ふ、ふん……!!処女の猟犬に何を言われても、遠吠えにしか聞こえぬなぁ!!な!ロック?!」
ロック「あー、そうですね」
ロベルタ「きぃぃ……!!」
バラライカ「さて、私がヤリマンであることが判明したところで、本題に入ろうか、ロザリタ・チスネロ―――」
ロベルタ「その名で呼ぶなぁ……!!」
バラライカ「怖いわねぇ。そんなのだから男に抱いてもらえないのよ」
ロベルタ「処女ない!!いい加減にしてくださいまし!!」ウルウル
レヴィ「処女だよ。処女膜だってまだあるんだろ?」
ロベルタ「きちんと破れてますわ!!」
ロック「処女膜ってさぁ……そういうことじゃ……」
バラライカ「レヴィ。いいのよ。女は処女を恥じるものだ。言わせて置けばいい。自らのハードルを上げ、首を絞めているだけ」
ロベルタ「どういうことですか?」
バラライカ「当然だ。経験していると公言していれば、男がベッドでお前に求めるものは自然と大きくなるだろうに」
ロベルタ「な……!?」
ロベルタ「で、できます……!!」
バラライカ「明るい場所で全てを曝け出せるのか?ん?」
ロベルタ「できますわ……きっと……」
バラライカ「あはははは!!!!文言だけで赤面しているお前がか!!?あはははは!!!」
ロベルタ「うぅ……」プルプル
レヴィ「元気出せよ」
ロベルタ「え……?」
レヴィ「処女がぁ」
ロベルタ「うっ……」ウルウル
バラライカ「そういうレヴィも、男性に抱かれた経験はないだろう?」
レヴィ「姉御、何回もいうけどあたしはあるからな。処女なんて12歳でバーストしてるから」
バラライカ「あら?そうだったの?いつもエッチなビデオをみてるとき、しきりに「これ、なにしてんの姉御?」って聞いてくるから、まだかと思っちゃった」
レヴィ「あねごぉ!!それいうなよぉ!!!ひっでぇ!!」
ロック「……」
ロック「え!?」
レヴィ「えっ……」
ロック「あ……あの」
レヴィ「エッチな目で胸をみるんじゃねえ!!ぶちころすぞ!!!」
ロック「ごめん」
バラライカ「あはははは!!!レヴィもまだまだだな。私のように砂漠を横断する気概なくてはだめかもな」
レヴィ「姉御と一緒にすんなよ」
ロック「……バラライカさん」
バラライカ「なぁに?」
ロック「俺ともう一回、寝てくれませんか?向こうにベッドもありますし」
バラライカ「愚か者!!一人一回だ!!」
ロック「……」
バラライカ「全く。男はスケベで困る……!!」
バラライカ「こほん。話がそれたな。おい、猟犬」
ロベルタ「処女じゃ……ないですのに……」メソメソ
バラライカ「泣くな」
ロベルタ「……っ」キッ
バラライカ「それでいい。―――何故、積荷を爆破した?」
ロベルタ「あのような卑猥なもの、この世に必要ありません。ポルノビデオなんて滅してしまえばいいのです」
バラライカ「それは違うな」
ロベルタ「え?」
バラライカ「あの手のビデオは必要悪なのだよ。まあ、処女の貴様には分からないだろうがね」
ロベルタ「必要悪……?」
バラライカ「この世にお前や私のような存在は本来なら必要ない。だが、世界を上手く回すためには糞を食らう人種もいる」
バラライカ「でないと、世界は肥溜めになってしまうからな」
レヴィ「姉御、よくわかんねえ」
バラライカ「ポルノビデオは女に愛してもらえない男がすがる最後の希望ということだ」
バラライカ「だが、捌け口がないと望まぬ性交を受ける女がいるのも確かだ」
ロベルタ「そのような輩は殺してしまえばいい」
バラライカ「世界の女は貴様のように狂犬ばかりではない。いい加減、認めろ」
ロベルタ「しかし……現にそこの男も私が来てからずっとセクハラを働いていますわ!!」
ロック「おれ!?」
ロベルタ「そのようなモノがあるなら、世界の男は若様のように清廉潔白でなければならない!!」
レヴィ「まぁまぁ、まてよ」
ロベルタ「なんですか!?」
レヴィ「男は下半身でモノを考えるんだぜ?いい女が目の前にいたら、襲いたくもなるだろう」
バラライカ「そう。これは人間の性だ。お前が暴れたところでなにも変わらない。受け入れろ」
ロベルタ「不潔な……!!」
レヴィ「処女が一度は陥るよな、そういう考えに」
バラライカ「全くだ」
ロベルタ「くそ……くそ……」ウルウル
バラライカ「どうしたの?」
ロック「もう見ていられない」
バラライカ「はぁ?」
レヴィ「どうしたんだよ?」
ロック「ロベルタ、安心していい」
ロベルタ「え……?」
ロック「レヴィもバラライカさんも処女だ」
レヴィ「ちがうっつてんだろ!!!」
バラライカ「処女じゃない!!ヴァージンは既にロストしている!!!」
ロック「レヴィ?じゃあ、訊ねるよ?」
レヴィ「な、なんだよ……?」
ロック「どうしたら妊娠すると思う?」
レヴィ「なんだよ、それ。同じ質問したじゃねーか」
ロック「あの時はうやむやになったからね。今度は本当に答えてもらう」
ロック「具体的には?」
レヴィ「えっと……だからぁ……」
ロック「バラライカさん。どうやったら妊娠すると思いますか?」
バラライカ「馬鹿にしているのか?」
ロック「答えてください」
バラライカ「……受精したらだ」
ロック「一般的にはそうでしょうね」
バラライカ「なに……?」
レヴィ「ちがうのかよ!?」
ロベルタ「……」ゴクッ
ロック「実は最近の調査結果では、10秒以上手を繋いだら妊娠する可能性があるらしい。性交したら100%妊娠します」
レヴィ・バラライカ・ロベルタ「「……!!!」」ガタッ
ロック「ベッドではまず手を繋ぐはずのレヴィに子どもがいない時点で嘘だ」
ロック「バラライカさんにも子どもがいるという話も聞いたことがないので嘘ということになります」
レヴィ「そ、そんなこと信じられるかよ!!」
バラライカ「そそ、そうだぞ!!ロック!!冗談も大概にしたほうがいい!!ホテル・モスクワの軍事力をあまくみるなぁ!!」
ロベルタ「……若様とはいつも……腕相撲を……あぁ!!!そんなぁ!!!この呪われた体に!!若様の息吹がぁ!!!」
レヴィ「おい!!ロック!!そんな嘘を信じるレヴィ様じゃねえぞ!!!こらぁ!!!」
ロック「じゃあ、レヴィ?」
レヴィ「な、なんだよぉ……?」
ロック「手を出してみろ。お前を孕ませてやるから」
レヴィ「おぉ……!?」
ロック「どうした?銃弾が飛び交う場所では軽快に踊るくせに、社交場では手を取ることもできないのか?海賊が聞いて呆れるな」
レヴィ「ふざけんな!!ふざけんなぁ!!」
ロック「おら、こいよ。レヴィ?嘘だと言い張るなら、自分の体で証明してみろよ?」
レヴィ「ぐっ……!!」
バラライカ「ど、どうするのよ、レヴィ?」
レヴィ「ど、どうするって……あんなのロックのハッタリだ!!手を繋いで妊娠とかわけわかんねえしよぉ!!」
ロック「ほら、レヴィ?手を」
レヴィ「……大丈夫……証明してやる……あたしは毎晩黒人のでっけえ手を握ってんだぞ、こらぁ」
バラライカ「レヴィ……がんばって……」
レヴィ「……」ジリジリ
ロック「……」
レヴィ「……」
ロック「まだか?」
レヴィ「ちょっと待てよ……深呼吸は大事だろ……」スーハー
ロック「早く」
レヴィ「いくぜ!!」
ロック「……」
レヴィ「……つまむだけじゃだめか?」
ロック「握って」
レヴィ「くそがぁ!!いくぞ!!!」
レヴィ「いくぞ!!にぎるからな!!ロック!!逃げんなよ!!おぅ!!」
ロック「もういい。―――はい」ギュッ
レヴィ「ばぁああああ?!?!?!?!?!」
ロック「いーち、にー、さーん……」
レヴィ「やめろ!!はなせ!!!やめろぉ!!!」ジタバタ
ロック「よーん、ごー、ろーく……」
レヴィ「ロック!!いい加減にしろ!!殺す!!マジで殺すぞ!!離しやがれ!!!」ジタバタ
バラライカ「あぁ……レヴィ……」ガタガタ
ロック「なーな、はーち……」
レヴィ「やめろって!!こわい!!こわい!!!」
ロック「きゅーう……」
レヴィ「ロック!!!まだそんなの考えられないんだよぉ!!!やめてくれぇ!!!」
ロック「じゅう。―――はい、終わり」
レヴィ「あぁ……そ、そんな……妊娠しちゃったのかよぉ……」
ロック「レヴィ?どうだ?」
レヴィ「さいってぇな気分だよ!!くそがぁ!!!」ウルウル
ロック「あ、いや、冗談、冗談だぞ?」
レヴィ「ふざけんなぁ!!!冗談で妊娠させたっていうのかよぉ!!!」
ロック「え?」
レヴィ「やめろよぉ……なんでこんなことするんだ……てめぇ……ぜってえゆるさねえ……!!」
ロック「お、おい……!!」
バラライカ「ロック、男としての責任をとれ」
ロック「え?!」
ロベルタ「そうですわ。狂犬だろうと化け物だろうと、私たちは女ですわ」
レヴィ「おい、ロック……」
ロック「な、なに?」
レヴィ「せ、せき、にん……とれよ……くそが……」
ロック「……」
ロック「あの、レヴィ?」
バラライカ「しかし、これはまずいわね。これからは同志たちとは距離をとったほうがいいかもしれないわねぇ」
ロック「あのー」
ロベルタ「私ももう銃は捨て、若様と私、そしてこのお腹の子と三人で静かに暮らそうと思います」スリスリ
ロック「ちょっと!!」
バラライカ「それではな、ロック。式の日取りが決まったら教えてくれ。できちゃった婚というのは公表しないほうがいい」
レヴィ「いっぱい包んでくれよ、あねごー♪」
バラライカ「任せなさい」グッ
ロベルタ「失礼します」
ロック「あぁ……!!」
レヴィ「なぁ、ロック?」モジモジ
ロック「な、なんだよ?」
レヴィ「あたし、こういう気持ち初めてで……よくわからねえけどよぉ……わるく、ねえな……なんて……」
ロック「……」
ボリス「大尉殿」
バラライカ「どうした、同志軍曹?」
ボリス「例の件の資料がまとまりましたので、お届けに」スタスタ
バラライカ「とまれ」
ボリス「え?」
バラライカ「資料は床に置け。あとで読む」
ボリス「いえ、直接手でわたしま―――」
バラライカ「おい!!!」
ボリス「は、はっ!!」
バラライカ「……わ、私を孕ませたいのか……?」
ボリス「……」
バラライカ「違うなら、その資料を床に置け」
ボリス「分かりました。床に置いておきます」
バラライカ「……置くのか……そうか……」
ダッチ「よっ、お二人さん。事務所内でのハネムーンは楽しんだ―――か?」
ベニー「ごめんよー、留守番をたのんで―――」
レヴィ「なぁ、ロック?やっぱよ、ハワイがいいと思うんだ」
ロック「何の話?」
レヴィ「し、し、んこ、りょ、こうに……決まってるだろ!!」
ロック「えぇ……?」
レヴィ「最高級のスイートルーム取ろうぜ?な?な?」
ロック「……」
ダッチ「ベニボーイ。今日はイエローフラッグで痛飲だ」
ベニー「そうだね」
ダッチ「今日の事務所は貸切だ」
ベニー「ああ、それがいい」
ダッチ「いくぞ」
ベニー「ダッチのおごりかい?」
ロック「レヴィ?えっとな、妊娠はしてな―――」
レヴィ「こんなに汚れちまったあたしでも、幸せになれんだな」ニコッ
ロック「……」
レヴィ「ガキが産まれるまで一年ぐらいだろ?色々、買い揃えないとだめだなぁー」
ロック「レヴィ……だからな……手を握っただけじゃ……」
レヴィ「ロック!」
ロック「え……?」
レヴィ「あたしを捨てたら、殺すからな?」
ロック「ちょ……」
レヴィ「バンっ」
ロック「……はぁ」
レヴィ「よーし!!今日からタバコも酒もやめるぜ!!プリンはやめねえけどな!!!」
ロック「……」
ロック「あぁ……どうしよう……」
パチパチ……
エダ「まさか……結婚まで……いや、そうか……やっちまってたんもなぁ、あの二人」
ヨランダ「いいねえ……こんなこと、してみたかったよ」ホロリ
レヴィ「ヘイ!エダ!!お先に失礼するぜ!!」
エダ「うっせえ!!さっさと幸せになっちまいな!!!」
ロック「……」
ダッチ「レヴィがまさかの寿退社とはなぁ。この穴はでかいぜ、まったく」
ベニー「また遊びにきてねー、レヴィー」
レヴィ「いつでもいってやるよー!!パートでな!!」
ロック「レヴィ……?」
レヴィ「幸せにしろよ!!いっぱい、手は繋いでやるからな!!」
ロック「……ああ」
レヴィ「これであたしも処女卒業だぜー♪」
おしまい。
初夜が酷いことになりそうだなww
ブラクラSSはあんまり無いけど素晴らしいのが多い
ニヤニヤが止まらなかった。
Entry ⇒ 2012.04.19 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (1)
よつば「とーちゃん、一緒に風呂はいろう!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334284637/
とーちゃん「・・・・・・お前もう中学生だろ」
よつば「だから?」
とーちゃん「普通、家族風呂は小学生三年生ぐらいで卒業だろ? やめとけ」
よつば「? なんで、別によつば気にしないよ? 入っちゃいけないの?」
とーちゃん「恵那ちゃんとか風呂お父さんと入ってたって聞くか?」
よつば「知らない」
とーちゃん「・・・・・・なら聞いとけ」
よつば「とにかく入ろう! とーちゃん!」
よつば「なんでだよー。 ほらほら、とーちゃんは風呂入りたくなってくる、入りたくなってくるー」
とーちゃん「・・・・・・なら俺が先に入る。 よつばは後から入れ」
よつば「お、よつばの催眠効いたのか! わかった、用意してくる!」ダッ
とーちゃん「・・・・・・」
よつば「ん!? 開かない! とーちゃん閉じ込められてるのか!?」ガチャガチャ ドンドン
とーちゃん「ふっふっふ。 鍵を掛けたのだ! これでよつばは入れまい・・・・・・!」
よつば「くそー、その手があったか! なんの、負けるか!」ドゴッ ガンガン ガキンガキン
とーちゃん「お、おいおいおいおい!! やめろ! 壊れる壊れる!」
よつば「ふん! 壊されたくなかったらここを開けろ!!」ドンドン
とーちゃん「ちょ、わかったわかったから・・・・・・・」カキン
よつば「ふふふー。 よつば登場ーっ!」ガチャ
とーちゃん「ぶっ、お、お前、タオルぐらい巻けよ!」
よつば「はー? なんでー?」シャアアアアア
とーちゃん「・・・・・・いや、そりゃお前」
よつば「よつばは気にしないぞ! ほら、とーちゃん背中洗ってくれー」
とーちゃん「・・・・・・変なやつだなぁ、お前は」
よつば「ほらほらはやくー。 うわっ、とーちゃんでっけー」
とーちゃん「見るな見るな、めー瞑ってろ。 ・・・・・・はぁ」ゴシゴシ
よつば「あっ、そうそこいい。 とーちゃんのは相変わらずきもちーな」
とーちゃん「・・・・・・」ゴシゴシ
よつば「い、痛い痛い! な、なんだ急に力強いぞ、どーしたとーちゃん」
よつば「んっんっ・・・・・・ふー。 風呂上りの牛乳はさいこーだな」
とーちゃん「そうか」
よつば「さて・・・・・・寝よう!!」ダダダダ
とーちゃん「はぁ・・・・・・」スタスタ
とーちゃん「・・・・・・しんどー、はよ寝よ」ボスン
とーちゃん「・・・・・・ぐー」バタバタ
よつば「とーーちゃーーーん!!」バタァン
とーちゃん「んー・・・・・・なんだ・・・・・・」
よつば「一緒に寝よう!!」
とーちゃん「・・・・・・」
よつば「反論、無し! じゃ、寝る」ボスン
とーちゃん「おい・・・・・・あんまりくっつくな・・・・・・」
よつば「なんでだよー、まだちょっと寒いしいいじゃんか」ギュ
とーちゃん「それでもくっつき過ぎだ、な? 下で寝ろって」
よつば「やだー、とーちゃんと寝るんだ! おやすみ!!」ギュウウウ
とーちゃん「いたたたた、痛い痛い、締め付けるな」
よつば「寝るか? 一緒に寝るか?」
とーちゃん「わかった、わかったから。 寝るよ、一緒に寝るから」
よつば「ふー。 みっしょんこんぷりーと、だ!」
とーちゃん「・・・・・・おやすみ。 とーちゃんもう眠いから寝る・・・・・・」
よつば「うん・・・・・・」
とーちゃん「・・・・・・」
よつば「ぁー・・・・・・熱い、な」
とーちゃん「・・・・・・そうか」
よつば「うん、でも一人で寝るのはやだ・・・・・・」
とーちゃん「・・・・・・そうか。 ・・・・・・はぁ、じゃほんとにおやすみ」
よつば「・・・・・おやすみー・・・・・・」グリグリ
ピピピ
とーちゃん「ん、朝か・・・・・・ん、なんでよつばが・・・・・・あぁ、そうだったな」
よつば「・・・・・・」
とーちゃん「普通これぐらいの歳になったら、親離れの時期なんじゃないのか?」
とーちゃん「全く・・・・・・あ、飯作らなきゃ・・・・・・よっ、こいせ、と」
よつば「ぅ・・・・・」
とーちゃん「? 起きたか?」
よつば「・・・・・・」
とーちゃん「寝てるな、っと飯、飯」
よつば「はよー、とーちゃん・・・・・・」ペタペタ
とーちゃん「ん、飯の前に顔洗ってこい」
よつば「んー・・・・・・」グリグリ ゴシゴシ
とーちゃん「お、おいおい、今火使ってるから俺の背中に顔擦り付けるな」
よつば「顔洗ってる・・・・・・・」
とーちゃん「怒るぞ?」
よつば「ちぇ・・・・・・・」
よつば「美味い! やっぱりとーちゃんの朝飯はさいこーだ!」
とーちゃん「そうか、唯のベーコンと卵なんだけどな」
よつば「いや! この味はとーちゃんにしか出せない!」
とーちゃん「そ、そこまでか・・・・・・まぁ、お前の飯の方が美味いんだけどな」
よつば「え、あ、そ、そんな事ほどでも・・・・・・」
とーちゃん「よつばが朝起きれるようになったら俺が朝飯作らなくてもいいんだがなぁ・・・・・・」
よつば「怠惰だ! とーちゃんそれは怠惰の道へと通ずるぞ!」
とーちゃん「難しい言葉知ってんなぁー」
よつば「中学生だからな!」
よつば「じゃぁいってきまーす!!」
とーちゃん「うん、気つけてなー」
とーちゃん「・・・・・・」バタン
とーちゃん「さて、布団片付けて仕事すっかぁ・・・・・・」
とーちゃん「よいしょ・・・・・・ん?」
とーちゃん「随分湿ってるな・・・・・・汗か?」
とーちゃん「・・・・・・まぁ、密着してたし汗はかくか・・・・・・」
とーちゃん「・・・・・・よいしょ」
とーちゃん「・・・・・・ん、電話か」プルル カチャ
とーちゃん「はい、小岩井です」
とーちゃん「え・・・・・・? そ、それは本当ですか?」
とーちゃん「は、はい! 有難う御座います! で、では日程の方は・・・・・・」
とーちゃん「え・・・・・・いや、しかし・・・・・・」
とーちゃん「・・・・・・・いえ、分かりました」
とーちゃん「では、日程は・・・・・・はい・・・・・・・」
とーちゃん「はい・・・・・・・はい。 分かりました、宜しくお願いします、はい、では・・・・・・」ガチャ
とーちゃん「・・・・・・」
よつば「たっだいまーっ!!」バァン
とーちゃん「はい、おかえり」
よつば「今日も無駄なく帰った! 寄り道一つせずに!」
とーちゃん「なんでまた・・・・・・お前は部活動でもしたらいいのに」
よつば「んー、別に・・・・・・いい。 それに家事やらなきゃいけないからな!」
とーちゃん「それは助かるが・・・・・・」
よつば「んじゃ、洗濯やってくる!」バッ
とーちゃん「・・・・・・甘えてんなぁ、俺」
よつば「・・・・・・昨日のとーちゃんの、パジャマ・・・・・・」
よつば「・・・・・・」スンスン
よつば「はっ、み、見てない、よね・・・・・・?」バッ
よつば「・・・・・・ほっ・・・・・・! あ、はやく入れないと」パサ
よつば「たたむぞー、超たたむぞー、って・・・・・・」
よつば「・・・・・・ぱ、ぱんつまんのマスクが・・・・・・」
とーちゃん「お、よつば」
よつば「ぎゃっ!?」バサ
とーちゃん「うお、なんだよそんなに驚いて」
よつば「な、なんでもないよ? うん」
とーちゃん「そ、そうか。あ、とーちゃん、ちょっと仕事忙しいから夕飯作ったら一人で食べててくれ」
よつば「・・・・・・いいよ、待つ!」
とーちゃん「え、でも一段落終ってからじゃかなり遅くなるぞ?」
よつば「いい!」
とーちゃん「・・・・・・まぁ、我慢できなくなったら遠慮なく食べなさい」
よつば「ん! わかった」
よつば「おらおらおら! この料理、とーちゃんの為なら! とーちゃんの為ならぁあ!」ガタン
よつば「!? ・・・・・・え・・・・・・とーちゃん?」
よつば「・・・・・・誰も、いない・・・・・・あ」
よつば「なんだ、缶詰落ちただけか! はぁーよかったー・・・・・・」シュウウ
よつば「お!? あ!! 火が、ああ! うわぁ! ・・・・・・・ふぅー・・・・・・危なかったー」
よつば「はしゃぐ、むくな、こどもたち~あわてふためくおと~なをよこめに、ふんふん・・・・・・・」カチャカチャ
よつば「出来た・・・・・・新妻料理としてその名を轟かす・・・・・・その名も・・・・・・にくじゃが!!」
よつば「はぁー、恐ろしい、これほどの料理が出来上がるとは・・・・・・ふぅー」
よつば「・・・・・・とーちゃん、まだかな」
とーちゃん「ん、空腹も限界・・・・・よつばがなんか残しておいてくれりゃ良いんだが・・・・・・」
よつば「やっと来たか・・・・・・」ガタッ
とーちゃん「うお、よつば・・・・・・」
よつば「待ちくたびれたぞ、このやろう・・・・・・今温め直すから待ってるんだこのやろう」
とーちゃん「お前、こんな時間まで待ってたのか?」
よつば「そうだが?」
とーちゃん「う、怒ってるのか?」
よつば「ぜんぜん、怒ってないなー、全然だなー」
とーちゃん「悪かったよ、でもとーちゃん言っただろ? 先食べとけって」
よつば「だからよつば怒ってないもん、待っててよ」
とーちゃん「うおぉ、にくじゃがじゃねえか・・・・・・おお、出来立てのようだ!」
よつば「ふふん、温め直しなどこのよつばの手にかかればよゆーよゆー」
とーちゃん「待たせて悪かったな、食べよう」
よつば「ぁ、う、うん!」
とーちゃん「はぁー美味かった・・・・・・やっぱりよつばの料理は天下一品だな」
よつば「そうかそうか!」
とーちゃん「じゃ、もう遅いしよつばは寝とけ、明日も学校だろ」
よつば「え、とーちゃんは?」
とーちゃん「あー、俺は徹夜でしなきゃならん事があるから、今日は一人で寝ろ」
よつば「・・・・・・はい」
とーちゃん「さ、とーちゃんはよつばのお蔭で元気でたから、もう一頑張りだ」
よつば「・・・・・・」
とーちゃん「うぅ体が・・・・・・ちょっと夜食が欲しい気分・・・・・・」ポキ ポキ
とーちゃん「にくじゃがはおかわりでさっき食べきっちまったし・・・・・・」
とーちゃん「冷蔵庫になんかあるかな・・・・・・ん、これは・・・・・・」
よつばメモ(きっと途中でお腹が空くと思うのでサンドイッチ作ったよ、食べてね)
とーちゃん「見抜かれてやがる・・・・・・」モソモソ
とーちゃん「・・・・・・ぅ・・・・・・よつば・・・・・・」
とーちゃん「・・・・・・伝えなきゃな・・・・・・早い内に・・・・・・」
とーちゃん「はぁ~終ったぁ~・・・・・・時間は・・・・・・うぉ、朝ギリギリ」
とーちゃん「えっと、翻訳データを送って・・・・・・ん、よし」カタカタ
とーちゃん「あのサンドイッチのお礼もかねて、俺もよつばに朝飯作っとくか・・・・・・ん」
よつば「あ、おはよー! ご飯食べるならもう一個作るぞ?」
とーちゃん「よつば、随分今日は早いな・・・・・・」
よつば「え、そ、そうか?」
とーちゃん「俺と寝たときはいつも遅いのに・・・・・・」
よつば「そ、そんなことないぞ! 勘違い勘違い!」
よつば「あ、うん! 無くなってたからやっぱりと思った!」
とーちゃん「ああ、見抜かれたなあー・・・・・・お、朝飯悪いが俺の分も」
よつば「うん、いいよー」
とーちゃん「・・・・・・やっぱりよつばの飯は元気が出るなー」
よつば「褒めるぐらいなら金をくれ」
とーちゃん「そーいうこと何処で憶えてくるんだ?」
よつば「学校」
とーちゃん「そうか・・・・・・学校か・・・・・・」
とーちゃん「まぁ、いいよ。 お小遣い、はい」
よつば「い、いらない」
とーちゃん「え? でも金をって」
よつば「いらん! そんなモノ欲しくて家事してるんじゃない!」
とーちゃん「え、えぇー・・・・・・?」
よつば「とーちゃんは、お金よりもっとよつばにすることあるでしょ!」バンバン
とーちゃん「こらこら、叩くな叩くな・・・・・・えーと、うーん、よつばにする、こと?」
よつば「良く考えるんだなッ」ビシィ
とーちゃん「なんでそんなに高圧的なんだよ・・・・・・」
よつば「じゃあ行ってきます! 答え探しといてねー!」
とーちゃん「はいはい、いってらっしゃい」
とーちゃん「・・・・・・早く、言わなきゃな」
とーちゃん「しかし、答えって・・・・・・うーん」
とーちゃん「答えも分からず、こんな事言えば激怒必至だな・・・・・・」
とーちゃん「・・・・・・」
とーちゃん「そうだ、お隣さんにお願いしに行かないと・・・・・・」
隣母「あら、小岩井さんどうしたの?」
とーちゃん「ええ、まあ、ちょっとご相談が・・・・・・」
隣母「あ、じゃああがってく?」
とーちゃん「そう、ですね。 上がらせて貰います」
隣母「それで? 只事じゃないって顔してるけど・・・・・・もしかして?」
とーちゃん「はい。 えっと、実はですね・・・・・・」
隣母「そう・・・・・・後どれぐらいになるの?」
とーちゃん「一ヵ月後、ですかね」
隣母「よつばちゃんには?」
とーちゃん「・・・・・・まだ、伝えてないです」
隣母「だめよー、はやく伝えなくちゃ」
とーちゃん「はい・・・・・・それで、前々からお願いしてましたが・・・・・・」
とーちゃん「面倒、見て貰っていいですか、掛かったお金は払いますので」
隣母「それは、お父さんも納得してるから勿論だけど・・・・・・付いて行きたいって言うんじゃないかしら」
とーちゃん「いえ、それは、あいつも年頃ですし・・・・・・ここに居たほうが」
隣母「まぁ、その点に関しては心配しないで、毎日様子見に行って、ご飯も一緒に食べてあげるから」
とーちゃん「すいません、お礼は必ず」
隣母「ふふ、後、何か良いお土産でも頂戴ね。 それでいいわ」
とーちゃん「・・・・・・はい、どうもすいません」
隣母「いーのよ、それより、早く伝えてあげてね?」
とーちゃん「はい・・・・・・」
よつば「ただいまー!」
とーちゃん「よつばおかえり。 夕飯作ってるから食べてくれ」
よつば「え、もう、作っちゃたのか?」
とーちゃん「え、うん」
よつば「なんでだよー、夕飯はよつば担当だろー!」
とーちゃん「すまん、けど父ちゃん特製カレーだから許してくれ」
よつば「え! そ、それをはやく言え!」
よつば「はー、うまかったー・・・・・・やはりとーちゃんのカレーはうまい・・・・・・」
とーちゃん「あのな、よつば。 ちょっと話があるんだが」
よつば「ん、何だ?」
とーちゃん「・・・・・・え、と」
よつば「何だはきはきしないとーちゃんだな」
とーちゃん「・・・・・・よつば、真剣に聞いてくれよ?」
とーちゃん「とーちゃん、外国に行く事になった」
よつば「は?」
とーちゃん「ご贔屓にして貰ってる人にな、外国の仕事を紹介してもらったんだ」
とーちゃん「日本人の翻訳家の力を欲しがってるらしくて、とーちゃんが選ばれた」
よつば「そ、そんなの断れば・・・・・」
とーちゃん「俺の仕事に箔がつくチャンスでもあるって、言われたらな・・・・・・」
とーちゃん「実力を、認められたんだ。 だから、一ヵ月後、一年程外国に行く」
よつば「よ、よつばも行くんだよね?」
とーちゃん「・・・・・・連れて、行かない」
とーちゃん「よつばはこの町が好きだろ。 中学、一杯友達いるだろ?」
とーちゃん「義務教育は、ここで過ごしなさい。 一年たてば、戻ってくるし」
よつば「い、いやだ・・・・・・友達なんていい、と、とーちゃんと」
とーちゃん「我儘、言わないでくれ。 もう、よつば子供じゃないだろう?」
よつば「そ、そんな事ない!」
とーちゃん「隣の恵那ちゃん達が毎日顔出してくれるみたいだから、な? 頼む」
よつば「や、いやだ、やだ・・・・・・!」
とーちゃん「よつば・・・・・・」
よつば「いや! いやだぁあ! とーちゃんと一緒がいい! 行かないでよぉ、一人じゃ・・・・・・」ポロポロ
とーちゃん「一人じゃないだろう? 皆いるし、あ、ジャンボにも頻繁に来てやってくれって頼んでる」
とーちゃん「将来を考えてくれ、よつば。 一緒に来て、転校しなくたっていいだろう」
よつば「ぅうう、ふうううう! やだー・・・・・・やだよー・・・・・・」
とーちゃん「・・・・・・無理言ってるのはわかる。 でも、これだけのチャンスなんて中々無いんだ」
とーちゃん「お金も一杯貰えるし、そうすればよつばに楽一杯させてやれるし・・・・・・」
よつば「いらないぃ・・・・・・そ、そんなのいらないー・・・・・・!」
とーちゃん「・・・・・・・納得してくれ、よつば」
よつば「・・・・・・ぐす」
とーちゃん「・・・・・・ごめん、ごめんな。 でも、よつばはここで暮らして欲しい」
とーちゃん「それが、一番いいんだ。 家事だって出来るし、それに、一年だ一年」
とーちゃん「あっという間だ。 な?」
よつば「・・・・・・とーちゃんは、よつばが嫌いなんだ」
とーちゃん「な・・・・・・」
よつば「お風呂、はいる」
とーちゃん「ま、待てよつば。 話は」
よつば「来ないで! お風呂についてくるなんて気持ち悪いよ!」
とーちゃん「ぅえ・・・・・・?」
よつば「・・・・・・じゃ」バタン
とーちゃん「・・・・・・怒っちゃたか? ・・・・・・怒るよな、そりゃ」
とーちゃん「よつば・・・・・・」
とーちゃん「・・・・・・」
とーちゃん(それから、よつばは口を利いてくれなくなった)
とーちゃん(飯は作ってくれるが、俺とは食べようとしない)
とーちゃん(家事も全部してくれてるし、何もいう事は無い)
とーちゃん(でも急に年頃の女の子になった様に、俺に近づかなくなった)
とーちゃん「よつば、いってらっしゃい」
よつば「・・・・・・」バタン
とーちゃん「・・・・・・駄目か」
恵那「あ、聞いたよ、よつばちゃん、お父さん外国行くんだって?」
よつば「・・・・・・知らない」スタスタ
恵那「知らないって、よ、よつばちゃん!?」
よつば「つ、ついてこないで・・・・・・」
恵那「だって、よつばちゃん顔色悪いし・・・・・・」
よつば「恵那にはかんけーないでしょ、ほっといて」
恵那「よつばちゃん、心配なんだよ? 皆も、私も心配してるから、ね? 話して」
よつば「・・・・・・恵那」
恵那「・・・・・・そっか、お父さんが」
よつば「嫌いなんだ・・・・・・ひぐ、よ、よつばのこと、だからあんな事」
恵那「嫌いだったら、そんな事も言わないよ。 勝手にどっかいっちゃうよ」
恵那「よつばちゃん、お母さんが言ってたけど、後一週間で外国行っちゃうんだよ?」
よつば「・・・・・・」
恵那「よつばちゃん、後悔しないように、ちゃんと、話したほうがいいよ」
よつば「・・・・・・わかった」
恵那「うん、きっとよつばちゃんのお父さんも話したがってるよ」
よつば「・・・・・・」ガチャ
とーちゃん「おう、おかえり」
よつば「・・・・・・」じっ
とーちゃん「ど、どうした?」
よつば「・・・・・・ただいま」
とーちゃん「! あ、ああ、おかえり。 うん、おかえり」
よつば「・・・・・・話、しよ、とーちゃん」
よつば「なんで、もっと早く言ってくれなかったの」
とーちゃん「すまん・・・・・・」
よつば「よつばすっごい驚いたんだからな」
とーちゃん「ああ、そうだな・・・・・」
よつば「・・・・・・行く前に条件ある」
とーちゃん「? 条件?」
よつば「今までの家事の、お礼」
よつば「・・・・・・ちゅー」
とーちゃん「え、え・・・・・・?」
よつば「口に、して・・・・・・くれたら、よつば、我慢するから」ガタン タタタタ
とーちゃん「お、おい、よつば・・・・・・!」
とーちゃん「なんだよ、それは・・・・・・どうすりゃ・・・・・・・」
とーちゃん(あれからずるずるとしないまま六日過ぎた)
とーちゃん(だって、出来るわけ無いだろ・・・・・・年頃の娘だし)
とーちゃん(何で、キスして欲しいなんていうんだろうか)
とーちゃん(明日、早朝にはもう家を出なきゃいけない・・・・・・)
とーちゃん(チャンスは、今日だけ・・・・・・よつばは俺と話そうとしないし)
とーちゃん(秘密裏に荷造りまでしてるし・・・・・・)
とーちゃん(どうすりゃ・・・・・・)
よつば「とーちゃん」
よつば「明日、着いてくから」
とーちゃん「・・・・・・」
よつば「こんな約束も守ってくれないなら、とーちゃんを信じられない・・・・・・」
とーちゃん「・・・・・・よつば」
よつば「・・・・・・なんていったって、着いてくぞ」
とーちゃん「よつば」
よつば「なに」
とーちゃん「一緒に、寝るか」
よつば「!」
とーちゃん「・・・・・・・ほら、おいで」
よつば「・・・・・・うん」
とーちゃん「・・・・・・ん、どうした」
よつば「なんで、一緒に寝るの・・・・・・・?」
とーちゃん「・・・・・・あれから仕事も手につかなくてな」
とーちゃん「・・・・・・聞いていいか? なんで、して欲しいなんていったんだ?」
よつば「そ、それは・・・・・・」
とーちゃん「その行為で、お前が何を望んでいるかさっぱり分からなくてな・・・・・・」
よつば「いえないよ・・・・・・」
とーちゃん「なんで、いえないんだ?」
よつば「だって、今は、とーちゃんだもん・・・・・・」
とーちゃん「?」
よつば「・・・・・・よつばだって、なんでかなんてわかんないよ。 でも、して欲しいんだもん」
とーちゃん「・・・・・・」
よつば「今まで通りじゃ・・・・・・よつば、我慢できないから・・・・・・」
とーちゃん「・・・・・・わかった、するよ」
よつば「!!」
とーちゃん「でも・・・・・・悪い、これで、今は、我慢してくれ、な」
よつば「ぁ・・・・・・おでこ・・・・・・」
とーちゃん「・・・・・・今は、誰よりも、よつばと過ごした時間が長いからな」
とーちゃん「その悩みは、今一瞬のものかもしれない。 よつばが、勘違いしている場合だってあるんだ」
よつば「そ、そんなこと・・・・・・」
とーちゃん「聞け、よつば」
よつば「・・・・・・」
とーちゃん「親子なんだ、お前を拾った時から、よつばの父であるよう、努めてきた」
よつば「・・・・・・ぅ」
とーちゃん「・・・・・・明日から、とーちゃんは居なくなるから、確かめなさい」
よつば「な、なに、を・・・・・・?」
とーちゃん「よつばが悩んでいる感情の正体を。 それは、よつばも俺を父として好きなだけかもしれない」
とーちゃん「あるいは・・・・・・」
よつば「・・・・・・」
とーちゃん「まだまだ、あるよ、時間は。 ゆっくり確かめてくれ、その感情がいったいなんなのか」
よつば「・・・・・・難しい、な。 とーちゃんに、そんな難しい事言われたの初めてだ」
とーちゃん「そう、だな。 でも、父ちゃんわかんなかったから、な」
とーちゃん「急に父ちゃんになって、どう接すればいいかなんて・・・・・・」
よつば「後悔、してるの?」
とーちゃん「まさか。 俺には勿体無いぐらい可愛く素直に育ってくれて、今凄い幸せだ」
よつば「ぅ・・・・・・」
とーちゃん「だから、よつばも慌てないように・・・・・・ゆっくりでいい」
とーちゃん「とーちゃんはよつばが幸せになって欲しい。 だから、焦らずゆっくり考えなさい」
よつば「・・・・・・うん」
よつば「・・・・・・」
とーちゃん「その時は、もう一回、話をしようか」
よつば「怒る・・・・・・?」
とーちゃん「いいや、お前の幸せの為に、なんでもする」
よつば「・・・・・・わかった、ならこれで今は我慢する」ギュ
とーちゃん「お、おい・・・・・・」
よつば「親子なら、このぐらいは、するでしょ・・・・・・?」
よつば「もっと小さかった頃は、怖い時、抱きしめてもらったんだし・・・・・・」
とーちゃん「・・・・・・はぁ。 わかった・・・・・・」ギュ
よつば「・・・・・・ありがとう・・・・・・おやすみ」
とーちゃん「ん、おやすみ・・・・・・」
よつば「とーちゃん?」
とーちゃん「・・・・・・」
よつば「・・・・・・勘違いじゃ、ないよ」
よつば「・・・・・・娘じゃ、いや。 お嫁さんが、いい・・・・・・」
よつば「血が繋がってないから、こんな気持ちになるのかな・・・・・・」
よつば「好き、だよ・・・・・・とーちゃん」
隣母「いーのよ、頑張ってね」
あさぎ「小岩井さん、よつばちゃんの事は心配しないで良いですよ」
風香「うんうん、小岩井さんは早く帰ってきたらそれで良いです!」
恵那「・・・・・・気をつけてくださいね」
とーちゃん「ありがとね。 よつばの面倒、よろしくお願いします」
ジャンボ「コイ、車早く乗らないと遅れるぞ」
とーちゃん「おう」
ジャンボ「間に合ったな」
とーちゃん「ああ、助かったよ」
よつば「・・・・・・とーちゃん」
とーちゃん「・・・・・・そうだ忘れてた、よつば、これをやろう」
よつば「なんだ、これ?」
ジャンボ「防犯ブザーだな」
とーちゃん「ああ、ジャンボとやんだに襲われそうになったら使うんだ」
ジャンボ「しねーよ!」
よつば「分かった! ジャンボとやんだが家入ってきたら使う!」
ジャンボ「おいおい、様子見で不審者扱いかよ・・・・・・」
とーちゃん「まぁ・・・・・・頼んだぞ、ジャンボ」
ジャンボ「おう」
とーちゃん「お、やんだが来た」
やんだ「ちーっす」
ジャンボ「あれ、仕事じゃねぇのか?」
やんだ「まぁ、そうですけど、小岩井さんなんで」
とーちゃん「よつば、あれが・・・・・・・」
よつば「分かってる、やんだは危険生物だ」
やんだ「なんの話っすか?」
ジャンボ「防犯の話だよ」
やんだ「えーなんすかそれ」
よつば「そうだそうだ、この防犯ブザーで撃退してやる!」
やんだ「ちょ、それシャレにならんだろ!」
ジャンボ「お前は駄目だな」
やんだ「なんすか、もー」
とーちゃん「まあ、いじけるな。 見送りありがとな」
やんだ「うす、頑張ってください小岩井さん」
とーちゃん「じゃ、行ってくる」
よつば「とーちゃん」
とーちゃん「ん?」
よつば「お返しに、これあげる」
とーちゃん「ジュラルミン? お前大切にしてたんじゃないのか」
よつば「それよつばだと思って」
とーちゃん「・・・・・・わかった」
よつば「よつばはこのブザーを父ちゃんと思うから」
とーちゃん「いや、それはおかしい」
とーちゃん「うわ、時間が、いってくる」ダッ
よつば「とーちゃーん! よつばとーちゃんの事大好きだよーー!!」
ジャンボ・やんだ「「!?」」
とーちゃん「・・・・・・おう、とーちゃんもだよ。 じゃあな」
よつば「・・・・・・」
ジャンボ「ほうほう、よつばがね」
やんだ「大ニュースですね」
よつば「は? 親子だからだよ? 当たり前でしょ?」
やんだ「え、あ、そういうのなの?」
よつば「そうだぞ! 馬鹿かやんだは」
ジャンボ「ばーか」
やんだ「いや、あんたも真に受けてたでしょ!」
よつば「・・・・・・今は、だけど」
風香「なりたいものとかないの?」
よつば「ぇ、そ、それは・・・・・・ごにょごにょ」
風香「私はよつばちゃんのお母さんポジ狙ってるんだよねー」
よつば「は?」ゴゴゴ
風香「こ、怖い怖い、冗談だってよつばちゃん!」
恵那「淋しい? よつばちゃん」
よつば「ん? いや、最近全然電話来ないとか、全然苦じゃないなー」
恵那「・・・・・・そう」
よつば「恵那こそ寂しそうに見えるぞ?」
恵那「え!? いや、そ、そんな事ないよ? うん」
よつば「・・・・・・」
恵那「な、なに?」
よつば「とーちゃんは諦めろ」
恵那「!」
ジャンボ「よーう、よつば、元気してるか」
よつば「ジャンボか・・・・・・」
ジャンボ「おいおい、なんだその見飽きたみたいな顔は。 来てやってんのに」
よつば「前みたいにジャンボが昔のとーちゃん話をしてくれたら態度変えてあげてもいい」
ジャンボ「・・・・・・しゃーねぇな」
よつば「やった! じゃ、お礼にご飯作ってあげるぞ!」
やんだ「ちーっす」ガチャ
ブーーーーーーーーーーー!!!!
やんだ「おい!!」
よつば「ごめんなさい、でもやんだがよつばを襲おうと」
隣母「ほんとなの?」
ジャンボ「はい!!」
やんだ「いやいやいや!!」
隣母「もう・・・・・・本当に危ない時だけ鳴らしてね?」
よつば「うん」
よつば「いんがおーほーだ」
ジャンボ「うむ」
やんだ「飯ついでで見に来ただけでこの扱いかよ・・・・・・まぁ、いいや、ちょっと弁当食わせて貰う―――」
ブーーーーーーーーー!!!
やんだ「おい!!」
ジャンボ「もう、帰ったほうが良いぞやんだ」
よつば「帰れ! 帰れ!」
やんだ「泣くぞ、もー」
よつば「うん」
ジャンボ「よく、頑張ったな。 よつばが無理してるってコイ言ってたぞ」
よつば「え?」
ジャンボ「電話の声で、お前が元気じゃないの知ってたみたいだ、さすがとーちゃんだな」
よつば「・・・・・・」
ジャンボ「いつも通りに見えたが、やっぱり無理してたのか? 一年」
よつば「うん、そうかもしれない・・・・・・」
よつば「ジャンボにするわけ無いでしょ、悩みは恵那とかに聞いたんだ」
ジャンボ「はは、そうか。 直ぐ悩みを話して、直ぐ解決するお前らしくないとは思ってたが」
ジャンボ「今度の悩みは、無敵のお前でもちょっと難しいかったか?」
よつば「うん、そうだけど・・・・・・でも、もう答えでたもん」
ジャンボ「ほー、どうするんだ」
よつば「秘密」
ジャンボ「そうかー、まぁ、また聞かせてくれよ、何で悩んでたか」
やんだ「ちーっす、小岩井さんまだっすか?」
ジャンボ「おう、来たのか」
よつば「・・・・・・」スッ
やんだ「うっわ、そ、それはもうやめろ!!」
ジャンボ「お、きたきた」
とーちゃん「・・・・・・おう、お出迎えさんきゅーな」
よつば「とーちゃん・・・・・・」
やんだ「そうっすね、それ気になります」
とーちゃん「全くお前らは・・・・・・」
よつば「・・・・・・」
とーちゃん「よつば・・・・・・ただいま。 答え、見つかったか?」
よつば「うん・・・・・よつばが楽しいことをやるよ」
とーちゃん「? それは、どういう・・・・・・」
よつば「よつばは無敵! とーちゃんが言ってくれたんだ。 逆境なんてなんのその!」
よつば「なんだ、わかんないのか? もー、とーちゃんは駄目駄目だな」
よつば「長旅、疲れたでしょ? だから・・・・・・帰ったら・・・・・・・」
よつば「とーちゃん、一緒に風呂はいろう!」
END
乙乙
Entry ⇒ 2012.04.17 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
徐倫「ストライクウィッチーズゥー?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334404650/
芳佳「そうですよ各国のエースウィッチが集まってるすごい部隊なんですから」
徐倫(あ、ありのままに起こったことを話すわ・・・)
(プッチ神父と戦っていたと思ったらここにいた・・・)
(エンポリオもいないようだし、やれやれだわ・・・)
芳佳「あなたは?みたところリベリオンの人みたいですけど・・・」
徐倫「私は空条徐倫 日系アメリカ人よ」
芳佳「日系?アメリカ?」
芳佳「まぁとにかくミーナ中佐に報告しましょう付いてきてください!」グィッ
徐倫「お、おい 引っ張るなよ」
徐倫「めんどくさいことになったわね・・・ やれやれだわ・・・」
いや徐倫のは特に見たくない
かくかくしかじか・・・
ミーナ「話は聞いたわ 行くあてが見つかるまでウチで面倒見るわ」
ミーナ「家族と思ってゆっくりしていいから よろしくね徐倫さん」
徐倫「あ、ありがとうございまーす」
坂本「はっはっは そう堅苦しくしなくてもいい」
坂本「それにしてもいい体をしてるな ぜひとも一緒に訓練したいものだ 」
芳佳「よろしくね空条さん!」
徐倫「徐倫でいいよォ」
芳佳「よ、よろしく徐倫さん!」
芳佳「そうだ!隊のみんなを紹介してあげるね!」グイッ
徐倫「またかよ」
徐倫「しかしよォなんでみんなパンツなのよ寒くないの?」
芳佳「何でっていわれてもはかなかったらもっと寒いじゃないですか」
徐倫「なるほどースゲーわかりやすい」
徐倫「人類の夜明けだわこりゃ」
―食堂
エーリカ「あれー?ミヤフジじゃんその子どしたの?」
芳佳「この人は徐倫さんっていって」
リーネ「芳佳ちゃんその子だぁれ?お友達?」
芳佳「基地の前に倒れてたの」
リーネ「へぇーそうなんだ リネットビショップです よろしくね徐倫さん」ニコッ
ドドドドドドドドドド
徐倫「よ、よろしく」(なにか恐ろしいものを感じたわ・・・)
芳佳「どうしたんですか?バルクホルンさん」
ゲルト「いやなんでもないんだよ芳佳ァ」
芳佳「名前で呼ばないでくださいよ」
ゲルト(・・・ふん 私はだまされんぞッ!)
(そうやってデカイ図体をしてるが この目は妹属性を持っている者の目ッ!)
(私のお姉ちゃんレーダーをやぶった者は一人としていないッ!)
「来たばかりでわからないだろから私が案内をしてやろう」
「何せカールスラントの姉は世界一ィィィィィだからな!」
徐倫「遠慮しとくわァ」
ゲルト「うううあんまりだ・・・HEEEYYY WHOOOOOHHHH!!」
エーリカ「怒るの?トゥルーデ!妹になってもらえないで怒り狂うのォ~?」
ゲルト「ハルトマンッ! 貴様というやつはッ!」
エイラ「はー新入りカ・・・なかなかいい胸をしてるナ・・・」
サーニャ「エイラ?人を胸で判断しちゃだめよ・・・」イラッ
エイラ「サ、サーニャッ!違うんだこれは~・・・!」
徐倫「あの人はァ? なんか修羅場ってるみたいだけどォー!」
芳佳「いつものことなんで気にしなくていいですよ」
徐倫(変な部隊だわ・・・)
ジリリリリリリリリリ
ミーナ「ネウロイよッ!」
「シャーリーさんとルッキーニさんが前衛宮藤さんとリーネさんが中衛」
「私と美緒が後衛 残りは待機よッ!」
美緒「コアが見当たらない・・・まさか陽動ッ!?」
リーネ「困ったわね・・・」
ゲルト「ハルトマンッ! 出撃だ!」
エーリカ「えー眠いよぅ」
ゲルト「眠いじゃない!寝とる場合かッ!」
ブウウウウウウウウウウウウン
ババババババババ
ゲルト「数がおおいな本体はどれだ?」
エイラ「大尉 アレ!」
ゲルト「基地のほうに向かっている 間に合わない・・・」
徐倫「ん? アレは芳佳たちが履いてた・・・」スポッ
ピュワァァァァァ ババババババ
ゲルト「あれは? ・・・徐倫~~?」
徐倫「う、うおっ! 飛んでる・・・」
「とりあえずアレを倒さないと! 銃は使えないし そうだ!」
「ストーンフリイイイイ! オラァ!」ドゴォ
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!」パリパリパリーン
「もう一機ッ!オラァ!」パリーン
ゲルト「やったか?」バババババ
ゲルト「ディモールトベネ!すごいじゃないか徐倫!流石私の見込んだやつだ」
エーリカ「へーやるじゃん!」
芳佳「すごいよ徐倫さん!」
徐倫「ところで私は全力で部隊を守ります この闘いは生き抜く だから部隊に協力することを
お許しくださいこんなときになんだけど『許してくれる』だけでいいのよあなたが」
「なにも私は最初からウィッチーズに所属できるなんて思っちゃいない私はウィッチじゃないだが
父親から受け継いでいるみんなを守りたいという意思と心は・・・今の私には必要なのよッ
一言でいい『許す』と・・・」
坂本「・・・行っていることがわからない・・・イカれてるのか?・・・この状況で・・・」
ミーナ「いいわ 徐倫さん 申し込んで・・・ あなたの考えには希望がある
それはきっとうまくいく道 ただしあなたが向かうべき道を見つけるまでよ・・・
ようこそ『ストライクウィッチーズ』へ・・・」
―食堂
エイラ「なぁサーニャ、今歌を考えたんだゾ 作詞作曲エイライルマタルユーティライネンだゾ」
「タイトルは『チーズの歌』ダ オホン 歌うゾ」
「ピザ・モッツァレラ♪ ピザ・モッツァレラ♪ ~~ っつー歌なんダ どォよ?」
サーニャ「いいよエイラ気に入ったわ」
エイラ「実はひそかに私もそうおもってたんダァ~~~!!」
シャーリー「よくミーナ中佐が許したもんだなァ」
ゲルト「まあいいじゃないかリベリアン!ミーナが許したんだ実力もあるようだし」
(妹が増えることは構わんッ!隣が空いているではないか、来い)
芳佳・リーネ「みなさんお茶が入りましたよ」
リーネ「徐倫さんどうぞ」ジョロジョロジョロン
徐倫「ありがとうジャスミンティーね ンマァァァァイ」
シャーリー「ジャスミンティーとは珍しいな 」
シャーリー「しかしよォ~なんなんだあの固有魔法は?アタシにはぜんぜん見えなかったぞ?」
ルッキーニ「そう!こうオラオラオラァ!ってよォ」
徐倫「あれのこと?あれはストーンフリーって言ってスタンドなのよォ」
エーリカ「スタンドォ?」
徐倫「まァ固有魔法ってやつみたいなもんかな」
芳佳「へ~~~徐倫さん固有魔法使えるんですかァ?すごいじゃないですかァ!」
徐倫「それにしても軍隊って言うからもっと堅苦しいのかと思ってたら案外明るいのね」
芳佳「ミーナ中佐の方針であんまり厳しくしないようになってるんですよ」
徐倫「私がもといた場所とは大違いだわ」
芳佳「徐倫さんは前にどこかの軍隊に属してたんですか?」
徐倫「軍隊じゃないけど『水族館)』にいたのよ」
芳佳「水族館?」
徐倫「そこは牢獄のような所だったけど大切な人と出会えたわ・・・」
(エルメェス、FF、ウェザーリポート、アナスイ、エンポリオ、そして父さんッ・・・)
徐倫「悪いわね辛気臭い話して・・・」
シャーリー「おーいルッキーニィ~風呂いこうぜェ~~~っ」
ルッキーニ「行く行くゥ!」
芳佳「リーネちゃん徐倫さんッ私たちも行こうッ!」ダダダ
リーネ「うん!」ダダダ
徐倫「私も行くかなァー」
ゲルト「おい待てッ!二人ともッ!」
エーリカ「私もォー!!」
エイラ「私たちも行くカ」
サーニャ「そうね・・・」
・・・・・・・・・
数日後
リーネ「決着ゥゥ―――――ッ!ただいまの模擬戦は芳佳ちゃんの勝ちです」
坂本「空条もだいぶ訓練についてこれるようになったな」
「そろそろ実践にも出せるかもしれん」
エーリカ「銃の扱いはまだまだだけどねェ~」
芳佳「そんなことないですよーっ 徐倫さんすごくうまくなりましたねェー」
徐倫「そうかぁ~?そうやってまたおだててるワケェ~?」
芳佳「おだててないっスよォー ほんとのこといってるだけです」
エーリカ「最近あの二人仲いいなァ」
ゲルト「妹が二人・・・妹が二人・・・」
エーリカ「私の知ってるトゥルーデじゃない・・・」
リーネ「・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
エーリカ「(私の知ってるリーネじゃない・・・)」
ジリリリリリリリリリ
ミーナ「警報よッ!ネウロイ出現ッ!」
坂本「数が多いな・・・全員出撃だッ!」
エーリカ「28ィッ!」パリィィィン
ゲルト「29ゥッ! これで全部かッ!?」パリィィィン
ミーナ「いえッ!もう一機ッ!」
坂本「何だッ!?様子がおかしい!」
ネウロイ「・・・・・」ゴゴゴゴゴゴ
ドドドドドドドドドドドドドドド
芳佳「人型のネウロイッ!!」
ネウロイ「WRYYYYYYYYYY」ズキュウウウウウン
ゲルト「何だアレは!?何かがいる!」
徐倫「間違いないッ!アレはスタンド・・・ッ!」
シャーリー「スタンドォ~~~?お前の持ってるやつかァ?」
徐倫「ええ・・・そしてスタンドはスタンド使いにしか見えないッ!」
「とにかくッ!アイツに近づくのは危険だッ!」
坂本「コアははっきり見える・・・ッ ぼんやりだがスタンドというのも形だけならばッ」ギィィィィン
徐倫・坂本「来るぞッ!!」
バババババババババ
ネウロイ「WRYYYYYYYYYYYYY!!!」バシバシバシバシッ
ゲルト「はじかれた?」
徐倫「人間の形をしたスタンドのビジョンッ そして弾をはじき返すパワーッ!」
「アイツは射程距離は短いが高いパワーを持つ『近距離パワー型』のスタンドッ!!」
「みんな下がれッ 下がればスタンド攻撃は受けずにすむッ!」
ネウロイ「WRYYYYYYYYY」ビューン
芳佳「距離をとればスタンド攻撃は受けないッ しかしッこのままではネウロイを倒せないッ!」
エーリカ「アイツには弾は効かないし・・・」
(やはりッ・・・相手のスタンド能力ッ!!)
(相手の能力がわからない以上迂闊な行動は取れないわね・・・)
ネウロイ「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYY」ダッ
ゲルト「こっちに来るぞッ」
坂本「うぅ・・・受け止め切れんッ・・・!」
ネウロイ「WRRYYYYYYYYYYYY」ムダムダムダムダムダ
坂本「まずい・・・シールドがッ!」
ペリーヌ「少佐ッ!」ダッ
ネウロイ「WRRRRRYYYYYYYY」ムダァッ
ペリーヌ「うあああああああああぁぁぁぁぁ」
バリバリバリバリ
ペリーヌ「少・・・佐ァ・・・」ヒューン
ドボオン
坂本「ペリィィィィヌゥゥゥゥ!!!!!!!!!」
リーネ「そんなッ・・・!ペリーヌさんがッ!」
芳佳「ペリーヌさんッ!!」
徐倫(一体今何がおこった!?ペリーヌのストライカーユニットが黒くッ!)
(まさかッ!?)
ルッキーニ「ペリーヌの敵ィッ!」バビュン
徐倫「よせッ!ソイツに触れるなァッ!!」
ネウロイ「WRYYYYYYYYYYYYYY」ムダァ
ルッキーニ「へ?」
ムダァッ!!
シャーリー(こ・・・こいつは・・・ ルッキーニのやつが・・・)
「ルッキーニィーッ ボケっとしてんじゃねーぞッ!」
シャーリー「どけェッ!」ボゴォォ
ルッキーニ「しゃっ シャーリーィッ!」
バリバリバリバリ
シャーリー「うおおおおおおあぉぉぉぉぉおぉぉぉ」ヒューン
ドボン
ルッキーニ「あっあっ! シャーリーィーッ!」
「こいつはメチャゆるさんよなァ~」
ゲルト「バ…バカな… か…簡単すぎる… あっけなさすぎる…」ガクガク
エーリカ「トゥルーデ、そのセリフはちがうぞ
あだを討つ時というのは『野郎』なんてセリフを吐くもんじゃあない」
「こう言うんだ『我が名はゲルトルートバルクホルン』『我が友人シャーリーの無念のために
左にいる友人エーリカと妹の魂のやすらぎのために』」
「『死をもってつぐなわせてやる』」
徐倫(やはりあのスタンドは・・・!)
ネウロイ「WRYYYYYYYY」
(せっかくシャーリーがわたしの『オーバースカイ』の正体を試験終了チャイム直前まで問題を
解いている受験生のような必死こいた気分で教えてくれたというのに…)
徐倫「オラァッ!」
ネウロイ「・・・」(ほう・・・向かってくるか)
徐倫「銃は苦手だがッ!」ババババ
ネウロイ「WRYYYYYY」ムダムダムダ
「コイツのスタンド能力は『ネウロイ化』ッ!」
ミーナ「『ネウロイ化』?」
芳佳「まさかッ!」
徐倫「そう!アイツの能力は拳で触れることで金属をネウロイ化させることができるッ!」
リーネ「だからシャーリーさんのストライカーユニットの色が変わっていたのかッ・・・」
坂本「しかしッ!弾も使えず、近づけないッ!!!」
エイラ「また来るゾッ!!」
ネウロイ「WRYYYYYYY」
「エイラさんッ!攻撃してくださいッ!」
エイラ「いいよOKダ・・・守りに行ってヤル・・・サーニャヲ 私が行くヨ・・・」
坂本「待てッ!エイラッ! 何をたくらんでいるッ!」
エイラ「たくらんでいる?言葉の通りダ サーニャを・・・みんなを・・・全力で守ってヤル」
「気に入ったんだよ彼女を初めてみたときカラ 何もカモ」
サーニャ「エイラ・・・」
エイラ「彼女を守りきったなら・・・ 私は彼女と結婚スル」
エイラ「祝福シロ 結婚にはそれが必要ダ」
サーニャ「危ないわッ エイラ・・・」
エイラ「大丈夫だサーニャ 私には『未来予知』の魔法がアル・・・」
ネウロイ「WRYYYYYYYYYYYYYY」ムダムダムダァ
ヒョイヒョイ
エイラ「オラァ!」バババババ
ミーナ「駄目よッ!効いてないわッ!」
徐倫「私も行くッ!スタンド使いである私ならばッ!」
芳佳「私もッ!」
リーネ「芳佳ちゃん・・・」
ネウロイ「WRYYYYYYYYY(オーバースカイッ)」ムダムダムダムダァ
エイラ「宮藤ィ来るォッ!」
芳佳「はいッ!」ヒョイ
徐倫「オラオラオラオラオラオラァ!!」ドゴドゴドゴォ
ネウロイ「WRYYYYYYYYYYYYYY」ムダムダムダァ
(突きの速さ比べか・・・)
徐倫(パワーもスピードもほぼ互角ッ・・・)
エイラ「次は・・・ッ」
(次の攻撃ガッ サーニャに当たル・・・このままでハッ!)
エイラ「サーニャよけろォ!!!」
サーニャ「え?」
エイラ「だめダッ! 間に合わないッ!」
「私が行かないトッ!!」
ネウロイ「WRYYYYYYYYYYYYY」ムダァ
サーニャ「キャアアアアアアアアアアア」
バッ
サーニャ「エイラッ!!」
エイラ(痛いナ・・・ストライカーユニットもネウロイ化してル・・・)
(これはもう・・・ムリダナ・・・)
エイラ「サーニャ・・・幸せにナ・・・」
サーニャ「エイラアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
ゲルト「エイラッ!」
徐倫「どうするんだッ 相手の行動がわかるエイラがいない今ッ! 敵の行動がわからないッ」
芳佳「エイラさん・・・ッ」
徐倫「このままでは・・・ッ 全滅ッ!」
ゲルト「私も手伝おうッ!」
エーリカ「私も行くッ!!」
芳佳「徐倫さんッ! 徐倫さんのストーンフリーで隙を作ってくださいッ」
「そこへ私がコアに弾をぶち込みますッ!」
ゲルト「わかった」
「行くぞッ!!!」バッ
ババババババ
ネウロイ「WRYYYYYYYYYYYYYY(無駄無駄無駄無駄無駄無駄)」ドゴゴゴゴ
ゲルト「効いてないな・・・ ハルトマンッ!」
エーリカ「シュトゥルムッ!」ゴォ
エーリカ「ビクともしないッ」
芳佳「徐倫さんッ!」
徐倫「オラオラオラオラオラオラ!」ドゴゴゴゴ
(相手の能力がある以上うかつには近づけないッ!)
(そうだッ!)
徐倫「ハルトマンッ!頼むッ!」
エーリカ「・・・わかったッ! シュトゥルムッ!」
徐倫「ストーンフリーィ!」シュッ
ネウロイ「WRYYYYYYYYYYYYYY(ストーンフリーの糸をシュトゥルムで私に絡めようというのか)」
(だが、無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!) ブチィ
徐倫「ぐぁぁぁ」ブシュゥ
芳佳「徐倫さんッ!」
徐倫「構わんッ!もう一度よッ!」シュッ
エーリカ「シュトゥルムッ!!」ゴォ
・・・・・
坂本「あぁ・・・押されてるな・・・空条の消耗も激しいッ」
芳佳「徐倫さんッ!今治療しますッ!」
徐倫「ありがとう (これ以上の消耗はできないッ!一気に片をつけなければッ!)」
「またくるわッ!」
ネウロイ「WRYYYYYYYYYYYYY!!」ムダムダムダァ
徐倫「オラオラオラオラオラオラオラオラァ!」ドゴォ
ネウロイ「WRYYYYYYYYYY」
(先ほどからストーンフリーの糸を撒き散らしているが・・・)
(私に絡みつくどころか味方に絡まっているではないか・・・ッ!)
徐倫「ストーンフリィ!」
ネウロイ「WRYYYYYYYYYYYYY」ムダァ
徐倫「うわあああああああああ」
バリバリバリ
エーリカ「大丈夫ッ!?」
芳佳「徐倫さんッ!ストライカーユニットが・・・ッ」
「助けなくてはッ!」
徐倫「いやそんなことはしなくていいわ!」
「これが『いい』んじゃないか芳佳!」
ゲルト「これはッ!徐倫の糸ッ ロープとなって私に巻きついているッ!!」
バァァーーーン
徐倫「このシュトゥルムの能力 撒き散らすなんてとんでもない」
「私の糸は命綱となっていたッ!」
「そしてバルクホルン これがいいのよ!あなたがやってくれた その怪力が『いい』のよッ!」
「そして 射程距離内に・・・はいったわ・・・」
ドドドドドドドドドドドド
ネウロイ「WRYYYYYYYYYYYYYYY(空条・・・徐倫・・・)」
徐倫「出しな・・・アンタの・・・『オーバースカイ』・・・を・・・」
ドドドドドド
l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/ ∧ /~7 /)
二コ ,| r三'_」 r--、 (/ /二~|/_/∠/
/__」 _,,,ニコ〈 〈〉 / ̄ 」 /^ヽ、 /〉
'´ (__,,,-ー'' ~~ ̄ ャー-、フ /´く//>
`ー-、__,| ''
ギャン ドヒャアーッ
ネウロイ「WRRRRRRRYYYYYYYYYYYYYYYY」ムダムダムダァ
(無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!!)
徐倫「オラオラオラオラオラオラオラァッ!」ドガドガドガァ
徐倫「オラァーッ!」
ドグオオオオン
ビギビギビギビギ
リーネ「コアが見えた!」
エーリカ「人には向かうべき道が二つあるっていうが・・・」
「お前にはそんなに多い選択はありえないな」
「トゥルーデ すまないけど少し右に動いてくれる?」
すごいな・・・
ゲルト「あぁ ゆっくりと味わいな弾を!」
「行けェッ宮藤ィーッ!」
リーネ「芳佳ちゃァんッ」
ネウロイ「WRYYYYYYYYYY」ムダァ
ブシュゥゥゥゥ
坂本「宮藤ィッ!!」
芳佳「ひるむ・・・と! おもうのか・・・これしきのことでよォォォ」
「私たちはよォ・・・ このロマーニャで何事もなく・・・」
ドグォォォン
芳佳「ボラボラボラボラボラボラボラボラボラ」
芳佳「ボラーレ・ヴィーア(飛んでいきな)」
ネウロイ「WRRRRRRRRRRRRRRRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY」
バアーーーーン
パリーーーン
リーネ「芳佳ちゃァァんッ!」
徐倫「やれやれ・・・だわ」
坂本「決着ゥーーーー」
・・・
ミーナ「終わったわね・・・」
坂本「あぁ・・・」
「失ったものは多かったがな・・・」
ルッキーニ「シャーリィーッ」グスッ
サーニャ「・・・」
わたし(宮藤芳佳)の所属する・・・私たちの部隊・・・「ストライクウィッチーズ」は深く傷ついた・・・
いや・・・正確に言えばスタンド使いのネウロイによって傷つけられた・・・
ルッキーニちゃんやバルクホルンさんはシャーリーさんの帰りをずっと待つのだろう・・・
サーニャちゃんはエイラさんが帰るのをずっと待つのだろう・・・
ネウロイに撃墜された戦友の帰りをずっと待つのだろう・・・
・・・
ミーナ「・・・そう わかったわ」
「じゃあフラウ・・・そういうことだからみんなに伝えておいてね・・・」
エーリカ「はーい」
・・・
数日後ペリーヌシャーリーエイラの葬式
シトシト シトシト シトシト
天にましますわれらの父よ 御名をあがめさせたまえ
シトシト シトシト
リーネ「坂本さん・・・サーニャちゃんも・・・冷えるといけないもう帰りましょう」
坂本「・・・」
サーニャ「・・・」
ルッキーニ「もう少し さようならシャーリー」
???「へへへへ だあ~~れだ?」
???「よぉみんな せっかく501についたってのに誰も迎えに来てくれないだろ」
「で聞いたら 葬式をやってるっていうだろ 探したよ」
「で 誰が死んだの? 誰の葬式?」
坂本「お前たちは・・・」
芳佳「まさか」
ゲルト「バカモノ!場所をわきまえろッ!」
シャーリー「堅物軍人ッ いま私のことバカモノっていったなァァ~~~?」
みんな「シャーリー!エイラ! うわぁ生きてるゥーーーッ!」
ペリーヌ「わたしもいますわ・・・」
エイラ「え?生きてる?なんで私を見てそんなに驚くんダ?まるでおばけデモ・・・」
「ギャにィィーッ なんで私たちの名前が刻んであるんダ? ま・・・まさかこの葬式ハ」
「はいカサ」
シャーリー「なんかみんなに話が通じない 私たちが攻撃されて海に落ちたとき」
「ネウロイ化したストライカーユニットをぬいで逃げて軍の船に保護されたことも」
「そのあとヴェネツィアで2週間軍の病院に入ってたことも
みんな知らねーみたいだぞ・・・どういうことだ?」
ミーナ「フラウ、ちゃんとシャーリーさんたちが生きていて今日退院ってこと伝えたのよねーッ?」
エーリカ「ごめんなさいー忘れちゃってたァーーッ」ダッ
ゲルト「オーノォー!信じらんねーッ なに考えてんだこのアマ!」
エイラ「サーニャ・・・」
サーニャ「エイラ・・・」ダキッ
ミーナ「・・・寂しくなるわね」
坂本「でも決めたんだろ?」
徐倫「えぇ・・・」
ミーナ「宮藤さんたち寂しがるでしょうね・・・」
―芳佳の部屋
リーネ「ねぇ・・・知ってた?芳佳ちゃん パリのルーブル美術館の平均入場者数は一日で4万人らしいよ・・・」
コンコン
芳佳「はァーい」ガチャ
徐倫「ちょっといい?」
徐倫「カクカクシカジカァッ」
芳佳「・・・そうですか扶桑に・・・」
「それを探しに行くのよ」
リーネ「さみしくなりますね・・・」
徐倫「それをうけとって・・・ 餞別の品よ 父さんからもらったの」
芳佳「なんですか?コレ?ペンダント・・・中に鏃みたいな石が入ってるけど」
徐倫「『お守り』よ きっと芳佳たちの力になるわ」
「あなたは気高い軍人になれだろう」
「あなたがどこにいても私はあなたにパワーを与えるわ」
芳佳「・・・・・・」
リーネ「それじゃあ お元気で!」
ゲルト「お前はいつでも私の妹だからなッ!」
エーリカ「部屋はちゃんとかたずけろよー?」
ゲルト「お前が言うなッ!」
徐倫「じゃあ・・・元気でね・・・」
芳佳「徐倫さんも・・・」
リーネ「徐倫さん・・・行っちゃったね」
芳佳「うん」
芳佳「それにしてもこのペンダントなんだろう・・・?」
「あ!男の人と女の人の写真が張ってある 徐倫さんのお父さんとお母さんかな?」
芳佳「痛ッァ!」
ボンボンボン
ブッシュゥゥゥゥ
芳佳「い痛でェェーッ!」
おわり
またストパンでss書こうかな
おまけ
スタンド名:オーバースカイ
パワーA スピードA 射程距離D 精密動作性B 持続力C 成長性C
こぶしで触れることにより金属をネウロイ化させることができるが有機物はネウロイ化できない
葬式のシーンよかった
Entry ⇒ 2012.04.15 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
のび太「もう二年、か」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333438675/
のび太のもとにメールが届いた。ジャイアンからだった。
中学以来だろうか。高校二年の夏休みだというのに全く予定のないのび太は行くことにした。
のび太「……」
中学の頃は楽しかったなぁ
そんなことを考えていた。
そして当日――
のび太「……」
ジャイアン「……」
のび太「あの……他の人たちは?」
ジャイアン「スネ夫は無視、しずかちゃんは無理だそうだ。」
のび太「じゃ、じゃあ僕も帰ろうかn」
ジャイアン「くそーっ!なんで二人しか来ないんだ!のび太、今夜は寝かさないぜ!!」
のび太「いや実は用事を思い出し……うわああああ」ズルズル
のび太「わかったよ!行くから!一緒に行くから!だから自分で歩かせてよ!!」ズルズル
ジャイアン「お~れ~はジャイア~ン♪ってこの歌も懐かしいぜ!」
のび太「うわ~聞いてよ~」ズルズル
引きずられながらものび太はジャイアンの強引さが嬉しかった。
すぐ近くで変わっていくスネ夫を見ていたこともあって、変わらずにいる旧友の存在が嬉しかったのだ。
のび太「えぇっ、ご飯ってジャイアンの家でなの……って、あれ?」
ジャイアン「なんだよ、俺の家がどうかしたか?」
のび太「ジャイアンの家って、コンビニになったんだね。」
ジャイアン「おう、まぁな。いろいろあってな……」
のび太「そっか……」
ジャイアン「ってそんなことはどうでもいいんだよ!ほらっ、早く入るぞ!」
二人は中学の思い出や、それぞれの近況報告などを語り合った。
中学生の頃スネ夫が振られたこと、ジャイアンの歌が急成長し、文化祭で歌ったこと、最近スネ夫はガラの悪い友達ができ、のび太とは疎遠になったこと、
ジャイアンは酒も入っていたこともあり、話は尽きず、あっという間に翌朝になっていた。
ジャイアン「なら俺が家まで送ってやるぜ!さぁ行こうzうぉ゛ぇええぇ……」
のび太「へべれけじゃないか……」
二人はのび太の家へと向かった。
ジャイアン「でよぉ~!母ちゃんがよぉ~!ジャイ子ばっかり可愛がりやがってよ~!!」
のび太「ちょ、ちょっとジャイアン、人が見てるからもっと小さな声で……」
ジャイアン「たしかにジャイ子は可愛いけどよ、俺だって店の手伝いばっかりじゃなくってやりたいことだって……」
ジャイアン「本当だよ!しずかちゃんもスネ夫もこねぇしよぉぉぉ!!!」ドン
のび太「ほら、人とぶつかったじゃないか!どうもすみません。ジャイアンも謝って……」
???「のび太……さん?」
のび太「えっ?」
???「のび太さん、よね?」
のび太は目の前の茶髪の垢抜けた少女が誰だか一目ではわからなかった。
のび太「しずかちゃん……なの?」
「ちょっとぉ~しずかぁ~?どうしたん?」
しずか「なんでもない!今行くから!じゃ、のび太さん、またね」タッ
のび太「あっ……」
ジャイアン「ずいぶん変わったな、しずかちゃん。昔はもっとこう……」
のび太「僕たちがどうこう言える話じゃないさ。でも……」
ジャイアン「……」
のび太「シラフだったんだね」
ジャイアン「このジャイアン、喧嘩だけじゃなく酒にも強いんだぜ!うげぇ気持ち悪い……」ビシッ
のび太「……どっちなの?」
家に着き、ジャイアンと別れたのび太は、徹夜明けで回らない頭でいろいろと考えていた。
DQNとつるむようになってから表向きには明るいが覇気が感じられないスネ夫のこと、
なんだか別の人のようになってしまったけどさっき喋ったときには確かに懐かしさを感じたしずかちゃんのこと、
真剣に考えてはいたが、やはりそこはのび太のようで、徹夜明けの疲労に自室の静けさが相まって、眠ってしまった。
…………
……
ソーラヲジユウニトービターイナー♪
のび太「ううん……うるさいなぁ誰だよ……」
携帯の着信音で目を覚ましたのび太は、携帯を手繰り寄せた。携帯の時計は午前2時を示していた。
画面には「源しずか」の四文字。
のび太「えぇっ!?しずかちゃん!?」ガバッ
一瞬で眠気が吹っ飛んだのび太は慌ててメールを開く。
『今から空地に来れない?』
聞きたいこともたくさんあったのび太は、すぐに家を飛び出した。
のび太「待たせてごめん!」
しずか「ううん、何年も会ってないのにこんな時間に急に呼び出したりしてごめんなさい。」
のび太「そんなの気にすることないよ。何年たっても僕らは友達じゃないか。」
しずか「えぇ、ありがとう。」グスッ
のび太「わっ、しずかちゃんどうしたの!?どこか痛いの?」
暗闇で顔は見えないが、たしかに泣いているしずかちゃんにのび太は困惑するばかりだった。
のび太「……何かあったの?」
しずか「今日の朝、偶然会ったじゃない?」
のび太「うん……」
しずか「あの時一緒にいた友達と、本当に友達だったのかわからないけど、あれから喧嘩になっちゃってね」
しずか「原因はたまたまトイレに立った他の子の悪口言い出したから『そういうのは好きじゃない』って言ったら『いい子ぶるな』みたいに言われて……」
しずか「私、昔からのび太さんやたけしさんやスネ夫さんたちと一緒にいたこともあってか、もともとちょっと浮いてるところあったんだけどね。」
のび太「でも、僕はしずかちゃんのしたことは正しいと思うよ?」
しずか「……」
のび太「自分が浮きたくないからって言いたくもない陰口を一緒になって言うのなんて友達でもなんでもないじゃないか。」
しずか「……っ」
しずか「じゃあどうしろっていうのよ!?」
のび太「」ビクゥ
しずか「私だってあんな状態嫌よ!でも、それじゃ私は一人ぼっちよ。誰もが誰かと喋ってる教室で私だけ一人。
みんなに後ろ指差されながらそれに気づかないふりしてなんでもないような顔してなきゃいけないのよ?」
のび太「ぼっ、僕だったら、そっちを選ぶよ!自分が嫌だと思うことしなきゃ友達じゃない人たちと無理につるむくらいなら一人の方が何倍もマシさ!!」
しずか「そんなの自分が一人ぼっちなことの言い訳じゃない!!」
のび太「っ!?」
しずか「友達を作る努力さえ諦めたあなたに言っても無駄だったわ。もう連絡しないから。またね。」
のび太「そんなの努力じゃ……」
言いかけたが、最後まで言い切る前に口をつぐんだ。
すれ違う時に見たしずかちゃんの顔が驚くほど疲れて見えたからだ。
背後から声を聞いてから、のび太は先ほどまでしずかちゃんがいた空間に向かってつぶやいた。
のび太「そんなの、努力じゃないよ。しずかちゃん……」
今の自分自身に満足していないのび太は、何を言えばいいのかわからず、とぼとぼと家に帰るしかなかった。
何年か前まで、すごく頼れる友達がいた気がするのに……
いつも三秒で眠れていたのび太が、その夜一睡もできずに朝を迎えた。
のび太「……」
のび太「余計なことかもしれない……でも、」
のび太「僕は、しずかちゃんを友達だと思ってるし、友達が困ってるんなら助けなきゃ!!友達なら誰だってそうするはずさ!!」
のび太は、ジャイアンに相談することにした。
のび太「ごめんね。忙しかった?」
ジャイアン「いや、ちょうど母ちゃんと喧嘩してたからいい口実になったぜ!」
のび太「ところで相談なんだけど……」
…………
……
のび太「というわけなんだ。」
ジャイアン「そうか……しずちゃんがそんなことを……」
のび太「だから、どうにか力になってあげたくてさ……」
ジャイアン「でもお前、それって俺たちがどうこう言える問題なのか?」
のび太「えっ?」
見切り発車すぎて頭おかしくなってきた……
のび太「でも……」
のび太「しずちゃん泣いてたんだよ。それに、僕はしずちゃんのこと友達だと思ってる!ジャイアンだってスネ夫やしずちゃんが集まらなかったときに怒ってたじゃないか。」
ジャイアン「そういうと思ったぜ!ったく中学の頃と変わってないなお前は。」
のび太「協力して……くれるの……?」
ジャイアン「あったりまえだ!俺はガキ大将ジャイアン様だぞ!!」
のび太「ジャイアン……」
ジャイアン「じゃあ早速しずちゃんちに行こうぜ!!」ガシッ
のび太「えっ、そんなまだなにも考えtうわ~またか~」ズルズル
どうすればしずちゃんを救えるのか、
そして、今の自分の居場所が本当に正しいのか―。
ジャイアン「ほらっ、着いたぞ。」
のび太「着いちゃったね……」
のび太がインターホンを押そうか迷っていると、ジャイアンが押してしまった。
のび太「ちょ、ちょっと!僕まだなんにも考えてないのに!」
ジャイアン「ばっかやろう!考えてもの言ってどうするつもりだ!こんなときに心で語り合ってこその心の友だろうが!!」
のび太「かっこいいけどそれじゃ社会では生きていけないよ!」
のび太「あっ……」
ジャイアン「よう!久しぶりだな、しずちゃん!こないだは俺を無視してのび太にしか声をかけなかったがぜんぜん気にしてないぜ!」
のび太「それ気にしてるって言ってるようなものだよジャイアン!」
しずか「……前に言ったことなら悪いと思ってるわ。ごめんなさい。私みたいな嫌な子、もう嫌いになったでしょう?だからもう構わなくていいのよ。」
のび太「そ、そんなこt……」
ジャイアン「ふざけんな!」
のびしず「「!?」」ビクッ
それでもしずちゃんは上辺だけ友達のフリしてるようなやつらの方が大事だっていうのかよ!?」
しずか「……」
ジャイアン「じゃあ俺はムカついたから帰る。のび太、あとは勝手に話し合いな。」
のび太「……」
しずか「……」
のび太「な、何?」
しずか「学校で一人ぼっちって、どんな感じなの?」
のび太「……」
しずか「ち、違うの!からかってるとかそういうのじゃなくて……」
のび太「わかってるよ。しずちゃんに怒られてから改めて考えてみたんだけど、もしかしたらしずちゃんみたいな生き方の方が正しいのかもしれないね。」
しずか「えっ?」
のび太「だってさ、僕は高校入ってから一人ぼっちで、忘れ物した時に借りる人もいないし、しずちゃんみたいに遊びに行く人もいないんだ。」
しずか「……」
しずか「……?」
のび太「本当は嫌なのにニコニコ笑って話すなんて僕にはできない。絶対顔に出ちゃうもん。だからいつまでも一人ぼっちなのかもね。はは……まぁ相手の為に疲れるくらいなら別に友達なんていらないけどね。」
しずか「……のび太さんが羨ましいわ。」
のび太「えっ?」
しずか「私だって一緒よ。嫌ってほど気を遣って友達ごっこするのが嫌になったからのび太さんに連絡したのよ。」
しずか「でもね、私にはのび太さんみたいな強さはなかった。上辺だけの友達なんていらないと割り切る強さがね。」
しずか「教室で他の子が喋ってる喧騒の中で、一人でなんでもない顔するのなんて耐えられない。私は弱いのよ。一人じゃファミレスにも入れないくらい弱いのよ。だかr」
のび太「弱くない。」
のび太「しずちゃんは弱くなんかないよ。嫌われるかもしれないのに、陰口言う友達にやめろって言ったじゃない。」
しずか「……」
のび太「きっと他の子たちだって嫌に決まってるよ。次は自分なんじゃないかってビクビクして過ごしてるはずだよ。」
のび太「だからさ、誰かに合わせる必要なんてない、そんな友達にすればいいんじゃないかな?」
のび太「そりゃ、そんな簡単な話じゃないのはわかってるんだけど……」
しずか「じゃあ、のび太さん。」
のび太「何?」
しずか「どうすればそんな友達になれるの?」
のび太「……」
のび太「そそ、そんなことないよ!!」
しずか「……」
のび太「……」
しずか「ふふっ」
のび太「?」
しずか「あはははは、ごめんなさい。ちょっと笑いが止まらないわ。ふふふ」
しずちゃんはダムが決壊したように笑い出した。こんなに笑ったのは久しぶりだった。
自分でも何がおかしいのかわからない。何がこんなに面白いんだろう。
あぁ、そうか。相手がのび太だからだ。ここまで正直な人間がいるだろうか。なんて馬鹿なんだろう。なんて……
しずか「ふふっ……」グスッ
のび太「ちょ、ちょっと、今度はどうしたの!?」
のび太「う、うわっ、しずちゃん?」
しずか「ごめんね。ちょっとだけこのままにして。」
しずちゃんはのび太の胸に顔を埋めながら言った。
そして、一つの答えを見つけた。
しずか「私、決めたわ。」
のび太「どうするか決まったの!?」
しずか「私がクラスを変えてみるわ。」
しずか「のび太さん私が弱くないって言ったわよね?」
のび太「うん。」
のび太は表情一つ変えずに言った。
しずか「のび太さん、私ならできるって言って。」
のび太「えっ?」
しずか「私なら皆を変えられるって言って。言うの!」
のび太「しずちゃんなら、皆と本当の友達になれるよ!」
しずか「うん!私、信じるからね!」
のび太「しずちゃんならきっとできるよ!小学生のころから優しくて、可愛くて、クラスの人気者だったからね!!」
のび太に言われると、悪い気もしない。
のび太にできると言われると、本当にできる気がするのだ。本当に不思議な人だな……
としずちゃんは思った。
…………
……
ジャイアン「悪い悪い、遅れちまったけど主役は最後に来るもんだよな!……ってまたのび太だけかよ。」
のび太「二人ともまた無理だって?」
ジャイアン「今度は二人ともシカトだ!今夜はお前も飲めよのび太!」
のび太「ぼっ、僕は学校にばれるのが怖いから無理だよ!」
ジャイアン「うるせぇ、そんなもん俺も同じだ!!」
???「あのっ!」
ジャイアン「悪い悪い、遅れちまったけど主役は最後に来るもんだよな!……ってまたのび太だけかよ。」
のび太「二人ともまた無理だって?」
ジャイアン「今度は二人ともシカトだ!今夜はお前も飲めよのび太!」
のび太「ぼっ、僕は学校にばれるのが怖いから無理だよ!」
ジャイアン「うるせぇ、そんなもん俺も同じだ!!」
???「あのっ!」
???「今日は私も参加しちゃ、ダメかな?」
そこには黒髪でお下げの見慣れた女の子がいた。
のび太「しずちゃん!!」
しずか「のび太さん、改めてごめんね。せっかく相談に乗ってもらったのに怒鳴ったりして……」
のび太「そんなの、気にしてないよ。僕たち友達じゃない!」
しずか「たけしさんも……」
ジャイアン「……は……だぜ」
しずか「えっ?」
ジャイアン「今のしずちゃんは大好きだぜ!!久しぶりだな今のしずちゃん!!」
のび太(なんだか懐かしいなぁ。中学の頃はここにスネ夫も……)
ジャイアン「よーし、じゃあこれから三人で飲むぜ!!」ガシッ
のび太「うわ~やっぱりか~~~」ズルズル
のび太「ところでしずちゃん、あれからちょっと経つけど学校の友達とはどう?」ズルズル
しずか「まだあんまり……話しかけても無視されちゃった。」
のび太「そっか……」ズルズル
しずか「でも大丈夫!友達なのにびくびく顔色伺いながら過ごすなんてぜったいおかしいもの!それに……」
のび太「……?」ズルズル
しずか「私ならできるんでしょ?のび太さん!」
しずか「私ならできるんでしょ?のび太さん!」
のび太「うん!しずちゃんなら絶対できるよ!」ズルズル
ジャイアン「後ろでごちゃごちゃうるせぇ!!」ボカッ
のび太「痛い!」
ジャイアン「まったく。さぁ着いたぞ。」
のび太「またジャイアンの家~?」
しずか「あら、たけしさんの家って(ry」
ジャイアン「いろいろあって(ry」
と、いっても同じ学校ののび太にしずちゃんとジャイアンが質問をするばかりだったのだが。
ジャイアン「なんだよ使えねぇな。お前も同じ学校ならもっと仲良くしろよな!」
しずか「まぁまぁたけしさん。」
のび太「表向きには明るく振舞ってるってことはわかるんだけど……」
ジャイアン「……」
酔っ払いながらも、ジャイアンは心配だった。
スネ夫には昔から強いやつとつるむが、その集団の中で我慢してしまう癖があった。そんなスネ夫に気が付いてから、ジャイアンはスネ夫に肩身の狭い思いをさせないように気を付けていたが、高校ではどうなんだろうか。
ジャイアン「……」
しずか「たけしさん?」
ジャイアン「お、おう!ちょっと酒を飲みすぎたぜ!」
そうこうしているうちに、夜が明けていた。
ジャイアンは考え事をしているようで、今日は自宅まで送ってくれることはなかった。
のび太「じゃあ、しずちゃん。また今度ね。」
しずか「えぇ。わざわざ送ってくれてありがとう。」
のび太「どうってことないよ!じゃあね。」
のび太と別れてから、しずかは遠くにガラの悪い集団を見つけた。
しずか(因縁つけられる前に家に入りましょう。)
そう思ったが、その集団の中に見覚えのある顔を見かけた。
しずか(スネ夫……さん?)
DQN2「マジ腹減ったわ~誰かぶん殴りたくなってくるわ。なぁ骨川?」
スネ夫「お、俺金あるから奢ってやろうか……?」
DQN1「おっ、マジでぇ?やっぱ気が利くな骨川はよ。」
スネ夫「そんなの……気にすることないっすよ……」
バキィ
DQN2「おい骨川。敬語やめろっつったろーが。俺らがいじめてるみたいだろ。」
DQN1「まぁまぁよせよ。俺らは友達だもんな。友達だからのど渇いてる友達に飲み物くれるんだよな?」
スネ夫「そ、そうっすyそうだよ。友達だもんな。」
しずか(これは……)
女子校のギスギスしたいじめしか知らないしずちゃんには先ほどのことが誕生日プレゼントをあげているように見えたのだった。
そして、スネ夫の人間関係が改善されることなく数日が過ぎた。
ジャイアン「いらっしゃいませ~。」
ジャイアンはコンビニの手伝いをしていた。
リア充1「今度俺らのバンドでこの曲やらねぇ?」
リア充2「いいね!俺最近アニソンも(ry」
ジャイアン(くそ……なんで俺は店番であいつらはあんなに楽しそうなんだ)
ジャイアン「あっ、いらっしゃいませ~。」
DQN1「俺じゃがりこな。」
DQN2「俺午後ティー。早く買ってこいよ。」
スネ夫「わ、わかったよ……」
ジャイアン(スネ夫……?)
ジャイアン「スネ夫。」
スネ夫「!?」ビクゥ
ジャイアン「やっぱりスネ夫か。なんだよお前、あいつらにたかられてんのかよ?」
スネ夫「ち、違うよ。ただの友達d」
ジャイアン「おうお前ら!自分の金はねぇのか!?」
DQN2「お客様は神様だろうが。」ヘラヘラ
スネ夫「……」
ジャイアン「神様だろうが仏様だろうがてめぇで金も払えないやつに売る商品はねぇぞ。」
DQN1「こいつ調子乗ってね?やっちゃう?」
DQN2「いんじゃね?礼儀のなってない店員を教育してやんなきゃな。」
ジャイアン「上等だこの野郎!!」
ドカッバキィグシャッ
DQN1「いってぇ……」
DQN2「くっそがぁ……」ソソクサ
ジャイアン「二度と来るんじゃねぇ!!」
スネ夫「あ、ありがと……」
ジャイアン「お前嫌なことは嫌だっていえよ!なんだったら俺様も一緒に言いに行ってやるからよ。」
スネ夫「あ、ありがとう!でも俺一人で大丈夫だから!」ダッ
ジャイアン「あっ……」
スネ夫はどうすればいいかわからなかった。
ジャイアンは友達でいてくれるが、学校にはいない。学校にいるのは自分を財布としか思っていないDQNたちとぼっちと化したのび太くらいだった。
スネ夫(自分が強くならないと。自分が……)
のび太「あれっ、スネ夫?」
スネ夫「のび太……久しぶり。」
のび太「高校じゃぜんぜん話さないもんな~そこのファミレスでちょっと話そうぜ。
スネ夫「あ、あぁ……」
……
ファミレスで目の前に座るスネ夫を見て、のび太は思った。
やっぱりおかしい。最近のスネ夫はのび太を見てもちょっかいはおろか挨拶もしてこない。
ちょっと前まで完全に見下していたのび太とファミレスに来るなど考えられないことだった。
スネ夫「……」
のび太「スネ夫、最近どうなんだよ?今日はDQNたちは一緒じゃないの?」
スネ夫「ま、まぁね。あいつらにも忙しいときがあるんじゃない?」
のび太「……」
スネ夫「……」
DQNたちの話をすると、明らかにスネ夫の表情が曇った。やっぱりスネ夫は……
のび太「なぁスネ夫、君はもしかしt」
DQN1「よう骨川。」
DQN2「さっきの豚みてぇなやつは……いないな。」
DQN1「さっきはよくもほっといてくれたな。つーか野比もいるじゃねぇか。」
スネ夫「す、すいまs」
DQN2「だから敬語やめろってんだろーがぁ!!」ガシャーン
スネ夫「……」
やっぱりな。誰も助けてくれない。それが普通だ。自分より強いものに立ち向かってまで正義を貫くなんて馬鹿げている。僕はヒーローでもガキ大将でもないんだ。
だから、俺もそれでいいんだ……
スネ夫は思い、地面に跪こうと思った時だった。
のび太「スネ夫、だめだよ。そんなことする必要ない。」
のび太「なんで同級生に土下座なんて……うわっ」ガタッ
DQN1「はい、お前かっこつけちゃったね。お前はよ、正義の味方でもなんでもねーんだよ。ただの友達のいないぼっちなんだよ。そこんとこわからせてやるから覚悟しな。」グイッ
DQN2「うわー怒らせちゃったよ。そいつキレっとマジやべーから。お気の毒~。」
スネ夫「……」
のび太「す、スネ夫……ここはいいからさ、人を呼んでk」
DQN1「ガタガタうっせーんだよ!!」バキィ
DQN2「お前も馬鹿だな~。俺らと骨川はダチなの。お前なんかどーでもいいわけ。なっ、骨川!」
スネ夫「……」
スネ夫は気づいた。
これは見せしめだ。
のび太「ぐはっ」バキィ
DQN1「弱いくせに囀ってんじゃねーぞガキが!」
財布とはいえ一年以上行動を共にしているのだからわかる。目の前で関係のない人を殴ることによって他人に助けを求められないようにしているんだ。そしてずっとスネ夫を財布にするために。
なのに、のび太はどうして……
のび太「スネ夫……」
DQN1「うるせぇ!いい加減黙れやボケ!!」
DQN2「野比もかわいそうにな。骨川なんかにかかわっちまったからこんなめに遭っちゃってよう。なぁ骨川。うははっ」
スネ夫「……ざけんな」
スネ夫「ふざけんなっつってんだよクズ野郎!!」ドカッ
DQN2「いってぇ……骨川ぁ、てめぇやっちまったぁ……」
スネ夫「うるせぇ!中堅高通いの中途半端なやつなんか怖くないぞ!!」
DQN2「てめぇぇぇぇぇぇ!!」バキッ
スネ夫「う゛ぁっ」
のび太「やめろ!」ガブッ
DQN1「ぐぁっ」
ボゴォ
DQN2「いってぇ!」
ドカッバキッガシャーン
DQN2「いてぇよ……ちくしょう……」グスッ
のび太「……はは」
スネ夫「ははじゃねぇよ弱いくせに無茶しやがってよ」
のび太「でも僕が噛みつかなかったらぼこぼこにされてたよ。」
スネ夫「うるせぇ。」
のび太「ははっ、あははは」
スネ夫「殴られすぎておかしくなったか……プッ、あははっははははは」
ジャイアン「はぁ……はぁ……お、お前ら大丈夫か?」ゼーハー
スネ夫「本当だ。あはは、おっかしいや。」
店員「おかしいじゃありませんよ!壊した椅子とテーブル、弁償してくださいよ!」
のび太「あ……」
スネ夫「……」
ジャイアン「何辛気臭い顔してんだ!そんなもん俺が出してやるよ!」
のび太「え、でも……」
スネ夫「悪いよそんな……」
ジャイアン「うるせぇ!俺はガキ大将ジャイアンだぞ!舎弟たちがやった不始末の尻ぐらい拭ってやるぜ!」
スネ夫「でm」
ジャイアン「言うな。」
のび太「……」
スネ夫「……」
ジャイアン「お前らは『心の友』だ。」
のび太「ジャイアン……」ジーン
スネ夫「ジャイアーン!!」ガバッ
ジャイアン「うおっ!俺にそっちの趣味はないぜスネ夫!」
スネ夫「ひぐっ、グスッ……」
…………
……
ファミレスの修理代を払ったジャイアンはのび太たちと別れ、自室で一人、考えていた。
さっき払った金は中学で歌唱力が急成長したジャイアンが歌の専門学校に行くための入学金だったのだ。
ジャイアン(母ちゃんには入学金だけでも払うから編入させてくれっていったんだよなぁ……)
ジャイ子「お兄ちゃんどうしたの?」
ジャイアン「ジャイ子か……なんでもないぜ!俺のことなんか気にしないで絵の勉強に励んでくれよ!」
ジャイ子「お兄ちゃんがそういうなら……」
ジャイアン「でも、どうするかなぁ……」
リア充1「俺さ、今度歌手のオーディション受けてみようと思うんだ!」ドヤァ
リア充2「お前歌めっちゃ下手じゃん!地元ののど自慢でも出とけよ。」
リア充1「……」
ジャイアン「……」
ジャイアンの母ちゃん「ちょっとたけし!あんた昨日入学金振り込んでないじゃないか!!」
ジャイアン「げっ、母ちゃん!」
しずか「~♪」
しずか「!!」ビックゥ
ジャイアン「いってぇ!だから入学金はどうしても使わなきゃいけなかったって言ってるじゃんか!なんでわかってくれないんだ!?」
しずか「たけしさん?」
ジャイアン「!?」
ジャイアン「母ちゃんごめん!夜には帰るから!」ガシッ
しずか「っ!ちょっ!たけしさん!?」タッタッタ
ジャイアンの母ちゃん「まだ話は終わってないよたけしー!!」
……
しずか「その、さっき入学金って……」
ジャイアン「おう!入学金振込に行く途中、俺様パチンコで20万すっちまいました!」
しずか「のび太さんに聞いたわ。ファミレスでのび太さんとスネ夫さんが悪い人と喧嘩したときに壊したテーブルとイスを弁償したって。」
ジャイアン「……」
ジャイアン「スネ夫たちには言わないでくれ!」
ジャイアン「頼む!あいつらの経歴に傷をつけたくないんだ!」
しずか「でもスネ夫さんの家ならお金持ちだから借りるくらい……」
ジャイアン「ついこないだまで金をたかられてたやつからまた金をとるなんて、心の友としてできないんだ……!」
スネ夫「……」
……
スネ夫(やっぱり僕がどうにかするしかないのかなぁ……)
スネ夫(別に専門学校に行けなくて死ぬわけじゃないし……)
スネ夫(別にいいよね!ジャイアンは僕と違って強いんだし!)
『スネ夫、だめだよ。そんなことする必要ない。』
『お前らは『心の友』だ!!』
スネ夫「……」
スネ夫(僕は……何もないなぁ……)
スネ夫「……」
…………
……
スネママ「あらスネちゃまおかえりなさいザマス。」
スネ夫「……」
スネママ「どうしたザマススネちゃま?」
スネ夫「ぼ、僕は……」
スネママ「何ザマス?よく聞こえないザマス。」
スネ夫(声が震えてる……やっぱり僕は……)
『ついこないだまで金をたかられてたやつからまた金をとるなんて、心の友としてできないんだ……!』
スネ夫「……」
スネママ「用がないならご飯を作ってくるザマs」
スネ夫「ママごめんなさい!!」
スネ夫「ぼ、僕は、こないだファミレスで取っ組み合いの喧嘩をしました!」
スネ夫「そして、壊した椅子やテーブルをジャイアンに弁償してもらって……」
スネ夫「その時の20万円のせいでジャイアンが歌の専門学校にいけなくなりそうなんだ!!」
スネママ「スネ夫は馬鹿な子ザマス。」
スネ夫「え……?」
スネママ「友達の為に勇気も出せない、馬鹿な子ザマス。いえ、馬鹿な子だったザマス。」
スネママ「20万くらいはした金ザマス。すぐに剛田さんに持っていくザマス。」
スネ夫「!!ありがとう!ママ!!」
スネ吉「僕がスポーツカーで送ってこうか?」
スネ夫「ううん、いいよスネ吉兄さん!僕、走っていきたいんだ!」
スネママ「まったく……目にゴミが入ってしまったようザマス。」
スネ吉「あの様子なら、もう心配なさそうだな。」
ジャイアン「でもなかなか給料が振り込まれないし……」
スネ夫「ジャイアン!!」
ジャイアン「すっ、スネ夫!!」ガサガサ
スネ夫「隠さなくていいよ!ジャイアン僕たちのせいで弁償したお金のことで困ってんでしょ?なら……」ガサゴソ
スネ夫「ママに正直に話してもらってきたんだ!20万!」
ジャイアン「なっ……」
スネ夫「だからバイトはもうしなk」
ジャイアン「いらねぇ。」
スネ夫「え……」
ジャイアン「俺は俺でなんとかするからお前はそれでラジコンでも買えばいい。じゃあな。」
スネ夫「ジャイアn」
しずか「たけしさん!!」
ジャイアン「!!」
スネ夫「……」
ジャイアン「……」
しずか「そして、その勇気を引き出したのはたけしさんよ。」
ジャイアン「え……」
しずか「スネ夫さんは今、お友達のために勇気を出して、やっとお友達を助けられそうなのよ!?ガキ大将ならそれくらい黙って受け止めなさい!!」
ジャイアン「……」
スネ夫「ねぇ、ジャイアン……」
スネ夫「僕は知ってるよ。ジャイアンが昔から意地張ってばかりだったよね。ガキ大将だからって、『俺様についてこい』って感じで自分が一番つらい時も誰にも頼ろうとしなかったもんね。」
ジャイアン「……」
スネ夫「だからさ、ジャイアン」
ジャイアン「スネ夫……」
スネ夫「……」
ジャイアン「スネ夫のくせに生意気なんだよ!」グリグリ
スネ夫「いたたた!」
ジャイアン「俺様が将来歌手になったらお前はマネージャーにしてやるぜ!わっはっはっは!!」
しずか「ふふふ。」
…………
……
こうして夏休みは終わっていった……
しずか『進路?私は大学に行って外交官になる勉強をするつもりよ。のび太さんは?』
スネ夫『僕は大学進学してパパの会社を継ごうと思ってるよ。のび太は?』
ジャイアン『俺はもちろん歌手だぜ!夢が叶ったらコンサートに招待するぜ!のび太はどうすんだ?』
DQN1『俺っすか?俺は専門行って美容師になる予定っす。のび太さんはどうすんすか?』
DQN2『う、わっ、すいません!俺みたいのが近づいたら迷惑すよね!?すいませんした!!』ピュー
のび太は誰の質問にも答えられなかった。
のび太「進路、かぁ……」
……
二年前の今頃、のび太たちは受験生だった。
だが、のび太は実行委員になり、秋に行われる文化祭準備に熱中していた。
のび太「ただいま~ドラえも~ん」
ドラえもん「おかえりのび太くん。今日もお疲れだね。」
のび太「みんなったらひどいんだ。『勉強したいから文化祭なんて適当でいい』って!」
ドラえもん「みんなの気持ちもわからないでもないけどね。」
のび太「でもさ、僕にとってもみんなにとっても中学生としての最後の行事なんだよ!?」
ドラえもん「君がいいようにするといいさ。最近の君は勉強も頑張ってるもんなぁ。僕は君が成長してくれてうれしいよ。」
…………
……
担任「進路希望の紙、まだ出してないの野比だけだぞー?早く出すように。じゃあHR終わりなー。」
スネ夫「……」
スネ夫「なぁのび太。」
のび太「スネ夫……」
スネ夫「なんかお前、高校入ってから落ち着いたよな。」
のび太「そんなこと……ないよ……」
スネ夫「と、ということでさ!帰りにスタバでも寄ってかない?お互い大人になったことだしコーヒーでも飲もうよ。」
のび太「いや……まだ進路希望出してないし、今日は遠慮させてもらうよ。」ダッ
スネ夫「あっ……」
スネ夫「高校入ってからっていうか、ドラえもんがいなくなってからだよな……」
去年の今頃もこんな感じだった。ドラえもんという友達がいなくなってから、燃えかすのように無気力になってしまった。中三の頃、学校行事にも受験勉強にも全力で取り組んだのが嘘のようだった。
ドン
のび太「あっ、ごめんなさい。」
???「あれっ、もしかして野比くん?」
のび太「出木杉くん……」
……
出木杉「いやぁ、中学以来だね。」
のび太「……」
出木杉は都会の進学校に進学したが、今日は開校記念日で帰ってきているらしかった。
のび太は思い切って訊いてみることにした。
のび太「ねぇ出木杉くん。」
出木杉「何だい?」
のび太「出木杉くんはさ、卒業後の進路希望はもう決まってるの?」
出木杉「僕は、宇宙に興味があって、アメリカの大学に行きたいと思ってるんだ。高校もなかなか楽しかったよ。」
のび太「はは、さすが出木杉くんだ。それに比べて僕は何も決まってないし相変わらずダメダメさ……」
出木杉「何言ってるのさ?僕が高校を楽しめたのは野比くんのおかげなんだよ?」
のび太「え……」
出木杉「ほら、覚えてるかい?文化祭準備の時さ。」
……
のび太「どうしてみんな協力してくれないのさ!」
出木杉はこのころ、正直のび太を鬱陶しく思っていた。
他の三年のクラスも適当にこなして終わらせようとする文化祭にどうしてここまでこだわるのか。さっさと終わらせて勉強に専念したいのが普通じゃないか。
のび太「そりゃあ僕たちにとって受験は大切だよ?でもさ、みんなで何かやるなんてこれが最後なんじゃないの?高校では離れ離れになっちゃう友達とも、好きな子とも、一緒に何かやれる最後のチャンスかもしれないじゃないか!!」
出木杉「……!」
出木杉ははっとしていた。普通なら綺麗事で片付いてしまうような言葉でも、のび太が言うと、言葉では言い表せない何かがあった。それは、のび太がいつも一生懸命だからかもしれない。
のび太「で、出木杉くん。」
出木杉「僕は、野比くんと一緒に文化祭やろうと思います。」
のび太「出木杉くん……」
ジャイアン「俺様だってそのつもりだぜ!」
スネ夫「のび太に任せてちゃ不安だからな!」
しずか「私も、最後にみんなとの思い出がほしいわ!」
「俺も!」「あたしも!」
「なんかさ、二組の野比が文化祭頑張るらしいぜ。」
「まじ?馬鹿じゃね?でも一組もなんか思い出ほしいよな……」
気が付けば学年全体が文化祭ムード一色になっていた。
出木杉は思った。
本当に不思議な人だなぁ、と。
ドラえもん「君はいつも一生懸命だからなぁ。」
と優しく微笑むばかりだった。
最近ドラえもんは、道具を出してもらうことも、叱られることもなく、ただ笑っていることが増えた。
のびママ「のび太~、早くお風呂入っちゃいなさ~い。」
のび太「あっ、は~い!」タタッ
ドラえもん「もう、大丈夫かもな。」
その後も、文化祭準備は進み、苦しいこともあったが、のび太たちのクラスは、最優秀クラスとして表彰され、文化祭は終わった。
//⌒ヽ ⌒ヽ `\
/ | ^ |^ |- 、 ヽ
// `ー ●ーU′ \ ヽ
/ ─ | ─ ヽ i 『もういいかもな』
i 二 | 二 | |
.l \ | / l !
ヽ \ | / / /
ヽ  ̄ ̄ ̄ / /
>━━6━━━━━く
/ く / ヽ
l (⌒(⌒) /
……
のび太(その後だな。ドラえもんがいなくなったのは……)
出木杉「僕はね、あの時の君の言葉もだけど、姿勢に感動したんだよ。」
のび太「え……」
出木杉「君は馬鹿だ、馬鹿だと言われながらも、必死に自分の考えを伝えようとしていた。ここまではみんな知ってるだろうね。でもね、僕が立派だと思ったのは君がちゃんと勉強を続けていたことだよ。」
のび太「……」
出木杉「勉強だって、最初はやっても無駄だとからかわれていたのにやっていて……こういうと失礼かもしれないけど君の成績で第一志望に入るなんてちょっとの努力じゃできないことだよ。」
のび太「……」
出木杉「そんな君を見て、僕は中学に入って諦めた『宇宙に行きたい』っていう夢をもう一度目指すようになったんだよ?」
のび太「……」
出木杉「おっと、もうこんな時間か。僕はもう行かなきゃ!じゃあね!」
のび太「あっ、出木杉くん!」
出木杉「なんだい?」
のび太「ありがとう!」
…………
……
のび太「ただいま!ドラえもん!!今日さ、二組が最優秀クラスになったんだ!」
のび太「あれ、いないのか……」パサッ
のび太「なんだこの紙切れ……」
のび太「!?」
のび太は家を飛び出して、闇雲に町を走り回った。
『のび太くんへ 最近の君はとても立派で僕はうれしいよ。』
ドンッ
のび太「あ、ごめんなさいっ!」
『最初は僕が君を助けるためにやってきたのに、最近は君に助けられてばかりだね。』
どら焼きやに着いた。でも、ドラえもんの姿はなかった。
空地にやってきたが、ここにもドラえもんはいなかった。
『中一の頃の文化祭、覚えてるかい?』
小学校の裏山にも、ドラえもんはいなかった。
『僕と一緒に屋上から空気砲で特大クラッカーをつくったよね。今思えば本当に無茶なことしたよ。』
慌てて走ってきた裸足が切れて血が出た。
『それでも最優秀クラスになれなくて、君は泣いたね。「絶対なってみせる」って。』
山道に足を取られて転んだ。
『あれからだね。僕に頼らなくなったのは。』
のび太「いってぇ……」
『もう、今の君なら僕は心配ない!』
のび太「嘘だ……絶対嘘だ……」グスッ
『君はもう一人で立ち上がれる!だから、さようなら。のび太くん。 ドラえもん』
のび太「ドラえもぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!」
……
のび太「……」
バンッ
しずか「のび太さんっ!」
ジャイアン「のび太!!」
スネ夫「のび太ぁ!」
のび太「しずちゃん、ジャイアン、スネ夫!」
しずか「まだ帰ってないってきいて……」フゥフゥ
ジャイアン「なんとなく思ったんだ。ここじゃないかってな。」ハァハァ
のび太「もう、心配いらないよ。」
スネ夫「え……」
のび太「ここにはけじめをつけるために来たんだ。」
ジャイアン「なんだよ……俺はてっきり思い出の中学校で飛び降りでもしだすのかと思って……」
のび太「はは、ごめんごめん。」
『まったくのび太くんは心配ばかりかけて……』
のび太「……!」
ジャイアン「やっぱりのび太には俺たちがいなきゃダメだな!」
『やっぱりのび太くんには僕がいないとダメだなぁ。』
スネ夫「で、結局のび太の進路はどうするんだ?」
スネ夫「先生に?」
のび太「うん。先生になって、授業じゃ学べないような、僕じゃなきゃ教えられないようなことを教えたいんだ!」
『まったくのび太くんは心配ばかりかけて……』
のび太「……!」
ジャイアン「やっぱりのび太には俺たちがいなきゃダメだな!」
『やっぱりのび太くんには僕がいないとダメだなぁ。』
スネ夫「で、結局のび太の進路はどうするんだ?」
のび太「あ、あぁ、僕は先生になろうと思うよ。」
スネ夫「先生に?」
のび太「うん。先生になって、授業じゃ学べないような、僕じゃなきゃ教えられないようなことを教えたいんだ!」
スネ夫「そうか~のび太が先生か~すごいじゃないか!!」
ジャイアン「まずは授業できるようにならないとな!」
しずか「ちょっとたけしさん!でも目標が決まってよかったわね、のび太さん。」
ドラえもん『よかったねぇ、のび太くん……!!』
スネ夫「どうした?のび太?」
のび太「……ド……ラえ……もん」
ジャイアン「えっ?ドラえもん?」
しずか「ドラちゃん?」
のび太「……はっ!そ、そうだ。ここにはけじめをつけに来たんだ。」
ジャイアン「さっきから気になってるんだけどそのけじめってのはなんなんだよ?」
のび太「ここはね、僕がドラえもんに最後に道具を借りた場所なんだ。」
スネ夫「そうだったのか……」
のび太「だから、ここにはドラえもんへのお礼を言いに来たんだ。」
しずか「……」
のび太「ドラえもんがいないってことを受け入れられなくて、二年前に言えなかった、ありがとうを言えるくらいにね。」
のび太「今の僕なら、分厚い壁にも一人で立ち向かえるし、もし一人でダメでもここにいるみんながいる。」
のび太「それも、みんな君のおかげだよ。だからね……」グスッ
のび太「ドラえもん、今まで、ありがとぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」
「――」
「―」
二十二世紀に、そして、ありがとうを言えなかった二年前にも届くくらい大きな声で、のび太は叫んだ。
……
ドラえもん「……?」
セワシ「どうしたの?ドラえもん?」
ドラえもん「ここはね、のび太くんに最後に道具を貸した場所なんだ。」
セワシ「えぇっ!そうだったんだ!!ところで何を貸したの?」
ドラえもん「空気砲さ。」
セワシ「えっ、じゃああのドラえもんが壊れても大事にとってある空気砲って……」
ドラえもん「さぁ!もう帰るよ!明日テストなんでしょ!?」
セワシ「うわぁ!押さないでよドラえもん!」
ドラえもん「……」クルッ
ドラえもん「……もう、大丈夫だね。」
Fin.
見ててくれた人ありがとう!
初ssってこともあって叩かれて途中で終わる予定だったんだけど最後まで見てくれた人たち本当にありがとう!!
次も何か立ててくれ
すごく感動したよ
乙
乙
ドラえもんとの別れはなんであれ悲しいなあ
Entry ⇒ 2012.04.12 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ベロクロン「隣いいか?」 ピグモン「いいですよ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333200564/
ピグモン「あなたも流れ者ですか」
ベロクロン「うん」
ピグモン「そうですか」
ベロクロン「飼い主が死んでな気がついたらここに来てた」
ピグモン「怪獣なのに飼い主が居るのですか」
ベロクロン「怪獣ではない超獣だ」
ピグモン「超獣?」
支援
ピグモン「へー」
レッドキング「オラオラ」
マグラ「道開けろ道を」
ギガス「レッドキングさんのお通りだぜ」
ベロクロン「何だあいつ」
ピグモン「この辺一帯を仕切ってるレッドキングって怪獣です」
カネゴン「ひぃ小銭に取らないで」
レッドキング「やかましい!」
ピグモン「悪い奴なんですよ」
ベロクロン「・・・・・」
マグラ「見たいですね」
レッドキング「少しいじめてやるか」
ピグモン「こっち来ますよ」
ベロクロン「先制攻撃ミサイル」
レッドキング「ぶっ」
ベロクロン「ミサイルミサイル」
レッドキング「うっうっ」
マグラ「レッドキングさーん!」
レッドキング「」
ピグモン「何なんだこの怪獣は」
ベロクロン「ふふふ」
ギガス「どうしよ・・・・・」
ベロクロン「今日から俺がここのボスだ」
ピグモン「えっ」
ベロクロン「解ったか」
レッドキング「は、はい」
リトラ「あのレッドキングを」
テレスドン「すごいやつがやって来たぞ」
ザンボラー「ミサイルって何だ?」
ガボラ「知らん・・・・・」
リトラ「誰だあいつは」
ゴドラ星人「すみません」
リトラ「はい」
ゴドラ星人「この近くにホームセンター的なのありますか?」
リトラ「あっちです」
ゴドラ星人「どうも」
ベロクロン「あれも怪獣か?」
ピグモン「宇宙人でしょうね」
ゴメス「・・・・・」
レッドキング「どうにかならないもんっすかね」
ゴメス「お前もそろそろ大人になれば?」
レッドキング「えっ」
ゴメス「だいたいいい歳だろお前」
レッドキング「はあ・・・・・」
ゴメス「いつまでも暴れん坊気取りじゃいかんぜ」
レッドキング「・・・・・」
ウルトラシリーズ第一話のタイトルを飾った貫禄
ここは怪獣墓場なんだろうか
バキシム「スケベしようや」
ムルチ(♀)「ええーっ」
バキシム「暇してるんだろお姉ちゃん達」
コスモリキッド(♀)「で、でも」
バキシム「いいじゃんすぐ終わるからさ」
ムルチ(♀)「どうする?」
コスモリキッド(♀)「少しだけならいいんじゃない・・・・・」
バキシム「決まりだね」
ゴドラ星人「性の乱れだな・・・・・」
ベロクロン「どうした?」
アントラー「ガマクジラの女がおかしな奴に寝取られちゃったんですよ」
ベロクロン「いやそんな事は自分で解決しろよ」
アントラー「それがあいつ自殺しようとしてて」
ベロクロン「どうする?」
ピグモン「行ってあげなよ」
ベロクロン「仕方ないな」
ガマクジラ「離せー」
ベロクロン「おいやめろ馬鹿」
ガマクジラ「ベロクロンさん・・・・・」
ベロクロン「女寝取られたんだって」
グビラ「何だか変な野郎で・・・・・」
ベロクロン「どんな奴なんだい?」
グビラ「頭部に角があって虫みたいな青い怪獣です」
ベロクロン「はて?どこかで会ったような・・・・・」
アントラー「最近じゃそこらの雌怪獣が食われてるみたいで」
ゴドラ星人「そいつならこの前見たぞ」
ベロクロン「あっこの前の」
ゴドラ星人「着いてきな」
ゴーストロン(♀)「ちょっと待ってよ」
バキシム「ええやん」
ベロクロン「こらっ」
バキシム「うぎゃっ」
ベロクロン「お前だったのか」
バキシム「先輩・・・・・」
ベロクロン「大変な事しやがって」
バキシム「すんません」
ベロクロン「ほら謝りに行くぞ」
バキシム「はい・・・・・」
ゴドラ星人「・・・・・」
バキシム「はい」
ベロクロン「お前今何してんの」
バキシム「ドラゴリーと会社経てたんですけどね潰れちゃいました」
ベロクロン「ふーん」
ゲン「おーい!そいつを掴まえてくれ」
カーリー星人「ハァハァ」
ベロクロン「パンチ」
バキシム「キック」
カーリー星人「あうっ」
白土「このこの」
梶田「くたばれっ」
カーリー星人「痛い痛い」
ゲン「誰だか知らないがありがとう」
グドン「おお」
レッドキング「何してんだ」
グドン「アーストロンを待ってるんだ」
レッドキング「そうか」
アーストロン「・・・・・」
レッドキング「酷いツラだな」
グドン「こいつバードンに挑んだんだぜ」
レッドキング「あいつにか?」
アーストロン「強かったぜ・・・・・」
レッドキング「あいつはやめとけって言ったのに」
グドン「ゴモラもキングザウルス三世のぶっ殺されたからな・・・・・」
レッドキング「・・・・・」
アーストロン「どうした」
レッドキング「バードンを嗾けてあの超獣野郎を」
グドン「やめとけやめとけ」
アーストロン「自分が惨めになるだけだぞ・・・・・」
グドン「お前病院行った方がいいんじゃねえか」
アーストロン「そうする・・・・・」
グドン「俺こいつ連れてくからあんま余計な事すんなよ」
アーストロン「うーん痛い・・・・・」
レッドキング「けっ・・・・・」
ピグモン「円盤直りそうですか?」
ゴドラ星人「全く」
リトラ「エンジン部分がメチャクチャになってる」
ゴドラ星人「はあ・・・・・」
ピグモン「そんな落ち込まんでも」
ザンボラー「ピグモーン」
ピグモン「ん?」
ザンボラー「ベロクロンさんに客人だ」
ピグモン「今日はあの人見て無いよ」
ダン「やかましい!」
ゲン「隊長は相変わらず酷いな」
ベロクロン「あいつ何言ってたんだ」
ゲン「どうやら宇宙恐竜とか言うのが地球へ来るとか」
梶田「また生け捕りしました隊長」
白土「キビキビ動け」
ウルフ星人「畜生・・・・・」
ダン「今日はやけに星人が多い日だな」
ベロクロン「・・・・・」
レッドキング「ですから・・・・・」
バードン「俺にそいつを倒せと」
レッドキング「はい」
バードン「・・・・・」
レッドキング「生きのいいケムジラです」
ケムジラ「離せー離せー」
バードン「・・・・・」
レッドキング「どうですか・・・・・」
バードン「仕方がないから手伝ってやるか」
バキシム「・・・・・」
ピグモン「あっベロクロンさん」
ベロクロン「どうした?」
ピグモン「お客さんです」
ベロクロン「客?」
ドラゴリー「・・・・・」
ルナチクス「・・・・・」
サボテンダー「・・・・・」
ベロクロン「お前たち」
ドラゴリー「ベロクロン・・・・・」
ベロクロン「揃いも揃って」
ルナチクス「僕たちも職を失ってね」
サボテンダー「気がついたらここに・・・・・」
ベロクロン「・・・・・」
レッドキング「おい」
ベロクロン「あっ」
バードン「こいつか?」
レッドキング「はい」
ベロクロン「誰だこいつは」
ピグモン「バードンだ・・・・・」
ベロクロン「バードン?」
ピグモン「逃げなきゃ殺されるぞ!」
ベロクロン「?」
バキシム「・・・・・」
ドラゴリー「どうするんだ」
ベロクロン「やるしかないだろ」
ピグモン「敵いっこないよ・・・・・」
ゴドラ星人「どうしたんだこの騒ぎは?」
リトラ「あっバードンだ」
ザンボラー「何てこった」
ベロクロン「俺だ」
サボテンダー「待てベロクロン」
ベロクロン「何?」
サボテンダー「こいつを使おう」
ベロクロン「これは・・・・・」
サボテンダー「超獣製造機」
ベロクロン「これでどうすんだ?」
サボテンダー「合体だ俺たちで」
ベロクロン「できんのか?」
サボテンダー「知らない」
ベロクロン「待て」
バキシム「どうするんです?」
ベロクロン「物は試だやってみよう」
ドラゴリー「ゴクッ・・・・・」
ルナチクス「それじゃあ入るよ」
ピグモン「どうなるんだろ」
リトラ「・・・・・」
ゴドラ星人「・・・・・」
ピグモン「パーツ的な物がちらほらと」
リトラ「確かに」
レッドキング「頑張ってください」
バードン「よし」
ベロクロン「アタタタタタタタ」
バードン「うげげっ」
ベロクロン「蹴り」
ザンボラー「バードンが飛んでいく」
ピグモン「ん?」
バードン「何だあれは」
ベロクロン「落ちてくるぞ」
レッドキング「・・・・・」
リトラ「何だこいつは・・・・・」
ゼットン「ゼットン・・・・・ゼットン・・・・・」
ベロクロン「む、虫だ」
バードン「・・・・・」
バードン「・・・・・」
リトラ「・・・・・」
ゴドラ星人「こいつはゼットンか?」
レッドキング「あんた知ってんの」
ゴドラ星人「えらく強いと評判の怪獣でな」
レッドキング「マジでか」
ゴドラ星人「マジで」
レッドキング「・・・・・」
バードン「そうだな」
グドン「おーい」
リトラ「あっ」
ピグモン「どうしよう」
ゴドラ星人「俺たちも戦うしかないな」
ゼットン「ポポポポポポポポ」
ベロクロン「行くぞ」
バードン「おお」
ベロクロン「強いな」
バードン「そうだな」
ゴドラ星人「」
グドン「」
ザンボラー「」
リトラ「みんな倒されてしまった」
ピグモン「・・・・・」
ゼットン「ゼットン・・・・・ゼットン・・・・・」
ベロクロン「・・・・・」
バードン「・・・・・」
ゼットン「イテッ・・・・・」
ピグモン「援軍だ」
ベロクロン「誰だあんた」
レオ「俺だよMACのゲン」
ベロクロン「あーあ」
バードン「知り合い?」
ベロクロン「一応な」
レッドキング「頭突きー」
ゼットン「ポポポポポ」
レッドキング「」
バードン「あっ倒された」
ベロクロン「・・・・・」
ピグモン「あっ」
リトラ「どうした?」
ピグモン「空が割れてる」
リトラ「本当だ」
バードン「何がなんだか・・・・・」
レオ「・・・・・」
ベロクロン「・・・・・」
ベロクロン「あっ」
エースキラー「よお」
ベロクロン「何してんだよ」
エースキラー「ヤプール様復活してからお前ら探しててな」
バードン「知り合いか?」
ベロクロン「うん」
エースキラー「久しぶりに会ったけど妙に形が変わったなお前」
ベロクロン「合体したからな」
エースキラー「ふーん」
ベロクロン「そうだ」
バードン「どうした」
レオ「何かいい案でもあるのか」
ベロクロン「奴を異次元の果てに吹っ飛ばそう」
エースキラー「おお」
ベロクロン「レオあんたはなるべくゼットンを弱らせてくれ」
レオ「よし。アストラー」
アストラ「呼んだか兄さん」
ベロクロン「弱ったゼットンをバードンとリトラが持ち上げてくれ」
リトラ「よし」
バードン「お前はどうすんだ」
ベロクロン「穴の近くまで持ち上げたら俺がミサイル撃って飛ばしてやる」
バードン「・・・・・」
エースキラー「広がったぞ」
ベロクロン「よし」
リトラ「よしそっと」
バードン「・・・・・」
リトラ「ここらでいいかな」
ベロクロン「よし離せ」
バードン「はい」
ベロクロン「超ミサイル」
ゼットン「ゼッ・・・・・」
エースキラー「おー飛んでったぞ」
ピグモン「やった」
ピグモン「お元気で」
ベロクロン「あんま悪さするんじゃないぞ」
レッドキング「はい」
バードン「・・・・・」
エースキラー「ほら閉まるぞ」
ベロクロン「次出くわしたときは多分敵同士だろうな」
ゲン「そうだな」
ベロクロン「それじゃ」
ピグモン「またいつか会いましょう」
ベロクロン「・・・・・」
終
乙
Entry ⇒ 2012.04.09 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
御狐神「凛々蝶様を無視し続けたらどうなるか」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333714044/
凛々蝶「反ノ塚か……。おはよう、とでも言って欲しかったのかな? ……ってそうではなく!」
凛々蝶「その……御狐神くんの様子がおかしいんだ」
反ノ塚「いつもじゃね?」
凛々蝶「だからそうじゃなくて!」
反ノ塚「え? ミケが? お前を?」
凛々蝶「ああ……」
反ノ塚「まっさかー、ただ聞こえてなかっただけじゃないの?」
凛々蝶「そんなハズはない! これくらいの距離で彼が僕の声を聞き漏らす訳がないだろう!」
反ノ塚「この前脱衣所でくしゃみしたらティッシュ箱抱えて飛んできたって言ってたもんなー」
凛々蝶「しかし……」
反ノ塚「そんなに気になるなら本人に直接聞いてみればいいじゃないの、おーいミケー」
凛々蝶「!?」
反ノ塚「いや、なんかね、こいつがさっきミケに挨拶したのに返事して貰えなかったーって拗ねてるから」
凛々蝶「だ、誰が拗ねるか!! 勝手なことを言うな!!」
反ノ塚「こいつこういうこと地味に気にして傷付いちゃうタイプだからさー」
凛々蝶「うるさい!」
反ノ塚「だってよ。だから言ったろ? ミケがお前のこと無視なんかするわけないって」
凛々蝶「べ、別に僕は気にしてない……」
反ノ塚「ったく相変わらず素直じゃないなぁーこいつは。そんじゃミケ、朝飯まだだろ? 後頼むわ」
御狐神「はい。……かしこまりました」
野ばら「……おはよう。凛々蝶ちゃん、反ノ塚見なかった?」
凛々蝶「? 彼なら自分の部屋に帰ったようだが。大方二度寝しようとでも考えてるんじゃないか?」
野ばら「そう……分かったわ。ありがとう、凛々蝶ちゃん」コツコツコツ
凛々蝶「……? なんだったんだ?」スッ
カルタ「ちよちゃん、どうかしたの?」
凛々蝶「い、いや! なんでも! ……ない」
御狐神「」スッ
凛々蝶「(いつも通り椅子は引いてくれるし食事も僕の好きなものを並べてくれる……やはりさっきのは僕の思い違いだったんだ)」ソワソワ
カルタ「(ちよちゃん、かわいい)」
カルタ「ふたりは……びょういん……」
凛々蝶「なっ!? 事故にでもあったのか!?」
カルタ「ううん、そうじゃなくて……」
カルタ「……のどか?」カポーン
凛々蝶「どういうことなんだ……」
凛々蝶「ああ見えて夏目くんは身体が弱いからな……後で様子でも見に行こうか」
カルタ「入院はしないと思うけど……お見舞い? ……フルーツ、羊羹、プリン……」
凛々蝶「(相変わらず食べ物ばかりだな……)」
凛々蝶「御狐神くん、悪いが後で車を出してくれないか?」
御狐神「……」
凛々蝶「……御狐神くん?」
御狐神「……」
凛々蝶「……おい、笑顔のまま寝ているのか?」
御狐神「……」
凛々蝶「ふざけるのもいい加減に……!」ガタッ
カルタ「みけつかみ……」
御狐神「はい。なんでしょう、髏々宮さん」
凛々蝶「!?」
カルタ「みけつかみ。そういうのは……よくない」
御狐神「……さて、どういうことでしょう。分かりかねますが」
カルタ「……いくら
凛々蝶「待て、彼は僕のシークレットサービスだ。僕が話を付ける!」
御狐神「……」
凛々蝶「何かの間違いだと思っていたがやはり君は僕を無視しているようだな!」
御狐神「……」
凛々蝶「一体どういうことだ!? 僕が何か君の気に障るようなことをしたのか!?」
御狐神「……」
凛々蝶「もしそうなら……ちゃんと謝るから……! だから……!無視をするのは……やめてくれ……」
凛々蝶「彼はもう、僕の名前も呼んでくれないんだな……」
カルタ「……ちよちゃん」
凛々蝶「やっぱり、彼はこれまでずっと我慢してきたんだろうか?」
カルタ「……」
凛々蝶「ありのままの僕が好きだと言ってくれてたけど、心の奥では僕のこんな態度を……ずっと腹立たしく思っていたのかな……?」
カルタ「……そんなこと、ない」
凛々蝶「でも、彼は実際に僕を……」
カルタ「みけつかみは、理由もなしにちよちゃんにあんなことをしたりはしない」
凛々蝶「……」グズッ
カルタ「ハンカチ。とにかく、おいかけて問い詰めるべき」
凛々蝶「ああ……分かった、どんな理由があるにせよ、彼からそれを聞き出してやる!」
御狐神「……」
凛々蝶「待て!」
御狐神「……」
凛々蝶「捕まえたぞ……! ここなら邪魔が入る心配も無いし、君も逃げられないだろう!」
御狐神「……」
凛々蝶「相変わらずだんまりか、芸が無いな」
御狐神「……」
凛々蝶「幸いなことにここは顔見知りしか住んでいないマンションだ。彼らには迷惑をかけるが、僕の納得のいく答えを聞かせてもらうまで、君をこのエレベーターからは出さないからな!」
普通に「放置プレイ・・・S!!」とか言いそう
余裕で想像できた
すげえ見たい
御狐神「……」
凛々蝶「頼むから……!」
御狐神「……」
凛々蝶「僕の言葉遣いや態度が気に入らないというのなら幾らでも直す!」
御狐神「……」
凛々蝶「だから……! お願いだから……!」
御狐神「……」
凛々蝶「僕を……見てくれ……」
御狐神「……」ザッ
凛々蝶「ま、待て! まだ話はーー」スカッ
御狐神「……」スタスタスタ
凛々蝶「なっ……!?」
御狐神「……」バタン、ガチャッ
凛々蝶「(先祖返りの力を使ってまで……僕とは話したくないのか……)」
凛々蝶「はは……」
凛々蝶「(やはり僕には、人と関わるなんて、無理だったみたいだ……)」
凛々蝶「(こんなことには、慣れてるつもりだった)」
凛々蝶「……だけど、君には、君にだけは嫌われたくなかった……」ポロ
凛々蝶「……御狐神くん……なんで……」ポロポロ
凛々蝶「うわぁぁぁぁぁぁぁーー!!!」
凛々蝶「……んん……」モゾ
凛々蝶「……寝て……しまっていたのか……」
凛々蝶「(なんだろう……凄く、嫌な夢を見ていた気がするが……)」
凛々蝶「(そう……御狐神くんが僕をーー!?)」
凛々蝶「……夢だ、夢に決まってる」
凛々蝶「そんなこと……あるハズがない」
凛々蝶「彼の部屋に、行ってみよう」
ーー
凛々蝶「御狐神くん、居るか?」
凛々蝶「……いないなら、いないって返事をしてくれ」
凛々蝶「御狐神くん……!」ガチャッ
凛々蝶「!? 鍵が……掛かってない……」
凛々蝶「悪いが、返事が無いなら入らせて貰うぞ……!」
凛々蝶「(彼の匂いがする……)」
凛々蝶「たった一日のことなのに、もう随分昔のことのように感じるな……」
凛々蝶「でもやはり、部屋にはいないか……」
ヒラッ
凛々蝶「……? テーブルの上にこれは……置き手紙!?」
彼らしい丁寧な、しかし何処か懐かしさを感じるような字で、おそらく僕へ向けてと思われるメッセージが一言だけ綴られていた。
『ラウンジへ』
野ばら「反ノ塚~。はい、口開けて♡ あんたカレーうどん大 好 き だ っ た で し ょ ~ ?」
反ノ塚「いや、あのね野ばら姐さん。確かにカレーうどんは好きだけど……ちょ、熱っ! やめて!せめて食わせるなら食わせるで普通に食わせて! そこ明らかに頬っぺただから!」
凛々蝶「」
夏目「渡狸様。ハーブティーは如何ですか? ラベンダーには鎮静効果があります。先程からご気分が優れないご様子。これを飲んで、少し落ち着いてください」
渡狸「俺の気分が優れないのは十中十全てお前のせいだー!! やめろよ! 本当にそういうのやめろよ! 蕁麻疹が出るじゃねーかぁー!!!」
凛々蝶「」
カルタ「みんな、なかよし」
カルタ「たたかわなくちゃ、げんじつと」
凛々蝶「ろ、髏々宮さん……これは一体……」
カルタ「これも全部、かげさまの仕業」
凛々蝶「な、なにっ!?」
蜻蛉「フゥーハハハ!! 久しぶりだな! 我が肉便器共!!」ガッシャーン
野ばら「っていうことは……もうこの茶番劇も終わりでいいのよね……?」ピキン
反ノ塚「あっ」モッタイナイ
蜻蛉「ああ。双熾ならばもっと早くに音をあげるかと思ったが……読みが外れたな」
凛々蝶「一応弁明だけは聞いてやろう」ジャキッ
蜻蛉「一瞬で変身し私の喉元に得物を突き付けるとは……その決断力S!」
蜻蛉「フゥーハハハ! この容赦の無い力加減! まさしく……今回の件を計画したのは私と残夏だ」
カルタ「おどしにあっさり屈するカゲさま、かっこわるい」
夏目「SSの皆でクジを引いてー、今日一日その内容でパートナーに接しようーっていうゲームだよー。もし破ったらドキドキの罰ゲームっていうペナルティ付きー」
蜻蛉「私には別の役割があったので自然我がMy性奴隷はゲームから除外される運びとなり、ゲームの内容は知らせていなかったが……」
カルタ「たぶんカゲさまの仕業だとは、思ってた」
蜻蛉「さすがは我がMy肉便器! その洞察力……話を続けよう」
野ばら「マンモスの隣に寝かせてくるわよ」
蜻蛉「『デレデレ』だ。他にもいろいろと用意していたのだがな」
夏目「接する内容はクジだけどー、罰ゲームはその人が『一番したく、されたくないこと』だよー。例えば野ばらちゃんのペナルティを僕が受けたってどうってこと
野ばら「夏にいちごシロップとランデヴーさせるわよ」
夏目「(そーたんのあれはちょっと微妙なところだったけど、あれがなかったら流石にちよたんが可哀想だからね)」
野ばら「ところで、あんた自分が言い出したこと、忘れてないでしょうね?」
蜻蛉「はてさて、なんのことやら」
野ばら「もし誰一人としてルールを破らなかった場合、今後一切このマンション内での変態行動及び変態発言禁止、そしてーー」ピキン
御狐神「それ相応の報いを受ける。ーーまさか蜻蛉様は、自分が言い出したことを反故にするなんて真似、なさらないでしよぅ?」ジャキッ
蜻蛉「……」
蜻蛉「さらばだ我が肉便器共よ! 私は再び悠久の旅に出る!!」ガッシャーン
夏目「せめて入ってきたところから出ていけばいいのにー♪」
ーー
御狐神「ーーということだったのです。何の弁解の余地もありません。どうぞ、お好きなように……」スッ
凛々蝶「だから! 自分を大事にしないか! 懐かしいなこのやり取り!」バッ
御狐神「しかし……! あのような戯れに凛々蝶様の心を傷付けて……僕は……!」
凛々蝶「……いいんだ」ポフッ
御狐神「り、凛々蝶様……?」
凛々蝶「もう僕は二度と……君を失うようなことにはなりたくない。今回みたいなことになって、初めて僕は自分の気持ちに気付いた……」
御狐神「……」ポロポロ
凛々蝶「これだけは約束してくれ。頼むから……もう、こんなことはやめてくれ。どんなことがあっても……必ず僕を見ていてくれ……お願いだ」
御狐神「はい……はい……!」ポロポロ
凛々蝶「……」
凛々蝶「(よく考えると僕は、物凄く恥ずかしいことを言っているんじゃないだろうか……?)」
御狐神「凛々蝶様……」
凛々蝶「な、なんだ!? 御狐神くん!」
御狐神「貴女をあそこまで苦しませておいて、何のお咎めも無しなど、やはりこのままでは、僕は僕自身を許すことが出来そうにありません。どうか、この犬に罰をお与え下さい」
凛々蝶「本当に真面目だな、君は」
御狐神「……」
凛々蝶「……そうだな。なら、もう夜も遅いが」
凛々蝶「新しいコーヒーのブレンドの試飲にでも付き合って貰おうか、御狐神くん」
御狐神「……はい。いつまででも、付き合わせて頂きます。凛々蝶様」
~おわり~
アニメ終わったし難しいだろうけどいぬぼくSS増えないかなー
>>24が超見たいんで誰か書いて下さい
反ノ塚「んー?」
カルタ「渡狸を、無視し続けたら、どうなるか」
反ノ塚「いや、それはもう分かったから。いきなりどしたの、藪から棒に」
カルタ「前にね、蜻さまが言ってたの。『放置プレイはされればされるほど燃え上がる』って……」
反ノ塚「あ、そう。まぁ言いそうだわな」
カルタ「渡狸も言ってた……。『男は燃え上がるほど強くなれる!』って」
反ノ塚「少年漫画のよくあるパターンね。なんか違うような気がするけど……それで無視なわけか」
カルタ「渡狸、いつも強くなりたいって言ってたから……」
夏目「ふふふ~。うんうん、ボクはいいと思うよ~。面白そうだしね」
反ノ塚「ちょ、いきなり何……。マジビビッたんだけど」
夏目「細かいことは気にしな~い。カルたんガンバ☆ラスカルもきっと喜ぶよ」
カルタ「うん……頑張る」
乙かれ。そしてこんだけ思い浮かんだ
書け
いや書いてください
書けば世界が広がると思う
任せた
凜々蝶「ハッ、今日も近況報告か。いつも律儀なことだ、不良なのに」
渡狸「うるせー! 俺は不良(ワル)だぞ! なめんな!」
カルタ「…………」
渡狸「カルタ? おい、カルタ……。おーい……あれ?」
凜々蝶「フン、君はいつも騒がしいからな。呆れられたんじゃないか?」
渡狸「そ、そんなこと……」
御狐神「単に聞こえてなかっただけかもしれません。もう一度声をかけてみてはどうでしょう」
渡狸「そ、そうか。そうだよな。おーい!! カールター!!!」
カルタ「…………」
凜々蝶「あれ、また無視……。いやでも髏々宮さんはそんなことする人じゃないし……。まさか本当に!?」
渡狸「嘘だ。嘘だろ……? うわああああ!!」ダッ
書くの遅いし先も考えないから自分にSS描くのは無理。誰か書いて
書いたのだから最後まで責任を持とうじゃないか
だからはよ書け
凜々蝶「はぁ……はぁ……。渡狸くん、いきなり、走っていくな……」
渡狸「うわ! な、なんだよお前、ついてくるんじゃねぇよ!」
凜々蝶「僕の言葉のせいで君が傷ついたみたいだったからな。一言謝ろうと思ってきただけだ」
凜々蝶「髏々宮さんが返事をしなかったのは何か理由があるに決まっている。だから君が傷つく必要はない」
渡狸「別に、俺は傷ついてなんかねぇ……」
凜々蝶「ほぅ、そんな真っ赤な目で言っても説得力にかけるぞ?」
渡狸「うるせー! 泣いてなんてなかったんだからな!」
凜々蝶「フン、そういうことにしておいてやろう。……とりあえず、僕と一緒に髏々宮さんに会いに行こう。それで解決するはずだ」
渡狸「…………分かった」
カルタ「ちよちゃん……。うん、こんにちは」
凜々蝶(なんだ、いつもの髏々宮さんじゃないか。これなら渡狸くんも……)
渡狸「カルタ、あの、さっき……」
カルタ「ちよちゃんも、食べる……?」
凜々蝶「え? ああ。仕方ない、頂こうか」
凜々蝶(彼が話しかけているというのに彼を見ず僕に? い、いや、何かの間違いに違いない!)
カルタ「おいしい……?」
凜々蝶「フン、悪くない味だ……じゃなくて、渡狸くんから君に話があるようだが……」
渡狸「「あ、あのさ、カルタ――」
カルタ「そう、よかった。ちよちゃんもっとあげるね」
凜々蝶(渡狸くん関連のことだけ聞こえていない!? ていうか姿も見えていない!?)
凜々蝶(変化して泣きながら走っていった……)
凜々蝶「髏々宮さん、どうしてあんなことを」
カルタ「渡狸のこと……?」
凜々蝶「ちゃんと気づいていたのか、なら尚更……」
カルタ「渡狸を、強くしてあげたいから」
凜々蝶「…………は?」
カルタ「えっとね、前に蜻さまが――」
~事情説明~
凜々蝶「いや、その理屈はおかしい。……しかし、そうか。そういう事だったのか」
カルタ「駄目だった……?」
凜々蝶「髏々宮さんが悪いわけじゃない。だけどやり方は間違っている」
凜々蝶(仮に強くなれたとしても、僕のように虚勢をはる力が強くなるだけだろう)
凜々蝶「……原因は蜻蛉と夏目くんと反ノ塚だな」
凜々蝶「……君はいつも突拍子なく現れるな」
夏目「ミステリアスなウサギさん。それがボクだも~ん」
御狐神「それで凜々蝶さま、犯人の方々の始末はどうなされますか? 僕はいつでも汚れ役を引き受けますよ」
凜々蝶「み、御狐神くん……いたのか」
御狐神「えぇ、最初から最後まで凜々蝶さまのお側に控えておりました」
御狐神「そして、どうなされますか? 一言『殺れ』と仰るだけで僕がすべてを終わらせてきます」
夏目「きゃー怖~い、そーたん」
凜々蝶「そんなことはしなくていい! ……ただ、渡狸くんへのフォローが必要だな」
カルタ「……渡狸に謝ればいいの?」
凜々蝶「ああ、その方がいい」
カルタ「行ってくる……」
渡狸「~~~!」
カルタ「~~~?」
渡狸「~~~!///」
夏目「いつも通りの二人に戻れたみたいだね。これでめでたしめでたし、かなー?」
凜々蝶「君が言える立場か。もっとしっかり反省しろ」
野ばら「うわっ、ナニコレ? ムサい男が3人並んで正座って……」
ちの「イタズラ教唆の罪で反省だってー。あはははは」
反ノ塚「野ばら姐さん、助けて。もう俺足の感覚なくなっちゃったかも……」
野ばら「一生そうしてなさい」
反ノ塚「……ひでー」
蜻蛉「私も悪いことになるのか? しかし懲罰プレイ悦いぞ悦いぞー!」
見てくれる人がいたらこんな時間までご苦労だったな。……どうもありがとうございました
>>1乙の印として捧げます
Entry ⇒ 2012.04.07 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
バルクホルン「太刀使いか……」芳佳「ハンマーさんかぁ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333444755/
バルクホルン「換えられるか聞いてみよう」
芳佳「え、太刀って嫌われてるのかな……私知らなかった……」
芳佳「しょうがない、ライトボウガンにしよっと」
バルクホルン「ライトか……やや不安が残るが、私ならこの程度なんとでもなるだろう」
バルクホルン「むっ」
芳佳「あ、誰か入ってきた」
シャーリー「切断は私のスラックスに任せて下さい、っと」
バルクホルン『よろしくお願いします^^』
芳佳『皆さんの足を引っ張らないよう頑張りますのでよろしくお願いします!』
シャーリー『よろしくねー』
バルクホルン「最初のクエストは……下位ジンオウガか」
シャーリー「一応ひやしアメ飲んでってやるか」
バルクホルン『5にオウガいます^^』
芳佳『分かりました』
シャーリー『injuさん、危なくなったら下がって下さいね』
芳佳『気を付けます』
バルクホルン「初心者にしては礼儀正しいし、なにより素直だ」
バルクホルン「まるでクリスか宮藤のような……」
芳佳「この人の^^ウザいなあ」
バルクホルン『付いてないんで使っちゃって下さい^^』
シャーリー『了解ですゝ』
バルクホルン「オウガは頭が高いからな、ダメージソースになるのは私よりもスラックスだろう」
バルクホルン「とはいえ、下位なら適当に殴っているだけでも問題は無いだろうが」
芳佳『おっきいですね』
バルクホルン「ふふ……この新鮮な反応が可愛らしい」
バルクホルン『最大金冠になったらこんなものじゃないですよ^^;』
芳佳「うざっ」
バルクホルン『先にファンゴやっときますね^^』
シャーリー「お、このハンマー分かってんな」
シャーリー『お願いします』
シャーリー『尻尾もうちょいです』
芳佳『もう少しですか?』
シャーリー『すぐ終わりますよ』
バルクホルン「おっ」
シャーリー「転倒チャーンス! 強撃属性解放付きィ!」
バルクホルン「スタンプスタンプ」
芳佳「攻撃のチャンス? え、えっと」
>拡散弾 Lv1
バルクホルン「1、2の!」
ドカァン
シャーリー「えっ」
バルクホルン「あっ」
《モンスターを討伐しました》
《1分後に帰還します》
芳佳「やった!」
芳佳『やりましたね! お疲れさまです!』
シャーリー「……」
芳佳「しゃべってくれないなあ」
芳佳「まあ、剥ぎ取り中じゃ仕方ないか」
芳佳「あっ、確か尻尾も剥ぎ取れるんだよね」
ザクッザクッ
《クエストクリア!》
バルクホルン『すみません^^; フレに呼ばれたんで落ちますね^^;』
芳佳『お友達ですか? わかりました、ありがとうございました』
バルクホルン『どうも^^;』
芳佳『シャルロッテさんは大丈夫ですか?』
シャーリー『大丈夫ですけど、injuさん』
芳佳「?」
シャーリー『片手とかハンマーみたいな武器なら割と大丈夫ですけど』
シャーリー『さっきの拡散とか散弾は、跳ぶ方向が予測できないので』
シャーリー『結構味方も巻き込んでしまうんです』
芳佳『そうだったんですか? すみません……』
芳佳『クリスさんに悪いことしてしまいました』
シャーリー『次から気をつけて貰えれば大丈夫ですよ』
シャーリー「さて…そうだな……」
シャーリー『injuさん、一旦解散して別な人探しませんか?』
シャーリー『二人でやるより効率いいですし』
芳佳「え……解散してもいいけど、また来てくれるのかな……」
芳佳『私とシャルロッテさん以外の人を探すってことですよね?』
シャーリー『そうですよ』
芳佳「良かった」
芳佳「あっ」
『はじめまして。私にもお手伝いさせて頂けますか?』
シャーリー「!」
芳佳「この名前、この武器……まさか……!?」
芳佳「と、とりあえず許可を……」
MIO『ありがとうございます。よろしくお願いしますね』
芳佳『ナルガクルガってやつをお願いします』
MIO『了解です☆』
シャーリー「嘘だろ。少佐が"☆"なんて使うのか……」
シャーリー「……いや、まさかな。偶然だ」
MIO『シャルロッテさん、叩きつけ回避の為に尻尾優先でお願い出来ますか?』
シャーリー『はい、任せて下さい』
シャーリー「こいつがただの太刀厨か、それとも……」
シャーリー「私が見極めてやる」
芳佳『強そうですね』
MIO『強いですよー、ふふふ』
シャーリー「……」
MIO『迷惑切りしないようにしますが、ぶつかったらごめんなさい!』
シャーリー『割と大きいし、近づきすぎなければ平気だと思いますよ』
MIO『どうもー。気をつけますね☆』
シャーリー「……見せてみろ!」
シャーリー『もうちょいで尻尾一段階です』
MIO『はーい』
芳佳「リロードしなきゃ……」
バッ
シャーリー「やべえ!」
芳佳「ちょ……」
ズバァ!
太刀振るう剣士の刃は 対手に触れぬことが出来るのか?
出来る 出来るのだ
ギャオン!
MIO『危なかったですねー』
芳佳「……!」
シャーリー「す…すげぇ……!」
MIO『これ、私がシャルロッテさんの手柄横取りした形ですか? すみません…』
太刀を背負った正体不明のハンター『MIO』は
八面六臂の活躍を見せ続けた
そして
ギュアアァ…
《モンスターを討伐しました》
《1分後に帰還します》
MIO『終わったーv』
芳佳『お二人ともありがとうございました!』
シャーリー『お疲れさまー』
シャーリー「……」
シャーリー「これが……サムライ……」
シャーリー『いいよー』
MIO『ごめんなさい、そろそろ仕事に戻らなきゃなので……』
芳佳『そうですか……ありがとうございました!』
MIO『本当にすみません! 夜はほぼ毎日いるので見かけたら誘って下さい☆』
シャーリー『お疲れ、少佐』
シャーリー「ふふん。本当に少佐だったりしてな」
MIO『おつかえsまでしtや』
シャーリー「……」
シャーリー「なにこれ。え? 嘘だろ?」
ミーナ「しょうs……」
ミーナ「まさか……バレた…!?」
コンコン
坂本「ミーナ、入るぞ」ガチャッ
ミーナ「えっ!」
坂本「なんだ、どうした」
ミーナ「え、いっ、いや、なんでもないわ」カタ…カタ…
坂本「そんなに疲れているのか? どれ、肩でも揉んでやろう」
ミーナ「待って!」ッターン
坂本「何を焦っているんだ?」
ミーナ「……なんでもないの。もう大丈夫だから」
坂本「?」
おわり
乙
他の人がどんなHNで武器を使ってるのか気になるな
Entry ⇒ 2012.04.05 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
イカ娘「安価で地上侵略を達成させるでゲソ!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333263701/
,. -――‐- .
./ `丶、
.// ,. -―――-ミー 、
../ ′ /: : : : : : : : : : : : : :\ 〉
./ i /: : : : : : : : : : : : : : : : : : :`≧=-
. / | /: : : : : : : : : : : : : : : : ヽ : : : : ‘,
./ | / : : : :|: :、: : : : : |\: : :| : : : : : |
.`ー=ニ二/ : : : :_|_/ \ : : : ! ,xく:|\ : : : |
{ f : : : : : : :|;x:≧x、\/ んハ Y ハ: : ,'
.ヽ|: : : : : : :〃んハ V:り ; :∧/
‘,: : : : : :从 V:り ‐ {: { , ---、_
. | ∨\八 ‐ __'_ ノ : 、___,/: :, --、_: \__
. |: : `ーヽ: ヽ { ソ /\: : \_;/ 〉: : /
,.f⌒\: _,ri : | ー---r 、´ヽ}: : : :\ : ` ー-- 、  ̄
../: ‘, ヽ | : | { | {: \: : : ` ー--- 、: :\_
./: : :/ :, ', : |\.___ /| :,\: \: : : : : : \ \__: \__
/ : : //: : ∧ i : | \ | }、:} ヽ: :ヽ ̄`\: :\ 〉: : :/
/: : :/ /:,. ┴‘. | : :, ヽ| ノ \⌒ヽ}__ } : : }  ̄
. | : / /: : : : : : } :!ヽ :\ / \_ノ : :/ r 〉 \: \
. |: :i /: : : : :r‐一' ,ハ: :‘,: \/ ∧ ゝ-く_う __/ : /
〉: 〉 i: : : : / 、 }: : i\: : ヽ :, | \〉 { : : : {
〈: 〈__ | : : / ヽ \| -| : : |_ } :|(O):,  ̄ ̄
. }: : :ハ : { \ ∨ } |: : : : :└─┐ :| | |
.  ̄ |∨ \ \,ノ /  ̄ ̄:i : : : : | ,' ; ;
| { \_ノ{ / └─‐┘/ //
まずは地上侵略の第一歩として>>5をしようではなイカ!
/ / /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \ ヘ \
, ' / /: : : : : : : : : : : : : : :. : :. : :. : :. : : : : : : : : : : \ヘ. ‘,
. / .//: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \ ‘,
/ ./: : : : : : : : : : : / : ∧: : : : : : : : : : : :∧: : : : : : : : : : : : : ヘ. ‘,
ト、 /: : : : : : : : : : ¨7ト、/. \: : : : : : : :/ ヽ:_レ-‐: : : : : : : : ヘ 〉
>': : : : : : : : : : : / .∨≧ェ、_\,-、: ;イ _,,;ェ≦V'ヽ : : : : : : : : : : ヘ>'´
/ /!: : : : : : : : :/ ./ ̄二ヾ'゙l ',゚ ´¨〃二 ̄ヽ.ヽ: : : : : : : : : : ヘ
レ′ ヽ; : : : : : ;イ .〃 .、 )心. ', ', .、 )l心 ヘハ: : : : : : : :/ヽ!
ト、: : : : / |. {{ 似り゙} ', ', 似り゙} }}.ト、: : : :/:|
|: l\: / : | ゙' 弋;;;;ソ j ', 弋;;;;ソ " |: :ヽ;,イ:|: :.|
|: :ヽ、l′: j―――----‐'′ ヽ /`) |: : : :|ソ: !: :.|
/: : : : !: : : ト――--、_ \ノ / .| : : : |: : |: : |
. // : : : : |: : : :ト、 〈 ̄ ̄ / ム: : : :|: : |: :.:|\
. /: /: : : : : :| : : : | :ヽ、r=、. | 人|: : : :|: : |: : :|: :.\
. /: : /: : : : : :/: : : : |: l :.`ヽ、_ /イ : : |: : : :ヘ: :! : : |: : : :\
. /: : : /: : : : : :/: : : : : !: l : : : : |ヘ、 __/_;_|_; : :ヽ; : : ヘ !: : : |: : : : : \
. /: : : : /: : : : : ;イ: : : : : :j-r-、;_;_;_|_ノ \ /: : : O : :ヽ-rヘ: : : :ヘ: : : :|\ : : : : \
. /: : : : : /: : : : : /:.|: : : : : /:::| |:::| `>'゙:´: : : : : : : : : :} ∧: : : :\: :.| : \ : : : : \
まずはオ◯ニーというものをしようではなイカ。
でもオ◯ニーってなんでゲソっけ……?
聞いたことはあるけどいまいち思い出せないでゲソ。
ここは>>14に聞いてみるでゲソ。
早苗と話すのは怖いが、背に腹は代えられない。
海の家れもんのテーブルの一つに座ってぼーっとしていた早苗に呼びかけてみる。
「……早苗?」
, -―――‐- 、
/ \ \
/ , -――- 、 \ \
/. : ´: : : : : : : : : : : : ` : .、
/ : : : : : : : : : : : : :} : : | : : : \ } :
/ : : : : : : ,:斗: : : : ‐八¬ト: : : : : :\ /
/ : : : : : /: :八: : : :/ ,x:=ミ、: : : : : : : :∨/
|人 : : : : : ∨,x:=ヽ/ んハ Y: : : :/: }: ∨
\: : : : 〃んハ 弋:り 从/!∨: : :|
\:,从弋:り |: : :| } : : |
|:ハ , J |: : :|ノ: : :|
|: :{ |: : :|: :i : : |
. .| : `ト . _‘ ` / |: : :|: :| : : |
. .| : : | |: : | : ̄「 |: : :|: :|: : : :、
. .| : : | |: : |/丿 |: : :|>x、_: : \
| : : | |/ 〃、 _,/|: : :| /⌒ヽ: : \
| : : |/|| || 〃|: : :|〃 i: : : : :ヽ
: : : :{ ,リ || 〃 |: : :|{ |:\: : :|
/ : : /〃 :|| / /: : :八 |: : :| : : |
/: : : : : :/_/: ̄;、: : : : : : : :  ̄:\_ヽ: : : :ヽ
/: : : : : : : :" : : : ::/ i: : i、: : : : : |i: : : :`:゙: : : : :i
,': : : : : : : : : : : : : :/ i::::| ヽ: : : : | i: : : : : : : : : :}
/: : : : : : : : : : : : :__/_ .i::| \_:_:|__L: : : : : : : : |
.i /{: : : : : : : : :i| ::/.  ̄``.!| "~\:| |:.i!: : : : : : :}
レ i: : : : : : : : :.| V , -‐-=、 ,=-‐-、| i: : : : : : i
{.: : : : : : : :i /´ r_)心. r_)心 V.i: : : : :/
゙、: : : : _:_〈. {. {:゙;_;"} {:゙;_;"} } 〉;_: ::\
\: :{ yi::{ ` ゝー" ゝー" ´:};:i:r}: : : ゙、
/: ゝ、{:{、 //// 、 //// ,}::}ノ: : : : ::i
i: : : : : :゙、 ' ' ' ,--──--、 ' ' ' /: : : : : :}\|
V´゙、: : : ;\ { } ./,ヘ: : : :r'
\/_∨>、. ゙ 、.____ .ノ_...<∨__ \/
,.ィ" \:{. ミ: ー--‐ "/ }:::/ .\
/::::::\ :i:ト、_. .___/:/ /:::\
{:::::::::::::__i__ i::\ ̄\ / ̄ /:::;',r‐く:::::::::::}
|::::::::::::〉‐-ミ_|_:::::ヽ、.___./::_ノ<'^〈 :::::::::::|
.|:::::::::::i r r⌒r-、:::::::::,r‐、⌒i ゙、 } :::::::::|
|:::::::::| / | | }、:::::i | ゙ ` 〉::::::::|
/:::::::::{ } ̄.{ /::::::::::{
/:::::::::::::`ー、:::::::::::::::::ノ { :::::::::::::/::::::::::::::::゙、
「用ってほどでもないけど、ちょっと聞きたいことがあるでゲソ」
「イカちゃんが私に聞きたいこと!? なになに?
なんでも聞いていいよ! イカちゃんになら私の事、なんでも教えてあげるから!」
「聞きたいのは早苗のことではないでゲソ!」
早くも早苗に声を掛けたのを後悔しかけるイカ娘。
「単刀直入に言うでゲソ。オ◯ニーというものの意味を教えてほしいでゲソ」
「……へ?」
その瞬間早苗の笑みが固まった。
「オ、オナ、ニー……?」
_,────._
_/:_-─´ ̄ ̄`─-_:ヽ
/:::::::_´_-- ̄ ̄ ̄--_`_::::\
/:::::::::::::::::::: ∧::::iヽ:::::::::::::ハ;::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::::::::/ ヽ:l ヽ::::/|:l ヽ,::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::/|::/-一キ ∨キl─-lヽ:::::::::::|
/::::::::::::::::::::/ |/;;≠= =ミヾ, |::::::::::::::|
|::∧:::::::::::::::| / ひ:`} u .ひ:`}ヾ |:::::::::::|
V |:::∧人| | ||::U::| |::U::|| i |::∧/
∨ |´ヽl ゝ::ノ ゝ::ノ レ´:'|
>,,,l //// ` //// /,,,<
/::::::::\u ー-一 /::::`\
//|:::::::::::` -..,,__ __,,..- ´:::::::::::::ヘヽ.
´ ヽ::::::::/|/|::: :  ̄ : :::|\|\::::/ `ヽ
__ヽ,/___ノ ゝ..____V_
γΤ::::::::| |:::::::Τヽ
「そうでゲソ。したいけどやり方が分からなくて困っているでゲソ
だから私にオ◯ニーについてを教授願いたいでゲソ」
「えーっと……」
.{: : : : : : i : : : ::// .|::| 、: : :|丶: ; : : : ; : : : ; ヽ
|: : : : : : i : : : メ// |::i ヽ: : | i: i__,: : i : : : ; : ゙;
.|: : : : i : :i : : / i_≧ー、__,ii \;|∠´i: : : :.i : ; : :.i、:}
|: : : i : : i: : :| /r_)心ヽ r)心ヽ,i : : i: : i: : i i:}
.{: : : i: : : i:::|/ .{::゙;_;"} u {゙;_;"} } 〉::i ::::/i::/ リ
>::/r、i:::::从ヽ. ゝー" .ゝ‐" "从ノ:::ノ レ'
/: : ::{ r\人 ///// , ///// |r}:<´
/ ; ;/: :\ー- `` u |.ノi:::}
レ' {: : : ; `~::\. __ u. ノ´} リ
{: : :/Vi: ; : :|\ ´ ̄ ̄` _.イ:,/´\
∨ ∨\| ` ` ー-┬::":::_rヽ、\ ヽ
.ノ |W/、 \ ` /
,.--、‐‐へ´ ゝ、`y) /
/ \: : :\ー--、__ __ / , <
/ |: : : : | ` '´ { イ ヽ
何これ何これ? まさかこのタイミングで千載一遇のチャンス到来!?
つまりこれは、イカちゃんを私の部屋に連れ込んで手取り足取りじっくりと実演で教え込んでほしいと、
そういうことよね? ならやるしかないじゃない!
……いや、待つのよ早苗。
それにしても突然すぎる。なぜ唐突にそんなことを言い出したのか。
まさか私を試している?
栄子あたりの差し金で、私が越えてはいけない一線を越えないかを見定めようとしている、とか……?
そわそわと落ち着かない様子で返事を待つイカ娘と目が合う。
――と、とにかくここは……。
早苗の返事>>31
――早苗の部屋――
「さあイカちゃん、どうぞどうぞ
(くよくよ考えても仕方が無いわ。こういうときは欲望に忠実に生きるのが一番なのよ。もう成るように成れ、よ!)」
「早苗の部屋にお主と二人っきりってすごく久しぶりでゲソね……(結局ホイホイついてきてしまったが……、
ここまできたらもう後戻りはできないでゲソ。ええい、成るように成れ、でゲソ!)」
「それで、」とイカ娘は言う。
「部屋でないと教えることができないオ◯ニーとは、いったいどういうものなのでゲソ?」
___
,. ´ ` 、
/ \\
/ ____ ヽ \
/, . : ´: : : : : : : : :` : . 、 ', \
. / : : : : : : : : : : : : : : : : : \ | 〉
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \|__,/
. /: : : : : :斗-八: : : : :/十ト: : : : : : : :∨
'⌒{: : : : /|:,x:=ミ、:/ ,x:=ミ、ヽ : : : : : : |
‘,: ∧〃んハ u んハY| : : 人|: :|
∨i :从弋:り 弋:り从/|r } :|
|: } ' | : :|_ノ: : |
| :人 ー―┐u ,| : :|: :| :|
/|: : :|:\ 丶 ノ /,: : :,' : | :!
/:/ : :/ : /`: :ー-r ´ / : / : : :, : :、
/:/ : :/ : //}} ̄;リ / : //^ヽ : :、: \
/:/ : :/: :/ 〃 |i / : / ′ ': : \: : \
/: ' : :// {{/ || / : /| i ‘、 : : \: : ;
「言うより実際にやった方が早いわ」
早苗は神妙な顔でイカ娘の肩に手を置く。
「イカちゃん。まずは>>40をしてちょうだい」
そんなこと言われてもどうすればいいか分からないでゲソ」
「コナミコマンドはコナミのゲームに登場する隠しコマンドよ。
これを入力すると、自機が完全パワーアップ状態に成るの」
「それはすごいでゲソ!」
_ ... -─- ...、 .._
,..- >' `< ー 、
/ / _,,.... -─- ....,,_ \ \
/ /ゝ'": : : : : : : : : : : : :゛'''.. \ \
/ ./ : : : : 从 : : : : : : : : :イ.., : : : : ヽ \
/ / : : : : :‐イ丿\: : : : :/‐レi─ : : : : 、 〉
〈 ./: : : : : :/ __ \/ ___ヽ: : : : : : ∨
∨: : : : : ://,丁ヽ ゙ "/丁,ヽ l : : : : : :|
レi : : : /:|| |ノ し| |ノ しl | |: : : : :N
ゝ: /: :|ゝ ヘ rソ 、 ゝヘrノノ |: ヘ: :/
∧'|: :l ⊂⊃ ____ ⊂⊃l: :|∧
/ : : !: :ト |´ `| イ: :| : :、
/ : :/ :l :レ ⌒ン'ヽ 丿 ⌒ヽ: :!ヽ : :、
/ : :/:// ' ' )──‐r' ` ` 〉\ 、 : :、
/ : :/: :| \ ' ト /、 | \ : :、
/ : :/: : :| ( `ー─ ' ヽ /`ー─ ' ) |: : :\: :\
/ : :/{: : :{ ヽ 丿 ゝ ノ } : : :} \: :\
まず、ポーズを押す」
「押したでゲソ」
「上手上手。でも、ここからが大事なの」
早苗は息をすーっと吸い込むと、
「上上下下左右左右BA!!」ピピピピピピピピピピ!!
「上上下下左右左右BAでゲソ!!」ピピピピピピピピピピ!!
ぴろりろりーん
「これがコナミコマンド……。すごいでゲソ。 力があふれてくるでゲソ!」
_,...-┐ ,,..─ =- 、
, r' / 卜 ,..‐" / \
ノ ′ ( 'ヽ < / ヽ
│ _....,, 7 )ゝ/ _ .... .........._ l
{ '' ゙ヽ′ ム/´ : : : : : : : : : ゛'' 、 |l
/´ __ 丶 そ:l V´: : : : : : : : : : : \ | |
| /´ ( `< / _.. -‐- 、く l ': : : : : : : : : : : : : :ソ_」
ヘ '、 丶 `ー- 、 ../´ /: : :,': :,': :': : : : : : : : ヽ
`‐-ヽ ' 、 ゛''ヽ、 _..‐'''"" ̄` ニ'' ゝ、,,_ '' ´` ' '' / : :/: :': : :l: : : : : :丶: : :、
ヘ 、、 丶 '' / ,, 、 ` ''`゛゙‐ー'''''/ : : | : |: : :|: |: :1: : l: :`: :丶
丶 ` .. _ ,, / - ´ ` ,,、 |: : : |: :,l!: : ! :|: : |: : :|l: : :、: :l
ヽ 、 '' ‐ 丶- - ''' - .イ´: : :|: :||: : :| :| : :|: : :| l: : ヘ :| ゴゴゴゴゴゴ・・・
\ ..‐ 、 .. 、 丶 、 ‐ '' / |: : : | :| |: : :|: :|: : | : :| |: : :ヽ|
` 、 丶 、、 _.. >. :_.._、 __...ヘ' ⌒ / |: : : | :| | : :|: :|: : | : :| |: : : :||
 ̄` /:/ ` ノ \/ |: : : | | |: : |: :|: : :| : :| | : : :|!
/: :/ r′ 三 |: : : | ! |: : :|: :| : :|: : :| | : : |
/: :/ ,/ |: : : レ |: : :l: :|: : |: : :| | : : |
/: :/ _..r'′ /|: : : l / | : : !: :|: : |: : :| | : : |
l: : l ' ,,..‐'´ l: : : l |: : :| : |: : |: : :| | : : |
こうしてイカ娘は最強になったのであった。
――完
_,,-――――- !|
/´ ̄ ,.二ニ=ー一'ノヽ
/ /: : : : : : : : : : : \|
/ /: : : : : : :、: : \: : : : : ヽ
/| /: : : : : : : : : : :\: : :X:__;〉 __/⌒j
' | /: : : 、 :\: : : : : : ,:}≠ミ、}:(:\/´: : `Yう__
i i: : : : : \: :\ ̄〃んハ Y: \'⌒): :ノ : : : : : : \
| |: : : : :―‐z≠ V:り :, : : `ー≠ニ二.⌒ヽ: : }_
| |: : : : : : :〃んハ , 、 }、:_____: : ヽ }: : : : :|
L_:, : : : : : 从 V:り / } ハY : \\: : : }: : }__ ̄} : |
∨}\: :」 :\ く /| ハ\: : \\: 7: : / /: : :ヽ
__,ノ: : :》'⌒\:\ー=ニ´ | \;>" ̄_/: : /、 \/
/´: : : : :/{ >:`二ヽ._| } | : : : |、 \
/: : :/´ ̄/: : /\{/: : :_/ \_ イ | : : : | }(O):,
/: : :/ ./: : / |: :/ : : : :{ \ ヽ| }\  ̄ ̄.ノ } |
{: : : { { : : { {: {: : : : :ノ \ ノ | / /´ ̄ .. -‐' /
\ : \ 〉: : 〉 ヽ:、: :/ \ ,.イ | /(O)//´ ̄
〈: : :〈_\: \_/ \:\ \ ,ノ `ー' / /xく
`┐: : |i: : /{ ` ー\__/ / / / V⌒\
└―┘|_/ 、 i .' / :⌒ヽ }
{、(O)\ | } } }⌒Vハ
‘、\ \ / /∧ { | }
\ \(O)`ー----‐'(O), / :, |_,ノ
\ \ _____,// '、 ノ
早苗と二人っきりは怖かったけどおかげで最強になれたし、
やっぱり早苗についていって正解だったでゲソ。
さて、晴れて最強になったことだし、これから地上を侵略するために>>57をするでゲソ!
前から一度飲んでみたかったのでゲソ。
_ ... -─- ...、 .._
,..- >' `< ー 、
/ / _,,.... -─- ....,,_ \ \
/ /ゝ'": : : : : : : : : : : : :゛'''.. \ \
/ ./ : : : : 从 : : : : : : : : :イ.., : : : : ヽ \
/ / : : : : :‐イ丿\: : : : :/‐レi─ : : : : 、 〉
〈 ./: : : : : :/ __ \/ ___ヽ: : : : : : ∨
∨: : : : : ://,丁ヽ ゙ "/丁,ヽ l : : : : : :|
レi : : : /:|| |ノ し| |ノ しl | |: : : : :N
ゝ: /: :|ゝ ヘ rソ 、 ゝヘrノノ |: ヘ: :/
∧'|: :l ⊂⊃ ____ ⊂⊃l: :|∧
/ : : !: :ト |´ `| イ: :| : :、
/ : :/ :l :レ ⌒ン'ヽ 丿 ⌒ヽ: :!ヽ : :、
/ : :/:// ' ' )──‐r' ` ` 〉\ 、 : :、
/ : :/: :| \ ' ト /、 | \ : :、
/ : :/: : :| ( `ー─ ' ヽ /`ー─ ' ) |: : :\: :\
/ : :/{: : :{ ヽ 丿 ゝ ノ } : : :} \: :\
店の酒は栄子が飲ませてくれないし、
売っている酒は高くて買えないし、イカ娘には飲む機会がなかったのだ。
――だが、最強になった今の私になら、酒の入手もたやすいはず!
これから>>66をして酒を手に入れるでゲソ!
// |――'ヽ
. ,」 ̄ ∠ゝゝ|//∠ \
/ | /  ̄ ̄i ∥
| | ̄ | _ | |//
,| | ヘ/~~ oゝ /== 〉,\
. i i g| ,, ` ̄ `l |´♀',l //
l 'ャ ;;;; l__l_| ,〉〈
ゝl ゙゙ ∠__l />/
ゝ|\  ̄ ̄ / ^
__| ゙̄ | ヘ_ ̄ _/
!_-‐T 、  ̄|- 、
_ >-/ |__ヘ l\ \ __
∧ / ,|  ̄` 一ヽ ト / | |~n
/ \ \ / l__ l\| \ ノ ) | | ] |
| `v' | ̄ ̄ | === | \./.| l | | | | |
i 〈 |==== .|==== | | | |  ̄ |
| | / | |―-- | _ | .|| | | \ |
| ∨ | .| 一  ̄ .| || | ,〉 〉 |
| | ノ | | | | .|.| | /| 一, イ
| | / | | .| | |\!/ | / /l
| V | .| ,,lllllll,, | .| .レ / | / |
| | / .| |iil||||||||||||ii. | | レ .| / |
| .| / | |l~ , ゙゙|ll |l | \/ |
| | | | .| l ゙゙ | .| \/
「やあ、これはこれは。
あなたからここに来るとは、珍しいことがあるものデスネ」
,, -‐ "´ ヽ
, '  ̄ ̄ ̄∨ ′__ \
/ `ヽ , ′ ⌒' \ ' ,
/ ≠^^^^^^^^^^^^^^^\ ',
/ / / `V
/ // 二二二 人
| / ── _ `ヽ
i ./ >''' ̄``丶 , '´  ̄`ヽ, i
/ / /,.-" ̄``''┘ヾ └ '''" ̄``'''.' ⌒丶
.〈 |{ 〝/〃===, ,','=== (__,, ‐ '
∨ ', / ', / ' , _ ' ,
|.i }=', == /  ̄
i i | , ' \ /i ' ,___/ .r'′
i / /  ̄ ̄ ̄ ii , /  ̄`|
.i .| / ! \ i
i{ >ー^ー-^ー< ' ., ',
.{ ', /l|l|l|l|l|l| l|l|l|l|l|l|ヽ .', ' ,
', ', ′( ー‐-- =-‐''` i Y
,入 { / ! i, {
. _ / . i' , ' , ー-‐ '' / ./;' ,
, '/ i:;.\ ,, y;:;:;:;i ' ,
./ i;:;:;:;.', \ / /;:;:;:;:;| '‐--
i .i;:;:;:;:;:;' , '' -- '' /:;;:;:;:;:;i.|
i:;:;:;:;:;:;:;:;>,, イ:;:;:;:;:;:;i |
i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;> ―― '' .´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;i |
i;:;:;:;:;:;:;:;/´ ヽ∨/ \;:;:;:;:;:;:;:;i |
',:;;:;:;:;./\ \ /:;:;\:;:;:;:;:;! .|
「我々に何か用デースか?」
コレってマーティンだったんだ安西先生だと思ってた
ハリス
. └|>
/ )
「研究をさせてもらえる気になったのなら、
我々はいつでも歓迎デスヨ……。
ちなみにクラークとマーティンのAAはあったのに、
なぜかワタシのAAだけ見事に一つもありませーん。
誰か作ってくれることを切に願いマース……」
/ \
/_____ ヽ\
/´: : : : : : : : : :` : . 、 : \
/ : : : : : : : : : : : : : : : : : \ i ヽ
/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \ | ,,
: : : : : : | : : {: : : : : : :,ハ : :ヽ : : : : : ヽ ,' /ノ
| : : : : : |\八: : : / } /:} : : : : : : :∨ //
∨\: : :∨,≫ミ、/ ー;≦=x;ハ: : : : : : : :', イ
\;〃 んハ 〃 んィ} Y|: : : : : : }: :∨
八 V:り V:り 从;/|\/: : :|
_/: : {.:.:.:. , .:.:.:.:.:. | : : |ノ ノ : :|
, . : ´ : : : : ;人 r‐ 、 | : : |´: : : : :|
/: : : /´ ̄ 丶. ) /,: : : /: : : | : :|
/: : : : / /^Y`ア丁´ /: : ∧{: : : | : : .
ヽ: : : : \ __/ //ノ /: :/ ∧ : : :、 : : :、
/: : : : : :/_/´: : :`/ / /: :/´ ̄ }\: : \: : \
/: : : : : : : :/{ : /⌒{ //: :/´ ̄`\ ハ: : :ヽ: : :\: : \
/: : : : : : : :/ ∨/⌒ヾ : / }/: ハ : : } : : }ハ: : : :ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ / {_,r‐个/ /: /: : {: : :{ : : |: :|ハ : : : |
/ 「 ||し’ / /:{:/: : :/}: : :l : : |: :| i : : :|
; しし'’ ,x<__,.イ/: :/V: : /}: : :|: :| |: : : |
{ ,, ´ 人: ∧;/ : / ,: : :/ : | ,: : : /
` ー‐ァ ´ \ / } \{ : : 〈 / : /: : //: : /
「もちろん研究はしないでゲソ! 今日はお主たちに頼みがあって来たでゲソ」
「Oh! 頼みとはなんデースか?」とマーティン。
「ずばり、酒製造機造を造ってほしいでゲソ! お主らの技術なら簡単なはずでゲソ!」
.,. -――- 、
.../ -――-、\
. / ./ _ ⌒ 、
./ / | / /ニ、ヽ __ \
i/ _ノ' | f´ ̄`ヽ/ /ニ i :|
| / ノ / |: !{ :| | :|
|j ,. -、__/__ ヾ ノハヽ|ノ ノ
. -=彡{ r{/ 、:::::::::::: 、___ j }
:, 、_V `ニニ ,ノ:::::::::::,' /
. _人 /{ r 、 { ` ー/_ノ
..-='/{ /⌒ヽ._/ /
. ´ ̄/ ヽ ー==、__ } /
.一ァ、 '. ` ┘/
. 厂{: : \ 、__/´
..‘: : : : \ { \
. ,ハ : : /><:i |\
\ / ∨:`〈 } 、 \
../ ': : : Y⌒ヾ 〉 ヽ
「オーウ……それは無理デース……」
「な!? どうしてでゲソ!?
お主らが普段作っているものからしたら全然楽なはずでゲソ!」
クラークはゆっくりと首を振る。
「技術の問題ではありまセン。日本の法律では、勝手にお酒を造るのは違法なのデース」
マーティンがくいとメガネを指で上げ、
「酒税法ってやつデスネ」
売るとダメ
/ , '´:::::::::::::::::::::::::::::::::::.i:::::::::,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、
./ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::./::::::/ `、::::::::::::::::::::::::::::::::::;:::::::::::::::::::::::::\
./ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/|:::::/ _Vi::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::\
\、 ./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::__/_⊥'~-~ ^、::::::::::::::::::i;;::::/`;::::::i:::::::::::::::::::::::::::ヽ
\/::::::::|::::::::::::::::::::::::::::~ ̄´/ .|:/ ヽ;:::::::::::::::!~X、 ',:::::|:::::::::::::::::::::::::::::ヽ
./,ィ、::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ __/--‐弋 \:::::::::::ノ \',;:::|:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
'´ |:::::;':::';::::::::::::::::::::::::::::::/,r=~7~~~フキヾ \,'_r、_ ';:卜::::::::::::::::::::::::::::::::'、
|:::/:::::'i::::::::::::::::::::::::::/f'´ ム|||||uiiij ´ ,ィ-,,__ .V;::::::::::::::::::::::::::∧::::`,
|::i:::::::::〉;:::::::::::::::::::/| r`^`ム|i___,....i! .','||||f `n,、 .∧:::::::::::::::::::::::/ \:::!
.|i:::::::::|∧:::::::::::::/:::| `--////,,, .,|f''少'i| .ヽ i':::';::::::::::::::::::::/ `ヽ
.〉::::::::||ヽ";:::::::/::::::| ""////" ""''-''r く ./:::::〉::::::::::::::::/
.i':::::::::::|\ \/:::::::::| / /////`-',.,':::::/`;:::::::::::/
./:::::::::::::∨ .|:::::::::::| "//" ,'::::::| `;:::/
./::::::::::::::;:::\ .|::::::::::::| i:::::::| '´
,.'::::::::::::::/::::::::::λ::::::::::| ., '´^` ‐--.、 .|:::::::|
./:::::::::::::::/:::::::::::/||::::::::::::|\ `、 | .ノ::::::::|
../:::::::::::::::/:::::::::::::i;;|;';::::::::::::'i;| \  ̄ ''´ ,./|:::::::::::|
/:::::::::::::::/i:::::::::::::::|;;;|;;!;::::::::::::;| ` 、 .,..r::':´|;;;;;;|::::::::::::i
/::::::::::::::/ i:::::::::::::::::| .!;::|:::::::::::::i .`' .......::::::イ::|::::::::::::|;;;;;|:::::::::::::i
/::::::::::::::/ |:::::::::::::::::|__〉-t::::::::::::! |:::::::::::::|::::::::::::|;;;;;;|:::::::::::::i
./:::::::::::::/ ,.!--‐‐ヘ~ヘ´ `;:::::::::::!、 _ !、:::::::::|:::::::::::::!;;;;;|::::::::::::::i
./::::::::::::::/ ./ .V..、 .|::::::::::::|,> '´ `V'^i `Ti-~、_:::::::i;;;;;i:::::::::::::::i
'::::::::::::::/ ./ V.、 |:::::/´ ., ', | , r‐'|::| .` \__;|::::::::::::::::',
:::::::::::::i´ i V.、.|::i´ ` ̄ ̄ ̄`'Y .|::| 〉 、| `i:::::::::::::::::!
「そんな……お主らひどいでゲソ……」
ハリス
. └|>
/ )
「だがしかーし、デス」
涙ぐむイカ娘の眼前に、ハリスがぬっと現れる。
「他ならぬあなたの頼み。あなたがどうしてもというのなら、考えてもいいでショウ」
「ほ、本当でゲソか!?」
イカ娘の顔がぱっと輝いた。
// |――'ヽ
. ,」 ̄ ∠ゝゝ|//∠ \
/ | /  ̄ ̄i ∥
| | ̄ | _ | |//
,| | ヘ/~~ oゝ /== 〉,\
. i i g| ,, ` ̄ `l |´♀',l //
l 'ャ ;;;; l__l_| ,〉〈
ゝl ゙゙ ∠__l />/
ゝ|\  ̄ ̄ / ^
__| ゙̄ | ヘ_ ̄ _/
!_-‐T 、  ̄|- 、
_ >-/ |__ヘ l\ \
∧ / ,|  ̄` 一ヽ ト
/ \ \ / l__ l\| \
「デスガ、我々もリスクを負うわけです。相応の対価は要求シマスヨ……」
「対価ってなんでゲソ……? わ、私はお金は持ってないでゲソよ……?
ノンノン、とマーティンが指を振る。
「我々はお金なんてものに興味はありまセーン。そしてあなたは既に大きな資産を持っていマース」
マーティンはイカ娘に向けてびしっと指を差す。
「それは、あなた自身の身体デース」
イカ娘はものすごく嫌な予感がした。
「それってつまり……」
そして3馬鹿は声をそろえて、イカ娘の予想通りの言葉を発した。
「酒製造機造を作る代わりにあなたの体を研究させてクダサイ!!!」
三人そろって深々と土下座した。
, ´`ヽ丶
/ ∨ \
/ ∨ \
〃′ ゞヽ /
⌒ゝ / i
. i'⌒|.: : : ー―‐‐ ",ゝ""''',,,,__
/ /\/\/∨∨ゝ---/i -二ヽ
. / / > i:.:iゝ-‐"┤:| | |ヽ:.:丶:ヽ
〈__/´ |:.:|∧ ∨.|: | ∨' :|.i: :∧ :ヽ
|:.:|.i: :i. |: | /i :.| |: :| |: :|
|:.:|.| : | |: l^‐′i /..|: :|. .|: :|
// .i ト |└┐ ∧ / :/ └┐ヽ
\\ / └┐| iヽ└┐...|/
└/ /: :| \|
/  ̄ .∨
/ !
〈◎ ◎ ./
ゝ,, /
/ ー ,,,_◎ ___,,, <
i /  ̄ ̄ ̄ ∧ ∨
. i ./ ∧ ∨
ぐぬぬ……。
もはや酒を手に入れる方法は3馬鹿くらいしか思いつかないでゲソ……。
でもそうすると自分が研究されてしまう……。
私はどうするべきでゲソ……?
>>98
イカ娘は身につけている衣服を全て脱ぎ捨てると、床に倒れ込む。
/ / `> 、
/ / \
/ ./ >-‐:'':¨:´: ̄:`:`:'‐.-、ヽ
. / / /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
/ / . / : : : ∧ :λ: : : : : : λ: : : : : : : \
. / | /: : : : : /. ∨ \: : : :/、} :ト、; .:ヽ : : :‘,
/ .| /:. : : : : .:/``二゙_ ̄´ \/ __`ト、_ヽ: :| : : : : ',
``'<_/:| : : : : i: :,/イ伝心ヾ 示えヾ! ト、:|: : : :ト、:',
/: : |: : : : : レ': }!.{/l_,-} {/u-} |!.|: :\: : :| )!
|: : ノ!: ;,イ: :|: : :',‘'‐‐'゙ ‘‐-'゙ .゙ |、: : : \| ___
|: : :ヽ、‐ヘ: : | : : ',//// ′ !: l\: : : \-.‐.':´: : : : : :`:`:‐.-. 、
. |: : : : :  ̄'; : :|: : :.', ' ´ ̄.ヽ ノ : :{;_;\: : : \_:_:_;, - ‐ - -、;,;,_ : \
/:|: : : : : : : : ',: _;!: : :.', .(_ .ノ. イ: : : : .:ヘ ̄i\ : : \ }\.:)
/: : |: : : : : : : : :/´ ‘,: : ',>‐ -;;<: :_ : i: : : : : : :',: |. \ : : \ |: : :
/: : : /: : : : : : : : / .‘, : ', -‐'¨´::`ヽi_;,: : : : :.', |. \ : : \ ノ:
/: : : : /:. : : : : : : : / ',: : :', \ヽ、: : ‘, \: : : \ /:
/: : : // : : : : : : : : ,' .∧: : ', ヽ-‐'ヽ: :\ \: : : \
: : .:/ _/: : : : / : : : :,' /. ',:. :.', V: : :\ `'‐-、;`'‐-、
:/ ./: : .:/! : : : :,' / ', : :', ∨: : : :\ .`ヽ: :`ヽ,
/: : .:/ / : : : ,' ./\ }ヘノ ∨: : : : .:\ ./: : : : /
/: : :/ / : : : :,' /.: .: :\ノ: ヘ! ∨\: : : : /: : : : /
: : :/ ./ : : : .:,' . /:. : : .:/: : :/ ∨ ):. : .: ../: : : : /
:/ /: : : : .:,' メ< /: : : .:/\ 、. ∨ : : ./: : : : /
/: : : : : :〈 ノ /: : : .:/;,: : ∧ { \ ../: : : .:/
. /: : : : : : : : > 、_ {: : : : / ` <! : : : : /
「煮るなり焼くなり好きにすればいいでゲソ!
でもその代り、研究が終わったら酒製造器は必ず作ってもらうでゲソよ!」
┌---- 、___/\
,' ,-- 、 ___ ヽ、
,' i彡ミミ、 ,彡三ミ、、 `i
. / ! ´ !| !`ヽ
/ ! l / | ! .i
/ ./ _,. l 、 l、 | l
. i 〈. -‐'"´、l l::,`ニ‐-!l、 '、 .!
`、 ', "´0 0 `゙.川 ヽ,
`、 ! -‐ '"´,.l `゙ヽ"´ヾミ /
. / / | ./ l 〈 <
. \. ゝ !、 /ヽ! , ‐‐ヘ / ν
. <〈 ヽ ヽェェェェェェ7 l /
`、 `i ' / .! .l_
l (゙====" / 、 ヽ´ ̄
. / ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄| '''''''' ,´ 〉 ヽ
/ / .lゝ----- ´ / | ヽ
「オーウ……! 脱げとまでは誰も言ってなーいのに……」
「もうあきらめたでゲソ。
何されても抵抗しないから、そのかわりさっさと終わらせてほしいでゲソ」
「フムフム。思い切りがよくて大変よろしいデース。ではこちらもそのつもりでイキマスヨ」とハリス。
そして三人は円陣を組んで10秒ほど話し合ったあとイカ娘を向き、三人そろってこう言った。
「>>113」
「な、なんでゲソ? なんのカウントダウンでゲソ?」
突然始まった秒読みにイカ娘はビクっと状態を起こす。
しかし3馬鹿はかまわず秒読みを続け、
「1…0…」
__,,:::========:::,,__
...‐''゙ . ` ´ ´、 ゝ ''‐...
..‐´ ゙ `‐..
/ \
.................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´ ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
.......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙ .' ヽ ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
;;;;;;゙゙゙゙゙ / ゙: ゙゙゙゙゙;;;;;;
゙゙゙゙゙;;;;;;;;............ ;゙ ゙; .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;............................. ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
ノi|lli; i . .;, 、 .,, ` ; 、 .; ´ ;,il||iγ
/゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li ' ; .` .; il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
`;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `, ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´
そして爆発した。
/:::::::/::' /::::::::::::::::::::::::'j::::::::/$ム::::::::::::::::::::::::::::::::::::::6y::::;::::::::::::::::::::::::::::::::\
/::::::::(::' /::::::::::::::::::::::::::;iiii|:::::/\::Viiu:::::::::::::::::::::::::::::::::;i/iiii.A::::::::::::::::::::::!|Iiiiiu;,,,\
/:::::::::|::/::::::::::::::::::::::;;::::/||||/|:i|||i:"゙!|>||iy::::::::::::::::::::::::::;i/:::!|||i;:||iu;:::::::::::::::::ム ̄"゙゙゙゙゙
.|::::::::::::|/::::::::::::::::::::::::::;i|†tJ/:|i|||!" ‘!\|iu:::::::::::::::::::// !|>K|i||||||Ii;;:::::::::::::ム
+s;;:::::/:::::;i::::::::::::::::::::;iI||||||/:;,A|Atv,,,,_ /\|Ii;::::::::::;i|/∠゙ `::)||\|||||||||Ii;;::::::::ム
`^'+t/:;iI|||i;:::::::::::::::;i|||||||/#¶!" .,,x,,, ゙'\`" ゙Y::x!|IiiI|イ" ゙̄`!i;;: V:|V||||||||||Ii;:::::!|
!/i|レ゙::||i;:::::::::::;i||||||||/: %!" ‘!i, ,/"`!, :::!, |||||iX|||||||||i;::||
レイ::::::::|||;:::::::;i||||||||!{: ┃ n .┃ .. ┃ n 1, ::!i, |||||!| \|||||i||
|:::::::::::Ni;:::;||||||||イ|| i, `. ┃ `' |. `' \ .:;|i |||!::::| \|||
|::::::::::/\Y||||||/|i`! ¨=zc/ ∪ !i..i` ..\ |!:::::::|
|:::::::::\::/-N|||A|!::| ,,,.,,.z・・ z,,,,.__ |:::::::::!
A::::::::|:::!:::||||Y|!::::::! ' .|::::::::::!
A::::::::::::>ヽ;!|i::::::::::::::! ∪ /`---v-s、___________,、 |:::::::::!、
/:::::::::::::::i||||i;;;||i:::::::::::::::! /-' ̄ ̄ ̄ ̄~ ̄ ̄=-!| ∪ ,::::::::::::::ヘ
/::::::::::::::::||}||||||{|i;:::::::::::::ヽ ∥,.---------ヽ、 | /||i::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::;i|/||||||||}|i::::::::::::::ヽ |'" _____________\ L /||\V|i;::::::::::::::ヽ,-----N
':::::::::::::::::;\||||||||||||\|;:::::::::::::ヽ、\' ̄  ̄ ̄`y' '|||||||||ムv||i;:::::::::::::::::::::::::::::::::::\
::::::::::::::;i/||||||||||||||入i;::::::::::::::::ヾ<こ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄>'|||4||||||||||||||ム V|i;::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::\
:::::::::::;i|/|||!!!!!!!!niii;!!`、;::::::::::::::::::!、  ̄``~~~~~↑||||||||||\|||||||||||ム Y!!!!"""` ̄ `ヾ;:::::::::::::::\
:::::::::;i||/ `:,|i, `!||Ij;;;:::::::::::ム ├┐/ヽ<^》i,^^^^\ \i;::::::::::::::::ヽ
「ぎゃああああああああああああああああああああああああ!!」
灼熱の爆煙に包まれ体を焼かれつつイカ娘は叫ぶ。
「死ぬ! 焼け死ぬでゲソ!!」
ふと爆煙が消えた。
「あ、あれ……?」
床に這いつくばって身もだえしていたイカ娘はぴたりと動きを止める。
ハリス
. └|>
/ )
「ハッハッハー。ナイスリアクションデース」
ハリスがイカ娘の顔をのぞき込んでいた。
「なるほど宇宙人でも人並みに驚く、と」
「……これはどういうことでゲソ?」
,, -‐ "´ ヽ
, '  ̄ ̄ ̄∨ ′__ \
/ `ヽ , ′ ⌒' \ ' ,
/ ≠^^^^^^^^^^^^^^^\ ',
/ / / `V
/ // 二二二 人
| / ── _ `ヽ
i ./ >''' ̄``丶 , '´  ̄`ヽ, i
/ / /,.-" ̄``''┘ヾ └ '''" ̄``'''.' ⌒丶
.〈 |{ 〝/〃===, ,','=== (__,, ‐ '
∨ ', / ', / ' , _ ' ,
|.i }=', == /  ̄
i i | , ' \ /i ' ,___/ .r'′
i / /  ̄ ̄ ̄ ii , /  ̄`|
.i .| / ! \ i
i{ >ー^ー-^ー< ' ., ',
.{ ', /l|l|l|l|l|l| l|l|l|l|l|l|ヽ .', ' ,
', ', ′( ー‐-- =-‐''` i Y
,入 { / ! i, {
. _ / . i' , ' , ー-‐ '' / ./;' ,
, '/ i:;.\ ,, y;:;:;:;i ' ,
./ i;:;:;:;.', \ / /;:;:;:;:;| '‐--
i .i;:;:;:;:;:;' , '' -- '' /:;;:;:;:;:;i.|
i:;:;:;:;:;:;:;:;>,, イ:;:;:;:;:;:;i |
i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;> ―― '' .´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;i |
「ホログラムデース。あなたの脳に、立体映像を送り込みマーシタ」
「……へ?」
「それにしても、あなたのリアクションは傑作デーシタネ」
「最高デシタヨ……死ぬwwwwwww焼け死ぬwwwwwwwwww」
「ぶあーっはっはっはっはっはwwwwwwwwwwww」
仲良く肩を組み大笑いするハリス、クラーク、マーティン。
「お主ら……」
イカ娘の体が小刻みに震え、触手がワキワキとうごめき出した。
「絶対に許せないでゲソ! 冗談にしても度が過ぎるでゲソ!」
そして三人を触手で締め上げる。
「待ってくだサーイ!」
激しく上下に揺さぶられつつ、マーティンが慌てたように、
「これは研究の一環デース!
宇宙人にショックを与えたらどういう反応をするか調査していただけデス!」
「それにしても非人道的でゲソ! こんなの人間がすることじゃないでゲソ!」
床にへたれこんで息を切らす3人。
そして腕組みして彼らを見下ろすイカ娘。
.,. -――- 、
.../ -――-、\
. / ./ _ ⌒ 、
./ / | / /ニ、ヽ __ \
i/ _ノ' | f´ ̄`ヽ/ /ニ i :|
| / ノ /u |: !{ :| | :|
|j ,. -、__/__ ヾ ノハヽ|ノ ノ
. -=彡{ r{/ 、:::::::::::: 、___ j }
:, 、_V `ニニ ,ノ:::::::::::,' /
. _人 /{ u r 、 { ` ー/_ノ
..-='/{ /⌒ヽ._/ /
. ´ ̄/ ヽ ー==、__ } /
.一ァ、 '. ` ┘/
. 厂{: : \ 、__/´
..‘: : : : \ { \
. ,ハ : : /><:i |\
\ / ∨:`〈 } 、 \
../ ': : : Y⌒ヾ 〉 ヽ
「一切抵抗しないとの約束だったはずデスが……」
そう言われてイカ娘は少したじろぐ。
「う……」
「デスガ……」
クラークは息も絶え絶えあえぎつつ、
「少しハード過ぎたかもしれまセン……。
次はもう少し、マイルドなことにシマショウか……」
次の研究
>>136
,, -‐ "´ ヽ
, '  ̄ ̄ ̄∨ ′__ \
/ `ヽ , ′ ⌒' \ ' ,
/ ≠^^^^^^^^^^^^^^^\ ',
/ / / `V
/ // 二二二 人
| / ── _ `ヽ
i ./ >''' ̄``丶 , '´  ̄`ヽ, i
/ / /,.-" ̄``''┘ヾ └ '''" ̄``'''.' ⌒丶
.〈 |{ 〝/〃===, ,','=== (__,, ‐ '
∨ ', / ', / ' , _ ' ,
|.i }=', == /  ̄
i i | , ' \ /i ' ,___/ .r'′
i / /  ̄ ̄ ̄ ii , /  ̄`|
.i .| / ! \ i
i{ >ー^ー-^ー< ' ., ',
.{ ', /l|l|l|l|l|l| l|l|l|l|l|l|ヽ .', ' ,
', ', ′( ー‐-- =-‐''` i Y
,入 { / ! i, {
. _ / . i' , ' , ー-‐ '' / ./;' ,
, '/ i:;.\ ,, y;:;:;:;i ' ,
./ i;:;:;:;.', \ / /;:;:;:;:;| '‐--
i .i;:;:;:;:;:;' , '' -- '' /:;;:;:;:;:;i.|
i:;:;:;:;:;:;:;:;>,, イ:;:;:;:;:;:;i |
i;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;> ―― '' .´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;i |
「ところで、あなたの触手はどこまで伸びるのデスカ?」
「どこまで? そんなの、いくらでも伸ばせるでゲソ!」
. ┌---- 、___/\
,' ,-- 、 ___ ヽ、
,' i彡ミミ、 ,彡三ミ、、 `i
. / ! ´ !| !`ヽ
/ ! l / | ! .i
/ ./ _,. l 、 l、 | l
. i 〈. -‐'"´、l l::,`ニ‐-!l、 '、 .!
`、 ', "´0 0 `゙.川 ヽ,
`、 ! -‐ '"´,.l `゙ヽ"´ヾミ /
. / / | ./ l 〈 <
. \. ゝ !、 /ヽ! , ‐‐ヘ / ν
. <〈 ヽ ヽェェェェェェ7 l /
`、 `i ' / .! .l_
l (゙====" / 、 ヽ´ ̄
. / ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄| '''''''' ,´ 〉 ヽ
/ / .lゝ----- ´ / | ヽ
「それは素晴らしいデース!
ならばあなたの触手でたこ焼きが食べ放題ということになりマスね!」
「むぅ、私の触手は食べ物でないでゲソ!」
「――ひ!?」
ハリス
. └|>
/ )
「ふにふにとしたこのな弾力、きっと極上の歯ごたえになりそうデース」
右手にナイフを持ったハリス。
その左手には、立ったいま根元から切り落としたばかりの触手が一本握られていた。
「でもクラーク君。我々が作るのはタコ焼きではなくてイカ焼きになるのではないかな?」
クラークはハリスの言葉を笑い飛ばす。
「なーに、ちょっとした言葉のあやデース。
そんなことより、さあ、研究をしようではありまセンか」
そう言ってクラークは口元のよだれを拭う。
マーティンも目を輝かせつつ、
「ええ。実に興味深いテーマデス。是非とも解明しなければなりまセン。
ちょうどお腹も減っているところでちょうどいいデス」
三人そろって腹の音がなり、そして一斉にイカ娘を見る。
「腹が減っているからただ食べたいだけにしか見えないでゲソ!」
/ __ \\
// / ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄\ヽ \
/ // \ \
/ / \ \
/ / . : :| ∧: . . :∧: |: . ヽ_/
7 . : /| / \: . . : / ヽト、:. : : .ヽ
 ̄| . :/|- レ-――\: : /ー----\ : |\}
| ..:/..: :| ―-、 `´ -―- |: \ .: |
| イ !|: : |___ ___ |: : :| \!
| (| |  ̄ ̄ノ \ ̄ ̄ | : |) |
| .| |\ , / | .| |
| | | :| /:: | | |
| | ト . :| __ /:: /!. | |
. | | |: :\ ´ー―ri` /: : | | |
. | | |: : : |:`: :r ..___|| イ : : |: : | | |
| | |: : : |:.: : | \ /|: : :|: : | | |
/ .| |: ry―fY / \: :|_: :| | |
/ .| | { { ハ{ {--、 , ――‐// `| | |
/ | | | | |! | // | | | |
うう……。
こってりとしぼられたでゲソ……。
あのあと、研究室へ帰ってきたシンディーも加わり、みんなでイカ料理パーティが開催されたのだ。
(本人たちはあくまで研究と言い張っていた)
触手とイカ墨を使って様々な料理を作っていたが、
自分の体を食べる気にはなれないイカ娘は当然なにも食べていない。
でもこれで酒製造器は手に入ったでゲソ。
_ ... -─- ...、 .._
,..- >' `< ー 、
/ / _,,.... -─- ....,,_ \ \
/ /ゝ'": : : : : : : : : : : : :゛'''.. \ \
/ ./ : : : : 从 : : : : : : : : :イ.., : : : : ヽ \
/ / : : : : :‐イ丿\: : : : :/‐レi─ : : : : 、 〉
〈 ./: : : : : :/ __ \/ ___ヽ: : : : : : ∨
∨: : : : : ://,丁ヽ ゙ "/丁,ヽ l : : : : : :|
レi : : : /:|| |ノ し| |ノ しl | |: : : : :N
ゝ: /: :|ゝ ヘ rソ 、 ゝヘrノノ |: ヘ: :/
∧'|: :l ⊂⊃ ____ ⊂⊃l: :|∧
/ : : !: :ト |´ `| イ: :| : :、
/ : :/ :l :レ ⌒ン'ヽ 丿 ⌒ヽ: :!ヽ : :、
/ : :/:// ' ' )──‐r' ` ` 〉\ 、 : :、
/ : :/: :| \ ' ト /、 | \ : :、
/ : :/: : :| ( `ー─ ' ヽ /`ー─ ' ) |: : :\: :\
/ : :/{: : :{ ヽ 丿 ゝ ノ } : : :} \: :\
約束通りもらうことができた酒製造器は1リットルペットボトルほどの大きさで、
これに水を入れると一瞬で酒になるらしい。
これでお酒が飲めるでゲソ!
,. -―- 、 __
__/ ̄~ヽ┐, ´ , -‐‐- ,へ/ヽ/: : : : : :\
/: : : : :_/ ̄l_| , ´: ´: : : : : : `: : 、ヽ、,-ヘ: : / ̄ ̄\:.\
/: / ̄ ̄ ///: : : : : : : : : : : : : : : : :\ !\.`' ヽ: `,
/ ,' / /: : : : :ハ: : ヘ : : : : /l : : : : : ヽ \ i: :l
l: l \ /: : : : :メ`'∀‐-\/,斗-|、: : : l / }: :l
l: { レヘ: : : 〃__ __ |、 :;ハ| l: :l
l: l .!ヽ/  ̄ ̄  ̄ ̄ l イ l: :l
i : 、 /: {. u }: :l、 ノ: /
ゝ \___ /: :人 ,.-‐-、 人: : \___/: :,'
ヽ: : : : : : : : : / `ー───── '" ゝ: : : : : : : : : : /
でもどこでこれを使おうか。
栄子に見つかったらきっと怒られるし……。
>>156
行く当てもなく、結局自宅前まで来てしまったイカ娘。
もう疲れたし、とりあえず今日は家に帰るかと思いかけて、
――げ!? 早苗!?
/ /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::ヽ \
/ /: : : : : : :,、: : : : : : : : : : :/\ : : : i: : : : : \ >
/ / : : : : : : : : l |\: : : : : : : :/| | |ヽ: : :l: : : : : : : \ /
< /: : : : : : : l : : l | | |\: : : : :/,,,| | | |ヽ: lヽ: : : : : : : :ヾ/
\ ./: : : : : : : :lヽ: :l_,, -‐'゙|.\/ | | .|゙' .‐-V-.ヽ: : : : : : : :ヽ
Y: : : : : : : :-l‐∨, == 、 | | | | | | | ,!.== 、 | | i、 : : : : : ハ;l
l : : : : : : : : l !./ . ん圦.! .! l | l ! !. .ん圦 ヽ .l、 : : ;.イ
レ'゙ ヽ : : : : l | l J;;;;;;l J;;;;;;l ! .l レ゙、: l
lヽ : ;1 弋l以 弋l以 l: : :l } l
l:l Y :l , U l : : レ' : l
l ヽ_l : l u l : : :l : : l
l: : : l: : 、 u i゙ ̄ ̄ ̄ ̄l , 'l: : : :l : : l
l: : : l: : : i 、 u !、 ノ , -'"l::::l: : : l、: : :ヽ
/: : : :l : : :l:::l::"'''- .._ , -'"|::::::::l:::::l: : : l l、 : : \
/: :, -‐l: : : :l‐-‐r‐,‐| ~""'''゙´ ト、_;;!、;;;l: : : l: lヽ: : : :\
_,..-'''" .l : : : l i';;;{ );;} .l: : : :!-!、ヽ: : : : \
相沢家の玄関前になぜか居る早苗。
しばらくすると栄子が家の中から出てきて、そして二人なにやら談笑しつつ相沢家へと入っていく。
どうやら早苗が遊びに来ているらしい。
げそぉ……。
なんでよりによって……。
ただでさえくたくたなのに、さらに早苗に追い回されるのは是非避けたい。
が、かといって他に行く当てはない。
――そうでゲソ!
名案がひらめいた。
早苗が我が家に居るのなら、逆に自分が早苗の家に行けばいいのだ。
いまの時間はたしか早苗の両親は働いているはずだし、くつろぐのにはちょうどいい。
ついでに酒製造器を試すことができる。
そうと決まればさっそく長月家に行くでゲソ!
. / ____ ', //
/ . ´: : : : : : :` 、 i //
/| /: : : : : :!\ : |、 :_: : :\/∧
//: : |: : : : : | X!´\ : : : ヽ:\|
〃: : :|:|\: : :!/,r=≠ミ、 : ∧|、: !
i: : : : |斗― \| {いハ ∨: :|r} : :、
|: : : ∧ 弋tり | : :l/: : : :\
|∧∧ハ __,, _ | : :l:、:\: : : \
Vハ  ̄´ '/ ヽ | : :|: :\:\: : : 丶. ___
ハ: 、 く{ } /| : :| \: \:\、:___ : \
/: :!: :!> . `__ . イ | : :|ァ-、\: \:\ `丶:\
/:,:ィ|: :|{ _|! || ノ :| : :| ハ \: \:\ \\
/:/ /:,rァ'´ニニう .||_ _,ハ : | // ヽ. ∨:l \:ヽ Ⅵ
/イ /:/ =ニ || / V:V/ \l :| vハ i:|
|: | |/{____,.イ´ ̄ .|レ' V:v__ \ |: | l:|
|: | { .八__ ノ f ∨Ⅵ\ ヽ. |: | ノノ
/:/ .|`T卞´ { | ノ ,ハ: i:| >、 }/:/ __〉〉
/ / : : : : : : : : : : : : : /l : :/ ::::\: : : : : : : : :/::::: l : : l : : : : : : : : : : : : : : \ /
\ / : : : : : : : : : : : : : : /-+:/─--:::::::\: : : : /:::::--─┼┼-- : : : : : : : : : : : : : : ヽ/
丶/: : : : : : : : : : : : : : :/ l/ ::::::::::::::\/::::::::::::::: l/ \: : : : : : : : : : : : : : 丶
l/l: : : : : : : : : : : :イ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l` 、 : : : : : : : /lヽ: : l
ト: : : : : : : : : /:| , ---、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::, --- 、 | : :`、:: : : : :/: :l \l
|: :\: : : : : :/: :| , ' 丶::::::::::::::::::::::::::, ' 丶 .|: : : :l : : : /: : :l
─────=========二、 `======、 `二=========──────
|: : : : : :ヽ/: : : :| 丶 , '::::::::::::::::::::::::::::::丶 , ' |: : : : :ヽ/: : : : :|
|: : : : : : | : : : : | ` ゙ ´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::` ゙ ´ | : : : : : : |ヽ : : : |
/: : : : : : | : : : : | :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | : : : : : : |ノ: : : : l
/ : : : : : : | : : : : :| ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | : : : : : : |: : : : : l
/ : : : : : : : :| : : : : :| ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: | : : : : : : |: : : : : :ヽ
/: : : : : : : : : :| : : : : :| l\ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /l | : : : : : : |: : : : : : : ヽ
/ : : : : : : : : : : | : : : : :| ヽ ` ー───-----─── ' / | : : : : : : |: : : : : : : : :ヽ
ひっひっひ。
2階だからといって窓の鍵を開けっ放しは不用心にもほどがあるでゲソ。
触手を使って、いとも簡単に長月家に侵入したイカ娘。
_____
, ´ \\
/ ____ ヽ \
/, . : ´: : : : : : : : :` : . 、 } \
//: : : : : ト、 : _|_: : : : : : \ /
〃: : : : : : : :|/ 、| 丶、: : : : : : :\}
/: : : : : : : : : :| ,x:=ミ、\: : : :}_;>:\ /:
. : : : : :\ : : : | 〃 _ノ:ハ \/ :| } : : ` : . ____,/: : :
l : : : : : : /´ー┘ V:り | : :|ノ : : : : : : : : : : : : : : : : : /
|: : : : : : \{〃フハ | : :| : : : : :\ー―――一 ´
|: { : : : : : |从 Vり , __ : : :| : \: : : : \
∨\ : : : | :\ ( ` ,| : :|V⌒ 、 : : : ` : ー――――
 ̄`ヽ: : :、_____,/ | : :|l| \:\: : : : : : : : : : :
}: : : | |: : |: : :{:\| : :||| 、 \:\ ̄ ̄ ̄ ̄
/:/ 〉:| |: : ト、: :∨ | : :||| \ \:\
/:/ / :/ : :| ∨| | : :|ヾ __,/\ \:` : ー
/:/ /´>、 : :| ,ノ | |: : :、  ̄ | ヽ { 丶、: :
/: :{ / } {: : V V \: :\___ | : : :. \
/: : ∧ ∨ \:{ \: : : : :| |` ー‐:.
長月家の水道水から作ったお酒の入ったコップを片手に、
イカ娘は早苗のベッドに腰掛ける。
――ふむふむ、これがお酒というものでゲソか。
透明なその液体は、見ただけは水との違いは分からない。
さて、私のお酒デビューを記念して、乾杯でゲソー!
と、一人で天井に向かって杯を上げると、ごくりと一口飲む。
んぐ……。
思わずむせそうになって慌ててこらえた。
酒が食道を通って胃に流れると、喉と胸がかあっと熱を帯びていくの感じる。
これは……なるほど。いかにも大人の飲み物という感じでゲソね。
/ / >'´: : : : : : : : : : : : : : : :``:<. \ \
. , ' , ' >'´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\. ‘, \
, ' ./ /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\ ‘, .\
. , ' ./ /: : : : : : :|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : : :\.‘, 〉
/ //: : : : : : : : .:|: : :λ: : : : : : : : : : : : λ : : |: : : : : : : : :\', /
``<‐-/: : : : : : : : : : : :|: : ノ. ∨: : : : : : : : : .:/ ∨ : |: : : : : : : : : .:∧ /
/: : : : : : : : :、: : :λ:/ ∨: : : : : : : : / ∨λ: : : : : : : : : : :ヽ
. /: :, : : : : : : : .:ヽ,/_∨ \: : : : :/ _.メ、! ∨: : : : : : : :/\ゝ
/;/ト、: : : : : : : :/ `'‐-ニ、 \/ニ-‐'゛´ .∨: : : : : :/: : |
|: ∨: : : : :,;イ u ト、: : : .:/: : : :|
|: : ∨: : :/: :| _ _;;;;ニ,_ ニ;;;;;_,,,,..; |: :\ノ!: |:. : .:|
. |: : : :\;/: : :| ´ ̄''''゛゛´ ̄  ̄`゛゛゛´ |: : : :ト': : |:. : .:|
/: : : : : |: : : .:| | : : : |: : :.:|:. : .:|
/: : : : | : |: : : .:| ’ ノ!: : : | : : : |:. : .:|
/: : : : :|: : :| : : : ト、 ー-‐ ‐-‐' u ノ: |: : : ||: : : .:|: : ∧
. / : : : : ノ:.: .:.|: : : :|: >.、 _..., イ: : :|: : : :|:| : : : |: : :∧
. /: : : : :/|: : : .:|: : : :| | :≧ァ- ..._... -‐ニ|: : : |:. : :| : : : | | : : : ト、: ∧
/: : : : :/ |: : : : |: : : :|_;_;rL : | |,、_: :|: : :|: : : : |:.|: : : : |ヘ: : ∧
. /: : : : :/ ノ‐'´ ̄| : : : |. |:::|ノ .フ:::7⌒‐|: : : : |┴、: : : |ヘ: : :∧
/: : : : :/ / | : : : | |:::|_ ノ:::/ |: : : : | ヽ; : :|ヘ: : .:∧
最初感じていた強い刺激にも慣れてきた。
なるほど酒といのもなかなか良いものだ。
そう思えることが、酒を飲む前と比べてなんだか大人になったような気がする。
イカ娘は既にコップの半分ほどを飲んでいた。
/,. . :'':"´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : < ヽ
,. :'" : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ、 ',
/: : : : : : : : : : : :/: : :.l: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\. l
/ : : : : : : : : : : : : /__;;∠L_: : : : : : : :v、_へ_ : : : l: : : : : : : : \ l
/-‐i: : : : : : : : : : : '爪/. V: : : : : : : : :/  ̄「>、!: : : : : : : : : :.゛、 !
!: : : : : : : : : :/レ" ‘,: : : : :./ ヘ:.: ;イ\ : : : : : : : : :ヘ. l
. ',: : : : : : :./l.  ̄7\: / フー-ヘ/ l : : : : : : : : : : : : V-‐''ンl
. ', : : : : ;イ: : ! xt=ェェェx、 ` ,___ ヽ: : : : : : : : : : : : : Y´ l
. \;/. |: : l 〃 、_)非l} ゙て )弖うォ ヽ: : : : : : : :, : : : : Ⅶ. l
. |: : l ’ .ヒ三り ト-心㍉!ヾ, ト; : : : :/、: : : /:.:Ⅷl
!: : ! ``ー-'′ ’.l \/:ト、ヽ: / : : レ′
!: : ! /// ' /// l: : : : : l⌒ }V : : : :!
. l: :.:l l: : : : : lノ /.: : : : :.:l
l : 人 、__ _ l: : : : : レ': : : : : : : l
l: : : : \  ̄ ̄ ̄ l: : : : : l: : : : : : : : : l
l: : : : : : |\ /!: : : : :.l: : : : : : : : :.:l
. l: : : : : : l: : :iヽ、 _ .. -''´l: : l: : : : : l : : : : : : : : : !
. l: : : : : : l: : :l: : l: `::.-. r‐ '' ¨´ .l: :/: : : : :/: : : : : : : : : :.!
. l: : : : : : l: : :l: : l: : : _,;;;;! {/: : : : :/: : : : : : : : : : :.l
l: : : : : : レ"´ ̄ ̄/::/ l ./: : : : :/‐-、: : : : : : : : : l
……それにしても。憎き早苗の家にせっかく侵入できたのに、
ただくつろぐだけというのも、なんだかもったいない気がするでゲソ。
そうでゲソ。どうせだから>>175でもしてやるでゲソ!
安価>>186で
侵略資金を稼いだ後、小学生を集めて侵略作戦会議を始める
――そうでゲソ。
早苗の部屋には自分へのコスプレ用の衣装が山ほどあるのだ。
それを思うと無性に腹が立ってきた。
……また増えているでゲソ。
まったく早苗の奴め。嫌だと言っているのに勝手にコスプレ衣装なんぞ用意しおって。
無理やり着せられる方の身にもなってほしいものだ。
――こんなもの、全部うっぱらってやるでゲソ!
そしてその金を侵略の資金にするでゲソ!
/ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ 〉
\ ./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、 ,./
>::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::X:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/;:::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::V"´
./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\:::::::|::::::/ V:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ .'、:::::|:::::;/::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::X'|::::/ ∨::::::::::::::::::::::::::::::/ '、;:メ'´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、
/::::ヘ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ |メ.、 \::::::::::::::::::::/ ,ノヘ::|`、::::::::::::::::::::::::::::::::::|`、::::`、
// .`;::::::::::::::::::::::::::::::::λ ,.r'"/''||Iiu,, _ /\:::::::/,、,.r-T||||i'''/,、、:::::::::::::::::::::::::::::∧ `" `
`,::::::::::::::::::::::::::::/:::|. /´ ,__ィ||||||ヽ` `'´ '"| ,||||||| .`iヽ:::::::::::::::::::::::::::/::::i
∧:::::::::::::::::::::/:::::|∥ .|∧少`| ||"||||' .| '|.ヽ::::::::::::::::::::::/::::::::i
./::::λ::::::::::::/::::::::::| '|, `、_ノ .`、 ," ./ .|ヽ::::::::::::√ ̄`'i:::::i、
/:::::::::::λ::::/::::::::::::::::|、  ̄  ̄ ..|:::y'''"´ .|:::::`、
/::::::::::::::/:/V::::::::::::::::| '、///// ・ //// ,r‐~ ト.、`、
/::::::::::::::::/ / |::::::::::::::::::::| `、 _/ .ト `i:::`、
/::::::::::::::::/::/ /::::::::::::::::::::| `、 r‐-----‐‐‐‐'"\ .√ V .|::::::`、
. :::::::::::::::://:/ /::::::::::::::::::::::/ |::|.\、 / .) .| Y|:::::::::ヽ
..::::::::::::::/ ./:/ /::::::::::::::::::::::::/ |::i´ /` t '、 ノ ' | ' ..|:::::::::::ヽ
...::::::::::/ i::/ /::::::::::::::::::::::::/ |:,' / ` `:',` - .,,,___,.. ・'"∥/ .| |ヽ::::::::::::ヽ
..:::::::/ ,'://:::::::::::::::::::::::::/ .|' 、 `:'、‐-、 ,r'´// / .', .ノ .ヽ:::::::::::::ヽ
..:::/ |//:::::::::::::::::::::::::/ √l .":、 // / .', .∧ ヽ:::::::::::::ヽ
.../ //::::::::::::::::::::::::::/ ./ l´ `::、 // `, /:::::| ヽ:::::::::::::::
/::::::::::::::::::::::::::::/ / .| `、、 // ,r弋 /::::`ヽ、| ヽ:::::::::::::::
/ / >'´: : : : : : : : : : : : : : : :``:<. \ \
. , ' , ' >'´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\. ‘, \
, ' ./ /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\ ‘, .\
. , ' ./ /: : : : : : :|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : : :\.‘, 〉
/ //: : : : : : : : .:|: : :λ: : : : : : : : : : : : λ : : |: : : : : : : : :\', /
``<‐-/: : : : : : : : : : : :|: : ノ. ∨: : : : : : : : : .:/ ∨ : |: : : : : : : : : .:∧ /
/: : : : : : : : :、: : :λ:/ ∨: : : : : : : : / ∨λ: : : : : : : : : : :ヽ
. /: :, : : : : : : : .:ヽ,/_∨ \: : : : :/ _.メ、! ∨: : : : : : : :/\ゝ
/;/ト、: : : : : : : :/ `'‐-ニ、 \/ニ-‐'゛´ .∨: : : : : :/: : |
|: ∨: : : : :,;イ ト、: : : .:/: : : :|
|: : ∨: : :/: :| _ _;;;;ニ,_ ニ;;;;;_,,,,..; |: :\ノ!: |:. : .:|
. |: : : :\;/: : :| ´ ̄''''゛゛´ ̄  ̄`゛゛゛´ |: : : :ト': : |:. : .:|
/: : : : : |: : : .:| //// //// | : : : |: : :.:|:. : .:|
/: : : : | : |: : : .:| ’ ノ!: : : | : : : |:. : .:|
/: : : : :|: : :| : : : ト、 ー-‐ ‐-‐' ノ: |: : : ||: : : .:|: : ∧
. / : : : : ノ:.: .:.|: : : :|: >.、 _..., イ: : :|: : : :|:| : : : |: : :∧
. /: : : : :/|: : : .:|: : : :| | :≧ァ- ..._... -‐ニ|: : : |:. : :| : : : | | : : : ト、: ∧
/: : : : :/ |: : : : |: : : :|_;_;rL : | |,、_: :|: : :|: : : : |:.|: : : : |ヘ: : ∧
. /: : : : :/ ノ‐'´ ̄| : : : |. |:::|ノ .フ:::7⌒‐|: : : : |┴、: : : |ヘ: : :∧
/: : : : :/ / | : : : | |:::|_ ノ:::/ |: : : : | ヽ; : :|ヘ: : .:∧
そして親衛隊たちを全員集合させ、その資金を元に侵略をする。
うむ。我ながら妙案でゲソ。
これでコスプレ衣装を始末できるし地上侵略も進行する。
まさに一石二鳥でゲソ。
さっそく行動開始でゲソ
,...:::"´::::::::::::::`ヽ
/::::::::::::::/ハ:::::::::::::ヽ
/:::::::::ハハ:,<ニⅥ:::::::::::l
Ⅳ:::v> ´bリ |:::,-、::::| m
Ⅵl |リ `' Y,6):::」 /h| l
l 冫─┐ .イ::vV 〈' ( |
人 \_ノ ノ|/` Y ノ
_ `>┬イ .| | |
/::::::::::::`::ヽ.,_ ト、 | |
/::::::::::::::::::::::::::\` ヾ`ヽ___ / .|
イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ー'::::::::::::::::|-' |
/ \:::::::::::::::::::::::::::;., ==、、::::::::::::| /
〈 \:/|::::::::::::://:ヾ、::::::ll:::::::::/ ̄ ̄
\ \|::::::::::::l l:::::::ヾ、vノ:::::/
\ \:::::::::`` ==イ:::::/
\  ̄ ̄`、::::::::::::::::|
/::`ヽ、_ヲ:::::::::::::::::::|
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
「たけるから聞いたよ!
イカ姉ちゃん、ついに地上を侵略するんだって!?」
「……」
しかしイカ娘は駐禁の声には応えず不機嫌そうに腕組みをして立っている。
∧. .// .,,
/ ', / / //
',\ / ',/ // /
.', \/ /____
. ', ∧ .∧ ./
─― ∧ / .',. i .', .|\ ×
\ ./__.∨ .',i! ',|__ ∨', \ _._-‐''フ
.> .ル' _ 二., ,二._ | ___> ≠ /)
. ∠ / i / んハ ' 'んハ ',.i . \ ≠ / /
∠i⌒ .i i .弋:り 弋:り. '.i/⌒}‐` ._-‐''¨ _ 丿/
! へi .r‐──┐ ⊥-‐''¨ ̄ /
乂 i | ,, 个-‐'''¨ _ - '.¨
> -‐''' .i _-‐''¨
/ i _-‐''¨ ̄
. / .i i ` .ヽ
i ∨ \
', / i ∧
', / ̄'''‐-_i i i
i i | ' ,
i. .i | .〉
i .! | /
| ! i/
|. / i
レ i
「わあ! イカ姉ちゃんすごいお金! いったいどうしたの!?」
イカ娘は相変わらず仏頂面のまま、
「……まあ、いろいろあったんでゲソ」
「……あの、イカ姉ちゃんどうかしたの?」
イカ娘はふぅと息を一つ吐き出すと、
「……私は親衛隊を全員集合させるようにって言ったでゲソ。
なのに集まったのが、たけるを含めてたった二人とは
いったいどういうことでゲソか!?」
/ / ,.イ: : : i: : : : : : : : : : : : :`:ー_フ , -、
ー 、 /イ: : : : : :.l:∧ : : : : ;ィ: : : : : :..:ヘ ,イ i
l/:/: : : : : /≧x \:/ i;:ィ´: : : :.ト、; / !
/:,ハ: : :..:〃,イ::(,j` ,イrヾ ト、:..: :.l ` / /
. /´: ハ:/ト、弋:::ノ 弋:リ }i:.ヘヾ:ノ _, - ' , '
. /: : : ゝ }: : l ///__ ' ///i: ; ィ::::フ´ /
´: : : /.: : :__V:ヘ /  ̄ 7 ,.イ::::::f´ :、r'
: : /: :,.イ ` ー-` __ , '-‐'7:::::::/ ヽ ヽ
/: : : i ,.:´ {::::::::{ ヽ ヽ }--‐-、
: : : : /l ヽ::::::ヽヽ ヽ }_,∠ __ ノ
: : : /!:ヘ ::-:、.. \:::::`ゝ‐:´ ̄イ
: .: : !: :ヽ /` ー 、 __ _, -く: `: r― '´l: : l
__
,...:::"´::::::::::::::`ヽ
/::::::::::::::/ハ:::::::::::::ヽ
/:::::::::ハハ:,<ニⅥ:::::::::::l
Ⅳ:::v> ´bリ |:::,-、::::| m
Ⅵl |リ `' Y,6):::」 /h| l
l 冫─┐ .イ::vV 〈' ( |
人 \_ノ ノ|/` Y ノ
_ `>┬イ .| | |
/::::::::::::`::ヽ.,_ ト、 | |
/::::::::::::::::::::::::::\` ヾ`ヽ___ / .|
イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ー'::::::::::::::::|-' |
/ \:::::::::::::::::::::::::::;., ==、、::::::::::::| /
〈 \:/|::::::::::::://:ヾ、::::::ll:::::::::/ ̄ ̄
\ \|::::::::::::l l:::::::ヾ、vノ:::::/
\ \:::::::::`` ==イ:::::/
\  ̄ ̄`、::::::::::::::::|
/::`ヽ、_ヲ:::::::::::::::::::|
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
X::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
「……ごめん。親衛隊の中でAAが作られているの、オレ一人だけで……。
だから、どうしても他の親衛隊は呼ぶことができなかったんだ」
「むむ? そうだったんでゲソか……。それならしょうがないでゲソ」
/ / >'´: : : : : : : : : : : : : : : :``:<. \ \
. , ' , ' >'´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\. ‘, \
, ' ./ /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\ ‘, .\
. , ' ./ /: : : : : : :|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |: : : : : : :\.‘, 〉
/ //: : : : : : : : .:|: : :λ: : : : : : : : : : : : λ : : |: : : : : : : : :\', /
``<‐-/: : : : : : : : : : : :|: : ノ. ∨: : : : : : : : : .:/ ∨ : |: : : : : : : : : .:∧ /
/: : : : : : : : :、: : :λ:/ ∨: : : : : : : : / ∨λ: : : : : : : : : : :ヽ
. /: :, : : : : : : : .:ヽ,/_∨ \: : : : :/ _.メ、! ∨: : : : : : : :/\ゝ
/;/ト、: : : : : : : :/ `'‐-ニ、 \/ニ-‐'゛´ .∨: : : : : :/: : |
|: ∨: : : : :,;イ ト、: : : .:/: : : :|
|: : ∨: : :/: :| _ _;;;;ニ,_ ニ;;;;;_,,,,..; |: :\ノ!: |:. : .:|
. |: : : :\;/: : :| ´ ̄''''゛゛´ ̄  ̄`゛゛゛´ |: : : :ト': : |:. : .:|
/: : : : : |: : : .:| | : : : |: : :.:|:. : .:|
/: : : : | : |: : : .:| ’ ノ!: : : | : : : |:. : .:|
/: : : : :|: : :| : : : ト、 ー-‐ ‐-‐' ノ: |: : : ||: : : .:|: : ∧
. / : : : : ノ:.: .:.|: : : :|: >.、 _..., イ: : :|: : : :|:| : : : |: : :∧
. /: : : : :/|: : : .:|: : : :| | :≧ァ- ..._... -‐ニ|: : : |:. : :| : : : | | : : : ト、: ∧
/: : : : :/ |: : : : |: : : :|_;_;rL : | |,、_: :|: : :|: : : : |:.|: : : : |ヘ: : ∧
. /: : : : :/ ノ‐'´ ̄| : : : |. |:::|ノ .フ:::7⌒‐|: : : : |┴、: : : |ヘ: : :∧
/: : : : :/ / | : : : | |:::|_ ノ:::/ |: : : : | ヽ; : :|ヘ: : .:∧
「――さて」
イカ娘はどっかりと地面の上に腰を下ろす。
それに合わせて駐禁とたけるも腰を下ろし、三人で円陣を組む。
「これからこの三人で地上を侵略するでゲソ。
今まではあまり進んでいなかった地上侵略でゲソが、今回はいつもとは違うでゲソ。
なんていっても資金があるでゲソ!」
ぱさり、と円陣の中央に、10万円はあるだろうか、札束を投げる。
/ `ヽ >.
/ __. . . ――. . . . __ \ >
/ ./.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \.
/ ./.: : : : : : : : : : : : : : ∧: : : : : : : `ヽ .
\/: : : : : : /\ : : : : : : / ∨ ∧ : : : : ∧
/.: : : : : ∧ | \.: : : / ∨ ∨.: : : : :
/.: : : : : : | 十==- \/-‐==キ ̄ ∨.: : : :
._ |/\: : : : | / ん::ハ だ:下\∨ /:: : :
/ `.i \: : | { ト.イ_j.} ト.イ_j.}. } ∨ヽ:. :
/ i .\| .乂_::ノ 乂_:ノ .i |丿:.: :
{ i { ∧ ,,,,, 丶 _ - ., i.:.i : : : :
∧ ∧ ゝ|: :i ヽー‐ ': : : : : : : i イ:. |: : : : :
∧ ∧__ ∧: :ゝ ∨.: : : : : : : /イ :i: :|: : : : :
__/\ .∧ : : `ヽ∨∧`>┘ _ -<| | .|: :.i.::!: : : :
i / ゝ ヽ : : ∧_∨∧┐_| !___| .|: :.:i∧: : : :
/ | 〈 // }. : : : i ∨:∧ \ .ゝ∧ ∨:.:i∧ : : \
i | .∧ `ヽ―i ∧.: : : } ∨: :∧\\ー _ -‐∧ ∨:.i:∧: : : :
| ! >‐―=¨ 〉 : : ! i : : : i \ || ∨:i \\ : : \
> _ `ヽ! _ /: :∨//|: : : : |. .\ || \i .\i: : : : i
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄: : : : / .厂ゝl: : : : | \ || .\ \ : : i
ゝ ー―‐‐´ /:∧ |: : : ::| \.\|| } .\:.i
/: : :.∨: : : : | | .\
「だからお主ら、この資金を有効活用できる侵略方法を考えるでゲソ!」
ということはイカ姉ちゃんはノープランだったの!? たけると駐禁はそう思った。
「うーん……、ごめん。僕、お金のことはあまり良く分からないなぁ」
|\ |::::\ Λ
|::::::\ !::::::::::::V:::::::\
|:::::::::::\|:::::::::::::::::::::::::::::\//
__|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/_
\::::::::::::::::::/|::::Λ::::Λ:::::::::::::::::::::::::/
/ ::::::::::: / |::/ |:::| V、::::::::::::::/ .
 ̄|:::::/V―-'、 |/ _.斗┤:::::::::::\
|:ハ| レ::::::::::l ̄
| -―- -―- |:::__:: l
| __ |/ ノV
、u |/  ̄l __ノ、!
` 、 ____ノ ィ
____lー‐≦ |
/ /| ト、
/ {、 } >-、
___/ \___ ノ \
V / _ --= !
イカ娘は「むむ……」とうなったあと駐禁を見て、
「なら、お主は? 何かアイディアはなイカ?」
「ええーっと、そうだね……」
駐禁のアイディア
>>214
「そう! そのお金を全部つぎ込んで、エビを買うんだよ!
それだけお金があれば、相当高級なエビを買ってもかなりの量になる!」
__
,...:::"´::::::::::::::`ヽ
/::::::::::::::/ハ:::::::::::::ヽ
/:::::::::ハハ:,<ニⅥ:::::::::::l
Ⅳ:::v> ´bリ |:::,-、::::| m
Ⅵl |リ `' Y,6):::」 /h| l
l 冫─┐ .イ::vV 〈' ( |
人 \_ノ ノ|/` Y ノ
_ `>┬イ .| | |
/::::::::::::`::ヽ.,_ ト、 | |
/::::::::::::::::::::::::::\` ヾ`ヽ___ / .|
イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ー'::::::::::::::::|-' |
/ \:::::::::::::::::::::::::::;., ==、、::::::::::::| /
〈 \:/|::::::::::::://:ヾ、::::::ll:::::::::/ ̄ ̄
\ \|::::::::::::l l:::::::ヾ、vノ:::::/
\ \:::::::::`` ==イ:::::/
\  ̄ ̄`、::::::::::::::::|
/::`ヽ、_ヲ:::::::::::::::::::|
「たしかに……!」
イカ娘の目が一気に輝く。だがその目は数秒で怪訝に陰る。
「い、いや、だがそれと地上侵略はなんの関係もないと思うでゲソが……」
「いや、エビを買うことと地上を侵略すること。
この二つは一件関係ないように思えるけど、実は大ありなんだ」
「??? いったいどういう関係でゲソか?」
「いいかい、」と駐禁は説明を始める。
イカ娘と、そしてたけるは、その説明をじっと聞く。
_,..-──‐‐- .
,.-‐..::: ̄ ̄:`.....、
/::::::::::::::::::::::::::, 、::::::丶
:::::::-‐ナ\:::::::::/‐‐!A:::::::::\
::::::ハ/_,,,,,_`ヽ/ ,.--、\::::::::,>
:::::! /.ん:ハ ん:::ハ.l l:::::/
:Vl l. 、ィ_リ 、ィ_ツ l !V
:::::l ,, ,, !、| ……。
::::::! ノ::l
__
,...:::"´::::::::::::::`ヽ
/::::::::::::::/ハ:::::::::::::ヽ
/:::::::::ハハ:,<ニⅥ:::::::::::l
Ⅳ:::v> ´bリ |:::,-、::::| m
Ⅵl |リ `' Y,6):::」 /h| l
l 冫─┐ .イ::vV 〈' ( |
人 \_ノ ノ|/` Y ノ
_ `>┬イ .| | |
/::::::::::::`::ヽ.,_ ト、 | |
/::::::::::::::::::::::::::\` ヾ`ヽ___ / .|
イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ー'::::::::::::::::|-' |
/ \:::::::::::::::::::::::::::;., ==、、::::::::::::| /
〈 \:/|::::::::::::://:ヾ、::::::ll:::::::::/ ̄ ̄
\ \|::::::::::::l l:::::::ヾ、vノ:::::/
\ \:::::::::`` ==イ:::::/
\  ̄ ̄`、::::::::::::::::|
/::`ヽ、_ヲ:::::::::::::::::::|
「実は、普通に物資を買っても、それくらいのお金では侵略に役立つほどのものは何も買えないんだ。
戦車も、戦闘機も、ミサイルも、トーチカも、全然まったく手が届かない。ならどうすればいいか」
駐禁はイカ娘を、たけるを、順番に見る。
二人は無言で先をうながす。
「それは、イカ姉ちゃんにはエビをたくさん食べてもらって、パワーアップしてもらう!
そして強くなったイカ姉ちゃんの力で地上を侵略する!
わずか10万円で地上を侵略するのは、これが一番現実的だ。
……いや、方法はそれしかない!」
「イカ姉ちゃんにそんな設定があったの!?」
|\ |::::\ Λ
|::::::\ !::::::::::::V:::::::\ /|
|:::::::::::\|:::::::::::::::::::::::::::::\// . / |__
__|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/_ .\ /
\::::::::::::::::::/|::::Λ::::Λ:::::::::::::::::::::::::/ | \
/ ::::::::::: / |::/ |:::| V、::::::::::::::/  ̄ ̄
 ̄|:::::/V―-'、 |/ _.斗┤:::::::::::\
|:ハ| レ::::::::::l ̄
| -―- -―- |:::__:: l
| __ |/ ノV
、u |/  ̄l __ノ、!
` 、 ____ノ ィ
____lー‐≦ |
/ /| ト、
/ {、 } >-、
___/ \___ ノ \
V / _ --= !
100×10万倍、つまり私は1000万倍の強さになるでゲソ!
そうなれば私は誰にも負けないでゲソ。米軍だって一人で壊滅させることができるでゲソ」
〟ー-
. 〃 `ヽ 、
/ / ヽヽ
/ .′ ,...--――ー、i \
く ; ; : : : : : : : : : : : : \. \
. \〈 / : : : :/、;ヘ: : : : ;、 ;ヘ:\/
. 、く: : : : : /-┼-\: /ート-∧|
. |: : /\/┯┯ `'┯┯|: |
. |: : i .|: | 弋ソ:::::::::::::弋.ソ |: | じ
. |: : ゛:|: | "" "" !: i ゅ
. |: : : :|: ト、μrー-っ _ ィ i: :| る
. /:ィ ̄|: ト 、 ´!_! ̄ /ハi: :| っ
/: | i: i へ. / |: :
「ただエビが食べたいわけではないんだよね?
本当に強くなるんだよね!?」
たけるの不安はつのる一方だった。
では、たけるはれもんでエビパーティを今から開催することをみんなに知らせるでゲソ」
その言葉にたけるは首をかしげる。
「え? エビパーティ? エビはイカ姉ちゃんが食べるんじゃないの?」
「一人で食べてもつまらないでゲソ。どうせならみんなと一緒の方が面白いでゲソ。
だからたけるはれもんにみんなを呼ぶでゲソ」
/ `ヽ >.
/ __. . . ――. . . . __ \ >
/ ./.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \.
/ ./.: : : : : : : : : : : : : : ∧: : : : : : : `ヽ .
\/: : : : : : /\ : : : : : : / ∨ ∧ : : : : ∧
/.: : : : : ∧ | \.: : : / ∨ ∨.: : : : :
/.: : : : : : | 十==- \/-‐==キ ̄ ∨.: : : :
._ |/\: : : : | / ん::ハ だ:下\∨ /:: : :
/ `.i \: : | { ト.イ_j.} ト.イ_j.}. } ∨ヽ:. :
/ i .\| .乂_::ノ 乂_:ノ .i |丿:.: :
{ i { ∧ ,,,,, 丶 _ - ., i.:.i : : : :
∧ ∧ ゝ|: :i ヽー‐ ': : : : : : : i イ:. |: : : : :
∧ ∧__ ∧: :ゝ ∨.: : : : : : : /イ :i: :|: : : : :
__/\ .∧ : : `ヽ∨∧`>┘ _ -<| | .|: :.i.::!: : : :
i / ゝ ヽ : : ∧_∨∧┐_| !___| .|: :.:i∧: : : :
/ | 〈 // }. : : : i ∨:∧ \ .ゝ∧ ∨:.:i∧ : : \
i | .∧ `ヽ―i ∧.: : : } ∨: :∧\\ー _ -‐∧ ∨:.i:∧: : : :
| ! >‐―=¨ 〉 : : ! i : : : i \ || ∨:i \\ : : \
> _ `ヽ! _ /: :∨//|: : : : |. .\ || \i .\i: : : : i
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄: : : : / .厂ゝl: : : : | \ || .\ \ : : i
ゝ ー―‐‐´ /:∧ |: : : ::| \.\|| } .\:.i
「ではお主はエビを買ってくるでゲソ」
地面に落ちている札束を駐禁に手渡して、
「このお金を全部使って、いろんな種類のエビを買ってくるでゲソ!」
「ええー、10万円分のエビはちょっとオレ一人では持ちきれないんじゃないかなあ……?」
「そうでゲソか? なら私も一緒に行くでゲソ!」
「え、マジで!?」
そこでイカ娘は何かを納得したように頷いた。
「うん。食べるエビを自分で選ぶのも楽しみの一つでゲソ!」
そして駐禁の手を握ると、そのまま彼を引きずるように走り出す。
「さあ、もたもたしている時間はないでゲソ! エビが私を呼んでるでゲソ!」
「ちょ、イカ姉ちゃん待ってよ! 転ぶ! 転んじゃうって!」
イカ娘に引き回されつつも、
今回の問題がうまく丸く収まってくれたことに内心胸をなで下ろす駐禁だった。
――完
今回は以上でおしまいです。ありがとうございました。
イカ娘のAAはかなり豊富なんだけど、それ以外のキャラのAAが本当に少なくて泣きました。
なんか内容的によかった
Entry ⇒ 2012.04.04 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ロロナ「おじさんがろろなたちの・・・パパ?」岸田メル「そうだよ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333358572/
メルル「ぐーるぐーる、っと・・・どうですか?トトリ先生」
トトリ「どれどれ・・・うん、いい感じだね。すごいよメルルちゃん、この短期間で錬金がとっても上手になってるよ」
メルル「えっへへー、ありがとうございます!」
ロロナ「ととりちゃん、ごほんのつづき、はやくよんでー!」
トトリ「はいはーい」ニコ
コンコン
メルル「ん?誰だろう?はーい、今開けまーす!」ガチャリ
そこには鳥の羽をあしらった仮面を付けた、タンクトップに半ズボンの男性ががに股で佇んでいた。
メルル「ええっと・・・錬金の依頼ですか・・・?」
岸田メル「・・・」
トトリ「メルルちゃんどうしたの?お客さん?」ヒョコ
トトリ「・・・ど、どちら様ですか・・・?」
岸田メル「・・・。」
トトリ「う、うん・・・ちょっと怖いね・・・」ヒソヒソ
岸田メル「・・・・・・・」スッ
男が後ろで組んでいた手をあらわにすると、そこにはメルルの身の丈程もあろう大剣が左右に握られていた。
トトリ「は、刃物!」
岸田メル「・・・」ドヤッ
メルル「やっぱり危ない人でした!トトリ先生どどどどうしましょう!?」
トトリ「」ガクガク
メルル「ト、トトリ先生しっかり!!」
メルル「え、え!?がに股のままちょっとずつこっちに来てる!!」
岸田メル「・・・」ジリ…ジリ…
メルル「い、いや・・・来ないで・・・!」
ロロナ「??おじさんだれー?」ヒョコ
メルル「!!」
状況の判断の付かないロロナは不用心に男性に近づいてしまう。
トトリ「・・・はっ!だ、だめっ!ロロナ先生!!」
メルル「ロロナ先生!!」
ロロナ「おじさんだあれ?」クビカシゲ
岸田メル「・・・・・・岸田メル・・・お前たちの、パパだよ!!!!!!!」ドッヤァ!
岸田メル「そうだよ」
メルル「そうだよ、・・・って、そんなわけないじゃないですか!」
岸田メル「ホントだよ、メルルリンス・レーデ・アールズ」
メルル「!!」
岸田メル「驚かせてごめんね・・・トトゥーリア・ヘルモルト。わが娘よ」
トトリ「!!・・・ど、どうして私の名前まで・・・!」
岸田メル「どうしてって・・・」
岸田メル「パパだからさぁぁ!!」ドォヤァ!
岸田メル「クク、ンフフ・・・・・・」
ロロナ「おじさん、ととりちゃんとめるるちゃんしってるの?おともだち?」
岸田メル「だから君たちのパパだって。ロロライナ・フリクセル」
トトリ「!!」
メルル「どうして・・・!」
岸田メル「ホントかわいいなおまえら」ジリジリジリジリ
メルル「うわあ!高速でこっちに来たあ!?」
岸田メルは姿勢はそのままで移動を続け、
へたり込んでいるトトリの前に立ち止まった。」
ブラクラもんだろ
岸田メル「・・・。」
メルル「トトリ先生!」
メルル(だ、だめ!相手が刃物を持っている以上、下手に近づけない!)
岸田メル「・・・」じー
トトリ「・・・!・・・・・・・!!」
岸田メル「・・・」スッ
岸田メルはトトリの美しく艶やかな黒髪を優しく手ですくい上げると、それを自らの鼻に近づけ
岸田メル「スウゥゥゥゥゥハァァァァァァ」
深呼吸した。
岸田メル「ハァ、いい香り。さすが私の娘だ」
トトリ「きゅう」ぱたり
恐怖のキャパシティが限界を超え、トトリはその場に倒れこみ、気を失った。
メルル「ト、トトリ先生!!」ガクガク
岸田メル「さて、次は何をしようか、メルル!」クルッ
メルル「いやぁぁ!」
????「貴様、そこで何をしている!」
岸田メル「ステルケンブルク!!」
メルル「ステルクさん!!」ぱああ
ステルク「姫、御無事ですか!・・・・・・!トトリ君・・・!」
岸田メル「これはイケメンだわ、さすが我が息子」
ステルク「息子・・・?何を訳のわからないことを言っている!」チャキ
一部始終を見ていなくともこの場の絶対悪者が誰であるか判断したステルクは剣を構える。
岸田メルは不敵な笑みを浮かべると、いつものポージングでステルクに向き直る。
ステルク(こいつ・・・本来両手持ちのフランベルジェを右手一本で・・・!それにあの構え、今までに見たことがない!!)
ステルク(思慮にふけっている時間はない!)
ステルク「こちらから行かせてもらうぞ!」フッ
ステルク(受け止められたか・・・!)
岸田メル「フランベルジェばかりに気を取られていていいのか?」ブン
岸田メルは左手のブロードソードをステルクの脇腹目掛けて振り切る。
ステルク「くっ!」バッ
ステルクはそれを間一髪で避けると、身を翻し、体制を整える。
岸田メル「ククク・・・」ドヤドヤ
ロロナ「すーくんをいじめちゃだめ!」
ロロナはどこから取り出したのか、小さなフラムを岸田メルに向かって投げつける。
岸田メル「うおうっ!」
人を傷つけるほどの威力はないものの、フラムは爆風を巻き起こした。
岸田メル「あっ、だめぇ!あっ、仮面とれちゃうぅぅ!」アタフタ
岸田メルが今までにないほどに動揺した。
ステルク「! 今だ!!」フッ
岸田メル「うっ・・・がはっ・・・」ガクッ
ステルク「安心しろ、峰打ちだ・・・私は鎧を着ていない人間は斬らない・・・」
岸田メル「くっ、おのれぇ!!」
ステルク「さあ、城の牢屋に入れてやる、立て」
岸田メル「・・・・・・ぉぉぉぉ・・・・ぉぉおお・・・」キラキラ
メルル「近づいちゃだめ!ステルクさん!何かようすが変!」
ステルク「・・・!?」
岸田メル「うおおぉぉぉぉおおっ・・・・・・!!」キラキラキラキラ
ステルク「こ、これは一体・・・!?」
岸田メル「ククク・・・フッハハハハハハッ!!」バシュゥゥゥゥゥ!
岸田メル「我が名は・・・」
メルル「・・・!」
岸田メル「我が名は・・・!!」
岸田メル「パーフェクト・エイプリル岸田メル!!!!!」ドヤァァァァァァンン!!
そこには、ぴっちりとした黄金の前身タイツを装着し、頭にはカツラとも何ともつかない何かを乗っけた、
がに股の男が、佇んでいた。
参考画像:http://blog-imgs-49.2nt.com/s/s/h/ssh123/pakm1.jpg
http://blog-imgs-49.2nt.com/s/s/h/ssh123/pakm2.jpg
ロロナ「えいぷりる・・・」
メルル「岸田メル・・・・・・!!」
PA岸田メル「ククク・・・フハハハハハハ!!その通り!!」
PA岸田メル「パーフェクトになったのだよ・・・私は!」キラドヤァ!
PA岸田メル「まだまだ娘たちとしたいことがあるんだ!消えてもらうぞ!ステルケンブルク!!」
ステルク「!!」
ロマンかな
PA岸田メル「私を殺す・・・?クク、やってみろ!」
ステルク「はあっ!」フッ ブン!
PA岸田メル「遅い!」キン
PA岸田メル「がら空きだ!!」シュッ
PA岸田メルの突き出したフランベルジェがステルクの肩をかすめる。
ステルク「ぐあっ!」
ロロナ「すーくんっ!!」
ステルク「くっ・・・!」
PA岸田メル「さっきまでの威勢はどうした?ステルケンブルク!」
トトリ「・・・ふわぁ・・・私、どうして床で・・・?」ムクリ
メルル「トトリ先生!」
トトリ「おはようメルルちゃん。・・・って、なにあれ・・・・?」ガクガク
トトリ「う、うーん・・・」クラクラ
メルル「トトリ先生、お願いしっかりして!ステルクさんが!大変なんです!!」
トトリ「・・・はっ!ごめんねメルルちゃん、私、先生なのに・・・」
メルル「いいんです!そんな事よりあれを!あれを作りましょう!!」
トトリ「あれを・・・?・・・!そうだね、あれなら・・・!」
ちむ「ちむむー!」
トトリ「10分・・・、ううん、5分でいいの。ステルクさんとロロナ先生をお願い!」
ちむ「ちむっ!」ピシッ
メルル「先生、早く、錬金を始めましょう!!」タッタッタッ
トトリ「うん!」タッタッタッ
ステルク「・・・!」
ちむ「ちむむー!!」ワラワラ
小型のホムンクルスがPA岸田メルに群がる。
PA岸田メル「えっ、なになに!?あっ、えーと・・・」
PA岸田メル「なんだっけこいつら!?」
ちむ「ちみゃー」ドシャッ
PA岸田メル「フン、小賢しい・・・」
PA岸田メル「終わりだ!ステルケンブルク!!」
メルル「おまたせしました!いっけぇー!!」
メルル「フラクタル氷爆弾!!!」ブン!!
PA岸田メル「ひゃあ!つ、冷たいよぉ!!ふざけんな、ほぼ素肌なんだぞ!!」
トトリ「・・・っ!」
メルル「だめ!身体全体を氷漬けにできない!!」
PA「なんだ、これだけか、子供だましにもならんなぁ!!」キラァドヤァキラァ!!
ステルク「いえ、これで十分です・・・姫!」スクッ
痛みをこらえ立ち上がるステルク。
PA岸田メル「強がるなステルk・・・あ、あれっ!?」
PA岸田メル「あ、足が・・・動かない!!」
確かにフラクタル氷爆弾はPA岸田メルを氷漬けにするには至らなかった。
しかし、その残氷はPA岸田メルの足を地面に固く縛り付けていた。
ステルクは目を閉じ、精神を集中させる。
ステルク「限界を超える力、見せてやる・・・・!」ゴゴゴゴゴゴ
ステルクの剣の刀身に雷が纏う。
ステルク「全てを切り裂く刃とならん!!」
ステルクは金色の妖怪との距離を一気に詰める。
ステルク「切り裂け!!うおぉぉぉぉぉおお!!」ブゥン!
PA岸田メル「痛ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええ!!!!!!」
PA岸田メルは黄金の粉と化し、夕暮れの心地よい風に飛ばされていった。
ステルク「終わったか・・・」
トトリ「すごいです、ステルクさん!・・・その、すごくかっこよかったです///」
ステルク「・・・?」
メルル「やりましたね!ステルクさん!こ、これからも・・・私の事、守ってくださいねっ?///」
ステルク「?もちろんです、姫。」
ロロナ「すーくんだぁーいすきっ!!///」だきっ
ステルク「ああ、ありがとう」ナデナデ
ステルク「・・・・・・・。」
ステルク「さらばだ、強敵(とも)よ・・・・」
____________
________
_____
__
___
_______
____________
3月 31日 岸田メル家
岸田メル「フゴー フゴー」
岸田メル「んー、むにゃむにゃ・・・・んん?」
岸田メル「はっ!?…何だ、夢か…」
岸田メル「金色(こんじき)ダブルソード・・・・!!」
岸田メル「金色ダブルソード!!今年のエイプリルフールはこれだ!!」
岸田メル「もう嘘とか関係ないけど、まあいっか!」
岸田メル「そうと決まりゃあ早速撮影だ!!ヒャッホウ!!」
おしまい
もちろん>>1は岸田メル先生を愛しています!
乙キラァ
来年に期待だな
A.変態になってください
Entry ⇒ 2012.04.03 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
トリコ「便所飯……?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333195343/
トリコ「どうしたァ、小松? ──ん、そりゃグルメ新聞じゃねーか」
小松「この記事を読んで下さい!」
トリコ「おっ、もしかして新しい食材の情報か!?」
小松「いえ、食材ではなく食事の方法というか……」
トリコ「どれどれ……」ガサッ
トリコ「………」
トリコ「便所飯……?」
世界一のトイレ生産量を誇る国家、ベンジョミン。
このベンジョミンで『便所飯』なる食事法が大流行しているのだという。
トリコ「しっかしこの記事、便所飯ってのがどういうもんなのかまでは書いてねーな」
トリコ「う~む、気になる……」
小松「トリコさん、よかったらベンジョミンに行ってみませんか!?」
小松「ちょうどボクのレストランも今、閑散期なんです」
トリコ「そうだな!」
トリコ「思い立ったが吉日、その日以降は全て凶日、だ!」
トリコ「らしくなってきたじゃねーか、小松!」
トリコ「いやァ~ベンジョミンって初めて来たんだが」
トリコ「どこを見てもトイレばかりだな」
小松「えぇ、ボクもここまでとは思いませんでした」
小松「さすがはトイレ産業で成り立ってる、トイレ立国なだけありますね」
ベンジョミンでは、建物の全てが洋式便所か和式便所の形をしている。
また、至るところに公衆便所が設置されている。
トリコ「すげーな、ベンジョミン」
トリコ「これで便所飯ってヤツにも期待が出てきたぜ!」
小松「歩いている人に聞いてみましょうか」
小松「すいませ~ん」
通行人「はい?」
通行人は『便』と書かれたTシャツを着ていた。
小松「ボクたち便所飯というのを知りたくて、この国に来たんですけど……」
小松「どこに行けばいいんでしょうか?」
通行人「あそこに行くといいよ」
小松「あそこ?」
通行人が指差した方角には、黄金に輝く巨大なトイレが建っていた。
トリコ&小松(ま、またトイレか……!)
通行人「あそこには、便所飯の体験ゾーンがあるからね」
トリコ「よっしゃ、行ってみようぜ、小松!」
小松「はいっ!」
ベンジョミンのトイレ文化を後世に残すために建てられたビルである。
そのため、この中にはトイレに関するあらゆる資料が存在する。
トートー「ようこそいらっしゃいました!」
トートー「ワシはこのビルの責任者、トートーといいます」
【トイレビルディング館長 トートー】
トートー「美食屋の四天王であるトリコ様と、一流シェフの小松様にお出で頂けるとは」
トートー「光栄の極みですわい! ワッハッハッハ!」
トリコ「よろしくな!」
小松「こちらこそ、勉強させてもらいます!」
小松「やはり館長さんも、トイレに対して並々ならぬ思い入れがあるんですか?」
トートー「食ったら出る! これは基本であります」
トートー「特にこのグルメ時代、いたるところでウンコが出ますからな!」
トートー「食べられた食材の最後を飾るに相応しいトイレを作るため」
トートー「我々も日々気張っております!」ブッ!
トートー「ワッハッハッハ!」
中には新旧さまざまなトイレが展示されており、まさにトイレ博物館といえた。
トートー「これは“へるスィートイレ”といいましてな」
トートー「出したウンコを分析し、健康状態を言い当ててくれます」
トートー「ウンコには人間の全てが詰まってますからな!」
トートー「ワッハッハッハ!」
小松「へぇ~」
トリコ「ま、俺はこんなのに頼らずともウンコの分析くらいできるけどな」
小松「うわぁ、大きいですね~」
トートー「これは“ビッグ・ザ・トイレ”といいます」
トートー「世界最大級の水洗トイレです」
トートー「大食いで知られるトリコ様のウンコでも、問題なく流してくれましょう」
トートー「ワッハッハッハ!」
トリコ「ほう、おもしれぇじゃねーか!」
トリコ「このトイレを詰まらせてみせるぜ!」ニヤッ
小松「なんで対抗意識を燃やしてるんですか、トリコさん……」
トートー「出したウンコのニオイを音声で表してくれます」
トートー「例えばこんな具合にです」ピッ
トイレ『まぁまぁのニオイです』
トイレ『……くさっ』
トイレ『いい匂いだ……まるでラベンダー畑にいるかのようだ……』
トイレ『くせェェェッ! コイツはゲロ以下のニオイがプンプンするぜェ!』
小松「な、なるほど……」
トートー「なんとこのトイレ、食べることができるのです!」
トートー「よろしければ、召し上がって下さい」
トリコ「ほう、なかなかイケるじゃねえか」バリバリ
小松「ホントですね、美味しいです!」ムシャムシャ
トートー「しかしこのトイレ、欠点が一つありましてね」
小松「欠点?」
トートー「これを食べてしまうと、出すところがなくなってしまうんですわ!」
トートー「ワッハッハッハ!」
トートー「ここからはイナクス君にゆずりましょう」
イナクス「こんにちは……副館長のイナクスです……」
【トイレビルディング副館長 イナクス】
トリコ「おわっ!?」
小松「いつの間に!?」
イナクス「……よろしく」
トリコ「よろしくな」
小松「よろしくお願いします!」
トートー「はい?」
トリコ「アンタとは逆で、えらくテンションが低いヤツだが大丈夫か?」ボソッ
トートー「もちろんです」
トートー「なにせ彼こそが──」
トートー「世界で初めて便所飯を実践した人間なんですから」
トリコ&小松「!?」
イナクス「では、さっそく始めましょうかね……」
イナクス「私、こう見えても性格が暗いんですよ……」
トリコ(見りゃあ分かるっつーの)
イナクス「そのため、子供の頃から友達は一人もいませんでした……」
イナクス「遊び相手はもちろん……」
イナクス「一緒に昼ご飯を食べる相手もいませんでした……」
トリコ「ほう……」
小松「そうだったんですか……」
イナクス「みんなが楽しく食事してる中、一人でモソモソご飯を食べている自分が」
イナクス「無性に情けなくなりましてね……」
イナクス「私、トイレの個室で弁当を食べるようになったんです……」
トリコ(ふむふむ……で、どうなるんだ?)
小松(なるほど……で、どうなったんだろう?)
イナクス「……終わりです」
トリコ「──って終わりかよ!」
トリコ「もしかして便所飯って、まんまトイレでメシを食うってことなのか!?」
イナクス「……その通りです」
トリコ「あのなァ……」
トリコ「メシなんてもんはみんなでワイワイやりながら」
トリコ「食った方が楽しいに決まってるだろ!」
トリコ「なァ、小松?」
小松「たしかにイナクスさんの主張も分からないではありませんが……」
小松「やはり食事は、みんなで取るのが基本ではないかと……」
イナクス「………」
イナクス「はい……あなた方は正しいです」
イナクス「しかし、共に食事をする仲間にも事欠く人間がいることも事実……」
イナクス「そんな私が編み出した食事法が、便所飯なのです……」
トリコ「………」
トリコ「どうするよ、小松?」ボソッ
トリコ「便所飯がどういうもんかは分かったし」ボソッ
トリコ「もうベンジョミンにいる意味はないんじゃねーか?」ボソッ
小松「えぇ、でも……」ボソッ
小松「あまり気が進みませんが、一度体験してみるのもいいかと……」ボソッ
トリコ「まぁな」ボソッ
トリコ「やらずに批判するのは俺のポリシーにも反する」ボソッ
トリコ「よし! 俺たちにも便所飯を体験させてくれ!」
イナクス「……分かりました。ではこちらへどうぞ……」
体験ゾーンには複数のエリアが設置されていた。
イナクス「ここであなた方は別れていただきます……」
イナクス「お連れがいては、便所飯の醍醐味は味わえませんから……」
イナクス「もちろん危険は一切ありません……」
イナクス「先ほども一人体験された方がいましたが、喜ばれておりました……」
トリコ「おう、分かったぜ」
小松「じゃあトリコさん、またお会いしましょう!」
トリコ「ああ!」
こうして二人は別れ、それぞれ事前に指定された大部屋に入った。
トリコが入った部屋は、大変賑わっていた。
むろん、便所飯体験ゾーンのために雇われたエキストラたちだ。
みんな楽しそうに和気あいあいと食事している。
ワイワイ…… ガヤガヤ……
トリコ「えぇと、俺の席は、と……」
一つだけ空いている席には、弁当が置かれていた。
ワイワイ…… ガヤガヤ……
なんの変哲もない、いたって普通の弁当であった。
質も量も、美食屋四天王であるトリコにはまったく物足りないレベルだ。
ワイワイ…… ガヤガヤ……
トリコ(とりあえず、だれに話しかけてみるか……)
トリコ「よぉ、一緒にメシ食わないか?」
エキストラA「………」
エキストラA「……でさぁ~」ペチャクチャ
トリコ(ガン無視かよ!)
トリコ(エキストラと分かっているとはいえ、結構心にくるな)
トリコ(さっきの副館長はこんな思いをずっとしてきたってことか……)
ワイワイ…… ガヤガヤ……
トリコ(たしかに、この中で一人ぽつんとメシを食うってのは)
トリコ(なんともいたたまれない気持ちになるな)
ワイワイ…… ガヤガヤ……
トリコ「………」
トリコ(そろそろトイレに行くか……)スッ
小松もトリコと同じく、弁当を持って部屋を出たところだった。
小松(結局、いたたまれなくなって部屋から出てきてしまった……)
小松(えぇ~っと、このまま弁当を持ってトイレに行けばいいのかな?)
エキストラB「おい、アイツ弁当抱えてうろついてるぜ」ヒソヒソ
エキストラC「部屋に一緒に食うヤツがいなかったんじゃねえの?」ヒソヒソ
小松「!?」
小松(どうやらボクのことを話してるみたいだ……)
小松(弁当を隠しながら、向かうしかないな……)コソコソ…
大便用の個室が三つあった。
小松(早く個室に入らないと……)
ガチャッ
小松(だれか入ってる……)
ガチャッ
小松(こっちも……)
ガチャッ
小松(全部の個室が埋まってる!)
小松(そんなぁ~早く出てきてもらわないと、ご飯を食べられない!)
小松(よかったぁ~)
小松(これでやっと食べられる……)
個室の中の便座に腰を下ろし、隠しておいた弁当を取り出し、小松はふと思った。
小松(なんて──)
小松(なんて安心感なんだろう)
小松(さっきの騒がしい部屋とちがって)
小松(今、ボクの一人きりの食事をジャマする人はだれもいない)
小松(これが、便所飯……!)
しかし、安心するのはまだ早かった。
トリコも個室に入ったところだった。
トリコ(大勢のいる中で一人で食べるのと比べて……)
トリコ(なんという安心感……!)
トリコ(たしかにこういうメシの食い方もアリか──)パチッ
割り箸を割って、弁当を食べようとするトリコ。
すると、外からこんな声が聞こえた。
エキストラD「今、個室の中から割り箸の音が聞こえなかったか?」
エキストラE「まさかぁ~トイレでメシ食う奴なんていないだろ」
エキストラD「そりゃそうだ、ハハハッ」
トリコ「!?」
トリコ(むしろここからが本番!)
トリコ(中でメシ食ってるのがバレないようにしなきゃならねぇんだ!)
トリコ(つまり、一切音を立てずに食さねばならない!)
トリコ(仕方ない、心の中で“いただきます”)
音を立てないように、慎重に弁当を食べるトリコ。
途中、何人かのエキストラが入って来たが、悟られることはなかった。
トリコ(よし……! このまま慎重に食えば、バレずに完食できそうだ……!)
しかしここで、新たな問題が訪れる。
エキストラF「まいったな……」
トリコ「!?」
トリコ(そうか、ここはトイレ……)
トリコ(本来は用を足す人間のためにある場所だ)
トリコ(いわば、俺のやってることは不法占拠……)
トリコ(つまり、音をたてず、なおかつスピーディーに食さねばならない!)
トリコ(なんという難易度……!)
トリコ(なんという緊張感……!)
トリコ(この緊張感は──)
グ ル メ 界 に 匹 敵 す る ! ! !
飯食ってる時に糞の話すんなよ
小松もまた、トリコと同じ領域に達していた。
小松(分かったぞ、便所飯の極意……!)
小松(便所飯は、決して“逃げの食事法”なんかじゃない)
小松(むしろ苦難の始まりなんだ!)
小松(音を立てないようにして、外にいる人に便所飯を知られてはならない)
小松(なおかつ素早くご飯を平らげて)
小松(本来の利用者に迷惑をかけないようにしなきゃいけないんだ!)
小松(それに……単なる早食いでは体に悪いだけだ)
小松(つまり、便所飯で一番重要なポイントは“噛むこと”だ)
小松(音を立てず、すり潰すように、素早く噛む!)
小松(こうすれば、“無音”と“速度”の両方を満たせる!)
さすがは一流シェフの小松である。
便所飯のポイントに早々に気づき、それをすみやかに実行に移す。
神経を集中させ、弁当を食べ続ける小松。
なおかつ“無音”と“速度”を維持しつつ食事をするというのは難作業である。
小松(ふぅ、もうすぐ食べ終わりそうだ……)
小松(しかし、便所飯というのがこんなに大変なものだとは思わなかった)
小松(最初はなんて消極的な食事法なんだろうと思っていたけど、とんでもない!)
小松(便所飯は、ものすごく神経と労力を使う繊細かつ過酷な食事法だ!)
小松(便所飯のこの緊張感は──)
一 流 食 材 の 調 理 と 同 等 ! ! !
トリコは弁当を食べ終えていた。
トリコ(ごちそうさまでした)
すると──
ビキビキ……
トリコ(便所飯を乗り越えた途端──)
トリコ(俺のグルメ細胞が反応しやがった!)
トリコ(すげぇ、すげぇぞ! 便所飯!)
ちょうど同じ頃、小松も弁当を食べ終えていた。
小松(やったー! 食べ終わったぞ!)
パァァァァ……
小松(ん、なんだろう! なんだか頭が冴えてきたような……!?)
小松(便所飯をやり遂げたから、なのかな……?)
便所飯の苦行が、小松の“食運”をパワーアップさせていた。
イナクス「いかがでしたか……? 便所飯は……」
トリコ「いやァ~最初は正直乗り気じゃなかったんだが──」
トリコ「なかなか味わえない体験ができたぜ! ありがとう!」
小松「ボクも、普段の調理(しごと)とはまた違う緊張感を味わえました!」
小松「今後のボクたちの食材探しの旅にも、きっと役立つと思います!」
小松「ありがとうございました!」
イナクス「どういたしまして……」
トートー「さぁさぁ、では我が国の料理でお二人をもてなしたいと思います!」
トートー「存分に食べて、存分に出して下さい!」
トートー「ワッハッハッハ!」
トリコ「よっしゃあ、食って出すぞ! 小松!」
小松「せっかくいっぱいトイレがありますからね!」
オードブル(前菜):オリーブカマドウマの唐揚げ
スープ:ウォシュレットスープ
魚料理:ベンザメの刺身
肉料理:キングベンジョムシのステーキ
主菜(メイン):大便風カレーライス
サラダ:トイレットペーパー風グリーンサラダ
デザート:アボカド
ドリンク:最高級手洗い水
トリコ「アボカドだけ明らかに浮いてね!?」
小松「突っ込んだら負けですよ、トリコさん」
小松「ボクも、後学のためになりました。ありがとうございます!」
小松(名前に反して、料理はとても美味しかった……)
トートー「喜んでいただけてなによりです」
トートー「あ、もちろん、後でちゃんと出して下さいね」
トートー「なにせ、食ったら出る! これが基本ですからな!」
トートー「ではまたお会いしましょう!」
トートー「ワッハッハッハ!」
イナクス「さようなら……」
こうして二人はベンジョミンに別れを告げた。
小松「そうですね!」
小松「流行しているわりに、どういうものかが広まっていないのも」
小松「自分から便所飯をやってるよ、っていう人がいないからでしょうね、きっと」
トリコ「いっつも旅してる時はトイレなんか気にしなかったが」
トリコ「今度からは自分用のトイレを持参して、便所飯をやってみるかな!」
トリコ「ハッハッハ!」
小松(トリコさん、すっかり便所飯を気に入ったみたいだな)
小松(ボクも今度レストランでやってみようかな……)
ベンジョミンへの旅は、二人にとってかなりの収穫になったようだ。
ジョージョー「スタージュン様、今日はどちらへ?」
スタージュン「ベンジョミンだ」
ジョージョー「なにか収穫はございましたか?」
スタージュン「しょせんはトイレ産業だけの小国……」
スタージュン「めぼしい料理人も食材もなかった。収穫などあろうはずがない」
ジョージョー「そうですか……」
ジョージョー(収穫がなかったわりに、心なしか機嫌がよいようだが……)
クロマド「なにィ!? スタージュンがどこにもいない!?」
ジョージョー「は、はい……」
ジョージョー「さっきまではいらっしゃったのですが……」
クロマド「グリンパーチとトミーロッドがいて、ヤツがいないとは……珍しい」
クロマド「何をやっておるんだ、いったい……!」
グリンパーチ「ヒ~ヒッヒ、変なもん食って腹でも壊してるんじゃねえか?」
トミーロッド「キミじゃあるまいし……」
スタージュン(ふふふ、今は会議中で、誰もいないハズだから音を立てて食えるな)モグモグ
スタージュン(この孤独感、焦燥感、緊張感……ヤミツキになる)モグモグ
スタージュン(これでまた、私のグルメ細胞は活性化する……!)モグモグ
スタージュン(この食事法を知れただけでも、ベンジョミンに行った価値はあった)モグモグ
スタージュン「便所飯……最高だ!」
セドル「あれ今の声、スタージュン様ですか?」
スタージュン(いたのか!?)ビクッ
<おわり>
Entry ⇒ 2012.04.01 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ハーマイオニー「猫耳魔法少女☆ハミーたん!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1333181562/
ジニー「えっ」
ハーマイオニー「はい先生!今の説明には間違いがあります!」
マクゴナガル「あら、すみませんねグレンジャー、ええと、どこを……」
ハーマイオニー「私達は魔女ではなく魔法少女です!!」
ハリー「いや、魔女っ娘っていうのもあるから別に間違ってはいないと思うよ」
ロン「ハリー、お前もか」
ジニー「やめてよぉ!」
ロン「あっ、ジニーがいじめられてる!おい!やめろマルフォ……」
ハニーたん「やめなさいマルフォイ!弱いもの虐めはこの魔法少女ハニーたんが許さないわ!」
マルフォイ「ちょwwwwwなんだいグレンジャーその格好は……」
ハニーたん「グレンジャー?誰のことかしら、私はハニーたんよ!!」 バッ
ジニー「きがくるっとる」
マルフォイ「フォーイフォイフォイwwwwwwなんだいその杖はwwwwwwwww」 フォイフォイフォイ
ゴイル「玩具かよwwwwwwwwwwwwwwww」 フォイフォイフォイ
ハニーたん「笑ってられるのも今のうちよ!スティービュファイ!麻痺せよ!」 バリバリ
マルフォイ「フォアーイ!!!」 バリーン
ハニーたん「ふっ、もう大丈夫よ、お嬢ちゃん!悪はこのハニーたんが懲らしめたわ!」
ジニー「いや、あの、ハーマイオn」
ハニーたん「ふっ、残念だけど名前は明かせないの……さようなら!」 ダッ
ロン「正気かよあいつ」
ハーマイオニー「あらなあに?宿題なら見せないわよ?」
ロン「いや、じゃなくてあの変な……」
ハーマイオニー「なあに?『カッコいい』なに?」
ロン「いや、僕はその、ああいうのは……」
ハーマイオニー「スゴくカッコいいと思うのね!?ふふっ、もう、ロンったら!」
ロン「人の話を聞け!!」
ラベンダー「ハニーたんってどんな子かしらね」
パーバティ「ねー、話題になってるけど一度も見た事無いのよね」
ハーマイオニー「見た事無いけど、きっとスッゴい格好良い子だわ!見た事無いけど!」
ロン「駄目だ、ありゃ完全にイッちゃってるよ、どうしようハリー」
ハリー「うーん、クリスマス休暇にジャパンのヘンタイアニメを見せたのがいけなかったかな」
ロン「ハリーてめぇ」
ロン「なんだいシェーマス」
シェーマス「これ買わない?6クヌートだよ」
ロン「なになに……は、ハニーたんピンバッジだって!?」
シェーマス「ハニーたんキーホルダーとかストラップなんかもあるよ!」
ロン「正気かよシェーマス!あの変なのはね……」
シェーマス「ハニーたんの悪口を言うな!」 バキィッ
ロン「げふぅ!」
ロン「ヘイヘイ!落ち着けってシェーマス!あいつは……」
ハーたん「そこまでよ!シェーマス!」 バーン
シェーマス「ああ!ハーたん!」
ロン「ハーたんなのかハニーたんなのかハミーたんなのか統一しろよ!!」
ハーたん「ふふん、危なかったわねロn……そこのあなた!でももう大丈夫よ!」
ロン「今ほとんどロンって言ってたよね」
ハーたん「くらえ!エクスペリアームズ!」 バシューン
シェームス「ぐはあっ!!くっ……あ、あわよくば踏んでください……!!」
ハーたん「ふふふ、これに懲りたらもう悪事は止めることね!」 グリグリ
シェーマス「あふうっ!はっ、はいいいっ!!」
ロン「マジかよお前ら」
ハーマイオニー「あらロン、また何か用事?」
ロン「いい加減にあんなこと止めろよ!恥ずかしいだろ!」
ハーマイオニー「そう言われたって無理よ、いい?これは屋敷しもべの人権に関する……」
ロン「そっちじゃない!!」
ハーマイオニー「あ、そうだロンもハーたんファンクラブに入らない?」
ロン「入らないよ!!」
ハーマイオニー「ちなみに会員ナンバー1は私だからもう無理よ!」
ロン「悲しくならないのかよ!!」
ハリー「いいじゃないか、嫁のコスプレ姿をいつでも見られるんだから」
ロン「誰が嫁だ」
ネビル「そうだよ!ハーたんは僕の嫁なんだから!!」
ロン「誰がやるかボケェ!!」 ガンッ
ネビル「うぎゅうっ!!」
ハーたん「やめなさいロン!弱い者虐めはよくないわ!」 バーン
ロン「やっかましい!!」
マクゴナガル「最近、魔法少女ハミーたんだか何だかという人物が暴れているそうです」
スネイプ「ふん、くだらぬ、生徒の悪戯にすぎぬであろう」
フリットウィック「いえいえ、これは新種の知的魔法生物という線も」
ハグリッド「魔法の国からやってきた希望の魔法少女という説も捨て切れねぇ」
スプライト「どのみちやっていることはイジメっ子の粛清程度です、放って置いていいんじゃないでしょうか?
マクゴナガル「しかし、いつエスカレートして被害が出るか……」
ハグリッド「ハーたんがそんなことするわけねぇだろうが!!!!」 バンッ
フィルチ「そうだそうだ!!」 バンバン
マクゴナガル「だまらっしゃい」
ジョージ「こっちは4シックル、あ、こっちは7クヌートな!!」
ロン「フレェェェェッド!!!!」
フレッド「おお、愛しの弟よ!どうだこのフィギュア、13シックルだぜ!」
ロン「買うわけないだろ!!ていうかそこに本物がいるだろ!!」 ビッ
ハーマイオニー「えっ、私がハーたんだなんて……ふふっ、ロンったらおかしいこと言うのね」
ジョージ「ああ、許してくれハーマイオニー、弟はちょっと頭がイカれちまったんだ」
ロン「イカれてるのはお前らだよ!!!」
ハリー「疲れてるねロン」
ロン「何でみんなアレがハーマイオニーだって分かってくれないんだよ……」
ハリー「猫耳の有無じゃないのかな」
ロン「それぐらいで分からなくなってたまるか」
ハリー「ははは、まあでも夢を壊さないにこしたことは無いんじゃないかな」
ロン「そりゃそうかもしれないけど……」
ハリー「そうだよ、それに……あ、ジニー!今日はこの魔法少女コスプレイなんてどうかな!!」
ジニー「えっ、い、良いけど……ちょっと恥ずかしいな……」 テレッ
ハリー「大丈夫だよ、ジニーならどんな服装だって……」
ロン「ハリーちょっと屋上に行こうぜ」
ルーナ「あれ?どうしたのロン?」
ロン「ちょっとね……」
マルフォイ「おやおや、どうしたんだいウィーズリー?」
ロン「黙れマルフォイ……ってお前それ!?」
マルフォイ「はっはっは!そうさ!等身大ハーたん抱き枕だ!!」
マルフォイ「なんて言ってもハーたんは僕の嫁だからね!」
ロン「ふっ、ふざけるな!誰がハーマイオニーをお前なんかに!」
マルフォイ「グレンジャー?ふん、あんな穢れた血はくれてやるさ、僕が愛してるのはハーたんだからね!」
ロン「このっ……マルフォイお前!!」
ハーたん「おっと!喧嘩はこの魔法少女ハーたんが許さないわよ!!」 バーン
マルフォイ「ハーたんキターーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
ロン「!」
マルフォイ「なっ、きっ、貴様ぁぁ!!ハーたんをあんな穢れた血なんかと一緒に……」
ハーたん「マジカルステュービュファイ!麻痺せよ!」 バチーン
マルフォイ「うおおおお!!ありがとうございますううううううう!!!!」 バリバリーン
ハーたん「ふっ、もう喧嘩は止めなさいね!それじゃあ、さらばよ!!」 バサッ
ルーナ「……なんでハーマイオニーったら、あんな格好してるんだろ?」
ロン「……ルーナァァァァ!!!!」 ガバァッ
ルーナ「?」
ルーナ「ナルホド、みんなハーたんが夢中で気付かないんだネ」
ロン「もう僕どうしたらいいのか」
ルーナ「ンー」
ロン「ハリーはハリーでアニメとジニーに夢中だし、あの野郎」
ルーナ「アニメは面白いよ?」
ロン「僕は見ないからね」
ルーナ「面白いのにー」
ロン「それでもうどうしようかと」
ルーナ「……よく分からないけど、先生に相談すればイイんじゃないかナ?」
ロン「……君って最高だよ!!!」
ルーナ(今まで思いつかなかったんだ)
スネイプ「マクゴナガル先生なら出かけておるぞウィーズリー、用件なら我輩が聞こう」
ロン「げっ」
ロン(い、いや、でもこの際だ、スネイプでも……)
スネイプ「で?何の用かね?」
ロン「じ、実は最近ハーマイオニーが魔法少女ハーたんとか言って学校で……」
スネイプ「ほう、つまりはハーたんとやらの正体がグレンジャーであると、そう言いたいのだな?」
ロン「はい!」
スネイプ「冗談を言うのも大概にしたまえウィーズリー君、ハーたんの招待がグレンジャーの筈なかろう」
ロン「えっ、ちょ、いやでも先生!!」
スネイプ「やかましい、グリフィンドールに50点減点だ、二度とハーたんを馬鹿にするんじゃあない!!」
ロン「お前もかよ」
ロン「ハーマイオニー!!」
ハーマイオニー「あら、どうかしたのかしらロン」
ロン「とぼけるのはやめてくれ!!君がハーたんの正体なんだろう!?」
ハーマイオニー「何を言ってるのか分からないわ」
ロン「いい加減にしてくれ!!!」 ドンッ
ハーマイオニー「!!」 ビクッ
ロン「君らしく無いじゃないか!こんなにふざけて!!こんなことはもう!!!」
ハーマイオニー「うう、うるさいわね!!ロンには関係無いじゃない!!」 ダッ
ロン「まっ……おい!ハーマイオニー!!」
ハーマイオニー「ロンには分かりっこないわよ……バカ……!!」
そんな折、ハリーの見せた魔法少女物のアニメにより、ハーマイオニーの中の何かが弾けた
夢と魔法と希望の魔法少女、そんな存在になりたいと強く思い始め、そして……
ゴイル「オラwwwwwジャンプしてみろよオラwwwwwwwwwww」
ネビル「ひいい……」
ハーたん「やめなさいブタゴリラ!!」 バーン
ネビル「ハーたん!助けに来てくれたんだね!!」
ゴイル「ちぇっ、調子に乗りやがって!くらい……」
ハーたん「ハイメガ粒子ハーたんビーム!!」 エクスペリアームスー
ゴイル「うがああああああああ!!」 バチーン
ネビル「やった……やった!ありがとうハーたん!!」
ハーたん「ふふっ、どういたしまして」
ハーたん(そうよ、私は間違ってない……間違ってなんかいないわ!)
クラッブ「げへへ」
パーバティ「きゃー!」
ハーたん「待ちなさい!そこまでよ!」 バーン
クラッブ「へへっ、きやがったな!」
ハーたん「何度も何度も懲りずに……今日は厳しくいくわよ!ステュー……」
ゴイル「エクスペリアームス!」 バチーン
ハーたん「きゃあっ!」
クラッブ「へへへ、ナイスだぜゴイル!このまま寮に連れ帰って輪姦してやる」
??「待ちなさい!」
ゴイル「だっ、誰だ!?」
ジーたん「正義の魔法少女!ジーたん参上!」 バーン
ハーたん「!!?」
ハリー「ジニーにアニメを見せただけだよ!」
ロン「あんたって人はーー!!!」
ジニー「ま、待ってお兄ちゃん!私自分でやったのよ!ハリーを責めないで!」
ロン「ジニー……こんなことすぐに止め……」
ジニー「嫌よ!私だってハーマイオニー……いえ、ハーたんみたいに活躍したいもの!!」
ロン「じ、ジニー……!」
ハーマイオニー「……」
かくしてここに二人の魔法少女が誕生したのであった!!
シェーマス「うーん、難しいけどハーたんかな!」
ラベンダー「私はジーたん派ね!かわいいもの!」
首なしニック「なんという言い草でしょう、それではハーたんが可愛くないみたいでは……」
スネイプ「ジーたんか……」
ダンブルドア「魔法少年はおらんのかのう……」
マクゴナガル「校長」
ハリー「君はどっち派?」
ロン「それ僕に聞くか?」
ハーマイオニー「もちろんハーたん派よね!ね!ロン!」
ロン(妹と彼女じゃなあ……)
ディーン「長かったぜ……」
ハーマイオニー「あら、何を作ったの?」
シェーマス「ああ、見ろよ!ハーたんの18禁同人誌さ!」
ハーマイオニー「え」
ディーン「今回は喧嘩を止めに入るも返り討ちにされてスリザリン寮で犯されるって話だ」
シェーマス「まず最初はフレッド達に100部ばかし刷ってもらおう、そしたら次は触手回だ!」
ハーマイオニー「ちょ、あの、ちょっと」
ラベンダー「触手も良いけどトロールに捕まって種付けされてボテ腹とかどうかしら!」
シェーマス「ヒューッ!それいただき!」
ハーマイオニー「ラベンダー!!」
ハーマイオニー「パーバティまで!!」
シェーマス「おお、なるほど……じゃあ2年の時あったみたいにバジリスクに……」 ガリガリ
ラベンダー「苗床とか良いわよね、後はやっぱり媚薬でしょう!」
ディーン「惚れ薬だな!ってなるとスネイプも漫画に出してやるか……」
ハーマイオニー「ちょっと、ねえ、ちょっと」
シェーマス「へへ、じ、実は俺リョナも結構好きなんだけど、どうかな」
パーバティ「あら!最高じゃない!それじゃスリザリン生に腹パンさせましょ!」
ラベンダー「スパンキングも忘れないでね!!」
ハーマイオニー「ちょっと!!!ちょっとおおおおお!!!!」
ロン「……」
ハーマイオニー「 」
ジニー「 」
ロン「アー……は、ハーマイオニー……?」
ハーマイオニー「放っておいて……」
ロン「だから言ったのに……これに懲りたら魔法少女なんて……」
ハーマイオニー「私魔法少女なんかじゃないもの……」
ロン「……そうだね」 ナデナデ
ハーマイオニー「うう……」 ワシャワシャ
ハリー「ふう……」
ハリー抜いてんじゃねえwww
ハーマイオニー「出たわね変態!」
ラベンダー「な、なによ!媚薬とか触手とか苗床とか出産とか好きで何が悪いのよ!!」
パーバティ「そんなこと言ってる場合じゃないわ!大変なの!」
ハリー「やれやれ、どうかしたのかい?」
ラベンダー「実はディーンとシェーマスがハーたん派かジーたん派かで喧嘩しちゃって……」
ロン「またか、それで?」
ラベンダー「それが大きくなってハーたん派とジーたん派200人ずつで校庭で睨み合ってるのよ!!」
ロン「正気かあいつら」
クラッブ「そうだそうだ!」
ゴイル「ジーたんの可愛さが分からないとかマジ目腐ってるんじゃねーの!?」
ディーン「赤髪ロング最高だよなー!なーみんなー!!」
スネイプ「やれやれ、彼らは何も分かっておらぬようですな」
フレッド「やれやれ、ジニ……おっと、ジーたん好きとかロリコンだけだろ常識」
ジョージ「まったくだね、おっぱいは大きいに限るに決まってるじゃないか」
シェーマス「ふん、マイノリティはどっちか思い知らせてやる!!」
ハーマイオニー「うわっ、気持ち悪っ」
ジニー「うわあ……」
ロン「誰のせいでこうなってると」
ジーたん「その通りよ!やめなさい!」 バーン
シェーマス「ハーたんきた!これで勝つる!!」
マルフォイ「フォーイ!!ジーたんフォーイ!!」
ジーたん「せ、性的な目で見られてると思うと急に恥ずかしくなってくるわね……」
ハーたん「ちょ、ちょっと言わないでよ……ていうか……」
ハグリッド「うっひょおおおおおおお!!ハーたんは本当にマジ天使やでえええええ!!!」
フリットウィック「ジーたんペロペロしたいお!!ジーたんペロペロ!ペロペロ!!」
ハーたん「むしろこれ騒ぎが収まる気がしないんだけど……」
ジーたん「ねー……」
ゴイル「おう!へへ、エロ同人みたいにしてハーたん派の心をブチ砕いてやる!」 ダッ
スネイプ「させはせん!させはせんぞ!」 ダッ
シェーマス「あいつらを止めるぞ!みんな突撃だー!!」
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
ハーたん「ちょ、ちょっと!ちょっとみんな!止めて!」
ジーたん「ああもう!止めて!止めてったら!」
ハリー「大丈夫、二人とも落ち着いて、僕に良い考えがある!」
ハーたん「ああもう!これを止められるなら何だってやるわよ!」
ルーナ「ガンバレー」
ジーたん「アー、アー、よし……みんなー!!」
シェーマス「おい!ハーたんの話だぞ!みんな止まれ!」
ディーン「なんだなんだ」
ハーたん「えー……正直、私はみんながこんな人達だとは思わなかった!」
ジーたん「喧嘩なんかしてほしくないのに、みんな小さなことで喧嘩して……」
マルフォイ「じ、ジーたん……」
ハーたん「だから……私達はもうここにはいられません!」
ハグリッド「な、なんだと!?」
ロン(これこれ!紙見て!) ペラッ
ジーたん「あ、えっと、わ、私達は人間の綺麗な心が無いと存在できないんです?」
ハーたん「だ、だからもうここにはいられません!夢の国へ帰ります!」
マルフォイ「そ、そんなぁ!」
ハーたん「だけど、みんなが綺麗な心を取り戻してくれたら、その時は……」
ジーたん「その時はまた会いましょう!それじゃ、さようなら!」
ハリー(エクスペクトパトローナム) シュワキラキラキラーン
ルーナ(エクスペクトパトローナム!) シュワキラーン
ディーン「ああ……は、ハーたん達が霧の中に……」
シェーマス「夢と希望の国に帰っちゃうんだ……」
ディーン「言うなよシェーマス、僕だって間違ってたさ」
マルフォイ「うう……まさかジーたんがこんなことで……うっ……」
スネイプ「彼女達はもしや、我々に争いの愚かさを伝えに来た天使だったのかもしれんな……」
ロン「お疲れ」
ハーマイオニー「まだ透明マント脱いじゃ駄目なの?」
ハリー「我慢してよ、もう少しで寮だから」
ジニー「でもパトローナムの演出は気が利いてたね」
ルーナ「目くらましのつもりだったんだけどネ」
ロン「ま、これであいつらも反省するだろ」
ハーマイオニー「そうね……あーあ、もうこんなのは懲り懲りだわ」
ロン「おはよう……」
ハーマイオニー「あら、おはようロン」
ロン「あれ?今日は早いんだねハーマイオニー」
ハーマイオニー「ふふ?知らない?今日から新しいアニメが始まるのよ」
ロン「あー、なるほど、こればっかりは治らなかったなあ君も」
ハーマイオニー「仕方ないでしょ、面白いんだもの……あ!始まったわよ!」
テレビ『闇の帝王は夢の魔法でちゃちゃっと退治!』
テレビ『新番組!猫耳魔法少女☆ハミーたん!』
テレビ『「くらいなさい!悪の心は私の魔法で消し去るわ!」』 キラリーン☆
テレビ『制作:スタジオディーン 作画監督:シェーマス・フィネガン』
ロン「 」
ハーマイオニー「 」
おわり
なかなか面白かった
乙です
Entry ⇒ 2012.04.01 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
エルルゥ「気がつきましたか?」ジャギ「なんだテメェは?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1326642879/
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332687658/
ジャギ「……そうか」
エルルゥ「良ければ、貴方の名前……聞かせてくれませんか?」
ジャギ「名前か? 俺は……」
ジャギ「おいお前、俺の名を言ってみろ」
エルルゥ「え、いや、わかりませんし」
エルルゥ「もしかして、記憶喪失とか……」
ジャギ「ぐぬ……自分の事を何一つ思い出せん」
ジャギ「いや……弟が憎くて仕方ないって事だけは覚えている!」
エルルゥ「それは忘れて良かったんじゃ……」
ジャギ「そんな事ないと思うが……というか、何だこの鉄仮面?」
エルルゥ「まだ貴方が寝ている時に、お顔を拭く為に脱がそうとしたんですけど、手をかけたら物凄く暴れて……」
ジャギ「別に仮面を取るぐらいどうって事……」グッ
ズキッ
ジャギ「ぐあっ!?」
エルルゥ「どうしました!?」
ジャギ「顔がッ!? 痛ぇぇ!!」
ジャギ「はぁ……はぁ……」
エルルゥ「大丈夫ですか?」
ジャギ「すまん、仮面は取れなさそうだ……」
エルルゥ「いえ、無理を言ってすいません……」
ジャギ「……」
エルルゥ「……」
トゥスクル「騒がしいと思ったら……気がついたみたいだね」
エルルゥ「おばあちゃん」
ジャギ「俺は……」
エルルゥ「おばあちゃん、この人記憶がないみたいなの」
トゥスクル「なんと。それは不便じゃな……」
トゥスクル「ならばハク……」
ジャギ「……」
トゥスクル「ンンッ! ジャギオロ、今日からジャギオロと名乗るがよい」
ジャギオロ(なんと……南斗…………)
エルルゥ「これからよろしくお願いしますね、ジャギオロさん!」
アルルゥ「!」ササッ
アルルゥ「……」チラッ
エルルゥ「アルルゥ! 出てきてご挨拶なさい!」
アルルゥ「や!」テテテ
エルルゥ「もう! アルルゥったら!」
トゥスクル「すまんな。人見知りが激しくて」
ジャギオロ「気にしてねぇよ。あんま興味ねーし」
エルルゥ「肩お貸ししますか?」テクテク
ジャギオロ「いらねーよ」テクテク
「おーい! エルルゥ!」
エルルゥ「あ! テオロさんにソポク姉さん!」
ソポク「こんにちはエルルゥ」
テオロ「そっちは怪我してたアンチャンだな? もう歩いて大丈夫なのか?」
ジャギオロ「……知り合いか?」
エルルゥ「村の仲間のテオロさんとソポクさん。この村ではみんな家族みたいに仲良く暮らしているの」
ジャギオロ「平和なんだな」
ドドドドド
テオロ「……それが案外そうでもないんだよ」
「さっさと作物を出しな!」
トゥスクル「税ならこの間払ったじゃろ! とぼけた事言っとらんで、さっさと帰りなさい!」
ヌワンギ「ところがどっこい、今期から増税する事が決まってんだ!」
トゥスクル「増税じゃと!?」
ヌワンギ「ああ、領主である俺の親父、ササンテが正式に決定した事だ。痛い目見たくなかったら、さっさと出す物出しな!」
ヌワンギ「ようエルルゥ! 会いたかったぜ!」
エルルゥ「どうして……こんな事するの? 村の暮らしが豊かじゃない事ぐらい、知ってるでしょ」
ヌワンギ「決まりだからな。この村に限らず、親父の領主の村は全部増税している」
ヌワンギ「いくらエルルゥの村とはいえ、無条件で免除って訳にゃいかねぇんだ」
ヌワンギ「だったら俺と一緒に来い! 最高の贅沢をさせてやる!」ガシッ
エルルゥ「イヤッ! 離して」
トントン
ヌワンギ「なんだ! 今は取り込み中……うわ!?」
ジャギオロ「その汚ぇ手を離せ」
エルルゥ「ジャギオロさん!」
「オウオウ、なんだテメェ!」
「ヌワンギ様に逆らうのか?」
ジャギオロ「もう一度だけチャンスをやる。その汚ぇ手を離しやがれ!」
ヌワンギ「この野郎! 言わせておけ……ばわっ!?」ビクッ
ピキーンッ
ヌワンギ「あがが!? 手が……勝手に!」グググッ
ジャギオロ「死にたくなかったら、二度とエルルゥに触れるな!」
やだ…かっこいい…///
「こいつがやったのか!?」
ヌワンギ「く……! 殺せ! 何してんだ!」
「は、ハッ!」
ザザザッ
ジャギオロ「なんだ? 俺とやるのか?」コキコキ
トゥスクル「いかんジャギオロ! せっかく助かった命を投げ捨てるでない!」
「死ねぇー!」
エルルゥ「ジャギオロさーん!」
『なんだそりゃ? 攻撃のつもりか?』
「へ?」
ドスッ
ジャギオロ「スローすぎて欠伸が出るぜ」スタッ
「減らずくひぉ!?」ビクッ
ピキーンッ
「からだが!?」ググッ
「な……何故だ!?」ググッ
ヌワンギ「お、お前ら何やってんだよ!」
ザッ
ジャギオロ「おいお前!」
ヌワンギ「ひぃ!?」ビクッ
俺 の 名 を 言 っ て み ろ
ヌワンギ「し、知らない! お前の事なんか知らない!」
ジャギオロ「……そうか。この胸の傷が手掛かりになると思ったんだが」
ソポク「兵士の奴ら、まるで金縛りにあったみたいに動かないよ!」
ヌワンギ「ぐぇ!?」グイッ
ジャギオロ「さっき税金がどうとか言ってた気がするが……気のせいだよな?」ギロッ
ヌワンギ「は、はひい……!!」ブルッ
ジャギオロ「それでいい」ズッ
ヌワンギ「うげっ!?」ビクッ
ジャギオロ「俺の気がかわる前に失せろ! そして二度とそのツラ見せるんじゃねぇ!」
エルルゥ「あ、ありがとうございました……」
ジャギオロ「……」
ジャギオロ「すまねぇ。ついカッとなって暴力を……」
テオロ「アンチャンは悪かねぇよ! いつもいつも無理難題を押し付けてくるササンテが悪いんだ! なぁ、みんな!」
…………
テオロ「あれ……?」
トゥスクル「皆テオロと同じ気持ちじゃ。じゃが、一層ササンテからの風当たりが強くなる事を考えると……どうしても声を大にしては言えんのじゃ」
トゥスクル「……そうならん事を願うしかないね」
ヌワンギ「クソッ! クソッ! あの仮面野郎……俺様を見下しやがって!」ガッガッ
ヌワンギ「何がエルルゥに触れるなだ……コノッ!!」ガゴッ
――ウォォォオオオンッ――
ヌワンギ「ひぃ!? な、なんだこの鳴き声?」
エルルゥ「隣村で死人が!?」
テオロ「ああ。食いちぎられた死体から察するに、森の主(ムティカパ)様の仕業みたいだ」
エルルゥ「でも、なんで急にムティカパ様が……」
トゥスクル「ムティカパ様を祀った祠が、誰かに壊されておったらしい」
エルルゥ「おばあちゃん」
ソポク「村の人間じゃないね。ムティカパ様を怒らせたらどうなるか、私達は知っているもの」
エルルゥ「村を襲っているのはムティカパ様の使い。もし、危害を加えたら、更に祟りが降りかかるかも……」
トゥスクル「それに、ムティカパ様の毛は鋼より硬く、槍をも通さぬ。しなやかで賢く、強靭な身体を持っておる。わしらは、嵐が去るのを待つしかない……」
ジャギオロ「……」
ムティカパ「グルルル……」ザッ
『やっと現れおったか』
ムティカパ「!」ザッ
ジャギオロ「テメェがムティカパか。何かと思えば育ちすぎの虎じゃねぇか」
ムティカパ「グルルル……!」
ジャギオロ「来いよ化け物」スッ
ムティカパ「グガァッ!!」バッ
ジャギオロ「よッ!」ザッ
ムティカパ「グァッ!」バッ
ジャギオロ「ふッ!」スッ
ジャギオロ(はっきりと奴の攻撃が見える! 後は奴の攻撃パターンを見極め……)
ムティカパ「ガァッ!!」ブォッ
ジャギオロ「見えた!! その首貰ったァ!!」グォッ
――ガギィンッ
ジャギオロ「なにっ!?」
ジャギオロ「ぐあぁッ!?」ズザァァッ
ジャギオロ「ぐうぅ……!?」ブシャッ
ジャギオロ(硬いとか……そういう問題じゃねえ! 俺の拳が当たる瞬間、奴の体毛が俺の攻撃を防ぎにきた!!)
ムティカパ「ガウァッ!」バッ
ジャギオロ「ちィ!!」ゴロゴロッ
ジャギオロ「はぁ……はッ!」ダラダラ
ジャギオロ「……ッ、はぁ……後はゆっくり追い詰めるってか? 確かにそこらの肉食獣とは違って、慎重さを兼ね備えてるみてぇだな」ジリッ
ジャギオロ「あんま使いたくなかったが……背に腹は代えられんな」チラッ
ムティカパ「ガァッ!!」グァッ
フッ
ムティカパ「!?」ザッ キョロキョロ
バチャァッ
ムティカパ「ギャウ!?」
『丈夫が自慢の毛皮みてぇだが、耐火性はどうかな?』
ボウッッ
ムティカパ「ギャウ!? ギャオンッ!!」ゴロゴロッ
ジャギオロ「いかに毛皮が硬くとも、液体ばかりは防げまい! どう足掻こうと貴様は助からんわ!」
ムティカパ「ギィィ……ギャウァッ!!」ダッ
ジャギオロ「! 逃がすか!」タタッ
…………
エルルゥ「はいはい……」
エルルゥ「……? あれ、ジャギオロさんがいない」
アルルゥ「おしっこ?」
エルルゥ「そう、なのかな……」
エルルゥ(……嫌な予感がする)
ジャギオロ「ちッ、見失ったか」
ジャギオロ(どうする……ムティカパを狩るには絶好の機会だが、見知らぬ森での深追いは危険だ)
ジャギオロ(しかも相手は手負いの虎。捨て身になると何をするかわからん)
ベチャッ
ジャギオロ「!」
ムティカパ「グルルル……ッ!」ビショ…
だが、それは同時に、防御を捨てた必殺の一撃を繰り出す事を意味していた
ジャギオロ「ハァァァ……!」スススッ
ムティカパは、ジャギオロと相対し死を覚悟した!!
ムティカパ「…………ッ」ギラッ
そして、ジャギオロも、ムティカパを仕留めるには捨て身の一撃を加えなければならぬ事を悟っていた!!
ムティカパ「…………」
――――ピチョン
ムティカパ「グァァアッッ!!」ゴウッ
ジャギオロ「北斗羅漢撃!!」バババッ
―――ガガガガガガガガガッッ―――
エルルゥ(何か……力と力がぶつかり合っているような……)
アルルゥ「おねーちゃん……」ギュ
エルルゥ「大丈夫。大丈夫だから……」ギュ
アルルゥ「ん……」
アルルゥ「!」ビクッ
エルルゥ「どうしたの?」
アルルゥ「しんじゃう」
エルルゥ「死ぬ? ジャギオロさんが!?」
エルルゥ「ちょっと! 待ってって……」
エルルゥ「!? ジャギオロさん!」タタタッ
ジャギオロ「え……るるぅ……?」
エルルゥ「しっかりして下さい!」
ジャギオロ「……ムティカパは」
エルルゥ「え……」
ジャギオロ「ムティカパは死んだか……?」
エルルゥ「……はい」
ジャギオロ「そう……か」
ジャギオロのすぐ側には、血まみれになったムティカパの亡骸があった
その死顔は、とても獣とは思えない程安らかで、あるいは、強敵と死力を尽くして戦えた事への満足感が表れていたのかもしれない
トゥスクル「馬鹿者! ムティカパ様と戦うなど、無茶な事をしよって!」
ジャギオロ「……傷に響くだろうが」
トゥスクル「生きてるのが不思議なぐらいじゃ! 痛くて泣き叫ぶぐらいが丁度ええわい!」ベシッ
ジャギオロ「いっっってぇぇえ!?」
トゥスクル「フンッ」スタスタ
ジャギオロ「クソッ! あのババア!」
エルルゥ「そうですよ。ジャギオロさんも、もう私達の家族なんですから、命を投げ捨てるような事はしないで下さい」
ジャギオロ「…………善処する」
エルルゥ「約束して下さい」
ジャギオロ「お前、結構頑固なのな」
エルルゥ「おばあちゃんの孫ですから」
ジャギオロ「ケッ」
エルルゥ「これは私を泣かせた分です」ベシッ
ジャギオロ「あいたぁッ!?」
テオロ「見せつけてくれるねぇ!」
ジャギオロ「ふぁ…………やっと寝れる」
トテトテ
ジャギオロ「……ぐぅ」
トテトテトテトテ
モゾ
ジャギオロ「……んぁ?」
ジャギオロ「……ぐぅ」
『アルルゥー! どこいったー!』
ジャギオロ「すぴー」
『アルルゥー! 出てきなさーい!』
ジャギオロ「……うるさいな」モゾ
ムニュ
ジャギオロ「あ? なんだ?」バサッ
アルルゥ「しーっ」
ジャギオロ「は!? アルルゥ?」
アルルゥ「……かくれんぼ」
ジャギオロ「…………そ、そうか」
『アルルゥー! いい加減にしなさい!!』
『ムティカパを生かしておくのがどれだけ危険かわかっているだろ!』
ジャギオロ「ムティカパ……?」
アルルゥ「知らない」ボテ
ジャギオロ「…………」
コロン
「ニャーウ」
アルルゥ「ムックル!」
「ニャー!」
ジャギオロ「ムティカパの子供か……」
「ニャー」ペロペロ
ジャギオロの脳裏に、死闘の夜が蘇る
最後の一撃を放つ寸前、ムティカパはジャギオロの瞳をじっと見つめていた
それは、先までの「読み合い」ではなく、目と目……心で交わす「会話」のように思えた
幾重も、幾重にも牙と拳を交わした二人には、いつしか友情に近いものが芽生えていたのかもしれない
ソポク「アルルゥのやつ、どこにいっちまったんだい!」
ジャギオロ「アルルゥならここだ」
テオロ「アンチャン! それにアルルゥも!」
エルルゥ「アルルゥ! 探したんだからね!」
アルルゥ「……」
テオロ「さ、ムティカパをこっちに渡すんだ」
ムックル「ニャー!」
テオロ「いい子だ」
ヒョイ
テオロ「あ!」
エルルゥ「ジャギオロさん!?」
ジャギオロ「おいムックル! 俺の名を言ってみろ!」
ムックル「ニャーン」
ジャギオロ「そうだジャギオロだ。みんな聞いたか? こいつは俺の名をちゃんと言えた。家族と言っても過言じゃない」
テオロ「あ、アンチャン!」
ジャギオロ「村の仲間は家族同然。家族は助け合わないとな!」
アルルゥ「あわないと!」
ムックル「ニャーン!」
トゥスクル「……ジャギオロ、ムティカパと共存できると思うかえ?」
ジャギオロ「こんだけ懐いてんだ、大丈夫だろ」
ジャギオロ「それよか、こいつがデカくなったら荷駄を引かせたり、ササンテの兵を追い返したり、色々使えそうだ」
ソポク「ま、まぁ、ウォプタルよか力はありそうだね」
ジャギオロ「力はいくらでも欲しいんだ。可能性は全て拾う。駄目だったらまた倒すまでだ」
アルルゥ「だめ」
ジャギオロ「じゃあお前がちゃんと躾ろよ」
アルルゥ「わかった」
ジャギオロ「確かに育ちが悪いな」
テオロ「だろ? 開墾した頃は結構順調だったんだが」
ジャギオロ「だが俺は農業の知識なんかねぇぞ。期待はするな」
テオロ「そう言わずに! 後で一杯つけてやるから! 頼んだぜ」
ジャギオロ「…………はぁ、土なんか見ても何もわからねぇよ」
ジャギオロ「……というか、俺には弟が憎いという記憶しかないんだよな」
ジャギオロ「俺は…………」
エルルゥ「ジャギオロさん!」
ジャギオロ「……エルルゥか」
エルルゥ「お昼、持ってきました」
ジャギオロ「いや、さっぱりだ。農業に関してはズブの素人だしな」モグモグ
エルルゥ「そうですか……」
ジャギオロ「……」
エルルゥ「……」
エルルゥ「あの、この前はありがとうございました」
ジャギオロ「この前?」
エルルゥ「あの、ヌワンギと揉めた時……」
ジャギオロ「誰だヌワンギって」
エルルゥ「……」
エルルゥ「ジャ、ジャギオロさん!」
ジャギオロ「随分とエルルゥに執着してるみたいだったな」
エルルゥ「……ヌワンギは私の幼なじみで、一緒にこの村で育ったんです」
ジャギオロ「あのひねくれ者がか」
エルルゥ「昔は真っ直ぐで、明るくて、いつも私を笑顔にしてくれてました」
ジャギオロ「……」
ジャギオロ「そして、歪んだ」
エルルゥ「…………」
ジャギオロ「ヌワンギに帰ってきて欲しいか?」
エルルゥ「え……」
ジャギオロ「今でも、ヌワンギとヤマユラで暮らしたいと思っているか?」
エルルゥ「…………はい」
ジャギオロ「そうか」
オボロ「遠路度々申し訳ありません」
トゥスクル「いいんだよ、孫に会いに来るようなもんじゃて」
オボロ「そう言っていただけると助かります」
ギィ
オボロ「ユズハ、トゥスクル様がお見えになった」
トゥスクル「ユズハ、こんばんわ。どうだい? 身体の具合は」
ユズハ「こんばんわトゥスクル様。おかげ様で最近は大分いいの」
ユズハ「……ところで、後ろの方はどちら様でしょう?」
オボロ「なに!?」バッ
ジャギオロ「……フフ」スッ
トゥスクル「ジャギオロ、いつから気づいておったんじゃ?」
ジャギオロ「最初からだな。バアさんがどこに行こうが興味が無いから放っておくつもりだったが、事情が変わった」
オボロ「……知り合いなのですか?」
トゥスクル「ジャギオロ、ウチの居候じゃ。わしの患者のユズハ、その兄のオボロじゃ」
ジャギオロ「ご丁寧にどうも。ユズハの方が兄貴より勘がいいみたいだな」
オボロ「なんだと!」
トゥスクル「さあ診察を始めるよ。さっさと出て行きな」
オボロ「……ほら、出ろ」
ユズハ「あ……」
フォンッ
ジャギオロ「あぶねぇな」スッ
オボロ「ユズハの事を口にするな。次口にしたら……殺す」
ジャギオロ「わかったわかった。カッカするな」
オボロ「……今日のところはトゥスクル様に免じて見逃してやる。さっさと出ていけ」
ジャギオロ「そうもいかん。まだ用事が済んでないからな」
オボロ「こっちはお前に用などない」
ジャギオロ「ケナシコウルペの悪政について調べて欲しい」
オボロ「……なんだと?」
オボロ「俺の知った事ではないな。さっさと出ていけ」クル
ジャギオロ「妹に光を与えたくはないか?」
オボロ「!!」
ジャギオロ「聞くのはタダだ。全て聞いてから判断しても遅くは」
ヒュオッ
シュンッ ビッ
ジャギオロ「……」ザッ
オボロ「軽々しく……希望を口にするなッ!!」
ジャギオロ「わからねぇな。何せ絶望した事がねぇからよ」
オボロ「貴様……ッ!!」ブチッ
ドリィ・グラァ「若様!?」
オボロ「ドリィ、グラァ、下がっていろ! やはりこいつは生かしておけん!」
ジャギオロ「妹の前に、まずテメェの性根を直す必要があるな……!」スッ
フォンッ ビュッ
タッ シュンッ ピッ ヒュンッ
ザッ
ジャギオロ「……速いな」ツー
オボロ「大口叩いた割に、手も足も出ないか!」ススッ
ジャギオロ「いや、指ならとうに出している」
オボロ「指だ……?」
ビキーンッ
オボロ「なっ!? あげぇ!!」ギギ
グラァ「一体どうしたんです!?」
オボロ「目がぁ!! 光が!?」ガクッ
ドリィ・グラァ「貴様! 若様に何をした!」
ジャギオロ「俺の話を信用してもらうのには、これが一番速いだろうと思ってな」スッ
ピキーンッ
オボロ「は……! はァッ!!」
ジャギオロ「俺の話を聞いてくれるな?」
オボロ「はぁ……はぁ……」
ジャギオロ「落ち着いたか?」
オボロ「……フンッ」
ジャギオロ「反発する力があるなら十分だな。本題に入るぞ」
ジャギオロ「俺の狙いは、ケナシコウルペ悪の枢軸を抹殺する事だ」
オボロ「なんだと!? 皇だけでなく、全員殺すというのか!?」
ジャギオロ「腰巾着程度なら、首脳陣が死ねば自然消滅するだろうが、諸悪の根元はそうもいかん」
ジャギオロ「手心を加えるつもりはない。禍根は全て断つ……!」
ジャギオロ「その為に、お前にはインカラ派の調査と同時に、反インカラ派の洗い出しも頼みたい」
ジャギオロ「と言っても、内情を探っていれば、おのずと分かる事だが」
グラァ「その反インカラ派を」
ドリィ「次の首脳陣に据えるんですね」
ジャギオロ「そうだ」
オボロ「できるのか?」
ジャギオロ「駄目ならまた潰す」
オボロ「アンタ、馬鹿だろ」
ジャギオロ「お前には言われたくねぇよ」
オボロ「14日!? いくら何でも短すぎる! 人間関係なんて、そう簡単に浮かび上がってくるもんじゃない」
ジャギオロ「14日で何とかしろ」
オボロ「クッ……わかった! やりゃあいいんだろ!」
ジャギオロ「わかればいいんだ」
ジャギオロ「では、俺は帰る」
オボロ「待て! なんでアンタはこんな事をしようと思ったんだ?」
ジャギオロ「……」
ジャギオロ「今の世界が気にくわない。それだけだ」
重傷を負って倒れていたところを村娘エルルゥ達に助けられた鉄仮面の男
記憶を失った男は、村長トゥスクルから「ジャギオロ」という名前をもらい、ヤマユラという小さな村で生活を始める
祠を壊された事に怒った大型肉食獣ムティカパを、ジャギオロが激闘の末に撃破
再び村に平穏が訪れるかと思ったのも束の間
ヤマユラ周辺の小村に重税が敷かれる事となった……
トゥスクル「ユズハ、元気しとったか?」
ユズハ「こんばんは、トゥスクル様。おかげ様で最近は本当に調子がいいんです」
ジャギオロ「ようユズハ、元気そうだな」
ユズハ「ジャギオロ様っ」ピク
オボロ「挨拶は済んだろ。さっさと来い」
ジャギオロ「へいへい。んじゃなユズハ」
ユズハ「あ……」
ジャギ様のお通りだー!
ジャギオロ「挨拶しただけじゃねーか。肝の小せぇ野郎だな」
オボロ「なにい!」
ドリィ「若様、抑えて下さい!」
オボロ「離せドリィ!」
ジャギオロ「で、ケナシコウルペの内情は」
グラァ「はい、これにまとめてあります」
オボロ「グラァ!」
ジャギオロ「でかした」
オボロ「約束! 絶対に守ってもらうからな!」
オボロ「っ! ……さっさと読め!」
ジャギオロ「そうさせてもらおう」ペラ
ジャギオロ(ケナシコウルペ、皇インカラによる独裁が続く国……)
ジャギオロ(…………行政はほとんど機能していないな。インカラのやりたい放題でよく今日まで生き残れたものだ)
ジャギオロ(……! 侍大将ベナウィ、か。こいつが実質)
ガシャーン
ジャギオロ「!」
オボロ「なんだ!?」
オボロ「ユズハ……!? トゥスクル様!」
トゥスクル「水と布を用意しな! ユズハを助けたくば、兄のお前がしっかりするんだよ!」
オボロ「! はい……!」
オボロ「ドリィグラァ! 布を用意しろ!」タタッ
トゥスクル「アンタも見てないで手伝いな!」
ジャギオロ「……」
ジャギオロ「……」スッ
ズグッ
ユズハ「ぅ!?」ビクッ
トゥスクル「これ! ジャギオロ!」ガタッ
ジャギオロ(気の流れに淀みが出来ている……)
オボロ「トゥスクル様、布を……!? 貴様! ユズハに何をしているッ!」ダッ
バキッ
ジャギオロ「……ッ」
ジャギオロ「……ッ、く……っ」ガスッ
ジャギオロ(経絡が滅茶苦茶だ……これだけ気が体内でうねっていれば、普通なら秘孔を突くまでもなく絶命するだろう)
ジャギオロ(ユズハとオボロ、か……面白い!)
オボロ「離さぬならその腕切り落として」
ズグッ
オボロ「っぐ!?」ビクッ
ジャギオロ「ギャアギャアうるせぇんだよ!」
オボロ「貴様! これ以上ユズハに触れ――!?」ピキーン
北 斗 神 拳 奥 義
残 悔 積 歩 拳
オボロ「あ!? 足が……勝手に!!」ヨタヨタ
ドリィ「若様!?」グラァ「若様!?」
ジャギオロ「お前は外で待ってろ」
オボロ「ゆ、ユズハー!!」ヨタヨタ
ジャギオロ「うるせぇ野郎だ……」
ユズハ「ゼェ……ゼェ……」
トゥスクル「ジャギオロ、何をするつもりじゃ」
ジャギオロ「なに、ちょいと血行を良くしてやるだけだ」ズグッ
ユズハ「ぅぁ……!」ビクッ
トゥスクル「……っ」
ジャギオロ(……ッ、思ったより複雑だ。もたもたしてるとユズハの体力が保つか……)
ユズハ「く……ぅぅ……」ガクガク
ジャギオロ「鎮痛薬は」ズグッ
トゥスクル「これ以上の投与は危険じゃ。後遺症が残ってしまう」
ジャギオロ「…………」
ジャギオロ(おかしい……淀みは一通り解消したのに、気の流れが改善しねぇ)
ジャギオロ「何故…………」
――――ドクン――――
ジャギオロ「!!!!」
ジャギオロ「心臓だ」
トゥスクル「心臓……?」
ジャギオロ「心臓の腫瘍が血液の吐出を妨げている! その所為で身体に負担が掛かっているんだ」
トゥスクル「く……」
ジャギオロ(どうする…………どうすれば…………)
ジャギオロ「! 今のは……」
ユズハ「……ハ、……はっ」
ジャギオロ「……迷っている場合ではないな」
ジャギオロ「ババア! ユズハの身体を起こせ!」
トゥスクル「! いきなり何を言うかと思えば! ユズハの身体に負担をかける事は」
ジャギオロ「孫助けたかったら言うとおりにしろ!」
ユズハ「……っ、…………」
ジャギオロ「動かすなよババア。少しでも動いたらユズハは助からん」カキカキッ
トゥスクル「……わかった。ユズハを頼むぞ」
ジャギオロ「…………」
ユズハ「…ジャギ……さ…ま」
――――南斗邪狼撃――――
ツプッ
ユズハ「」ガクッ
トゥスクル「ユズハ!?」
ジャギオロ「なんとか腫瘍は取り除いた。後はユズハの体力次第だ。」
ジャギオロ「こっからはお前の領分だ。頼んだぜ、ババア」
トゥスクル「こ、これ、ジャギオロ!」
オボロ「貴様! 俺の身体に何をした!」ヨタヨタ
ジャギオロ「…………ああ、忘れてた」
ズグッ
オボロ「ッ、ユズハー!!!!」ダダダ
ジャギオロ「……兄、か」
ジャギオロ「ふぁぁ……眠」
「ジャギオロさん」
ジャギオロ「!」
エルルゥ「……お帰りなさい」
ジャギオロ「……」
エルルゥ「外は冷えますよ。さ、中へ」
ジャギオロ「……何も聞かないのか?」
エルルゥ「……聞いたら答えてくれるんですか?」
ジャギオロ「……」
エルルゥ「いいんです。こうして……ちゃんと帰ってきてくれたから」
ジャギオロ「……」
ジャギオロ「今夜、また出掛ける」
エルルゥ「ちゃんと、戻ってきて下さいね」
ジャギオロ「ああ、約束しよう」
……
ジャギオロ「容態はどうだ」
オボロ「まだ目は覚ましていないが、随分落ち着いた」
オボロ「以前に比べて、顔色もいい気がする。…………お前のおかげだ」
ジャギオロ「礼ならいらん。代わりにしっかり働いてもらうからな」
オボロ「…………わかっている」
ドリィ「はっ」サッ
グラァ「ここに」サッ
ジャギオロ「お前達には、俺と共に皇都に行ってもらう」
ジャギオロ「狙うは暴君インカラの首!」
ドリィ「!」グラァ「!」
オボロ「…………」
ジャギオロ「覚悟はできているか?」
オボロ「……無論だ」
トゥスクル「なんだえ」
オボロ「ユズハの具合は……」
トゥスクル「お前はそればっかりだね」
オボロ「……」
トゥスクル「死ぬんじゃないよ」
オボロ「!」
トゥスクル「目が覚めた時、お前の姿がなかったら、ユズハは悲しむ」
トゥスクル「だから、ユズハの為にも生きなさい」
オボロ「………………ユズハを、お願いします……!」バッ
衛兵「おう、止まれ!」
番兵「怪しい奴め、城に何の用」
バキッ
番兵「だべっ!?」ドサッ
衛兵「なっ!?」
「おい、お前」
衛兵「な、なんだ!」
ジャギオロ「俺の名を言ってみろ……!」
「出会え出会えー!!」
兵士「あろっ!?」バキッ
ジャギオロ「グフフ……雑魚が!」
警備兵「な、なんだあいつ!」
巡回兵「滅茶苦茶強いぞ……」
ジャギオロ「歯ごたえのねぇ連中だ。戦う気がねぇなら失せろ!」ギラッ
警備兵「ひい!?」ビクッ
「何やってんだてめぇら!!」
ジャギオロ「!」ガキィンッ
クロウ「敵一匹に何ビビってんだ! それでも男か!」ググッ
クロウ「俺を知ってんのか、嬉しいねぇ」ギギッ
クロウ「ついでにその首も置いてってくれっともっと嬉しいんだがな!!」ブォンッ
ザッ
ジャギオロ「俺の首が欲しくば、ベナウィと二人がかりで掛かってくるんだな」
クロウ「……あ? てめぇ、ナメた口利いてっと本当に殺すぞ?」
ジャギオロ「『その』刀でか?」
クロウ「何」
バキンッ
クロウ「!」
ジャギオロ「ケナシコウルペ一の猛将と言ってもこの程度か、こりゃベナウィの方もあまり期待」
ブォンッ
クロウ「久しぶりにトサカに来ちまったぜ…………」
クロウ「生かして返さんッッ!!」ゴウッ
「畏れながら聖上、城内に賊が入り込んだ模様です」
インカラ「賊? 数は」
「一人との事ですが、陽動の可能性が高いかと」
インカラ「たった一人にゃもか! さっさと片付けてこんか! うるさくてかなわんにゃも!」
「申し訳ございません。聖上の御身は、この身に代えても必ず御守りします故、ごゆるりと……」
インカラ「当然にゃも! 虫一匹通すでないぞ、ベナウィ」
ベナウィ「はっ」
クロウ「ぬん! ぬん! ぬんッ!」
ガキンッガキンッガキンッ
ジャギオロ「スローすぎて欠伸が出るぜ」
クロウ「ぬおおおおッ!!」グオッ
バキンッ
クロウ「……チッ」
ジャギオロ「何度やっても同じだ。貴様の剣が俺を捉える事」
ガシイッ
クロウ「刀が駄目なら力比べはどうだい?」ググ
ジャギオロ「……」ググ
ジャギオロ「……」
キラッ
クロウ「うお!?」バッ
クロウ(含み針!?)
「に、逃げたぞ!」
「追え! 兎に角追うんだ!」
クロウ「糞!!」ダッ
ユズハ「……ん」
トゥスクル「気がついたかえ?」
ユズハ「トゥスクル様……おはようございます」
トゥスクル「おはよう、ユズハ」
ユズハ「お兄様は……?」
トゥスクル「少しばかり出掛けておる。このババと一緒に帰りを待とうか」
ユズハ「はい……」
ジャギオロ「インカラの野郎はどこにいるんだ……こう広いと探しづら」
フォンッ
ジャギオロ「やっと現れおったか」スタッ
ベナウィ「今のを苦もなく避けますか……」ザッ
ジャギオロ「てめぇが出てきたって事は、この先にインカラがいるって事だな」
ベナウィ「さあ、どうですかね」チャキッ
ジャギオロ「フ……目は正直だぜ」ススッ
ガキィンッ
インカラ「……にゃぷぅ、うるさにゃも」モゾ
ドゴォッ
インカラ「……誰ぞ! 誰ぞおらんか!」
兵士「……」
インカラ「遅いにゃもよ。お前、さっさ騒ぎを収めてくるにゃも」
兵士「」グラッ
ドサッ
インカラ「にゃも!?」
「残念だったな。ここには貴様の腰巾着はもういないぜ」
インカラ「な、何者にゃも!?」
オボロ「今から死ぬお前に教える名などない!」チャキッ
ドリィ「逃がしませんよ」ザッ
グラァ「観念しなさい」ザッ
インカラ「ぐ、ぐうぅぅ~!!」
オボロ「辞世の句はあるか?」チャキッ
インカラ「い、嫌にゃも! 死にたくないにゃも!」
オボロ「そうか」
――シュパッ
インカラ「――――ぁ」
オボロ「確かに聞き届けたぞ」
ブシャアア……
ベナウィ「つ……」ザザザッ
ジャギオロ「寸でのところで全て受けきるか……流石は一国の侍大将」
ジャギオロ「いや、実質お前がこの国を治めているようなものだったな。何故、インカラのような愚君に尽くす」
ベナウィ「……」
ジャギオロ「それが、侍という生き物……てか? 下らねえな」
ドドドドド
ベナウィ「!」
ジャギオロ「この足音……」
「大将ー!!」
ジャギオロ「騎兵隊……!」
ベナウィ「はっ!」バッ
クロウ「すみやせん、取り逃がしました」
ベナウィ「……正直、想像以上でした」
クロウ「大将……」
ベナウィ「騎兵隊全騎に告ぐ! これより、我らの脚で眼前の敵を蹂躙する!!」
「応ォ!!」
ベナウィ「続けえッ」パシッ
ジャギオロ「ふッ! は!」サッ
クロウ「こっちだ!」ドドド
ブォンッ
ジャギオロ「くッ」バッ
ジャギオロ(こんな室内でウマを使うとは……どんな鍛え方してんだ!)
騎兵「もらった!」ドドド
ブウンッ
ジャギオロ(間髪入れずに次から次にウマが突入してきやがる!)
ベナウィ「我が軍の強さは用兵に在り。人馬が一体となり、敵を呑み込む激流を生み出す」
ベナウィ「今の貴方は、滝壺に陥った一片の木葉に過ぎません」チャキッ
騎兵「吶喊!!」騎兵「吶喊!!」騎兵「吶喊!!」騎兵「吶喊!!」
ジャギオロ「四方から!?」
ベナウィ「これで――――詰みです」ダッ
クロウ「了解」ダッ
「そうですね。この場合、空中以外に逃げ道はありません」
ジャギオロ「!」
クロウ「この時を待っていたぜ……!」
ベナウィ「我らが心に曇り無し」
クロウ「我らが前に敵は無し!」
――――バシュウッッ――――
ベナウィ「……我らの勝利です」ザザッ
「馬上の不利を知れ」
クロウ「がはッ!?」ブシャッ
ベナウィ「! これは……!?」
北 斗 七 死 騎 兵 斬
ベナウィ「ぐ……ゴフッ!」ブシャッ
騎兵「ベナウィ様!」
ザッ
ジャギオロ「俺の勝ちだな」
ベナウィ「く……」
「まだだ……」
クロウ「まだ、俺は死んでねぇぞ……!」ググッ
クロウ「うるせぇ! 大将守れなくて部下が務まるか!」
ベナウィ「クロウ……」
ベナウィ「名は、なんと言うのですか」
ジャギオロ「ジャギオロだ」
ベナウィ「ジャギオロ……」
ザッ
ベナウィ「ジャギオロ殿、貴方は下らないと言いましたが、これが我らの唯一の生き方……」
ベナウィ「一度誓った忠義に殉ずる。それが、我ら侍の『ちっぽけな誇り』なのです」チャキッ
ベナウィ「!!」クロウ「!!」
ベナウィ「やはり陽動でしたか……」
ジャギオロ「俺は本気で正面突破するつもりだったぞ。予想以上にてこずったが」
ベナウィ「インカラ皇を倒し、貴方はこれからどうするんですか」
ジャギオロ「俺か? 俺は帰るぞ。家族が待っているしな」
ベナウィ「……はい?」
ジャギオロ「何故俺が責任取らにゃならんのだ」
ジャギオロ「お前らは負けたんだ。選択の余地なぞ無いと思え」
ベナウィ「…………貴方は、何を望んでいるのですか」
ジャギオロ「甘えんな。ガキじゃあるまいし、そんな事ぐらい自分で考えろ」
ジャギオロ「強いて言えば、『二度と俺に手間掛けさせない国』を作ってもらいてぇな」
ベナウィ「……わかりました」
クロウ「負けちまいやしたね」
ベナウィ「そうですね」
クロウ「自害とかしなくていいんですかね」
ベナウィ「あの方は我らをそう簡単に死なせてはくれないでしょう」
ベナウィ「死にかかったこの国を、今一度立て直せ。……簡単に言ってくれますね」
クロウ「本当に、どっちが暴君だかわかんねぇっス」
ケナシコウルペの侍大将・ベナウィを総大将とするこの謀反は、僅か一晩の内に収束する
夜明けと共に、ベナウィは腹心クロウを引き連れて、民衆のもとへと姿をあらわした。
「ここに約束しよう! 二度と民百姓に手間を掛けさせぬ、屈強な国を作ると!!」
皇らしからぬ発言に、民衆は少々戸惑ったが、日に日に良くなってゆく国政を目の当たりにし、次第にベナウィ皇の約束が本物であると確信するのだった……
エルルゥ「…………」
エルルゥ「……あ」
タタタ
ジャギオロ「ただい……うお!?」ボフッ
エルルゥ「……」ギュ
ジャギオロ「…………ただいま」
残悔積歩拳→アミバは塔から落下して死んだので、爆散はしてないと解釈
大気の構成が云々→ヘルメットがなかったら死んでたぜ…
ユズハとトゥスクル→トゥスクルさんにとってユズハは孫同然らしいです
FFT→書いてました
ジャギオロ「ぐう」zzz
エルルゥ「もうっ、帰ってきてからちょっとぐうたらしすぎですよ!」
ジャギオロ「ぐう」zzz
エルルゥ「オヤジさんも、畑はどうなってるんだって言ってましたよ!」
ジャギオロ「ぐう」zzz
エルルゥ「~~っ! もう知りませんからね!」プンプン
ジャギオロ「むにゃ」
テテテテ
ジャギオロ「すぴー」
アルルゥ「じゃぎ、おきる」ユサユサ
ジャギオロ「んがっ」zzz
アルルゥ「……む」
ムックル「にゃー?」
アルルゥ「せーのっ」
ボスンッ
\ばわっ!?/
ジャギオロ「おい、そこに座れ」
アルルゥ「おきた」
ジャギオロ「あんなもん誰でも起きるわ!」
ジャギオロ「ったく、これだからガキは……」ゴロン
アルルゥ「じゃぎ」
ジャギオロ「ガキは外で遊んでこい。あと、勝手に略すな」
アルルゥ「じゃぎも行く」
ジャギオロ「嫌だ」
アルルゥ「む」
ガブッ
\アッー!?/
アルルゥ「じゃぎ」ガサッ
ジャギオロ「! バカめ! わざわざ叱られに現れるとは」
アルルゥ「がんばる」ベチッ
ドサッ
ジャギオロ「……なんだこりゃ?」
アルルゥ「ハチミツ」
ジャギオロ「蜂の巣ー!?」
ブブブブブブブブブブブブブブブブブブ
アルルゥ「がんば」
アルルゥ「んーっ」ホッコリ
ムックル「ハグハグ」
アルルゥ「おいしい」
ムックル「にゃー!」
<ホクトラカンゲキィヤ!!
<タ、タスケテクレー!!
エルルゥ「アルルゥー! ご飯よー!」
エルルゥ「もう、どこ行ったのかしら」
アルルゥ「ただいま」テテテ
エルルゥ「もう、また遅くまで遊び回って」
アルルゥ「ん」
エルルゥ「! 蜂の巣……また危ない事して!」
アルルゥ「大丈夫」
エルルゥ「何が大丈夫なのよ」
アルルゥ「じゃぎが手伝ってくれた」
エルルゥ「ジャギオロさんが?」
アルルゥ「ね」
ムックル「にゃー」
アルルゥ「ねてる」
エルルゥ「……もう、本当にしょうがないんだから」
ブブブブブブブブブブブブ
ブブブブブブブブブブブブブブブブブブ
ジャギオロ「」☆
トゥスクル「……ん、脈拍も落ち着いとるな。またしばらく薬は使わず様子を見ようかね」
ユズハ「最近は、ちょっとなら立ち上がる事もできるようになったんですよ」スッ
オボロ「こら、ユズハ。あまり無理をするな」
オボロ「ここ数週間、発作らしい発作もないんです。なんと御礼を言っていいか」
トゥスクル「礼ならジャギオロに言うんだね。もっとも、そういうのを嫌がる男だが」
ユズハ「そういえば、ジャギオロ様は?」
トゥスクル「今は自宅療養中じゃ」
ユズハ「?」
ユズハ「でも、もう少しトゥスクル様とお話が……」
トゥスクル「ババならまたすぐ来るよ。それより、早く元気になって友達を作りなさい」
ユズハ「…………はい」
トゥスクル「ユズハが元気になったら、どうするんじゃ?」
オボロ「……」
オボロ「でも、ジャギオロとトゥスクル様のおかげで、ユズハに快復の兆しが見えてきて、ユズハも普通の娘のように、幸せになれるんじゃないか……と思うようになりました」
トゥスクル「確かにの。ジャギオロが何をしているかは知らんが、ユズハの目も見えるように出来るらしいしの。順調にいけば、普通の子供のように生活できるようになるじゃろ」
トゥスクル「だがオボロ、勘違いしてはならんぞ」
オボロ「勘違い?」
オボロ「馬鹿な! 満足に歩く事も出来ず、目も見えぬのに幸せな訳が」
トゥスクル「たわけ!!」
オボロ「……」
トゥスクル「例え狭い部屋で一生が終わろうと、肉親の顔が見えずとも、お前みたいな妹想いの兄を持って、ユズハは十分幸せだと思っているだろうよ」
トゥスクル「純粋な子だ。皆にどれだけ想われているかちゃんとわかっているよ」
オボロ「………………」
トゥスクル「泣くんじゃないよ馬鹿息子。さ、送っていっておくれ」
オボロ「……はいっ」グシッ
スウッ
ジャギオロ「さて、泣き虫兄貴をちっとばかし驚かせてやろうか」コキャコキャッ
ユズハ「スゥスゥ」
ジャギオロ「フフフ……! イテテ、腫れに響くわ……」
ごめんなさい時間なくなっちゃった
ユズハが元気になって、特に国家間大戦もなくゆるゆる過ごす話にするはずでした
こんなに苦しいなら続きが読みたいなら
SSなど開かぬ
ラオウだったら皇の器だったけど、ジャギ様ってそういうタイプじゃないよね…
保守と支援ありがとうございました
ジャギって元々いい奴だったけどどうやってもケンシロウに勝てなかったり恋人殺されたからああなってしまったんだよな
外伝の設定だけど
Entry ⇒ 2012.03.27 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)