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跡部景吾「ごらく部……?」
跡部「入部希望だ!」
跡部「テニス部と兼部だが、問題無いよな?」
跡部「まぁ俺様が入ってやるって言ってんだから、拒否するわけねぇよな?」
シーーーーン
跡部「なるほどSundayじゃねぇの」
跡部「よし、また明日来よう」
跡部「入部希望だ!」
4人「!」
跡部「お、今日はちゃんといるじゃねぇか」
京子(な、なんだこの人……)ポケーッ
結衣(か、かっこいいー……)ポケーッ
ちなつ(……俺様系を絵に描いたような奴ね)ジトーッ
あかり(じ、自分と同じ人間とは思えないような存在感が……)
跡部「兼部も大丈夫だよな?」
京子「あ、は、はい!」アセアセ
跡部「んじゃあ、入部で決定だな」
結衣「え、あ、は、はい」アセアセ
ちなつ(な、なんで自分から決めてるのよ……)
跡部「よーし」
京子「は、はい」
跡部「俺の名前は跡部景吾。三年だ」
結衣「さ、三年生ですか……?」
跡部「あぁ。テニス部に入ってんだけど、運動部は夏で終わっちゃうからな。ここは引退が無いって聞いたから、卒業までの暇つぶしに使わせてもらう」
京子「な、なるほど」
跡部「構わねぇだろ?」キラッ
京子・結衣「「!」」ドキドキ
京子・結衣「「は、はい!」」
ちなつ(こいつ、なんかむかつくわー……)ジトーッ
跡部「んじゃあ、4人も自己紹介してくれよ」
跡部「オッケー、京子な」チラッ
京子「!」ドキッ
京子「……」ドキドキ
結衣「わ、私は、船見結衣、同じく2年生です(な、なんか緊張するなぁ……)」
跡部「オッケー、結衣な(あ~ん? 2人共、悪くねぇじゃん)」チラッ
結衣「!」ドキッ
結衣「……」ドキドキ
ちなつ「私は吉川ちなつ、1年生よ」ムスッ
跡部「ふぅん、ちなつね(あ~ん? なんかむすっとしてやがんな)」チラッ
ちなつ「……」プイッ
跡部(ふふ……生意気な仔猫ちゃんじゃねぇか)
跡部「よし、京子、結衣、ちなつな。もう覚えた。よろしくな」
あかり「ちょーちょっちょっちょっちょ!」アセアセ
跡部「あ~ん? (もう一人いたのか?)」
跡部「お、おぉ(なんだこいつ……俺様の影の方が存在感あるんじゃねぇか?)」
跡部「京子、結衣、ちなつ、あかりな。覚えたぜ」
京子「あ、跡部さんの事はなんて呼べば良いですか?」
跡部「あ~ん? そうだなー……この部では、お前らの方が先輩なわけだから、呼び捨ててで構わなねぇぜ」
京子「え? よ、呼び捨てですか?」
跡部「あぁ。口調も、ため口で構わねぇし」
結衣「た、ため口ですか……?」
跡部「あぁ。敬語はいらねぇ。……まぁ、俺は景吾だけどな」
京子・結衣「「……」」
ちなつ「跡部、つまんな!」
跡部「!」
ちなつ「こんな感じで良いかしら?」フフン
跡部「あ~ん? 悪くねぇじゃん」
京子「か、活動ですかー……(いざそう言われると困るなー……)」
跡部「ごらく部っていうからには、楽しい事してんだろ?」
結衣「そ、そうですけど……」
跡部「だから敬語はいらねぇって」チラッ
京子・結衣「「!」」ドキッ
京子・結衣「「あ、う、うん(ど、どうしても……)」」ドキドキ
跡部「まぁ、俺はけ」
ちなつ「言わせないわよ」ジトッ
跡部「あ~ん?」
ちなつ「跡部はなにがしたいのよ?」
跡部「(こいつはどんどん来るな)お? 俺様が決めて良いのか?」
跡部「って言っても、今日する事の予定とかあったんじゃぇのか?」
ちなつ「別にないわよ」
京子・結衣(あー……言っちゃったー……)
跡部「あ~ん? どういう部活だよ」
あかり「いつも、集まってから好きな事するんだよぉ!」
跡部「!」
跡部「(油断してるといる事忘れちまうなこいつ……)なるほど、融通の利く部活ってわけだな?」
ちなつ「まぁ、聞こえ良く言えばそうね」
跡部「んじゃあ、そうだなー……」
完璧なつかみだな
京子「差し入れ? そんなの持って来てくれたのー? (お、やっとため口きけたよー……)」
跡部「あぁ」ガサゴソ
結衣「なになにー? (まだちょっと抵抗あるけど……)」
跡部「悪いけど、中学生だからただのショートケーキだな。しかも、一切れ五千円もしない安物の……」ガサゴソ
4人「「!?」」
4人(ひ、一切れ五千円……!?)
京子(な、なんとなく雰囲気からわかってたけど……)
結衣(跡部って……相当なお金持ち……!?)
ちなつ(まぁ、さすがにこの身なりとキャラで貧乏だったら笑い物だもんね)フフン
あかり(あかりとは違う世界に住んでる人なんだね~……)
跡部「よし。一人一切れな」包装バサッ
4人「「おぉ!! (なんか知ってるショートケーキと違う……!)」」
跡部「ショートケーゴだ」
4人「「」」
京子「あ、ありがとう。すごい豪華なケーキだね~」キラキラ
跡部「ほら、結衣」スッ
結衣「ありがとうー(男性側から取り分けるなんて……立ち振る舞いも上品だなー……)」ポケーッ
跡部「ほら、ちなつ」スッ
ちなつ「ど、どうも(一々鼻に付くわねー……)」ムスッ
跡部「……」ケーキ スッ
ちなつ「なっ」スカッ
跡部「これの名前を言ってごらん?」ニヤッ
ちなつ「は、はぁ?」
跡部「そうじゃなきゃ、あげないぜ?」
ちなつ「はぁ? ショートケーキでしょ?」
跡部「ちっちっ。ショート……?」
ちなつ「……馬鹿じゃないの」ケーキ スッ
跡部「あっ……」
京子・結衣・ちなつ「「……」」
跡部「んじゃあ、俺様に感謝しながら……」
あかり「あ、跡部~!」オロオロ
跡部「!」
跡部「あ、悪い悪い (ここまで忘れさせるって……なんかの能力か?)」スッ
京子・結衣・ちなつ(す、素かよ……!)
跡部「ほら、あかり」
あかり「ありがとう~!」
跡部「よし」
跡部「んじゃあ、俺様に感謝しながら、頂きな!」
4人「「いただきまーす」」
結衣「私達が今まで食べてきた安いショートケーキとは全然ものが違うねー……」モグモグ
跡部「あ~ん? これより安いのってあんのか?」
あかり「夕方のスーパーでは値引きで二切れ150円くらいで売ってるよぉ。跡部はお金持ちなんだねぇ!」モグモグ
跡部「あぁ。金持ちだぜ?」
京子・結衣・ちなつ(ふ、普通に認めた……)
跡部「……」チラッ
跡部「ちなつはどうなんだよ?」
ちなつ「!」モグモグ
跡部「あ~ん? 素直に言えよ」ニヤッ
ちなつ「お、おいしいわよ」
跡部「なにがだよ?」
ちなつ「……ショートケーキよ」
跡部「ちっちっ。ショート……?」
ちなつ「……」プイッ
結衣(きょ、京子……男の子の前だと恥ずかしいよ……)アセアセ
京子「いや~美味しかったよ~」
結衣「本当に美味しかったなー」
あかり「こんなに美味しいショートケーキ食べたの初めてだったよぉ。ありがとね、跡部!」
跡部「ふっ。俺様の美食に酔っちまったか」
跡部「……」チラッ
跡部「ちな…」
ちなつ「次何やりますかー?」
京子「そうだね~……(いつもだったら食休みーとか言って寝るんだけど……)」
あかり「跡部はなにやりたい~?」
結衣(お、あかりナイス)
跡部「あ~ん? また俺様が決めて良いのか? んじゃあ……」
京子「あぁ、学校の裏の林の奥にあるね~」
跡部「夏だし、もう夕方で、少し暗くなってきたから……」
結衣「ま、まさか……」
跡部「2-2に分かれて、肝試しでもしようじゃん?」
4人「き、肝試し……!?」
京子「うーん……でもまぁ、悪くないね~」
結衣「ってか、どう割れば2-2になるんだよ……」
あかり「跡部~! またあかりを忘れてたでしょう~!」プンスカ
跡部「あぁ、そうか(俺様の対極にいるような奴だな……) んじゃあ2-3だな」
結衣「んじゃあ、グッショでわかれるか」
ちなつ「わ~い! 結衣先輩と二人!」ダキッ
結衣(二人の方か……ちょっと不安だなー……)
ちなつ「私の所、守って下さいよ~?」ギューッ
結衣「私も恐がりだから、あんまり期待しないでよー……?」
京子「こっちは三人だし、男の子もいるから安心だな!」
あかり「肝試しは苦手だったけど、京子ちゃんもなんか強そうだし、あかりは大船に乗った気分だよぉ!」
京子「もし悪霊が現れても、私達が守ってしんぜよう! なぁ、跡部?」
跡部「あ、あぁ。れ、霊だろうと俺様の前に立ちはだかるなんて事は許されねぇからな」ドヨーン
京子・あかり(な、なんか落ち込んでる……)
結衣「一番奥に小さなお堂があるから、その横に、行った証拠としてなにか置いて来るって感じで良いかな?」
ちなつ「でもなにを置いてきます~?」
跡部「ちょうど2つあるから……これで良いんじゃねぇの?」カシッ
あかり「痛っ」
跡部「あ」
あかり「跡部~! それあかりのお団子だよぉ!」
跡部「あぁ、わりぃ、わりぃ」
京子(跡部レベルの存在感の塊になると……)
結衣(本当にあかりが目に映らなかったりするんだな……)
結衣「最初かー(ちょっと恐いなー……)」
ちなつ「先に行った私達が、この京子先輩の不思議リボンをお堂の手すりに掛けてきて……」
結衣「後の3人がそれを取ってきて、お互いに証明にし合うって感じなー」
京子「二人が掛けて来れなかったら元も子も無いから、しっかりねー!」
あかり(リボン無い京子ちゃん、新鮮だな~)
跡部「……」
跡部「も、もう一回グッ」
ちなつ「しないわよ」
ちなつ「じゃあ結衣先輩行きましょう~!」ダキッ
結衣「う、うん……(恐いよぉー……)」
ガラッ
跡部「………………」ドヨーン
京子(跡部のやつ……)
あかり(ど、どうしたんだろう……?)
跡部「……」ハッ
跡部「……」
跡部(あ~ん? なに俺様がこんな事でよ~? チャンスなんていくらでも作ればあるだろ?)
跡部「……」
跡部「ふぅ」キリッ
跡部「それにしても古臭ぇ部室だなぁ。何億か出してやるから立て替えるか?」ニヤッ
京子(お。元に……)
あかり(戻った……!)
京子「私も割と存在感はある方なんだけど、もうなんか完全にかすんでるよ~」
跡部「あ~ん? 生まれ持っちまったんだから仕方ねぇだろ?」
あかり「一体どうしたらそんなに存在感出せるのー?」グイッ
京子(あかり……迫真だな……)
跡部「(……俺からしたらお前の方が謎だ)存在感なんてのは、一種の才能だからどうしようもねぇだろ?」
あかり「そ、そっかぁ……。あかりには、存在感の才能が一切無かったって事だね……」シュン
跡部(いやある意味あんだろ……)
ちなつ「いや~ん、ちなつも恐いですぅ~!」ギュッ
結衣「ほ、本当かー……? (ちなつちゃん、全然恐がってる風じゃない……)」
ちなつ「こ、恐いですよ~!」クネクネ
結衣「そ、そっか」
ちなつ「当たり前じゃないですか~!」クネクネ
結衣「それにしても、道がどんどん鬱蒼としていくねー……」
ちなつ「本当ですね~! (もっと暗く! もっと暗く!)」クネクネ
結衣「しかも結構長いしー……」
ちなつ(永遠に続いてれば良いのに)ニヤッ
跡部「あ~ん? 学校に徒歩で来る方がおかしいだろ?」
あかり「く、車で送って貰った事さえないよぉ……」
京子「んで、テニス部の部長か~。上手いんだろうね~」
跡部「あ~ん? 当たり前だろ?」
京子(ここで認める所がすごいよなー……)
あかり(京子ちゃんに似てるって思ってたけど、色々と次元が違うよぉ……)
跡部「んで、ちなつはよぉ」
京子(そしてことあるごとにちなつちゃんの話に持ってこうとする……)
あかり(跡部、分かりやす過ぎるよぉ~……)
ちなつ「あそこがお墓の入り口ですね」
結衣「あぁ……(ふ、雰囲気やばい……!)」ギュッ
ちなつ「! (ゆ、結衣先輩の方から……!)」
ちなつ「……」キュンキュン
結衣「ゆ、ゆっくり行こう……?」ギュッ
ちなつ「はい。ゆっくりで良いですよー(ちっ……認めたくないけど……)」キュンキュン
結衣「ゆっくり、ゆっくりなー……」ギューッ
ちなつ「はい。ゆっくり、ゆっくり行きましょう(あいつ、良い提案するじゃない……!)」キュンキュン
京子「そ、そうなんだよー。ごめんねー」
あかり「だから活動もしっかり決まってないんだよぉ~」
跡部「そういう事だったのか……(通りで部活の体を成してねぇと思ったら……)」
京子「で、でも、楽しい事はいっぱいやるからさ~」
あかり「そ、そうだよぉ。だから、やめないでねぇ! い、一緒に、卒業までの思い出作ろうねぇ!」
跡部「……」
あかり・京子「「……」」
跡部「はっ!」
あかり・京子「「!?」」
跡部「頼まれちまったら仕方ねぇなぁ。この跡部様が、ずっといてやるよ」
あかり「よ、良かったよぉ」
京子「あ、ありがとな~!(なんか、主な理由は別にありそうな気がするけど……)」
ちなつ(あぁ……もう……)クラクラ
結衣「んっ……(お墓まで来て、ちなつちゃんもなんか様子おかしいし……)」ギューッ
ちなつ(さ、最高過ぎて……おかしくなりそう……)クラクラ
結衣「きゃっ!」
ちなつ「……?」
結衣「やだ、やだよー!」ガタガタ
ちなつ「ただの木の枝ですよ、結衣先輩」
結衣「あっ……」ホロッ
ちなつ「……」モンモンモンモン
結衣「……こ、恐かったよぉ……」ギュッ
ちなつ「……」クラクラ
ちなつ(なんかもう、跡部を褒めてつかわしたい気にすらなってきたわ)
ちなつ「ただいま帰りました~!」
結衣「た、ただいま……」
京子「お! リボン掛けてきたかー?」
ちなつ「バッチリですよ! (本当に最高の時間だったわー)」
結衣「か、かなり恐いから、気をつけて行って来いよー。どんどん日も落ちてるからな」
あかり(結衣ちゃんすっかりおびえ切っちゃってるよぉ……そんなに恐いのかなぁ……)ガタガタ
京子「大丈夫。こっちは三人だし、なにより男の子がいるからね!」
跡部「あ~ん? 一人で行ったって良いくらいだぜ?」
京子「お! 言うね~!」
ちなつ「は、はい(そっか! これで今度はこの弱り切った結衣先輩と部屋で二人切りになれるのよね……!)」
あかり「じゃあ行って来るよぉ!」スッ
ちなつ(つくづくナイス提案だったのね……!)
跡部「ちゃちゃっと終わらせてくるぜ」スッ
ちなつ「……」チラッ
跡部「……?」
ちなつ(……ありがとね)ウインク
跡部「!」ドキッ
跡部「……」ドキドキ
あかり・京子「「?」」
あかり「あ、跡部、どうしたの?」
京子「まさかここに来て、恐くなっちゃったのかー?」
跡部「あ、あ~ん? そ、そんなわけねぇだろ?」
あかり「あかり、こんな時間にこんな道、一人だったら絶対来られないよぉ~……」トコトコ
跡部「……」トコトコ
あかり・京子「「……?」」
京子「おい跡部~まさかびびっちゃってるのか~?」
跡部「!」
あかり「実はお化けとか苦手だったとか~?」
跡部「あ~ん? んなわけねぇだろ?」
京子「じゃあなに思いつめたような顔してるんだよ~?」
跡部「俺様は部活で、絶対に負けるわけにはいかない立場にいるから、こういう時でも常にテニスの事を考えてんだよ」
京子「へぇ~偉いんだな~」
あかり「どんな事考えてたの~?」
跡部「いや、その……(……そうだ)」
跡部「俺様のプレイスタイルは、相手をインサイトして、その弱点を見抜き、そこをつくってものなんだけど……」
跡部「今度、ミックスの公式試合があんだよ」
あかり「ミックス? なにそれ?」
跡部「男女混合のダブルスだ」
京子「あぁ、なるほどね」
跡部「だから、今は女子選手の所作を分析するって事もしてんだけど……」
あかり「相手に女の子のプレーヤーもいるから……」
京子「女の子の所作から、その弱点とかを見抜く訓練をしてるって事かな?」
跡部「あぁ、そういう事だ。……そんで、お前らも一応、女子だよな?」
あかり・京子「「い、一応……」」
跡部「んじゃあ仕方ねぇから、参考までに質問してやるよ。俺様の試合に活かされるかも知れねぇんだから、有り難く答えな」
あかり・京子「……質問?」
跡部「じょ、女子がいきなりウインクするのって、どういう時だよ?」
京子「そんな事を試合中にする選手がいるのー?」
跡部「いる」
京子「そ、そっか……(超即答されたよ……)」
あかり(あかり達は、テニスの事わからないもんね。きっといるんだろうね)
京子「しかしウインクかぁ。普段生活してて、中々しないよね~?」
あかり「そうだよねぇ。あかりもタイトルコールの時くらいだよぉ~」
跡部「あ~ん? タイトルコール?」
あかり「あ、なんでもないよぉ~」アセアセ
あぁ~ん?
跡部「あ~ん?」
京子「試合中の、どういうタイミングで、誰に向かってするのさー?」
跡部「なっ……」
京子「例えばサーブを打つ前にペアの人に向かってするのと、点を決めた後に相手に向かってするのとじゃ……」
あかり「同じウインクでも、意味合いは全然違うよねぇ」
跡部「そ、それは……」
京子「なに口ごもってんだよ~……」
跡部「えぇっと……あれだ(さっきのシチュエーションをテニスに例えるなら……)」
あかり「あれ?」
跡部「ゲームとゲームの合間に、相手に向かってするって感じだな」
京子「ゲームとゲームの間に……?(それってプレイ自体は関係ないよな……?)」
あかり「(プライベートのアイサインだよね……?)そ、それは……」
あかり・京子「「今度一緒にペア組みませんか……とかじゃないかな?」」
跡部「!!!」
京子「残念だったね~。多分、プレイ自体は関係無いから、そこから相手の弱点は見えて来ないんじゃないかな?」
あかり「上手く行けば、新しいダブルスのパートナーは増えるかも知れないけどねぇ」
跡部「…………」
京子「な、なにそんな思いつめた顔してるんだよ?」
あかり「ほ、他の動作から弱点を見つければ良いんだよぉ!」
跡部「…………」
京子・あかり「「……」」
京子(きっと、本当に責任感ある部長なんだなー……)
あかり(絶対に負けられない試合がそこにはあるってやつなんだねー……)
ちなつ(私はもう意識がぶっ飛びそうで恐いですぅ……)クラクラ
結衣「3人……大丈夫かなぁ……」ギュッ
ちなつ「だ、大丈夫ですよぉ(結衣先輩には悪いけど、実際、3人もいたら屁でも無い道よね……)」
結衣「んー……」ギュッ
ちなつ「ちょ、ちょっと、おトイレ行って来ますね」スッ
結衣「え?」
ちなつ「す、すぐ戻ってきますよ」
結衣「嫌だよ、ここにいてよちなつちゃん~……」ギューッ
ちなつ(も、もう今日で死んでも良いかも……)キュンキュンキュンキュンキュン
結衣「お願いー……」ギューッ
ちなつ(跡部の奴、もう一回くらい褒めてつかわしてもやっても良いわね)キュンキュンキュンキュンキュンキュン
あかり「あ、そこの欄干に京子ちゃんのリボン掛かってるよぉ」
京子「お、本当だ。よし」ヒョイ
京子「付けて……っと」シャキーン
あかり「おぉ! いつもの京子ちゃんが帰ってきたよぉ!」チラッ
京子「自分でもなんか違和感すごかったよ~」チラッ
跡部「ふぅ」
あかり・京子「「!」」
跡部「あ~ん? これで終わりかよ。ったく手応えねぇな!」
あかり・京子「「お、おぉ」」
あかり(跡部、やっと元に戻ってくれたよぉ……)
京子(さっきまでの沈黙切なげフェイスは一体なんだったんだ……)
あかり「今帰ったよぉ!」
跡部「ふぅ」
京子「ただいま~!」リボン シャキーン
ちなつ「あ、ちゃんと取って来れたみたいですね!」
結衣「良かったー……」ウルッ
京子「ゆ、結衣のやつ、どんだけ心配してんだよ~……」
あかり「余裕のよっちゃんだったよぉ! むしろ、楽しかったよぉ!」ドヤッ
ちなつ「こっちもとっても楽しかったですよ~」クネクネ
京子「待ってる側が楽しかったって……」
ちなつ「……」チラッ
跡部「……!」
ちなつ「……」ウインク
跡部「!!」
京子「そろそろ帰るかー」
ちなつ「こんなに遅くまで部活してたの、久し振りですねぇ」
あかり「それに、こんなにちゃんと企画やって、中身ある活動したのも久し振りだねぇ」
京子「確かになー。……跡部、お前」クルッ
跡部「!」
跡部「あ、あ~ん?」
京子「ごらく部の才能あるんじゃないかー?」
結衣「なんだよごらく部の才能って……」
跡部「ふっ。なにやらせても天才的な俺様になに言ってんだ?」
京子「お、相変わらずだねー」
ちなつ「まぁそこはちょっとは認めてあげても良いですね」フフン
跡部「!」
あかり「よーし、じゃあ帰ろう!」
京子「じゃあ行くかー」
あかり「早く帰って夕飯食べたいよぉ」
ちなつ(今夜は結衣先輩との密な時間を思い出しながら寝よう)モンモンモンモン
跡部「……」
結衣「ちょ、ちょっと待ってよー……」
あかり・京子・ちなつ「「……?」」クルッ
京子「ど、どうしたの結衣ー? (なんか怯えてる……?)」
結衣「い、いつもの帰り道だとちょっと暗くて恐いからさー……」
京子「ま、まだ恐がってたのかよ~……」
結衣「ちょっと遠回りになるけど街の方の道通って帰らないー……?」
京子「あぁ~あのルートかぁ。別に私達は構わないけど……」
あかり「そのルートだと、ちなつちゃんの家は逆になっちゃうから、ちなつちゃんがずっと一人になっちゃうねぇ」
ちなつ「(結衣先輩……可哀想……)わ、私は大丈夫ですよ!」
あかり「そうだよねぇ。もうこんなに暗いもんねぇ」
ちなつ「だ、大丈夫ですよ! 自分の身くらい、自分で守りますから!」
京子「で、でもー……」
ババババババババババババババババ
あかり・京子・結衣・ちなつ「「!?」」
ちなつ「な、なによあれ!?」
結衣「へ、ヘリコプター!?」
京子「ま、まさか……」
あかり「これって……」
跡部「ふぅ。おせーぞ、爺」
京子「ま、待った!」
跡部「あ~ん?」
京子「結衣も乗せてってよ!」
跡部「あぁ?」
あかり「そうだね、それが良いね! 結衣ちゃんの家は○○町の辺りだけど、跡部、大丈夫?」
跡部「まぁそれくらい、ヘリなら回り道にも入らねぇけど」ドヤッ
あかり「おぉ! さすが!」
京子「じゃあ結衣!」クルッ
結衣「ダ、ダメだよ!」
京子「え?」
結衣「私、飛行機とか空飛ぶもの苦手で乗れないんだ……」
京子「え、あ……そ、そう言えば……」
あかり「そ、そうだったよね……」
京子「(……そうだ!)待ったー!」
跡部「あ~ん? 今度はなんだよ?」クルッ
京子「じゃあちなつちゃんを乗せてってよ!」
跡部・ちなつ「「なっ……!」」
京子「ね? どう?(こうすれば万事解決だし……跡部も望む所でしょ!)」
あかり「そ、そうだね! そういう手もあったね!(京子ちゃん、ナイス援護だよぉ!)」
跡部「な、なんで俺様がこんなゴニョゴニョゴニョ」
京子「帰るのがこんな時間になったのは誰のせい?」グイッ
あかり「女の子が一人で帰るのが危ないような時間になっちゃったのは誰のせい?」グイッ
京子「これで今日、ちなつちゃんの身になにかあったらどうするの?」
あかり「そうだよぉ! あかり達だってそんなのは嫌だから、あかり達からもお願いするよぉ!」
跡部「ちっ……」
ちなつ「……」ムスッ
あかり・京子「「……」」
跡部「ふぅ」
跡部「おいちなつ、乗ってけよ」
ちなつ「……!」
結衣「ご、ごめんなー」
跡部「ふぅ」
ちなつ「……」
跡部「爺、降ろしてくれ」
梯子シャーーー
跡部「……」
ちなつ「……」
跡部「ほら、昇れよ」
ちなつ「べ、別に良いわよ。一人で歩いて帰るから」プイッ
ちなつ「だ、誰のせいよ」
跡部「俺様だよ」
ちなつ「……」
跡部「だから責任取ろうってんだよ」
ちなつ「……」
跡部「観念して早く昇れよ」
ちなつ「馬っ鹿じゃないの?」
跡部「あ~ん?」
ちなつ「梯子をスカート穿いた女の子から先に昇れるわけないでしょ!」プイッ
跡部「なるほど、セクハラじゃねぇの」
跡部「あ~ん? うちの愛機を舐めんなよ? 昇るって言っても、人間は掴まるだけで良いんだよ」
ちなつ「掴まるだけ?」
跡部「俺様が先に乗るから見てろ」
ちなつ「……」
跡部「よ……っと」カシッ
ちなつ(梯子の一番下に掴まって……)
跡部「……」ウイーン
ちなつ(あ、梯子が上がってく……)
跡部「……ふっ」ドヤッ ウイーン
ちなつ「……」
ちなつ(絵がシュール過ぎるわ……)
ちなつ「ふぅ(割とすんなり乗り込めたわ……)」
跡部「どうだよ? うちの愛機の乗り心地は?」
ちなつ「ヘリコプターなんて初めてだから、比較しようがないわよ」
跡部「ちょっと揺れるけどな」
ちなつ「これくらい、大丈夫よ」
跡部「よし。じゃあ」スッ
ちなつ「……?」
跡部「……」指パチン
シーーーーン
ちなつ「……」
ちなつ「……」
跡部「……」指パチン
シーーーーン
ちなつ「この轟音の中で……聞こえるわけないじゃない」
跡部「……」スーッ
跡部「爺! 出してくれ!」
爺「はい」
バババババババババ
跡部「揺れるぜ!」
ちなつ「きゃっ」
跡部「すぐ安定するから待ってな」
ちなつ「んっ……(すごい……こんな感覚初めて……)」
ちなつ「はぁ……はぁ……」
跡部「よし、安定したな」
ちなつ「な、なんで登下校にわざわざこんなもの使ってるのよ……(車の方が絶対良いでしょ……)」
跡部「あ~ん? 分かってねぇなぁ」
ちなつ「馬鹿みたいに、男のロマンとか言い出すの?」
跡部「いや、これは女の子も理解出来ると思うけどな」
ちなつ「はぁ? ヘリコプターで登下校したいなんて思った事一度も……」
跡部「ちげーよ。見ろよ、これ」
ちなつ「……これ?」
ちなつ「きゃっ」
跡部「ほら」
ちなつ「!!」
跡部「すげぇだろ」
ちなつ(ちょ、ちょっと……感動しちゃったじゃないの……)キラキラキラキラ
跡部「光栄に思えよ?」
ちなつ「こ、光栄ってなによ……」
跡部「俺様専用夜景の、最初のお客さんなんだからな」
ちなつ「……ほ、他の人はまだ誰も見た事が無いって事?」
跡部「まぁな。このヘリに人を乗せる事なんかあり得ないからな」
ちなつ「そ、そう。それはちょっと……嬉しいかもしれないけどゴニョゴニョゴニョ」
跡部「あぁ、あと爺か」
ちなつ「……それは良いでしょ」
跡部「お」
ちなつ「なによ? この音」
跡部「さっき家の住所入力しただろ?」
ちなつ「し、したけど……」
跡部「この直下にちなつの家があるって事だ」
ちなつ「え? もう着いたの?」
跡部「あ~ん? 空路なめんなよ?」
ちなつ「そ、そう」
ちなつ「な、なによこれ? (リュ、リュック?)」
跡部「降りるために必要なんだよ」グイッ
ちなつ(よ、よくわからないけど……)ショイ
跡部「よし、良いな。その後ろから出てる紐は手で持っとけよ」スッ
ちなつ「い、良いってなにがよ? (こ、この紐はなんなの?)」カシッ
跡部「その紐を引くのは、ヘリから降りて丁度5秒後な」
ちなつ「は、はぁ? 降りてから?」
バババババババババババ
ちなつ「ま、まさか……」
跡部「レディー」
ちなつ「ちょっと!!」
跡部「スリー、ツー、ワン!」
ちなつ「い……」
跡部「ゴー!」グッ
ちなつ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」ヒューーーーン
ちなつ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」ヒューン
ちなつ(そ、そうだ……!)
ちなつ(紐……! 紐……!)
ちなつ「んっ……(5秒ってのはよくわからないけど……!)」グイッ
ボンッ
ちなつ「!」
フワフワ フワフワ
ちなつ「ほっ……」
ちなつ「し……死ぬかと思った……」フワフワ
ちなつ「もう……なんなのよ……あいつ……」フワフワ
跡部「なるほど早過ぎじゃねぇの」
ちなつ(い、家がまだまだすっごい下なんだけど……)フワフワ
ちなつ「や、やっと……」
ちなつ「家の……屋根に……」
スタッ
ちなつ「ふぅー…………」
ちなつ「真っ暗な道を一人で歩いて帰った方が、よっぽど安全だったわ……」
ちなつ「……」
ちなつ「いつまでもここの上空にいないで、早く行けば良いのに」プイッ
ちなつ「それにしても、なんて説明すれば良いのやら……」
ちなつ「……」窓コンコン
ガラッ
ともこ「ち、ちなつ!?」
ちなつ「ただいまー……」
爺「おぼっちゃま」
跡部「あ~ん?」
爺「いつもとご様子が少し違いますが」ミラー越し ジーッ
跡部「あ、あ~ん?」
爺「とは申しましても、大変些細な事なので、取り立てて問題とすべきような事ではないのですが」
跡部「なにがどう違うんだよ?」
爺「ニヤニヤし過ぎですぞ」
跡部「なっ……じ、爺! なにを…」
爺「……」レバー クイッ
グイーン
跡部「! くっ……」カシッ
跡部「お、おい爺!」
爺「中々良いムードでしたよ」
跡部「!」
爺「爺は怖気づくおぼっちゃまなど見たくありませぬ」
跡部「……!」
爺「自信過多、自意識過剰、唯我独尊、独断専行、」
跡部「なっ……」
爺「それでも、実際に結果を出してしまうのが、おぼっちゃまなのですから」
跡部「!」
跡部(も、もっと俺様らしく行けって事か……?)
跡部「……」
爺「……」b
跡部「へ、悪くねぇじゃん」
跡部「んじゃあ来週にでも遊園地に…」
ちなつ「行かない」プイッ
あかり・京子・結衣「「……」」
跡部「んじゃあ来週にでもクルージングに…」
ちなつ「行かないってば」プイッ
あかり・京子・結衣「「……」」
跡部「んじゃあ来週にでも別荘に…」
ちなつ「行かないって言ってるでしょ!」プイッ
あかり(昨日あの後、一体なにがあったんだろう……)
京子(跡部の奴、完全にスイッチ入っちゃってるよ……)
結衣(こ、これが肉食系ってやつか……)
跡部「あ~ん? 来週じゃ待ちきれないって事か? んじゃあ、明日映画に…」
ちなつ「……学校はどうすんのよ」
跡部「なるほどWeekdayじゃねぇの」
京子「じゃあそろそろ帰るかー(跡部がいると、舌が肥えちゃいそうだよー)」スッ
結衣「そうだなー(このままじゃ安物食べれなくなっちゃいそうだなー……)」スッ
跡部「口の横に生クリームついてるぞ?」ニヤッ
ちなつ「……」プイッ
ガラッ
京子「今日はもう普通に帰れるよなー?」ニヤニヤ
結衣「も、もう大丈夫だよ!」
あかり「まだ明るいしねぇ」
跡部「おい、今日もヘリは空いてるぜ? 夕焼けも中々…」
ちなつ「明るいから普通に帰るわよ」プイッ
京子(口説き文句もここまで慢性化すると……)
あかり(もうBGMみたいなものだねぇ)
キーンコーンカーンコーン
あかり「ちなつちゃん、部室行こう~」スッ
ちなつ「う、うん」スッ
あかり「今日も跡部、なにかおいしいもの持って来てくれたかな~?」トコトコ
ちなつ「……」トコトコ
あかり(? ちなつちゃん、どうしたんだろう……?)トコトコ
ちなつ「……」ピタッ
あかり「ち、ちなつちゃん?」
ちなつ「あ、あかりちゃん」
あかり「? どうしたの?」
ちなつ「ちょっと部室行く前に、コンビニ行かない?」
あかり「コンビニ?」
ちなつ「う、うん」
あかり「なに買うの~?(コンビニならもっと近場にあるのに、どうしたんだろう~?)」
ちなつ「えぇーっと……(確かこのコンビニには……)あ、あっちにあるわね」トコトコ
あかり「……? (向こうにあるのは……花束? コンビニに花束なんて売ってたんだぁ)」トコトコ
ちなつ「えぇっと……」ガサゴソ
あかり「ちなつちゃん、花束なんて買うの?」
ちなつ「う、うん」ガサゴソ
あかり「花束なんて買ってどうするの?」
ちなつ「どうするって……」
あかり「……?」
ちなつ「花束なんて、人にプレゼントする以外ないでしょ?」
あかり「人に……?」
ちなつ「うん」
あかり「い、一体……誰に?」
ちなつ「……跡部よ」
あかり「!!」
あかり「じゃ、じゃあ、まさか、ちなつちゃんも……」カァッ
ちなつ「そんなわけないでしょ」
あかり「えっ……?」
ちなつ「じゃあ、部室行こう」ニコッ
あかり「う、うん(ど、どういう事……?)」
あかり「そうだねぇ」トコトコ
ちなつ「全く……こんな遠くまで歩かされて!」プンスカ
あかり「ち、ちなつちゃんが選んだんだよぉ~!」
ドンッ
ちなつ「あ、すみません!(余所見してたら……人に……)」
男1「おいおい」
あかり(な、なんか恐そうな人だよぉ……)
男2「あれ? お前、テニスウェアーに穴空いてんじゃん」
ちなつ「あっ……(花の棘が引っ掛かって……ちょっとほつれちゃってる……)」
男1「あぁー本当だー」カシッ
ビリビリビリビリ
あかり・ちなつ「「!?」」
ちなつ(じ、自分でウェアーを破いた……!?)
男1「どうしてくれんだよおい!」
男2「このウェアー20万すんだぞ!」
あかり・ちなつ「「なっ……!」」
男1「これは弁償だよね~」
男2「思い出分とかも含めたら、20万じゃ足りねぇよな」
あかり(よ、よく見たら、胸の所にある校章って……)
ちなつ(超お金持ちしか行けない事で有名な……私立八森高校のじゃない……!)
男「30万払ってくれる~?」
ちなつ「なっ……」
男2「思い出分たったの10万とか、優しいねぇ~!」
あかり(ど、どうしたら良いんだろう……!)
男1「はぁ?」
男2「なんで?」
あかり「だ、だいたい、破いたのは……(こ、恐いけど……言うべき事は……)」
ちなつ「じ、自分じゃないですか! (しっかり言わなきゃ……)」
男1「なに言ってんのこいつら?」
男2「なんで自分からウェアー破くわけ?」
あかり「そ、そんな……」
ちなつ「くっ……(完全に決め込んでる糞野郎みたいね……!)」
あかり(今のあかりのお財布には……700円くらいしかないし……)
男1(しかしこいつらすげぇ可愛いな)
男1(やべぇ……もっと苛めてぇ……)ウズウズ
男1(なんつーかこう……痛めつけてぇ……)ウズウズ
男1(……よーし)
男1「……」チラッ
男2「!」
男2「……」ニヤッ
あかり・ちなつ「「……」」
男1「……まぁ良いよ。じゃあ、お前らの言い分も1つとして取っておこうじゃん」
あかり・ちなつ「「え……?」」
男2「ただし、俺らはお前とぶつかったせいでウェアーが破けたと思ってる」
ちなつ「なっ……」
男1「だから、どっちが正しいか決めようや」
ちなつ「き、決める……?」
あかり「ど、どうやって……」
男1「正々堂々と……」
男2「テニスでだよ!」
あかり・ちなつ「「……」」
男1「これは家のプライベートコートだ」
あかり・ちなつ「「……」」
男1「試合して、勝った方の意見が正しい」
男2「負けた方の意見が間違い」
男1「俺らが勝ったら30万払って貰う」
男2「お前らが勝ったら土下座でもなんでもする」
男1「それで良いよな?」
ちなつ「で、でも……」
男1「あ?」
男1「……」
あかり「そもそもあかり達は、初心者ですし……!」
男1「……ふぅ」
あかり・ちなつ「「……」」
男1「知らねーよ」ギロッ
あかり・ちなつ「「!」」
男2「もうお前らはコートの中にいるんだぜ? ここまで来て逃げんなよ?」
あかり・ちなつ「「なっ……」」
ちなつ「……」ハーパン スーッ
男1(ちっ……ハーパン持って来てやがったか……)
ちなつ「あかりちゃん、ごめんね」
あかり「ううん。ちなつちゃんはなにも悪くないよぉ」
ちなつ「私が花束なんか持ってたから……」
あかり「それのなにが悪いの? 必要だったんだもん、仕方ないよぉ」ニコッ
ちなつ「……!」
あかり「やれるだけやろうよぉ。ダメだったら、借りるとかして、なんとか半分ずつ払おう」
ちなつ「ご、ごめんね……」
男1「早くしろ! (早く苛めてぇー)」
あかり・ちなつ「「……」」ほっぺ パンパン
あかり・ちなつ「「……」」キリッ
あかり・ちなつ「「……」」
男1「もう、このコートの入り口は全部施錠した」
男2「試合が終わるまで、出る事は出来ないし、誰も入って来られない」
あかり・ちなつ「「……」」
男1「さっそく始めるか」
ちなつ「わ、私達、ラケット持ってません」
男1「もちろん、それは用意してあるさ」スッ
男2「ふふ」
男1「お客さん用の極上のラケットをな!」バサッ
あかり・ちなつ「「!」」
ちなつ(こ、こんなスカスカじゃないわよね……?)
男1「ひひ。ちょっとガットが足りないけど、勘弁な」
ちなつ(あんなに網の間隔が広かったら……下手したら……)
男2「ふふ。これ、間から普通にボールすり抜けちゃうから、よろしく」スッ スッ
あかり・ちなつ「「!」」
男1「しっかり当てろよ?」
男2「あと、ガードに使うにも心許無いからな?」
あかり・ちなつ「「……」」
男1
ちなつ
あかり
男2「サーブ行くぞー」
男1「しゃあ!」
ちなつ(八森高校って言ったらただのボンボン校で、スポーツでは全くの無名校だけど……)
あかり(と、取れるかな……)ガタガタ
ちなつ(言っても男子対女子よ……しかも、こっちが初心者……)
男1「……」ニヤニヤ
男2「よ……っと」トス スッ
あかり(く、来る……!)
パンッ!
あかり「!」
ちなつ(サーブ高っ……!)クルッ
ちなつ「危ない!!」
あかり「っ……!」サッ
後ろにフェンスにカシャーン!
男2「ちっ (意外とすばしっこいな)」
ちなつ「なっ……」
男1「……」ニヤニヤ
あかり「あっ……」ガクガクガクガク
ちなつ「……」ギロッ
ちなつ(サーブ入れる気なんか……始めからないんじゃない……!)
男2(おっけー)アイサイン
男2「……」ポンポン
ちなつ(あかりちゃん、頼むから避ける事だけに専念して……!)
あかり「……」ガタガタ
男2「……」トス スッ
ちなつ(思いっ切りサイドに逃げても良いから……!)
ポフッ
ちなつ「!?」
ちなつ(め、滅茶苦茶緩い……?)
ポーン
あかり(こ、これなら……面に当てて返すくらいは……)スッ
パン
あかり「よし! (当たった!)」
男1「ひひ」バッ
ちなつ「! (う、浮いた球に……前衛が……!)」
男1「おらぁ!」
パンッ!!
ちなつ「あかりちゃん!」
あかり「!」ラケット サッ
バチーン!!
あかり「っ……」
ちなつ「あかりちゃん!!!」
ちなつ「あかりちゃん!! (顔に思いっ切り……!)」ダッ
あかり「だ、大丈夫だよぉ……」
ちなつ「大丈夫じゃないよ! (ほっぺが……真っ赤に……)」
あかり「い、痛いけど……」
ちなつ「……」クルッ
ちなつ「ちょっと!!」ギロッ
男1「!」
ちなつ「なにしてんのよ!!」ギロッ
男1「なにって……」
ちなつ「……」ギロッ
男1「テニスだよ」
ちなつ「はぁ?」
男1「なにがおかしいんだよ?」
ちなつ「こ、こんなのテニスじゃ」
男1「テニスだよ」
ちなつ「!」
男1「相手に当たる事だってあんだよ。もちろん、当てた方の得点で、そのまま試合は継続する」
ちなつ「なっ……」
男1「テニス舐めんなよ?」
ちなつ「っ……」
男1「じゃあ、続けるぞ」スッ
ちなつ「ちょっと待って!」
男1「あぁ? まだなにか…」
ちなつ「じゃあ、あかりちゃんに当てるのはやめて!」
あかり「!」
男1「は、はぁ?」
ちなつ(そもそも私のせいなんだから……!)グスッ
男1「馬鹿か?……相手のプレイを制限出来るルールなんかねぇっての」
ちなつ「わかってるわよ」
男1「わかってんだったらなんで…」
ちなつ「だから、お願いよ」
男1「!」
ちなつ「お願いをしているの」
男1「なるほどな。……んじゃあ、お前は良いのか? 当てても」
ちなつ「あかりちゃんに……当てないのならね」
あかり「ちなつちゃん!」
男1「へぇーそれは大層な心意気で」
ちなつ「……」
男1「でもそれじゃあ、別にイーブンになってねぇよな?」
男1「当たり前じゃねぇか。お前には当てて良いって言っても、それは元々ルール上問題ない事なんだから、譲歩でもなんでもねぇ。だから、これでこっちがお前の言う通りにしたら、こっちが一方的にお前のお願いを聞いてる状態だろ?」
ちなつ「そ、それは……」
男1「だから、お前がもう一人の子にボールを当てて欲しくないって言うなら、こっちからのお願いにも1個応えて貰わねぇとな」
ちなつ「なっ……」
男1「嫌か?」
ちなつ「……そ、それで本当にあかりちゃんに当てないでくれるなら……」
あかり「ちなつちゃん……!」
ちなつ「聞くわよ」キリッ
男1「おぉ。んじゃあ、そうだな~……」
ちなつ「……」
男1「ハーパン脱げよ」
ちなつ「!」
男2「ふふ」ニヤニヤ
ちなつ「……」
あかり「ち、ちなつちゃん、良いよぉ。あかり、当てられちゃっても頑張って耐えるから……!」
ちなつ「……」バッ
ちなつ「そんな事で良いの?」
男1・2「「なっ……」」
ちなつ「お安い御用よ」フフン
あかり「ち、ちなつちゃん!?」
あかり「ちなつちゃん! 良いよぉ!」
ちなつ「……」チラッ
ちなつ「……」ニコッ
あかり「! ち、ちなつちゃん……」
ちなつ「ふぅ」
ちなつ「……」目ギュッ
ちなつ(それくらいで、友達がこれ以上……)カシッ
男1・2「「おぉ……!」」ニヤニヤ
ちなつ(傷つかないで済むなら……)ススッ
男1・2「「おぉ……!」」ニヤニヤ
「ちょっと待ったー!」
結衣「そうだそうだー!」フェンス ガシャガシャ
あかり「きょ、京子ちゃん!」
ちなつ「ゆ、結衣先輩!」
男1「なんだ? こいつら」
京子「変われー! 私達に変われー!」フェンス ガシャガシャ
結衣「テニスなら休み時間に遊びでやってるから得意だぞー!」フェンス ガシャガシャ
結衣「そうだそうだ~!」フェンス ガシャガシャ
男1「良いよ、無視しとけ」
男2「まぁ、全部施錠してあるからどうせ入って来られないからな」
京子・結衣「「くっそ~! 開けろ~!!」」フェンス ガシャガシャ
あかり(きょ、京子ちゃん……)
ちなつ(ゆ、結衣先輩……)
京子・結衣「「……なんていうのは、冗談で」」
あかり・ちなつ「「……?」」
男1・2「「!?」」
京子「お宅のコート、上がガラ空きですぜ」ニヤッ
男1「う、上……?」
バババババババババババババババ
あかり・ちなつ「「!!」」
男1・2「「!! (へ、ヘリコプター!?)」」
バサッ
男1「な、なんか落ちて来たぞ!」
男1・2「「なっ……(ひ、人……だと……!?)」」
跡部「……」フワフワフワフワ
あかり「……!」
跡部「ふっ」ドヤッ フワフワフワフワ
ちなつ(ダ……ダッさ……)
跡部「……」フワフワフワフワ
跡部「……」ストッ
跡部「ふぅ」
あかり「跡部!」
ちなつ「なにやってんのよ……」
男1・2「「!?」」
男1(あ……)
男2(跡部……だと?)
男2(全国区の……)
あかり「跡部!」
跡部「おい、あかり」スッ
あかり「……?」
跡部「なにされたんだよ。ほっぺ真っ赤だぞ」ポンポン
あかり「んっ……」グスッ
ちなつ「あ、あかりちゃん……」
あかり「痛かったよぉ……」グスッ グスッ
跡部「ったく」ポンポン
あかり「……」グスッ グスッ
ちなつ(やっぱり……必死に耐えてたんだ……本当にごめんね……)
あかり「あっ」
跡部「怪我での交代は仕方ねぇだろ?」
ちなつ「で、でも……このラケットなんかおかしいのよ……!」
跡部「あ~ん? 弘法が筆を選ぶかよ」
ちなつ「ほら、スッカスカなの……! だから、跡部がいくらテニス部で上手くても、下手したら……当たらないかも……」
跡部「はっ!」
あかり・ちなつ「「……?」」
跡部「縦横一本ずつしか張ってないような奴もいる世界で俺は戦ってんだぜ? 充分だろ」
ちなつ(そ、そんな奴……)
あかり(い、いるの~……!?)
ちなつ「……」ムスッ
跡部「おいおい、お前が望んだペアの実現だぞ?」ニヤッ
ちなつ「は、はぁ? (なに言ってんのこいつ……)」
男1・2「「……」」そ~
跡部「おいおい」
男1・2「「!」」ギクッ
跡部「もうお互いにコートの中にいるんだぜ? ここまで来て逃げるなよ?」
男1・2「「うっ……」」
跡部「……」クルッ
男1・2「「ひぃ!」」
跡部「テニスしようぜ!」ドドーン
ちなつ(ダッさ……)
京子「あかり、頑張ったな。とりあえず、出られもしないし、私達も中に入れないから、そこのベンチに座ってなね」
あかり「う、うん……」トボトボ ストッ
結衣「お、ここにフェンスの隙間あるぞ」
京子「お、本当だ。手くらいなら入りそうだね。……よーし」ソソソ スッ
あかり「ん」
京子「よーしよし。今はこれくらいしか出来ないけど」ほっぺナデナデ
あかり「あ、ありがとう~」
あかり「……」
あかり「で、でも……跡部、大丈夫かなぁ……」
京子「舐めちゃいけないよ、200人の頂点を。……それに」
あかり「それに?」
京子「ちなつちゃんが脱がされそうになったくだりは、私達が持たされた機械から跡部にも音声が届いてたはずだから……」
あかり「あ、そうなんだ……!」
京子「あぁ見えて、ぶち切れてるだろうからね」
男1
跡部
ちなつ
男2(ど、どうしたら…・・)
男1(と、とりあえずやるしかねぇだろ!)アイサイン
跡部「……」ギロッ
男2「!」
男2(と、とりあえずここは……プッシュサーブで行こう……)
ポフッ
ちなつ「! (緩い……!)」
跡部「とりあえずどんだけ糞球でも良いから、面を合わせて向こうに返せ」
ちなつ(と、とにかく当てれば良いのね)
ポーン
ちなつ「んっ……」スッ
パン
ちなつ「よ、よし! (返せた……!)」
跡部「そしたら邪魔だから後はベンチにでも座ってな!」
ちなつ「なっ」ムカッ
男2(うわぁ……球こっちに来たよ~……どうすれば……)アセアセ
パンッ
跡部「」
男2「ふっ(我ながらナイスショットだぜ)」
跡部(……今の1ショットでわかるな。こいつらはスカスカにしたり王国作ったりする価値もねぇ……)
跡部「……」サッ
男2「!! (速い……!)」
跡部「……」スッ
パンッ!!
男2「!」
男2(こんなに差があるのかよ……!)タッタッタッタッタ
跡部(お? 追いつくか?)
男2「(これで終わったら情けなすぎるだろ……!)……おりゃ!」パンッ
跡部「おぉ。拾ったじゃねぇか」
男2「はぁ……はぁ……(よし、なんとかつないだ……)」
跡部「でもよ」ギロッ
男1・2「「!」」
跡部「球浮かしちゃダメだよな?」
男1・2「「!」」
男2(まずい……このままだと……)
跡部「歯ぁ食いしばれよ、前衛」
男1「!」
男2(まずい……!)
跡部「おらぁ!」
パンッ!!
通りすがりのおやじ「おぉ! 関東大会手塚戦の1ポイント目ばりのドライブボレーや~!」
男1「ぐぉっ……」
男2「だ、大丈夫か!」
跡部「ふっ(ちっ……久し振りにマジになっちまったぜ……)」
男「ぐっ……」
男2「おい! 大丈夫か!」
跡部(でもまぁ、これで……あいつらの気も……)
「そういう事するならやめてよ」
跡部「!」
跡部「あ、あ~ん?」
ちなつ「……」
ちなつ「もう一回言う?」
跡部「ど、どういう事だよ」
ちなつ「人にわざと当てるなら、もう試合しないでって言ってるの」
跡部「なっ…」
ちなつ「私、あかりちゃんが当てられてるの見て、本当に嫌な気持ちになったの」
跡部「……」
ちなつ「だからやめて」
跡部「……」
跡部「……」
ちなつ「そうじゃなかったら、もう試合やめて」
跡部「……」
ちなつ「……」
跡部「お前……」
ちなつ「……な、なによ」
跡部「本当に良い女だな」
ちなつ「……反吐が出るわ」
跡部「ふぅ。……ったく」
ちなつ「……」
跡部「……」首ポキポキ
跡部「ふぅ」
跡部「……もう一回言うぞ」クルッ
跡部「八森高の雑魚共」
男1・2「「……?」」
跡部「格闘じゃなくて……」
跡部「テニスしようぜ!」
ちなつ(まさかこいつ……この台詞かっこいいと思ってるの……?)ジトーッ
男2「はぁ……はぁ……(い、一点も取れない……)」
跡部「ゲームカウント4-0!」
男1・2「「ちょっちょっと待ってくれ!」」
跡部「あ~ん?」
男1「さ、さすがにここまで一方的なら……(さすがにプライドがもう……)」
男2「その、コールドゲームというか……(立ち直れなくなる……)」
跡部「あ~ん? そんなのテニスのルールにねぇだろ?」
男1「ま、まぁ……そうなんだけど……」
跡部「俺たちは今、テニスしてるんだぜ?」
男2「そうだけど……」
跡部「テニス舐めんなよ?」ドヤッ
ちなつ「!」
ちなつ(これはちょっとスカッとしたわ……)
跡部「ふぅー(煽り抜きで準備体操にもならないって事、本当にあるんだな……)」
ちなつ「……(疲れたー……)」
男1・2「「……」」
跡部「本当はいくらなんだよ?」
男1「い、いくら?」
跡部「そのウェアーだよ」ゴソゴソ
男1「え、あ……10万だけど……」
跡部「やっす! ……ほらよ」札束ポンッ
男1「なっ……」
跡部「金やる代わりに、今すぐここから消えろ」
男2「え?」
跡部「大事な儀式が始まるからな」
京子「やっと入れるようになったよ~」トコトコ
結衣(二人組はどっか行っちゃったけど、あいつらのコートじゃないのかぁ?)トコトコ
あかり「京子ちゃん、結衣ちゃん~」ダキッ
京子「おーよしよし」ナデナデ
結衣「恐かったな」ナデナデ
京子「……」チラッ
結衣「……」チラッ
跡部「……」
ちなつ「……」
京子・結衣(あの二人、コートの真ん中から動こうとしない……)
結衣(なんだあの雰囲気……)
跡部「ちょっとこっち向けよ」
ちなつ「……」
跡部「こっち向けって!」
あかり・京子・結衣「「!」」
跡部「言いたい事があんだよ」
ちなつ「……」
跡部「聞いてくれよ」
あかり・京子・結衣(こ……こ……これは……)ドキドキドキドキ
ちなつ「ちょ、ちょっと待って!」
跡部「あ、あ~ん?」
ちなつ「……」ダッ
あかり・京子・結衣「「!?」」
京子(ちなつちゃん……)
結衣(自分の荷物の置いてあるベンチに……?)
ちなつ「……」カシッ
あかり(あ! 花束……!)
ちなつ「……」ダッ
あかり(そのまま花束を持って……跡部の所に戻ってく……)
ちなつ「先に言わせてよ!」
跡部「!」
ちなつ「私、跡部が言いたい事はもうわかるから!」
跡部「なっ」カァッ
あかり・京子・結衣(おぉ……! まさかまさかのちなつちゃんから……!?)
跡部「いや、そういうのは男から言うもんで」アセアセ
ちなつ「……」スーーーッ
跡部「や、やっぱりここは、俺様から…」アセアセ
ちなつ「ご……」
ちなつ「ごめんなさい!!」
跡部「」
あかり・京子・結衣「「」」
ちなつ「これは、御断りのお詫びよ」花束スッ
跡部「……」
ちなつ「綺麗でしょ。私の大好きな……」
跡部「……」
ちなつ「百合の花よ」
跡部「ま、まさか……この俺様が……」
ちなつ「なによ?」
跡部「恋愛っつう……ここ一番の試合に……負けたっていうのか……?」
ちなつ「ううん。負けてないよ?」
ちなつ「うん。始めから、勝負になってないもの」
跡部「ど、どういう……」
ちなつ「競技自体が違ったのよ」
跡部「きょ、競技自体?」
ちなつ「私ね」スッ
跡部「!」
ちなつ「……」ゴニョゴニョ
跡部「」
あかり・京子・結衣(え? え? え? 一体どうなったの?)
ちなつ「早く帰りましょうよ!」荷物サッ
京子「え、あ、跡部は……? (どうなったのー?)」
ちなつ「しばらく一人にしてあげた方が良いんじゃないですか?」
結衣「そ、そうなの……? (やっぱり、振ったって事……?)」
あかり「ど、どういう事~!?」
ちなつ「良いから、良いからー」グイグイ
キー カシャン
あかり・京子・結衣(お、追いてっちゃって良いの~!?)
跡部「……」ポケーッ
跡部「……」ポケーッ
跡部「……はっ」パチッ
跡部「……」
跡部「……ふぅ」
跡部「……」クルッ
跡部「なるほど、lesbianじゃねぇの」
やりそうで怖い
跡部「おらぁ!」
パンッ!!
真田「ぐっ……」
審判「ゲームセット! ウォンバイ跡部! ゲームカウント6-2!」
真田「な、なぜだ……いつからこんなに強く……」
跡部「あ~ん? もう俺は負けたくねぇんだよ!」
真田「なっ……(気持ちの問題……!?)」
跡部「おら! 次、幸村出てこいや!」
審判「早くコートから退場しなさい」
部員「ある日突然……変わったよね……」
部員「テニスは滅茶苦茶強くなったけど……」
跡部「もう俺は、負けねぇんだよ!」ウルッ
部員「でも……勝ってもなぜかあまり嬉しそうじゃないよね……」
跡部(ちなつー!!)
終
乙
乙
Entry ⇒ 2012.08.26 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ハリー「もてたいんだ」ロン「……その喧嘩、1シックルで足りるかい?」
ロン「君は英雄だろ?そんな悩み、マーリンの髭さ」
ハリー「どうでもいいってことかい?君はそういうけど、僕、この城に来てから一度だってもてたことなんかないよ」
ロン「何を言ってるのさ。いるじゃないか、君にゾッコンで追っかけレベルな娘」
ハリー「えっ。誰だいそれ、気づかなかった。この寮の……」
ロン「マートル、嘆きのマートルさ」
ハリー「その喧嘩、1ガリオンで足りるかい?」
ロン「そんなにもらったら僕は無抵抗で君に殴られるよ、もちのロンでね」
JKローリングなだけに
ロン「それこそ本当に僕に喧嘩を売ってませんか、だ。1シックルが僕の何ヶ月分のお小遣いだと思っているのさ」
ハリー「ワールドカップの時の金貨でも使えばいいんじゃないのかな」
ロン「またそれかい、悪かったってばいつか返すよあの時の金貨は」
ハリー「ところで僕の県下がシックルなら、ハーマイオニーは?」
ロン「十回で1クヌートかな。毎度1シックル払ってたら、僕ん家の庭はクラップさえ何も食べるものがなくなっちゃうさ」
ハリー・ロン「「HAHAHA!」」
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ロン「あぁ、まだ続けるのか……」
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ロン「なんだい?他に狙っている女の子でもいるのかい?協力するよ相棒」
ハリー「さっきまで渋っていたのにこの乗り気だよ……そういうことじゃないんだったら」
ロン「何だよ……君は女の子のこととなると、まるでいつもの勇敢さがないな。去年のダンパティの時もそうだったけど」
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ロン「あぁ、騎士団本部で夏休みにね」
ハリー「うん。なんだかスナッフルたちは、結構なもてもて学生生活をしていたらしくて」
ロン「誰かブラッジャーブチ当てればよかったのにな」
ハリー「そこで僻むんじゃなくってさ、ロン。僕達も一度でいいからそうなりたい、そう思わないかい?」
ロン「……君がそういうことを言うのは珍しいね、ハリー」
ハリー「前にイメチェンを目指した時に、変わってどうなりたいのかって考えたんだ」
ロン「君は偶に真面目だね」
ハリー「……そうだね」
ロン「というか、正直な話。僕は何度も言ってるけど、君は英雄じゃないか」
ハリー「? それが?」
ロン「だから、君が声さえかければなびく女の子はこの城に結構いる、ってことだよちくしょうマーリンの髭!」
ハリー「と、突然怒鳴らないでくれよ……ホグワーツの女の子って、そんなに単純かなぁ?」
ロン「あぁ、単純でミーハーな女子ばっかりだと僕は思うね」
ハリー「……そんな風だから」
ロン「なんだい?ちょっと待ってくれ、小遣いの入った巾着袋持ってくるから」
ハリー「なんでもないさ、座ってくれよ」
ロン「ほら、思い出しただろう?君をダンスパーティに誘った女の子が、何人かいたじゃないか」
ハリー「……話したこともない下級生の子と、僕より何十センチも背が高い人、だったね」
ロン「あれはかなりの、っく、上玉だったじゃないか……今でもあの人とハリーがダンパティしてるのを想像すると、感動で涙が」
ハリー「口元覆って肩震わせてるのは何も感動だけじゃないと僕は思うね。笑いすぎだろう、何だい自分が背が高いからって。君があの人と行けばよかったじゃないか」
ロン「勘弁してくれよ。あんなトロールと行くならまだミリセント・ブルストロードの方がレタス食い虫一匹分マシさ」
ハリー「君、ほんと彼女になんの恨みがあるんだい」
ハリー「君、割と語彙が無いよね。トロールがさっきの人と被ってるじゃないか」
ロン「それだけ悪態としてトロールが優秀なのさ。そう考えるとスリザリンの大半はトロールだよな」
ハリー「でかくてうすのろで」
ロン「おまけに臭い」
ハリー・ロン「「HAHAHA!」」
ハリー「背丈だけは見習いたいな」
ロン「君があんな図体になったら、押入れから出られなくなるんじゃないかい?」
ハリー「四年ほど前に卒業してるよ、ありがたいことにね」
ハリー「だから、別に誰かに、ってわけでもないんだけど……」
ロン「じゃぁこう考えようじゃないか。今から、またあのダンパティが開催されるとするよ?」
ハリー「なんだいその悪夢……あとダンパティはやめろよ」
ロン「さぁ、君は今すぐパートナーを見つけなくちゃいけない。みんなの前で一人でダンスは無様じゃないか?」
ハリー「僕はまた否応なしに代表なんだね、分かっていたけど」
ロン「それともなんだい?マートルでも相手にするのか?文字通りの意味でシャドーダンスと決め込むかい?」
ハリー「上手くないよ、ロン」
ロン「あぁ、語彙が無いからね僕は。そういうのはハーマイオニーの担当さ」
ハリー「ハーマイオニーはそもそもそんな冗談言わないよ……」
ハリー「君、彼女にも割りと酷いこと言ってるよね……うーん」
ロン「ほら、そうなるとおのずと、誘いたい相手っていうのが出てくるだろう?」
ハリー「まぁ、それはそうだけど」
ロン「その子にもてたいんだよ、君は。そうに違いないさ」
ハリー「言い切ったね……もちろん、チョウが気にならないって言ったら嘘になるよ?」
ロン「じゃあ決まりさ。『君と、ダンパティたい……!』って言いに行こうよ」
ハリー「ロン、十ガリオン払うからぶん殴っていいかな」
ロン「……ごめん」
ハリー「……今、謝るかガリオン貰うか迷っただろう」
ロン「なんだよ、煮え切らないな。用はチョウに告白しっちまえばいいんだろう、君の話は」
ハリー「いや、それだと……モテるっていうのとなんだか違う気がするんだ」
ロン「……スナッフルに憧れるのはいいけどね、ハリー。君の言ってること、割と大概だよ」
ハリー「煽っておいてなんだい急に」
ロン「誰かと、ならそりゃ後押しするけどさ。そんなロックハートを目指すようなのは、アーニーあたりとでも話してくれよ」
ハリー「親友の君だから話せるんじゃないか」
ロン「……まぁね!」
ハリー「ロン、僕はたまに君がちょろ過ぎて不安になるよ」
ロン「うーん。僕らってそういう話題とはとんと程遠いかったからなぁ。あ、君は別で」
ハリー「『僕ら』って言っておいてなにさ……」
ロン「やっぱり、頭が良いのはもてるんじゃないか?」
ハリー「と、言うと?」
ロン「あぁ。今はほら、クソッタレの魔法省にいるパースだけど。あんな堅物でも、ガールフレンドはいたわけだし」
ハリー「なるほどね……監督生、とかってことかい?」
ロン「うん。あと、やっぱりスポーツが出来る奴って、もてるよな」
ハリー「あー、そうだね。セドリックも……やめよう」
ロン「そういやあいつも監督生だったな……あぁ、よそう。あとは、そうだな。ノリがいい、とか」
ハリー「ノリ?」
ロン「フレッドとジョージみたいな奴らのことさ。あのダンパt……ダンスパーティーの時の鮮やかな誘い方、覚えてるだろう?」
ロン「アンジェリーナのまんざらでもない顔ったらなかったよな。それに連中はクィディッチチームスタメンで、スポーツも出来る」
ハリー「成績も、悪くはないんだろう?」
ロン「完璧・パーフェクト・パーシーと比べられてママには何か言われてたけど、あぁ。悪くない」
ハリー「背も高いね。そうだ、背の高さももてるのには……?」
ロン「女の子は気にするって言うよな、君もだけど」
ハリー「ほっといてくれ。君が高すぎるんだ」
ロン「ハハハ、まぁね……………あれ?」
ハリー「うん?」
ロン「……ハリー。僕って……監督生だよな?」
ハリー「今更なんだい?夏休みにそれが夢じゃないのかってうわごとは散々頬をつねってやったはずだけど」
ハリー「あぁ、君の実力でね。そうさ、もちのロンで君の実力で勝ち取ったのさキーパーを!何のことさ!」
ロン「何でそんな必死なのさ……それで、僕は……背が高い」
ハリー「あぁ、うん。そうだね。いつか追いついてやりたいけど」
ロン「……」
ハリー「……?」
ロン「……なんで僕、もてないんだろう」
ハリー「…………あぁー」
ハリー「あー、ロン。あのさ」
ロン「僕の内面とか何かにこうダンブルドアがこう、あれしてくれたんだろうけど、さぁ」
ハリー「そんなに気にすることは、ほら」
ロン「背だってずっとずっと学年で一番だし……」
ハリー「あー……」
ロン「そりゃぁまだ試合でいいところは見せてない、けどさぁ……」
ハリー「大丈夫さ、ロン。来年になれば、うん。君にもその、べったりでおべんちゃらな彼女が出来るはずだよ」
ロン「なんだよそれ……」
ロン「本当かい?」
ハリー「うん。だからそんなに気を落とすなよ。リーマスも、スナッフル達といながら女生徒とはあまり関わらなかったって言ってたじゃないか」
ロン「それはリーマスが、自分の体質を気にしてのことだろう……どうせもてもてだったのさ、彼も」
ハリー「あー……否定はしづらいけど」
ロン「……そばかすかなぁ」
ハリー「あ、アンみたいで、いいじゃないか」
ロン「ハリー、悪いけどその褒め言葉?は、今までマグル生まれの奴らに1万回言われてる」
ハリー「なんだい?」
ロン「僕も君のモテモテ作戦にのっかるよ、ハリー」
ハリー「ここに来てそっちに乗り気なんだね、ありがたいけど」
ロン「やっぱり学生生活にそういう潤いがないのは、ダメだよな。ビルもそう言ってた」
ハリー「あぁ、ビル。かっこよくてクールでホグワーツ首席卒で高給取りの」
ロン「奴さん、休暇中は午前中のほとんどを女の子達からの手紙を読むのと返事書くのに費やしてたからな」
ハリー「そこまでもてるのも考えものだね」
ロン「僕は羨ましいな、あぁ」
ハリー「エロールとピッグウィジョンが過労で倒れるよ、特にエロールは」
ロン「爺さんも本望だろうさ」
ハリー「やりきれないよ」
ハリー「ビルの場合は外見も相当だろうけどね」
ロン「あぁ、君が珍しく見た目を褒めまくってたもんな……珍しくね」
ハリー「なんで不機嫌になるのか分からないよ。えっとそれじゃ、今から猛勉強でもして首席を目指すかい?」
ロン「……パスで」
ハリー「だよね」
ハリー「今でも十分愛されてるじゃないか」
ロン「それはいいんだよ。そもそもさ、この理論はおかしいよ。今気づいたけど」
ハリー「どうしてさ」
ロン「だって、そうすると。ハハハッ。ハーマイオニーがモテモテじゃなきゃ、おかしいじゃないか」
ハリー「……」
ロン「HAHAHA!……あれ?ハリー?」
ハリー「そういえば、ロンにはその問題があったかぁ」
ロン「?」
ロン「なんだい?」
ハリー「もしも今から、ダンスパーティーが開かれるとするだろう?」
ロン「僕は不参加だね今年こそ。あんなダンスローブは二度とゴメンだ」
ハリー「もしも、って言ってるじゃないか。君は僕に散々想像力が無いとか言っておいて……」
ロン「分かった分かった。それで?マダム・ロスメルタが給仕を引き受けてくれるなんて夢のようなパーティがなんだい?」
ハリー「そこまで飛躍しろとは言っていないよ」
ロン「監督生の仕事が増えそうでやれやれだね」
ハリー「じゃあその時だけ君を解任するようダンブルドアに頼むから」
ロン「やったね。それじゃ僕は心置きなく料理を……」
ハリー「ロン、ダ、ン、ス、パーティだ。いいかい?」
ハリー「君は、もちろんハーマイオニーをパートナーに誘うよね?」
ロン「……な、なにを的外れなことを言ってるんだ、ハリー!?ぼ、僕がハーマイオニーを誘う!?はは、ははっ!バカらしいね、マーリンのあれさ!!」
ハリー「……分かりやすいなぁ」
ハリー「ロン、僕が言えた義理じゃないかもしれないけど……いや、僕が言うべきことなのかな。みんなの代わりに」
ロン「話が見えないね、ハリー!なんなのさ、一体……」
ハリー「みんなが知ってる、でも君だけ知らない、君がハーマイオニーをどう思ってるのか、ってことさ」
ロン「ど、どうって……友達だ!そうだろう!?」
ハリー「僕はそうだけど……」
ロン「は、って何さ!は、って!」
ハリー「そのまんまの意味だよ……正直に言いなよ、ロン?どう思ってるんだい?」
ハリー「君ね、去年あれだけ色々ごねておいてそりゃないよ」
ロン「ご、ごねるって何さ……じゃ、じゃぁ!じゃあ仮に……あー、仮にだぞ!?」
ハリー「うん」
ロン「ぼ、僕がハーマイオニーのことを、こう、なんだかその君が思うおかしな風に思っていたとして!」
ハリー「あぁ」
ロン「どうしろっていうのさ!」
ハリー「告れよ」
ロン「!?!?」
ハリー「いやもうね、僕最近疲れたんだよ、君たちの痴話喧嘩に付き合うの。思春期だし」
ロン「ち、痴話って言うなよ!!!」
ハリー「もう早めにひっついて欲しいのさ」
ロン「おかしな話をするなよ!想像力豊かだな君は!羨ましいね!」
ハリー「君ほどじゃないけど」
ロン「じゃぁ、もう君の想像、いや妄想に付き合ってやるよ。うん……で、僕がどうすればいいって?はぁ」
ハリー「……遠まわしに相談してないかい」
ロン「もちのロン、違うさ」
ハリー「言いたいだけだよね今の」
ロン「僕はいつだって自分のしたいようにしてるよ」
ハリー「そう。それじゃそのノリで、ほら」
ロン「……の、ノリって何さ、そんな大事なことを!!」
ハリー「大事って言ってるしさ……えぇっと、例えばさぁ」
ハリー『やぁ、ハーマイオニー』
ハーマイオニー『あら、ハリー』
ハリー『僕、君のこと好きだよ』
ハーマイオニー『あら、ありがとう。私もよ?』
ハリー『ハハハ』
ハーマイオニー『フフフッ』
ハリー「ほら簡単」
ロン「恋愛に関してねんねちゃんな君に相談した僕がバカだったよ!!!」
ハリー「失礼な……相談って言ってるし」
ハリー「僕の方こそ、君がどうしたいのかさっぱりだよ」
ロン「君の妄想に付き合ってやっただけだよ!!」
ハリー「……妄想妄想、って言うけどね」
ロン「なんだい」
ハリー「さっきの、実はこの間の僕とハーマイオニーの、簡単な会話の一例だったんだけど」
ロン「」
ハリー「……」
ロン「」
ハリー「……冗談だよ?」
ロン「……笑えないこと言うなよ!!!!!」
ハリー「どこまでも分かりやすいね君……」
ロン「な、なにを……」
ハリー「ロン、僕はね。君とハーマイオニーが親密になることはいやじゃない、むしろ歓迎なのさ」
ロン「……」
ハリー「そうすれば、ほら。僕が心おきなく、モテるために頑張れるだろ?」
ロン「そっちかい」
ハリー「このぐらい言わないと君は堪えないと思って」
ハリー「うん?モテたいってこと?最初から言っているじゃないか」
ロン「そっちじゃなくて。僕と、ハーマイオニーが……って奴」
ハリー「もちの君で」
ロン「……」
ハリー「……ハーマイオニーなら、図書館だよ。さっき誘われたけど、僕は君と話すことがあったから断ったんだ」
ロン「……とんでもなくくだらないことだったけどね」
ハリー「うん、『あ、そう!ロンと仲良くどうぞ!!』ってプリプリ怒ってたよ。話しかけるときは慎重にね」
ロン「だ、誰も会いに行くなんて言っていないだろ!……ちょっと、トイレに行って来る!」ガタッ
ハリー「マートルによろしく」
ロン「あぁ、君が会いたがってたって言っておくよ」
ハリー「勘弁してよ」
ハリー「あはは、ロンの鈍さもハーマイオニーの言う通りだよ。モテたい、なんて話を、僕がするわけないじゃないか」
ハリー「……チョウ、かぁ。チョウは確かに素敵だけどさ……彼女はセドリックの……ダメだよ、うん」
ハリー「……僕もちょっと、外に出ようかな」
ハリー「そうだ。シリウスに手紙でも出そう……『モテモテになる秘訣って、何かな』っと」カキカキカキ
ハリー「……よし」
バタンッ、キィィーーーーーーッ
ルーナ「あ、ハリー。こんにちわ」
ハリー「……ルーナ?」
ルーナ「あたしがあげたカブ、首からかけてくれてるんだね。似合ってるけど、イヤリングの方が効果が大きいもン!」
ハリー「あぁ、うん。流石に男の僕がイヤリングは目立つからさ」
ルーナ「それもあるけど。あのハーマイオニーって子が、不機嫌だったから」
ハリー「?から?」
ルーナ「あの子が不機嫌であたしに返事するときは、大抵あんたと何かあったときだもン」
ハリー「……よく見てるよね、君は」
ルーナ「計り知れぬ英知こそ、レイブンクローの宝なり~♪」
ハリー「はははっ。ちょっと今からフクロウ小屋に行くんだけど、付き合うかい?」
ルーナ「うん。あんたのフクロウ可愛いもんね」
ハリー「ありがとう……ルーナ」
ルーナ「なに?」
ハリー「僕、君のこと割と好きだよ」
ルーナ「あたしも。友達だもンね!」
ハリー「あぁ、ははっ。友達さ」
ルーナ「カブ、もいっこいる?」
ハリー「遠慮するよ」
ハーマイオニー「なによ、ハリーったら。そんなにロンとお話したいんですかそうですか」
ハーマイオニー「男の子って!もう!」
ハーマイオニー「折角いい機会だから、ハリーを私と同じ優等生路線にと思ったのに!」
ハーマイオニー「あぁ……でも前のあの勉強ぶりを見るとハリーには少し荷が重いかしら」
ハーマイオニー「いいえ、でも得意なとこから伸ばして、勉強の楽しさを知ってくれれば……それで、ロンも刺激されて」
ハーマイオニー「……そういえば、ロンの最近の練習ぶりも聞きたかったのよね」
ハーマイオニー「いいとこなしだ、ってへこんでいたし……」
ハーマイオニー「まったく、選手に選ばれるだけ凄いのに。それに、飛んでるロンは……」
ガタガタッ
ハーマイオニー「? あら、ハリー?来てくれたの?」
ロン「……僕で悪かったね、だ」
ハーマイオニー「あなたを誘ってもカエルチョコが忙しいって言うと思ったから、よ」
ロン「……まぁ、ある意味ね。人生の」
ハーマイオニー「……?珍しく深いもの言いだわね」
ロン「君のいつもおっしゃってるほどじゃないけどね」
ハーマイオニー「茶化すなら勉強に戻っていいかしら?あなたもそうしたら?」
ロン「うん……いや、違うんだ。僕、君に話があって」
ハーマイオニー「?」
ハーマイオニー「な、なに、ロン?」
ロン「……僕」
ハーマイオニー「……」
ロン「き、君と、ぼく、ダンパティいたい?」
ハーマイオニー「……?」
ロン「」
ハーマイオニー「え?ロン、なぁに今の、ふふっ。なんだかおかしな……」
ロン「ハリーのせいだ」
ハーマイオニー「よく分からないけれど、あなたのメンタルの問題だと思うわ」
ハーマイオニー「ねぇ、ロン。何を言いたかったのか分からないけれど、そんな机につっぷしていないで。もう一度はっきり言えばいいじゃない」
ロン「無理だよ、無理さ。もうあと二年は無理だね、あぁ」
ハーマイオニー「さっぱりだわ。もう、それならほら。あなたも一緒に勉強しましょうよ。道具は?」
ロン「テスト前でも課題があるわけでもないのにそんなものを持って歩くほど、僕は頭が沸いてないよ」
ハーマイオニー「その喧嘩、1クヌートで買ってあげてもいいのよ?」
ロン「もういいよそれは……それより、さ。何か君の、その……お勧めの本、教えてくれよ」
ロン「何さ。僕だってたまには、そういう気分の時もあるよ」
ハーマイオニー「あら、そう。ふふっ。それがいつまでも続くといいのだけど」
ロン「……君の趣味を少しでも分かってやりたい、っていうのは変わらないと思うけどさ」
ハーマイオニー「?なに?もう、さっきから。今日のロンは煮え切らないわね」
ロン「なんでもないよ、それよりほら、面白くって楽しくって笑えっちまうようなのを頼むよ、ハーマイオニー」
ハーマイオニー「はいはい……っふふ。少しは気を使えるようになったのね、ロン」
ロン「なんだよ」
ハーマイオニー「なんでもないわ。もちのあなたで、ね」
完
シリウス「……リーマス、二角獣の角の粉末は、今の相場でどのくらいの値段がするだろう。あとはそれと、私の髪の毛だけなんだが」
リーマス「シリウス、ポリジュース薬がホグワーツのあのババアの検問を通るはずないし、ハリーを目下を持って犯罪者の君の姿にしてどうしたいんだと言いたいし、自分の姿になればモテモテってどれだけナルシストだい。餌は抜きだね」
今度こそ、完
もちのロンでな!
ラドクリフお大事に!
じゃあの!
ハリー・ポッター シリーズ
一巻~七巻まで
世界的大ヒット発売中!
2014年後半 USJにて
ハリポタアトラクション建設決定!!
面白かったわ
いつもの通りシリウスが酷いwwww
Entry ⇒ 2012.08.23 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
苗木「舞園さんが……死んだ……?」舞園「ええ!?本当ですか!?」
十神「間違いなく死んだ。これ以上確認するまでもない」
舞園「本当ですか?私死んじゃったんですか……?」
十神「だからそうだと言っているだろう。これだから負け犬は物わかりが悪いな」
朝日奈「ちょっと!今の言い方ってないんじゃない!?」
霧切「おちつきなさ……え?」
舞園「そうですよ!いくらなんでもひどすぎます!訂正してください!」
十神「フン。負け犬を負け犬と言って何が悪い。さっさと捜査を始めるぞ。
俺はお前らとのくだらんお話に付き合っている暇はないんでな」
スタ、スタ、スタ……
霧切「……(あれ?今舞園さんいなかった?気のせい?)」
大和田「んのヤロォ……いつかぶち殺す!」
石丸「それは極端だが、確かに彼の態度はよくないな!」
舞園「まったくです。いつになったらみんなと打ち解けてくれるんでしょうか」
桑田「そうだといいんだけどよぉ」
霧切「ん?あれ?」
苗木「どうしたの霧切さん」
霧切「……いえ、その」
葉隠「なんだべ、珍しく歯切れが悪いなぁ、変なもんでも食べたか?」
霧切「……今、舞園さんがいなかった?」
一同「……」
霧切「き、気のせいだと思うわ。ごめんなさい。そうよね。いるわけないわよね……」
苗木「……」ズーン
朝日奈「……霧切さん、気持はわかるけどさ」
舞園「そうですよ。私は死んじゃったんですから……いるわけないじゃないですか」
霧切「おったああああああああ!!!」
腐川「ひぃっ!?」
苗木「き、霧切さん!?」
石丸「いい加減にしないかっ!!」
セレス「……舞園さんが死亡したのは紛れもない事実ですわ。それを何故いまさら否定するので?」
霧切「いやその、今、そこにいるっていうか……。ゆ、幽霊かな?」
葉隠「そんな非科学的なもん存在しねーべ」
山田「キミが言うの!?」
江ノ島「だから言ってんじゃん……舞園はもう死んじゃったんだよ……ねー。舞園」
舞園「はい……」
霧切「会話してるぅぅぅ!?いやいやいや!なんで!?なんで!?」
石丸「会話をすることの何がおかしいんだっ!!」
霧切「いや、だから舞園さんと会話……」
セレス「だから、舞園さんはもう死んだと言っているでしょう?それよりも今は、学級裁判のことですわ」
大神「取り乱すのはわかる……されど、今は落ち着け」
霧切「え、えぇ……」
霧切「(落ち着いて冷静になったはずなのに)」
舞園「……」ドキドキ
霧切「(なんでおるん!?)」
モノクマ「……おやおやぁ?ボクへの暴力は校則違反だよ?」
江ノ島「それがどしたってのよ!」
ムギュ
モノクマ「……出でよ!!グングニル!!悪なるものを貫き!全ての希望を絶望へと!!」
ギュォッ!
ズガガガガガガッ!!!
江ノ島「……何よ、これ」
霧切「(ってはうあーー!!ボーっとしてたらえのしまさん殺されとるー!!!)」
ドシャッ……
苗木「……うあ……あ……」
石丸「……そんな」
桑田「……お、おい、冗談だろ?」
葉隠「……あ、ありえねぇよ!」
江ノ島「……マ、マジありえないんだけど!!」
霧切「みんなおちつ……えっ!?」
セレス「どうか?」
苗木「……霧切さんも、今ので動揺してるんだよ、セレスさん」
セレス「なるほど……もう少し冷静な方かと存じておりましたが」
霧切「いや、違うの、今江ノ島さんが!」
大神「それは全員が目の当たりにした……」
霧切「違う!違うって!普通に喋ってたって!」
十神「……お前は何を言っている?今のはどう見ても即死だろうが」 ザッ
苗木「十神君!」
モノクマ「ということで!気を取り直して!これから一定時間後に学級裁判をはじめまーす!」
石丸「……犯人を見つけろ、ということか」
苗木「……(舞園さんを殺した犯人)」
苗木「……許せない、僕が絶対に!」
舞園「その意気ですよ苗木くん、さぁ、とりあえず現場検証にいきましょう」
大和田「俺たちは先に現場の見張りに行ってるぜ」
苗木「うん!」
霧切「……あっれー」
舞園「どうやらここで取っ組み合いでもしたのでしょうか?とにかく、激しい戦いがあったんじゃないでしょうか」
苗木「なるほど、でもそれじゃあ隣の人に気付かれるんじゃ?」
大神「それはないな」
舞園「どうしてですか?」
大神「この部屋は完全防音だ。一度確かめたが……どれだけ大きな物音がしても聞こえることはない」
苗木「……なるほど」
舞園「殺人をするのにうってつけ、ってことですね……」
霧切「……(出番まだかな)」
霧切「(ものすごく答えたいけど、ていうか舞園さんに全部聞きたいけど、ここは無視……)」
舞園「コンタクトレンズでも探してるんじゃないでしょうか」
苗木「そっかぁ、じゃあ邪魔しないでおこうか」
霧切「(えっ)」
舞園「あ、苗木くん!これ見てください!」
苗木「なに?」
舞園「ドアノブが外れかかっています!」
苗木「ドアノブが……!?なんで」
霧切「それは」
舞園「おそらく、犯人に襲われた私がシャワールームに逃げ込み、その後犯人がシャワールームに入ろうとしたら」
苗木「そうか!建てつけが悪くて……鍵がかかってると思い込んだんだね!」
舞園「そのはずです。だから犯人はドアノブを怖そうとしたら、何故かドアが開き」
苗木「たてつけが悪いだけだもんね」
霧切「……(帰ろうかな)」
舞園「何がですか?」
苗木「僕の部屋の工具セットは使われた形跡がないんだよ。
普通犯人がここでシャワールームにいる舞園さんを追い詰めたいなら、わざわざ自分のものを使わなくても、僕のを使えばいいだけじゃないかな」
舞園「確かに」
江ノ島「ねーねー苗木」
苗木「どうしたの江ノ島さん?」
江ノ島「確か、犯行現場は苗木の部屋だったよね?何でネームプレートが舞園なの?アンタの趣味?」
苗木「えっ……?」
苗木「もしかして、ネームプレートが変わってる?」
江ノ島「見りゃわかるじゃん
舞園「ということは……おそらく犯人は、犯人を私の部屋だと思い込んでたんじゃないでしょうか?」
苗木「確かに……ネームプレートが舞園さんで、シャワールームが開かなければ、『女子の部屋だから鍵がかけられる』と思い込む!」
舞園「やりましたね、すこしずつ解明に近づいてきましたよ!」
苗木「うん、じゃあ次は……」
霧切「(テトリスたのしい)」
舞園「苗木くん」
苗木「……舞園さん」
舞園「見たくない気持ちはわかります、でも……手がかりがきっと残されています。
犯人を見つけるためには、避けては通れません」
苗木「……そう、だよね。」
苗木「……行くよ」
舞園「それでこそ苗木くんです」
苗木「ありがとう前園さん」
苗木「(犯人は……必ず僕が見つける!!)」
霧切「(……いや、そこの本人に聞いたらあかんの?)」
苗木「……うっ!」
苗木「(むせ返るような血の臭い……ここで、本当に)」
舞園「うわぁ……何度見ても酷いですね……。あれ?」
苗木「どうしたの?舞園さん」
舞園「……ここ、何か変じゃありません?」
苗木「……手?別にどこも、あっ」
苗木「金粉……?いや、部屋の模造刀の、金箔?」
舞園「みたいですね。左手には血が……」
苗木「あっ、体の後ろに文字が……?」
舞園「……11037?これじゃなんのことかわかりませんね」
苗木「数字に詳しいと言えば、あの人だな」
霧切「(言っちゃダメな縛りでもかけてるのかな。あー逆転裁判おもろ)」
苗木「いや、わからないなら仕方ないよ」
不二咲「役に立てなくて……ごめんね」
舞園「気にすることありませんよ。誰にだってわからないことくらいあります」
――――
苗木「それにしても、不二咲さんにもわからない数字って……」
舞園「もしかしたら、数字じゃないのかもしれませんね」
苗木「え?」
舞園「だって、か……彼女は『超高校級のプログラマー』ですよね。数字に関しては、誰よりも詳しいはずですよ」
苗木「そんな彼女がわからないということは……数字ですらないってこと?」
舞園「憶測にすぎないんですけど……」
苗木「(いや、十分すごいよ……探偵じゃないんだから)」
舞園「いえいえ、だって私、苗木くんの助手ですから」
苗木「心を読まれた!?」
舞園「エスパーですから」
苗木「たまに本当に焦るよ」
舞園「とにかく、今はダイイングメッセージのことはおいておきましょう」
苗木「確かに、他にも確かめたいことがあるしね」
―――トラッシュルーム
ガチャガチャ
苗木「ダメだ……シャッターが下りてて……ん?」
舞園「やけに、ごちゃごちゃしてるんですね」
苗木「だね……ガラスの破片に、何かの燃えカス?」
モノクマ「掃除当番以外は入れないよ!!!」
苗木「わかったよ、その掃除当番ってのを探せばいいんだろ!?」
霧切「(出番来た!!!これでかつる!!)」
霧切「……何?」
苗木「掃除当番ってのを探してるんだけど……」
霧切「……掃除当番?少なくとも私ではないけど」
苗木「そっか、ありがと」
舞園「次行きましょうか」
苗木「そだね」
霧切「えっ」
スタスタスタスタ……
霧切「……もうりょっとRe:アクションしてくれてもいいのに」
苗木「え、じゃあトラッシュルームのシャッターをあけてくれたりってできる?」
山田「ええ~どうしよっかなぁ……」
舞園「お願いします」
山田「さぁ行きましょうか!!!」
葉隠「二次元限定って設定はどこ行ったんだべ?」
――――トラッシュルーム
山田「開けゴマ!!しお!!」
苗木「塩って必要?」
舞園「それ以前にその呪文は必要なんですか?」
山田「いやぁ……なんというかノリの一種でして」
苗木「なるほどね……ん?これなんだろ?」
山田「火鼠の衣……いや、シャツの一部ですかな?」
舞園「このシャツ……血がついてます!」
苗木「……じゃあ、これって!」
舞園「それより山田君」
山田「今夜が山田!どうなされました」
舞園「火って、常につけっぱなしにしておくんですか?」
山田「え?」
ゴオォォォ
山田「ドッヒャアアアアアアアー!つけっぱになっておる!!」
苗木「え!?これ山田くんじゃなかったの!?」
山田「当たり前ですぞ!我はちゃぁんと、火を消した以外ありえないwwww」
舞園「ということは……」
苗木「火をつけたのは、山田くんじゃない……?」
山田「それと、こんなガラスも拙者はみておらんでござるしなぁ……」
苗木「山田君口調がブレすぎだと思うんだけど」
山田「色々な掲示板の影響受けてるんで(震え声)」
苗木「ああ、そう……」
山田「しかしー、焼却炉まではシャッターを通して10m程度も離れておりますぞよ。どうやってスイッチを?」
舞園「このガラス……もしかして、『ガラス玉』だったんじゃないでしょうか?」
苗木「ガラス玉……?」
舞園「確か、ガラス玉を持ってる人がいたはずです」
苗木「たしか、体育館だったよね」
霧切「がんばれー」
――――
葉隠「ああ!そりゃたしかに俺んだべ!」
苗木「やっぱり……このガラス玉」
葉隠「いやぶっちゃけ水晶玉だったはずなんだけどなぁ……」
舞園「普通にガラスでしたけど」
葉隠「マジか……世界を総べる水晶玉っていうから高い金はらったのに」
苗木「うわぁ……いくらしたの?」
葉隠「一億」
舞園「……あっ、す、すごい高い金額ですね!!!」
葉隠「ぶっちゃ月一億くらい稼いでそうだけどなあんた」
舞園「そんなことありませんよ!」プンスカ
――――舞園の部屋
苗木「……うーん、もうすこしで謎が解けそうなんだけど」
舞園「……ですね、何かもうひとつ、手がかりでもあれば」
デヒューゥン(モノクマの出てくる音)
モノクマ「ごめん、そろそろ始めたいんだけど」
苗木「えっもう」
モノクマ「いや大丈夫大丈夫、なんとかなるって」
苗木「いや……でも」
モノクマ「わかったよ!!一回だけヤる時間やるから!!10分後開始な!」 ドヒューヤオォン(モノクマの帰る音)
苗木「何をだよ!」
葉隠「と、いうわけで……模造刀の先制攻撃だべ!」
苗木「……たぶんそうだよね」
霧切「えっ」
石丸「なるほど、それでその後隠し持っていた包丁で犯人が」
霧切「えっ、えっ」
舞園「そうですよ、シャワールームになんとかして入ってなんかしたんですよ」
霧切「えっ、えっ、えっ」
苗木「なんだかんだあって包丁とか舞園さんの部屋、現在は僕の部屋だけど何故か舞園さんの部屋になってる鍵を入手した犯人は」
苗木「とりあえず包丁はもってたけど手近な模造刀で襲い掛かり、そしてついでに包丁で殺そうとした!」
苗木「そこでシャワールームに逃げ込んだ舞園さんを追い詰めるべくわざわざ部屋にもどってドライバーを回収、使用」
苗木「そして舞園さんを殺したんだ!!」
葉隠「なるほど……完璧な推理だべ!!」
十神「……ん?あれ?」
セレス「……まぁいいんじゃないでしょうかですわ」
大和田「しっかしよぉ、肝心の犯人は誰になるんだ?やっぱり苗木か?」
苗木「それは違うよ!」論破!
石丸「なぜ言い切れる?」
苗木「僕はなんやかんやでシャワールームのたてつけが悪いことも知ってたし、コツさえつかめば簡単に開けられることは知ってた。
だからシャワールームの鍵を壊す必要性がないんだよ、そこのモノクマが証人だよ」
モノクマ「そのとーり!!」
石丸「なるほど、では苗木くんではないんだな」
苗木「ちょっ前園さん……」
石丸「本人が言うなら仕方ないな」
十神「チッ……では苗木は犯人ではないとして、誰が犯人なんだ?」
桑田「(眠い……)」
霧切「……えー」
苗木「……それは」
苗木「……これが僕の答えだ!」
→桑田
桑田「……えぁ!?俺ぇ!?」
苗木「……11037、その他にも犯人を指し示す様々な手がかりがあったんだよ」
朝日奈「11307?」
苗木「舞園さんのダイイングメッセージだよ。彼女の左手には血痕が付着していて……死ぬ直前に書いたものだよ」
桑田「そ、その数字と俺となんの関係があるってんだよ!!」
苗木「……ん?ぶっちゃけないけど?」
桑田「だったら俺なんの関係も……」
苗木「桑田君」
桑田「あ、はい」
苗木「君は決定的なミスを犯したんだ、それは……
僕の部屋を掃除した
→殺人後、金箔を洗い流してるところを僕にみられた
自分の工具セットを使った
苗木「これが僕の答えだ!!」
霧切「え」
桑田「ッ!!」
苗木「きっと君は、返り血を浴びた自分の服を処分することに夢中で、テープのゴミまでは処分してない!!
適当に自分の部屋のゴミ箱にでも捨ててあるはずだ!!」
霧切「いやいくらなんでもそんな」
桑田「ア……アァ……」
霧切「マジで!?」
セレス「お粗末ですわね」
桑田「ま……まだだ!!まだ決定的な証拠はねぇだろ!!俺はぜってぇ認めねぇぞ!!」
苗木「……桑田君、君は昨日、僕と会話したとき、 こう言ったよね?」
スゥッ(回想)
ガチャー
苗木「ハロー!!皆の苗木くんだよ!!舞園さん元気してる!?」
桑田「オラァ!!」
バキィッ!
舞園「きゃあっ!!」
カランカラン
苗木「桑田君なにしてんの?舞園さんと」
桑田「……ええっ!?苗木ィ!?」
苗木「ちゃんばらごっこ?」
桑田「……そ、そうだよ!!ちゃんばらだよ!!ちゃんばらしてたんだよ!」
苗木「なんだちゃんばらか。じゃあ仕方ないね。なるべく早く寝ようね。おやすみ」
桑田「お、おうおやすみ!!」
ガチャン……
苗木「この会話には……明らかにおかしい点があるんだよ!」
桑田「ど、どこがおかしいって言うんだよ……」
苗木「桑田君は僕と部屋の交換をしていない……なのに何故、舞園さんの部屋に?」
桑田「……!!!」
桑田「……う、う嘘言ってんじゃねぇよ!!昨日は俺は部屋で寝てた!!お前と会ってすらいねぇぞ!!」
葉隠「いや、昨日お前らが話してるところはおれっちもみてるんだべ」
桑田「えっ」
朝日奈「そういえば私も」
山田「あ、我も」
桑田「えっ、えっ」
霧切「えっ、えっ」
苗木「……どう桑田くん、これでもまだ僕と会っていないって言う?」
桑田「あ……ちが、違うんだ」
桑田「お、おれはこうあれだ、舞園にちゃんばらごっこに誘われて……それで……」
十神「勢いあまって殺してしまったということか……」
セレス「何を言ってなさるのですか?」
桑田「アホッ」
セレス「打撃を与えたあと……わざわざシャワールームをこじ開けるために部屋の工具セットを持ちだしてきてますわよね?
これはつまり、明確な殺意があったのでは?」
桑田「……ア、アポ……」
モノクマ「議論は決したようですねぇ」
霧切「(もうどーにでもなーれっ☆)」
モノクマ「では、投票タァイム!!」
ジャカジャカジャカジャカ……ジャン!!
石丸4
桑田6
不二咲2
苗木1
十神2
モノクマ「おみごと!!正解です!」
パンパカパーン!
えっ?
舞園さんが桑田に殺されたじゃないか!
なんてこと言うんだ!
石丸「あれ?これは自分の名前を押すのではなかったのか?」 VOTE石丸
大和田「え?これ一番可愛い奴押すんじゃなかったのか?」 VOTE不二咲
葉隠「……そうか!!苗木っちは犯人じゃなかったのか!」 VOTE苗木
十神「目をつぶって押してみたのだが」 VOTE石丸
朝日奈「私も……一番可愛い子だと思っちゃった」 VOTE不二咲
山田「リア充は早めに死ねば良いと思った所存ですぞ」 VOTE十神
江ノ島「なんか風紀委員うざかったから」 VOTE石丸
苗木「実は僕も石丸君に入れたんだ」 VOTE石丸
腐川「一緒に死ねば地獄に一緒に行けると思ったの……」 VOTE十神
残り:桑田
霧切「(馬鹿しかいない……)」
モノクマ「では、おしおきタァーイム!!」
千 本 ノ ッ ク
ドカッ、ドカッ、ドカッ、ドカッ、ドカッ、
ドガガガッ
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
プシュウ……
苗木「(その光景を見て……誰一人声を出すことができなかった)」
苗木「(あまりにも残酷、残忍、凶悪……)」
苗木「(言葉では、語れないほどの……絶望)」
桑田「……マ、マジありえねぇ」ガクガク
霧切「……えぇー」
イキキキキキキキル
END
to be continued
チャプター2なんて不二咲可愛いだけだしいいよね
舞園さんをもっと攻略したかったですまる
チャプター6までやってくれるんじゃないんですか!?
ともかく乙
乙
Entry ⇒ 2012.08.23 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
サーニャ「あんっ、エイラ……そんなに見ちゃダメぇ……」
サーニャ「ほらほら、もうこんなにぐちゅぐちゅになってるゾ?(低音)」グチュグチュ
サーニャ「い、言わないで……」
バシィッ(自分の尻を叩く)
サーニャ「ひゃあっ!?」
サーニャ「いい声で鳴くじゃないカ(低音)」
サーニャ「ほらぁ、自分の目で見てみロ。なんだこれハー?(低音)」ヌルッ
サーニャ「ケツ叩かれて感じてんだロ、やっぱ好きなんだナ(低音)」
サーニャ「違わねーダルルォ!? オラッ、鳴けブタッ!」パシッペシッ
サーニャ「ひぐぅぅ! いっ、く……」
サーニャ「んん? 聞こえねーゾ」
サーニャ「ひあっ、イくぅっ! さ、サーニャはエイラにお尻叩かれて感じるマゾ豚なのぉぉ!」
サーニャ「マゾ豚ぁ? ブタが一丁前に人間様と会話してんじゃねーゾ! 鳴けっつったロ!」
サーニャ「ぶひ、ぶひぃぃん!!」
サーニャ「は…ぶひぶひぃ!」
サーニャ「おらイけッ!」パシーン
サーニャ「ぶっ、ひぐっ……ひゃぁぁぁぁん!!」ビクンビクン
サーニャ「……」グッタリ
サーニャ「はあ……結構良かった…」
ドンドン!
サーニャ「? 誰かしら、こんな夜中に」
バルクホルン「サーニャ、まだ起きていたのか。なら私が部屋を訪ねてきた理由も分かると思うが」
バルクホルン「はっきり言ってうるさいぞ。みんな寝てるんだから静かにしろ」
サーニャ「……」
バルクホルン「分かったか? 少佐たちには黙っておくから、もう寝ろよ。おやすみ」
サーニャ「待って下さい」
バルクホルン「うん?」
サーニャ「……『静かにしろ』って、何を静かにシたらいいんですか?」
バルクホルン「は?」
バルクホルン「お、お前、何を言ってるんだ」
サーニャ「教えて下さい」
バルクホルン「うぐぅ……それは、だな……つまり…」
サーニャ「……」ジッ
バルクホルン「……ええい、自分のことは自分で分かるだろう! とにかく静かに寝ててくれ! いいな!」
サーニャ「……」
サーニャ「あの」
バルクホルン「何だ!」
バルクホルン「ううむ……それなら、あまり大きな声では言えないが、寝酒とか――」
サーニャ「添い寝して下さい」
バルクホルン「えっ」
サーニャ「エイラみたいに添い寝してくれる相手がいれば、ぐっすり眠れます」
バルクホルン「ええっ」
サーニャ「さ、どうぞ」
バルクホルン「ちょっとまって」
バタン ガチャッ
サーニャ「大丈夫です。私が寝たら部屋に戻って貰って構いませんから」
バルクホルン「そうじゃなくて、エイラに見られたら」
サーニャ「今夜はエイラが哨戒に出てます、あと5時間は帰ってきませんよ」
バルクホルン「でも……」
サーニャ「もうっ! そんなことだから、いつまで経ってもハルトマン中尉に振り向いてもらえ」
バルクホルン「ヘイ! 分かった、お前の言う通りにしよう」
バルクホルン「そ、添い寝って、こうでいいのか?」
サーニャ「はい」
バルクホルン(サーニャの匂い……)
バルクホルン(よく考えたら、さっきまでサーニャはここで……)ドキドキ
サーニャ「大尉」
バルクホルン「ファッ!?」
サーニャ「もっとくっついて……」
バルクホルン「あ、ああ」モゾモゾ
サーニャ「そうです、そしたら」
サーニャ「ちょっとお尻を撫でていて下さい」
バルクホルン「!?」
バルクホルン「!?」
サーニャ「もちろん大尉のじゃなくて私のお尻ですよ」
バルクホルン「それは分かっているが……さすがにそこまで行くのは」
サーニャ「じゃあこれならどうですか? 私とお尻を共有して、互いに撫で合いましょう」
バルクホルン「は?」
サーニャ「全てお尻は公共のものであり、その恩恵は同志諸君が等しく賜るべきです」
サーニャ「同志バルクホルン! 我等の手によってケツコミュニティを築くのです!」
バルクホルン「生まれて初めてサーニャが怖い……」
バルクホルン「逆らったら二度と朝日を拝めなくなる気がする。よく分からないが、素直に従っておこう」
サーニャ「んっ」
バルクホルン「こう、か……?」
サーニャ「はい……大尉も」
バルクホルン「わ、私は」
スルッ
バルクホルン「ひゃ……おい、中は…!」
サーニャ「しーっ」
バルクホルン「くっ……」
サーニャ「♪」
バルクホルン「んっ……はあ…」ムニムニ
サーニャ「上手ですよ、大尉ぃ……」
バルクホルン(ダメだ、なんだか頭がのぼせてきた……)
バルクホルン(サーニャがどういうつもりなのか知らんが……早く寝かしつけないと……)
ゥウン
バルクホルン「……ん? ストライカーの音…」
サーニャ「?」
バルクホルン「……気のせいだったよう、ひゃあぅんっ!?」
サーニャ「よそ見しないで」
バルクホルン「ふぐぅ……もう、いいだろ……?」
サーニャ「ダメです」スリスリ
ブウウウン
バルクホルン(うう、また外から妙な音が)チラッ
<○> <○>
バルクホルン「!?」
<○> <○>
サーニャ「窓?」
<○> <○>
サーニャ「」
<○> <○>サーニャー バルクホルンー ナニシテルノカナー
サーニャ「え」
サーニャ「エイラ……」
ガシャアアアン
<○> <○>フタリガコンナニナカヨカッタナンテシラナカッタゾ
サーニャ「エイラ、違うの。これはね」
<○> <○>サーニャノハナシハアトデユックリキクカラナ
サーニャ「ひっ……」
<○> <○>バルクホルン
バルクホルン「あの……言い訳みたいだが、私はサーニャにそそのかされて」
<○> <○>サヨナラダナ
ガシャッ
ババババババババババババババババババ
サーニャ「きゃあああああーっ!」
サーニャ「はっ」
サーニャ「……私、いつの間に眠って…」
サーニャ「そうだ、エイラ! 大尉……!?」
ガチャッ
エイラ「お、丁度起きたカ。サーニャを迎えに来たんダ」
バルクホルン「うむ。ちょ、朝食の時間だぞ」
サーニャ「……エイラ?」
エイラ「ん? なんダ?」
サーニャ「大尉」
バルクホルン「……どうした。私の顔になにか付いているか?」
サーニャ(夢……だったのかしら?)
サーニャ「大丈夫。行きましょう」
エイラ「っと、部屋に忘れ物してきちまっタ。二人は先に行っててくれ」
サーニャ「そう、分かったわ」
エイラ「悪いナ」
バルクホルン「……」
バルクホルン「……んっ……ふぅ…」
サーニャ「大尉?」
バルクホルン「な、ん……だ!?」
サーニャ「……どうかしましたか?」
バルクホルン「きっ、気にする、な。行こう、早くっ……!」
サーニャ「?」
エイラ「バルクホルンめ。受けてもらうゾ、しかるべき報いを!」
ヴィィィィィン
「あ…! いっ……!」ガクッ
「た、大尉、やっぱり変ですよ!?」
「――っ! 見る、なぁ…!」ペタン
「えっ……まさか…」
エイラ「……」
エイラ「妹に調教されるなら本望だよナァ、バルクホルン? 宮藤じゃないのが残念かも知れないけどナ」
エイラ「まだまだこんなもんじゃ終わらせなイ……サーニャの尻を揉みしだいた罪は重いゾ」
「うあああ! やめろ、エイラぁぁぁ! いっ……くぅぅっ!」
エイラ「……」ニヤニヤ
エイラ「サーニャのお仕置きは……お尻ペンペンで許してやるカ」
おわり
バルクホルン「もう、やめてくれよ……私が悪かったから……」グスグス
サーニャ「……」
サーニャ「エイラ! いるんでしょ!?」
エイラ「……何だヨ?」
サーニャ「大尉に何をしたの?」
エイラ「見れば分かるだロ。あんなことしといて、この程度じゃ許さないからな」
サーニャ「こんなの……」
バルクホルン(サーニャ……私をかばって……)
サーニャ「……うらやましいじゃない! 私にもして」
バルクホルン「えっ」
エイラ「それじゃお仕置きにならないだロ?」
サーニャ「く……大尉も何か言って下さい! 私も大尉と同じ罰を受けるべきですよね?」
バルクホルン「えっ」
サーニャ「ほら、大尉もそうだって」
エイラ「言ってねーヨ」
サーニャ「むう……」
バルクホルン「ちょ、ちょっ」
ヴィィィィィン
バルクホルン「っああああん!」
エイラ「ほらぁ、立て! とりあえず今日はそれ挿れっぱなしだゾ」
サーニャ「こんないやらしい匂い嗅ぎながらお預けなんて……」
エイラ「サーニャには貞操帯付けてやらなきゃナ」
バルクホルン「!」
芳佳「バルクホルンさん! おはようございます!」
バルクホルン「お、おふぁよ、う」
芳佳「? 顔が真っ赤ですよ、ちょっといいですか……」ピトッ
エイラ「……」カチッ
バルクホルン「!! う゛……っ」ギュッ
芳佳「え、もしかしてどこか痛んだりしますか?」
バルクホルン「ひゃ、いや、違う。ほっとけ、だいじょぶだか、らあっ!」
芳佳「でも……」
バルクホルン「う…る…さいっ! 頼む、から……向こうに、行け!」
芳佳「あ……」シュン
芳佳「……ごめんなさい…」トボトボ
バルクホルン(すまない、許してくれ、宮藤)
バルクホルン「!」
シャーリー「よう。聞いたぜ、珍しく宮藤に怒鳴ったらしいな」
シャーリー「なんかあったのか?」
バルクホルン「……い、いや…」
シャーリー「……何か隠してるだろ。それぐらい、私にも分かるぞ」
カチッ
バルクホルン「ひおっ……お…ぐぅぅ……!!」ブルブル
シャーリー「な、なんだコイツ? どっか具合でも悪いのか」
バルクホルン「うっ……う……」フラフラ
シャーリー「おい、どこいく」
ドゴオオン
シャーリー「うわっ!」
バルクホルン「来る…な……! ああぅ、ぐ…!」
シャーリー「……」
サーニャ「んん……」カリカリ
エイラ「上から引っ掻いたって無駄だゾ」
ガチャッ
エイラ「おっ」
バルクホルン「はあ、はあ……」
エイラ「あははは、通り道に水溜まりが出来てるじゃあないカ。何回イッたんダ?」
バッ
バルクホルン「エイラ、お願いだ! 二人きりになればどんな命令だって聞いてやる、だからみんなの前で……う゛あ゛あっ!」
エイラ「聞いてやる、ダァ? ちょっとは従順になったかと思ったけド、まだ足りなかったみたいだナ」
バルクホルン「ひぁ、やだ、もうやめ……うわあああーっ!」プシャアアアア
エイラ「Foo↑ カールスラントのスーパーエースも形無しだナ?」
サーニャ「いいなあ……」
エイラ「そうだナ……じゃあ次は、ちょっとハンガー行ってオナ」
「次はテメーの番だぜ、エイラ」
「ひとつ人の世の愛液すすり」
「ふたつ不埒な淫行三昧」
「みっつ淫らな浮世の鬼を」
芳佳「退治てくれよう! 懲らしめ人!」
エーリカ「トゥルーデ!」
バルクホルン「はる、とまん」
ブワッ
バルクホルン「うええーん……」メソメソ
エーリカ「ごめんね、全然気付かなかった……ごめんね……」
エーリカ「シャーリーと宮藤が教えてくれたんだ」
芳佳「もう大丈夫です、バルクホルンさん!」
シャーリー「ああ。あとは……」
エイラ「くっ」
いいな
シャーリー「……」
エイラ「なんとか言ってみロ!」
シャーリー「だからどうした?」
エイラ「あ?」
シャーリー「お前はサーニャに手を出されたからバルクホルンに報復して、私たちはバルクホルンが傷付けられたからお前に報復する」
シャーリー「どっかおかしいとこがあるか?」
エイラ「そ、そんなノ……」
シャーリー「悔しかったらやり返してみな、としか言えねーぜ」
芳佳「サーニャちゃんは乳首だけでイくのは初めてかな? んん? ホラホラホラホラ」クリクリチュパチュパ
サーニャ「んああ、しゅごいのぉぉぉ! おっぱいアクメ止まんないぃぃぃぃ!」ガクガク
エイラ「」
シャーリー「さあ、覚悟しな」
エーリカ「シャーリー! 見てみてこんなに一杯オモチャが!」
シャーリー「お、いいなこれ」
エーリカ「このローター何個入るかな?」
シャーリー「よし、じゃあぶち込んでやるぜ!」
エイラ「ひ……」
「ンアッー!」
バルクホルン「……」
バルクホルン「なあ、そろそろ許してやっていいんじゃないか。もう私は……」
エーリカ「あれー? どうしてエイラはしっぽが二本あるんだー?」
エイラ「お…お……」フルフル
エーリカ「これ邪魔でしょ? 一本抜いてあげるよ」ズリュリュリュリュリュリュ
エイラ「ん゛お゛お゛ーっ!」ビクンビクン
シャーリー「コラァ、口休めんな! 舐めるんだよ、早くしろよ」
芳佳「サーニャちゃん、次はボディペインティングだよ」
サーニャ「う、うん(はぁと」
芳佳「水性ペンだから汗かいたり濡らしたら消えちゃうからね、じゃあ行こうか」
サーニャ「♪♪」
バルクホルン「……これでいいのか?」
おわり
乙!
乙
Entry ⇒ 2012.08.21 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (7) | Trackbacks (0)
真紅「安価でSSを作りましょうなのだわ」
乙
そういえばそういうタイトルだったな
乙!
Entry ⇒ 2012.08.20 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ぬ~べ~「まきますか、まきませんか?」
美樹「ぬ~べ~知らないの?おっくれてるぅー」
郷子「今はどこもこの話題でもちきりよ?」
ぬ~べ~「どんな噂なんだそれは」
広「家のポストに誰が出したのかも分からない招待状みたいな手紙が届くんだよ」
克也「中には『まきますか まきませんか』って書いてあるだけ。差出人も宛名も消印もなし」
まこと「もしその手紙に『まきます』とマルをしたら人形がくるのだ」
美樹「そして夜な夜なその人形がぁー……」
ぬ~べ~「ワァー!!」
みんな『ヒィッ!』ビクッ!
普段から妖怪騒動に巻き込まれてるお前たちがそんなことでどうする」
郷子「信じてないの?本当なんだからね?」
まこと「隣のクラスでも家に届いたって子がいたのだ!」
ぬ~べ~「はいはい分かったから早く家に帰れ。俺は抜き打ちテストをつくるのに忙しいんだ」
みんな『テストォ!?』
ぬ~べ~「そうだぞぉー?点数が悪いともれなくぬ~べ~印の問題集をプレゼントだ」
みんな『し、失礼しましたー!』
『大変だ早く帰って勉強しないと!それにしてもぬ~べぇ……』ワイワイ
ぬ~べ~「ようやく帰ったか。しかし……」ゴソゴソ
ぬ~べ~「みんなの噂も、あながちデタラメじゃないみたいだな」
≪ まきますか まきませんか ≫
【この世には 目には見えない闇の住人達がいる】
【やつらは時として牙を向き 君たちを襲ってくる】
【彼は そんな奴らから君たちを守る為 地獄の底からやってきた】
【正義の使者 なのかもしれない】
ぬ~べ~「ただいまーって言っても誰もいないのはいつもの事か……さて」
≪ まきますか まきませんか ≫
ぬ~べ~(この手紙が俺のボロアパートに届いたのは三日前のことだ)
ぬ~べ~(ひと目見て普通の手紙でない事には気付いた。だがなんというか、
妖気とは違う……不思議な力が漂っているとしか言えないのだ)
ぬ~べ~(迂闊に触って呪われでもしたらシャレにならない。ここは慎重にことを構えるつもりだった。だが……)
ぬ~べ~「生徒にまで噂が流れるようになっては、のんびりした事も言ってられないな……えぇい!」
ぬ~べ~「まいてやる!」
ヒュルルルルルルル………ガシャーン!ドカッ!!
ぬ~べ~「そ、そうだ!それよりも何かが頭に当たった気がしたんだが
……まさかこの鞄なのか?
だが何故こんなものが空から俺の部屋に……ッ!」ゾクッ
ぬ~べ~(この感じ、あの手紙と同じだ。やはりこいつが原因なのか)
ぬ~べ~「それにしてもコイツ、凄い圧迫感だ。開けるのはここか。よっ」
ガチャリ
ぬ~べ~「中身は人形?こんな大きなの実際に見るのは初めてだな。
それに、まるで生きているかのようなこの精密なつくり……ん?これは、螺子か」
ぬ~べ~「この穴に差し込んで巻けと、そういう事なのか?
……いいだろう。生徒にやらせるくらいなら、俺がやってやるさ」
キリ……キリ……キリ……
ぬ~べ~「鬼が出るか、蛇が出るか……」
ぬ~べ~「目を開いた!やはりこいつは生きにんぎょヘブッ!?」
真紅「遅い!どうしてまくかまかないかを決めるだけでそんなに時間がかかるの!」ペシン!
ぬ~べ~「……あの」(何か俺が思っていたのとは違うぞ)
真紅「なに!ここまで優柔不断な男は久しぶりよ!」
ぬ~ベ~「お前はいったい何者なんだ」
真紅「人に名前を聞く時はまず自分からと言いたいところだけれど、のろまなしもべに多くは求めないわ。
よく聞きなさい。私の名は真紅。ローゼンメイデン第五ドール、真紅よ」
ぬ~べ~「驚いた……ここまではっきりと喋れるとは。まさかこんな生き人形があったなんて、
これはゴーレム……いや、もはやこれは錬金術でいうホムンクルスのレベルだ」
真紅「さっきから何をブツブツ言っているの。仕方のないしもべね」
君たちローゼンメイデンは時を超えてアリスゲームという戦いを続けているのか」
真紅「そうよ。中々ものわかりが良いのね。ところで鳴介、紅茶はまだ?」
ぬ~べ~「あのなぁ、俺の部屋に紅茶なんてある訳が……
いや、昔もらったものがこの辺に……お!これだこれだ!三年前にお中元でもらったんだ」
真紅「早くいれなさい」
ぬ~べ~「態度のデカい人形だよまったく」
ぬ~べ~(だがこの人形はまるで生徒たちが噂しているような
恐ろしい存在とは思えない……なにか裏があるのか?それとも……)
真紅「何をボサッとしているの。レディをもてなすのは紳士の立派な勤めでしょう?」
ぬ~べ~「分かった分かった。今お湯を沸かしてくるよ。それにしてもお前、ちょっと態度がでかくないか?」
真紅「これが普通よ。それより鳴介、今すぐあなたにしてもらわなければならないことがあるわ。
お湯を沸かしたらこっちに来て頂戴」
ぬ~べ~「なんだ一体」
真紅「この指輪に口づけを」
ぬ~べ~「く、口づけ?俺にそんな趣味はないぞ!」
あなたは私と正式に契約を結ぶことになるわ。その力をもって私はアリスゲームを戦っていくの。さぁ」
ぬ~べ~「なるほど、そういう事ならば……断る」
真紅「そういい子ね……って断る?あなた自分が何を言っているか分かっているの?
さっきも言ったでしょう。もうアリスゲームが始まってしまうのよ。馬鹿なことを言わないでちょうだい」
クス……
ぬ~べ~「たとえ人間でなくとも、君のような子供に戦いをさせるわけにはいかない。
それも姉妹でだなんて、バカげているぞ」
真紅「あなたよりはよほど大人よ」
ぬ~べ~「いいや子供だ。命の重さが分からない者に大人を名乗る資格はない」
クスクス……
真紅「鳴介、いい子だからわがままを言わないで。私たちは人間ではないわ。
私たちはローゼンメイデン。姉妹で戦い、アリスゲームに勝つのが私たちの使命なのよ」
ぬ~べ~「しかしだな……ん?これは、羽?」
クスクス……クスクス……
ぬ~べ~「うわっ!」
―――ズドドドドドドッ!!!
ぬ~べ~「な、なんだ!外から黒い羽が!」
真紅「……言ったでしょう鳴介。アリスゲームに勝つのが『私たち』の使命だと。
私の愛しい姉妹がやってきたのよ。それも、とっておきの相手がね……」
水銀燈「こんばんわ、真紅ぅ」クスクス…
真紅「水銀燈……久しぶりね。こうやって会うのは236114時間37分18秒ぶりかしら」
水銀燈「236112時間47分25秒ぶりよ。寝すぎて時計がボケたのかしら?それともぼけたのは頭ぁ?」クスクス…
水銀燈「……感動の再会に水を差さないでくださる?ニンゲン」スッ
―――ドドドドドドッ!!!
真紅「羽がッ!鳴介!逃げなさい!」
ぬ~べ~「この白衣観音経、その程度の攻撃は通用しない!」
真紅「あ、あら」
水銀燈「……ふぅん、アイツの言うとおり、少しはやるじゃない」
ぬ~べ~(アイツ?)
水銀燈「でも、私の力がこの程度だと思ってもらっては困るわぁ
ねぇ真紅……それに、ニンゲン……」
【遊びましょ?】
ぬ~べ~・真紅「―――ッ!」ゾワッ!
真紅「水銀燈……あなた、その力はどうしたの。
そんな禍々しい力をあなたから感じたのは初めてよ」
水銀燈「あらぁ、抑えていても分かってしまうものなのね」クスクス…
ぬ~べ~「下がれ真紅!こいつは危険だ!」
水銀燈「ひどい事を言う人間だこと。ただのお人形相手に危険だなんて、ねぇ」
真紅「……ただのお人形はそんな凶悪な力を持っていないわ」
水銀燈「姉に対する口のきき方を教えてあげないといけないようね……」スッ
ぬ~べ~・真紅(―――来るッ!)
ピーーーーーーッ!!!!
水銀燈「なぁんちゃって。フフッ……さようなら、真紅……それと、ニンゲン。
今日は挨拶に来ただけ。遊ぶのはまた今度にしましょ。
あなた達なんていつでも壊せるもの……」クスクス…
ぬ~べ~「なんにせよ助かったのは事実だ。あのまま戦っていても、勝てたかどうか……
……あ!お湯!……アチチッ!」
真紅「水銀燈……あなた、いったい……」
………………。
…………。
……。
広「うひゃー、ぬ~べ~にそんな趣味があったなんてなぁ」
ぬ~べ~「バカ言え。これは噂の正体だ」
克也「噂?」
ぬ~べ~「昨日お前たちが言っていたやつさ。偶然俺のところにも来たんだ。
それでものは試しとやってみたら……結果がこれだ」
まこと「そのお人形がきたのだ?」
ぬ~べ~「触れるなよ。コイツは呪い人形だ」
郷子・美樹「の、呪い!?」
ぬ~べ~「あぁ。誰がやっているのかは知らないが、
こうやって手紙の送り先に呪いの人形までセットで届けてくるみたいだ。手の込んだことをしてくれる」
郷子「でも良く出来てる人形ね……まるで生きているみたい」
真紅「……」
まこと「綺麗なのだー」
克也「これ、名前はなんて言うんだよぬ~べ~」
ぬ~べ~「あぁ、真紅って言うらしい。西洋のアンティークドールでな、
霊視してみたんだがこいつはもう何人も呪ってる強者で……いてっ!」
郷子「ど、どうしたのぬ~べ~!?」
ぬ~べ~「な、なんでもない。人形が怒ったのかもな」
美樹「うげぇ不気味ぃ……やっぱり売れそうにないわね、こんなの」
まこと「カクカクレンジャーのほうがかっこいいのだ」
ぬ~べ~「お前たち、もし噂の手紙がきても自分たちだけで絶対に手を出すな。すぐに俺に知らせるんだ」
広「言われなくたってわかってるって。おいそろそろ行こうぜ」
郷子「じゃあねぬ~べ~。前みたいに人形の髪の毛燃やしちゃダメよ」
美樹「私もかえろっと」
まこと「先生さようならなのだー」
真紅「なにかしら。お望みなら呪ってさしあげてもよくってよ」
ぬ~べ~「お前なぁ!見えない角度から思いきりこっちを突いてくるなよ!」
真紅「あなたが私をこんなところに連れてこなければいいのよ。
そもそも何を考えているの?人形である私を昼間の、それも人の多い学校に連れてくるなんて」
ぬ~べ~「ここが俺の職場なんだから仕方ないだろう」
真紅「そういう問題じゃないでしょう。契約をしないのなら私はあなたに用はないの。
早急に別の契約者を探さないといけないのだから」
ぬ~べ~「その必要はないさ」
真紅「……どういう事?鳴介、あなたまさか昨日言っていたこと……本気なの?」
ぬ~べ~「あぁ、本気だ」
契約もせずにアリスゲームを共に戦い抜くだなんて、あなたくらいのものよ?」
ぬ~べ~「俺の力を見ただろう?まだ不満かい?」
真紅「当たり前でしょ。あなたは私に無力なまま戦場に立てと言っているんだもの」
ぬ~べ~「俺が君を守る」
真紅「……その目的は?はっきり言って今のあなたは水銀燈と同じくらい不気味よ。
何を考えているのか分からないもの」
ぬ~べ~「姉妹での戦いなんて見過ごせない、それだけさ。
そんな不毛な争いをしてなんになる。絶対に何か他の解決法があるはずだ」
真紅「他の解決法?」
ぬ~べ~「それを探す手伝いをしたいんだよ」
真紅「あなたの自己満足を満たすためにそんな分の悪い賭けに乗れと?」
ぬ~べ~「どうしても嫌なら他を当たってくれ……
だがそれでも俺は手の届く範囲なら君たちの戦いを止めるだろうな」
真紅「……とんだお人よしね。もはや愚かと言えるくらいだわ」
ぬ~べ~「よく言われるよ」
真紅「……ホーリエがあなたを選んだわけが、少しだけ分かったような気がする。
最初はどうしようもない男に見えたけれど……フフ、おかしな人」
ぬ~べ~「ん?どうした真紅」
真紅「なんでもないわ。そこまで言い切るのならやってもらいましょう。
しっかりと私を守り、そしてアリスゲームを終わらせてみなさい、鳴介。
今日からあなたは私の……そうね、パートナーといったところかしら」
真紅「よろしく、鵺野鳴介」
ぬ~べ~「あぁ、よろしくな、真紅」
校長「……さっきから一人で人形相手になにをしとるのかねキミは」
ぬ~べ~「ああぁ校長!?い、いえこれはですね!
そ、その除霊を依頼されて……えぇい出て行けこの悪霊!てやっ!どりゃっ!」バシンバシン
真紅(……やっぱり最低の男だわ)
……。
………。
………………。
郷子「綺麗だったわね」
広「なにが?」
郷子「なにがってアンタ……人形よ人形。ぬ~べ~が持ってたお人形」
美樹「呪い人形が趣味なのアンタ……うげぇ」
郷子「違うわよ!ただあの人形が綺麗だったなと思っただけ!」
広「ま、たしかに綺麗だったよな。おとぎ話に出てきそうな格好でさ」
郷子「でしょ?広もそう思うわよね」
美樹「あれは相当の値打ちものね。ウン十万じゃきかないわよ」
まこと「美樹ちゃんはお金の話ばっかりなのだ」
広「呪われてるって言ってたし悪霊が憑いてるんだろ?やっぱり不気味だぜ」
郷子「私はそうは感じなかったけどなぁ……あ、私こっちだから。じゃあねみんな」
広「おう、じゃあな」
美樹「あんまり執着すると憑りつかれるわよぉー」
まこと「また明日なのだ」
克也「じゃあなー」
広「うー、それにしても寒い季節になったよなぁ」
克也「こうやってるとポケットのありがたみが分かるってもんだぜ」
郷子「はたもんばとか、あのちゃんちゃんこの妖怪だって……ん?手紙?」
郷子「こ、これって……まさか……」
≪まきますか まきませんか≫
郷子「……」
郷子「どうしよう、ぬ~べ~は知らせろって言ってたけど……」
郷子「でも、あの人形……すごく綺麗だったなぁ」
………………。
…………。
……。
……。
ゆきめ「ただいまー」
翠星石「お、帰ってきやがったですぅ。洗濯物は畳んでおいてやったですぅ。感謝しろですぅ、ゆきめ」
ゆきめ「ふふ、ありがとう翠星石ちゃん」
翠星石「そ、それほどでもないですぅ
あ、お腹空いてないですか?スコーン作ったんですよ?」
ゆきめ「じゃあいただこうかな」
翠星石「かわいいかわいい翠星石の特製スコーンですぅ。味わって食べろですぅ」
ゆきめ「いただきまーす……うん、おいしい!」
翠星石「ゆきめの舌はもう翠星石のスコーンのとりこですぅ」
ゆきめ「あはは、そうかもね」
翠星石「ほ、褒めてもスコーンのお代わりなんて出ないですよ!?」
ゆきめ「そんなつもりじゃないんだけど」
ゆきめ「……ゴメンなさい、ダメだったわ。
知り合いのお店に頼んでインターネットでも話が出てないか調べてもらったんだけど、やっぱり見つからないみたい」
翠星石「そうですか……もう目覚めてるはずなんですけどねぇ。どこにいるのか……」
ゆきめ「ローゼンメイデンの持つ夢を渡る力では探せないの?」
翠星石「Nのフィールドには出られても、そこから蒼星石がどこにいるのかまでは……
向こうから何か合図のようなものを送ってくれればいいんですけれど……」
ゆきめ「それが無いってことは……」
翠星石「もしかして蒼星石はNのフィールドにも入れないような状況に陥っているとか……あああっ!そんなの嫌ですぅ!」
ゆきめ「落ち着いて翠星石ちゃん、頑張って二人で探そう?ね?」
翠星石「……ん、ありがとですぅ……ゆきめ」
ゆきめ「いいのよ。だって私たち、契約しちゃったんですもの」
翠星石「フフン、ミーディアムが雪女だなんて初めてですぅ」
ゆきめ「私も喋るお人形さんと一緒に住むのは初めてよ」
翠星石「かわいいかわいい翠星石と一緒に住めるなんて感謝しろですぅ」
ゆきめ「はいはい」
……。
………。
………………。
数日後。
ぬ~べ~「郷子は今日も風邪で休みと。広、お前何か聞いてないか?」
広「なんで俺にふるんだよぬ~べ~」
美樹「あつーいお二人さんのことだから隠し事なんて無いと思ったんじゃないのぉ?」
広「うるせーな美樹は!俺はなんにもしらねぇよ!」
ぬ~べ~「あぁ分かった分かった。帰りにでも俺が様子を見に行こう。
悪い病気とかじゃなければいいんだが」
美樹「郷子にかぎってそんな事あるわけないわよ。ねぇ」
まこと「美樹ちゃんはいつも一言多いのだ」
真紅「鳴介、少しいいかしら」
ぬ~べ~「ん、なんだ?他の人形の気配でもつかんだのか?」
真紅「いいえ。でも奇妙だと思わない?」
ぬ~べ~「どういうことだ?」
真紅「穏やかすぎるのよ。私はあなたと共にたくさんの生徒の目に触れているはずなのに、
噂の元である手紙の届いた契約者とローゼンメイデンは誰ひとりとしてこちらに接触してこない」
ぬ~べ~「良い作戦だと思ったんだけどな」
真紅「他の子の性格からしても私の事を知ったら
まず顔くらいは見せてくれるはずなのに、どういうことなのかしら……奇妙だわ」
真紅「失礼ねっ!」
ぬ~べ~「いてっ!お前なぁ。おっと、人がいる……って広じゃないか。
どうしたんだいったい。帰ったんじゃなかったのか?」
美樹「みんなで郷子のお見舞いに行こうって話になったのよ」
広「それでここでぬ~べ~が来るのを待ってたんだ」
克也「おせぇよぬ~べ~、早く行こうぜ」
まこと「日が暮れちゃうのだ」
ぬ~べ~「お前たち……そうだな、みんなに会えば郷子も元気が出るだろう!」
郷子母「あら鵺野先生!お久しぶりです!あらみんなも!こんにちはぁ!」
みんな『こんにちはー』
ぬ~べ~「すみません、お電話さしあげた時は私だけだったんですが、
生徒たちがどうしても郷子に会いたいと言ってまして」
郷子母「あらあら郷子も喜びます!でも今さっき寝付いたところで、ごめんなさいねぇ」
ぬ~べ~「いえいえ、あの……では顔だけでも見させてもらってよろしいでしょうか」
郷子母「もちろん。さぁどうぞ、お入りになってください。みんなもどうぞ」
みんな『おじゃましまーす』
郷子母「ところで鵺野先生、その人形は……」
ぬ~べ~「あ、こ、これですか?!これはその、悪霊退治の道具のようなものでして!
もし郷子に何か悪いものが憑りついていたらすぐに祓おうとですね!……ハハハ」
郷子母「あ、はぁ……」(変なところは昔から変わってないわねぇ……)
ぬ~べ~「と、とにかく、お邪魔しますね!」アセアセ
ぬ~べ~「……郷子、入るぞ」
広「ほんとに寝てら」
美樹「どれどれ……うわ、相変わらず色気のないパジャマ着てるわねぇ」
まこと「風邪なのだ?」
克也「どうだろうな、でもたいした事なさそうで良かったじゃん」
ぬ~べ~「うむ、そうだな…………ん?」
広「どうしたんだよぬ~べ~。あり、その棚の上にあるやつ、えらくでかい人形だな」
まこと「ぬ~べ~が持ってるやつみたいなのだ」
克也「服装もなんとなく似てるぜ。外国の御姫様みたいなヒラヒラの服だ」
ぬ~べ~(どういう事だ?ただの偶然か?)
美樹「ちょ、ちょっと広!これ!」
広「なんだ美樹!?なにかあったのか!?」
美樹「ほらこれスケスケ!あの子こんなの履いて」
ぬ~べ~「やめんか!」ペシンッ
ぬ~べ~「ん、そうだな。郷子も大丈夫みたいだしそろそろお暇するか」
まこと「じゃあねなのだ郷子ちゃん」
広「早く学校来いよな、寝てるお前に言っても仕方ないか」
美樹「下着だけじゃなくて普段の服装でも気合い入れていきなさいよーキシシ」
ぬ~べ~「さぁ行くぞお前たち。お母さん、お邪魔しました」
みんな『お邪魔しましたー』
……。
……ノ
……モット
……モット、アソブノ
……ヒナ、モット……
……キョウコト……ヒナ……モット……
………………。
…………。
……。
真紅「行くわよ鳴介。ようやく一人目が見つかったわ」
ぬ~べ~「まさか……あの人形か?」
真紅「あの子の名前は雛苺。あなたの生徒は彼女の夢に取り込まれている。
このままではいずれ夢の世界から出られなくなるわ」
ぬ~べ~「なんだと!?今すぐ助けにいかないと!」
真紅「慌てないで……そうね、大きな鏡はない?
あなたの姿を全て写せる姿見のようなものがいいわ」
ぬ~べ~「ここには無いが、学校に行けばあるぞ。だがそんなものをどうするっていうんだ」
真紅「では急いで学校に行きましょう。私の言う事に従って。
ローゼンメイデンにはローゼンメイデンの戦い方というものがあるのよ」
ぬ~べ~「……分かった。よし、待ってろよ郷子。今助けてやるからな」
真紅「いいわ……開くわよ」グニョン
ぬ~べ~「う、うわ!なんだこれ!」
真紅「Nのフィールドへの入り口よ。さぁ手を握って。大丈夫、怖くないわ」
ぬ~べ~「ええい!郷子のためだ!」グニョン
真紅「ここがNのフィールド。あなた達の言葉で言うのなら異世界、
いえ、世界の裏側とでも言ったほうが良いかしら。数多の次元を繋ぐ世界の架け橋、それがNのフィールドよ」
ぬ~べ~「なんだか浮いてるみたいで進みにくいな」
真紅「慣れれば楽なものよ」
ぬ~べ~「ん?オイ真紅、向こうに何かいるぞ」
真紅「え?誰かしら。まさか水銀燈……いえ、違うわね。あの背格好は、ラプラスの魔」
ラプラス「おやおやこれは赤色の御嬢さん、ごきげんよう」
真紅「ラプラスの魔よ。深く関わらないようにしなさい。ロクなことがないから」
ラプラス「おやおやこれはひどい。ただのウサギに何が出来ましょう」
真紅「何もしなくて結構だわ」
ラプラス「赤色の御嬢さんは手厳しい。ウサギは涙ながらに退散いたすとしましょうか
……あぁそこの人。そう、あなた」
ぬ~べ~「俺のことか?」
ラプラス「ゆめゆめお忘れなきよう。これは薔薇の姉妹の物語。あなたの舞台はべつにございますゆえ……それでは」
ぬ~べ~「……なんだったんだアレ?」
真紅「変人よ。それも関わってはいけない類のね……見えてきた。あそこよ鳴介。あそこに雛苺と、あなたの生徒がいる」
ぬ~べ~「なんだかよく分からんが、郷子!今行くぞ!」ガチャリ
郷子「良かったわね雛苺、次は何をして遊びましょうか」
雛苺「じゃあ次はお絵かきするの!ヒナね、もーっとキョーコと遊びたいの!」
郷子「うん、いいわよ」
雛苺「キョーコだいすき!ヒナもう寂しくないもん!キョーコがいるから大丈夫!」
ぬ~べ~「あの子が郷子を取り込もうとしているのか?」(また想像していたのと少し違う……)
真紅「悪意はないんでしょうけれどね……雛苺!」
雛苺「うゆ?あ!真紅なのー!真紅ひさしぶりー!」
真紅「久しぶりね雛苺。その子があなたのミーディアム?」
雛苺「そうよ!ヒナね、キョーコと契約したの!それでね、キョーコにいーっぱい遊んでもらってたの!」
雛苺「え?どうして、そんなこというの?」
真紅「あなたがしている事はミーディアムを衰弱させるだけよ。
いずれあなたのミーディアムは起き上がることもできなくなってしまうわ」
雛苺「うゆ、でもヒナは……ヒナはただ遊びたくて……」
ぬ~べ~「郷子!無事か!?」
郷子「あ、ぬ~べ~……うん、まだ、大丈夫」
ぬ~べ~「まだってお前、分かってやってたのか?!」
郷子「んー、一応体力には自信があったし、それにほら、
なんていうか放っておけなくてさ。あの子、本当に寂しそうにしてたから」
ぬ~べ~「今すぐここから出よう。このままではお前は取り返しがつかなくなる」グイッ
郷子「あっ」
雛苺「……!キョーコ!……いや!やめて!キョーコを取らないで!
悪いやつ!ヒナからキョーコをとる悪いやつ!出て行って!ここから出て行ってよぉ!!!」
真紅「雛苺……ッ!!」
郷子「きゃ、きゃあ!」
ぬ~べ~「あ!クソ!郷子を返せ!」
郷子「ぬ~べぇ~!」
ぬ~べ~「真紅!あれはなんだ!郷子があのデカいクマにつかまってしまった!」
真紅「ここは雛苺のフィールドよ。
ルールの優先権は彼女にある……どうやらあれがあの子の力のようね」
ぬ~べ~「クッ!あれを倒せばいいんだな!?」
真紅「駄目よ。倒してはダメ。
そうすれば雛苺は即座に新しいのを生み出すわ。あなたの生徒の力を無理やり使ってね」
ぬ~べ~「なっ!?だったらどうすればいいんだ!」
真紅「落ち着きなさい鳴介。あなたは私のパートナーであり、あの子の教師でしょう。
戦いでの基本は信頼よ。雛苺は私に任せなさい。
あなたのすべき事はあの心優しい教え子を助け出すこと」
ぬ~べ~「……分かった。気を付けろよ真紅」
真紅「あなたこそ……行くわよ!」
ぬ~べ~「おう!」
グゴゴゴゴゴ
ぬ~べ~「くそっ、なんて力だ!」
ぬ~べ~(鬼の手を使うか?いや、ダメだ!この化け物を倒してもまた次が出てくる!
そうなったら郷子は!)
真紅「……鳴介は苦戦しているようね。早く勝負をつけてしまいましょう」
雛苺「や!来ないで!」
真紅「ちょっと、危ないでしょう……この子は!」ピシャン
雛苺「う!うええええええええええ!」
真紅「……あ」
郷子「きゃああああああ!」
ぬ~べ~「なんだ!いきなりこいつの力が強く…ッ!このままじゃ抑えられない!うわああっ!」
郷子「ぬ~べぇ~!」
ぬ~べ~「郷子!クソッ!郷子が投げ出された!あのままじゃ……ハッ!」
真紅『飛ぶようにイメージをするの。ここは精神の世界よ。思うままに望みは叶えられる』
ぬ~べ~「一か八かだ!………飛べ!!」
郷子「きゃああああああああぁぁぁぁ…………あれ?」
ぬ~べ~「なんともないか?」
郷子「……ぬ~べ~が受け止めてくれたの?……っていうか、飛んでる!?え!?」
ぬ~べ~「それ以外に何があるっていうんだ。どうやらここは精神の世界らしいからな。
霊能力者の俺が本気で念じれば、これくらいは出来るみたいだ」
ぬ~べ~「あぁこっちはなんとか。そっちはどうしたんだ?」
真紅「ごめんなさい、説得をしようと思ったのだけれど……少し失敗をしてしまったわ」
ぬ~べ~「そうか……いや、お前が無事で良かった。ここはひとまず……」
郷子「…………人形が喋ってる」
ぬ~べ~「あ、ヤベ……きょ、郷子?これはだな、そのぉ」
郷子「その子もローゼンメイデンなの?」
真紅「そうよ。私はローゼンメイデン第五ドール、真紅」
郷子「第五?なら、あなたは雛苺のお姉さんってこと?」
真紅「そうなるわ」
郷子「―――ッ!」パシン!
真紅「………え」
郷子「どうしてお姉さんなら、妹が悲しんでいる時に来てあげなかったのよ!
雛苺はずっと泣いてたのよ!?寂しいって、一人は寂しいって!それなのに!」ポロポロ
ぬ~べ~「郷子、お前……」
郷子「そうだ!雛苺は!?雛苺はどうしたの!?
ぬ~べ~、雛苺のところに連れていって!お願い!」
ぬ~べ~「……分かった。しっかりつかまってろ」
雛苺「うぅぅぅぅ……えぐっ、ぐすっ、うぅぅうう……」
郷子「雛苺!」
雛苺「キョーコ?きょーこぉぉぉぉ!」
郷子「あぁごめんね雛苺、怖かったね、ごめんね」
ぬ~べ~「郷子、その子は」
真紅「待って鳴介……雛苺、さっきはごめんなさい」
雛苺「真紅?……いいよ。ヒナもう怒ってないもん」ニコッ
真紅「ありがとう雛苺。ねぇ、一つお願いがあるの。聞いてくれないかしら」
雛苺「キョーコを取るのはダメ!」
ただ、このままではその子は弱ってしまう。何も言わないお人形になってしまうの」
雛苺「ううぅ……やだぁ……」
真紅「でも、寂しいのよね」
雛苺「うん……もう一人はやなの……寂しいの……」
真紅「……私と来ない?雛苺がよければ、私と一緒にいましょう」
雛苺「いいの!?」パアッ
真紅「えぇ、構わないわ」
雛苺「で、でも……ヒナたちはアリスゲームをしてて……やっぱりダメなの……
ヒナたちはてきどうしなのよ……」
真紅「この男の指を見て、雛苺」
雛苺「……うゆ?指輪、してない?」
真紅「そう。私は契約をしていない。あなたと戦う意思はないわ」
雛苺「じゃ、じゃあどうやってアリスゲームをするの!?
水銀燈にローザミスティカを奪われちゃうのよ!」
でも、きっとそれは姉妹で戦う事に比べればなんてことない……今はそう考えているのよ」
雛苺「しんく……ヒナもね、考えたこと、あるよ?
みんなでいっしょにくらして、あそんで、ごはんたべて、いーぱいたのしいことするの。
もちろんおとうさまもいて、それで……アリスゲームなんでやらないですごすの」
真紅「ステキな考えね、雛苺」
雛苺「うん!きっと、とーっても楽しいの!……真紅はそれを目指してるの?でも、きっと大変よ?」
真紅「それでもやる価値があると教えてくれたのよ……この、ぬ~べ~先生がね」
雛苺「せんせい?ぬ~べ~せんせい?」
ぬ~べ~「あ、まぁ……そうだね。先生といえば、先生かな」
郷子「なぁに言ってるのよ。正真正銘、私たちの先生でしょ」
真紅「え?」
雛苺「ヒナも真紅のお手伝いする!戦わなくていいアリスゲーム!
すっごくすてきなの!ヒナそれがいい!みんなで楽しく遊んでアリスをきめるの!」
真紅「雛苺……ありがとう」ソッ
雛苺「うゆ?……エヘヘ、真紅に抱きしめられちゃったの」
郷子「もういいの?雛苺」
雛苺「うん!もう寂しくないの!ヒナかえる!
真紅もいるし、キョーコもいるし、それにぬ~べ~先生もいるからへっちゃらなの!」
ぬ~べ~「一件落着ってことでいいのかな?」
真紅「……そうね、これでなんとか―――ッ!?」
雛苺「ふぇぇ……クマさんこわいの……」
真紅「まだアレが残っていたわ。雛苺、あれはしまえないの?」
雛苺「ヒナあせって作っちゃったからよく分からないの」
真紅「困ったわね。このまま放置も出来ないでしょうし」
ぬ~べ~「倒すしかないってことか……仕方ない。みんなここで待っていろ」
雛苺「あ、あぶないのぬ~べ~先生!あれ、とーってもつよいのよ!」
ぬ~べ~「南無大慈大悲救苦救難」
雛苺「ふぇ?」
郷子「ぬ~べ~はね、普段は貧乏でだらしなくておっちょこちょいでスケベでどうしようもないけど……」
ぬ~べ~「広大霊感白衣観世音!!」
郷子「子供たちを守る時にはね……」
ぬ~べ~「我が左腕に封印されし鬼の手よ!今こそその力を示せ!」
郷子「どんな妖怪でも倒しちゃう、無敵のパワーを出せるんだから」
ぬ~べ~「悪霊!退散!」ズシャアアッ!!!
雛苺「ほぇ………すごいの!すっごいのおおおおおお!ぬ~べ~先生かっこいいい!!」
真紅「今回のアリスゲーム、とんでもない男に巡り合ったものだわ……フフ」
ぬ~べ~「いよっし!みんなで帰るとするかぁ!」
……。
………。
………………。
???「ほぅ、では……彼の力はそれほどでもないと」
水銀燈「そうよぉ。適当にいなしてるだけで殺しちゃいそうだったもの」
???「あまりなめない方が良いと、忠告しておきましょうか……」
水銀燈「なんでアンタにこの私がそんな事を言われなくちゃならない訳ぇ?」
???「フッ、人の忠告は素直に受けておいた方が得策ですよ」
水銀燈「生意気ね……私に意見する気?」
???「……勘違いをしないことだ。私はお前の下僕でもなんでもない。
私とお前は互いの利害が一致した為に歩調を合わせているだけなのだからな」
水銀燈「やるっていうの?」
水銀燈「―――っ、フンッ、バカみたい。なに本気になってるのよ。カッコわるぅい」
???「フフフ……その調子で頼みますよ」
水銀燈「フン!」
???「さて……見せてもらいますよ鵺野先生……あなたの言う、愛というものをね」
………………。
…………。
……。
ぬ~べ~「えー、という訳でここの計算は繰り上がりを考えるとー」
広「それで結局大丈夫だったのかよ」
郷子「うん。雛苺もあれからは加減を覚えてくれてるし、なにより……」
真紅「ダワダワダワダワ」
雛苺「ナノナノナノナノ」
のろちゃん「せ、先生ぃぃ!また!また人形が喋ってます!」
ぬ~べ~「なに!?この!悪霊退散!」ペシッ!
真紅(ね、あの子面白いでしょう?)
雛苺(ほんとーなの!今度はおめめをパチパチしてみるの!)
郷子「……まぁ、楽しそうにやってくれてるしね」タハハ
克也「ローゼンメイデンだろ、美樹」
まこと「変な名前なのだ」
美樹「そのローゼンなんとかがまだ何体もいるって言うじゃない。世の中は広いわよね」
広「他のやつはどこにいるんだろうな」
郷子「雛苺は分からないって言っていたわ」
ぬ~べ~「こらそこ!さっきから何コソコソ話してるんだ!」
広「やべっ!」
ぬ~べ~「まったく……じゃあ次のページにいくぞ。ここはだな……」
ぬ~べ~「今日はこれくらいにしておくか。おやリツ子先生」
リツ子「あら鵺野先生……どうしたんですかその可愛らしいお人形」
ぬ~べ~「あ、いやコレは」
雛苺「うにゅう~!うにゅうなのぉ~!」ガバチョモミモミィ!
リツ子「―――――ッッ!キャアアアアアアア!!人形がああ!!」バシバシドゲシッ!
ぬ~べ~「ちょ!待ってくださいリツこせゲフゥ!?」
リツ子「鵺野先生のバカバカ変態!私が怖いの知っててこんなのをわざわざ用意して!
もう知りません!」
ぬ~べ~「あ、あァ……そんな、リツこ……せん、せ……」
真紅「やりすぎなのだわ雛苺」
雛苺「あうぅ、ごめんねなのぬ~べ~先生」
何かあったの?……って、あったみたいね」
雛苺「あ、キョーコ!キョーコなの!」
広「俺達もいるぜ」ヒョッコリ
雛苺「ヒロシなの!ミキもマコトもカツヤもいるの!」
美樹「しっかしよく動くわねぇ。本当に生きてるみたい」
まこと「不思議なお人形さんなのだ」
ぬ~べ~「また来たのかお前たち……まぁいいか。ただし、他の生徒には言いふらすんじゃないぞ」
克也「言ってもぬ~べ~クラスの生徒以外は信じねぇよ」
真紅「自分で言うのもなんだけれど、あなた達は不思議な人間ね」
まこと「なんでなのだ?」
真紅「喋る人形に物怖じせず接してくれるような人間は案外少ないものなのよ、ぼうや」
郷子「ハイハイ……ところでぬ~べ~、他のローゼンメイデンは見つかったの?」
ぬ~べ~「いや、まだだ。方法を変えてこちらからも探そうとしてはいるんだがな」
真紅「Nのフィールドにもいないし、鳴介のフーチでも反応がないのよ」
ぬ~べ~「この土地は元々霊力や妖気がたまりやすいようで、
それがローゼンメイデンの反応を抑えているみたいなんだ」
真紅「といってもそろそろ……あら。鳴介、ちょっとこっちに来なさい」
……ルル
ぬ~べ~「ん?なんだ一体」
……ュルル
真紅「こっちよ。もっとこっち。そう、そこでいいわ。そこで左を向いてちょうだい」
……ヒュルルルルルル
ぬ~べ~「おいおい、いきなりなンゲフッ!?」ガシャアアアアン!!!
ぬ~べ~「イテテ……一体なんだってんだ……あぁ窓ガラスが!」
校長「……ん?鵺野くんこんな時間まで何をやっとるのかね?」
ぬ~べ~「こ、校長先生。これはですね」
校長「窓、弁償ね。給料から引いておくから」
ぬ~べ~「…………」バタッ
美樹「あ、倒れた」
真紅「……行ったわね。起きなさい鳴介。あなたも隠れていないでこっちに出てきなさいな、翠星石」
翠星石「…………」
みんな『新しい人形!?』
翠星石「ひぃ!に、ニンゲンがいっぱいいやがるですぅ!」ササッ
まこと「逃げちゃったのだ」
美樹「なぁによ失礼な人形ね。このナイスバディのミキちゃんを前にしてさぁ」クイッ
克也「翠星石か……なんつぅか、変わった名前だな」
翠星石「―――!バカにすんじゃねぇです人間ども!お前らなんて翠星石が本気をだせば」
広「ワッ!」
翠星石「ヒイイイイィィ!」サササッ
広「アハハおもしれー」
郷子「やめなさいよバカ」ペシン
だから早く来てくれですぅ、ゆきめ!」
ぬ~べ~「ゆ、ゆきめ!?君、今ゆきめと言ったのか!?」ガバッ
翠星石「ひぃぃ!声がデカいですぅ眉が太いですぅ顔が怖いですぅ!」
ぬ~べ~「お、オイちょっと暴れないでくれ!イテテッ!」
翠星石「ゆきめ助けてですぅ!」
ゆきめ「先生!な、何してるんですか!」ガラッ
郷子「あ、ゆきめさんだ」
翠星石「ゆきめぇー!怖かったですぅ!」テテテテッ
ゆきめ「ごめんね翠星石、一緒にいけばよかったね」ナデナデ
翠星石「さぁゆきめ!あの人間どもをケチョンケチョンにしてやるですぅ!」
ゆきめ「だからそれはできないってば」
翠星石「ちぇっ……命びろいしたですね人間ども!
これにこりたらちったぁ翠星石のことを敬えですぅ!」
まこと「いそがしいお人形さんなのだ」
まこと「そうなのだ?教えてくれてありがとうなのだ」
真紅「はいはい、一度落ち着きなさい。鳴介、お客様がきたのだからおもてなししなさい。
雛苺は私と席に。ローゼンメイデンの大事な話し合いよ。生徒のみんなはどうしようかしら……
そうね、静かにしているなら同席してもかまわないわ」
美樹(に、人形のくせに見事に仕切ってる。やるわねコイツ)ゴクリ
……。
ゆきめ「落ち着いた?翠星石」ナデナデ
翠星石「ふん、もとから翠星石は冷静沈着ですぅ」
真紅「あらためて、久しぶりね翠星石。元気だった?」
雛苺「おひさしぶりなの」
翠星石「元気でしたよ……目覚めたのは半月ほど前ですぅ」
翠星石「蒼星石は……うぅ……」ジワッ
ぬ~べ~「お、おい、いきなり泣き出してどうしたんだ君」オロオロ
翠星石「うるせぇですゲジマユ人間……こっちにもふか~い事情があるんですぅ」
ゆきめ「今日はその事で先生に相談があってきたんです……
この翠星石には、双子の姉妹で蒼星石というローゼンメイデンがいるんですが、その子を探してもらいたいんです」
ぬ~べ~「そうなのか真紅?」
真紅「えぇ。双子のメイデンは庭師をしているの。彼女の妹である蒼星石は、それは見事な鋏捌きだったわ」
郷子「ハサミ捌きよ、さばき。ハサミの扱いが上手ってことでしょ」
まこと「図工が得意そうなのだ」
克也「庭師って言ってたし、そういうのとは違うんじゃねぇか?」
ゆきめ「先生どうかお願いします」
ぬ~べ~「勿論君たちの頼みは引き受けたいんだが
……しかし、恥ずかしい話だがこっちもお手上げなんだ」
真紅「前から他のローゼンメイデンを探してはいるのだけれど、どうにも見つからないのよ。
この土地が原因らしいのだけれど、こんな事は初めてだわ」
翠星石「真紅もですか……翠星石も妙な感じなんですぅ。
Nのフィールドでも今までならなんとなく蒼星石の居場所が分かったのに、
この町ではそれが出来ないんですぅ」
雛苺「おてあげーなのよ!」
郷子「はいはい、暴れないでね」
真紅「あやまる必要はないわ。こちらとしてはむしろあなた達の行動に感謝しているのよ。
おかげでこうしてローゼンメイデンの一人に出会えたもの」
翠星石「……そのセリフ、真紅はやる気ってことですか?」
ぬ~べ~「お、オイ。姉妹で争うなんてやめるんだ」
真紅「勘違いしないでちょうだい。私にその気はないわ。勿論あなたもでしょう、翠星石?」
翠星石「翠星石は……蒼星石が見つかればそれでいいですぅ。
もし、どうしてもゲームをするのなら、蒼星石に……」
真紅「それはあなたの自由だけれど、私はいまこう思っているの……
みなが争わないですむ方法はないものか、とね」
雛苺「んーとね!みんなでたのしくあそぶの!それでアリスをきめるのよ!
いたいのとかかなしいのはめーなの!」
真紅「姉妹で傷つけあることなくアリスゲームを終わらせる方法……
蜘蛛の糸をつかむような事だけれども、私はそれをやってみようと思っている」
翠星石「本気ですか?絶対に無理ですぅ。仮に蒼星石が納得しても、
水銀燈が話し合いに応じるとは思えないですぅ。バカナリアは……まぁどうでもいいですけど」
真紅「やってみないと分からない。でしょう?」
ぬ~べ~「ん?あ、あぁ、そうだな。あの子も俺が止めてみせるさ」
翠星石「…………」
真紅「蒼星石は皆で一緒に探しましょう。微力ながら協力するわ、翠星石」
翠星石「本当にそんなことが出来るとはまだ思えねぇです
……でも、本当に、もし本当にできるのであれば……翠星石も手を貸してやらないこともないですぅ」
真紅「フフ、ありがとう。じゃあまずは蒼星石を探す分担を決めましょう。
私はこっち、雛苺はここを、それで鳴介とゆきめは……」
まこと「カクカクレンジャーの時間なのだ。ぼくも帰るのだ」
克也「……そうだな。俺もちょっと今日は早く帰りたい気分だぜ」
美樹「あら、克也ったら可愛い人形をみて色々考えちゃったの?やだー」
克也「ちげぇよ!そんなんじゃねぇっつーの!」
………。
………………。
金糸雀「おいしいかしら……意外だわ」
いずな「文句あるなら食べなくてもいいわよ」
金糸雀「あぁ食べるかしら!ダメぇ!卵焼きカナの!」
いずな「わーかってるわよ。アンタのために作ったんだもの。好きに食べな」
金糸雀「いずなちゃんはちょっとイジワルかしら」
いずな「こんな美少女中学生に拾われてなに文句いってんのよ、みたいな。
男なら生唾モノなんだからね?」
金糸雀「カナは男の子じゃないし、お人形さんだもの」
いずな「そりゃそうだ。今日も行くの?」
金糸雀「もちろんかしら!今日も頑張って真紅たちを見つけて、
ラクしてズルしてローザミスティカいただきかしら!」
金糸雀「ととと友達じゃないかしら!カナがやってるのはきびっしぃ戦いかしら!
甘えは許されないんだから!」
いずな「昨日ぐずってたのは誰よ。ほら、口もと汚れてる」
金糸雀「んむむ……とれた?」
いずな「取れたよ。じゃあ私もう行くから、鍵かけはしっかりね」
金糸雀「まかせるかしら!行ってらっしゃいかしら!」
いずな「おう!しっかり稼いでくるぜぃ!」
………………。
…………。
……。
??「あぁ、真紅ってやつと雛苺ってのもいたよ。
でも真紅は戦う意思は無いって言ってたぜ」
蒼星石「翠星石は?」
??「よく分からねぇけど乗り気だった気がする。
でも、なんか変な名前の……水銀なんとかが邪魔をするって言ってた」
蒼星石「水銀燈だね。彼女は危険だ……真紅の考えには絶対に賛同しないだろう」
??「そうなのか?」
蒼星石「彼女は狂信者だからね……もし仮にそうでなくても今の彼女は危険だ。
一度刃を交えてよく分かった。彼女はとんでもないミーディアムと契約している」
??「水銀燈ってお前が戦ったアイツかよ!あ、あんなの……化け物じゃねぇか!
ぬ~べ~でもかないっこないぞ!そんな奴の後ろにいる……誰なんだよ、そいつ……」
まるで信じられない話だけどね。まぁ僕が言っても説得力がないかもしれないけれど」
??「……また、やるのか?」
蒼星石「そうだね。もう少し休んで力が戻ったら、もう一度……彼女に挑もうとおもう」
??「ぬ~べ~達に手伝ってもらえばいいじゃねぇか!なんで一人でやろうとするんだよ!」
蒼星石「フフ、君は優しいね……」
??「そんなんじゃ、そんなんじゃねぇよ」
蒼星石「ただのワガママさ。戦いは一対一で、
ローゼンメイデンの誇りをかけて戦うんだ。それが僕の流儀」
??「……バカやろう」
真紅たちが危険なんだ。優しい彼女たちには今の水銀燈は危なすぎる」
??「それでお前が、壊れちまってもか?」
蒼星石「壊れないように努力はするつもりだよ?」
??「意地っ張り。強情。頭が固いんだよ。
使えるもの使って、なんでもいいから勝てばいいだろうが」
蒼星石「そうだね。だから次の戦いでは僕の全てを出すよ……力を貸してくれるかい?」
??「ッ!…………当然だろ、蒼星石」
克也「俺はお前の、ミーディアムなんだからよ」
……。
………。
………………。
数日後。
真紅「ダメね」
翠星石「てんでダメですぅ」
雛苺「ダメダメなの」
ぬ~べ~「お前らなぁ……揃いも揃って人のことをダメダメ言うなよ!」
真紅「ヨレヨレのシャツとネクタイ」
翠星石「ボサボサの髪の毛」
雛苺「おうちはビンボーなの」
翠星石「ゆきめとゲジマユ人間じゃあ月とスッポンですぅ」ヘッ
ぬ~べ~「あ~の~なぁ~!」
ゆきめ「わ、私は鵺野先生のこと嫌いだなんて思ってませんよ!む、むしろ……」
ぬ~べ~「ゆ、ゆきめくん……」
真紅「ハイハイ!時間がもったいないのだわ!そういう事は二人きりの時にして頂戴!
せっかくミーディアムで集まったのだから今後のことを決めていかないと」
雛苺「真紅がおこったのー」
翠星石「きゃーこわいですぅー。ゆきめぇー」
ゆきめ・郷子『ハイハイ、ちょーっと落ち着いてね』
ぬ~べ~(俺と違って上手く手なずけてるなぁ……)
ゆきめ「えぇ、そうだけど……お気に召したのならよかったわ」
真紅「おいしい紅茶に落ち着ける住まい……正直、翠星石が羨ましいわ」
ぬ~べ~「悪かったな狭い家で」
翠星石「ゆきめは渡さねぇですよ真紅」ギューッ
ゆきめ「まぁまぁ先生、翠星石もそんなに抱きつかないでねー」
真紅「と、いつまでも歓談していても始まらないわね。
この一週間で探した範囲をそれぞれ確認していきましょうか。そうね、まずは私から。今週は……」
…………。
……。
金糸雀「ふんふんふーん、今日もNのフィールドを探索かしらぁー」
金糸雀「ピチカート、なにか見つかった?え?何もない?うーん、まぁ仕方ないかしら」
金糸雀「うん?あれは……ゲェェ」
ラプラス「おやおやどなたかと思えば、黄薔薇の楽師どのでしたか」
金糸雀「ラプラスの魔……いやーな奴に会っちゃったかしら」
ラプラス「暖かいお言葉、ありがたく頂戴いたします。さてさてお嬢様、どちらにお向かいで?
まだ現は日も高い、夢に浸るのはいささか早すぎではございませんか?」
金糸雀「カナがいつどこで何をしてようとラプラスには関係ないかしら!」
互いに見えども触れはせず……あなたがなすことは私となんら関係がない。
たとえここで何をしようとも。たとえばそう、不意に足元が崩れようとも。
あなたがどに落ちようと、なんら私と関係はございません」
金糸雀「……へ?え、ちょ!ちょっと!なにこれ!え!
きゃああああああ!ラプラスぅぅぅぅぅぅ!
覚えてるかしらああああぁぁぁぁ…………」ヒュウウウゥゥ………
ラプラス「忘れなどいたしませんよ……
これは薔薇の姉妹の物語。
一遍たりともあまさず綴らせていただきますゆえ」
……。
蒼星石「……ん、こんなものかな」
蒼星石「幾分マシにはなったけれど、まだまだ手入れが必要そうだ」
蒼星石「翠星石がいればもっと早くできるんだけれど、まぁそうも言ってられないか」
ヒュルルルルルルル……
金糸雀「ぶべっ!」ズシャッ
なんなのよもうあのウサギ!いきなりカナを落として何がしたいのか意味不明かしら!嫌い!だいっきらい!」
翠星石「かな、りあ?」
金糸雀「うん?あら、蒼星石かしら……蒼星石かしら!蒼星石ぃー!」ダキッ
蒼星石「ちょ、ちょっと!いきなりどうしたのさ!?」
金糸雀「あぁようやく姉妹に会えたかしらぁー……みんなどこに行ってたのかしら!
カナさみしか……ったぁなんてことはなくってぇ!よ、余裕で見つけられたかしら!
カナがその気になればこんなものかしら!」
金糸雀「……ところでここはどこかしら?」
蒼星石「ここは克也くん……僕のミーディアムの心のなかだよ」
蒼星石「ウン。克也くんは僕のことで心を痛めてくれる優しい子だから。
こうやって時々手入れをしてあげてるんだ。
彼、夜が遅いからこうやってお昼寝してる時くらいじゃないと入れないんだけどね」
金糸雀「ふぅん。相変わらず蒼星石らしい気の使い方かしら
……あ!そうだったわ!蒼星石、他の姉妹の行方は知ってる?」
蒼星石「聞いてどうするつもりだい?戦いなら止めておいたほうが良いよ。
向こうはすでに真紅を中心に翠星石と雛苺が組んでいる。君ひとりじゃあかないっこない」
金糸雀「べ、別にすぐに戦うわけじゃないかしら!
たしかにアリスゲームは重要だけど、カナはそんながっつくようなことはしないかしら!
見ての通りカナはレディですもの」
蒼星石「フフ……相変わらず金糸雀らしいや」
蒼星石「真紅達なら童守小学校のぬ~べ~先生のところに集まってるみたいだから、
暇なときにでも行ってみればいいよ」
金糸雀「それはいい事を聞いたかしら。覚えておこうっと」メモメモ
蒼星石「僕とここにいたっていうのは内緒にしておいてね」
金糸雀「え?なんで?」
蒼星石「なんでも」
金糸雀「なんだか変な蒼星石。でもそこまで言うのなら守ってあげるかしら!
カナに感謝するといいかしら!」
蒼星石「ありがとう、金糸雀」
蒼星石「そうだよ。少し曲がってるけど立派なものでしょ?」
金糸雀「ほへー、うちのいずなちゃんには敵わないけど、立派な樹になりそうかしら」
蒼星石「いずな?それが君のミーディアムの名前?」
金糸雀「むむむ、思わず口から洩れちゃったかしら。まぁ名前くらいならいっか。
そうよ、いずなちゃんは私のミーディアム。素敵な子かしら……そうだ、良い事思いついたわ」
蒼星石「?」
金糸雀「~~~♪」
蒼星石「……金糸雀」
金糸雀「~~~♪~~~♪」
金糸雀「……ふう!こんなところかしら!」
金糸雀「あったりまえかしら!カナの演奏を聞いたんだからこの子も元気いっぱいかしら!
その元気で……蒼星石を支えてあげてね」ソッ
蒼星石「金糸雀……君ってやつは……」
金糸雀「ふふ、姉からのサービスってやつかしら!ありがたく受け取っておくがいいわ」
蒼星石「そうだね。ありがたく頂戴するよ」
金糸雀「……フフ」
蒼星石「……ッハハハ」
蒼星石「僕かい?僕は……水銀燈と戦おうと思っているよ」
金糸雀「水銀燈と?」
蒼星石「僕は前に一度彼女と戦ったんだ……その時は僕の負けだった。
圧倒的な力だったよ……長くアリスゲームをやっていたけれど、あんな強大な力は初めてだ」
金糸雀「じゃ、じゃあ絶対に負けちゃうの?」
蒼星石「分からない。彼女も自分の力を操りきれていないフシがあったから
まだ勝機はつかめるかもしれない……金糸雀、僕はね……彼女を止めたいんだ」
金糸雀「え?止める?」
蒼星石「水銀燈が自ら望んで動いているのか、それともあの力の持ち主に操られているのか
……僕はそれを見極めたいのさ。そしてもし操られているのなら……彼女を止めてやりたい」
金糸雀「……蒼星石は優しいのね」
蒼星石「みんなには秘密だよ?」
金糸雀「カナは嘘つくの苦手だけど……頑張るかしら」
蒼星石「ありがとう」
………。
………………。
いずな「毎度ありぃー」ヒラヒラ
いずな「いやぁー私の溢れる才能をもってすれば心霊写真の一枚や二枚、ちょろいもんよ」ハッハッハ
いずな「そろそろ警察がきそうだし場所かえよっかなー」
いずな「ん?あらどうだった管狐?……そっか、今回も収穫なしね。ありがと、戻っていいわよ」
いずな「うーん、ここら辺の家はどこもそれらしき人形は持ってない、か……案外見つからないものねぇ」
いずな「噂を広め小学生を怖がらせてどこに手紙が届くのか見つけやすくする作戦、
うまくいくと思ったんだけどなぁ……ズルして楽してとはいかないみたいなぁ」ハァ
余計なことに口をはさむなーお前は修行してろーとか、そればっかりなんだもん」
いずな「ん?どしたの管狐……そら?空がなんだっての……お!アレもしかして!」
いずな「ちょっとアレそうじゃない?マジでカナが言ってたやつっぽくない?
みたいな?あ!あっち行っちゃう!ちょっと追いかけるよ!」
……。
いずな「なんとか見失わずにすんだけど、あの人形いつまで飛び続けてるのよ……
あーようやく着地するみたい。場所は……びょういん?」
いずな「ここに契約者がいるのかしら。それとも別にただ降りただけ?」
いずな「ま、こんなとこで考えてても分かる訳ないっしょ。ちょーっと行ってみますか」
見事におじいちゃんおばあちゃんばっかり……もしかして契約者もヨボヨボだったりして?みたいな?」
いずな「行ってみれば分かるか。エレベーターはっと……あったあった」
ガヤガヤガヤ
いずな「おっと団体さんのご到着ってか?……え!?」
いずな「な、ななな、なんでアイツがまだここにいるのよ!他人のそら似!?
それとも『あの』妖怪がアイツに化けてたの!?」
いずな「なぁーんかヤなかんじぃーみたいなぁ……って言ってる場合じゃないカモ……」
ぬ~べ~「珍しいな、お前がため息なんて」
真紅「結果が思わしくないもの。私だってたまには、ね」
ぬ~べ~「どこにいるんだろうな……蒼星石に、金糸雀に」
真紅「水銀燈」
ぬ~べ~「……アイツか。あの力、放ってはおけない」
真紅「はっきり言って彼女の力は異常だったわ……
あの子のミーディアムは相当な力を持っている……鳴介、下手をすれば」
ぬ~べ~「あぁ、相手の実力は俺以上かもしれない」
真紅「それでもあなたは立ち向かうのでしょう?」
ぬ~べ~「ま、やるだけやってみるさ」
真紅「変なところで楽観的なのね。あら、人間だわ」
ぬ~べ~「お前は……いずなじゃないか。どうしたんだ急に」
いずな「やっほぉー、みたいなぁー」
いずな「そんなんじゃないって!今日は―――あ!その人形!」
ぬ~べ~「ん?あ、あぁ、これはお祓いを頼まれていてな。
少しこうやって一緒にいてやらないと霊が納得しないんだ……別にそんな趣味がある訳じゃないぞ」
いずな「わ、分かったからそんな怖い顔で睨まないでよ。大丈夫だって、
わたしも一応霊能力あるし、その人形からはイロイロ感じるからさ」タハハ…
ぬ~べ~「……で?なんの用があるんだ?」
いずな「うーんっとね……ん、やっぱ……いいや、ウン」
ぬ~べ~「はぁ?いずなお前、なにかあったから俺のところに来たんじゃないのか?」
いずな「まぁ自己解決できたっていうか……
ちょっと事情が変わったっていうかぁー……とにかくさよならっ!」
ぬ~べ~「あ、オイ!いずな!何かあったんなら隠さずに教えろよ!いいな!」
いずな「わぁーかってるって!みたいな!じゃねー!」
いずな「なぁんでセンセーも人形もってんのよぉ。
これじゃあセンセーも敵ってことじゃん。ありえないしぃー」
いずな「あー困った……とりあえずカナに話してみよぉ」
いずな「マジチョベリバ……ちょっち古いか」
………………。
…………。
……。
水銀燈「あらぁ、御目覚め?」
蒼星石「……ハァ、どういう事か説明してもらえるかな。
寝込みを襲うのが君の趣味なのかい?」
水銀燈「今ここで壊れるのがお望みかしら?」チャキ
蒼星石「よしてくれよ。君だってそんな事を望んでいるわけじゃないだろう」
水銀燈「あら、どうしてそう思うの?」
蒼星石「こんな夜更けに、ひっそりと僕にだけに会いにくる……
こんなまどろっこしいやり方を取るのは君の好みじゃないはずだ……
だったら何か理由があると推測するのが筋だろう?」
水銀燈「クス……おつむの冴えた妹で助かるわぁ」
蒼星石「何が目的だ、水銀燈」
水銀燈「私の目的はいつだってひとつ。ローザミスティカを集め、
アリスとなりお父様に会うこと……それだけよ」
蒼星石「真紅は戦わずに済む道を模索しているよ」
水銀燈「知っているわ……マヌケな真紅、かわいそうな真紅、
おかげで私の敵はあなた一人。他の姉妹なんて片手で相手をしても勝てるもの」
……今の君とは、正直長く話していたくない」
水銀燈「いい子ね蒼星石。敵意のある子は嫌いじゃないわ。
壊しがいがあるもの……三日後、Nのフィールドで待つわ。場所は……」
蒼星石「……わかった。だが何故そこなんだ?」
水銀燈「どうせ壊れるなら綺麗な場所がいいでしょう?姉からの優しさよ」
蒼星石「そう……おやすみ姉さん」
水銀燈「おやすみ蒼星石。限りある時間をせいぜい楽しみなさい……フフフ」
克也「…………」グッ
……。
………。
………………。
翠星石「ヒーッヒッヒッヒ、出来るもんなら取り返してみろです」ヒーッヒッヒッヒ
郷子「こらぁ!翠星石!金糸雀をいじめないの!」
雛苺「真紅、これはなんて読むの?」
真紅「松葉崩しね……こう、股を合わせて」
ゆきめ「そっちじゃなくてこっちの絵本を読んでてちょうだい!お願いだから!」
ギャアギャア
いずな「ちょーうるさいって感じ、みたいな」
ぬ~べ~「お前の連れてきたドールのせいか、やけにみんな元気だな」
いずな「ドール?」
ぬ~べ~「彼女たちのことだよ」
ぬ~べ~「まぁな。お前は金糸雀とはどれくらいなんだ?」
いずな「ひと月くらいかなぁ……家のポストに手紙が入ってて、
儲け話にでもなるかと思って手を出したらカナが来たんだ」
ぬ~べ~「しかし意外だな。お前があの子を大切にしているなんて」
いずな「ちょっとアタシをなんだと思ってんの?みたいな?
こう見えても管狐もきちんと育ててるんだからね。むしろアタシの方こそ意外ってかんじぃー。
センセーがあんなロリロリィな人形と仲良く暮らしてるんだから」
ぬ~べ~「そういう言い方をするのはこの口か。あぁん?」
いずな「暴力反対みたいなぁー」
ぬ~べ~「……で、話っていうのはこの事だったのか?」
いずな「え?」
ぬ~べ~「前に会った時、真紅のことを見たら急に逃げ出したろう」
いずな「……あぁ、アレか……当たらずとも遠からずって感じ、かな」
ぬ~べ~「言ってみろ。この事に関しては俺達は一蓮托生みたいなものだ。
互いに協力するのが最善だと俺は思っている」
だいたい分かってるんだけどさ、ここにいないドールが二体いるじゃん?」
ぬ~べ~「蒼星石と水銀燈だな」
真紅・翠星石「……」ピタッ
雛苺「うゆ?真紅どうしたの?」
金糸雀「返せかしらっ!……す、翠星石?」
いずな「うん。私、見たんだ……そのうちの一体」
真紅「水銀燈を見たの!?どこで!言いなさい!」
翠星石「蒼星石はどこにいるですか!?さっさと白状しやがれですぅ!」
ゆきめ「ちょ、ちょっと二人とも落ち着いて」
ぬ~べ~「どっちを見たんだ?」
いずな「……水銀燈。だと思う。黒い服を着て銀髪の人形だった。翼が生えてて空飛んでたし」
真紅「水銀燈……!」
翠星石「そうですか……蒼星石じゃねぇですか……」
ぬ~べ~「行き先や、どこから来たなどは分かるか?」
いずな「分かるよ。カナから聞いてたし尾行したもん……行き先は童守病院」
ぬ~べ~(タマモのいる病院じゃないか……まさか)
いずな「センセー……わたしさ、そこで見ちゃったんだ。
前に倒したと思ってた狐の妖怪、あいつがばけてた人間の医者が普通に働いてるの」
ぬ~べ~「お前はそいつがクサいと思ってるんだな」
いずな「うん。あれ、ヤバい……あの水銀燈って人形の相棒があの男だとしたら、ちょっとマズいよ」
郷子「ぬ~べ~……」
ぬ~べ~「行ってみよう、童守病院に」
ぬ~べ~(信じているぞ、タマモ)
雛苺「キャー!こわいのー!お化けなのー!」
翠星石「ほーれほれほれ!骨のお化けですよー!」
真紅「やめなさい翠星石、みっともない」
金糸雀「ここ何か流れてるわ……バッハかしら?」
ぬ~べ~「あー、その、これはだな……
ローゼンメイデンという呪い人形の一種で、ちょっとした付き合いで一緒にいるんだ」
タマモ「相変わらず酔狂な人だ」
いずな「……ねぇアンタ……私のこと、覚えてない?」
タマモ「…………いや、初対面だよ御嬢さん。誰かと勘違いしているんじゃないか?」
いずな「そんな訳あるか!アンタは私が退治した―――っ!?」
タマモ「もしそうなら何故私はここにいるんだい?」
いずな「~~~ッ!!ば、化けの皮はいでやるんだから……」
タマモ「鵺野先生、あの年頃の子は思いつきで話すことがよくある。あまり全てを真に受けていては身が持ちませんよ」
郷子「ねぇぬ~べ~、それよりも……」
ぬ~べ~「そうだったな。真紅、ちょっと来てくれ」
真紅「ようやく出番ね……」ジイッ
タマモ「呪い人形か。よく出来ている。まるで本当に生きているようだ」
ゆきめ「この子たちには魂があるのよ」
タマモ「冗談を。作り物に魂を宿すなど、人間の芸当では不可能に近い―――それも名も知らぬ人形師などがどうやって」
翠星石「お父様をバカにするなですぅ!」
雛苺「そうなの!お父様をバカにするなんてメーなの!」
真紅「二人とも静かに……違うわ鳴介。この男は契約をしていない。指輪もないし、外した後も見られないわ」
ぬ~べ~「そ、そうか」ホッ
タマモ「だから言ったでしょう。そんな人形に興味は無いと。まったく……」
郷子「タマモ先生は何か知りませんか?
この病院にローゼンメイデンの一人が入ったらしいんですけど……」
タマモ「さぁ……なにぶん全ての患者や医師のことを把握している訳ではないからな。
私の担当していない患者が契約者なのかもしれない」
ゆきめ「この病院を探しても?」
タマモ「好きにしろ。ただし患者に迷惑をかけるなよ」
真紅「行きましょう鳴介。この病院のどこかに水銀燈がいるはずよ」
ぬ~べ~「あぁ……じゃあなタマモ」
タマモ「ここで知り合った縁だ。何かあれば私からも伝えてさしあげますよ」
タマモ「もう出てきていいぞ」
水銀燈「あーぁ、なんでこの私が隠れなきゃならないのよ」バサッ
タマモ「今見つかるわけにはいかないのだろう」
水銀燈「フン……しかしよくあいつらが来るって分かったわね」
タマモ「お前と契約してから病院の周囲には気を配っているからな。
あの小娘が来た時点でこうなることも予測はしていた」
水銀燈「器用なものね……指輪の後を隠すなんて」
タマモ「変化の術の応用さ。奴らが帰ったら再契約だ」
水銀燈「魂のない人形に傅いて口づけするのはプライドが傷つくんじゃありませんこと?」クスクス
タマモ「フッ、私は目的のためには手段を厭わない……この程度で妖狐の誇りに傷などつかぬよ」
水銀燈「チッ……」
タマモ「フフフ……あと少しですよ、鵺野先生……」
…………。
……。
真紅「あぁもう!どうしてどこにもいないの!」
ぬ~べ~「落ち着けよ。お前が焦る原因もよく分かるが、そんなことをしても水銀燈は見つからないぞ」
郷子「でも真紅が怒るのも無理ないよ……結局病院にも水銀燈の手がかりは無かったし」
いずな「っかしぃなー絶対に見間違いじゃなかったはずなんだけど……」
ゆきめ「また地道に探すしかないですね」
ぬ~べ~「そうだな。もう一度フーチで……おっと、電話だ」
克也『ぬ~べ~、助けてくれ……』
ぬ~べ~「ッ!?どうした克也!何があった!」
克也『蒼星石が……蒼星石が死んじまう!』
翠星石「蒼星石!?いま蒼星石って言ったですか!?」
克也『うぅ……三日前に水銀燈が蒼星石に何か話してて、それで今日起きたらアイツがいなくて』
ぬ~べ~「落ち着け克也!……そうか、分かった。お前はそのまま家にいろ。いいな!」
郷子「ぬ~べ~!」
ぬ~べ~「どうやら、蒼星石と契約していたのは克也だったようだ……
蒼星石は水銀燈と何かの約束を果たすためにNのフィールドへ向かって行ったらしい」
ゆきめ「克也くんが?まさか、あの子がそうだったなんて……」
真紅「なるほどね……今にして思えば色々と納得がいくわ。
あの少年だけ他の子と違ってやけにこちらの事を詳しく聞こうとしていた……
あれはすでに同じような存在と関わり合いをもっていたという事だったのね」
翠星石「いきなり大声だすなですぅ!耳がキーンってするですぅ」
金糸雀「か、カナ……カナ……蒼星石に会ったことあるかしら!」
真紅「えっ!?」
翠星石「どどどどういう事ですかバカナリア!全部吐きやがれですぅ!」
金糸雀「や、やめるかしらデコを叩かないで欲しいかしら!言う!言うからぁ!」
雛苺「どこで会ったの?」
金糸雀「蒼星石のミーディアムの心のなかかしら。
Nのフィールドを探索していたらラプラスの魔に落とされたのよ」
翠星石「蒼星石はどんな様子だったんですか!?」
金糸雀「どうって……水銀燈を止めたいって、そう言ってたかしら。
本当は秘密だって言われたんだけど……言われたんだけど!
もう黙ってられないかしら!蒼星石があぶないの!助けて欲しいかしら!」
金糸雀「いずなちゃん……ありがとうかしら」
雛苺「水銀燈がみつかったの!蒼星石も助けるの!やることは決まったの!」
ゆきめ「そうね。今は話し合っている時間じゃないわ」
郷子「今すぐ蒼星石のところに行かないと!」
真紅「行くわよ鳴介、Nのフィールドへ」
ぬ~べ~「あぁ、もし二人が争おうとしているのなら止めなければ」
翠星石「っしゃー!待ってるですよ蒼星石!
かわいいかわいい翠星石が今すぐ助けにいってやるです!」
…………。
………………。
水銀燈「あら、早かったのね」
翠星石「罠をしかけられるかもしれないからね……当然のことさ」
水銀燈「フフフ……だったら今ここにはあなたの仕掛けた罠があるのかもしれないのね。こわぁい」
蒼星石「僕はそんな真似はしないよ」
水銀燈「知ってるわよぉ?あなたは純粋で愚直で周りがまるで見えていない……
そんな可愛らしい私の妹ですもの」
水銀燈「今さらねぇ。力のない主張には興味ないわ」
蒼星石「分かった……もうこれ以上は何も言わないよ」
水銀燈「それがいいわ。喋る余裕などもう生まれないでしょうから」フワッ
蒼星石「……ッ!」チャキッ
水銀燈「蒼星石、私の可愛い妹……ウフフ……さぁ」
【遊びましょ?】
雛苺「ヒナそんなに早く進めないのぉー」
ぬ~べ~「……仕方ない。ここは別れよう」
郷子「え?どういうこと?」
ぬ~べ~「Nのフィールドは鏡でつながっている。
雛苺と郷子、金糸雀といずなはそれぞれ克也と童守病院の様子を見てきてくれ。
克也は出来るならこっちに来させるんだ。万が一の時は俺達の側にいた方がいいからな」
金糸雀「どうしてあの病院に行く必要があるの?」
ぬ~べ~「水銀燈の動きに合わせて病院にいると思われる契約者が動く可能性もあるだろう……
それに、なにか嫌な予感がするんだ……」
いずな「センセーのカンか……信じてみる価値はあるね」
真紅「私と翠星石で出来るだけ水銀燈を止めてみるわ」
いずな「あ、ちょっとカナ!ったくしゃあないわね、そっちは頼んだぞセンセ!」
雛苺「みんなのおうちはこっちなのー!ヒナ前にこっそり行ったことあるから知ってるの!」
郷子「がんばってねぬ~べ~!ゆきめさん!」
ぬ~べ~「みんな掴まれ!全速力で飛ばすぞ!」
ゆきめ「は、ハイ!」
翠星石「あっちですよゲジマユ人間!」
真紅「お願い……間に合って……!」
克也「うっく……ちくしょぉ……」
克也「急に体が重く……蒼星石が力を使ってるのか……」
克也「俺が、側にいねぇと!アイツ絶対無茶しやがる!クソッ!」
雛苺「とーちゃくなの」
郷子「克也!ちょっとアンタ大丈夫!?」
克也「お、おまえ郷子ォ!?どっから出てきてんだよ!鏡ぃ!?」
郷子「説明は後!早く来て!蒼星石が大変なのよ!」
克也「蒼星石ッ!……わかった、俺を連れて行ってくれ!」
雛苺「よぉーっし!全速力で真紅達のとこにレッツゴーなのぉー!」
金糸雀「童守病院に到着……ってここ、タマモ先生のお部屋かしら」
いずな「回診中なのかいないわね……そもそもアイツ、本当に何も関係ないの?
絶対におかしいって。なぁーにかあるはずっしょ」
金糸雀「い、いずなちゃん?人の部屋を勝手に漁るのはよくないんじゃ……」
いずな「非常事態よ非常事態。何か私の霊能力者としてのカンがここらへんに―――ッ!か、金糸雀!コレ!」
金糸雀「なに!?なにかしらいずなちゃん!なにかあった!?」
いずな「これ!部屋の隅に隠されてたこの鞄!これって!」
金糸雀「……まちがいないわ、水銀燈のカバンかしら……なんでこんなところに水銀燈のカバンが……
タマモ先生は契約なんてしていなかったはずなのに」
いずな「理由は分からないけどこれでアイツが臭いのは確定したわね!
今すぐセンセー達に知らせないと!フッフッフ!みってなさい!
あのいけ好かない奴の鼻をあかしてやるんだから!」
タマモ「いけ好かないとはひどいな」
タマモ「子ネズミがチョロチョロしているかと思えば……大人しく筋書通りに動いていればいいものを」
金糸雀「い、いずなちゃん……?」カタカタ
いずな「ビビるなカナ!だ、大丈夫よ……こ、こいつは前に一度わたしが倒したんだから……
たいしたことない妖怪のはず……ッ!念力自然発火!」
ゴオッ!
タマモ「この程度の炎、あくびがでる」
いずな「ウソ、効かない?……だったら!フルパワーで!」
ゴオオオオオオッ!
タマモ「少しはやるようだが……私を倒すにはまだまだ甘い!」
タマモ「さぁ、これが全力か?ならばそろそろお前たちには……ん?」
タマモ「……逃げたか」
いずな「あんなのバカ正直に相手してられないってーの。
それに今はこの情報を届けるのが優先だしね。さぁいくよ、カナ!」
金糸雀「いずなちゃんらしいかしらー。オッケー、カナにまかせるかしら!」
………………。
…………。
……。
水銀燈「ホラァッ!」ゴウッ!
蒼星石「クッ……!」
水銀燈「逃げてばかりじゃお話しにもならないじゃない!少しは抵抗してみなさいな!」ダダダッ!
蒼星石「予想以上の……力だっ!」
水銀燈「なによもう、口ばっかりじゃないのぉ……つまんなぁい」フワッ
蒼星石「……はぁ……はぁ……」
水銀燈「ねぇ蒼星石。あなた、どう壊されたい?」
蒼星石「壊れるのは……御免こうむりたいねッ!」バシッ!
水銀燈「ふぅん。まだそんな力が残っていたのね」ヒョイ
水銀燈「いいえ、勝負はこれまでよ。大人しく壊れてしまいなさい」スッ
ドドドドドドドドッ!!!!!
蒼星石「クッ―――――!」
蒼星石(これは……かわせない!もう無理なのか……翠星石!克也くんッ!)
翠星石「待ちやがれですううううう!」
翠星石「ゆきめ!力を貸すです!てりゃああああああああ!」
ゆきめ「いいわよ翠星石!これでッ!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!
真紅「凄い……氷漬けの樹木……あれが二人の力?」
翠星石「これで縛り付けてしもやけにしてやるですぅ!覚悟するです水銀燈!」
水銀燈「イヤぁよ。溶けちゃいなさい」カカッ!
ジュウウウウウ……
翠星石「きいいぃぃぃ!あの余裕ヅラ!むっかつくですぅ!」
ぬ~べ~「もの凄い熱量だ……水銀燈ってのはあんな力があるのか?」
真紅「今までの彼女はあんな力を持ち合わせていることはなかった。
恐らくあれはミーディアムの影響ね」
水銀燈「無駄よ、ム・ダ。何度やっても溶かしてあげるわ」
翠星石「むっきぃいいいい!」
蒼星石「お、落ち着いて翠星石!僕は大丈夫だから!ね?」
翠星石「フーッ……フーッ……」
水銀燈「ヤダァ、サイみたぁい。野蛮ねぇ」クスクス
真紅「もの凄い力なのだわ。鳴介、タイミングを揃えて仕掛けましょう」
ぬ~べ~「お前はそこまで力がないんだ、下がっていろ。ここは俺が行く!」
水銀燈「―――あら、ようやく本命の登場?じゃあ私もそろそろ本気で―――」
金糸雀「ちょっと待ったかしらぁ!」
いずな「センセー!アイツが契約してる相手、突き止めたよ!
あのタマモって医者だった!やっぱりアイツがクロだったんだよ!」
金糸雀「カナも見たかしら。あの人の部屋に水銀燈のカバンが置かれてたかしら!間違いないかしら!」
ゆきめ「なんですって!?」
ぬ~べ~「ま、まさかあのタマモが……水銀燈に力を貸していたなんて……」
タマモ「おや、ついにバレてしまいましたか」
いずな「あ、アンタ!なんでここにいんのよ!病院にいたんじゃ!」
タマモ「フフフ……管と妖狐の区別もつかないとは、とんだ霊能力者もいたものです」
いずな「く、管狐ぇ!?」
タマモ「一応のアリバイとしてね……本物の私は最初からここにいましたよ」
ぬ~べ~「……水銀燈の異常なまでの力……お前がミーディアムであるというのならたしかに納得がいく……
だが!なぜだタマモ!いったいどういうつもりでこんな事をした!」
翠星石「お前の力は普通じゃねぇです!水銀燈と組んで何を企んでるですか!」
タマモ「それを説明するのは……おや、最後のお客さまが到着したようだ」
蒼星石「……え?」
雛苺「見えたのー!みんないるのー!」
郷子「ぬ~べ~、克也つれてきたよ!……ってタマモ先生!?どうしてここに……」
ぬ~べ~「……そいつが水銀燈のミーディアムだからだ」
雛苺「あっちょんぶりけなの!」
蒼星石「あ……克也くん……ごめんね?疲れちゃったでしょ……僕、戦う時に力を」
克也「バカやろう!そんな事どうだっていいんだよ!」ガシッ
蒼星石「……克也くん、泣いてるの?」
克也「泣いて、なんて……ねぇよ……クソ!」
蒼星石「ごめんなさい……僕……」
翠星石「ドールを泣かせるミーディアムは最低ですよ。
でもね蒼星石ぃ、ミーディアムに心配かけるドールもおんなじくらいさいってーですぅ!
しっかり反省しやがれです!」
克也「お前が壊れちまうかと思ったんだぞ!ふざけんなよ!」
蒼星石「もうしないよ。約束する」
克也「本当だな?こんなこと、二度とゴメンだからな……」
蒼星石「うん……僕もゴメンだ。翠星石や克也くんを残して壊れるかもなんて、
あんな恐怖……もう絶対に味わいたくない」
翠星石「ったく、世話のやける妹ですぅ」グスッ
ゆきめ「よかったね、翠星石」
タマモ「そうだな。そろそろ始めよう……ハアアッ!」
ゴウッ!
郷子「きゃああっ!」
ゆきめ「辺りを炎に囲まれた!?狐さん……あなた本気なのね」
真紅「水銀燈、なぜこんなことをするの」
水銀燈「いまさら聞くぅ?そうね……色々とあるけれど、やっぱり一番はオシオキかしら」
雛苺「お、オシオキ?」
水銀燈「えぇそうよ……そんな男の戯言に振り回されて、
お父様の言葉すら捻じ曲げてアリスゲームを終わらせようとする……
そんな妹たちにきつぅいオシオキをしてあげようと思ってねぇ!」
ぬ~べ~「あぁ……真紅は皆と一緒に下がっていろ。これは俺とタマモの」
真紅「無駄よ鳴介。ほら、あの子の顔を見て。絶対に逃がさないとかいてあるわ」
ぬ~べ~「だがお前の力は!」
真紅「ふふ……笑っちゃうわね。力も持たずに戦場に立つなんて……
それでも逃げられない時というのは来るものよ。やるだけやってみるわ」
水銀燈「フフ……フフフフッ……アーッハッハッハッハ!ようこそ真紅!
そして私のかわいい妹たち!ここで!今から!あなた達をさばいてあげる!
このローゼンメイデン第一ドール、水銀燈が!デキの悪い妹たちと遊んであげるわ!」
水銀燈「全力でね!」グワッ!!
ぬ~べ~「クソッ!この!」ブンッ!
タマモ「おっと」ヒラリ
タマモ「そんな見え見えの攻撃が当たるわけないでしょう……
やはり彼女が気になりますか?これではさすがの鬼の手も形無しといったところですね」
水銀燈「アハハハハハッ!どうしたのぉ真紅ぅ?このままじゃ当たっちゃうわよぉ?」
真紅「あらっ!ご忠告どうも!優しいのね……水銀燈はッ!」
水銀燈「はいはずれ。バカねぇ、契約もなしに私にかなうわけないじゃない」
真紅「やってみたいと……分からないわ……!」
水銀燈「やってみなくても分かるのよ!そぉれ!」
真紅(やっぱり力に圧倒的な差がある……このままじゃ!)
真紅「鳴介!?離れなさい!私は大丈夫だから!」
ゆきめ「先生!真紅!いい加減にしなさい狐さん!」バッ!
タマモ「お前はこいつの相手でもしていろ」
管狐「シャアアアアアア!」
ゆきめ「キャッ!」
翠星石「ゆきめになにするですかこのオバケきつねー!」
ぬ~べ~「み、みんな!」
タマモ「スキだらけですよ鵺野先生!」ザシュッ!
ぬ~べ~「ぐああッ!?くそっ!」
水銀燈「うるっさいわねぇ……言われなくても……そらぁ!」ドドドドドッ!!
ぬ~べ~「がああああっ!」
真紅「鳴介!どいて!このままじゃアナタが!」
ぬ~べ~「クッ……白衣観音経!」シャッ!
タマモ「ほぅ、お得意の結界ですか……そういえば前にも一度こんな事がありましたね。
あの時あなたが守っていたのは愛しい生徒でしたが、今いるのは縁もゆかりもない生き人形……
フフ、改めてあなたの無敵の力がどれほどのものなのか見せてもらいましょう!」
ぬ~べ~「ダメだ!」
タマモ「火輪尾の術……役小角レベル!」ゴウッ!
水銀燈「あらキレイ。真紅ぅ、そんな男ほうっておいてさっさと逃げたらぁ?」
真紅「黙りなさい水銀燈!鳴介!お願い離して!このままじゃあアナタが!」
ぬ~べ~「大丈夫だ!お前は俺が必ず守る!そう約束したろう?」
真紅「―――ッ!」
ぬ~べ~「ぐああああああ!」
真紅「ダメ……このままじゃ鳴介が……なにか、なにか手は……」
ぬ~べ~「大丈夫だ真紅!お前は、俺が守ってやる!」
真紅(くやしい!私に力があれば……鳴介と契約さえしていれば……契約ッ!?)
真紅「そうよ鳴介!私と契約して!その力があれば私も戦える!」
ぬ~べ~「……ダメ、だ」
ぬ~べ~「姉妹で争う力なんて……必要ないんだよ、真紅……」
真紅「違うの!違うの鳴介!」
真紅(いらない!そんな力、いらない!私が欲しいのは……私が、欲しいのは!)
タマモ「ハハハ!素晴らしいですよ鵺野先生!これが最後です!フルパワー、空海レベル!」
ガガガガガガガッ!!!!!
真紅「あなたを守る力!大切なものを守る力!それが必要なの!
でないとアナタが……アナタが死んじゃう!お願い、メイスケぇ!」
真紅「―――!!」
グワッ!!
ゆきめ「せ、先生!鵺野せんせい!」
郷子「ぬ~べ~!いやーっ!」
翠星石「しっかりしろです真紅!」
雛苺「しんく~!」
水銀燈「フン……見せてみなさいよ真紅……そのくだらない思いつきが、
どこまで通用するのかをね。まぁムリでしょうけれど」
タマモ「!?……フフ、どうやらそうでもないみたいだぞ……見ろ!」
水銀燈「……えっ?!」
ぬ~べ~「……」
真紅「……」
水銀燈「……生きてる?……ふ、フフ……そう!そうよねぇ!
それくらい、やってもらわないと困るもの!いいわよ真紅!
やっぱりアナタは私の手で壊してあげるわ!」
タマモ「無敵の力というわけか……」
ぬ~べ~「真紅……お前、本当に良かったのか……」
真紅「いいのよ鳴介。ありがとう……この力で私はあなたを守れた。
大切なものを守りたいと思う気持ち。その心の強さ。
こんな暖かい力、初めてだわ」
ぬ~べ~「―――暖かい力、か……ハハ、わかった。もう何も言わない。
俺はお前を信じる。その力で……あの分からず屋の姉を止めてこい!」
ぬ~べ~「行くぞ!真紅!」
真紅「えぇ!いきましょう、鳴介!」ザッ!
さらにパワーアップした私の炎にも耐えきれるとは!これが愛の力ですか!」
ぬ~べ~「何故だ!何故こんなことをしたタマモ!
お前は人間の愛を理解していたじゃないか!それがどうして!目的を言え!」
タマモ「私はねぇ!見てみたかったんです!彼女の『愛』を!
彼女の持つ狂信的なまでの造物主への愛の力を!だから手を貸した!それだけですよ!」
ぬ~べ~「水銀燈の愛は間違っている!」
タマモ「それを決めるのは誰です!神か!ならば彼女を作った父親がそれにあたるはずではないのですか!?
造物者の言葉に従ってアリスゲームを行う彼女の愛が間違っているとは私には思えない!」
ぬ~べ~「違う!……違うんだよ、タマモ!」
すばらしい
真紅「いい加減に、しなさい!」
水銀燈「あらこわぁい……それが鬼の力?」
真紅「鬼?」
水銀燈「あなたのミーディアムよ。左手が妖怪のモノだったでしょう?
私のミーディアムが狐のバケモノのように、あなたのミーディアムは鬼……デーモンよ」
水銀燈「悪魔の力まで借りて戦うあなたが争いのないアリスゲームを行おうとするんだもの……
笑っちゃうわよねぇ!そらぁ!」
真紅「……違うわ水銀燈!この力はそんなものじゃない!鳴介と繋がっている私には分かる!」
水銀燈「何が分かるっていうのよぉ!」
これは断じて鬼の……悪魔の力なんかじゃない!鳴介の!ぬ~べ~先生の、絆の力よ!」
水銀燈「だから!それがどうしたっていうのよ!コノォ!」
真紅「今なら分かる……私がどうしたかったのか!
争いのないアリスゲームのためにどうすべきなのか!」
水銀燈「ならどうするっていうのかしら?
……私はねぇ、口先だけで丸め込まれるような妹たちとは違うのよ……見せてみなさいよ真紅!
そこまで言うのなら、あなたの信じる愛の力ってものを!
もっとも、お父様がおっしゃた愛より正しいものなんてありはしないでしょうけどねぇ!」
真紅「水銀燈……あなた……」
お父様の言葉を捻じ曲げるあなたのその澄ました顔……すごく気に入らないわぁ!
お父様以外の愛なんて存在しないのよ!それを教えてあげる!真紅ぅ!」
真紅「ッ!……そう、そういう事なのね水銀燈……いいわ!私はあなたを……止めてみせる!」
真紅「受け止めなさい水銀燈!皆の!薔薇の姉妹の想いがこもったこの一撃を!」
ガガガガガガッ!!!!!
水銀燈「~~~ッ!!!!!?な、なに、コレ……こんな力……冗談じゃ、ないわ……よ……」
真紅「はぁ……はぁ……と、止められたの?水銀燈を……」フラッ
ぬ~べ~「大丈夫か真紅!?」
これが、あなた達の言う愛の力なのかしら」
ぬ~べ~「俺にはまだ愛ってのがどんなものなのか全ては分からない……
でも、お前がしたことは、確かに水銀燈を愛したゆえの行動だと、そう思うよ」
真紅「あたり、まえじゃない……だって水銀燈は、私たちの大切な、姉……なんですもの」
ぬ~べ~「……気が緩んで意識を失ったか。おいタマモ、そっちはどうだ」
タマモ「体の各箇所に損傷はみられますが、まぁそこまでひどくはありませんよ……
しかし、驚いたものです。私の力をフルに注いだこの水銀燈に勝ってしまうなんて……
やはり愛というものは恐ろしい。そして、素晴らしくもある」
ぬ~べ~「お前は愛というものを勘違いしているよ、タマモ」
タマモ「フッ、今日はそういうことにしておきましょう……?」
水銀燈「ふ、ざけんじゃ……ないわよ……そこの、ゲジマユ男……」
水銀燈「コイツの愛が、間違ってるですって……?
コイツはね……こう見えても、人形の私を……理解しようとしてくれたわ……
どんな愛でも、それが……見ず知らずのお父様のものでも、受け止めてくれた……!
それが、間違ってるんなら!アンタなんて……教師、失格よ……お、バカ、さん……」
タマモ「……いやはや」
ぬ~べ~「タマモ……俺は……」
タマモ「何を悩む必要があります。私があなたを焼き殺そうとしたのは事実ですよ。
それに、私はこの娘を受け入れたわけではない。
愛の研究の一例として考察してやったまでです……それでは」
ぬ~べ~「あっ……オイ!またな!タマモ!」
タマモ「―――ッ!……アディオス、鵺野先生」
ラプラス「これもまた一つの結末ですか……フム」
ラプラス「赤薔薇のお嬢様が願った終幕……これもまた一つの答え」
ラプラス「よろしい、それもまたアリスゲーム」
ラプラス「これからも拝見させていただきますよ……終わりなき薔薇の姉妹の物語……」
……。
………。
………………。
雛苺「返してぇー!それヒナのぉー!」
翠星石「ヒーッヒッヒッヒ!くやしかったら取り返してみろですぅ!」
美樹「あの緑色のやつ、相変わらず性格わるいわねぇ……」
まこと「美樹ちゃんにそっくりなのだ」
美樹「なぁんですってまことー!」
蒼星石「まったく翠星石は……いい加減にしなよ、雛苺がかわいそうだよ」
真紅「落ち着いて紅茶も飲めないのだわ」
金糸雀「いずなちゃんの作った卵焼きおいしいかしら~」
広「へぇ、いずなさんって料理得意だったんだな……どれ一つ、いてっ!」
金糸雀「ダメぇ!この卵焼きはカナの!」
水銀燈「……うるっさいわねぇ!静かにしなさいよ!集中して本が読めないでしょ!」
ギャアギャア ワイワイ ガヤガヤ
ぬ~べ~「相変わらず全員揃うと騒々しいな……」
タマモ「いつまでもこの若々しさを保つ呪法というのには少々興味がわきますがね」
いずも「あーあーカナまた口が汚れてるじゃん、ったくもー……」
ゆきめ「あんまり走らないでねー、周りの人に迷惑だから」
郷子「はいはい雛苺もすぐに泣かないの。ほら、笑って?」
克也「なんか託児所みてぇ……」
ぬ~べ~「アリスゲームを別の方法で終わらせることを模索してもう一月か……」
タマモ「黒魔術、錬金術、仙術、はてはブードゥーの呪法まで……
世界中の魔術には死者を甦らせ人を作り無生物に魂を宿す秘法が数多く存在します。
彼女たちの『アリス』という存在への道しるべもどこかに必ずあるでしょう」
ぬ~べ~「おやタマモ、もう水銀燈の愛はほうっておいていいのかぁ?」
タマモ「勘違いしないでいただきたい。私はあくまで彼女自身が動くことに意味を見出しているのです。
今の彼女はどうやら別の道を模索しようとしている……
それを支えてやるのがあの強力な『愛』の力を理解する最善策なのですよ」
それにしてもよくみんな仲良くなったよねぇ。特に水銀燈」
水銀燈「仲良くなってない!勘違いしないでちょうだいニンゲン、
私はそこの狐のもとで学べることが有意義だから暇つぶしもかねてここにいるだけよ……
その気になればこんな子たち、片手で捻れるもの……気まぐれよ。気まぐれ」
ゆきめ「素直じゃないわねぇ」
翠星石「オメーはむかしっからそうやって憎まれ口ばーっか叩いて、少しは成長しやがれですぅ」
水銀燈「アンタにだけは言われたくないわよ!」
雛苺「キャー水銀燈が怒ったのー!」
蒼星石「はい克也くん、紅茶……熱いから気を付けてね」
克也「お、おう……サンキュ」
ぬ~べ~「……ま、仲良きことは美しきかな、ってとこか」
ぬ~べ~「なんだよいきなり」
真紅「抱っこしてちょうだい」
ぬ~べ~「だ、抱っこ!?なんでいきなり!」
真紅「何を照れているの。私はお人形よ?人間に抱かれるのはごく自然なことだわ」
ぬ~べ~「い、いやしかしだな……」
真紅「だめなの?」
ぬ~べ~「……わかったよ。こうか?」
真紅「そう。もっと優しく、包みこむように……ふふ」
真紅「いいえ鳴介、何もないわ。そう、あなたのおかげで何もない日常を手に入れることができたの。
薔薇の姉妹が揃いながら、争わず、戦わずにすむ日々がね」
ぬ~べ~「それはお前たち自身の努力のおかげさ」
真紅「あら謙遜?意外と慎ましいのね……最初は粗野でダメな男だと思っていたのに、
優しくて頼もしくて、いざとなったらなんでもやってのけるスーパーマン……本当に不思議な人」
ぬ~べ~「オイオイ、褒めすぎだぞ」
真紅「褒めすぎることなんてないわ。頼りにしてるのよ、ミーディアム」チュッ
ぬ~べ~「―――ッ!?」
タマモ「おやおや。鵺野先生にそのような趣味がおありとは……」
翠星石「おー!ヒューヒューですぅ!やっちまえですぅ真紅!」
美樹「キャー!教師と人形のただれた恋!秘密の授業は僕の膝の上でー!?」
広「ぬぬぬ、ぬ~べ~がききき、キスぅ!?」
雛苺「やっちまえなのー!」
まこと「ちゅーしたのだ!」
いずな「うわーロリコンだー!マジやばー!アハハハハ!」
金糸雀「うひゃああ見ちゃったかしら!キスしてるの見ちゃったかしら!」
蒼星石「真紅って意外と情熱的なんだね」
克也「……すげ」
水銀燈「あーぁ、ばっかじゃないの……ふん」
真紅「フフ、私はあなたの幸せなお人形。これからもよろしくね、ぬ~べ~」
ぬ~べ~「……あぁ、こちらこそよろしくな、真紅」
おしまい
何か気の利いたレスをしてやりたかったが、俺にはスクリプトのようにしかできなかったわ
いや、しえんがなかったらさるさんもっと喰らってたろうから感謝だわ
しかし疲れた
こんな長いSS初めて書いたけど、次はもうちょっと時間とか考えて立てることにしよう
ぬ~べ~×ローゼンなんて埃かぶったような古いネタのSSを読んでくれてどうもありがとう
また何か仕上げたらvipで投下するわ
次回作にも期待
おもしろかったよ
おつかれ
めっちゃ面白かったわ
Entry ⇒ 2012.08.18 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
キリト「アスナがヤンデレだった」
アスナ『……』ジー
キリト「帰ってきてから着替えることすらしないで俺の心拍数と体温を見てる」
アスナ『ふふっ、キリトくん』ジー
キリト「……アスナ怖い」
しゅるっ
キリト「っ! い、いきなり着替え出すなんて!」
キリト「……うわぁ」チラッ
キリト「アスナの体が……」
アスナ『うん? ああ!』
キリト「やば! 心拍数!」
アスナ『普段運動はしないだろうし……今のキリトくんはきっと……んっ』ムニュムニュ
キリト「えぇっ、ちょっ、アスナ!?」
キリト「え、えろ……」
アスナ『キリトくんっ! 一緒にイこっ!? あっ、んんっ!』クチュクチュ
キリト「んなっ!? まさかアスナ、俺の心拍数が上がる度に!?」
アスナ『あぁんっ、ふぁっ、はぁっ!』
キリト「……あ」
キリト「アスナっ! アスナァっ!」シコシコ
アスナ『ふぁぁぁあああ!!』
キリト「はぁっ、はぁっ……」
アスナ『はぁ……はぁ……』
キリト(嘘だろ、本当に同時に……)
アスナ『キリトくん……えへへぇ……』チュッ
キリト「端末にキスされましても、俺じゃないじゃないですか」
キリト「ベッドに寝そべって……あれはオーディオ?」
アスナ『ん……』
キリト「目を閉じた、なに聞くんだろ」
キリト『アスナ、愛してる』
キリト「ぶふぉっ!」
キリト『好きだ、大好きだ……』
キリト『アスナ、アスナ、アスナっ!』
キリト「こ、これってアスナとリアルでのときのじゃないか!」
アスナ『……えへ、えへへぇ』
キリト「あの、許してくださいアスナさん、自分の声とか許してください」
キリト「あのアスナさん? そのヘッドフォンはまさか……」
アスナ『よいしょっと……~~ッ!!』ゴロゴロ
キリト「やめてくれアスナ! そんなもの聞きながら悶えないでくれ! 嬉しいけど、嬉しいけどっ!」
アスナ『うん、私も大好きだよキリトくん、うん、うん、えへへぇ』
キリト「相槌とかやめて下さいお願いしますからぁ!」
キリト「あれ?」
アスナ『♪~』
キリト「クローゼットを漁って……」
アスナ『キリトくぅん! んー!』スリスリ
キリト「抱きまくらぁ!? ちょっ、ちょっとアスナさん?」
アスナ『キリトくんキリトくん』スリスリ
キリト「うわぁ……」
アスナ『~~ッ!』バタバタゴロゴロ
アスナ『~~ッ!』バタバタゴロゴロ
アスナ『……』ピタッ
キリト「あ、止まった」
アスナ『……足りない、やっぱり足りないよ』
キリト「ま、まだ足りないのか!?」
アスナ『キリトくん……』ピッ
♪~
キリト「で、電話ぁ!?」
アスナ『ね、キリトくん、今から向こうの家に来れない?』
キリト「あ、ああわかった、すぐ行くから先に行っててくれ」
アスナ『うん、じゃあまた数分後にね』
ピッ
キリト「マジかー……」
アスナ『よいしょ、着るのはこれとこれと……』
キリト「なっ、なんだあの防御力の低そうな下着! 絶対防御力1で特殊効果付きじゃないか!」
アスナ『新しいキリトくんのを……んっ!』
キリト「ば、バイブ!?」
アスナ『冷たいけど、キリトくんのっ、あぁっ……』
アスナ『それとキリトくんのYシャツを……はぁぁぁ///』
キリト「……ログインしてくるか」
キリト「や、やあアスナ」
アスナ「キリトくん! お帰りなさい!」
ぎゅっ!
キリト「う、うん、ただいま」
アスナ「いきなり呼び出しちゃってごめんねキリトくん」
キリト「い、いや、構わないよ、いきなりどうしたんだ?」
アスナ「……キリトくんが恋しくなっちゃって///」
キリト「アスナ……」
キリト(純粋に可愛いと思ってたのに……)
アスナ「ん……」
キリト「……んっ」
ちゅっ
キリト「なに?」
アスナ「キリトくん、カメラは設置したんだね」
キリト「……え?」
アスナ「あんなにジッと画面見るキリトくん、可愛かったよ」
ぎゅうう
キリト「えっ、いやっ、えぇっ!?」
アスナ「でもダメだよキリトくん」
キリト「な、なにが?」
アスナ「私みたいにキリトくんに反応して撮影をする、ずっと使えるカメラにしないとすぐにみれなくなっちゃうんだよ? 良いの?」
キリト「」
なら切らずに見るんだが支援
なでなで
キリト「あ、アスナ?」
アスナ「えへへ、私生活の共有化だね、本当はストレージもなにもかも共有化したいけど、まだ同棲は出来ないし、これで我慢しようね」
キリト「」
クライン「なあキリ公、さっきから大変大変言ってっけど、口が緩んでんぞ?」
キリト「え、そりゃあ、な、へへっ」
クライン「……」
キリト「それにしてもあれだな」
クライン「なんだ?」
キリト「アスナがヤンデレだった」
クライン「エギル……オリャ、いつもキリ公が羨ましかったけど、色んな意味であの子はキリ公じゃないと無理だと悟ったよ」
エギル「……クライン、今日は飲め」
クライン「エギル……」
エギル「奢りはしないがな」
クライン「エギル……」
Entry ⇒ 2012.08.17 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
パワプロ「そろそろ弾道上げたいなぁ」あおい「へー」
あおい「そういえばパワプロ君のHRって見たこと無いかも」ヒュッ
パワプロ「長打に自信が無いわけじゃないんだけどねー」パシッ ヒュッ
※パワプロ BACBBA 弾道1 チャンス4、対左4、広角打法、粘り打ち、キャッチャー○
手塚「ごゆっくりどうぞ^^」
パワプロ「えっ?あ、うん」
あおい「こ、コラ!早いとこ行ってきなよ、もう!」
パワプロ「何怒ってるの?」
あおい「…………別に」
※パワプロ ムード×
エースと主力に女子選手を配置した僕ら恋恋高校の注目度は高く、
なんとバッテリーごとロッテに指名されるなんて快挙まで成し遂げた)
あおい「……うん、そろそろあったまって来た。本気で投げるから、そっちもよろしく!」
※色々ごっちゃだからみずきとか聖とか雅ちゃんもチームにいるかもしれない
……受験間近の同級生には、何だか申し訳ないけれど)
あおい「……おーい、投げるよー?」
パワプロ「おっと……うん!ばっちこーい!」
パワプロ「……うん、いい感じ!」バシィ ヒュッ
あおい「そーいえばさっきの続きだけど」パシッ
パワプロ「うん?あぁ、弾道のこと?」
あおい「そうそう、何で今まで上げようと思わなかったのかなって」
パワプロ「んー……自分でもよく分かんないなぁ。特に打撃で困った事無かったし」
パワプロ「……そんなつもりで言ったんじゃないんだけど」バシィ
あおい「あはは、ごめんね、冗談……次、マリンボール!」
パワプロ「ばっちこーい」
あおい「えいっ!」シュッ グググッ
パワプロ「ナイスボール!」バシィ ヒュッ
あおい「……でも冗談抜きにさ、凄いと思うよ、パワプロ君の打撃センス」パシッ
パワプロ「あおいちゃんに褒められるなんて光栄だよ」
……殆ど痛烈なライナー球で、フェンスまで余裕で転がすなんて普通じゃないよ)
あおい「……猪狩守くんだっけ?キミのライバルの」
パワプロ「うん、今でも良いライバルだと思ってる」
あおい「彼も災難だったよねぇ」
パワプロ「……ああいうこともあるさ。野球だもの」
パワプロ「……最後のは体を張って止められちゃったけどね」
猪狩守「……ウッ……くそっ、プロ入りを控えているのにまだあの痛みが……!」
※パワプロ パワーA(99) 猪狩守 キレ2
聖「相変わらず仲睦まじいようでなによりだ」
あおい「か、からかわないでよ、もう」
パワプロ「おいおい二人とも、次期エースバッテリーなんだから練習には遅れないようにしてくれよ?」
みずき「ランニングとかしなくてもいいもん!」
聖「朝の自主錬で十分走り込んでいるのでな」
パワプロ「うん?」
聖「先輩達が自主錬する日はどうしても一緒に練習したいという我儘な相方が」
みずき「す、ストップ!聖、あんたねぇ!?」
パワプロ「^^」
あおい「^^」
みずき「うわぁぁぁん?!」
※みずき 人気者 聖 ささやき戦術
やっぱりパワプロ先輩のヒッテイング技術は超高校級だと痛感したわ)
聖(あの痛烈なライナーをまともに体に受けた猪狩守は未だに通院生活が続いているとか。
ある意味私達にとって最大の仇敵だった彼ではあるが、南無……)
猪狩守「ウグッ!?……く、くそ、まるで発作じゃないか……!」
※猪狩守 弾道4→弾道2
パワプロ「いやぁいい汗かいた」
みずき「狙って絶対にピッチャー返ししてこないのが相変わらずむかつくわ……むぎぎ……」
パワプロ「女の子だしなぁ、さすがにちょっとね」
みずき「かといって決め球を楽々流し打ちされるのも屈辱……いつかかならず目に物見せてやるんだから……」
聖(キャッチャーで良かったとこんなに思うことはかつて無かったな。
練習とはいえあのライナーを取らないといけない他の野手陣も大変だろうに)
※パワプロ 流し打ち 恋恋高校野手陣 守備職人
パワプロ「何?」
聖「あれだけの球を打てるなら……こう……なんだ、その……」
あおい「弾道の話?ちょうど二人の時話してたんだよねー」
みずき「あ、あおい先輩……もうちょっとその、恥じらいとかそういうのをですね……」
あおい「えっ」
パワプロ「えっ」
みずき「えっ」
聖「えっ」
聖(野球をしている時は女の子扱いしないで、という方針のせいで大事なものを無くしてしまったのか)
みずき(うろたえてるあおい先輩ぺろぺろしたい……)
パワプロ(……よく分からないけどフォローをするべきかな)
→フォローする
放っておく
聖「……そもそも何故パワプロ先輩ほどの打者が1なのだ?
あの当たり方なら、2もあれば十分HRも狙えると思うが」
みずき「文句つけられない活躍してたから言い出せなかったけど、
前から不思議ではあったのよね」
あおい「そうそう、だからボクも今日弾道について……」
みずき「あおい先輩!女の子なんだから!」
聖「……慎みは持とう、先輩」
あおい「う……よ、よく分かんないけど分かったよぅ……」
あおい「どうしたの?」
パワプロ「矢部君だよ、僕の弾道が1のままの原因!」
聖「ほう」(興味津々)
みずき「あの眼鏡が原因?」
パワプロ「うん。野球部発足当初の話なんだけどね……」
パワプロ『矢部君そんな暇があったら部員集めを真面目に……』
矢部『ふっふっふ……その部員集めに役立つものを拾ったのでやんすよ!
じゃじゃーん!!でやんす!』
『ダイジョウブダヨー、ダイジョウブジルシノセイヒンハ、ゾウガフンデモコワレナイ』
パワプロ『何その見るからに怪しいガラクタ……なんか音声付いてるし……』
パワプロ『ステータス?おいおいゲームじゃないんだから……』
矢部『パワプロ君!落ち着くでやんす!これはゲームでやんす!』
パワプロ『そっちが落ち着け!何を言い出すのさいきなり!?』
矢部『とにかくこれを使ってみるでやんす!さぁ!』
ミートとか、パワーとか?あんまりよくは覚えて無いんだけど」
みずき「それがどうパワプロ先輩の打球につながるの?」
パワプロ「……無かったんだよ。弾道以外」
みずき「え?」
パワプロ「矢部君が僕に勝ってる部分。当時は全く信じて無かったけど、今思えばそんな感じなのかもなぁ」
※パワプロ初期値 弾道1 EEDDED 矢部初期値 弾道2 FFDEFF (走力同値)
みずき「非力だからノック練習かってくらいの貧弱フライね。まぁたまにポテンもあるけど」
パワプロ「……それで『僕の特徴は弾道だけでやんす!僕の輝きを奪わないでくれやんす!』って当時いっつも言っててね」
聖「まさかそれで……」
パワプロ「うん。幸い僕は今みたいな打撃が性にあってたみたいだし、適材適所って感じじゃないのかな。
正直こんなにウチの野球部が強くなるなんて夢にも思わなかったし、
部員定着の為にも、一人一人の個性や見せ場を作る、っていうことは意識してたわけだしね」
みずき「それで今の先輩とダメガネに至るわけね……」
※矢部現在 BDBCCB 弾道4 チャンス2 ヘッドスライディング 積極走塁 (入団テスト受験予定)
「なんだ、薔薇っぽい展開を期待していたのだが……」
みずき「えっ」
聖「……さ、さて打球の原因は分かったのだ。その改善策を練るのだろう?ん?」
※聖 ポーカーフェイス消失 ノビ4
パワプロ「同じようなことを矢部君にも言われたんだけど『余裕ぶちかましてるリア充は爆発するでやんす』
とか意味不明のことを言いながら走って行っちゃんたんだよねぇ」
聖「うーんこの鈍感」
みずき(聖がおかしい……)
※パワプロ 体当たり 聖 ノビ5
あおい「?」
みずき(世間様では夫婦コンビなんて書かれちゃう位露骨にお膳立てしてるのに、
当の二人がこれじゃあねぇ)
あおい(やだ、何か顔についてるのかな?)
みずき「『やだ、何か顔についてるのかな』とか思ってそうな仕草のあおい先輩ぺろぺろ」
(もう、しょうがないんだから……)
あおい「」
みずき「」
※みずき ノビ5 キレ4 ムラッ気
あは!あははは!あおい先輩も、そんなウジ虫を見るような沈んだ顔なんてやめましょうよ!」
聖「うむ。まだプロ入りまでは時間があるのだ。ゆっくり調整して行けばいい」
パワプロ「……確かに、今までやって来た積み重ねもあるしなぁ。急激に変えようとするのがそもそも間違ってるのかも」
あおい「ソウダネ、イママデキヅイテキタカンケイトカモニタヨウナモノダヨネ、ウン」
みずき(その蔑むような視線もイイっ……!)
聖(みずきがおかしい……アリだな……)
※聖 ポーカーフェイス 意外性 みずき タイムリーエラー ケガしにくさ4
パワプロ「いやーなんだか久し振りに野球したなーって感じ」
あおい「む。なんだよぅ。いつものボクとの自主錬じゃ物足りないっていうの?」
パワプロ「そういうつもりじゃあないけど……でもみずきとか聖たちと一緒なのは久しぶりだったよ」
あおい「……まぁ、確かに私も、甲子園目指してた頃にちょっとだけ戻れた気がするけどさ……むむむ……」
パワプロ「?変なあおいちゃん」
あおい「ふーんだ!どうせボクは変な奴だもん!男女ですよーだ」
パワプロ(変わらないなぁ。ふふふ)
パワプロ「何?」
あおい「本当はさ、その……だ、だんどう……弾道のこと、どうなの?」
パワプロ「……ぷっ、さっきまで普通に言えてたのに」
あおい「なっ!わ、悪いの?!なんかこうみずきとか聖が慎み持てとか女の子なんだからとか言ってくるから、
普段女の子してない分せめてとか何とか思ったり思わなかったりしてこっちも色々」
パワプロ「はいはいわかったわかったから……弾道のこと、っていうのはどういう意味?」
あおい「むぅ……いや、何か、こう……何となくだけどさ。嘘ついてるような気がして」
パワプロ「誰が?」
あおい「キミが」
あおい「本当はさ、ホームランとか、打ちたいんじゃないの?」
パワプロ「……」
あおい「実際問題、プロに行ってもずっとあの打球じゃやっていけるか分からないし……
何より君自身、新しいことに挑戦するの、多分好きなんじゃないかなって」
パワプロ「……さすがにバッテリー組んでるだけはあるね。これならプロに行ってもうまく君とやれそうだよ」
あおい「ってことは……」
パワプロ「……勿論さっき言ってたことも全部が全部ウソじゃ無いけど、ね」
あおい「やっぱり打ちたい?」
パワプロ「……うん。プロ初安打はホームランで飾りたい位だね」
あおい「大きく出るなぁ」
パワプロ「今更さ」
あおい「……ふふ、そだね。『甲子園に行くぞー!』って当たりからそうだったね」
パワプロ「あはは、もうずっと昔みたいだよ、それ」
※パワプロ ムード×→ムード○
パワプロ「お?」
あおい「私の初勝利の決定打は、パワプロ君、キミのホームランがいいな」
パワプロ「……本気?」
あおい「本気」
パワプロ「大きく出るのは良いとして他力本願はよろしく無いと思います」
あおい「もちろんボクの完投完封デビュー付き、ね」
パワプロ「『ね』って……全く……マウンド以外でも好き勝手なんだから」
あおい「女房役なんだからっ、しっかり手綱を握ってるんだよ?」
冬服の少し長めのスカートがひらりと舞いました。季節は冬。天気は快晴。時刻は黄昏。
窓から射すオレンジ色に照らし出されたあおいちゃんの表情は、甲子園出場を決めた時の満面の笑みに重なり――
※パワプロ 弾道1→2
パワプロ「…………あれ?」
パワプロ「……俺、今なら打てる気がする」
あおい「えっ、ちょ……」
パワプロ「あおいちゃん!ボール投げて!100球で良いから!!」
あおい「多いよ!?ていうか私今制服……」
パワプロ「むしろそれで投げてくれたらもっと飛距離が伸びる気がへぶらっ」
あおい「すけべ!!えっち!!へんたーい!!」
パワプロ「ぐげっ……あっ、パンツ見え……ぎゃああああああああああああ!!!」
雅「す、すごいなぁ、漫画のラブコメみたい……はうぅぅいいなぁいいなぁ……」
※パワプロ チャンス4→5 ケガしにくさ4 サヨナラ男 満塁男 チャンスメーカー
あおい ブロック×
雅 恋の病
こんな感じ時で終わり 見てくれた人ありがとう 2011マイライフとか言う苦行に戻ります
乙
2012買うか15あたりに還ろう!
乙!
もっとキュンキュンするイベントはよ
なお第二ストレート持ちには全く歯が立たない模様
>>106
僕もみたいので誰か続けて下さい><
サクセスはストーリー楽しむならやっぱ女の子のいる学校だよな
恋恋しかり聖タチバナしかり
雅(胸が苦しい……これが……恋……)
雅「ということであおいちゃん!」
あおい「ひぇっ?!な、なにいきなり?」
雅「お弁当を作ろう!!」
あおい(何言ってるのこの子可愛い)
※続けられそうなので→× マイライフが不毛なので→○
あおい「お、おう、せ?」
雅「夕暮の部室にたたずむ二人!見つめ合う目と目!重なる二つの影!あぁっ!!」
あおい「お、おう」
あおい(完全に勘違いしてる……)
雅「ねぇねぇどこまでいったのどこまでいったの?」
あおい「ど、どこまでも何も……私がパワプロ君をはっ倒して」
雅「押し倒す?!いやあああ!過激いいいい!」
あおい「違――――う?!」
※あおい キレ4
雅 ムラッ気
あおい「で……お弁当って……」
雅「未来の奥様として、旦那様の胃袋を握っておくのは基本だよっ」
あおい「み、未来の奥様……そんな、ボクとパワプロ君はまだそういう……」
雅「プロとして体は資本にして基本だよっ」
あおい「ぷ、ぷろとして……」
雅「あおいちゃんもプロになって一流の選手を目指すなら、この位自分で出来ないといけないんじゃないかなっ」
あおい「そういうことなら……ちょっと、頑張っちゃおうかな……」
雅「その意気だよ!あおいちゃん、ファイト!」
あおい「あ、雅ちゃん!」
雅「!」ビクゥ
あおい「不格好だけど、ほら!前よりも全然美味しくなったんだよ!
これも全部雅ちゃんのおかげ……」
雅「……うぅぅぅぅぅぅううう……」
あおい「……雅ちゃん?」
雅「ご、ごめんなさいいいいいい」
あおい「えっ」
雅「い、今まで好き勝手言ったり指図したりしてごめんなさいぃぃぃ……」
あおい「」
※雅 恋の病 治療成功
あおい「ほ、ほらもうそんなに気にしてないから……」
雅「うぅぅ……ごめんなさい……」
あおい「……私にとっては得な事の方が多かったんだし、ね?」
雅「すん……うん……」
あおい(やだこのこかわいい)
雅「……でも、自主錬しつつお弁当のことも考えるなんてやっぱり大変だと思うの……」
あおい「大変じゃないって言ったらウソになるけど……ほら」
雅「え……?」
見代子「わー、いい感じですー」
はるか「見代子さんのも素敵ですね」
ほむら「細かい所までこってるとはさすがっスー」
あおい「……ね?」
雅「これは……」
あおい「みんな女の子だもん、料理のスキルとか、気にしてる子は多いってことだね」
雅「これも私の責任なのかなぁ……うぅ……」
あおい(やだこのこだきしめたい)
※雅 安定感2→3 ムードメーカー
矢部「……パワプロ君」
パワプロ「おはよう矢部君」
矢部「おはようでやんす……ところで」
パワプロ「んー?」
矢部「パワプロ君のクラスの女子の間でお弁当が流行っているとか言う噂を聞いたでやんす」
パワプロ「あー、そういえばそうみたいだね」
矢部「羨ましいでやんす!女子のレベルからして頭一つ抜けているクラスのくせに!
差別でやんす!下剋上を求めるでやんす!」
パワプロ「何に対してなんだよははは」
キーンコーンカーンコーン
矢部「くっ……予鈴でやんす!一時退散でやんす!」スタコラサッサ
パワプロ(今一歩踏み出せないのが矢部君らしいよなぁ……)
※矢部 安定感4
矢部(予鈴のどさくさにまぎれてロッカーの中からお弁当を探し出して、分からぬ程度につまみ食いするでやんす!)
矢部(いざっ……!!)
パワプロ「おっとこんな所に矢部君に似た像がー矢部君の物に違いない矢部君のクラスに戻さないとー」
矢部「やんすっ?!パワプロ君?!裏切ったでやんすね!?」
パワプロ「いみが、わかりません」ポイー ヤンスー
パワプロ(寸前で阻まれるのがさらに矢部君らしいよなぁ……)
※パワプロ ブロック○ 矢部 寸前×
あおい「……うぅ……」
雅「あ、あおいちゃん……昨日も駄目だったの?」
あおい「だ、だってぇ……」
はるか「昨日も聞きました」
菜美「あおいちゃんは押しが足りないんだよねー」
ほむら「野球の応援みたいに勢いが大事っス!」
美代子「気力が充実するツボとか押しますー?」
あおい「いや、それは勘弁して下さい……」
あおい(今日が今年最後のチャンス……でもいきなりお弁当とかハードルが高過ぎるんじゃないかなぁ……うぅ……)
パワプロ(うーん……)
はるか『最悪パワプロ君の方からあおいに促してもらえませんか?あの子気が強そうでもこういうことには疎いから……』
雅『あぁもう色々僕のせいでこんなことに……ごめんなさいごめんなさい……』
パワプロ(とか言われちゃってるし……ていうか外堀埋まり過ぎだろ……)
パワプロ(いや、あおいちゃんの手料理とかいくらでも来いって感じなんだけどなぁ……)チラ
あおい「ブツブツブツブツ……」ずーん
パワプロ(当の本人がアレじゃあなぁ……)
あおい「うぇっ!?な、なに?」
パワプロ「せっかく今年最後なんだし、本気で勝負とかしてみない?」
あおい「……最近僕の調子悪いの一番知ってるくせに……」
パワプロ「……そんなんでプロとしてやっていけるのか甚だ疑問だね、俺は」
あおい「なっ……」
パワプロ「調子が悪かろうが何だろうが、プロならプロとしてやらなきゃいけない時が来るに決まってるじゃないか。
今のあおいちゃんには、そういう意味でプロに行く気持ちが足りて無いと思うよ」
パワプロ「事情なんて知ったこっちゃないさ。最近ずっと俺を避けているんだもの、分かるわけ無いでしょ」
あおい「くっ……そんな言い方、ボク嫌いだよ。見損なった」
パワプロ「見損なっても何でもいいさ。でもそうやって勝負から逃げるんだね。呆れた」
あおい「……!ああ!分かったよ!その勝負、受けて立つよ!」
パワプロ(やれやれ、やっとやる気になってくれたか)
あおい「絶っ対、後悔させてやるんだから……!!」
パワプロ(……とはいえ、ちょっとやりすぎたかもなぁ)
※パワプロ ささやき戦術 あおい 短気
あおい「はぁはぁ……くっそぉ……」
パワプロ(動けん……)
あおい「……勝った方が疲れてるなんて皮肉だね」
パワプロ「……そんだけ集中してたってことだよ。
やっぱり爆発してる時のあおいちゃんはすごいや……」
あおい「……えぇと。負けておいて言う台詞じゃないけどさ」
パワプロ「うん?」
あおい「……ありがと。何か色々もやもやしてたんだけど、もう大丈夫みたい」
パワプロ「……そりゃ良かった」
あおい「何?」
パワプロ「えっと……そのですね」
あおい「うん」
パワプロ「お腹すいたなー、とか」
パワプロ(うそです。マジグロッキーです。少し休憩しないと無理です……
でも、まぁ、タイミング的に今しか無いから言うしかない)
あおい「……すごい棒読み加減だね、ふふ……」
パワプロ「わかるよねー」
あおい「……あーあ、結局はるか達に踊らされたようなもんだなぁ」
パワプロ「おっと、そこまで気が付くんだ」
パワプロ「何にも言って無いよ俺は?むしろ俺はあおいちゃんが女の子だって片時も忘れたこと無いんだけど?」
あおい「えー、野球してる時は女の子扱いして欲しく無いんだけどなぁ」
パワプロ(……マウンドに立ってる時の我儘さ加減が一番女の子っぽいだなんて言えねぇ)
あおい「……ま、いいや。よし……そろそろ動ける?」
パワプロ「何とか」
あおい「お弁当は?」
パワプロ「……問題無いかな」
あおい「ふふん!なら楽しみにしてていいよ!今日のは自信作だから!」
まだ立ち上がらない俺のすぐ横に座ると、そのまま小奇麗なフォークでたこさんウィンナーを一突き。
それを俺の顔に近づけて、「あーん」なんて言っていました。男子冥利に尽きるとはこのことかと、
ある種の悟りを開きつつ一口。懐かしいようで、新鮮な味わい。そりゃぁそうだ、お弁当は家族の味。
あおいちゃんは家族じゃ無い。『まだ』家族じゃ無い。そんな能天気で幸せな空想に浸りつつ……
※パワプロ 弾道2→弾道3 キャッチャー○→◎ 固め打ち
パワプロ「もう結婚して下さいマジで」
あおい「ええっ?!」
おわり
パワプロ B(70)A(99)C(60)B(70)B(70)A(80) 弾道3 チャンス5、、ケガしにくさ4、対左4、広角打法、流し打ち、粘り打ち、固め打ち、サヨナラ男、満塁男、チャンスメーカー、体当たり、ムード○、キャッチャー◎、ブロック○、ささやき戦術
とかいうキチガイ選手が誕生してしまいました ボクはもう寝ます 深夜テンションに付き合って頂きお疲れさまでしたありがとう
面白かった
乙
Entry ⇒ 2012.08.16 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
せつな「おれがカンタムだ」 しんのすけ「お?」
しんのすけ「死にかけのセミごっこ」
まさお「しんちゃんそんなの着て暑くないの?」
しんのすけ「ミーン!ミンミンミーン!」バタバタバタ!
まさお「ヒイイイイイッ!?」
しんのすけ「たまにこうやっていきなり動くよね」
ネネ「暑いんだからひっつかないでよ」ペシッ!
まさお「あうっ!?」
ボー「……ふかい」
ネネ「うーん……あ、そうだ。じゃあ私のうちに来ない?ママが買ってきたケーキがあるからみんなで食べましょ」
ボー「すずしいとこなら、どこでも、かんげい」
まさお「クーラーがあるならどこでも行きます」
ネネ「しんちゃんはどうする?」
しんのすけ「オラはいいや。ここでもうちょっと死にかけのセミごっこしてたいし」
ネネ「じゃあうちで遊びましょ。丁度新しいリアルおままごとの台本が出来たところなのよ」
風間・まさお・ボー「やっぱりえんりょし」
ネネ「はぁい三人さまごあんなーい。しんちゃんまたねー」
しんのすけ「ほほ~い」
風間・まさお・ボー「あああぁぁぁ……」ズルズルズル
しんのすけ「……あっついなぁ!んもう!だれよこんな暑い時に暑苦しいかっこしてるのは!」ヌギヌギ
しんのすけ「ハー、みんないなくなっちゃったゾ。やんねるよね、オラをおいて勝手にどっか行っちゃってさぁ」ヤレヤレ
せつな「……」
しんのすけ「お?」
しんのすけ「ヨッ」
せつな「ッ!?」ビクッ!!
しんのすけ「オラのはらしんのすけ」
せつな「……せつなえふせいえい」
しんのすけ「カンタムだ。その手に持ってるの、カンタムでしょ」
せつな「カンタムを知っているのか」
しんのすけ「とーぜんだゾ!オラ、カンタムロボとアクション仮面はかかさず見てるもん!」
せつな「おれがカンタムだ」
しんのすけ「お?」
せつな「おれがカンタムだ」
せつな「か、カンタムパンチ!」
しんのすけ「アクションビーム!ビビビビビビビ!」
せつな「……?」
しんのすけ「ちょっと、アクションビームをくらったんだから倒れないとダメだゾ」
せつな「カンタムは負けない」
しんのすけ「なんかずる~い」
せつな「せっちゃん?」
しんのすけ「せつなだからせっちゃん」
せつな「……ッ!」タッタッタッ
しんのすけ「あ~、行っちゃった……変な子」
しんのすけ「オラもか~えろ。こういう日は冷やしチョコビに限りますな」
みさえ「ただいまでしょ」
しんのすけ「そうともいう」
みさえ「あーあーこんな暑いのに外で遊ぶから汗まみれになって……お風呂入ってきなさい」
しんのすけ「ほ~い。風呂上りの冷やしチョコビとジュースを忘れるなよ、みさえ」
みさえ「パパのマネをするんじゃありません!」ゲンコツ
ひまわり「キャッキャッ」
ひまわり「たい」
みさえ「あらどうしたのひまわり……なにこれ、おもちゃの腕?またしんのすけが何か壊したのかしら」
ひまわり「あーうー」
みさえ「あぁヒマ、そんなの口に入れないの。ばっちぃでしょ」ヒョイ
ひまわり「たい」ムンズ
しんのすけ「ほう!?」
ひまわり「キャッキャッ!」グニグニ
しんのすけ「ヒイイイイイイ!?お、幼いくせにテクニシャン……」
みさえ「何やってんのよおバカ」
しんのすけ「なに~?」
みさえ「アンタまたおもちゃ壊したでしょ」
しんのすけ「壊してないゾ」
みさえ「嘘いいなさい。ほらコレ、アンタのズボンのポケットに入ってたわよ」
しんのすけ「お?これカンタムの腕だ」
しんのすけ「オラのカンタムじゃないゾ。これせっちゃんのだ」
みさえ「せっちゃん?」
しんのすけ「うん。さっき公園でいっしょ遊んだ子」
みさえ「アンタひとのおもちゃ壊したの?」
しんのすけ「うぅん、一緒に遊んだ時に壊れたんだと思う……ちょっと行ってくるゾ」
みさえ「あ、ちょっとしんのすけ!どこ行くのよ!」
しんのすけ「……いないゾ」
しんのすけ「あちぃ~喉かわいたぁ~」ヘナヘナヘナ
キコキコキコ……キキィーッ
グラハム「……む?公園に子供が一人……オイ、大丈夫か?」
しんのすけ「アンタだれ?」
グラハム「グラハム・エーカーだ」
しんのすけ「おじさんカンタム好きなの?」
グラハム「お兄さんだ。このグラハム・エーカー、カンタムに心奪われた男だ!」
しんのすけ「おじさん変態だゾ」
グラハム「お兄さんだ。愛は時としてあらゆる壁を超えるということを覚えておくといい!」
しんのすけ「オラのはらしんのすけだゾ」
グラハム「コホン!……しんのすけ、このカンタムの持ち主だが、私は知っている!」
しんのすけ「え!なんで?」
グラハム「ここを見ろ。カンタムの腕の所に小さな文字で名前が書いてある。刹那・F・セイエイとな!」
しんのすけ「あぁ~、せっちゃんってこんな名前だった気がする」
しんのすけ「おじさんどこに向かって話してるの?」
グラハム「お兄さんだ。しんのすけ、これは私が彼に届けておこう」
しんのすけ「……ダメだゾ。これはオラがせっちゃんに渡さないと」
グラハム「なるほど、幼いのに良い心がけだ!ならば私が彼の家まで連れていってやろう!このGNフラッグでな!」ババーン
しんのすけ「おぉ~!かっこい~!」
しんのすけ「でもママチャリだよね」
グラハム「言うな!本当はMTBが欲しかったのだが、お財布の事情というものがあるのだ。さぁ乗れしんのすけ」
しんのすけ「ほほ~い」
グラハム「GNフラッグ、発進!」
キコキコキコ……
しんのすけ「ほほ~……すっごくでっかいぞ」
グラハム「うむ、私の家とは大違いだ!」
しんのすけ「せっちゃ~ん。い~れ~て~」ピンポーン
???『どちらさまですか?』
しんのすけ「オラのはらしんのすけ。せっちゃんいますか?」
???『せっちゃん……刹那の事かしら』
しんのすけ「そうともいう」
???『ちょっと待って、鍵を開けますね』
しんのすけ「おおぉ!綺麗なおねえさん!」
マリナ「え、えぇ?」
しんのすけ「おねえさん牛乳いけるぅ~?納豆にはネギ入れるほぅ~?」
グラハム「何をしているんだしんのすけ」
しんのすけ「おぉっと、思わず目的を忘れるところだったゾ……おねえさん、オラせっちゃんにこれを返しに来たゾ」
マリナ「これ?」
ビクッ!
マリナ「アナタはご近所さんの……」ドキドキ…
グラハム「グラハム・エーカーだ!刹那・F・セイエイに会わせてもらいたい!」
マリナ(ど、どうしようかしら……)
マリナ「あら刹那、今あなたに会いたいって子が来てるのよ」
せつな「あっ!お前は!」
しんのすけ「おひさしぶり~」
グラハム「おぉ!少年!」
せつな「それ!カンタムの腕!」ダッ!
元からじゃないかな?
せつな「壊れてない」
しんのすけ「お?」
せつな「これは……こうやって……こうはめれば……ホラ!」シャキーン!
しんのすけ「おぉ~!すご~い!」
せつな「これはカンタムパンチが出来るように腕が取り外せるカンタムだから大丈夫」
グラハム「さすがカンタム!子供が遊んでも壊れない丈夫な作りだな!」
せつな「……おじさん誰?」
グラハム「お兄さんだ。悲しいぞ少年。何度か挨拶もしてるではないか」
せつな「うん」
マリナ「ちゃんとお礼言わないとね?」
せつな「……ありがとうしんのすけ。お前のおかげでカンタムの腕が見つかった」
マリナ「ありがとうしんのすけ君」ナデナデ
しんのすけ「いやぁ~それほどでも~」
マリナ(か、変わった子ね……)
しんのすけ「おぉいいゾ!オラもカンタムで遊ぶ~!」
グラハム「では私も」
せつな「おじさんはダメ」
グラハム「お兄さんだ……手厳しいな少年。だがこれも愛の試練の一つ!日を改めて会う事にしよう!さらば!」ダッ!
マリナ「元気な人……」
…………。
せつな「スゥ……スゥ……」
しんのすけ「あれ?オラ寝ちゃってた?」
マリナ「フフッ、おはよう」
しんのすけ「おはようござま~す」
マリナ「いつの間にか二人ともお昼寝してるんだもの。きっと疲れてたのね」
しんのすけ「もぅ水くさいなぁ~、しんちゃんって呼んで?」
マリナ「じゃ、じゃあしんちゃん……刹那と遊んでくれてどうもありがとう」
しんのすけ「お?」
マリナ「今はそうでもないんだけれど、その子ったら体が弱くて昔は病院で過ごす事が多かったの
……おかげで友達と遊んだ事もほとんどなくてね」
しんのすけ「ほぅほぅ、苦労したんですなぁ」ウンウン
マリナ「そ、そうね……その時病院のテレビでカンタムロボを見たのがきっかけでね。
自分はカンタムみたいに強くなるんだって言い始めて、退院した今もまだカンタムになるくせが抜けてないのよ」
マリナ「ねぇしんのすけ君、刹那とお友達になってもらえないかな。刹那、まだ近い年のお友達がいなくって……
少し口は悪いかもしれないけれど、根はいい子だから……」
しんのすけ「オラもうせっちゃんとは友達だゾ」
マリナ「……」
マリナ「そ、そう……もうお友達なんだ」
しんのすけ「もちろんだゾ!せっちゃんと真夏の汗まみれ男のカンタムごっこをした仲ですから!ワーッハッハッハッハ!」
マリナ「あらホント、おうちまで送るわ」
しんのすけ「おかまいなく~」スタコラサッサ
マリナ「ちょっとしんのすけくッ……もういない。なんてすばしっこい子なのかしら」
マリナ「ねぇ刹那」
せつな「…………」
マリナ「しんのすけ君、刹那の事お友達だって言ってたわよ」
せつな「……うん」
マリナ「良かったね」
せつな「……うん」
風間「オイしんのすけ、お前さっきから何やってるんだよ……」
しんのすけ「しけったねずみ花火ごっこ」
まさお「しんちゃんそんなの着て暑くないの?」
しんのすけ「シュババババババ!」クルクルクルクル!
まさお「ヒイイイイイッ!?」
しんのすけ「たまにこうやっていきなり動くよね」
ネネ「暑いんだからひっつかないでよ」ペシッ!
まさお「あうっ!?」
ボー「……ふかい」
風間「……ネネちゃんが新しく仕入れたリアルおままごとをぶっ続けで三時間もやらされたよ」
まさお「僕ずーっと犬の役で鳴いてばかりだった」
ボー「かんしカメラの、やく」
ネネ「何よだらしないわね。男のくせにあれくらいでへばっちゃってさ」
しんのすけ「ほぅほぅ、災難でしたなぁ」
ネネ「あ?」
しんのすけ「なんでもないです」
ネネ「あの後そのまま帰ったの?」
まさお「いくらしんちゃんでもこの暑さには勝てないでしょ」
ボー「ねっちゅうしょうに、きをつけて」
しんのすけ「オラは新しい友達と遊んでたゾ」
風間・まさお・ネネ・ボー「新しい友達?」
風間「あの子が新しい友達?」
まさお「なんか目つきが怖いなぁ」
ネネ「でもちょっとかっこいいかも」
ボー「みすてりあす」
せつな「……」
ネネ「ほんとにあの子なの?」
風間「全然こっちに来ないじゃないか」
まさお「人違いなんじゃあ……」
ボー「たにんの、そらに」
せつな「……」
せつな「……友達」
せつな「……」ギュッ
せつな「……おれがカンタムだ。怖くない……友達もいる……怖くない」
せつな「カンタム……せつなえふせいえい……出る!」タタタタッ!
しんのすけ「おぉ~っ!」
おしまい
長いの苦手だからこれくらい短いのだけれども
良かった
Entry ⇒ 2012.08.13 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
セレス「苗木君、私と勝負をしてくれませんか?」
セレス「突然ではありませんわ。私は常々気になっているんです。
『超高校級のギャンブラー』である私。『超高校級の幸運』である苗木君。本当に強いのは、果たしてどちらなのでしょう?」
セレス「試してみる価値はありますわ」
苗木「そ れ は 違 う よ !!」論破!!
苗木「ちょっと待ってよ! それってつまり、ギャンブルで勝負ってことでしょ!? 僕なんかがギャンブルでセレスさんに敵うわけないじゃないか!」
セレス「く ォ ン の ビ チ グ ソ が ぁ あ あ あ !!」反論!!
苗木「!?」
セレス「ですが、これは私にとってとても大切なことなのです」
苗木「……どういうこと?」
―反論ショーダウン―
セレス「よろしいですか? 私たち、希望ヶ峰学園の生徒は、超高校級と認められた特別な才能の持ち主。
私もその例に漏れず、『ギャンブラー』としての才能を見込まれてこの学園に参りました」
セレス「もちろんギャンブルに勝利するには、相手との駆け引きや自分に有利な状況を作り出すための戦略・判断力が必要です」
セレス「確かにそれは否定しませんわ」
苗木(しないんだ)
セレス「しかし何より必要なのは、自分を勝利へと導く流れを作り出す『運』なのです」
セレス「私も、『超高校級のギャンブラー』として最強のギャンブラーを自負していますし、剛運には自信があります」
セレス「しかし、苗木君が『超高校級の幸運』である以上、私はあなたに勝つことで、自分の最強を証明しなければならないのです!!」
苗木「その言葉、斬 ら せ て も ら う !!」
苗木「つまり僕の幸運はその場限りのものなんだ。実際友達と大富豪をやっても、大抵は平民か貧民だしね」
苗木「だからセレスさん。君が僕に勝っても、それは君にとって特別な勝利にはならないんだ!!」
セレス「……ッ!!」
セレス「そう、ですわね……わかりましたわ」シュン
苗木「セレスさん……よかったよ、わかってくれて」
セレス「……まさか苗木君がここまでのコシヌケ、もとい卑怯者だったなんて……」
苗木「え?」
苗木「ちょ、ちょっと。それってどういう……」
セレス「抽選だろうと何だろうと、あなたが希望ヶ峰学園に選ばれたことは純然たる事実」
セレス「私は思いましたわ。それは単なる偶然ではなく、苗木君の持つ「何か」が苗木君自身を希望ヶ峰学園へ導いた、その結果であろうと」
セレス「そしてその「何か」を見極め、モノにすることで、私もギャンブラーとしてさらに成長できると……」
セレス「それなのに、当の苗木君は、自分の才能と向き合い困難に立ち向かうどころか、弱さを盾に勝負から逃げることを選んでしまうだなんて……」
セレス「あまつさえ、ギャンブラー人生を懸けた乙女の一世一代のお願いを無碍にして、成長の機会を奪うだなんて……」
セレス「これをビチg、卑怯者と呼ばずして何と呼ぶのでしょう?」
セレス「私の見込み違いとは言え……」
セレス「正直、ガッカリですわ」
苗木「」プチン
苗木「希 望 を 捨 て ち ゃ ダ メ だ !!」論破!!
セレス「あら、まだいたんですの? もはや貴方に用はありませんわ。どこへなりとお失せなさい」
苗木「いや、僕だってそこまで言われたらもう引き下がれないよ」
苗木「正直、どこまでセレスさんの相手が務まるかはわからないけど……」
苗木「これがセレスさんの力になるって言うなら、いくらでも協力するよ!」
セレス「苗木君……」
苗木「ただし、僕も『超高校級の幸運』として、やるからには全力で相手をさせてもらうよ!」
セレス「あ、ありがとうございます」
苗木「こっちこそ、ごめん。てっきりセレスさんが勝負にかこつけて僕をカモろうとしてるのかなんて邪推しちゃったんだ」
セレス「まあ……ひどいですわ、私がそんなことするわけがありませんわ」
苗木(してるじゃないか)
セレス「では、とにかく今日の9時に娯楽室でお待ちしていますわ」
苗木「うん、わかった。じゃあね!」
セレス(チョロいな)
セレス「ウフフ……」
セレス「苗木君にはいずれ私のナイトになってもらわなくてはなりません」
セレス「霧切さんや舞園さんの手垢が付く前に、私のものにしなくては……」
――
――――
セレス「どうしましたの、苗木君? 貴方の実力はそんなものではないはずですわ!」
苗木「やっぱりセレスさんにはかなわないよー。しりのけまでぬかれてはなぢもでないよー」
セレス「さあ、もうひと勝負行きますわよ」
苗木「もうすってんてんで、かけるものがないよー」
セレス「まあ……では、最後に苗木君自身を賭けてくださいな。私も私を賭けますわ。勝った方が負けた方を好きなように出来るというのはいかがでしょう?」
苗木「わひー。セレスさんをすきにできるだなんてー。がぜんやるきだよー」
セレス「あらあらウフフ」
――――
――
ガラ
苗木「お待たせ、セレスさん!」
セレス「! お待ちしておりましたわ、な……え?」
葉隠「うーす、邪魔するべ!」
狛枝「娯楽室か……入るのは初めてだね」
セレス「え? ……え?」
苗木「よかったよ、時間に間に合って。ふたりを呼びに行ってたから、遅れるかと思って焦っちゃったよ」
セレス「えーと、苗木君?」
苗木「どうしたの、セレスさん?」
セレス「そのお二方は、一体……?」
狛枝「初めまして、『超高校級のギャンブラー』セレスティア・ルーデンベルクさん。『超高校級の幸運』狛枝凪斗です。よろしく」
セレス「はあ、よろしく。いえ、そうではなく……なぜ、そのお二方がここに?」
葉隠「かー。セレスっちも水臭いべ。同じ「ヤスヒロ」同士仲良く遊びましょっちゅー、苗木っちの粋な計らい……」
セレス「テメェはすッ込んでろやインチキ野郎がぁあああああ!!」
葉隠「ヒィ」
苗木「セレスさんが『超高校級の幸運』から学びたいことがあるなら、
僕だけじゃなく、もっと多くの人と戦った方が良いんじゃないかと思ったんだ」
苗木「あいにく、他の『超高校級の幸運』の知り合いは狛枝クンしかいなかったから彼しか呼べなかったけど、
それでも僕一人と戦うよりはずっと良いはずだ」
狛枝「僕ごときにセレスさんのような人の相手が務まる訳はないけど、苗木クンの頼みだったからね。
同じ『幸運』のよしみで、引き受けさせてもらうことにしたんだ」
セレス「あー……なるほど。それはわかりましたわ。ですが……」チラ
葉隠「かー。セレスっちも水臭いべ。同じ「ヤスヒロ」同士仲良く遊びましょっちゅー、苗木っちの粋な計らい……」
セレス「すッ込んでろッつッてんだろがネオマンジュウウニがぁあああああ!!」
葉隠「ヒィ」
セレス「は?」
狛枝「彼は「どんな未来でも20%の確率で言い当てる」能力を持つ『超高校級の占い師』。
言い換えればそれは、「20%の確率で未来を確定させる」能力ということになる。
『運』について学びたいなら、ある意味彼は僕ら『幸運』よりもうってつけの相手だと思わない?」
セレス「ぐぬぬ……」
葉隠「ま、そーゆー事だべ! なんだかよくわかんねーが、セレスっちのために俺が一肌脱いでやるべ! 大船に乗ったつもりで」
セレス「」ギロリ
葉隠「ヒィ」
狛枝「そうだね。まぁ、僕ごとき屑が『超高校級のギャンブラー』に何を教えてあげられるのかはわからないけど……
こんな僕でも、君の希望の踏み台くらいにはなれると思うんだよね」
葉隠「まぁ、心配することはないべ! ピーンと来たべ、この試練を乗り越えれば、
セレスっちは一回りも二回りも大きく成長できるべ! 俺の占いは三割当たる!」
苗木「せっかく4人いることだし、まずはオーソドックスに麻雀からにしようか」
葉隠「おう! ノって来たべ! 点あたり千円賭けだべ!」
セレス「……」
セレス(当事者たる私を差し置いて話が進んでますわね……)
セレス(こうなっては仕方がありません、予定変更ですわ)
セレス(全員まとめて、私の奴隷にして差し上げますわ!!)
――――
セレス「」
狛枝「ツモ。ツモ。ロン。ツモ」
セレス(『超高校級の幸運』のひとりとは言っていましたが……)
狛枝「ツモ。ツモ。カン……パオ。テンパイ。ロン。ツモ」
セレス(先程から、バカヅキなんてモンじゃありませんわ……)
狛枝「ロン。ロン。ツモ。ツモ。テンパイ。ツモ。テンパイ。ロン。ツモ。ツモ。ツモ。」
セレス(狛枝……凪斗……)
狛枝「ロン。ツモ。ツモ。」
セレス(この男……)コト
狛枝「ロン」
セレス「ッ!?」
狛枝「あ、八連荘だから48000点だね」
セレス(……一体、何者!?)
セレス(何の疑問も持ってない!?)
狛枝「僕の唯一の取り柄だからね。これくらいは僕にだって出来るよ」
セレス(なアホな)
苗木「でも、これはすごいよ。やっぱり、狛枝クンの『幸運』に比べたら僕なんて……あ、セレスさん、それロン! 24000点」
セレス「!?」
セレス(苗木君まで!?)
葉隠「うお、苗木っちも調子が出てきたみたいだべ! よーし、俺も負けてはいられないべ……む!」
セレス「な……何を言ってますの!?」
葉隠「俺の占いは3割当た……ツモったべー! 13面待ち国士地和! 24000・48000だべー!」
セレス(なアホな)
狛枝「……」
セレス(アホの葉隠君ですらトリプル役満を和了ってますのに……)
狛枝「……ん。セ……。……スさん」
セレス(これでは、私の立場がありませんわ……)
狛枝「セレスさん?」
セレス「!? あ、あぁ、申し訳ありません。少しボーっとしていましたわ……」
狛枝「あははっ、良かった。僕みたいな屑とは話もしたくないから、無視されてるんじゃないかと思ったよ。
あ、それとも、呼び名を変えた方がいいのかな? ここはいっそ、本名の方で安広さんと」
狛枝「セレスさんこそ、どうかしたのかなって」
セレス「は?」
狛枝「さっきから僕達3人ばっかり和了っているから気になってるんだ。もしかしたら僕達に気を遣って、手加減してくれているのかな、って」
セレス「……だったら、どうだと言うんですの?」
狛枝「正直、ガッカリだなあって」
セレス「……え?」
狛枝「やっぱり、僕ごときの力じゃあ超高校級の才能の踏み台にすらなれないのかなって」
狛枝「僕には、『幸運』以外に何の取り柄も才能もないから、それができなきゃ存在価値が無くなってしまう」
狛枝「キミの『希望』のための踏み台になれない……そのことが残念でしょうがないんだ。自分の無力さが悔しいよ……」
セレス(先ほどから、この方はわけがわかりませんわ)
セレス(あれだけの和了りを続ける不気味な運もそうですが、先ほどから妙に固執している『希望』とは、一体どういう意味なのでしょう)
セレス(いいえ、そんなことはもう問題ではありませんわね)
セレス「ムカツク……」ボソ
苗木「? セレスさん、何か言った?」
セレス(叩き潰して差し上げなければ、気が済みませんわ)
セレス「いいえ、何も」
苗木「そう? なら良いんだけど……」
セレス(こんな……こんなわけのわからない男に……)
セレス(『幸運』なんかに負けたりしませんわ!)キッ
――――
狛枝「ツモ」
苗木「ツモ。ロン」
狛枝「ロン。ロン。ツモ」
セレス(幸運には勝てませんでしたわ……)
葉隠「いやー、二人にはさっぱり敵わないべー」ハッハッハ!!
セレス(私はもう眼中にないという事ですの……?)
苗木「それは違うよ! 葉隠クンは、自分の和了局を毎回言い当ててるじゃないか!」論破!!
ワイワイキャッキャ
セレス(パーペキに蚊帳の外ですわね……)
狛枝「……」
セレス(く……これだけはやりたくありませんでしたが、仕方ありませんわ!!)カッ
狛枝「……」コト
セレス「ロン!! 24000点!!」
狛枝「……」
葉隠「うお! セレスっちさすがだべ!」
セレス「……フフフ、これくらい当然ですわ。 さあ、次に行きますわよ」
狛枝「いや、残念だけどここまでだよ。セレスティア・ルーデンベルクさん」
セレス「……え?」
葉隠「何言ってるべ! 夜はまだまだこれから……」
狛枝「そうじゃないんだ。……セレスさん。僕はね、イカサマを咎めるつもりはないよ」
セレス「!?」
苗木「狛枝クン、一体何を……」
狛枝「苗木クン、良く見てよ……ほら、セレスさんがこの局の6巡目に捨てた牌は、6筒ではなく6萬だったハズだ」
セレス「…………!!」
葉隠「げ! 全然気付かなかったべ!」
狛枝「当然だよ。イカサマなんてギャンブルで当然行われる行為である以上、気付かれてはいけないものだからね。
そしてそれと同時に、当然気付かなくてはいけないんだ……『超高校級のギャンブラー』なら、ね」
狛枝「セレスさん。僕が、今夜の対局で何度積み込んでいたかわかるかい?」
セレス(……!? 嘘でしょう!?)
狛枝「僕はてっきり、セレスさんがすべて見逃してくれていたんだと思っていたよ。でも、その反応を見る限り、やっぱり違うみたいだね」
狛枝「確かに、踏み台になっていいと言ったけど、それはあくまで才能が希望として開花するのを見届けるためだ」
狛枝「ただ単に君のアイデンティティを守るためじゃない」
狛枝「僕は、『希望』の踏み台になれないことが残念だと言ったけど」
狛枝「それよりも残念なのは、自分の憧れた才能の、『希望』の終わりを見てしまうことだ」
狛枝「仮にも常に真剣勝負に生きる『超高校級のギャンブラー』が、いくら僕みたいなどうしようもない屑相手だからと勝負を投げてしまうなんて……」
狛枝「セレスさん……君はもはや、『希望』なんかじゃない」
狛枝「ただの『絶望』だよ」
狛枝「君はもう、ここまでなんだ」
セレス「」
BREAK!!
苗木「あ、ちょ、ちょっと、狛枝クン……」
葉隠「あー、えーっと……俺も今日はこの辺で帰らせてもらうべ……」ソソクサ
苗木「葉隠クン……」
苗木「…………」
セレス「…………」
苗木「…………えっと」
セレス「……あら、まだいたんですの? もはや貴方に用はありませんわ。どこへなりとお失せなさい……」
苗木「…………うん。また明日……」ガチャ バタン
セレス「…………」
セレス「わたくしは……」
セレス「いったい……」
――――
狛枝「やあ、苗木クン」
苗木「あ、狛枝クン……昨日は、ありがとう。結局、全部狛枝クンの言ってた通りになっちゃったね」
狛枝「……セレスさんはどうだった?」
苗木「やっぱり大分堪えちゃったみたいだね。見ていられなくて、結局出て来ちゃったよ」
狛枝「彼女は、きっと大丈夫だよ。なにせ、『超高校級の占い師』のお墨付きだ」
苗木「全部、セレスさんのために……?」
狛枝「まあ、僕みたいなどうしようもないヤツが彼女の成長の一助になろうだなんて、おこがましいにも程があると思われるだろうけどね」
苗木「セレスさんの、成長……でも、さすがにちょっとやりすぎだよ。僕、セレスさんの様子を見て来る」タッタッタ……
狛枝「…………」
狛枝「そ れ は 違 う よ ……」
狛枝「彼女だって、仮にも『超高校級』の才能を持つ希望のひとりなんだよ。この程度の絶望に、負ける訳ないじゃないか」
狛枝「ねぇ、想像しただけでゾクゾクしないかい? この絶望に打ち克った彼女の才能が、どんな希望となって輝くのか……」
狛枝「僕はね、『超高校級の超高校級マニア』として、そんなふうに才能が昇華する瞬間に立ち会うために、この希望ヶ峰学園に来たんだ」
狛枝「僕の『幸運』をもってしても、その瞬間に立ち会うことはいまだできない……
その現実は、僕と他の『超高校級』の皆との距離をそのまま表しているように思う事もある」
狛枝「そして、その距離は絶望的なまでに長い」
狛枝「だけどね、その絶望を乗り越えた先にこそ、僕が求める真の希望があるんだ」
狛枝「その希望を見届けるためなら、どんな手段だって厭わないんだよ」
狛枝「君たちを絶望に堕とすことだって、ね……」
終里
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!希望希望希望ぅううぁわぁああああ!!!
あぁ見せて見せて!見せて見せて!ほらほら!諦めないで負けないで!僕に希望を見せてよぉ…はははは
んはぁっ!絶望的なこの状況での君達の希望をもっともっと感じたいよ!ほらほら!あぁあ!!
間違えた!輝く希望を見たいよ!ほらほら!負けないでって!希望をもっと!ほらほらもっと頑張って…ほらほらほらぁ!!
前回の君達の希望は素晴らしかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
今回もコロシアイが起きて良かったね皆!あぁあああああ!眩しい!皆の希望が!素晴らしいよ!あっああぁああ!
この目で君達の希望を見れて嬉し…あれ?どうしたの?
…ねぇ、いきなり黙っちゃって…あ…もしかして、諦めちゃったの…?
君 達 の 希 望 は そ の 程 度 な の?………………………………………
あーあ、がっかりだなぁ…君達の希望ってその程度なの?超高校級の君達の希望って……
あぁ、まぁいいよ、それが君達の希望なら…僕はそれに従うだけ…ん?諦めて…ない?日向君はまだ諦めてない?
素晴らしいよ!日向君はまだ諦めずに希望を持ってるんだね!日向君の希望が見えるよ!日向君の希望が皆にも希望を与えてくれる!!
そして、そんな皆の希望が僕にはとても眩しいよ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!
ははははははははははははっ!!!僕には皆の希望が見える!!素晴らしいよ日向君!!皆も諦めないってさ!!!
あ、議論の方も進展したね!はははははははははははははははははははははっ!!!!
あっあんああっああんあ素晴らしいよぉ!!希望!!希望ぅぅぅぅぅうううううう!!!素晴らしいよぉぉおお!!
ううっうぅうう!!でもさ、ここで僕があれを話せば……皆の希望はもっと輝けかもしれないね!
そ れ は 違 う よ (笑)
このコピペ改変つくった奴すげーセンスあるよな
マジキチだけど
なんだこの改変www
Entry ⇒ 2012.08.11 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (2) | Trackbacks (0)
シオ「ソーマ! オナカスイタ!」ソーマ「チッ」
ペイラー「おやおや、やはりシオは一番ソーマに懐いているようだね」
ソーマ「……知るか。面倒くさい」
ペイラー「そう言わずにまたシオの食事を頼むよ」
ソーマ「……チッ」
シオ「ソーマ、イタタダキマス、だな!」
ソーマ「……フン、行くぞ」
シオ「おー!」
ペイラー「ソーマも満更でもなさそうだね」
ソーマ「ほら、荷電性のシユウを狩った……後は好きにしろ」
シオ「わーい! イタダキマス!」モグモグ
ソーマ「ったく、無邪気に食べやがって……」
シオ「ねぇソーマ」
ソーマ「……なんだ?」
シオ「シオ、ゴチソウ食べたいな」
ソーマ「……」
シオ「ソーマ、タベタイ」
ソーマ「……週に一回の約束だったはずだ」
シオ「……ダメ?」
ソーマ「……チッ」
ソーマ「分かってるとは思うが、これは俺とお前だけの秘密なんだからな」
シオ「ウン! ソーマとシオだけの秘密! ゴチソウイタダキマス!」
ペイラー「最近シオは元気だねぇ」
シオ「シオ元気! オイシイモノ食べてるカラ!」
ペイラー「ふむ、興味深い。偏食であるはずなのにシオが美味しいもの、と定義して食事が出来るなんて」
ペイラー「何が好物なんだい?」
シオ「んとね、秘密!」
ペイラー「ほう、秘密にするということまで覚えたんだね。ますます興味深い」
ペイラー「何故秘密なんだい?」
シオ「ソーマとシオだけの秘密だから!」
ペイラー「ほう」キラン
ペイラー「やあソーマ、呼び出してすまないね」
ソーマ「……何のようだ。シオの件ならこの間行ったばかりだろう」
ペイラー「いや、気になることがあってね」
ソーマ「気になること?」
ペイラー「ソーマ、シオにこの間荷電性のシユウを食べさせたね?」
ソーマ「ああ、そういう話だったからな。そもそもあんたが用意した場所だろう」
ペイラー「そうなんだ。支部長の件もあるし、密かにかつ信頼できるものだけで調査して注意を払い、極力邪魔が無いよう配慮して選んでるつもりだよ」
ペイラー「それは実際に現場に向かっている君もわかるだろう?」
ソーマ「……ああ」
ペイラー「つまり、そこでシオが何を食べ、どうするかというのはおよそ検討がつく」
ソーマ「……」
ペイラー「でも彼女はどうやら君が与えた何かがえらくお気に入りのようでね」
ソーマ「……」
ペイラー「単刀直入に聞くよ、シオに何を食べさせたんだい?」
ソーマ「シオは?」
ペイラー「ソーマとの秘密だと言われたよ」
ソーマ「……」
ペイラー「で、教えてもらえるかな」
ソーマ「聞いてどうする」
ペイラー「彼女は新たな可能性だ。でもアラガミじゃないわけじゃない。僕らの研究結果として、今オラクル細胞には偏食という嗜好があることがわかっている。君には言うまでもないよね」
ソーマ「……」
ペイラー「もっと言えばオラクル細胞、アラガミには好物という嗜好が無い筈なんだ。食事という概念はあっても味に対して興味は無い。偏食故にね」
ペイラー「でもシオは今段々と人間に近づいてもいるように見える。それは僕にとってはとても喜ばしいことなんだ」
ペイラー「彼女がいかにして彼女の偏食嗜好から外れた物を好むようになったのか、とても興味深いよ」
ペイラー「もっとも、まだ偏食傾向から外れた、とはわからないけど。君がもともと何処かで狩っていたアラガミのコアか何かをシオに与えた可能性もあるし」
ソーマ「……」
ペイラー「だから良ければ彼女に何を与えたのかを聞かせてもらえないかな」
ソーマ「断る」
ペイラー「……ほう? 何故だい? 良ければ理由を聞かせてもらえないかな」
ソーマ「言うつもりはない」
ペイラー「そうか。残念だけど仕方がないね。わかったよ。もし教えても良いと思ったらいつでも来てくれないか」
ソーマ「……妙な探りはやめろ」
ペイラー「わかっているよ。若い子達の秘密を土足で踏み込むような真似はしないさ」
ペイラー「昔から僕は科学者にしてはロマンチスト過ぎると言われる程だからね」
ペイラー「君がその気になるまで待っているよ」
ソーマ「……」
シオ「ソーマ! 一週間経ったよ! 今日はゴチソウの日だね!」
ソーマ「……」
シオ「ソーマ?」
ソーマ「今日は無しだ」
シオ「えー!? なんで!? どうして!? シオゴチソウ楽しみにしてたのに」
ソーマ「お前が約束を守らなかったからな」
シオ「?? シオ秘密にしてたよ」
ソーマ「秘密ってのは秘密にしてることも秘密にしなきゃ意味がないんだ」
シオ「そーなのかー」
シオ「ごめん、シオえらくなかったな」
ソーマ「……」
シオ「謝るから、ソーマ食べちゃ、ダメ?」
ソーマ「……今日はダメだ」
シオ「ちょっとも、ダメか?」
ソーマ「ダメだ」
シオ「ツマミグイも?」
ソーマ「ダメだ」
シオ「うう~~」
ソーマ「……」
ペイラー「やあ、呼び出してすまないね」
アリサ「いえ」
ペイラー「実はシオの様子が少しおかしくてね」
アリサ「え? シオちゃんの様子がおかしい?」
ペイラー「そうなんだ。ここ数日少しイライラしているようでね」
ペイラー「あまり人を寄せ付けなくて、こういうのは同じ女性の方が良いと思ってね。話を聞いてあげてくれないか」
ペイラー「正確にはシオは女性ではないかもしれないが、私は彼女を一人の女性として扱っているつもりでもあるんだ」
アリサ「わかりました。話してみます」
ペイラー「宜しく頼むよ」
死神さんのことをこのロリコンめ!と思ってるはず
ロリコンなんていう知識というか概念はさすがに得ないようにさせてるはず…たぶん
アリサ「シオちゃん?」
シオ「うううぅぅうぅうう」
アリサ「どうしたの? 機嫌悪いみたいだけど」
シオ「シオ、ゴチソウタベタイ」
アリサ「ゴチソウ? お腹が空いてるの? 博士は食事を用意してないのかな」
シオ「博士はゴハン用意してくれてる」つアラガミ
アリサ「うわ……グロ……っううん! じゃあ、それ食べないの?」
シオ「シオ、ゴチソウがいい」
アリサ「ゴチソウ? ご馳走って何?」
シオ「……」
アリサ「シオちゃん?」
シオ「……」
アリサ「どうしたの? 何か言って?」
シオ「……言えない」
アリサ「どうして?」
シオ「……言えない」
ペイラー「そうか……」
アリサ「はい、何を聞いても言えない、ってそればっかりで」
ペイラー「言えない、か」
アリサ「すいません、力になれなくて」
ペイラー「ああいや、そんなことはないよ。シオには言えない事があるってことだ。それがわかっただけでも前進だよ」
ペイラー「それにそういうことがあったほうがより人間みたいだと思わないかい?」
アリサ「確かにそうですけど……」
ペイラー「今までが素直すぎたからね。親みたいな心境の僕らとしては寂しいけど、喜ばしいことでもあるよ」
アリサ「そう、ですね……あ、そういえば、ゴチソウが食べたいって言ってました」
ペイラー「……ゴチソウ、か」
アリサ「何か心当たりがあるんですか?」
ペイラー「う~ん、前にちょっとね。ソーマがシオに何かを食べさせたらしくてね」
アリサ「じゃあソーマさんに聞けば」
ペイラー「それがソーマは話したがらなくてね」
アリサ「なんでですか?」
ペイラー「それはわからない。でも話したくないコトを無理に聞くわけにもいかないだろう?」
アリサ「でも何だかシオちゃんが可哀想です。食事もあまり摂ってないみたいだし」
ペイラー「なんだって!? 偏食のシオが、今までの食事を摂らない……これは……」ブツブツ
アリサ「とりあえず私もソーマさんに話を聞いてみます」
ペイラー「ああ、くれぐれも無理は言わないようにね」
ペイラー「人には決して探られたくないことだってある」
アリサ「わかりました」スタスタ
ペイラー「しかしシオが食事を摂らないなんて……」
ペイラー「偏食の傾向が変わってきているのか? 特定のアラガミ、もしくは食物に嗜好が変動……」
ペイラー「しかし偏食因子では……いやそもそも細胞の……」
ペイラー「ううむ、実に興味深いね」
アリサ「さて、どうしようかしら。あ、リーダー!」
リーダー「?」
アリサ「ソーマさん見てませんか? 話を聞きたくて」
リーダー「」フルフル
アリサ「そうですか」
リーダー「?」
アリサ「実はシオちゃんの様子がおかしくて」
リーダー「!」
アリサ「シオちゃん全然食べてなくてゴチソウがいいって言うんです」
リーダー「?」
アリサ「博士が言うにはソーマさんが前に食べさせたものが気に入ったみたいで。でもそれが何かソーマさんは言いたくないみたいなんです」
リーダー「……」
アリサ「なんだかシオちゃんほっとけなくて……」
アリサ「あの、リーダー、良ければ手伝ってもらえませんか?」
リーダー「」コクン
アリサ「ありがとうございます!」
アリサ「ソーマさん、いますか?」
ソーマ「……なんだ?」
アリサ「入りますね」
リーダー「……」
ソーマ「お前達か。何のようだ。デートなら他所でやれ」
アリサ「デッデデデエデートだなんてそんな! ち、違うんです! ねぇ?」
リーダー「」コクン
アリサ「あ、いやそんなきっぱり頷かなくても……」
リーダー「???」
ソーマ「ふざけるなら出て行け」
アリサ「違うんです! シオちゃんのことでちょっとお聞きしたくて」
ソーマ「シオ?」
アリサ「最近シオちゃんの様子がおかしくて」
ソーマ「どういうことだ?」
アリサ「あまり食事をしたがらないみたいなんです」
アリサ「ゴチソウが食べたい、ってそればっかりで」
ソーマ「……」
アリサ「本人に聞いてもそのゴチソウがなんなのか教えてくれなくて」
アリサ「博士が言うにはゴチソウと言えば前にソーマさんが何か食べさせたみたいだ、って言ってましたから」
ソーマ「……」
アリサ「教えて下さい。何を食べさせたんですか? 手に入りにくい物ですか?」
ソーマ「……」
アリサ「私でも取ってこれるなら取ってきますから!」
ソーマ「……出て行け。話すことはない」
アリサ「そんな……」
ソーマ「……」
アリサ「でも、シオちゃんが……!」ガシッ
アリサ「!? リーダー?」
リーダー「」フルフル
アリサ「でも……いえ、わかりました。すいません」
リーダー「」ジッ
ソーマ「……なんだ?」
リーダー「」コク
ソーマ「チッ、わかったよ」
シオ「あ、ソーマ!」パァ
ソーマ「獲物を狩りに行くぞ」
シオ「まだ一週間経ってないよ? よ?」
ソーマ「勘違いするな、狩りにいくだけだ」
シオ「うぅ」
ソーマ「……頑張れば、ご褒美をやる」
シオ「! うん! シオえらくなる! シオえらいえらいになる!」
ソーマ「……チッ」
シオ「ソーマ? シオえらい?」
ソーマ「ああ」
シオ「じゃあ、ゴチソウ、良い? ソーマタベテイイ?」
ソーマ「……ああ」
サクヤ「ふぅ、ソロの仕事は終わり、っと。あら? あれはソーマとシオ? 何してるのかしら?」
シオ「ソーマ、オイシイ!」
ソーマ「っ! あんまり、がっつく、な……! ウッ」
シオ「白いの、オイシイ!」
サクヤ「白いの?」
サクヤ「……ということがあって」
ペイラー「ふむ、そんなことが」
サクヤ「今の話を聞いてそれがきっとソーマが与えたものだと思うんですけど」
ペイラー「うーん、でも情報が足りないな。それに勝手にそういうことを調べるのは少し私の主義に反するね」
ペイラー「二人は秘密にしたいようだ。ならそっとしておこうじゃないか」
サクヤ「はぁ、まぁ博士がそう言うなら」
サクヤ(でも白いのって何かしら? オウガテイル?)
ペイラー(白いの……まさかね)
シオ「うふふ~」ツヤツヤ
アリサ「なんかシオちゃんツヤツヤしてません?」
ペイラー「そうだね。昨日ソーマと狩りにいったから、そこでまた何かを食べさせて貰ったんだろう」
アリサ「あ~相変わらずソーマさんだけのスペシャルメニューかぁ。ずるいなあ、私もシオちゃんを喜ばせてあげたい」
アリサ「リーダーは心当たりありません?」
リーダー「」フルフル
シオ「? アリサも食べたいのか? ゴチソウ」
アリサ「え?」
アリサ(食べさせてくれるのかしら?)
アリサ(でもアラガミを渡されて食べてって言われても困るし)
アリサ「ううん、良いのよ」
シオ「そっかー。オイシイのに」
アリサ「そんなに美味しいの?」
シオ「オイシイ!」
アリサ「そう」
アリサ(一体何を食べさせてもらってるのかしら?)
アリサ「さて、それじゃそろそろお暇するわね、シオちゃん」
シオ「またなー」
アリサ「ええまた。じゃあ行きましょうリーダー」
リーダー「」コク
スタスタ
ペイラー「二人は行ってしまったね」
シオ「うん、でもゴチソウいらないのかー」
ペイラー「残念かい?」
シオ「うん、あんなにオイシイのになー。アリサならリーダーから食べられるよーもったいないー。でも一番はソーマのだなー」
ペイラー「……」
アリサ「う~ん、一体なんなんでしょうね」
サクヤ「何の話?」
アリサ「シオちゃんですよ。ソーマさんから食べさせて貰ってるって」
サクヤ「ああ」
アリサ「私もシオちゃん喜ばせてあげたいですよ」
サクヤ「う~んそうねー、あ、寒冷地のオウガテイルでも持って行ってみる?」
アリサ「? どうしてですか?」
リンドウイベントで喋ったやん
うおー(棒)
ニゲルナー
これ偏食因子を持ってるソーマだけの特権やな
一応皆も持ってるか
うそだろ?
最初にガシーンされた時の呻き声とか無しだぞ
違うよ
GEシナリオからGEBシナリオに移るムービーの時になんか説明してんのあるじゃん?
あれリーダーなんだぜ
サクヤ「私、この前偶然見ちゃったのよ」
アリサ「何をですか?」
サクヤ「シオに何かあげてるソーマを」
アリサ「ほんとですか!?」
サクヤ「遠目だったから何かは見えなかったけど、少しだけ会話が聞こえてね」
サクヤ「白いのオイシイ、って」
アリサ「白いの?」
サクヤ「ええ。そう言えばソーマはがっつくな、とかって言いながらくぐもった声を上げてたわね」
アリサ「白い物ですか……」
コウタ「おーい! 話してないで手伝えよー!」
リーダー「!!!!!」ブシュブシュ
アリサ「シオちゃーん! お土産ですよー!」
シオ「お土産? なにかな? なにかな?」
サクヤ「オウガテイルの頭と尻尾よ」
シオ「おうがている?」
アリサ「そう、シオちゃん好きじゃない?」
シオ「シオ、これいらない。シオおうがているはタベナイよ」
アリサ「え」
サクヤ「違ったのね。あと白い物っていうと……うーん」
シオ「?」
シオ「ソーマこないかなー」
コウタ「シオはソーマが好きなんだな」
リーダー「」コクコク
シオ「うん好きーシオソーマダイスキー!」
コウタ「おお、これはこれは……あとでソーマの奴をからかってやろ」
シオ「ソーマオイシイ! ダイスキー!」
コウタ「しっかしシオ、知能は成人くらいあるって聞いてるけど、話方は治らないなー、舌足らずっていうか」
コウタ「ソーマがくれるものが美味しいんだろ?」
リーダー「」コク
ペイラー「……」
ソーマ「……シオ、行くぞ」
シオ「あ! ソーマ! イクイクー!」
コウタ「お、ソーマさんのお出ましだ」
ソーマ「……チッ」
コウタ「そう嫌そうな顔するなよ。良かったじゃん」
ソーマ「何がだ」
コウタ「シオはソーマが大好き、ってさっきから言ってたんだぜ」
ソーマ「……チッ」
コウタ「お、照れてやがんのか? いつもよりフード深めに被り直して」
ソーマ「……うるさい」
シオ「ソーマ! 行こう! 早く行こう!」
ソーマ「……ああ」
コウタ「俺も一緒に行こうかな」
シオ「ダメー! ソーマとシオ、二人じゃなきゃダメー!」
ソーマ「……」
コウタ「ヒュー、熱いね! わかったよ、二人の邪魔はしない。ソーマ!」
ソーマ「……なんだ」
コウタ「こういうの、変かもしれないけどさ、言っておくよ。おめでとう」
ソーマ「……チッお気楽野郎が」
ソーマ「シオ」
シオ「んー? なーに?」
ソーマ「お前は、俺のことを……いや、やっぱりいい」
シオ「ソーマ?」
ソーマ「何でもない、忘れろ」
シオ「ソーマ、シオはソーマ、好きだよ?」
ソーマ「……」
シオ「ハカセよりもゴハンよりもリーダーよりもソーマ、好きだよ?」
ソーマ「……そうか」
シオ「えへへー、シオえらいか?」
ソーマ「……どうかな」
シオ「シオえらくない?」
ソーマ「……わからないな」
シオ「ソーマわからない?」
ソーマ「ああ」
シオ「じゃあシオと一緒だ」
ソーマ「そうだな」
シオ「ソーマ、シオと一緒! フフフ」
シオ「ソーマ~」ベタベタ
サクヤ「なんだかすっかりシオはソーマに懐いちゃってるわね」
アリサ「そうですね」
ソーマ「……チッ、離れろシオ」
シオ「イヤ~」
コウタ「いいじゃんいいじゃん、仲良きことは美しきかなって言うし」
アリサ「コウタの口から出るには相応しくない言葉ですね」
コウタ「なんだよそれ! 良いだろ別に。まぁ確かに昨日のバガラリーで言ってた言葉だけどさ」
ソーマ「……全く、あいつら好き勝手言いやがって」
ペイラー「良いじゃないかソーマ、それだけうち解けているということだよ」
ソーマ「チッ」
ペイラー「特にシオについては驚かされてばかりだよ。君も満更じゃないのが嬉しいね」
ソーマ「……」
ペイラー「……ソーマ」
ソーマ「なんだよ」
ペイラー「シオをよろしく頼むよ」
ソーマ「……なんで俺に言う?」
ペイラー「深い意味は無いけど、シオは特別君に懐いているからね」
ソーマ「……」
ペイラー「珍しく私が断言しよう。シオは君を好いている」
ソーマ「……知ったことか」
ペイラー「不安かい?」
ソーマ「……」
ペイラー「こうして一緒にいると私はシオが娘のように思えてね。もっともそれはソーマ君も同じコトだけど」
ソーマ「……」
ペイラー「だからこそ、君たちには悲しい結末にだけはなって欲しくない」
ペイラー「喧しい説教をするつもりはないよ」
ペイラー「ただ納得のいく行動をして欲しい。それだけさ」
ペイラー「まあ老婆心ながらの言葉だよ」
ソーマ「……ふん」スタスタ
ペイラー「……」
ペイラー(私の考えが正しければ彼は彼女に……)
ペイラー「アイーシャ、私は黙認するべきなのかね……」
ソーマ(このままじゃいけないのはわかってる……くそ)
ソーマ(俺はどうすりゃいい……)
ソーマ(怯えてるのか? 俺が?)
ソーマ(ちくしょう……)
ソーマ(……あ、あいつは)
リーダー「……」スタスタ
ソーマ「おい」
リーダー「?」
ソーマ「話がある」
ソーマ「俺がシオに何かやってる、ってのは知ってるな?」
リーダー「」コクン
ソーマ「俺はこれを誰かに言うつもりは無かった」
ソーマ「いずれシオも俺に興味を無くすと思っていた」
ソーマ「だがシオはより俺を求めるようになった」
リーダー「……」
ソーマ「このままじゃいけない、そう俺も思ってる」
ソーマ「俺は……俺がシオに与えてるのは……」スッ
リーダー「!!」
ソーマ「……すまない、だまって聞いてもらえて助かった。誰かに聞いて貰いたかった」
リーダー「」フルフル
ソーマ「……悪いな、助かった。出来ればこの事は誰にも言わないで欲しい」
リーダー「」コク
ソーマ「……フッ、ひよっこだったお前に頼ることになるなんてな」
ソーマ「とにかく肩の荷が下りたよ、じゃあな」
アリサ「あ~もう! 一体どのアラガミなんですか!」
サクヤ「一通り試したけどどれもシオのお眼鏡には適わないわね」
アリサ「くぅ! 一体何を上げてるんですかソーマさんは!」
サクヤ「こればっかりは本人に聞いてみないとね」
アリサ「でも教えてくれませんでしたし、リーダーにも無理矢理はいけないって感じで諭されました」
サクヤ「う~ん、こうなったら、後を付けてみる?」
アリサ「え?」
サクヤ「私も気になるし、今度の二人の狩りを影からこっそりと」
アリサ「で、でも……」
サクヤ「ちょっとだけよ、ね?」
アリサ「……はい」
ソーマ「……シオ」
シオ「?」
ソーマ「お前は、綺麗ってわかるか?」
シオ「綺麗? わかるよ! 掃除してると綺麗!」
ソーマ「それだけじゃない。空を見てみろ」
シオ「空? わあ! おっきいなー!」
ソーマ「ああいうのも綺麗って言うんだ」
シオ「ソーマは物知りだなー」
ソーマ「……」
シオ「お月様はオイシイかなー」
ソーマ「さあな」
シオ「でもシオはソーマのほうがいいなー」
ソーマ「……」
シオ「ソーマ」
ソーマ「……ああ」
シオ「イタダキマース!」
サクヤ「」コソッ
アリサ「」コソッ
サクヤ「まだちょっと遠いわね」
アリサ「でもこれ以上近づくとバレる可能性もありますよ」
ザッ
アリサ「!?」サクヤ「!?」
リーダー「……」ジロ
アリサ「リ、リーダー?」
サクヤ「どうしてここに……」
リーダー「」フルフル
アリサ「戻れってことですか」
リーダー「」コクン
サクヤ「でも……」
リーダー「」チラ
アリサ「う……すいませんリーダー。ごめんなさいサクヤさん、私は下ります」
サクヤ「アリサ……」
サクヤ(アリサはリーダー一筋だもんね。仕方ないか)
リーダー「」ジッ
サクヤ「わかったわよ、もうやめとくわ」
リーダー「」ホッ
コウタ「ん? お前等こんなとこでなにやってんのー?」
髪の毛だよな…
サクヤ「コウタ!?」
アリサ「え」
コウタ「あ、あれソーマとシオじゃん? おーい!」
アリサ「あ、バカッ!」
コウタ「え?」
シオ「!?」
ソーマ「!?」
コウタ「あれ? ソーマの奴フード、取って……え」
ソーマ「」ツルピカリーン
アリサ「ハ?」
サクヤ「ゲ?」
リーダー「……」
ソーマ「っ! お、お前等……!」
コウタ「え? 何お前ハゲだったの!?」
ソーマ「うるせえ違う!」
シオ「あー見つかっちゃったなー、ソーマの髪、ゴチソウなのになー」
アリサ「なん」
サクヤ「ですって……」
リーダー「……」フゥ
ソーマ「」
アリサ「ごめんなさい」
サクヤ「ごめんなさい」
コウタ「ご、ごめん」
ソーマ「……チッ」
リーダー「」ペコリ
アリサ「リーダーは悪くないんです! 私達を止めようと立ちふさがって……」
サクヤ「もう諦めようってなった時に」
コウタ「俺が来ちゃったのか……」
シオ「やっちゃったナー」
俺は髪の毛って最初からわかってたよ(震え声)
そそそそそそんな下品なこと考えるわけなな、ないだろ
コウタ「でも、だからそんなにしょっちゅうはあげられなかったのか」
サクヤ「それでも週一って結構なペースよね」
アリサ「白いのって髪だったんですねー」
コウタ「一週間でも驚きの速度だけど」
ソーマ「……くそ」
シオ「ソーマ怒らないでー、怒らないソーマが好きー!」
ソーマ「……チッ、帰るぞ」
リーダー「」ペコリ
ソーマ「お前が悪くないのはわかってる、何度も頭を下げるな」
リーダー「……」
ソーマ「気を使わせて悪かったな」
リーダー「」フルフル
コウタ「まあこれで隠し事もなくなったし、アナグラに戻ろうぜ! そういや博士がソーマに渡す物があるって言ってたし!」
サクヤ「いつもフード被ってるとは思ってたけど、最近余計に深く被ってる気がしてたのよね」
アリサ「一気に謎は解けましたけど、凄く悪いことをした気分です。やっぱりちゃんとリーダーの言うことは聞くべきでした」
ソーマ「ふん、これに懲りたらお前等、二度とこんな真似するんじゃねぇ」
サクヤ「悪かったわ」
アリサ「はい……」
シオ「あ、そーだ」
リーダー「?」
アリサ「?」
サクヤ「?」
コウタ「?」
ソーマ「?」
シオ「秘密ばれちゃったなら今度からはいつでもいーい?」
ソーマ「! ちょ、ちょっと待てシオ……」
アリサ「いや、それは伸びるまで待たないと……」
サクヤ「そうよねぇ」
シオ「? 上じゃないよー」
「「「「!?」」」」
ソーマ「」
ペイラー「ふふふ、これで「強力な増毛剤が出来るぞ」
ペイラー「これで二人の助けになればいいんだが……」
ペイラー「何故だろう、私はこれがいらないんじゃないかと思い始めたよ」
ペイラー「いや、それにしても実に興味深いね、シオの偏食傾向は」
ペイラー「シオの偏食傾向がまさか、ソーマそのものに向くなんて。ソーマの細胞を食べているんだね。アラガミの偏食ならではかな。アラガミは偏食で食べた物を吸収、取り込み……」
ペイラー「ん? 待てよ。ということは……私は何かを見落としているような……
シオ「?? お腹イタイ……?」
おわり
あえて何がどうなってるかはご想像にお任せ。
だがエロいことを考えた奴は終末補食されろ。
……ウギャアアアアーーー!!!
お、俺は大丈夫です
乙
つまり下からの白いのを飲んでにんし……いや、なんでもない
シ、シタカー、ナンダロウナー脛毛カナー
Entry ⇒ 2012.08.08 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
イカ娘「今日も海辺の掃除でゲソ」
イカ娘「人間どもめ…海辺の掃除をする人の気持ちを考えなイカ!」
イカ娘「むっ…あいつは海辺に座ってなにしてるでゲソ?」
イカ娘「おぬし、さっきからずっと座って何しているのでゲソ?」
やよい「えっ!?えっと…海辺をスケッチしようかなって…」
イカ娘「スケッチ?それは美味いのでゲソか?」
やよい「違うよ!こうやって海の風景をこのスケッチブックに描いていくの」
イカ娘「おぉ!これはすごいでゲソ!見ているだけで波の音が聞こえてくるようではなイカ!」
やよい「それはきっと目の前の海の音じゃないかな…あはは」
やよい「あなたは海辺を掃除していたの?すごいゴミの量だけど…」
イカ娘「そうでゲソ!海を汚す人間どもから海を守るのが私の使命なのでゲソ!」
イカ娘「私の名前はイカ娘でゲソ!おぬしの名前は?」
やよい「私は黄瀬やよいだよ!よろしくね、イカ娘さん」
あかね「お~い、やよい~!」
やよい「日野あかねちゃん。私の友達だよ!」
あかね「やよい、そろそろお昼ご飯にすんで~!…そっちの子は?」
イカ娘「私はイカ娘でゲソ!人類を侵略するためにやってきたでゲソ!」
あかね「あたしは日野あかね、よろしくたのむわ!」
やよい「毎日海辺のゴミを拾ってくれてるんだって!」
あかね「そうなんか~ええ子なんやなぁ~…そうや!」
あかね「一緒に昼飯たべへんか?お好み焼きぎょーさんあんねん!」
イカ娘「お好み焼き…?それよりエビチャーハンがいいでゲソ」
あかね「なんや、エビが好きなんか?えびの入ったお好み焼きもあるで!」
イカ娘「それは本当でゲソか!?」
あかね「ほんまにエビが好きなんやなー。じゃあこっちでみんなで食べよか!」
みゆき「へぇ~っ、近くの海の家で働きながら海辺の掃除もしてるんだ、すごいね~!」
なお「私たちなんて働くのでせいいっぱいで、そんなことまで考えてなかったよ」
れいか「自分のことだけではなく、常に他のことにまで気を配れるなんて…イカ娘さんはとても素晴らしい方なんですね。」
イカ娘「ちょっと勘違いされてるような気もするでゲソが…まぁいいでゲソ」
あかね「できたで~おまちっ!」
みゆき「わぁ~おいしそう!」
あかね「イカちゃん!これがうち特製エビ玉やで~!たくさん食べてや!」
イカ娘「おぉ~っ!!おいしそうでゲソ~~~!!」
れいか「それではいただきましょうか」
やよい「賛成!」
なお「せぇ~の!」
みゆき&あかね&やよい&なお&れいか&イカ娘&俺「いただきまぁ~す!!!」
みゆき「おいしぃ~!やっぱりあかねちゃんのお好み焼きは最高だね!」
あかね「せやろ!イカちゃんはどうや?」
なお「よっぽど気に入ったみたいだね!」
れいか「すごい食べっぷりですわ」
あかね「まだまだあるからどんどん食べてや!」
イカ娘「このお好み焼きのお礼に、今度は海の家れもんで、私特製のいかすみパスタを食べさせてあげるでゲソ!」
れいか「まぁ、それは楽しみですね」
みゆき「いかすみって私食べたことないよ~」
なお「私もだよ!ぜひ食べてみたいね」
イカ娘「れもんでは大人気メニューなんでゲソよ!」
???「おーい、店やってるかー?」「やってるオニー?」「やってるだわさー?」
あかね「いらっしゃいませー!ご注文何にしま…って、お前らは!」
なお「それはこっちのセリフだよ!」
やよい「また悪さをしにきたのね!」
ウルフルン「いや俺たちはただ海を満喫s」
れいか「問答無用!」
みゆき「みんな!いくよ!!」
~~~~変身中~~~~
ハッピー&サニー&ピース&マーチ&ビューティ「輝け!スマイルプリキュア!」ドーン
ウルフルン「くそっ、せっかく今日はバカンスを楽しもうと思ってたのによお!」
アカオーニ「小麦色に焼こうと思ったのにオニ…」
マジョリーナ「仕方ないだわさ、ここはやるしかないだわさ!」
ウルフルン&アカオーニ&マジョリーナ「いでよ!アカンベェ!」
アカンベェ×3「アカンベェ~」
ハッピー「あいつらはみんなからバッドエナジーを集めて、怠惰な世界を作り上げようとしている悪党なの!」
サニー「私たちはそいつらからみんなを守るヒーローってとこや!」
イカ娘「それってもしかして人類を侵略しようとしてるってことでゲソか!?」
ウルフルン「あぁそうさ!俺たちはピエーロ様を復活させ、この世を侵略してやるのさ!!」
イカ娘「…」プルプル
マーチ「怖がらなくても大丈夫だよ、イカ娘ちゃん!」
ビューティ「えぇそうです。私たちがみんなを守ります!」
アカオーニ「そんなことできるわけないオニ!」
マジョリーナ「このアカンベェ3体で今日こそプリキュアを倒してやるだわさ!」
ハッピー「みんな!いくy…」
イカ娘「素晴らしいじゃなイカ!」
ピース「ど、どうしたのイカ娘さん?」
イカ娘「私は人類を侵略するために海からやってきた、イカ娘でゲソ!」
イカ娘「お前たち、一緒に人類を侵略してしまおうではなイカ!」タタタッ
ウルフルン「な、なんだこのガキは?」
マジョリーナ「よくわかんないけど、どうやら仲間にしてほしいみたいだわさ」
アカオーニ「(か、かわいいオニ…)」
イカ娘「さぁプリキュア!かかってくるでゲソ!」
サニー「ど、どうなってんねや!?」
ハッピー「わかんないけど…あのままじゃイカ娘ちゃんがあぶない!」
ビューティ「えぇ、みんなの力をひとつに!」
マーチ「いくよ!」
ハッピー「ハッピー…シャワー!!」
サニー「サニーファイヤー!!」
ピース「ピース…ひゃあっ!サンダー!!」
マーチ「マーチ…シュート!!」
ビューティ「ビューティ…ブリザード!!」
ズドドーン
サニー「はぁはぁ…どや!これが五人の力や!」
イカ娘「フッフッフ…全然効かないでゲソ!」
ピース「えっ!?」
マーチ「どうしてっ!?」
サニー「イカちゃんの髪が触手みたいにのびて、アカンベェをガードしとる!」
イカ娘「そうはいかないでゲソ!私には人類を侵略するという野望があるでゲソ!」
イカ娘「これでもくらうでゲソ!」
ハッピー「きゃあー!!」
サニー「な、なんやこれえ!」
ハッピー「みんな!大丈夫!?」
サニー「大丈夫や!けど…」
ピース「みんな捕まっちゃった…どうしよう!」
マーチ「イカ娘ちゃん!目を覚まして!」
ビューティ「闇に負けてはいけません!」
ウルフルン「こいつぁ使えるぜ!仲間にしてやってもいいんじゃねえか」
マジョリーナ「あたしの手下にしてやってもいいだわさ」
アカオーニ「(一緒に海で遊びたいオニ…)」
イカ娘「これでとどめでゲソ!」
???「イカちゃん?」
イカ娘「ギクギク!そ、その声は…」
千鶴「ゴミ拾いにいったっきり帰ってこないとおもったらこんなとこで遊んでいたのね…」
イカ娘「いや…これは…その…」
イカ娘「人類侵略の大事な一歩を踏み出そうとしていたのでゲソ!」
シュッ
イカ娘「い、いつの間に後ろに…」
イカ娘「ご、ごめんなしゃいでげしょ…」シュルッ
ハッピー「わっ!」
サニー「あいたっ」
ピース「きゃっ!」
マーチ「いてっ」
ビューティ「スタッ」
ウルフルン「おいなんだこいつ!アカンベェ、はやくやっちまえ!」
アカンベェ×3「アカンベェ~」
ズバズバズバッ
アカンベェ×3「アカンベェ~」昇天
マジョリーナ「こ、こいつ強いだわさ!新しいプリキュアだわさ!?」
ウルフルン「ちぃっ、今日はひくぞ!さんざんなバカンスになっちまったぜ!」
アカオーニ「(また会いたいオニ…)」
シューン
イカ娘「許してほしいでゲソ許してほしいでゲソ~」
みゆき「な、なんだったんだろう…」
なお「よくわかんないけど、あいつらを倒してくれたってことはいい人なんじゃないかな?」
れいか「まぁなにはともあれ退治することができてよかったです」
あかね「それにしても…」グゥ~
やよい「お好み焼き食べてる途中だったもんね…お腹すいちゃった」
千鶴「あなたたち、うちのイカ娘ちゃんがご迷惑おかけしちゃったみたいで」
千鶴「よかったらお昼ごはんをおごらせてもらえないかしら?近くの海の家をやってるのだけれど」
みゆき「本当ですか!」
なお「お腹ぺこぺこだよ~」
れいか「では、お言葉に甘えさせてもらいましょうか」
あかね「それじゃ早速いこか~!」
イカ娘「あの、千鶴…じつは私もお昼ご飯がまだなのでゲソ…」
千鶴「何か行ったかしら?」ギラッ
イカ娘「な、なんでもないでゲソ!注文とってくるでゲソ~」タタッ
みゆき「大変そうだね~イカ娘ちゃん」
なお「そうだね~、明日は私たちも海辺の掃除を手伝うなんてどうかな?」
れいか「賛成です。こうしてお昼ご飯をいただけるわけですし、お手伝いのひとつもしないと私の道に反します」
あかね「せやな!明日はみんなで早起きしてゴミ拾いや!」
やよい「あっ、メニューにいかすみパスタがある!これイカ娘さんが言ってたのじゃないかな?」
みゆき「おいしそうだね~!みんな、これ注文しようよ!」
れいか「えぇ、構いませんよ」
あかね「すいませ~ん!いかすみパスタ5つお願いします~!」
千鶴「は~い!…イカちゃん、いかすみパスタ5人前よ」
イカ娘「さ、さすがに5人前いっぺんには…」
ギラッ
イカ娘「わ、わかったでゲソ~…オエー」
みゆき「わー、おいしそう!」
れいか「黒いめん…初めての食事です」
あかね「なーイカちゃん!一緒にお昼ご飯たべようや~!」
なお「そうそう!みんなで食べたほうが何倍もおいしいよ!」
イカ娘「お誘いは嬉しいのでゲソが…」チラチラッ
千鶴「…はぁっ。いいわよ、一緒に食べてらっしゃい」
イカ娘「ほ、本当でゲソか、千鶴!」
千鶴「お友達のお誘いは断っちゃ駄目よ」ニコ
イカ娘「ありがとうでゲソー!」タタタ
千鶴「あら、そうかしら?」
イカ娘「栄子~!エビチャーハン10人前頼むでゲソ!」
栄子「調子にのるな!バカッ!」
やよい「それじゃあ食べよっか!」
みゆき「せぇ~の!」
みゆき&あかね&やよい&なお&れいか&イカ娘「いただきまぁ~す!!!」
おわり
乙
テンポ良くて面白かったよ
Entry ⇒ 2012.08.08 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ケロロ「何故だ、何故我輩たちのアニメは打ち切られてしまったんだ」
ギロロ「武器成分が足りなかったか…」
タママ「いっそ、タママズキッチンを始めるってのはどうですぅ?ぼくって軍曹さんたちの中でも可愛いし」
クルル「クーックックック…深夜帯に移してエロ要素を+したらウケるかもな、大きなお友達によぉ」
いつの間にか15分に短縮されたり何だで最後の方は悲しかった
毎年映画化してたじゃん
興行収入もだんだん落ちていったんだよ
タママ「イエーイ!パフパフ~♪」
ギロロ「くだらん、俺は戻る」
クルル「伍長さんよー、動く夏美ちゅわあーんに会いたくないのー?」
ギロロ「くっ…早く始めろ」
これこれ
なにこれ
ちょうど今日買った
一体どこへ向かっていくんだろうね
ギロロ「お、俺からか…はっきり言わせてもらうと初期は良かったんじゃないか?」
タママ「伍長さん…なんの指摘になってないですぅ」
クルル「さすが伍長!」
ギロロ「まったく、否定するだけの部下は楽でいいな」
タママ「ンダトゴラァ!」
ケロロ「まーたこの展開でありますか…」
ケロロ「本来、話の中で散りばめられたパロディネタやマニアックなネタが醍醐味でありますからなぁ…」
ギロロ「それにエロさもあった」
タママ「僕とサッカー少年の話とか、原作の話やっとけば良かったんですよ…」
ケロロ「個人的にケロロ小隊再結成とか良くわからなかったであります」
タママ「伍長さんなんて鬼とか言って山ごもりさせられてましたね」
ギロロ「俺は夏美に会えればなんでもする」
クルル「劇場版でもガンダムで敵を倒すとかやってたな、サンライズさまさまだぜぇクークククッ…」
タママ「幅広い世代に受け入れられて、某青狸、某幼稚園児なみにだったですぅ」
ギロロ「夏美…夏美…」
クルル「俺のグッズは微妙だったけどな…」
タママ「深夜帯ならやりたいほうだいですぅ」
クルル「俺の時代がついに….クーッククク」
ギロロ「なつ」
タママ「いやぁーバトルものにしましょうよ!◯クライド並みでボクが無双するやつ」
クルル「てか原作をそのまま再現すれば良くね?」
ギロロ「◯トムズのようなロボアニメをだな…」
ケロロ「ド、ドロロくん…いたんだ」
ギロロ「(いたのか…)」
タママ「(気づいてましたけどスルー)」
クルル「(…)」
ケロロ「おぉ!つまり再び我輩たちの可愛さで媚びまくるわけでありますなぁ!ケロロGTみたいな」
タママ「ケロロさんの小さい頃…ハァハァ」
ギロロ「俺の小さい頃か…」
クルル「長引きそうなんでカレーくってきますねー」
ドロロ「そうそう、キン肉バスターとか、ナパームストレッチとか、パロスペシャルとか…地獄の断頭台とか……いつも、いつもボクばっかり技かけられて」トラウマスイッチON
タママ「あーまた泥船先輩のスイッチが」
ケロロ「でも、ギロロもいたじゃん!」
ギロロ「俺は一緒にいただけだ」
タママ「映画、何本もやって楽しかったですぅ~」
ギロロ「しまいにはドラゴンになったり色々あったな…夏美」
ドロロ「僕の扱いは一行に良くならなかったけどね…」
タママ「正直ももっちの家に帰りたいですぅ」
ギロロ「……まぁ俺たちの目的は侵略だからな」
ドロロ「ははは、みんな暗くなっていく」
ケロロ「よし、次の会議はアニメが再開した時ってことで今日は解散!」
~fin~
クルル「ばっちりだぜー隊長さんよぉ」
タママ「ふぅ、いくら演技でも疲れたですぅ」
ギロロ「とんだ茶番だったな、俺はテントに帰らせつもらう」
ドロロ「えっ」
ケロロ「これをテレビで放送すれば、同情GETで再放送間違いなしであります!」
ポヨンちゃんきゃわわ
何だかんだ言っても、ドロ沼くんが 一番好きです
Entry ⇒ 2012.08.06 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (2) | Trackbacks (0)
マリオ「何で何回死んでも平気なんだ?」
マリオ「おかしいと思わないか?」
キノピオ「何がですか?」
マリオ「だから何回死んでも無事って変だろ」
キノピオ「何言ってるんですか?マリオさんは一回も死んでませんよ?」
マリオ「え?」
キノピオ「死んだ人間が生き返るはずないじゃないですか」
マリオ「でも、崖から落ちたり……クリボーにリンチされて殺されたり……」
キノピオ「確かにマリオさんはよく怪我しますけど死んでなんかいませんよ」
マリオ「え?そうなの?」
キノピオ「はい、キノコ王国の医療で治しているんです」
マリオ「そうだったのか……」
キノピオ「瀕死の状態なんですから意識を失っていて当たり前です」
マリオ「そうか……確かにそうだな」
キノピオ「はい」
マリオ「ん?でも俺、入院とかしてたっけ?」
キノピオ「入院なんてする必要ないですよ、キノコ王国の医術は超優秀ですから」
マリオ「そうなの?」
キノピオ「はい、手術が終わったら即退院です」
マリオ「凄いな……」
キノピオ「ええ……まだ何か?」
マリオ「いや……じゃあピーチ姫助けに行ってくるよ」テクテク
キノピオ「いってらっしゃい」
マリオ「高い崖から落ちても治せるなんて……凄いな」
マリオ「……」
マリオ(……待てよ?)
マリオ(いくら何でもおかしくないか?)
マリオ(頭が砕けていたりしたら……それでも治せるのか?)
マリオ(足から落ちたら……うん、それなら頭は無事で……)
クリボー「グオオオ!」
マリオ「!?(しまっ……)」
…………
……
マリオ「ん……俺は……?」
キノピオ「一番最初のクリボーにやられたんです、まったくマリオさんらしくない」
マリオ「そうか……俺は治療されたのか?」
キノピオ「ええそうです」
マリオ「記憶がまったくないんだが……」
キノピオ「瀕死の状態でしたから」
マリオ「そうなの?」
キノピオ「危ない所でした、助かって良かった」
マリオ「そうか……ならまあ行ってくるよ」テクテク
キノピオ「今度はお気をつけて」
クリボー「グオオオオオ!」
マリオ「こんにゃろ!」ドガッ!
クリボー「グギャ……」
ぶしゅううう
マリオ「ワンパンで潰れるなんて……何とも弱い奴だな」
マリオ「こんなのにやられたなんて、最近なまってんのかな」テクテク
マリオ(……ん?)
マリオ(この位置にクリボーいつもいるな……)
マリオ(まあいいか)テクテク
ノコノコ「ギャッ!」
マリオ「ふんっ!」ドゴォ!
クリボー「グガ……」
マリオ「ふぅ、だいぶ進んだな」テクテク
マリオ「お、空中にコインが浮いてる」
マリオ「へへへチャリンチャリン
マリオ「……へ?」
マリオ(しまった!足場が無い!)
アアアアアア…
マリオ「不覚……」
キノピオ「まったく……」
マリオ「俺はまた病院に?」
キノピオ「はい」
マリオ(……あれ?)
マリオ(俺……コインを取ろうとして、頭から落ちなかったか?)
マリオ「……なあキノピオ」
キノピオ「何ですか?」
マリオ「俺、頭から落ちなかったか?」
マリオ「あの高さから頭から落下したら病院とか関係なく即死だと思うんだが」
キノピオ「マリオさん、死にたかったんですか?」
マリオ「そういうわけじゃないんだが……」
キノピオ「少し休んでから出発しますか?」
マリオ「でも早いとこピーチ姫を助けて欲しいんだろ?」
キノピオ「ええ……ですが、マリオさんが心配なので」
マリオ「俺は大丈夫だ、さっさとピーチ姫助けに行ってくるよ」テクテク
キノビオ「無理はなさらないで下さいね」
マリオ「おう」テクテク
マリオ「キノコ王国のみんなのために早くピーチ姫を助けてあげないと」
クリボー「グオオオオ!」
マリオ「おらあ!」ズンッ!
ぐしゃっ
クリボー「ゴ……」
ぶしゅあああ
マリオ「ったく……何で死ぬと分かっていて襲いかかってくるかな」テクテク
クリボー「」ピクピク
ノコノコ「ガハッ!」
マリオ「亀が!砕けろ!」ドギャッ!
パタパタ「ゴボッ!」
マリオ「ふぅ、だいぶ進んできたな」
クリボー「……」テクテク
マリオ「お、レンガの上にクリボー……が!」ドガッ!
クリボ「!?」
がらがら
マリオ「ふ、レンガごとクリボーを砕くとは、我ながら恐ろしい力だぜ」
クリボー「」ドクドク
マリオ「配管工だからこういうの気になるんだよねー」
マリオ(……ん?)
マリオ(そういや俺……配管工として働いた事あったか?)
マリオ(テニス選手やレーサーにはなったけど……)
パックン「シャアアアアア!」
マリオ「!?(しまっ……)」
ばくっ!
マリオ「腕が!?」
パックン「……」グチュグチュ
マリオ「クソ……返せよ……俺の……腕……」
…………
……
マリオ(……また病院で治療されたのか)
マリオ(……ん?)
マリオ「……なあキノピオ」
キノピオ「何ですか??」
マリオ「俺の右腕……パックンに食いちぎられたよな?」
キノピオ「はい、接合手術が無事成功してホッとしました」
マリオ「……接合手術?」
キノピオ「はい」
マリオ「右腕は……パックンに食われたんだよな?」
マリオ「それなのに……接合手術できたのか?」
キノピオ「はい」
マリオ「パックンに食われたらズタボロに噛み砕かれると思うんだが……」
キノピオ「パックンの顎の力は強力ですからね」
マリオ「そんな状態の腕を……くっつけた?」
キノピオ「はい」
マリオ「どうやって……」
キノピオ「キノコ王国の医療は超優秀ですから」
マリオ「そうか……」
キノピオ「マリオさん?」
マリオ「どうやって?」
キノピオ「何がですか?」
マリオ「どうやってパックンに食われた腕をくっつけたんだ?」
キノピオ「僕は医者ではないので分かりません」
マリオ「そうだよな……」
キノピオ「聞いておきましょうか?」
マリオ「いや、いい……じゃあピーチ姫助けに行ってくるよ」テクテク
キノピオ「お気をつけて」
クリボー「グオオ」
マリオ(ちっ、またかよ)
クリボー「……」ピタッ
マリオ(ん?襲ってこない?)
クリボー「……!」ダダダ
マリオ(逃げた!?)
クリボー「グオオオ……」ダダダ
マリオ「今さら逃げたっておせーんだよ!」ピョーン
クリボー「グオオオオ!!」
マリオ「死ね!雑魚が!」
ぐしゃっ!
マリオ「調度良いや、暑かったし」
ごぼごぼ…
マリオ(すいすーい、と)
マリオ「……」
マリオ(……あれ?)
マリオ(ここ……水の中だよな?)
マリオ(息……できないよな?)
ごぼごぼ…
マリオ(苦しくない?)
ごぼごぼ…
マリオ(……まだ息が続いている)
マリオ(おかしい……人間がこんなに息がもつはずが……)
マリオ(鯨でもこんな長時間はもたないんじゃないのか?)
マリオ(どうして……)
マリオ「!?」
ゲッソー「キシャアアアアア!」
マリオ(ゲッソー!?)
マリオ(しまった!いつの間にかゲッソーの大群に囲まれてしまっている!)
ゲッソー「キシャアアアアアア!」ザシュッ!
マリオ「ゴバッ!」
ざしゅっ!ぶちっ!
マリオ(逃げ……駄目だ……足が……)
ぶちっ!べきっ!
マリオ(く……われ……)
ぐちゅぐちゅ
…………
……
キノピオ「マリオさん?」
マリオ「わああ!?こ、ここは!?」
キノピオ「キノコ王国のお城ですけど」
マリオ「そ、そうか……よかった……」ゼエゼエ
キノピオ「大丈夫ですか?」
マリオ「ああ……」ハアハア
キノピオ「休憩する時は周囲を警戒しなきゃ駄目ですよ」
マリオ「……」
キノピオ「マリオさん?」
マリオ「何で俺が水中ステージで止まってたって知ってんだ?」
マリオ「だから何でそれを知っているんだよ?」
キノピオ「マリオさんを病院に運んだ人達から聞きました」
マリオ「俺を……病院に運んだ人達?」
キノピオ「はい」
マリオ「どういう人達だ?」
キノピオ「病院の関係者では?」
マリオ「病院の……関係者?」
キノピオ「おそらくは」
マリオ「何で一般人がゲッソーの群れの中から俺を助け出せるんだ?」
キノピオ「ええ、ピーチ姫を助け出せるのはマリオさんだけです」
マリオ「じゃあ何で一般人が入っても無事だったんだ?」
キノピオ「ゲッソーの群れが去ってからマリオさんを助けたんですよ」
マリオ「途中にも敵はたくさんいるよ!」
キノピオ「運が良かったんですよ」
マリオ「それにゲッソーの群れに食われたら肉片ひとつ残らないだろ!」
キノピオ「そんな事ないです」
マリオ「肉片が残っても人の形はしていない!いくらキノコ王国の医術が優秀でも治せるわけないじゃないか!」
キノピオ「マリオさん落ち着いて」
マリオ「そもそも変なんだ!高い崖から落ちたり首を噛み千切られたりしたのに無事だなん……」
キノピオ「マリオさん!あぶな……」
…………
……
マリオ「ん?」
キノピオ「ピーチ姫がクッパにさらわれました、助けに行って下さい」
マリオ「またか」
キノピオ「はい」
マリオ「じゃあ行ってくるよ」テクテク
キノピオ「よろしくお願いします」
マリオ「……あ」ピタッ
キノピオ「どうしました?」
マリオ「キノピオと……何か話していなかったか?」
キノピオ「いえ」
マリオ「……そうか、行ってくるよ」テクテク
マリオ「やれやれ、懲りない奴らだ」
クリボー「グオオオオオオ!」
マリオ「なめんな!」バコッ!
クリボー「ガ……」
ぶしゅううう
マリオ「ケッ、きたねえ花火だぜ」
ばくっ!
マリオ「!?」
クリボー「……」
マリオ「もう一匹いやがったか!ちくしょう!俺の鼻が!」
クリボー「落ち着いて下さいマリオさん」
マリオ「!?」
クリボー「マリオさん、ここでは誰が聞いているのか分からないのでとりあえずあそこの物影に」
マリオ「は、はあ!?」
クリボー「お話があります」
マリオ「話だあ!?ふざけんな!俺の鼻を噛み砕きやがって!」
クリボー「鼻がアンテナになっていたので」
マリオ「はあ?」
クリボー「マリオさん、とりあえず誰も来ない所へ……」
マリオ「何をおかしな事を!叩き潰して……」
クリボー「何回も死ぬ事に疑問を感じた事は?」
マリオ「!?」
マリオ「こ、ここで良いのか?」
クリボー「はい、ここなら落ち着いて話ができます」
クリボー「鼻は申し訳ない、でもマリオさんのためでもあるんです」
マリオ「いや、どうせ治るし……にしてもクリボーって話せるんだな」
クリボー「話せるクリボーはおそらく私だけです、彼らにとっては失敗作でしょうけど」
マリオ「(?)で、その……話って?」
クリボー「その治るという事についてです」
マリオ「治る事について?」
クリボー「マリオさん、あなたは今までどんな怪我の仕方をしました?」
マリオ「崖から落ちたり……クリボーにリンチをされたりだな……」
クリボー「死んだな、と感じた事は?」
マリオ「いつもだよ、高い崖から落ちて地面に叩きつけられたり、クリボーに喉を噛み千切られたり」
マリオ「……知らないが」
クリボー「とても高い所から落ちたら、例え足から落ちても体中の骨が砕けて死にます」
クリボー「クリボーに喉を噛み千切られたら、出血のショックで死にます」
マリオ「それは……」
クリボー「なのに何故マリオさんは、こうして生きているのでしょう?」
マリオ「……病院に……運び込まれたりして……」
クリボー「……今まで頭を砕くような怪我をした経験は?」
マリオ「……」
クリボー「脳が壊れた人間を治せる病院なんてありません」
クリボー「どんなに医術が発展しようとも死者を蘇らせる事なんて不可能です」
マリオ「じゃ、じゃあ俺は何なんだよ!?」
マリオ「崖から落ちても!鋭い牙を持つクリボーに噛みつかれても!」
マリオ「パックンに腕を食われてもゲッソーの群れに食われても無事なんだ!」
マリオ「今ここにいる俺は何なんだよ!?」
クリボー「……マリオさん」
クリボー「マリオさんは」
クリボー「死んでいます」
クリボー「実はマリオさんはとっくの昔に死んでいたんです」
マリオ「何を言っているんだ!?俺は今もこうして……」
クリボー「私はマリオさんの葬式に出ました、間違いありません」
マリオ「俺の葬式だあ!?はん、おかしいんじゃねえのかお前!?」
クリボー「正確にはオリジナルのマリオさんは、です」
マリオ「お、おりじなる?」
クリボー「ええ、あなたはオリジナルのマリオさんのクローンなんですよ」
クリボー「……たくさんある中の一体の」
クリボー「オリジナルのマリオさんは、とある戦争盛んな国で生まれました」
クリボー「マリオさんは戦場の英雄でした、ですがある時戦死してしまった……」
クリボー「その国の上層部は優れた身体能力を持つマリオさんをそのまま死なす事を許さず」
クリボー「『マリオシリーズ計画』を発動させたのです」
マリオ「まりお……しりーず……?」
クリボー「マリオさんのクローン体に機械を埋め込み、身体能力を強化すると同時に記憶の操作も可能にしました」
クリボー「そして仮想の国と世界のセットを組み、モンスターという障害物を設置し、性能をテストしているのです」
マリオ「かそうの……くに……?」
クリボー「……キノコ王国なんて国はどこにも存在していないんです」
クリボー「ピーチ姫という人間も存在してはいないんですよ、マリオさん」
クリボー「マリオさん」
マリオ「俺はピーチ姫がクッパにさらわれる度に助けて!そのご褒美にキスを……!」
クリボー「マリオさんの頭に組み込まれた電脳が見せている作り物の記憶です」
クリボー「お姫様が魔王にさらわれたから助けにいく……そんな状況、ゲームの中でしか存在しませんよ」
マリオ「そ、そんな……」
クリボー「ここにいるのはキノコ王国の国民なんかじゃありません、みんな政府に雇われたテーマパークの従業員です」
クリボー「……そして、私のようなモンスターは」
クリボー「科学の力によって化け物に変えられた人間です」
クリボー「化け物に変えられる理由は様々ですが……共通している事は」
クリボー「自ら望んでなった者はいなく、また家族を人質に取られているという事」
マリオ(……人間?)
クリボー「彼らは元の人間の姿に戻る事と家族の解放を条件にマリオさんに襲いかかってくるのです」
クリボー「何故なら、マリオさんを殺せば元の姿に戻すと言われているからです」
マリオ(……人間だって?)
クリボー「私はこの施設を管理する側の人間でした」
クリボー「しかしこの施設の事を世界中に告発しようとしたのがバレ、このような姿に……」
マリオ(じゃあ俺は……今まで人間を……!?)
クリボー「マリオさん、こうしてあなたに接触しのは、あなたの助けを借りた……」
ぐしゃっ!
ポタ…ポタ…
クリボー「な……ぜ……」
マリオ「……俺が」
マリオ「俺が人殺しなわけがないだろ」
マリオ「お前はピーチ姫を誘拐したクッパの手先で、悪い化け物だ」
マリオ「……人間なんかじゃない」
クリボー「……」
マリオ「そして俺はクローンなんかじゃない」
マリオ「俺が死にそうな怪我をしてもキノコ王国の超優秀な医術で治してもらっているんだ」
クリボー「……ふふ」
クリボー「今の話を……忘れたいの……なら……」
クリボー「そこの崖から……頭から……落ちれば……いい」
クリボー「鼻のアンテナに……よって……あなたの記憶は……発信され……保存され……」
クリボー「新しいクローン体に……書き込まれ……る」
クリボー「でも……今のあなたには……鼻が……ない……から」
クリボー「私が……鼻を食いちぎった……時……から……の……記憶……は……」
クリボー「」
マリオ「……」
ぐちゃっ!
マリオ「……なあキノピオ、おかしな事を言うクリボーがいたんだよ」
キノピオ「おかしな事?」
マリオ「俺は……俺は実はマリオのクローン……でさ」
マリオ「キノコ王国も……ピーチ姫も……ホントは存在しないって言うんだよ」
キノピオ「え?」
マリオ「そんな事……ないよなぁ?キノピオ……」
マリオ「ピーチ姫……いるよなぁ?」
キノピオ「お疲れの様ですね、少し休んだ方が良いです」
マリオ「そう……だな……少し休んで……そしたらピーチ姫を助けに……」
マリオ「……ん?そのリモコンは?」
キノピオ「テレビのリモコンです」
ピッ
おわり
乙
乙
面白かった
Entry ⇒ 2012.08.04 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
望「千両の花火、寝てみる乞食かな」
ピーヒャラドン
奈美「みんなで、夏祭りに来ています」
あびる「あ、先生だ」
望「おや、皆さんお揃いで」
千里「先生も花火を見に来たんですか?」
望「花火?」
晴美「えぇ、この坂道からだと、寝ながら見れるんですよ」
望「なるほど、坂で寝ながら……それはまた、なかなか無精な見方ですね」
奈美「もうすぐ始まりますから、先生も一緒に見ませんか?」
望「いえ、私は交にりんご飴でも買って帰ろうかと」
奈美「あ、じゃあついでに焼きそば買って来て下さいよ」
望「……何で私が買いに行かなければならないんですか」
奈美「良いじゃないですか、ついでなんですから」
望「買ってきましたよ」
奈美「わーい!いっただっきまーす!」
望「……」
奈美「ん?なんれふは?」
望「あの、立て替えた分のお金を」ひゅー…どーん!!
奈美「あ、始まった!」
どーん!ぱらら……
どーん!ぱららら……
望「立て替えた分のお金を払っ」どーん!
奈美「きれーい!」
望「……」
晴美「ん?千両花火?」
加賀「はっ!す、すいません!何でもないです!」
奈美「ん?今、誰か何か言った?」
望「『千両の花火、寝て見る乞食かな』」
奈美「はぁ?乞食呼ばわりとかちょっとヒドくないですか?」
望「いえ、私が言ったわけでは……」
加賀「すいません!すいません!」
千里「でも、食事を乞うたんだから、間違ってはいないじゃない。」
奈美「払う気はあるから!」
望「千両の花火、寝て見る乞食かな。ことわざではなく川柳ですね」
望「『千両もの豪奢な花火を横になって見物できるんだから、乞食だって中々優雅な身分じゃないか』みたいな意味です」
奈美「ふーん…?」
奈美「うーん……千両の花火って、いまいちピンと来ません」
望「そりゃ、お金のかかった大きな花火なんでしょう」
奈美「それくらいはわかりますけど、昔と今じゃやっぱり違うじゃないですか。価値観とか」
望「はぁ」
奈美「だから、現代風に直すとどんな感じですか?」
奈美「!! 浦安市民優雅!っていうかずるい!!」
晴美「分かりやすいんだ、それ」
千里「ちなみに、晴美にわかりやすく言うと『予備分をちゃっかり持ってく印刷所かな』とか。」
晴美「!! 印刷所羨ましい!っていうかずるい!!!」
あびる「分かりやすいんだ、それ」
奈美「あっはい、払いますよ。えーっと、お金お金……あれ、足りない」
望「……」
奈美「ちゃ、ちゃんと払いますから!明日!」
まとい「待って下さい先生。彼女が食を乞うのも無理はありません」
まとい「何故なら、今私たちがいるこの坂の名は、乞食坂だから!」
望「乞食坂!?」
まとい「一応、実在する坂道です」
望「会計まとめて払っておいて自分のポイント貯める乞食!」
望「円高に乗じて通販でドル払いする乞食!」
望「半額シール貼られた傍からお惣菜買う乞食!」
望「どこもかしこも乞食だらけ!!」
麻菜実「待って下さい。私、それよくやってますけど、乞食とは違います」
望「大草さん」
麻菜実「それは財テクですよ。そういう事は、細かいことから重ねていかなくちゃ」
望「なるほど。では逆に言えば、乞食は財テクのプロですね」
麻菜実「ん……まぁ、そうなりますね」
望「どこもかしこも、財テクのプロだらけです!!」
・アフェリエイトサイト設置する財テクのプロ
・友達の家にタダ酒飲みにいく財テクのプロ
・アニメを違法視聴する財テクのプロ
・無職で親のスネかじる財テクのプロ
・おもしろツイートをパクる財テクのプロ
・外国人なのに参政権を求める財テクのプロ
・昔の戦争を言い訳に金ゆする財テクのプロ
・パンダを押し付けて金ゆする財テクのプロ
・国民の税金で保護を受ける財テクのプロ
・国民の税金で刑期を謳歌する財テクのプロ
・国民の税金で生活し御公務をなさる財テクのプロ
・国民の税金貰って、税金上げる仕事をする財テクのプロ
・民間企業の仕事しないポストに下ってくる財テクのプロ
・ミニネームで原作者分の給料貰ってた財テクのプロ
あびる「わざわざ和らげなくても普通に乞食でいいんじゃ?意味通じ辛くなるし」
奈美「やっぱり怖いんじゃない?右とか左とか絡むと」
望「えっ?いや、それは……」
乞食「何かあるだろ?いい服着ちゃってぇ」
わらわら
乞食「何でもいいから何かくれよぉ」
望「あげるものなんてありません!」
まとい「先生の金持ちの匂いを嗅ぎ付けて、乞食達が集まって来ました」
わらわらわらわら
「「何かくれぇ、何かくれぇ」」
望「ちょっ……いくらなんでも多すぎます!」
芽留「……」
乞食「ツインテール片方くれよぉ、片方ならいいだろ?」
芽留「……」
件名:[]本文:[片方なら大丈夫って腎臓かよ!やらねーよコジキ!]
わらわら
カエレ「な、なんだよ?」
乞食「パンツ見せてくれよぉ」
カエレ「ハァ?見せるわけねーだろ!?」ぴらっ
あびる「見せてんじゃん」
乞食「何かくれぇ、何か……ん?」
マ太郎「……」
乞食「……少しだけど、分け前やるよ」
マ太郎「マイドアリー!」
ほわーん
乞食「俺のもやるよ」
乞食「俺も」
マ太郎「マイドアリ!」
奈美「マズいよ!早く坂を下らなきゃ!」
望「待ちなさい!この坂は乞食だらけなんですから、下り切るころには尻の毛まで毟られます!」
奈美「じゃあ、どうすればいいんですか?」
望「横道を抜けて、別の道を下りましょう」
たったったっ
望「別の道です……少々暗いですが、乞食は居ないようですね」
あびる「でも、下るってことはまた別の坂なんじゃ」
晴美「うん。暗闇坂って書いてあるよ」
望「暗闇坂…?ダメです!心の闇が出ます!」
千里「何よそれ!じゃあ、合羽坂にはカッパが出て、スペイン坂にはスペイン人が出て、桜坂には福山雅○が出るとでも言うんですか!?」
望「乞食坂に乞食が出たんだから、それらが出ない道理はありません!」
あびる「いや、福山雅○は出ないでしょう」
晴美「乞食がもうこっちまで来てます!」
望「早く逃げなければ…!」
千里「もう、向こうの坂でいいから、一気に駆け下りましょう。」
望「何の坂か分からないのにですか!?」
千里「仮に何かが出ても、全力で走れば振り切れます!」
奈美「全力で!?」
望「とんだ全力坂!!」
千里「いいから、さっさと行きますよ!」
だだだだだっ!
┌─┐
│幽│
│霊│
│坂│
└─┘
望「幽霊坂って……何か憑いたらどーする!?」
(いやだなぁ、誰にも憑いてませんよ)
望「……今、何か言いました?」
千里「何も?」
あびる「誰も何も言ってないよ」
望「それならいいんですが」
どっさり
奈美「マリアちゃんすごい荷物」
マ太郎「慌てる乞食、貰い少ないヨ」
おわり
┌─┐
│合│
│羽│
│坂│
└─┘
カエレ「……」そわそわ
あびる「合羽坂でも、カッパは出ないよ」
カエレ「え!?……き、期待させんなよ!!」
おわり
お疲れ様でした、ありがとうございました。そして、すいませんでした
……とは言ったものの、全然人がいなかった
毎週書いてたのはやっぱり自意識過剰義務でした。調子に乗ってすいませんでした
次なんてありますん。期待しないでください
……では皆さん、また来世で会いましょう。さようなら
マジ乙
Entry ⇒ 2012.08.01 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
わたし「人類が衰退した今、安価スレなどをやろうと思いまして」
わたし「……おや、これは見たことが無い本ですね。まあ、全ての本を把握しているわけじゃないですけど」
わたし(それにしたって、このキンピカ豪著な装丁であれば見逃すはずもありません)
わたし「なになに……安価? あんかってなんでしょう」
わたし「ええと。安価に従えば幸いが訪れる? なるほど、胡散臭い」
わたし「でもまあ、とりあえずはやってみましょうか。何だか、とても懐かしい感じが……する、し?」
わたし(心の中にある、形容し難いもやもやとした感情が、その本を開けというのでした)
>>4
巻き毛「どうしたんですか、お姉さまっ!」
わたし「きゃー」
巻き毛「あ、ごめんなさい。あー、お姉さまの髪の匂い、美味しい……」
わたし「ち、ちょっと。離れて下さいよ」
わたし(この子は巻き毛。巻き毛です)
巻き毛「読書の途中だったんですね。博識なお姉さまにはピッタリの……妖精殲滅?」
わたし「はい。どうやらわたし、この本に書かれている事を実践すれば幸せになれるようです」
巻き毛「し、幸せー!?」
わたし(巻き毛の表情が、一気になにかをたくらむそれに変わったのを、わたしは見逃しませんでした)
わたし「そういえばそうですね。もう話題作り程度の意味しか持たないようになってますけど」
巻き毛「でもでもっ、お姉さまとわたしの幸せのためには見つける必要があるのではないでしょうか?」
わたし「はい……はい? 今なんと? 都合良く聞こえませんでした」
巻き毛「きゃっ。お姉さま、わたし……いつでもいいですよ?」
わたし「では早速、妖精というのを捜しにいきましょう。そしてデストロイです」
巻き毛「はいっ、お姉さまっ!」
わたし「何処に探しにいきましょうかねー」
>>14
わたし「え?」
巻き毛「ほ、保健室に……保健室に妖精はいるんですよね、お姉さまっ!」
わたし「え……そうなんですか?」
巻き毛「ってこの本に書かれています」
わたし「それはそうですけど、あんな場所に妖精なんてメルヘンな生き物が居るのかどうか……」
巻き毛「居ても居なくても、いいんじゃないでしょうか。わたしとお姉さまが一緒なら……」
わたし「はあ」
巻き毛「でも……わたし、あまり皆様に認知されていないきゃらくたーでして、オリジナリティ溢れるものになっていないかが心配で……」
わたし「はあ」
巻き毛「お姉さま、血は繋がっていないけれど、血を繋げることはできますか?」
わたし(何を言っているんでしょうか、この子は。なんだか最近、とても支離滅裂な感じです)
巻き毛「えいぞー化に伴い、原作れいぷでわたしとお姉さまが実の姉妹だということにしませんか?」
わたし「はあ」
巻き毛「先生は居ないみたいですよ、お姉さま。好都合ですねっ」
わたし「そうですね。じゃあもう、ぱぱっと済ませちゃいましょう」
わたし(多分、ここに妖精は居ないでしょうし……)
巻き毛「……お姉さまっ!」
わたし「うわっ。な、何で急に抱きついてくるんですかー!」
巻き毛「同室なのだから、いつでもお求め下さればよろしいのにっ。わたし、じっくりしたいです!」
わたし「何を言っているのかちんぷんかんぷん……」
わたし(ちんぷんかんぷんって、なにが語源なんでしょうね?)
わたし「とにかくここから探してみましょう」
>>24
わたし「……」
巻き毛「……」
わたし「こ、これって……」
巻き毛「ですとろーーーーーーーーいっ!」
妖精さん「ぴーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
わたし(おそらくは妖精さん。巻き毛の暴動に困惑して逃げ出そうとしますが、巻き毛が先手を打って退路を封じていきます)
わたし「ち、ちょっとー」
巻き毛「お姉さまとわたしのためにっ! しんでくださいです! 妖精の死肉の上に極上の純愛を築き上げるんです!」
わたし「それ、純愛っていえないんじゃ……?」
妖精さん「おたすけー!」「そうまとうながるる」「あれ、ぼくらなにもおもいでなしです!?」「ぴーーっ!!」
わたし「地獄絵図……」
わたし「きちんと状況説明をしましょうね」
巻き毛「たくさんいたんですが、一匹しか捕まえられませんでした……」
わたし「これが妖精ですか。ちょっと可愛い」
妖精さん「ああ、ぼくはもうしぬ。うんめーはひつじょうで、じゅうだんはすいよせられるようにのうてんつらぬくです……」
巻き毛「どうします、お姉さま?」
わたし「どうって……当初の目的通り、殲滅するしかないのでは?」
妖精さん「ごかんべんをー。なんでもしますゆえ、おいのちだけはおたすけをーおだいかんさまー」
巻き毛「なんでも……?」
わたし(巻き毛の表情が、一気になにかをたくらむ以下略)
巻き毛「>>32とかもできちゃったり!」
わたし(安価を都合よく解釈する子がここにいました……)
妖精さん「できぬことはないです?」
わたし「い、いや。わたしが無理ですから、かの悪友でもなし」
巻き毛「悪友って……銀髪さんですか? お姉さま、まだあんな人と付き合って……うう、わたしがいるのに。ううううっ」
わたし「な、泣かないで」
妖精さん「べっどめいくはかんぺきですゆえ、そくできます」
巻き毛「お姉さま、わたしの瞳は湿りを帯びていますが、心はなんだかカラッカラに乾いています。……濡らしてくださいますか?」
わたし「ちょっとキャラが変わってません……? べつに上手い事言えていませんし」
巻き毛「大丈夫です、お姉さま。わたし、人体についてはみっちりお勉強していますから。……ふふっ」
わたし「最後の笑いがこわいー!」
巻き毛「お姉さま、一体なにを?」
妖精さん「おいそぎでことをなしてくれると、ぼくもたすかるのでは?」
わたし「知りませんよ、そんなこと」
妖精さん「だいほんどおりにすすまぬですか」
わたし「すすまぬです」
妖精さん「あー……ぼくはしぬ」
巻き毛「妖精さん、起きてっ。目を覚ましてっ。まだまだいっぱいしたい事があるでしょう!?」
わたし(それはあなたが思っていることでは?)
わたし「ええと、次のページに書かれている安価は……」
>>42
巻き毛「はぁっ! お姉さま、お清めいたします!」
わたし「わっ」
巻き毛「この肌触り……ああ、芳しい香り。すんすん。お姉さまの匂い……」
わたし「ねえ、あなたってわたしの前では比較的大人しい人懐っこい少女という設定ではありませんでしたか?」
巻き毛「そして実の姉妹」
わたし「違います」
巻き毛「でもでもっ。わたしって知名度が低いし、語り手であるお姉さまが居ないと本性も見せられませんし……キャラクターが弱くて」
わたし「とってもメタ的ですね」
巻き毛「お姉さま……わたし、濡れちゃいます! え……お姉さまのソックスが濡れている……!? え、うそっ。これってお姉さまのあせ!?」
妖精さん「しめってますな」
わたし「……」
わたし「普通は無いと思いますよ。にしても、足元が涼しくなっただけで何も起きませんね」
妖精さん「あんかぶっく、ほうしんきめるだけですからー」
わたし「これ、妖精……妖精さんが作ったもので?」
妖精さん「かもしれぬです」
わたし「かもしれぬって……忘却しやすいんでしょうか、妖精さんって」
巻き毛「何だか不便な生き物ですね」ギュッ
わたし「さり気無く抱きつかないで下さい。暑苦しい」
巻き毛「湿ってる……」
わたし「……暑いですから。夏ですから。冷房が効いているのは娯楽室ぐらいなもんですから」
妖精さん「ならばもっとすずしくすることもかのう」
巻き毛「ぜひ!」
妖精さん「そのためには、>>50をなさねばならぬです」
下
アニメでは最終話付近
巻き毛「わたしはお姉さまの妹にして、最愛の……」
わたし「わたしの学舎時代(五感参照)の同級生だったり下級生だったりする子なのです。>>29の金髪の子です」
巻き毛「お姉さま、あの頃はひどく心を閉ざしていて……」
わたし「くろれきしです」
妖精さん「ひやしまんごー」
わたし「冷やしまんごー?」
巻き毛「まんごーってなんでしょうか、お姉さま。ご存知ですか?」
わたし「聞いた事ありませんね。……あ、いや。何か本で見た記憶があります」
巻き毛「じゃあ一度、図書室に戻ってみましょう!」ギュッ
妖精さん「それがよろしいかと」ギュッ
わたし「あつーい」
巻き毛「まんごーって果物なんですか?」
わたし「記憶違いでなければ」
巻き毛「……記憶違いだったら、容赦しませんよ妖精さん」
妖精さん「がくぶる」
わたし「理不尽です……」
わたし「えーと……。あ、あれです。あの本」
巻き毛「高いですねー」
わたし「この梯子を使えば届かない事もないですよ。元よりそのために梯子はあるんです」
巻き毛「肩車しても届きそうですよ」
わたし「しませんってば」
巻き毛「でも安価本にはこうやれって書いてます……えっと、>>60」
妖精さん「ち、ちっそくしするです」
巻き毛「お姉さまの唇を汚す事は出来ませんっ。ここはわたしにお任せ下さい!」
わたし「無視して梯子を使えばよいのでは?」
巻き毛「地面とチューしなさいっ!」ドゴォォ
妖精さん「むちゅー」
わたし「……」
妖精さん「りのりうむのゆか、はつこいのあじです」
わたし「性的倒錯に目覚めそうな発言ですね」
妖精さん「わるくないかも?」
わたし「ひとそれぞれです」
妖精さん「あー、りのりうむかわいい」
わたし「だめっぽい……」
巻き毛「ふぇぇー! お姉さま、せめてわたしが取ってきますー」
わたし「落ちないように気をつけて下さいね」
巻き毛「……はい」
わたし(木製の梯子を上る巻き毛は、しきりにわたしを見下ろします。狙いを定めているかのように)
巻き毛「これですか?」
わたし「もうちょっと右です」
巻き毛「こ、こう?」
わたし「もっと奥の方です」
巻き毛「んんっ、ま、まだ奥……?」
わたし「あ、そこ」
巻き毛「アンコールっ」
わたし「あ、そこ」
巻き毛「お姉さまぁーっ!」タンッ
一冊の本と共に落ちてきた(堕ちていた)巻き毛は――>>66
わたし「うわっ」
巻き毛「ぶべっ!」
Y「……ふぅ、怪我は無いようだな相棒」
わたし「あなたは……わたしをほうき頭呼ばわりして、いじめてきた銀髪の子」
Y「よせ。あの頃の事は本当に悪いと思っているんだよ。多少」
わたし「ほうき頭なのは、わたしの髪を手入れしてくれるひとがいなかったから……」
Y「や、やめろ」
わたし「今はマシですけど、当時は友達もお母さんもいなかったから……髪、ボサボサで」
Y「お、落ち着くんだ。悪かった! 本当に悪かった!」
巻き毛「お、お姉さまが立っていた場所にキス……ん、ちゅるるるぅ……」
わたし「……」
Y「……」
わたし「それは幸いかと」
Y「それできみたちは何をしてるんだ。こんなところで」
わたし「確か、マンゴーについて調べていたんです」
巻き毛「妖精さんが必要だって……あれ、いない?」
わたし「恥ずかしがり屋さんなんでしょーね」
Y「妖精ってあの妖精か。興味深い」
巻き毛「ち、ちょっとあなた! わたしのお姉さまに近付かないでー」グイグイッ
Y「おわっ。この距離で近付くも何もないだろう!」
巻き毛「近付かないでーっ!」グイグイ
Y「わ、分かった分かった。もう近付かない。ほら、この距離でいいんだろ」
巻き毛「はぁはぁ……」ギュ
わたし「あづーい」
わたし(何やかんやでぐだぐだになってしまった時は、安価本を開くに限ります)
>>72
Y「原因はそこにいるようだが」
巻き毛「フシャーッ!!」
Y「……」
わたし「どんどんオリジナリティ溢れるキャラクターになってゆく……」
ガラッ
わたし「ああ、生き返る涼しさ」
巻き毛「ほんとうに。もう暑くてとろけて、お姉さまと一体化したかったなあ。ねえ?」
わたし「はい、本当に暑くて。……え?」
Y「オリキャラ化は二次創作の弊害が……」
わたし「はい?」
Y「いや、何でもない。なんか未来か過去か、電波を受け取っただけだから」
わたし「はあ」
巻き毛「それじゃあ涼まったところで、なにをしましょうかー?」
>>80
Y「どうした相棒?」
わたし「なんか、暑くて立ちくらみが」
巻き毛「久しぶりにオルガンとか弾いてみますか、お姉さま……あ、あ、あ、あー!」
Y「どす黒い感情がつっぱしってくる! これだから女は!」
わたし「ま、待ってえー(棒読み)」ズルズル
Y「は、離せ! もう相棒解消だ!」
わたし「し、しょうねんたちのあいじょう……」
Y「馬鹿やめろ! 誰かにきかれたらどうする!」
わたし(猛暑。冷暖房が充実している娯楽室は、Yの心配をよそに人でいっぱいなのでした)
Y「い、痛いっ。分かった離れる。離れるから近付くな」
わたし「そんなー、あなたがいなければ、わたしはしんでしまうですー(棒読み)」
巻き毛「お姉さまのこころかえして!」ポカポカッ
Y「私は何も盗っていない!」
わたし「だいじなものだけ、わたしたものね?(棒読み)」
巻き毛「……!? み、みせてっ。それみせてっ。銀髪さん、みせて!」グイグイッ
Y「やめろぉーッ!」
花先輩「微笑ましいわねぇ」
魔女先輩「微笑ましいね。仲良しとは素晴らしい事だね」
花先輩「なんかもう、ぎゅーって感じで、ばばーんって!」
魔女先輩「……ふう、紅茶が美味しい。これでお菓子ちゃんのお菓子がればいいんだけどね」
花先輩「やだ、今はお菓子ちゃんって呼ばなくていいのよ。えっと。あの子の名前は――」
わたし「わっ」
巻き毛「きゃー」
バシャッ
花先輩「あらあら。あらあらあら……」
わたし「花先輩が紅茶まみれに……」
花先輩「ううん。全然気にしてないから安心してねぇ。制服なんて、洗えば済むんだから。それよりも怪我はない?」
魔女先輩「髪が乱れているね……どれ、手入れしてあげよう」
わたし(ひーっ)
わたし(ご存知ない方にご説明している時間もないので、この魔の娯楽室から逃げる事だけを考えましょう!)
わたし「ひらけっ、安価本っ」
わたし(娯楽室から無事に脱出出来る方法とは――>>88)
わたし「花先輩が安価本の魔の力に呑まれていますっ」
魔女先輩「……いったいなにが」
わたし(魔女先輩も困惑気味。同級生がいきなり服を脱いだら、そりゃもう目がテンです)
わたし「花先輩、男子もいますからー!」
花先輩「いけない監督生でごめんなさいねぇ。でも、こんなところも含めてコンゴトモヨロシク……」
巻き毛「めがてん!」
わたし「なんですかその反応」
Y「待て、という事はあと一人脱がねばならないのでは……」
わたし「言っておきますが、わたしなら安価本なんて無視して逃げますよ」
巻き毛「うう、お姉さまと花先輩の抱き合いなんて……抱き合いなんて……」
Y「何があるか分からないからな、このオーパーツは。あまり無視しないほうがいいぞ」
そして、花先輩と抱き合う少女とは
>>105
花先輩「末っ子ちゃん、覚悟は良いわね?」
わたし「意外な標的でした」
Y「ドイツ娘には悪いが、安価は絶対という事だ」
巻き毛「は、花先輩……冗談ですよね? お姉さま、わたし、なにか悪い事したのかなぁ……?」
わたし「存分に」
巻き毛「ふええーっ!」
花先輩「待ちなさい末っ子! 服が脱がしにくいでしょう!」
巻き毛「やめてくださいー」
わたし「ふう。ではわたしは、語り手として事の顛末を見守る責務がありますので」
Y「は?」
わたし「詳細に語らねばなりますまい」
巻き毛「助けてお姉さまー!」
わたし(巻き毛の悲鳴も廊下に空しく響き渡ります。そして、隙を見ては一枚一枚衣服を剥がされてゆき……)
花先輩「ちょっと末っ子! 私と絡み合うのが嫌だというの? それってちょっと傷つくかも……」
巻き毛「ちがうんです花先輩っ。わたしには心に決めたお姉さまがいるんです!」
花先輩「誰よそれ!」
わたし「……どう考えてもわたしです」
Y「はぁ……い、一体いつまで走るんだ、あの二人は」
わたし「リノリウムの床の冷たさが心地良いですよ。あなたも靴とソックスを脱げばよろしいのでは?」
Y「あとで取りに来ないと駄目だろう……手に持つのも邪魔だし」
わたし「そういえばわたしの靴とソックス、一体どこへ……」
巻き毛「大浴場に退避ですー」
花先輩「なるほどねぇ……全裸が正装なのはここしかないわ! 冴えてるぅ、末っ子!」
巻き毛「おうぐっ」
わたし「あ、暑い……なんていう暑さ。どうして湯が張ってあるですか」
Y「そもそも、この学舎に大浴場なんてあったのか」
巻き毛「ち、ちょっと花先輩っ。胸があたってますー」
花先輩「胸を擦り合わせているのよ」
巻き毛「きゃー」
Y「やはり、女性同士はあまり美しく見る事が出来ないな……」
わたし「少年同士の」
Y「や、やめろ! ほうき頭っ!」
花先輩「はぁはぁ……そ、そうだわ。今後はのばら会は裸の交流を是としたお茶会を開きましょう? きっとそれがいいわ」
わたし「誤解無きように言っておきますが、花先輩はこんな変態チックなキャラクターではないのです」
Y「誰に言っているんだ」
わたし「分かりませんけど、なんとなく」
つぎはなにする?
>>122
Y「は?」
わたし「はあ。これぞ文化的生活といったところですねー」
Y「真夏だというのに、人はどうして熱い湯に入りたがるのだろうな。……しかし、これは快適だ」
魔女先輩「水に浮くみんなの髪が綺麗だね」
花先輩「末っ子! 末っ子ちゃん! ほら、私が全部洗ってあげるわ!」
巻き毛「い、いたいっ。いたいです花先輩。さっきからもう色々当たってます!」
わたし「お風呂は静かに入るものですよ。わたし、騒がしいのあまり好きじゃないですし」
巻き毛「いたっ……あ、はいお姉さま。……んんっ、んんーっ! んんんっ」
花先輩「洗いやすくなったわ。ありがとうね、お菓子ちゃん」
わたし「いえいえ」
わたし「ん? 今、誰かの声が聞こえませんでしたか?」
Y「この壁の向こうからのようだ。天上付近だけ壁が無いな……区切りといった感じか」
祖父「おい孫、石鹸を投げてくれと言ってるだろう。おまえは私に不潔なまま帰れというのか」
文化局長「権力者たるもの、常に美しく清潔であらねばならん! 先生の孫ちゃん、急ぎたまえ!」
わたし「……え?」
Y「誰だ、この声は。大人のようだが、聞き覚えがないな」
わたし「わたしは聞き覚えがあるような、ないような……」
魔女先輩「とりあえず、石鹸を投げてみよう」ポイッ
文化局長「いてっ! だ、誰だ! 私の地位を狙う刺客か!?」
祖父「そんなはずはなかろう。すまんな、ちゃんと届いたぞ」
わたし「はあ……なんだか摩訶不思議空間のようで」
巻き毛「つ、つぎのてんかいー! 安価本さん助けてっ>>131」
わたし「どうしたんですか、頭に電球浮いてますよ」
Y「汚らわしい女はマイナスだが、マイナスにマイナスを重ねればプラスになるんじゃないのか……?」
わたし「はい?」
Y「むしろ、ここはそうであると認める事で……」ブツブツ
わたし「よく分かりませんが、そろそろのぼせそうなので上がりますね」
巻き毛「ま、待ってお姉さまっ」ズル
わたし「わっ」
Y「!? あ、危ない!」
花先輩「後輩達ー! 魔女、あなたも助けてあげて!」
魔女先輩「ま、間に合わないかも……!」
「「「「「きゃー」」」」」
身体が熱を帯びているのは、夏の暑さや湯の所為だけではなかった。
私が足を動かすと、誰かが小さく喘ぐ。
私が手を動かすと、誰かが悶えた。
その悶えはさらなる喘ぎと生み出し、気がつけば私達は官能的な宴の主賓となっていたのだった。
「誰かの指が食い込んでるー」
些か暢気な台詞と同時、また喘ぎ声。
湿っぽい音が連続し、あふれる吐息が乙女達の気分を高めてゆく。
いつしか、脱出しようともがいていた筈の行為の意味が摩り替わる。
私達は己の快楽を求め、互いの秘部を擦り合わせ、そして――
Y「はっ」
わたし「――大丈夫ですか? のぼせちゃったんですね」
巻き毛「心配しましたよ、銀髪さん……」
Y「お、乙女の花園は……?」
わたし「は?」
巻き毛「疲れているんじゃないですか、銀髪さん」
Y「そ、そうか……。そうだな」
あんな事、あってはならないのだ。
私が求めるのは少年達の、男達の……
Y「そうだな……」
巻き毛「っていつのまにあなたまで同行してるんですかーっ! お姉さまから離れてーっ」ポカポカッ
Y「そうだな……」
わたし「なんか意識飛んでるみたいですし、二人で妖精さんを捜しにいきましょうか?」
巻き毛「お、お姉さま……はい、わたし、どこまでもついていく所存!」ギュー
わたし「あーあついー」
そうさくばしょしてい、あるいはべつのかのうせい
>>142
巻き毛「角砂糖? 甘い物が好きなんですかね?」
わたし「分かりませんが……試す価値はありそうです」
巻き毛「お手伝いします、お姉さま」
わたし「はいはい、お願いしますよ」
わたし「――とまあ、こんな感じでケーキやらクッキーやら用意したわけですが」
巻き毛「お、美味しそう。お姉さま……」チラッ
わたし「ちょっとだけですよ」
巻き毛「や、やったぁー!」チュー
わたし「ってなんでわたしー!」
巻き毛「ちょっとだけです!」
わたし「いやいや、目の前のお菓子にかぶりつきなさいよ。それが流れってもんでしょうに!」
妖精さん「あーうまい」「ぜっぴんですな」「かんみどころですか?」「おくちのなかがほうせきばこやー」「ほうせきはくえぬですが……?」「もののたとえでは?」
巻き毛「な、なんかたくさんいますね……」
わたし「これを殲滅するのは骨が折れそうです……ていうか、わたしには出来そうにないかもしれません」
巻き毛「可愛いですね、お姉さまよりは可愛くないけど。ねっ?」
わたし「はい、可愛いですね。……え?」
妖精さん「うまうま」「ほおがとろける」「それはだいじけんでは」「ほおとけると、どうなります?」「さいあく、しぬのでは?」「それはやばい」
わたし「実際に頬が溶けるわけじゃないですよ、妖精さん。蕩けるんです」
妖精さん「じゃー、なにがとける?」「このあまさでなにをとかせるのか」「のうとか」「あー!」「わかる!」「あほになるかもしれぬです」「のうとけてきもちいーです」
わたし「……いや、脳みそも溶けません。ていうか何も溶けません。そして何も蕩けないのです」
妖精さん「あたまいーね」「そかー、なにもかもはすでになかったのだ」「ぼくらからっぽですからな」「いきるかちなしです」「そんざいいぎ、からっぽです」
わたし「いやいや……」
巻き毛「物凄いネガティブになってきましたね、お姉さま……」
妖精さん「……ぼくら、くうことしかできぬ」「……くいつぶし」「……にーと」「……おやのすねしか、かじりませぬ」「……それってりょうきてき」「……すてきかも」
わたし「負のオーラが立ち込めてゆく……」
わたし「なんか頭の上に暗雲が立ち込めてますね」
巻き毛「嫌な予感がします……」ギュ
わたし「あつい」
妖精さん「……もうしぬしかないのでは」「……あそんではどうか?」「……くう、ねる、あそぶ」「……たいだそのもの」「……いきるかちなし」
わたし「何かよくない事が起きる気がします……あ、そうだ。こんな時にこそ安価本を開けばよいのでは」
巻き毛「え、えっと……次のページにはこう書いてありますね」
>>152
巻き毛「えっ。お、お姉さま。どうしてそこでわたしを見るんですか……?」
わたし「期待に応えてくれない可愛い金髪巻き毛ちゃん……」
巻き毛「なっ」
わたし「一発芸が出来る子とか、ものすごく可愛くて抱きつきたくなりますよね」
巻き毛「ななっ」
わたし「敬愛するお姉さまの言う事には絶対服従の妹とか、心がたぎります」
巻き毛「やります! いえ、やらせていただきます、お姉さまっ」
わたし「よろしい。とっておきのを披露なさい」
巻き毛「>>157をします!」
巻き毛「ど、どうですかお姉さま。渾身の一発芸です」
わたし「な、なかなか……ふふ、よ、よかったですよ」
巻き毛「感度良好ですね、お姉さま……」ギュ
わたし「あついってば」
妖精さん「…………」
わたし(けれども、人間のハイセンスなギャグは妖精さんには通用しないのでした)
妖精さん「……かえります」
ぴゅー
わたし「あっという間に居なくなってしまった……」
巻き毛「つまり、わたしとお姉さまの為に妖精さんが気遣ってくれたんですねっ」
わたし「たぶん、ちがいます」
巻き毛「誓います? お姉さま、誓ってくれるんですか? わぁい、お姉さまっ好き好きー!」ギュウギュウ
わたし「……」
わたし(言い訳する気力を無くしたわたしは、そっと安価本を開くのでした――>>165)
わたし「お任せします」
巻き毛「お姉さま……?」
わたし「では」
バタン……ガチャガチャガチャ
Y「よ、よせっ。やめろー!」ドンドンッ
巻き毛「お姉さま、あけて!」ドンドンッ
わたし「さてと。とりあえずは妖精さんを捜す為にあちこち練り歩いてみますか」
巻き毛「おね゙え゙さま゙ーっ」ドンドン
わたし「さらばです」
わたし「こうして学舎内を一人で散策していると……昔の事を思い出してしまいます」
わたし「いつも一人で、テキストも泥水だらけにされて、クリケットの練習も一人でして、大会日には玉を真っ直ぐ投げる練習ばかりして……」
わたし「そういえば、Yにほうき頭呼ばわりされた時は辛かったなあ。みんなの前で屈辱と恥辱hに震えて、もう辛くて」
わたし「確か、そんな時に誰かが手を差し向けてくれたというか、誰かを助けたような……?」
わたし「……ていうか、あれ、映像化されるんですか。本当やめてほしいんですが」
妖精さん「つらいですか?」
わたし「まあ、今はそれほど……ちょっと昔を思い出しただけでして」
妖精さん「なにやらしずんだひょうじょうのもよう。たのしいこと、するです?」
わたし「楽しい事?」
妖精さん「>>174、するです」
わたし「なんです、これ?」
妖精さん「さー?」
わたし「食べても平気なんでしょうね」
妖精さん「かみのみぞしるってところでは?」
わたし「わたしに聞かれても困りますよ」
妖精さん「まーおくりものとおもっていただければ」
わたし「そして答えになっていない」
わたし「うーん。何だか不安は残りますが、妖精さんが人間に危険な事はさせないですしねー……ってあれ、なんでわたしこんな事?」
妖精さん「たいへんとそうでないきょうかいせんがあいまいで……」
わたし「信じますよ。信じちゃいますよ。この米菓をぱくんと食べちゃいますよ」
妖精さん「ごじゆーに」
わたし「……じゃあ、いただきます」
わたし(何だか嫌な予感がします。そう、物語の展開を左右するような――そんな重大なターニングポイント!)
米菓を食べたわたしは、
>>185
わたし「なにもおきぬですが」
妖精「既に変化は終わっておりますがな。ひとまず成功と言った次第ですな。多分」
わたし「えー、ようせいさん、なんかおおきくありません?」
妖精「自身が小さくなられたのではありませんか、お嬢さん?」
わたし「なるほどー、だからせかいがひろくみえるわけで?」
妖精「そういう事ですな。まあ、世界が大きくなったのか、自身が小さくなったのかは実際の所、分からないのですがな」
わたし「??」
妖精「難しいので、自分が小さくなったと考えるのが気楽ですな」
わたし「そっかー」
妖精「では、お菓子でも頂きましょう。人間さんが用意したままのお菓子を、冷蔵庫に保管してあるわけです」
わたし「れいぞーこってなに? おかしっておいしい?」
妖精「冷蔵庫とは、ものを冷やす為の機械ですな。お菓子はとても甘美ですぞ」
わたし「じゃー、れいぞうこまでいく」
妖精「それがよいかと」
わたし「あー! あまいー!」
妖精「お気に召したようで」「我々は我慢の子ですな」「嗜好品は生きるのに必要不可欠というわけでもありませんしな」「大人は我慢するものですな」
わたし「わたがしー」
妖精「これは少々危険では?」「食べ方を教えてあげてはいかがかな」「お嬢さん、これはこのように千切って食べると良いですぞ」
わたし「ふわふわで、きらきらで、ほかほかー」
妖精「果たして何人が、ちっちゃな雪使いネタだと気付きますかな?」「妖精絡みですな」「うむ。あれは良いものですな」
祖父「とうとう四日目か。ここまで寝込むなど、尋常ではないぞ」
助手「……」
Y「くそっ。私は友人の一人も救えないのか……」
祖父「謎の奇病、か? わからん。私はもう少し資料を漁ってくる。君は孫の様子を見ていてくれるか?」
Y「お任せ下さい博士。……私も何か考えて見ます」
助手「……」
Y「きみの言いたい事を私が理解出来ればな……ああ、それにしても幸せそうな寝顔だ。だが、このまま眠り姫のままではいさせないぞ」
助手「……」
わたし「ようせいさんは、かみさまで……す」
Y「……ん? 何か毛布の下に入っているな。これは、本か? どこかで見たような装丁だが、どれ……」
安価本が未来を示す
>>202
助手「……」
Y「ん、どうした少年。なに、この絵本を読んでくれ?」
しらゆきひめ
Y「そ、そうか! この絵本の中に彼女を救う手立てがあるというのだな! 分かった、読もうじゃないか!」
「せかいでいちばんうつくしいのはだれ?」
「かがみみていえよ。しらゆきひめにきまってんだろ?」
おうひはぶちぎれ、しらゆきひめのかんぞうをとってこいとりょうしにめいじました。
しかし、しらゆきひめはごつごーしゅぎでいきのこり、こまったりょうしはじぶんのかんぞうをとりだし、おうひにてわたししました。
おうひは、あきらかにちがうとおもってましたが、ひっしのぎょうそうのりょうしにもんくをいうこともできず、なまでかんぞうをいただきました。
すうしゅうかんご。
「せかいでいちばんうつくしいのはだれや?」
「ぎゃくにきくけど、しらゆきひめいがいにだれがおると?」
おうひはがまんならず、みずからがぐんをひきいてしらゆきひめをころすけいかくをおもいつきました。
しかし、しらゆきひめのもとには、がーどがそんざいします。
がーどたちは、しらゆきひめのぐんぜいにたいしてかかんにこうげきをしかけましたが、そこはまあかずのさ。
もりをぬけ、こうだいなへいげんをぬけ、さむすぎるゆきやままでてったいしました。
「がーどはとおす。しらゆきひめもとおす。でも、きまりはとおさない」
しかたがないので、しらゆきひめいっこうはキマリをぎせいにやまをすどおりしました。
そこでおんやまげきど。
なんのいんがか、とてもどくどくしくでかいばけものが、しらゆきひめいっこうのまえにあらわれたのです。
「なんかみおぼえある!」
でもよくおぼえていませんでした。
しらゆきひめいっこうはぶじにばけものをたおし、やまをくだり、はじまりのちにとうちゃくしたのでした。
そのごいろいろあります。おわり。
Y「……き、気になる!」
助手「……」
Y「作者憔悴につき、連載不可能……? まあ、我が友がこの有様ではな……」
Y「しかし分かったぞ。つまりこうやれば彼女は眠り姫ではなくなるのさ!」
こうすればよかったのさ!
>>217
マジキチ
助手「!?」
Y「た、助けて……ぐふ、助けてやるからな……ごば、わ、私が……げほっげほ、たすけてやる」
ブチブチブチブチッ!!
助手「……! ……!?」
Y「す、すまんな少年。わたしには、こうするしか思いつかなかった……まあ、いいさ。私が彼女に対して出来る……がは、唯一の、罪滅ぼしだ」グチュ
Y「傷をもっとひらかねば……手で、両手で傷口に手を突っ込み……はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
助手「……! ……!!」
Y「う、ぐ、おおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおぉぉぉぉおおおおおおッ!!」
助手「……!!! ……!」ガシッ
Y「は、離せ。離すんだ少年……まだ、取れていない! まだ取れていないんだよ、私のレバーは!」
助手「……!」
Y「がっは……卯がウアgはおああああ#$%$#$%$$$%$#”$$#$!!」
ズルンッ
Y「はぁはぁ、まとめて取れたな……ひぃ、これで救ってやれる。そら、食え」
わたし「おかし、あまー……ぐぼっ。うぇ、ちなまぐさい……」
Y「…………」バタ
助手「……!」
助手さん、この場を凌ぐにはこれを使うしかないと、安価本を手に取ります。
わたし「おえっ、おえ……ようせ……たすけて、ぅぷ」
助手「――!!」
>>232
助手「……;;」
祖父「だ、大丈夫か!? 今物凄い悲鳴が聞こえたが……うおっ」
助手「……;;」
祖父「な、これは……どういう事だ。どうしてこんなシリアスな展開に……?」
助手「……;;」
祖父「分かっている。おまえは悪くない。まさか……私の孫がゾンビの如く、同級生の腸を食いちぎるとはな……」
助手「……!?」
祖父「バイオハザードだ。すぐさま、クスノキの里にバイオハザードが発生したと伝える。国連の連中にも来てもらおうじゃないか」
助手「……!?」
わたし「うー……うぇっ。おえ、げほっげほげほっ! な、何事ですかこれ?」
わたし「……頭がガンガンするし、涙は止まらないし、口の中が鉄の味だし……もう、最悪な目覚めですよー」
Y「…………」
わたし「あれ、あなた……え、え、あ、あれ」
わたし「あ、わ、わたし……わたしが、やったの?」
わたし(見渡してみても、この部屋にわたし以外誰もいないのでした)
わたし「……これ、安価本? どうして夢の中で見た物が現実世界に……? で、でもこれさえあれば……結果は変えられるのでは?」
わたし「世界線を飛ぶ勢いで、運命を変えられるのでは……? 無かった事に出来るのでは?」
わたし(試さない以外の手は無いのでした)
>>240
がーどたちは、しらゆきひめのぐんぜいにたいしてかかんにこうげきをしかけましたが、そこはまあかずのさ。
もりをぬけ、こうだいなへいげんをぬけ、さむすぎるゆきやままでてったいしました。
「がーどはとおす。しらゆきひめもとおす。でも、きまりはとおさない」
しかたがないので、しらゆきひめいっこうはキマリをぎせいにやまをすどおりしました。
そこでおんやまげきど。
なんのいんがか、とてもどくどくしくでかいばけものが、しらゆきひめいっこうのまえにあらわれたのです。
「なんかみおぼえある!」
でもよくおぼえていませんでした。
しらゆきひめいっこうはぶじにばけものをたおし、やまをくだり、はじまりのちにとうちゃくしたのでした。
そのごいろいろあります。おわり。
Y「……き、気になる!」
助手「……」
Y「作者憔悴につき、連載不可能……? まあ、我が友がこの有様ではな……」
Y「しかし分かったぞ。つまりこうやれば彼女は眠り姫ではなくなるのさ!」
こうすればよかったのさ!
>>251
助手「!」
Y「やってくれるな、少年……?」
助手「……」
Y「私がしてもいいんだぞ」
助手「……!」ポカポカッ
Y「い、いたっ。やめろ少年……ってあれ、何だか懐かしい気分に」
助手「……?」
Y「ああ、あれは学舎時代の思い出だったか」
わたし「おかしー……」
Y「あの日、末っ子と同じ部屋に閉じ込められて、随分酷い目にあったからな。そりゃもう全身をポカポカと殴られて……」
Y(はっ! ……そうだ、末っ子の愛が込められたキスなら、眠り姫も目を覚ますのでは……!?)
Y「いや、無理か。こんなご時勢だ。旧知の友と再会出来る可能性なんて、ほぼゼロだしな……。私は運が良かっただけだ」
わたしの目を覚ます人、それは
>>260
Y「誰だよ……」
おれ「おれは彼女を救う為、未来からやってきた」
助手「……」
Y「胡散臭い、な。今なら少年の言葉も理解出来る」
おれ「きゅうりにミソがついてる……」
Y「は?」
おれ「きゅうりにミソがついてるー!」
Y「や、やめろはなれろ!」
助手「!!」ドカッ
おれ「うおっ」チュ
わたし「うぐっ」
わたし「このままずっと、おかしのなかでいきていけたらしあわせです」
妖精「しかしながら、お菓子とは無限に生み出されるものではないのですな、残念ながら」
わたし「いつかなくなる……?」
妖精「さよう。供給するものが居なければ、いつかは無くなってしまうのですな」
わたし「やだぁ……」
妖精「我ら妖精にはお菓子は作れませんからな。なんかこう、適当にしてしまうのですな」
わたし「おかし、たべたいのに……なんで、つくれない?」
妖精「我々には無理というだけで、お嬢さんに無理といった覚えはありませんな」
わたし「え?」
妖精「そろそろ、我々の舌も甘い物を求めているようで……ははは、少々子供っぽいですかな?」
わたし「お菓子、つくれば……」
妖精さん「おかしー」「あまいものは、せかいすくう?」「そのあまさがいのちとりでは」「まさにそのとおり」
わたし「……おえっ。なんか、口の中に下水のような唾液が浸入してきました……おええっ」
Y「め、目覚めた!」
わたし「おえっおええっ。な、なにこれっ……苦い、わたし、口の中に排便されました? もしかしてわたし、便器のように使われてしまったんですか……!?」
Y「いや。そういう目覚めは希望していない。むしろ私が困る……」
わたし「ぺっぺっ。こ、この世全ての悪臭を詰め込んだナニカ……うえっ」
助手「……!」ギュ
わたし「わっ、どうしたんですか助手さん。あ、暑いですってば。もう、珍しく泣いちゃってどうしたんです?」
Y「……まあ、そういう事もあるさ」
Y「しかし、この本は害悪だな。これ以上放置しておけば、なにやらまた良くない事が起きる気がする」
わたし「その本は……何か、見覚えありますねえ。学舎時代に遊んだ記憶があります」ペラッ
Y「ばっ、おまっ!」
捲ったページの先に書かれていたのは?
>>270
Y「よく分からんな」
わたし「オチをつけるはずが、見事に外した気分です」
Y「ふむ。まあ、私は君が助かったという事で一安心だ。私は博士に知らせてくるから、もう少し休んでいるといいだろう」
わたし「はあ」
助手「……;;」
わたし「あはは、助手さんどうしたんです? もう声にもならぬ声ですよ。らしくないー」
わたし「ああ、暑い……。そんなにくっつかれると燃えそうです」
助手「……;;」
わたし「もう、一体どうしたんですか? わたしは何も変わってませんよー」
わたし「助手さんも行きましょう? ほらほら立って。男の子が泣いていると見っとも無いですよ」
助手「……(頷く)」
わたし「……顔、洗ってからいきましょうね。わたしも、助手さんも目元が真っ赤です」
そうしてわたし達が部屋を去った後、残された安価本のページが風で捲れていきます。
無限に思えたページはあっという間に最後の一枚になり、そこにはこう書かれていたのです。
>>278
なんかいい終わり方だな
そのけんについては、まえむきにけんとうします
まーつぎは、あんかすれではないかもですが?
もっとじんたいえすえすふえるべきでは?
あーもう
かんがえるだるいです
ちしきいらぬです
さらばです
Entry ⇒ 2012.07.31 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (2) | Trackbacks (0)
幹也「お給料下さい…何でもしますから」橙子「ん?」
橙子「……」ペラペラ…
タタタタタ…
橙子「ん?」
ギイイイ…バタン!
幹也「おはようございます、橙子さん!」
橙子「あら。おはよう、幹也君。君が走って出社してくるなんて珍しいわね」
幹也「……」ハァハァ…
橙子「まだ出社時刻ギリギリって訳でもないけど……何かあったの?」
幹也「はぁ、その事なんですが……――出社して早々に不躾ですが、お給料下さい橙子さん」
橙子「……」カチャ
橙子「――出社して、挨拶の次に出て来る言葉がそれか?……呆れて言葉が出んよ」
幹也「言葉は無理に出してもらわなくても構いませんから……お給料、お金を出してくださいよ、橙子さん」
橙子「何で?だって今日は別に給料日でも何でも」
幹也「給料日です」
橙子「……」
幹也「……」
橙子「ああ……もう一ヶ月経ったのか……」
幹也(この人、完璧に忘れてたな……)
幹也「ええ、そうですね」
橙子「そうか……私が倫敦の時計塔で人形作りに明け暮れていたのも、もう八年近くも前の事になるのか……懐かしい」シミジミ…
幹也「関係のない話で誤魔化そうとしても駄目です。それよりお給料」ズイッ
橙子「……」
幹也「言葉は無理に出さなくても結構ですけど……こっちは多少の無理をしてもらってでも出してもらいますからね」
橙子「まあ、ちょっと待て。その話は、別に朝のコーヒーを一杯飲んでからでも遅いという事はないだろう?」
幹也「コーヒーを淹れれば話を聞いていただけるんですね?」
橙子「まあ、考えてやらん事もない」(聞くとは言ってない)
幹也「ちょっと待ってください、今淹れてきます」
……………………
橙子「……」ゴク…
幹也「……」ゴクゴク…
橙子「うん、今日も良い味だ。やはり君の淹れるコーヒーは格別だね、黒桐」
幹也「何か取って付けたみたいですけど……ありがとうございます。で……橙子さん、お給料の事」
橙子「……もう。君はさっきから口を開けば『金』『金』『金』、か」
幹也「……」
橙子「私は君を金銭欲の薄い男だと思っていたんだがね……」
幹也「二ヶ月も貰える物を貰ってなけりゃそりゃがめつくなりますよ」
橙子「あー……」
橙子「……」
幹也「勿論、先月と先々月の分も合わせて」
橙子「…………」
幹也「橙子さんー……?」ゴゴゴゴゴ…
橙子「……………………」
橙子「……」ハァ…
橙子「……払ってあげたいのは山々なんだが。残念な事に金がない……むしろ、私が君から借りたい位で……」
幹也「本当にどうやって生活してるんですか、あなたは。どうせまた変な物買っちゃったんでしょう!」
橙子「今度のは1800年物の」
幹也「聞きたくありません!」
橙子(黒桐が声を荒げるなんて珍しいな……)
幹也「……」ジーッ… ←無言の抗議
橙子「……」
幹也「…………」ジーーッ…
橙子「…………」カチッ…
幹也「……………………」ジーーーッ…
橙子「……………………」シュボッ…
幹也「……」ガクッ
橙子「……」フゥーッ…
幹也(何で……この人は……自分に非があるのに、ここまで堂々としていられるんだろう……)
橙子「……」 ←鉄面皮
幹也「うぅ……」
橙子「……」
幹也「そうやって……余分な物を買うお金があるなら……ちゃんとお給料払って下さいよ……」
橙子「突然の出会いだったからな……いや、君には悪い事をしたと思っているんだよ?申し訳ない」
幹也「うそだ……絶対思ってない……」
橙子「……」 ←『良く分かってるじゃないか』という顔
橙子「いつものように社員は各自で金銭を都合してくれ」
幹也「無理ですよ……流石に三ヶ月連続となれば誰も貸してくれません。……と言うか橙子さん、先月と先々月も同じ事言いましたよね?」
橙子「ふむ……」
幹也「うぅ……」
橙子「……そんなに生活に困っているのか?」
幹也「ええ、おかげ様で」
橙子「皮肉と言うのはあまり堂々と言っても効果はないぞ。……で、どうなんだ?実際の所」
幹也「……」
幹也「今はもう……毎月の食費を工面するだけで精一杯で……」
橙子「……」
幹也「もう家賃を何ヶ月か払えてないから……アパートも追い出されて……」
橙子「ほう……それは大変だな。それでそれで?」
幹也(この人、絶対面白がって聞いてる……)
橙子「……」ニヤニヤ
橙子「で、今はどこで寝泊りしてるんだ?まさかどこか橋の下で野宿している訳でもあるまい」
幹也「……」
橙子「実家……は親御さんと喧嘩してるんだったな。なら友人の家か?」
幹也「……」
橙子「いや、これも違うか。……借りた金を中々返さない奴を泊める友人などいないだろう。となると……」
幹也「……
橙子「……もしかして?」
幹也「ええ、お察しの通り……僕は今、式の家で寝泊りさせてもらってます」
橙子「ほほう……」ニヤニヤ」
橙子「なら、急いで給料を出す必要もないだろう。来月までゆっくりと式の所で世話になれば良いじゃないか」
幹也「流石にそこまで甘える訳には行きませんよ。式にだって迷惑だろうし……」
橙子(多分、大して迷惑に感じてないと思うがな……)
幹也「唯でさえ、ご飯も式の所でご馳走になってるのに……」
橙子「なら食費も浮いて良いじゃないか」
幹也「食費はちゃんと折半にしてます。最も、作るのは全部式任せですけど……」
橙子「ふぅん……」
幹也「今日だって、食費が浮くからってお弁当を持たせてくれようとしてくれて……」
橙子(それって愛妻弁当って奴じゃないのか?)
橙子「それ、持ってきてるのか?」
幹也「いえ……気持ちは嬉しかったんですけど、返しました」
橙子「……どうして?」
幹也「……式、自分の分を作るのを忘れていたんですよ。だから、どうせ作ったのなら学校で食べたら?って」
橙子「……」
幹也「? ……何ですか、橙子さん」
橙子「はぁ……」
幹也「ど、どうしたんですか橙子さん?急に溜息付いて……」
橙子(あの面倒くさがり屋の式が……何でわざわざ人のために弁当を作ったのか、分からんのかこの朴念仁は……)
幹也「……とにかく。式にだって学校があるんだし、いつまでも居候させてもらっていちゃ彼女に迷惑が掛かるじゃないですか」
橙子「多分思ってないだろう……」ボソ
幹也「だから……早く滞納してる家賃を払って、僕は自分のアパートに戻りたいんです」
橙子「今の内に同居生活を楽しんでおけば良いのに……」ボソ
幹也「それに……式と約束したんです」
橙子「?」
幹也「もし家賃を払ってあのアパートに戻れるようになったら……今度は式がたっぷり僕の部屋で寝て良いよって」
橙子「…………」
橙子「……それ、式に面と向かって言ったのか?」
幹也「? ええ、そうですけど」
橙子(こいつの事だから別におかしな意図がある訳じゃないんだろうが……式はどう受け取ったかな)
幹也「だから……お願いします、今日お給料を受け取ったらすぐに家賃を払って、またあのアパートに戻れるようにしたいんです」
橙子「これでまた今月も彼女の所で世話になるようだと、男として格好が付かないものな」
幹也「……っ、そうです……」
橙子(式にあまり無様な所を見られたくないんだな……黒桐もそれなりに男って事か)
幹也「無理は承知の上です……橙子さん、お給料下さい」
橙子「……」
幹也「何でもしますから……!」
橙子「……」ピクッ
橙子「ん?今何でもするって言ったよね」
幹也「……」ビクッ
橙子「それじゃあ、『黒桐君』……」ニヤニヤ
幹也(今僕は、お金欲しさにとんでもない事を言ってしまったのでは……?)
橙子「肩、揉んでくれる?」
幹也「へっ?」
橙子「へっ?じゃなくて……肩揉んでくれるように頼んでるんだが」
幹也「はぁ……そりゃ、頼まれれば揉みますけど……」
橙子「最近どうも肩凝りが酷くてな……いや、良い機会だ」
幹也「……橙子さん。本当に肩を揉めば、お給料を出していただけるんですね?」
橙子「ああ。今ここに現金はないが……何とかしよう。約束する」
幹也「……分かりました。約束ですからね」
…………
………
……
(もみもみ)
橙子「……」
幹也「……」
(もみもみ……ぐいっ)
橙子「ん……」
幹也「どうですか?」
橙子「なるほど……いや、上手いじゃないか黒桐」
幹也「ありがとうございます。橙子さん、結構凝ってますね?」
(もみもみ)
橙子「ふぅ。いや、本当に……君は凝ってる所を見つけるのが上手だな」
幹也「ええ、まぁ……」
橙子(ふむ……何かを『探す』、という黒桐の才能は……こういう所でも生かされているのだろうか)
幹也「……」
橙子(それとも単に……?)
(もみもみ……ぐりぐり)
橙子「ふぅ……」
幹也(……大分、凝りも解れてきたかな・・・・・・?)
橙子「いや、凄く心地良い……大分楽になった」
幹也「喜んでいただけて何よりです」
橙子「ここまで来たらついでだ……肩以外も頼めるか?」
幹也「と、言いますと?」
橙子「そりゃあ腰とか背中とか……後足も凝ってるな」
幹也「えっ……流石にそれは」
橙子「してくれれば給料に色を付けてあげても良いんだがな……」
幹也「分かりました、やります!」(即答)
橙子「良い返事だ。その言葉が聞きたかった」クスクス
…………
………
……
橙子「……」
幹也「……」
(ぐいぐい……ぐっぐっ)
橙子「おっ……」
幹也「……」
橙子「いや、生き返るな……」
幹也「……」
幹也(肩以外も大分凝ってるな……普段そんなに忙しそうに働いてるイメージはないのに)
橙子「はぁー……」
幹也(やっぱり人形作りって疲れるのかな……そりゃあれだけ精巧な出来の奴だもんな……)
橙子「なあ、黒桐」
幹也「はい、何ですか橙子さん?」
橙子「君、誰かにマッサージするのはこれが初めてか?」
幹也「ええ、ここまで本格的な奴は多分初めてです」
橙子「む……とするとやっぱりこれは天性の物か……?」ブツブツ
幹也「……」
(もみもみ)
橙子(大分慣れた手付きに見えるんだがな……)
幹也「ふぅ……」
橙子(初めてなのか?とすると……)
橙子「なあ、黒桐」
幹也「はい?」
(もみもみ、ぐっぐっ)
橙子「……」
幹也「……?」
橙子「やっぱり女体の扱いには式で慣れてるのか?」
幹也「ぶっ!」
橙子「……」クスクス
幹也「な、な、な……!」
橙子「どうした黒桐?『な』だけじゃ分からんぞ」
幹也「橙子さん、何言ってるんですか!止めてくださいよ本当に……」
橙子「ん?いや、マッサージは初めてだと言う割にとても上手だから、君……」
幹也「だからって……本当に初めてですよ、僕……」
橙子「ふむ、まあそれは確かだとしても……黒桐?」
幹也「……今度は何です?」
橙子「君、女の体にこういう風に触れるのは初めてじゃないんだろう?」
幹也「ファッ!?」
橙子「私の体に触れる時も、君は意外と動揺してなかったからな」
幹也「な、あ、え……」
橙子「これが今まで一度も女に触れた事もない男なら震えるなりはするよ」
幹也「ちょ、ちょっと待っ……」
橙子「という事は……式の家に寝泊りし始めた折に、君は式と」
幹也「分かりました……その話はよしましょう、はいやめ!」
橙子「む……何故話してはいけないんだ黒桐」
幹也「いやいや……今その話はマッサージには関係ないですし……」
橙子「ふむ、それもそうか。それじゃこれはまた別の機会に話すとして……」
幹也(出来ればもうこの話題はしたくないな……一度話せばずっと橙子さんにおちょくられそうな気がする……)
幹也「はいはい……何ですか、もう」
橙子「返事も段々投槍になってきたな……さっきからずっと手が止まってるぞ」
幹也「え?あ……」
橙子「うむ……やはり君が初めて式の体に触れた日の事を」
幹也「すいません、それだけは勘弁してください!」
(もみもみ……ぎゅっぎゅっ)
橙子「おお、気持ち良い。やっぱり君は女体を扱う事にかけてはプロ並だな」ニヤニヤ
幹也「うぅ……」
…………
………
……
― 伽藍の堂・外 ―
式「……」
幹也『えっ?式、お弁当作ってくれたの? そりゃあ凄く嬉しいけど……あれ?君、自分の分は作ってないのか……』
式『……』
幹也『……それじゃ僕が貰う訳にはいかないな。折角自分で作ったんだから、学校でお昼に食べたらどう?』
式「……あの、莫迦」ボソッ…
式「……」スタスタ…
…………………
― 伽藍の堂 ―
式「……」コツコツ
式(学校休んでまで……弁当届けにきたって言ったら、あいつはどんな顔するかな……)
式「……」コツコツ
式(ここに来た事に驚いて……次は学校を休んだ事を注意して……。でも……)
式「……」コツコツ
式(でも……最後にはお礼を言いながらちゃんと受け取る気がする。食べた後に呑気な顔で『美味しかった』って、言ってくれる気がする)
式「……」
式「……」クス…
…………
式「……」
式(この扉の向こうに……あいつが居るのか。それに、トウコも……)
式「……」
式(お弁当を届けにきたって言ったら……きっと、トウコは冷やかすだろうな。幹也だって……もしかしたら、あんまり良い顔しないかも)
式「……」
式(でも、良いんだ……もう決めた事だから。あいつに、これを渡すって……)
式「―――よしっ……」
ギイイイ……バタン
式「幹也、弁当届けに来た……―――っ?」
式「……」
式「……」
式「……えっ?」
式(なに……これ……は……?)
橙子「はぁー……」
幹也「……」
(もみもみ……ぎゅっぎゅっ)
橙子「ああ……何度も言うようだが……本っ当に、気持ちが良い……。君は天才だなぁ、黒桐……」
幹也「そうですか……そこまで喜んでもらえると、こっちも嬉しいです」
(ぐりぐり、ぐいぐい)
式(え……なに……?何で、幹也が……ソファで橙子に覆い被さって……)※
※ドアの位置の関係上、式からはそう見える
幹也「……っふぅ……」
橙子「はぁ……いやぁ、これは良い……」
幹也「……橙子さん、一旦休憩しましょうか?」
橙子「ああ、うん……別に良いよ……」
式(幹也……あんなに、汗かいて……)
幹也(いやぁ……本当に凝ってるなぁ、橙子さん……。こっちも疲れてきちゃった……)
幹也(いやぁ……本当に凝ってるなぁ、橙子さん……。こっちも疲れてきちゃった……)
幹也「はぁ……」ムク…
式「……」
幹也「ん……あれ? 式、何でこんな所に居るのさ」
式「……」
幹也「学校は? ……もう、駄目じゃないか。成績はともかく出席日数だけは確保しときなさいっていつも言ってるのに」
式「…………」
式「……」
幹也「……式?どうしたの、そんな所で固まっちゃって……」
橙子「んー……?何だ、黒桐……式が来てるのか……?」ムクリ…
式「あっ……」
橙子「どうしたんだ式?今日もまた学校はサボりか」
式「……っ」
橙子「……式?」
式(トウコ……服が、はだけて……)※
※マッサージしている内に自然とはだけてしまった
式「…………」クッ…
幹也(今度は俯いちゃった……どうしたんだろう、式)
橙子「……」フム…
橙子(式は今……私を見て驚いたな?)
橙子「……」チラッ
橙子「あっ……」(察し)
橙子「……」
橙子(なぁるほど……式はこれを見ておかしな勘違いをした訳か……)
式「……」
橙子「……」ニマー… ←何か意地の悪い事を考え付いた時の顔
幹也「あの、式……本当にどうしたの?」
式「……」
橙子「待て、黒桐。ここは私から説明しよう」
幹也「え?橙子さんがですか」
橙子「ああ、任せてくれ」
式「……」
橙子「……」コホン
橙子「あー……式。君は今……もしかしたら、何かを誤解しているのかもしれない」
式「……」
幹也「……?」ン…?
式(誤解って……この状況をどう誤解しろって言うんだ……)
式「……」ギロッ…
橙子「……君が今何を考えているのかは分かるし、どう腹を立てているのかも分かる」
式「……」
幹也(……さっぱり分からない。式は今……女性にしか分からない『何か』……が原因で怒っているんだろうか?)
幹也「……」ウーン…
橙子(こいつはこういう事になると途端に察しが悪くなるなぁ……何かを探る事に関しては優秀な男なんだが)
式「……」
橙子「式。今日は何の日か覚えてるか?」
式「……え?」
橙子「……」
式「何の日……って……」
幹也(今日……今日……今日は何か……式を不機嫌にさせるような事がある日なのか……?)
式「……」
橙子「分かったか?」
式「……」
式「幹也の、給料日……」
橙子「そう、その通りだ」
幹也(……え?それと式の機嫌に何の関係が……?)
式「……」
橙子「それに何の関係がある……って顔だが、実はあるんだよ。黒桐が今金欠なのは知っての通りだろう?」
橙子「確か……家賃を滞納してアパートを追い出され、今は君の家で寝泊りさせてもらってるんだったか」
式「っ……」
幹也「ちょ、ちょっと橙子さんっ……」
橙子「まあまあ良いから、黙って聞け」
式(幹也の奴……そんな事までトウコに話してたのか……)
橙子「その事をどうも黒桐は気に病んでいたらしくてな。今日は出社早々に給料を請求されたよ」
橙子「『いつまでも式の所に居ては彼女に迷惑が掛かるから』……って」
式「……」
幹也「っ……」
式「……そうなのか?幹也」
幹也「…………うん」
橙子「男の意地って奴なんだろうな……誰だって、女に情けない自分って奴は見られたくないんだろう」
幹也(人をその情けない金欠にさせたのはあなたですけどね……橙子さん……)
幹也「……」ジーッ…
橙子「……」 ←鉄面皮
式「……」
式(……私は別に、その事を迷惑だなんて思ってない……。ただ……)
橙子「……」
式(ただ……あの何でもない平凡なアパートの……ベッドの寝心地を少し恋しいと思ってた……)
橙子「で……ここからが本筋なんだが。私は黒桐に賃金を強請られたが、当然そんな物持っちゃいない」
幹也「当然って……橙子さん、あな」
橙子「黙って聴け。賃金を持っていないが……代わりに黒桐と『ある約束』をした」
式「……」ピクッ
幹也(約束って……あれの事ですか……?)
橙子「……」パタ…
式「……」
幹也「……」
橙子「……」
幹也「……?あの、橙子さん……何でまた急にソファに寝そべってるんですか?」
橙子「……だから。これが私と君の約束だろう?」
幹也「え……?」
橙子「……」ハァ…
橙子「『今ここに現金はないが』『何でもする』って言ったじゃないか。だから……」
橙子「私の『腰とか背中とか……後足』とか……君、色々触っただろう?」
幹也「……」
式「……」
橙子「……」
幹也「ファッ!?」
式「……」ギロリ
幹也「と、と、と、橙子さん!!何言ってるんですか!!」
橙子「何って……別に嘘は言っちゃいないだろう?さっき君と私の言った通りだ」
幹也「そうですけど!そうなんですけど!」
幹也(式が何を誤解しているのか僕には分からないけど……それでも分かる、今のは絶対に変な誤解を招く!!)
式「……」
式(嘘じゃない……か。勘違いとかじゃなくて……本当に、そうだったの?)
橙子「いや……まさか君があんなに『上手い』とは思わなかった。私の『心地良い』『所』をすぐ見つけてしまうんだものな」
幹也「ちょっとちょっとちょっと……」
橙子「『初めて』だと言ってたが……『女体の扱い』に『慣れてる』と感じたよ。『プロ並』だと思った」
幹也「ストップストップストップ!!」
橙子「何だ黒桐?何か間違いでもあったか?」
幹也「ありませんけど……ありませんけど……何やら悪意を感じます!」
橙子「気のせいじゃないか?」
幹也「嘘だ……絶対嘘だ……」
橙子「……」 ←『やっぱり良く分かってるじゃないか』という顔」
式「……」
幹也「あ……式……」
式(間違いはない……のか。そうか……間違いであって欲しかったけど……)
幹也「……」
式(幹也の汗も……トウコのはだけた服も……全部、間違いであって欲しかったけど……)
式「……」ズリッ…
幹也「式……?」
式(私はただ……もう一度……もう一度のあの部屋の、あのベッドで……)
式「っ……」クルッ…タタタ…
式(こいつの寝惚けた顔を見ながら、一緒に寝たかった……だけなのにな)
ギイイイ……バタン
幹也「……」
橙子「……」コホン…
橙子「とまぁ、こういう風に式が勘違いしてはいけないから、私が説明を買って出た訳だが……見事に誤解されてしまったな、黒桐」
幹也「あなたって人はぁぁぁー!!」
橙子「落ち着け、黒桐」
幹也「これが落ち着いていられますか!何してるんですか橙子さん!見事に誤解されちゃったじゃないですか!!」」
橙子「えーとまぁ……ほら、良く言うだろ?『誰にだって失敗はある』」
幹也「今のは故意じゃないですかぁぁぁー!!」
橙子「……」
橙子「さっきからよく叫ぶな……君にしては珍しい」
幹也「ああっ……物事の本筋からこんなに外れたコメントは初めてだ……!」
橙子「叫ぶのも良いがな、式が心配なら早く追いかけた方が良いぞ、黒桐」
幹也「言われなくたって……!今日はもう退社させてもらいますっ!構いませんね?」ササッ
橙子「ああ、別に構わんよ。しっかり見つけて来い」
幹也「式っ……!」タタタ…
ギイイイ……バタン
橙子「……」
橙子「……」クキッ…コキッ…
橙子「おお、凄い……あんなに酷かった体の凝りが完全に解れてる……」
橙子「……」コキ…コキ…
橙子「体が軽い……なるほど、後で黒桐には感謝しなくちゃな……。約束どおり、給料にも色を付けといてやろう」
プルルルル……
橙子「ん?」
プルルルル……
橙子「……」カチャ
ガチャッ…
橙子「はい、蒼崎ですけど」
…………
橙子「はい……はい……ええ、ありがとうございます。それでは……」
ガチャッ……
橙子「……」
橙子「……」カチャ
橙子「驚いた……まさかこのタイミングで入金とは……」
橙子(しかし……こんな仕事、請けた覚えが……あれ?いや、請けたような気もするが……) ←前の仕事はすぐ忘れる
橙子「……まあ、あって困る物でもないから、貰っておこうか」
橙子「……」シュボッ…
橙子「……」フゥー…
橙子(今頃あいつら……どこ走り回ってるのかな)
橙子「……」
橙子(しかしまあ……今回あった事を一言で纏めようとすれば……)
橙子「天災は忘れた頃にやってくる……って奴か」 ←違う
幹也と式のいざこざは自分が引き起こした人災という事を棚に挙げる橙子さんであった。
この後……幹也には正式に給料が支払われ、何とか家賃も返す事が出来た。
ただ……今回の事で式が受けた衝撃は大きく、幹也は説得にてこずり……最終的に肌と肌で語り合う事になった。
式「おまえの言う事が正しいって言うんなら……オレにも同じ事をしてみせろっ!!」
幹也「えぇーっ……?」
完
今回は珍しくエロもホモも無かったんだよなぁ……一回で完結出来て本当に良かった
ところで最近になってようやくらっきょにエロは似合わない事が分かった……お疲れ様した!
橙子さんも書けられるはず(迫真)
ところで次のらっきょSSはいつになるか未定だけどベストを尽くせば結果は出せる…(震え声)
スレタイは『式「」』にする予定す
(橙子さんのエロを)出そうと思えば(式・鮮花との4P以外に方法は無い……)
最後に、未来福音映画化おめでとう、後伽藍の洞の病人服の式可愛い
乙した
4P期待して待ってる
Entry ⇒ 2012.07.30 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (6) | Trackbacks (0)
歩「大先生を酔わせてみるか」
歩「もしや、ぐでんぐでんにしてしまえばこちらのものではなかろうか」
歩「これは試さねばなるまい」
歩「洗濯も終わったし、風呂も沸かしたし」
歩「三人は夕方まで買い物に行ったし、またと無いチャンス」プルルル
歩「もしもし、大先生ですか?はい、相川です」
───。
歩「どうぞどうぞ遠慮なく」
大先生「はい~。それで、相談とは一体なんでしょうかぁ?」
歩「まあ、そう焦らないでください。とりあえずジンジャーエールでも」ススッ
大先生「あらあら~?ごめんなさい、これ確か炭酸ですよね?」
歩「あ、あれ。すいません、ちょっと間違えちゃいました」イソイソ
歩(しまった…合コンの時に騙してジンジャー飲ましたんだっけ)
大先生「私炭酸はちょっとぉ…遠慮しておきますぅ」
歩(ならば奥の手を使うか)
歩「いやあすいません。今お茶切らしてて…水で良いですかね?」コト
大先生「お構いなく~」
歩(奥義、ただの炭酸水!見た目だけなら炭酸には見えまい!)
大先生「ではいただきますぅ~…」ゴクゴク
歩(勝った)
歩(相変わらず酔う時の声可愛いな)
大先生「あぁ~これ水なのにとっても美味しいですぅ~。どこ産ですかぁ?」グビグビ
歩「いやあ、ただのミネラルウォーターですよ」
大先生「またまたぁ。騙されませんよぉ~」ゴクゴク
歩「あ、おかわり持ってきますね」
大先生「あ、はい。ぜひ~」クピクピ
歩(炭酸水イッキする人初めて見たな)
大先生「そういえばぁ、何か忘れてるような~?」
歩「気のせいじゃないですか?」
大先生「そうですかぁ?…なんか暑くなってきちゃいましたぁ」ヌギヌギ
歩「ちょっ」
大先生「はー、スカートも暑いですぅ」カチャカチャ
歩「それはあかんでぇ!」
大先生「あらあらー?脱がせてくれるんですかぁ?有り難うございますぅ~」
歩「脱がしませんから脱がしませんから」
大先生「あのぉ~。アユムさ~ん」
歩「は、はい。なんですか大先生」ドキッ
大先生「チューしましょー」ギュー
歩「またこのパターンかよっ」
大先生「この前の続きですぅ~」
歩「勘弁してください!もう暗黒空間は嫌ですんで!」グイグイ
大先生「アユムさんはスケベなのにぃ、照れ屋さんなんですねぇ」ギュー
歩「大先生、ちょっと待っぐおおぉ…どこにこんな力がっ?」
大先生「むだですよぉ。私に勝とうなんて百年早いですぅー」ギュー
歩(やばい、ツインテールから良い匂いが!)
大先生「ほらほらぁ、諦めてチューしちゃいましょー」ギュウウウ
歩(らめぇ!貞操奪われちゃうのぉ!)
大先生「はい~?」ピタッ
歩「いやですね、さっきまで汗かいてて!綺麗にしたいです!」
大先生「そうなんですかぁ?じゃあ、しょうがないですけどぉ…」パッ
歩「はは、ははは…!大先生はゆっくりしてて下さい!」ドタドタ
大先生「あらぁ~。逃げちゃいましたぁ…」
歩(思わずホントにお風呂に入ってしまった)
歩「まあ、時間をおけば大先生の酔いも醒めるだろ」
歩(にしても良い匂いだったな…色っぽかったし)
歩「いかんいかん。これ以上変な事は考えないようにしないと」ザバー
大先生「変な事って何ですかぁ?」
歩「そりゃ大先生と…」
大先生「私と~…?」
歩「」
歩「ななな何でここにっ?」
大先生「だってぇ、アユムさんがお風呂に入るっていいますからぁ」
歩「だからって何で大先生まで入ってくるんですか!?」
大先生「えぇ~…だって私お風呂大好きですしぃ…」
歩「俺が入ってるんですけど!」
大先生「一緒に入ればぁ…ほら解決ですねぇ」ポムッ
歩「大事な何かが解決してないっ?」
歩「そ、その前にバスタオル巻いてくださいよ」
大先生「でもぉ、私のタオルないですよぉ」ゴシゴシ
歩「俺ので良いですから!」
大先生「あ、もう髪洗ってますぅ」ワシャワシャ
歩「魔装少女ってキライ!」
大先生「アユムさんも魔装少女じゃないですかぁ」ケラケラ
歩(一糸纏わぬ大先生が目の前に…)
歩「いかん、後で殺されるレベルだ」
大先生「?何か言いました?」バシャー
歩「何でもないです」
歩(ここは早期撤退がゾンビ的によろしいはず)
歩「じゃあ俺、そろそろ出ま…」
大先生「アユムさん、ちょっと寄ってさ~い」
歩「え」
歩(絶景)
大先生「狭いので上に座りますよぉ~?」ザバー
歩(えんだあああああ!)
大先生「?」
歩「大先生って柔らかいですね」
大先生「アユムさんちょっとスケベですよぉ」テレテレ
歩「プッツン」
大先生「脇はダメですぅ…ひゅわっ」ビクッ
歩「おっと、耳が弱点なんですか?」サワサワ
大先生「もう、アユムさんはいっつもハルナ達にこんな事を~?」
歩「とんでもないです。少ない時は週に7回ぐらいですよ」
大先生「それは毎日じゃないですかぁ~」
歩「いえいえ少ないですよ」
ユー『でも私には全然してくれない』
大先生「そうなんですかぁ?」
歩「そりゃそうですよ、ユーは大事な」
ユー「…」
歩「」
大先生「?」
ユー『歩は 今世紀最大の罪を犯した』=『お兄ちゃん…信じてたのに』
歩「ま、待ってくれユー、違うんだ!」
ユー『まずは 風呂を出てから』=『とりあえず服着てくれるかな?お兄ちゃん』
歩「え、ああ。すぐに出るよ」
大先生「えぇ~?もう出るんですかぁ?」
ユー「…」
歩「お願いだから駄々こねないでぇ!」
ユー「…」
歩(大先生は服を着てからすぐに寝付いてしまった…)
ユー『言い遺す事は』=『ユーね、辞世の句が聞きたいな~』
歩「すいません、違うんですホントにマジで」
ユー『理由次第では 情状酌量もありうる』
歩「さすが、可愛いし優しいしユーは女神だ」ナデナデ
ユー「…」テレ
ユー「…!」ハッ
ユー『甘い言葉で篭絡しようとしても無駄』
歩「そういうつもりじゃないんだが…」
ユー『完全に歩の責任』=『真っ黒だねお兄ちゃん!』
歩「あんな事になるなんて思ってなかったんだ!」
ユー『予想は出来たはず』=『誰でもそうなるよね』
歩「じゃあ、ユーでも一緒に風呂に入っちまうって事か?」
ユー「え」
歩「え」
ユー「…」カポーン
歩「熱くないか?ユー」
ユー『適温』=『ユーね、とってもきもちいーよ!お兄ちゃん!』
歩「そ、そうか」
ユー「…」コクッ
歩(お互いタオルを巻いているとは言え…)
ユー『買い物が早く終わったから 先に帰ってきた』=『ユー、お兄ちゃんに早く会いたくて、先に帰ってきたんだぁ』
歩「そうか…ってことは、ハルナとセラもそろそろ帰ってくるってことか?」
ユー『おそらく』
歩「じ、じゃあ早めに出て夕飯の支度しないとな!」ザバー
ユー「!」グイッ
歩「おっとっと…ユー?」
ユー『ゆっくりつからないと 疲れはとれない』=『もうちょっと一緒に入ってたいな~』
歩「んー…しょうがないなあ、ユーは」
セラ「ヘルサイズ殿?風呂に入っておられるのですか?」
歩「プランD、いわゆるピンチですね」
ユー『私に任せて』=『ユーにお任せだよっ!おにいちゃん!』
歩「名案があるのか、ユー」
ユー『私に任せれば この場を切り抜けられる』
ハルナ「おーい、根暗マンサー?」
歩「よし…その方法を教えてくれ、ユー」グッ
セラ「入浴中なら私もご一緒しま…」
歩「SAY!YO!」バァン
ハルナ・セラ「!?」ビクッ
歩「俺は入浴、君は貪欲、ついついトゥギャザーテイクアバス!」ズンズン
歩「途端にピンチ、断然ダンチ、ハートにパンチ!」ズンチャズンチャ
歩「SAY!YO!」ダッ!
ハルナ「逃がすかっ!」ガシッ
歩「ぐはっ!」ビターン
セラ「ヘルサイズ殿が入浴中のはずです…なぜ歩が、失礼。クソ虫が?」
歩「あってるから。言い直さなくていいから…」
ハルナ「質問に答えろよな!このラファエロ!」
歩「芸術家がさもエロいかのように言わないで!」
セラ「しかし…ヘルサイズ殿」
ハルナ「こいつの変態さ加減は天元突破しちゃってるしな」
歩「お前らはどんな目で俺を見てるんだよ」
セラ「言う必要が?」ジロ
歩「すいませんやっぱいいです」
ユー『元凶はあの人』=『あの人がお兄ちゃんを誘惑してたんだもん!』
ハルナ「大先生じゃん。なんで?」
セラ「よもやこの方まで巻き込んでいたとは…見下げ果てたものです」
歩「悪化しとるやん」
ユー『どんまい』=『てへっ。失敗しちゃった』
歩「おぅふっ」
ハルナ「悪魔男爵キィック!」ドゴ
歩「えんぺらっ」
ユー『処罰』=『お仕置きだよ、お兄ちゃん!』ペシ
歩「ありがとうございますっ」
ハルナ「これで懲りただろ!もうすんなよな!」
歩「はい…もう好奇心で酔わせたりしません…」
セラ「反省していますか?」
歩「はい…反省してます」
歩「はい…受けます…大先生!?」
ハルナ「あ、起きた」
ユー『酔いも 醒めてる』
大先生「はい~。もうさっぱりですぅ。アユムさん?」
歩「は、はい何でしょうか?」
大先生「お風呂ありがとうございましたぁ。気持ち良かったですよぉ」
歩「そそそうですか。それはよかったです」
大先生「じゃあ、罰として土下座から逆立ちしてー、三回転宙返りして海老反ってぇ、『うこいさうゅにんひ』って叫んで下さい」
歩「」
歩「くっ…」スッ
バッ!グイン!シュバッ!クルクルクル!トン!ドン!
歩「うこいさうゅにんひ!」
ハルナ「…」
セラ「…」
ユー「…」
歩「…」
ハルナ「楽しい?」
歩「う…」
セラ「あなたのおかげで絶対零度より冷たい何かが芽生えました」
歩「うおぉ…」
ユー『少し良かった』=『生きてればいい事あるよ、お兄ちゃん!』
歩「…こ、これで許してくれますよね!大先生!」
大先生「誰も許すなんて言ってませんよ~?」
歩「…」
歩「ほ、ホントに!?」
大先生「ノモブヨ、ヲシ、ハシタワ、ドケダ、グンミーチャ、デー、リブラ!」
歩「それだけは堪忍してぇぇぇぇぇ!」
ハルナ「自業自得だな」
セラ「因果応報です」
ユー『めでたしめでたし?』
大先生「お疲れ様です~アユムさん」トコトコ
歩「はは…大先生こそ、三人の相手をしてもらって」
大先生「私もたまには皆さんと遊びたいんですよぉ」
歩「宴会好きだから賑やかなのが良いんですね」
大先生「アユムさんの手料理も頂けましたしぃ、ご馳走様でしたぁ」ペコリ
歩「いやいや。あんなのでよかったら、いつでもどうぞ」
大先生「ふふ、彼女達なら居間で仲良く川の字ですよぉ」
歩「まったく、薄着だと風呂冷めしちまうぞ…っと」パサッ
大先生「…」ジー
歩「ん?なんかついてます?」
大先生「…いえ~。まるでお兄ちゃんみたいで」クスクス
歩「手のかかる妹達で困りますよ」
大先生「…羨ましいです」ポツリ
歩「おっと、もうこんな時間か…って、なんか言いました?」
大先生「…はい~。そろそろ私もヴィリエに帰ろうかと」
大先生「アユムさんのスケベっぷりには恐縮しますぅ」
歩「ほんの好奇心だったんです…」
大先生「でもぉ、一緒にお風呂まで入っちゃいましたしぃ」
歩「今日一日の記憶は消去しとくんで、はい」
大先生「…それはそれで嫌ですぅ」ボソッ
歩「え?」
大先生「何でもないでーす」
歩「何がですか?」
大先生「だからぁ、アユムさんの事ですよぉ~」
歩「は、はぁ…?」
大先生「せめて、こう…紳士になったらどうですかぁ?」
歩「紳士だなんてとんでもない」テレ
大先生「褒めてませんよぉ」
大先生「…?どうしたんですか?そんな見つめられると照れますぅ」
歩「いや…やっぱ大先生は可愛いなあと」
大先生「…」
歩「な、なんで黙るんですか?」
大先生「アユムさんってぇ、周りの女の子皆にそういうこと言ってるんですかぁ?」
歩「そんなことは…ないはずですけど」
大先生「…もしかしてアユムさんは生粋の女の子キラーじゃないですか」
大先生「もう気にしてませんよぉ~」
歩「それなら良かったです」
大先生「それじゃあ、そろそろお暇しますぅ」
歩「はい。おやすみなさい大先生」
大先生「はい~。あ、あとアユムさん」
歩「何でしょう?」
大先生「機会があればお風呂、また一緒に入りましょうね~?」
了。
これだけは言っておく。京子の可愛さは原作読めば分かる
次は京子SSでも書くだろうから見かけたらよろしく
京子SS待ってるわ
だがしかし俺はアニメ版の顔芸京子の方が好きだ!!
元スレ:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1342104836/
Entry ⇒ 2012.07.24 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
ウッディ「アンディにオークションで売られてしまった!」
バズ「よろこべ、ウッディ。我々の新しい家だ」
ウッディ「おい待てよバズ…。俺たちはアンディのもんだろ?早く帰らないと…」
バズ「そのアンディが我々の幸せを願って売ったのだ。さぁ、早速、ここのオモチャに挨拶しに行こう」
ウッディ「おいおいおい!待てって!バズ!バァズ!」
バズ「掃除したほうがいいな」
ウッディ「うぇ…ここにずっと暮らすのか?」
バズ「!?隠れろ!ウッディ!」
ウッディ「あぁ…まずい!新しい持ち主だ!」
男「ひゃっほう!すっげ!マジでレアもんじゃん!すっげ!」
母「男くん…仕事は」
男「っせぇ!うっせ!ばばぁ!今からバイトだよ!くそが!」クルッ
男「ふひひひ!後で!たっぷり遊んであげるからね!ふひひひひ」
男「あーめんどくせ…バイトだりぃ!くっそ!」
タッタッタッタ
ウッディ「…」
バズ「どうしてだ?」
ウッディ「どうしてって?見たろ?あの持ち主!きっと俺たちをバラバラに引き裂くつもりだ!」
バズ「ふむ、まだここに来たばかりじゃないか。慌てるには早い」
ウッディ「いや、十分だ!やっぱりアンディのところへ戻ろう!」
シナンジュ「動くな!」
ウッディ「!?」
バズ「!?」
バズ「どうも、初めまして。スペースレンジャーのバズ・ライトイヤーです」
シナンジュ「…。スペースレンジャー?連邦の手先か!?」カチャリ
ウッディ「おい!やめろ!そんなんもん向けるな!」
シナンジュ「いや、これ以上やつらの軍勢が増えるのは困る…。ここで潰しておかねば」
ウッディ「バズ!バズ!ほらこれだ!やっぱりここはやばいって!」
シナンジュ「我々はこちらの棚と向き側の棚とで対立しているのだ」
ウッディ「対立?持ち主は同じオモチャなのに?」
シナンジュ「私がここへ訪れた時からだ。」
バズ「困ったな…仲良くできないのか?」
シナンジュ「争いを止める方法はただ一つ。どちらかが滅びることだ」
ウッディ「そんなのおかしい!なぁ、何とか仲良くなれないのか?」
シナンジュ「二度は言わん。これはマスターの意思なのだからな」
バズ「リーダーがいるのか?」
シナンジュ「あぁ、素晴らしい御方だ。」
ウッディ「なぁ、俺たちに会わせてくれよ」
バズ「いや、我々は君の味方だ」
ウッディ「ちょっとバズ」ヒソヒソ
バズ「どちらかにつかなければ話が進まないだろ?」ヒソヒソ
シナンジュ「我がマスターに忠誠を誓うか?」
バズ「もちろんだ。」
ウッディ「あぁ…わかったよ…」
シナンジュ「よし、皆!聞いたか!?新しい仲間だ!」
ゾロゾロ
ウッディ「ひっ!」
ワイルドタイガー「久々の新入りかぁ!よろしく!」
バズ「やぁ!はじめまして!」
ウッディ「」ガクガク
ワイルドタイガー「これからは仲良くやってこうぜ!」
ルルーシュ「足手まといになるなよ」
ワイルドタイガー「もう!照れ屋さんだな~」
ルルーシュ「ち、ちがう!」
バズ「こちからこそ宜しく頼む」
ウッディ「よろしく…」
お前が言うな
ルルーシュ「この俺が?ふはっはっはっは!お前、なかなかいい目をしているな」
ワイルドタイガー「お、おい…ルルーシュ…」
ルルーシュ「そうだとも!このルルーシュ・ヴィ・ブリタニアこそ!この棚の」
アスカ「へぇ~、そう」
ルルーシュ「」ビクッ
ワイルタイガー「あちゃー…」
アスカ「いつからそんなに偉くなったのかしらねぇ」
ルルーシュ「」ガクガク
ルルーシュ「あ、あぁ…もちろん」ガクガク
アスカ「じゃ、アンタ不要ね。連れて行って」
シナンジュ「かしこまりました」
ルルーシュ「おい!離せ!嘘です!調子に乗ってましたぁあぁぁぁあ!」
バズ「では君がリーダーなのか?」
アスカ「えぇ、そうよ。私の下でがんばってね、新入りくん」
ウッディ「なぁ、いきなりだけど、喧嘩はよくないと思うんだ」
アスカ「はぁ?」
ウッディ「同じオモチャじゃないか?仲良く」
アスカ「」ブチッ
バズ「はぁ…ここは牢屋か…」
ウッディ「話もまともにできなかった!」
バズ「どうにかしてここからでなくては」
ウッディ「諦めようぜバズ…。あいつら…仲良くする気なんて」
ルルーシュ「…」
ウッディ「あ、」
ルルーシュ「くそ!なんで俺まで!」
バズ「君はさっきの、我々と共に脱出しないか?」
ルルーシュ「策はあるのか?」
バズ「3人で力を合わせればなんとか持ち上げれそうだ」
全員「!?」
バズ「やってみないとわからない」
切嗣「そこから、出たところで結果は同じさ」
バズ「何故そうだと言い切れる」
切嗣「僕も嘗ては…ここの争いを止めようとがんばった」
切嗣「だけどね…僕がどれだけあがいても何も変わりやしなかった」
ウッディ「そんな…」
切嗣「この二つの棚はね、持ち主が故意に対立関係にあるキャラ同士を分けて飾ってあるんだ」
切嗣「これから先もずっと…争いは続く」
切嗣「このまま、冷戦状態が続けば少しはマシだろう?」
ルルーシュ「愚問だな。マシなわけがない」
ルルーシュ「真に平和が訪れるまで戦うべきだ」
切嗣「争いは流血を生むだけだ」
ルルーシュ「俺が変えて見せる!」
ウッディ「そうだ!俺たちが力を合わせれば!」
バズ「きっとみんな仲良くなれるはずだ」
ルルーシュ「中立の立場をとる。同じ志のものも両陣営に存在するはずだ。」
ウッディ「片っ端から仲間にしていけば…」
バズ「いずれは…隔たりもなくなるはずだな」
切嗣「…。もう一度…もう一度だけ僕も…」
ルルーシュ「そうと決まれば出発だ!」
アスカ「もう!なに?」
正臣「脱走者が出ました!」
アスカ「どうせ新入り共でしょ?ほっとけば?」
正臣「いいんですかね?」
アスカ「どうせ使えないからいい!」
シナンジュ「マスター、次の大規模作戦についてですが」
アスカ「そうねー、男が次に外出するのは?」
Zガンダム「月曜日にバイトが入ってます」
アスカ「よし!じゃぁ月曜日!みんないいわね!」
ハム「いやぁここは凄く居心地がいいな」
ジ・オ「気に入ってもらえたかね?」
レックス「もうサイコー!ねぇねぇ!僕達も戦うの!?」
スザク「無理にとは言わないよ。」
ハム「いや、戦うよ?ブブトンアタックを敵にお見舞いしてやる!」
レックス「僕も僕も!だって怪獣だもん!」
スザク「いいのかい?危険だよ」
ハム「悪はなんとかしないとな」
スザク「ない。僕達は戦うしかないんだ。平和のために」
Sフリーダム「くっ…」
セイバー「切嗣…。私は許さない…」
レイ「早く…戦いを終わらせないと…」
ユニコーン「マスター…俺は君を守る!」
臨也「ふふふ♪そうそう、みんな戦わなくちゃ!何も変わらないからね~」
レイ「…」
臨也「だって、碇シンジくんは捕まってるんだもんね」ヒソヒソ
レイ「わかってる…碇くんは私が助ける…」
ウッディ「それじゃぁミーティングを始める」
ウッディ「バズ、月曜日の詳細を」
バズ「こちら側の棚は月曜日の午後に大規模な襲撃を行う模様」
ウッディ「いいか!ここが俺たちの初の戦いだ!」
ウッディ「ここで両側の棚のやつらに中立の勢力の存在を明かすんだ!」
ルルーシュ「大規模な戦いになるならこちらもある程度の勢力が必要だ」
ウッディ「そこでだ、切嗣に敵陣営に忍び込んでもらって」
ウッディ「あちら側の中立の意思のあるオモチャを見つけ拘束してつれてくる!」
バズ「拘束は強引じゃないか?」
ウッディ「万が一のためだ。その辺の判断は切嗣、よろしく頼む」
切嗣「あぁ、わかってる」
臨也「~♪」(さて…)
バーナビー「おい!どこへ行く!」
臨也(ちっ…)
臨也「どこって?俺も見張りだけど?」
バーナビー「そうか…あまり怪しい行動はするなよ」
臨也「ま、気持ちはわかるけど♪そうかっかしないほうがいいよ」
臨也「相棒に裏切られたからって」
バーナビー「うるさい!」
臨也「あれ~?誰が情報を教えてあげたのかな~?」
バーナビー「…」
臨也「君のお友達はあえて、君をおいてあの棚へ行ったんだ」
バーナビー「…。わかってますよ…」
臨也「君と敵対することも十分承知みたいだったよ~」
バーナビー「これ以上…僕を怒らせないほうがいいですよ」
臨也「それじゃぁ~。見張りに行ってくるよ」
バーナビー「…」
バーナビー「くそ!」ドン
ジ・オ「警戒をおこたるなよ」
Sフリーダム「は、はい」
ジ・オ「心配はいらんよ。もうすぐ戦いは終わるさ」
Sフリーダム「そうでしょうか…」
ジ・オ「あぁ、アレが手に入ったようだからな」
Sフリーダム「そんな…」
ジ・オ「これで敵の大将も降参するはずだ。はっはっはっは」
切嗣「動くな」
Sフリダーム「!?」
切嗣「振り向くな」
Sフリダーム「なっ…敵ですか」
切嗣「いや、君と同じ志を持つものだよ」
Sフリーダム「どういうことです?」
切嗣「僕の仲間にならないか?」
Sフリーダム「仲間?」
切嗣「そう、もっと別の方法でこの争いを止めるんだ」
Sフリーダム「よろしくお願いします!」
ウッディ「かっこいい!よろしく!一緒にがんばろう!」
バズ「共に争いを止めよう!」
Sフリーダム「はい!頑張ります!」
ルルーシュ「ガンダムタイプのオモチャを鹵獲するとは」
ルルーシュ「ふふ…ふはははははは!これでカードは揃った!」
フリーダムに銃付きつけるとかシュールだなwww
ユニコーン「大変です!敵の軍が!」
ジ・オ「来たか!」
レイ「…。エヴァの準備は?」
バーナビー「いつでもどうぞ」
レイ「零号機を…出撃させて」
スザク「我々にも出撃許可を!」
レイ「えぇ…許可します」
ユニコーン「貴方の意思は繋がっているはず!もう一度!念じてみれば」
スザク「…、だめだ…どこにいるんだ…ランスロット」
バーナビー「来ますよ!」
アスカ「行くのよ!弐号機!!!」
弐号機「」ダッダッダッダ
ガシッ
アスカ「ちっ、出たわね!人形のくせにぃぃぃ!!!」
レイ「碇くんを…返して!」
アスカ「ふん、まだそんな妄想を!」
Zガンダム「どけよ!お前みたいなMS!消えろよ!」
ユニコーン「俺だって!こんな戦い!」
Zガンダム「どちらかが滅びるしか道はないんだ!だから!」
シナンジュ「君の相手はこの私だ!」
ユニコーン「またあんたか!ここを戦場にして…そうまでして!」
シナンジュ「なら、君が降伏すればよいのではないか?」
ユニコーン「俺だって!守らなくちゃいけない人がいるんだ!!!!!!!」
正臣「折原臨也!どこだ!くそ!」
セイバー「私が相手だ!てやぁぁぁ!!!!!」
正臣「おいおい!武器なんてねーのに!」
デスティニー「危ない!」
ガシッ キン
デスティニー「お前も人探しなんだろ!?いけよ!」
正臣「え、でも!」
デスティニー「いいから…早く!」
キンキン ガシッ
デスティニー「なんだ!アンタもかよ!」
セイバー「切嗣!衛宮切嗣はどこだ!」
デスティニー「しらねーよ!!」
ドスッ
セイバー「くっ…、おりゃぁぁぁ!!」
ガシッ
ワイルドタイガー「ヒーロー参上!」
デスティニー「遅いですよ!」
ワイルドタイガー「ヒーローは遅れて登場するものなの!!」
セイバー「おい!離せ!2対1とは卑怯な!!」
セイバー「うぅ…うごけない!!!」
ワイルドタイガー「全く、ここは危険だぜ?それにこんな危ないの振り回して」
セイバー「うるさい!貴様!それ以上の愚弄は!」
バーナビー「」スタッ
ワイルドタイガー「!?おい!バーナビー!バーナビーか!?」
ドゴォッ
ワイルドタイガー「ぐわっ…おい!何すんだよ!」
バーナビー「うるさい!裏切りものめ!!」
ドスッ
アスカ「!?」
レイ「え?」
バズ「争いなんてやめるんだ!」
Sフリーダム「僕達は分かり合えるはずだ!」
ルルーシュ「お前達の仲にも我々と同じ意思をもつものがいるはずだ!」
ルルーシュ「我々はそのような者を歓迎する!!」
スザク「ルルーシュ!ルルゥゥゥシュゥゥゥッゥ!!!!!!!」
ルルーシュ「!?」
ドサッ
キンッ ガチャガチャ!!
Sフリーダム「くっ!やめよう!こんなこと!やめるんだ!」
スザク「ルルーシュ!僕は君を許さない!!」
ルルーシュ「なっ!スザク!やめろ!」
スザク「この戦い!お前が仕組んだのだろう!?」
ルルーシュ「何を馬鹿な!違う!」
スザク「ルルーシュ!何故平和を嫌う!」
ルルーシュ「は!?」
ルルーシュ「くそ!話が通じないのなら!」
C.C「ふ、やっと出てきてよいのだな?」
ルルーシュ「構わん!いまだ!!」
蜃気楼「」ザザザザザザ
C.C「お前の意思も必要だ!」
ルルーシュ「ふん!操縦するよりはたやすい!!」
スザク「そ、そんな…ナイトメアが」
ルルーシュ「スザァク!!俺の仲間になれ!!」
ルルーシュ「そうか…残念だな…」
蜃気楼「」
スザク「くそ!ランスロット…力を貸してくれ!!!」
ルルーシュ「終わりだ!スザァァァク!!!」
蜃気楼「」
ガシャ ガシーン!!!
ランスロット「」
ルルーシュ「なに!!」
スザク「来てくれたのか!ランスロット!」
バズ「慌てるな!ウッディ!大丈夫!必ずなんとかなる!」
ウッディ「なんとかなるって言っても!」
切嗣「僕と一緒に来てくれないか?」
ウッディ「いいアイデアでもあるのか?」
切嗣「どうやら…この争いには黒幕がいるみたいでね…」
シンジ「は、離してくださいよ…」
臨也「だめだめ~、君がここにいることがバレちゃうと色々と面倒だからね」
シンジ「…、何が目的なんですか!」
臨也「俺は純粋に人が好きで、観察するのが好きなだけだよ」
シンジ「…」
正臣「見つけましたよ…臨也さん…」
正臣「どうせ…あんたの仕業だろうと思ってね」
臨也「でも、君一人でどうする気?もしかして俺に勝てるとか思ってる?」
正臣「人形なら、問題ないです」
臨也「そう、じゃぁ、この子たちの相手してあげてよ」
量産型ども「」グワッ
正臣「うわ!なんだよこいつら!」
臨也「秘密兵器~、君らの大将の弱点だよ」
シンジ「大将って…」
シンジ「アスカ…そんな…」
臨也「ふふふ、まずいよね?このままだとレイかアスカどちらかバラバラだよ」
シンジ「綾波まで!」
臨也(そう、もっと…もっと)
シンジ「やめてよ…こんなこと…」
臨也「さぁ、君達!そこの少年はもういいから、大将やっちゃって」
シンジ「やめてよぉぉぉおおお!!!!!!!!!!!」
初号機「」ウォォォォォォォォォォン!!!!!
量産型「」グルルルル
量産型「」ケケケケ
弐号機「」キョロキョロ
量産型「」キャキャキャキャ
ガチャガチャガチャガチャ
アスカ「あたしの弐号機が…バラバラに」
初号機「」ウォォオオオオン!!!
アスカ「!?」
レイ「そんな…あれは碇くんの」
バズ「あれは一体!」
切嗣「見物している暇はないよ。あそこにいるみんなを信じるんだ!」
正臣「待て!」
臨也「ついに!きた!初号機!この日をずっと待ち望んでいた!」
臨也「そして覚醒初号機を目覚めさせるんだ!」
正臣「狙いはそれか…」
切嗣「見つけた…折原臨也」
ウッディ「お前が!真犯人なのか!」
バズ「さぁ!みんなに真実を伝えて謝るんだ!」
臨也「ふふふ、もう遅いよ。誰もアレを止めることはできない♪」
初号機「」ウォォォォォォォン
ワイルドタイガー「おい!あいつ敵も味方も関係なしに襲い始めてる!」
バーナビー「うるさい!」
ルルーシュ「何だ…あれは…」
スザク「これは…」
ルルーシュ「スザク!ここはひとまず休戦だ!」
バーナビー「あ!待て!逃がすか!」
Sフリーダム「僕達も戦っている場合じゃないよ!」
デスティニー「でも!」
Sフリーダム「アレをとめなくちゃ!みんなやられる!」
ハム「くらえ!ブブトンアタック!」
シナンジュ「なに!上から!」
レックス「僕も戦うぞ!戦うぞ!」
Zガンダム「邪魔をするな!消えろ!」
レックス「あう…」
ウッディ「俺たちも手伝わないと!!」
初号機「」ウォォォォン!!!
ユニコーン「駄目だ!強すぎる!」
スザク「どうすれば…動きを止められる!」
アスカ「あんた…こんなことまでして勝ちたいわけ!?」
レイ「違う…これは私達じゃない!!」
シュィィィィィン!! ガチャッ!!
Zガンダム「なんだアレは!!」
シロッコ「槍だと!」
カヲル「今度こそ幸せにしてあげるよ。碇シンジ君」
臨也「…嘘だ!なんだアレは!何故初号機が止まった!」
切嗣「これで、お前の負けだ。諦めろ」
臨也「そんな…馬鹿な…」
ウッディ「さぁ、みんなの前でお前の悪事を白状してもらおうか」
レックス「僕はみんなが仲良しになるって信じてたよ!」
ハム「そうそう平和が一番」
バズ「全く…呆れた」
カヲル「僕が目覚めることができたのは…あの人のおかげなんだけどね」
切嗣「折原臨也…でもあいつにとってはお呼びじゃなかったみたいだね」
セイバー「見つけましたよ!切嗣!」
切嗣「おっと…僕はこれで」
セイバー「待て!」
レイ「私も碇君が無事でよかった」
アスカ「信じられない!あたしを疑ってたなんて!」
ウッディ「ふぅ…これで一件落着だな」
バズ「新しい家も楽しそうだ」
ウッディ「あぁ、持ち主に難ありで部屋が少し汚いけど」
バズ「そういやぁ、新しい仲間が来るらしいけど」
ウッディ「また、あの折原臨也とかいうやつに変なこと吹き込まれなければいいけど…」
バズ「あ、あれではないか?」
静雄「いぃぃぃざやぁぁぁぁぁ!!」
臨也「あはは…静ちゃんも来ちゃったか…」
静雄「へへへ…逃がさん!!」
臨也「うわ!来るな!」タッタッタ
ウッディ「その心配はやっぱりないみたいだな」
終わり
面白かった
Entry ⇒ 2012.07.22 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ハーマイオニー「ハリーが女の子になってしまったわ」ロン「」
ハリー「……」
ロン「……そりゃいいや。あー、ハニーって呼ぼうか?」
ハーマイオニー「残念ながら、ロン。冗談じゃないの」
ハリー「本当に、残念なことにね……僕宛に、誰かからお菓子が送られてきたんだ。それで……」
ロン「……あのさ、君達がどういうつもりか知らないけど。ハリーの髪の毛が伸びたのは、ハリーのあの特技で、だろう?……それで」
ハリー「……」
ロン「その、なんだい?ふくらみ呪文でもかけたのかい?」
ハリー「言っておくけど、重いんだよ、これ」
ハーマイオニー「ロン!真剣に聞いて頂戴よ!」
ロン「ハーマイオニー。いくら僕をだまそうっていったって、何も自分が惨めになるくらいハリーのをふくらませっちまうことは……」
ハーマイオニー「ロナルド・ビリウス・ウィーズリー。歯をくいしばる必要はないわ、いい歯医者を紹介してあげる」ゴシャッ
ロン「マーリンの髭っっっ!?!?!?」ドサッ
ハリー「あーぁ……」
ロン「いいもんか……でもここまでされたら、信じるほかないよな。本当なのかい?ハリーが……?」
ハーマイオニー「驚いたことにね。私がさっき、ちゃんと確認したわ」
ロン「確認って?」
ハリー「ついてなかったんだ」
ロン「? あぁ、そりゃぁ運は悪いよな」
ハリー「?」
ハーマイオニー「……ハリー、やめましょう。おそらくロンに、この手の話題は無駄よ」
ロン「おい、おいおい。僕の親友にこんなにとんでもないことが起きたんだぜ?仲間はずれはよせよ、だ」
ハーマイオニー「思うに、あなた意味が分かったらゲラゲラ笑うと思うから。やめておくわ、よ」
ハリー「……」
ロン「何だよ、ハリー」
ハリー「……ハーマイオニー」
ハーマイオニー「何かしら、ハリー」
ハリー「……女の子って、男の子のここへ向ける目線。本当に簡単に分かるんだね」
ロン「!?」
ハーマイオニー「勉強になったようで、よかったわ」
ハリー「うん。あぁ、ロン。君は今度、マダム・ロスメルタに謝ったほうがいい」
ロン「な、なんのことだかわからないね!僕がまるで君のその、なんだか丸いのをジロジロ見ていたみたいじゃないか!失礼だな!」
ハリー「うん、今はチラチラ見ているね、あぁ、本当に気をつけよう……」
ハーマイオニー「あなたはあまりそういう目で見ていないわよ、ハリー。大丈夫」
ロン「それは、ご自分が見られるほどじゃないからじゃないですkなんでもないよハーマイオニー。今日も素敵な巻き毛だね」
ハーマイオニー「癖毛よこれは」
ハーマイオニー「?視力が回復している、っていうこと?」
ハリー「うん、ポリジュース薬で変身したときも、そうだったんだけど……」
ロン「……」
ハーマイオニー「……」
ハリー「ははっ、裸眼でこんなに遠くまで見えるのはとっても、久しぶりだよ……うん?どうしたんだい、二人とも」
ロン「……ハリー、君って」
ハーマイオニー「……下まつげ、長いのね」
ハリー「?」
ハーマイオニー「そんな暇ないわ。一刻も早くあなたに知らせなきゃ、って思ったんだから」
ハリー「そんなに、変になっているのかな?顔の方はそこまで変わっていないと、思ったんだけど」
ハーマイオニー「いいえ、変、っていうか……なんだか、頬も赤いし」スッ
ハリー「ひゃっ!?ハーマイオニー!くすぐったいじゃないか!いきなりなんだい!?」
ハーマイオニー「……すべすべだわ」
ロン「本当かい、どれどれ」スッ
ハリー「っちょ、ロン、やめてくれ……ひっはらないでくれよ!ロン!ロン!」
ハーマイオニー「こうなると、髪の毛もいじりたくなるわ。自分じゃこんなストレートにするには、とっても時間かかるし……ハリー、大人しくしていてね」
ハリー「ハーマイオニー、君も何して……痛い!痛いよ、ハーm引っ張るなってば、ロン!ロン!!」
ロン「きっちり結い上げたじゃないか、ハーマイオニー」
ハーマイオニー「我ながら、力作だわ」
ハリー「どこのパーティーにお呼ばれしたのさ、僕は」
ハーマイオニー「ともあれ。どうしてハリーがこうなってしまったのか、原因を探らないと、だわね」
ハリー「ここにくるまで随分とかかったじゃないか。僕はそろそろどうして君たちに相談したのか、後悔しだしたころさ」
ハリー「あぁ、そうなんだ。なんだか包みと、レモンキャンディが」
ハーマイオニー「……レモンキャンディ?」
ハリー「うん。あぁ、そうだ。包みはここに残ってるんだけど、ハーマイオニー。君、何か送り主を探る呪文とかしらないかい?」
ロン「そりゃいいや、そういうのは君の十八番だろう?」
ハーマイオニー「万能じゃないのよ……あら?ハリー、包みに何か残っているわ……手紙?」
『君のお父さんが亡くなる前にこれを私に預けた
君に返す時が来たようだ
上手に使いなさい』
ハリー「……」
ロン「……」
ハーマイオニー「……」
ハリー「ダンブルドアは、この文句を言えば僕が無条件で納得する、とでも思っているんだろうか」
ロン「あぁ、ダンブルドアってまったく変わっているよな」
ハーマイオニー「どうして少し誇らしげなのよ、ロン」
ダンブルドア「と、いうわけじゃ。セブルス」
スネイプ「……」
ダンブルドア「君には随分と、無理をさせておるからのう。褒美、というわけではないが」
スネイプ「……」
ダンブルドア「君も、一度は考えたことがあろう?ハリーが、ジェームズとリリーの子供が女の子じゃったら、とのう」
スネイプ「……」
ダンブルドア「幸い、わしにはそれを可能にする若い頃の研究があってのう。ゲラートとの……ゴホン。ともかくじゃ」
スネイプ「……」
ダンブルドア「どうじゃ、セブルス。少しは君にも、良い思いを……」
スネイプ「……校長。我輩、校長を心から尊敬しております」
スネイプ「校長には絶対服従であり」
スネイプ「心からの敬意を払っており」
スネイプ「我輩ごときがあなたに意見しようなど、滅多なことではないのです」
ダンブルドア「確かに、君とわしは対等と呼べる関係ではないじゃろう。じゃがのう、セブルス……」
スネイプ「で、あるからして。これから我輩が口に出す礼節正しい言葉使いの裏に隠れた確かな感情を、汲み取っていただきたい」
ダンブルドア「?」
スネイプ「上顎と下顎をキッチリ噛み締めて離さないことですな、校長(歯ぁくいしばれ老いぼれ)」ググッ
ダンブルドア「!?!?」
ダンブルドア「待つんじゃ、セブルス」
スネイプ「リリーの子供が女の子だったら?だから?なんだというのですかな??」ビキビキッ
ダンブルドア「わしが迂闊じゃった、悪かった、すまん。じゃから……」
スネイプ「リリーはリリーであって、リリー以外の者に我輩の琴線に触れる者など何者もいないのです。校長もそれは、よくご存知のはず」ビキビキッ
ダンブルドア「そうじゃ、レモンキャンディはどうかの?荒ぶった時は、甘いものが一番で……」
スネイプ「さすれば、この行いは我輩に対する侮辱。リリーへの想いを汚された代償……安くありませんぞ?」ビキビキッ
ダンブルドア「セブルス……頼む」
スネイプ「『セクタムセンプラ』!!」
ロン「何を言ってるのさ、ダンブルドアは校長だぜ?」
ハリー「うん?」
ロン「たとえダンブルドアがマーリンの髭を毟ってゲラゲラ笑ってても、誰もつっこめやしないよ」
ハーマイオニー「それは別の意味で近寄れないだけじゃないかしら」
ハリー「ともかく、先生はどういうつもりなんだろう……僕を女の子にして、何になるっていうんだ?」
ロン「眼福だよな」
ハリー「ロン、開き直ってジロジロ見るのはやめてくれるかい」
ロン「あぁ、君みたいにいつ何時も深いお考えがおありなんだろうさ」
ハーマイオニー「茶化さないで。今は、『あの人』が復活した非常事態でしょう?」
ハリー「その割には、僕達あまり切羽詰っていないけどね」
ハーマイオニー「いいから聞きなさい。そんな大変な時に、校長先生がわざわざこんなことを無意味に起こすことが、あると思う?」
ハリー「うーん……あぁ、ひょっとして。あいつと僕の心が繋がるのを防ぐために、とか?」
ハーマイオニー「女の子の精神をハリーが理解して、『例のあの人』の精神から遠ざける……ありえなくはないわね」
ロン「そんなご大層な話なのかなぁ?ダンブルドアも面白半分だと思うね、僕は」
ロン「君、たまにお人よしだよな、ハリー」
ハリー「なんだっていいさ。あー、でもこの制服のキツさは何とかしたいね」
ハーマイオニー「……」
ロン「僕は何も言っていないよ、ハーマイオニー」
ハーマイオニー「私こそ、よ。ロン」
ハーマイオニー「出来るわ。でも……制服にそういう改造とかは、したらいけなかったような」
ロン「じゃあ、君のを貸してあげれば……なんでもないよ、ハーマイオニー」
ハーマイオニー「ロン、あなたいい加減にしないと小鳥に襲撃されるわよ」
ロン「何さその怖い予言は。えぇっと、じゃあ誰か先生に相談しに行こうか?制服に細工していいか、って」
ハリー「そうだね、それじゃあダンブル……マクゴナガルに」
ロン「……賢明だよ、ハリー」
ハリー「おひとよしから随分と評価が上がったね」
ハリー「……と、いうわけなんです。先生」
ロン「おったまげー、ですよね、先生」
ハーマイオニー「制服に魔法をかけることを、許可していただきたいんです、先生」
マクゴナガル「……少し、お待ちなさい」パタンッ
ロン「……扉の向こうで思いっきり笑ってる、に1クヌート」
ハリー「いくらでも笑っていいからどうにかしてほしいけどね、僕は」
ハーマイオニー「先生がそんな失礼なことするわけないじゃない」
ロン「分からないぞ、ああいう人こそ笑いのツボが特殊だから……」
マクゴナガル「おまたせしましたね、ミスター……いえ、ミス・ポッター」
マクゴナガル「替えの制服一式、予備の杖、鞄です。他の生徒には知られたくないでしょう?お使いなさい」
ハリー「」
マクゴナガル「……どうして手馴れているか?愚問です、ミス・ポッター」
マクゴナガル「あなたはまっこと、ジェームズ・ポッターの子供だ、ということですよ」
ハリー「僕の意志じゃありません、先生」
マクゴナガル「えぇ、多い時は週一で」
ハリー「聞きたくありません、先生」
マクゴナガル「リリーに『あなたみたいな男と歩くなんてごめんだわ!』と言われたことがきっかけだとか」
ハリー「聞きたくありません、先生」
ハーマイオニー「えぇっと、校長先生はある意味嘘をついてなかったってことね、ハリー?」
ハリー「あぁ、ダンブルドア様様さ」
ハリー「今はその血が心底憎いです、先生」
ロン「えっと、もしかしてシリウスとかも便乗したりしていたんですか?」
ハリー「ロン、黙ってくれないか」
マクゴナガル「いえ、ブラックは」
ハリー「ほっ」
マクゴナガル「最初の変身時にポッターに騙されて本気告白をしてしまい、以来その姿をしている時は近寄りませんでした」
ハリー「」
ハーマイオニー「……ハリー、それだけあの、あなたの姿が今可愛らしいってことよ、そうよ、だから」
ハリー「あはははははは、ミス・ホグワーツにでも参加しようかな、そんなのないけどね、あはははh」
マクゴナガル「主催して、自分で優勝してしまいましたねぇ、ジェームズが」
ハリー「聞きたくありません先生、どうして今日に限って父さんのことをポンポン話していただけるんですか先生、先生」
ロン「あぁ、これでどっからどうみても女の子さ」
ハーマイオニー「最初から割とそうだったけれどね」
マクゴナガル「授業はどうしますか、ポッター。他校からの留学生という形を取る用意は既にしてありますが」
ハリー「あ、はい。そうします、手馴れていて助かります」
ロン「休むわけにいかないもんな、優秀なハーマイオニーと違って僕とハリーは」
ハーマイオニー「何があったって授業を休むなんて絶対ダメなのよ、ロン」
マクゴナガル「ポッター、あなたの呼び方ですが、どうしますか?」
ハリー「呼び方?」
ロン「あぁ、そうか。ハリーハリーって呼んでたら、みんなに気づかれっちまうもんな……えぇっと、ハニー・なんとか?」
ハーマイオニー「ハニーは確定なのね」
ロン「もちのロンさ」
ハリー「もう好きにしてくれよ……」
マクゴナガル「そういうわけで」
ハニー「ハニー・ダーズリーでーす。ボーバトンのせっいーとでーす」
オォオオーーー
マクゴナガル「英語はまだ拙いそうですから、皆さんあまり難しいことは聞かないこと」
マクゴナガル「もっとも、私の授業で無駄なお喋りなんてしている暇は、みなさんには無いと思っていますがね?」
ロン「何気にフラーと仲良かったからな、ハリー。エセ英語はお得意かぁ」
ハーマイオニー「食いつきすぎじゃないかしら、男の子たち」
ロン「健康優良男児なグリフィン生に何を言ってるのさ」
ハニー「おぉーう、汽車ポッポーでーすね?わったーし知ってまーす」
ロン「スルースキル高いね、ハニー」
ハーマイオニー「ダーズリー家で培われたって言ってたわ」
ディーン「?いや、そうじゃなくて、何か困ったこと……」
ハーマイオニー「ハニーには私達がついてるから結構よ、ディーン」
ロン「そうそう、お世話様さ」
ディーン「そんな……は、ハーマイオニーはともかく君はなんだよ、ロン!ずるいぞ!」
シェーマス「そうだそうだ!ハリーがいないからって両手に花なんて!ハリーにいいつけてやるぞ!」
ネビル「そういえば、ハリーはどうしたの?先生は何も言ってなかったけれど」
ハニー「おぉー、アリー。アリー知ってまーす。アリーは……酷い夢にうなされてるそうでーす」
ネビル「?」
ハーマイオニー「ネズミを消失させる、まぁまぁの難易度だわね」
ロン「あぁ、まぁまぁ過ぎて追課題を出されそうなほど、さ。ハニー、どうだい?」
ハニー「僕のこの前のこれの出来を知ってるだろう……おぉー、せーんせい?わったーし、まだここまで習って……」
マクゴナガル「おや、あなたはこの魔法理論まできっちり板書していると手紙をもらっていますが?ミス・ダーズリー」
ハニー「……」
ハーマイオニー「先生を怒らせたら怖いわよ、ハニー」
バシュッ!! シューーーッ
ロン「……」
ハーマイオニー「……は、ハニー?机ごと消失させる、というか消し去ることはない、のよ?」
ハニー「……先生、この杖って」
マクゴナガル「……ジェームズが『ニワトコ越えを目指す』と言って作った杖、なのですが」
ハニー「何のことだか知りませんが、恐ろしいので杖は自分のを持ってきていいですか」
ハニー「無事終わった……」
ロン「授業の方は散々だったけどね」
ハリー「言わないでくれよ、僕はこの杖が気に入ってるんだから……」
ディーン「やぁダーズリー。次の教室まで、僕らが……」
ハーマイオニー「いいってば、ディーン」
ロン「そうさ、ディーン。それに、いつから君、そんなにナンパな奴になったんだい?妹に手を出したら承知しないからな」
ディーン「な、なんのことさ、ははっ」
ロン「フランス訛りが良く出来てたよハニー」
ハーマイオニー「それ暗にフランス語をバカにしているように聞こえるわ、ロン」
ラベンダー「ほら、今普通に喋ってたわ」ヒソヒソ
パーバディ「やっぱりわざとなのよ、構われたいから」ヒソヒソ
ハニー「……女子受けの悪さまでフラーゆずりになってしまった」
ハーマイオニー「それくらい可愛いってことよ、ハニー」
ハニー「さっきからちょいちょいそれを言ってくれるけどね、ハーマイオニー。あんまり嬉しいことでもないからね」
ロン「……『魔法薬学』だな」
ハニー「……ごめん、僕ちょっとトイレ」
ハーマイオニー「サボりはダメよ、ハニー!気持ちは分かるわ、でも……」
ハニー「どうなるか分かるだろ、スネイプがこんなのを見たら……あぁ、本当におなかが痛くなってきた」
ハニー「いや、僕一人でいいよ……分かってる、サボらないってば!ハーマイオニー!」
ハーマイオニー「信じてるわよ、ハニー。私もついていってあげたいけど、授業は前の席を取りたいもの」
ロン「スネイプの授業までそれとは、全く君は勉強病さ……それじゃ、ハニー。またあとで」
ハーマイオニー「きっとよ、ハニー」
ハリー「うん……二人とも、さっきからハニー呼びが全く抵抗無くなっていないかい?似ているけどさ……」
ハニー「女子トイレって、どこにあるんだろう」
ハニー「この城、特に男子トイレと隣あってるわけじゃないから……そこのとこだけは、マグルの学校の方がよかったかな」
ハニー「うーん……でも、もうあまり時間もない。仕方ない、か」
三階女子トイレ
ハニー「……マートル、大人しいといいなぁ」
マートル「遠慮することないわ。泣きたくなったら、いつでも来て。誰も、私がいるようなトイレに来ようと思ったりしないから」
???「来ない、って言っているだろう!……そもそもどうして僕は、こんな奴のところに」
マートル「泣いて愚痴を聞いてもらっているのか、って?うふふんっ、それは私とあなたが……」
???「泣いてなんかいないっ!!っ!とにかくもう出て行くぞ!授業がある……ただ」
ガチャッ
ドラコ「(話が出来て)スッキリした。それじゃぁ……」
ハニー「」
ドラコ「フォイッ!?!?」ビクッ
ドラコ「な、なん、なんだ、君は!なんだ、ど、どどどうしてこんなところに!?」
ハニー「……(え。それじゃ、マルフォイって……女子トイレで用を足す趣味があるってことかい!?)」
ドラコ「み、見ない顔だな!誰なんだ君は!言っておくが、僕は高貴なマルフォイ家の!!」
ハニー「……(うん、僕だって人のこと言えないけどさ。僕は今一応女の子なわけだから、いいじゃないか。許されるよ、そうだろ)」
ドラコ「き、聞いているのか!?そのタイ、君はグリフィンドールだな!?はっ、これだからグリフィンのうすのろ……っ」
ハニー「……?」
ドラコ「……」ジーッ
ハニー「……えぇっと、急に黙って、どう……」
ドラコ「……フォォイ(感嘆詞)」///
ハニー「」ゾワァァァァッ
ドラコ「な、名前を聞いておこうか!いいか!僕は高等尋問官親衛隊だから確認するのであって!君に拒否権はないぞ!」
ハニー「勘弁してくれ、君の初恋なんて誰に言っても願いさげだよ売れっこないよ勘弁してよ」
ドラコ「は、はつ、何を、だ、黙るフォ……」
マートル「嘘つきぃいいい!!」バシャァァァァ!!
ドラコ「フォイッ!?」
ハニー「うわっ!?」
マートル「あんた、私といると落ち着くって言ってくれたくせに!泣きついてきたくせに!遊びだったのねこの嘘つき!嘘つき嘘つき!!!」
ドラコ「や、やめろこのゴースト、僕はお前なn」
マートル「トイレの水で頭冷やしなさいよぉ!」バシャァァァァ!
ドラコ「モガモガゴバ……」
ハニー「……うわぁ」
マートル「なによ!あんたも何か文句が……この泥棒猫っ!!」
ハニー「いや、何も。ご、ごゆっくりー」
パタンッ
ハニー「……思わぬところで、マルフォイの弱みを握ってしまった」
ハニー「……代償が全然見合わないけどね。よりによってマルフォイ……はぁ」
ロン「あ、ハニー。思ったより早かったじゃないか」
ハーマイオニー「そうね。勝手が分からなくて手間取ると思ったわ」
ハニー「あぁ、二人とも……勝手もなにも、どうやら僕は本当に父さんの子、ってことさ」
ロン「?どういうことさ」
ハニー「……父さんはシリウスで、僕はマルフォイ。コレが差かぁ」
ハーマイオニー「なんの話しをしているのか分からないわ、ハニー」
ロン「……」
ハニー「? あれ、君なら盛大に笑ってくれると思ったんだけど」
ロン「あぁ、うん。そうしたかったんだけど……仕方ないかなぁ、と」
ハニー「!?」
ハーマイオニー「いい、ハニー?あなたは思っているより今、女の子女の子しているのよ」
ロン「あぁ、ミリセント・ブルストロードが性別的には同じ分類だなんて信じられないほどにね」
ハニー「君、ことあるごとに彼女を例えにするけど、彼女に何かされたのかい……」
ハニー「グリフィンの生徒はノリがいいから、留学生を楽しませようとしてたのかなぁ、って」
ロン「君は鈍いなぁ、ハニー」
ハーマイオニー「あなたが言う台詞じゃないと思うわ」
ハニー「そうか、そういう目で見られてたんだ……大方、どうしてなのかの予想はつくけどね」
ロン「何だい?」
ハーマイオニー「男の子って正直でバカよね、ってことよ」
ハニー「同感」
ハニー「嬉しくないね。悔しかったら君もウォーターメロンか何かを肩からぶら下げてみなよ……」
ハーマイオニー「……悔しいわ」
ハニー「なんで君が」
ロン「聞いてやるなよ。お?」
ガチャッ
スネイプ「入りたまえ。本日の授業用に既に薬を煎じてある、ハナハッカが苦手な物は口元を覆っておくように」
ロン「スネイプだ……君のそれ見た時の反応は見ものだな、え?」
ハニー「どうでもいいよ」
ゴイル「俺達、知りません。せんせい」
クラッブ「一時限目もいませんでした、せんせい」
パンジー「最近こんなことが多いんです、先生。私、心配だわ」
スネイプ「そうか、我輩の方から聞いておこう、入りなさい……」
ロン「あー、どうも」
ハーマイオニー「あー、先生。マクゴナガル先生からお聞き及びかもしれませんが、こちら留学生の……」
ハニー「あー……ハニー・ダーズリーでーす」
スネイプ「……」
スネイプ「グリフィンドールから十五点減点」
ロン「!?!?」
ハーマイオニー「!?!?」
ハニー「!?!?」
スネイプ「教授に対してふざけた言葉使いをするのは十分に減点対象ではないのかね」
ハニー「」
ラベンダー「ほぅら、やっぱりわざとだったのよあれ」
ロン「ラベンダー、黙っててくれないかな」
スネイプ「加えて、貴様のその容姿は教授の気分を深く害した」
ハニー「そ、そんな!なんで……」
スネイプ「教授の古傷を深く抉った」
ハニー「……あー」
スネイプ「諸にあの男のあれではないかクソッ、クソッ、少しでも期待した我輩がバカだった」
スネイプ「やっぱり一瞬その言葉に惑わされて躊躇せずに呪いかけとけばよかったのだ、あの愉快犯め」
スネイプ「気づいた時には不死鳥呼び寄せてどこかに消えおったし……クソッ、クソッ」ブツブツブツ
ハニー「……僕の耳までおかしくなっていないなら、今、スネイプがダンブルドアへの謀反を企んでる台詞を聞いてしまったのだけれど」
ハーマイオニー「それよりもっと重要なことがあるでしょハニー、スネイプ叩きに走っちゃだめよ」
ロン「ほらね、言ったじゃないか。ダンブルドアはちょっとおかしいって」
ハニー「……わっかーりませーん」
スネイプ「おやおや、ボーバトンではこんな初歩さえ教えていないのか、それとも君の頭脳が初歩の初歩以下な赤子レベルなのか、理解はしがたく、はありませんなぁ?」
ハニー「……」
ハーマイオニー「右に十回よ、ハニー」
スネイプ「おやおや、お友達に助けを求めるとは。まっこと『女同士の』友情というのは素晴らしいですなぁ?」
ハニー「……」
ロン「まさか、スネイプの奴……ハニーがハリーだって、気づいてる!?」
ハーマイオニー「ロン、今そこなの?」
ディーン「先生!先ほどから先生はハニーに当てすぎだと思います!」
ガタッ!
シェーマス「そうです!教授だかたといって、そんな気の引き方はフェアじゃありません!」
グリフィン男子「「「「そうだそうだーー!」」」」
スネイプ「何を言っているのかねミスター・トーマスにミスター・フィネガン……我輩が、気をひく?」
ディーン「えぇ!先生は見るからに『好きな子にちょっとちょっかい出しちゃう』系男子ですから」
シェーマス「どうせ学生時代も、好きな子に悪口言っちゃって修羅場になっちゃったことがあるんでしょう……」
スネイプ「グリフィンドールから三十点減点、ミスター・シェーマス、罰則一ヶ月」
シェーマス「!?」
ハニー「いや、当たり前だと思うよ」
シェーマス「そ、そうです!なんせ、僕らは!」
グリフィン男子「「「「「ハニー親衛隊なんですから!!!」」」」
スネイプ「……またどこぞで見たような光景を」ビキッ
ハニー「……」
ロン「ははっ、こんな時は頼りになるよな、ハニー」
ハニー「ノリの悪さが憎いよ、僕は」
ハーマイオニー「スネイプの言葉から察するに……ハリーのお父様にも、親衛隊が……」
ハニー「ハーマイオニー、よしてくれ。知りたくない」
スネイプ「時間ですな。今日完成させられなかった無駄口を叩いていた集団は課題を提出すること、後グリフィンドールから一〇点減点。以上」
ハニー「……スネイプの授業だけで一〇〇点近くうしなっちゃったよ」
ハーマイオニー「気を落とさないで、ハニー……あなたのせいじゃないわ。悪いのは」
ディーン「ハニー!僕ら、君のために戦ったよ!」
シェーマス「礼なんていらないさ!点数なんて君には関係ないし、僕らは君のために犠牲になれて本望だからね!」
ハニー「……あぁ、ははっ。ありがとうございまーす……ロン。今度のクィディッチ、五〇〇点差くらいで勝とう」
ロン「ははは、そんなことしなくても……この分なら、君の父さんと仲良かった先生はホイホイ点数くれるんじゃないか?」
ハニー「本当にそうだろうからいやだよ」
ハーマイオニー「……」
ロン「……」
ハニー「……」
ロン「一日で、二〇〇点」
ハニー「よしてくれ、ロン。不正をしたようなものだから心が痛いんだ、やめてくれ」
ハーマイオニー「そうね。とにかく元に戻ることに全力を注ぎましょう、真剣に」
ハニー「あぁ、そうしてくれると嬉しいよ、ハーマイオニー。でも今まで君はもっともっと点数稼いでるから、大丈夫だから、負けてなんかいないよ、君は最高さ」
ハーマイオニー「どこかに行ってしまったのだものね、校長先生」
ハニー「スネイプの逆鱗に触れてね。そろそろもれなく僕のにも触れそうだけど」
ロン「どこにあるんだい?」
ハニー「少なくとも今君が見ているところではないよ」
ハーマイオニー「ロン、いい加減にしなさい」
ロン「いいじゃないか、減るもんじゃないし」
ハニー「僕の中での君への信用度はだだ下がりだよ」
ロン「リーマス?」
ハーマイオニー「あら、でもシリウスは関与してない悪戯だったんじゃなかったのかしら」
ハリー「うん、だからこそきっと、リーマスは父さん側にいたと思うよ」
ロン「……あー」
ハーマイオニー「……そうね」
ハニー「リーマスだからね、うん。えっと……『僕、女の子になってしまったんです』っと」カキカキカキ
ハニー「そうだね」
ロン「きっとリーマスならいい方法を教えてくれるさ……いや、写真を一枚送ってくれ、だなんて言ってきたりして、ね」
ハニー「よしてくれよ……コリンに頼んだらすっごくいい一枚を撮ってくれそうだけどさ」
ハーマイオニー「そうと決まれば、もう今日はゆっくりしましょうよ。一日気を張りっぱなしだったでしょう、ハニー?」
ハニー「あぁ、そうだね。嫌な汗をかきっぱなしだったさ、主にトイレとか」
ハーマイオニー「あぁ、そうよね。慣れていないところだし……あ、そうよハニー。それなら」
ハーマイオニー「シャワー入りましょう?一緒に」
ハニー「そうだnえっ」
ロン「」
ハニー「ろ、ロン落ち着いてこれ魔女かどうか関係ないよ。は、ハーマイオニー!?」
ハーマイオニー「前々からね、悔しかったのよ。ロンばっかりハリーと一緒なところが、どうしてもいくつかあるもの」
ロン「そ、それは僕が男だから男友達としての特権だろう!?いや、それは今いいんだ!」
ハニー「えぇ、でもさ、ハーマイオニー」
ハーマイオニー「なに?……あ」
ハーマイオニー「当然だけど、私はタオル巻くわ。やだ、ハリーったら」フフフ
ハニー「そんなの当たり前だろう。僕があんまり見られるのは恥ずかしい、っていうのをね……」
ロン「君はいつから男の子にそういうのを見られて、へへへ平気になっちゃったんだいハーマイオニー!そんなのだめだ!ふけつだ!緋色のおべべが…………え?」
ハーマイオニー「」
ハニー「」
ロン「……」
ハーマイオニー「ロン、見損なったわ」
ハニー「ロン……ロナルド。流石にこれは、僕も擁護できそうにない」
ロン「な、なん、なんだよ!!なんだってんだよもう!!!マーリンの髭っ!!髭っっっ!!!!!!!!!」
ハーマイオニー「……悔しいわ」
ハニー「何がさ……あのね、ハーマイオニー。やっぱり僕もタオル……」
ハーマイオニー「ダメよ。存分に拝ませてもらおうじゃないの、ここまできたら」
ハニー「あのさ、君のいい所っていうのはこんなのが無くたって有り余るくらいなだから、何も気にすることは……」
ハーマイオニー「褒めても何も出ないしふくらまないわ、ハニー。さっ、髪から洗ってしまいましょうか。長い髪なんて、洗ったことがないから勝手が分からないでしょう?」
ハーマイオニー「絡まって痛い思いをしたいのなら、ご自由に?」
ハニー「……教えてください、ハーマイオニー先生」
ハーマイオニー「よろしい。それじゃ、シャンプー選びね」
ハニー「適当でいいさ」
ハーマイオニー「ダメよ!そんな綺麗な髪なのにもったいない!私みたいなみっともないボサボサ髪になってもいいの!?」
ハニー「君はみっともなくなんかないけど……えっと、それじゃお任せで」
ハーマイオニー「任されたわ!」
ハニー「楽しそうだなぁ」
ハニー「まず、女子シャワー室にこんなにたくさんのシャンプーが完備されていたことがビックリだよ……」
ハーマイオニー「?男の子もこうじゃないの?」
ハニー「男のところには、黄色い石鹸と軽石だけだよ」
ハーマイオニー「へぇ……割と女の子贔屓なところがあるわよね、ホグワーツ」
ハニー「それを満喫できると思えば捨てたもんじゃないね、ってね……えぇっと、ジニーと同じ?」
ハーマイオニー「えぇ。ジニーって髪、すっごく綺麗でしょう?誰のためかは言わないけれど」
ハニー「? 恋人のためだろう?マイケルの」
ハーマイオニー「さぁ。さて、それじゃ」
キュッキュッ
ハーマイオニー「力を抜いてね、ハニー。大丈夫、きっと気持ちいいわ」
サーーーーッ
ハニー「うわっ、い、いきなり熱いお湯!あつ、あついよ、ハーマイオニー!?」
ハーマイオニー「あ、ごめん!ごめんなさい!すぐに水!」
キュッキュッ
ハニー「た、頼むよもう!あぁ、まだお湯だ馴れてきたけど……あれ?」
ハーマイオニー「?どうかしたの、ハニー?あ、もしかしてどこか火傷した!?み、見せて!」バッ
ハニー「いや、そういうのじゃないんだ……なんだか、身体が……あっ!!!」
ハリー「わっ!も、戻った!戻ったよ、ハーマイオニー!そうか、戻るにはお湯を………………」
ハーマイオニー「」
ハリー「……あ」
キャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!
ロン「何事だい!?」ガチャッ
ハーマイオニー「キャァアアアアア!?!?!?キャーーーーーーー!」
ロン「うわぁあ!?……あー、ハーマイオニー。君って以外と着やせすr」
ハーマイオニー「見ないで見せないで見ないで見せるな見るなああああ!!」
ハリー「み、見せてなんかないだろう!?これは事故で……っ!?こ、今度は冷水に!?ハーマイオニー、水のノズルまで回しすぎで……」
ハニー「…………あ」
ロン「…………」
ハニー「う、あ、あ……」
ロン「……もちのロン、最高さ」
ハニー・ハーマイオニー「「キャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」」
完
シリウス「行かせてくれ!行かせてくれリーマス!!ハリーが野獣の!若さと言う本能に支配された野獣に何かされる前に!!私が保護して隠して愛でないといけないんだぁあああああ!!}
リーマス「シリウス、お座り!!!」
今度こそ、完
そしたら1スレ使い切ってまいそうやからな。こんなもんやろ
女体化ハリーは眼鏡外したら美女のお約束なんやで、当たり前やろ眼鏡やぞ!
ラドクリフお大事に!
じゃあの!
ハリー・ポッターシリーズ
一巻~七巻まで
世界的大ヒット発売中!!
2014年後半 USJにて
ハリポタアトラクション建設決定!!
スマプリで書きたいのが10本くらい溜まってもうたし
ポケスペも発売したから書きたいしな
まぁ何にしてもまたどっかでよろしゅう!
おつ
最高だった!!
いまハリー文庫ででてるんだよな
Entry ⇒ 2012.07.17 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
仗助「殺人鬼倒したし安価で暇つぶしする」
仗助「とりあえず>>5でもすっか」
仗助「一人で行くのもアレだし>>13も連れていくか」
手首「…」
仗助「(み、妙だ…何故こいつ全くしゃべらない…?)」
仗助「そもそも誰の手首なんだ?」
仗助「治してみりゃ分かるか」
クレイジーダイアモンド!
仗助「なんてこった…あの手首は>>20のだったのか…」
仗助「じじい!」
仗助「なんで手首が取れてんだ?」
ジョセフ「それは義手じゃ」キリキリ
仗助「なるほど」
ジョセフ「それより何か用かの?」
仗助「登山に行かないか」
ジョセフ「おk」
仗助「いやー疲れたなぁ」
ジョセフ「年寄りにはキツイわい」ゼーゼー
仗助「途中で崖から落ちそうになってヒヤヒヤしたぜ」
ジョセフ「隠者の紫が無かったら即死だっらなw」
仗助「次は>>26をするか」
ジョセフ「>>35なんてどーじゃ?」
仗助「グレート!ナイスアイデアだぜ、じじい」
とぉるるるるる…
仗助「もしもし承太郎さんっスか?俺っス、仗助っス。」
仗助「ちょいと用が出来たんで杜王グランドホテルのフロントで待ってて貰っていいっスか?じゃっ」ピッ
仗助「これで良し…っと」ニタリ
ジョセフ「わしらがここに来たのはな…承太郎」
仗助「アンタを殺しに来たんスよ、承太郎さん」
承太郎「何だと?」
ハーミットパープルッ!
仗助「安価は絶対だ、死んで貰うぜ~」
クレイジーダイアモンド!
承太郎「やれやれ」
スタープラチナ・ザ・ワールド!
承太郎「何を考えてんだコイツらは」
承太郎「だが二人掛かりはちとキツイな>>48の所に逃げ込ませて貰うか」
承太郎「そして時は動き出す」サッ
仗助「逃げたか!」
ジョセフ「追うんじゃ!」
徐倫「あうー?」
承太郎「しまった、徐倫はまだ赤ん坊だった」
承太郎「モタモタしてる暇はないな、>>57の所に行くか」
承太郎「もちろん徐倫も一緒に」ダキッ
承太郎「刑務所か、まぁこの際何処でも良い」
ジョセフ「ちょっと待てわしが奴の居場所を念写してやろう」ワキワキ
仗助「おぉ」
ジョセフ「むむ…奴はアメリカのグリーン・ドルフィン・ストリート刑務所じゃ」
仗助「アメリカァ!?またスゲーとこに逃げたな」
ジョセフ「なーにアメリカにはSPW財団もジョースター不動産もあるからこちらのテリトリーじゃ、行くぞ仗助」
仗助「グレート…なんてじじいだ…」
徐倫「あう?」
承太郎「どうしようか、お父さん不安になってきたよ」
承太郎「>>67が生きていればな…」
>>67「やぁ」
承太郎「」
1:花京院
2:アヴドゥル
3:DIO
でオナシャス
アヴ「Yes I am!」チッチッ
アヴ「で、どうしたんだ承太郎?」
承太郎「実はな…かくかくしかじかで…」
アヴ「そうか、ジョースターさんとその息子だんが」
承太郎「アメリカまで逃げてきたんだがどうしよう」
アヴ「>>81をしよう」
アヴ「こんな刑務所ではなくSPW財団にでも行きたいところだが…」
承太郎「それはまずい、多分財団はじじい側についている」
アヴ「とにかくここを出よう」
承太郎「少し待ってくれ」
オラァ!
ベビーアナスイ「うわらば」
アヴ「どうした?」
承太郎「いや娘に悪い虫が付く前に排除しただけだぜ 。」
アヴ「?」
財団員「ターゲットが移動を開始しました」
ジョセフ「うむ、ご苦労」
仗助「なんだあのエジプトチックなブ男は?」
ジョセフ「あれはアヴドゥルじゃあないか。死んでなかったのか」
ジョセフ「状況が変わったようじゃ、偵察に>>94を送ろう」
ジョセフ「正直あの二人には勝てる気がせん」
仗助「じじい…」
承太郎「何かくるぞ」
アヴ「炎の探知機に反応は無いが…」
ズダダダダッ
承太郎「スタープラチナ!」
オラオラオラオラオラァ!
承太郎「やれやれ、いきなりマシンガンとはご挨拶だぜ」
シュトロハイム「フッ」
承太郎「こいつ只者じゃあないぜ」
シュトロハイム「私の体はドイツの英知の結晶にして誇りでもあるゥ!貴様らに倒せるかなぁ!?」
承太郎「大方じじいが寄越した部下ってところか、死なない程度にブチのめして色々と喋ってもらうか」
スタープラチナ!
ガシッ
シュトロ「この体はサンタナのパワーを基準にィィィィ作られているのだァァァ!」
承太郎「ぐっ」
アヴ「(サンタナって誰だよ)」
ピカー
承太郎「うおっまぶしっ」
シュトロ「トドメだァァァ!」
承太郎「ちっ、スターフィンガー!」
ザクゥ
シュトロ「何だとォォォ!?」
承太郎「やれやれ、目潰しされるのは二回目だからな」
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラァ!
シュトロ「ぐわぁぁぁぁ」バラバラ
アヴ「そんな身体でも生きてるとかドイツの科学力世界一過ぎだろ」
シュトロハイム:再起可能
承太郎「気がついたか?」ポキポキ
シュトロ「や、やめろ!知ってる事は何でも話す!」
承太郎「物分りが良いな、じゃあ単刀直入に聞く何故じじいと仗助はおかしくなった?」
シュトロ「分からん」
承太郎「そうかい」オラァ
シュトロ「ま、まて話はまだ半分だ。いいかよく聞け」
シュトロ「>>115に>>120というやつがいる!その男が全てを知っている!」
承太郎「そうか、アヴドゥル行くぞ」
シュトロ「(ホッ)」
承太郎「一応連れていくか肉壁くらいにはなるだろう」
シュトロ「えっ」
アヴ「じゃあ向かうはカイロか!あの時を思い出すなぁ。」
承太郎「ポルナレフっぽい頭してる奴もいるしちょうどいいな」
シュトロ「…」
財団員「シュトロハイムがやれました」
ジョセフ「流石に奴ではダメか…」
仗助「(偵察じゃあなかったっけ?)」
財団員「それとターゲットはカイロに向けて移動を開始した模様です」
ジョセフ「カイロか、まぁ良い。我々もカイロへ行くぞ、準備をしろ」
財団員「ハッ」
承太郎「さて町についたし聞き込みを始めるか、たしかミスタという男だと聞いたが」
シュトロ「せやな」ヒョコッ
承太郎「!?」
シュトロ「ドイツの科学力は世界一だからな」(ドヤァ
承太郎「(ナノスキンでも積んでるのか?)」
承太郎「まぁいい、あの喫茶店で聞き込みしてみるか」
承太郎「ミスタという男知ってるか?」
マスター「お客さんここは喫茶店ですぜ、何か頼んでくれないと」
承太郎「それもそうだな俺はアイスティー」
アヴ「私もアイスティーで」
シュトロ「機械油でも貰おうか!」
承太郎「じゃあ全員アイスティーで」
承太郎「ゴクゴク」
アヴ「ゴクゴク」
シュトロ「(解せぬ)」
マスター「すみません、やっぱり知りません…」
承太郎「ハズレか」
>>135「その男なら私が知っている」
承太郎「誰だ?」
ポルナレフ「久しぶりだな二人とも」
アヴ「お前死んだと思ったのになかなか来ないからどうしたと思ってたら幽霊だったのか!」
ポルナレフ「あぁ、ところでミスタに会いたいんだって?」
承太郎「あぁ」
ミスタ「なにやってんだ?ポルナレフ」
ミスタ「色物好きの旅行者に気に入られたか?」
ポルナレフ「彼がミスタだ。口が悪いしワキガだけど根はいい奴だ。ワキガだけど」
ミスタ「?」
承太郎「ジョセフと仗助がおかしくなった原因を知ってるかと聞いたんだが」
ミスタ「そのことか…」
ミスタ「原因は>>145だ。あれのせいでおかしくなっちまった奴がたくさんいる」
承太郎「何だと…」
>>139
徐倫な承太郎の背中で寝てるよ
承太郎「何だそりゃ」
ポルナレフ「俺も初めて聞くな」
シュトロ「…」ソワソワ
シュトロ「はいィィィ!?」ビクビク
アヴ「何故うろたえてるんだ?」
シュトロ「うろたえてなんて無いぞ!ドイツ軍人はうろたえないッ!」
ミスタ「あんたドイツ軍人なら何か知ってるんじゃないか?」
承太郎「あっ」
承太郎「つまりお前の身体を維持するためのメンテナンス料が払えなくなってやむなく>>155に洗脳装置を売って金を調達したと」
シュトロ「そうだ」
ポルナレフ「つまりジョースターさん達を裏で操ってるのは>>155ということか」
シュトロ「そうだ」
アヴ「(知ってんなら最初から言えよ」)
シュトロ「あぁ俺ピンクダークの少年毎回読んでる」
アヴ「(知らねぇよ)」
ポルナレフ「知り合いか?」
承太郎「まぁな。しかしまた杜王町に戻るのか」
財団員「ターゲットが杜王町に向かいました」
ジョセフ「えぇー、わしらようやくエジプト入りしたのに」
仗助「戻るしかねぇぜ、じじい」
ジョセフ「う、うむ…(そろそろしんどいなぁ)」
露伴「ふむ…」カチッカチッ
露伴「仗助の奴とジョースターさんを洗脳装置で洗脳してどんなことするのか観察してやろうと思ったけど」
露伴「このスレを見る限りヤバいことになったぞ…承太郎さんやその他諸々がここに向かってるそうじゃあないか」
露伴「仕方ない、用心棒として>>166と>>170を呼ぼう」
露伴「ジョースターさん達も独自に動いてるようだし多分大丈夫だろう」
カーズ「うむ」
ワムウ「カーズ様、このワムウにお任せを」
露伴「(依頼したのは僕なんだが)」
仗助「まだ承太郎さんは来てないようだぜ、じじい」
ジョセフ「じゃあこの辺で待ち伏せしとるかの」
アヴ「ここが杜王町か」
シュトロ「あれ?あの2人は?」
アヴ「任務があるからって帰ったぞ」
承太郎「せわしい奴らだぜ」
シュトロ「(俺らが言えないだろ)」
仗助「今度こそ逃がさないっスよ~」ガサガサ
承太郎「やれやれお出ましか、アヴドゥルはじじいを頼む。俺は仗助をやる。」
アヴ「ジョースターさんなら相手にとって不足はないな」ボッ
シュトロ「俺は…?」
承太郎「亀とでも戯れとけ」
クレイジーダイアモンド!
承太郎「来な、仗助」
スタープラチナ!
ドラララララララララーッ
オラオラオラオラオラオラオラ
仗助「やりますね」
承太郎「お前もな」
ジョセフ「うむ、まさかお前戦う日が来るとは思わなかった」
アヴ「老いたとはジョースター家の人間の実力、見せて貰いましょう!」
マジシャンズレッド!
ジョセフ「言われずともそのつもりじゃ!」コォォ
ハーミットパープル!
仗助「甘いですぜ」
ガキィ
承太郎「コンクリートでガードしたか…しかし!」
オラァ!
ズガァ
仗助「ぐぅ…!」
承太郎「なまじコンクリートなど使うからだ、破片が食い込んでボロボロだぜ、仗助」
仗助「そうだなぁ…でもあんたの洒落たコートも返り血まみれだぜ」
承太郎「ハッ…しまった!」
クレイジーダイヤモンド!
承太郎「グッ!」
ドスドス
仗助「ハッ、この距離じゃ無敵のスタープラチナでも弾ききれないか!」
仗助「トドメだ、クレイジーダイヤモンド!」
ドララララーッ
承太郎「やられる…」
承太郎「ここまでか…」
ガシィ
仗助「な、なんだコイツは!?承太郎さんのスタンドじゃあない!」
承太郎「何だ…糸…まさか…!」
徐倫「まうー」
承太郎「これは…徐倫のスタンドか」
徐倫「コクコク」
承太郎「そうか、ありがとう。徐倫。」
仗助「シャラ臭せぇぇぇぇさっさと死ねェェェ!」
ドララララーッ!
承太郎「スタープラチナ!」
オラァ!
バキィ
承太郎「終わりにするぜ、仗助」
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラァ!
ドクシャア
承太郎「やれやれだぜ」
承太郎「あぁ、じじいはどうした?」
アヴ「隠者の紫()で私に挑んだのが間違いだったな。消炭にして差し上げた」
ジョセフ「解せぬ」
承太郎「さて、こいつらの洗脳を解くにはどうしたらいい?」
シュトロ「>>196だ」
承太郎「よしきた」ザクッ
仗助「UREEYYYYYY」
ジョセフ「WRYYYYYYY」
承太郎「これで良し。でも邪魔だからここにおいて行こう」
アヴ「おk」
アヴ「おっ、あの家じゃあないか」
承太郎「なんだあの民族衣装を来た奴らは」
シュトロ「なっ、何故あいつらが…」
カーズ「うむ」
アヴ「誰だあいつらは?」
シュトロ「奴らは柱の男。昔俺とジョセフで戦った奴らだ、詳しくは二部参照」
承太郎「そうか…」
アヴ「そうだな」ボッ
シュトロ「いや、ここは俺に任せて先に行け」
承太郎「なんだと?」
承太郎「すまない、助かるぜ」ダッ
アヴ「恩に着る」ダッ
カーズ「ほぅ…仲間を逃がすか」
シュトロ「フフッ」
シュトロ「どうかな」
ワムウ「この者と、戦ってもよろしいでしょうか?カーズ様」
カーズ「フッ、好きにしろ」
ワムウ「ハハッ」
シュトロ「来いィィィィ!」
ズダダダダダダ
ワムウ「このワムウを銃で殺そうなど思い上がりも甚だしい!」シュバッ
ガキィ
グググググ…
シュトロ「甘いわァ!」ズガァ
ワムウ「何ィ!?」
シュトロ「60年間の技術の蓄積は伊達ではなかろう?」
シュトロ「それに今のパワー基準は現在のサンタナに合わせてあるッ!サンタナのパワーよりも貴様のパワーが弱いだけではないのかなァァァ?」
ワムウ「ぐッ、舐めるな!」
ズガァ
シュトロ「無駄無駄ァァァ」
シュトロ「そしてェ!紫外線照射装置ィィィィィィ!」
ビカー
ワムウ「う、うわぁぁぁぁぁ」ピキッ
カーズ「なんだと…?」
シュトロ「次は貴様だ」ウィンウィン
シュトロ「究極生物でも無い貴様など取るに足りん!喰らえェェェェ!」
ビカー
カーズ「なっ、バカなァァァァァァ!」サラサラ
シュトロ「たまには俺が活躍すSSもあってもいいだろ。さて、あいつらはもう平気だろうし俺はドイツに帰えるとするか」
承太郎「さてそろそろ年貢の収めどきだぜ」
アヴ「観念してもらおうか」
露伴「ぐぬぬ」
露伴「(まずいな…ここは一か八か>>220をするか…!)」
1:天国の扉で応戦
2:素直にワビ入れる
どっちかでオナシャス
露伴「天国の扉ッ!」
承太郎「しまった!」ガバッ
アヴ「なんだ?」
露伴「ニヤリ」
露伴「フフフ」
承太郎「くっ…」
露伴「とりあえず岸辺露伴には攻撃出来ないっと、あと岸辺露伴が攻撃されたら焼身自殺しますっと…」サラサラ
承太郎「くっ…」ズリズリ
露伴「まぁいいや、出てくるまでこいつに何かするか」
露伴「とりあえず>>233と書きこむか」
アヴ「なんだか無性にパチンコがしたくなってきぞ」
露伴「フッ、じゃあ次は>>241だ」
アヴ「うわっ、体が勝手に」
露伴「そしてこの矢を>>249してみようか」
アヴ「うわっ」ザクッ
シュウウウウウウ
承太郎「何てこった」
露伴「これが僕の天国の扉・鎮魂歌か」
アヴ「どんな能力なんだ…?」
露伴「>>257さ」
露伴「フフ、ハハハ!」
露伴「これで僕は全てを思い通りに出来る!」
露伴「手始めに承太郎さん、あなたの設定を>>265にしましょうか!」
承太郎「わ、私何で男物のコートなんて着てるの?それに下着も…」
アヴ「そんなバカなwwwwwww」
露伴「フフフ」
>>270
難しいことは考えてないれす^p^
承太郎「えっ」
徐倫「えっ」
露伴「ドヤァ」
承太郎「えい///」オラオラオラオラオラァ
徐倫「まうー」 オラァ
露伴「ひでぶ」
ズザァァァァァ
岸辺露伴:再起不能
アヴ「あぁ…」
徐倫「まうー(親父いつの間に戻ったのかしら)」
第774部完
荒木「帰れ」
つーことで終了です
長丁場でしたが読んでくれた方々、安価してくれた方々、本当にありがとうございました。
乙
乙!
Entry ⇒ 2012.07.17 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
理樹「あれ、鈴なにしてるの?」 鈴「!?」フカーッ
理樹「な、なんなのさ急に怒って…」
鈴「なんでもないっ! フカーッ!!」
理樹「いや、そんなあからさまな態度とられても」
理樹「…ん? 手紙?」
鈴「!!?」
鈴「ちっ…」
理樹「ち?」
鈴「違うわぼけー!!」
理樹「うっ脳天チョップが僕に炸裂…」
鈴「理樹のあほーっ!」ドタバタ
理樹「うーん…」
恭介「気づいたか、理樹」
理樹「あ…恭介。来てたんだ…」
恭介「虫の知らせを感じたからな」
理樹「あはは…ほんと超能力者みたいだね」
恭介「なにがあった? 部屋に来てみればお前が気絶していてびっくりしたぞ」
理樹「…」
理樹「…あれ?」
恭介「もしかして思い出せないのか?」
理樹「うん…そうみたいだ」
恭介「うーむ、よっぽどの衝撃を受けたのか…」
ガチャ
真人「筋肉筋肉ー♪」キンニクキンニク
謙吾「理樹、邪魔するぞ」
恭介「って、真人。お前今までどこほっつき歩いてたんだ。理樹が大変だったんだぞ」
真人「ん? ちょっと校舎の壁でロッククライミングにハマっちまってよ」
恭介「…」
謙吾「恭介、理樹がどうかしたのか?」
恭介「ああ。少し前に来てみれば理樹が白目ひん剥いて口を泡まみれにしててな」
理樹「僕そんなにひどい状態だったの!?」
理樹「嘘なら言わないでよ…」
真人「理樹はカニになったのか?」
理樹「ほら! 誤解する筋肉が出てくるじゃないか!」
謙吾「真人、そんなわけないだろう? 理樹の手を見てみろ、ハサミをもっていないじゃないか」
理樹「そこは区別のポイントじゃないからね!」
真人「確かに、赤色でもないな」
理樹「もういいから!」
真人「おい…もしかして、理樹が誰かに殴られたってことなのか?」
恭介「そうと決まったわけじゃない。が、理樹にそのときの記憶がない以上否定もできないな」
謙吾「別に部屋は荒らされてないな。強盗の線はないか」
理樹「まあ、ここは警備がしっかり行き届いてるし」
謙吾「貴重品は無事か?」
理樹「ああ、財布は僕の机に置いてあるし。強盗はないよ」
恭介「ふむ…」
…なんかものものしい雰囲気になってきたぞ。
真人「ばっかやろう! 理樹が危険な目に遭ったんだぞ! 真剣になるだろうが!!」
理樹「ま、真人…」
真人…変なところで必死になるんだから。全く、これだから真人は…。
真人「まっ、ノート見せてくれないと俺が困るしな」
理樹「僕の感動をむげにしないでよ!」
謙吾「まあ…単に理樹が転んで頭を打ったと考えられるのが相応か」
理樹「あーうん…僕もそんなところだと思うよ。僕には強盗に襲われたりする理由なんかないし」
恭介「…」
理樹「恭介も、そんなに考えることないって」
理樹「えっ?」
恭介「俺らが集まるとき、いつもあいつだってやって来るだろ」
理樹「それは…そうかもしれないけど」
謙吾「神北辺りとでも遊んでるんじゃないか? 鈴もいろいろ、女子との付き合いもあるだろう」
恭介「ああ。鈴も人見知りしなくなったしな。大分成長した」
真人「…の割には、納得してないみたいだな」
恭介「あいつを呼んでみるか」
恭介「…ふぅ」
理樹「不在みたいだね」
恭介「仕方のない妹だな。俺が捕まえに行ってくる」
理樹「え? いや、そこまでしなくても」
恭介「ダメだ。俺が許さん」
恭介は鈴が関わっていると確信しているようだ。
恭介「5分ほど待ってろ」
理樹「え、ああ…うん」
鈴「フカーッ!!」
真人「おいおい…5分きっかりかよ」
謙吾「さすが、恭介だな」
理樹「なんで二人とも時間なんて計ってるのさってツッコミはおいて…」
恭介「そら、鈴。理樹に言うことがあるんじゃないのか」
鈴「あ、あたしは知らんっ!」
恭介「…ったく」
恭介「おい、そこの大男共。しばらく席外すぞ」
真人「なにぃ?」
謙吾「どういうことだ?」
恭介「いいから、ほら。俺にジャンケンで勝ったらメシおごってやるから」
真人「お、おい! それ本当なんだろうな!?」
真人がメシに釣られている…。
恭介「…それじゃあな。理樹。頼むぞ」
恭介「ほら、謙吾いくぞ」
謙吾「俺はメシに釣られたわけじゃないぞ」
恭介「ああ、分かってるから」
…バタン
鈴「っ!!」
恭介「おっと、言い忘れていたが」ガチャ
鈴「!?」
恭介「お前が話つけるまで、この部屋から出るの禁止な」
さすが恭介…完全に鈴の行動を把握している…。
恭介「んじゃな」バタン
鈴「…」
理樹「…」
理樹「えーと…」
鈴「…」
理樹「鈴は僕が気絶してたの、知ってたの?」
鈴「きっ気絶したのか!?」
理樹「え?」
鈴「あっ…う」
理樹「ん?」
鈴「ーっ! ごめん、理樹!」
理樹「ちょ、ちょっとどうしたの? いきなり謝って…」
鈴「あたし…さっきまでこの部屋にいた…」
理樹「え?」
鈴「だけど、ちょっと恥ずかしかったからお前にチョップしたんだ」
理樹「ま、待って鈴。話が飛躍してるから」
鈴「そ、そうか…すまん」
理樹「ええと。僕の部屋に来てたんだね」
理樹「それで、恥ずかしいってことは…僕が、何かしたってこと?」
鈴「ーっ!」
みるみる顔が赤くなる。よほどハレンチな行為をしたのだろうか…僕は。
理樹「それだったら、謝るのは僕の方だよ。鈴に恥ずかしい思いをさせてごめん」
鈴「り、理樹は悪くないんだっ。あたしが、その…」
ゴニョゴニョと口ごもらせる。
理樹「言いたくないんだったら、もちろん言わなくても」
鈴「てっ…」
鈴「手紙…書いてた」
鈴「そう…手紙だっ」
理樹「…ここで?」
鈴「うんっ」
普通、手紙は自分の部屋で書くのでは…と思ったが鈴はそこでは集中できないタイプなのかな。
理樹「自分の部屋じゃダメだったんだね?」
鈴「あたしも手紙書き始めて思った。あたしの部屋で書いた方がよかったな」
理樹「あ、そう…」
理樹「…それじゃ、僕が手紙の内容でも見た、とか?」
鈴「備前だ」
そのギャグ、激しくデジャヴュを感じるがここはスルーしておこう。
理樹「そっか…。それなら、やっぱり僕が」
鈴「違う! 悪いのはっ…言い出せない、あたしだ…」
鈴「理樹っ!」
勢いよく差し出された両手。その小さくか細い指に、手紙が挟み込まれていた。
理樹「え…僕に?」
鈴「よッ読んで、くれ」
声が裏返るほど緊張しているなんて、鈴らしくない。一体何が書かれて…。
「理樹へ
いつもあたしと一緒にいてくれてありがとう。
お前は昔からあたしの味方でいてくれたな。うれしかった。
これからも、一緒にいてくれ。
鈴」
鈴「…」
耳まで真っ赤にさせて俯く鈴。一瞬、ただの感謝の手紙かと思ったけどそうじゃないみたいだ。
理樹「鈴…」
理樹「…ぷっ」
思わず笑いだす。だってあの時は、僕の方がドギマギしてたのに…。
理樹「…鈴」
鈴「理樹…」
理樹「ありがとう、鈴。すごくうれしい」
鈴「!!」
理樹「その、これからもよろしくね」
鈴「理樹、それはつまり…」
理樹「う、うん。もちろん…」
???「おい、馬鹿押すなよ!」
???「仕方ねーだろ! 聞こえないんだよ!」
???「ふええ、ケンカしないでえ~」
ドアの方から、なにやら聞きなれた声がする…。
鈴「…」
鈴が思いっきりドアを開けると、雪崩のように人が流れてきた。
真人「いってえな! ドア開けるなら言えよ先に!」
小毬「い、いたいですう~…」
謙吾「まったく、お前の暑苦しい筋肉が邪魔になってることに気付かないのか」
真人「んだとお!」
クド「こ、小毬さん…私からどいて下さると助かるのですが…きゅう」
小毬「く、クーちゃんごめ~ん」
恭介「…ったく、しょうがねーなお前ら」
恭介「悪いな理樹。密かに耳を欹てていたんだが、そこの筋肉が暴れだしてな」
恭介「…鈴」
鈴「…恭介」
恭介「ふ。さすがは、俺の妹だ」
理樹「え…恭介、やっぱり全部知ってたの?」
恭介「いいや。だが、最近の鈴の様子で容易に判断できた」
恭介「コイツ、お前と話すとき馬鹿みたいにテンパってたからな」
鈴「だっ…誰がテンパるか! このバカ兄貴!!」
恭介「まっ、ともあれハッピーエンドってやつだ」
恭介「そうだろ? きょーだい」
理樹「なっ…」
小毬「鈴ちゃん、おめでと~」
クド「リキも、おめでとうございますです! お幸せになって下さいねっ」
鈴「う…」
理樹「…」
二人とも急に黙ってしまう。だって、しょうがないよ。
真人「なんだ、鈴は理樹が好きだったのかよ」
謙吾「この期に及んで何を言ってるんだお前は」
真人「あれ? ちょっと待てよ…。理樹と鈴が結婚したら、俺がこの部屋から追い出されるじゃないか!!」
鈴「けっ…!?」
鈴「このっ…しねーーーっ!!」
真人「ぐわああああっ!?」
鈴「理樹、行くぞっ」
理樹「…うん!」
僕らの物語は、ここから始まるんだ。
理樹「あ、クド。おはよう」
クド「おはようございますです」
理樹「今朝はヴェルカとストレルカの散歩かあ」
クド「はいっ。もう、元気いっぱいで困りますよ」
佳奈多「…コホン」
理樹「あ、二木さん…おはよう」
佳奈多「あなた、今の今まで気づいていなかったでしょう」
理樹「そ、そんなことは…」
佳奈多「まあいいわ。行きましょう、クドリャフカ」
クド「あ、待ってくださーい」
クド「リキ、また教室でー!」
理樹「うーん!」
謙吾「やべっ、英語の辞書を忘れてしまった」
理樹「またなの謙吾…って、謙吾が!?」
謙吾「しようがない、二木から借りてくる」
理樹「い、いってらっしゃい」
模範生・宮沢謙吾は一体どこにいってしまったんだろうか…。
クド「リキー」
理樹「あ、クド。お疲れさま」
クド「はい!」
理樹「?」
クド「え…?」
クド「ちょっ…リキ…!?」
理樹「はい、糸くずついてたよ」
クド「あ、糸くず…。はい、糸くずですねっ…。これは、糸くずなのです」
なんか糸くずを連呼している。面白い。
理樹「あれ? 謙吾、辞書は?」
謙吾「今日は、英語の授業がないそうだ…」
理樹「…ざ、残念だったね」
謙吾「無念だ…」
理樹「まあ、他のクラスもあるし…」
謙吾「そうだな…」
二木「宮沢」
理樹「あれ、二木さんだ」
謙吾「お、おお! これだ! これがあれば生きていける!!」
二木「…あなた、そんな性格だったかしら…?」
理樹「あまり突っ込まないであげて」
二木「そ、そうするわ」
クド「佳奈多さんは義理堅いのです」
二木「そんなんじゃないわ。気が向いただけ。それじゃあね」
二木さんも初対面のときとは性格変わったような…。
恭介「あー、なんか最近つまんねえ」
理樹「どうしたのさ突然…」
鈴「また馬鹿が始まったのか?」
恭介「どーしたもこーしたもねーよ! あと、馬鹿はお前だ鈴!」
鈴「なにぃ!?」
謙吾「兄妹喧嘩はそこまでにしろ。で、恭介。何が言いたいんだ」
恭介「何か…燃える勝負がしたいんだよッ…!」
真人「野球があるじゃねーか」
恭介「野球だとぉ? ハッ!」
恭介「…ああ。いいな、野球」
理樹「鼻で笑ったの忘れてる!?」
恭介「もちろん、野球はいい。というか、バスターズはもはや野球チームだしな」
恭介「そうだろ、お前ら!」
理樹「うーん…」
鈴「お前一人でやってろ」
真人「ああー、味噌汁うまいな! おかわりしようっと」
恭介「てめーら、真面目に答えろ!」
謙吾「恭介…! お前ってやつは…!」
謙吾「俺も全く同じことを考えていたんだ! 今の生活には刺激が足りない!」
恭介「おお! そうだ謙吾! お前は分かってるな!」
謙吾「何をするんだ?」
恭介「そこは我がバスターズのリーダー、直枝理樹氏の出番だ」
理樹「って、僕!?」
恭介「頼むぞ理樹。お前が引っ張っていくんだ」
理樹「リーダーは恭介でしょ…全くもう」
恭介「くく、文句いいつつも案を捻り出す理樹か」
理樹「茶化さないでよ…えーと」
クド「リキー!」
理樹「あれ? クド」
葉留佳「私もいますヨー!」
理樹「葉留佳さんも?」
クド「お願いしますっリキ!」
葉留佳「ちょーっと付き合ってくれますかネ?」
理樹「何か用?」
葉留佳「まあまあ、来れば分かる、来れば分かりますよぉ」
理樹「嫌な予感しかしないんだけど」
クド「リキ…」
それでも、クドがいるならそんなに厄介なことでもないかな。
理樹「ごめん、みんな。ちょっと行ってくるよ」
恭介「おい! お前は友情より女を取るのかよ! そんな風に育てた覚えはないぞっ!」
理樹「すぐ戻るから、ね?」
鈴「よし、行ってこい理樹」
葉留佳「ふっふっふ。聞いて驚け見て笑え!」
クド「実はですね…」
来ヶ谷「こういうことなのだ少年」
理樹「うわ!?」
突然、段ボールから飛び出てきたのは来ヶ谷さんだった。
来ヶ谷「ふむ。理樹君は驚きすぎだな」
理樹「こんなところに人が潜んでるんて思わないって…」
葉留佳「理樹君ありがとー。それじゃ、もう帰っていいよ」
理樹「こ、これだけのために呼んだのっ!?」
呆れてものも言えない。
来ヶ谷「はっはっは。理樹君。最近は退屈していたのだろう?」
葉留佳「ていうか、私も退屈してますよ姉御ー」
僕を元気づけるために…って、美談にしようとしてる!
クド「リキ、ちょっといいですか」
理樹「何?」
クド「あのっ、放課後…予定ありますか?」
理樹「別にないけど…」
クド「それでしたら、私とその…あの、嫌でなければそのぅ」
理樹「ああ、うん。分かった。放課後に何か手伝ってほしいことがあるんだね」
クド「あ…そうなんです!」
理樹「オッケー。覚えておくね」
クド「あ、それと…なんか、ごめんなさい、なのです…」
理樹「いや、クドはそんな関係ないしねぇ…」
クドと放課後に付き合うことになった。
恭介「理樹ぃぃぃぃ」
理樹「うわ、恭介」
恭介「ひどいじゃないか、俺たちを置いて…結局戻ってこなかった」
理樹「ああ…忘れてた」
恭介「おい!」
理樹「ああ、それと今日は予定入ってるんだ。僕は遊べないからね」
恭介「なっ…なんだよ、それ…」
理樹「なんだと言われても…」
恭介「ハハ…理樹が…理樹が遠くに行っちまう…」
落ち込んでいるが、一過性のものだろうし放っておこう。
それよりもクドだ。
理樹「クド」
クド「あ、リキ! 覚えていて下さったのですね!」
理樹「そりゃ、まあ」
理樹「なるほど。荷物持ちね」
クド「あ、そんなに重いものではないのです! リキに選んでもらいたかったので…」
クド「お茶っ葉なのです」
理樹「お茶?」
クド「はい!」
理樹「分かった。僕はあまり詳しくないけど、それでよければ」
クド「あ、ありがとうございます!」
恭介「理樹…理樹…」
理樹「色んなお茶があるんだなぁ」
クド「リキはどれがお好みですか?」
理樹「そうだな。やっぱり飲みやすい…ほうじ茶とかかな」
クド「それならこちらのこぅなーですね」
クド「…はっ! 今の発音、ねいてぃぶっぽくなかったですか!?」
理樹「う、うん。ぽかったね」
クド「わふーっ! リキに褒められたのですー」
楽しそうだな、クド。
…しばらくしてほうじ茶と煎茶を買って店を出た。
理樹「うん?」
クド「まだお時間、よろしいでしょうか…?」
理樹「うーんと」
まだ夕方の5時前だ。僕も予定なんかないし、素直に応じよう。クドだし。
理樹「大丈夫だよ」
クド「それなら、これから行きたい場所があるのですが…」
理樹「部室?」
クド「あ…はい、そうです!」
買った茶葉をさっそくふるまいたいのだろうか。
理樹「うん。行こう」
クド「ハイ!」
理樹「へえ…そうなんだ」ズズ
クド「いかがでしょうか?」
理樹「うん、おいしいな。さすがクド」
クド「ありがとうございます」
理樹「さて、そろそろ門限かな」
クド「あ…もうですか」
理樹「それじゃあね、クド。今日はありがとう」
クド「あ…待ってくださいっ」
理樹「え?」
クド「あのっ…もしよろしければ…」
クド「これからも、お願いしてもよろしいでしょうか…?」
理樹「僕でいいならもちろんだよ」
クド「あ…リキ…」
クド「…ありがとうございます、です…」
理樹「?」
何故か、顔を伏せるクド。変なことは言ってないはず…。
理樹「また明日、学校でね」
クド「はいっ…また明日、です…」
クド「…リキ」
理樹「あ、クド。おはよう」
クド「! り、リキ…おはようございますです」
クド「そっそれでは失礼しますです、はい」
理樹「…」
パタパタと教室に入っていく。なんか避けられてるような…。
鈴「理樹っ」
理樹「え? あ、鈴か…」
鈴「どうした、最近元気がないぞ」
理樹「いや、そんなことないよ」
鈴「あるっ。あたしには分かる」
う…鋭い。幼馴染は分かるものなんだなぁ、やっぱり。
理樹「ありがとう、鈴。でも、大丈夫だから」
鈴「…あまり無理するな」
理樹「うん」
クド「…リキ」
理樹「遠慮しておくよ」
謙吾「理樹、最近学食で新しいメニューになった『激辛麻婆丼』、挑戦してみないか?」
理樹「いや、辛いものはそんなに…」
鈴「…理樹」
大丈夫とは言ってもやはり気にしている。その姿を見て、僕の仲間が心配している。
どうにかしなくちゃ。
理樹「…クドだ」
クドが見えた。そう、僕はクドと普段通りにいってないからわだかまりになっているんだ。
自覚はないけど…原因があるはずだ。
理樹「僕、ちょっと行ってくるねっ」
クド「え…?」
クド「リ…リキ…!」
理樹「クド…ちょっと、いいかな」
クド「えと、その、ええと…! …わふー…」
理樹「あのさ、…最近、なんというかいつもと違うというか」
クド「!」
理樹「たぶん、あの放課後の一件からだよね…」
クド「あの、それはっ…!」
クド「…わふ」
理樹「クド…」
クド「…ごめんなさいです、リキ。私が、私が…」
クド「…」
理樹「ただ、ちょっと避けられてるなって気がしてさ」
クド「わふっ!」
理樹「もしかして嫌われるようなことを」
クド「き、嫌いなんかじゃありませんっ!」
理樹「うわっ…クド?」
クド「私はっ…私は…っ!」
クド「リキのことが好きなんですっ!」
クド「リキ…リキ…ッ!!」
理樹「ク、クド…!」
クド「リキ!」
理樹「クド!」
美魚「こっ…これは一体…」
理樹「え!?」
クド「わふ!?」
僕らの目の先には西園さんがそびえ立っていた。
美魚「直枝さん…意外と大胆ですね…この衆人環視の中…」
衆人環視どころか、この廊下には3人以外ひとっこ一人いない。
美魚「見られるのが好き…ということなのでしょうか。その年で、そんなマニアックな…」
なんか誤解されまくってるぞ。
理樹「いや、違うからね何から何まで」
美魚「という冗談はさておいて」
美魚「直枝さん。彼女が心配そうに見詰めていますよ」
理樹「あ…」
クド「リ、リキ…」
心配というか、怯えているといった方が正しい。さっきの告白は勢いで言ったみたいだ。
美魚「さぁ、直枝さん。レディを待たせるものではないですよ」
理樹「分かってるよ…コホン」
理樹「クド」
クド「わふっ…」
理樹「クドとあまり話せなかったこの数日間、僕は傍目から見ても落ち込んでいたんだ」
理樹「クドといつも通りに過ごせない…今まで当たり前だったことが取り払われたとき、それは苦しいものなんだって分かっていたはずなのに」
理樹「いつの間にか、クドの存在は僕の中で膨らんで膨らんで…かけがえのないものになっていったんだと思う」
クド「っ…」
理樹「クド…僕も好きだったんだ」
クド「リキ…」
理樹「クドの方から言わせちゃって、ごめんね。…もっと早くに気づいていれば」
クド「…いいえ、リキ」
クド「私…とっても嬉しいです…!」
クド「リキ…大好きです」
理樹「僕も…好きだよ」
僕らは自然と顔を近づけ…クドの、小さて柔らかそうなくちびる目がけ…。
その先に、やはり西園さんがいた。
美魚「ひゅーひゅー」
理樹「からかわないでよっ!」
美魚「これは失礼。しかし、わたしも祝福するべきでしょう。おめでとうございます」
理樹「あ、うん…」
クド「…んーっ……?」
クドがさっきからくちびるを突き出しているものだから、ついおかしくて笑いがこぼれてしまう。
クド「え…?」
理樹「あはは、クド、いつまでやってるの」
クド「はっ! リ、リキっ!? ひどいですー!?」
キスは当分お預けかな。それでも僕は、最高の幸福を手に入れた。
続きはよ
>>110
理樹「え? 来ヶ谷さん?」
来ヶ谷「ちょうどよかった。今から私に付き合え。ちなみに、拒否権はない」
理樹「ちなみにもなにも、どうせいつものことだし…」
来ヶ谷「ん? 何か言ったか少年」
理樹「はいはい…分かりましたよ」
来ヶ谷「うむ。物わかりがいい子は好きだぞ」
理樹「…で、今日はなに?」
来ヶ谷「ああ。本日の議題は…コレだッ!」
理樹「…はい?」
来ヶ谷「書いてある通りだ。読んでみるといい、理解が早まるぞ」
理樹「…」
来ヶ谷「む…どうした、理樹君。何か不満か?」
理樹「不満しかないよ…」
奪還て。
理樹「…まず、なぜ小毬さん…?」
来ヶ谷「面白そうだからだ」
理樹「うん、まあそういうと思った…我ながら情けないことに」
来ヶ谷「ほう、私の考えが分かるのか。大したものだな」
理樹「…で。パンツって」
来ヶ谷「面白そうだからだ」
理樹「…」
うーん、今日はいつにもまして疲れる。
来ヶ谷「ふっふっふ。少年、こんな言葉を聞いたことはないだろうか」
うわあああ、次に来ヶ谷さんが言う言葉が分かってしまう!
来ヶ谷「お前のものはおれのもの」
来ヶ谷「おれのものもおれのもの」
理樹「…絶対言うと思ったよ」
来ヶ谷「ほう。これも分かったのか。なるほど…」
来ヶ谷「…私と理樹君は、とても相性がいいのかもしれないな」
理樹「なっ…」
来ヶ谷「ふっ。別に深い意味はないぞ?」
理樹「わ、分かってるよ!」
理樹「え? 珍しいね、やめてくれるんだ」
来ヶ谷「私一人でやってみせる」
理樹「絶対だめだよっ!」
来ヶ谷「全く…理樹君、最近ノリが悪くなっているだろう」
理樹「僕は悪乗りなんかするタイプじゃないよ…」
来ヶ谷「それなら別の案を出せ、理樹君」
理樹「そんな、いきなり言われたって」
来ヶ谷「早くしないと、小毬君の下へ向かっていくぞ」
理樹「やめなって! ああもう、それじゃ今日は僕と一日、付き合ってもらう!」
来ヶ谷「なっ…」
理樹「これなら文句ないでしょ…って、来ヶ谷さん?」
理樹「…あの。来ヶ谷さん?」
来ヶ谷「…分かった」
理樹「えっ」
来ヶ谷「今日は、理樹君と一緒だ」
理樹「え、あ…うん」
来ヶ谷「…」
理樹「…」
あれ、僕何かまずいこと言っちゃったんじゃ…。
来ヶ谷「理樹君。君が言い出したんだ。ちゃんとエスコートしてもらわないと困る」
理樹「う、うん。そうだけど」
来ヶ谷さんの雰囲気が突然変わったような…。
理樹「それじゃまずは外に出ようか…」
来ヶ谷「ああ」
理樹「…?」
おかしい。いつもの来ヶ谷さんとは明らかに違って見える。
こんなに大人しい来ヶ谷さんは初めて見た。
来ヶ谷「…で、それからどこに行くんだ?」
理樹「うーんと…」
行き先って言ってもこの辺だと商店街しかないしなぁ。
…仕方ない、行こう。
理樹「あはは…僕がもう少しお金もちだったら良かったんだけどね」
来ヶ谷「いや…これはこれで趣があっていい」
理樹「そう言ってくれると助かるよ」
さっきから来ヶ谷さんを見てるとどうも落ち着かない様子でいる。
いつも大胆不敵かつ冷静沈着な来ヶ谷さんとは想像もつかない。
そして、そんな来ヶ谷さんを見て僕はちょっと可愛いなって…って僕は何を考えてるんだっ。
来ヶ谷「…ん。そうだな」
理樹「じゃ、そこのファミレスに入ろう」
………………
店員「ごゆっくりどうぞ~」
理樹「…ふう」
来ヶ谷「…ふぅ」
理樹「来ヶ谷さん、何だか疲れてない?」
来ヶ谷「大丈夫だ」
理樹「そう? それにしてはいつもより元気が…」
来ヶ谷「大丈夫だ。それより理樹君の方は」
理樹「僕?」
来ヶ谷「…私といて、つまらないんじゃないのか?」
理樹「え? いや、そんなことないよ。むしろ楽しいよ」
来ヶ谷「!」
理樹「全然退屈しないからね、来ヶ谷さんと一緒だと」
来ヶ谷「…そうなのか」
理樹「まあ、いきなり小毬さんに突撃ー、とかされると困るけどね」
来ヶ谷「…ん」
…本当にどうしたのだろう。あまりにも普段と違いすぎる。
何か、温かいものでも頼もうかな。
来ヶ谷「り、理樹君。お腹が空いているだろう。おねーさんが特別におごって…」
理樹「え?」
その刹那、互いの手が触れ合った。思っていたよりずっと、来ヶ谷さんの手は温かい…。
いや、熱いくらいに火照っていた。
来ヶ谷「っ!?」
いきなりのことに驚いたのか、手を引っ込める来ヶ谷さん。
理樹「あ…ごめん」
来ヶ谷「い、いや…私の方こそ」
理樹「来ヶ谷さん、本当に大丈夫?」
来ヶ谷「り、理樹君…」
理樹「あ、うん」
来ヶ谷「私も…」
来ヶ谷「理樹君と一緒にいると、楽しいぞ…」
理樹「っ!」
ドキリとした。来ヶ谷さんがそんなことを言うとも思ってなかったし…
それに、こんなに顔を紅潮させるなんて。
…これじゃまるで、告白だ。
来ヶ谷「…い、言っておくがな」
来ヶ谷「きょ、今日に限ったことでもないからな…」
理樹「う、うん…ありがとう」
何だかとてもドキドキしてきた。
理樹「僕も、今日だけじゃなくてさ」
理樹「いつも、いつでも僕らを楽しませてさ」
あれ…なんだろう、僕。
理樹「破天荒だけど、やっぱり楽しさが溢れてて」
勝手に口が動いて…。
理樹「そんな来ヶ谷さんに憧れてて…」
言葉が紡がれる。
理樹「…ああ」
うん。確信した。
理樹「僕、来ヶ谷さんが好きなんだ」
理樹「…ごめん来ヶ谷さん。いきなりこんな…」
来ヶ谷「……」
理樹「…」
来ヶ谷「…全く、理樹君には敵わないなっ」
理樹「っぷ!?」
来ヶ谷さんは突然僕を抱きしめてきた!
理樹「…っ!?」
来ヶ谷「私もっ!」
来ヶ谷「君がっ! 理樹君が好きだっ!」
理樹「…!」
来ヶ谷「理樹君! 理樹君!」
理樹「ぎゅう…」
結局、僕たちは相思相愛だった。
その事実を確認できた僕は、来ヶ谷さんの胸に圧迫されるというご褒美のような苦しみで意識を失った。
…………
来ヶ谷「…理樹君」
理樹「…ん」
来ヶ谷「…! 気づいたか、理樹君」
来ヶ谷「すまない、理樹君…私としたことが、つい舞い上がって」
理樹「…来ヶ谷さん」
来ヶ谷「強く締め上げすぎた。もう少し加減をしなければ…」
理樹「…僕たちは、恋人同士でいいんだよね?」
来ヶ谷「なっ…!? なにを突然!!」
理樹「よかった…これが夢だったら、また気絶してたよ」
来ヶ谷「…っ! あ、あまり恥ずかしいことを言わせるなっ! 馬鹿っ!」
理樹「ふふ…さっきから思ってたけど焦ってる来ヶ谷さん、可愛い」
来ヶ谷「ーっ!」
いつも人のことは弄りまくるくせに…自分が攻められると結構脆いんだなぁ、来ヶ谷さん。
理樹「来ヶ谷さん」
来ヶ谷「な、なんだ!」
理樹「これからも、よろしくね」
来ヶ谷「……」
来ヶ谷「…ああ」
来ヶ谷「これからは、ずっと一緒だからな。覚悟しろ、理樹君」
理樹「…お手柔らかに」
どうするのこれ
真人「よっしゃ、今日は何食おうかなーっと」
謙吾「お前、そんなに昼飯が楽しみなのか」
真人「ったりめーよ! 謙吾っちは楽しみじゃねーのかよ」
謙吾「そんなもの…楽しみに決まってるだろうっ!」
理樹「二人とも、早く席に座ろうね。邪魔だからね」
鈴「謙吾も馬鹿がいたについてきたな」
馬鹿がいたにつくものとは思わなかったよ…。
恭介「よう、お前ら」
理樹「恭介」
恭介「授業お疲れさん。今日の放課後はバスターズの練習試合だからな、しっかり栄養補給しておけよ」
理樹「うん」
恭介「お前らは何食べるんだ?」
真人「『激辛麻婆丼』ってのがうまそうだな」
謙吾「やめておいた方がいいと思うぞ、それは」
真人「あ? 何でだよ」
謙吾「その『激辛麻婆丼』はあまりの辛さで、完食できる生徒は一人しかいないらしい」
真人「何だとぉ!?」
恭介「俺も挑戦してみたんだが…途中でタラコくちびるになってな。あえなくリタイアだ」
理樹「へぇ、恭介もダメだったんだ」
恭介「想像を絶する辛さだな、ありゃ」
鈴「どーせお前のことだから、その生徒にカツアゲでもしにいったんだろ」
恭介「誰がカツアゲなんてするか! 21世紀だぞ、今は!」
理樹「でも恭介…話は聞きに行ったんじゃないの?」
恭介「いーや、この件は手つかずだ。どうも、入っちゃいけない領域のような気がしてな」
理樹「ふーん…」
恭介「ま、パンドラの匣ってやつだな」
理樹「パンドラ、ね…」
真人「決めた! 『激辛麻婆丼』頼むぜ!」
理樹「話全く聞いてない!!」
恭介「いいよ。好きにさせておけ」
鈴「アホだな」
理樹「…それにしても恭介が全く動かないなんて珍しいね。そんな変な噂があったらすぐに飛びつくはずなのに」
恭介「さっきも言った通り、これは触れちゃいけない気がするのさ」
恭介「理樹、お前も深入りすると、大変なことになるかもしれないぞ?」
理樹「う…」
…まるで僕の心を見透かすように釘を刺す。でも恭介のこの言い方…引っかかるな。
まあ、保留にしておこう。
…真人は案の定、ヒィヒィ泣きながら極悪料理と格闘していた。
恭介「野球部相手に14-0、完封勝ちか。もはや敵なしだな」
理樹「なんていうか、ホントリトルバスターズってめちゃくちゃだよね…。野球部に申し訳ないよ」
恭介「なーに言ってやがる。6打数6安打、2ホーマーのお前が言うセリフじゃないな」
理樹「まぐれだよ、まぐれ」
理樹「それに、鈴の方がすごいよ。野球部に対して散発の2安打、2塁も踏ませない好投だったから」
鈴「ふにゃっ!」
恭介「おう、なんだこいつ。照れてやがるな。そんなに嬉しかったか? 理樹に褒められるのが」
鈴「うっさいわ、ぼけー!」
理樹「なんだかお腹減っちゃったな…恭介、ちょっと購買に寄っていい?」
恭介「おう。だが晩飯は俺らと一緒だからな。食いすぎるなよ」
理樹「うん」
適当に軽食を取るため、食堂に行く。
理樹「ん…?」
まだ夕食時のピークではないため、人はまばらだ。
だから、その小柄で白銀の長髪をなびかせた、異質な雰囲気を醸し出す生徒にすぐ目が留まった。
理樹「え…あのメニューってもしかして」
激辛麻婆丼…? あれは一人の生徒しか食べられないってお昼に…。
理樹「…あ」
もしかして、彼女がその生徒なのかな?
どうしよう、声をかけてみようかな。でも恭介はやめた方がいいって言ってたし。
理樹「…あれ?」
気が付くと、その生徒は消失していた。あわてて周りを見渡す。まだ生徒はあまり集まっていない。見つけるのは容易なはず…。
それなのに、完全に見失っていた。ほんのわずか、数秒間の出来事なのに。なぜ…?
思わず寒気が走る。謙吾は確か、手が変形するとか言ってた…そんなこと、あるわけないけど。
僕は、注文を受けたおばちゃんに話を聞きに行った。
理樹「え…? いや、だって今、確かに…」
オバ「いいや、麻婆丼はお昼に大きな生徒さんが一回頼んだきりだよ」
大きな生徒…真人のことだろう。それ以来、全く注文がないだって? それじゃ、僕が見たのは一体何だ?
オバ「そもそも、あの麻婆丼、全然売れないしねぇ。今日の注文も1週間ぶりのはずよ」
おばちゃんが嘘をついているとは思えない。というか、嘘なんてつく必要なんてないし。
理樹「…ありがとうございました」
…僕の見たものは、幻覚だったのだろうか。
いや、そんなわけない。人間を見間違うわけなんかない。でも、じゃあこの状況は…。
恭介が僕に注意した理由、なんとなく分かった気がする。
真人「ふっ…ふっ…!」
理樹「飽きないね、真人も」
真人「当たり前よ! 俺は怠けるのが嫌いだからな!」
少しでもその熱意を勉強に向ければいいのに。
…筋肉が満載されたテキストがあれば、あるいは…?
理樹「うっ…」
自分で想像しておいて気分が悪くなってしまった。
恭介「よう」
理樹「恭介、どうしたの」
恭介「どうしたのはお前の方だ。祝賀会だってのに、まるで敗残兵だっただろ、お前」
理樹「別にそんなんじゃ…」
恭介「…昼間のアレか」
理樹「…」
恭介「…」
理樹「ただ、ちょっと疲れてただけ」
恭介の力は、借りない。
これは、僕が解明するべきだ。
恭介「お前がそう言うなら、しょうがない」
理樹「ありがとう、恭介…」
真人「筋肉…筋肉…」
そうして僕の、探偵稼業は始まりを告げた。
―GRAND END―
麻婆生徒は影も形も現さない。朝・昼・夜と顔を出したが全く手がかりがつかめない。
理樹「幻覚だったのかな…やっぱり」
今日もまた、何も収穫を得られず引き揚げようとした。が。
理樹「…!」
いた。見つけた。小柄で銀髪、麻婆丼を運んでいる。今日はちょうど一週間。
あの子は、この時間帯に出没するのか。今度は、直接話しかけて…!
理樹「あ…あの!」
???「…え?」
反応してくれた!
???「…私が、見えるの?」
理樹「そりゃあ、見えるよ。幽霊でもないんだし」
???「そう…あなたが…」
あまり表情を崩さないが、驚いているようだ。そして、真面目な面持ちに変わる。
???「私は、立華かなで。手を貸してくれるかしら」
理樹「僕は、直枝理樹。力って…?」
理樹「…え?」
奏「どうしてかは分からない。だけどあたしは本来、ここにいるべきではない存在」
理樹「…」
奏「誰に話しかけても、あたしを認識できなかったけど…あなたは見えるのね」
理樹「…」
トンデモ話だけど…僕は、僕たちは同じくらい、不思議な経験がある。この子の話を信じよう。
理樹「それで、僕は…」
奏「こっちよ。ついてきて」
と、そこに立華さんの前方に生徒が歩み寄る。
理樹「あ、あぶな…!」
しかし、そこには信じられない光景があった。立華さんが、生徒を真正面からすり抜けたのだ。
理樹「…!」
奏「…一応、信用してくれる根拠になったかしら」
理樹「うん…」
何の変哲もない、普通の体育館だがただ一つ違ったのは。
理樹「おかしいな…誰もいないなんて」
放課後のこの時間はバスケ部が練習に明け暮れているはずなのに。
休みにしたって、一般生徒に解放されるから誰かいてもいいはず。
立華「毎週金曜日。午後5時30分から6時の間。この場所は他の時空と一線を画すの」
立華「本当は、生徒もいるのよ。見えないだけで」
理樹「…そ、そうなんだ」
信じるしかない。
理樹「僕は、何をすれば?」
立華「…もうすぐ、始まる」
理樹「始まる?」
ふと、時計を確認する。5時30分ちょうどだった。
そして、次の瞬間。
理樹「…!? な、なに、これ…」
立華「…始まったわ」
理樹「な…なに、この影は」
奏「『影』よ」
理樹「あ、うん…まぁ、それは分かるんだけど」
奏「気を付けて」
理樹「え?」
突然、立華さんに倒された。
理樹「! ど、どうしたの…」
奏「あの影に触れてはダメ」
奏「自我を失うわ」
理樹「え…」
あまりにも急展開過ぎて頭がおいつかない。必死に理解しようとする。
奏「また…!」
理樹「くっ!」
今度はとっさによけられた。あの影は一体何なんだろう。僕たちを狙っている?
理樹「でも…なんなの、これ…」
奏「…たぶん、あたしを追ってきた狩人のようなもの」
理樹「か、狩人?」
奏「あたしは無意識に、この世界へ飛ばされたわ。当初は影の反応なんてなかったけれど」
奏「気づいたら、そこに影がいた。…本当にあたしを追ってきたかどうかは分からないけど」
理樹「君の世界に、この影はいるの?」
奏「ええ。倒さなければならない、敵」
…す、すごい世界もあったものだなぁ。
奏「直枝くんは、あれを」
指の方向にはステージ。なぜか、カーテンが閉まっている。
奏「おそらく、あれが鍵。こっちとあたしの世界を繋ぐ、ワープポイントよ」
奏「あたしじゃ、影の相手をするだけで精いっぱい。直枝くん、あのカーテンをはがしてほしい」
奏「隙を見て、あたしは戻るわ。…お願い」
奏「…ありがとう。気を付けて」
その瞬間に、立華さんは体が変化した。腕が鋭いナイフのように変形。背中には翼が。
…噂は本当だったんだな。
立華さんが道を確保するように、影をなぎ倒していく。おかげで、負担なくカーテンまでたどり着く。
理樹「っく!?」
お、重い!? ただの布が、なぜこんなに…!
奏「!? 直枝くん、逃げてっ!!」
立華さんの声が聞こえた。僕の背後に黒い影が忍び寄っていたのだ。
慌てて逃げようとするが、タイミングが遅かった。
奏「直枝く…っ!!」
パン! パン!
銃声が鳴り響いた。
理樹「…」
僕は無事だ。自我もあるし、体も無傷。今の銃声は、立華さんが…?
理樹「立華さんっ、僕は大丈夫!」
急いで体勢を立て直し、再びカーテンへ。すると、さっきまでの重さがどこへやら、なんなく開けることができた。
銃弾の影響かな。
理樹「立華さん!」
完全にカーテンを開く。そこから、虹色にうねり渦巻く奇妙な空間が姿を現す。
奏「間違いないわ…ここよ」
理樹「早く! 立華さん!」
影はまだ発生している。もたついていると機を逃してしまう。
奏「ええ!」
ステージに乗り、僕に顔を向ける。
奏「ありがとう…あなたのことは忘れないわ!」
理樹「うん! さようなら、立華さん!」
…午後6時。全ての時空の歪みが消えた。
恭介「理樹!」
食堂にて。いつものように、みんなで食事をとっている。
恭介「…終わったようだな」
理樹「ああ、うん…いろいろ、大変だったけどね」
恭介「…ご苦労さん。やっぱり、お前はすげぇよ」
理樹「いやいや、そんな…」
あの出来事がつい昨日のことだったなんて信じられない。けど、それは確かにあったんだ。
真人「ん? …うわ、あいつあんなもん食うのかよ」
理樹「なに? 真人」
真人「ああ、『激辛麻婆丼』だ。あんなの、人間は食えねーよ」
真人の目線を追ったが、生徒は人混みに紛れてしまったようだ。
…ところで、あの事件で疑問に思う点が二つある。
一つは、僕を助けてくれた、銃声。立華さんかと思ったけど、手には剣だけしかなかったし。
そして、もう一つ。激辛麻婆丼を食べる生徒の噂だ。立華さんは僕以外に見える人はいないと言っていた。
…それなら一体、噂はどこから出たのだろう?
理樹「ちょっ、恭介」
おそらく、来週のあの時間帯になっても何も起こらないだろう。
これからは、またいつも通り、みんなで騒ぐ生活が待っている。
???「…まったく、世話が焼けるんだから、理樹くんは」
???「…いつも、見守ってるんだからね」
???「…さて、あの子が食べてたお気に入りはどんな味かなーっと…」
???「っ!!?? か、辛ッ!! な、なによ、コレ!!? こんなの食べられないじゃないの!!」
???「…メニューの名前、確か激辛とかなんとか…」
???「フ…なによ? 自業自得、おバカなあたしってわけ?」
???「あーはっは! そうよ! あたしはいつもこんなマヌケなのよ、あーーっはっはっはっ!!」
???「…うぅ、辛い」
END
葉留佳or小毬で
気が向いたらまた立てるからこれでおしまい
乙、保守ありがとう
Entry ⇒ 2012.07.16 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
エイラ「サーニャを無視するんダナ」
エイラ「だから、サーニャのことを無視して、私の存在の大切さというものをわからせてやるゾ!」
エイラ「サーニャが泣いたって、徹底して無視してやるんだからナ!」
エイラ「お、夜間紹介を終えて、サーニャが帰ってくるぞ」
エイラ(無視、無視するんだゾ……」
ガチャ バタン
サーニャ「……」フラフラ
エイラ(無視無視)
サーニャ「……」フラフラ
サーニャ「……」
ドサッ
エイラ「うっ……」
エイラ(やっぱり私の所に来たナ。でも、私はこのまま寝たふりするゾ……)
サーニャ「……」
サーニャ「……」スースー
エイラ「……」
エイラ「これは……、サーニャ寝ちゃったゾ……。無視のしようがないじゃなイカ……」
サーニャ「う……んん、エイラ」ガサ
エイラ「!?」
エイラ(さ、サーニャ、起きちゃったか!?)
エイラ(いや、でも、ここは、無視してやるんダナ)
サーニャ「……」
サーニャ「……」スースー
エイラ(な、なんだ、寝言か。びくっりしちゃったゾ……)
エイラ「……」
エイラ(このままじゃ埒があかない……)
エイラ(せっかく、サーニャを無視しようと思ってたのに……)
サーニャ「ん……」スースー
エイラ(……)
エイラ(なんだか…サーニャの寝顔をみてると…安心して……私まで……眠く……)
エイラ(……もういいや、寝ちゃおう)
エイラ「おやすみ、サーニャ……」
エイラ「……」スースー
サーニャ「あ、エイラ、起きたのね、おはよう」
エイラ「あ、ああ、おはよう、サーニャ。私、寝ちゃってたのか」
サーニャ「もうお昼過ぎよ。エイラは平常通りに起きなちゃ駄目じゃない」
エイラ「う、うん、そうダナ……ゴメン……」ショボン
サーニャ「……うふふ、私の方こそ、悪かったわ。エイラの寝顔を見てたら、起こすに起こせなくて……」
エイラ「サーニャ……」
サーニャ「それじゃあ、昼食を食べに行きましょう。多分みんな食べ終わってると思うから、二人だけね」
エイラ「うん!」
サーニャ「はしゃぎすぎよ、エイラ」テクテク
エイラ「朝ごはんも抜いてお腹ペコペコだし、何よりサーニャと二人きりの食事なんだゾ!」
エイラ「ワクワクするなってほうがムリだって!」ブンブン
サーニャ「うふふ」
エイラ(……)
エイラ「……あっ!」
サーニャ「どうしたの?エイラ」
エイラ「い、いや、なんでもないんダナ」
エイラ(そうだそうだ、私はサーニャを無視しなければいけないんだった)
エイラ(身を引き裂かれるような思いだけれど、サーニャと私のため、やってやるゾ!)フンッ!
サーニャ「着いたわ、エイラ」
エイラ「うん!」
サーニャ「……あ、サンドイッチを作ってくれてたみたい。これをいただきましょう」
エイラ「……」
サーニャ「……?エイラ、嫌だった?」
エイラ「……」
エイラ「……」フリフリ
サーニャ「そう、良かった。食べましょう、準備するわね」チャカチャカ
エイラ「……」
エイラ「……ア、アリガト」
サーニャ「うふふ、いただきます」
エイラ「……ダナ」
サーニャ「……」モグモグ
エイラ「……」モグモグ
サーニャ「おいしいわね。芳佳ちゃんに後でお礼言わなきゃ」
エイラ「……ダナ」
サーニャ「……」モグモグ
エイラ「……」モグモグ
エイラ(よし、ここは……)
サーニャ「ごちそうさま」
エイラ「……」
エイラ「……」カチャカチャ
↑自分の分だけ片付けてる
サーニャ「あ……」
エイラ「……」カチャカチャ
エイラ「……」
サーニャ「……エイラ?」
エイラ「……」
エイラ「……///」スッ
エイラ「……///」カチャカチャ
サーニャ「あ、ありがとう……」
エイラ(やっぱり、サーニャのことを無視するなんて、大変なことなんダナ……)
サーニャ「お部屋に戻りましょう」
エイラ「……ダナ」コク
サーニャ「……うふふ、今日のエイラ、なんだかおかしい」
エイラ「ウッ……ダナ」
サーニャ「……本当に、大丈夫?どこか調子悪いところでもあるの?」
エイラ「ダ、ダイジョブダナ……」テクテク
サーニャ「……」
エイラ「……」
サーニャ「……」
サーニャ「エイラ、疲れてるならミーナ隊長にお願いして休みをもらいましょう」
サーニャ「休息だって、ウィッチには重要なことだわ」
エイラ「……」
エイラ「……うっ、ううっ」ポロポロ
サーニャ「エ、エイラ!?」
エイラ「うっ、うわああぁん!」ポロポロ
エイラ「ちがっ、ううっ、ひっく」ポロポロ
エイラ「さ、サーニャ、ううっ、ごめっ、ひっく」ポロポロ
サーニャ「な、なんで謝るのエイラ?」
エイラ「ううっ、ごっ、ごめんっ、ひっく」ポロポロ
サーニャ「エイラ……」
サーニャ「……もう落ち着いた?」
エイラ「うん……」
サーニャ「いったい、どうしたの?」
エイラ「サーニャを……」
サーニャ「うん?」
エイラ「サーニャを、無視しようと思ってたんだ……」
サーニャ「え?なぜそんなことを?」
エイラ「……私と、全然話をしてくれないから……」
エイラ「ハルトマン中尉とばかりで……」
サーニャ「……」
エイラ「私がサーニャを無視すれば、少しでも私の方に気が向くかなっテ……」
サーニャ「エイラ……」
エイラ「このままサーニャとの仲も良くならないって考えたら……」
エイラ「うっ…ううっ……」
サーニャ「……」
サーニャ「……ごめんね、エイラ」
サーニャ「私、エイラの事を不安にさせて……」
エイラ「……」
サーニャ「エイラは私にとって、当たり前の存在になっていて、少し甘えてた」
サーニャ「エイラは私の側にいつでも居てくれるものだと……」
エイラ「わ、私はずっとサーニャの隣にいるゾ」
サーニャ「……うふふ、ありがとう、エイラ。うれしいわ」
サーニャ「だから…私も……その思いに答えなくちゃ」
サーニャ「……」ゴソ
エイラ「さ、サーニャ?」
エイラ「……っ!?」
サーニャ「……///」
サーニャ「今のキスは私なりの誓い……」
サーニャ「エイラの、ずっと側にいるって」
エイラ「さ、サーニャ」
サーニャ「だから、安心して」
サーニャ「もう、どんなことがあっても、私はエイラとずっと一緒よ」
エイラ「……」
サーニャ「……エイラ?」
エイラ「……っ」ポロポロ
サーニャ「エ、エイラ?」
エイラ「ううっ、ちっ、違うっ、その」ポロポロ
エイラ「っ……」
エイラ「嬉しっくって……」
サーニャ「嬉しくて?」
エイラ「ああ……ひっく」グイグイ
エイラ「初めて、知ったよ……」
エイラ「悲しい時だけでなく、嬉しい時も涙がでるんだな」ニコッ
エイラ「うん!もう元気百倍ナンダナ!」
エイラ「今だったらネウロイが百匹現れたって、勝てるゾ!」ブンブン
サーニャ「エイラ、調子のりすぎ」
エイラ「えへへ~」
エイラ「ムリ無いッテ」
エイラ「サーニャが私とずっと居てくれるって言ってくれたんだゾ!」
エイラ「生まれて初めてだヨ!こんなに幸せを感じているのは!」
サーニャ「うふふ」
エイラ「いやっほうー!」ピョンピョン
サーニャ「もう、エイラったら」
サーニャ「二人で頑張っていきましょう」
エイラ「うん!」
ドンドン
エーリカ「さーにゃーん!」
エイラ「!?」
エイラ「……」
サーニャ「……エイラ」
エイラ「……」
エイラ「……行って来い、サーニャ」
サーニャ「エイラ、大丈夫?」
エイラ「サーニャ、言ってくれただろ」
エイラ「何があっても一緒だって」
エイラ「私にはその言葉があれば大丈夫さ」
サーニャ「……うん、行ってくるわね」
アッ、サーニャンオッハヨー!オハヨウゴザイマスハルトマンサンアノネトゥルーデガクリスノタメニオカシヅクリレンシュウシテルンダッテ……
エイラ「……」
エイラ「……だ、大丈夫ダ大丈夫ダ!」
エイラ「私はサーニャの言葉を信じているんだからナ!」
エイラ「なんの問題も無いっテ!」
エイラ「……」
エイラ「さーにゃ……」
エイラ「……」
エイラ「……ひっく」
オワリダナ
エイラはサーニャが好きなんだよ
エイラ「でも結果的にサーニャとの繋がりがより一層深まったゾ」
エイラ「人生何が起こるか分からないゾ……」
エイラ「しかし!このままヘタレエイラの汚名を着せられたままでは納得いかないんダナ」
エイラ「汚名挽回として他の隊員を無視してやるゾ!」デーン!
エイラ「もうヘタレなんて言わせないんだからナ!」
エイラ「お、早速ターゲットがいたゾ」
エイラ「よし、やってやるゾ!」
エイラ「……」テクテク
「あ、エイラさん!おはようございます!」
芳佳「エ、エイラさん?」
エイラ「……」テクテク
芳佳「お、おはようございます」
エイラ「……」
芳佳「あれ~、聞こえないのかなあ~?」
芳佳「エイラさ~ん!」
エイラ「……」
芳佳「エイラさ~ん、ちゃんと起きてるんですかあ~?」
芳佳「目を開けたまま寝てるんじゃないですかあ~?」
芳佳「エイラさんエイラさんエイラさんエイラさん」
エイラ「……」
芳佳「お は よ う ご ざ い ま す~!」
芳佳「よ~し!」
芳佳「すーーーっ」
芳佳「エイラさあああああん!!!おはようございまあああああぁぁす!!!!!」
エイラ「っ!!!????」
芳佳「っはあ、どうですかあ?聞こえましたかあ?」
エイラ(み、耳元で大きな声出すナ!死ぬほどビビったゾ!)
芳佳「あれ?まだ聞こえないんだ~。しょうがないなあ~」
芳佳「サーニャちゃんに相談しなくちゃ」
エイラ「!?」
芳佳「はい!何ですかエイラさん?」
エイラ「オカシヤルカラサーニャニハナニモイウナ」
芳佳「え、お菓子ですか?やったー!」
芳佳「ってこれ、サルミアッキじゃないですか!やだー!」
エイラ「モンクイウナ」
エイラ「まさかミヤフジがあそこまでウザいとは思わなかったゾ」
エイラ「しかも、サーニャの話を持ってくるとは……」
エイラ「まったく、卑怯極まりないゾ……」
エイラ「……」
エイラ「さて、気をとり直して、次のターゲットは……」
エイラ「……」テクテク
「あ、エイラさん、おはようございます」
エイラ「……」テクテク
リーネ「あの、おはようございます」
エイラ「……」テクテク
エイラ(ふふん、ここまでは宮藤と同じ反応だな)
リーネ「お、おはようございます……」
エイラ「……」
リーネ「……」
リーネ「あ、あの……」
エイラ「……」
リーネ「……」シュン
エイラ(流石リーネ!これが私の求めていたものダ!)
エイラ「……」
リーネ「……」
リーネ「……」タッタッタ
エイラ「あ、リーネどっか行っちゃったぞ」
エイラ「まあ、コレでわかったロ。私だってやれば出来るんダ」キリッ
エイラ「まっ、リーネには後で謝っておくよ」
エイラ「ん?なんだ?耳と尻尾が勝手に……」
エイラ「……」
エイラ「……っ!?」
エイラ「うわっ!?」サッ
リーネ「あ、躱されちゃった……」
エイラ「リ、リーネ!包丁持って、なんて物振り回してるんダヨ!」
リーネ「あなた、エイラさんに化けたネウロイでしょ?ここで私が仕留めるっ!」ブンッ
エイラ「わっ!お、おい、待てッテ!私は正真正銘エイラ・イルマタル・ユーティr」
リーネ「聞く耳持ちません!」ブン
エイラ「あぶっ!ちょっ、だっ、誰かっ!助けてくれっ!!」
芳佳「ん?」
エイラ「おお、宮藤、良い所に来た!リーネを止めてくれ!」
芳佳「あ、はい、わかりました。だめだよリーネちゃん。エイラさんを包丁で刺そうなんて」
リーネ「うん。芳佳ちゃんが言うならやめる」
芳佳「えらいえらい」ナデナデ
リーネ「えへへ~」
芳佳「いい子なリーネちゃんにはもっとご褒美あげなきゃね」
リーネ「私、芳佳ちゃんのためなら何だってするよ」
芳佳「うふふ、それじゃお部屋行こうか」
リーネ「うん!」
エイラ「……た、助かったのカ?」
エイラ「今ほど、私の固有魔法が未来予知だってことに感謝したことは無いネ」
エイラ「私じゃなけりゃ……」
エイラ「三回は逝ってたな」
エイラ「……」
エイラ「なんか、あまり気が乗らないけど……」
エイラ「……次のターゲットは」
エイラ「……」テクテク
「エイラエイラー!」
エイラ「……」テクテク
ルッキーニ「エイラエイラー!」
エイラ「……」
ルッキーニ「んじゅ?エイラー?」
エイラ「……」
ルッキーニ「ンジュ。エイラエイラー!」ピョンピョン
エイラ「……」
ルッキーニ「じゅじゅ~、つまんなーい。シャーリーシャーリー!」テテテテー
エイラ「……ふう、行ったか」
エイラ「ルッキーニは飽きっぽくて無視のし甲斐がないナ」
シャーリー「おー、エイラ、どうしたんだー?」
エイラ「むっ」
ルッキーニ「あのね、エイラの反応がさっきから無いの」
エイラー「……」
シャーリ「ふーん、こりゃあいったい」
シャーリー「なんかしたのか?ルッキーニ」
ルッキーニ「ううん。まだ何も!」
エイラ(ま、まだ?)
シャーリー「ん~、これは……あれだな!」
ルッキーニ「んん~?あれって……!」
シャーリー「ルッキーニ!」ドーン!
ルッキーニ「シャーリー!」デーン!
ルッキーニ「エイラの……ばか……」シナッ
シャーリー「あーはっはっはっ!いひっひっひひい!」
ルッキーニ「にゃっはははははは!」
エイラ「……」フルフル
シャーリー「あれ?エイラさん、どうしました?」
ルッキーニ「プルプルしてる~!」
シャーリー「ま、サーニャと喧嘩したんだろ」
ルッキーニ「じゅじゅ~、芳佳かハルトマン中尉にサーニャ取られちゃったんじゃないの?」
エイラ「……っ!」
エイラ「……いい加減にしろよナ」フルフル
ルッキーニ「うじゅあ!怒ったー!」
シャーリー「それっ、逃げろー!」
エイラ「私を馬鹿にスンナー!!!」
エイラ「私とサーニャは喧嘩なんかしてないゾ!ったく」
エイラ「……」
エイラ「まだなんか、イライラが収まらないけど……」
エイラ「……次のターゲットは」
エイラ「……」テクテク
「お、エイラじゃないか」
エイラ「……」テクテク
坂本「どうだ、今から訓練でも」
エイラ「……」
坂本「……?どうした?」
エイラ「……」
エイラ(流石に少佐を無視するのは、ハラハラするゾ……)
坂本「おい、エイラ、聞こえないのか?今から訓練でもどうだと聞いているんだ」
エイラ「……」ハラハラ
エイラ「……」
坂本「エイラ、そうか……」
坂本「お前の言いたいことは分かった」
エイラ「……」
坂本「ただ、一つだけ言っておく!」
エイラ「……」ビクッ
坂本「……風呂に入りたくなったら私に言え!」
エイラ「……」
エイラ「……ハァ?」
エイラ「……?」
坂本「無意味に親に反抗したりする時期だ、誰にでもあるものだ」ウンウン
エイラ「……」
坂本「私の入った湯に浸かりたくないとか、そういうことがあるだろう」
坂本「大丈夫だ、安心しろ。一番風呂に入れてやる。もしくはドラム缶に湯を貯める事だって出来るんだ」
エイラ「……ハァ」
坂本「そうかそうか。エイラが反抗期か。いやー、大きくなったものだ、わっはっはっは!」
シカシ、ムスメガハンコウキトイウノモツライモノダナ、ソノウチクサイトカイワレルノダロウカ……
エイラ「……」
エイラ「……行っちゃった」
エイラ「……」
エイラ「もういっそ……あんな性格の少佐が羨ましいゾ……」
エイラ「……」
エイラ「ん?次のターゲットか?」
エイラ「まだ続けるのかヨ。もう私は疲れたゾ」
エイラ「……しょーがねーなー」
エイラ「次のターゲットは……」
エイラ「……」テクテク
「え、エイラ!」
バルクホルン「っはあ、き、緊急の、頼みがあるんだ!」
エイラ「な、なんだヨ。そんなに慌てて。そんなに大事な用なのカ?」
バルクホルン「ああ、大事な、っ重要な、はぁっ」
エイラ「お、おい、落ち着けって頼みがあるなら聞いてやるからサ」
バルクホルン「んっ、すまない……ふう」
エイラ「大丈夫カ?」
バルクホルン「ああ、もう大丈夫だ」
エイラ「それで用事ってなんダ?」
バルクホルン「こ、これを食べてみてくれないか?」
エイラ「ん?これは」
バルクホルン「ああ、私が作った」
エイラ「大尉が作ったのカ!?」
バルクホルン「な、私だってお菓子作りをする事はある」
エイラ「あ~、確かにハルトマン中尉がいってたような~」
エイラ「それで、なんで私に?」
バルクホルン「最近聞いた話しなのだが……」
エイラ「ん?」
バルクホルン「お前は……」
バルクホルン「妹だそうじゃないか!」バン!
バルクホルン「なぜ私に黙っていた!!!」ドン!
エイラ「う、うわ!なんだよ急に!別に黙ってたわけじゃないッテ」
エイラ「それに大尉には関係ないことだろ」
バルクホルン「関係ないわけがない!職務怠慢も甚だしい!」
エイラ「しょ、職務?」
バルクホルン「お前は妹だ」
エイラ「う、うん」
バルクホルン「私は姉だ」
エイラ「う、うん?」
バルクホルン「つまり姉妹だ」
エイラ「う、うん?いや、それはおかしいダロ!」
エイラ「わかんネーヨ!だいたい大尉は私に何をさせたいんだよ!」
バルクホルン「そうだ、それでこのお菓子だ」
バルクホルン「私はこのお菓子を妹の事を思って作ったんだ」
エイラ「……」
エイラ「それって、私のために作ってくれたってことカ?」
バルクホルン「ん?何を馬鹿なことを、なぜ私がお前の為にお菓子を作らねばならんのだ」
エイラ「」
バルクホルン「腐っても妹のお前には、私の愛情が伝わるはずだ」
エイラ「」
バルクホルン「ほら、食べてくれ」
エイラ「」
エイラ「」パク
バルクホルン「ど、どうだ?」
エイラ「」モグモグ
エイラ「」
エイラ「ウマイ」
バルクホルン「お、おお!そうか!良かった、大丈夫そうだな!」
バルクホルン「料理には科学以外にも愛情も必要なのだな!ふふ、ハルトマンにも教えてやらなければな!」
エイラ「」
エイラ「……」
エイラ「もう……」
エイラ「疲れたよヨ、サーニャ……」ヘロヘロ
エイラ「……」
エイラ「次のターゲットは……」
エイラ「……」テクテク
「あ、エイラさん、丁度良かったわ」
エイラ(う、ミーナ隊長か。大丈夫かな)
ミーナ「以前やってたあれ、御悩み相談室。あれってもうやってないのかしら」
エイラ「……」
ミーナ「ちょっと、相談したいことがあって、話を聞いてくれないかしら」
エイラ「……」
エイラ「……」
ミーナ「以前も話したのだけど、上層部からの通告があってね」
エイラ「……」
ミーナ「私達も決して贅沢してるわけじゃないわよ。あの人達は現場というものを分かってないのよ」
エイラ「……」
ミーナ「――――――――――」
エイラ「……」
エイラ「……フガッ」
エイラ(いけないいけない、寝ちゃってたぞ)
ミーナ「それにね、美緒ったら昨日だって」
エイラ(まだ話してたのかヨ)
ミーナ「あの時は突然だったからびっくりしたけど今思えば」
エイラ(話なげーヨ)
ミーナ「ほんと、扶桑の魔女って、あら?」
ミーナ「あら、相談していたのは私の方よ」
坂本「なんだ、水臭いぞミーナ。相談なら私がいくらでも乗ってやるぞ」
ミーナ「うふふ、それじゃあ、お言葉に甘えようかしら」
坂本「ここではなんだし、部屋に来るか」
ミーナ「ええ、そうするわ」
エイラ「……」
エイラ「……」
エイラ「今のは、無視というか……」
エイラ「もともと私が居る意味が無かったような……」
エイラ「……」
エイラ「……次のターゲットは」
エイラ「……」テクテク
「えーいらー!」
エイラ(げっ、ハルトマン中尉)
エーリカ「トゥルーデが作ってくれたんだよー」
エイラ「……」
エイラ(サーニャは……もう居ないのか)
エーリカ「トゥルーデってば、料理は科学!とか言ってたくせに、今度は愛情がー!って言っちゃって」
エーリカ「クリスの事となると見境ないんだからー」
エイラ「……」
エーリカ「クリスが元気になった時だって――――――」
エイラ「……」
エイラ(これは、まさか……)
エイラ「……」
エーリカ「お菓子が―――――――」
エイラ「……」
エーリカ「トゥルーデが―――――――」
エイラ「……」
エイラ(もうさっき寝ちゃったから寝れないゾ……)
エーリカ「ズボンが―――――――」
エイラ(サーニャは、いつもこの話聞いてんのカ……)
エイラ「……」
エーリカ「イモが―――――――」
エイラ「……」
エーリカ「トゥルーデが―――――――」
エイラ「……」
エーリカ「―――――なんだよ!どう思うエイラ?」
エイラ「イヤーワカンネーッス」
エイラ「やっと、解放されたゾ……」
エイラ「だるかった……ただ、ひたすらに」
エイラ「サーニャも大変なんダナ」
エイラ「……」
エイラ「次のターゲットは……」
エイラ「……」テクテク
「あら、エイラさん」
エイラ「……」テクテク
ペリーヌ「エイラさん?」
エイラ「……」
ペリーヌ「ちょっと、返事くらいなさったらどうですの!」
エイラ「……」
ペリーヌ「え、エイラさん?」
エイラ「……」
エイラ(これは、中々楽しくなりそうダゾ)ニシシ
エイラ「……」
ペリーヌ「……!?まさか」
ペリーヌ「耳が聴こえなく!?」
エイラ「……?」
ペリーヌ「な、なんてこと……」
ペリーヌ「サーニャさんに振られたショックで……」ワナワナ
ペリーヌ「衛生兵ーーー!!!」
エイラ「ンナッ!」ビクッ
ペリーヌ「エイラさんが、エイラさんが!」
エイラ「オ、オイ」
ペリーヌ「誰かっ、エイラさんを助けてっ!」
エイラ「ペ、ペリ」
ペリーヌ「誰かっーーーー!」
ペリーヌ「……」
エイラ「……大騒ぎし過ぎだゾ」
ペリーヌ「も、元はといえばあなたが余計な事をしているからっ!」
ペリーヌ「だいたい、なんであんな事をしていたのですの?」
エイラ「ん……まあな」
エイラ「私にも色々あるんダヨ……」
ペリーヌ「な、なんですの、元気無いですわね」
エイラ「私は今アンニュイな気分なんダヨ」
ペリーヌ「はぁ」
エイラ「……お前が騒いだせいで、サーニャにもバレちゃったじゃなイカ」
エイラ「……サーニャに……叱られる」
ペリーヌ「はぁ……」
ガチャ
エイラ「……サーニャ」
サーニャ「エイラ、ちょっと来て」
エイラ「う、うん」トボトボ
サーニャ「そこに座って」
エイラ「う、うん」
サーニャ「……」
エイラ「……」
エイラ「ご、ごめん」ショボン
サーニャ「ペリーヌさん、本気で心配していたわ」
エイラ「う、うん……」
サーニャ「……ふぅ」
エイラ「だ、だって……」
サーニャ「うん?」
エイラ「私の事をヘタレヘタレって言う奴等がいるんダヨ……」
エイラ「そいつらを見返してやりたくって……」
サーニャ「……エイラ」
エイラ「サーニャ……」
サーニャ「私はそんなエイラが大好きよ」
エイラ「ん……///」
サーニャ「だから、もうこんな事をしちゃだめよ」
エイラ「うん!もう絶対にしないゾ!」
サーニャ「うふふ、いい子」ナデナデ
エイラ「あ、ふぅ……」
サーニャ「うふふ」
エイラ「……」
エイラ「……サーニャ」
エイラ「ずっと一緒だからナ!」
オワリダナ
リーネ「よ、芳佳ちゃあん!」
芳佳「うふふ。えいっ」バシンッ
リーネ「ああんっ!」
芳佳「あれえ~?もしかしてお尻を叩かれて興奮してるの?リーネちゃんって変態さんだったんだ~」
リーネ「も、もっとちょうだいい!」
芳佳「うん。もっと気持ちよくさせてあげる」バシンッ
リーネ「いっひいいんっ!」
芳佳「リーネちゃん……一つになろう……」
こんな時間までゴメン
愛の形は人それぞれだという事ダナ
安らかに眠るんダナ
Entry ⇒ 2012.07.15 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ハリー「イメチェンしたいんだ」ロン「…うん?」ハーマイオニー「え?」
ハリー「うん、僕、イメチェンしようと思って」
ハーマイオニー「ハリー……一体、どうしたっていうの?」
ハリー「そんなに真剣にならなくったっていいさ。ちょっと、ね。思うところがあって」
ロン「その思うところっていうのを、僕らに教えていただけませんか、だ」
ハリー「あぁ、それはすぐに教えるさ。でもその前に確認したくって……協力、してくれるかい?」
ハーマイオニー「……」
ロン「……」
ロン「もちのロンさ!!」
ハーマイオニー「言うと思ったわ」
ハリー「僕も」
ハリー「あぁ、ごめんごめん。ほら、僕って……あんまり個性がないだろう?」
ロン「そうかな?」
ハーマイオニー「えーっと、お言葉だけど、ハリー。あなたはいい意味でも悪い意味でも、この城で一番目立つ人、だと思うのだけれど」
ハリー「うん、それはほら、僕の色々とやらかした事とか、傷のこととかね。そういうので、だろう?でもさ……」
ロン「でも?」
ハリー「……別に僕は、英雄だなんて肩書きどうでもいいし、自分がそんなもので呼ばれる事に固執したり、とかはしないんだけど」
ハーマイオニー「分かってるわ、えぇ」
ハリー「……」
ハリー「……意外に、普通の人なんだぁ。って、毎度ジロジロ観られるのが……ちょっとね」
ロン「……あぁー」
ハーマイオニー「あぁ……えっと、そんなことないわ、あの、メガネが個性的だったし。そうよ、あの時……」
ハリー「うん、壊れていたからね。それって悪目立ちっていうんだ、ハーマイオニー」
ハリー「うん。思うに、僕の周りが個性的すぎるから、余計にそういう目で観られるんだと思うんだ」
ハーマイオニー「確かに、そうね。この城の人たちって変わった人ばかりだもの」
ロン「君を含めてね」
ハーマイオニー「あなたが言う台詞なの?」
ハリー「まぁまぁ。それで、ほら。ここは『必要の部屋』だろう?そういうことに入り用な物もすぐに手に入るし、丁度いいと思って」
ハーマイオニー「おあつらえ向きでは、あるわね……でもね、ハリー。あの、あまり私用にここを使いすぎるのも……」
ロン「いいじゃないか、ハーマイオニー。ハリーがこんな風に何かしたい!って言い出すのは、珍しいしね。僕は全面的に支持するよ!」
ハーマイオニー「まぁ、あなたが決めたのなら反対はしないけど……髪?」
ロン「あー、ハリー?」
ハリー「なんだい?」
ロン「えっとさ、君、元々そんなに髪が長いわけでもないだろう?変えるっていっても、そんなに変化をつけられないと……」
ハリー「あれ?君達にこのこと、教えてなかったかな?僕の、数少ない特技」
ロン「さり気なく僕が傷ついてるよ、ハリー」
ハーマイオニー「髪に関して、あなたから特にはなにも聞いていないわよ?傷跡を隠すために前髪は長くしがち、って聞いたくらいかしら」
ハリー「あぁ、それと少し関わるんだけどね。みててごらん……こんな髪いやだ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ」ブツブツブツブツ
ロン「?」
ハーマイオニー「?」
ハリー「……はい」モサァァァァァァァ
ハーマイオニー「きゃぁ!?」
ロン「うわっ!?!?!?え、君、あれ!?ハリー!?え!?なんでこんなに髪が伸びて、何がおきたんだい!?!?」
ハリー「ダーズリーのとこで、髪を丸刈りにされたことを嘆いてたら一晩で元通り、っていうことがあって……」
ハリー「ははは。張り切りすぎたかな」
ハーマイオニー「やけに髪質がいいのがなんだか腹立たしいわ……あなたくせっ毛じゃなかったかしら」
ハリー「伸ばすと、母さんの髪の特徴が出るみたい。えっと、それじゃ切ってみようかな……散髪用の鋏は、あるかい?」
ハーマイオニー「一瞬前までなかったはずの私たちの真後ろに、綺麗に一式揃ってるわ」
ハリー「ありがとう『必要の部屋』」
ハリー「ロンは、ウィーズリーおばさんが?」
ロン「うん、杖でちょいちょい、ちょいさ。えーっと、それじゃこれで切ればいいんだね?」
ジョキッジョキジョキジョキッ
ハリー「……いきなりバッサリいったね、君」
ロン「え、だってやり直しはいくらでもきくんだろう?」
ハリー「そうだけどね……うわぁ、ちょっとこれ、ふふっ。左半分丸刈りじゃないか」
ロン「ははは、ごめんごめん。それじゃ、ハリー。セルフタイムターナーといこうよ」
ハリー「遊ばないでくれよ……はいっ」モサァァァァ
ロン「いいぞいいぞ」パチパチパチ
ハーマイオニー「…………」
ロン「ハハハ、マクゴナガル風さ。気に入らないかい?」
ハリー「面白さとしては、大いに気に入るけどね……はい、次だ」モサァァァァ
ロン「じゃぁ、今度は……ハグリット風……」
ハリー「遊んでいるよね、君、絶対遊んでるだろう、ロン……っふふ、君、才能あるんじゃないかい?」
ロン「あぁ、こりゃぁ僕も天職を見つけられた気分さ」
ハリー「そりゃよかったね、はい、次……」モサァァァァァ
ハーマイオニー「……ハリー?」
ハリー「うん?なんだい、ハーマイオニー。そういえばさっきから、黙っているけど……」
ハーマイオニー「……」
ハーマイオニー「あなた、SF小説って、よく読むほうだった?」
ハリー「……うん?」
ハーマイオニー「漫画でも、いいわ。とにかくその……今のあなたみたいな、無限に回復してしまう、っていう能力って、見覚えあるかしら」
ハリー「あぁ、うん。あるよ。ダドリーのお古のコミック雑誌で……」
ハーマイオニー「私もそんなに、詳しいほうじゃないんだけど……そういう、その。能力の人の末路って、大体……決まっていない?」
ハリー「……」
ロン「……?」
ハーマイオニー「回復していたのは、将来の生きていく力を使っていただけで、最終的に老いてしまう、っていう……そういう」
ハリー「……」
ロン「話がみえないよ、ハーマイオニー。何がいいたいんだい?」
ハーマイオニー「……あまり、こういうことは言いたくないんだけど」
ハーマイオニー「ハリー、あなたのお父様って、その……写真で見る限り、頭が少し……お寒そうだった、わよね?お年のわり、に……?」
ロン「……」
ハーマイオニー「……」
ハリー「」
ロン「え、それじゃハリーのこれって、将来生える分をt」
ハリー「ロン!!!」
ロン「!」
ハリー「遊びはお終いだ!いいかい!?鋏の一振り一振りに僕の命がかかってると思ってくれ!!頼む、頼むから失敗だけはやめてくれよ!もう後がないんだ!!!」
ロン「あ……あの、えーっと……」
ハーマイオニー「……変わるわ」
ロン「……ありがとう」
ハリー「禿げたりなんて、絶対に……するもんか!」
ロン「僕も、ロンの散髪屋さんはやめにするよ」
ハーマイオニー「そうしてほしいわ。えーっと、それでハリー。もう気は済んだかしら?」
ハリー「いや、まだ諦めないさ。見た目は、髪以外変えようがないしね、制服だし……」
ハリー「となると、次は内面、性格を変えてみよう」
ロン「着いて行くよ、ハリー!」
ハーマイオニー「そもそも見た目の印象の話をしていたのではなかったかしら、ってことは言わないであげるわ、親友に免じて」
ハリー「それがいまいちだから悩んでいるんじゃないか」
ロン「そうだそうだ、ハーマイオニー!君は普通でパッとしない側の気持ちが分からないんだ!」
ハーマイオニー「まるでご自分がいたって普通で常識人で、おかしなところは何もない、といいたげね?赤毛でノッポなウィーズリーさん?」
ハリー「やめなよ、なんで君達はすぐ言い合いになるかな……」
ハリー「えっと、とにかく。性格をすぐに変えるっていうのは、少し無理があるから……とりあえず誰かを真似てみようかな、と思うんだ」
ハーマイオニー「そうね、手っ取り早いわ……それじゃ、ハリー?私らしさを分かってもらうために、一緒に図書館に……」
ハリー「え、あぁ、うん……」
ロン「ちょっと待って!ずるいぞ、ハーマイオニー!ハリーは先に僕と!」
ハーマイオニー「おあいにく様、早い者勝ちよ。ハリーは『優等生』のなんたるかをわかってもらうわ」
ハリー「あ、自分で言ってしまうんだ」
ロン「いいや!ハリーには僕と一緒に『お気楽人間』になるんだ!」
ハリー「ロン、それって空しくないのかな……あぁ、お気楽だからいいんだ、なるほどね」
ロン「なんだい、『優等生』って!ハリーをそんな不健康な道に導かないでほしいね!パースじゃあるまいし!」
ハーマイオニー「パーシーはとっても優秀な学徒だったわ、あなたが何と言おうと、今がどうであろうと!」
ロン「はんっ!ハリーはそんな堅苦しい性格になんかならないよ、だ!」
ハーマイオニー「『お気楽人間』?あら、そう言う割に試合前ガチガチになっておいでだったのは誰だったかしら、よ!」
ハリー「あの……」
ロン「大体、君みたいなのは、ほら!君一人で十分なのさ……えっと、宿題は君に見てもらうほうが、そうでもないと君とゆっくり」
ハーマイオニー「それに、あなたみたいなのはあなただけで十分よ!そうでないと……え?」
ハリー「『シリウスへ……やっぱりシリウスは夫婦喧嘩は食べないんですか』っと」カキカキカキ
ハーマイオニー「何事も経験って、思うわ、えぇ」
ロン「そうだね、うん」
ハリー「……『必要の部屋』は素直になる心までくれたのさ、なんてオチはいらないよ?」
ロン「?なんのことさ、さっぱりだよ」
ハリー「もちの君でね。それじゃ、ロン。君の『お気楽人間』っぽさを教えてくれよ」
ハーマイオニー「えぇ、まさかの足元にたくさん、それはもうしきつめられていたみたいよ」
ハリー「『必要の部屋』、必要以上に凄いことはしなくてもいいんだよ」
ロン「えっと、僕といえばお菓子、っていう部分はあるよね。否定しないけどさ」ビリッ
ハリー「うん、そうだね。流れるようにカエルチョコの封を開けたもの」
ロン「またダンブルドアだ……そのうち僕、ダンブルコレクターって呼ばれそうだよ」
ハリー「無駄に響きがいいね、うん」
ハーマイオニー「お子様な舌だからじゃないの?」
ロン「ラモラの腸を食べられるのが大人な魔法使いの舌だって言うんなら、僕は一生子供でいいさ。それでさ」
ロン「ほら、僕は末っ子だろう?男の兄弟で、って話だけど」
ハリー「ビル、チャーリー、パーシー、フレッド、ジョージ。お兄さんが五人だね、うん」
ハーマイオニー「一人っ子の私とハリーからしてみたら、羨ましくもあるけど……」
ロン「そうでもない、って僕ん家にきてよくわかったろ?……あれ、君って一人っ子だっけ?」
ハーマイオニー「?そうよ?」
ハリー「あれ、僕も、なんだか君から妹がいるって話をいつか聞いた気がするんだけど……気のせいかな」
ハーマイオニー「二人とも、寝ぼけるのは『魔法史』の授業だけにしてちょうだい」
ロン「ジニーっていう下の子もいたけど、女の子だからね。あんまりいじめるとママが怖かったんだ、いや、僕をからかいすぎたときももちろん怒ってくれたけど」
ロン「で、泣いたりなんだったりした後に、ママとか、兄貴達とか……あぁ見えてパーシーとかが、お菓子をくれるんだ」
ロン「そういうわけで、僕は悩んだりへこたれたりしてもあんまりくよくよせず、お菓子を食べれればそれでいい、っていう考え方になったのさ」
ハリー「あー……刷り込み?」
ハーマイオニー「ちょっと違う気がするわ。近いものはあるけど」
ロン「そういうわけで、ハリー。悩んでたって仕方ないよ、ほら。一緒にカエルチョコを食べようよ」
ハリー「いや、悩んでいるというよりは解決のために頑張っている最中だけどね……ありがとう、あ、またダンブルドアだ」
ハリー「ロン、君がそこまで悩む必要はなかったと思うんだけど」
ハーマイオニー「あぁは言っても、結局はロンはただ単にお菓子がすきなのよ……喋るか食べるか、どっちかにしなさい!」
ハリー「うーん……チョコを貪って、カードに一喜一憂する、魔法界の英雄……どう?」
ロン「親しみあるよな」
ハーマイオニー「マイナスだと思うわ」
ハリー「……だよね」
ロン「ちょっと待って、ハリー。その肯定はどっちに対してだい、ハリー?」
ハリー「だって君……しまいにはダンブルドアを罵りだすし」
ロン「仕方ないだろう!?これで何枚目だと思ってるのさちくしょう!マーリンの髭っ!!」
ロン「本当かい、ハリー?嬉しいな、お祝いにこのダンブルドアカードあげるよ」
ハリー「いや、遠慮しておくよ。僕も捨てられずに大量にあるし……」
ハーマイオニー「中に絵が無い状態を見計らって捨てないと、ゴミ箱の中で騒ぎだすんだったわよね?」
ハリー「僕、まだダンブルドア先生にはカッコイイイメージのままでいてほしいんだ……」
ハリー「……じゃぁ、次。ハーマイオニーだ」
ハーマイオニー「任せて。各種参考書はばっちりよ」
ドサドサドサッ
ロン「……天井から降って来たよ」
ハリー「……『必要の部屋』、さっき僕が言ってたこと、聞いてた?」
ハリー「うん、僕も君のとびっきりの笑顔を拝めて嬉しい限りさ」
ハリー「だからハーマイオニー、お願いだ。いもり試験レベルはやめて、初歩にしようよ、そうしよう」
ハリー「僕が今『魔法薬』のそんなもの読んだって、スネイプの授業での壊滅的な点数は変わらないわけだし、さ!」
ハーマイオニー「いいえ、ハリー。あなたは特別『魔法薬』が下手なわけじゃないわ」
ハーマイオニー「スネイプが相手だから集中しきってなかったり、いろいろね。だから、しっかり知識をつければ、上の空でもきっとしっかり作れるようになれるわ!」
ハリー「そんな、メチャクチャな……ロン、君からも何か……ロン?」
『ピッグに餌をやってきます ロナルド』
ハリー「……あぁ、ロン。君のたくましさは見習おうと思うよ、うん」
ハリー「木星に、ネズミが大量にいる衛星なんてないことは分かったよ……」
ロン「……ハーマイオニー、ハリーに禁術でも使って無理に勉強させたんじゃないだろうな。こんなにゲッソリしちゃって」
ハーマイオニー「失礼ね!普通に勉強を教えていただけよ!」
ハリー「ロン……宿題とテスト前以外で勉強するのって、こんなに辛いことだったんだね……僕、改めてハーマイオニーを心底尊敬するよ」
ロン「そりゃ収穫だったね、君にはガリ勉路線は合わないってことさ、うん」
ハーマイオニー「ガリ勉って言わないで!」
ハリー「一生懸命言葉を選んでくれてありがとう、ハーマイオニー。君ってたまに凄く優しいよね、今は逆効果だけど」
ハーマイオニー「と、とにかく。ハリーはその……得意なところを、伸ばす方向で行ったほうがいいと思うわ」
ロン「つまりは、『研究者』タイプってことかぁ」
ハリー「……」
ロン「……」
ハーマイオニー「……」
ハリー「……なんだか、嫌な流れな気がするよ?」
ロン「……何事も経験さ、ハリー」
スネイプ「……」
ハリー「……そういうわけで、先生のお仕事ぶりを、見学させてください」
スネイプ「……」
ハリー「……」
スネイプ「……ふざけておるのならば、ポッター。我輩にもそれ相応の、対処というものをとる用意があるが」
ハリー「先生、まず言わせてください。これは僕にとっても不本意な展開に他ならないんです」
スネイプ「……だから、ふざけておるのかと」
ハリー「大真面目です、だから困ってるんです、先生」
ハリー「マクゴナガル先生は、猫会議でお忙しいそうです、先生」
スネイプ「……フリットフィック先生は」
ハリー「昨夜、バタービールを飲みすぎた、と。先生くらいの身長の方には、あれでも強いくらいだそうです、先生」
スネイプ「……」
ハリー「本当に残念なんですけど、 お 暇 なのが先生しかいないものですから、先生」
スネイプ「……」
ハリー「……」
スネイプ「グリフィンドールから五点減点」
ハリー「あんまりだ!」
スネイプ「君は自分の発言を省みるということを覚えてから口を開きたまえ、ポッター」
ハーマイオニー「平気よ、スネイプ先生はダンブルドア先生側だって、今の状況でこの城にいるなら分かりきったことじゃない」
ロン「それでもさぁ……そうだ、ハリーがあの髪の長い状態のまま行けば、よかったんじゃないか?」
ハーマイオニー「ロン……残念だけど、ハリーの見た目はハリーのお父様にそっくり、忘れちゃダメよ」
ロン「あ……そうだね、うん。地下牢教室がスネイプの怒りのあまり、その。謎の魔法薬で埋もれっちまうことになる……」
スネイプ「出て行け!!!! 出 て 行 け !!!ポッターめ!!!貴様はやはりあのポッターの息子だ我輩の研究室から出て行くのだ!!!
ハリー「僕、そんな、先生!ご機嫌を損なわせさせてしまったのならすいません……うわっ!?!?鍋から何かが吹き出てきた!?!?」
ロン「……そうでなくとも、そうなったみたいだ」
ハーマイオニー「……どっちも、お互いがいると普通でいられないものね」
ハリー「やぁ、はは。まいったね、怒らせてしまったみたいだ」
ロン「何か収穫はあったかい?」
ハリー「とりあえず、あんな大人にはなりたくないな、ってところかな」
ハリー・ロン「「HAHAHAHAHAHAHA!!」」
ハーマイオニー「御託はいいのよ。ハリー、何があったの?」
ハリー「特に何も?スネイプがいきなり、グリフィンドールから減点したんだ」
ロン「うん、スネイプってそういう奴さ、うん」
ハリー「そう、だから僕が夏にシリウスから習った父さんの声マネで『そんなことだからチェリーなんだよ、泣き味噌スニベりー?』って言い返したんだ。チェリーってどういうことだろう」
ハーマイオニー「」
ロン「うん、よく言ったぜハリー。きっと子供っぽいとか、そういうことだろうさ」
ハーマイオニー「……あなたたちほどじゃないと思うわ」
ハリー・ロン「「?」」
ハーマイオニー「なんでもない……明日の寮対抗の得点砂時計は、ちょっと見ものだわね」ハァァ
ロン「ホグワーツでの猫の階級を決める大事な会議なのです!だもんな」
ハーマイオニー「年功序列でいけば、先生の独壇場じゃないのかしら」
ロン「おぉっと、ハーマイオニー。今の発言はちょっと先生に聞かれたらまずいと思うよ?」
ハーマイオニー「お生憎、私はあなたが先生に対してもっともっと失礼なことを言ってることを知ってるわ」
ロン「なるべく内密にお願いします……」
ハリー「ロンはいつになったら口喧嘩でハーマイオニーに勝ってこないって分かるんだろう……」
ロン「我輩で、ねちねちしてて、それとえっと、チェリーなんだね」
ハーマイオニー「出来れば最後のは外した方がいいと思うわ、万が一聞かれた時のことを考えて」
ハリー「そんな英雄って……どう?」
ロン「ホグワーツやめろって思うね」
ハーマイオニー「というか、それもうただのスネイプ先生に変な傷があるだけじゃないの」
ハリー「……変な傷って」
ハーマイオニー「言葉の綾よ、もちのロンよ」
フレッド「おやおやぁ?お三人さん、どうしたいこんなところで」
ジョージ「喧嘩はよくないなぁ、君達らしくないんじゃないか?」
フレッド「よう、ロン。それにハリーに、われらが才女様」
ジョージ「先日の恩は忘れませんで、われらの才女様様!」
ハーマイオニー「やめなさい」
ハリー「?ハーマイオニー、二人に何をしたの?」
フレッド「おぉハリー、聞いてくれよ。ハーマイオニー様はなんと慈悲深いお心で、僕らを助けてくれたのさ」
ジョージ「おおともさ。あるレイブンクローの野郎に取りたてをしていたら、奴さん、支払う気がないとくる」
フレッド「それどころか、僕らに呪いをかけようとしやがったんだよこれが」
ジョージ「そこで颯爽と現れますは、ここにいらっしゃる才女様ってわけさ」
ロン「情けないな、二人とも」
フレッド「おぉっとロニー、口を慎め。俺達は盾の帽子を試そうとしていたから無防備だっただけだ。あんな木偶に遅れをとるわけないだろう」
ジョージ「正義感を働かせたハーマイオニーにその試みは阻まれたけどな。まぁともあれありがとう、ってことさ。礼を言っておくよ、改めて」
ハーマイオニー「なんだか言われた気がしないわ」
ジョージ「さぁさぁお望みは何かな?授業をサボって快適な睡眠?それとも誰かの鼻面を文字通りまげてやるかい?」
ハーマイオニー「結構よ!……あ、そうね。一つだけあるわ」
ロン「あー、そうだね。個性的といえば、この二人だ」
ハリー「僕にマネできるかな……」
フレッド・ジョージ「「?」」
ハーマイオニー「二人とも、ハリーのイメチェン、手伝って頂戴」
ジョージ「僕らの弟子、それも一番弟子になりたい、と」
ハーマイオニー「誇大解釈はやめなさい」
ハリー「似たようなものだとは、思うけどね……」
ロン「ハリーなりに、悩んでるんだ。協力してやってくれよ」
フレッド「そうは言ってもなぁ……そうだ、髪を赤く染めるなら、いい道具が」
ハリー「フレッド」
フレッド「……はい」
ハリー「僕は君を、大事な親友のお兄さんだと思いたい。思っていたい、ずっと」
フレッド「……も、もちの、ロニー坊やさ、あははははははははははは!!!」
ジョージ「ど、どうしたのさハリー、わ、笑いが必要みたいだなあっははは!」
ハーマイオニー「……しばらくは、ハリーに髪の毛の話題は禁句ね」
ロン「君が余計なこと言うから……」
ジョージ「むしろ悪戯が僕ら、いや、僕らが悪戯と言った所か」
ロン「何を言ってるんだい?」
フレッド「ちっちっち、ロン、君はまだ若いな。マーチン・ミグズの冒険に目を輝かせていた少年時代から何も変わっちゃいない」
ジョージ「とにかく、僕らの性格を真似したいと言うのなら、ハリー。悪戯とは切ってもきれない、そういうことさ。分かるか?」
ハリー「うん、これでも君らの事業の出資者だし」
フレッド「そこでだ、ハリー。ちっとばっかり面接のようなものをしてみよう」
ジョージ「君がこれまでどんな悪戯をしてきたか、つづがなく教えてもらおう」
ロン「それなりに、やってきてるよな。僕達も」
ハーマイオニー「おかげさまで私の苦労は耐えないわ……加担してるのもあるから、なんともいえないのだけど」
ハリー「そう、だね……えぇっと、君達に比べれば、些細なことかもしれないけど」
フレッド「ハハハハハハハハ!そりゃそうさ、ハリーよ!われらが友よ!」
ジョージ「僕らの武勇伝に比べれば、あの『魔法悪戯仕掛け人』さえ……」
ハリー「一番酷かったのと言えば……スネイプの授業中に、花火を大鍋に投げ込んだり、とか?」
フレッド・ジョージ「「」」
ロン「あー……あったねぇ」
ハーマイオニー「……必死だったもの、ね」
ジョージ「じょ、冗談きついぜ…?」
ハリー「ほんとだよ、君達だから話すけど。え?授業中に、そういうのくらい……ねぇ?」
フレッド「いや、僕らも流石に授業を妨害することは、極力……」
ジョージ「それってもう悪戯っていえないからな……笑えないし」
ハリー「え、あー……あとは、えっと、あぁ、さっきスネイプを、うん。すこぶる怒らせたね、あれも悪戯に入るのかな」
ロン「あ、そうだ!シリウス仕込の悪戯っていえるじゃないか、うん!」
フレッド「へ、へぇ?あのシリウスの……そりゃ、どキツイんだろうな!はは!聞かせてくれよ!」
ジョージ「そ、そうだな!学生時代は悪だったって、散々言っていたし!何をしたんだいハリー!」
ハリー「あぁ、『そんなことだからチェリーなんだよ、泣き味噌スニベリー?』って」
フレッド・ジョージ「「おみそれしましたっっっ!!!!」」
ハリー「え……え?」
ハーマイオニー「……」ハァァァ
ジョージ「教授にそんな真似できるのは君くらいのものだ、うん」
ハリー「そんなことないだろう!?君たちの悪戯は、えっと、派手で!すごくて、あの!」
フレッド「いや……俺達は結局、授業中だから……って、どこかで日和ってたのさ、ハリー。僕らの英雄くん」
ジョージ「それに、あのスネイプに向かって……漢だ、漢だよ、ハリー。僕は君を改めて英雄と呼ぶね、あぁ」
ハリー「よく分からないよ……本当に行っちゃうのかい?二人とも……あーあ」
ロン「……君はもとから、悪戯大好き人間だった、ってことなのかな?」
ハリー「そうでもないと、思うんだけど……」
ハーマイオニー「すべてはあなたの巻き込まれ体質のせいよ、ハリー」
フレッド「俺達が甘かったな、兄弟。僕らの餞はもっともっとど派手に、そうだろ?」
ジョージ「あぁ……あの花火は、全部の教室を飛び回るくらいにしてやろうぜ……?」
ロン「あの二人が、まさかの空振りだったもんな」
ハーマイオニー「いいえ、むしろクリーンヒットの場外ホームランだったわ」
ロン「?ホームランってなんだい?」
ハーマイオニー「こっちの話よ。でも、そうね……彼ら以上に、個性的な人って言っても、そうそう……」
ルーナ「あ、ハリー、ロンにハーマイオニー。こんにちわ。スモモ飛行船が綺麗に飛びそうなお天気だよ、こんなところでどうしたの?」
ハリー「……やぁ、ルーナ」
ロン「……今日は何の日だろうね」
ハーマイオニー「……知らないわ」
ルーナ「?よく言われるけど、別に変わったことはしてないよ。それなら、ハリーの傷も今日も決まってるよ」
ハリー「ほら、その、えっと……耳からぶら下がってるカブ?とかのことさ」
ルーナ「これ。ピンクのユニコーンが食べるんだよ。お父さんが言ってたモン!あんたもいる?」
ハリー「いや、ハハ。僕が近寄ったら、僕のことだから腕ごと噛まれて終わりさ、遠慮するよ」
ロン「ハリーって、意外とルーニーと普通に喋るよな」
ハーマイオニー「ルーナ、よ。ロン」
ハリー「そういうわけじゃ、ないんだけど……あ!そうだ、ロン、ハーマイオニー!」
ロン「うん、今更かいハリー」
ハーマイオニー「そうね。ルーナほどの子もいないわ。だかr」
ハリー「ルーナに、変わった人を教えてもらおうよ!うん!」
ロン「……」
ハーマイオニー「……」
ルーナ「?」
ハリー「……あのね、二人とも。いくら僕でも、分別くらいあるよ、参考にする人を選ぶのに」
ロン「……スネイプより、か。うん、気持ちは分かるけどね、ハリー。さり気に酷いね」
ルーナ「真似?あ、そうだ。鏡にじゃんけんで勝つ方法、知ってる?凄いんだよ、鏡に向かって歯をむき出して……」
ハリー「あぁ、でも僕は鏡には似た者兄弟でいてほしいよ、ルーナ」
ロン「そもそもなんの意味があるのさ、それ」
ルーナ「うん?私、いつも一人だから。鏡とじゃんけんできれば、退屈しないモン!」
ハリー「ルーナ、いいかい。グリフィンの談話室は教えられないけど、ある程度の場所を教えてあげるから、辛くなったら来るんだ。いいね?」
ルーナ「?」
ロン「あぁ、ハリーがルーナにこれでもかってくらい同情してる……」
ハーマイオニー「……マグルの学校では一人だったんだものね、ハリーも」グスッ
ルーナ「なに?」
ハリー「えっと、君が知る限りでいいんだけど」
ルーナ「計り知れぬ英知こそ、われらが最大の宝なり~♪」
ロン「たくましいね、ははは……」
ハリー「……この城で、変わってる、って人。教えてくれない?」
ルーナ「? 私じゃなくていいの?」
ハリー「あ、うん、言っちゃうんだ。えーっと、君以外でお願い」
ルーナ「分かった、それじゃ、あの人だね。私も、よく分からないよ」
ハーマイオニー「ルーナがそう言うほどの?それって……?」
ルーナ「ハグリッド」
ハリー・ロン・ハーマイオニー「「「……あぁー」」」
ハグリッド「よぉ!おめぇさんら、元気にしとったか!?」
ハリー「やぁ、ハグリッド。もちろん元気さ、ハグリッドほどじゃないけどね」
ロン「ひさしぶり……ハグリッドは、なんだろう。『ワイルド』系?」
ハーマイオニー「こんにちは、ハグリッド……そうね、そうなるかしら」
ハグリッド「?何の話をしちょるんだ?」
ハリー「実はね……」
ハリー「あー、うん。ハグリッドがするわけじゃないから、いいんだけど……」
ロン「とにかく、ハリーにハグリッドらしさ、っていうのを教えてあげてほしいんだよ」
ハグリッド「俺らしさ?俺の、俺らしさっちゅーもんは、お前。ハリーがよぉーく知っちょるはずだろ、え?」
ハグリッド「何せ俺ぁ、ハリーがあのダーズリーの豚小屋を出てからずーーーっと、友達なんだからな!」
ハリー「はは、そうだね、ハグリッド……でも、胸張りすぎるのはちょっとやめてあげてくれるかい。吹っ飛んだマグカップがロンに直撃したし」
ハグリッド「おぉ、すまんすまん」
ロン「あっついなもう、なんだよ!マーリンの髭っ!!!」
ハグリッド「おぉ、そうさなぁ。動物っちゅーもんは、えぇもんだ。そうだろ、え?お前さんらのおかげで、俺ぁここで教師として動物をみてやれてる……
ハグリッド「俺みてぇな、しがない半巨人がだ。お前さんたちにゃ、感謝してもしたりねぇ」
ハーマイオニー「そんな、いいのよハグリッド。頭なんて下げなくても」
ハリー「うん、そうさ。僕らは僕らの出来ることをしたまで、そして今ハグリッドにしてほしいのは、追加のマグカップを被ってしまったロンに何か拭く物を渡すことさ」
ロン「あっついよもうなんなんだよ!!!マーリンの髭!!髭!!!」
ロン「分かってるよ。君がわざとやろうとしたら、僕は滝の如く紅茶に打たれてるはずだからね」
ハリー「話しを戻していいかな。とにかく僕に、ハグリッドはどうしてそういう風なのかっていうのを……」
ハグリッド「うーん、そうはいうてもなぁ。俺にはなーんのことなのか、さっぱり……」
ハーマイオニー「ハリーはね、ハグリッドみたいになりたい、って思ってるのよ。簡単に言うと」
ハグリッド「……おぉ、おぉ!?そう、そうなんか!?ハリー、お前さん、そう思ってくれとるんか!?」
ハリー「うん」
ハグリッド「ほぉぉー……ほぉー!そう、そうか!そうか、うん!そいつぁ、ほぉーー!」
ロン「……メチャクチャ嬉しそうだね、ハグリッド」
ハーマイオニー「そうね。ファングがペチャンコになりそうだから、撫でるのやめさせたいけど無理なくらいね」
ロン「二度あることはが起きなくて良かったよ、本当に」
ハリー「うん!ハグリッド!」
ハグリッド「よーし、そうだな!起きたらまずは……」
ハグリッド「トロールと相撲だ!」
ハリー「うん、ありがとうハグリッド。それじゃ、またね」サッ
ハグリッド「!?」
ロン「お茶ありがと、すっごく熱くて最高だったよ、じゃ」サッ
ハーマイオニー「怪我に気をつけてね、それじゃ」サッ
ハグリッド「ま、待ってくれ、待ってくれぃハリー!そうだ、そうだなトロールはきついかいきなりは、えぇ!?じゃぁアラゴグに相手を……待ってくれぃハリー!!」
ロン「……」
ハーマイオニー「……」
ロン「ワイルドどころじゃないよ、『野生』だよあれは」
ハリー「……そういえば学生の頃、学校抜け出して森でトロールと相撲とってた、ってリドルが言ってたっけ」
ハーマイオニー「ちょっと無理があったわね、ハグリッドみたいになろう、っていうのは」
ロン「よくよく考えたら、ルーナが引くくらいの変な人、ってわけなんだものね。そりゃそうさ」
ハリー「友達としては、すっごくいい奴なんだけどね」
ロン「もちろんさ。でも見習いたいか、っていうと、そうでもないよな、うん」
ハーマイオニー「どうする、ハリー?もうやめにする?」
ハリー「うーん……でも、まだいまいち、これっていうのが……」
ロン「……あっ、そうだ!あの人がいるじゃないか!」
ハリー「え?誰だい?」
ロン「ほら、『ワイルド』っていえばさ!君も尊敬してる、あの!」
ハリー「!」
リーマス「……と、いう理由だけで。ホグワーツからここに、来たっていうのかい?ハリー?」ハァァァァ
ハリー「ごめんなさい、リーマス。でも僕、真剣なんだ!」
リーマス「……あぁ、そうだね。実に君らしい、そして君の父さん母さんらしい行動だ……全くね。一応、非常事態なのだけれどなぁ」
ロン「校長先生に事情話したら、校長室の暖炉から送ってくれたよ」
ハーマイオニー「『ハリーのためじゃ』って」
リーマス「……あの人は、もう」ハァァァァ
ハリー「それで、リーマス。シリウスは?そういえば会うのは久しぶり、だよね」
ロン「あ、ハリーが目に見えてワクワクしてる……そういうわけで、リーマス。『ワイルド』な人物のお手本として、シリウスにあわせてほしいんだ」
ハーマイオニー「ハリーも憧れてるし、適任だと思ったのだけど」
リーマス「あぁ……『ワイルド』ねぇ、うん。確かに、昔の彼なら……でも、今はどうかなぁ、ハハ」
リーマス「それはね、かつての彼は歩けば女子生徒の群れが出来るほどのハンサムだったし、年をとっても痩せはしたが変わっていない……」
ロン「羨ましいね、あぁ、とても」
リーマス「……でもほら、ここのところ彼はこの屋敷に閉じ込められっぱなしだし、その……」
ハーマイオニー「たまの散歩くらいでしょうね、えぇ」
リーマス「あぁ、だからほら……あの、少しのやりがいをみつけて、はしゃいでいるんだ。見逃してやって、くれないだろうか……」
ハリー「?どういうことなの、リーマス……あ」
ドタドタバタバタバタ!!
ハリー「こっちに近づいてくるのは、もしかして!」
バターン!
ハリー「シリウs」
シリウス「はっはー!どうだ、ムーニー!賭けの通り、犬の姿のままネズミ十匹!捕まえてやったぞ!!これが証拠だ!!」チューチューチューチュー
ハリー「」
ロン「」
ハーマイオニー「」
リーマス「そうだね、我が友パッドフット。そんな賭けに年甲斐も無く本気になってしまう君も君だが、まずはゆっくり左手の方をむいてくれるかい?」
シリウス「うん?どうしたっていうんだ、僕の端正な横顔でも見たく………………」
ハリー「」
シリウス「……やぁ、ハリー。わたしに会いにきてくれt」
ハリー「僕、バックビークの面倒をみてきます」
シリウス「あ、ま、待ってくれハリー!違うんだ!違うんだチャンスを、チャンスをくれーーー!!!」
ハーマイオニー「……ある意味では、とてもワイルドだったわね」
ロン「……リーマス」
リーマス「言わないでくれ……今、迂闊な賭けをしてしまった自分を物凄く恥じている」ハァァァ
シリウス「ハリー、ハリーハリー、なぁ、おじさんはやめよう、そうだろう?私と君の仲じゃないか」
ロン「……なんでだろう、ハリーの目の前にいるのがハンサムな男の人じゃなくて尻尾と耳を垂らした犬に見える、なんでだろう」
リーマス「あぁ、ロン。君もシリウスの見方がよく分かってきたじゃないか」
ハーマイオニー「ハリー。驚いたのは分かるわ、でもせっかく来たのだし、普通にしましょうよ。ね?」
ハリー「……それもそうだね。シリウス、ごめんよ。勝手な期待をして。シリウスだってはしゃぎたい時もあるよね」
シリウス「分かってくれたk変わってないぞ!?は、ハリー!その目で、リリーの目でジェームズの顔でわたしを残念な表情で見るのはやめてくれぇーーー!」
リーマス「……シリウス、とりあえず座るんだ。ハリーが見下ろしてるのは、君がハリーの足にすがりついているせいもあるのだから」
シリウス「……『お座り』といわなかったことに優しさを感じるよ、リーマス」
リーマス「それ、君が本気で怒る冗談の一つじゃないか、言わないよ、ここぞという時まで」
ハリー「え、そうなの?」
リーマス「あれは、ただ単に落ち着きだしただけだろう、シリウス。ともあれ、せっかく私達を頼ってきてくれたのに、力になれなくて申し訳ないね」
ロン「リーマスが謝ることじゃないよ……多分」
シリウス「ハリー、こんな私でも、いつでも力になるぞ」
ハリー「そうだね、ホグワーツにネズミが大量発生した時なんて、シリウスに頼めばへっちゃらさ」
ハーマイオニー「そもそもホグワーツに入れないわ、ハリー」
シリウス「へたれと言うな!」
リーマス「……『教師』とか、に。憧れたりは……しないかい?」
ハリー「あー……ごめんなさい、リーマス」
ハリー「実は、その枠はよりによって……スネイプに使ってしまって」
リーマス「パッドフット、久方ぶりに呪いの手紙をたしなめるよしようか」
シリウス「あぁ、ムーニー。『吼えメール』が可愛く思えるものをこしらえてやろうじゃないか」
ハリー「待って、ストップ二人とも……ダメだきいてない、ダメだ、この二人、ダメな大人だ!!」
ロン「……割りと今更だよね」
ハーマイオニー「言わないであげましょう」
ロン「結局止められず、惨事になる前に帰ってきちゃったね」
ハーマイオニー「ハリー……答えは、見つかった?」
ハリー「いや、実はまだ……うーん、どうすればいいんだろう」
ロン「……」
ハーマイオニー「……」
ハリー「このままじゃ、僕、普通って言われ続けるのかな……」
ハーマイオニー「……ねぇ、ハリー。最初から、言おうと思っていたんだけど……ううん、少しは言ったのだけど、ね?その……」
ルーナ「あ、ハリー。ロンとハーマイオニーも、お帰り」
ハリー「……ルーナ?」
ルーナ「計り知れぬ英知こそ~♪ 遊びにきていいって、あんた言ったモン」
ハリー「あぁ、そうだったね」
ルーナ「ハグリッドのところには、いったの?なんだかさっき、あんたの名前を呼んで走り回ってたんだ。何があったのかな?」
ハリー「あー、それは、さ……」
ロン「ハリー、僕とハーマイオニーは先に戻るよ。ほら、ハーマイオニー行った行った」
ハーマイオニー「えっ!?あ、ちょっとロン、待ってよ!私、ハリーに言わないといけないこと……」
ロン「こういうのって結構、近すぎる人より少し離れた側から言われたほうが、ハッとするもんなのさ。男って天邪鬼だからね、それじゃ、ハリー」
バタンッ
ハリー「?なんだったんだろう、二人とも」
ルーナ「さぁ。それで、何してたの?スパゲティモンスターでもみつけた?」
ハリー「それってマグルの文化じゃなかったっけ。えーっと、実は、さ」
ハリー「うん、そう。ほら、僕って普通だろう?」
ルーナ「?」
ハリー「だから、変わってる人たちに近づけば、少しは……って、思ったんだけどなぁ」
ルーナ「あんたが何を言ってるのか、いまいちよく分からないけど。うーん、あんたは変わってるって、私は思うけどな」
ハリー「?そ、そうかい?」
ルーナ「うん、そんな変なこと考えてる、ってだけで……すっごく、変な人だと思う、うん。あんたが一番」
ハリー「……えっ!?」
ルーナ「だって、あんたはあんただモン。他にいないんだから、真似したって何にもなれっこないよ」
ルーナ「あんたはどこまでいったって、ハリー・ポッターだからハリー・ポッターなんだよ。他人になんてなれないんだから、だからあんたの言ってることはヘンテコ」
ハリー「そ、っか……」
ルーナ「それにさ。あんたがたとえ、うーん、そうだね。ポリジュース薬で変身してたって、きっと私はあんたが分かるよ?」
ハリー「……ははっ、流石にそれは無理だよ、ルーナ。ポリジュースがどれだけすごい薬か、知らないだろ?」
ルーナ「知ってるもン!去年のマッド=アイので!ほんとだもン!分かるんだから!だってあんた、友達だもン!」
ハリー「……そっか。そうだよね、ルーナ。ははっ、僕ってホント、今日一日、変なこと言っていたみたいだ」
ハリー「……みんなは、僕が普通だからでも、変わった奴だからでも、一緒にいるわけじゃない」
ハリー「僕が、僕だから……友達だから。そういうこと、なんだね?」
ハリー「?うん、そうだね」
ルーナ「……私、なんだよね!」
ハリー「?え、だって君も、さっきそう言ってくれたから……違うのかい?」
ルーナ「ううん!うん!うん!……はいっ、ハリー!これ、あげる!」
ハリー「あ、カブのイヤリング……あー……」
ルーナ「友達!」ニコッ
ハリー「……っはは。あぁ、友達だ」
ロン「落ち着きなってば。君がルーナをあまり気に入ってないのは知ってるけどさ」
ハーマイオニー「そういうわけじゃないわ!でも、その、ハリーの親友の私達が……」
ロン「ハリーを支えてるのは何も僕達だけじゃない、それくらい分かってるだろう?」
ハーマイオニー「……そうだけど」
ロン「ははっ、なんだかいつもと逆の立場で面白いね。君が落ち着かなくて、僕が諭すなんて」
ロン「……いいかい?僕らとハリーは、あまり似てないけど仲良くなった。いや、むしろ似てないから仲良く慣れた、って感じかもしれない」
ロン「でもさ、ルーナとハリーは、似た者同士なんだ。うーん、君が怒るのも分かるし、ひょっとしたらハリーも怒るかもしれないけど」
ロン「でも、だからこそ。似た者同士な間柄だからこそ、通じ合う部分もあるんじゃないかな。僕らに話せないこと、僕らが聞いても胸を軽くして上げられないこと」
ロン「あるんだよ、きっと。ルーナには、そういう部分がね」
ハーマイオニー「……あなたにしては、随分とお考えになったみたいね」
ロン「あぁ、君と僕が崖から落ちそうになった日に、目一杯ね」
ハーマイオニー「……あれから問い詰めたけど!ハリーは私を先に助けてくれるって言ったそうじゃない!」
ロン「はっはー!残念でしたー!最終的には僕が先立ったから、僕の勝ちさー!」
ロン「言葉のあやじゃないか!君はすぐそうやって……!!」
ハリー「……あー、一応言わせてもらおうかな。二人とも、落ち着きなよ」
ハーマイオニー「!ハリー!ねぇ、このあいだの質問だけ、ど……」
ロン「……あぁ、ハリー」ニヤッ
ロン「いいイメチェンに……っぷ……なったんじゃないか?」
ハーマイオニー「えぇっと……す、素敵なカブね、ハリー」
ハリー「……周りの目が痛いよ、うん。でも友達の証みたいだし、仕方ないさ」ジャラッ
完
ジニー「……」
ジニー「……出遅れた!?!?!?」
今度こそ、完
でもルーナがおもっそ出せたからえぇわ!ルーナえぇぞ!四巻で読むのやめた人もったいないで!
さるくらいまくって遅くなってすまんかったの!次はササッと終わらすのにするさかいな!
ラドクリフお大事に!
じゃあの!
ハリー・ポッター シリーズ
一巻~七巻まで
世界的大ヒット発売中!!
ハグリッドの再現度に驚いた
面白かった
おもしろかったぞ
乙
Entry ⇒ 2012.07.13 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
セレナード「たまには表のナビの方たちとお話がしたいですね」
セレナード「・・・・・・」カチカチ
ドリームメラル「ギーッ」ばよえーん
セレナード「よしっ」
ヤマトマン「・・・セレナード殿、一体何をされているので?」
セレナード「落ちゲーです。同じ色のドリームビットが4匹揃うと消えるんですよ」
ヤマトマン「はぁ・・・」
セレナード「・・・」
ヤマトマン「・・・」
ヤマトマン「いえ、最近シークレットエリアの警護が手薄になっておりますゆえ、御忠言を・・・」
セレナード「ナンバーズのことですか?あれなら私が解除しました」
ヤマトマン「!?何故そのようなことを・・・!」
セレナード「パズル感覚でつい、やっちゃいました。いやまさかこんなにセキュリティが甘いとは」
ヤマトマン「・・・」
セレナード「退屈なんですよね。ナンバーズがなくなったって侵入者は一切やってこない」
セレナード「挙げ句の果てにはダークマンにこんなゲームを作らせる始末」
ヤマトマン「ダークマン・・・あやつも退屈なのでありましょうな」
ヤマトマン「むむう。我輩に訊かれましても・・・」
ヤマトマン「我輩の役目は我が主セレナード殿をなんとしてもお守りすることにありますゆえ」
セレナード「融通の効かないナビですねぇ」
ヤマトマン「」ガーン
セレナード「オモテの流行り廃りは・・・」
ヤマトマン「オモテのことなど、科学省を去ったあの日から一度も見聞きしておらぬのです」
セレナード「でしょうね・・・」
セレナード(・・・・・・・・・)
セレナード(あれ?私もしかしたら今まで一度もオモテに出たことがない?)
セレナード(いやいやそんなはずは・・・私の知り合いにオモテのナビは・・・)
セレナード(・・・・・・いない!!!皆ウラに通じてるナビ・・・!)
セレナード「ヤマトマン!」
ヤマトマン「はっ!?」
セレナード「今すぐオモテへ向かいましょう」
ヤマトマン「なりませんぞセレナード殿!ウラの王がそう簡単にオモテに出て行っては・・・」
セレナード「・・・そうですね。そうでしょう。私としたことが少し冷静さを欠いていました」
ヤマトマン「ああ、我が王があんなに悲しそうなお顔をなさるとは」
ダークマン「どうかしたのかヤマトマン」
ヤマトマン「むっ!ダークマン!貴様いつの間に・・・いやその前に、エリアの警護はどうした!」
ダークマン「いいじゃねぇか。侵入者なんてまったく来ねぇんだしよ」
ダークマン「それよりセレナード・・・どうしてそんなにショボくれてんだ」
セレナード「ううう・・・ダークマン・・・私オモテに知り合いがいないことに気づいてしまったのです」
ダークマン「まぁこんなとこに篭ってれば当然だな」
セレナード「そう考えるとオモテのナビが無性に恋しくなってきて・・・一目見てお話したいのです・・・」
ヤマトマン「なりませぬぞ!オモテに出るなど、我輩が断固として許さぬ!」
ダークマン「ハッ!ウラの王ともあろうお方が・・・まるで籠の中の鳥だ」
ヤマトマン「貴っ様ダークマンンン我が王を侮辱するとは・・・」
ダークマン「オモテじゃなくてウラでやればいい」
セレナード「・・・今なんておっしゃいました?」
ダークマン「オモテがダメならウラでやればいいだろうが」
ヤマトマン「しかしセレナード殿がお会いしたいのはオモテのナビだと・・・」
ダークマン「ウラに呼び出せばいい」
セレナード「呼び出す・・・!?」
ダークマン「王からわざわざ民衆に会いにいくこたァねぇだろうが」
セレナード「ど、どうやって・・・?」
ダークマン「掲示板を使う」
ダークマン「さて・・・」
カキカキカキコ
ダークマン「・・・これでいい」
ピシュンッ!!
・・・・・・
わらわらわら・・・
モブナビ1「おい今の・・・闇の殺し屋ダークマンだよな?」
モブナビ2「ああ・・・掲示板になんか書き込んでたぜ!」
モブナビ1「見てみるか!」
拡散希望
ウラインターネット7にてネットナビオフ会を決行
参加者は「そこまでたどり着く実力を有する者なら誰でも」
オモテの掲示板にもコピペしとけ
モブナビ1「・・・オフ会?」
モブナビ2「ウラ7で・・・?」
一方オモテの掲示板に書かれた内容は数時間でオフィシャルの閲覧によって削除
その内容を見聞きしたものはウラと比較すると格段に少なくなった
しかし噂は実力者のもとには自然と行き届き・・・
数日後、ウラインターネットには数多の実力者が溢れていた!
ヤマトマン「必然的に名の知れたナビが集う・・・と言うわけか」
ダークマン「問題はオフィシャルだ」
ヤマトマン「・・・我輩たちで足止めを?」
ダークマン「ならず者じゃ束になっても敵わないのがいるだろ」
ヤマトマン「ブルース・・・」
ダークマン「そうだ」
ヤマトマン「セレナード殿の様子を見てくる」
セレナード「まさかこんなことになろうとは・・・」
セレナード「しかし『オフ会』っていったいなんなのでしょう」
「とりあえずここに入ってきたナビと好きなだけ話をすればいいのでは」
セレナード「・・・紅茶とか用意したほうがいいのでしょうか」
「・・・もてなしの心はウラに似合わないかと思われまする」
セレナード「別にカーテン越しじゃなくても構いませんが」
ヤマトマン「失礼しました・・・しかしあやつの言うことは信頼なりませぬ」
ヤマトマン「ダークマンは暗殺を生業とするナビ。このオフ会自体がセレナード殿を仕留めるための壮大な舞台やも・・・」
セレナード「こ の 私 が 負 け る と ?」
ヤマトマン「・・・・・・ないでしょうな」
ダークマン「・・・お・・・このナビは確か・・・」
ダークマン「>>30」
※話し相手のナビはすべて安価で決めます
ただし自分が未プレイ作品のナビだった場合、イメージで書くか再安価します
未プレイ作品
4レッドサン
5両方
6ファルザー
ワンダースワン版
ゲームキューブ版
携帯版二作
セレナード「・・・開口一番変な声出たら恥ずかしいですね・・・紅茶で喉を・・・」ゴクゴク
サッー!!
ヤマトマン「カーテンが!」
セレナード「!」
フォルテ「強者の波動を感じた・・・」
セレナード「ーーーーーー!!」ブハッ
セレナード「・・・・・・」
セレナードのコウチャブレス
フォルテは怒り状態になった
フォルテ「貴様・・・セレナード・・・!!」
セレナード「え・・・えーと・・・ごきげんよう」
フォルテ「・・・戦え」
セレナード「・・・はい?」
フォルテ「俺と戦え・・・!」
セレナード「え~と」
セレナード「タイム!」ピッ
フォルテ「」
ヤマトマン「さすがにこれは拙者も計算外でござった・・・」
セレナード「しかも戦えって!いくらなんでも危険すぎます!」
ヤマトマン「むむ・・・なれば拙者が命懸けで追い返して・・・」
フォルテ「何をゴチャゴチャ話している・・・」
セレナード「・・・分かりました」
セレナード「座りなさいフォルテ!ウラの王の前でそのような態度は許しません!」
ヤマトマン「む・・・?」
フォルテ「なんのつもりだ」
セレナード「貴方の狙いは分かってます。私を倒し、その力を奪い、更なる高みに上がろうとする」
フォルテ「そうだ」
セレナード「しかし貴方は一度私に敗れている。それなのに偉そうにリベンジしろなど、無礼にもほどがあります」
フォルテ「・・・何が言いたい?」
セレナード「私と戦いたかったら、まずは徳を積んで私と同じ位置まで上り詰めるんですね!」
フォルテ「徳を詰め、だと?」
セレナード「欲しいチップが出なくて泣いてる子供に交換を持ちかけてあげる!」
セレナード「依頼掲示板はすべて受ける!」
セレナード「そのくらいやらないと私への挑戦権は与えません!」
フォルテ「・・・・・・」
フォルテ「貴様、オレをバカにしているのか」
セレナード「まぁそうですよね。破壊の権化と謳われ恐れられているフォルテくんも」
セレナード「逆に言えば破壊(それ)しか脳がないってわけですもんねー」
フォルテ「・・・」ピキィ
セレナード「腕っ節だけじゃどうにもできない世界があるんですよ」
セレナード「そういう世界の厳しさも知って初めて・・・本当に強くなれるのです!」
フォルテ「・・・」
フォルテ「フン・・・いいだろう。お前の言うとおりにすれば確かに完全なナビに近づけるかもしれない」
フォルテ「・・・首を洗って待っていろ・・・すぐに貴様をデリートしてやる」
セレナード「待ってまーす」
フォルテ「カッッ!」ピカッ
セレナード「危なかった・・・こんな口八丁並べただけで本当に納得してくれるとは・・・」
ヤマトマン「ギリギリすぎでござろう・・・」
セレナード「まさかの初回フォルテ・・・もう次に誰が来ても驚きませんよ」
ヤマトマン「・・・ダークマン!次のナビは・・・」
ダークマン「ああ・・・来たぞ」
ダークマン「>>47だ」
セレナード「・・・ど、どうもはじめまして・・・」
メタルマン「うむ・・・」
セレナード「ええとメタルマンさんは・・・旅館前のお土産屋さんのナビでしたか」
メタルマン「ああ・・・」
セレナード「私のこと知ってます?」
メタルマン「旅館の裏に地下に繋がるエレベーターがあることは知っている・・・」
メタルマン「そしてそこが禁断のエリアに通じていることも・・・」
セレナード「私がそこの主なのです」
メタルマン「だろうな。お前は強い・・・目を見ればわかる」
メタルマン「このオレの鋼鉄の体が震えるほどの強い目だ」
セレナード「そんなに怖く見えます?私・・・」
メタルマン「オレも強さには自身があるが・・・お前には勝てそうにない」
セレナード「は、はぁ・・・」
ヤマトマン「こういう時は趣味を聞くのが定石でござるよ」ヒソヒソ
セレナード「・・・ええと、メタルマンさんのご趣味は・・・」
メタルマン「鍛錬だ」
セレナード(続かない・・・)
PiPiPiPi!!
メタルマン「む・・・たま子か。どうした」
メタルマン「なに?・・・分かった。すぐに戻る」
セレナード「どうしました?」
メタルマン「客が値引き交渉をしだした。自分が勝ったらTシャツを半額にしろと」
セレナード「ネットバトルですか」
メタルマン「ああ・・・せっかくの茶会だが、すまない」
セレナード「あ、いえいえ・・・頑張ってくださいねー・・・」
シュン!!
ヤマトマン「下手するとフォルテより相手しづらそうでござったな」
セレナード「そろそろ明るく楽しいお話がしたいですね」
ヤマトマン「そうでござるが・・・果たして誰が来るか・・・」
ダークマン「!来たぞ」
ダークマン「次は>>57だ」
セレナード「へ・・・?」
アイリス「あの、私、アイリスって言います」
セレナード「え、あれ、ナビ・・・ですよね?」
アイリス「はい。ワイリーによって制作された完全な人型ナビ」
セレナード「はぁ・・・好きですねあのジイさんも」
アイリス「あ、兄がお世話になったそうで・・・」
セレナード「兄?」
アイリス「私、カーネルの妹です」
セレナード「!!??」
アイリス「はい・・・」
セレナード「はぁ・・・あの孤高の戦士カーネルに妹さんがいたとは・・・知りませんでした」
アイリス「あの、それでお話が・・・」
セレナード「あ、はい、どうぞなんでもお好きなお話を」
アイリス「ぶっちゃけ6ってどうなんでしょう・・・」
セレナード「はい?」
セレナード「ああロックマンの・・・」
アイリス「彼、シリーズ通して秋原町で頑張ってきたのに」
アイリス「よりによって最終作で才葉タウンに越してきて」
セレナード「え、ええ」
アイリス「今までヒロインをやってきた桜井メイルに代わって、私が大抜擢されたんです・・・」
セレナード「よかったじゃないですか・・・」
アイリス「でもこれって、まるで今までのファンを裏切っている感じがして、いい気分でいられなくて」
アイリス「最終決戦なんて熱斗くんよりも主人公みたいなことを・・・」
アイリス「私ってすごく迷惑な存在なんじゃないでしょうか!?」
セレナード「・・・・・・」
ヤマトマン(まさかセレナード殿も悩み相談をするなんて思ってなかったでござろうな)
アイリス「!は、はい」
セレナード「まず最初に言っておくと、私は6には出てません」
アイリス「はい」
セレナード「仮にもウラの王である私が、電脳獣騒動を見て見ぬ振りをしていたことになります」
アイリス「別にそんなことないんじゃ・・・」
セレナード「いえ!見て見ぬふりをしなくちゃいけなかったのです!」
アイリス「なぜ・・・?」
セレナード「なぜってそれは決まってます」
太 陽 少 年
ジ ャ ン ゴ
アイリス「・・・!!」
セレナード「エグゼ4、5、6、とコラボして専用イベントまで用意されたキャラでした」
セレナード「ある日私は、こんな噂を耳にします」
セレナードは元々6に登場する予定だったが
太陽少年ジャンゴ専用イベントのせいで容量不足になり
やむを得ず未登場に終わった
アイリス「・・・!!」
セレナード「分かります?私は・・・」
セレナード「元々用意されるはずだった出番を!他作品のキャラに奪われたんです!」
セレナード「ウラの王セレナードは太陽少年に敗れたんですよ!!」
アイリス「そ・・・そんな・・・」
セレナード「しかし私にはその出番すらなかったのです」
セレナード「貴重なシークレットチップの欄には、燦然と輝く『ガンデルソルEX』が!」
アイリス「・・・・・・!」
セレナード「私は泣きました。泣いて、泣いて、そしてギガフリーズでこの電脳世界ごと凍結させてやろうかと思いましたが」
セレナード「そのギガフリーズをロックマンに渡したことを思い出して・・・また泣きました」
アイリス「そんなの・・・切なすぎるわ・・・」
セレナード「でもね、アイリスさん。今となっては私は、それでも悪くはないと思ってるんです」
アイリス「どうして・・・ですか?」
セレナード「なんかそっちのほうがありがたみというか、高級感がありません?」
アイリス「ま、まぁなんとなく分かります・・・」
セレナード「あなたも前向きに捉えたほうがいいですよ」
アイリス「前向きに・・・?」
セレナード「ロックマンエグゼ6は『カーネルとアイリスの兄妹愛を描いた物語』!」
セレナード「そうやって考えると、ほら、悪い気はしないでしょう?」
アイリス「うっ・・・」ジワッ…
アイリス「セレナード様ぁあああああ!!!」ブワッ
セレナード「よしよし」
ヤマトマン(なんてお方だ・・・自分の不満をぶちまけてついでにアイリスの悩みを強引に解決してしまうとは・・・)
アイリス「でも・・・でもそれでも太陽少年はいらなかったんじゃ・・・」
セレナード「・・・ホントそうですよね・・・ま、カプコンの考えることはよく分かりませんからねー・・・」
セレナード「ええ・・・お兄さん(カーネル)にもよろしく言っておいてください」
アイリス「グスッ・・・」ピシュン!!
セレナード「・・・・・・」
ヤマトマン「せ、セレナード殿・・・お疲れでござった・・・少し休まれては」
セレナード「ホーリーショック!!!」
ヤマトマン「ぐわあああああああああああああ!!!!」
セレナード「ごめんなさいヤマトマン。八つ当たりなんて・・・でもどうしても耐えられなかったのです」
ヤマトマン「し、心中・・・お察しするでござるよ・・・ガク」
セレナード「さぁ、次に行きましょう!」
ダークマン「次は・・・>>80だな」
ロックマン「やぁ、セレナード」
セレナード「ロックマン!貴方も来たのですか?」
ロックマン「まさかセレナードがこんな所にいるなんて思わなかったよ」
セレナード「貴方は幾多の条件を超えて私に会いに来ましたからね」
ロックマン「ところで、なんでこんなことを?」
セレナード「・・・・・・」
セレナード「いや・・・その・・・友達が欲しかったっていうか・・・ねぇ?」
ロックマン「あ、そうなんだ・・・」
セレナード「セレナードの清らかなソウルと共鳴したよ!」
ロックマン「・・・」
セレナード「・・・とはならないんですよね」
ロックマン「ごめん・・・」
なぜ!なぜだカプンコ!
ロックマン「!」
セレナード「噂ですよ?噂で・・・私がロックマンと共鳴するって・・・聞いたことがあって・・・」
セレナード「ロックマンは私を倒したナビですし・・・貴方となら・・・いいかなって思ったのに・・・」
ロックマン「ごめんねセレナード。どうしてもデマ、噂は出てくるものなんだ」
セレナード「いいんです・・・私みたいな太陽少年に劣るクズ・・・魂が汚れてるんですよね」
ロックマン「そんなことないよ!君は今まで戦った誰よりも優しいナビだった!」
ロックマン「僕の中に君の『自愛の心』は、確かに受け継がれてる!」
セレナード「ろ、ロックマン・・・」
ロックマン「もう一度君と戦いたかったよ」
セレナード「リュウセイグンで?」
ロックマン「え?」
セレナード「エリアスチールで強引に動けなくして、触手責め(プラントマン)したり、電気責め(フラッシュマン)したり」
ロックマン「うっ・・・」
セレナード「いろんな方法を試すために、わざとギリギリまで追い詰めてから負けたりして・・・」
ロックマン「ご、ごめん・・・」
セレナード「でも、必死になってタイムアタッククリアして、私のチップを手に入れてくれたのは嬉しかったです」
ロックマン「・・・うん。君のチップは強いよ」
セレナード「嬉しいです・・・」
ヤマトマン(・・・えっ、なにこの空気)
『ロックマン エグゼ5』「セレナード」は男?女?
ロックマン「メールだ・・・アイリスちゃんから」
セレナード「・・・!」
ロックマン「なになに・・・熱斗くん!アイリスちゃんが用があるから来て、って!」
ロックマン「え?僕も行くの?・・・しょうがないなぁ、ちょっと待っててね」
ロックマン「ごめんセレナード、急に用事が入っちゃって」
セレナード「とことんヒロイン楽しむつもりだなぁ?あの小娘・・・」
ロックマン「え?」
セレナード「なんでもないですよ!ほら、女の子を待たせちゃ悪いですし、早くお行きなさい」
ロックマン「う、うん」
ピシュン!!
セレナード「・・・・・・」
セレナード「ごめんなさいヤマトマン・・・」
ヤマトマン「ナビに涙は流せぬゆえ・・・ホーリーショックを打ちたくなるのは分かるがしかし・・・」ボロッ
ヤマトマン「つ、次は楽しいナビが来るに違いありませぬ!」
セレナード「そうですかね・・・」
ヤマトマン「ダークマン!楽しそうなやつを連れてこい!」ボソッ
ダークマン「楽しそうなやつか・・・」
ダークマン「ちょうどいい、>>100だ」
あいつシナリオ上では裏ランク上位の実力あるだろ
アメロッパ帰りで裏のナビ一人消し飛ばしたから
セレナード「貴方はガッツマン!」
ガッツマン「ガッツ?あんた誰でガス?」
セレナード(ウラランキング3位のコピーマンを倒したナビ・・・ここははっきりと示しをつけておく必要がありますね)
セレナード「ようこそガッツマン。私はウラインターネットの王、セレナードです」
ガッツマン「王様でガッツ!?」
セレナード「そうです。ウラ世界最強のナビとは私のことです」
ガッツマン「なに言ってるでガス!最強はデカオ様とこのガッツマンでガッツ!!」
セレナード「・・・ふっ。私の慈愛の力の前ではどんな攻撃も無意味。どうです?試してみますか?」
ガッツマン「上等でガス!」
セレナード「ウラランク3位の実力を見せてもらいましょうか!」
GET DATE:バグのカケラ×10
ガッツマン「うおお~でガッツ!」グオッ
セレナード(あの動き・・・衝撃波?)
ガッツマン「ガッツハンマー!」ドンッ
ビシッ!!!
セレナード「・・・・・・」
セレナード「ヒビ・・・」ゾッ
セレナード(全パネルをヒビに!?そんな!これじゃ動けない!中央に穴を開けてしまっては反射ができなくなる!)
セレナード(いや、ここからセイントライトで地道に削っていけば・・・)
ガッツマン「もう一度ガッツハンマー!」ドォンッ!!
ボコッ!!!
セレナード「えええええええええええええええええ!!??」
セレナード(まさかこんな簡単に私の反射を完封してしまうなんて・・・ウラランク3位は伊達じゃなかった・・・!!)
セレナード(これだけの力があるならロックマンにも勝てるんじゃ・・・)
ガッツマン「ガッツパンチ!」ブンッ
セレナード「目の前一マスだけ・・・?」
セレナード(はっ、そうか!穴だらけにしてもパンチが最後列(ここ)まで届かなければ意味がない)
セレナード「ならば簡単です!セイントラ・・・」
ガッツマン「必殺!ゼータパンチ!!」
ギュオオオン!!
セレナード「パンチ飛ぶんですか!?」
セレナード「くっ・・・うっ・・・こんな・・・」
セレナード「こんな簡単に完封されるなんて・・・」
セレナード「あってたまりませんよ!!!」バッ
ホーリーショック!!
ピカッピカッピカッ!!
ガッツマン「効かないでガス!」
セレナード(無敵・・・だと・・・)
ティウン
ガッツマン「やりすぎたのは謝るでガス・・・だから泣くのを止めるでガッツ!」
セレナード「うわああああん!!バーカ!ガッツマンのバーカ!!もう帰れー!」
ヤマトマン(ウラの王の威厳台無しでござるな)
ガッツマン「わ、分かったでガッツ・・・」
ピシュン!!
セレナード「・・・おいヤマトマン!面貸せやコラァ!!」
ヤマトマン「セレナード殿!慈愛の心は何処に!?」
セレナード「んなもんなくてもなぁ、強い奴は強いんだよ!!!!」
ヤマトマン「ぎゃああああああああああ!!!」
ダークマン「気をつけろ>>137、今のセレナードは気が立っている」
>>143
すみませんがほとんどわからないので、ダークマンに落ちを付けてもらおうと思います・・・
ダークマン「まぁいい・・・あいつには普段からコキ使われてるからな・・・」
ダークマン「とことんイビって、日頃の恨みを解消してやろう」
セレナード「ようこそ・・・ダークマン・・・」
ダークマン「!!」
ダークマン(なんだこの禍々しい負のオーラ・・・ダークネスオーラみたいになってんじゃねーか)
セレナード「どうぞおかけになってください・・・」
ダークマン「あ、ああ・・・」
ダークマン「・・・おい、このティーポットもう空だぞ」
セレナード「お前口ねーだろ!?どうやって紅茶飲むつもりだよ!!!」クワッ
ダークマン「・・・・」
セレナード「はっ・・・失礼。つい荒れてしまいました」
ダークマン「悪かったな紅茶飲めなくて」
ダークマン「そうか?」
セレナード「だって貴方がシークレットエリアにやってきてからずいぶん経ちますよ」
ダークマン「・・そうだな」
セレナード「どうですか?10000人デリートは達成できそうですか」
ダークマン「余裕だ。あと1215人」
セレナード「・・・なんなら今ここで戦っても構いませんが?」
ダークマン「・・・あんだと?」
セレナード「・・・」
ダークマン「・・・せっかくのチャンスだが、やめておく。今のお前にはさすがに勝てそうもな」
セレナード「」ガシッ
ダークマン「いっ・・・?」
セレナード「言い方を変えましょう・・・」
セレナード「ストレス発散の相手になりなさい、ダークマン」
セレナード「そうですね」
ダークマン「なのにこんな酷い扱いがあるか!」
ヤマトマン「諦めろ、こうなってしまってはもう誰にも止められん」
ダークマン「嫌だああああああああああああああああああ」
セレナード「ホーリーショック!!」
ティウン!
レーザーマン「花火か」
カラードマン「もうお開きってことかな?」
ドリルマン「ドリィ・・・彼女作るチャンスだと思ったのによ」
ジャンゴ「眩しい・・・まるで太陽のようだ」
セレナード「えいっ・・・えいっ」ピコピコ
ばよえ~ん
ヤマトマン「相変わらず退屈でござるな」
セレナード「いいんですよ」
セレナード「私たちがなにもしなくていいってことは、つまりそれだけ電脳世界が平和ってことです」
ヤマトマン「・・・確かにそうでござるな」
セレナード「楽しそうに過ごしてるオモテの皆をウラから見守る」
セレナード「それが私の王としての役目です」
ヤマトマン「だったら6に登場しなかったのも必然だったのかもしれませぬなぁ」
セレナード「太陽少年がなんですって・・・?」メキメキ
ヤマトマン「鎧が!鎧が!」
ダークマン(・・・そういえばあいつはどうなったんだ?)
フォルテ「・・・誰もいない」
フォルテ「おのれセレナードォオオオオオオオオオオ」
おわり
また気が向いたら同じ内容で建てるかもしれない
ナビがいる限りいくらでもできそうだから・・・
フォルテェ…
カモンスネークとウッド+逆やで
Entry ⇒ 2012.07.12 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ルリ「オモイカネ。いつも通りアキトさんの部屋を映してください」
書けばいいのか
ルリ「アキトさん、今日もゲキガンガー見てる……」
オモイカネ「最近は時間がある時はよく見てるみたいです」
ルリ「アキトさん、家に帰ってきたの久しぶりですからね……」
オモイカネ「ゲキガンガーを最初から見直してるんでしょう」
ルリ「あ…」
オモイカネ「どうしました?」
ルリ「ここ……アキトさんが好きだって言ってたシーン……」
アキト『………フッ』
ルリ「………」
オモイカネ「………」
ルリ「反応が薄い…」
オモイカネ「これが大人になるということ……?」
ルリ「そうかもしれない……」
アキト『………』
オモイカネ「部屋から出ていきました」
ルリ「今日はこれで終了ですね」
ルリ「今日もテレビに張り付いてますね」
オモイカネ「ゲキガンガーも後半に入りました」
アキト『………』
オモイカネ「もう部屋から出ましたね」
ルリ「今日はユリカさんと用事があるそうです」
オモイカネ「デートですか」
ルリ「また……」
オモイカネ「ゲキガンガーのDVDも残り5巻を切ってます」
ルリ「あ……」
ルリ「ここ…アキトさんが一番好きだって言ってたシーン……」
アキト『………』パァァ
オモイカネ「………」
ルリ「………」
オモイカネ「光りましたね」
ルリ「そうね」
ルリ「………」
オモイカネ「最終巻に手を伸ばしましたね」
ルリ「アキトさん、これが終わったらどうするんでしょう?」
オモイカネ「また新しいDVDを探すのかもしれません」
ルリ「ゲキガンガーのプラモとかに手をだすのも考えられますね」
アキト『………』
ルリ「あ」
オモイカネ「最終話の前の一話まで見て部屋を出ていきましたね」
ルリ「作品を愛するが故の苦悩ですか」
オモイカネ「理解できない」
ルリ「最終話を見てから何もしようとしてませんね」
オモイカネ「それにしては最近、外出が多くなったようです」
ルリ「ユリカさんも外出が多くなったらしいですね」
ルリ「………」
??「艦長……そろそろ公務に集中してくれませんか?」
ルリ「いたんだ。ハーリーくん」
アキト(最近、俺はあの部屋でへんな視線を感じるようになった…)
アキト(最初は気のせいかと思ったが、違う。明らかに俺を見る視線を感じる…)
アキト(狙う組織や目的については心当たりがありすぎるが、ここまで放置される理由はなんだ?)
アキト(視察目的?捕獲する気はない?それともやはりただの気のせいか?)
アキト(どちらにしても……このままでは……)
アキト(俺のベッドの下にあるアレを処分することが出来ない!)
アキト(しょうがないだろう!若さ故の過ちだった!)
アキト(捨てる事ができずにベッドの下に隠していたグラビア写真集!)
アキト(新婚旅行でいきなり拉致られたせいでずっとあのままだ!)
アキト(帰ったら早々捨てようと決心したのに監視されているとは!)
アキト(このままでは捨てようにも捨てれない!
万が一にでもユリカに…いや、義父さんに見つかることだけは…!)
まさかグラビアのために協力してくれなどと頼むわけにはいかないし…)
アキト(そもそも監視されてること自体が気のせいなのかもしれないのに…)
アキト(俺の気のせいで軍務や業務に勤しんでる仲間たちの邪魔をする訳には…)
アキト(とりあえずやり過ごすために見てみたゲキガンガーは全て見終わってしまったし…)
アキト(やはりゲキガンガーは神作品だな…しかし昔と比べると感動が少ないのは年月のせいか…)
ルリ「あ」
オモイカネ「帰って来ましたね」
ルリ「小脇に本を抱えてますね」
オモイカネ「ラーメンのレシピ本みたいです」
ルリ「……?ラーメンのレシピ本…ですか…?」
アキト(結局なんの打開策も浮かばなかったな…とりあえず時間つぶしに買ってはみたものの…)
アキト(このレシピ本適当だな…『調味料を適量に』ってなんだ…ラーメン作り舐めてるのか…)
オモイカネ「顔を光らせながら本を読んでますね」
ルリ「怒るぐらいなら買わなければいいと思うのですが」
アキト『………』ポイッ
ルリ「あ」
オモイカネ「本を投げ捨ててそのままふて寝しましたね」
ルリ「今日はここまでにしておきましょうか」
ルリ「今日はウリバタケさんの飲みに付き合って花目子に行ってるそうです」
オモイカネ「イズミさんのバーですね」
ルリ「よって今日は家にはユリカ艦長しかいません」
オモイカネ「そうですね」
ルリ「面倒を起こされても困るので私も仕事が早く終わったら帰るつもりです」
オモイカネ「そうですか」
アキト「あぁ…。探知機でも何でもいい。とにかく監視できるものを探知できるものを作れるか?」
ウリバタケ「フッ…アキトよ…俺を誰だと思っている…?元ナデシコの整備班班長のウリバタケだぜ?
こんな事もあろうかと!…て訳にはいかないが似たようなもんなら用意できるぞ」
アキト「そうか…礼を言う」
イズミ「ウリバタケさんの飲みに付き合った理由がそれかい
…機械のことなら奇っ怪な奴におまかせあれってね…プククッ」
アキト「…変わらないな。イズミさん…」
イズミ「アンタが変わりすぎなんだよ…ムリもないけどね…」
アキト『………』パァァ
ルリ「アキトさん、今日は一日中荒ぶってますね」
オモイカネ「何か良い事でもあったんでしょう」
アキト『………』パァァ
ルリ「何か機械を取り出してますね」
アキト『………』ピッ
オモイカネ「!」ブツン
ルリ「…オモイカネ?」
オモイカネ「カメラを壊されたようです。気づかれたみたいですね」
アキト「フハハハハハ!ついにやったぞ!これでベッドの下のグラビア写真集を処分できる!」パァァ
アキト「まだユリカに気づかれてないはずだ!さすがウリバタケさん!」パァァ
アキト「奥さんに怒られたらしいからいつかお礼をいいにいかないとな!」パァァ
アキト「さて!とっとと処分しよう!これで心残りはなくなった!今日は良い日だ!」パァァ
アキト『フハハハハハ!』パァァ
ルリ「」
オモイカネ「」
ルリ「まさかカメラを壊されたのでオモイカネで近くの電子機器を
ハッキングしたら、こんな現場に見ることになるとは」
オモイカネ「よほど見られたくなかったのでしょう」
ルリ「えぇ。でも安心しました」
オモイカネ「え?」
ルリ「アキトさんはどんな事があってもアキトさんだって分かりましたから
あんなにはしゃいでるアキトさんを見たの、何年ぶりでしょうか」
オモイカネ「そうですね。声がアレですからまるで違うキャラのように思えますが」
ルリ「でも、アキトさんがアキトさんなのは変わりありません
それにしても、アキトさんユリカさんに黙ってあんなのを隠していたなんて」
ルリ「本当…」
ルリ「バカばっか」
完
とりあえず最初に期待させた>>1にはゲキガンガーを全部視聴した後ボソンジャンプの刑に処す
久しぶりに見たくなったわ
Entry ⇒ 2012.07.12 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ルリ「オモイカネ。いつも通りアキトさんの部屋を映してください」
書けばいいのか
ルリ「アキトさん、今日もゲキガンガー見てる……」
オモイカネ「最近は時間がある時はよく見てるみたいです」
ルリ「アキトさん、家に帰ってきたの久しぶりですからね……」
オモイカネ「ゲキガンガーを最初から見直してるんでしょう」
ルリ「あ…」
オモイカネ「どうしました?」
ルリ「ここ……アキトさんが好きだって言ってたシーン……」
アキト『………フッ』
ルリ「………」
オモイカネ「………」
ルリ「反応が薄い…」
オモイカネ「これが大人になるということ……?」
ルリ「そうかもしれない……」
アキト『………』
オモイカネ「部屋から出ていきました」
ルリ「今日はこれで終了ですね」
ルリ「今日もテレビに張り付いてますね」
オモイカネ「ゲキガンガーも後半に入りました」
アキト『………』
オモイカネ「もう部屋から出ましたね」
ルリ「今日はユリカさんと用事があるそうです」
オモイカネ「デートですか」
ルリ「また……」
オモイカネ「ゲキガンガーのDVDも残り5巻を切ってます」
ルリ「あ……」
ルリ「ここ…アキトさんが一番好きだって言ってたシーン……」
アキト『………』パァァ
オモイカネ「………」
ルリ「………」
オモイカネ「光りましたね」
ルリ「そうね」
ルリ「………」
オモイカネ「最終巻に手を伸ばしましたね」
ルリ「アキトさん、これが終わったらどうするんでしょう?」
オモイカネ「また新しいDVDを探すのかもしれません」
ルリ「ゲキガンガーのプラモとかに手をだすのも考えられますね」
アキト『………』
ルリ「あ」
オモイカネ「最終話の前の一話まで見て部屋を出ていきましたね」
ルリ「作品を愛するが故の苦悩ですか」
オモイカネ「理解できない」
ルリ「最終話を見てから何もしようとしてませんね」
オモイカネ「それにしては最近、外出が多くなったようです」
ルリ「ユリカさんも外出が多くなったらしいですね」
ルリ「………」
??「艦長……そろそろ公務に集中してくれませんか?」
ルリ「いたんだ。ハーリーくん」
アキト(最近、俺はあの部屋でへんな視線を感じるようになった…)
アキト(最初は気のせいかと思ったが、違う。明らかに俺を見る視線を感じる…)
アキト(狙う組織や目的については心当たりがありすぎるが、ここまで放置される理由はなんだ?)
アキト(視察目的?捕獲する気はない?それともやはりただの気のせいか?)
アキト(どちらにしても……このままでは……)
アキト(俺のベッドの下にあるアレを処分することが出来ない!)
アキト(しょうがないだろう!若さ故の過ちだった!)
アキト(捨てる事ができずにベッドの下に隠していたグラビア写真集!)
アキト(新婚旅行でいきなり拉致られたせいでずっとあのままだ!)
アキト(帰ったら早々捨てようと決心したのに監視されているとは!)
アキト(このままでは捨てようにも捨てれない!
万が一にでもユリカに…いや、義父さんに見つかることだけは…!)
まさかグラビアのために協力してくれなどと頼むわけにはいかないし…)
アキト(そもそも監視されてること自体が気のせいなのかもしれないのに…)
アキト(俺の気のせいで軍務や業務に勤しんでる仲間たちの邪魔をする訳には…)
アキト(とりあえずやり過ごすために見てみたゲキガンガーは全て見終わってしまったし…)
アキト(やはりゲキガンガーは神作品だな…しかし昔と比べると感動が少ないのは年月のせいか…)
ルリ「あ」
オモイカネ「帰って来ましたね」
ルリ「小脇に本を抱えてますね」
オモイカネ「ラーメンのレシピ本みたいです」
ルリ「……?ラーメンのレシピ本…ですか…?」
アキト(結局なんの打開策も浮かばなかったな…とりあえず時間つぶしに買ってはみたものの…)
アキト(このレシピ本適当だな…『調味料を適量に』ってなんだ…ラーメン作り舐めてるのか…)
オモイカネ「顔を光らせながら本を読んでますね」
ルリ「怒るぐらいなら買わなければいいと思うのですが」
アキト『………』ポイッ
ルリ「あ」
オモイカネ「本を投げ捨ててそのままふて寝しましたね」
ルリ「今日はここまでにしておきましょうか」
ルリ「今日はウリバタケさんの飲みに付き合って花目子に行ってるそうです」
オモイカネ「イズミさんのバーですね」
ルリ「よって今日は家にはユリカ艦長しかいません」
オモイカネ「そうですね」
ルリ「面倒を起こされても困るので私も仕事が早く終わったら帰るつもりです」
オモイカネ「そうですか」
アキト「あぁ…。探知機でも何でもいい。とにかく監視できるものを探知できるものを作れるか?」
ウリバタケ「フッ…アキトよ…俺を誰だと思っている…?元ナデシコの整備班班長のウリバタケだぜ?
こんな事もあろうかと!…て訳にはいかないが似たようなもんなら用意できるぞ」
アキト「そうか…礼を言う」
イズミ「ウリバタケさんの飲みに付き合った理由がそれかい
…機械のことなら奇っ怪な奴におまかせあれってね…プククッ」
アキト「…変わらないな。イズミさん…」
イズミ「アンタが変わりすぎなんだよ…ムリもないけどね…」
アキト『………』パァァ
ルリ「アキトさん、今日は一日中荒ぶってますね」
オモイカネ「何か良い事でもあったんでしょう」
アキト『………』パァァ
ルリ「何か機械を取り出してますね」
アキト『………』ピッ
オモイカネ「!」ブツン
ルリ「…オモイカネ?」
オモイカネ「カメラを壊されたようです。気づかれたみたいですね」
アキト「フハハハハハ!ついにやったぞ!これでベッドの下のグラビア写真集を処分できる!」パァァ
アキト「まだユリカに気づかれてないはずだ!さすがウリバタケさん!」パァァ
アキト「奥さんに怒られたらしいからいつかお礼をいいにいかないとな!」パァァ
アキト「さて!とっとと処分しよう!これで心残りはなくなった!今日は良い日だ!」パァァ
アキト『フハハハハハ!』パァァ
ルリ「」
オモイカネ「」
ルリ「まさかカメラを壊されたのでオモイカネで近くの電子機器を
ハッキングしたら、こんな現場に見ることになるとは」
オモイカネ「よほど見られたくなかったのでしょう」
ルリ「えぇ。でも安心しました」
オモイカネ「え?」
ルリ「アキトさんはどんな事があってもアキトさんだって分かりましたから
あんなにはしゃいでるアキトさんを見たの、何年ぶりでしょうか」
オモイカネ「そうですね。声がアレですからまるで違うキャラのように思えますが」
ルリ「でも、アキトさんがアキトさんなのは変わりありません
それにしても、アキトさんユリカさんに黙ってあんなのを隠していたなんて」
ルリ「本当…」
ルリ「バカばっか」
完
とりあえず最初に期待させた>>1にはゲキガンガーを全部視聴した後ボソンジャンプの刑に処す
久しぶりに見たくなったわ
Entry ⇒ 2012.07.12 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ゴルゴ13「・・・・・・・くねくね・・・・・・・・・・?」
社長「そっ、そうです! ミスター東郷・・・・・・・」
社長「あなたにあの忌まわしい化け物の狙撃を依頼したいっ!」
シュボッ
社長「奇妙な依頼であることは承知の上です、しかしっしかし・・・・・奴にひと泡吹かせられる人間はあなたしかいない!」
ゴルゴ「・・・・・・・・・・・・・」
田んぼにある白くて揺れてるカカシみたいなの
小学生が双眼鏡でのぞいてそのあと気が狂った
グぐれば出る
遠くに見える白くてくねくねした謎の物体
双眼鏡などで実体を見た者の精神を崩壊させるので正体はわからない
社長「山や田畑にあらわれ、見たものは気が違ってしまうという・・・・」
社長「それがくねくねなのです・・・・白くてくねくねしている、それだけしか・・・・・ゆえにやつの写真などは、ない・・・・」
ゴルゴ「それが、あんたの会社の裏金すべてを注ぎ込んで俺に依頼する、それほどの相手なのか」
社長「!! なっ、なぜそれを!」
ゴルゴ「・・・・・名も知らぬ依頼人のところへいきなり出向くほど・・・・俺は自信家じゃ、ない・・・・」
社長「うう・・・・!」
ゴルゴ「特に、職と人生を賭してまでの依頼としてはな・・・・・」
社長「わ、わかりました、すべてをお話しします・・・・奴にやられたのは私の・・・兄なのです!」
社長「幼いころ、くねくねを見てしまった兄は、それ以来廃人同然なのです・・・・わたしは奴が憎い!」
社長「兄の気が違ってしまってから私は、その一念で必死に金を貯めました・・・・ようやく一企業の社長にまでたどりつき、いくらかの金を動かせるように」
ゴルゴ「・・・・・・・・・・」
社長「しかしそれでもあなたへの依頼金相場には程遠い・・・・私はなんでもやった・・・・汚職につぐ汚職です、次の決算で私は解任・・・この工場も人手にわたる・・・」
社長「やつに対抗できるのはあなたをおいて他にない! たのむ、引き受けてくれゴルゴ13!!」
ゴルゴ「・・・・・・話はそれだけか・・・・・」
ゴルゴ「この話はなかったことにしてもらおう・・・・・」
ゴルゴ「俺は・・・・依頼人の嘘を許したことは、ない・・・・・」
社長「わ、わたしは嘘などついていませんっ!」
ゴルゴ「『知っていながら言わないこと』を、俺は嘘とみなす・・・・・」
社長「う・・・・」
ゴルゴ「これ以上を言わせる気なら・・・・・帰らせてもらおう・・・・・」
クルッ
社長「まっ、待ってくれミスター東郷! 確かに私には言っていないことがある・・・」
社長「前任者・・・・・私はあなたの前に一人の狙撃手をやといました!!」
社長「これが、今の彼の姿です・・・」
ピッ
イワノフ「あはははははははははははははは」クネクネクネクネクネクネ
社長「兄と同じです・・・・彼はおそらく、くねくねを補足した、しかし・・・・・」
ゴルゴ「・・・・スコープを覗いてしまった」
社長「そ、その通りです・・・・」
ゴルゴ「・・・・まだ、ある・・・」
社長「そ、それは・・・・」
ゴルゴ「死を決めた人間の目には独特の光がやどる・・・・・もっともそれは俺にはどうでもいいことだ・・・・・入金を済ませてもらおう」
社長「で、では!」
ゴルゴ「確認次第、『前任者』の失敗した村へ向かう・・・・・以上だ」
スタスタ・・・・・・
社長(恐ろしい男だ、ゴルゴ13・・・・それでも私は、罪を犯しすぎた・・・・・・あの世で待っている、兄さん)
ガチャ ターン
ブロォオーーーー
地元爺「ん、みかけん車だな」
婆「ちょっと前にもへんな外人がきたけんの」
爺「民宿のほうへ向かうだぞ・・・・・」
婆「ろくなことになんね、そんな気がするだ」
爺「ご住職に相談しておくべえか?」
婆「なまんだぶなまんだぶ」
民宿 未亡人
ゴルゴ「予約した東郷だ」
女将「へいへい・・・・宿帳に記入しておくんな」
サラサラ
女将「デューク・東郷・・・・・へえ、雑誌ライターさん? こんな村に何のおもしろいもんもないよ」
ゴルゴ(・・・・・・・・・・・・・・やはり)
ゴルゴ(イワノフの名前が消されている・・・・・・)
女将「部屋はつきあたり、晩飯は7時でいいね?」
ゴルゴ「ああ、世話になる・・・・」
ゴルゴ(・・・・・!)
ガラッ
ゴルゴ「庭にいるのは誰だ」
??「・・・・・・・・・」
ゴルゴ「出てこなければ人を呼ぶぞ・・・」
ガサガサ
青年「へ、へへっ、すまねえすまねえ、そうカッカするなって・・・やっぱり都会の人はかんがいいやな」
三下青年「お、おれあ、そこに住んでる三下雑魚男ってんだ、村じゃ三下の雑魚でとおってる」
ガシッ
ゴルゴ「何の用だ」
三下「いっ、いてええ、はなしてくれっ!」
三下(こ、この都会もんすげえ力だ・・・・!)
三下「いて、いてて! 勘弁してくれって旦那!」
三下「めずらしく余所から人が来たから、つい気になってきちまってよ・・・・」
ゴルゴ(・・・・・)
三下「まったくつまんねーところだよ、じじばばばっかりだし、消防団の寄り合いしかオヤジどもには楽しみがねえ・・・そう睨むなって」
ゴルゴ「妙だな・・・少し前に、うちの会社のカメラマンが一人きたはずだが」
三下「あ、ああ、あの外人さんのことかい?」
ゴルゴ(・・・・・・・やはりイワノフはきていた・・・・)
ゴルゴ「奴はどこへ消えた?」
三下「さあね。ここの連中はしけた野郎ばっかりだからな! 居づらくなって帰ったんじゃねえのかい? あんたもすぐにいやになるぜ、こんな何もないところ」
ゴルゴ「・・・俺には仕事が、ある・・・・」
ゴルゴ「三下とかいったな・・・・・このへんに村を見渡せる高台はあるか?」
三下「あ、ああ、お寺さんの境内あたりが写真をとるにはいいんじゃねえか。ちょうど山のなかっぱらでよ! へへ、へへへ」
三下(こいつはおもしろくなってきやがったぜ! この旦那にはりついてりゃきっと面白いことがあるにちげえねえぜ!)
トイレの花子さんやさっちゃんと比べると怖さが微妙だよな
舞台が田んぼなのも怖さ半減だよな
その二つは特にネタの舞台が近いからだろうな
とくにさっちゃんなんかは会話のネタにしただけで足切断しにくるとかヤバすぎだし、その辺は今の鹿島さんシリーズに継承されたんだろうな
三下「おう、どうせ退屈してんだ! かわりに今日は都会の話を聞かせてくれよ、いいだろ? 晩飯のあとに地酒持ってくるからよ、へへへ」
ゴルゴ「・・・・じきに日もくれるからな・・・」
三下「へへ、じゃあそういうことでたのむぜ旦那、へへ」
~一方、村長屋敷~
村爺「・・・・と、まあそんな風体のカミソリみてえなするどい目つきのおとこで・・・」
村爺「民宿に泊まって、三下と村のあちこちを歩き回っておりやす」
村長「うむ、よく知らせてくれた。しかしあの三下の若いのにも困ったもんだ」
爺「おっしゃる通りでがす。畑にもようでらんで、まるで今はやりのニートでがす」
村長(前回のこともある・・・・消防団をすぐに集められるようにしておくか・・・・)
村長(本寺から、『あの方』もよんでおくのがよかろうな・・・)
爺「村長どん、どんかしやしたでがすか?」
村長「い、いや、なんでもない。消防団長のダン吉に声をかけて、いつでも男数を集められるようにしておいてくれるか」
爺「わかりやした、帰りにでも寄っておきやす」
コンコン
女将「お客さん、晩飯だよ。今日も山の幸ばかりでもうしわけないけど」
ゴルゴ「・・・・・・」モグモグ
女将「・・・・こういっちゃなんだけど無口なんだねえ、雑誌記者さんてのはそんなんで務まるのかい?」
ゴルゴ「・・・・・・」モグモグ
女将「ま、まあいいよ、こういい食いっぷりだと、あたしも久々に腕の振るいがいがあるよ・・・」
女将「そ、その、お酌でもしようかい? 客はあんただけだしさ」
スッ コポコポ
ゴルゴ(・・・・・) グイッ
女将「いい飲みっぷり、・・・死んだあたしの亭主にも毎晩こうして酌をしたもんさ・・・な、なにいってるんだろうね、湿っぽい話しちゃって、ごめんよお客さん」
この三つが示す展開は・・!!
ゴルゴ(・・・・・・・・・・・ジロッ) 目から妊娠ビーム
女将「あっ、ああ・・・・お客さん、今夜だけでも、あの頃の気分にさせておくれえっ~~~っ!」
ゴルゴ「・・・・・・・・・・・・・」パンッ パンッ
女将「おおおお、~~~~~!あんた! あんた! ! おぉ~!」
>>84
>>85
>>86
シュボッ フ----------ッ
女将「すごいよ、自分の体じゃないみたい……」
ゴルゴ「・・・・・・・ひとつ、聞きたいことがある」
ゴルゴ「イワノフもここへ来たのか?」
女将「!!」
女将「荷物をおくなり、山へ行っちまって・・・・あの人、宿帳も日本語で書けなくてさ」
ゴルゴ「・・・・・そうか・・・・」
ゴルゴ(・・・・・イワノフの件に女将はからんでいない・・・・・・・)
女将「すぐにいなくなっちまって、宿代も払わずにさ。いい迷惑だったよ」
ゴルゴ「うちの『前任者』の不祥事だ。奴の金は俺がはらっていく・・・」
女将「もうもらったよ・・・お釣りがでるくらいにさ・・・・///」
ゴルゴ「・・・・・・」
ゴルゴ(・・・・)ムクッ
ゴルゴ(三下の言っていた高台・・・・・・・・)
ゴルゴ(おそらくはイワノフの狙撃地点でもあったはず・・・・・・・)
カシャ
カシャンッ
ジャキッ
ゴルゴ(・・・・行くか・・・・・)
??A「待てよ、こんな時間にどこ行くだ?」
ゴルゴ(・・・・・・・・待ち伏せか)
ゴルゴ「・・・・・取材だ・・・・」
消防団A「おまえに好き勝手されるわけにいかねえ」
消防B「おめがへんなうごきしたら、止めるように村長さんにいわれてるだ」
C・D・E「おとなしく袋叩きにあうだ!! しねえ!!」
ウオオオオオオオオオオオ
ドカ
A「ぐえっ」
バキ ビシィッ
B「うわわわ~~~!!」
C「ぐほっ」
ボキッ
メメタァ
D・E「ぎゃああ~~~~っ!」
陰でみている三下(すげえ・・・・・・やっぱり俺のみこみに間違いはなかったぜ!!!!!)
~寺社 高台~
三下「旦那っ! 待っていましたぜ、へへ!」
ゴルゴ「・・・・・・・・・」
三下「やつらを一瞬でノシちまうなんて、やっぱり旦那だ! ここで旦那がなにかやるのはわかってたんだ、へへ! ぬけがけはなしだぜ!」
ゴルゴ「・・・・・・・・あれだ」
三下「んっ!? 夜は明け始めたけど良く見えねえな・・・なんだあのくねくねしている・・・・」
??「そこまでだ」
ゴルゴ(!!)
??「破ぁーーー!!」
ゴロゴロ
??「かわすとはな・・・・生きている人間にこれを撃つ時があるとは・・・・・むっ!」
ズキュズキューン ズキューン
??「破ぁ!!」
チュイーン
ゴルゴ(・・・・・・・・・・!)
三下「な、なんだあいつ・・・銃弾を気合いではじきとばしやがった!!」
T「殺生の道具で俺は倒せん」
ゴルゴ「・・・・・・・・・・」
けど熱いな
クネクネクネクネ
T「あんなものに銃を向けちゃいかん・・・・・・おまけにあんたも呼ばれているだろう」
ゴルゴ「・・・・・・・・」
T「 『死神』 と・・・・」
ゴルゴ「くっ・・・・・・・!!」
T「今日・・・あるべきところに帰るのは、あのくねくねじゃない・・・あんた自身かもしれないぜ・・・ミスター・ゴルゴ・サーティーン」
三下「ゴルゴ!? あの旦那が裏世界では最強と表世界で言われているゴルゴ13だったのかい?!」
ゴルゴ(・・・・・・・・!!!!)
ゴルゴ「く・・・・!!」
ズキュン!! ズキューン !!
T「効かぬ! 破っ!!」
チューン チュイーン・・・・・
ゴルゴ(・・・・・・・!)
三下「駄目だ! 旦那の弾は気合いで全部はじかれちまう!寺生まれはつよすぎる!!!」
T「終幕だ・・・生きた死神・ゴルゴ13・・・ぬううううううう・・・・・破ぁぁぁぁあああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーっ!!」
女将「あんたーーーーーーーーーー!!」
なんなんだよこれ!!
T「なに!?」
T(民宿の女将さん・・・・・・!? いかん、制御が間に合わん!)
女将「あの人は殺させないよーーーっ!!」
三下「女将さん! 旦那ーっ!!!」
ゴルゴ「任務・・・・・・・遂行・・・・・・・・!」
ズダダダダダダダダダダダダダダダ
T(いかん!せめて軌道をまげて女将をまきぞえから救わねば・・・・・ぐ!?)
T(不覚! 弾を食らった・・・・・!)
ゴルゴ「目的の違いだ・・・・」
三下「ああっ!! Tの放った光弾が・・・・・くねくねに向かっていくぞ~~っ!!」
ゴルゴ「・・・完了・・・・」
ドオ・・・・・・・ン
三下(追い詰められたふりをしたのも、Tの意識を女将さんにそらしたのも)
三下(すべてはTにくねくねを倒させるためだったんだ!)
ゴルゴ「終わりだ」スタスタ
T「ま、待て、ゴルゴ13・・・・おまえの目的はくねくねを狙撃することではなかったのか・・・・おまえのすべての動きは・・・・・」
ゴルゴ「・・・・・・・・・・俺自身が、スコープなしのアーマライトカスタムで奴を・・・・くねくねを撃つことも不可能ではなかった」
ゴルゴ「・・・・・が、より性能の高い武器があればそれを選ぶ・・・・・それだけだ」
T「しかしおまえは、現に俺に消滅させられるところだった・・・あれも演技だったというのか」
ゴルゴ「・・・・・・・」シュボッ
ゴルゴさんかっけー!
三下(なんてことだ・・・や、やつは化け物だっ)
T「ふむ。今ここで闘えば、ゴルゴは倒せる・・・しかしその意味も今はなくなってしまったようだ・・・・マッチ一本火事の元」スタスタ
GもTも去った
後には三下青年の死体だけが残された
無駄に詳しかっただけにオチで消される
この運命から逃れられず彼の死体はさいとうたかを流に黒くなっていた
くねくねが消滅したかどうかは、誰にも確かめようがなかった 完
SS初めて書いたけど難しいな
普段散文しか書かないからきつかったわ thx
けどこういうキャラは最後には死ぬのがゴルゴなので殺した 罪悪感はない
乙
Entry ⇒ 2012.07.03 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (2) | Trackbacks (0)
元太「うな重ゥゥゥゥゥ!」コナン「やべぇ、禁断症状だ!」
キャンプの帰りに食堂に寄った少年探偵団。
<食堂>
元太「うな重うめぇ~!」ガツガツ
阿笠「これこれ、あまりがっつくと下品じゃぞ元太君」
光彦「しかしよく入るもんですねぇ、これでもう三杯目ですよ?」
歩美「元太君のお腹、またおっきくなっちゃうね!」
元太「いいじゃんか、うな重は別腹なんだよ!」
元太「うめぇ~!」ガツガツ
コナン(ハハ……普通はデザートとかが別腹っつうんだけどな)
灰原「…………」
元太「楽しかったぜ! またキャンプしような、博士!」
光彦「さようなら!」
歩美「また明日ね、コナン君、哀ちゃん!」
阿笠「うむ、気をつけて帰るんじゃぞ!」
コナン「さてと……じゃあ俺も帰るとすっか」
灰原「工藤君、ちょっと待ってくれる?」
コナン「ん?」
灰原「小嶋君……おかしいと思わない?」
コナン「元太が? なんで?」
灰原「彼の食欲よ……」
灰原「うな重が好きだからって、いくらなんでも食べすぎだと思わない?」
コナン「なんだ、博士の懐具合を心配してんのか?」
コナン「大丈夫だって、今日食ったうな重だって安物だしよ」
灰原「バカね、そうじゃないわよ。純粋に量がおかしいってことよ」
灰原「だって彼はまだ小学一年生よ」
灰原「なのにうな重を五杯も食べるなんて……大人でもキツイわよ」
灰原「ちょっと前まではそんなことなかったのに」
コナン「う~ん、いわれてみればたしかに……」
コナン「いくら体がでかいっていっても、ちょっとなぁ……」
灰原「でしょ?」
コナン「お前が?」
灰原「だって食べすぎだから医者に行った方がいい、なんていっても聞かないだろうし」
灰原「医者だって“育ち盛りだから”ってまともに取り合ってくれないわよ」
灰原「それに……なんとなくイヤな予感がするの」
灰原「もちろん私の思い過ごしであれば、それに越したことはないしね」
コナン「しゃーねーな……分かったよ」
コナン「ただし、アイツ一人だけ調べるってなると他の二人を不安にさせちまうから」
コナン「どうせやるんなら、カモフラージュとしてみんなまとめてやった方がいいな」
灰原「そうね」
<帝丹小学校>
元太「──博士んちで健康診断!?」
元太「なんで、ンなことすんだよ。俺はいたって健康だぜ!?」
光彦「そうですよ、コナン君」
光彦「それにこの間、学校で身長や体重をはかったばかりじゃないですか」
歩美「なんで急にそんなことするの?」
歩美「もしかして歩美たち、どこか具合が悪いの?」
コナン(やっぱこうなるよな……)
灰原「今、博士と私で健康に関する発明品を考えていてね」
灰原「色んな人の健康に関するデータが欲しいのよ」
灰原「もちろん、私や博士、江戸川君のデータはすでにとってあるわ」
元太「なんだ、そういうことかよ!」
光彦「灰原さんのためなら、喜んで協力しますよ!」
歩美「なんだかワクワクしちゃうね!」
灰原「ありがと」
コナン(なかなかうめーじゃねえか、灰原……)
<博士の家>
阿笠「おおっ、よく来てくれたのう」
阿笠「ま、健康診断といっても注射とかはせんから大丈夫じゃ」
元太「ちゃっちゃと終わらせてくれよ、博士!」
光彦「発明品が完成したら、少年探偵団の名前もちゃんと出して下さいね」
歩美「そしたらもっと少年探偵団が有名になるね!」
阿笠「ハハ、分かっておるよ」
阿笠(やれやれ、ワシは医者ではないんじゃがのう……)
阿笠「みんな、ご苦労じゃったのう!」
阿笠「これでワシの発明も一歩前進するはずじゃよ」
阿笠(やれやれ子供をだますというのは気が引けるわい)
元太「いやぁ~疲れたぜ! 健康診断って大変だな!」
光彦「大人は人間ドックっていって、もっとすごい検査をするみたいですけどね」
元太「なんだよそれ?」
歩美「人間ドッグって、人間なの? ワンちゃんなの?」
コナン(人間でも犬でもないって……)
コナン(そもそもドックはdogじゃないしな……)
灰原「なに?」
コナン「検査の結果はどれくらいで分かるんだ?」
灰原「だいたい今週一杯ってところかしら」
灰原「金曜日には分かると思うわ」
コナン「金曜か……ま、なにもなければいいんだけどな」
灰原「そうね……」
<毛利探偵事務所>
テレビ『悪い心に負けないで、仮面ヤイバー!』
テレビ『無駄だ、ヤイバーは我々の仲間になるのだ~!』
テレビ『元に戻って、ヤイバー!』バシッ
小五郎「おいコナン、これ見たらちゃんと宿題やれよ」
コナン「は~い」
コナン(周囲に合わせるためとはいえ、ガキ向けの番組見て……)
コナン(小学生向けの宿題を解く、か……情けねぇ)
コナン(まあ、平和だってことなんだけどな)
コナン(今日の検査も、なにごともなければいいんだが……)
元太「よぉ!」
光彦「おはようございます、二人とも」
歩美「コナン君、哀ちゃん、おっはよ~!」
コナン「おう、オメーら!」
灰原「おはよう」
元太「博士の発明品はもう出来上がったのか?」
灰原「バカね、まだまだかかるわよ。博士なんだから」
元太「なんだよ~」
光彦「元太君はせっかちすぎますよ!」
歩美「ホントホント!」
コナン(うまくかわしやがったな、灰原……)
コナン(だが、これといって元太におかしい点はねぇ)
コナン(大丈夫だとは思うんだが……)
元太「あ~あ、給食でうな重でねーかな~」
元太「父ちゃんも母ちゃんも高いからって、うな重食わせてくれねーんだよ」
光彦「この間いっぱい食べたばかりじゃないですか」
コナン(俺だったら五杯もうな重食ったら当分食いたくねえけどな……さすが元太)
歩美「あ~あ、元太君の食欲を少し分けてほしいなぁ……」
光彦「どうかしたんですか、歩美ちゃん?」
歩美「飼育小屋のウサギさんの中で、一匹食欲がないのがいるんだ……」
光彦「歩美ちゃん、ウサギは一羽、二羽って数えるんですよ」
歩美「えぇ、そうなの!?」
元太「ウナギがどうしたって!?」ガバッ
光彦「ウサギですよ、元太君」
歩美「もう元太君ったら食いしん坊なんだから……」
元太「うな重……うな重……」ブツブツ
コナン「?」
元太「うな重……うな重……うな重……」ブツブツ
コナン「オイどうした、元太!?」
元太「え!? いや、なんでもねえよ」
コナン(今、聞き間違いじゃなきゃうな重ってつぶやいてたよな……)
コナン(まあ、単なるひとりごとって可能性もある)
コナン(明日には灰原の解析も終わるだろうし……)
コナン(全てはそれからだな)
<毛利探偵事務所>
蘭「お父さん、明日はお母さんがちょっとこの事務所に寄るんだから」
蘭「ちゃんと片付けてよね!」
小五郎「うるっせえなあ……」
小五郎「なんかの用事のついでに来るだけだろ? いいんだよ、こんなもんで」サッ サッ
蘭「もう……!」
コナン(へぇ、珍しいな)
コナン(まあ、来るのは俺が学校行ってる時間だろうし関係ねーけど……)
<帝丹小学校>
光彦「今日は灰原さんが来ていませんね」
歩美「どうしたんだろう……哀ちゃん」
元太「…………」
コナン(朝イチで元太の結果を聞こうとしたが──)
コナン(どうしたんだ、アイツ?)
コナン(まあ、帰りに博士の家に寄るとすっか……)
ブルブルブル……
コナン(俺のケータイ……)
コナン(灰原からだ!)
コナン(なんかあったのか……!?)
コナン「先生、お腹が痛いんでトイレに行ってもいい?」
小林先生「いいわよ。もし具合が悪いようなら、先生にいうのよ」
コナン「ありがとう、先生! それじゃ!」ダッ
コナン「もしもし」
灰原『ごめんなさい、今大丈夫?』
コナン「ああ授業を抜けてきたところだ。ところで、どうしたんだ?」
灰原『えぇ、小嶋君の件で大変なことが分かったのよ』
コナン「大変なこと……!?」
灰原『これ自体には特に問題はなかったの』
灰原『ところが──』
コナン「ところが?」
灰原『今朝、小嶋君の体には問題がないことを結論づけようとしたんだけど……』
灰原『気まぐれに、冷蔵庫の中にあったウナギを唾液につけてみたの』
灰原『そしたら──』
灰原『そこからある種の快楽物質が発生したのよ』
コナン「快楽物質!?」
灰原『こんな症例は聞いたことないから、まだなんともいえないけど──』
灰原『小嶋君はウナギを食べると、快楽を得るという特異体質である可能性が高いわ』
灰原『だから日頃からあんなにうな重を欲していたのよ』
コナン「ちょっと待てよ」
コナン「快楽を得るために欲する、ってそりゃまるで──」
灰原『いうなれば、麻薬のようなものね』
コナン「麻薬って……元太は大丈夫なのかよ!?」
灰原『小嶋君の体そのものは、なんら問題はなかったわ。その点だけは安心して』
灰原『ただし、今のところ体に問題はないとはいえ中毒者であることに変わりはない』
灰原『つまり、体にはどんどん耐性ができてくる……』
コナン「耐性……」
灰原『小嶋君の心身もより多くのうな重を求めるようになるわ』
コナン「そうか……だからこの間は五杯もうな重をペロリと平らげたのか……」
コナン「ちくしょう、なんで気づいてやれなかったんだ!」
灰原『仕方ないわ、自分を責めないで工藤君』
灰原『もっと早く気づくべきだったのは、薬学の専門家である私の方なんだから……』
コナン「灰原……」
コナン「うな重を食べたがるところを除けば、元太の体はいたって健康なんだし」
コナン「俺とお前が協力すれば、絶対になんとかなるはずだ!」
灰原『そうね……ありがと』
灰原『落ち込んでる場合じゃなかったわね』
コナン「──俺はどうすればいい?」
灰原『彼はあのキャンプの日以来、うな重を食べてないハズ……』
灰原『だからそろそろ禁断症状が──』
ドガァン!
コナン「!?」
コナン「教室からだ!」
コナン「なんかあったらしい!」
コナン「悪いが、またこっちからかけ直す!」ピッ
コナンは電話を切り、教室へ戻る。
すると──
教室では、元太が大暴れをしていた。
小林先生「どうしたの、小嶋君!?」
光彦「落ち着いて下さい、元太君!」
歩美「ダメだよぉ、元太君……!」ウルッ
元太「う、うううぅ……ううぅぅぅ……」
元太「うな重ゥゥゥゥゥ!」
コナン「やべぇ、禁断症状だ!」
元太「うな重ゥゥゥゥゥ!」
元太「うな重食わせろォォォォォ!」
ドガシャァン! バッシャーン!
コナン「落ち着け、元太! 俺だ、コナンだ! 分かるか!?」
元太「コォナァァァン!」
コナン「分かるんだな!?」
元太「うな重、食わせろォォォォォ!」
コナン「ダ、ダメか……!」
コナン(しかたねぇ、できればこんなことしたくねーけど)
コナン(しばらく眠ってもらうぜ、元太……)パカッ
元太「うぅぅぅぅなぁぁぁぁじゅううううぅぅぅぅぅ!」
ダダダッ!
コナン(速いっ!)サッ
元太「食わせろォ……うな重ゥ……」ジュルリ…
コナン(なんだ今のスピード……とんでもない速さだった!)
コナン(もしかして──)
コナン(うな重の欠乏状態が、元太の眠ってるパワーを引き出してるのか……!?)
ダダダダダッ!
元太「ナァァァァ……!」
ダダダダダッ!
元太「ジュウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!」
ダダダダダッ!
コナン(くそっ……とてもじゃないが、これじゃ麻酔針を当てるなんてできねえ!)
コナン(どうすれば──!)
すると──
元太「あるじゃねえかよ……ウナギがァ……」
元太「うな重だァァァァァ!」バッ
小林先生「小嶋君、なにやってるの!?」
歩美「どうしちゃったの……元太君……」グスッ
光彦「元太君、それはホースですよ!」
元太「うめぇ、うめぇよぉぉぉ……!」ガブガブ
元太は一心不乱にホースにかじりついていた。
コナン(なにはともあれ、チャンスだ!)カパッ
コナン(わりぃな、元太……)パシュッ
プスッ
元太「──ウゥ!?」
元太「ナァァァァァァァ!」フラッ フラッ
元太「じゅうぅぅ……」ドサッ
コナン「ふぅ……」
コナン(なんつうか、ゴメラかなんかを退治をした気分だぜ……)
コナン「先生、元太を保健室に連れてってくれる!?」
コナン「ボクはちょっと……やることがあるから!」
小林先生「え、えぇ、分かったわ!」
コナン(灰原に今のことを伝えねーと!)ダッ
光彦「元太君……」
歩美「どうして……」シクシク
灰原『あ、工藤君……さっきのはなんだったの?』
コナン「元太だ……オメーのいうとおり禁断症状が出やがった」
コナン「すげー力で暴れて、しかも幻覚まで見えてたみたいだ」
灰原『やっぱりそうだったのね……』
コナン「とりあえず、今は麻酔で眠らせたけどよ……あくまで一時しのぎだ」
コナン「起きたらきっとまた暴れちまう……」
コナン「なにか手はねぇか? 灰原……」
灰原『と、いいたいところだけど、そんなこと簡単にできるハズがないわ』
灰原『小嶋君の肉体や快楽物質の解析……』
灰原『それらを打ち消す化学物質の選定……』
灰原『もしこれらを見つけ出せたとしても、臨床試験を行わなければならないし』
灰原『副作用など、クリアしなければならない課題が山ほどあるわ』
灰原『とてもじゃないけど、一朝一夕には不可能よ』
コナン「そりゃそうだ……」
コナン(そんな簡単に新しい薬が開発できるんなら苦労はねーよな)
コナン(俺だってとっくの昔に工藤新一に戻れてるハズだ……)
灰原『なにか薬以外の解決方法もあるかもしれない』
灰原『可能性は限りなく薄いけどね……』
コナン「……分かった、ありがとよ灰原」
コナン「悲観的になるなって、きっと大丈夫だ」
コナン「とにかく、こっちはこっちで元太を見張ってるから」
コナン「なんか分かったら、また連絡してくれ」
灰原『分かったわ、気をつけてね』
コナン「……ふぅ」
「コ~ナ~ンく~ん!」
光彦「またコナン君お得意の抜け駆けですか!」
光彦「今の電話の相手は……どうせ灰原さんでしょう!?」
歩美「コナン君……歩美たちだって心配なんだよ」グスッ
歩美「元太君があんなことになって……」グスッ
コナン「……そうだな」
コナン「この件に関しては、オメーらにも話しておいた方がいいか……」
光彦「凶暴になっちゃうってことですか!?」
歩美「そんなぁ……」
コナン「ああ……さっきはなんとか眠らせることができたが」
コナン「今度起きたらかなり厄介なことになりそうだ」
コナン「でも、心配すんな!」
コナン「俺と灰原で、どうするか考えてるからよ」
コナン(といっても、現状手詰まりだけどな……)
光彦「どうかしましたか、歩美ちゃん?」
歩美「今週の仮面ヤイバーで怪人の電波で、ヤイバーが悪になりかけたけど」
歩美「ヒロインの説得とビンタで、なんとか元に戻ったじゃない?」
光彦「ありましたね」
歩美「元太君にも……アレやってみない?」
光彦「……なるほど」
光彦「そうですね、いいかもしれませんね!」
コナン(……いや待てよ)
灰原『でも、未知の症状である以上、解決方法もまた未知よ』
灰原『なにか薬以外の解決方法もあるかもしれない』
コナン(やってみる価値はあるかもしれねえ……)
コナン(うな重でおかしくなったんなら、やっぱり説得もウナギでやるべきか……?)
コナン(説得と……あとビンタか。なにかショック療法を施せば──)ハッ
コナン(そうだ……今おっちゃんのところにはあの人がいるはずだ!)
光彦「はい」
歩美「なに?」
コナン「二人で協力して、でかいウナギを作ってくれ!」
コナン「今のアイツは細長ければ、なんだってウナギに見えちまうハズだ!」
光彦「分かりました!」
歩美「やってみる!」
コナン(よし、次は事務所に電話するか)
英理「…………」
小五郎「…………」
英理「この事務所じゃ、訪ねてきた客にお茶も出さないのかしら?」
小五郎「あいにく敏腕弁護士さんの口にあうような茶は置いてねーからな」
英理「…………」
小五郎「…………」
英理(せっかく来てあげたのに、なによこの態度……)
小五郎(クソッ、茶くらい入れてやればよかったな。俺のアホ……)
互いに素直になれない夫婦。
電話が鳴った。
小五郎「はい、毛利探偵事務所」ガチャッ
小五郎「なに、妃先生はいるかって?」
小五郎「ああいるが……ちょっと待ってろ」
小五郎「オイ、英理」
英理「なによ」
小五郎「コナンから電話だ。なんでもオメーに用があるんだってよ」
英理「コナン君が私に……?」
……
………
コナン(ふぅ、どうにかオーケーしてもらえたぜ)
コナン(急いでくれよ~おばさん)
コナン(さてと、光彦たちは大丈夫かな?)
光彦「どうですか!?」
丸めて筒状にしたカーテンに、画用紙で作ったウナギの顔が貼られていた。
コナン「おう、上出来だぜオメーら!」
歩美「やったぁ!」
光彦「でもこれで本当に元太君を元通りにできるんですか?」
コナン「さぁな……どうなるかは、正直俺にも予測がつかねえ」
コナン「だけどよ、ここで仲間である俺たちが諦めたら元太は救えない……」
コナン「──だろ?」
光彦「……そうですね!」
歩美「そうだね!」
元太「…………」ムクッ
保健室の先生「小嶋君、目が覚めた?」
元太「うな重……」
保健室の先生「え?」
元太「ウナジュウゥゥゥゥゥゥッ!」
保健室の先生「きゃああああっ!?」
ズガァァァンッ!
元太「うな重……」
元太「うな重……!」
元太「うな重ゥゥゥ……!」
元太「食わせろォォォォォッ!」
元太「ウゥゥウ……ナァァァジュウウゥゥゥゥゥッ!!!」
コナン「もう目を覚ましたのか……マズイな」
光彦「どうします、コナン君!?」
コナン「とにかくこのウナギを持って、元太のところに向かおう!」
コナン「放っておいたらだれかが怪我するかもしれない!」ダッ
コナン(ちくしょう……早く来てくれ、おばさん!)
男性教師何名かを倒した元太が、下駄箱を占拠して咆哮していた。
元太「ウゥゥゥゥ」
元太「ナァァァァァァァァ」
元太「ジュウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!」
元太「ウゥゥゥゥゥゥゥ……」
元太「ナァァァァァァァァァァ……」
元太「ジュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!!」
歩美「元太君!」
歩美と光彦が先ほど作った巨大ウナギを手に、元太の前に現れた。
元太「ウナァ?」
光彦「君のために、ウナギの神様が来てくれましたよ!」
歩美「神様が元太君にいいたいことがあるんだって!」
元太「ジュゥゥゥ……!?」
巨大ウナギ『元太よ』
巨大ウナギ『うな重が食べられないからといって』
巨大ウナギ『暴れるとはなにごとじゃ!』
巨大ウナギ『おぬしの心はもっと強いハズじゃ!』
巨大ウナギ『少年探偵団として数々の事件を解決してきたおぬしなら──』
巨大ウナギ『うな重を食べたいという誘惑にも打ち勝つことができるはずじゃ!』
元太「ウゥゥゥ……」
巨大ウナギ『おぬしなら、心の中の悪魔をやっつけることができるはずじゃ!』
巨大ウナギ『元太よ、ウナギの呪縛に打ち勝ってみせるのじゃ!』
元太「ウナァァ……」ブルブル
元太「ジュゥゥゥ……!」ブルブル
光彦「元太君、頑張って下さい!」
歩美「負けないで、元太君!」
元太「ウゥゥゥ……」
元太「ウガァァァジュウウゥゥァァアアアッ!!!!!」
コナン(くそっ、やっぱり言葉だけじゃ無理だ……!)
元太「ウゥゥゥ……ナァ……ジユウウウゥゥゥ……」ズンズン
光彦「元太君、ぼくですよ! ぼくたち仲間じゃないですか!」
歩美「お願い……元の元太君に戻ってえっ!」
コナン(くそっ、このままじゃみんなやられちまう!)
元太「ウナァァァァァッ!!!」
その時だった。
小五郎「コナン!」
コナン「おっちゃん、妃先生!」
英理「あなたにいわれたとおり、うな重を作って持ってきたわよ!」
コナン「──ありがとう!」
コナン「じゃあ、そこの大きなウナギの人形の前に置いてくれない?」
英理「うな重を? ……分かったわ」コトッ
小五郎(コイツらなにやってんだ? 学芸会かなんかの練習か?)
巨大ウナギ『今ワシの前に、おぬしが欲したうな重がある』
巨大ウナギ『食すがよい』
元太「ウゥゥゥゥ!」
元太「ナジュウゥゥゥゥゥゥッ!」
元太は久々のうな重に、飛びついた。
元太「ウナッ、ウナッ、ウナッ、ウナッ、ウナッ」ガツガツ
元太「…………」
元太「──うえっ」
元太「なんだこりゃ……マズッ」
英理「え」
歩美「元太君!」
光彦「元に戻ったんですね!?」
コナン(今だ!)
懐かしいwww
巨大ウナギ『心の中の悪魔に勝てない弱い心では、うな重もおいしくないのじゃ』
元太「神様……!」
巨大ウナギ『元太よ、強くなれ!』
巨大ウナギ『うな重などに心を惑わされてはならない!』
巨大ウナギ『そうすれば、再びおいしくうな重を食べることができるじゃろう……』
元太「おうっ!」
元太「俺……なんか変な夢を見てたみてえだ……」
元太「俺、もっと強くなるよ! ありがとう、ウナギの神様!」
きのこときのこからどくきのこを作るレベル
oh…
元太「もう大丈夫だ!」
元太「俺はもう……絶対にうな重に負けたりなんかしねえよ!」
歩美「やったぁ、元太君!」
光彦「本当によかったです……! 一時はどうなることかと……」
コナン(ふぅ……まさか本当にうまくいくとは思わなかったぜ……)
小五郎「なにがなんだかサッパリだが──」
小五郎「オメーのうな重がマズイってことだけは分かったぜ、英理」ニヤッ
小五郎「さすが敏腕弁護士さんの料理の腕は一味ちがうってか?」
小五郎「ナハハハハハハッ!」
英理「…………」
英理「コナン君」
コナン「はいっ!?」ビクッ
英理「あとでこの件について、たっぷり尋問させてもらうわね?」ニッコリ
コナン「は、はい……(こえ~~~~~)」
<博士の家>
灰原「すごいわ……」カチャカチャ
灰原「小嶋君の体が、完全に正常に戻ってる」カチャカチャ
灰原「心の作用というのも、案外あなどれないわね」カチャカチャ
コナン「ああ、俺も驚いたよ」
コナン「ま、あれから色々大変だったけどな」
灰原「えぇ、学校は大騒ぎだったでしょうからね」
コナン(一番キツかったのは、おばさんの尋問だけどな……)
コナン(あ~……思い出したくもねぇ)ゾクッ
コナン(しかしまぁ、元太を助けることができてよかったぜ……)
元太「よぉ、コナン、灰原!」
光彦「遊びに来ましたよ!」
歩美「こんにちは~!」
コナン「おう」
灰原「いらっしゃい」
コナン「ところで元太、あれから具合はどうだ?」
元太「へへへ、バッチリだぜ! 昨日は珍しく母ちゃんがうな重食わせてくれたしな!」
元太「いつかウナギの神様も食ってみてえなぁ~」ジュルリ
コナン(ハハ……相変わらずだな、コイツは……)
うな重中毒を克服した元太であったが、うな重好きは結局変わらなかったのだった……。
<おわり>
よく雰囲気出ててよかった
久々にうな重が喰いたくなった
腹の減るSSだった
Entry ⇒ 2012.06.27 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
マコト「最近胸が膨らんできたんだけど…」
マコちゃん「これはマズイ気がする・・・気がするけど・・・ここでは女ってなってるし・・・」
マコちゃん「きっといつか治る・・・よね?そうさ、治るに決まってる!今は少しだけ考えるのはよそう・・・」テクテク
カナ「おかえりマコト、どうだったー?」
マコちゃん「カナ!今はそういう話題はしない方がオレはいいと思う!」
カナ「なかったの?」
マコちゃん「・・・・・」
カナ「そっか・・・いやあれだね、まあ、お茶でも・・・」
マコちゃん「いただきます・・・」
マコちゃん「・・・・・」
カナ「まあ、そのよかったじゃないの?これで女装がバレるなんてことなくなったわけだしね」
マコちゃん「この煎餅おいしい!お茶とよく合うよ!」
カナ「聞きなさいよ!私がガラにもなく慰めてあげてるのにッ!」
マコちゃん「ほんとにどうしよ・・・ある意味解決だけどぜんぜん解決してないって・・・むしろより困難に?」
カナ「でしょうね、学校とかもあるからね」
マコちゃん「はぁ、オレから溢れでていた男気とか無くなっちゃったな・・・」
カナ「いやいや」
ピンポーン
カナ「お前とおしゃべりしていたらお客さんが来たよ、出てくる」テクテク
マコちゃん「ひどい!オレがこれからの対策について話してたのに!」
吉野「おじゃましまーす」ニコッ
カナ「おー、予想に反して早いな吉野。お前はいい子だな」
吉野「えへ、ありがとうカナちゃん」
マコちゃん「な・・・なぜ・・・」
吉野「マコちゃんこんにちわ」
マコちゃん「おう・・・ちょっとタイムな吉野・・・ちょっとカナ、カナ!」
カナ「なんだよマコちゃん?」
マコちゃん「なんで吉野がいるんだよ!千秋もいないのに・・・」
カナ「え、私がよんだからだけど?」
マコちゃん「おいッ!」
マコちゃん「内田とか冬馬がいただろう!」
吉野「ひどいなあ・・・私もお話にいれて欲しいんだけどなあ」ニコニコ
マコちゃん「あ!もう終わったから!それより吉野もお茶飲む?」アセアセ
吉野「うん、ありがとうマコちゃん」
カナ「どころで吉野ってけっこういい所のお嬢さんって感じがするよね」
マコちゃん「すごい話題の振り方だな・・・」
吉野「そんなことないよー?」
マコちゃん「はい、お茶」
吉野「ありがとう」
カナ「やっぱ下着とかもいいものだったりするのかとね・・・?」
マコちゃん「お、おい!カナいきなりなにをッ!?」アセアセ
マコちゃん「だって・・・」アセアセ
吉野「男の子みたい・・・」クスクス
マコちゃん「」ビクッ
カナ「」ビクッ
吉野「どうしたの2人とも?」ニコニコ
マコちゃん「い、いやなんでも・・・」ドキドキ
カナ「ビックリした・・・あ、驚く必要なかったんだ!」
マコちゃん「カナ、いくらなんでも今のは口を滑らせ過ぎじゃないか!?」
吉野「よくわからないけど仲良くしようよ?」
カナ「ようし、これはあれだな。デパートに行こう」
マコちゃん「いきなりだな・・・なんで?」
カナ「まあまあ、今日でお前の悩みを解決しに行くのさ」ニヤニヤ
マコちゃん「?」
カナ「ようし、お前たち。今日は下着売り場で大人の女性とはなにか考えようじゃないか!」
吉野「はーい」
マコちゃん「まってよ!これはさすがにマズイって!」
カナ「なに言ってるんだい、お前も立派な女の子だろう?下着のことを知らないでどうする」
マコちゃん「いやまあ・・・けどなったばかりだし・・・」
吉野「マコちゃんとはこういうことしたことなかったら楽しみだね?」ニコニコ
マコちゃん「え?あー・・・」
カナ「お前は吉野のこの純水な笑顔を壊そうっていうのかい?」
マコちゃん「わかったよもう・・・」
マコちゃん(まあ確かに今は女だからこういうのは大切なんだと思う・・・けどやっぱ恥ずかしいよ・・・)
カナ「いきなりだね吉野?どうなのマコちゃん」ニヤニヤ
マコちゃん「そ、その・・・着けてない・・・」カァァッ
吉野「着けてないってブラジャーしてないの?それはダメだよ」
マコちゃん「いやだって・・・」アセアセ
カナ「よし、吉野・・・お前はマコちゃんに最適なやつを選んできなさい、今日は私が出すから!」
吉野「よかったねマコちゃん、行こう?」ニコッ
マコちゃん「え?ちょっと・・・」テクテク
カナ(いやあ・・・これは心憎い演出だな。これでマコトが吉野に女であることを証明すればアイツの吉野に対する苦手意識はなくなるはず・・・私って心憎いなぁ)
マコちゃん「うん・・・そうだけどダメだったか・・・?」
吉野「あのね、女の子の胸はデリケートなんだよ?もしブラジャーしなかったら形が悪くなったり、痛くなったりするんだから」
マコちゃん「そうなんだ?どうりでちょっとヒリヒリするとは思ってたんだ」
吉野「・・・え?」
マコちゃん「どうした?」
吉野「ううん、なんでもない・・・マコちゃんは初めてなんだよね?じゃあまずサイズ計らないと」
マコちゃん「へぇ、服みたいに適当じゃないんだ?」
吉野「うん、でも・・・マコちゃんは初めてみたいだからスポーツブラでいいかも。慣れたら好きな物を選んでいけばいいかも」
マコちゃん「吉野は物知りだな!ありがとう」
吉野「もう、女の子なら当然だよ」ニコッ
マコちゃん「ああ・・・わ、わかった」
吉野「あはっ、もしかして緊張してる?」ニコニコ
マコちゃん「初めてだから・・・」
吉野「私も最初は緊張したよ?でも大丈夫だから・・・ね?」クスクス
──試着室──
マコちゃん(ついにこの日が来てしまった・・・これだけは着ないと決めてたのに・・・これでオレから溢れ出るワイルドさもさよならだなあ)
吉野「難しい顔してるけど大丈夫?」
マコちゃん「大丈夫!さあ吉野、思う存分やってくれッ!」
吉野「うん、わかった。けど上着脱ごうね?」ニコニコ
マコちゃん「わかったあ!」ヌギヌギ
マコちゃん「よろしくおねがいしますッ!」ドキドキ
吉野「んしょっと・・・」
マコちゃん(うひゃあ・・・!なんかペタペタするやつが先端にあたってるぅ・・・)
吉野「・・・・・・!?」ビクッ
マコちゃん「ど、どうした吉野ぉ・・・?」ドキドキ
吉野「な、なんでもないよ」アセアセ
マコちゃん「あのぅ・・・できたらもう少し緩くしてくれないかな?ちょっとだけ痛い・・・」
吉野「あ!ごめんねマコちゃん・・・えっとサイズはこれだから忘れちゃダメだよ?あとスポーツブラはこれでいいと思うよ?」
マコちゃん「いやあ、何から何までほんと助かったよ!ありがとう吉野!」ニコニコ
吉野「・・・うん」
マコちゃん「さっそくこれをカナに渡して買って貰ってくるよ!」テクテク
吉野「・・・・・」
マコちゃん「カナだって女だろ!遅くなったのは謝るけど・・・ほんとは1人にさせられたから怒ってるのか?」
カナ「知った風な口を叩くんじゃないよこの子はッ!」
マコちゃん「あ、でもほんとにありがとなこれ・・・」
カナ「あー・・・うん、わかったから。それ大切にしたらいいよ」
マコちゃん「なんだか不名誉なもの貰っちゃったけどさ・・・」ズーン
カナ「なに言ってんのさ、お前は立派な女の子なんだから下着の1セットや2セット持ってないでどうする?」
マコちゃん「それは・・・そうだけど・・・」ウジウジ
カナ「しかしなんだ。さっきから吉野は静かだけど、どうかしたか?」ニヤニヤ
吉野「え、あ・・・聞いてなかった。ごめんねカナちゃん・・・」
カナ「いやいや、別に構わないよ」
マコちゃん「吉野・・・」
マコちゃん「いや、今日はもう帰るよ」
吉野「私も。ごめんねカナちゃん?」
カナ「いや、気にするな。じゃあ2人とも仲良く帰るんだよ?じゃあな」
マコちゃん「じゃあなー!」
吉野「・・・・・」
マコちゃん「吉野・・・さっきからなんか元気ないけど大丈夫か?」
吉野「・・・そう見える?」
マコちゃん「うーん・・・いつもの吉野に比べたらちょっとだけ?」
吉野「マコちゃんはいつもと比べたら私といっぱい話してくれるね・・・」
マコちゃん「ええ!?いつもどおりじゃないか?吉野の勘違いじゃないかなぁ・・・?ははは・・・」アセアセ
吉野「まるで何かから解放されたみたい・・・」
マコちゃん「えっとう・・・あのう・・・」アセアセ
マコちゃん「か・・・隠してるってなにが・・・?」アセアセ
吉野「さあ?」ニコニコ
マコちゃん「やましいことなんてなにもないよッ!」
吉野「ほんとに・・・?」
マコちゃん「うん・・・」
吉野「私ね・・・マコちゃんに似てる人を知ってるの・・・」
マコちゃん「・・・!?」ビクッ
吉野「その子は男の子。マコちゃんはちゃんと胸もあったから女の子だったよ・・・」
マコちゃん「それが・・・どうしたの・・・?」ビクビク
吉野「なんなんだろーね?けど私思うんだ・・・これからもっと楽しくなるもしれないって」ニコニコ
マコちゃん「ちょっとまってよ・・・」ビクビク
吉野「あはっ、じゃあね。また明日・・・」クスクス
マコちゃん「・・・・・」
マコト「朝かぁ・・・あー・・・起きたぞッ!」
マコト(昨日の吉野ってやっぱりマコちゃんのこと知ってたのかな・・・じゃないとおかしいもんな・・・)
マコト(挙動不審って言葉は昨日の吉野ために作られたんだなたぶん)
マコト(けど今や女であるオレには問題なんてあるはずないよな?そうと決まればすぐに制服に着替えなきゃ・・・)
マコト「よしっ、乱れがないか鏡で確認っと・・・あぁ!?」
マコト「そうだ・・・オレ女だったんだ・・・どうしよう・・・男の制服なのに胸が膨らんでたら絶対おかしいって!怪しまれるって!!」
マコト(考えるんだ・・・!時間はまだ少しだけあるな・・・考えろ・・・考えるんだマコト・・・!)
内田「もお!朝からどうしたのマコト君。授業の準備とかあるんだからね?」
マコト「いや、今はそんな真面目なのいらないぞ!それよりこれを見てくれ内田!」ヌギヌギ
内田「きゃっ・・・ちょっとマコト君!なんでいきなり服脱ぐの!?」
マコト「いいから見てろって!」ヌギヌギ
内田「・・・うん」ドキドキ
マコト「よし、どうだ!」
内田「・・・!!ぷぷっ・・・あははは!」
マコト「内田、オレはこれでも必死に考えた中でもっともベストだったのがこれだったのに笑うなよ!」
内田「だって、胸のところガムテープ巻かれてるんだもん!ぷぷっ・・・」
マコト「いいか、ガムテープじゃなくてこれは布テープだから。ガムテープは剥がれてダメだった!」
内田「そうなんだ・・・」
内田(なにがしたいんだろう・・・)
内田(男の子って変な遊びするなあ・・・)
マコト「よし、終わった・・・見ろ内田!」
内田「え!?なんでッ!!マコト君男の子なのに・・・胸がある・・・?」
マコト「その・・・昨日から女になっちゃったんだよ・・・」ズーン
内田「・・・・・」カァァッ
マコト「ちょっ!どこ見てるんだよ!いちおう言っとくけどこっちは無い・・・ここは見せないからなッ!」ドキドキ
内田「触っていいですかッ!」
マコト「触るぐらいならまぁ・・・」
内田「では・・・失礼します・・・」ふにょん
マコト「んっ・・・・!」ドキドキ
内田(これは・・・私よりある・・・!?)
内田「うん・・・ありがとうってマコト君!女の子は無闇に服脱いじゃダメだよ!」
マコト「だって・・・じゃないと内田にオレが女ってこと信じさせられないだろ!?」
内田「そうだけど・・・そうだけど!とりあえず服を着ようよマコト君」
マコト「わかった、また布テープ巻くから内田も手伝ってよ?」
内田「いいけど・・・あんまりやり過ぎたら胸の形悪くなっちゃうよ?せっかくキレイなのに・・・」
マコト「そうなの?ハルカさんが見たら褒めてくれるかなぁ・・・」ドキドキ
内田「うーん・・・わかんないけどとりあえずそれは女の子がする態度じゃないよ?」
マコト「え?なんで?」
内田「だってそれは・・・それは・・・」カァァッ
マコト「?」
マコト「まあ女装するからこれはありがたいよ」
内田「待って、マコト君は男の子なんだよ!」
マコト「そっか!困るよ内田!?」アセアセ
内田「カナちゃんの家ならいいけど・・・マコト君は元々は男の子なんだからもっと真剣に考えた方が・・・」
マコト「そうだよな・・・マコちゃんの事もなんだかんだで隠せてたからなんか上手くいけると思ってたけど・・・マコちゃんは短時間だもんな」
内田「そうだよ?気を抜いたらバレちゃうよ」
マコト「それより戻って欲しいなあ・・・でも戻って欲しくないなあ・・・」ズーン
内田「事情もわかったし、とりあえず教室戻ろうよ?」
マコト「そうだな、ありがと内田」
内田「おはよー吉野ちゃん!」
マコト「吉野・・・」
吉野「2人とも朝からなにしてたのかな?」ニコニコ
内田「え、それは・・・えっと・・・」
吉野「一緒に教室から居なくなるからなにかあったのか気になっちゃったんだよ」ニコニコ
マコト「べつに・・・たいしたことないよ?」アセアセ
吉野「そう・・・ならよかった・・・」
チアキ「おはよう吉野、内田と・・・おお!」
内田「おはよーチアキ。どうしたの?」
チアキ「いや、ちょっとマコト見てたら知り合いに似てるなあと・・・いくらなんでもマコトを見てそう思うなんて失礼な話しだな」
マコト「あはは・・・」ドキドキ
吉野「・・・・・」
内田「き、気のせいだよ!チアキは寝ぼけてるんだよきっと!!」アセアセ
マコト「あはは!そんなに似てたのかあ!じゃあ次の授業の準備もあるしオレ机に戻るよ!」アセアセ
チアキ「いつになく今日はやる気あるなアイツ」
内田「チアキは相変わらずマコト君には厳しいんだね?」
チアキ「あいつが軟弱過ぎるから私は少しでも男らしくなって欲しいと思う親切心がそうさせるのさ」
内田「たまには優しくしてあげてね?」
チアキ「おい吉野、あまり元気がないように見えるけどどうした?悩みがあるなら聞くぞ?」
吉野「ううん、大丈夫だよ?すこしだけ眠いからそれでそう見えるだけだよきっと」ニコニコ
チアキ「ならいいけど・・・吉野には日頃から世話になってるからなにかあったらすぐ言えよ?」
吉野「うん・・・」
シュウイチ「めずらしく考えごと?」
マコト「ん?シュウイチか・・・なんだ、オレが考えごとしてたらダメなのか!」
シュウイチ「そんなことはないんだけど・・・マコト、なんか雰囲気変わった?」
マコト「なんか最近よく言われたりはするな・・・シュウイチ、お前はオレのどこが変わったかわかるか?」
シュウイチ「どこが変わったかって言われてもなぁ・・・」ジー
マコト「うぅ・・・あまり見られても恥ずかしいよシュウイチ・・・」
シュウイチ「わかんないよ、でもなんだか女の子っぽい感じがするよ?」
マコト「シュウイチ、いくらなんでもあんまりだ!オレから溢れる大和魂が見えないのか!?」
シュウイチ「見えないよ?」
シュウイチ「前から大和魂なんてなかった気もするけどね」
マコト「シュウイチは以外とストレートに言葉を言うけどもう少し優しくしてもいいよ?」
シュウイチ「雰囲気変わったって言ってもそんなに変わったわけじゃないから気にしないで大丈夫だよ」
マコト(実は劇的に変わってるなんて言えるわけないけどね)
マコト「そっか、それじゃオレもあまり気にしないでいつもどおりにいくよ!」
シュウイチ「うん、いつものマコトらしくね」ニコッ
マコト(次の時間の休み時間は冬馬のとこに行ってみよう。あいつならなんかアドバイスしてくれると思うし)
マコト(体の変化以外にやっぱりなにか変わってるのかなぁ・・・)
冬馬(あれマコトか?)
マコト「・・・・・」ジー
冬馬(あれは来いってことなのか?めんどくさそうだな・・・)
マコト「・・・・・・」ジー
冬馬「なんだ、用があるなら来いよ」
マコト「だって男が違うクラスの女子と話してたら変なかなって」
冬馬「気にしすぎじゃないか?言うほど人はそんなに見てないだろうし」
マコト「そうか・・・じゃあ俺と一緒に空き教室に来てくれ」
冬馬「どうしたら空き教室なんだよ」
マコト「いいから!わかるから!」
冬馬「ならいいけど・・・」
冬馬「マコトが女になってる・・・!」
マコト「・・・うん」ドキドキ
マコト(なんか胸を触らせる度にドキドキするけどなんなのかなこれ・・・)
冬馬「なんでお前女になっちゃったんだよ?」
マコト「さぁ?昨日気づいたらなってたからオレにもさっぱりで・・・」
冬馬「お前、ほんとは今まで女だったってことはないか?」
マコト「そんなわけないだろ!オレは今まで男だった・・・あれ?」
冬馬「どうした?」
マコト「なんか昔のオレがあやふやというか・・・思い出せない・・・」
冬馬「はぁ?」
マコト「ねぇ冬馬!オレ、前はちゃんと男だったよね?」アセアセ
冬馬「そうだと思うけど・・・オレもお前と知り合ったのは最近だからな・・・」
マコト「どうしよ・・・」
マコト「シュウイチに直接聞けってこと?」
冬馬「そう、そのシュウイチって奴に聞けばいいじゃないか」
マコト「なんて聞けばいいんだよ!『オレって前から男だったよね?』とでも聞けばいいの?そんなのシュウイチに変に思われるだろ!」
冬馬「じゃあもうオレは知らない」
マコト「もう少し一緒に考えてよ冬馬!」
冬馬「めんどくさい奴だな・・・オレはちゃんとアイディア出しただろ。これがダメならあとはお前が考えろよ」
マコト「・・・ごめん」シュン
冬馬「あー・・・言い過ぎた。ともかくオレもなにか考えておくから、お前はなにかあったら言え。内田も知ってるんだろ?」
マコト「うん・・・」
冬馬「オレはもう行く。あんまり考えすぎるなよマコト」テクテク
マコト(考えすぎるなってそんなのできるわけないだろ・・・)
マコト(なんで記憶も・・・全然はっきりしない・・・)
マコト「教室戻らなきゃ・・・」テクテク
吉野「こんどは冬馬となにしてたのかな?」ニコニコ
マコト「吉野か・・・ごめん、今はちょっと相手にできないから・・・」
吉野「朝はユカちゃん・・・今度は冬馬、次はチアキ?それとも私かな?」ニコニコ
マコト「・・・・・」ギロッ
吉野「怖いよマコト・・・?」クスクス
マコト「全然そんなふうに見えないけど」
吉野「私はただみんなでなにしてるのか気になって聞いてるだけなのになぁ」
マコト「だからなにもしてないって・・・」
吉野「じゃあコソコソ空き教室に行かなくてもいいんじゃないかな?」ニコッ
マコト「ごめん・・・行くよ」テクテク
吉野「・・・・・」ギリッ・・・
カナ「女の子で過ごす学校生活はやっぱり大変だったか?」
マコちゃん「まぁ・・・でもそんなに苦ではなかったかな・・・胸を隠すのがちょっとだけ・・・」カァァッ
カナ「まあ男子生徒の胸が膨らんでたらそりゃ大変だからね。どれ」ピラッ
マコちゃん「わわっ!なんでいきなり服捲るんだよッ!」ドキドキ
カナ「いや、どんな感じか気になるじゃん胸とか」
マコちゃん「もう!」
カナ(小学生組では一番成長しているか?まあ設定は中学生だけど・・・)
マコちゃん「なあカナ、オレって男だったのかな・・・」
カナ「はあ?おかしなこと聞く子だね・・・そうだったんじゃないの」
マコちゃん「違うんだって!オレ、なんか前の・・・男だった頃の記憶が曖昧でさ」
カナ「おう・・・それはほんとのこと・・・?」
マコちゃん「うん・・・」
マコちゃん「なんかカナが頭良さそうに見える!」
カナ「おまえいくらなんでも失礼じゃないか?まぁこれはあくまで推測だからね、体が女になっただけでもだいぶスゴいから」
カナ「でもあれだ、私はおまえをちゃんと男って確認してないからほんとは今まで女の子だったって可能性もあるわけだ」
マコちゃん「だったら記憶が曖昧になるのはおかしくならない?」
カナ「今のところ断定できる情報もないし憶測でしか話せないよ。第一それらを手っ取り早く証明できるお前の記憶はないからね、それも信じてくらたらの話しだし」
マコちゃん「なんか難しいよカナ・・・」
カナ「簡単に言えばお前をよく知ってる人に聞けばいいのさ。例えば親や兄弟、友達とかね?」
カナ「記憶が曖昧っていうのは怖いんだろうな・・・自分のことがわからないんだもんね。でも大丈夫だ、私がいつでも相談に乗る!だから大丈夫だ」ニコッ
マコちゃん「うん、ありがとう。今日のカナすごく頼りになるよ!本物のお姉さんって感じだ」
カナ「お前は早くよくなって貰わないとな。イジって面白いやつは多いほどいいからね」ニコニコ
マコちゃん「感動していたオレがバカだった・・・」
カナ「まあまあ粗茶ですが・・・」
マコちゃん「明日・・・シュウイチに聞いてみようかな・・・」
カナ「シュウイチっていつかチアキが連れてきた頭の良さそうな子?」
マコちゃん「まぁあっちサイドの奴だけど・・・あいつなら昔のオレわかると思うし」
カナ「聞くのは構わないけど気を付けろよ?お前は今はただの女の子だってこと。秘密にしたいことが多くの人間にバレると大変になるかも・・・」
マコちゃん「シュウイチはそんな奴じゃないぞッ!あやまれッ!!」
カナ「そうだといいがな・・・」
マコト(まったく・・・カナはシュウイチのことよく知らないからあんな酷いこと言えるんだ)
マコト(シュウイチはそんな奴じゃないし、いい奴だ!だからきっと大丈夫・・・)
マコト「よっ!シュウイチ、元気?」
シュウイチ「うん、元気だよマコト。どうしたの急に?」
マコト「えっと・・・聞きたいことがあってきたんだけど・・・」アセアセ
シュウイチ「聞きたいこと?僕に答えられることならいいよ」
マコト「えっと・・・そのう・・・」
シュウイチ「言いにくいことなの?」
マコト「そんなことないけど・・・でもどう説明していいか難しくて・・・」
シュウイチ「なら後ででもいいんじゃない?聞きたいことが纏まってからでも聞くから、大丈夫だよマコト」ニコッ
マコト「そっか・・・そうだな!ありがとうシュウイチ、後でまた聞きに来るよ!」
シュウイチ「うん、ゆっくりでいいからね」
内田「・・・・・・」ボー
マコト(日向ぼっこ?まぁいいや、内田に聞いてみよう)
マコト「内田!ちょっといいか?」
内田「あっ!マコト・・・ちゃん?ぷぷっ・・・」
マコト「なんだよマコトちゃんって・・・いつも通りでいいから。あといきなり人の顔見て笑うなよな?」
内田「ごめんね?だけど今は女の子だからちゃん付けした方がいいのかなあって」
マコト「いや、いつも通りで。ちゃん付けは女装してる時だけでいいから」
内田「今は女の子だから女装っておかしくない?」
マコト「私服の時だけでいいから」
内田「それならわかったあ!それで聞きたいことことって?」
マコト「えっと内田、オレ・・・前は男だったよな?」
内田「前はって・・・違ったの?」
マコト「いや・・・確認で聞いているんだ。内田はわからないか?」
内田「男の子だと思ったけど・・・女装できるぐらいだからほんとに男の子だったかちょっと怪しいかも・・・ぷぷっ・・・」
マコト「確かに俺も似合うと言われるまで気づかなかったよ」
内田「でも変なこと聞くんだね?」
マコト「ちょっとな・・・女になる前の記憶があやふやなんだ」
内田「あ・・・ごめんねマコト君!私そういうの知らないでふざけて・・・」ズーン
マコト「いいよ、気にしてないから。まあこれはあまり期待してなかったし、もう1つは相談なんだけどこれは協力して貰えると助かるよ」
内田「うん、ほんとにごめんね?」
マコト「もしかしたら実は元々女だった・・・って可能性もちょっとだけあるかもしれない・・・」
マコト「そこでオレはシュウイチにその確認をしようと思ったんだ!」
内田「1つ質問!なんで家族に聞かないのかなあ?それが簡単だと思いますッ!」
マコト「だって・・・なんか恥ずかしいじゃん!」
内田「シュウイチ君に聞く方が恥ずかしいんじゃない?」
マコト「大丈夫!シュウイチとは男と男の熱い友情があるからッ!」
内田「なんだかすごい自信だね・・・」
マコト「絆ってやつだ!」
内田「マコト君、恥ずかしくない?」
マコト「なにが?」
内田「つづけてください!」
内田「シュウイチ君に変な奴って思われるのいやなの?」
マコト「・・・うん」モジモジ
内田(なんか女の子っぽい仕草!でもシュウイチ君はマコト君のこと十分変な子だって思ってそうだけどなあ・・・)
マコト「なんとかならないか内田・・・?」チラッ
内田「うーん・・・そうだ!マコト君、マコト君とシュウイチ君の友情ってその程度で揺らぐものなの?」
マコト「なっ!?そんなわけないだろっ!オレとシュウイチを舐めるよッ!付き合いが長いぶん、いろいろわかるんだぞ!」
内田「だったら大丈夫、シュウイチ君を信じてあげようよ!」
マコト「ありがと内田、なんだか目が覚めた気分だよ!」
内田「それは良かったです」
マコト「今からシュウイチのとこに行ってくる!じゃあな」
内田(マコト君って単純だなあ)
シュウイチ「おかえりマコト。どうしたの」
マコト「今から変なこと聞くかもしれないけで・・・オレはいたって真面目に聞いてるってことを知ってほしい、わかったか?」
シュウイチ「よくわからないけどわかった。聞きたいことって?」
マコト「あの・・・オレって前はちゃんと男だったか!」
シュウイチ「え?」
マコト「だから・・・オレは前は男だったのかって聞いてるんだッ!」
シュウイチ「変なこと聞くね?まるで今は男の子じゃないみたいな・・・」
マコト「えっ!違くて・・・そのな!なんか前の方がオレって男気があった気がしたからシュウイチに聞いてるんだよ」アセアセ
シュウイチ「ふーん・・・マコトの男気ねぇ・・・」
マコト「は!?ちょっと・・・シュウイチがなに言ってるかわかんないなあ・・・」アセアセ
シュウイチ「わかんないってそのままの意味だよ?」
マコト「イヤだなあ・・・オレには隠しきれないワイルドさがあるだろう!」アセアセ
シュウイチ「マコト、あのさ・・・僕はマコトによく似ている女の子を知っているんだ」
マコト「」
シュウイチ「前まではマコトに似ているなあ程度に思ってたけと・・・今は核心もって言える。あれってマコトだったんじゃないかって」
マコト「いや・・・そのシュウイチあのね・・・」アセアセ
シュウイチ「マコト・・・僕には話せないことなの?」
マコト「・・・・えっと」
シュウイチ「そっか・・・マコトにだって隠したいことあるもんね・・・ごめん、無理に聞き出そうとして・・・ははは・・・」
マコト「違うんだって!もう・・・どうしよう・・・」
シュウイチ「どうしたのマコト?」
マコト「ついてきてシュウイチ、お前に見せたいものがあるんだ」
──飽き教室──
シュウイチ「こんなとこに来てなにかあるの?」
マコト「えっと・・・な?人に見られるとちょっと困るから・・・」
シュウイチ「それはさっきのことと関係あるの?」
マコト「うん・・・たぶん」
シュウイチ「じゃあ・・・お願いマコト」ニコッ
マコト「ちょっと待って!その・・・心の準備が・・・」
シュウイチ「わかった、マコトのタイミングでね?」
マコト(大丈夫・・・シュウイチならきっとオレの力になってくれるはず。シュウイチはいつもオレに優しくしてくれたから・・・)
マコト(きっと今回も助けてくれるはず・・・)
シュウイチ「なんで上着脱いでるの?」
マコト「いいから!これでも緊張してるんだぞ!!」ヌギヌギ
シュウイチ「あの・・・なんでガムテープ巻いてるの・・・?」
マコト「それはそうせざる理由があったんだよ!あとこれ布テープだから!」ヌギヌギ
マコト「シュウイチ・・・ここからお前に見せたいものなんだ・・・驚かないでくれよな・・・?」ドキドキ
シュウイチ「うん、わかった・・・」
マコト「い・・・痛いよう!・・・でもこれじゃないと隠せないから・・・痛っ!・・・ふぅ、できた。シュウイチ見てる・・・?」ドキドキ
シュウイチ「マコト、その膨らみ・・・本物なの・・・?」
マコト「うん・・・そのな、最近膨らんできちゃってさ。あはは・・・」
シュウイチ「えっ!?でも・・・」
マコト「じゃないと信じられないだろ・・・だったら確認してほしい。シュウイチにはちゃんと知ってもらいたいから」ニコッ
シュウイチ「わかった・・・じゃあ触るよマコト?」ドキドキ
マコト「うん・・・きて・・・?」ドキドキ
シュウイチ「うわわ!やわらかい・・・」ドキドキ
マコト「んっ!ばっ、ばか!もう少し優しく・・・んぅ・・・はぁ・・・」
シュウイチ「だ、だって・・・」カァァッ
マコト「んはぁ・・・なんで先を触ってるんだよぉ・・・お、終わり!もうわかっただろッ!」ドキドキ
シュウイチ「あ・・・」
マコト(なんだ今の・・・いままでと違う、内田や冬馬に触らせた時とも全然違う・・・シュウイチに触られると今までと違う感覚が・・・気持ちいいのか苦しいのか・・・なんなんだよまったく・・・)
マコト「これでわかったと思うけど・・・オレ、女になっちゃったんだよ」
シュウイチ「・・・・・」ボー
マコト「だからシュウイチにその・・・前のオレはちゃんと男だったか確認したかったんだ・・・オレ、ほんとに男だったのか女だったのか自信が今はないから・・・」
シュウイチ「・・・・・」
マコト「シュウイチ・・・?おい、オレがこんなに一生懸命話してるのになにも言わないって親友としてどうなんだッ!なあ、前のオレはちゃんと男だったかシュウイチ?」
シュウイチ「マコト・・・ぼく思うんだ・・・前が男とか女とかって関係ないんじゃないかって・・・」
マコト「はぁ!?なに言って・・・大事なことに決まってるだろッ!!」
シュウイチ「マコト!!」ギュッ
マコト「ひゃわ!?な、なんで抱き締めてんだよう・・・」ドキドキ
シュウイチ「・・・・・」ギュッ
マコト「シュウイチ・・・?」
シュウイチ「マコトはこんな時でも優しいんだ・・・ガムテープ巻いてないから胸の感触わかるよ・・・」ギュッ
マコト「ばか・・・そんなこと言うなよな。まあシュウイチだし、オレお前のこと信頼してるからな!えへへ・・・」テレテレ
シュウイチ「・・・・・ちゅ」ギュッ
マコト「・・・・え、ちょ・・・え?」
シュウイチ「・・・・・」ギュッ
マコト「シュウイチ!お前なにしてるんだよッ!お、オレ初めてだったんだぞッ!?」
シュウイチ「いいんじゃない?マコト、女の子なんだから・・・・ん・・・あむ・・・・・・ちゅ・・・」ギュッ
マコト「まっ・・・・ん・・・んぅ!・・・ちゅ・・・・ひゃわ・・・・・シュウ・・・・イチ・・・・あっ・・・」ドキドキ
シュウイチ「マコト・・・ぼく・・・」ギュッ
シュウイチ「僕はこれでも男だからね?今のマコトはぼくから出れないよ・・・?」
マコト「くっ・・・」
シュウイチ「マコトだけに話させるのはフェアじゃないね?僕も話してあげる・・・」
マコト「・・・・・」
シュウイチ「マコトにも言ったね?マコトに似ている女の子を僕は知ってるって・・・僕・・・その子に一目惚れしてたんだ・・・」
マコト「そ、そうなの!?あ・・・なんでもない・・・」
シュウイチ「ふふ・・・マコトとよく似ていてさ?元気で素直で・・・とても可愛かったんだ」
マコト(たぶんそれマコちゃんのことだよねやっぱ・・・でも可愛いって言ってくれた・・・なんでこんなに嬉しいんだろう・・・)
シュウイチ「僕には話しかける勇気がなくて・・・だからマコト、いつもマコトを見ていて僕はいつもその子を思い浮かべてたよ」
マコト「そう・・・なんだ・・・」
シュウイチ「その子とマコトは同一人物なんじゃないかって思った時もあったよ?・・・けどマコトは男の子だったから・・・」
シュウイチ「でもこれで安心したよ、マコトは女の子なんだもんね?」
マコト「待ってよシュウイチ!確かに前のオレは女装を楽しんでたよ・・・きっとシュウイチが見てた女の子もオレだよきっと・・・けどオレは本物の女になりたいわけじゃなくて・・・これでも自分のことが怖いんだ・・・」
シュウイチ「やっぱり・・・あの子はマコトだったんだね」
マコト「ごめん・・・やっぱりきもちわるいか・・・?」
シュウイチ「全然、むしろマコトは酷いよ?」
マコト「なにがだ?」
シュウイチ「こんなに僕は悩んでいたのに・・・自分だけ楽になろうとしていたんだからね?僕がどんだけ今まで我慢してきたかマコトは知らないよね」
マコト「それは・・・知らなかったから・・・いや、言い訳だな。ごめんシュウイチ・・・」
シュウイチ「ううん、そんな・・・今のマコトは女の子だからね。もう気にすることなんてないから・・・」
シュウイチ「なにって・・・気持ちいいこと。マコト、さっき胸触られて気持ちよさそうだったし」
マコト「ばかッ!」カァァッ
シュウイチ「マコトはもう体も女の子なんだよ・・・だからここ・・・女の子のいちばん敏感なとこ触ればよくわかるかも知れないね?」クスクス
マコト(やばいっ!なんかこれ以上シュウイチの近くにいたらオレがオレでなくなっちゃう気がする!)
シュウイチ「暴れちゃだめだよマコト?ほら、触ってあげるから・・・ねぇ気持ちいい?」
マコト「あっ・・・・!?ひゃあ・・・」ビクビク
シュウイチ「うん、気持ちいいみたいだね?もっと触ってあげる・・・」
マコト「まっ・・・痛・・・・・・いヒッ・・・!ふぁ・・・だめ・・・だって・・・あん・・・・んぅ・・・」ビクッ
マコト(なんで・・・いやなのに変な声出ちゃう・・・気持ちいいよう・・・)
シュウイチ「よかった・・・マコトも喜んでくれて。こんなに濡れてて・・・」
マコト「あっ・・・・はぁ、はぁ・・・」ビクビク
マコト(ダメだって!あぁ・・・体に力が入らない・・・どうしよう、恥ずかしいよう・・・)
シュウイチ「マコト、女の子の下着を掃いてるんだ?もう女の子だからいいけど・・・なんだすごくいやらしいね」
マコト「シュウイチ・・・もうやめよう?今ならオレも無かったことにするから・・・ねぇ、お願い・・・」
シュウイチ「それわざとやってる?そんなの喜ばれるだけだよ・・・今度は直接触ってあげる・・・きっとさっきより気持ちよくなれると思うよ・・・」クスクス
マコト「さっき・・・より?」ドキドキ
シュウイチ「そうだよ、だからぼくに任せてよ」ニコッ
マコト「・・・・・・」カァァッ
マコト(どうしよう・・・期待しちゃってる・・・もう完全にシュウイチにオレが女の子だって認めさせられちゃった・・・こんなの逆らえない・・・)
マコト(これ以上ってあるの?シュウイチならきっと・・・)
シュウイチ「吉野・・・」
マコト「ん・・・あ!吉野・・・」
吉野「マコト君、とりあえず服は着ようね?」ニコニコ
シュウイチ「あんまり邪魔しないでほしいんだけどな」
吉野「2人が好きあっていたならしないよ?けど女の子の体を利用するなら私は見過ごせないかなあ?」
シュウイチ「利用するって・・・なんだか人聞きが悪いよ?」
マコト「あのう・・・喧嘩しないでほしいなあって・・・?」
吉野「あはっ、マコト君は優しいね?服も着たみたいだし行こっか?」ニコニコ
マコト「で、でも・・・」
吉野「いいの、シュウイチ君は少し頭を冷やした方がいいよ」クスクス
マコト「シュウイチ・・・ごめん・・・」
シュウイチ「・・・・・・・」
シュウイチ(なにやってるんだぼくは・・・)
吉野「はい、替えの下着」ニコッ
マコト「えっ!?えっと・・・オレ男なんだけどなあって・・・あはは」
吉野「いくらなんでもさすがにもう知らないふりできないよ?マコト君、ウソとかすぐわかっちゃうもん」
マコト「そうだったんだ・・・」ズーン
吉野「それなのに一生懸命だから私も何も言えなくなっちゃうよ」
マコト「あぅ・・・なんだか」恥ずかしいよ・・・
吉野「それより聞きたいことがあるの、シュウイチ君のこと、その体のこと・・・今回は話してくれるよねマコト君?」
マコト「うん、わかった・・・完璧に見られたしね・・・」
吉野「そういう理由で話してくれるってなんだか寂しいね・・・」
マコト「吉野?」
吉野「なんでもないよ」ニコッ
マコト「うん、これなら誰にでもオレが女になったってわかってもらえるだろ?」
吉野「そうだけど・・・マコト君、自分の体は大切にしようよ?私たちまだ小学生なんだよ」
マコト「だってシュウイチがまさかあんなになるなんて思わなかったし・・・」ドキドキ
吉野「相手が自分と同じ考えって思い込み、友達だからってダメだよ?シュウイチ君だってちゃんと男の子なんだから」
マコト「うん・・・今回ので見に染みたよ・・・」
吉野「マコト君は女の子といることが多かったもん、だから仕方ないこともあったかもしれない」
マコト「それは・・・ちょっとだけあるかも・・・」
吉野「ねぇ、私もマコト君の胸触っていい?」
マコト「別にいいけど・・・」
吉野「この前の試着室ではびっくりしてそれどころじゃなかったから」ニコッ
マコト「こ、この前の試着室ってなにかなあ・・・わからないなあ・・・」アセアセ
マコト「いえ、もういです・・・」ズーン
吉野「えいっ!」もみもみ
マコト「ひゃあっ!?よ、吉野っ!急に触ったらダメだろ!びっくりしたなもう・・・」プンプン
吉野「これは今まで私に隠し事していた仕返しなんだよ?」ニコッ
マコト「それは・・・ごめん」シュン
吉野「ほんとだよ?いつ話してくれるのかなって思ってたのに全然話してくれないんだもの」
マコト「あまりマコちゃんのこと知ってる人が増えてたら大変になるかなって・・・」
吉野「これでも傷ついたんだよ?私ってマコト君から信用されてないんだなあって・・・」
マコト「ごめん・・・」
吉野「だから気づいてないフリしてマコちゃんが焦っちゃうようなこと言って楽しんじゃった。えへへ」
マコト「おい」
吉野「マコト君だって私のこと全然わかってないよ・・・」
マコト「人って全て解りあえるはずなんてないから仕方ないよ?」
吉野「でも努力はできるんじゃないかな?マコト君はその努力が・・・」
マコト「あの・・・吉野?」
吉野「ごめんねマコト君、今の気にしないで」
マコト「え・・・わかった・・・」
吉野「それよりマコト君が女の子になったことについてだよ。いつなったの?」
マコト「えと・・・吉野にデパートで胸のサイズ計られた時だけど・・・」
吉野「そうなんだ・・・カナちゃんがニヤニヤしてたからなにかするかと思ったけど・・・ほんとにビックリしたよ?」
マコト「いや、俺だって怖かったよ?その時はまだ吉野にマコちゃんのことバレてないと思ってたし・・・」
吉野「胸も大きいもんね」ニコニコ
マコト「吉野、なんか怖いよ・・・」ビクビク
マコト「少し・・・男だった時の記憶が曖昧になってるんだ」
吉野「そうなんだ・・・」
マコト「もしかしたらオレは元々女だった可能性もあるから・・・だからいろんなやつに聞いてるんだ・・・シュウイチもそれで・・・」
吉野「マコト君はちゃんと男の子だったよ、私・・・マコト君のこと見てた」
マコト「シュウイチも言ってたからな、もうわかってるけどな?」
吉野「違うの!そうじゃなくて・・・」
マコト「ごめん、吉野はなにを伝えたいのかわからないよ・・・」アセアセ
吉野「私が・・・私が言ってるんだよ?私じゃやっぱり信用できないんだ・・・」
マコト「違うって!そんなんじゃ・・・」
吉野「だってそうだよ!マコちゃんのことは話してくれない、私のことは信じない・・・私ってマコト君のなんなのかな・・・」
マコト「・・・・・」
吉野「ごめんね、私いくから・・・」テクテク
マコト「・・・・!もう!!なんなんだよもうッ!?みんな勝手ばかり・・・オレだって・・・」
マコちゃん「・・・・・」ボケー
カナ「おまえは来るなりそんな態度するんだ?少しは私をもてなそうとは思わないの?」
マコちゃん「そんな気分じゃない・・・」
カナ「どんな気分ならそんなふてぶてしい態度のお客さんでいられるのか解説の内田さん、よろしくおねがいします」
内田「わかりません、実況のカナさんに返します!」
冬馬「なにやってるんだか・・・」
カナ「冬馬!お前も少しは私を楽しませろよ!」
冬馬「オヤツくれたら外でサッカー教えてやるよ」
カナ「いいよ、そんなのこっちがお断りだよ!」
内田「えー?楽しいかもしれないよ?」
チアキ「もう私は我慢できない、部屋に行く」
カナ「逃げるのかッ!?」
チアキ「内田、今日私たちのクラスは大量の宿題を出された。明日、お前は今のように笑っていられるかな?」
内田「カナちゃん、チアキは明日笑うための戦いに行くの、止めないで!あとチアキはあとで宿題見せてね?」
マコちゃん「別に悩んでるわけじゃ・・・」
内田「確かにいまのマコちゃん?マコトちゃん?マコト君?は悩みの塊だね!」ニコッ
冬馬「わざとだろ?」
内田「えへへ」
カナ「幸いここにはお前の事情を知ってる奴しかいない、話したら楽になれるかもしれないぞう?」
マコちゃん「大丈夫だって・・・」
内田「はいはーい、今日の学校のマコト君変だった!吉野ちゃんとシュウイチ君によそよそしい態度してました!」
カナ「はい、内田はよくよそよそしいって難しい言葉わかったね?偉いぞう?」ナデナデ
内田「えへへー」ニコニコ
冬馬(お腹空いたなあ・・・)
カナ「ではお前には学校でなにがあったか話してもらおうじゃないか」ニヤニヤ
マコちゃん「・・・・・・」
マコちゃん「・・・・・」
内田「どうしよう・・・吉野ちゃんに隠し事してるのバレたら嫌われちゃうかも・・・」ビクビク
冬馬「いや、謝ればいいだろ?」
内田「女の子の問題はデリケートなんだからねッ!」
冬馬「オレも女なんだけど・・・」
カナ「シュウイチとはどうして喧嘩になっちゃったんだ?」
マコちゃん「前オレが男の記憶が曖昧だって言ったらカナが元々オレは女だった可能性もあるなって言っただろ?」
内田「なんかカナちゃんらしくない発言!」
マコちゃん「それでシュウイチに確認したら・・・まあ喧嘩って感じになっちゃったのかな・・・はぁ・・・」
カナ「なんだこいつから漂う女の子臭・・・」
マコちゃん「うん・・・親友だと思ってたから・・・」
カナ「なんだか歯切れ悪い言い方だねえ?」
冬馬「どうやって教えたんだ?オレたちは見たり触ったりしたから信じられたけど・・・」
マコちゃん「・・・・あっ!えっと・・・」アセアセ
冬馬「お前まさか・・・」
マコちゃん「仕方ないだろッ!オレもその時はシュウイチのこと親友だと思って信じてたんだから!」
カナ「いやあ、目の前にとんだハレンチ娘がいるよ・・・困ったなあ・・・内田はマネしちゃだめだよ?」
内田「マコト君とシュウイチ君・・・?えー!?でもでも・・・いいかもしれないけど・・・けど友達だから・・・あ!今は問題ないんだった!」
マコちゃん「オレだって恥ずかしかったけど信じて貰えるようにがんばったんだ!」
カナ「で、そのシュウイチくんとその後なにがあったか話してもらおうかい?」
カナ「」
冬馬「うわあ・・・」
内田「キス!マコト君とシュウイチくんがキス!?」
カナ「いやちょっと待ちなさい、いくら女になったからってなにもそこまで急いで大人の階段登るなよ!私だってまだ・・・」アセアセ
冬馬「まだ?」
カナ「うるさいよ!しかし・・・まさかマコトにここまでのポテンシャルがあったとは・・・もしかたらわが家に集まる奴の中でいちばん経験あるんじゃないか・・・?」
マコちゃん「経験・・・ねぇ・・・」
マコちゃん「・・・・・・」カァァッ
内田「あ、顔赤くなった!」
カナ「おまえ、まだなにか隠してるだろッ!すべてこのカナお姉さんに話してしまうがいいよッ!!」
マコちゃん「べつになにもなかったよ!」アセアセ
冬馬「マコト、正直なことはいいかもしれないけど・・・それは自分も苦しくなっちゃうぞ?」
マコちゃん「助けてよ冬馬!」
カナ「なにを言ってるんだい冬馬。私はマコちゃんという作品がどこまで対応できるか知る権利があるんだよ?」
冬馬「違うね、カナは飢えてるんだ!だから知りたがるんだ」
カナ「な!?私が飢えてる・・・ラブに飢えてるって言うの・・・?」
冬馬「いつかカナにも今のマコトの気持ちがわかる日が来るよ、だから今は引こう」
カナ「わかったよう・・・じゃあ吉野とシュウイチとの仲直り会議始めるよ・・・」
内田「すごい!あのカナちゃんを止めた!」
マコちゃん「すごいよ冬馬!ありがとうな」
冬馬「いいよ、これぐらい」
カナ「はいそこ、ちゃんと会議は聞けよな?なんか私だけ張り切ってて恥ずかしくなっちゃうでしょうか!」
内田「マコト君とシュウイチ君が・・・」ドキドキ
マコちゃん「はぁ・・・」
マコト(昨日は結局、オレをネタにして面白おかしく話しててなんにも思い浮かばなかったなあ・・・)
マコト(なるようになるのかな・・・逃げ出したいな・・・)
シュウイチ「おはようマコト」ニコッ
マコト「ひゃ!・・・あ、えと・・・・おはよう」オズオズ
シュウイチ「よかった、もう話してくれないのかなって思ったりしてたから・・・」
マコト「今も少しは怒ってる・・・けどそんなことしないよ・・・」
シュウイチ「そう、やっぱり優しいねマコトは・・・机にいくよ、じゃ」
マコト「はぁ・・・」
マコト(あいつ・・・昨日あんなことしたのに何事もなかったように・・・うぅ・・・思い出したらなんかドキドキしてきたかも)
内田「マコト君・・・?」コソコソ
マコト「なんだ内田、普通にしろよ」
内田「男の子同士はだめだと思うけど、今のマコト君は女の子だからシュウイチ君でも大丈夫だと思うの。それだけ、じゃあね」コソコソ
マコト(内田はよくわからないなあ)
マコト「吉野・・・もう怒ってないの?」ビクビク
吉野「昨日はそうだね、少しだけ不機嫌だったから・・・ごめんねマコト君」
マコト「そんな!吉野にはいつもよくしてもらってるのに気づかなくて・・・俺の方こそ・・・」
吉野「ほんとに悪いと思ってる?」
マコト「そりゃ思ってるよ・・・信じてもらえないよねやっぱ・・・」
吉野「そうだね、態度で示してもらわないとわかんないかも」ニコッ
マコト「態度?」
吉野「そう、放課後は予定ある?」
マコト「いや、ないけど・・・」
吉野「待ち合わせして一緒に遊ぼうよ?」ニコニコ
マコト「いいけど・・・それだけでいいの?」
吉野「うん、それじゃ時間とか後で決めようね?」ニコッ
マコト「わかった!」
マコちゃん「ごめん!遅くなった!」
吉野「だめだよマコト君?男の子が女の子を待たせちゃ・・・マコト君はいちおうは男の子なんだから」
マコちゃん「ごめん・・・布テープ剥がしたり準備してたら遅くなって・・・」
吉野「今日は・・・男の子の格好じゃないんだね?」
マコちゃん「オレもそっちの方が楽なんだけどそしたら布テープで胸隠さないといけないだろ?あれ痛いし苦しいんだよ・・・」
吉野「そっか・・・マコト君も大変なんだね」
マコちゃん「今までみんなを騙してきた罰なのかもなあ・・・」ズーン
吉野「ほら、そんな顔したらだめだよマコト君?今は女の子の格好してるんだから可愛くしないと」ニコニコ
マコちゃん「可愛くって・・・オレは女装してもいつものようにやってただけだし」
吉野「それでも可愛かもしれないけど、ちゃんと意識しなきゃね?」
マコちゃん「なんか・・・喜んでいいかわかんないや・・・」
マコちゃん「うん、しかし吉野とこうやって遊ぶのって始めてだよな?」
吉野「前までマコト君、私のこと避けてたんだもん、仕方ないよ」
マコちゃん「それは・・・ごめんなさい!」アセアセ
吉野「いいよもう、マコちゃんの正体を隠すためだったし。この話しは昨日もしたからおしまい、それよりこっちに集中してよマコト君?」ニコッ
マコちゃん(吉野はやっぱりかわいいな・・・男から見たらこういう女の子はグっとくるもんなあ・・・オレもこうなっちゃうのか?)
マコちゃん「ごめん、そうだな!えっと・・・どこ行こっか?」
吉野「えっと・・・洋服とか見たいなあ」ニコニコ
マコちゃん「オレも・・・少し見たいな。前より着れる服のバリエーション増えたし」
吉野「うん、それじゃ決まり。行こうよ」
外でクレープを食べ、アクセサリショップに入り、それは普通の女の子がする遊びかただった
けどオレは吉野が見せる色んな表情に少しドキドキしていた
それはたぶん、今まで知らなかった吉野を知って少し浮かれてたからだと思うことにした
マコト「うへぇ・・・疲れた・・・そこのベンチで休もうよ」
吉野「ふふ・・・お疲れさまマコト君」クスッ
マコト「女の子の買い物は過酷だ・・・軽く見る程度だと思ったのに・・・」
吉野「酷いよマコト君?女の子の前だよ。あと、マコト君だってちゃんと女の子なんだよ」
マコト「ごめん・・・」
吉野「こうやって女の子に今のうち慣れていかないとマコト君が後から辛くなると思ったの。やっぱり元に戻るのがいちばんいいと思うけど・・・」
マコちゃん「そうだよな・・・やっぱ男の方がいいよな・・・」
マコちゃん「早くにマコちゃんのこと吉野に教えておけばよかったな・・・」
吉野「私も意地になっちゃってたもん、だからもういいの」
マコちゃん「なんだかすごい後悔してるよ・・・きっとこうやってみんな大人になってくのかなあ・・・」
吉野「だったらマコト君も後悔しないようにしていったらいいんじゃないかな」
マコちゃん「言うほど簡単じゃないよ?」
吉野「シュウイチ君もきっと・・・だから焦ってあんな行動しちゃったんじゃないかなって思うの」
マコちゃん「わからないでもないけどオレにはいい迷惑だよな!まったく・・・」
吉野「人に想われるのってマコト君には迷惑なのかな?やっぱり重いのかな・・・」
吉野「シュウイチ君は少しだけ間違えただけなんだよ・・・」
吉野「わかってないよ・・・マコト君は人を本気で好きになってないからシュウイチ君の気持ちもわからない・・・」
マコちゃん「オレにだって好きな人ぐらいいるよッ!だけど・・・だけどそんな一方的な気持ちの伝えかたってオレは卑怯だと思う!」
吉野「へぇ・・・卑怯だと思うんだ?」
マコちゃん「相手の気持ちを無視してそんなの・・・んむ!?」
吉野「・・・・ん・・・ちゅ」
マコちゃん「吉野・・・」ドキドキ
吉野「こうしてキスとかしたら相手は自分のことを一生懸命考えてくれるよね・・・こういうやりかたは卑怯だと思う?」
マコちゃん「・・・・・・」
吉野「相手に自分の意思が伝わらないとすべて意味なんてないよマコト君・・・?」
マコちゃん「吉野もシュウイチと一緒だ・・・そこにオレの意思なんてなくて・・・ただただ勝手でさッ!?」
吉野「私だってしたくなかったよ・・・」
マコちゃん「それって・・・オレのことなの?」
吉野「私は今さら・・・ううん、ずっと前からマコト君の中に居場所なんてなかったのに・・・だからこんな気持ちは封印しちゃおって思ってたのに・・・」
吉野「でもやっぱりマコト君に対する気持ちは大きくなってて・・・今ではこんなに近くで・・・マコト君に触れるほど近くに居るの・・・」
マコちゃん「でも・・・オレは女になっちゃったんだよ・・・」
吉野「私にはそんなの関係ないよ・・・私はあなたが好きだから」
吉野「あなたの全部が好きなの・・・性別や嘘も本当も全部・・・こんなふうに想われるのは・・・マコト君はイヤなの?」
マコちゃん「オレは・・・」
吉野「私・・・先に帰るね?今日は楽しかった。ありがとうマコト君」ニコッ
マコちゃん「・・・・・・」
マコちゃん(また吉野悲しませちゃったなあ)
マコちゃん「はぁ・・・」
カナ「いや、来るのは構わないけどそんな不幸垂れ流しながらうちにくるなよ」
マコちゃん「・・・・・・」ジー
カナ「なんだ?」
マコちゃん「はぁ・・・」
カナ「ようし、もう容赦しないから、表に出なさい!」
ハルカ「もうカナったら・・・ごめんなさいねマコちゃん、カナなりに励ましてるのよ?」
カナ「いや、私は純粋にこいつの根性を叩き直すつもりだよ」
ハルカ「ところでマコちゃん、どうして今日はそんなに元気がないのかな?」
マコちゃん「その・・・ですね・・・」
カナ「ハルカなら話しちゃうんだ?ハルカは人気者で羨ましいね、怠け者なのにね」
ハルカ「静かにしてよ?聞いてるからマコちゃんは続けて?」ニコッ
カナ「おっとまさかマコちゃんの口からかなりの難題を出された!これは解説が必要みたいだからチアキを呼ぼう、チアキー?」
チアキ「悩んでる人を茶化して遊ぶなよ、でもハルカ姉さまなら答えてくれるはずだ」
ハルカ「え!?」
カナ「さあ、さらにハードルが上がったがどうするハルカ?マコちゃんは期待してるぞ?」
マコちゃん「・・・・・・」ドキドキ
ハルカ「ちょっと待ってね・・・そうね、素敵なことだと思うよ?」ニコッ
カナ「いや、いやいや・・・そんな単純なことじゃないと私は思うんだけど?」
チアキ「お前にはわからないのかバカ野郎?ハルカ姉さまがそう言ってるんだよ」
ハルカ「でもマコちゃんはまだ中学生なんだから焦らないでいいと思うの。まだマコちゃんたちの年頃の子は可能性があるの、だからゆっくりでいいんだよ?」
カナ「ハルカが達観してるだと!?」
チアキ「おい、お前ハルカ姉さまが優しいからって私は許さないぞコノ野郎!」
ハルカ「カナ!マコちゃんは私を頼ってくれたのよ?そんなマコちゃんの期待を裏切るわけにはいかないじゃない?」
カナ「だからってウチに恋愛経験ある奴なんていないよ?むしろ私たちよりマコちゃんの方が・・・」
ハルカ「なによ?知識はちゃんとあるんだからね」
チアキ「ふふん」ドヤァ
カナ「なんでお前が誇ってるのさ」
マコちゃん「ハルカさん・・・あの、なんだかすごく参考になった気がします。オレなんかやれそうな気がします!」
ハルカ「ふん・・・」ドヤァ
カナ「ハルカ、あいつはお前の言葉ならたとえどんな状態でも復活してみせると思うよ」
チアキ「ハルカ姉さまってすごい、あらためてそう思いました!」
カナ「ちっ・・・ここにはハルカ教徒しかないのか・・・」
マコト「よし、今日でこの問題をちょっとだけ解決してイヤな空気を無くすぞッ!」
内田「なになに?ついにシュウイチ君となの!?やぁん」テレテレ
マコト「内田ってそういう話し好きなの?藤岡とチアキの話ししてもそうだよな」
内田「女の子は恋愛話が好きなんだよ!そしていつか私のとこに王子様が・・・」
マコト「来たらいいな、じゃあな!」
マコト(さて、放課後にあの2人を読んで話し合いをしよう。たぶん来てくれると思うし・・・)
マコト(こうやって誰かに想われるのはすごく嬉しいけど同時に罪悪感もある・・・)
マコト(相手のことも考えて、自分のことも考えられることが今のオレにできるのかな・・・)
マコト(違う、それでは正面からオレに気持ちを伝えてくれたあの2人に失礼だ・・・)
マコト(オレは・・・オレの正直な気持ちをあいつらに伝えないと・・・)
シュウイチ「マコト、誘ってくれたのは嬉しいけどあんまりこれはよくないかもね」
吉野「私は気にしてないよ」ニコッ
シュウイチ「ならいいけど」
マコト「ほら喧嘩しないでよ・・・ね?」
吉野「マコト君、昨日の今日なのに・・・なにするつもりなの?」
マコト「えっとね・・・」
シュウイチ「昨日の今日?」
吉野「そうだよ、私たち昨日遊んでたから」ニコニコ
シュウイチ「へぇ・・・今までそんなことなかったのに・・・」
吉野「今まではね・・・」クスクス
マコト「もう!喧嘩しないでって言ってるだろ!お、お前たちオレのこと好きなら少しは言うこと聞いてよ・・・」カァァッ
シュウイチ「ごめん、そうするよマコト」
吉野「・・・・・・」ニコニコ
シュウイチ「どうして!思うようにしたらだめなの?」
マコト「だめだよ・・・シュウイチとオレは今は男と女だからいいかもしれない・・・でも女になったってことはもしかしたら男に戻るかもしれない・・・」
シュウイチ「ぼくはそんなの気にしないよ!」
マコト「シュウイチのその気持ちは嬉しいよ・・・けどオレはそういうの無理なんだ・・・ごめん」
シュウイチ「・・・・・・」
マコト「もちろん、今のオレの状態がずっと続くならいいよ?シュウイチと一緒に過ごすのもきっといいと思うから・・・」
マコト「これは吉野にも言えることだと思うんだけどな・・・」
吉野「私はシュウイチ君とは違う、もともとマコト君は男の子だったんだよ?女の子の私はそのまま受け入れられるはずだよ?」
マコト「だめだよ吉野、お前が好きだったのは男だったオレだったんだよ・・・今のオレじゃない。吉野は昔からオレを見てくれたんだろ?」
マコト「その時の吉野、すごく思ってくれてるんだなってオレ思ったんだ・・・」
マコト「うん、聞いたよ・・・昨日は吉野のいろんな表情が見れて・・・いろんな吉野を知って、嬉しくて・・・すごくドキドキして・・・」
吉野「きっとこれからも楽しく遊べるよ・・・だからマコト君・・・」
マコト「だからだよ。これからも笑えるようにオレはオレの思いを伝えないといけないんだよ」
シュウイチ「今の話しを聞いてたら相手を傷つけないでいい話しのようにしてるけど・・・結局ぼくたちはマコトにフラれたようなものじゃないか・・・」
吉野「マコト君はいったい何を伝えたいの?」
マコト「えっとオレ・・・今の自分に自信を持てないんだ・・・今までと全然違う今の自分・・・」
マコト「それはシュウイチに教えられたようなもんなんだけどな?あはは・・・」
シュウイチ「結局あれからちゃんと謝れてなかったね・・・ごめんねマコト・・・あの時のぼくは・・・」
マコト「いいって、そうして欲しくて出した話題じゃないよ。イヤだと思うけど・・・まあ仕返しってことで」
マコト「見た目の違い、物事の考え方や感じ方・・・それが日に日に変わってきてるのがわかるんだ・・・」
マコト「常に変化してて、自分に自信がない奴がシュウイチや吉野の気持ちに答えるなんて今はできないんだよ・・・」
シュウイチ「そんなのズルいよ・・・」
吉野「だったら・・・いつまで待てばいいの?」
マコト「オレにもわからない・・・でもこれがオレのお前たちにたいする正直な気持ちなんだ・・・オレばかだから」
マコト「もっと上手く言葉で伝える方法はあると思うけど・・・これでシュウイチや吉野と仲が悪くなるのはイヤなんだ・・・もちろんシュウイチと吉野が喧嘩してるのもイヤだよ?」
マコト「吉野が言ってた本気で人を好きになったことがないから相手の気持ちがわからないってやつだけど・・・」
マコト「オレにはやっぱりそういうのわからないんだ。だからシュウイチと吉野がオレに教えてよ!」
シュウイチ「結局・・・今まで通りの関係でいようってことでしょ?」
マコト「違うよ!オレがはっきりするまでかな・・・もちろんずっと仲良くしていたいけど・・・」
マコト「だって・・・シュウイチとか吉野に比べたら・・・」
シュウイチ「え・・・?マコト好きな人いるの!?」
マコト「うぅ・・・その人のこともあるからこの件は少しだけ休戦して欲しいってオレは言ってたり・・・」
シュウイチ「結局はマコト次第でぜんぶ決まっちゃうなんてなんだかなあ・・・」
マコト「ごめん・・・」
吉野「ほんと、わがままだよマコト君?」
マコト「わかってる・・・だから筋は通す。吉野、今日はチアキの家に一緒に行こう?」
吉野「いいけど・・・マコト君なにするの?」
マコト「お説教と男気を見せるよ!」
チアキ「マコト、私はあまりお前にはこの家に上がってほしくないよ?」
マコト「チアキ、今日は話したいことがあって来たんだ・・・」
カナ「なんだい、ついに話す時が来たの?吉野と一緒だからそんな気はしてたけど」
吉野「男気を見せるみたいだよ?」
マコト「チアキ!実はオレがマコちゃんだったんだッ!」
カナ「あ、ついに言ったよあいつ。もうここには来れないね」
チアキ「このバカ野郎!」
バシッ!
マコト「痛いッ!」
チアキ「マコちゃんがお前みたいな軟弱な奴なわけないだろ?お前の目は節穴か」
カナ「ぷぷっ・・・」
吉野「笑っちゃ失礼だよカナちゃん?」
チアキ「あいつなにか悪いものでも食べたのか?」
カナ「そうかもしれないね、よし。次あいつが来たらもっと説教してやるといいよチアキ」
チアキ「ああ、あいつはマコちゃんから少しは男気を見習うべきだ。私から頼んでみよう」
カナ「チアキもなかなか可愛いところがあるだろう?」ニヤニヤ
吉野「カナちゃん失礼だよ?」ニコニコ
ガチャ!
カナ「来たみたいだよ?」
マコちゃん「・・・・・」
チアキ「あれ?マコちゃんいらっしゃい。そこに軟弱でバカな小学生はいなかった?」
マコちゃん「チアキ・・・オレだよ。マコト!」
チアキ「・・・・?」
マコちゃん「チアキ?」
カナ「チアキが必死に否定しようと粗がないか探ってるな?」
マコちゃん「・・・あの」
チアキ「・・・・・」
カナ「ついにチアキの半分閉じられていた瞼が全快になったよ!?」
チアキ「なんでよりによってマコちゃんがお前なんだよ・・・・」
マコちゃん「ごめん・・・」
チアキ「私を騙して笑ってたのか・・・?」
マコちゃん「そんな!違うよチアキ!これは・・・確かにこのマコちゃんのせいで悲しませた人はいた・・・チアキもその一人だよ」
チアキ「なんでこんなことしたんだ・・・」
マコちゃん「チアキの家に入るためだよ・・・オレ、出入り禁止みたいなものだろ?」
チアキ「そこまでして遊びたかったのかよ・・・」
チアキ「わかった、もういいよ」
マコちゃん「チアキ!あの、オレ・・・」
チアキ「出入り禁止1週間だ」
マコちゃん「へっ?」
チアキ「さすがに女装させてまでこの家で遊びたいと言うお前の心意気を買ってやった」
マコちゃん「ありがとう?」
チアキ「もうこんなことはするな、すこしマコちゃんに会えなくなるのは悲しいけど・・・」
マコちゃん「ごめんねチアキ・・・チアキ怒ってるよね・・・・」
チアキ「気にするな、私の心はこんなに広い!」
カナ「なんかあれだな、マコトの奴、女の子になったことチアキに言ってないよな?」
吉野「なんか解決してるみたいだし今さらだから後でも伝えられるからいいんじゃないかな?」
チアキ「ハルカ姉さま、お帰りなさい」
カナ「おう、お帰り」
マコちゃん「吉野、オレの男気を見てろ・・・」
吉野「え?いいけど・・・」
マコちゃん「こんにちはハルカさん、実はオレ・・・チアキの同級生のマコトです!今まで騙しててすいませんッ!そしてずっと好きでしたっ!!ハルカさんのこと、とても好きです!!」
ハルカ「」
カナ「うおおおおおお!ハルカが止まってしまった!っていうかマコトお前やるな?今日はカッコいいじゃないか!」
チアキ「おまおまおまえー!おまえなんか出入り禁止だーバカ野郎!?」
──後日、高校──
マキ「そういえばマコちゃんいるじゃない?あいつ今まで胸ぺったんこだったくせにいきなり膨らんでるのよね・・・こどもは怖いね?」
アツコ「そうなんだ、成長期だもの」ニコッ
アツコ(じゃあマコちゃんが女の子だったんだ・・・冬馬くん・・・元気にしてるのかな・・・やだ私ったら・・・)
完
保守してくれた人ありがと誤字脱字とかごめんなさい
きっと続きは誰かが書いてくれるはず
これは元に戻らなかったって事でいいのか?
Entry ⇒ 2012.06.24 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (1) | Trackbacks (0)