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由乃「安価でユッキーを攻略するよ!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/133248357
由乃「ユッキーはホモとか無駄巨乳とかいろんな人に狙われてるからね!」
由乃「私が守ってあげなくちゃ!」
由乃「という訳でまずは>>5をするよ!」
由乃「ユッキー(はぁと)」
雪輝「あれ?由乃、どうしたn」ドゴォ
雪輝「」ガクッ
由乃「ごめんねユッキー……でもこれもユッキーの為なんだよ。」
由乃「ユッキーは、由乃が守ってあげるから!」
由乃「おはユッキー!」
雪輝「ど、どういうことだよ由乃ぉ!」
由乃「ユッキーはね、私が守ってあげるの。」
由乃「だからね、ユッキーはちょっと大人しくしててね。」
雪輝「そ、そんな……でも絶対日向達は助けに来るぞ!」
雪輝「そうなる前に早くここから出してよぉっ!」
由乃(確かに……あいつらは厄介だわ。ここは>>15をするしかないわね。)
由乃「という訳でちょっと待っててねユッキー!」
雪輝「ちょっ、おま」
由乃「おはよう、日野さん。」ドゴォ
日向「おお、我妻!おh」ゲフゥ
輝き「ちょっ、おm」ボコスカドゴッオレッテカガヤイテタゼ…
由乃「二人目♪ 順調だね。待っててねユッキー!」
由乃「おはアッキー!」
秋瀬「!? お、おはよう我妻さん……」ゾワァ
由乃「見て! ユッキーの生写真だよ!」
秋瀬「なんだって!? いただきm」ドゴォ
由乃「ちょろいっ!」
由乃「おはよう、野々坂さん。」ドゴォ
まお「フンッ!!」
まお「ふっ……一度高坂くんに腹パンした事がある私に勝てるとでも?」
由乃「そ、そんな……どうすればいいの!?助けてユッキー!」
脳内雪輝「>>20すればいいと思うよ」
由乃「助けてー!12thマーン!」
12th「トゥ!子供ガ呼ブ所ニヒーロー有リ!五12th、参上!」ドドーン
まお「ろくでもない……」
12th「ドォシタンダァー2ndヨ」
由乃「あの紫髪レズが苛めるのえーんえーん」
12th「ナ、ナントッ!」
12thピンク「ラブリーピンクアターック!」
12thブルー「スゴイブルーキーック!」
12thイエロー「モノスゴイイエローパーンチ!」
12thグリーンこと礼くん「エリートグリーンサンダー!」
12th「トドメ!12th……シタイアヤツリ!」
死体「」
まお「ちょっ、おま」アタマドゴォ
12thズ「正義ハ勝ーツ!ハッハッハッハ!」
由乃「ありがとう12thズ!ありがとうクソガキこと5th!」
由乃「助かったわ……流石ユッキーね!」
由乃「でもこいつらどこに保管しておこう……ユッキーの所に一緒に置いとく訳には行かないし……」
由乃「そうだ!>>27に隠そう!」
由乃「そうと決まったら皆纏めて金庫の中に」ズルズル
由乃「はぁ……このシステム一々面倒くさいなぁ。」ピッピッピッピ
由乃「ま、いっか。どうせもう来る事もないだろうし。」ポイポイポイポイ
由乃「じゃあね、アッキーとその他ロンググッドバイフォーエバー永遠に。」
由乃「あっ、もうそろそろユッキーのお世話をしに行かなきゃ!」
由乃「待っててねユッキ~!」
雪輝(いや出るっていっても下半身的な意味じゃなくていや下半身的な意味だけど)
由乃「ただいまユッキー!」ガチャ
雪輝「由乃っ!良かった、この手錠とその他もろもろを外してくれると嬉しいんだけど……」
由乃「え?なんで?」
雪輝「そ、それは……もにょもにょ」
由乃(この匂い……まさかユッキーのおしっこが近い!?)
由乃「分かったよ!ちょっと待っててねユッキー!」
雪輝「ほっ」
楽しそうで何よりです
雪輝「おかえ……ゆ、由乃、その瓶は……」
由乃「ごめんねユッキー……手錠外しちゃったらユッキー逃げちゃうかもしれないでしょ?」
由乃「だからね、代わりに由乃がしてあげるの!」
由乃「ちょっとだけじっとしてて、ユッキー」
雪輝「や、やめろお!やめてよっ!」ジタバタ
由乃(どうしよう……ユッキーが嫌がってる。>>40に判断してもらわなきゃ……)
>>32
由乃はユッキーの膀胱の匂いの判断なんて朝飯前
雪輝「なんでだよっ!」
西島「いや、みねね以外のことはちょっと……」
由乃「雨竜みねね生写真」チラッ
西島「少しくらいアブノーマルな事をした方が愛も深まるんじゃないかな。」
由乃「ですよね! えへへ、ユッキー、すぐ終わるからね!」
雪輝「うわあああああああああああん!!」
由乃「はい、眼帯テロリストの生写真。」
西島「きゃっほい!」
雪輝「えぐっ、えぐっ、もうお婿にいけない」
由乃「私が貰うから安心してユッキー!」
雪輝「もっとやだ……それなら高坂の方がまだまし……」エグッエグッ
由乃「ほう……」
由乃「ユッキー、出かけてくるからちょっと待っててね!」
秋瀬「なんだこれ……手錠?」
まお「うえーん、日向ー、ごめんなさいー」
日向「まぁまぁ……まおは頑張ったで。それよりどうやって此処を脱出するかや。」
秋瀬「見たところ……此処は銀行の金庫の中みたいだね。」
日向「なんやて!?」
まお「なんでそんな事が……」
秋瀬「周りを見てごらん。こんなに大量の金、普通の場所にあるなんて信じられるかい?」
日向「た、確かに……」
まお「でもなんでこんな所に……」
秋瀬「我妻さんは銀行家の一人娘だったんだよ。」
日向「なんやて!?」
秋瀬「雪輝くんの攻略には僕らが邪魔だったから?いや、わざわざそんな、雪輝くんに嫌われるようなことをするだろうか……」
秋瀬「だとしたら、雪輝くんに嫌われる異常に、僕らに邪魔をされると困ることがあった……?!! 雪輝くんが危ない!」
日向「なんやて!?」
高坂「そんなことよりこの手錠外そうぜー!」ジタバタ
由乃「その必要は無いわ」
秋瀬「んなっ……何故わざわざ舞い戻ってきた……」
由乃「お前ら全員、殺すためよ。」
由乃「まずは>>55から殺すわ。」
日向「なんやて!?」
秋瀬「んなッ……」
由乃「お前はユッキーに付き纏いすぎ。そしてユッキーに触りすぎ。」
由乃「そしてなによりも、ホモ」
秋瀬「ホモじゃないよ、好きになった人がたまたま男の子だっただけだよ」
由乃「黙れホモ」
高坂「なぁ、秋瀬ってホモだったのか?」ヒソヒソ
まお「さぁ……」ヒソヒソ
秋瀬「待つんだ我妻さん!これを見ろ!」
由乃「そ、それは……ユッキーの生写真!」
秋瀬「そしてこれを僕の首元にくっつける。」ペタ
秋瀬「どうだい我妻さん!これでも僕の首チョンパでk」サクッ
由乃「なら心臓刺せばいいだけじゃない……」
秋瀬「くそっ……そんな、手が……カハッ」
まお・高坂「「バカだー!」」
由乃「それじゃあ次はレズ、お前よ。」
まお「やだー!」
まお「そうだ、ここは>>67に助けを……!」
高坂「キモイちゃうわ!なんで俺が!」
まお「早くー!殺されちゃいますよっ!そしたら次は貴方の番ですわよ!?」
由乃「死ねぇッ!」ブン
高坂「くっそう!」ガキン
まお「歯で受け止めたぁ!?」
日向「なんやて!?」
由乃「ッ!?」
高坂「フッ……何故俺が受け止めれたか教えてやろう。それは……」
高坂「俺 が 輝 い て る か ら だ !」
まお「キュン」
日向「なんやて!?」
由乃「でも、こんな所で負けられないわ!」
由乃「こうなったらこっちも助太刀を頼むわ!出よ、>>77!」
秋瀬「」
クズ「えっ、ちょっ、ここどこ……ハッ!」
クズ「お金だーこんなにいっぱい!」
クズ「こんなにあれば、借金を返せるどころか一生遊んで暮らす事だって……」
由乃(ダメだこいつ……早く何とかしないと……)
由乃「あ、あの……ユッキ、雪輝君のお父さん」
クズ「なんだい?今ならどんなお願いでも聞いちゃうよ!」ヒャッホー
由乃「えっと、出来ればあのキモ……輝いてるやつをナイフで刺しやすいようにしてくれると助かるんですが……」
クズ「お安い御用さ!僕は昔羽交い絞めのHAGAと呼ばれた男だからね!」
高坂「ちょっ、おま、離せっ!」
クズ「残念、はなさないy」ドゴォ
まお「ふぅ……やっぱり背中パンは最高ですわ♪」ワタシッテサイコウニカガヤイテマスネ!
クズ「」ドサ
由乃「」
由乃(やっぱり駄目だった……くそっ、もう後が無い、>>85をやるしかないか……!)
由乃「!?」
高坂「秋瀬!」
まお「秋瀬君!」
日向「なんやて!?」
由乃「なっ……何故っ!」
秋瀬「気付かなかったのかい?これを見てごらんよ。」バッ
由乃「そんなっ……防刃ベスト!?」
秋瀬「形勢逆転だね。」ハガイジメ
由乃「このッ……離せっ、このカヲルううううううううううううううっっ!」
秋瀬「高坂くん、今だ!」
高坂「お、おう!」
由乃「」ニヤァ
秋瀬「」フッ
まお「秋瀬君の体が……消えた!?」
日向「なんやて!?」
由乃「死ねえええっ!このっ、輝きいいいいいっ!」ザクッ
高坂「な……な、んで……」
由乃「残像よ」
まお「な、なんですって!?まさか秋瀬君を背負って光速で動く事で私達に秋瀬君が復活したように見せかけた!?」
日向「なんやて!?」
由乃「えへ、これでユッキーの邪魔者は後二人。>>93からいっちゃうよ!」
日向「なんやて!?」
まお「そ、そんなっ!日向が死ぬくらいなら私がっ!」
由乃「おりゃ」サクッ
河内「なんやて!?」
まお「日向あああああああっ!」
日向「ふっ……」
由乃「なん……だと……!?」
日向「なぁ我妻……アザラシの話知ってるか?」
由乃「っ……アザラシはその厚い体脂肪で牙から自身を守る……ハッ、まさか!?」
日向「その通りや我妻!お前が今刺したのはうちの胸!つm」
由乃「お腹を刺せってことね!」ザク
まお「……バカばっか」
まお「ひっ、ひぃっ、こないで!」
由乃「さようなら、ロンググッドバイフォーエバー永遠に2回目。」
まお「――ッ!」
>>101「待て!」
由乃「お、お母様っ!?なんでここが……」
礼亜「そんなの決まってるでしょう!?雪くんに教えてもらったのよ!」
由乃「…………え?」
礼亜「あなた何やってるの!いくら好きでもしていい事と悪いことがあるのよ!」
由乃「な、なんでユッキーが……あそこにはトラップだって……!」
12th「ソレニハ私ガ答エヨウ」
由乃「12th!?」
12th「ソレコソガ1st、天野雪輝ダッタノダ。」
由乃「そ、そんな……け、けどトラップはどうやって!」
礼くん「エリート的に見破ったよ、エリート的にね!」
由乃「5th……まさか、あれが伏線だったというの!?」
礼くん「いやそれはない」
「待て、由乃!」
由乃「え……ゆ、ユッキー?」
雪輝「もうやめるんだ、由乃……」
由乃「ユッキー、でも」
雪輝「もうやめるんだっ!」
由乃「っ!」
雪輝「もう僕は由乃にこんな事して欲しくないんだ……」
由乃「ユッキー……」
由乃「でも、ユッキー、私、取り返しの付かない事……」
雪輝「何言ってるの?由乃は取り返しの付かないことなんてしてないじゃないか。」
由乃「えっ!?見てよユッキー、あそこに秋瀬が……」
秋瀬「僕がどうしたんだい?」
由乃「……え?嘘、なんで……」
日向「おう我妻、そんなに慌ててどしたん?」
由乃「!? だ、だって確実に殺したはずじゃ……」
日向「見てみい、我妻。あそこに倒れてるのは誰や?」
由乃「え?」
由乃「……誰?」
日向「知らん。だが、分かってるのは我妻がうちを殺してない事や。」
由乃「じゃあ、私はあの人を間違って刺した、って事?」
日向「その通りや。」
由乃「そしたら、秋瀬はなんで……」
秋瀬「防刃ベストの着用は基本」
由乃「そっか……あはは、なんだ、私すっかり騙されてたんだ。」
雪輝「帰ろう?由乃。僕お腹すいちゃったよ。」
由乃「うん……ごめんね、ユッキー……」
雪輝「ううん。ほら、早く帰らないともう暗いよ?」
由乃「……うん!」
△月□日 ユッキーが私を許してくれたよ!ユッキーは本当に優しい!大好きだよ、ユッキー!
HAPPY END
乙
Entry ⇒ 2012.03.27 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (2) | Trackbacks (0)
凜々蝶「今期アニメヒロインの集い…?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332089504/
凜々蝶(しかし…ヒロイン、か。さぞかし真っ当な人間が多いのだろうな)
凜々蝶(……まぁ、ほんの少しくらいは興味がない事もないが…)
凜々蝶(しかし、だからといって…うーむ)
凜々蝶「うっ!? ろ…髏々宮さん、いつからそこに…」
カルタ「…ちよちゃん、行かないの?」
凜々蝶「むっ? そうか、キミもこれに誘われたのだな」
カルタ「……」コクリ
凜々蝶「ふむ…髏々宮さんがどうしてもと言うのなら一緒に行ってやろうじゃないか」
カルタ「良かった。やっぱりちよちゃんも行きたかったんだ」
凜々蝶「そ、そんなわけないだろう! キミが行くというから、仕方なくだ!」
美羽「いらっしゃいませー!」
凜々蝶「おお」
美羽「参加者の方ですよね? 皆さんこちらに集まってますよ」
凜々蝶「フン、案内とはわざわざご苦労なことだな。お疲れ様とでも言ってやろう。
キミはこの集いの主催者かその関係者か?」
美羽「いえ、私も参加者の一人ですよ」
凜々蝶「なにっ。参加者が何故案内人のような真似を…」
美羽「うーん。主催者さんが分かりませんので、人が集まるまで私がお出迎えしようかなーと」
カルタ「えらい、えらい」
美羽「はい、ありがとうございます♪」
カルタ … 妖狐X僕SS の一人 がしゃどくろの先祖がえり
美羽 … パパの言うことを聞きなさい のヒロインの一人 三姉妹の次女
美羽「探したんですが、それらしい人が見当たらなくて」
檸檬「あら…みんなを集めたのは私よ」
凜々蝶「む?」
美羽「あれ、あなたはさっきお出迎えした…」
柑菜「檸檬先輩!?」
イチカ「あ、アナタが主催者だったの?」
檸檬「私たちは言うなれば全員仲間のようなもの。みんなが集まったらきっと楽しいと思ってね」
柑菜「そんな理由だけでよく実行に移しましたね…」
檸檬「あら、とても重要なことよ。うふふふふ…」
凜々蝶「ん? ああ、そうだな」
カルタ「はい、あーん」
凜々蝶「髏々宮さん!? み、みんなが見てるところでそういうのは」
野ばら「いい、いいわ! メニアック!」
凜々蝶「…って、キミも来てたのか! ヒロインだけじゃないじゃないか!」
野ばら「うふふ」
檸檬「結構適当に集めてみたのよ。そっちの方が面白そうだから」
凜々蝶「…む?」
美羽「また誰か来たみたいですね」
リョーマ「ちーっす」
凜々蝶「って、男ではないか!」
リョーマ「仕方ないじゃん。俺の作品、女キャラなんて一人も出てないし」
檸檬「あら、桜乃さんや小坂田さんや杏さんが居るじゃない」
リョーマ「あー、そんなのも居たっけ。でも『新』の方では影も形もないっすから」
美羽「ともかく、歓迎しますよ!」
リョーマ「…どもっす」
カルタ「ちよちゃんも、その一人」
凜々蝶「キミもな」
凜々蝶(ともかく、少し周りを観察してみるか……よし、あの辺りを見てみよう)
やすな「へえー。えっと、フィンルド…?」
ソーニャ「違う、フィン・エ・ルド・スイ・ラフィンティと言ったぞ」
ラン「私は地球の外から来たから、貴女たちにとっては馴染みにくい名前かもしれないわね」
やすな … キルミーベイベー の主人公 どっちかというと転がされるほう
ソーニャ … キルミーベイベー の主人公 どっちかというと転がすほう
ラン … 輪廻のラグランジェ の主人公 ワンっ!
リョーマ … 新テニスの王子様
イチカ「!?」ビクッ
ソーニャ「馬鹿馬鹿しい。おいやすな、そんな冗談を信じるんじゃない」
ラン「いいえ。私は本当に宇宙人よ」
ソーニャ「なにっ?」
やすな「宇宙人…っていうと」
やすな「ワレワレハ~」トントントン
ソーニャ「お前なぁ…」
ラン「それよ!」
ソーニャ「それなのかよ!?」
イチカ(なんだ、私以外にも宇宙人が居たのね…)
やすな「えっ? うん。まぁね」
まどか「今時『ワレワレハー』なんてピンと来ない子も多いみたいで」
ソーニャ「確かに、古い気もするな」
まどか「でも、中学生でも知ってるんだからまだまだ共通認識よね!」
やすな「…えっ? いや私高校生だよ!?」
まどか「えっ」
ラン「もしかして同い年…?」
ソーニャ「別にいいけどな」
やすな「どうしてソーニャちゃんがそれを言うの!?」
ソーニャ「いや、やすながそう見られてたということは私もだろうし」
まどか「んー…そっかそっか。年齢と見た目って作品によって結構微妙なところなんだね」
ラン「ちなみに私たちも高校生よ」
ソーニャ「確かに、私たちがもし仮に同じ世界の住人なら同じ高校生には見えないか…」
まどか「よし、ラン! みんなの年齢を調査しに行くよ!」
ラン「えっ?」
まどか「他人の年齢を間違えたとあってはジャージ部失格だからね!」
ラン(ジャージ部は関係ないんじゃないかしら…)
檸檬「あら、私かしら」
ラン「…中学生?」
まどか「いや、さっき私たちと同い年くらいの青髪の女の子に『先輩』って呼ばれてた」
ラン「じゃあ高校生?」
まどか「それも、二年…いや、落ち着き払った雰囲気からすると三年、あの青髪の子は一年ね!」
檸檬「まるっ。正解よ」
まどか「おおう…決め台詞取られちゃった」
檸檬「さすがジャージ部といったところかしら。うふふふふ…」
ラン(何だか気味の悪い人ね)
ひな「おねーたん、だえ?」
まどか「うわっ!? え、園児?」
美羽「ふふっ、正解です。3歳児ですけどね」
空「…こんにちは」
まどか「それと、中学生二人?」
美羽「私は小学生ですよ? まだ5年生です」
まどか「む…私たちを丁寧に出迎えてくれたり、小学生の割になかなか出来る子だ…」
美羽「ありがとうございます♪」
ラン(何だか、ムギナミと似たオーラを感じるわ…)
空 … パパのいうことを聞きなさい!
空「わ、私はいいわよ」
ラン「…お姉ちゃん?」
美羽「はい。私たちは三姉妹なんです」
まどか「うそっ、髪の色とか全然違うじゃん!」
空「親が違っても、姉妹は姉妹なのよ!」
まどか「あ、あー…そっか、そういうこと… ごめんね?」
空「フンっ」
美羽「いえ、いいんです。勘違いされても仕方ありませんし」
ひな「おねーたんはおねーたんだお?」
美羽「そうそう、ひなの言う通りです」
ラン(姉妹……家族、か)
鳴「……」
まどか「あなたは、高校…までは行ってないか。中学生…三年くらい?」
鳴「正解よ」
まどか「ところで、どうして眼帯してるの? 転んじゃった?」
鳴「…面白い人ね。これは、子供の頃に目を無くしてしまったから」
まどか「えっ、目無いの!?」
鳴「今は義眼が入ってるけどね」
まどか「へえー、そうなんだ。すごい」
ラン(無口そうに見えて意外とおしゃべりな子ね)
凜々蝶「うっ、まずいな…」
カルタ「ちよちゃん、どうかした?」
凜々蝶「あいつがこっちに来る! 隠れるぞ…って、髏々宮さん?」
カルタ「……」チョイチョイ
ラン「まどか、誰かが呼んでる」
まどか「ん? 私に何か用?」
カルタ「…こっち」
凜々蝶(何してるんだあの人は!)
凜々蝶「あ、ああ。御機嫌よう」
カルタ「ちよちゃん。隠れる必要、ないよ」
凜々蝶「しかし僕は…」
カルタ「ここはお話しする場所」
まどか「えっ、何? 逃げようとしてたの?」
凜々蝶「フン、そんなわけ無かろう。どうして僕がキミみたいな一般人から逃げなくてはならないのだ?」
ラン(まあ、気持ちは分かる気がするけど…)
凜々蝶「なっ…!? 僕は高校生だ!!」
まどか「あー、やっぱり」
凜々蝶「やっぱりって、キミは僕を馬鹿にしているのか!?」
まどか「うん」
凜々蝶「なっ…!」
まどか「ははは、逃げようとしたちよちゃんにおしおきだ!」
凜々蝶「むぅ……って、『ちよちゃん』!?」
まどか「いやさっきそう呼ばれてたからさ。ダメだった?」
凜々蝶「ああ、そういえばそうだったか…別に構わんがな」
まどか「なら良かった。まるっ!」
ラン「そうね」
凜々蝶「フッ、そういうことならせいぜい僕が淹れたコーヒーでも堪能するがいい」
まどか「淹れてくれるの?」
凜々蝶「フン。キミがどうしても飲みたいというのなら仕方ないからな」
まどか「だってさ! ランも飲むよね?」
ラン「…わん」
凜々蝶(ワン? 犬、か…御狐神くんは元気にしているだろうか…)
凜々蝶「まあいい、もう少し様子を見るとしよう」
檸檬「あら、IQ14の天才さんいらっしゃい」
小衣「誰がIQ14よ!!」
檸檬「違ったかしら」
小衣「違う違わない以前の問題じゃない! 小衣のIQは14億なんだから!」
柑菜「いや、それはそれでおかしいでしょ?」
小衣「まああなたたち凡人には理解できないでしょうけどねー」
柑菜「むかっ…小学生のくせに偉そうに…」
小衣「小衣は精神的にも身体的にも、実年齢的にも小学生じゃないわよ!」
檸檬「まあ落ち着きなさい、こころちゃん」
小衣「こころちゃん言うな!」
檸檬「彼女たちなら、畑仕事で忙しいらしいわ」
小衣「あの子たちまたやってるのね。畑仕事よりここに来た方が得る物は大きかったのに」
檸檬「貴女こそ、G4の他のメンバーはどうしたのかしら」
小衣「あの三人が勝手に有休取ってサボった事があったから、今度は私一人で休暇に来たのよ!」
柑菜(有休取ってサボるってどういう表現よ…)
小衣「まあ、煌びやかな場所は小衣以外には合わないものね。特にこんな豪勢な食べ物はミルキィホームズには毒だわ!」
檸檬「そう、それならゆっくりしていくといいわ。うふふふふ…」
ルイズ「ん? アンタ…私と声が似てるわね」
あつみ「あっ、本当ね」
ルイズ「何だか親近感が湧くわ」
あつみ「胸が小さいのも一緒ね!」
ルイズ「なっ…! 余計な共通点は挙げなくていいのよ!!」
あつみ「あはは、ごめんなさい」
ルイズ「第一アンタみたいな子供とそんなところが一緒でも…」
あつみ「…私、一応高校生なんだけど」
ルイズ「高校…って確か、サイトと同じ? …って事は私と同い年くらいって事!?」
あつみ「まあ、そういう反応には慣れてるわよ」
ルイズ「ごめんなさい。アンタは胸だけではなく体も小さいのにね…」
あつみ「その憐れむ様な目はやめて…」
ルイズ … ゼロの使い魔
響「はい、まぁ一応…」
火憐「どうだい? どっちが強いか勝負とか…」
響「ええっ、勝負って!?」
ヤナギン「おや、面白そうな話してるじゃない」
生島「私たちも混ぜてもらえない?」
羽原「ちょ、ちょっと二人とも…」
ヤナギン「いやアンタは参加しないでいいからさ」
生島「つーか参加しないで下さいお願いします」
火憐「いいぜ、みんなでやろうか」
響「うええ~…」
響 … 戦姫絶唱シンフォギア
ヤナギン … 男子高校生の日常
生島 … 男子高校生の日常
羽原 … 男子高校生の日常
火憐「ん…ルール?」
響「あーそっか、そういうのも必要かぁ」
ヤナギン(こ、こいつらまさか…)
生島「や、ヤナギン…この人たち羽原と同じ人種じゃ…」
ヤナギン「ああ…」
羽原「?」
火憐「んん? どうかしたのか?」
生島「い、いえ!」
ヤナギン「あ、ああ。ちょっと急用で参加できなくなったよ。残念だったな」
羽原「あれ、そうなの?」
火憐「えー」
生島「というわけでごめんね、それじゃまた!」
響「そ、それって本当にやる必要あるのかなー、なんて…」
火憐「いいじゃねーか、遊ぼうぜー」
檸檬「…あなたたちが暴れたら会場が壊れるからやめなさい」
響「ほら! 第一、人間同士で戦うなんてダメなんだって!」
火憐「えー……まあ主催者様がそう言うんなら仕方ねーか」
響「うんうん」
火憐「にしても…その口ぶりだともしかして、アンタは人間以外と戦ってるのか?」
響「えっ? まあ、そうだけど」
火憐「じゃあ私をその相手だと思ってさ」
響「勘弁してよー…」
火憐「おう、月火ちゃん…じゃねえ!?」
響「……? 未来も来てたんだね」
月火「やっほー、火憐ちゃん」
響「わぁっ!? 後ろからも未来の声が…って、別人??」
火憐「お前ら声似てるなぁ」
未来「あっ、確かに…」
月火「言われてみれば、そうかも?」
ルイズ「何だろう…私もあなたたちの声聞いたことある気がするわね」
柑菜「私も、聞いたことある気がする。なんかウザい人だったような」
未来「えっ!?」
月火「何それ? ウザキャラが似た声の人だなんて、プラチナむかつく…」
月火 … 偽物語
未来「響の方がウザいのに…」
響「えぇっ!?」
月火「そうだよね。こっちだって火憐ちゃんの方がウザいし」
火憐「なっ…!」
ユノハ「み、みんな落ち着いて…」
火憐「この状況で落ち着いてられるか!」
ユノハ「うう……すぅー」スゥー
響「あれ、消えた!?」
ミコノ「カエル? 猫の人形じゃないの?」
響「えっ…あれが猫?」
ポヨ「ヒァッ!」
柑菜「うわっ、何コイツ!?」
シュシュ「フゥー!!」
ミコノ「やめなさいシュシュ!」
響「リボンが動物になった!?」
りのん「なー?」
イチカ「ああっ! 出てきちゃダメよ、りのん!」
ミコノ … アクエリオンEVOL
シュシュ … アクエリオンEVOL
りのん … あの夏で待ってる
まどか「な、何あれ…妖怪の集まり?」
凜々蝶「妖怪? まさかこんなところにまで…」
ラン「えっ?」
凜々蝶「いや、何でもない」
凜々蝶(あれはきっと他の世界の普通の生物…そう信じよう)
凜々蝶「…おや、あちらの方では親しげに話をしている者たちが居るな」
まどか「えっ、どこどこ?」
マト「うん。茉莉香ちゃんは何か部活やってるの?」
茉莉香「えーっと、ヨット部だよ」
アーシア「ヨット部ですか。それじゃ、海とかにはよく行かれるんですね?」
茉莉香「あー…そっか、あなたたちとは世界が違うんだもんね。
私の世界のヨット部は普通の海じゃなくて、宇宙という広大な海に航海しに行くんだよ」
マト「ヨットで宇宙に!?」
茉莉香「いやまぁ、ヨットといっても宇宙船だけどね」
アーシア「へえー、何だかすごいですねー」
茉莉香「私たちの世界だと割と普通なんだけどなぁ…」
アーシア … ハイスクールD×D
マト … ブラックロックシューター
マト「私はバスケ部だよ!」
アーシア「バスケットボールですか。私はそういったスポーツはあまり…」
マト「それならアーシアちゃんはどうなの?」
アーシア「えっ!? 私は、その…オカルト研究部です」
茉莉香「オカルト…それはまた、随分と怪しい部活だね」
アーシア「え、えっと…私にもいろいろ事情があるんです…」
マト「何それ、変なのー」
アーシア「そうなんですか?」
赤沢「まあ、ね。……ちなみに私は演劇部だけど」
マト「なーんだぁ。ツンツンした態度を取ってるけど、キミも私たちと一緒にお話したいだけなんだね」
赤沢「なっ…! べ、別に私はそんな…」
茉莉香「あはは、素直じゃないんだからー」
まどか「はいはーい! 私ジャージ部!」
茉莉香「わっ!? ビックリしたぁ」
マト「ジャージ部?」
ヨミ「……」
鳴「……」
小猫「……」
チアキ(退屈ね)
ヨミ(だ、誰か喋らないかしら…)
鳴(ここは面白い人が多いわね)
小猫(む、みんな綺麗な黒髪なのに私だけ白髪…)
ラン「……」スタスタ
ラン(似た者同士惹かれ合うのかしらね…)
ヨミ … ブラックロックシューター
小猫 … ハイスクールD×D
凜々蝶「む…?」
まどか「えーっ、何なに?」
火憐「せっかく今期アニメのヒロインが集まってるんだし、この中で最強キャラを決めようぜ!」
響「またそれ!? さっきダメだって…」
檸檬「許可するわ」
火憐「やった!」
響「あれ、会場が壊れるからダメだったんじゃ…」
檸檬「待っていなさい。今組み合わせ表を作るから」
鳴「むしろノリノリみたいね」
火憐 ─┐
├─┐
タダクニ妹 ─┘ │
├─┐
まどか ─┐ │ |
├─┘ |
響 ─┘ |
├
エリー. ─┐ |
├─┐ |
小猫 ─┘ | |
├─┘
カルタ. ─┐ |
├─┘
やすな ─┘
やすな「あれ…私?」
ソーニャ「良かったな。がんばれよ」
檸檬「ちょっとした冗談よ。そこはソーニャさんに入ってもらえるかしら」
ソーニャ「ええっ、私か? 面倒くさいな…」
タダクニ妹「……」
羽原(私じゃなくて良かった…)
まどか「えー! 私もやるの?」
響「あっはは…お手柔らかにお願いします」
小衣「エリー? どこかで聞いた名前ね…」
エリー「ど、どうも…」
小衣「あー、アンタ! いつの間に来てたのよ!」
小猫「…この子と全力で戦っても大丈夫なの?」
檸檬「問題ないわ」
カルタ「……」
ソーニャ「えっ、私の相手はこの子か? 参ったな…こう見えて何か武術とかやってるのか?」
エリー … ミルキィホームズ
檸檬「何かしら」
まどか「ミドリ…いや、道具とか使ってもいいの?」
檸檬「ちょっとした道具や武器はいいけどロボットはダメよ」
まどか「ちぇーっ」
響「ちょ、ちょっと! 何て物騒な物使おうとしてるんですか!?」
檸檬「あら、貴女も似たようなものじゃない」
響「ロボットですよ!? 似てないですって!!」
檸檬「ちなみに、歌くらい歌っても構わないわよ」
響「えっ! それってつまり…」
まどか「歌?」
檸檬「うふふふふ…」
タダクニ妹「うおおー!」
火憐「おりゃっ」ゲシッ
タダクニ妹「ぐはぁっ!」バタリ
ヒデノリ「妹ぉぉー!!」
檸檬「勝者、阿良々木火憐」
火憐「ああん? もう終わりか、つまんねーな」
柑菜「それより、いつの間にか変な眼鏡の男の人が紛れ込んでるんだけど…」
響「い、行きますよ!」
まどか「おー、来ーい!」
響「ふっ はっ たぁっ!」
まどか「お、おーっとっと…やるね、かわいい顔して」
響「これでも私、街の平和のために戦ってるんです! 負けませんよ!」
まどか「ふーん。奇遇だね…私も鴨川の平和のために戦ってるんだよ! とぉっ!」
響「へっ…うわぁっ!? ……いてて、やりましたね!」
火憐(響って奴、こんなもんなのか? まあ悪くない動きだけどな…)
響「ふぅ…そっちこそ!」
まどか「はぁ~…でも、私の負け!」
響「へっ?」
ラン「そんな、互角に戦っているのに…」
未来「そうだよまどかさん! どうして…」
まどか「あはは、互角に見えてた? それにこの子本気じゃないし」
響「そ、そんな事ないですよ!?」
まどか「いやいや。だってさ、そもそも『歌』ってのをまだ使ってないじゃん」
響「うっ…」
未来「それは…」
まどか「だから、私の負けだよ」
まどか「うん。悔しいけどただでさえ押されてたし、スタミナ面でも負けてたみたいだし…
ミドリが使えればお互い全力で戦えたかもしれないけどなぁ」
ラン「いや、響さんが死んでしまうわ…」
まどか「そう? 案外いい勝負しそうな気がしてるんだけど」
響「あ、あはは…」
響(さすがにシンフォギアは使えないって…)
檸檬「それじゃあ、勝者は立花響」
エリー「よ、よろしくお願いします…」
小猫「本当にいいの?」
檸檬「いいのよ。彼女ならやってくれるわ」
小猫(まあいいか。怪我しない程度に軽く一捻りにしてあげれば)
小猫「行くよ」ガシッ
エリー「きゃあっ!」ググッ
小猫「!? 私の力が押されてる…?」
小衣「あれは怪力のトイズ…って、まさか怪力vs怪力!?」
檸檬「あら、察しがいいわね。さすがIQ14のこころちゃん」
小衣「だから14じゃねーしこころちゃん言うな!」
エリー「きゃあっ!! ううっ、私の負けです…」
まどか「って、あれ?」
小衣「全然あっけないじゃないの!」
小猫「確かに、単純な腕力だけは私を凌ぐほどに凄まじいけど、こと戦闘に関しては私に分があったみたいね」
檸檬「はい。勝者、塔城小猫」
エリー「残念です…」
小衣「なんてザマよ。こんなんだったら平乃でも引っ張ってくるんだったわ!」
カルタ「……」
ソーニャ「こいつ、大丈夫なのか?」
凜々蝶「フン、おそらく問題ないな。キミがどれほどの人物か知らないが」
ソーニャ「そうか。じゃあ遠慮なく」
やすな「殺しちゃダメだよ!?」
ソーニャ「安心しろ。抵抗しなければ殺しはしないさ……っと、隙あり!」ガシッ
カルタ「……あー」
ソーニャ「ほら、さっさと負けを認めろ。さもなくばこのナイフで……ん?」
やすな「あ、あれ? 何だか空気が禍々しく…」
やすな「ソーニャちゃん!!!」
ソーニャ「何だよ、大声出すな……ってうわぁっ!! 何だこの骸骨!?」
カルタ「がおー たべちゃうぞー」
ソーニャ「ぎゃー! こっち来んな!」
カルタ「じゃあ、私の勝ち?」
ソーニャ「わわ分かった! 私の負けでいいからさっさとどっか行け!!」
檸檬「勝者、髏々宮カルタ」
ソーニャ「ううっ…人外だなんて聞いてないぞ…」
火憐 ━┓
┣━┐
タダクニ妹 ─┘ │
├─┐
まどか ─┐ │ |
┣━┘ |
響 ━┛ |
├
エリー. ─┐ |
┣━┐ |
小猫 ━┛ | |
├─┘
カルタ. ━┓ |
┣━┘
ソーニャ ─┘
響「次の相手は火憐ちゃんかぁ…」
火憐「楽しみだぜー、いろいろと」
檸檬「あら、どうしたの?」
火憐「だってさ、アニメキャラだろ? もっとすごいの居たんじゃ…」
檸檬「作為的な組み合わせだったことは認めるわ。所詮は余興だもの」
火憐「何だよ、つまんねーなー。 それはさておいて、今の状況って戦闘要素のない作品可哀想だな」
凜々蝶「キミが提案したんだろう!?」
美羽「あはは、気にしてませんよ」
鳴「…なかなか楽しいわ」
ミコノ「私の作品にも戦闘はあるけど、肉弾戦なんて私には出来っこないし…」
リョーマ「確かに、スポーツならともかく格闘技は無理っすね」
ポヨ「ヒィァッ!」
火憐「へへっ。行くぜ!」
響「お、お手柔らかに…」
火憐「隙あり! とりゃっ!」バシッ
響「ぎゃっ!」
火憐「ほらほら、どうした」
響「ぐぅっ、強い…でも負けませんよ!」ドカッ
火憐「おっと。さすがにただではやられてくれないか。面白いぜ!」
未来「響…」
響「ぐっ…」
まどか「ダメだ、火憐ちゃんの方が格上だよ!」
響(このままじゃ…)
火憐「確かにいい動きしてるんだけどな。やっぱり違和感は拭えないぜ」
響「違和感…?」
火憐「普段はすごい敵と戦ってるんだろ? 何かそのための秘密があるんじゃないのか?
響の動きを見ると、もっとレベルの高い戦いを知ってる気がするんだけどな」
響「なるほど、そこまで見抜かれてるなんて…分かりました」
未来「響、まさか!」
響「バウ ウィー シャウ ネース ティアーウ ガングニール トローゥ…」
火憐「!?」
凜々蝶「変身した…!?」
火憐「へへ、上等だぜ!」
響「何故ー どうしてー 広い世界のー中でー」
まどか「急に歌いだした!!」
響「歌はシンフォギアの力の源なんです! はぁっ!」ガッ
火憐「うあっ! 確かに、さっきまでとまるで動きが違う…」
響「分かりましたか? 私が本気を出しちゃったら普通の人じゃ敵わないんです」
火憐「へ、へへ…分かったよ。普通の人扱いされるのは癪だけど、確かに分は悪そうだ」
響「だったら降参を…」
火憐「だが断る」
響「なっ…!」
だけど、だからとって諦めて戦いをやめたら、それは己にも負けたことになる。
どんなに無様にやられて、ボロボロになって、無残な負け方をしたとしても、
私はいつでも私自身には勝ち続ける! それが私の武道だ!!」
響「そうですか…その姿勢、尊敬します! それなら…」ダッ
火憐「なっ、しまった…疾っ…」
響「私も手加減は出来ません!」ドコォッ
火憐「かはっ…!!」ガクリ
月火「火憐ちゃん!?」
響「大丈夫です、意識を失ってるだけですから」
未来「響…」
檸檬「勝者、立花響」
赤沢「何なのよこの茶番…」ボソッ
鳴「そういうこと言わないの」
檸檬「あら、書置きがあるわ」
『戦闘のプロには勝てないので棄権します カルタ』
小猫「えっ。プロだなんて一言も言ってない…」
凜々蝶「髏々宮さんめ、逃げたのか…少しは阿良々木さんを見習って欲しいものだな」
檸檬「ともかく、居ないものは仕方ないわね」
まどか「探しに行ってみる?」
檸檬「やめておきなさい」
アーシア「でも心配です…棄権は棄権でいいとしても、探した方がいいんじゃ…」
檸檬「ダメよ。居ないものは居ないもの扱いしないと災厄が降りかかるわ」
鳴「……」
火憐 ━┓
┣━┐
タダクニ妹 ─┘ │
┣━┐
まどか ─┐ ┃ |
┣━┛ |
響 ━┛ |
├
エリー. ─┐ |
┣━┓ |
小猫 ━┛ ┃ |
┣━┘
カルタ. ━┓ |
┣━┘
ソーニャ ─┘
小猫「決勝は歌いながら戦う人が相手ね」
響「お、お手柔らかにお願いしますね」
檸檬「それじゃあ、決勝戦を開始するわ」
小猫「…どうも」
マト「はい、響ちゃん。あったかいものどうぞ」
響「わぁ…あったかいものどうも」
凜々蝶「…って、おい!! 決勝戦の描写が省略されてないか!?」
まどか「あれ。見逃したの?」
美羽「いいじゃないですか、そんな細かいことは。お二人ともいい勝負してましたし」
凜々蝶「いい勝負してたんだったらなおさらのことだ!」
檸檬「仕方ないわね。でもこれはヒロインの集いであって、戦いに重きは置かれてないから」
凜々蝶「くっ、キミは都合のいい台詞ばかり…」
カルタ「ちよちゃん、病気?」
凜々蝶「病気ではない! って、戻っていたのか髏々宮さん」
カルタ「決勝戦、見たかったから…」
凜々蝶「なに…見てたのか!?」
カルタ「うん。面白かった」
凜々蝶「くそぅ、くそぅ…」
やすな「あっ! それ私のネタだからパクっちゃダメだよ!」
アーシア「どうかしたんですか?」
檸檬「余興が終わって気分が盛り下がってきているのよ」
赤沢「貴女の気分なんか知らないわよ…」
檸檬「手厳しいわね。でも、何かイベントがあったほうが面白いじゃない」
マト「イベント、かぁ」
檸檬「誰か、特技でも披露してもらえないかしら」
まどか「なんという無茶振り…」
檸檬「あら、髏々宮さん。何かあるのかしら?」
カルタ「骸骨の姿になれる」
ソーニャ「ならんでいい!」
カルタ「そう…」
鳴「じゃあ、私も」
赤沢「アンタ、特技なんて持ってた?」
鳴「義眼で死者の色が見えるわ」
檸檬「やめなさい」
チアキ「!?」
茉莉香「か、海賊かー。今の時代そんなの居ないんじゃない?」
檸檬「あら。いろんな作品のヒロインが集まっているんだし、海賊の二人や二人居てもおかしくないんじゃないかしら」
チアキ「…貴女、分かってて言ってるわね」
檸檬「うふふふふ」
やすな「えっ! じゃあもしかして茉莉香ちゃんとチアキちゃんって海賊なの!?」
茉莉香「あはは…まぁ一応ね。海賊といっても宇宙海賊だけど」
火憐「何だよそれ、おもしれえじゃねーか! 正義の味方として放っておけねーな」
茉莉香「ま、待って待って! 私たちは政府公認の海賊だから悪じゃないよ!」
火憐「ほんとに何だよそれ…」
リョーマ「…テニスは一人じゃできないっすよ」
小猫「部長が居れば……いや、人間の中学生が相手じゃ勝負にならないわね」
檸檬「いえ、なかなか見ものだと思うけれど」
檸檬(地味に本気で見てみたいんだけれど、まあそれはいいわ)
タダクニ妹「ねぇ…兄に下着取られて困ってる人とか…」
檸檬「貴女だけよ」
ソーニャ「ん、何だ?」
檸檬「レーザー銃持ってないかしら」
ソーニャ「はぁ? そんなものあるわけ無いだろ」
檸檬「そう…ラフィンティさんやイチカはどうかしら」
ラン「わ、私? ないけど…」
イチカ「そんな物騒な物持ってないわよ。何に使うつもりなの?」
檸檬「この中に透明化して光線を無効化する能力者が居ると聞いたから、ちょっとね」
ユノハ「!?」
ミコノ「実験する気なの!? やめて!!」
檸檬「うふふふふ」
小衣「この人、鬼ね…」
ソーニャ「イケメンって何だよ」
檸檬「そういえば、この集いの主人公は誰だったかしら」
凜々蝶「何…主人公とは一体どういう意味だ?」
カルタ「…ちよちゃん」
凜々蝶「むっ、どうした?」
一同「じーっ」ジーッ
凜々蝶「ま……まさか僕がそうなのか!?」
凜々蝶「はぁっ!? そんな無茶振りされても僕には何も出来ないぞ!!」
カルタ「がんばって」
まどか「がんばれー!」
響「頑張ってください!」
凜々蝶「いや、がんばれと言われてもだな…」
檸檬「ほらみんな、白鬼院さんを応援してあげましょう」
ひな「おねえたん、がんばえー!」
鳴「…がんばって」
りのん「なー!」
凜々蝶「うっ……」
マト「自らハードル上げちゃって、大丈夫?」
凜々蝶「ああ、問題ないさ、当然だろう?」
生島「期待してるよ~」
火憐「やってやれ!」
凜々蝶「そ、それでは、とある人気アニメを見て習得した面白い自己紹介をしてやろう…コホン…」
凜々蝶「みんなのハートにどっきゅーん! 初めまして、白鬼院凜々蝶だ…ぴょん……」
檸檬「……」 柑菜「……」 イチカ「……」 野ばら「……」
まどか「……」 ラン「……」 鳴「……」 赤沢「……」
ひな「……」 美羽「……」 空「……」
ルイズ「……」 あつみ「……」 リョーマ「……」
やすな「……」 ソーニャ「……」 ミコノ「……」 ユノハ「……」
火憐「……」 月火「……」 響「……」 未来「……」
マト「……」 ヨミ「……」 茉莉香「……」 チアキ「……」
アーシア「……」 小猫「……」 小衣「……」 エリー「……」
ヤナギン「……」 生島「……」 羽原「……」 タダクニ妹「……」
ヒデノリ「……」 ポヨ「ヒィァ?」 りのん「なー…」 シュシュ「フゥー!!」
凜々蝶「こ、これは…」
カルタ「ちよちゃん、かわいい」
凜々蝶「フン…そんなフォローは要らないぞ」
アーシア「いえいえ、本当にかわいかったですよ! …私には真似できないくらい」
ソーニャ「あ、ああ。私にも到底近寄れない領域だったぞ」
エリー「あざとい…です…」
凜々蝶「って、もはやフォローにすらなってないじゃないか!」
あつみ「そ、そんなことないよ?」
凜々蝶「もういい! 完全に外したことくらい分かってる!」
リョーマ「…まだまだっすね」
檸檬「あら、どうしたのかしら」
凜々蝶「落ちは付いただろう?」
檸檬「……前向きに考えれば、そうと言えない事もないわね」
凜々蝶「それでは解散にしよう。とにかく、今すぐ帰らせてくれ!」
柑菜「えーっ!」
やすな「宴はこれからだよぉ!」
凜々蝶「フン、それならキミたちはまだ楽しめばいいだろう? 僕一人だけ帰るのなら問題あるまい!」
まどか「行っちゃうの?」
凜々蝶「ああ」
鳴「寂しくなるわね」
ユノハ「寂しい、けど…仕方ない…」
檸檬「まだ何かあるのかしら?」
凜々蝶「フンっ! 皆さんお疲れ様、とだけ言っておいてやろう」
ラン「ふふっ。最後まであなたらしいわね、お疲れ様」
美羽「はい、お疲れ様です♪」
響「凜々蝶ちゃん、また会いましょう!」
茉莉香「元気でねー!」
凜々蝶「うっ……」
凜々蝶(まさか… 僕が、この僕が…名残惜しいと感じているというのか?)
凜々蝶(だが…例えそうだとしても…)
凜々蝶(…そうだ。いつか来る別れ、それが少し早くなっただけだ)
凜々蝶「ああ…また、な」
カルタ「…良かったの?」
凜々蝶「おっと、髏々宮さん。キミも来たのか」
カルタ「…うん」
凜々蝶「ふん、もう少しゆっくりしていけばいい物を」
カルタ「ちよちゃんが居ないのは、つまらない」
凜々蝶「ふっ…そうか。僕もちょうど、一人はつまらないと思っていたところだ」
カルタ「うんうん。一人より二人」
凜々蝶「髏々宮さん…」
野ばら「いいわ、いいわよ…! そのまま…」
凜々蝶「…って、キミもこの集いに参加していたのだったな。素で忘れていたぞ」
野ばら「冷淡な凜々蝶ちゃんも素敵だわ! メニアック!」
野ばら「うふふ…二人より三人、ってことよ」
カルタ「…三人より、みんな」
凜々蝶「みんな、か」
凜々蝶(確かに、そうなのかもしれないな)
カルタ「寂しい?」
凜々蝶「フン、そんなわけないだろう。この僕が寂しいだなどと…」
野ばら「あら、思いまくりかしら」
凜々蝶「なっ…違う! 孤高に生きていた僕は寂しいなどと感じないのだ!」
だから少なくとも、今日という日に思い残すことは何もないさ」
カルタ「…そう」
凜々蝶「それに…僕には、今日集まったみんなではなく別の『みんな』が居るからな」
野ばら「えーっ、誰かしら?」
凜々蝶「言わせるな恥ずかしい」
カルタ「恥ずかしい事、ないよ」
凜々蝶「ふん……では、僕たちの家に戻ろうか」
カルタ「…うん」
―終わり―
檸檬「仮に運良く今期から複数の作品で二期が決定したとしても、時期が被る可能性も微妙」
檸檬「それに、二期目では退場しているキャラも居るかも…」
檸檬「いえ、それは考慮しすぎね。そう…確かに考えすぎなんだけれど。うふふふふ」
檸檬「まあ、どちらにしても…『またね』ではなく『さよなら』と言っておくわ」
檸檬(凜々蝶…また集まることができればいいわね。その時に私が居ないとしても)
マト「『なつまち』は面白いらしいよ…」
やすな「クク…『あの夏』は今期続編絶望的アニメ四天王の中でも最も期待されている…」
響「ネタ以外の面で楽しまれているとは我ら四天王の面汚しですね…」
檸檬「…何をやっているのよ貴女たち」
乙
Entry ⇒ 2012.03.26 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ミミック「外の世界を見てみたい」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332241680/
ミミック(未だ冒険者には開けられたことはなく)
ミミック(たまに通りかかるネズミや虫だけで食いつないできた)
ミミック(……)
ミミック(このままでいいのだろうか……)
ミミック(もしかするとこのダンジョンの存在自体、人間には知られていないのかもしれない)
ミミック(……)
ミミック(……駄目だ)
ミミック(このままここでくすぶっていては駄目だ)
ミミック(いつまでもネズミと虫だけで生きていける筈も無い)
ミミック(……)
ミミック(……そうだ、外に出よう)
ミミック(このダンジョンの外に出よう)
ミミック(そして私は――外の世界を見てみたい)
ミミック(動かなければ……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……そうだった)
ミミック(私には足が無かったのだった……)
ミミック(足が無ければ歩けないのは当然ではないか)
ミミック(どうすればいいのだ……やはり私はここで朽ち果てる運命なのか)
ミミック(私に動かせるものと言えば、上顎と長い舌ぐらい)
ミミック(これでどうしろと言うのだ……)
ミミック(……)
ミミック(……長い舌……)
ミミック(舌で何かを掴んで体を引っ張ったり、地面を押したりすれば)
ミミック(きっと何とか動ける筈)
ミミック(そうと決まれば早速舌を伸ばしてみよう)
ガパッ ベローン
ミミック(舌を振り回して確かめてみよう)ブンブン
ミミック(……)ブンブン
ミミック(……)ブーンブーン
ミミック(……)
ミミック(周りに掴めそうなものはないようだ)
ミミック(むんっ……!)ググッ
ミミック(っ……!!)ググググ
ミミック(ふんっ……!!)グググググ
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(重くて動けない……)
ミミック(いや、全身金属となればそれも当前なのか……)
ミミック(……)
ミミック(……それとも私の舌の筋肉が弱いだけか?)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……筋トレしてみるか)
ミミック(舌の筋トレと言ってもどうすればいいのだろうか)
ミミック(ダンベルでも上げ下げすればいいのか?)
ミミック(いや、そもそもダンベルなど私の手元にはない)
ミミック(……)
ミミック(……結局手詰まりか)
ミミック(……)
ミミック(……いや、まだ諦めるのは早い)
ミミック(まだ私は全力を出し切っていない筈だ)
ミミック(もう一度舌で地面を押してみよう)
ミミック(ぐぬぬぬっ……!!!)グググググ
ミミック(ふんっ! ふんっ!)グッグッ
ミミック(ぐぅううう……)ゼェハァ
ミミック(このぉっ……!!)ググググググ
あのデザイン大好き
ミミック(動けっ……!!)グググ
ミミック(動け……私の身体ぁ……!!!!)ググググ
ズズッ
ミミック(!)
ミミック(動いたっ……!)
ミミック(この調子で……)
ミミック(ふんっ!!)ググッ
ズズ…
ミミック(ぐぬぬぬぬ……!!)グググググッ
ミミック(はぁ……はぁ……)
ミミック(これで最初の位置からどのくらい動いただろうか)
ミミック(……)
ミミック(……およそ一メートルか)
ミミック(……)
ミミック(先は長いようだ)
ミミック(……)
ミミック(……今日はこのぐらいでいいか)
ミミック(焦りは禁物だしな)
ミミック(それに、これを続けていけば舌の筋トレにもなるだろう)
ミミック(……)
ミミック(とりあえず、今日はもう寝よう……)
ミミック(ふんっ! むんっ!)グッグッ
ズズッ ズズッ
ミミック(ふーん!!)ググググ
ズリズリズリ
ミミック(……)ゼェハァ
ミミック(……大分安定して動けるようになってきたぞ)
ミミック(三日前の貧弱な私が嘘のようだ)
ミミック(本来の私の舌力はこのぐらいだったのだ)
ミミック(……)
ミミック(……ふふふ)
ミミック(最初はどうなるかと思ったが、なかなか順調じゃないか)
ミミック(昨日は五メートルも動いたし、今日は頑張って六メートルを目標にしよう)
ズズズ…
ミミック(ふんぬらばっ!)グンッ
ズズズッ
ミミック(よし、順調だぞ。この調子なら六メートルなんて余裕だ)
ミミック(もしかしたら七メートルにも届いてしまうかも知れんな)
ミミック(ぬんっ……!)グッ
ズズズッ……ガンッ
ミミック(む?)
ミミック(石にでも引っかかったか……ぬんっ!)グッ
ガッ
ミミック(くっ駄目か……ならばもう一度)
ミミック(ふんっ! ふーんっ!)グッグッ
ガッガッ
ミミック(……)ハァハァ
ミミック(……全然駄目だ、びくともしない)
ミミック(……)
ミミック(舌で触って正体を確かめてみるか)
ベロン グイーン
ミミック(……)
ペタペタ ペタペタ
ミミック(……)
ペタペタ ペタペタ
ミミック(……! これは……)
ミミック(……)
ミミック(……なんてことだ、これは……)
ミミック(これは……)
ミミック(これは……壁だ)
ミミック(……)
ミミック(……まさか私は壁に向かって直進していたと言うのか?)
ミミック(……もしかして)
ミミック(もしかして……私のこの三日間は無駄だったと言うのか?)
ミミック(この移動法では前が見えないではないか)
ミミック(……)
ミミック(完璧に思えたこの方法にこんな欠点があったとは)
ミミック(……私は)
ミミック(私は馬鹿だったと言う事か……)
ミミック(そもそもの話、私が今いるここはダンジョンだ)
ミミック(おそらく普通のダンジョンに倣ってここも迷路のような構造をしていると思われる)
ミミック(人を惑わし迷わせるダンジョン……)
ミミック(……)
ミミック(そんな迷宮を前を見ずに移動しなければならないのか……?)
ミミック(これでは出口を見つけるのにどれほどの時間がかかるのだろうか)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……いや、今さら時間がなんだ)
ミミック(私はこのダンジョンで二百年もの間過ごしてきたのだ)
ミミック(今さら少し時間がかかるからと言って、問題ではない)
ミミック(外に出ると言う悲願を叶えるためには、後ろ向きになっていてはいけない)
ミミック(移動の仕方は後ろ向きでも心は前向きに行くのだ)
ミミック(……)
ミミック(……とりあえず、壁とは反対方向に進んでみよう)
ミミック(動き続けてさえいればいずれ出口には着く筈なのだ)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(…………あれ?)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……これはどうやって動けばいいのだ?)
ミミック(後ろは壁、私は後ろにしか動けない)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(…………もしかして、詰んでる?)
ミミック(私の冒険はここで終わってしまったのか)
ミミック(……まさかこんな壁にぶつかっただけで終わってしまうとは)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……やはり)
ミミック(やはり、外に出るなど私には到底無理な話だったのか)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(…………もう)
ミミック(もう……死んでしまおうか)
ミミック(このまま生きたとしても、待ち受けるのはネズミと虫を食い続けるだけの人生)
ミミック(動けなくなった分、最初よりも最悪の状態だ……)
ミミック(……)
ミミック(……それならもう)
ミミック(それならもう、いっそここで自ら舌を噛み切って……)
ミミック(……無為な人生だった)
ミミック(いや、箱生とでも言うべきなのだろうか)
ミミック(私は誰にも存在を知られず、このまま朽ち果て死んでいく)
ミミック(……本当に、空虚な生き様だった)
ミミック(……)
ミミック(願わくば……)
ミミック(願わくば、次は足のあるミミックとして生まれたいものだ――)
――――ガブッ
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(…………む?)パチリ
ミミック(確か私は……)
ミミック(…………そうだ、思い出したぞ)
ミミック(私は確か、自分で舌を噛み切って……)
ミミック(……)
ミミック(…………?)
ミミック(何故私はまだ生きているのだ……?)
ミミック(そして窒息によりHPは確実にゼロになったはず)
ミミック(……ならば、何故私はまだ生きているのだ?)
ミミック(……)
ミミック(……生まれ変わった、わけではないな。身体はミミックのままだ)
ミミック(随分と見覚えがある天井だが)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……!)
ミミック(ここは……)
ミミック(なんてことだ、ここは……最初の位置ではないか!!)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……まさか)
ミミック(……そうか、そういうことか)
ミミック(私は……再配置型のモンスターだったのだな)
ミミック(ミミックとしては随分と珍しいタイプだ)
ミミック(二百年の間一度も死ななかったせいで気付かなかったが……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……そうか)
ミミック(私は死ぬことすらも許されないのだな……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……これなら、外の世界に出れるのではないか?)
ミミック(先程のように自殺すれば最初の位置に戻される)
ミミック(そしてまた最初の位置から移動しぶつかった壁は避けるようにすれば……)
ミミック(……)
ミミック(……光明が見えてきた)
ミミック(壁にぶつかったら舌を噛み切り最初の位置にデスルーラ)
ミミック(……)
ミミック(なんというか、とことん後ろ向きな移動方法だが……)
ミミック(これならいけるのではないか……?)
ミミック(時間はたっぷりあれど、私には立ち止まる暇などない)
ミミック(一秒でも早く……外の世界を見てみたい)
ミミック(なれば、まずは昨日以前とは逆方向に……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……あれ?)
ミミック(方向転換はどうすればいいのだ?)
・
・
ミミック(ふんっ! ふんっ!)グッグッ
ズッ ズズッ
ミミック(はぁ……はぁ……)
ミミック(……)
ミミック(斜め前の地面を押すことで、なんとか方向転換はできそうだが)
ミミック(いかんせん直進するよりも力が入れづらい)
ミミック(それに、無理な方向に舌を伸ばしているせいで舌が攣ってしまいそうだ)
ミミック(……だがこんなことではくじけていられない)
ミミック(私は絶対外に出るのだ)
ミミック(こんな苔生した湿気だらけのダンジョンではない)
ミミック(青空が広がり、地平線まで草原が見渡せる外の世界に……)
ミミック(……ふんっ!)グッ
ミミック(ふんっ! ふーんっ!)グッグッ
ズズッ……ガン
ミミック(あ)
ミミック(横の壁にぶつかってしまった)
ミミック(方向転換時の回転角度が大きすぎたのだ)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……あれ? また詰んだ?)
ミミック(まだ一メートルも移動しないうちから詰んでしまうとは)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(…………仕方ない)
ミミック(また舌を噛み切るとするか)
――――ガブッ
・
・
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……む)
ミミック(リスポーンしたか……)
ミミック(……しかし、毎回舌を噛み切るのはかなり痛いな)
ミミック(それに舌を噛み切った場合の死因が窒息死なため、相当苦しい)
ミミック(……)
ミミック(これを何度も繰り返さなければならないのか……)
ミミック(舌を噛み切る痛み、苦しみ)
ミミック(死に際に感じるあの寒気、あの恐怖)
ミミック(二百年の箱生では感じたことの無い最悪の感覚)
ミミック(……)
ミミック(……私の精神は、これから何度も繰り返されるであろう死に耐えきれるのだろうか……)
ミミック(……先のことなど今は考えていても仕方がない、か)
ミミック(今は前を進むことだけを考えなければ)
ミミック(……)
ミミック(まずはなんとか方向転換しなければ話は始まらない)
ミミック(……よし!)
ミミック(これ以上死にたくなければ頑張るのだ! 私よ!)
ズズッ
ミミック(なるべく慎重に……)
ミミック(横の壁にぶつからないよう内側からえぐりこむ感じで動くのだ)
ミミック(……ふんっ!)グッ
ズッ ズズッ…
ミミック(むんっ!)グッ
ズッ…
ミミック(……)ゼェハァ
ミミック(……)
ミミック(……なんとか、百八十度回転することに成功した)
ミミック(……よし、ここからだ)
ミミック(昨日以前とは逆方向に進んでいく)
ミミック(……)
ミミック(……その前に少し休もう)
ミミック(……)
シュルン ガシッ
ヂュッ!? チューチュー!!
ミミック(……)
チュ――パクン ムシャムシャバリバリ
ミミック(……)
ミミック(……ネズミは相変わらず泥臭くてまずいな)
ミミック(無理に移動しているせいか……随分と腹が減っているな)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……外に出れば、ネズミと虫以外のものも食べられるだろうか……)
ミミック(十分休息は取ったし、そろそろ動くか)
ミミック(……ふんぬっ!)グッ
ズッ…
ミミック(ぐぬぬっ……!)グググ
ズッ ズズズ…
ズッ…ズズッ…
ミミック(……)ゼェハァ
ミミック(……)
ミミック(……絶対)
ミミック(絶対に外の世界を見るのだ……)
ミミック(ふーんっ!)グッ
ズズッ…
ミミック(ふんぐっ!)グッ
ズズッ
ミミック(……む?)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(どうやら曲がり角のようだ)
ミミック(背後は確認できないため、今進んでいる方向が壁かどうかはわからない)
ミミック(……)
ミミック(……どうするべきか)
ミミック(背後に壁が無いことにかけて直進するか)
ミミック(それとも右か左に曲がるか)
ミミック(……悩みどころだな)
ミミック(私の視界はおよそ前方120度)
ミミック(方向転換時に今背後に壁があるかどうか確認できるではないか)
ミミック(……と言うことは)
ミミック(とりあえず今は右もしくは左に曲がればいい)
ミミック(……)
ミミック(……よし)
ミミック(かーみーさーまーのーいーうーとーおーりー)
ミミック(ではいざ方向転換だ)
ミミック(……ふんっ!)グッ
ズズッ
ミミック(ふんっ! ふんっ!)グッグッ
ズッ…ズズッ…
ミミック(方向転換するのも少し慣れてきたな)
ミミック(……む、やはり背後は壁だったか)
ミミック(あのまま直進していればまたもや壁にぶつかるところだったな)
ミミック(……よし)
ミミック(再び前進あるのみだ!)
ガンッ
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……こっちは行き止まりだったか)
ミミック(……まあ仕方ない)
ミミック(所詮運の問題だ)
ミミック(……)
ミミック(……またデスルーラか……)
ミミック(私には本来ザラキしか使えないと言うのに……こんな形で新しい呪文を習得しようとは)
ミミック(いや、呪文ではないが)
ミミック(……)
ミミック(せーのっ――)
――――ガブッ
ズズッ……ズッ…
ミミック(うんしょ、こらしょ)グッグッ
ズッ…ズズズ…
ミミック(どっこらしょ……っと)
ズッ…
ミミック(……確かこの曲がり角は右だったな)
ミミック(ダンジョン内の構造も大分把握してきたし)
ミミック(脳内マップも随分と埋まってきた)
ミミック(そろそろ階段でも見つかってよさそうな頃だが……)
ミミック(……ふんっ)グッ…
ズズ…ガンッ
ミミック(むっ? 壁か……)
ミミック(また舌を噛み切らなければな)
ミミック(……)
ミミック(……一応舌を伸ばして壁の確認だけしておくか)
ベローン スカッ
ミミック(……む?)
スカッ スカッ
ミミック(……? 壁が無い?)
ミミック(……横の方に舌を伸ばしてみるか)
ベローン ペタペタ
ミミック(……む?)
ペタペタ ペタペタ
ミミック(……)
ミミック(……!!)
ミミック(これはもしや……)
ミミック(……これは、階段か!?)
ミミック(外に出る決意をして三か月半余り)
ミミック(私はついに地上への道へと辿り着いたのだ)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)ダラダラ
ミミック(……おっと、感動の余りよだれが垂れてしまった)
ミミック(今は本来の目的……地上に出ることを急がねば)
ミミック(そうと決まれば早速この階段をのぼるぞ!)
ミミック(階段を……のぼ……)
ミミック(階段を…………)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(…………どうやってのぼるのだ?)
ミミック(足が無くても動けはするが)
ミミック(階段は……足が無ければのぼれない)
ミミック〈……〉
ミミック(……)
ミミック(……私が)
ミミック(私が外に出ることは……元から不可能だったと言う事か?)
ミミック(諦めるのはまだ早い)
ミミック(足が無くても動くことはできたのだ)
ミミック(ならば足が無くても階段をのぼることも……)
ミミック(……きっと不可能ではないはず……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……とりあえず地面を押してみるか)
ミミック(ふんっ! ふんっ! ふーんっ!!)グッグッグーッ
ミミック(ぬぬぬぬーっ……! ぬーんっ!!)ググググーッ
ミミック(ふんぬぅううううっ!!)グーンッ
ミミック(……)ゼェハァゼェハァ
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(だめだこりゃ)
ミミック(考え得る方法としては……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……自分の身体を持ち上げる、か)
ミミック(この舌で……)
ミミック(自らの身体を持ち上げるのだ……この舌で!)
ミミック(――ふんっ!!)グッ
ミミック(ふんっ! ふんっ!!)グッグッ
ミミック(ふーんっ!!!!!!)ググググ
ミミック(くっ……やはり駄目か)
ミミック(せめて私が金属製じゃなく木製であれば……)
ミミック(……)
ミミック(……いや)
ミミック(折角ここまで来たんだ)
ミミック(もう諦めるのはいやだ……)
ミミック(……)
ミミック(……もう一度)
ミミック(うぐぉおおおおお!!)ググッグッ
ミミック(持ちあがれぇえええええ!!)ググググ
ミミック(うおおおおおおっ!!)グングングググ
ミミック(ふんぬぉおおおおおおおおおおっ!!)グググッ…
……ズッ
ミミック(!)
ミミック(このまま階段の側面に身体を預けるようにして……)
ミミック(斜め上に向かい進むように……)
ミミック(階段の上にのぼるように……!)
ミミック(うぉおおおおっ!!)グッグッ
ズズッ…
ミミック(ふんぐぅうううううううっ!!)グググ
ズッ…
ミミック(ぬぉおおおおおおっ!!)ググググ
ズズッ…
ミミック(くぅぅうううううううっ!!)ググッ
ズッ…
ミミック(もう少しぃいいいいいい!!)グググググ
ズッ……ガタンッ
ミミック(……)ゼェハァ
ミミック(……)ゼェ…ハァ…
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……やった)
ミミック(階段を……のぼれた)
ミミック(私はやったのだ……)
ミミック(階段を……のぼったのだ)
ミミック(……足あるものにとってはなんでもない一段でも)
ミミック(ミミックにとっては遥高き壁のような一段を……私はのぼってみせたのだ)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)ダラダラ
ミミック(……ああ、またよだれが)
ミミック(……よし)
ミミック(相当頑張れば階段を登れることはわかった)
ミミック(後はこの調子で……)
ミミック(焦らず一段一段のぼっていけば……)
ミミック(のぼっていけば……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……あれ?)
ミミック(一段目には私が乗っているため舌を押し付けるスペースが無い)
ミミック(地面には舌が……ギリギリ届くが)
ミミック(明らかに踏ん張れない)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……また詰んだか)
ミミック(しかし……)
ミミック(……)
ミミック(……今回は本格的にどうすればいいのか思いつかない)
ミミック(力技でのゴリ押しは利かない)
ミミック(舌の長さを伸ばすなど、生物の限界的に無理)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……やはり詰んでいる)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……そうだ!)
ミミック(私の身体と地面の間……その隙間に)
ミミック(無理矢理にでも舌を入れられないだろうか?)
ミミック(そうすればなんとか身体を持ち上げられるかも……)
ミミック(……)
ミミック(舌に潤滑油としてよだれをたっぷりまぶしておこう)クチュクチュ
ミミック(……)クチュクチュ
ミミック〈……〉クチュクチュ
ミミック(……)クチュクチュ
ミミック(……ふむ、こんなものか)ドロォ…
グイグイ
ミミック(……)
グッグッ
ミミック(……)
ググググ
ミミック(……)
ミミック(全く入る気配が無い……)
ミミック(ミミックには性別など無いと言うのに……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……よだれが足りなかったのか)
ミミック(よし、次は今の倍の量のよだれをまぶそう)
ミミック(……)
ミミック(……結局私の全身がよだれまみれになるだけだったか)
ミミック(それに、もし隙間に舌を入れられたとしても)
ミミック(舌が私の身体にプレスされて持ち上げるどころではないだろうな)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……手詰まりか)
ミミック(確か私にはザラキ以外にもう一つ使える呪文があったはず……)
ミミック(なんだったか……)
ミミック(むぅ……思い出せん……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……!)
ミミック(思い出した! メラゾーマだ!)
ミミック(メラゾーマの爆風を使えば……)
ミミック(階段をのぼることもできるのではないか?)
ミミック(……)
ミミック(なんということだ)
ミミック(今さらになってこんな大事な呪文を思い出すとは)
ミミック(移動の際もこれを使えば万事解決だったではないか!)
ミミック(……)
ミミック(まあ悔やんだところで時間が返ってくるわけでもあるまい)
ミミック(今優先すべきは階段をのぼること)
ミミック(……そうと決まれば)
ミミック(地面に向かって……)
ミミック(――メラゾーマ!!)
・
・
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……む?)
ミミック(ここは……)
ミミック(……最初の……位置……?)
ミミック(……そうだ、思い出した)
ミミック(私は確か階段をのぼるためにメラゾーマを使って……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……ああ、私はなんという馬鹿なのだ)
ミミック(あんな至近距離で呪文を放てば、自分が巻き込まれダメージを受けるのは当然ではないか)
ミミック(しかし、まさかメラゾーマ一回も耐えられないとは)
ミミック(私はもしやレベルが低い……?)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(ステータス確認ができる人間がうらやましい)
ミミック(……いや、逆を言えば)
ミミック(レベルが高ければメラゾーマにも耐えきれると言うことではないか?)
ミミック(そうだ、メラゾーマの爆風を使うと言うアイデア自体は間違っていない)
ミミック(問題はそのんメラゾーマの威力に耐えきれないことだ)
ミミック(ならば……)
ミミック(メラゾーマを耐えれるレベルまで自分のレベルを上げればいいのだ!)
ミミック(レベルを上げると言っても)
ミミック(ここには冒険者は全く来ない)
ミミック(三か月半も彷徨って見かけなかったのだから、他にモンスターもいないのだろう)
ミミック(このダンジョンにいるモンスターは私ただ一人)
ミミック(これでどうやってレベル上げすればいいのだ?)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……モンスターは……私ただ一人?)
ミミック(……いや、流石にこれは)
ミミック(……)
ミミック(……でも待て、確か自殺する度経験値が入ったような……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……これしか……無いか……)
ミミック(――メラゾーマ!!)
ドゴォオオン!!
ミミック(ぐふぅうっ!!?)
ミミック(ぐぅっ……)
ミミック(……)
ミミック(……駄目だ……意識が……)
ミミック(……)ガクッ
・
・
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……む?)
ミミック(またリスポーンしたか……)
ミミック(やはりメラゾーマは耐えきれなかったが……)
ミミック(私自信を倒したことで……確かに経験値は手に入った)
ミミック(ステータス確認できないせいで先が見えないのが辛いが……)
ミミック(……)
ミミック(……これなら)
ミミック(これならいける筈……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……もう一度)
ミミック(……)
ミミック(――メラゾーマ!!)
ドゴォオオン!!
ミミック(――メラゾーマ!!)
ドゴォオオン!!
ミミック(ぐああっ!!?)
ミミック(うぐぅ……)
ミミック(まだか……まだレベルは上がらないのか……)
ミミック(もう百回以上自分を殺していると言うのに……)
ミミック(やはり自殺では大した経験値は入らないと言うのか……)
ミミック(この死の感覚にも慣れてきた……)
ミミック(暗く……寒い……)
ミミック(寂しい……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(一人は……いやだ……)
ミミック(……)ガクッ
・
・
テレレレッテレーン
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……む?)
ミミック(リスポーンしたか……)
ミミック(……)
ミミック(……なんだろう、何か変な音が聴こえたような……)
ミミック(……まあどうでもいいか)
ミミック(今はとにかくレベル上げを優先せねば)
ミミック(……もう一度)
ミミック(……)
ミミック(――メラゾーマ!!)
ドゴォオオン!!
ミミック(くぅ……はぁ、はぁ……)
ミミック(……)
ミミック(……あれ?)
ミミック(……耐え切れ、た……?)
ミミック(さっき聴こえたと思った音はレベルアップの音だったのか)
ミミック(レベルアップ……したのか……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……やった)
ミミック(やった! やった!)
ミミック(私はレベルアップしたのだ! もう昨日までの私ではない!)
ミミック(私は……1レベルアップしたミミックだ!)
ミミック(道順はしっかり覚えている……ここまでくればもうこっちのものだ)
ミミック(もうメラゾーマも耐えきれる)
ミミック(これであの階段ものぼれ……あ)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……HP回復できない……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(…………デスベホマ、か)
ミミック(……)
ミミック(――メラゾーマ!!)
ミミック(……)
ミミック(……再び合間見えることになったな、階段よ)
ミミック(……後ろ向きだから見えないが)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……よし)
ミミック(まずは少しでも距離を稼ぐため、一段目をのぼろう)
・
・
ミミック(ふんぬぬぬぬー……ぬんっ!!)グッ
ズズズ…ガタン
ミミック(はぁ……はぁ……)
ミミック(……)
ミミック(……レベルアップしてちからが少し上がったのか、前よりは楽だったな)
ミミック(……よし、ここからだ)
ミミック(最大飛距離を出せる角度をよく考えろ……)
ミミック(後ろは見えないが……一段目の高さで大体の角度を推測するのだ)
ミミック(途中他の段にぶつかって止まってしまっては元も子もない)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……見えた!)
ミミック(――メラゾーマ!!)
ドゴォオオオン!!
ヒュルルルル…ガシャンッ!
ミミック(ぐはっ!)
ミミック(かはっ、はぁ……はぁ……)
ミミック(……)
ミミック(……どうなった?)
ベローン ペタペタ
ミミック(……)
ペタペタ
ミミック(……)
ペタペタ
ミミック(……)
ミミック(……駄目だった、か……)
ミミック(後ろにあるこれは……階段だ)
ミミック(やはり……薄々と気づいていたが)
ミミック(メラゾーマ一回では……とても階段全部を登りきるのは無理だ)
ミミック(……少なくとも二回以上……メラゾーマを耐えきれなければ)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……また)
ミミック(またレベル上げか……)
ミミック(――メラゾーマ!!)
ドゴォオオン!!
ミミック(くっ……!!)
ミミック(……はぁ……はぁ)
ミミック(……あれからどれほどの回数自分を殺しただろうか)
ミミック(レベルはいくつか上がったが……未だメラゾーマは一度しか耐えられない)
ミミック(……)
ミミック(……余計なことを考えるのはよそう)
ミミック(今は……レベル上げに専念しなければ)
ミミック(……)
ミミック(――メラゾーマ!!)
・
・
テレレッテレーン
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……む?)
ミミック(今の音……レベルが上がったか)
ミミック(――メラゾーマ!!)
ドゴォオオン!!
ミミック(ぬぐっ……!)
ミミック(……はぁ、はぁ……)
ミミック(もう一度……)
ミミック(……頼む、今度こそ……)
ミミック(今度も駄目だったら……私は……)
ミミック(……)
ミミック(――メラゾーマ!!)
ドゴォオオン!!
ミミック(はぁ……はぁ……)
ミミック(……)
ミミック(耐えた……)
ミミック(耐えたぞ……)
ミミック(……)
ミミック(……ふは)
ミミック(ふははは! やった! やったぞ!)
ミミック(これで……あの階段に再挑戦できる!!)
ミミック(この階段のところまで来るのにも慣れたな)
ミミック(……)
ミミック(三度目の挑戦……)
ミミック(……大丈夫だ、三度目の正直と言う言葉もある)
ミミック(今度こそ……今度こそのぼれるはずだ)
ミミック(……)
ミミック(そして……)
ミミック(この階段を上った先に……外の世界がある!)
・
・
ズズッ…ガタン
ミミック(ふう……まずは一段目をのぼったぞ)
ミミック(……ここからだ)
ミミック(角度を計算……この間のように……)
ミミック(……)
ミミック(――メラゾーマ!!)
ドゴォオオン!!
ミミック(ぐあっ!)
ミミック(くはっ……はぁ、はぁ……)
ミミック(……よし、ここまではいい)
ミミック(……)
ミミック(次だ……)
ミミック(次のメラゾーマでのぼりきらなければ)
ミミック(またあの苦痛だらけのレベルアップ生活……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(――メラゾーマ!!)
ヒュルルルル…
ミミック(頼む! 頼む!)
ルルル…
ミミック(今度こそ……今度こそ!)
ルル…ガッシャン
ミミック(ぐあっ!)
ミミック(……)
ミミック(……どうなった?)
ミミック(……舌を)
ミミック(背後に舌を伸ばして……確認を……)
ベローン
ミミック(……)
スカッ
ミミック(!!)
ミミック(後ろには……何もない!!)
ミミック(階段を上りきった……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……ふふ)
ミミック(痛みの余りよだれも出ないか……)
ミミック(……)
ミミック(……だめだ、痛みで体が動かない)
ミミック(少しここで休んでいくか……)
ミミック(……)
ミミック(……よく考えれば)
ミミック(デスベホマなどせずとも……こうして一晩寝れば傷は癒えるのだったな)
ミミック(……ふふ、やっぱり私は……)
ミミック(馬鹿だった、な……)
ミミック(……)
ミミック(……)グー…グー…
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……しかし)
ミミック(昨日寝る直前に気付いたが)
ミミック(階段を上る際メラゾーマ→一晩寝るを繰り返せば)
ミミック(なにもレベル上げせずともよかったではないか)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……まあ、過ぎた時間は取り戻せない)
ミミック(それにレベルアップしたことでちからもあがり)
ミミック(移動が楽になったのはいいことだ)
ミミック(……それよりも)
ミミック(それよりも今は……外の世界を見なければ!)
ズズッ ズッ
ミミック(向かうのだ……ダンジョンの外へ!)
ミミック(ぬんっ! おりゃっ!)グッ グッ
ズッ…ズッ
ミミック(はぁ……はぁ……)
ミミック(……)
ミミック(外の世界はまだ見えないのか?)
ミミック(……)
ミミック(……いや、今は余計なことを考えるな)
ミミック(とにかく今は前……いや後ろに進むのだ)
ミミック(ふんっ! ふんっ!)グッグッ
ズッ…ズズッ…
ミミック(ふーんっ! おらぁー!!)ググググッ
ズズズ…ガンッ
ミミック(え?)
ミミック(……)
ミミック(とりあえず舌で確認してみるか……)
ベローン ペタペタ
ミミック(……)
ペタペタ
ミミック(……)
ミミック(……これは)
ミミック(これは……壁だ)
ミミック(このダンジョンは一階層だけではなかったのか……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……まだ、上があると言うのか……)
ミミック(私が先程までいた階には、回った限り下に降りる階段はなかった)
ミミック(つまり……私はダンジョンの最下層からスタートしていたことになる)
ミミック(……)
ミミック(……最下層から、地上まで)
ミミック(全何階層かもわからないダンジョンを)
ミミック(また死と苦痛を繰り返しながら登れと言うのか……)
ミミック(もう自らの舌を噛み切るのも)
ミミック(自らの身体を爆風で焼くのも)
ミミック(もう痛いのも、苦しいのもいやだ……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……でも)
ミミック(もう痛いのも苦しいのもいやだが)
ミミック(……もう)
ミミック(もう……寂しいのもいやだ)
ミミック(なんのために生まれたかもわからない)
ミミック(ただひたすら冒険者がくるのを待つのみ)
ミミック(……来るはずのない冒険者を)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……いやだ)
ミミック(……もう一人はいやだ)
ミミック(外の世界を見たい)
ミミック(この暗いダンジョンを出たい)
ミミック(一度決めたんだ……もう二度と曲げたりはしない)
ミミック(……)
ミミック(何年、何百年かかろうと)
ミミック(絶対に――外の世界を見てみせる)
――――ガブッ
ズズッ…ズズッ…
ミミック(……)
ズズッ…ズズッ…
ミミック(……)
ズズッ…ズズッ…
ミミック(……)
ズズッ…ズズッ…
ミミック(……ここを右か)
ミミック(……)
ズズッ…ズズッ…
ミミック(……)
ミミック(……ここは左)
ミミック(……)
ズズッ…ズズッ…
ミミック(もう……何回階段をのぼったのだろうか)
ズズッ…ズズッ…
ミミック(何回壁にぶつかり、自らの舌を噛み切ったろうか)
ズズッ…ズズッ…
ミミック(……)
ズズッ…ズズッ…
ミミック(……まだ)
ズズッ…ズズッ…
ミミック(まだ出口には……つかないのか……)
ミミック(……)
ズズッ…ズズッ…
ミミック(……)
ズズッ…
ミミック(……)
ミミック(……?)
ミミック(なんだ、今何か……)
ミミック(何か……身体を撫でたような……)
ミミック(……?)
ミミック(なんだこの音は? 呼吸音に似ているが……)
ミミック(……)
ヒュゥウウウ…
ミミック(……右から)
ミミック(右から音が聞こえる……)
ミミック(……)
ヒュォオオオオ…
ミミック(音が近くなってきた……)
ミミック(何の音なのだろうか……)
ミミック(……)
ズズッ…ズズッ…
ヒュゥオオオオオ…
ミミック(……)
ミミック(……?)
ミミック(周りが少し暖かい……?)
ミミック(おかしい、今までダンジョンを這いずっててこんなことは一度も……)
ミミック(……)
ズズッ…ズズッ…
ミミック(……まさか)
ズズッ…ズズッ…
ミミック(まさか……そうなのか?)
ヒュゥオオオオオオ……
ミミック(……)
ズズッ…ズズッ…
ミミック(……)
ズズッ…ズズッ…
ミミック(……)
ズズッ――
ミミック(――っ!? なんだ?)
ミミック(背後が……体の背面が暖かい?)
ミミック(……! この周りを照らすものは……光?)
ミミック(だがダンジョン内の照明とは全然違う……)
ミミック(白い……それに暖かい)
ミミック(……)
ミミック(まるで……光そのものに包まれているかのようだ)
ミミック(……)
ズズッ…ズズッ…
ミミック(……)
ズズッ…ズズッ…
ミミック(光がどんどん強くなってきている……)
ズズッ…ズズッ…
ミミック(……)
ミミック(光の……)
ミミック(光の射してくる方向へ……)
ズズッ…ズズッ…
ミミック(っ!?)
ミミック(なんだ……? 急に眩しく……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……ああ)
ミミック(ああ……なんということだ)
ミミック(前を……前の景色を……)
ズズッ…ズズッ…
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……)
ミミック(……そうか、これが)
ミミック(これが――――外の世界か)
ミミック(……そうか、先程から聞こえていた呼吸音のようなもの……)
ミミック(これが風と言うものか……)
ミミック(風……なんとも気持ちいいものだ)
ミミック(……)
ミミック(……暖かい)
ミミック(外の世界は……こんなにも暖かかったのか……)
ミミック(地平線までつづく草原……)
ミミック(……どれも私が見たかったもの……)
ミミック(……)
ミミック(……何百年もの間……望んできたもの……)
ミミック(こんな……こんなにも素晴らしいものだったのか……)
ミミック(……)
ヒュオオオオオォ…
ミミック(安心したせいか、眠くなってきた)
ミミック(……)
ミミック(……少し)
ミミック(少しだけ眠ろう)
ミミック(目覚めたら……)
ミミック(目覚めたその時は……)
ミミック(……)
ミミック(この世界を……世界中を旅しよう)
ミミック(世界中の青空を見よう)
ミミック(世界中の草原を練り歩こう)
ミミック(少し……だけ……)
ミミック(……)
ミミック(……ああ、暖かい)
ミミック(こんな……)
ミミック(こんな暖かさの中で眠るのは――初めてだ)
・
・
「なあー……ホントに行くのかよ?」
「当たり前だろ、今さら引き返せねーよ」
「遺跡じゃねーよ! ダンジョンだダンジョン!」
「でもさー、ただの噂でしょ?」
「噂じゃねーよ! ホントのことだって!」
「村の皆にも内緒で出てきて……バレたらどうなることか」
「あーもううっさいなあ……いいから行くぞ!」
「はいはい……」
「……こんな草原のど真ん中に?」
「ああ、草原のどこかに穴みたいな入口があるんだって」
「穴みたいな?」
「ああ、そんで穴の目印が……」
「――あれ?」
「え? どうした?」
「え? ……ホントだ、なんだあれ? 箱?」
「……近づいて見てみる?」
「……そうだな、行ってみるか」
「箱だな」
「箱だね」
「……宝箱?」
「それにしては随分ボロボロだけど」
「だよなあ……」
「え? なにを?」
「目印だよ! 酒場のおっさんが言ってた入口の目印」
「目印?」
「うん、ボロボロの宝箱がダンジョンの目印だって。多分これのことだ」
「へえ……これがかあ」
「わあ……ホントにあったんだ」
「なあなあ! 早速入ってみようぜ!」
「ちょっと待ってよ……あ、その前にさ」
「あ? なんだよ?」
「この宝箱開けてみようよ、中に何が入ってるか気になるじゃない」
「一応見てみようって」
「……ちぇっ、しょうがねーなー」
「ほらほら、はやく来ないと勝手に開けちゃうよ?」
「待てって! 開けるなら一緒に開けるぞ!」
「……うん」
「開けるぞ」
「開けよう」
「「……」」
「「せーのっ!!」」
――――パカッ
「……」
「……空、だな」
「だね……」
「まあこんなもんだろうな」
「だね」
「多分酒場のおっさんが中身パクっちまったんだろ」
「多分そうだろうね」
「そうだね」
「んだよ、お前結局乗り気になってんじゃん。あんな文句言ってたくせによー」
「そんなことないって」
「いやぜってーそうだろ」
「そんなことないってば――――」
「――――!」
「―――! ―――!」
――――ズズッ
魔物はいなく、罠も無く、宝箱の一つも無かったそうだ。
そこはダンジョンなのに何も無い……到底冒険の舞台にはなりえない場所だった。
――――けれど、ただ一つ。
ただ一つだけ、少年たちが持ち帰ったものがある。
その宝箱が――二人がダンジョンを出るころには跡形もなくなくなっていたらしい。
宝箱は何処にいったのか?
そのたった一つの謎だけ抱えて、二人の少年は村に帰った。
誰かに持ち去られたのか、
一人でに動き出したのか、
それとも宝箱自体幻だったのか――最早定かではない。
……けれど、きっと
その宝箱は――未だこの青空の下にあるだろう。
――――――――END
まさかこんな長くなると思わなかった
お疲れ様でした
面白かったよ
よかったよかった
ハラハラしたわー
Entry ⇒ 2012.03.24 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ウィッチ「惚れ薬の作り方は……と」アルル「なにやってるの?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1332343326/
アルル「遊びに来たんだけど……何やってるの?」
ウィッチ「何って……その……」
ウィッチ(そうですわ。アルルさんを助手代わりに……人手は多いに越したことはありませんし)
ウィッチ「実は新しい魔法薬の研究なんですけど――」
アルル「ボクに? うーん、まあ暇だからいいよ」
ウィッチ「本当ですの? 恩に着ますわ♪」
ウィッチ(ついでに効果の程をアルルさんで試させてもらいますわ……)
――――
――
ウィッチ「完成ですわ」
アルル「ずいぶんあっけなく完成したね」
ウィッチ「優秀な助手がいたおかげよ」
アルル「優秀だなんて……えへへ///」
アルル(これ、魔法力が上がるって言ってたよね)
ウィッチ(アルルさんに飲ませるのは良いとして、相手をどうしましょう)
アルル(ボクも飲んでいいんだよね、手伝ったし)
ウィッチ(……変態しか思い浮かばないのが悲しいですけど……)
アルル(ウィッチも効果がちゃんと出るか知りたいだろうし、のど渇いたし)
ウィッチ(その中でもまだマシな方の変態でも後で呼びましょうか)
アルル(いただきまーす)ゴクゴク
ウィッチ「ねえ、アルルさん」
アルル「ふぇ?」プハー
ウィッチ「え゛、な、なんで飲んでしまってるんですの!?」
アルル「いいじゃん、ボクだって手伝ったんだしー」
ウィッチ「飲むのは構いませんけど、何も今飲まなくても……」
アルル「魔法力が上がるんでしょ? 別に今でも……」
ウィッチ「そ、それは……」
ウィッチ(まさか躊躇いもなく飲むとは思ってなかったから、適当に言っただけですのに)
アルル「うーん、でも魔法力が上がったような感じはしないかな?」
ウィッチ「そ、そうですの? 失敗なのかしらね、残念で――」
アルル「んー……」ジー
ウィッチ「な、なんですの?」
アルル「うぃっちぃ///」ニヘラ
ウィッチ「」
ウィッチ「あ、アルルさん、ちょっと落ち着きましょう」ジリジリ
アルル「なんで逃げるのぉ///」
ウィッチ「逃げてるわけじゃ……あ」ドン
アルル「んふふ、壁にぶつかっちゃったね///」
ウィッチ「え、えっと……まずは話し合いませんこと?」
アルル「いいよー、ボクもウィッチといっぱいおしゃべりしたいしね///」
ウィッチ「あ、ありがとう……それで、アルルさ」
アルル「触っても良いかな……ウィッチの髪」
ウィッチ「え? え、えぇ、触るくらいなら……」
アルル「うふふ、さらさらだぁ……」サワサワ
ウィッチ「ひゃっ///」
アルル「あ、手が当たっちゃった? びっくりさせてごめんね」
ウィッチ(な、なんで私首筋に触られただけで……///)ドキドキ
アルル「なーにー?」サワサワ
ウィッチ「先ほど作った薬を飲んでですね……」
アルル「ウィッチの髪の匂い、いい匂い……」クンクン
ウィッチ「な、なにをしてるんですの///」
アルル「髪だけじゃなくて、全部いい匂いがする……」クンクン
ウィッチ「な、な、な……///」
ウィッチ「だ、だ、ダメ! そんなのダメですわ///」
アルル「えー?」ギュウ
ウィッチ「な!? だ、抱きつい――///」
アルル「こうすれば逃げられないよいねー」クンクン
ウィッチ「か、嗅がないで! あ、ダメ、胸に顔を――///」
アルル「えへへー///」クンクン
ウィッチ(ど、どうすればいいのよこの状況!?)
ウィッチ「そ、そんなことありませんわよ///」
アルル「うぃっちぃ///」ギュウ
ウィッチ「そんなに強く……///」
アルル「ねぇ、ウィッチ……ボクのことどう思ってる?」
ウィッチ「あ、アルルさんは仲間で、ライバルで……大切な友人ですわ」
アルル「うん、ボクも同じ。でもね、もう一つ――」
ウィッチ「も、もう一つって……?」
アルル「とっても――大好きなんだ///」
ウィッチ「それって、と、友達としてってことですわよね///」
アルル「……違うって、わかってるよね///」
ウィッチ「///」
漂うエロス
ウィッチ「アルルさん、正気に戻って……」
アルル「……ボク、正気じゃないの?」
ウィッチ「アルルさんのその気持ちは、クスリのせいで……」
アルル「こんなにウィッチのことが好きになっちゃってるのに?」
ウィッチ「ク、クスリの///」
アルル「好きで好きでたまらなくなってこうやって抱きしめてるのも」
アルル「言わないでいようって思ってたのに好きだって言っちゃったのも」
アルル「今だけの勘違いだって言うの?」
ウィッチ「え――?」
ウィッチ「アルルさん……」
アルル「……言い出したキッカケはクスリのせいかもしれないけど」
アルル「好きな気持ちは、クスリのせいなんかじゃないんだ」
アルル「好き。ウィッチが大好き。とっても大好き」ギュウ
ウィッチ「……アルルさん」ギュウ
アルル「……返事、聞いてもいいかな?」
ウィッチ「わ、私も、アルルさんのことが、す、好き、ですわ///」
アルル「……嬉しい///」ギュー
ウィッチ「アルルさん……///」ギュー
ウィッチ「な、なにかしら……///」
アルル「……ふふ、わかってるくせに///」
ウィッチ「そ、その……き、き……///」
アルル「キス、して欲しいな///」
ウィッチ「///」
アルル「それとも、される方がいい?」
ウィッチ「わ、わ、わ、わ、わ、わ///」
アルル「じゃあ、ボクから……///」
アルル「そんなに固くならないで……」
ウィッチ「だ、だ、だって、私初めてで……///」
アルル「ボクだって初めてで緊張してるんだよ///」
ウィッチ「わ、わかったわ///」
アルル「ん……」スッ
ウィッチ(あ、アルルさんの吐息が唇に……)
アルル「……ちゅ……///」
ウィッチ「……ん……///」
アルル「……んぷ……///」
ウィッチ「……んゅ……///」
ウィッチ「……ぁ……///」
アルル「……ふふ、もっとしたかった?」
ウィッチ「あ、その///」
アルル「じゃあ今度はウィッチからして///」
ウィッチ「わ、私からですの!?」
アルル「して、欲しいな///」
ウィッチ「わ、わかりましたわ……///」
アルル「……優しくしてね///」
ウィッチ「///」
アルル「///」
ウィッチ「アルルさん……///」
アルル「ウィッチ……///」
ウィッチ「……んちゅ……///」
アルル「……んぅ……///」
アルル「……はぁ……///」
ウィッチ「ど、どうでした?///」
アルル「ど、どうって……気持ちよかったよ///」
ウィッチ「あ、そうじゃなくて、その、上手くできたかどうかと……///」
アルル「あ、ああ、うん。上手だったと思うよ、ってボクもよくわかんないけど///」
ウィッチ「///」
アルル「///」
ウィッチ「なんですの、アルルさん」
アルル「今日、泊まってってもいいかな///」
ウィッチ「と、泊まるって……///」
アルル「別に変な意味じゃないよ!? ただ今日は帰りたくないっていうか……///」
ウィッチ「え、ええ、泊まるのは別にかまいませんけど///」
ウィッチ「で、で、でもベッドは一つしかないですわよ///」
アルル「そこはほら、二人で一緒に寝れば///」
ウィッチ「そ、そうですわね///」
アルル「一緒に寝るだけだしね///」
ウィッチ「それじゃ、一度取りに帰ります?」
アルル「……ウィッチさえよければ、着替え貸してくれる、かな?」
ウィッチ「わ、私の服をですの?」
アルル「だ、ダメだよね。気になっちゃうよね?」
ウィッチ「私はぜんぜん構いませんけど……その、下着とかも///」
アルル「う、うん、じゃあ借りるね///」
ウィッチ「そ、それじゃあ、夕食の準備でも――」
アルル「うん。でも、その前に――」
ウィッチ「?」
アルル「もう一回だけ……///」
ウィッチ「あ……///」
アルル「……ちゅ……///」
ウィッチ「……む……///」
――
ウィッチ「じゃあ、電気を消しますわね」
アルル「うん」
ウィッチ「今日は大変な一日でしたわ」
アルル「ボクも遊びに来ただけでこうなるとは思わなかったよ」
ウィッチ「……ごめんなさいね、その……」
アルル「謝らなくていいよ。こうやってウィッチと恋人同士になれたんだからね」
ウィッチ「そ、そう言ってくれるとありがたいですわ///」
アルル「こうやって一緒のベッドで抱き合って寝るなんて思いもしなかったし///」
ウィッチ「そ、そうですわね///」
ウィッチ「アルルさん……」
アルル「……今キスしたら、ボク、止まらなくなっちゃうかもしれないよ?」
ウィッチ「あ、アルルさんなら、私、それでも……ゴニョゴニョ///」
アルル「……かわいい///」
ウィッチ「あ、アルルさんの方が///」
アルル「……大好きだよ///」チュッ
ウィッチ「……私もですわ///」チュッ
ウィッチ「あ、あるるさぁん……///」サワサワ
アルル「アルル、って呼んで欲しいな///」クニクニ
ウィッチ「あ、あ、あるるぅ……///」クニクニ
アルル「……パジャマのボタン、外すね……///」
ウィッチ「……ぅん///」
おしまい
おつかれさまです
あと一時間早くスレが立ってれば……
まどマギメインで書いてるのでいつになるかわかりませんがー
それでは皆様おやすみなさい。
またどこかのスレでお会いしましょう。
次は何を書こうかな。
たまにでいいのでまたぷよ百合ssおなしゃす!
Entry ⇒ 2012.03.23 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ゆり「私、実は音無くんのこと好きなのよ?」音無「は?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331220646/
音無「……誰が?」
ゆり「私が」
音無「……誰を?」
ゆり「あなたを」
音無「」
ゆり「……そんなに驚くことかしら?」
音無「あ、ああ、驚いたよ。……というか本気、なのか?」
ゆり「別にあなたにこんな嘘をつく必要がないでしょう?」
音無「まぁ、そりゃそうだけど……」
音無「あ、ああ……」
ゆり「……」
音無「……」
ゆり「……」
音無「……」
ゆり「……あと、たぶんあなたのことが好きなのは私だけじゃないわよ?」
音無「……え?」
音無「……マジで?」
ゆり「マジもマジ、大マジよ」
音無「……」
ゆり「私が言えるのはここまでよ。あとはその子達がどうするかだけど」
音無「……えっと、その、ゆり、お前は……」
ゆり「ああ、私はいいわよ。少なくとも今はね」
音無「……」
ゆり「ただ、その子達に負けるつもりはないわ。それだけはあなたも覚えておいて」
音無「あ、ああ……」
ゆり「それじゃあ、私の話はこれで終わりね。あとは好きにしていいわよ」
音無「あ、ああ、それじゃあ……」
音無(ゆりが俺の事を……?本気、だったのだろうか……?)
音無(しかも、他にも俺を好きな奴がいるって……)
音無(俺、まったく覚えがないんだけど……本当、なのか……?)
音無「うーん……」
かなで「……結弦?何してるの?」
音無「ああ、かなでか……」
かなで「どうしたの?何か悩み事?」
音無「ああ、ちょっと、な……」
音無「……あー、うーん……」
かなで「?……言いにくい事なの?」
音無「……言いにくいというか、なんというか……」
かなで「……私じゃ、力になれない?」
音無「あー、いや、そういうわけじゃないんだけどさ……」
かなで「?」
音無(かなでに相談しても大丈夫なんだろうか?あんまりこういう事を他人に言うのは良くない気がするけど……)
かなで「なに?」
音無「もし、かなでが突然知り合いに告白されたとしたら……どうする?」
かなで「告白?何の?」
音無「あー、要するに、好きって言われたらだよ」
かなで「……場所をわきまえてくれているのであれば、ちゃんと返事をするわ」
音無「……まぁ、そりゃそうだよな……(大山ェ……)」
音無「……まぁ、そうだと、思う……」
かなで「……」
音無「……かなで?」
かなで「……なに?」
音無「え?ああ、いや、黙ってどうしたのかなって思ってさ」
かなで「別に、なんでもないわ」
音無「そ、そうか。……それじゃあ、俺は行くよ。これはやっぱ俺が自分で解決しないといけないしさ」
かなで「どこに行くの?」
音無「いや、ちょっと頭冷やしたいから、適当にぶらつくだけだよ」
かなで「……そう」
音無「ああ、話し聞いてくれてありがとな。それじゃ」
かなで「……うん」
かなで(……なんだろう、この気持ち……少し、胸が痛いわ……)
音無(……とは言ったものの、どうすりゃいいんだ……)
音無(そりゃ、ゆりは良い奴だと思うし……可愛いと思うけど……)
音無(しかも、他にも俺を好きな奴がいるって言われてもな……)
音無「……どうすりゃいいんだよ……」
岩沢「……ん?記憶無し男じゃないか。ここで何してるんだ?」
音無「ああ、岩沢か。……まぁ、ちょっとな」
岩沢「なんだ、はっきりしない言い方だな。何かあったのか?」
音無「あったと言えばあったんだけど、さ……」
音無「!?……まぁ、そんなとこ、だよ」
岩沢「……え?」
音無「……だから今、正直困ってるんだよ」
岩沢「だ、誰に告白されたんだ?」
音無「……え?……ああ、いや、でもそれ言っていいものなのか……?」
岩沢「……そうだな。それは、良くない、か……」
俺得過ぎる
岩沢「……そうか」
音無「……参考までに聞くけど、岩沢は誰かに告白された事はあるか?」
岩沢「……いや、私はそういうのは……」
音無「そっか。まぁ、俺も初めてだったから、ちょっとよくわからなくてさ、ははは……」
岩沢「……」
音無「まぁ、とりあえず、向こうは待ってくれるみたいだから、もう少しゆっくり考えるつもりだよ」
岩沢「……そうか」
岩沢「……ああ」
音無「……ああ、あとさ」
岩沢「?」
音無「いつだったかくれた飲み物、ありがとな。美味かったよ」
岩沢「!?」
音無「じゃ、それじゃあ俺はこれで」
岩沢「……まっ、待て!」
岩沢「……あっ、その、だな……」
音無「?」
岩沢「………~~~ッ!」
音無「???」
岩沢「……好きだ……」
音無「……は?」
音無「……」
岩沢「……」
音無「……」
岩沢「……」
音無「……」
岩沢「……な、何か言え……ッ!///」
音無「え?あっ、いや、その……」
音無(嘘、だろ?岩沢が俺を?……ゆりが言っていたのは、岩沢の事だったのか……)
岩沢「……それだけ、か?」
音無「え?……あ、ああ、う、嬉しいよ」
岩沢「……」
音無「……」
岩沢「……ふぅ……まぁ、突然こんなこと言われてもそれが普通の反応か……」
音無「い、岩沢?」
岩沢「ふぅー、なんかすっきりした。以前から気になっていたんだ、お前の事がさ」
音無「そ、そうなのか……」
音無「あ、ああ、まぁ、そうか……」
岩沢「お前、あれ飲んだんだよな?」
音無「あ、ああ、飲んだけど?」
岩沢「間接キス、だよな、それ」
音無「!?」
岩沢「責任、取ってもらうぞ?」
音無「い、いや、その……///」
岩沢「……はは、冗談だよ。……ただ、覚えておいてくれ。さっきのは本心だから」
音無「……」
音無(岩沢も、俺の事が好きだったのか……)
音無(……ゆり、岩沢、一体どうしたっていうんだ……)
音無「はぁ、どうすりゃいいんだ、俺は……」
椎名「……」
音無「はぁ……」
椎名「……おい」
音無「!?……な、なんだ椎名か、驚かすなよ」
椎名「私は驚かしたつもりはない」
音無「いや、気配遮断してただろ……」
椎名「……あさはかなり」
書いてくよ
音無「にしても椎名、珍しいな」
椎名「……何がだ」
音無「いや、緊急事態でもないのに、こんな風に話すのがさ」
椎名「……」
音無「あっ、別に悪いわけじゃないぞ。……気に障ったのなら謝る。悪かった」
椎名「……別にいい。ただ私は別に話さないわけじゃない」
椎名「あ、あれは……」
音無「改めて言うまでもないけど、お前は俺なんかよりもよっぽど強いぞ?」
椎名「……」
音無「俺よりもずっと運動神経いいしさ。俺はかなで……天使となんて戦ったら一瞬でやられるだろうしさ」
椎名「……お前の強さは、そういうものではない」
音無「え?」
音無「い、いや、俺は別に……」
椎名「……お前が来て、この戦線は少しずつ変わってきている」
音無「……」
椎名「……それが良いことかどうかは私には判断できない。だが、私はそのお前の強さは認めている」
音無「椎名、お前……」
椎名「……だから、私はお前に少し興味がある」
音無「……え?」
音無「……」
椎名「……お前は私より確かに弱い。戦闘も集中力も私はお前に劣るとは思わない」
音無「……まぁ、そりゃそうだろうけど」
椎名「……だが、お前の意志の強さは、私のそれに勝るとも劣らない」
音無「い、いや、そんなことないぞ?俺はただ……」
椎名「……私はそのお前の強さがどこからくるのか知りたくなった」
そこんとこよろしく
音無「……椎名、俺はそんな大した人間じゃないよ」
椎名「……」
音無「俺はたださ、俺が死ぬ直前で手に入れることができた、報われた気持ちをみんなにも味わってほしかっただけだ」
椎名「……」
音無「この世界の住人は、それを持つ事無く死んでしまった者たちだ。……俺はそれを悲しいと思った」
椎名「……」
音無「だから、俺と同じ気持ちをみんなも持てたら良いはずだ……そんなある種の俺の我侭なんだよ」
音無「え?」
椎名「……いや、なんでもない……」
音無「……救うよ」
椎名「!」
音無「椎名が、それを望むのなら、俺は救ってみせるよ」
椎名「……」
椎名「……なら、私と結ばれろ」
音無「……は?」
椎名「……わ、私の望みは、私より強い男と結ばれる事だ……///」
音無「」
音無(……おい、これって、まさか……)
音無「……」
椎名「……そもそも、私より強い男など私の周りにはいなかった」
音無「だ、だったら俺だって……!」
椎名「……お前は違う。お前のその強さは、私にはない強さだ」
音無「そ、そんなことないって!お前だってさっきそう……」
椎名「……他人を想う強さ。それがお前の強さだと、やっとわかった」
音無「……」
音無「……」
椎名「……だから、お前なら……いや、お前が私の傍にいてくれるなら、私は……」
音無「……」
椎名「……返事はすぐでなくともいい。いずれ聞かせてくれればそれでいい」
音無「……その、椎名、俺は……」
音無「……ま、待ってくれ。……その、椎名は、相手が強ければいいのか?それとも……」
椎名「……お前だからいいんだ。そんなこと言わせるな……///」
音無「!?」
椎名「……]
音無「……椎名、ありがとう……でも、少し考えさせてくれ」
椎名「……」コクリ
音無「……あー、その、嬉しかったよ」
椎名「!?……あ、あさはかなり……///」シュ!
音無(まさか椎名までもが俺の事を……)
音無(ゆり、岩沢、椎名……まだ、いるのか?)
音無(……俺、いつの間にこんな……)
音無(……どうすりゃ、いいんだよ)
音無「……はぁ」
遊佐「……音無さん?どうしたんですかこんなところで?」
遊佐「ええ、今日は少し暇をもらったので」
音無「……そっか。いつも見張りご苦労様」
遊佐「いえ、私の性に合っているので、逆に助かりますよ」
音無「……そうか……まぁ、今日くらいはゆっくりしてくれ」
遊佐「?音無さん?どうかしたんですか?何か悩み事でもある風ですが……」
遊佐「……色恋沙汰ですか」
音無「!?……な、なんで」
遊佐「図星ですか……まぁ、一応、これでも戦線一のオペレーターだと自負しているので」
音無(オペレーターだからって、あんま関係ないんじゃ……)
音無「……はは、俺達も優秀なオペレーターを持ったもんだよ」
遊佐「それで?一体どうしたんですか?誰かに告白でもされたんですか?」
遊佐「……音無さんって随分とわかりやすい方ですね」
音無「……はぁ、遊佐には敵わないな」
遊佐「これでも戦線一のオペレーターですので」
音無(自負じゃなくなったよ……)
音無「……まぁ、とりあえずそんなところだよ」
遊佐「……なら、もう少し喜ぶべきではないでしょうか?女子に告白されるのは男子としては嬉しいのでは?」
音無「そりゃ嬉しいさ。嬉しいけど……」
音無「……お前、どうしてそんなに鋭いんだ」
遊佐「これでも死んだ世界一のオペレーターですので」
音無「……まぁいいや……とりあえず、そんなこんなで悩んでるんだよ」
遊佐「……」
音無「どうすればいいんだ……これからどんな顔してあいつらに会えば……はぁ……」
音無「えっ!?何かあるのか!?」
遊佐「はい。まぁ、音無さん次第ではありますが」
音無「なになに!教えてくれ!」
遊佐「……そんなに知りたいですか?」
音無「ああ!頼む!」
遊佐「……それじゃあ」
音無「……」ゴクリ
遊佐「……私と音無さんがすでに付き合っている事にすればいいんです」
音無「……は?」
音無「ま、待て!それはまずいだろう!」
遊佐「何がですか?」
音無「何がって……まず遊佐に悪いだろう」
遊佐「……」
音無「好きでもない相手と付き合うフリなんて誰だって嫌だろ?……それに、今日俺に告白してくれた奴にも騙して悪いし」
遊佐「……じゃあ、私が音無さんを好きなら問題ないわけですよね?」
音無「え?」
音無「それはそうだけど……って、ちょっと待て!?なんか色々とおかしいぞお前!?」
遊佐「別段おかしくはないと思いますが?」
音無「いやおかしいだろ!?まず遊佐、お前、俺のことなんか好きじゃないだろ!?」
遊佐「いえ、好きですよ?」
音無「」
音無「……それは、別に俺が恋愛対象で好きってわけじゃ……」
遊佐「……鈍いですね」
音無「え?」
遊佐「そんなことだからいつの間にか色んなフラグが立つんですよ」
音無「……」
遊佐「……はぁ、じゃあはっきり言いますよ?……好きです、音無さん……これでいいですか……?///」
遊佐「……確かに、私達には直接的な接点はあまり多くはありません。……ですが、私は通常、どういう役割でしたか?」
音無「……オペレーター」
遊佐「そうです。私はオペレーター。その役割は情報の収集、伝達、そして状況確認と監視などです」
音無「えっと、それが一体?」
遊佐「つまり、私は屋上とかから皆さんの動きをよく見ていたんですよ。別に変な意味じゃなく」
音無「……」
遊佐「音無さんが戦線に参入して来てから、私は音無さんも見る必要があったんですよ。別に変な意味じゃなく」
遊佐「正直、最初は変な人だなって思っていたんです」
音無「変な人?」
遊佐「はい。最初、あなたからは何かをしようとかっていう気が感じられませんでしたから」
音無「……」
遊佐「いつもゆりっぺさんの、戦線の流れに合わせているだけ……私はそんなあなたを見て思いました」
音無「……何をさ?」
遊佐「この人は一体何を考えているんだろう?何がしたいんだろう?どうしてここにいるんだろう?と」
音無「……」
音無「……」
遊佐「私も四六時中あなたを見ているわけにもいきませんから、あなたの行動全部が全部と言えるわけではありませんが……」
音無「……」
遊佐「……あなたの行動は、基本誰かのためなんですね」
音無「!?」
音無(そんなこと、椎名も言ってたな……)
音無「そんなこと……」
遊佐「ゆりっぺさん、日向さん、ユイさん、敵であった直井くん、そして戦線の宿敵である天使に対してまで、分け隔てなく」
音無「……」
遊佐「この戦線が今こうして変わってきているのも、確実にあなたの力によるものです」
音無「それは……」
遊佐「そんな姿をずっと見てたら、そりゃ誰だって好きになりますよ」
音無「……」
音無「あ、ああ、いや、その……ありがとう。こんな俺を好きになってくれてさ」
遊佐「……いえ、私が勝手にあなたを好きになっただけですから。気にしないで下さい。最悪、忘れてしまっても結構です」
音無「それはできない」
遊佐「……え?」
音無「……時間はもらうことになるけど、ちゃんと考えるから。それまで待って欲しい」
遊佐「……あぅ、わ、わかりました……待っています……///」
音無「ありがとう……それじゃ、俺はもう行くよ。……ちゃんと考えるから」
遊佐「……はい。どんな結果であろうと構いません。……ただ待っています」
音無「ありがとう……それじゃあ、な」
遊佐「……はい」
音無(ゆり、岩沢、椎名、そして遊佐……)
音無(俺を好きになってくれたのはスゲー嬉しいけど……)
音無(……俺なんかのどこがいいんだ……)
音無(そして、俺はどうすればいいんだ……)
音無「……はぁ、でもちゃんと決めて返事しなきゃな……」
かなで「……結弦?」
音無「……ああ、かなでか。また会ったな」
かなで「……なんだか、さっきよりも深刻そうな顔してるけど、何かあったの?」
かなで「……同じ人から?それとも違う人から?」
音無「……違う人から」
かなで「……」
音無「……みんな、真剣に俺を想ってくれてるみたいだから、さ……俺もちゃんと決めて返事しなきゃって思って……でも……」
かなで「……決めれないの?」
音無「……悩んでるんだ。みんな、良い奴だと思ってるし、みんな、その……可愛いし……」
かなで「……」
かなで「……結弦の好きなようにすればいいんじゃないの?」
音無「え?」
かなで「……結弦、少し屈んで、目を閉じて」
音無「え?なんで?」
かなで「お願い」
音無「……わかった」スッ
音無「!?か、かなで!?な、何を!?」
音無(な、なんで頭抱えられて、抱きしめられてんだよ!?……む、胸が……///)
かなで「……目を瞑って、黙って私の心臓の音を聞いて」
音無「そ、そんなこと言われても……///」
かなで「結弦。お願い」
音無「!?……わかった」
音無(なんで、こんなに真剣なんだ……?)
音無(俺の、本当に好きな人……?)トクン…トクン…
かなで「……結弦。あなたの心に刻まれてる人は、誰?」
音無(俺の、心に刻まれてる人……)トクン…トクン…
かなで「……結弦。あなたが誰よりも守りたい人は、誰?」
音無(俺が、誰よりも守りたいと思う人は……ッ!)トクン…トクン…
かなで「……結弦。どうだった?」
音無「……ああ、決めたよ。というか、最初から決まってたんだ」
かなで「うん」
音無「あいつから告白されて、突然の事に上手く自分の気持ちを言えなかったんだ」
かなで「うん」
音無「情けねぇ……あいつは自分の気持ちを言ってくれたってのに、俺はそれから逃げようとしたんだ……」
かなで「……そうね」
音無「その迷走した挙句、他の奴らの気持ちを俺は……」
音無「な、なんで……」
かなで「その子達があなたに想いを告げたのは彼女達の意思。それは結弦のせいじゃない」
音無「でも俺が、すぐ返事できてれば……」
かなで「結弦がすぐ返事をしていれば、彼女達は結弦に想いを告げる事さえできなかった、そうじゃない?」
音無「それは……そうかもしれないけど……でも……」
音無「……」
かなで「想いを告げてくれた相手には、ちゃんと返事をしなくちゃいけないの。……それが断りの内容であっても」
音無「……そうか。そうだな。……それが、俺の最低限の責任だよな」
かなで「……うん」
音無「……ありがとう、かなで。お前のお陰で、決心がついたよ」
かなで「ううん、気にしないで。全部、結弦自身の力だから」
音無「いや、違うよ。かなでのお陰さ。かなでが心臓の音で、俺を落ち着かせてくれたからだよ」
かなで「ふふ、それが結弦自身の力なの」
音無「?」
音無「……ああ、そうだな……まずは、気持ちを伝えに行くよ」
かなで「……うん、頑張って」
音無「ああ、行ってくる……ほんとにありがとな、かなで」
かなで「ううん、いいの……それじゃあ、いってらっしゃい」
音無「ああ!」ダッ
かなで(……私はずるいのね。結弦にアドバイスなんてできる立場じゃないのにね……)
かなで(……どうか、彼女達がこの先幸福な人生を歩める事を……)
音無「……返事を言いに来た」
???「……」
音無「……でも返事を言う前に少し話したい事がある」
???「?」
音無「今日さ、お前の他にも複数人にから告白された」
???「……」
音無「色々と迷走しちゃったけどさ、最初から俺の心は決まってたんだよ」
???「……」
音無「突然の事だったからさ、すぐ返事できなかったけど、今ちゃんと返事をしたい。そしてもう一度、君の言葉を聞かせて欲しい」
???「……」
音無「…………好きだ…………………………ゆり……」
音無「ゆりでいいんじゃない、ゆりがいいんだ」
ゆり「!?……わ、私、こう男勝りだし、か、可愛げだってないわよ……?」
音無「そんなことない。ゆりは可愛いと思うぞ」
ゆり「そ、そんなこと……///」
音無「それに、男勝りって言ったけど、それは戦線のリーダーとして立派にやってるからだろ?」
ゆり「わ、私の性格が元々そうだから、よ……///」
音無「ならそれも含めてゆりだろ?俺はそんなゆりが、仲村ゆりが好きになったんだよ」
ゆり「!?」
ゆり「……///」
音無「戦線のリーダーとして、戦線を守るお前を、俺は守りたい……ダメか?」
ゆり「……う、ううん、ううん……あり、がとう……音無くん……ぐすっ……///」
音無「ゆり……」ダキッ
ゆり「あっ……ありがとう、音無くん…………あなたが、好きです……///」ギュッ
音無「こちらこそ、ありがとう……」
音無「それも俺がちゃんと返事をする。だから大丈夫だ」
ゆり「……悲しむ、でしょうね……私は、みんなのリーダーなのに……」
音無「……そう言わないでくれ、ゆり。俺が全部受け止める。その覚悟ももうしてるから」
ゆり「……うん」
音無「……だから、ゆりは笑っていてくれ。俺はゆりの笑顔が見たいから……」
ゆり「……うん///」ニコッ
音無「……ありがとう。そして、これからよろしく」
ゆり「……うん、こちらこそ、よろしく……結弦……///」
エピローグ
音無「……ふぅ、まぁ、こんなもんかな……ゆり、あと何か必要なものはあるか?」
ゆり「いえ、もう大丈夫よ、結弦。……少し休憩しましょ?」
音無「ああ、そうだな……じゃあ、ちょっと飲み物でも買ってくるか……何か飲みたい物あるか?」
ゆり「うーん、そうね。じゃあ、Keyコーヒーをお願い。微糖で」
音無「了解。すぐ戻ってくるよ」
ゆり「うん……ま、待ってるから、早く来なさいよ……!///」
音無「はは、了解したよ。……それじゃ行ってくるよ」
音無「さてと、さっさと行かなきゃな……ん?」
岩沢「……ん?ああ、記憶無し男……じゃなくて音無か。どうしたんだ?」
音無「……いやなに、ちょっと休憩がてら飲み物でも買いに行こうと思ってさ」
岩沢「……ふーん、どうやら、ゆりとはうまくいってるみたいだな」
音無「あ、ああ、まぁな……///」
岩沢「……はは、それは何よりだ」
音無「岩沢……その、さ」
音無「岩沢、お前……」
岩沢「残念ではあったが、相手がゆりなら、な。それにお前はちゃんと私の気持ちも受け止めて、その上で返事をくれた」
音無「……」
岩沢「それが断りの内容であっても、私は嬉しかったよ。お前が私の事を真剣に考えてくれてさ」
音無「……ありがとな、岩沢」
岩沢「……こちらこそ……まぁ、それに私には音楽があるからな。それだけで十分生きていけるんだよ」
音無「……はは、相変わらずの音楽キチっぷりだな」
音無「ああ、それじゃあな。……バンド、頑張れよ」
岩沢「ああ、言われずとも」
岩沢(……悔しくない、はずがない……)
岩沢(……初恋は、上手くいかないっていうけどね……)
岩沢(……でも、私は良い奴に恋をしたものだ、ホント)
岩沢「……さて、じゃあバンドの練習でもすっか!」
音無(……岩沢は、ああ言ってたけど、ホントはどうなんだろうな……)
音無(あいつは、俺を恨んだりしてないのか……?)
音無(俺は……)
椎名「……」
音無「うーん……」
椎名「……おい」
音無「……ん?なんだ椎名?」
音無「まぁ、慣れてきたしな。そう毎度毎度驚いてたまるか」
椎名「……あさはかなり」
音無「……お前は相変わらずだよなー」
椎名「?どういうことだ?」
音無「いや、そのまんまの意味だよ。ホントぶれないなと思ってな」
椎名「……そうでもない」
音無「え?」
音無「……椎名、その……」
椎名「……ふっ、冗談だ」
音無「え?」
椎名「……確かに、お前に断られた時は少しばかり残念に思ったが、それだけだ」
音無「……」
椎名「……私は忍だ。強さを求めるくノ一だ。男など二の次だ」
椎名「……それに相手があのゆりならば、頷ける」
音無「え?」
椎名「……あいつは強い。心も体も。女でありながら、この私と同じくらい」
音無「……」
椎名「……だが、それ故に自分を犠牲にしようとする事がある」
音無「……そう、だな」
音無「……」
椎名「……それがお前ならば特にな」
音無「椎名……」
椎名「……強い女の側には、強い男がいるべきだ」
音無「……ああ、ゆりは俺が必ず守るよ」
音無「ああ、俺も行かなきゃ。ゆりが待ってるし」
椎名「……ふっ、そうか。ならば行け」
音無「ああ。椎名、色々ありがとな」
椎名「……礼には及ばん」
音無「……それじゃあ、な。また今度色々話そうぜ」
椎名「……ふっ、あさはかなり」シュッ
音無(椎名も、ホントに良い奴だな……)
音無(……でも、岩沢も、椎名も、何故ああも応援してくれるんだろうか……)
音無(俺は、あいつらを……)
音無「……後悔は、してないはずなんだけど、な」
遊佐「何が、後悔してないはず、なんですか?」
音無「!?ゆ、遊佐!?」
音無「あ、ああ、わ、悪い」
遊佐「それで?さっきのは一体どういうことですか?」
音無「あっ、いや、別に……」
遊佐「……私を、いえ、私達を振った事を、ですか?」
音無「……」
遊佐「図星ですか。相変わらずわかりやすい方ですね、音無さんは」
遊佐「後悔してくれないと困りますよ」
音無「え?」
遊佐「だってこんな美少女を振ったんですよ?後悔してくれないとこっちがへこみます」
音無「……えっと」
遊佐「……ですが、私達じゃなく、ゆりっぺさんを選んだことには後悔はしないで下さい」
音無「……ああ、それだけは絶対にしない」
音無「遊佐、お前は……」
遊佐「音無さんは私の事も真剣に考えてくれたんですよね?」
音無「ああ、もちろんだ」
遊佐「少なくとも、私はそれで十分です。選ばれなかったのは残念ですが、ゆりっぺさんなら納得もできるので」
音無「……遊佐、ありがとな」
音無「そ、そうだよな。ははは……」
遊佐「……さてと、それはそうと音無さん。何かご用事があったんじゃないんですか?」
音無「あっ!やばい!ゆりを待たせてるんだ!そ、それじゃあな!また今度!」ダッ
遊佐「はい、ではまた」
遊佐(ホントに見ていて飽きない、不思議な人ですね……)
遊佐(……さて、これからもいっちょ頑張りますか)
音無(遊佐も、ホントに良い奴だな……)
音無(岩沢、椎名、遊佐……ゆり、俺達は良い仲間を持ったよな)
音無(にしても……)
音無「……まずい……結構時間経ってるよな……」
かなで「……結弦?」
音無「おお、かなで。何してるんだ?」
かなで「校内の巡回。結弦は?」
かなで「ふたつ?」
音無「ああ、ひとつはゆりのだよ」
かなで「……そう。うまくいってるみたいね」
音無「……はは、みんな心配してくれるんだな」
かなで「みんな?」
音無「ああ、前に俺に告白してくれた奴らだよ。さっきも会ってさ」
音無「そうだって?何が?」
かなで「結弦とゆりを応援するってこと」
音無「……」
かなで「?結弦?」
音無「……実際のところ、どうなんだろうな」
かなで「?」
音無「あいつらを疑うわけじゃない……けど、それでも俺は、あいつらから……」
音無「……俺は優しくなんて……」
かなで「優しいから、彼女達を振ったのを苦しんでるんじゃないの?」
音無「……」
かなで「結弦。それは結弦の良い所だと思う」
音無「……」
かなで「でも、それであなたが苦しむのは間違いだわ」
かなで「彼女達はあなたとゆりを応援してくれてる。心に想いは残ってるだろうけど」
音無「……」
かなで「でも、あなたは彼女達のことを真剣に考えて結論を出したんでしょ?」
音無「……ああ」
かなで「彼女達は、それに満足していなかった?」
音無「してくれてた、みたいだけど……」
かなで「なら、あなたはそれを疑わずに信じなきゃダメ」
かなで「そして、あなたはあなたの意思を貫いて」
音無「……」
かなで「ゆりの側で、ゆりを支えてあげて」
音無「……ああ、わかった」
かなで「みんな、心からそれを応援してくれると思うから」
音無「……ありがとう、かなで。約束するよ。俺は俺の意思を貫く。……ゆりを守る」
音無「ああ、頑張るよ……かなでには、ホント励まされてばっかりだな」
かなで「ううん、私は大したことなんかしてない。それに……」
かなで(……それに、あなたは私に、命をくれたから……)
音無「それに?」
かなで「……ううん、なんでもない。……それよりもいいの?ゆりを待たせてるんじゃないの?」
音無「あ!悪いかなで!とりあえずまた今度な!」ダッ
かなで「うん。また」
かなで(……どうか、あの二人に末永い幸せが訪れますように……)
音無「わ、悪い、ゆり!遅れた!」
ゆり「……そう、別にいいわ」ゴソゴソ
音無「ゆ、ゆり?……怒ってる?」
ゆり「……別に怒ってないわよ」ゴソゴソ
音無「じゃ、じゃあ、どうして顔向けてくれないのかなって……ははは……」
ゆり「……い、今作業中だから、ちょっと待ちなさい!」
音無「お、おう……」
音無(やっぱ、怒ってるよなぁ……まぁ、しょうがないか……)
ゆり(ああー、もう!なんであんな恥ずかしい事かなでちゃんに言うの……!///)
ゆり(でも……)
ゆり「……ね、ねぇ、結弦」ゴソゴソ
音無「!?な、なんだ?」
ゆり「……これからも、私の側にいてくれる?」ゴソゴソ
音無「……ああ、もちろんだ」
音無「ホントだよ」
ゆり「……ホントにホント?」
音無「ホントにホントだよ」
ゆり「ありがとう……結弦……」
音無「ゆり……」ダキッ
ゆり「あっ……!///」
ゆり「……うん……///」ギュ
音無「これからも頑張ろう。二人で、そして戦線みんなで……」
ゆり「ええ、あなたが、みんながいれば、私は頑張れる……」
音無「ゆり…………好きだ…………」
ゆり「……うん、私も大好き……」
音無(そう言って微笑んだ彼女の顔は、何よりも眩しくて―――)
音無(俺はそんな笑顔を、これからもずっと守ろうと改めて誓った―――)
Fin
舞台裏の悲しき者達
野田「意エアwyほら;vほwjヴぃはうvhヴhh!!!」
直井「そんな、バカな……神である僕が、あんな下賎な女に……お、音無さぁあああああああああんッ!」
日向「お前ら……」
ユイ「ホント、アホですね♪」
ほんとに終わり
それじゃいつかまた
さて、ここから個別ルートとハーレムルートか…
野田ェ…
Entry ⇒ 2012.03.14 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
エトナ「殿下ー、弱点克服したいって本気ですかー?」
そのままにしておくワケにはいかんからな」
ラハール「別世界の魔王が攻めてきたとき、こんな弱点のせいでやられて
しまったら死んでも死にきれん」
エトナ「まー、それもそうですね」
ラハール「だからオレ様は弱点を克服することに決めたのだ!
克服して、完全無欠の魔王になってやる!」
ラハール「ハーッハッハッハッハッハッハっ!」
ラハール「うむ!貴様も知ってのとおりオレ様の弱点はあのムチプリだ。
あのムチプリを前にするとどーしても身体が動かなくなる」
エトナ「はあ」
ラハール「そこでだ!ムチプリを克服する為にまずは徐々に慣らそうと思う」
ラハール「そう!女体だ!女体に慣れる特訓をするのだ!!!」
エトナ「なるほどー。それで超絶美少女悪魔であるこのエトナちゃん
に白羽の矢が立ったってワケですねー?」ビシッ!
ラハール「うむ!貴様は女だが胸がぺったんこだからな!最初のステップ
にしては丁度よかろう!」
エトナ「…………」ビキッ!
・
・
・
ラハール「はっ!?ここは!?」バッ
エトナ「あれー、どうしたんです、殿下ー?」
ラハール「あ、いや」
ラハール(おかしいな。何故オレ様はこんなところで寝ていたのだ?)
ラハール「おい、エトナ…」クルッ
エトナ「死ねっ!!!」ゴオッ
ラハール「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」ササッ
エトナ「ちっ」
ラハール「貴様、何をする!?」
ラハール「お前なー。そんな武器で攻撃するなんて、オレ様を起こしたいのか
殺したいのかどっちなんだ?」
エトナ「殺したかったんです♪」
ラハール「む?」
エトナ「あ、いえ。どっちでも…」
ラハール「それよりエトナ、オレ様はなぜこんな所で寝ていたのだ?」クルッ
エトナ「えーっと、確か特訓するためとか言ってましたよ」
ラハール「特訓!?このオレ様が?」
エトナ「ええ、なんでもムチプリを克服するとかなんとか」
ラハール「ああ、そーだった、そーだった!それで確か……」チラッ
エトナ「はい♪」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ラハール「…………フ、フロンにお願いに行こうとしたんだったか?」タラッ
エトナ「はい♪なんだ殿下ちゃんと覚えてたんじゃないですかー♪
そーですよ!『ペチャパイの』フロンちゃんにとこに行く
とこだったんですよー」
エトナ「『あたしじゃなくて』!『フロンちゃんの!』」
ラハール「だ、だよな…そーだよな?」タラッ
ラハール(な、なぜかは分からんが一刻も早くこの場を去った方が
良い気がする。オレ様の第六感がそう告げている!)
ラハール「で、では行って来る!後は任せた」
エトナ「はい殿下!行ってらっしゃーい!」ヒラヒラ
『フロンの☝部屋❤』
ラハール「おい、フロン。入るぞー」ガチャ
フロン「あっ、ダメ!ダメです!そんなところ汚いですよぅ!うわー…
うおー…ふおおおおおおおおおお!!!!」
ラハール「…………」
フロン「あんっ!ダメ!だめですぅ!」
ラハール「おい」ガシッ
フロン「え?」
ラハール「……」
フロン「……」
フロン「えええええええええええええええええええええええええ!?」
ラハール「なんでって、この城はオレ様のものだからオレ様がいても不思議
ではあるまい」
フロン「そーじゃなくて!どーして乙女の部屋にノックもせずに入ってきて
るんですか、あなたは!」
ラハール「一応、声はかけたぞ?」
フロン「わたしは返事してないですよ!?」
フロン「悪魔でも魔王でも乙女の部屋は許可なく入っちゃいけないんですー!
聖域なんですよ!聖域!」
ラハール「聖域~?このゴミ溜めがか?」
フロン「うぅぅぅぅぅ…」
ラハール「そんなことより貴様は布団かぶっていったい何をやってるんだ?」
フロン「!!! あ、あのこれは、その……」
フロン「い、いやだなー、ラハールさん!そんなことあるワケない
じゃないですかー」
ラハール「ふん、天使のくせにおもらしとは恥ずかしい奴め」
フロン「お、おもらしなんかしてませんからっ!」
ラハール「じゃあ、布団あげてもいいんだな?」
フロン「ぐっ…」
ラハール「ふっ、やはりな……やーい、おもらし天使ー♪」
フロン「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬ…」
オレ様の言う事を聞くんだな」
フロン「だから!わたしはおもらししてないって!」
ラハール「往生際が悪いぞフロン!どんなに隠したってこの布団のしみが
動かぬ証拠――」」バッ
フロン「え?」
ラハール「……え?」パチクリ
フロン「き!?」
フロン「きゃああああああああああああああああああああああああ!?」
ラハール「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
ラハール「ぐはっ!?」
フロン「うわあああああああああああああああああああん!!!!」バキッ
ラハール「ごへっ!?」
フロン「ばかあああああああああああああああああああああ!!!!!」ズドン!
ラハール「ぐへはあああああああああっ!?」
・
・
・
ラハール「う……うーん?」ムクッ
ラハール「い、いたたたたた……ここはいったい…?」
フロン「……」ムスッ!
ラハール「お、おお、フロン」
フロン「ラハールさん…」
ラハール「ん?」
フロン「覚えてますか?」
ラハール「覚えている?何を?」
ラハール「さっきまで……はて……そういえば記憶がはっきりしないが
オレ様はなぜこんな所にいるのだ?」
フロン「本当に覚えてないんですね?」ジトー
ラハール「だから今それを聞いて!」
フロン「そうですか」ニコッ
ラハール「!?」ゾクッ
フロン「きっと頭に重度の怪我を負って記憶が消えてしまっただけです。
心配いりません」
ラハール「記憶が無くなるって……問題だらけだろ!」
フロン「いいんです!心配ありませんからっ!」ゴゥッ
ラハール「そ、そーなのか?」ビクッ
フロン「はい♪」ニコッ
ラハール「おいフロン。オレ様はどうして貴様の部屋にいるのだ?」
フロン「そんなのわたしが知るワケないじゃないですかー」
ラハール「お前がオレ様を連れてきたんじゃないのか?」
フロン「ラ、ラハールさんが勝手に入ってきたんじゃないですか!」
ラハール「そうなのか?」
フロン「当り前です!どーしてわたしがラハールさんを部屋に呼ばなくちゃ
ならないんですか!ぷんぷん!」
ラハール(オレ様が自分で来たのになんで記憶を失ってんだ…こいつ何か
隠してるんじゃ…)ジィッ
フロン「なんです?」ギロッ
ラハール「いや、別に…………ん?なんだこれ?」ヒョイ
カチッ
ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ…
ラハール「……」
フロン「……」
ラハール(お、思いだしたぁ…)サァァァァ
フロン(か、片づけ忘れてたぁ!)
ラハール「……」チラッ
フロン「……」チラッ
ラ・フ「あはははっははははは。あははははははははははははははははははは!」
ラハール「さらばだっ!」ダッ
フロン「に、逃がしませんよっ!」バッ
ラハール「どけ、フロン!」
フロン「いーえ、その様子だとどーやら思いだしたみたいですね!」
ラハール「お、思いだしてなんかない!ただオレ様はちょっとお腹の
調子が悪くなってきたからトイレに行こーかなーと…」
フロン「行かせません!」
ラハール「なっ!?」
ラハール「お、お前はもう十分殴ったではないか!これ以上やるといくら
オレ様でも本気で死ぬぞ!?」
フロン「やっぱり、思いだしてたんですね?」
ラハール「あ……」
フロン「その記憶!完全に消し去るまで!」バッ
ラハール「ちょ!?」
フロン「いざ!」ダッ
フロン「えっ?」
ラハール「! チャンス!!!」
ラハール「うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」ダダダダッ
フロン「あっ、し、しまった!」
ラハール「ハーッハッハッハッハッハ!さらばだぁ!」ダッ
フロン「に、にがしちゃいましたぁ!うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
エトナ「ねえ、フロンちゃん?」
フロン「エトナさんのせいですよぉ!」クルッ
エトナ「えぇっ?あたしなんか不味った?」
フロン「不味すぎです!」
エトナ「うーん。なんか良く分かんないけどごめんね?」
フロン「ど、どーしましょぉ…」ショボン
ラハール「はあ、はあ、はあ……ふう、ここまで逃げれば大丈夫だろ」
ラハール「よっこいせっと。はー、つかれたぁ…」ドサッ
ラハール「…………それにしてもフロンがまさかあんなことを…」
ラハール「女のあそこって、あんなに拡がるものだったんだな」
ラハール「あんなにでっかい馬のチンチンが入るなんて……」
ラハール「い、いかん!なにを考えているのだオレ様は!?」
ラハール「だが、なんだこれは?股間が……あつい」ムクムク
ラハール「く、くそっ…!どうしたというのだ!たかがフロンの股間を
見た程度で……股間を……うっ」ムクムク
ラハール「だ、ダメだ。抑えきれない!」ボロン
ラハール「な、なぜかちんちんを擦ると妙に気持ちいい…」
ラハール「はあ、はあ、はあ……し、しかしこんなトコで裸になってるのを
他の悪魔に見られては……だが……」シュッシュッシュ
ラハール「はあ、はあ、はあ……む?あそこの木のあたりなら」
ラハール「よしっ!」バッ
ラハール「こ、ここなら誰にも見られずに出来るな」
ラハール「はあはあはあはあはあ!」シュッシュッシュ
ラハール「な、なんだかこの木の幹がさっきのフロンの股間に見えてきた…」
ラハール「は、はあ、はあっ!」
ラハール「く、来るっ!ナニカ!ナニか来るっ!」シュッシュッシュ
ラハール「うわああああああああああ!!!」ドピュッ ピュピュッ
木「!!!」ピカァァァァァァァァ
ラハール「な、なんだぁ!?」
ラハール「……え?」
アーチャー「…………はじめまして」ベタベタ
ラハール「あ、ああ。こちらこそはじめまして」
アーチャー「……」
ラハール「…………」
ラハール「えええええええええええええええええええっ!?」
アーチャー「あなたが絶頂した瞬間です」
ラハール「絶頂…?よ、よく分からんがなんで突然目の前に現れたりしたのだ!」
アーチャー「何故って……丁度生まれるタイミングでしたから」
ラハール「生まれる?」
アーチャー「はい。私たちは木から生まれる悪魔ですから」
アーチャー「それより…」
ラハール「む?」
アーチャー「いつまで全裸のままでいるつもりですか?」
ラハール「え?」キョロキョロ
ラハール「う、うわぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!?」バババババッ
アーチャー「そりゃ、まあ…」
ラハール「殺す!」ジャキッ
アーチャー「…………」
ラハール「な、なにか言え!」
アーチャー「感想ですか?そうですね……すこし、小さいと思います」
ラハール「誰がちんちんの話をしろと言った!?命乞いはしないのかと
聞いているのだ!」
絶望的なので…」←レベル1
ラハール「た、たしかに…」←レベル3000
アーチャー「はい」
ラハール「だ、だが良いのか?生まれてすぐに死ぬなど、やりたいことが
沢山あるだろう?」
アーチャー「そーですね。出来れば長生きしたいです」
ラハール「だったら!」
アーチャー「まあ、悪魔ですし、死んでもどうせすぐ転生出来ますから」
ラハール「そ、そうか…そうだったな…」
アーチャー「はい」スッ
ラハール「では!」バッ
アーチャー「…………」
アーチャー「? ……どうしたのですか?」
ラハール「いや、ちょっと待て」スッ
ラハール(もしオレ様がこいつを殺した場合こいつの記憶はどうなるのだ?)
アーチャー「?」
ほとんど……となると、つまりこいつはオレ様がちんちんを
擦ってる記憶を持ったまま生まれ変わる?)
ラハール(そんなことになったら…)
エトナ「あっれー?殿下ってば大きな木の下でちんちん擦ってたんですかぁ?」
プリニー「さすが殿下ッス!いくら悪魔でも全裸で魔界を歩くなんて無理っス!
そこに痺れるッス!憧れるッス!」
フロン「ぷっ、ラハールさんって変態ですね」クスクスクス
ラハール「うおおおおおおおおおおお!?魔王としてのオレ様の
威厳がぁぁぁぁ!?」
誰かに喋ったたら終わりだぁぁぁ!)
アーチャー「あのー、殺さないんですか?」
ラハール「ぐぬぬぬぬぬぬ…」
ラハール(かと言って記憶を完全に消し去れるかどうかなんて…)
ラハール(こいつの次の転生先も分からないんじゃあ確かめようが……
っていうか気付いた頃にはもう…うぅぅぅぅ)
アーチャー「え?」
ラハール「見逃してやると言っているんだ。ありがたく思うんだな!」
アーチャー「はあ…どうも…」ペコッ
ラハール「…………」
アーチャー「あの、まだ何か?」
ラハール「いや、確かにオレ様は貴様を見逃してやる。見逃してやるが、
貴様はオレ様に借りが出来たワケだ」
アーチャー「そーですね」
ラハール「そこでだ!貴様はその借りを返すべくオレ様の部下になれ!」
アーチャー「えー…」
アーチャー「嫌ですよー。だって殺されても転生出来るんですから別に
見逃してもらわなくたって…」
アーチャー「というより、むしろアテもなく、ひたすらあなたの様な子供に
コキ使われるなんてぞっとします」
ラハール「オレ様は子供じゃない!」
アーチャー「……そうでしょうか?」チラッ
ラハール「ぐぬぬぬぬぬぬ!そ、それに生まれたばっかりの貴様の方が
年下ではないか!」
アーチャー「まあ、それはそーですけど…」
のが嫌だとでも?」ギロッ
アーチャー「魔王?あなたが?」
ラハール「そーだ!驚いたかぁ?」
アーチャー「ぷっ」
ラハール「笑うなぁ!!!」イラッ
ラハール「貴様、オレ様が魔王だと信じてないだろう…」
アーチャー「信じてますよー、少しは」
ラハール「あと、本当に貴様はアーチャーなのか?なんか今まで見てきた
奴らと少し違うような気が……見た目は一緒のペッタ……ゴホン!
一緒みたいだが」
アーチャー「あー、それはー…………別に気にすることないですよ」
ラハール「? ……むぅ、まあいいか」
ってことはここずっと一人芝居かwww
ラハール「あ、ちょっと…」
アーチャー「なんです?」
ラハール「い、今は少しワケがあって城には戻れないのだ」
アーチャー「…………」ジトー
ラハール「ああっ!貴様、また疑っているな!?」
アーチャー「だって、魔王なのに魔王城に入れないって…」
ラハール「わ、ワケがあるのだ!」
アーチャー「ふーん…」
仕方ないのかもしれませんね」ニコッ
ラハール「オ◯ニー?なんだそれは?」
アーチャー「え、知らないんですか?」
ラハール「知っていたなら聞くわけなかろう!なんだ、オ◯ニーというのは?」
アーチャー「ふーん」ニヤニヤ
アーチャー「知りたいですか?」
ラハール「当り前だ!」
アーチャー「どーしよっかなー?」クスクス
ラハール「貴様!オレ様の部下だろう!さっさと教えろ!」
アーチャー「うーん、……嫌です♪」
ラハール「なっ!?」
アーチャー「魔王様にはこういうのはまだ早いと思いますからー」ニコニコ
アーチャー「気にいらなければ殺して頂いて結構ですよ?」クスクス
ラハール「く、くそぅ!」
アーチャー「ふふふ……やっぱり殺せないんですね♪」ニコニコ
ラハール「貴様ぁぁぁ~~~~!」
アーチャー「殺したいのに殺せない葛藤と戦ってる魔王様、素敵です♪」
ラハール「この、悪魔め!」
アーチャー「ありがとうございます。悪魔冥利に尽きます」ニコニコ
ラハール「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬ…」
ラハール(な、なんとか……こいつをなんとかしなければ城に
帰るどころじゃないぞ!?)
ラハール(そうだ。たしかマデラスと戦ったとき、あいつはエトナの記憶を
……。だからあいつは……!これだ!)
ラハール(こいつをマデラスの所まで連れて行き、記憶を奪えばオレ様の
恥ずかしい記憶は完璧に消せる!ついでに記憶の奪い方を習って
フロンの記憶も消せば城に戻れる!)
ラハール「よしっ!目的地が決まった!行くぞ!」
アーチャー「はーい」
フロン「あうぅぅ……ラハールさんドコいったんでしょー?」
エトナ「ねー、フロンちゃーん。いーかげんなんで殿下探してるか教えて
欲しーんだけどー」
フロン「ええっ!?そ、それは…」
エトナ「なによー。教えてくんないの?あたし無償で働くのって苦手
なのよねー。せめて理由だけでも教えてよー。おねがーい」
フロン「うぅぅぅ…」
当たり前なのー?」
フロン「そ、そんなことないですっ!」
エトナ「だったら、ねー良いじゃん良いじゃん♪」
フロン「じ、実は……」
エトナ「……」プルプル
フロン「……と、いうわけなんです。シクシク」
エトナ「あーっははははははははははっ!あははははははははははっ!」
エトナ「で、殿下にオ◯ニー見られたから記憶消すために探してるぅ!?」
フロン「エ、エトナさん!声が大きいですよっ!しー!しー!」
エトナ「あははははははははははははははははははっ!あ~~~~ははははははははははっ」
エトナ「ひーひー、お腹くるしー」
エトナ「あーっと、ちょっと待って。あたし気になるんだけど、
ちなみそれ、どんな格好でしてたの?」
フロン「それは……えーっとお尻突き上げて、こう……
お布団かぶってたところを……」
エトナ「あははははははははっはははははっ!」ゲラゲラ
フロン「エトナさんっ!」
フロン「うぅぅぅぅぅ……昔はこんなにしたくなることなかったんですけど
堕天使になってからというもの性欲が強くなりすぎてしまって…」
エトナ「あー、確かに魔界の空気は天使には辛いかもねー」
フロン「魔界の空気?魔界の空気を吸うとエッチになっちゃうんですか?」
エトナ「そりゃそーでしょー、魔界の女悪魔の有名どころなんて
皆エロいじゃん。きっと魔界に住んでるからエロエロなのよー」
エトナ「どーかなー?」ニヤニヤ
プリニー「エトナ様はエッチな妄想よくしてるけど、変なトコで乙女チック
っすから他の女悪魔みたいにビッチではないッスよ」
プリニー2「こないだなんかポエムまで書いてたっスし」
プリニー3「オレは隠し部屋で日記見つけたっス」
プリニー4「意外と貞操観念しっかりしてる悪魔なんスねー、エトナ様」
フロン「へー…」
エトナ「って、あんたらいつの間に!?」
エトナ「戻りましたっス!じゃねえええええええええええええええええっ!!!」
プリニーズ「ひいっ!?」ビクッ
エトナ「あんたら、なんであたしの秘密知ってんのよ!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
プリニー「そ、それは…」
プリニー2「いやー、俺ら元々マデラス様にエトナ様の見張りとして
派遣されてた監視役っすから…」
プリニー3「エトナ様のことなら大抵知ってるっスよ!」ビシッ
プリニー4「うっ……ほ、本当ッス。マデラス様はエトナ様の弱みを徹底的に
握って飼いならすために、記憶以外にもエトナ様のありとあらゆる
情報を集めてたっス」
エトナ「具体的には?」
プリニー4「う……えーと、まずエトナ様の生理周期、食事、排泄回数、
排泄物の味、臭い、オ◯ニーの回数、お尻の穴のしわの数
などなど…」
エトナ「へえ…」プルプル
フロン「うっわー、凄い変態さんですねぇ」
おい
仕事だったから…」
エトナ「言い訳すんな!!!」ガシッ
ボカアアアアアアアアアン!!!!
プリニー2「ひいっ!?」
エトナ「マデラスのやろー、どうやら前回のおしおきじゃ、ぜーんぜん
足りてなかったみたいねぇ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
フロン「あのー、エトナさん?」
殿下探しは後は一人でやってね」ニコッ
プリニー2「ひいいいいいいい」ガタガタガタガタ
エトナ「着いて来な、プリニー隊!あんたたちはマデラスを殺ったあとに
おしおきしてあげるから!」
プリニー3「やっぱりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」ブルブルブルブル
エトナ「それとも、今死にたい?」
プリニー4「どっちも嫌っすぅぅぅぅぅぅぅうぅ!!!」ガタガタガタ
エトナ「いいから黙って着いてくる!ほらっ!」ガシッ
ズルズルズルズル
フロン「みなさん、お気をつけてー…」フルフル
フロン「……」
フロン「はぁ……けっきょく一人で探すはめになっちゃいましたか…」
フロン「いや、でもこんな所でくじけてなんかいられません!」
フロン「ラハールさんの記憶を完璧に消し去るまで、わたしは闘い続けます!」
フロン「とー!」
ラハール「……おい」
アーチャー「はい」
ラハール「なんだ、この荷物は!?」
アーチャー「なにって、アイテムですけど」
ラハール「そんなことは分かってる!いったいなんでこんなにアイテムを
拾っているのかと聞いているのだ!」
アーチャー「えー、だって使うじゃないですか」
ラハール「こんなに使ってたまるか!」
しれないけど、わたしレベル1ですからねー」
アーチャー「どーしてもアイテムは多めに持っとかないと、すぐに
死んじゃいますから」
ラハール「だからって何もこんなに……本当にこの噛んだガムとか使うのか?
食べ残しだぞ、これ…」
アーチャー「いやだなー、それは私のじゃなくて魔王様用ですよー」
ラハール「はあ?」
ラハール「あーん?」
アーチャー「えいっ♪」ポイッ
ラハール「ふぐっ!?」
アーチャー「よーく味わってくださいね?」ニコニコ
ラハール「貴様、いったい何のつもり……うっ!?」
アーチャー「おぉ、さすが魔界の毒蛾の鱗粉!レベル3000の魔王様を
痺れさせるなんて♪」
ラハール「貴様、まさかさっきのガムに仕掛けを…」
アーチャー「はい♪別魔界の毒蛾の鱗粉なんですけど効果バッチシですね」
ラハール「べ、別魔界ぃ!?」
アーチャー「ヴェルダイムとかいう田舎の魔界です。聞いたことありません?」
アーチャー「そーですかー」
ラハール「それより、なぜ貴様が別魔界のアイテムなど持っておるのだ!
生まれたばかりのくせにおかしいではないか!」
アーチャー「あーっと、実はわたし生まれたっていうか、転生して来たっていうか…」
アーチャー「はい」
ラハール「じゃあ転生前はなんだというのだ!まさか別魔界の魔王とでも
言うつもりではあるまいな?」
アーチャー「あー、魔王じゃないです」
ラハール「ふん、やはり…」
アーチャー「超魔王です」
ラハール「はあっ!?」
だろう?貴様とは似ても似つかぬいかつい奴だぞ!?」
ラハール「貴様は、その超魔王バールだと言うのか!?」
アーチャー「……すみません、ウソです」
ラハール「ウソかよっ!」
アーチャー「いやー、魔王様って本当に魔王様だったんですね。
私ウソだと思ってました」
アーチャー「あ、これ解毒剤です、どうぞ」スッ
ラハール「おい、意味が分からんぞ。説明しろ」
ちょっと試しただけです」
ラハール「おい」
アーチャー「けど普通そうでしょう?生まれたばかりの私に向かって
勢いよくぶっかけてる子供を魔王だなんて誰も思いませんよ」
ラハール「……」
アーチャー「でも、まさか超魔王バール様の名前が出て、しかも超魔王様
が封印されてる事まで知ってるなんて間違いなくあなたは
魔王様です。よかったですね誤解が解けて」
ラハール「あのなぁ……はぁ、言葉も出てこん」
アーチャー「はい。でも安心して下さい。今は信じてますから」
アーチャー「はい?」
ラハール「なんで貴様は別魔界のアイテムを持っておるのだ?おかしいだろ」
アーチャー「持ってるっていうか、買ったんです。ローゼンクイン商会で」
ラハール「はあ!?」
アーチャー「さいきん不況みたいで色々仕入れてるみたいですよ。脅したら
沢山くれました」
ラハール「脅したらって、お前……」
アーチャー「さっきもこれ貰っちゃいました。馬のチンチン、ほらっ」プランプラン
ラハール「こんなのも売ってるのか!?」
アーチャー「最近の売れ筋(裏筋)ナンバーワンみたいですよ?」ニコッ
手に入れたのかと思っていたが、通販かなにかで買っていたんだな…」
ラハール「これで魔王城の財政が傾いていた理由が分かったぞ!あの女共め!」
ラハール「一時期テレビやネット通販でやたらと買い物してたと思ったら
こんなもんまで魔王城の経費で落としてたんだな!」
アーチャー「通販?ああ、あの万能ロボとかのことですか?」
ラハール「そーだ!万能包丁がついてくるとか言って、あまり役にも立たん
ロボットを買ったりと、なにかと通販で買い物しまくってたのだ!
しかもツケで!」
アーチャー「……そういえば魔王様、頭がボーッとしたりとかはしませんか?」
ラハール「む?よく分かったな。そうなのだ。実はさっきから頭が重くて……」
ラハール「はっ!?」
アーチャー「よかった、ちゃんと効いたんですね。忘却剤と堕落剤」
ラハール「き、貴様!もしやさっきの解毒剤というのは…」クラクラ
アーチャー「はい、ウソです♪中身はド忘れ状態と堕落状態にしちゃう
お薬です♪」
ラハール「な……なんだとっ…」
ラハール「くっ……!」
アーチャー「知ってます?どんなに強い悪魔でも状態異常にしちゃえば
簡単に倒せるんですよ?」クスクス
アーチャー「ストーリー序盤でお金もなくて武器も弱い悪魔のレベル上げ
には最適ですよね。この方法」クスクス
オレ様は……」
アーチャー「まあ、普通ならそうですけど……さらに魔王様を毒状態に
すればどうでしょう?」
ラハール「!?」
アーチャー「そして私と魔王様は仲間ですので携帯袋から……」ゴソゴソ
アーチャー「ほらっ♪」ヌゥ
ラハール(ま、魔剣良綱っ!?)
アーチャー「ふふっ♪」
ラハール「くそっ!も、目的はなんだ!?そして貴様は誰なんだ!?」
アーチャー「目的?とくにないです。誰か?悪魔ですよ、ただの」ニコッ
ラハール「ぐぅっ……」
ラハール「くっ……!!!」
エトナ「どっせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇいい!!!」
アーチャー「はっ!?」サッ
エトナ「あっちゃー、避けられるとは……やるね、あんた」
ラハール「エトナ!」
エトナ「あっ、殿下。お久しぶりでーす。フロンちゃん怒ってましたよ?」
ラハール「話は後だ。何とかしろ!」
エトナ「そんな言い方されると助けたくなくなっちゃうな―」クスクスクス
エトナ「はいはい。プリニー隊!」
プリニー2「はいっス!殿下、この薬を…」
ラハール「うむ!」ゴクゴクゴク
アーチャー「ちっ!」
ラハール「ハーッハッハッハッハッハ!形勢逆転だなぁ?」シャキーン
エトナ「あー、魔剣良綱レベル100!なんであんたが!」
アーチャー「貰った。そこの魔王様にね」
エトナ「殿下~」ジロッ
ラハール「ち、ちがう!あいつが勝手に奪ってったんだ!」
エトナ「ほんとですか~?」
ラハール「少しはオレ様を信じろ!」
ではないな?何者だ!?」
アーチャー?「ふふふふふふふふふ……」ズズズズズズ
プリニー2「うわっ、身体が黒っぽくなってるッス!」
アーチャー「わたしは裏時空の受け渡し人…」
ラハール「裏…」
エトナ「…時空?」
もう一つの魔界…」
ラハール「ふん!その魔界への受け渡し人がお前だと?」
アーチャー「そうだ…」
エトナ「ふーん。でもなんでまたこんな所にいるワケ?」
アーチャー?「強い波動を感じたからだ…」
アーチャー?「裏魔界の住人達はあまりに強くて暇を持て余している。
そこでこちらの魔界で、ある一定の強さに達した者を
本当に通用するかどうか、わたしが見極めて連れて行く
というわけだ」
アーチャー?「違う」
エトナ「え?」
アーチャー?「お前ではなく、用があるのは魔王だけだ」
エトナ「カッチーン!最高に礼儀が鳴ってない奴ねー」
エトナ「殿下ー、こいつあたしが倒しちゃっても良いですよねー?」
とくと見せつけるいい機会ではないか!」
ラハール「貴様は手を出すな!」
エトナ「カッチーン……このガキャー、こっちが下手に出てりゃ偉そうに!
良いんですか?こんなとこでもたもたやってるとフロンちゃん
に殺されますよー?」
ラハール「ぐっ……」
フロン「心配いりませんって♪もう見つけちゃいましたから~」ニコニコ
ラハール「……え?」サァァァァァ
フロン「ラハールさん!覚悟して下さいね?」ギュ
ラハール「うおおおおおおおおおおおおっ!?」ササッ
ラハール「こ、殺す気か!?」ドキドキ
フロン「当り前じゃないですかー、殺す気でやらないと記憶なんて
すぐに戻っちゃうんですよー?」
ラハール「こいつ……」
ラハール「あれ……オレ様の武器…………あ!」
ラハール「ああああああ!オレ様の魔剣良綱ぁぁぁぁぁ!!!」
アーチャー?「ふふふふふふ……」
ラハール「あのヤロー……」
ラハール(どうする?いくらオレ様でも武器なしの状態でフロンを相手に
するのは……)
プリニー3「こ、怖いッス」ガタガタ
ラハール「おい、プリニー。これ装備しろ」サッ
プリニー3「え?こ、これって……宇宙筋…」
ラハール「さっさとせんかあ!」
プリニー3「は、はいっス!」バッ
ラハール「よーし!装備したな?では……いっけえええええええ!!!!」ドシュン
プリニー3「や、やっぱりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
フロン「残念ながら爆発に巻き込まれそうだったので先に逃げてました。
ごめんなさいプリニーさん。あなたの死は無駄死にです」ササッ
ラハール「なっ、いつの間に後ろに!?」
フロン「ではラハールさん、覚悟してくださいねっ?」ニコッ
ラハール「うわあああああああああああああああああ!?」
アーチャー?「……」
エトナ「無口な奴ー。これだから色が黒い奴は陰気なのよねー」
アーチャー?「ふっ…」
エトナ「あぁっ!いま笑ったっしょ、絶対!」
アーチャー「ション便臭い小娘がいきがる程、裏地空は甘くはない」ヒュンヒュンヒュン
エトナ「ふん!そこまで言うなら見せてもらいましょーか、裏地空の力って奴を!」
エトナ「へ?」
アーチャー?「言い忘れていたが、私が魔王を試そうとしていたとき、
すでにこのフィールドは裏時空につなげてあった」
エトナ「意味分かんない奴ねー。裏時空がなんだってんのよ?」
アーチャー?「冥土の土産に教えてやる。プレイする時はターン経過に
気をつけろ」
エトナ「はあ?」
アーチャー「この世界にはダーク太陽というモノが存在する」
エトナ「ん?なにこの音…?」
アーチャー?「つまり……『ゲームオーバー』だ」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
エトナ「いいいっ!?ちょ…!?」
アーチャー?「さようなら……魔王とそのしもべ達。貴様たちに
裏面はまだ早かったようだ」
アーチャー?「なんだ、生きていたのか……だがもう手遅れ…」
ラハール「ふん!甘いな、貴様は。これはゲームなどではない。そして
あの太陽が落ちて来る前に貴様を倒せばそれであの太陽は消える。
そうだろう?」
アーチャー?「そうだったところで武器を持たないあなたがどうやって…」
ラハール「武器なら……ここにある!!!」
アーチャー?「ふっ、ふふふふふふふふ♪まさかとは思うが馬のチンチンで
この魔剣良綱と戦うと?無謀だ。それに第一それは防具!武器の
代わりには……」
ラハール「それは……どうかな?」ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ
アーチャー?「なっ、馬のチンチンが小刻みに震えだした!?」
ラハール「そうだ!オレ様はすっかり忘れていたが、フロンが布団の中で
尻穴にこれを突っ込んでいた時も、そしてオレ様が記憶を
取り戻した時も、たしかにこれは震えていた!!!」
ラハール「これはスイッチを入れることにより、防具から武器に変化する
幻のアイテムっ!」
アーチャー?「!」バッ
フロン「」ピクピク
ラハール「くらえ裏時空の受け渡し人!!!これが……これが魔王ラハール様
の力だあああああああああああああああああ!!!!」
ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!!!
アーチャー?「あああああああああああああああああん!!!」
フロン「ラハールさん!今日はわたしにしてくれるって約束した
じゃないですかー!」フリフリ
ラハール「あー、ちょっと待ってろ。あとちょっとだから…」
アルラウネ「あああああん❤そこぉぉぉぉぉぉ!」
エトナ「だめよ、フロンちゃん!殿下は次はあたしにしてくれるって
言ってんだから!」ピチャピチャ
アーチャー?「あの……その……」モジモジ
女盗賊「……ぼくのハート、盗まれちゃった…」
ラハールは弱点を克服するとまではいかないが、つるペタ少女に
囲まれながら、淫らな生活を送っていた。
この様子だともう少しすれば、ムチプリを完全に克服するのも
そう遠い未来ではないのかもしれない……
エトナ「殿下ー、弱点克服したいって本気ですかー?」 終わり
読んでくれた人ありがとーございました
終わるのかーせっかくのディスガイアSSなのに残念だ
非常によかった
Entry ⇒ 2012.03.10 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
サスケ「ナルトォ・・・・・」 ナルト「サスケェ・・・・・」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330695148/
サスケ「誰やあれ・・・・・」
ナルト「俺の兄弟子やで・・・・・」
サスケ「やらしい目しとるで・・・・・」
ナルト「失礼な事言ったらあかんで・・・・・」
サスケ「えっ・・・・・」
長門「長門やよろしく・・・・・」
サスケ「・・・・・」
ナルト「どないしたんや・・・・・」
サスケ「・・・・・」
ナルト「サスケェ・・・・・」
サスケ「ハァ・・・・・ハァ・・・・・」
ナルト「サスケェ・・・・・?」
サスケ「・・・・・」
ナルト「あかん過呼吸や・・・・・」
ナルト「大丈夫や・・・・・」
サスケ「治まったわ・・・・・」
ナルト「心配かけんなや・・・・・」
サスケ「すまんなァ・・・・・」
長門「医者連れてったろか・・・・・」
サスケ「触んなや・・・・・」
ナルト「サスケェ・・・・・」
サスケ「こんな奴がええんかナルト・・・・・」
ナルト「失礼なこと言うなや・・・・・」
サスケ「もう絶交やでお前とは・・・・・」
ナルト「ええで・・・・・」
サスケ「・・・・・」
長門「ええんか・・・・・」
ナルト「ええんや・・・・・」
イタチ「落ち込むとオ◯ニーする癖は変わらんな・・・・・」
サスケ「イタチィ・・・・・」
イタチ「何かあったんか・・・・・」
サスケ「ナルトが奪われたんや・・・・・」
イタチ「ナルト君がか・・・・・」
サスケ「俺悔しいわ・・・・・」
イタチ「泣いたらあかんで・・・・・」
サスケ「悔しいわ・・・・・」
イタチ「解った兄ちゃんが取り戻したるわ・・・・・」
サスケ「すまんなァ・・・・・」
イタチ「行くで鬼鮫・・・・・」
鬼鮫「えっ・・・・・」
イタチ「行くで・・・・・」
鬼鮫「お、おう・・・・・」
ナルト「イタチィ・・・・・」
長門「イタチィ・・・・・」
イタチ「何で俺の名前知ってるんや・・・・・」
長門「僕はペインやで・・・・・」
鬼鮫「嘘やリーダーはもっと怖い顔しとるわ・・・・・」
長門「ホンマやで・・・・・」
イタチ「証拠はあるんか・・・・・」
長門「声が一緒やろ・・・・・」
イタチ「ホンマや・・・・・」
ナルト「どういうことだってばよ・・・・・」
イタチ「帰るで鬼鮫・・・・・」
鬼鮫「絶対リーダーとちゃいますよ・・・・・」
イタチ「帰るで・・・・・」
鬼鮫「・・・・・」
イタチ「兄ちゃんの会社の上司やったわ・・・・・」
鬼鮫「ちゃうであれは・・・・・」
サスケ「強いんか・・・・・」
イタチ「強いで・・・・・」
鬼鮫「絶対にちゃうで・・・・・」
サスケ「すまんなァ兄さん・・・・・」
イタチ「ええんやで・・・・・」
鬼鮫「リーダーとちゃうで・・・・・」
イタチ「声が一緒やったやろ・・・・・」
鬼鮫「イタチはん・・・・・」
イタチ「兄ちゃんにできる事あったら何かしたるで・・・・・」
サスケ「もうええよ・・・・・」
イタチ「サスケェ・・・・・」
ディダラ「うちはのガキ・・・・・」
サスケ「誰や・・・・・」
ディダラ「イタチの同僚や忘れたんか・・・・・うん」
サスケ「知らんなァ・・・・・」
ディダラ「イタチに頼まれて来てあげたんやで・・・・・うん」
サスケ「兄さん・・・・・」
ディダラ「そいつを倒したら俺イタチより強いやろ・・・・・」
サスケ「それは無いで・・・・・」
ディダラ「弟想いの兄ちゃんやであれは・・・・・」
サスケ「せやろ・・・・・」
ディダラ「芸術は爆発やで・・・・・」
長門「ディダラ・・・・・」
デイダラ「えっ知ってんの・・・・・」
長門「僕や・・・・・」
デイダラ「誰や・・・・・」
長門「解るやろ・・・・・」
デイダラ「誰や・・・・・」
サソリ「リーダーや・・・・・」
デイダラ「サソリの旦那・・・・・」
サソリ「帰るで・・・・・」
デイダラ「ちゃうやろ・・・・・」
サソリ「・・・・・?」
デイダラ「リーダーとちゃうで・・・・・」
デイダラ「リーダーは顔に色々と刺さってるで・・・・・」
サソリ「でもリーダーやで・・・・・」
デイダラ「全然ちゃうで・・・・・」
サソリ「声が一緒やろ・・・・・」
デイダラ「絶対にちゃうで・・・・・」
サソリ「・・・・・」
デイダラ「・・・・・」
サソリ「コンビ解散やな・・・・・」
デイダラ「ええで・・・・・」
長門「勝手に解散したらアカンで・・・・・」
デイダラ「余計なお世話や・・・・・」
デイダラ「相方と喧嘩して別れたわ・・・・・」
サスケ「そうか・・・・・」
ゼツ「サイキンアツマリガワルイトオモッタラ・・・・・」
サスケ「キモ・・・・・」
デイダラ「ゼツ・・・・・」
ゼツ「呼ばれてるでみんな・・・・・」
サスケ「俺もか・・・・・?」
ゼツ「キミモキョウハトクベツヤ・・・・・」
デイダラ「俺はもう組織を抜けるで・・・・・」
ゼツ「何でや・・・・・」
デイダラ「信用できへんのや・・・・・」
ゼツ「スキニセエヤ・・・・・」
長門「暁解散しよと思ってるんや・・・・・」
ナルト「何でや・・・・・」
長門「大人の事情やで・・・・・」
ナルト「さよか・・・・・」
長門「・・・・・」
ナルト「・・・・・」
長門「・・・・・」
ナルト「何で解散するんや・・・・・」
長門「言えへんよ・・・・・」
ナルト「教えてや・・・・・」
長門「・・・・・」
小南「誰やこの子・・・・・」
ゼツ「イタチノオトウトヤデ」
イタチ「サスケェ・・・・・」
角都「兄弟揃って暁入り何て珍しいで・・・・・」
サスケ「体験入社やで・・・・・」
角都「・・・・・」
小南「ペインが行方不明になったんや・・・・・」
イタチ「僕見たで・・・・・」
小南「ホンマか・・・・・?」
イタチ「木の葉隠れの里におるで・・・・・」
小南「解ったわ・・・・・」
長門「・・・・・」
イタチ「まだ居たんか・・・・・」
ナルト「イタチィ・・・・・」
イタチ「小南はんが来るで・・・・・」
長門「アカン・・・・・」
ナルト「どういうことだってばよ・・・・・」
長門「逃げるで・・・・・」
イタチ「逃がさへんで・・・・・」
長門「・・・・・」
イタチ「写輪眼するで・・・・・」
長門「僕は幻術やでイタチ・・・・・」
イタチ「・・・・・!?」
長門「いつまでも同じ場所におるわけないやろ・・・・・」
イタチ「確かに・・・・・」
長門「逃げるで・・・・・」
ナルト「お、おう・・・・・」
イタチ「・・・・・」
鬼鮫「逃げられてますよ・・・・・」
イタチ「あれは幻術やで・・・・・」
鬼鮫「・・・・・?」
イタチ「幻術なんや・・・・・」
鬼鮫「イタチはんが言うなら・・・・・」
サソリ「幻術とちゃうやろ・・・・・」
イタチ「幻術やで・・・・・」
サスケ「ナルトに会いたくないんや・・・・・」
角都「友達と喧嘩したらアカンで・・・・・」
サスケ「友達ちゃうわ・・・・・」
角都「・・・・・」
飛段「いくで角都・・・・・」
角都「ああ・・・・・」
飛段「自分はええんか・・・・・」
サスケ「ええんや・・・・・」
ゼツ「コウカイスルデ・・・・・」
サスケ「しつこいで・・・・・」
イタチ「逃げられてしまいましたわ・・・・・」
サソリ「・・・・・」
イタチ「幻術のせいやで・・・・・」
小南「追うわよ・・・・・」
サソリ「へい・・・・・」
鬼鮫「女性に命令されるなんて私たちも落ちたものですね・・・・・」
サソリ「めっちゃ強いんやであの人・・・・・」
長門「訳ありなんや・・・・・」
ナルト「・・・・・」
長門「大人の事情や・・・・・」
ナルト「どういうことだってばよ・・・・・」
長門「・・・・・」
角都「・・・・・」
飛段「何で連れてくんや・・・・・」
角都「別にええやろ・・・・・」
飛段「ええけど・・・・・」
サスケ「離せェ・・・・・」
角都「・・・・・」
飛段「・・・・・」
サスケ「離せェ・・・・・」
イタチ「ナルト君の行先なら解るで・・・・・」
小南「ホンマか・・・・・」
イタチ「イルカはんって人の家に行くはずや・・・・・」
小南「さよか・・・・・」
鬼鮫「行きましょうか・・・・・」
サソリ「せやな・・・・・」
イタチ「・・・・・」
鬼鮫「どうしたんですか・・・・・」
イタチ「何で僕らこんなことしてるん・・・・・」
鬼鮫「小南はんに聞いてください・・・・・」
イタチ「・・・・・」
小南「・・・・・」
イタチ「突撃しましょ・・・・・」
イルカ「えっ・・・・・」
イタチ「ナルト君居ませんか・・・・・」
イルカ「おらへんで・・・・・」
イタチ「そうですか・・・・・」
イルカ「待ち・・・・・」
イタチ「・・・・・?」
イルカ「扉直せや・・・・・」
イタチ「これは幻術ですわ・・・・・」
イルカ「・・・・・?」
イタチ「悪い幻術ですわ・・・・・」
角都「あれは・・・・・」
弥彦「・・・・・」
飛段「リーダーや・・・・・」
角都「こら・・・・・」
弥彦「ん・・・・・?」
飛段「みんなお前を探してるんやで・・・・・」
弥彦「・・・・・?」
飛段「・・・・・」
弥彦「誰や・・・・・」
飛段「何やとクソリーダー・・・・・」
弥彦「失礼やで自分・・・・・」
飛段「ムカつく奴や・・・・・」
サスケ「離せェ・・・・・」
飛段「リーダーやろ・・・・・」
角都「声がちゃう・・・・・」
飛段「見た目一緒やろ・・・・・」
角都「あんたペインはんか・・・・・?」
弥彦「ちゃう」
角都「ほら・・・・・」
飛段「せやな・・・・・」
サスケ「離せェ・・・・・」
イタチ「どこやろ・・・・・」
鬼鮫「鮫肌が倒れた方向へ歩きましょ・・・・・」
小南「せやな・・・・・」
鬼鮫「あっちや・・・・・」
サソリ「ホンマかいな・・・・・」
鬼鮫「鮫肌は便利なんやで・・・・・」
サソリ「・・・・・」
小南「行こか・・・・・」
イタチ「へい・・・・・」
長門「せやな・・・・・」
ナルト「ラーメン食おうや・・・・・」
長門「・・・・・」
ナルト「ええやろ・・・・・」
長門「ええで・・・・・」
イタチ「ラーメン食いましょか・・・・・」
小南「ええよ・・・・・」
鬼鮫「・・・・・」
サソリ「あれ九尾のガキちゃうか・・・・・」
イタチ「幻術だろ・・・・・」
サソリ「ちゃうやろ・・・・・」
小南「喧嘩したらアカンで・・・・・」
イタチ「すんまへん・・・・・」
ゼツ「みんな集まってるで・・・・・」
デイダラ「知らんよ・・・・・」
ゼツ「サソリモサビシソウニシテルデ・・・・・」
デイダラ「旦那ァ・・・・・」
ゼツ「イタチも今度ワザと負けたるゆうてたで・・・・・」
デイダラ「イタチィ・・・・・」
ゼツ「イマナラモドレルデ・・・・・」
デイダラ「ゼツ案内せいや・・・・・」
ゼツ「おお・・・・・」
鬼鮫「幻術ちゃいますよ・・・・・」
イタチ「サソリ・・・・・」
サソリ「何や・・・・・」
イタチ「話かけてみ・・・・・」
サソリ「おーい・・・・・」
ナルト「何だってばよ・・・・・」
イタチ「あれ・・・・・」
小南「長門ォ・・・・・」
長門「万事休すや・・・・・」
イタチ「幻術ですわ・・・・・」
小南「ちゃうから・・・・・」
イタチ「ホンマですよ・・・・・」
小南「ちょっと黙り・・・・・」
イタチ「はい・・・・・」
長門「関係あらへんやろ・・・・・」
イタチ「喧嘩したらあきまへんよ・・・・・」
ナルト「どういうことだってばよ・・・・・」
小南「・・・・・」
長門「僕のことはほっといてや・・・・・」
鬼鮫「大変なことになりましたね・・・・・」
サソリ「せやな・・・・・」
イタチ「他人事ちゃうで・・・・・」
鬼鮫「・・・・・?」
イタチ「どっちの味方つけばええんや・・・・・」
サソリ「・・・・・」
イタチ「痴話喧嘩やな・・・・・」
長門「いやや離せや・・・・・」
小南「逃げんな・・・・・」
鬼鮫「嫌がってますよ・・・・・」
小南「無理にでも連れてくで・・・・・」
長門「イタチィ鬼鮫ェサソリィ・・・・・」
イタチ「はい・・・・・」
長門「助けてや・・・・・」
イタチ「解りました・・・・・」
小南「・・・・・」
イタチ「めっちゃ睨んでるで・・・・・」
サソリ「せやな・・・・・」
サスケ「離せェ・・・・・」
弥彦「何で俺まで・・・・・」
角都「自分俺の相棒しこたまぶん殴って気絶させたやろ・・・・・」
弥彦「いきなりやったから・・・・・」
角都「二人も運ぶのきつかったで・・・・・」
弥彦「すまんな・・・・・」
角都「まあええや・・・・・」
弥彦「・・・・・」
角都「行くでェ・・・・・」
サスケ「離せェ・・・・・」
ナルト「ええで・・・・・」
大蛇丸「待ちなさい・・・・・」
イタチ「大蛇丸ゥ・・・・・」
ナルト「オカマ野郎ゥ・・・・・」
大蛇丸「久しぶりね二人とも・・・・・」
小南「大蛇丸・・・・・」
大蛇丸「二人揃って喧嘩して・・・・・」
長門「・・・・・」
大蛇丸「自来也が泣いてるわよ・・・・・」
長門「・・・・・」
大蛇丸「眼を瞑りなさい・・・・・」
小南「・・・・・」
大蛇丸「自来也の泣き声が聞こえるでしょ・・・・・」
鬼鮫「聞こえませんねェ・・・・・」
ナルト「役立たずな奴やで・・・・・」
角都「こんなところで・・・・・」
長門「弥彦ォ・・・・・」
弥彦「長門ォ・・・・・」
長門「よくもヌケヌケと・・・・・」
弥彦「・・・・・」
長門「僕は知ってるんやで・・・・・」
弥彦「・・・・・?」
長門「弥彦と小南が夜な夜なスケベなことしてるの・・・・・」
大蛇丸「面白いことになってきたわね・・・・・」
イタチ「せやな・・・・・」
長門「バレバレなんやで僕も子供とちゃうんやで・・・・・」
弥彦「・・・・・」
サソリ「つまりだ・・・・・」
大蛇丸「例えばの隣でサスケくんとイタチがしてるのよ・・・・・」
ナルト「・・・・・?」
大蛇丸「恥ずかしくて言えないわ・・・・・」
サソリ「あれだろ角都・・・・・」
角都「セ◯クスや・・・・・」
ナルト「そういうこと・・・・・」
大蛇丸「さすがに呑み込みが早いわね・・・・・」
イタチ「大した奴やで・・・・・」
サスケ「ナルトォ・・・・・」
ナルト「サスケェ・・・・・」
弥彦「仕方あらへんやろ・・・・・」
長門「自来也先生が旅立ってすぐ後のことやで・・・・・」
小南「・・・・・」
長門「毎晩のように僕はチンチンをシゴいてたんや・・・・・」
イタチ「酷い話やで・・・・・」
角都「同情するで・・・・・」
弥彦「男と女ってのはいずれそうなる運命なんや・・・・・」
長門「・・・・・」
弥彦「仕方ないんや・・・・・」
ナルト「どういうことだってばよ・・・・・」
大蛇丸「君にはまだ早いわね・・・・・」
長門「ごめんなさいって頭下げてくれや・・・・・」
弥彦「・・・・・」
イタチ「それだけでええんか・・・・・」
鬼鮫「案外簡単な人ですね・・・・・」
デイダラ「おおやっとるな・・・・・」
サソリ「デイダラァ・・・・・」
ゼツ「メズラシイナ・・・・・/暁が全員集合だね・・・・・」
長門「頼むわァ頭下げてくれや・・・・・」
弥彦「・・・・・」
小南「・・・・・」
小南「ごめん・・・・・」
長門「それでええんや・・・・・」
イタチ「許せサスケ・・・・・」
サスケ「触んなや・・・・・」
長門「ええよ僕もう許すわ・・・・・」
鬼鮫「ラーメン伸びてますよ・・・・・」
長門「その変わりやる時は僕に一声かけてや・・・・・」
デイダラ「引っ越すとかそういう考えは無いんか・・・・・」
サソリ「どうした・・・・・」
イタチ「小南はん妊娠してるで・・・・・」
ナルト「どういうことだってばよ・・・・・」
イタチ「写輪眼舐めたらアカンで・・・・・」
角都「さすがや・・・・・」
デイダラ「天才やな・・・・・」
長門「良かったやないか・・・・・」
弥彦「お、おう・・・・・」
大蛇丸「天国の自来也も喜んでるわね・・・・・」
ナルト「エロ仙人・・・・・」
長門「自来也先生ェ・・・・・」
ナルト「ええってことよ・・・・・」
イタチ「サスケェ・・・・・」
サスケ「イタチィ・・・・・」
鬼鮫「行きますよ・・・・・」
長門「さよならや・・・・・」
ナルト「ほなな・・・・・」
サソリ「子供ぐらい俺の手で簡単に作れるんやけどな・・・・・」
デイダラ「解るわ・・・・・」
飛段「何があったんや・・・・・」
角都「色々や・・・・・」
飛段「・・・・・?」
サスケ「暁は不況の煽りで潰れたらしいな・・・・・」
ナルト「小南の子供生まれたらしいで・・・・・」
サスケ「ホンマか・・・・・」
ナルト「名前は【自来也】や・・・・・」
サスケ「師匠の名前を取ったんやな・・・・・」
ナルト「ええ奴らやで・・・・・」
サスケ「せやな・・・・・」
サスケ「それぞれ里に戻ったらしいで・・・・・」
ナルト「ええんか・・・・・」
サスケ「豪い怒られたらしいで・・・・・」
ナルト「せやろな・・・・・」
サスケ「俺も子供欲しいで・・・・・」
ナルト「せやな・・・・・」
サスケ「何でできへんのやろ・・・・・」
ナルト「解らへん・・・・・」
サスケ「気長に待とか・・・・・」
ナルト「いつか出きるやろ・・・・・」
終
やはり天才か……
Entry ⇒ 2012.03.10 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
勇次郎「ひなだおッッッ!!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331139674/
〔/ / l \.!、l ::ヽ;;;;;;;;;;;;;;; ; ; : :/ f;;;;ヽ _,,/_.. -‐ ''゙: : : : : ;;;
l二|二i / / .,!、 {ミ、 ヽ : :、;;;;;; ; ; ; ::,,;{ ヾ_シ _,/ ,/ : : : : : : : : : ;;;;;
.─┴─ , イ / {: : :≡=ヽ≡=-‐/: _:,; -‐_ヽ,,__,,,ノ./ : : : : : ::::_ --‐´: :
|二二| / | ∠/ ヽ: ; - : : l :/:/: : ; ; ; ; : :ヽ ,,__,/. . ; : :-‐ : : : : : : : : : :
|----| | ,/ /: : : : :l/, ': : : : : : : : : . . . . . . : /;;;;;: :-‐. . . : : : : : : :
/ ̄ ̄ヽ / .{ : : : :丿: : : : : : : : : : : . . . . . . !.::: : : : : : : : : : : : : : : : :
/ ヽ: : /: : : : : : : : : : : : : : : : :;;;;;;;;;;;; ; ; ; ; ; : : : : : : : : : : :
_l_ ヽ/ ┼‐‐‐ァ {.. / ⌒γ ‐- 、: : : : : : : : : : : . . . . . . . . : : : : : : : : :
./|ヽ三|三 | /  ̄フ { ..:::丿: : : : :): : : : : : . . . . . . . : : : : : : : : : : :
. / | ヽl / .| / ヽ;;;;__::::::-‐: : : : : : : ‐-: : : : : : . . . . . . . . : :
| / _| ヽ \ } : : : : : : : : ___,,,,,,,,,,,,,___ : : : : : :_____: : : ヽ .: : :
/ (;;;ヽ;;_;,;,;,;, -‐'゙;;; -‐──--'=、---r‐‐r/:;;;;;:;/ ...: : :
─--、 / // ヽ:;;;;;;;;;; -‐´ ヽ/^ヽ/~~ i゙ l___,,,!--!゙;.;.;.;./. : : . :
ヽヽ / ─--、 〔/ / l 、___,、__、__,,ヘ____,! --!;.;.;.;.;.;.;.;.//. : .: : : :
_/ ─--、 / T: :/: : : : : : : : : : : : /;.;.;.;.;.;/;;;/ : . : : : :
/ / . . . : : : : : : : : : : : :{:;.;.;.:/;;;;;;/. . : : / . :
、 ∠/ / r‐‐‐r‐‐r‐v'ヽr-‐ヾ'/;;;;;;;;;;/: : : : :/ . . : :
ヽヽ / ナ‐‐、ヽ ,r' { ヽ_,,, - ,,,,____ 人/::/;;;;;;;:/ : : : :/ . : : :
_/ / _/ (_ ヽ: : : : : : : __: : : :゙''゙: : ノ;;;;;;;;/ : : : : : . . : : : :
(, ヽ-r''゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ; /: :/ : : : : : : /;;;
、-\ }; ;_;_;_; ; ; ; ; ;;;;;;;;; ; / :/ : : /: : :/;;;;;;;;;;
ヘ /´ : : : : : : `ヽ:;;;:/ _/ : : /: :/;;;;;;;;;:::::
ヘ /l ト、 |\、 /\ /\゙i { ; : : : : : : : : : ヾ;; : : : ://;;;;;;;;;: : : :
V | ,l ヽ| V ゙ .i : : : : : : : : : : : : : : : -´:;;;;;;;;;;;: : : : :
バキ「~~~~~~ッッ」
なんでか勇次郎に萌えた
疲れてるのか
Entry ⇒ 2012.03.09 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
リョーマ「松岡修造?」 後
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330262608/
前→リョーマ「松岡修造?」 前
折角だし続きでも書こうかと思います
跡部「まさかまたプロが来るとか言うんじゃねぇんだろうな?あーん?」
斎藤「はは・・・そのまさかなんですよねー修造さーんどうZ・・・」
修造「お前らたるんでるよ!!俺が抜けてからちょっとしか経ってないよ!?でもお前らたるんでる!!」
真田「クッ・・・!否定できん!!俺を殴ってくれ!!」
修造「行くぞ!!歯ぁくいしばれ!!」バチィィィィィィン
ジャッカル「真田ーーーー!!!!」
修造「お前も笑ってる場合じゃないだろ!!」
修造「今日はまたみっちり鍛えるからな!!出しきれよ!!」
相手>>651
修造「!?外国の子か?」
柳生「彼は日本に留学したのち日本籍を得た日本人です」
修造「だったら日本語喋れよ!!英語は甘え!!ここは日本だぞ!!」
クラウザー『すまない・・・・・』
斎藤「まぁまぁ。彼まだ12歳ですし」
修造「それでもその根性はすごいよ!!よしむかって来い!!」
修造「どこに打ってんだよ!!ちゃんとご飯食べてんのか!?」
クラウザー『・・・・・!!』ガシャーン
修造「ちゃんと狙えよ!!お米食べろ!!」
「修 造 ク ロ ス」
ガシャアアアアァァァァァァァァァァァァァァァン
切原「ウザウザーが先に磔になりやがった・・・・!」
修造「そうだ!!お前の球ぶつけてこいよ!!」
クラウザー『・・・・・!!!!』
修造「またホッピングボール?」
修造「避ければアウトに・・・・・」
「で も 避 け な い」
ガシャァァァァアァァァァァァァン
金太郎「あの金髪もフェンス破りやりおったでぇー!!!」
修造「いいよ今の!!いいもの持ってるよ!!」
「修 造 ク ロ ス」
ガッシャアアアアアアアアアアアアン
桃城「鉄柱に直撃した!?」
クラウザー『・・・・・まだ倒れるわけにはいかないんだ』ムクッ
修造「とことんやりあうぞ!!打ってこい!!」
クラウザー『サザンクロス!!』
ドゴォォォォォォォォォォォォォォォ
甲斐「修造さんどこ行ったさー!?」
跡部「見てみな」
跡部「十字型に埋まってやがるぜ」
タタタタタタタタタタタタタ
修造「今の効いた!!すごく痛かった!!お前アイスマンじゃないよ!!ホットマンだよ!!」
「修 造 ク ロ ス + エ ッ ク ス」
橘「十字架軌道に×字が加わって!?」
バァァァァァァァァァァァン
海堂「あの野郎!宿舎まで吹っ飛ばされたぞ!!」
クラウザー『・・・・・彼を倒すまでは・・・!!』
菊丸「もうやめようよ!体が壊れちゃうよ!!」
「サ ザ ン ク ロ ス」
ドォォォォォォォォォォォォォォォォォ
白石「当てに来る分越前クン、金ちゃんより恐ろしいルーキーやで」
木手「殺し屋の異名、差し上げた方がよろしいでしょうかね」
ザックザックザックザック
修造「何処までも自分のテニスを貫く!!それなら俺も答える!!」
宍戸「でもあいつはもうフラフラだぜ」
クラウザー『これで決めてみせる!!』
「サ ザ ン ク ロ ス」
切原「今度は上空に打ちあげやがった?」
幸村「なるほど、着地不可能な高さまで打ち上げて倒すつもりなんだね」
ヒュウウウウウウウウウウ
「修 造 ク ロ ス 」
ズガァァァァァァ
クラウザー『・・・・!避けない!』
「リリアデント蔵兎座試合続行不可能により勝者松岡!!」
斎藤「鬼君の評価然り、蔵兎座くんは将来有望ですねぇ」
修造「よし!蔵兎座くんくらい熱い奴来いよ!!」
>>682
修造「勝負はどっちが勝つかわからないだろ!!」
リョーマ「ま、別にいいけど」
乾「あの時は避難していたからな、今度こそデータをとらせてもらうよ」
修造「さぁ!どんどん来いよ!!」
リョーマ「行くよ!!」
修造「行くぞ!!燃えろぉ!!」
「炎 の 世 界」
銀「アカン!!また山火事になる前に皆逃げやぁー!!」
跡部「動くまでもねぇな」
「氷 の 世 界」
ジャッカル「コート以外の火柱が氷柱で相殺されて!?」
跡部「さ、続けな」
リョーマ「どーも!」
じゃねーよwwwww
修造「この前はそんなもんじゃなかっただろ!!もっと来いよ!!」
大石「この前の戦いは連戦が続いていた分疲労がたまっていたが今回は違う・・・」
リョーマ「・・・・クッソ!」
阿久津「あの小僧、何攻めあぐねてやがる・・・・」
手塚「いや違う・・・全ての球が彼のもとに引き寄せられている」
修造「もっと来いよ!!」
「修 ゾ ー ン」
「ゲーム松岡4-0!」
幸村「これが伝説の熱血テニス・・・・松岡修造・・・」
リョーマ「でも・・・・・まだまだだね!!」
真田「とうとう出るか・・・天衣無縫の極み」
リョーマ「さぁ切返すよ!」
シュパアアン
不二「駄目だ・・・いかに越前の球が速くても修ゾーン引き寄せられている・・・!」
修造「オラどうした!!勝つんだろ!?俺に!!もっと来いよ!!」
修造「この球は唯一無二の必殺なり!!」
タカさん「ボールにオーラが集中している!?」
金太郎「あかんコシマエ!!」
越前「へへ・・・・燃えてきた!」
修造「行くぞ!!」
「修 球 ―テニヌ―」
桃城「避けろえちぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!」
パァァァァァァァァァァァァン
手塚「流石だ。越前」
不二「凄いぁ。君は本当に」
「ウォンバイ松岡!6-1!」
修造「コレ返すとは思ってなかったよ。お前ホント凄いよ、コレ日本人で返せたのは南次郎さんと圭の次だよ!」
菊丸「・・・・オチビ?」
海堂「目ぇ覚ましやがれ!コラァ!!」
リョーマ「・・・・うるさいなぁ。ちょっと疲れたんでねます・・・」
田仁志「流石あんちびやさぁー!」
修造「よーし次こい!!」
>>710
桃城「・・・・お、俺がいくっス」
阿久津「ビビってるような奴に勝ち目なんてねーよ。どきな、俺がやる」
修造「気迫はいいけど声が小さい!腹の底から声出せよ!!」
阿久津「は?誰に指図してんだコラ」
修造「しなやかな体、竹みたいだな!!」
阿久津「訳わかんねーんだよ!!テメェはよ!!」
修造「そんなプレイじゃ駄目だよ!!失敗から学ぶんだよ!!もっとトライしてけよ!!」
「修 造 式 テ ニ ス 道 場」
バゴアァァァァァァァァァァン
タカさん「阿久津が山に激突する・・・・!!」
岳人「瞬間的に体をひねって直撃を避けやがった!!」
阿久津「調子こいてんじゃねぇ!!!」
修造「でも!!もっと火をつけろよ!!!」
阿久津「煙草はもうやめたんだよ!!!」
修造「そうじゃないだろ!!!」
「修 造 式 波 動 球」
どごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん
阿久津「河村の野郎は・・・・こんなのを何度も・・・」
修造「立てよ!!ガッツ見せろよ!!踏まれても平気な竹になれよ!!」
阿久津「指図すんなつってんだろがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
修造「扉開けるのが怖いんだろ?だったら俺が手伝うよ!!お前は強くなるんだよ!!」
阿久津「くらいやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
タカさん「空手の型を生かしたパワーショット!?」
ギュルルルルルルルルルルルルルル
クラウザー『松岡氏が乱回転しながら林へ・・・・』
阿久津「・・・何度でもきやがれ」
修造「熱くなれるじゃないか!!次はこっちの番だ!!」
「万 腕 巨 人 の 修 造」
不二「これは僕が返せなかった・・・・」
ズガガガガガガガガガガガガガガガガ
千石「避けるんだ!阿久津!!」
阿久津「誰も指図させやしねぇ・・・・」
切原「まさかアレは・・・悪魔化!?」
白石「違うで・・・アレはいわば修造化やな」
修造(阿久津)「もっと来いよ!!!!!」
修造(阿久津)「もっと来いオラ!!」
木手「やはりあのボディーバランス、厄介ですね」
謙也「修造さんと互角に打ちおうとるで!!」
手塚「いやこの試合、より松岡さんだったものが勝つ・・・つまり」
「ウォンバイ松岡!!」
阿久津「修造暦は伊達じゃねぇってか」
修造「にわか修造に俺は負けない!!」
両方だろ
阿久津「テメーは勝ったろうが。喧嘩売ってんのか?あ?」
修造「良い試合だった!まだいけるよ!」
>>750
柳「この柳蓮二。お手合わせ願いたい」
修造「よーし!!お前らまとめて面倒見てやる!!」
乾「はぁっ!!」
「ウォーターフォール」
修造「何で水なんだよ!!燃えろよ!!熱湯になれよ!!」
バゴォォォォォォォォォ
柳「・・・と貴方は言う」
修造「遊んでる場合じゃないだろ!!!」
ドガァァァァァァァァァァ
乾「ここまで早期にデータ修正をしなければならないとは」
「修 造 式 波 動 球」
乾「俺が金網を突き破る確率100%・・・・・」
ガシャアアアアアアアアアアアアン
柳「貞治!!!!!!!!」
修造「友情もだけど!!よそ見は駄目だろ!!!」
ガシャアアアアアアアアアアアアン
真田「柳ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
乾「ふふ・・・・楽しいものだな」
柳「ああ・・・・」
菊丸「まさかアレは・・・・!!」
大石「同調している・・・・!」
柳「・・・・・」
パァァァァァァァン
「ゲーム乾・柳4-2!」
切原「あんな楽しそうな柳さん見たの初めてっすよ・・・・」
「ゲーム乾・柳4-3!」
修造「いいぞー!もっと同調しろよ!!一つになれよ!!」
乾「そうか・・・・」
柳「なるほど・・・・・・」
跡部「あいつら!!やりやがった!!」
乾柳「この乾蓮二が勝つ確率100%・・・・・・!!!」
跡部「究極のダブルスのみがたどり着ける境地「融合」だ。30分という縛りこそあるがもう止められやしねぇよ」
修造「燃えてきた!!」
「修 造 式 波 動 球 ・ 極」
乾柳「と貴方は言うが俺に通用する確率0%・・・・!!」
パァァァァァァァァン
「ゲーム乾・柳4-5!」
幸村「いや・・・・時間だよ」
「ウォンバイ松岡6-5!」
乾「ひょっとすると俺達は」
柳「何も考えない方が良いのかもな」
修造「ほんっとに危なかった!!このままダブルス極めろよ!!」
>>783
修造「はっきり喋れよ!!お前今までで一番ダメだぞ!!朝御飯食べろよ!!」
伊武「アンタの声がでかいだけだって―の。あーあもう帰りたいな。わざと負けようかな」ブツブツ
修造「来いオラ!!熱くさせてやるよ!!!!!!」
伊武「それじゃ行くよ」
シュパーン
神尾「よし!キックサーブだ!」
修造「やる気ないなら帰れよ!!」
伊武「・・・・ホント腹立つな」
不二「彼、声のトーンが上がったね」
周りのインフレ激しいから出番はもうないか
まぁそれでも幸村の下位互換になるけど
「激・モーニングサーブ」
伊武「いまさ、三時前なんだけど」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
伊武「大体さ、不二並の才能とか言うけどね。あの人実は大した活躍してないじゃん?何それ俺が大したことないって言いたいのかな」
神尾「アイツがここまで大きい声で堂々と・・・・・」
不二「はは、傷つくなぁ」ニコっ
白石「俺知らんでぇ・・・・不二クンキレてもたやないか・・・・」
伊武「ホントやだやだ。熱血の押し売りが俺にも通用するとか思わないでほしいな」
修造「もっと声出せよ!!上がってきてるぞ!!!」
修造「それあるなら出せよ!!!」
伊武「はー嫌になってきたな」
橘「伊武のネガティブなオーラがボールに纏わりついていく・・・・!」
伊武「アンタも少し落ち着きなよ」
「言球―ことだま―」
おおおおおおおおおおおおおおおお
神尾「伊武の恨み節がボールに!?」
修造「効かないんだよそんな者!!!!」
しゅぱああああああん!!
伊武「返されたかー」
千歳「でも効果はてきめんたい」
修造「こいおらー何度でもこーい」
クラウザー『松岡氏のテンションが下がっている?』
修造「もっと燃えろよ、昼ご飯も食べろよ」
「修造式波動球・劣」
伊武「このくらいなら余裕かな」
「言球―ことだま―」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
修造「よっしゃこーい」
べしっ
伊武「よし、貰った」
「ゲーム伊武5-4!」
修造「はぁ・・・・何か燃料切れてきたかな」ボソボソ
切原「マジで勝つのかよあのボヤキ・・・・」
橘「いや、伊武の顔を見てみろ!」
伊武「テニスって楽しいよなぁー!」
神尾「すっきりしてやがる・・・・てことは」
真田「あの球も打ち止めだな。どうする?」
クラウザー『松岡氏のテンションは常時上昇し続ける・・・』
修造「よし!いこー」
手塚「やはり地力の開きが出たか」
橘「よくやった伊武!」
伊武「そうですね。楽しかったです」
修造「よっしゃ!もう俺テンション下げないよ!?誰でも来いよ!!」
>>810
樺地「うす」
慈郎「んー・・・・え?俺の出番!頑張るしかないC!」
修造「ちゃんと起きろよ!!!寝てばっかりじゃ成長しないぞ!!」
慈郎「そう言われてもなぁ・・・でもでもよろしく!!」
修造「ちゃんとしたズボンはけよ!!」
「波動球モーニング」
宍戸「慈郎ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
忍足「あかん!!林の中や!!アイツねてまうで!!」
忍足「やっぱりや・・・戻ってけぇへん。完全にアイツ寝おったわ」
樺地「・・・・もう探せません」
跡部「山切り開いても駄目か・・・起きるまで待つしかないな」
修造「二時間は待てないよ!!次だ次!!次来い!!!!」
ごめん慈郎のイメージが全然わかない
次>>820
修造「大きいな!!声も大きく!!!」
千歳「やれやれ・・・・1ポイントに98球もかかるたい」
シュパッ
「神 隠 し サ ー ブ」
修造「いや!!これで返すから!!」
「神 探 知」
ゴォォォォォォォォォォォォォォォォ
橘「まだあまり見えてない目の方に打球が!」
タカさん「このコースは照明磔だ!!!」
ギュルルルルルルルルル ドゴォオオン
千歳「・・・・・・・」フラフラ
修造「聞いてるか!?おい!!返事しろよ!!」
幸村「今の衝撃で目が見えなくなって耳も聞こえないんじゃないかな」
橘「俺の責任たい・・・・・・・」
修造「おーい聞いてるか!!おーい!!」
千歳「見えん聞こえん。さてここからどう巻き返すったい」
「HOTドライブ」
ボボボボボッボボボボボボボ
千歳「熱い・・・・のかもようわからんばい」
千歳「あこがれの元プロと戦えてるのにこの様とは情けなかね俺は。こんなにテニスば辛かったか・・・?」
修造「どうした!!!やる気ないのか!!!!」
幸村「そうか、彼は炎の能力者だから自分が五感を奪ったことに気付いていないのか」
跡部「ある意味酷だなこりゃ」
「修 造 式 波 動 球 改」
橘「千歳ーっ!!もうやめるばい!!!!!!!」
橘「千歳ぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
千歳「うるさかね。よー聞こえとるばい」
リョーマ「へぇー、アンタもそこまで行ったんだ」
千歳「やっぱりテニスを嫌いにはなれんたい!!」
白石「とうとう開いたんやな・・・・!」
金太郎「天衣無縫の極みやでぇーっ!!!」
田仁志「はいでぇーっ!!!」
千歳「色々研究しとった自分が馬鹿みたいばい・・・・こげな近くに天衣無縫ばあったんね」
修造「最初からそれで来いよ!!」
千歳「人の苦労も知らず言ってくれるたい!!」
千歳「今の俺に限界ばなかね!」
修造「よし!!燃えてきた燃えてきた燃えたきた!!!」
「オ ー バ ー ヒ ー ト 」
不二「松岡さんのからだが燃えあがっている・・・・・!」
修造「おらぁ!!燃え尽きる気で来いよ!!!」
千歳「恐ろしいばい・・・!でも負けんたいね!!」
「だめじゃないですか修造さん!その体でそれ使っちゃ!!」
「エ ア ケ イ」
修造「え?ちょ!!あああああああああああ!!!」
手塚「上空からの超長距離狙撃」
ジャッカル「こんなことができるのは・・・」
幸村「彼しかいない・・・」
「松岡戦闘続行不可能により勝者千歳!!」
千歳「あんまりすっきりせんね」
錦織「いや、でもアレこのまま続けると修造さん体が持たないから・・・・」
錦織「なんなら代わりに俺がやろうか?」
千歳「いや、正直俺も結構限界ばい。骨も何本か折れとーよ」
錦織「そか。じゃあゆっくり休んだ方がいい。それじゃあ僕の相手は・・・」
>>860
できればそれなりに活躍した奴で
錦織「この中だと君が一番強そうだね。いいよ」バサバサ
幸村「では行きます・・・・!!ハッ!!」
錦織「速いなぁ!!凄いよ」
幸村「僕の狙いはそこじゃないんですけどね」
錦織「アレ・・・さっきまでいた子が一人いない?」ゴシゴシ
幸村「誰か当ててみましょうか?」
幸村「貴方の視界から河村隆君を消しました」
幸村「ふふ・・・・さぁ?」
錦織「まぁいい。いくよ!!」
「エ ア ケ イ」
幸村「僕が返すまでもない・・・・」
桃城「何やってんスかタカさん!!!!」
タカさん「分からない・・・体が勝手に」
「修 造 式 波 動 球 ・ 極」
ドゴオオオオオオオオオオオオオ
錦織「グアアッ!!君がこんなパワーショットは打てないはず・・・」
幸村「さて、どうでしょうね」
おKそれで錦織には何故か何もない空間から球が返ってきた認識
さすがにそれはみんな黙ってないだろwwwww
錦織「(また一人消えた・・・・誰だ・・・)」
「跡 部 王 国」
幸村「見えない敵が絶対死角を狙ってくる恐怖はどうですか」
錦織「くっ・・・!!翼が・・・・・・・・!!」
ひゅおおおおおおおおおおおお ドサっ
跡部「クソっあの野郎・・・・・!!」
幸村「僕は負ける気はないからね」
木手「修行を終えたエアケイをこうもあっさりと・・・」
金太郎「けいちゃーん!!負けるんやないで!!!!」
「圭!圭!圭!圭!圭!!」
幸村「残念だけどそろそろ耳は聴こえないかな」
錦織「流石に参ったな・・・・・どうしようか」
「2-0!」
「3-0!」
「4-0!」
幸村「地に落ちた貴方にもはや勝ち目はないよ」
錦織「(不思議と風だけは感じることができる)」
幸村「勿論、ここからも容赦しない」
錦織「(テニスは楽しい。それはこの前気づくことができた)」
幸村「さぁあと1ゲームだ」
錦織「(そこに僕の風を取り入れる!!)」
跡部「天衣無縫の極み・・・?」
千歳「いや、違うばい!!」
錦織「天衣無縫の極み・風ってとこかな」
修造「風属性のプレイヤーがたどり着ける天衣無縫の極みの発展版だ!!」
錦織「あ、起きてたんですか修造さん」
修造「俺はヤワじゃないんだよ!!」
錦織「そうでしたね!!流石修造さん」
錦織「じゃあ幸村君、続けようか」
幸村「後1ゲームなんだ!このまま押し切れば!!」
「エ ア K」
幸村「ボールがK字に分裂・・・?いや違う!!」
錦織「俺のエアKは空をを自在に歩く」
ギュオオオオオオオオオオオオ
幸村「クソっ!!」
タカさん「体が勝手に・・・!」
タカさん「ぐああああああああああ!!」
幸村「彼であの負傷・・・・直撃すれば・・・・」ゾクッ
錦織「そのテニスは止めた方がいい。今度は俺が伝える番だ。テニスの楽しさを」
「修 造 式 波 動 球」
タカさん「しまっ・・・・・意識が・・・・!!」
幸村「狙いがそれた!?」
錦織「悲しいテニスだね・・・・」
桃城「このまま行けばダムが決壊しちまう」
錦織「大丈夫さ」
「大空圭―エアケイ―」
真田「風を巨大なラケットに編み上げて!?」
錦織「これは君を外さない」
幸村「うわあああああああああああ!!」
錦織「流石だね幸村君。君一人でも十分強いじゃないか。でも」
「MATANUKIショット」
幸村「・・・・視覚に入っていて反応すらできなかった・・・・」
「ウォンバイ錦織!!!」
「圭!圭!圭!圭!圭!」
錦織「ハハっ照れるな」
修造「二人ともよくやったよ・・・・最高に頑張ったよ!!!!」
幸村「・・・この戦い方を曲げるつもりはないけどね」
木手「近いうちに追いつきますよ」
錦織「頼もしいな皆」
金太郎「ワイも追いついたるでぇー!!」
タカさん「ドント・・・ギブアップ」
微妙に余ってるけどもう1戦行けるか微妙どうしましょう
組み合わせ>>926
天衣無縫・風 対 天衣無縫・炎が見たい
錦織「そうですね。彼らの心に残るものをしましょうか」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
錦織「修造さん――無理だと思ったらすぐ言ってくださいね?」
修造「誰に言ってんだ!!――さっさとぶつかって来い」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
不二「彼らはいったい僕の何歩先を・・・・・!」
「天衣無縫の極み・風」
「行きますよ」
「天衣無縫の極み・炎」
「来いオラ!!」
「華 炎 祭 り」
シュゴオオオオオオオオオオオオ
錦織「えーっと・・・・・いつでしたっけ?」
「真・エ ア ケ イ」
ドゴオオオオオオオオオオオオ
修造「忘れちゃったか!!!」
錦織「すいません!!」
千歳「こげに楽しそうなテニス初めて見たばい・・・・」
田仁志「何が起こってるか全くわからんさぁ・・・・・」
リョーマ「だね」
修造「これから基本みっちりやるからしっかりついて来い!!!!」
「修 造 式 テ ニ ス 道 場・炎」
タカさん「爆炎に包まれながら錦織さんが上空へ!!」
白石「俺の教科書テニスにあんな基本あらへんわ・・・・・」
錦織「やっぱり修造さんの球は熱いなぁ!!!」
「エ ア ケ イ」
仁王「あれは俺に大ダメージを与えた技ナリ」
修造「そんなもんじゃないだろ!!世界とれないだろ!!!!!」
「修 ゾ ー ン 」
手塚「撒き散らしていた炎を一点へ集中した・・・?」
修造「俺の熱い思い!!受け取れよ圭!!」
「HOTドライブ」
錦織「させませんよ!!」
「長距離狙撃型 エアケイ」
橘「鋭い風が炎を切り裂いた!?」
錦織「強くなりましたか俺!?」
「MATANUKI エ ア K」
真田「風のラケットでMATANUKIショットだと!」
「オーバーヒート」
錦織「俺は・・・・テニスです!!!!!!錦織圭です!!!!」
シュパアアアアアアアアアアアア
跡部「空気の裂け目に全ての炎が吸い込まれた・・・・」
修造「――ホントに強くなったな圭!!」
「ウォンバイ錦織!!!!」
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!」
名言
修造「俺は試合はしないけど中学生の特別コーチになったから!!ガンガン行くぞ!!」
斎藤「ということでみなさーんこれからも高校生に負けないように頑張りましょう」
「「「はい!!!!!」」」
U17選抜代表選
斎藤「それでは代表を発表します」
S3「リリアデント蔵兎座!!」
クラウザー『・・・・どこまでも僕は戦う』
D2「田仁志慧!!真田弦一郎!!」
田仁志「はいでぇーっ!!」
真田「望むところだ」
S2「遠山金太郎!!」
金太郎「任せときやーーー!!!」
D1「仁王雅治!!河村隆!!」
仁王「プリッ」
タカさん「最後のテニス、悔いが残らないようにしたいな」
そしてS1
「越前リョーマ!!」
リョーマ「ちーっす!!」
終わり
大いに笑わせてもらった
乙です
Entry ⇒ 2012.03.06 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
リョーマ「松岡修造?」 前
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330262608/
リョーマ「そんなにあわててどうしたんスか桃先輩」
桃城「バッキャロウ!あの人が今日限りの特別コーチとしてくるんだよ!」
リョーマ「誰何スか?」
桃城「松岡修造さんだよ!」
修造「今日は皆と思いっきりテニスがしたい!!」
斎藤「ハハ・・・元気いいですねー。プロの方と撃ち合えるなんてめったにないので皆さん頑張ってくださーい」
リョーマ「(相変わらず暑苦しいなこの人・・・)」
リョーマ「前に一回親父とテニスがしたいって家に来たことがあるんスよ」
リョーマ「それで暑苦しかったなぁって」
修造「おいどうした!俺と打ちたい奴いないのかよ!遠慮すんなよ!もっと向かってこいよ!」
タカさん「凄い気迫だな・・・・」
修造「さぁどうした!来いよ!!」
対戦相手>>22
中学生で頼む
修造「よーし来た!!さぁ行くぞ」
真田「サーブはこちらから行かせてもらう!」
真田「はぁ!」
修造「そんなもんじゃないだろ?もっと本気で来いよ!!」シュパーン
審判「O-15!」
幸村「まさか真田がリターンエースをとられるとはね」
修造「燃えること炎の如し!!!」バゴォ
真田「ぬおぉぉぉぉぉぉぉ!負けん!!」ギュルルルルルル
修造「ヒート・エンド!」ドガァ
真田「ボールが爆発・・・!?ガットが・・・・!」
審判「ゲーム松岡3-0!」
白石「真田クンが手も足も出ぇへんのか・・・・」
真田「かくなる上は・・・」ゴゴゴゴゴゴ
「でた!真田の「黒いオーラ」!」
修造「そうだよ、ぶつかってこいよ!」
真田「今の俺は王者ではない。挑戦者として全力でぶつかる!!」
真田「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
修造「燃えること炎の如く!速きこと光の如しぃぃぃぃぃぃ!!」ゴオォォォォォォォォォォォ
真田「ぐおぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁ!!」ドグシャァ
田仁志「タンカ呼ぶさぁーッ!」
審判「真田試合続行不可能によりゲーム松岡!」
跡部「真田の野郎がここまで・・・・」
それがどうしたって話だが
木手「現状彼と戦うのは得策ではありませんね」
丸井「怖すぎだろい・・・」
修造「どうした!真田君みたいにぶつかってこいよ!!」
>>46
平古場「あのデブがいくのか・・・」
木手「我々沖縄の面汚しにならなければいいのですが」
田仁志「はいでぇー!」
修造「いいぞ!サーブはお前から撃ってこい!」
田仁志「ぬぉぉぉぉっぉぉぉぉ!!ビッグバン」ドゴォォ
田仁志「このゲームはもらったさぁ!」
バシィィィィィン
修造「油断すんなよ!そんなことだから痩せないんだよ!」
木手「彼には痩せてもらう必要がありますねぇ」
修造「修造・バン!!!」ズガァァァァァァァ
田仁志「しみてぃちゅんどぉぉぉぉぉぉ!!」
ガシャァァァァァ
田仁志「ぷぎぃぃ!」
不二「まさか彼の巨体をラケットごと吹き飛ばすなんて・・・・」
修造「まだ立てるだろ!どんどん打ってこいオラ!こいよ!」
田仁志「はいでぇー!」
修造「それじゃダメって言ってるだろ!?もっと出しきれよ!!」ズガァァァ
大石「一方的すぎる・・・・」
甲斐「でも田仁志にはあれしかないさー」
田仁志「ぬおぉぉぉぉぉぉ!!ビッグバン!!」
修造「(前よりも威力が上がって・・・・!?)」
バシィィィィン
審判「ゲーム田仁志!5-1!」
金太郎「1ゲーム返したで!」
菊丸「松岡さんのラケットをはじいたにゃ!」
越前「結構やるじゃん」
田仁志「わんの・・・ビッグバンは・・・無敵やさぁ・・・」ドサァ
伊武「自分で倒しといてよくいうよ」ボソボソ
タカさん「田仁志クンのタフさでも駄目なのか・・・・」
銀「恐ろしいことこの上あらへんな」
次>>65
修造「どんどん来い!」
不二「このサーブ。消えますよ」シュパッ
修造「そんな訳ないだろ!!」ズガァァァ
「0-15!」
不二「やはりこの人は・・・!」ゾクゾク
修造「もっと本気で来いオラ!」
不二「そうさせてもらいます」
白石「あんな凄い顔の不二クン見たことあらへんわ」
この漫画でそれは禁句だろwwww
修造「修造返し!」
不二「麒麟落とし!」
修造「修造落としぃぃぃぃ!」
不二「なら・・・!第五の返し球百腕巨人の門番」
修造「そんなので満足するなよ!!」
不二「貴方は僕に新しい返し球を教えてくれる・・・・」
修造「違うだろ!!腕増やせよ!できるだろ!?」
「万 腕 巨 人 の 修 造」
ズガァァァァァァァ
切原「あのプロ手加減なしかよ・・・・」
不二「・・・ここまで言われると少し悔しいな」
不二「第六の返し球星花火」ギュウウウウウン
修造「新しい技作る前にもっと技磨けよ!!」
「花 火 祭 り」
ズガガガガガガガガガガガガガガガガ
跡部「大量の隕石が降り注いでやがる・・・・!」
不二「これを返せたら僕は・・・・!」
手塚「避けろぉー!不二ー!」
「ゲーム松岡6-0!」
不二「まだ・・・・駄目だったみたいだよ。天才って言われて浮かれちゃったかな」
跡部「言うじゃねえの?あーん?」
樺地「うす」
平古場「帰りたくなってきたさー」
>>108
樺地「・・・うす」
修造「もっと覇気出せよ!!お前ならやれるよ!部長より強くなれるよ!!」
樺地「いいいいいいいいいいいいい!!!」
修造「人の真似ばっかりしてもつまんないだろ!!オリジナルで来いよ!!」
樺地「ばぁぁぁう!!」
修造「そう言うのじゃないだろ!!」
「修 造 の 夏」
ガシャァァァァァァァン
タカさん「フェンスを突き破って樺地君が林の中へ・・・・!」
樺地「・・・・?」
阿久津「何勝手に吹っ飛んでやがんだコラ。練習の邪魔だ」
樺地「・・・・すみません」
阿久津「テメーも大阪戦の河村の様に死んで来い。何か掴めるはずだ」
樺地「うす」
タカさん「樺地君が帰ってきた・・・!」
忍足「もう無茶や!とめんかいな跡部!」
跡部「いや、樺地の目を見てみな」
修造「いいぞ!その目だよ!!俺が受け止めてやる!!」
樺地「ばぁぁぁぁぁぁぁぁぁう!!!!」
樺地「樺地式波動球!!」
修造「お前の思い!届いたぞ!!」
樺地「もう・・・・打てません」
修造「いや、大丈夫アイツが来たから!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
金太郎「ヘリやー!ヘリやでー!!」
千歳「人が落ちてくったい」
タカさん「あの高さからパラシュート無しで?」
ヒュオオオオオオオオオオオオオ スタッ
錦織「おまたせしました。合宿所はここかな?」
修造も憧れる錦織さんが来たからには大丈夫だな!
相手をKOすれば勝ち
それはテニヌだ
錦織「あれ?修造さん、南次郎さんはいないんですか?」
修造「呼んだんだけど女の子いないから来ないって言うんだよ・・・・」
錦織「あー、そうなんですか。そりゃそうだよな。俺も南次郎さんいないんだったら帰ろうかな」
菊丸「今俺達馬鹿にされたー?」
錦織「そんなつもりはないんだけどなぁ。それじゃ誰か打とうか」
>>160
錦織「手塚君だっけ?最もプロに近いとか言われてるんだっけ」
手塚「世界にはさらなる強者がいますので驕るつもりはありません」
錦織「それじゃお手並み拝見」
手塚「はぁ!」
跡部「いきなり零式サーブか。手塚、本気だな」
錦織「その球、浮かないんだっけ?,浮かせてもらうよ,」
フワァ
手塚「零式サーブが浮いて!?」
「0-15」
桃城「出た手塚ファントム!」
「ゲーム手塚4-1!」
錦織「凄いな!とても中学生とは思えないよ!(見た目的にもね)」
手塚「油断せず行きます!」ゴォォォォォォォォ
幸村「天衣無縫の極みか・・・・・」
不二「やはり君は僕の一歩先を何処までも・・・・」
修造「圭!!そろそろ重りはずせ!!」
錦織「アレ外すと地面にいる方が難しいんですよね・・・」ドサドサ
フワァァァァァァ バサバサ
手塚「翼が・・・!?」
錦織「さぁ、続けようか手塚君」
リョーマ「天衣無縫の手塚部長が・・・・」
幸村「まさかここまでとはね」
手塚「はぁぁぁぁぁぁ!!」
「45-15!」
手塚「・・・・何故返さなかったのか理由を教えてください」
錦織「せっかくプロになれる才能あるから肘いためるのはよくないなぁ」バッサバッサ
手塚「・・・・・」
錦織「またプロになったら戦おう」
手塚「はい!」
錦織「さて、お次は・・・」
>>210
「勝つのは氷帝!勝つのは跡部!勝つのは氷帝!勝つのは跡部!」
跡部「よし!行くか・・・・」
錦織「そうか、君はあまりアウェーで戦ったことはないのかな」パチィン
「勝つのはひょうT・・・勝つのは圭!勝つのは圭!勝つのは圭!」
「勝つのは圭!負けるの跡部!勝つのは圭!負けるの跡部!」
跡部「野郎・・・!場の空気を変えやがっただと・・・」
錦織「エアケイの数ある能力の一つさ。さぁ始めよう」
ふわぁ
銀「やはり浮いてしまうんか・・・!」
跡部「んなこたぁ分かってんだよ!オラァ!」
錦織「強気だなぁ」シュバっ
跡部「ほうら、凍れ」
跡部「(俺様のコートに羽が!?)」
「15-0!」
錦織「モテる君には少し痛い目に会ってもらおうか」
「跡 部 王 国」
「ゲーム跡部1-0!」
「2-0!」
「3-0!」
金太郎「いけるでぇー!」
忍足「何か跡部の様子おかしくあらへんか?」
岳人「ああ・・・何であんなに焦ってやがるんだ」
跡部「(・・・・息ができねぇ・・・・)」
錦織「スタミナはほとんど使っちゃったかな。そろそろ君の得意な持久戦と行こうか」
流石はプロやで
大石「どんどん顔が青ざめて・・・・!」
跡部「・・・オォラァ!!」
「アドバンテージ跡部!」
錦織「流石に粘るな。じゃあこれで・・・!」バサバサ
「エ ア ケ イ」
橘「コートの中に無数のかまいたちが!?」
忍足「逃げや跡部!!もう無理や!」
ズバズバズバズバズバズバズバ
跡部「うるせぇ!!・・・・キングは・・・俺だ!!」
「ゲーム跡部4-0!」
錦織「ここまでかな」
跡部「・・・・・・・・・・・」
木手「立ったまま気絶とはなかなかやりますね跡部圭吾」
修造「殺す気かよ圭!!」
錦織「修造さんだって中学生吹っ飛ばしたでしょー」
修造「アレは本気でぶつかったんだよ!!分かるだろ圭!!」
修造「見てろ!圭!俺がテニスをもう一回教えてやるから!」
>>275
すまん中学生で頼む
>>280
修造「声が小さい!!もっと声出していけよ!!」
不二「はい、タカさんこれ」
タカさん「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!元プロとか関係ナッシィィィィィィング!!」
修造「そう、それだよ!!お前の魂ぶつけてこいよ!!」
タカさん「波動球!!」
修造「そうだよ!波動球だよ!!」
ガシャァァァァァッァァン
タカさん「ぐあっ・・・・」
桃城「タカさぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!」
タカさん「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!バァァァァァァニィィィィィング!!」ドゴォ
修造「もっとぶつけてこいよ!!」
ドガァァァァァァァァァ バリィィィィィン
海堂「河村先輩が照明に磔に・・・・!」
クラウザー「素晴らしい・・・・!」
修造「降りてこいよ!もっと魂ぶつけろよ!!熱くなれるよおまえなら!!」
タカさん「ハハ・・・テニスコートがあんなに遠いや」
ガシッ
銀「ワシとたたこうた時はそんなに弱気やったか?」
タカさん「そうだね・・・ありがとう」
修造「戻ってくるって俺信じてた!!やっぱりお前凄いよ!!」
タカさん「(これが最後の一球になる・・・!)」
「修 造 式 波 動 球」
タカさん「おぉぉぉぉぉぉ!!ヒィィィィィィィト!!」
タカさん「(しまっ・・・!意識が・・・!)」
ドゴォォォォォォォォォォォォォォォ・・・ガガガガガガガ
白石「地面を抉りながら林に行きおったで!!」
錦織「修造さーん!」バサバサ
タカさん「か、彼が帰ってくるまでが試合だ・・・」
てくてくてくてくてく
修造「コートに立ってたのはお前だよ!!お前がかったんだよ!!!」
「ゲームウォンバイ河村!!」
タカさん「やった・・・やったよ・・・」バタッ
財前「流石にお荷物とか言うたん取り消しますわぁー」
タカさん「はは・・・でも松岡さんが試合を続けてたら駄目だったよ」
修造「よーし次!次来い!!」
錦織「何なら僕でも」
修造OR圭>>356
対戦相手>>360
タカさん(仁王)とペア>>385で
修造「いいな友情!!カッコいいな熱血!!」
錦織「修造さん熱血言いたいだけでしょ!」
修造「よしこい中学生!!」
仁王「んじゃ俺が行くぜよ」
銀「河村はんに恥じひん勝負をさせてもらうで」
銀「壱式波動球!!」
「エ ア ケ イ」
謙也「師範の波動球が空気の壁で相殺されたで!」
錦織「はぁ!」
銀「ならば七式波動球!!」ドゴォォッォォ
修造「もっと上げていけよ!!」
「15-0!!」
仁王「おいパチンコ玉・・・これじゃお前の腕がいかれるのも時間の問題ナリ」
銀「かと言うてもな、河村はんは逃げへんかった」
銀「三十四式波動球!!」
修造「もっとあるだろ!?何で出し切らないんだよ!!」
銀「ぬぅ・・やはり別格か」
タカさん(仁王)「石田君・・・君は松岡さんの波動球すら無効化できるはずだ。俺のことは気にせず腕のことを考えて」
銀「河村はん・・・・」
修造「修造式波動球!!」
銀「むんっ!!」
ポーンポーン
「ゲーム石田・仁王4-1!」」
錦織「(さっき俺無効化したんだけどな・・・・)」
「修 造 式 波 動 球 改」
ドゴォォォォォォォォォォオォ
銀「これはワシでも・・・・無効かできん・・・!」
タカさん(仁王)「どいて!!俺が盾に!!」
ギュオオオオオオオオオ ガッシャァァァァァァァァアン
タカさん「あのときと同じ・・・照明に磔に・・・・」
大石「タカさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
仁王「何しとるんじゃパチンコ玉早く攻めるけぇの」
銀「じゃあ先の吹きとんだ河村はんは!?」
仁王「詐欺ぜよ。人形用意しといて助かったわい」
錦織「じゃあ詐欺が通用しない打球で終わらせようか」
バッサバッサバッサバッサ
タカさん(仁王)「見えないほど高く跳びあがって!?」
「エ ア ケ イ」
錦織「落雷と同等のこの一撃。詐欺でどうにかできるかな」
ズガァァァァァァァァ
銀「河村はぁぁぁん!!」
タカさん(仁王)「お互い限界が近いみたいだ・・・次の俺のサーブで決めるしかないよ」
タカさん(仁王)「ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!バァァァァァァニィィィィィィング!!!」
「修 造 式 波 動 球 改」
タカさん(仁王)「(しまっ・・・意識が・・・・・!!)」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
銀「百八式波動球!!」
ガッシャァァァァァァァン
乾「迫りくる土石流を止めた・・・・!」
錦織「流石に埋もれたら危なかったなぁ」バサバサ
修造「俺も危なかった!!感動した!!お前達の勝ち!!!」
仁王「ぷりっ・・・・」ドサ
銀「腕が・・うごかへん」バタッ
「ゲームウォンバイ仁王・石田!!」
錦織「でもやっぱりシングルスの方が楽しいですよね」
修造or圭>>455
相手>>460
ダブルス書くの難しかったからシングルスでオナシャス
錦織「ん?女の子?」バサバサ
ひゅおおおおおおおお スタッ
桜乃「キャッ!?ひ、人?」
錦織「そうそう、錦織圭って知らない?」
桜乃「あの錦織圭さんですか?」
錦織「そうそう、そのかっこテニスしに来たんでしょ?」
桜乃「お、応援だけでもしたい人がいてそれで・・・・・」
錦織「よし、合宿所まで行こうか」
ひゅおおおおおおおおお
リョーマ「あれ・・・竜崎?」
錦織「よーし、じゃあサーブ行くよー」ポクッ
桜乃「え、えい!!」パシッ
錦織「桜乃ちゃんはすごいな!ホントうまいよ!」デレデレ
桜乃「えへへ・・・・そんなことないです」
「ゲーム竜崎3-0!」
リョーマ「あの人ロリコンかよ・・」
錦織「何だこの凄いショットは返せないぞー(棒)」
「ウォンバイ竜崎6-0!」
リョーマ「何やってんの」
桜乃「リ、リョーマ君////あのね、飛んでる錦織さんに連れてきてもらってそれで・・・・」
リョーマ「この人とテニスしてたんだ?」
桜乃「ホントはお、応援したかったんだけどゴニョゴニョ」
リョーマ「ふーん、そこのロリコンに遊ばれてたってワケ?」
リョーマ「別に親父は関係ないでしょ」
錦織「ははっ。お父さん譲りで強気だなぁ」
リョーマ「さっきからアンタ偉そうにしててムカついてたんだよね」
錦織「何か嫌われちゃってるかな俺」
リョーマ「ねぇ、俺にもテニス教えてくんない?」
錦織「・・・・そうだね、コートに入ろうか」
桜乃「錦織さんの雰囲気が変わった・・・・」
桜乃「リョーマ君のツイストサーブ!」
錦織「さすがだなぁ!!」バサバサ
リョーマ「まずはその羽根、片方もらうよ」
「COOLドライブ」
錦織「避けきれない・・・・!」
リョーマ「立ってよ。早く続きしない?」
リョーマ「何かが変わった・・・?」ゾクッ
錦織「・・・・・」
「エ ア ケ イ」
謙也「台風やー!!台風警報出たで!!皆宿舎に入りや!!ちなみに俺が一番乗りやー!!」シュダッ
リョーマ「うわぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!」ドサっ
錦織「・・・・さて次はどの能力で行こうか」
錦織「もっと左右に走ってもらうよ」シュパァン
桜乃「リョーマ君の顔が青ざめて・・・・・」
錦織「更に仁王君に当てたアレを使わせてもらうよ」
ドゴォォォォォォォォ
桜乃「リョーマ君!!」
リョーマ「(前もあったな・・・・こんなにテニスって辛かったっけ)」
錦織「・・・彼はそう思ってないみたいだね」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
リョーマ「ちょっと集中したいからさ、黙っててくんない竜崎?」
桜乃「リョーマ君・・・!!」
丸井「おい、空が晴れ渡っていくぜい!」
木手「そしてあの光、彼のものでしょうね」
幸村「僕と戦った時よりも遥かにオーラが増している・・・・!」
リョーマ「楽しくなってきたね!」
錦織「速い!しかし減速させてやれば・・・・!」ギュオオオオ
リョーマ「横が開いてるよ!!」
シュパァァァァァン
桜乃「ぜ、全然見えない・・・でも!リョーマ君!頑張ってーー!!」
リョーマ「当然!!」
錦織「く、クソっ!!」
リョーマ「ねぇ、アンタテニス楽しんでる?」
錦織「君にはわからないだろう!!天才と呼ばれ日の丸を背負わされる僕の重圧が!!」
リョーマ「分かりたくもないね!!」
「エ ア ケ イ」
リョーマ「親父はアンタとは違って心からテニスを楽しんでる!だから強い!!」
「サムライドライブ」
錦織「こんなものでぇぇぇぇぇぇ!!」
リョーマ「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
桜乃「リョーマ君!!勝って!!」
一同「行けー!!越前!!」
シュパアアアアアアン
リョーマ「まだまだだね」
錦織「・・・・中学生に本気で負けるなんてなー」
修造「圭!今お前とってもいい顔してるぞ!」
錦織「修造さん・・・俺間違ってたのかもしれません。彼らの様にもっと純粋にテニスをしたいと思います」
桃城「やったなー!越前!!」
菊丸「憎いぞー!オチビー!!」
跡部「俺に勝ったことがあるんだ。そんぐらいやってもらわねーとな」
リョーマ「ちょっ・・・・痛いっスよ皆」
タカさん「行っちゃったな」
跡部「絶対にリベンジしてやるぜ・・・・!」
修造「よし!じゃあ今日は俺もいい汗かいたし帰るか!」
どうしよう最後に金太郎と修造書こうか、リョーマとの試合的に蛇足感凄いけど
>>560で最後にする
修造「ん?どうした?」
越前「最後に俺とテニスしようよ。本気でさ。ずっと手加減してたでしょ」
修造「お前それ言ったな?本気で言ったな!?」
パリパリパリパリパリィン
宍戸「気迫だけで全ての照明が割れた!?」
柳「これが唯一サムライ南次郎と戦える日本人。松岡修造か・・・・!」
修造「よし!!今日はとことんやるぞ!周りのことは気にしない!」
金太郎「負けるんやないでー!コシマエーーー!!」
リョーマ「っらぁ!!」
修造「修造式波動球!!極!!」
ズギャアアアアアアアアアアアアア
跡部「何処まで飛んでいきやがんだ・・・」
大石「やっぱり駄目だよ・・・皆で越前を探しに行こう!」
阿久津「いや、空を見てみな」
リョーマ「ただいま!!」
千歳「一時間かけて波動球の勢いを殺して風に乗って帰ってくるとは本間に限界ばなかね!」
リョーマ「行くよ!!」
「COOLドライブ」
修造「お前は!!帰ってくると!!!思ってた!!」
「HOTドライブ」
リョーマ「へぇ・・・やるじゃん」
「超ウルトラデリシャス大車輪山嵐!!」
バゴォォォォォォォォォォォォォォォォォ
金太郎「ワイの技やー!勝手につこたらあかんでぇ!!」
白石「そういいなや金ちゃん。修造さんみてみ?」
修造「今のは効いたぁ!!どんどん来いよオラ!!」ヨロッ
リョーマ「勿論、まだまだ行くよ!」
修造「これが俺のォォォォ!!」
「HEATドライブ」
ボボボボボボボボボボボボボボボボボ
修造「更にィ!!」
「FLAMEドライブ」
ボワアアアアアアアアアアアア
修造「ほぉぉぉぉぉぉら!!燃えろォォォォォ!!!」
「炎の世界」
跡部「コートに火柱だと!?」
リョーマ「・・・流石に強いや、ってアレ竜崎まだいたの?」
桜乃「私、リョーマ君を最後まで応援するって決めたから!!」
リョーマ「そ、じゃあ早く終わらせてやるよ」
修造「よし来い!!もっと熱くなれよ!!」
リョーマ「これ以上熱くなるのは勘弁!!」
修造「温まってきたなぁ!!」
リョーマ「これでぇ!!」
「サムライドライブ」
ギュルルルルルルルル
修造「まだまだ!!」
「修造ドライブ・絶」
シュゴォォォォォォ
桜乃「ボールが焼け切れて4つに!?」
リョーマ「まだまだぁ!!」
リョーマ「ギリギリまで引きつけて・・・!!」
リョーマ「らぁ!!」
「サムライドライブ」
シュバババババババ
修造「最後まであきらめんなよ!俺!」
パパパパパァン
リョーマ「全部返すとは思ってたよ。でもこれで!!」
パァァァァァン
修造「・・・・・負けちゃったなぁ負けちゃったよ」
桜乃「リョーマ君が勝った・・・!!」
リョーマ「さ、行こう竜崎」
桜乃「う、うん。でも松岡さんは・・・・」
リョーマ「燃え尽きたんじゃない?本当に」
メラメラメラメラ
真田「宿舎やコートの整備がほぼ終了したようだな」
タカさん「まさか越前がプロ二人も倒すなんてなぁ」
リョーマ「ま、当然っすよ」
不二「松岡さんも無傷でよかったよ」
桜乃「リョーマ君・・・///頑張ってね!!」
金太郎「うわー!コシマエラブラブやでぇ!!」
阿久津「はっ、くだらねぇ」
田仁志「あんチビうらやましぃーさー」
リョーマ「・・・・じゃ、行ってくるよ」
終わり
面白かった
そんな訳ないだろ!が1番笑った
続き→リョーマ「松岡修造?」 後
Entry ⇒ 2012.03.06 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ノダミキ「うーん、なんか違うんだよね…」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328367866/
GA 芸術科アートデザインクラス(アニメ公式サイト)
GA 芸術科アートデザインクラス(wiki)
ノダミキ「なんか今日の髪型がねぇ」
キサラギ「おかしいところなんてありませんよ?」
ノダミキ「なんていうかバランスが悪い気がするんだよ…」
ナミコ「そうか?私にはまったくわからんな」
キョージュ「今のノダ殿も十分可愛いな」
ナミコ「自分で言うか、普通」
トモカネ「髪型じゃないけど確かに店とかでも配置が違ったりするとこれじゃない感があったりするよな」
キサラギ「ありますね、画材屋さんでもたまに配置が違うと落ち着きません」
ノダミキ「もぉ私の髪型をそんなのと一緒にしないでよね」
キサラギ「構成の授業ですね」
キョージュ「立体ではなく平面構成だがな」
トモカネ「平面構成?」
ナミコ「デザインの基本だな」
ノダミキ「私にも~」
ナミコ「…これから授業でやるんだけど」
トモカネ「いいのいいの」
ナミコ「はぁ」
キョージュ「いいだろう」
ノダミキ「デザインはつかないけど…部屋のレイアウトとか言うよな」
キョージュ「うむ、まず皆がよく聞くレイアウトは、構成や」
キョージュ「組むという意味が含まれているな」
トモカネ「ふむふむ」
ナミコ「わかってるのか?」
トモカネ「いや、全然」
キョージュ「何かしらの効果や狙いが加味されてくる」
キョージュ「デザイナーは決められたスケジュールの中で効果、狙い、レイアウトをこなさなければならない」
キサラギ「あ、でも知り合いのデザイナーさんが言っていたんですけど、そんな細かくやっている時間がないって」
トモカネ「そういうもんなのか?」
ナミコ「そういうもんなんじゃないか?」
ノダミキ「イメージだとすんごく楽そうなのにね」
トモカネ「だな!」
キョージュ「…」
ナミコ「まぁ今日の授業はそういう授業みたいだしな」
ノダミキ「でも私はキョージュから聞きたいなぁ」
トモカネ「俺も!」
トモカネ「外間先生って難しく話すからなぁ」
キョージュ「私はかまわないが」
ナミコ「あーはいはい、わかったよ」
ナミコ「雅が続けたいならいいよ」
キサラギ「…楽しみです」
ナミコ「キサラギもか…」
ノダミキ「ふむふむ」
キョージュ「構成要素は三つのエレメントに置き換えて考えると理解しやすい」
ノダミキ「はいはい!」
キョージュ「どうした」
ノダミキ「構成要素って?」
ナミコ「そこからか」
ナミコ「文字、写真…イラストとかのことだな」
キョージュ「うむ、それらが構成要素の主だろう」
ノダミキ「そーなんだ」
ナミコ「…わかってないな」
ノダミキ「わかってるよ!なんとなくだけど」
キョージュ「何となくでも大丈夫だろう」
ナミコ「いいのか」
キョージュ「どうした、キサラギ殿」
キサラギ「えーと、三つのエレメントってなんですか?」
トモカネ「おーそれ俺も聞こうと思ってた」
ナミコ「…私も」
ノダミキ「なんだぁ、えらそーなこといってナミコさんもわかってないんじゃん」
ナミコ「うるさい」
トモカネ「まぁここは俺に免じて許してやってくれ」
ナミコ「意味が分からん」
ナミコ「まぁいいか、雅続きを頼む」
キョージュ「では、三つのエレメントについて話すとしよう」
キョージュ「と、言うかここが肝なのでな」
キョージュ「皆がよく知る点、線、面のことだ」
ノダミキ「それだけ?」
トモカネ「なんだ、簡単じゃん」
ナミコ「…お前達これをどう使うかわかってないだろ」
キサラギ「私はわかりません」
ナミコ「キサラギは正直だな」
トモカネ「どんとこい!」
ナミコ「なんでお前はそんな偉そうなんだ」
ノダミキ「そだよー教えてもらうんだから」
ナミコ「そして姫が素直なのは気持ち悪いな」
ノダミキ「ひどいなー」
ノダミキ「だって何か喋らないとキサラギちゃんみたいに空気になっちゃうじゃん!」
キサラギ「…」
トモカネ「もっとも小さいの?それはアレだろ?アレだ!」
ナミコ「わかってないな」
キサラギ「…」
キサラギ「まさか点、ですか?」
ノダミキ「うわ、キサラギちゃんが喋った!」
ナミコ「本人の前で言うお前はひどいな」
キョージュ「点、それは単なる点だが、大きさや形、量によって表情が多彩に変化してくる」
キョージュ「まず、正方形の空間を想像してみてくれ」
トモカネ「…紙に描いてもいいか?」
キョージュ「かまわない」
キョージュ「まず広い空間の中に点を一つ描いてみてくれ」
ノダミキ「うわ、点がこじんまりしちゃってる」
トモカネ「おー今度はさっきよりも点が強調されてる!」
キョージュ「と、このように空間の中に点があるだけでも認識が変わってくる」
キョージュ「まぁこれによって動きを加えることができるのだ」
キョージュ「さらに詳しく話すとしよう」
キサラギ「お願いします」
ナミコ「…」
キョージュ「その空間の中に点を何個か思い浮かべてみてくれ」
キョージュ「そしてそれぞれを大中小と大きさをかえる」
キサラギ「あ、なんだか遠近感があるように感じます」
ノダミキ「ホントだー」
キョージュ「するとどうだ?」
トモカネ「きれいに収まっちゃってまったく動きがないぜ…」
キョージュ「トモカネ殿の言う通り、等間隔で規則的に並べると動きがないものになる」
キョージュ「ではその点をバラバラに散らしてみてくれ」
キョージュ「同じ大きさの点でも規則正しかったり不規則になるだけでもこんなに表情が変わるのだ」
ナミコ「これすごいな」
キサラギ「面白いです」
キョージュ「だがまだあるぞ」
キョージュ「次ぎは…」
ノダミキ「うわ!なんだか今にも落ちそーだよ」
トモカネ「あ?俺にはのぼって行ってるように見えるけど」
キサラギ「どっちなんでしょうか…」
ナミコ「どっちなんだ、雅」
キョージュ「…」
キョージュ「そのようなイメージになるのだ」
キョージュ「次ぎは同じように下方にしてみてくれ」
ナミコ「今度は下に沈滞してる感じがするな」
ノダミキ「ちんたい?」
キサラギ「そこにとどまって動かないってことですよ」
ノダミキ「なるほど」
トモカネ「だったら俺はさっきのほうがいいな」
ナミコ「そうは言ってもデザインによって変えなくちゃだろ」
トモカネ「…」
トモカネ「わかってたぜ!」
ナミコ「嘘だな」
キョージュ「また大小違う大きさの点を空間いっぱいに散らしてみてくれ」
キサラギ「あ、楽しいにぎやかな感じになりました」
ナミコ「なんか奥行きがあるようにも思えるな」
キョージュ「…」
キョージュ「ナミコ殿が言ってしまった…」
ナミコ「すまん」
キョージュ「…」
キョージュ「線、それは先ほど説明した点が移動した軌跡だ」
ノダミキ「おー!」
ナミコ「だから一番始めに点の説明をしたんだな」
キョージュ「そういうことだ」
キョージュ「線は太さと距離を持ち、太さより距離の方が長ければ線とみなされる」
ノダミキ「逆の場合は?」
ナミコ「逆…距離よりも太さを持ったらってことか」
キョージュ「その場合は後ほど話す面になるな」
トモカネ「へー」
トモカネ「ギリ」
ナミコ「…」
トモカネ「だって小難しくて頭が痛くなってくるんだからしょうがないだろ」
ナミコ「まぁトモカネは置いてってもいいだろ」
ナミコ「雅、次ぎを頼む」
トモカネ「また描いていいか?」
キョージュ「聞かなくてもいいぞ」
トモカネ「…」
キョージュ「そこに規則的な列を作ってみてくれ」
キョージュ「うむ、線での基本だな」
キョージュ「次に線を自由に引いてみてくれ」
ノダミキ「曲線でもなんでもいいの?」
キョージュ「うむ」
ノダミキ「私も~」
キサラギ「私もです」
トモカネ「キョージュ、これはなんだ?」
キョージュ「…デザイナー達にはこれが生命力を感じさせるらしい」
キョージュ「私達がまだ未熟だと言うことだな」
ノダミキ「そなの?」
キョージュ「では逆に統一させた滑らかな曲線を何本か引いてみてくれ」
キサラギ「うわぁ、なんだか波みたいですね」
ノダミキ「水の流れみたいだね」
キョージュ「それが持つ印象は柔らかい」
キョージュ「あながち水という表現は間違いではないだろう」
キョージュ「線の角度や群れ具合でもいろいろと変わってくる」
トモカネ「どんな感じに?」
キョージュ「方向性や力などを感じさせるな」
キョージュ「効果線もこの類いだな」
キサラギ「ただの線でも使い方によってはこんなにも印象が変わってくるんですね」
キョージュ「ではこれが本当の最後だ」
ナミコ「いよいよ面の説明だね」
ノダミキ「どんなことでもどんとこい!」
キョージュ「…」
もっと色々な場所で解説してくれる機会があるといいのに
キサラギ「えぇ」
キョージュ「それと同じで、線が移動してできた軌跡が面になるんだ」
トモカネ「おもしろいな、全部繋がってるのか」
キョージュ「あぁ、だからこの三つが基本なのだ」
ノダミキ「なるほどー」
キョージュ「しかし、面を組み合わせることで立体感を感じさせることが出来る」
ノダミキ「ほんとだ、いつもは立体は立体って考えてたからこんな風に考えてなかったよ」
ナミコ「立体って当たり前にあるもんな」
キョージュ「だが、デザインやものを描いたりする上では自分で立体を作りださなくてはならない」
キョージュ「まぁ面を組み合わせればこのように簡単に作れるのだが」
キョージュ「さらに、色や厚みによって質感を持つ物体のように感じさせることもできる」
トモカネ「面、最強だな」
ノダミキ「面があるから私達は生活できるんだね!」
ナミコ「…それは言い過ぎだ」
キョージュ「正円はどんなイメージがある?」
ナミコ「安定感?」
キョージュ「そう、正円は統一された完璧な形なので安定感、安心感がある」
キョージュ「では次に楕円はどうだ?」
トモカネ「バランスが違う!」
ナミコ「当たり前だな、楕円だし」
ノダミキ「そーなノダ」
ナミコ「…」
キョージュ「…」
キサラギ「なるほど、ちょっと崩れるだけでも変わるんですね」
ノダミキ「キサラギちゃんはガチスルー?それとも?」
キサラギ「なんのことですか?」
ノダミキ「…」
トモカネ「気にするな」
キョージュ「正三角形も先ほどの正円のように安定感がある」
キョージュ「そして、鋭角があることで円にはないシャープさがある」
キョージュ「そしてこの鋭角が強まると…」
トモカネ「スピード感が出たりしてな」
キョージュ「!」
キョージュ「その通りだ」
ナミコ「たまたまだろ」
ノダミキ「なんだまぐれか」
トモカネ「うるせいやい」
キョージュ「…」
キョージュ「見てもわかる通り正方形ほど安定感があるものはない」
ナミコ「バランスに狂いがないもんな」
キョージュ「その分、三角形と違ってスピード感とは無縁な静的なイメージだな」
キョージュ「だがそんな四角形でも例外がある」
ノダミキ「例外?」
ナミコ「なんでだ?」
キョージュ「長方形は一定方向にのびているだろ?」
ナミコ「確かに」
キョージュ「だから動きがでるのだ」
ノダミキ「正方形のは出来ない芸当だね!」
キョージュ「次にそれらを組み合わせ応用した…」
ノダミキ「あれ?さっきからキサラギちゃん喋ってなくない?」
トモカネ「確かに」
ナミコ「あ!」
ナミコ「な!今体と急がないと間に合わん」
キョージュ「…まだ話すことがあったのだが」
トモカネ「そんなの後々!」
ノダミキ「今日間に合わないと外間先生に呼び出しだよ」
おわり
応用編楽しみにしてる
もっと見ていたかったぜ
正方形ってなんか良いよな立方体も好きだ
GAはよいものだ・・・
Entry ⇒ 2012.03.05 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
カイジ「いいぜ……ぷよ勝負だ……!」ぷよ…ぷよ
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329122476/
ぷよぷよ!!(公式サイト)
カイジ(こ、ここはどこだ……?俺は確か、一日外出券を得て……そうか、外に出られたのか!!)
カイジ「そうと決まれば金を得る手段を考えなければならないが……その前に、飯だな……
だがしかし、見知らぬ土地……飯屋を探す時間すら惜しい……誰かに聞くのがてっとり早いんだが……
いや、丁度良い所に人が来たな……!奴に聞くとしようか……!」
リデル(あの人……顎と鼻がとんがってる……ひょっとして、変わった角なのかな……?
だとしたら、すごいなぁ……私なんか、恥ずかしくて髪の毛で隠してるのに……)
カイジ「おいアンタ、ちょっとイイか?」
リデル「は、はい……?」
カイジ「この辺に飯屋ってないか?」
リデル「め、飯屋ですか……?(し、知らない人に話しかけられちゃった……ど、どうしよう……)」オロオロ
カイジ「ああ、あんまりこの辺に詳しくなくてな。出来れば案内して欲しいんだが……」
リデル「あの……そ、その……えっと……」
カイジ「?どうした?」
リデル「ぷ、ぷよ勝負で勝ったら教えます……!」
カイジ「……ぷよ勝負……だと……!?」ざわ…ざわ…
みたいな感じの話を誰か書いて下さい
リデル「え…?し、知らないんですか……?」
カイジ「ああ、生憎だが聞いたこともねえ……」
リデル(どうしよう……ぷよ勝負知らない人に勝負して勝っても、ずるいよね……)
カイジ「ルールは分からねえが…教えてもらえば出来ない事もねえ……!
だが、俺が勝ったら飯屋の場所を教える、それは構わねえが……アンタにそれをする利があるのかい……?
(無意味な賭けをふっかけるはずが無い……!この勝負、何か裏があるとみて間違いないだろう……このガキ、控えめな顔して何て悪なんだっ……!)」ざわ…ざわ…
リデル「あ、あの……ええっと……」オロオロ
アミティ「あっれー?リデルだ、やっほー!どうしたの、こんな所で?ってあれ?この人誰?」
リデル「あの……実は……ぷ、ぷよ勝負……」
カイジ「っ……!(早速仲間を呼びやがった……!このぷよ勝負、恐らく1対1と見せかけた頭脳戦っ……!麻雀の様に通しが利くような勝負とみて間違いないっ……!)」ざわ…ざわ…
カイジ「ッ……!そうか、なら2人でやってみたらどうだ……?生憎とルールも知らない初心者でな……見てやり方を学びたい所なんだ……!
(渡りに船って奴だ……!これなら違和感なく奴らのやり口を「見」する事が出来る……!)」
リデル「あの……そ、それじゃあ、よろしくお願いします」
アミティ「それじゃあ行くよ~レッツ!」
リデル「ぷよ勝負……」
カイジ(この掛け声は言わなきゃいけないのか……?は、恥ずかしいんだが……)
リデル「あの……えっと……あの……その……行きますね、ヴヴ・ヴェント、ララ・ランポ、ロロ・ロタヴェント、べベ・ベネランポ」
※臨場感が足りないけど実際はなんかすげえ嵐みたいなのの応酬が為されてます
リデル「ま、負けましたぁ……」
アミティ「やったね!」
リデル「……こんな風に、ぷよを消して……あ、あの……?」
カイジ「」
アミティ「あれ~?どうしたの、この人?あ、そうだ!私アミティ!よろしくね!」
リデル「あ……わ、私はリデルです……(そうだ、知らない人には名前を教えなくちゃ……)」
カイジ「あ、ああ……俺はカイジだ……(何だあれは……!?いや、恐らく名前から察するにぷよと言うのはさっきまで消していた謎の球体に違いないが……!)」ざわ…ざわ…
カイジ「あ、ああ……よろしく頼む」
リデル(凄いなあ、知らない人ともすぐ仲良くなってる……)
アミティ「あ、そうだ!カイジとリデルはどうしてぷよ勝負を?」
リデル「え?その……ご飯食べる所を教えて欲しいみたいで……」
アミティ「そっかあ!それでぷよ勝負なんだね!」
カイジ(どうしてそれでぷよ勝負に繋がるんだ……!?)ざわ…ざわ…
カイジ「な、なあ……ちょっと良いか?」
リデル「は、はい、なんですか…?」アミティ「なに?あ、ひょっとしてもうぷよ勝負したくて待ちきれないとか!?」
カイジ「違う……!あれだけの勝負なんだ、俺が負けた時の対価が何なのか……!知る権利があるはずっ……!
たかだか飯屋でエスポワールに連れていかれるなんて事態は避けたいところ……!!」
アミティ「んー……エスポワールが何なのかよくわからないけど、負けても特に何もないよ!」
カイジ(どういうつもりだ、このアマッ……!しらを切るつもりか……!
圧倒的力量差を見せつけ、俺の逃げ場を無くし、勝負を強要した所で甘い顔を見せ、俺が安心した所を殺るつもりかっ……!
狡猾っ……!こいつら、利根川に勝るとも劣らぬ程の蛇っ……!)
「馬鹿が1人罠にかかった」と……!そこに慢心は生まれる……!恐らく、ぷよ勝負初心者の俺にある勝ち目はそこだけっ……!)ざわ…ざわ…
アミティ「?どしたの、真剣な顔して?」
リデル「あう……カイジさんが初心者なのに、私が勝負何て言ったから……」
アミティ「気にしない気にしない!誰だって最初は初心者なんだから!何事も挑戦だよ!」
カイジ「良いぜ……何事も挑戦してナンボだ……!受けようっ……!ぷよ勝負……!」ぷよ…ぷよ…
アミティ「あ!そうだ私、アコール先生の補修を受けないといけないからコレで帰るね!ばいばーい!」
カイジ(何だと……!?どういうつもりだ……?俺ごとき、1人で十分ってことか……!慢心……!確実に慢心しているっ……!)
リデル「はいー。色々とありがとうございます」
アミティ「私も楽しかったからこっちこそありがとうだよー!カイジもぷよ勝負頑張ってね!」
カイジ「あ、ああ……胸を借りるつもりで頑張ろう」
リデル「行っちゃいました……」
カイジ「……よし、そうと決まれば……やろうじゃないか……ぷよ勝負……!」
リデル「は、はい。よろしくお願いします……」
カイジ「いくぜっ……!レッツ……!!」
「ぷよ勝負……」「ぷよ勝負っ……!」
リデル「いきますね、いきますね、いきますね、いきますね、テテテテンペスタ」
カイジ「墓穴っ……!ダブルで墓穴っ……Wボケっ……!止めろ……!ふざけるな……!よせっ……!」←大量のおじゃまぷよが送られている図
カイジ「また負けた……働いてないのに……また負けちゃった……」
リデル「あの……すみません、初心者の方にこんな……緊張しちゃって……」
カイジ「いや、良いんだ……アンタが勝ち、俺は負けた。それだけの事だ……(胸を張れっ……!手痛く負けた時こそ……!胸をっ……!)」
リデル「あ、ありがとうございます……(カイジさん、怖そうな人だと思ったけど、良い人なんだ……)」ドキドキ
カイジ「さあ、地下でもなんでも、好きな所に連れて行けっ……!敗者に情けは無用っ……!」リデル「そ、それじゃあ、近くのご飯屋さんに行きましょう」
カイジ「……」
リデル「……」
「「え……?」」
カイジ「済まなかった……!疑ったりなんかしてっ……!そもそもおかしかったんだ、高々飯屋の場所ごときに命を賭けるなんざ……!!」ガツガツ
リデル「い、いえ……私も急にぷよ勝負なんて……知らない人にそんな事言われたら……何かあるんじゃないかっておもいます……」
カイジ「いや、元はと言えば疑ったこっちが悪いんだ……せめてこの場の飯代位奢らせてくれ……!後、さっきのアミティって奴にも今度会ったら謝っといてくれ……!
俺はこの辺の人間じゃないから、次会えるかどうかわからねぇからな」ガツガツ
リデル「そ、そうですか……ありがとうございます(やっぱり、カイジさんは良い人だ…)」
しばらく飯食って
カイジ「ふう……腹も膨れたし、そろそろ出るか……悪いな、最後まで付き合ってもらって……思う存分飯を食うってのが久々でな……」
リデル「い、良いんです、私も楽しかったですから……あ、あの、ごちそうさまでした……」
カイジ「いや、気にするな。さっきも言ったがこれは詫びだからな……!おい、店員……会計を頼む……!」
ウィッチ「はーいですのっ!あんなに素晴らしい効き目をした魔法薬が全く売れませんので、こうして渋々ながら小汚い食堂でアルバイトをしている世界一美しくて宇宙一立派な魔法使いの私が会計をいたしますわ」
リデル「あ……あなたは……(魔法薬として私の角を取ろうとした人だ……)」
カイジ「……?何だかよくわからねえが、1万円から……」
ウィッチ「?何ですの、この紙切れは!こんなので私の目を欺けるとでも思ったのかしら?全く失礼な殿方ですの!!」プンスカ
カイジ「何……だと……?」ざわ…ざわ…
日本円が通じる所に帰すとは言っていない、一言も・・・・・・っ!
カイジ(通貨が違う……だと……!?ならここは日本では無い別の国……!?言葉が通じるのに、か……!?
だとしたら、これは帝愛グループの罠……!?通貨が日本円では無い国に俺を飛ばし金を稼げないように、俺を嵌めたと言う事か……!?)
リデル「あの……その……これは……違うんです……」
ウィッチ「何が違うと言うのですの?現にこの方は私を騙そうと……!」
カイジ「いいぜ……ぷよ勝負だ……!」ぷよ…ぷよ…
ウィッチ「へぇ……この強くて美しい魔法使いに、ぷよ勝負を挑もうと言うのですの?その意気だけは認めますの」
カイジ「俺が勝ったら……ここの飯代をタダにしてもらうっ……!」
ウィッチ「なら私が勝てばあなたは私の代わりにここでアルバイトをしてもらいますの!!」
カイジ「いいだろう……!そうと決まれば、レッツ……!」
「ぷよ勝負ですの!」「ぷよ勝負っ……!」
リデル(大丈夫かなあ……この人、凄く強いのに……)
ウィッチ「どんえーん!どんえーん!どんえーん!どんえーん!」
カイジ「止めろ……!ふざけるな……!貴様……!それでも人間か……!」
カイジ「負けた……また負けちゃった……」
リデル「あ、あうう……」オロオロ
ウィッチ「やはり私は最強の可愛い魔法使いのようですわね、これに懲りたら詐欺なんて止めることね」
カイジ「違う……!これは詐欺なんかじゃない……!騙されていたんだ……俺が……!」
リデル「その……カイジさんは、他の所から来た人みたいで……その……」オロオロ
ウィッチ「と・に・か・く!私の代わりに働いてもらいますの!その間私は魔法薬を調合していますので、お金は私の家まで届けるように!」ドタドタ
リデル「行っちゃいました……どうしよう……家の場所もわからないのに……」
カイジ(どうする……馬鹿正直に働くかっ……!?いや、しかし……通貨もわからぬ現状、ココが何処なのか把握するには食堂と言う場はうってつけっ……!
いくら稼いだかなど、奴にわかるはずもない……!つまり一部をくすね、残りをあの魔法使いとやらに渡せば種銭は出来るっ……!)
リデル「か、カイジさん…どうしましょう……?」
カイジ「あんたはもう帰るんだ……!」
リデル「え……?で、でも……」
カイジ「コレは俺が招いてしまった事……!この負債、アンタが抱える必要は無い……!」
リデル「カイジさん……(こんなに良い人なのに……私は何も出来ないんでしょうか……)」
リデル「カイジさん……その、少し、待っていてください……!」スタタタ
カイジ「行ったか……(少し待っていてください、ってのが気になるが……)オイ、店主!そう言う訳だから働かせてもらうぞ!」
しばらくして
カイジ「マグ定(マグロ定食)イチにサバミソイチ入りゃーっす!」
すけとうだら「ぎょぎょっ!?こいつは美味そうな定食じゃねーか!」
オニオン「オニオーン!」
ユウちゃん「幽霊だからご飯なんてたーべらんなーい!」
レイくん「冷やかしにも程があるよ、ユウちゃん」
カイジ(ふう……少し働いてわかったが……)
カイジ(本当にここはどこなんだ……!?)ざわ…ざわ…
あの時の勝負のひりつき……焦燥……そして絶望……!あれが夢であるはずが無い……!)
カイジ(そして何より、ここではぷよ勝負が全てらしいっ……!つまり、金を得るにもぷよ勝負……!負ければぷよ地獄……!)
カイジ「お会計1250Gになりゃーっす!」
カイジ(通貨は金貨、銀貨、銅貨の3種類……!紙幣は存在しないとなると……ここは中世ヨーロッパか何かか……!?いや、そんな事はあり得ない……!っと、新たな客だ……)
カイジ「りゃっさっせー!」
アミティ「あー!ホントにカイジが働いてるー!」
ラフィーナ「全く、急に呼ぶから何事かと思ったら……」ブツブツ
シグ「ムシーいないー」キョロキョロ
りんご「あ、見て見てまぐろ君!マグロ定食だって!」
まぐろ「困るなあ★僕の事じゃないのに★」
りすくませんぱい「ふぅーむ……何はともあれ、ここで食事をしていけばいいと言う訳だな?」
カイジ「何だ……これは……!」
リデル「あ……実は……せめて早くお金を稼げるようにって……アミティさんに相談したら……」
アミティ「学校に居た人と、街で見つけた人、皆を連れてきちゃいました!これなら一気にお金稼げるよね!」
カイジ(しまった……!あのウィッチとか言う奴がいくら欲しいのかは知らないが……!一気に目標額(不明)まで到達してしまえば……!情報はもちろん、種銭などもってのほか……!
そもそも、ここが日本では無いと言う事しか分かっていないと言うのに……!)
りんご「しっかし、通貨が未だに金貨とか銀貨なんて、何と非合理的な営業形態なんでしょう」
まぐろ「そうは言ってもりんごちゃん、日本みたいに綺麗な紙幣を作る機械がここには無いじゃないか★」
りすくませんぱい「とりあえず、サバミソ定食を頼む」
アミティ「私は何にしようかなー」
ラフィーナ「ここには紅茶もケーキもありませんの?」
シグ「あー、ひょっとしてー、ムシー、隠したなー?」
リデル「私には……この位しか出来ませんが……頑張ってください……」
カイジ「あ、ああ……頑張る。頑張るが……そこの2人、ちょっと良いか?」
りんご「ん?なんでしょう?私はメニューを選ぶので忙しい為、手短にお願いします」
りすくませんぱい「私はサバミソ定食と言っただろう?」
カイジ「いや、りすだかくまだかわからん奴には聞いてないっ……!そっちのりんごとやらと、お前だ……」
まぐろ「え?ボクの事かい?」
りんご「日本って、あなたも日本の人なんだ?」
まぐろ「どうやってここまで来たんだろうね★」
りすくませんぱい「大方、実験に失敗した爆発でここまで来たんだろうな。恐らくだが、その影響で鼻と顎が……実に興味深い」
カイジ「やかましい!「どうやってここまで来た」……つまり、通常の手段ではこんな所には来られないと、そう言う事か……!
だったら、俺はどうやって帰れば良いんだっ……!?」
りんご「うーん……これまた難しい質問ですね……そうだ、ぷよ勝負に勝ったら教えても良いかな?」
カイジ「本当か!だったら勝負してくれ!」
リデル「か、カイジさん……(この人も強いのに……)」
りんご「えー、どうしよっかなー?」
まぐろ「りんごちゃん……(帰り方なんて知らないのに……★)」
アミティ「決めた!私はチーズハンバーグミックス盛り!」
ラフィーナ「け、健啖家ですわね……」
カイジ「兎に角、勝負……!」ぷよ…ぷよ…
りんご「仕方ないなあ。それじゃあレッツ?」
「ぷよ勝負っ」「ぷよ勝負……!」
りんご「解けた!ビビって来た!興奮してきた!ぐふふふふっ!にゃははははー!にゃははははー!
サイン!コサイン!タンジェント!インテグラル!パーミテーション!」
カイジ「関係ねえ……!他人なんか……!関係ねえんだよ……!俺だ……俺なんだ……!
……止めろ……!ふざけるな……!猛省……!流石の俺も猛省……!」←途中までは頑張った図
カイジ「負けた……!何故だ……!」
リデル「惜しかったですよ、カイジさん…」
りんご「貴方も中々のお手前でした」
まぐろ「途中までは良かったんだけどね★りんごちゃん相手にはちょーっと詰めが甘かった……かな★」
りすくませんぱい「ふぅーむ……このサバミソ……赤味噌と白味噌の合わせ味噌と来たか……実に興味深い」
アミティ「おいしー!こんな店あるなんて知らなかったよー!」
ラフィーナ「そ、そうなんですのね……で、では私も……アミティさんと同じものを……」
アミティ「なーんだ、ラフィーナもハンバーグ食べたかったんだ!」
ラフィーナ「べ、別に私はこのようにカロリーが高いものを好き好んでなんて……!」
シグ「おーここにはムシはいないのかー……」ショボン
カイジ「仕方ない……負けは負けだ……好きにしてくれ……!」
りんご「え?良いんですか?じゃあここのご飯奢ってください!全員分!」
アミティ「えー!?カイジそんなことしちゃっていいの!?ってあれ?何か当初の目的と違うような……まあ良いか!」
カイジ「」
リデル「す、すみません…結局迷惑をかけてしまいました……」
カイジ「いや、結果として一気に稼げたんだから良しとしよう……!兎に角、奴の下にこの金を運ぶ……それが先決……!」
リデル「あ、でも……」
カイジ「どうしたんだ?」
リデル「あの人の住んでるおうちの場所、知ってるんですか?」
カイジ「いや……知らない……!知らない以上、探し出すほかあるまい……(その道中でこの金を賭ける事になっても、それは仕方のない事……!
なにせコレは勝負……!ぷよ勝負なのだから……!何、勝って増やした分だけを元手にしたら何の問題も無い……)」
リデル「そうですよね……でも、ここはとっても広くて、人を探すなんて……」
カイジ「人を探すには、人を頼るのが一番だ……故に地道の聞きこみ……聞きこみ調査っ……!だがリデル……!お前はもう帰れっ……!これ以上世話になるわけにもいかない……!」
リデル「で、でもさっきもの凄く迷惑をかけましたし……てて、手伝わせて下さい!」
カイジ「……すまんが……」
リデル「……そうですか……」ショボン
カイジ「いや、ここらの地理に疎いからな……道案内は任せた……!」
リデル「は、はい!」パァァ
カイジ「魔女と言えば森……!情報が無い今は、それらしい所を探る……!見つかれば儲けもの、見つからなければ人を頼る……!」
リデル「でも、この辺に人はそんなに……」
ドラコ「ふんふふんふふーん」スタコラ
リデル(あ、角のおねえさま……)
カイジ「丁度良い所に居たな……!おい、そこのアンタ、ちょっと良いか?」
ドラコ「ん?あたし?ひょっとして美少女コンテスト優勝を狙ってるあたしにスカウト!?」
カイジ「いや、違う……!人を探している……!ウィッチとか言う奴なんだが……!」
ドラコ「なーんだ、違うのかー……って、私じゃなくて、ウィッチを探してんの?」
カイジ「あ、ああそうだが……」
ドラコ「ひょっとして、あいつの事をスカウトするつもり?!ここに超絶美少女のドラコケンタウロス様がいるっていうのに!?」
カイジ「な、何の話だ……!?俺はスカウトなんかじゃない……!」ざわ…ざわ…
リデル「か、勘違いです、おねえさま……」
ドラコ「騙そうったってそうはいかないんだからね!!ぷよぷよで勝負だ!!」
カイジ「クソッ……!どいつもこいつも口を開けばぷよ、ぷよと……!」ぷよ…ぷよ…
カイジ「アンタ……!大した悪党じゃないか……!張らせて貰うぜ……!限界を超えてっ……!」
リデル「あ……(カイジさん……ぷよ勝負、上手になってる……)」
ドラコ「へぇ……中々やるじゃん!アンタ!」
カイジ「ククク……!悪いが……!思い通りにはいかせねぇ……!ぷよ無し惨敗だよ……!お前は……!」
ドラコ「言ったなー!!だったら本気でやってやる!!」
リデル(カイジさん……頑張ってください……)ドキドキ
ドラコ「ファイヤーブレス!バーニングブレス!ドラコスペシャル!ダイナソニック!グレートファイヤー!!」
カイジ「馬鹿なっ……!そんな馬鹿なっ……!どうして……何で……!こんな理不尽な事が……!俺ばかりに……!」
ドラコ「へへーん、実力が違うよ!」
カイジ「クソ……!また負けたっ……!」
リデル「惜しかったです……」
カイジ「次は負けないっ……!この借りは必ず返すっ……!」
ドラコ「あはは!楽しみにしてるからな!そんじゃーねー!」スタコラスタコラ
リデル「行っちゃいました……(結局何も分からなかったです……)」ショボン
カイジ「ククク……今、何も分からなかったと、考えなかったか……?」
リデル「え?ど、どうして分かったんですか……?」
カイジ「簡単さ……顔にそう書いてあった……!しかし、一つだけ分かった事がある……!」
リデル「な、何でしょう……?」
カイジ「適当に入った森……そこで偶然出くわした人……そいつがウィッチと言う名を偶然にも知っていた……!
この二つが意味する事は一つ……!ウィッチは顔が広い……!つまり、適当に人さえ見つけられれば、ウィッチの事を知っている公算大っ……!」
リデル「な、成程です……」
カイジ「兎に角、引き続きこのあたりを探そう……予想が正しいとは限らないからな……!」
リデル「はい!」
リデル「あ、ありがとうございます……」
カーバンクル「……」
カイジ「む……何だこの生き物……あっち行けっ……!」シッシ
カーバンクル「ぐぐ~?」
カイジ「何て言ってるんだコイツ……?リデル、わかるかっ……?」
リデル「い、いえ…お役に立てなくてごめんなさい……」
カイジ「いや、「ぐー」なんて言葉に意味が込められてるはずもない……気にするな……!」
カーバンクル「ぐぐ~?ぐーぐぐー!」
カイジ「やけに挑戦的な目をしてやがる……!こいつ、やろうってのか?ぷよ勝負……!」ぷよ…ぷよ…
カーバンクル「ぐぐぐー♪」
カイジ「良いだろう……ただし俺との勝負に勝ったら、教えてもらおうっ……ウィッチの居場所……!!」
カーバンクル「ぐぐー!」
リデル(知ってる事、前提なんですね……)
知らなかったらしょうがないな
カーバンクル「ぐっぐ・ぐーぐ!ぐっぐぐぅーぐっ!ぐっぐぐーぐー!ぐぐぐ~!ぐっぐぐ~!」
カイジ「クソ……!負けるのかっ……!?貴様……!それでも人間か……!人間じゃなかった……!」
カイジ「負けた……!人間でも無い小動物(?)にすら負けた……!」
リデル「カイジさん……元気出して下さい……この子も凄く強かったみたいですし…」
カーバンクル「ぐぐー?」
カイジ「確かに……こいつも強かった……!それはまごうことなき真実……!
しかし敗因は……小動物と侮った……俺の慢心っ……!勝てると思った……思ってしまった……!情けないっ……!」ボロ…ボロ…
リデル「で、でも……カイジさんも凄く強くなってますし……」
カーバンクル「ぐ~?ぐーぐぐー!」スタタタタ
カイジ「…………着いてこいと、そう言っている気がする……!」
リデル「……え?」
カイジ「俺にはわかる……あれに着いて行けば……何かがわかるはずっ……!」フラ…フラ…
リデル「カイジさん……」オロオロ
カイジ「来たっ……人……!人だっ……!あれほどの小動物を使役する存在……!ならばこそ、ウィッチと言う魔女も知っていて然るべきっ……!」
リデル(本当に人が居る所に行きあたるなんて……)
アルル「あれ、この人たちは?」
カーバンクル「ぐー、ぐぐぐー!」
アルル「え?遊んでもらってたの?そうなんだ、よかったね!」
カイジ「あー……その、なんだ……人を探してるんだが……」
アルル「それよりも、カーくんと遊んでくれてありがとね!お礼と言ったらなんだけど、何でも聞いて良いよ!誰を探してるの?」
カイジ「ウィッチとか言う魔法使いなんだが……魔法薬を作るとか言ってどっか行ったはいいが、居場所が分からなくてな……!」
アルル「ウィッチ?ウィッチなら知ってるよ!さっきシェゾがどうとか行ってあっちの洞窟に向かって行ったよ」
カイジ「何だと……!?僥倖っ……奇跡が起きたっ……!ありがてえ……感謝するっ……!」
リデル「凄いです……こんなにすぐ知ってる人に行きあたるなんて……」
アルル「このくらいお安いごようだよ!ねーカーくん♪」
カーバンクル「ぐぐぐー♪」
シェゾ「全く……何だったんだ、あの魔女と来たら……」ブツブツ
カイジ「ここか……」
リデル「うう、何だか暗くて怖いです……」
シェゾ「次から次へと……何なんだ!俺は静かに過ごしたいだけだと言うのに!」プンスカ
カイジ「な、何をキレてんだコイツっ……!ひょっとして危ない人か……!?」
リデル「か、カイジさん……怖いです……」
シェゾ「変態って言うな!!」
カイジ「そんな事言ってない……!俺はただ、人を探しているだけなんだ……!
ウィッチとか言う魔女……そいつの所在さえ知られれば、どこへなりとも消えようっ……!」
シェゾ「……魔女について知ってどうするつもりだ……?」
カイジ「何て事は無い……届けたいモノがあるだけだっ……!」
シェゾ「ほう……届けたいモノ…だと……?つまりウィッチと貴様は何かよからん魔法薬の調合でもしようとしてるんだな?」
カイジ「何だと……?」ざわ…ざわ…
俺のねぐらであるこの静かな洞窟を荒して回ったんだ!!そこにお前が図ったかのように現れると来た!
つまり、ウィッチとのぷよ勝負で力を摩耗した俺に止めを刺そうと言う訳だな!?俺の闇の力を恐れんがばかりに、最低でも足止めをしようと!!」
カイジ「」
リデル「あの……その……誤解です」
シェゾ「喧しい!我が闇の剣、さばき切れるか!?行くぞ、ぷよ勝負!!」
カイジ「クソっ……!やるしかないのかっ……!(しかしあの口ぶりからして、力量はウィッチと互角と見た……!どうする……どうする……?!)」ぷよ…ぷよ…
リデル「カイジさん……」
シェゾ「行くぜ!喰らえ!闇の剣よ…!切り裂け!!」
カイジ「がっ……!がっ……!がっ……!何をやってんだ、俺は……!」
カイジ「負けた……またしても……!」
シェゾ「勝負あったな……しかし、その程度の力量でウィッチと組むとはどういうつもりだ?」
カイジ「だから違うと言っているだろうがっ……!!」
カイジ「そうさせてもらえなかったからこその結果がコレだよッ……!!」
シェゾ「仕方ない……百歩譲って俺の勘違いだったとして、それの詫びに魔女について教えてやろう」
カイジ「何処か釈然としないが……感謝する……!」
シェゾ「奴の目的は"魔法薬"だ……俺の髪の毛を取って言ったのも「闇の力を持つ者」の身体の一部が欲しかったかららしい……」
リデル「なんだか……凄そうな薬を作るみたいですね……(前に私も角を取られそうになっちゃったですし……)」
シェゾ「ふん。奴のつくる薬はどれもこれもセンスがズレてるモノばかりだ。どうせ失敗するに決まってる。
材料は集めたとか行ったから、恐らくは街に戻って調合でもするんだろうさ。場所は確か……」
カイジ「……結局街に戻るのか……だがしかし、感謝だ……!お陰でもうすぐウィッチを見つけられそうだ……!」
リデル「ありがとうございます、よかったですね……カイジさん」
シェゾ「ふん。礼には及ばん。俺はただここで静かに過ごしたいだけだからな、さっさと行け」
カイジ「それでも言わせて貰おうっ……ありがとう……!ありがとう……!」ダダッ
リデル「それでは、失礼します……」スタタッ
シェゾ「ようやく静かになった……まずはこの荒れ果てた洞窟の中を整頓しようか……」ガックシ
カイジ「結局戻って来たが……奴の言う通りなら、恐らくはこの工房の中にウィッチは居るはず……!事実、何やら煙が上がっている……実験の証っ……!」
リデル「ようやくですね……長かったです」
カイジ「リデル……お前の道案内が無ければ俺は途方に暮れていた……改めて感謝……!」
リデル「い、いえ……そんな……私なんて……」
カイジ「いや、あの鬱蒼とした森……!あそこを抜ける事は至難の業っ……!あのあたりの地理に詳しい者でなくては……!」
カイジ(……待て、何かを忘れているような気が……)
カイジ(……そうだ、"種銭"っ……!あれが無くては、あいつらを……!三好達を救うための金を得られないっ……!!)
カイジ(ウィッチの居る場所は分かった……だったら、別に今じゃなくても良いんじゃないか……?
バイト代を元手に、少し増やした後でも……!)
どうする?
1、素直にウィッチに金を渡す
2、ぷよ勝負でお金を少し増やし、その分はくすねてウィッチに渡す
>>175
例え負けた所で失うのはあの魔女の金っ……!問題など無いっ……!)
カイジ「色々助かったぜ、リデル……だが今日はもう遅い。後日改めて礼をしたいから、今日の所はここで解散としようか……!」
リデル「そうですね……あ、でも……カイジさん、泊る場所は……?」
カイジ「心配はいらない……!いざとなればあの食堂に駆けこむっ……!」キラッ……
リデル「わ、わかりました……それでは、おやすみなさい」スタスタ
カイジ「ああ。じゃあな」
カイジ「……」
カイジ(コレで1人きり……!ここからは俺1人の力で乗り切るしかないっ……!)
カイジ「まずは……人を探そう……!条件は金を持っていそうな奴っ……」
1、クルーク
2、サタン
3、ルルー
4、レムレス
5、フェーリ
6、アコール先生
>>186
フェーリ(デートに誘うには打ってつけの条件……)
フェーリ(お菓子何ていくらでもレムレス先輩にプレゼント出来ると言う事をアピール出来れば……)
フェーリ(確実に私の願いはかなうはず……)
フェーリ(と言っても、まずは先立つ物がなければ……主に金銭面で)
カイジ「あんた、今ちょっと時間あるか?」
フェーリ「……何、私はいま考え事していて忙しいんだけど……?」
カイジ「そうか……だが、駄目元で尋ねてみるが……ぷよ勝負をしてくれないか……!
勝った方が5000G(今日の日当全額)払う……どうだ……!?(見た所学生位の少女に勝負を吹っ掛ける何て最低野郎だが……そうも言ってられねえんだ……!)」
フェーリ(成程、そんなやり方もあるのね……)
フェーリ「良いわ、勝負をしましょう」
カイジ「ッ……!ありがてえ……なら、早速、勝負だ……!」ぷよ…ぷよ…
カイジ「うんざりなんだ……!損だ…得だ…金だ…資産だ…そんな話はもうっ……!」
フェーリ「ちょっと、止めてよ!言ってる事と……やってる事……矛盾してるわよ……!」
カイジ(っ……!勝てる……初めて……!勝てるんじゃないか……!!?)ざわ…ざわ…
カイジ(いや……違う……!何だこの悪寒……!?確信めいた予兆のようなっ……!!)ぷよ…ぷよ…
フェーリ「 見 え た わ 」←フィーバー突入
カイジ「何だそれは……!聞いてない……!初耳だ……!」←今までは基本的に一方的にやられていた為に知らなかった
フェーリ「イングレス ホラリー ベネフィック コンジャンクション 来た来た来た…! シグニフィケーター」
カイジ「なんかずりぃ…!汚ぇぞこいつ……!何をしようとも……!とどのつまり……落とすんじゃねか……!」ぷよ…ぷよ…
カイジ「ま、負けた……!」
フェーリ「勝つのは判っていたわ……それじゃあ……」
レムレス「おっと、賭けぷよは駄目だよ。ぷよ勝負はみんな仲良く楽しくね」
カイジ「だ、誰だっ……!」
フェーリ「せ、先輩……!これは、違うんです……!」
レムレス「うんうん、2人とも、止むに止まれぬ事情があったんだよね?誰にも言わないから、この飴でも食べて落ちつきなよ」
レムレス「おやおや?いつもの元気が見当たらないよ?大丈夫?」
カイジ「……」
フェーリ「あ、あの……新しいお菓子屋さん……」
レムレス「あ!そうなんだ、あそこのお菓子屋さん、ケーキがとっても美味しいんだ!今度一緒に行く?」
フェーリ「は、はい!」パァァ
カイジ「……」
レムレス「それじゃあ帰ろっか。あ、お兄さんも、賭けぷよは駄目だからね?アコール先生に見つかったら大変な事になってたかもしれないよ?」
カイジ「……」
フェーリ「そう言う事だから、お金はいらないわ。それじゃあね(感謝……!いちゃつくきっかけとなったこの男に圧倒的感謝っ……!!)」ベタベタ
カイジ「……」
カイジ「……戻るか……」
カイジ「おい……!金を持ってきた……!開けてくれっ……!」ドンドン
ウィッチ「はいはい、どなたですの?こんな夜分遅くに……ってああ、貴方でしたか」
カイジ「感謝しろよ……ここに来るのにどれほど苦労したか……!」
ウィッチ「わざわざ律義にここを探してまでお金を持ってきて下さったのですか?御苦労さまですの」
カイジ「そうしろと言ったのは……アンタだろうがっ……!」
ウィッチ「まあ何にせよ、上がってくださいな。丁度新しい魔法薬も出来た事ですし……」
カイジ「魔法薬?あの闇の剣がなんとか言っていた男もそんな事を言っていたな……」
ウィッチ「まぁ、シェゾの所にまで行ったのですか?」
カイジ「ぷよ勝負に負けた手前、これ以上恥の上塗りは晒せなかったからな……!」
ウィッチ「へぇ……その根性だけは認めて差し上げるついでに、そのお金は差し上げますわ」
カイジ「……は?」
ウィッチ「見て下さる事!?これが新しい魔法薬ですの!コレがあれば大繁盛間違いなし!つまり何が言いたいのかというと、アルバイト何て最早不要ですの!」
カイジ「それはまあ……よかった、な……?」
カイジ「は、はぁ……?(何だ?寝床でも貸してくれるのか……?)」
ウィッチ「ですので、この新しい魔法薬の第一被験者として貴方を御指名してさしあげますの!」
カイジ「ひ、被験者……だと……?」
ウィッチ「コレを使えばどんな相手でも昇天間違いなし!これならきっと色んな層の人々に爆売れ間違いないですわ!」
カイジ「ま、待て……何だか嫌な予感がする……!金を置いて行くから、それを持ってこちらににじり寄るのをやめろっ……!!」
ウィッチ「ふ、ふふ……うふふふふ……」
カイジ「近づくなっ……それ以上……!俺の下へっ……!!」
ウィッチ「コレが新しい魔法薬……"メテオ"ですの!!」
カイジ「うわああぁあぁあぁぁ!!!」
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ノi|lli; i . .;, 、 .,, ` ; 、 .; ´ ;,il||iγ
/゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li ' ; .` .; il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
`;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `, ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙i|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´
ウィッチ「……あら?あの殿方は……爆発の衝撃で吹き飛んでしまったのでしょうか……」
ウィッチ「……」
ウィッチ「まあ、ここまで来るのに物凄く苦労なさったようですし、これ位平気でしょう……」
カイジ「ん……うぅーん……こ、ここは……?」
カイジ「こ、公園……!?俺は、戻って来たのか……!?」
カイジ「やった……!ついに帰って来たっ……!!日本へっ……!」
カイジ(そもそも……あれは夢だったんじゃないか……?あり得ないだろう、あんな事!)
カイジ「兎に角……今は飯……飯だっ……!金はいくらあるんだ……?」ジャラリ
カイジ「……金貨……5000G分……?」
黒服「カイジ様……外出期限が現時刻を以って終了しました。これより地下へと戻って頂きます」
カイジ「」
 ̄ ̄ ̄二二ニ=-
'''''""" ̄ ̄
-=ニニニニ=-
/⌒ヽ _,,-''"
_ ,(^ω^ ) ,-''"; ;,
/ ,_O_,,-''"'; ', :' ;; ;,'
(.゙ー'''", ;,; ' ; ;; ': ,'
_,,-','", ;: ' ; :, ': ,: :' ┼ヽ -|r‐、. レ |
_,,-','", ;: ' ; :, ': ,: :' d⌒) ./| _ノ __ノ
カイジの心理戦をぷよで再現するなんて無理だよォォォォ!!!!
大体最初の1レスしか書いてねぇんだからこんなんなんだよぉぉぉぉ!!!
そして見切り発車のくそすれにご付き合いいただきありがとうございました。
話の軸はぷよぷよ20thの奴なんで気になる方は買ってプレイしてみてね!
もっとアルル出して欲しかった
Entry ⇒ 2012.02.25 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
デリバード「お前もペンギンらしいじゃん」エンペルト「ああ?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329548246/
エンペルト(っていうかこいつ誰)
デリバード「俺なんか氷飛行タイプよ、
どうよ飛べるんだぜ俺」
エンペルト「はぁ…そうすか」
デリバード「お前可愛いの最初だけじゃん、最終進化何あれ目見えなくなってんじゃん」
エンペルト「鋼タイプだししょうがないっしょ」
デリバード「言い訳してんじゃねえよ」
エンペルト「…」イラッ
デリバード「勝負?いいよ、俺ぜってえ負けねえし」
エンペルト「じゃあ先手どうぞ」
デリバード「あ?あんま舐めてると痛い目見るぞ」
エンペルト「大丈夫です、本気で来てください」
デリバード「おっしゃ、後悔すんなよ」
デリバード「>>8」
1.プレゼント
2.こおりのつぶて
3.ふぶき
4.きあいパンチ
ヒュッ
ボカーン
こうかはいまひとつのようだ
エンペルト「…」
デリバード「直撃とかエンペルトさん大丈夫すか」
エンペルト「まぁ…大丈夫っす」
デリバード「またまた無理しちゃって、ほら次はお前の番だぜ」
エンペルト「しょうがない、何にするかな>>20」
1.なみのり
2.れいとうビーム
3.じしん
4.アクアジェット
デリバはしぬ
デリバード「え?」
エンペルト「だからなみのりの威力増しますけどデリバード先輩なら耐えられますよね」
デリバード「ちょ、おまやめろ」
ザパァ
デリバード「ひでぶ」
グッタリ
エンペルト「あらら、よっわ」
ピクピク
エンペルト「あのー俺もう帰ってもいいすか?」
デリバード「ダメだ」
エンペルト「ダメって、もう先輩戦えないっすよ」
デリバード「ふっふっふこれを見ろ」
エンペルト「ん?」
ゴッゴ
デリバード「気合いのタスキのおかげで助かったわ」
エンペルト「えー」
デリバード「行くぞ俺のターン>>28」
1.つばめがえし
2.ゴットバード
3.ついばむ
4.きあいパンチ
ゴゴゴ
エンペルト「また何かやろうとしてるよ」
デリバード「…」
エンペルト「何この攻撃しちゃいけない雰囲気」
エンペルト「調子狂うわー >>33」
1.みがわり
2.てっぺき
3.リフレクター
4.あまごい
ぼうぎょりょくがぐぐーんとあがった
デリバード「よっしゃ今だゴットバード」
ヒュオオ
エンペルト「何だこれは、デカい」
ズドォン
デリバード「…」
デリバード「やったか?」
デリバード「なん…だと」
エンペルト「危なかった、さっきのターンてっぺきをしていなければ私は負けていた」
デリバード「くっ…」
エンペルト「いい一撃だった、
しかし今ので私を倒せなかったことそれが貴様の敗因だ」
デリバード「ちくしょう」
ガクッ
エンペルト「見るがいい私の最強攻撃>>40を」
1.たきのぼり
2.ふぶき
3.ハイドロカノン
4.ギガインパクト
バババ
デリバード「うぐぅ」
バタッ
エンペルト「今度こそ終わった」
ピクピク
エンペルト「ひどく体力を消耗してしまった、ポケモンセンターで回復をせねばなるまい」
デリバード「待てよ」
エンペルト「!?」
エンペルト「何故だ何故立っていられる」
デリバード「俺はまだ負けてない」
エンペルト「どういうことだ、確かにHPは0にしたはず」
デリバード「なに簡単な話だ」
デリバード「貴様ももう死んでいる」
エンペルト「何をバカなことを、貴様のゴットバードなら耐えきったではないか」
デリバード「知ってるか、ゴットバードは急所に当たりやすいんだぜ」
エンペルト「ハッ」
デリバード「それに俺の特性ははりきりだ」
エンペルト「そんな馬鹿な」
デリバード「タイプ一致のこのゴットバードを受けて立っていられた奴なんていないんだよ」
エンペルト「くっ…ちくしょおおおおお」
バタッ
デリバード「へへっ」
バタッ
…
すっかり意気投合した二人は何時の間にかタッグを組んでバトルするようになっていた
デリバード「そろそろサブウェイのスーパーダブルでも荒らしにいくか」
エンペルト「いいっすね俺たちのコンビならきっと100連勝なんて楽勝っすよ」
デリバード「俺が初手ねこだまし打つからお前がそのすきに1体倒せよ」
エンペルト「任せてください」
デリバード「待ってろよノボリクダリ」
エンペルト「お前らなんか目じゃないぜ」
こうしてまた2体のポケモンがバトルサブウェイの歴史に名を刻んだ
wifiで彼らの活躍に乞うご期待
おわり
Entry ⇒ 2012.02.20 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
フレイ「レナス、ドラゴンボールって知ってる?」
フレイ「ドラゴンボールというのはね、7つ集めれば何でも願いが叶うと言われているアーティファクトよ」
レナス「何でも願いが? まさか」
フレイ「少なくともオーディン様はその存在を信じていらっしゃるわ。
レナス、あなたに命じます。7つのドラゴンボールを集めていらっしゃい」
レナス「分かったわ。それでそのドラゴンボールとやらはどこに?」
フレイ「文献によると、ミッドガルドから遠く離れた大地、地球という星にあると記されているわ。
水鏡の使用を許可します。ただちに赴きなさい」
レナス「了解した」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328871664/
フレイ「レナス、ドラゴンボールって知ってる?」
フレイ「報告します。レナスを地球へと向かわせました」
オーディン「そうか、だが状況が変わった。フレイにも地球へ向かってもらう」
フレイ「私もですか? たかがアーティファクトの捜索、レナス1人で十分では?」
オーディン「未来を予知するユーミルの首が我に告げたのだ。ドラゴンオーブは地球にある」
フレイ「ドラゴンボールだけでなくドラゴンオーブまでもが地球にっ?」
オーディン「うむ、世界に安定をもたらすと言われる四宝、何としてでも我の物とせねばならぬ」
オーディン「万が一は許されんのだ。フレイよ、レナスを追って地球へ向かえ」
フレイ「はっ! 必ずやドラゴンボール、そしてドラゴンオーブをヴァルハラに持ち帰ってご覧に入れます!」
オーディン「これは極秘任務、信頼のおける者にしか頼めぬのだ。任せたぞ」
シュンッ スタッ バババッ
悟空「せい! ちぇあ! ハッ!」
界王「むむむ」
悟空「ん? どうしたんだ界王様ぁ。便秘かぁ?」
界王「違うわーい! 実はな、ヴァルハラから何者かが地球に向かったようなんじゃ」
悟空「ヴァルハラ? なんだそれ?」
界王「あの世の一部でこことは遠く離れた場所にある地域のことなのじゃが……。
奴らがわざわざ地球へ向かう理由となると、恐らくドラゴンボールしかあるまい」
悟空「要するによぉ、ドラゴンボールを狙って地球にまた変な奴らがやってきたってことか?」
界王「そういうことになるかなぁ」
悟空「ハハ、だったら心配いらねえさ。地球には悟飯たちがいるんだ!」
界王「うむう、そうじゃのう。何も起こらなければよいのじゃが……」
悟空「それよりよぉ、オラ腹減っちまった。メシくれ」
界王「……わしはお前の家政婦さんじゃないぞ、まったくもう」
ピッコロ「……」
デンデ「ピッコロさん、今日も座禅を組んだまま一歩も動きませんね」
ポポ「セルを倒して1年。ピッコロ、平和になっても純粋に強さ求めてる。邪魔しちゃいけない」
デンデ「そうですね」
ピッコロ「……!?」ゾクッ
ピッコロ「なんだ、この気は!?」
ピション
レナス「お前がこの星の神か」
ポポ「だれっ」
デンデ「銀髪の……女の人?」
デンデ(ピッコロさん、僕の代わりに……!)
ポポ「分かった、さぁこっち」
デンデ「は、はい、お気をつけてっ」
タッタッタッタッ
レナス「さて、ドラゴンボールを渡してもらおうか」
ピッコロ「名前くらい名乗ったらどうだ、何者だ貴様」
レナス「私は戦乙女レナス・ヴァルキュリア。主神オーディンの命によりアーティファクトを集めている」
ピッコロ「!? オーディンだと!」
レナス「ここにそのドラゴンボールがあることは分かっている。引き渡せ」
ピッコロ「断る。大人しく帰れ」
レナス「お前に拒む権利はない。これは命令だ。ドラゴンボールを引き渡せ」
ピッコロ「第6級神ごときに命令される筋合いはない。とっとと失せろ」
レナス「ふっ、言ってくれるな、辺境の神よ。だがこれはオーディン様の命令。
私の言葉はオーディン様の言葉と知れ」
レナス「……気が進まぬが力づくでその気にさせるしかないようだ」
シュンッ!
ピッコロ「遅い!」
ドゴォ!!
レナス「ごほっっ!」ズドン
ドンガラッシャーンッ!
レナス「ぐぅ! な、なんだと……!」ヨロッ
ピッコロ「でかい口を叩いていた割には大したことがないな」
レナス(馬鹿な! なんだ今のスピードは……!)
ピッコロ「ふん」シュンッ
バギンッ! ダッダッダッ! ドドドドッ!!
ピッコロ「だあ!」ズゴォ
レナス「おヴぇっっ!!」ゴボッ
ズドドドーンッ!!
レナス「ぁ…がぁ……」フラッ
レナス(こ、この私が完全に押されている……!)
ピッコロ「どうやら格の違いを思い知るのは貴様の方だったようだな」
レナス「お、おのれぇ……!」ゼェゼェ
相手は神様と融合したピッコロさんやぞ
レナス「ぐっ! オーディン様の名前を軽々しく……!」
『まったくだわ』
ピッコロ「む、なんだ!」
ピション
フレイ「その不敬な態度、万死に値するわね」
レナス「フレイ、何故あなたがここに!」
フレイ「たかが辺境と舐めていたわ。
どうやらこの星は強者が集う激戦地だということがあの後分かってね。
やっぱり私自ら趣くことにしたの」
ピッコロ(フレイだと? 第2級神格を持つ豊穣の神か。神界でも5本の指に入る実力者と言われている……)
ピッコロ「……」ギリッ
ピッコロ(……手強い! ヴァルキリーとはレベルが違う!)
レナス「フレイ! この任務は私に課せられた使命! ならば私が!」
フレイ「レナス、あなたは相手の実力を読めないほど愚かではないと思っていたけど?」
レナス「……分かったわ。フレイに任せる」
フレイ「初めに言っておくわ。私は煩わしいのが大嫌いでね。
過程なんかどうでもよくて結果だけを求めているの」
ピッコロ「……だからなんだ」
フレイ「あなたとまともに戦うつもりはないってこと」ポワワワ
ピッコロ「なっ! 地上に向けてエネルギー波を!」
ドグウウウウウウンッ!!
ピッコロ「ちっ!!」シュタッ
チュドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!
ピッコロ「ぬおおおおおおおおおおおおお!!」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
もくもくもくもく……
レナス「やったわ! エーテルストライクがヤツに直撃した!」
フレイ「地球の神なら地球を守らなきゃならないものねぇ。例えその身を挺しても、ね」フフフ
フレイ「さ、ドラゴンボールは神殿にあるはずよ。探しましょう」
レナス「ええ」
バシューンッ
悟飯「今の大きな気は一体……! ピッコロさん、無事でいて!」
クリリン「おーい! ごはーん!」
悟飯「あ、クリリンさん!」
クリリン「やっぱりお前もあの気の正体が気になったのか」
悟飯「はい! 大きな気が2つ神殿に現れて、それからピッコロさんの気が……!」
クリリン「ああ、ピッコロのことだ、そう簡単にやられるはずはないと思うが……」
悟飯「急ぎましょう!」
クリリン「ああ!」
バシューンッ!
フレイ(そしてドラゴンオーブはどこに……。どちらも地球の神が保管しているに違いないわ)
レナス「そうだ、神殿の奥に2人隠れているはずよ。その者たちから聞き出しましょう」
フレイ「……誰かがいる気配は感じられないけど」
レナス「この星の者たちは私たちと同じようにエナジーを0にまでコントロールできるのかもしれないわ」
フレイ「だとしたら面倒ね。とにかく探し――む! 大きな波動を持った者が2人くる!」
シュタッ
クリリン「神殿があちこち壊れてる。大きな戦いがあったのは間違いなさそうだな」
悟飯「ピッコロさーん! どこにいるのー!」
クリリン「わっ馬鹿! そんなでかい声出したら敵に見つかっちまう!」
悟飯「でもデンデとポポさんのことも気になるし、そんなこと言ってられません!」
クリリン「確かにそうだな。よし、神殿の中も見てみるか」
フレイ「子供……? それにしては強大な力を持っているわね。
特にあの黒髪の少年の方からはとてつもない波動を感じるわ」
レナス「フレイ、ここは知恵を絞りましょう」
フレイ「何か作戦でも?」
レナス「ええ」
クリリン「な、何も出ませんように……」オソルオソル
悟飯「! クリリンさん! 神殿の入り口のところ!」
クリリン「えっ!」ギクッ
レナス「ぁ、ああ、た、助けて……!」フラフラッ
悟飯「女の人……?」
クリリン「うひゃっ、か、可愛いっ///」
クリリン「うへへ……って! 何があったんですか? あなたは?」
レナス「私は地球の神に招かれやってきた神界の使いメリルと申します」
クリリン「神界の使い?」
レナス「はい、ドラゴンボールが正しく管理されているかどうかを調べに来たのです」
悟飯「それで一体何があったんですか!」
レナス「得体の知れない怪物が突如現れ、ドラゴンボールを寄こせと……。
この星の神は勇敢に戦いましたが、化け物にやられてしまって……ああ!」
クリリン「なんだって!」
悟飯「……勇敢に戦った?」
レナス「はい、化け物は神との戦いで傷を負い逃げていきました。
今のうちにドラゴンボールを安全な場所に移さねばなりません!」
クリリン「そ、そりゃ大変だ!」
悟飯「……」
すぐに移動させないとまたあの化け物がやってくるかもしれません!」
クリリン「え、えーっと、ドラゴンボールは――」
悟飯「クリリンさん! そいつから離れて!!」
クリリン「えっ?」
レナス「……!」
悟飯「この神殿を襲ったのはお前だな!! みんなをどこにやった!!」
レナス「な、なんのことですか。私ではありませ――」
悟飯「とぼけるな! 神様は……デンデは戦ったりしない! ここで戦ったのはピッコロさんだ!」
クリリン「あ、そうか。言われてみれば」
レナス「なに……?」
悟飯「お前はピッコロさんを神様だと勘違いしてる!
それはピッコロさんが神様のふりをしてデンデを守ったからだ!
お前は嘘をついてる!」
レナス「……なるほど、そういうことだったか」
クリリン「あわわわっ!」サッ
悟飯「ピッコロさんたちをどこにやった!」
レナス「さあな」
シュンッ
悟飯「うぐっ!」ガシッ
フレイ「坊や、少し大人しくしててもらおうかしら」
クリリン「悟飯! くそ、2つの大きな気の正体はお前らだったのかっ!」
悟飯「ぐぐぐぐっ!」グググ
悟飯(凄い力だ……! 解けない……!)
フレイ「さあ、ドラゴンボールはどこ? 言いなさい」グイッ
悟飯「ぐぐぐぐ! し、知るもんか! 知っててもお前らなんかには絶対言わないぞ!」ググググ
フレイ「あら、抱きしめ足りないようね」ギュウッ
悟飯「うぐあああああああああ!!」グググググッ
クリリン「悟飯!」
クリリン「く、くそ! どうすりゃいいんだ!」
悟飯「お、お父さんが……いない地球は……僕が……守るんだ!」グググ
フレイ「む?」
悟飯「お前たちなんかに負けるもんかあああああ!!」ドウンッ!
フレイ「な、なに! このパワーは……!」
超悟飯「許さないぞ! お前たち!」シュインシュインシュイン
レナス「金髪になった?! それにこの凄まじいパワーは……!」
ドゴォ!!
フレイ「うごッ!」ベギッ
シュタッ!
フレイ「やるわね!」シュンッ
フレイは悟飯のアッパーカットを顎に受け大きく吹き飛ばされるが、
身を翻し地面を蹴り、悟飯の元へと反転した。
ドゴンッ! バシンズドンッ! ドガス!! ババババッ!!
ガシッ!
超悟飯「ぐっ!」
フレイ「大したものだわ坊や! この私に本気を出させるなんて!」
悟飯とフレイは手を掴み合い力比べを始めた。
フレイの圧倒的な腕力に、悟飯は思わず後ずさってしまう。
超悟飯「ぐ、ぐぐぐぐ……! なんて力だ……!」
レナス「お前の相手は私だ」
バギンッ!
クリリン「ぐへっ!!」メギッ
ドガッシャーン!
クリリンの横っ面に、ヴァルキリーの強烈な回し蹴りが叩き込まれる。
クリリン「あいててて……」
ビュンッ!
レナス「ハアッ!」
クリリン「やばっ!」サッ
ジャガグンッ!
追撃で迫り来るヴァルキリーの剣は、
クリリンをかすり地面を破砕した。
ビュウンッ!
クリリン「いっ!?」
ガゴンッ!!
クリリン「ぐあっ!!」バゴッ
ヴァルキリーは神通力で盾を飛ばし、
クリリンに直撃させた。
超悟飯「クリリンさん!」
フレイ「余所見してていいのかしら!」
ドズンッ!!
超悟飯「ぐうっ!」
掴み合った体勢のまま、
フレイは悟飯の腹に重い蹴りを叩き込む。
バジンッ!
超悟飯「ぶぎゃっ!」
そしてフレイはすかさずソバットを決め、
悟飯は上空に投げ出されてしまう。
フレイ「トドメ!」シュワワワワ
ポーピー!
超悟飯「くっ!」サッ
フレイは上空の悟飯目掛けてエネルギー弾を投げつけるが、
悟飯はそれをかろうじて避けた。
超悟飯「強い……!」ハァハァ
レナス「先にこちらを終わらせる! その身に刻め!!」
ヴァルキリーは異次元から光の槍を呼び出し、
クリリンに投げつけた。
レナス「神技! ニーベルン・ヴァレスティ!!」
クリリン「うわああああ!!」
チュドオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!
光の槍は大爆発を起こし、
クリリンをその閃光に飲み込まれた。
超悟飯「クリリンさーん!!」
もくもくもく……
レナス「さて、残りは1人か。こうなりたくなければさっさとドラゴンボールの在り処を――」
『情けないぞ悟飯。こんなザコどもに手間取りやがって』
レナス「む! 誰だ!」
超悟飯「この声はっ!」
フレイ「上か!」
ベジータ「ふん、こんなハゲ相手じゃ面白くなかろう。この俺様が相手をしてやる」
クリリン「た、助けてもらって嬉しいけどさぁ、こんなハゲはないだろ~」
超悟飯「ベジータさん、気を付けて! こいつら只者じゃありません!」
ベジータ「ふん、そうかねぇ。セルの野郎と比べりゃ全然大したことなさそうだがな」
レナス「減らず口を!」
超ベジータ「一気に終わらせてやるぜえ!!」ドウンッ! シュインシュインシュイン
レナス「なっ! こいつも金髪に――」
バギンッ!!
レナス「ごべっっ!!」メギッ
ドンガラガッシャーンッ!!
ベジータの電光石火の一撃を顔面に受け、
思いっきり吹っ飛ぶヴァルキリー。
超ベジータ「言い忘れたが俺は女だろうと手加減はせんぞ。もっともテメーは人間かどうかも怪しいがな」
バタンッ
レナス「た、立てないっ! 馬鹿な、たった一撃で……?!」
フレイ「レナス! こうなったら手段を選んでられないわ! エインフェリアを呼びなさい!」
レナス「た、確かにこの者たちに勝つにはそれしかなさそうね……」フラッ
超ベジータ「ほう?」
超悟飯「エインフェリア……? 何のことだか分からないけどさせるもんか! ベジータさん! 早くトドメを!」
超ベジータ「そのエインフェリアとやらを使えば、この俺に勝てると?」
レナス「そうだ、エインフェリアの力を使えばお前を倒すなど容易いことだ」
超ベジータ「いいだろう。その下らん挑発に乗ってやる。さっさと見せてみやがれ」
クリリン「なっ! おいベジータ! 何言ってんだ!」
超悟飯「そうですよ! 奥の手を使わせる前に――」
超ベジータ「ふざけるな! そんな勝ち方をしても面白くなかろう!」
クリリン「ま、またベジータの悪い癖が始まった……!」
超悟飯「くっ! ベジータさんが許しても僕は許さないぞ」スッ
悟飯はヴァルキリーに掌を向け、
エネルギー波を撃ち放とうとする……が、
シュンッ
超ベジータ「バカ野郎!!」
ズゴォ!
超悟飯「ぐあっ!」
ベジータは悟飯の腹を思いっきりぶん殴り、
悟飯の妨害をしてしまう。
超悟飯「べ、ベジータさん……何を……!」
超ベジータ「貴様もサイヤ人なら敵の本気を見てみたいとは思わんのか!」
超悟飯「お、思わない……! もうセルの時の二の舞はごめんですよっ!」
キラキラキラッ
周囲に光の欠片が煌き、
ヴァルキリーの背中に光の翼が生えだした。
レナス「我と共に生きるは冷厳なる勇者! いでよ!!」
パッシャーンッ
光の羽が宙に舞い、そしてその光の中から人影が飛び出した。
クリリン「いいいーっ! あ、あれは!!」
超悟飯「なっ! そ、そんな馬鹿な!」
超ベジータ「な、なにぃ!?」
ブロリー「……」シュウ~…
超ベジータ「ブ、ブロリーだとぉ!? ど、どういうことだ!?」
フレイ「レナスは死んだ英霊の魂を使い、戦力として行使することができるのよ」
超悟飯「そ、そんな!」
レナス「勇者ブロリーよ! 神に反逆せし者たちに正義の鉄槌を下すのだ!」
ブロリー「……カカロットォ」
レナス「お、おい」
超ブロリー「カカロットォォォォォォォォォォ!!!!」ドウンッ! シュインシュインシュイン
レナス「ぐっ、ダメだ! やはり言うことを聞かない!」
フレイ「構わないわ! あの戦闘狂なら奴らと戦いたがるはずよ!」
クリリン「まさかブロリーが出てくるなんて反則だよぉ! ベジータ! 責任取れよな!」
超ベジータ「も、もう駄目だぁ……おしまいだぁ……」ガクガクブルブル
クリリン「ベジータぁ!!」
超悟飯「……」
超悟飯(お父さん、僕に勇気をください!)
超悟飯「ブロリー! お前の相手は僕だ!!」
超ブロリー「カカロットの息子ぉ?」
超悟飯「そうだ! お前なんか僕がやっつけてやる!」
バゴオオオオオオオオオンッ!!
超悟飯「うぎゃっ!!」
ズドドドドドドドドドーンッ!!
ブロリーの星をも砕くような凄まじい拳が直撃し、
悟飯は地面を抉りながらすっ飛んでいった。
超悟飯「ま、負けるもんか! お父さんが守り続けた地球は……僕が守る!」
体勢を整え、勇敢にもブロリーに突っ込む悟飯。
バジンッ!
超悟飯「でりゃりゃりゃりゃっ!!」バシドゴスッ
超ブロリー「うおおおおおおお!!」ガスベキドゴッ
ガッガッガッ! バギッ! ドッドッドッ!!
ズドドドオンッ! ガシュゴンッ! ドゴゴゴゴッ!
超ベジータ「馬鹿め、どこが互角だ!」
クリリン「え?」
バギンッ!!
超悟飯「ふんぎゃっ!!」
ガシッ!
超ブロリー「カカロットォ……!!」ググッ
超悟飯「ぁががぁぁぁぁあぁぁ!!」
正面から首を掴まれ、苦しそうに悶える悟飯。
超ベジータ「何をするつもりだ!」
クリリン「決まってるだろ! 悟飯を助けないと!」
超ベジータ「バカヤロウ! 貴様が行ったところで何ができる!」
クリリン「分かってるよ! でもだからって黙って見てることなんてできるかよ!」
超ベジータ「気に入らんが賭けるしかあるまい」
クリリン「え?」
超ベジータ「悟飯がセルの時に見せたあの力を再び使うことを……!」
フレイ「ブロリーが奴らの相手をしてる間に私たちは神殿の中を探索しましょう」
ビュンッ
超ベジータ「させると思うか? テメーは俺が相手をしてやる」
レナス「くっ!」
フレイ「図に乗るんじゃなくってよ。原子も残さず浄化してあげるわ」
超ベジータ「ほざきやがれ、素粒子にまで分解してやるぜ」
シュンッ!
フレイ「でぇあ!!」
超ベジータ「だああ!!」
ダダダダッ! ドドドゴスっ! バッバッバッ!
今のうちに私はドラゴンボールを――」
ガシッ!
レナス「むぐっ!!」
ピッコロ「おっと、どこへ行くつもりだ?」
レナス「お前は……! フレイにやられたはずじゃ……!」
ピッコロ「確かにダメージを負いはしたが、一撃でやられるほどヤワじゃないんでな」
レナス(馬鹿な……エーテルストライクの直撃を受けて生きているとは……!)
ピッコロ「さあ、ブロリーをあの世に送り返せ」
レナス「む、無理よ! ブロリーの力は私の能力を遥かに超えている……。
ヤツが気の済むまで暴れるのを待つしかない」
ピッコロ「ふざけるな、このまま消滅させてやろうか?」グイッ
レナス「う、嘘ではない! 本当だ! や、やめろぉ!」ググググ
レナス「わ、私を殺したらブロリーはずっと暴れ続けるぞ! それでもいい――!!」
ザシュンッ!
レナス「がっ!!」ベチャ
次の瞬間、ヴァルキリーはピッコロの手刀で体を斜めに切り裂かれた。
ドサッ
レナス「がはっ! じ、自分が何をしているのか分かっているのか……。
わ、私には魂の選定という重大な使命があるのだ……!
こんなところで死ぬわけには……!」
ピッコロ「魂の選定だと? 死者の魂を死後もこき使っているだけだろう。偉そうなことをぬかすな」
レナス「なんだと……?」
レナス「ま、待て! 私が悪かった! 大人しく引き上げる! だからやめ――――」
ポーピー!
レナス「あ――」
チュドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!
ピッコロ「これでブロリーの動きはどうなる……!」
超ブロリー「へぇあ!?」ビクン
超悟飯「ぅ……ぁ……」ドサッ
クリリン「やった! ブロリーの動きが止まった!」
超悟飯「ピ、ピッコロさん……無事でよかった……」
フレイ(まずい! エインフェリアはレナスからの
ディバイン・マテリアライズ・エナジーの供給がなければ
実体を維持することができないというのに!)
超ベジータ「余所見してるんじゃないぜえ!!」
ドゴォ!!
フレイ「ごぼあっ!!」メギッ
ふらふらっ
フレイ「ば、馬鹿な! 神である私たちがどうして人間如きにこうも押されるの……!」
超ベジータ「サイヤ人は戦闘民族だ! 舐めるなよォ!!」
バギッ!!
フレイ「ぐヴぇっっ!!」
しゅううう~……
クリリン「ブロリーの体が消えていく! やったぁ!」
ピッコロ「ふん、ヴァルキリーめ、暴れ続けるなどとホラを吹かしやがって」
クリリン「後は1人だけだ! もう大丈夫そうだぞ悟飯! あのブロリー相手によく持ちこたえたな!」
超悟飯「ハァ…ハァ……は、はい……」
ダダダッ! ドズンッ! ドドドドッ!
フレイ「ぐっ! であ!!」ヒュン
超ベジータ「どうした! 随分気が落ちているぞぉ! もうお疲れかぁ!」バシュ
バジンッ!
フレイ「ぐう……!」
超ベジータ「貴様は自分より強い者と戦ったことなどないのだろう! だが俺たちは違う!」
ドゴォ!!
フレイ「がはッ!」
超ベジータ「絶えず強敵と戦い腕を磨き続けてきたんだ! 神だなんだと踏ん反りかえって楽をしていた貴様らとは違うぜ!」
フレイ「く、く……そ……!」
バギンッ!!
フレイ「がああ!!」ベキッ
ヒュー! ズドドドオオオーン!!
クリリン「ああ、すげえや! これなら勝てるぞ!」
ヤムチャ「おーい!」
クリリン「あ、ヤムチャさん!」
ヤムチャ「また変な奴らが現れたみたいだな~」スタッ
クリリン「どうしたんですか、こんなところに」
ヤムチャ「いやー、大きな気が現れたから気になってたんだけど、
俺が行っても足手まといになるだけかなぁって躊躇してたんだ。
そしたら残る気は1つだけになって、その気も大分弱ってるみたいだからもう大丈夫かなと思ってさ」
クリリン「も~、こっちは大変だったんですよ~」
ズドドドーンッ!!
フレイ「ぅぁ……ぐう!」ヨロヨロッ
ヤムチャ「あれが今回の敵か。び、美人じゃないか!」
クリリン「顔は可愛いけどとんでもない連中ですよ」
ヤムチャ「人造人間みたいだな……」
フレイ(こ、このままではやられる! どうすれば……! ……むっ?)
クリリン「ところでそれ何です? 水晶玉ですか?」
ヤムチャ「ああこれか? ついさっき骨董品屋で見つけてな。
今の彼女が占いにハマってるからプレゼントしようと思ってさ」
クリリン「へえ」
フレイ(?!! あ、あれはドラゴンオーブ!! あんなところにあったのね!!)
スタッ
超ベジータ「さて、テメーとの戦いも飽きてきたぜ。ここらで終わりにしてやる!」
フレイ「ま、待って!」
超ベジータ「ほう? なんだ? まさか神ともあろうものが命乞いをするんじゃなかろうなぁ?」
フレイ「そ、その通りよ! 降参するわ! もうこの星には手を出さない! だから許して! ね?!」
超ベジータ「ちっ! つまらん真似しやがって!」
ベジータ「拍子抜けだ。俺の気が変わらん内にとっとと失せるんだな」シュウウ…
フレイ「わ、分かったわっ」
ヤムチャ「おいおい、そんな簡単に見逃していいのか?」
悟飯「大人しく帰るっていうならこれ以上戦うことはないと思います」
クリリン「そうだな。び、美人だしなっ」
ピッコロ「……」
ベジータ「ああ、さっさと消えやがれ」
フレイ「ええ……」ポシュン
ザシュッ!
ヤムチャ「ぐおっ!」グシャッ
フレイ「ふふ……」
しかしフレイは空間移動でヤムチャの後ろに回りこみ、
ヤムチャの背中に手刀を刺し込んだ。
クリリン「ヤ、ヤムチャさん!?」
ピッコロ「ちっ! やはり悪足掻きを企んでやがったか!」
ヤムチャ「が……ぁぁ……!」
フレイ「あなたのようなカスにその宝玉は相応しくないわ」
ベジータ「ふん、何をするかと思えば、そんなザコをいたぶってそれで満足か?」
ピッコロ「いや待て! 何か様子が変だ!」
ピッコロ「ド、ドラゴンオーブだと!! まさか!!」
フレイ「はあああああっ!!」
シュパアアアアアアアアアアアンッ!!
クリリン「ぐう! ま、眩しい!」
悟飯「う……な!? なにあれ!」
超フレイ「さあ、第2ラウンドといきましょうか」ビリビリビリッ
ベジータ「な、なんだと! こ、このどでかい気は……!」
クリリン「セルと同じくらい凄い気じゃないかぁ!」
ピッコロ「ちっ、まさかドラゴンオーブが地球にあったとは……!」
ベジータ「ドラゴンオーブだとっ? なんだそいつは!」
界王「ドラゴンオーブじゃと~!? 長らく行方知れずになっていたが、まさか地球にあったとは~!」
悟空「ドラゴンオーブ? ドラゴンボールの親戚かぁ?」
界王「ドラゴンオーブとは神界に古代より伝わる四宝の1つでなぁ、
元々は世界に安定をもたらすための宝具なのだが、
その力を戦闘用のエネルギーに転換すればとんでもない戦士が生まれるんじゃあ!!」
悟空「な、なんだってぇ! それじゃ悟飯たちは……!」
~~~~~~~~~
ピッコロ「――というわけだ」
クリリン「あわわわ、そんなすげえ道具をたまたまヤムチャさんが見つけて持ってくるなんて……!」
超フレイ「たまたま? 違うわね、これは運命なのよ。
私がドラゴンオーブを手にしたのはなるべくしてなった運命!
偶然なんかではないわ! 運命がこの私を勝利へと押し上げてくれているのよ!」
超ベジータ「であああっ!!」シュンッ
バシン!!
超フレイ「あらあら、蚊が止まったかしら」
超ベジータ「な、なにぃ!」
超フレイ「ふふふ、でこぴん」パチン
ドゴォォッッ!!
超ベジータ「ぬおおっ!!」ベギッ
ドガッシャーンッ!!
悟飯「ベジータさん!」
クリリン「そ、そんな、ベジータのパンチを顔面に受けて無傷だなんて……!」
悟飯「そ、それが、あの時みたいに上手く力を引き出せなくて……」
ピッコロ「……そうか、もし俺が死ねば、お前はあの時のように怒れるか?」
悟飯「え、な、何を言ってるんですか、ピッコロさん!」
ピッコロ「ふっ、行ってくる」
シュンッ!
クリリン「ピッコロ!」
悟飯「ピッコロさん!!」
超フレイ「あらあら、やる気? 自分は無力だって気付けないほど愚かなの?」
ピッコロ「だだだだだだだだっ!!」ドシュドシュドシュ
フレイに連続エネルギー弾を放つピッコロ。
超フレイ「ふふふっ、どこを狙っているの?」ヒョイヒョイ
ピッコロ「周りを見てみやがれ!」
超フレイ「む? これは――」
ピッコロ「魔空包囲弾!! くたばれええ!!」
チュドドドドドドドドドーンッ!!
クリリン「す、すげえや! やったか!?」
もくもくもくもく……
超フレイ「この程度のパワーで私を倒せると思ったのかしら」ウフフ
ガシッ!
超フレイ「遅い、全然遅いわ。スローモーションで再生してるみたいにゆ~っくり見えるわよ」
ピッコロ「ぬうっ!」
超フレイ「必死な顔しちゃって、まぁ醜いわねぇ」
グショッ!!
ピッコロ「ぐあああああ!!」ブシャアア
超フレイ「あらあら、ごめんなさい。ちょっと力を入れただけで腕がもげてしまったわ」アハハ
悟飯「ピ、ピッコロさん!」
超悟飯「うわあああああああ!!」ドウンッ! シュインシュインシュイン
クリリン「だ、駄目だ、ただのスーパーサイヤ人だ。セルを倒した時の悟飯じゃない!」
超悟飯「どうして……! どうしてあの時の力を出せないんだ!
このままじゃピッコロさんが……!
守りたいのに! みんなを守りたいのにいい!!」
ピッコロ「く、くそ……!」
ピッコロ(悟飯、後は頼んだぞ……)
超悟飯「お願いだよ! もう1度だけ! もう1度だけあの時の力を!!」
――何やってんだ悟飯!!
超悟飯「こ、この声……お父さん……?」
悟空『甘ったれてんじゃねえぞ! セルを倒した時のパワーをもう1度見せてみろ!』
超悟飯「そ、そんなこと言われても、出そうと思っても出ないんだ! どうしたらいいの!?」
悟空『難しく考えるな! 理屈じゃねえ! あの時の自分を思い出すんだ!』
超悟飯「でも、あの時はただ怒りに身を任せていただけで……やっぱり分からないよ!」
悟空『おめえが戦わなきゃピッコロは殺されるぞ! それでもいいのか!』
超悟飯「ピッコロさんが……殺される……!」
悟飯「お、おじさぁん」
ピッコロ「ピッコロ大魔王ともあろうものが……ガキを庇っちまうなんて……最低だ……」
悟飯「しっかりしてぇ! 死なないでぇ!」
ピッコロ「死ぬ…な…よ……悟……飯……」
悟飯「おじさああああああああああああん!!」
~~~~~~~~~~~~~~
超悟飯「イヤだ……! あの時みたいなことだけは、もう絶対に!!」
悟空『戦え! そしておめえが地球を守るんだ! 悟飯!!』
超フレイ「さようなら、来世で会いましょう」ピッ
ピッコロ「ぐ……悟…飯……」
超悟飯「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
ドウウウウウウウンッ!!!
超2悟飯「はあああああああああああああッ!!」バチバチバチバチッ
クリリン「や、やった! あの時のすげえ悟飯だ!」
ピッコロ「やったな……悟飯……」
超フレイ「な、なんなの……この凄まじい波動は……! 宇宙中探したってこれほどの者は――!」
超2悟飯「ピッコロさんを離せえええええええええええええええ!!」
バギッッッッ!!
超フレイ「がごッッ!!」メギッ
ヒュー! ズドドドドドドドドオーンッ!!
バァーン!
超フレイ「おのれええ! たかが人間如きが神である私にいいいいいい!!」
超2悟飯「だああああああ!!」
ドドドドドッ! ドギャッ! ガゴスッ!!
ズゴンッ! ドッドッドッドッドッドッ!!
超フレイ「フンッ! はぁァァ!!」
超2悟飯「だだだだだだだだああああああ!!」
ベジータ「ぱ、パワーは互角か……!」ゼェゼェ
クリリン「ベジータ! 大丈夫か!」
超2悟飯「だああ!!」
ドゴンッ!!
超フレイ「がはッッ!!」
クリリン「ああ、パワーは互角だ……! で、でも信じられねえ!」
超2悟飯「でああ!!」シュンッ
超フレイ「ぐほッ!!」ドゴォ
クリリン「悟飯の方が戦い慣れてる! 12歳の子供である悟飯の方が!!」
ピッコロ「へっ、当然だ。悟飯はほんの小さなガキの頃から
とても敵わないような強敵と戦い続けてきたんだ」
ピッコロ「何百年も無駄に生きてきた神なんぞよりもキャリアは上だ!」
超フレイ「おヴェッッ!!」ズゴスッ
ふらふらっ
超フレイ「な、何故なの! ドラゴンオーブの力をあるのに……何故勝てない……!
神に使役されるだけの存在でしかない人間如きに……!」ワナワナッ
フレイは上空へと高く舞い上がり、
そして雄たけびを上げた。
超フレイ「はあああああああああああああああ!!」ビリビリビリビリッ
クリリン「す、すげえ気だ! こうしてるだけで地球が吹き飛びそうなくらいに……!」
超フレイ「あっはっはっはっ! 私は宇宙空間でも生きていけるけどあなたたちはどうかしらねぇ!」ビリビリビリッ
ベジータ「ちっ、まさか!」
超フレイ「もうドラゴンボールなどどうでもいい! 地球ごと……いえ! 太陽系ごと消滅させてあげるわ!!」ビリビリビリッ
ピッコロ「くそったれ! なんて気だ!」
超フレイ「神技!!」ビリビリビリッ
超2悟飯「はーめー……」
超フレイ「エーテルストライクッ!!!!」
ドゴウウウウウウウウウウウウウウンッ!!!
超2悟飯「波あああああああああああああああッ!!!!」
ドビュウウウウウウウウウウウウウウウンッ!!!
クリリン「同時に撃ったっ!」
バギュオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!
ベジータ「ぶつかり合った! 互角か!」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
超2悟飯「ぐ……! ぎ、ぐぎぎ……!!」バチバチバチッ
超フレイ「まさか互角とは! でもこちらにはドラゴンオーブがある! 無限にパワーを供給できるわ!」ビリビリビリッ
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
クリリン「ま、まずいぞ! 悟飯の方が少しずつ押され始めてる!」
ピッコロ「ドラゴンオーブのせいか! フレイは体力を消耗しないが、悟飯はそうはいかない!」
超フレイ「よく頑張ったと褒めてあげるわ! 来世で出会ったら私の部下にしてあげる!!」ビリビリビリッ
超2悟飯「ぐぅ……! ま、負けるもんか!」バチバチバチッ
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
超フレイ「しぶといわね!!」ビリビリビリッ
超2悟飯「守るんだ……! 僕が地球を……! お父さんの代わりに!!」バチバチバチッ
超フレイ「無駄よ! ドラゴンオーブがある限り――!」
ピキッ
超フレイ「なっ?! ドラゴンオーブにヒビが……!!」ビリビリビリッ
超2悟飯「僕は……孫悟空の息子!! 孫悟飯だあああああああああああああ!!!!」バチバチバチッ
超フレイ「お、押され――――?!!」
ドビュウウウウウウウウウウウウウウウンッ!!!
超フレイ「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
チュドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!!
シュ~~~~~ もくもくもくもく……
超2悟飯「ハァ…ハァ……!」ゼェゼェ
悟飯「お、終わった……」シュウ~…
クリリン「悟飯ー!! やったなあ! 流石は悟空の息子だよお前は!!」ダキッ
悟飯「あはは……」
ピッコロ「この頑丈な神殿も随分ボロボロになってしまったな。ミスターポポ、出てきてもいいぞ」
べごっ
ポポ「ふぅ~、神様、もう大丈夫」
デンデ「悟飯さん凄いです!」
悟飯「デンデ! 無事だったんだね! あは、ポポさんもっ」
ポポ「いざというときの避難用シェルター、ある」
クリリン「いや~、みんな無事でよかったよ」
ヤムチャ「ひゅー…ひゅー……」ピクピク
ピッコロ「カリンのところに仙豆があるはずだ」
クリリン「ピッコロもその腕――」
ピッコロ「ふんっ!」ブシャ
クリリン「……生えるんだよな、お前は」
クリリン「それじゃ、俺は仙豆を貰ってくる!」バビューン
ベジータ「……ちっ!」
ベジータ(俺が手も足も出なかった相手をいとも簡単に倒しやがって……!
まったく気に入らないぜ、貴様ら親子は!)
ピッコロ「ふっ、貴様も仙豆を食っていくか?」
ベジータ「必要ない! 俺はもう行くぞ!」
バビューンッ
ピッコロ「……」
ピッコロ(悟空よ、見ているか。悟飯は力強く成長したぞ)
フレイア「しっかりして! フレイ姉さん!」
フレイ「ぅ……ぐぁ……」
オーディン「フレイよ、何があったのだ! ドラゴンオーブはどうした!」
フレイ「ち、地球……」
フレイア「なに?! 地球がどうしたの姉さん!」
フレイ「地球にだけは……手を出しては……いけ……な…い……」
ガクッ
オーディン「フレイ! フレーイ!!」
悟空「へへ、さすが悟飯だ! なぁ? だから大丈夫だって言ったろ?」
界王「確かに目の前の脅威は去ったが……、しかしとんでもないことをしてくれたの~」
悟空「なんだよ?」
界王「この戦いでドラゴンオーブは失われてしまった。
あれは世界に安定をもたらすものだったのだぞ~。
これから世界中でとんでもないことが起きるに違いないっ! ああ、どうしよっ」
悟空「なんだぁ、そんなことかぁ」
界王「そんなこととはなんだぁ~! お前は事の重大さが分かっとらーん!」
悟空「だったらよぉ、神龍に頼みゃいいじゃねえか~。ドラゴンオーブを元通りにしてくれってさぁ」
界王「そ、その手があったか~!」
神龍「さあ、願いを言え。どんな願い事でも2つだけ叶えてやろう」
ピッコロ「失われたドラゴンオーブを復活させてくれ」
神龍「たやすい願いだ」
シュンッ
悟飯「あはっ、さすが神龍!」
ヤムチャ「ちぇ、こんなものを見つけたばかりにとんでもない目に遭ったぜ」
ピッコロ「これは神殿で厳重に管理するとしよう」
神龍「さあ、2つ目の願いはなんだ」
ピッコロ「いや、願いは1つだけだ」
神龍「そうか。ではさらばだ」
ピシャーン
クリリン「これで全部元通りだな。いやー何事もなく終わってよかったよ」
悟飯「でもやっぱり世界は広いですね。きっと宇宙にはもっともっと強い人がいっぱいいるんだ」
クリリン「ああ、そうかもしれないな」
悟飯「だから僕、これからも気を抜かないで修行を続けようと思います。勉強と両立は大変かもしれないけど」
ピッコロ「ふっ、そうか」
悟飯「時々修行相手になってもらえますか、ピッコロさん」
ピッコロ「もちろんだ。いつでもしごいてやる」ニヤ
悟飯「はいっ! お願いします!」
こうして地球は再び悟飯たちの手によって守られた。
この先も地球を狙って悪~いヤツが現れるかもしれない。
でも大丈夫、これからも彼らとドラゴンボールが、きっとなんとかしてくれるから!
しかし……、
レナス「……」
レザード「ああ! 愛しき人ヴァルキュリアよ! 待ってておくれ! すぐにその瞳を輝かせてみせよう!」
レザード「あっはははははははははっ!」
地球が再びピンチになる日は近いかもしれないっ!
おわり
Entry ⇒ 2012.02.17 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
竜児「…ん?」 亜美「また自販機の隙間で一人弁当か…」
竜児「・・な、何やってんだ、川嶋」
亜美「ふふっ、君には私の姿が見えるんだね」
竜児「は?」
亜美「私の名前は川嶋亜美。便所飯の最中に死んだ幽霊から派生した自縛霊の一種・・」
竜児「・・・」
亜美「・・・」
竜児「飯、一緒に食べるか?」
亜美「・・食べる」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328158201/
竜児「…ん?」 亜美「また自販機の隙間で一人弁当か…」
竜児「とりあえずここから移動しないか?」
亜美「えー」
竜児「ここじゃ人目につきやすい。昼休みじゃ尚更だ」
亜美「ふふっ、私は自縛霊。ここから動くわけにはいかないんだよ」
竜児「・・・」
亜美「・・・」
竜児「・・好きな飲み物買ってやるから、動いてくれ」
亜美「さすが高須くん、話が分かるね♪」
竜児「ひとつだけだからな」
~裏庭、ベンチ~
亜美「やだ、高須くん。こんな人目のつかないところに亜美ちゃんを連れ込んでどうする気?」
竜児「文句があるならそのコーヒーを今すぐ俺に返して、自販機の間に戻れ、自縛霊」
亜美「・・ごめんなさい、調子に乗りました」
竜児「よろしい」
亜美「嘘だけど」
竜児「よし返せ」
亜美「もう口つけちゃったもん」
竜児「知るか」
亜美「ははーん、そんなに亜美ちゃんと間接キスしたいワケ?・・高須くんってムッツリ?」
竜児「何でこんなにボロクソ言われなきゃいけないんだ、俺・・」
亜美「まあまあ。タイガーよりは辛辣じゃないでしょ?」
竜児「勝るとも劣らず、だな」
竜児「それで、どうして人気女子高生モデルたる川嶋亜美が、昼休みに自販機の間に座り込んで、ひとりぼっちで弁当なんか食べてたんだよ」
亜美「何か詳らかに客観視されると、結構胸にクルものがあるよね・・」
竜児「あ、いや、すまん」
亜美「良いよ別に。事実だし」
竜児「お、おう・・それで、いつもは俺たちと食べてるか、木原たちと食べてるはずの川嶋が、どうして今日に限ってあんな?」
亜美「・・びっくりしないでよ?」
竜児「おう」
亜美「・・あのね、」
竜児「・・・」
亜美「皆には、私が見えないらしいの」
竜児「・・・」
亜美「・・・」
竜児「は?」
竜児「・・それは何かの比喩か?」
亜美「これがどういう比喩だと思う?」
竜児「え、いや・・む、無視されてるとか」
亜美「それならまだ良いよ。私の存在を認識してる上での行為なんだから」
竜児「はあ・・?」
亜美「でもね、完全に見えてないんだよ、皆には。見えてないっていうより、認識されてないっていうのかな?」
竜児「俺の頭がおかしくなったのか・・それとも、夢か?」
亜美「つねってあげよっか?」
竜児「いや、自分でつねる」
亜美「遠慮しなくて良いよ?」
グニィッ
竜児「い、痛ぇ・・」
亜美「でしょ?」
竜児「い、いや、しかしだな・・」
亜美「信じられないのも無理ないよね・・。あっ」
竜児「ん?」
タタッ
北村「・・やれやれ、探したぞ、高須」
高須「北村、どうしたんだ?」
北村「それはこっちの台詞だ・・何でこんなところで一人で昼飯食べてるんだ?」
竜児「何でも何も川嶋の様子がおかしいから・・ちょっと待て北村、今何て言った?」
北村「ん、おかしなこと言ったか?・・どうしてこんなところで一人で昼飯を、」
竜児「・・・」
北村「高須?」
竜児「いや、何でもねぇ」
亜美「良かったの?祐作、高須くんを探しに来てくれたのに」
竜児「良いんだよ。今は川嶋の方が大事だ」
亜美「・・・」
竜児「まぁ、良いタイミングで証明されたな。百聞は一見に如かずって奴か」
亜美「これで、分かってくれた?」
竜児「ああ。川嶋がいじめられてるのかとも思ったが、北村がそんなことに加担する筈がねぇし」
亜美「・・うん」
竜児「で、この現象はいつからなんだ?」
亜美「んーと、今朝からかな」
竜児「今朝か・・俺は今日遅刻してきたからな、まさか川嶋がこんなことになってるなんて気づけなかった」
亜美「高須くんが遅刻なんて珍しかったよね、寝坊したの?」
竜児「インコちゃんが籠から逃げ出してな。大河と協力して捕まえられたんだが、捕まえるのに午前中いっぱい使っちまったんだ」
亜美「・・何か大変だね」
竜児「全員に見えないとすると・・朝の出欠確認のときはどうだったんだ?」
亜美「返事はした。何度も何度も何度も何度も。声を張り上げて。挙句の果てに身を乗り出して」
竜児「でも、ダメだったのか」
亜美「うん。そのときの亜美ちゃんの格好ったらもうピエロそのものだったよ、ははっ」
竜児「川嶋・・」
亜美「信じられないなら職員室にあるウチのクラスの出席簿を確認してみてよ、たぶん欠席になってるから」
竜児「さっきの北村の様子を見て、今更信じられないことなんてねぇよ」
川嶋「・・うん」
竜児「でも、それならまだ希望はあるな」
亜美「どういうこと?」
竜児「いやな。最悪、川嶋の存在そのものを忘れちまってるのかと思ったんだ」
亜美「ああ、うん。私のことが見えないだけみたい。ゆりちゃんは私のことを出欠確認で呼んでくれたし、皆は私のことを休みだと思ってるみたいだし」
竜児「なるほどな・・そこで、疑問が浮かんだんだが」
亜美「うん?」
竜児「何で俺には川嶋のことが見えるんだ?」
亜美「・・あ、そういえばそうだね」
竜児「そういえばそうだね・・っておい」
亜美「何でだろ?」
竜児「・・まあ川嶋に聞いたところで答えが返ってくるとは思わなかったが。何にせよ、本当に幽霊もどきになっちまってるわけだ」
亜美「ははっ、大変だね」
竜児「また他人事みたいに・・川嶋の存在が忘れられてるわけじゃないっていうことは、また別の問題が出てくるぞ」
亜美「?」
竜児「無断欠席でまず川嶋の家の電話が行く、ダメなら実家に電話が行く、事務所にも電話が行く」
亜美「あ・・」
竜児「最悪、家出扱いされた末、捜索届が出されるぞ。週刊誌とかには人気女子高生モデル謎の失踪、なんて採り上げられるわけだ」
亜美「そ、それは思ったよりオオゴトだね・・」
竜児「・・ん、もう昼休みが終わるな」
亜美「とりあえず、教室に戻ろっか」
竜児「いや、そんな悠長なこと言ってる場合じゃ・・」
亜美「良いよ。高須くんに必要以上の迷惑はかけたくないし」
竜児「いや、でもな・・」
亜美「良いから良いから、ほらっ」
竜児「・・・」
結局、俺は何事もなかったように教室に戻った。
俺が一人で弁当を食べていたことに対して、
北村は何か事情があるのだろうと察してくれたらしく、
それを大河や櫛枝に漏らすことはなかった。
その分、大河には質問攻めにあったのだが。
~放課後~
大河「ほら、早くしなさいよ」
竜児「いや、でもな・・本当に行くのか?」
大河「仕方ないでしょ、みのりんと北村くんに頼まれたんだから。ばかちーの様子を見に行ってくれって」
竜児「まあ、櫛枝たちは部活があるからな・・」
大河「ばかちーとはいえ、無断欠席なんてされたら気にはなるもの。家でぶっ倒れてるのかもしれないわよ、無理なダイエットのしすぎで」
亜美「・・無理なダイエットするほど太ってないっての」
竜児「俺を睨むんじゃなくて大河を睨んでくれよ・・」
大河「何か言った?」
竜児「いや、何でもねぇ・・」
亜美「そっか。タイガーにも亜美ちゃんのことは見えないんだよね・・ごめん、自重するわ」
竜児「・・・」
~川嶋家~
大河「相変わらず、チワワ一匹に対して釣り合わない家ね」
竜児「一家族が住めるくらいの大きさだよな」
大河「そりゃあんたのボロアパートと比べたら犬小屋だって豪邸よね」
竜児「ウチが犬小屋以下だって言いたいのか、お前」
大河「さーてと、」
ピンポーンピンピンポピンピピピピンポポピンポポーンポポポポーン
竜児「子供かよっ!?」
大河「ほら竜児っ、隠れるわよっ!」
竜児「はぁっ!?」
シーン
大河「・・出てこないわね」
竜児「普通、心配だからって様子を見に来たクラスメイトの家にピンポンダッシュかますか?」
大河「もし倒れてるのなら、これくらいしないと反応しないでしょ」
竜児「音の方はな・・っていうか、風邪とかで寝込んでたらどうするつもりなんだよ」
大河「大丈夫。チワワでもバカだから風邪ひかないわよ」
竜児「・・・」チラッ
川嶋「心配しないで、高須くん。このチビトラ、後で絶対泣かすから」
ガチャッ
大河「あれ」
竜児「ん、鍵閉まってないのか、無用心だな」
亜美「うん。さっき高須くんたちがピンポンダッシュで隠れてたときに、鍵開けといたから」
竜児「ああ、なるほど」
大河「何か言った?」
竜児「いや、何でもねぇ。とりあえず、お邪魔してみるか」
大河「ばかちー、居るんでしょ、出てこーい」
竜児「(出てくるも何も、すぐ横に居るんだけどな・・)」
大河「ビーフジャーキーあげるから、出てこーい」
亜美「・・・」
大河「うん、ちょっと家宅捜索してくるわ」
竜児「え、おい」
大河「あんたはここで待ってなさい。あんた、バカチワワのタンスの中とか漁り始めそうだから」
竜児「人を下着泥棒呼ばわりかよ」
大河「んじゃ」
竜児「良いのか、あれ」
亜美「別に・・見られて困るようなものは・・、あぁっ!?」
竜児「な、何だよ、いきなり大声出して」
亜美「あ、あれだけは・・あれを見られたら亜美ちゃん、死んじゃう・・!」ダッ
竜児「お、おいコラっ、・・行っちまった」
大河「ちょっと竜児、見てこれ!」
竜児「何だよ、何か見つかったのか?」
大河「ばかちーのブラ、予想よりおっきいわ・・」
竜児「・・・」
大河「何よ」
竜児「人を下着泥棒呼ばわりして、自分は漁ってんじゃねぇか」
大河「漁ったんじゃないわ、家宅捜索よ。そして証拠品の押収」
竜児「・・いずれそれを使うときが来るのか」
大河「さあ?」
竜児「で、それを見せるためだけにわざわざ戻ってきたのか、大河」
大河「んーとね、制服は一着なくなってるみたいだし、ばかちーの鞄もないっぽいわね」
竜児「何だよ、一応一通りは調べて来たのか」
大河「ばかちーの奴、外には出てるみたいね。ほら、靴もないみたいだし」
竜児「ああ、なるほど」
大河「まあ万年思春期で発情期で産卵期のバカチワワのことだから、プチ家出でもしてるんじゃないの?」
竜児「おい、犬は卵生じゃないぞ」
大河「うっさいわね、細かいことをネチネチと」
竜児「お前だって卵を生む知り合いが居たら嫌だろ」
大河「・・・」
竜児「・・・」
大河「嫌ね」
竜児「想像したのか」
大河「ま、とりあえず今日のところは引き上げるわよ。ばかちーが明日も休むようならまた色々考えることにするわ」
竜児「危機感ないな、おい・・」
大河「犬なんてすぐに戻ってくるだろうしね」
竜児「・・・」
大河「何よ」
竜児「ブラは置いてけ」
~高須家~
竜児「何かウチに来てから元気ないな、どうしたんだ」
亜美「別に・・ちょっと不安要素が増えただけ」
竜児「何だそりゃ」
亜美「で、大河が帰ってからまた亜美ちゃんの家に戻って、意気揚々と亜美ちゃんの家を荒らしてくれたわけだけど、」
竜児「仕方ないだろ、事情を知らない大河が漁るより事情を知ってる俺が漁った方が何か見つかるかもしれなかったんだから」
亜美「何も見つからなかったくせに」
竜児「まあ、こんなおかしな事態の手がかりってまず何なんだよって話だけどな」
亜美「まぁね・・」
竜児「ところでよ、お前が今着てる制服とか持ってる鞄は、お前の身体から離れるとどうなるんだ?」
亜美「何よいきなり」
竜児「例えば、川嶋がコーヒーの缶を持ったとする」
亜美「うん」
竜児「そうしたら、その缶も透明になるわけか?」
亜美「そうだね。そうじゃなかったらコーヒーが宙に浮いてるみたいになるわけだし」
竜児「じゃあ、それを手から離したら?」
亜美「うーん、亜美ちゃんが一度触れた物は透明になったままみたい」
竜児「そうなのか?」
亜美「だって、私が机の横に下げておいた鞄に気づいた人、居なかったし」
竜児「ああ、なるほど・・でもその法則で行ったら、ドアとか机とかも消えるんじゃないのか?」
亜美「そういえば・・。うーん、一定の重量以上のものは消えない、とか?」
竜児「まあ、川嶋が触れた人や建物がいきなり消えるような事態にはならないってことだな」
亜美「もし何でも消せちゃうなら、亜美ちゃんはもはや神様だね」
竜児「・・悪い神様だな」
亜美「でも、良かった。人に触れてもその人が消えちゃうようなことにはならなくて」
竜児「まったくだよ・・」
亜美「だって、私が高須くんに触れた途端、高須くんが消えちゃうなんてことになったら大変だし」
竜児「・・おう」
亜美「こうやって・・高須くんに触れることもできないわけだし」
竜児「・・・」
亜美「・・・」
竜児「手、冷たいぞ」
亜美「・・なら、あっためてよ。亜美ちゃんの身体を、さ」
竜児「川嶋・・」
亜美「・・・」
竜児「・・分かったよ」
亜美「!」
竜児「いつもの奴はないから、ホットココアで良いか?」
亜美「は?」
竜児「透明人間でも飲み食いできるのは、不幸中の幸いだよな」
亜美「・・・」
竜児「何でそんなに眉間に皺を寄せるんだよ・・寒いんだろ?」
亜美「高須くんはブレないよね、ホント」
竜児「・・その言葉、非難めいてるのは気のせいか?」
亜美「さあ?」
竜児「ほらよ」
亜美「あ、り、が、と」
竜児「だから何で恨めしい目で俺を見るんだよ」
亜美「元からこういう目だし・・」
竜児「はいはい・・しかし、参ったな。何の進展もなく、一日が終わっちまいそうだ」
亜美「・・そうだね」
竜児「このままだとマジでオオゴトになる・・早いとこ何とかしないとな」
亜美「せめて、タイガーや祐作、実乃梨ちゃんくらいには報告しておく?」
竜児「したところで信じてくれるかどうか・・」
亜美「タイガーたちはともかく実乃梨ちゃんはむしろテンション上がる気がする。
『あーみん、透明人間になったんだって!?そいつぁすげぇや、先を越されたZE☆』みたいな」
竜児「意外と似てるな、櫛枝の真似」
亜美「そこかよ」
竜児「まあ、証明の仕方はいくらでもあるしな」
亜美「例えば?」
竜児「ペンとかコップとか何でも良い。適当な小物に川嶋が触れれば良いんだよ。
川嶋だっていう証明にはならないけど、目の前で物が消えれば、おかしなことが起きたっていう認識にはなるだろうし」
亜美「なるほどね。それなら非現実的なことが目の前で起きたってことくらいは分かってくれ・・、」
竜児「・・何だよ、いきなり考え込んで」
亜美「やっぱり、良いや」
竜児「何がだよ?」
亜美「タイガーたちには言わなくて良い、ってこと」
竜児「いや、川嶋が提案したんじゃないか・・っていうかこうやって二人で悩んでるよりは絶対良いだろ、五人寄れば文殊の知恵だ」
亜美「・・だって、」
竜児「だって?」
亜美「何でもない・・」
竜児「何だよ、気になるだろ」
亜美「・・・」
竜児「?」
亜美「・・こうやって私のことを認識してくれるのが高須くんだけっていう状況が・・何か良くってさ」
竜児「・・・」
亜美「・・ははっ。今の、忘れて、・・ね?」
竜児「川嶋がそういうなら・・って一瞬思ったけどさ、やっぱそれじゃダメだ」
亜美「・・うん」
竜児「誰とも喋れないし、下手に物にも触れられない、世間的には失踪扱い・・そんなの俺だったら嫌だ」
亜美「・・・」
竜児「・・だから、考えるんだよ。元に戻る方法をさ」
亜美「もう良い時間だし、もう寝よっか?」
竜児「そうだな・・ってオイ待て」
亜美「何?」
竜児「うちで寝る気か?」
亜美「だって、もう日付変わっちゃうよ?」
竜児「いや、そりゃそうだが」
亜美「こんな夜中に亜美ちゃんを一人で家に帰らせて、不審者に襲われちゃったらどうする気?」
竜児「透明なんだから襲われようがないだろ」
亜美「チッ・・」
竜児「まあ、でも仕方ないか・・寝るなら泰子の布団で寝ろよ。そして、泰子が帰ってくる前に起きてくれ」
亜美「何か扱いがぞんざいな気がするんですけどー・・」
竜児「じゃあ何だよ、一緒に寝ろってか?」
亜美「・・え?」
竜児「じょ、冗談だ・・良いからもう寝ろ。どうするかはまた明日考えるからよ」
亜美「はいはーい」
~泰子の部屋~
亜美「・・うーん」
亜美「さすがに同室ってわけにはいかなかったか・・」
亜美「自分の置かれた立場が分かってるのかって思われるかもだけど、」
亜美「こういうめったにない機会を生かさずして、いつ仕掛けるって話よ」
亜美「まあ、正攻法としては、夜這いからの添い寝だよね」
亜美「不自然?あざとい?亜美ちゃんわかんなーい♪」
亜美「寝相が悪くて近くの部屋の布団に忍び込んじゃうなんてこと・・あるよね、うん。亜美ちゃん、やっぱ天才だわ」
亜美「・だいたい・二時くらいが忍び時かな。伏して待つのみ、だね」
亜美「・・・」コクッ
亜美「・・・」コクッ
亜美「・・はっ」
亜美「っぶねー、寝るとこだった」
亜美「えーと・・ん、もう二時だ、グッドタイミング♪」
亜美「さてさて、行動開始☆」
スーッ
亜美「・・心の準備をする前に高須くんの布団に辿りついちゃうんだよね」
亜美「っとと、・・暗いから慎重に行動しないと」
インコちゃん「コケッ」
亜美「っ!?」
インコ「コケッ コケッ コケッ」
亜美「(や、やばっ・・何で今日に限ってカゴに布掛け忘れてるのよっ!)」
インコ「コ、コ、コ、・・!」
亜美「(ここで鳴かれたらさすがの高須くんでも起きちゃう・・か、かくなる上はっ!)」
亜美「はっ!」
インコ「コケむぐぉっ」
亜美「どぉ~、亜美ちゃんの指の味は?疲れ果てるまで亜美ちゃんの指で悶絶しなさい~♪」
インコ「ゴ、ゴブ、ゴォ・・グォ、グ・・」
亜美「ほれほれ~・・」グリグリ
インコ「が・・ま・・」
亜美「ふぅ、何とか失神させられたわ。何か悪いことしちゃったかな・・ま、良っか」
亜美「・・・」
亜美「痛い・・」
亜美「では、気を取り直して・・」
スーッ
亜美「お部屋訪問~・・」
竜児「くー・・」
亜美「よしよし、ぐっすり眠ってるご様子・・」
竜児「・・か、わしま」
亜美「!」
竜児「待、て・・待ってく、れ・・」
亜美「(高須くんったら私を追いかけてる夢見てるのかしら、かーわい♪)」
竜児「川嶋・・そっちは・・、」
竜児「・・崖だ」
亜美「亜美ちゃん、崖から落ちてんじゃねぇかっ!!」グシャッ
竜児「いってぇ!?何だ、誰だっ!?」
亜美「あ、やべっ」
竜児「何だ、その声・・川嶋か?」
亜美「う、うん・・」
竜児「どうしたんだ、こんな夜中に・・もしかして元に戻ったのか?」
亜美「いや、元に戻ったかなんて自分で分かるわけないでしょ」
竜児「そ、そうだよな・・じゃあ、何の用なんだ?」
亜美「あー、えっと・・それは、」
竜児「それは?」
亜美「・・また身体が冷えたから、あったか飲み物飲みたいなーって」
竜児「・・・」
亜美「ダメ、かな?」
竜児「はぁ・・そうならそうと早く言えって。もったいぶるから何事かと思ったぞ」
亜美「あ、うん」
竜児「ほら、熱いから気をつけろよ」
亜美「ん、ありがと」
竜児「最近冷えてきたもんな、うっかりしてたよ」
亜美「あ、別に高須くんは悪くないし・・ってか、ごめんね。夜中に起こしちゃってさ」
竜児「良いよ。身体冷やして風邪でもひかれた方が困るしな」
亜美「・・でも、」
竜児「それに今の状態で風邪なんかひいてみろよ、どんな名医でも透明人間の病気なんて治せねぇぞ」
亜美「あはは・・そうだね」
竜児「・・それ飲んだらまた寝ろよ、明日も学校あるんだからな」
亜美「でも、亜美ちゃん、どうせ認知されないし・・」
竜児「認知されなくても、大河や北村たちに事情は話すさ」
亜美「うん、よろしく・・」
竜児「うー・・やっぱり俺の部屋も少し寒いな」
亜美「そうだね。高須くんも風邪ひいちゃうよこれ」
竜児「布団に包まれば少しマシになるだろ・・えーと、あと4時間くらいは寝れるか」
亜美「タイガーのお弁当とか用意しなくちゃだしね」
竜児「おう。じゃ、おやすみ」
亜美「うん、おやすみ」
竜児「・・・」
亜美「・・・」
竜児「っておいッ!」
亜美「何さ」
竜児「何さじゃねぇっ!何、自然な流れで人の布団の中に侵入してんだ!」
亜美「ニブチンの高須くんがそこに気づけるとは・・成長したね」
竜児「何ちょっとほっこりしてんだっ、出てけ!」
亜美「うわ、傷心の女の子に向かって『出てけ!』とか言えちゃうんだ・・やっぱ高須くんって節操なしだね」
竜児「あ、いや、本気で言ったわけじゃ・・いや、本気で言わなきゃゴニョゴニョ」
-----
竜児「良いか。第一に、背中合わせで寝ること、第二に、俺のことを殴ったり蹴飛ばしたりしないこと」
亜美「・・私、そんなに寝相悪いイメージなの?」
竜児「大河よりマシなら儲けものって認識だな」
亜美「比較対象があの暴力タイガーかよ・・」
竜児「文句言うな。泰子の布団持ってきたとはいえ、寝るスペースは限られてるんだからな」
亜美「ああ、うん・・あれ、ちょっと待って。タイガーの寝相の具合を知ってるってことは、高須くん、タイガーと寝たことあるの?」
竜児「い、いや・・大河のもあくまでイメージだ」
亜美「ふぅん・・」
竜児「四の五の言うなよ、貴重な睡眠時間が減るからな」
亜美「はーい」
亜美「・・・」
竜児「・・・」
亜美「起きてる?」
竜児「・・ああ」
亜美「ふーん。やっぱり亜美ちゃんに添い寝されてるから興奮して寝付けないんでしょ?」
竜児「んなワケあるか。いつ後ろから蹴り飛ばされるかビクビクしてるだけだ」
亜美「ご希望があるなら、いくらでも♪」
竜児「勘弁してくれ・・背中に痣ができちまう」
亜美「冗談、冗談」
竜児「冗談に聞こえないんだよ・・」
亜美「あのさ、高須くん」
竜児「・・何だよ、改まって」
亜美「何の前触れもなしに、誰にも・・タイガーにも実乃梨ちゃんにも祐作にも・・私にも認知されなくなったら、どうする?」
竜児「・・どうしようもねぇな」
亜美「そう。今朝の私がそういう状態だった。祐作にも実乃梨ちゃんにも麻耶ちゃんたちにすら、無視される」
竜児「・・・」
亜美「だから、高須くんが話しかけてきてくれたとき、それはもう嬉しかったんだよ」
竜児「・・そうか」
亜美「でもね、もし明日の朝起きたら、高須くんですら私のことが認知できなくなっちゃってたらどうしよう、とも思うんだ」
竜児「そんなことは・・ねぇよ」
亜美「言い切れる?」
竜児「・・言い切れねぇけど」
亜美「・・高須くん、こっち向いて」
竜児「約束したろ、背中合わせで寝るって」
亜美「向いて」
竜児「わ、分かった。分かったから服を引っ張るなっ」
亜美「うだうだ言ってる暇があったら、こっちを向く!」
竜児「なら、まずその手を離してくれっ」
亜美「ん」
竜児「やれやれ・・ほら、向いたぞ。暗くてあんま見えないから、向き合っても意味ねぇけどな」
亜美「良いんだよ・・向き合ってないとできるものもできないから」
竜児「・・何だって?」
亜美「何でも」
亜美「ともかく、こうやって互いを認知して話せるのが今が最後になるかもしれないんだよ」
竜児「・・仮に、」
亜美「うん?」
竜児「もし、仮に川嶋が見えなくなっちまっても、この世から消えるわけじゃないだろ」
亜美「だったら、問題ない?」
竜児「・・いやそこまでは言わねぇけど」
亜美「相手の目や身振り手振りも見れない、相手のことを肌で感じることもできない」
竜児「・・・」
亜美「そんなの・・寂しすぎるよ」
竜児「・・・」
亜美「・・・」
竜児「でも、それはズルいだろ」
亜美「ずるい?」
竜児「だって、そんなこと言われても俺には何もできねぇんだ」
亜美「そう・・、だよね」
竜児「もちろん、何としても川嶋を元に戻してやりてぇよ・・けど、現状は解決の糸口さえ見つけられてねぇんだ」
亜美「・・うん、ごめんね。亜美ちゃん、酷なコト言った、ごめん」
竜児「謝らなくて良い。元に戻る方法は分からねぇけど、なるべく早いうちに元に戻ってくれれば良いんだからよ」
亜美「うん・・」
竜児「悪いな。気の利いたこと言えなくて・・」
亜美「ううん、大丈夫。こんな非現実的な状況で気の利いたこと言えるのは亜美ちゃんくらいだから」
竜児「・・そりゃすげぇな」
亜美「でしょ?」
亜美「ねぇ、ひとつだけお願いしても良い?」
竜児「俺にできることならな」
亜美「うん、大丈夫。一瞬で終わるし、少しも考えなくて良いし、全然疲れないことだから」
竜児「・・何だよ」
亜美「キス、してくれない?」
竜児「・・・」
亜美「・・・」
竜児「・・・」
亜美「・・聞こえた?」
竜児「聞こえた、が・・頭の処理が追いついてねぇ」
亜美「寒いもんね」
竜児「そういう問題じゃねぇ・・川嶋、正気か?」
亜美「さあ、正気じゃないかもね。何せ透明人間だから」
竜児「向き合えって言ったのはそういうことか・・」
亜美「うん。そういうコト」
竜児「・・・」
亜美「イヤ?」
竜児「・・何にせよ、俺にはそれがお前にとって有益なことだとは思えねぇ」
亜美「ふぅん、そう来たか・・」
竜児「だってそうだろ。いくらこんな非科学的状況とはいえ、一時の気の迷いでそんな、」
亜美「気の迷いなんかじゃない」
竜児「・・でも正気じゃないんだろ?」
亜美「・・・」
竜児「とにかく、その提案は受けられねぇ」
亜美「大丈夫だよ、透明人間とのキスなんてノーカンだって」
竜児「そういう問題じゃねぇだろ。というか、俺にとって川嶋は透明人間じゃねぇ」
亜美「じゃあ何?」
竜児「・・クラスメイトだ、大事な」
亜美「それ以上でもそれ以下でもない、と」
竜児「ああ、そうだ。それ以上もそれ以下も、今後一切有り得ねぇ」
亜美「断言できる?」
竜児「・・、できるさ」
亜美「ふぅん・・でも、実乃梨ちゃんは違ったよね」
竜児「・・何でそこで櫛枝が出てくるんだよ」
亜美「高須くんにとって、実乃梨ちゃんはただのクラスメイト以上の存在だった」
竜児「・・・」
亜美「でも、実乃梨ちゃんに対する想いが単なる憧れだって気付いた今、あの子はただのクラスメイトでしょ?」
竜児「っ・・」
亜美「それでいて、高須くんはあのときの実乃梨ちゃんへの想いを『気の迷い』の一言で片付けられる?」
竜児「それは、できねぇよ・・断じて」
亜美「そう。だから、人と人との関係が未来永劫お互い死ぬまで不変、なんて言い切れる筈がないんだよ」
竜児「・・何が言いたいんだ」
亜美「だからさ、私と高須くんの関係を・・変えようよ」
竜児「・・・」
亜美「ただのクラスメイト同士じゃなくて・・さ」
竜児「バカ言え・・好きでもない相手と、」
亜美「少なくとも、私は高須くんのことが好きだけど?」
竜児「・・・」
亜美「誰からも認知されず、透明人間になった私に優しくしてくれる高須くんのこと、私は好きだよ?」
竜児「そんな・・昨日今日で人を好きになるなんてことがあるかよ」
亜美「昨日今日の話じゃない」
竜児「・・、な」
亜美「・・話すと長くなるから省くけど、高須くんは魅力的なんだよ。少なくとも私にとってはね」
竜児「・・・」
亜美「・・どうしてそこまで高須くんが私の好意から目を逸らすのか教えてあげようか?」
竜児「・・何だよ」
亜美「高須くんは今まで実乃梨ちゃんに想いを抱き続けてきた、ずっとずっと」
竜児「ああ・・」
亜美「だから、高須くんは人から『想われる』ことに慣れてないんだよ」
竜児「・・そ、それはっ」
亜美「人を想うことには慣れてる。でも、人から想われることにはてんで素人」
竜児「・・・」
亜美「だから、こういうド真ん中に投げられたボールに対して、バットを振ることもできない、反論することもできない・・違う?」
竜児「・・川嶋の言うことは正しいのかもしれねぇ、けど」
亜美「けど、それが私とキスする理由にはならない」
竜児「・・そうだ」
亜美「何より・・キスするほど、私のことを想ってくれてもないってこと、かな」
竜児「ああ。俺は自分の気持ちに嘘はつけねぇ・・確かに川嶋は文句のつけようがない美人だし、中身も伴ってる」
亜美「・・・」
竜児「もちろん、好きか嫌いかで言ったら断然好きだ」
亜美「・・・」
竜児「でも、恋人としてキスはできねぇ・・俺が川嶋のことをそこまで想えてない」
亜美「・・それが、答え?」
竜児「ああ」
亜美「分かった・・ありがとね」
亜美「・・・」
竜児「・・まだ話は終わってねぇよ」
亜美「え?」
竜児「キスから変わる関係ってのもアリだと思う・・少なくとも、俺はな」
亜美「どういうこと?」
竜児「・・ムシが良すぎるのは分かってる。重々承知だ」
亜美「あれだけのことを言っておいて・・キスするの?」
竜児「そもそも、そっちから言ってきたことだぞ」
亜美「・・関係の変化には刺激が伴う、か」
竜児「・・・」
亜美「悪くない、かな」
竜児「・・ほら、来いよ」
亜美「童貞のくせに」
竜児「お前な・・」
亜美「はいはい♪」
*
朝、珍しく先に起きてきた大河によって、俺と川嶋は叩き起こされた。
すると、不思議なことに、川嶋は大河に認知されていた。
いつ帰ってきたのか分からなかった泰子にも、だ。
どうやら、神様は一日限りで悪戯に飽きてしまったらしい。
「家出してたと思ったら、ここに隠れてたのか」と、大河からは非難轟々だったが。
何が川嶋の現象に幕を下ろしたのかは分からない。
ただ、ひとつ言えることは、ひとつの関係に変化が生じ始めたということ。
想われることに慣れない男と、想うことに慣れない女の、恋愛関係。 //
続き楽しみにしてるからはよ!
しかし、足りない・・・あれが
乙
Entry ⇒ 2012.02.08 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
コブラ 「異論はないな、レディー?」 サムス 「馴れ馴れしいな」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328238600/
コブラ 「異論はないな、レディー?」 サムス 「馴れ馴れしいな」
サムス「……っ」
コブラ「おっと、葉巻は嫌いかい? うちのタートル号に禁煙席は無いんだ、我慢してくれ」
サムス「…………」
コブラ「おいおい……だんまりはないんじゃないの? 同じギルドに追われていた仲なんだ、ここは……」
サムス「宇宙海賊と話す口は持たない」プイッ
コブラ「……泣けてくるね、こりゃ」
こんな感じ希望><
サムス「!」
コブラ「ようレディ」
レディ「彼女の様子はどう? コブラ」
コブラ「見ての通り、美人も台無しの膨れっ面さ」
レディ「成る程。いつものことで安心したわ」
コブラ「耳が痛いぜ」
サムス「……やはり……貴女はアーマロイド・レディ」
レディ「?」
コブラ「ん~?」
サムス「死んだとばかり思っていた……あの宇宙ギルドにたった一人で立ち向かった、至上最高額の賞金首」
サムス「サイコガンを左手に持つ不死身の男……その名は」
サムス「宇宙海賊……【コブラ】」
レディ「……」
コブラ「へへっ……ご説明どーも」
・
・
レディ「どうぞ」コトッ
サムス「…………」
レディ「毒なんて入ってないわ、何ならコブラに毒味させましょうか?」
コブラ「おいおい、冗談キツいぜレディ!!」
レディ「えぇ、冗談よ」
コブラ「かなわねえなぁ……」
レディ「ふふっ」
サムス「……顔も、体つきも違うのね」
コブラ「男前だろう? 気に入ってんだ、前の顔以上にな」
サムス「…………」ズズッ
レディ「地球の珈琲よ。お口に合うかしら」
サムス「えぇ……とっても」
コブラ「そりゃあ良かった」
コブラ「サムス、あんたが何故ギルドの……それも幹部クラスに追いかけ回されていたのか」
サムス「……」
サムス「その前に、私のパワードスーツは無事なの?」
コブラ「あぁそれなら……レディ!」
レディ「さっき調べてみたけど、損傷はそこまで酷くないわね」
レディ「流石に私の手には負えそうにないから放置してあるけど、持ってきましょうか?」
サムス「無事ならばそれでいいわ……どうこうしようにも、きっと不可能だから」
コブラ「……鳥人族のロストテクノロジーか、イカすねえ」
レディ「あなたのサイコガンも大概よ、コブラ」
コブラ「かもな」
サムス「……コブラ」
コブラ「ん?」
サムス「【メトロイド】……というものを、知っている?」
海賊「ぎゃあああああーッ!!!」
ドサッ
クリスタルボーイ「ふん……役立たずめ」
ロボ『クリスタルボーイサマ、サムスノイバショガワカリマシタ』
クリスタルボーイ「そうか」
クリスタルボーイ「すぐに追撃部隊を出せ。俺がパワードスーツに一撃を加えたとはいえ、相手はあのサムス・アランだ」
クリスタルボーイ「この惑星ゼーベスの仕組みを唯一知るあの女……ギルドの繁栄を妨げる存在になろう。必ずしとめるのだ」
ロボ『リョウカイシマシタ、クリスタルボーイサマ』
ロボ『シカシ、クリスタルボーイサマ』
クリスタルボーイ「ん?」
ロボ『サムストトモニ、アノコブラガスガタヲアラワシタトカ……』
クリスタルボーイ「なにぃ……?」
コブラ「……成る程ねぇ、そいつぁまた厄介な話だ」
サムス「…………」
レディ「まさか、またあのクリスタルボーイが絡んでくるなんてね」
レディ「因縁かしらね、コブラ?」
コブラ「やめてくれよレディ、あんなスケルトンボディと赤い糸なんて、俺ぁ小指ごと切っちゃうね!」
コブラ「どうせなら、スタイル抜群のべっぴんさんとお近づきになりたいもんだ」チラッチラッ
サムス「……」
サムス「続けてもいい?」
レディ「えぇ、どうぞ」
コブラ「ありゃ……」ガクッ
サムス「……惑星ゼーベス、私の第二の故郷」
コブラ「……」シュボッ
サムス「私は生まれこそ地球でも、幼少期の大半をゼーベスで過ごしていた」
コブラ「……」スパー
レディ「あら? でも惑星ゼーベスは元々環境的には過酷な場所よ、地球人のあなたがよく生活出来たわね」
サムス「私は家族達に鳥人族の遺伝子を与えられ、ゼーベスの環境下でも生活出来るだけの身体能力を得ている」
サムス「今となっては、そのお陰でハンターとして生きていられる」
レディ「そうなの……」
コブラ「地球人はか弱いからなぁ、うん」
レディ「あなたが言うと途端に説得力が無くなるわね、コブラ」
コブラ「そうか?」
サムス「今やあの星は、宇宙海賊ギルド達の要塞にして、メトロイド研究の本拠地にされそうになっている」
サムス「私は、それが何より許せない……っ!!」
レディ「……」
コブラ「……だから、銀河パトロールの要請を受けたって訳か」
サムス「! どうしてそのことを……」
コブラ「生憎、俺は耳が早くてね」
コブラ「長年だんまりを決め込んでいたパトロールの連中が、何を考えているのか要塞惑星ゼーベスの攻略に乗り出したってな」
レディ(ちょっとコブラ! ジェーンから教えてもらったんでしょう?)
コブラ(細かいことは気にすんなってレディ!)
サムス「……じゃあ……私を救ったのも?」
コブラ「それは偶然さ……怖い海賊の代わりに天使が降りてくるなんて、誰も夢には思うまいよ」
レディ「はぁ……」
サムス「!」
コブラ「何だぁ!?」
レディ「……コブラ、敵襲よ。敵勢力は戦艦二十、海賊ギルドの連中ね」
サムス「二十……?!」
コブラ「ちぇっ、せっかく良いところだったのに。相変わらず間の悪い奴らだぜ」
レディ「良いところ……だったかしら?」
コブラ「まあいいさ、いっちょやるかレディ!」
レディ「えぇ、コブラ」
サムス「な、何を……?」
コブラ「決まってらぁ、海賊ギルドの連中をぶっ飛ばしにさ!」
サムス「この数を相手にするつもり……なの!?」
コブラ「俺を誰だと思ってるんだい?」
コブラ「俺はコブラ……サイコガンを持つ不死身の男だ!」
若い頃は上官に親指下向けてたりしてたよ
何それかっこいい
サムス「レディ、私のパワードスーツは何処にある?」
レディ「え?」
サムス「私はアレがないと戦えない……人手は少しでも多い方がいいと思うのだけど?」
コブラ「ほっほ~、やる気かいバウンティハンター」
サムス「奴らは私の敵、貴方だけに任せはしないわ」
サムス「私はもう……負けるわけにはいかない!」
コブラ「了解だサムス、レディ!」
レディ「スーツを取ってくるわ、ちょっと待ってて」
コブラ「なら最高の海賊と最強のハンター……一時、夢の共演といこうか!!」
END
サムス「……」シュコー
コブラ「やれやれ、もうおしまいか?」スパー
海賊「つ、強い……強すぎる……!」
コブラ「よう、お前」
海賊「ひっ!?」
コブラ「クリスタルボーイに伝えな。二つのサイコガンがお前を狙い撃つ……首を洗って待ってろってな」
海賊「ひっひぃいぃぃぃ!!」スタコラサッサ
サムス「私のはサイコガンではない、生体エネルギーをビームに変えるものだ」
コブラ「カタいこというない」
コブラ「さて、タートル号に戻ろうぜ」
サムス「一緒に来て……くれるの?」
コブラ「乗りかかった船だ、俺ぁ降りないぜ」
コブラ「それに例の生命体【メトロイド】ってやつも気になるからな、好奇心半分、付き合うぜお嬢さん?」
・
・
レディ「要塞惑星ゼーベス……今や海賊ギルドが支配し、文字通り惑星全体を要塞に変貌させた、この銀河における一大拠点」
コブラ「ムシャムシャガツガツ」
サムス「……」
レディ「表層のクレテリア、地下のブリンスタ、ノルフェア……」
サムス「そして中枢のツーリアンに分かれている」
レディ「えぇ、その通り」
サムス「コブラ、今ゼーベスは二人のギルド幹部が支配している」
サムス「一人はクリスタルボーイ……そして、もう一人は要塞ゼーベス最高指揮官、リドリー」
コブラ「リドリー!? あの翼竜野郎が何でまた……!」
サムス「知っているの? コブラ」
コブラ「整形する前にちょっとな。日本語の通じない化け物さ」
レディ「むしろ日本語が色んな星で通用することが凄いわね」
コブラ「レディ、無用な詮索は無粋だぜ」
レディ「えぇ……それに、ゼーベスの守りはそれ以上に堅牢よ」
サムス「心配は要らない。ゼーベスには要塞化しきれていないクレテリアの遺跡部分があり、そこから侵入が出来るわ」
コブラ「そいつぁ朗報だ」
サムス「問題は宇宙船の速度……銀河パトロールの改造艦でも不可能な速度が必要になるけど……」
コブラ「このタートル号ならお茶の子さいさい、てか?」
サムス「そうであることを願うわね」ガチャンッ
サムス「……」
コブラ「これが……」
ゴゴゴゴ……
サムス「指定した座標と角度で、最大戦速」
レディ「了解よ。しっかり捕まってて!」ピッ
コブラ「ところで、スーツのダメージは大丈夫なのかい?」
サムス「問題は無い、バイオ金属だからエネルギーボールさえ補給出来れば自己修復が出来る」
レディ「私が用意したの、かなり便利ねパワードスーツって」
コブラ「そうかい、だが俺は生身の君の方が好き……」
サムス「レディ」
レディ「突入開始!」
コブラ「のわぁぁぁぁ!?」
ドシャッ
海賊「 」
リドリー『ギャッギャッギャッ』
クリスタルボーイ「やれやれ、相変わらず容赦がないなお前は。失敗した部下をあっさり消すとは」
クリスタルボーイ「ふっ、私も人のことは言えんか……」
ゴポッ
リドリー『カカカカ……』
ゴポポ
クリスタルボーイ「……マザーブレインが何かを探知したのか?」
リドリー『グゲーッ!!』
クリスタルボーイ「……何を言ってるのかさっぱりだ」
海賊『クリスタルボーイ様!』
クリスタルボーイ「何だ、騒々しい」
海賊『はっ、クレテリアのポイント2236で、巨大な動体反応を感知しました』
海賊『どうやら、宇宙船か何かが着陸したようです』
クリスタルボーイ「何……?」
リドリー『ギャーーッ』バサァッ
クリスタルボーイ「!」
バサッバサッ
クリスタルボーイ「……そうか、奴らが来たのか」
クリスタルボーイ「ふふふ、少しは退屈せずに済みそうだ……」
サムス「ッ!」ドドドドドドッ
海賊「ぐぁあああああ!?」
コブラ「そぉらっ!」ドゥゥゥンッ
海賊「ぎゃあああッ?!」
海賊「ぬわああああ!!」
ドサッ
ドサッ
コブラ「ふいー、お掃除終了っと」
サムス「……」カキンッ
コブラ「倒しも倒したり……ひい、ふう、みい……ざっと五十人か」
コブラ「そんじゃレディ、タートル号でお留守番、任せたぜ?」
レディ『了解、気をつけてねコブラ』
コブラ「あいよ。水晶のペンダントに恐竜の化石も付けてプレゼントしてやるさ」
レディ『ふふ、期待してるわ』
コブラ「んー?」
サムス「この鉄扉の向こうにエレベーターがある、それで表層からブリンスタまで降りることが出来る」
コブラ「つっても、ロックされて開きゃしないぜ」
コブラ「ようし、そんならいっちょ……」ジャキッ
サムス「落ち着け」
サムス「……」
コロンッ
コブラ「ほぁあ!?」
サムス『んっ……』
サムス『少し待っていてくれ、今ダクトから中に入る』
サムス『ロックを外せば、扉も開くはず……』コロコロコロ
コブラ「……何だぁ……ありゃ」
ウィーン
サムス「……まだそんな顔をしているのか」
コブラ「いや驚いたのなんの……あんたがサッカーボールみたいにまんまるくなっちまうもんだからよ」
コブラ「それも鳥人族のスーツの力なのかい……?」
サムス「そうだ。その他にもモジュール機能により、様々な機能を追加することが出来る」
コブラ「へぇ、便利なもんだ」
サムス「……着いたぞ」
コブラ「おっ、早いね」
コブラ「鬼が出るか、蛇が出るか……蟹と恐竜は確定だけどな」
サムス「気をつけろ、敵は何処からくるか分からない」
コブラ「いや……どうやら早速お出ましらしい」
サムス「え?」
コブラ「十二時の方向に五人……三時に四人、七時方向二人……九時に三……いや二人だ」
サムス「何故分かる?」
コブラ「超能力……てのは嘘」
コブラ「俺のリストバンドには高性能のセンサーがついていてね、銃や爆発物を持った奴が近づくと距離や数を教えてくれるのさ」
サムス「便利だな……!」ジャキッ
コブラ「だろう……!?」
ドゥッ
バシュゥゥン
サムス「ッ……!」
バシュゥゥン!
海賊「うげぇぇ!」
コブラ「ヒューッ! すげえな、柱をすり抜けて撃てんのかい!」
海賊「くそっ! 撃て、撃ちまくれ!」ガガガガガ
コブラ「おぉっと! ほほほぉ!」
コブラ「……そぉら!!」
ズキューン!
海賊「あぁーッ!?」
サムス「……良い銃だ」
コブラ「パイソン77マグナム、小型のミサイルくらいの威力はあるぜ?」
サムス「ほう……」
コブラ「あぁん?」
サムス「ッ!」バシュッ
チュドォォォン
海賊「ぎゃあああーッ!!」
コブラ「おぉ!? モノホンのミサイルかよ……!!」
サムス「コブラ、これを」
コブラ「電子地図か? 」
サムス「これが現在地、お前にはこっちのブリンスタ深部を任せたい」
コブラ「へぁ!? 一緒じゃねえのかい」
サムス「中枢ツーリアンに降りるエレベーターは、ブリンスタとノルフェアの二つのロックを解除する必要があるの」
サムス「海賊ギルドがメトロイドを拡散する可能性のある以上、すぐにでもツーリアンを目指さないと行けない」
コブラ「ってぇと、二手に別れてロックを外しにいくってわけか」
サムス「難しい?」
コブラ「朝飯前!」
サムス「気をつけて、此処にはギルドが原生生物を改造した兵器も配置されている」
コブラ「心配してくれんのかい? 何なら御守り代わりのキスでも」
バシュゥゥン!
コブラ「うひぃ!?」
海賊「がはぁ……っ」ドサッ
サムス「……幸運を」カチッ
ビュンッ!!
コブラ「うぉ!? 何つう速さだよ……ありゃ時速百キロは出てるぜ」
コブラ「さぁて……ぼちぼち行きますかね、惑星ゼーベスの地下探検!」
クリスタルボーイ「……まだコブラとサムスを捕まえられんのか」
海賊「は、はっ! 目下全力を以て捜索中であります!」
パイレーツ『モ、モウシバラクゴシンボウヲ……』
クリスタルボーイ「腑抜け共が……!」
ガンッ!
海賊「ひぃっ!?」
パイレーツ『ヒーッ!』
クリスタルボーイ「ふん……だが奴らが目指す場所は分かっている」
クリスタルボーイ「リドリーはノルフェアか……ならばブリンスタは私が固めておく必要があるな」
クリスタルボーイ「クレイドを出せ。ブリンスタ深部のロックを守らせるのだ」
海賊「はっ!? し、しかし奴はまだ制御が……」
クリスタルボーイ「なら貴様がコブラを止めてくれるのか?」
海賊「う……了解しました……」
クリスタルボーイ「ふん、腰抜けめ」
ゴポゴポッ
サムス「っ……溶岩がこんな浅い層にまで来ているのか」
サムス「ゼーベスを改造した代償ということなのか……ギルドめ……!」
ブーン
サムス「!」サッ
パイレーツ『イナイナー』
海賊「もっとよく探せ! リドリー様の晩飯になるのは御免だぜ……!」
サムス(エアー・リフトか……)
サムス(ちょうど良い、使わせてもらう!)スチャッ
バシュゥゥン
パイレーツ『 』カチーン
海賊「 」カチーン
パイレーツ『』カチーン
海賊「」カチーン
サムス「少し立てば溶ける……エネルギーによる凍結だからそのままでいれば死にもしない」
サムス「いくか……コブラの方は大丈夫だろうか」ブーン
――ブリンスタ――
ムーワ『キシャアアアアアアアアアアア!!!!』
コブラ「うひゃああああああああああああああああ!!??」
コブラ「ふーっ、危なかったぜ」
コブラ「こいつぁでけえミミズだ、サムスの言っていた生物兵器ってやつかぁ?」
ムーワ『ギャアアアアアアアアアアア』
コブラ「うひぃ!?」サッ
ズドォォォ
コブラ「こんにゃろうっ!!」ズドンッ
キンッ
コブラ「! か、かてえ!」
ムーワ『ギュアアアアアアアアアアア!!』
コブラ「っ……こいつぁ、とんだ置き土産だぜクリスタルボーイ!」
コブラ「ほっ!」タンッ
ムーワ『ギィアアアアアア!!』
コブラ「なんのっ!!」ピョンッ
ムーワ『ギチギチッ!!』
コブラ「鬼さんこちらっ!!」ポインッ
ドンッ
コブラ「お?」
ムーワ『ギチチッ』
コブラ「壁か……こりゃあもう逃げらんないなぁ」
ムーワ『ギュアアアアアアアア!!』
コブラ「……」
ムーワ『ギチチッ……!』
《上だよ、上!!》
ムーワ『!!』
コブラ「へへっ」
コブラ「仕込みワイヤーショットさ、いつも持ち歩いてんだ。残念だったなミミズくん」
コブラ「……」スチャッ
ムーワ『ギュアアアアアアアア!!』
ドゥゥンッ
ドゥゥンッ
ドゥゥンッ
ズズズ……ウゥン
コブラ「……」スタッ
コブラ「首回りの一部分、延びる瞬間だけ見える場所」
コブラ「それがお前さんの弱点だ、相手が悪かったな」
コブラ「次はカブトムシにでも生まれ変わるんだな……」スタスタ
キル・ギル『ジジジジジッ!?』
サムス「……墜ちろ」ドンドンドンドンッ
ピチューン
サムス「……これで道が開けたな」
サムス「海賊達の数も多い……なるべくならミサイルは温存したいものだが」
コロンッ
サムス『狭いがこれなら何とかなるな』
サムス『……コブラ……か』
サムス「…………」
サムス「まさか、お前にいきなり会えるとは思わなかった」
サムス「あの夜……私の全ての運命を狂わせた過去」
サムス「そして二つの故郷を潰した……!」
サムス「リドリーッ……!!」
リドリー『シャアアアアア!!』
サムス「お前だけは、誰の手も借りない……」
サムス「私は今日、初めて人を喜んで殺す!」
リドリー『ガァァァァァアアアアアア!!』
ドドォォォォッ
コブラ「ッ!?」
コブラ(何だ? 今の感覚……虫の知らせってやつか?)
コブラ「嫌な予感がするぜ……サムスの奴、故郷だからって無茶してなきゃいいが」
ゴポッ……ゴポッ……
コブラ「しっかしひでえ臭いだ、早く出ねえと俺のイカしたお鼻が曲がっちまう」
コブラ(あれから海賊や怪物、何人も相手したが、未だにクリスタルボーイ自身は来ちゃいない)
コブラ「さっさと終わらせて、こっちから探しに行くのも悪くねえ……なぁパイソンちゃん?」ジャキッ
コブラ「ん……?」
コブラ「やれやれ、おたくらも飽きないねえ」
コブラ「いい加減相手すんの疲れてきたぜ。ま、もう顔を変えて逃げたりする気もないんだがな」
海賊「くっ……」
コブラ「たったの十人ぽっちか……悪いが」
ゴゴゴゴ…
コブラ「ん?」
海賊「き、来たぁ!!」
コブラ「おいおい……何だ何だ!?」
ドッゴォォォォォ!!
海賊「ぎゃあああーッ!」
コブラ「ひゃああああああああああああああ?!!」
クレイド『グルルルルル……!』
コブラ「あ……あぁ……!?」
コブラ(で、でけえ! さっきのミミズが可愛く見えるくらいでけえぞ!!)
コブラ「ざっと十メートル以上……ギルドの連中め、ペットの放し飼いは近所迷惑だっつうの!!」
クレイド『グルルォオオオオ!!』ブシュッ
ズバァッ
海賊「ヒギィヤッ!!」
コブラ「うぉおっ?!」
コブラ「爪を飛ばして来やがっただとぉ! つうか、見境無しかよ!」
海賊「た、助けてくれー!!」
コブラ「……おたくらそろそろ転職考えたらどう?」ナムナム
海賊「ぎゃー!」
コブラ「冗談じゃねえ……一張羅に傷つけられてたまるかってんだ!!」ドゥゥンッ
バババッ
海賊「ま、曲がった! コブラのサイコガンが蛇みたいに曲がって、三つの爪を一発でぶち抜いたぞ!」
コブラ「サイコガンは心で撃つもの……ちょーっと魅せちまったかな?」
コブラ「悪いなデカブツ、美人と待ち合わせなんだ……さっさと終わりにさせてもらうぜ!」ドゥゥンッ
バシッ
クレイド『グルルルルル……』
コブラ「はぁぁ!?」
コブラ「サイコガンを跳ね返した……このビールっ腹、見た目によらずかてえぞ!」
海賊「ひいぃー!」
コブラ「あ、こら逃げんな!」
クレイド『グォオオオオオ!!』ブシュッ
コブラ「!?」
海賊「げべっ」ブシャァッ
コブラ「なっ!?」
クレイド『グォオオオ!!』ブシュブシュッ
ギュンッ
コブラ「うぉぉっ!!」
コブラ「へ、臍みたいなとこから何か飛ばして来やがる! 何だありゃ……!」
コブラ「肉の塊……何かの生物か? 参ったな、ビールっ腹の化け物がデカすぎて、塊もまるで自動車だぜ」
ビシュッ
コブラ「えぇいッ!」ドゥンッ
ボゴッ
コブラ「へっ、サイズはデカくてもコッチはヤワなみたいだな!」
コブラ「男は固くなきゃあ女の子にモテない……ぜッ!!」ドゥンドゥンッ
クレイド『ガォオオオオオオオオオオオオ!!』ブンッ
ドッゴォォォォォ
コブラ「ッ!?」
クレイド『グォオオオ!!』
コブラ「こんにゃろッ! 天井を崩しやがっわっわわわっ!!」
ズズズ……
コブラ「こんにゃろッ……腹が駄目なら!」
ザッ
コブラ「そのトカゲ面に景気のいい一発、叩き込んでやらぁ!!」
ブォッ
コブラ「はっ!」
ゴシャアッ
コブラ「がっ……は……!?」
コブラ(肉の塊……やべえ、しくじった……!)
ガラガラ……!
コブラ「ぐあぁぁぁぁあ!!」
コブラ「ぐええ……」
コブラ(瓦礫に埋まっちまった……動けねえ)
ズシン……
ズシン……
コブラ「……!」
コブラ(おいおいまじかよ……あのビールっ腹、このまま俺を踏み潰すつもりだ!)
コブラ「ぐっ……!」
コブラ(駄目だ、パイソンが塞がってこの位置じゃ奴を狙えねえ!)
コブラ「こんな時こそ……サイコガンだろうよ!」ドゥゥンッ
ガァンッ
クレイド『グルルルルル……』
コブラ「……!」
コブラ「口を閉じてりゃ大丈夫ってか……成る程ね、こりゃ一本取られたぜ」
コブラ「……だがな、てめえは大きな間違いを犯してるぜ」
コブラ「うおおおおおおーッ!」
ドゥゥンッ
ドゥゥンッ
クレイド『!』
クレイド『グギャアアアアアア!?』
コブラ「まぁだまだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ドゥゥンッ
ドゥゥンッ
ドゥゥンッ
コブラ「その肉の塊を出す腹の穴! 塊ごとぶち抜けば、そこも身体の中ってね!!」
コブラ「サイコガンの弾道なら、目をつむってても当てられらぁッ!!」
ドゥゥンッ
クレイド『ガ、ガァァァァァ!!』ズシィィン
コブラ「開けたな……口」
コブラ「とびきりデカい奴だ。デザート代わりにたらふく食らいな」
クレイド『……』ピクッ
コブラ「……」シュボッ
コブラ「そして、お前の一番の間違い」
コブラ「それは、このコブラを相手にしたことさ」フゥー
クレイド『 』ピクピクッ
ドシャアッ
ズズズズズズ……
コブラ「よっ……と」
コブラ「さぁて、さっさとロックを外して待ち合わせに行くとするか」
コブラ「時間にルーズな男は嫌われちまうからな……へっ」
コブラ「!」ガランッ
コブラ「この声……懐かしいじゃねえか」
『ふふふ、私もだよコブラ』
コブラ「どの面下げて現れやがった……」
コブラ「クリスタルボーイ!!」
ガシャンッ
クリスタルボーイ「ふっふっふっ……」カチカチ
コブラ「相変わらずのスケルトンボディかよ、気色悪い」
クリスタルボーイ「それはこちらの台詞だコブラ、そのサイコガン、今日こそ引きちぎってバラバラにしてくれる」
コブラ「止めとけクリスタルボーイ、お前さんご自慢の特殊偏光クリスタルが粉々に吹き飛ぶだけだぜ」
クリスタルボーイ「相変わらずの減らず口か……変わらんなコブラ」
コブラ「お互い様だぜ……」
ドゥゥンッ
ドゥゥンッ
チュドォォォン
クリスタルボーイ「! 貴様、ロックを……」
コブラ「さぁ、またパイソンちゃんの鉛弾に泣きな!」
クリスタルボーイ「……ふっふっふっ」
コブラ「! な、何がおかしい!」
クリスタルボーイ「いや何、忘れていたのさ。お前にプレゼントがあることをな」
コブラ「プレゼント……だと……?」
クリスタルボーイ「あぁ……世に二つとしかない、珍しいものさ」
カランッ
コブラ「!!!!」
コブラ「あッ……な……」
クリスタルボーイ「ん。コブラ、よく見るとお前のサイコガンにも似ているんじゃあないか? ん?」
コブラ「て……てっ……!」
クリスタルボーイ「ふっふっ……どうした、拾わないのか? 高価だぞこれは、なんせ」
クリスタルボーイ「銀河最強のバウンティハンター、サムス・アランのパワードスーツなんだからな」
コブラ「てめえクリスタルボォォォォォォォォォォォォォォォォイ!!!!!!」
クリスタルボーイ「ま、右腕だけだがね」
ズガァァァァァッ!!
コブラ「ッ……かは……ッ」
クリスタルボーイ「あまり俺を舐めるなよコブラ」
クリスタルボーイ「お前に砕かれてからこのボディ、そのままの強度で復活させると思ったか」ヴゥン
コブラ(肋骨が……長い棒みてえになりやがった……!)
コブラ「てめ……ぇ……!」
クリスタルボーイ「無駄だよコブラ、そのパイソン77で試してみるか?」
クリスタルボーイ「もっとも、弾の無駄遣いに終わるだけだがね」
コブラ「嘗めんじゃ……!」チャキッ
ドゥゥンッ
コブラ「……!?」
クリスタルボーイ「……この程度か」
クリスタルボーイ「残念だよ、コブラ!」ブンッ
ガッ
クリスタルボーイ「お前ならばもしやとも思ったが、やはり私の杞憂だったか」
クリスタルボーイ「おい、さっさとコイツを連れていけ」
海賊「はっ!」
クリスタルボーイ「殺すなよ。まだ奴のパートナーであるアーマロイド・レディとタートル号が残っているからな」
クリスタルボーイ「あれは厄介だ。下手に逃がす前に、コブラで亀を釣り上げてくれる」
海賊「では遺跡付近の冷凍独房で……」
クリスタルボーイ「うむ」
クリスタルボーイ「それと……サムス・アランは見つかったか?」
海賊「いえ、ですがノルフェアの崖からパワードスーツの破片が大量に見つかりました」
海賊「恐らく粉々に砕け散ったのでしょう。流石はリドリー様とクリスタルボーイ様!」
クリスタルボーイ「ふん……肝心のリドリーは半殺しだったがな」
クリスタルボーイ「死体を見つけるまで捜索は続行しろ。奴もまたコブラ同様、ただでは死なん女だ」
海賊「はっ!」
コブラ「 」カキーン
クリスタルボーイ「やれやれだ……まだメトロイドの研究と搬送もまだだというのに、余計な手間をかけさせてくれる」
クリスタルボーイ「さて、私は少しリドリーのところに行ってくる」
クリスタルボーイ「誰もいれるなよ、特にアーマロイド・レディとサムス・アラン、この二人には気をつけろ」
海賊「はっ!」
クリスタルボーイ「……」
コブラ「」カキーン
クリスタルボーイ「ふん……」バッ
カツカツカツ
コブラ「」カキーン
海賊「へへへ、こうなっちまったら不死身の男、サイコガンのコブラもかたなしだな」
コブラ「」カキーン
海賊「む、誰だ!」
コブラ「」カキーン
海賊「……何だお前、リドリー様かクリスタルボーイ様の女か」
コブラ「」カキーン
海賊「ここはお前なんかが来るようなところじゃねえよ、ほら、さっさと帰りやがれ」
コブラ「」カキーン
海賊「へへ、それとも俺達とイイコトしにきたのか?」
海賊「ま、考えて見りゃリドリー様もクリスタルボーイ様も、そういうことしそうにねえしなぁ」
海賊「ようお姉ちゃん、なんなら俺達とイイコト……」
アベシッ
タワバッ
アッー
コブラ「」カキーン
サムス「……全く……手間をかけさせる」ピッ
・
・
コブラ「うーさむ……」
サムス「早々に捕まっているとは、念のため周辺を嗅ぎ回っていて正解だったな」
コブラ「わりいなサムス、世話になっちまった」ガチガチガチ
サムス「しかし、普通なら丸一日はかかる冷凍状態からの完全復帰をものの数分で成し遂げるとは……」
コブラ「伊達に不死身は名乗っちゃいないぜ、なんたって俺ぁ」
サムス「コブラだから、か?」
コブラ「ご名答……火ぃある?」
サムス「……先が思いやられるな」カチッ
コブラ「どーも」
コブラ「クリスタルボーイの野郎がお前のスーツの一部をポイッとよこすもんだから、もう駄目かと思っちまったぜ」
サムス「……あれは、私も危なかったよ」
サムス「リドリーとの死闘の最中、あと一歩というところまで奴を追い詰めた」
サムス「その瞬間、これが背後から私に投げつけられたんだ」スッ
コブラ「……金の槍、か」
サムス「恐ろしい武器だ。リドリーとの戦いで損傷していたとはいえ、とっさに出したアームガンごとパワードスーツを貫いた」
サムス「そのままノルフェアの崖から落ちて、カモフラージュしなかったら、私はクリスタルボーイに殺されていただろうな」
コブラ「成る程、パワードスーツを敢えて解除することで誤魔化したのか」
サムス「おかげでこの様さ……」
コブラ「へへっ、俺ぁそっちの方が好みだって言わなかったっけ?」
サムス「……お、お前の好みに合わせたつもりはない!」
サムス「あぁ……」
コブラ「おぉっとぉ! お前さんはここでゲームセットだぜ、サムス」タタッ
サムス「!?」
コブラ「あんたのその武器じゃ、お間抜けな海賊共でも数人相手すんのが精一杯だろう」
コブラ「ましてや此処にはクリスタルボーイの野郎や死に損ないの恐竜、メトロイドまでわんさかいる」
コブラ「悪いことは言わねえ、タートル号で待ってろ。後のケリは俺がしっかり着けてきてやる」
サムス「しかし……!」
コブラ「足手まといだ。パワードスーツの無いあんたを庇いながらじゃ、二人のどっちかは確実に死ぬ!」
コブラ「俺ぁ死ぬのは怖くない、だが目の前で女が死ぬのは我慢ならねえ……良い女なら尚更さ」
サムス「……くっ」
コブラ「コイツは預かっとくぜ……クリスタルボーイの忘れ物だからな」ヒョイッ
コブラ「じゃあな……せいぜい派手に暴れて引きつけてやらぁ!」
ドゥゥンッ
ギャアーッ
海賊『コブラが逃げたぞー! 追えー!!』
コブラ「ほぉら、おいでなすった!」
コブラ「海賊諸君、コブラはここだぁ! ここにいるぞぉ!」ドゥゥンッ
パイレーツ『ギャー!』
サムス「…………」
サムス「……くそっ……!」タタッ
――タートル号――
レディ「遅いわね二人とも、相手がギルドの大幹部二人だからてこずっているのかしら」
レディ「この惑星のスキャンももう終わってしまうわ……このまま何事もなく終われればいいけれど」
ピーッ
レディ「! タートル号のセンサーが探知できない場所がある……どういうこと?」
レディ「位置情報更新、データバンクと照合し検索を」ピポパ
レディ「……チョウゾ……ディア……?」
レディ「通信……サムスからだわ!」
サムス『レディ、今どこに?』
レディ「遅かったじゃないサムス」
レディ「あら、一人なの? またコブラがちょっかいでも出した?」
サムス『……』
レディ「まあいいわ、それより今余裕はあるかしら? この惑星をくまなくスキャンしていたんだけど、タートル号のセンサーでも全容の分からない場所が見つかったの」
サムス『え?』
レディ「データバンクと照らし合わせてみたら、過去の銀河歴史書にただ一言しか載ってなくて」
レディ「何か知ってることがあったら教えてほしいんだけれど……分かるかしら?」
サムス『……何と書いてある?』
レディ「チョウゾディア……と」
サムス『!!』
レディ「え? えぇ、可能よ。そんなに難しいことじゃあないわ」
サムス『頼む、私の勘が正しければ、そこはこの星で最も神聖な場所……』
サムス『まだ手は、残っていたんだ!』
レディ「……事情はよく解らないけど、すぐにでも送るわ。待っててね」
サムス『ありがとうレディ』
サムス『流石はあのコブラのパートナー、アーマロイド・レディだ』
レディ「うふふ、どういたしまして。最高の誉め言葉だわ」
サムス『……』
サムス(間に合ってくれ、後少しだ……コブラ!)
バババババッ
コブラ「うひひぃぃいい!!」
パイレーツ『ニガスナーオエー』
海賊「コブラめ、これでジ・エンドだ!」
コブラ「お前等が、な!」ドゥゥンッ
パイレーツ『アッー』
海賊「がはぁっ!!」
ドサッ
ドサドサッ
コブラ「ふいーっ、まだ関節のあちこちが軋むぜ、冷凍手羽先の気分ってのはこんな感じなのかねぇ」
コブラ「しかしまぁ右見ても溶岩、左見ても溶岩、冷凍コブラの次は焼きコブラってか? 日焼けは趣味じゃないね!」
ドゥゥンッ
パイレーツ『ヌワーッ』ドシャッ
コブラ「……」シュボッ
コブラ「!」
《あの程度でどうにかなるとは思っちゃいなかったが、やはりな》
コブラ「クリスタルボーイか……高みの見物たぁいいご身分だぜ」
《貴様とサムス・アランを洗脳し、海賊ギルドの強大な戦力にしようと生かしておいたが……》
《今理解したよ。お前は危険だ、危険過ぎる》
コブラ「へっ、気付くのが二年ほど遅かったな」
コブラ「いや三年、五年だっけ? まぁどれでもいいか、俺は俺だ」
《ふふふ……誇りに思うがいいコブラ》
《貴様一匹始末するために、我らギルドの新たな戦力を披露してやるのだからな》
コブラ「なぁにぃ?」
ギャアーッ
コブラ「!?」
メトロイド「」ウジュルウジュル
コブラ「な……何だぁコイツ……!?」
《さらばだコブラ》
《メトロイドの餌となり、我らギルドの礎となれ。ふふふ……ははははは!!》
海賊「」グシャアッ
コブラ「死体がカラッカラのミイラみてえに……!」
メトロイド「」ギチギチッ
コブラ「こんのッ……最後はコブラ干しがご希望か!」スチャッ
コブラ「腹ぁ壊すぞこんちきしょう!!」ドゥゥンッ
シュゥゥン
コブラ「はぁ?!」
メトロイド「」ウジュルウジュル
シュゥゥン
コブラ「な、何でだ!? 俺のサイコガンが、全く効いてねえ!!」
メトロイド「」ウジュルウジュル
コブラ「どぉわっ!」バッ
海賊「」ボロッ
コブラ「! 海賊の死体が触れただけでボロボロに……」
コブラ「いや、瑞々しい! このミイラおかしいぜ、干からびているのは見た目だけで、水分も血液も一滴さえ失われちゃあいねえ!」
メトロイド「」ジュルル
コブラ「そういやサムスが言ってたな……このメトロイドは、生命の生体エネルギーを始めあらゆるエネルギーを捕食すると!」
コブラ「このクラゲもどき、俺のサイコガンの精神波を食いやがったんだ……!」
メトロイド「」ギチギチッ
コブラ「全く、リドリーとクリスタルボーイの野郎、とんでもねえ化けもん掘り出しやがって!」
コブラ「だが、どうするコブラよ! サイコガンが通じないとなりゃ、打つ手が……!」チャキッ
ズドンッ!
メトロイド「」フラフラ
コブラ「……パイソンも駄目、か。本当に【撃つ手】が無くなっちまいやんの」
コブラ(ん…………いや待て?)
コブラ(確かサムスが、メトロイドの弱点に付いて話していたはず……)
メトロイド「」シュッ
コブラ「わったった! 来るんじゃねえ!」ズドンッ
コブラ「確か……確か……!」
・
・
コブラ「メトロイドは知らないが、君のことはもっと知りたいねぇ」
サムス「……まともに話を聞くつもりはないの?」
コブラ「あるさ、でもそのナイスバディが視界に入ると、集中力が途切れちゃうんだよねぇ」
コブラ「スリーサイズを当ててみようか、一発で正解したらご褒美頂戴よ」
サムス「何……?」
コブラ「へっへ……B106、W60、H90! どうよ、ドンピシy」
バゴンッ
ドゴォッ
レディ「さ、続けてサムス」
サムス「あ、あぁ……コホン……メトロイドとは……」
コブラ「……きゅう……」
・
・
コブラ「……この惑星から出られた時の目的が、一つ増えたな」
コブラ「過去にタイムリープして、あんときの俺を一発! 思いっきりぶん殴る!!」ズドンッズドンッ
メトロイド「」フラフラ
コブラ「ちぃっ! 続々と集まって来やがらぁ……!」
コブラ「死ぬときは美人とベッドで抱き合いながらって決めてたんだがね、こりゃ参ったぜ!」
PPP
レディ『コブラ、何処にいるの? 応答してコブラ!』
コブラ「そうだレディィィィィィィィィィ!! やっぱり俺のパートナーだ、お前がいてくれて助かったぜひゃっほぉぉぉぉぉぉぉ!!」
レディ『何!? まだ何も言ってないじゃない!』
レディ『当たり前じゃない』
コブラ「なぁんで俺に伝えてくれなかったんだぁ!? 薄情者!」スタコラサッサ
レディ『途中からあなたが聞いていたような態度で話に入ってきたから、大丈夫なのかと思ったんだけど』
コブラ「本当にすいませんでした」
レディ『で? やっぱりメトロイドにはサイコガンも効かないのね』
コブラ「こればっかりは相性が悪すぎらぁ、何か手はないのか?」
レディ『あるわ、メトロイドには明確な弱点がある!』
コブラ「さっすがレディ!」
レディ『……今地図を確認したわ、ナビゲーションするからその通りに動いてね!』
コブラ「りょーかいだ!」ズドンッ
コブラ「あいよっ!」タッ
レディ『50m進んでから、右の二番目の梯子を降りて!』
コブラ「あいあい……あれ?」
レディ『そして真っ直ぐ、突き当たりを左に!』
コブラ「レディ……成る程、そういうことか!」
レディ『コブラ?』
コブラ「お前さんが俺を何処に誘導しようとしていたのか分かったのさ! だったら早道だ、真っ直ぐいくぜ!」スチャッ
コブラ「壁を、ぶち抜いてなぁ!!」
ドォォンッ
ドォォンッ
コブラ「へへっ……」
メトロイド「」ウジュルウジュル
コブラ「さぁ来なよクラゲもどき……反撃タイムってやつだ」
メトロイド「」グワァッ
ドゥゥンッ
コブラ「ッ!」ジャキッ
ドゥゥンッ
ドゥゥンッ
ドゥゥンッ
パリーン
メトロイド「」パキパキパキ
コブラ「……」
メトロイド「」カキーン
コブラ「クラゲもどきのシャーベット、一丁上がり!」
レディ『凄いわねコブラ、どうしてメトロイドの弱点が低温だって分かったの?』
コブラ「なぁに、レディの誘導が来た道に戻るように飛んできたからな」
コブラ「この区画にあって他には無いもの、それを考えたらピンと来たのさ」
コブラ「この冷凍独房はあくまで副産物……本当の目的は、メトロイド対策の超低温液を保管する場所だったってな」
レディ『成る程ね』
レディ『美味しいの? それ』
コブラ「旨そうには見えんなぁ、ゲテモノ好きには売れるかもよ?」
レディ『もう、悪趣味ね。タートル号に持ってこないでよ? そんなもの』
コブラ「へいへい、悪いなお前たち」ジャキッ
ドォォンッ
パリーン
コブラ「腕のいいシェフに再利用してもらえよ、あばよ」
ズキューン
海賊「ぉぉ……」ドサッ
サムス「はぁ……はぁ……」
サムス(やはりスーツが無いままの戦闘は危険を伴う……一刻も早く大軍神像の間に行かなくては)
ザッ
サムス「……!」
サムス「ここを下れば……旧居住区か」
サムス「……」
チャキッ
サムス「先を急ごう……時間が、無いから」
ウィインッ
『ほう、やはり此処に来たか』
サムス「!?」
ドゥッ
『柱の陰に隠れたか。俺のブラスターを避けるとは、良い反応だ』
サムス「海賊ギルドか……!」
ドーベル「如何にも」
サムス「!? そのバッヂ、銀河パトロールの……」
ドーベル「おっと!」ドゥッドゥッ
サムス「つっ……!」チュインッ
ドーベル「はは、そういうことさ。この要塞惑星が陥落しなかったのは、こういう裏事情も込みの話でね」
サムス「スパイか……」
ドーベル「銀河パトロールの実入りじゃ、酒も飲めないんでね!」
サムス「クズめ!」
ドゥッドゥッ
サムス(このままでは、最深部への道が閉ざされてしまう!)
ドーベル「悪いね、あんたとコブラを殺せば、一生遊んで暮らせるだけの金が手に入るんだ」
ドーベル「連射ブラスターの餌食になりな!」ドドドゥッ
サムス「こんな奴……パワードスーツさえあれば……!」
サムス「パワードスーツ……さえ……」
サムス「……ッ」
サムス「! コブラ!」
ドーベル「なに、コブラだと?」
ドーベル「ちょうど良いぜ、俺の連射ブラスターとお前のサイコガン、どちらが強いか試してやる!」
コブラ「けっ! 飲んだくれのポリ公め、照準がぶれてるぜ!」
サムス「コブラ!」
コブラ「サムス、レディから事情は聞いたぜ。俺が奴を引きつける、その間に大軍神の間とやらに走れ!」
サムス「ッ……」
コブラ「任せろよ、これでも女の子のエスコートは得意なんだ」ジャキッ
コブラ「合わせろよ、1、2の、3だ。分かったな!」
サムス「…………」
サムス「あぁ、分かった」スッ
ドーベル「貴様等は所詮俺には勝てん!」ジャコンッ
コブラ「よぅし……1、2の……!」
サムス「……」
コブラ「あ……!?」
バッ
ドーベル「何!?」
サムス「……」
コブラ「なっ、何やってんだサムス! さっさと隠れろ、そんなんじゃ狙い撃ちだぁ!!」
サムス「コブラ、奴は私が一人で倒す」
サムス「スーツを取るまでは、一切手を出さないで」
コブラ「んな馬鹿な! パワードスーツも無しで……!」
サムス「コブラ!」
コブラ「!」
サムス「お願い……」
コブラ「サ……?」
コブラ「……」スッ
サムス「ありがとう、コブラ」
レディ『どうしてサイコガンを下げるの!? コブラ、説明して! コブラ!!』
コブラ「レディ、今サムスは自分の戦士としての生き様を賭けている」
コブラ「パワードスーツに頼らない、生身の心の強さ……それを試しているんだ」
レディ『サムスが……?』
コブラ「そうだ、俺ぁ彼女のことなんか何一つ知らねえが、彼女が今どれほどの覚悟で前に出たのか、それくらいは分かる」
コブラ「決して退くもんか! ってよ……背中が泣いてんだ。俺の出る幕じゃねえ」
レディ『コブラ…………』
ドーベル「……ふん」ザッ
ドーベル「いいのか? せっかくコブラが助けに来てくれたというのに」
サムス「二対一では不公平、むしろ感謝してほしいくらいだ」
サムス「それに……お前では私には勝てない」
ドーベル「何をぉ!!」
サムス「…………」ザザッ
コブラ(早撃ち勝負か……だが、これを受けたってことはあのポリ公、速さには自信があるってことだ)
コブラ(対するサムスは、殺傷力さえおざなりなハンドガン……さて、どうなる)
ドーベル(馬鹿め、俺のボディは全身を超合金で構成したサイボーグ!)
ドーベル(そんな豆鉄砲のエネルギーじゃあ、傷一つつきやしないぜーッ!!)
ドーベル「死ね、バウンティハンター!」ジャコンッ
サムス「……」ヒュッ
ドゥッ
バババババババババッ
サムス「……」スタスタスタ
サムス「きっと、お前はこう思ったのだろう」
サムス「俺の身体はサイボーグ、お前のハンドガンなんかじゃ傷一つつきやしない……と」
ドーベル「 」
サムス「その通りだ、私の銃は一発じゃお前を倒せない」
サムス「だから頸椎部に撃たせてもらったよ……同じ場所に、九発な」
ドーベル「」ドシャッ
サムス「ふぅー……っ」
コブラ「ヒューッ、お見事。海賊ギルドの悪徳警官も、お前さんにかかりゃチワワもいいとこだな」
サムス「済まないコブラ、我が儘を聞いてもらった」
コブラ「なぁに、女の子の我が儘は黙って聞くのが俺のアイデンティティでね」
サムス「……軽薄だな、全く」フッ
サムス「!」
コブラ「な、なんだぁ!?」
ゴゴゴゴ…………
サムス「大軍神が、道を開ける……?」
サムス「どうして、私はまだ大軍神に自分の力を示してなんか……」
コブラ「示したんだろう? 今さっき、大軍神様の目の前でよ」
ドーベル「」
サムス「あれが……そうなのか? いや、しかし……」
コブラ「良いじゃねえか、神様がお前さんを認めてくれた証なんだぜ?」
コブラ「人の好意は素直に受け取っておくもんだ、さ、行ってこい」
サムス「…………」
タタッ
コブラ「……」
コブラ「俺も覗きに行っちゃおうかな?」
レディ『どうしたの? コブラ』
コブラ「通信を切るぜレディ、厄介極まりない奴が来やがった!」
『ギェェーーッッ!!!』
レディ『まさか……!』
コブラ「しつこい奴だぜ、サムスによほど執着しているらしい……」
コブラ「スペースパイレーツの最高指揮官、リドリー!!」
リドリー「グギエェェーー!!」
コブラ「手負いだってのに来やがるとは、見上げた根性だぜ」
コブラ「おおかたパワードスーツが無いサムスを狙えば勝てると踏んだんだろうが、おあいにく様だ」
コブラ「このコブラがいる限り、こっから先は爬虫類立ち入り禁止だぜ!!」ジャキッ
『伏せろ!』
コブラ「おぉう!?」
リドリー「ギェアアアアアアアアアアア!!?」ブシャァッ
コブラ「おぉ……!」
コブラ「あのリドリーの翼が、一発でぶっ飛びやがったぜ!!」
『待たせたな、コブラ』
コブラ「!」
サムス「…………」ジャコンッ
コブラ「サムス……それが、鳥人族が残した伝説のパワードスーツって奴か?」
サムス「あぁ」
コブラ「イカスじゃないの、鳥人族ってのはセンスも抜群だったらしい」
サムス「地球人と近い何かがあったのは確かだろうさ」
リドリー「ギェェーーッッ!!」
サムス「……」
コブラ「サムス」
サムス「あぁ」
サムス「リドリー」
リドリー「ギャッギャッギャッ」
サムス「お前が生きている限り、私の悪夢は終わらない」
サムス「消えてくれ……私の、心から」
【スーパーミサイル装填】
ドッゴォォォ……ォン
コブラ「……」
コブラ「行くか、サムス」
サムス「あぁ……世話をかけた」
コブラ「言ったろ? 美人に世話焼くの俺大好き! ってな」
サムス「……覚えていないな」
コブラ「とーぼけちゃってもー」
サムス「ふふ、急ごう。マザーブレインは中枢ツーリアンの最深部だ」
コブラ「おう、さっさとふっ飛ばしておさらばといこうや!」
クリスタルボーイ「……リドリーがやられたか」
クリスタルボーイ「もとよりサムスとの死闘で傷ついた身、判断力を失ったか、はたまた賭に出たか……」
クリスタルボーイ「ふふ、あの狡猾な翼竜をそこまで熱くさせる何かがあるのか……サムスには」
海賊「クリスタルボーイ様、積み込み作業が終了致しました!」
クリスタルボーイ「よし、マザーシップ発進準備。我々は惑星ゼーベスを放棄する」
クリスタルボーイ「メトロイドさえ手中にあればこんな星など不要。奴らの墓標として永久保存してくれる」
海賊「はっ!!」
クリスタルボーイ「さぁ来いコブラ……そしてサムス」
クリスタルボーイ「私自ら、引導を渡してやる……!」
コブラ「ほらよッ!!」ドドドゥッ
海賊「ギャアアーッ!!」
海賊「グワァァーッ!!」
パイレーツ『ウテーチカヅケルナー』ダダダダダ
サムス「遅い」バヒュォッ
パイレーツ『 』カチーン
パイレーツ『ウギャー』チュドォォォン
コブラ「真っ正面か!?」
サムス「あぁ、あの扉だ! 一気に突っ切るぞ!」
コブラ「へへっ、いよいよお母さんにご対面か! 俺何てごあいさつしよう?」
サムス「出会い頭のサイコガン、フルパワー」
コブラ「やっぱそれっきゃないかねぇ!!」バゴォンッ
海賊「ぬわぁぁあーッ!!」
コブラ「サムス!!」
サムス「ッ!」
メトロイド「」カチーン
コブラ「凍っちまえばパイソンが通る!!」ドゥッ
パキーン
コブラ「まだドアロックは解除出来ないのか!!」ドゥッドゥッ
サムス「もう少しだ、黙っていろ!」
サムス「……開いた!」バッ
コブラ「待ちくたびれたぜっ!!」バッ
サムス「……!?」
コブラ「な、何だこりゃあ!!」
――中枢ツーリアン・最深部――
クリスタルボーイ「……」ガシャン
コブラ「……」
クリスタルボーイ「待ちわびたぞ……コブラ、サムス」
コブラ「俺達は出来ればそのまま素通りしたいところなんだがね」
サムス「貴様……」
クリスタルボーイ「言いたいことは分かるさ。【マザーブレインは何処にある?】だろう?」
クリスタルボーイ「相変わらず短絡的で自己中心的、哀れな奴だなコブラよ」
クリスタルボーイ「この俺が、いつまでもこんな枯れ果てた星にへばりついてコソコソと内職にはげむとでも思ったのか?」クックック
サムス「ま……さか……!!」
レディ『大変よコブラ! ギルドのマザーシップが大気圏離脱準備に入ってるわ!』
コブラ「何だってぇ!?」
コブラ「うひゃああ!!」スカッ
サムス「ッッ!!」チャッ
バシュウンッバシュウンッ
キュインッ
クリスタルボーイ「ふふ……何かしたか?」
サムス(やはり強化されたビームでさえ、奴の特殊偏光クリスタルには……!)
クリスタルボーイ「マザーシップはブレインと満載したメトロイドを乗せ、海賊ギルドの本部のある別銀河へと飛ぶ」
クリスタルボーイ「私は貴様等を殺してから、ゆっくりと凱旋させてもらおう……何、最低限時間を稼ぐだけでいい。楽な仕事だよ」
コブラ「てめぇ……やってくれるぜ、クリスタルボーイ!」
サムス「ならば、お前を砕いてマザーシップも沈めるだけだ」
クリスタルボーイ「威勢だけでは俺には勝てん。今日こそこのくだらない因縁、ゼーベスの地層に沈めてくれるわ!」
コブラ「沈むのはてめぇのスケスケボディだぜつるっぱげーッッ!!」ジャキッ
サムス「……!」ジャコンッ
クリスタルボーイ「ふふふ……ははははははははは!!」ヴヴンッ
コブラ「こんのッ……!!」
ギィンッ
クリスタルボーイ「ふ……何度お前とこうしたかな」
コブラ「さぁね! お前の顔を見た回数なんていちいち覚えちゃいない……よ!」バキィッ
クリスタルボーイ「ぐっ……」
サムス(そこだ!)チキッ
ボシュッ
ガキンッ!
サムス「!?」
コブラ「んなっ!?」
クリスタルボーイ「スーパーミサイルか……確かにこれなら私のボディもただでは済むまい」
クリスタルボーイ「だが弾頭速度が遅過ぎる。私に当てるつもりなら、サイコガンくらいの速さは持たせねば、な」クックック
サムス「化け物め……!」
クリスタルボーイ「首をいちいち動かす手間が省けるというものだ」ゴキンッ
コブラ「安心しなよ、二度と肩こりに悩まねえよう粉々にしてやるさ」
サムス「ッ……!」キィィィィン
ズドォッ!!
クリスタルボーイ「ぬぐっ……」
サムス「効いたか……!」
クリスタルボーイ「……」パンッパンッ
サムス「!?」
クリスタルボーイ「フルチャージしたウェイブアイスビーム、とはいえダメージは皆無か」
クリスタルボーイ「ふん!」ブンッ
サムス「くっ!」サッ
コブラ「うらぁぁッ!!」ドゥゥンッ
コーン
クリスタルボーイ「パイソン77マグナム……ふん、今となってはそれも豆鉄砲以下よ」
コブラ「おわっ!?」ガンッ
サムス「なっ!」
サムス(最初に投げられた金の槍が、ひとりでに動いてコブラの体勢を……!)
クリスタルボーイ「ずぇあっ!!」
ドゴォッ
コブラ「ぐふっ……!」
サムス「コブラァッ!」
バシュッ
ガシッ
サムス「うっ!?」
クリスタルボーイ「この鋏には、こういう使い方もある」
サムス(ワイヤーショット!? しまっ……)
コブラ「んの……おぉッ!」バキィッ
クリスタルボーイ「足掻くな、地球の猿め!」ブンッ
コブラ「ぐええっ!?」
クリスタルボーイ「女共々、地を這い蹲れ!」
サムス「あっ……?!」
コブラ「うわぁあぁぁぁぁあぁ!!?」
ドゴォォォォォンッ
クリスタルボーイ「……」シュルシュルシュル
クリスタルボーイ「まだこの程度で死ぬ貴様ではない。分かっているぞコブラ」カチンッ
クリスタルボーイ「それにサムス、貴様のスーツの強度も以前とは桁が違う。じっくり、確実に、少しずつ、壊してやる」
サムス「くっ……くそ……」
サムス「! コブラ!?」
コブラ「……う……」
サムス「そんな、私のクッションに……」
サムス「パワードスーツがあるから、わざわざ庇わなくたって良かったんだ! どうして……」
コブラ「さぁね……思い立っちまうと……止めらんないのが悪い癖だ」
サムス「コブラ……」
サムス「……あぁ」
サムス「頑強な特殊偏光クリスタルのボディ、ワイヤーショットとなる鋏、特殊合金さえ軽々貫く肋骨型の槍」
サムス「更にサイコキネシスまで操るのね、この調子だと催眠術も……」
コブラ「ボーイめ、しばらく見ないうちに芸達者になりやがって」
コブラ「中国雑技団にでも入団したか……?」イテテ
サムス「……」
コブラ「考えてることは分かるぜ、サムス」
コブラ「賭けになるが、それしかねえんじゃねえかと俺も思う」
サムス「全ての可能性を捨てて、一瞬に賭ける」
コブラ「なに、やれないことはないさ……イチかバチかは慣れっこだ」
クリスタルボーイ「そろそろ幕引きと……ん?」
ザッ
サムス「……」
クリスタルボーイ「ふん、まだ立ち上がる気力が残っているのか」
サムス(隙を作る……クリスタルボーイが見せざるを得ない、絶対的な隙を!)
クリスタルボーイ「スーパーミサイルか、馬鹿の一つ覚えを……」
サムス「十五発」
クリスタルボーイ「ん?」
サムス「スーパーミサイルはあと十五発、残っている」
サムス「予言してやる。この十五発が撃ち終わったとき、そのときがお前の最期だ」
クリスタルボーイ「……死ね!」
クリスタルボーイ「ぬるいわッ!」ギィンッ
チュドォォォン
サムス「二発目、三発目!」バシュシュウンッ
クリスタルボーイ「俺を嘗めているのか!?」
サムス(今だ!)
バシュシュシュウンッ
ドドドゥッ
クリスタルボーイ「ぬぅっ!?」
クリスタルボーイ(地面に当てた……爆風によるダメージ狙いではない、目潰しか!)
クリスタルボーイ(だが三発を消費した、あと九発!)
サムス「センサーなら、煙幕があろうと……!」バシュシュッバシュシュッ
クリスタルボーイ「ふんっ!」ブンッ
チュドォォ……ォン
サムス「ちぃっ……!」
クリスタルボーイ「悪いが、狙いが分かればミサイル迎撃くらいは何とかするさ」
クリスタルボーイ「あと五発……弾が消費するたびに死に一歩一歩近付いているぞ」クックック
サムス「……小細工は通用しないか」
クリスタルボーイ「む?」
サムス「なら、真っ向勝負でいかせてもらう」チャキッ
バシュッ
クリスタルボーイ「ッ!?」
チュドンッ
チュドォォォン
クリスタルボーイ(馬鹿なッ……発射音は一つしかしなかったはずだ!)
サムス(これでコイツを仕留められるなら、それに越したことはない!)
サムス(私の全力を……パワードスーツの最大出力を以て、コイツを破壊する)
クリスタルボーイ「ナメた真似を……女が!!」
クリスタルボーイ(だがまさかそれをミサイル、しかも反動の強力なスーパーミサイルでこなすとは……!)
サムス(残りの全弾三発、全て組み込む!)
クリスタルボーイ(だが凌ぎきってみせる……サムスのスーパーミサイルさえ撃ち切らせれば、俺を破壊する手段はもう奴らには残らない!)
クリスタルボーイ「勝つのはこの俺、クリスタルボーイ様だ!!」
サムス「……撃つ……!」
バシュウンッ
バシュウンッ
バシュウンッ
クリスタルボーイ(所詮は女、このクリスタルボーイ様の敵では……!)
カツンッ
クリスタルボーイ「ッ!?」
クリスタルボーイ(な、何ぃ!?)
サムス「……!」
クリスタルボーイ(ミサイル同士が接触しあい、軌道が……変わった!?)
クリスタルボーイ(一発だけが、顔面めがけ突っ込んでくる!!)
クリスタルボーイ(間に合わん、振り上げた手を……戻……)
クリスタルボーイ(うおおおおおおおおお!!!!)
チュドォォォン
サムス「…………」
クリスタルボーイ「……危なかった……」
クリスタルボーイ「素直に認めようサムス・アラン。最後の最後、完全に私は意表を突かれていた」
クリスタルボーイ「だが、やはり私には勝てない。それだけのことだったのだよ、薄汚いハンター風情が」
サムス「……はぁっ……はぁっ……」ガクッ
サムス「サイコキネシス……最後のミサイルの弾道を曲げた……というわけか」
サムス「最初から真っ向勝負していればもしや……いや、何も言うまい」
クリスタルボーイ「はははははは!! さぁ……予言は外れたな」
クリスタルボーイ「死ね、コブラ! サムス!」
バッ
コブラ「悪いが、予言は大当たりだぜ」
クリスタルボーイ「…………」
クリスタルボーイ「何が……起きた……?」
コブラ「……ビンゴ」
サムス「………ふーっ………」
クリスタルボーイ「コブ……ラ……!」
コブラ「そうさ、確かに俺達には打つ手が無かった」
コブラ「クリスタルボーイ、お前は腕っ節とボディもそうだが、警戒心も人一倍強かった。サムスだけ、俺だけなら、勝ち目はきっと薄かっただろうよ」
コブラ「だがお前は侮った。俺とサムス、土壇場で二人を侮ったんだ」
コブラ「その結果がこれだ……お前の蒔いた種なんだよ、クリスタルボーイ」
クリスタルボーイ「貴様等……私の肋骨を……弾代わりに……サイコガンで…………!」ピキピキピキ
コブラ「俺のときも、わざわざ冷凍保存してくれちゃったしな」
コブラ「そして、スーパーミサイルの弾切れ……それによりお前の緊張は完全に切れた」
コブラ「分かるかいクリスタルボーイ、この敗北は全てお前の責任だ。お前が手の内の勝ちを逃がし、負けをわざわざ引き込んだ」
サムス「お前は強かった、それがお前の敗因だ」ジャキッ
サムス「ひびの入ったクリスタルでは、ビームを完全に防げはしまい」
クリスタルボーイ「う……!」
コブラ「さようならだボーイ」
コブラ「さようなら……俺の悪夢!」
クリスタルボーイ「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおーーーー!!!!!」
ドゥゥンッ
バシュウンッ
パリィィィ……ィィン
サムス「…………」
コブラ「…………」
チャリン……チャリン
パキィンッ
サムス「……はぁっ……!」
コブラ「……ぶはっ……はぁっ……はぁ」
サムス「大丈夫か……コブラ」
コブラ「何の、伊達に不死身を名乗っちゃいないぜ……」
コブラ「急ごうぜ、マザーシップはもう出航準備を終えたはずだ」ダッ
サムス「あぁ」ダッ
コブラ「…………」
コブラ「……」クルッ
クリスタルボーイ「 」パリンッ
サムス「コブラ、どうした?」
コブラ「いや……何でもない」
コブラ「今夜はぐっすり眠れそうだと思っただけさ」タッ
ゴゴゴゴ……
レディ「コブラ、それにサムスも!」
コブラ「ようレディ、無事だったんだな」
サムス「……」
レディ「クリスタルボーイは、どうなったの?」
コブラ「クリスタルベイビーに早変わりして今頃はおねんねさ」
コブラ「……さて、と」
ゴゴゴゴ……
レディ「マザーシップはたった今出航したわ、メトロイドとマザーブレインを載せて……」
サムス「……遅かった、か……」
レディ「追いかける? タートル号ならまだ追いつけるはずよ」
コブラ「いや、止めておこうか。タートル号で追いついたとしても、その次がない」
レディ「……そうね……」
コブラ「だから、今ここでやるのさ」ガシャンッ
サムス「え?」
サムス「コブラ、いったい何を……」
コブラ「サムス、今からお前さんのパワードスーツモジュールに【サイコガン】を記憶させる」
コブラ「撃つのさ。奴が銀河を旅立つ前に、ありったけの精神波を込めてサイコガンをな」
サムス「なっ……!?」
レディ「正気? あの距離とサイズの戦艦、いくらあなたのサイコガンでも……」
コブラ「だからこそサムスに頼んでるのさ」
コブラ「ご先祖様に選ばれた最強のスーツなら、サイコガンも取り入れられるだろ?」
サムス「…………」
コブラ「サムス」
サムス「撃ち方は、教えてくれるんだな?」
コブラ「今なら授業料無料ってな」
・
・
ジャキッ
コブラ「サイコガンは精神エネルギーを弾丸にして放つ武器だ」
コブラ「サムス、今までの引き金を引く感覚はどっかにほっぽり出して捨てっちまいな」
コブラ「サイコガンは、心で引き金を引くんだ」
サムス「……分かった……!」
レディ「コブラ! マザーシップが大気圏を離脱するわ!」
コブラ「心の力を全部サイコガンに込めろ! パンパンになって爆発しちまいそうなくらい、精神エネルギーを圧縮すりんだ!」
サムス「くぅぅっ……!!」
サムス「ううぅっ……!!」
コブラ「そうだ、後は願え、【当たれ】、当たれってな!」
サムス「当たれ……当たれ!」ジャキッ
コブラ「よぉぉぉし! 久しぶりのフルパワー、いってみやがるかぁ!」チャッ
サムス「マザーブレイン……さようなら」
サムス「さようなら……!!」
コブラ「いっけぇぇえ!!」
――カッ――
サイコガンのフルパワーを発射した直後、まばゆい光が辺りを包み込み、私は意識を失った
目が覚めたとき、目の前には轟沈したマザーシップと、影も形も消えてしまっていた、宇宙一の海賊の姿
ただ、全てが終わったんだという安堵と、言いようのない感情だけが取り残された、複雑な心境
ただ私は、右腕のサイコガンを撫でることでそれを癒していった……
・
・
・
コブラ「ふぁ~あ……」
レディ「暇そうねコブラ」
コブラ「まぁなぁ……こう刺激が足らないと、サイコガンも錆びついちまうぜ」
レディ「仕方ないわよ、惑星ゼーベスをマザーシップが出られなかったことで、この銀河における海賊ギルドの支配力は著しく低下したわ」
レディ「いつもはしつこい奴らも、今回ばかりはあなたに構っていられないんじゃない?」
コブラ「…………」
レディ「コブラ?」
コブラ「……ZZZZ……」
レディ「あらあら……」
レディ「おやすみ、コブラ」
メトロイド新作まだかな
最高のコラボレーションだった
Entry ⇒ 2012.02.07 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
カイジ「は・・・?たけのこの里・・・?」
坂崎「ただいま・・・」
カイジ「おう・・・おっちゃん・・・」
坂崎「今日も誰もうっとらんかったよ・・・沼・・・」
カイジ「そりゃ、そうだろう・・・そう簡単に手は出せない・・・あれは・・・」
坂崎「フーッ・・・まぁ・・・適当にお菓子でも・・・ほれ・・・」
カイジ「ああ・・・ん・・・?」
坂崎「どうしたの・・・?」
カイジ「これ・・・」
坂崎「え・・・?たけのこの里だけど・・・?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327750917/
カイジ「は・・・?たけのこの里・・・?」
カイジ「いや・・・甘いものは好きだけど・・・」
坂崎「じゃあ、ほれ・・・遠慮せず・・・」
カイジ「え・・・?おっちゃん、まさか・・・たけのこ派なわけ・・・?」
坂崎「・・・は・・・?」
カイジ「たけのこ派なのかって聞いてんだよ・・・おっちゃん・・・」
坂崎「たけのこ派って・・・どういうこと・・・?」
カイジ「は・・・?」
カイジ「(何も知らねぇのかよっ・・・!おい・・・!)」
戦争だろうがっ……!
カイジ「きのこの山・・・知ってるよな・・・」
坂崎「ああ・・・そりゃ・・・」
カイジ「どっちが好きだ・・・?」
坂崎「え・・・?」
カイジ「きのこの山とたけのこの里・・・どっちが好きかって・・・聞いてんだよっ・・・!」
坂崎「(は・・・?何・・・キレてるの・・・?)」
カイジ「どうなんだよっ・・・!おいっ・・・!」
坂崎「ちょ、ちょっとちょっと・・・落ち着けって・・・カイジ君・・・!」
カイジ「・・・!!」
坂崎「え・・・?」
カイジ「あっ・・・あっ・・・」
坂崎「カ、カイジ君・・・?」
カイジ「なんでっ・・・!なんでそうなるかなぁ・・・!もぉ~っ・・・・・・!!」
坂崎「え・・・?え・・・?」
カイジ「分かってない・・・!何も分かってないっ・・・!おっちゃん・・・!」
カイジ「見えてない・・・!見えてないんだっ・・・!物事の本質・・・重要な部分が・・・!」
坂崎「おいおいっ・・・大げさすぎっ・・・」
カイジ「そんなんじゃ当然だろっ・・・!負けて・・・!
当然だっ・・・!あのときの敗北はっ・・・!」
坂崎「や、やめろっ・・・!その話は・・・忘れようっ・・・!」
カイジ「うるせぇんだよっ・・・!たけのこ厨っ・・・!」
坂崎「お、おいっ・・・!」
遠藤「どうした、騒がしいな・・・?」
坂崎「え、遠藤はん・・・!」
カイジ「え、遠藤さんっ・・・!丁度良かった・・・!」
遠藤「は・・・?どうした、カイジ・・・?」
カイジ「見てくれっ・・・!コレを・・・」
遠藤「ん・・・?たけのこの里・・・?これがどうした・・・?」
カイジ「どうしたもこうしたもねぇっ・・・!」
遠藤「おいおいっ・・・!見えねぇぞ、話が・・・」
カイジ「あんたはどうなんだ・・・!きのこなのか・・・たけのこか・・・」
遠藤「・・・」
カイジ「遠藤さんっ・・・!」
遠藤「・・・ああ、なるほど・・・」
カイジ「・・・え・・・?」
遠藤「フフ・・・クックックッ・・・!」
カイジ「は・・・?何・・・?」
遠藤「そういうことか・・・!カイジっ・・・!クククッ・・・!」
カイジ「は・・・?」
遠藤「きのこ派・・・!お前だけさ・・・!そんな軟派・・・愚図・・・下劣な輩は・・・!」
カイジ「・・・・・・・えっ・・・・・・?」
遠藤「たけのこ派だよ・・・!俺も・・・!」
カイジ「・・・・・・・」ぐにゃぁ~・・・
立木「その時、カイジに電流走る!
絶望!仲間に裏切られ、谷底に突き落とされるような絶望!!
力なくへたり込むカイジ!あざ笑う遠藤!忘れられる坂崎!」
カイジ「・・・う、嘘だ・・・」
ガチャッ バタン
坂崎「あ・・・!カイジ君・・・!」
遠藤「クククッ・・・!カッカッカッ・・・!」
~~~
カイジ「はぁ・・・」
カイジ「(何か飛び出してきちゃったけど・・・どうしよ・・・)」
カイジ「・・・5スロでも打と・・・」
カイジ「(終わっちゃったけど2000枚ちょっとか・・・悪くないな・・・流そう)」
店員「余り40枚どうされますか?」
カイジ「じゃあ、そこの・・・」
カイジ「そこの・・・」
カイジ「・・・」
カイジ「・・・え・・・?」
カイジ「(なんで・・・たけのこの里があるのに・・・きのこがないの・・・?)」
カイジ「・・・」
カイジ「・・・じゃ、じゃあ・・・ライターで・・・」
坂崎「ああ、おかえり・・・」
カイジ「・・・ほらっ・・・土産・・・!」
つビール
坂崎「おっ・・・悪いね・・・」
カイジ「・・・フーッ・・・遠藤さんは・・・?」
坂崎「帰ったで・・・さっき・・・」
カイジ「・・・そう・・・」
坂崎「・・・」
カイジ「(クソッ・・・!クソッ・・・!)」
坂崎「(カイジ君・・・)」
一条「いらっしゃいませ・・・」
カイジ「いいのかよ・・・!問題児じゃねぇのか、俺は・・・」
一条「もう水に流しましたとも・・・あんなこと・・・」
一条「どうぞどうぞルーレットでもバカラでもお好きなものを・・・」
カイジ「・・・」
坂崎「カイジ君・・・?」
一条「・・・?」
カイジ「(一条・・・一応・・・確認しとくか・・・?)」
一条「え・・・?」
カイジ「・・・これ、なんだかわかるか・・・・?」
つ【きのこの山】
一条「・・・?それがどうしました・・・?」
カイジ「お前・・・どっちだ・・・?」
一条「は・・・?」
カイジ「どっち派なんだって・・・聞いてんだよっ・・・!」
遠藤「・・・」
一条「・・・クク・・・そんなことですか・・・」
カイジ「え・・・?」
カイジ「え・・・?」
一条「小汚い・・・きのこ厨の愚問になど・・・」
カイジ「・・・!」
カイジ「・・・て、てめぇっ・・・!一条っ・・・!」バッ
遠藤「や、やめろっ・・・!カイジっ・・!」ガバッ
一条「カカカ・・・!ダメさカイジ・・・!ダメダメ・・・!」
一条「いくらたけのこの人気が妬ましいからって・・・ダメさ・・・!暴力は・・・!」
カイジ「い、一条ぉ~・・・!」
一条「これだから野蛮なきのこ厨は・・・!カカカ・・・!」
カイジ「沼を打ちたい・・・!磁気チェックだっ・・・!早くしろっ・・・!」
村上「は、はい・・・!」
一条「(当たるはずがないっ・・・!あんな・・・地の底の野良犬・・・!
きのこ厨の野良犬がっ・・・!)」
一条「どうぞ・・・!カイジ様・・・!」
カイジ「・・・」ギュッ
坂崎「・・・カ、カイジ君・・・?」
カイジ「・・・こうしようぜ・・・一条・・・!」
一条「は・・・?」
どちらかが地獄に落ち・・・もう一方が生き残る・・・!」
カイジ「俺が勝ったら・・・今日持ってきたきのこの山・・・!」
カイジ「お前に一つ残さず・・・食ってもらうっ・・・!」
村上「な・・・何を・・・!そんな無茶苦茶が通るかっ・・・!」
カイジ「だがもし俺が負けたら・・・!俺はたけのこの里・・・!その一箱を残さず食ってやる・・・!
どうだ・・・一条・・・!」
一条「・・・いいだろう・・・」
村上「て、店長・・・?」
一条「(負けるはずがないっ・・・!こんな野良犬・・・下種にっ・・・!)」
一条「(・・・バカがっ・・・!もう拾った金だっ・・・!それは・・・!)」
~その頃~
兵藤「制裁っ・・・!」
黒服「え・・・?」
兵藤「今・・・"きのこ"と口にしたお前・・・制裁っ・・・!」
黒服「そ、そんなっ・・・!私はそんな・・・!」
兵藤「いくら兄弟とはいえ・・・!あるのだ・・・禁忌・・・タブーは・・・!」
黒服「か、会長っ・・・!」
カイジオワタ
カイジ「ひ・・・引き分け・・・」
一条「あぁ・・・?」
カイジ「引き分けで手を打たないか・・・?」
一条「はぁ・・・?」
カイジ「ここに残っているのが・・・あと・・・100玉ちょっと・・・」
カイジ「これを換金して・・・地下行きは免れないが・・・!」
カイジ「せめて、あの・・・たけのこを食うのだけはっ・・・!」
一条「・・・クズ・・・!クズがっ・・・!」ドカッ
カイジ「ひっ・・・!」
カイジ「(あ・・・!終わっ・・・!終わっちまうっ・・・!おわるっ・・・!)」
カイジ「た、弾・・・弾がっ・・・!」
カイジ「ひ・・・!ひっ・・・・!」
一条「カカカ・・・!」
カイジ「(い、嫌だっ・・・!地下も嫌だ・・・!たけのこも嫌だっ・・・!
ひ・・・!ひっ・・・!)」
カイジ「ま、まだだ・・・!まだ終わっ・・・!」
ビーッ ビーッ
カイジ「 」
ゆ、夢だ・・・夢に決まってる・・・」
一条「ところがどっこい・・・夢じゃありません・・・!
現実です・・・!これが現実っ・・・!」
カイジ「あ・・・」
一条「おいっ・・・!」
村上「はっ・・・!」
つ【たけのこの里】
一条「さぁ・・・食ってもらおうか・・・!敗者に・・・!」
カイジ「・・・!」ビクッ
カイジ「ひ・・・!ひいいっ・・・・!」
カイジ「・・・え・・・?札束・・・?」
一条「だ、誰だっ・・・!」
坂崎「一条はん・・・あんた酷い人や・・・!」
~中略~
カイジ「いけっ・・・!押し込めっ・・・!もうハズレはねぇっ・・・!
ジャンプも必要ねぇ・・・!押し込むだけだっ・・・!」
一条「か、カイジいっ・・・!やめろぉ~っ・・・!」ポロポロ
一条「カ、カイジ・・・!ひ、引き分けで・・・!わかった、引き分けでいいっ・・・!」
カイジ「もう遅いっ・・・!愚図・・・!愚図なたけのこ厨めっ・・・!」
一条「か、カイジぃ~・・・!」
カイジ「(下すっ・・・!醜いたけのこ厨にっ・・・!天罰・・・天誅をっ・・・!)」
カイジ「いけぇ~っ・・・!」
グググッ・・・
コトン・・・
一条「・・・・・・・・・・・・・・・・・・え・・・・・・・・・・・・?」
キュイーン!キュインキュインキュイーン!
カイジ「はっ・・・おっちゃん、頼むっ・・・」
坂崎「え・・・?ああ・・・」
一条「うっ・・・!うううっ・・・!」
カイジ「・・・一条・・・」
一条「ひっ・・・!か、カイジ・・・」
カイジ「忘れてねぇよなぁ・・・!あの賭け・・・!」
一条「ひ・・・ひいっ・・・!」
カイジ「食ってもらうぜ・・・!このきのこの山一箱・・・!」
カイジ「これ一箱・・・下の口でなっ・・・!」
一条「・・・・・・・・・・・」
一条「・・・・・・・・・えっ・・・・・・・・・?」
カイジ「ほらっ・・・!来いよ、一条・・・!」
一条「ひ、ひいっ・・・!」
~男子トイレ個室~
カイジ「・・・」
ガチャガチャ ズルッ
一条「ひゃっ」
カイジ「へぇ・・・結構立派じゃねぇか・・・一条・・・!」
一条「み、見るなっ・・・クズがっ・・・!」
ズニュッ・・・
一条「ふえっ!? あ・・・!」
カイジ「良い声じゃねぇか・・・!オラッ・・・!」
グニュ
一条「ああっ!? や、やめ・・・!」
カイジ「よく味わえよっ・・・!たけのこ厨・・・!」
ズプッ
一条「あ、あぁ~・・・!!」
立木「狂気!まさに狂気の沙汰!
アナルにチョコレート菓子を付きこまれ、悶絶する一条!
その一条を見て悦ぶカイジ!
悪魔!悪魔の愉悦!」
カイジ「だって、俺、ヒーローだし・・・」
黒服「ああ、ほらっ・・・!」
カイジ「・・・え・・・?」
黒服「・・・三万ある・・・!合流してこいっ・・・!」
カイジ「え・・・これ・・・帝愛が・・・?」
黒服「帝愛じゃねぇっ・・・!俺がやるって行ってんだっ・・・!」
カイジ「あ・・・ありがとうございますっ・・・!やさしいおじさん・・・!
忘れません・・・!このご恩は一生っ・・・!」
黒服「行けっ・・・!いいからっ・・・!」
黒服「内緒だぞ・・・会長には・・・」
モブ「わかってます・・・」
黒服「・・・」
モブ「ところで黒服さんって・・・きのこ派でしたっけ・・・?
だからカイジを・・・?」
黒服「そんなんじゃねぇ・・・!菓子を食うのに・・・派閥も何もあっちゃいけねぇんだよ・・・本来・・・」
モブ「はぁ・・・」
黒服「・・・クソッ・・・俺は何を言ってるんだ・・・忘れろ、もう・・・!」
モブ「はい・・・」
後藤「カイジさん・・・!カイジさんだっ・・・!」
カイジ「みんなっ・・・!」
~~
三好「ところでカイジさん・・・」
カイジ「ん・・・?」
三好「その、カバンに出てるのって・・・もしかして・・・」
カイジ「ああ・・・きのこの山だけど・・・食うか・・・?」
後藤「・・・は・・・?」
三好「・・・え・・・?まさかカイジさん・・・きのこ厨なの・・・?」
カイジ「・・・・・・・・えっ・・・?」
┼ヽ -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ __ノ
http://www.youtube.com/watch?v=aGsgvgsrnXY
棒を突っ込んできのこを出した後に出たモノをカイジに無理やり食べさせられて
きのこのチョコを塗りたくったチンポをカイジに挿入される展開とか書こうかと思ったけど流石に濃厚すぎるからやめとく
ちなみに>>1はたけのこ厨っ・・・!圧倒的たけのこ派っ・・・!
はやく
Entry ⇒ 2012.01.29 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ヨーコ「歯が痛い…」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327504305/
ヨーコ「歯が痛い…」
ヨーコ「うん、ちょっとね…」
キタン「おいおい、いつも食い意地はってるのにいったいどうしたってんだ?」
ヨーコ「う…うるさいわね!」
リーロン「あら?ん…んん?」
ヨーコ「どうしたってのよ、人の顔ジロジロ眺めこんで」
リーロン「あんた、虫歯ね!」
ヨーコ「!!」
ロシウ「いえ、虫歯は治療無しでは治りませんよ、ヨーコさん」
キタン「ヨーコが虫歯ぁ?おめえやっぱ食い過ぎじゃねえか?」
カミナ「ったく、痛かったらそう言えばいいじゃねぇか」
ヨーコ「う…うぅ…ちょっと痛むだけなのよ…」
ロシウ「ダメです!ヨーコさん!」
ヨーコ「へっ?」
ヨーコ「いや、でも…ほら…」
カミナ「その通りだヨーコ、さっさと直して元気になれよ!!」
ヨーコ「え!?は!はひぃ!!」
リーロン「なら早速治療ね、どうせなら最新の治療法でやりましょう」
ヨーコ「最新?な…なにそれ」
リーロン「螺旋力を使った『対虫歯菌超螺旋小型化ビーム』を使った治療に決まってるじゃない!」
キタン「あぁ?ありゃまだ試作状態じゃなかったのか?」
リーロン「つい先日完成させたのよ、よかったわねヨーコ、貴方は記念すべき1人目の患者さんとして特別に治療費無料にしてあげるわ」
ヨーコ「ってなんだかソレ、メチャメチャ不安なんですけど…」
カミナ「ん?なにすりゃいいんだ?」
リーロン「治療名から察しなさい、貴方の逞しいドリルで直接虫歯菌を倒すのよ!」アハーン
ヨーコ・カミナ「な!なんだってー!」
キタン「俺は知ってたぜ、だけど噂に聞く限り…」
リーロン「シッ…キタンは黙ってなさい」ヒソヒソ
キタン「え?いいのかよ、大丈夫か…?」ヒソヒソ
ロシウ「あの二人何を話しているのでしょうか…」
ヨーコ「さぁ?でも直接って、なんだか吉崎観音の漫画みたいね…」
カミナ「おら、ワックワクしてきたぞ!!」オメメキラキラ
ヨーコ「まあリーロンが言うならいっか、治療代無料はオイシイし」
────
──
リーロン「ガンメンの方は準備できたかしら?」
カミナ・キタン・ヴィラル「おう!!」
カミナ「お、おい!なんでテメェがここにいんだ!?」
キタン「あぁ安心しろ、カミナは本編では死んでて知らないだろうがコイツは割りと良い奴だ」
ヴィラル「フン…まさか裸ザルと共闘することになるとはな…」
カミナ「まじかよ…おいリーロンどういうことだこりゃ」
リーロン「虫歯菌は強力な上、ビームには人数制限があるのよ」
キタン「まあ少数精鋭ってこった」
カミナ「っ!テメェ序盤からやられるんじゃねーぞ?!」
ヴィラル「遅れはとらん、俺は不死身だしな」
カミナ「ナンテコッタイ」
リーロン「了解了解、っとその前に…ロシウ!あれ持ってきて!」
ロシウ「はい!…っと。コレでしたよね!」
ヨーコ「え、ちょ…なにそれ…口の拘束具じゃない…」
リーロン「ウフフ…チョチョイのちょいっと!」
ヨーコ「ひぇ?!ふがぁふがッ!!」
リーロン「コレで歯を噛みあわせられないようにしたわ!アンタ達、安心して戦いに行ってね!」
カミナ「おう!任せろ!!」
キタン「ヤッパリソウカ…」
ヴィラル「フン…虫歯菌とやらをひねり潰してやる」
ヨーコ「フがっ!はガフ!!(ちょ!待ちなさいって!!)」
ロシウ「こちらも螺旋ビーム準備完了です、いつでもいけます」
リーロン「頑張ってね~はいポチッとな」ポチッ
ビビビビビビビビ…
シュンシュンシュンシュンシュン…(小さくなる効果音)
ロシウ「ご武運を…」
────
──
ヴィラル「どうやらワープも成功したみたいだな…」
カミナ「ここはヨーコの歯の上か?」
キタン「こ…ここがヨーコの…///」
ヴィラル「それにしても俺たちは随分小さくなったな、地平線の区切りで一歯か?」
カミナ「SFを感じるな!早く虫歯菌の野郎をブン殴りてぇぜ!!」
キタン「そ、そうだな!虫歯を早く直してやんねーとヨーコが…」
カミナ「よーし!それじゃあコッチに進むぞー」
リーロン『ちょっとアンタ達、聞こえる?』
キタン「通信?リーロンか」
リーロン『そうよ、いまアンタ達がいる歯が目標のいる所よ!』
ヴィラル「敵はすぐそこにいるようだな…」
リーロン『えぇ、恐らく異変を察知してすぐにそっちに向かうわ』
カミナ「敵の方からやられに来るなんていい度胸じゃねえか!」
キタン「あぁ、そんな奴ら、俺たちがぶっ潰す!!」
カミナ「了解了解、えーと」
ヴィラル「チラッ…これか、む…!敵影3体!!来るぞ!!」
?「「「愚かなる螺旋の民よ、早急に立ち去るが良い…」」」
キタン「うげぇ!アンチスパイラルみてぇな奴が3匹も…」
ヴィラル「フンッッッ!!!!」
ドゴオオオオォォォン!!!ギャアアアアアア……
カミナ「なんだ、もう撃破か。大したことねえな!」
キタン「ヴィラル、お前躊躇ってもんを知らねえのか…」
ヴィラル「ん?こいつらがいくら似ていようが結局はザコだろうが」フン
カミナ「なな!なんだこの耳をツンザく音は!!」
キタン「耳がいてぇ!!!」
リーロン『ちょっと!なに適当に攻撃してんのよ!』
ヴィラル「何か問題が…あぁ、こりゃあの女の悲鳴か、軟弱な…」
カミナ「なんだと!おい、リーロン!ヨーコに我慢しろって伝えといてくれ!!」
リーロン『ったく…こっちの状況を知らないから言えるのよ…』
キタン「コレがヨーコの…可愛い声してんじゃねえか///」
カミナ「…この豹変ぶり、なんだお前ヨーコのこと…」
キタン「ち、違ぇし!別に好きじゃねえし!!」
ヴィラル「貴様は中学生か…?」
ヨーコ「ふごぉおオォ!!オオおお!!」
ロシウ「ヨーコさんのバイタル数値、異常ありません」
ヨーコ「フオおお!?グググエエエエエ!!!!」
リーロン「敵は強そうね…、ヨーコ!がんばりなさい!!」
ヨーコ「フアアアァァァ!!ギャッグオアエエエエ!!」
ロシウ「ちょっとヨーコさん、もう少し静かにしてください」
ヨーコ「グヘアァああああア!!!?ヌグッゲバァッ!!!」
ロシウ「?ヨーコさん、痛かったら言ってくださいね?」
リーロン(……持ってあと5分かしら…)
ヨーコ「…グスッグスッ……ギャッ!ふあああアアア!!」
カミナ「と…とにかく!敵は容赦なくぶっ潰す!ソレが漢の生きる道だ!!」
ヴィラル「裸ザル…貴様もたまにはいいことを言うな」
キタン「ま、まあヨーコが痛がる声ってのも…//」
カミナ「よし!敵がキタぞ!」
キタン「今度は俺が!!」
カミナ「いや、俺だっ!!!燃える漢の虫歯菌撲滅パアアアンチ!!!!」
ヴィラル「ハアアアアア!!!」
キタン「ドリャアアア!脳天!!地獄裂き!!!」
ギャアアア
グアアアアアア!!!
キタン「あぁ!最高だぜ!!」
ヴィラル「おい猿共、どうやらアレが敵の本拠地みたいだぞ」
カミナ「ん?あぁなんかテッペリンみてえだな!」
キタン「おい!誰かこっちに向かってくるぞ!!」
テクテクテク…
シモン「侵入者か~…って、げッ!!兄貴!!!!」
ニア「え?アニキさん?…そういえばシモン、お菓子作ってきたわ♪」
シモン「ありがとう、ニア!…でも兄貴がかぁ…まったく、愚かなる螺旋の民族だよ」
ニア「はいシモン、アーン♪」
シモン「アーン。あぁ、ヨーコの食いカス美味しいなあ…」
カミナ「…ありゃシモンか?オイオイ今回登場してねーと思ったら敵陣営かよ!!」
キタン「アイツらはラガンに乗ってるのか、仲良さそうだな」
ヴィラル「ツーマたん…ハッ!」
カミナ・キタン「ニヤニヤ」
ニア「はい!スゥ…止まってください~~~~い!!」
ヴィラル・カミナ・キタン「!?」
ニア「皆さんごきげんよう!調理主任のニアと申します。」
カミナ「な、なんだぁ?」
ニア「もうすぐこの歯は支配されます!なぜならシモンのドリルは永久歯を突くドリルなのですから!!」
シモン「その通りだ!!俺はシモン!虫歯菌のリーダーだ!!」
キタン「あいつここでもこんな調子なのか…」
シモン「お前達が壁となって俺の前に立ちふさがるならいつだって風穴開けて突き破る
!!それが・・・俺のドリルだ!!」
ヴィラル「カッコイイことは言ってないよな」
カミナ「シモン…立派になりやがって…」ウルウル
キタン「あいつの名乗り長いな」
シモン「倒れていった者(アンチスパイラル似)の願いと、あとから続く者の希望!!
二つの思いを、二十螺旋に織り込んで!!明日へと続く道を掘る!!」
ヴィラル「カッコイイのか?!そう思えてきているぞ!?」
シモン「それが…永久歯突破。それがグレンラガン。俺のドリルは!天を創るドリルだァァァァァァァ!!!」
カミナ「おおお!格好いいぜ!!シモン!!!」
ヴィラル「ま、まあ…ちょっと格好いいな…」
シモン「ありがとう!ニア!!」
カミナ「シモン、俺の知らないうちにいい女連れやがって…成長したな」ウルウル
キタン「正直俺はもう見飽きました」
ヴィラル「ああいうのも悪くない…」
カミナ・キタン「ニヤニヤ」
ヴィラル「!?」
ヴィラル「そうだな!俺達はあの女を治療する!!そのためにシモン!お前を倒す!!
」
シモン「できるかな…俺のドリルは止まらねぇぜ?」
ヴィラル「フン…やってみろ…」
うおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!
シモン「ラガンインパクトォォォ!!!!!」
ヴィラル「エンキドゥスラッシュッッ!!!」
カミナ「燃える漢の火の車キィィィィック!!!」
リーロン『凄いわ!歯の中で銀河が生まれそうな勢いよ!!』
ヴィラル「やるな、さすが俺の認めた男…」
シモン「まさかアニキと戦うことになるなんてな!だが…ニア!アレを出せ!!」
ニア「はい♪皆さん、コレを見てくださーい」ピラッ
カミナ「なんだありゃ」
ヴィラル「あ、あれは!!!まずいぞ裸ザル!!」
ニア「フフッ気づきましたか。そうです、コレは〈銀紙〉です!!」
カミナ「な、なんだってー!!!」
シモン「コレを落とせばヨーコも耐え切れなくなるよ!」
ヴィラル「クッ!卑怯な!!」
ニア「シモンと私はなんとしても、ここに夢のマイホームを建てるのです!」
シモン「ねー!ニア♪」
カミナ「」
シモン「しまった!背後から!?」
キタン「まだこのお守り、持ってるぜ!シモン!!」
ヴィラル「あれは…いつぞやのドリル!?」
キタン「キングキタアァァン!ギガアァァドリルゥゥ!!ブレイクウウ!!!!!!!!」
ニア「きゃっ」ピラッ
キタン「おっしゃああああ!親玉打ちとったぞおおおお!」
ヒラヒラ…ヒラヒラ…ピト
グアオオオオオオオオオオ!!!!!グゲッアアアアアアアア!!!!!
カミナ「ウグッ!これは耳が…耐えらんねえ!!」
ヴィラル「裸ザル!!上だ!上を見ろ!!」
リーロン『大変よ!ヨーコの拘束具が外れたわ!!』
カミナ「っっ!?キタンお前!!」
キタン「う…ここは俺が止めておく!!先に行けェ!!」
ヴィラル「すまん、キタン!!俺達は離脱する!!」(当たり前だこのトッキントッキン…)
カミナ「あぁ、シモンは…!?」
シモン・ニア「バタンキュー」
カミナ「まあいい!アイツらは他人の空似だ!放って置くぞ!!」
ヴィラル「キタン、死ぬなよ!!」(そのまま潰されろ)
キタン「うおおおおおおおお!!」
─────
──
後日談と言うか、今回のオチ。
ヨーコ「いやー、参った参った。虫歯って怖いわねー」
カミナ「全くだ、もう俺もあんなうっせえ所はゴメンだぜ」
ヨーコ「ちょっ仕方ないじゃないの!!痛いもんは痛いの!!」
リーロン「うーん、やっぱりコの治療法改善の余地ありね・・・」
ヴィラル「当たり前だ、さすがの俺も死にかけたぞ」
リーロン「そうね、キタンは全治三ヶ月の大怪我だし・・・流石に気合でどうにかなるもんじゃないかもね」
カミナ「あぁ!漢の魂が燃え上がるのはちっこいミクロの世界じゃ無理だぜ!!」
ヴィラル「そういえばあのシモン似はどうした?」
リーロン「ただの菌よ、戦ってる人の記憶からそのイメージを姿にアウトプットするようね」
ヨーコ「まあアイツらは今ハネムーン中だし、いるわけ無いものね」
リーロン「あら、聞いてなかった?あの計器ちょっと壊れてたみたいなの」
ヨーコ「っ!そのくらい私の様子みて気づきなさいよ!あのデコッパチ!!」
カミナ「まああの坊主も反省してるぜ、今自分から独房に入ってやがる」
ヴィラル「ったく、政府の仕事を俺に丸投げしやがって・・・」
ヨーコ「む、それでも今度あったらただじゃ置かないわ…!」
少年「んしょ、んしょ」
シモン「…どうした坊主」
少年「この岩が硬くて掘れないんだよ~」
シモン「もうちょっと力を抜いて掘るんだ…坊主」
少年「?…分かった」ギコギコ
少年「…で、できないよ…?」
シモン「ちょっと貸してみろ…」グルグル
パキッ
少年「ほ、掘れた!!お兄さん、凄いね!」
シモン「当たり前だ、俺を誰だと思ってる」
ニア「シモンお疲れ様、汗拭くからこっち向いて♪」
シモン「ありがとうニア!む、アレはグラパ…」
少年「グレンラガンがいっぱいある!!」
シモン「あぁ、そうだな。」
少年「すげー!月に向かってる!これから宇宙にいくのかな!!」
シモン「そうだよ、天の光はすべて星。螺旋の民が俺達を迎えてくれる」
ニア「そうね。あ!シモン、あっちに面白そうなのがおいてあるわ♪」
シモン「あっニア、待って!俺もいくよ!!」
おわり
キタン「…」
ガラガラッ
キヤル「兄ちゃん!見舞いに来たぞー!って兄ちゃんが包帯男に!!」
キノン「ったく、はしゃぎ過ぎよ!」
キヨウ「ヴィラルさんから聞いたわよ!兄さん!ったく!!」
キタン「あぁ、ありがとうなお前ら…グッ!」
キヤル「どーしたんだ!?兄ちゃん!!」
キタン「いや…ちょっと歯が…」
ガラッ
ヨーコ「聞いたわよ、キタン」
ヴィラル「もう一回くらい付き合ってやろう…」
カミナ「今の聞いたぞ!キタン!あの戦いは思い返すと割りと面白かったから今度も俺達に任せとけ!!!!!」
キタン「」
乙
Entry ⇒ 2012.01.27 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
なの「どうしよう……遭難しちゃった」
――山小屋
ビュオオ…
なの「………」チラッ
なの(駄目だ……まだ吹雪いてる)
ゆっこ「はあ……はあ……」
なの「相生さん……」ピタッ
なの(……熱が下がらない)
なの(このままじゃ……)
なの「……どうしてこんなことに」
―――――――――
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327219418/
なの「どうしよう……遭難しちゃった」
――前日 東雲研究所
はかせ「ねーなのー」トテトテ
はかせ「どこー?」キョロキョロ
なの「はいはい、ここに居ますよ」ヒョイッ
なの「なんですか?はかせ」
はかせ「おかし……って、何してるの?」
なの「あー……これですか?」ゴソゴソ
なの「明日の修学旅行の準備ですよ」
はかせ「しゅうがくりょこう? なにそれ?」
なの「言ってませんでしたか? おかしいな……」
なの「保護者の同意書のプリント、渡したじゃないですか」
はかせ「えーっと……なんかそういう紙に判子は押したけど」
なの「読んでなかったんですね……」
なの「まあ簡単に言えば、学校の皆で行く旅行ですよ」
はかせ「旅行……? どこか行っちゃうの?」
なの「はい、今年はスキー場に」
はかせ「えーっ……いっちゃやだー!」ギュムッ
なの「い、今言われても……」アセアセ
なの「阪本さんとビスケットさんが世話してくれますから……」
はかせ「なのじゃないとやだーっ!」
なの(一週間前に聞いた時はあっさり承諾したのに……)
なの(……まあ聞いてなかったんだろうなあ)
はかせ「やだやだやだやだ! 修学旅行行っちゃダメっ!」
なの「えーっと……困ったな」
阪本「まったく……またガキが騒いでんのか?」トテトテ
なの「あっ、阪本さん!……すみません、助けてください」
阪本「おう、何があった?」
なの「それが……」カクカクシカジカ
阪本「……ふむふむ、修学旅行ねぇ」
なの「今から変更してもらうことはできないし……」
なの「どうしましょうか?」
阪本「…………」
阪本「……よし、俺に考えがある! ちょっとまかせろ」
なの「本当ですか!? ありがとうございます!」
阪本「おいガキ! ちょっとこっちこい」チョイチョイ
はかせ「………?」
阪本「良い事教えてやるから、ほら」グイグイ
はかせ「う、うん……」テッテッテッ
――廊下
はかせ「……良い事って何なの?」
阪本「まあ聞けよ」
はかせ「うん……」
阪本「良いか、ガキ……お前は修学旅行を嫌なものだと思ってるだろ」
阪本「……だがそれは間違いだ」
はかせ「どういうこと?」
阪本「考えても見ろ、娘が留守にするんだぞ?」
はかせ「…………」
阪本「……お菓子食い放題だぞ」
はかせ「!!」パアアア
阪本「そりゃあちょっとは寂しいかもしれないが、すぐに帰ってくるさ」
はかせ「そうなの?」
阪本「ああ、修学旅行っていうのはだいたい3日くらいなんだよ」
はかせ「そうなの!? わーい!」ダダッ
阪本(……まあ、出発させちまったらこっちのもんだろ)
――居間
はかせ「なのー! 修学旅行行っていいよー!」ガロッ
なの「えっ! 良いんですか!?」
はかせ「うん!」
なの「ああ……良かった」
なの(……ありがとうございます阪本さん)ヒソヒソ
阪本さん(良いってことよ)ヒソヒソ
はかせ「それでそれで? 何持ってくの? 手伝う?」
なの(なんか急に協力的に……まあ良いか)
なの「えーっと……着替えとしおりと……」
はかせ「……ぷぷぷ、忘れ物があるんだけど」
なの「え? なんですか?」
はかせ「ふふふ……それはね」
はかせ「スニッカーズ!」ビッ
なの「はかせ!……ってそれはもう良いですよ」
はかせ「? なんで?」
なの「何でって……お菓子は持っていっちゃいけないんです」
はかせ「そうなの? ……学校の先生ってバカだな~」
なの「そこまで言いますか」
はかせ「遭難とかした時に、甘いものを持ってるとすごく便利なんだよ?」
なの「そんなまさか……遭難なんてするわけないじゃないですか」
はかせ「わかんないよ? 山の天候は変わりやすいんだけど」
なの「大丈夫ですって、考え過ぎですよ」
はかせ「むー」
はかせ「まあ、もしそうなっても大丈夫だけどね」
はかせ「……なのにはこれがあるから!」ポチッ
なの「え?」
ウィイイイン…ガコッ
なの「」
はかせ「甘食もあるよ!」ポチッ
ウィイイイン…
なの「や、やめてくださいよ!」
なの「もう……まだ入ってたんですかこれ」スポッ ガション
はかせ「ちゃんと新しいの買ってきたよ?」
なの「そういう問題じゃありません!」
はかせ「えーっ……嫌?」
なの「嫌に決まってるじゃないですか……これは冷蔵庫にしまっときますね」
はかせ「あーあ……何でそんなに嫌なの?」
なの「普通の人は頭の中に甘食が入ってたりしません!」
はかせ「わかんないよ? 入れてる人もいるかも」
なの「わかります!……そもそも、私の頭に入るのも変じゃないですか」
なの「頭にはその、考える所とかが入ってるんですよね?」
はかせ「それも入ってるけどね……色々配置を変えてスペースを作りました」
なの(なんて無駄なことを……)
はかせ「とりあえず思考の中枢は後頭部に配置して……」
なの(……しかもなんか解説始めちゃった)
はかせ「感覚の中枢はまとめて右目の後ろに、他はまとめて左目の……」ペラペラ
なの(ああ……スイッチが入っちゃったのかな)
なの(明日は早いから、早く眠らなきゃいけないのに……)
なの「ふわあ……」
―――――――――――――
――翌日 スキー場
ゆっこ「ひゃー、すっごいなあ……」
ゆっこ「ねえねえ麻衣ちゃん、真っ白だよ!」
麻衣「……? 真っ黒……」
ゆっこ「麻衣ちゃん、それゴーグルじゃなくてアイマスクだよ」
みお「ゆっこ……あんたはしゃぎ過ぎじゃない?」
みお「……中学生じゃあるまいし」
ゆっこ「えー? やだなあ、心が荒み過ぎだよみおちゃん」
みお「だって雪くらいなら普通に見られるし……」
麻衣「……沖縄が良かった?」
みお「当然!」
ゆっこ「ああ、まだそれ気にしてたんだ」
みお「だって沖縄からスキーだよ!? 天と地だよ!」
ゆっこ「仕方ないじゃん、ホテルが燃えちゃったんだから……」
みお「でも……でも……!」
ゆっこ「まあまあ、もう沖縄のことはわすれて楽しみなよ」
みお「スキーでそんなに楽しめるほど純粋じゃない……」
ゆっこ「もう……ほら、見なよあれ」ピッ
みお「?」スッ
なの「…………」ポケーッ
ゆっこ「あんなに感動してる人も居るんだからさ」
みお「……うん、ごめん」
桜井「み、みなさーん……集まってくださーい……」ピョンピョン
ゆっこ「あ、いよいよだね」
みお「……ま、今日は楽しみますか」
ゆっこ「そうそう!……あ、なのちゃんまだぽーっとしてる」
ゆっこ「おーい! なのちゃん、もう始まるよー!」
なの「……へ? あ、はいっ!」タッタッタッ
…………………
――スキー場
桜井「えーっと……初心者コースと、中級者、上級者コースがありますので……」
桜井「自分のレベルに合わせて、コースを選択してくださいね!」
ハーイ
桜井「それじゃあ……自由行動にします!」
ワーイ!
…………………
高崎「さっ、桜井先生!」
桜井「あっ、はい! なんでしょう?」
高崎「えっと、その……ええっとですね」
高崎(落ち着け高崎学……まずは向こうのコースを確認するんだ!)
高崎「その……桜井先生は、スキーの経験ありますか?」
桜井「はい、ありますよ」
高崎(ホイキタ―――!!)
高崎(経験があるということは中級! これは……行ける!)
高崎「さ、桜井先生!」
桜井「は、はい!」
高崎「その……僕はこれから中級者コースで滑ろうと思うんですけど……」
桜井「そうなんですか?」
桜井「私は前やったときに転んでばっかりだったし、初心者かなあ……」
高崎「!!? ……ぼっ、僕なんかスキー履くと骨折しちゃうんですよ!」
…………………………
ゆっこ「ふう……やっと履けたよ」
ゆっこ「あ、そういえばみんなはどのコースに行くの?」
みお「私は中級かなー」
ゆっこ「やったことあるんだ……良いなあ」
なの「わ、私は初心者で……」
ゆっこ「私も初心者かな」
ゆっこ「麻衣ちゃんは?」
麻衣「……私は上級に」
ゆっこ「相変わらず凄いね……難しそうなのに」
麻衣「……板に足をのせて滑るだけ」
麻衣「簡単」ステステ
ゆっこ「…………」
みお「まあ、慣れれば楽勝だよ……それじゃ」ステステ
ゆっこ「…………」
なの「そ、そうなんですか?」
ゆっこ「なのちゃん……私たちは大人しく初心者コースに行こうね」ポン
なの「あ、はい……・」
……………………………
ボフッ!
ゆっこ「ぶへっ!……あー」ノソノソ
ゆっこ「やっぱり上手く滑れないねー」
なの「そ、そうですね……きゃっ!」ボフッ!
ゆっこ「あ、なのちゃん大丈夫!?」
なの「…………」
ゆっこ「……なのちゃん?」
なの「…………」
ゆっこ「なのちゃん!? どこか痛いの?」モソモソ
なの「……てます」
ゆっこ「え?」
なの「私今……仰向けに寝てます!」パアアア
ゆっこ「え……あ、うん……」
なの「すごい……夢みたいです」
ゆっこ「そんなに?」
なの「はい!」
ゆっこ「そう……」
なの「空ってこんなに青かったんですね……」
なの「良いきぶ……ん……」ウツラウツラ
ゆっこ「ちょ、ちょっとなのちゃん? 寝ちゃだめだよ」
なの「へっ? あ、すいませんつい……」
なの「ふわあ……」ムクッ
ゆっこ「もしかして寝不足?」
なの「あ……はい、ちょっと」
なの「はかせの話が長くて……」
ゆっこ「大変だねー」
ゆっこ「向こうの方で休む?」
なの「いえ、いいです……せっかく来たんだから、滑れるようになりたいですし」
ゆっこ「……そうだね!」
ゆっこ「じゃあ、一緒にがんばろうか!」
なの「はいっ!」
……………………………
――中級者コース
シュウウウ… ビッ!
みお「あー気持ちいいなあ!」
みお「やっぱりスキーは滑ってナンボだよね……」
みお「ゆっこ達、今頃どうしてるのかな?」
みお「その点麻衣ちゃんは心配無いけどねー……」
みお「……お姉と同じレベルだったりして」
みお「…………」ゾクッ
みお「そ、それは流石に無いか……あはは」
……………………
――上級者コース
麻衣「…………」キリッ
麻衣「…………」キュッキュッ
麻衣「…………」クッ クッ
麻衣「……よし」スッ…
ボフッ
麻衣「…………」
麻衣「……ボケだったんだけど」
………………………………
――初心者コース
ゆっこ「……おっ」スイー…
ゆっこ「おっ、おっ、おっ……」フラフラ
なの「…………」ゴクッ
ゆっこ「うあっ!」ボフッ
なの「ああ……残念ですね」
ゆっこ「うへー……やっぱり難しい」
なの「じゃあ、私の番ですね……」モソモソ
ゆっこ「うん、頑張って!」
なの「はい!」ザッ
なの「……よし」グッ グッ
なの「そーっと……」スッ…
なの「……あ」スイーッ…
ゆっこ「おお! 結構安定してる!」
なの「うわ……すごい、滑れてる」スイーッ…
なの(ああ……風が気持ちいいなあ)スイーッ…
なの(このまま……ずっと滑ってたい……くらい……)スイーッ
ゆっこ「おおお……滑れてる滑れてる!」
ゆっこ「……あれ? でも……ちょっとスピード出すぎじゃない?」
なの(あ……なんか、ねむ……く……)ウツラウツラ
スイーッ…
ゆっこ「うわ……どんどん早くなってる」
ゆっこ「もしかして止まれないのかな……なのちゃーん!」ダッ
ボフッ
ゆっこ「ああもう……滑れなかったら邪魔なだけじゃんこれー!」ヌギヌギ
なの「…………」スイーッ
ゆっこ「なのちゃーん! 待ってー!」タッタッタッ
ゆっこ「なのちゃん!? 聞こえないのー!?」
なの「すう……すう……」スイーッ
ゆっこ「なのちゃ……うわっ、やばっ!」
ゆっこ「なのちゃん!!そっち崖になってるよー!!」
なの「……ふえっ? あ……」パチッ
なの「……えっ? あ、うわあっ!」バタバタ
ゆっこ「あ、暴れちゃ駄目だよ、落ち着いて!」
なの「わっ、わっわっ……きゃーっ!」ゴロゴロ…
ゆっこ「落ちっ……こなくそー!」ガシッ!
ゆっこ「掴んだ! セー……」
ボロッ…
ゆっこ「……フ?」グラッ
ゆっこ(あ……ここ、もう……)
ゆっこ「雪だけ……だ」
ズザザザザザザザ……
…………………………………
………………………
――雪山
ゆっこ「……うっ、うあ……?」パチッ
ゆっこ「あ……生き、てる……」
ゆっこ「……そうだ、なのちゃんは?」ムクッ
ゆっこ「なのちゃーん……大丈夫ー?」キョロキョロ
ゆっこ「あれ……居ない?」
ゆっこ「なのちゃん……なのちゃーん」モソモソ
ゆっこ「どこに行っちゃったんだろう……」キョロキョロ
ゆっこ「……あれ?」
キラッ…
ゆっこ「今の……」ザクザク…
ゆっこ「……! やっぱり!」
ゆっこ「なのちゃんのネジだ……!」
ゆっこ「この下に埋まってるんだ……」
ゆっこ「早く掘り返して、助けを呼ばないと……!」ザクザク
……ヒラッ
ゆっこ「………?」ザクザク
ゆっこ「雪……」
ゆっこ「そんな、さっきまで晴れて……って、え?」
ゆっこ「……曇ってる……」
ハラハラハラ…
ゆっこ「うわ……どんどん強くなってる」
ゆっこ「早く……早くしないと……っ!!」ザックザック
ハラハラハラハラ…
フオオオオオ…
ビュオオオオオオオ…
……………………
――山小屋
ビュオオオオ…
なの「う、ううん……」パチッ
なの「……? ここは……」
ゆっこ「あ……なのちゃん」
ゆっこ「目……覚めたんだね」
なの「あ、相生さん?……どうしたんですか!?」
ゆっこ「良かった……本当に」
なの「相生さん……?」
ゆっこ「……ごめん……」
ゆっこ「ちょっと……疲れた……だ、け……」
バタッ
なの「!! 相生さん!」タッ
なの「まさか……熱っ!」ピタッ
なの「すごい熱……!」
なの「早く手当てをしないと……」
なの(……でも、外は……)
ビュオオオオオオ!
―――わかんないよ?
―――山の天候は変わりやすいんだけど
なの「…………」ヘタッ
なの「どうしよう……遭難しちゃった」
……………………
――山小屋
ゆっこ「はあ……はあ……」
なの「…………」ゴソゴソ
なの「……駄目だ、使えそうなものは何も持ってない」
なの「何か、お菓子とかだけでも……」
なの「……そうだ、抜き取っちゃったんだっけ……」
ゆっこ「はあ……はあ……」
なの「……とりあえず、温めないと」
なの「えーっと……そうだ!」
なの「……虫歯にならないんだから、風邪もひかないよね」ヌギッ
なの「うっ……寒い……」ブルッ
なの「……でも、我慢しないと……」
バサッ
なの「これでちょっとは暖かいかな……」
ゆっこ「……な、なの……ちゃん……?」
なの「相生さん!?」
ゆっこ「どしたの……そんな、薄着で……」
なの「え、あ、えっと……」
ゆっこ「風邪……ひい、ちゃうよ……?」
なの「だ、大丈夫ですから……」
なの「……私は、大丈夫ですから」
なの「安心、してくださいね」ニコッ
ゆっこ「……そう、なの……?」
なの「はい、だから今は静かにしてましょうね……あ、そうだ」
ゆっこ「………?」
なの「……はい、これでよし」
ゆっこ「……ひざ、まくら?」
なの「はい……これで、少しは楽になったら良いんですけど」
ゆっこ「うん、ありがと……」
ゆっこ「……ひんやりしてて、気持ちいい……」
なの「……良かった」
なの(寒い……やっぱり、私の体は寒いと冷たくなっちゃうんだ)
なの(……でも)
なの(今は、役に立ってよかった)ナデナデ
ゆっこ「……すう……すう……」
…………………………………
ビュオオオオオ…
なの(吹雪、ちょっとはマシになってきたかな……)
なの(……でも)
ゆっこ「はあ……はあ……」
なの(相生さんの体調が、どんどん悪くなってる……)
なの(早く、病院に連れていかないと……!)
なの(……そういえば、落っこちてからどれくらい経ったのかな?)
なの(時計は腕に……)シャコッ
なの「……え?」
なの「……っ!」バッ
なの(そうだ……曇ってるから、暗いのが当たり前だと思ってた……)
なの(……もう、夕方だったんだ……!)
なの(どっ、どうしよう……もうすぐ真っ暗になっちゃう)
なの(そしたら、助けなんてこれないんじゃ……ただでさえ吹雪いてるのに)
ゆっこ「はあっ……はあっ……」
なの(……駄目、一晩もつかわからない……!)
なの「……っ」チラッ
ビュオオオオオ…
なの「今なら……かなり、弱まってきてる」
ビュオオオオオ…
なの「…………」
なの(……私はロボットだから、寒さで死ぬなんてことは無いよね)
ビュオオオオオ…
なの(……でも、Tシャツと下着だけで戻ったら)
なの(確実に……人間じゃ無いってわかる)
ビュオオオオオ…
なの「……だけど」
ゆっこ「はあっ……はあっ……」
ビュオオオオオ…
なの「……すみません、相生さん」スッ
ゆっこ「はあっ……はあっ……」
なの「ちょっとだけ、待っててくださいね」
なの「……すぐに、戻ってきますから!」
ダッ!
……………………………………
――雪山
ビュオオオオオ…
なの「はあっ、はあっ」ザッザッザッ…
ビュオオオオオオ…
なの(さむいさむいさむいさむいつめたいつめたいつめたい……)ザッザッザッ…
なの(……でも、止まっちゃいけない……!)ザッザッザッ…
なの「……うあっ!?」ズッ
ドサッ…
なの「いっ……た、い……」
なの「は、早く……立ち上がらなきゃ……っ!」ググッ
ドサッ
なの「……あれ?」
なの「ど、どうして……立ち上が、れない……?」ググッ
ドサッ
なの「っ!?」
なの(関節が、凍りついてる……? いや、違う)
なの(……セーブがかかってるんだ)
なの(人間が痛みを感じるのは、無理しすぎないためだって……聞いたような)
なの(なら……私にそういう機能があるのも)ググッ
ドサッ
なの(こういう時に……壊れないように、動きを制限するため……?)
なの「…………」
なの「……あはっ」
なの「あは、は、あはははっ……」
なの「そんな……バカなことって……」
なの「無い……ですよね、はかせ……!」ググッ
ドサッ
なの「私は……ロボットなのに!」
なの「人間を死なせて……自分は生き残るなんて!」ググッ
ドサッ
なの「そんなこと……無いですよね……?」
なの「……駄目、動かない」
なの「助けがくるまで……このままだったら」
なの「私は……生き残るのかな?」
なの「でも、相生さんは……」
なの「…………」
ホロッ…
なの「嫌……そんなの……」
なの「私……相生さんが居ない世界で生きたくない……っ!」
なの「……あ」
なの「………っ」ズズッ… ガシッ
なの「何これ……折れた、ストック?」
なの「…………」ジーッ
なの「……これで」
なの「これで、首のあたりを刺せば……私でも、死ぬのかな」
ビュオオオオオ…
なの「…………」ジーッ
なの「…………」
なの「……違う」
なの「死ぬんじゃなくって……壊れるんだよね」
なの「……でも、それでも良い」ググッ
なの「……うあああああああっ!!」ブンッ
ザクッ!
なの「っあ……う、ああ……」ボタボタ
なの「たり、なかったかな……」ググッ
グイッ!
なの「ひっ……っあ! っうあああっ!!」
なの「くううっ……! 右目の……」
――感覚の中枢は、まとめて右目のうしろに……
なの「……うしろっ!」グイッ!
メキメキメキッ…!
なの
おい
おい
なの「っああああああ……っ!」ググググッ…
……ピシッ!
なの「っ!……はあっ、はあっ……」ズボッ…
なの「……良かった、目も、耳も、動いてる」ググッ
フラッ…
なの「もう、何も痛くないし……寒くない」
なの「まだ……走れる!」
タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ
なの「はあっ、はあっ…・!」
なの「早く……早くしなきゃ……!」
タッ…
なの「……崖だ!」
なの「結構、急斜面だけど……」
なの「……登るしかない」
ググッ
ガシッ!
なの「はあっ、はあっ……」グググッ
ガシッ!
なの「はあっ……うあっ!」グググッ…
ズザザザッ…
なの「くっ……ああ、あああっ!」グググッ
ガシッ!
なの「はあ……はあ……」
なの「これ以上、進めない……何か、使えるものは……」ゴソゴソ
なの「……あれ?」
なの「左の、指……折れてるや」プラッ
なの「やだ……このままじゃ、先生たちの所まで……辿りつけない」
なの「なにか、無いのかな……手足以外で、折れそうな所」
なの「……こんな、こんな所で終わりたくないのに……!」
ピカッ…
なの「……今のは」
ピカッ…
なの「懐中、電灯……?」
…オーイ
なの「………っ!」
シノノメー… アイオイー… ドコニイルー…
なの「……ここです!!」
なの「ここに居ます!!」
ム、ムコウノホウカラ… ソウカ! チョットミテクル…
ザッザッザッザッザッザッ!
高崎「東雲! ……そこにいるのか!?」ザッ
なの「はい! ここです!」
高崎「……手、掴めるか!?」ググッ
なの「……はいっ!」ガシッ
グイッ… ドサッ
高崎「おお、良かった……って東雲! お前その格好はどうしたんだ!?」
高崎「スキーウェアは……いや、それよりその目は何があった!」
なの「私のことはいいんです!」
なの「そんなことより……相生さんが」
なの「相生さんが、大変なんです!」
なの「すぐに、助けに行ってください! お願いします!」
高崎(……あっ)
高崎(右目から……殆ど血が流れていない……)
高崎「…………」
高崎「……わかった、場所は?」
なの「後ろの崖を降りて行って、まっすぐ行った所にある小屋です……!」
高崎「よし……他の先生に伝えてくる」
高崎「ちょっと寒いが……ここで待っていられるか?」
なの「はい……全然平気です」
高崎「……よし、わかった」
なの「先生……」
高崎「ん?」
なの「相生さんのこと……お願いします」
高崎「…………」
バサッ
なの「……え?」
高崎「……上着一枚じゃ大して暖かくないだろうが、無いよりマシだろ」
なの「……あの、私は……」
高崎「じゃあ行ってくる」スック
高崎「……安心しろ、絶対に相生を連れてきてやるから」
タッ タッ タッ タッ タッ…
なの「…………」
なの「…………」フラッ
ドサッ
なの「……あれ」
なの「もう……寒くも痛くもないけど」
なの「眠くなってきちゃった……」
なの「相生さん……きっと、助かりますよね」
なの「すみません……それまで」
なの「ちょっと、だけ……」
なの「すう……すう……」
ビュオオオオ…
………………………………………
―― 一週間後 東雲研究所
はかせ「なのー、どこー?」トテトテ
なの「はいはい、ここに居ますよ」ヒョイッ
なの「何ですか?はかせ」
はかせ「……また、なのに電話が来てるよ」
なの「っ!……あー」
なの「すみません……今は、まだちょっと出られないって、伝えてください」
はかせ「いいの?……学校の先生だけど」
なの「……すみません」
なの「今は……その、学校に行き辛くて」
はかせ「……わかった」トテトテ…
なの「…………」
なの「……はあ」
なの(もう、何日くらい行ってないんだっけ……)
なの(高崎先生は心配して毎日電話かけてくれるけど……)
なの(……でも、こんな顔だし)サワッ
コツッ…
なの「…………」
なの(……あの後、感覚を直すことは簡単に出来たけど)
なの(私の目は特殊な素材が必要とかで……)
なの(今は、この四角い代用カメラが付いてる)
なの(そこまで大きいわけじゃないから、眼帯で隠すこともできるけど……)
なの(……多分、もう知られちゃってるよね)
なの(片目がぐしゃぐしゃになってるのを見た生徒も居るかも……)
なの「…………」
なの(……気持ち悪いって、思っただろうな)
なの「…………」
なの「ふふ……当たり前か」
なの(でも良いや……ロボットだったおかげで、相生さんを助けられたんだし)
なの(相生さんが幸せにしてくれれば、それで……)
カンカン
「ごめんくださーい」
なの「あ、はーい!」
なの「……? 宅配便かな」
テッテッテッ… ガロッ
なの「はい、なんでしょう……」
ゆっこ「あ……良かった、元気そうだね」
ガロロロロ ピシャッ!
ゆっこ「えーっ!?」
――玄関 内側
なの(えーっ!?)
なの(ま、まあ……そうくるとはなんとなく予想してたけど)
なの(こんないきなり……!)
なの(どうしよう……帰ってもらおうかな?)
なの(でもなんて言おうか……)
なの(……それにしても、相生さん元気そうでよかったなあ)
ガロッ
ゆっこ「あ、こっち側から入れるんだね」
なの「えーっ!?」
――居間
なの「ど、どうぞ……」コトッ
ゆっこ「あ、どうも」
なの(……やっぱり追い返せないよ……)
ゆっこ「…………」ズズー
なの「あ、あの……それで、今日は何の用で……?」
ゆっこ「ん? ああ……色々、話したいことがあったからさ」
なの「話したい、こと?」
ゆっこ「うん……まずは、お礼が言っときたくて」
なの「え……」
ゆっこ「その、助けてくれてありがとうね!」
なの「そんな……あんなことになったのは、私のせいなのに……」
ゆっこ「でも、なのちゃんが頑張ってくれたから私は生きてるんだよ?」
ゆっこ「だからありがとうって……どうしても言いたかったんだ」
なの「…………」
ゆっこ「それと……学校のことなんだけどさ」
なの「っ!……そ、それは」
ゆっこ「あんまり色々言えないから、はっきり言うけど」
ゆっこ「……学校、来てよ」
なの「その……えっと」
ゆっこ「目のこととか、体のこととか気にしてるのはわかるよ」
ゆっこ「でも……それでも、なのちゃんが来ないと嫌だよ」
ゆっこ「……寂しいよ」
なの「……っ」
ゆっこ「だから……明日は来てね」
なの「…………」
ゆっこ「今日はそれを言いに来たから……もう帰るね」スクッ
ゆっこ「お茶美味しかったよ……じゃあね」ステステ
なの「…………」
ガロロロロロ… ピシャッ
なの「…………」
はかせ「……なの?」
なの「……すみません、すぐに、行きますから」
なの「ちょっと……待っててください」
はかせ「うん……」
阪本「…………」
…………………………
――翌日 朝 東雲研究所
なの「…………」ボー…
はかせ「……あれ? なの?」
なの「へ?」
なの「ああ、はかせ……もう起きてきたんですか?」
はかせ「うん……」
はかせ「……ねえ、学校行かなくていいの?」
なの「……それは、その」
はかせ「ゆっこが来いって言ってたよ……?」
なの「そうですけど……でも」
はかせ「………?」
なの「…………」
阪本「……おい、娘」トテトテ
なの「あ、阪本さん……」
阪本「その……何だ」ポリポリ
阪本「行ってやれよ、あいつの所に」
阪本「……自分の体よりも大事な奴なんだろ?」
なの「………!」
阪本「だったら行けよ……俺からも頼む」ペコッ
なの「…………」
なの「……わかりました、ちょっと、行ってきます……」
……………………………
――時定高校 教室前
なの(……ついに来ちゃった)
なの(どうしよう……今更引き返せないし)
なの(でも……)
麻衣「……何してるの?」
なの「ひっ!……み、水上さん?」
なの「えっと、これは、その……」アタフタ
麻衣「…………」
麻衣「……ねえ」ズイッ
なの「は、はい!」
麻衣「……ありがとう」
なの「……へ?」
麻衣「友達を……助けてくれたから」
なの「あ……」
麻衣「…………」スッ
なの「え? あの……」
麻衣「……握手」
なの「え、あ……はい」ギュッ
麻衣「………」ニコッ
麻衣「……じゃあ、そろそろ教室に入ろうか」グイッ
なの「えっ……ちょっと、あの……」ズルズル
――教室
麻衣「……おはようございます」
高崎「ん? 水上、お前遅刻……って、東雲?」
なの「あ……えっと」
ザワザワ… ザワザワ…
なの(ううう……やっぱり来るんじゃなかった……)
みお「……ねえ!」
なの「え」
みお「な、なのちゃん……」
なの「長野原さん……」
みお「…………」
なの「あ、あの……」
みお「……本当に、無事だったんだね」ブワッ
なの「……えっ?」
みお「ご、ごめんなんか……安心、しちゃって……」ホロホロ
なの(……泣い、てる……・)
田中「っていうかお前、本当にもう平気なのか?」
なの「え……あ、はい」
中之条「見たところ目にケガをしたままみたいだいし……」
中之条「何か手伝って欲しいことがあったら、遠慮なく言ってね?」
なの「……はい」
安中「ぐすっ……みんな、心配してたんだよ?」
なの「はい……すみません」
高崎「……もう、二度とあんな無茶するなよ」
なの「は……はい」ウルッ
ホントシンパイシテタンダゼー ダイジョウブー マアゲンキダセヨ…
なの「………っ」ホロッ…
なの「皆さん……ありがとう、ございます」ホロホロ
なの(私……なんてバカだったんだろう)
なの(みんな、こんなに私のことを……)
……ギュッ
なの「!?」
ゆっこ「……だーれだ」
なの「……相生さんですか?」
ゆっこ「えへへ、正解」
なの「……相生さん」
ゆっこ「何?」
なの「私……傷のこと、もう気にしないことにしました」
なの「というか、嬉しいんです今では」
なの「相生さんのために……この傷を負ったこと」
ゆっこ「……それでいいの?」
なの「はい……相生さんは、私の一番大事な友達ですから」
なの「だから……もう二度と悩んだりしません」
なの「これからも……ずっと一緒にいてくださいね、相生さん」
ゆっこ「……うん、そうだね」
終
何だか久々に感動した
感動したよ
Entry ⇒ 2012.01.26 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
キリランシェロ「アザリー…風呂上りに下着だけはちょっと…」
キリランシェロ「よくないっていうかさ…」
アザリー「あら? どうして?」
キリランシェロ「つつしみを持てってこと」
アザリー「昔は一緒にお風呂入ってたのに今さらつつしみ?」
キリランシェロ「昔は昔だろ」
アザリー「ふうん?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1326513963/
キリランシェロ「アザリー…風呂上りに下着だけはちょっと…」
キリランシェロ「だいたいアザリーも嫌じゃない? ぼくに見られてさ」
アザリー「別に?」
キリランシェロ「ええ?」
アザリー「逆にあんたのも見てるし」
キリランシェロ「ええ!?」
アザリー「眼福」
キリランシェロ「や、やめてよそういうのは!」
アザリー「冗談よ。あんたそんなに自分の身体に自信あったの?」
キリランシェロ「ぐ……」
キリランシェロ「と、とにかく服着てよ! ほら、早く」
アザリー「とか言って、あんたもホントーはうれしいんじゃないの?」
キリランシェロ「そんなわけないだろ!」
アザリー「……いてたくせに」
キリランシェロ「え?」
アザリー「ティッシの着がえ、覗いてたくせに」
キリランシェロ「わー!」
アザリー「ちょっと、声大きいわよ。今何時だか分かってんの?」
キリランシェロ「だ、誰のせいだと……」
アザリー「姉に欲情する変態キリランシェロのせい」
キリランシェロ「違う!」
「ウルセーゾ!」ドン!
アザリー「ほら怒られたじゃない」
キリランシェロ「だから誰のせいだと……!」
アザリー「繰り返すの?」
キリランシェロ「……いや、もういいや」
アザリー「分かったら早く寝なさい。明日の晩からが大変なんだからね」
キリランシェロ「結局服は着てくれないんだね……」
アザリー「どうしようが私の自由でしょうが」
キリランシェロ「……」ハァ
キリランシェロ(まあ、天魔の魔女相手に言うこと聞かせようってのが間違ってんだけどさ)
『ほら、泣かないの。わたしはそばにいてあげるから』
翌日(夜)
アザリー「宿のチェックアウトにどれだけかかってるのよ」
キリランシェロ「アザリーが魔術で鍵を変形させなければもっと早かったと思う……」
アザリー「仕方ないじゃない暇だったんだから」
キリランシェロ「暇、で魔術を多用されてちゃ苦労が絶えないよ」
アザリー「そんなことより早くタフレム市内で聞き込みするわよ」
キリランシェロ「いや、そんなこと、って……まあいいけどさ……」
男「何か妙な事件?」
キリランシェロ「ええ。ここ最近で不可解な事件があったりしませんでしたか?」
男「それは魔術絡みの、ってことかい?」
キリランシェロ「ええ、まあ」
男「ってことはあれか、塔外任務って奴か」
キリランシェロ「はい。それで――」
男「あるぜ、心当たり」
キリランシェロ「……!」
キリランシェロ「教えてもらえませんか?」
男「そりゃまあ、大陸魔術士同盟、しかも牙の塔の魔術士相手となりゃ情報は渡さないわけにはいかんだろうよ」
キリランシェロ「……」
男「だが、なあ……」
キリランシェロ「何か?」
アザリー「鈍いわねキリランシェロ」
キリランシェロ「え?」
アザリー「情報を手に入れるには大抵の場合対価が必要なの」
キリランシェロ「……」
男「へへ、分かってるじゃねえか姉ちゃん」
アザリー「ギブアンドテイクね」
キリランシェロ「じゃあ――」
アザリー「というわけで生血を提供しなさいキリランシェロ」
キリランシェロ「いくらなら……て、え?」
アザリー「ほら、早く生血」
キリランシェロ「はあ?」
男「……?」
アザリー「ほら、そっちの男もあなたが早くしないから待ってるじゃない」
キリランシェロ「いや、これは明らかに戸惑ってるんだと思うけど」
アザリー「甘いわねキリランシェロ」
キリランシェロ「なにがさ」
アザリー「ぱっと見ただけで分かるようにならなきゃだめよ」
キリランシェロ「……というと?」
アザリー「明らかに血を欲しそうな顔してるじゃない」
男「誰がだ!」
アザリー「隠しても無駄よ。オールバックの髪型。つり上がった目」
キリランシェロ「……」
アザリー「尖った犬歯にくろずくめの服装」
男「……」
アザリー「吸血鬼よ吸血鬼」
男「ふざけてんなら帰るぞ」
アザリー「待ちなさい。耳だってほら、尖ってる」
キリランシェロ「尖ってないけど?」
アザリー「これから尖るのよ」
男「尖るか!」
アザリー「……おかしいわね」
キリランシェロ「おかしいと思えるアザリーの頭がおかしい」
男「チッ、もういい、帰る」
アザリー「分かったわ!」
男「あん?」
アザリー「目的は生血じゃなくて鎖骨なのね!」
男「……っ」プチ
男「おうおう姉ちゃん訳わかんないことほざきまくりやがって、あんまり舐めてっと痛い目あわすぞ?」
アザリー「……」
男「俺はこのあたりでは≪吸血蝙蝠≫で通ってんだ。謝るんなら今のうちだぜ?」
アザリー「キリランシェロ、やっぱり吸血鬼よ!」
キリランシェロ「えーと」
男「聞けよ!」
男「あー、もうあったまきた。ちょっとこっちこいや」グイ
アザリー「つっ……」
キリランシェロ「!」
男「へへ、ここなら誰も来ないぜ」
アザリー「……」
キリランシェロ「ちょっと待――」
ドカバキゴスガスゴスゴスボグゥ……
キリランシェロ「……遅かった」
アザリー「で、情報は?」
男「ぐふ……こ、この……」
アザリー「対価はあんたの命でどう?」
男「ひっ……」
数分後
キリランシェロ「この地区の空き家はここしかないみたいだ」
アザリー「間違いなさそうね」
キリランシェロ「この西区で多発しているのが、明らかに魔術を使わないと不可能な規模の事件……」
アザリー「店一個を吹き飛ばして強奪なんて思いきったことするわよね」
キリランシェロ(なんとなく驚く気になれないのはなんでだろう)
キリランシェロ(……あ、牙の塔じゃ日常茶飯事だからか。爆発が)
アザリー「ん?」
キリランシェロ「別に」
キリランシェロ「にしても問題は」
アザリー「そんな大胆な手口を使ってるのに、大したしっぽを見せていない点よね」
キリランシェロ「よほど用意周到なのかな?」
アザリー「そんなことより早く突入しちゃいましょうよ。爆破でもいいわよ?」
キリランシェロ「よくない」
アザリー「その後はまあ適当になんとかなるでしょ」
キリランシェロ「よくないってば」
ギィ……
キリランシェロ「大陸魔術士同盟だ! おとなしく――」
キリランシェロ「……!?」
アザリー「……死んでるわね、全員」
キリランシェロ「そんな……ここにいるのが全員……?」
アザリー「見たところ、特に訓練されてないけどそれなりに組織化されたチンピラ達ってとこかしら」
キリランシェロ「……」
アザリー「キリランシェロ。来るわよ」
キリランシェロ「!」
キリランシェロ("敵"は、用意周到な人物……)
キリランシェロ(あれだけ大胆にやったんだから、そろそろぼくら魔術士が動き出すことを読んでいてもおかしくない)
キリランシェロ(と、すれば――)
ゴゥッ!
キリランシェロ(確実に待ち伏せしている!)
キリランシェロ「我は紡ぐ光輪の鎧!」
カッ! ガラガラガラ……
キリランシェロ(家を吹き飛ばすほどの威力……情報通りか)
アザリー「キリランシェロ。あれ」
キリランシェロ「……!」
?「……」
キリランシェロ「あれが……!」
アザリー「逃げるわ!」
?「……」タタタ!
キリランシェロ「待て!」
・
・
・
ハーティア「で、取り逃がしてぼくにもとばっちりがきたと」
アザリー「すごい洞察力ね」
ハーティア「嫌みのつもりだったんだけど」
アザリー「なら相応の覚悟をするべきね」
ハーティア「ごめんなさい」
ハーティア「それにしてもなんでぼくがタフレムに」
アザリー「暇そうに見えたんじゃない?」
ハーティア「それちょっとへこむ」
キリランシェロ「まあ、フォルテとティッシは忙しいし、コルゴンは塔外、コミクロンはちょっとこう言うの不向きだし」
ハーティア「分かるけどさ」
ハーティア「まあ愚痴っててもしょうがないか。情報を整理させてくれ」
アザリー「OK」
ハーティア「まず事の始まりは二週間前。遺跡からの帰還した調査隊の隊員が、回収して移送していた天人種族の遺産の数が一つ足りないことに気付いた」
キリランシェロ「慌てて調べた結果、タフレムで紛失した可能性が高いことが判明」
アザリー「で、わたしたちがそれの回収を命じられた、と。簡単に言えばこういうことね」
ハーティア「その遺産の性質は、どんなか分かってる?」
アザリー「攻撃用らしいわ」
ハーティア「うげ……」
アザリー「魔術士狩りに使われていた可能性も高いって」
ハーティア「マジ……?」
キリランシェロ「……具体的には?」
アザリー「形状はナイフ形。所持者に魔術士的性質を付与するもの」
ハーティア「つまり?」
アザリー「持つだけで魔術が使えるようになるってこと」
ハーティア「そんなのアリかよ……」
キリランシェロ「そんな簡単に魔術を使えるようになるものなの?」
アザリー「擬似的なものでしょうね」
ハーティア「ぼくらは苦労して制御法を身に付けたっていうのに」
アザリー「多分だけど、精神に作用してそこらへんはごにょごにょしてるんだと思うわ」
キリランシェロ(ごにょごにょ?)
その後もいろいろ話しこんで……
アザリー「さ、じゃあ夜も更けたし寝ましょうか」
ハーティア「んじゃ、行こうぜキリランシェロ」
アザリー「なにいってんの?」
キリランシェロ「え?」
ハーティア「なにが?」
アザリー「キリランシェロはこっちの部屋」
キリランシェロ「……え?」
ハーティア「はあ?」
アザリー「なによ二人して尖った拳を打ちこまれたさそうな顔をして」
ハーティア「どんな顔だよ」
アザリー「そんな顔」ガン!
ハーティア「ぶっ!」ドサァ!
アザリー「キリランシェロ、お風呂先いい?」
キリランシェロ「え、いや、ハーティアが思いのほか重傷……ってごめん、なにも言わないから拳は下ろして」
キリランシェロ「……風呂上がりは風呂上がりで、また下着姿?」
アザリー「悪い?」
キリランシェロ「いや。もう別にいいや」
アザリー「ハーティアは?」
キリランシェロ「隣の部屋に移しといた」
アザリー「上出来」
キリランシェロ(明日からはまた振り出しからの調査か)
アザリー「ねえ、キリランシェロ」
キリランシェロ「ん?」
アザリー「前は一緒にお風呂入ってたじゃない?」
キリランシェロ「昔ね」
アザリー「また一緒に入る?」
キリランシェロ「ぶッ!?」
アザリー「というのは冗談で」
キリランシェロ(心臓に悪い……)
アザリー「何か思った?」
キリランシェロ「別に。でも、アザリーがそんな冗談言うなんて珍しい」
アザリー「そうかしら」
キリランシェロ(冗談っぽい本気はいつも見てるけど)
アザリー「……」
キリランシェロ「? どうかした?」
アザリー「キリランシェロ」
キリランシェロ「うん」
アザリー「あんた入宮審問受けるんだって?」
キリランシェロ「……うん」
アザリー「そっか」
アザリー「んじゃおやすみ」
キリランシェロ「え? それだけ?」
アザリー「なに?」
キリランシェロ「いや、別に」
アザリー「ならいいでしょ。わたしは眠いの」
キリランシェロ「……」
キリランシェロ(……)
キリランシェロ(アザリーと一緒に風呂入ってた頃、かあ)
キリランシェロ(……どんなだったっけ?)
キリランシェロ「確か――」
深夜
アザリー「キリランシェロ」
キリランシェロ「……なに?」
アザリー「起きなさい。気付いてるでしょ」
キリランシェロ「……気のせいじゃないんだね」
アザリー「さっさと迎撃の準備」
キリランシェロ「了解」
ギィ……
キリランシェロ(ドアが開いた……"敵"!)
?「……!」ダッ
キリランシェロ「逃げた!」
アザリー「追うわよ!」
夜道
キリランシェロ「気付かれる前にこちらから無力化したかったけど……!」
アザリー「あっちも勘がいいわね」
キリランシェロ「ていうか、宿を突き止められるなんて」
アザリー「触角的な何かかしら。こう、びびっと」
キリランシェロ「ごめん、突っ込む余裕がない」
キリランシェロ「常識的に考えれば宿を突き止められたのは」
アザリー「顔を覚えられていたのはもちろんだけれど、組織的な力よね」
キリランシェロ「うん、その通りだと思う」
アザリー「わたしに敵対するということは、イールギットの手のものに間違いないわ」
キリランシェロ「いやどんだけ狭い社会の中で生きてるの!?」
キリランシェロ「と、とにかく、組織的な力が働いてるなら、それなりの注意をしないと」
アザリー「もう手遅れみたいだけどね」
キリランシェロ「あ」ザッ
ちんぴらs「へへへ」
キリランシェロ(囲まれてる……二十人、とちょっとか?)
?「……」ザッ
アザリー「逃げるのを諦めた……ってわけじゃないわね」
キリランシェロ(非魔術士相手なら、二十人でもいける、か? でも一人は魔術士と同等の能力を持ってる……)
チンピラs「……」ジリ
アザリー「キリランシェロはチンピラ達をお願い」
キリランシェロ「アザリーは?」
アザリー「あいつをぶちのめす」
?「……」
キリランシェロ(アザリーの実力なら、行ける)
キリランシェロ(でも……正直なところ数の差が厳しい……せめて――)ジリ
「牛、ビィィィム!」
キリランシェロ「へ?」
ドドドドドドドドドドッ!
牛s「ブモー!」
キリランシェロ「うわわわわわ!?」
チンピラs「おおおおおおお!?」
?「……ッ!?」
ハーティア「うわー、牛がいっぱい通っていったぞー」
ハーティア「あれれー、みんな大丈夫かー」
キリランシェロ「な、なにが起き……?」ボロ……
ハーティア「なんて事だ! キリランシェロ、なにがあった!?」
キリランシェロ「な、なんか牛が……」
ハーティア「それは大変だったな!」
キリランシェロ「なんかハーティアの声が聞こえてた気がしたけど……」
ハーティア「そうか、気のせいだ!」
キリランシェロ「うう、ハーティアが言うならそうなんだろうね……」
キリランシェロ「そ、それよりアザリーは……?」
アザリー「こっち。こいつ、女だったみたい」
女「うう……」
ハーティア(しっかり狙ったのになんでアザリーは平気なんだろう)
アザリー「なんか思った?」
ハーティア「いいえ」
アザリー「まあとにかく、こいつから遺産をとりあげればそれで終わりね」
女「……」
アザリー「これね。変な抵抗はしない方がいいわよ」ヒョイ
女「っ……!」ビクン!
アザリー「ッ!」バチチ!
ハーティア「な!?」
キリランシェロ「アザリー!?」
アザリー「が――ッ!」
キリランシェロ「な、なにが!?」
アザリー「ぐぅ!」
ハーティア「何か、不味いぞ」
アザリー「あああああ!」
カッ!
キリランシェロ「ぐ!」
ハーティア「いって!」
アザリー「――」
キリランシェロ「アザリー!」
アザリー「――」
ハーティア「ありゃ聞こえてないぞ!」
キリランシェロ「一体何が……!」
アザリー『多分だけど、精神に作用してそこらへんはごにょごにょしてるんだと思うわ』
キリランシェロ「……まさか」
キリランシェロ(非魔術士が魔術を制御できるようになるメカニズム……あれは精神支配的な機能も持っているのか!?)
アザリー「――ッ!」ゴゴゴ……
ハーティア「なにが起こってるのかは分からないけど、なにが起こるかはよく分かる……あの構成はヤバい!」
キリランシェロ「……この!」ザッ
ハーティア「キリランシェロ!?」
キリランシェロ「……ッ!」ギリ!
ハーティア「馬鹿! 天魔の魔女だぞ! 真っ向からやり合えば間違いなく死ぬ!」
キリランシェロ「ハーティア! 見ているか手伝うか選べ!」
ハーティア「はあ!?」
キリランシェロ「早く!」
ハーティア「……チッ! 分かったよ!」
アザリー「天魔よ!」ゴッ!
ハーティア「光よ!」カッ!
キリランシェロ「我は放つ!」
キリランシェロ(構成を研ぎ澄ませ!)
キリランシェロ「光の!」
キリランシェロ(制御の、さらに奥! 精緻のさらに向こう側!)
キリランシェロ「白刃!」
キン――!
・
・
・
アザリー『ほら、泣かないの。わたしはそばにいてあげるから』
キリランシェロ「ぅ……」
アザリー「あ、起きた」
キリランシェロ「アザリー……」
アザリー「夢でも見てた?」
キリランシェロ「……うん、ずいぶん前の夢」
アザリー「いつ頃の?」
キリランシェロ「いつだろう……孤児院にいたころだと思うけど」
キリランシェロ「あの頃、ぼくはそういえば泣き虫だった」
アザリー「だったわねー」
キリランシェロ「両親がいないのは誰も同じだったけど、ぼくはそれが悲しくて」
アザリー「うん」
キリランシェロ「でも、そういうのは笑われるから、ぼくの泣き場所はもっぱら風呂場だった」
キリランシェロ「アザリーはこのこと、いつから知ってたの?」
アザリー「ずっと前から。風呂場からへたれた雰囲気が漂ってくるなーって」
キリランシェロ「そっか。それでさ、いつだったか、アザリーが一緒にお風呂入ってさ」
アザリー「泣かないの。わたしはそばにいてあげるから」
キリランシェロ「うん、それ」
キリランシェロ「……」
アザリー「……」
キリランシェロ「アザリー」
アザリー「心配しなくても大丈夫よ。わたしはどこにもいかないから」
キリランシェロ「そっか。そうだね」
アザリー「わたしとティッシとキリランシェロ。たった三人。三人って結構離れ離れになったりしない人数よ」
キリランシェロ「うん」
アザリー「……」
キリランシェロ「そうだ。そうだね……」
・
・
・
オーフェン「……」
マジク「お師様?」
クリーオウ「オーフェン?」
オーフェン「んあ? なんだ?」
マジク「大丈夫ですか?」
オーフェン「どう見える?」
マジク「いつも通り飢えて顔色が、っていたた! 痛いです!」
クリーオウ「何だか調子悪そうね。わたしがなんか作る?」
オーフェン「作るほどなんか材料あるか?」
クリーオウ「ないわねー。あ、そこに生えてる雑草なんてどうかしら」
オーフェン「調子悪い奴に食わせるものがそれなのか?」
クリーオウ「雑草のようにたくましく育ってほしい、そういうわたしの愛」
オーフェン「やかましいわ!」
オーフェン「ったく。あー、俺は大丈夫だから気にすんな。ちょっと昔を懐かしんでただけだよ」
マジク「そうですか?」
クリーオウ「ならいいけど」
オーフェン「よし、じゃ、出発すっか。さーてボルカン達はどこに行ったかね、っと」
(終わり)
そこで私はこれを霧の古城と呼ぶことにした。ということであなたが見たのは霧の古城です。さっさと忘れましょう
支援保守どうもでした
懐かしかった
昔アザリーが大好きだった
歳を取るとなんかこいつやべぇってなった
でも嫌いじゃない
まさかオーフェンSSが読めるとは
今やってる第四部もおもしれえよな
Entry ⇒ 2012.01.26 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ブルマ「べジータ・・・アンタもしかして童貞?」
ブルマ「やっぱり反応見てると分かっちゃうのよねー」
べジータ「くっ・・殺されたいか女・・・おいどこを触っている!!!!」
ブルマ「ごめんねー今日はこれで我慢してね」
しこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこしこ
べジータ「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
どぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅ
ブルマ「ふう・・・じゃあねべジータ。もう少し大人になったら相手してあげる」バタン
べジータ「こ・・この屈辱・・・絶対に許さんぞあのおんなあああああああああああ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327451968/
ブルマ「べジータ・・・アンタもしかして童貞?」
べジータ「消えろ。俺はいま機嫌が悪い」
ヤムチャ「あ、ああ。じゃあなべジータ」タッタッタ
べジータ「ふん・・・。」
べジータ「ん・・そういえばアイツあの女の・・・」
べジータ「おい待て貴様!!!!!!!」
シーン
べジータ「ち・・・相変わらず地球人は逃げ足だけは早いようだな」
べジータ「見つけた!ほどほどの大きさの気が西の方角・・・これだな!」
キューーーーーーーーン・・・タッ!!
クリリン「!!!べジータ!」
べジータ「ち・・・ナメック星にいたハゲ野郎か・・・俺もまだまだ気のコントロールが必要ならしい」
クリリン「おまえ・・・何の用だ。まさか悟空が死んで居ない今のうちに地球を滅ぼそうってんじゃ・・・」
べジータ「ふん。それも悪くないがな。その前に一つ仕事が出来た」
クリリン「・・・?」
べジータ「そうだな・・・一応聞いておくか・・・おい貴様!!!」
クリリン「な、なんだ」
べジータ「いいか、これから貴様に質問をする。正直に答えなければ殺す」
クリリン「(ゴクッ)・・・なんだ?」
べジータ「貴様・・・童貞か?」
べジータ「童貞かと聞いた!二度言わせるな殺されたいか!!!」
クリリン「ど・・・童貞ってのはアレだろ?その男と女が・・・ごにょごにょ」
べジータ「分かっているじゃないか!さあ答えろ!!」
クリリン「答えなければ殺されるんだろ?分かったよ・・・俺は・・・」
クリリン「童貞だ」
べジータ「なんだと!?」
べジータ「貴様!歳はいくつだ!!!」
クリリン「俺は・・・2X歳だけど・・・」
べジータ「貴様20年以上もなにをやっていた!!!!!」
クリリン「くっ・・・そういうお前はどうなんだよ」
べジータ「俺か?俺は・・・」
おいやめろ
クリリン「そうか・・・そうだよな。王子様だもんな」
べジータ「ふん・・・サイヤ人に愛などという感情は必要無いからな。
成人とともに女があてがわれるのが一般的なのだ」
クリリン「そうなのか・・・自慢話ならよそでやってくれないか?
俺は正直に答えたんだ。見逃してくれるんだろ?もういっていいか?」
べジータ「話は最後まで聞け!」
クリリン「あ、ああ・・・分かった」
べジータ「ふん・・・話を戻すぞ・・・」
べジータ「そんな風習のあるサイヤ人だが最大ともいえる不運がおそった」
べジータ「・・・あのフリーザの糞ヤロウによって一部を除き滅ぼされてしまったのだ!」
べジータ「俺の成人を待たずして!!!!!!!」
クリリン「え?・・・じゃあべジータ、お前も童貞なんじゃ・・・」
べジータ「だから童貞ではない!!!俺の最初にして最後の相手は・・・」
クリリン「相手は・・・」ゴクリ
べジータ「・・・・・・ナッパだ」
べジータ「ああそのナッパだ。今はもういないがな」
クリリン「お、お前らそれは・・・いや宇宙人だし別にいいのか?いやでも・・・」
べジータ「なにをブツブツ言っている。まあそんなこんなで俺は女に免疫がない」
クリリン「ああ・・・だろうな・・・」
べジータ「そんな俺を小馬鹿にしやがった糞オンナがいる!」
クリリン「それは許せないな!」
べジータ「貴様!以外と話せるな!!」
クリリン「ああ!同じ童貞としてそんな女は絶対に許しちゃいけない!!」
べジータ「俺は童貞じゃない!!」
クリリン「す、すまなかった」
べジータ「ふん・・・とにかくその女に復讐してやるまで地球もカカロットもおあずけだ」
クリリン「でもどうするんだ?その女そうとう手ごわそうだな」
べジータ「本当はあのヤムチャとかいうヤロウに聞くつもりだったがとにかく逃げ足の早い奴でな」
クリリン「ヤムチャさんか・・・あの人には聞かないほうがいいかもな」
べジータ「どういうことだ?」
クリリン「あの人はとにかくモテるからな・・・きっと俺らみたいなモテ無い奴の気持ちなんてわからないだろうから」
べジータ「だが貴様に聞いたところで答えが出るとは思えんな」
クリリン「ああ、そのとおりだ。だけど俺に一人心当たりがある」
クリリン「俺と同じ高齢童貞だけどずっと頭が切れる奴だ」
べジータ「誰だ?言ってみろ?」
べジータ「ああ。ナッパに腕を切られたアイツか」
クリリン「そう。そいつだ。とにかく会いにいこう」
べジータ「ふん・・・つくづくハゲに縁があるな・・・」
クリリン「あった。北に500ほど行った辺り。天津飯の気だ」
べジータ「よし・・・行くぞ」
クリリン「ちょっちょっと待ってくれよべジータ!俺も行くよ」
べジータ「ぐずぐずするな!置いていくぞクリリン!!」
ビューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
天津飯「この凶悪な気・・・間違いない!べジータ!!!」
餃子「天さん!どうしよう!!」
天津飯「餃子・・・お前は隠れてろ!」
餃子「嫌だ!ボクも闘う!!」
天津飯「分かってくれ餃子・・・俺はもうお前を絶対に死なせない」
餃子「天さん・・・」
天津飯「餃子・・・愛してる・・・・」
餃子「天さん・・・ボクも・・・」
タッ
べジータ「よう三つ目ヤロウ」
天津飯「餃子逃げろーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
べジータ「ふん・・・それは貴様らの返答しだいだ」
べジータ「なんならそこのチビは見逃してやってもいいぞ」
天津飯「くっ・・・餃子!目いっぱい気を消すんだ!!!」
餃子「ひっ」ビクッ
ヒューーーーン
クリリン「おーーいべジータ!待ってくれよーーーー」
天津飯「!クリリン!何故!」
タッ
クリリン「よう天津飯。久しぶり」
天津飯「どういうことだ?聞かせてもらおうかクリリン」
べジータ「勘違いするなよ、質問するのは俺。答えるのは貴様だ」
天津飯「ふん・・・いいだろう言ってみろ」
べジータ「正直に答えろよ。もし嘘を付いたならあのチビを殺す」
べジータ「貴様は・・・」
ドゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!
べジータ「なっ!」
天津飯「やっ!!はっ!!ほっ!!」
べジータ「ぐっ!ぎっ!がっ!!」
ゴウン!!ゴウン!!ゴウン!!
クリリン「やめろ天津飯!!!」
餃子「天さんやめてーーーーーーー!!!」
天津飯「何をしている!!!早く逃げろ餃子!!!!」
餃子「嫌だ!!ぼくも・・・!!!」
ゴウンゴウンゴウン
べジータ「この・・・地球人どもが・・・」
フラフラ・・・バタン
べジータ「ち・・・小ざかしい技を使いやがる・・・だがもう気が残っていないようだな」
べジータ「だが死ぬ前に答えてもらおう」グッ
クリリン「おいべジータ、無茶は」
べジータ「!!!」
餃子「天さんに触るなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
バギャーーーーーーーン
餃子「ご・・・ごめん天さん・・・やっぱりボクじゃ無理だった・・・」
クリリン「餃子!!大丈夫か!!」
べジータ「ふん。どいつもこいつも。おい三つ目。目を覚ませ」
天津飯「貴様・・・餃子になにをした・・・」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
べジータ「!!なんだこの戦闘力は」
クリリン「あ、ああ。だけどべジータの話も聞いてやってくれないか?」
天津飯「ふん・・・これから死ぬ奴の話なんて聞く必要は無い」
べジータ「ほう・・・言うじゃないか地球人如きが」
餃子「天さん・・・負けないで・・・」
天津飯「いくぞサイヤ人!!!」
べジータ「こい地球人!!!」
・・・
べジータ「この結果は見えていたがな。」
天津飯「こ・・・殺せ・・・だが約束してくれ餃子には手を出さないと・・・」
餃子「天さん・・・・」
クリリン「もういいだろべジータ、もう許してやってくれよ頼む」
べジータ「ふん・・・クリリンの頼みなら断れんな・・・おい童貞ヤロウきえな」
餃子「て・・・天さんは童貞じゃない!」
天津飯「や・・・やめろ餃子」
べジータ「な・・・どういうことだクリリン」
クリリン「ああ、俺の勘違いだった。今分かったよ。この二人はお前と同じだ」
べジータ「?」
クリリン「天津飯と餃子は出来ている」
ブルマ「あっ・・・あんっ。ちょっとそこ弱いの・・・知ってるでしょ」
ヤムチャ「ごめんブルマ。もう浮気はしない。今度こそ本当だ」
ちゅっちゅっちゅっちゅっ
ブルマ「あっ!!あ!!あーーーーーーっ!!!」
ヤムチャ「相変わらずビンカンだな。もうこんなだ」
ぐっちょり
ブルマ「はあ、はあ、はあ」
ヤムチャ「もう我慢できないだろ?じゃあいくよ・・・」
ずっぽし
ブルマ「あっあーーーーーーーーん」
ヤムチャ「はあ、はあ、はあ・・・ほらっ!ほらっ!ほら」
ブルマ「あっ!あっ!あっ!」
ズッ・・・ズズズ・・・・
ヤムチャ「ブルマ、今日はナカで大丈夫かい?」
べジータ「しかし解せんな・・・あの三つ目ヤロウ最後にとんでもないパワーを出しやがった」
クリリン「べジータには分からないのか?あれは愛だ」
べジータ「愛?そんなものはサイヤ人には必要無いと言ったろうが」
クリリン「なら何故悟空はお前に勝てたんだ?自分よりずっと強かったお前に」
べジータ「ふん・・・今なら俺のほうが上だ」
クリリン「ははは。よく考えるといいよ」
べジータ「ちっ・・・ところでクリリン。どこに向かっている」
クリリン「ああ言ってなかったっけ?」
クリリン「やっぱり女性の意見も聞きたいと思ってね」
クリリン「あいにく女の知り合いなんて数えるほどしか居ないからさ」
クリリン「カプセルコーポレーションさ」
ヤムチャ「そ、そんなこと言っても腰が止まらないんだ」
ブルマ「ば、ばか!抜いてよ抜いて抜いて」
ヤムチャ「はあっはあっはあっ」
ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん
クリリン「あの女?ああブルマさんか、そうだよ会いに行こうと思ってさ」
クリリン「そういえばべジータはブルマさんと同居してるんじゃなかったか?」
べジータ「ああ・・・そうだ」
べジータ「ところでクリリン」
クリリン「なんだ?」
べジータ「おまえはあの女のことをどう思っている?」
クリリン「どうって・・・まあワガママで自分勝手な人だなって。でも可愛いところもあるんだ」
べジータ「その・・・愛とかを・・・感じるのか?」
クリリン「え?なんだって?」
べジータ「だから貴様はあの女を愛してるのかと聞いている!!!!!!!!」
べジータ「(ホッ)そうか・・・」
クリリン「多分好きだ」
べジータ「!!!!」
クリリン「あの人は誰にでも優しいから皆勘違いしちゃうんだよな」
べジータ「・・・・・・」
クリリン「俺もそのひとりだったりして」
べジータ「・・・・・・そうか・・・・」
クリリン「そうだよ初めから俺になんか聞かずブルマさんに聞いておけばよかったんだよ」
クリリン「きっとあの人はおまえみたいな悪人でも平等に接してくれるはずだから」
べジータ「ああ・・・そうだな・・・」
ガスッ!!!
クリリン「ぐっ・・・!べジータ・・・なんで・・・・」
べジータ「すまないクリリン・・・少しの間寝ていてくれ」
ひゅるるるるるるる・・・ドサッ
べジータ「だが俺はそうは思わない」
べジータ「お前に会えてよかった。心からそう思う」
べジータ「だから決着を付けに行く」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
べジータ「ブルマ!!!いま帰ったぞ!!!!!!」
ブルマ「ああ~~~~~~~~~ん!!!!!!!」
ヤムチャ「おうっ!!!」
どぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅ!!!!
ブルマ「嘘っ・・・べジータ?なんで!?」
ヤムチャ「べジータだって!?」
べジータ「・・・」
ヤムチャ「お、俺用事思い出したんで・・・」ヒュン
べジータ「・・・」
ブルマ「・・・」
ブルマ「ちょっと・・・何か言いなさいよ」
べジータ「ふん・・・」
そういやこの頃悟空死んでなかった
ブルマ「ふん。言ってくれるじゃない童貞のべジータちゃん」
べジータ「貴様ら避妊はしないのか?ずいぶん短絡的だな」
ブルマ「うるさいっ!!!アンタには関係ないでしょ!!!!!」
べジータ「ち・・・なんでこんな女のことを・・・」
ブルマ「ねえ・・・それよりべジータ・・・アンタ溜まってるんじゃない・・・」
べジータ「き、貴様どこを触って・・・」
ブルマ「今ならいいよ・・・私のこと好きにして・・・」
ブルマ「なんですって!?」
べジータ「結局痴話喧嘩に巻き込まれただけだったか。貴様なんぞ悩むに値しない」
ブルマ「べジータ・・・アンタ喧嘩売ってるの?」
べジータ「ふん・・・自分の姿を鏡で見てみるんだな。きっと憐れな野良犬が映っているだろうよ」
ブルマ「へえ、言うようになったじゃない。そこまで言うなら当然こっちも自信付けてきたんでしょうね?」
ぎゅううう
べジータ「くっ!いいだろう、貴様。お望みどおり慰めてやろう」
べジータ「だがこの垂れ流しの精液はいただけない」
べジータ「俺はコッチをいただこう」
ぐいっ
ブルマ「えっ!ちょっ!やだそっちはー」
ずぶぶぶぶぶぶぶ
べジータ「まさかアナルまで開発済みだったとは・・・・」
ブルマ「ふふん、なかなか良かったわよべジータちゃん」
べジータ「ちっ、用は済んだろう。俺はもうこの家を出る。貴様とも二度と顔を合わせることも無いだろう」
ブルマ「えっ」
ブルマ「いま・・・なんて」
べジータ「この家を出ると言った。貴様みたいな下品な女とは到底一緒に暮らせん」
べジータ「じゃあな」
ブルマ「・・・・・・」
ぎゅ
べジータ「離せ、俺には行くところがある」
ブルマ「は、離さない!離さないんだから!」
クリリン「あれ?あそこで飛んでるのはヤムチャさんか?」
クリリン「おーーーーい!ヤムチャさーーーーーーーん」
ヤムチャ「!!!!ば、馬鹿!!!名前を呼ぶな!!!気付かれる!!!!」
クリリン「?えっ誰にですか?」
ヤムチャ「ああいやこっちの話だ。と、ところでクリリン。どうしたんだこんなところまで」
クリリン「ああそうだったヤムチャさんべジータ見ませんでしたか?」
ヤムチャ「!!!!!!」
ヤムチャ「べっべジータなら見てないぞ。うん、見てない」
クリリン「ああそうですか。ブルマさんは居ます?」
ヤムチャ「し、知らない!ブルマがどこにいるかとかブルマが
最近べジータにちょっかい出してるとか俺とヤッてるときにべジータと鉢合わせしたとか
何にも知らない!!!!」
クリリン「え?ヤムチャさん・・・いまなんて?」
ヤムチャ「俺は・・・俺は何もしらなーーーーい」ヒューーーーン
クリリン「ブルマさんがべジータにちょっかい出してるだって?」
べジータ「貴様・・・泣いているのか?」
ブルマ「孫くんだってさ・・・けっこう狙ってたのにするりとかわされちゃうし」
べジータ「カカロットか」
べジータ「貴様はその・・・カカロットとも・・・」
ブルマ「ヤったかな?ヤってないかも?良く覚えてないや」
べジータ「そうか・・・」
ブルマ「まあとにかく男運最悪なワケよ。アンタも含めてね」
べジータ「・・・」
ブルマ「いいわ。どこへでも行きなさい。それがサイヤ人だもんね」
べジータ「ああ・・・そうだな」
べジータ「それと餞別代りと言っちゃなんだが・・・」
べジータ「ヤムチャとか言ったなあの男」
ブルマ「うん?ヤムチャがどうかした?」
べジータ「そのヤムチャ・・・殺してやろうか?」
べジータ「ふん・・・もともと俺たちが殺してやったんだ。なにを驚く」
ブルマ「うーん・・・確かに・・・」
べジータ「どうなんだ?殺すのか殺さないのか?」
ブルマ「ちょっとやめてよ私はとりあえず話しをしたいだけなの」
ブルマ「そう・・・つれてきてくれるだけでいいわ」
べジータ「分かった・・・しかしあいつの気は小さすぎて探すのに苦労するぜ」
ブルマ「いい?くれぐれも殺さないでよね?」
べジータ「ああ分かっている。お前はここでまっ・・・!!!」
「気円斬!!!!!」
スパーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン
べジータ「ちっこれは・・・」
ブルマ「ちょっと!!!部屋が真っ二つじゃない!!!どうしてくれるのよ!!!!」
べジータ「クリリン・・・」
クリリン「なんで相手がブルマさんだって言ってくれなかったんだーーーーーーーーー」
べジータ「ま、待てクリリン!落ち着くんだ」
ブルマ「ちょっと!クリリンくん?アンタ人の部屋なに真っ二つにしてくれてるのよ!!!」
クリリン「ぶ、ブルマさん!服を着てください!!」
ブルマ「うるさい!!!アンタ部屋直しなさいよ!!!!」
べジータ「クリリン・・・話を聞いてくれ・・・」
クリリン「話?話ならすべて聞きましたよ」
ドサッ
ヤムチャ「う・・・ううう・・・」
べジータ「貴様・・・ヤムチャ」
ブルマ「ひどい・・・・」
ヤムチャ程度相手じゃないな
べジータ「くっ気が溢れていやがるぜ・・・」
ブルマ「ヤムチャ!ああでも部屋が!ああ服も着ないと!」
べジータ「ブルマ!離れていろ!!巻き添えをくらうぞ!!!」
クリリン「そうですよブルマさん。ボクだっていつ手元が狂ってアナタを真っ二つにしてしまうか
分からないですから」
ブルマ「ちょっちょっとクリリンくん言うこと怖くなーい?」
べジータ「いいから離れろ!死にたいか!!!!」
ブルマ「ああもう分かったわよ!あとはあんたらで勝手にやってちょうだい!!!」
え?
雑踏のなかそれはまるで幻のような錯覚を思わせる。
数多の瓦礫に押しつぶされながらもその手は力強くお互いを求めていた。
愛が人を強くする。
その言葉を彼は薄れゆく意識のなかで反芻しているのだろうか。
そもそも彼は意識があるのだろうか?それとも息絶えたのだろうか?
ただひとつ言えることは。
彼の手はとても力強く。
誰にも離せないほどに。
二人は手を繋ぐ。
手を繋ぐ。
~fin~
終わった終わった仕事行くわ
このままでは済まさんぞ
Entry ⇒ 2012.01.26 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
みさえ「……」しんのすけ「めし」
しんのすけ「めし」
みさえ「……さっき食べたでしょ」
しんのすけ「……んーーー!!!!めし!!めし!!!」
みさえ「はぁ……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327235697/
みさえ「……」しんのすけ「めし」
しんのすけ「……んっ!!!ああーーーー!!!!!」バシッ
ひまわり「テッ……」
みさえ「あっ!ひまわりに八つ当たりしないの!」
しんのすけ「あっ!!!!あっ!!!!」バシバシ
ひまわり「ウ……」グスッ
ひまわり「ううー……っ」ポロポロ
しんのすけ「めーーーし!!!めし!!!」ジタバタ
みさえ「……また『アレ』を持ってこないと……はぁ」
みさえ「しんのすけー、ちょっと痛いよー」カチッ
しんのすけ「あっ……それ、やだ!!!!!!!!!」
みさえ「あんたが反省しないから悪いんでしょうが。はい、バリバリ」ドスッ
しんのすけ「がぁぁぁぁぉぁぉぁ!!!うわおぁぁうあ!!!」
しんのすけ「」バタッ
みさえ「スタンガン便利!」
ひまわり「うー……」
みさえ「おー、よしよし。痛かったねー。でも、もう大丈夫だからねー」
ひまわり「……すー……すー……」
みさえ「ふー……やっと寝ついてくれた」
しんのすけ「」ピクッピクッ
みさえ「……子供達は寝てるし……くつろぎタイムだわ~♪」
みさえ「おやつおやつ……あ、せんべい」ガサガサ
みさえ「テレビOK!せんべいOK!こたつOK!」
みさえ「麻薬OK!」
みさえ「主婦のくつろぎタイム始まり!ふふふ……♪」
みさえ「うーん……3時ごろは面白いテレビないわよね」
みさえ「…………」
しんのすけ「」ピクッピクッ
みさえ「あー殺したい」チラッ
みさえ「あー………っ!」
みさえ「ストレス溜まるっ!!!何であんたは生きてんの!?!?」
しんのすけ「」ピクッピクッ
みさえ「っと……落ち着かないと……」ガサガサ
みさえ「スー……ハー……うん、美味しい」
みさえ「……一眠りしよう」
ガチャ
みさえ「ん……?」パチッ
ひろし「ただいまー」
みさえ「ん……お帰りなさい……ふわぁー……」
ひろし「……その袋……また麻薬か?」
みさえ「――あっ!いけ、これは違うの!その、ええっと……」
ひろし「やめろって言ってるだろ……」
みさえ「……ごめんなさい」
みさえ「……」
ひろし「……」
みさえ「……」
ひろし「なんとか言えよ」
みさえ「……だって……」
ひろし「『だって』じゃねぇっ!!何回言わせるつもりだ!!!」
ひろし「自分の子供にスタンガン使うな!!!!」
みさえ「……ほらね」
ひろし「……あ?」
ひろし「……あー、じゃあいいよ。『だって』……その先は?」
みさえ「……スタンガン使わないと止まらないだもん」
みさえ「このクズ」
ひろし「……クズ? クズ……!?」
みさえ「……こんな子供、欲しくなかった」
ひろし「……馬鹿野郎!!!」バシッ
みさえ「……っ! 何するの!?」
ひろし「それだけは言っちゃダメだろ!!!!」
ひろし「子供だぞ!?俺達は親だろ!?」
ひろし「母親が腐ったこと抜かすな!!!!」
みさえ「……私を、こんなこと言いたくなるまで追いつめたのは誰か分かる?」
ひろし「……なに言って……」
みさえ「あんたたち家族」
ひろし「・・・・・・・・・・」
みさえ「……」
ひろし「・・・・・・・・」
みさえ「今日はね」
みさえ「朝は、近所迷惑だって言われて、ずっと謝ってた」
みさえ「で、それが終わって家に入ったらしんのすけが暴れて家はめちゃくちゃ」
みさえ「それで、『ごはん食べさせろ』。じゃあ、スタンガン使うしかない」
ひろし「・・・・・・・・・」
みさえ「帰ってきたあなたは何もしてくれない」
ひろし「・・・・・それは、ごめん」
ひろし「……もう、いいよ……飯、たのむ……」
みさえ「……自分が不利になったら逃げるとこも、昔から変わらない」
みさえ「あんたのそういうトコ」
みさえ「大っ嫌いだから!!」ドン
ひろし「……」
みさえ「前、言い合いになったときだって……」
ひろし「……母親なんだからガマンしろ!!!!仕事で疲れてるんだよ!!!!」
みさえ「……あーはいはい。私がガマンすればいいんでしょ、この家庭は」
みさえ「死んじゃえばいいのに」
しんのすけ「ん……」モソッ
みさえ「あ、起きた」
しんのすけ「ん……ん……」
ひろし「しんのすけ……痛くないか? アザ、できt」
しんのすけ「めし」
ひろし「……っ」
しんのすけ「めし」
ひろし「大丈b」
みさえ「ムダよ。何回話しかけたって、こっちの声は届いてないから」
ひろし「……子供の相手してるんだ。お前は黙っとけよ」
ひろし「しんのすけ、また母ちゃんにヒドイことされたんだろ?」
しんのすけ「めし」
ひろし「なぁ、ヒデーよな。また何かあったら父ちゃんに言うんだぞ」
しんのすけ「……めし!!!!!!めーし!!!!!」
ひろし「……っ!」
しんのすけ「ああーーーっ!!!!ううううううううううううぅおおあえ!!!!」ジタバタ
ひろし「み、みさえ!飯たのむ!押さえとくから!」
みさえ「いやよ。たまには、あなただけで解決して」
みさえ「出来るもんならね」
みさえ「おやすみ。疲れたから」スタスタ
ひろし「――! ま、待っ……!」
しんのすけ「ああーーっ!?めし!?ひまわり、めし!!!!!!!!!!めし!!!!!!!!ひまわりわるい!!!!!!」ガブッ
ひまわり「うぅーっ……!」ジタバタ
ひろし「あっ!ひまわりを噛むな!」ガシッ
しんのすけ「ぁぁぉあ!!!!!」ジタバタ
ひろし「ちょ……やめ……」
ひまわり「あーー!!!あー!!」ポロポロ
ひろし「………」
しんのすけ「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーう!!!!!!」
ひまわり「あーー!!あー!!」ポロポロ
ひろし「うっせぇ!!!!黙れよ!!!!!」
しんのすけ「めしめしめしめしめ!!めし!!めし!!」
ひまわり「あーー!!あーー!!」ポロポロ
ひろし「くっ……そっ……」
ひろし「うるさい……うるさい……!」
ひろし「くそ、うるさい……黙れよ……!!!」
ひろし(……ん?)
ひろし(……テーブルの下にスタンガン……)
ひろし(……いや!それだけは…)
しんのすけ「ひっまっわっり!!!」バシッ
ひまわり「ウ……」ポロポロ
ひろし「………」
ひろし「……この野郎……」
ひろし「ひまわり、泣いてんだろーが……」カチッ
しんのすけ「――あっ!?それ、バリバリやだ!!!!!」
ひろし「うっせぇ黙ってろよ!!!!」ドスッ
ひろし「……はぁ、はぁ……」
しんのすけ「」ピクッピクッ
ひまわり「あー!!あー!!」ポロポロ
ひろし「あーひまわり……痛かったよな……よしよし……噛まれたとこ、大丈夫か……?」
ひまわり「ウウ……」
ひろし「………」
しんのすけ「」ピクッピクッ
ひろし「……っ」グスッ
ひろし「使っちまった……っ」ポロポロ
・
・
・
・
・
翌日
みさえ「おふぁよ……あー、よく寝たー」
ひろし「……おう、みさえ……」ボー
ひまわり「すー……すー……」
しんのすけ「」ピクッピクッ
みさえ「……けっきょく、使ってるじゃない」
ひろし「……!」
みさえ「これで分かった?」
ひろし「……あぁ……分かった……」
みさえ「……そう。それは良かった。とりあえず寝れば? 土曜日だし」
ひろし「あ、ああ……そうするわ……」ヨロヨロ
ひろし「あぁ……。おやすみ」ヨロヨロ
みさえ「……」
みさえ「さて……」
みさえ「くつろぎタ……」
しんのすけ「ぅ……」モソッ
みさえ「……!」
しんのすけ「ん……あがっ……っ!!!」ジタバタ
みさえ「……まぁ、朝ご飯は食べさせないとダメか」
しんのすけ「めし……!!!!!」
みさえ「はいはい、ちょっと待ってなさい」
しんのすけ「……」グチャグチャバクバククチャクチャ
みさえ「……また、テーブル拭かないと。牛乳こぼしすぎでしょ……」イラッ
しんのすけ「……かあちゃん!!!!」
みさえ「……あっ、もう食べ終わったの?だめ、ご飯は……」
しんのすけ「オラを殺して」
みさえ「……へっ???????」
しんのすけ「――めし!!!!!めし!!!!!!!!」ダンダン
みさえ「……」
みさえ「なに、今の………」
みさえ「あっ……だ、ダメでしょ。次は、お昼ごはん」
しんのすけ「あーーーー????め・し!!!!!!!」
みさえ「……はぁ」カチッ
しんのすけ「~~あーーー!!!!バリバリ!!!!!うーーー!!!!」
みさえ「……ちょっと黙ってなさい」ドスッ
しんのすけ「がっあ……ううっ!!!」
しんのすけ「」ピクッピクッ
みさえ「……」
みさえ(……まだ、ドキドキしてる……今のは……?)
みさえ(聞き間違い……? でも……)
ひろし「あー……おはよ」
みさえ「あ……は、早いわね」ガサッ
ひろし「……寝つき悪くて。で、みさえはまた麻薬か」
みさえ「……」
ひろし「もう、怒らねーよ」
みさえ「……え?」
ひまわり「……アーウー」トテトテ
ひろし「お、ひまわりも起きたか。よしよし」ナデナデ
みさえ「あ、あなた……?」
みさえ「え」
ひろし「俺、昨日、任せっきりにされて分かった……一人じゃ、やっぱダメだった!」
みさえ「あ、あぁ……」
ひろし「偉そうなこと言ったくせに、スタンガン使って……俺、最低だ!」
みさえ「……もう、いいわよ」
ひろし「そうはいかねぇ……謝り足りない!みさえにも……しんのすけにも!」
みさえ「……」
ひろし「しんのすけが起きたら、たとえ、分かってくれなくても……しんのすけにも謝る」
ひろし「……俺は、父親だ。家族みんなを受け止めなきゃいけない」
ひろし「なのに、一晩、子どもの相手しただけでキレてスタンガン使って……」
みさえ「……それは、仕方ない……」グスッ
ひろし「ごめんな。お前の気持ちも分かってなくて、子どもも傷つけて……」
ひろし「俺は、父親失格だよ」
みさえ「……ちょっといい?」グスッ
ひろし「……なんだ?」
みさえ「『ほら、どうしようもないでしょ。分かった?』ってことだったの……」
ひろし「……俺は、お前の気持ちを……」
みさえ「やっぱり、優しいし……強い、あなたは……っ」グスッ
ひろし「……これからは、俺も出来るだけ手伝うから。頑張ろう」
みさえ「……うん……っ」グスッ
みさえ「!……あ、あなた。しんのすけが」
ひろし「し、しんのすけ……起きてたのか」
しんのすけ「……」
ひろし「……ごめん!もう、スタンガンは使わない!!」
みさえ「……」
しんのすけ「……」
ひろし「痛かったよな。怖かったよな」
ひろし「しんのすけも、辛いんだよな。つらいのは、俺達だけじゃ、ないんだよな」
しんのすけ「……」
ひろし「支えあうから、家族だよな。そうともさ、今は俺達に頼ればいい!」
しんのすけ「……」
ひろし「暴れ回っても、俺達が止めてやる。だから、しんのすけも負けるな!」
しんのすけ「……」
ひろし「ひまわりは、家族だ。手を出しちゃいけない。自分に負けちゃダメなんだ!」
しんのすけ「……」
みさえ「……」
ひろし「しんのすけ!俺とお前は、男だ!男の約束を……」
しんのすけ「ああがさぃあいいえおおおううえおおいええぇぉああああ!!!!!!!!!!!!!」ダンダン
ひろし「っ……」
みさえ「やっぱり、ダメ……」
ひろし「しんのすけ!!!」ガシッ
しんのすけ「あーー!!!あー!!!!!」ジタバタ
ひろし「ほら、俺がこうやって止めてやる!!!!だから、お前も負けるな!!!!!」
しんのすけ「めしめしめし!!!!!あいいかざちらい!!!!!!!!」ジタバタ
しんのすけ「あーーーっ!!!!!」ジタバタ
ひろし「宝だ!!!!!!」
しんのすけ「ぁぁぁぉあかさああぁあおおえ!!!!!!!!!」バシッ
ひろし「……痛くないぞ、しんのすけ!!!」
しんのすけ「あ!!!あっっ!!!ああっ!!!!」バキッ
ひろし「っ……痛くねぇ!!!」
みさえ「……っ」
みさえ「もう、やめて……!」ポロポロ
みさえ「で、でも……あなた、顔が腫れちゃう……」
しんのすけ「はーーっ………ああっ!!!!!!」バキッ
ひろし「……離さないぞ、しんのすけ……!」
みさえ「……っ」
しんのすけ「はーーっ……はーーーっ……」
ひろし「しんのすけ……!!」
しんのすけ「もういいゾ」
ひろし「……っ!?」パッ
みさえ「!」
ひろし「あっ!……くそ、ビックリして離しちまった!!」
みさえ「あ、あなた……もう、ムダよ……」
ガチャ……バタン
ひろし「――あいつ、外に出やがった!追いかけないと!」
みさえ「わ、私も行く!」
ひろし「いや、みさえは、ひまわりの面倒を頼む!」
ひろし「……おい、待て!!」ガシッ
みさえ「……っ」ポロポロ
ひろし「ポケットのスタンガンを出せ。それは、使っちゃダメだ」
みさえ「……」スッ
みさえ「……わかってるの……本当はダメだって……っ」
ひろし「……」
みさえ「でも、でも……つらいの……!!!あなたが殴られるところを見るのも!」
みさえ「しんのすけの、あんな姿を見るのも……! 親、だから……!」
ひろし「……みさえ」ギュッ
みさえ「!」
ひろし「俺もだ。俺はお前を放置したよ。俺は、つらくないように、お前が苦労してる姿を見て見ぬフリした」
みさえ「っ…」ポロポロ
ひろし「でも、みさえの気持ち分かったから。だから、俺は……これからは、逃げない」
ひろし「お前も逃げるな」
ひろし「そして……しんのすけにも、逃げさせない!!!だから……!!」
みさえ「……」
みさえ「……今日は、あなたに任せる……」
ひろし「……ああ!!!行ってくる!!!」ダッ
みさえ「……行っちゃった……」
ひまわり「アー?」トテトテ
みさえ「……ふふ、よしよし。心配ないわよー……」
みさえ「……ひまわり、お兄ちゃんのこと好き?」
ひまわり「アーア!」ニコッ
みさえ「……って、分かるワケないか……」
みさえ「……」
みさえ「あの人が、愛した子供なら……」
みさえ「私も、愛さないと……ね」
・
・
・
・
・
ひろし「はぁ、はぁ……!」ダダッ
ひろし「くそ、どこに行っちまったんだよ……!!」ダダッ
ひろし「……ん?」
女「……」ビクビク
ひろし「そ、そこの人!」
女「は、はいぃっ!?」
ひろし「あの、子供を見ませんでした!?赤い服で、黄色いズボンの………ん?」
ひろし(……地面が、血まみれだ……)
ひろし「……あんた」
女「は、はい?」
ひろし「その子に暴力、ふるった?地面が血まみれなんだけど」
女「ちっ、違います!あ、あの子が勝手に地面に頭を叩きつけて!!それで、私、ビックリして……」
ひろし(……ヤバイ、いつも以上に……!)
ひろし「で、どこに行きました!?」
女「た、たぶん……あっちの公園よ方角に……」
ひろし「――ありがとうございました!!」ダッ
女「あっ……」
ひろし(しんのすけ……!!)ダッ
ガンッガンッ
――これヤバイって!!
――で、でも、怖い……!!
――なんなんだよぉ、コイツ!警察に連絡すればいいのか!?
ひろし「……あっちからだ!!!」
ひろし「たぶん、公園だな……!!」ダッ
ギャル「マジ意味わかんない……!」
ひろし「……!!」
しんのすけ「オラ……オラ……」ダンッダンッ
不良「が、ガキ、そこらへんにしとけって」
ひろし「あんたら!ここは俺にまかせてくれ!!俺は父だ!」
ギャル「――あっ!ほら、行こっ!」グイッ
不良「あ、ああ……チッ、気味わりぃ…」スタスタ
しんのすけ「あああ……あああ……」ダンダン
ひろし「しんのすけ!!」
ひろし「や、やめろ!!!!頭、血だらけだぞ!!!!」
しんのすけ「オラ……は……あぎぃぃぃぃっっ!!!!!」ゴンゴン
ひろし「しんのすけぇ!!!」ガシッ
しんのすけ「……ぐぅぅぅっ!!!」パッ
ひろし(……なんだ、すげー力……!?)
しんのすけ「オラ!!!!オラは!!!!」ゴンゴン
ひろし「し……しんのすけ……?」
しんのすけ「やだ!!!!」ゴンゴン
ひろし「………」
しんのすけ「キズ………オラのせい………ひまわり………」ゴンゴン
ひろし「……」
しんのすけ「かあちゃん……とうちゃん……オラのせい……やだっ!!!!!!」ゴンゴン
ひろし「……っ」ポロポロ
しんのすけ「ああっ!!!!!うわぁぁぉういうあああ!!!!!」ゴンゴン
ひろし「が……」
しんのすけ「ふーっ!!!!ふーっ!!!!」ゴンゴン
ひろし「がんばれ……っ!」ポロポロ
ひろし(止めろって……!)ポロポロ
しんのすけ「ぐぅぅぅ!!!!!!」ゴンゴン
ひろし「がんばれ……負けるな……しんのすけ……」ポロポロ
しんのすけ「ああっ!!!!!」ゴンゴン
ひろし(……止めなきゃいけないのに……)
ひろし(しんのすけ……戦ってるところ見たら……)
ひろし(涙が、止まらねぇ……!)ポロポロ
しんのすけ「ふーっ……!!」ゴンゴン
ひろし「がんばれ……!!」
しんのすけ「……とうちゃん……」
ひろし「……!」
しんのすけ「オラ…………」
しんのすけ「………みんな、好きだゾ………」ドサッ
ひろし「……しんのすけ!!」バッ
ひろし「……」
ひろし(気絶してるだけか……でも、はやく病院に連れて行かないとな)
ひろし「……」
ひろし「良く、頑張ったな……」
ひろし「……」ボー
ガラッ
みさえ「――しんのすけー!!!」
ひまわり「アウー!」
ひろし「あ……みさえ」
みさえ「しんのすけは!?しんのすけは!?」
ひろし「あ、あぁ……気絶してるだけだ。頭をヒドく怪我してるけど」
みさえ「……そう。やっぱり、ダメだったんだ」
ひろし「……へ?」
ひろし「え、いやいy」
みさえ「やっぱり、私達の声は……」
ひろし「いや、話を聞けって!」
みさえ「……?」
ひろし「しんのすけが、自分でやったんだよ!」
みさえ「……へ???」
ひろし「頭を自分で打ち付けて、さ」
みさえ「しんのすけが……?」
みさえ「……それ、本当……?」
ひろし「……ああ!」
みさえ「本当……!?」ポロポロ
ひろし「そうだよ!俺達のこと、好きだとも言ってたなぁ!」
みさえ「私、まだ……」
みさえ「しんのすけのこと、信じていいの……っ!?」ポロポロ
ひろし「!……もちろんだ!」
みさえ「……うわぁーん!!あなたぁ~~!!」ギュッ
ひろし「……な? まだ、諦めなくて良かったろ?」
ひろし「しんのすけは、まだ負けてない。だから、俺達も、まだ負けちゃダメだ」
ひろし「……おう」
みさえ「でも……何故か殺せなくて……っ!」グスッ
ひろし「……おう」
みさえ「私、間違ってた……!」
しんのすけ「……あ」モソッ
ひろし「し、しんのすけ!」
みさえ「しんのすけ……!」
ひまわり「アーウ!」
しんのすけ「ああーー!!!めし!!!!!」バタバタ
ひろし「……」
みさえ「……あなた、ウソついてないんでしょうね?」
ひろし「う、ウソじゃねぇよ! しんのすけは頑張っt」
しんのすけ「めしーーー!!!!」ニコッ
みさえ「……」
ひろし「……ま、頑張ろうぜ?」
みさえ「……」
みさえ「……そうね」ニコッ
ひまわり「アーウ?」
・
・
・
・
・
一ヶ月後
みさえ「あーっ!!また牛乳まきちらして!」
しんのすけ「ああっ!?!?あうーーっ!!!!」バタバタ
ひろし「っと、しんのすけ!おまえ一ヶ月前の気合はなんだったんだよ!?」
みさえ(……前と、ほとんど変わらないしんのすけ)
みさえ(でも、諦めたくない)
みさえ(麻薬もやめて、スタンガンもやめて)
みさえ(しんのすけを、邪魔者じゃなくて)
みさえ(一人の子供として、愛せるようになりたい)
ひろし「ちょ……指が鼻の穴に……いてぇよ!!」
しんのすけ「あーーー!!!!!」バシッ
みさえ(あなたと……ほかでもない、しんのすけ本人のおかげ)
みさえ(まだ、溝はあるけど……ひまわりと同じように愛せるように!)
みさえ(私、母親だから!)
ひろし「……さて、仕事行ってくるわー」
みさえ「あっ、そうね。行ってらっしゃい!」
ガチャ……バタンッ
みさえ「こらーっ!!冷蔵庫を……」
しんのすけ「かあちゃん」
みさえ「!」
しんのすけ「いつでも殺していいゾ」
みさえ「……」
しんのすけ「あーっ!!!」ガチャガチャ
みさえ「……」
みさえ「……ホント、ばかね……」
みさえ「母親だもん。親が子供を殺すわけ、ないでしょ……」ギュッ
◆おわり◆
なんか後味悪いけど乙!
って首に手をかけた音か
おい変なこと言うなよ…
ありがとうございましたー
Entry ⇒ 2012.01.23 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
余賀公麿「これが俺の選択した未来か」
『未来へ』
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1326958331
余賀公麿「これが俺の選択した未来か」
余賀「…」
余賀「さて、そろそろ行くか…」
テクテク
~商店街~
余賀「自宅に行くには…」
テクテク
余賀「…」
余賀「何だ?これ」
黒人警備員「・・・」
黒人警備員「Show me a passport」
余賀「は?」
黒人警備員「Show your passport if you would like to pass here」
余賀「何言ってんのこの人?」
「…」
黒人警備員「…Come just for a moment!」
余賀「え?…は?は?」
ガッ
余賀「いてて…」
役員「…」
役員「あらあら」
役員「居住証どころかIDカードも無いのか…」
余賀「は?」
役員「…きみどうやって入ったの?」
余賀「?」
役員「……とにかくね、もう2度入っちゃ駄目だからね」
余賀「…」
役員「少し乱暴にするけど、我慢してね」
役員「じゃ、よろしく」
黒人警備員「…」
ガッ
余賀「痛!」
ズルズル
ドヨ~ン
余賀「…なんなんだよ、これ…」
余賀「これ街か…?」
余賀「真っ暗だし、どよどよしてるし」
余賀「そこらじゅうにゲロがあるじゃねぇか」
余賀「人もぼろきれみたいなのしか着てないし」
余賀「…」
パッ
真坂木「何でしょうか、余賀様」
余賀「何でしょうかじゃねぇよ…」
余賀「…ここが……日本なのか…」
真坂木「はい」
真坂木「もちろんでございます」
真坂木「これが」
真坂木「あなたの選んだ[未来]でございます」
余賀「俺の選んだ…」
真坂木「広大な公園に高級住宅街」
真坂木「選ばれた人達が豊かな生活をし」
真坂木「その周りでは」
真坂木「日々の生活に苦しみ」
真坂木「貧しい生活すら出来ないスラム街が形成される」
真坂木「よくある風景」
真坂木「アメリカなんかじゃ普通ですよ」
余賀「…」
真坂木「海外では普通の事ですし」
真坂木「日本にも責任が無いとは言えませんから」
真坂木「今まで自分達がやってきた事の報い」
真坂木「とでもお考えください」
余賀「…でも、俺は」
真坂木「無自覚かどうかは関係ありませんので」
余賀「…」
真坂木「では私は」
パッ
余賀「…」
余賀「来い…真坂木」
余賀「……」
余賀「どうした!…来い!」アセッ
パッ
真坂木「何でしょうか」
余賀「どうしたんだよ急に」
真坂木「そう言われましても」
真坂木「余賀様は最早、金融街の人間ではありませんからね」
余賀「…」
余賀「…」
真坂木「それは置いておきましても」
真坂木「私の仕事ではございませんので」ニタニタ
余賀「…そんなこと言われても」
余賀「俺には何が何やら…」
真坂木「余賀様は過去改変以前の記憶を持つ代わりに」
真坂木「改変後の過去の記憶を持つことが出来ないので」
真坂木「少々混乱してるだけでしょう」
余賀「…」
真坂木「それは置いておきましても」
真坂木「私の仕事ではございませんので」ニタニタ
余賀「…そんなこと言われても」
余賀「俺には何が何やら…」
真坂木「余賀様は過去改変以前の記憶を持つ代わりに」
真坂木「改変後の過去の記憶を持つことが出来ないので」
真坂木「少々混乱してるだけでしょう」
真坂木「簡単に申し上げますと」
真坂木「日本の円の価値はほぼ0になり」
真坂木「その為に日本政府の実質的機能が消失」
真坂木「よってIMFが資金提供という名の…」
余賀「ちょっと!ちょっと待ってくれ!」
余賀「何で円の価値が無くなると」
余賀「日本政府がおかしくなるんだよ」
真坂木「円に価値を与えているのは日本という国の信用ですので」
真坂木「当然」
真坂木「円の信用が落ちれば日本政府への直接的な信用失墜に繋がります」
真坂木「というか」
真坂木「元々の不安に加えて」
真坂木「局地的な金のばら撒きや銀行騒動」
真坂木「ミダスマネーの消滅など」
真坂木「不信感を募らせるのには十分だったかと…」
余賀「…」
真坂木「では」
真坂木「その後、国連を始め、各国、特にアメリカ、中国が」
真坂木「国民の政府への怒りを利用するなどし」
真坂木「政治機構の支援と銘打った乗っ取りを行い」
真坂木「政治を完全に掌握」
真坂木「日本は諸外国の完全統治下といったところですね」
真坂木「日本人特別居住区、アメリカ人、中国人、その他の外国人居住区に分かれてますね」
余賀「…それで、日本人はこんなところに…」
真坂木「まあ」
真坂木「そういうことになりますかね」
余賀「…!」
余賀「じゃあ!さっきの公園で遊んでた子供達はどうなんだ!?」
余賀「それだけじゃない!商店街だって!」
真坂木「ああ」
真坂木「あれは[日本人特別居住区]ですよ」
余賀「…日本人特別居住区?」
余賀「ここが日本人特別居住区じゃないのか?」
真坂木「いえ」
真坂木「ここは日本人通常居住区になります」
真坂木「ええ」
真坂木「使用通貨は米ドルですが」
真坂木「あの中では、公用語は日本語ですし」
真坂木「居住者の9割が日本人です」
余賀「…あの人達は」
真坂木「あの人達は」
真坂木「選ばれた人達でございます」
真坂木「外人と結婚された方」
真坂木「といっても国際結婚は3割を超えてますので」
真坂木「特に優れた外国の人と結婚された方」
真坂木「もしくは莫大な資産を持つような方ですね」
真坂木「当然」
真坂木「ここに住んでおります」
真坂木「ち、な、み、に」
真坂木「ここらですと」
真坂木「特別区に住んでいるのは1割で」
真坂木「残り9割の日本人はここに住んでますね」
余賀「そんなことが…」
余賀「…そんなことがあっていいわけが…!」
真坂木「余賀様」
余賀「?」
真坂木「真に残念ながら」
真坂木「私には関係の無いことですので」ニヤニヤ
真坂木「…それに」
余賀「…?」
真坂木「これはある意味」
真坂木「あなたの選んだ[未来]じゃないですか」
余賀「…どういう意味だ」
真坂木「[未来]を守る為に[現在]を犠牲にした」
真坂木「これから生まれる命、今いる人の可能性」
真坂木「それと引き換えに、今いる人の存在自体を消したのです」
真坂木「[C]が直撃していたら、国ごと消滅していました」
真坂木「それってつまり」ニヤリ
真坂木「選ばれた人間だけを残したってことですよ」
余賀「別に俺は選んでなんか!」
真坂木「選んだのは」
真坂木「誰を生き残らせるかを選んだのは[前極東金融街]でございます」
真坂木「でも」
真坂木「そのせいで」ニヤニヤ
真坂木「想いを寄せていた人はいなくなってしまったのでしょ」ケタケタ
余賀「何言ってんだ!」
余賀「羽奈日はっ…羽奈日は!」
真坂木「そう都合良くはいきません」
真坂木「彼女の自宅には別の幸せそうな家庭があった」
真坂木「それは彼女の存在が消えたということ」
余賀「…っ」
余賀「………」
真坂木「余賀様」
真坂木「そう気落ちすることはございません」
余賀「…何だと」
真坂木「余賀様がどうしようが」
真坂木「三國様が[輪転機]を廻した時点でGDPは半減しておりましたし」
真坂木「もし金融街」
真坂木「いえ前極東金融街が無くても」
真坂木「日本の未来は大して変わらなかったでしょう」
余賀「…でも」
真坂木「細かい話は私には分かりかねますので」
真坂木「ではまた」
真坂木「用事があれば」ニタァー
パッ
グゥウゥウウウゥウ~
余賀「腹減った」
余賀「飯の配給が来るのが12時か…」
余賀(特別居住区に入るのにパスポートがいるように)
余賀(通常居住区に住むにもIDカードがいるようだ)
余賀(IDカードすらも持たない俺は…)
ゾロゾロゾロゾロ
子供「おなかすいた~」
親「今から食べられるからね」
老婆「ようやく…食べられるかね」
余賀「…」
青年「…ちょっと!」
青年「これ少なくないですか!?」
青年「これじゃあ全然…」
役人「うるさい!」
役人「文句を言うなら貴様には食わせん!」
ガシッ
青年「痛っ!!」
ガシッ
ガシッ
青年「痛い!痛いっ!!」
子供「…もう、やめたげて」
役人「お前も文句言うか」
ガシッ
子供「きゃっ!」
大人「すいません!お許しください!」
役人「うるさい!貴様もだ」
役人「わざわざ飯を運んで来てやってると言うのに」
役人「感謝する気持ちがないなら…こうしてやる!」
ガシャガシャガシャーン
老婆「ご飯が…」
役人「ふん!貴様らにやるぐらいなら地面にぶちまけた方がましだ!」
青年「そんな…」
役人「ふんっ」
ガラガラ
「おい!」
余賀「…?」
市民A「お前のせいで飯が食えなかっただろうが!」
市民B「どうしてくれんだゴラァ!!」
親「すいません、すいません」
市民A「すいませんじゃねぇんだよ!!」
ゲシッ
ゲシッ
ゲシッ
余賀「…」
市民B「あ?」
余賀「ちょっと、やめようよ!」
余賀「わざとじゃないんだしさ…」
余賀「昼飯ぐらい…我慢すれば……」
市民A「てめー、舐めた事言ってんじゃねぇぞ!!」
市民A「こちとら今日生きるのすら精一杯なんだよ!」
ガンッ
余賀「ちょ!なにすん…」
ガンッ
ガンッ
ボコッ
余賀「痛ててて…」
グウウウ~
余賀「…腹減ったな…」
余賀「…足が動かないや…」
余賀「…水も無いし……ここで死ぬのかな…はは」
余賀「ははは…」
余賀(これが俺の選んだ[未来]なのかな・・・)
余賀(ははは、笑えないな…)
役人「ほら、次の奴!」
老爺「ありがとうございます」ペコリッ
役人「分かったから!とっとと行け」
役人「ここは糞みたいな臭いしかしねぇ」
老爺「…」
老爺「…では」ペコリッ
テクテクテク
ダッ
老爺「…!」
ガッ
老爺「わしのご飯が…」
「はぁっはぁはぁ」
「…何とか手に入れたぞ…」
余賀「…良かったんだ」ハァハァ
余賀「これで良かったんだ」ハァハァ
余賀「あんな爺さんが食べるより、俺が食った方が…」
余賀「俺だって食わなきゃ生きれないんだ」
余賀「…」
余賀「良かったんだ…これで……」
余賀「……」
余賀「…うっ、うっううう」
余賀「…どうして、涙が………」ポロポロ
「…余賀君…?」
?「もう落ち着いたかい?」
余賀「…ああ、うん」
?「ご飯ならあのお爺さんに返しておいたから」
余賀「…」
余賀「…ごめん」
宣野座「いいよ、別に」
?「…」
余賀「でも、どうしてこんなところに…?」
余賀「…宣野座」
宣野座「いやね、日本が大変にまずいことになってるからね…」
宣野座「…」
宣野座「…というか逃げ遅れちゃった」
余賀「!?」
余賀「まさか…記憶あんの?」
宣野座「うん、あるよ」
宣野座「いきなり世界が変わっちゃうんだもん」
宣野座「驚いたな~」
余賀「…」
宣野座「…ねえ、余賀君…」
宣野座「この事は君が引き起こしたと思っていいのかい?」
余賀「…」
余賀はまだこの現実に慣れてないので
>>44
余賀公麿(よがきみまろ)
宣野座功(せんのざこう)
真坂木(まさかき)
宣野座「そっか~、僕の理想の…これが、結果か…」
余賀「…」
宣野座「でも、あの三國さんを止めるなんてね」
宣野座「やっぱり大したもんだよ、君は」
宣野座「僕を負かしただけの事はある」
余賀「…あの」
宣野座「?」
余賀「…ごめん」
宣野座「いいって」
余賀「…別に、継いだわけじゃ…」
宣野座「同じだよ」
宣野座「僕はあの後金融街にも三國さんにも興味を失くしてたからな…」
余賀「!」
余賀「そうだ!」
余賀「どうして金融街の事を覚えてるんだよ」
宣野座「…そんなの破産しなかったからに決まっているだろう」
余賀「でも、お前のディールなんて…」
宣野座「ああ、あの後…君に負けた後からは毎回棄権してたんだよ」
余賀「…棄権?」
宣野座「そう、棄権…資産の半分を毎週払ってね…」
余賀「そんなことしたら、現実世界への影響が!」
宣野座「…その通り、一応僕は金融街でも10本の指に入る資産家だったからね」
宣野座「最初の方はひどかったなぁ」
宣野座「帰るたびに、何枚も何枚も絵が描き替わって…」
宣野座「何枚の絵が無くなったんだろう…」
余賀「…」
宣野座「それでも…どうしてもディールをやる気になれなくて」
宣野座「そのうち、絵も描き替わらなくなる程度にまで僕の資産は減ったんだ…」
宣野座「でもある時気づいた…絵が替わらなくなったんじゃなくて」
宣野座「絵、そのものが無くなっていたんだ…ってね」
余賀「…っ」
宣野座「その後も何回かそんなことをしてたら」
宣野座「[コンコード・ゲイン]…」
宣野座「僕のNPOが…」
宣野座「支援の感謝の手紙が……家が…」
宣野座「…」
宣野座「…家族が…」
余賀「!?」
宣野座「…消えていたよ」
宣野座「…」
宣野座「…不思議なものでね」
宣野座「僕に直接的な被害は一切ないんだよ」
宣野座「生き地獄を味わえって事なのかな」
余賀「…」
宣野座「世界が変わって…」
宣野座「こんな感じになってたってわけ…」
宣野座「…」
宣野座「お互い苦労するね」
宣野座「こんな布切れを着て、風呂にも入らず」
宣野座「家は無い」
宣野座「飯も、水も、トイレすらない」
宣野座「…そんな生活を、どう思う?余賀君」
余賀「…そりゃ、悲惨だって…」
宣野座「悲惨かい?」
余賀「そりゃ、そうだろ」
余賀「こんなの人間の生活じゃない…っていうか」
宣野座「そうだろうか」
宣野座「世界で見て、この水準で生活する者がどれほどいるか知っているかい?」
余賀「…」
宣野座「僕はNPO代表として色々な国を見てきた」
宣野座「だから思う」
宣野座「多くの人は実感できないだろうけど」
宣野座「こんな暮らしをしている人は沢山いる」
宣野座「沢山っていうのは多くの人って意味さ…本当に多くの人が」
余賀「…でも」
宣野座「昔ね…」
余賀「?」
宣野座「三國さんに言われた事がある〈お前は不自由を知らないんじゃないか〉って」
宣野座「その時は、そんな事全く無いと思った」
宣野座「三國さんの方が生まれも育ちも全然良いしさ」
宣野座「知ってるかい?彼ハーバードのビジネススクール卒なんだよ」
余賀「…知らなかった」
宣野座「そんな奴が偉そうに言うなってね」
宣野座「でもその後色々知って、知らなかった事がいかに多いかも分かった」
余賀「…」
宣野座「じゃあ、今の僕はどっちだと思う?」
余賀「は?はぁ…わからないけど」
宣野座「…知ってるつもりさ」
宣野座「搾取ってのはさ、余賀君、こんなもんだよ」
宣野座「本当に一部の人が豊かで」
宣野座「他の大勢はとんでもない負担を強いられるんだ」
宣野座「ただ日本が幸せだったのは海に囲まれていたから」
宣野座「海があったから不幸を目に入れずにすんだだけのこと」
宣野座「身の周りが幸せで自分が幸せ…」
宣野座「そう思い込んでるだけさ」
余賀「…」
宣野座「で、君はどうするんだい?」
余賀「…いや、決めてない」
宣野座「そうか…でも、君なら…」
余賀「…?」
宣野座「真坂木は言ったんだろ〈金融街は不滅です〉って」
宣野座「そして君は真坂木を呼び出せた…」
余賀「…」
余賀「…まさか」
宣野座「そう、君ならもう一度金融街へ行けるんじゃないのかな…?」
余賀「でも!俺は金融街を潰す為にっ…!」
宣野座「それでも潰れなかったんだろ?」
余賀「…そうだけど」
宣野座「どういう理屈か知らないけど」
宣野座「多くの[未来]があれば金融街は発生するようだね」
余賀「そう言ってた…真坂木は」
宣野座「ならここには多くの[未来]があるって事になる」
宣野座「君はそれを、綺麗な公園で楽しそうに遊ぶ子供達を見ながら言われたんだろ」
余賀「そうだけど」
宣野座「でもそうなのかな」
余賀「・・・」
宣野座「あの環境であそぶ1割の人達の為に金融街はあるのだろうか」
宣野座「ここに暮らす9割に[未来]は無い…のかな」
余賀「…それは」
宣野座「それは?」
余賀「…わからないけど」
余賀「…けど」
宣野座「わからないのはいつもの事」
宣野座「でも」
宣野座「君の心は決まってるだろう」
宣野座「……守ってくれば?」
余賀「…何を……」
宣野座「それはもちろん」
宣野座「[未来]をさ」フフッ
宣野座「それじゃあ僕はいつもここにいるからさ」
宣野座「何かあったら話しかけてよ」
余賀「…わかったよ」
余賀「真坂木!真坂木!」
余賀「おい!」
余賀「真坂木!!」
パッ
真坂木「お呼びでしょうか」
余賀「もっとさっと出てきてくれよ」
真坂木「そう言われましても[新極東金融街]の準備に忙しくて」
余賀「そうだよっ!それ」
真坂木「それと申しますと」クネッ
余賀「その新しい金融街に俺は行けんのかよ」
真坂木「それは大変言いにくいのですが…」
余賀「そうか…」シュン
真坂木「行けます!」バッ
余賀「行けるのかよ!」
真坂木「もちろん」
真坂木「そもそも」
真坂木「ハイパーインフレによる円の超大幅下落を受け」
真坂木「円に寄生していたミダスマネーの価値も暴落」
真坂木「また…余賀様が[輪転機]を大きく逆回転させたことで」
真坂木「極東金融街におけるミダスマネー準備金の全てを[未来]に換えても」
真坂木「全く足りないという状況に陥った為」
真坂木「市場閉鎖!」
真坂木「という事になりました」
真坂木「が、しかし」
真坂木「新たにオープンするにあたり」
真坂木「莫大なミダスマネーを引き出す権利を持ちながらも」
真坂木「閉鎖の為に金融街のミダスマネーは全て消滅してしまい」
真坂木「多くの損害を被られた余賀様には私達としても保障を…と思っておりましたので」ペコッ
余賀「…なるほど」
真坂木「もちろん」
真坂木「全額という訳にはございません」
真坂木「それに先の行動から」
真坂木「当分の間[輪転機]を廻す権利は剥奪しますので」
真坂木「[プラチナカード]からのスタートという事になりますが」
余賀「…わかった」
真坂木「では」
真坂木「もし金融街に復帰したくなったらいつでも」
真坂木「声をかけてください」ペコ
余賀「…あのさ」
真坂木「はい」
余賀「…宣野座の奴、宣野座功ってアントレいたじゃん」
真坂木「ええ」
真坂木「そういえば居たかもしれませんね」?
余賀「…そいつって復帰できるの?」
真坂木「もちろん」
真坂木「しかし」
真坂木「彼の資産はもう風前の灯火」
真坂木「それに彼の担保の[未来]も我々が結構食い潰しちゃいましたからね」
余賀「…それってどういう」
真坂木「ですから」
真坂木「私共も担保をそのままの形で保存、アントレの必要時に一定金額と交換」
真坂木「という訳にはございません」
真坂木「未来は常に変化していますから」
余賀「…よく分かんねぇな」
真坂木「そうですね」
真坂木「いうなれば、あなたが負けた時と同じでございます」
真坂木「あなたはあの後大金を手に入れましたが」
真坂木「おば様の盲腸と大学の補習は変わらなかったはずです」
真坂木「決まりですから」
真坂木「まあ、あのような状態でディールをやっても」
真坂木「負けて、僅かな[未来]すら失いかねませんから」
真坂木「放っておくのが得策かと」
余賀「…」
スラッシュ
バンッ
ハイヤー「ブッブー」
ハイヤー「キキーッ!」
ガチャ
井種田「どちらまで」
余賀「金融街まで…頼むっ」
井種田「…かしこまりました」フヘッヘッ
井種田「着きましたよ…」
余賀「ここが…金融街…」
余賀「…ってあれ?何かちっちゃくない?」
井種田「さぁ…?細かいことは分かりませんので」
井種田「では、頑張ってください」フエヘッヘ
ガチャ
バタンッ
余賀「…金融街」
余賀「また来ることになるなんて」
余賀「…何か思ってたのと違うな……」
余賀「というか前はもうちょっとこう…」
真坂木「そうでございましょう」バッ
余賀「うわっ!」
余賀「いきなり現れんなよな!」
真坂木「失礼致しました」
余賀「…で、どういう事だよ」
真坂木「どういう事というのは?」
余賀「大きさだよ!何か小さくなってないか?街自体が…」
余賀「今工事中ってこと?」
真坂木「いえ…」
真坂木「金融街自体は完成しております」
余賀「それじゃあ何で…」
真坂木「あれをご覧ください」
余賀「あれって…」
真坂木「はい」
真坂木「天空に構えます…」
真坂木「BOM(バンク オブ ミダス)ジャパン本社ビル」
余賀「…」
余賀「…いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、じゅうまん、ひゃくまん、せんまん…」
余賀「いちおく、じゅうおく、ひゃくおく…」
余賀「…たった300億!?」
真坂木「そういう事です」
余賀「冗談だろ!三國さんだって150億は常に持ってたぞ」
真坂木「ええ」
真坂木「ですから」
真坂木「規模縮小といったところでございます」
余賀「…」
真坂木「…」
真坂木「意外ですね」
真坂木「ここは憤るところかと」
真坂木「まさか物足りなそうな目をするとは」
余賀「…別にしてねぇよ、してねぇけど…」
真坂木「そうですか?」
真坂木「[金の瞳]が期待を物語ってましたよ」
余賀「…」
真坂木「というか」
真坂木「せっかく自分が破壊した物が数日後に平然と復活してるんですよ」
真坂木「それもすでに300億円分の未来を担保にとっているんです」
余賀「…!」
真坂木「一度は現実世界から消滅したミダスマネーがまた流入していくんですよ」
真坂木「もう少しリアクションが欲しいところでしたね」
余賀「…そんなことは…させない」
余賀「させないさ」
真坂木「そうですか」
真坂木「何はともあれ」
真坂木「あなたはもう金融街の人間です」
真坂木「当然[ディール]には参加して頂きます」
余賀「ああ」
真坂木「それと」
真坂木「あなたのように前極東金融街経験者も何人かいますのでお気をつけください」
余賀「分かった」
真坂木「では」
真坂木「[アセット]を」
余賀「そうだっ…!真朱!!真朱は!?」
真坂木「落ち着いてください」
真坂木「以前のように、カードをなぞって頂ければ」
余賀「そうだったな…」
スラッシュ
余賀(真朱、真朱っ、真朱!)
「グルルルル」
余賀「…え?」
余賀「ジェルジュか!?」
ダキッ
余賀「久しぶりだなぁ~」
ヨシヨシ
ジェルジュ「ヲォォ?」
余賀「…ジェルジュ」
余賀「…」
余賀「…サトウさんは…その…行方不明だ…」
ジェルジュ「グオ?グルル」
余賀「…いや」
余賀「恐らく死んだ」
ジェルジュ「グオオオオ!」
ジェルジュ「グルルル」
余賀「…すぐ納得しろとは言わない」
余賀「言わないけど」
ナデナデ
余賀「お前も…サトウさんの未来も俺が背負うって決めたから」
余賀「だから…立派に闘ったサトウさんの分も…」
ジェルジュ「グルルルルウル」
余賀「よしよし」
ナデナデ
真坂木「…」
余賀「…そうだ!」
余賀「ジェルジュ、真朱はどこだ?一緒じゃないのか!」
ジェルジュ「グルル?」
余賀「…?」
余賀「…」スゥー
余賀「おーい!真坂木ーーー!!」
真坂木「何でございましょうか」
真坂木「ビギナーでもないんですから」
真坂木「あまり私を呼ばないで頂けるとありがたいのですが」
余賀「…真朱がいねぇんだけど」
真坂木「と申されても」
余賀「俺のアセットがいねぇんだよ!」
余賀「どうなってんだ!」
真坂木「本来ですと」
真坂木「市場閉鎖した段階で」
真坂木「全てのアセットは消滅」
真坂木「可能な限り[未来]に転換された後、各人に還されるのですが」
余賀「?…結局…」
余賀「何がどうなってるんだよ」
真坂木「どうにかなってるのは」
真坂木「余賀様の方」
真坂木「ということになりますね」
余賀「は?」
真坂木「消滅したはずのサトウ様のアセットが形と記憶を保って復活するなど」
真坂木「ありえない話です」
余賀「…」
真坂木「アセットとは新しく呼び出す段階において」
真坂木「その時点における」
真坂木「アントレの未来を体現するものですから」
真坂木「後の能力変化はあっても」
真坂木「流動する[未来]が全く同じはずがありません」
真坂木「それも他人の[未来]を歩むなど」
余賀「…」
ナデナデ
余賀「…」
余賀「…結局…どうなっちまうのかな…」
ジェルジュ「ウゥウウ」
真坂木「そうそう」
真坂木「色々と面倒なので」
真坂木「前金融街の事は内密にお願いします」
余賀「は?…別にいいけど」
真坂木「私など既に知ってる人なら構いませんので」
余賀「…」
真坂木「では、これにサインをお願いします」
余賀「何?これ」
真坂木「あらら」
真坂木「知らないんですか」ニタァー
真坂木「意外ですね」
余賀「いいから教えろよ」
真坂木「これは金融街における誓約書です」
余賀「誓約書?」
真坂木「そう誓約」
真坂木「義務有効範囲は金融街で」
真坂木「ここに書かれている内容に違反すると」
余賀「…違反すると」ゴクッ
真坂木「資産の2倍を請求されます!」
余賀「2、2倍!?」
真坂木「ええ」
真坂木「重要なものですからね」
真坂木「では」
真坂木「余賀さんも約束は守ってくださいね」
真坂木「内容証明の為の20万は私が払っておきますから」
余賀「…」
余賀「はー、2倍か」
余賀「…」
余賀「そう言われると言いたくなるよな」
余賀「…言う相手が居ないんだけどさ」ハァー
ザッ
「こんな所で油を売っているとは余裕だな」
余賀「うん?」
余賀「!」
余賀「あんた…」
余賀「三國さん!!」
三國「久しぶり…って程でもないがな」
余賀「三國さん久しぶり!」パァー
三國「…」
三國「お前にしてはテンション高いな…」
余賀「だって…だって」
三國「会わないはずだったんだがな…」
三國「そうも言ってられなくなった」
余賀「…」
三國「…それじゃあ、まずは情報交換といこうか」
三國「…そうか」
余賀「三國さんも同じ感じ?」
三國「…まぁ…そんなところだな」
余賀「…?」
余賀「でも良かったー、知ってる人に会えて」
三國「…」
余賀「色々大変でさ~」
三國「…そうか」
余賀「現実世界に戻ったら訳分かんないことになってるし」
三國「そうだな…」
三國「…」
余賀「もう俺の居場所も無かったしさ」
三國「…あのな、お前…」
余賀「…はぁ~それにしてもこんなことになるなん…」
三國「…」フゥー
三國「お前の選んだ未来だろうが!!!!」
余賀「!!」
余賀「……」
三國「…」
三國「…スマン」
三國「だがあの時に言ったはずだ…」
三國「〈後悔するなよ…〉」
三國「お前は多くを犠牲にした」
余賀「…」
三國「気にするな、それは必要だった」
三國「俺の…貴子も……」
三國「…」
三國「だから、後悔するな!」
三國「…」
三國「それにお前や宣野座が俺と敵対した理由もわかる」
三國「もちろん目の前の現実に対する考え方の違いが最もな理由だろうが」
三國「立場が変われば見方も変わる」
三國「それは金だけじゃない」
三國「お前はお前自身としても」
三國「そして」
三國「若者としても許せなかったんだろ」
余賀「…まあ」
三國「俺のした事で子供達が将来の負担を強いられるのが嫌だった」
余賀「…」
余賀「俺達はさ、そりゃ豊かな生活とかを貰ってんのかもしんないけど」
余賀「…貰ってたのかもしんないけど」
余賀「大人達は全部先送りにして」
余賀「その責任は結局全部俺達が持つ事になるじゃん」
三國「…しかしお前らの世話をしてやったのは俺達だぞ」
余賀「でも…」
余賀「原発だって」
余賀「その利権は大人たちが貰ってんのに」
余賀「俺達はこれからあほみたいに金払わないといけないのに」
余賀「バブルで散々遊び呆けて日本をメチャクチャにした世代の奴らに」
余賀「年金だって沢山もらえる老人達に…」
三國「…俺は[未来]よりも「現在」を選んだ」
三國「責任の先送りは[未来]を奪って[現在]を成り立たせようとした俺の考えに近いからな」
余賀「…それに、老人は」
三國「この国において最も金を持ってるのは老年世代」
三國「それも圧倒的に…」
余賀「…それはこの前大学でやったよ」
三國「大学でやったのか?」
三國「俺なんて中学生の時には知ってたぞ」
余賀「…」
三國「ちなみに俺も[超]のつく大富豪だ」
余賀「…」
余賀「偉そうな事言うなら」
余賀「…苦しいから守ってくれって言うなら」
余賀「まずはその腹を掻き切って」
余賀「汚い金を吐きだしてからにしろって思うよ」
三國「…ディール経験者ならではの表現だな」
余賀「…」
三國「しかし、お前も十分豊かな生活をしてるだろう」
余賀「…それは」
三國「これに関しては…」
三國「…運だな」キリッ
三國「それが嫌なら未成年の選挙権でも認めさせれば良い」
余賀「…でも税金が……」
三國「そこだろ」
三國「税金を払ってないから意見を言えないって考えがあるから」
三國「お前らは未来を奪われるんだよ」
三國「…もし」
三國「もしそれも嫌なら日本から飛び出すことだな」
余賀「…」
三國「俺も昔思ったよ…本当に本当に嫌な事があって…」
三國「それでも…」
三國「それでも俺はこのクソみたいな現実を喰って生きていく事にした」
余賀「…」
三國「おい!」
三國「この世界はお前が望んだものだろ」
三國「いや、お前が望もうが望むまいが」
三國「あるっ…圧倒的な現実として」
三國「今回の変化はとてもショッキングだっただろうが」
三國「今更、過去の自分を否定するような真似だけはするなよ!」
三國「それは、お前、お前のアセット」
三國「金融街の人々…そして俺達への冒涜だからな」
余賀「うん、それは分かるけど…」
三國「分かるなら実行しろ」
余賀「でも…俺は何がしたらいいのか?何が出来るのか?」
余賀「さっぱり分かんねぇんだよ」
三國「…お前、理由もなく金融街に来たのか」
余賀「…わりいかよ」
三國「…」
三國「…」クスッ
三國「わはは」
三國「わははははははは」
三國「お前もやはりアントレだな」ハァハァ
余賀「…は?」
三國「…」
三國「ププププ」
余賀「…」
三國「おい!公麿」ハーハー
余賀「…公…麿……?」
三國「お前…俺と組まないか?」
余賀「三國さんと…」
三國「前とは違うさ…」
三國「この前までは思想から袂を分かってたが」
三國「そうも言ってられまい」
三國「ここまでの圧倒的現実を見せられちゃ」
三國「俺達も動き出すしかないだろ」
余賀「それは…そうだけど」
三國「なら…考えがある」
三國「よしっ…ここなら誰にも聞かれないし[瞳]で見られることもないな…」
三國「じゃあ話すぞ」
余賀「うん」
三國「…とその前に、お前にいくつか質問がある」
余賀「質問?」
三國「そう、質問だ」
三國「といっても簡単な質問、お前の考えを知りたいだけだ」
三國「後から考え方で揉めるのはごめんだからな」
余賀「わかった」
ゴホンッ
三國「まず第一に、生活とは搾取である」
三國「どうだ?賛成か反対か…だ」
余賀「何かを与えられる人もいるけど…」
余賀「基本的には搾取だ、生活なんて」
余賀「…違う?」
三國「いや、その通り」
三國「…この世には確かに絶対的幸福がある」
三國「多くの人は幾度と経験することなく生涯を閉じるが」
三國「筆舌し難い幸福が人生には備わってるはずなんだ」
三國「ただし…」
三國「これはあくまでも理想論」
三國「多くの人間は幸福を日常の比較としてしか捉えてはおるまい」
三國「裕福が貧乏の比較であるように」
三國「…ならば、全てが比較ならば」
三國「奪うのは必然…いや、運命かな」フッ
余賀「…なんとなく、いや、はっきりと分かるよ」
余賀「俺は直接[未来]を奪ってきたから」
三國「それでいい」
三國「俺達は闘った、だが理由は同じ」
三國「日本に住まう人々を幸せにすること」
三國「いや、不幸にさせないこと」
三國「しかし…だ」
三國「今の日本はグシャグシャに陵辱されてる状態だ」
三國「国土も人も主権も…全てが外国の元にある」
余賀「そうだったね、あの惨状は」
『どんな惨状にも意味はある』
『必ず人類をより良く導く為の意味がある』
余賀「…」
三國「?」
三國「なら取り返すしかあるまい」
三國「国境という狭い視野ではあるが」
三國「奴らが国を理由に俺達から搾取するなら」
三國「俺達も守る…それだけのことだ」
余賀「…でも」
三國「?」
余賀「…俺には日本を守りたいって気持ちはそれ程無いけど…」
三國「俺もだ」
余賀「え?」
三國「青年期はアメリカで過ごした」
三國「アメリカにも中国にも沢山友人がいる」
余賀「…」
三國「…だからこれはバランスを保つ為の仕事にすぎない」
余賀「…」
三國「傾ききったシーソーに俺達が巨石を叩き落としてやればいい」
余賀「…うん」
余賀「うん!」
三國「それじゃあ次の質問だが」
三國「公麿は今になっても公務員になりたいなどと思ってないよな」
余賀「…」
三國「スマン語弊があったな」
三國「楽だから、安定しているからなんて理由で公務員を目指していないよな」
余賀「…今、俺には力があるから」
余賀「自分の出来る事をしたいよ」
三國「…そうか」
三國「安定とは自分だけを幸せにするに過ぎないと昔言ったが」
三國「それだけでなく」
三國「自分すらも不幸にしうる」
三國「お前が公務員を目指してた理由も分かる」
三國「それはもちろん正しい…がで間違いでもある」
三國「俺達は、日本人は遅かれ早かれこうなる運命だった」
余賀「…それ真坂木も言ってた」
三國「アメリカ、中国、ヨーロッパ、インド、東南アジア」
三國「高齢化の進む日本では間違いなく他の国に頭を下げ…」
三國「頭を下げながら搾取されて苦しまなくてはいけない」
三國「あと40年で50%だそうだ」
余賀「…老人?」
三國「…そう、まあ随分適当な予想だと思うがな」
三國「そうなったらどう頑張っても現行制度で国家を保つのは不可能」
三國「当然、公務員、お前のなりたかった役所勤めなんて給料が下がるのは目に見えている」
余賀「…そうだろうけど」
三國「なら、外国からの移民の受け入れ枠を広げるしかない」
三國「当然、外人の発言権、特に中国人は顔を広くして歩くだろうな」
三國「となると、役所ではどうなるか」
余賀「…中国語を話せなくては使い物ならなくなる」
三國「恐らくな、もちろん英語なんて必須言語だろう」
三國「これにより、外人公務員の大量登用、もしくは日本人の採用基準が2ヵ国語以上話せる事へと繋がるだろうさ」
余賀「そしたら…」
三國「そしたら?」
余賀「今の俺なんて使い物にならなくなる」
三國「恐らくな…今の若者がパソコンを使えない老人をバカにしているように」
三國「仕事が出きない給料泥棒の烙印を押されるだろうよ」
三國「それでも耐え忍ぶ厚顔があれば良いが、恐らく未来の日本はそれで生きていける程甘くはあるまい」
余賀「…」
余賀「…でも不公平だよな、どうすりゃいいんだよ」
余賀「ゆとりとか言われてる俺らは」
三國「…常に自分を高めていく」
三國「社会に恩義を感じることなく、自分の為だけに」
三國「周りに囚われず自分の思うがままに…」
三國「それ以外に道はあるまい」
三國「多くの人間は[安定]という言葉の意味を履き違えているようだが」
三國「楽な仕事を続け、大した技能も持たずに仕事を続け」
三國「訳も分からず世界に放りだされるリスクを抱えるより」
三國「もし仕事が変わっても、辛くても」
三國「スキルを磨き、世界で渡り合えるようになる」
三國「こっちの方が、よっぽど安定的だ」
三國「さて、本題だが…」
三國「お前は常に上り続けられる自信があるか?」
余賀「…ある」
三國「…例え世界が相手でも」
余賀「当然だ」
三國「そうか…」
三國「もう一度訊く」
三國「いかに孤独でも、いかに辛くても」
三國「目的の為に闘い続ける」
三國「己を高め続ける覚悟はあるか?」
余賀「…ある!」
三國「では、最後の質問だ」
三國「お前の選んだ[未来]は関係なく…」
余賀「?」
三國「99人の為に1人が死ぬのと」
三國「70人の為に30人が大怪我を負うのと」
三國「50人の為に50人が怪我するのと」
三國「…お前ならどれを選ぶ…?」
余賀「…」
余賀「その30人は死ぬことはないんだよな」
三國「ない」
余賀「…」
余賀「…それでも、最後を選ぶ」
三國「…そうか」
三國「まあお前らしいな」
三國「…じゃあ」
三國「犠牲者の中にお前が必ず含まれるとしたらどうする?」
余賀「俺が……」
余賀「…」
余賀「1番目…しかねぇよな」
三國「…そうか」
三國「…そうか」
余賀「…で、正解は」
三國「…正解なんてもんはない」
余賀「え?」
三國「…ただ」フフッ
三國「ただ、お前は俺と組む条件を満たした…!」
余賀「それって…!」
三國「今回も思い知った…やはり俺はお前に後を継いでもらいたい」
余賀「…」
三國「ハハ…返事はまだいらないさ」
余賀「…それで」
三國「ああ…今から話す」
「[世界金融街]について」
突然ですが次からバトルシーンです
直接的な描写をしないっていうかメチャクチャ下手な文になるので
バトル状況やBGM、効果音は想像力をフルにお使いください
「[C]なんて全然覚えてねーよ」という多くのお方は
動画を見てみると懐かしい音を思い出せるので良いと思います
正直ルールがわからんよ
>>139
[C]の公式サイトを見てくれても良いんですが
基本的には自分の持ってる資産を使って相手を攻撃します
相手に攻撃が当たると相手から資産を奪うことが出来ます
相手の資産が尽きるor時間(666秒)で試合終了です
固有の必殺技があり
大「マクロ」中「メゾ」小「ミクロorマイクロ」
ちなみにディールは週一で行わなければいけません
強力な技はそれだけ資産を消費する
制限時間までに相手の資産を0にするか終了時に利益の大きいほうの勝ち
アセットは消費資産に応じて三段階の特殊能力を発動できる
基本はこんなもんであってる?
>>144
はい、完璧です
真坂木「それではご指名の方でございますので」
余賀「ああ」
酒巻「俺を呼び出すとはな…」
余賀「話、分かっていただけませんか」
酒巻「悪いが無理な相談だ」
真坂木「では、始めましょう!」
チューイーン
チューイーン
ガシッ
ギィィィィィン
『666』
余賀(俺の資産は50億、酒巻さんの資産は…)
余賀(2億強…!)
余賀「これなら勝てるっ」
『OPEN DEAL』
酒巻「来い!ギーグ!!」
ギーグ「グオオオオ」
余賀(酒巻さんも昔と同じアセット…!)
酒巻「ギーグ!ミクロ200万!」
『MICRO』
『BULK SALE』
余賀「!」
余賀「よしっ…あっさり動いたな」
余賀「行くぞジェルジュ」
スラッシュ
余賀「メゾフレーション500万!」
ジェルジュ「ヲオオ」
『MEZZO FLATION』
『E・B・O』
プシュー
余賀([E・B・O]の煙でギーグが的を絞れないようにして)
余賀(俺に化けたジェルジュと俺自身とでダイレクトを決める)
余賀「ダイレクト500万!」
『DIRECT』
酒巻「…それなら」
酒巻「ギーグ!俺の声のするところ以外鉄球を落としまくれ!!」
酒巻「メゾ!500万!」
スラッシュ
『MEZZO FLATION』
ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!
余賀「うわああああ」
酒巻「そこかっ!」
酒巻「ギーグ!!もう攻撃はしなくて良い!」
ギーグ「グォオオ」
酒巻「俺が直接斬る!」
酒巻「ダイレクト200万!」
『DIRECT』
余賀「こうなったら接近戦しかねぇ」
余賀「行くぞ!ジェルジュ!!」
余賀「ウォオオ!」
酒巻「!?」
酒巻(余賀が2人?…だが…)
余賀(俺は右から行く)
余賀(ジェルジュは左から頼む)
酒巻「…」チラッ
酒巻「ばればれだ…」
酒巻「ダイレクト1000万!!」
『DIRECT』
余賀「一千万…!」
酒巻「この距離でリーチは2倍だっ…」
ザシュ
余賀「ぐああああああああ」
ジェルジュ「グルル」
余賀「おい!…ジェルジュ……もどる…な」
スラッシュ
酒巻「メゾ500万だ!ギーグ!!」
『MEZZO FLATION』
ガンッ!ガンッ!ガンッ!
ガンッ!
ジェルジュ「グルルウルルルウルウウ!!」
余賀「ジェルジュ!!」
酒巻「…終わりだ」
余賀「…負けて…負けてたまるか…」
余賀「うおおおおお!!!」
『0』
『YOU LOST』
余賀「ゴホッ、ゴホッ、ジェルジュ…」
ジェルジュ「クゥウウ」
酒巻「まだまだ甘いな」
酒巻「その程度の連携で俺に挑むのは早すぎだ」
余賀「ゴホッ」
酒巻「…」
酒巻「…」
余賀「くっそぉ…」
酒巻「……お前らはまだ一欠片の信頼関係も築けちゃいない」
酒巻「俺とお前らで斬りあいする時」
酒巻「お前のアセットはお前の方をチラチラ見てたぞ…」
余賀「…」
余賀「…ジェルジュ……」
酒巻「それはアセットのせいじゃない…!」
酒巻「お前の指示が曖昧だったから」
酒巻「アセットが正しいのかどうか不安だったんだ」
酒巻「…他にもお前の足りないところ」
酒巻「今回の事で分かったはずだ」
余賀「…はい」
酒巻「ならいい…」
酒巻「…」
酒巻「…頑張れよ」
余賀「…」
余賀「……はい!」
余賀「…ジェルジュとは大分コミュニケーション取れるようになってきたし」
余賀「ジェルジュも俺を信用してくれるようになった…と思う」
余賀「資金的にも俺が負けることはもうあまりないと思うけど…」
三國「よお、公麿」
余賀「三國さん!」
余賀「いよいよ今日ですね!ディール」
三國「ああ」
余賀「といっても三國さんなら楽勝だと思いますけど」
三國「…」
余賀「…あれ?三國さん?アセットは?」
三國「…俺にアセットはいない…」
余賀「…は?」
余賀「アセットがいないって、どうして?どうやって闘うんだよ」
三國「…まあ心配するな」
三國「俺はダイレクトだけで十分やれる」
三國「それはお前が一番知ってるはずだろ」
余賀「…でも」
三國「…もし」
三國「もし俺がやばくなって、そしてお前に余裕があるのなら」
余賀「譲渡だろ!やるよ!何億でも!」
三國「違うっ!…買って欲しい」
余賀「買うって何を…」
三國「…俺の魂だ」
余賀「魂…?そんなもの…」
三國「[トビラ]を通してアセットを見るとそこに10の光が見える」
余賀「それは」
三國「そう[株]と呼ばれアセットへの投資を表す」
三國「だが人によってはあの10の[株]を[魂]と呼ぶ」
三國「…そして俺達、アントレも…」
余賀「トビラを通すと、10の光が見えた…」
三國「…そう、時々だがな」
三國「ならば、俺は俺自体を商品に株を売るように」
三國「人間として魂を売ろう」
三國「もしも、買う余裕があるなら…」
三國「…その価値があると思うなら…買ってくれ」
余賀「買うよ!絶対買う!!」
三國「…そうか…じゃあ、行ってくる!」
『OPEN DEAL』
『666』
三國(よりによって十強が相手とは)
聖沢「挨拶はなしだっ!」
聖沢「決めるぜ三國」
三國「…まあ待て」
三國「やれやれ…お前もいるとはな…」
三國「…」
三國「…その目玉みたいなのがお前の新しいアセットか」
聖沢「そうだ、[トルス]だ」
三國「…」
聖沢「三國!お前のアセットはどこだ!?」
三國「さあて、どこだろうな」
聖沢「なんだと」
聖沢(恐らく俺がアセットから離れた瞬間)
聖沢(上からなり攻撃してくるつもりだろうが…)
聖沢(…だが…)
三國(そろそろ時間稼ぎも限界か)
スラッシュ
聖沢「メゾ!800万!」
『MEZZO FLATION』
『EXECUTION』
聖沢「残念だったな」
聖沢「こいつのメゾは数十秒間、相手アセットのフレーションを禁止させる」
三國「…」
聖沢「喰らいやがれ」
聖沢「ダイレクト1000万!」
『DIRECT』
三國「…」
三國「ダイレクト1200万」
『DIRECT』
聖沢(1200!?)
聖沢(ダイレクト同士でガチンコする気か)
聖沢「いっけええええ」
ザンッ
スッ
三國「……遅いな…っと!」
ザシュ
聖沢「ぐああああああああああ!!!」
ザアアアアアア
聖沢「…」ハァハァハァ
聖沢「てめー」
聖沢「トルス!!来い!」
聖沢「ミクロ400万!」
聖沢「そして!」
聖沢「ダイレクト1500万!」
スラッシュ
『MICRO』
『DIRECT』
三國(…さすがに……)
三國(…避けられん、終わったな…)
『150』
ガクッ
三國「…」ハァハァハァ
ガクン
バタッ
三國「…」ハァハァ
聖沢「…三國の奴本当に何もしてきやがらねえ」
聖沢「最後の方で[Q]を出すかとも思ったが…」
聖沢「これじゃあお得意のバランスディールもクソもねえな」
聖沢「まあいいか…」
聖沢「ダイレクト2000万!」
『DIRECT』
聖沢「くたばりやがれぇえ三國ぃぃ!」ダッ
三國(…万事休すか…)
三國(…これもこれで……)
三國(……いや、諦めるわけにも)
三國「…」スゥー
三國「誰かー!俺を買ってくれーー!!」
『WATCH』
『WATCH』
『WATCH』
シュ
ピコッ
『YOURS』
『MIKUNI IS YOURS』
周囲「?」ドヨドヨ
真坂木「はて」
真坂木「人身の売買などルールにありませんが」
余賀「はい!俺が買う!!」
余賀「…魂1つで…6億円!…買いだっ!」
スラッシュ
『MINE』
周囲「6億…!?」
真坂木「さっきから何を」
真坂木「…」
真坂木「なるほど、三國様を助ける為にまぁ」
真坂木「これは規則上」
真坂木「単なる譲渡になるんですけどね」
真坂木「まぁいいか」
ザシュ
三國「ぐおおおおお」
聖沢「くっそおおおお」
三國「くっ…残念だったな、その程度のダイレクトじゃ…くらっても」
三國「まだ生きれるようだ」ハァハァ
聖沢「……どうしてこんなことが…」
三國「…信用ってやつだよ」ハァハァ
三國「人としてのなっ…」
聖沢「うわわああああ」ダッ
三國「そう簡単に間合いから逃げられると思うなよ」ハァハァ
三國「ダイレクト!2億!!」
聖沢「2億!だとおおお!!?」ダッ
『DIRECT』
『36』
三國「うぉぉおお!!」
ザザザシュ!!
聖沢「ぐああああああああ!!!」
ザアアアアア
『CLOSING』
三國「…やったか」ハァハァ
『YOU HAVE GAIN』
聖沢「ぐおおお!クソッ!何でこんな事に!」
『YOU LOST』
『YOU ARE BANKRUPT』
ピキッ
聖沢「俺の…俺のプラチナカードがぁぁああ!」
フォン
三國「…聖沢は破産、追放か…」
三國「…何とか生き残れたな」
バタッ
三國「…」ハァハァハァ
余賀「三國さんっ…!」ダッ
三國「…公麿か」ハァハァ
余賀「三國さん!大丈夫!?しっかりして!」
三國「…」ハァー
三國「…もう大丈夫だ」
余賀「さっきの試合、すごくひやひやしたんだから」
三國「ははっ、聖沢の奴、油断してたからな」
三國「次からはこうもいかんだろう…」
余賀「…三國さん……」
余賀「……」ハッ
余賀「っていうか三國さん!何であなたのアセットが…!」
三國「…」
余賀「どうなってるんだよ!」
余賀「おい!真坂木ーー!」
三國「…呼ばなくて良い」
余賀「でもっ…」
三國「俺のアセットがいない理由は分かっている…」
余賀「え?」
三國「それは単純な事だ…無いからな俺には」
余賀「金ですか!?金なら俺が!」
三國「…[未来]だよ」
余賀「み…らい…」
三國「忘れたのか?」
三國「…いや、言ってないだけか…」
三國「俺はお前と闘う前に[輪転機]を2回廻してるんだ」
余賀「…2回」
三國「…そう、一回廻す毎に20年分の未来が消える…」
三國「40年分の未来…」
三國「そして今俺は33」
三國「日本男性の平均寿命を考えるなら死んでもおかしくない年齢」
余賀「…そんな」
三國「…もう俺は死に掛けってわけだ」
余賀「そんなことって」
三國「本来は逆回転させたお前の未来も消えるはずだったんだがな」
余賀「…」
三國「完全に廻リ切る前の[決算前]ということで不問に付されたようだ」
三國「もちろん[未来]が無くなるってのは死ぬことじゃないかもしれない」
三國「でもそれならそれで俺は…歩く屍だよ」
余賀「…ありえないよ……」
余賀「…」
『120』
余賀「そろそろか…」チラッ
余賀「行くぞジェルジュ[B]だ!」
ジェルジュ「グル!」
スラッシュ
余賀「メゾフレーション700万!」
『MEZZO FLATION』
『E・B・O』
余賀([B]なら…)
余賀(後ろに身を潜め)
敵「うおおお、煙の中正面からつっこんできやがった!」
敵「ダイレクト300万」
『DIRECT』
余賀(このタイミングで…斬る!)
余賀「ダイレクト800万」
『DIRECT』
敵「!?」
余賀「こっちが本物だ」
ザシュ!
敵「ぐあああああ」
余賀「…こんなところか」
余賀「サンキュー!ジェルジュ」
ナデナデ
ジェルジュ「グルルルル♪」
余賀「では…」
余賀「……そろそろ止めを」
余賀「ダイレクト700万」
『DIRECT』
敵「待ってくれ!殺さないでくれ!!」
余賀「…別に殺すつもりはないがな…」
余賀「……お前…未来を失いたくないか?」
敵「ああ!失いたくない!」コクンコクン
余賀「…そうか」ニヤリ
余賀「よしっ、なら今から俺の言う事を聞くんだ」
敵「…?」
余賀「…じゃあ、早速」
『CLOSING』
『YOU HAVE GAIN』
余賀「ぼちぼちってとこだな」
三國「まあ、ほとんどお前のお陰だがな」
余賀「やめてくれ」
余賀「三國さんのお陰で…」
余賀「俺はまた金融街で闘う気になったんだから……」
三國「それで」
三國「お前の方はどうだった?」
余賀「俺は…」
余賀「・・・どうだ」
宣野座「…なる程」
宣野座「それはもしかしたら、もしかするかもね」
余賀「だろ!」
余賀「宣野座…お前も五王の一人だし」
余賀「一緒にやろうぜ」
宣野座「…余賀君」
宣野座「気持ちは嬉しいけど僕は…」
宣野座「今の僕には力が無い…」
余賀「…資金ならっ」
宣野座「資金だけの問題じゃない」
宣野座「君達の話を聞く限りじゃあ」
宣野座「カリュマはもう僕のアセットじゃあない…」
余賀「…!」
宣野座「資金も無い、強力なアセットもいない」
宣野座「そして何より…」
宣野座「僕にその気力が無い」
余賀「…」
宣野座「悪いけど…帰ってくれ」
余賀「…だって」
三國「俺も進藤に話をしてみたんだが」
余賀「…進藤?」
三國「…ほらいただろ」
三國「あの金髪のモヒカンの男」
余賀「あぁ…」
三國「あいつは俺の右腕だったからな」
三國「頼んでみたんだが」
余賀「…結果は?」
三國「俺にはもうついて来れないそうだ…」
三國「はは…」
余賀「…」
三國「…まあ落ち込んでいても仕方が無い」
三國「上に立つ者にはよくある事だ」
余賀「…そうだよね」
三國「それより…とりあえず次が最後か…」
三國「長かったような、短かったような」
余賀「まあね」
余賀「でもまあ」
余賀「次の相手は一週間前に入ったばかりの新人だから顔も分かんないけど」
余賀「勝ってくる」
余賀「……勝ってくる、誠実に生きる為に」
三國「…そうだな」
真坂木「余賀様」
真坂木「最近毎日のようにディールをしてるじゃないですか」
余賀「ディールに義務はあっても制限は無いはずだろ」
真坂木「それはもちろんっ」
真坂木「[取引]…ですからね」
余賀「分かったらさっさと相手を呼んでくれ」
真坂木「本当によろしいのですね…」
余賀「当然だろ」
真坂木「分かりました」ニタニタ
余賀「…?」
真坂木「では、こちらに」
シュ
スタッ
?「…」
「!!??」
余賀「…」
余賀「・・・あ…あれ、真朱…か…」
余賀「…真朱?おい!真朱!!真朱ぅ!!!」
?「…?」
真坂木「どうかされましたか」クスクス
余賀「おい!どうなってんだ!」
余賀「どうして真朱が…」
真坂木「真朱」
真坂木「違いますね…」
真坂木「彼女は…」
?「…ムア…ですけど……私…」
余賀「は?ムア」
余賀「……ムア」
余賀「!?」
余賀「ムアって……親父のアセット!!」
余賀「!…それって、どういう…」
真坂木「それでは時間も無いので始めますか」
キュイーン
キュイーン
バチバチバチ
『666』
『OPEN DEAL』
カーン
余賀「おい!真坂木!待ってくれ…っ!」
余賀「俺には訊きたい事が…」
真坂木「勝負が終わってからにしてください」
真坂木「彼女の[未来]を奪ってから」アハハハ
ムア「…行きます」
余賀「くそっ…」
余賀(彼女の資産は約1000万円)
余賀(俺とは資産・経験共に圧倒的な差があるがっ…)
余賀「ジェルジュ!まずは[S]で行く![G]は無しだっ!」
ジェルジュ「グルル」
余賀「とりあえず…ダイレクト100万」
『DIRECT』
ムア「ならば私も負けません!」
ムア「ダイレクト200万」
『DIRECT』
余賀(総資産1000万で200万使うのかよ…)
ムア「はっ」
ザンッ
余賀「…」
スッ
ムア「あれ!?」
ムア「やぁ!」
ザンッ
スッ
余賀「おい!待ってくれ!とりあえず俺の話を…」
ザンッ
余賀「うわぁっとと」
ヒョイ
ノア「やあ!」
ザンッ
余賀(全然話聞いてくれないな…!)
ムア「…それなら」
ムア「ダイレクト400万」
『DIRECT』
余賀(さらに200万も増資しやがったっ!!)
ノア「はっ!」
スカッ
余賀「仕方ねぇな」
ガシッ
余賀「こうして右腕押さえとけば、斬れねぇだろ」
ムア「キャッ」
余賀「えっ・・・」
ムア「…っ」
ノア「来てっ!真蒼」
余賀「まそう?って…」
ムア「メゾ500万」
スラッシュ
『MEZZO FLATION』
余賀「バカッ!そんなに使ったら…!」
シュ
真蒼「…」
余賀「!!お前っ…」
『SCORCHED EARTH』
真蒼「スコーチド・アース!」
余賀「スコーチド…アース…!!?」
キュイーン
余賀「…嘘だろ」
ギギギギギギギギギギギギギギギギ
余賀「がああああああああああ!!」
ギギギギギギギギギギギギギ
余賀「…」シュ~
余賀「…」バタッ
三國「…」
三國「…なんだあれは…」
三國「蒼い炎…」
三國「…それに」
三國「…あれは……2人の真朱…?」
真坂木「クククク」
真坂木「アハハハハハ」
真坂木「ハハハッハハ」
三國「…」
余賀「…」
ムア「…気絶したみたいですね」
ムア「ならば、ダイレクト600万」
余賀「…」ピクッ
『DIRECT』
ムア「止めといきます」
シュ
ムア「…!」
ザシュ×ザシュ
ノア「…これは…」
ノア「相殺っ…!」
余賀「…」
余賀「…ったくよ」
余賀「お前は資金も考えずにマネーゲームしやがって」
余賀「危なくて見てらんねぇんだよ」
ギギギギズサッ
ムア「キャッ」
シュウー
ムア「私のダイレクトが…」
ムア「ならば…ダイレクト700万!」
余賀「させるか!ダイレクト800万!」
『DIRECT』
『DIRECT』
ムア「今ですっ、真蒼!」
ムア「マクロフレーション!!一千万!」
余賀「!?」
余賀「馬鹿野郎がぁああああ!!」
余賀「そんなことしたら!破産だろうがぁあ!!」
スラッシュ
『MACRO FLATION』
キュイイイイーーン
余賀「くそっ!!」ダッ
ザシュ
ムア「…嘘っ……この人…自分から斬られに…」
余賀「ぐあああああ」
余賀「ああああ」
余賀(これで何とか…)ハァハァ
『OVER HEATED ECONOMY』
ムア・余賀「はっ」
ムア「真蒼!」
ムア「真蒼!!」
ムア「真蒼やめてぇええええええええええ!!!」
ズズズズ
真蒼「はああああ」
バーン!!ダダーン!!!
真蒼「オーバー!」
真蒼「ヒーテッド!」
真蒼「エコノミーー!!」
ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ
ギギギギギイイイイイイイイイイィィィィィ
余賀「…ぐはぁああああ」
ィィィィィィィィィキィィィィィ
余賀「…うおおお」
ィィィギィィィィィィィ
余賀「…がはああああ」
ィイィィィィィ
ィィィィィンンンンンン
余賀「…」バタンッ
真蒼「…」ハァハァハァ
ガクッ
ガシッ
ムア「大丈夫!?」
真蒼「うん、何とかね」
ムア「…」
真蒼「…ごめん、途中で止められなかった」
ムア「いいのよ」
ムア「いいの…悪いのは私ですから」
ムア「…」
真蒼「あの人は?」
ムア「煙がすごくて…」
シュー
ムア「…!」
余賀「…」
ムア「大丈夫ですか」ダッ
真蒼「…」ダキッ
余賀「…」
真蒼「大丈夫なのっ!?」
『0』
『CLOSING』
ムア「…終わった…?」
『YOU HAVE GAIN』
余賀「…」
ムア「あの…」
「公麿!!」ダッ
ダキッ
ムア「!?」
三國「公麿!」
三國「公麿ーー!!」
ムア「あの…だいじょ」
三國「おい!!公麿!公麿!!」
ムア「…」
真蒼「…」
三國「おい!」
ユサユサ
三國「おい!!」
ユサユサ
余賀「…」ピクッ
三國「公麿!?」
余賀「…悪いジェルジュ」
余賀「夢中になっちまってよ…」ナデナデ
ジェルジュ「クゥウウ」
余賀「…大丈夫だから」
三國「公麿!お前本当に大丈夫か!?」
三國「痛い所とかは」
余賀「はは、三國さんも意外と心配性だな」
余賀「痛い所は腐るほどあるけど大丈夫だよ」
三國「そうか…」
ムア「…」
公麿「…俺も炎に焼かれるとは」
三國「…そうだ!あれは一体…」
ムア「あのー」
余賀「あんた!」
ムア「先ほどは…」
バシーン
ムア「キャッ!」
公麿「お前!何やってんだ!!」
公麿「下手すれば命落としてたんだぞ!」
公麿「馬鹿やろ…」
公麿「痛てててて」
三國「まだあんまり動くな」
ムア「…」
ムア「……ません」
三國「は?」
ムア「申し訳ございません」ペコリッ
三國「…」
余賀「…」
余賀(思ったより根性あるんだな…)
余賀「…なあ」
ムア「…?」
余賀「…少し話があるんだけど良い?」
三國「…つまり、これがお前の父親の[未来]…」
余賀「…ってことになるな」
ムア「まさか…そんな、私が…?」
真蒼「…」
ムア「にわかには信じられませんが…」
余賀「でも間違いない」
余賀「角とかはもちろん無いけど」
余賀「あの写真に親父と一緒に写ってた黒髪のアセット」
余賀「そして[ムア]という名前」
余賀「…間違いなく君は親父の[未来]を体現したもの!…のはず」
ムア「…そう言われましても」
ムア「確かに私と真蒼とは姿形がそっくりだとは思っていましたが」
余賀「…そうだね」
余賀「…」
余賀「とりあえず今日は別れて、また今度話そうか」
真蒼「…」
ムア「…ほら、真蒼も何か言う事無いですか」
真蒼「…ない」
ムア「…すいません」アセッ
ムア「普段は優しい子なんですけど…」ペコリッ
真蒼「…フン」
余賀「いえいえ、方向性は違うけどこういうところも」ハハッ
余賀「…」
余賀「真朱そっくりですよ」ハハハ
真蒼「…」
>>270
はい
宣野座功
6話に登場
NPO法人コンコード・ゲイン代表
29歳
発展途上国へ直接支援を行う
世間からは「ボランティア王子」で親しまれる
アセットはTOP5の「カリュマ」
何かおかしいところありますか?
三國「俺はあんまり信じられないんだがな…」
余賀「…でも確信したよ」
余賀「俺、あの人と結ばれるんだ」
三國「それは飛躍しすぎじゃないか」
三國「…」
三國「女性経験の少なさが、そんな論理を生むんだ」
余賀「うるさいなー」
余賀「……いつかさ」
三國「…」
余賀「…真朱が生まれる夢をみたんだ」
余賀「そこは病室で、母親が居て…」
余賀「俺に言うんだ」
余賀「〈お父さん、名前付けてください〉って」
三國「…」
余賀「だから俺がつけるんだよ…」
余賀「…真朱」
三國「…その時の奥さんがムアさんだって言うのか」
余賀「多分…いや、絶対!」
余賀「口調や声がそっくりだったし…何より」
三國「…何より?」
余賀「俺の直感がそう告げている」
三國「お前…焼かれすぎて頭おかしくなったんじゃないか」
余賀「そこだよ!」
三國「…どこだよ」
余賀「真朱は俺の娘」
余賀「それは決まってるんだ、俺が名前つけたしな」
余賀「それで、ムアさんは俺の妻」
三國「…」
余賀「なら真蒼は誰だってことになる・・・」
余賀「あの能力…真朱そっくりだった…」
三國「…確かにな」
余賀「真朱は俺の[未来]…俺の娘」
余賀「そして真蒼はムアさんの[未来]…ムアさんの娘」
余賀「その二人がそっくりってことは」
余賀「俺とムアさんの子供だってことだ」
三國「…一応辻褄はあってきてるな…?」
余賀「…それにサトウさんも言ったんだ」
三國「…」
余賀「真朱は俺と親父の[親子の絆]だって」
余賀「…それに」
三國「?」
余賀「…覚えてる?」
余賀「俺が親父の手帳を見せたときの事」
三國「…ああ」
余賀「あの時俺は親父のことを責める気持ちしかなかった」
三國「…」
余賀「…そこを三國さんがとめてくれたんだ…!」
余賀「…それに関しては感謝してる」
三國「…」
余賀「…ってのは置いといて」
三國「置いとくのか!」
余賀「あの手帳に羅列して合った数字」
余賀「途中からほぼ安定してたんだ…」
余賀「Mの…」
余賀「……3億…」
三國「!?」
三國「…3億か…」
余賀「今の金融街じゃあ」
余賀「俺達は初心者相手に圧勝しなくちゃいけないから」
余賀「こんなに大金を使って戦ってるけど」
余賀「普通なら3億持ってる人間がいきなり破産して自殺すると思う?」
三國「…」
三國「…確かに不可解だな…」
余賀「親父はディールが強かったらしい」
余賀「手帳に書かれた数字は細かく刻んであった」
余賀「…途中で面倒になったとは思えないし」
余賀「大敗したとも思えない」
余賀「…分からないけど」
余賀「親父は見つけたんじゃないのかな?」
三國「…」
三國「…何を?」
余賀「……資産を犠牲にして…アセットを…」
余賀「[未来]を現実世界に還す方法…」
三國「…だから…ムアさん」
三國「…そういうことか…」
余賀「[輪廻]っていうのか…[運命」っていうのか…」
余賀「だからっ…!」パァー
余賀「彼女は…」
余賀「…恐らくノアさんは親父の……!」
三國「とにかく!!」ガタッ
余賀「?」
三國「今のお前はものすごく混乱してるというか、興奮してるようだ」
三國「一回この事は忘れて冷静になれ」
余賀「…わかった」
三國「ふぅー」
余賀「…」
三國「…それに、どうするつもりだ…」
三國「お前は…」
余賀「…それとこれとは話が別だ」
余賀「…やるよ」
三國「…いいのか?」
余賀「ああ、これはあの日からの決断だから」
三國「死んでもしらんからな」
余賀「…俺ね」
三國「…?」
余賀「[未来]と同時に」
余賀「……[運命]っていうのを生まれて初めて信じたくなったんだよ」
余賀「いよいよか…」ゴクッ
三國「…」
パッ
真坂木「お二人とも」
真坂木「どうかなさったんですか」
真坂木「よ・び・だ・し・なんて」
真坂木「緊張してしまいました」ヘラヘラ
余賀「…真坂木、今日俺達は交渉に来た」
真坂木「交渉?はて交渉とはどういう字を書くのでしたっけ」ニヤニヤ
三國「・・・いい加減にすることだな」
三國「俺達は[世界金融街]へ」
三國「神の金融街へ行く」
三國「そこで世界中の金の猛者達とディールで勝ちまくって」
三國「日本の市場を拡大することにした」
真坂木「神」
真坂木「神?」
真坂木「神!!」
真坂木「あははははははっははは」
真坂木「どうされたんですか」
真坂木「お二人らしくない」
真坂木「ここに来て神とは」
余賀「…何ならお前の「上司」でもいいぞ」
真坂木「何を言っているのか」ヘラヘラ
三國「…」ギロッ
余賀「…」ジー
真坂木「…」
真坂木「仕方ないですね」
真坂木「もしも」
真坂木「もしも嫌だと言ったら」
真坂木「どうなさいますか」
三國「当然…」
余賀「…無理矢理にでも話をつけさせてもらう」
真坂木「ではどうなさいますか」
三國「それはもう終了している」
三國「この金融街の支配権は俺らにある」
三國「ムアを除く全てのアントレを破り」
三國「ムアを含む全てのアントレに約束させた」
真坂木「約束?」
三國「一つ、ディールにおいて相手の資産を10%以上削ってはいけない」
三國「一つ、その他の賭博、諜報行為などにおいて資産を減らしてはいけない」
三國「一つ、余賀公麿及び三國壮一郎がディールする際には100万円を残し資産の全てをその両名に譲渡すること」
三國「なお、最後についてはディール終了後満額返還するものとする」
真坂木「なるほど」
三國「つまり、もうこの極東金融街は俺達の掌の上にあるってことだ」
真坂木「しかしどうやって」
余賀「…誓約書だよ」
余賀「あの誓約書を使って全員に書かせたんだ」
余賀「そんな事分かってんだろ…」
真坂木「はい」
真坂木「もちろん」ヘラヘラ
真坂木「しかし」
真坂木「この金融街には新人がどんどん現れますが」
三國「…そん時はすぐに指名して瞬殺するだけだ」
三國「…そんなことしたら俺達のディール時の資産も増える事になるがな」
真坂木「なるほど、なるほど」
真坂木「正攻法、まさに正攻法」
真坂木「私も正攻法を取るなら」
真坂木「もう」
真坂木「挑戦を受けるしかございません」
真坂木「それにしても」
真坂木「まさか金融街の管理人が挑戦状を受けるとは」
真坂木「前代未聞…なんですかね」
三國「…」
余賀「さあ、どうする?」
余賀「といっても、もう逃げ道はないぞ」
余賀「新人アントレもすぐにこの誓約に縛り付ける」
余賀「もう誰も[未来]を失うことはないし」
余賀「もうミダスマネーを発行することも出来ないだろ」
真坂木「ふむ」
真坂木「こうなった以上はやはり」
三國「そう、この閉塞状況を打破するには」
余賀「…ディールで勝負だろうな」
三國「…」
三國「俺達は神への切符を求めて」
余賀「この誓約書314枚を懸ける」
真坂木「はあ」
真坂木「上司になんて説明をすればいいのやら」
真坂木「……」
真坂木「…」ギリッ
真坂木「それだけでは済みませんよ」
真坂木「お前達2人の[未来]を喰らい尽くす」
真坂木「闘いの…始まりだ」
真坂木「…」
真坂木「ディールを」
真坂木「承認いたします」
ゴゴゴゴゴゴゴ
『∞』
余賀「…」
真坂木「…タイムリミット無し」
真坂木「どちらかが破産し尽くすまで闘う」
真坂木「それでよろしいですね」
余賀「ああ」
三國「もちろんだ」
「ちょっと待ってくれ」
三國「…!?」
「僕も入れてよ」
真坂木「…」
余賀「お前…宣野座!」
三國「お前…」
宣野座「やあ、余賀君」
宣野座「そして三國さん、久しぶり」
三國「…お前もやるのか」
宣野座「うん、心強いでしょ」
三國「…」
余賀「…でもお前資産が」
宣野座「それなら大丈夫」
余賀・三國「…?」
宣野座「君達の分けて貰うから!」ニコリッ
三國「……お前な」
宣野座「何?」ニコニコ
三國「……何でもない」
宣野座「…大丈夫、僕のアセットを確認したら」
宣野座「[カリュマ]だった…十分戦力にはなると思うけど?」
三國「…そういう問題じゃあ…っ」
宣野座「それにね」
宣野座「僕だけじゃないよ」
余賀「…!」
余賀「ムアさん…!」
ムア「こんにちは」
ムア「ええと、一応手を貸せたらなと思いまして」
余賀「でもディール初心者のムアさんには…」
宣野座「ムアさんに負けたくせに」ププッ
余賀「おい、宣野座!…お前なぁ」
ムア「…大丈夫です、基礎は全て宣野座さんに叩き込まれましたから」
余賀「…」
宣野座「…あははは、まあ、暇だったからね」
三國「…」
余賀「三國さん!」
三國「…ムアさん」
ムア「…何でしょうか」
三國「絶対に無理はしないと誓えますね」
余賀「…!三國さん!」
三國「ムアさんの真蒼は強力だ」
三國「それはお前は一番よく分かってるだろ」
余賀「…」
三國「大丈夫…危険にはさらさないさ」
宣野座「…」
宣野座「じゃあ…何はともあれ」
三國「…この四人で…行くかっ!」
三國「待たせたな真坂木」
真坂木「別に」
真坂木「構わないですよ」
真坂木「それで」
真坂木「資産はどのようにいたしましょう?」
真坂木「今」
真坂木「あなた方アントレが持ってる資産を全て合わせると」
真坂木「…362億ってところですが」
真坂木「それなら」
真坂木「私の総資産も362億ってことになりますね」
余賀「…」
ムア「それって…」
真坂木「特別に」
真坂木「[輪転機]に溜まっている[未来]を使わせてもらいます」
真坂木「本来は」
真坂木「ありえない処置ですが」
真坂木「ディール時には[未来]の代わりに可視の数字として」
真坂木「仮のミダスマネーを使用します」
真坂木「つまり」
真坂木「私にダメージを与えるごとに」
真坂木「誰かがミダスマネーを失うことなく」
真坂木「誰かの[未来]が還ってくるという事です」
三國「…」
宣野座「けれど、そんなことしたら収支のバランスが…」
真坂木「私が」
真坂木「あなた方に負けるはずもございません」
真坂木「あなた方から金と[未来]を巻き上げて」
真坂木「他の方々からまた新たな[未来]を奪うだけのことでございます」
ムア「…」
余賀「…へっ、なら勝つだけだ」
余賀「さっさと始めよう」
三國「…では」
三國「俺達は誓約書の効力を使わせてもらう」
三國「そしてその後」
三國「資産をこの四人で分配」
三國「362億から」
三國「100万がノアさんと宣野座を足した316人分引かれた後」
三國「残りの全てが俺達の資産になる」
三國「…」
余賀「勝つっ」
ムア「行きます!」
宣野座「…行くよ」
真坂木「それじゃあ」
真坂木「始めましょうか」
『真坂木』「総資産362億円」
『?』「アセット」
VS
『余賀公麿』「総資産120億円、アントレ」
『ジェルジュ』「アセット」
『三國壮一郎』「総資産120億円、アントレ」
『宣野座功』「総資産80億円、アントレ」
『』「アセット」
『ムア』「総資産40億円、アントレ」
『真蒼』「アセット」
『OPEN DEAL!!』
『真坂木』「総資産362億円」
『?』「アセット」
VS
『余賀公麿』「総資産120億円、アントレ」
『ジェルジュ』「アセット」
『三國壮一郎』「総資産120億円、アントレ」
『宣野座功』「総資産80億円、アントレ」
『カリュマ』「アセット」
『ムア』「総資産40億円、アントレ」
『真蒼』「アセット」
『OPEN DEAL!!』
カーン!
『∞』
余賀「功とムアはバックアップ!」
余賀「俺と三國で近距離戦闘をかましてやる」
宣野座「…」
三國「…よしっ」
ムア「わかった!」
余賀「出し惜しみしてられないよな」
余賀「メゾフレーション700万」
『MEZZO FLATION』
『E・B・O』
プシュー!
ムア「何これ?すごい霧…!」
宣野座「ジェルジュは霧を出して撹乱した後」
宣野座「自分のアントレの姿を模して相手の動揺を誘うんだよ」
余賀・三國「ダイレクト2億!」
『『DIRECT』』
余賀「うおおおお!」ダッ
余賀「うおおおお!」ダッ
三國「おおおお」ダッ
真坂木「ふんっ」
真坂木「ダイレクト…2億5000万!」
『DIRECT』
真坂木「一文字斬り!」
ブオオオオォォォォ
余賀「うわわああっと」
ヒョイッ
三國「ふんっ」
スッ
余賀「…」
サッ
余賀「…一文字斬りか、何か良いな…」
三國「…」
ムア「…凄い…です」
ムア「何十メートルもある扇を綺麗に描き出しましたよ…」
宣野座「…」
宣野座「それじゃあ、そろそろ僕達も行くよ」
宣野座「あれじゃあ、二人が近づけないからね」
宣野座「カリュマ!!」
ムア「!」ビクッ
スラッシュ
宣野座「メゾフレーション2000万」
『MEZZO FLATION』
『ANGEL』
ムア「!私も!…メゾフレー…」
宣野座「駄目だっ!」
ムア「!?…えっ?」
宣野座「真蒼の攻撃はとても強いが…無差別だ」
宣野座「三國さんはアセットがいないからガードが出来ない」
ムア「…じゃあ、どうすれば」
宣野座「ミクロフレーションを打ちまくる、正確に」
ムア「…はい!」
ムア「ミクロフレーション800万!」
『MICRO』
宣野座「行け!カリュマ!!」
ムア「行ってください!」
ピカッ
『A』『A』『AA』『A』『A』『AAA』『AA』
『ANGEL』
カリュマ「…」
ズザザザザザザザザザザザザザザザザザ!!!
真蒼「…すごっ…電…いや雷撃?」
真蒼「…」ハッ
真蒼「私も…いっけー!」
キュイイイン
真坂木「!?」
真坂木「ぐああああああ!!」
宣野座「よしっ!当たった」
三國「公麿!」
余賀「おう!」
三國・余賀「ダイレクト2億!!」
『『DIRECT』』
三國「うおおおお!」
余賀「あああああ!」
三國「一文字っ!」
余賀「斬りっ!!」
ズザァアアア
真坂木「ぐおあああああ」ブハッ
三國「畳み掛けるぞ!」
余賀「おう!」
三國・余賀「ダイレクト5億!!」
『『DIRECT』』
三國・余賀「I文字切りっ」
ズザッ!ズザッ!
真坂木「うおおおおおお」
真坂木「…」ビクンッビクンッ
三國「…どうだ?」
余賀「…確実に効いてる」
余賀「…っていうかこいつ…」
余賀「気絶してる…」
三國「…」
三國「…ここは」
余賀「…」コクン
宣野座「…どうやらやるようだ」
ムア「…?」
宣野座「まあそこで見ててね」
三國・余賀「ダイレクト!」
宣野座「メゾフレーション!」
三國・余賀・宣野座「15億!!」
『D』『D』『『DIRECT!』』
『MEZZO FLATION!』
『ANGEL』
三國「一文字斬り!」
シュ
余賀「Ⅰ文字斬り!」
シュ
三國・余賀「…合わせて……」
三國・余賀「十文字斬りっ!!」
ズザッ×ズザッ
カリュマ「…」
ズザアアアアアァァァァァ!!!!!
バンッ!!
宣野座「!!?」
宣野座「…僕のメゾが!?」
キュイイイン
宣野座「あれは…ガード!?」
三國「何だこのガード…」
ギギギ
余賀「…っくそ、俺のダイレクトが止められてんのか?」
ギギギ
キュイイイイン
真坂木「やれやれ」
真坂木「こんなにやってくださいまして」パッパッ
真坂木「体中傷だらけじゃないですか」
キュイイイイン
余賀「真坂木!何でガードが機能してんだよ!」
真坂木「はい?」
真坂木「ああ」
真坂木「これの事ですか」
真坂木「…私がアセットを使わないなんて一言も言ってませんよ」ニヤニヤ
三國「アセット…?」
真坂木「…私もアントレみたいなものですからね…」
真坂木「そうですよね…愛しの姫」
キュイイイン
?「わたしはべつにひめなどではないのです…」
余賀「!!?」
余賀「あれは…!」チラッ
三國「……Qっ!!」
Q「わたしはQなのです」
宣野座「…!」
ムア「…?」
宣野座「…」
宣野座「…やばい化物が出てきたな…」
宣野座「ムアちゃん」
ムア「はい」
宣野座「もう少し下がっててね」
ムア「…はい」
余賀「何でQがここにっ…!」
真坂木「彼女は惜しいから残して置いたんですよ」
三國「…」
余賀「残す?」
真坂木「…「輪転機」の中に…ね」
真坂木「余賀様の[輪転機]逆回転で」
真坂木「全ての未来が世界に戻ったわけではございません」
真坂木「[上]の指示により少しだけ[未来]を残して置きました」
余賀「!…てめぇ!」
真坂木「これは」
真坂木「何らおかしいことではありません」
真坂木「銀行だって倒産するとき」
真坂木「持ちうる金全てを預金者に渡すわけではないでしょう」
余賀「…それは…そうだが」
余賀「…[未来]を、金と一緒にすんなよ…!」
真坂木「ふはは」
真坂木「アントレプレナー様とは思えない発言ですねっ」
真坂木「しかし」
真坂木「これは冗談でございます」
余賀「はぁ?」
真坂木「いえ」
真坂木「そうした事実はございますが」
真坂木「このアセットの場合はその限りではございません」
真坂木「このアセットは[輪転機]が廻り終わった後に」
真坂木「中に入りましたからね」
真坂木「そう」ニタァー
真坂木「余賀様に負けて三國様が救えなかった[未来]としてね!」
三國「…」
真坂木「ハッ」
真坂木「こいつは最強最悪のアセットですので」
真坂「仕方ありませんが」
真坂木「私が自由に使ってやることにしたわけでございます」ニヤニヤ
スラッシュ
三國「ダイレクト20億」ボソッ
余賀「三國っ!?」
『DIRECT』
シュッ!
ザンッ!!!!
真坂木「へ?」
真坂木「!!」
真坂木「うわあああ!!!」
余賀「…」
余賀「やったか…?」
三國「…」
三國「?」
三國「!」
真坂木「なんちゃって」
余賀「刀身が…無い…?」
真坂木「…」
真坂木「不意打ちとは汚ない真似してくれますね」
真坂木「ですが」
真坂木「速度はこっちの方が上だったようです」
Q「ごくんっ」
Q「エホッ」
余賀「Qのフレーションか…!」
余賀「でも、真坂木の野郎は出遅れたはずなのに、なんで…?」
真坂木「アセットはアントレを守る本能がある」
真坂木「そして、Qには…」
三國「勝手にフィールドに現れること」
三國「…そして」
三國「自発的にフレーションを打つことが出来る…っ」
真坂木「そういう事です」ニヤニヤ
Q「…」
真坂木「…おっと、そろそろ来るようです」
余賀「?」
三國「…公麿!散るぞっ!」
Q「…」ギリッ
『MICRO』『MEZZO』『MEZZ』『M、MI、MI、MICRO』
『ME、ME、MEZZO』『M、MI、MI、MIC』『ME、ME、MEZ、MEZZO』
『M、M、M、M』『MICRO』『ME、ME、MEZZO』『MEZZO』『MICRO』『MEZZO』
『『『MEZZO FLATION』』』
『CANNIBALIZATION』
ヒュン
ムア「…?」
ズ
ズドンッ!!!
ムア「!?」
宣野座「…っ」
ムア「宣野座さん!?」
宣野座「!…あ、ああ」
宣野座「…あれがQのメゾフレーション」
宣野座「[カニバリゼーション]だよ」
宣野座「一定空間を丸ごと食べてしまう」
宣野座「避けることは…ほぼ不可能」
宣野座「空間ごと喰い千切るとんでもない技だよ…」
ムア「…そんな」
宣野座「今のは直径15メートルってところだろ」
宣野座「…あれぐらいなら平気さ…あの二人なら」
ムア「…」
真坂木「ふぅ」
真坂木「相変わらず」
真坂木「勝手にチャージして」
真坂木「どんどん額が上がったところで一気にやりますね」
三國「来るぞ!」
余賀「おう!」
Q「…」ニタァー
バクンッ
バクンッ
バクンッ
バクンッ
ムア「…あれって」
宣野座「[カニバリゼーション]はコストさえ払えば」
宣野座「連発が可能なメゾなんだよ…」
宣野座「しかも…チャージはあのアセットが自動で行う…」
ムア「…そんな」
ムア「彼らは!彼らは大丈夫なんでしょうか!!」
宣野座「あんなに何回もやられたら逃げ場は無くなり…喰われるだけだけど…」
宣野座「…」
宣野座「頑張ってよ…二人とも」
バクンッ
バクンッ
シュ
余賀「…」
タッ
余賀「三國!どうする!?」
サッ
三國「どうするもこうするも…」
バクンッ
スッ
三國「…Qに攻撃するしかない」
余賀「でも…」
三國「…公麿!状況を考えろっ!」
余賀「……わかった」
余賀「……じゃあ俺が…」
三國「俺がQを斬るっ!」
余賀「…」
三國「お前程度じゃ、Qにすぐ喰われて終わりだ」
三國「…Qを…貴子を一番知っているのは俺だ」
余賀「…」
余賀「……わかった」
余賀「でも!三國!!」
余賀「忘れんなよ!アセットを攻撃しても大丈夫だから!!」
余賀「それに!Qは貴子さん本人じゃないからな!!」
三國「わかってる」
三國「…わかってるさ」
三國「…本人だってことは…」ボソッ
スラッシュ
余賀「メゾフレーション、1000万!」
『MEZZO FLATION』
『E・B・O』
余賀「頼んだぜジェルジュ!」
余賀「三國の姿になってサポートしてやれ!!」
余賀「グルルウ」
シューー
三國「グルルルル」
余賀「…それじゃあ」
余賀「こっちはこっちで…」
真坂木「やるとしましょうか」
余賀「ダイレクト!!」
真坂木「ダイレクト」
余賀「20億!」
真坂木「80億」
『『DIRECT!!』』
余賀「うおおおお!」ダッ
真坂木「あはははは」ダッ
ザンッ
三國「…」
三國「…まさか、サトウに助けられるとはな…」
三國「ふんっ…」
三國「行くぞジェルジュ!」
三國「グオオオオ」
Q「…この人達……どこかで見た事があるような気がするのです」
Q「…」
ズサッ
ザンッ
シュッ
真坂木「あはははは」
ズシュ
余賀「うおお!」
ザシュ
真坂木「あははは」
真坂木「全然当たりませんね」
ザンッ
余賀「うるせー!お前もだろ」
シュッ
真坂木「これほどのコストになると扱いづらくて仕方が無い」
ザンッ
余賀「くそっ」
ズサッ×ズサッ
余賀「相殺っ…!」
真坂木「ですか」
余賀「ダイレクトだ!」
真坂木「私も」
『『DIRECT』』
真坂木「私は本来」
真坂木「姿を消したり中に浮いたりも出来るんですがね」
真坂木「ふぅー」
真坂木「それにしても」
真坂木「[上司]になんと言い訳をすれば良いのか」
シュッ
余賀「神か!!」
ザシュ×ザシュ
『『DIRECT』』
真坂木「別に神々しいと言うだけで」
真坂木「神では無いんですけどね」
真坂木「世界に散らばる金融街をまとめ上げるお方ですので、はい」
ザンッ
余賀「そいつがっ!」
ザンッ×ザンッ
『『DIRECT』』
余賀「そいつが始めたのかっ!金融街を!」
シュッ
真坂木「いえ」
真坂木「金融街の歴史は人の歴史と共にありますので」
余賀「…?」
ズサッ
余賀「…」
余賀「…何でまた日本に金融街を創った!」
余賀「日本はもう大した経済力は無いだろうが!!」
ズバッ
真坂木「あははははは」
真坂木「どうしますかね」
真坂木「ここまで来たら」
真坂木「話しておきますか」
ザシュ×ザシュ
『『DIRECT』』
真坂木「金融街を創るのは」
真坂木「私達ではございません」
真坂木「あなた方でございます」
ザシュ
余賀「どういう…!」
シュ
真坂木「円を通貨とする唯一の金融街として成立した極東金融街ですが」
真坂木「元はあなた方の欲望の為に生まれただけの事でございます」
余賀「…欲望……?」
タンッ
真坂木「余賀様」
真坂木「つまり本当は」
真坂木「あなたも極東金融街へ来たかったのでございます」
余賀「…何を言って…」
真坂木「お父様が蒸発され」
真坂木「一人で金も無く生活して」
余賀「…」
真坂木「のどから手が出る程欲しかったはずです」
真坂木「…大金がっ!」
余賀「…だから」
余賀「だから!俺の前に現れたってか!」
真坂木「その通り」
余賀「でも、あの時は無作為抽出だって…!」
真坂木「そうでも言わないと」
真坂木「訝しがられてしまいますからね」
余賀「…」
真坂木「普通に考えて」
真坂木「そうでもなかったら」
真坂木「あんなに男性の中年ばかり集まるはずもないでしょう」
余賀「…」
真坂木「あれはつまり」
真坂木「金を欲する世代なんですよ」
余賀「…俺にはよく分かんねぇよ!」
真坂木「そうでしょうか」
真坂木「そんな事も無いと思いますが」
真坂木「子育てにギャンブル」
真坂木「基本的にはそんな理由ですよ」
余賀「…でも」
真坂木「〈俺の知る奴にそんなのはいない〉」
真坂木「ですか」
真坂木「そうですね」
真坂木「例えば」
真坂木「江原大介」
余賀「!!」
真坂木「経済観念の無い奥様の下で養育費を欲した」
余賀「…先生は、そうかもしれないけど」
真坂木「宣野座功…そして三國壮一郎」
真坂木「二人とも金を欲していた」
真坂木「それも大量に」
余賀「…」
余賀「…それはそうかもしれねぇけど」
余賀「みんなそうだろうが」
余賀「金を求めない人間なんていないだろうが!」
真坂木「いえ」
真坂木「そんな事はございません」
真坂木「貴方が思っているより」
真坂木「アントレは」
真坂木「もっと深い部分で」
真坂木「もっと汚れた部分で」
真坂木「お金を欲しているんですよ」ニヤニヤ
余賀「…」
真坂木「自分は裕福なのに」
真坂木「さらに金を求める」
真坂木「他人を助ける為、父親を葬る為」
真坂木「それとももっと」
真坂木「穢れた理由で…?」
余賀「そんな事ないっ!」
真坂木「まあそうは言っても」
真坂木「元々」
真坂木「正義感も大層なものなのでしょうね」
余賀「…」
真坂木「余賀様」キリッ
余賀「…?」
ザシュ
余賀「ぐああああああああ!!」
真坂木「闘いの最中だという事をお忘れなく」ニヤニヤ
ザアアアアアア
余賀「痛てええええ!!」バタバタ
真坂木「額が額ですからね」
真坂木「まあそんなわけで」
真坂木「人々の金への欲望が集まるところに」
真坂木「金融街は誕生する」
真坂木「10個目の金融街誕生も」
真坂木「もうすぐですよ」
真坂木「世界がうねって歪んでいますので…ね…」ニタニタ
真坂木「ご理解頂けましたか」
真坂木「金融街は慈善事業なのです」
余賀「…」
真坂木「私達は差し伸ばされた手を掴んでいるに過ぎません」
真坂木「私達に落ち度は露一つとしてございません」
余賀「…そんなわけねぇだろ」ハァハァ
真坂木「いえ」
真坂木「求める人を助ける」
真坂木「これを」
真坂木「[愛]というのですよ」
余賀「詭弁は止めろっ…!」
真坂木「ただし」
余賀「…?」
真坂木「金融街に欠点があるとすれば」
真坂木「それは」
真坂木「サポートの遅さ」
真坂木「といったところでしょうか」
余賀「…」
真坂木「例えば」
真坂木「三國様は妹様があのようになられた直後に」
真坂木「父親に復讐したかったでしょうし」
真坂木「宣野座様は貧困の現実を知ったその瞬間に」
真坂木「大金を欲したでしょう」
真坂木「そして」
真坂木「余賀様は想い人を寝取られる前に」
真坂木「お金があれば良かった」
余賀「…っ」
真坂木「違いますか」
真坂木「ただ」
真坂木「これも[上司]の命令なんでね」
真坂木「意図は図りかねますが」
余賀「…」
ザンッ!
ヒョイ
真坂木「不意打ちにしては狙いすぎていましたよ余賀様」
余賀「…っ」
真坂木「と・に・か・く」
真坂木「余賀様は」
真坂木「自ら望んでやって来る者達から」
真坂木「金融街というビッグチャンスを奪ってるんですよ」
真坂木「それは正義感ではなく」
真坂木「驕りではないですか」
余賀「でも…」
余賀「江原先生は…」
真坂木「彼も望んでここに来たんですよ」
真坂木「ここに来て」
真坂木「貴方に敗れた」
真坂木「それだけの事ですよ」
余賀「…それでも」
余賀「俺は…」
余賀「!?」
『『MEZZO FLATION』』
『ANGEL』
『SCORCHED EARTH』
ギギギギギギギギギギィィィィィィィィ!!!
キィーン!キィーン!キィーン!!!
真坂木「!!?」
真坂木「近いっ!?」
真坂木「ぐああああああぁあぁあ!!!!」
真坂木「おおおおおおおおお!!」
余賀「…」
宣野座「ははは、[E・B・O]の霧で分からなかったかい?」
宣野座「それとも…〈驕り〉かな?」
余賀「宣野座…」
宣野座「…」
宣野座「余賀君…」
宣野座「それは安易に答えを出す問題ではないよ」
余賀「…聞いてたのか」
宣野座「三國さんのような人の上に立つ人間にでも相談すれば良いさ」
余賀「…」
余賀「そうだな」
真坂木「いたたたたた」
余賀「…真坂木、もう降参するしかないんじゃないか」
真坂木「そうですね」
真坂木「1対5では」
真坂木「ですがっ!」
余賀「させねぇよ!」
『DIRECT』
ザシュ
スパンッ
余賀「!!!」
真坂木「うひゃひゃ」
真坂木「あひゃひゃひゃ」
余賀「…お前っ、腕を…」
真坂木「あはあはは」
真坂木「腕の1本や2本ぐらい」
真坂木「2本はまずいですが」
真坂木「でもこれで」
真坂木「マクロフレーション50億!!」
Q「…」
余賀「まずいっ!」
余賀「三國さんはっ…!?」チラッ
三國「…」ハァハァ
ジェルジュ「グルルルル」バタッ
三國「…すまん、公麿…」ハァハァ
三國「…俺じゃあ…」ハァハァ
三國「相手にもならなかった…ようだ……」ハァハァ
Q「…」
『MICRO』『MEZZO』
『MCRO FLATION』
『ECONOMIC BLOCKADE』
チカチカ
Q「…」
キュィーーン
余賀「くっそ…!」
余賀「…!!」
余賀(…くらったか)チリッ
ムア(何なんですかこれ!?)チリッ
真蒼(…このぉ!)チリッ
余賀(Qのマクロは相手の動きを完全に封じるんだよ)チリッ
ムア(…そんな能力が)チリッ
宣野座(どうにかして動かないとっ…!)チリッ
三國(…)チリッ
真坂木「あはは」
真坂木「80億も使われしまいましたか」
真坂木「でもまあ」
真坂木「上出来です」
真坂木「そういうわけで」
余賀(やばいっ!本当にやばいぞこれっ!!)チリッ
真坂木「すいませんがね」
ムア(と言われても全く動けませんっ!)チリッ
真坂木「行ってください」
宣野座(どうにかして抜けないとっ…!)チリッ
真坂木「化物!」
三國(…)
Q「…」
『MICR』『M』『M』『MEZZO』『MIC』
『MEZZ』『M、MI、MI、MICRO』
『ME、ME、MEZZO』『M、M、M、M』
『M、MI、MI、MIC』『MEZZO』『M』
『ME、ME、MEZ、MEZZO』『M、MI、MI、MICRO』
『M、MI、MI、MIC』『ME、ME、MEZ、MEZZO』
『M、M、M、M』『ME、ME、ME』『MICRO』『M』
『M、M、ME、MEZ、MEZZO』『M』『MICRO』
『MICRO』『M』『M、MI、MI、MIC』
『ME、ME、MEZZO』『M、MI、MI、MICRO』
『M、MI、MI、MIC』『MEZZO』
『MICRO』『MEZZO』『MI』『M、M、ME』
『MICR』『MEZZO』『M』 『M、MI、MI、MIC』
『ME、ME、MEZ、MEZZO』『M』『M』『M』『M、MI、MI、MICRO』
『M、MI、MI、MIC』『M』『MEZZO』 『M』『M』
『MICRO』『M』『MEZZO』『M』『MIC』
『M、M、ME、MEZ、MEZZO』
『MICRO』『M』『M』『M、MI、MI、MIC』
『M、M、M、M』ME、ME、MEZ、MEZZO』
『M、MI、MI、MIC』『M、MI、MI、MICRO』
『M、MI、MI、MIC』『MEZZO』『MI』『M、M、ME』『
『M、M、M、M』『M、MI、MI、MICRO』『M』『ME、ME、ME』
『MICRO』『M』『M』 『MEZZ』『M』『M』『M』『MICRO』
『ME、ME、MEZZO』『MICRO』『M』『MEZZO』『M』『MIC』
『ME、ME、MEZZO』『M、M、M、M』『M、MI、MI、MICRO』
余賀(早く!)
余賀(早く!!!)
『M、M、M、M』『ME、ME、ME』『MICRO』『M』
『M、M、ME、MEZ、MEZZO』『M』『MICRO』
『MICRO』『M』『M、MI、MI、MIC』
Q「…おいしそう」
キュイイイン
『M』『M、MI、MI、MIC』『M、MI、MI、MIC』『M』『MEZZO』 『M』『M』『MICRO』『M、M、ME、MEZ、MEZZO』 『MICRO』
『MICR』『M』『M』『MEZZO』『MIC』『MEZZO』『MICRO』『MEZZO』『MI』『M、M、ME』『M、MI、MI、MIC』『M』
『M、M、M、M』ME、ME、MEZ、MEZZO』『M、MI、MI、MIC』『M、MI、MI、MICRO』 『M、MI、I、MIC』『MEZZO』
『MI』『M、M、ME』 『M、M、M、M』『M、MI、MI、MICRO』『M』『ME、ME、ME』『MICRO』『M』『M』 『MEZZ』『M』
『ME、ME、MEZZO』『MICRO』『M』『MEZZO』『M』『MIC』『ME、ME、MEZZO』『M、M、M、M』『M、MI、MI、MICRO』
『『『『MEZZO FLATION』』』』』
『『CANNIBALIZATION』』
スッ
「…移譲」
バクンッ!!!
宣野座(ぐぁあぁぁぁ!!!!)ビリビリッ
余賀(宣野座!!)チリッ
宣野座(ぐあああ!!)ビリッ
宣野座(ぐうううう!!!)ビリッ
宣野座(ぐっ…)ビリッ
宣野座(くっ…はぁはぁ)チリッ
宣野座(……くっ)チリッ
宣野座(はは…もう僕は限界みたいだね・・・)チリッ
余賀(…お前…!)チリッ
宣野座(腹から下まで…)チリッ
宣野座(完全に持って行かれたようだ…)チリッ
ムア(…宣野座さんっ…!)チリッ
余賀(宣野座ー!)チリッ
三國(…宣野座…お前…)チリッ
真蒼(…)チリッ
ジェルジュ(クゥゥウウウウン)チリッ
カリュマ(…!!!!)チリッ
宣野座(大丈夫だよ…)
宣野座(そうとも…)チリッ
余賀(お前っ…!お前っ…!)チリッ
宣野座(…大丈夫さ余賀君)チリッ
宣野座(僕の資産はギリギリ君達に渡せたし)チリッ
宣野座(僕にはもう大した[未来]は無いから)チリッ
宣野座(現実世界への影響は…)チリッ
宣野座(無い…はず・・・)チリッ
余賀(宣野座ー!)チリッ
ムア(宣野座さんー!)チリッ
宣野座(…三國さん)チリッ
三國(…何だ)チリッ
宣野座(どっちなんでしょう)チリッ
三國(…)チリッ
宣野座(僕らどちらが正しかったんでしょう)チリッ
三國(…それは公麿が証明してくれた)チリッ
三國(勝った方が正しいならっ!…お前だ!宣野座っ!!)チリッ
宣野座(…あはは……ひどいなぁ)チリッ
宣野座(あはははは)チリッ
宣野座(…でも……ありがとう)チリッ
宣野座(カリュマ…)チリッ
カリュマ(…)
宣野座(僕の[未来]…)チリッ
宣野座(…ごめんね……)チリッ
宣野座(恐らく…僕は……これで死ぬ…)チリッ
宣野座(……ごめんね…)チリッ
宣野座(…僕の[未来]…)チリッ
カリュマ(!!!!)チリッ
宣野座(…)
宣野座(…ああ)チリッ
宣野座(結局)チリッ
宣野座(踏めなかったな……ホームベース…)チリッ
ピキッ
『YOU ARE BANKRUPT』
フォン
余賀(…!!!)チリッ
スラッシュ
ビリビリビリビリ!
余賀「!」
余賀「…マクロが解けたっ…!?」
三國「あのマクロは短時間にかなりの金を消費する」
三國「……チャージ切れだろうな」
三國「…」
ムア「宣野座さんっ!カリュマ!」
ムア「…そんな、あのお二人が…」
ムア「わああああああああん」ポロポロ
ムア「ああああああああ」ポロポロ
余賀(…ムアさんは初心者だもんな…)
余賀(師匠ともなれば…なおさら辛いだろうな)
余賀「…」
余賀「…!?」
三國「…」ツー
余賀「…!!」
余賀「三國さん!?」
三國「……どうした…」
余賀「泣いてますよ……」
三國「?」
三國「あれ」
三國「本当だ」
三國「どうして」
三國「こんなっ…」
三國「……どうして今更…」
三國「…こんな……」
三國「…」
三國「俺の両手はおぞましい程の血にまみれている………」
三國「……そのはずなのに」
三國「……違うっ!…」
三國「俺は宣野座の為に泣いているんじゃない…」
三國「…もう止めるんだ」
三國「Q…!」
三國「……もうディールで戦う必要はないんだよ」
Q「…」
Q「このひとがなにをいっているのか…わからないのです」
三國「…Qが消えたあの日…」
三國「貴子も居なくなった…」
三國「Qは貴子にそっくりな…アセットでも…」
三國「まして…俺の[未来]でもないっ!」
三國「Qは…」
三國「俺のQは……」
三國「…貴子そのものだ……!」
三國「Qっ!…いや」
三國「……貴子っ!」
三國「もういいじゃないか…」
三國「あの時分かりあったはずだろ」
Q「あの時…?」
余賀(Qが自分から…)
三國「そう」
三國「そこにいる公麿に負けた時だ」
Q「まけた・・・わたしが…?」
三國「そう…完敗だった……笑えない程ね」
三國「そのとき」
三國「俺達」
三國「分かり合えたじゃないか」
三國「貴子は…」
三國「…俺とずっと一緒に居たいって」
三國「そう言ってくれたじゃないか」
Q「…」
三國「…」
三國「……貴子は運が無くて」
三國「いつも一緒には居られなかったけど」
三國「Qとして…俺の相棒として」
三國「…いつも一緒に居た」
三國「そんなQが最後の最後になって…」
三國「……貴子の記憶も思い出せたって言うのに」
三國「Q」
Q「?」
三國「本当に」
三國「本当に忘れちまったか」
三國「金融街にはじめて来て」
三國「訳もわからずディールをしたことも」ツー
三國「その時、お前をかばったことも」
三國「…そのうちどんどん強くなっていったことも」ポロポロ
三國「公麿と戦ったことも」ポロポロ
三國「公麿との戦いで俺を止めてくれたことも…」ポロポロ
三國「全部…忘れちまったか?」ポロポロ
Q「…」
Q「ないているのです…」
Q「……ないていたのです」
Q「…」
Q「わたしも…ないていたのです」
Q「…わたしがですか」
Q「わたしがないていたのですか」
Q「なつかしいのです…」
Q「なぜないているのですか」
Q「…」
Q「…いたいのです」
Q「わたしもいたいのです…」
Q「だれとですか」
Q「…ただいろいろなあじはあるのです」
Q「あなたはなんのためにたたかってるの…です」
Q「たてものはみぎにかたむいてもひだりにかたむいてもきしむのです」
Q「さすがおれのあせっと…なのです」
Q「……みくに…そういちろおおおおおおおお……なのです」
Q「…」
Q「…みくに?みくに…みくに」
Q「みくにそういちろおおおおおおお」
Q「さすがおれのあせっと」
Q「…あなたのあせっとなのです」
Q「みくにそういちろおおおお」
Q「…」
Q「…たかこ……」
Q「…」
Q「……にいさん…」
余賀「…?」
Q「…」ポロポロ
Q「…」ボロボロ
Q「…」ボロッボロッ
真坂木「…」
余賀「あいつ…」
余賀「…」チラッ
ムア「…」ブツブツブツブツブツブツ
余賀「…」
余賀「…」チラッ
余賀「三國さん…?」
三國「…」ボロッボロッ
余賀「……」
パン!
余賀「!」
パン!パン!パン!
真坂木「さあ」
真坂木「さあさあさあ」
真坂木「何をしています」
真坂木「とっとと始めますよ」
余賀「…でも」
ムア「…お前が」
余賀「…?」
ムア「お前がっ…!」
余賀「…おい」
ムア「…」ブツブツブツブツ
余賀「…」
真坂木「余賀様」
余賀「でも今そんな状況じゃ…」
真坂木「困りましたね」
真坂木「勝利条件からして」
真坂木「どちらかの破滅以外ありえないのですが」
真坂木「…」
真坂木「はぁー」
真坂木「仕方ないですね」
真坂木「ダイレクト」
真坂木「ダイレクト」
真坂木「282億5149千万8032円」
『DIRECT』
ズザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ!!!!!!
余賀「!!!?」
余賀「お前!一体何を…!?」
真坂木「私の全資産です」
真坂木「行きますよ~」
真坂木「あはははははは」
ダッ
余賀「おいっ!?来るな!!」
シュン
余賀「!?」
余賀「後ろの方からも何か来るっ…!?」
「お前さえ…」
「お前さえいなければ…」ダッ
ムア「…」ブツブツ
余賀「おいっ!」
ムア「…使わせてもらいます…宣野座さん」
スラッシュ
『MICRO』
『MEZZO』
『MCRO FLATION』
『OVER HEATED ECONOMY』
ムア「行くよ!!!」
真蒼「…うん」
真蒼「オーバーヒーテッド・エコノミー!」
余賀「馬鹿野郎!!」
余賀「この状態でうったら…!!」
真蒼「はあああああああ」
ジリ
真蒼「はああああああああ!!」
ジリジリ
真蒼「はああああああああああああああ!!!!」
ジリジリジリ
ジリジリジリジリジリ
バーーーン!!!
ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ
ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ
ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ
ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギィィィィィィィィィィィィ
真蒼「…」
フラッ
バタンッ
シューーーーーーーー
余賀「…?」
余賀「…生きてる……」
余賀「俺…生きてる?」
余賀「俺…無事に生きてるっ!」
余賀「…でも、どうして……」
キュイイイイイイイイン
余賀「…ガード?」
ジェルジュ「グルルルル」
余賀「ジェルジュ…!!!」
ダキッ!!
「余賀…さん…?」
余賀「…!」
余賀「ムアさん!」
余賀「良かった…無事ですね!」
ムア「ええ…一応は…真蒼も…」
真蒼「…まあね」
余賀「そうか…良かった…本当に良かった」ホッ
真蒼「!」
真蒼「何よ!別にあんたには関係ないでしょ!」
余賀「?」
余賀「…それより!」
余賀「三國さんは!?」バッ
キュイイイイイイイン
Q「…」
三國「…」
三國「……Q」
Q「…」
Q「分からないのです」
Q「…分からないけど」
Q「あなたをまもらなければいけないきがしたのです…」
Q「あなたをまもりたいきがしたのです」
三國「…」
余賀「…三國さん!大丈夫ですか!?」
三國「…」
三國「……ああ」
三國「Qのお陰でな…」
余賀「…」
余賀「…そうですか」
余賀「ありがとう、Q」ペコリッ
Q「?」
Q「…なぜあたまをさげるのか」
Q「わたしにはわからないのです」
余賀「ハハハ、Qらしいな」
Q「?」
三國「…」ハハ
三國「…そういえば」
余賀「真坂木…ですね」
真坂木「…」シュー
真坂木「何とかダイレクトで相殺する事により防げましたが」
真坂木「これは…」
真坂木「…」
ザッ
余賀「…真坂木!」
真坂木「…やあ」
余賀「…三國さん」
三國「…」
三國「……ああ」
余賀「…」
三國「…止めだ……真坂木…!」
余賀・三國「「…ダイレクト」」
余賀・三國「「…1円」」
『『DIRECT』』
真坂木「あはははははは」
真坂木「これで斬られて終わりか!??」
三國「…」
余賀「…」
三國・余賀「これで…」
三國。余賀「…終わりだっ」
ザッ…シュ
余賀・三國「「…ダイレクト」」
余賀・三國「「…1円」」
『『DIRECT』』
真坂木「あはははははは」
真坂木「斬られて終わりか!??」
三國「…」
余賀「…」
三國・余賀「これで…」
三國・余賀「…終わりだっ」
ザッ…シュ
『∞』
『CLOSING』
『YOU HAVE CONTROL』
余賀「…終わった…のか……」
三國「ああ…」
余賀「…勝ったんだよな」
三國「ああ…」
余賀「…」バタッ
ダキッ
余賀「?」
ムア「大丈夫ですか!?」
余賀「…はい……俺達…勝ちましたよ…」
ムア「ええ!」ウルッ
余賀「……」
余賀「…」
真蒼「ちょっと!」
余賀「?」
真蒼「いつまで寄り掛かってんのよ!」
余賀「ああ!ごめんごめん!」
タンッ
真蒼「…全く!」
三國「はは…」
三國「…」チラッ
Q「…」ジー
三國「Q!」
三國「……俺と来るか?」
Q「…」コクッ
三國「そうか」ハハ
余賀「…それにしても!」
余賀「お手柄だったぞ!…ジェルジュ!!」
ジェルジュ「グルルルルルル♪♪」
余賀「よーし!よし!」
ナデナデ
余賀「…やったんだな」
余賀「……俺達…やったんだな・・・!!」
ということで
ひとまずこのSSの主要部分は終わりです
支援してくれた人や保守してくれた人は
本当にありがとうございました
これから少し質問に答えて
エピローグに入りたいと思います
乙!!面白かった!!
エピローグも期待してます!
余賀「…」
余賀「…戻ってきたな」
三國「そうだな」
ムア「ええ」
ジェルジュ「グルルル」
真蒼「…一応ね」
Q「…帰ってきたのです」
真坂木「それにしても疲れましたね」
余賀「…全くだ、早く風呂にでも入りたいよ」
真蒼「…お風呂?」
余賀「ああ、アセットは知らないのか…」
余賀「風呂って言うのは」
余賀「大きな箱にお湯を入れて自分が入るんだよ」
真蒼「は!?馬鹿じゃないの!」
真蒼「…そんなことしたら服が濡れちゃうじゃない!」
真坂木「いやいや服は脱いでおくんだよ」
真蒼「それって裸ってこと!?」
真蒼「変態っ!変態っ!!変態っ!!!」
余賀「…いやいや、ちょっと待て」
余賀「変態とかじゃなくてな」
ムア「そうですよ人間なら当然の行為なのです」
余賀「そうなんですよね~」
ムア「ハハハ」
真蒼「…」
ゲシッ
余賀「痛っ!」
余賀「…何すんだよ!」
真蒼「…気に喰わないのよ、あんたの目」
余賀「…お前なぁ」
真蒼「…」
真坂木「まあまあそう言わずに」
真蒼「…だって…」
真蒼「こいつっ…!」
真蒼「…って!」
余賀「…え?……」アゼン
三國「……」
真蒼「…」
ムア「…お前っ!」ギリッ
真坂木「皆さん~」
真坂木「さっきぶり~~~♪」
ムア「…」ダッ!
ガシッ
ムア「!?」
余賀「…落ち着いて」
ムア「グッ」
三國「…どうしてお前が?」
真坂木「…と申されましても」
真坂木「別に私は破産したわけでもありませんし」
真坂木「というかゲームの支配人が退場など」
真坂木「…有り得ません」ニヤリ
三國「…そうか……」
三國「少なくとも俺はお前を」
三國「殺すつもりで闘ったんだがな」
真坂木「まあ」
真坂木「まあ」
真坂木「そう怖いことを仰らずに」
真坂木「金融街の管理人は」
真坂木「私達以外にはありませんので」
ムア「…」ブルブル
余賀「…」
余賀「真坂木」
真坂木「はい?」
余賀「どうして俺達の目の前に現れた?」
余賀「まさか、おちょくるためか?」
真坂木「いえいえ」
真坂木「滅相もございません」
真坂木「あなた達だけでは」
」
真坂木「次にどうしたら良いか分からないのでは?」
真坂木「そう思って来ただけですよ」
ムア「…ない」
余賀「…」
ムア「いらないっ!」
真坂木「はい?」
ムア「お前の助けなんて…いらない!!!」
ムア「返せ!」
ムア「お前を倒すために皆必死だったんだ」
ムア「宣野座さんを帰せ!!!」
Q「・・・」
真坂木「ははは、宣野座様も愛されたもんですね」
真坂木「まさか」
真坂木「落ち目のアントレとは思えない」
ムア「そうだっ!」
ムア「私は…」ヒグッ
ムア「宣野座さんが大好きなんだっ!!」
余賀「…」
真坂木「そうでございましたか」
ムア「そうでございますなんだ!!」
真坂木「だそうですよ、宣野座様」
ムア「だそうですなんだ!!」
宣野座「ああ…そうなんだ」ハハハ
余賀・三國・真蒼「!!!」
ムア「…」ヒグッ
ムア「…宣野座さん…」ヒグッ
真坂木「…あの」
ムア「なんだ?」
真坂木「宣野座様なら…ここにいますが……」
ムア「…は?」
宣野座「…ということでね、へへ」
宣野座「…あはは、僕もどういうわけか」
宣野座「帰って来ちゃった」テヘペロ
一同「ポカーン」
一同「…」
一同「…?」
一同「ええぇええ!???」
ムア「え、え、え?」
ムア「えええええ!!」カァァァ
余賀「おいおい…どうなってんだよ」
三國「…さあ」
真蒼「ポカーン」
真坂木「それぞれで」
真坂木「話しても埒があきませんので」
真坂木「どうです」
真坂木「私が解説役を申し出て良いでしょうか?」
三國「…頼む」
真坂木「確かにあの時」
真坂木「宣野座様は破産され」
真坂木「金融街を追放になりました」
真坂木「しかし」
真坂木「戻ってきた」
真坂木「なぜか?」
余賀「…」ジー
宣野座「あははは…、僕にもさっぱり」
真坂木「それは」
真坂木「単純な事です」
真坂木「一度は資産を全て失ったので金融街から追放しようとしましたが」
真坂木「間一髪」
真坂木「[取引]中の彼に大量に投資をする者が現れて」
真坂木「何とか」
真坂木「一命を取り留めたんです」
宣野座「…そうだったの?僕」ハハハ
余賀「…!」
余賀「まさか…三國さんが!?」
三國「いや!俺じゃない!」
三國「大体」
三國「あの時、俺達の財産は底で繋がってるような状態だった」
三國「誰かが金を動かせばすぐに皆に知れるさ」
余賀「…だよね」
三國「という事は外部か…」
三國「しかし…この状況で俺達を支援なんて…」
三國「まさか…」
三國「聖沢達か!?」
真坂木「…三國様」
真坂木「あなたも人の上に立つ存在であるなら」
真坂木「敵味方の区別は敏感につけれるようになってください」
「もういいです」
「何か出て来ないようなんで」
「俺が自分から名乗ります」
一同「…お前……!!」
Q「…」キョウミナシッ
ジェルジュ「グルル?」
真蒼「…?」
カリュマ「…」
ムア「えっと…」
宣野座「誰ですか・・・?」
余賀「あっ!…モヒカンの人っ!」
三國「…お前」
三國「進藤か!!」
進藤「はい」
進藤「…お久しぶりです」
進藤「三國さん…」
三國「進藤…お前、どうして」
三國「俺のやり方にはついてこれないんじゃ無かったのか…」
進藤「…正直そう思ってました」
進藤「余賀…」
余賀「…」
進藤「…お前に三國さんの意志が曲げられたからな」
進藤「三國さん…」
進藤「俺達の進む道は」
進藤「こんなガキ一人に阻まれるほどやわな道ではないでしょう」
三國「…」
三國「俺は…余賀公麿に敗北した」
三國「…それだけだ」
進藤「…」
進藤「…本当にそうですか」
三國「…」
進藤「あなた」
進藤「試合の途中で負けを認めたんじゃないですか」
三國「…」
進藤「俺は」
進藤「三國さんには自分の道を貫いて欲しかったです」
進藤「例え相手が強くても」
進藤「資産がある限りは俺達の…ギルドの意志を貫いて欲しかったです」
進藤「相手に同情したぐらいで閉ざされる道なら」
進藤「最初から目指すべきじゃない」
三國「…俺は……同情なんて…」
進藤「…」
三國「…」
進藤「…」
三國「……なあ」
進藤「?」
三國「じゃあ、なんで俺を…俺達を助けてくれたんだ?」
進藤「…」
進藤「…分かんないです」
進藤「本当は助ける気なんて」
進藤「一切持ち合わせていない…つもりだったんです」
進藤「でも何か…体が勝手に」
三國「…」
三國「…そうか」クスッ
三國「……なあ、進藤」
三國「お前もさ、こっちに来ないか」
進藤「…」
進藤「…三國さん」
進藤「馬鹿言っちゃあいけないです」
三國「…」
進藤「もう三國さんには進むべき道がある」
進藤「もう俺じゃあ手の届かないステージに進むんでしょ」
三國「…」
進藤「それに…新しい仲間だって」
余賀「…」
進藤「だから」
進藤「…だから」
進藤「…俺は、今日」
進藤「別れの挨拶に来ましたっ」
三國「……っ!」
三國「…」
三國「そうか…分かった」
進藤「…」
進藤「三國さん」
進藤「本当に…」ガタ
進藤「本当に今まで」ガタガタ
進藤「ありがとうござましたっ!」
余賀「行っちゃったね…」
三國「…ああ」
余賀「…」
三國「…これで良かったんだ」
三國「……これでっ…」
真坂木「…」
真坂木「彼」
余賀「…?」
真坂木「進藤基様は」
真坂木「これから新しい仲間と」
真坂木「今度は社長として」
真坂木「再出発するそうですよ」
三國「…そうか」
三國「…それが良い」
真坂木「進藤様より伝言を預かっております」
三國「…?」
真坂木「恐らく面と向かってしまったら言えないだろうから」
真坂木「との事です」
三國「…そうか、言ってくれ」
真坂木「では僭越ながら…」
真坂木「〈おい!三國!〉」
三國「!」
真坂木「〈本当に宣野座という男が倒れたときに俺がスラッシュして〉」
真坂木「〈投資したのが分かったのか!〉」
真坂木「〈そうだとしたら、お前も大した事は無い〉」
真坂木「〈いつか…お前を越える男になってやる!〉」
真坂木「…との事です」
三國「…」フッ
三國〈進藤…いつまで経ってもお前は俺の右腕で相棒だよ〉
ムア「…でも、これで謎は解けましたね」
真坂気「…」ジー
ムア「…」
真坂木「…」ジー
ムア「…」
真坂木「・・・」ジーーー
ムア「……あの!」
真坂木「何か?」
ムア「あの…先程は…」
ムア「…すいません……でした」
真坂木「いえいえ!」
真坂木「まさか!」
真坂木「謝ってもらえるとは!!」
ムア「…」
三國「…いや、分からないことはまだ残っている…」
余賀「…」
三國「…おい、真坂木!」
三國「これに関しては…」
三國「お前とサシで話をしたい」
真坂木「…」
「そんなのだめっ!」
三國「…!」
真蒼「ここまで来たら全てを打ち明けるのが仲間でしょ!」
三國「・・・」
三國「仲間…か」
三國「…」
三國「……」
三國「…わかった」
三國「…」
三國「真坂木!訊きたい事がある」
真坂木「…なんでございましょう」
三國「…」
三國「…Qの事だ」
真坂木「…と申しますと?」
三國「…彼女は…Qは……」
三國「俺が公麿と戦って失った[未来]…で間違いないか」
Q「…」
真坂木「ええ」
真坂木「[輪転機]が廻った後」
真坂木「このアセットは…」
真坂木「……アセットに[様]をつけるのは」
真坂木「本来したくないのですが」
真坂木「Q様は」
真坂木「当面の処置として[輪転機]に入れられました」
真坂木「というのも」
真坂木「Qさまの所有権が」
真坂木「前極東金融街でもなく」
真坂木「現極東金融街でもないというように」
真坂木「複雑になってしまっていたので…」
三國「しかし」
三國「以前公麿と闘ったときのQは」
三國「戦いの最後に」
三國「記憶を取り戻していたようだったんだが…」
真坂木「…」
真坂木「それに関しては私としても分かりかねます」
真坂木「[輪転機]に入れられた際に衝撃で記憶を無くしたのか…」
真坂木「それか元々記憶をとり戻しては無いという事もあります」
三國「…そうか」
三國「いやな…」
三國「公麿と戦って分かったんだが」
三國「Qの…フレーション自体は変わってないんだが」
三國「Qの本性がどうにも」
三國「…おとなしくなったというか」
三國「Qが単体でも大丈夫…というか」
真坂木「なるほど」
真坂木「…」
真坂木「…それは単純に」
三國「…単純に?」
真坂木「Q様の中の妹様の部分が出てきているのではないでしょうか」
三國「…妹の部分?」
真坂木「お忘れですか…?」
真坂木「前金融街において」
真坂木「凶暴なQ様が戦っていたのはアセットとしての本能でございます」
真坂木「そんな……かの…じょ…も」
真坂木「余賀様との闘いを通して」
真坂木「今までの状態ではあなたの為にならない」
真坂木「…そう申しました」
真坂木「それは…三國様を思いやる…」
真坂木「妹様としての心なんじゃないですかね」
真坂木「…アセットとして資産を増やすのではなく」
真坂木「妹として兄を思いやる…」
真坂木「そして」
真坂木「先程において」
真坂木「おとなしくなられたというなら」
真坂木「Q様は着実に貴子様に近づいているという事ですよ」
三國「…Qが…貴子に」
真坂木「もちろん」
真坂木「三國様としては」
真坂木「Q様にも愛情があるでしょうが」
真坂木「妹の心をしたQ様なら」
真坂木「文句のつけようは無いですよね?」
三國「…まあな」
真坂木「なら良いではないですか」
真坂木「…」
真坂木「記憶の糸は断ち切れたように見えて」
真坂木「実はまだ紡がれているのですよ」
三國「…それはどういう意味だ、真坂木」
真坂木「…」
真坂木「先程、Q様は言いました」
真坂木「〈兄さん〉と言いました」
三國「…」
真坂木「その前後の言葉はよく分かりませんでしたが…」
三國「・・・ああ、それは良いんだ、俺には分かる」
真坂木「Q様の記憶はQ様の中にだけあるわけでは無いという事です」
三國「…意味がよくわからないが」
真坂木「わかりませんか」
真坂木「貴子様が三國様の[未来]でQ様がその体現だとするならば」
真坂木「Q様に宿る記憶はQ様だけのものではないでしょう」
三國「…」
真坂木「貴子様の記憶はもちろん…」
真坂木「三國様…あなたの記憶もですよ」
真坂木「それどころか」
真坂木「お父様やお母様」
真坂木「病院の方も」
真坂木「Q様には」
真坂木「関係のある多くの人の記憶がつまっているんですよ」
三國「…」
三國「…」チラッ
Q「…」スヤスヤ
三國「…なるほど」
真坂木「…」
真坂木「アセットとアントレという関係ですと」
真坂木「…どうにもしっくりきませんがね」
真坂木「Q様には妹様に通じる何かが必ずあります」
真坂木「Q様をアセットだけではなく」
真坂木「パートナーとしても見てみたら良いんじゃないですか」
真坂木「幸運にも」
真坂木「ここに」
真坂木「アセットと恋に落ちた少年もいますしね」チラッ
余賀「…」
余賀「…って俺かよ!」
三國「…では」
真坂木「本題…ですか」
余賀「…」
三國「ああ」
真坂木「さすがにこれは機密事項なのでお二人にしか話せませんが…」
真坂木「…よろしいですね」
真蒼「…」ゴクッ
真蒼「と、とくべつよ…!」
真坂木「では」
真坂木「少し場所を変えます」
バッ
真坂木「…ではお話しますか」
余賀「そう言えば…元々の目的はこれだったな…」
真坂木「…」
ゴホンッ
真坂木「あなた方が次に闘う場所は」
真坂木「通称[統金]」
真坂木「正式名称[全世界統合金融街]です」
三國「…」
余賀「…まさか、本当にあるとはね…」
三國「……存在は大体見当がつくさ」
三國「それぞれの金融街で通貨が違うんだから」
三國「それをまとめ上げる金融街なり組織は必要となる」
三國「…そして俺達があの日に見た」
三國「神みたいな人間と、それに連なる9人の真坂木を繋げれば」
三國「どう考えたって間違いなく統合組織はあるだろうよ」
真坂木「…」
真坂木「一応」
真坂木「彼らは私とは別人なんですが…」
真坂木「まあいいか」
真坂木「では」
真坂木「説明を続けます」
真坂木「統金のアントレ人数は50人」
余賀「50人?…少なっ」
真坂木「その多くが[北米]もしくは[NY]の金融街でございます」
三國「…」
真坂木「…」
真坂木「一応」
真坂木「彼らは私とは別人なんですが…」
真坂木「まあいいか」
真坂木「では」
真坂木「説明を続けます」
真坂木「統金のアントレ人数は50人」
余賀「50人?…少なっ」
真坂木「その多くが[北米]もしくは[NY]の金融街出身者でございます」
三國「…」
真坂木「ディールは月一度」
余賀「たったそんだけかよっ」
真坂木「基本的なルールは[極東]と変わりませんが」
真坂木「ただ使用するアセットは…3体」
三國「…!」
真坂木「これまでとは比べ物にならないほどの」
真坂木「緻密で速やかな計算が求められます」
真坂木「…そして司令能力も」
余賀「…」
真坂木「もちろん1ヶ月間準備しますから」
真坂木「国単位でディールの陣営に分かれることもあります」
真坂木「例えば」
真坂木「片方が米日派でもう片方が中国派のように」
真坂木「一回のディールで国単位の規模が動きます」
余賀「…」
真坂木「そして統金の資産総額は…200兆」
余賀「200兆…200兆!!?」
三國「…それはまた」
余賀「おい!俺達の昔の金融街ってどんくらいだっけ!!」
三國「落ち着け…」
三國「お前がハイパーインフレを起こす前は・・・」
三國「街の資産は7兆」
三國「人数は3600人ってところだったな…」
余賀「…」
三國「…」
余賀「…」
三國「…」
余賀「…これってやばくね?」
三國「…」
三國「…しかし」
三國「これ以外日本を救う道は無い」
三國「奴らから出来るだけ金をふんだくる!」
三國「…それだけの事だ」
余賀「…それだけって…」
三國「公麿…お前忘れてないよな…」
三國「俺との約束」
余賀「…はい」
真坂木「覚悟は決まりましたね」」
真坂木「極東金融街…前ですが」
真坂木「そこからはすでに2人が統金へ進出しております」
真坂木「彼らと協力して頑張ってください」
三國・余賀「…」
三國・余賀「…はいっ!」
三國「…それで、真坂木」
三國「頼みがある」
真坂木「Qの事ですか」
三國「ああ、Qを正式に俺のアセットにしてくれ」
三國「頼むっ…」
真坂木「…」
真坂木「まあ仕方ありませんよね」」
三國「本当か!?」
真坂木「あまりに弱い者を統金に上げると」
真坂木「私の信用問題になりますから」
三國「すまない!恩に着る!」
余賀「…」
三國「お前は帰らないのか」
余賀「…まだ真坂木に話しがあるから」
三國「…そうか」
三國「じゃあ先言ってるぞ」
バッ
余賀「…」
真坂木「それで話とは」
余賀「…なあ真坂木」
余賀「お前今回の騒動の事どう思う?」
真坂木「…どうというと?」
余賀「紆余曲折はあったけど」
余賀「結局誰も何も失う事なく」
余賀「オレ達は本当に色々なものを手に入れ」
余賀「大切な出会いをした」
余賀「俺は統金への切符とムアさん達との出会いを」
余賀「そして…」
真坂木「三國様は統金への道と…Q様」
真坂木「そう言いたいのでしょうか」
余賀「言っちゃなんだが」
余賀「貴子さんは病気だった」
余賀「そりゃ、三國さんの親父さん次第では治ってたかもしれないけど」
余賀「恐らく普通の人より早く死んでいただろう」
余賀「…」
余賀「…確かに彼女は目覚めなくなり」
余賀「三國さんは嘆き悲しんだだろうが」
余賀「その代わりQという」
余賀「健康そのものの」
余賀「三國さんの寿命に合わせて生きられるアセットを手に入れた」
真坂木「しかしQ様は三國様の妹では」
余賀「お前が言ったんだろ」
余賀「Qには三國さんの妹がやどってる」
余賀「健康な三國さんの妹が」
余賀「…まあ」
余賀「それも俺との戦いで失った」
余賀「…あの時の会話はな…」
余賀「〈本来行くべき所へ行くがいい〉」
余賀「〈また、あなたのそばにいられたらいいのです〉」
余賀「〈それは出来ない…すまんな…Q!〉」
余賀「あの時三國さんは諦めてたんだ」
余賀「本当の妹は病気で長くは生きられない」
余賀「意識も戻らない」
余賀「そして」
余賀「アセットのQとも別れなくてはいけない」
余賀「Qの行く先は三國さんも分かってた」
余賀「もう2度と会えない事だって分かってたんだ」
余賀「…だが再会した」
余賀「再会した時はひどいもんだったけど」
余賀「今じゃ仲良くやってるし」
余賀「さっきは正式にアセットにした」
余賀「…」
真坂木「…あまり」
真坂木「要領を得る話ではありませんね」
余賀「つまり…」
余賀「…いや!だから」
余賀「お前は…真坂木は!」
余賀「放っておけなかったんじゃないのか!?」
余賀「あの二人が不憫で仕方無かった」
余賀「だから…金融街へ呼んだんだ」
余賀「本当は金を欲してたからじゃない…」
余賀「会うべき人に、一緒に居るべき人に引き合わせるために」
余賀「金融街へ招く人間は選んでいると」
余賀「それなら」
余賀「その基準は…」
真坂木「…」
真坂木「…」ププッ
真坂木「あははは」
真坂木「あははははははははは」
真坂木「面白い事言いますね」
真坂木「余賀さんは?」
真坂木「私がそんな人間に見えますか?」
真坂木「…そんな無駄な事」
真坂木「私はしません」
余賀「…」
余賀「…それなら」
余賀「誓約書…」
余賀「本当に元々誓約書なんて金融街にあったのか」
余賀「…俺は全く聞いた事がなかったけどな」
真坂木「…それは余賀様が寡聞なだけかと」
余賀「…」
余賀「…」
真坂木「そうずっと睨まれても困ります」
真坂木「知らない事は」
真坂木「知りませんから」
余賀「…そうだな」
余賀「…それじゃあ」
余賀「そろそろ俺は行くよ」
真坂木「そうでございますか」
真坂木「次からはそんなお人よしの考え方は持たぬように」
余賀「…」
余賀「あ、そうそう」
余賀「真坂木」
真坂木「何ですか」
余賀「お前あの時…金融街崩壊の時に」
余賀「サトウさんとか竹田崎とかがどうなったか知らない?」
真坂木「は?」
真坂木「お亡くなりになられてんじゃないんですか」
余賀「…いや」
余賀「…」
余賀「…やっぱりそうなのかな」
真坂木「ええ」
真坂木「サトウ様は三國さんとの闘いに破れ破産」
真坂木「[未来]を余賀様に託した後」
真坂木「竹田崎さんとともに」
真坂木「[現在]により選別を受けて」
真坂木「光に包まれて消えたと思いましたが」
真坂木「お亡くなりになられてんじゃないんですか」
余賀「…いや」
余賀「…」
余賀「…やっぱりそうなのかな」
真坂木「ええ」
真坂木「サトウ様は三國様との闘いに破れ破産」
真坂木「[未来]を余賀様に託した後」
真坂木「竹田崎様とともに」
真坂木「[現在]により選別を受けて」
真坂木「光に包まれて消えたと思いましたが」
真坂木「といっても」
真坂木「竹田崎様は別に破産したわけでもないですし」
真坂木「生きてるかもしれませんが」
真坂木「訊きたいのは」
真坂木「そちらではないでしょう?」
余賀「…」
真坂木「ただ」
真坂木「わかりませんね」
余賀「…?」
真坂木「ジェルジュさ…まのフレーションは覚えてますよね」
余賀「…」
『E・B・O』
そして
『MERGERS AND ACQUISITIONS』
どちらも
入れ替わりなどで目を欺く技です
もしかしたらどこかでいきているかも
余賀「…それにしても」
余賀「何でサトウさんのアセットは形と記憶を保ったのか」
余賀「何で俺に懐くのか」
余賀「ジェルジュがサトウさんの未来だっていうなら」
余賀「俺はサトウさんと共に統金を勝ち抜いてみせる」
余賀「長かった話もそろそろ終わりだ」
余賀「残るは…」
余賀「ムアさーん!」
ムア「はあ…何ですか」
余賀「暇なら今度食事でもどうでしょうか?」
ムア「はあ…良いですけど」
余賀「ムアさんとの親交は続いている」
余賀「俺は恥を捨ててムアさんにアタックし続けている」
余賀「ムアさんも宣野座の事は師匠として好きだと言ってたし」
余賀「…大丈夫なはず」
余賀「…残る問題は、真蒼」
余賀「もし彼女が真朱と同じ俺の子供なら」
余賀「何とか[未来]に」
余賀「真朱のいるところにかえしてあげたい」
余賀「だから俺は探す」
余賀「親父の見つけたアセットを未来へ還す方法を」
余賀「語るべき事は多い」
余賀「だが、それはおいおい話していけば良い事」
余賀「最後に[C]の問いについて」
余賀「俺にとって金は、それ以上でもそれ以下でも無かった」
余賀「でも、金によって俺は色々な人と出会えたし」
余賀「金による円もあるんだと思う」
余賀「でも金が無力の時もあった」
余賀「やはり金は金であるだけなのだろう」
余賀「金で何をするのかは自分の決断なのだから」
♯12 『CHOICE』〈人生〉 《END》
こんな感じで終わりになります!
見てくれた皆さん!
本当にありがとうございました!!!
最後が尻切れトンボになってすいません
正直最後の方は自分でも何を書いてるのか
よくわかんない感じでした
それにしても
原作なし!深夜アニメ!男ばかり!1クール!
という[C]なんで
正直SSにするのはどうかと思ったというか
皆様が知っているのか?というのはありましたが
若干
終わり方が複雑だったので
僕なりに
続きを書いてみました
では
本当にありがとうございました!!
乙!
Entry ⇒ 2012.01.21 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ロレンス「ホロ・・・ホロ・・・」シコシコ ホロ「・・・・」
ホロ「ときに主さまよ」
ロレンス「どうした?昼食にはまだ早いぞ」
ホロ「たわけ!わっちが常に食い物の事ばかり考えておるとでも言うのかや!?」
ロレンス「なんだ違うのか?」
ホロ「・・・昨日はひとりでお楽しみだったようじゃの?」
ロレンス「な!お、おまえ、起きて・・・」
ホロ「妄想の中のわっちは可愛いかったかや?」
ロレンス「う・・・それは、その」
ホロ「恋人を呼ぶように切ない声をあげて」
ロレンス「・・・な、なにがお望みかな?」
ホロ「くふ、主は物わかりがよいの。そうさな、晩の食事は豪勢にいきたいの」
ロレンス「ハァ・・・、牛でも豚でも好きなだけ食え」
ホロ「ついでにIDの数だけ腹筋してくりゃれ?」
ロレンス「わかったよ。クソ、なんて今日は日だ・・・」
ロレンス「……」
ホロ「夜夜、わっちのすぐ隣で、わっちの乱れるさまを妄想して1人で手淫とは…いい趣味じゃ」
ロレンス「あーもう!! さっきから何なんだホロ!!
言っておくがな、俺だって商人である前に男なんだ!…その、悶々とすることだってあるさ」
ホロ「ふむ、ならば何故、おぬしはわっちにそれを言わぬのじゃ?」
ロレンス「は、はぁ!? な、なんでホロにそんなことをわざわざ…」
ホロ「んっふ…わっちで抜いておるのじゃろう?
だったら、何も近くにいるわっちを使えばもっと都合がよいのではないかの?」
ロレンス「ば、バカな…俺の我儘でお前にそんなことできるわけないじゃないか!」
ホロ「…主、つくづくそんな性格じゃ…女に宛てがないのも頷けるの…」はぁー
期待してるぞ
ファイト、だよっ
寝る前にあんなホロの姿を見せられたら…)
ロレンス(…寝返りを打って、寝巻がはだけるホロ…そこから垣間見える…)
ぶんぶん!
ロレンス(あほか俺は!? そうやって暇さえあればこんな妄想を…くそっ…今まではこんなことなかったのに…)
ホロ「…」じーーー
ロレンス「…なんだ」
ホロ「ぬし、またよからぬことは考えておるじゃろう?」
ロレンス「な、何も考えていないさ」
ホロ「…わっちの耳のことを忘れるほど、何かに夢中と見えるのうエロレンス」
ロレンス「そんな呼び方は止めてくれ!」
わっち可愛いよわっち
ロレンス「やっと着いたな…でも、ここはあまり儲かってなさそうだ」
ホロ「確かにの。何となくさびれた雰囲気が空気にまじっておるのう」
ロレンス「こういう町には長居しないほうがいい。一日だけとまって、すぐに出よう」
ホロ「ぬしの勘は悪い時に当たるからの。わっちも言うとおりにするでありんす」
ロレンス「それで…今日は何が食べたいんだ?」
ホロ「覚えておったのか? 全く律儀な男じゃの」
ロレンス「い、一応はな。この街じゃあまり期待できないだろうけど…何でも好きなものを言ってくれ」
ホロ「くふっ、おぬしの財布の中が空にならぬといいがの」
ロレンス「そこは少し遠慮してくれても…はぁ、分かった、どうぞお好きなように」
店主「あいよ。しっかし嬢ちゃん、めんこいのによく飲むなぁ…」
ホロ「くふふ、これでも手加減しておりんす。連れ合いの財布の中身が心もとなくての」
ロレンス「…やっぱり酒か…」
ホロ「ここの葡萄酒はまた格別じゃの! 何か秘密でもありそうじゃ」
店主「ははは。目ざとい嬢ちゃんだな! その葡萄酒は、ここらの肥沃な土と、雨を吸って大きくなったんだ。
地元で作られた酒はうまい! 秘密っていえば、それくらいかな」
ロレンス「なるほど…」
ホロ「そんなこと言われては、あるだけ飲むしかあるまいのうロレンス?」
ロレンス「やれやれ…葡萄酒2つ、新しくお願いできますか?」
店主「おうよ! いやいや、最近金の巡りが悪くてねぇ…あんたら夫婦は福の神かもな!!」
ロレンス「いえ、僕はこいつとは別に…ただの連れですから」
ホロ「そうそう…え?」
ロレンス「だって、余計な勘違いされたくないだろ?」ひそひそ
ホロ「そ、それはそうじゃが……」
店主「なんだ、ただの連れだったのかい。勝手にきめつけちまって悪かったな。
あんまりお似合いなんでつい勘違いしちまった」
ロレンス「はははっ」
ホロ「……」ちびちび
店主「これは俺のおごりだ! まぁ、俺の予想もそこまで鈍ってないと思うけどな~
そんな別嬪さん連れて、何もないなんて…兄さんもしかして…?」
ロレンス「ま、まさか! 僕は異性愛者ですよ」
ホロ「……ふん」ちびちび
ロレンス「おいホロ! ホロ!…ったく…いつもはこんなに酔わないんですが…」
ホロ「ん~~?…わっちは酔ってなどありんせん! だんなどのぉ…おかわりじゃぁ…」けたけた
ロレンス「うわ、酒臭いぞ…全く」
ホロ「わっちゃあ…わっちゃあ賢浪…男になんぞ…のう、聞いておるか? ロレ…」
ロレンス「ったく…ほら、もう店じまいしたんだぞ? これから宿に行かないといけないんだ…しっかりしてく…あぁもう!」
店主「はははは! 随分飲んでたからなぁ嬢ちゃんは。さすがにそうなるのも無理はねぇ」
ロレンス「すいません、もう店じまいなのに…」
店主「まぁいいさ。久しぶりの上客だったからな。それとよ兄ちゃん」
ロレンス「?」
店主「上客様にはやっぱ言っておいたほうがいいと思ってよ…この町のことなんだが。
悪いことは言わねぇ、あまり長いしないほうがいいぜ。もちろん、この町は素敵さ、俺が生まれた町だからな…でも」
ロレンス「……」
店主「みんながみんな、そういうやつばかりとは限らねぇ。そこを分かっておいてほしいんだ」
ロレンス「確かに、街中で奇妙な商人を見かけました。扱っているものは、大きな街では違法のもの」
そういうもんにまで手を出して何がしたいんだかねぇ…俺にはようわからんよ」
ロレンス「そうですね…私にも理解しかねます」
店主「ま、そういう訳だ。忠告はしたぜ? そこの嬢ちゃん、10人男がいたら10人振り返る美人だ。
…あいつらが薬の売買だけしてるとは限らねぇ。くれぐれも用心してくれや」
ロレンス「ご忠告、痛み入ります。では、本当においしいぶどう酒と料理を、ありがとうございました」
店主「はは、礼を言うのはこっちだぜ兄ちゃん。久しぶりに楽しい夜だった、ありがとよ」
ロレンス「どうした? 気持ち悪いのか…?」
ホロ「……zz」
ロレンス「…寝言か…。それより、どうしてまたこんなに飲んだんだろうこいつは…」
ホロ「…」くーくー
ロレンス「……」ごくっ
ロレンス「だ、ダメだ、俺はまた何を考えて…!? とにかく、今日は宿を別々にとった。
そもそも今まで同じ部屋に男女が一緒というのがおかしかったんだ!」
ロレンス(俺はどうかしてる…ホロとは単に目指す場所が同じだけ。それはあいつだってそうだ…
それを邪な気持ちで…なんて下劣な男なんだ俺は!)
ロレンス(心のどこかで、あいつの素肌を見れることを期待していたんじゃないのか俺は?
だから今まで…金田なんだと言い訳をして同じ部屋を借りて…)
ロレンス(きっと、ホロも迷惑していたんだろう…いや、そうに違いない…
だから今日もあんなに飲んで忘れようとしていたんだ…)
ロレンス「ホロ! 起きてくれホロ!」
ホロ「ん…ふぁ…な、なんじゃぁ? ロレンス」
ロレンス「今日のお前の部屋はここだ。悪くない部屋だし、朝ごはんもついてるから、心配はいらない」
ホロ「な、何を言っておるんじゃぬし…」
ロレンス「俺は隣の部屋に泊まるから、何かあったらノックしてくれ」
ホロ「ど、どうしてじゃ? ぬし…どうしていつものように同じ部屋じゃ…」
ロレンス「ゴメン。いままでお前には迷惑をかけてしまった。
これからはちゃんと二部屋とるから、変な気遣いもしなくて済むぞ」
ホロ「そ、そんなことありんせん…! ぬ、ぬし…わっちを…わっちを一人にするのか…?」
ロレンス「お前は酔っているだけだよ。きっと…いや、この方が俺にとってもお前にとってもいいんだ。
もう遅いし、寒くなってきたから。体を冷やさないように気を付けてな」
ホロ「いやじゃ…な、なんでそうなるんじゃ? わっちは一言も…ぬし!」
ロレンス「ゴメン。おやすみホロ」
ホロ「ロレンス!!」
ホロは今は酔っていて混乱しているだろうけど、朝になればこの方がいいと気づくさ)
ロレンス(俺がいつ、ホロに手出ししてしまうかわからない…もう、そうしない自信もない…
そうなったらおれはなんて詫びればいいんだ? そうなるくらいなら…)
ロレンス「……」
ロレンス「……これで、いいんだ…」
ホロ「ど、どうしてじゃ…? わっち、何かロレンスを怒らせるようなことをしてしまったかや?」
ホロ「…も、もしかして、昼のことをとやかく言い過ぎたせい…?」
ホロ「そんな、わっちはロレンスを叱責するためにあんなことを言ったんじゃありんせん!
それは…ロレンス、ぬしも分かっておるじゃろう?」
ホロ「いやじゃ…一人でこんな部屋…これじゃ、あのころを同じ…一人ぼっちのあの頃と…」
ホロ「……」
ホロ「…そうじゃ、わっちは何を迷っておるのか。ロレンスに一言詫びればよい。
昼のことなど気にしていないと、そういえばロレンスも一緒に眠ってくれるじゃろう……」
こんこん
ロレンス「…!」
ホロ「のうロレンス…開けてくりゃれ…? わっちもそっちで眠りたいんじゃ」
ロレンス(ま、また俺の決心を…でも駄目だ。今日だけは、今日だけはダメなんだ…)
ホロ「開けてくりゃれロレンス? いるのじゃろ? まだ起きているのじゃろ!?」
ロレンス「……」
ホロ「……ロレンス!!」
『おい! 真夜中に大声あげてるんじゃねぇ!!』
『眠れねぇだろが!!』
ホロ「ひぅ!!」びくっ
ロレンス(……すまない、ホロ…諦めてくれ…)
ホロ「…なんで…?…ロレンス…」
ホロ「……」とぼとぼ
ロレンス「……俺も酔ってたらしいな…こんな時間まで起きられないなんて…」
ふぅ…朝飯も、もうさすがに諦めるしかないか…」
ロレンス「ん…あぁーー…」
ロレンス「ホロ…起きているか…?」
ロレンス「…」
ロレンス「そ、そうだった。部屋を、分けたんだったっけな…」
ロレンス「さすがのあいつも、俺より寝坊するわけないだろ…
一応、挨拶だけでもしておかないとな」
こんこん
ロレンス「ホロ、俺だ。空けてくれないか?」
ロレンス「……?」
ロレンス「ホロ? まだ眠っているのか?…おい、ホロ!」
がちゃっ
ロレンス「…っ!?…鍵が、かかってない…?」
ロレンス「……いない…!?…そ、それに、この部屋の散らかりようは……」
『そこの嬢ちゃん、10人男がいたら10人振り返る美人だ。
…あいつらが薬の売買だけしてるとは限らねぇ。くれぐれも用心してくれや』
『おい! 真夜中に大声あげてるんじゃねぇ!!』
ロレンス「…まさか…?」
ロレンス「嘘だろう? だって…そんな…馬鹿な!!」
ロレンス「ホロ…!!!」
ロレンス「それなのに…俺は自分のことばかり考えて…どうしようもない大馬鹿野郎だ!!」
ロレンス(ホロが悪霊憑きなのは耳を見られたらすぐにばれてしまう…
麻薬を売るような奴らにそれが知れたら? それとも、もうすでにホロは…)
『のうロレンス…開けてくりゃれ…? わっちもそっちで眠りたいんじゃ』
『開けてくりゃれロレンス? いるのじゃろ? まだ起きているのじゃろ!?』
『……ロレンス!!』
ロレンス「あんな…あんな会話が最後だなんて…納得できるか!!
必ずホロを取り戻す…いくらかかっても、何があっても必ず…!!」
俺は儲かるから良いんだけどよ」
ホロ「くふっ、それだけここの葡萄酒の虜になったということじゃ」
店主「にしても、朝から嬢ちゃん一人で使いにだすたぁ、兄ちゃんもちょいと不用心すぎるぜ」
ホロ「問題ありんせん。わっちはそこらの雄にはやられたりしんせん」
店主「がはは、確かになぁ! あの酒の強さじゃ、男のほうが先にまいっちまうって!」
ホロ「…ロレンス、これで機嫌を直してくれるじゃろうか?」
店主「…どうしたんだい?」
ホロ「え…?」
店主「いやよ、今の嬢ちゃんの顔。俺のカミさんが何か辛いことがあった時と似てたからよ。
なんかあの兄ちゃんとの間であったのかい?」
ホロ「…べ、べつに、人に言うことのもんじゃありんせん…」
店主「人生の、特に長年一人の女と暮らしてきた俺だったら、もしかしたらもありうるぜ?
自慢じゃないが、俺も若いころはねぇ…」
店主「あぁ、男女の問題ってのは傍から見りゃあ笑い話見ないなことばかりだ。
そういった話には慣れてるよ、話してみな」
ホロ「…そこまでいうてくれるのなら…離さぬわけにはいかなくなったの…」くふっ
店主「今日初めて笑ったな。嬢ちゃんみたいな美人は笑顔が一番だ。
それで、そんな美人の笑顔を奪った馬鹿な男は誰なのかな?」
ホロ「くふふっ、さぁ、だれでありんすか…」
ここのどこが探偵事務所に見えるんだよこら!』
『あら、朝からそんなにどうしたのん?…もしかして、坊や…そんなにここが気になる…?』
『廓言葉を使う女だぁ? 知らねェよそんな女…で、その子あんたのなんなの? ねぇ、美人かい?』
『おい兄さん、ちょいと寄ってってくれよ。いい子そろってるよ~?
それに、兄さんみたいに懐があったかい男の人には、特別な子も用意してるんだけどなぁ』
『ヤクに興味ないのにここくるわけ? 何兄ちゃん? 冷やかし?
あ? 人探しだぁ…!? ったく時々こういうネジが外れたアホがくるんだよな…』
ロレンス「本当に来なかったか? 栗色の髪で、廓言葉を話す…!」
『あー、うるせぇコイツ。知らねェっつってんだろ!? おい、お客様はお帰りだ。
丁重にお送りしてやんな』
ロレンス「待て!! まだ話は終わって…!」
『あんま世の中舐めんなよ…兄ちゃん!!』
ドゴッ! バキッ! ドスッ!
『結構持ってんじゃねぇか。これで女でも買おうってのか? へへっ、ま、これは勉強料だ。もらっとくぜ』
ロレンス「…が…は…ホロ…」
ロレンス「…げほっ…げほげほ…ホロ…ごほっ…」ぼろっ
ロレンス「くく…ははは…俺は、何をやってるんだ…? こうなるとわかっていながら、身一つであんな場所に…」
ロレンス「これで商人だってんだから笑い話だ…くくくっ…」
ロレンス「……ホロ……」
ロレンス「…ホロ…俺は、俺はこれからどうすればいい…?
お前を失って…俺のせいで…俺の…」
ホロ「わっちの言ったこと、そんなに傷ついたのかの…」
『あっはっは!! 嬢ちゃん! そりゃあ男には言っちゃいけねぇよ!!』
『む、し、しかしの…あやつ、わっちの名を呼んであんなことを…わっちがすぐ隣にいるのにじゃぞ?』
『くくく…はは…はぁー…まぁ、あの兄ちゃん、見るからにそういうところに疎そうだったからな。
そんで、誰よりも貞操についてこだわるタイプだぜ』
『笑わんといっておったのに…わっちゃあ』
『おお悪い悪い。そうだったな。でもしかし…手淫見られたくらいでそこまでとは、兄ちゃんチェリーなのかもな』
『チェリー…?』
『兄ちゃんに聞いてみろ。違うって言ったら、そうって意味だからよ』
『…ようわからんが、そうしておく』
『な、なんじゃ…?』どきどき
『脱げ。そんで、耳元でこういえばいい』
「愛している」
『ってな。見たところ、どっちも相思相愛みたいだが、言葉で言わないと伝わらないこともあるんだぜ?
そこらへん、商売一筋の男にはわからないもんだ、俺も…それで苦労したぜ』
『そ、そんな言葉だけでいいのかや?』
『俺の予想じゃな。あの兄ちゃんがホモなら別だが』
『そ、そんなことありんせん…それに、そうだったらわっちは困る…』
『あはは、冗談だよ。そらっ、代金は負けとくよ、俺からの選別だ。
そろそろ寝坊助の兄ちゃんも起きるだろ。さっさと帰るんだな』
『いいのかや? この数だと、結構な値段に…』
『気にするな。でも、この町にもまともな奴が残ってるって吹聴しておいてくれ。
あと、くれぐれも帰り道には気をつけろよ。性交…おっと、成功を祈ってるぜ』
『旦那殿…感謝、感謝でありんす…』
ホロ「…!」ぴくっ
ホロ(ロレンスの足音じゃ…随分に重い足取りじゃが…)
ホロ(部屋に戻ったみたいじゃの…)
ロレンス「……ホロ…」
ロレンス「……」
こんこん
ロレンス「……」
こんこん
ロレンス「……誰です?」
『あの…ロレンス…? わっちじゃが…入ってもよいかや…?』
ホロ「!?」
ロレンス「ホ…ホロ…!?」
ホロ「ロ、ロレンス…どっ、どうしたのじゃその顔の傷は…―――!?」
だきっ!
ロレンス「ホロ…!! ホロ…!! よかった…どうしようかと…本当にどうしようかと…!!」
ホロ「ろ、ろれんす!? ど、どうかしたかや? その…」
ロレンス「………よかった…本当に…本当に…」
ホロ「…ロレンス…」
ロレンス「……」
ホロ「……」なでなで
見るからに危険な商店にその身一つで飛び込んだ、と。そういう訳かや?」
ロレンス「…あ、あぁ…面目ない…」
ホロ「ふむ…褒められたことではないの。財布がなければ殺されていたのかもしれんのに…
それに、冷静なおぬしがそこまで…」
ロレンス「そ、それは…」
ホロ「…なんじゃ?」
ロレンス「お前だからさ…きっと、お前だから…」
ホロ「……こ、こほん」
ロレンス「それにしても…心配かけて悪かった…この通りだ」
ホロ「そんな真似はせんでもよろしい。
わっちも声もかけずに酒屋に行ったのはまずかった。実につまらん行き違いをしたようじゃな…お互いに」
ホロ「……」そわそわ
ロレンス「…あ、あの、ホロ…?」
ホロ「な、なんじゃ?」ぱたぱた
ロレンス「その、その葡萄酒の大瓶。どうしたんだ?」
ホロ「は、えっ?…こ、これかや? これはその…ぬしの機嫌を直そうと…わっちが貯めた小遣いで…」
ロレンス「俺の、機嫌…?」
ホロ「何か、気にくわぬことがあったのであろう? だからわっちと違う部屋に泊まったのであろう?」しゅん
ロレンス「ち、違うホロ! そんなんじゃないんだ、それは…俺が…」
ホロ「手淫のことかや…? くふふ、そんなことわっちは気にしたりせん。
これでもぬしよりだいぶ長生きしておる身じゃ、雄のこともよーく知っておる」
ロレンス「でも…俺のそういう行動が嫌であんなに飲んだんじゃ…?」
ロレンス「な、なんなんだ? どんな理由で…」
ホロ「その…あの…えと…ぬしが…わっちをただの連れだと…言うから…」かぁぁ
ロレンス「…は?」
ホロ「もう! この際どうでもいいでありんす!!
それよりも! おぬしはわっちに言うべきことがあるはずじゃが?」
ロレンス「…あぁ。もちろんだ。分かってる」
ホロ「ほう…命よりも大事なわっちにじゃぞ? 本当に分かっておろうの?」ぱたぱた
ロレンス「もちろんだ」
ホロ「……」ぱたぱたぱたぱた
ロレンス「…ホロ…」
ホロ「……は?」
ロレンス「俺…お前が大切なのはわかっているんだ…誰よりも…
で、でも、なんというか…時々、お前をそういう目で見てしまうというか…いや、これはお前が可愛いとかそういうんじゃなくて…
ただ単に俺が若いから…いやいや、言い訳しても仕方ないな…とにかくごめん!!」
ホロ「……」
ロレンス「許してくれるか…ホロ?」
ホロ「……くふふっ…旦那様の言うとおり、とんでもないぼんくらじゃのぬし」
ロレンス「言葉もないよ…猛省してる…」
ホロ「やれやれ…ロレンス。少し目を閉じておれ」
ロレンス「……?…わ、わかった」
ホロ「わっちがいいというまで、そのままでおるのじゃぞ?」
ロレンス「なんなんだよホ…ロ…!?」
ホロ「…どうかしたかや? 妄想のわっちより、格別に魅力的じゃろ?」
ロレンス「な、なな、なんてことしてるんだホロ…!?」
ホロ「…のうロレンス。ぬしが無鉄砲に飛び出して、傷だらけで帰ってきたとき。
それでもわっちは…嬉しかったのじゃ」
ロレンス「……」
ホロ「わっちと、おぬしが同じ気持ちなのだと。その時強く確信できたからの…
こんな気持ちになったのは…いつ以来のことか…」
ロレンス「…ホロ」
ホロ「ロレンス…わっちはぬしを…」
ロレンス「待ってくれ。その先は…俺に言わせてくれ…」
ホロ「!」ぱたぱた
『愛している』
ホロ「くふっ…猛獣とは、正に主のことじゃの…」
ロレンス「本当の猛獣にそういわれても…いや、たしかに否定はできない…」
ホロ「…それで、ロレンスよ」
ロレンス「…なんだ?」
ホロ「よもやぬし、今夜もおかしなことを言い出すことはあるまいの?」
ロレンス「あぁ、分かってるよ。心配しないでくれ」
ホロ「そうか? 本当に分かっておるかや?」
ロレンス「もちろんだとも…」
ロレンス「これからも、借りる部屋はひとつで、だろ?」
終わり
わっちかわいいよわっち
末永くロレンスと幸せになってくれ
よくやった、お前がナンバーワンだ
とりあえず今から狼と香辛料の13巻以降買ってくるよ
Σ ;` ̄''''ー - 、/ '‐- 、,\: : : : : : : : : : : : : :ヽ
\゙、: : : :/: : : `ヽ: : : : : :`゙'''‐、: : : : : : : : : : :゙、
'.;ヽ:': : /: : : : :i ヘ: : : : : : : : : ヽ: : : : : : : : : : ゙
/: : ,': : : :i: :',i: ::゙,゙i: : : : : : : : : ヽ: : : : : : : : :゙!
./: : : i: : : i: :i: :i i゙、゙、゙、: : : : : : : : : ゙、: :i : : : : : l
.,': : : : i: i: :i : :iヽii: :゙、゙、.゙、: : ゙i: : : : : :゙i : i: : : : : :i
i: i: : : :i从: :iヽヽリヽ ゙iヽi i: : .:i: : : : : : i: :i: : : : : :i
|: i: i: iλ从 七ヘ,ャヌ丁ズi゙!: : .i: : : : : : i: ヘ: : : : : i
.i: i゙!゙!ヽi iヽヽ` イ弋 ッ' ゙!: : i: : : : : : i: :ヘ: : : :i: i
i:i ゙!゙!: \i\ '` ゙!: : i: : : : : :.i、:ヘ: : : i: :i >>1乙じゃな、ぬし
゙!i i: : : : i ゙!: : i: : : : : :.i:ヽ:ヽ: :ヘ: ヘ
ヽ i: : ,/ i: : i: : : : : : iヽ:ヽ: :ヽヘ: ヘ
i: : \ ,,. -ツi i: : i: : : : : : i: :ヽ:ヽ: :ヽヘ:ヘ
i: : : :iヽ ヽ_ノ l: : i: : : : : : i、: : ,-" ̄ ̄`ヽ、
.i: : : i / \ ,. 'ヽ:i: :.i: : : : : : i`/ ゙、
.i: : : i,,_ヽ `マ'´i ゙! ゙!:i: :i: : : : : :i / i
.i:__t-'、 ヽヽ_i .i ヽ/: i: : : : : :i i、
i: i ,\ \ ゙i i i:'´ i: i: : : : : i 、 i:ヽ
i: ゙!ヾ-゙'、_ヽヘi ヘ`丶i:.i: : : : :i ヘ i: : ヽ
i: :゙! ハ ゙! .i:.i: : : : :i y i:、: : ゙i
i: : :i入 ! i i:.i: : : : i i i: : ゙i: : ゙i
Entry ⇒ 2012.01.18 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
パワプロ「センター試験……?」矢部「でやんす!」
パワプロ「どうしたんだい矢部君……いきなりセンター試験だなんて」
矢部「もうおいらたちも三年生でやんす!進路を考えないと不味いでやんすよ」
パワプロ「何言ってるんだい矢部君。俺はプロ野球選手になるって前から言ってるじゃないか」
矢部「でもよく考えて欲しいでやんす!このままプロ野球選手になれなかったら高卒でやんす!しかも同級生たちは就職組は簿記とか事務系の資格とかとってるしなんだかんだ言ってちゃんとしてるでやんす!おいら達も現実的な事を考えるでやんす!」
パワプロ「だ、大丈夫だよ矢部君。春はダメだったけどきっと夏の甲子園でスカウトの目にとまるような活躍をしてみせるさ!」
矢部「……あんまり言いたくないけど現実をちゃんと見るでやんす。バス停前高校に予選で二年連続で負けるようなとこに誰が注目するでやんすか」
パワプロ「」
矢部「おいらはエリートになりたいでやんす!だから今から勉強初めて一流大学を目指すでやんすよ!パワプロ君もプロ野球選手という夢を見るのもいいでやんすが野球ばっかりで食って行くのはほぼ不可能でやんす!」
パワプロ「……な、なるほど。でもなんでセンター試験なんだい?」
矢部「一流大学は大体国立でやんす。そこに入るためにはセンター試験で高得点を取らないとどうしようもないでやんすよ」
パワプロ「……なるほど。矢部君、今からでも大丈夫かな?」
矢部「きっと大丈夫でやんす!一緒に頑張るでやんすよ!」
パワプロ「そ、そうかな!じゃあ頑張ろう!」
矢部「まずは一ヶ月後にマーク模試があるでやんすからそれに向けて頑張るでやんす!」
パワプロ「おー!」
矢部「でやんす!」
━━━━━━━━━二カ月後。
担任「あー、この前の模試を受けた者は成績を返却する。自分の進路の参考にするように」
パワプロ「矢部君!この前のやつだね!」
矢部「でやんすね!結構自信があるでやんす!放課後一緒に見るでやんす!」
━━━━━━━━━━放課後。
パワプロ「じゃあ俺は矢部君のを先に見るね」
矢部「じゃあおいらはパワプロ君のを先にこっそり見せてもらうでやんす!」
パワプロ「どれどれ……?」
矢部
英語 90 リスニング 10
国語 66 ⅠA 14
ⅡB 6 物理 32
化学 41 地理 25
合計 264/900
東京大学E判定
京都大学E判定
パワプロ(矢部君………これは……)
矢部「どうでやんすか!?今回は一日一時間も勉強した上にアニメやゲームもいつもより控えたでやんす!いきなりA判定は多分無理だからC判定くらいでやんすか!?」
パワプロ「矢部君……俺からはまだ何も言えないよ……俺のはどうだい?」
?」
矢部「そうでやんした、どれどれ……?」
パワプロ
英語 90 リスニング 10
国語 66 ⅠA 14
ⅡB 6 物理 32
化学 41 地理 25
合計 264/900
東京大学E判定
京都大学E判定
矢部(これはひどい)
パワプロ「いやー、俺もこんなに勉強したの生まれて初めてだよ!実は俺も結構自信があるんだよね!」
矢部「……パワプロ君。悪い事は言わないでやんす。プロ野球選手を目指したほうがまだましでやんす……」
パワプロ「嘘……マジ?そんなに?」
矢部「マジでやんす。こんなに低い点数初めて見たでやんす。東大とか身の程をわきまえるべきでやんす」
パワプロ「」
矢部「で、おいらはどうでやんすか?」
パワプロ「そ、そうだよ!矢部君のだってかなりヤバイよ!はっきり言って今からプロサッカー選手を目指したほうが可能性あるレベルだね!」
矢部「何言ってるでやんすか!絶対にパワプロ君より点数は上のはずでやんす!負けたら自殺してもいいでやんす!」
パワプロ「な、何言ってるんだよ!そんな事言ったら俺だって負けたら野球やめてもいいね!」
矢部「言ったでやんすね!?じゃあ勝負でやんす!」
パワプロ「いいとも!せーのっ!」
矢部「」
パワプロ「」
パワプロ(まったく……)
矢部(同じでやんす……)
矢部「……こ、こんなの何かの間違いでやんす!そ、そうだ!マークミスしたに違いないでやんす!」
パワプロ「俺だってそうに違いないよ!矢部君より低いなんてありえないもの!」
矢部「ムキーッ!!言ったでやんすね!言ってしまったでやんすね!もうパワプロ君とは口も聞きたくないでやんす!」
パワプロ「こっちだって!矢部君の顔なんか見たくもないよ!」
矢部「じゃあ絶好でやんす!もう話しかけるなでやんす!」
パワプロ「あ、やっぱちょっと待った!……じゃあ矢部君、こんなのはどうだい?センター試験で決着をつける。それまではお互い干渉しない。というのは?このまま白黒付けないまま絶好は流石にちょっと寝覚めが悪いからね」
矢部「望む所でやんす!なんなら負けた方に罰ゲームをつけてもいいでやんす!」
パワプロ「よし、じゃあ負けた方はあおいちゃんが着替えてる最中に乱入してブラジャーを奪い取ってくるってのはどうだい?」
矢部「そ、それはさすがに犯罪でやんす……」
パワプロ「ん?自信がないのかい?」
矢部「そ、そんな事ないでやんす!かかってこいでやんす!」
パワプロ「じゃあ決定だね。来年の一月を楽しみに待ってるよ」
矢部「せいぜい勉強頑張るでやんす!負けるわけないでやんすがね!」
パワプロ「こっちのセリフだよ!じゃあね矢部君」
パワプロ「とは言ったものの……勉強の仕方なんて分からないしなぁ……どうしたものか」トボトボ
??「パワプロ様!?そこにいるのはパワプロ様ではありませんか!!」
パワプロ「げっ……カレンちゃん……」
パワプロ(ん……まてよ?こいつは使えるかも……)
カレン「こんな所で逢えるなんてまさに運命ですわっ!やはり私たちは結ばれる運命だったのです!」
パワプロ「所で確かカレンちゃんって勉強は得意だったよね?」
カレン「そこそこだと思います。そんな事よりデートいたしましょう!」
パワプロ「模試とかって受けた?よければどのくらいか教えてくれないかな?」
カレン「それでしたら丁度この前受けたやつがありますわ!こんなので良かったら存分にご覧くださいませ」
パワプロ(どれどれ……げっ!?900点中862点!?東大京大A判定!?)
パワプロ「カレンちゃん、いや、カレンさん!!俺に勉強を教えてくれないか!?もし成績がかなり上がったらデートでも何でもするよ!」
カレン「本当ですの!?パワプロ様のためならお安い御用ですわ!」
パワプロ(デートは適当なこと言ってごまかすとして……これは心強いな)
カレン「それではパワプロ様!私の早速お屋敷に参りましょう!勉強あるのみです!」
パワプロ「うん!よろしく頼むよ!」
その頃矢部は………
矢部「勢いに任せて言ったものの……全く自信はないでやんす……でも後半年以上あるでやんすから焦ることはないでやんすね!とりあえずマニアショップにでも行くでやんす!」
(注:七月上旬です)
矢部「おおっ!これはwarningの限定版フィギュアでやんす!ああっ!こっちにはリステリンズ・ゲートの初回仕様BDでやんす!」
矢部「来月から本気で勉強するとして……1日10時間やれば1500時間はセンター試験まであるでやんす!余裕でやんす!」
矢部「焦ってやってもどうせ飽きるでやんすから自分のペースでやるでやんす!」
こうして……パワプロはカレンちゃんに勉強を教えてもらい、矢部君は独学でやろうと決意した。こうして三ヶ月の時が過ぎた。(ちなみに夏の予選はバス停前高校にコールド負けをした)
━━━━━━━━━━三ヶ月後。
パワプロ「どうかな!?」
カレン「……これも、これもあってますわね。かなり出来るようになってますわ!流石はパワプロ様!」
パワプロ「本当!?間に合うかな!?」
カレン「このペースで行けば何とかなりそうですわね!あと三ヶ月……頑張りましょう!」
パワプロ「カレンちゃんのおかげだよ!ホントにありがとう!」
カレン「まだまだわかりませんわ!油断大敵です!」
パワプロ「そうだね!もう少しよろしく頼むよ!」
一方矢部は……
矢部「いやー今期は豊作過ぎて寝不足でやんす!新作のエロゲも当たりが多いし嬉しい悲鳴ってやつでやんすね!」テクテク
??「おーい!矢部君ー!」
矢部「ん?おお、あおいちゃんでやんす!久しぶりでやんす!」
あおい「クラス違うし引退してから顔合わせなかったからねー。最近調子どう?」
矢部「絶好調でやんす!あおいちゃんはどうでやんすか?」
あおい「ボクは最近勉強が大変かなぁ。野球ばっかりやってたから勉強は大変だよ」
矢部「あおいちゃんは受験するでやんすか?」
あおい「うーん、迷ったけど大学でまた野球やりたいからね!推薦は無理っぽいからセンター試験で何とか進学決めたいなって」
矢部「おお!おいらもセンター試験は受けるでやんすよ!お互い頑張るでやんす!」
あおい「え……でも矢部君ってこの前も補習じゃなかった……?大丈夫なの?ちゃんと勉強してる?」
矢部「自分のペースで進めてるでやんす!心配無用でやんすよ!」
あおい「そう?じゃあお互いがんばろうね!じゃっ!」
矢部「またねでやんす!」
矢部(とは言ったものの……さすがに三ヶ月何もして来なかったのはまずかったでやんすかね?)
矢部「でもしょうがないでやんす!おいらの事を待ってるアニメやゲームがあるでやんす!」
矢部「それに来週から本気出すとして……一日12時間やればあと1000時間はあるでやんす!それだけあれば余裕でやんす!」
矢部「パワプロ君もどうせやってないはずでやんすから……ハンデの意味も込めて本気出すのは来週くらいからで丁度いいでやんす!」
━━━━━━━━━━二ヶ月後。
パワプロ「この問題はモンモールの問題がモデルになってるのかな?」
カレン「どうやらそうですわね!」
パワプロ「通りで見たことあると思ったよ!この問題はこの示し方でも平気かな?」
カレン「加法定理の証明ですか?ド・モアブルを使うと循環証明っぽいですわね……素直にベクトルを使ったほうがよろしいかと思いますわ!」
パワプロ「なるほどなるほど……」
(注:勉強してるとこは適当です)
俺も
カレン「それにしてもパワプロ様の成績の上がり具合には頭が下がりますわ!センター試験レベルならもう完璧ですわね!」
パワプロ「それもこれもカレンちゃんのおかげだよ!」
カレン「いいえ!私は大した事してませんわ!パワプロ様の努力の結果です!誇っていいですわ!」
パワプロ「そ、そうかな……でもまだもう少しあるし頑張ってみるよ!」
カレン「私もお手伝いさせて頂きますわ!」
一方矢部は……
矢部「うっ……、ふぅ……」
矢部「あー、一回ヌいてから勉強しようと思ったでやんすが……なんかどうでもよくなってきたでやんすねぇ……」
矢部「それにしても如月群馬の描くハーレム物は最高でやんす!フェラの描写が半端ないでやんす!」
矢部「まぁ……、勉強は一ヶ月前に受けた模試の結果が帰ってきてから本気出すでやんす」
矢部「あと一ヶ月という事は……一日に15時間勉強すれば450時間はできるでやんす!余裕でやんす!」
矢部「あっ!そう言えば今夜は『JALの使い魔』の4期が始まる日でやんす!wktkでやんす!」
━━━━━━━━━━次の日。
担任「あー、この前模試を受けた者は成績を返す。もう時間もないからこの成績にそって進路を考えるように」
矢部「そういえばそんなのもあったでやんす!まぁ勉強はしてないけど自信はあるでやんす!少なくとも夏の成績は上回ってるはずでやんすね、今回はマークミスしてないか念入りにチェックしたでやんすし」ドレドレ
矢部
英語 0 リスニング 0
国語 0 ⅠA 0
ⅡB 0 物理 0
化学 0 地理 0
合計 0/900
得点率 0.00%
東京大学E判定
京都大学E判定
矢部「」
矢部「……えっ?」
矢部「いや、おかしいおかしい。見間違いだって」
矢部「もっかい見てみるでやんす」ソー
矢部
英語 0 リスニング 0
国語 0 ⅠA 0
ⅡB 0 物理 0
化学 0 地理 0
合計 0/900
得点率 0.00%
東京大学E判定
京都大学E判定
矢部「うそ……だろ……」
矢部「……夢じゃないでやんす」
矢部「全部自信を持ってマークして確認したでやんすのに……」
矢部「……このままではさすがにマズイでやんす……」
矢部「よし、放課後にマニアショップで作戦会議でやんす!」
━━━━━━━━━━放課後。
矢部「さて、マニアショップに来たでやんすが……とりあえず買物だけ済ませて考えるでやんす」
矢部「おお!『ラブマイナス+』のねんどろいどでやんす!可愛いでやんす!」
━━━━━━━━数時間後。
矢部「……またやってしまったでやんす……」ズーン
矢部「勉強は10日前から始めたら240時間は出来るでやんすから間に合うといえば間に合うと思うでやんすが……」
矢部「また繰り返してしまった事に自己嫌悪でやんす……はぁ」トボトボ
??「オーイ!ソコノ少年!」
矢部「ん?おいらの事でやんすか?」
??「ソウデース、ナニカオ困リノヨウデスネー」
矢部「なんか胡散臭い人でやんすね。誰でやんすか?」
??「ワタシ世界的スポーツ医学ノ権威、ダイジョーブ博士デース!ソンナ事ヨリ何カ悩ンデルノデシタラ力ニナリマスヨ?」
矢部「……まぁ聞いてもらうだけならタダでやんす」
矢部「実は……」カクカクシカジカ
ダイジョーブ「ナルホド、ツマリ頭ガ良クナリタイノデスネ?」
矢部「まあ端的に言うとそうでやんすかねぇ……」
ダイジョーブ「任セナサーイ!ワタシガ何トカシテアゲマショウ!」
矢部「ほっ、本当でやんすか!?ぜひお願いしたいでやんす!」
ダイジョーブ「イイ心意気デース!ソレデハ早速ワタシノ研究所ニイキマショー」
矢部「がってんでやんす!」
━━━━━━━━━━研究所。
ダイジョーブ「ソレデハ早速コノ薬ヲ飲ンデ横ニナッテ下サーイ」
矢部「分かったでやんす!あれ……なんか眠……く……んす」パタン
ダイジョーブ「デハ開始シマース。ゲドー君!準備ハイイデスカ?」キラーン
ゲドー君「ギョギョー!」
ダイジョーブ「……」チュイイイイイン
ダイジョーブ「……」ゴリゴリ
ダイジョーブ「……」ギコギコ
━━━━━━━━━━数時間後。
ダイジョーブ「ヤハリワタシハ天才デース!ゲドー君!コノ少年ヲ捨テテキテクダサーイ!」
ゲドー君「ギョギョー!」
━━━━━━━━━━街。
矢部「うーん、もう食べられないでやんすぅ……はっ!?」ガバッ
矢部「……あれ?何でおいらはこんなとこに寝てたでやんすか?うーん……思い出せないでやんす。んん!?なんか頭がスッキリして良くなった気がするでやんす!」
矢部「ちょっと帰って過去問やってみるでやんす!」
━━━━━━━━矢部家。
矢部「………やっぱりでやんす」
矢部「どうやらおいらは知らないうちに覚醒したようでやんすね……。去年の過去問が900点とはヤッパリおいらは天才だったでやんす!」
矢部「まあペンを握ると眠くなって起きたらマークが埋まってるんでやんすがね。細かい事はどうでもいいでやんす」
一方パワプロは……。
パワプロ「やった!遂にA判定でたよ!」
カレン「おめでとうございますパワプロ様!これでもうほぼ安心ですわね!」
パワプロ「ありがとうカレンちゃん!君がいなかったらここまでは出来るようにならなかったよ!」
カレン「いやですわパワプロ様、パワプロ様の努力の結果です」
パワプロ「照れるなぁ……。とにかく、あと少しでセンター試験だからそれまで最終チェックする事にするよ!」
カレン「それがいいと思いますわ!では私が力になれるのはここまでの様ですので結果報告を楽しみに待ってますわ!」
パワプロ「うん!本当にありがとう!」
━━━━━━━━センター試験当日。
パワプロ家
パワプロ「鉛筆、シャーペン、消しゴム、時計、受験票……忘れ物はないな!さあ、がんばろう!」
矢部家
矢部「えーと……鉛筆はないでやんすからシャーペンでも平気でやんすかね?あと……時計はどうせ教室にあるはずだからいいでやんすね。あとは……受験票が確かこの辺に」ゴソゴソ
矢部「ゲッ!写真が必要なんて聞いてないでやんすよ!しかも二枚も!」
矢部「まぁコンビニの前で写真とってけばいいでやんすね」
矢部「会場は……どこでやんすこれ?まぁ最寄り駅が書いてあるから行って受験生っぽいのを尾行すれば多分つくでやんす」
むかしはただの邪魔なデブスだったのに
見た目以外の面では
━━━━━━━━━━会場。
矢部「いやー、ギリギリセーフだったでやんす、……あ」
矢部(隣の席がパワプロ君でやんす。直前に無駄なあがきをしてるようだけどせいぜい頑張るといいでやんす。全部終わった後に泣いて謝らせるでやんす)
パワプロ(一時間目は地理か……宗教系は苦手だから出てほしくないなぁ)
パワプロ(……ん?よく見たら隣は矢部君か……なんか余裕そうだけど大丈夫かな?)
試験監督「えー、それでは問題配ります」
━━━━━━━━━地理終了。
パワプロ(ふぅ、なんとかいつもの力が出せたな……と言うかもしかして矢部君寝てた?なんかイビキみたいな声が……)
矢部(おお!やっぱり寝て起きたらマークが埋まってるでやんす!今日も何も心配する必要なかったでやんすね!)
━━━━━━━━━━そんなこんなで一日目終了。次の日。
パワプロ(よし!理科もいい手応えだった!後は得意の数学ⅡBだけだ!)
矢部(なんか寝るのも飽きたでやんすね……最後くらいは自力でやってみるでやんす!)
試験監督「それでは数学ⅡBを始めて下さい」
パワプロ(くっ……ちょっと難化したか?計算量が……)
矢部(真数が正?真数ってなんでやんす?嘘じゃない本当の数でやんすか?)
パワプロ(空間ベクトルか……焦らず冷静に)
矢部(sinA=cos2Bでやんすか……ということはA=2Bでやんす!簡単でやんす!)
パワプロ(数列もちょっと多いな……計算ミスに注意しないと)
矢部(等差数列?確か1、2、3、
5、7、11、13……でやんしたっけ?)
試験監督「はいそこまで!それでは回収しますのでペンをおいて下さい」
パワプロ(満点は逃しちゃったかも……)ズーン
矢部(かなり出来たでやんす!満点の可能性大でやんす!!)
矢部くんは素数と間違えてます。というか色々間違えてます
━━━━━━━━━━次の日。
矢部「この日を待ってたでやんす!」
パワプロ「こっちのセリフだよ矢部君!先に解答見て問題用紙に細工とかしてないだろうね?」
矢部「そんなみみっちい事するわけないでやんす!ちゃんと問題用紙持ってきたから交換してお互いの自己採点やるでやんす!」
パワプロ「望むところだ!」
━━━━━━━━━自己採点中。
矢部(な、なかなかやるでやんすね……まさかここまでとは……でも所詮は凡人でやんす!この天才のおいらに敵うはずがないでやんす!)
パワプロ(うそ……だろ……?)
パワプロ(それにしてもⅡB酷すぎだろ……わざととしか思えないよ……)
パワプロ「そっち終わった?」
矢部「終わったでやんす!」
パワプロ「じゃあせーので見せ合おう、せーのっ!」
矢部「やんす!」
直前に起きて解答をメモってるということにしといて下さい
矢部
英語 200 リスニング 50
国語 200 ⅠA 100
ⅡB 0 物理 100
化学 100 地理 100
合計 800/900
得点率 89.9%
パワプロ
英語 194 リスニング 48
国語 163 ⅠA 100
ⅡB 93 物理 92
化学 96 地理 76
合計 813.6/900
得点率 90.4%
1は素数じゃないぞ
ですので矢部君は馬鹿なのです
矢部「」
矢部「……ま、負けたで……やんす」
矢部「そんなバカな……でやんす」
矢部「もう……死ぬしかないでやんす……」
パワプロ「矢部君……」
パワプロ「矢部君だって頑張ってたじゃないか!!」バンッ
パワプロ「そりゃあ俺も死ぬほど頑張ったよ!けど矢部君だってたった半年でそれだけの点数をとれるだけ努力してきたんだろう!?」
つーかリスニングってどうやって勉強すんの?
俺は即単のCDを意味がわかるまでエンドレスでした
矢部「……そうでやんす。おいらもこの点数になるまで死ぬ程努力したでやんす……」
パワプロ「だったら!俺に負けたからって試験は終わってないじゃないか!2次試験一緒にがんばろうよ!!」
矢部「そう……でやんすね。おいら目が覚めたでやんす!パワプロ君!ありがとうでやんす!一緒に東大目指して頑張るでやんす!」
パワプロ「その意気だよ!がんばろう!」
矢部「がってんでやんす!」
━━━━━━━━そして一週間後。
パワプロ「ありがとうカレンちゃん!センター試験も成功したし後は2次試験頑張るだけだよ!」
カレン「もう少しですわね!私も一緒の大学に入れるように頑張りますわ!一緒に入ったらパワプロ様との夢のキャンパスライフが……素敵」
パワプロ(そろそろ縁切っとかないと……ヤバイか?もう得られるものはなさそうだしこのままだと確実に夢のキャンパスライフを邪魔される……)
パワプロ「う、うん。もし一緒に大学入れてもいい『友達』でいようね!」
カレン「なんか今不自然に強調しませんでした?」ゴゴゴゴ
パワプロ「そっそんな事よりこの問題なんだけどさぁ……」
一方矢部は……
矢部「うっ……ふぅ……」
矢部「やっぱJIN先生が描く寝取られは最高でやんすねぇ……」
矢部「勉強しなくても楽勝だってわかったでやんすから気楽なもんでやんす!」
矢部「女の子のみに囲まれた夢のハーレムキャンパスライフが楽しみでやんす・」ウットリ
━━━━━━━━東大試験当日。
パワプロ「ついに来たね矢部君!」
矢部「やんすね!」
パワプロ「春にはこの赤門を一緒にくぐれるように頑張ろう!」
矢部「おうでやんす!」
パワプロ「試験の対策は大丈夫かい?過去問どのくらい取れた?」
矢部「対策なんかいらないでやんす!過去問もやる必要ないからやってないでやんす!赤本買うくらいならその金でマニアグッズ買うでやんす!」
パワプロ(……オイオイマジかよ……)
━━━━━━━━━試験開始。
パワプロ(くっ……やっぱり会場で受けると実力が出せないな……)
矢部(…………ZZZ)サラサラ
矢部(……ここがいいでやんすか!?えぇ!?言ってみるでやんす!どこに何を入れて欲しいかちゃんとは言わなきゃわかんないでやんすよぉ!?……ZZZ)サラサラ
━━━━━━━━━試験終了。
パワプロ「ふぅ……疲れた。でもやれる事は全部やったな!矢部君はどうだった?」
矢部「おいらもいい夢が見れたでやんす!完璧でやんす!」
パワプロ「そっか!後は結果待ちだね!(夢……?)」
矢部「でやんすね!早く帰るでやんす!」
パワプロ「やったよ矢部君!解答速報と照らし合わせてみたら多分大丈夫そうだったよ!」
矢部「おお!よかったでやんすね!おいらも完璧でやんす!」
矢部(本当は解答なんて見てないでやんすがまぁ受かってるはずでやんす)
パワプロ「本当に!?じゃあ二人揃って東大生になれそうだね!」
矢部「これもパワプロ君が励ましてくれたおかげでやんす!絶交なんて言ってゴメンでやんす!」
パワプロ「いいんだよ!ちゃんとやる事はやってもらうから!」
矢部「……ん?やることってなんでやんす?」
パワプロ「やだなぁ、罰ゲームだよ罰ゲーム!まだやってなかっただろ?」
矢部「」
矢部「……た、たしかあおいちゃんに投げキッスでやんすよね?」
パワプロ「やだなぁ矢部君あおいちゃんのパンツとブラジャーを強奪するんだろ?」
矢部「さり気なくパンツが入ってるでやんす!ブラジャーだけだったはずでやんす!」
パワプロ「ゴメンゴメン。じゃあブラジャー追い剥ぎ頑張ってね!」
矢部「だ、騙されたでやんす……」
パワプロ「じゃあさすがにかわいそうだから罰ゲーム選ばせてあげるよ」
矢部「本当でやんすか!?さすがパワプロ君は出来た人間でやんす!」
パワプロ「とある女の子に付き合えるまで告白ってのはどう?」
矢部「そ、それも厳しいでやんすが犯罪者になるよりマシでやんすかね……所でとある女の子というの誰でやんすか?」
パワプロ「カレンちゃん」
矢部「」
矢部「カ、カレンちゃんってあの重戦車カレンちゃんでやんすか!?」
パワプロ「うんそのカレンちゃん」
矢部「こ、これは究極の選択でやんす……」
パワプロ「でもカレンちゃんスゴいいい子だよ?優しいし料理できるしモテナイから浮気は出来なさそうだし将来は絶対イイお嫁さんになるって!」
矢部「そーいう問題じゃないでやんす!うーん……」
パワプロ「じゃあアミダで決めよう!これで文句無しでいいね!?」
矢部「分かったでやんす!おいらも男。男は一度決めたらやり通すでやんす!」
矢部「そーいう問題じゃないでやんす!うーん……」
パワプロ「じゃあアミダで決めよう!これで文句無しでいいね!?」
矢部「分かったでやんす!おいらも男。男は一度決めたらやり通すでやんす!」
パワプロ「よく言った矢部君!よし、出来た!どれ選ぶ?」
矢部「何で選択肢が二つのはずなのに3まであるでやんすか!?」
パワプロ「細かい事は気にしないで。さあどれ?」
矢部「じ、じゃあ2を……」
パワプロ「えーと……あ、当たりだ。両方こなすだって」
矢部「な、なんでやんすかそれ!?どう考えてもおかしいでやんす!」
パワプロ「男に二言はないんじゃなかったっけ?」
矢部「ぐぬぬ……分かったでやんす!おいらも漢!やる時はやる漢でやんす!」
パワプロ「よく言った矢部君!じゃあ早速カレンちゃんからいこう。夕方に公園に来て下さいって手紙だしといたから多分そろそろ待ってると思うよ!」
矢部「なんかやけに手際がいいでやんすね……まあ分かったでやんす」
パワプロ(ちなみに残りの二個は両方こなすと告白だったんだ。ガンバレ矢部君!)
━━━━━━━━━━公園。
パワプロ(いたよ矢部君!後ろから見ても凄まじいあの存在感。間違いなく彼女だ)
矢部「ほ、本当に行くでやんすか?」
パワプロ(漢になるんだ矢部君!)
矢部「わ、わかったでやんす!行ってくるでやんす!」ウオオオオオ!
矢部「ま、待たせてゴメンでやんす。呼び出したのはおいらでやんす」
カレン「そ、そうでしたか……なんの御用でしょう?」
矢部「そ、その……」
パワプロ(ガンバレ矢部君!俺の明るい未来のために!)
矢部「すっ、好きでやんす!おいらと付き合って欲しいでやんす!」
パワプロ(言ったあああああ!よっしゃあああああ!)
カレン「!!……わ、わたくしには心に決めた方が……」
矢部「そ、そうでやんすか……」
パワプロ(おおおい!ヤバイヤバイ!何引いてるんだよ!おせ!押すんだ矢部君!)
矢部「でもそんなの関係ないでやんす!おいらの方がその人よりカレンちゃんの事好きでやんす!」
パワプロ(よしいいぞ矢部!)
カレン「や、矢部様……そこまで私の事を……」
カレン「……分かりました。わたくしは今から矢部様の恋人ですわ!」
矢部「ほ、本当でやんすか!?(彼女できて嬉しいはずなのに嬉しくないでやんす……)」
矢部「じゃ、じゃあ今日はこれまでにしてまた改めて会おうでやんす!」
カレン「そうですわね!それではごきげんよう!」ドスドス
パワプロ「いやー、矢部君グッジョブグッジョブ!!受験上手く行った上に彼女持ちなんて羨ましいなぁ」
矢部「なんかあんま嬉しくないでやんす……」
パワプロ「よしじゃあ、次に行こうか。明日野球部のOBみんなで練習混ざる事にしたから!……あとは分かるね?」
矢部「またしても手際がいいでやんすね……まぁいいでやんす。ここまで来たら後には引けないでやんすよ!」
パワプロ「その意気だよ矢部君!じゃあまた明日ね!」
━━━━━━━━━━次の日放課後。
パワプロ「矢部君準備はいいかい?」
矢部「バッチリでやんす!」フガフガ
パワプロ「しかし被り物をしてまでやるとは……さすがだね」
矢部「まだ捕まりたくないでやんすからね!」フガフガ
パワプロ「よし、今さっき練習終わってあおいちゃんは野球部の誰もいない部室に向かった。今は多分脱ぎ始めてる頃だろう」
矢部「興奮してきたでやんす!」
パワプロ「よし!いけ矢部君!解き放ってくんるだ!」
矢部「分かったでやんす!」ウオオオオオ!
━━━━━━━━━━その頃部室。
あおい「はぁ……久しぶりにみんなで野球したら少し疲れちゃったなぁ。でもパワプロ君とも久しぶりに話せたし楽しかったな!」シュルルパサッ
ウオオオオオ
あおい「ん?何の音?」
バターン!!
あおい「えっ!?な、なに?誰?」
矢部「ウオオオオオオオ!!!ヤンスヤンスヤンスヤンスゥゥゥゥ!!」
あおい「きゃっ、あっ……ちょっと……んっ、あん……や、やめ」
矢部「うっひょおおおおおお!たまんない感触でやんすゥゥゥ!!」
あおい「ちょっ、そっ……そこは……だ、ダメ……っ!」
矢部「ブラシャーは頂いたでやんす!こうなったらついでに下ももらうでやんす!」
あおい「や、やめて……ホントにこれ以上は……んっ……っやめてよぅ!」
矢部「本当は嬉しいでやんす!ほらほらアソコに手が伸びるでやんすよ」
あおい「やっ……いやぁぁぁぁ!!」
バンッ!!
矢部「!?」
あおい「!?」
パワプロ「大丈夫かいあおいちゃん!!この変態め!!」バキッ
矢部「ぶべらっ!」
パワプロ「この野郎よくもあおいちゃんを!」バキッドカッ
矢部「ぐぼっ、げはっ、や、やめるでやん……ぐはっ」バタン
パワプロ「ハァハァ……だ、大丈夫かあおいちゃん!?これを着て!」パサッ
あおい「グスッ……うん、あ、ありがとうパワプロ君……怖かった」ダキッ
パワプロ「助けるのが遅くなってごめんね……もう大丈夫だよ」ナデナデ
パワプロ「じゃあこの変態を連れて行くからあおいちゃんは先に帰ってて」
あおい「う、うん……。何から何まで本当にありがとうパワプロ君……」
パワプロ「気をつけて帰るんだよ?じゃあね」
矢部「……ひ、ひどいでやんす!パワプロ君は鬼でやんす!」
パワプロ「ゴメンよ矢部君……けど矢部君があまりにも暴走してたからあのままだと捕まると思って少し強行手段に出たんだ……手荒になっちゃってごめんね」
矢部「そ、そうだったでやんすか!ありがとうでやんす!」
パワプロ「という訳でどさくさに紛れて奪い取った水色の上下下着セットは助けたお礼として貰っとくね?」
矢部「そ、そんなっ……せめて匂いだけでも嗅がせてくれでやんす!」
パワプロ「でも俺がいなければ今頃東大生どころかブタ箱行きだったんだよ?」
矢部「そ、それは……くっ……もってけドロボーでやんす!」
パワプロ(なんか上手く行きすぎて逆に怖い)
そしてしばらくして……合格発表の日
━━━━━━━━━東京大学。
パワプロ「いやーついに来たね」
矢部「でやんすね!」
パワプロ「あれからカレンちゃんとはどうだい?」
矢部「なんか見慣れると可愛く見えるでやんす!もう毎晩激しいでやんすよ!」
パワプロ「そ、そう……それは良かったね(スゲェ……)」
矢部「おっ!張り出されたでやんす!パワプロ君の番号が早いからパワプロ君から見るでやんす!」
パワプロ「どれどれ……」
パワプロ「あっ、あった!」
パワプロ「あったあああああああ!」
矢部「やったでやんす!おめでとうでやんす!」
矢部「これで晴れて二人共東大生でやんすね!」
パワプロ「うん!ありがとう矢部君!……あっ一応矢部君のも見とこうよ!」
矢部「そうでやんすね!えーっと……」
矢部「ん?あれ?おかしいでやんすね?番号が飛んでるでやんす」
矢部「えっーと……あ、あれ?」
パワプロ「??どしたの矢部くん?」
矢部「な、ないでやんす……」
パワプロ「……えっ?」
矢部「おいらの番号がないでやんすよぉぉぉぉぉぉ!!」
パワプロ「……そ、それは……なんというか……(気まずい……)」
??「おーい!パワプロー!」
パワプロ「あっ?あおいじゃないか!どうしたの?」
あおい「えー、だってやっぱりパワプロの合格発表一緒に見たいなって……えへへ、あれ?矢部君どうしたの?顔青いけど大丈夫?」
矢部「………」
パワプロ「あ、あおい!ちょっとあっちに行こうか!じ、じゃあ矢部君!またね!」
あおい「あんっ、ちょっと引っ張らないでってばぁ。じゃあね矢部君!」
矢部「そんなバカなでやんす……何がダメだったでやんすか……」フラフラ
??「あっ、そこにいるのは!」
??「矢部様ー!矢部様ー!」ドスドス
カレン「矢部様!カレンは合格しましたわ!一緒にお祝いいたしましょう!」
矢部「うるさいでやんす!ほっといてくれでやんす!」
カレン「矢部様……」
矢部「そうでやんすよ!不合格でやんす!笑うがいいでやんすよ!」
カレン「矢部様……また一緒に一から頑張りましょう?カレンがついていますわ」フシューフシュー
矢部「もうダメなんでやんす……パワプロ君にあれだけでかい口叩いてこれでやんす……」
カレン「矢部様……大学受験はまだ大丈夫ですわ……25歳にもなってセンター試験受けてる>>1のような奴だっています!まだ慌てるような時間じゃありませんわ!一緒に頑張りましょう?」
矢部「本当にまだ……遅くはないでやんすか?」
矢部「そうでやんすか……もう少し頑張ってみるでやんす!」
カレン「その意気ですわ!」
こうして……底辺から始まった俺達の受験戦争は幕を閉じた。
次の夏に聞いたのだが、どうやら矢部君は開示されたセンター試験の点数が全科目0点だったらしい。
名前をマークするのを忘れてたののだろう……。
何で名前もマークしないでやんすか!この役立たず!と自分を罵っていたが、正直引いた。
ちなみに矢部君は次の年から急に物覚えが悪くなり、もちろん成績も下がり続けて受験どころではなくなり、今はカレンちゃんのお父さんの系列会社でバイトしているらしい。
なんか試験中寝ても解答ができ上がらないでやんす!とわめいていたらしい。当たり前だ。
俺はもちろん無事に東大生なり、女子大に行った可愛い彼女との交際も続いている。
院に行くことも決まり、彼女は野球部がある小さい会社に就職が決まった。
いつか結婚しようと思うのでそしたら矢部くんに会いに行こうと思う。こうなったのも全部矢部君のおかげだしね。
パワプロ「おしまい」
お疲れさん!完結してよかった
Entry ⇒ 2012.01.17 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
播磨「沢近に離婚突きつけられたったwwwww」
_播磨拳児、放浪生活開始
播磨「それにしても何でお嬢はいきなり・・・」
播磨「てめーの住みかぐらいてめーで何とかするさ」
播磨「とりあえず…」
播磨「…シュ、いりませんか」ボソボソ
播磨「ティ…、い…ません…」ボソボソ
播磨「ティッシュ、いりませんか…」ボソボソ
_播磨、恒例のティッシュ配り。
通行人B「…チッ」
通行人C「どけ!」ドカ
播磨「……」
播磨「…昔もこんな事あったよな…」
播磨「あん時は周防が……」
播磨「今回も周防の家に…」
播磨「…!」
ポスター「矢神市長!花井春樹!」
沢近「え?美琴?結婚したのよ?」
沢近「相手は…」
沢近「花井君」
~~~
播磨「…」
花井「播磨~~!!」
花井「おい!播磨!」
花井「しっかりせんか播磨!お前と言う奴は…!」クドクド
花井「播磨…お前も良い歳だろうが…」
花井「いい加減仕事を見つけて来い!」
~~~
播磨「」ブンブン
播磨「他に頼れそうな人は…」
~イメージ~
絃子「誰だっけ?」
今鳥「え~?男なんて泊めるわけねぇじゃん」
播磨「……」
_播磨、バイトもそっちのけで思索中
播磨「…」
播磨「…ということで、結局ここに来てしまったとさ」
播磨「…」
播磨「そう言えば、俺知り合い少ないかも…」
_播磨拳児、元一匹狼
播磨「高校以来、訪ねた事無かったんだよな」
播磨「…まっ、一時期俺は住んでたわけだし」
播磨「俺の第二の家みたいなもんだろ」
ピンポーン
?「ちょっと、今お風呂あがりだから出て~♡」
?「わかったー」
播磨「?」
ガチャ
播磨「…」
?「……播磨…か…?」
播磨「お…前は…今鳥」
播磨「…」
ガシッ
播磨「てめー今鳥!何してんだアァ~ン」
?「わわわわ、違う違う…俺だよ、覚えてないか?」
?「谷だよ…お前の元担任だ
播磨「誰だてめーはどう見ても今鳥だろうが」
_谷速人、今鳥との違いは眼鏡のみ
播磨「…谷…か?」
谷「呼び捨てかよ…別に良いけどさ」
播磨「何でてめーがここに?」
谷「あのな…播磨…落ち着いて聞いてくれよ」
谷「俺な…妙さんと…付き合ってるんだ!」
播磨(へ~、妙さんも良い年齢だしな」
谷「…」
谷(すまんが播磨…お前の気持ちに応える事はできん!)
_播磨、谷にラブレターを渡したことアリ。誤解はとけてない模様。
播磨(チッ、別のトコ探さねーとな)
谷「そうなんだよ…ハハ」
谷(すんなりと諦めてくれると良いんだけど…)
播磨「……」
播磨「…あのよ、今あいてるか?」
谷「・・・は?」
播磨「…いやよ、ちょっとばかしお前のトコに泊めてくんねーかな…って」
播磨(一応、訊いとくか)
谷「……」
谷(…)
播磨「まあ、そうだな」
谷「…」
谷「…悪いけど、お前の期待には応じられないぞ、播磨」
播磨「…チッ、やっぱりか」
播磨「でも別に少しばかりスペースを貸してくれれば良いんだぜ」
播磨「別に俺に構わなくても…」
谷「…」
播磨「そうか」
播磨「……」
ペコリ
播磨「すまん!やっぱり泊まらせてくれ」
播磨「ここに泊まれなきゃ、もう行くトコがねぇ」
播磨「後生だぜ」
谷「…」
谷「といっても、リビングは物が溢れてるから…」
谷「…妙さんの部屋か…」
谷「……俺の部屋しか空いてないぞ…」ソロー
播磨「そこで構わねぇ!」バシッ
谷「…!!」
谷「…といってもだな、落ち着け播磨」
谷「というか沢近はどうした?」
谷「お前ら結婚したんだろ」
播磨「谷さん、お嬢の事は言わないでくれ…」
播磨「もう、お嬢なんてどうだって良いんだ…!」
谷「…!!!」
谷「…」
谷「…と言ってもだな」
谷「…妙さんは、これから少し外出をしなくちゃ…」
播磨「俺は全く構わねぇぜ!」
谷「…!!!!」
_谷速人、人生最大の良心と貞操の葛藤
谷「…」スルー
播磨「…?」
ガチャ
バターン!
_谷、貞操の勝ち(圧勝)。
播磨「おい!」ガチャガチャ
播磨「おい!開けろ」ガチャガチャガチャ
扉
谷「…」ガクブル
妙「ね~速人♡」
妙「誰か来てたの?」
谷「…」ブンブン
播磨「…さて」
播磨「…もう行くトコがない…」
播磨「…といいつつ」
播磨「やはりあそこしか…」
ピンポーン
?「はーい」
ガラガラ
?「あっ…播磨さん…」
播磨「…よ、よぉ、久しぶり…」
播磨「…妹さん」
八雲「…はい……」
播磨「つーわけでよ」
八雲「…帰る家が無くなったと」
八雲「…」
播磨「…頼む!妹さん」
播磨「一晩、一晩だけ」
播磨「…俺を泊めちゃくれねぇか」
播磨「後生だぜ」
_播磨拳児、後生の意味はよく知らない。
播磨「本当か!?妹さん!恩に着るぜ…!」
八雲「…一晩だけですから…播磨さん、漫画を描いたりは…」
播磨「いや、今日はそういうんじゃねぇんだ」
播磨「そう言えば、漫画も久しく描いてねぇな」
八雲「…そうですか」
八雲「…だったら、お姉ちゃんの部屋を使って下さい」
播磨「!」
播磨「…いや、さすがに使えねぇーよ…」
八雲「…だったら……私の部屋で一緒に寝ますか…」
播磨「!!」
播磨「…」
八雲「……冗談です」
播磨「…あは、はは、ハハ、おいおい妹さん、笑えねぇ冗談だぜ…」
播磨「おっ!すまねぇな妹さん」
八雲「いえ…、書斎を使う必要もないようなので…」
播磨「それじゃあ、お言葉に甘えて」
播磨「…」
八雲「…」
播磨「…」
八雲「…」
播磨(…気まずい……)
播磨(前来た時は漫画書くことしか頭に無かったからな)
播磨(…いや、そんなこと無かったけど)
播磨(……いつからだっけ、漫画描かなくなったの…)
播磨「!…いいって、妹さんは座っててくんな」
サラサラ
八雲「…手際…良いですね」
播磨「そういえば、この家には随分お世話になったからな」
ハラッ
播磨「…これは」
播磨「てんっ!…塚本さんの手紙じゃないか」
八雲「…」
八雲「それで、お姉ちゃんが……」
八雲「烏丸さんは、順調に……」
八雲「サラは東京の大学で……」
播磨(妹さんも楽しく話してるし…)
播磨(…こういうのも良いのかもな)
播磨「それじゃあ世話になったな、妹さん」ペコリ
八雲「あの…別に私は…」
播磨「いや、いいんだ、俺も漢なら自分の寝床ぐれえ」
八雲「…」
播磨「…それより、最近大丈夫なのか?」
八雲「え?…ええお陰さまで…」
播磨「そっか、…じゃあ、また今度な!」
タッタッタッ
ヒュン
グシャ
播磨「ぶべらぁ!」
_播磨、懐かしい感触
播磨「何しやがんだよ!」
播磨「お嬢!」
沢近「…」ジロッ
播磨「…」
沢近「…」ギロッ
八雲「…!」
バシーン
播磨「おい!お嬢…」
バシーン
播磨「ぶっ」
播磨「おっ、おい…」
バシーン
播磨「どぶっ」
播磨「おっ、お」
バシーン
播磨「ぢぶれだらっ」
播磨「…」
バシーン
播磨「…」ピクピク
_沢近、播磨をハリ倒し。
八雲「…」
スタスタ
バシー・・・
八雲「…」ガッ
八雲「…」
播磨「…」ピクピク
沢近「…さすが泥棒…掴むのは得意なのね」
八雲「…」
播磨「…」ピクピク
八雲「…どういう……」
沢近「あんたが!このバカと不倫したって言ってんの!!!」
_沢近愛理、衝撃発言。
八雲「…」
沢近「何でこんなことしたのよ!」
八雲「…いえ…」
沢近「ふざけんじゃないわよ!そっちがやる気なら…」
八雲「いえ…してないです…」
沢近「してないじゃないでしょう!しらばっくれるの!?」
八雲「…だから……してないですってば」
沢近「ですって?」
沢近「こっちはね!証拠だって持ってんのよ!!」
八雲「…」
沢近「あんまり舐めてんじゃないわよ!!」
八雲「…って」
沢近「は?」
八雲「…してない…です」
沢近「聞こえないわよ?本気なの?」
八雲「いえ…してないんですよ…」
沢近「馬鹿にしないでちょうだいよ!」
いとこさん美しすぎる
八雲「…だから……」
播磨「う、う~ん」
播磨「俺はとんでもない悪夢を見ていたのだろうか…」
沢近「このっ…」
八雲「してないって言ってんだろうが!!!!!」
播磨「!」ビクッ
沢近「……」
八雲「……」
沢近「…」
八雲「…」
沢近「…そう、そこまで言うなら」
沢近「でるとこでましょうか!」
八雲「…」
沢近「では後日!ごきげんよう」
ガシッガシッ
播磨「…」ポカーン
播磨「…え?」
播磨「…もう一度言うけど…え?」
_播磨、完全に状況に乗り切れず。
高野「…ということで」
高野「播磨拳児、ドキッ☆、不倫事件簿の話合いをしたいと思います」
播磨「…え?」
高野「愛理」
沢近「フンッ!」
高野「美琴」
周防「よっ、よう…」
高野「花井君」
花井「…」
高野「一条さん」
一条「ど、どうも…」
高野「ハリー」
ハリー「ひさしぶりだな、サカヤケボーイ」
播磨(何かチームに分かれてるし…闘うのか?)
高野「そして、播磨陣営には…」
播磨(よっ、よくわからんが…強そうなのきてくれ…)
吉田山「ちーっす、播磨さん、お久しぶりーっス」
高野「東郷君」
東郷「ふっ、久しぶりだな、やはり俺とお前は相対する運命か…っ」
高野「今鳥君」
今鳥「くーくーくー」zzz
高野「ララさん」
ララ「ふんごーーーっ!!」
高野「天王寺君」
天王寺「…」ドカッ
天王寺(…え?俺なにすりゃいいの・・・?)
播磨「くーずーしーかーいーねーぇーーーーー」
_高野、意図的采配ミス。
烏丸「烏丸です」
播磨「お前らが何をしようとしてるのか、全く分からんのだが…」
ドンッ
沢近「ひげ!あんたが分かろうが分かるまいが関係ないの!!」
沢近「とにかく、私達は離婚!」
沢近「あんたはとっとと家からでてってちょうだい!」
播磨「はぁーー!??」
播磨「おい!お嬢!お前何言って…」
沢近「何って、当然の事よ!」
播磨「当然の事って…」
播磨「…それじゃあ、息子は?俺の子はどうすんだよ」
沢近「当然私が育てるわ」
沢近「あ、養育費は適当に入れといてちょうだい」
播磨「ふっっっっざけんな!」
播磨「『播磨 剣禍☆無想』は俺の大切な子供だぞっ…!」
_播磨拳児、例に漏れずDQNネーム。
沢近「ふざけないで!悪いのはあんたでしょ」
播磨「なんだとアjぎあっじゃあ」
沢近「なによgじおあじょあj」
播磨「gじゃいおgじょい」
沢近「がgじょいjgrじゃ」
?「…だったら」
?「だったら…決めちゃえばいいじゃない」
?「勝者が…!」
播磨「おっ、お前は…」
播磨「て、てて、ててててててってててえて」
播磨「ててててて…」
播磨「…塚本~~~~!!!」
_播磨、無理やりすぎる誤魔化し。
高野「ということで、総責任者の塚本天満さんです」
美琴「おい、高野聞いてねぇぞ!」
美琴「何で、何で塚本が」
一条「塚本さんはアメリカのはずでは…」
高野「それは…」
一同「それは…」
天満「烏丸君が病院にいないからに決まってるでしょー!!」
_塚本天満、当然過ぎる理由。
今鳥「くーくーくーんんーでぃー」スヤスヤ
美琴「いや、役者っていうか…変なのしかいないんだけど…」
美琴「というかこんだけいて、ツッコミは私と一条だけかよ…」
烏丸「…」
天満「烏丸君!何でこんなこと」
烏丸「よくわからないけど…協力した方がいいかなって…」
天満「といっても…今の烏丸君じゃ」
天満「誰が誰だか分かんないでしょ…?」
烏丸「うん、そうなんだ。」
烏丸「あそこにいるのが花井君ってことしか…」
天満「って!あれは播磨君でしょ!!」ズコー
烏丸「…あぁ、そうだった。ありがとう。中本さん」
天満「いえいえどういたしまして…って!」
天満「私は塚本ですっ!」ズコーズコー
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
播磨「…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
播磨(天満ちゃんのサプライズ登場で一気にテンションが上がったが)
播磨(何だ!あの夫婦漫才のノリは)
播磨(許さん!お前だけは許さん!…鳥丸)
高野「何?播磨君」
播磨「…さっさと始めようぜ」
播磨「烏丸を地獄に送るっていうデスゲームをな!!」
高野(…)
高野「…そうね、では始めましょう」
高野「チーム沢近VSチーム播磨」
高野「ファイッ!」
播磨「行くぜ!烏丸!!」
バッ
天満「待って!播磨君!!」
播磨「!」
播磨「…まさか、守ろうってのか…そいつを…」
播磨「そんな奴をよ…俺よりも…」ブツブツ
天満「ダメ!まだルール説明してないでしょ」
播磨「そんな!まさか俺が…」
(↑聞いてない)
烏丸「…」
美琴「ちゃんと説明してくれ」
美琴「勝負って言うと具体的にどうすんだ?」
高野「ちょっと待って、今考える」
高野「思いついたわ」
高野「まずは無難にクイズ勝負にしましょう」
播磨「なにー!勝負って闘いじゃないのかよ…」
高野「ちなみに、勝利チームには」
高野「英国高級ブランド『エレナマイヤー』のブローチをプレゼント」
播磨「!」
東郷「はっ!そんなのいらないぜ」
東郷「漢と漢のぶつかりあい」
東郷「生まれるのは友情だけで結構さ」
天王寺「…」
天王寺(どうすりゃいいんだよ…俺…)
天満「え!結構素敵かもっ!」
播磨「・・・」ピクゥ
播磨「やったるぜ!!」
高野「では各陣営から2人ずつ代表者を出して頂戴」
~沢近陣営~
沢近「…」フンッ
美琴(…あちゃ~こりゃ沢近の奴もえらくご機嫌斜めだな)
美琴「じゃあ、うちらのチームの代表者を決めようか」
美琴「競技はクイズか…」
花井「なら俺が出るしかあるまい」
美琴「・・・だよな、一応頭はピカイチだし」
美琴「…となると・・・もう一人は…」
ハリー「私が出よう」
美琴「!」
美琴「…大丈夫か?」
ハリー「これでも、英国から特待生扱いで転校してきたのだ」
ハリー「頭には自信がある」
美琴「…わかった」
美琴(本来ならあたしが出たいんだが…あたしの頭ではな…)
美琴「春樹もそれでいいな?」
花井「……」了解した
播磨「ということで、なんとしてもあのブローチが欲しいわけだが…」
播磨「…どうする?」
吉田山「播磨さんが出りゃいいんじゃないっスか?リーダーだし」
ララ「あんなものじゃツマラン!」
ララ「くいものよこせーー!!」
今鳥「…」zzz
東郷「…仕方ないな…っと」
東郷「俺が行こう」
播磨(…本当にコイツで良いのか…?)
播磨(ま、普段から難しそうな事言ってるし)
播磨(いいか)
天王寺「…」
天王寺(ここは、俺も自分から参戦すべきか…?)
ララ「東郷!ガンバレーー!」
東郷「…」
東郷「ララ、お前も出てみないか?」
_東郷、血迷ったかっ…!
東郷「待てよ!相棒!」
播磨「…誰が相棒だ…誰が」
(↑少し嬉しい)
東郷「俺の五感が告げてやがる!」
東郷「ここは野生の力を借りろとな」
播磨「…一応クイズなんだがな」
播磨「…」
播磨「…よし分かった!行ってこいお前ら!俺が許可する!」
東郷「おうよ!相棒!」
東郷「ララ、もし頑張ったら焼肉食い放題に連れてってやる」
ララ「ホントか!?イクゾーー!!」
ララ「よくわからんがガンバルゾー!!」
_東郷、ララの扱いも上達。
播磨(ここで『リーダーだから播磨行け!』なんて言われてたら…)
播磨(元々クイズは苦手なんだよな…)
吉田山「えー!何で行かないんスか!?播磨さん!リーダー…」
メコッ
吉田山「ぶるわぁあ」
八雲「…」
東郷「決着を着ける時だな」
花井「俺のセリフをとるな」
東郷「長かった俺とお前との勝負も今日が最後」
東郷「俺の勝利で見納めだ」
ハリー「…」
東郷「…そして、元相棒ハリー」
ハリー「…」
東郷「今日は全力で勝たせてもらうぜ!」
東郷「アブウェロの名に懸けて」
ハリー「…私も本気で行こう」
ララ「…?」
(↑あまり状況を呑みこめていない)
高野「ということで両陣営、代表者が決定しましたので」
烏丸「では…開戦!」
烏丸「アメリカの州の名前を分かるだけ答えよ」
ララ「メキシコーーーー!!!!」
一同「…」
天王寺「…」
天王寺(・・・あれ?合ってんのか?)
ハリー「…フッ」
花井「どうする」
ハリー「では交互で、私が先を行こう」
花井「流れは」
ハリー「名前で」
花井「…わかった」
東郷「俺が昔どこにいたか知ってるだろ」
東郷「アラス…」
ハリー「アラバマ」
花井「アラスカ」
ハリー「アリゾナ」
・・・・・・・・・
ハリー「ウィスコンシン」
花井「ワイオミング」
美琴「…」
ララ「なんでメキシコじゃないんだぁーー!!!」
美琴「…こいつは…とんでもねぇぞ…」
沢近「…」
播磨(アメリカなら放浪してたから結構分かったが…)
烏丸「矢神公園の周りにないものは」
烏丸「A.パチンコ屋」
烏丸「B.市立体育館」
烏丸「C.市立図書館」
烏丸「D.市立会館」
東郷「正解はA!」
東郷「あのきれいな矢神公園の周りにパチンコ屋などあるわけがない」
花井「…」
高野「なに?花井君」
花井「さっきから簡単な問題ばかり出してどういうつもりだ」
高野「仕方ないでしょ」
高野「とっさに思いつかなかったんだから」
花井「…」
花井「…まぁいい」
花井「正解はD!市立図書館だ」
東郷「熱い展開だな」
烏丸「ファイナルアンサー?」
東郷「あぁ、ファイナルだ」
花井「…東郷…忘れてないか?」
花井「市長だぞ…俺は…」
東郷「…」
花井「この町で俺の知らないことなど無い」
花井「あのパチンコ屋はそうそうに対処せねばと思っていたのだ」
花井「公園の近くにあり景観を損ねるどころか治安悪化にも繋がっている」
花井「私もファイナルアンサーだ」
烏丸「正解は…」
烏丸「Dです」
東郷「なん…だと…」
花井「…」
花井「1453628」
烏丸「第四問・生物」
ハリー「コリンウズラ」
烏丸「第五問・沢近さんの成績は?」
花井「象・象・獅子・獅子・獅子・象・獅子・象・獅子」
沢近「何で知ってるのよ!」
花井「…まずまずの成績だな」
沢近「…」イラッ
烏丸「第五問・地理」
ララ「メキシコーーー!!!」
花井・ハリー「キューバ」
烏丸「沢近陣営1580ポイント、播磨陣営11.2ポイント」
沢近「まあ、当然ね」
播磨「・・・」
東郷「…すまん相棒…あと一歩だったんだが…」
ララ「おい!腹減ったぞ!」
播磨「…コイツらに任せたのが間違いだったか…」
八雲(私が行っといた方が良かったのかな…)
烏丸「そうだね…次は…」
烏丸「デスマッチ…といこうかな」
播磨「デスマッチ…」
烏丸「そう。闘ってもらう。」
播磨「といっても…今回はブローチ無しか…」
高野「あら、勘違いしている様ね播磨君」
高野「今回勝ったからって、別にブローチを愛理達には渡さないわよ」
美琴「おい!」
一条「それって…だましってやつですかぁ…」
高野「第一回戦で決まったのはブローチの価値」
高野「そして、商品は買ったほうの総取り」
高野「つまり、これから万が一にでも」
高野「播磨陣営が1580ポイント以上取って勝つことがあれば」
高野「ブローチは素直に渡すわ」
沢近「そういうこと」
沢近「中々意地悪してくれるじゃない、晶」
高野「フッ」
高野「では、第二回戦の商品は高級ギターセットよ」
播磨(…これは…欲しい)
烏丸「では、三人組を作ってください)
~播磨陣営~
播磨「よしっ!バトルなら俺に任せろ」
播磨「俺が出てパパッとやっつけてくるぜ」
天王寺「…」
天王寺(さすが俺のライバル…)
播磨「それじゃあ…」
高野「あっ、そうそう」
高野「前回の戦いの選手は出れないので」
播磨「・・・はぁ!?」
播磨「…」
ミワタス
吉田山「…」
八雲「…」
天王寺「…」
今鳥「…」
播磨「今鳥」
今鳥「は?何が」
(↑今起きた)
播磨「そして…吉田」
吉田山「え!俺っスか?」
吉田山「嫌ですよ、水着相撲ぐらいしかやったことないし・・・」
播磨「仕方ねぇーだろ!妹さんをだすわけにもいかねぇし」
今鳥「けっ、何だか知らねーけど困ってるみたいだな」
今鳥「まっ、俺が手貸してやるよ」
吉田山(…これはチャンスかも)
吉田山(流れに乗って播磨さん…いや播磨を…)
天王寺「…」
_天王寺、自称播磨のライバル。
播磨「てめーらもとっとと決めやがれ」
周防「おっ奇遇だな」
周防「あたしらも今決まったとこだよ」
周防「といっても全員女の子だから」
周防「まぁ気軽に頼むよ」
播磨「…」
沢近「…」メラメラメラメラメラ
播磨「…(汗」
一条「はい、今鳥さん」
今鳥「何するか知んないけど」
今鳥「まぁ、俺が女に負けることはないし」
今鳥「本気で来なよ」
一条「はい!全力で行きます!」
_沢近陣営、最強の乙女集団。
烏丸「バトルはチーム戦、場所は近くの公園」
烏丸「各チームに一つずつ風船を渡してあるので」
烏丸「それを割られたら負けです」
播磨「なんでぃ、単純なルールじゃねぇか」
播磨「これなら、俺が全員ヤれば…」
烏丸「では、バトルはこの敷地内で」
播磨「ふんっ、女子供をヤるのは気が引けるが…」
播磨「まぁいけるだろ」
今鳥「え?俺は風船持ってるだけなの?」
播磨「ああ」
播磨「吉田、俺とお前で特攻をかける」
播磨「吉田は基本的に陽動をやれ」
吉田山「はい…でも俺よしだや…」
播磨「じゃあ行くぜ」
ボオオオオオ
播磨「おりゃりゃりゃりゃ」
播磨(しめた!一条は風船を守る係か)
播磨(お嬢と周防ならすぐに倒して)
播磨(遠距離から風船を狙うぜ)
吉田山「で、どうするんスか播磨さん」
播磨「あ?まずはアイツらを倒すぞ」
播磨「吉田は右の青髪をやれ」
吉田山「了解っス…でも俺よしだ…」
播磨「突撃だ!」
吉田山「現れたな周防!」
吉田山「ここは水着相撲の成果を示す時」
吉田山「戦ってる間に抱きついちゃうかもしれないし」ウヘヘヘ
吉田山(D!D!)
_吉田山、順調に今鳥化。
播磨「へっ、ここで会ったが百年目だぜ…お嬢!」
沢近「…」
播磨「何だかよく分からないことになってるが」
播磨「まずは…お前を倒す」ズビシッ
沢近「…」
朝まで残ってるかな
周防「…」
周防「あのなぁ、そんな風に弱点の頭を前面に持ってきちゃダメだろ」ヤレヤレ
周防「ただでさえ、タッパが違うんだからよ…」
周防「武道家相手なら尚更なっ」
ブンッ
播磨「お前に恨みは…」
播磨「…色々あるが……」
播磨「通してもらおう!!」
播磨「いきなりだが…奥義!」
『播拳蹴(ハリケーンキック)!!』
?「はーりーおー♡」
?「がんばるんだぞっ☆」
烏丸「ちなみに安全面から保健の姉ヶ崎先生に来て頂いてます」
沢近「…」プチンッ
ブンッ
吉田山・播磨「あれ?」
ヒュールールールー
グシャ
『おおっーと!播磨選手、吉田山選手アウト!』
烏丸「実況は冬木君が担当します」
冬木「両者とも脳天から落ちて気を失っているようだぞおー!」
スタタタタタタ
冬木「おっと!風船保持の担当であるはずの一条選手!突然走り出した」
冬木「一直線に今鳥選手に向かって行きます!」
今鳥「へっ?」
一条(ごめんね…恭介……)
一条「行きます!今鳥さんっ…」
今鳥「へっ?」
今鳥「ちょ、ちょ、顔がマジだよ…」
今鳥「いちさん」
『妖精の舞(ニンフズ・ダンス)』
今鳥「ぐべらぼらぁ」
冬木「妖精の舞、変形フランケンシュタイナー!!」
今鳥「…」キュー
一条「…すいません…今鳥さん」
パチンッ
冬木「試合終了ーーー!!」
冬木「何と沢近陣営!相手陣営を完全に玉砕してから」
冬木「余裕を見せての風船割りです!!」
冬木「恐ろしい!これはとんでもない試合になってしまったぁー!!」
烏丸「ということで、ただいまの勝負」
烏丸「沢近陣営の完全勝利です」
沢近「まぁまぁね」
周防「やったぜ~」
一条「やりましたぁ~」
播磨「何で俺、こんなことやってんだっけ?」
播磨「おい!吉田、俺どうしちゃったの?」
播磨「すげー、首が痛いんだけど…」
吉田山「あぁ?誰が吉田だ!ゴラァ」
吉田山「初対面のくせに調子に乗りやがって」
播磨「…」
播磨「あ?てめーもおかしくなってんのか」
播磨「仕方ねぇ、なおしてやる」
グリグリグリグリ
吉田山「ギャーーー!!!」
播磨「思い出したか?」
吉田山「思い出しました!思い出しましたから!!」
今鳥「…」キュー
_播磨陣営、またしても大惨敗。
高野「というか、これが最後の戦いね」
烏丸「大食い対決!」
?「で、なんで俺の店でやるんだよ」
?「そんなこと言わないの」
?「俺の店って言っても親のでしょうが」
?「そうだけどよ」
?「それじゃあ始めましょうかね、あっそちゃん」
高野「では、各陣営とも代表者を5人選出して」
周防「5人って言っても…」
沢近「そうね」
一条「食べるのは自信ないですけど…」
ハリー「ま、ここは漢のみせどころだな」
花井「俺のセリフを~」
播磨「よしっ!何はともあれ、このバカチームでも」
播磨「勝てる!食い物ならっ!」
播磨「気合入れて行くぞ!」
ララ「おおおぉおぉおおおおお!!!」
ララ「クウゾ~~!!!」
東郷「まぁ、勝つしかないな」
東郷「北米の歩くダストシュートと呼ばれた俺の実力みせてやる」
八雲「…ダストシュート……」
吉田山「いててて、まだ首が痛いけど」
吉田山「憧れの沢近さん…」
吉田山「あいにく敵だが…漢らしいとこをみせてやるぜ」
今鳥「…ココハドコ?ワタシハダレ?」
播磨「ラスト!行くぜ」
東郷「おう相棒!今日はやる気だな」
播磨「よせやい」
天王寺「…」
_繰り返しますが、天王寺、自称播磨のライバル。
烏丸「バトルは6VS6」
烏丸「食べた総量で決まります」
沢近「6人…?」
烏丸「そう、一人助っ人を呼ぶことが出来ます」
播磨「助っ人…」
天王寺「…」
天王寺(キタコレ!)
沢近「誰が良いかしら?」
?「ムシャムシャ」
周防「よく食べる奴だろ…」
?「ゴクゴク」
一条「同じクラスだった西本君なんてどうでしょう?」
?「プハー」
ハリー「いや、意外に彼のようなタイプは食べなかったりするものだ」
?「うぇっぷ」
花井「そうだとも、彼は単に運動が足りてないだけなんだ」
?「は~、お腹空いた~」
沢近「どこかに」
?「まだ食べ足りないよ…」
周防「バカ食いできる奴…」
周防「…」
一条「…」
ハリー「…」
花井「…」
?「…」
一同「いたーーーーーー!!!」
俵屋「なんですか!?急に!!」
播磨「どうするよ」
吉田山「どうするもないっスよ」
ララ「…」ウズウズ
東郷「俺の知り合いにはそんな奴いないぜ」
今鳥「シリアイ…シリアイ……ッテナニ?」
天王寺「…」
天王寺「……」
天王寺「…じゃ、じゃあ、おれ」
?「呼びましたかな?」
吉田山「誰っスか?」
ララ「シランゾ、コンナヤツ」
東郷「お前は…誰だ?」
今鳥「オオキイネ~、オジチャン、オオキイネ~」
?「失礼、私、沢近家の執事をやらせて頂いてます」
?「名を中村と申します」
_中村、国籍不明の巨人執事。
吉田山「確かにすごそうッスね」
東郷「へい、ビックボーイ!」
東郷「俺も漢としての器の大きさなら負けてないぜ」
ガラガラ
天王寺「…………さよなら
ガラガラ
烏丸「では、これから最終決戦を…」
天満「はじめまーす!!!」
天満(私のこともわすれないでよ)
烏丸「麻生家の中華料理を食べて、より食事代の高かった方の勝ち」
烏丸「ちなみに、最高額は『まんぷく定食』の900円です」
烏丸「では、…」
花井「ちょっと待て!」
花井「いくらなんでも、そのルールでは欠陥があるだろう」
花井「その食事代はどうするんだね?」
花井「このままでは思いっきり食べられまい」
ハリー「…それなら心配ご無用だ」
花井「何だと」
ハリー「ここでかかる食事代は全て私が払おう」
ハリー「そう提案しているのだ」
花井「そうだ、さすがにお前一人で払える値段では…」
ハリー「別に構うまい、私が払いたいと言っているのだ」
ハリー「お前達は存分に食べると良い」
周防「お前!大したヤツだな」
花井、麻生「!」
ハリー「ハハ、大したことナーイス」
ハリー「ほとんど彼女だろうしね」ボソッ
ボボオオオオオ
~播磨陣営~
播磨「おおおおお!!」
播磨「まずは頼むことだ!」
播磨「とりあえず皆でまんぷく定食を食い尽くすんだ!」
~沢近陣営~
沢近「とりあえず勝負に勝つことを考えましょ」
周防「どうすんだ」
沢近「そうね…まずは色々な品を頼むの」
沢近「そしてなるべく…コストパフォーマンスの悪い一品を探し出すのよ」
高野・烏丸・天満「はい?」
沢近「…じゃあ、烏丸君?」
烏丸「…なに?」
沢近「審判に訊きたいのだけれど」
沢近「完食はどういう基準で行うの?」
沢近「例えば…ラーメンとかはスープを残しても良いものなのかしら?」
烏丸「…」チラッ
高野「…」チラッ
天満「・・・?」
烏丸「完食の基準は皿に物が無くなったかです」
烏丸「…ラーメンはスープも飲む必要があります」
沢近「スープ系より米の方が良いかもね…」
~一方、播磨人生~
播磨「おおおおお!!!」
播磨「食って、食って、食いまくるぜ」
播磨「…………!?」
播磨「…あっ、ぐっ、ごれっ」
播磨「くっ…」
東郷「どうした、あいぼ…ぐあぁつ」
ララ「…?」
播磨「ががががが辛ぇえええええええ!!」
烏丸「言いわすれてましたが、色々な品にランダムで仕掛けがしてあります」
播磨「こんなの食えるわけえええ」
播磨「ねええええ
東郷「…アディオス」
東郷「南米の猛牛はこの辺境の島国で息を引き取るぜ」
_東郷雅一、渡米経験無し。純日本人。
東郷「…」チーン
吉田山「……最後に、キスぐらいしたかったぜ」バタッ
今鳥「…」キュー
沢近「キャッ!こんなの食べられるわけないじゃない」
周防「あたしも辛いのは大丈夫だけど苦いのはな…」
周防「ちょっちムリだわ」
周防「って、お前辛いの食べられないじゃんか」
花井「我が生涯に一遍の悔いなし」
周防「くだらないことで死ぬことを後悔しやがれ」
ハリー「…」パクッ
ハリー「…ギブアップといったところだな」
沢近「…」
麻生「お、おい」
麻生「なんかホールでとんでもない嬌声が聞こえるんだが…」
菅「いいからいいから」
菅「あそちゃんは頑張って作ってね」
菅「姐さん!できました」
?「はいはいー」
麻生「にしても嵯峨野が手伝いに来てくれるとはな」
麻生「割烹やの娘だし、中々器量もあるようだし」
菅「これはどうしちゃいます?姐さん」
嵯峨野「そうね…わさび大量投入の刑で!」
菅「ひゃ~、恐ろしいお人だ、姐さんは」
一条「あっ、これおいしい…」
俵屋「…」ムシャムシャ
~播磨陣営~
ララ「もっと、もっと食べるゾー!」
中村「うむ、これはこれは中々変わった味ですが」
中村「戦場で食べた蛇の丸焼きに比べれば」
中村「大変美味ですな」
菅「奴ら攻撃が全く効かないようだ」
嵯峨野「…困ったわね」
嵯峨野「…」
嵯峨野「!…そうだ!あの子なら」
俵屋「…なんれふか」モグモグ
嵯峨野「…そう言えばさ、なんで呼ぶ前からこの店にいたの」
俵屋「…」ボフゥ
嵯峨野「もう周防さんも結婚しちゃったしね」
嵯峨野「麻生君は意外と残っちゃったのよね」
嵯峨野「私もあんな赤紙じゃなくて麻生君選んどけば良かった…」
菅「…へっくしょん」
嵯峨野「今でも想い続けるなんて」
嵯峨野「結構一途なんだね」
俵屋「…」カアァァァァァァ
ガタッ
一同「?」
俵屋「あ、あの、わた、わたし…」
俵屋「用事を思い出したので帰らせて、、、頂きます」
沢近「えっ、ちょ…」
ガラガラ
ピュー
嵯峨野「…一人脱落」
嵯峨野「ねぇねぇ沢近さん」
沢近「?」
嵯峨野「ゴニョゴニョ」
沢近「…わかったわ、やってみる」
プルルルル
ガチャ
中村「はい、中村ですが」
沢近「大変よ!中村!」
中村「いかがなさいましたか、お嬢様」
沢近「家が、家が、燃えてるのよ…!」
中村「本宅ですか?お嬢様は危ないので」
中村「絶対にお近づきになりませんように」
沢近「それが違うのよ!別宅よ別宅」
中村「どこの別宅でしょうか?」
沢近「アフリカよ!アフリカ」
中村「…沢近家にアフリカの別宅は…」
沢近「とにかく!すぐ行ってちょうだい」
中村「ちなみに場所は?」
沢近「ジャングルの奥地ら辺よ」
中村「…」フゥー
プルルル
ガチャ
中村「マサルか?とりあえずすぐ来てくれ」
嵯峨野「二人目」
_嵯峨野恵、暗躍。
一条「ふー」
一条「もう、お腹一杯です」
嵯峨野「ありゃりゃ」
烏丸「…ということは」
ララ「ウガァアアーー!」
ララ「まだ食い足りないゾ!」
ハリー「…やはりこうなったか」
烏丸「…なるほど」
烏丸「では、最終決戦も終了です」
一同「…」
ララ「うがあああーーー」
烏丸「最終報告」
天満「ですっ!」
一回戦
沢近陣営1580P 播磨陣営11.2P
沢近「0.2って…」
二回戦
沢近陣営3万6400P 播磨陣営51P
播磨「得点計算どうなってんだよ!」
三回戦
沢近陣営5万2000P 播磨陣営5万8000P
沢近「どういうことよ!私のチーム負けてるじゃない」
烏丸「最終勝負は、1円=1Pで計算しました」
沢近「は!?納得いかないわよ」
播磨「ぐえええええ」
播磨(よくわかんないけど…勝ったのか?俺…)
高野「ということで」
高野「商品のブローチとギターと…」
沢近「そうよ、最後の商品は何なのよ」
沢近「は?商品券?」
高野「そう、ここの商店街でしか使えない…ね」
沢近「…」
沢近「…フンッ、大層な名目だから」
沢近「どんなに大した商品かと思ったけど…」
沢近「案外、大したこと無いのね」
沢近「どうせノドから手がでる程欲しかったんでしょ!」
沢近「…私に相談してくれれば、すぐ用意したのに」ボソッ
沢近「……そんなに私は信用ないの…かな」ボソッ
播磨「つってもな、これはチームのもんだし」
八雲「いえ、播磨さん」
八雲「播磨さん以外は皆倒れてます…」
八雲「今鳥さんに至っては…もう……」
播磨と沢近
どっちもお似合いなんだよなぁ
ただ、播磨が八雲と結婚したら
沢近は一生独身でいると思う
俺と同じ考えを持っているやつがいようとは……
八雲「いえ…私は十分してもらいましたから…」
沢近「…」イラッ
沢近「じゃあ、さっさと貰っちゃいなさいよ」
沢近「そんな大したことのない物が欲しかったんでしょ」
播磨「…確かに、全部、俺がメチャクチャ欲しかった物だな」
播磨「だから…」
播磨「ほい」
播磨「だから、ほい」
沢近「…」
播磨「いいから受け取れよ」
播磨「これはお前にプレゼントしたかったもんなんだからよ」
播磨「だーかーらーよ!」
播磨「このブローチもギターも商品券も!」
播磨「おめーにプレゼントするって言ってんの!」
播磨「その為に、やったんだからよ…」
播磨「…ほら、前、言ってたろ…」
播磨「家が傾いた時に、宝石とか売っちゃったって」
播磨「イギリスの、エレンマイカーだのの宝石は、お気に入りだったって」
播磨「やっぱり高すぎてさ」
播磨「今の俺には到底買えそうになかったからな…」
播磨「何か、…代わりにならねぇかなって思ってよ」
播磨「このブローチなら、ほら、お前のネックレスにも…」
播磨「…結婚指輪にも…ちょっとは合うかなって…な」
沢近「…でも、」
沢近「…でも、ギターは?」
沢近「私別に、ギターなんて欲しいと思ってないけど!」
沢近「それは、あんたが欲しかったんじゃないの!?」
播磨「俺には共にアメリカを旅して廻った相棒があるからな」
播磨「コイツと歌、そして紙とペン…」
播磨「これだけで、俺はアメリカを旅してきたんだ」
播磨「相棒以外のギターなんてありえねぇよ」
播磨「…でも、まぁ」
播磨「これは、俺の望みみたいなもんだけどよ」
播磨「このギターは…さ」
播磨「お前に弾いて欲しくてな」
播磨「昔、俺がビートルズとか色々弾いてた時」
播磨「お前、素敵とか、褒めてくれたからな」
播磨「…そのくせ、お前がギター持ってないってんだからよ」
播磨「俺が教えて…」
播磨「まぁ、物覚えの良いお前のことだ」
播磨「あっという間に上達するだろうしな」
播磨「そしたら、さ」
播磨「俺はベースも弾けるしな…」
播磨「家族でバンドすんのも…悪くねぇんじゃねぇのかな…」
播磨「って思ってさ」
播磨「……」
沢近「……けん」
播磨「…は?」
沢近「…」
沢近「商品券は!…どういう意味なの…」
播磨「ああ」
播磨「…いや、これはな…」
播磨「すこし前の俺もそうだったけど…」
沢近「…」
播磨「良いもん食って、お偉いさんに囲まれてさ」
播磨「そんでも、笑顔つくったりなんかして」
播磨「人付き合いの手段で、メシ食ってんだろ」
播磨「だから、たまには、町の油っこいテーブルで」
播磨「中華食べんのも悪くないんじゃねぇかって」
播磨「メシ自体を楽しむ為に…」
播磨「好きなやつと楽しく食うために…な」
播磨「昔…俺がてん、塚本追いかけてバスケした時」
播磨「皆で一緒にここでメシ食ったこと言ったら」
播磨「お前、少し、悔しそうな顔してたじゃねぇか…」
播磨「…男とはよく食いに行ってたらしいし」
播磨「塚本達とは、沢山遊んだんだろうけどな…」
播磨「お前自身、壁感じてたって言ってたじゃねぇか…」
播磨「…だからな…」
播磨「……たまには遊ぶのも悪くないだろ…」
播磨「…………体育祭の時みたいに」
沢近「……」
播磨「……」
沢近「………」
播磨「とまあ偉そうに語ってみたけど…」
播磨「正直言うと、俺は何も知らなかったぜ…」
沢近「・・・?」
播磨「事前には何も知らなかったし」
播磨「賞品は欲しかったから…遊んでる気は無かった…」
播磨「…全力だった」
播磨「口にも出してないような
播磨「俺の欲しい物を見抜いて」
播磨「そんで、こんな茶番しかけた奴らがいるわけだ」
高野「…」
烏丸「…」
播磨「ある程度、協力してくれる実行者がいないと…」
播磨「…こんな同窓会みたいには…」
播磨「ならないよな…」
チラッ
周防「…」ギクッ
花井「…」
一条「…」
播磨「他にも途中からでも知らされた奴らがいるんじゃないか?」
吉田山「…」
播磨「…」
沢近「…でも、なんで……?」
播磨「そりゃ、サプライズとか自分達が面白いとか…」
播磨「…俺達が上手くいってない…とか…」
沢近「…」
沢近「…そうよ」
播磨「?」
沢近「全部あんたが悪いんじゃない!」
沢近「あんたが八雲と浮気するから!!」
沢近「何よ言いたい事があるなら言ってみなさいよ!!」
播磨「その…」
沢近「あんたがそんな奴だなんて思わなかったわよ!!」
沢近「浮気するなんて!!っ…サイテー……」
播磨「それは、ちがっ…」
八雲「ちがいます!!」
八雲「実は…」
播磨「おいっ、妹さん…」
八雲「いいんです…もう…」
八雲「全て説明させていただきます」
八雲「私が談講社に勤めてることは皆さん知ってると思います」
八雲「談講社は男性の多い職場で」
八雲「そんな理由からか…お付き合いしている人もいないからか」
八雲「ここ数ヶ月…お付き合いのお誘いを沢山もらいました」
八雲「いえ…驕っていたのかもしれません…」
八雲「人間関係は最もしっかりしなくてはならないものであるにも関わらず」
八雲「はっきりとお断りを申し上げる機会を失ってしまって…」
八雲「…それで」
八雲「…」
八雲「…その方に付きまとわれるようになりまして…」
八雲「…」
八雲「……お姉ちゃんもアメリカへ行き」
八雲「サラも東京に行ってしまって…」
八雲「…一人で独りで、大変に恐ろしく、寂しく思ったました」
八雲「…播磨さんは、とても優しい方ですし」
八雲「……私の家の、親のことも…事情は知ってらっしゃいますから」
八雲「…相談してみたんです」
八雲「……播磨さんはその日のうちに談講社に乗りこんで…」
八雲「…その方ときっちりと話をつけた後」
八雲「…時々、私を家まで送ってくれて…」
沢近「…」
八雲「…そうしていくと頼りたくなってしまって」
八雲「時々、寂しい時に話を聞いてもらうために」
八雲「家に…招きました」
八雲「…私には…あの家は広すぎます…」
沢近「……それだけなわけないわよね」
沢近「…それだったら、別に隠す程の事でも…あるでしょうけど」
沢近「嘘をつくべきことではないわ」
八雲「……私は、…私は」
八雲「…好きなんです……どうしようもなく…」
八雲「播磨さんのことが」
播磨「…」
天満「……」
八雲「そのこと自体は十分自覚してました…」
八雲「愛理さん…」
八雲「愛理さんが、放浪の旅に出た播磨さんを探すために…」
八雲「たった、それだけの為に、…高校時代の夢でもなかった」
八雲「CAになった…
八雲「播磨さんを…彼を、追うために談講社に入った…」
八雲「…もちろん漫画の仕事にも、編集の仕事にも興味はありました…」
八雲「でも、やっぱり、彼がいたから…」
八雲「…あの時、偶然、私が播磨さんの荷物を見てしまったから…!」
沢近「…フンッ、戯言ね」
八雲「!」
沢近「別に、だからと言って、隠す必要はなかった…」
沢近「…違くて?」
八雲「播磨さんはっ!彼は違うんです」
八雲「彼は、私の今を不憫に思ってくれている…」
八雲「恋人も見つからず…」
八雲「歩行祭のとき…私はそれとなく伝えてみました…」
八雲「…わかっていました」
八雲「…断られること。本当に好きなのは姉さんであること。」
八雲「…自分の意志を貫くこと…」
八雲「…たとえ、たとえ、どんなに叶わなくても…」
烏丸「…」
八雲「私は想いを伝えてみました…」
八雲「今思うと恥ずかしいけど…当時は、精一杯の気持ちを…」
八雲「…でも駄目でした……」
八雲「どうしても、どうしても、はぐらかされてしまいます…」
八雲「そうなんです…播磨さんは、そういう人なんです」
八雲「自分が、どうと、どうとも全く思わない人にも…」
八雲「気を使ってしまう、傷つけたくないと思う」
八雲「そういう人なんです…」
八雲「私が、談講社に入った理由を知ってるから」
八雲「…自分のせいで、仕事、そして恋愛を狂わせてしまったことを知ってるから」
播磨「…」
沢近「…」
八雲「播磨さんは甘えさせてくれました…」
八雲「…望めば、望んだだけ…」
八雲「本当に、本当に愛理さんのことを愛してるんだなって…」
八雲「…ですから、不埒な行為は一切行ってません」
八雲「…播磨さんも私といて辛そうでしたし」
八雲「…でも、やめられませんでした…」
八雲「…あの時、あの時は、諦められたはずなのに…」
八雲「…愛理さんになら、とられてもいい」
八雲「…そう、そう思ったはずなのに…」
八雲「子供だって、心底祝福したつもりだったのに…」
八雲「……播磨さんは、私が播磨さんを好きでいることを」
八雲「皆さんに知らせたくなかったのでしょう」
沢近「で、ヒゲ!」
沢近「あんたはどう思ってるの?」
播磨「ああ」
沢近「八雲の説明する通りの気持ちで…」
沢近「同情で八雲と一緒にいたの?」
バシーーーン!!!
播磨「痛っ!!」
沢近「舐めんじゃないわよ!」
播磨「・・・」
沢近「人のこと舐めてんじゃないって言ってんの!!」
沢近「私達…私とヒゲと八雲…は本当に長い時間一緒に過ごしたわ…」
沢近「…いえ、実際に一緒に居た時間は、そんなに多くない」
沢近「…でも、同じことを思い、考えてた」
沢近「私は八雲と同じ思いで、多くの時間を過ごしたわ」
沢近「ある意味じゃあ、私は八雲以上に八雲に詳しいつもりよ」
沢近「一緒の高校で、2年の時…」
沢近「あの時は、あんなに近くに居たのに…」
沢近「…いつも、意地悪言えたのに…」
沢近「本当に駄目駄目で」
沢近「適当に告白するし、姉ヶ崎先生とイチャイチャするし」
沢近「勉強はからっきし駄目」
沢近「学校にも来なくなったり…」
沢近「…本当、どうでも良い存在だったのに…」
沢近「そんな軽い男じゃなかった」
沢近「一人の人を思い続ける芯の強い人だって知ったとき」
沢近「同時に、彼が私を向いてないと知ったとき…」
沢近「…本当にショックだったわ」
沢近「少しは、少しは、彼も私に興味があるんじゃないか?」
沢近「…そう思ってたから」
沢近「彼が急に格好よく思えてね…」
沢近「……今まで、バカみたいに絡まってた行動も、仕草も…」
沢近「…少しは分かるように、なって…」
沢近「……でも、分かれば分かるほど、解ければ解けるほど…」
沢近「どうしても…どうしても、辛かった」
沢近「自分の恋心より、相手を大切に思う気持ち…」
沢近「いえ、このバカ流に言うなら」
沢近「プライド…ってやつなのかしらね」
沢近「…それで、粉々にフラれて…」
沢近「おかしくなりそうな、こいつに偶然会って」
沢近「もっと、こいつのことわかって」
沢近「もっと、こいつのことわかりたいって思って」
播磨「…」
沢近「要するに!よ」
沢近「要するに・・・ね」
沢近「こ、こいつは…」
沢近「このバカは」
沢近「わ、私が全身全霊を懸けて愛してるバカ野郎だから!!」
沢近「だから!…っ、だから、あんたに…」
沢近「誰にもこいつは、…播磨拳児は渡さないっ!」
沢近「…そういうことよ」
播磨「…」
天満「…」
烏丸「…」
周防「…」
高野「…」
八雲「………」
沢近「……うるさい」
沢近「…」
沢近「大体!だいたいね」
沢近「八雲!アンタもそう簡単に新しい恋諦めてんじゃないわよ!」
周防「あ、あたしか!?」
沢近「この女なんてね」
沢近「先輩に恋して、勝手に自爆して、その後には麻生君に手出して…」
沢近「そして結局、花井君なのよ、幼馴染の!」
周防「あんだよ!悪いかよ!」
播磨「…」
沢近「でも、結局結婚したわ」
沢近「私とコイツ」
沢近「コイツが少し前まで別の女のことしか見れなかったこと」
沢近「今でもたまに、辛そうな顔すること」
沢近「全部わかってんだから」
沢近「安易に恋しろとは言わないけどね」
周防「男を手玉に取ってたお前が言うか」
沢近「うるさい!」
沢近「全力でその人の為になりたいと思うもの」
沢近「相手が望まなかったり」
沢近「自分が冷めたり」
沢近「色々傷ついて、汚れて、ここまで来たけど」
沢近「私は昔の私を恥ずかしく思ったことも」
沢近「同情したことも無い!」
沢近「天満がいなかったらとか」
沢近「コイツが天満に会わなかったら」
沢近「とかね」
沢近「・・・少し思うときもあるけど」
沢近「でも良かった!」
沢近「コイツは天満に会って」
沢近「誠心誠意向き合って」
沢近「結局、私達が結ばれたけど」
沢近「でも、コイツが天満を好きになる人で良かった!」
沢近「今は心底そう思ってるわ」
八雲「…」
八雲「…いえ」
天満「…」
八雲「…今の私にはまとめられないけど…」
八雲「言いたいことは分かりました」
八雲「私も、愛理さん以上に愛理さんを知る人間ですから」
沢近「………言うじゃない」
沢近「この茶番も終わらせないとね…」
八雲「…」
天満「…」ガシッ
八雲「…」
天満「…私が言えることは何も無いよ…」
天満「でも、私は八雲の『お姉ちゃん』だからね」
沢近「ねぇ、ヒゲ」
播磨「あ?」
沢近「私のこと好き?」
播磨「…何だよいきなり」
沢近「いや、最後はわかりやすいほうがいいかなって」
沢近「そう…私も好きよ」
播磨「…」
沢近「伝わってると思ってたけど」
沢近「たまには言葉にしないとね」
沢近「ねぇ、拳児?」
沢近「私のこと…愛してる?」
播磨「もちろんだ愛理」
沢近「…そう、わたしも愛してる」
乙
ここまで付き合えて良かった
スクラン読みなおしてぇな、今度押し入れ漁ろう
ちょくちょく読み返すくらいスクランは好きな作品だ
Entry ⇒ 2012.01.16 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
レッド「出直してこい」
ゴールド「あの……」
レッド「……………………」
デンwwwwwデンwwwwwwwwwデンwwwwwデンデンwwwww
デデンwwwwデデンwwwwwデデンwwwwデデデーンwwwwwww
レッド「……」
ピカチュウLv.88「ちゅぁぁああっ!」
ゴールド「!! いけ! ホウオウ!」
ホウオウ「ぎゃおーう」
ピカチュウのボルテッカー
ピカチュウ「ちゅぁぁああっ!」
バリバリバリバリ
ゴールド「ぎゃああああああぁぁぁぁぁ…………
ヒュゥウウウウウウウ
レッド「……」
レッド(伝説なんか使ってんじゃねぇ)
レッド(出直してこい)
レッド「……………………」
デンwwwwwデンwwwwwwwwwデンwwwwwデンデンwwwww
デデンwwwwデデンwwwwwデデンwwwwデデデーンwwwwwww
レッド「……」
レッドが勝負を仕掛けてきた
ピカチュウLv.88「ちゅぁぁああっ!」
ルビー「!! いけ! シザリガー!」
シザリガーLv.100「ありがとー」
ピカチュウのボルテッカー
ピカチュウ「ちゅぁぁああっ!」
バリバリバリバリ
ルビー「ぎゃああああああぁぁぁぁぁ…………
ヒュゥウウウウウウウ
レッド「……」
レッド(レベル100がいねーと僕に勝てないのかよ)
レッド(出直してこい)
レッド「……………………」
デンwwwwwデンwwwwwwwwwデンwwwwwデンデンwwwww
デデンwwwwデデンwwwwwデデンwwwwデデデーンwwwwwww
レッド「……」
レッドが勝負を仕掛けてきた
ピカチュウLv.88「ちゅぁぁああっ!」
プラチナ「!! いけ! ココドラ!」
ココドラLv.1「ドラ」
ピカチュウのボルテッカー
ピカチュウ「ちゅぁぁああっ!」
バリバリバリバリ
プラチナ「ぎゃああああああぁぁぁぁぁ…………
ヒュゥウウウウウウウ
レッド「……」
レッド(レベル1とか……僕を馬鹿にしてるのかよ)
レッド(出直してこい)
レッド「……………………」
デンwwwwwデンwwwwwwwwwデンwwwwwデンデンwwwww
デデンwwwwデデンwwwwwデデンwwwwデデデーンwwwwwww
レッド「……」
レッドが勝負を仕掛けてきた
ピカチュウLv.88「ちゅぁぁああっ!」
ブラック「!! いけ! メタグロス!」
メタグロス「ぐわーん」
ブラック「くそ! サザンドラにボーマンダ……カイリューにバンギラスまで……」
ブラック「切り札のガブリアス!」
レッド「……」
ピカチュウのボルテッカー
ピカチュウ「ちゅぁぁああっ!」
バリバリバリバリ
ブラック「ぎゃああああああぁぁぁぁぁ…………
ヒュゥウウウウウウウ
レッド「……」
レッド(600族オンリーで挑んでくるんじゃねーよ)
レッド(出直してこい)
レッド「……………………」
デンwwwwwデンwwwwwwwwwデンwwwwwデンデンwwwww
デデンwwwwデデンwwwwwデデンwwwwデデデーンwwwwwww
レッド「……」
レッドが勝負を仕掛けてきた
ピカチュウLv.88「ちゅぁぁああっ!」
コトネ「!! いけ! ガブリアス!」
ガブリアス「がおー」
レッド「……」
ピカチュウのボルテッカー
ピカチュウ「ちゅぁぁああっ!」
バリバリバリバリ
コトネ「ぎゃああああああぁぁぁぁぁ…………
ヒュゥウウウウウウウ
レッド「……」
レッド(この場で地震とか足場が崩れたらどうするんだよ? ピカチュウにスカーフ付けさせて良かった)
レッド(出直してこい)
レッド「……………………」
デンwwwwwデンwwwwwwwwwデンwwwwwデンデンwwwww
デデンwwwwデデンwwwwwデデンwwwwデデデーンwwwwwww
レッド「……」
レッドが勝負を仕掛けてきた
ピカチュウLv.88「ちゅぁぁああっ!」
ハルカ「!! いけ! キュウコン!」
キュウコン「こーん」
ぴかー
レッド「……」
ピカチュウのボルテッカー
ピカチュウ「ちゅぁぁああっ!」
バリバリバリバリ
ハルカ「ぎゃああああああぁぁぁぁぁ…………
ヒュゥウウウウウウウ
レッド「……」
レッド(いきなり日差しを強くするなよ。雪が溶けて足場が危ないだろ)
レッド(出直してこい)
レッド「……………………」
デンwwwwwデンwwwwwwwwwデンwwwwwデンデンwwwww
デデンwwwwデデンwwwwwデデンwwwwデデデーンwwwwwww
レッド「……」
レッドが勝負を仕掛けてきた
ピカチュウLv.88「ちゅぁぁああっ!」
ヒカリ「!! いけ! ホエルオー!」
ホエルオー「ぐわおー」
ピカチュウのボルテッカー
ピカチュウ「ちゅぁぁああっ!」
バリバリバリバリ
ヒカリ「ぎゃああああああぁぁぁぁぁ…………
ヒュゥウウウウウウウ
レッド「……」
レッド(デカいポケモン出すなよ。僕が落ちたらどうするんだ?)
レッド(出直してこい)
レッド「……………………」
デンwwwwwデンwwwwwwwwwデンwwwwwデンデンwwwww
デデンwwwwデデンwwwwwデデンwwwwデデデーンwwwwwww
レッド「……」
レッドが勝負を仕掛けてきた
ピカチュウLv.88「ちゅぁぁああっ!」
トウコ「!! いけ! ジャローダ!」
ジャローダ「ぎゅいーん」
うねうね
レッド「……」
ピカチュウのボルテッカー
ピカチュウ「ちゅぁぁああっ!」
バリバリバリバリ
トウコ「ぎゃああああああぁぁぁぁぁ…………
ヒュゥウウウウウウウ
レッド「……」
レッド(積んでんじゃねえよ。男女だまってフルアタだろ)
レッド(出直してこい)
レッド「……………………」
デンwwwwwデンwwwwwwwwwデンwwwwwデンデンwwwww
デデンwwwwデデンwwwwwデデンwwwwデデデーンwwwwwww
レッド「……」
レッドが勝負を仕掛けてきた
ピカチュウLv.88「ちゅぁぁああっ!」
ゴールド「!! いけ! エアームド!」
エアームド「かぐぴーん」
バババババ
レッド「……」
ピカチュウのボルテッカー
ピカチュウ「ちゅぁぁああっ!」
バリバリバリバリ
ゴールド「ぎゃああああああぁぁぁぁぁ…………
ヒュゥウウウウウウウ
レッド「……」
レッド(僕が帰れなくなるだろ。へんなものまくな)
レッド(出直してこい)
レッド「……………………」
デンwwwwwデンwwwwwwwwwデンwwwwwデンデンwwwww
デデンwwwwデデンwwwwwデデンwwwwデデデーンwwwwwww
レッド「……」
レッドが勝負を仕掛けてきた
ピカチュウLv.88「ちゅぁぁああっ!」
ルビー「!! いけ! アブソル!」
アブソル「ぷわぷわ」
きゅいーん
レッド「……」
ピカチュウのボルテッカー
ピカチュウ「ちゅぁぁああっ!」
バリバリバリバリ
ルビー「ぎゃああああああぁぁぁぁぁ…………
ヒュゥウウウウウウウ
レッド「……」
レッド(強化アイテムなんか使ってんじゃねえよ!)
レッド(出直してこい)
レッド「……………………」
デンwwwwwデンwwwwwwwwwデンwwwwwデンデンwwwww
デデンwwwwデデンwwwwwデデンwwwwデデデーンwwwwwww
レッド「……」
レッドが勝負を仕掛けてきた
ピカチュウLv.88「ちゅぁぁああっ!」
プラチナ「!! いけ! エンペルト!」
エンペルト「ぺんぺん」
きゅいーん
レッド「……」
ピカチュウのボルテッカー
ピカチュウ「ちゅぁぁああっ!」
バリバリバリバリ
プラチナ「ぎゃああああああぁぁぁぁぁ…………
ヒュゥウウウウウウウ
レッド「……」
レッド(ひんしのポケモンを復活させてんじゃねえよ)
レッド(出直してこい)
レッド「……………………」
デンwwwwwデンwwwwwwwwwデンwwwwwデンデンwwwww
デデンwwwwデデンwwwwwデデンwwwwデデデーンwwwwwww
レッド「……」
レッドが勝負を仕掛けてきた
ピカチュウLv.88「ちゅぁぁああっ!」
ブラック「!! いけ! ダストダス!」
ダストダス「ごみー」
ぽい
レッド「……」
ピカチュウのボルテッカー
ピカチュウ「ちゅぁぁああっ!」
バリバリバリバリ
ブラック「ぎゃああああああぁぁぁぁぁ…………
ヒュゥウウウウウウウ
レッド「……」
レッド(聖なる山にゴミ投げてんじゃねえよ!)
レッド(出直してこい)
よわい ポケモン
そんなの ひとの かって
ほんとうに つよい トレーナーなら
すきな ポケモンで
かてるように がんばるべき 」
レッド「……………………」
デンwwwwwデンwwwwwwwwwデンwwwwwデンデンwwwww
デデンwwwwデデンwwwwwデデンwwwwデデデーンwwwwwww
カリン「え? ええちょっとまったあたくしは貴方に注意を……」
レッド「……」
レッドが勝負を仕掛けてきた
ピカチュウLv.88「ちゅぁぁああっ!」
カリン「ったく……いけ! ヘルガー!」
ヘルガー「がー」
本当はやめて欲しいです。弱いポケモン……
特に硬くなるだけのトランセル6匹で挑んで来てほしいです。
え? コクーンでも良いですよ。
好きなポケモン使わないでたまには弱いポケモンで挑んできて勝たせてほしいです」
レッド「……」
ピカチュウのボルテッカー
ピカチュウ「ちゅぁぁああっ!」
バリバリバリバリ
カリン「ぎゃああああああぁぁぁぁぁ…………
ヒュゥウウウウウウウ
レッド「……」
レッド(言い訳してんじゃねぇよ!!)
レッド(出直してこい)
レッド「……………………」
デンwwwwwデンwwwwwwwwwデンwwwwwデンデンwwwww
デデンwwwwデデンwwwwwデデンwwwwデデデーンwwwwwww
レッド「……」
レッドが勝負を仕掛けてきた
ピカチュウLv.88「ちゅぁぁああっ!」
コトネ「がっ、頑張ってサンドパン」
サンドパン「びー」
ごろごろ
レッド「……」
ピカチュウのボルテッカー
ピカチュウ「ちゅぁぁああっ!」
バリバリバリバリ
コトネ「ぎゃああああああぁぁぁぁぁ…………
ヒュゥウウウウウウウ
レッド「……」
レッド(僕のところまで転がってきて僕を崖から落とす気か!)
レッド(出直してこい)
レッド「……………………」
デンwwwwwデンwwwwwwwwwデンwwwwwデンデンwwwww
デデンwwwwデデンwwwwwデデンwwwwデデデーンwwwwwww
レッド「……」
レッドが勝負を仕掛けてきた
ピカチュウLv.88「ちゅぁぁああっ!」
ゴールド「ゲンガー」
ゲンガー「がー」
ゴールド「やったー!!」
レッド「……」
ブン
バギッ
ゴールド「ぎゃああああああぁぁぁぁぁ…………
ヒュゥウウウウウウウ
レッド「……」
レッド(僕に勝ったからって調子乗ってんじゃねぇ!)
レッド(出直してこい)
レッド「……………………」
デンwwwwwデンwwwwwwwwwデンwwwwwデンデンwwwww
デデンwwwwデデンwwwwwデデンwwwwデデデーンwwwwwww
レッド「……」
レッドが勝負を仕掛けてきた
ピカチュウLv.88「ちゅぁぁああっ!」
ハルカ「伝説がダメらな準伝説で」
レジロック「ぎゃわー」
ピカチュウのボルテッカー
ピカチュウ「ちゅぁぁああっ!」
バリバリバリバリ
ハルカ「ぎゃああああああぁぁぁぁぁ…………
ヒュゥウウウウウウウ
レッド「……」
レッド(準伝説なんか使ってんじゃねぇ)
レッド(出直してこい)
レッド「……………………」
デンwwwwwデンwwwwwwwwwデンwwwwwデンデンwwwww
デデンwwwwデデンwwwwwデデンwwwwデデデーンwwwwwww
レッド「……」
レッドが勝負を仕掛けてきた
ピカチュウLv.88「ちゅぁぁああっ!」
ヒカリ「グライオン」
グライオン「ぐらいおん」
レッド「……」
ピカチュウのボルテッカー
ピカチュウ「ちゅぁぁああっ!」
バリバリバリバリ
ヒカリ「ぎゃああああああぁぁぁぁぁ…………
ヒュゥウウウウウウウ
レッド「……」
レッド(一撃必殺なんかに頼ってんじゃねぇよ)
レッド(出直してこい)
レッド「……………………」
デンwwwwwデンwwwwwwwwwデンwwwwwデンデンwwwww
デデンwwwwデデンwwwwwデデンwwwwデデデーンwwwwwww
レッド「……」
レッドが勝負を仕掛けてきた
ピカチュウLv.88「ちゅぁぁああっ!」
トウコ「オノノクス」
オノノクス「どぎゅおー」
レッド「……」
トウコ「やりー」
レッド「……」
ブン
トウコ「おっと! 女の子を殴るのは男の子として最低の行動じゃない?」
レッド「!」
トウコ「へへへ」ニヤニヤ
レッド「…………」
ヒュゥウウウウウウウ
トウコ「わっ」
トウコ「……いない」
トウコ「倒せたことをみんなに報告するために帰るか」
ブン
バギッ
トウコ「ぐはっ!」
ズルッ
トウコ「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……
ヒュゥウウウウウウウ
?「…………」
?(男が殴っちゃダメって事なら女なら良いのよね)
?(勝ったからって調子に乗らないでよね)
リーフ(出直してきなさい)
終わり
何度も挑戦できるトレーナーとはいい勝負が出来るパーティーで挑もうな
>>38
GBプレイヤー使ってたって事で
Entry ⇒ 2012.01.16 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ゆっこ「なのちゃんが中村に狙われてるって……?」
なの「ハイ、実はこの学校に入ってからというもの……」
まだ学校になじんでいない私を気にかけてくれてるんだと思ったんです。
わざわざコーヒーをご馳走してくれた事もありました」
ゆっこ「え、あの中村が?」
みお「誰にでもムス~ってしてて、生徒とかにもまったく関心が無いあの人が……?」
麻衣「……」
ゆっこ「『ちょっと』どころじゃ無いと思うけどねあたしゃあ……」
なの「廊下を歩いている時とか、やたらと付回してきたり」
みお「疑うわけじゃあ無いけど……なのちゃんの考えすぎとかは?」
なの「最初はそうかなとも思ったんですけど……」ズーン
ゆっこ「どしたの?」
なの「なんていうか……双眼鏡で着替えを覗いて来たり……、
家まで押しかけてきたり……」ぞわぞわ
ゆっこ「マジで!」
みお「それはちょっと尋常じゃ無いかも……」
麻衣(ネタの予感)
ゆっこ・みお「?」
麻衣(……すごく面白い事の予感)
なの「わ、わわ私に……『お前の全てを深く知りたい』って……///」
なの「真剣な顔で、言われたんです……」
ゆっこ・みお「…………」白目
麻衣「…………」ktkr
「「ええぇぇええええええええええええええええええ!!?」」
ザワザワ ガヤガヤ
みお「ちょっとゆっこ、ここ教室だからっ!」
麻衣(面白い……)
なの「…………///」
in 屋上
中村先生(さっきから東雲は何を話しているのだろう……何かを相談しているようだが)
なの「────!! ……、…………!!」
ゆっこ「……! ───!!」中村の方を指差す
中村「む、気付かれたか……撤退!」
☆ ☆ ☆
in教室
ゆっこ「み、みおちゃん麻衣ちゃん……今、見た!?」
みお「バッチリ見ちゃった……」
麻衣「……」弥勒菩薩いじり中
なの「…………///」
ゆっこ「これまで昼休みになると研究室に閉じこもっていた中村が、
今日に限ってなのちゃんを双眼鏡で覗いていた……」
なの「今日だけじゃ、無いんです……」
みお「うわぁー……」
麻衣「…………」シュッシュッ 紙やすり使用中
ゆっこ「イヤイヤ、みおちゃんも結構分かるんじゃない?
同姓愛に興味があるって所が同じなんだし」
みお「バカだよね?」
ゆっこ「……」むっ
麻衣「…………ふっ」
みお「そうだねぇ……」
ゆっこ「とりあえず、なのちゃんは中村の事どう思ってるの?」
なの「ハイ、中村先生は親切でいい人だと思います。
でも……恋愛とかそういうのでは……ないんです」
ゆっこ「う~ん、やっぱりそうか~」
麻衣(……あれ、椅子が無い)
ストーカーってジラジラしてるとエスカレートするっていうし」
なの「ストーカーだなんて……中村先生はそんな」
みお「でも、なのちゃんじゃあどう断っていいか分からないんじゃないかな?」
なの「ハイ、情け無い話ながら……」
麻衣(うっかり弥勒菩薩の材料に使ってた)
ストーカーって第三者に言われるとアッサリ引っ込んじゃうっていうし」
なの「へ、よろしいんですか相生さん?」
ゆっこ「いいよいいよ、みおちゃんや麻衣ちゃんも大丈夫でしょ?」
みお「まぁ今日は得には予定無いし、付き合ってあげますか」
麻衣「……」コクン
なの「あ、スイマセン……ぜひお願いします」
モブ「中村がレズだって?」ざわざわ
モブ「そういえば何時も東雲さんの事気にしてたわよねー」がやがや
モブ「考えて見りゃ、あの人どっか男っぽかったよなぁ」わいわい
☆ ☆ ☆
中村「……何故か、私の名誉が損なわれているような気がする」
放課後
中村「フフフ……我ながら完璧なプランだ」
中村(明日、東雲に『学校はなれたか』などと気さくに話しかけながら
カンジュースを渡す。
私のトラップを数多く潜り抜けた東雲も未開封のジュースならばと油断する事だろう)
中村(だが甘い! カンのフチの部分にはついに完成したアレがたっぷり塗られている……
そう……)ゴソッ
中村「この、失神促進軟膏フラフラ君が……ってアレ?」ゴソゴソ
中村「な、無い!」
廊下、ゴミ箱付近
中村「な、無い! 無いぞ……バカな!!」ゴソゴソ
中村「一ヶ月の労力と、三か月分の給料をつぎ込んだ私の秘密兵器が!?」キョロキョロ
中村「お、お、おのれ東雲なの!! またしても先手を取られたというワケか……」ゴゴゴゴゴ
高崎「あ、中村先生」
中村「い、いやまだ希望はある! しかしアレは無い、無い……どこにあるんだ!」ゴソゴソ
高崎「ひょっとして、探しているのはコレでは」ポンッ
中村「」ビクッ
高崎「屋上に落ちてたんですけど……このチューブの表面に書いてる可愛らしいマークって、
たしか中村先生が開発した新薬とかに書いてる奴ですよね?」
つ失神促進軟膏フラフラ君
中村「…………///」ボシュ
中村(可愛らしい可愛らしい可愛らしい)
高崎「それで、さっきから中村先生も何かを探してるように見えたので……」
中村「あ、いや……どうも////」ボシュウ!
中村(私を見てた私を見てた私を見てた……)
高崎「それにしても凄いですよね。この前も何か薬を開発してたのに、
もう新しいのを作っちゃうなんて。中村先生って頭がよくてすごいですよねー」
中村(…………)脳みそ沸騰中
それじゃ、私は部活があるんでっ」
中村(…………)混乱中
高崎(う~ん、相変わらず気難しい人だなぁ……)タッタッタッタ
☆ ☆ ☆
中村(可愛らしい、見ていた、すごい人///)トコトコトコ
ゆっこ「あ、いたいた!」
中村「?////」
ゆっこ「中村せんせー、ちょっといいですかー?」
なの「あの、中村先生……」
中村「あぁ、東雲か。な、なんの用だ……///」
みお(なのちゃんを見ただけで顔真っ赤にしてるよ……)
なの「ちょっと中村先生に、話がありまして……」
中村(────チャンス!!)シャキン
中村(フラフラ君が戻ってきた所で丁度現れてくれた!
なんという幸運っ!)
中村(予定と少し異なるが……ええい、膳は急げだ!)
なの「あのー、どうしました?」
中村「いや 気にするな。丁度私も東雲に用件があったのだ。
さぁ来い、ぜひとも来い」グイッ
なの「あっ」
なの「あ、また右手がっ!」
中村「~~~♪ これ~で東雲は私のも~の~」ウッキウキ
みお「気付かずに右手だけお持ち帰りしようとしてる……っ!?」
なの「あぁー、待ってくださーい!」タッタッタッタ
麻衣(…………このネタ、75点)
中村「少し待っててくれ、すぐにコーヒーがあがるからな」
ビーカー「コポコポコポ」
「「あの~」」
中村「何だお前たち? 言っておくがコーヒーお前たちにはいれてやらんぞ」
ゆっこ「あ~コーヒーよりも中村先生、実を言いますとね、なんというか……」
みお「ちょっとお話したい事があるんですよ」
中村(さーてと、このフラフラクンを今のうちコーヒーカップに───)
ゆっこ「ずばり言います、あなたの好きな人の事です!!」
中村「!!!」ビキッ
みお「ちょっと、ゆっこ!」
中村「…………!!」
中村「な……ななななな、何の事だからさっぱり」ガタガタガタ
脳裏にモミアゲの顔が浮かぶ中村。
中村「違う、違うぞ。私は、ソイツ(モミアゲ)とは、別にそんな(好意を抱いている)ワケでは……」
ゆっこ「中村先生はそう言う(ストーカーの)自覚が無くても、相手(なのちゃん)はそうは思わないんです!」
みお「ちょっとゆっこ、直球ブレイクすぎるよ!!」
麻衣「……」←人体模型にイタズラ
中村「…………な、何を。アイツ(モミアゲ)がそんな事……」ピクピク
ゆっこ「とにかく、今後はその人に必要以上に近づかないでください!」
中村「…………」ムカムカムカ
なの「ひっ!」 みお「…………」ゾクッ ゆっこ「!!」
麻衣「これ……楽しい」←人体模型でパズル中
中村「そもそも、最初に私に言い寄って(可愛いと褒めて)きたのは相手(モミアゲ)の方だぞ!」
みお「えー!?」
中村「貴様らはそれも知らずに、言いたい事をツラツラと……!!」
みお「なのちゃん、マジ」ボソボソ
なの「ハイ、転校初日に理科実験室の場所を聞いたりしたので……ある意味は……」ボソボソ
みお「その事を言い寄るって……マジでおかしいでしょこの人」ボソボソ
なの「中村先生……」責任感
中村「貴様ら部外者が、私達の事に口出しするんじゃない!!!!」
ゆっこ「部外者じゃありません!!」
ゆっこ「私達3人の、大切な人(親友)じゃあいっ!!」
バンッ
………………シーン
なの「あ、あ……」
なの「相生さん」ジィン
中村「それ、本当か」
みお「…………」コクン
麻衣「…………」コクン
中村「…………」
中村「何だと……!」
ゆっこ「…………ふー」
ゆっこ「スイマセン、怒鳴っちゃったりして」
実は今日ここに来たのも、中村先生が好きな人(なのちゃん)から相談を受けてなんです」
中村「(モミアゲから)相談……?」
みお「その人(なのちゃん)から、中村先生の事が怖いって。
これまでの自分を省みたら、分かりませんか?」
中村(…………これまで)
中村(た、確かに落とし穴に落として放置はしたが……モミ崎だなんて呼んだりもしたが……)
中村「しかし、しかし……あんな小さな事で……」
なの「中村先生にとっては小さな事でも、相手は大きく傷ついたりするんですよ」
中村「」
中村「フ……」
なの「!」
中村「フフフフ……とんだお笑い草だな。好かれているつもりが、嫌われていたとは……」くっくっく
なの「中村先生……」
中村(落ち着け、落ち着け私。とりあえず何か飲んで気分を鎮めよう)スッ
ビーカー「グツグツグツ」
ゆっこ「な 中村、何して──」
みお「何の薬──」
なの「中村先──」
中村(…………熱々のうちぐいっと)グビッ
ゆっこ「へ……」
中村「」死ーん
ゆっこ「…………へ、嘘?」
みお「ぁ……ぁ……!」ガタガタガタガタ
なの「な……!
中村先生ぃ───────」
近づいて抱きかかえた中村先生は、穏やかな顔をしていました。
この顔を見て、誰が恋に敗れて自ら命を絶った女性の顔だと信じられるでしょうか?
そう、私が中村先生を拒否した事で、中村先生は死を選んだのです。
私が中村先生を殺したようなものです。
いったいどうすれば良かったのでしょうか?
あるいは、私が自分の気持ちに嘘をついて中村先生と恋人関係になるべきだったのでしょうか?
今となっては、何もかもが分かりません……。
ただ、この腕の中で女性が体温を少しずつ失っていくのを感じるだけです。
END
中村「先日は酷い目にあった……」フラフラ
中村「まさかフラフラ君を、一本丸々飲んでしまうとは……
一日たってもまだめまいが……」フラフラ
ガタンッ
中村「ふぅ~、ようやく椅子に座れた。午後は授業も無いし、
休めそうだ……」
────私達3人の、大切な人じゃあい!
中村「モミアゲの奴、意外とモテるんだな……」イラ
中村「うぐぐ、なぜ私はイライラしてるんだ!」イライラ
中村「ま、あれから何故か東雲がヤケに優しいし。
『あまり行き過ぎた行為に及ばなければ、私の事を教える』なんて言われたしな」
中村「東雲捕獲作戦はいつでも決行できるとして……」
桜井弟「高崎先生ー、どうです。ウチの姉ちゃんとの進展は?」
高崎「ば、バッキャロウ!そんな事を高校生が聞くもんじゃない!」
桜井弟「この分じゃ進展は無さそうですね」
高崎「う、うぅむむむむ!」
桜井弟「だったらもう、高崎先生から告白しちゃうのはどうです?
あのボケ頭なら、可愛いとか適当に褒めながら攻めればけっこうコロっと行くかもしれませんよ」
高崎「バ、バカヤロウ! 桜井先生みたいなすばらしく可愛らしい人がなぁ、そんな軽い人なワケ無いだろう!
その、バカも休み休み永眠しろ!! いくら桜井先生の弟でも、ぶ、ぶっちゃうぞ!」
桜井弟「高崎先生、マジでウチの姉ちゃんにゾッコンですね……」
中村「」←たまたま通りすがった
中村「ぐぬぬ……」ワナワナ
中村「生徒指導の桜井泉……」ギリッ
中村「いったいどのようにして、あのモミアゲを……」
中村「調べる必要がありそうだ」キラン
in 桜井自宅前
桜井「ただいま帰りましたー」トコトコトコ
中村「家族構成、父親と弟の3人家族……母親はすでに他界」メモメモ (←注:原作非公式)
in学校
桜井「え、え~と、本日、駅前で自転車のサドルにキュウリが突っ込まれる……その、事件がありまして
このようなことは、いけないと思うので……えーと」アセアセオロオロ
中村「性格、かなりの上がり性……と」装備:双眼鏡
in廊下
桜井「…………中村先生……?」トコトコアセアセ
中村「先ほどから見ていたが、廊下はしっかりと歩き、下校生徒たちへの挨拶も欠かさない。
真面目な性格……と」コソコソ
桜井「…………」アセアセ
☆ ☆ ☆
なの「はい、おかげさまで! 中村先生にはちょっと悪い事をしましたけど……」
みお「今回は良かったけど、場合によってはエスカレートしてたかもしれないんだからぁ。
気をつけてよゆっこ」
ゆっこ「あいやー」
桜井「はぁー……」
ゆっこ「あれ、桜井先生?」
ゆっこ「ため息なんてついてどうしちゃったんです?
何かいかにも悩み事がありますって感じですよ」
桜井「あ、聞かれちゃいましたか。ええ、実を言うと……」
ゆっこ「どうしたんですー?」
ゆっこ「桜井先生が中村に狙われてるって……?」
その場に居た全員が呆れの声を漏らした。
今度こそ本当にEND
乙
面白かった。本編にありそうだった
Entry ⇒ 2012.01.15 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
ケンシロウ「世紀末からあと3ヶ月で12年か」
預金は枯れ、無い内定、あらゆる就職先が絶滅したかに見えた!
だが…!
会社員は死滅していなかった―!!
ジャギ「まぁ滅びかかってはいるがな」
ケンシロウ「」←無職
ラオウ「」←無職
トキ「」←学生ニート
シュウ「南斗みんなで会うのも久しぶりだな」
シン「シュウに誘われたら無碍に断れん」
ユリア「シンったら素直じゃないんだから」
ユダ「素直にユリアとバーベキュー楽しみでしたって言えばいいじゃないか」ヒソヒソ
シン「ばっ!? 馬鹿言え!!」ビクッ
シュウ「はは、相変わらずだな」
サウザー「さっさと帝王に肉をもってこい」
シュウ「オフになると園長も相変わらずだ…」
シン「具材はサザンクロスの提供だ。一番いいところを持ってきた」
シュウ「シン、助かったよ」
シュウ(園長の口に合う物となると高くつくからなぁ…)
ユリア「やっぱりシンは頼りになるわね!」
シン「いや、折角のバーベキューだからな…」
ユダ「ユリアの前だからって張り切っちゃって」ニヤニヤ
シン「…!」グググッ
ユダ「…!」グググッ
ユリア「喧嘩しない」
シン「北海道の大地で育った栄養豊富な玉ねぎだからな」
ユダ「このかぼちゃ、甘さだけじゃなく…こう、深みが…」
シン「わざわざ岐阜から取り寄せているからな。これからのシーズンの目玉だ」
シュウ「この椎茸のプリプリさ! まるで海老の食感だ!!」
シン「はは! そう誉められたら栃木の農家の方々も本望だろう」
サウザー「帝王に肉以外などいらぬ!」
シン「成人病になれ」
サウザー「言われてみれば、貧相な水鳥が見当たらんな」
シン「…」
ユリア「…」
シュウ「まだ来てないのかな?」
ユダ「いや、既に…ブフッ 来てるよ」クスクス
シュウ「え?」
サウザー「どこだ?」
レイ「……はは」ヒラヒラ
シュウ「……ん?」
サウザー「何を言ってる。見知らぬ女が座ってるだけじゃないか」
ユダ「酷いなぁ、六星の仲間に見知らぬなんて」
レイ「…れ、……REIでーす」キメッ
シュウ「」
サウザー「」
全く別の世界で生きる二人は繰り返す毎日の中少しずつ離れていく!
マミヤとのすれ違いに疲れきったレイはトキに悩みを打ち明ける!
レイの力になりたいトキは藁にもすがる思いで天才科学者アミバを紹介したのだった!
シュウ「そんな事があったのか…」
ユリア「マミヤさんの事となると周りが見えなくなるんだからっ」
シン(俺は評価するぞ…見事な執念だ!)
ユダ「うーんッ! 恥じらう姿も美しい!」
シン「服も見事に着こなしてるな…」
ユリア「元々スタイル良かったしね…」
シュウ「…園長、どうしました?」
サウザー「て、帝王に愛などいらぬッッッ!!」ゴゴゴゴゴ
ユリア「急にどうしたのよ!」
帝王なので踏みとどまったようです
ユリア「あら、お肉嫌いだっけ?」
レイ「いや、女になってから好みが変わって…」ムシャムシャ
ユダ「もっとかぼちゃを。緑黄色野菜は美と健康の星なのだ」
シュウ「お! 茄子もうまいなぁ」
シン「キャベツぐらい食え」
サウザー「葉っぱなどいらぬ」
こうして! 南斗六星BBQは滞りなく(?)終わった!
11年経っても変わらぬ友情を確かめ合い、再びそれぞれの道へと戻っていったのだった!
ケンシロウ「あー、南斗乱れねーかなー」
ラオウ「出番が足りぬぞ」
黒王号「ブルブルッ」
ジュウザ「…」
ラオウ「ぬ!?」
ジュウザ「…」
ラオウ「…なんだ?」
ジュウザ「この雲のジュウザの命、あんたにくれてやる!」バンッ
ラオウ「いらぬ。北斗家のペット枠は一杯だ」
ジュウザ「…残念だ」
前より悪化してんじゃねぇかwwww
ラオウ「うぬこそっ」
トキ「やめろ二人ともっ …ジャギに見つかる」
アイリ「あ! これとかどうですー?」
ジャギ「うーむ、こっちの柄の方が似合うと思うぞ」
アイリ「そう? 試しに着てみようかなー」
ラオウ「ジャギの分際で」
トキ「私の方がイケメンなのに」
ケンシロウ「二人とも凄く醜いぞ」
アイリ「でね、でね、でねー」
ジャギ「ははは、話に脈略がないぞー」
ラオウ「なんだアレは」
トキ「手の一つも繋がず何がデートかっ」
ケンシロウ「愛するが故に見守る愛もある」キリッ
トキ「ほーおー?」
ラオウ「何だ? 今日は妙に常識人ぶるなぁ?」グリグリ
ケンシロウ「嫉妬カコワルイっ」
ジャギ「おいおい、そんなに急がなくても…」
モヒカン「ヒャッホー!! かっ飛ばせー!」
ジャギ「危ねぇ!」
アイリ「…へ?」
ドカァァッッ
モヒカン「りちっ」ドサッゴロゴロゴロ
ジャギ「ぐっ…大丈夫か?」
アイリ「あ、ありがとう…ジャギさ……」
トキ・ラオウ・ケンシロウ「あッ!!」
ジャギ「!? メットがっ!?」
アイリ「あ、あの」
ジャギ「み、見たな!?」
アイリ「は、はい…」
ジャギ「ぐっ…!」
モヒカン「ぐっ…バイクは無事か?」グイッ
バキッ
モヒカン「あわびゅっ」
ジャギ「見たって! 見たってさー!!」ブォォォォンッ
ラオウ「泣いておったな」
トキ「無理もないな」
ケンシロウ「そこ、ニヤニヤを抑えろ」
元々も残念な顔だったにも関わらず一度あべし済みのジャギの顔!
アイリとの付き合いも一歩引いてしまう一番の原因!
アイリを守る為とはいえ、一番引け目を感じていた部分を晒した事で、ジャギは深く傷付いた!
そう、北斗家の食卓が三食出来合いになる程に!!
トキ「今は洒落を言っている場合じゃないぞ」
ケンシロウ「誰もこの状況と出来合いの飯を掛けてねぇよ」
ラオウ「あの愚図、いつまでいじけておるつもりだ」
ケンシロウ「このままだと栄養失調になってしまう」
トキ「私の介護も雑になってきたし」
ケンシロウ「ここは一つ、ジャギ・アイリラブラブ大作戦といくか」
ラオウ「フ、全く世話の焼ける奴よ」
アイリ「…ユリアさん、話って何だろ」
アイリ「今はそれどころじゃないのに…」
「ヒャーッハーッ」
アイリ「え!?」
モヒカン(ケン)「汚物はもう死んでいる」
アイリ「…え」
モヒカン(ラオウ)「汚物は滅せいッッ」
アイリ「汚物汚物連呼しないで下さい!!」
アイリ「何なんですか!? その格好!?」
モヒカン(ケン)「俺達はモブキャラ。北斗家とは何ら関係ない」
モヒカン(トキ)「ヨーネーチャン、チョットツキアエヨー」
アイリ「無理がありすぎです!」
ジャギ「…あれは!」
モヒカン(ラオウ)「お茶に付き合わぬのならアイリにも死あるのみ!!」ゴゴゴ
モヒカン(ケン)「嵌り役すぎて怖い!」
アイリ「いやー!? ゴツキモいよー!!」
ジャギ「止めろ!!」バッ
アイリ「ジャギさん!」
モヒカン(ケン)「土下座しろ!」
モヒカン(トキ)「破顔拳されてーか!」
ジャギ「ぐっ…」
アイリ「ジャギさん…」
ジャギ「こいつらは俺が食い止める! 早く逃げるんだ!」
モヒカン(ケン)「汚物は消毒ォアタァ!!」
バキッ
ジャギ「ぐはっ!」ボコッ
モヒカン(ケン)「…あれ」
モヒカン(トキ)「ちゃんと手加減しないと駄目だろ!」ヒソ
モヒカン(ケン)「いや、ちゃんと避けて反撃できるようにしたんだけど…」ヒソ
モヒカン(トキ)「見てろ! 有情拳はこうやるんだ!」ヒソ
モヒカン(ラオウ)「これぞ天をも握る手加減!」ヒソ
ボカッ シュビッ
モヒカン(トキ)・モヒカン(ラオウ)「あ」
アイリ「ジャギさん!」
ジャギ「大丈夫だ…早く逃げろ!」ダラッ
ジャギは社会人になる際に自らの拳を封印した!
封印是即ちいかなる危機にも解くことのできない足枷!
ジャギはこの屈強な男達からアイリを守る為、決死の仁王立ちをするのだった!
モヒカン(ケン)「いつもみたいに羅漢撃とか使えばいいのに…」
モヒカン(ラオウ)「今日に限っておかしいな…」
モヒカン(トキ)「いかん…ジャギのコスモが弱くなってる」ヒソ
モヒカン(ケン)「しかし、このままでは計画が…」ヒソ
ジャギ「がァッ!?」グイ
モヒカン(ラオウ)「この腰抜け…見損なったわ」
モヒカン(トキ)「いかん! ラオウがキレた!」
モヒカン(ケン)「ダメだラオウ! 今殴ったら本当に滅しちゃう!」
アイリ「ジャギさんを離して!!」バッ
ジャギ「アイリ!?」
モヒカン(ラオウ)「何故この腑抜けを庇う!」
アイリ「ジャギさんは腑抜けじゃない! 人の痛みの分かる強い人なんだから!」
モヒカン(ラオウ)「ならばその節穴で本当に強いか見届けるがいい!!」
モヒカン(ラオウ)「天んんんに召ッッッせぇぇえええいッ!!」グァァァッ
「俺はユリアを守る!」
「私はラオウみたいに強くなりたいな」
「俺は天を掴む! トキ、お前に追いつかれなどせん」
「ジャギ、お前はどうするんだ?」
モヒカン(ラオウ)「がッ!? 針!?」
北 斗 千 手 殺
ジャギ「はッ― はッ―」
モヒカン(ラオウ)「…見事だ」
ドサッ
ケンシロウ「迫真の演技だったよ兄さん!」
ラオウ「ジャギに一撃入れられた…」シクシク
トキ・ケンシロウ「…」
トキ「でもこれで二人は…」
「よくも弟分を!!」
ケンシロウ・トキ「え!?」
ケンシロウ・トキ(親父ー!!!?)
ジャギ「…」
アイリ「ジャギさん」
ジャギ「心配するな」
モヒカン(リュウケン)「北斗神拳奥義…七星点心!!」スァァァッ
スッ
モヒカン(リュウケン)「何!?」
ジャギ「今日だけ…今だけでいい……アイリを守る力を!!」
ジャギ「天翔百裂拳!!」無
ジャギ「北斗剛掌波!!」想
ジャギ「天破、活殺!!」転
ジャギ「北斗羅漢撃!!」生
モヒカン(リュウケン)「ひでぶぅ!!」ブギャッ
アイリ「ジャギさん!」タタッ
ジャギ「来るな!」
アイリ「!」
ジャギ「わかってたんだ。俺はアイリに相応しくないって」
ジャギ「こんなバケモノじみた顔、誰の愛も…」
パチンッ
ジャギ「…」
アイリ「馬鹿」
ジャギ「!」
ジャギ「でも、俺の顔見た時震えて…」
アイリ「あれはジャギさんに抱かれてドキドキしてたからよ! 言わせないで…」
ジャギ「アイリ!」ダキッ
アイリ「ジャギさん!」ギュッ
ケンシロウ「愛を取り戻したか」
トキ「それ思いついたけど地雷っぽいから止めた」
ラオウ「ベタすぎる」
ケンシロウ「うるさい!」
ケンシロウ「とりあえず、晩飯は期待できるかな」
アイリという太陽に照らされ、愛の花咲く春が訪れたのだ!
それに伴い、北斗家の食卓も再びジャギの手料理に戻った!
そればかりではなく、時々アイリとの共同料理が出るようになった!
アイリの花嫁修行は順調に進んでいる!
ジャギ「味はどうだ?」
トキ・ラオウ・ケンシロウ「あまーい」
アイリ「もうっ」ポッ
リュウケン「」☆
ガチャッ
ジュウザ「…」
アミバ「…」
ジュウザ「この雲のジュウザの命、あんたにくれてやる!」バンッ
アミバ「ほう…」
アミバ「なるほど、いい締まりをしている!」
アミバ「合格だ」
ジュウザ「しゃあッ!」☆
ジャギ「新聞、と…お知らせ?」
ジャギ「おーい、みんな」スパン
トキ「おはようジャギ」
ジャギ「おはよう兄者。ラオウ兄者達は?」
ラオウ「おうジャギ、今日はいつもよりのんびりだな」スパン
ジャギ「おはよう、…なんで汗だくなんだ?」
ケンシロウ「朝稽古してたからだ。いい汗かいたなぁ!」
【町内運動会のお知らせ】
ジャギ(絶対これの影響だ)
ジャギ「地域の親睦を深める意味合いを込めてらしいが、優勝チームへの商品見ろよ」
トキ「お米一年分…?」
ジャギ「そうだ!一年分だ! これはどんな手を使っても勝たねば!」
ラオウ「安心しろジャギ、この拳王がいる限り北斗家に敗北は無い」
ケンシロウ「ガイアが主人公として輝けと囁いている」
ジャギ「世紀末以来のやる気マンマンぶり! 期待してるぞ!」
…
ジャギ「…」←赤
トキ「…」←赤
ケンシロウ「…」←白
ラオウ「…」←白
見事に分かれました
ジャギ「ん? なんだ、下に小さく何か書いて…」
※負けたチームは一年分の米を納めて下さい※
トキ「」
ジャギ「」
ラオウ「白組恐怖の伝説は今より始まる!」ムキッ
ケンシロウ「白組を倒そうという奴には全てこの拳で応えるのみ!」ムキッ
ニート、下克上のチャンス
トキ
ジャギ
シン
レイ
シュウ
白組
ケンシロウ
ラオウ
サウザー
ユダ
ミ ス タ ー X
トキ「誰だこのチーム分けした奴」
シン「ミスターX…一体何者なんだ…」
| |ス
ゴ| |タ
||〓〓〓〓〓〓〓〓||
ル| |ト
| |
ケンシロウ「何この壁」
シン「どこがレーンだ?」
バット「説明します、一度しか言わないのでよく聞いて下さい」
バット「皆さんは、その壁の内側だけを走って下さい。最初にゴールしたチームに勝ち点が入ります。以上!」
シュウ「つまりレーンは一つという事…!」
バンッ
ヒュィィィンッ
トキ「先頭に立てればこの勝負、必勝…!」ヒュイイイッ
ラオウ「北斗剛掌波ァッ!!」ゴッ
トキ「な…ッ ああああああッ!?」ドガァァッ
ラオウ「前の者など倒して進めばよい」ズゥゥゥン
シン「トキィ!! 目を覚ませぇ!!」
トキ「」
シン「くっ!」
ラオウ「どけ小物。うぬに興味などないわ」
シン「俺様を見下した台詞は吐かせん!」
シン(とはいえ、この闘気! 対峙するのがやっと…!)
ラオウ「ぬぅんッ」ドンッ
シン(トキ…早く目を覚ましてくれ!)
ラオウ「むんッ」ムキィ
ドガッ
シン「馬鹿な!? 受け止めただと!?」
ラオウ「そのような怯えた拳では傷一つ付けられぬ!」
ラオウ「塵と砕けよッッ!」グァッ
シン「がはぁあッ!!」ズザァァッ
両陣営―
ユダ「わが組は圧倒的じゃないか」
シュウ「誰かラオウの行進を止められる者はいないのか!」
「―待てッ」
ラオウ「…ほう、まだ立つか」
シュレン「拳王の行進は…この俺の命で食い止める!!」メラメラッ
ラオウ「」
ユダ「あれは有りか?」
シュウ「…無しかな」
ラオウ「…」バッ
シュレン「まっ マントで前が!?」
ラオウ「ぬんッ」ズブッ
シュレン「あ―」ピキーン
ラオウ「新血愁を突いた。うぬは3日後に死ぬ」
シュレン「ひ、ひぃい!?」
ユリア「やっぱり駄目だったわね」
ケンシロウ「今の秘孔下痢のツボだし」
シン「俺とやり合えるな」ユラッ
ラオウ「雑魚が何匹も…」
シン「あんな執念の足りん奴と比べて欲しくないな」
ラオウ「ならばその執念とやら、試してやろう」
ラオウ「どこからでも打ってくるg」
南 斗 弧 鷲 拳 奥 義
シン「南斗翔鷲ぅッ!?」スカッ
レイ「いきなり奥義撃った!」
ユダ「様式美がなってないな」
ケンシロウ「あーゆーのユリア嫌いって言ってた」
ラオウ「ふ、その執念、本物らしいな」ドキドキ
シン「な、南斗弧鷲拳…」グラッ
ラオウ「見事だ、本当に見事な執念だった」
ラオウ「この拳に我が生涯の全てを込めてッッ!」
シン「…翔鷲」☆
ラオウ「天に召せぇぇぇい!!」
ゴォォォォオオッ
シュウ・ジャギ「消し飛んだー!?」ガビーン
シュウ「審判! あれ反則でしょ!」
バット「壁内を通って最初にゴールすれば後はなんでもいいです」
ジャギ「まずい…全員兄者に殺されるぞ」
シュウ「和気あいあいとした運動会が何故こんな事に…」
ユリア「お米のせいね」
マミヤ「お米ね」
シン「」☆
ヒューイ「しっかりしろ!」
フドウ「もう直ぐ保健室だ! 気を確かに!」
バンッ
ヒューイ「先生! 急患です!」
アミバ「ほう、それは手術しかないな!」
シン「」★
レイ「知ってるだろ、あいつが負けず嫌いなの」
ケンシロウ「ああ、最後の最後まで負けず嫌いで…」
レイ「なにもこんなところで」
ケンシロウ「言うな!」
レイ「…」
マミヤ「サウザーがゴールしてるのに気づかないなんてねぇ」
ユリア「あればっかりはないわぁ」
白→10点
トキ「気絶してしまって申し訳ない」
シュウ「気にするな、次で取り返そう」
レイ「しかし、接触しうる競技では勝ち目がないな」
ジャギ「戦闘力では勝てないからな」
トキ「ああ」
シュウ「全く」
レイ「その通りで」
ジャギ「ごめん、一辺死んでくる」
ジャギ「だ、大丈夫かこれ…」
サウザー「フハハハ! 己の不運を呪うがいい」
スタート
↓
超平均台
↓
超網潜り
↓
超飴探し
↓
借り物
↓
ゴール
マミヤ「借り物だけ普通ね」
ユリア「ネタ切れでしょ」
サウザー「極星十字拳!」ザンッ
ジャギ「ばわっ」
レイ・シュウ「え――――――?」
ユリア「倒した方が早いものね」
マミヤ「そこに気付くとは…」
サウザー「勝てばいいのだ!!」アミアミ
ケンシロウ「調子に乗りすぎだろ」
ユダ「自分の名言が合わないからって」
バシャッ
サウザー「冷たっ!?」
ジャギ「そうだ、お前の言うとおり勝てばいい」シュボッ
サウザー「や、止め…」
メラァァァァアアアアッッ
サウザー「アアアアアアアアアッ―――」
ジャギ「ヒィャハハハハハハハハハ!! どうだ悔しいか!!」
ユダ「あーあ」
ケンシロウ「本気になったジャギは瞬間風速でユリアを超えるからな」
ジャギ「さて、ゆっくり飴でも探すか」
ジャギ「ん…これは…もしや!?」
シュウ「ジャギー!! メット!メット!」
ジャギ「くっ!? なんとか!」グリグリ
メラメラメラ…
ユラッ
トキ「まずい! ジャギー!! 後ろ後ろ!!」
ジャギ「んだよ、後ろだぁ?」
ゴウッ
ジャギ「うわっ 熱っ!?」
サウザー「帝王に逃走は無いのだぁぁあああああ!!」メラメラッ
ケンシロウ「キャー!聖帝様カッコイイ!」裏声
ラオウ「不死鳥ー!!」裏声
ジャギ「ばわっ」ビギャッ
サウザー「フハハ…飴玉は2つもいらぬ(?)」コンガリ
マミヤ「ちょっと何言ってるかわかんないですね」
ユリア「というか彼は最早誰なんでしょうね」
サウザー「むうっ!?」
【愛】
サウザー「わざとだろ! 誰だ書いたやつ!」
サウザー「愛などいらぬと言ってるだろ!」
マミヤ「体真っ黒顔真っ白で何叫んでるんですかね」
ユリア「さあ?」
白組→10点
レイ「ジャギ、ナイスガッツ」
ジャギ「ジャンプを仕込んでたおかげで助かったぜ」
シュウ「この調子で逆転だ!」
赤組『オー!!』
トキ「さあこの勢いに乗って、次の種目もっ」
第三種目「世紀末玉入れ」
トキ「えー? 欠員でてるのにー?」
シュウ「いくらトキのコントロールとスピードでも流石に二人分の働きは…」
ジャギ「…なあ」
トキ「何だ?」
ジャギ「ミスターXって誰だ?」
シュウ「あ」
レイ「忘れてた」
ジャギ「どいつだ?」
レイ「そもそも来てるのか?」
シュウ「あ!! あいつじゃないか?」
トキ「…え、アレ?」
レイ「確かに額にXって書いてるけども」
ジャギ「俺てっきりバッファローマンだと思ってた」
ケンシロウ「Xさーん、そろそろ出場種目決めてもらわないと…」
ミスターX「No,thank you」
ケンシロウ「はは、わかりましたぁ~」
ケンシロウ(ムカつくーッ!!)
シュウ「向こうは総力で来るみたいだな」
レイ「となると俄然不利だな…」
「お困りかな~?」
レイ「―!?」ビクーッ
トキ「その声は…アミバ!」
アミバ「よう凡人共」
アミバ「いーやー? シン君の治療が終わったから連れてきただけだ」
シュウ「何、本当か!」
レイ・トキ・ジャギ(嫌な予感しかしない)
アミバ「ほれ、すっかり元通りだ」
金のロングヘアー!
鋭い眼光!
輝くボディ!
ダイヤモンドチップを使用したドリル!
トルクチューンモーター搭載!
DX!超合金"KING"シン!
ジャギ「ロボだこれーッ!?」ガビーン
ジャギ「一体どんな治療をしたらこうなるんだよッ」
アミバ「いやいや、本当に元通りなんだ。あれを見ろ」
DXシン「ピピ…ガガッ」ウイーン
DXシン「ビビッビッ」ガガガッ
DXシン「…ナントゴクトケン」ピカッ
ジャギ「」
レイ「お帰りシン」ナデナデ
トキ「心配したぞ」ナデナデ
シュウ「すっかり元気そうで何よりだ」ナデナデ
ジャギ「待て待て待てーい!?」
シュウ「はしゃぎ過ぎだぞ」
トキ「シンは病み上がりなんだから、ちょっとは気を使ってだな…」
ジャギ「おかしいだろ! ソレどう見てもロボだって!」
トキ「…そうなのか?」
DXシン「ウィッウイーン」ゴゴゴ
DXシン「ロボチガウロボチガウロボチガウロボチガウロボチガウ」カタカタカタ
トキ「違うって」
ジャギ「お前ら全員目ぇ見えてんのか!?」
レイ「だって金髪だし」
シュウ「南斗獄屠拳使ってたし」
トキ「執念足りてそうだし」
ジャギ「お前らの判定基準おかしい」
「まもなく、世紀末玉入れを行います」
ジャギ「げぇ! 時間かよ!」
シュウ「よーし、頼むぞシン!」
DXシン「ナントゴクトケン」ピガー
ジャギ「終わった…」
DXシン「ナントゴクトケン」ピロロロ
ラオウ(ロボだ)
ユダ(ロボだ)
サウザー(ロボがいる)
バット(何でロボ?)
ケンシロウ(ちょっと欲しい)
ジャギ(…すげぇ見られてる)
バット「あと妨害なし。正々堂々やりましょう」
ラオウ「どの辺が世紀末なんだ」
サウザー「戦わずして何が世紀末だ」
ケンシロウ「すごく…高いです」
ユダ「籠どこだよ…」
ケンシロウ「全っ然届かへん!」
ユダ「ラオウが投げても半分ぐらいしか行かないぞ」
サウザー「赤もまだ入ってないようだ。作戦を練るぞ」
ラオウ「…」
ケンシロウ「…どうした?」
ラオウ「天に還りがてら入れれば…」ブルブル
ケンシロウ「止めときなさい」
ジャギ「引き分けかぁー!!」
トキ「おーい!!」
ジャギ「何だ兄者」
トキ「このシンすごいよ!流石は南斗のKING様!」
DXシン「ナントライシンショウ」シュバババババ
シュウ「シンに玉を込める簡単な種目だな!」
ジャギ「シン、お前がナンバーワンだ」
バット「では各チーム玉を一つずつ投げましょう」
ケンシロウ「投げる玉がない…」
バット「赤組は?」
シュウ「なみなみ入ってるぞ!」
バット「まずいなぁ…」
トキ「え、何が?」
バット「この種目、そんなに差がつかないと思って1玉1点なんですよ」テヘ
ケンシロウ「」
ラオウ「」
ユダ「」
サウザー「」
X「woo…」
白組→10点
ケンシロウ「」
ラオウ「」
ユダ「」
サウザー「」
DXシン「シュウネンガタリン」テッテレー
ピッ
ピッ
ピピーッ
バット「ビグザムの完成です」
パチパチパチパチ
DXシン「シネッケンシロウ」ビガー
ケンシロウ「組体操ぐらい仲良くやろうぜ」
ピッ
ピピーッ
ラオウ「重い…」
ケンシロウ「兄さんはまだいいよ。ユダとかかわいそうに…」
バット「ピラミッドの完成―」
サウザー「南斗鳳凰拳奥義―」ザッ
トキ「ちょ! おもっ」←天辺
サウザー「あっ!? 足元がっ!?」グラッ
ワー バタバタバタ
シュウ「またですか…」
サウザー「つい」
バット「では内野と外野を分けて下さい。内野に最低一人いれば外野四人でも構いません」
白組
内野 ラオウ、ケンシロウ
外野 ユダ、サウザー、ミスターX
レイ「トキ、内野頼んだぞ」
シュウ「トキのスピードなら大丈夫だ」
ジャギ「激流に身を任せるだけでいいんだ」
DXシン「ナントゴクトケン」ピロピロ
トキ「嫌だ!死にたくない!」
レイ「負けちゃった☆」テヘ
シュウ「仕方ないなぁ~」
ジャギ「かわいいから許すっ」
トキ「許すか! ボール取られたじゃないか!!」☆
トキ「ほら! なんか不吉なやつがこれ見よがしに光ってるし!」☆
ジャギ「兄者」
トキ「なんだ!?」☆
ジャギ「頭はセーフだってよ」
トキ「いや! それダイレクトでアウトだから!(?)」☆
ユリア「四人掛かりでトキを押し込んでるわね」
マミヤ「あ、殴った」
ユリア「グーは駄目でしょ」
マミヤ「今度はトキさん、四人からストンピング食らってます」
ユリア「トキを内野にシューゥ!」
マミヤ「超エキサイティングですね」
トキ「」☆
ラオウ「…投げても良いか?」
トキ「」☆
ラオウ「せめて決め球で葬ろう」ザッ
ラオウ「北斗有情破顔球!」ゴゥッ
ラオウ「トキ…リンチされてなければ…」
トキ「」★
ケンシロウ「うわぁ…どこまでが頭だよ…」
シュウ「ラオウ!」
ラオウ「次は貴様か?」
シュウ「お前に言っておく事がある…!」ゴゴッ
ラオウ「…」ゴゴッ
シュウ「頭はセーフだ…ッ」
ラオウ「何…!?」ピシャーン
トキ「」★
バット「赤組は内野に入る人を決めて下さい」
レイ「見切れたか?」
シュウ「いや、まだ…」
ジャギ「目で追うのがやっとだ」
レイ「まだ球数を稼ぎたいな…」
シュウ「となると…」チラッ
DXシン「ナントゴクトケン」ピルルル
ラオウ「…むうっ」
ジャギ「兄者が止まった!?」
レイ「見ろ! ラオウの闘気が逃げていく!」
シュウ「獄屠拳が効いているのか!?」
ジャギ・レイ(それは無い)
レイ「しかし本当にどうしたんだろうな」
ラオウ「ケンシロウ、シンはうぬに任せる」ヒュ
ケンシロウ「決着をつけろ、と?」パシ
ラオウ「…」
ケンシロウ「…わかった、任せろ」
ラオウ「…」
ラオウ(どこまでが頭か分からん…!)
トキ「」★
ヒューイ「おい! しっかりしろ!」
フドウ「息がない! 急ぐぞ!」
バンッ
ヒューイ「急患です!」
アミバ「んー?」
トキ「」★
アミバ「…ニヤッ」
アミバ「捨ててこい」ドーン
フドウ「御意」
ケンシロウ「アタァ!」ビッ
バコンッ
DXシン「ビピガッ」ブーッブーッ
ケンシロウ「えっ」
ウーッ ウーッ
ユダ「なんだなんだ?」
シュウ「サイレンか!?」
スペード「抵抗を止めろ! 貴様らは完全に包囲されているッ!」
ケンシロウ「えっ」
世紀末救世主 警察署へ任意同行
レイ「なんだか知らないけど圧してるぞ!」
シュウ「いいぞシンー!」
ラオウ「ええい! 調子に乗りおって!」
DXシン「…ビガーッ」チカチカ
DXシン「キサマノケンポウデハシナン」ピーッ
DXシン「―サラバダ」
カッ―――――――
―――――ドンッ
レイ「」
シュウ「」
ジャギ「」
ラオウ「」
レイ、シュウ、ジャギ(内野)
白組
ラオウ(内野)、サウザー、ユダ、ミスターX
ラオウ「ジャギ、うぬもトキ同様にしてくれる」
ジャギ「受け止めるのは無理だがメットがありゃ死には…」
バット「ヘルメットは反則なので取って下さーい」
ジャギ「」
ユリア「内野から距離がありましたからね」
マミヤ「次はどんな体にされるんでしょう」
ユリア「粉微塵だから復活は無理でしょうね」
マミヤ「そういえば、ジャギさんメット没収されましたね」
ユリア「防御力に不安が出ましたね、どうですか解説のアイリさん?」
アイリ「お兄ちゃんをかわいいって言ったのが気に入りません」
ユリア「アチャー」
ラオウ「北斗剛球波!」ボッ
ジャギ(あ…頭に球が)
ラオウの放った剛球がジャギの頭を襲う!
しかし、この時ジャギの脳裏を一つの記憶が駆け抜けた!
ドゴォッ
ジャギ「」☆
ラオウ「呆気ない」
ガシッ
ラオウ「何!?」
ジャギ「兄者…ボールは頂くぜ」☆
ピキーンッ
ジャギ「ばわっ」★
ジャギに蘇った記憶!
それはケンシロウの高校受験日の決死の替え玉作戦!
頭を吹き飛ばして顔を隠すという逆転の発想!
これによりケンシロウは(勉強せず)高校に合格し、ジャギは生死の境をさまよった!
それは恐怖! 死を恐れる心!
弱者は強者を目の前にして、既に心で敗北している!
だがジャギは恐怖しなかった!
ラオウの投球の際、ジャギは替え玉作戦時の記憶に自分を置き換えた!
頭を吹き飛ばす事で目的が果たされる!
そう思うとジャギは笑えたのだ!
そう! ボールが当たってジャギは笑ったのだ!
ラオウ「ジャギ…いい笑顔だったな」
サウザー「Mは理解できん」
シュウ「墜ちよ拳王!!」ゴォッ
ビュゥゥゥゥンッッ
ユダ「は、速い!」
サウザー「シュウにこんな才能が!?」
バシィィィンッ
ラオウ「速いが球が軽いな」
シュウは軽い球になった ブブーッ
ジャギが犬死になった ブブーッ
シュウ「がぁぁぁぁぁああああ!?」ガクッ
ラオウ「む!?」
レイ「シュウ! どうした!」
ユダ「急に苦しみだしたぞ!」
レイ「おのれラオウ! どさくさに紛れて天破活殺でシュウを!?」
ラオウ「この拳王、そんな回りくどい事はせぬ!」
シュウ「肩が!? 肩がぁー!!」
シュウ、野球人生の終わり
スペード「悪戯で通報するとはいい度胸だな! 豚箱にぶち込んでやる!」
ケンシロウ「アタァ!」
ピキーン
スペード「…あ」
ケンシロウ「お巡りさんサン、ボクをどこに連れてくんデスカ?」
スペード「…さあ?」
ケンシロウ「ボク運動会の選手だから戻らなきゃいけないんだケド」
スペード「あ、ああ、すまない。今パトカーで送るからね」
ケンシロウ「アリガトー」
ケンシロウ「ちょろいな」
レイ
白組
ラオウ、サウザー、ユダ、ミスターX
レイ「ついに一人になってしまった…」
レイ「というか、まともにうごけるのが俺しかいないという」
トキ→ちにゃ!
レイ→健在
シン→自爆
ジャギ→ばわっ
シュウ→肩がぁー!!
レイ「今気づいたが、チームメイトに恵まれなかったな…」
レイ「くっ」
ラオウ「ぬふふ、せっかく別嬪にしてもらったのに剛球で体がひしゃげるのは残念だろう」
レイ「う、うるさい!」
ラオウ「しかし許しを乞うなら助けてやらんでもないぞ」
サウザー「調子にのっているな」
ユダ「調子ノリ男だな」
ラオウ「ふん! 雑魚が粋がりおって」
ラオウ「さて、どこを狙おうか…」
ラオウ「ラオウだけに、な」プフッ
サウザー「」
ユダ「」
レイ「」
ガコッ
ラオウ「えっ」
ラオウ「ぬおおおおぉぉぉ…」ヒュウウ…
レイ「なんか知らないけど助かった!」ヨシッ
ユダ(さっきの調子ノリ男はセーフなのか…)
ザッ
サウザー「フハハ…水鳥を狩るなど容易い」
レイ「くっ…一難去ってまた一難か」
サウザー「フハハ…」
サウザー「これが本当の巨星落つ、か」
バコンッ
サウザー「ああぁぁぁぁ…」ヒュウウ…
レイ「…」
ユダ「全く、せっかくボールはこちら側なのに…」
ユダ「消える魔球かっつーの!」
バコッ
ユダ「しまったああああぁぁぁぁ」ヒュウウ…
レイ「すごいスピードで落ちてった…」
レイ「残るはあのバッファローマンだけ!」
X「…」
レイ「ミスターX、実力はいかに…」
X「…」ゴゴゴ
X「…俺は」
ガコッ
X「え!?」
X「何故だあぁぁぁぁ…」ヒュウ…
レイ「えー」
マミヤ「何がアウトだったんですかね」
ユリア「全部でしょ」
シュウ「失礼します…」ガラガラ
アミバ「うぇるかむ! ワタシノ保健室ニヨウコソ!」
アミバ「アナタすぽーつまんデスネ!」
シュウ「まぁ似たようなものですね」
アミバ「今コノ紙ニさいんスレバ、アナタのナヤミは解決デース!」
シュウ(怪しいなぁ)
アミバ「アナタ野球人生オワリマシタネ」
シュウ「! 何故それを…」
アミバ「ワタシニワカラナイコトアリマセーン!」
アミバ「ワタシニ不可能アリマセーン! ダイジョーブデース!」
シュウ「わかりました!」サラサラ
アミバ「…」ニヤッ
シュウ「これでまた甲子園を目指せる…!」☆
アミバ「ゲドークン、オサエナサーイ」
ジャッカル「ぎょぎょ」ガシッ
シュウ「えっ」
アミバ「新しい秘孔を試してみよう」ズブッ
シュウ「あああああああッ!?」ピキーン
白組→10点
レイ「点差があるとはいえ、俺一人で世紀末リレーは無理だ…」
レイ「せめてシュウが治療から戻ってこないと…」
「待たせたな!」
レイ「! ナイスタイミング!シュウ」
シン「やあ」
レイ「」
レイ「シン…生きていたのか」
シン「あっはっはっは! 何を言うかと思えば」
シン(3)「俺は多分、三人目」
シン(4)「戦争は数だぞレイ」
シン(5)「殉星の比率おかしいだろ」
シン(6)「こんだけいりゃ執念足りるだろ」
レイ「」
第1走者 サウザー、クローンシン
第2走者 ユダ、クローンシン
第3走者 ラオウ、クローンシン
第4走者 ミスターX、クローンシン
第5走者 ケンシロウ、レイ
ラオウ「無しだろ」
サウザー「無しだな」
ユダ「あれは無い」
スペード「すまなかったね」
ケンシロウ「いえいえー」バタン
ケンシロウ「ふ…ヒーローは遅れてやってくる」
ケンシロウ「時間的にはそろそろ終盤戦の筈…つまりヒーロー登場の時!」
ケンシロウ「みんな! 待たせたな!」
シン(3~6)「久しぶりだなケンシロウ」
ケンシロウ「増えてるー――――!?」ガビーン
ラオウ「お前のライバルだ」
サウザー「なんとかしろよ」
ユダ「お前一人で800m走れよ(一人200mだから)」
ケンシロウ「どうしてこうなった…」チラッ
シン(3~6)「じーっ」
ユダ「きっとアイツらお前の事好きだぜ」
ケンシロウ「やめて、死にたくなる」
ユリア「普通に考えるとサウザー選手の方が速そうですが…アイリさん、どうでしょう」
アイリ「…ジャギさん」ナデナデ
ジャギ「………」スースー
アイリ「ふふ、お疲れさまでした」
ユリア「ジャギ選手が許された模様で一安心です」
サウザー(だが問題はラオウとユダ! 特にラオウは見るからにパワータイプ。リードは多い方がいい)
バット「よーい」バンッ
ダ――――――ッ
レイ「な!?」
シン(3)「に!?」タタタッ
ユダ「なんでスタートしないんだー!?」
サウザー「フハハハハ! 帝王は逃げ馬ではないのだ!!」
マミヤ「テイオーが逃げ馬でもいいじゃない」
ダッ―――――
レイ「速い!!」
ケンシロウ「あの走り! 新馬戦から怒涛の六連勝を見せたフサイチホウオーを彷彿させる…!」
サウザー「フフフハハハハ ハ ハ!!」ドップラー効果
ケンシロウ「流石にあんなには速くなかった」
レイ「だろうな」
ユダ「早くバトンを渡せバカ!」
マミヤ「やはりチーム戦に向かないですね」
ユリア「王を名乗る人はそういうとこありますねー。空気読めないというか」
シン(4)「泣くな! あと少しだろ!」
シン(3)「だってユリアが…」
シン(6)「俺達のチームワーク見せてやろうぜ!」
ユダ「はっ! はっ!」バタバタ
マミヤ「二人目のシン選手、すごい気迫です!」
ユリア「グングン距離が縮まります!」
マミヤ「鬼の形相で追い上げてますが、さっきから涙が…」
ユリア「空気抵抗で目が渇くんですかねー」
マミヤ「にしてもユダ選手、マント邪魔そう」
ユリア「白組は馬鹿ばかりですな」
ユダ「くっ 抜かれた!」
シン(4)「頼むぞ5号!!」
シン(5)「お前の涙、無駄にはしないッ」ブワッ
ユダ「ラオウ、すまない!」バッ
ラオウ「よい、すぐに突き放してやるわ」
ラオウ「ゆくぞ黒王号!!」
黒王号「ヒヒーンッ」
バット「はいだめー」
シン(6)「その呼び方やめてくれ!」ダダッ
シン(5)「はぁ…はぁ……どれぐらい突き放したかな」チラッ
ラオウ「ふう、ふう…」ノッシノッシ
シン(5)「お、遅ぇ……」ズーン
ケンシロウ「遅すぎワロエナイ」
レイ「周回遅れにナッチャウヨ」
ラオウ「! 閃いたぞ!」
レイ「なんだ? ラオウが仰向けに寝転がったぞ」
ケンシロウ「寝てる場合がアホウ! 真面目に走れ!」
シン(6)「勝負を捨てたのか?」テクテク
ラオウ「我が生涯に一片の悔いなしッッ」
ドゴォォォオオンッッ
ケンシロウ「天に還る力を横に打ち出すとは考えたな!」
ユダ「すごくシュールな図だけどな」
マミヤ「すごい推進力です! ラオウ選手、あっという間にミスターX選手のところへ!」
ユリア「到着、そして通過したわね」
ケンシロウ「戻れアホウー!!」
ラオウ「」★ ドゴーンッ
シン(6)「な、何の音だ…?」クルッ
ラオウ「」★ ゴォォォオ
シン(6)「な!? ぐはぁ!?」ドガッ
シン(6)「ああああぁぁぁァ」ゴォォォオ
マミヤ「最後のシン選手巻き込まれました!」
ユリア「ラオウの股に挟まっててすごく気色悪い光景ね」
シン(6)「ユリァァァアアアア!!」ブワッ
マミヤ「ユリアさん、呼んでますよ」
ユリア「困る」
ユリア「このまま行くと壁にぶつかるわね」
マミヤ「まぁラオウ選手に限って激突死はありえませんが、シン選手はどうでしょう」
ユリア「あら、シンには代わりがいるじゃない」
マミヤ(ユリアさんがさっきから投げやりだ…)
マミヤ(お、アイリちゃん言い過ぎだとユリアさんに言ったれ!)
アイリ「超スピードで飛ぶラオウさんを昇天ロケットと呼びましょう!」
ユリア「私はミサイルニートがいいわ」
マミヤ(駄目だ、アイリちゃんにツッコミは期待できない)
ドガァァアアアンッ
ラオウ「」★
マミヤ「ラオウ選手刺さったー!!」
ユリア「あのポーズで飛んでって刺さっているんだから、もう見事としか言えないわね」
ケンシロウ「X! ラオウからバトンを取るんだ!」
ミスターX「…!」ググッ
ケンシロウ「くっ、死後硬直か…死んで尚も迷惑な奴!」
ラオウ「」ブシャッ
ケンシロウ「指が離れた! 走れX!」
X「…」スタタタ
シン(3)「6号ー! どこだー!?」
シン(5)「いた! ラオウの股下で潰れてる…」
シン(6)「」★
シン(4)「うわぁ… この死に方だけはやだ」
シン(5)「駄目だ! ラオウの股にガッチリホールドされてる」
レイ「ならばラオウを壁から引き抜くしかないな」
シン(4)「ケンシロウ、悪いが手伝ってくれないか」
ケンシロウ「むう、少し考えたんだが聞いてくれるか?」
レイ「何かいい考えでも?」
ケンシロウ「考えるに、拳王フルバーニアが最良かと」
レイ「わかった、ラオウを切断してしまおう」
ケンシロウ「よし! 張り切って引っ張るぞ!」
マミヤ「ミスターX選手速い速い!!」
ユリア「全盛期のトキ選手を彷彿させる素晴らしい走りですね」
マミヤ「ミスターX…一体何者なんでしょう」
ユリア「やっぱりバッファローマンじゃないでしょうか」
ミスターX(フフ…俺の正体が気になるようだな)
ミスターX(超人的身体能力を持ったマスクマンがいたら気にならない訳がない!)
ミスターX(さらば昨日までの冴えなかった自分! そしてこんにちは新しい自分!)
マミヤ「あー、ミスターX選手、風圧でマスクがずり上がってますね」
マミヤ「下からジュウザの顔が覗いてますねー」
相変わらず扱いひでぇwwww
ミスターX「っていねぇぇぇえ!?」ガビーン
ケンシロウ「ラオウの奴、本当にロクな事しねぇんだから…」
ミスターX「どこ行ってたんだよ! 早く準備しろよ!」
ケンシロウ「あ、ジュウザだ」
レイ「本当だ、ジュウザだ」
シン(3~5)「なんだジュウザか」
ミスターX「バレてるー!?」ガビーン
ユリア「何だろう、バッファローマンじゃないってわかった時の喪失感…」
マミヤ「私も、もしかして本物なんじゃ…って少し期待してました」
アイリ「バッファローマンだったら良かったのになぁ」
アイリ「あ! ジャギさん、メットの代わりに…」
ジャギ「お断りします」
マミヤ(被れよ…)
ユリア(素顔も隠れて一石二鳥じゃない)
ケンシロウ「案外レイって足遅いんだな、ちょっと意外だ」
レイ(胸が邪魔で上手く走れない)タユンタユン
ジュウザ「Oh…ダイナマイ」
シン(3~5)「アーアー何も見えない」
ユダ「いいよーレイちゃん!」REC
アイリ「見せられないよ!」
ジャギ「見ないって!」
ラオウ「…ここは」
トキ「目が覚めたか」
ラオウ「トキ、ここはどこだ?」
トキ「多分、マクドナルドの二階席…かな」
ラオウ「…え」
トキ「だって深夜のマクドナルドってこんなだろ!」
ラオウ「確かにそうだが…何でまた」
トキ「あ、喫煙席に誰かいるな」
トキ「すみません、相席いいですか?」
オウガイ「ああ、構わんよ」スパスパ
ラオウ「失礼する」ズシッ
トキ「予約席の札がありますが、迷惑でしたか?」
オウガイ「気にするな。いつ来るかもわからん奴だからな」
ラオウ「遅刻常習犯か、迷惑な奴だな」
オウガイ「リュウケンというんだがな」
トキ「おうふ、本当に迷惑な奴だった」
ラオウ「不本意ながら俺達の師父だ」
オウガイ「という事は、北斗の跡取り息子たちか!」
トキ「ええ、私はトキ、こちらは私の兄ラオウです」
オウガイ「いや、なかなかいい面構えをしている。立派な息子を持ってリュウケンも安心だろう」
ラオウ「…」←ニート
トキ「はは…」←学生ニート
トキ「はあ?」
オウガイ「北斗神拳は一子相伝だったな。後継者争いに敗れたか」
ラオウ「ぬ、何故それを」
オウガイ「でなければあの世なぞ来るまい?」
トキ「え」
ラオウ「あの世?」
オウガイ「左様、一見マクドナルドに見えなくもないが、ここはあの世の待合室じゃ」スパー
トキ「オウガイさん、我々用事を思い出しました」
オウガイ「おおそうか、久しぶりに若者と話ができて楽しかったよ」
ラオウ「またここに来る事があれば、次こそ茶でも飲みつつ語り合おう」
オウガイ「ああ、楽しみにしてるよ」フッ
オウガイ「ああ、最後に」シュボッ
トキ・ラオウ「はぁ」
オウガイ「息子によろしくな――――――
……
…
…
ラオウ「…」
トキ「…ラオウ」
ラオウ「見たか」
トキ「ああ…」
ラオウ「入口でシンとシンが争ってたな…」
トキ「オウガイさん驚くだろうな…」
シン(4)「そうなるとこの種目に負けても50点しか縮まらないから俺達の勝ちだな」
バット「それもつまらないので最後は100万点にします」
ケンシロウ「よっしゃああああああい」ダダダ
レイ「ええええええ!?」タユンタユン
マミヤ「レイのたゆんたゆんが激しく…!」ダー
ユリア「マミヤ、鼻血」
サウザー「決めてしまえ!」
ジュウザ「あと30m!」
ケンシロウ「圧倒的差! 今日のヒーローは俺で決まりだな!」
ケンシロウ「もうゴール手前だし、レイが来るの待っててもいいけど」
ケンシロウ「手加減なしでいこう! レイに失礼だしね!」キリッ
ガコッ
ケンシロウ「え」
サウザー「あ」
ジュウザ「あ」
ユダ「あ」
ケンシロウ「なんじゃこりゃああああああああぁぁ…」ヒュウ…
バット「はいブー」
白組→10点
バット「赤組優勝!」
レイ「や、やったぁ…」
ジャギ「何だろう、素直に喜べない」
ケンシロウ「じゃあお米一年分譲ってくれよ!!」
ケンシロウ「くれよ!!」クワッ
シン(3、5)「南斗獄屠拳!!」
ケンシロウ「うぶぅ!?」バキッ
シン(4)「何本目に死ぬかな?」ズブッ
ケンシロウ「ちょ、調子にっ アウンッ のりましたぁアアンッ」ビクッ
ユリア「さ、帰ろ」
様々な犠牲を出しつつも見事優勝を勝ち取った赤組は、一年分のお米を贈呈されることとなった!
一方!
ケンシロウ「あの…ジャギ様」
ラオウ「ワタクシ共にもご飯を…」
ジャギ「…」チラッ
トキ「甘やかすなよジャギ」
ジャギ「でもよお…」
トキ「お米こそ正義、いい時代になったものだ」
北斗家の中ではニート内でも格差がつき、トキがジャギに次ぐ権利を手に入れた!
もっとも、一年後にボコボコにされるのだが…!
世界は核の炎に包まれた
海は枯れ、地は裂け
あらゆる生命体が絶滅したかに見えた
だが…人類は死滅していなかった!
生き残った人々は、僅かな水と食料を求めて争いを繰り広げていた…
ケンシロウ「うー、水ぅ~」フラフラ
ケンシロウ「あ…目眩が……」
バタッ
ウワーナニアレ
キモーイ
チョウロウ、フロウシャデスヨ
長老「ホームレスは豚箱行きだ!」
ケンシロウ「ううッ」ズザーッ
バット「うわっ 臭ぇ! 洗ってない犬の臭いがする!」
バット「誰かー! こいつと牢屋を変えてくれー!」
リン「…」
バット「あ、リンちゃん、今日もかわいいね! お願いだから隣の牢屋に移してくれよ!」
リン「…!」タタッ
バット「あ…」
バット「お前が臭いからリンちゃん逃げたじゃねーか!」バキッ
ケンシロウ「ぐ…」
バット「あ、食事の時間か。ありがとうリンちゃん!」
リン「…」スッ
バット「それにファブリーズか! サンキュー!」
バット「ヒャッハー! 汚物は消毒だー!」シュッシュッ
ケンシロウ「ゲホッ ゲホッ!」
バット「ゲホッ! ファブリーズと混ざってさらに悪臭がっ!?」
リン「――――臭いぃぃ!!」
バット「リンちゃんが…喋った!」
バット「リンちゃん! 良かった!」
リン「バットくん!」ギュ
バット「お、おい…照れくさいぜ」
リン「あれ、さっきのおじさんは?」
バット「ありゃ!? 鉄格子がひしゃげてる! 脱獄だ」
リン「臭いからいいけど」
ケンシロウ「タクシー!」バッ
ジード「へーい」キキッ
スーパー サザンクロス
シン「!」ピーン
シン「この感じ…ケンシロウが来やがった…」
シン「今日も大方たかりに来たんだろうな…」
ケンシロウ「アタァッ」
ピキーン
ジード「…あれ?」
ケンシロウ「会計が済んだのだからさっさとドアを開けてもらいたいのだが」
ジード「あ、ああすいません!」バムッ
ケンシロウ「シン…」ボキボキッ
シン「ああ、現地の人達と掛け合ってようやく実現することができたよ」
ユリア「やっぱり野菜が多いわね。逆にお酒とか銘菓は少ないかも」
シン「ユリア、ここはスーパーだ。デパートみたいな飾った催しはいらない。東北フェアの成功で東北の食品の優秀さが浸透すればそれが一番だ」
シン「まぁ、ウチ一件が頑張ってもあまり変わらないかも知れないが」
ユリア「シン、自信を持って! サザンクロスは町内1のスーパーよ!」
シン「ユリア…!」
ケンシロウ「そこまでだ」
シン「…きたか」
ケンシロウ「ユリアを返してもらおう」
ユリア「ちょっと、いきなり何言ってるのよ」
モヒカン「お客様! 店内で揉め事は…」
ケンシロウ「アタァッ」ボクシャッ
モヒカン「ぶべっ」
シン「! 地獄へ突き落としてやる!!」クワッ
ユリア「ああっ! もう二人ともっ!」
ユリア「大丈夫?」
モヒカン「うう… グスッ」
ケンシロウ「…ふっ」バシッ
シン「何!?」
ケンシロウ「俺を変えたのはお前の教えた執念だ」
ユリア(食への欲求でしょ…)
シン「貴様の執念などたかが知れている!」
バッ
シン「この岩手県産二子芋でどうだ」
ケンシロウ「…ほう」
ケンシロウ「ユリア…わかった」
シン・ユリア「ほ…」
ケンシロウ「ァアタタタタタタタタタタタタタ!!」
シン「ぐぁああああああ!?」ドガァァアッ
ユリア「」
ケンシロウ「北斗十字斬!」
ケンシロウ「ユリア、わかっている。俺の(食への)執念は芋だけで収まる物ではない」
ケンシロウ「この食品、いただいていくぞ」ドッサリ
シン「お…お芋ちゃん……」
ユリア「馬鹿ケン! シン、ちゃんと代金は払うから…」
シン「ユリア…いいんだ」
ユラッ
ユリア「シン! 立っちゃ駄目!」
シン「ケンシロウ…俺達の戦いは終わっていない…」
ケンシロウ「明日も来る」
シン「さらばだー!!」バッ
ユリア「シーーーンッ!!」
シン「うわらばっ」ゴキッ
クラブ「店長、いくら二階でもそんな毎日落ちてたら死にますよ」
クラブ「お先ですー」
シン「お疲れ」
モヒカン「お先失礼しまーす」
シン「今日はすまなかったな」
モヒカン「いえ、店長のせいじゃありませんよ」
シン「…すまない」
ダイヤ「店長、お先です」
シン「おお、お疲れ」
ダイヤ「あ、休憩室にいい物ありますよ」
シン「いい物?」
お詫びと言ってはなんだけと、東北の食材で鍋を作りました
皆さんで食べて下さい ユリア】
シン「ユリア…おにぎりまで」
シン「…もう一枚あるな」ペラ
【ごめん、もうしない ケンシロウ】
シン「…」グシャ
シン「ユリアの手料理…美味いな……」
シン「グスッ おにぎりはちょっとしょっぱすぎるぜ」
ケンシロウ「たまには世の中の役に立てとユリアに怒られてしまった…」
ケンシロウ「ゴミ拾い…ダルいな」ヒョイ
ケンシロウ「むっ、これはっ」
【フィットネス&エクササイズ!
更には魅惑の超人ボディで北斗神拳も怖くない!?
フィットネスクラブGOLAN】
ケンシロウ「面白そうな匂いがプンプンプンだ」
兵士「いらっしゃーせ! 入会希望の方ですか?」
ケンシロウ「ええ、ちょっと今日は見学を」
兵士「ハイハイハイ、こちらへどうぞ!」
マッド「はいワントゥ、ワントゥ」
マッド「美しい心は美しい体から! シェイプアップ&ビューティフルマインドよ!」
ケンシロウ「」
兵士「あちらが講師のマッド先生です」
兵士「ああ!? お客様!」
ケンシロウ「おい、変態マッチョマン」
マッド「まあなんて汚い言葉! アナタもレオタードに着替えて! 美しく変身させてあげるわ!」
ケンシロウ「お断りします」
マッド「ふふ、これを見てもそう言えるかしら?」
ケンシロウ「何?」
ケンシロウ「」
マッド「見なさい! この腹筋!」
ケンシロウ「ホアタァ!」ピキーン
マッド「あ、あら? 体が動かない!」
ケンシロウ「体の自由を奪う秘孔を突いた。お前は一生ブリッジで生きるのだ」
マッド「た、助けて!」プルプルッ
ケンシロウ「さて、まだ気持ち悪い奴がいそうだな」スタスタ
コンコン
大佐「どぞー」
ケンシロウ「ちわー、死神でーす」ガチャッ
大佐「あら、いい男」ウホッ
ケンシロウ「」
この時、ケンシロウは初めて感じた!
この戦い、間違いなく死闘になる!
本気で戦わないと、ヤられる…と!
ケンシロウ「」ゾッ
大佐「あら、そっちが来ないならこっちから行くわよ!」ダッ
ケンシロウ「ひいい! 来るなぁぁ!」
ダダダッ
大佐「逃がさないわ!!」シュッ
ヒュンヒュンヒュンッ
ケンシロウ「ブーメラン!?」バッ
大佐「無駄よ!」
スタッ
ケンシロウ「ぬうっ!?」ズバッ
大佐「ふふ…逃・が・さ・な・い」スッ
ケンシロウ「後ろ!?」ブンッ
大佐「残像よ」
大佐「さあ、愛してあげる」ダキッ
ケンシロウ「き、キモーイ!?」ジタバタ
大佐「ハァハァ…い、いくわよ!」ビンッ
ケンシロウ「ほ、北斗壊骨拳!」ズビッ
大佐「はうンっ」ビクンッ
大佐「アァンッ もっと殴ってぇ!」ビクンビクンッ
ケンシロウ「お前の命はあと10秒ぐらいだ! 己の変態行為の数々、あの世で悔いろ!」
大佐「嫌よ! アナタの尻穴に子種を…!?」ピキーン
ケンシロウ「死ね!変態!」
大佐「きもちいいいいいいいいいいいっ!!」ズビャァア
ケンシロウ「怖かった…怒ったユリアより怖かった……」
なんで適当なんだよwww
ユリア「あら、駅前のフィットネスクラブ閉店ですって」
ユリア「通おうか悩んでただけに残念ね…」
ケンシロウ「馬鹿! ユリアの変態!」
ユリア「な、なによ! 馬鹿はともかく変態って!」
ケンシロウ「腹へった……いつになったらジャギ帰ってくんだよ」グー
ケンシロウ「…鳩の餌か」チラッ
マミヤ「…」スタスタ
ケンシロウ「! ユリア、いいところに!」
マミヤ「…」
ケンシロウ「ユリア、飯作ってくれよ」
マミヤ「…」
ケンシロウ「…変態って言ったの怒ってるのかな」
マミヤ「えっ!?」
ケンシロウ「怒らせたならごめん、でも一言だけ聞いてほしい」グッ
マミヤ「は、はい」
ケンシロウ「俺の為に毎日飯を作ってくれ!」クワッ
マミヤ(え!? 何、告白!?)
ケンシロウ「お願いしますっ」バッ
マミヤ「え、えと…」
ユリア「あ、ケーン」
マミヤ「え!?」
ユリア「え!?」
ケンシロウ「え!? ユリアが二人!?」
ユリア「ケン、誰この人」
ケンシロウ「え、あ、…ユリア……かな」
マミヤ「無理もないですよ、私もドッペルゲンガーかと思いましたから」
ユリア「まあ確かに瓜二人つだけどさ」
マミヤ「それにしてもユリアさん」
ユリア「何?」
マミヤ「…お強いんですね」
ユリア「まぁね」
ケンシロウ「」☆
マミヤ「え、はい」
ユリア「これも何かの縁だしお茶しに行かない?」
マミヤ「いいですね、お供します」
ユリア「ケン、私達お茶してくるからご飯は自分で作ってね」
ケンシロウ「」☆
ジャギ「出張中の我が家は大丈夫だったのか…不安だな」
レイ「すいません、そこのメットの方」
ジャギ「あ? 俺?」
スパッ
レイ「7つの傷の俺…! 覚悟!」バッ
ジャギ「なんかわからんけど多分人違いだ!」
ジャギ「なるほど、7つの傷を持つ男が暴れてると」
レイ「ええ、スーパーで強盗を繰り返したり、フィットネスクラブを閉店に追い込んだり…」
ジャギ(絶対ケンシロウだ…)
ジャギ「わかった! 俺も犯人探しを手伝おう!」
レイ「おお! 助かります!」
ジャギ「とりあえず連絡先はこれな。俺は一度家に帰って土産を置いてくる」
レイ「では手分けしましょう。俺は駅の南を探します」
ジャギ「俺は北だな、了解」
わかりにくくてすいません
ケンシロウ「腹へった…シンはどこだ」
レイ「ここが件のスーパーか、常習犯なら今日もいる筈」
レイ「あ、すみません」
ケンシロウ「はい」
レイ「7つの傷を持つ男を知りませんか?」
ケンシロウ「ああ、それなら」プチプチ
レイ「どうしても探し出して殺さなきゃいけないんです」
ケンシロウ「…」パチッパチッ
レイ「先日、駅前のフィットネスクラブを閉店に追いやった凶悪犯です」
ケンシロウ(あのオカマの店か…)
レイ「おまけに強盗の常習犯らしく、町内で被害が相次いでるらしいんですよ」
ケンシロウ「ほ、ほうほう」
レイ「そんな悪党、この義星が生かしておかん!」ビッ
ケンシロウ「あ」グーッ
レイ「なんだ、腹が減ってるのか」
ケンシロウ「朝から何も食べてなくて…」
レイ「何か奢ってやろう、あまり高い物はご馳走できんが」
ケンシロウ「あなたが神か」
ケンシロウ「生き返った…」ゲプ
レイ「よくあんなバカデカいラーメン食べきれるな」
ケンシロウ「こんな時代だからな、質より量…そう質より量なんだよ!」クワッ
レイ「わかった! わかったからニンニク臭い息をかけるな!」
ケンシロウ「腹も膨れたし、俺も犯人探しを手伝おう」
レイ「おお! それは助かる!」
ケンシロウ(こいつの傍を離れるのは危険だ…)
ジャギ「俺の名を言ってみろー」ガラガラ
ジャギ「ありゃ、誰もいねぇ…って何だこの散らかり様は!?」
ジャギ「しかも何だ! ゴミはカップ麺ばっかりじゃねぇか!」
ジャギ「仕送りはちゃんとしてたのに……あっ!?」
ジャギ「MTGのボックスに大正野球娘のブルーレイ、それにCRフィーバーマクロスの実機とソニーBRAVIA40インチテレビだぁ!?」
ジャギ「あいつらぁぁあ!!」ワナワナ
レイ「そうですか、ありがとうございました」
レイ「見つからないな…」
ケンシロウ「上半身露出してる奴なんかそうそういないって」
レイ「確かに…これは大変な捜査になりそうだ」
ジャギ「ケンシロウ~!!」ブロロロゥンッ
ケンシロウ「ジャギ!」
ジャギ「てめぇ! 俺のいない間に好き放題しやがって!!」
レイ「ジャギさん…さっき会った時と雰囲気が違う…」
ケンシロウ「あれがジャギの本性だ! 見ろ! あの復讐に燃える瞳!」
レイ「俺を騙したのか!」ギリッ
ザッ
レイ「南斗水鳥拳の伝承者の名にかけて…貴様を処刑するッ」スッ
ジャギ「へっ」
レイ「フゥゥゥッ」シュピッ
ジャギ「ぎゃ!? 違っ! 俺じゃない!」プシッ
ケンシロウ「ジャギ…貴様には地獄すら生温い」ニヤッ
ジャギ「レイ! 見ろ! この凶悪な顔!」
レイ「覚悟!」シュピピピッ
ジャギ「ぎゃぁぁ!?」ブシュッ
ケンシロウ「ジャギ…」スタスタ
ジャギ「ケンシロウ…この恩知らず!」
ケンシロウ(ごめんジャギ! 後でチロル奢るから!)アイコンタクト
ジャギ(割に合わねえ!!)アイコンタクト
ケンシロウ「これはシンの(食材の代金)分!!」
ジャギ「ぐえっ」ボグッ
ケンシロウ「これは俺の(オカマから受けた屈辱)分!」
ジャギ「ひいっ」ズブッ
ケンシロウ「そしてこれが…俺の(飢えて苦しんだ)分だァタタタタタタタタタタタタッ!!」
ジャギ「ぶべぇっ!!」ドガァッ
ジャギ「俺が…何かしたってか…っ」ビギッ
ケンシロウ「お前は俺を飢えさせた」
ジャギ「自業自得ばわっ!!」ピキャーン
ケンシロウ「悪は滅んだな」キリッ
レイ(しかし何だろうこの違和感…、出会った時は優しい瞳をしていたのに)
ケンシロウ(ジャギが帰ってきてて助かったー)
ユリア「全く! 何考えてんの!」ゴチッ
ケンシロウ「あいたっ!?」
ユリア「すみませんジャギさん…私がついていながら」
ジャギ「もういいさ…これぐらいで怒ってたらこいつの兄はできん」
ケンシロウ「さすがジャギ!」
ゴチンッ
ユリア「強く言っておきます!」
ケンシロウ「…ごめんなさい」
ケンシロウ「天才整形外科クリニック?」
ユリア「そう、ジャギさんの顔が治るかなって」
ケンシロウ「胡散臭いなぁ」
ユリア「だから下見してきたらって言ってるのっ」
ケンシロウ「面倒くさ…」
ユリア「何か言った?」
ケンシロウ「行ってきまーす!」
ケンシロウ「うわ…本当に天才って書いてる…」
ケンシロウ「…よし、入ってみよう」ゴクリ
トキ「で、ここが王柱です」
アミバ「ふむ」サラサラ
アミバ「いやぁすまないね、研究を手伝ってもらって」
トキ「いえ、医学の進歩に貢献できて光栄です先生」
トキ「ありがとうございます!」ペコ
アミバ「それに大学側にもよくやってくれてると言っておこう。院への推薦も必要なら言ってくれ」
トキ「そんな…何から何まで」
アミバ「いいんだよ、私は君の大学の先輩に当たるしね。君ならいい線いくよ」
トキ「先生にそう言っていただけると…」
ガチャ
アミバ「ん?」
ケンシロウ「トキ、最早北斗神拳の真髄すら忘れたか!」
ケンシロウ「そんな事はどうでもいい。ラオウを目指していたトキはどこへ行った!」
トキ「いや、被曝したあたりで諦めたって言ったじゃないか!」
ケンシロウ「言い訳は聞きたくねぇっ!!」ビッ
トキ「うわ!?」
ケンシロウ「本気で来いトキ、北斗神拳が人殺しの拳という事を思い出させてやる!」
トキ「…仕方あるまい、かかってくるがいい」
アミバ(さあ、盛り上がってまいりました)
トキ「…」スッ
ケンシロウ「アタァッ」ビッ
トキ「…」スッ
ケンシロウ「ァアッ」バッ
トキ「…」フッ
ケンシロウ「ホォアタァッ」ズバッ
ビシッ
ケンシロウ「ッ!?」
トキ「激流を静水」ユラッ
ケンシロウ「ァアタタタタタタタタタタタタタタ!!」
トキ「激流に逆らえば飲み込まれる」バキッ
トキ「むしろ激流に身を任せ同化する」ベキッ
トキ「激流を制するは静水」ドガッ
ケンシロウ「ホォォォァ…」ボコボコ
アミバ「すげぇ! 攻めてた方がボコボコになっとるわ!!」REC
ケンシロウ「ァァアアタァッ」ズバッ
スゥゥッ
トキ「勝機!」
バキッ
ケンシロウ「うぐっ!?」
バッ
トキ「天翔百裂拳!!」ババババッ
ケンシロウ「ぐぅううううッ」ズバババッ
ケンシロウ「ぐはぁっ」ゲフッ
アミバ「素晴らしい…」REC
トキ「ケンシロウ、お前は師父リュウケンの想像を遥かに超え怠け過ぎてしまった。ユリアの前でさえも!」
トキ「堕落したお前では私には勝てない。帰って初心に戻り、一から己を…」
ピキーンッ
トキ「なっ!?」ガクッ
ケンシロウ「北斗神拳奥義…残悔積歩拳!」
ケンシロウ「言った筈だ…本気で来いと!」
トキ「アミバ先生! 早く秘孔封じを!」テクテク
アミバ「残悔積歩拳、実に興味深いぞ!」
トキ「先生――――」
ガシャアアアンッ
トキ「あああああああああ!!」
ウラワバッ
ケンシロウ「ふう、つい熱くなっちゃった」
ユリア「どうだった?」
ケンシロウ「駄目だね、とんだ藪医者だったよ」
ユリア「そっか…」
ユリア「ところで、トキさんの様子がおかしいんだけど」
ケンシロウ「そりゃ大変だ! 医者に連れてかないと」
トキ「ぁぅぁぅぁー」
ジャンジャンバリバリ
ラオウ「ありえん! 映画予告からの最終決戦で外すなどありえん!」バンバンッ
スタンダットゥーザッビクトリー
ラオウ「誰だ…拳王の勝負に水を差す奴は」パカッ
送信者:ジャギ
件名:ケンシロウが暴れてる!
本文:トキが重傷を負わされた!
俺もボコボコにされたし、手に負えない!
兄者だけが頼りだ!なんとかしてくれ!
ラオウ「今忙しい」パタン
アイリ「はえ?」
コマク「そう、あなたですお嬢様」
アイリ「私!?」
ダガール「美しいあなたに少々お話がありまして」
アイリ「美しいだなんて…」モジモジ
コマク「恥じらう姿もまた美しい」
ダガール「これほどの逸材ならユダ様もきっとお喜びになられる」
アイリ「うわぁキラキラだ…」
ユダ「アイリ君、芸能界に興味はないかい?」
アイリ「芸能界ってあの!?」
ダガール「アイドルやモデル、歌手等あなたの想像している芸能界ですよ」
コマク「我々はあなたの美貌、そしてスター性を高く評価しています」
ユダ「さあ!! 我々と共に芸能界で輝こうじゃないか!」
レイ「ちょっと待った!」
アイリ「お兄ちゃん!」
レイ「ユダ、久しぶりだな」
アイリ「お兄ちゃんの知り合い?」
レイ「ああ、悪い奴ではないんだが…」
ユダ「レイ、俺はアイリ君の化粧姿が見たい」
レイ「止めてくれ、アイリには普通の人生を送って欲しい」
ユダ「それはアイリ君の決めることだろ?」
レイ「ぐ…確かに」
ダガール「芸能界でスターとして輝くか!」
コマク「一人の女の子として普通の人生を送るか!」
ユダ「さあ、選びたまえ!」
アイリ「…」
レイ「アイリ、自分の人生だ…好きにしなさい」
アイリ「ユダさん、ごめんなさい」
ユダ「フッ…振られたか」
ユダ「そんな事はない。夢は等しく美しい」
レイ「ユダ…」
ユダ「レイ、そんな顔をするな。そうだ、お前が芸能界デビューするか?」
レイ「はは、断る」
ユダ「残念だな、お前程の色男はそうそういないのに」
アイリ「いえ、私こそ期待してもらったのに」
コマク「とんでもない。駄目でもともとなんです、スカウトなんて」
ダガール「それに、美しいお嬢さんと会話できただけで役得ですよ」
アイリ「まぁ」クスッ
ユダ「見てろレイ、俺は必ずお前をも唸らせる逸材を見つけてやる!」ニッ
レイ「ああ、頑張れよユダ」ニッ
後に恋人マミヤと自分自身が芸能界デビューする事になろうとは
この時のレイは予想だにしなかった
レイ「ところで」
アイリ「何?」
レイ「お嫁さんって、…誰か意中の男がいるのか?」
アイリ「気になる?」
レイ「そりゃあ…気になるさ」
アイリ「ふふ、それが全然!」
レイ「そうなのか? 言い寄る男は少なくないだろう」
アイリ「でもねー、なんだか違うんだよねー」
アイリ(私の白馬の王子様は、いつ現れるんだろう―)
白馬の王子様ではなくバイクに乗ったメット男とは
この時のアイリは知る由もない―
サウザー「ああ、何をして遊ぼうか」
ジャア、チキュウボウエイグンゴッコ!
エンチョーセンセイハ、カイジュウネ!
サウザー「フハハハハ! バルタン聖帝だ!」
バルタンハニンジャダヨー
シュウ「オウガイ先生…今日も世界は平和です」
ケンシロウ「子供か…いいなぁ……悩みとか無いんだろうな」
ケンシロウ「しかしあの子供達、あんな強面のマッチョからよく逃げないな」
「それは愛情を感じてるからだ」
ケンシロウ「誰だ!」バッ
シュウ「久しぶりだなケンシロウ」
ケンシロウ「シュウ…」
ケンシロウ「仕事中じゃないのか?」
シュウ「かまわんさ、そろそろお昼寝の時間だ」
ケンシロウ「そうか」
シュウ「ケンシロウ、サウザー園長が恐ろしいか?」
ケンシロウ「えっ」
シュウ「誤魔化さなくていい。無邪気に遊ぶ子供達を見守るお前の目は愛情に満ちていた」
シュウ「だがサウザー園長が現れた途端、時化る海の如く荒々しい目になった」
ケンシロウ「いやまて、シュウはその時外にはいなかったじゃないか」
シュウ「私は目が見えぬ。見えぬ代わりに心を感じるんだ」
ケンシロウ(ちっ…厄介だな…)
シュウ「今厄介だと思ったろ」
ケンシロウ「ううん、全然」
ケンシロウ「おい待てよ、誰も荒れてなんか…」
シュウ「心を開けケンシロウ」
ケンシロウ「俺はいつもオープンだって!」
シュウ「Open your mind」
ケンシロウ「…」
シュウ「…」
ケンシロウ「シュウ、もう止めてくれ」
シュウ「悩みがあるなら聞くぞ」
ケンシロウ「…もう沢山だ」
シュウ「ケンシロウ…」
ケンシロウ「鬱陶しいんだよ!」
ドギャッ
シュウ「………ケンシロウ」ボタボタ
ケンシロウ「!! ああ…」ズブッ
サウザー「!…いかん、俺まで寝てしまった」
キャーッ
エンチョウセンセー!
サウザー「!! 何事だ!!」バッ
サウザー「これは…!?」
シュウ「ケンシロ…」☆
ケンシロウ「来たか、園長サウザー!」
サウザー「シュウを解放しろ!!」
サウザー「シュウ、喋るな! 体に障る!」
シュウ「聞いて下さい…! ケンシロウを憎しみから…解放するには……愛情がっ」☆ガハッ
ケンシロウ「余計な事を言うな!」スパッ
シュウ「…あ」☆ヒュウッ
サウザー「シュウ!!」ダッ
ケンシロウ「北斗飛衛拳!!」バキッ
サウザー「ぐぅッ」ドサッ
シュウ「ケンシロウを…頼みます…!!」☆
ドチャッ
サウザー「シュウゥゥウウウ!!」
ケンシロウ「は、はは…余計な事を言うから」
サウザー「ぐ……うう」ブルブル
ケンシロウ「…お前の愛情も所詮ただの子供好きレベルだろ。平等に与える事なんて出来ないただの自己満足…」
サウザー「ああそうだ…万人に与えうる愛などない」
サウザー「貴様の様な汚物に与える愛などな!!」
サウザー「世の全ての人間が善の心を持ち、罪を憎み人を憎まず、許し合い歩み寄れば何時の日か争いのない世界が訪れる…」
サウザー「そのような平和ボケした理想はいらぬ」
サウザー「大切な人々を守れぬ愛なら、愛などいらぬ!!」クラッ
ケンシロウ「その愛憎に満ちた瞳…強敵と呼ぶに相応しい」ザッ
間違いが増えてきた…
サウザー「そろそろ体が崩壊する…か?」
ケンシロウ「!?」
サウザー「帝王の肉体に北斗神拳は効かぬ」
サウザー「そして二度も拳を突き入れる事は出来ぬのだッ!!」バッ
ケンシロウ「速い!」
ズバッ
ケンシロウ「ぐうっ!?」
サウザー「死ねぇッ!!」バッ
ケンシロウ「アタァ!!」ブンッ
フワ…ッ
ケンシロウ「……翔んだ」
サウザー「せめて奥義で葬ろう」ツー…
サウザー「南斗鳳凰拳奥義」コォォッ
天 翔 十 字 鳳
ケンシロウ「ああ……!!」
サウザー「トドメだ!!」
エンチョウセンセイ…コワイ
サウザー「!」
センセイ、オコッテル
ゴメンナサイ…
ヒッ…グスッ
サウザー「ち、違う! 俺は…」
サウザー「はッ!?」
ケンシロウ「これぞ北斗神拳が奥義、剛の拳…!」
北 斗 剛 掌 波
サウザー「ぐぅぅぅううう!?」ドガァァッ
ケンシロウ「サウザー、貴様でも俺の渇きは癒せなかった」
サウザー「鳳凰聖帝幼稚園は潰えたか…」△
ケンシロウ「誰よりも愛深き故に……愚かな男よ」
ケンシロウ「ここが貴様の愛の墓場だ。将星…墜ちるべし!!」
サウザー「…確かに、俺の肉体も、魂も! 師オウガイの墓に果てる」△
サウザー「だがッ! このサウザーの与えた愛は、ぬくもりは滅びぬッ!」△
サウザー「愛とは、永久に続くものなのだ――――――」
グシャァッ
ケンシロウ「……」
ユリア「うん」
リュウガ「だからさっさと別れろと言っている」
ユリア「兄さん!」
リュウガ「あんな奴のどこがいいんだか…」
ジャギ「あんな奴の兄も一応いるんだが」
リュウガ「これは失敬、だがおかしいのは今に始まったことじゃないだろ」
ジャギ「まぁな」
ユリア「兄さん達!」
ジャギ「ご近所からも苦情が来てるんだ、アンタの頭脳で何とかしてくれ」
リュウガ「あちこちで北斗出没注意の看板を見るのは忍びないしな。わかった、この天狼星リュウガが一計を案じよう」
ユリア「ありがとう兄さん!」
リュウガ「いいって、ところでラオウの部屋はどこだい?」
ジャギ「ああ? こっちだ」
ジャギ「こんなの上手くいくのか?」
リュウガ「罠は単純な程効き目抜群なんだよ、単純な相手なら尚更ね」
ユリア「でも…これはちょっと」
リュウガ「ユリア、次々に犠牲が出ているんだ。これはケンシロウを倒す為の必要悪なんだ!」
ユリア「…」
ジャギ「その必要悪で実害を被るのは俺ん家なんだけど」
リュウガ「ラオウの奴遅いな…」
ジャギ「こうしている間にも被害が…」
リュウガ「よし、足止めにピッタリな奴がいる。そいつをけしかけよう」ピッ
ジャギ「ケンシロウの噂を聞いてホイホイ動く奴がいるのか?」
リュウガ「いるんだよ、一人だけ」ピッ
リュウガ「ああ、ヒューイ? 悪いけどひとっ走りお使いに行ってくれや」
リュウガ「あ? 仕事? ユリアのお願いなんだけどなぁー」
ジュウザ「我が生活の為にこの場にケンシロウ! お前を葬ろう!」
リュウガ「あいつなら米一合で命を賭ける」
ジャギ「お前魔狼だろ」
ジュウザ「我の拳の真髄、その目に焼き付けるんだな」
ケンシロウ「北斗神拳は無敵だ」
ケンシロウ「…」スッ
ジュウザ「…」ニッ
ケンシロウ(…気配が読めない!)
ジュウザ「我が拳は我流、我流は無型! 無型故に誰にも読めぬ!」
ジュウザ「撃壁背水掌!!」
ジュウザ「撃壁背水掌!!」
ジュウザ「撃壁背水掌!!」
ジュウザ「撃壁背水掌!!」
ケンシロウ「ひでぶっ!?」
ジュウザ「我が拳の真髄は背水!! 生活に余裕があってはそこに油断…甘えが生ずる!!」
ジュウザ「ケンシロウ…泥を啜らねば死ぬ背水の拳の威、ヒモのお前にはさぞ堪えたろう!!」
ケンシロウ「あべしっ」ドガァッ
ジュウザ「よし!! これで米一合! 半年は戦えるぞ!!」グッ
ジュウザ「…」
ジュウザ「ついでに財布ももらっていくぞ」
ガシッ
ケンシロウ「お前の言う通り、余裕があると油断が生じるな」
ジュウザ「しまったァ!!」
ケンシロウ「北斗百裂拳!!」バキッ
ジュウザ「がはぁっ」ドザァッ
ケンシロウ「ジュウザ、俺はあんたから一つ学んだ」
ケンシロウ「その勝利への貪欲さ! (全盛期の)兄ラオウをも凌駕する見事な物だった!」
ジュウザ「どうせなら他人にたからないとこを学べよ…ッ! ガハッ」
ジュウザ「ところでこれ、何に見える?」
ケンシロウ「携帯…?」
ジュウザ「持ってる訳…ないだろッ」☆プルルルッ
ケンシロウ「ん!? あの低燃費少女ハイジのストラップ、俺の携帯に間違いない!」
ジュウザ「もしもし、ドミノデラックス3つとポテナゲ6つにコーラ8本、アイスはそれぞれ4つずつ。北斗さん家によろしく」
ケンシロウ「馬鹿! なにやってんだ!!」
ジュウザ「ざまぁみたかケンシロウ! 俺は最期の最期まで雲のジュウザ!!」
ケンシロウ「こんな姑息な奴初めてだ」
テンショウホンレツッ バゴォッ
ジャギ「帰ってきたな。しかも相当不機嫌だ」
リュウガ「玄関を破壊するとは穏やかじゃないな」
ラオウ「あり得ぬ…ッ!! 灼熱将軍から将軍に降格などあり得ぬッ!!」ガチャッ
ラオウ「!? 何の冗談だ…」
ラオウ「俺の大切なリボルテック達が…、マーヴルヒーローが!! キングゲイナーXANまで!?」
【ラオウの馬鹿 ケンシロウ】
ラオウ「」ブチッ
ケンシロウ「腹へった…早く家入ろう」スタスタ
ラオウ「…」ドドドド
ケンシロウ「ラオウか、ただいま」
ラオウ「待っていたぞケンシロウ」
ケンシロウ「ピザが届いてるのか?」
ブ ウ ン ッ
ケンシロウ「…何の真似だ」スウウッ
ラオウ「それは此方の台詞よ」
ケンシロウ「…お前には関係ないだろ」
ラオウ「ふ…」
ラオウ「ぬぅうあああああああああああッッ!!」ゴォォオオッ
ケンシロウ「…く!」
ユリア「凄まじい闘気ね」ムシャムシャ
ジャギ「効果覿面だったな」パクパク
リュウガ「当然だ」チューッ
スァァッ
ケンシロウ「無想転生」
ケンシロウ「アタァッ」ズァッ
スァァッ
ケンシロウ「これは…無想転生!?」
ゴグシャッ
ケンシロウ「うぶぅっ」ドシャッ
ラオウ「この俺もこの心を血に染めて哀しみを背負うことが出来たわ」
ケンシロウ「うぅっ!? 重!!」
ラオウ「ジョイヤッ!! ドゥリャッ!!」バキッ バキッ
ケンシロウ「はがぁっ あぐぅっ」ブフッ
ラオウ「うぬが! 謝るまで! 俺は! 殴るのを! 止めないッ!!」
ジャギ「あーあマウントとられたな」ペロペロ
リュウガ「ケンシロウの優位性って無想転生だけだからな」ペロペロ
ユリア「ちょっと! カップアイスは舐める物じゃないわよ!」パクッ
ケンシロウ「ブフッ」
ラオウ「ぬっ!? 目がァ!!」グラッ
ユリア「あっと毒霧だ!」
リュウガ「口の中を切ったのを上手く使いましたね」
ジャギ「汚いなさすがケンシロウきたない」
ケンシロウ「零距離剛掌波!!」
ラオウ「べげ!!」
ケンシロウ「黙れ…パチンカス!!」ドガッ
ラオウ「ユリアの…ヒモがァ!!」ベギャッ
ケンシロウ「ぬかせ…寄生虫!!」ズガッ
ユリア「うわぁ…」
ジャギ「醜い…」
リュウガ「正に悲劇だな…」
リン「なんか…野蛮」
バット「悪戯止めよう…ああはなりなくないし」
ケンシロウ「」
ラオウ「」
ジャギ「あ、決まった」
リュウガ「首が向いたらいけない方角向いてる」
ドサッ
ユリア「ダブルKO?」
リュウガ「このまま二人ともくたばればいいのに」
ラオウ「」
ユリア「起きないねー」ズルズル
リュウガ「いいよもう、中入ろうぜ」ズルズル
ジャギ「蕎麦のおかわりは?」
リュウガ「あ、よろしく」
ケンシロウ「」ピクッ
ケンシロウ「メシ…」ググッ
ユリア「ケン!!」
リュウガ「うわ!? 立ち上がった!」
ケンシロウ「メシ…ッ」グラッ
ケンシロウ「撃 壁 背 水 掌」
リュウガ「ぶぎゃあ!!」ベギャッ
ユリア「兄さん!?」
ケンシロウ「美味」ズルズル
ラオウ「ケンシロウは!」
ケンシロウ「ごちそうさま」
ジャギ「一足先に起きてたぞ」
ラオウ「そうか…敗れたか」
ラオウ「み…見せてくれ、このラオウを倒した男の顔を…!」
ジャギ「ほら、行けよ」ドン
ケンシロウ「うわっ」
ラオウ「フ…見事だ、弟よ……!」
ケンシロウ「ラオウ」
ユリア「ラオウさん…!」
ジャギ「兄者!」
トキ「らうー」
ラオウ「ふ…俺のような男でも心配してくれる人間がいるのか」
ド ン ッ
ラオウ「我 が 生 涯 に 一 片 の」
ラオウ「悔い有り」バタッ
ジャギ「だろうな」
ケンシロウ「あー疲れた」ゴロゴロ
ユリア「ケン、あなた最近変よ? どうしたのよ」
ケンシロウ「ここ最近じゃない…一年前からだ」
ジャギ「一年前…?」
ユリア「一年前?」
ラオウ「一年前!?」ピシャーン
ジャギ「何かあったか?」
ラオウ「知らん」
ケンシロウ「最近ユリア来ないなぁ…メールも電話も出ないし」
ケンシロウ「何があったんだ…」ゴロン
フラーインッザスカーイッターカクハバタケー
ケンシロウ「ユリア!? シンかよ…」ポイ
ケンシロウ「!?」バババッ
差出人:シンのすけ
件名:ユリアはいただいた
本文:いつまで経っても働かない怠け者のお前に愛想が尽きたとさ
女の心変わりは恐ろしいのう
フラーインッザスカーイッターカクハバタケー
ケンシロウ「何だようるさ…ユリア!?」
差出人:ユリア(マイスイートハニートースト)
件名:さよなら
本文:このメールに本文はありません
ケンシロウ「」
ケンシロウ「マジで?」
ケンシロウ「は…っ! は…っ!」ダダダダ
バンッ
ケンシロウ「ユリア!?」
ユリア「はいダーリン、あーん」
シン「あ、あーん…」モジモジ
ユリア「美味しい?」
シン「あ、ああ…」カアアッ
ケンシロウ「」
シン「!」
シン(我が生涯に一片の悔い無しッッッ!!)ドゴーン
ユリア「ダーリン?」
シン「ハッ よーし、あーんだ」
ユリア「あーんっ んー! 美味しい!」
ケンシロウ「あの…ユリアさん?」
ユリア「見てんじゃねーよ」
ケンシロウ「」
シン「愛は支え合いだ、無償ではない。貴様のような根無し草が、どうしてユリアと支え合える?」
ケンシロウ「いや…その、心とか…」
シン「現にこうやって心変わりを起こしているが?」
ユリア「ごめんねケンシロウ、あなたの面倒見るの疲れちゃった」
ケンシロウ「」ピシッ
シン「ほれ、負け犬はとっとと失せろ」バキッ
ケンシロウ「あうん」
ラオウ「止まれ愚弟」
ケンシロウ「…」
トキ「ケンシロウ、今日限りでお前を勘当することななった」
ケンシロウ「…え」
ジャギ「無職の面倒は見切れねぇよ!!」
ケンシロウ「そんなの、ラオウも…」
ピラッ
ケンシロウ「…採用通知……?」
ラオウ「無職はうぬだけだ、愚弟」
ケンシロウ「」ビキッ
ジャギ「じゃあな、ケンシロウ」
ケンシロウ「ま、待って…」
ケンシロウ「………」
クラブ「見ろ、こんなとこにいたぜ」
ダイヤ「生気を感じないな! まるで抜け殻だぜ」
クラブ「連れてくぞ!!」
ケンシロウ「……」ズルズル
ケンシロウ「…っ」ドサッ
ケンシロウ「……真っ暗だ」ダラン
カ ッ
ケンシロウ「っ」
『ドッキリ大成功ー!!』
ケンシロウ「………………え」
ケンシロウ「はぁ」
ジャギ「今日が何月何日か言ってみろ」
ケンシロウ「4月1日……………あ」
トキ「そう、エイプリルフールだ」
ケンシロウ「はぁ」
ラオウ「うぬは見事騙されたという訳だ」
ケンシロウ「はぁ」
シン「いやぁ日頃やられてるから今日ぐら」
パリンッ
シン「びひぃっ」メゴッ
ケンシロウ「ああああああああああああああああッッ!!」
ジャギ「ぎゃ!? ばわっ」
……
…
ケンシロウ「俺は深い哀しみを背負った」
ジャギ(一年前の4月馬鹿でグレたのかよ!!)
ラオウ(どれだけ堪え性無くて執念深いんだ)
ユリア(私達は取り返しのつかない間違いを冒したのかも知れない)
トキ「あうあうあー」
リュウガ「」☆
それはユリア達が想像しているより遥かに深かった!
生来の堪え性の無さ、さらにシン以上の執念深さが露呈したケンシロウは、台風の如く八つ当たりを繰り返した!
しかしラオウとの決闘(殴り合い)を経て少しガスが抜けたのか、少し改善の兆しが見えた!
が、未だ収まりが付かないのか、数日経っても値札貼り替えやトレカサーチ等悪逆非道のを繰り返していた
そんなある雨の日!
ラオウ「今帰った」ガラガラ
ジャギ「お帰り、今日は勝ったんだな」
ラオウ「ああ、大神さんが強くてな。土産だ」
ジャギ「無洗米か、パチ屋は何でもあるな」
ラオウ「さて、黒王号を拭くタオルを…」
ジャンジャンバリバリ
ラオウ「ん?」
ケンシロウ「…」ジーン
ラオウ「あれは何だ」
ジャギ「マクロスの実機だろ」
ラオウ「そんな事はわかっている! 何故ケンシロウが打っているんだと聞いている」
ジャギ「雨降ってて出掛けれなかった上、アルトネリコ2クリアして暇になったからだろ」
モーヒトリーボッチジャーナイー
ケンシロウ「ラオウ、ジャギ」
ラオウ「なんだ」
ケンシロウ「俺、間違ってた!」キラキラ
ジャギ「そ、そうだな」
ラオウ「なんていい目だ」
暴力の愚かさに気付き、愛の素晴らしさに目覚めたケンシロウは、その後数日間某歌姫のPOPとCDプレーヤーを持って町内を練り歩いたという!
その姿を見た町内の人々は、ケンシロウの事を世紀末救世主(笑)と呼んだという!
実質ミンメイの手柄である!
ケンシロウ「愛っていいなぁ…」
ユリア「そうかい」
ミンメイすげえwww
ラオウ「今回の件で気づいた事がある」
ジャギ「なんだ」
ラオウ「演出目的でパチンコ打つ奴は気持ち悪いな」
ジャギ「そう思うならゲキテイ!聞くの控えろ」
ラオウ「うむ…少し控えるか」
ァタアッ バキャーンッ
ジャギ「噂をすれば」
ラオウ「初ホールはどうだったかな」
ジャギ「お帰り」
ラオウ「その様子だと負けたか?」
ケンシロウ「ジャギ! これ!」バッ
ジャギ「貸した3万か」
ケンシロウ「マクロスがどこにもなかった! 胸糞悪い!」
ラオウ「一昔前の台だ、仕方ない」
ケンシロウ「マクロスのないパチンコなんて海水の無いクラゲみたいなもんだ!」
ジャギ「そりゃ何も残らねーだろ」
ラオウ(きもちわるい)
トキ「……知ってる天井だ」
トキ「何か……長い夢を見ていた気がする…………」
トキ「……よし、起きよう。何か無性に家族の顔が見たくなってきた」
ジャギ「思い出したぞ!! お前ら! 仕送りを浪費しやがって!!」
ケンシロウ「忘れてた…」
ラオウ「むう…」
トキ「まだ覚めなくてよかった…」
アミバ「医学の発展には尊い犠牲が必要だ」
アミバ「捨ててこい」
シュウ「ここは…私の家か」
シュウ「運動会に出ていた気もするが…まあいいか!」
闘気が30下がった 攻撃力が1下がった
見切りが1下がった 防御力が1下がった
コントロールが20上がった 球速が3上がった
変化球ポイントが上がった 筋力ポイントが上がった
一週間の長きに渡りお付き合いいただき誠にありがとうございました
いろいろ矛盾してると思いますが、そこはギャグという事で一つ
本当はBBQ、運動会、過去の三本で終わらす気はなかったのに…
計画性の無さがでました、すみません
オチたかな? オチてたらいいなぁ
ケンとユリアの話とかも見たかった
Entry ⇒ 2012.01.14 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
カイジ「あれ………もしかしてこれって………数学Ⅰ………?」
カイジ………!
ここで致命的なミスに気づく………!
溢れだす涙………!
だが………!
今は一刻の猶予もない………!
現状把握が先………!
泣いてる暇などない………!
駆け巡る脳内物質………!
光よりも早く………!
カイジは………!
この状況を打破すべく………!
あるはずもない答えを探し続ける………!
そして………!
閃く………!
カイジ「あ………もしかして………」
カイジ………!
閃く………!
閃いてしまう………!
通常ならありえないこと………!
いや………!
本来やってはならない悪魔の所業に………!
あまりの非常識さに震えるカイジ………!
そう………!
これは諸刃の剣………!
ひとつ間違えば己自信すら殺しかねない悪魔の剣………!
カイジ………!
戦慄………!
あろうことかこの状況だけでなく………!
センター試験すら攻略しかねない己の閃きに………!
そう………!
この戦略………!
実を結べばその効果は大きい………!
だが………!
最初にして最後………!
たったひとつの難関を乗り越えなければならない………!
そう………!
その難関とは監視者………!
三人の監視カメラの存在………!
彼らの死角をつかなければならない………!
それは至難………!
まさに至難………!
カイジ………!
ついに悪魔の所業へ………!
自らを化身に変えて………!
自らの未来のため………!
カイジ………!
ついに動き出す………!
シュッ!
試験監a「痛!」
試験監b「うお!」
試験監c「うごっ!」
カイジ(よし!)
あろうことか………!
卓上にある全ての物を試験監にぶつける………!
鉛筆………!
消しゴム………!
受験票………!
三人への同時攻撃………!
試験監b「何かが当たった?」
試験監c「一体何が?」
カイジ………!
試験監たちが動揺したスキに………!
彼らの監視の目をかいくぐり………!
教壇へ駆ける………!
とんだ反則技………!
教壇へ駆ける………!
それは忍のような身のこなし………!
訓練された暗殺者かのよう………!
一気に引き返す………!
カイジ………!
教壇にたどり着いたと思ったら………!
すぐさま自分の席へ………!
猛ダッシュ………!
全力疾走………!
カイジが動き出してから椅子につくまでの時間………!
なんと1秒弱………!
教壇までは5mはあるであろう距離を往復で………!
人間の常識を遥かに越える速さで駆け抜けた………!
カイジが教壇で手にしたもの………!
それは腕時計………!
試験監の腕時計………!
まがい物のロレックス………!
悪趣味………!
不潔………!
最低の………!
パチモンのロレックス………!
そう………!
カイジに秘策とは………!
腕時計への細工………!
試験時間を管理する時計に………!
ペーパー用紙に細工などという甘い考えではない………!
それは天に背く行為………!
発想のコペルニクス的大転換………!
カイジ………!
時を操るという荒業にでた………!
迫る試験終了の合図………!
カイジは………!
ロレックスへの細工に急ぐ………!
カイジ………!
ついに完了………!
時の操作………!
セット完了………!
試験終了まで残り2日………!
ついに………!
悪魔の所業を成し遂げる………!
カイジ………!
ここで気づく………!
作戦の隙間………!
全てを台無しにしかねない欠陥に………!
ツメがあまいとはまさにこのこと………!
そう………!
最後の砦………!
あの驚異の動き………!
教壇までの筋肉番付を再びやらなければならない………!
そう………!
いまのカイジの机………!
あるのは解答用紙だけ………!
これはいくらなんでも投げられない………!
犯罪を犯したのは自分だと試験監に教えるようなもの………!
カイジ………!
動けない………!
カイジ………!
苦汁の選択………!
己を捨てたその行為に………!
自ら人の道を踏み外す………!
試験監a「おわぁ!」
試験監b「なんだ!」
試験監c「ふ、服!?」
そう………!
カイジ………!
あろうことか………!
着ていた衣類を投げつける………!
再び三人への同時攻撃………!
三人が動揺している僅かな時間………!
己の衣類すら犠牲にしたこの数秒………!
カイジ………!
再び教壇へ一直線………!
美しさすらある走り………!
カイジ………!
ついに時計を教壇に戻し………!
自分の席に帰ってきた………!
奇跡の生還………!
この間わずか1秒弱………!
カイジ………!
至福の笑み………!
それはあたかも大学合格を決めた受験生のよう………!
このセンター試験の真っ只中………!
他の受験生が必死に解答にもがく中………!
パンツ1枚………!
至福の男………!
カイジ………!
これまでに2度も………!
人の限界を越えた動き………!
あろうことか………!
それを1日の内にやってしまう………!
まさに偉業………!
もちろんリスクがある………!
等価交換………!
カイジ………!
あろうことか力尽きてしまう………!
カイジ………!
ここにきてなんと………!
いざ夢の世界へ………!
試験中にも関わらず寝てしまう………!
緊張………!
疲労………!
安堵………!
この3つが一気に押し寄せ………!
カイジを眠りの世界へと誘った………!
パンツ1枚………!
微笑みながら寝る男………!
それがカイジ………!
カイジ………!
勝ち得た2日という時間で………!
心身の疲れを癒す………!
まさに功績………!
悪魔の取引………!
だが………!
しかあああああああし………!
清掃員「おい」
カイジ「ん………」
清掃員「おい、起きろ」
カイジ「………んあ?」
清掃員「いつまで寝てるつもりだ」
カイジ「…………?」
清掃員「早く帰ってくれ、掃除の邪魔だ」
カイジ「え………あれ………試験は………?」
清掃員「試験?ああ、昨日終わったよ」
カイジ………!
寝過ごす………!
あろうことか3日寝てしまう………!
パンツ1枚………!
この寒い季節に………!
まさに快挙………!
圧倒的快挙………!
これが始まり………!
カイジの堕落人生の第1歩………!
典型的な浪人生の思考………!
スレ主すら例外ではない………!
明日のセンター試験………!
こんなことしてる場合じゃない………!
ーおわりー
乙
そして寝ろ
一緒にまた一年頑張ろうぜ
Entry ⇒ 2012.01.14 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)