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P「765プロと言う通過点」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328704017/
トップアイドルこそは輩出出来なかったが
所属しているアイドルをそれなりの知名度まで押し上げる事に成功した
社長は俺にアメリカでの研修を提案してくれた
俺はその話を快諾し、単身アメリカへと渡った
律子もプロデューサーとして成長していたので安心して任せられると思ったのだ
アメリカでの1年は苦労と挫折の繰り返しだった
だが、着実に力が付いていた事を実感できる充実した毎日でもあった
どう言った訳かアメリカのレコード会社でのプロデュース業務を命じられた
765プロへ確認すると社長もその件に関しては了承していた
俺は社長の言葉を信じ、今出来る事を精一杯やりながら毎日を過ごした
プロデューサーとしての力量にも自信が付き、やはり日本で仕事をしたいと考えていたので俺は日本に帰る事となった
765プロに戻るのでは無く、独立する事を決めていた
後は帰ってから準備をするだけだ
そして…今日俺は懐かしい日本の地に足を踏み入れたのだ
新たな道へ…俺は踏み出した
最低限いつでも仕事を始められる準備だけはしておきたかったからだ
アメリカでの蓄えが少しはあるが、油断は出来ない
こちらでのコネは一切無いからだ
業務提携を結びたかったからだ
一人では何も出来ないので、最初は765プロを頼るしか無かった
問題ない。社長はきっと俺を受け入れてくれるはず
そう思いながら懐かしいビルに入り、古ぼけたドアを開けたのだ
その先には昔のままの765プロの風景があった
だが、俺はこの風景に不安を覚えた
時刻は午後14時
誰もいないのである
だが、余りにも生気が無い
すぐに理解した
この事務所は機能していない
もしかするとすでに新しい場所へと移転している可能性もある
スマートフォンで765プロを検索…そして検索結果は…
765プロ倒産について書かれた記事であったのだ
倒産と言う言葉の意味を思い出すのに少し時間がかかってしまった
そして倒産の意味を思い出した時、入り口のドアが開いた
「あの、プロデューサーさん…ですか?」
「はい、お久しぶりです。音無さん」
事務員の音無小鳥さんだった
3年経った今も変わらず綺麗だ
左手の薬指には指輪が光っていた
「はい」
「お祝いする事が出来なくて申し訳ありません」
「いえ、これはつい先月の事ですから…」
彼女は苦笑いで答える
それは俺が知っている彼女の笑い方では無かった
「はい、残念な事ですが2年ほど前に…」
俺が研修を終えた後の事だったらしい
「音無さんはここへはどう言ったご用で来られたんですか?」
「実は…このビル、取り壊されるんです。だから最後の思い出に…写真でも…」
倒産した当時の苦労を考えるといたたまれない気持ちになった
「あの、俺に撮らせてください。音無さんも撮っておきたいですから」
「もう私は音無じゃありませんよ」
「じゃあ、小鳥さん」
「はい、お願いします」
何一つ逃さない様に、この風景を一つでも多く残す為に
「最後に二人で並んで撮りませんか?」
彼女はそう提案してきた
椅子の上に本を何冊か積んで高さを調整し、タイマー撮影をした
「まるで夫婦みたいですね」
彼女が笑った
旦那さんに申し訳ない気持ちになる
「でも…これで本当に終わりなんですね…」
彼女の肩が震える
そしてすぐに嗚咽をもらし始めた
彼女は既婚者だ。他人である俺が簡単に触れて良い身体ではない
だが、そう考えている間に彼女は俺の胸へと飛び込んできた
俺はそれを振り払う事が出来るはずも無く…
彼女を抱き締め、泣き止むのを待った
旦那さんに申し訳ない気持ちになる
「小鳥さんは…事務員とかはやってないんですか?」
「こんな俺をご時世だから…本当は何かやりたいんですけどね」
先程と同じ苦笑い
今の俺に出来る事と言えば…
「一ヶ月、待っててくれませんか?」
「一ヶ月…ですか?」
「そんなに無理なさらなくても…パートでも探しますから」
「俺一人だと事務までは流石に出来ないんです。だからお願いします」
頭を下げ頼み込んだ
この人をこのまま行かせたく無かった
「わかりました。でも、無理はしないでくださいね?」
この笑顔は俺の知っている彼女の笑顔だった
連絡先を伝えてから彼女と別れ
俺は事務所へと戻った
そして懐かしい風景を思い出し
一人で泣いた
961社長と話をしておきたかったからだ
元765プロの俺と会ってくれるかは賭けの部分もあったのだが、すんなりと社長室に通された
「まあ、かけたまえ」
黒井社長は当時と変わらず若々しく、眼光の鋭さもそのままだ
「アメリカに渡っていたみたいじゃないか。どうだったね?」
「はい、少しは使い物になるプロデューサーに近付けたかと思います」
「そうかね。それは頼もしい限りだ」
威圧的な物言いは変わってはいなかったが、少しの違和感を感じた
ここに来た理由…それは765プロ倒産の原因を知りたかったからだ
765と961は敵対状態であった
だから俺は単純にこの件に961が絡んでいる可能性があると踏んだのだ
だが、黒井社長の口から発せられた言葉は
「残念だが私はこの件に一切関与していない」
あの時小鳥さんに聞けば分かったのかもしれない
だが、泣きじゃくる彼女にこれ以上辛い思いをさせたく無かったのだ
「だが、私の知っている範囲で良ければ話はするが、どうだね?」
「よろしくお願いします…」
俺はそう答えるしか無かった
俺がアメリカに行った直後?
そんな早い段階からだなんて…
「まず、君が去った月の終わりに如月千早が事務所を去った」
「千早が?何故です」
「新しく入ったプロデューサーとソリが合わないと聞いている。そして君以外の人とは組みたく無かったともね」
彼女のCDの売り上げは竜宮小町以上だ。その彼女が居なくなれば、その痛手はかなりのものになる」
「その後の話としては…君は素晴らしいプロデューサーでは無かったが、やはりそれなりに出来る男だったと言う訳だ」
「どう言う意味です?」
言っている意味が分からなかった
「新人と秋月律子では君の穴は埋められなかったと言う事だ。それによってアイドルたちの信頼を失った」
「その後は…どうなったんです?」
「お互いが信じられない状態が長く続き、仕事も減り、衰退の一歩を辿って行ったのだよ」
「たったそれだけの事だ。それすらが彼等には出来なかったのだよ」
「そんな…」
「そして、資金繰りに困った765プロは竜宮小町を876プロに売り払った。多額の移籍金を得るためにな」
竜宮小町は765プロの看板だ
それを売り払うなんて…信じられない
「はい…」
頭がどうにかなりそうだった
自分の無力さにも腹が立った
「そして…更に765プロは私に星井美希、我那覇響、四条貴音を売り払ったのだ」
「そんな…そんなバカな事が…あるわけ」
「事実だ。3人はウチでプロジェクト・フェアリーとしての活動を再開している」
「あちらに居た頃よりも笑顔で楽しく活動出来ているとは思うがね」
「それなら…良かったです」
「私が知っているのはこんなものだ。だが私にはもうどうでも良い話だ」
その通りだ。この人は765プロを敵対視していたのだ。
悔しい話だが、俺たちは負けたのだ
「はい、765プロが無い以上、私が一人でどうにか出来る状態ではありません」
俺には何一つコネクションが無い状態だ。今のままでは765プロの二の舞は目に見えている
「プロジェクト・フェアリーは私直轄のユニットだ。だが私は生憎多忙を極めている」
何の話だ?
いまいち見えてこない
だがこの人に抱く違和感だけは次第に大きくなって行った
「君にプロジェクト・フェアリーを任せたいと言っているのだよ。理解出来たかな?」
「私にですか…何故です」
「星井美希は君に好意を抱いている。当然君と組む事によって今まで以上の成果を期待できる」
「それと、フェアリーは後1年で解散の予定だ」
「解散…理由は何ですか?」
「彼女達の希望…とだけ言っておく事にする」
希望?それならば俺から言う事は無い。だが、まだ彼に対する違和感の正体が掴みきれない
「解散の時までに出来る限りの利益を上げてくれればそれで良い。帰って来たばかりの君にはちょうど良い腕慣らしだと思うが…どうかね?」
断る理由も無い。
繋がりを失ってしまった俺に救いの手が差し伸べられているのだ
「ありがとうございます。喜んでお引き受けさせて頂きます」
「結構。ではこれからよろしく頼む」
黒井社長は手を差し出してきた
俺は迷う事無くその手を握った
「あの、最後に私からの質問なんですけど」
「言ってみたまえ」
「あなたは何故、私を助けてくれるのですか?」
そう、これが違和感の正体だ
威圧的な眼光は相変わらずだが、その目には敵対心が一切含まれていなかったのだ
「あなたにとってはそうかも知れませんが、私にとっては大事な事です」
「そうかね…その答えは実に簡単だ。君も納得してくれると信じているよ」
彼は軽く目を閉じ、一呼吸置いてから話し始めた
「それだけ…たったそれだけの事であなたは私にチャンスを与えるのですか?」
「後は個人的にアメリカで学んできた君の力を知りたいと言う部分もある。君は今、私に試されているのだよ」
そう、俺は試されている
結果を出せば次の仕事を回すと言う意味だろう
「結果を出して私を楽しませてくれたまえ。ああ、そうだ…今日は星井美希が事務所に来ている。会って行きたまえ」
「はい、ありがとうございます」
「ロビーに向かう様に伝えておく。行きたまえ」
「わかりました。失礼します」
そこで座って待つこと20分
一人の女性が俺の目の前に立っていた
「ハニー、久しぶりだね」
「美希か、綺麗になったね」
「私ももう18歳だよ?子供じゃないよ」
美希は自分の事を「ミキ」では無く「私」と言う様になっていた
髪は短く、色も抑え目のものとなり、大人の雰囲気を纏った素敵な女性になっていた
「うん、また美希と一緒に仕事が出来て嬉しいよ」
「ハニー、少しだけ…良いよね?」
美希はゆっくりと俺に近付いてきた
そうだな、久しぶりの再会だ。抱きしめて欲しいのだろう
俺は腕を広げ、美希を受け入れる態勢を取る
美希はそのまま胸の中へ収まり、俺の頬を両手で包んだ
そして…美希は俺の唇に自身の唇を重ねたのだ
時間が経つと美希は俺の身体から離れた
「久しぶりなんだから、これくらいは良いよね?」
顔を真っ赤にしながら笑顔で言った
「お前は…こんな所を誰かに見られたらどうするんだ」
「ここは961プロの中だよ。だから…安全」
「そうか、お前はまだ俺の事を好きで居てくれていたんだな」
「一日も、一秒だって忘れた事は無かったよ。帰ってきてくれて本当に嬉しいの」
以前の美希にこんな事をされても何も思わなかっただろう
だが、今の美希は…余りにも綺麗で、俺の心臓の鼓動は激しくなっていた
俺はプロデューサーである律子と会っておきたかった。
彼女なら倒産の原因を知っている可能性が高いからだ
だが美希は
「律子なんかに会ってどうするの?」
「さん」が付いていない
何があった?
「何言ってるんだ。律子は仲間じゃないか」
「私には関係無いの。そんな事より私の事を見てて欲しい」
どうしたんだ…美希が律子に対して明らかな敵意を持っている
俺が居ない間に何があったんだ
「そうなのか?じゃあ、今は…」
「雑貨屋さんのオーナー」
美希はぶっきらぼうに答えた
そうか、プロデューサーは辞めたんだな
でも、きちんと自分の足で歩いている
俺は嬉しくなった
「場所、教えてくれるか?」
「途中までついて行くよ。後はハニーだけで会ってきて」
「分かった。よろしく頼む」
今は何も聞かない方が良い
時間が解決してくれる事もあるのだから
俺は美希に手を引かれ、律子の店の近くまで案内された
店が見えてくると
「あそこだよ。美希はここで待ってるから」
ここからは俺一人で店に向かった
海外から仕入れた雑貨を置いているみたいだ
店内に入るとすぐに見慣れた女性が居た
髪は下ろしているが律子に間違いない
「プロデューサー…帰って来たんですね」
笑顔ではあったが少し陰がある
色々とあったのだろう
これから何度でも会う事は出来る
だから今日は少しだけ話せればそれで良い
「久しぶり。良い店だね」
「ありがとうございます。皆とは会いました?」
「ああ、美希と小鳥さんには会ったよ」
「何も…聞いてないですか?」
「いや、特には」
「そうですか…時々で良いから来てくれたら、嬉しいです」
やはりどこか笑顔に陰がある
だが、まだ聞く段階では無い
ゆっくりと話を聞いていければ良いのだ
「いえ…あれからは全くです」
「環境が変わると会えなくなるもんね」
「はい…そうですね」
律子の顔が曇る
この話は終わりにしておこう
「今日は会えて良かった。また近い内に遊びに来るよ」
「はい…私、待ってます」
何だか今生の別れみたいな表情だな
いつでも会えるのに
俺は店を出て、美希の居る場所へと戻った
美希もとても複雑な顔だ
二人には何かがあるのだろう
だが、俺が口を挟む事では無いのだ
多分…そうなのだ
「いや、ただの世間話だよ。お前、律子が嫌いなの?」
軽く振ってみた
「嫌い…じゃ無くて失望だと思うの。私は裏切られた気分だよ」
「そうか、俺には話したく無いよな?」
「いつか…ハニーと私が結婚してくれた時に話すよ」
美希は試す様な目で俺の方を見た
以前とは違う大人の目だ
「そうか、じゃあそうなった時にでもゆっくりと聞くよ」
「うん、そうして欲しいの」
美希は満足した様に微笑んだ
「でも…嬉しいな」
「何が?」
「ハニー、今の私は子供扱いしないから」
「うん、だって…ハニーに綺麗って言ってもらいたかったから」
「美希、今は少しだけ時間をくれ。俺の心の整理がついたら必ずお前について答えを出す。俺ははぐらかしたり逃げたりしないから」
俺は言い切った
美希の好意をこのまま行き先の分からないままにしたく無かったからだ
「20歳までは待つの。だからゆっくり考えてね」
「そうさせて貰うよ」
「ハニー、すっごくかっこ良くなったね」
「何だそれ?」
「ハニーの事、好きになって良かったの…」
仕事が入って来たので事務員としてすぐに働いて貰いたかったからである
彼女は驚きながらも明るい声で快諾してくれた
当面は何とかなりそうだ
今まで敵であった黒井社長が手を差し伸べてくれた事によって俺は少しだけ前に進めたのだ
人生は本当に何が起こるか分からない
だから面白くもあり、苦しくもあるのだ
明日からは本格的に仕事が出来そうだ
俺は早く明日になる事を願い眠った
黒井社長は本当に小さな仕事ばかりだが、俺に回してくれる様になっていた
「プロデューサーさん。春香ちゃんには会いました?」
小鳥さんが話しかけてきた
「いえ、会っていないですね。あいつは元気にやっているんですか?」
春香、今はどうしているだろうか
素直な性格だから騙されたりとかしていないだろうか
「小さな事務所でタレントをやってますよ。とても元気そうです」
「そうですか、それは何よりです」
「良かったら連絡取りましょうか?私、今でも春香ちゃんとは仲が良いんです」
「是非お願いします」
そう言うと小鳥さんは携帯を取り出して電話を始めた
通話が繋がったのか、楽しそうに話している
彼女は全てを知っている
事務所の重要な部分を任されているのだ
知らないはずがない
そして美希もある程度の事は理解している
だが、口を割る可能性は極めて低い
それでも俺は知りたい
皆の笑顔で溢れていた765プロに何があったかを…
「プロデューサーさん。春香ちゃん、今近くに居るそうです」
「では、俺が出向きますよ。場所を教えてください」
俺は小鳥さんに教えて貰った場所へと足を運んだ
少しだけ細くなってずいぶん大人っぽくなっていた
リボンは…着いていない
「プロデューサーさん。お久しぶりですね」
笑顔はあの頃と変わらずとても素敵だった
「ああ、春香は元気そうで何よりだよ」
「えへへ、元気だとは言い切れないんですけどね」
少しだけ顔が曇ったが、すぐに元の笑顔に戻った
「少し話をして良いかな?」
「もちろんです。何でも聞いてください」
屋上
「私は、一年間お休みしてました。その後、765プロよりも小さな今の事務所から声が掛かって今に至る…こんな感じです」
「そうか、春香は765プロ倒産について何か知っているかい?」
そう言った瞬間、春香はとても悲しい顔になった
春香とってはとても辛い話なのだ
「プロデューサーさん。聞いてくださいますか?」
「ああ、覚悟は出来てるよ」
春香は俺の目を見つめたまま静かに
「あなたの後任のプロデューサーが事務所の資金を全て持ち逃げしました」
そう言ったのだ
「原因は他にもあります。ただ、それが最後のとどめになったんです」
持ち逃げ…それは確かに致命傷だ
765プロが潰れるのも分かる気がする
だが、まだ疑問は尽きないのだ
「春香は律子の事をどう思う?」
春香の周りの空気が凍る
ここでもこの話はタブーなのか
「何か聞いてるんですか?」
「いや、分からないから聞いてるんだ」
「私からは…ごめんなさい」
「良いよ、辛い思いをさせて済まなかった」
「いえ、そんな…」
春香から聞けるのはここまでだろう
俺はこの話をするのはやめる事にした
「プロデューサーさんって今は独立されているんですよね?」
「そうだよ、もう事務所もあるんだ。仕事も少しずつ入ってきてる」
すると
「余裕が出来たら…私もプロデューサーさんの事務所に入れては貰えませんか?」
それはそうだろう
慣れた相手と仕事をする方が精神的に良いはずなのだから
「またアイドルでもやりたいの?」
そう言うと春香は予想外の事を言った
「いえ、事務とか雑務で雇って欲しいんです」
「え?事務員?」
春香は疲れた様な笑顔を向けてきた
全然元気では無かったのだ
「そうだったのか…今までよく頑張ったな」
その言葉を聞くと、春香の目から涙が溢れ出した
「はい…私は、そろそろ限界です…普通に生きていきたい…プロデューサーさんのそばでお仕事がしたいです…」
俺は泣きじゃくる春香を抱きしめた
ずっと辛かった思いを胸にしまい込んでここまで来たのだ
「春香…少しだけ待っててくれよ…すぐにお前を雇える様に頑張るから」
「はい…はい…プロデューサーさん…」
「すっきりしました。プロデューサーさんに会えたから安心しちゃったんですね」
「そうか、俺が春香を癒せたのであれば良かったよ」
春香は一呼吸を置いてから俺に
「プロデューサーさん、美希の事…好きですよね?」
とてもストレートな質問だ
だが、皆大人になった。俺は人生の先輩として逃げる訳にはいかない
「そうだな、俺は美希の事が好きだ」
「残念、私は振られちゃいました」
「その割には冷静だな」
その問いに春香は
「とっくの昔に諦めてましたから」
と言ったのだ
「一応?」
「はい、別にこれで終わりじゃありません。人生は長いですから」
春香は俺が思っているより強く、たくましかった
倒産の話の時と表情が明らかに違って明るいからだ
「でも、好きで居続ける事は罪にはなりません。近くに居続ける事も同じだと思うんです」
「お前は強いな。頭が下がる思いだよ」
「男の人だとプロデューサーさん、女の人だと千早ちゃんが側に居る人生なら…私は幸せです」
それは春香の核になる部分なのだろう
それだけを胸に秘め、彼女は生きてきたのだ
「あと、真摯に答えてくれたプロデューサーさんにボーナスです」
「何だ?」
「律子さんについて…です」
それは今の俺にはかなりのヒントになるだろう
「春香、言える所までで良い。教えてくれ」
すると春香は
「はい、私はこの一件に関しては一生許す事が出来ません」
「そんなにひどい事なのか?」
春香は無表情になった
「それはそうですよ…だって」
「律子さん…運営資金を横領していたんですから」
春香は…そう言ったのだ
声に出そうだったが辛うじて押さえ込む事が出来た
「おい…それは本当か?何かに間違いじゃ無いのか?」
「これは事実です。それだけじゃありませんよ?」
春香の目が今まで見た事の無いくらいに冷たいものになっていた
「竜宮小町の予算だけでは売り込みが出来なかったらしくて、私たちの予算…プロデューサーさんが使えるはずの予算も何割か自分の方に回していたんです」
「そんな…春香、嘘だって言ってくれよ。なあ、頼むからさ…」
「本当の話です。今まで黙っててすみませんでした」
また話が噛み合わない
今まで黙ってて…どう言う事なんだ?
「竜宮小町は資金繰りに困ったからじゃ無いのか」
「違います。伊織は竜宮小町が皆の犠牲の下に成り立っていると知って律子に激怒したんです」
律子がそこまで…まだ信じられない
だが、春香が嘘をついているとは思えない
心から律子を恨んでいる
「私、今から本音を言います。聞いてください」
「分かった」
今から話す事は春香の軸になる話だ
俺は覚悟を決めて耳を傾けた
「本音を言えば、私は別にプロデューサーさんと結ばれなくても良いんです」
春香の様子がおかしい
これは春香の心の闇の部分なのかも知れない
「私は…私はただ大好きなプロデューサーさんと千早ちゃんに挟まれて笑顔で生きていきたかった!!ずっとそうしていきたかっただけなんです!!」
春香が大きな声で叫ぶ
「ねえ、私ってそんなにわがままですか?高望みしてますか?ささやかな幸せの中で笑っていたかっただけなのに…」
「春香…」
「律子さんは自分の都合でその大事な場所を、プロデューサーさんがいつ帰ってきてもいい様に守るべきだった場所を壊した張本人なんです!!」
だが、俺はアメリカに、千早は早々に離れてしまい、最後には受け入れる場所も失ってしまったのだ
「私、もうやだ…生きてるの…辛いよぉ…」
春香はその場に崩れ落ちた
春香はとっくの昔に限界が訪れていたのだ
俺に再会した事で心の箍が外れてしまったのだ
「プロデューサーさん…助けてください…前みたいに…助けて…」
このままではいけない
春香の思いに応えられない分、助けてあげたいと思った
「春香、今から俺の事務所に来ない?」
「ふぇ?事務所?」
「うん、場所も覚えられるだろ?」
子供の様な声で春香は答えた
先程と雰囲気も変わり、大人しくなった
「あまり大きい所じゃないけどな。着いておいでよ」
「はい…手、繋いでください」
春香のすがる様な目に俺は拒否できる訳も無く
「はい、ゆっくりで良いからな」
「はい…」
春香は幼い笑顔で俺に言った
事務所に戻ると小鳥さんが一瞬だが春香の様子を見て表情が変わったが、すぐにいつもの笑顔に戻り
「春香ちゃん、いらっしゃい」
そう言ってくれた
小鳥さんが大人の女性で本当に良かった
「あの、何で美希なんですか?」
「え?」
「プロデューサーさんの好きな人…美希何ですよね?」
「その事か…正確に言うと俺は受け身なんだよ」
「受け身?」
「やっぱり嬉しいもんだよ。15歳の女の子からでもあそこまで好きでいてくれてるって事は…すごく嬉しい事なんだ」
「じゃあ、やっぱりプロデューサーさんも美希の事が好きなんじゃないですか」
でも、今すぐ美希と俺が結ばれるべきかと言われると、それは違う様に思えたのだ
「あいつはね、大人っぽくなったし綺麗にもなった。でもやっぱりまだ18歳の女の子なんだ。これから先に素敵な人が現れるかも知れない」
「私は…美希はこのままプロデューサーさんに一直線だと思いますけど」
「時間が過ぎれば思いも変わるかも知れないだろ?美希は20歳まで待つと言った。だから俺もそれまでは美希を最優先にしようと思うんだ」
「そうなんですか…面倒臭いですね」
「でも、人生ってそう言うものなのかも知れないだろ?」
「私はもっと簡単なのがいいです」
「お前は馬鹿だからな」
「馬鹿じゃないでーす」
この日は夜遅くまで春香と話した
「おはようございます!!」
入ってきたのは春香だった
仕事は大丈夫なのだろうか?
「元気なのは良いけど仕事は大丈夫なのか?」
「はい!!全く問題ありません」
しっかりとした口調で答える
この様子だともう問題は無いだろう
「仕事に穴をあけるなよ?別にここにはいつ来ても良いんだからさ」
いつ来ても良い、その言葉を強調しておく
春香の居場所を作ってあげられるのであれば、それくらいの事は何でも無かった
だが、春香は
「仕事に穴は空きません。辞めて来ましたから」
晴れやかな笑顔で俺にそう言い放ったのだ
「結構貯金があります。だから半年は大丈夫ですよ」
逆に言えば半年しか保たないと言う事だ
バイトでもするのだろうか
「だから、それまでにプロデューサーさんが私を雇ってくれたら良いだけの話です」
簡単に言う。俺にこれから半年以内に春香を雇えるだけの稼ぎを要求しているのだ
しかも、俺はそれだけを稼いだとしても春香が持って行くのだから実入りが良くなる訳では無い
小鳥さんは苦笑するだけであった
「だから、頑張ってくださいね。プロデューサーさん!!」
黒井社長に相談してみよう
流石に甘え過ぎではあるが…
春香は皆と仲が良い筈だ。だから今ここに彼女がいる事は俺にとって大きな戦力なのである
だが…
「え?私は知りませんよ、興味無いですし」
あまりの予想外の返答に言葉を失ってしまった
「あ、でもこの前やよいには会いました」
高槻やよい、彼女もその後が気になる女の子の一人だ
「やよいは…どうなってる?経済的には問題無いんだろうか」
「私が会った時は、別に問題無さそうでしたね。もう芸能人でも無いですよ?」
「そうか、何か困ってそうじゃ無かったか?」
「アイドルの時より遥かに幸せそうでしたけど」
何かがおかしい…
俺は春香達に新しい違和感を抱いてしまったのだった
以前、高木社長と行った事のあるバーだった
「君も変なのに囲まれて災難だな。少しではあるが同情するよ」
可哀想なものを見る目で言われてしまった
「面目無いです…」
「君がこなせるのであれば、もう少し仕事を回しておこう。その辺の調整は君がやりたまえ」
これでしばらくすれば春香を雇える
俺はこの人に頭が上がらなくなった
「ありがとうございます。これで春香を雇えます」
「私は結果さえ残せば文句は言わん。好きなだけやれば良い」
タバコを深く吸い込み言う
「高木の忘れ形見だ…面倒くらい見てやるさ」
彼はいきなり話を切り出してきた
「私もプロダクションを経営する身だ。だからわかる事もある。暇潰しにでも聞くと良い」
「はい、聞かせて下さい」
「まずだ、君が入社した時、その時にはすでに崩壊が始まっていたと言う予測を立ててみた。そうすればしっくりくる所も多いからね」
「私が…入社した時点で、ですか?」
「そうだ、その時は事務所の仕事の数はどうだった?ほとんど閑古鳥が鳴いている状態じゃ無かったかね?」
「はい、仕事はまばらでレッスンの費用も捻出するのが難しかった時ですね」
「ですが、段々と仕事も入ってきて皆が力を合わせて頑張ってきたからこそ、ある程度まで皆が売れ出したんですよ?」
俺が言うと彼は少し額に手を当て考えをまとめている
数秒後、また話を再開した
「君、765プロのアイドルに告白された事はあるかね?」
いきなり方向性が変わった
何が言いたいのか分からない
「何を言ってるんですか?そんな事は…」
「良いから答えろ」
「……あります」
そう、別に美希に限った事ではない
俺はアイドルからの告白をされた事があるのだ
「でも、それがどう関係しているのですか?」
「私はね、765プロのアイドルは元々仲はあまり良く無かったと予想しているのだよ」
仲が良くない?
皆が?それはあり得ないだろう
黒井社長もまだまだなんだな
「皆はとても仲は良かったですよ。俺が見てる限りは」
すると社長はこの日初めて俺の方へと身体を向けた
そして
「それは単に君の目の前に広がっている風景だろう?君は神か?君の目が届かない世界がある事に何の疑問も持たなかったのか?」
それは俺が事務所に居ない時の事、俺がその現場に居ない時の事…
「私はね、皆は君への好意があるからこそ仕事に打ち込んだのだと考えている。そして好意があるからこそ悪いイメージを持たせたく無いと思い、仲が良い振りをしていたのでは無いのかとね」
言葉を失った
春香の言っていた興味が無いと言う発言も黒井社長の言う通りならば納得がいく
「君は悪くない。だが、女ばかりが集まる組織は殆どの場合、先ほど言った様になる。君は綺麗な部分しか見えて居なかったのだよ」
頭を鈍器で殴られたようだ
嫌な汗が止まらない
「ただ、皆が皆仲が悪いと言う事は無いと思うぞ」
「仲が良い者同士も居ると言う事だ。それくらいは君でも分かるだろう」
「そうか、春香と千早…真と雪歩…」
「私の経験上の話をしよう。私はね、プロジェクト毎にメンバーを分けたら、他のプロジェクトのメンバーとは交流を必要以上に持たせないようにしているのだよ。何故だか分かるかね?」
「いえ…分かりません」
「リスクの分散だ。簡単な事だと思うがね」
リスクの分散…そうか、俺たちはその時点で大きなミスを犯していたんだ
「小さな事務所だ。難しいのは分かるが皆を群れさせ過ぎたのではないのか?仕切りを設けておかないと、一つのプロジェクトが壊れた時に他のプロジェクトも道連れとなってしまう」
「いつも事務所で皆が簡単に会える状態が続いたのが腐敗の原因なのだよ。これこそが高木のミスだ」
「じゃあ、どうすれば良かったんですか」
「例えば竜宮小町、あれを他のアイドルと接触させない様にすべきだったのだよ。後はいつまでも事務所でダラダラと話をする機会を与えてはいけない」
そうだ、アメリカで学んだ事
その内容は
全て765プロを否定する様な内容ばかりだったじゃないか
「……分かりません」
そう言うと社長は大きなため息をついた
「君が765プロ以外で目を付けるのが私の所であると信じていたのだよ。そしてその予想は当たった…君は彼女と再会を果たしたのだ」
「そうだったんですか…」
「君に対する大きな愛があるからこそ彼女はその道を選んだ」
美希の俺に対する想いは
俺が考えていたものより遥かに大きかったのだ
「まあ、彼女に関しては君の考える事だ。後は、フェアリー解散時までに資金を貯めておけ」
「何かあるんですか?」
「星井美希は、フェアリー解散後、君の事務所へ移籍する事を希望しているからだ」
俺はそれに応えなければならない
「分かりました。助言頂きありがとうございます」
俺は深く頭を下げた
自分自身の甘さが原因でもあるのだ
「何度も言うが君は一切悪くない。年頃の娘の集団の中に少し年上の大人の男を放り込んだら当たり前に起きる出来事だ。高木の責任に他ならない」
「でも、俺にも出来る事が…」
「無いだろうね、男一人で女の集団に出来る事など些細なものだ」
「でも、俺が…」
「その失敗を生かして今の仕事に打ち込めば良い。まだ若い、気にするな」
そう言うと社長は財布から1枚札を取り出し置いた
「お前の人生も、彼女達の人生も始まってすらいない。もっと悩むがいい」
そう言い残して去って行った
「皆、お疲れ様。今から話す事は仕事の話じゃない。だが聞いて欲しいんだ」
3人は頷く。それを確認した後、俺は話を始めた
「まず、律子の横領の話だ。それが事実であるなら何故彼女は何のお咎めも無いのか知っているなら教えて欲しい」
響が手を挙げた
「社長が…それだと社会的な復帰が難しいからだって言ってたぞ」
「そうか、社長が…」
それはあまりに甘すぎる
だが、律子にも言い分はある筈だ
「その横領はいつ頃から始まったんだ。後、俺の予算の方に関してもだ」
美希が手を挙げた
「私が知ってる範囲だと竜宮小町の準備期間からずっとだよ。ハニーの予算は結成後すぐだったと思うの」
「ありがとう。俺は事実がわかれば十分だ。誰も恨まない。3人も律子を許せとは言わないが、もうこの件については考えるな」
自分の使える予算の把握すら出来ていなかった俺が言える事ではない
「後、仲が悪かった相手とかは居たのか?」
また響が手を挙げた
「自分と貴音は…正直ほとんど皆とまともに話した事は無いんだ。美希とは仲が良かったけど」
「貴方様、私も同じです。この2人以外だと死んだ様な目をした春香くらいでしょうか」
「え?そうなの?私が話した時は春香、結構普通だったの」
この時点で春香の評価が分かれる
黒井社長の言っていた事は当たっているのだ
俺は頭を下げた
今更だが勉強不足な自分が招いた事だったからだ
その後、俺達は会議室を出て貴音と響は事務所を出た様だ
「ハニー」
「どうした?もう行っていいぞ」
美希の顔が何処と無く暗い
何か話したい事でもあるのだろうか
「俺の事務所、来る?」
美希は小さく頷いた
美希は2人である事を確認すると静かに話し出した
「私は、貴音と響以外は特に誰とも仲が良かった訳じゃ無いの。春香とは少し話してたけど…」
「美希…」
「でね、私は仲が悪いって言うよりは皆から相手にされて居なかったんだ…貴音と響が居ない時はひとりぼっち…」
俺のイメージしてた美希とずいぶん違う
「衣装隠されたり、メイク道具ぶちまけられたり…散々だったな…」
「おい…お前、それって…」
「だから961プロに移籍した時は本当に天国みたいだった。ここならゆっくりハニーを待てるって思って…」
そして俺はそれに気付けなかった最悪の男なのだ
「ごめんね…こんな話、したく無かったのに…もっと楽しい話…したいのに…」
美希が泣き崩れる前に抱きしめた
目の前で泣く美希は俺の知っている美希とは違い、本当に弱々しい一人の女の子だった
「ハニー…私の事、見つけてくれてありがと…私、明日からは泣かないから…今だけ…いいよね?」
「うん、思い切り泣いて良いよ」
俺に言える事はこれくらいだった
俺は2人に声をかけた
「2人とも久しぶり。元気にしてたかな?」
「あっ!?プロデューサー!!久しぶりじゃないですか!!」
髪が肩まで伸びてはいるが、真は以前と変わらず元気そうだ
「プロデューサー…少し老けました?」
こちらも変わらず大人しそうな雰囲気の雪歩
2人はこの劇団で芝居をしながらアルバイトをしているらしい
以前と違い、逞しく頑張っている様だ
真が言った
「らしいね、俺も聞いた」
本人からね
「個性も無いし、続けていても意味が無いですよね」
雪歩が言った
「え?」
俺は意味が分からない
「まあ、僕達がそのうちドラマの主役で大活躍しますから見てて下さいね」
「そうですよ。プロデューサーもいいお仕事があったら私に声をかけてくださいね?」
雪歩はそう言いながら
俺の身体にもたれかかってきた
雪歩は元々男が苦手では無い事を
「美希も未だにアイドル(笑)をやってますね。あんなんじゃお先真っ暗ですよ」
真が言った。なるほど、俺は本当に何も見えていなかった
2人を責めてはいけない。
ケア出来なかった俺の責任だから
「プロデューサー…ドラマの仕事、とってきてくださいね?」
「僕もプロデューサーが有名になったらまた一緒にやりたいな」
「そうだね。考えておくよ」
俺はそう言って稽古場を後にした
女は逞しい
あの2人に俺は必要無いだろう
真と雪歩の本性が分かってしまい、女の恐ろしさを噛み締めながら
そしてふと気付く
この辺りにやよいの家がある筈だと言う事に
あの太陽みたいな笑顔をまた見たいなと思った
「あの、プロデューサー…ですよね?」
声がする方へ振り向いた
「プロデューサー。帰ってきてたんですね」
やよいが立っていたのだ
幼さよりもお姉さんの雰囲気の方が強くなっていた
「やよい、すっかりお姉さんだね」
「はい、プロデューサーもおじさんですね」
「お前に言われると少し傷付くよ」
やよいは少し笑うと俺を真っ直ぐ見つめて
「おかえりなさい!!プロデューサー!!」
そう言ってくれた
「ただいま…やよい」
俺はそう言い返した
「プロデューサーが居なくなって大変だったらしいですよ?」
やよいは「らしい」と言った
「やよいはいつまで765プロに居たの?」
「確か…プロデューサーがアメリカに行ってから3ヶ月ほど後ですね」
「その理由は?」
「お父さんが良い会社で働く事が決まって私が頑張る必要が無くなったからです」
やよいの家の経済状況が良くなったので、学業に専念したい考えから辞めたとの事だった
「学校は楽しい?」
「はい、友達といっぱい遊べて楽しいです」
「それは良かった。将来は何か夢でもあるの?」
「お料理がやりたいです。お店を持つのが夢ですね」
夢を見つけてそれに向かって進もうとしているのだ
「そうか、店を持ちたいと思った時は俺にも声をかけてくれ。協力するからさ」
「はい、やっぱりプロデューサーは私のお兄ちゃんですね」
やよいは変わっていない
俺は素直にそう思えた
「やよいって事務所では誰と仲が良かった?」
「伊織ちゃんですね」
ほら、変わってない
「でも…伊織ちゃんって少しエッチなんです」
あれ…
するとやよいは困った顔で言った
「私、今でも伊織ちゃんのお家に週1回は遊びに行かなきゃダメなんです」
行かなきゃダメ?
何でさ?
「伊織ちゃんは時々私の添い寝が無いとお仕事に影響するって言うんです」
「そう…」
「しかも寝る時はお互いに裸にならないといけないんですよ?おかしいですよね?」
「うん、ビックリするくらいにおかしいよ」
「朝起きるといつも身体に変な違和感があるんです。これって伊織ちゃんが私の事くすぐったり叩いたりしてるんです。きっと…」
伊織、俺はお前の評価を改めないといけない
「帰る時に伊織ちゃんが封筒をくれるんです。その中は平均で3万円くらい入ってますね。いじめたお詫びなんでしょうか?」
「うん、ある意味…いじめられたんじゃない?」
伊織はやよいを週1回呼び出してイタズラを繰り返す女の子だったのだ
「あ、プロデューサー。今だから言えるんですけど…」
「うん、もうなんでも聞くよ?」
「双海姉妹は…めちゃくちゃ仲悪いです」
聞きたく無かった…
女の演技力は凄いんだな
「後、菊地さんっていつも星井さんの衣装隠してました」
それは大体予想がついた
「私は伊織ちゃんと春香さんとあずささん以外はあまり話さなかったですから…」
それ以外は苗字で呼んでいると言う事だ
そこには事務員の小鳥さんと来週から出勤はずの春香、少し離れた所に美希が立っていた
「どうした?」
「プロデューサーさん!!テレビ!!テレビです!!」
「何か面白い番組でもやってるのか?」
「ハニー、ある意味面白い番組なんじゃないかな?」
美希が凄く冷めた目でテレビを見つめていた
そこには
竜宮小町解散のニュースが流れていたのだ
あずささんの結婚、亜美の海外留学であった
あずさはすでに876プロを退社しており
亜美はすでにアメリカへと飛びたった後だと言う事だ
今の俺には876プロとのラインが無い
だから竜宮小町のメンバーに連絡を取る事が出来ないのだ。
携帯の古いメモリーを呼び出してかけてみるが、全員番号を変えているらしく誰にも繋がらなかった
「あの3人には当分会えないか…」
俺がぼやくと
「別に無理して会わなくても良いって思うな」
美希が忌々しいものを見る目でそう言った
春香は小鳥さんに教えられてなんとか仕事についてきている
美希は変わらずフェアリーで奮闘中だ
俺は黒井社長に振られた仕事をメインに多忙な日々を送っていた
そして夕方になり、事務所には俺と小鳥さんの2人になった
「私、ちょっとゆっくりして行って良いですか?」
「ええ、俺も少し休んでから帰ります」
そう言って俺はテレビの電源を入れた
画面には芸人がネタを披露する番組が流れていた
そして
真が思い切り寒いネタを披露していたのだ
「はい、流石に私もキツイです…」
チャンネルを変えると音楽番組が流れていた。
そこには堂々とバラードを歌い上げる歌姫、如月千早がいた
「千早、頑張ってるな…」
見入っていると小鳥さんが突然
「今なら話せる事もあると思います」
そう言ったのだ
「何の話です?」
「あの頃の…765プロの事ですよ」
「俺はもう気が済みました。だから忘れましょう」
「いえ、少しだけ…少しだけですから」
「わかりました。聞かせてください」
「はい、では…」
小鳥さんはゆっくりと話し始めた
「765プロの内情はすでにご存知ですよね?」
「はい、皆に聞いたので大体は」
「何故、プロデューサーさんは独立を決めたんですか?」
「いや、アメリカのレコード会社から日本に帰る時は独立するべきだと勧められたんです。独立するのであれば、資金の援助もあると言う事だったので」
「それは全て高木社長の口添えだったんです。資金援助をしたのも社長です」
「え?じゃあ社長は今どうしてるんですか?」
「そうですか…何度連絡しても繋がらなかったからおかしいなとは思っていたんですが…どうしても信じられなかったんです」
「プロデューサーさんがアメリカに旅立つ時点で事務所はかなりの経営難でしたから戻って来たとしても何もしてあげられないと社長は言ってました」
そんな経営難の中、俺を送り出してくれた社長には頭が上がらない
俺は結局何一つとして守る事が出来なかった
そして今は黒井社長に助けられて生かされている
「律子の店に行ったけど、金持ちそうには見えませんでした」
「私は今でも良く遊びに行くんですけど、借金だらけらしいですよ」
「そうですか…」
開業してしばらくは仕方が無い
段々と軌道に乗せていければ良いのだから
「もう良いです」
俺は話を止めた
「でも…」
「泣いてまで話す事ではありませんよ」
「え?私…泣いて…」
小鳥さんは自分が泣きながら話している事に気付いていなかった
「もう終わった事です。俺も未熟でした。
だから…今はここで頑張らないといけないんです」
「はい…」
「失ったものをどこまで取り戻せるかはわかりませんが…俺たちにはもうここしか無いんです」
「はい…」
「だから…もう終わりにしましょう」
これからは前を向いて行かなくてはならない
俺の事を助けてくれた人達の恩に報いる為にもだ
もう、振り返るのは終わりにしよう
そして約束通りプロジェクト・フェアリーの活動は終了となった
響は沖縄に帰って行った
一度自分の故郷で将来の事を考えたいとの事だ
見送りを申し出たが…丁重に断られた
貴音は引き続き961プロに残るとの事だ
ただ、しばらくは休養を取る為に活動はしない
最後まで俺とはあまり話をしてくれなかった
翌日貴音の携帯にかけたが番号が変わっていた
そう言う事だ
美希は当初の約束通り俺の事務所へと移籍した
今は雑誌のモデルを中心に活動中だ
そして俺は今、961プロの社長室にいる
「はい、わかっています」
「ところで…どうだね、自分の居ない彼女達の世界は」
「まあ、驚きの連続でした」
「そうか、だがもう忘れた方が良い。765プロは無くなったが君はまだこの世界に居るのだからな」
「そうですね。俺も振り返るのはやめる事にしました」
「それが良い。それよりも面白いビジネスの話だ」
そう言うと黒井社長は薄いファイルをテーブルの上に置いた
「961プロは直接関わっている訳では無いが、面白い案件だったのでな。確認してみると良い」
「はい…」
千早が俺をプロデューサーに指名していると言う内容であった
「千早が?…何で」
「彼女はプロデューサーを立てずに音楽活動をやっているようだったのでな。私がちょうど良いプロデューサーがいる事を連絡したらすぐに飛びついて来たのだよ」
「社長…ありがとうございます」
「これはビジネスだ。きっちりと仲介させてもらう。どうだね、受けてみるか?」
「はい、喜んで…」
今まで連絡出来なかった千早と会う事ができる
俺は興奮を隠す事が出来なかった
「プロデューサー…お久しぶりです」
そこにはほんの少しだけ大人っぽくなった千早がいた。
「ああ、久しぶり」
「帰って来たのなら連絡をくだされば良いのに…」
拗ねたような表情で言う
以前より明るくなった感じがする
「ごめん、忙しかったんだよ」
「さあ、入ってください」
部屋の中は年齢に合わない豪華なものだった
「また凄い所に住んでるんだな」
「まあ、色々頑張ってますから」
千早は移籍後、爆発的に売れていたみたいだ
765プロを離れたのはある意味間違ってはいなかった
千早は元々春香以外との人間関係が希薄だったらしく、悲しい話ではあるが、765プロ自体に愛着がある訳では無かったらしい
「でもプロデューサーを立てずにやって来たなんて…なかなかの手腕だな」
「ふふっ、あなたを見て学びましたから」
「俺なんて全然駄目だったじゃないか」
「そうかも知れませんね」
彼女は笑いながら言った
俺もその通りだと思い釣られて笑った
「ですが…今は違います」
千早の顔が真剣なものへと変わった
千早は俺に手を差し伸べた
「今度こそ…貴方と世界を目指す為に歌いたいと思います。私には貴方と言う翼が必要なのです」
「千早…本当に俺で良いのか?」
「私はずっとこの日を待っていました。貴方はただ私の手を取ってくれれば良いのです」
俺は差し伸べられた千早の手を取った
「私を世界へ…連れて行ってくださいね」
こうして俺は4年振りに千早のプロデューサーとなった
これで仕事には困らなくなってきた
黒井社長には感謝しなければ
そう思いながら事務所の近くの喫茶店に入った
そこでコーヒーを飲みながら幸せな気分に浸っていると肩を叩かれた
美希か春香か小鳥さんか…
振り返ると
真美がいた
背はまた少し高くなったか…
真美は俺を見てにっこりと笑った
「真美なんだな…久し振りだな」
真美は笑顔のまま頷いた
「可愛くなったじゃないか…」
真美は何も喋らない
そして真美は右腕を大きく振りかぶる
「…?」
そしてそのまま…
俺の頬めがけて右ストレートが炸裂したのだ
俺は椅子から転げ落ちた
予想もしない事態に俺の思考は反応出来ていない
真美は俺のそばへしゃがみ込み胸ぐらを掴み上げた
「兄ちゃん、いつ帰ってきたの?」
俺はその質問に正直に答えた
「1年前だよ…もう殴らないで?」
真美は俺の言葉を聞くと
「帰って来たんなら早く連絡くれたら良いのに」
笑顔で言った後…
再び俺の頬に右フックを叩き込んだのだ
真美はしばらく俺を睨みつけた後、両手を取って起き上がらせてくれた
「兄ちゃん、おかえり」
笑顔でそう言ってくれた
「遅くなったけど…ただいま」
「もう、兄ちゃん遅いから765プロ無くなっちゃったよ」
頬を膨らませて言う
「はは…面目無い」
「兄ちゃん以外の人は嫌だったから真美はすぐに辞めちゃったんだけどね」
「そうなのか…」
「でさ、兄ちゃんって今何してるの?ニート?」
「独立してる。ちゃんと仕事もあるよ」
何が言いたいかは大体分かる
「じゃあさ、真美の事、もう一回面倒見てよ。ね?今が売り時だからさ」
クネクネと動いている姿が何とも言えない気持ちになる
「俺は構わないけどウチには春香と美希と小鳥さんが居るぞ?あと、メインのクライアントは961プロだ」
「げげっ!?」
真美はかなり動揺した
後ろめたい事でもあるのだろう
「それでも来るなら俺は良いぞ」
「ううっ…背に腹はかえられないね…」
真美は俺と事務所へ行く事になった
「もう何をしたかも覚えてないけどごめんなさい。許してください」
と頭を下げた
美希も
「私ももう覚えてないから気にしないで」
春香は
「事務員は満杯だよ?」
かなり興味が無いようだ
その中で小鳥さんだけが一人笑っていた
「真美、悪いけど当分売り込みは無理だわ」
そう言っておいた
真美はあからさまに不機嫌な顔になり
右腕に力を込め始めた
「おいっ!?そんな事したらクビだぞ!!クビ!!」
「…」
何とか真美の拳を食らう事だけは避ける事が出来た
「なんでさ~!!真美も早くデビューしたいよ~!!」
「いや、俺はさっき千早とプロデューサーとしての契約をして来た所なんだ」
「だから?」
「正直お前の相手をしてる暇は無い」
右ショートアッパーが顎に突き刺さった
俺は再び床を舐めるハメとなった
「真美!!俺が死んだらお前は一生デビュー出来ない。それでも良いのか?」
「兄ちゃん前はいっぱいプロデュースしてたじゃん!!」
「ちゃんと勉強して来たんだ!あんな無茶な事二度とするか!!」
「でも真美も早くしないと枯れちゃうよ~!!」
真美はその場で地団駄を踏む
あまり変わっていなかったようだ
「そのうちちゃんとするからさ。な?」
「う~」
真美が唸っていると
「じゃあさ、しばらくは雑用でもすると良いんじゃ無いかな?」
美希が言った
真美が懸命に食い下がるが俺の身体は一つしか無い
その時…
「961プロに頼めば良いんじゃ無いかな?」
春香が言った
真美をとても興味がなさそうな目で
俺はその案を聞いて
「それが良い。一年くらい修行して来い」
早速黒井社長に電話をかけた
「え!?え!?え!?」
真美はまだ状況がわかっていない
俺は社長に真美の事を話した
「真美、社長が話したいそうだ」
真美はゆっくりと受話器を受け取り耳を当てた
「もしもし…」
真美は小さな声で言った
すると…
「お前か?甘ったれたガキらしいがアイドルになりたいそうだな。私が直々に鍛えてやるから楽しみにしておけ」
そして電話が切れた…
真美は顔面蒼白で足が震えている
「よし、来年はちゃんと俺がプロデュースするからな。その間はあっちで頑張って来い」
真美はその場にへたり込んだ
部屋の明かりをつけテレビの電源を入れる
途中ではあるが、真の冠番組が流れていた
結局はタレントの道を選んだみたいだ
皆それぞれが今いる場所で頑張っている
俺も負けてはいられない
精々スタートラインに立ったくらいだろう
皆まだまだ若いんだから
近くのバーで一緒に飲もうと言う事だ
黒井社長が言う
「あれからはどうだね?」
「お陰様で仕事が切れずにやっていけてます。真美はどうですか?」
「心配するな。ボロ雑巾みたいにはなっているが生きてはいる」
「そうですか…引き続きよろしくお願いします」
「まだ皆の事が気になるかな?吹っ切れた様に見えても私の目は誤魔化せない」
「そうですね、これで良かったのか…と思う事はあります」
その通りだ
まだ結論を出すには皆若すぎる
「この一年で話を出来なかった者も居るだろう。だが、勘違いしてはいけない。君と再会出来なかったからと言って、それが不幸であると言うのはおかしいのでは無いかな?」
「ですが、私は皆を守りたかったんです。甘い考えではありますが」
「その通りだ。君は甘い。君が幸せに出来る人が居るとするならば、それは精々一人だろう。言っている意味は分かるな?」
「俺はそこまでは思っていません」
「だが、君は会えなかった者の事を考え過ぎている。結婚をした者を追いかけるのは絶対に止めろ。相手が嫌な気持ちになる。心の中で幸せを願っておけばそれだけで良い」
「はい…あずささんの事ですね」
「そうだ。後は水瀬の娘か…あれも同じだ。用があればあちらから勝手に来るだろう。それまでは放っておけば良い」
言う事はもっともだ
俺はもう一つ聞きたい事があった
「律子は…資金を使い込んだ律子の現状は不幸なんじゃ無いでしょうか?」
黒井社長はタバコを灰皿に置いた
そして目を閉じゆっくりと話した
「ですが、彼女はそれで全てを失いました」
「警察の世話にならないだけでもマシだと思うがね。だが彼女の罪は消える事は無い。一生背負い続けるだろう。そう言う意味では彼女は不幸だ。だが、それはどうしようも無い事だ」
そう、それだけは理解できる
さっきから何度も言われているのだから
「何度も言うが君が選べる女性は一人だ。それ以外で君に好意を寄せているものは全員不幸になる。少しの間ではあるが」
「はい、それはもう覚悟しています」
「そうか、そう言った者達はいずれ君の元を去るだろう。だが、それを追ってはいけない。次の幸せを掴めなくなる」
「はい」
「そう遠く無い時に選ばなければならない日が来るだろう。しっかりと考えておきたまえ」
「765プロは人生の序盤の通過点に過ぎん。皆勝手に自分の幸せを求めて進んで行く。君は一人で抱え込み過ぎだ」
そう言い残して去って行く
「そうだな、考え過ぎだ。俺は皆に良い顔をし過ぎてたんだ。これからはちゃんとしよう」
俺も店を出た
皆それぞれ自分の夢に向かっているはずだ
俺は困って助けを求めてきた時だけ動けば良いんだ
そう考えると心が軽くなった様な気がした
千早がツアーでの疲れを癒す為に休暇に入ったので、真美を1年間の修行期間を経て再デビューさせた
美希は変わらずモデルの活動をしている
仕事は今の所は途切れずにやってこれている
順風満帆と言って良いだろう
今日も仕事が終わり、一人になった事務所で少し休んでいた
時刻は午後10時
そんな時間にドアが開いた
「ハニー、ちょっと良いかな?」
ドアを開けたのは美希だった
美希は笑顔ではあるが返事は無かった
いつもと少し様子が違う
少しの間、見つめ合う時間が続き…
「ハニー、私…もう辞めるね」
やはり笑顔のままそう言ったのだ
「美希…どうしたんだ?何かあったのか?」
俺は美希の事が分からなくなった
何で急に辞めると言うのかが…分からない
だが、次に彼女の口から出た言葉は
「もう…疲れちゃった」
そう言ったのだ
天才的な資質を備えた美希にも限界はある
それがとうとう訪れてしまったのだ
顔は笑顔だが疲れきっている
20歳の女の子が浮かべて良い笑顔では無かった
「そうか、今までお疲れ様」
俺は美希を抱き寄せた
そして耳元で
「よく頑張ったね、偉いよ」
そう囁いた
すると美希は笑顔のまま
「うん、私…最後まで頑張った。だからハニー…」
美希は俺の目を見つめて
「……答え、欲しいな」
と言ったのだ
笑顔のままだが目は潤み、今にもこぼれ落ちそうだ
俺は早く目の前の彼女を安心させてあげたかった
「美希、今まで待っててくれてありがとう。ごめんな?こんなつまらない事に付き合わせて」
美希は首を横に振る
もう涙はこぼれ落ち始めている
「本当はさ、恋人の期間も必要だと思うんだけど…お前の事を出来るだけ早く支えてあげたいから…言うよ?」
美希は笑顔のままだ
顔は涙でぐしゃぐしゃだが…
「美希、俺と……結婚してくれ」
それは15歳からの5年間、ずっと一途に思い続け、蓄積された想いが全て開放されたかの様であった
「私…やっと届いた…大好きって…ハニーにやっと届いたの…もう、我慢しなくて良いんだよね?」
「そうだよ。ごめんな…今まで待たせて。俺はもう迷わない…お前だけを守るよ…」
俺は力の限り抱きしめた
結局俺の力で幸せに出来るのは目の前にいる美希だけだから…
「ねぇ…私、キスしたいよ…」
それを拒否する理由は既に無い
「うん、俺もしたい…目を閉じて」
美希は言われるままに目を閉じた
そして…
二人の唇は重なった
美希は俺の腕にしがみ付き離れない
まだ疲れた笑顔のままだが、とても安らかであった
「ハニー、皆が聞いたらどんな顔するかな?」
「さあな、修羅場になったりしてな」
「でも大丈夫、ハニーが守ってくれるもんね」
今度は俺の膝の上に向かい合う様に座り込んだ
「ああ、俺が守るよ」
俺はその身体を抱きしめた
美希もすぐに背中に手を回してから俺の耳元で
「今日、ハニーの部屋…泊まっていくね」
そう囁いたのだった
あれから更に一年が過ぎた
俺は今、事務所にいる
人数は3人だ
俺は企画書に目を通している
小鳥さんは毎日変わらず事務作業
美希はソファに寝転んでファッション雑誌を眺めている
左手の薬指には俺達が結ばれた証の指輪が光っていた
春香は俺達が結婚してしばらくすると辞めた
時々事務所に遊びにくる程度だ
千早は俺とのタッグを続行している
まだまだ俺と一緒に夢を追ってくれるみたいだ
真美は歌手としてデビューしたが、うちでは無く大手の961プロの方が何かと有利なのでそちらを選んだ
それ以外の事は今の俺にはわかっていない
相変わらずの鮮やかな手つきで事務作業を片付けている
しばらくその様子を眺めていると…
小鳥さんと目が合った
そして
「そんな顔しなくても大丈夫ですよ」
更に優しい笑顔で
「私は…辞めませんから」
そう言ったのだ
俺は不覚にも涙が出そうになったが何とかこらえる事が出来た
更に少しの時間が経つとカップを2つ持って、俺と小鳥さんのデスクに置いた
美希は時々こうして微妙な味のコーヒーを淹れてくれる
俺がそれを一口飲んだ事を確認すると
少し笑ってからまたソファに寝転んで雑誌を眺める
俺はこの微妙な味のコーヒーが好きだ
律子からは時々DMが届く
そこには彼女の直筆で少しだけ近況が書かれたりしていた
これで彼女が元気に過ごしているか確認している
美希が静かな空間の中、そう言った
「そうだね、でも…これで良いんだよ」
765プロのアイドル達全てのその後を知る事は出来なかった。
だが、これで良い。いつまでも同じ所に留まっていては幸せが逃げてしまう
「美希ちゃん、愛しの旦那様とゆっくり出来るんだから良いじゃない」
小鳥さんが言った
俺もその通りだと思う
「うん、私も今の方が好きだからこのままで良いの」
美希は笑顔のまま寝転がっている
765プロは人生の序盤の通過点だ
だから皆がそれぞれ自分の幸せに向かって進んでいるのであればそれで良い
俺たちはまだまだ若い
何でも出来るし何処にでも行ける
人生のスタートラインに立ったばかりなのだから
Fin
レスの気遣いありがとう
おかげで最後まで書けました
これでもうssは書かないと思います
パンツがチラッてるやつよりはマシに書けたんじゃないかと
バイバイ
面白かったよ
また気が向いたら書いてくれ
気が向いたらまた書いて欲しい
楽しかったよ
Entry ⇒ 2012.02.25 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
亜美「あずさお姉ちゃん!今日も絵本読んでYO→!」
あずさ「うぅ~ん、今日は良い天気ね~」
あずさ「お仕事も無いし、川へお洗濯へ行きましょう~」タッタッタ
あずさ「次は芝刈りに行かないといけないわ~、腰がやられてしまうわ~……」ジャブジャブ
おばあさんが川で控えめながらも、薔薇のアクセントが大人の雰囲気をかもしだす
レース生地のブラジャーを洗っていると……
あずさ「あら? あれは一体なにかしら~」ジャブジャブ
ドンブラコ、ドンブラコと、大きなゴージャスセレブプリンが流れてきました。
あずさ「あらー……(驚愕)」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328331795/
亜美「あずさお姉ちゃん!今日も絵本読んでYO→!」
さすがのおばあさんも、これには驚きを隠せませんでした。
あずさ「……これじゃ一人で食べきれないわね~」
あずさ「うふふ、2日に分けていただこうかしら~」
おばあさんは、大きなゴージャスセレブプリンをひろいあげて、家に持ち帰りました。
ドンッ
あずさ「よいっしょ……ふぅ、なんだか妙に重たかったわ~」
あずさ「賞味期限とか大丈夫かしら~?」クイッ
あずさ「それにダイエットも……」
おばあさんは悩みました。
あずさ「……」
あずさ「さらば、あの頃の日々」スッ
しかし、その悩みはスイーツの前には塵芥にも等しいものだったのです。
おばあさんの婚期とウェストラインはまた伸びてしまいました。
いざ、プリンのラベルを剥がそうとしたその時……
ボシュウウウウウウ!
突然、真っ白な煙が部屋を覆い尽くしたのです。
あずさ「きゃっ!」
あずさ「……!……けほっけほっ! Smoky Thrillだわ~!」
その揺れる蜃気楼の先には……
真「まっこまっこりーん!」
なんとゴージャスセレブプリンの中から勢いよく男の子が飛び出してきたのです
あずさ「なんということでしょう……」ガクガク
真「やーりぃ! やっと出れました!ありがとうございます!おばあさん」
あずさ「あ……あの……」
あずさ「……」
あずさ「あの、プリンで体中べちょべちょですよ~?」
おばあさんは天然でした。
あずさ「いいえ~。困った人を見たら知らぬが仏、ほっとけないわ~」
おばあさんは男運には恵まれていませんでしたが、とても親切で穏やかな方でした。
真「あの……驚かないんですか? プリンから人が出てきたんですよ?」
あずさ「うふふ~、きっと大変なことがあったのね~」
真「……」
あずさ「ゆっくりしていってちょうだい~」
真「おばあさん、ありがとうございます……!」ジワッ
あずさ「いいえ、気持ちはわかるわ~」
真「えっ」
あずさ「私も、よく山へ芝刈りに行って迷子になってしまうのよ~」
真「あ、あの……」
あずさ「うぅん、それでもプリンの中っていうのは私もさすがに無いわね~」
おばあさんは天然でした。
真「えっそれは絶対にダメッ……!じゃなくてっ!」
真「あ、あの! お願いします! ボクを養子としてここに住まわせてくれませんか!」ビシッ
あずさ「あら~キレイなお辞儀ね~……90度ピッタリ……」
真「ボ、ボク空手もやってるんで悪い奴が来たら懲らしめてやります!」
真「だからお願いします!おばあさん!」
あずさ「あらー。プリンを食べようと思ったらいきなり母親になってしまったわ~」
おばあさんは「生き遅れ」から「シングルマザー」にジョブチェンジしました。
あずさ「えっと、お名前は何ていうのかしら」
真「それが……覚えてないんです。だからおばあさんが付けてくれませんか?」
あずさ「えっと、それじゃぁ……」
あずさ「ゴージャスセレブプリンから産まれたから、ゴージャスセレブプリン太郎ちゃんね~」
真「えっ……あ、あのボク女の子なんですけど……」
あずさ「あら、ごめんなさい~!うっかりしてたわ~! それじゃぁ……」
あずさ「ゴージャスセレブプリン花子ちゃんね~」
あずさ「ゴージャスセレブプリン花子ちゃん~!ゴージャスセレブプリン花子ちゃん~!」
真「……あずささん」
あずさ「うふふ、今日は芝刈りにいってくれないかしら~」
真「すいません、せっかく名前付けてもらったのに申し訳ないんですけど……」
真「あの~……その~……改名してくれませんか?」
あずさ「あら~ゴージャスセレブプリン花子ちゃんじゃイヤなのかしら?」
真「イ、イヤですよ!長いし呼びづらいし! どっかのアヤしい外国人みたいじゃないですか!」
あずさ「そんな我儘な子に育てた覚えはありませんよ~」
真「と・に・か・く! ボクはこれから「真」って名前にします! 町娘のやよいって子に付けてもらいました!」
あずさ「あら、町にお友達が出来たのね~」
真「はい! 貧乏だけどす~~ごく元気で良い子なんです!」
あずさ「……わかったわ、ゴージャスセレ……いいえ、真ちゃん。それじゃ村の役所に手続きをしてくるからお留守番しててね」
真「ほっ……良かったぁ……」
真「うぅ、これからゴージャ(ryなんて名前で一生呼ばれたらどうしようかと思ったよ」
おばあさんの天然に悩まされながらも、真は常にまっすぐな子だったそうな。
ものすごく似合ってる
真「あちゃ~、ちょっと薪割り過ぎちゃったかな?」
真は毎日、手刀で芝刈りに行きました。
あずさ「はぁ……はぁ……」ガチャッ
真「あ、お帰りなさい。あずささん、今日は迷子に……」
あずさ「た、大変よ~!町に鬼が出たわ~!」
真「な、なんだって!」ガタッ
あずさ「あらあら~!!あらあら~!!(混乱)」アタフタ
真「あずささん、落ちついてください! 目が回るだけですからっ!」
あずさ「……はぁっ……やよいちゃんの家のもやしが鬼の年貢で全て持っていかれちゃったのよ~!」
真「えっ、そんなことしたらっ……」
あずさ「餓死してしまうわ~……!」
真「もやしだけにっ……!」
あずさ「真ちゃん、どうしましょう~」アタフタ
真「……あずささん、ボクが鬼退治にいきます!もうヤツの悪事を見逃してられません!」
おばあさんにとって、真は唯一の家族だったのです。
真「あずささん、大丈夫ですよ。ボクは必ず帰ってきます」
あずさ「……真ちゃんいつのまにか立派になったのね~」ウルッ
真「なぁに鬼ヶ島まで、自転車でひとっ走りですよ!」
あずさ「真ちゃん必ず生きて帰ってきてちょうだい……はい、餞別よ」
おばあさんは真に背中に『真』一文字が書かれたトレーニングウェアと、
吉備団子を渡しました。
真「あずささん、それじゃ行ってきます!おたふく風邪には気をつけてください!」ダッ
あずさ「……真ちゃん、あなたの無事を祝って、送り歌を歌うわ」
あずさ「……」スゥ
あずさ「このおぉ坂道ぃぃをおおお!登るたびにぃいひいいいい!」
おばあさんは早速死亡フラグを立ててしまいました。
シャアアァア!
真「う~ん、やっぱり鬼相手に一人だと心細いな……」
真「そういえばこの近くに頼れる犬、雉、猿が居るって聞いたなぁ」
すると、目の前になにやら大きな影が……
真「あっあれは……」
貴音「げろっぱ!」
真「……」
貴音「げろっぱ!げろっぱ!」
なんと、そこにおったのはヒップ92の蛙だったそうな。
その鋭い眼光が狙っているものは明らかに真の吉備団子。
真「……カエルって何だよ!」
これにはさすがの真もツッコまざるを得ませんでした。
真「うぅ……どこまでもついてくる……。やれやれ、わかったよ」ゴソゴソ
あまりのしつこい物乞いに、ついに真が音をあげました。
おばあさんの手作りのファウルカップから吉備団子を取り出して、カエルに手渡しました。
貴音「感謝いたします、わたくし、あなた様にどこまでもついていきます」モグモグ
貴音「この吉備団子、メンカタカラメヤサイダブルニンニクアブラマシマシにはできませんか?」
真「……できないよ。そもそも吉備団子は油で揚げてないし野菜入ってないし」
貴音「なんと!」しじょっ!
真「だああああ! あずささんと同じくらい疲れる!」
真「はぁ……君、お供するっていっても、闘いとかで役に立つの? 相手は鬼だよ」
貴音「ふふっ心配ありません」
真「何か特技とかあるの?」
貴音「はい……」
真「……」
貴音「尻で割り箸を割れます」
面倒くさくなった真はカエルをお供に連れていくことにしました。
貴音「えぇ」
真「……ていうかボクが漕ぐの?」シャァァ
真は苦労人の相が出ていました。
しばらく自転車を漕いでいると、おや、また新たな動物が一匹……
真「あ、あれは……」
伊織「にひひっ、こんにちは可愛いウサギちゃんでぇ~す」
真「ウサギかぁ……」
脱毛期のウサギが道を塞いでいました。
真は悩みました。
以前に、海女さんの響から、ウサギは性欲がとても強いということを聞いていたからです。
鬼退治に行く途中に、仲間の輪を乱さないかが心配でした。
真「それに、ピンク色だしなぁ……ピンクってちょっとエッチなイメージあるし……」
伊織「あんた、さっきから聞こえてるんだけど……」
まさかの初対面での淫乱認定には、ウサギも心外だったそうな。
伊織「……なによそれ」
真「えっ?吉備団子だけど……」
伊織「この伊織ちゃんがそんな安っぽい団子なんて食べるわけないでしょ」
真「な、なにを~! あずささんがせっかく作ってくれたんだぞ!」
伊織「あんたが私の家来になるってんなら、食べてやってもいいわよ」
真「な、なんだよ!その上から目線!」
伊織「はん、よく言うわよ。初対面であんなこと言っておいて」
真「そ、それとこれとは話が別だろ! 今は吉・備・団・子!」
伊織「これだから人間はイヤよね。そうやってすぐに我を通そうとするんだもの」
真「君に言われたくない!」
伊織「なによ!」
真「なんだよ!」
貴音「……あの」
真「す~~~っごくエッチなんだろ?」
伊織「あっあっあんた、また言ったわね!」ビシッ
真「へへーん!顔真っ赤にしてるってことは図星なんだろ」
伊織「ちっ違うわよ!この変態!ド変態!変態大人!」
真「ふんだ!変態はそっちだろ!」
伊織「あんたのような人間のオスだってスケベだらけなんでしょ!」
真「ちょ、ちょっと待てよ! 君、今なんて言ったんだ!」
伊織「人間のオスはスケベって言ったのよ! なんならもう一回言ってあげようかしら? にひひっ」
真「ボ、ボクは女の子だよ!」
伊織「あ~ら、ごめんなさい。私、ついついオスと勘違いしちゃったわ」フアサッ
真「今のはボクも頭に来たぞ……!」グッ
貴音「あのう、そろそろ先へ……」
真「うぅ~!」
伊織「あんたね、ウサギ舐めんじゃないわよ!本気出したらアンタなんかこの肉球で一捻りなんだから!」
真「そういう君こそ、ウサギのくせにぜ~んぜん可愛げが無いじゃないか!」
伊織「い、言ったわね~!」
真「もう君とはやってられないよ!」
伊織「私こそあんたとなんかゴメンよ!」
真「ふんだ!行こう貴音」タッタッタ
貴音「ようやく終わりましたか」
真「うん、早く行かないと、やよいが餓死しちゃうよ」
伊織「……」ピクッ
伊織「ちょ、ちょっと待ちなさいよ」プルプル
真「えっ今の聞こえてたの?」
伊織「ウサギは耳が良いんだから……ってそんなことはどうでもいいのよ」
伊織「あんたね、それを早く言いなさいよ!」ビシィッ
真「言う暇なんて無かったじゃないか……」
伊織「し、仕方ないわね……吉備団子、食べてあげてもいいわよ……」
真「えっ」
伊織「吉備団子1個で、この伊織ちゃんがお供してあげるって言ってるのよ!」
伊織「わ、私の気が変わらないうちに、吉備団子をさっさと寄越しなさいよ!」
真「わ、わかったよ。貴音。それじゃこの子に吉備団子を……」
貴音「……」
真「貴音……?」
貴音「ケップ……」
真「oh...」
伊織「……」
こうして、噂のFunky girlが仲間になりました。
伊織「貴音、あんたのお尻がスペース取りすぎなのよ!」
貴音「はぁ、そういわれましても……」
伊織「……あら」クンクン
真「ん、どうしたんだい、伊織」
伊織「何かが近くにいるわ」クンクン
真「も、もしかして……鬼?」
伊織「いいえ、この匂いは鬼じゃないわ。どうやら味方みたいよ」
真「うぅ、次こそ、犬か雉か猿でありますよーに!」
伊織「吉備団子は無いからこのイケイケファンシーゼリーで手を打ちなさい」
真「わ、わかった……うぅ緊張するなぁ……」
真「う、うん」
伊織「しっかりやんなさいよね」
真「わかった……ん……なんか声が聞こえない……?」
──ペイーン……
真「あ、あれ?」
──ダキシメラレーターヌクモーリヲー……
真「ま、まさか……」
┣¨┣¨┣¨┣¨・・・
──イマモオボエーテイルー……
┣¨┣¨┣¨┣¨・・・
あずさ「このおお坂道をおお登るたびにぃぃ!」
真「」
あずさ「あら、真ちゃん~町でジューシーポーリーしてたら道に迷ってしまったわ~」
3匹目の仲間は合コン帰りのおばあさんでした。
駐輪場に自転車を止めて、闘いの準備は万端です。
キキィ
真「いよいよ、この先に鬼がいるんだね……」
あずさ「みんな、お手洗いはすませたかしら~」
伊織「絶対に、やよいをこれ以上泣かせたりしないんだから……!」
貴音「たのもう!」バターン!
──ふふふ……待ちくたびれちゃったよ……
真「さぁ悪事はこれで終わりだ!姿を現せ!」
──恐れ……
──ひれ伏し……
春香「崇め奉りなさい!!!」カッカー!
あずさ「あら~赤鬼さんね~はじめまして~」
春香「あれれ~困るなぁ、年貢はあいパックでスタジオに運んでくれないと。ねっ千早ちゃん?」
千早「あ、青鬼です」ペコリ
千早「張りきってるわね、春香」
春香「うん! だってやっと出番来たんだよ、千早ちゃん!」
千早「まぁなんでもいいですけれど」
春香「あ!千早ちゃん、あれ言ってよ、あれ」
千早「えっ……その……」
春香「ほらぁ~、来たら言うっていったよね」
千早「……年貢はナンでもいいですけれど」カァァ
春香「……グー!その年貢ギャグ、グーだよ!」
春香「あ、年貢に辛いの入れちゃダメだよ」ゴソゴソ
春香「も~こんなの食べたら、お尻から血が出ちゃうんだけど!」
千早「そういうこと言わないの」
春香「うん、確実に血が出る」
千早「そういうこと言わないの」
真「……」
久々の来客にはしゃぐ鬼たちの妙なテンションに真ご一行はついていけませんでした。
真「年貢ギャグはもういいよ! と、とにかく懲らしめてやる!」ダッ
春香「わわっ、ちょ、ちょっとタンマタンマ!」
真「えっ」
春香「ぼーりょくはんたいっ!」
伊織「今さら、な、なによ。あんただって散々悪いことしてきたくせに!」
春香「だって……私、殴られたら……」
春香「お尻から血が出ちゃうんだけど!」
千早「そう、春香は、お尻からイメージカラーが出る呪いにかかっているの……」
真「……」
春香「きっと、渓谷に住んでいる魔女の律子さんに魔法をかけられちゃったんだよ……」
千早「春香、かわいそう……」ウル
春香「だからね、この魔法を解くための材料を町で探してたんだ……」
真「あのさ」
真「それって痔じゃない?」
真が乙女心に土足で入り込んでしまいました。
千早「そうね、この春香の赤い鬼パンツは血じゃなくて模様よ」
春香「千早ちゃんの青い鬼パンツはジャスコで3枚1000円で買ってるんだよね」
千早「えっ……それは……」
春香「も~!鬼だったらそういうトコにも気を使わないとダメだよ?」
千早「……せっかく鬼退治に来てくれた人の前で、恥ずかしいわ」カァァ……
伊織「あんたらの鬼パンツの話なんかどうでもいいわよ……」
春香「千早ちゃん!胸張っていかないと!」
千早「えぇ、そうね」
春香「恥じらいなんて時には邪魔なだけ!」
千早「だけ!」
真「……」
赤鬼と青鬼のコンビネーションは抜群でした。
真「なんか関わりたくなくなってきたよ……」
真は完全に迷走mindでした。
伊織「もうなんか、どうでもよくなってきたわ……。帰りましょ、みんな」
春香「えっ帰っちゃうの?」
伊織「えぇ、よく考えたら水瀬財閥の力でなんとかなるし……」
春香「えぇ~……」
金とコネの力はいつの時代でも揺ぎ無いものでした。
しかし、他にもうひとつ、変わりの無いものがありました。
それは……
あずさ「……あの~」
あずさ「お尻が痛い時は、油物を控えて、食物繊維が豊富なものを食べたほうがいいですよ~」
春香「えっ……」
あずさ「それと、これ近所の薬草です~、これをすり潰して塗ってください~」
おばあさんの知恵袋でした。
こうして、おばあさんの機転により、赤鬼が痔に悩まされることは無くなったそうな。
あずさ「うふふ、めでたし、めでたし」
亜美「……ねぇ、あずさお姉ちゃん」
あずさ「何かしら~?」
亜美「ここってさ、変わらないもの……それは」
亜美「団結である!」キリッ
亜美「……とかいうところなんじゃないの? どうなの?」
あずさ「うぅん、そうかしら~」
亜美「……はるるん……じゃなくて赤鬼とは仲良くなったの?」
あずさ「うふふ、そうね~。実はまだ後日談があるのよ~」ペラッ
やよい「うっうー!今夜はもやしパーティですぅ!」
貴音「ふふっ、わたくしの宴会芸を披露させていただきます」スッ
バキンッ!
……。
亜美「……んん?」
あずさ「あら~、1ページ飛んでたわ~」
亜美「なんかお姫ち……じゃなくてカエルが割り箸割ってたよ」
あずさ「ごめんなさい~読み直すわね~」
亜美「……ううん、いいや」
あずさ「うふふ、めでたしめでたし。それじゃ次はどの本にしましょうかしら~」
亜美「そんじゃねそんじゃね、次はこれっこれっ」
あずさ「はいはい~」
つづく?
規制明けが嬉しくて何も考えず立ててしまった
今では反省している
乙樽
文才を感じる文章だった
Entry ⇒ 2012.02.19 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
真美「に、兄ちゃんも…その…一人で、するの…?」
真美「あ、うん…そ、それならもう真美見たよ!」
P「そうなのか?まあ今回は雑誌が出てからになってしまったけど…
・・・?真美?どうして俺から離れるんだ?」
真美「え!な、な、なんでもないよ!」
(学校で男子たちが話してた…あずさ姉ちゃんのグラビアでその…するって…)
P「真美?」 ツカツカツカ
真美(だ、だからきっと兄ちゃんも…自分で…自分のを…)
(し、知らなかった、そんなことするなんて…///真美のグラビアも…もしかして…)
P「おい、真美。」 ポンッ
真美「キャアアアッ!!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328021554/
真美「に、兄ちゃんも…その…一人で、するの…?」
伊織「ちょっと!何よ今の悲鳴!」
あずさ「あらあら~真美ちゃん顔真っ赤~」
伊織「ちょっとアンタ…前から変態だとは思ってたけど、到頭…」
真美「い、いおりん!違うってば!ゴキブリ!そう、ゴキブリが出たの!」
すまん書きためて無いんだ。気まぐれで書いたので。風呂はいる。
P「あ、ああ、俺こそ驚かせてしまったみたいでごめんな。」
ナンダー キヲツケナサイヨネ ウンメイノヒトハドコカシラー ゾロゾロ
P「じゃあその本は真美にやるから。夕方の撮影まで休んでてくれ」
真美「あ、うん…真美テレビ見てるね…」
小鳥「ゴキブリですって?新しいゴキブリホイホイ買ってこないといけませんね。」
ハイオチャデス
P「あ、音無さん。ありがとうございます。」
ジーッ
真美(兄ちゃんピヨちゃんの脚をじっと見てる!!)
小鳥「あらやだ!代えあったかしら…すいません。ちょっと外しますね」
パソコンカタカタ
美希「ハーニィっ!!」 ドンッ
P「おわっ!美希か。後ろからいきなりはやめてくれ…」
美希「早く会いたいから学校終わってダッシュで来たの!…ほら、ミキがドキドキしてるのわかる?」ギュムーッ
P「お、おいやめろ。わかった、わかったよ。だから離れてくれ。」
美希「や!ミキ疲れたからこのまましばらく充電するの!」
真美(兄ちゃん、口ではやめろって言ってるのに嬉しそう…やっぱり兄ちゃんも学校の男子と一緒なんだ…)
真美「あ、うん…」
美希「ハニー、いってらっしゃいのチューはー?」
P「はいはい。また今度な。」
真美(また今度って…今度っていつなんだろう…兄ちゃんミキミキとキスしてるのかな?)
真美「ね、ねえ。この衣装スカート短すぎない?」
春香「そう?いつもとそんなに変わらないと思うけど…」
真美(はるるんはわかってないよ…これじゃ気を付けないと下着見えちゃうじゃん…)
「それじゃー本番始まりまーす!3、2、1!スタート!」
コンニチハー ハイサイ! ワイワイペチャクチャ
P「…?真美の表情が硬いな?」
P「なんか脚をモジモジさせてる…はっ、もしや!」ピコーン
「オッケーイ!休憩入りまーす!」
真美「うう…結局パンツが見えないか気になって集中出来なかったよ…」
P「おい!真美!」グイ
真美「兄ちゃん!?」
P「全く…本番前に済ましておかないとダメだろう?」
真美「え?何が?」
P「場所がわからなかったのか?…ほら、ここだ。いってこい。待っててやるから。」
真美「え?ここってトイレ…」
P「?ずっと我慢してたんだろう?早くいってこい。漏らしちゃうぞ。」
真美「兄ちゃん…」
ツカツカツカ
P「え?お、おい。どうしたんだよ。」
真美(兄ちゃんのバカ。デリカシーがなさすぎるよ…)
P「うーん。何がまずかったんだろうか。」
真美(真美の足がモジモジしてるの見てたからかな…パンチラしないか気にして見てるからあんな勘違いしたのかな…)
真美「///」
P「今日の真美はリアクション控えめだなあ」
――後日
P「水着撮影か…真美も大分メディアへの露出が増えてきたな。」
「真美ちゃ~ん!いいよいいよーかわいいよー!」
真美「はい、ポーズ!」
「いいねいいね~。じゃあちょっとセクシーな感じでいってみようか~!」
真美「セクシー?え~と、こんな感じ?」
「そうそう!いいよいいよ!サイコ~!」
真美(みんな真美のこと見てる…考えてみたら今、真美、下着みたいな格好だよね…)
「かわいいよ!かわいいよ!真美ちゃ~ん」
カワイイヨ カワイイヨ クァイイヨ…
真美(男子は水着のグラビアでこーふんするって言ってた…ここにいる人達も…?)
真美(兄ちゃん…なんだか怖くなってきちゃったよ…兄ちゃん?)
P(真美も有名になってきたんだなあ)
真美(兄ちゃん…ニヤニヤしてる…真美のことエッチな目で見てるんだ…やだ…やだよお…)
「ま、真美ちゃん!?どうしたの!?」
P「お、おい真美!」
真美「あ、兄ちゃん…」 ニヤ~
真美「ヤダッ!!」 パシッ
P「ま、真美…」
真美「あ・・・ご、ごめん。そうじゃなくて…」
P「すいません!ちょっと休憩させてください!」
律子「それで?結局上にTシャツを着て、下はパレオで撮り直したんですね。」
P「ああ…でも今回はビキニで真美の元気さをアピールしたかったんだ…」
律子「困ったもんですね…私からもお説教しときましょうか?」
P「いや…もう少し様子を見させてくれ。どうも最近の真美はおかしい。」
律子「はあ…それならおまかせしますが…」
小鳥「くふふ…真美ちゃんの悩みはお姉さんが解決してあげるわ♪」
真美「あ、ピヨちゃん…」
小鳥「お仕事失敗しちゃったんだって?」
真美「うん…兄ちゃんにも迷惑かけちゃった…」
小鳥「大丈夫よ!この漫画を読めば真美ちゃんの悩みは解決するわ!」
真美「水色時代…?」
小鳥「ええ!思春期の揺れる心や悩みを描いた名作よ!読んでみて!」
真美「ふーん・・・?」
小鳥「そんな!?歴史的名作を!じゃ、じゃあこれはどう?『ないしょのつぼみ』!
これなら絵柄は今風でしょ?性の目覚めを描いた傑作よ!」
真美「ふーん… パラパラ… え、 やだ なにこれっ!」
小鳥「ど、どうしたの?」
真美「これ、ちょーえろいじゃん!ピヨちゃんのエロ!エロエロエロエロエロエロ!」
小鳥「ま、待って!最後まで読めばこの作品の素晴らしさが…」
真美「こんなの読んでるから彼氏できないんだよ!ベーっだ!」タッタッタ…
小鳥「なんですとー!」
真美「あ、ミキミキの写真集だ…ミキミキは恥ずかしく無いのかな…」
真美「…もうグラビアのお仕事やだな…えっちい目で見られたくないよ…」
真美「みんなはどう思ってるんだろ…」
真美「そろそろみんな帰ってきたかな…事務所に帰ってみよう」
「「おかえりー」」
春香「ねえねえ。ドーナツ作ってきたから真美も一緒に食べようよ。」
真美「うん!」(はるるんに、ゆきぴょん、まこちんにひびきんか)
雪歩「真ちゃん、少しつめて?」
真美「ありがと、ゆきぴょん!」
ワイワイ パクパク ワーオイシー
春香「よかった。」
真美「?何が?」
春香「真美、最近元気なかったみたいだから…心配してたんだ。」
真美「…そのことなんだけどね」
春香「え?どうしたの突然?」
真美「その…恥ずかしく無いのかなって…」
響「自分は全然へっちゃらだぞ!」
真「う~ん、僕も最初は恥ずかしかったけど、撮影で結構可愛い服着れたりするし…」
雪歩「わ、私は今でも苦手ですぅ…」
春香「私ももう慣れちゃったかな…」
真美「そっか…で、でもさ…男子はみんなのグラビアを見て…その…えっちい目で見たりするんだよ…。」
真「うわ!僕にふるなよ春香!… オッホン!ま、まあ少しくらいはお色気だって必要なのである!」
真美「…一人でされてても?」
雪歩「一人で…?」
真美「学校の男子が言ってた…その…男子はこーふんしたら一人で…その…する、って…
みんなのグラビアを、『オカズ』にするって…///」
「「・・・・・・・」」
そこが問題だな
響「じ、自分!犬美にエサをあげるの忘れてたぞ!」
雪歩「あ、じゃ、じゃあ私は穴掘ってきますぅ!」
真「お!そーいやーそろそろレッスンの時間だなー」
春香「あ、みんなずるい!私もトイレに行こっかな~っと!あはは!」
真美「ちょっと待ってよみんな!」
真美「なんかもういいや…ちょっと風にでもあたってこよう…」
トボ・・・ トボ・・・
キイ…
美希「あれ?どうしたの真美?」
美希「天気が良くて気持ちいいから風にあたってたの。真美こそどうしたの?」
真美「ミキミキと同じだよ…」
美希「どうしたの?なんか変なの。」
真美「なんかさ…疲れちゃって…」
美希「そっか。じゃあ、こうしてみるの!」 ごろーん
真美「わあ、ミキミキ!コンクリに寝転がったら汚いよ!」
美希「いいから、真美もやってみるの!」
真美「えー…」 ゴローン
真美「あ、本当だ…気持ちいい…」
美希「…」
真美「ねえ、ミキミキ…?」
美希「うん?」
真美「ミキミキは…その、水着のグラビアとか恥ずかしくないの?」
美希「?ミキが?恥ずかしい?」
真美「うん」
美希「ぜーんぜん!」
美希「?ミキは食べ物じゃないよ?よくわかんないけど、別にえっちい目で見られたって平気なの。」
真美「…なんでさ。」
美希「うーん。だってえっちい目で見られる。ってことはミキが魅力的だってことでしょ?だからむしろ嬉しいの。」
真美「よくわかんないよ…」
美希「…じゃあ、真美とハニーがデートをすることになったの。」
真美「えええっ!と、突然何をいいだすのさ!」
美希「たとえ、なの。そんな事ありえないの」
真美「…兄ちゃんムカつく!って思うと思う…」
美希「じゃあ、今度は海水浴です。とっておきの可愛い水着。ハニーはノーコメントです。これは?」
真美「やっぱりむかつく…水着褒めてよ!って思うと思う…」
美希「そういうことなの。」
真美「?さっぱりわかんないよ。」
真美「それは・・・兄ちゃんと学校の男子は違うもん…」
美希「ミキが魅力的ならハニーはきっと嬉しいの。だからミキはたくさんの人に魅力的って思ってもらうの。
そしたらハニーだってみんなが羨む世界一の恋人を持つことになってきっと嬉しいの!」
真美「…」
美希「それにハニー以外の人にどう思われようが全然へっちゃらなの。どんとこいなの!」
真美「…ぷっ、ははは…なにそれ…」
美希「ふふふ…ハニーには内緒だよ…えへへ…」
「いいよいいよ~!!いや~最高だね~!」 パシャパシャ
P(真美のやつ、緊張がなくなってる。すごくいい表情になってるな。)
「はい!終了でーす!」
真美「兄ちゃん兄ちゃん!どうだった?」
P「ああ!すごくいい!最高だったぞ!」
真美「にひひ~。興奮したっしょ?」
P「こーら、生意気いうな。」
真美「いいんだよ~素直になりなって!ところでさ…」
P「なんだ?」
真美「きょ、今日みたいな撮影のあとってさ…」
P「うん?」
真美「に、兄ちゃんも…その…一人で、するの…?」
完!
最初は真美やみんなの一人エッチ事情を書くはずがどうしてこうなった。
こういう綺麗な終わり方好き
Entry ⇒ 2012.02.17 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
美希「ハニー大好きなの」
P「ん?」
美希「呼んでみただけなの」
P「あんまりからかうなよ、忙しいんだから」
美希「ごめんなさいなの」
P「……」
美希「……」ジーッ
P「……」
美希「……ぷっ、あはははっ!
あーあ、またミキの負けかぁ」
P「勝手に人をにらめっこの相手にするな」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328804379/
美希「ハニー大好きなの」
P「お前お茶のわかし方知ってるのか?」
美希「はい、あげる」
P「ペットボトルかよ」
美希「これでハニーと間接キスなの」
P「……」ゴクゴク
美希「ちゃんと口つけて飲んでなのー!」
美希「もー……計画が台無しなの」
P「穴だらけだな」
美希「……」
P「……」
美希「……あ、雪」
P「うわ、ほんとだ」
美希「つもるかな?」
P「ちょっと降ったら止むんじゃないか?」
美希「そっかぁ」
P「わからないけどな。天気予報見てなかったし」
P「ん」
美希「最後は春になって雪だるまはとけちゃうんだけど」
P「ふむ」
美希「もしミキだったら、その雪だるまと一緒に南極まで行けばいいと思うな」
P「そうきたか」
美希「好きな人とだったらどこにでも行けるの」
P「まぁ、美希の場合はそうだろうな」
P「凄いな」
美希「ちなみに、もしミキがその雪だるまの方だったら」
P「うん」
美希「気合いでとけないの」
P「さすがに無茶じゃないか?」
美希「好きな人のためならそれぐらい出来るよ。
空だって飛べるかも知れないの」
P「美希らしいな」
P「……」
美希「いま、ミキすっごくいいこと言ったの」
P「自分で言うなよ」
美希「惚れる?」
P「まだまだ」
美希「ちぇーなのー」
P「お茶沸かして来るか……」
美希「ミキのもお願いするの」
美希「あふぅ」ズズズッ
P「甘いものがほしいな」
美希「何かないの?」
P「パッと見たけど切らしてるみたいだな」
美希「コンビニ行こうよ、コンビニ」
P「俺は事務所空けられないぞ」
美希「むー」
P「……小鳥さんのプリンとゼリーなら、ある」
美希「今日のおやつが決まったの」
美希「ダイエットのお手伝いなの」
P「怒られるぞ」
美希「ハニーがね」
P「納得いかん」
美希「んー、おいしい」モキュモキュ
P「……まぁいいか」
美希「後で考えればいいのー」
美希「はーい」
P「鍵の確認手伝ってくれ」
美希「まかせてなの」
P「……なんか仕事した気がしないな」
美希「ミキの癒やしパワーのおかげに違いないよ」
P「わかった、単にだらだらしてはかどらなかっただけだ」
美希「そんなのってないの!」
P「ほんとだな」
美希「明日の朝まで残ってるかな?」
P「もう雪はやんでるし、朝までは残らないんじゃないか?」
美希「気合いで残っててほしいの」
P「雪だるまでも作るのか?」
美希「プリンとゼリーの代わりにかき氷を冷凍庫に入れとくの」
P「お前な……」
P「なんか食べてくか。さっきおやつ食べたばっかりだけど」
美希「ミキ的には牛丼の気分かな」
P「マジかよ。俺はそばとかうどんとかの気分だわ」
美希「じゃあそれでいいよ」
P「いいのか?」
美希「肉うどん楽しみなのー」
P「肉の気分なのか今日の美希は」
P「俺は天そば一つ」
美希「ハニーと晩ごはん一緒なの久し振りだね」
P「そうだったか? まぁ最近はほとんど遅い直帰だからな美希は」
美希「お仕事増えてきて大変なの」
P「まぁ順調だな。こないだも化粧品のタイアップの話来てたし。
そのうちもっと忙しくなるかもな」
P「あんまり興味ないか? キラキラのピカピカになれるぞ。
美希にはぴったりの仕事だと思ったんだが」
美希「興味がないわけじゃないよ? ハニーが取ってきてくれたお仕事だし」
P「なら良いんだが」
美希「でもね、ミキ、最近ちょっと考えたんだけど」
P「ん?」
ご飯食べたりぼーっとしたりしてるときなんじゃないかなって」
P「おいおい、それじゃ困るぞ」
美希「困らせてやるの。
カメラもなーんにもないところでキラキラしてやるのー」ズゾゾッ
P「良い顔で食べるなぁ、肉うどん」ズゾゾゾ
P「ごちそうさま」
美希「これで今日もぐっすり眠れるの。
って言うかもう眠くなってきたの」
P「待て待て、ちゃんと帰って布団で寝ろよ」
美希「あふぅ」
P「腹膨れたら眠いって子供じゃないんだから勘弁してくれ。
ほら、行くぞ」
美希「うー……ある意味幸せなの」
明日は八時には事務所だぞ」
美希「了解なの」
P「気を付けて帰れよ」
美希「はぁい」
P「……いまいち心配だ」
美希「女の子は心配されてなんぼなの」
P「バカ言ってんなよ。さっさと帰れ」
美希「また明日なのー」フリフリ
P「はいはい」ヒラヒラ
美希「おはよーございますなのー」
P「おはよう。遅刻せずに来たな」
美希「一応プロだからね、ミキ」
P「頼もしいな」
美希「でもやっぱり眠いから、撮影中にあくび出るかも知れないの……あふぅ」
P「頼むから勘弁してくれ」
P「なにを?」
美希「お姫様を眠りから覚ます方法」
P「外の風に当たれば目も覚めるだろ」ガララッ
美希「あんまりなの! 寒いから窓閉めて!」
美希「付いてきてくれないの?」
P「次のライブの打ち合わせとこあるんだよ」
美希「そっか。ハニーも頑張ってね」
P「おう、ありがとう」
美希「ミキのために頑張ってね」
P「美希含めみんなのために頑張って来るよ」
P「聞き分けがよくて助かる」
美希「じゃあ行ってらっしゃいのチューを」
P「あ、お忙しいところすみません、765プロのPと申すものですが、
はい、はい、その件で少し確認したい事案がありまして、はい」
美希「こんなのってないの!」
P「あれ、美希? 直帰するんじゃなかったっけ」
美希「プリンとゼリー買ってきたの」ガサガサ
P「あー、そりゃ一足遅かったな」
美希「え?」
P「もう俺が買ってきた」
美希「えぇー。じゃあ今食べるの」
美希「ミキも」
P「……」
美希「……」
P・美希「「じゃんけんほいっ!」」
P「よっしゃあ!」グッ
美希「なんてこったいなの……」ガーン
P「じゃんけん弱いなー美希は」
美希「春香達にはそんなに負けないのにハニーには全然勝てないの。
なんでだろ」
美希「ミキのも負けてないと思うんだけどなぁ」
P「まだまだだな」
美希「ちょっと研究が必要なの」
P「と言うか、えらく自然に俺も食う流れになってるけどいいのか?」
美希「ふた開けてから聞くことじゃないよね」
P「まぁな」
これの隣にあったミックスフルーツのにすればよかったかなぁ」モキュモキュ
P「でもそれ昨日食べたやつとも違うよな。
なんでそれにしたんだ?」
美希「安かったから」
P「なかなかひどいなお前。
……あ、よく見たらプリンにも特売シールが」
P「ダメだ」
美希「まだなんにも言ってないの!」
P「どうせ『ミキもプリン食べたいから一口ちょーだいなの。あーん』とかだろ」
美希「ぐぬぬ……あ、じゃあミキのゼリー食べて!」
P「なにが『じゃあ』なんだか」
美希「はい、あーん」アーン
P「んうー」ンウー
美希「口あけてなの!」
美希「次は……次こそは……!」
P「あ、おい美希、口元にゼリーくっついてるぞ」
美希「えっ、どこどこ?」
P「右の方。美希から見て」
美希「ハニーに拭いてほしいなー」
P「ほれ」スッ
美希「何も箱ごとティッシュ渡さないでもいいと思うの!」
美希「あー、朝ちょっとさみしかったの」
P「今日はちょっとだけ暖かかったしな」
美希「春が来る前に一回ぐらいはつもってほしいかな」
P「まぁ一回ぐらいな」
P「もう帰った」
美希「そっか」
P「美希もあんまり遅くならないうちに帰る準備しろよ」
美希「ねぇ、ハニー」
P「なんだ?」
美希「いま、ミキたち二人っきり……だよね?」
P「いや、社長がいる」
美希「台無しなの!」
美希「あ、今日も晩ごはん連れてってくれるの?」
P「今日はちょっと遅いからな。また今度だ」
美希「急いで食べるから!」
P「身体に悪いぞ」
美希「食べない方がもっと身体に悪いの!」
P「まぁそれもそうだが……」
P「仕方ないな。と言うかまた肉かよ」
美希「お肉食べて運動したら、スタイルとかちょうどいい感じになるんだよ」
P「言っても牛丼チェーンの安肉だけどな」
美希「肉は肉なの。
ミキ的には千早さんももっとお肉食べたらいいんじゃないかなって思うな」
P「確かに説得力はある」
P「俺はしょっちゅうだけどな」
美希「もっと食べもの関係のお仕事とか来ないかな?」
P「そう言うのは大体貴音かやよいに回るからな。
美希のイメージとはちょっとズレる」
美希「そうなのかなー。ミキもグルメレポートとかしてみたいの」
美希「楽しみなの」
P「……食べるの早いのはいいが、また口元に米粒ついてるぞ」
美希「あれっ、ほんと? じゃあハニー、取ってー」
P「仕方ないな……」スッ
美希「お箸で取ろうとするのはあんまりだと思うの!
しかもミキの!」
美希「うん」
P「ごちそうさま」
美希「ごちそーさまなの」
P「しかし、牛丼食べるアイドルってどうよ」
美希「何人かミキのこと知ってたみたいだよ?
こっち見てひそひそ言ってたし」
P「……今度から牛丼はやめとこう。
有名になってきたのは喜ばしいが」
美希「えー」
美希「ハニーはすっごく馴染んでるの。ザ・サラリーマンって感じ」
P「まぁ実際サラリーマンだしな」
美希「ザ・普通の人。ザ・そこの人かな?」
P「なんかへこむからやめて」
P「お嫁さんなのに牛丼屋が似合うのはなんか嫌だ」
美希「そうかなぁ?」
P「もっとエプロンとかさ」
美希「あー、自慢じゃないけどミキはエプロンかなり似合うよ」
P「ほう? そうなのか。で、料理は?」
美希「今後に乞うご期待なの」
美希「はーい」
P「午後には俺も行くから、それまで頑張れよ」
美希「えっ、午後からずっと一緒なのっ?」
P「いや、ちょっと顔出すだけだ」
美希「ミキはハニーの逆サプライズで深く傷ついたの。
賠償としてハニーに癒やしを請求するの」
P「なんだよ癒やしって」
ミキをぎゅっと抱き寄せて、耳元で『美希、結婚しよう』って」
P「あ、もしもし、律子か?
明日の打ち合わせなんだけど、俺は近くの現場から直接行くから」
美希「こんなのってないの!」
美希「つーんなの」ツーン
P「口で言うのか。
まぁ、また明日な」
美希「えっ、なんのフォローもなしで帰る気なのっ?」
P「え? なにが?」
美希「ハニーは女心が全っ然わかってないの!
別れ際にほかの女から電話が掛かってくるなんてサイテーの中のサイテーなの!」
美希「そういう問題じゃないの!
もーっ、こんなんじゃバッドコミュニケーションなのー!」
P「何をそんなに騒いでるんだか。
まぁ、なにか至らないところがあったならすまなかったよ」
美希「……理由もわからず謝るのはもっとダメなの」
P「どうすりゃいいんだよ」
P「ふむ」
美希「『ごめん、俺美希の気持ち全然わかってなかった。だからお詫びにキスを』」
P「あ、もしもし、小鳥さんですか?
はい、今朝、机に置いてあった書類なら社長に」
美希「こんなんばっかりなの!」
美希「今度という今度は今度こそ怒ったの。絶対許さないの」
P「やれやれ。なぁ、美希」
美希「つーんなのっ」ツーンッ
P「今度の土曜日は午後からオフだったよな?」
P「そうか。俺は午後も仕事があるんだ」
美希「うん、ハニーは午後も仕事が……あれ?」
P「ん?」
美希「な、な、な、なんで?」
P「なんでって、そりゃお前たちのプロデュースがだな」
美希「そこは『お詫びに美希とデートするよ』って流れじゃないの!?」
美希「ハニーのバカぁっ!」ポカポカ
P「痛い痛い! あ、また律子から電話が」
美希「こんな携帯逆パカしてやるのーっ!」
P「うわっ、よせっ! 危ないって!」
どさくさに紛れてPに抱きついたりしてる星井美希は、
こんな日常が割と嫌いではない。
おわり。
俺も嫌いじゃない
こういうのも良いね
全裸正座で待ってる
ちゃんとネクタイしめろよ
P「俺をそう呼んでるのは美希だけだけどな。まぁ好きだな」
美希「えっ? ミキのことがっ?」
P「こんがらがってるぞ色々」
美希「なんだ……
『俺』と『美希』と『好き』がこれだけ狭い間隔で出てきたんだから、
間違いなく『俺は美希が好き』だと思ったのに……」
美希「で、ハニーは甘党なんだね?」
P「辛いのも好きだけどな」
美希「じゃあ、バレンタインにはチョコレートあげるね」
P「ほほう。期待しとくよ」
美希「任せてなの!」
P「チョコレートは甘いものの特に好きだからな。審査は厳しいぞ」
美希「……」
美希「……納得できないの」
P「何がだよ」
美希「ハニーはどんなに迫っても、ミキのこと好きって言ってくれないのに、
ミキ以外の物とか人には結構頻繁に『好き』って言葉遣ってるのが気にくわない」
P「いや、別にそんなことないだろ」
P「ん? そうだな。まぁ好きだろう」
美希「千早さんは?」
P「好きだな」
美希「やよいは?」
P「好き」
美希「ミキはっ?」
P「もしもし、こちら765プロのPと言う者ですが、
いえいえこちらこそお世話になっております、その節はどうも」
美希「だろうと思ったの!」
美希「かくなる上はバレンタインにはぶっちぎりのガッチガチ本命チョコを投げつけてやるの!」
P「はいはい」
美希「鼻血が止まらなくなるような強烈なヤツを一発お見舞いするから!」
P「火薬仕込むとかは勘弁してくれよ」
美希「愛情は爆発なの!」
P「テロだろもはや」
P「悪役のセリフだよな完全に」
美希「ふっふっふっ、一口食べたら絶対ハニーはミキにメロメロになっちゃうんだからね」
P「言っとくけど、俺はチョコは好きだがブランデーチョコはあんまりだからな」
美希「ハニーってひょっとしてエスパーなの?」
美希「あっ、もうこんな時間だったの。
行ってきまーすなのー」
P「気を付けてな。帰りは迎えに行くから」
美希「やったぁ!」
P「律子が」
美希「倒置法やめてなのー!」
美希「まさかほんとに律子……さんが迎えに来るとは思わなかったの……」
P「だからそう言っただろう」
美希「サプライズを期待したミキがバカだったって思う」
P「仕事上でのサプライズって、この業界ではトラブルって言うんだぜ?」
美希「ドヤ顔で追い討ちするのやめてほしいな……」
美希「ひとりで現場に行って、ひとりで家に帰る、でしょ?
はぁ……さみしくて死んじゃうの……」
P「そのはずだったんだけど、急遽予定が変わって俺もそっちに行くことになった」
美希「……どうせ『俺もひとりで行ってひとりで帰る』ってオチなの」
P「いや、美希と一緒にだ」
P「基本的には撮影してるところにいると思うぞ」
美希「……」
P「……」
美希「……わかったの。このあとの電話でまた予定が変わるが正解なの」
P「何言ってんだ。ほら、行くぞ」
美希「えっ、あれっ、うそっ、ほんとにっ?」
美希「正直全然信用できないの。どっかに落とし穴があると思うな」
P「ならひとりで行くか?」
美希「ハニーっ! 手繋いで行こっ!」
P「あ、もしもし、律子か?
言った通り、今日は予定を差し替えて美希の方の現場に行くから」
美希「右手は携帯、左手は鞄で塞がれてるの! でも今日ばっかりは許しちゃうの!」
俺はスタッフさんとかに挨拶してくるから」
美希「いつもの3倍ぐらいはキラキラするの!」
P「いつもそのくらいテンション上げてくれよ」
美希「限界の3倍なのっ!」
P「はいはい」
美希「ちなみにハニーのキスで最後の封印が……あれっ、もう居ないの!」
ちょっとした雑誌のカット撮影なのに、表紙を飾る勢いだ」
美希「ふぅっ、はいっ、次はどんなのですかっ?
え、小道具? このチョコをかじりながら? わかりましたなの!
このチョコを……チョコ……
あーーーーっ!!」
P「うおっ! なんだなんだ?」
P「? 何があったんだ……?」
美希(せっかくハニーに渡そうと思ってたチョコ、事務所に忘れてきちゃった……!)
美希「ありがとうございましたっ」
P「いやー、会心の成果だったんじゃないか?
頑張ったな、美希」
美希「あのねハニー、ほめてもらえてすっごく嬉しいんだけど、
ミキね、どうしても一回事務所に寄りたいの。出来るだけ急いで」
美希「……」ウルウルウル
P「わかったよ、一緒に行けばいいんだろ?」
美希「ハニーっ、ありがとうなのっ!」
P「まぁ今日ぐらいはちょっとのわがままなら聞いてやろう」
美希「そうと決まれば、光の速さで事務所まで帰るの!
ハニーも早く!」
P「無茶言うな」
事務所出るときにあせってすっかり忘れちゃってたの……)
P「なんか忘れ物か?」
美希「すっごく、すっっっっごく大事な忘れ物なの!」
P「そ、そうか。
そんなに大事なのに忘れるって、美希も相当おっちょこちょいだな」
美希「か……返す言葉もないの……」
美希「ミキ、ちょっと探してくるね!」
P「おう。手伝わなくて大丈夫か?」
美希「へーきなの! ハニーはそこで待ってて!」
P「あいよ」
美希(確か……ハニーが来るまで事務所の冷蔵庫に入れとこうとして)ガチャッ
なんでなんでなんでっ? 確かにここに入れておいたはずなのにっ)
ガサゴソガサゴソ
美希(どこ? どこにあるのっ? なんでここにないのっ? ううぅ……あっ!)
ガタッ
美希(そうだっ! ハニー来る前にハニーの机の上に置こうとして出したんだ!
そのあとすぐに出発したから、きっとハニーの机に……!)
パチッ
P「おいおい、探し物なら電気ぐらいつけてだな」
美希「……」
P「ん? 見つかったか?」
P「美希?」
美希「ハニーのために作ったチョコが……どこにもないの……」ウルウルウル
と言うか、それがない、って」
美希「う……ううっ……ご、ごめんね、ごめんね、ハニー……っ
ミキね……一生懸命つくったんだけど……っ……」ポロポロ
P「お、おいおい」
美希「ハニーに……喜んでもらえるかなって……っ……なのに……っ」ポロポロ
美希「で、でも、ミキが覚えてる場所にはどこにもなくて……」
P「じゃあ覚えてない場所にあるかもだろ? どんなチョコなんだ?
包装紙とかは何色?」
美希「えっと……ひっく……赤のチェック模様なの……」
P「赤のチェックね。それで、あるとしたら大体どの辺なんだ?」
P「なるほど、赤のチェックで、俺の机の上か。ふむふむ」
美希「誰かが……食べちゃったのかなぁ……」ジワッ
P「なぁ、美希、それってひょっとしてこんな包装紙だった?」ガサガサ
美希「あっ! それなの!
……でも、包装紙だけってことは、中身はやっぱり誰かが……」
美希「……なぁに? ハニー……」ポロポロ
P「それ食べたの俺だわ」
美希「……え?」
たまに小鳥さんが差し入れくれるんだよ。ちょっとしたお菓子とか。
それで、大概俺の机の上においてあるもんだから、てっきり今回もそれかと」
美希「……」
P「いや、すまん。まさか美希のチョコだったとは。
なんかずいぶん凝った差し入れだとは思ったんだがな」
美希「……」プルプル
向こうの昼休みに食べさせてもらったよ。いやぁ、なかなかうまかった、うん」
美希「……」プルプルプルプル
P「えーと、あー……美希?」
美希「……ねぇ、ハニー……なんでそれがミキのチョコだって気付かなかったの……?」
P「え? なんでってそりゃ、名前も何もなかったからな」
P「あぁ、あるぞ。バタバタしてて鞄に入れっぱなしだったからな」
美希「……そのチョコが入ってたところの、枠を取ってみて」
P「ん? これ取れるのか? よっと」スポッ
美希「……」
美希「もぉおおおおおおおおっ!!
ハニーのバカぁあああっ!!」ポカポカポカポカ
P「うおあっ! 美希、落ち着け美希! いや、俺が悪かったって!」
美希「ぜっっっっったい許さないの!!
人の本命チョコをよりによって小鳥のと間違えるなんて信じらんないの!!」ポカポカポカポカ
美希「許してほしかったらどうすればいいかちょっとは考えるの!
でなきゃ明日からストライキなのっ!」
P「わ、わかったわかった。えーと、そうだな……あ、そうだ。
ローソンおにぎり一週間食べ放題ってのは」
P「……ど、どうですかね?」
美希「ハニーはミキのこと好きなの!? 嫌いなの!?」バァン!
P「おわっ……そ、そりゃ好きだよ」
美希「……」
P「……」
美希「もっかいなの」
P「え?」
美希「いまのをもっかい言うの」
美希「……」ギュウーッ
P「うわっ! い、いきなりなんだよ」
美希「……今は気分がいいから、今回だけゆるしたげるの」ギュウーッ
P「わかったから、ちょっと離してくれないか?」
美希「いま離したら、いまだかつてない不機嫌になるの」ギュウウウーッ
P「はぁ、やれやれ……」
『ハニー、大好きなの! ハニーのアイドル、美希より』
とあった。
この後、某製菓会社のチョコレートのイメージキャラクターに美希が選ばれたことが、
美希のブレイクの大きなきっかけになるわけだが、
その話とこの話の関連は特になさそうである。
おわり。
おやすみ
おやすみ
久々にまったりしたよ
Entry ⇒ 2012.02.16 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
響「チョコさー」
書き溜め少ないけど。
レスしまくったら伸びるから頑張って
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329150994/
響「チョコさー」
響「何を作るんだ?」
春香「あ、響」
仕事を終えて事務所に帰ってきたら、なにやら春香が本とにらめっこをしながら唸っていた。
そんな難しい顔をしてどうしたさー?
響「あー、そういえばもうそんな時期かぁ」
春香「うん、だから日頃の感謝も込めてプロデューサーさんにあげようと思って」
響「プロデューサーにかぁ……いい考えだな、それ! 自分もあげるぞ!」
春香「うん、いいんじゃないかな。他のみんなもあげるみたいだし」
響「えっ、そうなのか? プロデューサー、モテすぎだぞ……」
春香「そうなんだよねぇ……」
春香「うん。お菓子作るの好きだしね」
響「よぉ~し、じゃあ自分も手作りにするさー!」
あ、でも自分、チョコなんて作ったことないぞ。普通の料理は得意なんだけどなぁ……。
春香「あ、じゃあこのレシピ本、貸してあげる」
どうしようかと悩んでいたら、さっきまで春香が読んでいた本を自分に手渡してくれた。
でもこれがないと春香も困るんじゃあ……。
春香「あはは、まだ家にいろんなお菓子の本があるから気にしなくていいよ」
響「春香……ありがとうだぞー! 自分、頑張って最高のチョコを作ってみせるさー!」
春香「うん、頑張って、響ちゃん」
響「さて、これで材料はレシピどおりに揃ったわけなんだけど」
ただの手作りじゃあ芸が無いぞ。春香はお菓子作りが得意だから普通に作ってたんじゃ到底敵わないし。
なにか、こうプロデューサーをびっくりさせて、ばっちり印象に残るチョコを作れないかなぁ?
響「そういえば最近のプロデューサー、ちょっと疲れ気味だったさ。なにか元気の出るものをチョコに入れたら喜んでく
れるかもしれないさー」
そうと決まればチョコに合って、元気が出る食材を探すぞ!
響「ふぅ~、ようやく完成だぞ!」
家に着いて台所で格闘すること数時間。なんとかチョコを作ることが出来たさー。
響「途中で失敗しちゃって自分が味見する分がなくなっちゃったけど……なんくるないさー!」
溶かしたチョコに元気の出る食材を入れて固めただけだし、たぶん味に問題はないはずさー。
響「プロデューサー、喜んでくれるかなぁ」
響「………………」
響「うぅ……」
自分のチョコを食べて喜ぶプロデューサーを想像したら、なんだか少し恥ずかしくなってきたぞ……。
響「明日が楽しみだぞ……」
響「はいさーい!」
P「あぁ、おはよう、響……って、あれ? 響、今日はオフのはずだろ? どうしたんだ」
響「うん、ちょっとね。……他のみんなは来てないの?」
P「仕事現場に直行だったり、オフだったりで俺一人だけだよ」
響「そっかー」
っていうことは自分が一番乗り? こいつは幸先がいいさー!
響「プロデューサーは現場に行かなくていいのか?」
P「あぁ、ちょっと事務仕事を溜め込んじゃって。今日は一日事務所にいる予定」
そう言いながら溜息を吐くプロデューサー。朝なのになんかもう既に疲れ気味だぞ。
P「ん? どうした、響」
パソコンとにらめっこしていたプロデューサーがくるりとこちらに振り向いた。
響「あ、えぇと……」
真っ直ぐな瞳に見つめられて思わず鞄の中からチョコを取り出そうとした手が止まる。
まずい……なんだかドキドキしてきたぞ。なんでこんなドキドキするんだ?
ただ日頃の感謝を込めてチョコを渡すだけだっていうのに。
P「響?」
響「別に深い意味なんてないんだからな!?」
P「うおっ!? どうしたんだ、急に」
響「べ、べべ別にどうもしてないぞ!」
うぅ……早く渡さないと他のみんながやってきちゃうぞ……。
えぇい、尻込みするなんて自分らしくないさー!
響「プロデューサー!」
響「はい、これ!」
P「これは?」
響「チョコだぞ! その……今日、バレンタインだから」
P「え? これ、俺にくれるのか?」
響「う、うん……」
P「………………」
響「………………」
うぅ……なにか言ってほしいぞ……。
響「あ……!」
プロデューサーが自分の差し出したチョコを満面の笑みで受け取ってくれた……!
やったぁ! やったぞ、自分! やっぱ自分、カンペキさー!
響「えへへー。それ、自分の手作りなんだ」
P「へぇ、響の手作りか。響、お菓子作りも出来たんだな」
響「いやぁ……」
完成するまでに結構失敗しちゃったけどなー。
P「じゃあ早速……」
ラッピングを開けて、チョコを口に運ぶプロデューサーをドキドキしながら見守る。
たぶん味に問題はないはずだけど……。
P「うん、なんか不思議な味がするけど……美味いよ!」
響「へへ~」
ぱくぱくとあっという間にチョコを平らげるプロデューサー。
もうちょっと味わって食べてほしかったけど、おいしそうに食べているからまあいいか。
響「プロデューサー、最近疲れてるみたいだったからな。チョコに元気の出そうなものを入れておいたんだ」
P「へぇ、何を入れたんだ?」
響「えーっと……マカ? っていうやつ」
P「…………え?」
響「マカのチョコレートが疲れに効くって聞いたことがあるから作ってみたんだー」
P「………………」
あ、あれ? なんだかプロデューサーが難しい顔をして黙り込んじゃったぞ……。
P「……大丈夫だよな?」
プロデューサーが心配そうに呟く。
……もしかして自分、なにかやらかしちゃったのか?
P「はぁ……はぁ……」
響「プ、プロデューサー? 大丈夫か?」
プロデューサー、なんだか苦しそうだぞ……。息も荒いし、顔も赤いし……。
響「も、もしかして自分の作ったチョコが原因か? ごめんよぅ、プロデューサー!」
P「いや、大丈夫大丈夫……平気だから。はは……」
全然大丈夫そうに見えないぞ……。
響「暖房が効きすぎてるのかな? 自分もちょっと暑いさー」
コートを着たままだから、ちょっと汗かいちゃったぞ。
P「って、なんでコート脱いでるんだ!?」
響「え? だって暑いし」
P「しかもなんでコートの下がそんな薄着なんだよ」
響「自分、暑がりだからなー。このほうが楽なんだ」
P「なんでよりによってこんな時に限って、そんな露出の高い服を……!」
あぁ!? なんかプロデューサーが机に突っ伏しちゃったぞ!?
P「ちょっ!? 響、くっつかないで! 今は不味い!」
うぅ……やっぱり自分の作ったチョコが原因なんだ。
P「む、胸が背中に……! あ、やばい……」
響「どうしたんだ、プロデューサー!? どこか苦しいのか!? 自分、擦ってあげるぞ!?」
P「さす……!? 大丈夫! 大丈夫だから! とにかく離れてくれ、響!」
響「でも……うぅ~」
P「あぁあ、響、泣かないでくれ……。くそ、こうなったら……」
響「プ、プロデューサー!?」
なんで机に頭を打ちつけてるんだ!?
P「ふぅ……ふぅ……これで少しは落ち着いた」
響「落ち着いた、じゃないぞ! おでこが真っ赤じゃないか!」
P「はは、これぐらいどうってことないよ」
響「もう……手当てするからちょっと待ってるさー」
たしか本棚の上に救急箱があったはず……って背伸びしても届かないぞ。
仕方ない。ピヨコの椅子を使わせてもらうさー。
P「ぶっ!? ひ、響! スカートの中がみ、見え……!」
響「ん? どうしたの、プロデュー……わわわッ!?」
P「危ない、響! ……ぐっ!」
響「あいてて……」
間一髪だったぞ……。プロデューサーが受け止めてくれなかったら自分も怪我しちゃうところだったさ。
響「あ、ありがとプロデューサー」
P「………………」
残っていたら続きを書かさせていただきます……。
P「うわあぁああぁあぁぁっ!」
響「うわっ!?」
P「うわああぁあぁぁぁあっ!」
ど、どうしちゃったんだプロデューサー!? 急に立ち上がったと思ったら、今度は壁に頭を打ちつけ始めたぞ!
響「ちょっ、プロデューサー、やめるさ! おでこから血が出てるぞ!」
P「フゥー……フゥー……モウダイジョウブダヨ、ヒビキ」
響「だから全然大丈夫そうに見えないって……あ、救急箱」
今の騒ぎで本棚の上から落ちてきたみたいさ。とにかく早くプロデューサーの手当てをしないと。
P「あ、あぁ」
響「………………」
P「………………」
プロデューサー、さっきからそわそわして落ち着きがないぞ。やっぱりあのチョコが悪かったのかなぁ……。
響「……はい、終わったぞ」
P「あぁ、ありがとうな、ひび……」
響「痛いの痛いのとんでけー」
P「うひゃあっ!?」
仕上げにおでこにふぅっと息を吹きかける。早く治るようにおまじないさー。
響「あ、プロデューサー、どこへ行くんだ!?」
P「煩悩退散煩悩退散煩悩退散……!」
響「うわあぁ! プロデューサーが壊れちゃったぁ!?」
給湯室に駆け込んだと思ったら頭から水をかぶりはじめたぞ!?
P「駄目だ、治まらん……このままだと……」
響「なにしてるんさ、プロデューサー! 早く拭かないと風邪ひいちゃうぞ!」
P「くっ……響!」
響「えっ……ひゃあ!?」
P「響……」
なんかプロデューサーの瞳が熱っぽいというか……。
P「早退するから、皆が来たらそう伝えておいてくれ!」
響「あっ、プロデューサー!? ……行っちゃった」
止める間もなかったぞ……。
やっぱりチョコのせいで体調を悪くしちゃったのかなぁ……息も荒かったし。
P「うぅ……いかん、全然治まらんぞ」
なんとか帰ってこれたのはいいが、どうしようかなぁ、股間のこれ。
ここのところ忙しくて自分でする暇もなかったからなぁ。
P「まったく、響のやつ、なんてもんを作るんだよ……いや、気持ちは嬉しかったけど」
顔を真っ赤にしながらチョコを差し出す響を思い出す。
普段、元気いっぱいな響からはちょっと想像出来ない姿だったから、なんだか新鮮だったな。
P「って、思い出してたらまた……」
先程の生々しい感触が甦る。
無防備すぎるんだよなぁ、響のやつ。もうちょっと女の子なんだっていう自覚を持たせないと……。
性欲が治まりそうにないから会社を早退する社会人って……とほほ。
P「えーと、エロ本は、と……ん?」
股間にテントを張ったまま部屋をうろうろしていたら、急にチャイムが鳴らされた。
無視しようかと思ったのだが、何回も執拗に鳴らされる。
これは出ないと帰りそうにないな……仕方ない。
P「はいはい、今出ますよー」
ちょっと不自然だけどコートで前を隠せばばれないだろう。
響「プロデューサーっ!」
P「うお!? ……ひ、響?」
ドアを開けたら、血相を変えた響が飛び込んできた。
P「ちょ、ちょちょ! 落ち着けって、響」
響「落ち着いてなんていられないぞ!
もしかしたら自分のチョコが原因でプロデューサーの体調が悪くなったのかもしんないし……」
P「いやまあ、あのチョコが原因といえば原因なのだが……」
響「やっぱりいぃ……」
目に涙を溜めながらこちらを上目遣いで見つめながら、心配をしてくれる響。
あ、やばい。また股間が……。
P「い、いや、大丈夫だから! 体調を崩したとかそういうのじゃないから!」
響「でもプロデューサー、苦しそうだぞ! 息も荒いし!」
まさか興奮しているせいだなんて言えないよなぁ……。
P「えぇ!? いや、それは悪いよ」
早く股間のモノをなんとかしないと不味いし、今の状態で響と同じ部屋なんてもっと不味い。
響「いいから! 自分のせいでこんなことになっちゃったんだ。ちゃんと責任を取らせてほしいさ!」
P「責任を取るって……」
い、いかん! つい邪な想像を……。
こうなってしまったら響はてこでも動かないからなぁ。大人しく従うしかないか……。
最後まで理性が保てればいいが……。
響「プロデューサー、お腹は空いてる?」
P「いや、大丈夫……」
響「………………」
P「………………」
響「なんでコート着たまま布団に入るんだ?」
P「寒いからかな……」
響「………………」
P「………………」
……気まずいぞ。プロデューサーは布団を被ったまま、そっぽを向いちゃったし。
やっぱり怒ってるのかなぁ。仕事も休ませるはめになっちゃったし……。
なんか悲しくなってきた……。
P「えぇ!? ど、どうした、響! どこか痛いのか!?」
響「ごめんよおぉ~、プロデューサー……自分のせいで……ひっく、うえぇ~ん……」
P「別に響のせいじゃないよ、ほら、俺なら大丈夫だから、泣き止んでくれよ」
響「た、ただ自分は……自分はぁ、プロデューサーに元気になって、もらいたくっ、てぇ……」
P「響……」
響「それなのに、自分、失敗しちゃって……ひぃ~ん……」
響「え……?」
P「その気持ちだけで充分嬉しいよ。それにこれは体調が悪いんじゃなくて……
そう、元気が出過ぎちゃっただけなんだ」
響「元気が……?」
P「あぁ、元気が有り余ってどうしたらいいか分からなくなっただけだから、響が心配することなんてないんだよ」
響「ほんとか……?」
P「うん。……ごめんな、余計な心配なんてかけさせて」
響「余計な心配なんかじゃないぞ!」
P「うお!?」
P「ひ、響……」
響「……あっ!」
つ、つい興奮してなんか変なこと言っちゃったぞ!?
それに思わずプロデューサーに詰め寄っちゃったし……。
うぎゃあぁ~、恥ずかしいぞ!
P「響!」
響「え……きゃっ!?」
ププププロデューサーっ!? なんでいきなり抱きしめるさ!?
なんかお腹の辺りに熱いものが当たって……。
これって、もしかしてプロデューサーの……。
元気が有り余ってるって……そういうこと!?
響「あ……あうぅ……」
P「響……響!」
プロデューサーの胸、すごいドキドキしてるぞ……。
身体も、ものすごい熱いし……。
もしかしてプロデューサー、自分で興奮してくれているのかな。
だったらちょっと……すごく嬉しいさー。
響「あ……痛い……!」
P「あ……ご、ごめん、響! 俺、その……!」
響「な、なんくるないさー。えっと……」
いつものプロデューサーでちょっと安心したぞ。
でも……。
響「プロデューサーになら……ちょっとぐらい乱暴にされてもいいぞ……?」
P「………………」
……プロデューサーの動きが止まった。
うぅ……やっぱ今のは大胆すぎたか?
でもプロデューサー、鈍感だからこれぐらい言わないと自分の気持ちに気付いてくれないだろうし……。
P「………………」
響「あ、あれ? プロデューサー?」
なんで無言のまま立ち去ろうとするんだ?
さすがにそれは自分、傷付くぞ……って、なに壁に向かって頭を振りかぶってるんだ!?
P「ふんッ!!」
響「プロデューサあぁあぁぁーっ!?」
P「……ん……あれ?」
響「あ、やっと気付いたさー。大丈夫か、プロデューサー?」
P「……どうして響に膝枕されてるんだ、俺?」
響「重くてベッドに運べなかったから。気絶するまで頭を打ち付けるなんてどうかしてるぞ」
P「いや、面目ない」
響「あっはは、なんくるないさー。それにプロデューサーはプロデューサーとしての責任を果たしただけだもんな」
P「え?」
P「……そうだな。そういうことは恋人同士がすることだ」
起き上がったプロデューサーが真剣な顔付きでこちらを見つめてくる。
響「そ、そうだよね! あはは、迷惑だったよな。ごめん、忘れてほしいさー」
P「いや、迷惑なんかじゃないさ」
響「そう、自分とプロデューサーはアイドルとプロデューサーの関係なんだから……」
あ、まずい……涙が出そうだ。
響「だから……な、なんくる……ない……」
泣いちゃ、だめだ……! 今、泣いたらプロデューサー、きっと困っちゃうぞ……!
響「…………え?」
P「好きだよ、響」
響「え? え? えぇ!? でもでもさっきは、プロデューサー、その……」
P「あのな、好きじゃない女の子を襲うほど俺は堕ちちゃいないぞ。
というか好きな女の子とじゃないと、そういうことしたくないし」
響「す、好きぃ!?」
P「あのままだと気持ちを伝える前に襲っちゃいそうだったから、ああするしかなかったの」
響「うあぁ……」
P「まったく可愛すぎるんだよ、響は。もう少しで我慢出来なくなるところだった」
響「………………」
なんかいろいろありすぎて頭がぐるぐるしてきた。
今度は自分が気絶しちゃいそうだぞ……。
響「ひゃ、ひゃい!」
P「返事がほしいな」
響「あ……その……」
言え! 言うんだ、自分! プロデューサーが好きだって!
響「あう……」
P「制限時間あと3秒ー。はい、3、2……」
響「だ、大好きだぞ、プロデューサー!」
響「んむぅ!? ん……んふ、っちゅ……ぅん」
プロデューサーの唇が突然、自分の唇を塞いだ。
あ、ちょっと甘い……これ、自分が作ったチョコの味かな。
響「……ぷはぁっ、はぁ、はぁ……」
P「もう我慢出来ないからな。……ちょっとぐらい乱暴にされてもいいんだっけ?」
響「わ、忘れて! それ、忘れて!」
P「いやぁ、あれは忘れられないよ」
響「うぅ~……その」
響「初めてだから……やっぱその、優しくして、ほしいさー……」
P「響……」
響「プロデューサー……」
P「ごめん、それ逆効果」
響「え、えぇ!? んっ、んちゅ、んん……」
あ……プロデューサーの舌が入って……。
響「んむうぅ……ぅん!?」
うあぁ……服、脱がされてるうぅ……。
大丈夫かな。プロデューサー、自分の身体を見てがっかりしないかな……?
P「綺麗だぞ、響」
響「う、うぅ~……!」
ここでそのセリフは卑怯だぞ、プロデューサー。
P「よいしょっと」
響「うわぁ!?」
お、お姫様抱っこ……。恥ずかしいぞ……。
優しくベッドに寝かされる。
なんだかんだ言ってもちゃんと優しくしてくれるから憎めないぞ。
響「……だめって言っても外すんでしょ?」
P「うん」
言うが早いか背中に手を回されてホックを外される。
響「……んっ」
P「おおぅ……これは……」
響「プ、プロデューサー、そんな、ん……! 胸、もまないでほしい、さー……」
P「すごい柔らかい……」
き、聞こえてない。
P「お、いい反応。そうかー、響はおっぱいが弱いのかー」
響「そんなこと、ない……ひゃあぁ!」
P「可愛いぞ、響」
響「んあぁ……プロデューサあぁ……胸ばっかり、いじめちゃやだぞ……」
P「じゃあスカート脱がすぞー」
響「あっ、ちょ、まっ……うああぁ」
スカートと一緒に下着まで下ろされたぁ……!
響「ううぅ……」
顔から火が出そうだぞ……もうまともにプロデューサーの顔が見れないいぃ……。
響「あっ……んうぅ……っ……ふあっ」
両手で顔を覆って隠していたら、プロデューサーの手に腕を掴まれてあっさりと引き剥がされ、唇を塞がれた。
プロデューサー、いじめっこだぞ……。
響「ちゅ……んぷっ……んう~、んんッ!?」
自分のあそこにプロデューサーの手が伸ばされた。
プロデューサーの指がゆっくりと優しくあそこの真ん中をなぞる。
んあぁ、じんじんするよぉ……!
響「へ、平気だぞ……なんたって自分、カンペキだからな……」
P「変に強がらんでもよろしい。まあそういうところも可愛いんだけど」
響「か、かわいいとか言うなぁ……!」
耳元で囁かないでほしいさ……頭がぼ~っとしちゃうぞ……。
P「ふむ」
響「……? プロデューサー? はあぁん……!」
耳を甘噛みされて思わず艶かしい吐息を漏らしてしまう。
それに気をよくしたのか、プロデューサーは耳、頬、首とくちづけしていく。
胸の先を強く吸われる。
プロデューサー、赤ちゃんみたいだぞ……。
響「んあっ、あ、あ、あぁっ……んうぅ~~~……っ」
もう片方の胸の先も指で抓まれ、全身がびくびくと跳ねる。
声を聞かれるのが恥ずかしくて堪えようとするが、我慢することが出来ない。
響「はぁ、はぁ、あうっ……うぅん……!」
胸、お腹と何回も何回もくちづけされる。
プロデューサーが自分のあそこにくちづけようと顔を近づけた。
抵抗しようとしたけど手に力が全く入らない。
響「ひあぁ……っ……だ、だめえぇ……!」
プ、プロデューサーが自分の、あそこを……。
響「んやあぁ……あ、あ……ひっ!?」
舌が……入ってくるうぅ……!
響「ひゃんっ!? え、え……!? い、今なにした、の……?」
下を見てみるとプロデューサーが指であそこの……を抓んでいた。
響「ふ、うぅ~~~……っ」
プロデューサーが指を動かす度にびりびりと電流が奔るような感覚に襲われる。
P「そろそろいいかな」
響「ふえぇ……?」
あまりの気持ちよさにぼ~っとしているとプロデューサーが自分のズボンに手を掛けて、一気にずり下ろした。
響「うわぁ!?」
あ、あんな大きいのが自分の中に入るのか!?
昔、風呂場でにーにのを見ちゃったことあったけど、ここまで大きくなかったぞ!?
響「う、うん……」
ちょっと怖いけど……女は度胸! どんとこいさー!
P「う……!」
響「ッ!? ……ぁ、は……!」
苦しい。
初めては痛いって聞いていたけど痛みとかそんなんじゃなくて苦しい。
自分じゃないものが自分の身体の中に入ってくる。
ただそれだけのことがこんなに苦しいなんて。
苦しいという言葉が口を衝いて出そうになる。
だけどプロデューサーのことだ。
そんなことを言ったら、絶対に自分を気遣って途中でやめちゃうだろう。
P「響……大丈夫か?」
響「ん……な、なんくるない、さぁ……」
P「痛いなら、もう……」
響「だめ! やめない、でえぇ……」
P「でも……」
響「う、嬉しいんだ……プロデューサーにこうして、もらえて。だからぁ……!」
響「う、うん……」
深呼吸を何度もして身体を落ち着ける。
苦しいのが和らぐまでプロデューサーは辛抱強く待ってくれていた。
響「ん……い、いいよ……」
P「あぁ……じゃあ動くぞ。きつかったらすぐ言えよ?」
響「うん……」
プロデューサーがゆっくりと身体を沈める。
途中、自分の中で何かがぷつんと切れた音がして痛みが奔ったが我慢した。
あぁ……自分の初めて、プロデューサーに奪われちゃったんだなぁ……。
気持ちいいのと苦しいのが押し寄せてくる中で、じんわりと湧き上がってきたその喜びを噛み締める。
プロデューサーの身体がリズミカルに動く度に、自分の身体が跳ねる。
だんだん苦しいのにも慣れてきたのか、気持ちのいい波が全身に奔りはじめた。
響「あ、あぁっ、ふあぁ……うやあぁあ」
気持ちよすぎて思わず猫の鳴き声みたいな声が漏れる。
P「くっ、響……響ぃ!」
名前を呼ばれる度にあそこが切なそうにきゅんとなるのが分かった。
響「んやあぁ……プロ、デューサー。プロデューサー、ぷろでゅーさあぁ……!」
身体が一際大きくびくんと跳ねた。
その拍子に心がどこかに飛んでいっちゃうんじゃないかと不安になる。
P「響? イっちゃった?」
響「あ、うぅ……」
プロデューサーが何かを言っていたが応えることが出来ない。
気持ちよすぎて頭がぼぉ~っとしたまま帰ってこれない。
自分がどこかに行っちゃいそうで、なんだかとても怖かった。
響「プ、プロ、プロデューサー……ぎゅって、抱きしめて……?」
P「あぁ」
響「ん……んぅ、っちゅ……んふぅ」
優しく抱きしめられながら何度も何度もついばむようなキスを繰り返す。
怖いのとか切ないのとかで胸がいっぱいになって、涙がぽろぽろと零れた。
P「大丈夫……大丈夫だよ、響」
優しい言葉とともに、ぎゅっと力強く抱きしめられる。
プロデューサーの身体……あったかい……。
その温もりをもっと感じたくて自分もぎゅっとプロデューサーの身体を抱きしめる。
P「くっ……響、そろそろやばいから……離し……!」
響「プロデューサー……ぷろでゅーさあぁ……!」
P「く、あ……やば……!」
響「あ……ああぁ……~~~~っ!!」
P「………………」
響「………………」
P「えっと……ごめん」
響「い、いや……自分が抱きついて離さなかったのがいけないんだし」
P「………………」
響「………………」
P「……ふふ」
響「……あはは」
どちらからともなく笑みが零れる。
P「うん?」
響「……えへへ、なんでもないぞ」
隣で寝っ転がるプロデューサーの顔が照れくさくて見れなかったので、ぎゅっと抱きついた。
……ん?
響「な、なんでまたそこ、大きくしてるんだー!?」
P「そんなこと言われても……響のチョコが効き過ぎて」
響「うっ……」
た、たしかにそれは自分のせいだけどさぁ……
P「というわけでもう一回戦」
響「えぇ!? ちょっと待っ……あぁん!」
響「うぅ……プロデューサーのばかあぁ……」
P「いやー、すまんすまん」
結局あの後、プロデューサーの精が尽きるまで何度もした。
もう自分の中、プロデューサーのでいっぱいだぞ……。
響「もうチョコはこりごりさー……」
P「自分でやっておいてなんだけど、響、身体は大丈夫か?」
響「ん……平気だぞ」
ゆっくりとお腹をさする。
じんわりとお腹の中が温かい。
その温もりがプロデューサーに愛してもらえた証のように思えて、とても愛おしかった。
響「プロデューサー」
P「ん?」
響「……かなさんどー」
fin.
エロは難しいね!
チョコを咥えながらディープキスするチョコレートプレイとかやりたかったけど
そんな余裕はどこにもなかった。
響かなさんどー
また書いてくれ
誰もいない事務所にて
響「プロデューサー、お腹空いたぁ。なにか食べにいこーよー」
P「まだ事務仕事が残ってるから無理」
響「えぇ~、自分もうお腹ぺこぺこだぞ」
P「一人で食いに行ってきなよ。俺のことは構わないでいいからさ」
響「プロデューサーと一緒がいいんだ!」
P「そんなこと言われてもまだ終わりそうにないしなぁ……」
P「あ、そうだ。これならあるぞ」
P「響ってチョコとか嫌いだったっけ?」
響「いや、ちょっと苦い思い出が……」
P「チョコなのに苦い思い出とは……ははは、こやつめ」
響「プロデューサー、それ全然面白くないぞ」
P「う……じゃあこれでどうだ?」
響「……チョコを咥えてなにやってんの?」
P「くちうふひ(口移し)」
響「そ、そんな恥ずかしい真似出来ないぞ! 誰か来たらどうするのさ!?」
響「だから……」
P「ん」
響「う、うぅ……」
P「ん……」
響「ん……んむ、ちゅっ……ちゅぷ……んあ、はぁ……」
P「ふぅ……」
響「うぅ……顔から火が出そうだぞ」
P「なんだかんだ言ってもちゃんとキスしてくれる響が好きだよ」
響「ば、ばかぁ……」
~事務所の外~
貴音「………………」
貴音(面妖な!)
終われ
素晴らしいぞ
Entry ⇒ 2012.02.15 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
小鳥「あーぁ、ここ最近みえないなぁ」
P「?」
P「どうしたんですか?ため息なんかついて」
P「悩み事なら相談にのりますよ?」
小鳥「!」
小鳥「えっと、なんでもないです~ありがとうございます」
支援
前→P「最近視線を感じる」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328193809/
小鳥「あーぁ、ここ最近みえないなぁ」
小鳥「誰かに見られてるんですものね」
小鳥「今の世の中なにがあるかわからないから怖いですものね」
P「えぇ…」
P「早くなくなれば良いんですけどね」
小鳥「はぁ…今日もカーテン閉まってる」
小鳥「プロデューサーさんが誰かに見られてるなんて可哀想な話放っては置けないし」
小鳥「まぁ当分は様子見かな」
小鳥「でもやっぱり隣に引っ越して私が守ってあげた方がいいのかな?」
小鳥「これ以上のハッピーエンドはないわね」
小鳥「そうと決まれば近いうちに引っ越ししましょう」
小鳥「あ、でもその前に今日は…」
P「俺の部屋の前に肉じゃががあったんですよ」
小鳥「味はどうでした?」
P「おふくろの味って感じでしたね」
P「さすが大家さんは料理はうまいですよ」
小鳥「それくらい料理が上手な人と付き合ってみたいですか?」
P「?」
P「結婚する相手が料理上手だったら毎日が幸せになれる気がします」
小鳥「…」
小鳥「大家さんは結婚なさってるんですか?」
P「いや、もう高齢の夫婦ですよ」
小鳥「そうですか」
小鳥「やった、プロデューサーさんに料理美味しいって言ってもらっちゃった」
小鳥「…でも大家さんと勘違いしてるのよね」
小鳥「あ、今度は…」
小鳥「これでよしっと」
小鳥「どんな反応とってくれるかな」
小鳥「どんな残業も頑張れそうね」
小鳥「妄想が激しくなっちゃうわ」
小鳥「でも我慢我慢」
P「またお裾分けがあったんですよ」
小鳥「よかったですね」
P「で、それに手紙があって新しい入居者がはいったそうなんですよ」
小鳥「そうなんですかぁ」
P「はい、男性か女性かまだ知らないんですけどね」
小鳥「挨拶もきてないんですか?」
P「俺が帰ったのが遅かったので…」
小鳥「やっと引っ越しも終わって今日からやっとこの部屋で生活できるのかぁ」
小鳥「…真横にはプロデューサーさんが」
小鳥「きゃー!」
小鳥「それにプロデューサーさんに料理作ってあげる約束もしちゃったし…」
小鳥「もう彼女じゃないですかー!」
小鳥「…下着をプロデューサーさんの部屋に」
小鳥「プロデューサーさんがこれを使って…」
小鳥「えへへ」
小鳥「きゃー!」
小鳥「ご飯作っておいてあげましょう」
小鳥「今日もドアノブにかけておけばいいかな?」
小鳥「うん!そうしましょう」
小鳥「…あ、プロデューサーさん帰ってきたみたいね」
小鳥「ご飯喜んでくれるかなぁ」
小鳥「それと私の下着…」
小鳥「戻って来なくても本望だわ!」
小鳥「下着戻ってきちゃった…プロデューサーさんって意外とマジメ?」
P「ん?俺がどうかしたんですか?」
小鳥「あ、えーと何でもないですよ?」
小鳥「それより視線の方は大丈夫ですか?」
P「あぁ、最近はまったく視線がなくなりましたね」
小鳥「それじゃあ問題解決ですね」
小鳥「?」
P「隣に引っ越してきた人は女性でしたよ」
小鳥「どうしてわかったんですか?」
P「…えーと、直接会ったので」
小鳥「…」
小鳥「そうなんですかぁ」
小鳥(下着で判断したんですね?わかってますよ)
P「昨日もお裾分けがあったんですけど…」
P「それが美味しいのなんのって」
小鳥「いいですね~」
小鳥「私もお隣さんに負けないように料理頑張らなくちゃですね」
小鳥「あ、プロデューサーさんの好物ってなんですか?」
P「俺の好物ですか?」
P「オムライスですよ」
小鳥「プロデューサーさんって意外とお子様なんですね」
P「いいじゃないですか」
P「小鳥さん最近仕事終わるの早いですよね」
小鳥「最近よくお買い物に行くもので…」
P「買いだめしてないんですか?」
小鳥「…最近よく食べちゃって」
P「あ、もしかして彼氏でもできたとか?」
小鳥「…」
小鳥「内緒です♪」
小鳥(あとはプロデューサーさんが告白してくれるのを待つだけだし)
P「なんで隠すんですかぁ」
P「でも小鳥さんの手料理食べれる人ってうらやましいですよね」
小鳥「!」
小鳥「いきなり何を…」
小鳥(ドキドキ)
P「あ、あぁ…今のは気にしないでください」
P「まぁ今度食べられるしいっかー」
小鳥「…」
小鳥(告白はお預けかぁ…)
小鳥(あ、今日私から告白しちゃお)
P「はい、気をつけてくださいね」
小鳥「はーい」
小鳥「あ、楽しみにしててくださいね?」
小鳥(今日の告白を♪)
P「?」
P「はい」
小鳥(あ、プロデューサーさんも期待してる目をしてるわ)
小鳥「とりあえずイタズラとして…また下着をプロデューサーさんのベランダに」
小鳥「この前は返されちゃったけど今日はどうかしら…」
小鳥「今晩の夕食はプロデューサーさんの好物のオムライスにして」
小鳥「一緒に食べましょう」
小鳥「…そういえばプロデューサーさんって鈍そうだから今まで見てたってことも教えてあげようかしら」
小鳥「今夜も星がきれい…」
小鳥「春香ちゃん達が星を見たくなるのもわかるわ」
小鳥「…」
小鳥「あ、なんて言ってプロデューサーさんを驚かせようかなぁ」
小鳥「…そういえば挨拶ちゃんとしてなかったからアレでいこう」
小鳥「…帰ってきたみたい」
小鳥「下着も戻って来ない…」
小鳥「私の下着で」
小鳥「嬉しいわぁ」
小鳥「よし、覚悟決めて行くのよ小鳥!」
小鳥「この告白成功させるの!」
P「はーい」
小鳥「すみません、隣に引っ越してきたものですけど」
P「あ、今開けますね」
ガチャ
小鳥「…オムライスです」
P「…」
小鳥「あ、それとなんで今まで私の視線に気付いてくれなかったんですか?」
小鳥「だから引っ越してきちゃいました、あと誰かから見られてるって言ってたから守る意味も込めて」
小鳥「誰からの視線だったんでしょうね?」
小鳥「それと、私の下着…持ったままでいいですよ?」
P「…」
P「…小鳥さん」
小鳥「どうしたんですか?」
P「今、言った事って…」
小鳥「視線に気付いてくれないから引っ越してきたってことですか?」
P「…」
小鳥「前はお向かいのマンションからプロデューサーさんを見てたんです」
P「…」
小鳥「でも、プロデューサーさんが誰かに見られてるっていうから心配で隣に」
小鳥「どうしたんですか?黙っちゃって」
P「…」
P「今までの視線の正体は小鳥さんだったんですね」
小鳥「?」
小鳥「またまたぁ」
小鳥「私はプロデューサーさんが心配で」
小鳥「はい?」
小鳥(ついに告白?私からしようと思ってたけど…)
小鳥(やっぱり告白は男性からよね)
P「俺、小鳥さんの事…好き…」
小鳥「私もです!」
P「…だったんですよ?」
小鳥「え?」
P「俺の悩みに真剣に付き合ってくれて…」
P「ホントに…」
P「告白までしようと思ってました」
小鳥「犯人ってなんのことですか?」
P「だから、今まで俺を見てた犯人が小鳥さんじゃないですか」
小鳥「それはプロデューサーさんを思って…」
P「ですが人の生活を覗き見たり、隣に引っ越してくるのはさすがに怖いです」
P「…」
小鳥「あ、もしかしてプロデューサーさん私の他に好きな人がいるからそんなことを言うんじゃないですか?」
小鳥「どうなんですか?」
P「…いませんよ、彼女なんて」
小鳥「やったーじゃあ私と付き合ってくださいね?」
P「…」
小鳥「ほら、オムライスが冷めちゃうじゃないですか」
P「…」
小鳥「…」
P(…どうしよう)
P(怖い…)
小鳥「さぁ」
P「…」
小鳥「食べてみてください」
P「…」
P「もし、おつきあいを断ったら…」
小鳥「…うふふ」
P「…美味い」
おわり
大層乙であった
乙
相変わらず面白いわ
若干ホラーなのな
いいと思います
Entry ⇒ 2012.02.09 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「はぁ…レンタルですか?」
小鳥「おはようございます。プロデューサーさん、社長が少しお話ししたい事があると言ってましたよ」
何だろう?
最近は特に問題も無いはずなんだけど
P「わかりました」
俺は 社長室のドアをノックし、ドアを開いた
社長「やあ、おはよう」
P「おはようございます」
社長「早速なんだが君にこんな話があるんだ」
社長は俺に封筒を差し出してきた
それを受け取り中身を確認する
内容は
とあるプロダクションへの3ヶ月間のレンタル移籍と書いてあった
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328426651/
P「はぁ…レンタルですか?」
社長「知り合いに大手のプロダクションの社長がいてね。そこが人手不足だから君を貸して欲しいという事だ」
P「はあ…」
社長「どうするかは君に任せる。ウチだって暇では無いからね」
P「…」
社長「明後日までには返事をくれたまえ。以上だ」
P「はい、失礼します」
レンタルか…どうするかな?
ウチも最近は仕事が軌道に乗り、安定している
他の所で挑戦するのも悪くない
小鳥「社長、何の話だったんですか?」
P「俺の移籍の話です」
小鳥「ええっ!?プロデューサーさん、辞めちゃうんですか!?」
P「3ヶ月間のレンタルらしいですよ」
小鳥「断りますよね?」
P「え?何でですか?」
小鳥「プロデューサーさんがいなくなっちゃったら皆はどうするんですか?」
P「その辺は社長がカバーしてくれるらしいです」
小鳥「そんな…そちらではどんなお仕事をするんですか?」
P「レコーディングスタジオでのディレクション業務みたいですね。だから特に誰かをプロデュースするわけではありません」
小鳥「プロデューサーさんはそれで良いんですか?」
P「音楽と深く関われるしとても魅力はありますね」
P「かなり前向きに考えています」
音楽の仕事に専念できる…俺もたくさんの事が学べて良い事ばかりだ
今日一日考えて答えを出そう
決断は早い方がいい
春香「おはようございます」
小鳥「春香ちゃん、おはよう」
P「おはよう」
小鳥「春香ちゃん、プロデューサーさんがね…」
P「音無さん、ダメです」
小鳥「プロデューサーさん…」
春香「?」
人が少ないから仕方が無いが、俺のプロデューサー像と大きく離れてしまっている
皆とは当時はそれなりに仲良く過ごしてきたが、仕事が軌道に乗ってからは挨拶と最低限の会話くらいしかしていない
P「本当に…良い機会かもしれないな」
春香「何が良い機会なんですか?」
小鳥「…」
P「何でも無い、気にしないでくれ」
春香「はあ…」
アイドルの皆が昼食をとっている
俺は変わらず自分の席で座ったままだ
皆が俺に仕事の事以外で話しかけてくる事は無くなった
特に寂しくは無いが現実はこんなものだ
変な噂の種にならないし、これで良い
美希「ハニー、それ何?」
P「美希か、別に何もない」
星井美希…彼女だけは例外だ
何も無い時でも俺に話しかけてくる
美希「この紙……え?」
P「おい、勝手に読むなよ」
美希「ハニー、今すぐこの紙捨てて」
美希「ダメ!!ダメなの!!そんなの絶対にダメ!!」
美希が声を張りあげるから皆が俺の所に集まってくる
真「美希、どうしたの?」
雪歩「美希ちゃん、ちょっと怖いですぅ…」
響「ケンカはダメだぞ!!みんな仲良くだ」
美希「だって…ハニーが居なくなっちゃう!!」
P「美希、余計な事を言うな」
真「プロデューサーが居なくなる?」
響「え?辞めちゃうのか?」
P「辞めない。何でもないから皆は戻ってくれ」
俺は何とかその場を収めた
美希を除いた皆は戻って行った
P「別に辞めるわけじゃない。出張みたいなもんだ」
美希「やだよ…お願い、断って…断って欲しいの」
P「俺は受けようと思っている」
美希「みんなは…みんなはどうなるの?」
P「社長と律子がバッチリフォローしてくれる。問題ない」
美希「ハニー…」
P「そろそろ仕事の時間だろ?行っておいで」
美希「わかった…ハニー、その紙ちゃんと捨ててね?」
小鳥「プロデューサーさん。美希ちゃんもあんなに止めてたんですから…この話はお断りにしませんか?」
P「いえ、気が変わりました。今すぐ返事をします」
小鳥「受けるんですか?」
P「はい、それが俺にとってベストな選択だと信じています」
小鳥「そうですか…」
P「社長に返事をしてきます」
俺は席を立ち社長室へ行く
そしてこの話を受ける事を伝えた
美希「みんな!!どうしよう…ハニーが辞めちゃうの!!」
春香「プロデューサーさんが?まさか」
千早「そう言えば最近はまともに話もしていないわね」
やよい「私はあいさつくらいしかしてませんね~」
美希「みんな!!そんなのんきな事言ってる場合じゃないの!!」
春香「小鳥さん。今朝の事、ですよね?」
千早「今朝?何かあったの?」
美希「ハニー…やだよ…ミキ、死んじゃいそう…」
小鳥「ええ、実はね…」
千早「そうよね、いくらなんでもそんな簡単に辞めたりはしないわ」
美希「みんな何もわかってないの!!」
春香「美希、3ヶ月くらいならプロデューサーさんが居なくても大丈夫だよ」
千早「最近は安定して仕事もあるし、あちらからのオファーも増えたから問題無いわ」
律子「私も居るわ。だから問題無いわよ」
春香「律子さん、何時の間に」
律子「さっきから居たわよ。失礼な」
美希「みんな…レンタルからの完全移籍って珍しく無いんだよ?」
千早「そうね、私もそう思うわ」
律子「私もプロデューサーなんだからみんなのサポートくらい余裕よ」
やよい「難しい話はよくわからないです」
美希「男の人は…やり甲斐のある仕事の方を優先するんだよ?ハニー…かなり前向きだった」
春香「まあまあ、今日はもう帰ろうよ」
千早「そうね」
やよい「帰りましょう」
美希「…ハニー」
俺は事務所には行かず、レンタル先のスタジオに向かった
中規模のレコーディングスタジオだがとても雰囲気の良いスタジオだ
スタッフやエンジニアに挨拶し、今日は色々と中を見させてもらった
久し振りに心が躍るような気分だ
明日からここで俺の仕事が始まる
楽しみだ
律子「みんな、私も立派なプロデューサーよ。彼が帰って来ても居場所が無いくらい頑張るわ。よろしくね」
春香「本当に行っちゃったね。でも少しの間だし、全然問題無いよ」
真「最近は存在感も無かったし大丈夫。ボク達だけで十分やれるさ」
伊織「そうかしら…私はかなり不安よ」
亜美「いおりん、どったの?」
真美「だいじょぶだよ。真美たちお仕事いっぱいあるし」
響「そうそう、現場でもすぐに次の仕事の話が来るから大丈夫だぞ」
伊織(その仕事は…誰が取ってくるのよ)
美希「ハニー…ミキもそっち行きたいの…」
歌の収録以外にもインストゥルメンタルのレコーディングやナレーションもあり、大変ながらも楽しい時間が過ぎた
P「はあ…疲れた」
エンジニア「その割には楽しそうに仕事しますね」
P「ええ、楽しいですよ。やりたかった仕事をやってるんですから」
エンジニア「ウチも人手不足だから助かりますよ。ずっと居れば良いのに」
P「そんなうまい話は無いですよ。ははは」
エンジニア「…そうでもないんですけどね」
千早「そうね、今の所はプロデューサーが居なくても大丈夫みたい」
真「ボク、今日も新しい仕事の話が来たんだよ。だからプロデューサーが居なくても大丈夫」
雪歩「そう、なのかなぁ…」
あずさ「でもやっぱり寂しいわ…」
亜美「今日も平和な一日であった…」
伊織(居なくなってすぐに影響が出るわけ無いじゃない…)
律子「今日一日みんなの管理をやってみたけど問題無いわ。いける」
春香「さすが律子さん」
伊織「そろそろ定例ライブの準備はしなくて良いのかしら?」
律子「おっと、いつもは彼がやってたから忘れてたわ」
伊織「…不安ね」
俺は仕事にも慣れ、今ではしっかりとスタジオワークが出来るようになった
こちらの社長も喜んでくれ、俺もこの仕事に対する熱意が益々燃えあがる
P「お疲れ様でした」
エンジニア「お疲れ様です。今日は少しハードでしたね」
P「いえいえ 、まだまだいけますよ」
エンジニア「社長があなたを凄く気に入ってましたよ」
P「そうですか。それは光栄です」
エンジニア「もうウチでいいじゃ無いですか」
P「そんな上手くは行きませんって」
エンジニア「そうかなぁ?」
今日も楽しかった
日高愛って言う子の収録の時は少し耳が痛かったが…
歩いていると春香が本屋から出て来た
プライベートな時間だ、そっとしておいてやろう
俺は春香の前をそのまま通り過ぎた
そしてしばらくすると…
春香「プロデューサーさん!!」
P「ああ、どうしたの?」
春香「何でそのまま通り過ぎたんですか!?」
春香「ウソ!!目が合いました!!」
こいつ…こう言う所だけは鋭いな
これからは誰かに会ったらその道は通らないようにしよう
P「ごめん、プライベートの邪魔をしたく無かったんだ」
春香「プロデューサーさん、私服ですね」
P「スタジオワークだからな」
春香「そうですか」
P「じゃ、気を付けて帰れよ」
春香「はい…」
俺は春香と別れその場を去った
春香(いつもは…会ったら駅まで送ってくれたのに…)
P「はい、なんか用か?」
美希「用が無いと電話しちゃダメって法律はないの」
P「そうだね。どうしたの?」
美希「ハニーに会いたいの…ミキ、もう1週間もハニーの顔見てない…」
P「まだ1週間だぞ?」
美希「やなの!!ハニーに会いたいの!!」
P「勘弁してくれ。明日は休みだからゆっくり寝て過ごすよ」
美希「律子が今日美希の仕事のスケジュールの調整が出来てなくて大変だったの」
P「すぐに慣れるよ」
美希「ハニー…帰って来てよ」
美希「ハニー…美希、寂しくて死んじゃうよ?」
P「それくらいで死なないでくれ」
美希「やだ、やだ、ハニー…」
P「もう切るぞ…」
美希「ハニー!?…切れちゃった…ミキ、本当に死んじゃいそう…」
起きると身だしなみを整え街に出た
レコーディングの資料を買いに行くためだ
P「今日はゆっくりできるな~」
しばらく歩いていると
P「やばい…美希だ、回り道しよう」
まだかなり遠い距離だ。気付かれるはずも無い
俺は少し小走りで違う道を行った
そして本屋の前には
美希「ハニー、何で逃げたの?」
美希「お休みの日に走って本屋に行く事なんて滅多に無いと思うな」
P「お前は何してるんだよ、仕事は?」
美希「遅刻して怒られた。帰れって言われたからここに居るの」
P「お前、遅刻なんてした事無いじゃないか」
美希「律子が撮影の時間を勘違いしてこうなったの」
P「じゃあ、謝りに行かなきゃ…律子は?」
美希「竜宮小町の現場」
P「社長は?」
美希「春香の現場」
P「…」
P「謝るしか…無いだろ」
美希「でも、美希帰れって言われて…もう無理なの」
P「そんなわけにもいかないだろ、悪いのは全面的に765プロなんだから」
美希「ハニー…助けて…」
P「わかった…俺が一緒に謝りに行く。お前もちゃんと頭下げろよ?」
美希「うん、ミキ…ちゃんとする」
P「じゃあ、行くぞ」
美希「はいなの!!」
意外にもそこまで腹が立ったわけでは無いらしく何とかこの場は収まりそうだ
P「本当に申し訳ありませんでした」
監督「いや、こっちも撮影中は気が立っちゃってね」
P「これ、差し入れです。みんなで食べてください」
監督「悪いね、後で頂くよ」
P「あの、美希の事…よろしくお願いします」
監督「大丈夫だよ。そろそろ始めようか」
P「はい!!美希、行ってこい」
美希「はいなの!!」
今日は働いたのと変わらない一日だった…
P「お疲れ様」
美希「ハニー、助かったの」
P「そう、じゃあ俺は帰るな」
美希「ダメ!!美希と一緒に居るの!!」
P「帰らせてくれよ…俺、疲れたよ…」
美希「ミキが癒してあげるから大丈夫なの」
P「お前といると疲れるよ…」
美希「そんなのってないの!!」
P「とにかく俺はもう帰る。じゃあな」
俺は足早にその場を去った
美希「ハニー…」
P「俺も最初はよくミスしたな…音無さんが一緒に謝りに行ってくれて…」
そう、律子もまだ駆け出しだ
竜宮小町はそれなりに売れているが律子はまだまだキャリアが浅い
P「人数が多くて大変だけどすぐに慣れるさ」
そして1時間後、電話に着信
画面を見ずに通話ボタンを押す
P「はい」
千早「あの、私です」
P「うん、何か用?」
千早「明日…歌の収録があるんです」
P「そう、頑張って」
千早「少し教えていただきたい所があって…今から良いですか?」
千早「律子の携帯にかけたのですが…疲れて寝てしまってるみたいで…」
P「まあ、自分で曲の解釈をしてみろ。それも勉強だ」
千早「それが難しくて…お願いします」
P「俺は疲れた。もうダメ」
千早「お願いします…」
P「切るぞ?」
千早「お願い…します」
あ、やばい…少し涙声だ
P「ごめんなさい。駅前の喫茶店で会おう」
千早「はい…」
すでに千早は着いていたようだ
P「遅くなった」
千早「プロデューサー…お疲れの所すみません」
P「いいよ、早速やろうか」
千早「はい…お願いします」
俺は千早の持ってきた譜面にチェックすべき所を書き込み伝えた
作業自体はそんなに時間はかからず20分くらいで終わった
千早「助かりました」
P「そう、それなら良かったよ」
千早「プロデューサー、あの…」
P「じゃあ、俺帰るな」
俺は伝票を持ちレジへ向かった
千早「プロデューサー、何か冷たいわね…」
プライベートだからな…と言うわけにはいかない
P「やよい、買い物?」
やよい「あ、プロデューサー」
P「こんな遅くに買い物なんだな?」
やよい「はい、半額セールなので」
P「そう、家まで送るよ」
やよい「はい!!お願いします!!」
やよいは放置出来ない
まだまだ子供だからな
やよい(プロデューサーはいつでも優しいな)
レンタル移籍をしてから1ヶ月が過ぎた
俺はこの職場での信頼を得る事が出来、もっと深い所まで作品作りに関わらせてもらって居る
エンジニア「あの、これ…社長からです」
P「ん?…へえ」
エンジニア「何です?」
P「レンタル期間が1ヶ月延長らしいです」
エンジニア「おお、それはいい事だ」
P「俺も楽しいしちょうど良いですよ」
エンジニア「このままずっと延長が続きますよ」
P「まさか、そんな事は無いですよ」
エンジニア「それはどうかな?」
狙ってるな...
俺は765プロに向かった
必要になった私物を取りに行くためだ
事務所に着きドアを開けた
小鳥「プロデューサーさん、お久しぶりですね」
P「そうですね。みんなはどうです?」
小鳥「ははは…まあ、何とか」
P「それを聞いて安心しました。取りにきたものがあるだけなのですぐに行きます」
小鳥「お茶くらい…」
P「お気遣いありがとうございます。お気持ちだけ受け取っておきます」
小鳥「はい…何かプロデューサーさんが遠いなぁ」
P「はい?」
小鳥「何でもありません…」
あずさ「お久しぶりです」
伊織「あんた、ちょっとくらいは顔出しなさいよね」
P「あれ、律子は?」
伊織「打ち合わせでライブ会場に残ってるわ。少し準備が遅れててね」
P「そう、大変だね」
伊織「そんな事よりたまには顔出しなさいよね」
亜美「おやおやぁ~?いおりんは兄ちゃんが居なくなってさびしいのかにゃ~?」
伊織「そうよ。悪いの?」
亜美「あれ?…いおりん?」
伊織「とにかく、まだあんたはここの人間なんだからたまには来なさい。わかった?」
P「ああ、そうするよ」
伊織「ふん…」
その途中の服屋で美希が服を広げて物色中だった
プライベートだからな…
俺はそのまま駅に向かった
そして駅前に着いた所で
美希「ハニー、何で声かけてくれないの?」
P「いや、買い物の邪魔したら悪いじゃないか…」
美希「ハニーより大事なものなんてないの」
P「はあ…俺行くわ」
美希「ハニー!!あと2ヶ月も我慢できないの!!死ぬの!!」
P「悪い、1ヶ月延びた」
美希「」
P「おい!?美希!?」
美希「ダメなの!!ハニー!!ハニー!!ハニー!!ダメダメダメダメダメダメ!!!!!」
P「おい!!叫ぶな!!」
やばい…こいつはもう有名人だ
このままだとワイドショーの美味しいエサだ
P「美希!!こっちこい!!」
美希「あ!?お姫様抱っこなの!!」
そこに2人で座っている
美希「お姫様抱っこのままで良いのに」
P「お前、アイドル続けられなくなるぞ」
美希「ハニーのお嫁さんになるから問題ないの」
P「お前な…」
美希「何で延びたの?」
P「そりゃあ、俺があっちにいる間は765プロにも金が入るからな」
美希「でも、ミキはハニーと離ればなれはイヤなの」
P「あと3ヶ月の我慢だよ」
美希「ミキ…待てないよ…今でももう死にそうなの…」
美希は俺に抱きついてきた
P「おいおい…こんな所でダメだろ。離してくれ」
美希「や!!」
美希「や!!」
P「仕方ないな…」
俺は美希を抱えたまま公園の人気のない茂みの方へ行った
P「ほら、美希…」
美希を抱きしめた
すると美希の身体が一瞬反応したが特に抵抗は無かっ
美希「ハニーから抱きしめてもらうの…初めて」
P「お前は本当に手がかかる子だ」
美希「ミキ、ちょっとだけ泣いてていい?」
P「いいよ」
美希「ありがとなの…」
身体を離すとすぐに激しく泣き出してしまうからだ
P「もういいだろ?ほら」
美希「えへへ…お礼にミキの事、襲っていいよ?」
P「そんな事はしない」
美希「ミキ、ハニーとならどこでも良いよ?」
P「お前はまだ明るい時間に何をしようとしてるんだ」
美希「じゃあ暗くなってからまたここに来ようね」
P「だめだこいつ…何とかしないと」
美希「でも、やっぱり寂しいよ…」
美希は家の前でも俺を抱きしめ離さなかったが何とか離れることが出来た
そして道を歩いていると
響「…」
真「…」
あれ?何か険悪な雰囲気だな
でもプライベートだからな…
俺は道を変えて駅に向かった
貴音「貴方様…」
P「貴音か、久しぶりだな」
貴音「はい…」
P「顔見れて良かったよ。気を付けて帰れよ」
P「ん?」
貴音「何でも…ありません」
P「そう、じゃあ」
貴音(心配をかけては…いけない)
貴音も何か元気が無かったな
まあ、何かあれば相談でもして来るさ
俺は特に気に留める事も無く自宅へ戻った
千早からだ
P「はい」
千早「お忙し所すみません、あの、歌の事で…」
P「律子に聞いてくれ」
千早「聞いたのですが…わからないって」
P「じゃあ一緒に考えろ。それも勉強だ」
千早「でも、収録は明日なんです」
P「悪い、仕事中なんだ。切るな」
千早「あっ…どうしよう…」
P「今日はもう疲れた…何もする気がおきない」
俺も人間だ。ずっと動き続ける事は出来ない
申し訳ないけどね
定例ライブはどう言うわけか竜宮小町のワンマンライブに変更されたみたいだ
何らかの狙いがあるんだろう
P「終わった~」
エンジニア「お疲れ様です」
P「今日はストリングスのオケが良い感じで録れましたね」
エンジニア「はい、私は天才ですから」
P「ええ、本当にいい腕してますよ」
エンジニア「コンビも定着しましたね」
P「ええ、いい仕事が出来そうです」
エンジニア「社長があと2ヶ月延ばしたいって」
P「へぇ~」
エンジニア「いひひ…」
ただ、まだ3ヶ月残っている
俺としてもギャラが多くもらえるので特に問題はない。やり甲斐もある。
ただ、その後の定例ライブはまた竜宮小町のワンマンだった
大きく売り出すのか?
携帯が鳴った。春香からだ
P「はい」
春香「千早ちゃんが…引きこもってしまいました」
P「…は?」
P「そうだな、心配だから様子を見てくる」
春香「お願いします…あの」
P「ん?まだ何かあるのか」
春香「いえ…失礼します」
春香からの電話を切り出掛ける準備をする
何か、元気が無かったな
春香「お仕事…減っちゃったな…」
何と無く…黒いオーラが見えるような…
P「千早、俺だ。開けてくれ」
少しすると扉が静かに開いた
千早「プロデューサー…」
P「お前、どうしたんだよ?」
千早「私…もう歌えません」
P「何言ってるんだ…しっかりしろ」
千早「失敗ばかりでもう歌いたくないです…」
P「ひどいな…入らせてもらうぞ」
千早「あ…部屋、散らかってますから…」
俺は取り敢えず掃除を始めた
P「少し片付けたらメシ作るから待ってろ」
千早「あ…そっちは下着があるので…私が」
P「ん、わかった」
簡単に掃除をし、冷蔵庫の残り物で焼き飯を作り千早に食べさせる
千早「…おいし」
P「どうしたんだ?お前が歌えないだなんて」
千早「歌の収録…上手くいかないんです」
P「律子は?あいつがいるだろ」
千早「忙しそうで取り合ってくれません」
千早「歌いたいです…けど…」
P「けど…」
千早「どうすればいいかわからない…相談できる人もいない…もう駄目です」
P「あ、そうだ」
千早「?」
P「ウチのスタジオに来いよ。それなら俺がアドバイス出来るし」
千早「良いんですか?」
P「ああ、明日話しておくよ」
千早「じゃあ、歌います」
P「よし、それで良い。俺は帰るぞ」
千早「あの…明日まで…そばに居てくれませんか?」
P「千早、不安だったんだな…悪い事したな」
反省しないといけない
次からはみんなからの話はちゃんと聞こう
千早「プロデューサー…うふふ…」
P「明日、ちゃんとしておくからな」
俺は千早の手を握ったまま目を閉じた
そして深く眠りについた
千早「プロデューサー…す、き…」
俺は千早の部屋を出てすぐにスタジオと765プロに千早の事について話をした
その結果千早のレコーディングは無事に完了し、千早の引きこもりも解決した
そして数日後
エンジニア「何か、1ヶ月だけ帰還命令が出てますよ?」
P「え?何でだろ?」
エンジニア「まあ、久しぶりにあちらの仕事でも楽しんで来ればいいじゃないですか」
P「そうですね。じゃあ、ちょっと行ってきます」
エンジニア「お早いお帰りを~」
P「はい」
エンジニア「最後の情けですよ…いひひ」
少し雰囲気が暗いが特に変わった様子も無いようだ
P「おはようございます」
小鳥「おはようございます。お久しぶりです」
P「どうもです、じゃあ仕事しますか」
小鳥「お茶淹れてきますね♪」
P「ありがとうございます」
あれ?
ホワイトボードが真っ白じゃないか
ダメだな、面倒くさくてもちゃんと書かないと
春香「お仕事…ありません」
真「何かいきなり契約切られちゃいました…」
響「自分は1ヶ月仕事してないぞ…」
千早「プロデューサー!!ドラマの主題歌のお話を頂きました!!」
P「千早、空気を読もうな」
千早「はい!!」
P「とにかく…レッスンある奴は行ってこい。仕事は俺が適当に見つけておくから」
俺はみんなをレッスンに出してから営業の電話をした
ある程度の仕事の目処をつけた所で昼になった
小鳥「プロデューサーさん、お疲れ様です」
P「久し振りなんで疲れますね」
小鳥「ふふっ♪」
小鳥「体調を崩してて先週からお休みです」
P「そうですか。風邪かな?」
小鳥「午後からは竜宮小町のお仕事があるんですけど」
P「ああ、俺が行きますよ」
小鳥「良かった…社長も年で手が回らなかったんですよ」
P「社長も大変ですね。でもやり手の人ですから安心ですよ」
小鳥「はい…そうですね」
伊織「顔出せって言ったでしょ」
P「ごめんな。でも忙しかったから」
伊織「行くわよ」
伊織は俺と手を繋いできた
お兄ちゃんっ子なんだろうな
亜美「もう~本当にいおりんは兄ちゃん大好きなんだね~」
伊織「そうよ、大好きよ。これで良い?」
亜美「あ…うん…いいよ」
あずさ「あらあら~」
そう言えば竜宮小町を連れて仕事って初めてだな
新鮮で面白い
伊織「~♪」
皆には明日からの仕事の事について説明すると何か安心したのかの様な表情で帰って行った
P「何だ?明日の仕事の話をしたくらいで」
小鳥「…」
P「伊織、早く帰れよ。暗くなっちゃうぞ」
伊織「迎えが来るまでまってるの。それよりもこっち来なさい」
P「はいはい」
伊織は俺をソファに座らせた
伊織「…」
静かに俺の膝の上に腰をおろした
P「伊織はお兄ちゃんっ子なのか?」
伊織「そう言う事にしておくわ」
伊織「あら、早く帰らないと暗くなるわよ?」
美希「伊織、何してるのかな?」
伊織「え?座ってるわよ」
美希「どこに?」
伊織「プロデューサーの膝の上だけど?」
美希「離れて」
伊織「迎えが来たら離れるわよ」
美希「ダメ!!今すぐ!!離れるの!!」
伊織「イヤよ」
小鳥「ぴよぴよ」
伊織は迎えが来ると素直に俺から離れて事務所を出たのだった
P「美希、帰るか」
美希「ミキもするの」
P「伊織乗せたままだったから痺れてる。無理」
美希「治るまで待つの。いつまでも待つの」
P「はあ…もういいよ。おいで」
美希「うん!!」
俺は足の痺れを残したまま帰宅した
美希は対抗心が強いんだな…
女の子が大勢いるんだ。喧嘩だってあるだろう。
P「律子は…まだ治らないんですか?」
小鳥「ええ、過労らしいです」
P「へえ、そのうち治るでしょう」
小鳥「はい…」
P「俺があっちに戻るまでに定例ライブやりますよ」
小鳥「大丈夫ですか?…その、一人で準備とか…」
P「慣れてしまえばそんなに大変じゃないですよ」
小鳥「そうですか…」
小鳥(律子さんが定例ライブ放棄したって聞いたら…怒るだろうな)
それであんな人気あるんだから実際は凄腕だよねあのティーンエイジャー
確かにこのPが最強過ぎるんだよな
今まで使っていた会場は使えないと言う事らしいので、同じ様な規模の会場を押さえ、スタッフを準備する
一日あれば充分だ
あとはプロモーションと皆のレッスンだな
俺は夕方になるとみんなを集めた
P「いきなりだけど俺がやりたいから来週定例ライブやるよ」
そう言うと皆が嘘の様に喜び出した
何かあるのか?
いつもやってる事なのに
新鮮な気持ちを失わない良い子達だ
最近は少し仕事を入れ過ぎて恨みを買うかと不安だったが皆文句一つ言わずに取り組んでくれる
この子達にはもう俺の力は必要ないなと思えるくらいの働きぶりだった
P「俺が疲れた」
千早「プロデューサー、聞きたい事が…」
P「お前はいつもついて来て金魚のフンみたいになってるぞ」
千早「はい、それで良いです」
美希「ハニー!!ミキの事も無くちゃんと相手するの!!」
伊織「ダメよ、今から彼は竜宮小町のレッスンに付くんだから…」
俺は伊織に引きずられながらスタジオに入った
真美「兄ちゃん、何か話があるの?」
P「ああ、お前3ヶ月もCD出してないじゃないか」
真美「だって…りっちゃん…」
P「今日お前に合いそうな曲を制作会社から引っ張って来たから2日で覚えてすぐに録るぞ」
真美「うん…わかったよ!!」
P「ちゃんと練習しとけよ」
真美「わかった~!!」
これで良い
律子は音源にはあまり力を入れない方針なんだろうな
でも、真美は喜び過ぎだろ
大袈裟だな
短い期間のプロモーションだったが満員御礼でなかなか悪くない結果だった
律子も復帰していたので仕事は順調に進んだ
律子「終わりましたね…」
P「ああ、相変わらず竜宮小町はすごいな」
律子「私のユニットですから」
P「うん、さすが律子だ」
律子「はあ…」
P「あと2週間か…張り切って行こう」
律子「…」
皆は笑顔で賑やかだ
律子も復帰したし一安心だな
特に誰にも話しかけられる事も無く打ち上げは終わった
P「さて、帰ろう」
伊織「待ちなさい」
P「早く帰って寝たいんだけど」
伊織「あんた、1ヶ月こっちに来てるけど契約期間はどうなってるの?」
P「ああ、だから1ヶ月延びるよ」
伊織「もう断りなさい」
P「大丈夫だよ。律子も復帰したし」
俺は伊織の頭を撫でてこの場を去った
伊織(来月から…大丈夫かしら)
皆の力量と体力にはただただ頭が下がる思いだ
美希も千早も精神的に安定して来た様だ
毎日が楽しそうで安心した
そして765プロでの仕事の最終日の朝になった
春香「はい、わかりました」
真「心配しないでください」
やよい「お仕事忙しいけど頑張ります」
美希「ハニー…」
伊織「…」
小鳥「プロデューサーさん、やっぱり明日からはあちらなんですか?」
P「ええ、まだ契約が残ってますから」
皆元気そうだから大丈夫だろう
俺は早目に帰宅し、明日の準備をして寝た
やはり色々な音楽に触れると刺激になる
夢中になって仕事をし、一日が終わった
エンジニア「久しぶりの仕事はどうですか?」
P「いやあ、やっぱり良いですね」
エンジニア「まだまだ先は長いですからじっくり行きましょう」
P「そうですね」
エンジニア「明日はかなり忙しいですよ?」
P「余計にやる気が出ますよ」
エンジニア「そうですね…ふひ」
俺はオフなので適当に街を歩いている
前から春香、千早、真が歩いて来る
楽しそうに話している
女の子は笑顔が一番だ
プライベートだからな…
俺は声をかけずに通り過ぎた
やはり服を物色していた
あいつはかなり遠い所でも人の事を感知出来るみたいだ
俺は踵を返し、公園でゆっくりする事にした
公園に入りベンチに向かう
美希「ハニー、何で避けるの?」
P「何の事?」
美希「目が合ったの」
合ってません
P「あのさ、お互いオフの時にまで仕事関係の人間と関わるのってしんどいだろ?」
美希「わけがわからないの」
P「お前たちは10代の女の子なんだから一応気を使ってるんだよ」
美希「ミキには必要ないよ。あと寂しくて死にそうなの。死ぬの」
P「まだ1週間で何言ってるんだよ」
美希「律子は竜宮小町ばっかりで皆の事見てないよ?」
P「まさか、単に竜宮小町のプロモーション中なんだろう」
美希「そうなかぁ…」
P「何を?」
美希「この寂しさを解消する方法」
P「ふ~ん」
美希「でもハニーのお仕事の邪魔はダメ」
P「理解してくれて嬉しいよ」
美希「一緒に住めば解決なの」
P「じゃあ、さようなら」
美希「ハニー…そんなのってないの」
俺は美希を公園に残して自宅に戻った
伊織「どこ行ってたのよ」
P「いや、ちょっとぶらぶらと」
伊織「まあいいわ。別に怒ってないし」
P「ありがとう」
伊織「ふん…」
P「伊織…」
伊織「何?」
P「どうやって入ったの?」
伊織「それを聞いてどうするの?」
P「あ、そうだね…ごめん」
伊織「あるわ、かなり大事な話よ」
P「そうか、じゃあ聞くよ」
千早の時の事を考えると無視は出来ない
伊織は竜宮小町だ。何かあったら大変な事になる
伊織「あんた、あのスタジオ行くのやめなさいな」
P「何でだよ。せっかくの良い機会なのに」
伊織「あんたがいない時の765プロは大変な事になっていたのよ」
P「社長と律子がいるから大丈夫だよ」
伊織「社長はあんたみたいにタフじゃないの。律子はまだ19歳よ」
P「でも、皆の笑顔で送り出してくれたじゃないか」
伊織「私は皆みたいに平和ボケしてないの」
伊織「男がでもでもとか女々しく言わないの!!」
P「…ごめん」
伊織「何でそんなにあっちの仕事が良いの?皆の事が嫌いになったの?」
P「…」
伊織「私の事も…嫌いなの?」
P「…違うよ」
伊織「だったら…どうして…」
P「男が…夢を追うのはいけない事か?」
伊織「夢?」
P「プロデューサーの仕事って…アイドルのマネージャーじゃないと思うんだ」
P「もちろんいろんな経験は必要だ。だから今までやって来た事は意味があると思うんだ」
伊織「だったら…このままで良いじゃない」
P「でも、俺はもっと上に行きたい。ちゃんとしたプロデューサーを目指したいんだ」
伊織「…」
P「律子がプロデューサーになった時はこれでやっとプロデューサーらしい事が出来ると思ったら…勝手に竜宮小町作って…」
伊織「耳が痛いわ…」
P「来る日も来る日も営業とマネージャーの日々…あと3ヶ月くらい夢を見る事がそんなに悪い事か?俺はそんなに765プロに貢献出来ていなかったのか?」
伊織「そんな事は…無いわ」
P「だから、少しで良い…俺にプロデューサーの仕事をさせて欲しいんだ」
P「伊織…」
伊織「そうね、少しの間くらい私達で頑張れなくてどうするのよ」
P「うん、だからその間は皆で頑張って欲しい」
伊織「やっぱり男は大きい夢を持っている方が良いわ」
P「伊織 、ありがとう」
伊織「私が好きな男なんだからそれくらい野心があって当然だわ」
P「?」
伊織「私…あんたが好きよ」
伊織「違うわ、一人の男としてよ」
P「そうか、ありがとう…」
伊織「どういたしまして」
P「でもな、俺たちは…その、ダメだろ?」
伊織「今は無理ね。でも、気持ちを伝える事くらいは良いでしょ?」
P「そうだね…でも意外だな」
伊織「何が?」
P「だってさ、アイドルの皆は仕事意外だと俺とはほとんど話が無いから…」
伊織「まあ、仕事も増えてきてありがたみが薄れたからじゃない?」
伊織「何で?都合の良い様に使われて空気扱いなのよ?」
P「美希みたいに懐いてくれる子もいるし、伊織みたいに好きだと思ってくれている子もいる」
伊織「…」
P「そしてありがたみが無くても良いよ。俺は別に感謝されたいわけじゃないし、それが当たり前の日常であればそのままで良い」
伊織「私は…嫌よ」
P「皆が楽しくやっていけてたら良いじゃないか」
伊織「あんたが走り回って取ってきた仕事が当たり前の事だと思われるのは腹が立つわ」
伊織「もう止めない。あんたもその間は皆の相談に乗る必要も無いわ」
P「でも、千早なんかは結構危なかったし…」
伊織「バカじゃないんだから自分でなんとかさせるわよ。あと携帯出しなさい」
俺は自分の携帯を伊織に差し出す
すると伊織はそれを取り上げ自分の持っている携帯を手渡してきた
伊織「それ、家族用だから皆からはかかってこないわ。両親にも話しておくから心配せずに使いなさい」
P「うん、ありがとう」
P「それはまずいだろ」
伊織「しばらくは事務所に来ないんだから甘えさせなさいよ」
P「じゃあ俺はソファで寝るか…」
伊織「あんたはここの主でしょうが。ベッドで寝なさいよ」
P「伊織がソファ?」
伊織「私は客よ?そんなの嫌だわ」
P「…じゃんけん?」
伊織「一緒に寝れば良いじゃない」
伊織「好きな人に甘えるくらい別に良いでしょ?」
P「俺…男だよ?」
伊織「信じてるわ。別に何かされても裏切られたとは思わないけど」
P「でもなあ…」
伊織「もっと気楽に考えれば良いじゃない。一緒に寝れば話し相手も出来るし暖かいわよ?」
P「そう考える事にするよ」
伊織「そうそう、素直が一番よ。お風呂入ってくるわ」
P「…いってらっしゃい」
そしてベッドに向かうと伊織はすでにベッドに潜っていた
P「あのさ」
伊織「どうしたの?」
P「何で何も着てないんだ?」
伊織「失礼ね、下着は着けてるじゃない」
P「パジャマは?」
伊織「私はいつも下着で寝るの」
P「はぁ…」
伊織「もっとくっつきなさいよ。一緒に寝る意味がないじゃない」
伊織「良いわね、早速してちょうだい」
伊織を抱き寄せて腕に彼女の頭を乗せる。
空いた手を背中に回して密着させた
伊織「これは良いわね。とても幸せな気分よ」
P「そうか、良かった」
伊織「やっぱり今日はエッチな事しないでね」
P「最初からしないよ」
伊織「よく考えたら明日は早いのよ。だから次の時までお預け」
P「だからしないって」
伊織「あんたなんか伊織ちゃんが本気出したらすぐにでも襲いかかりたくなるはずよ」
P「そうだね」
伊織「そうよ…にひひっ」
伊織は普段の気の強さとは裏腹にとても可愛い寝顔だった
伊織「そろそろ起きなさい」
P「ん…朝だな」
伊織「おはよう」
P「はい、おはよう」
伊織「男って本当に朝はそうなるのね」
P「何が?」
伊織は俺の股間を指差した
P「まあ、男だからね」
伊織「正常で安心したわ。これで次の時は問題無く出来そうね」
P「女の子がそんな事言うもんじゃありません」
P「そうだね…」
伊織「そうよ。私は顔洗って来るからあんたは朝ごはんの準備でもしてなさい」
P「わかりました」
朝食を食べた後
伊織は先に出るらしく準備をしていた
伊織「じゃあ、私は行くわ」
P「気を付けて」
伊織「いってらっしゃいのキスをしなさい」
P「え?でも伊織って…」
伊織「ファーストキスよ。ありがたいでしょ?」
P「…」
伊織「早くしなさい。怒るわよ?」
伊織の頬に手を添えると目を閉じた
そして互いの唇が軽く触れ合う
伊織「…ん…ふ…」
P「…」
伊織「…ちゅ…ふふ…良いものね、キスって」
P「…そうだね」
伊織「次は私からしてあげるわ。じゃあね」
P「いってらっしゃい」
伊織はとても上機嫌で迎えの車に乗って行った
P「俺も用意して行くか…」
伊織から渡された携帯なので当然誰からも電話はかかって来ない
これだけでもかなり精神的には楽になった
P「皆も頑張ってるだろう…心配はいらないな…おっ?」
着信がある
俺は通話ボタンを押した
P「はい」
伊織「今日はどうだった?」
P「特に何も無かったよ」
伊織「そう…私も普通の日だったわ」
P「そう…」
伊織「もう寝るわ。おやすみ」
P「はい、おやすみ」
通話が切れる
この電話だけは毎日かかってくる
かわいそうじゃないか・・・
伊織「あら、今までかかって来なかったのに…1ヶ月で音を上げる奴は誰かしら?」
通話ボタンを押す
千早「プロデューサー…あの、明後日歌の収録があるんですが…」
伊織「…」
千早「どうすれば良いかわからなくなって…」
伊織「…」
千早「プロデューサー…何か言ってください…不安で死にそうです…」
伊織「あんた…流石に重すぎるわ…プロデューサーが胃ガンで死ぬわよ?」
千早「えっ!?えっ!?水瀬さん!?何で!?」
千早「でも、プロデューサーが…」
伊織「自分で勉強して解決しなさい!!アーティストが人に頼ってどうするのよ!!」
千早「水瀬さん…プロデューサーに…会わせて」
伊織「もう寝なさい!!」
電話を切る
伊織「ふう…千早ってあんなに重かったのね…」
通話ボタンを押した
真「プロデューサー…仕事、来ないんですけど」
伊織「…」
真「忙しいとは思うんですけど…ちょっとお願いとか出来ませんか?」
伊織「…」
真「プロデューサー…」
伊織「ウチには営業は居ないんだから自分で仕事取ってきなさい」
真「え?…伊織!?何で!?」
伊織「芸能人は個人事業と変わらないから頑張ってね。おやすみ」
電話を切る
通話ボタンを押した
美希「ハニー…やっと出てくれたの…ハニー…もうね、ミキはダメなの…死ぬの…溶けて死ぬの…」
伊織「…」
美希「ハニーがミキとラブラブしてくれたら生き返ると思うな」
伊織「…」
美希「だからハニー…声が聞きたいの…抱っこして欲しいの…キスして欲しいの…」
伊織「…」
伊織は電話を切ったあと電源を落とした
伊織「もはやただのストーカーね…ちょっとだけ怖かったわ」
伊織は自分の携帯電話を手に取った
伊織「でも…」
メモリーを呼び出して発信する
伊織「…私は今からそのつまらない話をさせてもらうわ」
呼び出し音が途切れ相手に繋がった
伊織「もしもし…今日はどうだった?」
今日がこのスタジオでの最終日だ
楽しく仕事が出来た
あとはこの経験を生かして765プロにもっと貢献出来る様にしたい
エンジニア「最後の仕事、どうでした?」
P「楽しかったです。今までありがとうございました」
エンジニア「案外すぐに会えそうですけどね」
P「?」
エンジニア「いえいえ、それではまた…近いうちに」
P「はあ…それでは失礼します」
俺は最後にスタジオに頭を下げてから出て行った
とても良い経験になった
電話をかける
エンジニア「…あ、パパ?あの人の契約、また更新しておいてくれる?うん…ありがと、じゃあ…」
エンジニア「これでまたすぐに…いひひ」
伊織「それは通らないわ」
エンジニア「どちら様?」
伊織「765プロの水瀬伊織よ」
エンジニア「そうなんだ…でも残念、もう更新が決まったわ」
伊織「あっそう…勝手にすれば。でもね…」
エンジニア「…」
伊織「お嬢様の力を思い知りなさい」
雰囲気はかなり重苦しかったが自分の家みたいなもんだ
さっさと明るくしてしまえばいい
P「おはようございます」
小鳥「おはようございます。プロデューサーさん」
P「今日から心機一転頑張りますよ!!」
小鳥「あちらからは…?」
P「流石に更新はありませんよ。良い経験になりました」
小鳥「そうですか。ふふっ」
美希がげっそりと痩せていたが無理なダイエットをしたのだろう。きちんと食べる様に言っておいた
千早が事務所の隅っこでうわ言を言いながらフラフラしていたが、話しかけるとすぐに治った
食事を毎日きちんと取るようにアドバイスしておいた
そして1週間もすると今までと変わらない765プロの日常の風景になった
皆のおかげで夢を見れた
ありがとう
伊織「どうしたの?」
P「ありがとう…伊織のおかげで楽しく仕事が出来たよ」
伊織「そう…良かったわね」
P「伊織、俺はお前の事が好きだよ」
伊織「…そう」
P「あのさ…次の休みにデートでもしない?」
伊織「ええ、喜んで」
P「あと…キス、して良い?」
伊織「もちろん…喜んで」
伊織は優しく微笑んだ
その目には少し涙が滲んでいた…
P「でもやっぱりスタジオは良いよな~」
伊織「ここで頑張って765プロのスタジオを作れば良いじゃない」
美希「ハニー…抱っこ」
伊織「はいはい、私がしてあげるわ」
美希「デコちゃんはいらないの」
伊織「あっそう。じゃあ向こういってなさい」
美希「そんなのってないの」
P「でもスタジオの夢は捨てきれないな……そうだ!!」
伊織「どうしたの?」
P「独立すれば良いんだ!!」
美希「」
伊織「良い話があるわよ?」
End
みんなのレスが多すぎてビビる
なかなか面白かった
乙
ぜひ独立後も頼む
いつか独立偏にも期待
乙
Entry ⇒ 2012.02.07 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
律子「765プロが念能力者による攻撃を受けています」
千早「プロデューサー、体が痒いんですか?」
P「あぁ、今朝からずっとなんだよ。一体何だろうなぁ…」ボリボリ
千早「忙しいのは分かりますが、ちゃんとお風呂には入らないと…」
P「いや、風呂には入ってるんだけど……う~む、肩が痒い」ボリボリ
千早「うっ……見ているこっちの肩も痒くなってきました」ボリボリ
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328075072/
律子「765プロが念能力者による攻撃を受けています」
千早「くっ…!」ボリボリ
千早「あれ、治った」
P「いいなぁ、すぐに治って」ボリボリ
千早「とにかく、身だしなみは清潔に保って下さい」
P「す、すみません…」
小鳥「あー、肩痒い」ボリボリ
春香「おはようございまーす!」
美希「おはようなのー」
千早「おはよう、春香、美希」
春香「?……どうしたの千早ちゃん?」
千早「何が?」
春香「いや、いつもよりちょっとだけ不機嫌そうだったから」
千早「大したことではないわ、気にしないで」
春香「ふーん、そう」
美希「ハニー、おっはようなのー!」ムギュッ!
P「うぉい!?な、なんだよいきなり」
美希「なんだとはなんなの?ひど……うっ!」
P「どうした、美希?」
P「えっ!?ま、マジで?」ボリボリ
千早「私は気にならなかったけど」
美希「ミキにしか分からない、ビミョウな違いだけどね!」ドヤッ
春香「えっ、本当!?ちょっとプロデューサーさん…」ズイッ
千早「失礼します」ズイッ
P「な、なんだよ…」
春香・千早「スンスン」
美希「ねっ?ミキにしか分からないけど、ハニー少し匂うの」
春香「きっとミキの勘違いですよ。元気出して下さい、プロデューサーさん!」
美希「あー!そんなこと言って春香、ミキを悪者にしようとしてるの!」
春香「実際そうじゃん!」
P「ま、まぁまぁ二人とも……」ボリボリ
美希「………うぅ」
千早「美希、どうしたの?」
美希「何だか、首が痒いの」ボリボリ
春香「あっ、プロデューサーさんのがうつってたりして」
P「お前も俺のことを不潔と思ってるんだな」
春香「わわっ!い、今のはウソです、ウソ!」
美希「うー、首痒いー」ボリボリ
P「しかし美希、お揃いだな、ははは」ボリボリ
美希「こんなのでハニーとおソロになりたくないの!」ボリボリ
春香「早っ」
千早「私の時もそうだったかしら」
美希「?……私の時って?」
千早「かくかくしかじか」
春香「あー、それでちょっと不機嫌だったんだー」
千早「きっと気のせいよ、深く考えることではないわ」
美希「そうだね」
小鳥「あー、首痒い」ボリボリ
(この反応は……美希?まさか……)
(いや、まだ気づかれてはいないはず……)
響「はいさーい!」
貴音「おはようございます」
千早「我那覇さん、四条さん」
美希「おはようなのー」
響「あれ?どうしたんだ、皆様子がおかしくないか?」
千早「いいえ、大したことではないわ」
春香「ちょっとプロデューサーさんの…」
千早「春香、プロデューサーの悪口は止めなさい」
春香「いやいや、違うって!プロデューサーさんの悪口じゃないってば!」
美希「かくかくしかじか」
響「って言っても、ちょっと痒いだけだろ?なんくるないさー」
春香「そりゃそうだけどさ」
P「……くそ、今度は左の太ももか、あー痒い」ボリボリ
響「うー」
貴音「……響、どうしたのですか?」
響「うあー、太ももが痒いさー!特に左が!」ボリボリ
春香「ひ、響ちゃんまで……」
美希「……ねぇハニー、今もまだ体痒いの?」
P「ん?あぁ、左太ももが痒い」ボリボリ
千早「ま、まさか……本当に、伝染してる……?」
響「うー、痒いよー」ボリボリボリ
貴音「響、そんなに掻いては、あなたの綺麗な脚が台無しになりますよ」
響「そんなこと言ったって、痒いものはしょうがないさー」ボリボリボリ
響「おーい、美希ー。これってすぐに治ったんだろ?話が違うさー」ボリボリボリ
美希「う、うん……ミキと千早さんはすぐに治ったんだけど」
春香「響ちゃんは、もしかしたら、ちょっと、あの……」
響「な、何だよ!自分も家族達も、風呂はちゃんと入ってるさー!」ボリボリ
響「プロデューサー!自分、皆にひどいこと言われたさー!」ボリボリ
P「あー、ひょっとして体が痒いのがどうとかって話か?」ボリボリ
響「そうなんだ!ちょっと左太ももが痒いから掻いてただけなのに……」ボリボリ
響「……あ、あれ?」
美希「治ったの?」
響「ウソみたいに、スッキリ痒みが無くなったぞ」
千早「何なのかしら……」
P「いいなぁ、すぐに収まって」ボリボリ
小鳥「あー、左太もも痒い」ボリボリ
真「おはようございまーす!」
雪歩「おはようございますぅ」
春香「あ、真、雪歩!」
響「はいさーい!」
ガチャッ
律子「プロデューサー、竜宮小町のライブスケジュールの件ですが…」
律子「って、どうしたの皆して?」
貴音「律子嬢、おはようございます。社長室にいらしていたのですね」
真「ボクと雪歩は、今来たばかりですが」
雪歩「何かあったんですか?」
千早「かくかくしかじか」
雪歩「うぅ……話を聞いただけで体がムズムズしてきますぅ」
律子「…………………」
美希「律子…さん、どうしたの?ムズカシイ顔してるとシワが増えるの」
律子「余計なお世話よ!」
律子「ただ……この現象、心当たりが無いことも無いわ」
響「ほ、本当か!?」
律子「次に起きた時、真相を確かめましょう」
P「うぅー、ますます体が痒いなぁ」ボリボリ
雪歩「……あぅ」
真「ゆ、雪歩、まさか…」
雪歩「か、痒いですぅー」ボリボリ
律子「どこが?」
雪歩「て、手の甲……それもどっちも」ボリボリ
律子「ふむ……」チラッ
P「うー、手の甲痒い」ボリボリ
律子「やはり、同じところが痒いようね」
律子「えぇ、その通りよ」
雪歩「うぅー…」ボリボリ
律子「これは、単なる偶然の範疇を超えている」
律子「すなわち、何者かがこの現象を引き起こしていると考えるのが妥当ね」
律子「意図的かどうかは分からないけれど」
美希「えっ?それってもしかして、超能力的な?」
(………………)
美希「ミキだって冗談で言ったの!」
春香「ウソだね!絶対本気で言ってたね!」
美希「ミキもそこまで馬鹿じゃないの!春香じゃあるまいし!」
春香「何をー!?」
雪歩「あ、あのぅ、二人とも喧嘩は…」オロオロ…
春香・美希「雪歩は黙っ…!」
律子「ええ、おそらく超能力的なものよ」
一同「!?」
(この口ぶり……ハッタリでは、ない?)
真「超能力なんて、最近は小学生だってそうそう真顔で言わないよ」
千早「……疲れているのよ、きっと」
律子「なかなか高度な『隠』ね……これを見破る方法は一つ……」
律子「『凝』!」クワッ!
響「律子、目ぇ怖っ!」ギョッ
律子「………」
ロオオオオ… ロオオオオオ~~ド… ロオオオオオ…
律子「何か、雪歩の手の甲に付いているわね。生物のような……」
真「えっ!?な……何も見えませんけど」
律子「例えるなら、ムーミン谷にいるニョロニョロが禍々しくなったような……」
律子「もしくは、もののけ姫に出てくるコダマが、上半身だけ一杯はみ出てるような……」
春香「き、気持ち悪っ!」
雪歩「ひぃーん、そんなの嫌ですよぉ!」ボリボリ
律子「あなた達は、プロデューサーと会話をした途端、ピタリと痒みが収まったと」
響「う、うん……そうだけど」
律子「雪歩、まずプロデューサーに声をかけてみて」
雪歩「は、はいぃ……うぅ、痒い」ボリボリ
律子「焦ってはダメよ、痒みが収まる条件を探りたいの」
律子「とりあえず声をかけるだけ。私が良いと言うまで、それ以上話をしないこと」
律子「いいわね、雪歩?」
雪歩「え、えぇぇぇぇぇ……」ボリボリ
雪歩「ぷ、プロデューサー」ボリボリ
P「お、雪歩どうした?」ボリボリ
雪歩「うっ………」ボリボリ
P「………どうした、何を黙っているんだ?」ボリボリ
雪歩(律子さん、痒みがとまらないですぅ……)チラッ
律子(いいわ、会話を許可します)
律子(ただし、痒みネタ以外の会話で)ビシッ
雪歩(は、はいぃ……)ボリボリ
P「おー、そうか!雪歩の淹れてくれるお茶はどれもおいしいよ」ボリボリ
雪歩「あ、ありがとうございますぅ」ボリボリ
P「ちょうどお茶のおかわりが欲しかったんだ、淹れてもらっても良いかな?」ボリボリ
雪歩「は……はいぃ」ボリボリ
律子(……まだ収まっていないようね)
律子(雪歩、手の甲が痒いというのを、プロデューサーに話してみて)
雪歩(は、はいぃ……)ボリボリ
雪歩「ぷ、プロデューサー、あの、実は…」ボリボリ
P「ん、どうした?……ひょっとして、お前も…」ボリボリ
雪歩「そうなんですぅ、手の甲が痒くて……」ボリボリ
P「そ、そうか……何だか、本当に俺が原因みたいになって…」ボリボリ
雪歩「あれ……あっ!」
真「雪歩、治ったのか!?」
雪歩「うん!」
小鳥「あー、手の甲痒い」ボリボリ
律子「おそらく、『プロデューサーに自分の痒い部分を認知させること』が
条件と考えて、概ね間違いはないはずだわ」
律子「その証拠に、今、雪歩の手の甲には、ニョロニョロは付いていないし」
雪歩「ほっ……良かった」
千早(私達には、そんな生き物は見えないけれど)
美希(律子に口答えすると怖いから、黙って分かったフリしといた方が良いと思うの)
真(うん……美希の言う通りかも)
春香(とりあえず、解決策が見つかって良かったということで!ね?)
響(……うーんダメだ、やっぱ自分には見えないぞ)
プロデューサーと同じ箇所を痒くすることが念能力の正体だとして、目的は何か?
今、受けている念能力について分かったのは、
『プロデューサーに自分の痒い部分を認知させること』
を能力の解除条件とすることのみ。
律子(現状で考えられる中で、最も可能性が高いのは……)
体の痒みをネタに、他者とのコミュニケーションを図ること…
すなわち、765プロアイドル達とのパーフェクト・コミュニケーションを
狙いとするプロデューサーの念能力であるという説か……
このような些細な念能力に頼らずとも、プロデューサーとアイドル達との
コミュニケーションは概ね良好である。
律子(痴話話をしたいがための能力だとしたら、あまりにも大仰すぎる)
律子(そもそも、目的など無いとしたら?
無意識的に、周囲の人間を巻き込む能力であるとする可能性は?)
律子(いいえ……能力の解除条件がややこしく設定されている以上、その可能性は薄い)
律子(プロデューサーの動向に気を配りながら、些細なオーラの乱れも見逃さず、
状況を見守る)
律子(癪だけど、今はそうするしかない)
最終的に、律子はそう判断した。
……否、そう判断せざるを得なかった。
思いもよらない、底知れぬ目的を秘めた真犯人の手の上で踊らされているのではないか?
例え難い焦りを、律子は感じていた。
(だが、然したる問題ではない)
P「あーダメだ、全然痒みが収まらん」ボリボリ
律子「……………」
律子「……!」
律子(今度は私か)
律子(ちぃ、予想以上に痒いわね)ボリボリ
美希「あ、律子、さん、頭痒いの?」
千早「プロデューサーと同じ……」
雪歩「ということは、律子さんにニョロニョロが付いたんですね」
律子「そういうことね……ま、解決策が分かれば何でもないわ」スッ
P「え、えぇ!?律子まで……やっぱり、俺のせい?」ボリボリ
律子「気をつけて下さいね」ボリボリ
P「は、はい……」(お、俺のせいなのか……?)ボリボリ
律子「ふぅ、収まったわ」
真「そうか、ただ自然にプロデューサーに言えば良いだけなんだ!」
響「そう考えれば、なんくるないさー!」
律子「そうよ、あくまでごく自然にね」
律子(さてと、念能力の正体を見極めないと……)
小鳥「あー、頭痒い」ボリボリ
春香「プロデューサーさん!お腹が痒いですよ、お腹!」ボリボリ
P「えっ……あ、そう」ボリボリ
P「うーむ、背中が痒い」ボリボリ
美希「ハニー、ミキも背中痒いの!掻いてあげるから、ミキのも掻いてね?」ボリボリ
P「あ、ありがとう……」ボリボリ
P「うーむ、歯茎が痒い」モゴモゴ
真「プロデューサー!歯茎が痒いので歯磨きしまーす!」シャコシャコ
P「おぉ……いい心がけだな」モゴモゴ
小鳥「あー、お腹と背中と歯茎痒い」ボリボリボリボリ
貴音「このまま、何事も無ければ良いのですが」
P「うーむ………うぐっ」ボリボリ
P「うぐぐ……鼻の穴が痒い」ホジホジ
一同「!?」
P「あー、しかも結構奥の方がムズムズする」ホジホジ グリグリ
真「ま、まさか……ボク達も、もしアレがうつったら……」
春香「そ、そんなのできないよ……」
律子「落ち着いて!別に鼻の穴をほじる必要があるとは限らないわ!」
貴音「律子嬢の言うとおりです。プロデューサー殿に、痒みを認知させるだけで良いはず」
千早「そうね、確かに……」
千早「!?」ビクッ
美希「ち、千早さんどうしたの?」
千早「いいえ、別に……」ブルブルブル…
春香「千早ちゃん、もしかして、うつったの?……そうだよね?」
千早「くっ……!」ブルブルブル…
響「千早、めちゃくちゃ我慢してる……辛そうだぞ」
貴音「……如月千早、我慢する必要は無いのです」
千早「し、四条さん…」ブルブル…
貴音「プロデューサー殿に、ただ鼻の穴がムズムズすると、そう伝えるだけです」
貴音「何も不自然な会話ではありません」
千早「そ、それもそうね……」スッ
律子(……この胸騒ぎは一体……)
千早「ぷ、プロデューサー…」
P「うぉっ!?ち、千早……」ビクッ
千早「………………」
P「すまん……今のは見なかったことにしてくれ」
千早「いいえ……既に、皆で見てましたから」
P「ま、マジか……ショックだ」
千早「いえ……それより私も、鼻の穴がムズムズしていて……」
千早「ええ……」
P「そ、そうだったのか、ごめんなー」
千早「いえ……」
P「って、俺が謝るのもおかしいんだけどさ、ハハハ」
P「いやー、何で皆、俺と同じ所が痒くなるんだろうなぁ」
P「本当に俺のせいなのかなぁ、ショックだなぁなんつって、ハハハ」
千早「ふふ……」
千早「………………」ブルブルブル…
千早(な、何故痒みが収まらないの!?)
律子(ば、馬鹿な……!)
美希「何で千早さん、まだ痒そうにしてるの!?」
雪歩「千早ちゃん、苦しそう……」
響「意味が分からないさー!反則だぞ!」
貴音「まさか……ただ伝えるだけでは駄目なのでは?」
真「そ、それって、つまり……!?」
律子「プロデューサーの前で、痒い所を掻いて見せること……それが必要なのかも」
一同「!?」
雪歩「今の千早ちゃんの場合……」
真「プロデューサーの前で、鼻をほじって見せる……ってこと、ですよね」
春香「そんな……千早ちゃんに出来っこないよ!」
美希「ハニーの前でそんな事やれないの!」
貴音「しかし……どうしようもありません」
律子「何てこと……」
千早(なるほど……皆が騒いだおかげで、察しがついたわ)
P「お、おい千早、大丈夫か?」ホジホジ グリグリ
P「ってすまん、鼻をほじりながら言うことじゃないよな」
千早「うっ………くっ……!」ブルブルブル…
千早(駄目……これ以上は………)
千早「……………………」
千早「…………………………」ホジホジ グリグリ
P「ち……千早………お前何やってんだ……」
千早「………」ホジ…
千早「………………………………………」
春香「ち、千早ちゃん……」
響「な、なんくるないさー!自分だってたまにするし!」
真「そ、そうだよ!元気出しなよ!」
雪歩「あの状況じゃ、仕方無いよ!」
美希「ハニーも、きっとそこまで気にしてないの!」
千早「………………………」ズゥーン…
律子「これは、思ったより重症ね……」
貴音「おいたわしや……心中お察し致します」
春香「千早ちゃん……」
小鳥「あー、鼻の穴痒い」ホジホジ グリグリ
(まずは一人、堕ちた……)
律子(早く念能力者を見つけなければ……必ず近くにいるはず!)
P「ううぅ……痒い痒い」ボリボリ
P「うぬ……乳首が痒い、両方とも」ボリボリ
一同「!?」
P「あー、何でこんなところが痒くなるんだよ、まったく」ボリボリ
美希「もしミキだったら、恥ずかしすぎて窓から飛び降り…」
真「早まるな、美希!」
響「頼むー、来ないでくれー!」
雪歩「どうしよう~……」
貴音「もし当たったら……これも運命でしょうか」
律子(いけないわ、皆動揺している……無理も無いけれど)
雪歩「ひぅっ!?」ビクッ
雪歩「ま、真ちゃん……」ブルブル…
響「雪歩、大丈夫か!?しっかりするさー!」
雪歩「う……うぅ……」ブルブル…
春香「律子さん、どうにかならないんですか!?」
美希「恥ずかしい所が痒いのを、掻きながらハニーに伝えなきゃ治らないなんて、
あんまりなの!」
律子「………………」
春香「そ、そんな……!」
貴音「ですが、女性であれば誰しも恥ずかしく、とても容易にできることではありません」
貴音「ただでさえ殿方との接触を苦手とする萩原雪歩にとっては、
あるいは精神が壊れる可能性も……」
雪歩「ひぃ~ん……!」ブルブル…
美希「雪歩、大丈夫!落ち着くの!」
雪歩(ましてや、掻いてる所を見せなきゃいけないなんて……)ブルブル…
雪歩(でも……でも……!)ブルブル…
雪歩「ひっ……くぅぅ……!」ブルブルブル…
真「………」スッ
雪歩「!……ま、真ちゃん…!」ドキッ
真「雪歩……一緒にプロデューサーの所に行こう」
雪歩「えっ?」
真「大丈夫……ボクが付いているから」
真「すごく、恥ずかしいだろうけど……乗り越えよう、一緒に」
雪歩「ま……真ちゃん……!」ジィーン…
真「プロデューサー」
P「うぉ、真に雪歩か。今度はどうした?」
真「雪歩、さぁ」
雪歩「う、うん………」
P「……?」
雪歩「乳首が……痒いですぅ……」
P「…………え?」
雪歩「………………」ポリポリ
雪歩「ひぅ……………………」ボリボリ
P「なっ…………あの、えっ?」
真「話はそれだけです、それじゃあ」
雪歩「………………」
P「………………え?」ポカーン
小鳥「あー、乳首痒い」ボリボリ
雪歩「う、うん………」
春香「おかえり、雪歩!」
美希「痛々しいカンジにならなくて良かったの!」
響「プロデューサー、ちょっと困惑してたけど、結果オーライだぞ!」
貴音「誠、ご無事で何よりでした」
律子(良かった……真が雪歩の助けになってくれて)
(二人目、とは行かなかった……)
(仲間同士の結束……侮ってはならないということか)
P(俺と同じ所が痒い子が、俺に話しかけにきて……)
P(それで……掻いてって、去って行く)
P(……ひょっとして、俺、皆に恥ずかしいことをさせているのでは……)
P「いやいやいやいや!俺何も知らねぇし、どういう…」
P「オウフ!?」ビクッ
P(い、いかん……まさかと言うか、ついにと言うか……)
P(こ、股間が……アソコが痒くなってしまった……!)ブルブル…
P(まずいぞ……耐えろ、耐えろ俺……!)ブルブル…
P(いや、そもそも耐えて意味あるのか!?)
美希「ねぇ……ハニーの様子、何だかおかしくない?」
真「た、確かに……」
律子「また、新しい部位が痒くなったようね」
雪歩「もうイヤ……」
響「だ、大丈夫さー!雪歩に二連チャンは来ないって!」
貴音「あのご様子……まさか、殿方の大事な……!」
春香「……えっ!?」ギクッ
美希「い、イヤなの!あまりにもオゲレツなの!」
響「いや……待て、ちょっと皆落ち着くさ!」ティン!
響「もし……もしだぞ!?もし、今度はプロデューサーのアレが痒くなったとするだろ!?」
響「アレは、女の自分達には無いぞ……だからさ!」
真「ひょっとして、今回は大丈夫!?」
春香「うつらない!?」
律子「可能性はゼロではないけれど……」
雪歩「お願い、そうであって……!」
響「ひんっ!?」ビクッ
貴音「響、どうしたのです!?」
響「残念だけど、全然そんな事無かったさー……!」ブルブルブル…
春香「響ちゃん、しっかりして!」
響「いや……大丈夫、自分には秘策があるんだ……!」ブルブル…
美希「秘策!?」
響「いっその事、勢いに任せてプロデューサーに大声で言ってやるさー!」ガバッ!
真「響、それは良い考えかも知れないよ!」
雪歩(わ、私にはとてもできない……すごい勇気……)
響「貴音!もしもの時は、自分の骨を拾ってくれ!」
貴音「えぇ、承知しました」
響「うおぉぉぉ!死なばもろともぉぉおーーーー!!」ダッ!
P(しかし、これがもし皆に伝染したとして……)
P(その時は、これまでと同じように、誰かが俺に話しかけに来るのか?)
P(それで……俺の目の前で、自分の股間を……)
P(それはそれで、ちょっと興奮…)
P「いかんいかんいかん!何を考えているんだ俺は、変態か!馬鹿!」
響「プロデューサー!!」
P「うおぉ!?……ひ、響か、どうした急に?」
P「うえぇぇ!?」
響「ふんがあぁぁぁ!!」ボリボリボリ!
P「えええぇぇぇ!?」
響「話はそれだけだぞ!!」ダッ!
P「ちょ、ええぇぇぇぇぇぇぇ!?」
P「…………………………」
P(何だか……逆に萎えた)
小鳥「あー、股間痒い」ボリボリ
貴音「勢いに任せて圧倒する作戦……お見事でした、響」
真「プロデューサーも唖然としてたし、一番ダメージ少ないんじゃない!?」
響「あぁ、そうさー!むしろ清々しいとさえ感じるぞ!」ドヤッ
春香(傍から見たら、変態の一歩手前だったけどね)
美希(響みたいにバイタリティある子じゃないと真似できないの)
雪歩(うぅ……強いなぁ、響ちゃんは……羨ましい)
(またしても、失敗したか……)
(だが、響なら、それもまた良し……)
律子「……………………」
律子(大体の察しは……ついた!)
P「はうっ!」ビクッ
P「……………………!!」ブルブルブル…
春香「ぷ、プロデューサーさんの様子が、また……!」
律子「プロデューサー、今度はどこですか!?」
真「律子!?」
律子「あの様子だと、プロデューサーも薄々この能力のルールに気づき始めたはず…」
律子「それなら、今更コソコソとお互いに事情を探る必要も無いわ」
P「さ、さすがだな、律子……」ブルブル…
P「実はな……今度はどうやら、ケツの穴らしい……!」ブルブル…
一同「!?」
真「か、浣腸しなきゃ治らない……ってこと?」
美希「お、終わりなの……今度こそ、アイドルとして……女として終わるの!」ワナワナ…
貴音「お、お気を確かに、皆……!」
P「大丈夫だ……俺も、何となく事情は察している……」
P「お前達が、やりたくてやるわけじゃないってのは、もう分かったから……」ブルブル…
春香「そ、それでも……いやああぁぁぁっ!!」ダッ!
律子「春香、落ち着いて!」ガバッ!
小鳥「あー、お尻の穴痒い」ボリボリ グリグリ
律子「だからと言ってどうするの!早まった真似はしないで!!」
春香「いやあぁぁぁぁっ!!もう死ぬ、窓から飛び降りる~!!」ジタバタ
律子「春香っ!!」
小鳥「あー、お尻の穴痒い」ボリボリ グリグリ
真「響、どうしたの?」
響「何かさ……おかしくないか?」
雪歩「…………?」
P「う、うぐぐ……」ブルブル…
貴音「………………」
春香「そう言えば、プロデューサーさんが痒くなってから結構経ったのに……」
美希「誰にもうつってない……?」
P「ほ、本当か……良かったな……」ブルブル…
(チッ……)イラッ
律子「……!!」
律子(今のオーラの乱れ……明らかに、動揺した!)
律子「……ようやく分かったわ、この念能力者の正体が」
一同「えっ!?」
美希「ほ、本当なの、律子!?……さん」
律子「えぇ、薄々変に思っていたのよ。千早が潰された時からね」
春香「千早ちゃんが…?」
律子「何も心配はいらない、ただ痒いのを伝えるだけだから、と」
律子「そして千早は……いいえ、私達は、能力の解除条件の思わぬ落とし穴に気づき…」
律子「結果、楽観していた千早は絶望に突き落とされ、堕ちた」
律子「雪歩の時もそう」
律子「千早の時よりも、もっと残酷に、露骨に不安感を煽るような話をしたわね」
律子「精神が壊れるかも知れない、と」
雪歩「あっ……」
律子「私達を、アイドルとして……女として堕落させるための能力」
律子「違うかしら、貴音?」
響「なっ……」
貴音「ふっ……何を言い出すのかと思いましたよ、律子嬢」
貴音「私がそのような事をして、何の得があると言うのですか?」
響「そ、そうだぞ!貴音は何も関係ないさー!冗談だろ!?」
律子「私も、冗談であって欲しいわ」
律子「でも、私達の中で、痒みをうつされていない者がただ一人だけいる……それは事実よ」
美希「!」
春香「あっ!」
貴音「いいえ、それすらも私には分かりかねる事ですが……」
律子「あくまでシラを切るという訳ね」
貴音「そこまで犯人扱いされるとは……心外ですね」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
雪歩「あ、あのぅ、二人とも喧嘩は…」オロオロ…
貴音「ひゃんっ!?」ビクッ
貴音「な、何奴っ!?」
律子「………!」
チュウ チュウ トテトテトテ…
貴音「はぁ……ハム蔵でしたか、驚かさないで下さい、響」
響「貴音……」
響「……ハム蔵はずっと自分の頭の上にいるさー」
チュウ チュウ
貴音「なっ……!」
春香「どこにハム蔵がいたんですか、貴音さん……?」
美希「ミキには何も見えなかったの」
真「雪歩、貴音の足元に何かいた?」
雪歩「い、いや……分かんない、良く見てなくて……ごめん」
キシャアァァァァァ!
貴音「きゃあ!」ビクッ
貴音「こ、今度はへび香……?何で事務所に連れて…」
響「へび香は事務所に連れてきていない。今は自分の家にいるぞ」
貴音「!?……なっ…」
響「どっちも、自分の念能力なんさー」
貴音「!!」
響「まだ特訓中だから、『凝』とかは苦手なんだけどね……えへへ」
律子「念能力は、基本的に念能力者にしか見えない。私には見えていた」
律子「そして貴音……あなたにも見えていた」
貴音「………………」
律子「響が念能力者だった事にも驚きだけど、これで言い逃れはできないわね?」
響「いや、待ってよ律子!貴音が念能力者なのは分かったけどさ!」
響「今回の念能力が貴音のものだって、決めつけることないだろ!」
響「何で黙っているんだ、貴音!何とか言ってやれよ!」
響「こんなひどい念能力が、貴音のものである訳無いよな!?」
貴音「ふっ……もはや隠す必要もありませんね」
響「えっ……!?」
律子「…………」
貴音「961プロに仇なす愚かなアイドル達を排除するためのもの」
ムーンライト・フラワー シェイム・トリップ
“月を望む高嶺の華 -第一章 散菌交体-” (特質・放出系)
・見た目的には、禍々しくなったムーミン谷のニョロニョロや、
もののけ姫のコダマ(上半身のみ)のような姿。
・961プロに敵対するアイドル事務所の中核的人物に寄生し、1~2週間程度の
潜伏期間を経て、体中に痒みを発症させる。憑念の一種。
・寄生された者は、周囲に痒みを撒き散らす苗床となる。
・痒みを伝染された者は、苗床となった者に自分の痒みを申告し、掻いてる様を
見せると治る。
・苗床となった者は、術者である貴音が倒されるか、貴音が能力を解除する以外に
治る方法が無い。
春香「貴音さん……?」
貴音「ちなみに、先ほど皆は勘違いをされていましたが…」
貴音「プロデューサーのお尻の痒みは、ちゃんと他者に伝染していたのですよ?」
美希「えっ!?」
雪歩「そ、それは一体……」
貴音「…………」スッ
小鳥「あー、お尻の穴痒い」ボリボリ グリグリ
小鳥「へっ……?何ですか、プロデューサーさん?」ボリボリ グリグリ
小鳥「あれ、治った」
一同「…………………」
小鳥「あー、またしても股間痒い」ボリボリ
貴音「ゆくゆくは、貴方達もこうなるのです」
貴音「人前で、恥も外聞も無く、体のあちこちを掻いて回る、愚かな女にね」
春香「そ、そんな……」
貴音「そんなアイドルと、私達961プロのアイドル…」
貴音「どちらにファンの支持が集まるかは、自明の理でありましょう」
P「な、何ておそろしい事を……ぐっ……!」ブルブル…
律子「プロデューサー、しっかり!」
雪歩「そ、そうですよ四条さん……私、四条さんに何度も励まされて……!」
貴音「仲間?……ふふ、そんなものはアイドルに必要ありません」
貴音「この業界は、喰うか喰われるかです。馴れ合いに意味を求めるのは愚かですね」
真「貴音っ!!」
貴音「さて……後はただ時が過ぎるのを待てば良いのですが…」
貴音「念能力者は、後々私達の脅威となるやも知れません。よって……」
貴音「この場で、私が直接排除致しましょう」
律子「!」
貴音「律子嬢……そして、美希」
美希「!?」
貴音「私の念能力にいち早く気づいたのは、律子嬢ではありませんでした」
貴音「その時はあなたも、ただプロデューサー殿の体臭がいつもと違うとだけ
感じたのでしょうね」
美希「!……あ、あの時の」
貴音「さすがは黒井殿が目をかけたアイドル、と言った所でしょうか」
貴音「ですが、敵対するのであれば、例え覚醒していなくとも容赦は致しません」
律子「美希!私の後ろに下がりなさい!!」
ムーンライト・フラワー エグゼキューショナー
“月を望む高嶺の華 -第二章 舞化生捌刀-”
貴音「覚悟っ!」
ワオオォォォォン! ドカッ!
貴音「ぐっ!?」
ガルルルルルルル…
響「いぬ美、ハウス!」
パシュゥゥ…
シャイニー・スマイル
“家族達との絆” (具現化・放出系)
・響の飼っているペットを実体化し、使役する。
・術者である響自身が実際に飼っているものしか実体化できない。
・放出系能力者である響は具現化系能力との相性が悪いが、上記の制約とペットとの
絆により、比較的高い精度でペットを実体化させる。
・響とペットとの絆が深ければ深いほど、より細密に実体化することができ、強い力
を発揮することができる。
響「貴音……こんなこと止めるさー」
貴音「いいえ、響。あなたは優しいから気づかぬだけでしょうが……」
貴音「黒井殿から授かったこの念能力、いずれ脅威となる者を排除するために今…」
響「止めろって言ってんだろ!!!」
響「そう言えば2週間前、貴音さ……961プロに行ってたよね?」
響「黒井社長に何を言われたんだ……教えてよ、貴音……!」
貴音「何も言われてなどいません。私は正常ですよ」
貴音「響、あなたも黒井殿に認められた者です」
貴音「私達と共に、高嶺を目指しましょう。そうであれば、悪いようには致しません」
響「だったら……謝ってよ」
貴音「?」
響「皆にひどい事したのを謝ってよ、貴音!!」
雪歩「ひ、響ちゃん……」
響「お願いさー……自分、貴音を嫌いになりたくないぞ……」
貴音「所詮、あなたも馴れ合いの輪の中にいたいだけ……そうなのですね?」
響「!!」
貴音「残念です、響……唯一、心から分かり合える友と思っておりましたのに」
響「た、貴音……!」
貴音「3人まとめて、消え去りなさい」
貴音「……?」
春香「り、律子さん……何か、顔がホッコリしてますけど……?」
律子「えぇ、あなた達がお喋りしている間に、ようやく終わったのよ」
律子「プロデューサーの『除念』がね」
貴音「!?」
響「えっ……『除念』だって!?」
“懸念事項強制処理者” (具現化系)
・他者の憑念を解析し、除去、処理する人型の念獣を作り出す。除念の一種。
・念獣が除念に要する時間は、憑念の強さに比例する。
・除念後、念獣は知的労働への対価と称し、術者である律子に報酬を求める。
・律子は、念獣が求める報酬を、念獣が指定する期日までに支払わなければならない。
・労働時間(除念に要した時間)が長いほど、より厳しい報酬、期日となる事が多いが、
報酬の法則は律子自身にも不明である。
・期日までの支払いに応じない場合、念獣は無期限のストライキを起こす(強制的に
律子が『絶』の状態になる)事がある。
律子「いいえ、どう致しまして」
念獣『マッタク、イイ気ナモンダゼ。アンタハ見テタダケダロウガ』カチャカチャ…
律子「あら、あなたを呼び出したのは私よ?」
律子「それに、何事もギブアンドテイクなら、文句は無いんでしょう?」
念獣『ケッ、良ク分カッテンジャネェカ』カチャカチャ… シャキーン
念獣『ろーそんノぷれみあむろーるけーきヲ16個、ぷれみあむてぃらみすヲ15個、
アトハ手包ミくれーぷト、だぶるちーずけーきヲ4個ズツダ』
律子「ちょっ……大した労働時間じゃないのに多くない!?」
念獣『ツベコベ言ウンジャネェ。知的労働ノ後ハ、甘イ物ガ欲シクナルンダヨ』
念獣『今週ノ金曜マデニ出セヨ、ジャアナ』バシュゥゥ…
律子「まったく……せっかくお金を節約してきたのに」
支援
律子「普段の会話で、そんな話しないものね。さてと……」スッ
美希「?……な、何、律子…さん?」
律子「美希、私の念能力は戦闘向けではないの」
律子「それに、もし貴音と響が戦う事になったら、おそらく響は分が悪いと見てるわ」
響(手厳しいさー、律子……まぁ、実際そう思うけど)
律子「だからね、美希……今、あなたを念能力者として覚醒させます」
美希「えっ?」
律子「あなたの眠っている体に喝を入れ、精孔を開く」
律子「オーラも見えるようになるから、それをどう扱えるかはあなた次第よ」
美希「ちょっ、ちょっと!何言ってるか分からないの!」
響「へび香!貴音の右手に巻きつけ!」
キシャアァァァァァ! ガシィッ!
貴音「!……くっ、小癪な真似を!」
響「律子、美希!自分が持ちこたえておくぞ!」
律子「説明している時間は無いわ。あなたの天性を信じるしかない」
律子「行くわよ……喝ッ!!」ドンッ!
美希「!?……う、うわあああぁぁ!?」
律子「見えているわね?それが、あなたの体を流れるオーラよ!」
美希「だから何なの!?」
律子「まずは、そのオーラをコントロールする事を考えて!」
美希「む、ムリー!」
パシュゥゥ…
響「へび香!くっ…!」
貴音「どきなさい、響。これ以上は容赦できませんよ」
響「イヤだぞ!今の貴音を見過ごすことはできないさー!」
響「ブタ太!ロケット頭突きだ!」
ブヒイィィィ!
響「うっ!……うぎゃああぁぁぁぁっ!!!」
パシュゥゥ…
春香「ひ、響ちゃん!?」
真「変な日本刀みたいなので斬られた!」
貴音「………………」
ムーンライト・フラワー エグゼキューショナー
“月を望む高嶺の華 -第二章 舞化生捌刀-” (特質・具現化系)
・日本刀を具現化した念能力。
・日本刀に斬られた者は、斬られた体の部位が強制的に『絶』の状態になる。
・『絶』の状態になる期間は、概ね一週間程度。
・斬られる事による身体的な外傷は無いが、痛みは本来の日本刀で斬られる時と
同等であるため、場合によってはショック死することもある。
貴音「右手を斬りました……あなたの念能力は、右手からしか発せられないのでは?」
響「ぐっ……!……うぐぅぅ……」
貴音「この能力を使うのは、あなたが初めてです」
貴音「まさか……あなたが最初になるなんて……」
律子「美希!早く念能力を!」
美希「何でもかんでも押し付けないでよ!ミキ、どうすればいいか分からないってば!」
貴音「響……」
響「た、貴音………」
貴音「……………………」
貴音「…………………………………………………………」
貴音「!?……春香?」
真「雪歩!響を頼む!」
雪歩「うん!さぁ、響ちゃん」
響「う、うぅ………」
貴音「何のつもりです。念能力も使えない者が、邪魔をしないで下さい」
春香「あーそうですよ!そんなの私達、全然知りません!」
真「でも、それよりも大事なものをボク達は知ってる!貴音はもっと知ってるはずだ!」
真「何度でも言ってやるさ!絆だっ!!」
貴音「ふっ……またその手合いの話ですか、いい加減に…」
春香「じゃあ何で!貴音さんは今、響ちゃんを見て躊躇していたんですか!?」
貴音「……!」
春香「トドメを刺せる状況だったんじゃないんですか!?何で!!」
貴音「そ、それは……」
真「ボク達は知ってるよ!二人がどれだけ仲が良かったか!」
真「一番の仲良しである響を、貴音が傷つけるなんて!貴音自身が望むわけが無い!!」
貴音「な、何を言って…」
千早「し、四条さん……」ヨロッ…
千早「えぇ……しばらく休んだら、大分落ち着いたわ」
貴音「如月千早……」
千早「四条さん……さっきあなたが話していた事、少し聞こえていたけれど……」
千早「確かに、馴れ合いでトップに立てるほど、この業界は甘く無いのかも知れない」
千早「時には、他の人を蹴落とす非情さも必要なんだと思う」
誇りに思うわ」
千早「馴れ合いだと周囲に思われようが、そんな事はどうだっていいの」
千早「励まし合い、認め合い、競い合い、同じ夢を追いかける仲間を、私は大事にしたい」
貴音「………………」
千早「今、ここで私達を蹴落とすと言うのなら、好きにしてくれて構わない」
千早「一緒に走り続けてきた仲間が成功していくのなら、悔いは無いわ」
貴音「理解できません」
貴音「理解できません…」
貴音「いや、違う………う……う………」ヨロッ…
千早「………四条さん?」
春香「どうしたんですか、貴音さん!?」
響「貴音……頭が痛むのか!?」
真「貴音、大丈夫…」
貴音「近づいてはなりません!!」ブンッ
真「うわわっ!」
雪歩「真ちゃん!」
春香「あ、あっぶな~……今の間一髪だったよ、真」
貴音「違う………理解……したくない………」
響「貴音……!」
律子「大丈夫よ、試運転はバッチリ!その結果がアレよ!」ビシッ
P「ぐぅぅぅぅぅぅぅ………」Zzzz…
小鳥「ずごごごごごご………」Zzzz…
律子「自信を持ちなさい!それっ!」ドンッ
美希「う、うわぁっ!」
春香「あ、美希」
貴音「………美希、ですか……今、私に近づかないで………」
美希「た、貴音、あのね……あの………」
美希「ちょっとミキ、眠いから……欠伸をするの」
貴音「……………えっ?」
美希「んーと……あ…あふぅ」
貴音「…………?」キョトン
貴音「!?………む……くっ………」ヨロッ…
貴音「…………………」バタッ
貴音「スゥー………スゥー………」Zzzz…
美希「あっ……上手くいったみたい」
律子「上出来よ、美希」
スリープ・ブリーズ
“阿封の呼吸” (操作系)
・術者である美希の欠伸を見た者一人を眠らせる。
・おそらく、対象を眠らせる以上の効果は無いと思われる(律子談)が、詳細は不明。
美希「えへへー、まぁねー」ドヤッ
響「自分は、2ヶ月は特訓したんだけどなぁー」
真「やっぱ、美希って凄いんだな……」
美希「えっへん!」ドヤッ
律子「安心するのはまだ早いわ」
雪歩「り、律子さん……?」
律子「さっきの貴音の様子……やはり、何者かに操られていた可能性が高い」
響「自分も、誰なのかもう察しは付いてるぞ…」
千早「おそらく、ここにいる皆が感づいているわ」
響「当たり前さー!いくら貴音でも、真顔であんな事言ったりやったりしないぞ!」
響「ういてててて……」
雪歩「響ちゃん、大丈夫!?無理しないで…」
律子「見なければならないわ…」
律子「彼女がなぜ、黒井社長に忠誠を誓い、私達を排除しようとしたか…?
理由が…」
律子「ここにあるッ!」バサッ
ヒクヒクヒク ヒクヒクヒク
春香「き、気持ち悪……!」
響「あっ……じ、自分聞いたことあるぞ……噂で」
律子「響、これは一体……」
響「それは黒井社長の念からなる『肉の芽』……貴音の脳にまで達している」
響「このちっぽけな『肉の芽』は……貴音の精神に影響を与えるよう
脳にうちこまれている!」
響「つまり…この肉の芽はある気持ちをよび起こすコントローラーなんだ!」
カリスマ
“肉の芽” (具現化・操作系)
・ヒトラーに従う兵隊のような気持ち!邪教の教祖に憧れる信者のような気持ち!
・対象となる生物の脳に打ち込むことで、対象を操作する。
・肉の芽を打ち込まれた者は、黒井社長に憧れ、絶対の忠誠を誓う。
真「ど……どうすれば治るんですか、コレ?」
美希「ムリヤリ引っこ抜くとか……」
雪歩「たぶん、ダメだと思う……それ」
律子「方法はあるわ」
響「……そうか!律子の除念能力で!」
律子「ただ……今日だけで一度もう使ったからねぇ」
律子「またアイツを呼び出す事を考えると……はぁ」
千早「でも律子、このままにしておく訳には……」
春香「貴音さんがこのまま起きちゃったら、また大変な事になっちゃいます!」
律子「それもそうね……四の五の言ってられないか」
タスク・マネージャー
“懸念事項強制処理者”
律子「ごめんなさい、どうしても至急やって欲しいの」
念獣『第一、サッキ要求シタ報酬モ支払ワナイママ、マタ働ケッテカ?』
律子「その分、今回の報酬は弾むわ。だからお願い、彼女を助けて」
念獣『イヤダネ、命令ハ聞ケナイ』
念獣『俺ハ疲レテンダ。術者デアルアンタダッテ、疲レテ…』
念獣『?』
律子「私達の仲間を助けて……この通りよ」ドゲザ
念獣『オイオイ……』
雪歩「り、律子さん……」
一同「お願いします!!」ドゲザ
念獣『…………………』
念獣『……術者ノアンタガ、念獣ノ俺ニ“オ願イ”スルナンザ、滑稽ダゼ』
念獣『ショウガネェーナ、報酬ハ覚悟シトケヨ』カチャカチャ…
(ここは………)
黒井「良く来てくれたね、貴音」
貴音「黒井殿、お久しぶりですね」
黒井「ああ、君も元気そうで何よりだ。765プロの居心地はどうだい?」
貴音「はい、皆にはとても良くして頂いております」
黒井「それは良かった。しかし……」
黒井「君は、その馴れ合いの輪の中にいて、満足なのかな?」
黒井「いや何、ちょっとしたお節介さ」
黒井「もし君が、本当にトップアイドルを目指すのなら……今の輪にいるのは勧めない」
貴音「………黒井殿、おっしゃる意味が分かりかねます」
貴音「皆、あれだけ努力をしているのです。彼女達を悪く言うのは止めて下さい」
黒井「努力や根性だけでトップに立てるのなら、誰でもトップに立てる」
黒井「しかしな、実際は一人だけしか立てんのだ。どういう意味か、分かるね?」
貴音「……黒井殿、そろそろ私を呼んだ理由をお教えいただきたいのですが」
貴音「…………!」バッ ガチャッ
ガチャガチャッ
貴音「!?」
黒井「無駄だよ、君は逃げられん。君の念能力の射程距離も熟知している」コツ… コツ…
黒井「君は、これまで出会ったどんなアイドルとも違うモノを持っている」コツ… コツ…
黒井「特質系の念能力……これを有効に使わない手は無い」コツ… コツ…
コツ…
黒井「君の夢を叶えてあげるだけさ」
黒井「我が961プロの下でね」
キャバパアァァァ! ピジュル ピジュル ピジュル ジュルジュル
貴音「きゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
響「貴音、大丈夫か!?」
貴音「?………こ、ここは……」
春香「事務所の休憩室だよ!」
貴音「事務所………765プロの……?」
千早「ずっとうなされていたわ、四条さん。もう夕方よ」
真「雪歩なんて、貴音が目覚めるまでの間、泣いていたんだぞ」
雪歩「だって…本当に辛そうで……死んじゃうかもって……」グスッ…
美希「ミキの念のせいで死んじゃったら、シャレにならないの!」
響「そんなの関係ないだろ」
春香「プロデューサーさんが取り計らってくれて、今日はナシになったんです」
貴音「そうでしたか……」
貴音「………私は……皆にひどいことを、したのですね」
響「うぅん……自分も、貴音に乱暴なことしちゃったし………いいんさ、えへへ」
貴音「響………」
小鳥「えっ?……い、いやぁ、個人のお菓子代とかは、ちょっと……」
律子「人の話を聞いていましたか、小鳥さん?」ギロッ
小鳥「ひっ!も、もちろんですハイ!落ちます落ちます!!」
律子「それは良かったわ。じゃあコレ、今すぐ買出しに行って来て下さい」
小鳥「えっ、ええぇぇぇぇ!?だってコレ、一店舗のローソンじゃ足りない個数の…」
律子「時間が無いんですよ?」ギロッ
小鳥「ひいぃぃぃぃ!!た、ただいますぐにぃぃぃぃぃ!!」ダッ!
律子「…………」ギロッ
P「あ、小鳥さーん。俺、車出しますよー」ダッ!
ガチャッ
貴音「律子嬢……」
律子「あら、貴音。もう大丈夫なの?」
貴音「ええ……ご迷惑をおかけ致しました」
貴音「許してくれなどとは申しません。ただ、謝らせて下さい」
貴音「しかし……」
律子「仲間でしょう?」
貴音「律子嬢……」
律子「お互いに迷惑かけ合ってんだし、いちいち謝ってたらこっちだって面倒なのよ」
千早「えぇ、もちろんよ」
響「自分が『絶』の間、ちゃんと自分を守ってもらうぞ!貴音!」
美希「あふぅ……疲れたから、ミキはもう寝るの」
真「うっ……急に眠気が………」バタン
雪歩「ひぃ~ん、真ちゃんしっかりしてー!」
貴音「………ありがとうございます、皆」ジィーン…
ガチャッ
伊織「ちょっとー、伊織ちゃんが帰ったわよー」
やよい「うっうー、お疲れ様ですぅー!」
あずさ「あらあらー、皆してどうしたのかしら~?」
亜美「すっげ→楽しそうなことしてたんだよきっと!」
真美「ちょっとー、そういうの真美達も仲間に加えてよ→!」
伊織「何よ、当たり前じゃないの!ていうか仲間でしょ!?」
あずさ「うーん、抜け駆けは良くないと思うわねぇ~」
やよい「話題についていきたいですぅー!」
亜美・真美「ずーるーい!ずーるーい!」
律子「じゃあ、念能力のレッスンも加えるよう、プロデューサーに提案してみようかしら」
かくして、765プロのアイドル達は、各々の念能力を身に着けるべく、
過酷な特訓に身を投じることとなった。
やがて彼女達は、アイドル業界に渦巻く異能者達の大いなる陰謀に
立ち向かうことになるが、それはまた別の話。
~つづかない~
いつの間にか、能力者バトルになっていました。
ジョジョっぽかったのも、メタリカを登場させてから、何かが狂ったのかも知れません。
ただ、HUNTER×HUNTERじゃないキャラが、どの念能力の系統に分類されるかを
妄想するのは、とても楽しい。
矛盾の多いSSにお付き合いいただき、ありがとうございました。
ひびたかは永遠に不滅です。
続けようよ
Entry ⇒ 2012.02.06 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「『お姉ちゃん』て呼んでいい?」春香「!?」
ことの始まりは、休憩室での、スーパー結婚したいアイドルNo.1こと天海春香と、そのプロデューサーとの何気ない雑談であった!!!!!
春香「な、なんでいきなりお姉ちゃんなんですか」
P「いや…いま降りてきた。唐突に、神が。妄想の神が」
春香「はぁ…それも新しい活動方針ですか?」
P「春香おねーちゃん♪」
春香「プロデューサーさん…」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328098798/
P「『お姉ちゃん』て呼んでいい?」春香「!?」
春香「は、はぁ」
P「春香はしっかり者だし面倒見がいいし、何より超可愛いしな。超可愛いお姉ちゃんが欲しい、って全人類の夢だからな」
春香「あはは///…えっと、じゃあ、どうしたらいいんですか?」
P「えっ!?やってくれんの!?」
春香「ぷ、プロデューサーさんが言うなら…////仕方なくですよ仕方なく!」
P「よっしゃああああああ!!!!!」
P「…あー、でも」
春香「?」
P「いまのツンデレ春香さんで満足しちゃったかも」
春香「そ、そうですか」
P「それに、さすがにいい年して『お姉ちゃん☆』は無かったなと反省している」
春香(…プロデューサーさんに『お姉ちゃん』て呼ばれるの…悪くなかったけどな…///)
P「そうだなぁ…」
ガチャッ
やよい「おっはようございまーす!!!」
P「これだ!!!」
やよい「いえいっ♪」パンッ
やよい「春香さんもたーっち☆」
春香「いえいっ♪ふふふ、おはようやよい」
やよい「はいっ!」
P「これよ、これですよ」
P「やよい、今日から春香のことはお姉ちゃんと呼びなさい」
春香「!?」
やよい「はわっ!な、なんですかそれはっ」
春香「え~…やよい…?」
やよい「う~ん、う~ん、なんだかよくわからないですけど…」
やよい「は、春香お姉ちゃん?」
春香「!!!!!」ズキューーン
P「ζ*'ヮ')ζ<きたこれ」
春香「や、やよい、もう一回!もう一回言って!」
やよい「えっと、春香、お姉ちゃん♪」
春香「~~~~~~~!!!!!」
今日はちゃんと書く
春香「ぷ、プロデューサーさん!これは、効きますね/////」ドキドキ
P「ふははそうだろう。俺もお腹いっぱいだ」
やよい「えへへ、春香お姉ちゃん、かぁ///」
やよい「私、年下の兄弟しかいないから、お姉ちゃんてすごくうれしいかも///」
春香「やよい…!!」
春香「いいんだよやよい!いつでも私に甘えておいで!!!」
やよい「お姉ちゃん!!!」ギュッ
春香「やよい~!!!!」ギュゥゥ
P「ほう…予想以上だ…」
小鳥「プロデューサーさん…あなた天才ですか…!?」
P「録画もしてあります」
小鳥「買った!!!」
やよい「えへへ~、お姉ちゃん!お昼食べましょー」
春香「うん。やよい、こっちおいで」
やよい「はいっ!!」
春香「あ、プロデューサーさんも」
P「いや、俺は遠慮しとこう。今日はやよいが春香を独り占めだな」
やよい「えっへへ~////」
P(すまんな春香。俺はこっそりカメラを回さなくてはならない…全身全霊をかけてな…!!)
小鳥(お金を下ろしてこなくちゃ…全身全霊をかけて…!!)
春香「えへへ、そうかな。食べていいよ」
やよい「ほんとですかぁ!?うっうー!!お姉ちゃん大好きですっ」
春香「はわわわ///」
春香「ほ、ほらやよい、あーん♪」
やよい「あ~ん☆」
やよい「はわっ!?おいしすぎますお姉ちゃん!!!」ムシャムシャ
春香「やよいは可愛いなぁ~///」ヨシヨシ
キャッキャッ
千早「…」
千早「な…なんなの、あれは…!?」
P「なんだ千早。俺はいまとても忙しい」
千早「あ、あれは一体…」
P「ん?ほーう、気になるか、春香とやよいが」
千早「!えっ、いや、そういうわけでは…////」
P「そうだろうそうだろう。お前は765プロで特別あの二人が好きだものな」
千早「プ、プロデューサー////」
P「いいか千早、一度しか言わないぞ。お前がいま、何をすべきか、教えてやる」
P「魔法の言葉だ」
千早「魔法の…言葉?」
春香「ふふっ、貴音さんの受け売りだけど、やっぱり愛情じゃないかな。食べてもらいたい人が喜んでくれるところを想像して、おいしくなーれ、おいしくなーれ、って…」
やよい「うっうー!それじゃあ、私がお姉ちゃん大好きって気持ちを込めたら、きっとすっごーくおいしい料理ができちゃいますね!!」
春香「はうっ!!やよいは可愛いなぁ~もう////////」ナデナデ
千早「…」
千早「…」
春香「どうしたの千早ちゃん。あ、千早ちゃんもお弁当食べる?」
千早「…ん」
春香「え?」
千早「は…春香…お姉ちゃん…/////」
春香「」
やよい「」
千早(くっ…!プロデューサー、また私をからかったのね…!!)
P『いいか、一度しか言わないぞ』
P『千早、春香をお姉ちゃんと呼べ』
千早『は、はぁ!?///どうして私がそんな…////』
P『何も言うな千早。お前の望んだものがそこにある』
千早『私の…望み…』
P『いいから早く行ってこいよ』ワクワク
千早(プロデューサーの悪ふざけのせいで…私と春香の信頼が…高槻さんとの親愛が…!!)プルプル
春香「…」
やよい「」ポカーン
千早「くっ…!」
やよい「」ポカーン
千早「あ、あの、はる」
春香「千早ちゃん!!」
千早「は、はいっ」
春香「こっち!こっちいらっしゃい!!!」
千早「!!」
春香「お姉ちゃんのところにいらっしゃい!!!!」ババァーン
千早「は、春香!!!!///」パァ
春香「春香じゃないでしょっ!お姉ちゃんでしょっ」
千早「う、うん///お姉ちゃんっ」
春香「~~~~~~!!!!!!!!」
やよい「はわ~」
P「ふっ…」
千早「くっ///やっぱりかなり恥ずかしいわ////」
春香「恥ずかしくないよ~、可愛いよ~千早ちゃん」ナデナデ
千早「も、もう…////」ニャンニャン
やよい「あぅー…」
千早「あ、た、高槻さん?」
やよい「千早さんばっかりずるいですぅ…」
春香「あらら、やよいも可愛いよ~」ナデナデ
千早「ご、ごめんなさい高槻さん…別にあなたから春香を取ろうとか、そんなんじゃないのよ…」
やよい「千早さん…!」ズキューーン
春香「千早ちゃん…!!」ズキューーン
やよい「うっうー!ごめんなさい千早さん!私、千早さんのことも大好きですっ!!!」
千早「高槻さん/////」ドキドキドキドキ
春香「私も大好きだよ~千早ちゃ~ん」ムギュゥゥ
千早「は、春香ってばぁ////」ハァハァハァハァ
春香「私は可愛い妹が二人もいて幸せだよ~」ギュゥゥ
やよい「はーん☆」
千早「はーん☆」
千早(プロデューサー、私、あなたに一生ついていきます!!!!)
伊織「ちょ…なんなのよ、あれ…」
千早「ちょ…それはさすがに恥ずかし…」ドキドキドキドキドキドキ
春香「あーん!」
千早「あ、あーん…」
千早「あ…おいしい」
春香「ふふ、ありがと」
千早「やっぱりお姉ちゃんはすごいわね…料理もどんどんうまくなっていくわ」
春香「えへへ…そうかな」
千早「食べてもらいたい人がいるから?」
春香「ち、千早ちゃんっ///」
千早「ふふ、いいじゃない。もう周知のことなんだから」
春香「お、お姉ちゃんをからかうんじゃありませーん!!」
千早「ふふっ」
春香「や、やよいっ」
千早「ええ、私たちがいつもお世話になっている方よ。ね、お姉ちゃん?」
春香「ちーはーやーちゃーん!!!もうっ」プンスカ
千早「ふふっ、ごめんなさい。機嫌直して?はい、あーん」
春香「…あーん」
千早「お姉ちゃんは可愛いわね」ナデナデ
春香「むー」
やよい「えっへへ~、お姉ちゃん可愛いです!」ナデナデナデナデ
春香「うへへー////」
伊織「…ほら、あれ…」
亜美「うわ…なにあれ…」
真美「かなりショッキングな映像だね…」
真美「はるるんと千早お姉ちゃん…なんか兄ちゃんみたいだね…」
伊織「ちょっ…あんたたち、それあの二人に言うんじゃないわよ…」
やよい「お姉ちゃ~ん♪」
春香「うへへ~」
千早「うへへ~」
P「…」
P「ちょっとやり過ぎたかな…」
P「音無さん、戻ってたんですか」
小鳥「まだまだ、これからじゃありませんか!!」
P「ほう」
小鳥「例えば…」
亜美「えっ…なに、ピヨちゃん」
真美「ちょっと…顔が怖いっぽいよ…」
P「ふむ」
亜美真美「な、なに?兄ちゃん…」
P「…いや、ビューティフルスパイシーから揚げと呼ぶべきか」
亜美真美「!?」
伊織「なにそれ」
P「俺の言うとおりにすれば、はるるんがめっちゃおいしいから揚げを食わせてくれるぞ」
亜美真美「乗った!!」
伊織「早っ!?」
春香「ひゃあっ!?ど、どうしたの真美、亜美///」
真美「お姉ちゃん大好きっ☆」
亜美「ちゅーしちゃう!!」チュー
春香「はーん♪」
千早「なっ!?ちょっ、亜美!真美!?///」
やよい「はわー」
亜美「というわけで」
真美「から揚げをください!」
春香「お食べお食べ」ホッコリ
亜美真美「わ→い☆」
真美「めっちゃおいしすぎるっしょ!!」ムシャムシャ
春香「うふふ、亜美も真美も可愛いなぁ///」ナデナデ
亜美「うあうあー、くすぐったいよ~はるるん///」
真美「真美たちもう中学生だよ~///」
春香「うりうり」ナデナデナデナデ
亜美真美「はーん♪」
やよい「真美たち積極的だねー」
千早「…くっ」
千早「はぅ…////」
やよい「お姉ちゃん、私も私も~」
亜美「あ~、やよいっちずるいずるい~」
真美「真美も真美も~」
貴音「私も…」
春香千早やよい亜美真美「!!??」
真美「お姫ちんいつの間に!?」
貴音「こうすればからあげが食べられると聞いて…」
貴音「春香…お姉様…?」(上目遣い)
春香「!!!!!!!!!!!!!!!」ズギャーーーン
千早「面妖な…」
P(お前が言うか)
伊織(お前が言うか)
春香「あげます!あげますよ!お食べ!!!」
貴音「いただきます♪」
貴音「これは…!!なんとおいしいからあげ…!!!」ムシャシャァ
春香「えへへー///」ナデナデ
春香「わ…貴音さんの髪、ふわふわ…」ドキドキ
貴音「ふふ…お姉様、いま私はあなた様の妹。貴音、とお呼びください」
春香「はうぅ/////」
春香「た…貴音…///」ドキドキ
真美「う、うわわ~///」
亜美「か、顔が近いよ二人とも~///」ムシャムシャ
千早「み、見ちゃダメよ、高槻さん!!///」
やよい「あうー」
雪歩「は、春香ちゃんと////四条さんが…/////」
真「雪歩…」
貴音「ふふ…雪歩、こちらにいらっしゃい」
雪歩「は、はいぃぃぃ//////」
雪歩「えっと…私もいいかな…春香お姉ちゃん…?///」
春香「~~~~~~~!!!」
春香「いいよ~!!おいで雪歩~!!!」ナデナデナデナデ
雪歩「はーん♪」
真「えー…」
伊織「あんたはまともで安心したわ」
P「妹キャラってまさに女の子の真髄だよな」
真「春香お姉ちゃーん!!!!」マッコマッコリーン
伊織「早っ!?」
春香「真もおいで~」ナデナデナデナデ
真「はーん♪」
伊織「えー…」
亜美真美「お姉ちゃ→ん!!」
千早「お、お姉ちゃん////」
真「お姉ちゃん!!」
雪歩「春香、お姉ちゃん////」
貴音「お姉様♪」
春香「なんだこれ~、なんだこの幸せ空間~////」
P「ふはは、すばらしい」
小鳥「すばらしいピヨ」
伊織「はぁ…まったく…」
P「あ、ちょ、伊織」
小鳥「伊織ちゃんなんてことを…!!」
伊織「みんなそろそろ出なきゃいけない時間じゃないの?」
千早「え?…大変、もうこんな時間!?」
亜美「うあうあー!律っちゃんに怒られちゃうよー!!!」
貴音「では、お開きと致しましょう」
春香「あらら、残念」
雪歩「うぅ…来たばっかりだったのに…」
真「まあまあ」
千早「行ってくるわね、お姉ちゃん///」
春香「行ってらっしゃい二人とも~///車に気をつけるんだよ~!!あんまり遅くなっちゃだめだよ~!!!」
春香「…」
春香「みんな行っちゃったかぁ」
伊織「あんたは行かなくていいの?」
春香「私はもうちょっと時間あるんだー」
伊織「そう」
伊織「…な、なによ」
春香「ねえねえ伊織」
伊織「…」
春香「お姉ちゃん欲しくない?」
伊織「いらないわよっ!!」
春香「えー」
伊織「当たり前でしょ…それに、年上の兄弟はもうこりごりよ」
春香「あ…」
伊織「あ、別に変な意味で言ったんじゃないわよ」
春香「…」
春香「伊織、こっちおいで」
伊織「は?なにいってんのよ」
春香「いいからこっちおいで!!」
伊織「な、なんなのよもう…」
伊織「なっ!?ちょ、やめなさいよっ////」
春香「伊織は、一番がんばってるよ」ナデナデ
伊織「っ…は、春香…」
春香「よしよし」ナデナデ
伊織「…///」
伊織「は…春香、お姉ちゃん…////」
春香「うん」ナデナデ
伊織「…はーん」
P「予想外ですね…」
律子「なに馬鹿なことやってるんですか」
P「あ、律子。律子もお姉ちゃん☆てやってくれよ」
律子「い、いやですよ…」
P「えー」
あずさ「あらあら」
P「あずささんもやってくださいよ~」
あずさ「え~////えーと、春香お姉ちゃん♪///」
P律子「お~」
あずさ「や、やっぱり恥ずかしいです~////」
P「いやいや、すばらしかったですよ」
あずさ「そ、そうですか?///なんだか照れちゃうわ~////」
P「と、言うわけで律子も」
律子「い、いやですってば…」
P「え~」
小鳥「…」
小鳥「…春香お姉ちゃん☆」
P「…」
律子「…」
あずさ「…」
小鳥「…なにか言ってください」
P「お疲れ様でしたー」
P「いやぁ、今日はいいもの見れたなぁ」
P「明日からの活力にもなるってもんだ…最後のは忘れよう」
春香「プロデューサーさーん」
P「お、春香。いま帰りか」
春香「はいっ」
P「駅まで送るぞ。あ、メシ食ってく?」
春香「わあ、ほんとですかっ!」
P「臨時収入があったからな…」
春香「あ、あはは///あまりに楽しくて我を忘れちゃいました////」
春香「みんなすっごーく可愛くて~///特に千早ちゃんは普段とのギャップが////」
P「うんうん」
春香「…あ~」
P「どうした?」
春香「…お、」
P「?」
春香「…お兄ちゃん///」
P「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
春香「えへへ///どうですか?」
P「殺す気か!!!!!!!!!」ドキドキ
春香「あはは////ごめんなさいっ///」
P「うおおお…これはクるなぁ…!!!」ドキドキ
春香「えへへ…」
P「いいなぁこれ、いいなぁ」ドキドキ
春香「えへへ、もういやですよ~///」
P「ええええなんでですかー…」
春香「だって…」
春香「私はプロデューサーさんのお姉ちゃんでも、妹でもなくて…」
春香「その…えへへ、やっぱりいいですっ/////」
P「…可愛いなぁ」
P「おおう…だから、代わりに晩メシな」
春香「ちゃんと私が作ったのを食べて欲しいんですよぅ」
P「あー…そうか」
春香「はいっ♪」
こうして765プロの面妖な一日は終わった!!
今日の幸せを活力に、明日も戦え天海春香!!!
がんばれ春香!!!負けるな春香!!!!
ドンマイ、音無小鳥!!!!
おわりおわり
響と美希のことガチで忘れてた…本当に申し訳ないと思っている
響は不憫
乙、面白かったよ
そうです
次はまたそのうち。響と美希もちゃんと出す…努力はする
Entry ⇒ 2012.02.04 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「やよい、べろちょろ」やよい「はい」
やよい「プロデューサー!!エッチなのはめっ!!です!!」
P「俺がやよいのべろちょろにな…」
やよい「え…これは…500円?」
P「はい、このままべろちょろに…」
やよい「あっ!?入っちゃいました!!良いんですか?」
P「ああ、お小遣いだよ」
やよい「ありがとうございます~」
P「その代わりにさ…」
やよい「ふぇ?何ですか?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327470514/
P「やよい、べろちょろ」やよい「はい」
やよい「うう…でも、さっき500円もらったし…仕方ないです…」
P「おっ、やよいは軽いなぁ」
やよい「そうですか…そろそろ…」
P「やよい、べろちょろ」
やよい「はい」
P「新しい500円だよ」
やよい「あっ!?入っちゃった」
P「しばらくこのままだ」
やよい「うう…恥ずかしいよぉ」
P「やよい、べろちょろ」
やよい「…はい」
P「今度は、これでどうだ?」
やよい「やっ!?500円玉が2枚も…」
P「これで継続な。あとは…」
やよい「はっ!?太もも…触っちゃやですぅ…」
P「2枚入れたんだから耐えないとな?ああ、内腿スベスベだ…」
やよい「やぁ…くすぐったいです…くぅん…」
やよい「…クンクンしないで…ください」
P「うなじとか…美味しそうだ…」
やよい「あっ!?今!?ペロッて!!」
P「やよい、べろちょろ」
やよい「…はいぃ…」
P「500円追加な」
やよい「ん…エッチな事ばっかりです…」
P「耳も可愛いな…」
やよい「あんっ!?舐めないで!!舐めちゃやだっ!!」
P「はむはむ…」
やよい「はむはむもダメっ!!」
やよい「…」
P「追加、と…そろそろやよいのパンツが見たいな」
やよい「へ?だ、だめです!?そんな!!」
P「追加したから諦めろ。ほら、手をどけて…」
やよい「うう…逆らえません…あ、めくれちゃう…」
P「可愛いな…木綿のパステルグリーン…」
やよい「パンツ…見られちゃった…」
P「どこで買ったの?」
やよい「近所の3枚980円のパンツです…」
やよい「皆に美味しいものを買ってあげたいですぅ…恥ずかしいよぉ…」
P「そうか…じゃあもっと頑張らないとな…」
やよい「え?」
P「やよい、べろちょろ」
やよい「ふぇ…はい…」
P「500円…やよいのおっぱいはまだ小さいな…」
やよい「はい…ぺったんこです…」
P「じゃあ、早速…」
やよい「…私のおっぱいなんて触っても楽しくないですよぉ…や…」
P「この微かな膨らみがいいんじゃないか…」
P「せっかくだから大きくしてやるよ」
やよい「いいです…あんっ…やぁ…」
P「やよい、ブラはしないとダメだぞ?」
やよい「小さいし…お金無いし…」
P「じゃあ今度俺が買ってやる。その代わり…その時は…」
やよい「もう…許してください…おっぱい…やぁ…」
やよい「もう…やだ…」
P「次は…コレだぞ?」
やよい「あ?あ…ああ…そんな…」
P「1000円札だ。ほら、べろちょろ」
やよい「ん…はい…」
P「追加…やよい、選ばせてやるよ」
やよい「ふぇ?」
P「直接おっぱい揉まれるか…それとも俺とキスするか…好きな方を選べ」
やよい「そんな…選べません…」
P「それは通らないな。もうべろちょろの中に1000円札が入ってしまったんだ」
P「早くしないと…追加してもっと恥ずかしい事をするぞ?」
やよい「!?」
P「早く選ぶんだ…」
やよい「…キス」
P「それで良いんだな?深い方だぞ?」
やよい「キス…してください…」
P「わかった…こっち向いて」
やよい「はい…」
やよい「はい…」
P「やよい、好きだぞ」
やよい「あ、はい…私も、好き…」
P「…」
やよい「ん…んん…」
P「…」
やよい「むう!?んんっ!!んむうう!!」
P「…」
やよい「ぴちゃ…ぴちゃ…ちゅる…ちゅ…ちゅ…んんっ」
P「…」
やよい「ちゅ…ちゅ…ちゅ…こくん…こくん…」
P「…どうだ?やよい…気持ちよかったか?」
やよい「はあ…はあ…はあ…」
やよい「私も…初めてがプロデューサーさんなのは…イヤじゃ無いです…でも」
P「やよい、べろちょろ…」
やよい「…はい」
P「500円な…じゃあ」
やよい「…」
P「手を繋いで一緒に帰ろう」
やよい「へ?」
P「もう遅いし、早く帰るぞ」
やよい「…はい」
P「じゃあ行こう」
やよい(もうちょっとだけ…したかったな…)
やよい「あ、可愛い下着…パンツとキャミのセットで2980円…高いな…」
やよいはべろちょろを開ける
やよい「でも…昨日いっぱい入れてくれたし…可愛い下着…欲しいな」
P「やよい、どうした?」
やよい「ぴっ!?プロデューサー!!」
P「可愛い下着だな。お前に似合うオレンジのチェック柄じゃないか」
やよい「…」
P「欲しいのか?」
P「昨日入れてやったじゃないか。足りないのか?」
やよい「みんなに美味しいものを…」
P「そうだよな…お前は家族思いの良い子だからな」
やよい(撫でてくれてる…嬉しい…好き…)
P「俺が買ってやるよ」
やよい「え?良いんですか?」
P「あと、やよい、べろちょろ」
やよい「…はい」
P「500円…と。あとこれ、下着の金な」
やよい「ありがとう…ございます」
P「じゃあ事務所に戻ろうな」
やよい「あの…手を、繋いでください」
P「ああ、これでいいか?」
やよい「はい…」
P「帰ったら…言う事聞いてもらうぞ?」
やよい「どうしても…ですか?」
P「せっかくだからな…行くぞ」
やよい「…はい」
P「やよい…準備出来たか?」
やよい「はい…」
P「…出ておいで」
やよい「恥ずかしいよぉ…」
P「早く見せてくれよ…せっかく買ったんだから」
やよい「はい…」
P「おお…可愛いなぁ…やよいにぴったりだ…オレンジのチェックもよく似合う」
やよい「あんまり見ないで…」
やよい「…はい」
P「500円入れたぞ…こっちこい」
やよい「また膝の上…ですか?」
P「いや、俺にまたがれ」
やよい「そんな…足が開いちゃって…恥ずかしいです…」
P「でもべろちょろに500円が入ってしまったぞ?」
やよい「…わかりました」
やよい「足を…閉じたいです…」
P「ダメだ、やよい、べろちょろ」
やよい「はい…」
P「今度は3枚入れるぞ」
やよい「ええっ!?3枚!?」
P「色々とイタズラしたいからな…楽しみだ…」
やよい(やだ…プロデューサー…何するんだろ…)
P「はい、入ったぞ」
やよい「何を…するんですか?」
P「とってもエッチな事だ」
P「ああ、昨日よりもっとエッチな所を触るぞ…仕方ないよな?」
やよい「…はい」
P「まずはキスするぞ」
やよい「んむ…」
P「…」
やよい「!?」
やよい(やだ!?おっぱい!!直接もまれてる!?)
やよい「んんっ!!んあっm!!ぷはっ!!やぁ!!んぐっ!!」
やよい「!?!?!?!?」
やよい(あっ!?ええっ!?そこ、おまた…だよぉ…)
やよい「ぷわっ!!やああっ!?プロデューサー!!そこ!!おまた!!ダメです!!」
P「やよいのここはぷっくりしてるな…」
やよい「やん!!ダメ!!くしゅぐったい!!やぁん!!あんっ!!」
P「おっぱいもぷにぷにで最高だな…あむ」
やよい「ああああっ!?おっぱい!!吸っちゃダメですぅ!!」
やよい「あ…せっかく買ってもらったのに…おもらし…してる…」
P「いけない子だ…お仕置きだな」
やよい「くあぁぁぁぁぁぁっ!?はげしい!!激しいですぅ!!!!」
P「そろそろ限界みたいだな」
やよい「あっ!?これっ!?なにっ!?こわい!!こわい!!なんかっ!!くるっ!!!」
P「イけ、やよい」
やよい「やああああああっ!?いやあああああああっ!!!!」
P「俺も我慢出来なくなって来た…やよい、べろちょろ」
やよい「ふぁい…」
P「特別に5枚入れてやるよ」
やよい「これ以上…何を…するんですか?」
P「やよい、そこに跪いて」
やよい「…はい」
P「俺のズボンを脱がせて」
やよい「え?」
P「早く…」
やよい「はい…」
P「見てみろ…お前の可愛い声でこんなになってるぞ」
やよい「いや…膨らんでる…」
P「やよい?」
やよい「はい…」
P「パンツを下ろして」
やよい「え?でも…そんな事したら…プロデューサーのが…」
そう思っていた時期が私にもありました
やよい「…はい」
P「目を逸らすなよ?ちゃんと見るんだ」
やよい「やだ…これ、プロデューサーの…おちん、ちん…」
P「お前のせいでこんなに大きくなってしまった。責任をとって鎮めてくれ」
やよい「へ…どうやって?」
P「これを…お前の可愛い舌で舐めるんだ」
やよい「そんな…おちんちんを…舐めるなんて…出来ません」
やよい「ぐすっ…はい…舐めます…プロデューサーの…おちんちん…舐めます…」
P「いい子だ…まずは先っぽを舐めるんだ」
やよい「ふぁい…」
P「そう…そうだ…小さな舌でぺろぺろするんだ…」
やよい「ぺろ…ぺろ…ぺろ…あ…何か出てきた…」
P「気持ちいいんだよ…続けて…」
P「やよい…そろそろ咥えてくれ」
やよい「…咥える?おちんちんをですか?」
P「そうだ…お前の小さな唇と舌で気持ち良くするんだ…いいな?」
やよい「はい…あむ、んむ…」
P「やよいの口の中…とっても熱いな…おかしくなりそうだ」
やよい「あむ、あむ…んんっ…ぷわっ」
P「首を前後に振ってしごいてくれ…ああ…いいぞ」
やよい「じゅぽっ…じゅぽっ…じゅぽっ。」
やよい(出る?何だろ…おしっことかは…やだな…)
やよい(じゅぽじゅぽじゅぽじゅぽん!!ふっ!!んにゅ!!むふっ!!」
P「ああ…出る…出る…出る…出る…出すぞ!!やよいの口の中に!!」
やよい「んむっ!!んむ!!むっ!?んむううううううううぅぅぅううぅううぅうっ!!!!」
P「やよいっ!!やよいっ!!やよいっ!!全部飲み込め!!!出すんじゃないぞ!!!!」
P「ふぅ…凄くよかったぞ…やよい」
やよい「プロデューサー…変態さんです」
P「お前が可愛いのがいけないんだ」
やよい「パンツ…汚れちゃった…新しいのに…」
P「帰りに買ってやるよ。これはサービスだ。もっと可愛いの買ってやる」
やよい「良いんですか?」
P「ああ…凄く気持ち良くしてくれたからな。お礼くらいさせてくれ」
やよい「弟たちへのお土産も…欲しいです」
P「ああ…そっちはいつでもサービスだ。お前の弟達は可愛いからな。俺のものにしたいくらいだ」
やよい「嬉しい…そう思ってもらえて…」
やよい「はい…あの…」
P「何だ?」
やよい「キス…してください」
P「ああ、ちょっと待ってろ」
やよい「あの…これはサービスです」
P「そうか…じゃあ」
やよい「ん…」
P「…行こう」
やよい「…はい。手も…サービスですよ」
P「そうか…サービス精神旺盛だな」
やよい「はい…」
収録現場 楽屋
AD「高槻さん、あと10分です」
やよい「は、はいっ!!」
P「あと10分だってさ…早くイかないとな?」
やよい「やんっ!!プロデューサー!!もう!!やめてぇ!!」
P「ダメだよ…べろちょろに500円入れちゃったんだから…」
やよい「あっ!?だめですっ!!コリコリって!!やあああっ!!」
P「そろそろイキそうだな…」
やよい「ああっ!!あああっ!!あああああああああ!!!!!」
P「やよい…良かったじゃないか。5分でイけたぞ…」
やよい「ふぅ…ふぅう…ふぅ…ふぅ…」
やよい「でも…パンツ…ビショビショ…」
P「大丈夫だ。30分くらいそのおもらしパンツで頑張っておいで」
やよい「はい…」
P「やよいはいい子だ…」
やよい(パンツ…いっぱい濡らしちゃった…ベトベトするよぉ…)
P「やよい、お疲れ様」
やよい「プロデューサー…パンツ…脱ぎたいです」
P「はしたないなぁ…やよいは」
やよい「ビショビショで…気持ち悪いですぅ…」
P「そうだな…ここに替えのパンツがあるんだ」
やよい「あ…ありがとうございます」
P「やよい、べろちょろ」
やよい「…はいっ」
やよい「パンツ…穿き替えるので部屋から出てくれませんか?」
P「何言ってるんだ。俺とやよいはいつでも一緒だ…俺が綺麗にして穿き替えさせてやる」
やよい「や…そんな事したら…見えちゃう…」
P「何がだ?言ってごらん…」
やよい「私の…おまた…」
P「やよい、べろちょろ」
やよい「でも…見られちゃう…から」
P「べろちょろ…出して?」
やよい「はい…」
やよい「はい…これで良いですか?」
P「うん、脱がすよ…ちょっとお尻上げて」
やよい「やぁ…」
P「はい、脱げたよ」
やよい「うう…恥ずかしいです…」
P「やよい…足、広げて」
やよい「だめ…見えちゃうから…だめ」
P「言う事聞かないと…俺が開くよ?」
やよい「それは…や…です」
P「ゆっくりで良いから…な?」
やよい「…はい」
やよい「これ以上は…許してください…」
P「俺が手伝ってやるよ」
やよい「ああっ!?いやぁ…見ないで…」
P「すごく可愛いよ。やよいのここ…ぴったり閉じて…まだ誰も知らないやよいの割れ目を俺が初めて…」
やよい「やだ…やだ…やだ…見ないで…見ないでください…」
P「でも、いやらしく濡れてるな…俺が綺麗にしてやるよ」
やよい「あっ!?だめ!?舌で!!だめ!!おしっこするところっ!!やぁっ!!」
やよい「ああんっ!!そこっ!!きたないです!!おしっこするところっ!!きたないですよぉっ!!」
P「大丈夫…やよいは何もかもキレイだ…」
やよい「おまたっ!!へんっ!!おしっこ!!でる!!でちゃう!!!」
P「このコリコリする所を舐めてあげるよ」
やよい「んはぁぁぁぁああぁぁあああぁっ!?なに!?ああああっ!!!」
P「噛んでみるね…」
やよい「ふぁあっ!?はぁああああああああああああああぁぁぁああぁああああっ!!!!」
やよい(やだ!!やだ!!やだ!!なんか出てる!!おしっこ出てるの!!やぁあああぁっ!!!!)
やよい「は…はぁ…あ…ふぁぁ…」
P「タオルで拭いてやるからな」
やよい「おもらし…して…ごめんなさい…」
P「大丈夫だよ。おしっこじゃないから」
やよい「自分で…拭けます…」
P「大人しくしてろ。力入らないだろ?」
やよい「はい…」
P「よし、拭けた。パンツ穿かせるからお尻あげて」
やよい「や…赤ちゃんみたい…」
やよい「恥ずかしくて全然大丈夫じゃありません…」
P「でも、すごく可愛かったぞ」
やよい「あの…サービスだから…キス…」
P「サービスか、ならありがたく…」
やよい「ん…」
やよい(エッチな事した後のキス…好き、かも…)
P「今日はやよいの家に寄ってみんなに会っていくよ。お土産も買って行こう」
やよい「みんな喜びます!!早く行きましょう!!」
P「いきなり元気だな」
やよい(プロデューサーと一緒にご飯…食べられる…)
P「今日は休みだ…のんびりするか」
携帯が鳴る
P「ん…やよいか…はい、もしもし」
やよい「プロデューサー!!おはようございます!!」
P「朝から元気だな…何だ?」
やよい「あの…お暇ですか?」
P「ああ、明日やよいをどうやっていじめるか考えてた」
やよい「ダメですよぉ…そんな事ばっかり…」
P「はいはい。それで?」
やよい「デートのお誘いです…ダメですか?」
P「いいよ。やよいとデート出来るならいつでもOKだ」
やよい「ありがとうございます…嬉しいです…」
P「やよい、待ったか」
やよい「ちょっとだけ待ちました」
P「そうか、じゃあ適当に歩くか」
やよい「はい!!あの…サービスで手を繋げますよ?」
P「それは良いサービスだ」
やよい(プロデューサーの手…あったかくて逞しい…安心するな)
P「やよい、ソフトクリーム食べる?あそこで売ってるけど」
やよい「1つまるまる食べたらお腹冷えちゃいますから…はんぶんこにしましょう」
P「ああ、じゃあ1つだけ買ってくる」
やよい(デート…プロデューサーとデート…楽しい…)
やよい「おいしい…プロデューサーも、あ~ん」
P「何かバカップルみたいだな…あ~ん」
やよい「バカップル…それでもいい…」
P「どうした?」
やよい「何でもありません。私、服とか見てもいいですか?」
P「記念に何か買ってやるよ」
やよい「いいんですか?嬉しいです…初めて着る時はプロデューサーに見てもらいますね!!」
P「楽しみにしてるよ。さあ、行こう」
やよい「はい!!」
やよい「いっぱい買ってもらっちゃいました!!でも…いいんですか?こんなにたくさん…」
P「やよいは可愛いからな。服が可愛かったらもっと可愛くなれる。だからいいんだよ」
やよい「可愛い…可愛いって言ってもらえた…」
P「何だ?嬉しそうだな」
やよい「嬉しいです…だから、キス…しましょ?」
P「え?でもここは人通りも多いし」
やよい「プロデューサーが慌ててる…でも、しちゃいます…んん…」
P「…」
やよい「えへへ…しちゃいました」
P「俺は心臓が止まりそうだったよ…お前は無名じゃないんだから」
P「お前は…まだそんな年じゃないだろ」
やよい「いいんです!!私、結婚願望強いので!!」
P「はぁ…他に行く所あるか?」
やよい「ゲームセンターでプリクラしたいです!!」
P「プリクラ…久しぶりだ」
やよい「いっぱいイチャイチャしましょうね!!」
P「やよい、何かいつもと違うな」
やよい「何の事ですか?いつも通りですよ!!」
P「お前…最初の一枚以外はキスばっかりじゃないか…」
やよい「えへへ~誰にも見せられませんね」
P「お前ってキス好きだよな」
やよい「そうですか?普通ですよ~」
P「いやいや。だって事あるごとにキスばっかりだし」
やよい「たまたまですよ~」
やよい(好きな人とキス…好きに決まってるよ…)
やよい「あのっ!!」
P「何だ?」
やよい「今日は…誰もウチにいないんです」
P「え?じゃあどうするんだよ?」
やよい「一人は危ないから…プロデューサーのお家に泊めてもらいたいなって…」
P「お泊りセットまで持って…」
やよい「だめって言ってもついて行きます!!家のカギ…置いてきましたから帰っても入れません!!」
P「お前…仕方ないな。今日は泊まっていけ」
やよい「はい!!ありがとうございます!!」
やよい「結構キレイ…」
P「寝に帰るだけだからな」
やよい「あっ!?ベッドだ!!わ~い!!」
P「おいおい、パンツ丸見えだぞ!?」
やよい「お部屋の中ではリラックスです~」
P「そうかい…って何で脱ぐ!?」
やよい「お家ではパンツとキャミソールですよ?」
P「お前…あんなに恥ずかしがってたじゃないか」
やよい「お家じゃないのにあんなカッコばかりしてたら恥ずかしくもなります」
P「何か別人だな…」
P「ああ…可愛いな。それよりさ、俺も脱いでいい?」
やよい「はい、お家の中ではリラックスですよ」
P「…」
やよい「ふぁ~、プロデューサーって結構筋肉あるんですね~」
P「それなりに鍛えてるよ」
やよい(プロデューサー…身体、大きいな…ドキドキするよ…)
P「それでさ…やよい?」
やよい「はい?」
P「何でさっきから俺の事誘ってるんだ?」
P「そうか…なら、たっぷりわからせてやる」
やよい「あ…胸…掴んでる…」
P「今日はその可愛いおっぱいをたっぷり揉みしだいてやるよ。キャミ…脱いで」
やよい「めくりあげるだけじゃ…だめですか?」
P「それでもいいよ…でも何で?」
やよい「せっかく可愛いの着てるから…もっと見て欲しいなって…」
P「そうか…可愛いもんな。じゃあ、めくって?」
やよい「はい…サービスです…」
やよい「あ…んんん…強いです…はあ…あ…」
P「乳首、立ってるぞ?小さなおっぱいで感じてるのか?」
やよい「やあ…プロデューサー…いじわるです…」
P「パンツは…汚したくないだろ?」
やよい「はい…脱がせてください…サービスですよ」
P「今日は気前がいいな…でももう濡れてるな」
やよい「プロデューサーがエッチだから…です」
P「俺もやよいのを舐めてやるよ」
やよい「はい…いっぱい気持ち良くなってくださいね?」
P「ほら、お尻こっち向けて」
やよい「はい…やんっ!!舌が…あったかい…」
やよい(これ…すごくエッチだ…)
やよい「んむ…あむ…ぺろ…じゅるっ!!」
P「気持ちいいぞ…そのまま舐めててくれ」
やよい「はぁむ…ん…ん…んむ…く…」
P「やよい、もういいよ…」
やよい「ん…じゅる…はい…」
せいぜい目隠し&手足縛って全身隈無くナメまわす位だな
それのどこが「キスまで」なんだ?
やよい「…はい。これで…いい、ですか?」
P「ああ…すごくいやらしい格好だ…」
やよい「恥ずかしいから…早く…」
P「やよい、わかってるな?これからお前の処女をもらうぞ?」
やよい「…はい」
P「やよい、べろちょろ」
やよい「…や」
P「べろちょろ…出せよ」
やよい「…や!!」
やよい「私の…初めては…べろちょろはいりません…」
P「じゃあ…どうすれば良い?」
やよい「私の初めては…キスをいっぱい…です」
P「キス?」
やよい「大好きな人のキスをいっぱいもらったら…初めて…あげます…」
P「わかった…いっぱいキスするぞ…やよい」
やよい「はい…いっぱい…してください」
P「やよい…んん…」
やよい「ぷぁっ!!今日のキス…優しい…これ、大好き…ん…」
P「やよい…挿れていいか?」
やよい「はい…おちんちん…挿れてください…」
やよい「うああ…ちょっと…苦しい、です…大きい…」
P「今…半分くらいだ…」
やよい「はぁっ!!ああっ!!うあああぁあぁぁっ…」
P「今…当たってる所が処女膜だ…ここから先は…かなり痛いぞ…」
やよい「くぅぅ…痛くてもいいです…プロデューサー…プロデューサー…」
P「やよい…愛してるからな」
やよい「私、プロデューサー…だいすき…くぅうううぅぅぅぅぅっ!?」
P「全部、全部挿れるからな!!」
やよい「うあぁぁぁっ!!やぁぁぁぁぁあああぁっ!!!」
やよい「痛い…でも…これが…プロデューサー…」
P「しばらくこのままで居ような?」
やよい「はい…痛いけど…熱いです…大きくて…固くて…すごく熱い…」
P「やよいの中はキツくてこのままでも出そうになるよ…」
やよい「いつでも出してください…何回でも…したい…からっ…」
やよい「動いてください…プロデューサーの動いてる所…見たい…」
P「あんまり持たないけど…動くな?」
やよい「はい…気持ち良くなって…」
P「動くぞ…」
やよい「やっ!?あん!!ああああっ!!!あんっ!!あんっ!!やっ!!」
やよい「中で!!いっぱい!!ぶつかって!!やああんっ!!!お腹!!ひびくっ!!!」
P「気持ちいいぞ!!すぐに出そうだ!!」
やよい「えへへっ!!プロデューサーっ!!エッチなっ!!あんっ!!顔してるっ!!んんんんんっ!!!」
やよい「はいっ!!プロデューサーのっ!!きゃんっ!!全部っ受け止めますから!!!」
P「いくぞ!!やよい!!!」
やよい「あぁっ!?ああああっ!?」
P「くっ!!」
やよい「はぁあああっ!?やああああっ!?いやああああああああぁっ!!!ふぁぁあああぁぁぁっ!!!おなかっ!!!いっぱいでてる!!!でてるよぉっ!!!!」
やよい(おなか…あつい…あついよ…)
やよい「…生きてます」
P「動ける?」
やよい「痛くてだるくて動けません…」
P「夕飯は出前取るけど、どうする?」
やよい「一番おいしくて高いご飯にしてください」
P「手加減なしかよ…」
やよい「いっぱい食べて元気になって…」
P「元気になって?」
やよい「もう一度…エッチしたいです」
とある会場
P「やよい、今日はお前にとっての今後を左右する大事なライブだ。大丈夫か?」
やよい「うう…緊張します~」
P「無事に終わったら…どこかで美味いもん食って、俺の家で…いっぱいしような?」
やよい「プロデューサー…前払いでお願いします」
P「やよい、べろちょろ」
やよい「これからはお支払いはずっとキス…ですよ?」
P「そうだったな…」
やよい「ん…それじゃ、行ってきます!!」
やよいいぢめ完了!!
超乙!
Entry ⇒ 2012.02.03 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
女P「朝目が覚めたら女の子になっていた……」
P「女の子になりたいなー」ボソッ
春香「えっ!?プ、プロデューサーさん?!」
P「女の子になりたいわー」
春香「ど、どうしたんですか?」
P「なんか男の社会に疲れちゃったよ俺…」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327922228/
女P「朝目が覚めたら女の子になっていた……」
春香「男の社会ですか?」
P「もう毎日がサービス残業祭だしさ…」
春香「はぁ…」
P「やっと仕事終わったと思ったら社長に飲みに誘われて…」
春香「……」
P「もう寝る暇も無くてさ…正直しんどい……」
P「働けど働けどじっと手を見るってやつ?」
春香「……」
P「そんな時にお前たちアイドルを見てると羨ましくてさ…それで、女の子になりたいなぁと思ったんだ」
春香「女の子の社会も結構大変なんですよ?」
P「え、そうなのか?」
春香「プロデューサーさんは男の人だから感じないかも知れませんけど……」
P「ふーん」
P「なんか済まなかったな。変な愚痴聞いてもらっちゃって」
春香「いえいえ。私で良かったらいつでも相談してくださいね!プロデューサーさん!」
P「春香は優しいなぁ」
ナデナデ
春香「テヘへ……///」
ー765プロ事務所ー
律子「……よし!終わった!それじゃ、お先に失礼しますね」
P「あ、ああ。俺はまだ仕事あるから残っていくよ……」
律子「あんまり無理しないでくださいね?」
P「ありがとうな。気をつけて帰れよ」
律子「はーい!失礼しまーす!」
P「(こりゃ今日も午前様決定だな……)」
AM01:00
P「……よし!やっと終わった!これで今週のスケジュールはばっちりだ!」
P「ふう…早く帰ろう……」
社長「君。」
P「しゃ、社長……」
社長「今あがるところかい?良かったらこのあと一杯どうかね?」クイッ
P「よ、喜んで……」ガクリ
ーたるき亭ー
社長「さあさあ、遠慮はいらないぞ!じゃんじゃんやってくれたまえ!」
P「あ、ありがとうございます…(うぅ…眠い…帰りたい……)」
社長「ほらほらぁ!手が全然進んでないぞぉ!」
P「す、すいません」グビッグビッ
P「(こうなりゃやけだっ…!!)」グビッグビッ
ーどこかの道端ー
P「ヒック!くっそぉ!まぁたこのパターンだぁ!ヒック!」
P「限界まで飲ませやがってぇ!ヒック!」
P「俺はぁ、下戸なんだよコンチクショー……ヒック!」
P「ああー女の子になりてぇー!男の付き合いなんて糞喰らえだぁ!ヒック!」
P「……ん?なんだあれ?」
P「『願い何でも叶えます』?占いか何かかな?よし、行ってみよう!」
P「おーい!ヒック!占ってくれぇ!」
婆「願いを言ってみよ」
P「願い?何でも良いのかぁ?ヒック!」
婆「何でも良いぞ」
P「よぉーし!それなら、俺を、女の子にしてくれぇー!なーんちゃってぇwwwwwヒック!」
婆「……承知した」ニヤッ
ーP自宅・朝ー
ピピピピッピピピピッ
「んん?もう朝かぁ……」
「ふあぁあ…今日も寝不足だ……」
「あれ?なんだか声が妙に高いぞ?」
「心なしか天井も高く感じる……」
「あぁー。二日酔いかな……こりゃ一日中辛くなりそうだ……」
ブルッ
「うう。小便小便っと……」
「あれ!?」ゴソゴソ
「え!?」ゴソゴソゴソゴソ
「な、」
「無い!?」
「無くなってるぅ!?」
女P「お、俺、女の子になってる!?」
女P「か、鏡!鏡!」
女P「髪が伸びて、身長が縮んで、胸も膨らんでる…?」
女P「いったいどういうことだ…?」
婆「お気に召したかな?」
女P「!?」
女P「あ、あなたは昨日の占い師!」
婆「あなたの願いが叶えられたのです」
女P「え?」
婆「あなたの『女の子になりたい』という気持ちを叶えて差し上げたのです」
女P「えええええええぇぇぇえええ!?」
女P「そ、そんな魔法じゃあるまいし…冗談きついですよ……」
婆「ふむ…魔法……。そうですな。それに近いものでございます」
女P「近いもの…?」
婆「魔法ほど万能ではないということです。今回は、叶えるための対価を支払って貰いました」
女P「対価……?」
女P「何ですかそれ?」
婆「なに。簡単なことです。あなたの正体が男であると、他の誰かに明かされなければ良い」
女P「も、もし正体がバレてしまったら……?」
婆「そうですな……あなたには蛙になって貰います」
女P「えええええええぇぇぇえええ!?」
女P「か、蛙!?」
婆「それで願いが叶うなら安いものでしょう?」
女P「いやいや、おかしいですって!」
婆「安心なさい。今のあなたの姿は完全に女なのですから、正体がバレるなんてありえません」
女P「ちょっ……」
婆「相談があるなら何時でも呼びなさい…それでは……」
スゥー……
女P「待っ……」
女P「……どうしよう。。。」ウルウル
女P「…あれから三ヶ月」
女P「ショックが消えずにボーッと過ごしてしまった……」
女P「業界では『敏腕プロデューサー謎の失踪!?』って話題になってるし……」
女P「どうしよう……」
女P「とりあえず765プロに行ってみようかな……」
ー765プロ事務所前ー
女P「勢い余って来たものの……」
女P「事務所にいきなり入って行ったら怪しまれるよな……」
女P「うぅ…困ったな……」ウルウル
ウロウロ
「あのー。どうかしましたか?」
女P「あっ…!……春香ぁー!」
ダキッ
春香「え?え?な、何で私の名前……?」オロオロ
女P「おいおい。忘れちゃったのか俺だよ俺……」
春香「あの……すいません…どこかでお会いしましたか…?」
女P「………( ゚д゚)ハッ!」
女P「い、いや、ち、違、違うぞ……」アワワワ
春香「?」
女P「えっと、その、えーと……そう!大ファンなんです!」
春香「……」
女P「憧れの春香さんに会えて感極まっちゃったっていうか、その……」
春香「……」ジトーッ
女P「いきなり抱きついちゃって、すいませんでした」ペコリ
女P「……」チラッ
春香「……なーんだ。ファンの方だったんですね!」
女P「そ、そうなんです!そうなんです!」
春香「いきなり抱きつかれてビックリしちゃいましたよ」
女P「す、すいません…」ホッ…
春香「それにしてもこんなに可愛い女の子のファンが居るなんて嬉しいな♪」
女P「え!?自分がですか…!?」
春香「うん!すっごく可愛いよ!」
女P「俺が…可愛い……///」カァーッ
春香「あ、そうだ。良かったら事務所に上がってく?」
女P「え。いいんですか?」
春香「良いよ良いよぉ♪今日はみんな遅くまで帰ってこないし」
女P「じゃ、じゃあ遠慮なく……」
ー765プロ事務所ー
女P「お、お邪魔します…」
春香「どうぞー」
女P「(三ヶ月じゃ何も変わるわけないか……)」
春香「お茶出すね!紅茶で良いかなぁ?」
女P「あ、じゃあコーヒーで……」
春香「はーい」
P「(そういえば俺のデスクきっと汚れてるだろうな)」チラッ
P「(……あれ?ピカピカだぞ?)」
春香「お待たせー」
P「あ、ありがとうございます…」
春香「ん?どうしたの机なんて見て」
女P「いや、あの机って今行方不明になってる方の机ですよね?その割りには綺麗だなって……」
春香「ああ…プロデューサーさんの……」
春香「実は私が毎日磨いてるんです。いつか帰って来てくれる気がして…」
女P「(春香…)」
春香「たぶんプロデューサーさんは今少し疲れてるだけなんだと思います」
女P「……」
春香「きっと十分休んだらすぐ帰って来てくれます!だって私たちのプロデューサーさんだもん!」
ナデナデ
春香「キャッ…」
女P「春香は優しいなぁ…」
春香「……///」
ガチャッ
「ただいま帰ったぞー」
春香「あ、社長、お帰りなさい!」
社長「おお。春香くん。ただいま」
女P「あの…こんにちは……」ペコリ
春香「社長、紹介しますね、この子は……」
ビビッ
社長「君!我が765プロからデビューしないかね!?ビビッときたよ!」
女P「え?え?」
社長「君なら成功間違いなしだ!」
社長ならティン!とくるべきだろ
「明日から来てくれたまえ!ハッハッハ!」
ーP自宅ー
女P「なんて言われてもなぁ……」
女P「うーん……」
女P「ええい!悩んでいてもしょうがない!」
女P「いっちょやってみるか!」
ー765プロ事務所ー
女P「おはようございます」
「あ、お早うございます!」
女P「(……真も久しぶりだな)」
真「今日から来る新しいアイドルの方ですよね?」
真「僕は菊地真!よろしくね!」
真「そしてこっちは萩原雪歩!」
雪歩「よろしくお願いしますぅ」
女P「(あれ?雪歩の警戒心が低いぞ?あ、そうか。俺が今は女だからか)」
真「そしてこっちは如月千早!」
千早「よろしくね」
女P「(何故か千早には女として勝っている気がするな……)」
千早「……」チラッ
千早「クッ……」
真「年齢は?」
女P「えっと…17です……」
千早「(同い年に負けた……)」
真「じゃあ高校生か。これからよろしく!」
真「あ、そうだ雪歩ー」
雪歩「なぁに?真ちゃん」
真「多い日用のナプキン持ってない?」
女P「!?」
真「今日二日目なんだけど忘れちゃてさぁ……」
女P「(ちょ、ちょ、真ぉ!?)」
雪歩「多い日用は持ってないなぁ…」
真「えぇっ?困ったなぁ……」
千早「真。私ので良かったら使う?」
真「本当に?ありがとう千早!」
女P「」
女P「ちょっとそういうことは控えめにした方が……」
真「どうして?女の子しか居ないんだからいいじゃないか」
女P「い、いや、うん、そうだけど……(俺は男なんだよおおおおおお!!)」
真「ああー。お腹痛いなぁ……雪歩、背中さすってくれる?」
「「「ただいまー」」」
真「あ、亜美真美、あずささんお帰りなさい」
亜美真美「おやおやぁ?新人さんですかなぁ?」
あずさ「よろしくお願いしますねぇ」
女P「よろしくお願いします」
女P「(あずささんには女として勝てる気がしないな……)」
千早「クッ……」
亜美「(ニヤリ)」
真美「(ニヤリ)」
亜美真美「それー服の上からブラホック外しー!」
パチンッ
あずさ「キャッ…」
ブルンブルン
女P「」
真「あ、こら亜美真美!それやめろって言ってるだろ!」
亜美真美「ニッシッシ……」
女P「(おかしい…765プロがすごくフランクな事務所になっている……)」
亜美「やっぱりあずさ姉ちゃんのボリュームは素晴らしいですなぁ」
真美「まさに星3つに相応しいおっぱい」
あずさ「あらあら……」
亜美真美「それー!揉んじゃえー!」
あずさ「ふふふ……」
キャッキャウフフ
千早「クッ……」
女P「(もしかして、男の俺が居なくなったからストッパーが無くなった……?)」
ガチャッ
「おはようございますなのー」
美希「おはようございますなのー」
「………」
美希「うっ……真、おはようなの……」
真「………」
美希「ゆ、雪歩、おはようなの……」
雪歩「………」
美希「…ち、千早さん………」
千早「………」
美希「……グスッ」
女P「……あ、あの、おはようございます」
美希「……あ!新しい人なの!私、星井美希!よろしくね!」ニコッ
女P「はい、お願いします」
真「ちょっと女Pこっち来て!!」
美希「………」
女P「ま、真?」
真「今は美希をみんなで無視してるんだ」ニシシ
女P「な、なんで?」
真「理由なんてなんでもいいんだよ!」
女P「えっ……」
真「と に か く !美希とは話しちゃ駄目だよ!」
女P「う、うん…」
美希「今日も良い天気なのー」
「………」
美希「レッスンするだけじゃもったいないなー」
「………」
美希「どこか出かけたいなー」
「………」
プックスクスwwwww
チョッ、ユキホ、ワラッチャダメダヨwwwww
美希「………辛くないの」
ガチャッ
「みんな!はいさーい!」
美希「あ、響、おはようなの」
響「………」
プックスクスwwwww
響「あれー?変だぞー?なんか幻聴が聴こえるぞー?」
美希「………」
響「姿は見えないけどもしかして、なのなの虫が居るかも知れないぞ?」
美希「美希は虫じゃないの……」
響「あれーまた聞こえるぞー!?」
美希「………」
響「よおし!自分が退治してやるぞ!それっ!」
バシッ
美希「痛っ!」
響「まだ居るな?それっ!それっ!」
バシッバシッ
美希「うっ…うっ……」
響「おぉ!?退治できたみたいだぞ?」
美希「グスッ……」ヒックヒック
響「自分スッキリしたぞ~」
クスクス
真「プッ……もう駄目だ!!ちょっとまた来てよ女P!!」
真「今の見てた?」クックック
女P「見てたけど…美希が可哀想だよ……」
真「美希?違う違う。響だよwwwwwひwびwきwwwww」
女P「響?」
真「響、必死だったでしょ?」クックック
女P「え?」
真「響のやつ、美希の次は自分が対象になるって分かってるからさ……」
女P「………」
真「必死に虚勢張ってポイント稼ぎwwwww」
真「みんなそんな響を影で笑ってるんだwwwww」
女P「な……」
真「最近は毎日美希のいじり方を変えてるから、それ見るのが楽しみでさぁw」
女P「真。あれはいじりじゃない。立派ないじめだ」
真「………」
女P「あんなことはすぐにやめろ」
真「へぇ……」
真「女Pって結構言うタイプなんだ」
P「俺はお前らをそんな風にプロデュースした記憶はない」
真「は?何言ってんの?意味不明」
P「いいからすぐやめろ。やめなかったら許さないぞ」
真「口の利き方には気をつけな?今回は許してあげるからさ?」
P「………」
一方その頃。
雪歩「今日も真ちゃんは調子乗ってるね」
千早「あそこまでオーバーリアクション取られてもね……」
響「正直自分もハードル上げられて迷惑だぞ……」
雪歩「直接言ったら絶対切れるよね……」
千早「困ったものね……」
美希「………」
真「戻ったよー」
雪歩「あ、真ちゃん。おかえりぃ♪」
響「真、真。今日のネタはどうだった?」
真「今日はなかなか良かったよ?70点くらいかな?」
響「それって全然ダメじゃないかー!」
千早「ふふっ…真ったら……」
キャッキャウフフ
美希「嘘っぱちなの……」ボソッ
ガチャッ
「おはようございまーす」
「「「「あ、春香、おはよー」」」」
春香「わー。今日もみんな元気だね!」
美希「は、春香……お、おはようなの……」
春香「美希もおはよ!」ニコッ
美希「春香ぁ!」
ダキッ
春香「ちょっと美希!どうしたの!?」
美希「はるかぁ!はるかぁ!」
春香「もう…甘えん坊さんだね美希は……」
女P「春香、おはよう」
春香「おはよう!今日からよろしくね!」
春香「さて、まずはプロデューサーさんの机を拭かなきゃ」
亜美「おやおや」
真美「まあまあ」
真「相変わらず春香はプロデューサーにお熱だね」ヒューヒュー
春香「も、もう///違うってば///」
真「照れない照れない」
春香「///」
真「よく続くよね・」
春香「もう///やめてよ!女Pちゃんからも何か言ってよ!」
P「え…?」
あずさ「あらあら」
P「(え…?春香が俺のこと……え?)」
ー次の日ー
765プロスタジオ
ダンスレッスン
「はい、星井さん!そこ間違ってる!」
「もう一度!」
クスクス
真「早くしてくださーい」
クスクス
美希「…すいませんなの」
春香「どんまいどんまい!次成功させよ!」
伊織「もう!どん臭いわね!頑張りなさいよ!」
美希「でこちゃん……」
伊織「あんた最近元気無いけど大丈夫なの!?765プロの指揮に関わるんだから気をつけなさいよね!!」
やよい「うっうー!伊織ちゃん優しいですう」
伊織「べ、別に美希のことなんて心配してないんだからね!」
美希「ありがとなの……」ウルウル
女P「……(悶々として寝不足だ…)」
春香「女Pちゃん?大丈夫?」
女P「う、うん…ありがと……」
春香「でもすごいよね女Pちゃん!初めてなのにダンスも歌も完璧!」
P「(まあ、元プロデューサーだしな)」
春香「まるで、何て言うか……」
春香「そう。プロデューサーさんみたい!」
女P「」ドキッ
春香「あ、ごめん。女Pちゃんは会ったこと無かったよね……」
女P「そ、その人は…どんな人だったの?」
春香「ん・。そうだなぁ。すごく優しくて……みんなのことを第一に考えてくれてて……」
春香「あぁ・!もう!良いところが多すぎて言い切れないや」
春香「あれ?女Pちゃん、真っ赤だよ?」
女P「な、何でもないよ!」
女P「ね、ねぇ……春香はその人のこともしかして、す、すk…」
「キャッ!」バタン
美希「い、痛いの……」
真「ごめん、ごめん。足が引っ掛かっちゃってさぁ」
美希「」ムッ…
真「何、その目?」
美希「何でも無いの……」
響「自分がダンス押してやってもいいぞ!」
美希「別にいいの……」
女P「あいつらまた……」グッ
春香「もーう!美希大丈夫!?」
女P「春香……?」
春香「真も気をつけてね!ダンス中は足とか引っ掛からないように動かなきゃ!」
真「ごめんごめん」
春香「美希、立てる?」
美希「ありがとう。大丈夫なの……」
女P「(春香、何でだよ…本当はいじめだって気づいてるんだろ……?)」
春香「それじゃもう一度頭から始めよ!」
「「「はい!!」」」
ー♪
バタン
美希「キャッ」
春香「もう一度!」
ー♪
バタン
美希「ううっ……」
春香「も、もう一度!……」
バタン
美希「うう…痛いの……」
春香「も、もう一回……」
女P「もういい」
春香「え……」
女P「真。昨日言ったよな?やめなかったら許さないぞって……」
女P「何でこんなことするんだ?何か理由があるんだろ?」
真「理由なんて無いよ…ただ美希がむかつくだけで……」
女P「真!お前はそんな嘘をつけるような子じゃないだろ!?俺の知ってる菊地真は素直で素敵な子だぞ!」
真「……」
美希「言えないなら代わりに美希が言ってやるの!」
女P「美希!?」
美希「みんな美希の人気に嫉妬してるの!」
真「………」
美希「ハニーが居なくなってからよってたかって…最低なの……」
真「クッ……」
美希「売れないアイドル君達の嫉妬には飽き飽きなの!」
真「み、みきいいいいいぃぃぃぃぃ!!」
バキッ
女P「お、おい!真!」
真「美希が!美希が悪いんじゃないか!」
美希「痛いの……」
真「新人賞をとったからって、いつもそんな風にみんなをバカにして!」
美希「本当のこと言って何が悪いの!?美希、は嘘なんて言わないよ!?」
真「こいつ……!!」
美希「みんなダンスも歌も演技も下手くそだし!万年Bクラスに居ればいいの!」
真「まだ言うか!このぉ!」
美希「やる気なら受けてたつの!」
春香「もうやめて!やめてよぉ!」
春香「どうしてみんな仲良くできないの……!?」
春香「プロデューサーさんが居なくなってからみんな変だよ!」
美希・真「春香……」
春香「もうやだよこんな765プロ…私の好きな765プロに戻ってよ……」ウルウル
美希「春香、もう無理だよ…」
春香「え?」
美希「みんな仲良しな765プロはもう戻ってこないの……」
春香「やめて……」
美希「一度離れた絆は二度と戻らないの……」
春香「やめてってば……」クスンクスン
美希「きっとハニーもこんなダメダメアイドル達に愛想尽かして出て行っちゃったの」
真「美希!このぉ!」
女P「みんな!やめないか!」
ビクッ
女P「そんなバラバラのままで良いステージなんてできるわけ無いだろ!」
女P「今日は解散だ!みんな少し頭を冷やせ」
ー765プロ事務所ー
女P「(まさか俺が居ない間にこんなことになってるなんて……)」
女P「(765プロ唯一の男が居なくなったことで事務所が女子高化……)」
女P「(これはなんとかしないとな……)」モンモン
春香「あの…女Pちゃん……?」
P「うわっ!ビックリした!」
春香「さっきはありがとうね」
P「え?」
春香「私、いつも美希がいじめられてるの知ってたんだけど……」
春香「なかなかガツンと言えなくて……」
女P「春香……」
春香「情けないですよね私……」
女P「そんなことないぞ!」
春香「え?」
女P「春香が765プロのことをすごく大切に思っていること、俺は知っている」
女P「ガツンと言えないのだって、これ以上関係が悪くなることをあんじてだろ?」
女P「春香はよくやってるぞ!」
春香「女Pちゃん……」
春香「へへっ…なんだか女Pちゃんって、たまにプロデューサーさんみたいだよね」
女P「え?」
春香「急に頼りになるところとか、みんなのことよく見てるところとか……」
女P「(まずい…)」
春香「すごくかっこいいと思うよ!なんか真とは違った男らしさ!」
女P「(この流れは……)」
春香「女Pちゃんってもしかして、」
春香「プロデューs」
ガチャッ
貴音「ゲロリ。ただいま帰りました。」
女P「あっ!おかえりなさい!(助かった!)」
貴音「あなたが新人さんですか私の名は四条貴音。以後、よろしくお願いします。」
女P「はい!お願いします!」
女P「って、なんで蛙の着ぐるみなんて着てるんですか」
貴音「ゲロリ。今日のロケで頂きました。」
女P「蛙ですか…か、可愛いですね……」
貴音「蛙になるのも楽しきことですよ。フフフッ……」
春香「………」ジーッ
ーP自宅ー
女P「ふう…危うく春香に正体がバレるところだった……」
女P「もう少し女の子らしくすべきかな……」
女P「というか、男に戻りたい……」
女P「なんだかんだで男の方が気楽だよな……」
女P「あ。真と美希の番組だ……」
女P「昼間あんな険悪なムードだったのに…」
女P「テレビの中では笑い合ってる…」
女P「女って怖いな……」ブルッ
女P「なんか俺が思ってたアイドルと全然違う……」
女P「こんなことなら社長の飲みに付き合ってた方がましだな……」
婆「おや、お戻りになりたいのですか?」
女P「!?」
婆「困りますねぇ、せっかく願いを叶えてさしあげたのに」
女P「女はもうこりごりだよ…早く戻してくれ」
婆「つまり今回の願いは男になりたい、と。」
女P「そういうことになるな」
婆「困りましたねぇ…」
女P「何か問題があるのか?」
婆「願いは普通に叶えられるのですが……」
女P「それならいいじゃないか」
婆「それ相応の対価を払ってもらわなければなりません……」
女P「ああ。で、今度はなんなんだ?」
婆「一回目はサービスとして緩めでしたが、二回目はきついですよ?」
女P「」ゴクッ……
婆「今回の対価はですね…………」
…………
ー翌日・765プロ事務所ー
女P「おはようございます」
春香「あ、女Pちゃん!おはよ」
女P「今日は早いんだね」
春香「うん。私が早く来てたら美希たちの喧嘩も防げるかなって……」
女P「春香……」
ガチャッ
「おはようございますなのー」
美希「あ!ハニーなのぉ!」
ダキッ
女P「え、おい、美希!?」
美希「ハニー!ハニー!」スリスリ
女P「お、おr、わ、私はプロデューサーじゃないぞ?」
美希「うん、知ってるよ?そんなの当たり前なの」
女P「じゃあどうして……」
美希「昨日はカッコ良かったの!美希を守ってくれてありがとうなの!」
美希「今はハニーが居ないから、女Pが新しいハニーなの!」
女P「え?」
美希「ハニー♪」ギュッ
女P「おい、胸が当たってるって!」
美希「女の子同士なんだから恥ずかしくないの!」ズイッ
女P「うわっ!ちょっと美希!やめろって!」
女P「(うわ…美希、ふわふわで気持ちいいな……)」
女P「(初めて女の子になって良かったと思えた……)」
女P「(あんな対価を支払うくらいならいっそこのままでも……)」
「「「おはようございます」」」
千早「おはようございます」
雪歩「おはようございますぅ」
春香「おはよ!」
女P「おはよう」
美希「お、おはようなの……」
千早「…美希、おはよ」ニコッ
雪歩「美希ちゃん、おはよう」
春香・女P「!」
美希「あ、アハ!おはようなの!おはようなの!」
千早「もう…一度言えば分かるわよ美希」フフッ
雪歩「変な美希ちゃん」クスクス
美希「な、何でも無いの!ただ…嬉しくて……」ウルウル
春香「(みんな仲直りしてくれるんだ…)」
女P「(それでこそ765プロだな)」
「おはようございまーす」
真「みんな!おはよう!」
春香・女P「真、おはよう!」
千早・雪歩「………」
真「あれ?聞こえて無いのかな?」
真「千早!雪歩!おはようってば!」
千早・雪歩「………」
やめろ
真「ちょっと、どうしたんだよ二人共!」
千早「なんか蚊が五月蝿いわね、雪歩」ニヤニヤ
雪歩「耳障りだね、千早ちゃん」ニヤニヤ
真「え…?」
美希「!」
美希「あ、おとこおんな虫が居るの!美希が退治してやるの!」
美希「それっ!それっ!」
バシッバシッ
真「痛っ!痛いよ!」
プックスクス
千早「み、美希それって……」プルプル
雪歩「昨日の響ちゃんのネタのパクリ……」プルプル
美希「この虫、しぶといの!それっ!それっ!」
真「ううっ……」ウルウル
ガチャッ
「はいさーい!みんなおはよう!」
「おおっ!今日もなのなの虫を早速見つけたぞぉ!」
「自分の新技で早速退治してやるぞ!」
「喰らえ!」
チッ……
響「えっ!?」
響「どうしたんだ?自分、とっておきのネタを用意してきたのに……」
雪歩「チッ……」
千早「空気も読めないなんて……」
美希「今日は虫がよく湧く日なのー」
響「え?よくわからないぞ自分……」シュン
真「うぅっ……」ビクビク
春香・女P「」
ー765プロ女子便ー
女P「春香、もうこれって……」
春香「ま、まだ諦めちゃ駄目だよ」
女P「もうそんなレベルじゃ……」
春香「大丈夫!大丈夫だよ!」
女P「春香、なんでそんなに仲良しにこだわるんだ?」
春香「だって…だってプロデューサーさんが帰って来てくれた時、事務所がこんな雰囲気だったら悲しいじゃない!」
女P「え……」
春香「私、信じてるの、絶対にプロデューサーさんは私達の元に帰って来てくれるって!」
P「春香…」
春香「私、好きな人の悲しい顔は見たくないの……」
P「!」
春香「私……どうすればいいの…プロデューサーさん………」
P「………」
女P「(春香は俺に戻ってきて欲しいのか……)」
女P「(でも、あの条件を受け入れたら俺は春香を傷つけることになる……)」
女P「(俺はどうすればいいんだ……)」
ー765プロ事務所ー
春香「あ、もうみんな来てる……」
あずさ「あらあらうふふ」
亜美真美「わーいわーい」
伊織「もうやよいったら」
やよい「うっうー!!」
キャッキャウフフ
雪歩・千早「………」
女P「(騒がしかった二人があんなに静かに……)」
あずさ「あらあら。千早ちゃん。今日は美希ちゃんと遊ばないの?」
千早「いや、今日はちょっと……」
あずさ「ふーん……美希ちゃん、今日は寂しいわね」
美希「寂しくないのー」
あずさ「あらー。」
あずさ「『寂しくないです』でしょう?」
美希「ひっ…ごめんなの……」
あずさ「『ごめんなさい』でしょう?」ニコニコ
美希「ごめんなさい…なの……」
バンッ!
美希「ごめんなさい……」
あずさ「あらあら。伊織ちゃんったら机なんか叩いちゃって」
美希「……」ビクビク
あずさ「すごく暇だわ……亜美ちゃん、真美ちゃん。何かやってくれる?」
亜美真美「あいさー」ビシッ
亜美真美「それー!ブラのホック外しー!」
千早「キャッ!」
亜美真美「おやおやー?ブラを外したのに何も変わってませんなぁ……」ニヤニヤ
千早「……///」カァーッ
亜美「だって」
真美「千早姉ちゃんは……」
亜美真美「ひんにゅー!」
千早「クッ……」
あずさ「あらあらまあまあ」
響・真「大丈夫、千早……?」
千早「………」プイ
雪歩「千早ちゃん……」
あずさ「あらあら。雪歩ちゃん居たの?」
雪歩「ひっ……」
あずさ「おはよう」ニコッ
雪歩「ぉはよぅございますぅ……」
あずさ「あらあら。聞こえないわ?」
バンッ!
雪歩「ひいぃ…!おはようございますう!」
あずさ「はい。おはよう」ニコッ
やよい「あずささんお茶飲みます?」
女P「(これが765プロ女社会の構造か……)」
女P「(強いものが弱いものをいじめ…更に強いものが強いものをいじめる……)」
女P「(もうこの事務所は……)」
あずさ「新人さんと春香ちゃんもお茶どうぞ」
女P「あ、ありがとうございます……」
春香「あずささん……もう、こういうのやめませんか?」
あずさ「あらあら。こういうのって、何かしら?」
春香「いじめですよ!いじめ!」
全員「!」
あずさ「いじめ…?」
春香「そうです!おかしいですこんなの!」
あずさ「あらあら。私はただ年下のみんなに良くしてもらってるだけよ?」
春香「全然違いますよ!これはただのいじめです!」
あずさ「へえ……春香ちゃんは私のこと気にいらないんだ……」
春香「はい!私、絶対やめさせて見せますから!」
あずさ「そう…」
あずさ「あらあら。響ちゃんと真ちゃんは残念ね、明日からみんなと遊んで貰えなくなるわよ」
響・真「!」
あずさ「千早ちゃんと雪歩ちゃんも明日からは一緒にお茶を飲みましょ?」
千早・雪歩「! は、はい!」
あずさ「うふふ……」
ー帰り道ー
女P「お、おい春香!どうするんだよ!」
春香「何が?」
女P「何がじゃないよ!お前、明日から、全員からいじめられるかも知れないんだぞ!」
春香「ああ……良いんだよそれで」
女P「え!?」
春香「ほら、よく言うじゃない?」
春香「共通の敵を持つものは味方だって……」
春香「それってつまり、全員が共通の敵を持てば、全員味方になるってことでしょ?」
女P「春香…それって……」
春香「良いの。私一人の犠牲でみんな仲良くなれるなら……」
女P「そんなのダメだ!それにプロデューサーもきっと悲しむぞ!」
春香「プロデューサーさんが…?」
女P「ああ!当たり前だ!」
春香「大丈夫ですよ……」
女P「何でだ!?」
春香「プロデューサーさんが帰ってきたら私、事務所やめるから……」
春香「プロデューサーさんが帰って来たらいじめなんて起こらないから……」
春香「私がプロデューサーさんが帰ってくるまで、仲の良い765プロを保って、バトンタッチするの」
春香「そして、仕事を終えた私は引退……」
春香「ふふっ…ちょっと格好つけちゃった」テヘヘ
女P「ふざけるなよ……」プルプル
女P「本当にそんなことでプロデューサーが喜ぶと思ってるのか!?」
春香「大丈夫だよ…プロデューサーさんは私のことなんて気にしないよ……」
女P「いいや!気になる!」
女P「俺は春香のことが好きだからだ!」
春香「え?女Pちゃん…?何言って……?」
女P「俺は春香が笑っている姿を見ていたいんだ!」
春香「え?え?」
女P「俺がお前を笑顔にしてみせる!」
女P「春香、あとは俺に任せてくれ」
春香「女Pちゃん……?」
女P「いいか、どんなことが有っても、大人しくしておくんだぞ?」
春香「え…?う、うん……」
女P「よし!約束だ!じゃあまた明日な春香!」
春香「うん…ばいばい」フリフリ
春香「(やっぱり女Pちゃんって……)」
ーP自宅ー
女P「つまり、春香を笑顔にさせるには……」
女P「1,バラバラになったみんなを一つにする」
女P「2,男の姿の俺が事務所に戻る」
女P「この条件を満たせば春香を笑顔にできるんだ……」
女P「おい!」
婆「お呼びですか」
女P「男に戻る決意ができた」
婆「ほう、それでは対価を払う決意も……」
女P「大丈夫だ」
婆「あなたは勇敢な方だ……」
女P「だがあと少しだけ待って欲しい。先にやることがあるからな……」
………………
ー翌日・765プロ事務所ー
女P「おはようございます」
春香「うぅっ……クスンクスン」
女P「春香!?どうした?」
春香「あ、女Pちゃん…私のロッカーが……」
女P「!?めちゃくちゃじゃないか!」
あずさ「あらあら。まあまあ。泥棒でも事務所に入ったのかしらぁ」ウフフ
春香「ううっ……」グスン
雪歩「あ、足が滑ったです」ニヤニヤ
ゲシッ
春香「痛っ……!」
あずさ「もう雪歩ちゃん、気をつけなきゃ駄目よ?」
あずさ「春香ちゃん、今日はもう帰った方が良いんじゃないかしら?」
春香「え?」
真「そうだよ、ロッカー荒らされて大変だろ?帰りなよ!」
響「そうだぞ!帰った方がいいぞ!」
響「みんなもきっとそう思ってるぞ?」
ニヤニヤ
春香「うう……」ポロポロ
あずさ「あらあら。どうして泣くの?」
クスクス クスクス
女P「………」
ツカツカ
あずさ「あら、新入りさんどうしたの?」
女P「いい加減にしろよ年増」
あずさ「な?」
女P「弱いものを集団でいじめて楽しいのかババア!」
あずさ「ちょっとよく聞こえなかったわ……」
女P「何度でも言ってやるよ、嫁き遅れ!」
美希「ハニー!やめるの!それ以上言ったらハニーが!」
女P「触るな売女!」
ビシッ
美希「痛っ……って、え?」
女P「淫乱菌が伝染るだろ!」
美希「え?え?」
伊織「ちょっとあんた……」
女P「黙れデコ助!」
響「お、おい」
女P「島に帰れ!」
貧乳!
おとこおんな!
コミュ症!
個性のない双子!
貧乏人!
能面!
あずさ「あらあら………」
あずさ「ちょっと、新人教育をしないといけないみたいね……」
あずさ「春香ちゃん…協力してね?」
春香「え、ええ?」チラッ
女P「……」コクッ
春香「わ、分かりました……」
ー帰り道ー
春香「ちょっと、ちょっと!女Pちゃん!どうしてあんなこと……」
女P「これで春香がいじめられなくて済むだろ?」
春香「で、でもこんなのって……わ、私、明日みんなに本当のこと言うよ!」
「ふーん。やっぱりそうだったんだ」
女P「お、お前は!?」
春香「伊織!?」
伊織「どうせそんなことだと思ってたわ。あんな悪口見え見えだもの」
女P「うっ……」
伊織「あずさにばらしてやるんだから……」ニシシ
女P「お、おい。」
伊織「なーんて嘘よ嘘。なんか考えが有ってのことなんでしょ?協力してあげるわよ」
P「本当か!?それなら……」
女P「春香を止めておいてくれ」
伊織「は?」
女P「俺がいじめられてる間、春香を止めておいてくれ」
伊織「あんた……」
女P「春香はきっといじめられている俺を助けに来てしまうから…頼む伊織!」
伊織「わ、分かったわよ!絶対に春香を止めてみせるわ!」
春香「女Pちゃん……」
伊織「(あずさをギャフンと言わせる協力と思ったら、全然違うお願いをされたわ……)」
伊織「(いじめを止めるなって…変態なのかしら……)」
女P「春香も、手出しをしたら絶交だからな!」
春香「う、うん……」
ー翌日・765プロ事務所ー
女P「おはようございます」
「………」
女P「あ…ロッカーが……」
あずさ「あらあら、毎日泥棒さんも大変ねぇ」ニコニコ
女P「うっ……」
あずさ「盗まれた下着とかがオークションに出されないと良いわね……」
女P「……」
「女Pの汚いパンツなんて売れませんよ!」
プックスクス
ー翌日・765プロ女子便所ー
女P「あと少しの我慢だ……」
「ちょっと、ちょっと、これ泣いちゃうんじゃない!?」ウシシ
「「いいから早くやっちゃおうよ!」」
「うっうー!せーの!」
バシャーン!
女P「きゃーっ!」ビショビショ
「やっりぃ!大成功!」
「「きゃーだって→」」
「うっうー!」
女P「あと少しの我慢……」ビショビショ
ー翌日・P自宅ー
女P「え?私のことで某掲示板が炎上?」
女P「えっと……内部からのリーク?女Pは枕営業で仕事を見つける?」
女P「ひどい……」
ー翌日・ライブー
765プロウオオオー
女P「(よしこの曲もあと少しで終わり…)」
ウオオオー!ハイ!
女P「(決めポーズ!って、え、?雪歩の足が!?)」
ズテーン!
ウオ…
雪歩「……」ニヤニヤ
真「今日のライブ、女Pがコケたせいで台無しじゃないか!」
女P「ごめん……」
響「自分、女Pの誠意が見たいぞー」
女P「誠意……?」
あずさ「髪を切るとか…どうかしら……」ウフフ
女P「え…髪を……?」
亜美真美「「さんせーい!!」」
女P「い、嫌です!!」
あずさ「真ちゃん、響ちゃん?」
真・響「了解」
ガシッ
女P「は、離してください!」
千早「ハサミ使います?」
女P「嫌!やめて!」
あずさ「ちょっとだけだから、ね?」
春香「女Pちゃん…!!」
伊織「春香、駄目!!」
春香「離して伊織!」
ジョキッ!
あずさ「あらあら、随分とさっぱりしたわね」
女P「………」
真「似合ってるよ女P……ププッ」
仕事できなくなる
いじめが露見したらどうするつもりなんだ
ー帰り道ー
春香「本当のこと言って、もうやめてもらおうよ、女Pちゃん……」
女P「ダメだよ……今、やっと765プロが1つになろうとしてるのに………」
春香「でも……」
女P「春香の願いじゃないか!」
春香「女Pちゃん…もう良いよ……もう………」
春香「765プロなんてどうでもいいよ……」
春香「こんな765プロ要らない……」
女P「春香……」
春香「あいつらだけ居なくなればいいのに……」
女P「………」
「それなら良い方法があるわよ!」
女P「伊織!?」
伊織「これを見なさい!」
あずさ『響ちゃん?真ちゃん?』
響・真「了解」
女P『は、離してください』
女P「うっ…これって……」
伊織「さっきのシーンを全部録画しておいたわ」
伊織「これを動画サイトにアップするわ!」
女P「ええ!?」
伊織「ちょうどいじめに加担してるやつらが全員写ってるしか声も入ってるから一掃できるわよ!」
春香「伊織……」
伊織「で、どうするの?判断はあんたに任せるわ」
女P「春香、本当に良いのか?」
春香「良いです。私はもうプロデューサーさんが戻ってくれさえすれば……」
女P「分かった!伊織!やってくれ!」
伊織「りょーかい!」パチンッ
SP「」ササッ
カタカタカタカタ
春香「………」
女P「(俺さえ戻ればいいか…それで春香が笑顔になるなら……)」
春香「………」
女P「春香」
春香「なに?」キョトン
女P「プロデューサーのことずっと好きでいてやってくれよ……」
春香「え…///そんなの、あ、当たり前だよ…」
春香「私はずっとプロデューサーさんのことを好きでいるよ」
春香「約束する……」
ー翌日・765プロ事務所ー
社長「君たち、いや、お前たち。とんでもないことをしてくれたな……」
響
真
千早
雪歩 「…………」
亜美
真美
やよい
あずさ
社長「覚悟はできているかな!?」ポキッポキッ
「「「「「「「「ひえええええぇぇぇぇええ」」」」」」」」
ーP自宅ー
女P「これで全て終わったな……」
女P「おい」
婆「お呼びですか?」
女P「男に戻してくれ」
婆「よろしいのですか?」
女P「ああ。頼む……」
…………
ー翌日ー
P「やれやれ酷い目にあった……」
P「もう女になんかなりたいなんて思わないぞ……」
P「社長の飲みに付き合っていた方がましだよ……」
P「おっと、そろそろ事務所に行かなきゃな」
あれから社長に電話したら、普通に許してもらえた。
社長はどうやら俺が姿を消したことより寂しさの方が上まっていたようだ。
きっと今日は飲みに誘われるに違いない。
事務所は例の事件によってアイドルが激減して、再スタートを切るらしい。
P「よし!今日からまた頑張るぞ!」
P「ふう、よし……」
ガチャ
P「お早うございます!」
ー765プロ事務所ー
伊織「あら。おはよう。久しぶりね」
P「おお。伊織。いろいろとあったらしいな……(俺にとっては久しぶりじゃないけどな)」
伊織「あんたがいなかった3ヶ月とちょっとはまさに悪夢だったわ……」
P「そうか……」
伊織「でも、あ、あんたが帰ってきて良かったわ!」
P「ん?」
伊織「ち、違うわよ!そういう意味じゃなくて、その…その……」
ナデナデ
伊織「ふぇ?」
P「ありがとうな、伊織。」
伊織「ふ、ふん///」
美希「あ!ハ二……プロデューサー!」
P「おお。美希、おはよう」
P「(美希は実力を買われて解雇にならなかったんだよな…)」
P「(社長も無鉄砲な様で意外と考えてるんだなぁ)」
美希「あのね…もうハニーは私のハニーじゃなくてね、今のハニーは違う人でね……」
P「ハハッ……何を言いたいのか分かんないぞ」
美希「でもね、今またハニ…プロデューサーを見るとね、やっぱりハニーがハニーだなって思うの!」
P「美希がどの人をハニーと呼ぼうが構わないよ。これからもよろしくな」
美希「ハニー!!」
貴音「おはようございます。あなた様。」
P「(貴音は最後までいじめの存在に気付かなかったんだよな……)」
P「(純粋なのか、ただ鈍いだけなのか……)」
P「久しぶりだな、貴音」
貴音「久しぶり?何を言っておられるのですか?」
P「え?」
貴音「3ヶ月行方をくらませた後にひょっこりと現れたじゃないですか?」
P「え???」
貴音「何故か女装をしておいでだったから最初は気づきませんでしたが……」
P「(貴音…怖っ……)」
P「(蛙に……)」
P「(まあ、時効だよな……)」
貴音「あなた様?」
P「いやいや、お前には勝てないな。ホント……」ハハハッ
社長「さて、こうやって765プロも再出発を果たすことになった」
社長「星井くん、四条くん、水瀬くん」
社長「これからも頼む」
3人「はい!」
社長「そして、Pくん!寂しかったぞ!今夜早速1杯どうかね?」
P「はい!喜んで!」
社長「そして秋月くん、音無くん、Pくん捜索の旅、ご苦労だった!」
律子「もう、プロデューサー!心配したんですよ!」
P「す、すまん」
小鳥「草津のお湯気持ち良かったですよねー」ピヨピヨ
律子「ちょ、ちょっと!小鳥さん!それは内緒って言ったじゃないですかと!」
P「本当に心配してたのか…お前ら……」
社長「私もアイドルのプロデュース作業で忙しくてね。なかなか姿を表せなかったよ」
P「すいません……」
社長「いやいや、謝らんでくれ。それよりこちらも済まなかった」
P「え?」
社長「いやぁー。プロデュース業って意外と大変なんだね」ハッハッハ
社長「よく今まで律子くんと二人で頑張ってくれていたなぁと、ずっと思っていたんだ」ハッハッハ
P「社長……」
社長「それにしても、今日を一番楽しみにしていた主役が来ていないようだね……」
タッタッタッ……
社長「おやおや、噂をすれば影というやつかな……」ハッハッハ
ガチャ!
「おはようございます!遅れてすいません!」
伊織「もう!こんな日にどうして遅刻するのよ!」
「ごめんごめん!ちょっと準備に手間取っちゃって……」
美希「あ!さては、ハニーが帰ってくるからって、おめかししてたんでしょ!」
「ち、違うよ!!///」
貴音「確かにメイクがいつもよりしっかりしてますね」
「もう!///やめてってば!///」
社長「うむ。よく来てくれた、天海くん!」
春香「はい!これからもよろしくお願いします!」
小鳥「春香ちゃん、いっぱいお土産有るわよ!」
律子「ちょっとぉ!小鳥さんってばぁ!」
春香「えぇ!?二人共プロデューサーさんを捜索してたんじゃないんですか!?」
社長「ハッハッハ!!」
伊織「ふふっ……なんだかいつもの765プロが戻ってきたわね」
貴音「まことですね……最近は何やら険悪な雰囲気でしたから」
律子「あら、そうだったの!?」
春香「良かった…またこんな風に過ごせて……」ニコッ
社長「ほら、君からも何か言ってあげたまえ。彼女は君からの言葉をきっと待っているぞ」
P「社長……」
社長「ん?どうかしたかね?」
P「彼女は、」
P「彼女は新人のアイドルですか?」
社長「!?」
P「えっと…笑顔が、笑顔がとても素敵な方ですね!」ニコッ
伊織「ちょ、ちょっとあんた!何言ってるのよ!」
貴音「め、面妖な……」
P「な、何でみんな怒ってるんだよ……」
美希「ハニィー?美希、そういう冗談は好きじゃないな」
社長「ハッハッハ、ちょっとブラック過ぎるがナイスジョークだぞ君ぃ!」
P「俺はただ社長から『何か一言』って言われたから思ったまま」
P「笑顔が素敵だって……」
社長「君ぃ、ブラックジョークの被せは良くないぞ?」
P「だからジョークじゃ無いって……」
伊織「あんたはムードってものも察せれないの!?そこは気の利いた一言をいうところでしょ!?」
美希「ハニー、見損なったの……」
P「い、一体全体何なんだよ……」
律子「………どうやら嘘を言ってる感じじゃないですよ?」
P「だから最初から本当だって……」
社長「し、信じられん」
貴音「まるで魔法にでも掛かったかのようですね……」
春香「プ、プロデューサーさん?」
P「………」
春香「アハハ…ちょっと、おめかしし過ぎちゃいましたかね?あ、いつもの髪型にしたら分かるかな……?」
P「……」
ヒョイ
春香「ほら、私ですよ。春香ですよ、プロデューサーさん?」
P「……すまん」
春香「そんな…そんなのって無いよ…」ウルウル
P「すまん…本当に覚えて無いんだ……」
春香「どうして、どうして…私の記憶だけ……」ウルウル
P「………」
社長「あ、そのぉ、は、働いてるうちに思い出すかも知れないぞ!」
律子「そ、そうですね!プロデューサー!早速仕事に入りましょう!」
P「あ、ああ……」
伊織「ほら、春香、立って……」
春香「うっうっ…」クスンクスン
美希「春香……」
P「(なんだろう…)」
P「(なにか…何かが引っ掛かるこの感じ……)」
律子「それにしても、仕事するのも3ヶ月ぶりかぁ…デスクがすごい汚れてそう……」
小鳥「そうですねぇ……って、うわ!すごい埃!」
P「(あぁ…きっと俺の机も汚れてるんだろうなぁ……)」
律子「まずはみんな机掃除からですね……」
小鳥「あぁー…早く温泉饅頭食べたいなぁ……」
律子「こ、小鳥さん…」
律子「ん?おやおや?プロデューサーの机は綺麗ですね?」
P「あれ、本当だ…いったい何で……」
ズキン
P「うっ…」
P「(まただ…また……)」
P「(なにか大切なことを忘れてるような……)」
『実は私が毎日磨いてるんです。いつか帰って来てくれる気がして…』
『たぶんプロデューサーさんは今少し疲れてるだけなんだと思います」』
『きっと十分休んだらすぐ帰って来てくれます!だって私たちのプロデューサーさんだもん!』
P「ううっ……」
「さて、まずはプロデューサーさんの机を拭かなきゃ」
亜美「おやおや」
真美「まあまあ」
真「相変わらず○○はプロデューサーにお熱だね」ヒューヒュー
「も、もう///違うってば///」
真「照れない照れない」
「///」
P「誰かが…俺の机を拭いてくれていた……」
律子「そういえばプロデューサー。残念でしたね」
P「何がだ?」
律子「新しい子が入ったのにいじめでやめちゃったらしいんです」
P「ああ…(それ、俺なんだけどね…)」
律子「社長もお気に入りの子が辞めちゃってガッカリしてますよ」
P「ハハハッ……」
P「(そういえば何で俺はいじめられていたんだっけ……)」
「○○、なんでそんなに仲良しにこだわるんだ?」
「だって…だってプロデューサーさんが帰って来てくれた時、事務所がこんな雰囲気だったら悲しいじゃない!」
…………
「年増!」 「島に帰れ!」
…………
「ちょっと、ちょっと!女Pちゃん!どうしてあんなことを!」
「これで○○がいじめられなくて済むだろ?」
…………
P「……」ズキズキ
「○○」
「なに?」キョトン
「プロデューサーのことずっと好きでいてやってくれよ……」
「え…///そんなの、あ、当たり前だよ…」
「私はずっとプロデューサーさんのことを好きでいるよ」
「約束する……」
………………………
P「(あと少し、あと少し……)」ズキズキズキズキ
?「やれやれ、見ていられませんよ……」
?「さながら今の願いは『大切なものを思い出したい』ですかね」
?「次の対価は高いですよ?ふふふ…」
P「………」ズキズキズキズキ
P「!」
P「は、る、か………」
律子「え、プロデューサー?今なんて?」
P「はるか!春香だよ!」
小鳥「もしかして、思い出したんですか!?」
P「春香はどこに!?」
社長「春香君なら、応接間に居るぞ!すぐ行ってあげたまえ!」
P「はい!」
P「(そうだ!俺は春香を笑顔にしたくて頑張ってたんだ!)」
P「(そして、戻ってきたのに……)」
P「(それなのに俺は何をやっているんだ!)」
P「春香!」
春香「プ、プロデューサーさん?」
P「すまない春香…全て思い出した……」
春香「……プロデューサーさん」ウルウル
P「春香、あの約束を覚えているか?」
春香「はい、覚えています……そして、これからもずっと…守ります……」
P「春香!俺も、俺も!お前のことが………」
……………
婆「おやおや、見ていられませんね……」
婆「今回の対価……?」
婆「そうですね…彼女を一生幸せにでもしてもらいましょうかね……」
婆「ふふふふふ………」
おわり
終わりです。
保守してくれた方々、ありがとうございました。
物語は最初のうちに全部構想ができてたんですけど、書き貯めがない上、ながら書きだったので遅筆になってしまいました。
とりあえず、春香って幸薄で最高ですよね!
>>1大層乙であった
乙
やっぱ春香さん天使だわ
Entry ⇒ 2012.02.02 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
響「かなさんどー」
響「え?だから、かなさんど~って……」
P「かなさんど?うーん、かなサンド?」
響「あ、プロデューサー知らないんだな?」
P「ああ、さっぱりわからん。どういう意味なんだ?」
響「へへっ、教えてあげないぞ!」
かなさん どー=愛しい よー
おわり
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327886655/
響「かなさんどー」
響「そ、そうかー?」
貴音「響…私は響を止めたりはしません
ですがきちんと避妊だけはしてくださいね」
響「ばっk!!だ!!」
貴音「痛いです、響」
響「貴音が変なこと言うからだぞ!!」
貴音「変な事を言いましたでしょうか、性交s」響「わあー!わー!」
P「何してるんだ二人とも」
みたいのはよ
貴音「なぜでしょうか」
響「こういう約束しておかないといつどこで何言うかわからないからだぞ!」
貴音「いつかどこかで何か言われて困ることがあるのですか
まさか既に男性と…」
響「ち!ちがうぞ!と、とにかく約束してくれないならもう貴音とは喋らない!」
貴音「それは大変に困ります、では約束しましょう」
響「そういう貴音こそ、そういう人はいないのか?」
貴音「私はいつそのような方と巡り会えても大丈夫なように、日々精進しております」
響「貴音はブレないな…自分うらやましいぞ」
貴音「?」
P「二人とも、そろそろ時間だから出発出来るようにしておくんだぞ」
響「う、うん分かったぞ」
貴音「承知致しました」
P「ああ、貴音?
この前勧めてくれたラーメン屋凄く美味しかったぞ」
響「…」
貴音「それはよかったです、私もお気に入りのお店です故」
響「…はぁ」
P「どうした響」
響「別になんでもないぞ」
貴音「?」
キィ…ガチャ
P「よし、今回初参加のラジオ企画だからな
二人とも気合入れていけよ!」
響「…うん、頑張るぞ貴音!」
貴音「はいっ」
~収録中~
P(最近響の扱い方がわからなくなってきたな
機嫌の浮き沈みが激しくなったというか…
仕事に戻ればいつも通りだから今の所は問題ないけど
…今度、貴音達に相談してみるか)
スタッフ「お疲れさまでーす」
貴音「響、行きましょう
ぷろでゅうさあ、仕事の都合で戻れないそうです」
響「そうなのかっ
じゃあタクシーで帰らなくちゃな」
貴音「いえ、歩いて帰りましょう」
響「うん…ってえ!?
ここから事務所まで40分はかかるぞー?」
貴音「歩く為に足はついているのです」
響「な、なんか違うような気もするぞ…
まあ貴音がそういうなら歩くのも良いかもなっ
最近運動も出来てないし」
貴音「りふれっしゅ」
響「そのポーズはなんだ…?」
貴音「気合を入れるのです、さあ響も」
響「り、リフレッシュ!」
貴音(恥らう響も可愛いです)
響「た、貴音…今携帯で自分のこと撮らなかったか?」
貴音「はい」
響「あっさり認めるのは貴音らしいなぁ…」
貴音「問題があったでしょうか」
響「いや、まあいいけど…」
貴音(ついでに待ち受けにしておきましょう)
響「こ、こらー!」
貴音「?」
響「堂々と待ち受けにするなっ!」
貴音「では、今夜密やかに待ち受けにしなおします」
響「…まあ約束させたから許してやるぞ
さ、もう帰ろう?」
貴音「はい」
響「貴音は、ぷ…プロデューサーの事をどう思ってるんだ?」
貴音「どう、と言いますと」
響「たとえば…好きとか」
貴音「好きですよ」
響「っ…!
や、やっぱりデートとかもしたのか?」
貴音「ええ(二郎に)」
響「そっか…」
貴音「響」
響「ん?」
貴音「ふぁいとです」
響「た、貴音に応援されても少し複雑な気持ちだぞ…」
貴音「私では駄目ですか」
響「駄目っていうか…だって貴音も…」
響も誘ってみては如何でしょう」
響「そ、そうなのか!?
確かに美希がそんな話をしてたのを聞いた気がするぞ…」
貴音「だから、諦めてはなりません」
響(恋敵ってこんな協力的でオープンな関係なのか…?)
貴音「響とぷろでゅうさあのでーと!なんと微笑ましい光景でしょう
想像しているだけで幸せな気持ちになれます」
響「た、貴音は私や美希がプロデューサーとデートしても嫌じゃないのかっ」
貴音「嫌がる必要がどこにあるのです
それで皆が幸せになれるのであれば真素晴らしいではありませんか」
響(他の女性でも、プロデューサーが幸せなら構わない…か
自分勝手な考えをしてる自分より、貴音のほうがずっとずっと大人だぞ)
「貴音は大人な考え方だな…
自分にはちょっと出来ないぞ…」
貴音「よいではありませんか
違う人間なのですから、違う考えを持つのが当然です」
響「うぅ…」(話せば話すほど、自分じゃ貴音には勝てないぞ!)
響「貴音は大人すぎるぞ!」
貴音「なんと!」
響「自分、貴音みたいにかっこよくないし
あずささんみたいに胸もないし
美希みたいにおしゃれじゃないし…」
貴音「自分を卑下するのはお止めなさい!」
響「ビクッ」
貴音「響は私の大切な友人です
どんな人でも、たとえそれが"アナタ"であっても"響"を卑下する事は私が許しません」
響「た、貴音…」
貴音「よしよし、私の胸でいくらでも泣きなさい」(可愛い…)
響「うわーん」
貴音「いいですか響、自分にとっての短所も相手には長所に為り得るものです
ですからどんな状況であれ、諦める必要はないのです」
響「ぐすん…貴音…
わかったよ、自分プロデューサーをデートに誘ってみる!」
貴音「ええ、是非写真を送って下さいね」
響「え?ああ…うん
美希にもあずさにも、もちろん貴音にも負けないように頑張るぞ!」
貴音「その意気です、響
りふれっしゅ!」
響「り、リフレッシュ!!///」
パチリ
貴音(それでもやっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい
そんな響も可愛いです)
P「うん?
っぷ、なんだこれ」
春香「見せてくださいっ」
千早「これ…我那覇さん?
こんな街中で何してるのかしら…」
春香「"気合のぽーじんぐ"って…貴音さんから?」
P「ああ、収録一緒だったんだ
いやー、よかったよかった」
千早「?」
P「最近元気ないから、事務所に着いたら春香や千早にも相談しようと思ってたんだけど
この様子なら心配なさそうだ」
P「ただいまっと」
美希「おかえりいぃ!」
だき!
P「おいおい、今日は猛烈だな」
美希「だってミキ、学校でテストだったからハニーと会うの4日ぶりなの!」
千早「…」
春香「はは…ゴシップ記事に載せられないで下さいね?」
美希「春香だってうらやましいくせに!」
春香「…」
千早「春香、中学生の戯言よ」
美希「千早さんはルツペ…」P「わぁ!?」
美希「あ、あぶないの!」
千早「ごめんなさい、突然素振りがしたくなったものだから」
美希「椅子はナイの!きゃあ!」
P「おい千早あぶないから…」
春香「プロデューサーさん、危ないから私と外行きましょう」
千早「は、春香!?」
春香「プロデューサーさん、早く行きましょう」
美希「じゃあミキ左半身もらうの!」
千早「ではプロデューサーの背中は私が貰います」
美希「千早さんがくっついたってペッタンコで当たるものがないの」
千早「なんですってこの!」
美希「この人野蛮なの!ミキの事蹴ろうとするの!」
春香「プロデューサーさん!」
あずさ「あらら、おしくら饅頭みたいですね」
小鳥「…あずささん、ややこしくなりますから入っちゃ駄目ですよ」
あずさ「はい♪」
ガチャ
響「ただい…」
貴音「なんと」
うらやましいなあ
美希「ゴーヤうるさいの!」
千早「美希はプロデューサーの手を胸からどけなさい!!」
美希「自分にないからって」
千早「うるさい!」
小鳥「ああ、律子さんが帰って来る前に状況をなんとかしないと…」
貴音「あなた様」
千早・美希・春香・P「……」
貴音「話がございます
…響も来なさい」
3人Pから離れる
あずさ「あらぁ、案外あっけなく終わっちゃったわ」
~外~
貴音「あなた様はここでお待ちを」
響「な、なんだ?」
貴音「先ほど言いましたね、頑張ると
でーとに誘うのです」
春香「千早ちゃん、夕食食べに行こう」とか見た?
あれレスほとんどつかなかったから人いたかわかんなかったんだけど
響「…う、うん!」
貴音「大丈夫ですか?」
響「だ、だいじょうぶだぞ!ちょっとクラクラしてきただけだ!」
貴音「ぷろでゅうさあは都内のアパートに住んでいると話していました
お家でーとを提案するのです」
響「い、いきなり家にいくのか!?
ハードルも高いし、し、失礼じゃないかなっ」
貴音「既に見たでしょう、一気に追い抜かなくては他のあいどるに彼を食べられてしまいます」
響「食べられるって…な、なんか言い方エロいぞ」
貴音「お家でーとで、彼に料理をご馳走するのです」
響「料理…」
貴音「店で食べるより、魅力的なはずです
なにせ未来の嫁となるのですから」
響「け、けっこん!?
まままままってよ貴音!話が早すぎるぞ!」
響「貴音の冗談はどこからどこまでかわからないぞ…」
貴音「ですが、美味しい店で食べたら思う事は"また一緒にどこかで食べたい"で止まるとは思いませんか?」
響「?」
貴音「店での食事の最中に、相手の手料理の事を考えることは考え難いと思うのです」
響「た、確かに…」
貴音「しかし手料理を振舞えば"また手料理が食べたい"という思いに変わり
次のデートも店ではなく自宅になるのです!」
響「貴音頭いいな!」
貴音「こうして一個一個の上げ幅を高めていけば、彼女達をもすぐに追い抜けるでしょう」
響「じ、自分なんだか行けるような気がしてきたぞ!」
貴音「その意気です!りふれっしゅ!」
響「り、リフレッシュ!」パチリ
貴音(ふふふ、また一枚…)
正直デートの手順とかわからんから、萎えるような展開だったらすまんね
P「え?」
響「ぷぷぷぷろでゅーさ!」
P「おい、顔真っ赤だぞ、熱あるんじゃ…」
響「だだだだだいじょうぶでごわす!」
P「ごわす!?」
ジーー…
貴音(ああ、巣立つ雛を見届ける気持ちです…
ちゃんと録画できているでしょうか)
P「なあ、貴音?
お前に伝言してもらった方が早いんじゃ…」
貴音「男ならじっと待つのです」
P「あ、ああ…わかった」
~事務所のドア~
美希「まだ帰ってこないの」
春香「狭いよ千早ちゃん」
美希「千早さんは省スペースなの」
ゴン!
美希「むぅ」
響「すぅ、はぁ…プロデューサー」
P「(いよいよか)何だ」
響「…」プルプル
P「な、なぜ泣く!?」
貴音(か、可愛い!!申し訳ありません響…
私はいずれ私の為に響を泣かす日が来てしまうかもしれません)
P「ほら、泣くな、な?
何でも欲しいもの買ってやるからえーとほら、飴食べるか?」
響「ん!」
泣きながらあーん、する響
貴音(もっと近くで撮りたいのですが、響の巣立ちを邪魔する訳には…)
P「はい」
コロコロ
響「…美味しいぞ」
P「落ち着いたか?」
響「ごめんなさい」
P「良いんだ、言いたい時に言えばいい」
P「よしこい!」
響「自分…プロデューサーに手料理を振舞いたいぞ!!」
P「そうか!
え!?」
響「だ、駄目だったか…?」ジワ
P「いやいや!すごく嬉しい!
(響ってこんなに涙もろかったっけ…?)」
響「じゃ、じゃあ食べてくれるんだな!自分の沖縄料理!」
P「あ、ああ!」
響「よ、よかったー、断られたらどうしようと思ってたぞ…」
P「ちなみに場所は…」
響「プロデューサーん家!」
P「やっぱりか…」
P「いや、迷惑っていうより
バレたら変な記事書かれるかもしれないぞ」
響「そういう心配はもっと自分をもっと売れっ子にしてからしてほしいぞ!」
P「はい、精進します
それじゃあ、俺の家で問題ないか」
響「やった!」
P「でも、ゴーヤー売ってないんじゃないのか?」
響「ちゃんとどの時期でも育つぞ!
あんまり売ってないけど、家族に送ってもらうから大丈夫だ!」
P「そうか、楽しみにしてるよ」
響「(楽しみに…////)」
P「それじゃ、そろそろ事務所に戻ろうか
あんまり遅いと律子がうるさいぞ?」
響「う、うん!」
貴音(一安心ですね…)
春香「何の話をしてたんですか!」
P「いや、なんでもないよ」
千早「怪しいです」
ガヤガヤ
響「ニコニコ」
貴音「ご機嫌ですね」
響「うん!今はプロデューサーにまとわりつこうと気にしないぞ!」
貴音「よきかなよきかな
不動の精神は大切です
しかし、響」
響「ん?」
貴音「避妊だけは…」
響「わわわわ!!!」
貴音「もぐもぐ」
響「手を食べるなー!」
響「それじゃあ、貴音
わざわざお見送りありがとうな」
貴音「響、避妊だけは…」
響「し、しつこいぞ!」
貴音「…これは真剣な話です」
響「う…」(マジ顔になった…)
貴音「恥ずかしがらずに、お答えなさい
彼と繋がりたいと思っているのですか」
響「繋がるって…確かにほんのちょっとだけ、そうは思うけど…
ほ、ホントのホントにちょっぴりだけだぞ!!」
貴音「わずかには、あるのですね」
響「う、うん…」
貴音「響の最初は一度きりだという事を忘れないでください
…ですが、それだけ響が彼を好きだという事は存じました
確かに、愛を語る上で外せないものです
私に響のそれを止める権利などありません」
貴音「それで二人が幸せなら、それはよろこばしい事です」
響「でも…そんなの間違ってると思うぞ!」
貴音「?」
響「だって…!自分は貴音にも負けないように料理の練習頑張ったのに!
貴音は、貴音は勝ちを私に譲っちゃうのかっ!?」
貴音「ひ、響…どうか私の言う事を」
響「貴音は友達だけど、そんなのよくないぞ!!間違ってるぞ!!」
貴音「響、勘違いが…」
響「そんな広い心持ってる貴音こそ…プロデューサーと付き合うべきなんじゃないのか!」
貴音「私は彼を愛していません」
響「…え?」
貴音「友人として、仕事仲間として、上司として、です」
響「こ、こんなの…ちょ、超はずかしいぞ…」
貴音「…クス」
響「じゃあ、私もっと頑張っていいんだな!」
貴音「響」
響「ん?」
貴音「私は贔屓が好きではありません」
響「うん、知ってるぞ」
貴音「でも、響は一番可愛いです」
響「うぅ、照れるぞ…」
貴音「響なら、大丈夫です
何があっても、彼は響にめろめろです
ですから、自信を持ってお行きなさい」
響「…うん!!」
飯、よろしければ保守お願いします
響「遅れてごめんだぞ、プロデューサー
ちょっと貴音と…」
P「大丈夫、気にしてないよ
ずっと前から響は貴音と仲良しだったのか?」
響「うん、貴音に一番最初に声をかけたのも私だぞ」
P「そうなのか、響は色々な事に積極的だもんな」
響「ただ、貴音の場合は自分もちょっと戸惑ったぞ
事務所の誰とも話そうとしないから、話しかけたら逆に嫌われるんじゃないかって」
P「それでも声をかける辺りは流石だな、凄い事だぞ響」
響「じ、自分はただ…友達は多いほうがいいと思うから…」
P「それで、最初の頃響と貴音はどうだったんだ」
響「貴音は今と変わらないなー
行動はちょっと無愛想だったけど」
P「ブレないか、貴音らしいな」
P「可愛い所?」
響「ずっと自分についてきてくれる」
P「その言い方はちょっと貴音が幽霊みたいだぞ」
響「ははっ
貴音は幽霊みたいな顔色してるからなっ
…でも、本当に」
P「…」
響「ついてくる人物に自分を選んだのは、きっと最初に声をかけたから
その辺りは妙に合理的で、貴音らしいんだけど
仕事の選びに迷いがないんだ
律子やプロデューサーが色々な応募企画を持ってきてくれた時、貴音は一瞬で仕事を選ぶ
昔聞いたんだ、"何を基準に選んでるの?"って」
P「響か」
響「自分もびっくりしたぞっ
まだそんなに仲良しでもなかったのに
真顔で"響と受けられるように2人以上募集しているものを選んでおります"って言うからなっ」
P「はは、貴音は最初からブレないな」
響「だから貴音は…親友だ」
P「響は、貴音の私生活の事とか何か知ってるのか?」
響「…いや、向こうから言わない事は聞かないようにしてるよ
プロデューサーは、知らないままなのは変だと思うか?」
P「普通ではないよな、不思議な気持ちじゃないか?
家も学歴もわからない親友っていうのも」
響「その分、私の事を知ってもらうだけさー」
P「響も、響だな」
響「ん!?今の妙な納得は気になるぞー!?」
P「ああ、こら
俺の可愛いボロ車を事故にあわさせないでくれよ」
響「新車買うチャンスだぞ!」
P「冗談じゃないっ!
こいつを買うためにどれだけ食事を減らしたことか!」
一応チェックしてはいるけど、私が混じってたら見逃してくれ
響「マニュアルっていうのも、珍しいなー」
P「まあ、高級車でもないマニュアルはただの面倒な車だからな」
響「どうしてオートマじゃないんだ?あっちの方が簡単なんでしょ?」
P「よし、見てろ
変身!!」ガチャガチャ!
響「おぉ」
P「まあ、ただのギアシフトだけどな
でもカッコイイだろ?」
響「かっこいいぞ!」
P「このシフトレバーをカクカクするのが夢だったんだ
燃費も良いから財布にも地球にも優しいしな」
響「と、止まったら自分もやってみていいか!?」
P「いいぞ、女の子がマニュアルって滅多に居ないけど
俺は凄くいいと思う」
響「じゃ、じゃあ自分、将来マニュアル免許取ろうかな」
P「え?」響「なーんちゃって」
P「着いたぞ」
響「ガチャガチャさせて!」
P「ああ、忘れてた…」
響「おぉ
自分運転席座るの初めてだぞ(椅子温かい…)」
P「やっぱり身長的にキツいな」
響「むぅ、やっぱりもっと大きくなりたいぞ…
160は欲しいぞ」
P「一番左のペダルを踏んで動かすんだ」
響「お、おお!」
P「こっちがロー、これがセカンド、サード、トップ、リバース」
響「っ…!(て、手が重なってるぞ!)」
P「発車する、はいロー!はい合図!」
響「合図!?」
P「ウィンカーだウィンカー」
響「えっと…えっと…あうぅ」
さ、出ておいで」スッ
グイ
響「あ、ありがとう、プロデューサー…」
P「よし、それじゃあ料理楽しみにしてるぞ!」
響「はいさい!自分精一杯頑張るぞー!」
~料理中~
P(やっぱり、高校生となるともう女の子だな
台所に立つ目つきが主婦だ)
P「手馴れてるな」
響「そりゃいっぱい練しゅ…んん、自分は料理が得意だからなっ」
P「うん、上手だ上手
これならいつでもお嫁いって恥ずかしくないぞ」
響「およ…わ、わあ!?」
ガラン!
P「お、おい大丈夫か」
響「プロデューサーが変な事言うからだぞ!!」
P「悪い悪い」
響「あ、チャンネルそのままがいい」
響「いや、その芸人沖縄出身なんだぞ」
P「そうなのか、あまり見ない人だな」
響「でも、少しでもテレビに出ようと頑張ってる
地元の家族だっ」
P「そうだな、響もいっぱい頑張ってるぞ」
響「じ、自分はまだまだで…うぅ
褒められると上手に切れなくなるから褒めないで欲しいぞ…」
P「…そうか?わかった」
響「…や、やっぱり褒めて!!」
P「響、偉いぞ」
響「(ほくほく)」
P「今日は一段とコミカルだな」
ゴーヤーチャンプル!アーサ汁!ゴーヤーのおひたし!糸瓜の味噌煮込みだぞ!!」
P「おお!これはマジで豪華だな!
ハイタッチ!」
響「いぇい☆
ってこれ自分のネタじゃないぞ!」
P「悪い、ちょっと上がったテンションにあわせてみたんだ
響の料理で嬉しくなっちゃったからだぞ」
響「そういう照れる事は言わなくていいぞ…
は、早く食べて!」
P「え!?あ!うん!今なんか凄い可愛かった!」
響「うるさい!いい年した大人なんだから黙って食べる!」
P(顔真っ赤…からかいすぎたか、あとで謝ろう)
P「あの、響さん」
響「っ…
もくもく」
P「無言で食べ続けられると、扱いに困るんだけど」
響「もくもくもくもくもく」
P「せめて口の中のもの飲み込んでから次の入れなさい」
響「もぐっごほっごほ」
P「ほら言わんこっちゃない、ほら水」
響「ごくごく、ぷは」
P「大丈夫か」
響「だい、じょうぶ」
P「さっきからずっと下向いてるじゃないか
耳めっちゃ赤いし、体調悪いんじゃないか」
響「大丈夫です!」
P(…敬語っ!?)
響「あわわ…!!」
ボン
P「おい、響…響!?」
~寝室~
P(気絶する人見たのいつ振りだろう
随分と前、雪歩が一回気絶したくらいしか覚えてないな
まさか響が…男性恐怖症だったとか…?)
響「うぅん…」
P「起きたか?」
響「ひゃぁ!?」
P「俺の顔見てそんな反応されると地味に傷つくな…」
響「ご、ごめんなさい…」
P「具合はどうだ?」
響「自分は、全然大丈夫」
P「なあ、真剣に答えて欲しい、男性恐怖症だったのを無理に我慢してたのか?」
響「ち、ちがうぞ!
自分はただ…」
響「うぅ…」
P「キッチン片付けてくるよ
気持ちの整理、出来るように」
ガシ
響「自分、プロデューサーにはここに居て欲しいぞ」
P「そ、そうか?」
響「…(よし、告白しよう!)」
P「なあ、響」
響「っ」
P「鈍感で悪かったな」
響「プロデューサー…?」
P「ずっと前に言われてたんだよ、律子に
女の子は皆真剣ですよって」
響「う、うん」
P「でも、俺にはなんだか信じられなくて
やっぱり、響や他の皆を見てるとその好意は感じられるんだ」
ポロポロ
P「響、皆と違ってお前はアクションを起こさず
少しずつ皆に埋もれていくようで、すごく怖かったぞ」
響「…うん」
P「一番怖かったのは俺自身だ
皆とは少し違う、言い寄る事もしてこないで悩んでいる
そんな響に迫られた時、断ったら響がつぶれてしまうんじゃないかって
…不安で、色々な打開策を考えた
そうしていくうちに、だんだんとお前が気になっていく自分が一番怖かった」
響「プロデューサーは…気付いてたのか…
はは、なんだか自分、バカみたいだぞ…ぐす」
P「黙ってて悪かった」
響「…ぐす、でも!貴音には嘘ついたけど
自分の初めても、プロデューサーにあげてもいいんだぞっ!
こんなに、こんなに好きなんだぞ!」
ダキ!
響「それなのに…それなのに駄目なのか…」
P「すまない」
貴音には悪いけど、やっぱり自分じゃ足りない部分はいっぱいあったんだ…」
P「…」
響「ごめんなさいだぞ、プロデューサーの家でこんなに泣くつもりなんて…なかったのに」
P「送るよ」
って思ったけど現実のほうは手を出しまくりだなそういや
P「そうか、気をつけてな」
響「それじゃ…」
バタン
バタン
P「響!!」
響「…自分、泣いちゃってるから振り向きたくないぞ」
P「響…本当に、申し訳ない」
響「謝られたって…困っちゃうぞ」
P「響が、車を運転出来るような年齢になったら
もう一度俺のことを思い出してみてくれ
きっと、その頃までに響をトップアイドルにしてみせる」
響「2年間…」
P「長い年月だけど
今、ここで響を受け入れる訳にはいかない
お前の夢を、俺なんかで潰して欲しくないんだ
…2年立ったら、俺が響の全てを受け入れる
P「待てるか、響」
響「プロデューサー!」
だき!
P「よしよし、悪かったな
どうしても、トップアイドルの夢だけは潰させたくなかったんだ」
響「プロデューサー」
P「ん?」
響「彼女にしてください」
P「…響、今までの話聞いてたか?」
P「だから2年…」
響「2年たったら結婚してくれるんでしょ?」
P「え?」
響「だからそれまでは恋人でいたいぞ
いいよね?プロデューサー!」
P「いや、まあいいと言えばいいんだが…
あくまでゴシップにつかまれないようなひっそりとした恋人生活になるぞ?」
響「うん!」
P「よし!それじゃあ律子達に殴られる恋人宣言しに行くぞ!」
響「はいさい!」
おわり
かなさんどー
Entry ⇒ 2012.01.30 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「最近視線を感じる」
P「はい、誰かに見られているような」
P「悪寒を感じるというか」
小鳥「それってただ風邪を引いてるだけじゃなくてですか?」
P「熱はないんで風邪ではないんですけど…」
小鳥「そうですか…」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327589808/
P「最近視線を感じる」
千早「…ふぅ」
春香「千早ちゃんお疲れ」
春香「昨日の仕事どうだった?」
千早「いつも通りね」
春香「そっかー」
美希「あ、今日は確か美希なの」
春香「美希も仕事気をつけてね」
美希「もちろんなのー」
P「俺ですら視線の原因がなんだかわかってないんだし」
P「…まぁ俺の考え過ぎってこともあるしな」
P「今日も冷えそうだし早く帰るか」
P「うー今日も寒いなぁ」
P「早くこたつはいって暖まるか」
P「…」
P「窓から視線…」
P「まぁそんなわけないよな」
P「ここマンションの3階だし」
美希「うー今日も寒いの」
美希「早く暖房つかないかな」
美希「…」
美希「えへへ、ここは特等席なの」
美希「あ、望遠鏡っと」
美希「…」ジー
P「一応今日はカーテン閉めておくか」
P「お、なんか快適になったな」
P「カーテン閉めると暖房効果もあるのか?」
P「視線も気になんなくなった気がするし」
美希「…」
美希「あ!」
美希「これは報告なの」
美希「一応ノートにも書いておこう」
P「おはようございまーす」
小鳥「おはようございます」
P「…はぁ」
小鳥「昨日はどうでした?」
P「やっぱり視線を感じましたよ」
小鳥「ストーカーですかね?」
P「…なんで俺なんかに」
小鳥「しっかり身を守れるようにしてくださいね?」
P「わかってますよ」
小鳥「よろしい!」
P「あはは…」
美希「いつも通り…あ、違うの変化があったの」
春香「変化?」
美希「うん、なの」
千早「詳しく聞く必要があるみたいね」
小鳥「…」ジー
P「小鳥さんの視線以外」
P「なんで今日はそんなに見るんですか!」
小鳥「もしかしたら今でもストーキングされてるかもしれませんから!」
P「さすがに事務所内ではないですって」
小鳥「そうですかね?」
美希「はい、カギ」
春香「ありがと」
美希「一応昨日の事は詳しくノートに書いてあるの」
春香「ちゃんと確認するよ」
千早「もし何か動きがあったら連絡ちょうだいね」
春香「動きがあってもそれが見れるかわからないけど…わかったよ」
P「仕事も終わったし帰るか!」
小鳥「今日も気をつけてくださいね?」
P「大丈夫ですって、今日ははじめからカーテンも閉めますから」
小鳥「そうですか」
P「はい、それじゃあ先に失礼します」
P「近所のスラロープが凍ってたからビックリした…」
P「そんなに寒いのか」
P「こたつこたつ~」
P「うー温い」
春香「今日はっと…」
春香「その前に美希が書いてくれたノート確認…」
春香「ふむふむ、今日は大丈夫かな?」
春香「…」ジー
春香「大丈夫みたい」
P「は、こたつで寝てしまってた」
P「あ、カーテン…今更感だけど閉めるか」
ピーンポーン
P「ん?こんな時間に誰だろ」
P「はーい」
ガチャ
P「誰もいない…」
P「ん?下になにか」
P「煮物?」
P「手紙付き…」
P「なになに、作りすぎたのでよかったらどうぞ」
P「なんだ、大家さんか」
P「前もくれたもんなぁ」
春香「!」
春香「あぁ…見えなくなっちゃった」
春香「ノートに書いてっと」
春香「後は報告っと」
小鳥「どうでした?」
P「いやー昨日はこたつでつい寝ちゃって」
P「あ、でも視線は感じなかったですね」
小鳥「それはよかったです」
P「まぁあと変わった事といえば…大家さんに煮物貰いました」
小鳥「味はどうでしたか?」
P「おふくろを思い出しました」
春香「二人にメールした通りだよ」
春香「いい感じだったのにやっぱり見えなくなっちゃって」
千早「…そう」
千早「今日は私ね」
千早「粘ってみるわ」
春香「頑張って!」
美希「ファイトなのー!」
P「よし、仕事終わったし俺は帰ります」
P「小鳥さんもよかったら一緒に帰りませんか?」
P「途中まで送りますよ」
小鳥「あ、私はまだ仕事がたっぷり残ってるのでいいです」
P「事務仕事って大変そうですね」
小鳥「そんなことないですよ~」
P「まぁ俺は先にあがりますんで」
P「はぁ、ここ数日凄く寒いけど空気が澄んでていいな」
P「東京でも星がよく見えるし」
P「…視線は」
P「大丈夫みたいだな」
ピンポーン
P「また?」
P「はーい」
ガチャ
P「…今度は」
P「肉じゃが?」
P「大家さん…俺が寂しい男だと思ってるな」
P「…美味しい」
P「ん?また手紙付き」
P「隣に新しい入居者か」
P「まぁそのうち挨拶に来るだろう」
千早「…今日はいつにもましてダメな日ね」
千早「早めに撤退しましょう」
千早「…はぁ」
P「いやー昨日は何事もなかったですよ!」
小鳥「それはよかったです」
P「でもまた大家さんがお裾分けを」
P「まぁとっても美味しかったからいいんですけどね」
小鳥「大家さんはご結婚なさってるんですか?」
P「はい、もう老夫婦ですけどね」
P「あ、それと隣に入居者がはいったそうです」
P「はい、男性か女性かまだ知らないんですけどね」
小鳥「挨拶もきてないんですか?」
P「まぁ俺も帰ったの遅かったですから」
P「あ、社長から聞いたんですけど音無さんも引っ越したそうですね」
小鳥「はい、とってもいい場所に」
P「社長から住所は聞けなかったですけど今度遊びに行っていいですか?」
小鳥「いいですよ、近いうちにどうぞ」
春香「昨日もダメかー」
美希「難しいの…」
春香「私達まったくの素人だもんね」
美希「でも今日こそ!」
春香「あ!今日は3人で行こうよ」
千早「今日は早く上がれそうだからもちろん」
美希「美希もなのー」
P「そうみたいですね」
小鳥「じゃあ私はお買い物してから帰りたいのでそろそろ帰りますね」
P「小鳥さん料理できるんですね」
小鳥「もー馬鹿にしないでください!」
P「ははは、すみません」
P「今度作ってください、なんて」
小鳥「…」
小鳥「はい!」
P「遅くなっちゃったな…」
P「うわ、ドアノブになにかぶら下がってる…」
P「あ、お隣さんからか」
P「悪い事しちゃたなぁ…夜も遅いし今から訪ねるのも迷惑だから」
P「今日はいいか」
春香「私にも見せて」
春香「本当だ~」
千早「…みんなで見るというのもいいわね」
美希「美希、すっごく楽しいの!」
春香「私もだよ~」
P「カーテンももう開けていいか」
P「…今日も星がきれいだ」
P「って隣の人の洗濯物がウチの方に…」
P「塀があるのにうまくここにのったな…」
P「うわ、ブラジャー!」
P「下の隙間から返しておこう…」
P「お隣は女性か…」
P「…いいオカズに」
春香「あ!動きがあったよ」
千早「私にも見せて」
千早「…」
美希「…うわー」
美希「すっごいたくさんなの」
千早「…私も」
春香「本当すごいんだね」
千早「えぇ、待っていたかいがあったわね」
美希「みんなに教えたいの」
春香「じゃあ明日皆に教えよっか」
美希「うん!」
P「ということで視線はなくなりました」
小鳥「問題解決ですね」
P「えぇ、あ、そうだ」
P「隣にこしてきた人は女性でしたよ」
小鳥「どうしてわかったんですか?」
P「…えーと、直接あったんで」
小鳥「そうだったんですか」
小鳥「って、そうですよね~」
真「うー僕も見たかったなぁ」
雪歩「私も…」
美希「やっぱり実際見れると感動なの」
春香「真達も暇ならきなよ~」
雪歩「行きたいんだけど…」
真「親がね…」
千早「私もそう思うわ」
春香「じゃあまた暇ができたらね」
真「うん」
雪歩「頑張って説得してみるね」
美希「キラキラってしてホントきれいだから一緒に見ようね!」
美希「星!」
千早「えぇ」
美希「伊織も一緒にみれればよかったのにね」
千早「しょうがないわよ」
千早「水瀬さん達は竜宮小町で忙しいのだから」
美希「だよねー」
P「え?いきなりなんですか?」
小鳥「今度ウチにくるときに作ってみようかなぁって」
P「あぁそういうことですか」
P「俺の好物はオムライスですよ」
小鳥「プロデューサーさんって意外とお子様なんですね」
P「いいじゃないですか」
P「小鳥さん今日も早いですね」
小鳥「今日もお買い物行きたいので」
P「買いだめしてないんですか?」
小鳥「ちょっと最近よく食べちゃって」
P「あ、もしかして彼氏でも出来たんですか?」
小鳥「…」
小鳥「内緒です♪」
P「でも小鳥さんの手料理食べれる人ってうらやましいですよね」
小鳥「!」
小鳥「いきなり何を…」
P「あ、あぁ…今のは気にしないでください」
P「まぁ今度食べれるしいっかー」
小鳥「…」
P「はい、気をつけて帰ってくださいね」
小鳥「はーい」
小鳥「あ、楽しみにしててくださいね?」
P「?」
P(今度手料理を作ってくれるってことか)
P「はい」
P「おーい、春香達も気をつけて帰れよ~」
春香「わかってますよ」
P「あと星の見過ぎで風邪引かないようにな」
美希「大丈夫なの」
P「千早、ふたりを頼むぞ」
千早「はい」
P「昨日よりは早く帰れたな」
P「…夕飯どうしよ」
P「…視線まったく感じなくなったな」
P「…下着またあるし」
P「…ちょっと持っておくか」
P「向こうが悪いんだ」
ピンポーン
P「とりあえず下着は隠しておいてっと」
P「はーい」
「すみません、隣に引っ越してきたものですけど」
P「あ、今開けますね」
ガチャ
「…オムライスです」
P「…」
「あ、それとなんで今まで私の視線に気付いてくれなかったんですか?」
「だから隣にこしてきちゃいました」
「それと、私の下着…持ったままでもいいですよ?」
P「…」
P「…小鳥さん」
おわり
まるでホラー
小鳥さんサイドから見ると甘酸っぱい純愛として見られるな
Pサイドからだと完全ホラーだが
途中まですっかり騙されてたわ
Entry ⇒ 2012.01.29 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「ハンバーグソムリエPVS春香特製ハンバーグ」春香「!?」
今日も朝早くから所属アイドルたちが次々と出社してきていた!!!!
春香「おはようございまーす!!」
亜美真美「あ、はるる~ん」
あずさ「おはよう春香ちゃん」
春香「おはようございますあずささん、亜美、真美。あれ、プロデューサーさんは?」
あずさ「もう律子さんといっしょに打ち合わせに出かけたわよ。入れ違いになっちゃったわね~」
真美「いつもの、『おはよう春香!今日も可愛いな!!』とか、『あー朝も早よから春香と結婚したくなってきた!!!!』とかが聞こえないとなんか寂しいねー」
あずさ「うふふ、そうね~」
春香「あはは…」
春香「プロデューサーさん、お昼には帰ってきてくれるかな…」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327493875/
P「ハンバーグソムリエPVS春香特製ハンバーグ」春香「!?」
春香「え!?えーっと…そ、そうなんだけど…」
あずさ「うふふ、春香ちゃんはプロデューサーさんに会いたかったのよね?」
春香「うぇえっ!?あ、あずささん!!!何を////」
亜美「ええっ!はるるん、それってこれってもしかして!!」
春香「ち、違うんだよ、亜美~///」
真美「え~、気づいてなかったの亜美?はるるんが兄ちゃんのことちょ→大好き☆って、めっちゃバレバレじゃーん」
春香「も、もうっ///真美ってば/////」
亜美「うあうあー!はるるんちょ→顔真っ赤だよ」
あずさ「うふふ、あらあら」
春香「うぅ~/////」
春香「ちょ…亜美、それはさすがに失礼だよ…」
あずさ「そうよ亜美ちゃん。私はプロデューサーさんにセクハラされたことなんて一度もないもの」
亜美「うーん。じゃあ事務所で、はるるんの目の前で雑誌のグラビアを切り抜いてスクラップしながら、『春香…またちょっとお尻が大きくなったなぁ…素晴らしいなぁ…』とか言うのはセクハラじゃないのかぁ」
春香「…」
あずさ「…」
亜美「セクハラじゃないのかぁ」
真美「めっちゃセクハラだよ」
春香「あ、あんなって…真美、プロデューサーさんはああ見えていいところたっくさんあるんだからね!」
亜美「ああ見えてって」
真美「わあ、聞きたい聞きたい!はるるんと兄ちゃんの恋バナ聞きたい!!」
春香「こ、恋バナって/////そんなんじゃないってば…まだ//////」
真美「ひゅうひゅ→う」
あずさ「まあ、それなら私も聞きたいわ~//」
春香「も、も~///あずささんまで…」
キャッキャッ
千早「春香…」
律子「プロデューサー、番組ディレクターちょっと遅れるそうです」
P「お…春香、腰周りがちょっと細くなってるか…うんうん、レッスンの成果が出てるなぁ…へっへっ」ジョキジョキ
P「む…この水着はやっぱりちょっと派手すぎたか…お父さんゆるしませんよ…」ジョキジョキ
律子「…」
律子「プロデューサー、なんでスタジオで春香の水着グラビアをスクラップしてるんですか…いつもはわざと春香の目の前でやるのに」
P「いやなに…春香は俺がふざけるとちょっぴり傷つくらしいから…春香の前では、な…」ジョキジョキ
律子「はぁ…?」
P「うおおおお!!!春香春香春香ああああああああ!!!!!!」ジョキジョキジョキジョキ
律子「プロデューサー…」
律子「身内のそれは格が違うでしょうに…でも、どうしたんですか本当に。いつもは春香のいないところでは割と普通なのに」
P「いやぁ…」
律子「あ、もしかして、春香と何かあったんですか?」
P「…まぁ」
律子「とうとう愛想を尽かされましたか」
P「いや、むしろ逆よ」
律子「?」
P「贅沢な悩みよなぁ」ジョキジョキ
P「…なんか、春香な。俺が『可愛い』とか『結婚したい』とか言うと傷つくんだってよ」
律子「は?」
P「春香の気持ちをはぐらかしてるのばれてたんだな…あんなふうに言われたら、もうふざけて『春香の意外と大きいバストからあふれる母性に包まれたい』とか『春香の安産型ヒップマジ安産型』とか言えないよなぁ…」
律子「セクハラですか?お巡りさん呼べばいいんですか?」
P「いやだなぁ律子さん。俺は春香にセクハラしたことなんてただの一度もありませんよわはは」
律子「帰りますね」
P「待ってくれ律子待ってくれ。ていうかこれから打ち合わせだから」
P「春香は絶対いいお嫁さんになると思うわけよ」春香「!?」
前スレ
P「新コーナー『ハルカキッチン♪』始まるよ」春香「!?」
よかったらこっちから見てね!(必死の宣伝)
律子「…」
P「つまりな、春香はその、俺のことがな?」
律子「…春香がプロデューサーに対して特別な感情を持ってることは気づいてました」
P「うん」
律子「それで?」
P「羨ましいだろ!!!!!!」
律子「帰りますね」
P「待ってくれ律子待ってくれ」
律子「…」
P「まぁ要するに、今後春香とどう接して行くかをな、悩んでいるわけだ」
律子「そうですか…」
律子「…一つだけ、言わせてください」
P「うん」
律子「春香はアイドルで、あなたはプロデューサーです。…私から言えるのは、それだけ」
P「そうだな」
律子「…私、ちょっとディレクターの様子見てきますね」
P「ああ」
P「…」
P「…俺はプロデューサーで、春香はアイドル」
P「そんなことは、最初っからわかってるし、春香にも言い続けてるよ、律子」
P「…」ジョキジョキ
なんか勢いが無いよな・・・
あずさ「まぁ~////」
真美「おお~////」
あずさ「あら?春香ちゃん、その右手の指輪はもしかして…?」
春香「あ、いえ、これはですね~…」
亜美「うあー…亜美、もうこの話飽きてきたっぽいよー…」
千早「…くっ」ギリッ
亜美「うわあー!?千早お姉ちゃんいたの!?」
千早「春香…春香があんな人と…くっ!」グギギ
亜美「あわわわわわ」
千早「あら、亜美。いたのね」ニコッ
亜美「ち…千早お姉ちゃんの表情が豊かになって、亜美もうれしいっぽいよ…」
千早「そう?ありがとう」
千早「ひゃっ!?は、春香///急に抱き着かないで…///」
春香「えへへー、はなさないよ~♪」
千早「もうっ…///」
あずさ「あらあら、本当に仲がいいのね~」
亜美「…」
真美「どったの亜美?」
亜美「はるるんの恋路の最大の壁は…千早お姉ちゃんかもしんない…壁だけに」
真美「なにそれ?」
春香「あ、ごめんね千早ちゃん。今日はプロデューサーさんと約束してるんだ。…大事な、約束」
千早「…そうなの。ならしかたないわね」
真美「大事な約束って?」
春香「えへへ…秘密」
真美「えー!聞きたい聞きたい!!」
千早「…くっ!」ギリギリ
亜美「あわわ」
あずさ「あら?大事な約束ってお昼からなのかしら?」
春香「そうですけど…?」
春香「あ…じゃあ、お昼には戻れないかもしれませんね…」
あずさ「でも、まだそうと決まったわけじゃないわ、春香ちゃん」
真美「兄ちゃんがはるるんとの約束すっぽかすのなんて想像つかないもんねー」
春香「そう…かな、あはは…」
千早「…」
千早(プロデューサー…あなたは、いつも春香にこんな顔をさせますね…)
千早(そんなあなたに…春香を…)
亜美「…」
千早「…え?なにかしら、亜美」
亜美「あの…千早お姉ちゃんは、兄ちゃんのこと、嫌いなの…?」
千早「な…」
亜美「だって…さっきから、兄ちゃんの話が出ると怖い顔してるっぽいよ…?」
千早「…」
亜美「もしかして、兄ちゃんにセクハラされた?ムネムネのことでなんか言われた?」
千早「どうして胸限定なのかしら…」
千早「亜美…」
亜美「だから…嫌いにならないであげてほしいな…セクハラのことなら、亜美が兄ちゃんにきちんとしゃざいとばいしょーをさせるから…」
千早「…平気よ、亜美。プロデューサーがいい人なのは私もわかってるわ。あと、セクハラもされてない」
亜美「…そうなの?」
千早「ええ。私の顔が怖かったのは…えっと…あ、あの日、だからよ」
亜美「あ…ごめんね、千早お姉ちゃん。あの日とは知らずに…」
千早「え、ええ」
千早「ち、ちょっと亜美…」
亜美「千早お姉ちゃん、あの日のことでなんか困ったら、なんでも亜美に言ってね!」
千早「え、ええ。わかったわ、ありがとう」
千早「…」
千早(わかってる…あの人がとてもいい人だってことは、わかっている)
千早(私をここまで連れて来てくれたことに、感謝もしている)
千早(でも…だからこそ)
千早(春香だけに、あんな悲しそうな顔をさせるあなたを私は…)
千早「私は…」
律子(あ、あの海のように心が広い(自称)プロデューサーが、すっごいイライラしている…)
P「…律子、ディレクターは?」
律子「え、えっと、なんか急な腹痛でトイレから出られないらしくて…」
P「うんこか。ならしかたない」イライライライライライラ
律子「…あの、これからなにか用事があるなら、私一人でも…」
P「…いや、たいした用じゃない。いや、たいした用なんだけど、生っすかはもっと大事だからな」
P「みんなのためにも、春香のためにも」
律子「そう、ですか」
P「…あ、『たいした用』と『用をたした』って似てるな…」
律子「…」
P「…ごめん」
律子「え?」
P「ハルカキッチン♪のな、料理本とか出したいんだよ」
律子「料理本ですか」
P「ああ。春香の割とガチな料理上手を売っていくうえでな、料理本を出して、新たなファン層の獲得も狙っていく」
P「もともと春香は『誰からも愛されるアイドル』って感じだけど、それも若い層が中心だ。これを主婦層にまで広げる」
律子「『嫁春香計画』ですね」
P「『嫁春香計画』は、春香を『結婚したいアイドルNo.1』にするだけじゃない」
P「春香が年齢的にアイドルでいられなくなった時、そのまま芸能界に居続けるための基盤作りでもある」
律子「アイドルでいられなくなった時…」
律子(プロデューサー…そんなにも春香のことを考えて…)
律子(…プロデューサー、アイドルでいられなくなった後の選択肢は、芸能界に居続けることだけじゃ…)
律子「…」
律子「…私も、竜宮のみんなのこと、考えなきゃですね」
P「ああ…特に…あずささんとかな…」
律子「…」
番組ディレクター「す、すいません!!遅くなりましたっ!!」
亜美「りっちゃんから連絡ないねー…」
あずさ「春香ちゃん…」
春香「あ、あはは、いいんです!約束っていってもそんな大したものでもなくてっ」
千早「いいえ」
亜美「千早お姉ちゃん…?」
千早「誰にとっても、なんであっても、春香との約束が大したものじゃないはずがないわ」
春香「千早ちゃん…」
千早「私は春香のそんな顔…見たくない」
千早「…ちょっと出てきます」
真美「あ、ち、千早お姉ちゃん!?」
亜美「行っちゃった…」
あずさ「…」
千早(あんな…春香を傷つけ続けるような人…!春香との約束を守れないような人…!!)
あずさ「千早ちゃん」
千早「っ!あずささん?」
あずさ「どこへ行くの?」
千早「…」
あずさ「プロデューサーさんのところ?」
千早「…」
あずさ「…一昨日の生っすかサンデー」
千早「え?」
あずさ「ハルカキッチン♪の時、貴音ちゃんが言ってたわね」
あずさ「千早ちゃんは誰に向けて、愛情を注いだのか…って」
千早「!!」
千早「!!??ちょっ/////なっ//////」
あずさ「びっくりしたわ~///今日、なんだかプロデューサーさんの話しが出ると怖い顔になっていたからティンときたの////ヤキモチだったのね~///」
千早「ちっ、違います!!春香はそんなんじゃありませんっ!!!///」
あずさ「あら?違うの…?」
千早「ど、どうして残念そうなんですか…」
あずさ「まぁ~////」
千早「だ、だからっ///最後まで聞いてくださいっ」
千早「実は私…春香に料理を教わっているんです。ハルカキッチン♪の話がくる前からですけど」
あずさ「まあ、そうだったの」
千早「だから、チャンスだと思ったんです、ハルカキッチン♪が。私が、春香に教わったことをハルカキッチン♪で披露して、春香に感謝を伝えたかった」
千早「春香には、料理のことだけじゃなく、ずっと、たくさん助けられてきたので…まあ、結果緊張し過ぎてうまくいきませんでしたけれど」
あずさ「うふふ、そうだったわね」
あずさ「でも、貴音ちゃんが言うように、千早ちゃんの感謝の気持ちは、しっかりハンバーグに込められていたのね。それはきっと、春香ちゃんに伝わっているわ」
千早「そうだと…うれしいです」
千早「…はい」
千早「だからこそ、私は、プロデューサーのところに行かねばなりません」
千早「私の大好きな春香の気持ちを踏みにじってきた、プロデューサーと話をしなければなりません」
あずさ「千早ちゃん!踏みにじるだなんて…プロデューサーさんは…」
千早「どんな理由があろうと、春香を悲しませるような人はっ…!!」
あずさ「…」
千早「…失礼します」
P「あー!!やっと終わった…!!」
P「あんの糞たれディレクター…後日正式に抗議してやろうか…」
P「いま何時だよ…一時!?」
P「春香の午後の収録が一時半から…くっそ!!」
P「と…とにかくタクシーを」
千早「プロデューサー」
P「うおっ!?千早!?!?なにしてんだこんなところで」
千早「…」
P「ち、千早?」
千早「事務所には、戻らないでください」
P「…なに?」
P「…」
千早「…」
P「…春香との約束だ。昼に間に合わなくても、春香を事務所で待たなきゃならない」
千早「あなたに…その資格があるんですか?」
P「…」
千早「ずっとずっと、春香を傷つけてきて…今日も…」
千早「もう中途半端な態度で、春香を傷つけないでください」
P「…そうだな、確かに今日の予定だと、もともとギリギリだった。軽率だったよ」
千早「…春香は今日のこと、すごく楽しみにしていましたよ。昨日電話をしたんです」
千早「プロデューサーに、ハンバーグを食べてもらうんだって。それで、はっきりと自分の気持ちを伝えるんだ…って」
P「…」
千早「あなたに『可愛い』『結婚したい』と言われるたびに、春香は辛そうな顔をしていました。あなたの意図に気づいていたから」
千早「あなたは、気づかなかったんですね」
P「でも、春香のアイドル活動のためになると信じてやってきたことだ。後悔はしてない」
千早「春香の…ため」
P「…だから今日、結論を出すんだよ」
千早「結論…ですか」
P「俺と春香の関係は、アイドルと、そのプロデューサー。それだけだ、ってな」
千早「!?あなたは…!!」
P「それでいいんだよ。いま以上の関係にならないことが、春香のためになる。俺はいまもそう信じてる」
千早「また…春香を傷つけるんですか」
P「…そうなるな。でも、それで終わりだ」
P「これで最後だ、俺が春香を傷つけるのは」
千早「…最後に一つだけ」
P「ああ」
千早「…プロデューサーは、春香のことを…」
P「…愛してる。男として」
千早「…そう…ですか」
春香「お疲れ様でしたー!!」
春香「はぁー、収録長引いちゃった…わわっ、もうこんな時間…」
春香「事務所戻ったら、誰かいるかな…?」
春香「…プロデューサーさん、結局間に合わなかったな…」
prrrr
春香「あ、電話…千早ちゃんだっ」
春香「もしもし、千早ちゃん?」
千早『春香…収録長引いてるみたいだけど…大丈夫?』
春香「うん、いま終わったよ。千早ちゃんは事務所?…なわけないか、こんな時間だもんね」
千早『…いえ、事務所にいるわ。よかったらいっしょにお夕飯にしましょう。事務所で待ってるから』
春香「ほんと?やった!じゃあすぐ戻るね」
千早『ええ…』
千早(ごめんなさい、春香)
千早(私には、どうなることが春香の最善なのか、わからない)
千早(きっと、それを一番わかっているのは…プロデューサーなのね)
千早(私ではなく…)
千早(春香とプロデューサーの関係に…嫉妬したりもしたけれど…)
千早(春香…あなたが、私がプレゼントしたお揃いの指輪を、右手の薬指にはめてくれているだけで…)
千早(私は幸せよ…)
千早(だから…あなたにも幸せになってほしい)
千早「春香…がんばって」
春香「ちーはーやーちゃん…てあれ?いないのかな…」
P「おかえり、春香」
春香「わっ!プロデューサーさん!?どうしてまだ事務所に…」
P「約束…破っちゃったからな」
春香「あ…そんな、あんなの、気にしなくていいのに…」
P「あんなのとはなんだ。俺にとって春香との約束は…」
春香「…」
P「…いまのは、ふざけて言ったんじゃないぞ」
春香「えへへ、わかってますよ」
P「千早?直帰したはずだけど」
春香「千早ちゃん…そっか…」
春香(ありがとう、千早ちゃん)
春香「…プロデューサーさん、晩御飯食べました?」
P「いや。というか昼からなにも食ってない」
春香「ええっ!?だ、だめですよ!体壊しちゃいますっ」
P「いやだって…春香の弁当食べたかったし…」
春香「あぅ…//////」
P「…あ、いまのもふざけてないからな」
春香「も、もうっ、いちいち言わなくてもいいですよぅ/////」
P「ああ、もちろん」
春香「えへへ…あ、せっかくだからハンバーグ、チンしてきますねっ」
P「あ、うん」
P「…」
P(チン、してくれるのか!…とは、さすがに言わない紳士な俺)
春香「お、お待たせしました」
P「わっほい」
春香「ど、どうしました?」
P「いや…ハンバーグはもちろん、弁当としての見た目の完成度がすげーな…」
春香「えへへ…」
P「そしてこの…桜でんぶのハートマーク…露骨に愛情を表現してきたな…」
春香「本気ですからっ」
P「…じゃあ、いただきます」
春香「ど…どうぞ」
P「…」モグモグ
春香「…」ドキドキ
P「…」モグモグ
P「…」ブワッ
春香「!?」
P「おいしいよぉ~…おいしいよぉ~…」ムシャムシャ
春香「ぷ、プロデューサーさん!?」
P「春香が俺のために作ったハンバーグなんか、うまいに決まってるよぉ…」ムシャムシャ
春香「どうして泣いてるんですかっ」
P「だってお前…昨日の夜から、俺がどれだけ春香の弁当を楽しみにしてきたと思ってるんだ…」ムシャムシャ
春香「プロデューサーさん…////」
春香「…よしよし」ナデナデ
P「…春香のなでなで…マジ最高…」ムシャムシャ
春香「もう…////」
P「…」
春香「…好きです、プロデューサーさん。大好きです」ナデナデ
P「…ごめん」
春香「…」
P「春香の気持ちには答えられないよ」
春香「…」
P「ちゃんと伝わってるぞ、春香の本気の気持ち。このハンバーグは世界一のハンバーグだ…ハンバーグソムリエの俺が言うんだから間違いない」
春香「…なんですか、ハンバーグソムリエって…」グスッ
P「知らん」
春香「ふふ、ふふふ…」グスグス
春香「…」
P「でも、それがアイドルで、それが春香の夢で、それが春香の、これからのあるべき姿なんだ。だから、俺は春香の恋人にはなれない」
春香「…はい」
P「だから…これからも、春香のプロデューサーでいたい。春香を一番輝かせることができる、プロデューサーでいたい」
春香「…はい」
P「…春香」
春香「…?」
P「…愛してるぞ、春香」
春香「…はいっ」
P「…」
P「…よし」
ガチャッ
P「おはようございまーす」
亜美真美「兄ちゃんおっはよー!」
P「お、亜美真美。今日はショートパンツか。太ももがせくちーだな」
真美「はっ!?兄ちゃんのセクハラの魔の手がついに真美たちに!?」
亜美「これはりっちゃんにチクるしかないっしょー!」
P「ふはは、もうなにも怖くない」
千早「…プロデューサー」
P「お、千早か。おはよう」
P「そうか…」
千早「…プロデューサーも、春香と同じ顔をしますね」
P「ん?」
千早「辛いのは…春香だけじゃなかったんですよね…すみません」
P「いやぁ…別に、俺のことなんかいいよ。…春香はなんて?」
千早「泣いてました。ただひたすら」
P「そっかぁ…あー…口聞いてくれなくなったらどうしよう…生きていけない…」
千早「ふふっ…プロデューサーったら…それは無いと思いますよ」
P「え?」
P「なにっ…から揚げだと…!?」
春香「はいっ!今回も、愛情たっぷりです!!」
P「お、おいおい春香、その話は昨日…」
春香「プロデューサーさん」
P「はい」
春香「私、あきらめるなんて言ってません」
P「…はい?」
ガチャッ
春香「おっはようございまーっす!!!!」
P「うおっ…春香」
春香「あ、プロデューサーさん、千早ちゃん!おはようございます!!」
千早「ええ、おはよう」
P「お、おはよう」
春香「プロデューサーさん!!」
P「えっ、なに?」
春香「今日のお昼は空いてますか?」
P「…ん?」
P「なにっ…から揚げだと…!?」
春香「はいっ!今回も、愛情たっぷりです!!」
P「お、おいおい春香、その話は昨日…」
春香「プロデューサーさん」
P「はい」
春香「私、あきらめるなんて言ってません」
P「…はい?」
P「あー…」
春香「だから、これから毎日お弁当を作ります!毎日食べてくれなくてもいいです。私のお弁当が恋しくなったら食べてください」
P「春香…それは卑怯だ…春香の弁当なんて、毎日食いたいに決まってる…」
春香「今までずっと卑怯だったのはプロデューサーさんですっ」
P「そうでした」
春香「結婚したいアイドルNo.1の実力を、見せてあげますから!」
P「…」
千早「観念したらどうですか、プロデューサー」
P「…」
P「俺は…から揚げにはうるさいぞ…から揚げソムリエ的なところあるからな」
春香「ふふっ、臨むところです」
春香「ハンバーグでもから揚げでも肉じゃがでも、なんでも作っちゃいます」
春香「だからいつか」
春香「本気で『結婚したい』って、言ってくださいね♪」
P(わははちょーかわいーもうだめだー)
ハンバーグソムリエP、陥落
春香「天海春香の、ハルカキッチン♪」
春香「今週も、愛情いっぱいでお送りしちゃいますっ♪」
客席「うおおおおお!!!」
客席「春香ちゃあああん!結婚してくれぇぇ!!!」
P「…」
P「馬鹿どもめ…春香の愛情は俺のもんだ…」
P「…春香、早く、年取れよ」
P「お前がアイドルできなくなるまで俺がそばにいてやる」
P「そっから先…春香がアイドルじゃなくなったら…」
P「俺のプロデュースが終わった、その時は…」
P「毎朝、俺のみそ汁を作ってくれよな」
こうして、ハンバーグソムリエPとスーパー超天使アイドル天海春香の戦いは終わった!!
だが、いつかアイドルでなくなるその日まで!!天海春香の活躍は終わらない!!!
がんばれ春香!!負けるな春香!!!
完!!!!!!!!
本当の春香さんは腹黒でもキチガイでもないんだぞ!ってことを主張したいがために始めたシリーズでした
満足した
はるちはわっほい
頑張れ春香さん
Entry ⇒ 2012.01.27 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「あずささん…ウェディングドレス、ものすごく似合ってます」
P「そうですか?」
あずさ「えぇ、一緒にこんなことできるなんて幸せです!」
P「幸せだなんて大げさな」
あずさ「だって、プロデューサーさんを独り占めできるんですもの」
P「あはは、急遽俺があずささんの撮影の相手役になっちゃったけど…」
P「あずささんが喜んでるならいいか」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327474762/
P「あずささん…ウェディングドレス、ものすごく似合ってます」
美希「小鳥~ハニーはどこなの?」
小鳥「え?プロデューサーさん?」
小鳥「プロデューサーさんは今、あずささんと結婚式場よ」
美希「!」
美希「え?どこのなの!」
小鳥「確か横浜だったかな?」
美希「美希、今から行ってくるの」
小鳥「え、あ、ちょ、美希ちゃん?」
小鳥「行っちゃった」
小鳥「あの様子だと絶対勘違いしてるわよね…」
小鳥「ただのスチール撮影なのに」
小鳥「…ま、いっか」
小鳥「私に危害加わるわけじゃないし」
あずさ「私も早くこんな式場で結婚式を挙げてみたいわぁ」
P「あずささんならすぐに出来る気がしますけど…」
あずさ「あらあら、でも私の運命の人は一向にこっちを振り向いてくれないんです」
P「そうなんですか、その人はとっても損していますね」
あずさ「…」
P「あ、そろそろ撮影始めるみたいですよ」
P「やっぱりあずささんはプロだな、笑顔が凄く自然だ」
「はい、次ぎ君ね」
P「はぁ、やっぱり撮らなきゃダメなんですか」
あずさ「大丈夫ですよ、私も一緒ですから」
P「まぁ1人で撮られるよりマシですけど」
P「ははは…すみません」
「普段は違う職でも今はモデルなんだからね~」
「頑張って」
P「はぁ」
P(そんなこと言ったってどうすればいいんだ)
「そーだ、写真だけだから自然な笑顔が出来ないんだ」
「じゃあセリフ付きでやってみよう」
「その方が雰囲気でるし」
P「…セリフ」
「よーし、決めたこれで行こう!」
美希「なんでハニーは美希じゃなくてあずさを選んだの…」
美希「しかももう式場の下見なんて…」
美希「もしかしてみんなに内緒で付き合ってたの?」
美希「ハニー」
美希「はぁもうすぐで着くの」
美希「会いたいような会いたくないような」
美希「誤解だってこともあるもんね」
美希「そしたら笑ってやるの」
美希「…」
美希「よし、この扉を開ければハニーが」
P「永遠の愛を誓います」
あずさ「誓います」
美希「!」
P「なんか今誰かがいたような…」
「式場のスタッフじゃないでしょうか?」
P「それもそうですよね」
「あれ、でもここは撮影で立ち入り禁止にしてるはずなのにな」
「ま、いっか」
「誰かに危害が加わるわけじゃないし」
「本番もこんな感じでよろしくちゃーん」
P「はい」
P「あずささんもすごい感情こもってましたね」
あずさ「うふふ」
美希「永遠の愛を誓っちゃってたの…」
美希「下見じゃなくて実際に式を挙げてるなんて」
美希「社長と小鳥にしか教えてなかったのかな?」
美希「…裏切られた」
「次回も君を使っちゃおうかな」
P「いや、俺は本職があるんで…」
「つれないプロデューサーだ」
「今度は星井君と君との組み合わせも面白そうだ」
P「はぁ…まぁ誰かとやるならいいですけど」
「ははは、何かあったらまた君のところに連絡入れるよ」
P「ありがとうござます」
あずさ「でもあの方腕は凄くいいらしいですよ?」
P「そうなのか?俺、あんまりカメラマンに詳しくないからなぁ」
あずさ「それはそうとプロデューサーさん」
P「はい?」
あずさ「プロデューサーさんは…その…」
あずさ「誰かと付き合ったり、結婚したりとかは…」
P「…」
P「俺は765の誰かを…みんなをトップアイドルにさせるまではそういう事はしないって決めたんです」
P「自分が恋愛にうつつを抜かしてたら誰もトップアイドルにさせる事なんて出来ないと思いますから」
あずさ「…そうですか」
あずさ「でも、プロデューサーさんの運命の人は凄く近くにいると思いますよ」
P「?」
あずさ「多分その人はずっと待ってると思います」
P「はぁ…まぁよくわからないですけどとりあえず事務所に戻りましょうか」
あずさ「…プロデューサーさんは鈍すぎです」
美希「…とりあえず今日は帰るの」
美希「ハニーなんか…」
美希「ハニー?ハニーって呼んでいいのかな?」
美希「あはは…プロデューサー」
美希「…』
P「ただいま戻りまいた~」
P「ふー外は寒いですね」
P「あずささん大丈夫ですか?」
あずさ「大丈夫ですよ~」
小鳥「あ、プロデューサーさん」
小鳥「そのーそちらに美希ちゃん行かれなかったですか?」
P「美希?」
P「いや、こっちには来ませんでしたけど」
小鳥「?」
P「なにかあったんですか?」
小鳥「…ってことがありまして」
P「はぁ」
P「それでこっちに向かったと」
小鳥「すぐに連絡すればよかったんですが」
P「まぁでもこっちには来てなかったみたいだから途中で撮影ってことに気付いたんですよ」
P「ホワイトボードに予定も書いてありましたし」
小鳥「ですよねー」
小鳥「美希ちゃん、こないですね」
P「はい、今日は午後から撮影なんですが…」
小鳥「いつもなら午後からの撮影でも事務所にきますものね」
P「まぁたまにはこういう事もあるんでしょう」
P「俺はそろそろ、あずささんと撮影に行ってきます」
小鳥「今日は確か…ショッピングのシーンの撮影ですよね?」
P「そうなんですよ、昨日に引き続き俺も出るはめに…」
小鳥「行く場所って…あ、ゴディバのチョコ買ってきてください!」
P「…」
P「あずささん行きますよ~」
「今日もよろしくちゃーん」
P「あ、どうも」
「今日もじゃんじゃん撮ってっちゃおうか」
P「今日もホントに…」
「もちろんだよ~」
「期待してるからね」
P「…」
「おいおい、デートしてる撮影なのにそんなに離れてちゃあ」
あずさ「プロデューサーさん、私はかまわないですよ」
P「いやぁ…緊張しちゃって」
「!」
「ピーンときちゃったね」
「これから俺の言う通りにしてみようか」
P「…」
P(嫌な予感しかしない)
美希「はぁ…気分転換にショッピングに行くの」
美希「はぁ、嫌なことはさっさっと忘れちゃおう」
美希「…」
美希「ゴディバのショコリキサー、美希好きなの」
美希「ハ…プロデューサーに買ってもらいたかったの」
美希「今日はダークチョコレートデカダンスにするの」
美希「…甘い」
美希「今日の撮影どうしようかな」
美希「!」
美希「あれは…ハ、プロデューサーなの」
美希「おー…ぃ…」
「あずさくんもいいって言ってるしな」
あずさ「私はプロデューサーさんとならいいですよ?」
P「はぁ、まぁ撮影のためですからね」
あずさ「…」
あずさ「プロデューサーさんの手、暖かいです」
美希「それに…」
美希「手、繋いでる」
美希「あずさ、嬉しそうなの…」
美希「繋ぎ方も恋人繋ぎ…」
美希「昨日のはやっぱり本当だったの…」
美希「…」
「本物のカップルと間違うほどだよ~」
P「あははは…」
あずさ「あらあら、じゃあ本物の恋人になっちゃいます?」
P「あずささんまで冗談を~」
あずさ「…」
あずさ「うふふ」
「明日も宜しくね~」
P「…まさか雑誌の特集が結婚までのデート特集だったなんて」
P「明日は遊園地か」
あずさ「楽しそうでいいじゃないですか~」
P「…まぁ嫌ではないですけど」
P「俺まで雑誌に載るなんてって感じですよ」
P「まぁ、それより事務所に戻りましょうか…」
P「…ゴディバじゃなくてピエール マルコリー二のチョコでも買って帰るか」
P「え!美希がまだ来ない?」
小鳥「そうなんですよ…」
小鳥「何度電話しても出なくて」
P「家には連絡したんですか?」
小鳥「えぇ、でも家にいないらしくて…」
P「…サボリか」
P「何があったんだ」
美希「でももういいの…」
美希「なんかアイドルもどーでもよくなっちゃった」
美希「明日はどうしようかな…」
P「連絡がつかない」
P「とりあえず撮影は体調不良ってことで延期してもらったけど」
P「これがテレビ番組だったら更に大変だったぞ…」
P「まぁこれは美希が来たらお説教するか」
P「…にしても美希どうしたんだ」
P「明日は美希オフなんだよな」
P「…はぁ」
あずさ「大丈夫ですよ」
あずさ「オフがあけたらケロッと戻ってきますって」
P「そうだといいんですけど」
あずさ「プロデューサーさん」
P「?」
あずさ「スマイルスマイス~」
P「…はい」
美希「ん、電話…どうせ事務所かプロデューサーなの」
美希「…長い」
美希「…」
美希「…」
美希「まだ止まないの」
美希「もう!」
美希「…春香?」
春香『あ、美希?』
春香『もー出てくれないかと思ったよ~』
美希『ごめんなの』
春香『美希ってさぁ』
美希『?』
美希『うん』
春香『よかった~』
春香『私もオフなんだけど一緒に遊園地に行かない?』
美希『春香と二人?』
春香『違うよ~、千早ちゃんも一緒』
美希(明日こそ気分転換するの)
美希『もちろん行くの!』
春香『詳しい事はメールするね!じゃあ明日』
P「結局美希に連絡とれずに今日になっちゃったな」
あずさ「美希ちゃん大丈夫かしら…」
P「心配だよな…」
「君達~そんな暗い顔して~」
「スマイルスマイル~」
「今日は遊園地なんだから」
あずさ「頑張ります~」
P「…あずささんの顔が変わった」
P「あずささんの迷惑にならないように俺も頑張らなくちゃな」
春香「あ、美希」
美希「遊園地楽しみなの!」
千早「…私もあんまり行った事ないから」
千早「今日はとっても楽しみ」
春香「じゃあ今日はリフレッシュできるように楽しもうね!」
千早「えぇ」
美希「うん!」
P「いきなりお化け屋敷ですか…」
「遊園地のデートと言ったらこれでしょう」
P「まぁそうですけど…」
「あ、今日も指示通りよろしくちゃーん」
あずさ「まかせてください」
あずさ「…」
P「そこからでてくるかー!!!」
あずさ「…」
P「ちょーやべー!!!!」
あずさ「…」
P「わー追ってくる!!!」
あずさ「…きゃー」
春香「うん!」
千早「…楽しみね」
春香(今日は確かあずささんとプロデューサーさんも撮影にきてるんだよね?)
春香(会えないかな~)
千早(プロデューサー…どこにいるのかしら)
千早(撮影の愚痴を漏らしていたけどストレス溜まっていなければいいけど)
春香「ぎゃー!!!!」
千早「ち、近寄らないでー!」
美希「…二人とも驚き過ぎなの」
春香「襲われるー!!!」
千早「喉だけは…喉だけは許してください!!!」
美希「走ってどっか行っちゃったの」
P「ウワー!!!」
あずさ「…」
P「え”、あずささんどこ行くんですか!!」
P「俺をおいてかないでください!!!!」
P「…俺、怖くて一歩も…」
あずさ「…」
「来ないでー!!!!」
P「俺並みに…うわー!!!」
P「叫んでる人たち…やめてー!!!」
P「いるんだな…キャー!!」
P「走りすぎてったけど…」
P「…あ、俺もうだめだ」
P「…」
「…ハ、プロデューサー?」
P「…」
「プロデューサー!」
P「はっ…」
P「この声は…美希?」
美希「…それはこっちのセリフなの」
P「?」
美希「もしかして、あずさと一緒なの?」
P「あぁ…でも俺が怖がりすぎて引いたみたいだ」
P「…置いてかれた」
P「あーぁ、撮影失敗だなぁ」
美希「え?」
P「あぁ、お前も知ってると思うけど」
P「あずささんとウェディング特集の撮影でな」
美希「特集?」
P「式場とか、デートシーンの」
美希「…あはは、知ってたの」
美希「…」
P「で、でもその前にここでよう…」
美希「?」
P「怖くて足が動かないんだ」
P「誰かが入れば大丈夫なんだけど…」
美希「わかったの」
美希「そんなに恐がりだったなんて知らなかったの」
P「…しょうがないだろ」
美希「足が動かないんだったら美希が引っ張るの」
美希「手、貸して?」
P「…」
P「あぁ」
「うわー!!!!」
「喉が―!!!」
あずさ「…はっ」
あずさ「…あれ。プロデューサーさん?」
ドンッ
あずさ「きゃっ」
「す、すみません!」
あずさ「あら~春香ちゃんも来てたのね~」
千早「私もいます…」
あずさ「千早ちゃん…声ガラガラだけど大丈夫?」
千早「叫びすぎました」
千早「それより…もうすぐ出口です」
あずさ「あら、いつの間に」
春香「気付いてなかったんですか?」
あずさ「入ったところまでは覚えてるんだけどね~」
「それに君達は…」
あずさ「ごめんなさい…プロデューサーさんとは中ではぐれちゃいました」
あずさ「二人ともオバケは苦手で…」
「そうだったのか…まぁまだ遊園地はアトラクションいっぱいあるから大丈夫だよ」
あずさ「ありがとうございます」
P「うぎゃー!!」
P「え、マジで?脱がせないでー!!!」
美希「~♪」
美希(これは確かに引くの)
美希(でも美希は大丈夫なの)
P「ぎゃぉぉぉぉぉぉおん!!!」
美希「もうすぐ出口なの!」
P「生きて戻ってこれたか…」
美希「あはは、ハニーは大げさなの」
P「美希、お前…」
美希「?」
P「…いや、お説教は後にしよう」
美希「この後の撮影も頑張るの」
美希「ハニー!」
P「あぁ」
「やっぱり俺の目に狂いはなかったか」
あずさ「プロデューサーさ~ん、美希ちゃ~ん」
美希「あ、あずさなの」
美希「おーい」
P「…ふぅ」
春香「あ、プロデューサーさんが腰抜かしてる」
千早「ふふ、そんなプロデューサーも可愛いわね」
あずさ「はい~」
春香「それじゃあ私達は他で遊んできますね」
春香「行こ、千早ちゃん、美希」
千早「お仕事の邪魔をしちゃ行けないものね」
美希「うん、なの♪」
春香「?」
P「気をつけろよ~」
P「そのあとはメリーゴーランドとかコーヒカップ…観覧車に乗りましたよ」
小鳥「デートの定番ですね!」
小鳥「雑誌の情報ですけど!」
小鳥「彼氏となんか行った事ないですけど!」
P「そーですか」
小鳥「でもあの雑誌、すごい売り上げらしいですね」
P「まぁそれだけ結婚したい人がいるんじゃないですか?」
P「あずささんならすぐじゃないですか?」
あずさ「ふふ、私はちょっと気長に待つことになりそうです」
P「?」
あずさ「私だけじゃないかもですけどね」
P「うむ…さらにわからん」
あずさ「うふふ」
小鳥「いってらっしゃい」
あずさ「カメラマンさんによろしく言っといてください~」
P「もちろんですよ」
あずさ「あらあら~」
小鳥「次ぎはプロデューサーさんと美希ちゃんか~」
小鳥「第三弾は私にこないかなぁ」
あずさ「ないんじゃないですか~?」
小鳥「…」
小鳥「それにしてもあずささんずいぶん余裕ね」
小鳥「美希ちゃんにプロデューサーさんとられちゃうかもよ?」
あずさ「今はまだ大丈夫ですよ~」
小鳥「なんだか自分だけ知ってるみたいな」
あずさ「そんな事ないですよ?」
あずさ「プロデューサーさんに教えてもらっただけです」
小鳥「なーにーをー」
あずさ「内緒です♪」
P「はぁまさかまた俺も写るだなんてな」
美希「美希はとっても嬉しいの♪」
P「はは、そうか」
P「お前にはまだウェディングドレス早い気がするが似合ってるよ」
美希「当たり前なの!でもありがとうなの」
「やっぱりしっくりくるな、被写体として」
雪歩「あの…プロデューサーは?」
小鳥「プロデューサーさんなら結婚式場に」
雪歩「!」
あずさ「あらあら雪歩ちゃん行っちゃったわね」
小鳥「…」
おわり
今度はゆきぽか
いい美希回でした
続きはよ
Entry ⇒ 2012.01.25 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
伊織「行くわよ」 P「はい、お嬢様」
P「ところで、話したいことがあるんだ」
伊織「なによ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327063088/
伊織「行くわよ」 P「はい、お嬢様」
伊織「……えっ?」
P「伊織も売れてきてるし、そろそろ他のアイドルも育ててくれないかって社長がね」
伊織「それで了解した訳?」
P「ああ、丁度良い機会だと思って了承したんだ」
伊織「アンタねぇ……」
伊織「(本当に他の子もプロデュースするの!?)」
伊織「ね、ねぇ」
P「なんだ?」
伊織「アンタは……やっぱりなんでもないわよ!」
P「……え、えぇ?」
伊織「バカ……」
P「……?」
伊織「え、え?少なくなるの……?」
P「ま、まあそうだな」
伊織「(そんなの嫌よ……)」
伊織「(なんで他のやつなんか……)」
P「ど、どうかしたのか?伊織」
伊織「別に何もないわよ!」
P「……そうか」
伊織「(なに考えてんのよアイツは……)」
ガチャ
P「おはようございます」
伊織「(何よかしこまって)」
伊織「おは……
やよい「おはようございますー!!プロデューサー!」
伊織「なっ!?やよい……!?」
千早「よろしくお願いしますね、プロデューサー」
春香「今日からよろしくお願いしますね、プロデューサーさん!」
伊織「春香まで……」
P「はい、ありがとうな」
伊織「ねぇ、これはどういう……」
P「おお伊織、この3人が今日から俺がプロデュースするアイドルだ」
伊織「(3人って……嘘でしょ!?)」
伊織「う、うん」
千早「よろしくね、水瀬さん」
春香「よろしくね」
伊織「え、えぇ……」
伊織「(3人もいるなんて聞いてないわよ!なに考えてるのよ)」
P「(なんか伊織を怒らせたのかな?)」
伊織「調子乗らないでよあのバカ!」
伊織「なんであの子達のレッスンのために私が一人で仕事しなきゃならないのよ!」イライラ
「そろそろスタンバイお願いします」
伊織「は、はい」ニコッ
伊織「この伊織ちゃんを放っておくなんて良い度胸してるじゃない」
伊織「後で痛い目にあわせてやるんだから」
伊織「疲れた……アイツ……」
やよい「お帰り伊織ちゃん!!」
伊織「ただいま、やよい」キョロキョロ
伊織「……アイツは?」
やよい「プロデューサーてすかぁ?」
やよい「あっちだよ」
伊織「ありがと」
伊織「(一番に迎えに来ないなんて良い度胸してるわね)」
P「おっ、ただいま伊織」
P「ごめん、悪かったよ」
伊織「……」
P「なんか起こってる?」
伊織「別に……(当たり前じゃない!一人で仕事させておいて……)」
P「今日は悪かったな」
伊織「もう知らないわよ」
P「え!?伊織!?」
P「待ってって……」
伊織「(何してるのよ私……)」
伊織「(なんで他の子のプロデュースなんか……)」
伊織「放ったらかしなんてあり得ないわ!」
やよい「伊織ちゃん……」
P「他の子をプロデュースしたのが気に食わなかったのか……?」
伊織「……」
春香「これ作ってきたんですよ!」
P「おおっ!ありがとうな」
伊織「(最近アイツと全然会話出来てない……)」
P「美味いよ!すごいよ!」
春香「えへへ……ありがとうございます」
春香「伊織も食べる?」
伊織「ありがとう……」
伊織「もう我慢ならないわ、自分から行かないと」
P「本当ですか!?」
社長「ああ、最近彼女達も勢いに乗っているからね」
P「ありがとうございます!」
伊織「……え?」
P「よし、更にプロデュースするアイドルが増えるぞ!」
伊織「あのバカ社長……」
伊織「今よりも相手にされなくなるなんて困るわ」
伊織「社長さ~ん」
社長「な、なんだね水瀬君」
伊織「ここにお金がちょこっとだけあるんですけど」ドッサリ
社長「み、水瀬君!?」
伊織「相談があるんですよ」ニコニコ
社長「……なんだね」
伊織「はい実は……」
P「寒いなぁ」テクテク
P「ふぅ……」
部下「……」
P「すごいいかつい人々が俺の家の前にいるんですが」
部下「ちょっとあなた」
P「(なによ、暴力団……?)」
部下「付いて来てください」ガシッ
P「えっ!?やめて!」ジタバタ
部下「服を着替えさせろ」
P「(こいつらホモなのか……)」
部下「よし、終わったか」
P「スーツ……?」
部下「いいか?お嬢様と呼べよ?」
P「え?何それ?」
部下「来るぞ」
P「はっ!?」
P「(まさかお嬢様って……)」
伊織「あら、プロデューサー!」
P「おいいお……
部下「」ギロッ
P「お、お嬢様、これは一体……?」
伊織「にひひ、今日からアンタはこのかわいいかわいい伊織ちゃんの執事よ!」
伊織「執事なのよ!」
P「(いや、執事なのよ!じゃなくてさ……)」
P「765プロはどうなったんですか?」
伊織「アンタは私の専属プロデューサーになったわ」
P「なんてこと……」
伊織「新しいプロデューサーを入れておいたから心配いらないわよ?」
P「……信じられなぁ~い、何がどうなってるんだ」
新堂「プロデューサーの変わりくらいならやってやるさ」
伊織「ふんふん~♪」
P「(ご機嫌なのか……?)」
P「(それよりこれは現実なのか?)」
P「伊織……お嬢様、なぜ私を執事に……?」
伊織「……べ、別に大した理由はないわよ」
P「(えええええええええええええ!!!)」
P「そんなことはないですけど……」
伊織「なら良かった、にひひ」
P「(かわいいいいいけどやべぇええええええええええ!)」
伊織「(思い切り過ぎたわ……流石に)」
伊織「でもプロデューサーといれるなら……」
P「(伊織の専属プロデューサーだなんて……どうしよう)」
伊織「起きなさいよ」
P「はっ!?すいません!」
伊織「事務所に行くわよ」
P「……はい?」
伊織「行くわよ」
P「はい、お嬢様」
P「(他のみんなに合わせる顔がない)」
伊織「(ついにプロデューサーが私の専属プロデューサーに戻ったわ!)」
新堂「よろしくお願いします」
やよい「プロデューサー、伊織ちゃんの専属プロデューサーに戻ったんですね」
千早「残念ね」
春香「仕方ないよ、ほら挨拶しないと」
ガチャッ
伊織「おはよう」
P「おはよう……」
やよい「おはようございますプロデューサー!」
春香「おはよう伊織、プロデューサーさん」
P「(みんな、しばらくは戻れないと思う……)」
伊織「じゃあ行きましょ」
P「ど、どこに?」
伊織「仕事よ、仕事」
P「あ、今日は忙しいな」
社長「ふぅ……」
P「取材お疲れ様です」
伊織「ねぇ、アンタ……疲れちゃったわ」
P「え?まだ仕事は残って……」
伊織「ハグしてくれたら治るかもしれないわ」
P「ブッ!?」
伊織「うるさいわね!執事なんだからこんくらいしてもいいでしょ!?」カアァ
P「(これが伊織……!?)」
伊織「(何言ってるの私!?)」
P「……」ギュッ
伊織「ふぁ///」
P「(こんなところ誰かに見られたら……)」
伊織「は、離れてよ!///」
P「え?はい……」
伊織「あ……」
P「治ったでしょうかお嬢様」
伊織「そうね、行きましょうか」
伊織「ねぇ、このお弁当食べにくいのだけれど」
P「はいはいお待ちください」
伊織「なによその態度」
P「すいませんね……はいこれで食べやすいですよ」
伊織「……」
P「……(まさか)」
伊織「……」チラッ
伊織「食べたいわ、お弁当」
P「はい、これです」
伊織「……」
P「あーん」
伊織「」パクッ
P「(面倒臭いなぁ……ていうか伊織マジかよ)」
伊織「ごっくん」チラッ
P「あ、はいはい」
伊織「」パクッ
P「そろそろ行きましょうか」
伊織「そうね」
P「ふぅ……(やっと終わったか)」
伊織「(私何してるのよ///やりたい放題じゃない)」
伊織「(最高じゃない)」
~伊織宅~
P「(結局伊織が何したかったのか全然分からなかった)」
伊織「ねぇアンタ」
P「なんでしょう」
伊織「眠いわ」
P「はぁ、只今掛け布団をご用意いたします」
・・・・・・
P「家の中で迷いそうだったわ」
伊織「ご苦労様」
伊織「よいしょ……おやすみなさい」
P「はい、では……」
伊織「(ちょっと出て行かないでよ!)」
伊織「寒いわ、温めてくれないかしら」
P「……はい?」
伊織「だから、一緒に寝ましょ」
P「馬鹿かお前!?」
ガチャッ
部下「おい」パキッポキッ
P「そうか……さっきのは本気?」
伊織「ええ、寒いわ」
P「いや、なら空調を……」
伊織「いやああああああああああ!!寒いわよ!!」
P「……はい、一緒に寝させていただきます」
伊織「入って」
P「(うぉおおお)」ムクッ
伊織「背中が充分に暖まってないのだけれど」
P「……はい?」
伊織「もっとくっついてよ」
P「はい」ギュッ
伊織「はふぅ///」
P「(かわいい声出すなよ)」
伊織「ねぇ、今日1日楽しかった?」
伊織「私は良かったと思うわ」
P「俺は楽しくなかったな……」
伊織「なっ……」
P「俺はいつも通りの伊織といるほうが楽しいよ」
伊織「プロデューサー……」
P「だからいつも通りに戻ってくれないか」
伊織「……嫌よ」
伊織「……わかったわよ」
伊織「でももっと私に構ってよね」
P「すまなかった」
P「あともうこんなことはするなよ」
伊織「ごめんなさい」
終わる
なかなかよかった
だが終わるな
でももう少し続けて欲しかった
Entry ⇒ 2012.01.23 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
響「さあ…ゲームの時間さァ」
自分、我那覇響は今日も元気いっぱい絶好調だぞ!
それというのもついこの前、八年間かけてチャレンジしてきたパズルがとうとう完成したんだよ
このパズルは死んじゃったおとぅのカタミでもあって、自分の大切な宝物なんだ
千年錐『』ピカピカ
響(ふふ、何度見ても見飽きないぞ。これは一生の宝物さぁ)
春香「あれ~? 千早ちゃん見てよ。また響ちゃんがペンダント見つめながらニヤニヤしてる~」
千早「我那覇さん、それ気色悪いからやめてって言ったはずよ」
春香「ホントだよね。朝っぱらからさぁ、他にやることないわけ?」
響「うぅ……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1326798037/
響「さあ…ゲームの時間さァ」
でも、自分はもう一つ、新しい宝物を手に入れたんだよね
それは……
ガチャ!
伊織「ちょっとあんたたち、やめなさいよ! 響が嫌がってるじゃない!」
響「伊織!」パァァ
春香「……チッ」
千早「あら、水瀬さん。おはよう」
伊織「おはよ…じゃないわよ! あんたらやり口が汚いのよ、集団で一人をいじめるなんて」
ガチャ
やよい「うっうー!おはよーございま……あれれ?」
春香「……」ゴゴゴゴゴ
伊織「……」キッ
千早「……」
響「うぅ…」
やよい「な、何だか険悪なふんいきです…」
春香「伊織もさ……随分身勝手だよね。自分だってこの前まで響ちゃんのこといじめてたくせに」
伊織「うくっ…そ、それはもう昔の話じゃない! 大切なのはいつだって今なのよ今!」
千早「どうかしら? 人は少なからず過去にあった出来事に引きずられるものよ」
千早「水瀬さんが何と取り繕うが、昔我那覇さんをいじめていた事実は消しようがないものだし」
伊織「っ…」
千早「我那覇さんはどう思ってるのかしらね、ひょっとして今でもあなたのこと恐れて…」
響「やめてよ!」
響「友達に…今も昔もないよ。誰が何と言おうが、伊織は自分の友達さー」
伊織「響…」
響「千早も…春香も。自分のことを悪く言うのは勝手だけど、友達にまで手を出すのは許さないぞ」
春香「ふーん、それじゃあ…」
ガチャ
P「おはようございまーす。あれ……お前らどうしたんだ、そんなとこに突っ立って」
春香「あはっ、何でもありませんよプロデューサーさん。それより今日のオーディションのことなんですけど…」
響(やれやれ…一安心だぞ)
響「ありがとな、伊織。また助けてもらっちゃったね」
伊織「ふん…これじゃどっちが助けられたのか分かったもんじゃないわ」
響「え…何が」
伊織「とにかく! また困った事があったらいつでもこの伊織ちゃんを頼りなさいよね」
響「…うん、分か亜美・真美「おっはよ~!みんな、調子はDo-Dai?」
伊織「また騒がしいのが二人来たわね…あんたら朝から元気良すぎよ!」
やよい「うっうー、元気なのはいいことですよ。今日も一日頑張りましょー!」
響「そうだな!」
……自分、今とっても幸せさ―
やよい「うっうー! 響さん、今日はありがとうございましたー!」
響「自分もやよいと買い物できてすっごく楽しかったぞ」
その日の夕暮れ、事務所からの帰り道を自分はやよいと並んで歩いてた
響「しっかし驚いたぞ。野菜があんなに安く買えるスーパーがあったなんてさ」
やよい「今日は特売の日なんです。普段行くなら5時過ぎからのタイムセールスの時間が狙い目ですよ」
伊織たちとの一件後、このやよいともすんなり仲良くなれたんだ
元々やよいは自分のこと積極的にいじめたりはしてなくて、仕方なく周りに合わせてる感じだったから
親友の伊織が自分と打ち解けたのを見て、ほっとしたような顔をしてた
やよい「そうだ、買い物を手伝ってくれたお礼にこの後私の家に来ませんか? 晩ご飯ご馳走しちゃいます!」
響「いいのか!? ほら、やよいの家ってただでさえ兄弟が多くて大変らしいじゃんか」
やよい「大丈夫ですよ。遠慮しないでください」
やよい「それに、響さんとはずっとお話したいと思ってたんです」
やよい「同じ目標を持ったアイドル同士、やっぱり仲良くしたいじゃないですか」
やよい「響さんが765プロに来てから結構経つのに、私、響さんのことほとんど知らないですし…」
響「仕方ないよ。この前までいじめられっ子だったしさ…ははっ」
やよい「ごめんなさい…私にもっと勇気があれば」
響「よし、もうこの話は終わりさー」パンパン
やよい「響さん…」
響「そうと決まれば早速やよいの家にHere we go!!ってね。うんと美味しい夕飯、期待していいんだよね?」
やよい「……はいっ!今日はもやし祭りです!うっうー!」
やよい「着きました―!ここが私のお家でーす!」
響「……」
やよい「響さん? どうしたんですかー」
響(か、考えちゃ駄目だ。やよいだって相当苦労してるんだから……でもこれってあばら)
ガッ☆シャーン
「か、帰れよ!」
「うるせえクソガキ!てめえじゃ話にならねえ、親父を出せやコラッ!」
響「な、何だ!?」
やよい「長介、やめなさい!」
長介「ねーちゃん…」
「おやおや、アイドルのお姉ちゃんがご帰宅だぞ」
「へへっ、やよいちゃんは今日も可愛いね―」
響(何だあの二人…いかにもその筋の人間って顔してるぞ)
「やよいちゃんは賢いから話が分かるよね? 僕たち君らの親御さんと話がしたいんだけどなー」
やよい「い、今お父さんたちは出かけてるので……私が話を聞きます」
借金取り「話も何もねえよ。借りた金返せっつってんの、当然のことだろ?」
子分「アニキ、いくらなんでもそれじゃ大雑把すぎるよ。ここは順を追って説明しないと」
子分「いいかいやよいちゃん、君の家は前に俺らのとこから金借りたことあったよね?」
やよい「うっうー…確かにそうです。でも」
長介「借金は全部返したはずだろ!? 何で今さら…」
やよい「長介!今は黙ってて…」
借金取り「その坊主の言うとおり、確かに借りた額は返してもらったさ」
借金取り「だが忘れてねえか? 借りた金には利子が付くってことを」
やよい「し、知ってます!だからその分も含めて…」
借金取り「それが足りないんだよねーおたく契約書ちゃんと読んだ? ウチは30日以内に返済しないと特別利子がつくようになってて…」
やよい「そんな…き、聞いてないです」
響「……」
自分、金利がどうこうとか誓約書だとかの小難しい話はよく分からなかったけど
でも目の前の二人が悪いやつで、あれこれ難癖付けてやよいから金を巻き上げようとしてるってことぐらいは分かるぞ
……やよいを助けなきゃ
響「お、おいお前ら!ふざけるんじゃないぞ!」
借金取り「ああん? 誰だお前」
子分「おっ!何この子、超ゲロマブなんですけど!? 君誰? やよいちゃんのお友達?」
響「そうだよ!さっきから聞いてれば好き勝手に言ってくれちゃってさ」
やよい「…響さん。やめてくれますか」
響「!? 何でさ、自分はやよいのために」
やよい「そーいうの、迷惑ですから…」
響「そっ…」
借金取り「とにかく、今日は最後通告に来たんだ。明日また改めてお伺いするからよぅ」
子分「それまでに利子分の……えーっと、325万と841円、耳を揃えて用意しといてちょ」
子分「俺やよいちゃんのファンだからさぁ、あまり事を荒立てたくないんだよね」
借金取り「へへ、そういうこと。じゃあな」
ブロロロロロロロロ…
響(あいつら最低だ。こんな脅迫めいたやり方、許されないぞ…)
やよい「……」
長介「ねーちゃん、どうしよう…」
やよい「いいから、長介は中に入ってかすみたちの面倒を見ててください」
………
やよい「さっきはあんなこと言ってすみませんでした」
響「別に…気にしてないけど」
やよい「でも本当のことなんです。これは私たちの問題ですから」
響「ううっ、それはそうかもしれないけど…」
響「でもっ、仲間が困ってるのを見て放っておくなんて出来ないよ!」
響「そりゃ自分だってそんな大金すぐには用意できないし、相談相手としては頼りないかもだけど」
響「ほら、やよいは伊織と仲いいじゃんか。あいつならきっと何とかしてくれるって!」
やよい「それは…出来ません」
やよい「確かに伊織ちゃんにはいつもお話を聞いてもらって、いつも助けてもらって」
やよい「私、伊織ちゃんのことだーい好きです」
響「それなら…」
やよい「だからなんです。友達だと思ってるから、その間に家庭の事情を持ちこみたくないんです」
響「……」
やよい「もちろん仲間同士助け合うのはいいことだと思いますよ? でも、それだって限度があります」
やよい「今回のことは高槻家の問題です。私たちだけで解決しなきゃならない問題なんです」
やよい「それを響さんや伊織ちゃんに頼るのは、やっぱり間違ってます」
やよい「だって二人とも……結局は他人ですから」
響「っ……」
やよい「それに、これはきっと私への罰なんじゃないかなーって」
響「罰って…やよいは何も悪いことしてないぞ」
やよい「しましたよ。皆と一緒になって、この前まで響ちゃんを無視してました」
響「あ……」
やよい「私、怖かったんです。皆に合わせないと、自分もあんな風に扱われるんじゃないかって」
やよい「そんなのはもう…ごめんです」
響「やよい、もしかして…」
やよい「最低ですよね、私って。伊織ちゃんが響さんと友達にならなかったら、多分私もずうっとそうしてたと思います」
やよい「だから、これはそんな私への罰なんですよ」
響「やよい…」
やよい「えへへ、響さんは優しい人です。こんな私でも友達だって言ってくれました」
やよい「だから…響さんが私を仲間だと思ってくれるなら、今日のことは他の皆にはナイショにしてくださいね」
やよい「夕食ご馳走してあげられなくてごめんなさい。また明日、事務所で会いましょー」
そう言って精一杯の笑顔を見せるやよいが痛々しくて……
こっちの姿が見えなくなるまで手を振り続けるやよいの姿が愛おしくて……
何とかしてやりたいと思うけど、
さっきのやよいの言葉に反論一つできなかった自分に腹が立ってしたかなかった……
響「えっ…やよいまだ来てないの?」
亜美「そうなんだよー。やよいっち、今日は休みなのかな」
小鳥「連絡は受けてないけど……変ねえ、やよいちゃんが断りもなしに休むなんて」
響「……自分、探してくる!」ガタッ
伊織「あっちょっと!いきなりどうしたのよ!?」
響「はぁ、はぁ…やよい」
あれから一晩考えたんだけど……やっぱり自分には見て見ぬふりなんて出来ないよ
『私たちだけで解決しなきゃならない問題なんです』
あの時の自分は、馬鹿みたいにぽかんと口を開けて突っ立ってることしか出来なかった
事務所ではいたずら双子の次に幼くて、普段から子供っぽいなぁと思ってたやよいが
こんなにも冷静に、冷めた口調で物事を語ったのが信じられなかったから
同時にやんわりと、それでいてはっきり自分のことを拒絶されたのも
響「はっ……はっ……やよいっ!」
タッタッタッタッ…
「おや……あれは…響?」
やよいの言いたいことはよく分かるぞ
確かにこの状況は友達だとかそういう理屈で出しゃばっていいラインをとうに越えてるかもだけど
自分たち仲間だもんねとか言って、口だけで解決策は何も持たない役立たずかもしれないけど
じゃあ黙って見てろっていうの?
やよいとその家族があのやくざたちに食いものにされるのを……
響「そんなの、絶対にさせないぞ」
『他の皆にはナイショにしてくださいね』
いいよやよい、ルールは守るさー
このことは他の皆には言わない、自分一人だけでやよいを助けてみせるっ!
響「ぜぇ…はぁ…た、確かこのあたりがやよいの家だったな」
ブロロロロロロロ…キキィ、バタン
「おい、さっさと来い」
「はいっす」
響(あっ、あの二人は…)
子分「しかしアニキも酷いことするっすねー。特別利子だとかデタラメ言っちゃって」
借金取り「絞れるとこからは絞れるだけ絞り取れってのが俺たちの業界の鉄則だろうが」
子分「でも、あそこは生粋のビンボー一家っすよ? もう金があるとは思えないんすけど」
借金取り「ほら、あそこのやよいって小娘、アイドルやってんだろ? あいつの事務所さぁ、最近景気がいいそうじゃないの」
借金取り「てことはだ、まだまだ絞れる余地があるかもしれん」
借金取り「最初に貸した金を満額返済してきたのがいい証拠さ。大方アイドル業が軌道に乗ってきて稼ぎがよくなったってとこだろ」
借金取り「ご苦労なこった。どんなに稼いでところで、俺たちに骨までしゃぶりつくされる運命だってのによ、ハハハッ!!!」
響(……あいつら、やっぱりそういうことだったのか!)
子分「はぁ~やよいちゃん可哀想っす。俺本気でファンだったのになぁ~」
借金取り「心配すんな。そのうちあの娘、別の業界でデビューすることになるだろうからよ」
子分「うへぇマジすか!……あっ、今ので思い出したんすけど、この前貸したビデオそろそろ…」
響「やめろ!」バッ
借金取り「何だお前…そこどけよ。邪魔だろうが」
響「嫌だぞ。絶対に嫌だ」
借金取り「はぁ? 何なんだよこいつ…前にどこかで会ったか?」
子分「ああー思い出した! この子、やよいちゃんのお友達さんじゃないっすかー! ボクたちに何か用かい?」
響「今の話、全部聞いてたぞ!やよいから不当に金を巻き上げようとするなんて、自分絶対許さないからな!」
借金取り「あのなぁ、お友達だか何だか知らねえが、これは俺たちとあの家の問題だ」
借金取り「他人に口はさまれる筋合いはねえよ。とっとと帰えんな」
『二人とも……結局は他人ですから』
響「ぐっ……」
響「友達とか他人とか、そんなの関係ない!」
響「自分はやよいを助けたいと思ったからこうしてるだけなんだよ! お前らが諦めるまで絶対ここは通さないぞ!」
借金取り「うるせえ、どけっつってんだろ!」ドゴォォォ!
響「あう゛っ…」
響「い、痛っだぁ…」
子分「アニキぃ、いきなり殴らなくても…」
響(鼻血がとまらないぞ……折れてちゃってるのかなこれ)
借金取り「ふん、ああいう青臭いのは癪にさわるんだよ。行くぞ」
響「ま……まで」ポタポタ
借金取り「あ、汚ねえなぁオイ! 血だらけの手で触んじゃねえよっ!」ドガッ
響「っ……やめろ゛っ、ごれ以上やよいを苦じめるな゛ぁ……」
借金取り「しつこいんだよ! おいお前、こいつ適当にあしらっとけ」
子分「あ、ハイっす…」
借金取り「友情ごっこには付き合ってられねえよ全く…」
響「う゛ぅ…」ガクッ
千年錐『』キィィィィィン
ゴゴゴゴゴゴゴ…
子分「はぁー、アニキにも困ったもんだよ」
「……」
子分「あ、気が付いた?ごめんねーウチのアニキ乱暴でさー」
「……」
子分「まあそう怖い顔しないでよ。お詫びと言っちゃなんだけど、この近くにいいサ店があるんだ、一緒にどう…」
闇響「……」ニヤッ
借金取り「よう嬢ちゃん」
やよい「……」
借金取り「いつもに比べて静かだな。今日はあのうるせえガキ共はいねえのかい?」
やよい「まだ平日の昼間ですから、長介たちは学校です…」
借金取り「なるほど。それで金は用意できたのか」
やよい「……」フルフル
借金取り「そうかい、だったらプランBだな。あの話、考えといてくれたか?」
やよい「……」
借金取り「まあ金を返せない以上、債務者に選択権はねえんだけどな。ほら、一緒に車のとこ行くぞ」
やよい「うっ…」
借金取り「おら、手間をかけさすな。さっさと来い!」グイッ
やよい「ぁあ…!」
闇響「待てよ」
やよい「響…さん?」
借金取り「お前、何でまた……ちっ、あのバカ小娘一人足止め出来ねえのか」
闇響「ま、そういうことになるね」
やよい「何で…何で来たんですかぁ!もうかわまないでって言ったのに…!」
闇響「あ?」ギロッ
やよい「うっ…」
闇響「うだうだ五月蝿いぞ。自分はこいつに話があるんだ。少し黙っててよね」
やよい「は、はいぃ…」
やよい(なんか今日の響さん、いつもと雰囲気が違って怖いです…)
闇響「どうしてもやよいを連れていきたいってのなら、自分とゲームしようよ」
借金取り「ゲームだぁ?」
闇響「勝った方がやよいを自由にできるんだ。どう、やってみる?」
借金取り「へっ、馬鹿馬鹿しくて聞いてられるかよ! もういっぺん痛い目にあいてえのか」
闇響「もちろん、それなりの見返りは用意してるよ。あんたの大好きなこれをね」マルッ
借金取り「ほぅ…面白れぇ。話を聞こうじゃんか」
闇響「フフ…」
闇響「ゲームに使うの道具はこのプラスチック製の箱。それとやよいの家にあったもやしさー」
闇響「この箱、パーティとかでお菓子の掴みどりに使われるやつなんだけど。ほら、ここに手を入れるための穴が空いてるでしょ」
闇響「ここから箱の中にもやしを流し込む」ザザー
借金取り「おいおい、もやしの掴み取りでもやろうってのか」
闇響「そのとーり、簡単でしょ?」
闇響「お互い掴み取ったもやしの量を競うんだ。もしお前が勝ったら、10グラムにつき一万払ってやる」
やよい「そ、そんな…」
借金取り「うへっ、マジかよ。その勝負乗ったぜ。負けてから後悔するんじゃねえぞ」
闇響「安心するさぁ、金はちゃんと払うよ。そのもやしにはそれだけの価値があるんだから」
やよい(む、無茶苦茶です…特売で買った一袋10円のもやしにそんな価値ありませんよぅ…)
闇響「あとこれは闇のゲームだからね。ルールを破ったりした者には罰ゲームが待ってるよ」
借金取り(へっ、それで脅してるつもりか? とにかくこのガキに勝って金をいただくとするぜ)
闇響「ゲームスタートだぞ。先行はどっちからにする?」
借金取り「当然俺からだ!」
借金取り(男の俺の方が手がでかいんだ。初っ端からごっそり掴み取ってやる!)
借金取り「オラァ!」ズボッ
闇響「ククッ…」
借金取り「!! 痛っでえ゛え゛え!!! 何だああ!??」スポッ
やよい「?」
闇響「残念だったね。記録はゼロと」
借金取り「て、てめえ…! 中に何か仕込みながったなぁ!」
闇響「誰も箱の中に入ってるのがもやしだけとは言ってないぞ? さて、次は自分の番だね」
闇響「フフフ…」スポッ
やよい(箱の中には一体何が入ってるっていうんですかぁ…)
闇響「っ……よっと」スポッ
借金取り「!」
闇響「ふぅー、100グラムにも満たないさぁ。ちょっと余計なものをとりすぎたかな?」パラパラ…
やよい(響さんの手から…もやしに混じって、針やガラスの破片が落ちてきましたぁ)
闇響「イテテ、ちょっと血が出ちゃったよ…」ペロリ
借金取り「お前…こんなもん混ぜてやがったのか」
闇響「そういうこと。このゲームは普通の掴み取りと違って、賞品を得るためにはそれ相応のリスクを負わなきゃ駄目なんだよ」
借金取り「くそっ…い、今のは練習だ!もう一回やらせろっ!」
闇響「オーケー、お前にだけ特別にもう一度チャンスをやるさァ」
闇響「ただし、次は別の箱を使わせてもらうよ…」
長方形の箱『』 ド ン ☆
借金取り(今度の箱はやけに縦長だな…)
借金取り「まぁいいさ。タネが分かっちまえばこんなもん屁でもねえ。今度こそ俺が…」
闇響「あ、言っとくけどその箱はさっきのよりレベル高いぞ。せいぜい気を付けるんだね」
借金取り(っ……ハッタリか? そうだ、そうに決まってる!これ以上何があるってんだ!)
借金取り「慎重にやればこんなもん楽勝っ…」スポッ
借金取り(痛っっ……何だ? 今度はちょっと手の先を入れただけだってのに…)チクチク
借金取り(冷たい…中に金属のトゲみてぇなのがびっちり……こりゃまるで下ろし金だ!!)
闇響(気付いた? そうだよ、その箱の中はまさにいばらの道)
借金取り「ぐぅ…っあ……」ズキズキ
闇響(箱の奥に手を入れようとすればするほど、少しずつお前の身は削られてゆく…)
借金取り「ぎひっ…あ゛ぁ…(進めば進むほどトゲが皮膚に食い込んでっ…)」ギリギリギリ
闇響(果たして、自分の腕を傷つけてまで勝とうとする執念がお前にはあるかな?)
借金取り(……む、無理だ……こんなの……とても出来ねぇ…)
借金取り「くあっ…ぐぅ…」
闇響「そうそう、トゲには返しがついてるから抜くときも慎重にね」
借金取り「っあ……はぁはぁ」スポッ
闇響「おや~?またもや収穫無しなのか?」
闇響「もっとも、もやしに手が届くころには血だるまでそれどころじゃないかもだけどね」ククッ
借金取り「クソッ、このガキ…」
闇響「この勝負自分の勝ちだね。約束通り、やよいは置いていってもらうよ」
やよい(私、助かったんでしょうか…)
借金取り「ハッ、何言ってんだよ!そんなもん無効だ無効!」
闇響「……」
やよい「そんな…おじさんだって納得してたじゃないですか―」
借金取り「うっせえ!あんな口約束に効力なんてねえよ」
闇響「…やっぱりね。そう言うと思ったぞ」
借金取り「おっと、そういやお前金持ってるんだったな。この腕の治療費代わりに徴収させてもらおうか」ジャキン
闇響「約束を反故にしたうえ刃物で恫喝、やっぱあんた最低さぁ」
借金取り「大人しくしな。その顔に傷を付けられたいなら話は別だがよぅ…」
やよい(このままじゃ響さんが…!)
やよい「うっうー!やめてくださーい!」バッ
闇響「!」
やよい「全部私が悪いんです! 私はどうなってもいいから響さんには手を出さないで!」
借金取り「前から思ってたんだがよ…」
借金取り「うっうーうっうーうざってぇんだよ、てめえ!!」バシッ
やよい「うぁ!?」
ゴツン☆
やよい「あぅ……」
借金取り「ハハハッ!頭打って気絶しやがった!いい気味だぜ!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
借金取り「ん?」
闇響「闇の扉が、開かれた」
借金取り(なん……だ? 体が……動か……)
闇響「今のはちょっ~とマズかったね。自分、完璧に怒ったぞ」ゴォォォォ
借金取り「なんだそれ……お前、その額のめ……眼!?」
闇響「これは自分の心の領域を犯した罪人にしか見えない、お前に審判を下すウジャトの眼さァ!」
闇響「運命の罰ゲーム!!“ い ば ら 姫 ”!!」ズギューン
借金取り「うわあああああぁぁぁ」
借金取り「ぁああ……な、何だ!?」
借金取り「痛っ……!!!」ズキィィ
ニョロニョロ…
借金取り(爪と指の間から何か生えてきた……何だこれ、もやし!!??)
シュルシュルシュル…
借金取り(い、息が苦しい……鼻の穴からも何か出てきてやがるっ…)
闇響「かが……見……」
借金取り(あいつなんて言ってる? 耳も塞がっててよく聞こえねえ…)
シュルシュルシュル
借金取り「俺の体…一体どうなって…」
闇響「ょ……ぃ…!」つ鏡
借金取り「!」
借金取り「あっ…あ゛あ゛あ゛あ゛あああああああ!!!!!」
借金取り「顔がぁぁ!体中から植物が生えくるううぅぅ!!!」
借金取り「誰か助けてくれ!! 何も見えねえ!! 何も聞こえねえ!!」ダッ
「……!……!!」
借金取り「誰かぁぁぁ!!!」
「!!!……」
キキキィィィ……ドォン!
「ここ…どこだ?」
「俺…あのガキに変なことされて……何かにぶつかって」
アアアアア…
「うわ!?」
アアアア…
「く、来るな化け物!俺は植物人間じゃねえ!お前らの仲間じゃねえよ!」ゴロンッ
「あああ…足がねえよ、手もだ……くそっ、どうやって逃げりゃいい」
ア゛ア゛ア゛!!!
「や、やめろおおおお!!! これは夢だ!! そうなんだろっ!? 夢なら覚めてええええ!!!」
ざわ…ざわ…
「おい、誰かはねられたぞ!」
「赤信号だってのに飛び出しやがって…」
「うわひっでぇ、手足がグシャグシャだぁ」
「まだかろうじて息がある、救急車急げ!」
………
闇響「これでキミは名実共に植物人間ってやつさぁ」
闇響「ま、せいぜい枯れ木にならないうちに目覚めることを祈るんだね」
闇響「それとも……王子サマの助けを待ってみる? 哀れな自分に終止符を打ってくれる王子サマを…」
……よい……やよい!
やよい「うっ、う~?」
響「やよい!良かった、眼が覚めたんだな!」
やよい「響さん…おはようございます」
響「寝ぼけないでよっ、気が付いたらやよいが側に倒れてて、自分すっごく心配したんだからな!」
やよい「あの、借金取りのおじさんは?」
響「あれ? そういえばあいつどうしたんだろうな」
やよい「……響さんが追い払ってくれたんですね」
響「え? あ…ああうん、きっとそうだぞ。自分完璧だからな!」
響(おっかしいなー、さっきまで何してたっけ? 全然覚えてないぞ)
やよい「ごめんなさぁい、響さん!」
響「うわっ急にどうしたんだよやよいー?」
やよい「だって…私響さんに昨日あんな酷いこと言ったのに、それでも助けに来てくれて…」
響「あはは、気にしないでいいさー。自分、ただ自分がやりたいと思ったことをしたまでだから」
やよい「さっきの勝負、勝った方が私を好きなように出来るって言いましたよね」
響「え…?(何のことだ?)」
やよい「私、響さんの言うこと何でも一つ聞いちゃいます。なんなりと言っちゃってください」
響「…本気で?」
やよい「……」モジモジ
響(じ、事態がよく飲み込めないぞ。それに急にそんなこと言われても…)
響「あっそうだ、やよい」
やよい「は、はいー!」
響「自分とさ、友達になってくれ」
やよい「? 響さんとはもうお友達だって…」
響「ただの友達じゃないぞ。どんな時でも裏切らず、どんな時でも裏切れない親友」
響「困った時はお互い様、共に支え合って一緒に先に進んでいく、そんな仲間さー」
やよい「一緒に…先に進む…」
響「仲間同士の助け合いに限度なんてないよ。またこんなことがあったら、遠慮なく自分たちを頼ってくれ」
響「自分たちも、やよいのこと頼りにしてるからさ」
やよい「……はいっ!分っかりました―!!」パァァ
やよい「響さん、手を出してください」
響「いいけど?」スッ
やよい「誓いのハイタッチです、せーの」
響・やよい「ハイターッチ!」パシン
やよい「えへへっ、これで私たち、今度こそ本当の仲間ですね」ニコッ
響「はは、可愛いなぁ。やよいはそうやって笑ってるのが一番だぞ」
やよい「じゃあ響さん、今度は私のお願いを聞いてくれますかぁ?」
響「おっ、何だ言ってみろー」
やよい「うっうー!今日こそはうちでお夕飯をご馳走させてくださーい!」
やよい「あっ、あと今日はお父さんたちが帰ってこないみたいなんでぇ、その……お泊まりしていきます?」
響「」プシャァァァ
やよい「わっ、大変! 響さん鼻血が…!」
響「うわわっそういえばあのヤクザに鼻思いっきり打たれたんだった…(な、何か今のやよい一瞬妙な色気が…やっぱりもう子供じゃないのか!?)」
やよい「すぐうちで手当てします。入ってください~」
響「お世話になるぞ…」ボタボタ
やよい(響さん、すっかりいつもの調子って感じです)
やよい(でも、あの時の響さんは凄く怖かったけど、今よりちょっと格好良かった…かも)
響「ぷはーっお腹がパンパンだぞ。やよいの作る料理美味しかったなぁ」
響「ホントは泊まりたかったけど、今日はいぬ美たちに餌買って帰らなきゃいけなかったしな」
ヒュウウウウウウウ
響「う゛ぅ、さぶっ……早く帰ろ」
「お待ちなさい」
響「!」
「そう急くこともないでしょう。夜はまだまだ長いのですから」
響「お前…何でこんな所に?」
「運命が私をここに導いたのです。それ以上でもそれ以下でもないのですよ、響」
響「な、何が目的さぁ…」
「…」クスッ
貴音「今宵、私とげぇむを致しましょう」
やよい編が終わったから、アイドルも残り8人だぞ
でも早くもネタがなくなって、一話完結のスタイルを崩してないかなー?
やっぱり! 何か意味深なこと言ってる貴音と戦おうとしてるぞ!
え?ハム蔵とシマ男も一緒だって?三対一で一見有利な対戦だけど…ってどこがなのさー!?
次回、「女の花道 貴音玉砕」 デュエルスタンバイ!
そもそもが一発ネタだったのでこの先続くかどうか…
アイマスSSって難しい
ではおやすみなさい
デュエルはよ
Entry ⇒ 2012.01.22 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
響「闇のゲーム?」
自分、我那覇響 765プロってとこでアイドルやってるんだ
仕事は……まだ少ないけど、いつかきっとトップアイドルになってみせるからな!
今は同じような志を持った仲間たちと一緒に日々努力してるさ~
響「みんなー!自分と一緒にお昼しないか?今日はサーターアンダギーたくさん持ってきたんだ」
春香「……チッ」
千早「いきましょう、春香」
ガチャ、バタン!
響「うぅ……」
元スレ
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1326440676
響「闇のゲーム?」
やよい「うっうー…わ、私は…」
伊織「やよいー、今日は私と一緒にお昼食べるって約束よねー?」
やよい「あ…うっ…でも」
伊織「そんな薄汚い油の塊よりよっぽど美味しいもの食べさせてあげるわよ」
伊織「それとも何?この伊織ちゃんの言うことが聞けないっていうの?」
やよい「うっうー、そんなことないけど…」チラッ
響「や、やよい……自分は一人でもなんくるないから、伊織と一緒に楽しんでくるといいさぁ」
伊織「ほらやよい、行きましょ。何だかここ空気悪いし」
ガチャ…バタン!
響「…なんくるないさぁ」
響「!ねえ律子、よかったらこれ…」
どたぷ~ん
響「うあっ…!」
あずさ「律子さ~ん、私この近くに美味しいお店見つけたんですけど~よかったらご一緒しませんか~?」
響「あ…あずささん酷いさー!急に後ろからぶつかるなんて」
律子「いいですね。でも行き方覚えてるんですか?」
あずさ「大丈夫ですよぉ~私に任せてください~」
響「無視しないでほしいぞ…」
小鳥「はいはーい、私も行きます!美味しい店なら私も行きたいです!」ピヨピヨッ
律子「小鳥さんは 駄 目 です」
小鳥「ピヨッ…」
律子「今やってる仕事、午後までに片付けておいてくださいって言いましたよね?」
律子「それが終わるまで休憩は無しです」
小鳥「そ、そんなぁ…」
律子「私たちが戻るまでには終わらせておいてくださいね。それじゃあ」バタン!
小鳥「う…ううっ、酷わ…あんまりよ。私だけ仲間外れにして」
小鳥「…コンビニにからあげクンでも買いに行こうっと」ガチャ
響(結局最後まで無視されっぱなしだったぞ…)
響「……」モグモグ
響「…おいしいさぁ」
コトッ
響「?」
雪歩「お茶ですぅ」
響「ゆ、雪歩…」ジワッ
雪歩「何で泣いてるの?それより早く飲んで感想を聞かせてよ」
響「うっ…そうだな」ゴシゴシ
響「ありがたくいただくぞ、雪歩の淹れてくれたお茶」ゴクゴク
雪歩「……」
響「ん、なんだかこのお茶変なとろみがあるな…」
響「って、ぶっへぇぇなんだこれぇ!苦くてピリッときたさぁ!」
雪歩「ぷっ…うふふ」
響「うげぇぇ、舌がヒリヒリする…」
雪歩「緑茶に青汁の素と練りわさびを混ぜてみたんだけど、どうだった?」
響「なんで…」
響「何でこんなことするのさぁ……自分、何か悪いことしたか?」
雪歩「……」
響「ねえ雪歩、答えてよ…」
ガチャ
真「雪歩、まだこんな所にいたんだ」
雪歩「あっ、真ちゃん」
真「春香と千早が待てるよ。早くご飯食べないと、昼休み終わっちゃうよ?」
雪歩「ごめんなさい、すぐに行きますぅ」
デサーキョウノレッスンチュウニネ
アハハ、ソンナコトアッタンダァ~
響「……」
響(いいなぁ、自分もあんな風に笑いあえる友達が欲しいぞ)
入った時から周りに馴染もうと、皆と仲良くなろうと努力してるんだけど
何故か皆自分に冷たいんだ
……なんでだろう?
もしかして、自分があの悪名高い961プロから移籍してきたからなのかなぁ
でも、仮にそうだとしても腑に落ちない点が一つあるぞ
だって961プロから移籍したアイドルは自分の他にもう一人…
ガチャ
貴音「…響」
響「たかねぇ…」
貴音「……」
響「貴音、お昼は」
貴音「もう済ませました」
響「そ、そっか…」
貴事「特に用が無いのなら私は行きます」
響「あっ…ま、待って!待ってほしいさ」
貴音「何か?」
響「あぅ……えっとー…」
貴音「何故そのようなことをする必要があるのです?」
響「それは…!貴音は…自分と一緒に961プロから移籍してきた仲間だし」
響「貴音だって、一人でいることが多いじゃんか…」
貴音「知っての通り、私は一人でいることが好きなのです」
貴音「それに、私は皆と最低限の意思疎通は図れています。あなたと違って」
響「うっ…」
貴音「では、これで失礼させてもらいます」
キィィ…バタン
響「……うっ…う゛ぅ…グスッ…どうして……どうしてさぁ」
いつも一人でいて月を眺めてることが多かったし、正直何考えてるか分からない
会話もほとんど仕事の話しかしなかった覚えがあるぞ
でも961プロにいた時は黒井社長の方針で極力他人と話さないようにしてたから、
こういうのも仕方ないと思ってたんだ
だからこそ、765プロに移籍した時はこれでやっと貴音と普通に話せる
貴音の他にも仲間が出来るって喜んだんだけどなぁ……
響「むぐっ、もうお腹一杯さぁ」
響「はぁ~…持ってきたサーターアンダギー、無駄になっちゃった」
自分以外誰もいない、がらんどうな事務所はまさに今の自分の心そのものさ……
響「暇さぁ……まだ休憩終わるまで結構時間あるし」
響「……そうだ。こういう時はあれをやるに限るね」ゴソゴソ
みんな、突然だけどここでクイズだぞ!
今自分が取り出した箱の中身、これなんだと思う?
ヒントは『見えるけど見えないもの』
さあ、わっかるかな~?
……ん~言い方が悪かったかな?
正解はパズルさ!ジグソーじゃなくて、立体パズルってやつ
ほら、この黄金のピースを組み合わせることで何かが完成するみたいなんだ
えっ?その何かって何だよだって? それは自分も知らないんだ
なにせ沖縄にいたころから数えて八年間、ずっと挑戦し続けてるんだけど
未だに組み上げられないんだもん……
響「よーし、今日こそ完成させてやるからな~」
響「うーんと……ここがこうで……」
響「……う゛ぅ…ここからよく分からないんだよなぁ~」
響「……あっ?でもここをこうすれば……」
亜美「亜美パ→ンチ」ドガッ
響「わっ!」ガシャーン
亜美「な~に一人でぶつぶつ言ってんのさー」
真美「暗い指数200パ→て感じだねぇ。ただでさえ今日は雨降りでじめじめしてるってのに」
響「亜美真美か…(あうぅ、せっかく組んだパズルがバラバラになっちゃった)」
響「そ、そうだぞ。これは見えるけど見えないもの……えーっと、つまりパズルなんだ。ちょうど今組み立ててたところさ」
亜美「ふ~ん。こんなので一人遊びしてるなんてひびきん暗いよ→」
響「…そんなの、自分の勝手だぞ」
真美「ねーねーそんなことより真美たちの遊び相手になってよ。やることなくて退屈でさ→」
響「!喜んで……って言いたいとこだけど」
響「その前にパズルの部品をこっちに返してよ。小さいから無くしたら大変さぁ…」
亜美「やだよ→返してほしかったら亜美たちを捕まえることだね」
響「えぇ、そんなのって…」
真美「ほらほら~早く捕まえないと真美たちどっか行っちゃうよ?」ダッ
響「あっ、事務所の外に…」
響「待てー!」
真美「亜美、パ→ス」ポイッ
響「あーっ、頼むから落とさないでくれよ?」
亜美「よっと。逃っげろ~」
真美「ひびきんに触られるとひび菌がうつっちゃうかんね~」
響「……」
響(流石に今のは少しカチンときたさぁ…)
響(こうなったら本気で捕まえてやるぞ。ちょと大人げないかもだけど…)
亜美「ほーら、ここまでおいで…」
響「」ダッダッダ
亜美「あれ?速っ…」
ガシッ
響「捕まえたぞ。さぁパズルを返してよ」ググッ
亜美「ちょ…ねえ、痛いから離してよ」
響「そのパズルは大切なものなんだ…だから」
亜美「痛いってば!」
響「あぅ……わ、悪かったさ」パッ
亜美「ほら、返す」ポイッ
響「うわっと…! 投げないでよ」
亜美「全く…こんな遊びに本気になんないでよ」
真美「年下相手にマジになっちゃうなんてメチャださださって感じ」
亜美「まっ、ひびきん私たちよりチビだけどね→」
響「むかっ、背はまだまだこれから伸びるさー!」
響「……はぁ、こういうことはもうこれっきりにしてほしいぞ」
響「自分、亜美真美と遊ぶのは嫌じゃないんだぞ? でもそれならもっと普通に遊びたいさぁ」
亜美「そんなこと言われても」
真美「ねー?」
亜美「あーっ、いおりん聞いてよ~ひびきんがさぁ」
伊織「何ですってぇ? 響、あんた子供相手に手をあげたの?」
響「ち、違うぞ!自分は…」
真美「そうなんだよね。ちょ~っとからかっただけなのにムキになっちゃってさ」
響「真美まで…」
やよい「うっうー…」
響「やよいは、やよいは信じてくれるよな? 自分そんなことしないぞ!」
伊織「ちょっと響!やよいが困ってるじゃないの。止めなさいよ」
響「なっ…自分はただ」
伊織「あんたねぇ、自分の立場分かってんの?」グイッ
響「いっ痛だだぁっ!!ピアス引っ張らないで…」
伊織「この私にこうやって口きいてもらえるだけでも感謝しなさいよ。本来ならあんたみたいな未開人と一緒に居るだけで反吐が出そうなのに」
響「ど、土人って……酷い」
伊織「まあいいわ。今日のとこはこれくらいで勘弁してあげる。それ持ってとっとと私の視界から消えなさいよ」
響「うぅ…分かったよ…」
亜美「惨めだねぇ、ひびきんの後ろ姿」
伊織「ふん!あいつを見てると無性に腹が立ってくるのよ。自分でも不思議なくらいにね」
亜美「あっ、それ分っかる~」
真美「ひびきんって、見てると何だかいじめたくなっちゃうんだよね→」
伊織「それであんたたち、あいつから何盗ったの?」
亜美「それがね~亜美にもよく分かんないんだよ。ひびきんが言うにはパズルらしいんだけど」
真美「『見えるけど見えないもの』だっけ? 真美にはただのガラクタにしか見えないよ」
伊織「ふーん、まあ別になんでもいいんだけど。どうせなら返さなきゃよかったのに」
伊織「?」
真美「じゃじゃーん↑実はもう一個盗ってました☆」
亜美「おおっ!真美やるぅ~」
伊織「にししっ、あんたにしてはよくやったじゃない。ちょっとそれ貸しなさいよ」
真美「いいけど、これどうするの?」
伊織「よく分かんないけどこれってパズルの部品なんでしょ?」
伊織「つまり一つでも欠ければパズルは完成しないってことよね」
伊織「だったら……こうしてやるわ!」ヒュッ
亜美「ありゃりゃ~草むらの中に消えちゃった」
真美「いおりん軍曹はまっこと鬼ですなぁ~」
やよい「伊織ちゃん……さすがにやりすぎじゃ」
伊織「構わないわよ。私をここまでイラつかせるあいつが悪いんだから」
伊織(そうよ、あいつ見てるとイライラするの。自分ひとりで空回って、そのことに気付きもしない馬鹿)
伊織(まるで昔の私を見てるみたいで胸糞悪いのよ!)
伊織「ほら、さっさと事務所に戻るわよ」
亜美・真美「はーい」
やよい「うっうー」
「くくくっ……いいネタ見っーけ……」
P「よし、今日のレッスンはここまで。みんなお疲れ様」
春香「はぁ~疲れたよぉ。ねえ千早ちゃん、帰りにミスド寄ってかない?」
千早「えぇ、いいわよ」
真「春香、ボクと雪歩も一緒に行っていい?」
春香「もちろん大歓迎だよー今日は100円セールの日なんだ~」
ワイワイワイ
響「…帰るぞ」
響(これから何しようかな…)
「ちょっとすいません」
響「ん?」
「あなた…765プロの我那覇響さんですよね?」
響(むむ、見るからに怪しいやつ……パパラッチか?)
響「そうだけど…お前誰だ?」
「あ、申し遅れました。私は『週間芸能暗黒界』って雑誌の記者をやってる者なんですが」
響(暗黒界って……ゴシップだらけで有名な雑誌じゃないか。こんなやつと関わったら何書かれるか分かったもんじゃないぞ)
響(こういう手合いは無視だ無視!)
響「言っとくけど、お前に話すことなんて何もないからな!」
記者「まあまあそうおっしゃらずに…」
響「自分帰るとこなんだ。邪魔しないでよ」
記者「話だけでも聞いてくださいよ。実は最近とある噂がありましてねぇ、その内容ってのが」
記者「765プロ内でいじめが流行っている……というものなんですよ」
響「!」ドクン
記者「…我那覇さん、何か心当たりはありませんか?」
響「じ、自分は…」ドキドキ
響「そんなこと……自分は知らないぞ」ボソッ
響「765プロは所属アイドルみんなが仲良しな、アットホームな職場さー…」
記者「ほぉ~しかしですね、こういうのは別に珍しいことじゃないんですよ」
記者「自分より売れてるやつを妬んだり、また逆に売れっ子が調子に乗って後輩をいびったりするなんてのは、この業界じゃ日常茶飯事でして」
記者「ただ、めったに表に出てこないだけでね」
響「と、とにかく自分は知らないって言ってるだろ? もう帰るからな!」
記者「ああ待って、もう少し…」
響「話は終わりさ! 家までついてきたら訴えてやるぞ!」
記者「まさか、そんなことしませんよ。お気をつけて」
響「ふ、ふん…!」スタスタ
記者(全く、分かりやすいお嬢ちゃんで助かるよ。さて、明日にでも仕掛けるかな)
響「ただいま…」
家のドアを開けると真っ先にハム蔵が
続けていぬ美にブタ太にワニ子その他自分の家族たちが嬉しそうに自分を出迎えてくれたさー
ハム蔵「ヂュウヂュー」
響「ごめんなハム蔵。本当は事務所に連れてってやりたいけど、もうトイレに流されたりするのはこりごりだろ?」
いぬ美「クゥーン、ハッハッ」
響「おお、そうか。みんな腹ペコなんだな。よし、今食事を作るから待ってろよ―?」
そうだよ、家に帰れば自分にはこんなに沢山の温かい家族が待ってるんだ
事務所で一人だからってなんくるない……はずさぁ
響「ふぅ~お腹いっぱいだぞ」
今日はいつもより張り切って夕飯作りすぎちゃったけど家族たちは残さず食べてくれた
そのせいか、満腹になった皆はいつもより早く眠りについちゃったんだけどね
響「こうなるとすることがないさぁ…」カチャカチャ
適当にパズルをいじくり回しながらため息が出た
自分が退屈な時にやることって言ったらこのパズルか編み物しかないもんなぁ
響(卓球は…相手いないし。今度新しいラノベでも探すさー)
考えてみれば自分の趣味ってインドア系のものばかりさー
でも仕方ないよね?
自分熱がりだから外出るの嫌いだったし……うん、沖縄暑かったし……あれ?
響(……考えないことにしよ)
あまり外に出たがらなかった小さい自分におとぅがくれたんだっけ
どうせどこかのお土産コーナーかなんかで売ってたのを買い与えたんだろうけど……
それでも、死んじゃったおとぅがくれたこのパズルは自分にとって一番の宝物なんだ
響「おとぅ…兄貴…」
沖縄のみんな、東京は辛い場所だぞ
自分、トップアイドルになるまでは帰らないってタンカ切って沖縄を飛び出したけど
その前に、心、折れちゃいそうだ……
響「友達が……一緒に頑張れる仲間が欲しいさぁ……」ギュウウ
千年錐『』ゴゴゴゴゴゴゴ
響「朝か……」
解きかけのパズルを握りしめたまま、気が付いたらふて寝してたみたいだ
響「…よし」
うん、大丈夫
一晩思いっきり悲しんだら、何だか気分がすっきりしたさぁ
トップアイドルになるっていうでっかい目標のためにも、こんな所でへこたれてらんないよね!
響「自分、完璧だからな」
鏡を見ながらいつもの一言
よぅし、今日こそ事務所のみんなと仲良くなってみせ……なれるといいな
響「とは言ったものの、何も出来ずにお昼になっちゃったさぁ」
響(気が付いたら誰もいないし。また自分を除け者にして皆でどこかに食べに行ったみたいだ)
響「まぁいいさ。自分も今日は外に食べにいこう…」ガチャ
記者「あっ、我那覇さん」ニコニコ
響「げっ! 昨日のゴシップ記者……何の用だよ」
記者「今日は我那覇さんに是非見せたいものがあって来たんですよ。今時間あります?」
響「今お昼食べに行くとこなんだ。悪いけど…」
記者「お一人で?失礼ですが、同じ事務所の候補生の方とはご一緒しないんですか?」
響「う、うるさいなっ!そんなのどうだっていいだろ!?」
記者「すいません、無神経な質問だったようで。ちょっとだけでいいんです。お時間とらせませんから」
響「……分かったよ。そこまで言うならちょっとだけだぞ。変なモノだったら承知しないからな」
記者「大丈夫ですよぉ。きっと我那覇さんも喜んでくれるはずですから…」ニヤッ
響「こんな所に一体何があるっていうのさぁ」
記者「ふふ…ほら、あれですよあれ」
響「ん?」
亜美「あ…」
真美「ひびきん…」
伊織「……」
響「亜美に真美? それに伊織も……ここで何してるのさ」
伊織「あん……ってたのよ…」ボソッ
響「え? 聞こえな…」
記者「これを見てください」スッ
響「!この写真…」
記者「そうです、これはそこの三人があなたをいじめている現場を写したものです。昨日のことだから覚えてますよね?」
響「そ、それは…」
記者「今まで誰にも相談できず辛かったでしょうね。でも安心してください」
記者「私どもの雑誌によってこの悪事が世間に公表された暁には、必ずや正義の鉄槌が彼女たちに下ることでしょう」
響(じょ、冗談じゃないぞ。こんなの雑誌に載せられたら、伊織たちどころか765プロにとって大打撃なんじゃ…)
響「これは……ただふざけ合ってただけさぁ。そこの三人もそう言ったんじゃないかな…?」チラッ
亜美「ぁう…」
真美「……」フシメガチ
記者「そうですかねぇ、私にはとてもそうは見えませんでしたけど」
記者「この写真を見た読者の方もそう思うんじゃないですかね。見え透いた嘘はおやめなさいな」
響「…お前、こんなことして一体何が目的なんだよ」
記者「別に…ただ個人的にこういう輩が許せないんですよ」
記者「あなたこそ、どうしてこの三人を庇うんです?」
響「……」
記者「双海さん姉妹に水瀬さん、あなたたちは我那覇さんに酷いことしましたよね?」
記者「だったらすることは一つでしょ。人間的に考えて」
伊織「っ……」
真美「ひびきん、ごめん!」ドゲザー
亜美「亜美も謝る。今まで酷いことしてごめんなさい」ドゲザッ
亜美「だから…許してくれるよね?」
響「ふ、二人ともやめてほしいさぁ! 自分何もそこまで…」オロオロ
記者「おやおやぁ…一人だけまだ頭を下げようとしない人がいますねぇ」
伊織「くっ……こんな…冗談じゃないわよ」プルプル
響「伊織…」
記者「我那覇さん…彼女のこういう態度どう思います? 許せませんよねぇ」
亜美「いおりん、嘘でもいいから謝りなよ!そうすればあの写真渡してくれるって…」
真美「亜美、しっー!」チラッ
響「ぅぐ……」
記者「今まで散々酷い仕打ちを行ってきてこれですよ。傲慢にも程がある」
記者「我那覇さん、あなたも何とか言ってくださいよ。彼女たちにはこれまでずっと苦しめられてきたんでしょ?」
響「っ……くぅ」
記者(さぁ、積もりに積もった鬱憤をぶちまけろよ。罵るなり足蹴にするなりとにかく何でもいいけどよ)
記者(新しいネタを提供してくれよな。ゴシップになりそうなネタをさぁ~)
記者「ほら我那覇さん! どうしたんです? 謝らせましょうよ、このふてぶてしい女を!」
響「がっ…」
響「がああぁぁあああ!!!!」カワイタサケビ
亜美・真美「……」アゼン
記者「が、我那覇さん…?」
響(…ふぅ、ちょっとスッキリした)
響「自分、伊織や亜美真美のことは…」
響「一緒にトップアイドル目指してる同じ事務所の……仲間、だって信じてるから」
伊織(!……)
響「だからさ、亜美も真美も顔をあげてよ。伊織も、自分に頭下げる必要なんてないさ」
響「仲間同士で無理やり謝らせるとか……そんなことするなんて、ヘンじゃんか」
真美「ひびきん…」
記者「(ちっ…なんだよこの展開)…仲間内でも最低限の礼節は必要だと思いますがね」
記者「あなた方はその最低限すらなってないようでしたけど。それで仲間だといえるんですかぁ?」
響「…確かに、仲間だと思ってるのは自分だけかもね。この想いは一方通行かもしれない」
響「でも今はそれでいいよ。いつかお互いにそう思える日がくるって、自分信じてるから!」
記者「…ふん、まぁいいや」
記者「とにかく、お前たちが何と言おうが765プロ内でのアイドルいじめがあったのは事実なんだよ」
響(こいつ、急に口調が…)
記者「しかも加害者のうち二名が今売出し中のユニット、竜宮小町のメンバーときた。これじゃせっかく出来たファンも幻滅するよなぁ」
響「や、やめろっ!」
響「竜宮小町は765プロ初の売れっ子アイドルになるかもしれないんだ! 弱小事務所の自分たちにとっては希望の星なんだよ!」
響「今はそのための大切な時期なんだ。頼むから見逃してくれよ、この通りさぁ!」ドゲザッ
記者「ほぅ…」
亜美「ひびきん…」
伊織「なんで…」
伊織(やめてよ……やめなさいよ……何で、何であんたが頭下げてんのよ?)
記者「まぁ俺も鬼じゃないからね、条件次第で考えてもいいよ」
記者「そうだなぁ、口止め料として……一人頭ざっと200万ってとこだな」
響「なっ…やっぱりお前金が目的で…!」
記者「ははっそりゃ当然でしょ。こっちだって生活がかかってるんだからさ」
真美「真美たち四人で800万円……大金だよ」
記者「今までの稼ぎを合わせれば何とかなるんじゃねえの? 水瀬財閥のお嬢サマもいることだし」
伊織「っ……!」
伊織(ふ、ふざけんじゃないわよっ!どいつもこいつも…こんなゲス野郎まで水瀬水瀬って…私の家ばかり見て!)
伊織「ふ響「ふざけるなぁ!!」
響「最初からそのつもりで自分に近付いたんだな!」ダッ
伊織「響?」
響「こいつ、一発ぶん殴って…」
記者「おっと」バッ
ズシンッ!
響「がなはっ…!」
亜美・真美「ひびきんっ!」
伊織「ちょ…あんた何やってんのよ女の子相手に!」
記者「めんごめんご、向かってくるもんだからつい投げちった。こう見えても昔柔道やっててさ(白帯だったけど)」
響「く、くそっ…」
記者「じゃ俺そろそろ行くわ。金、早いうちに用意しとけよ? 写真載せられたくなかったらさ。ははは!!」
響「う゛ぅ……」
響・伊織・亜美・真美「…」ズーン
響(空気が重いぞ…)
真美「ね、ねえ…」
伊織「亜美、真美、行くわよ」
亜美「え?……で、でも…」
伊織「この後レッスン入ってるの忘れたの? 遅れちゃうじゃない!」
亜美「あぅぅ…分かったよぅ」
真美「……」チラッ
タッタッタッ…
響「…自分もいかなきゃ」
あの写真の事が気になって、全然レッスンに集中できなくてミスを連発しちゃうし
プロデューサーにはやる気あるのかって怒られるし、他のみんなの視線が痛かったさぁ
伊織たちは自分と目を合わそうともしてくれない
誰かに相談しようにも、自分にはそんな相手いないってことに気が付いたよ
そんなこんなで何も解決策が思い浮かばないまま家に帰ってきちゃった……
響「うぅ…200万なんて急に言われても…」
響(伊織は家が大金持ちだし、亜美真美は親が医者らしいから何とかなるかもだけど)
響「自分そんなにお金持ってないぞ…」カチャカチャ
響「って、また無意識にパズルいじってるよ自分。今はそんな場合じゃないのに」ポイッ
響「うがっー! どうすればいいのさー!」
響「…なにも思い浮かばないや」
響「……」
響「……」カチャカチャ
――――
響「ん……待てよ。ここをこうしてこうやって捻れば……」ガチャリ
響「や、やったぞ!半年ぶりにパズルが先に進んだ!」
響「あっ…ってことはこっちも同じようにすればはまるんじゃないか?」カチャカチャリ
響「あ、やっぱり!」
響(冴えてるっ…気分は最悪なのに、何故だか分からないけど今日の自分すっごく冴えてるぞ!)
ガチャリ
響「や…やった。とうとう完成だぞ…」
響(嘘みたいだ。今までずっと苦戦してたのが、たった一日でこんなスラスラと…)
響「あとは真ん中のピースをはめれば……ええっ!?」
箱『』スッカラカーン
響「最後のピースが無い? どうして…どこかに落としたのか!?」
響「嘘だろ~!? もうちょいで完成なのに…」ガサゴソ
響「みんな!この部屋のどこかにこれくらいのピース落ちてないか?」
バゥバゥヂュヂューニャンニャンブーブーナイサーナイサー
響「ここにはないだって? ……あっ、まさか!」
響「はぁはぁ……やっぱり、亜美たちにいたずらされた時に…」
響「だったら、この事務所のどこかに落ちてるはず…」
響(絶対、絶対見つけるぞ!あれは…おとぅがくれた大切な…)
それからはまさに事務所ごとひっくり返しそうな勢いで探しまくったさぁ
ソファやテーブルの下、床という床を這いずりまわって
事務所中の机の引き出しや冷蔵庫の中に普段は使わないロッカーも調べて調べて調べ尽くしてやった
それなのに……
響「ない……ない……」ガサガサ
響「ここにも……そこにも……どこにもっ」ガサガサガサ
響「何で見つからないのさぁぁぁ!!」ガッシャーン
響「…なんでだよぅ」グスッ
響「う、うあ゛ぁぁぁぁ……じぶっ、じぶんどうぢてごんなめにばかり…」ポロポロ
ガチャ
亜美「ひびきん…?」
真美「何してんの?」
響「ま゛み…ぞれにあ゛みぼ…ぼばえだじごぞあんでごごに゛?」グスグスッ
亜美「うわっ…ちょっと何言ってるか分かりませんな~」
真美「まあいいじゃん探す手間がはぶけたんだし。ほら、これで涙拭きなYO」つぬのハンカチ
響「あ、あ゛りがど…」チーン
真美「真美たちね、その…あらためてひびきんに謝ろうと思ったんだよ」
亜美「亜美たちのことかばってくれたひびきんの姿見てたら、自分たちのこと恥ずかしくなっちゃってさ」
響「それは…もういいよ。写真取り返そうとしたけど結局駄目だったさぁ。あげく金まで要求されて…」
亜美「それでも!だよっ。このままじゃ亜美たちの気持ちが収まんないもん」
真美「昼間みたく強制されてするわけでもない、これは真美たち自身の意思だかんね」
亜美・真美「今までごめんなさいっひびきん!」
響「二人とも…」
真美「真美たちを許して…くれる?」
響「…うん。もちろんさぁ」ジワッ
駄目だ、自分また涙出ちゃいそうだ……
響「と、ところで二人とも、さっきから気になってたんだけど」ゴシゴシ
響「どうしてそんなに泥まみれなんだ?」
亜美「あ→これはですねぇ…」
真美「ちょっとお外で探し物をしておりまして~」
響「探し物?」
亜美「じゃじゃーん、はいこれっ! ひびきんのでしょ?」つパズルピース
響「あ……あ……」ワナワナ
響「あっりがとー!!!!だぞっ二人ともぉ~~!!!」ダキッ
亜美「うわわ!!くっ苦しいよひびき~ん!」
響「よく…よく見つけてくれたさぁ!」ギュウウウ
真美「だって…言いにくいけどそれ、元々は真美が盗んだやつだし」
響「そんなこともうどうだっていいさ!これでパズルが」
亜美「んっふっふ~♪ 驚くのはまだ早いよ」
真美「実を言いますと~それを見つけたのは真美たちじゃないんだよね~これが」
響「へ? それってどういう…」
ナーヤンデモ~シカタナイ♪
真美「おおっ噂をすれば」
亜美「うん…うん…ここにいるよ。今かわるかんね」
亜美「はい、ひびきん」つケータイ
響「電話? 誰からだ…?」
真美「でれば分かるよん」
響「もしもし…我那覇だけど」
『知ってるわよ。こっちがあんた宛てにかけてんだから』
響「その声…伊織か?」
『パズル、見つかったんでしょ?よかったじゃない』
響「そっか…これ見つけてくれたの伊織だったのか。ありがとな」
『なっ、なんでそのこと…こらぁ! 内緒にしろって言ったじゃない!』
亜美「だって~いおりんが一番泥だらけになって探してたじゃんか~」
響「というか、何で亜美の携帯に?」
『仕方ないでしょ!あんたのケータイ番号誰も知らないんだから!』
響「あ…いやそうじゃなくてさ、こんなことしなくても直接会って話せば」
『私は忙しいの!今日だって屋敷でお父様主催のパーティに参加しなくちゃいけなくて…』
真美「騙されちゃ駄目だよひびきん。いおりんはね~照れくさくて仕方ないんだよ本当は」
響「そ、そうなのか…?」
『っ~~~!!!何勝手なこと言ってんのよぉぉおお!!!!』
『もう…』
響(伊織のやつ、怒ってるのかな)
『……確かに、今はあんたと顔合わせられないわ。自分の不甲斐無さが恥ずかしくてね』
響「え? 不甲斐ないって…」
『昼間のことよ!いちいち言わせないでよね!』
響「あぅ…ごめんだぞ」
『……お金のことだけど、私がなんとかするから』
響「え?」
『アイドルとしての私のこれまでの収入と……それでも足りない分はお父様や…お兄様に頭下げてでも借りてみせるから』
『だからあんたは何も心配しなくていいのよ、響』
響「うう、伊織ぃ…」
響「その、自分なんて言ったらいいか……感謝しても感謝しきれないっていうか」
『はいストップ』
響「?」
『…あんたねえ、何か勘違いしてるみたいだから言っとくけど』
『いい? 私にありがとうなんて絶対に言わないでよね!? これは私の落ち度なのよ』
『こうでもしないと私、あんたに一生顔向けできないじゃない!』
響「伊織…」
『あーもう忙しいから切るわよ。じゃあね!』ブッ
亜美「あーあ、切れちった」
真美「いおりん、もうちょい素直になればいいのにね~」
響「…充分さぁ。今ので伊織の気持ちは自分にしっかり伝わったよ」
真美「あっ、真美たちもね~パパやママに内緒でこっそりお金持ってきたんだよ」
亜美「これで我らも飛行少女?ってやつの仲間入りですなぁ。金額的には全然足んないんだけどね…」
真美「まっ今悩んでも仕方ないって!明日また四人で考えればなんくるないさぁ~」
亜美「あははっ今の似てれぅ~」
響「ふふっ…」
ありがとう、みんな……
亜美「んじゃ!まったね~ひびきん!」
真美「バイバ→イ」
響「二人とも、気を付けて帰れよ~」
響「ふぅ……」
今日は最悪なことがいっぱいあったけど、ちょっとはいいこともあったぞ
自分、あの三人と友達になれたのかな?
双子はともかく伊織とは……まだ分かんないや
響「そうだ、とうとうパズルが完成するんだったぞ!」
震える手で最後のピースをはめ込む
苦節八年、やっとこの想いが報われる時がきたんだ…!
カチッ
響(出来た…!)
その時だったさぁ
パズルの真ん中にあるでっかい目ン玉が突然キラメキラリ輝き出したんだ
真夜中だってのに沖縄の太陽みたくギラギラ眩しい光が自分を包み込んで……
響「うぎゃああぁぁぁあああ!!!???」
それからのことは自分、よく覚えてないんだ……
―――
――
【混沌公園】
記者「ここか。待ち合わせの場所ってのは」
記者(しかし金の用意が出来たっていうから来てみたが、いくら何でも早すぎないか?)
「やぁ、記者さん…待ってたぞ」
記者「お前……誰かと思ったら我那覇響か」
記者(何だよその格好、ゴスパンクってやつか? 撮影用の衣装でも着てきたのかよ)
記者「まぁいいや…それより金だ。ちゃんと持って来たんだろうなぁ、おい」
闇響「…あぁ、もちろんさぁ」ゴゴゴゴ
闇響「金はこのケースの中さぁ。そっちも写真のネガとコピー、みんな持ってきたよね?」
記者「ああ、全部このカバンに入ってる。これ以外に複製はない」
記者(なーんてな。まだ焼き増ししたのが会社に保管してあるよーん)
記者(せっかく見つけたおいしいネタだ、稼げるだけ稼がしてもらうぜ)
闇響「オッケー、じゃあ交換するぞ」
闇響「…って言いたいとこだけど、ただ渡すだけじゃつまらないな~」
闇響「どう? 自分とゲームしてみない?」
記者「はぁ?ゲームぅ?」
闇響「そうだよ、それもただのゲームじゃない」
闇響「闇のゲームさァ」
記者「あのなあ、ゲームとか何寝ぼけたこと言ってだよお前。自分の立場分かってる?」
記者「この取引の主導権握ってんのは俺なの俺。ゴシップ記事にされたくなかったら、お前は大人しく金だけ渡せばいいんだよ」
闇響「まーそうビビんないでよ。ゲームといってもただの度胸試しみたいなものだし」
闇響「それにもしお前が勝ったら、もっと多く金を払ってやってもいいぞ」
記者「何…?」
闇響「自分が賭けるのは、このケースの中身を丸ごとさぁ」ガパッ
記者「ひょっ…これ、全部金じゃねえか!」
闇響「自分は太ッ腹だからな。お前が勝てばこれは全部お前のものさー」
闇響「でも自分が勝ったらそのカバンを無条件でこっちに渡してもらうからね」
記者(間違いなく1000万…いやそれ以上あるなこりゃ。どこでかき集めてきたかしらないが、こんなおいしい話に乗らない手はないな)
記者「…ああいいぜ、付き合ってやるよそのゲームとやらに」
闇響「ふふっ、そうこなくっちゃ」
記者「それで、どんなゲームをやろうってんだ?」
闇響「実は準備ならもう出来てるんだ。足元を見てみなよ」
記者「ん…?」
ド ン ☆
__,.--、
__,,,.-t┬.t.┬ー-.、_ _,.- ';~;___ <.!>;. "''ー--='‘〉
,.,._,.,,..,、.、.--tーt''''TT~lニl__l_ニ|ニ|ニ|ニlニ!-|=l_;_~!T´_;:゚。;{‘、ー-ー-=ェェェ=-ー=〈
,..-'`'~l-.lー;ーl~l |-|-,。;-ーー-、。;゚v。:。;l゚。;o・。;;。;/ニゝ; i=}`ー-:-;ー''''''''"""" ̄´
{Xぐ||_l={ 。ニ}ニ|ニ|ニ}ニl {/ミ;ミミ/_;ー;-;-;ー;-;-;-;-;-;-{_=:┴;<"~´ ̄
{メ、メヽ、 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄‘ー--ニミ;, ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ "'ー-、v`=;、
` :./,_メ`Z^ーz.、,、
 ̄ ̄ ̄ ~"`
記者「うおおおおお!!?? ワ、ワニが何でこんな所に…」
闇響「紹介するぞ。こいつは自分の家族のワニ子、このゲームの主役さァ」
記者「お前のペット…? そんなやつをゲームに使うだと?」
闇響「フフ…ワニっていうのは古代エジプトじゃ神聖な生き物として崇められてたんだぞ」
闇響「でも同時に邪悪の象徴として恐れられてもいたんだ。まさに光と闇、その二面性を併せ持つ動物ってワケ」
記者(古代エジプト? 光と闇? 突然何を言い出すんだこのガキは…)
闇響「おっと、こんな蘊蓄どうでもよかったね。それじゃあ運命のゲーム、そのルールを説明するぞ」
闇響「ワニ子、開け」
ワニ子「」ガパァ
記者「げっ…」
闇響「見てのとーり、今ワニ子の口の中にはコインが何枚か入ってるんだけどさ」
闇響「ゲームはそれをお前と自分で交互に取り出していくんだ。どう、簡単でしょ?」
記者「バ、バカ言うなよ……本気でこんなこと……第一こいつの方から襲いかかって来たらどうする?」
闇響「その点は心配ないよ。こいつは今たらふくエサを食って満腹状態だから、自分からは襲わないはずさー」
闇響「それにワニってのは口が長いうえに目が横についてるせいで、口を開けると正面がほぼ死角になっちゃうんだ」
闇響「つまり、真正面から手を入れればワニ子の方から噛みついてくる心配はないってこと」
闇響「ただしワニってのは、口内に何かが触れると反射的に口を閉じちゃう習性があってね」
闇響「このゲームはワニ子の口に触れないように、いかにコインを取り出すかというゲームなんだよ」
闇響「どう? ゾクゾクしてこない?」
記者(正気じゃねえよ、こいつ…本当にあの我那覇響か?)
闇響「そう硬くならないでよねー。ただの度胸だめしなんだからさ、気楽にいこうよ」
ワニ子「」ガパァ
闇響「よしよしいい子だ。御主人サマの手を噛むんじゃないぞ」ソロ~リ
記者(ほ、本気で手ぇ入れやがった…!)
闇響「ふぅ~……まずは一枚だぞ」チャリン
記者「マジかよ…」
闇響「さ、次はお前の番だぞ」
記者「っ……」
闇響「どうしたのさ、まさかとは思うけど怖気付いちゃったの?」
記者「うるさい! い、イカれてんだよそもそも…こんなキ○ガイじみたこと!」
闇響「忘れたのか? お前が勝てばこのアタッシュケースの金が丸ごと手に入るんだぞ」
記者「ぐっ……」
闇響「情けないな~仮にも男のクセに、自分みたいな女のコに負けちゃうのか?」
記者「……よ、よし分かった!やってやるよ畜生!」
ワニ子「」ジロッ
記者「うっ…」ドクン
記者(くそっ、ナメるなよ。あんな小娘に出来たんだ、俺だって…)
ワニ子「」ギョロッ
記者「ひっ…!」ビクッ
闇響「あ、忠告しとくけど事前に汗をしっかり拭き取っておくのをオススメするぞ。前にそれを忘れて…」
記者「黙ってろっ!余計なプレッシャーを与えるな!」
闇響「ハハッ、悪かったさー。お前があんまりにも汗だくになってるから、ついね」
記者「はぁ…はぁ……」ドキドキ
ワニ子「」ジーッ
記者(よ、よし…手を入れるぞ…)ソロ~
ワニ子「……」
記者(大丈夫だ…大丈夫、下手に口の中を触らなければ…)ソ~
ワニ子「……」
記者(……よし、コインをつかんだ!)
記者「っ!」シュッ
闇響「お見事、やるね」
記者「ハァ、ハァ……」チャリン
記者(ハハ…やった、やったぞ! 噛みついてこない!そうだそうだ、こんなの簡単さ)
闇響「さて次は自分の番だけど、こうしてお互い一枚ずつ取ってたらいつまでも勝負がつかないや」
闇響「だから次は自分、二枚取ってみせるぞ」
記者「何ぃ!?」
ワニ子「」ガパァ
闇響「……」ソロ~
記者(糞クソクソッ、失敗しろ失敗しろ失敗しろ噛まれちまえ…!)
闇響「ふぅ、何とか二枚とれたさぁ…」
記者(こ、このガキ、やりやがった…)
闇響「さぁどうする? 自分に勝ちたきゃ、少なくともこのターンでお前も二枚とらなきゃ駄目だぞ」
記者「や、やってやるさ……お前に出来て俺に出来ないはずは…」
闇響「ククッ、やれるもんならどーぞ」
記者(焦るな、落ち着け…さっきは成功したんだ。同じようにやれば…)ドキドキ
ワニ子「……」ガパァ
記者(うぐっ…ワニの口がまるでブラックホールみたいだぜ…)ブルブル
記者(……よし、まず一枚!……あともう一枚を…)
記者(クソッ、ここを乗りきったらお前らのこと最悪のゴシップ記事に仕立ててやる!覚悟しとけよ…)
ワニ子「」ピクッ
記者「!!」
記者(何だ? 今自分から動いたかこいつ!? でも自分からは襲わないって……嘘!!??)ドキドキドキドキ
記者(いやいや待て待て落ち着け、焦っちゃ駄目だ……とりあえずこいつを刺激しないようにゆっくり抜いて……あ、汗ェ……)ドッキンドッキンドッキン
記者(汗が噴き出して手がぬかるんで…コインが滑り落ちるっ…やばい抜かないと……でも動くと汗がこぼれ……駄目だ動かせない!)バックンバックンバックン
記者(早く!早く抜かないとぉぉぉおおおおあああああああ汗がこぼれるぅぅぅ―――)
ピチョン…
グシャァァァァッ☆
記者「ひぎぁぁあああああ!!!!!腕ッ!!!腕がぁぁぁぁああ!!!」
闇響「あーあ、やっぱりこうなっちゃったか」
記者「こいつぅぅ!!離せ!!!離せぇええ!!」ジタバタ
闇響「無駄だと思うぞ? ワニの噛む力は一トン強。もうその手じゃ写真、撮れないかもね」
記者「だ、頼むぅうう!!!ごいつを!!!ごいつを離ぢで…」
闇響「それにしてもキミも変なやつだよねー。アタッシュケースいっぱいの木の葉なんかのために、こんな危険なゲーム受けちゃうんだからさ」
記者(な゛……に゛……!!!????)
元から木の葉なのかよwwwwww
闇響「ま、今回は自分の勝ちってことで。ルールだから金は払わなくてい―よね?」
記者「…そんな、ぞんなごといいがらっ!!!!早くゴレどっでえええええええ!!!!」
闇響「まぁ自分も鬼じゃないからね。条件次第で考えてやってもいいぞ」
闇響「写真のコピー、まだまだあるんでしょ? どこにあるか教えてよ」
闇響「一枚残らず燃やしちゃいたいからさァ…」
【765プロ】
響(う~ん、頭痛い……昨日のことがよく思い出せないや。どーやって事務所から帰ったんだろ)
響「ま、いっか。自分完璧だから何とかしたんだよね多分」
響「それよりとうとうパズルが完成したさー!嬉しいぞ~」
亜美「おっはよー!ひびきんっ」
真美「朝からテンションバリ高だね☆」
響「あ……お、おはようだぞ…」
響(初めて向こうから挨拶してくれたさぁ…嬉しいな)
真美「おおぅ!それがパズルってやつですかな? ペンダントにしたんだ~」
亜美「キラキラ光ってチョ→カッコEじゃん!」
響「うん。これは自分の宝物だし、これからは肌身離さず持つことにしたんだ」
伊織「ちょっとあんたたち、今朝のニュース見た?」
亜美「あ、いおりんおっはー☆」
伊織「お、おっはー……じゃなくて! 例の記者、なんか重体で病院に担ぎ込まれたんですって」
真美「ええっ? そりゃまたどうして?」
伊織「ペットの動物に噛まれたとかなんとか言ってたけど、まぁいい気味ね」
伊織「それだけじゃないわ。芸能暗黒界の編集部……ほら、あいつが勤務してたとこよ」
伊織「あそこも昨日放火の被害にあったらしくてね。ビルごと丸焼けになっちゃったんですって」
響「な、何か気持ち悪いくらい自分たちにとって都合のいいことばかりさー…」
伊織「ふん、この伊織ちゃんを脅迫なんてするからバチがあたったのよ」
亜美「むむむ…これは事件の臭いがしますなぁ真美探偵」
真美「そうですなぁ亜美警部補、もしかしてこれはいおりんが裏から圧力を…」
伊織「ちょっと、失礼ね。いくらなんでもここまでやらないわよ」
亜美「ていうか真美ズルい!亜美も探偵がいいよー!」
真美「早いもの勝ちだもんげ~」
キャッキャッ ドタバタ
伊織「とにかく、写真のことはもう心配ない……って聞いてないわね」
伊織「……」チラチラッ
響(伊織がこっち見てる…また何か気にくわないのか?)
伊織「…そ、それが例のパズル? ふーん、結構似合ってるじゃない」
響「あ…ありがと」
伊織「何よ、怪訝そうな顔して」
響「いやだってさ……伊織がストレートに何かを褒めるとこ、初めて見たから」
伊織「はぁ? 聞き捨てならないわね、あんた私がひねくれてるって言いたいわけ!?」
響「別にそういうわけじゃないけど…」
響(あれ、自分いつの間にか伊織とも普通に会話出来てるぞ)
伊織「はぁーっ、まぁいいわ。特別に許したげる」
響「あのさ、伊織」
伊織「ん?」
響「昨日は色々とあ…っ!」
響(そういえば感謝したら駄目って言われたんだったぞ)
伊織「何よ、なにか言いたいことあるんでしょ?」
響「えーっとだな、それは……」
響「そ、そうだっ!自分と友だ」
伊織「はいそこまで」
響「ち…に…」
伊織「全く、これだから庶民は困るのよ。教養が足りてないからすぐ勘違いするんですもの」
響(はは…やっぱり駄目かぁ。自分ちょっと思い上がりすぎちゃったかな)
伊織「何でもかんでも言葉にすればいいと思ってるんだから。聞いてるこっちが恥ずかしくなっちゃう」
響「……へ?」
伊織「もうあんたと私との間には『見えるけど見えないもの』があるじゃない」
伊織「それで十分よ。にひひっ」
響「あっ…」
響「……」
伊織「どうしたのよ、感極まって声も出ないってわけ?」
響「いや…自分、今の台詞はちょっとクサすぎると思うぞ」
伊織「んなっ///」カァー
真美「ねーねーいおりん、『見えるけど見えないもの』ってどういう意味?」
伊織「うううるさいわねっ、あんたはあっちで遊んでなさいよもうー!」
亜美「うわ~みんな見て見て!この本男同士で変なプロレス技かけあってる~」
小鳥「すみません~遅刻しちゃ…ピヨオオオッ!!?? どどどどどうして私の秘蔵本がこんな所に???」
響(あ…それ昨日事務所荒らした時に見つけたやつだ。元の場所に戻すの忘れてたぞ)
やよい「おはようございまーす! あれれ? みなさんどうしたんですか~」
亜美「あっ、やよいっちもこっち来て亜美たちと遊ぼうよー」
小鳥「そ、その前に亜美ちゃんそのご本をお姉さんに返してくれないかしら。一生のお願いだから、ね?ね? 」
真美「ねー教えてよーどうしてそんな顔真っ赤にしてるのさー」
伊織「しつこいわねぇ離れなさいよこの~」グググ…
騒々しい朝、これはいつものことだけど
自分がその輪の中に、中心にいるってのは初めてのことで
だからこれは個人的な予感なんだけど
ここから、これから自分の物語は始まるんだなって
伊織「ちょっと響!真美を引きはがすの手伝いなさい!」
響「うん、分かった。今行くさー!」
そんな気がするんだ
闇の力と83のバストを持ち、
闇の番人となった響の次なる活躍にご期待ください
とりあえず話のアイディアはあるのに
闇のゲームが思いつかねえ…
和希は天才
ではおやすみなさい
おつおつ
響の活躍に期待!
響はかわいいなー
次→響「さあ…ゲームの時間さァ」
Entry ⇒ 2012.01.21 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
伊織「えっ……ゴリラとデュオを組むですって……?」
律子「ふっふっふ、喜びなさい。ようやくデュオのパートナーが見つかったのよ」
伊織「……それは嬉しいんだけど」
律子「それじゃ、入ってきてちょうだい」
伊織「……ゴリラっていってもアレよね」
伊織「ちょっとゴリラ入ってるアイドルって意味よね」
伊織「それもどうかと思うけれど、この伊織ちゃんだったらどんな……」
ガチャ
ゴリラ「ウホッ」
伊織「完全にゴリラじゃない……」
/ , -‐- !、
/ {,}f -‐- ,,,__、)
/ / .r'~"''‐--、)
,r''"´⌒ヽ{ ヽ (・)ハ(・)}、
/ \ (⊂`-'つ)i-、
`}. (__,,ノヽ_ノ,ノ \
l `-" ,ノ ヽ
} 、、___,j'' l
伊織「却下よ」
律子「えっ」
伊織「えっじゃないわよ、当たり前じゃない!」
ゴリラ「……」
伊織「何でこのスーパーアイドル伊織ちゃんがこんなお笑い芸人みたいなことすんのよ!」
律子「もっと喜ぶかと思ったんだけど。生ゴリラよ?」
伊織「事務所にいきなりこんなの連れてきて喜ぶヤツがどこにいんのよ!」
あずさ「あらあら~。意外と毛深い方ですね~」
響「あはは、お前GENTLEよりWILDって感じだな~」
亜美「うわ→ アニマルマッスルハンパ無いよコレ。ねぇねぇ、これ触っていい?」
ゴリラ「……」
伊織「……ゴリラで喜ぶなんてお子様よね」
響「えっ、自分そういう役担当だったのか……」
伊織「よりによって何で私なのよ! 一番ゴリラから遠いアイドルでしょ!」
やよい「ほらっ、伊織ちゃん犬とかうさぎ飼ってるし……」
伊織「だから響がいるでしょ! ぜぇ~ったい納得できないわ!」
律子「まぁまぁ伊織落ちつきなさい」ポンッ
伊織「な、なによ」
律子「最近は動物好きなタレントってのが流行ってるでしょ?」
伊織「た、たしかに最近多いけれど……」
律子「例をあげるとさかなクンさんね。だけど私はその一歩先のアイディアが必要と考えたわ」
美希「さかなクンより先……?」
律子「さかなクン、さんでしょう。美希」
伊織「それがこのゴリラってわけ……?」
律子「時代はギャップよ」
律子「私は断言するわ。1か月後、『伊織さん、ボクも飼ってください!』っていうファンが続出することに!」
真美「たまに暴走しちゃうよね、ちかたないね」ボソボソ
ゴリラ「……」ジー
伊織「イヤよ!イヤイヤイヤ!断固拒否よ!」
貴音「伊織、選り好みはあまり好ましいことではありませんよ」
ゴリラ「……」ジー
伊織「じゃああんたが組んでみなさいよ」
貴音「わたくしは、響とデュオを組んでいますから。似たようなものです」
響「えっ」
貴音「……」
貴音「ふふっ」ニコッ
春香(あ、貴音さん今笑ってごまかした……)
伊織「大体っ……」
ゴリラ「……」ジー
伊織「……」
伊織「ねぇ、ちょっといいかしら」
律子「どうしたの?」
伊織「さっきからずーっと私を見つめてるんだけど……」
ゴリラ「……」ジー
千早「本当……。それに、高槻さんと同じくらい汚れのない眼をしているわ」
律子「現代社会が忘れてしまったことが、ゴリラにはあるわ」
ゴリラの習性1:ゴリラは基本相手の目をめっちゃ見る。あと瞳が意外とピュア。
伊織「とにかくゴリラだけはイヤよ! あとあんたはこっち見るじゃないわよ!」
ゴリラ「……」ジー
律子「まぁまぁ、伊織。 この方は、日本の動物園でもお馴染のローランドゴリラよ」
伊織「ゴリラはゴリラでしょ! 種別なんかどうでもいいのよ」
律子「違うわよ。ただのゴリラじゃないわ」キラッ
伊織「えっ」
律子「ローランドゴリラの学名はね……」
伊織「……」
律子「ゴリラ・ゴリラ・ゴリラなのよ」
伊織「どこまでゴリラなのよ……コイツ……」
ゴリラ「……」ドヤァ
ゴリラの習性2:ニシゴリラの学名はゴリラ・ゴリラ
ゴリラ度100%を越える
真美「ど・う・な・の?」
ゴリラ「……」
伊織「こっちは全然ポジティブ!じゃないんだけど……」
ゴリラ「……」ヌォォォ
伊織「しっかしデッカイわね~……。どれくらいあんのよ」
律子「ま、大体1.2貴音くらいね」
伊織「意外とおっきいのね……」
伊織「はぁ……ところで、コイツ雄なの?雌なの?」
律子「自分で確かめてみなさい。パートナーでしょ?」
伊織「えっ、調べるってあんた……」
伊織「……」チラッ
ゴリラ「……」ジー
伊織「ジャンバルジャンのより小さいじゃない……」
ゴリラの習性:ゴリラの平均身長は180㌢ だけど平均チン長は3㌢
千早「肺活量はありそうね」
美希「ねぇ知ってる?ゴリラって1日15時間くらい寝るんだって。ミキすっごくうらやましいって思うな。」
ゴリラ「……」ゴソゴソ
伊織「なんだかバックを漁ってるんだけど……」
響「パートナーの伊織にプレゼントがあるみたいだぞ」
伊織「へっ?! わたしにっ?!」
あずさ「あらあら~、おりこうさんなのね~」
ゴリラ「……ゥホ」スッ……
ゴリラの鼻くそ 525円
伊織「……」
伊織「」ガタッ
千早「水瀬さん落ちついて!きっと本能!本能なのよ!」
ゴリラの習性4:上野駅で買える
真美「バレンタインに好きな女子にプレゼントするしか無いっしょ!」ポリポリ
伊織「……あんた達よく食べられるわね。ゴリラから手渡されて」
ゴリラ「……」
春香「えへへ、な、なんだか大変だね~。伊織、頑張ってね?」
伊織「本当に大丈夫なのかしら……バナナなんて家には無いわよ……」
ゴリラ「……」ジー
響「あれ? ところで雪歩は?」キョロキョロ
貴音「そういえばいませんね」キョロキョロ
あずさ「雪歩ちゃんならそこで穴掘って埋まっているわ~」
雪歩「お、男の人怖いですぅ~!」ガクガク
春香「……あ、なるほど。雪歩ってゴリラも同じくくりなんだ」ポンッ
響「やなわらばー……!」
雪歩の習性1:男の人を見ると、穴を掘って埋まる(ヒト科含む)
やよい「何か言ってますね~」
伊織「響、あんたの出番よ」ツンツン
響「あっうん。わかった」
ゴリラ「ウホホッ」
響「うん、うん」コクコク
伊織「よくゴリラ語なんてわかるわね」
響「伊織さん、緊張してるけど、よろしくお願いします、だって」
伊織「……そのナリで意外とシャイなのね」
律子「えぇ、ゴリラは基本的に果実とか葉っぱしか食べないのよ」
真「ゴリラ……!」
ゴリラの習性5:草食系男子
伊織「えーっと、まずはお手しなさい」
ゴリラ「……」フルフル
伊織「な、何でよ……。ほ~ら、あなたの大好きなバナナよ?」
ゴリラ「……ウホウホッ」
響「えっと、『ゴリラが全員バナナで釣られる安い動物だと思わないくださいよ』だって」
伊織「めんどくさいわね~」
ゴリラ「ウホッウホウホッ!」ドンドコドンドコ!
伊織「ひ、ひっっ!何ドラミングしてんのよ!」
響「あっ、い、伊織に威嚇してるぞ!」
響「ゴリラは森の賢者って言われるくらい賢くてプライドが高いんだ!伊織、早く謝らないと!」
伊織「えっ」
響「ゴリラは怒ると怖いぞ!机とかバーンってするぞ!早く早く!」
伊織「……わ、わわわ、悪かったわよ」ペコリ
ゴリラ「……ウホッ」ピタッ
伊織(何で私、ゴリラに頭下げてんのかしら……)
ゴリラ「……」キッ!
ゴリラの習性6:ゴリラは寝床を日ごとに作る
伊織「ってそこ私のベッドじゃない!」
ゴリラ「……Zzz,,,」
伊織「きぃ~早速寝るんじゃないわよ!」
伊織「なによ!あんた動物のくせにッ!この伊織ちゃんをバカにすんじゃないわよ!」
ゴリラ「ウホッ!ウホッ!」
伊織「このゴリラ!ドゴリラ!ゴリラ大人!」
ゴリラ「ウホウホウホッ!」
伊織「日本語で喋りなさいよ! ほらっ『ウ』と『ホ』以外も言ってみなさいよ!」
ゴリラ「デュホッwwww」
伊織「……ム、ム・カ・ツくわ~!」ワナワナ
……伊織とゴリラのデュオは当初熾烈を極めた。
伊織「あーゆでれぃ!」クルッ
ゴリラ「ウーホウホ!」クルッ
伊織「……やれば出来る~」タタン
ゴリラ「ウホウ~ホ~」ズダダンッ
コーチ「はいストーップ!ダメだよ~!ゴリラちゃんナックルウォーキングしちゃ~」
ゴリラ「ウホ~……」シュン……
伊織「えっと、ま、まぁ、大変よね。アフリカとここじゃ全然違うんでしょ」
ゴリラ「ウホッウホッ……」
響「えっと『故郷のジャングルより、このコンクリートジャングルの方が世知辛いっす』だって」
ゴリラ「ウホホ」
響「えっと『伊織さんも無理やりデュオ組まされて、これが本当のゴリ押しっすね』って言ってるぞ」
伊織「……」
伊織「」イラッ
ゴリラの習性7:ゴリラはユニーク(多分)
審査員「はい、それでは次の番号の方~」
伊織「は、はぁい。水瀬伊織ちゃんでぇす♪」ニコニコ
審査員「え、えっとその隣に…いるのは」
ゴリラ「……」
伊織「パ、パートナーの水瀬ゴリラちゃんでぇす」ヒクヒク
伊織「決めセリフは、みんなぁバナナ食べてるぅ?って言いまぁす」
……落ちた。
伊織「な、なによ……みんな私を笑い者にて……」ウルウル
ゴリラ「ウホッ……」スッ
伊織「その毛深い腕で触るんじゃないわよ!」バシッ
ゴリラ「!」
伊織「あ、あんたのせいよっ!あんたのせいなんだからぁ!わぁぁあん」ダダッ
ゴリラ「……ウホ……」
P「よしっ手分けして探そう」
……。
伊織「やっぱり無理よ……ゴリラと仲良くなんて……」
ゴリラ「……」スッ
伊織「あんた……ここがわかったの?」
ゴリラの習性8:ゴリラは人間よりも嗅覚が敏感 いおりんの匂いマジ最高
伊織「今さら慰めたって……」
ゴリラ「……」ゴソゴソ
伊織「バッグを漁って……」
伊織「どうせまたゴリラの鼻…ゴニョゴニョ…でしょ……」
伊織「えっこれ」
ゴリラ「ウホッ!」
伊織「オレ……ンジ……? に、握ってどうすんのよ」
ゴリラ「……フンッ!」
くぎゅうううううううううう!!!
ジョロロ……
ゴリラ「……」スッ
伊織「もしかして、オレンジジュース……? あんた私が大好きって知ってて……」
ゴリラ「ウホウホウホウホッ……」
伊織「あんた、やけにじっと見てると思ったら、ちゃんと私のこと……」キュンッ
伊織「そうね、わからず屋だったのは私の方だったかもね」
伊織「……」ゴクゴク
伊織「……ぷはっ!意外といけるじゃない」
ゴリラの習性8:ゴリラの平均握力は400㌔
伊織「いくわよっ、今日は念願のアイマス×アニマルライブなんだから!」
ゴリラ「ウホッ!」コクリ
伊織「これが成功したら、一躍売れっ子アイドルよ!足ひっぱたら承知しないんだからね!」
ゴリラ「……ウホッ」ツンツン
伊織「えっ」
ゴリラ「ウホッウホウホッホ!」
ゴリラ「ウホ~~!キャッキャ!」
ゴリラ「デュホホホ!フォフォウ!」
伊織「……」
伊織「なるほどね」
……伊織はゴリラ語が理解できなかった。
「キャー!あの伊織ちゃんとゴリラちゃんがこんな所にいるわ!」
伊織「うっやっぱりバレちゃったわね。変装したんだけど……」
ゴリラ「ウホウホッ」カキカキ……
伊織「あんた早速サインしてるんじゃないわよ」
ゴリラ「ウホッ」
伊織「はぁ、あんたはお気楽よね。はい、バナナよ」
ゴリラ「キャッキャ!」パンパン!
伊織「ハァ~……響のように話せれば楽なんだけどね……」
……。
黒井「いやぁ~あのくだらん765プロの子ゴリラ、どうにかならんのかね」
モブA「わたくしにお任せを……」
黒井「……チェックメイトだ」ニヤッ
……黒井社長はオランウータン派だった
伊織「あんた、ま~たサインしてるのね……」
ゴリラ「……」カキカキ
伊織「ほんっとーに、あんたはどこまでいってもゴリラよね」
モブA「おい、何でこんなスクランブル交差点にゴリラがいるんだよ!」ゲシッ
ゴリラ「グホァ」
伊織「! や、やめなさいよ、ちゃんと許可取って……」
モブA「ゴリラはタルにでも入ってればいいんだよ!」ゲシッ
モブA「こんなデカい図体しやがって! 人を襲うんだろ!」ガシガシッ
ゴリラ「ウ、ウホッ……!!」
伊織「ち、違うわ! ゴリラは……ゴリラは本当はとっても繊細なんだからっ!」
ゴリラの習性9:ゴリラはあずささん並に穏やかで優しい
伊織「えっ」
モブA「こんな街中で人を襲ってみろ、お前らは終わりだ」
伊織「あ、あんたそれを狙って……」
モブA「すでに、準備はしてある」
伊織「卑怯よっ……! そんなことさせないわ!」ダッ
モブA「うるせぇ!どけ!デコ助野郎!」バシッ
伊織「うっ!」ズサササー……
ゴリラ「!」
伊織「うぅ……!」
モブA「ハンドスクラップ!ハンドスクラップ!↓B!↓B!」バシンバシン!
伊織「い、痛い痛い痛い!」
ゴリラ「ウホッ……!」プルプル
モブA「さぁ、来い!こう見えて俺は柔道黒帯なんだよ!」
ゴリラ「ギャゴフォコオォゥ!!!」ダダッ
伊織「ま、待ちなさい……」
ゴリラ「……」ピタッ
伊織「あ、あんた普段言うこと聞かないんだから……今だけは伊織ちゃんの言う通りにしなさい……」
ゴリラ「……」コクン
伊織「お手」
ゴリラ「」スッ
モブA「な、バカな……止まった……だと……」
伊織「そこのあんた……分類言ってみなさいよ……」
モブA「なっ」
伊織「あんたは……本当に……」
伊織「……!」グッ
伊織「あんたは!本当に!!霊長類かって聞いてんのよー!!!」
伊織「はぁ、私はあんたと違ってか弱いレディなんだからね」
ゴリラ「ウホホホホ!」
伊織「えぇ、そんなに心配しなくて大丈夫よ」
「伊織さん……ゴリラと会話してる……?」
モブA「一体何を喋ってやがるんだ……!」
ゴリラ「ウホ……!」
伊織「えぇ、そうね。そのくらいならしちゃっていいわ。お仕置きよ」
ゴリラ「ウホッ」ニヤニヤ
伊織「にひひっ」ニヤニヤ
モブA「一体何が始まるんだ?」
ゴリラの習性10:ゴリラと心を通わせた者は、ゴリラ語が解る。
伊織「奇跡のカーニバルの開幕よ」
ゴリラ「フンッ!」
ブリブリッ
モブA「?! いきなり糞をしたぞ」
ゴリラ「ウホッ」スクイッ……
モブA「お、おい。まさか……」
伊織「にひひっ、魔法をかけてあげるわ」
ゴリラ「ウホオオオオオ!」ブンッ
ベチャッ
モブA「」
伊織「どう? ジャンバルジャンのより大きいわよ!」
ゴリラ「ウホッ!ウホホ!」ブンブンッ!
伊織「いや、私はやらないわよ」
ゴリラの習性11:オスのゴリラは糞を投げつけて攻撃する
ゴリラ「ウホウホー!」
伊織「やったわ! 見なさい!このデュオには、向かうところ敵無しよ!」
伊織「あ、あんた、これからは、こんな事無いようにちゃーんとエスコートしなさいよね」カァ……
ゴリラ「ウホウホホホホッ(勝利の祝杯をあげましょう、伊織さん)」ゴソゴソ
伊織「えっ」
ゴリラ「ウホッ!」くぎゅううううう!
ゴリラ「ウホホイ!ウホホイ!(生搾りオレンジジュースです)」
伊織「えっと……フン投げた手……」
伊織「……」
伊織「さ、さすがにそれはちょっと」
ゴリラ「ウホホホ(霊長類ジョークですよ、伊織さん)」
ゴリラ「ウホ(こんなことはもう……懲りゴリってね)」ドヤァ
伊織「……」
伊織「」イラッ
おわり 伊織×ゴリラCP流行れ!
閉店です
支援してくれた方、読んでくれた方ありがとうございました
不覚にも懲りゴリで死んだ
面白かったな
Entry ⇒ 2012.01.19 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「新コーナー『ハルカキッチン♪』始まるよ」春香「!?」
現在、その事務所内会議室にて、スーパー超天使アイドル天海春香のプロデューサーと、竜宮小町のプロデューサー、秋月律子が、作戦会議と言う名のささやかなランチタイムに興じていた!!!!
P「あー、春香と結婚したい」
律子「プロデューサー…なに言ってるんですか」
P「いやほら、春香の新しい活動方針」
律子「ああ、目指せ『結婚したいアイドルNo.1』ってやつですか」
P「そうそう。いやぁ、昨日の生っすが素晴らしかったからな。さすがは俺の春香だ」
律子「新コーナーの『ハルカキッチン♪』ですね」
P「お菓子はあっても料理はな。俺も見たとき、あんなに上手くなってるとは思わなかったし」
律子「それに春香、一度もコケなかったらしいじゃないですか。せっかくできた料理をコケてぶちまけるとか、そういうウケ狙いのコーナーかと思ってたんですが」
P「おいテメェ」
律子「あはは、すいません」
P「まあちょっと危なっかしいところもあったけどな。そういう守ってあげたくなるような感じもよかった、うん」
律子「なるほど」
P「あー、収録の時いなかったもんな。録画見る?見ていい?」
律子「どうぞどうぞ。私も見たいです」
P「わっほい」
録画再生開始
美希『続いては新コーナーなの!』
春香『天海春香のハルカキッチン♪』
春香『このコーナーは、わたくし天海春香が花嫁修行の一関として、765プロのみんなとお料理対決をやっちゃおう♪という企画ですっ』
春香『天海春香、お嫁さんにしたいアイドルNo.1目指してがんばりますっ♪』
客席『ウォォォォォォ!!!!!!!』
P「ウォォォォォォ!!!!!!!」
律子「プロデューサー…」
そこまでにしとけよ閣下
律子「自覚はあるんですね」
春香『記念すべき第一回の対戦相手はこちら!』
春香『私の大親友、如月千早ちゃんでーっす!!』
千早『よろしくお願いします』ニコッ
客席『ウォォォォォォ!!!!』
P「千早も表情が柔らかくなってまぁ…」
律子「本当ですね…ふふ」
千早『そんな、春香には全然敵わないわ。前に作ってくれたパスタ、とってもおいかったもの。その…毎日食べたいくらい//』
春香『ち、千早ちゃん///』
客席『Foooooooo!!!!!!』
P「Foooooooo!!!!!!はるちは!はるちは!!」
律子「うるさいなぁ」
P「ごめん」
Foooooooo!!!!!!
伊織「…あんたんとこの変態プロデューサー、バカじゃないの?」
春香「えぇっ、ば、バカなんかじゃないよ。敏腕だよ」
伊織「変態は否定しないのね…」
春香「へ…変態でもないよ…」
伊織「はいはい。まあ敏腕なのは認めるけどね。実際こうしてあんたをトップアイドルにまで育て上げたわけだし」
春香「な、なんか引っ掛かる言いかただなぁ…」
伊織「気のせいよ」
春香「ええっ!?されないよ!!そんな人じゃないってば」
伊織「そ、そうなの。あの言動からだとちょっと信じられないわね…」
伊織「なんかあいつ、事あるごとに春香可愛いだの結婚したいだのはるちはわっほいだの言ってるし」
春香「あ、あはは…困っちゃうよね…///えへへ////」
伊織「まんざらでもないのね…」
春香「そ、そういうんじゃないけどっ////。普段は普通の人なんだってば。いつも優しいし」
伊織「へぇ」
伊織「意外とマメなのね。ちょっと見直したわ」
春香「ふふふ、そうでしょ」
伊織「まあ言動は所属事務所のアイドルに欲情するただの変態だけどね。年齢的にはギリギリロリコンかしら?」
春香「ちょ…言い過ぎだよ…否定できないのが悲しいけど…」
伊織「にひひっ。冗談よ冗談」
春香「もう…」
伊織「ええ、そのつもりだけど」
春香「よかったら、私のお弁当食べてくれないかな。誰かに味見してもらいたくてたくさん作ってきたんだけど」
伊織「ああ、そういえばあんた、『結婚したいアイドルNo.1』とかいうの目指してるんだっけ?」
春香「う、うん。プロデューサーさんの意向でね」
伊織「それで料理の勉強中ってわけ。いいわ、そういうことならいただこうかしら」
春香「えへへ、ありがとー。いつもいいもの食べてそうな伊織の口に合うかはわからないけど」
伊織「にひひっ、容姿も舌も超一流のこの伊織ちゃんに味見をさせるんだから、評価は覚悟しなさいよね」
春香「お手柔らかに~」
春香『さてさて、ではこの対決の審査員のお二人をご紹介します。こちらっ!』
貴音『審査員を勤めさせていただきます、四条貴音と申します。どうぞよろしくお願いいたします』グゥゥゥゥ
やよい『イェーイっ!高槻やよいでーっす!!よろしくお願いしまーっす!!!』グゥゥゥゥ
客席『ヒャッホォォォォォォォォ!!!!!!』
律子「うわ、よりによってこの人選ですか…すでにお腹の音入ってますけど」ビキビキ
P「食べ物といったら貴音だしな。やよいはその…お腹空いてそうだったから…」
律子「優しいですね、プロデューサー…」
客席『アハハハハ』
貴音『本日は、春香と千早の手料理が食べられると聞いて、朝ごはんとお昼ごはんを抜いてまいりましたので…』グゥゥゥゥ
春香『た、貴音さん、顔色悪いですよ、大丈夫ですか?』
貴音『大丈夫ですよ、春香。すでに戦いは始まっているのです』グゥゥゥゥ
春香『戦うのは私と千早ちゃんなんだけどなぁ』タハハ
やよい『うっうー!!私はお財布に30円しか入ってなかったから、お昼ごはん食べられませんでしたー!!』グゥゥゥゥ
春香『やよい…』ブワッ
客席『』ブワッ
千早(後でカロリーメイトをあげよう…)ブワッ
貴音『失礼///』グゥゥゥゥ
春香『き、気を取り直して(グゥゥゥゥ
やよい『ご、ごめんなさい~////』グゥゥゥゥ
律子「誰かあの二人になんか食べさせなさいよぉぉぉぉぉ!!!!!!!」プッチーン
P「落ち着け律子」
春香『えーっと、二人はちょっとお腹が空きすぎてるみたいなので、調理の間、私がおやつに作ってきたクッキーを食べていてもらいましょう』
P「な?」
律子「な?じゃないですよ」
P「さすが俺の春香。これは間違いなく結婚したくなる」
律子「ですねぇ」
やよい『うっうー!!このクッキーとーってもおいしいですー!!』ムシャムシャ
貴音『まこと、春香の作ってくるすいーつはいつもとても美味ですね』ムシャムシャ
貴音『しかし、勝負は勝負。審査に手心を加えるつもりはありませんよ』キリッ
春香『はい♪では今度こそ気を取り直して、今回の対戦メニューを発表しちゃいます!』
春香『じゃじゃん♪料理の定番、ハンバーグでーす!!!』
客席『はるるんのハンバーグマジ最高!!!!!』
P「うおおおおハンバーグゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!」
律子「ハンバーグ好きなんですか」
P「うん」
千早『ハンバーグね…作り方は勉強してきたので、精一杯がんばります』
やよい『うっうー!!ハンバーグですかー!2年ぶりくらいかもー!!!!』ムシャムシャ
貴音『おいしそうなはんばーぐ、じゅるるん…口の中で溢れる肉汁とでみぐらすそーすのハーモニー…ふふっ、涎が出てしまいそうですね』ムシャムシャ
律子「いつまでクッキー食べてるのよおおおお!!!!!」
P「落ち着け律子」
春香『私も心を込めて作りたいと思います』
春香『あと、ちょっぴり、愛情も込めちゃおうかなっ』
客席『誰にー!?』
春香『ふふっ、内緒です♪』
客席『うおおおお俺だ俺だああ!!!』
客席『違う!俺だああああ!!!!!』
春香『それでは、調理開始です♪』
客席『ヒュウウウウウ!!!!!!!』
律子「客席の盛り上げ方を心得てるわねぇ」
P「うおおおお春香のちょっぴりの愛情スパイスマジ最高ぉぉぉぉぉ!!!!」
律子「…」
伊織「ちょ…あの変態、いよいよやばいんじゃないの…あんたよく今まであんなのについて来たわね…」
春香「ああやってふざけて見えるけど、根はすごく真面目な人なんだよ…たぶん」
伊織「ふーん…」
春香「そ、そんなことより!お腹空いたでしょ?早く食べよっ」
伊織「…そうね。食べましょ…って何よこれ!?重箱五段もあるじゃない!?」
春香「えへへ…スケジュール確認したら、今日はみんな事務所に集まるみたいだったからつい…」
伊織「あんたねぇ…」
貴音「呼ばれた気がして」グゥゥゥゥ
春香「あ、貴音さん」
伊織「あんたは…犬じゃないんだから、食べ物に釣られてくるんじゃないわよ!!」
ガチャッ
やよい「わんわんっ!!」グゥゥゥゥ
伊織「あんたもか!!!!」
春香「まあまあ。みんなで食べて食べて」
貴音やよい「いただきまーす」
伊織「まったく…」
やよい「お、おいしい!!おいし過ぎます春香さん!!!」ムシャシャァ!!!
春香「そ、そうかな///どう、伊織?」
伊織「おいしいわよ、とっても。…でもね」
伊織「なんか…やたらとたくさんハンバーグが入ってるのはなんなの…?」
春香「え、そ、そうだっけ」
伊織「重箱二つ分丸々ハンバーグじゃないの…」
春香「あはは…」
貴音「はい、先日のハルカキッチン♪のメニューも、あの方の熱烈な希望でハンバーグになったとか」ムシャムシャ
春香「ソ、ソウナンダ」
伊織「…」
やよい「そうだ!このハンバーグ、プロデューサーにも持って行ってあげたらきっと喜びますよ!!」
春香「えっ!?…えっと、プロデューサーさんには…まだ、いいかな」
貴音「はて、なぜです、春香?」
春香「ほら、その、プロデューサーさんって、ハンバーグソムリエ的なところあるから…まだ、その、ね?」
やよい「?」
伊織「…はぁ」
伊織「」モグモグ
春香「い、伊織?」
伊織「…春香、あんたのハンバーグは最高よ」
春香「え…」
伊織「この伊織ちゃんが保証するわ。このハンバーグなら、どんなハンバーグソムリエの舌も唸らせるでしょうね」モグモグ
春香「伊織…」
伊織「…あんなやつのどこがいいのか知らないけど…がんばりなさいよ」
春香「…うん、ありがと」
貴音「ふふ…」
やよい「??」
春香『あわわ…』チラッチラッ
律子「千早の手つき、たどたどし過ぎですよ…危ないなぁ」ハラハラ
P「緊張してるんだろうな。リハの時はもっとマシだったんだ」
春香『…』
春香『千早ちゃん、そこはそうじゃなくてね』スッ
千早『えっ、は、春香?』
春香『こう、ちゃんと押さえて…』トントントン
千早『あ、ありがとう、春香///』
客席『』ほっこり
律子「ふふ、春香ったら…」ほっこり
P「はるちはは最高だよなぁ」
春香『こねる時はこう…』コネコネ
千早『うん』コネコネ
律子「お料理教室になってますけど」
P「ふはは、狙い通りだな」
律子「え?」
P「料理対決とはいえ、春香のことだから、相手が困っていて自分に助けられることならほっとかないだろ」
P「まして相手は千早だ。春香は我慢できずに手を貸すだろうな」
律子「えっ、まさか…」
P「対決っても、ほのぼのしたゆるい企画だからな。こうして千早をほっとけない面倒見のよさを、料理上手と同時にアピールする」
P「この『ハルカキッチン♪』は、第一回から『天海春香結婚したいアイドルNo.1化計画』のために俺が用意した舞台なのだよ」
P「もちろん春香は天然でやってるけどな」
律子「わぉ…」
P「春香のことならなんでもわかるさ。春香のことならなんでも知ってるよぐへへ」
律子「…」
春香『えー、思いがけず合作になってしまいましたが』
春香『春香&千早の仲良しハンバーグ!完成ですっ♪』ジャジャーン
客席『ウッヒョッヒョォォォォォォ!!!!!』
千早『春香ったら…///』
春香『それでは…』
やよい『試食ですねっ!!!!』ガタッ
貴音『待ち侘びましたっ!!!!』ガタッ
春香『CMの後ですよぉ~…』
P「本気だぞ。本気で思ってなきゃ、春香を結婚したいアイドルNo.1にしようだなんて言い出さないだろ」
律子「プロデューサー…」
P「もちろん、ファンとして、プロデューサーとして、な。俺と春香はアイドルとプロデューサー、アイドルとファン、の関係でしかないよ」
律子「そう…ですか」
貴音『こ…このハンバーグは…!?』ムシャムシャムシャムシャ!!!!
やよい『おいしい、おいし過ぎます春香さん千早さん!!!』ムシャシャシャァァ!!!!
春香『だって、千早ちゃん♪』
千早『ええ、春香のおかげよ』
貴音『このハンバーグからは、確かに深い愛情を感じられました』
貴音『春香、千早は、それぞれ誰に向けて愛情を込めたのでしょうね。ふふふ』
春香『うぇぇっ!?////』
千早『ちょ…四条さんっ/////』
客席『うおおおお誰だ!?誰なんだ!?』
客席『出てこい!!ぶっ殺してやるぅぅぅぅぅ!!!!!』
春香『そ、それでは今回はここまでっ!また来週~!!!』
P「こうしてハルカキッチン♪第一回は無事終了しましたとさ」
律子「…ちょっと貴音と話してきます」クラクラ
貴音「春香」
春香「なんですか、貴音さん」
貴音「先日のハルカキッチン♪の時もそうでしたが、今日のハンバーグにはより深い愛情が込められていたように思います」
春香「えぅ////ま、またそんな…」
貴音「春香、大丈夫です。あなたがここまで想っているのです。このハンバーグを食べて、伝わらないはずがありません」
春香「…」
貴音「自信を持ちなさい、春香。さあ、このハンバーグを持って、想い人のもとへ行くのです」
春香「貴音さん…」
春香「ハンバーグ…貴音さんが全部食べちゃったんですけど…」
貴音「…」
貴音「…律子嬢に呼ばれているようですのでこれで…ごちそうさまでした」
伊織「あのバカっ…」
春香「あはは…」
春香「…」
春香「うん。がんばろう」
伊織「春香?」
春香「えへへ、なんでもない」
伊織「そ。」
貴音「り、律子嬢!?何をそんなに怒った顔をしているのです…」
貴音「…ひぅっ!?ど、怒鳴らないでくださいませぇぇ」
P「お疲れ様でーす」
P「はー。今日は有意義な一日だった」
P「貴音はなんか目ぇ真っ赤にしてたな。存外泣き虫なんだよなあいつ」
P「可愛いやつだなぁ。春香の次くらいに」
春香「プロデューサーさーん!!」
P「お、春香。今帰りか」
春香「はいっ」
P「うんうん。駅まで送ってくぞ」
春香「えへへ、ありがとうございます♪」
P「可愛い」
春香「えへへ、ありがとうございます♪」
P「次回の対戦相手はどうするかな。また料理教室にならないよう、響とかがいいか」
春香「あうう…すみません…」
P「何を謝ってるんだ、あれはあれで素晴らしかったぞ。はるちは!はるちはわっほい!!!」
春香「もう…千早ちゃんとはそんなんじゃないですってば///」
P「ええっ…」
春香「ええっ、て…当たり前じゃないですか…」
P「いや…だって…はるちはは…俺達のジャスティス…」
春香「うう~…じ、じゃあ、プロデューサーさんは、私の、好きな人が、その…本当に千早ちゃんでも、いいんですか?」
P「一向にかまわん」
春香「むー…」
P「どんどんやってくれたまえ」
春香「…」
春香「ええっ、て…当たり前じゃないですか…」
P「いや…だって…はるちはは…俺達のジャスティス…」
春香「うう~…じ、じゃあ、プロデューサーさんは、私の、好きな人が、その…本当に千早ちゃんでも、いいんですか?」
P「一向にかまわん」
春香「むー…」
P「どんどんやってくれたまえ」
春香「…」
春香「…そうやって…またはぐらかすんですね」
P「ん?」
春香「わざと冗談めかして言って、私のこと、私の気持ち、遠ざけて」
P「…」
春香「その度に私が、ほんのちょっぴり、傷ついてるって、気づいてますか?」
P「」
P「」
P「なん…だと…?」
春香「…」
春香「…」
P「春香は本当に可愛くてな、でも、俺はプロデューサーで、春香はアイドルで、な?」
春香「プロデューサーさん」
P「はい」
春香「明日、お弁当、作ってきます」
P「…ん?」
春香「食べてください」
P「え、あ、うん」
P「え?いいの?」
春香「はい。伊織にも貴音さんにもお墨付きをもらいました」
春香「だから、きっと伝わります。私の、本気の気持ち」
P「…」
春香「春香特製ハンバーグですよ、ハンバーグ」
P「ほう」
春香「食べたらきっと、プロデューサーだから、アイドルだから、なんて言えなくなっちゃいます」
P「春香…」
春香「わかってます。でも絶対大丈夫です」
春香「だって、愛情は最高のスパイスですから」
P「…」
P「…楽しみにしてるよ」
春香「…!!」
春香「はいっ!!」
果たして、春香はハンバーグソムリエPを陥落することができるのか!?
スーパーお嫁さんにしたいアイドル天海春香の戦いはまだ始まったばかりだ!!!
がんばれ春香!!負けるな春香!!!
泣くな、お姫ちん!!!
おわり
次で完結かなー
次→P「ハンバーグソムリエPVS春香特製ハンバーグ」春香「!?」
Entry ⇒ 2012.01.19 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「春香は絶対いいお嫁さんになると思うわけよ」春香「!?」
彼女は今、自身のプロデューサーと共に765プロダクション事務所内会議室にて戦略会議を行っていた!!!
春香「ぷ、ぷぷプロデューサーさん!?そ、それって///」
P「前から思ってたんだよ。春香は面倒見がいいし空気も読めるし料理もできるし」
P「もっとこう、家庭的な…良妻賢母的なイメージで攻めて行くのもありって思うんだよな」
春香「あ、そ、そういうお話でしたか…あはは///」
春香「うぁ、改めて言われるとちょっと恥ずかしいですね」
P「なんだと!?俺の春香はどこへ出しても全く恥ずかしくない最高のアイドルだぞ!!」
春香「あわわ、プロデューサーさん落ち着いてください~」
P「こほん。まあつまりこれからは、『結婚したいアイドルNo.1』的な路線でもアピールしていくのも有りなんじゃないか、ってわけだ」
春香「け、結婚ですか…照れますね…えへへ///」
P「うむ。例えばな…」
嫁春香さん『お帰りなさいプロデューサーさん!今日もお疲れ様♪』
嫁春香さん『晩御飯できてますよ。今日のは結構自信あるんですよ~』
嫁春香さん『世界で一番頑張ってるあなたのために、一生懸命つくっちゃいました…えへへっ///』
P「ははは、春香、家でまで『プロデューサーさん』はないだろうははは」
P「まあこんな感じだな」
春香「プロデューサーさん…」
春香「な、流していいんですかっ」
P「とにかく、これからは嫁春香路線でもガンガン押して行くつもりだ。いいか?」
春香「あ、はいっ。それはもちろん。その、言われて悪い気は全然しないので…えへへ」
P「可愛い」
やよい「あれ、春香さんとプロデューサー、お話し中でしたか」
春香「あ、やよい~」
P「会議室の掃除か。えらいな」
やよい「えっへへ~」
春香「ああ、プロデューサーさん。やよいはどうですか?」
やよい「え?」
P「ほう…」
P「…そうだな。やよいも家事全般は得意だし弟妹の面倒も見ているし」
やよい「??なんのお話ですか?」
P「まあやよいはどっちかというと『お姉ちゃんにしたいアイドルNo.1』なんだけどな。俺の中では」
春香「やよいがお姉ちゃんですか」
P「ああ。忙しい両親に代わって幼い兄弟の面倒を見る健気で優しいお姉ちゃん…妹になりたいと思わないか、春香」
春香「…」
春香「なりたい…!!」
やよい「え、えっへへ~///」
やよい「あ、でもでも。私は春香さんがお母さんだったらなーって思いますっ」
春香「私が?」
やよい「はいっ!一緒にお料理したり、あとお菓子の作り方を教えてもらえたら楽しそうかなーって」
春香「私がやよいのお母さんかー…」
P「ほう…」
やよい『ただいま帰りましたーっ!!』
母春香さん『あ、やーよいっ。お帰りー』
やよい『ただいまお母さんっ!!…あれ、なんだかいい匂いがしますっ』
母春香さん『ふふ。今日はね、おやつにケーキを焼いてるんだ~』
やよい『けっ、けけけケーキですかぁ!?』
やよい『き、今日は誰かの誕生日なんでしょーか!?それともお祭りですかっ!?かいこくきねんびですかぁー!?』
母春香さん『ち、違うよ、落ち着いてやよい…別になんの日でもないけど、今日はケーキが作りたい気分だったから』
やよい『そ、そうだったんですかー…春香さんはぶるじょわです…』
母春香さん『ほんと?ありがと~』
やよい『はいっ!うっうー!春香お母さんのお手伝い、がんばっちゃいますよー!!』
キャッキャッウッウー
春香「ふふ、なんだかいつもと変わらないね」
やよい「ですね~」
P「いや、ただでさえ可愛い春香に『母』という属性が加わることにより最強に見える…やよいもしかり」
P「しかしこれでは、やよいのお姉ちゃん属性が発揮されていないな…」
小鳥「プロデューサーさん」
春香「あ、小鳥さん」
P「む…音無さん。なにか?」
小鳥「話は聞かせてもらいました。…あれを」
美希「くかー…すぴー…」.zZ
P「…なるほど、こうですね」
母春香さん『綺麗にできたね。ありがとうやよい~』
やよい『うっうー!すごいですお母さん!こんなおいしそうなケーキ初めてみたかも!!』
母春香さん『じゃあ食べよっか。あの子を呼んできて』
やよい『はーいっ!』
ガチャッ
やよい『美希ー!こら美希ー!起きなさーい』
やよい『もう3時だよ。お休みだからってダラダラしてちゃいけませんっ』メッ
美希『あふぅ…お姉ちゃんのイジワル…ミキはまだ寝足りないの…』
やよい『も~。せっかくお母さんがケーキ焼いてくれたのに』
美希『…ケーキ?』ピクッ
やよい『お母さんとお姉ちゃんで作ったんだけど、美希はいらないのかな~』
美希『起きるっ!起きたの!!美希もケーキ食べたいの!!』
やよい『えへへっ、じゃあ行こっ』
美希『はいなの!』
美希『む~、ママとお姉ちゃんおんなじこと言うの…』
母春香さん『さあさ、お皿出して』
やよ美希『は~い』
やよい『お母さん、今度ちゃんと私にも作り方教えてくださいっ』
母春香さん『うん、いいよ~。次はチーズケーキにしようか』
美希『わーいなの!ママ大好きなのっ』
母春香さん『えへへっ、どういたしまして♪』
やよい『あ、そうだ。ケーキ お 父 さ ん にも取っておいてあげなきゃ』
母春香さん『あ、そうだね。やよい、お皿によけといてあげて』
やよい『はーいっ』
春香「あはは、やよいが美希のお姉ちゃんかぁ。なんかいいね」
やよい「うっうー、すっごく楽しそうかも」
P「…お父さん…だと?」
小鳥「ピヨ…」
春香「プロデューサーさん?」
小鳥「春香ちゃんやよいちゃん、これはとっても重要な問題よ…!!」
やよい「はわっ、小鳥さんがなんだか怖いですっ」ウッウー!!
P「やよいの言う『お父さん』とは誰なのか…」
小鳥「それすなわち、春香ちゃんの旦那さんは誰か、ということ!!」
春香「うぇえっ、だ、旦那さんですかっ////」
春香「そそ、それって…///」チラッチラッ
P「千早に決まってんだろjk!!!!」
小鳥「ですよねーっ!!!」
春香「あ、あれ~?」
P「違うんだよ春香。そういうんじゃないんだよ春香」
小鳥「そうよ春香ちゃん。男とか女とか、そういうんじゃないのよ春香ちゃん」
春香「は、はぁ」
P「千早はきっとな、嫁春香や娘やよいのためなら一生懸命働くぞ」
春香「千早ちゃんはお仕事はいつも真剣だと思いますけど…」
P「そう。自分にも他人にも厳しいクール&ストイックな千早は、職場では近寄り難い存在なんだな…」
春香「え?あ、もう始まってるんですね…」
春香「あー、やよいはなんとなくわかるかも」
やよい「えー?千早さんはいつもすっごく優しいですよ?」
P「やよいにはな。まあ最近はすっかり角が取れていい感じだが」
P「まあそんな千早お父さんが、仕事から家に帰ってくるわけよ…」
父千早『ただいま』
母春香さん『あ、ちーはっやちゃんっ。お帰りなさい♪』
父千早『ええ、ただいま春香』
母春香さん『今日は早かったんだね。…えへへ、うれしいな…///』
父千早『っ///え、ええ…その…春香の…顔、早く、見た、かったし…///』
母春香さん『千早ちゃん…///』
父千早『…///』
父千早『そ、そう』
母春香さん『それともお風呂にする?外寒かったでしょ』
父千早『そうね…ご飯にするわ。お腹が空いてしまって』
母春香さん『そっか。…ふふ』
父千早『どうしたの?』
母春香さん『うん…昔は千早ちゃん、全然ちゃんとご飯食べなかったから…なんだか嬉しくて』
父千早『春香…』
父千早『…当然よ。春香のご飯を毎日食べられるなんて、こんな幸せ他には無いわ』
母春香さん『千早ちゃん…』
父千早『ありがとう、春香』
母春香さん『千早ちゃん…』
父千早『春香…』
母春香さん『…』
父千早『…』
やよい『あ!お父さん!!おっかえりなさーい!!!!』
父千早『やよいいいいいい!!!!』
母春香さん『!!!』
母春香さん『千早ちゃん落ち着いて…』
やよい『はいっ!えーっとですねー、今日はお母さんといっしょにケーキを焼いたんです!!』
父千早『そ、そうなの!!!』ドキドキ
やよい『お父さんの分もありますよー!!甘さ控えめだから、お父さんでもおいしく食べられるかなーって。えっへへ~』
父千早『高槻さん本当に可愛い!!!!!!!』
母春香さん『千早ちゃん、このやよいは如月さんだよ』
父千早『あら美希、ただいま。今日はまだ起きてたのね』
美希『うん!パパの声がしたから飛び起きてきたの!』
父千早『寝てたんじゃない…ふふ、でも嬉しいわ、ありがとう』
母春香さん『こ、この差はいったい…』
P「とまあ…こうなるわけだ」
小鳥「ピ、ピヨー!!!」
春香「プロデューサーさん…」
やよい「小鳥さん…」
千早「お二人とも」
P・小鳥「」
千早「…なんですか、いまのは」
P・小鳥「…」
千早「なるほど、春香の新しい活動方針、ですか」
P「ああ。トップアイドルの春香とは言え、その地位に甘んじていては先は無いからな」
P「今のうちから春香の魅力をどんどん前に出して行き、その地位を盤石にする」
P「そのための第一段階がこの嫁春香さん計画。これは間違いなくいける」
P「何より俺は、ぶっちゃけ春香と結婚したい(キリッ。これがこの戦略の全てを象徴しているな」
春香「っ!!ぷ、ぷろ…//////」
千早「そんなことは聞いていませんっ」イラッ
P「…」
千早「だから、どうしてそれに私や高槻さんが関係あるんですか」
やよい「わ、私は楽しかったんですけど…」
千早「…」
千早「どうしてそれに私が関係あるんですかっ」
小鳥(言い直した…)
春香(言い直した…)
千早「まったくです。私が、その、春香の…お、夫役だなんて…///」
千早「よりによって男役…くっ!」
春香(そこかぁ…)
小鳥「千早ちゃん、男とか女とか、そういうんじゃないのよ!」
千早「音無さんは黙っていてください」
小鳥「ピヨ…」
千早「はぁ…もういいです。次からは謹んでくださいね」
P「うん」
小鳥「ピヨ」
春香「千早ちゃん…なんかごめんね、私のせいで」
千早「えっ…そ、そんな、春香は全然悪くないわ…」
春香「いやぁ、まぁ私もちょっとおもしろがって聞いてたし…たはは」
千早「もう…ふふっ」
春香「でも…私はそんなにいやじゃなかったかなぁ」
千早「え?」
春香「だって…やよいや美希や…千早ちゃんが本当に私の家族だったら、きっと楽しいに決まってるもん」
千早「春香…」
千早「…いいえ」
千早「そうね…私にとっても、765プロのみんなは大切な家族だから…」
千早「みんなが…春香が私の本当の家族だったら…きっと幸せよ」
千早「今でさえ、私はこんなにも幸せなのだから」
春香「千早ちゃん…」
千早「春香…」
春香「…」
千早「…」
P「…おいなんだこれは」
小鳥「我々の出る幕ではなかった、ということですね…」
P「とりあえず録音はしておきました」
小鳥「グッジョブですプロデューサーさん!」
P「お疲れ様でしたー」
P「はぁ…あの後千早の機嫌とるの大変だったなぁ」
P「いや、ありゃ照れ隠しか。たいして怒っちゃいないと見た」
P「…」
P「はるちはは最強だよな…」
春香「プロデューサーさーん」
P「お?春香、今帰りか」
春香「はいっ」
P「おし、駅まで送っていこう」
春香「えへへっ、ありがとうございます」
P「可愛い」
P「あれ、嫌だった?ごめん」
春香「い、いやじゃないですよぉ…はぁ」
春香「…」
春香「…プロデューサーさん」
P「ん?」
春香「その…さっきの話なんですけど」
P「嫁春香さんの話?」
春香「はい」
P「当たり前だろ」
春香「あぅ//////」
P「ていうかさっきも言ったけどな。千早に怒られたけど」
春香「あはは…やっぱり、冗談なんですね」
P「はぁ?あほか。大まじめだよ」
春香「えええっ////」
P「自分で本気で思ってなきゃこんな企画出さねーよ」
春香「プロデューサーさん…」
春香「プロデューサーとして、ファンとして、ですか…」
P「そう、プロデューサーとして、ファンとして、だ。」
春香「…」
P「だからこれからも、俺達ファンのために、輝いて欲しい」
春香「…」
P「…」
春香「…そっか」
P「…春香」
春香「えへへっ、なんでもありませんっ」
春香「よーっし、そうと決まれば、まずは何からがんばったらいいですかね、プロデューサーさん!」
P「…」
P「…そうだな。料理上手なとこ、もっとアピールしていきたいな」
P「生っすかに料理コーナーの企画、出してみるか」
春香「はいっ」
春香「結婚したいアイドルNo.1にだってなってみせます」
春香「それで、『毎朝俺のみそ汁を作ってくれー!!』って言わせてみせます」
P「…ファンのみんなにか?」
春香「…」
春香「はい、ファンの人に、です」
P「…そうか」
春香「はいっ!!」
こうして、スーパー超天使アイドル天海春香の嫁春香さんへの道は始まった!!
その道のりはきっと険しい!!だが、春香ならきっと辿り着ける!!!
がんばれ春香!!負けるな春香!!!
みそ汁を作ってくれ、春香!!!
おわり
たまには春香さんは腹黒くないってことを全力で主張するスレがあってもいいよね
乙
おつ
次→P「新コーナー『ハルカキッチン♪』始まるよ」春香「!?」
Entry ⇒ 2012.01.19 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
響「風邪引いちゃったぞ…」
響「…」
響「はぁ…」
響「今日は寝てよう」
響「ちょっとドキドキしてきたぞ」
響「ってこれは熱のせいかな?」
響「…」
響「…あれ?前がよく見えない」
響「意識が…」
響「…」
響「…誰?」
「…苦しそうですね」
「では私はこのらぁめんだけ置いて帰ることにします」
「お大事に、響」
響「…」
「ってなんでラーメン?」
「貴音きたのかな?」
「僕のお見舞いは飲み物だけど飲めるときに飲んでね!」
響「…」
「じゃあね!」
響「…ダメだ、熱で起きれないぞ」
響「…」
響「…冷たいもの」
響「…」
「…熱っ」
「おデコが焼けるかと思ったわ」
「…濡れタオルでもしてあげましょうか」
「まったくなんで私がこんなことしなくちゃならないのよ」
響(…あ、冷たくて気持ちいぞ)
伊織「…たまたまよ」
「うっうー!伊織ちゃんは恥ずかしがり屋さんですね」
「あ、そろそろタオル変えたほうがいいですよ?」
響(二人できてるのか…)
「我那覇さん…」
「起きないわね」
「しょうがない…私はこれを置いて置くわね」
「好きなときに食べて栄養をつけてね」
「それじゃあ」
「これを置いていった千早ちゃんかな?」
「確かに栄養はあるけど…」
「私はゼリーを置いておくね」
響(…誰だろ、この人)
響(自分の知らない人だぞ)
「体調管理もしっかりできないなんてアイドル失格だよね~」
「…さっきから動物に噛まれてるのは気のせいか?」
「…気のせいじゃないよ」
「チャオ☆」
響(防犯対策しっかりしなくちゃさぁ)
「…ふん、765のアイドルも所詮は人の子と言うことか」
「…」
「風邪薬でも飲んで寝ておけ」
「と、既に寝ているか」
響(…なんで黒井社長までいるさ)
「大丈夫ですか?」
「シュガーパイです!」
「よかったら食べてくださいね!」
「お邪魔しました!」
響(…うるさい子だったぞ)
「…私もお見舞い?」
「…尾崎さんに行けって」
「…風邪移るかもだから帰る?」
響(…エリーゼ?)
「あら、ぐっすり寝てるわね」
「私の差し入れはからあげクンよ!」
「あ、油っぽいものはダメよね…」
「あとで涼になんか持ってこさせるわね」
響(…みんな自由に出入りしすぎさぁ)
響(うれしいけど)
「ぐっすり寝てるわね~」
「…ハム蔵ちゃんも看病一生懸命してるのね?」
「えらいわぁ」
「お姉さんはお粥を作っておきましたから好きなときに食べてね」
響(あずさ…ありがとうだぞ)
「響さん、アイス冷凍庫にいれて置きますね」
「…よく眠ってるなぁ」
「これなら女装してこなくても良かったんじゃないかな?」
響(…女装?)
「眠ってるみたいだな・・・風邪薬置いて帰るか」
「あ、冷凍庫にアイス入ってるの!いただきまーす」
「おい、美希!勝手に食うなって」
「ハニーも食べたい?はい、あーん」
「ったく・・・」パクッ
響「人ん家でいちゃいちゃすんなさー」
ガチャ
「あら?響ちゃんはおやすみかしら?」ピヨ
「ん?みんなお見舞いに来たのね・・・」ピヨ
「風邪にはお酒が効くって云うし、泡盛持ってきたんだけど・・・」ピヨ
響(自分お酒飲めないぞ)
「こんなにいっぱい差し上げがあったら大変よね!これは私が責任をもって処理するわ」ピヨ
響(結局自分が飲みたいだけなんじゃ・・・)
響(自分、一人じゃないんだな・・・)
----------------------------------------------------
響「んぁ!?」
響「寝すぎちゃったさー。もう七時か・・・・」
ハム蔵「チューチュー!」
響「お、ハム蔵。みんながお見舞いに来てくれたから、もう完璧さ!」
響「ほら、差し入れもたくさん・・・・・。・・・・あれ?」
響「な、なんでさー!?確かにみんながお見舞いに来てくれて・・それで・・・・」
響「もしかして・・・夢?」
響「自分、やっぱり・・・ひとりぼっちなん・・・じゃ」グスッグスッ
響「グスッ・・・あ、誰か来たぞ・・」
ガチャ
真「響ー!大丈夫!?]
春香「お見舞い来れなくてごめんね!」
千早「みんな仕事があったから、今までこれなかったの」
響「真・・・、春香・・・、千早・・!」
あずさ「響ちゃんが元気になってよかったわぁ~」
雪歩「うぅ~心配で心配で私・・・・」グスッ
亜美真美「も~ゆきぴょんは心配しすぎなんだから~」
伊織「べ、別にあんたのことなんて気にしてなかったけど、みんなが行くっていうから・・・」ゴニョゴニョ
律子「まったく素直じゃないわね~」
美希「美希、アイスいっぱい買ってきたの~」
P「響、みんな、お前のこと、大好きなんだからな」
響「みんな・・・・!!自分これからも765プロで頑張るさ~!」
ED(MEGARE~響Ver~)
はぁ、ss初めて書いた。俺にはこれが限界
Entry ⇒ 2012.01.18 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
伊織「た、貴音が欲しい!……んだけれど」
貴音の匂いがする。
柔らかで、花のような、甘い香り。
「ふふっ、どうしたのです。いきなり抱きついたりなどして」
「……別に、何でもないわよ」
「そうですか」
「でも、特別にもう少しこのままでいてもいいわよ」
くすくすと鈴の音のような笑い声がする。
おデコをかきあげるように、驚くほど冷たい貴音の手の平が這う。
見上げると、貴音は寂しそうに満月を眺めていた。月明かりが横顔を照らしてる。
「……一度しか言わないから、よく聞きなさい」
私の欲しいものは手に入った。
「貴音、ずっと私の、その、傍にいなさい……よね」
な、何言ってるのよ、私ったら!
そんなの言える立場じゃないのに。
冷え切った部屋に反して、私の体が熱っぽくなる。
身長差があるから、ちょっと育ちすぎな貴音の胸のあたりに顔が埋もれる。
「……ありがとうございます」
いつもと変わらない、穏やかな声がする。
……あんた、ズルいわよ。
こんなときでも、落ちついちゃって。
「……んん」
また、貴音の柔らかい手のひらの感触がする。
なんだか、私のゼンブがすっぽり、貴音に包まれてるみたい。悪くないわ。
貴音のラブレターは、今でも大切に、箱にしまってある。
これを見ると、胸の奥がチクチクと痛くなる。
「貴音、私たちが出会った日のこと覚えてるかしら」
「……はて」
「私は、覚えてる」
背中に回した手に、力がこもる。
あんたと過ごした日々はこの胸に焼き付いてるから。
夜中の十二時を知らせる音だった。
「あんたね、忘れてんじゃないわよ」
「申し訳ありません。では、二人でゆっくりと思い出しましょう、まるで今あったことのように」
「……」
そして、それはきっと、私と貴音の関係が終わる合図。
……。
「あーもー、このスーパーアイドル伊織ちゃんをどうして放っておくのかしら! 全く信じられないわ!」
叩けば埃が出るソファ!
真っ白なホワイトボード!
おまけに仕事しないで漫画ばっかり読んでる事務員!
「そ、それは言いっこ無しよ、伊織ちゃん……」
小鳥が、チェアをきぃときしませながら言った。
思わず頭を抱えて、深いため息が出た。
765プロに所属したのはいいものの、なーんにも仕事が無いじゃない。
おまけにプロデューサーは律子しかいない。
本当にやっていけるのかしら……。
「あふぅ、おデコちゃん焦ったら負けって思うな」
「あんたもレッスンしないで、寝てばっかりいるんじゃないわよ!」
「ミキ的には~あんまり頑張らずにアイドルやっていきたいな、あふぅ」
隣で寝転がっている美希が、呑気にあくびをした。
「はぁ~、やっぱり兄さんの言う通りもっと大手に入っておくべきだったかも……」
また、ため息がこぼれる。もうなんだかストレスでおデコが広がっちゃいそうよ……。
……そう、たしかこの時はまだ貴音もプロデューサーもいなかったのよね。
朝、私服に着替えてふかふかのダイニングチェアに座るなり執事が、
呪文のような長ったらしい料理名を唱える。
「毎回ごくろうさま」
聞き流しながら、オレンジジュースに口をつける。
隣に座っているうさちゃんが、私を見つめる。
……あら、シャルロッテちゃんも食べたいのかしら。
「だけど、あげないわよ。にひひっ」
……なんてね。
いつのまにか執事は居なくなっていた。
シミ一つ無いテーブルクロスが遠くまで続いている。
そこにぽつぽつと、よりどりみどりのパイやテザートが置かれてる。
「……はぁ、こんなに食べきれないわよ」
ため息を漏らす。
また、しん……と静寂が広がる。
ここらだと、まるで視力検査のように、遠くの壁に標語が滲んで見える。
水瀬の基本理念、欲しいものは勝ちとること……か。
それにしても、あの事務所、私のお部屋より小さいじゃない。
お煎餅も、安っぽいし、庶民の生活は私にはさっぱりわからないわ。
「はぁ?」
事務所に来て、いきなりの手招きに付いていくなり、そう言われた。
律子は、私の反応を待つかのように、ペンでこめかみを掻く。
「……まだどこのオーディションすら受かってないのに気が早いじゃない」
「仮の話よ、仮」
「必要無いわ、伊織ちゃん一人で十分よ」
絶対に、私の力でお父様とお兄様を見返してやるんだから。
みんな、伊織なんかには無理だって鼻で笑う。
水瀬財閥の令嬢が、庶民の余興であるアイドルをやるだなんて、と随分後ろ指をさされた。
……今思い返しても屈・辱・だ・わ~!
まっさらなホワイトボードを横目でちらりと見て、言った。
「それに、私の背中を任せられるヤツなんているわけないでしょ」
「あっまっ待ちなさい、伊織──」
引き留める律子の手を振り払って、私はレッスンルームへと向かった。
途中、ヨダレを垂らして寝ている美希の頭を手の甲でコツンと叩く。
「ん、イジワルしちゃヤなの~」
まずは、一刻も早くデビューすること、ね。
こんな金髪毛虫に先を越されて堪るもんですか。
まだ、鐘の音が鳴っている。
貴音の肌は仄かに熱がこもってて、気持ちいい。
「なるほど、わたくしが765プロに訪れる前、伊織は随分ときかんぼうだったのですね」
「ま、若気の至りってとこかしら」
「少々、気が短いのは今も変わっていませんが」
「な、なんですって~!」
「……美希とも、私の知るはるか前より、様々な事があったのですね」
「まぁね……」
ギュッと。
服がくしゃくしゃになるくらいに抱きしめると、
貴音はそれよりも強く、私を引き寄せる。
「さぁ、続きを聞かせてください」
……。
「では、名前を呼ばれなかった人は帰っていいよ」
平坦な声のトーンで、不合格を伝えられる。
「な、何でよ!納得いかないわ!」
「残念だったね~おデコちゃん」
「ぜ、絶対に負けないんだから!行くわよっ美希!」
腕で、目をごしごしと擦って、美希の手を強引に引っ張る。
絶対に、絶対にトップアイドルになってやるんだから。
「ぜぇ……さすがにキツいわね……」
吐く息がきれぎれになる。
胸の奥から、気持ちの悪い何かが込み上げてくる。
今日のダンスレッスンは、ちょ~っと張り切り過ぎちゃったかしら。
美希にスポーツ飲料が入った水筒を投げつける。
「ありがとなの~おデコちゃん」
「あんたはお気楽なもんよね……」
ハンドタオルで、汗を拭きながらレッスンルームから出ると……。
「伊織、美希!喜びなさい、新しい所属アイドルが来るわ」
「ま、また?!」
興奮した律子が、鼻をすんすんと鳴らしながら言った。
「動物臭いヤツの次はどんなイロモノが来るのよ……」
遠くで、誰かがくしゃみをする音が聞こえた。
春の暖かな日射しに、銀髪が揺れていた。
礼儀正しそうに、深くお辞儀をして、そいつは言った。
「四条貴音と申します、以後お見知りおきを」
貴音との出会いだった。
……のだけれど。
「わたくしは、高みを目指すためにここへ参りました、どうかご助力……」
でっかいお尻が揺れる背後から、肩をぽんと叩く。
「あ、あんたね。どこ見て話してるのよ」
「おや?」
「そっち、テレビなんだけど……」
「これは失礼いたしました。わたくし、視力が悪い故、うっかりしていたようです」
そう言って、目を瞑って微笑む。
……や、やっぱりイロモノじゃない。
「おデコちゃん、またツッコミが忙しくなるね~」
「あんたに言われたくないわよ!」
「ふふっ、なんとも面妖なお二人ですね」
貴音は、そんな私と美希を見て、口元に手を当ててくすくすと笑った。
「二人ともいってらっしゃいなの~」
「水瀬伊織、今日もれっすんですね」
「つ、付いてくるんじゃないわよ!」
「良いではありませんか」
私よりずっと背の高い貴音の顔へと指さして、叫ぶ。
そんな私を見て、貴音は相変わらず口元を怪しく歪ませる。
なんだか随分と懐かれちゃったみたい。
私の数歩後ろをピッタリついてくる。
……いったい何なのよ。
たまらなくなって、私は立ち止まる。
同時に、もう一つの足音がぴたりと止む。
「一つ、言っておくけどね」
「はぁ……」
「あんたね、ちょっと気にいらないわ」
「! な、何故です。その、わたくし何かそそうをしましたでしょうか」
貴音は信じられないといった具合に、顔を横にふる。
「それはね……」
振り向いて、言った。
「私とキャラが被るからよっ!」
「ごきげんよう。水瀬伊織と申しますわ」
フリフリのドレスの裾を広げて、お辞儀をする。
周りのスーツ姿の富豪のやつらは、シャンパンをテーブルに置いて拍手をする。
あの、天下の水瀬財閥の令嬢だよ、そんなヒソヒソ声があちこちから聞こえる。
「……」
赤い絨毯とにらめっこしながら、歯を食いしばる。
……ふざけんじゃないわよ
私は、水瀬伊織であって水瀬財閥の令嬢って名前じゃない。
「伊織、そちらの方にも挨拶をしろ」
機械のような無機質な声が聞こえる。お兄様の声だわ。
私は、一度拳をキツく握って、顔をあげた。
「は、はい。お兄様……」
……。
照明の落ちた薄暗い壁にもたれかかって、頭のリボンを強引にむしる。
「はぁ……」
「伊織、アイドルはそろそろ諦めるころか」
時計を確認しながら、お兄様は私に背を向けて言った。
一気に、頭に血がのぼる。
「ぜ、絶対に兄さんには負けないわ!正々堂々、欲しいものは自分で勝ちとってみせるんだから!」
「水瀬伊織、今日もれっすん……」
「……!」
貴音の言葉を遮って、レッスンルームの扉を強引にしめる。
トレーニング用のピンクのジャージに袖を通して、水を軽く口に含む。
……悔しい!悔しいわ!
「今日は、ダンスも、ボーカルも一通りやらせてちょうだい」
……絶対に、おかしい!
「もう1回やるわ!」
何度も何度も、同じステップを踏む。
汗がしたたりおちて、床に染みを作る。
ふくらはぎがパンパンに張って、たまにフラつく。
……どうして、美希と貴音が私より先にオーディションに合格するのよ!
窓の外には、仄白い月が浮かんでいた。
……今日は、満月みたいね。
思考がまとまらない。
真っ白い霧のかかったように、くらくらする。
コーチは、呆れた顔をして、荷物をさっさとまとめて帰っていた。
一人っきりのレッスンルームで、BGMが鳴る。
私はもう頭では考えずに、機械的にステップを踏む。
「うっ……」
胃の底から、吐き気が不意にせり上がってきた。
口元を押さえて、レッスンルームから飛び出して、洗面所へとかけ込む。
「……ぅ……ぇ……」
鏡を見ると、青白い顔をした私が映っていた。
髪はぐしゃぐしゃで、額にはべっとりと汗が滲んでいる。
……社交界のやつらが私のこんな姿を見たらきっと大笑いするんでしょうね。
絶対に、貴音にも、美希にも、お兄様にも負けないんだから……。
「あら……?」
ふと、暗闇が続く廊下に、一筋の光が差し込んでた。
他のレッスンルームの窓からだった。
私は、何度も息を整えながら、進んだ。
体を持ち上げるようにして、ガラス窓を覗きこむ。
すると……。
「はぁ……はぁ……」
銀色が、舞っていた。
動くたびに毛の先から水滴が、飛び散って、床へと落ちる。
「た、たかね……?」
思わず、ぽろりと声が漏れた。
時計を見ると、もう夜中の10時だった。
「……おや」
私の方を一目見るなり、また貴音はいつも調子で微笑んだ。
大分、落ちついたわ。
と、いうより落ちつくまで貴音のレッスンを眺めてたんだけど。
視力が悪いからきっと私の具合にも気づかなかったでしょうね。
汗を滴らせたまま、隣に座る貴音が言った。
「すぐ近くで、必死に高みを目指している者がいる……」
「……」
「ならば、新人のわたくしも精進せねばならぬでしょう」
「……ばっ、ばっかじゃないの」
「ふふっ」
満足そうに、目を伏せて、貴音は汗を拭く。
銀色の「女王」……か。やっぱり私とキャラ被るのよね。
同じ時代に女王は二人もいらないんだから。
けれど……。
「さっきステップ、遅れてたわよ。あそこはもっとワンテンポ速くしないと」
「なっ……」
「か、勘違いしないでよねっ、あんたがあんまり下手で見てられなかったのよ!」
「……ふふっありがとうございます、水瀬伊織」
「し、仕方ないから、これからは私があんたを指導してあげるわ」
ま、ライバルとしてなら認めてあげてもいいかしら。
まだ鐘の音は鳴っている。
規則的なリズムが、二人だけの真っ暗な夜にこだまする。
「あの時、美希も途中までいたのですよ」
「えっ、ま、まさかでしょ?! あの時の美希って寝てばっかで……」
「寝ているだけで、おーでぃしょんに合格できるのなら、わたくしもそうします」
「……」
……。
すぐ後ろで、ブザーが鳴って、私は驚いて振り返る。
人ごみがごった返す、自動改札機の前で貴音がうろたえている。
「あ、あんた電車の乗り方すらわからないの?」
「なんとも面妖な……」
「そこで切符買うのよ! この常識知らず!」
「あ、ありがとうございます」
まったく、貴音といるとほんっと飽きないわね。
……まぁ、私も765プロに入ってから知ったんだけどね。
「さぁ、気合い入れていくわよ、貴音!これから大事なオーディションよ!」
「はい、れっすんの成果を見せるとき、ですね」
「あの時、伊織はもう少し……」
「そうね、貴音もサビの部分で……」
いつのまにか恒例になった反省会。
私たちは、オシャレな喫茶店で、ちょっと大人なティータイムをする。
「少しずつですが、高みへと登っている、そんな気がしませんか?」
貴音は紅茶を、音もたてずに掻き混ぜる。
ぼんやりと、くるくると回る渦を見つめる。
……二人、ときたま三人でレッスンするようになってから、オーディションも段々と合格できるようになってきた。
まだまだ、地方の小さな小さな番組とかだけど。
お兄様も、小言を言わなくなった。
やっぱり、貴音のおかげなのかしら。ついでに、美希。
「……伊織?」
「あっ……」
私の目の前には、いつのまにかブラックコーヒーが置かれていた。
「……」
私は、砂糖に手の伸ばそうとして、やっぱりやめた。
一口飲むと、慣れない強烈な苦みが口に広がる。一度、キツく口をつぐんで言った。
「貴音、あんたずっとソロでやっていくの?」
「このスーパーアイドル伊織ちゃんとユニットを組む気は無い、かしら?」
「ふふっ」
貴音は、ティーカップをゆっくりと両手で置く。
その笑い方、卑怯よね。
何考えてるんだかさっぱりわからないわ。
「……」
私は頬に手をついて、とんとんと指先でテーブルを叩く。
やがて、貴音は私の顔の前に、2本指を立てて、言った。
「二つ、条件があります」
「条件って、この伊織ちゃんに対して、いい度胸してるじゃない」
キッと貴音を睨むフリをして……。
そして私も、貴音に、お返しのように笑顔を向けてあげた。
「にひひっ」
「それで、条件って何よ」
「はい、伊織ならば納得してくれるでしょう」
「もったいぶらないで、さっさと言いなさいよ」
「簡単なことです。まず一つ、もう【わんらんく】上の【おーでぃしょん】に合格すること」
「……」
かしこまって、なにを言いだすかと思ったら、そんなことね。
私は、手のひらをひらひらさせて、言った。
「そんなのこの伊織ちゃんだったら、あっというまよ」
「ふふっ、そうですね。伊織だったら心配無いでしょう」
「で、もうひとつは?」
「はい……それは……」
その時、貴音は少しだけ普段とは違う、意地悪な笑顔をした。
……。
「な、何でよ! な、納得いかないわ!」
「なになに? なんの話?」
金髪が春風にそよぐ。
昼寝するなら、絶好の日ね……ってそんな事どうでもいいのよ!!
貴音は、美希の肩を掴みながら嬉しそうに言った。
「ユニットを組むのならば、星井美希も、一緒です」
「ダメよ! ミ、ミキとは絶対に負けたくない、その、ライバルなんだから!」
「ふぅ~ん、それじゃミキ、貴音と一緒なんだね」
「う……!」
思わず一歩、仰け反る。
相変わらず、貴音は意地悪そうに笑う。
それにつられて、美希もけらけらと笑う。
「あはっ、おデコちゃん真っ赤になっちゃって可愛いの~」
「こんなイロモノ二人抱えちゃ、私の体が持たないわよ!」
「よいではありませんか、美希も信頼できる仲間、でしょう?」
そう言って、貴音は私の手をキュッと握った。
貴音の手はとっても滑らかで、仄かに温かった。
「……!」
何故か貴音の手が触れた瞬間、心臓がドキドキした。
貴音の熱が、指先から全身へと伝ってくるようだった。
目を逸らして言った。
「……仕方ないわね」
私の言葉を聞いた貴音は、握った手を、そのまま美希の手の平に乗せた。
「では、いつか皆で、更なる高みを目指しましょう」
「うん、ミキね、もっとワクワクできそうかも」
「リーダーは私だからね」
……この時、ずっと三人はこのままでいれる気がした。
終わってく物など無いって、思った。
蒼白い薄明かりが、私たちの輪郭をくっきり映し出す。
このつめたく冷えた部屋で、貴音の温もりだけが確かだった。
「それにしても」
「んん……くすぐったいわよ……」
シルクのような滑らかな感触が、私のほっぺたをなぞる。
「突然、昔話がしたいといって呼びだされた時はまこと、驚きました」
「……悪かったわね、こんな遅くに」
「いえ、伊織もこのような月の美しい夜には、何か想うことがあるのでしょう?」
そう言って、また私から視線を外して窓に浮かぶ月眺める。
……何でもお見通しってわけね。
私と貴音の吐息がうっすらと立ちこめて、すぐに消える。
フタリで一つ分の影が伸びて、白い壁に絵をつくる。
この部屋で動いているのは、一定のリズムを刻む振り子だけだった。
まだ、十二時を知らせる鐘の音は鳴っている。
なんだか随分ロマンチックね。
まるでシンデレラになった気分よ。
……まぁ、でもそんな役が似合うのは悔しいけど貴音の方だと思うけど。
私は、唇をきゅっと結んで言った。口の端から煙のように息が漏れる。
「あ、あんたに謝りたいことがあるのよ」
「謝りたいこと……?」
胸の奥にしまってて、ずっと言えなかったこと。
……私は、貴音を取り返しのつかないくらい傷つけた。
「……話を続けるわよ」
桜並木を抜けた先にある英国風のオシャレなカフェ。
窓際の3人掛けの丸いテーブルが私たちの特等席だった。
「ブラックコーヒーをちょうだい、3分で持ってきなさいよね」
「では、わたくしは紅茶をいただきましょう」
そう言って、貴音は胸の前で小さく手をあげる。
最近は、毎週のように貴音とここに来るようになった。
それと、たまにもう一人……。
隣でテーブルにおでこを乗せて、すやすやと寝息をたてているヤツを肘で小突く。
全くどういう神経してるのよ……。
「あふぅ、えっとね~ミキはイチゴババロア!」
あくびをした後に、美希はぴんっと手をあげる。
「あんたね、いつも思うけど飲み物を頼みなさいよ……」
私がそういい終わる前に、ミキの頭がどんどんと下がっていく。
コンッとひとつ乾いた音がしてそのまま動かなくなってしまった。
はぁ……本当にこの3人でユニットなんてやっていけるのかしら……。
頭をかかえてため息をつく私を見て、また貴音がくすくす笑った。
そろそろ桜の花も散る頃ね……。
窓の外を眺めると、グレーのアスファルトにピンクの模様が出来ている。
貴音が、目を伏せたまま紅茶の匂いを嗅いで言う。
「今回の【おーでぃしょん】、一体だれが選ばれるのでしょう」
私はシュガーを小さじで3杯入れる。
うぅ、やっぱりオレンジジュースが飲みたいわ……。
「そんなの、この伊織ちゃんに決まってるじゃない」
「ん~お凸ちゃん緊張でガチガチだったの。ミキ的には無理って思うな」
「な、な、ななんですってー!」
こ、この金髪毛虫はまた私をおちょくって!
「っていうか誰がお凸ちゃんよ!」
立ち上がってテーブルを思い切り叩いた。周りの客が一斉に振り返る。
ウェイターが大慌てでモップを持ってくる。
あ、またやっちゃったわ……。
はぁ、また注文しなおさなきゃいけないじゃない。
「あら?」
だけど、テーブルを見下ろすと、不思議とコーヒーは一滴も零れていなかった。
見ると……。
貴音はカップを持ったまま、空いた左手で縁をしっかりと抑えていた。
「な……」
ぱくぱくと魚のように口を開く私を見て、貴音は笑って言った。
「やはりわたくし達はまこと、相性の良い仲間と言えるのではないでしょうか」
「は、はぁ?!」
その言葉を聞いた瞬間、765プロにある古びた瞬間湯沸かし器みたいに、一気に顔が熱くなった。
思わずうさちゃんを振り落としそうになる。
「い、いきなりなに言ってんのよ!バカバカッ!」
「さて、だとしたら伊織が夫になるのでしょうか……」
「あんたもノらなくていいからっ!」
指さすと、貴音はカップを音も無く置いて、ゆっくり微笑む。
周りの客は今度は私たちを見ながら和やかにひっそりと笑う。
私は、わざと大きな音をたてて椅子に座る。
まったく、とんだ赤っ恥をかいちゃったじゃないの!
テーブルに広げた反省会ノートには、それぞれ違った筆跡で、文字がびっしり埋まっている。
貴音は細くてやけに達筆な字で漢字ばっかり使う。
美希はまるっこい字で……
この余白にかかれてる、怒りながら額を光らせてるキャラクターってまさか私じゃないでしょうね……。
「さっ、気を取り直して反省会の続きよ」
「了解なの~リーダーさん」
「三人寄れば文殊の知恵、というものですね」
……この時はただひたすら先へ進んでいくのが楽しかった。
忙しなく流れて行く人通りの中、美希はマイペースに手をゆっくりと振る。
「じゃあね~、おデコちゃん、貴音」
「ごきげんよう。星井美希」
「あんた次は遅刻するんじゃないわよ」
ふらふらと歩く美希の背中を、笑顔で見送る貴音を、横目で眺める。
……最近気づいたことだけど貴音の表情って基本的に2パターンしか無いのよね。
何考えてるんだがさっぱりわかんないけど、無表情でだんまりしてる時。
それと、何考えてるんだかさっぱりわかんないけど、ちょっと楽しげに笑う時。
きっとポーカーをやったら765プロで一番強いんでしょうね……。
まぁ、常識知らずのこいつがルールを知ってるか怪しいもんだけど。
せっかくだし今度教えてあげようかしら。
そう言って、貴音は銀髪をかきあげる。ほのかに甘い匂いが鼻をくすぐった。
私は、うさちゃんを少し強く握って、見上げて言った。
「ねぇあんたって、私といて楽しい?」
「それは、もちろんです。伊織との日々は、かけがえの無いものですよ」
「なっ……!」
こ、こいつは……。
こういう気恥かしげなことも平気で言ってのけるから驚いたもんだわ。
呆れている私を見て、貴音は私の身長に合わせて膝を曲げた。
途端に眉を八の字にしてうろたえる。
「も、もしや伊織は、私といて楽しくないのでしょうか?」
「はぁ、楽しいわよ、色々な意味でね……」
「わたくし伊織にまた嫌われてしまったらどうしたものかと……」
「あんたは私が認めてあげたライバルなんだから、も~っとしゃきっとしなさい」
「ふふっ、そうですね、伊織には負けませんから」
それでも私が一番なんだけどね!
ま、でもあんたもソコソコかもね。
……たまに、貴音の普段とは違った表情を見ると、
ほんのちょっとだけ今日はラッキーな日だったわって、思った。
「食パン1枚でいいわよ!」
たくさんの料理の中から、オレンジジュースだけを選んで掴む。
グラスから水滴がこぼれて、テーブルクロスにシミを作った。
大急ぎで飲み干して、鏡を見ながらヘアスタイルを整える。
ち、遅刻じゃない!
今日は、よ~~やく新しいプロデューサーが来る日だっていうのにっ!
このスーパーアイドル伊織ちゃんの実力を魅せる時がついに来たのね!
無言で銀色のプレートを片づける執事に、リボンを選びながら言った。
「あ、言っておくけどこの前の超高級のヤツにしなさいよね!」
「かしこまりました」
最近は、早朝から貴音とのレッスンがあるから、ゆっくりモーニングジュースも飲めないのよね。
お腹が減ったら事務所のお煎餅でも齧ろうかしら。
「伊織、アイドルはまだ続いているようだな」
……髪を結ぶ手がピタリと止まった。
お兄様、今日は家にいるのね。
振り向かずに、きゅっとキツく結び目を作る。
「……ま~たイヤミを言いに来たのかしら」
「いや、正直、最近のお前が羨ましいよ」
「えっ」
驚いて振り返る。そのまま固まる。
お兄様は、水瀬の標語をじっと眺めている。
ブラックコーヒーを、最小限の手つきで口へ運んだ。
……今、何て言ったのかしら。
「な、なによいきなり」
「水瀬グループの社長なんてやってると、どうしてもキレイ事じゃ済まされないことも出てくる」
「……」
「その点、伊織。お前の仕事が羨ましくもある」
「……」
素直に嬉しかった。お兄様が私のことを少しだけど認めてくれた。
目の前がぼやける。慌てて腕で拭う。
「後はもう少し結果を残してくれれば言うことはないんだがな」
「……っあったり前でしょっ!」
うさちゃんを掴んで、急いでお兄様の隣をすり抜ける。
顔をゼッタイに見られないように。
重たい扉を押して、外へ出ると、かすかに蝉が鳴いていた。
太陽がじりじり照りつける。じっとりと汗を掻く。
季節はいつのまにか夏になっていた。
最近は深夜番組のミニコーナーくらいの仕事は舞いこんでくる。
この先は、今日来るプロデューサー次第ってとこね。
貴音、ユニットが組めそうよ。
一体、その時あんたはどんな顔をするのかしら。
「にひひっ」
「うっ……男の人ですぅ……」
「あらあら~ そんな緊張しないでちょうだい~」
その音が掻き消されるように、私たちのざわめきが事務所に響く。
更にそれより大きな声で、そいつは深くお辞儀をした。
「あ、あのっこ、これからよろしくお願いします! これから765プロのプロデューサーになりました……」
テレビでは大手プロダクション提供のCMが流れてる。
CGまで使っちゃって随分と手が込んでるじゃない。
ふぅん、961プロっていうのね……。
「目標は……そうだ! うちでもこんなコマーシャルが流せるくらいの事務所になることです!」
鼻息を荒くして、テレビを強引に叩く。
砂嵐が一瞬映って、すぐに妙な高笑いがテレビから聞こえる。
真っ白なホワイトボードをみんなが一斉に眺める。
「が、が、が頑張ります!」
……やる気はあるみたいだけど、なんか空回ってる感じね。ホントに大丈夫なのかしら。
「あふぅ、そこの人~。ミキ、お昼寝してるんだから静かにしてほしいの」
ソファで毛布に包まっている美希が言う。
「美希、いくら頼りの無い殿方といえども、礼節が足りませんよ」
貴音がいつもの声のトーンで美希を揺する。
「あ、あはは……」
新人プロデューサーの顔が引きつる。
「あー……この二人ちょっと天然入ってるから気にしないでちょうだい」
皆が新人に注目する中、なぜか律子だけが私をじっと見つめていた。
ソファでお煎餅を齧りながら5冊目のノートにペンを走らせる。
「どう思う?」
「どう?とは」
貴音はこの蒸し暑い日に、紫のカーディガンを羽織って煎茶をすすっている。
安いボールペンで顔をテキトーに書いてみた。とんとんとペン先で叩いて言った。
「こいつよ、こいつ」
「誠実な殿方で好感が持てるのではないでしょうか」
「ふぅん」
あんたはそう思うのね……。ま、悪いヤツじゃ無さそうだけど。
いつのまにか反省会ノートは、ただの自由帳になっていた。
ラーメン屋の名前がびっしりと並んで、上から順に一口メモが並ぶ。
二十郎とかなんだかに行った時は思わずカルチャーショック受けちゃったわよ……。
「美希は?」
「ん~これ誰?」
「聞いた私が悪かったわ……」
美希はその周りにまた私たちの似顔絵を書く。至る所にハートや星を散りばめる。
その時、遠くで律子が私に向かって手招きしているのに気づいた。
……一体何の用かしら。
「ちょっと行ってくるわ」
思わず、うさちゃんを床に落とす。
のぼせた頭から、熱が段々と引いていく。
律子が満面の笑みでクリップボードを握りしめる。
「ふふふ……驚くのも無理はないわね」
「ど、どういうことよ」
「前にちゃんと言ったでしょ、ユニットを組む気が無いかって」
「それは聞いたけど……」
「あの頼れるプロデューサー殿が来てくれて、私もようやくこのプロジェクトに専念できるわ」
“頼れる”という部分を強調て律子は言った。
武者震いをしながらクリップボードを差し出す。
私と、あずさと、亜美のポラロイドが張ってある。
その下にずらりと契約スポンサーと出演予定番組が並んでいる。
「おめでとう。この先1年間はもう色んな番組に引っ張りだこよ」
「1年……」
目を逸らすと、律子は不思議そうな顔を浮かべた。
「どうしたの? 嬉しくないの……?」
嬉しいわよ……今すぐ兄さんにメールで報告したいくらい……。
嬉しいけれど……。
私は、スカートの裾をぎゅっと握りしめて、目をキツく瞑った。
すると、貴音のいつもの笑顔が、瞼の裏にぼんやり浮かんだ。
貴音の表情は変わらない。
だけど、微かにカップを持つ手が震えていることに私は気付いた。
──では、いつか皆で、更なる高みを目指しましょう
あの嬉しそうな横顔を思い出す。
貴音はよく笑う。
けれど子供のようなあの無邪気は笑い方は、その時だけだった。
「……」
喉が渇いてきたわ。
だけど、目の前にぼんやり映るアイスコーヒーを飲む気にはどうしてもなれなかった。
私は、絞り出すように言った。
「ね、ねぇ。私断ろうかと……」
「水瀬伊織、いけませんよ」
「えっ……」
顔をあげると、いつになく真剣な顔をした貴音がいた。
「律子嬢の想いを、汲むべきです」
「だ、だって……!」
「それに、わたくし達のした約束は、高みを目指すこと」
「……」
「あなたと共にいる事ではありません。違いますか?」
──違うわよ。
「えっ……」
驚いて、周りを見渡す。いつものカフェの光景が広がっているだけだった。
今、私と全く同じ声がどこからかしたんだけど……。
そして、なぜか胸の奥がむず痒くなった。
その感覚はすぐに体の奥へと引っ込んでいく。
気のせい……か。
「伊織……?」
「……」
私は、ひとつ、小さく頷いた。
「わ、わかってるわよ」
顔を下に向けて、笑顔の練習をする。
ピカピカのタイルには、口の端がひくひくと引きつった私が映っている。
……負けないわ。
「……にひひっ」
「ふふっ、それでこそ伊織です……おや」
そう言って、貴音は突然人差し指を立てて口をぽっかりと開ける。
こ、今度は何よ……。
「わたくしに少々考えがあるのですが」
美希が口に咥えたペンライトで照らす。
ゆっくりと開けると、ピンク色のフリルのついたステージ衣装が入っていた。
「なんだかこういうのドキドキするね~」
「バレたら律子にこってり絞られるわよ……」
貴音は神経を張り詰めさせて、入口を見張っている。
「気配を察知したら、わたくしが合気道で……」
765プロ秘蔵のステージ衣装に、袖を通す。
ピッタリと身体に張り付いて、軽くて動きやすい。
スポットライトの中で踊れたら、きっと最高の気分なんでしょうね。
着替えが終わると、貴音が持ち込んでたカメラを用意する。
しばらく手のひらで転がしていると……貴音の首が斜め45度傾いた。
「あーいいわよ、私がやるから……」
ペンライトで照らしながら、タイマーをセットする。
何を言いだすかと思ったら……。
ほんっとーに貴音といると飽きないわ……。
「じゃ、いくわよー」
机にカメラを置いてボタンを一つ押す。
暗闇の中、ピッ……ピッ……と規則的な音が鳴る。
二人の待つ窓際に立って、うさちゃんを抱きしながら、歯を見せて笑った。
美希は顔の横で人差し指と親指を立てて、ウィンクする。
貴音は……
……へぇ、あんたピースサインなんてするのね。
また、知らない貴音の一つを見ることが出来たのね。
そう思ったら、胸の奥でトクン、とひとつ音が鳴って……。
じんわりと、そこから熱が広がった。
貴音に手を握られた時に似ていた感覚だった。
その瞬間、それを上書きするかのようにフラッシュが瞬いた。
貴音は、私と美希の肩に手の優しく乗せて言った。
「1年後、これを夢現では無いと証明しましょう。各々道は違えど、目指す場所は一つです」
続けて、貴音は言った。
そしてこの日々をいつまでも忘れないように、って。
「あの日……」
「えっ……」
私の頭を撫で回す手が止まる。
振り子時計の鐘の音はずっと鳴り響いて、感覚をマヒさせる。
まるでここは、お伽噺の中みたいね。
「今思えば、あの夏の日が、皆で集まれた最後の日でしたね」
「……」
それも、きっと私のせい。
口を開こうとすると、喉の奥が詰まる。
鼓動がゆっくりと高まっていく。密着している貴音にもきっと、伝わってるに違いないわ。
「さぁ、続きをどうぞ。伊織の思うままに」
ワガママなのはわかってる。
だけど私は、それでも貴音にずっと傍にいて欲しい
七彩のスポットライトが重なって、私を照らす。
手を振るたびに、大きな歓声が沸き起こる。
その声援をシャワーのように身体に浴びると、とっても気分がいいわ。
──いおりんのダンスマジ最高!
そんな声がドームに反響して、至るところから聞こえる。
あずさがおっとりした動きで、ステージのギリギリまで立って微笑む。
「みなさ~ん、私たちのライブに来てくれてありがとうございます~」
亜美があずさの背中に勢いよく飛び乗った。
「イエーイ!これからも亜美たちはメチャ頑張るよ→」
正面に立って、マイクを握りしめて言った。
お決まりの笑顔をつくる。
「にひひっ。みんな次のライブもよろしくお願いしまぁす」
竜宮小町を結成してもう3カ月。季節はもう秋ね。
もうしばらく行ってないけれど、カフェの前の桜並木はきっと紅葉がキレイなんでしょうねぇ。
「お疲れ様、今日も良かったわよ」
「あったり前じゃない。私をダレだと思ってるのよ」
熱気がこもった身体がゆっくりと冷めていく。
汗がだんだんと冷えていって、興奮がおさまっていく。
……最近は山のように仕事が入って事務所もロクに立ち寄れないわ。
はぁ~たまにあのしょっぱいお煎餅が恋しくなるのよね。
パープルを基調としたステージ衣装が、汗で身体に張り付く。
シャワーを浴びたい気分だったけれど、私はまっすぐ楽屋へと戻る。
お兄様がご褒美にプレゼントしてくれたバッグから、携帯電話を取り出す。
メールをチェックっと……。
0件、ね。
一つ、小さなため息をついてソファへ投げ捨てた。
胸の辺りをきゅっと握りしめる。
今日はもう帰ってすぐ寝ましょう……。
何かあったら新堂に申しつけろ。
お父様は大きなキャリーバッグを引きずって、私の頭を撫でる。
「う、うん。行ってらっしゃい。次はいつ帰ってくるの?」
そう聞くと、いつもお父様は、すぐ帰ってくる、とだけ言う。
だけど、その「すぐ」が3日だったり、3カ月だったりする。
リムジンに乗り込むお父様を、何十人もの執事と一緒に見送った。
「……」
──伊織、何が欲しい? 欲しいものなら何でも買ってやる。
お父様は財布を取り出して言う。来週は私の誕生日だった。
去年はジュエリーを好きなだけ貰った。一昨年は私専用の別荘。
「ね、ねぇ。お父様、今年はね、家に……」
言いかけて、止めた。
「ぬいぐるみでいいわ。ぬいぐるみを買ってちょうだい」
違うの、お父様。私が本当に欲しいのは……
……。
瞳をゆっくりと開くと、ガラスのシャンデリアがそこにあった。
「……」
電気スタンドを手探りで付けて、備え付けのミネラルウォーターを口に含む。
どうして昔のことなんて夢に見ちゃったのかしら。
私らしくないわね……。
淡い蛍光色が灯る。
……そのまま、そっと携帯電話を閉じる。
最近、貴音とはぜんぜん会ってない。
たまに事務所のホワイトボードを眺めると、貴音の欄には
ちらほらと「地方営業」や「番組収録」って文字がサインペンで書かれていた。
美希も貴音も、あのプロデューサーと順調にやってるみたい。
特に美希はレッスンをやけに頑張るようになった。
あのいつも寝ていた美希が……世の中どうなるかわかったもんじゃないわね。
……そう、先のことなんて、どうなるのかわからない。
また胸の奥が、優しい熱を帯びた。
あの日から、この仄かな温もりは段々と大きくなっていった。
浮かぶのは、決まって貴音の笑顔。そればっかり。
……一体なんなのかしら、これ。
私は、この不思議な感覚に名前をつけることができなかった。
ハンドルを握る律子が、不敵に微笑んだ。
窓ガラスからは、昔よくリムジンで通った765プロへ続く道が見える。
枯葉が舞い落ちて、歩道が赤く染まっていた。
そういえば、貴音とオーディションへ行く時にいつも通っていた。
……秋って、変にノスタルジックになっちゃうからイヤよね。
「伊織?」
「えっ? あっえぇ、わかってるわよ」
「あの961プロダクションとの対決よ、相手にとって不足は無いわね」
「961プロダクション……ね」
あのテレビに映ってた悪趣味な社長がいるトコね。
ま、どんな相手でも正々堂々、この伊織ちゃんの力を見せつけるだけよ。
「あっ……」
その時、窓から一瞬だけ、秋の景色にはちょっと不釣り合いな銀色が視界に入った。
慌てて、振り向く。
遠ざかっていく景色の中、貴音が、プロデューサーと歩いていた。
何か冗談を言ったみたいだった。口元に手を当てて、とびきりの笑顔を見せている。
突然、どうしようも無く胸が苦しくなった。
ズキズキと針が刺さったように、痛みが走る。何よこれ……。
こんな情けない姿を見られたくなくて、そっと隠れるように、うずくまった。
「おやぁ~? 一体どうしたのかな」
「あ、あんたの仕業でしょ! 卑怯よこんなのっ!」
頭に血が昇って、何も考えられなくなる。
私のかすんだ視界の先に、口元をぐにゃりと歪ませた顔がうつる。
ソイツの胸倉を掴む私を、あずさと亜美が肩を掴んで止める。
何で……何で急に課題曲が土壇場になって変更になるのよ!
しかもその曲が以前961プロがカバーしたものって……偶然にしてはちょっと出来過ぎよ!
それでも、私たちは僅かな残り時間で、必死に練習した。
けれど、いきなり本番でBGMが止まるアクシデントが起こった。
練習の時はなんとも無かったのにっ……!
「あ、あんたこんな事してまで勝って嬉しいの?!」
いきり立つ私を、黒井が冷笑する。襟を正しながら言った。
「なぁにを馬鹿なことを。勝負事は勝つことが全てだろう」
「まっ……待ちなさい!」
「反省して、よくよく覚えておくんだな、成金」
「……!」
血が出そうなほど唇を噛みしめる。
悔しい……! なによ……私が……間違ってるっていうの……!
「わかってるわよ、だけど今日はちょっと一人にさせてちょうだい」
……。
ふらふらと、急な階段を一段ずつ昇る。途中、何度かつかえて転びそうになる。
「非常出口」の標識の灯りに虫が群がる。
かすかに蛍光灯の光が漏れる事務所の扉の前に立った。
……ここも、久々ね。
不意に、ポケットから振動が伝わった。
携帯電話を取り出して、ゆっくりとボタンを押す。
[ミキ:おデコちゃん久しぶり。この前ね、プロデューサーさんがね~……]
……相変わらずお気楽よね。
ていうか最近いっつもプロデューサーがどうのこうのってメールばかりじゃない。
返信する気にはどうしてもなれなかった。ポケットにゆっくり戻す。
その時、目の前で扉がきしむ音がした。
顔をあげると……。
ちょっと羨ましいくらいの大きなバストがそこにあった。
更に顔をあげる。
「何をしてるのですか。こんな遅くに」
「貴音……」
こんなみっともない顔、見られたくなったし。
それに……。
貴音の顔を久々に見たら、何故か顔が焼けるように熱くなった。
本当に、なんのよこれ……。私、病気なのかしら……。
呟くように、言った。
「あんたこそ、何してるのよ」
「わたくしは、プロデューサー殿に大事な用事があったのです」
「そう、あいつ色んなトコ駆けずりまわってるものね」
「……」
そっと、私の肩に何かが触れた。懐かしい、貴音の手の平の感触だった。
「……敗れたのですね」
「……うるさいわよ」
「あなたはオーディションに落ちた時はいつも、そのような面持ちで夜更けまでレッスンをしますね」
「……うるさい」
「水瀬伊織、あなたはとても芯の強い人間です。わたくしは、そんなあなたを見ていると力がわいてくるのです」
「……うるさいっ……」
思い切り首を横に振る。
涙がこぼれそうになるのを、必死で堪える。
貴音の穏やかな声が、私の中に滑り込んで、蕩ける。
「……」
そのまま、沈黙が流れる。
灰色のアスファルトをひたすらじっと見つめる。
しばらくして、乗せられた手がそっと離れた。
「わかりました、では……」
それだけ言って、床にまで伸びる銀髪が視界から不意に消えた。
コツン、とひとつハイヒールが鳴る音が廊下に鳴り響く。
──伊織、何が欲しい?
「……」
「伊織……?」
気づいたら、私は貴音のスカートの裾を力無く握っていた。
「……」
また静けさが広がる。
すきま風が吹きつけて、身体を突き刺す。
遠くで換気扇の回る音が、妙に耳にこびり付く。
「なにか、わたくしに申すことでも……?」
曖昧な、その胸の底に溜まっている気持ちを、ただ理解したかった。
何度も何度も、自問自答を繰り返す。
どうして、私はこんなにこいつを見ると、胸が苦しくなるのかしら。
何か言おうとしても、喉で絡まって、言葉が出てこない。
「私は……」
……。
銀色の後ろ姿が、段々と小さくなっていく。
ハイヒールが床を打つ、小気味良い乾いた音も……やがて消えた。
結局、私は何も言えなかった。
そして、誰もいない事務所で、
私はプロデューサーの机に置いてある一通の手紙を見つけることになる。
それに少しだけ違和感を感じて、偶然目に止った。
ま、人の手紙を勝手に覗き見るなんてシュミ悪いわよね。
すみっこに置かれたホットコーヒーは、まだ湯気をたてていた。
どうやら一応アイツはちゃんと来てるみたいね。
ロッカーに置きっぱなしになっている、埃の被ったノートを拾い上げた。
めくっていくと……ステップの改良、好きな食べ物、
○×ゲーム、ポーカーのルール説明、週末のショッピングの場所。
そして、私の書いたプロデューサーの落書きと、美希の3人の似顔絵のページ。
そこから先は、白紙が続く。心無しかハートマークが増えている気がする。
「……」
不意に、かすかに開いた窓から秋風が吹いて、手紙が床へと落ちる。
私はそれを拾い上げる。
あら、この字……どこかでよく見た気がするわね……。
悪いとは思いつつも少しだけ、指先でめくるように、中を少しだけ覗きこむ。
「……!」
その手紙の内容は、最初の一行で理解できた。
お腹の底から、ドロドロの真っ黒い何かがせり上がる。
体が一気に強張って、思わず舌を噛みそうになった。
──プロデューサー殿。わたくしは、あなた様に恋焦れております。
うそ……でしょ……!
必死に、デスクに戻そうとするけど、体が鉛のように重くて動かない。
呼吸ができない。視界がかすむ。
必死に目だけを動かしていく。手紙の文末は……。
もし、わたくしの気持ちが届かないのならば、全て忘れ去ってください。
それを見たとき、ある一つのアイディアが浮かんだ。
その瞬間、頭の中に濁流のように、意識が流れ込む。
──水瀬の基本理念、欲しいものは勝ちとること。
──正々堂々、欲しいものは自分で勝ちとってみせるんだから!
──どうしてもキレイ事じゃ済まされないことも出てくる
──勝負事は勝つことが全てだろう
渦のように、ぐるぐると掻き混ざる。
「やめて……」
誰か私を叱って止めて……。止めてよ……。……貴音。
背中から、ドアが軋む音がした。
心臓が跳ねあがる。
振り向くと、コンビニのレジ袋を抱えたプロデューサーがそこにいた。
「おぉ、伊織。久しぶりだな。どうしたんだ? こんな夜更けに」
「……あ……」
私は、気づいたら手紙をぐしゃぐしゃに握りしめていた。
何知らぬ顔で腕時計を見て、プロデューサーは言う。
「丁度、夜中の12時だ。送っていくから今日はもう帰れ」
鐘の音はまだまだ鳴る……。それにしても長いわ。
「……」
貴音は私の告白をただ黙って聞いていた。
瞳を閉じて、人形のように、ただただ私の言葉に耳を傾ける。
身震いするこの身勝手な体を、なんとか収めつつ言った。
「な、なにか言いなさいよ……」
「……」
「話を」
「えっ」
「話を続けてください」
感情のこもって無い、平坦なトーンでぽつりと言った。
私の背中に回す貴音の指先が、氷みたいに冷たい。
思わず鳥肌が立つ。
そして……。
そして……あまりにあっけなく、貴音の恋は終わりを告げる。
いえ、始まりすら無かった。私のせい。
765プロオールスターライブのために事務所に集合したその日。
髪をばっさり切り落として、茶髪になった美希が満面の笑みで言った。
その隣でプロデューサーが、苦笑を浮かべて頬を掻く。
「ミキね、ハニーとラブラブになっちゃったの~」
「お、おい……」
「トップアイドルになったらね、結婚してくれるんだって」
「ばっ……! それは内緒だって……」
……!
大きな祝福の声があがる。
真が茶化したり、あずさが羨ましいと言って嘆いたり……。
その中で、私と、貴音だけがただ呆然と立ち尽くしていた。
やがて、貴音は大きな瞳をそっと閉じて、泣きそうな声で言った。
「おめでとうございます……美希……どうかお幸せに……」
その声はしばらく私の頭の中で、ひたすらリフレインした。
ぐるぐると、同じ思考が回り続ける。
「…ぅ…!」
もしかしたら、手紙を受け取っても結果は変わらなかったのかも知れない。
だけど、プロデューサーの隣に立っていたのは貴音の可能性もあった。
今だともう、決してわからないこと。
貴音を深く傷つけた罪悪感の片隅で、これで良かったって思う自分が堪らなくイヤだった。
私は、貴音に謝らなくちゃいけないわ。
だけど、それがどうしてもできない。
ジレンマに押し潰されそうになる。
気づいたら朝だった。
執事が、また機械的な手つきで山ほどの朝食を並べる。
「お嬢様、今日のメニューは……」
「……いらないわ」
この広い部屋でいるのは私だけ。
てきぱきと、執事がオレンジジュースやパイをかたずけていく。
壁にかかったカレンダーをチェックする。
家族が帰ってくる予定は、全て未定だった。
……私は……私はただ……そう、貴音が欲しいだけ……。
枯れた落ち葉を踏む。ぱきぱきと割れた音を鳴らす。
もうすっかり寒くなってきたわ。
そろそろ、冬が来るのね……。
朝の陽ざしが、事務所の扉を照らす。
一つ、深呼吸をした。白い吐息が霧のように立ち込めて、すぐに消える。
ドアノブに手をかけようとすると、中から声が聞こえてきた。
「ねぇ、どうして? ミキ何か悪いことしたのかな?」
「お許しください……」
「せっかくの二人でのお仕事なんだよ? おデコちゃんもきっと来るよ。貴音楽しみにしてたよね」
「わたくしは、わたくしはなんと愚かなのでしょうか……」
「ちゃんと言ってくれなきゃわかんないよ」
そのまま、何も聞こえなくなる。
消え入りそうな足音が近づいてきて、ゆっくりと扉が開く。
「あ……」
「……!」
貴音は、私を見て大きく目を見開いた。
「くっ……!」
「まっ……!」
そして、そのまま何も言わず背を向けて走り去っていった。
引き留めようとした手が、視界の先で揺れる。
貴音……泣いてた……。
このところ、この感覚がまとわりついて離れない。
「そろそろ1年がたつけれど、あなたはリーダーとして本当に良くやってくれたわ」
「……」
律子の声が、ノイズがかかったみたいに聞こえる。
書類を渡される。簡単なチェックシートみたいなものだった。
765プロでの契約期間は、基本的に52周。
そこで一旦、引退コンサートを必ず行う。
なんだか変な話だけど、とにかく、私はもうすぐ大きなドーム公演を控えている。
「そこから先はあなたの自由よ。私の勝手に付き合ってくれて本当にありがとう」
「私は……」
「今すぐ決める必要は無いのよ、ゆっくり考えてちょうだい」
……。
他の皆はみんなアイドルを続ける、と即答していた。
その中で、美希だけはプロデューサーとの婚約があるから、出来次第ってことになる。
最近の、美希の熱意の入り方は尋常じゃなかった。
初めて出会った時とは信じられないくらいにレッスンをこなすし、仕事も全くサボらない。
そして……。
私は、一番送信履歴の多い相手にメールを送った。
[あんたは、どうするの?]
「四条さん、あんなに高みを目指すって……」
いつもの事務所が、これ以上無くざわつく。
ソファに座る貴音が、目を伏せて言った。
「もうよいのです。このままではきっとわたくしはもう、歩けませんから」
「でも……」
「いつからかわたくしは、脆くて愚かな心に囚われていた。それだけのことです」
貴音の視線が、わたしに向く。
そして、ゆっくりと微笑んだ。
「……!」
貴音の微笑は今まで何度も見てきたから、きっと私だけ気づいた。
その中には……感情が、全くこもっていない。
今までの貴音の笑顔には、温もりがあったんだって知った。
ぐっと、うさちゃんを握りしめて、何かを耐えた。
貴音は、色の抜け落ちた瞳で言った。
「わたくしは、故郷に帰ろうと思います」
執事がトレイにオレンジジュースを持ってくる。
私はそれを受け取って、ぼんやりと考える。
私たちが目指した場所はひとつのハズだった。
だけど、振り返ってみると……。
美希は全てを。そしてプロデューサーを手に入れた。
貴音には、何も残らなかった。
私には……一体何が最後に残るの?
胸の奥が、またむずむずする。
そして、締め付けられるような痛みが襲う。
「……!」
この気持ちが、ハッキリすれば貴音とも向き合える気がする。
ソファでうなだれていると、革靴が大理石を叩く音が聞こえた。
小さな紙袋を私の前に置く。きっとご褒美のネックレスか何かね……。
「伊織、久しぶりだな」
「……」
プロデューサーにも、美希にも、律子にも相談できない。
ちょっと気は乗らないけれど……。
私は、引き留めるように腕を握って……ぽつりと言った。
「お兄様、ちょっと聞いてほしいことがあるの」
全て話し終えたらと、また身体が熱っぽくなる。
お兄様は、私の眼をひたすらじっと見つめて、話を最後まで聞いていた。
「……」
お兄様は腕を足の前で組む。そのままぴくりとも動かない。
それから、ひたすら沈黙が流れる。
壁際の、古時計の振り子が降られる音だけが鳴る。
やがて、お兄様は重い口を開いた。
「……諦めろ」
「……えっ」
「お前は水瀬財閥の令嬢だ。いずれ後悔する」
「い、言ってる意味がよくわからないわよ……」
「お前では背負いきれない」
そう言って、お兄様は立ちあがって去っていく。
去り際に、一言だけ言った。
「問題なのは、お前の覚悟だ」
えっ……。
かく……ご……?
私は、その言葉を噛みしめた。
「覚悟……」
無事に成功。私はピンクのライブ衣装を身に纏って、
大歓声の中、マイクを置いてステージを下りる。
……。
貴音は、紅茶を掻き混ぜる。そのまま口へ運ぶ。
「おめでとうございます。水瀬伊織」
「……」
貴音の空っぽの笑顔が、心臓を突きさす。
「待たせたわね」
「……?」
貴音は無表情というより、無機質な顔で私をみつめる。
ブラックコーヒーを、一口含む。
そのまま、一気に飲み干した。
「1年も待たせて、本当にごめんなさい」
「……」
その言葉の意味を理解したのか、貴音はやがて苦しそうに顔を歪めた。
「何故ですか?」
「あんたが、その、大切、だから……言える立場じゃないけど……」
「……」
貴音は横目で、ひとつだけぽっかりと抜け落ちた空席を眺めて、言った。
「伊織、あなたはいけずですね」
……そして、私は覚悟を決めて、貴音を部屋へ呼んだ。
「ん……」
貴音の匂いがする。
柔らかで、花のような、甘い香り。
「ふふっ、どうしたのです。いきなり抱きついたりなどして」
「……別に、何でもないわよ」
「そうですか」
「でも、特別にもう少しこのままでいてもいいわよ」
くすくすと鈴の音のような笑い声がする。
おデコをかきあげるように、驚くほど冷たい貴音の手の平が這う。
見上げると、貴音は寂しそうに満月を眺めていた。月明かりが横顔を照らしてる。
「……一度しか言わないから、よく聞きなさい」
「貴音、ずっと私の、その、傍にいなさい……よね」
これで私の告白は全て終わり。
古時計を見ると、針が十二時ピッタリで止まっていた。
そのまま、少しだけ右にズレ動いて、また戻る。
……どうりで長いと思ったわ。
「……」
貴音は、眠っているかのように動かない。
……許す、なんて都合のいい言葉は聞きたくないわ。
私を叱ってよ。殴られるのも、覚悟のうちだから。
「貴音……?」
おそるおそる聞くと、貴音は口を開く。寒気が体を駆け巡った。
だけど、聞こえた言葉は意外なものだった。
「えっ」
「うすうす感じてはいました。あなたがあの夜に、手紙に気付いたであろうことは」
「それって……」
「伊織のことならば、何でもわかりますから」
そう言って微笑む。抜け殻の貴音。
「ですが……わたくしも怖かったのです。真実を知ることが」
「……」
「伊織、あなたを、信頼するあなたを、例えほんの少しでも恨みたくはなかった……」
そう言って、貴音は手の平で私の胸をとんと押す。
また、じわりとそこから熱が広がる。
貴音は窓際の手すりに手をかけて月を眺める。
「伊織の兄方の言う通りです。わたくしなどとと居ても伊織は、きっと後悔しますよ」
そして、震える声で言った。
「忘れましょう。全て。なにもかも。わたくしとあなたは、出会ってなどいなかったのです」
えっ……。
忘れる……。
それは私にとって、何よりも優しくて、何よりも残酷な言葉だった。
「い、いやよ!」
私は、喉を奥が痛くなるくらいに、思いっきり叫ぶ。
振り返って、真剣な顔で貴音に言った。
「では、あなたに背負いきれますか? 過去と現在と、未来。そのすべてを」
「うっ……!」
「わたくしでは、とてもとても出来ぬことです」
「……」
私の曖昧でハンパなあの気持ちが、わだかまりを作っている。
──私は、こんな抜け殻のような貴音が欲しかったの?
「……伊織、そのほうがお互いにとって良いことなのですよ」
「わかった……わよ……」
遅れて、自分の声だって気づいた。
──なにもわからない。
「悪かったわね……手紙……返すから……」
段々と、その音が意識を麻痺させる。
なんだか半透明な膜の中にいるみたいだった。
「……わたくし、様子を見てまいります」
ゆっくりと時計に近づいていって、貴音は背を向けて跪く。
私は、そんな貴音を横目で見ながら、
大切にしまってある小さな箱の蓋を開けた。
くしゃくしゃになって黄ばんだ手紙を取り出す。
昔よく遊んだオモチャとか、昔のお父様からのプレゼントとか、
とにかく私が大切に思ったものは全部ここにしまってあった。
……辛くなるから、すべて返すわ。
あなたと笑ったことも。フタリの記憶を全て。
ふと、ぼやけた視界の先で、あるものが目に止った。
小さな小さな、一枚の白い紙だった。
これって確か……。
指先でつまんで、拾い上げる。
それを、そっと裏返すと……。
「……!」
──1年後、これを夢現では無いと証明しましょう。各々道は違えど、目指す場所は一つです。
満面の笑顔を浮かべた写真が折り曲がって入っていた。
私と、美希と、貴音の3人の、ピカピカのステージ衣装で映っている。
「っ……!」
その写真を見て、私が本当に欲しかったものは、この貴音との日々のそのものだってことに気づいて、
そして、それはもう二度と手に入らないものだと悟ってしまったとき……。
「……ひぐっ……!」
今頃私は、涙が溢れて止まらなくなった。
「これは一体……異国の時計でしょうか……」
貴音は、相変わらず膝をついて時計と睨めっこしている。
一歩ずつ、貴音へと歩み寄る。
どうせ、あんたじゃ直せないわよね。
……あんたが機械に疎いのは知ってるわよ。
英語が全く読めないことも知ってる。視力が悪いことも、、
コーヒーよりも紅茶が好きなことも、ポーカーは案外弱いことも、
普段は抜けてるくせに妙に勘が鋭いことも……。全部知ってる。
そして、あんたはやっぱり私がいなくちゃダメってことも。そうでしょ?貴音。
だってあんた、未だに一人で電車に乗れないじゃない。
「いお──」
私は、そっと貴音の頭を胸に引き寄せて、強く抱きしめた。
頬に貴音の、銀髪のさらさらした感触が伝わる。
貴音の生温かい吐息が、体の芯まで伝わってくるようだった。
更に力を込めて抱きしめる。
この体から溢れ出しそうな想いを、決してこぼしてしまわないように。
ありがとう、貴音。
果てしない時間の中で、あなたと出会えたことが何よりも私を強くしてくれた。
……月にはウサギがいるっていうけれど、本当の話かしら。
貴音は、床にぶらりと下げた腕を、おそるおそる背中に回す。
そのまま、くすぐるように指先が表面をなぞって……。
やがて、ほんのすこしだけ力がこもった。
ねぇ貴音、もうすぐ、また私たちが出会った春がやってくるわよ。
今年は去年よりもずっと寒いみたい。
冬を越えて、枯れた命は証を残す。また新しい花が芽吹くのね。
そして、暖かな風が優しい香りを運ぶ。貴音と同じ香りを。
ねぇ、貴音、ねぇ……。
──貴音、好き……。
私はそっと、貴音と手と手を重ねて、壊れた時計の針を右へと進めた。
2度でも3度でも書いてよ
乙!
どのSSでも美希は美味しいとこもっていくな…
Entry ⇒ 2012.01.14 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
雪歩「温泉掘り当てちゃいましたぁ・・・」
雪歩「やっぱり私なんてダメダメですぅ・・・・」ザクッ
雪歩「もう二度と出れないくらい深い穴を掘って、一生埋まってやりますぅ~!!」ザクッ
雪歩「・・・あれ?」サクッ
雪歩「なんか、だんだん土が柔らかくなってきたかも・・・・」サクッ
ゴゴゴゴゴ・・・・
・・・ズドドドドドドドドドド!!!!!!!
雪歩「!?」
P「うん、気持ちのいい朝だ!」
P「天気もいいし、今日も一日元気にプロデュース頑張っていこう!!」
P「こんなに早く出社するなんて久しぶりだな・・・・って、あれ?」
『おいでませ! 萩原温泉』
P「え?」
P「・・・・」ゴシゴシ
P「・・・・えっ?」
その発想・・・天才か
P「それが、なんで温泉になってるんだ?しかも萩原温泉」
P「・・・・・」
P「ま、考えても仕方ないか。とりあえず中に入ってみよう」
P「どうせ温泉なら朝シャンするのも悪くはないかな!ははっ」
雪歩「あっ・・・お、おはようございますぅプロデューサー!」
雪歩「萩原温泉へようこそっ」ニコッ
P「いやぁー・・・まさかこんな都内のど真ん中で温泉に出会えるなんて、思いもしなかったよ」
雪歩「えへへ・・・プロデューサーは、お一人様ですか?」
P「ああ、大人一人で!」
P「・・・・って違ーーーーうっっ!!!!!」
雪歩「ひぃぃっ!?」ビクゥ
P「何をどうしたら昨日まで事務所だったビルが温泉になってるんだよ!!」
雪歩「ご、ごめんなさいぃ・・・・昨日穴を掘ってたらつい、温泉を掘り当てちゃったみたいで・・・・・」
P「だからってなんで温泉にしちゃったの!?事務所はどこいったの!?」
雪歩「うぅぅ・・・お父さんが勝手にこりゃあいいや!って言って、大浴場に改築しちゃったんですぅ・・・・・」
P「よくないよ!全然よくないよ!」
雪歩「あっ、それなら・・・・」
社長「ああ君か。おはよう!朝から騒々しいが、どうかしたのかね?」
P「どうかしたのかね?じゃないですよ社長!俺達の事務所が大変な事になってるじゃないですか!」
社長「いやあ・・・大変素晴らしい湯加減だったよ。たまには朝風呂というのも、いいものだねえ」
P「・・・へっ?」
社長「まあまあ、今日はまだ始まったばかりだよ。君もここは一つ、ゆっくりと朝の温泉を堪能してみるのもいいんじゃないかな?」
P「・・・・・」
P「大人、一人で」
雪歩「かしこまりましたぁ!えへへへっ・・・♪」
P「(でもよくよく考えたら、都内にいながらして24時間いつでも温泉を満喫できるのか・・・)」
P「(・・・これはこれで、アリかもしれないな)」
雪歩「こちらが脱衣場となっておりますぅ」
P「あれ?なんか風呂場の入口は一つしかないみたいだけど、もしかして混浴なのか?」
雪歩「はい、そうなんですぅ・・・・」
P「そっか、混浴なのか!それじゃあ仕方がないな」
P「・・・え?マジで?」
P「混浴ってことは、流石にタオルの一枚でも巻いておかないとマズイよな・・・」
P「ま、まあさっきまで社長が入ってたみたいだし、女の子が入ってる事はまずないか・・・」
P「・・・・」
P「いやいや!なにガッカリしてるんだ俺!ゆっくり朝の優雅なひとときを過ごせるんだからそれでいいじゃないか」
P「お邪魔しまーす」
ガラガラ
P「うわっ、中広すぎだろ!どこにこんなスペースがあったのか謎だ・・・・」
『執事風呂
動物風呂
らぁめん風呂
ツンデレ風呂
もやし風呂
大人のお風呂(はぁと)
・
・
・ 』
P「こ、こんなに分かれてるのか・・・」
P「俺が今いるところが大浴場で、それぞれの部屋が個室になってるみたいだな」
P「(・・・というかうちの事務所ってこんなに広かったっけ?)」
P「まずは・・・執事風呂か」
ガチャ
真「お帰りなさいませ、お嬢様」ペコ
P「ま、真か・・・それになんだお嬢様って、俺はプロデューサーだぞ?」
真「そういう設定なんだから仕方ないんです!ささ、どうぞこちらに!」
P「(さすがに女の子達は水着か・・・・いや、決して期待してたわけじゃないけど)」
真「それではお背中をお流しいたしますね、お嬢様」
P「そうか?じゃあ、よろしく頼むよ」
真「~♪」
ゴシゴシ
真「(プロデューサーの背中、おっきいなぁ・・・・)」
P「おお・・・なかなか気持ちいいよ。真は背中を洗うのが上手いなぁ」
真「へへーっ、任せてください!小さい頃はよくお父さんと一緒にお風呂に入ってましたから!」
真「どういたしまして!また来て下さいね、プロデューサー!・・・じゃなかった、お嬢様!」
P「ふー・・・なかなか趣のある風呂だった」
P「なるほどな、こんな感じでみんながおもてなししてくれる温泉なのか」
P「えーと、次は動物風呂か、行ってみよう!」
P「よう響!動物風呂っていうだけあって、まんま動物たちとお風呂に入れるんだな」
響「自分もいつもペット達とお風呂に入って癒されてるさー!」
アヒル「クワッ♪クワッ♪」スリスリ
P「ああー・・・確かにこれは癒されるかもしれない」ナデナデ
響「だよねだよね!プロデューサーにも自分の気持ちがわかってもらえて嬉しいぞ!」
ガブッ
P「っっ!!?いってええええ!!!ケツかじられたぞ!!ガブッて!!!」
響「ああっ!?ワニ子、いつも人のことかじっちゃダメだって言ってるじゃないかっ!」
P「風呂にワニなんて放しておくヤツがいるかっ!」
ワニ子「ガルルルル・・・・」
P「ま、まずい・・・完全に獲物を狩る目をしている・・・っ!」
P「悪いが響、俺はこれで失礼する!動物達の世話はちゃんとしておくんだぞ~!」スタコラサッ
P「はぁはぁ・・・・し、死ぬかと思った・・・・」
P「くそっ、まだケツがヒリヒリする・・・・」
P「まあいいや。次はなんだったかな」
P「よくわからないけど、とりあえず行ってみよう」
P「お邪魔しまーす!」
伊織「ちょ、ちょっとアンタ!なに勝手に入ってきてるのよ!」
伊織「このお風呂がスーパーアイドル伊織ちゃんのお風呂だと思ってのこと!?」
P「そ、そんな事言われても・・・まあ、いいや。勝手に入らせてもらうぞ」
チャプ・・・
P「つ、冷たッ!?なんだこれ、水風呂だったのか!?」
伊織「いい気味ねっ!にひひっ♪」
P「く、くっそー・・・まんまと罠にハマってしまったわけか・・・」
P「(でもケツがヒリヒリするから結構ちょうどよかったりする)」
P「・・・にしても、伊織の水着姿なかなか似合ってるな。可愛いぞ」
伊織「なっ・・・・!?///あ、アンタ急に何言ってるのよっ・・・・///」カァァ
P「(・・・あれ?なんだか湯船が暖かくなってきたぞ)」ジンワリ
P「でもさ、伊織ってふだんはツンツンしてるけど、実は誰よりも仲間思いだってこと俺は知ってるよ」
伊織「な、なんなのよさっきから・・・//ほめても何も出ないんだからっ・・・///」
P「(おお、心地良い湯加減になってきた)」ポカポカ
P「べつに俺は思ってる事を言ってるだけだよ。伊織のそういうところ、俺は大好きだよ」
伊織「~~~~っ・・・!///」カァー
P「(うおっ!ちょ、あっ・・・熱い!!)」ボコボコ
伊織「もうさっきから恥ずかしい事ばっかり言ってなんなのよっ!!アンタなんか出ていきなさ~~~いっっ!!///」
P「い、言われなくても熱くて入ってられん!!お邪魔しましたー!!」ダッ
P「けど、あのツンデレ風呂ってどういう仕組みだったんだ・・・気になる」
P「よし、次行こう次」
『もやし風呂』
やよい「うっうー!おはようございます、プロデューサー!」
P「ああ、やよい。おはよう」
P「(うわぁ・・・予想はしてたけど、もやしが湯船一面ビッシリだな・・・・)」
もやし風呂
P「(そんな事ないけどな・・・)」
P「ま、まあ確かにそうかも」
やよい「それにこのもやし、ちゃんと食べられるんですよ?私、我慢できなくてつまみ食いしちゃいましたー・・・えへへ」
P「まあそりゃ、もやしだからな・・・どれどれ」パクッ
P「(ふにゃふにゃしててまずい)」
やよい「このもやしは、貴音さんのらぁめん風呂との相性もバッチリなんですよー?」
やよい「好きなだけ持ってってくださいねっ!」ニコッ
P「ああ・・・わかった」
P「(もやしはどうでもいいけど、個人的にはやよいの嬉しそうな顔が見れたからそっちの方が満足かな)」
P「やよいもああ言ってたし、次はらぁめん風呂かな」
貴音「お待ちしておりました、プロデューサー」
P「おお貴音!本当にらぁめんを作ってるのか、すごくいい匂いがする」
貴音「ええ、わたくしらぁめんを食べるだけでは飽き足らず、作る事にも挑戦しているのです」
P「いいこころがけだな」
貴音「はて・・・この鍋が、まさしく風呂釜でございますが」
P「・・・は?」
貴音「このすーぷ、何かが決定的に足りないと思っていたのです」
貴音「ですが、その答えは今ハッキリとわかりました。このすーぷに足りない物、それは貴方様でございます」
P「・・・つまり、この俺にダシになれと」
貴音「はい・・・わたくしのらぁめん道の発展のためにも、ぜひ貴方様のお体添えを頂戴いたしたく思うのですが・・・」
P「(す、すまん貴音・・・さすがにそれは無理だ・・・・)」
P「どうだ、貴音。うまいか?」
貴音「ええ・・・真、美味でございます。ありがとうございました、プロデューサー」
P「そ、そうか。なら良かったよ、ははは・・・」
P「うーん・・・なんからぁめん食ってるのみてたら腹が減ってきたな・・・」
P「とは言っても、さすがに風呂場の中に食い物屋なんてあるわけが・・・・」
『料亭 如月』
P「なんかあったんだけど」
P「な、なんで千早は料亭を開いてるんだ?みんなと一緒にお風呂に行けばよかったのに」
千早「そんなこと私に聞かないでください」
P「そ、そうか・・・ごめん。でも、板前さんの服装もなかなか様になってるじゃないか」
P「ん?板前・・・・・?」
P「・・・・」
P「(・・・あ、なるほどな。そういうことか)」
千早「なにかを悟ったような顔をしないで下さい!!・・・くっ」
P「お?なんだ、露天風呂もあるんじゃないか。気分転換に、外の空気でも吸いがてら出てみよう」
ガラガラッ
亜美「亜美と!!」
真美「真美の!!」
亜美真美「ウォ→タ→スライダ→!!!」
P「うおっ!びっくりした」
亜美「やっぱウォ→タ→スライダ→っていったら高いトコからじゃないとつまんないっしょ?」
P「そりゃそうだけど・・・いくらなんでも角度が急すぎだろ・・・」
真美「あっれぇ→?もしかして兄ちゃん、ビビってる?」
P「そそそんなわけないだろ!さあ、どっからでもかかってこい!!」
亜美「それじゃあカウントダウン、いっくよ→?3!」
真美「2!」
P「・・・1」
亜美真美「行ってらっしゃ→いっ!!」ドンッ!
P「うっぎゃああああああああああああ」
P「しかも帰りは階段っていうのがなんとも言えないな・・・・」カツ…カツ…
P「さて、次でいよいよ最後の部屋だ」
P「なんといっても最後は」
P「『大人のお風呂(はぁと)』」
P「ここまで様々な試練を耐え抜いたんだ、いったいどんなご褒美が俺を待っているのか・・・・」
P「・・・ゴクッ・・・・」
律子「どうして私までこんなこと・・・」
P「おおおっ・・・・二人ともとんでもなくグラマーじゃないか・・・・」
P「いやあ、ここまで頑張ったかいがあったってもんだ!」
あずさ「うふふ、まだ喜ぶのは早いですよ?これから私たちが、プロデューサーさんのことを隅々まで洗ってあげますからね」
P「な、なんと・・・・・!」
律子「こ、こんな機会もう二度とありませんからね!//」
P「そ、それじゃあお言葉に甘えちゃおうかなー・・・・?」
あずさ「ふふっ・・・さあプロデューサーさん、力を抜いてくださいね~?」
ぱふ・・・ぱふ・・・
ムニュ ヌルッ
・・・・・・
・・・・
・・
P「ハニー風呂か・・・」
P「なんだか甘ったるい響きだけど、せっかくだし行っておかない手はないよな」
ガチャ
美希「ハニー!ちょっと来るのが遅いんじゃない?ミキずっと待ってたの」
P「順番に回ってたら遅くなっちゃって・・・すまないな」
P「って・・・なんだ、この異様に甘い匂いは・・・・」
美希「美希のハニーと、ハニーをかけて、ハチミツ風呂なの!」
P「うーん・・・ベトベトして、あまり気持ちいいとは言えないな・・・」
美希「えーなにそれ!つまんないの」
P「そんな事言われても・・・・」
美希「あっ、ハニーのほっぺたにハニーがついちゃってるよ?ミキがとってあげるね!」ペロッ
P「!?」ドキッ//
P「ちょ、おい!今のは卑怯だぞ!」
美希「えへへへ・・・ミキもハチミツみたいに、ハニーと甘い恋がしたいなぁ」
P「・・・悪くはない、かもな・・・・」
P「ふぅ・・・」ツヤツヤ
P「なんだか全部の風呂を回ったら、最高に気分がスッキリしたな!」
P「・・・まぁ主に大人のお風呂(はぁと)の所為だろうけど」
ガラガラッ
雪歩「萩原温泉、楽しんでいただけましたか?プロデューサー」
P「お、雪歩!」
雪歩「大浴場に私が入って、これぞホントの萩原温泉~!!」
P「・・・」
雪歩「・・・ど、どうですか?」
P「・・・それだけ?」
雪歩「うぅぅ・・・ごめんなさぃぃ・・・何も思い浮かばなかったんですぅ・・・・」
雪歩「いっそのこと、ダメダメ風呂とか生き埋め風呂とかにすれば良かったかもですぅ・・・・」ブクブク
P「そ、それはちょっと嫌だな・・・・」
雪歩「ほ、本当ですか?良かったぁ・・・・」ホッ
P「こんな風にアイドル達と一緒に温泉に入れる施設とかあれば、きっと儲かるだろうなあ」
P「(・・・ん?いや、待てよ)」
P「・・・・・はっ!!」
P「そうか!!ひらめいたぞ!!!」ザパァ!!!
雪歩「ひゃあぁっ!?///ぷ、プロデューサー!!前、隠してくださいぃぃーーっ!!///」
P「そんな事はどうだっていい!!俺はとんでもない事を思いついてしまった!!!」
P「でかしたぞ雪歩!!!」
雪歩「・・・・・?///」チラッ
P「会いに行けるアイドルならぬ、一緒に温泉に入れるアイドルだ!!」
P「これってもしかして新しいアイドル時代の幕開けなんじゃないか!?これからは温泉アイドルの時代が来るぞ・・・!!」
P「雪歩がこうして温泉を掘り当ててくれたおかげで、みんながトップアイドルになれる可能性を切り開いてくれたんだ!!!」
雪歩「・・・・・・///」ジーッ
P「はははっ!!お客さん、たくさん来るだろうなあ・・・・きっとみんなも賛成してくれるよな?なっ、雪歩!?」
雪歩「!!」ビクゥ
P「・・・ってあれ、雪歩いまの話聞いてた?」
雪歩「ひゃいぃ!も、もちろんでふぅぅっ!!///」コクコク
後に長く続いていく事になる温泉アイドル時代の先駆者的存在となった。
765プロは一躍有名事務所となり、
アイドル達への仕事のオファー、そして、萩原温泉への客波が途絶える事はなかった。
それもこれも全部、雪歩のおかげだ・・・ありがとう雪歩。
雪歩はダメダメなんかじゃない。何を隠そう、お前が765プロのナンバーワンだ!!!
のヮの「私の出番・・・・」
小鳥「決して特徴が無かったわけじゃないのよ?元気出して、春香ちゃん!」
おしまい!
乙
俺も入りに行きたい
Entry ⇒ 2012.01.14 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
黒井「765プロのプロデューサーすごいよぉ!」
黒井「なんとかして765プロのプロデューサーを小生の事務所に加えたい」
黒井「しかし、どうすれば彼をこの事務所に引き入れる事が出来るだろうか」
黒井「ふーむ」
冬馬「おい、おっさん」
黒井「……」
冬馬「聞いてんのかおっさん!」
黒井「おっさんじゃない!」
ガンバレル「」ババババッ
冬馬「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」バタッ
黒井「今日こそは我が手中に納めて見ようじゃないか」
黒井「北斗!エピオン(自家用車)の用意をしておけ」
北斗「チャオW」
P「プロジェクトフェアリーはいつ見ても可愛いなぁ」
P「プロダクションの社長はアレだけど」
律子「ちょっと!ライバル事務所のアイドルが可愛いってどう言う事ですか!」
P「だって事実だし」
律子「そう言う問題じゃありません!」
P「いいだろ?俺だってプロデュース活動に手を抜いてる訳じゃないんだから」
律子「……まあ、プロデューサーの手掛けてるアイドルユニットも人気がありますからね」
P「だろ?じゃあいいじゃん」
律子「よくありません!」
律子「ナチュラルもコーディネイターも関係ありません!」
P「へいへい分かりましたよ!」スッ
律子「何処に行くんですか!」
P「ローソン」
律子「肉まんお願いします」
P「……分かったよ」
スタスタ バタンッ
律子「……プロデューサー」
P「律子は考えが古すぎるんだよ。アニメじゃないでも言ってるだろ。ふるいー地球人よーって」
P「ああ、寒い……」ブルッ
P「さっさとローソン行こう」スタスタ
-街中-
P「アニメじゃない、アニメじゃない、律子はメーガネー」
?「」スッ
P「ん?」
黒井「プークックックックッ」
P「またアンタか」
黒井「奇遇だな」
P「アンタはいつでも邪魔だな黒井嵩男!」
黒井「随分と嫌われたものだ」
P「アンタのしつこさに嫌気がさしてるんだよ」
黒井「だが、プロジェクトフェアリーは好きなのだろう?」
黒井「今ならプロジェクトフェアリーのプロデュース権を譲ってやってもいい。そう、君が我が961プロに来てくれるのならばな」
P「……」
黒井「今ならジュピターもおまけするぞ」
P「あっ、それはいりません」
黒井「そうか。さあ、どうする?」
P「断る。そろそろアンタはこの辺で消えてくれると嬉しいんだけどな!」
黒井「ならば今回も力付くでやらせて貰おう!」
P「なにっ!?ヒートロッド!」ギュ
黒井「はぁはぁ……小生はハニーが星井の」
P「キモい!!」
黒井「君が好きな星井美希の物真似をしたんだがな」
P「気持ち悪りぃんだよ!出すんなら本物出せ!」
黒井「……ふみゅう」シュ
P「なっ……」
黒井「また会おう」スタスタ
P「……なんだったんだよ」
P「うぅ、思い出しただけでも気持ちが悪くなって来た。さっさとローソンに行こう」
スタッフ「今日はプロジェクトフェアリーさんと合同の収録です」
P「ほぅ」
律子「何を喜んでるんですか?」
P「いいだろ」
律子「またそんな事を言って……」
美希「あっ、ハニーなの!」
P「おう、美希か」
美希「久しぶりなの~」ギュ
P「ああ。俺も会いたかったよ。一週間と22分振りかな」
美希「そうかも。ねぇ、ハニーはいつ961プロに来てくれるの?」
P「えっ?」
美希「パイナップルメガネは黙れなの。今、ミキはハニーとお話してるんだから」
律子「なんですって!もう一回言って見なさい!」
美希「何度でも言ってあげるの!メガネ、メガネ、メガネー!」
律子「ブチ殺す!」ガシッ
美希「痛いの!」グググッ
律子「今日と言う今日は許さないわ!アンタのその汚らわしい髪の毛をズタズタに引き裂いてやる!」グググッ
美希「痛いのーーー!!」ギチギチッ バリッ
P「えっ?」
黒井「プークックック、ハニー」
律子「黒井ェ……」
P「なんでテメェが美希の変装してんだよ!!」
P「だからってアンタが変装する必要ないだろうが!」
黒井「ハニーの抱き心地、最高だったの」
P「ウゲェ、このおっさん抱きしめちまったよ……」オゲェェ
黒井「おっさんじゃない!」
ガンバレル「」ババババッ
冬馬「なんでだよぉぉあ!!」ババババッ バタッ
律子「黒井社長、いい加減止めて頂けませんか?」
黒井「これはこれはアイドルに平然と手を挙げるパイナポーではないか?」
律子「ブチ殺されたいんですか?」
P「アンタに言われたくないけどな」
黒井「何を言う?私は常に紳士的だよ」
P「美希に変装する奴の何処が紳士的なんだよ!」
黒井「では私はこれで失礼するよ。でも、安心して星井。私はいつでも君を見守っているからね」
黒井「ではさらばだ」スタスタ
P「うぅ……気持ちいぃぃぃ!!あんな奴に四六時中監視されてると思ったら生きた心地がしねぇ!」
P「結局、美希はあのおっさんが変装したまま収録して本物は来てなかったな……」
律子「だからプロジェクトフェアリーを気にするのは止めて下さい」
P「だって好きなんだもん」
貴音「あなた様」
P「貴音」
貴音「お久しぶりです」
P「そうだな。今日、美希がいなかったけどどうしたんだ?」
貴音「美希なら居たではありませんか?」
P「いや、あれはあのおっさんの変装でな……」
P「来たな!究極!プロデューサーキィィック!」ゲシッ
美希「げふっ……」バコーン バタッ
P「寄るなっつてんだろ!」
美希「い、痛いよ……ハニー」
P「俺の心の方が痛いわ!」
美希「どうしちゃったのハニー?」
P「どうもこうも無いだろ!また俺をたぶらかすつもりか!」グニグニッ
美希「い、いはいのーー!!」グニグニッ
P「……あれ?」
律子「……」
貴音「何をやっているのですか!」
P「……まさか本物?」
美希「ミキは一人しかいないよ!」
P「……ヤバイ」
貴音「?」
P「す、済まん……さっき黒井のおっさんが美希の変装してたからつい……」
美希「ハニー……ミキの事、ちゃんと見てくれてないんだ」
P「ち、違う!これはだな!」
美希「ミキなら、誰がハニーに変装してても分かるの。なのにハニーは……」
P「だ、だからゴメンって!わ、分かった!お詫びするよ!おにぎり?イチゴババロア?それともデートかなぁ?」
P「え?」
美希「961プロに来てミキをプロデュースしてくれるなら、許してあげるの」
P「……」
貴音「美希!確かにこの方がした事はいけない事です。ですがそれは我が儘が過ぎるのではないですか?」
美希「貴音は黙ってて欲しいの」
貴音「美希!」
美希「どうするの?」
P「そ、それはだなぁ……」
P「……い、行こうかな?」
律子「プロデューサー本気ですか!?」
P「だ、だって美希を傷付けちまったし」
律子「アイドル一人蹴るだけでホイホイ移籍するんですかアンタはっ!!」
P「いや、だからなぁ……」
P「貴音もなんか言ってくれ」
貴音「美希のやり方は賛同出来かねますが、あなた様が本気で961プロに来て下さるのならば、わたくしは喜んでる歓迎致します」
P「……」
美希「ハニー」
美希「本当!?」
P「あ、ああ……」
嵩音「プークックック!録音しましたからねあなた様!」
P「そ、その声は!?」
嵩音「わたくしは四条嵩音ですよ、あ・な・た・様」
律子「……キモい」
P「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
美希「ミキ、ハニーを961プロに引き込むなら鬼でも悪魔でもなるの」
律子「こんの金髪毛虫ぃぃ!」
美希「キレるだけのパイナポーとは違うんだよ」
嵩音「しかし、これで晴れて君は我が961プロのプロデューサーだ」
P「貴音の顔でキモい声出すんじゃねぇ!」
美希「ミキ嬉しいな。明日からハニーにプロデュースして貰えると思ったらすっごく胸がドキドキするの」
嵩音「わたくしもあなた様が961プロに来ると思ったら下半身が大洪水です!我が世の春がきたぁぁぁぁぁぁ!!」
P「だから貴音の姿で気持ち悪い事言うんじゃねー!」
律子「黒井社長!そのやり方は汚いですよ!人の事を言える立場ですか!」
嵩音「なんとでも言え!これは既に覆る事の無い事実なのだからな!」
嵩音「フンッ、何をやろうが無駄だ!」
律子「えぃ!」ゲシッ
P「ぐほっ!?なにすんじゃい!」ヨロヨロ
嵩音「ほぅ」ギュ
P「ぎゃぁぁぁぁぁ!」
嵩音「あ・な・た・様」ボソッ
P「きん持ちワりぃぃぃぃぃ!!」ゾワゾワッ
律子「はぁぁぁ!りっちゃんは可愛いですよ!フィンガー!」グッ
嵩音「なにぃ!?」
録音機「」バシッ
律子「ヒィィト!わふーー!!」バキッ
録音機「」メキッ
嵩音「おのーれーー!!」
美希「ハニー、ミキ絶対に諦めないから!」
嵩音「とう!」ボンッ
P「……助かった。ありがとう律子」
律子「プロデューサー、後でお説教です」
P「……はい」
春香「お疲れ様でーす……って、どうしたんですか?」
律子「なんでも無いわ」
P「うん、なんでもない」
春香「そ、そうですか」
P「あれから律子のスーパーお説教タイムが5時間も続いた」
P「もう、生きるのが辛い」
響「あっ、プロデューサーだぞ!はいたい!」
P「響?」
響「元気無いな?なにかあったのか?」
P「うん、ちょっとな」
響「だったら自分とペットショップに行かないか?ペットは心を癒してくれるぞ」
P「そうしようかな」
響「じゃあ、自分の行き着けのお店に行くぞ」
店員「いらっしゃいませー」
P「ペットショップに来るの久しぶりかも」
響「そうか?ペットショップは楽しいぞ。ほら、わんちゃんだぞ」
豆柴「きゃんきゃん」
P「可愛いなぁ」チョイチョイ
豆柴「きゃんきゃん」ペロペロ
響「この豆柴プロデューサーの事が気に入った見たいだな」
P「ペット飼うのもいいかもな……荒んだ心に武器は危険だもんな」
響「よく分からないけどペットはいいぞ」
P「どんなのですか?」
店員「こちらです」
黒井「くーん、くーん」
P「……」
響「なにやってんだ社長……」
店員「社長ではありません。彼はポメラニアンのタカオ君です」
黒井「くーん、くーん。飼ってほしいなぁ」
P「犬って喋るのか?」
響「普通は喋らないぞ」
黒井「優しいプロデューサーの家で温かい生活がしたいワン」
P「殺していいかな?」
響「一応ペットだからな」
P「こんなペットがいていいのか?」
黒井「きゃんきゃん」
P「キモい」
響「出るか?」
P「あ、ああ……お邪魔しました」
店員「またのご来店をお待ちしています」
P「多分、もう来ません」
黒井「くーん、くーん」
-街中-
P「なんで休みの日にまで黒井のおっさんに会わにゃならんのだ!」
響「社長はプロデューサーの事好きだからな」
P「あんなオヤジに好かれても嬉しくねぇよ!」
響「ご、ごめん」
P「いや、響が謝る事じゃないよ」ナデナデ
響「うん。じ、じゃあ今度は猫カフェに行かないか?」
P「猫カフェか。いいな、一度行ってみたかったんだよ」
響「よーし、それじゃあ気を取り直して行くぞー!」
-猫カフェ-
猫「にゃあにゃ」ゾロゾロ
P「うおっ、たくさん来た!」
響「ここの猫は人懐こさいからな、可愛がってあげて欲しいぞ」
P「お、おう」
P「癒されるなぁ」ホワホワ
響「自分もだぞ」ホワホワ
?「にゃあにゃあ」
P「……えっ」
美希「にゃあにゃあ」
響「なにやってんだ美希」
美希「ミキじゃないの。ネコなの」
黒井「おお、ミキちゃん知らない人の所に行ったらいけませんよー」
P「またアンタか……」
黒井「これはプロデューサー君ではないか!これは奇遇だねぇ」
P「さっき会ったばっかりだろうが!全裸ブリーフ姿のアンタをなっ!」
P「アンタを見間違えるほどに目はイカレてねーよ」
黒井「まあ、いい。それより私の飼い猫のミキちゃんが君の事を気に入ったようだ」
P「スルーすんな」
美希「にゃあにゃあなのー」スリスリ
P「……こ、これはこれでそそるもんが」ゴクリッ
響「二人共なにやってんだ!おかしいぞこんなのは!」
黒井「おかしい?何が?」
響「だからどうして美希が猫をやってるんだ!」
黒井「おかしな事を言うのは君だ。私は猫を連れて来ているのだよ!」
P「くぅぅ、ギュッとしてー!」
美希「ギュッとしていいにゃ」
P「マジ?」
美希「うん」
P「はぁはぁ……」
黒井「見てみたまえ。プロデューサーは既に私の飼い猫に夢中だ」
響「プロデューサーダメだぞ!」
P「ど、どうして?」
響「これは罠だぞ!」
P「え?」
黒井「響。君はプロデューサーに来て欲しくはないのか?」
響「そ、それは……今のプロデューサーは嫌味で自分勝手で嫌いだけど、それでもこんなやり方は卑怯だぞ」
P「マジか!」
美希「にゃあにゃあ」スリスリ
黒井「ただし条件がある」
P「なんだ?」
黒井「君が961プロに来てくれたら譲ろう」
P「えっ……」
黒井「悪い話では無いと思うがね」
P「……えっと」
美希「にゃあにゃあ」
響「プロデューサーいけないぞ!」
黒井「お前は黙っていろ!」
響「……ッ」
黒井「さあ、どうするかね?」
美希「ミキはハニーにプロデュースして欲しいにゃあ」
P「……」
響「プロデューサー!」
黒井「さあさあ!」
P「……961には、行けない」
美希「どうして!?」
P「俺には俺がプロデュースしているアイドルがいるんだ。やっぱり無理だよ……」
響「偉いぞプロデューサー!」
黒井「ほぅ、そう言う事か……美希、帰るぞ」
美希「え?でも……」
黒井「帰ったら私のハニーコレクションの一つをやろう」
美希「帰るの!」
P「おまっ!なにコレクションしてんだよ!」
黒井「ではさらばだ!」ボンッ
響「大丈夫かプロデューサー」
P「俺なら大丈夫だ」
響「……な、なあ」
P「ん?」
響「もし、765プロに来る前に……自分達と先に会っていたら、自分達のプロデュースをしてくれてた?」
P「……そうだな。黒井のおっさんにアレだが、フェアリーの3人は好きだしジュピターの奴らも嫌いじゃないしな」
響「そっか。それを聞けただけでも自分は満足だぞ」
P「そうか。お前達をプロデュースする事は出来ないけど、相談なら何時でも乗るからな」
響「うん、ありがとう」
黒井「……」スタスタ
北斗「チャオ∀」
黒井「チャオX」
黒井「美希」
美希「なに?」
黒井「お前達のプロデューサーは何をしている?」
美希「知らないの。どうせそこら辺で遊んでるよ」
黒井「ふむ、奴をクビに出来ればどれだけ簡単な事か」
美希「ミキ、あのプロデューサー大嫌いなの。だから早くハニーに来て欲しいの」
黒井「分かっている。どんな手を使ってでも、必ず765のプロデューサーを961プロのプロデューサーにして見せる」
黒井「必ずな!」
黒井「さて、秘蔵コレクションでハァハァするとしようじゃないか!」
美希「ごめんなさいなの……」
貴音「済みませんプロデューサー」
響「……」
P「あれはプロジェクトフェアリー?」
律子「プロデューサー!」グイッ
P「い、いだいでふ……律子はん」ヒリヒリッ
律子「プロジェクトフェアリーはいいですから」
P「あ、ああ。でも、なんか怒られてないか?」
律子「プロジェクトフェアリーのプロデューサーは厳しい事で有名らしいですね。無茶難題を押し付ける事も珍しくないらしいです」
P「そうなのか?」
律子「ええ。何でも黒井社長の恩師の息子らしくて、黒井社長も迂闊には手を出せないとか」
P「……そうか」
P「わ、分かってるよ」
律子「もし、少しでもそんなそぶりを見せたら……」ベキッ
P「……心得ておきます」
律子「さあ、765プロの番ですよ」
真「みんな、はちまれー!銀河の果てまでー!」
P「ブフッ……」
律子「そこ、笑わない!」
P「へいへい」
P「今日はおっさん来てないのか……」
おっさんじゃない!
ドラグーン「」ビシュィィン
冬馬「だからなんで俺なんだよーーー!!」バリバリッ
P「みんなお疲れさん」
律子「お疲れ様。良かったわよ」
P(フェアリーは、もう帰ったらか……)
P「じゃあ律子、後は宜しく頼む。俺は疲れたから先に帰るな」
律子「は、はい」
-タクシー乗り場-
P「ヘイッ!タクシー!」
タクシー「」キキィィ
P「ここの住所までお願いします」
運転手「オーライ、目標を狙い撃つ!!」
ブウゥゥゥン
P「……」
P「勢いで来ちまったけど」
P「どないしよ……」
警備員「なにやつ!」
P「え、えっと……」
警備員「怪しい奴だな!貴様、取り調べさせて貰う!」グイッ
P「やっぱり来るんじゃなかった!」
黒井「その男は私の客人だ」
警備員「社長、ですが!」
黒井「私の命が聞けないのか?」
警備員「は、はい!申し訳ありません」パッ
P「うへぇ……」
黒井「部下の無礼をお詫びしよう。で、ここに来たと言う事はついに決心してくれたと判断して構わないかね?」
黒井「では私をペロペロしに来たか?」
P「……帰る」
黒井「冗談だハニー」
P「やっぱり帰る」
黒井「まあ、待ちたまえ。せっかく足を運んで貰ってタダで帰らすのは私も心が痛い。プロジェクトフェアリーの下着はいかがかな?」
P「お邪魔します」
警備員「……」
黒井「そう来なくてな。では彼をVIP待遇でお連れしろ」
警備員「イエス!ユア、マジェスティ!」
P「アンタ、ギアスにいないだろ……」
社員「どうぞ、次期プロデューサー」ガチャ
P「だから次期プロデューサーじゃねぇ!」
P「……って、広っ!!」
黒井「どうだ?我がプロダクションに来る気になったかね?」
P「えーっと……」
黒井「まあ、座りたまえ」
P「ああ……ん?」
Pの写真「」×100枚
P「おい!なんで俺の写真がこんなにあるんだよ!」
黒井「よく聞いてくれた!何を隠そう私の秘蔵コレクションなのだよ」
P「んなもんコレクションすんな!」
P「アンタはなにしてんだ?」
黒井「仮面を選んでいるのだが、君はゼクス・マーキスとネオ・ロアノーク、どちらが好みかな?」
P「シュウ・シラカワ」
黒井「……おい!白衣を持ってこい!
社員「は、はい!」
黒井「取り敢えず座りたまえ」
P「ああ」
P「聞いたんだ」
黒井「なにをだね?」
P「プロジェクトフェアリーのプロデューサーの噂をな」
黒井「そうか」
P「本当なのか?」
黒井「事実だ」
P「……」
黒井「彼は私の師の息子でな。それを良い事に好き勝手やってるのだよ。プロジェクトフェアリーは彼を非常に嫌っている」
P「だから俺にプロデューサーをやれと?」
黒井「それもあるな。彼女達は君を非常に気に入っている。相応しいと判断したのだよ。それに……」
P「それに?」
P「……え?」
ガチャ
黒井「クククッ、今この部屋にいるのは私と君だけだ。これがどういう状況か、分からない君ではないだろう」スタスタ
P「ひ、ひぃぃぃぃぃ!!」
黒井「心配しなくていい。痛いのは始めだけだ。すぐに気持ち良くなるだろう」スタスタ
P「お、俺の貞操の危機だっ!!」
P「どうするや!?」
P「ひぃぃぃぃぃ……」
黒井「クククッ……さあ、お楽しみはこれからですよ」ズイッ
P「ま、待て!」
黒井「往生際が悪いですよプロデューサー」
P「タ、タダでやる訳にはいかん!」
黒井「なに?」
P「そんなに俺のケツの初めてが欲しいなら、俺と勝負しろ!」
黒井「勝負?いいだろう。では私が勝てば君の初めてを貰う。君が勝てば……私の後ろの初めてをあげよう」
P「いらねーよ!!」
P「今、世界中で流行っているアイドルマスターカードゲーム、愛☆怒☆琉☆王者 デュエルアイマスターズで勝負だ!」
黒井「いいだろう!かく言う私も決闘者でな。その勝負、受けて立とう!」
P「お尻の初めてを賭けた勝負、負ける訳にはいかない!」ウィィン ガシャコ
黒井「フッ……」ウィィン ガシャコ
P「デュエル!」
黒井「デュエル!」
P(コイツ、アルカナアイドルを使うのか?それとも……)
黒井「小生は手札から速効魔法、ののワを呼ぶんあーを使用!」バッ
黒井「このカードは山札から20枚を墓地に送る事により、手札、山札、墓地に存在するののワアイズカラミティドラゴンを所持枚数だけ特殊召喚出来る!」
P「なにっ!?」
黒井「いでよ!破壊の化身!!ののワアイズカラミティドラゴン!!」
のヮの「ヴぁい!」
のヮの「ヴぁい!」
のヮの「ヴぁい!」
P「なんでコイツがののワアイズを……」
P「……クッ」
黒井「図星か!しかーし!そう言う訳にはいかん」
P「……」
黒井「それに、このののワアイズは世界に3枚しか無い超レアカードだ。それが3枚とも小生の手中にあると言う事は、どう言う意味か分かるか?」
P「まさか……」
黒井「そのまさかよ!」
黒井「融合発動!!3体の、ののワアイズカラミティドラゴンを融合させる!」
黒井「この世界を混沌に包む混む究極の破壊龍よ!現れろ!ののワアイズアルティメットドラゴン!!」
のヮの
のヮの「ヴヴぁい!!」
のヮの
ATK 8700
DEF 8700
黒井「小生はターンエンドだ」
P「……」
黒井「サレンダーするなら今のうちだぞ」
P「サレンダーします」
黒井「早過ぎだろ!!」
P「だってそんなに強いカードないんだよ!」
黒井「ではお尻はいただく」
P「それは嫌だ!」
黒井「ならば小生とデュエルを続行だ!」
P「俺は弱い小学生しか戦わない」
黒井「なにぃぃぃぃぃ!?」
P「大体、俺は話をしに来ただけなんだよ!どうして話するだけなのに尻を賭けて勝負せにゃならんのだ!だったらフェアリーとヤらせろ!」
黒井「ほぅ、プロジェクトフェアリーのアイドルとヤりたいか?」
P「当たり前だろ!」
P「いやいや、そうじゃないから。気に掛けてたのは本心。でもアイドルとセックスしたいって思うのは男の夢だろう?」
黒井「私は君のお尻を頂くのが夢だがね」
P「それは絶対にやらねーよ!」
黒井「……」ショボーン
P「そこで落ち込むんじゃねー!それでも961プロの社長かよ!そんなアンタは見たくない」
黒井「そうだな」キリッ
P「立ち直り早えぇよ!」
黒井「確かに彼女達が戻って来た時は覇気が無かったな」
P「だろ?アンタ社長だろ。なんとかしてやってくれよ」
黒井「出来るならば既にやっている!」
P「……」
黒井「だから君に頼んでいる。新しいプロデューサーが出来れば奴を切る口実が出来るからな」
P「何度も言うがそれは出来ないと言っている」
黒井「君がプロデューサーになればフェアリーのアイドルは喜んでお股を広げるぞ」
P「……」
黒井「どうだ?君の焦がれていたアイドルとのセックス三昧だ」
P「えっと……あぁ……ヤベェ、魅力的過ぎる」
黒井「体は正直のようだな」
P「クッ、これは……」ボキーン
黒井「だが、私は諦めんよ。どんな手段を用いても必ずや君を961プロのプロデューサーにして見せる。それが彼女達の為、そして『私』の為でもあるからな!!」
黒井「プークククッ」
P「……」
黒井「では、帰りの車を用意しよう」
P「待て」
黒井「まだなにか?」
P「フェアリーの下着寄越せ」
黒井「……彼女達が良いと言ったらな」
P「約束だぞ」
スタッフA「なぁ、聞いたか?」
スタッフB「ああ聞いた。961プロダクションが765プロダクションを吸収合併するって話だろ?あれ本当かな」
P「え?」
P「ちょいちょい君ら!」
スタッフA「なんですか?」
P「その話って本当か?」
スタッフB「その話って……あっ!765プロの!」
P「聞かせてくれ」
スタッフA「えっと……」
P「頼むよ。話してくれないとミンチにしちゃうぞ♪」
スタッフB「は、はい!」
スタッフB「実はですね……」
P「まさか黒井のおっさんが……」
P「いや、あのおっさんなら有り得る話だ」スタスタ
北斗「チャオ☆」
P「チャオ★」
北斗「チャオ□」
P「チャオ■」
北斗「チャオ♂」
P「チャオ♀」
北斗「チャオ∀」
P「チャオX」
北斗「チャオ♪」スタスタ
P「……」
P「マジかよ……」
P「今日のスーパー特売かよ。やよいに報告しないとな」
黒井「……」スッ
美希「何を読んでるの?」
黒井「全知全能の書だ。この本に書き込むと、どんな内容も現実になると言う」
美希「だったらそれに書き込もうよ!」
黒井「……レプリカだ」
美希「ブー!!」
黒井「案ずるな、策は既に立ててある」
美希「本当?」
黒井「無論だ。小生は不可能を可能にする男だぞ」
貴音「黒井殿」
黒井「うむ」
響「……」
高木「なに?それは本気で言っているのか?だったら私にも考えがある。例の場所で落ち合おう」ピッ
小鳥「社長、どうしたピヨか
」
高木「いや、なんでもない。私は少し用があるので外出させて貰うよ」
小鳥「ピヨ」
P「……」
小鳥「プロデューサーさん?」
P「え?」
小鳥「どうしたピヨ?」
P「なんでもないピヨよ」
小鳥「そうピヨか」
P「そうピヨよ。だからさっさと仕事しろピヨ」
小鳥「……ピヨ」
P(あの話、やっぱり本当なのか……)
P「結局、社長帰って来なかったな」
バキッ ドカッ
P「ん?」
P「おい!」
高木「よくも私の会社を買収するなど言えたな!」バキッ
黒井「弱小プロを救済してやるんだ!有り難く思え!」ドカッ
P「高木社長と黒井のおっさんが殴り合ってる!」
高木「はぁはぁ……このままではラチが開かない。次で決める!」
黒井「いいだろう!」小生もそう思っていた所だ!
P「こりゃいかん!早く止めないと!」
黒井「シャイニングフィンガーとはこうゆうものだっ!!」
P「止めろーーーー!!」
バキィィィィィ!!
P「ぐひゅぅぅぅぅぅぅ!!」メリメリッ
高木「あっ……」
黒井「あっ……」
P「」クルクルッ グシャ
高木「……」
黒井「……」
P「……うーん?」
高木「大丈夫かね?」
P「社長……ここは?」
黒井「私の膝の上だ」
P「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」バッ
高木「元気がいいねぇ」
黒井「いや、全くだ!私が惚れるだけはある」
P「……」
高木「しかしどうして君がここに?」
P「どうしてって、たまたまです」
黒井「そんな事を言って私を付けていたんじゃないのか?」
P「ブチ殴るぞ」
高木「それは黒井の奴が765プロを買収すると言ったからだ」
P「やっぱりか」
黒井「知っていたのか?」
P「収録スタジオで聞いたんだよ」
黒井「そうか」
P「どうしてこんな事を」
黒井「言っただろう。どんな手を使ってでも君を961プロのプロデューサーにさせると」
P「たったそれだけの事で……」
黒井「それだけじゃなぁぁぁぁぁい!!私は君が星井んだよ!ハニィィィィィ!!」
P「だからハニー言うな!」
黒井「それしか道は無い」
高木「それは許さんぞ」
P「社長は黙ってて下さい」
高木「……はい」
P「じゃあさ、例えばだけどプロジェクトフェアリーを765プロに移籍とかは駄目かな?」
黒井「……」
P「ああ、例えばだから」
黒井「私はどうなる?」
P「だったらアンタも来いよ。高木社長と仲たがいしてんだろ?良い機会だと思うけどな」
黒井「……」
高木「黒井」
P「そうだな。じゃあ、吸収合併じゃなくて共同経営とかどうかな?バンナム見たいな感じでさ」
黒井「ふむ」
高木「それは良いな」
P「765&961プロダクションとかさ。なんならいっそプロダクション名を変えるのも一つだな」
黒井「時間が星井の」
P「キモいから止めろ」
黒井「取り敢えず君の意見は分かった。社員に聞いて見よう」
P「それがいい」
高木「面目ない」
黒井「さすがは765プロのプロデューサーだな!」
P「あ、ああ。ありがとう」
黒井「絶好調でぁぁぁぁぁぁる!!」
P「やっぱりウザイかなーって」
高木「さあ、では親睦を深める為に今日は飲み明かそうじゃないか」グイッ
P「えっ……」ガシッ
黒井「それはいいな。もちろん君も来るだろう?主役だからな」グイッ
P「へっ?」ガシッ
高木「遠慮はいらんよ」
黒井「そう言う事だ」
P「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ズリャズリャ
P「な、なんとか貞操は守ったぞ」グテーン
小鳥「プロデューサーさんお疲れピヨ」
P「そうなんだピヨ」
小鳥「なにかあったピヨか?」
P「社長に朝まで付き合わされたピヨよ」
小鳥「大変だったピヨね」
P「そう言う事だから今日は仕事よろしくピヨ」
小鳥「……だりぃ」
P「はぁ……ちかれた」
黒井「実はミリアルドの演説を言おうと思ったが行間規制で書けなかった」
冬馬「どうでもいいよ」
黒井「うるさい!」
ファンネル「」ビシュィィン
冬馬「いやじゃぁぁぁぁぁ!」バリバリッ バタッ
響「あまとうが黒糖だぞ」
北斗「チャオ☆」
美希「チャオ@」
貴音「それで黒井殿、お話とは?」
翔太「また765プロのプロデューサーの話だったら止めてよね」
美希「ハニーの話は聞いてて飽きないの!」
北斗「チャオ*」
美希「ほら、北斗も興味深々なの」
黒井「そうだな。実は先日、765プロの社長とプロデューサーに会った」
美希「えーー!酷いの!」
北斗「チャオ∵」
貴音「北斗もプロデューサーとお話したかったと言っています」
黒井「まあ、待て。実はその事だが、その765プロダクションと業務提携を結ぼうと考えている」
美希「本当!?」
翔太「あの噂本当だったんだ」
貴音「まあ、それはおめでたい話です」
北斗「チャオ∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀∀」
響「じゃあ、自分達、765プロのみんなともっと仕事が出来るって事なのか?」
冬馬「」プスプス
黒井「そうなるな」
黒井「まあ待て。まだ決まった訳ではない。社員の意見も聞かねばならんからな」
貴音「そうですね」
響「でも、これが実現したらプロデューサーが自分達をプロデュースしてくれるかも知れないぞ」
北斗「チャオ♂」
翔太「ほくほくも喜んでるね」
貴音「ええ、わたくしも年甲斐も無く胸が高鳴ります」
「待って頂きたい」バンッ
黒井「なんの用だ?フェアリーのプロデューサー」
美希「アンタには関係ないの」
FP「貴様になど聞いていない」
美希「……ッ」
FP「社員、今一度考えて下さい。あんな弱小プロダクションと組む事になんの利益があるのですか?」
黒井「あるから提携をすると言っているのだ」
FP「それが目先の勘定ならば考え直した方がこのプロダクションの為と私は進言しましょう」
響「うるさい奴だ……」
FP「黙れ獣女、臭いが移る!」
響「……グッ」ギリッ
黒井「……」
FP「会社経営はボードゲームとは違うのです。それを1番理解している貴方がこんな愚行に走るなど、黒井嵩男も地に墜ちましたね」
貴音「それは黒井殿に対する侮辱です!いくら貴方と言えど許されたものでは」
FP「フンッ、誰のおかげでここまでのし上がれたと思っている。なんの価値も無い中卒の貴様が、この私に意見するなど100年早い」
貴音「……」
FP「いいですか社長。その提携を組むと言う事は、社員を地獄に引きずり込むのと同じだと言う事をお忘れなく」
冬馬「」プスプス
翔太「……」
北斗「チャオ∵」
FP「では私はまだ仕事がありますので失礼します」スタスタ
ガチャ バタンッ
美希「……ムカつくのー!何様なのアイツ!本当に腹が立つの!」
響「本当だぞ!なんであんな奴が自分達のプロデューサーなんだ!」
翔太「さすがに嫌になるよね」
貴音「プロデュースしてくれている方にあまり悪い事は言いたくありませんが、わたくしも限界かも知れません」
-765プロ事務所-
高木「上手く行くだろうか」
P「黒井社長を信じましょう」
高木「ああ、そうだな。彼を信じないで何の提携か」
小鳥「よく分からないけど私も信じるピヨ」
P「小鳥さんはもう少し周りに興味を持とうね」ビシッ
小鳥「痛いピヨ……」
P「……外回り行って来ます」
社長「ああ」
小鳥「ピヨピヨ」
美希「……」ポイッ
冬馬「痛て!」ガンッ
美希「……」ポイッ
冬馬「だから俺に石投げんな!」ガンッ
美希「はぁ……」
P「美希か」
美希「ハニー……」
P「浮かない顔してんな。何かあったか?」
美希「……ハニー!」ギュウ
P「どうしたんだよ!」
美希「うぅっ、ひっく……」
P「美希……何かあったか話してくれるか?」
美希「うん」
冬馬「俺もいるんだけどなっ!」
P「そうか、フェアリーのプロデューサーがな」
美希「うん。もしかしたらハニーとの提携が無くなるかも知れないの」
P「ハニーじゃなくて765プロな」
美希「もうミキどうしていいのか分からないよ」
P「そうか……よし」
美希「どうするの?」
P「フェアリーのプロデューサーに会う」
美希「今から?」
P「当然、行くぞ」
美希「う、うん」
P「ヘイタクシー!」パチンッ
タクシー「」キキィィ
P「961プロまで超特急で!」
運転手「了解……トランザム」
冬馬「あ、あれ?俺は?」
-961プロダクション-
P「コイツはお釣りだ!ととっきな!」パッ
運転手「世界の希望が見えるよ……」
P「行くぞ美希!」
美希「うん」
警備員「待て!」
P「っと、俺黒井社長の友達な」
警備員「765プロのプロデューサーは通すなと言われています」
P「なんとー!」
美希「どうして!!」
警備員「フェアリープロデューサーのご命令です」
P「チッ、先手を打たれたか。どうする?」
P「なんだ?」
美希「あのね、このプロダクションにはアイドルしか教えられてない秘密の通路があるんだよ」ボソボソ
P「またなんで?」
美希「追っ掛けとかいるからその人達を巻く為にあるんだよ」
P「成る程、大手は違うな。よし、教えてくれ」
美希「任せて」
-961プロダクション ホール-
ガチャ
P「……何とか入れたか」
警備員「」スタスタ
美希「警備員さんの数が多いの」
P「まさか俺が来る事が読まれてたか?」
美希「かも。あのプロデューサー、すっごく嫌な人間だけど頭をとんでも無くいいの」
美希「うん。海外の国立大学出たとか」
P「おいおい、俺は高卒だぞ」
美希「そんなの関係ないよ。ハニーは優しいもん」
P「照れるじゃないか」
美希「もっと照れていいよ」
P「まあ、照れるのは事が終わってだな。フェアリーのプロデューサーは何処にいる?」
美希「フェアリーのプロデューサーなら今だとプロデューサー室にいると思うよ」
P「プロデューサー室は何階?」
美希「72階」
P「千早が聞いたらキレるな。取り敢えず行くぞ」
美希「うん」
警備員「」
警備員「」
P「やっぱりだけど警備員が守ってるな」
美希「ハニーハニー」
P「今度はなんだ?」
美希「社長からこんなの借りてたの」ゴソゴゾ
変装セット「」
P「これを着ろと?」
美希「うん。誰がいい?」
P「取り敢えず女の子は勘弁」
美希「じゃあジュピターしかないよ」
P「だったらあまとうで」
美希「分かったの。ミキが監視してるから今のうちに着替えてね」
P「任されてー」
P冬馬「どうだ?似合ってる?」
美希「やっぱりハニーの方が比べものにならない程カッコイイよ」
P冬馬「サンキュー、じゃあ行こうか」
-エレベーター前-
P冬馬「おうおう、エレベーターに乗せろや!」
警備員A「は、はあ。どうぞ」
P冬馬「わりぃな!」ズカズカ
美希「ミキも乗るよ」
警備員B「もちろんどうぞ!」
P冬馬「よし」ピッ
シュィィィン
警備員A「あまとうあんな喋り方だったか?」
警備員B「知らねぇ。美希ちゃんしか見てなかった」
警備員A「そうだよな。美希ちゃん可愛いよな」
チーン
P冬馬「着いたな。奴の部屋は?」
美希「こっちだよ」
警備員「おや、どうしたんですか?」
P冬馬「おうおう!プロデューサーに用があんだよ!」
警備員「プロデューサーは現在職務中で誰とも会わないと」
美希「どうしても確認したいスケジュールがあるの」
P冬馬「おれは天下のジュピター様だぞ!」
警備員「……」
美希「ねぇ、お願い」
警備員「仕方ないですね。分かりました。少し待って下さいね」スタスタ
P冬馬「美希人気だな」
美希「でもミキはハニーの1番になりたいな」
P冬馬「じゃあ、今度あなたの1番になりたいを歌ってくれよ」
警備員「お待たせしました。入っても良いとの事です」
美希「ありがとうなの?」
P冬馬「わりぃな!」
警備員「……」
-プロデューサー室前-
美希「ここだよ」
P冬馬「よし、入るぞ……」
ガチャ
-プロデューサー室内-
P冬馬「……あれ?」
美希「いない」
P冬馬「何処行ったんだアイツは?」
美希「すれ違いになったのかな?」
P冬馬「チッ、じゃあ出るぞ」ガチャ
美希「どうしたの?」
P冬馬「開かないんだよ!」ガチャガチャ
美希「えっ!?」
FP『初めまして765プロのプロデューサー』
美希「この声はフェアリープロデューサー!」
FP『やはりソイツと一緒だったかアバズレ女』
美希「!!」
P冬馬「テメェ!美希を悪く言うんじゃねえ!テメェのプロデュースしてるアイドルだろうが!」
FP『アイドルなど代わりはいくらでもいる』
P冬馬「んだと!」
FP『だが、君とは残念だがお別れを言わないとならない』
P冬馬「どう言う事だ!」
美希「そ、そんな……」
P冬馬「そんなハッタリ!」
プシューー
美希「!!」
P冬馬「チッ」
FP『君達は悲運の事故死と言う事で処理しておくよ。フッ、これで黒井の事務所も終わりだな』
P冬馬「貴様ぁ!」
FP『ではさようなら』プッ
プシューー
美希「ミ、ミキ……ここで死んじゃうの?」
P「そんな事は絶対にさせなねえよ」バリッ ポイッ
美希「ハニー」
P「美希だけはどんな事があっても助けてやる」
P「美希には未来がある。だから死なす訳にはいかない」
P「何かあるはずだ、美希だけでも助ける何かが」ガサゴソ
美希「ハニーがいない世の中なんて嫌だよ!ハニーが死ぬなら、ミキも死ぬ!」
P「お前……」
美希「だから、ハニーも助かる道を考えよ?」
P「……分かった。じゃあ、美希も何かあるか探してくれ」
美希「うん!」
P「……はぁはぁ」
美希「何も、無かったの」
P「奴はそれも想定してたんだな……」
美希「ハニー……」
P「どうした?」
美希「……ど、どうせ、死ぬなら……最後に言うね」
P「なにを?」
美希「ミキ、ハニーの事、大好きなの。ミキ、ハニーのお嫁さんになりなかったよ」
P「……そうか、ありがとう」
美希「だからね……最後に、キス……して欲しいな」
P「……いいぞ、美希」
美希「ハニー……」
P「……美希」スッ
バンッ!!
P「え?」
美希「ほぇ?」
響「大丈夫か二人共……ってなにやってんだーー!!」
貴音「面妖なっ!」
北斗「チャオ#」
翔太「ヒューヒュー」
黒井「せっかく助けて来たのに何をイチャイチャやっている!羨ましいじゃないか!」
P「うるせー」
美希「ミキ達助かったの?」
響「このプロダクションはアイツに占拠されてたんだ。自分達も軟禁されてたんだけど社長が助けてくれたんだぞ」
P「やるじゃないか社長!」
黒井「当然であーる!しかし、あの逆賊めが、よくも小生のプロダクションを乗っ取ってくれたな!」
貴音「黒井殿、今こそが反撃の時です」
響「自分に任せて欲しいさ!いぬ美」
いぬ美「バウバウ」
響「あのプロデューサーを探して欲しいぞ」スッ
いぬ美「ガルルル」クンクンッ
P「嫌がってるな」
響「いぬ美もあのプロデューサーが嫌いだからな」
P「納得理解だ」
いぬ美「バウバウ!」
響「分かった見たいだぞ」
P「よし、追い掛けるぞ」
響「あっちだぞ!」
いぬ美「バウバウ」
P「あっちじゃ分からん」
貴音「タクシーを呼びましょう」
P「そうだな。ヘイッ!」タクシー!」パチンッ
タクシー「」キキィィ
運転手「行き先は」
P「このワン子の指示に従って下さい」
いぬ美「バウバウ」
運転手「了解、未来を切り開く為、飛翔する!!」
運転手「トランザムライザァァァァ!!」
タクシーR「」キィィィン ズギュゥゥン
ズガァァァァァン
警備員「何事だ!?」
ズカズカ
P「チッ、数が多い!」
運転手「お前達は先に行け。ここは俺達が食い止める」
P「運転手さん」
運転手「そしてその手に未来を掴み取れ。大丈夫だ、お前なら変われる。俺が変われたように、今のお前なら」
P「ありがとう運転手さん。行くぞ、みんな!」
警備員「捕まえろ!」
運転手R「おっと、アンタらの相手は俺達だぜ」
運転手T「彼らの邪魔はさせはしない」
運転手S「そうだ。俺達が、俺達が!」
運転手A「……トランザム」ジュコーー
運転手A「ジュースおいちい」
P「見付けたぞ!」
FP「なにっ!?何故分かった」
P「俺達には優秀な仲間がいるからな」
いぬ美「バウバウ」
響「美希とプロデューサーを殺そうとした罪は重いぞ!」
貴音「そうです。人の命をなんだと思っているのですか!」
美希「ミキ、アンタだけは絶対に許さない」
翔太「僕もさすがに許せないな」
北斗「チャオ†」
黒井「神の国へと引導を渡してくれる!!」
FP「おのれぇ……こんな所で私の計画が潰されてなるものかぁ!」
FP「や、止めろ!来るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
バキドカボコッチャオ★
FP「ガハッ、ゴホッ……」
P「今日のおれは阿修羅する凌駕する存在だ!くらぇ!」ズッ
FP「や、止めて……」
P「武力によるクソプロデューサー根絶!」ザシュ
P「それこそが765プロダクション!」グサッ
P「961プロとそれを成す!俺と共に!」バキッ
P「そうだ…!俺が!」ドシュ
P「俺達が…アイマスだ!!」スバァァァ
FP「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
FP「クソォ、貴様らさえいなければ!」
P「反省しろ」
警官「じっくり聴取してやるからな。えぇ!プロデューサーさんよぉぉ!」
FP「ひぃぃぃ!」
P「……終わったか」
黒井「これも君のおかげだ。961プロを代表して礼を言おう」
P「俺は当然の事をしただけだ。それに、俺だけじゃない。ここにいる皆のおかげでだよ」
美希「さっすがハニーなの!」
響「そ、そうだな、勢いでやったはいいけど、明日から路頭に迷ってしまうぞ」
P「心配するな。765プロと企業提携すれば俺が皆まとめてプロデュースしてやんよ!」
翔太「僕達は?」
北斗「チャオ∴」
貴音「北斗も心配しています」
P「もちろんジュピターもな!」
翔太「さっすがプロデューサーちゃん分かってる!」
北斗「チャオ∀」
黒井「では凱旋と行こうじゃないか!」
P「ああ、戻ろうぜ。961プロにな!」
-河川敷-
冬馬「誰も来ない……」
高木「えー、この良き日このような式を贈れる事を嬉しく……」
黒井「長い!」
小鳥「眠くなるから止めろピヨ!」
高木「そ、そうか……残念だ」
小鳥「それでは、新社長襲名式だピヨヨ」
黒井「……新社長は、小生」
えーーーー!!
黒井「えーーーー!じゃない!話の続きを聞け!新社長は、プロデューサーだっ!」
黒井「さあ、プロデューサー」スッ
P「どうも」ペコペコ
ワー パチパチパチ
P「長い話はピヨのバカが寝るから省略するな」
小鳥「ビヨッ!?」ビクッ
黒井「プーークックック」
小鳥「笑うなピヨ!」メコッ
黒井「ぐふっ……」
高木「やれやれ……」
P「これからは765×961の面々でやって行くからアイドルの皆はより一層気合いを入れてアイドル活動をしろよ」
おー!
いよ、プロデューサーさん社長ですよ!社長!
P「で、新事務所名だが、僭越ながら俺が決めさせてもらった」
ザワザワ
P「そのプロダクション名は……」
高木「ソレスタルプロ??」
小鳥「眠いピヨ」ウトウト
P「何処までも、天まで伸びるまで高みを目指すと言う意味を込めて名付けさせて貰った。皆もこのプロダクションの名前に負けないように励む事」
「「はい!!」」
P「では解散……と、言いたいがもう一つだけみんなに報告がある」
小鳥「早く終われピヨ」ウトウト
高木「報告?知ってるか?」
黒井「私は知らんぞ」
P「えっとなだな……」
美希「う、うん」スタスタ
響「美希?」
貴音「どうしたのですか?」
P「えっと、これは私事なんだが、俺達結婚する事になった。なっ?美希」
美希「う、うん。ミキ、ハニーのお嫁さんになるの」カァァ
でぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
黒井「う、嘘だ!小生がいながら美希と結婚だとぉぉぉ!」
小鳥「ビヨォォォォォ!!これは夢だピヨ!悪い夢だピヨーーー!!」
高木「……」
響「ほ、本当なのか!?」
美希「うん、黙っててゴメンね」
響「お、驚いたぞ。でも、おめでとうさー」
貴音「美希、おめでとうございます」
翔太「おめでとう」
北斗「チャオ♂」
美希「みんな、ありがとうなの。ミキ、凄く幸せなの」グスッ
P「美希」ギュ
美希「ハニー」
響「あっ!でもそうしたらプロジェクトフェアリーはどうするんだ?」
P「そこは心配無用だ。プロジェクトフェアリーの新メンバーは……」
冬馬「俺だ!」スタッ
P「テメーじゃねーよ!」ゲシッ
冬馬「酷い!」バタッ
小鳥「音無小鳥、今からアイドル始めます♪」
黒井「……」
高木「……」
響「……」
貴音「面妖な……」
一同「「……」」
小鳥「ちょ、ちょっと!私がアイドルやっちゃいけないの!」
P「まあまあ、これはあくまでも応急処置みたいなもんだから。この先、新しいアイドルが入ったら配置換えもあるからそれまで我慢してくれ」
響「わ、分かったぞ。それまでよろしくなピヨ子」
貴音「よろしくお願いします小鳥嬢」
黒井「ババァアイドルか。ふむ」
小鳥「お前は許さんピヨ」
P「へいへい。じゃあ、お披露目式はこれにて終わりだ。各自解散」
春香「ちょっと待った!プロデューサーもとい社長さん!」
P「どうした?」
春香「まだやり残した事がありますよ」
P「なにを?」
春香「美希とのキスですよ!キス!」
P「お前っ……あのなぁ」
美希「は、春香ぁ!」
春香「みんなも見たいよねー!プロデューサーさんと美希のキス見たい人ー!」
はーーい!!
黒井「わ、私は見んぞ」
小鳥「私もピヨ!」
黒井「……」
小鳥「ピヨ」
美希「う、うん……いいよ」カァァ
P「じゃあ、するからな。お前ら目ぇかっぽじって見とけよ!」
美希「ハニー……」
P「美希」スッ
美希「……んっ」チュ
ワァァァァァァァァ!!
P「愛してるよ美希」
美希「ミキも。一生幸せにしてね!」
P「もちろんだ!」
高木「若いっていいね」
黒井「……悔しいがそうだな!だが、私も諦めんぞ!何故ならば……」
黒井「このプロデューサーすごいよぉ!さすが私達の社長!」
黒井「であーーーーーる!!」
~fin~
やっぱり疲れるネ
思い付きは良くないアルよ
最後まで見てくれた人ありがとうネ
もう疲れてヘトヘトだから寝るヨだからお前らも早く寝ろアル
またネ!お休み
Entry ⇒ 2012.01.12 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「皆が俺の事をハニーと呼んでくるぞ!?」
バン バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・) バンバンバンバン゙ン
_/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
\/___/ ̄
; ' ;
\,,(' ⌒`;;)
(;; (´・:;⌒)/
(;. (´⌒` ,;) ) ’
( ´・ω((´:,(’ ,; ;'),`
( ⊃ ⊃ / ̄ ̄ ̄/__
\/___/
P「お、おいおい……」
千早「……プロデューサーと美希って、私達の中でも特に仲良いわよね」
響「そうだなぁ……ちょっと羨ましいぞ……」
雪歩「うぅ、私だって……」
春香「みんな! それは違うよ!」
響「実際プロデューサーと美希、ラブラブに見えるぞ」
春香「うぅん、それは錯覚だよ!
私が思うに、本当は美希とプロデューサーの間の好感度と、
私達のそれに大した違いはないと思う」
雪歩「な、なんでそう言えるんですか?」
春香「今からそれを証明するからちょっと見てて」
美希「!?」
P「うおっ!
なんだ春香か。相談?」
春香「はい!
今、時間いいですか?」
P「あ、あぁ」
春香「じゃあ、ちょっと控え室に行きましょう、ハニー」グイッ
P「えっ、あ、引っ張るなって!」
……バタン
響「い、今の見たか?」
千早「えぇ……」
雪歩「す、すごいですぅ!」
「……って思うんですけど、ハニーはどう思いますか?」
「俺は、春香がやりたいようにやれたらそれで……」
「ありがとうございます、ハニー!」
千早「……なるほど」
プロデューサー自身は美希のことをそこまで特別視しているわけではないってことね」
響「目から鱗だぞ!」
雪歩「……でも、それってつまり、私達の誰も特別扱いされてないってことじゃ……」
「「「……」」」
響「うー……でもなんか自分、モヤモヤするぞ」
雪歩「……」スッ
ガチャッ
P「じゃあ、そう言うことで」
春香「はい! 頑張ります!」
雪歩「あ、あのっ……おつかれさまですっ!」
P「ん? あぁ、お疲れさま、雪歩」
雪歩「お茶入れたので、よかったらどうぞ……」
P「おぉ、ありがとう。ありがたく頂くよ」
雪歩「熱いので気を付けてくださいね……は、ハニー……」カァッ
P「ぶふっ」ブフッ
「「「!!」」」
雪歩「きゃっ! た、大変っ」フキフキ
P「す、すまん雪歩!」
雪歩「いえ、あの……やけどとかありませんか? は、ハニー……?」フキフキ
P「な、な、なんで急にそんな美希みたいな呼び方するんだ?」
雪歩「……私がハニーって呼んだら、いやですか……?」
P「そ、そう言うわけではないが」
P「別にかまわんが……」
雪歩「ハニー……えへへ」
P「な、なんか落ち着かないな……」
春香「雪歩……恐ろしい子!」
千早「てれたハニー呼びの破壊力はなかなかのものね」
響「なんか初々しくて、こっちまで恥ずかしくなってくるぞ!」
まさか控え目な雪歩がそれを使うことで、アドバンテージに変えるなんて」
千早「……これはちょっと、対策を考えないとダメね」
美希「……」
雪歩「ハニー、お茶をいれ直しましたからどうぞ」
P「あ、あぁ、ありがとう雪歩……」ズズッ
春香「うわぁっ!?」ビクッ
響「貴音、いつの間に!」
貴音「なるほど、確かにお慕いする殿方をはにぃとお呼びすることも、
やぶさかではありませんね。ここは一つ私も挑戦してみましょう」
春香「ま、またライバルが増えた!」
千早「今度はどう来るのかしら……」
雪歩「!?」
P「ぶっ……こ、今度は貴音か」
貴音「私もはにぃ、とお呼びしてよろしいでしょうか?」
P「なんだ? 美希の真似が流行ってるのか?」
貴音「いえ、これは真似ではありません。
皆、懇意にしている殿方への、愛情表現を模索しているのです」
雪歩「あ、あいじょう……」プシュー
美希は私達の中でも、もっともストレートにその表現を行っています。
なので、まずは私も彼女に習い、己の道を探す手掛かりにしたいのです。
……と、言うわけで。
はにぃ……」ギュッ
P「なっ……なんだ……?」
貴音「……呼んでみただけです」ギュッ
P「うおっ、どっ、ど、どうした?」
雪歩「……呼びたかっただけです……」カァッ
貴音「はにぃ……」ギュッ
雪歩「ハニー……」ムギュウ
P「もうなんだこれ」
千早「や、やるわね二人とも」
春香「ぐぬぬ……やっぱり普段とのギャップは無視できない要因だよ」
春香「亜美真美、やよいあたりも、真っ正面から使っても効果は薄いかもしれないね……」
ガチャッ、
あずさ「あらあら、なんだか楽しそうなことになってるわねぇ」
貴音「はにぃ♪」
雪歩「ハニーっ」
あずさ「んー、なるほど……大体の状況は飲み込めたわ。
私もちょっと行ってこようかしら」
響「順応早っ!」
千早「さすがね……」
一旦はなしてあげた方がいいんじゃないかしら?」
貴音「……それは失念していました。申し訳ありません、はにぃ」スッ
雪歩「ご、ごめんなさいハニー……」パッ
P「い、いや、……まぁ、とにかくちょっと行ってくるよ」
P「あ、ありがとうございます」
あずさ「気を付けていってらっしゃい……ハニー」ポソッ
P「!」ゾクゾクッ
あずさ「うふふ」ニコッ
P「い、いってきます!」
春香「耳元で……!」
千早「しかもさり気なく胸を……くっ」
響「さ、さすがに大人の魅力全開ってかんじだぞ!」
春香「いやぁ、参りましたよ」
千早「かないませんね……」ペタペタ
貴音「まだまだ研究の余地があるようです」
雪歩「でも、なんだかいつもより素直になれて良かったですぅ」
響「……あれ? 美希は?」
春香「え?」
千早「そう言えば、さっきからいないわね」
美希「ハニー!」
P「あ、今度は美希か。どうした?」
美希「忘れ物、届けに来たの!」
P「忘れ物? な、何かあったかな?」ゴソゴソ
美希「はい、この手袋なの!」
美希「これね……ミキからのプレゼントなの。
ミキが編んだんだよ? 初めてだから、ちょっと変かもだけど……」
P「おぉ……温かい。
ありがとう、美希。嬉しいよ、いやほんとに」
美希「あのね、ミキがハニーと一緒に居れないときも、
それを付けてたらミキと手を繋いでるのと同じなの!」
美希「みんながなんて言ったって、ハニーはミキのハニーなんだから!
忘れないでよね、ハニー!」
P「あぁ……わかったよ。
じゃあ行ってくる」
美希「ハニーっ、行ってらっしゃい!
早く帰ってきてなのーっ!」フリフリ
千早「そうみたいね」
響「いいなー手袋。自分もほしいぞー」ハァー
あずさ「今度、みんなで編み物大会するってどうかしら?」
貴音「それはまこと良き考えですね」
雪歩「私もハニーに……」グッ
【終わり】
面白かった乙
乙
響「……」キョロキョロ
響(……みんな帰ったかな?)
響「は……ハニー」ボソッ
ガチャッ
P「なんだ響、まだいたのか」
響「うわぁああああああっ!!?」ビクーン!
響「もー、驚かさないでほしいぞ……」ドキドキ
P「驚いたのはこっちだっての。
こんな遅くまで自主練か?」
響「ま……まぁそんなところだぞ」
P「そうか。頑張ってるな。えらいぞ」
響「え、えへへ……」
P「完璧の秘訣は弛まぬ努力の賜物、ってことだな」
響「あはは、プロデューサーなんだか貴音みたいだぞ」
P「そうか?
……あぁ、そう言えば今日はなんか貴音は変な感じだったな。
雪歩とかもだったが……なんだったんだろうな、あれ」
響「……」
P「は?」
響「うぅー……」カァッ
P「なんだそりゃ。
そろそろ鍵閉めるから、帰る準備してくれよ」
響「あっ……うん、わかったぞ……」シュン
P「よし、戸締まりOKっと。忘れ物は無いか?」
響「大丈夫だぞ。
……あ、プロデューサー、その手袋って……」
P「ん? あぁ、これか。美希がくれたんだ。温かくていいな。
今夜は冷え込むらしいから、響も気を付けろよ。
しかしこう風が強いと、やっぱり寒い……早く帰ろう」
響「……」ギュッ!
P「!?」
俺の背中になにかついてるのか?」
響「……ちょっとは、あったかくなるかなーって」ハァー
P「ははは、うん、温かいな響は。さすが沖縄出身だ」
響「それはあんまり関係ないぞ」
P「そうか?」
汗冷やさないようにしろよ。ちゃんと拭いたか?」
響「……いつもありがと、ハニー」ボソッ
P「え? なんだって?」
響「いっ、一回しか言わないからな! もう言わないぞ!」
P「なんだよ、気になるな。……あ、雪だ」
【おまけ終わり】
「ハニー!」「ハッニー♪」「はにぃ」
P「お前ら絶対面白がってやってるだろ!」
伊織(ど、どう言うことなのよこれは……!)
それが貴音にあずさに、雪歩まで……!
……それにしても、プロデューサーまでデレデレしちゃって!
なんなのよ、もう……!)
響「みんな急に素直にアタック出来るようになったみたいだな」
春香「そうだねー」
伊織(……素直に……)
プロデューサーにトゲっぽく当たってるかもしれないけど……)
千早「やっぱり気持ちを言葉に出すと、
それだけで表情も大きく変わるものなのかもね」
春香「あぁー、そうかもね」
響「言わないとわからないことも多いしなー」
伊織(……なによ、私だって……)
……コホン
伊織(……は、恥ずかしい……っ!
想像より遙かに恥ずかしい!
なんであんな素直にハニーとか言えるの!? 信じらんない……っ)カァッ
P「おーい、伊織、律子が呼んでるぞ」
伊織「はっ、はぁ!? わ、わかってるわよ!!」
P「うおっ、ご機嫌斜めだな……」
伊織(……あ)
方法はともかく、もっと素直にならなきゃ……
一応、その、あのプロデューサーにも感謝はしてるわけだし……)ブツブツ
律子「ちょっと、伊織、聞いてるの?」
伊織「あ、……うん」
伊織(素直に……か。
……私が素直になったら、プロデューサー、喜んでくれるのかしら)
P「なんだ? 伊織」
伊織「……その、私って、素直じゃないのかしら」
P「おいおい、いきなりどうしたんだ」
伊織「い、いいから答えなさいよ!」
P「んー、そうだなぁ……」
伊織「……そう。そうよね、やっぱり……」
P「でもさ、それが伊織らしさなんじゃないか?」
伊織「……え?」
P「強気でツンとしてるのも、らしくていいじゃないか。
俺は嫌いじゃないぞ、伊織のそういうところ」
伊織「な……っ」カァッ
P「いや、別に聞かれたから答えただけだろ」
伊織「うー……!」
P「まぁ、気に障ったなら悪かったよ。ごめんな」
伊織「……」
P「でも、確かにもう少しぐらい素直になっても……」
P「え?」
伊織「もうちょっとだけ、私らしい範囲で、素直になるわよ」
P「そ、そうか。まぁ、期待しておくよ。
そんなに無理することもないと思うが……」
プロデューサーのこと、……ハニーって呼ぶから」
P「……な、なんだって? 聞き間違いか?」
伊織「う、うるさいうるさい! ふ、二人っきりのときだけなんだからねっ!」
亜美「いおりん、二人っきりがどうかしたの?」ヒョコッ
伊織「あっ、あっち行ってなさいっ!」
【おまけ2おわり】
乙
もし思い付いたら書くかもだが。
ダダダダー ッギュ
P「うぉ!?なんだ亜美か」
亜美「んっふっふ~・・・ハニ→」
P「ふふふ、もう効かぬよ!いい加減慣れたわ!」
亜美「んえーつまんなーい!兄ちゃん乗り悪ーい!」
ギャーギャーベタベタ
真美「・・・」
こんな感じで誰か
真美「・・・よ、よし」
P「やめろ!こら亜美、し尻だけはやめて!」
亜美「んっふっふ~よいではないかよいではないか~」
真美「に、にいちゃん」
P「真美、亜美を止めて!尻がっ!」
真美「兄ちゃん!」
ピタッ
P「!?え?あ、お、俺?」
亜美「あー!兄ちゃん亜美の時とリアクション違うじゃーん!」
P「なんというかあの静まり返った空間で改めて言われると破壊力が・・・」
真美「は、ハニー・・・どうかな・・・可愛い?」
誰か書いてよ・・・
真美「え、えへへへ~トーゼンっしょ→」
亜美「ハニ→ハニ→亜美も可愛いっしょ?」
P「ハイハイ可愛いぞ~」ギュッギュ
真美「!」
亜美「んっふっふ~ハニ→は亜美の魅力にメロメロですなぁ」
P「お?そうか、ほーれ」ギュッギュー
真美「ふぁ・・・」
亜美「えー!兄ちゃんもう浮気しちゃうのー?」
P「亜美、戻ってるぞ」
亜美「あ、ハニ→!」
やよい「ただいま戻りましたー!」
ハニ→ニイチャンギャーギャー
やよい「どうしたんですかー?」
春香「実はカクカクシカジカで今は亜美と真美で検証中なの」
やよい「なるほどー」 テッテッテー
やよい「はい!ただいまです!・・・・はにー」
P「や、やよ、ぶふ!?」
亜美「うわっ兄ちゃん鼻血出てるよー」
真美「兄ちゃ、ハニーなんか真美の時より反応が・・・」
やよい「プロデューサーのことをはにーって呼ぶともっと仲良くなれるって春香さんから聞きましたー!」
P「そ、そうか春香から」
春香「やよい!シーッシーッ」
真美「兄ちゃん・・・さっきの反応、真美よりやよいっちのほうが可愛いんだね・・・」
P「いや、そんなことは・・・というかもう『ハニー』はいいのか・・・」
P「特にこの3人は妹みたいなものだと思ってる」
真美「妹・・・」
P「あれ、真美?・・・真美さん?」
真美「やっぱり呼び方が良くないんだね、兄ちゃん・・・ハニー」
P「も、戻すのか」
P「なんだやよい(この話題から離れたい・・・)」
やよい「『はにー』ってなんですか?」
P「知らないで言ってたのか・・・まぁ親しい男女というか、恋人同士で呼び合う時に」
亜美「んっふっふ~だからにいちゃ、ハニ→と亜美は恋人なんだよーん」
P「実際はこんな呼び方はしないと思うんだが・・・」
やよい「はにー」
P「もう一度頼む」キリッ
P「ど、どうした真美!?」
亜美「真美さんがなにやらお怒りですなーにいちゃ、ハニ→」
真美「ほ、ほら真美がこれで兄ちゃんの恋人!」
P「い、いやそれは」
亜美「んっふっふ~3人も恋人がいるなんて兄ちゃんモテモテですな~」
やよい「えぇーいいんですかプロデュ・・・はにー」
亜美「兄ちゃ、ハニ→太っ腹~!」
P「なぁ、今はこれで許してくれよ真美」
真美「真美は、真美だけの兄ちゃんが、ハニーが」
P「食後にデザートも付ける」
真美「~~今だけだかんね!今だけ3人の恋人!」
P「はいはい」
Pさんのハニーハントか
お前うまいな
P「さっきからチラホラ言い間違えてるし。慣れない呼ばれ方はこっちも疲れる」
やよい「うっうー!プロデューサーはプロデューサーですー!」
P「そうそう、その方がやっぱりしっくりくるな」
亜美「とかいっちゃって兄ちゃん、やよいっちの『はにー』は効いてたっぽいけど~?」ギュ
P「・・・コホン、その話はもう終わりだまとわりつくな」
真美「!」ギュ
P「真美まで」
真美「真美も見ててよねにいちゃ・・・」
真美「ハニー」
亜美真美やよい おちまい
真が見たいですお願いします
P「」
黒井「ハニ~☆」
P「」 バタッ
P「笑い事じゃないよ…こっちの身にもなってくれ」ハァ
律子「おモテになって、うらやましい」
P「…なんなら譲るぞ、律子」
律子「ひえ~、勘弁。あの子たちに囲まれたら体がいくつあっても持ちませんよ」
P「だろー?はぁーどっこいせ」
律子「おっさんくさ!」
P「疲れたんだよ、わかるだろ」
律子「…大変なのね、ハニーも」
P「!?」ガタッ
P「いやしかし」
律子「アイドルに散々呼ばれといて今更私にそんな反応することもないでしょ?ハ、ニ、イ?」フッ
P「ひゃああん」ゾクゾク
律子「ひゃあんて」(笑)
P「い、息を吹きかけるのはずるいぞ!」
律子「そこまで反応するとは思わなかったので…っとそろそろ時間ね。出発しなきゃ」
律子「行ってきますね、ハニー」ニコッ
P「オゥフ」
小鳥さんはよ
Entry ⇒ 2012.01.11 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
P「アイドル達にメアドを教えたら大変な事になった」
アイドル達はそれぞれお互いにアドレスを交換して、メールのやり取りをしている。
なんでも、やよいが初めて携帯を貰った嬉しさでみんなにアドレスを教えたのが発端なんだとか。
その流れで俺もみんなにアドレスを聞かれ、アイドル達とメアドを交換したのだが・・・・・
ピピピピッ ピピピピッ
P「・・・う~ん、もう朝か・・・」
P「今何時だ・・・?」
携帯パカッ
「新着メール:33件」
P「・・・え?」
P「い、いててっ!いてえよ!!・・・どうやら、夢じゃないみたいだ」
P「それにしてもなんだってこんな急に・・・スパムに狙われるような覚えはないんだけどなあ」
P「・・・」
P「・・・い、いや待てよ。そういえば昨日、事務所でみんなとアドレス交換をしたよな」
P「ま、まさか・・・!?」
1:星井美希
2:高槻やよい
3:星井美希
4:星井美希
5:天海春香
6:萩原雪歩
7:萩原雪歩
8:菊池真
9:音無小鳥
10:音無小鳥
11:音無小鳥
12:高木社長
・
・
・
P「な、なんじゃこりゃあああああーーーっっ!!?」
千早 8件
春香 3件
その他 10件
P「な、何々?よろしくお願いしますだのお休みなさいだの・・・ま、まあ一々返さなくてもいいだろ」
P「音無さんはなんでこんなに送ってきてるんだ?」
一通目「お仕事お疲れ様です!そ、それでよかったらなんですけど・・・これから飲みに行きませんか?」
二通目「どうしてお返事くれないんですかっ!こうやったら私一人で行きますからね!」
三通目「一人酒なう 気持ち悪いピヨ」
P「・・・・・」
P「音無さんのアドレスは消しておこう」
7:萩原雪歩 01/06 22:24
件名:雪歩です!
本文:あ、あの・・・プロデューサー。
せっかくアドレスも交換したんですから、これから、いっぱいメールとか送りますね!えへへ・・・
8:萩原雪歩 01/06 22:54
件名:ごめんなさい
本文:私、浮かれて慣れなれしくメールなんてしちゃいましたけど、
よく考えたら、お仕事の邪魔ですよね?
うぅぅ・・・ダメダメな私のアドレスなんて、もう穴の中に埋めておいてくださいぃ・・・
P「なんだこれ申し訳ない・・・全然そんな事ないのに」
P「仕方ない、雪歩には返信を打っておくか・・・」
P「送信」
コースモス コスモス♪
P「返信早っ!?」
P「・・・と思ったら雪歩じゃなかった。美希?」
件名:おはようなの
本文:プロデューサー、どうしてお返事くれないの?
P「うわああああめんどくせええええええ!!!!!」
P「送信」
P「なんでみんなメールにこだわるんだ・・・?べつに事務所で会えるんだからわざわざメールしなくてもいいだろうに」
コースモス コスモス♪
P「・・・」パカッ
From:音無小鳥
件名:おはようございます
本文:二日酔いですけど質問ありますか?
P「ねーよ!!!」
P「こ、こんな事してる場合じゃない・・・早く支度して出勤しないと」
コースモス コスモス
コースモス コスモス
P「・・・・・」
P「アイドル達のアフターケア(?)もプロデューサーの仕事のうちだよな!」
P「よし、今日はメールでパーフェクトコミュニケーションだ!!」
P「送信、っと」
P「これが本来の使い方だよな・・・ま、別にいいけど・・・」
P「とりあえず、昨日きてたメールに返信するとするかな」
P「さっき美希と雪歩には返したから・・・最初はやよいか」
件名:はじめてのめーるです!
本文:うっうー!さいきんじむしょのみんなとあどれすこうかんして、めーるしてます!
ぷろでゅーさーも、わたしとめるともになりましょー!
P「使い立てだから漢字の打ち方がわからないのか・・・」
P「『まずは漢字の打ち方の練習しような(笑)』でいいか」
P「えっと次は・・・春香か」
件名:プロデューサーさん!メールですよ、メール!
本文:こんにちは!天海春香です!・・・ってもう夜ですよね><
最近事務所でメールが流行ってますけど、まさかプロデューサーさんとメールするなんて・・・
なんだか不思議な気分です。プロデューサーさんは、どんな感じですか?
P「どんな感じって言われてもな・・・」
P「『俺も、みんなとメールする事になるなんて思わなかったよ。なんだか親しくなれて嬉しいな』とでも言っておけばいいか」
P「はい送信」
P「えっと・・・次は、真か」
件名:真ですd('-^)
本文:こんばんわっo(≧▽≦)oプロデューサーはまだ起きてますかッッ?
ボクは今、近所の公園でジョギングしてます!夜風がとっても気持ちいいんですよ(キラキラの絵文字)
今度、プロデューサーも一緒にジョギングしましょうねッッ(ハートの絵文字)
P「ず、ずいぶん可愛らしい文面だな・・・」
P「真も女の子ってことか、なんだか違った一面が見れて得した気分だ」
P「『ジョギングよりも真と二人三脚したいな(ハート)』はっはっは!こりゃいいな」
P「次は誰だっけ・・・早くも面倒くさくなってきた」
From:piyocyan-piyo.piyo@codomo.ne.jp
件名:ちょwwwww
本文:遅刻しないでくださいよwwwwwww
P「・・・」
P「『おkwwww30秒で支度するwwwwww』」
P「着拒しようかな・・・・」
P「まあ一応見ておくか」
From:高木社長
件名:ごきげんよう!
本文:やあ君。どうも事務所ではメールが流行っているみたいでね?
私もアイドル諸君にアドレスを聞かれてしまったよ!!ハッハッハ!
そこで、ものは相談なんだが・・・私に、メールの打ち方を、教えてはくれないかね?
いやはや、若者とのメールともなると、少々緊張してしまってな!ぜひ、よろしく頼むぞ!
P「社長・・・」
P「(それ以前に社長にメールする人なんているのかな・・・)」
P「まあいいや。さっき遅刻するって送信しちゃったしあとで返しておこう」
P「あとまだ21件もあるのか・・・・・こりゃ昼休みにも間に合わないか」
P「げっ、社長からだ。さすがに遅刻は不味かったか・・・?」
From:高木社長
件名:音無君にメールの打ち方を教えてもらったぞ
本文:遅刻ワロタwwwwwwwwwww
これで、どうかな?
P「(あの人なに教えてるんだよ・・・・・)」
P「でもまあ、怒ってないみたいだしいいか」
From:kuroi_kurosugiru...@kusoftbank.ne.jp
件名:ウィ。
本文:ほう?アイドル達とメールごっことは・・・ずいぶんと余裕なようだな。
まあ、弱小765プロほど下らないおままごとが似合う事務所もそうそうないだろうがな!!
ハーッハッハッハ!!!アデュー☆
P「・・・黒井社長か・・・まあアドレス見れば一目瞭然だけど」
P「結局何が言いたかったんだ?というかなぜ俺のアドレスを知っている?」
P「『もしかして、俺とメル友になりたいんですか?』」
P「送信」
From:kuroi_kurosugiru...@kusoftbank.ne.jp
件名:馬鹿な!
本文:何をふざけた事を言っている!!!
貴様のようなボンクラプロデューサーを見ると私は虫唾が走るのだよ!!
・・・おっと、無駄な時間を使ってしまう所だった。私は貴様らと違って忙しいからな。
それでは本当に失礼するよ、アデュー!
P「1分で返信してきてよく言うよ・・・でも面白いから適当に相手しておこう」
P「『了解です。ウィ(笑)』」送信
P「さて、メールの続きを・・・あ、次は千早からか」
From:如月千早
件名:如月千早
本文:よろしくお願いします。
P「・・・。まあ予想はしてたけど・・・千早らしいといえば千早らしいか」
P「せっかくのメールだし、普段言えないようなことをメールで言ってみよう」
P「『クールな千早かわいい!』送信♪」
P「うわっ!?もう千早から返信か」
P「そっけないのか興味があるのかわからんな・・・」
From:如月千早
件名:Re:
本文:警察呼びますよ?
P「やっぱりそっけなかった・・・」
P「なんかでも、こういう何気ないやり取りができるほうが俺は好きかもしれないな」
P「ふだんは気を張ってばっかりで、他愛のない会話ってなかなかできないよな・・・」
ヴーッ ヴーッ
P「本当返信早いな・・・」
件名:怒ってませんけど
本文:冗談なんですか?
P「(これはパーフェクトコミュニケーションの予感)」
P「あと19件か・・・とは言っても、美希のツイッターにでも書いとけってメールが大半だな」
P「お、次は貴音からだったか」
From:四条貴音
件名:夜分いかがお過ごしですか?
本文:こんばんわ、プロデューサー。わたくし、めーるというものに初挑戦中でございます。
なんでも、写真を撮ってプロデューサーに遅れるとか・・・私がただ今食しております、らぁめんの画像を送りますね
添付画像:img001.jpg
P「いいなあああああああおいしそう」
P「そういえば朝から何も食べてないな・・・腹が減ってきた」
件名:なあ美希。
本文:おなかすいた
P「送信、っと」
P「あれ?なんだか俺、メールを楽しんでる気がするぞ」
P「・・・ってそんな事ないよな!これも仕事のうちだ仕事の!」
ヴーッ ヴーッ
件名:ミキも!
本文:なんか食べに行こ?
P「うーん・・・行きたいところだけど、そもそも出社すらしてないしな」
P「残りのメールも早く見てしまおう」
本文:今忙しいんだ
P「・・・ウソだけど」送信
P「えーと・・・次は・・・亜美だな」
From:双海亜美
件名:ぉッ£!
本文:兄ちゃ→ω起(≠τゑ→?±τ、問題τ〃£!
⊇σ乂→儿レ£★亜美`⊂真美、`⊂〃ッちヵゞ打ッτゑτ〃Uょ→!
正解レ£5分後!
P「なんだこれ読めねえwwwwww」
兄ちゃ→ん起きてる→?さて、問題です!
このメ→ルは★亜美と真美、どっちが打ってるでしょ→!
正解は5分後!
件名:世レヽヵゝレヽレ£ッひoょ→!
本文:±ッ(≠σ乂→儿レ£、亜美σヶ→勺ゥ譟開ら真美ヵゞ打ッT=ωT=〃ひoょ→ω!
兄ちゃω、ゎヵゝッT=ヵナ?ξяёU〃ゃ、маT=日月日Йё→!/ヽ〃ィ/ヽ〃→ィ!
P「・・・だめだ、一通目も二通目もなにが書いてあるのかさっぱり・・・」
P「うーむ・・・気になるし、あとで本人達に聞いておくか・・・」
P「あとまだメール見てないのは誰だったかな・・・」
さっきのメ→ルは、亜美のケータイから真美が打ったんだよ→ん!
兄ちゃん、わかったかな?それじゃ、また明日ね→!バイバ→イ!
すげーな
よ→んじゃなくてぴょ→んじゃないか?
あ、なるほど
ひ。ってなんだろうと思ってた
From:秋月律子
件名:こんばんは!
本文:律子です!とは言っても、いつも事務所で顔を合わせますし、
特にメールする事もないですよね・・・ま、なにはともあれこれからもよろしくお願いします!
P「うーん、良くも悪くも真面目って感じ」
P「どうせだから、なにかおちょくってやろう」
P「メールならいつもの鉄仮面も怖くない」
P「『そんな事言わないでさ、職場ではできないような内緒の話しようよ(笑)』」
P「へへへ・・・・送信。はっ!いかんいかん、素で楽しんでいる自分がいた」
件名:(怒)
本文:そんなふざけた事言ってる暇があったら早く出社してください!!
P「ですよねー」
P「結局、後で顔を合わせたときが怖い・・・」
ヴーッ ヴーッ
ヴーッ ヴーッ
P「ん?一気に2件も受信した」
From:piyocyan-piyo.piyo@codomo.ne.jp
件名:(無題)
本文:どうして私とは内緒の話してくれないんですか?
P「・・・」
From:高木社長
件名:何をしている!
本文:早く出社汁wwwwwwwww
P「この二人は揃って・・・・・」
P「いや、冷静に考えなくてもまずいんじゃないか?」
P「・・・まあ残りのメールを見て考えよう」
From:水瀬伊織
件名:伊織ちゃんよ!
本文:この伊織ちゃんがアンタごときにメールしてやってるんだから感謝しなさいよねっ!?
だ・・・だから、もし返事しなかったりしたら絶交なんだからっ!!
P「うわあ・・・ぜ、絶交って。これはまずいぞ」
P「いやー、下手に出勤して伊織のメールを無視してたら大惨事だった」
P「『ははーっ!スーパーアイドル伊織殿とメールができて、拙者幸せでござる!』」
P「これでよし・・・と」ピッ
P「・・・仕方ない、社長・・・は怒ってるのかよく分からないけど律子の顔が怖いから、事務所に向かうとしよう・・・」
P「あとはあずささんと、響からのメールがまだだったな」
From:三浦あずさ
件名:あずさですo(^-^)o
本文:こんばんわ、プロデューサーさん。三浦あずさです(^^)
私、あんまりメールとかしたことなくて、とっても新鮮な気分です♪
これからはメールでも、運命の人を探してみようかなぁ・・・?
P「なるほどね。あずささんらしい、平穏無事って感じだなあ」
P「でもとりあえず・・・」
P「『メールで運命の人を探すのはやめたほうがいいと思いますよ・・・』」
ピッ「送信」
From:我那覇響
件名:プロデューサー!響だぞ!
本文:プロデューサー!自分とアドレス交換してくれて、ありがとう!
その・・・自分は家だといつもペット達と一緒にいるけど、たまに人肌が恋しい・・・って時もあったんだ。
だから、これからはプロデューサーにメールたくさん送るから、覚悟しといてね!
P「響・・・・」
P「そうか、メールってこういったケアもできたんだな。最後の最後に、メールの重要性がわかったよ」
P「『ああ。これで、俺も響のペットの仲間入りかな!?なんちゃって!』」
P「送信、っと・・・・あれ?あ、地下鉄だから圏外で送れないや」
P「・・・まあいいか」
P「ま、まあ朝からアイドル達とのコミュニケーションはバッチリだし、今日もいい日になりそうだ!」
ガチャッ
P「おはようございまーす!」
律子「おそようございます?プロデューサー殿?」
P「うっ・・・」
アイドル達「おそようございます!プロデューサー(さん)!」
P「って、な、なんだみんな来てたのか・・・ははっ、これが社長出勤ならぬプロデューサー出勤ってやつかな!!?」
シーン
P「・・・は、はい」
社長「いや、私も君とのメールのやり取りは楽しかったよ?だがしかしね、それに現をぬかし、本分を忘れてもらってしまっては困る」
P「おっしゃる通りでございます・・・」
社長「ふむ。反省もしているようだし、今後はこのような事で遅刻しないよう、十分気をつけてくれたまえよ?」
P「は、はいっ!すみませんでしたっ!!」
小鳥「バツとして、プロデューサーさんは一週間携帯没収です!」
P「うっ・・・は、はい・・・」
P「(自分だってメールしてたくせに・・・・)」
美希「プロデューサー・・・美希にはあんまり返信してくれないのに、律子、さんとか千早とはしてた」
響「じ、自分なんて返信こなかったぞ・・・・」
P「あ、い、いや!それには深い理由があってだな・・・!」
律子「なーにが深い理由なんてあるもんですか!二人で内緒の話しましょう(笑)なんてしょうもないメール送っておいて!」
千早「ちなみに、私はクールな千早かわいいって褒められましたよ」
春香「!?ぷ、プロデューサーさん・・・それって、どういう事ですか?」
P「あ、それは、その・・・手が勝手に!あ違う!予測変換が勝手に打ったんだ!!」
「「「「プロデュ~サ~ッッッ!!!!!!」」」」
P「ひええええ!!もうメールなんて、こりごりだああぁぁぁ!!!!!」
バッドコミュニケーション!ちゃんちゃん!
おい
もっとがんばれよ
あと残りはメールスレにしたいけど誰とメールするか考えてない
P「さ~て!今日はようやく愛しの携帯が返ってくるぞ!」
ガチャ
P「おはようございまーす!」
P「さあさあ音無さん、約束の一週間ですよ?もう十二分に反省しましたから、携帯を返してください!」
小鳥「わ、わかってますよー・・・はい、どうぞ」スッ
P「ああよかった。無事だったか・・・・・ん?」
小鳥「?どうかしたんですか?」
P「なんか携帯の壁紙が音無さんのプライベート画像になってるんですけど」
小鳥「あ、その服可愛いですよね?私のお気に入りなんです~」
P「(知らねえよ・・・・・・)」
アドレス帳 ピッ
P「ああっ!?やっぱり音無さんのアドレスが再登録されている!!」
P「まったく、何が彼女をそこまでさせるのやら・・・・」
P「まあいいや、また消せばいいだけの話だし」ピッ
『暗証番号が違います』
P「・・・え?」
小鳥「・・・ニヤリ」
P「う、嘘だろおおおおおおおお!!?」
P「な、なんで俺が浮気してるみたいな言い草なんですか・・・」
小鳥「だって、それはプロデューサーさんが罪作りな男だからいけないんです・・・・//」
P「・・・まあ分かりましたよ。それで、どうすれば音無さんのアドレスを消させてくれるんですか?」
小鳥「消させてって・・・。いくらなんでも酷すぎませんか・・・?」
小鳥「そうですね、一日に100通以上私とメールしてくれれば、満足して消すかもしれません!」
P「(一日100通もメールしてたらまた没収されるわ・・・)」
P「ふーっ、今日も一日疲れたなあ・・・」
P「この前の携帯騒動以来、みんなとの信頼を取り戻すのに苦労した一週間だった・・・」
P「・・・ま、携帯も返ってきたことだし!気晴らしにメールでもして、全く懲りてない事をみんなにアピールするか!」
(小鳥「一日に100通以上私とメールしてくれれば・・・」)
P「・・・仕方ないなあ・・・」
件名:お疲れ様です
本文:これであと99通ですね
P「なんだよこの登録名・・・・・」
P「まあ言っても仕方ないか、できる限りのノルマは今日消化しよう。音無さんが寝てても一方的に送り続ける」
P「とりあえず送信っと」
ピッ
件名:わあ!
本文:本当に送ってくれたんですね!嬉しいです(笑)
P「・・・」
P「字面だけなら、可愛くなくもないんだけどなあ・・・」
P「まあ、いつもの感じで、かる~く接してみよう」
To:愛しの小鳥ちゃん
件名:勘違いしないでください。
本文:一刻も早く愛しの小鳥ちゃんを削除したいだけです。
P「送信」
件名:またまたそうやってwwwwwww
本文:実はちょっと傷つきます><
P「傷つきます><って・・・」
P「ちょっと可愛いけど、ここで折れたら面白くない。もう少し強気でいってみようか」
To:愛しの小鳥ちゃん
件名:(無題)
本文:豆腐メンタルじゃないですか・・・
P「う~ん、ちょっと言いすぎかなぁ。ま、メールなんてそんなもんだろ」送信
件名:Re:
本文:好きな人にそんな事言われたら誰だって傷つきます
P「・・・ん?」
P「・・・どういう事だ、これ」
P「そ、そういう事なのか・・・?」
P「いやいや、落ち着け!相手のペースに飲まれるな!相手は音無さんだぞ」
To:愛しの小鳥ちゃん
件名:Re:Re:
本文:からかってるのか酔っぱらってるのかどっちかにして下さい(笑)
P「・・・・」
「送信」
件名:Re:Re:Re:
本文:ごめんなさい変な事言っちゃって!実は飲みすぎちゃったんれすぅwwwwてへピヨ☆
P「・・・・」
To:愛しの小鳥ちゃん
件名:嘘ですよね?
本文:だって音無さん本当に酔っぱらってたら誤変換激しいですからすく分かりますよ
P「送信・・・」
P「・・・どうしようこの流れ」
件名:だったら
本文:どうしてそんなに酷い事ばっかり言うんですか?
P「おおう・・・やっぱり言いすぎたか・・・」
P「音無さんだからこその、なんだけどなあ・・・」
To:愛しの小鳥ちゃん
件名:それは
本文:そうでもしないと100通もメール続きませんからね…
P「なに言ってるんだ、俺」
P「そろそろ可哀想になってきた気がしなくもない」
件名:(無題)
本文:プロデューサーさん、私の事嫌いなんですか?
P「・・・・・」
P「件名も無題になってるしそろそろ潮時かもしれないな・・・」
P「落として上げるのが、プロデュースの基本!・・・なわけないか」
To:愛しの小鳥ちゃん
件名:Re:
本文:嫌いだったらメールなんてしませんよ
P「なんだか我ながら気持ち悪い展開になってしまったな・・・」
P「まあいいや、送信」
件名:Re:Re:
本文:おおっと!ここでデレデューサーの入場か~!?
P「ちょっと持ち上げるとすぐこれだよ・・・」
P「まあ、それが音無さんの可愛いところ、なのかもしれないな」
To:愛しの小鳥ちゃん
件名:デレてません!
本文:嫌いじゃないから嫌いじゃないって言ったまでです
P「ふー・・・」
P「ひょっとして、俺ってツンデレなのか・・・?」
P「何か不味い事でも言ってしまったか・・・?」
P「ううむ、思い当たる節が多すぎてどれかわからない」
P「まあ・・・考えても仕方ない。ノルマ達成も今からじゃ無理そうだしもう寝よう」
P「明日ひとこと謝っておけば大丈夫だよな」
P「おやすみ」
・・・・・・・
・・・・
・・
P「んん・・・・?なんだ、こんな時間に・・・・・?」
P「メールか・・・」
パカッ
From:愛しの小鳥ちゃん
件名:あ
本文:イェーイwwwwwプロデゥーサー、みてれぅー?wwwwwwww
P「はあ・・・結局飲んだのか・・・・」
件名:い
本文:見てますよ、見てますから飲みすぎて明日寝坊しないでくださいね?
P「送信、っと」
P「・・・」
P「さすがに酔ってるからか返信が遅いな・・・って期待してる俺も大概か」
ヴーッ ヴーッ
From:愛しの小鳥ちゃん
件名:うううううwwwwwww
本文:わたしもぷろでぇーさーしかみえにいですせwwwww
わたしぷろでぇーさのことだいすけでせからーwwwwwww
P「だいすけって誰だよ・・・肝心なところ打ち間違えるんだから」
P「ま、いいか。どうせなら、もっとちゃんと言われたいしな・・・直接」
P「これ以上送っても無駄だろう・・・ま、明日からも100通メールできるんだしまた明日って事で」
パタン
P「おはようございまーす」
小鳥「お、おはようございます・・・昨日は、その、すみませんでした・・・・」
P「べつにいいですよ。いつもの音無さんでしたし」
小鳥「ぴよ・・・・」
P「はぁ~、でもまた今日も100通もメールしなくちゃいけないのか・・・・・愛しの小鳥ちゃんと」
小鳥「ぴよっ!?//ぷ、プロデューサーさん、今なんて・・・・?///」
P「なんでもないですよ。それにもうメールの話なんていいじゃないですか!今はこうして、顔を合わせて仕事ができるんですから!」
小鳥「は、はいっ!くすっ・・・今日も一日頑張りましょうね、プロデューサーさん♪」
愛しの小鳥ちゃん編
END
俺得なので続けて下さい。
お願いします。
P「ふーっ、今日も一日疲れたなあ・・・」
P「この前の携帯騒動以来、みんなとの信頼を取り戻すのに苦労した一週間だった・・・」
P「・・・ま、携帯も返ってきたことだし!気晴らしにメールでもして、全く懲りてない事をみんなにアピールするか!」
P「(・・・とは言っても、だれに送ろうかな)」
P「(美希はずっと返事要求してきそうだし亜美真美のは読めないし)」
P「(律子はまだおかんむりだろうし、それ以外のメンバーはそもそもメール自体あんましなさそうだよな・・・)」
P「うーむ・・・・・」
P「本文は・・・今、暇?でいいや」
P「さて・・・だれに当たるかな!?」
※この書き込みのコンマ下一桁が
1春香
2真
3やよい
4千早
5美希
6竜宮の誰か
7響
8雪歩
9社長
0貴音
P「・・・っと、千早か」
P「そういえば、この前の話の続き、結局してなかったな」
P「まあ信頼回復でそれどころじゃなかったから仕方ないか・・・」
ヴーッ ヴーッ
P「お、返ってきたぞ」
件名:Re:
本文:暇ですけど・・・何か用ですか?
P「うん、予想はしてたけど話を続けづらい」
P「ま、まあこの前の流れでいこう」
To:如月千早
件名:特に何も
本文:携帯復帰記念にクールな千早とメールしようと思って
P「送信」
P「呆れられそうだな・・・」
件名:そうですか
本文:懲りてないんですね
P「ははは・・・すみません」
P「返信だけは早いのが気になるが・・・うーん、なんて返そう」
P「もうこうなったら押しまくってみよう、どうせ話続かないし」
To:如月千早
件名:そうですね
本文:どうして千早っていつもそんなに素っ気ない感じなんだ?
P「よし」
件名:べつに・・・
本文:素っ気なかったらだめですか?
P「なんだこいつ・・・可愛げのないメールよこしやがって」
P「むしろなんでアドレス交換したんだ・・・本当にメールする気あるのか?」
P「まあ普通に考えれば、職場仲間とプライベートなメールをする事の方が珍しいか・・・」
To:如月千早
件名:うん
本文:アイドルとしてヴィジュアルって大事だろ?
それに何より俺が寂しい
P「早くもブチりブチられそうな雰囲気だ」
P「つなぎで誰かほかの人にも送ろうかな」
P「あれ?千早じゃない」
From:秋月律子
件名:怪しい・・・
本文:まさかとは思いますけど、携帯が返ってきたからってまたアイドル達とメールでもしてるんじゃないでしょうね?
今度遅刻したりしたらただじゃ起きませんから!
P「な、なんでわかるんだ・・・」
P「律子の勘、恐るべし・・・」
P「『そういう律子だって俺に送ってきてるじゃないか』」
P「送信っと」
ヴーッ ヴーッ
P「あ、今度は千早からだ」
件名:すみません
本文:アイドルとしてヴィジュアルが大事って言うのはわかります。
でもそれとプロデューサーになんの関係があるんですか?
P「マジレス乙・・・」
P「なんだよ、どんな関係があったっていいじゃないか」
P「強いて言うならば、二人だけの関係かな・・・///」
P「・・・なんて流石に言えないか」
To:天海春香
件名:いいけどさ
本文:俺にも普段とは違う顔を見せてほしいってことかな?
P「送信・・・。ん?」
P「うわ!間違えて春香に送っちゃったぞ!!」
携帯「送信完了しました」
P「うわあああああ間に合わなかった・・・」
ヴーッ ヴーッ
P「もう見たくないな・・・」
From:秋月律子
件名:そういう問題じゃないです!
本文:さっきのは親切な私からの忠告です!忠告!
揚げ足ばっかりとってると本当に怒りますからね!
P「さすが律子・・・このトラブルを見越した上での忠告だったのか。だが遅かった・・・」
P「やばい・・・春香からメールだ・・・」
件名:プロデューサーさん?
本文:さっきのメール、誤送信ですよね?誰とメールしてたんですか?^^
P「うひゃあ・・・わざと^^とかつけてんのかな・・・・」
P「だとしたら相当修羅場の予感だけど・・・考えすぎか!」
P「『ちょっと故郷のお母さんに・・・^^』」
P「もうこれでいいや、シラネ」
P「ついでにさっきのメールを千早にも送っておこう」
P「これは携帯が鳴るたびにドキドキするな・・・」
P「・・・ゴクリ」
パカッ
From:星井美希
件名:暇?
本文:携帯返ってきた記念にメールしよo(^-^)o
P「なんだ美希かよ・・・」
To:星井美希
件名:ごめんな
本文:いま手が離せないんだ
P「携帯から手が離せないのは事実だからな・・・」
ヴーッ ヴーッ
P「さて、今度こそ誰だ・・・・」
件名:えっと・・・
本文:普段とは違う顔って?ちょっと考えてみます
P「おお、千早か・・・」
P「この文面からは少し進展の兆しがうかがえるな」
To:如月千早
件名:それはズバリ
本文:ツンデレのデレの部分。的な?(笑)
P「さすがに怒るかな。でもメールだしこれくらい許されるだろ」
ヴーッ ヴーッ
P「お・・・故郷のお母さんから返信だ・・・・」
件名:(無題)
本文:どうして嘘つくんですか?嘘をつくプロデューサーさん、私は嫌いです
P「嫌われちゃったよ・・・」
P「まあ仕方ないか。携帯没収されといて懲りずにこんな事やってるんだから」
P「そして俺も懲りてないから尚更仕方ない」
To:天海春香
件名:ごめん。
本文:嘘をついていたことは謝る。でも俺にだってプライベートがあるんだ、分かるだろ?
P「頼むからもう返してこないでくれ・・・」
P「だったら返信すんなって話か、まあ送らないで後悔するより送って後悔しよう」
件名:はあ・・・
本文:デレ、ですか・・・
P「・・・」
P「まずいぞ、千早からも春香からも律子からも完全に白い目で見られている」
P「今更ながら携帯を没収された意味がわかった気がする」
ヴーッ ヴーッ
P「はあ・・・もう寝ようかな」
P「どうせ春香から・・・・おっ!?」
件名:こ、こんばんわですぅ
本文:プロデューサー、携帯戻ってきたって聞きましたよ?
えへへ・・・これでまた、プロデューサーとメールができますね。
明日からは毎日なに送るか考えなくちゃ・・・それじゃ、お休みなさいですぅ!
P「雪歩・・・お前は唯一の良心だよ・・・・」
P「このすさんだ空気を一瞬で和やかにしてくれた」
ヴーッ ヴーッ
P「そしてどうやら一瞬で壊されたようだ・・・」
件名:(無題)
本文:分かるけど・・・分かりません!でももういいです。
あんまり、みんなを不安にさせるような事はしないで下さいね
P「みんなっていうか・・・不安なのは春香だけじゃないのか?」
P「でも、送信先を一つ間違えただけで簡単に失ってしまうものもあるってことだな・・・」
P「メールってこわいな。気をつけないと」
P「・・・千早にも、妙な事を言って済まなかったと詫びておこう」
件名:大丈夫です
本文:私の方こそすみません。急にデレと言われてもよくわからなかったので・・・
明日から実践してみます。お休みなさい、プロデューサー。
P「・・・こっちは思ったよりなんとかなったみたいだな・・・」
P「うーん、それにしてもなかなかうまくいかないもんだな、メールって」
P「律子じゃないけど、やっぱりむやみに送るものじゃないのかもしれない」
P「千早の明日からに期待して今日は寝よう」
電気「消灯」
P「おはようございまーす」
千早「おはようございます、プロデューサー」
P「お、今日は早いな千早?」
千早「プロデューサーが来るのを、・・・ずっと待ってたんですよ」
P「え、ど、どうしてだ?」
千早「それはその・・・プロデューサーがデレろと言ったので・・・・私なりに、プロデューサーに尽くせばいいのかなと解釈したんです」
P「そ、そうか!千早がそんな風に言ってくれるなんて、俺は嬉しいよ」
P「は、はははっ。そんなに無理しなくてもいいよ。俺はその気持ちだけでも十分だからさ」
千早「そ、そうですか?でも・・・・」
P「いいからいいから。よし、じゃあ今日は一緒に営業に出かけようか!昼飯もおごるぞ?」
千早「あ・・・は、はい!」
春香「(昨日のメール、千早ちゃんだったんだ・・・・)」
結局千早との距離はなんとなくだが縮まった気がした。
一緒にランチをした時も、いつもより暖かい笑顔を向けてくれた。
・・・ただ、春香の冷たい視線を代償としての話だが・・・・・
千早ノーマルコミュニケーション編
END
次も期待
さくさくいこうぜ!
P「・・・とは言っても悪い夢を見ていたせいかわからないけど、なんだかメールをするのも気後れするな・・・」
P「やっぱり、没収されてただけのことはあるし、少しの間、謹慎しようかなあ」
P「もしだれかから届いたら、返せばいいわけだし」
P「・・・返せばいい・・・・?」
P「あ!そういえばメールを返してない相手がいるんだった!」
件名:今日から俺は!
本文:ああ。これで、俺も響のペットの仲間入りかな!?なんちゃって!
P「そうそう、地下鉄が圏外で遅れてなかったんだ・・・」
P「一週間以上も前のメール、返すのは変か・・・?」
P「いや、でも響はメールしたいっていうような事言ってたし、きっと問題ないだろう」
P「うん、大丈夫だ。よし送信」
ヴーッ ヴーッ
P「来たか・・・!と思ったけど響じゃないな。誰だ?」
From:菊池真
件名:真です!
本文:こんばんわ、プロデューサーッ♪
今日はプロデューサーの携帯復帰記念日ですね★彡
これからボクと一緒に記念マラソンしません?(笑)
P「ま、真か・・・」
P「うーん。気持ちはありがたいけど、響にメールしちゃったしもし返ってきて返事をしないのも悪いよなあ」
P「・・・真にも悪いけど、またの機会にしておこう」
P「やっぱり真と記念マラソンに行っておけばよかったか・・・?」
P「なんて、結果論だし言っても仕方ないか。色々考える前にもう寝――」
ヴーッ ヴーッ
P「と思ったらキターーーーー」
P「今度はちゃんと響からかな?」
パカッ
件名:プロデューサー!
本文:一週間も前のメールに返事くれるなんて、自分感激だぞ!
プロデューサー、この前自分には返事くれなかったし、もうメールできないのかと思ってたさ・・・
感謝の気持ちに、ハム蔵の写真送るね!
添付画像あり:ハム蔵.jpg
P「ははっ、嬉しそうで何よりだ」
P「やっぱりメール、送って良かったな」
To:我那覇響
件名:ハム蔵見た!
本文:なかなか可愛く映ってたぞ!響もいい笑顔じゃないか(^-^)
返信が遅かったけど、動物達の世話でもしてたのか?
P「無難に行こう、無難にな」
P「送信、っと」
件名:そ、それは・・・
本文:そ、そうだぞ!ペット達の散歩に行ってて携帯を持ってなかったんだ!
決してどんなメール返すか思い悩んでたわけじゃないぞ!
P「・・・響って嘘が下手だなあ」
P「よし、少しおちょくってやろうか」
To:我那覇響
件名:なるほど!
本文:動物達の散歩、寒くなかったか?
風邪引かないようにするんだぞ!
P「なんて返ってくるかな?」
P「響のことだから、正直に白状しそうだが・・・」
P「Sending.」
P「・・・・・」
P「ふぁぁ・・・しかし、この時間にぼけーっと10分も待つのはさすがに眠くなるな・・・」
P「そんなにチバってメール打たなくてもいいのに、ははっ」
P「待ってる間暇だし、当たり障りのないメールでも誰かに送ってみるか」
P「誰にしようかな・・・・。きみに決めた!」
P「まあ要は、接しやすい相手ってことでいいだろう」
To:星井美希
件名:お待たせ!
本文:今日ならメールできるぞ!
P「送信っと」
ヴーッ ヴーッ
P「さすが!納得の返信スピードで安心した」
件名:やったなの!
本文:ねえねえ何話す?
P「『美希の好きな話題でいいよ』っと」
ヴーッ ヴーッ
P「おお、ホントに速いな・・・響が1通送る間に10通くらい送ってきそうだ」
From:星井美希
件名:じゃあプロデューサーの好きな子
本文:教えて?
P「ぶっ」
P「返信も話の展開もなにもかもが急だな・・・」
ポチッ
↓40秒後↓
From:星井美希
件名:えーなにそれ
本文:ミキって言ってくれなきゃやなの!
P「なんだそれ・・・まあお望みとあれば」
P「『じゃあ美希!』」
P「テンポよく送信!」
件名:ホントに?
本文:えへへ、ミキ嬉しいよっ!
P「美希が言えっていったんだろうが・・・まあ、喜んでるみたいだし、いいのかな」
P「『ははは、全く現金なやつだなあ(笑)』」
P「こんなもんでいいかな」
P「それにしても響は返信が遅いな・・・もしかして考えてる最中に寝ちゃったとか?」
P「さすがにそれはないか、はは」
件名:あふぅ
本文:ミキ、満足したからもう寝るね!ばいばーい!
P「なんだったんだ・・・嵐のようなやり取りだったな」
P「まあ、それが美希らしいっちゃ美希らしいか。メールでも変わらないんだな」
P「もう寝るって言ってるし返事はいいや」
ヴーッ ヴーッ
P「おっと・・・・ようやく響から返信か」
P「さぞかしすごい言い訳を考えたんだろうな」
件名:ごめんなさいだぞ・・・
本文:本当は散歩には行ってなくて、どんなメール送るのかずっと考えてたさ・・・
自分、あんまりメル友もいないし考えるのは苦手だからメールって難しいぞ・・・
あー!なんだか考えるだけでモヤモヤしてきたー!
P「きっと響なりに考えに考えて白状するという結論に至ったんだな・・・」
P「そう考えると、なかなか可愛い奴じゃないか」
P「まあでも、だからこそ困らせるようなことを言うのはやめよう・・・」
To:我那覇響
件名:わかってる。
本文:響が一生懸命メールの内容考えてるんだなって伝わってきたよ。
でも、そんなに難しく考える事ないんじゃないか?
仕事じゃないんだし、メールくらい気楽にやり取りしよう!
P「なんか俺、いい事言ったんじゃないか?」
P「まあ・・・当たり前のことか・・・」
P「送信」
件名:すごいぞ!
本文:プロデューサーは、自分のことなんでもお見通しなんだね!
でも・・・気楽って言われても、何を話せばいいのかわからないぞ・・・?
P「響ってあっけからんに見えるけど実は結構ナイーブなのかもしれないな」
P「動物に囲まれてるところはよく見るけど、ほかの人と一緒にいるところは・・・」
P「・・・って!なに考えているんだ俺は!そんなことは今は関係ないだろ」
To:我那覇響
件名:実は俺超能力者なんだ
本文:そうだな、いつも話してるようなことでいいんじゃないか?
響のペットのこととか、そういう他愛もない話でいいと思う
P「送った」
件名:そんなわけあるかっ!
本文:なるほど・・・でも自分、それだったら直接話せばいいやって思うぞ!
明日、プロデューサに自分のペットの話、たーっぷり聞かせてあげるからな!
あ、でもメールしてくれて嬉しかったぞ?それじゃ、また明日さー!ノシ
P「確かに、もっともな意見だ」
P「響はあれこれと考えるよりも、行動してなんぼだよな、やっぱり」
P「それじゃ、響の長話に備えて耳掃除してから寝るかな?はははっ」
パタン・・・
響「おはようだぞ!プロデューサー!」
P「お、響!おはよう!」
響「自分、今日はプロデューサーとたくさん話そうと思ってちょっと早く来ちゃったさ・・・へへへ・・・//」
P「そうだな、やっぱり響とはメールよりも直接話したほうが楽しいよ」
P「・・・それに、画像で見る笑顔よりも、直接見た笑顔の方が可愛いしな」
響「なっ・・・!?//」
響「突然そんな事言うなんて卑怯だぞ!プロデューサーのバカーーっっ!!///」
P「はははははっ!」
こうして俺と響のちょっと楽しげな一日が今日も始まった。
これからも、直接笑い合える仲間でいような、響!
パーフェクトコミュニケーション!
響、最初で最後のメール編
END
まて
P「ってこの下りはもういいか、なぜか何回もやっている気がするし・・・」
P「そういえば、このメールブームのきっかけはやよいなんだったな」
P「やよい、ふだんみんなとどんな話してるのかな・・・」
P「・・・ちょっと、気になるな。やよいにメールを送ってみよう」
To:高槻やよい
件名:プロデューサーです
本文:まだ起きてる?
P「携帯復帰後初送信だ!」
「送信完了しました」
件名:やよいです
本文:もう寝るところですー・・・
P「ははは、そりゃそうか。まだ中学生だもんな」
P「そういえば漢字が打てるようになってるな。この一週間で成長したんだなあ、やよいも」
P「ま、メールで成長しても仕方ないか・・・はは」
To:高槻やよい
件名:そっか
本文:みんな寝てるのか?
P「うーん、寝たがってるのかもしれないけど、とりあえず返信しておこう」
P「ポチッとな」
件名:そうですね
本文:みんな寝てますー
私もついさっき、後片付けとか終わったんですよー
P「やよいは一人で家のこととか全部やってるんだもんな・・・」
P「俺も見習わなくちゃいけないな」
To:高槻やよい
件名:お疲れ様
本文:やよいは偉いなあ。俺なんて料理も掃除もしないから散らかりっぱなしだよ・・・
P「他愛もない無難な返信しかできないけど、相手はやよいだし仕方ないか」
P「送信送信」
件名:そうなんですか?
本文:プロデューサーってマメそうな感じだったから意外ですー!
今度私が片付けてあげますよー
P「えっ!?それは本当なのか!!?」
P「・・・って、ついつい画面に向かって叫んでしまった・・・」
P「でもこれはやよいにアタックする数少ないチャンスかもしれない・・・!」
P「とは言っても相手は中学生だからな・・・まだ大人の世界に揉まれるのは早いだろう」
To:高槻やよい
件名:本当か!?
本文:もしそうだったら嬉しいなあ。でも、気持ちだけ受け取っておくよ
P「妥協してしまった」
P「それでもやよいなら、きっと・・・・!」
件名:うっうー・・・
本文:そうですか、残念ですー
P「キターーーーー」
P「これはもう誘ってるって解釈でいいんだよな?」
P「いや待てよ・・・ここで早まった選択をすると得るものも得られない」
P「あくまでも冷静にいこう、冷静に・・・・」
To:高槻やよい
件名:俺も残念
本文:本当に来るつもりだったのか?
P「ちょっとカマをかける感じで・・・メールならではの心理戦だ」
P「返信が来ないな。さすがに寝たか・・・」
P「眠いところに悪い事をしたな。明日一言謝っておこう」
P「そのついで、流れでやよいを家に招待して・・・」
P「・・・って違う違う!これじゃ俺がまるで変態みたいじゃないか!!」
P「まあ一応、やよいが来る事を見越して掃除はしないでおこう」
P「それじゃ、おやすみなさい」
Zzz...
P「ふー・・・今日はデスクワークばっかりで気分の沈む一日だった・・・・」
ガチャ
やよい「うっうー!お疲れ様でーっす!」
P「お、やよい。今営業から帰ってきたのか?」
やよい「そうなんですー!お疲れ様の、ハイ、ターッチ!」
P「イェイ!」タッチ!
やよい「えへへ、ありがとうございますー!」
やよい「あ、わかりますかー?実は今日、CM撮影の監督さんにすっごく褒められちゃったんですよー!やよいちゃんは元気でかわいいねって!」
P「そうか!それは良かったな」
P「(今なら言える・・・この流れなら、勢いでやよいをホームヘルパーにできそうな気がする!!)」
P「あ、そうそうやよい、昨日のメールの話なんだけどさ・・・」
やよい「あっ、すみません、私あのあと昨日寝ちゃったんですー・・・返事かえせなくて、ごめんなさい」
P「それはべつに構わないよ、俺も眠いところメールしちゃって悪かったからさ。それで、話の続きなんだけど――」
やよい「あの私、早くしないとタイムセールに間に合わなくなっちゃうからそろそろ帰りますね!またメール、送ってくださいっ」
P「あ、やよい!」
やよい「?プロデューサー?」
P「・・・いや、なんでもないんだ。気を付けて帰るんだぞ」
やよい「わかりましたー!」タッタッタッ・・・
P「くっ・・・」
ムシャ ムシャ
P「でも、やよいも家族がたくさんいるとはいえ、一人でほぼ面倒を見てるわけだもんな・・・」
P「どっちのほうが楽かって言ったら、俺の方がマシか・・・・」
P「でもどっちのほうが寂しいかって言ったら、俺の方が寂しい気がする」
P「・・・アホなこと言ってないで部屋の片づけでもするか・・・・」
ヴーッ ヴーッ
P「ん・・・?メールか、俺あてに送ってくるなんて珍しいな」
From:高槻やよい
件名:タイムセール間に合いました!
本文:うっうー!今日はみんなでもやしパーティーですー!!
添付画像あり:img034.jpg
P「うぅ・・・やよいは健気だなあ・・・・」
P「俺はこんな子に、一寸でも下心を抱いていたというのか・・・情けない・・・・」
P「でも、まだ捨てるとは言い切らない所が男ってやつだ」
To:高槻やよい
件名:おいしそう!
本文:間に合ってよかったな!みんな楽しそうで何よりだ!
俺は一人寂しくコンビニ弁当食ってます(T-T)
添付:弁当.jpg
P「思わず写メってしまった」
件名:片付け終わりましたー
本文:プロデューサーのぶんも、とっておけば良かったですか?
P「・・・どこまで信じていいんだ。やよいの言葉は純粋すぎて受け取り方に困る」
P「まあでも、本当にそう思ってるからそう言ってるんだよな」
To:高槻やよい
件名:食べたかったけど・・・
本文:やっぱり家族みんなで食べたほうがおいしいよ!やよいだってそう思うだろ?
P「俺はそうは思わないけどな!」
P「あーあ。本当はやよいと一緒にスーパーで買い物したりホットプレート洗ったりしたいなあ」
件名:そうですね!
本文:プロデューサーって優しいんですね!きっといいお父さんになれます!
うちの家族も、プロデューサーが来たらきっと喜ぶと思うなー
P「・・・」
To:高槻やよい
件名:なら俺が!
本文:今日からやよいのパパだ!!!
P「・・・・・」
ポチッ
「未送信ボックスに保存しました」
P「はあ・・・・」
件名:あはは!
本文:やよいはお世辞が上手いなあ!それなら、いつかお邪魔しに行こうかな(笑)
「送信完了しました」
P「・・・これで、いいんだ」
P「はぁ~あ!もうやめた!掃除なんてクソくらえだ!明日できる事は明日やればいい!」
P「結婚するならやよいみたいな家庭的な子がいいなあ」
P「やよいの家のもやしパーティー、さぞ楽しいんだろうな・・・・」
ヴーッ ヴーッ
P「今日は返信が早いな・・・昨日止めちゃったの、気にしてるのかな」
P「どこまでも、健気な子だ・・・」
件名:お世辞じゃないですよー
本文:私、家族のみんなにいつもプロデューサーの話するんです
そしたらみんな、会いたい!って言ってるんですよー?
P「そう言われてもな・・・」
P「さすがに意味もなくやよいの家まで行くのは気が引ける」
P「でも、やよいはああ言ってくれてるし・・・逆に、断るのも悪いのかもしれない」
P「それに俺の家に呼ぶよりはやよいの家に行ったほうが健全だろう」
P「・・・この賭け、乗ってみるか?」
To:高槻やよい
件名:本当にいいのか?
本文:そんな事言ってると、本当に行くぞ?
P「送信」
P「ほーらもう送っちゃった!どうなっても知らないもんね!!」
P「さ、さすがに引かれちゃったかな・・・・携帯を開く手が重い・・・・・」
From:高槻やよい
件名:うっうー!!
本文:本当に来てくれるんですかっ!?弟達に話したら、みんな大喜びしてますー!!
P「な、なんだと・・・!」
P「うんうん・・・言ってみるもんだなあ。やよいがメールブームに火をつけてくれて本当に良かった」
P「それにしても、やよいの家族たちいい子すぎるだろ・・・見ず知らずの人を喜んで招待するなんて」
P「そうと決まれば早速行動に移そう!もう遠慮なんていらん!」
To:高槻やよい
件名:そこまで言うなら・・・
本文:本当に行ってみるつもりだよ、やよいの家のもやしパーティー。
やよいの弟達にも会ってみたいしな!
P「送信」
P「うはwwwww夢がひろがりんぐwwwwwww」
件名:嬉しいですー!
本文:今度のタイムセールは水曜日だから、水曜日にしましょー!
やっぱりパーティーは大勢の方が楽しいですよね!プロデューサー、ちゃんと来て下さいねー?
P「やよいって意外と行動力があるんだな・・・」
P「しかし、やよいの方から招待してくれるなんてまさに願ったり叶ったりだよ・・・・・ああ、神はいたんですね」
P「これは水曜日が楽しみすぎて生きるのが辛い」
To:高槻やよい
件名:約束だぞ
本文:ああ、必ず行くから待ってろよ!
P「よっしゃあああああああ俄然やる気が出てきたぞおおおおおおおおお」
P「まずは部屋の掃除じゃあああああああああ!!!!!!!!!」
P「今日は待ちに待った水曜日」
P「今日も今日とて俺はデスクワーク・・・やよいは事務所に寄らずに帰ると音無さんが言っていたけど」
P「いまだに何の連絡もない・・・・このままじゃタイムセール間に合わないんじゃないか?」
P「・・・・・もしかして、忘れてる?」
P「そ、そんなわけないよな!ははは・・・は・・・・・」
P「・・・・・」
P「!!!??」
パカッ
From:高槻やよい
件名:お願いがあります
P「な、なんだよお願いって・・・ま、まさかやっぱりこないで下さいとかじゃ、ない・・・よな」
本文:お仕事が長引いちゃって、タイムセールに間に合いそうもないです・・・
P「え?ま、まさか・・・じゃあ、今日のもやしパーティーは中止・・・・?」
本文:だから、プロデューサーが代わりにスーパーで買い物してくれませんか・・・?
P「うわああーっ!!そ、そりゃ無理だ!!もやしパーティーなんて最初からなかったんや・・・・」
P「・・・って、え?買い物?」
P「買い物を俺に任せるってことは・・・つまり、俺ももやしパーティーに参加内定ってことじゃないか!!」
P「やったーーーーーー!!!!!!!!!」ガタッ
小鳥「!?び、びっくりしたピヨ・・・」
件名:おやすい御用だよ!
本文:買い物は俺に任せて、やよいは仕事に集中してくれ!
なに買っていけばいい?
P「送信のすけ♪」
ヴーッ ヴーッ
From:高槻やよい
件名:ありがとうございますー!
本文:買い物リストはあとで送ります!買い物が終わったら、駅で待っててくださいー
P「よし、そうと決まればさっそくスーパーにGOだ!!」
P「早くしないとタイムセールが終わってしまう!じゃ、音無さん!俺はこれで!チャオ☆」ダッ!
小鳥「へ?は、はぁ・・・お疲れ様です」
P「それにしても、こんな大荷物やよいはいつも一人で抱えてるのか・・・」
やよい「プロデューサー!!」
P「やよい!」
やよい「はぁはぁ・・・ごめんなさい、遅くなっちゃって・・・」
P「何言ってるんだよ、仕事、遅くまで頑張ったな」
やよい「えへへ、ありがとうございますー!あとお買い物も、すっごく助かりましたぁ!」
やよい「・・・こうして見ると、プロデューサーって本当のパパみたいかも・・・・・//」
P「な、なにふざけた事言ってるんだ。今日はパーティーなんだろ?きっとみんなやよいの帰りを待ってるぞ」
P「俺が言うのも変だけど・・・さあ、家に帰るぞやよい!」
やよい「えへへ、はいっ!プロデューサー!」
こうして俺はやよい家もやしパーティーにゲスト参戦することとなった。
やよいの弟達には散々オモチャにされたけど・・・本当に自分がパパになったような気分がした。
また行きたいな、いつか・・・・その日まで!
いつかパパになる日まで編
END
P「もう没収されるようなヘマはしないけど、せっかくみんなとアドレス交換したんだからメールはしたいよな」
P「この前失敗してるし、当たり障りのないメールができる相手がいいな」
P「当たり障りがない、か・・・それならやっぱり――」
ヴーッ ヴーッ
P「・・・お、言ってるそばからメールだ」
P「向こうから送ってきてくれるなんてなんだか嬉しいな。今日はこの子とメールしよう!」
P「だーれだ!?」
パカッ
件名:こ、こんばんわですぅ
本文:プロデューサー、携帯戻ってきたって聞きましたよ?
えへへ・・・これでまた、プロデューサーとメールができますね。
明日からは毎日なに送るか考えなくちゃ・・・それじゃ、お休みなさいですぅ!
P「ゆ、雪歩・・・・」
P「やっぱりお前は765プロの良心だよ・・・・・」ジーン
P「・・・けど、お休みなさいって書いてあるけどメール返してもいいのかな」
P「まあ、一言くらいならいいだろ。もし寝てたら返さないだけだろうし」
To:萩原雪歩
件名:メールありがとう
本文:今日はもう、寝るのか?
P「とりあえずこんな感じで送っておこう・・・」
P「送信!」
P「あ、返ってきた。まだ寝てないじゃないか」
From:萩原雪歩
件名:どういたしましてですぅ
本文:あ・・・まだ寝てませんよ?
お休みなさいって言ったのは、プロデューサーが返事をしなくてもいいようにって、
思って書いたんですけど・・・えへへ、お返事くれるなんて嬉しいですぅ・・・
P「雪歩・・・お前はどこまでいい奴なんだ・・・・」
P「それじゃあお言葉に甘えて、今日は雪歩といろいろトークするか!」
To:萩原雪歩
件名:そうだったのか
本文:寝てなくて、安心したよ。雪歩っていつも遅くまで起きてるのか?
P「よっしゃ」
件名:えっと・・・
本文:結構遅くまで起きてるほうかもですぅ。
よく友達と電話してて気付いたら朝だったりとか、そんなこともよくありますぅ・・・><
P「へえ・・・なんかちょっと意外かも」
P「なんとなくだけど、雪歩って夜更かしとかしなさそうなイメージだったからな」
To:萩原雪歩
件名:ちょっと意外かも
本文:ほら、雪歩ってあんまり発言とかするタイプじゃないし、
電話とかメールとかもしない人なのかなって思ってた
P「なんか微妙に失礼な言い回しのような気もするけど・・・まあいいか」
件名:意外ですか?
本文:うぅぅっ・・・そんな事ないですよーっ・・・
電話とか、メールだからこそ話せる事もあるんですよ?
でも、男の人とちゃんとメールしたのは初めてかも?なーんて・・・・
P「そうか、そういえば雪歩は男の人が苦手だったな」
P「最初のうちは苦労したけど・・・雪歩にとって安心できるプロデューサーになれて本当によかったよ」
To:萩原雪歩
件名:なるほどね
本文:俺とはメールできるみたいでよかった・・・
今度からは、メールでも俺に頼ってくれていいからな!
P「頼れる男アピール」
P「送信!」
件名:ありがとうございますっ
本文:男の人が全員苦手ってわけじゃないんですよ?
それにプロデューサーは特別な存在だから・・・・
これからも頼りにしてますね、プロデューサー!
P「特別な存在か・・・そういってもらえると嬉しいよ」
P「でも、特別な存在って・・・・どういう意味だろう?」
P「そのまま受け取っていいのか?それとも、まさか・・・」
To:萩原雪歩
件名:特別な存在?
本文:もしかして、俺は雪歩に特別嫌われてるってことか・・・?
P「・・・ってまあ、そんなわけないよな!はははっ」
P「ユーモア的な意味でもこのまま送信しよう」
件名:違います!
本文:どうしてそうなるんですかーっ!!
むしろ、その逆・・・・・
P「・・・」
P「これってもう告白されてるに等しい状況じゃないか?」
P「ど、どうしよう・・・返信に困ってしまうな」
ヴーッ ヴーッ
P「あ、あれ?また雪歩か」
From:萩原雪歩
件名:(無題)
本文:や、やっぱりさっきのメールは忘れてくださいぃーーっ!!
無しです、無し!
ほら・・・だんだん忘れてきましたよね?プロデューサー?
P「・・・はは、雪歩らしいな」
P「どうやら愛の告白は、お預けのようだ」
件名:それはムリダナ
本文:もう保護しちゃった><
P「ぐいぐい送信するぞ」
From:萩原雪歩
件名:もー!
本文:どうしてそんな意地悪するんですかぁ・・・
やっぱりプロデューサーの事なんか、特別嫌いですよーだっ!
P「あはははっ」
そんな感じで、俺と雪歩は微笑ましいメールを何通も交わした。
雪歩は本当にメールが好きらしく、
毎日ほぼ決まった時間に、律儀にメールを送ってくるようになった
・・・のだが、そんなある日―――
P「おかしいな、雪歩からメールが来ないぞ?」
P「あれから一週間くらい、毎日このくらいの時間に送ってきてたんだけどな・・・」
P「ま、まあさすがに毎日毎日メールってわけにもいかないか」
P「これが・・・俗に言う倦怠期ってやつか!?なんてな、はははっ!」
P「・・・・」
P「・・・気になってソワソワしてても仕方ない」
P「ちょっと、送ってみるか・・・・」
To:萩原雪歩
件名:今日はメールしないのか?
本文:もしかして何かあったとか・・・
あ、いや、べつに何もなければいいんだけどな!ははっ
P「うーん・・・送信」
P「・・・・・」
ヴーッ ヴーッ
P「(か、返ってきた・・・!)」
件名:・・・
本文:穴の中なうですぅ・・・・
P「あ・・・穴の中だと!?」
P「そうか、最近は上手くいってたかと思ったけど久々に掘ってしまったか・・・」
P「よほど辛い事があったんだろうな・・・・」
P「・・・よし!」
To:萩原雪歩
件名:すぐ迎えに行く
本文:こんな時間に風邪引いちゃうだろ!いまどこにいるんだ?
P「くっそ、なんとかして助け出さないと・・・・」
P「・・・やっぱり、俺には言えない悩み事とか、あるってことなのかな」
P「なんかちょっと、寂しいな・・・・・」
P「・・・でも!このまま穴を掘る雪歩を見過ごしておくわけにはいかない」
P「ど、どうすりゃいいんだ・・・・!」
ヴーッ ヴーッ
P「!!」
P「・・・なんだ、雪歩じゃないや・・・・真?」
件名:大変ですッ!!
本文:プロデューサー!大変なんですよッ!!
仕事帰りに汗を流そうと思ってジョギングしてたら、雪歩が埋まってるの見かけたんです(≧へ≦;)
ボクも今から助けに行きますから、プロデューサーもすぐ来て下さい!!!!!
添付画像あり:地図.png
P「で、でかしたぞっ!真!!」
P「地図によると・・・そう遠くはないみたいだな」
P「待ってろ雪歩、すぐ助けに行くからな!!」ダッ
P「お、あった・・・この公園か」
P「雪歩ー!真ー!!」
P「な、なんだ?いないのか・・・?」
P「おーい、二人ともどこにいるんだー!?」
P「あれ?なんかここの土が柔らか・・・・・」ズルッ
P「ってうわあああああああ!!!!」
ドッシャアアアアァァァァァ
真「ぷ、プロデューサー!?大丈夫ですか!?」
P「あ、あぁ・・・なんとかな」
雪歩「・・・ごめんなさいぃ。私が、こんな所に穴を掘ったりしたから・・・・・」
P「まあ、起きてしまった事は仕方がないよ」
雪歩「でも・・・どうして私がここにいるって、わかったんですか・・・?」
P「真から、雪歩が埋まってるって連絡があってな。それで慌てて、駆けつけてきたんだ」
P「真もありがとうな。とんだファインプレーだったよ」
真「へへーっ、それほどでも!」
真「じゃあ逆に聞きますけど、どうしてプロデューサーは穴の中にいるんですか?・・・へへ、つまりそういうことです・・・」
P「(真も落ちたのか・・・・)」
P「なあ雪歩」
雪歩「・・・・・はい」
P「なんだって、穴なんて掘るハメになってしまったんだ?」
P「・・・理由までは聞かないけど、こんな事しなくても、俺達に相談の一つや二つ、持ちかけてくれれば良かったんじゃないのか?」
雪歩「プロデューサー・・・・」
真「ねっ、プロデューサー?ボク達、仲間なんだから!」
P「ああそうとも。真の言うとおりだ」
雪歩「・・・・でも、こんなダメダメの私のことなんか、放っておけばいいんですぅ・・・・」
雪歩「こんな私の言う事なんて、誰も聞いてくれないんですぅ・・・・・・」
雪歩「うぅっ・・・・ぐすっ・・・・・・」
真「雪歩・・・」
P「・・・・・っ!」
P「雪歩!いい加減にしろ!」
雪歩「ひっ・・・!?」
P「こういう、直接言えないような悩み事こそ、そうやって相談すればいいんじゃないのか?」
P「それに、俺のこと頼ってくれるって言ったのに・・・・あれは、嘘だったのか?」
雪歩「プロデューサーぁ・・・・・」
P「雪歩の居場所はこんな穴の中じゃない。雪歩の大好きなみんなの待つ、765プロだ」
P「それがわかったら、帰ろう。な?雪歩」
雪歩「ぐすっ・・・プロデューサぁぁっ・・・・・」
P「よし、落ち着いたみたいだな」
雪歩「はい・・・今日は、ごめんなさい・・・プロデューサー」
雪歩「そ、その・・・これからは、もっといーっぱいプロデューサーとお話もメールもして」
雪歩「それで・・・悩み事とか、たくさん相談しちゃいますね。えへへ・・・・//」
P「ああ、いつでも聞いてやるからな。なんなら俺は雪歩の専属カウンセラーだ!」
真「プロデューサーって、雪歩のこと結構知ってるんですね」
P「まあ、それほどでもないけど・・・ここのとこ毎日メールしてたし少しは、な」
真「そうなんですか。・・・ちょっと雪歩がうらやましいなぁ」
P「え?今なんて?」
真「へへっ、なんでもないですよーだ!」
P「ほら見ろ、だから風邪引くって言ったじゃないか」
雪歩「えへへ・・・ごめんなさい、プロデューサー」
P「さっさとこんな所はオサラバして、暖かい物でも食いに行こう!」
真「あ、あの・・・・ところでプロデューサー?」
P「うん?どうした、真」
真「ここからどうやって出るんですか?」
P&雪歩「あ・・・・・」
P「・・・仕方ない、携帯で律子あたりにでも助けに来てもらうか・・・」
真「あはは、アドレス交換しておいて良かったですね」
P「本当だよ・・・トホホ」
ダグトリオ編
END
続きはありません!悪しからず
Entry ⇒ 2012.01.10 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
貴音「体は麺でできている………」
春香「おはようございまーす………っておわぁ!」
貴音「ドドドドドドドドド!」
春香「い、一体これは?」
春香「わわわ!じ、事務所に大量のラーメンが………」
響「お、春香か?………ズズズ」
春香「ふ、二人ともなに食べてんの………?」
響「お?見てわかんないか?ラーメンだぞ」
貴音「ドドドドドドドドド!」
貴音「ドドドドドドドドド!」
春香「い、一体なにが………」
響「いろんなラーメンがあるぞ、貴音がドンドン出してくれるんだ」
貴音「ドドドドドドドドド!
」
響「本当になんでもあるぞ?………醤油………チャーシュー………味噌、豚骨………」
美希「美希なんてこれでもう4杯目なの!………ズズズ」
貴音「ドドドドドドドドド!
」
真美「真美も!」
貴音「………はい、ただいま」
ドドドドドドドドド!
ポンポンポン!
亜美、真美「やったぁ!」
響「な、言っただろ?」
美希「貴音は本当にスゴいの!美希おにぎりなんて卒業なの!………ズズズ」
亜美、真美「美味しー!………ズズズ」
美希「それがいいの!絶対おすすめなの!」
春香「じ、じゃあ………」
貴音「ドドドドドドドドド!」
春香「じ………二郎を………お願いします」
貴音「ドドドドドド………………!?」
響「……………おい」
貴音「……………」
春香「えっと…………」
春香「え?」
美希「信じられないの…………」
春香「えっとなにが…………」
貴音「…………グスン」
春香「え゙!?」
よ………」
真美「ありえないって…………ねぇ」
貴音「…………グスン…………グスン」
春香「え……えと……あの………何でも出せるって言うから………」
美希「美希、絶交を考えるレベルなの………」
春香「そ、そんな!」
貴音「………グスン………いえ………いいのです」
春香「ご、ごめんなさい!つい欲に刈られて!」
響「た、貴音!お前は悪くないぞ!悪いのは春香なんだ!」
春香「え!?」
美希「そ、そうなの!春香が貴音の気も知らずに馬鹿なこと言っただけなの!貴音のせいじゃないの!」
春香「う………なんでこんな目に」
バタン
響「た、貴音…………」
原価タダだし
春香「あ………プロデューサー………」
P「どうしたんだ?貴音は?泣いて出ていったぞ?」
春香「それが…………」
P「え?」
春香「し、四条さんがどんなラーメンでも出せるって聞いたから………つい」
響「それにしたって二郎はないだろ………」
P「え!二郎!?」
春香「し、知っていたら頼みませんでした!わざとじゃないんです………」
響「…………ッチ」
美希「はぁー…………」
亜美「……………お姫ちん」
P「……………春香、今日はもう帰っていいぞ…………」
春香「え?」
P「家でゆっくり貴音の気持ちを考えてやるんだ…………」
春香「そ、そんな………どうして………」
響「…………ッチ」
美希「まだ言ってるの…………いい加減にしてほしいの…………」
春香「ぅぅ…………ごめんなさい」
P「明日ちゃんと貴音に謝るんだぞ?」
春香「…………はい」
店主「よぉ!銀のお嬢!よくきたね、またお嬢スペシャルでいいのかい?」
貴音「いえ………今日は普通ので構わないのです………」
店主「……………何かあったのかい?
」
貴音「…………」
貴音「彼女は悪くないのです…………わたしくが未熟だったあまりに_…………ただ、今日のはこたえました…………」
店主「あんまり気を落とすなよ、うちのラーメンはそう簡単には出せないからな…………その子も知らなかっただけなんだろう?」
貴音「ええ…………」
貴音「それがわたくしにも分からないのです…………」
店主「苦手分野ということかねぇ」
貴音「……………」
店主「……………」
貴音「分かっていたのです…………アイドルとラーメン…………ふたつは両立できないだろう…………と」
店主「しかしアイドルをやっていたからラーメンに出会えたんだろう?」
貴音「…………そうですが」
貴音「…………ありがとうございます」
店主「ほら、今日は俺のおごりだ!好きなだけ食べていきな!」
貴音「………グスン………本当にありがとう………」
店主「はははは!」
春香「え?四条さん来てないんですか………」
P「ああ、体調が悪いからって言ってたけどな…………多分昨日のこと引きずってるんだろうな…………」
春香「そんな…………」
春香「え?」
美希「ありえるの………美希だったらきっと立ち直れないの………」
春香「そんな………」
春香「はい………」
貴音「はぁー…………はぁー…………ふん!」
プシュー………
貴音「そ………そんなまさか!…………ならば!」
ドドドドドドドドド!
プシュー……
貴音「そんな…………!」
貴音「ら……らぁめんが出ない……!」
ドドドドドドドドド!
プシュー……
貴音「っ!」
あずさ「そうなの………二郎のラーメンだけ出せないの………」
春香「どうして………」
あずさ「彼女にも不得意があるということかしら………」
響「そこをピンポイントでついたんだもんな、春香は、わざとかと思ったよいつもの作り笑いみたいに」
春香「つ、作ってないよ!」
美希「どうだか…………」
あずさ「そうねぇ」
響「でも事務所に来ないんじゃなー」
美希「何処に住んでるかも分からないし………」
あずさ「困ったわねぇ」
春香「………」
春香「あ!」
響「そうだな、もしかしたらいるかもしれないな」
あずさ「そうねぇ」
春香「じ、じゃあ行ってくる…………う、うわぁ!」ズッテーン!
あずさ「あらあら」
響「…………ッチ、またかよ」
美希「そういうのもういいの………」
春香「……………グスン」
ガヤガヤ、ワイワイ
春香「す、スゴイいっぱい並んでる………私も並ばないと駄目なのかな………」
客A「おい、押すなよ!」
客B「押してねーし!てかまたお前か!1日に何回見に来てんだよこのやろう!」
客A「うるせぇ!こちとらまだフィル貰ってねえんだ!何回でも見てやるぜ!」
春香「(やっぱり男の人がおおいな………)」
春香「どうしよう………みんなポップコーンとか持ってる………私も買うべきなのかな………」
男A「………それであずにゃんが最高に可愛くてさぁ!」
男B「分かってねーな、お前、男だったら律っちゃんだろ!」
男A、B「あははははは!」
春香「な、なんの話だろう………」
春香「あっ!」
小鳥「え?………あ゙!」
春香「小鳥さんじゃないですか!」
小鳥「し……しまったぁ!……なんでこんなところに……」
小鳥「え、えーと………あははは………ぴよぴよ………春香ちゃんこそどうしてここに………」
小鳥「………そうだったの、貴音ちゃんが………」
春香「それにしても大丈夫ですか?目にスゴいくまが出来てますよ?」
小鳥「え?ああ………ちょっと疲れててね………」
春香「みんな心配してますよ」
小鳥「そうね、こんなことやってる場合じゃないわよね………」
小鳥「ど、どうして間違えるんだろう………私を探しにきたとしか………」
春香「そうだったんですか………道理で客層に品がないわけですね」
小鳥「……………」
小鳥「う、うん………気をつけてね………」
春香「はい!」
小鳥「あ………春香ちゃん」
春香「はい?」
小鳥「ここに私がいたことは…………その…………」
春香「大丈夫です!みんなにいっておきますから!」
小鳥「…………ぅぅ」ガク
ワイワイ、ガヤガヤ
春香「ここが二郎かぁ、なんでさっき映画館と間違えたんだろうなぁ…………」
ガラガラ
店主「へいらっしゃい!」
春香「あ、あの銀髪の人がここに来ませんでしたか?」
店主「ん?もしかしてあんた………」
店主「はいどうぞ、お嬢ちゃん用に少しヘルシーにしてある」
春香「こ、これでヘルシーって………」
店主「銀のお嬢はこの倍はたべるんだがなぁ、いやいや、あれは本物だよ」
春香「…………」
春香「わ、私のせいなんです…………何も知らないで二郎のラーメンを出してくれなんていったから………」
店主「いや、こればっかりは難しい問題なんだ、お嬢ちゃんのせいだけじゃねぇ」
春香「え?」
店主「ああ、俺の見立てじゃ彼女以上のラーメン使いはいないだろうからな………ウチのラーメンなんてとっくに出せて当たり前だったんだ………でもどうしてか最近、急に出せなくなってな………」
春香「そうだったんですか………」
春香「………」
ドドドドドドドドド!
ポン!
春香「わぁ!スゴい!」
店主「なぁに当然よ」
春香「え………えーとこうですか?」
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!
ボコン!
春香「わ、わたしでも一応できるんだ…………!」
店主「こんなんで喜んでちゃだめだよ、お嬢ちゃん、お嬢なんかもっとすごいんだからな」
春香「ほ、本当にスゴいんですね………四条さんって………」
ドドドドドドドドド!
ポン!ポン!ポン!
春香「す、すごい!」
店主「なに簡単なもんさ、見よう見まねでやってみな、お嬢ちゃん」
春香「は、はい!」
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!
ボコン!ボコン!ボコン!
春香「難しいですね………」
店主「よしもう一回だ」
春香「はい!」
ズドドドドドドドドドドド!
ポン!ポン!ポン!
春香「や、やった!やりましたよ!見ましたか!「ド」の数を維持したままラーメンを3つ出しましたよ!」
店主「…………」
春香「あ……あの……」
店主「…………」
春香「は………はい」
店主「…………」
春香「い、いきます!ふん!」
ズドドドドドドドドドドド!
ポン!ポン!ポン
春香「やった!またできました!見ましたか!」
店主「…………こいつぁ驚いた」
春香「え?」
春香「あの…………」
店主「お嬢ちゃん、気づかないかい?」
春香「え?」
春香「えっと………ドドドドドドドドド!………ですよね?」
店主「………そうだ」
春香「…………」
店主「まだ気づかないかい?」
春香「あ!」
店主「やっと気がついたか」
春香「で、でも「ズ」がついてたから何なんですか?特に違いなんて………」
店主「はっはっは!」
春香「…………?」
春香「え?……………あ!」
店主「な?」
春香「き……金色になってる……」
店主「俺やお嬢のどんぶりは赤いままだ、もちろん金のどんぶりを出せるやつなんかまずいない……………多分、世界で指で数える程度だろう…………お嬢ちゃん、それは才能なんだ」
春香「そ……そうだったんだ……」
春香「あの………今日はありがとうございました」
店主「いやいや、俺も君に指導できて嬉しかったよ、できればアイドルでなくラーメン使いとして生きて欲しいもんだ」
春香「いえ………私はアイドルなんです、これからもアイドルとしてあり続けます」
店主「はっはっは!そうかい!」
春香「じゃあこれで……」
店主「ああ、またおいで、お嬢ちゃん」
春香「はい!」
テクテクテク
春香「私…………ラーメン使いの才能があったんだ…………いや、それでも私はアイドルなんだ…………いままでも…………そしてこれからも…………」
ズドドドドドドドドドドド!
ポン!
春香「ひ、ひとつにすると最初から金色のどんぶりが出てくるんだ………」
ドサッ
春香「え…………」
貴音「天海春香………そんな………」
春香「し、四条さん!?」
春香「四条さん!探しましたよ!」
貴音「そんな………そんな………」ガクガク
春香「…………四条さん?」
貴音「……………」
春香「し……四条さん……」
貴音「わたくしはこれで失礼します」スタスタ
春香「そ、そんな!待って!本当に悪かったと思ってるんです!」
貴音「天海春香」
春香「は、はい!」
貴音「今度会うときは敵同士です………全力で相手をします」
春香「え…………」
貴音「では…………」スタスタ
春香「そ、そんな…………どうして………」
貴音「スタスタ」
春香「四条さぁん!」
響「そ、そんな…………うそだろ?」
美希「冗談でしょ?…………ハニー、嘘だって言ってよ………」
P「………事実だ」
72「そんなことって………」
ガチャン
春香「おはようございます………」
響「ッチ…………コノヤロー!」
P「よ、よせ!響!」
春香「え………なに………きゃっ!」バチン!
響「お前のせいで!貴音はぁぁぁ!」
P「やめろ響!」ガシッ!
響「は、離せぇ!」
P「大丈夫か?まだ痛むか?」
春香「あ、あんなに思いっきりぶたれたのはじめてでした………」
P「響のことは後で俺が言っておくから………それより貴音のことなんだ」
春香「ほ……本当に辞めちゃったんですか……?」
P「………ああ」
春香「そんな…………」
P「春香………お前には何か言ってなかったか?」
春香「き、昨日の晩に会ったんです………今度は敵同士だ………って言われて………」
春香「少し長くなるんですけど…………」
春香「私も昨日知ったんです…………二郎の人にそれは才能だって言われて………」
P「これは大変なことになったな…………」
春香「あの………プロデューサー………何なんですか?………金色のラーメン使いって………」
P「……………」
春香「と、とにかく才能としか………あと指折り数えるくらいしかいないって………」
P「そうか………」
春香「はい………私たちにも何処に住んでるか………どういう家なのかも………」
P「俺も詳しくは分からないんだが………明かせないのには理由があるらしいんだ………」
春香「理由ですか?」
春香「ど………どうして」
P「さあな………多分、むかしに四条家が世間的に追いやられるような争いがあって、それに金色のラーメン使いが関わっていたんじゃないかってのが俺と社長の見解だ………」
春香「そ………そんな」
P「あの様子じゃ恐らくな…………」
春香「そんな………四条さん………グスン」
店主「よ……よせ………もうよすんだ………あんたこんなこと続けてたら………」
貴音「はぁー………はぁー………かまいません………続けます………ふん!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!
ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!
店主「や……やっぱり無理だ!いくら豚骨スープでドーピングしたからって……これ以上「ド」の数は……もう減らせねぇ!」
貴音「いえ………やります………天海春香に勝たなければ…………早くスープを!」
店主「くそぉ!やってられっか!」スタタタタター!
貴音「な!お待ちを!」
春香「私………どうすれば………ふん!」
ズドドドドドドドドドドド!
ポン!
春香「金色のどんぶり…………こんな力があるから…………四条さんは…………」
店主「お嬢ちゃん!」
春香「え?…………あ、二郎の…………」
店主「た、大変なんだ!ちょっと来てくれ!」グイ
春香「な、なんですか?」
店主「いいから早く!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!
プシュー
貴音「く…………こんな…………!」
春香「四条さん!大丈夫ですか!」
貴音「な!天海春香!なぜここに!」
春香「四条さんが体に無理をしてるって二郎の人に聞いて…………あ!びしょびしょじゃないですか!どうしたんですか!」
貴音「あ……あなたには関係ありません……」
春香「でも何でこんなに濡れて………」
春香「え?」
貴音「どんぶりでは足りないので……………厨房にあった豚骨スープを……………頭からいただいたのです……………」
春香「えええええええ!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!
プシュー
貴音「もう駄目なのです…………」
春香「そ………そんな………」
春香「四条さん………」
貴音「わたくしはもう………ラーメン使いとして………アイドルとして………人として失格なのです」
春香「そ、そんな………」
貴音「きっとこれも四条家の定めなのでしょう………私は世に出るべきではなかったのです」
春香「そんなこと言わないでください………みんなにまたラーメンをご馳走してくださいよ………」
音「私を哀れむ必要はありません………ですがせめてもの償いとして………貴方とはお別れをしなければなりませんね」
春香「四条さん!嫌です!行かないで!」
貴音「店主殿………今まで美味しいらぁめんをありがとう…………ここで過ごせた日々は忘れません………」
春香「嫌です!お願いだから!行かないで!」
店主「お嬢ちゃん………」
貴音「ではお二方………いつまでもお元気で………」
春香「四条さぁぁぁぁぁぁん!」
カメラマン「お疲れさまでしたー」
春香「ふぅー……やっぱりドラマの収録って疲れるな……」
P「お疲れ、春香、はいこれお茶」
春香「ありがとうございます」
P「上手く出来てたじゃないか、良かったぞ」
春香「でもどっと疲れましたよ、大変なんですね、ドラマって」
春香「くたくたですよー」
P「少しその辺でも散歩してきなよ、気分だけでもきっと良くなるよ」
春香「じゃあお言葉に甘えて………」
P「ああ、時間までにはかえってこいよ」
春香「(いいところだな………この辺り………風情があって………収録のときは全然がつかなかったな)」
テクテクテク
春香「あ、こんなところにラーメン屋さんが…………ぇ」
『らぁめん四条』
春香「……………あはは」
春香「……………やっと見つけた」
-おわり-
乙
よく頑張った
欲を言えば四条の歴史が知りたかったぜ
Entry ⇒ 2012.01.10 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
P「全員貴音だと!?」
社長「た、大変だよ!君!!」
P「へ?」
貴音「おはようございます、あなた様」
真美「おはようございます、あなた様」
亜美「おはようございます、あなた様」
やよい「おはようございます、あなた様」
伊織「おはようございます、あなた様」
響「おはようございます、あなた様」
真「おはようございます、あなた様」
雪歩「おはようございます、あなた様」
美希「おはようございます、、あなた様」
千早「おはようございます、あなた様」
律子「おはようございます、あなた様」
あずさ「おはようございます、あなた様」
小鳥「おはようございます、あなた様」
P「何ぃ!? 全員、貴音だとぅ!?」
……
P「そうですよね。みんなにはそれぞれの個性があるからいいのに」
P「音無さんまで一体どういうつもりなんでしょうか……」
P「ま、まぁ新鮮だからいいですけど」
P「さて、社長。これからどうするか、ですよ」
社長「うーん、とりあえず元に戻す方向で考えよう」
P「ですよね」
社長「本人達ともさっきから会話しているのだけど…どうも慣れなくて」
P「というかこれも黒井社長の仕業でしょうか?」
社長「いや~、それが私も最初そう思ったのだがね。どうも連絡が全然つかないんだ」
P「そ、そうなんですか…!?じゃあ、もしかしたら違うのか?」
社長「そう、かもしれないね」
P「じゃあ、僕は少しこの原因である本人に確認してきますね」
社長「うん、頼むよ。君だけが頼りなんだ」
P「この会議室のドアの向こうには大量の貴音が……」
P「よし、行くぞ……」ガチャ
春香「あなた様。探しましたよ?」
真美「紅茶をいれたので、どうぞ」
雪歩「あの、どうかなされましたか?」
伊織「顔色が優れないようですが?何かあったのでしょうか?」
P「出たらすぐこれだ……」
P「しかし春香に真美に雪歩に伊織か……びっくりした。貴音かと思ったぜ」
律子「あの、あなた様?貴音がお呼びになっておられます」
P「いやいや、貴音は君じゃ……律子か」
P「なんかこんがらがるななぁ」
P「仕方ない。向こうも俺を呼んでいるみたいだし行くか」
……
貴音「お待ちしておりました」
小鳥「どうぞおすわりになってください」
P「こっちの奥の方に来るのに何回引きとめられたことか」
貴音「あの……これはどういうことなのでしょうか?」
P「えっ、貴音もわかってなかったのか!?」
小鳥「はい……」
P「あぁ、いや、音無さんじゃなくて」
貴音「はい」
P「参ったなぁ~。最期の切り札だと思ってたのに。何も分からないな、これじじゃあ」
P「もうツッコミませんよ?」
貴音「お力添えできずに申し訳ありません」
P「いや、謝ることじゃないよ。貴音がわからないんじゃしょうがないよ」
P「少し試したいこともあるんだ……音無さん。ちょっとピヨピヨ言ってもらえます」
小鳥「私、四条貴音と申します」
P「あぁ、じゃあいいから言ってもらってもいいですか?」
小鳥「わかりました。では……ピヨピヨ。これでよろしいでしょうか?」
P「うーん、自分の喋り方をさせても戻らないとは」
P「何か思い出すきっかけにでもなればよかったのだが、ダメだったか」
小鳥「すみません」
P「いや、ピヨピヨはもしかしたら弱いのかもしれないな」
P「もっと刺激がなくてはいけないのかもしれない!」
P「やよい~~!!」
やよい「はい、何用でしょうか?打ち合わせの時間はまだですが、ふふ、気が先走ったのですか?」
貴音「はぁ…何か変な所があるのでしょうか?」
P「いや、別に!やよいはやよいらしさがあるってことさ!ははは」
P「さて、やよい」
やよい「私、四条貴音と申します」
P「もういいよ…。いつものうっうー!とかハイタッチしよう!」
やよい「はぁ……私いつもしていたのでしょうか?」
P「ダメだこりゃ。いつもみたいに元気してくれそうにないな……」
やよい「は、はぁ……では失礼します」
P「困ったなあ」
貴音「どうしましょうか……」
P「何か心当たりはないのか?」
貴音「それが、あったらすでにお伝えしていると思います……」
P「そうか…まぁ、そうだよな」
P「貴音のことについて詳しい響に聞いてみるか。あ、今は…貴音なのか」
響「はい、なんでしょうか?」
貴音「やよいと登場の仕方が代わりませんね」
P「響、いつもみたいに元気よく沖縄の方言を使ってくれないか?」
響「私、四条貴音と申します。ふふ、あなた様からかっているのですか?」
P「定番になってきたな……」
貴音「天丼というやつですか」
響「はて、それは美味しいのでしょうか?」
P「と、とりあえずそっちの小さくて黒髪の方に言っているんだが、なんくるないさーって言ってみてくれ」
響「私ですか?では、なんくるないさー。どうでしょうか?」
P「ダメか…。うん、戻っていいぞ」
響「失礼します」
貴音「失礼します」
P「あなたは違う」ガッ
P「自分で間違うなよ…」
社長「お~い!君に電話だよ!安心したまえ、この人は四条貴音くんにはなっていなかった!」
P「なんですって!?よし、これで新たな仲間が!」
P「しかし、誰なんだ……?」
P「もしもし?」
冬馬「おい、あんたか?」
冬馬「違う!ったく、相当やられてやがるな…」
P「おお、冬馬か!どうしたんだ?」
冬馬「どうしたもこうしたあるか!どういうことだこれは!」
P「えっと、貴音のことか?」
冬馬「それしかないだろ…そっちに電話して正解だったぜ」
P「どういうことだ?」
冬馬「くそ、こっちは今大変なんだ…翔太と北斗の野郎が!」
冬馬「あぁ…そのまさかだ」
冬馬「とにかく、こっちはもうマズい。今からそっちに急いで向かう!」
P「あ、あぁわかった!気をつけてくれよ」
冬馬「あんたもな!絶対に一人で外に出ようとするなよ?」
冬馬「あと、なるべく四条貴音になっちまった奴とは関わるな!いいな!」
P「わ、分かった…!じゃあ、待ってるぞ」ガチャ ツーツー
伊織「あなた様?今の電話はどなたからですか?」
亜美「どうぞお茶です」
P「お茶何杯目だよ。俺のデスク湯のみだらけじゃないか」
亜美「はっ、失礼しました…」シュン
P「あ、ごめんごめん」
あずさ「いえ、謝れるほどのことでも…」
P「いや、あなたじゃないんだけどなぁ…」
社長「あぁ、君。さっきの電話はどうだったんだい?」
貴音「どなたからでしたのですか?」
P「あぁ、ジュピターの天ヶ瀬冬馬からだった」
貴音「なんと!」
小鳥「なんと!」
真美「それは一体」
春香「どのような要件なのでしょうか?」
貴音「す、すみません。以後、気をつけますね。れぱーとりーを増やしたいと思います」
P「いや、きっとすぐに戻るから問題ないよ」
社長「で、彼はなんて言ってたんだい?」
P「詳しいことはこっちに来てくれるそうなので」
社長「あぁ、そうなのか。じゃあ、お茶でも用意して、はっ、しまった!」
千早「では私が用意いたしましょう」ガタッ
やよい「いえ、私が用意します」ガタッ
真「いえ、ここは私が」
雪歩「私が」
「私が」「私が」「私が」ザワザワ
P「じゃ、じゃあ俺が」
全員「どうぞどうぞ」
P「ってコラ!!ふざけてる場合じゃないんだぞ!貴音!」
P「はっ、しまった…す、すまない…」
貴音「いえ、私も実はこっそり参加してました」
P「……」
P「じっとしてるか……」
貴音「元よりそのようにしろと言われていたのでは?」
……
P「コラコラ、ちゃんと失礼しますくらい言えないのか?」
冬馬「うっ、し、失礼します…」ペコ
冬馬「じゃなくて!…ってなんだこのお茶の数…」
P「結局全員いれて来ちゃったからなぁ…」
冬馬「で、あんたも茶なんか飲んで何呑気にしてるんだ!」
P「ジッとしてろって言ったのは冬馬だぞ?」
冬馬「限度があるだろ限度が。和んでろなんて言ってねえんだよ」
貴音「なんと面妖な!」
冬馬「ぐぐ…なんだここ…」
P「よし、詳しい話を奇聞こうか冬馬」
冬馬「あんた、もしかしてその様子だと街の異変にも気がついていないのか?」
P「街の異変?」
冬馬「ああ、そうだよ。全員そこのアイドル、四条貴音みたいになっちまったんだよ」
P「な、何!?……まぁ、それは薄々感づいてはいたけどな」
社長「どうやら、そのようでございますね」
P「社長ーーーーーー!!!」
社長「はて、どうしたのですか?そのような大きな声を出されては喉が枯れてしまいます」
社長「どうぞ、お茶です」
冬馬「お茶ばっかり増えていく…!」
P「クソ、俺たちの社長が!!」
冬馬「いや、俺の社長は黒井のおっさんだけどな」
P「ぐ、言っちゃなんだが気持ち悪いな…」
貴音「左様ですか?すみません…生まれつきこうですので」
P「あ、いや、貴音はいいんだ!そのままでいてくれ!」
冬馬「くそ、あのデコのチビに金髪のヤンキーに、つるぺたまであの喋り方とは!」
P「おいおい、さり気なく悪口を言うんじゃないよ」
P「それにみんな貴音だからって文句を言わないでくれよ」
冬馬「じゃあ、あんたこのままでいいのかよ!」
冬馬「まとめてぶっ潰したいんだ……」
P「冬馬……」
冬馬「とにかく、この原因を作ったのは一体なんなんだ!!四条貴音!!」
律子「え?私、ですか?」
冬馬「違う違う!!」
雪歩「私ならここにいますが?」
冬馬「だーーー!!次から次へと出てくるなよ!」
貴音「あ、あの、私に聞かれましても私も一体何がおきてるのさっぱりわからないゆえ…
ですのでお答えできません」
冬馬「…やっと本物が出てきたか。とにかく、いつ感染するかわかんねえ、だから」
P「ちょっと待ってくれ。うちの貴音を変な感染する病気持ちみたいに言わないでくれ」
貴音「あなた様……」
春香「あなた様……」
亜美「あなた様……」
あずさ「あなた様……」
真「あなた様……」
響「あなた様……」
P「うっ……ちょっと鬱陶しくなってきた…」
千早「はい、わかりました」
冬馬「違う違う違う違う!!本物の四条貴音だ!」
伊織「あの、私何がなんだかわからないのですが」
冬馬「違うって!」
律子「では、外へ行きましょう」
冬馬「だから!違うっての!こっち来い!」グイ
貴音「あっ、そんな乱暴に引っ張らないでください」
P「……へ?」
やよい「あなた様どこへ行かれるのですか?」
春香「あなた様、私のことはどうするのですか?」
千早「私はどうして置いて行かれるのですか?」
真「あなた様、私も連れて行ってくださりませんか?」
真美「あなた様は……」
あずさ「私は……」
律子「あなた様……」
P「ひっ、ひいいいいい!!」ダッ
P「はぁっはぁっ……冬馬、どういうことなんだこれ」
冬馬「……はぁ……はぁ、俺が、知るかよ」
冬馬「とりあえず、この事務所の屋上に逃げてきたわけだが
P「あぁ、ここもそう長くは持たないかもしれないな」
冬馬「この騒動のおかげで、北斗の野郎も翔太の野郎も…おっさんもみんなだ!!」
P「黒井社長…見たくないな…」
貴音「どうも数々の私どもがご迷惑をおかけします」
奴なら四条貴音になっちまった今でも何か知ってるに違いないんだ!」
P「そうなのか?その予想も怪しいけどな…」
冬馬「確かに、な。だが、こちらにはオリジナルの四条貴音がいる」
P「それがこの事件の解決に繋がればいいのだけども」
貴音「私にはさっぱりわからないのですが……」
冬馬「あぁ、わかっている。恐ろしいのは他の連中が四条貴音になることにより記億が混同していることだ」
P「どういうことだ?」
P「…つまり、簡単に言うと貴音が自転車に乗れないならみんなも乗れなくなってる、ってことか?」
冬馬「あぁ、そうだ。自転車の乗り方を知らないからな。
だが、逆に四条は前に雑誌記者を投げ飛ばしたことがあるだろ?」
貴音「あれも皆一様にできる、ということですね」
冬馬「あぁ、そうだ。おかげで俺は全然知らない奴に来る途中でこう言われたんだ」
「天ヶ瀬冬馬、この前のフェスでの約束、忘れたとは言わせませんよ」
冬馬「ってな」
貴音「はい、負けた方がラーメンを奢るというものでした」
冬馬「チッ、それに俺は負けたんだよ」
P「そうだったのか……(こいつ、いつの間に貴音に接触してたんだ?)」
P「……お前もしかして」
冬馬「は、はぁ!?な、何言い出すつもりか知らねえが全然違うぞ!!」
P「まだ何も言ってないよ……。やっぱりこいつ貴音のこと好きなのか?」
P「あ、いや、なんでもない……」
P「良かったな、こんなに貴音が増えて」
冬馬「よくねえから真剣になってんだろ!!」
冬馬「俺が良いのはオリジナルだけだっつうの……」
P「さて、ともかく、元に戻す方法を考えないとな」
冬馬「おっさんか。わかんねえ。たぶん関わってるんだろうけど。もう感染しちまってる」
P「くそ、すげえ会いたくないし、絶対見たくないけど行くしかなさそうだな」
冬馬「それもそうだな。いつまでもこの屋上にいる訳にもいかないからな」
貴音「はい、では参りましょう」
P「車を出すから急いで下に降りよう」
冬馬「待て、この先に…いるんだろ?」
P「あぁ、覚悟を決めろ二人共!」
冬馬「あぁ、いつでもいいぞ」
貴音「はいっ」
P「行くぞ!走れ!」ガチャッ
真美「あぁ、あなた様!探しましたよ!」
P「うおっ、さっそくか!」
冬馬「ったく、どうなってやがる!」
伊織「天ヶ瀬冬馬、ラーメンの約束を!」
冬馬「名前合成させとる場合か!走れ!」
春香「止まりなさい…あなた様会議の時間ですよ?」
P「うわっ、なんでこいつらこんな会議だけど止めてくるんだ!」
千早「あなた様、次のお仕事はなんでしょうか?」
響「ふふ、あなた様?打ち合わせの時間になりましたよ?」
P「くそ、みんな絶対に止まるなよ!車まで行くのに一苦労かよ……」
冬馬「駐車場はこの下か!?」
律子「あなた様、どうして逃げられるのですか?」
P「よし、この車だ!乗れ!!」バタン
冬馬「ぐあっ!!」
貴音「あぁ、天ヶ瀬冬馬が天海貴音に捕まりました!」
P「な、なに!?」
P「冬馬!!なんとか振り切れないか!!」
冬馬「くそ、無理だ!!お前等だけで行くんだ!!」
P「お前を置いてはいけない!!」
モワンモワンモワン…
冬馬「俺…みんなが元に戻ったら…四条に告白する」
モワンモワン…
冬馬「おい!!勝手な回想入ってんじゃねえよ!!死亡フラグじゃねえか!」
春香「待ってくださいあなた様!会議の時間ですよ?お戻りください」
千早「どこへ行かれるのですか?」
真「私も連れて行ってください!」
冬馬「ぐっ、くそ、早く行け!」
貴音「……ッ!」ダッ
P「貴音!助けに行く気か?無茶だ!
春香「うっ」ドサッ
貴音「とうっ」
千早「あ゛っ」ドサッ
冬馬「す、すまねえ!」
貴音「礼ならあとで!乗ってください!」
冬馬「ああ!」
冬馬「どんだけラーメン食わせてもらいたいんだ!」
貴音「誠、恥ずかしい限りでございます……///」
冬馬「良し、出せ!」
P「わかった!一気に抜けるぞ!」ブロロロロ
冬馬「ふう……なんとか振り切ったか」
P「あぁ…」
冬馬「四じ、いや、貴音。さっきはありがとうな」
貴音「まだです!!あなた様!!もっとスピードを上げてください!」
冬馬「どういうことだ!おい!」
P「何が起きてるんだ冬馬!」
冬馬「765の連中……バイクで追ってきてるぞ!!」
P「ええっ!?貴音、バイク乗れるのか?」
貴音「正確には免許の勉強中です…」
冬馬「なんで乗ってるんだ……」
P「というかどちらにしろ追ってきてるのは免許も取れない子供なんだろう?」
P「あいつら……」
春香「止まってくださいあなた様!お仕事は終わってませんよ!」
千早「打ち合わせの時間のですので事務所に戻りましょう!?」
貴音「そういえば、打ち合わせがまだでした。あなた様明後日の」
P「いやいやいや!!それどころじゃないから!」
冬馬「おい、まずいぞ!あいつら飛び移る気だ!」
P「貴音も緊急の時はこれくらいするってことか……肝に銘じておこう」
冬馬「捕まれ貴音ぇッ!」
貴音「は、はい!」ギュッ
春香「今そちらに行きますからね!!」バッ
P「させるかぁ!!」キキィィイイ
冬馬「よっしゃーーー!!急ブレーキでうまく避けたな!!」
春香「ぎゃあっ!!」ゴロゴロゴロ……
春香「……」シーン…
貴音「行きましょう!!私の屍を超えてゆくのです!」
P「くそーっ!わかった!」
冬馬「案外あっさり切り捨てたなオイ!!」
千早「まだですっ!!」バッ
貴音「しまった……千早が残っていました」
冬馬「まずいな!変なつるぺたが上に乗っちまったぞ!!」
千早「誰がつるぺたですって!!?」
P「えっ?」
P「あぁ、わかってる!千早!戻ったのか!?」
千早「私、四条貴音と申します。そのような貧相な体ではないと自負しておりますが、いかがでしょうか?」
P「貴音の記億でものを言うからすごく惨めだ!!早く救ってやりたい!くそっ!」
冬馬「だが、今ので戻る兆しが見えた!!」
貴音「つるぺた、もとい悪口に反応したのですか……?」
P「よし、お前等!このままつるぺたコールだ!今日は俺が許可する!!」
冬馬「よっしゃ!任せろ!つーるぺた!!つーるぺた!」
冬馬「よっしゃ、ソレつーるぺた!ヨッ、つーるぺた!」
P「つーるぺた!つーるぺた!」
貴音「つーるぺた。つーるぺた」
千早「ぐっ、私は、うっ、頭が…あなた様、頭痛が!」
冬馬「まだまだァッ!つーるぺた!あヨイショッ、つーるぺた!」
P「いけるぞ!!つーるぺた!つーるぺた!」
千早「ぐぐぐ……」
千早「うるさーーーーーい!!!誰がつるぺたよ!!プロデューサー!!?訴えますよ!?」
P「千早ーーーーー!!」
冬馬「よし!!戻ったか、つるぺた!!」
千早「さ、さっきからつるぺたつるぺたってなんで車の上にいるの!?
ぷ、プロデューサー!止めてください!」
P「よし、一旦止めるぞ!」
……
P「だから、全員貴音なんだって……」
冬馬「そういうことだつるぺた」
千早「ふんっ」ゴスッ
冬馬「ぐはっ!!」ドサッ
貴音「ですから、今からその黒井社長の所に行く途中なのです……」
冬馬「そ、そうそう……追手が来るかもしれねえしな」フラフラ
千早「ふんっ」ドスッ
冬馬「ぎゃあっ!!」バタッ
千早「では、急いで方がいいかもしれないですね…」
千早「そこで倒れている人も早く車に乗ってください」
冬馬「くっ、こ、この女ァ」
P「よし、みんな~もうすぐ着くぞ~!」
貴音「追手は来ませんでしたね」
千早「みんな元に戻るのかしら…」
冬馬「なあ、つるぺ…ごほん、如月千早。お前、くまさんパンツはねえよ」
千早「~~~ッ!!///」
千早「いつ見たのよ!!」
千早「殺してやりたい!!」ギュウゥゥゥ
冬馬「あ、あの、首、しまって、ぐるじ、んでふけど」ォェェ
P「新しい仲間とも早速仲良しになって…冬馬も千早も偉いなぁ、ははは」
千早「仲良くない!!」ギュゥゥウウ
冬馬「……ッ!…ッ!」ブクブクブク
……
千早「はい」
貴音「はい」
冬馬「……………………」
P「社長室は一番上だったっけ?」
冬馬「あぁ、そうだ!」フッカツ
警備員「あの、もし?少しよろしいでしょうか?」
冬馬「うわっ、さっそく出やがったか…」
貴音「はい、それはとても面妖な光景でした……」
P「これも充分面妖だけどな」
冬馬「とりあえず、こいつは無視して一階のロビーにあがろう!」
P「よし、少し走るぞみんな」
……
受付嬢「あんた様、何ようでしょうか?」
千早「またっ!?どんだけいるのよ…」
北斗「天ヶ瀬冬馬!!捕まえました!さぁラーメンに行きましょう!」
冬馬「げっ!!北斗!!」
北斗「ほ、くと?私、四条貴音ですよ。お忘れになられたのですか?」
冬馬「どっちかというと忘れてるのはお前だけどな」
千早「うわぁ…」
北斗「あなたは…貴音!!」
P「紛らわしいな!!」
冬馬「あんたも見てないで助けてくれよ」
P「俺にどうしろと…」
P「そうか!!確かいつもこいつはアレを言ってたな!」
冬馬「つるぺたはつるぺたで行けたけど北斗のは行けるのか!?」
北斗「あの、何を話しているのですか?」
千早「えっ?あの、な、何を?」
冬馬「チャオ☆」
P「チャオ☆」
千早「あの、何してるんですか……?」
貴音「千早もやるのです。チャオ☆」
北斗「あの、みなさん、何をしているのですか……?」
冬馬「ぐっ、素で聞かれると恥ずかしいな!なんでこいつ普通にできるんだ!」
P「まだだ!冬馬!チャオ☆」
貴音「チャオ☆」
受付嬢「チャオ☆」
千早「チ、チャオ☆」
千早「もう少しかしら……」
P「チャオ☆」
貴音「チャオ☆」
冬馬「チャオ☆」
冬馬「ちょっと待てこっち来るな!」
北斗「うっ……頭がッ」フラフラ
冬馬「こっち来るな!」
P「うわあ…」
北斗「ーーー!…………チャオ☆みんなどうしたんだい?」
冬馬「北斗ーーー!てめぇ!!」ブンッ
北斗「よっと、どうしたんだい?冬馬?あれ?これは765のプロデューサーさん?」
千早「やっと戻ったのね……」
貴音「チャオ☆」
P「ふう、よかった……」
冬馬「よし、さっそくだが、北斗。悪いが入り口を封鎖しておいてくれ」
北斗「OK☆任せておくれ。事情はよくわからないけれど。任せておくれ」
千早「プロデューサー!?あっちに非常階段があるんですけどあそこなら人が少ないかもしれないです」
P「お、よくやったぞ千早!」
冬馬「つるぺたの癖によくこの事務所の人のいないルートを見破ったな」
千早「くっ、これから成長するもん……」
千早「……はい」
冬馬「ははは、そうしょげるな。お前がもし誰にももらわれずに悩んだままってんなら
俺がいつだって手を貸して手伝ってやる」
千早「は、はぁ?急に何?」
冬馬「仲間だからな!」
千早「う、うん……」
千早「帰れたらね、最期は私があんたを殺すからいいわ」
P「おーい?何してんだ?はやくしろー?」
千早「今行きます!」
……
P「さて、この扉の向こうにいるんだよな…」
貴音「黒井貴音……」
冬馬「とりあえず、北斗に入り口を任せたから追手がくることはない」
受付嬢「チャオ☆」
P「よし、開けるぞ」ギィィ
冬馬「おい、おっさん!!この事件もおっさんお仕業なのか!?」
千早「うわ…想像以上にキツいわね」
貴音「はい、これには私がもショックが隠しきれません……」
千早「これは四条さんがやるからいいのよ……」
冬馬「お、お前もそう思うのか!なんだよ!いいところあるじゃねえかつるぺんぎゃあっ!」ドサッ
P「黒井社長、いい加減白状してください…」
黒井「私、四条貴音と申します」
黒井「それに記億がございませんのでお答えできません」
P「ん?なんだこれ……ラベルに何か書いて」
冬馬「どれ、見せてみろよ。『貴音EX』……?」
千早「ダサッ……」
P「でもこれがどういう薬かはわからないんだろ?」
黒井「はい、何ゆえ記億がありませんので」
P「じゃあ何が起きるかわからないし、黒井社長に飲ませるか」
千早「そうね」
貴音「そうですね」
P「よし、冬馬!押さえつろ!」
冬馬「わかった。えい」ペタ
千早「はぁ!?どこ触ってんの!?信じられない!」バキィッ
冬馬「ぐはっ!信じられないのはこっちだ!お前いくつだよ!いいあばら骨してたなオイ!」
千早「うるさい!」ゴンッ
冬馬「よし、ほら、おっさん動くなよ」ガシッ
黒井「どこ触ってるのですか!!」バキィッ
冬馬「ぐはっ!何すんだおっさん!」
黒井「おっさん?おっさんではありませんよ!私はこれでもレディです」
冬馬「嘘つけテメェ!」
貴音「なぜだかとても傷つくやり取りです……」
黒井「うっ、頭が!!」
P「頭が悪くなったのか?」
冬馬「ははは、そりゃ元々だ」
千早「記億に残らないからって言いたい放題ね……」
貴音「これで治るのでしょうか……?」
黒井「ぐぐぐ……ん~?ボンジュール?765の諸君」
黒井「私の社長室に許可無く入るとは、ったく、鬱陶しく限りだなぁ~」
冬馬「おっさん、一体どんなものを使ったんだ!」
黒井「ん~?ようやく事件に気がついたのか愚か者め」
千早「お言葉ですが、あなたも感染していましたよ?」
黒井「そんな訳がなかろう、夢でも見ているなら早く起きたまえ」
千早「くっ、ホント、腹立つ……」
黒井「いいだろう。教えてやる。
この事務所の屋上に特別に私が作らせた特殊機械で『貴音SP』という薬をバラ撒いたのだ」
P「まぁ、誰もが予想済みだよな……」
千早「っていうかネーミングセンスないわね」
黒井「貴様の持っているその薬が逆の効果を持つ薬だ。そして……」
P「似たようなもの……それが貴音になる方の薬」
黒井「ちょっと待て!!貴様!なぜその薬を持っている!」
P「いや、あなたから貰いました」
黒井「バカな!!」
黒井「マジで?」
P「よし、冬馬、押さえつけろ」
冬馬「ん?あぁ」
黒井「おい、コラ!離さんか馬鹿者!」
冬馬「暴れんなって!おい、つるぺた!」
千早「つるぺた言うな!!」ドゴッ
黒井「ぐはっ!!」ガクッ
P「よし、これでこっちの感染用の薬を……」
黒井「……」グビ
黒井「……………………あの、ここはどこでしょうか?あなた様?」
千早「腹立つけどそっちのがまだいいわ」
P「よし、これでみんな元に戻るぞ!!」
冬馬「よし、屋上だったな!急ごう」ガチャ
P「この機械だな?」
冬馬「いつの間に屋上にこんなもん作りやがったんだ……」
貴音「空が綺麗ですね……」
千早「機械は私にはわからないわ」
冬馬「あとブラジャーの仕組みもだろ」ボソッ
千早「あんた突き落としてやるわ!!」
冬馬「待て、マジで洒落にならん!!」
貴音「あの、あなた様……私にボタンを押させていただけますか?」
貴音「全ては私が原因。多くの私たちが迷惑をおかけしました」
P「あぁ、いいぞ……」
冬馬「待てって!こんな絶壁から落ちたら!」
千早「誰が絶壁よ!!」
貴音「押します……」ポチッ
ゴゴゴゴゴゴ……
P「これで終わったのか……?」
貴音「はい……」
冬馬「わ、バカ!ッああああぁぁぁぁ……」
千早「あっ……」
prrrrrr
P「ん?もしもし?」
社長「あぁ!!君!よくやってくれたね!助かったよ!!今みんな元に戻っている所だから」
社長「あぁ、そうしてくれ!みんなで待っているよ!」
貴音「さぁ、帰りましょう。あなた様、千早?」
千早「えっ、あ、はい」
P「ん?冬馬は?」
千早「さ、先に帰りましたよ!!?」
P「そうなのか…お礼言いたかったのになぁ」
貴音「そうですね……」
千早「この声は!!」
冬馬「はぁはぁ……誰も死んでねえぜ!如月千早!」
千早「どっから湧いてきたの!?」
冬馬「あ、あの四条貴音さん!!」
千早「えっ、スルー?」
貴音「は、はい……」
冬馬「お、俺、あなたのことが好きです!付き合ってください!!」
冬馬「えっ?あ、はぁ……」
P「見事に散ったな……」
千早「そうですね」
P「さ、ここはもうあいつ一人にしてやろう」
貴音「はい……」
冬馬「……なんだよ」
千早「……」
千早「本当にバカね……」
冬馬「……くっ、わかってるよ。みっともねえってことくらいな」
千早「……ねえ、吊り橋効果って知ってる?」
冬馬「あぁ、知ってるよ。俺はそいつを狙って貴音、いや、四条さんを……」
千早「そ、ならいいわ。ほら、立ちなさいよ」スッ
冬馬「あぁ」ギュッ
千早「誰がお尻を握れって意味で手を差し出したのよ!」ゴンッ
千早「ばーか、もっかい死んじゃえッ」ベーッ
冬馬「お、今の可愛いじゃん」
千早「う、うるさいわね!///」
千早「ほら、帰るわよ」
冬馬「あぁ、元の世界にな……」
P「……あいつら、何してるんだ?」
P「おはようございま~す」
社長「チャオ☆」
やよい「チャオ☆」
雪歩「チャオ☆」
「チャオ☆」「チャオ☆」「チャオ☆」……
P「うわッ!!!えっと、もしもし!?と、冬馬か!?大変だ!今度はみんな北斗に!」
冬馬「チャオ☆」
END
急遽チャオ☆コールも導入した
Entry ⇒ 2012.01.10 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
春香「プロデューサーが枕してる映像が流出!?」
それも765プロみんな出演でですか!」
律子「そうよ!
私も社長も驚いてるわ」
亜美「なーんか最近きゅうに忙しくなってきたと思ってたけど」
真美「まさかそこまで話がおっきくなってたなんて……びっくりだよ」
『お前達はもっとたくさんの人に愛されるべきだ』
なんて言ってたけど……」
雪歩「最近プロデューサーさんが言ってた、
『もうすぐ大きいステージに行ってもらう』ってこのことだったのかな……?」
みんなも気付いてると思うけど、今回のライブに漕ぎ着けられたのは、
プロデューサーが必死にあなた達を売り込んでくれたからよ!
あなた達の魅力と努力を誰よりも知ってるから、
ここまでしてくれたんだと思うわ」
ミキ、今すぐハニーにお礼を言いたいの!」
春香「わ、私もだよっ」
貴音「皆、プロデューサーへの想いはひとつのようですね」
社長もみんなで前祝いをやろう!なんて張り切ってたんだけど、
プロデューサーだけはやっぱりどうしても忙しくて、
しばらく時間がとれないみたいなのよ。
だから、それぞれプロデューサーと会ったときに、言いたいことを言いなさい」
響「……ってことは、今も働いてるのか? プロデューサー」
伊織「この所、ずっと私たち以上に働き詰めみたいだしね……大丈夫かしら」
律子「その心配もわかるけど、今はプロデューサーの作ってくれた機会を活かせるように、
みんな全力を出し切ることを考えましょう。いいわね?」
僕たちのために、ファンのために、それからプロデューサーのために!」
「「「おー!!」」」
P「……」
コツ……コツ……コツ……
「入って」
ガチャッ……
……バタン。
「あら、早かったのね」
P「……えぇ。
おかげさまで、他の部署とはすぐ話がまとまりましたから」
「ま、出来レースみたいなもんだしねぇ。ふふふ……」
P「美希……が、どうかしましたか?」
「この子は育て方次第でいい売り物になるわ。間違いない」
P「……ありがとうございます」
「そんな子が、あなたにゾッコンなんですってね?
どんな魔法を使ったのかしら。『ハニー』なんて……ふふっ。
ほんと、可愛いわぁ……」
「あなたの、とーっても熱意のある営業方法、この子が知ったら……
いえ、765プロのアドレス全員、どんな顔するかしらね」
P「……」
「この、千早ちゃん?……それから、春香ちゃんも。
あなたのこと、ずいぶん慕ってるみたいだけど……」
ちょっとインタビューしたら、どの子もみんな、
とってもいい表情で話してくれたみたいねぇ。
うふふ、考えただけでゾクゾクしちゃう……」
P「このことは……」
「心配しなくても大丈夫。
あなたが私に……この子たちのために、尽くしてくれてる間はね」
P「……」
今日はドームライブの前祝いなんだから、華やかにいきましょ。
華やかに、ね」
P「……はい」
「ここでは、私が、あなたを。
プロデュースしてあげるんだから……ふふ、ふふふ」
P「……失礼します」
ヴー、ヴー、ヴー、
……パチッ
P「美希、か」
『ほんとは直接言いたかったけど、忙しそうだからメールにするね!
ミキがキラキラできるチャンスをいーっぱいくれて、
ほんとにありがとうなの、ハニー!
ミキも、みんなも、たくさんたくさん頑張るから!
ハニーのために、頑張るから!』
……ヴー、ヴー、ヴー、
P「ん、なんだ、また美希からか」カチカチ
『追伸:頑張りすぎて、身体こわしちゃやだよ?
愛してるの、ハニー』
P「……」パチン、
キュッ、
ザァアアアアアアッ
P「ごめんな、美希。みんな……」
「……もう帰るのね」
P「仕事が、ありますから」
「そう……うふふ。
ちょっと待って……」ガサゴソ
P「……どうぞ」カチッ
「あら、気が利くわね。
ん……はぁあ……」プカァ
P「……」
服に付いた女の匂いを消すには、煙草の煙が一番なのよ?」
P「……ありがとうございます」
「しばらく、喫茶店で時間潰してから行きなさいな。
このホテルの下がちょうどいいわ。
私の名前でツケといて頂戴」
「いいから」
P「……はい」
「それじゃ、気を付けて行ってらっしゃい。
また連絡するわ」ヒラヒラ
P「……行って来ます」
……バタン。
「ふふ……あの顔……たまらないわぁ……ふふふ」
美希「あっ、おはよーなの!」
P「早いな、美希。
どうしたんだ?」
美希「やっぱり、ハニーにどうしてもお礼言いたくて……
でも、もうそれはいいの」
P「うん?」
美希「待ってる間に、ただハニーに会いたいんだって気付いたから!
だから、ハニーがここにいてくれて、ありがとうなの!」ニコッ
美希「ミキね、最近思うんだ。
ミキがアイドルでいられるのは、ハニーのおかげだって。
ハニーが頑張ってくれるから、ミキも頑張れるんだよ?」
P「それは、プロデューサー冥利に尽きるな」
ミキはハニーのこと大好きなの!」
P「……ありがとうな、美希。
俺も、そこまで言ってもらえたら、頑張り甲斐があるよ」
美希「あ、でも、昨日も言ったけど、
ハニーが頑張りすぎてないかちょっと心配なの……」
俺も美希が、みんなが頑張ってくれてるから、頑張れるんだ。
全員トップアイドルになるまで……へこたれたりするもんか」
美希「……ほんとに?
ずっとミキたちのこと、見ててくれる?」
P「あぁ、約束する」
じゃあ、ミキがトップアイドルになったら、
ハニーのこと、楽させてあげるね」
P「ん? それはどう言う――――」
ガチャッ、
春香「おはようございまーす!」
美希「あ、春香、おはよーなのー」
P「……おはよう、春香」
美希「あーっ、春香ずるいのー!
ミキもハニーと一緒がいいのー」
春香「私だって久し振りなんだから。
ね? プロデューサーさん。
今日はたくさんお話できますね」ニコッ
P「……あぁ。
最近あんまり見てやれなくて、ごめんな」
プロデューサーさんが頑張ってくれたおかげて、
私たちも忙しくなれてきたんだって、みんなわかってますから!」
美希「それ、さっきミキが言ったのー」ブー
P「ははは……
それじゃあ、ちょっと早いがもう出発するか」
春香「了解です!」カチャッ
P「ちょっと時間掛かるから、後ろで寝てても良いんだぞ?」
春香「大丈夫ですよー、昨日ばっちり早寝してきましたから!」
P「そうか?」
春香「それに、言ったでしょ?
プロデューサーさんとお話したいんですよ」
初めて事務所に行ったときのこと」
P「そうなのか。
……俺も覚えてるよ、初めて春香と会ったときのこと」
春香「プロデューサーさん、露骨に不安そうな顔しましたよねー私を見て」
P「あれは春香が運んでたお盆とお茶ごと俺の目の前で盛大にこけたからだろう」
春香「あはは、そうでしたねー」
P「ん?」
春香「正直、あの頃は、トップアイドルになるなんて言ってましたけど、
具体的にはどんな感じなのか、何をすればいいのか、
全然わからなかったんですよね、私」
P「ははは……そりゃ俺もだ」
一緒に歩いてくれたから、こうやって、前に進めてるんですよね。
今は私、毎日トップアイドルに近付けてるって確信がありますもん」
P「……俺もプロデューサーとして、ひとりのファンとして、そう思うぞ。
春香は毎日、どんどん進歩してる。
俺の力だ、なんて言うつもりはないが……」
みんなそう思ってますよ」
P「……そうかな」
春香「絶対そうです!
だから、私はありがとうって言いたいんです。
みんなと一緒にここまで来させてくれて、
ここまで一緒付いて来てくれて、ありがとう、って。
……大好きなプロデューサーさんに、言いたいんです」
春香の笑顔にはいつも励まされてるよ」
春香「えへへ、そうですか?
……最初に誉めてくれたのも、プロデューサーさんでしたよね。
元気になれる笑顔だ、って」
P「あぁ」
春香「私、プロデューサーさんにはいつも元気でいてもらいたいんです。
だから、今日も笑顔で頑張りますね!」ニコッ
春香「こんにちはー!
天海春香でーす!」
キャー! キャー!
パチパチパチパチ……
P「……今日もいい笑顔だ」
ヴー、ヴー、ヴー、
P「ん……、……はい、もしもし」
『ふふ、生放送、見てるわよ』
『いい笑顔ねぇ。あの子も、素質があるわ』
P「えぇ」
『でも、素質だけじゃ売り物にならない』
P「……」
ふふふ、その道のプロのあなたには、今更言うまでもなかったかしら?』
P「ご用件は、なんですか?」
『別に。
まぁ、そうね。ちょっと、顔を見たくなっただけかしら』
P「……今、どこに?」
『局の駐車場に居るわ』
……ピッ
司会「どうぞどうぞ! いいPRになりますよ!」
春香「あ、でも実はいまだにカメラの前でもの食べるのって、
なんか恥ずかしいんですよね、私……」
アハハハ……
P「……ごめんな、春香」
P「……あの」
「わかってる。そんなに時間は取らせないわ。
それより、見てあげなさいよ、春香ちゃん。
こんなちっちゃいテレビでも、花が咲いたみたいによく栄えてる」
P「……」
あなたがプロデューサーじゃなきゃ、
ここまで来れたかどうかはあやしいけど……」
P「……春香も美希も、他の誰も、みんなトップアイドルになる素質があります。
別に俺じゃなくても――――」
あなたほど熱心じゃなきゃ、バックまではつかなかった、ってこと。
私みたいな、物好きのね……ふふふ」
P「……」
「その顔。ほんと、たまらない……
……さ、早く戻りたいんでしょう?
だったら、ここで私を満足させて頂戴」
「ダメよ。
ほら、急がなきゃ、放送終わっちゃうわよ?
ふふふ……うふふふ……」
P「……」
春香(あれ?
プロデューサーさん、どこ行っちゃったんだろ。
……でも、プロデューサーさんなら、きっとどこかで見てくれてるよね。
そのつもりで頑張らなきゃ!)
P「……」
「あ、それからね、春香ちゃんに伝えて置いてほしいことがあるの。
『いい番組だった』
ってね。
あなたもそう思うでしょ? ふふふ……
じゃあ、春香ちゃんによろしくね」
ブロロロロ……
P「……くそっ……」
またよろしくお願いしまーす!」
P「ずっといい表情でよかったぞ、春香」
春香「あっ、プロデューサーさん!
途中でいなくなっちゃうからどうしたんだろって思ってましたけど、
やっぱり見ててくれたんですね」
P「あぁ……ちゃんと見てたよ。
それがプロデューサー、だからな」
P「それは何よりだ。
やっぱり春香は楽しそうにしてるときが一番いいな」
春香「そうですか?
だったら……嬉しいな」
P「嬉しい?」
春香「プロデューサーさんと一緒なら、ずっと楽しくお仕事できますから!」
P「……俺も、そうなら嬉しいよ」
春香「はい!
今日はありがとうございました」ペコリ
P「こちらこそ。
ゆっくり休めよ」
春香「プロデューサーさんもですよ!
最近、疲れてるように見えるってみんな言ってましたよ?」
P「あぁ、わかった。気を付ける」
ブロロロロ……
千早「お帰りなさい」
P「千早か。レッスンはどうだった?」
千早「そうですね、順調です」
P「そうか。
上手く行けばドームライブで新曲のお披露目だな」
千早「はい。
とてもいいモチベーションになってますよ」
P「うん、期待してるぞ」
千早「……あの、プロデューサー」
P「ん?」
P「と、言うと?」
千早「私は、プロデューサーと春香、それからみんなに、
歌うことの楽しさを思い出させてもらいました。
春香も美希も、他のみんなも、プロデューサーがいるから、
仕事が楽しい、楽しく仕事が出来ると口を揃えて言ってます」
それは……はは、嬉しいな」
千早「でも、私には、最近のプロデューサーが……
……なんだか、とてもつらそうに見えてしまいます」
P「……つらそう、か。
ちょっとだけ、疲れがたまってるのは事実だが」
もちろんわかりますし、言葉に出来ないほど感謝もしてます。
……でも私は、プロデューサーにも、……その、笑顔でいてほしいんです。
笑顔で歌ってる私を、笑顔で見守っていてほしいんです」
P「千早……」
でも、もし私達のプロデュースで、プロデューサーに……
……つらい思いをさせてしまってるのだと思うと、私……」
P「……千早は優しいな。
でも、つらいことなんか、あるもんか」
千早「……プロデューサー」
俺は絶対にプロデューサーをやめないぞ。
千早やみんながトップアイドルになるまでは、絶対に。
毎日成長していくお前達を見てられるんだ。
こんなに幸せなことはないからな」
千早「……」
P「もし俺が立ち止まりそうになっても、千早の歌が、俺を動かしてくれるよ」
こんなに私達のことを想ってくれてる人のために歌えるなんて」
P「ははは、大袈裟だな」
千早「だから、プロデューサー。
つらいときは、私に言ってください。
きっと、私の歌でプロデューサーを元気にさせてみせます。
笑顔に……笑顔にさせてみせますから」
P「あぁ、そのときは頼むよ」
『アイドルは人を元気にするのが仕事です。
じゃあ、プロデューサーひとり元気に出来なかったらアイドル失格ですよ!』
って。
ドームライブが決まったって話を聞いた日に」
P「前半は俺の受け売りだが……そんなこと言ってたのか、あいつ」
私の一番近くにいる、私の一番大切なファンを元気に出来ないなら、
私はアイドルをやっている意味がない。
いえ、むしろ、そのために私はアイドルを続けたいんです、プロデューサー」
P「……よくわかったよ、千早。
おかげで、気合いが入った。
俺は明日からも笑顔で頑張れるよ」
P「本当だとも。
明日かも、トップアイドル目指して一緒に頑張ろう」
千早「はい、プロデューサー」ニコッ
P「千早も、いい笑顔だぞ」
千早「あ……ありがとう、ございます……」
……なのに、俺は……)
「うん、いいデザインね。
これならドームライブの宣伝として十分魅力的だわ」
P(……俺は、自分のアイドルの資質だけを信じることが出来なかった)
「ねぇ、あなたもそう思うでしょう?」
P「……えぇ」
P「いえ、……すみません」
「何を考えてたのか、当てて見せましょうか?」
P「……」
「『自分のやっていることは、正しいんだろうか』、でしょう?」
P「……」
「ふふ、わかるわよ、そのくらい……」
この期に及んで潔癖、とも言えるかしら……
何にせよ、……ふふ、どうしようもないわよね、もう」
P「……」
「ねぇ、私のこと愛してるって言ってみなさい」
P「――――、」
ミキはハニーのこと大好きなの!』
『私はありがとうって言いたいんです。
……大好きなプロデューサーさんに、言いたいんです』
『……私、幸せです。
こんなに私達のことを想ってくれてる人のために歌えるなんて』
P「――――あなたを、愛しています」
あ、もうダメ、ぞくぞくしちゃって我慢できないわぁ……うふふふ」
P「……」
「あの子たちをトップアイドルにしたいんでしょ?
なれるわよ、あの子たちなら……ちょっとのチャンスで、ね。
そのチャンスを掴めるかどうかは……ふふ、今夜のあなた次第よ……」
『プロデューサーさんっ』
『プロデューサー……』
P「……では」
「出て行く前によく見せて、その空っぽな顔」
P「……」
「やっぱり最高だわ、あなた……
……精々、あの子達にばれないようにね……うふふ……」
P「……くれぐれも、よろしくお願いします」
……バタン
やよい「あっ、プロデューサーさぁん!」
あずさ「あらあら、お疲れさまです」
P「竜宮小町、打ち合わせだったのか」
律子「えぇ。
次の番組ライブに向けてね。
……それと、伊織? 何か言うことがあるんじゃないの?」
伊織「なっ、なっ、なんで私がっ!」
伊織「別に……ちょっとお礼でも言ってあげようと思っただけよ!」プイッ
律子「全くこの子はまたそんな言い方して……」
あずさ「今度のドームライブ、とっても楽しみなんですって」
やよい「さっきまでそのこと話してたんですよぉ!」
伊織「ちょっ、こらっ! もう!」
その……あ、ありがとう、プロデューサー……別にそれだけよっ!」
P「ははは、どういたしまして。
期待してるから頑張ってくれよ?」
伊織「当然よ!
この伊織ちゃんの力でドーム二杯分ぐらいの超満員にしてあげるから見てなさい!」
伊織なら、みんなならきっと出来るさ」
伊織「……でも、あんまり無理しちゃダメだからね。
みんな心配してるんだから……ってこら! なにニヤニヤしてるのよっ!」
律子「いやぁ、別に……」
あずさ「気にせず続けてくださいな」
やよい「うっうー! なんだか楽しいです!」
伊織「あんたらねぇ!」
社長「えー、ちょっとプロデューサーくん、いいかね」
P「あ、はい。今行きます。
心配してくれてありがとうな、伊織」
伊織「べっ、別にそんなんじゃっ……もうっ、早く行っちゃいなさい!」
P「はいはい、それじゃあな」
……バタン。
P「……」
P「はい……なんでしょうか」
社長「最近の君の頑張りには、765プロ一同本当に感謝しているよ。
改めて、私からもお礼を言わせてもらいたい。
本当にありがとう」
P「いえ、自分は、ただ彼女達の魅力を伝えたかっただけですから」
社長「まぁそう謙遜することはない。
……ところで、だ」
……あそこが芸能界に大きな影響力を持っているのは、周知のことだ」
P「えぇ」
社長「だが、あそこの取締役の は、かなりの曲者と言う噂がある。
あの女性によって急成長した事務所、閉鎖された事務所、……
そのどちらにもなったプロダクションが、かなり沢山ある」
P「……」
この会社が、ではない。
君が、アイドル達が慕う君の身に何か起こることが、心配なんだ。
……らしくない、長々とした前置きをしてしまったな」
P「つまり、……社長が仰りたいことと言うのは?」
社長「何かあったら、すぐに私に相談したまえ。
もしトラブルが起きても、それが早いうちならきっと力になれる」
ありがとうございます」
社長「くれぐれも、気を付けたまえ。
この業界には、足をとられそうになる闇が少なくはない……
重々承知してはいるだらうが」
P「えぇ。
ですが、俺は必ず、あの子達を守って見せます。
そして、トップアイドルにして見せます」
社長「……うむ」
社長「あぁ。今度、また呑みに行こう」
P「楽しみにしておきます」
……バタン。
社長「……噂であってくれ。
そう願うばかりだ……」
ピッ
P「……もしもし」
『たまにはもうちょっと嬉しそうな声で電話に出てほしいわねぇ』
P「何かご用ですか?」
『今から来てもらおうと思ったんだけど、やっぱりやめておくわ。
どこかの下世話な週刊誌に嗅ぎつけられたみたい……ふふ』
『また、こちらから連絡するわ。
高木社長によろしく……ふふふ』
P「……えぇ」
プツッ
P「……負けるかよ」
やっと、ここまで来れたんだ。
とことんまでやってやる。
俺は絶対に、やり遂げてやる。
どんなことをしてでも、必ずやり遂げてやる……」グッ
春香(……プロデューサーさん……)
春香「はい……その、最近のプロデューサーさん、
すごく優しいし、頼りにもなるんですけど……
……なんだか、……」
律子「……何かしら?」
春香「――――すごく、悲しそうな、つらそうな顔、してます。
たまに、ですけど……」
律子「……そうね。そうかも知れないわ」
何かあったら、私達にも相談してほしい、って。
そりゃ、プロデューサーさんはプロデューサーだから、
私達には言えないこともあるだろうけど……
それでも、力になりたくて」
律子「……」
……何も言ってくれないと思うんです。私達には。
だから、律子さんなら、何か知ってるかな、って……」
律子「……ごめんなさい、私にもよくわからないわ」
春香「そう、ですか……」
律子「……」
心の底から信頼してます。頼りにしてるんです。
だけど、プロデューサーさんは……私達のことを、
守ろうってしてくれるからきっと、信頼してくれても、
頼りにしてくれることは、ないんですよね……」
律子「春香……」
プロデューサーさんには、プロデューサーさんの事情があるんだって。
でも、それでもやっぱり、力になってあげられないのが、悔しくて……」
律子「……わかったわ。私からもプロデューサーに聞いてみる。
みんなが心配してることも、伝えておくわ」
春香「お願いします……」
春香「?」
律子「あなたの笑顔が、美希の活躍が、千早の歌が、
全部ちゃんとプロデューサーの力になってるってことを」
春香「……はい。
私達は、プロデューサーさんのためにも、全力でぶつかっていきます」
律子「うん、その意気よ」
あまり家にも帰っていないようだし……
でも、たぶん正面から聞いても、何も話してくれない。
少し調べてみる必要がありそうね……)
P「……もしもし。俺です。
えぇ、はい。……今から会えますか?」
貴音「早いものですね」
P「だな。
どうだ? 自信のほどは」
響「ばっちりさー!」
貴音「あなた様が用意して下さった最高の舞台、必ず成功させてご覧に入れます」
P「うん、心強いな。
存分に楽しんでくれよ」
P「ん? 当たり前だろう。
せっかく特等席でお前たちの晴れ舞台が見れるのに、
それを俺が逃すわけがないぞ」
貴音「皆、不安なのです。
……急に、あなた様が、いなくなってしまうような気がして」
響「うん……」
P「なんだなんだ、縁起でもないなぁ」
……まぁ行くところがあるとすれば、そうだな」
響「ど、どっか行っちゃうのか? プロデューサー!」
貴音「……」
P「行くところがあるとしたら、お前たちと同じ所だよ。
どこまででも付いていくからな」
P「ははは、すまんすまん」
貴音「……一瞬、心の臟が止まるかと思いました」
P「いやいや……貴音が真顔で言うと、リアルで怖いな。
……とにかく、安心しろってことだ」
で、俺はプロデューサー。
プロデューサーの仕事はアイドルの魅力をみんなに伝えることだ。
だから、俺がアイドルをほっぽりだしてどこかに行くわけないんだよ」
貴音「あなた様……」
響「それを聞いて、ちょっと安心したさー」
P「おっと、とにかくそう言うことだ。
心配してくれるのはありがたいけどな」
ガチャッ、
……バタン。
P「……もしもし」
『相変わらずねぇ』
P「……」
『ま、いいわ。
今から来て頂戴。場所は……』
P「……わかりました」
……ガチャッ、
「さ、入って」
P「はい」
……バタン。
「記者をまくのにも随分苦労したのよ?」
P「噂を流したのはあなただ。
そのくらいは察しが付く」
「ふふ……なんのことかしらねぇ」
自分の息の掛かった様々なメディアの記者に、
虚実織り交ぜた情報を小出しにして……そして、自爆させる。
それがあなたのやり口でしょう」
「だったら、どうだって言うのかしら?」
P「……」
あなたは私のお気に入り……ふふ。
簡単に捨てたりはしないわ。勿体無いもの……
さぁ、今日はそのままでいいわ。愛してるって言って」
P「――――愛しています」
「その、惨めで空っぽで……でも、どこかで吹っ切れた顔、大好きよ……うふふ」
P「……」
P「……」
「あなたみたいな冷たくて、でも情熱的な人が大好きなのよ」
P「……」
「そんな人が、最後の最後、全部捨てて逃げ出して、」
P「……」
「そして、私の足にすがりついてくるのを見るのが、大好きなの」
「私は、それを蹴り飛ばす。
こんなに……こんなに楽しいことが、他にあって? うふふふ……」
P「……」
「うふ……あなたは、どこまで私を興奮させてくれるのかしら……
ほら、また燃えてきちゃった」
P「……」
「もう一回よ……ふふ……ふふふ……」
春香「そうだねぇ……」
千早「……」
律子「ほら、あなた達、そろそろ帰りなさい。
もう遅いわよ」
美希「やなの。ハニーの顔見るまで、ミキぜったい帰んないの」
律子「またそんなわがまま言って……ちょっと春香、千早。
美希になんとか言ってあげて」
千早「……私も、もう少し待ってます」
律子「あなた達まで!
……あとちょっとだけ待ったら、もう帰りなさいよ」
春香「あ、あはは……はーい」
千早「……」
美希「早く帰ってこないかなぁ、ハニー……」
千早「……」
美希「……」
……Prrrrr、Prrrrr、
ガチャッ
律子「はい、こちら765プロ……あ、プロデューサー。
お疲れ様です」
美希「えっ! ハニーから電話なの?!」
春香「!」
千早「……」ガタッ
じゃあ、そう言うことで……あ、ちょっと待ってください。
美希達がずっとプロデューサーの帰りを待ってて……はい、はい。
……えぇ、大丈夫です。はい、それじゃあ」ガチャッ、
美希「えぇー! なんで切っちゃうの?!」
どうしても時間が無いから今日は事務所に戻れない、って。
三人に謝っておいてくれって頼まれたわ」
美希「そんなぁ……」
春香「プロデューサーさん……」
千早「……プロデューサー、大丈夫かしら……」
律子「きっと大丈夫よ、無理はしないって言ってたから」
春香「……」
千早「さすがに、ちょっと……働きすぎに、思えてしまうわね」
美希「律子……さんは、そう思わないの?」
律子「うーん……まぁ、ねぇ……」
プロデューサーに心配かけたくないならね」
美希「はぁーいなのー……」
春香「……はい」
千早「……」
律子(今度のライブで協賛の 広告……あまりいい噂は聞かないけど、
まさか、ね……)
雪歩「おはよう、真ちゃん」
春香「今日はなんだか賑やかだねぇ」
亜美「こんなにみんなが集まるのって、ちょっと久しぶりだよねー」
真美「そうだねー、なんだか楽しいね」
やよい「朝から元気になりますぅ!」
伊織「……で、プロデューサーは?」
「「「……」」」
美希「だって……」
響「プロデューサーがいないと、寂しいぞー……」
貴音「まことに……」
ガチャッ、
千早「……はぁっ、はぁっ、」
春香「あ、千早ちゃん、おはよ……う?」
律子「え? えぇ、……」
……バタン。
真「……なんだか、かなり緊迫した感じだったけど……」
雪歩「も、……もしかして、プロデューサーに、なにかあったんじゃ……」
春香「ま、まさかぁ……」
「「「…………」」」
律子「……!」
【急成長芸能プロダクション・765プロ
その『営業』の闇、謎の権力パイプ】
今年に入って大躍進を遂げたアイドルが多数所属する765プロ。
来月にはプロダクション最大規模のドームライブが行われるが、
このライブの協賛企業について、いくつか不穏な噂が囁かれている――――』
日本最大の広告代理会社である 広告だが、
この会社の女性取締役の 氏と、765プロの敏腕プロデューサーP氏との間に、
ここ最近妙に親密な動きが見られる――――』
律子「……」パラッ
千早「……」
夜の付き合いと引換に何人かの人気芸能人に便宜を図ったと言うのは、
かなり有名な話だ。
……だが、彼女自身は芸能人よりも、そのプロダクションのプロデューサーと、
頻繁に一夜を共にすることが多いと言う――――』
番組枠、ライブ広告の手配、資金援助などを行うのだとか。
彼女の地位・権力を考えれば、そう不自然な話でもない。
また、それを目当てに自ら彼女に近付く野心に燃えたプロデューサーも散見され、
今回の765プロの急成長も――――』
千早「……それ……本当なんですか……?」
律子「落ち着いて千早!
大丈夫よ、こんな記事、誰も信じないわ。もちろん私も信じない。
私達が信じているのは、プロデューサーの方でしょう?」
千早「……はい……」
律子「あなたは気にせず、自分のやるべきことをやりなさい。
プロデューサーもそれを望んでるはずよ」
そしたらすぐに忘れるわ、こんなくだらないこと」
千早「……はい」
ガチャッ、
律子(……とは言え、この雑誌がスクープをすっぱ抜いて、
そこから大炎上した芸能ニュースは多々ある……
プロデューサー……あなたは……)
好きでも無い女の人と……?
そんなの、私だったら耐えられない。
それが例え歌のためでも、……好きでも無い男の人となんて……
でも、プロデューサーだったら……プロデューサーだったら、私達のために――――)
千早「――――うっ」ガタッ
春香「千早ちゃん?!」
伊織「ちょ、ちょっと大丈夫?!」
雪歩「な、何か拭くもの取ってきますっ!」
律子「……それじゃあ春香、しばらくお願いね。
心配だけど、私もどうしても行かないといけないから……」
春香「はい、任せてください。
行ってらっしゃい」
律子「何かあったら、すぐに連絡するのよ」
……バタン。
春香「千早ちゃん……」
春香「うん、うん。
ゆっくり話して……私が聞いてあげるから」ギュッ
千早「……」
春香「大丈夫、絶対に秘密にするから。
私を信じて?」
千早「春香ぁ……」
そんなことあるわけないって、思いたいのに……!
考えただけで、もう、私っ……耐えられない……っ!」
春香「……」
千早「プロデューサーが、……大好きな人が、
私のために、私達のために、そんなこと……!
私、私、……どうすればいいの?
私が頑張れば頑張るほど、プロデューサーに、
そんなことを……つらい思いをさせるんじゃないかって……!」
千早「春香……どうしよう、私達、どうしよう……っ」
春香「……えへへ、プロデューサーさんだったら、
ここで何かすごく上手い励まし方してくれるんだろうなぁ……
……私には、ちょっと難しいや」ポロポロ
千早「春香……ごめんね、ごめんね、こんな話して……ごめんね……」ポロポロ
春香「うぅん、いいんだよ、千早ちゃん……
つらいのも、半分こだよ……」ギュッ…
「あら、もう読んだのね」
P「やってくれましたね。
どんなに俺が気をつけても、本人からのリークじゃ防ぎようがない」
「そんなにカリカリしないの。
こんなの、下劣な落書き帳みたいなものでしょう?
気にすることないわよ」
P「俺のことはどうでもいい。
これをうちのアイドルの誰かが読んだら、どうするんだと言ってるんです」
気にもしないでしょう? 違うのかしら」
P「……試した、とでも言うつもりですか」
「楽しんでるのよ。
あなたが、どんな顔するか……」
P「……」
「私が満足したら、こんな詰まらない記事が出回ることも、
もうないでしょうね……ふふ、ふふふ」
やっぱりあなた、今までで一番の玩具よ」
P「……」
「どんどん凍り付いていくみたいに、魅力的になっていく……
案外、……あなたもアイドルの素質、あるのかもしれないわね」
P「俺はプロデューサーだ。
俺がどうなっても、あの子達は守る」
……バタン。
「……罪な男、なのかもねぇ……」ゾクゾク
ピッ
P「もしもし、律子か。
……あぁ、やっぱりあれを読んだのか。
それで……そうか、千早が……わかった。
今から俺が事務所に向かうから、そっちはよろしく頼む。
ん? ……でたらめに決まってるだろ、あんな三流雑誌の記事なんて。
それじゃあな」
ピッ、
P「千早……今行くからな」
春香「プロデューサーさん!」
千早「……っ」ビクッ
P「遅くなってすまなかった。
それに……要らない心配させたみたいだな。
本当に申し訳なかった。この通りだ……」
春香「や、やめてください!
そんな、謝らなくてもいいですよ!」
千早「……プロデューサー……」
P「千早も、心配かけてごめんな……」
私、プロデューサーの言ってくれることなら、全部受け止められますから」
春香「千早ちゃん……」
P「……わかった。
あの記事はな、――――」
「さてと、次は……うふふ、上手に撮れてるわぁ……
これを、……いくらで売れるかしらねぇ……」
「……私よ。
そろそろ例の記事が刷り上がった頃だと思って……なに?
……載せられないって、どう言うこと?
会社が潰れるって……あなた、私に逆らってどうなるか――――
――――なんですって?
……わかったわ、ちょっと待って頂戴」ピッ…
「……」ピッ、ピッ、ピッ、……
Prrrrr、Prrrrr、Prrrrr、……
えぇ……無かったことにしてもらって、結構よ。
適当に処分して頂戴。……任せるわ。それじゃ……」ピッ
「……ふふ、うふふ……
あはっ、あはははっ……
……あぁーあ……まんまとしてやられたわけね……うふふふっ……」
「もう、ベッドの中では敬語使っちゃダメって言ったでしょ?」
P「あぁ……ごめんよ。
でも、ほんとにありがとう」
「いいわ、気にしないで。
私もあの女の鼻っ柱を折ってやれて、スカッとしてるんだから。
それに……んふっ、こんなにすごいの、もらっちゃったし、ね?」
夢にも思わなかっただろうね」
P「はは……色々世間を教えてくれたことに関しては、あの人に感謝してるよ」
「嫌よ、そんなこと言っちゃ……ねぇ、私に近付いたのって――――」
P「――――もちろん、愛してるのはお前だよ。
俺には 銀行頭取なんて肩書きは、どうでもいいんだ。
……許してくれるかい?」
「今回だけよ? んふ……あっ……」
P「……」
俺はお前達に、汚い仕事は絶対にさせたくない。
俺を信じてくれ、千早」
千早「……ます」
P「ん?」
千早「プロデューサーのこと、信じます」
P「千早……ありがとう。
……春香は、どうだ?」
春香「聞くまでもないですよ、もう。
プロデューサーのこと、信じてます」
P「……ありがとう、二人とも。
つらい思いさせてごめんな……これからも、一緒に頑張ろうな」ギュッ
千早・春香「はい……っ!」
あの記事もさほど話題にはならなかった。
961プロの妨害工作もあったが、広告を通して圧力を掛けると、
割とすぐに大人しくなった。やはり広告代理店は強い――――
―――― 取締役とは、今でも持ちつ持たれつの関係だ。
その方が利益になる。
765プロに取っても、アイドル達に取っても。
俺は絶対に、千早や、春香や、美希や、他の誰にも、俺以外の誰にも、
汚い仕事はやらせはしない。あの子達を誑かす奴は、
どんな手を使ってでも、必ず排除する。
例え、俺が頭まで泥水に浸かることになっても。
幾つ、彼女達に嘘を重ねることになっても)
P「あぁ、いや、ちょっと考えごとしてただけだ」
美希「んー、もうすぐミキの誕生日だから、結婚できる日も近いなー、とか?
あ、ミキ的には最初は女の子がいいの!」
春香「ちょ、ちょ、ちょっと美希!
何言ってるのよ!」
美希「だってハニーは美希のハニーなんだもーん!」ギュウーッ
P「お、おい美希、離れろって……」
響「あぁーっ! 美希、ずるいぞーっ!」
伊織「ま、まったく……美希は子供ね、プロデューサー困らせて」
美希「デコちゃんが言っても説得力無いの」
伊織「なんですってぇーっ!」
雪歩「け、喧嘩はだめですぅー」
律子「こらー! 事務所で暴れないの!」
ヴー、ヴー、ヴー、
千早「……」
P「そんな顔するなって。
仕事の打ち合わせだよ、千早。ほら」
【 テレビ広報さん】
P「な?」
千早「……はい、ごめんなさい」
P「ははは、心配してくれて嬉しいよ。
じゃあ、また後でな」
美希「ハニー、早く帰ってきてーなのー!」
P「はいはい」
ガチャッ、
……バタン。
P「さて……」
P「……そうですね」
「聞いてるわよ、色々活躍してるみたいじゃない」
P「おかげさまで」
「うふふ、いつ見てもいい顔……それにいい目……」
P「……急ぎますので。それでは」
「えぇ、また……」
「あの……今の方は……?」
P「ちょっとした知り合いですよ。仕事のね」
「そ、そうですか……
あの、これから、お食事、一緒に、なんて……」
P「もちろん、構いませんよ」
「ほんとですかっ? それじゃあ――――」
P「――――、――――」
ふふ……うふふふ……あははははは……」
高木社長が現役を退いて数年後、765プロは芸能界最大のプロダクションとなる。
在籍するトップアイドル達の活躍もさることながら、
彼女らに絶大な信頼を置かれている新社長の経営・営業手腕は、
既に芸能界の神話となりつつあった。
――――果たして、その裏の顔を知るものは少なく、
そしてそれを口外するものは、誰もいない。
【END】
広告会社のってことでいいんだよな
たまにはPが本当の意味で主人公でも良いよね。
>>165
原作に無い登場人物・団体名は全て「 」。
Pに取って興味の無いものは全て「 」。
たまにはこんなのもイイネ!
久々にいいSSだった
Entry ⇒ 2012.01.09 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (2) | Trackbacks (0)