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春香「プロデューサーが枕してる映像が流出!?」

35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 10:07:01.80 ID:hQAauvYfO

春香「ドームライブ?!
   それも765プロみんな出演でですか!」

律子「そうよ!
   私も社長も驚いてるわ」

亜美「なーんか最近きゅうに忙しくなってきたと思ってたけど」
真美「まさかそこまで話がおっきくなってたなんて……びっくりだよ」

36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 10:09:06.31 ID:hQAauvYfO

千早「プロデューサーはずっと
  『お前達はもっとたくさんの人に愛されるべきだ』
   なんて言ってたけど……」

雪歩「最近プロデューサーさんが言ってた、
   『もうすぐ大きいステージに行ってもらう』ってこのことだったのかな……?」


37 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 10:12:17.80 ID:hQAauvYfO

律子「えぇ。
   みんなも気付いてると思うけど、今回のライブに漕ぎ着けられたのは、
   プロデューサーが必死にあなた達を売り込んでくれたからよ!
   あなた達の魅力と努力を誰よりも知ってるから、
   ここまでしてくれたんだと思うわ」


38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 10:16:36.83 ID:hQAauvYfO

美希「ハニー……ハニーはどこなの?
   ミキ、今すぐハニーにお礼を言いたいの!」

春香「わ、私もだよっ」

貴音「皆、プロデューサーへの想いはひとつのようですね」


39 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 10:19:27.71 ID:hQAauvYfO

律子「まぁまぁ、みんな落ち着いて。
   社長もみんなで前祝いをやろう!なんて張り切ってたんだけど、
   プロデューサーだけはやっぱりどうしても忙しくて、
   しばらく時間がとれないみたいなのよ。
   だから、それぞれプロデューサーと会ったときに、言いたいことを言いなさい」

響「……ってことは、今も働いてるのか? プロデューサー」


40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 10:22:04.15 ID:hQAauvYfO

やよい「なんだか……ちょっと心配ですねー……」

伊織「この所、ずっと私たち以上に働き詰めみたいだしね……大丈夫かしら」

律子「その心配もわかるけど、今はプロデューサーの作ってくれた機会を活かせるように、
   みんな全力を出し切ることを考えましょう。いいわね?」


41 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 10:24:24.51 ID:hQAauvYfO

真「……絶対、成功させるんだ!
  僕たちのために、ファンのために、それからプロデューサーのために!」

「「「おー!!」」」






P「……」

コツ……コツ……コツ……


43 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 10:34:49.70 ID:hQAauvYfO

コンコン、

 「入って」

ガチャッ……
……バタン。

 「あら、早かったのね」

P「……えぇ。
  おかげさまで、他の部署とはすぐ話がまとまりましたから」

 「ま、出来レースみたいなもんだしねぇ。ふふふ……」


45 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 10:37:21.23 ID:hQAauvYfO

 「あぁ、でもそうね、この子」スッ

P「美希……が、どうかしましたか?」

 「この子は育て方次第でいい売り物になるわ。間違いない」

P「……ありがとうございます」

 「そんな子が、あなたにゾッコンなんですってね?
  どんな魔法を使ったのかしら。『ハニー』なんて……ふふっ。
  ほんと、可愛いわぁ……」


47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 10:40:20.08 ID:hQAauvYfO

P「……美希とは、ただ仕事の……」

 「あなたの、とーっても熱意のある営業方法、この子が知ったら……
  いえ、765プロのアドレス全員、どんな顔するかしらね」

P「……」

 「この、千早ちゃん?……それから、春香ちゃんも。
  あなたのこと、ずいぶん慕ってるみたいだけど……」


49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 10:44:39.42 ID:hQAauvYfO

 「他の子もみんなそう……
  ちょっとインタビューしたら、どの子もみんな、
  とってもいい表情で話してくれたみたいねぇ。
  うふふ、考えただけでゾクゾクしちゃう……」

P「このことは……」

 「心配しなくても大丈夫。
  あなたが私に……この子たちのために、尽くしてくれてる間はね」

P「……」


50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 10:49:17.83 ID:hQAauvYfO

 「さ、シャワー浴びて来なさい。
  今日はドームライブの前祝いなんだから、華やかにいきましょ。
  華やかに、ね」

P「……はい」

 「ここでは、私が、あなたを。
  プロデュースしてあげるんだから……ふふ、ふふふ」

P「……失礼します」


51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 10:50:59.79 ID:XgqcDrbJ0

Pの枕営業というとホモが浮かんでしまうがこれはいいですなぁ


52 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 10:56:22.07 ID:hQAauvYfO

P「……」

ヴー、ヴー、ヴー、
……パチッ

P「美希、か」


 『ほんとは直接言いたかったけど、忙しそうだからメールにするね!
  ミキがキラキラできるチャンスをいーっぱいくれて、
  ほんとにありがとうなの、ハニー!
  ミキも、みんなも、たくさんたくさん頑張るから!
  ハニーのために、頑張るから!』


56 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 11:00:33.35 ID:hQAauvYfO

P「ははは、……期待してるぞ、美希」

……ヴー、ヴー、ヴー、

P「ん、なんだ、また美希からか」カチカチ


 『追伸:頑張りすぎて、身体こわしちゃやだよ?
     愛してるの、ハニー』

P「……」パチン、



キュッ、
ザァアアアアアアッ



P「ごめんな、美希。みんな……」


59 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 11:11:00.67 ID:hQAauvYfO

バサッ、

 「……もう帰るのね」

P「仕事が、ありますから」

 「そう……うふふ。
  ちょっと待って……」ガサゴソ

P「……どうぞ」カチッ

 「あら、気が利くわね。
  ん……はぁあ……」プカァ

P「……」


62 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 11:16:52.21 ID:hQAauvYfO

 「後ろ向いて。……ふぅー……
  服に付いた女の匂いを消すには、煙草の煙が一番なのよ?」

P「……ありがとうございます」

 「しばらく、喫茶店で時間潰してから行きなさいな。
  このホテルの下がちょうどいいわ。
  私の名前でツケといて頂戴」


63 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 11:19:36.51 ID:hQAauvYfO

P「いえ……そこまでは」

 「いいから」

P「……はい」

 「それじゃ、気を付けて行ってらっしゃい。
  また連絡するわ」ヒラヒラ

P「……行って来ます」



……バタン。



 「ふふ……あの顔……たまらないわぁ……ふふふ」


72 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 11:28:19.66 ID:hQAauvYfO

ガチャッ、

美希「あっ、おはよーなの!」

P「早いな、美希。
  どうしたんだ?」

美希「やっぱり、ハニーにどうしてもお礼言いたくて……
   でも、もうそれはいいの」

P「うん?」

美希「待ってる間に、ただハニーに会いたいんだって気付いたから!
   だから、ハニーがここにいてくれて、ありがとうなの!」ニコッ


73 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 11:33:32.31 ID:WOZJE8bP0

これは辛い


74 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 11:35:32.26 ID:hQAauvYfO

P「美希……はは、どうしたんだ、急に」

美希「ミキね、最近思うんだ。
   ミキがアイドルでいられるのは、ハニーのおかげだって。
   ハニーが頑張ってくれるから、ミキも頑張れるんだよ?」

P「それは、プロデューサー冥利に尽きるな」


76 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 11:41:25.40 ID:hQAauvYfO

美希「だから、もう、言葉で言えないくらい、……
   ミキはハニーのこと大好きなの!」

P「……ありがとうな、美希。
  俺も、そこまで言ってもらえたら、頑張り甲斐があるよ」

美希「あ、でも、昨日も言ったけど、
   ハニーが頑張りすぎてないかちょっと心配なの……」


77 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 11:45:17.02 ID:hQAauvYfO

P「なに、大丈夫さ。
  俺も美希が、みんなが頑張ってくれてるから、頑張れるんだ。
  全員トップアイドルになるまで……へこたれたりするもんか」

美希「……ほんとに?
   ずっとミキたちのこと、見ててくれる?」

P「あぁ、約束する」


79 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 11:47:29.42 ID:hQAauvYfO

美希「……ねぇ、ハニー。
   じゃあ、ミキがトップアイドルになったら、
   ハニーのこと、楽させてあげるね」

P「ん? それはどう言う――――」


ガチャッ、


春香「おはようございまーす!」

美希「あ、春香、おはよーなのー」

P「……おはよう、春香」


82 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 11:54:56.42 ID:hQAauvYfO

春香「えーっと、今日はプロデューサーさんと一緒にロケですよね」

美希「あーっ、春香ずるいのー!
   ミキもハニーと一緒がいいのー」

春香「私だって久し振りなんだから。
   ね? プロデューサーさん。
   今日はたくさんお話できますね」ニコッ

P「……あぁ。
  最近あんまり見てやれなくて、ごめんな」


84 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 11:59:45.31 ID:hQAauvYfO

春香「いえいえー!
   プロデューサーさんが頑張ってくれたおかげて、
   私たちも忙しくなれてきたんだって、みんなわかってますから!」

美希「それ、さっきミキが言ったのー」ブー

P「ははは……
  それじゃあ、ちょっと早いがもう出発するか」


85 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 12:03:27.98 ID:hQAauvYfO

P「シートベルト、ちゃんとしろよ」

春香「了解です!」カチャッ

P「ちょっと時間掛かるから、後ろで寝てても良いんだぞ?」

春香「大丈夫ですよー、昨日ばっちり早寝してきましたから!」

P「そうか?」

春香「それに、言ったでしょ?
   プロデューサーさんとお話したいんですよ」


86 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 12:07:35.59 ID:hQAauvYfO

春香「私、今でもはっきり覚えてるんですよ。
   初めて事務所に行ったときのこと」

P「そうなのか。
  ……俺も覚えてるよ、初めて春香と会ったときのこと」

春香「プロデューサーさん、露骨に不安そうな顔しましたよねー私を見て」

P「あれは春香が運んでたお盆とお茶ごと俺の目の前で盛大にこけたからだろう」

春香「あはは、そうでしたねー」


88 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 12:12:32.65 ID:hQAauvYfO

春香「あのですね、プロデューサーさん」

P「ん?」

春香「正直、あの頃は、トップアイドルになるなんて言ってましたけど、
   具体的にはどんな感じなのか、何をすればいいのか、
   全然わからなかったんですよね、私」

P「ははは……そりゃ俺もだ」


89 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 12:16:41.86 ID:hQAauvYfO

春香「でも、プロデューサーさんが順番に道を教えてくれた。
   一緒に歩いてくれたから、こうやって、前に進めてるんですよね。
   今は私、毎日トップアイドルに近付けてるって確信がありますもん」

P「……俺もプロデューサーとして、ひとりのファンとして、そう思うぞ。
  春香は毎日、どんどん進歩してる。
  俺の力だ、なんて言うつもりはないが……」


92 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 12:20:15.28 ID:hQAauvYfO

春香「いいえ、プロデューサーさんの力です。
   みんなそう思ってますよ」

P「……そうかな」

春香「絶対そうです!
   だから、私はありがとうって言いたいんです。
   みんなと一緒にここまで来させてくれて、
   ここまで一緒付いて来てくれて、ありがとう、って。

   ……大好きなプロデューサーさんに、言いたいんです」


95 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 12:26:24.46 ID:hQAauvYfO

P「……こちらこそありがとうな、春香。
  春香の笑顔にはいつも励まされてるよ」

春香「えへへ、そうですか?
   ……最初に誉めてくれたのも、プロデューサーさんでしたよね。
   元気になれる笑顔だ、って」

P「あぁ」

春香「私、プロデューサーさんにはいつも元気でいてもらいたいんです。
   だから、今日も笑顔で頑張りますね!」ニコッ


98 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 12:32:22.05 ID:hQAauvYfO

司会「では、ゲストの方に来ていただきましょう!」

春香「こんにちはー!
   天海春香でーす!」

キャー! キャー!
パチパチパチパチ……



P「……今日もいい笑顔だ」

ヴー、ヴー、ヴー、

P「ん……、……はい、もしもし」



 『ふふ、生放送、見てるわよ』


100 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 12:39:01.34 ID:hQAauvYfO

P「……ありがとうございます」

 『いい笑顔ねぇ。あの子も、素質があるわ』

P「えぇ」

 『でも、素質だけじゃ売り物にならない』

P「……」


101 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 12:42:36.24 ID:hQAauvYfO

 『必要なのは、付加価値よ。
  ふふふ、その道のプロのあなたには、今更言うまでもなかったかしら?』

P「ご用件は、なんですか?」

 『別に。
  まぁ、そうね。ちょっと、顔を見たくなっただけかしら』

P「……今、どこに?」

 『局の駐車場に居るわ』

……ピッ


102 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 12:44:40.17 ID:hQAauvYfO

春香「えぇー! これ食べていいんですか?!」

司会「どうぞどうぞ! いいPRになりますよ!」

春香「あ、でも実はいまだにカメラの前でもの食べるのって、
   なんか恥ずかしいんですよね、私……」

アハハハ……





P「……ごめんな、春香」


105 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 12:50:38.35 ID:hQAauvYfO

 「自分で車出したのなんて、久し振りね」

P「……あの」

 「わかってる。そんなに時間は取らせないわ。
  それより、見てあげなさいよ、春香ちゃん。
  こんなちっちゃいテレビでも、花が咲いたみたいによく栄えてる」

P「……」


106 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 12:56:45.56 ID:hQAauvYfO

 「いいわねぇ、この子も。
  あなたがプロデューサーじゃなきゃ、
  ここまで来れたかどうかはあやしいけど……」

P「……春香も美希も、他の誰も、みんなトップアイドルになる素質があります。
  別に俺じゃなくても――――」


108 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 12:59:51.19 ID:hQAauvYfO

 「あらぁ、そう言う意味で言ったんじゃなくってよ?
  あなたほど熱心じゃなきゃ、バックまではつかなかった、ってこと。
  私みたいな、物好きのね……ふふふ」
P「……」

 「その顔。ほんと、たまらない……
  ……さ、早く戻りたいんでしょう?
  だったら、ここで私を満足させて頂戴」


111 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 13:04:45.07 ID:hQAauvYfO

P「……テレビを切っても」

 「ダメよ。
  ほら、急がなきゃ、放送終わっちゃうわよ?
  ふふふ……うふふふ……」

P「……」




春香(あれ?
   プロデューサーさん、どこ行っちゃったんだろ。
   ……でも、プロデューサーさんなら、きっとどこかで見てくれてるよね。

   そのつもりで頑張らなきゃ!)


113 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 13:13:54.36 ID:hQAauvYfO

 「……今日はこのくらいで許してあげるわ」

P「……」

 「あ、それからね、春香ちゃんに伝えて置いてほしいことがあるの。

 『いい番組だった』

  ってね。
  あなたもそう思うでしょ? ふふふ……

  じゃあ、春香ちゃんによろしくね」

ブロロロロ……





P「……くそっ……」


118 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 13:21:06.95 ID:hQAauvYfO

春香「お疲れさまでしたー!
   またよろしくお願いしまーす!」



P「ずっといい表情でよかったぞ、春香」

春香「あっ、プロデューサーさん!
   途中でいなくなっちゃうからどうしたんだろって思ってましたけど、
   やっぱり見ててくれたんですね」

P「あぁ……ちゃんと見てたよ。
  それがプロデューサー、だからな」


120 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 13:25:26.57 ID:hQAauvYfO

春香「今日のロケ、楽しかったなー」

P「それは何よりだ。
  やっぱり春香は楽しそうにしてるときが一番いいな」

春香「そうですか?
   だったら……嬉しいな」

P「嬉しい?」

春香「プロデューサーさんと一緒なら、ずっと楽しくお仕事できますから!」

P「……俺も、そうなら嬉しいよ」


121 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 13:29:53.30 ID:hQAauvYfO

P「じゃあ、明日は昼からだな」

春香「はい!
   今日はありがとうございました」ペコリ

P「こちらこそ。
  ゆっくり休めよ」

春香「プロデューサーさんもですよ!
   最近、疲れてるように見えるってみんな言ってましたよ?」

P「あぁ、わかった。気を付ける」

ブロロロロ……


128 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 13:45:48.52 ID:hQAauvYfO

ガチャッ

千早「お帰りなさい」

P「千早か。レッスンはどうだった?」

千早「そうですね、順調です」

P「そうか。
  上手く行けばドームライブで新曲のお披露目だな」

千早「はい。
   とてもいいモチベーションになってますよ」

P「うん、期待してるぞ」

千早「……あの、プロデューサー」

P「ん?」


138 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 14:09:10.24 ID:hQAauvYfO

千早「……プロデューサーは、楽しいですか?」

P「と、言うと?」

千早「私は、プロデューサーと春香、それからみんなに、
   歌うことの楽しさを思い出させてもらいました。
   春香も美希も、他のみんなも、プロデューサーがいるから、
   仕事が楽しい、楽しく仕事が出来ると口を揃えて言ってます」


141 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 14:13:58.28 ID:hQAauvYfO

P「そうなのか。
  それは……はは、嬉しいな」

千早「でも、私には、最近のプロデューサーが……
   ……なんだか、とてもつらそうに見えてしまいます」

P「……つらそう、か。
  ちょっとだけ、疲れがたまってるのは事実だが」


142 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 14:17:12.87 ID:hQAauvYfO

千早「プロデューサーが私達のために必死に頑張ってくれているのは、
   もちろんわかりますし、言葉に出来ないほど感謝もしてます。
   ……でも私は、プロデューサーにも、……その、笑顔でいてほしいんです。
   笑顔で歌ってる私を、笑顔で見守っていてほしいんです」

P「千早……」


145 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 14:21:28.58 ID:hQAauvYfO

千早「ごめんなさい、生意気なことを言ってしまって。
   でも、もし私達のプロデュースで、プロデューサーに……
   ……つらい思いをさせてしまってるのだと思うと、私……」

P「……千早は優しいな。
  でも、つらいことなんか、あるもんか」

千早「……プロデューサー」


146 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 14:24:40.97 ID:hQAauvYfO

P「仮に、もしこの仕事が本当につらいものでも、笑顔になれないくらい疲れても、
  俺は絶対にプロデューサーをやめないぞ。
  千早やみんながトップアイドルになるまでは、絶対に。
  毎日成長していくお前達を見てられるんだ。
  こんなに幸せなことはないからな」

千早「……」

P「もし俺が立ち止まりそうになっても、千早の歌が、俺を動かしてくれるよ」


147 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 14:28:24.30 ID:hQAauvYfO

千早「……私、幸せです。
   こんなに私達のことを想ってくれてる人のために歌えるなんて」

P「ははは、大袈裟だな」

千早「だから、プロデューサー。
   つらいときは、私に言ってください。
   きっと、私の歌でプロデューサーを元気にさせてみせます。
   笑顔に……笑顔にさせてみせますから」

P「あぁ、そのときは頼むよ」


150 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 14:36:30.13 ID:hQAauvYfO

千早「あと、これは春香が言ってたことなんですが……

  『アイドルは人を元気にするのが仕事です。
   じゃあ、プロデューサーひとり元気に出来なかったらアイドル失格ですよ!』

   って。
   ドームライブが決まったって話を聞いた日に」

P「前半は俺の受け売りだが……そんなこと言ってたのか、あいつ」


152 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 14:41:52.40 ID:hQAauvYfO

千早「私も、その通りだと思います。
   私の一番近くにいる、私の一番大切なファンを元気に出来ないなら、
   私はアイドルをやっている意味がない。
   いえ、むしろ、そのために私はアイドルを続けたいんです、プロデューサー」

P「……よくわかったよ、千早。
  おかげで、気合いが入った。
  俺は明日からも笑顔で頑張れるよ」


155 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 14:43:58.18 ID:hQAauvYfO

千早「本当ですか?」

P「本当だとも。
  明日かも、トップアイドル目指して一緒に頑張ろう」

千早「はい、プロデューサー」ニコッ

P「千早も、いい笑顔だぞ」

千早「あ……ありがとう、ございます……」


160 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 14:55:11.97 ID:hQAauvYfO

P(千早も、春香も、美希も、みんな俺を信じてくれてる。
  ……なのに、俺は……)

 「うん、いいデザインね。
  これならドームライブの宣伝として十分魅力的だわ」

P(……俺は、自分のアイドルの資質だけを信じることが出来なかった)

 「ねぇ、あなたもそう思うでしょう?」

P「……えぇ」


162 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 14:58:37.59 ID:hQAauvYfO

 「あら、何か考えごとかしら」

P「いえ、……すみません」

 「何を考えてたのか、当てて見せましょうか?」

P「……」

 「『自分のやっていることは、正しいんだろうか』、でしょう?」

P「……」

 「ふふ、わかるわよ、そのくらい……」


164 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 15:08:47.91 ID:hQAauvYfO

 「あなた、素直だからね。
  この期に及んで潔癖、とも言えるかしら……
  何にせよ、……ふふ、どうしようもないわよね、もう」

P「……」

 「ねぇ、私のこと愛してるって言ってみなさい」

P「――――、」


165 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 15:11:50.25 ID:hQAauvYfO

『だから、もう、言葉で言えないくらい、……
 ミキはハニーのこと大好きなの!』

『私はありがとうって言いたいんです。
 ……大好きなプロデューサーさんに、言いたいんです』

『……私、幸せです。
 こんなに私達のことを想ってくれてる人のために歌えるなんて』





P「――――あなたを、愛しています」


168 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 15:18:58.34 ID:hQAauvYfO

 「ひどい顔で言うのね……
  あ、もうダメ、ぞくぞくしちゃって我慢できないわぁ……うふふふ」

P「……」

 「あの子たちをトップアイドルにしたいんでしょ?
  なれるわよ、あの子たちなら……ちょっとのチャンスで、ね。
  そのチャンスを掴めるかどうかは……ふふ、今夜のあなた次第よ……」


172 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 15:27:40.85 ID:hQAauvYfO

『ハニー!』

『プロデューサーさんっ』

『プロデューサー……』



P「……では」

 「出て行く前によく見せて、その空っぽな顔」

P「……」

 「やっぱり最高だわ、あなた……
  ……精々、あの子達にばれないようにね……うふふ……」

P「……くれぐれも、よろしくお願いします」


……バタン


32 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 19:00:58.87 ID:+Ky81vJdO

P「ただ今戻りましたー、っと」

やよい「あっ、プロデューサーさぁん!」

あずさ「あらあら、お疲れさまです」

P「竜宮小町、打ち合わせだったのか」

律子「えぇ。
   次の番組ライブに向けてね。
   ……それと、伊織? 何か言うことがあるんじゃないの?」

伊織「なっ、なっ、なんで私がっ!」


33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 19:04:50.77 ID:+Ky81vJdO

P「ん? どうかしたか?」

伊織「別に……ちょっとお礼でも言ってあげようと思っただけよ!」プイッ

律子「全くこの子はまたそんな言い方して……」

あずさ「今度のドームライブ、とっても楽しみなんですって」

やよい「さっきまでそのこと話してたんですよぉ!」

伊織「ちょっ、こらっ! もう!」


35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 19:10:07.42 ID:+Ky81vJdO

伊織「と……とにかく、最近頑張ってたみたいだし、
   その……あ、ありがとう、プロデューサー……別にそれだけよっ!」

P「ははは、どういたしまして。
  期待してるから頑張ってくれよ?」

伊織「当然よ!
   この伊織ちゃんの力でドーム二杯分ぐらいの超満員にしてあげるから見てなさい!」


37 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 19:12:43.03 ID:+Ky81vJdO

P「あぁ、楽しみにしてる。
  伊織なら、みんなならきっと出来るさ」

伊織「……でも、あんまり無理しちゃダメだからね。
   みんな心配してるんだから……ってこら! なにニヤニヤしてるのよっ!」

律子「いやぁ、別に……」

あずさ「気にせず続けてくださいな」

やよい「うっうー! なんだか楽しいです!」

伊織「あんたらねぇ!」


38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 19:15:33.71 ID:+Ky81vJdO

ガチャッ、


社長「えー、ちょっとプロデューサーくん、いいかね」

P「あ、はい。今行きます。
  心配してくれてありがとうな、伊織」

伊織「べっ、別にそんなんじゃっ……もうっ、早く行っちゃいなさい!」

P「はいはい、それじゃあな」


……バタン。


P「……」


41 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 19:20:27.02 ID:+Ky81vJdO

社長「さて、少し話があるんだが」

P「はい……なんでしょうか」

社長「最近の君の頑張りには、765プロ一同本当に感謝しているよ。
   改めて、私からもお礼を言わせてもらいたい。
   本当にありがとう」

P「いえ、自分は、ただ彼女達の魅力を伝えたかっただけですから」

社長「まぁそう謙遜することはない。
   ……ところで、だ」


46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 19:29:57.42 ID:+Ky81vJdO

社長「今回のドームライブの協賛を取り付けた  広告だが、
   ……あそこが芸能界に大きな影響力を持っているのは、周知のことだ」

P「えぇ」

社長「だが、あそこの取締役の は、かなりの曲者と言う噂がある。
   あの女性によって急成長した事務所、閉鎖された事務所、……
   そのどちらにもなったプロダクションが、かなり沢山ある」

P「……」


49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 19:34:49.81 ID:+Ky81vJdO

社長「私は、心配なんだ。
   この会社が、ではない。
   君が、アイドル達が慕う君の身に何か起こることが、心配なんだ。
   ……らしくない、長々とした前置きをしてしまったな」

P「つまり、……社長が仰りたいことと言うのは?」

社長「何かあったら、すぐに私に相談したまえ。
   もしトラブルが起きても、それが早いうちならきっと力になれる」


50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 19:38:14.40 ID:+Ky81vJdO

P「……はい、わかりました。
  ありがとうございます」

社長「くれぐれも、気を付けたまえ。
   この業界には、足をとられそうになる闇が少なくはない……
   重々承知してはいるだらうが」

P「えぇ。
  ですが、俺は必ず、あの子達を守って見せます。
  そして、トップアイドルにして見せます」

社長「……うむ」


51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 19:40:32.76 ID:+Ky81vJdO

P「……では、失礼します」

社長「あぁ。今度、また呑みに行こう」

P「楽しみにしておきます」



……バタン。



社長「……噂であってくれ。
   そう願うばかりだ……」


53 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 19:45:49.05 ID:+Ky81vJdO

ヴー、ヴー、ヴー、
ピッ

P「……もしもし」

 『たまにはもうちょっと嬉しそうな声で電話に出てほしいわねぇ』

P「何かご用ですか?」

 『今から来てもらおうと思ったんだけど、やっぱりやめておくわ。
  どこかの下世話な週刊誌に嗅ぎつけられたみたい……ふふ』


55 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 19:48:08.08 ID:+Ky81vJdO

P「……」

 『また、こちらから連絡するわ。
  高木社長によろしく……ふふふ』

P「……えぇ」

プツッ






P「……負けるかよ」


56 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 19:51:34.69 ID:+Ky81vJdO

P「……ここまで来たんだ。
  やっと、ここまで来れたんだ。
  とことんまでやってやる。
  俺は絶対に、やり遂げてやる。
  どんなことをしてでも、必ずやり遂げてやる……」グッ






春香(……プロデューサーさん……)


57 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 19:57:15.43 ID:+Ky81vJdO

律子「プロデューサーのおかしな所?」

春香「はい……その、最近のプロデューサーさん、
   すごく優しいし、頼りにもなるんですけど……
   ……なんだか、……」

律子「……何かしら?」

春香「――――すごく、悲しそうな、つらそうな顔、してます。
   たまに、ですけど……」

律子「……そうね。そうかも知れないわ」


59 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 20:01:28.95 ID:+Ky81vJdO

春香「一回、千早ちゃんが言ったみたいなんです。
   何かあったら、私達にも相談してほしい、って。

   そりゃ、プロデューサーさんはプロデューサーだから、
   私達には言えないこともあるだろうけど……
   それでも、力になりたくて」

律子「……」


60 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 20:04:44.79 ID:+Ky81vJdO

春香「でも、きっとプロデューサーさんは、
   ……何も言ってくれないと思うんです。私達には。
   だから、律子さんなら、何か知ってるかな、って……」

律子「……ごめんなさい、私にもよくわからないわ」

春香「そう、ですか……」

律子「……」


62 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 20:10:37.16 ID:+Ky81vJdO

春香「私は、私達は、プロデューサーさんのことを、
   心の底から信頼してます。頼りにしてるんです。
   だけど、プロデューサーさんは……私達のことを、
   守ろうってしてくれるからきっと、信頼してくれても、
   頼りにしてくれることは、ないんですよね……」

律子「春香……」


65 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 20:13:26.88 ID:+Ky81vJdO

春香「ちゃんとわかってるんですよ、みんな。
   プロデューサーさんには、プロデューサーさんの事情があるんだって。
   でも、それでもやっぱり、力になってあげられないのが、悔しくて……」

律子「……わかったわ。私からもプロデューサーに聞いてみる。
   みんなが心配してることも、伝えておくわ」

春香「お願いします……」


66 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 20:16:26.02 ID:+Ky81vJdO

律子「でも、春香。これだけは忘れないで」

春香「?」

律子「あなたの笑顔が、美希の活躍が、千早の歌が、
   全部ちゃんとプロデューサーの力になってるってことを」

春香「……はい。
   私達は、プロデューサーさんのためにも、全力でぶつかっていきます」

律子「うん、その意気よ」


68 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 20:20:55.12 ID:+Ky81vJdO

律子(……それにしても、確かに最近のプロデューサーの様子はおかしい。
   あまり家にも帰っていないようだし……
   でも、たぶん正面から聞いても、何も話してくれない。
   少し調べてみる必要がありそうね……)








P「……もしもし。俺です。
  えぇ、はい。……今から会えますか?」


71 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 20:28:37.91 ID:+Ky81vJdO

響「もう本番1ヶ月前かー」

貴音「早いものですね」

P「だな。
  どうだ? 自信のほどは」

響「ばっちりさー!」

貴音「あなた様が用意して下さった最高の舞台、必ず成功させてご覧に入れます」

P「うん、心強いな。
  存分に楽しんでくれよ」


74 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 20:31:58.53 ID:+Ky81vJdO

響「……プロデューサー、本番は一緒に会場にいてくれるよね?」

P「ん? 当たり前だろう。
  せっかく特等席でお前たちの晴れ舞台が見れるのに、
  それを俺が逃すわけがないぞ」

貴音「皆、不安なのです。
   ……急に、あなた様が、いなくなってしまうような気がして」

響「うん……」

P「なんだなんだ、縁起でもないなぁ」


75 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 20:35:22.59 ID:+Ky81vJdO

P「俺はどこにも行かないよ。
  ……まぁ行くところがあるとすれば、そうだな」

響「ど、どっか行っちゃうのか? プロデューサー!」

貴音「……」

P「行くところがあるとしたら、お前たちと同じ所だよ。
  どこまででも付いていくからな」


77 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 20:37:04.25 ID:vB6T2noF0

Pには折れないでほしい


78 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 20:38:26.16 ID:+Ky81vJdO

響「な、なんだぁ……脅かさないでほしいぞ!」

P「ははは、すまんすまん」

貴音「……一瞬、心の臟が止まるかと思いました」

P「いやいや……貴音が真顔で言うと、リアルで怖いな。
  ……とにかく、安心しろってことだ」


80 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 20:44:42.76 ID:+Ky81vJdO

P「何回も言ってるが、お前達はアイドルだ。
  で、俺はプロデューサー。
  プロデューサーの仕事はアイドルの魅力をみんなに伝えることだ。
  だから、俺がアイドルをほっぽりだしてどこかに行くわけないんだよ」

貴音「あなた様……」

響「それを聞いて、ちょっと安心したさー」


81 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 20:47:21.70 ID:+Ky81vJdO

ヴー、ヴー、ヴー、……

P「おっと、とにかくそう言うことだ。
  心配してくれるのはありがたいけどな」

ガチャッ、
……バタン。




P「……もしもし」

 『相変わらずねぇ』

P「……」

 『ま、いいわ。
  今から来て頂戴。場所は……』

P「……わかりました」


82 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 20:50:42.86 ID:+Ky81vJdO

P「……」コンコン

……ガチャッ、


 「さ、入って」

P「はい」


……バタン。


 「記者をまくのにも随分苦労したのよ?」

P「噂を流したのはあなただ。
  そのくらいは察しが付く」

 「ふふ……なんのことかしらねぇ」


84 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 20:58:11.39 ID:+Ky81vJdO

P「とぼけないで下さい。
  自分の息の掛かった様々なメディアの記者に、
  虚実織り交ぜた情報を小出しにして……そして、自爆させる。
  それがあなたのやり口でしょう」

 「だったら、どうだって言うのかしら?」

P「……」


85 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 21:02:07.30 ID:+Ky81vJdO

 「それは、せっかく構ってあげたおもちゃが、つまらなかった時の処分方法よ。
  あなたは私のお気に入り……ふふ。
  簡単に捨てたりはしないわ。勿体無いもの……

  さぁ、今日はそのままでいいわ。愛してるって言って」

P「――――愛しています」

 「その、惨めで空っぽで……でも、どこかで吹っ切れた顔、大好きよ……うふふ」

P「……」


88 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 21:07:50.92 ID:+Ky81vJdO

 「……私はね」

P「……」

 「あなたみたいな冷たくて、でも情熱的な人が大好きなのよ」

P「……」

 「そんな人が、最後の最後、全部捨てて逃げ出して、」

P「……」

 「そして、私の足にすがりついてくるのを見るのが、大好きなの」


90 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 21:10:43.54 ID:+Ky81vJdO

P「……」

 「私は、それを蹴り飛ばす。
  こんなに……こんなに楽しいことが、他にあって? うふふふ……」

P「……」

 「うふ……あなたは、どこまで私を興奮させてくれるのかしら……
  ほら、また燃えてきちゃった」

P「……」

 「もう一回よ……ふふ……ふふふ……」


92 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 21:16:54.66 ID:+Ky81vJdO

美希「ハニー、遅いの……今日は事務所に戻ってくるって言ってたのに」

春香「そうだねぇ……」

千早「……」

律子「ほら、あなた達、そろそろ帰りなさい。
   もう遅いわよ」

美希「やなの。ハニーの顔見るまで、ミキぜったい帰んないの」

律子「またそんなわがまま言って……ちょっと春香、千早。
   美希になんとか言ってあげて」


93 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 21:20:37.37 ID:+Ky81vJdO

春香「えと……」

千早「……私も、もう少し待ってます」

律子「あなた達まで!
   ……あとちょっとだけ待ったら、もう帰りなさいよ」

春香「あ、あはは……はーい」

千早「……」

美希「早く帰ってこないかなぁ、ハニー……」


95 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 21:26:02.27 ID:+Ky81vJdO

春香「……」

千早「……」

美希「……」

……Prrrrr、Prrrrr、
ガチャッ

律子「はい、こちら765プロ……あ、プロデューサー。
   お疲れ様です」

美希「えっ! ハニーから電話なの?!」

春香「!」

千早「……」ガタッ


96 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 21:32:07.15 ID:+Ky81vJdO

律子「……はい、はい、……えぇ、わかりました。
   じゃあ、そう言うことで……あ、ちょっと待ってください。
   美希達がずっとプロデューサーの帰りを待ってて……はい、はい。
   ……えぇ、大丈夫です。はい、それじゃあ」ガチャッ、

美希「えぇー! なんで切っちゃうの?!」


98 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 21:34:10.58 ID:+Ky81vJdO

律子「私も代わろうとしたんだけど、……
   どうしても時間が無いから今日は事務所に戻れない、って。
   三人に謝っておいてくれって頼まれたわ」

美希「そんなぁ……」

春香「プロデューサーさん……」

千早「……プロデューサー、大丈夫かしら……」

律子「きっと大丈夫よ、無理はしないって言ってたから」


99 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 21:36:27.54 ID:+Ky81vJdO

美希「そんなこと言ったって、無理してるに決まってるの……」

春香「……」

千早「さすがに、ちょっと……働きすぎに、思えてしまうわね」

美希「律子……さんは、そう思わないの?」

律子「うーん……まぁ、ねぇ……」


101 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 21:39:21.87 ID:+Ky81vJdO

律子「……とにかく、今日はもう帰りなさい。
   プロデューサーに心配かけたくないならね」

美希「はぁーいなのー……」

春香「……はい」

千早「……」







律子(今度のライブで協賛の  広告……あまりいい噂は聞かないけど、
   まさか、ね……)


103 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 21:46:40.86 ID:+Ky81vJdO

真「おはようございまーす」

雪歩「おはよう、真ちゃん」

春香「今日はなんだか賑やかだねぇ」

亜美「こんなにみんなが集まるのって、ちょっと久しぶりだよねー」

真美「そうだねー、なんだか楽しいね」

やよい「朝から元気になりますぅ!」

伊織「……で、プロデューサーは?」



「「「……」」」


104 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 21:48:48.95 ID:+Ky81vJdO

律子「ちょ、ちょっと、なんでいきなりシーンとするのよ」

美希「だって……」

響「プロデューサーがいないと、寂しいぞー……」

貴音「まことに……」


ガチャッ、


千早「……はぁっ、はぁっ、」

春香「あ、千早ちゃん、おはよ……う?」


107 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 21:52:05.09 ID:+Ky81vJdO

千早「律子さん、ちょっと、こっちに……」

律子「え? えぇ、……」


……バタン。


真「……なんだか、かなり緊迫した感じだったけど……」

雪歩「も、……もしかして、プロデューサーに、なにかあったんじゃ……」

春香「ま、まさかぁ……」



「「「…………」」」


109 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 21:58:46.74 ID:+Ky81vJdO

千早「これ……」スッ

律子「……!」





【急成長芸能プロダクション・765プロ
 その『営業』の闇、謎の権力パイプ】


111 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 22:03:32.49 ID:+Ky81vJdO

『――――天海春香、星井美希、如月千早、竜宮古町など、
 今年に入って大躍進を遂げたアイドルが多数所属する765プロ。
 来月にはプロダクション最大規模のドームライブが行われるが、
 このライブの協賛企業について、いくつか不穏な噂が囁かれている――――』


112 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 22:08:17.67 ID:+Ky81vJdO

『――――まず、出版・放送を始めとする芸能界に巨大な力を持つ、
 日本最大の広告代理会社である  広告だが、
 この会社の女性取締役の  氏と、765プロの敏腕プロデューサーP氏との間に、
 ここ最近妙に親密な動きが見られる――――』

律子「……」パラッ

千早「……」


113 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 22:09:55.87 ID:RLkh3a9v0

うわぁ…


115 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 22:12:11.43 ID:+Ky81vJdO

『――――  氏は、その筋では周知の好色家であり、
 夜の付き合いと引換に何人かの人気芸能人に便宜を図ったと言うのは、
 かなり有名な話だ。
 ……だが、彼女自身は芸能人よりも、そのプロダクションのプロデューサーと、
 頻繁に一夜を共にすることが多いと言う――――』


117 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 22:17:52.43 ID:+Ky81vJdO

『――――その見返りに、そのプロデューサーが育てている芸人やアイドルに
 番組枠、ライブ広告の手配、資金援助などを行うのだとか。
 彼女の地位・権力を考えれば、そう不自然な話でもない。
 また、それを目当てに自ら彼女に近付く野心に燃えたプロデューサーも散見され、
 今回の765プロの急成長も――――』



千早「……それ……本当なんですか……?」


118 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 22:21:30.03 ID:+Ky81vJdO

千早「私……私、プロデューサーがそんな……そんなこと……」ガクガク

律子「落ち着いて千早!
   大丈夫よ、こんな記事、誰も信じないわ。もちろん私も信じない。
   私達が信じているのは、プロデューサーの方でしょう?」

千早「……はい……」

律子「あなたは気にせず、自分のやるべきことをやりなさい。
   プロデューサーもそれを望んでるはずよ」


119 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 22:24:45.39 ID:+Ky81vJdO

律子「さぁ、気を確かにして、みんなとお喋りしてらっしゃい。
   そしたらすぐに忘れるわ、こんなくだらないこと」

千早「……はい」

ガチャッ、






律子(……とは言え、この雑誌がスクープをすっぱ抜いて、
   そこから大炎上した芸能ニュースは多々ある……

   プロデューサー……あなたは……)


120 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 22:31:03.99 ID:+Ky81vJdO

千早(……あの、優しいプロデューサーが、私達の仕事のために、
   好きでも無い女の人と……?

   そんなの、私だったら耐えられない。
   それが例え歌のためでも、……好きでも無い男の人となんて……
   でも、プロデューサーだったら……プロデューサーだったら、私達のために――――)



千早「――――うっ」ガタッ

春香「千早ちゃん?!」

伊織「ちょ、ちょっと大丈夫?!」

雪歩「な、何か拭くもの取ってきますっ!」


122 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 22:35:20.22 ID:+Ky81vJdO

千早「はぁ……はぁ……」



律子「……それじゃあ春香、しばらくお願いね。
   心配だけど、私もどうしても行かないといけないから……」

春香「はい、任せてください。
   行ってらっしゃい」

律子「何かあったら、すぐに連絡するのよ」

……バタン。



春香「千早ちゃん……」


124 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 22:38:37.49 ID:+Ky81vJdO

千早「……春香、私……もう、どうして良いか、わからない……」ポロポロ

春香「うん、うん。
   ゆっくり話して……私が聞いてあげるから」ギュッ

千早「……」

春香「大丈夫、絶対に秘密にするから。
   私を信じて?」

千早「春香ぁ……」


125 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 22:40:36.95 ID:BF9NGTLM0

読むのが辛い


128 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 22:43:38.33 ID:+Ky81vJdO

千早「――――それで、私、プロデューサーを信じたいのに……
   そんなことあるわけないって、思いたいのに……!
   考えただけで、もう、私っ……耐えられない……っ!」

春香「……」

千早「プロデューサーが、……大好きな人が、
   私のために、私達のために、そんなこと……!
   私、私、……どうすればいいの?
   私が頑張れば頑張るほど、プロデューサーに、
   そんなことを……つらい思いをさせるんじゃないかって……!」


129 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 22:48:39.68 ID:+Ky81vJdO

春香「千早ちゃん……わかるよ、いま、私も千早ちゃんとおんなじ気持ちだもん」

千早「春香……どうしよう、私達、どうしよう……っ」

春香「……えへへ、プロデューサーさんだったら、
   ここで何かすごく上手い励まし方してくれるんだろうなぁ……

   ……私には、ちょっと難しいや」ポロポロ

千早「春香……ごめんね、ごめんね、こんな話して……ごめんね……」ポロポロ

春香「うぅん、いいんだよ、千早ちゃん……
   つらいのも、半分こだよ……」ギュッ…



131 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 22:52:53.07 ID:+Ky81vJdO

バサッ


 「あら、もう読んだのね」

P「やってくれましたね。
  どんなに俺が気をつけても、本人からのリークじゃ防ぎようがない」

 「そんなにカリカリしないの。
  こんなの、下劣な落書き帳みたいなものでしょう?
  気にすることないわよ」

P「俺のことはどうでもいい。
  これをうちのアイドルの誰かが読んだら、どうするんだと言ってるんです」


132 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 22:57:44.24 ID:+Ky81vJdO

 「信頼関係、とやらがあるなら、そんな三流雑誌の記事なんか、
  気にもしないでしょう? 違うのかしら」

P「……試した、とでも言うつもりですか」

 「楽しんでるのよ。
  あなたが、どんな顔するか……」

P「……」

 「私が満足したら、こんな詰まらない記事が出回ることも、
  もうないでしょうね……ふふ、ふふふ」


136 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 23:08:20.39 ID:+Ky81vJdO

 「今日もよかったわ……ふふ。
  やっぱりあなた、今までで一番の玩具よ」

P「……」

 「どんどん凍り付いていくみたいに、魅力的になっていく……
  案外、……あなたもアイドルの素質、あるのかもしれないわね」

P「俺はプロデューサーだ。
  俺がどうなっても、あの子達は守る」

……バタン。


 「……罪な男、なのかもねぇ……」ゾクゾク


138 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 23:13:48.04 ID:+Ky81vJdO

ヴー、ヴ
ピッ

P「もしもし、律子か。
  ……あぁ、やっぱりあれを読んだのか。
  それで……そうか、千早が……わかった。
  今から俺が事務所に向かうから、そっちはよろしく頼む。

  ん? ……でたらめに決まってるだろ、あんな三流雑誌の記事なんて。

  それじゃあな」

ピッ、



P「千早……今行くからな」


140 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 23:18:39.33 ID:+Ky81vJdO

ガチャッ、

春香「プロデューサーさん!」

千早「……っ」ビクッ

P「遅くなってすまなかった。
  それに……要らない心配させたみたいだな。
  本当に申し訳なかった。この通りだ……」

春香「や、やめてください!
   そんな、謝らなくてもいいですよ!」

千早「……プロデューサー……」

P「千早も、心配かけてごめんな……」


141 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 23:22:55.85 ID:+Ky81vJdO

千早「……本当のことを、教えてください。
   私、プロデューサーの言ってくれることなら、全部受け止められますから」

春香「千早ちゃん……」

P「……わかった。

  あの記事はな、――――」








 「さてと、次は……うふふ、上手に撮れてるわぁ……
  これを、……いくらで売れるかしらねぇ……」


143 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 23:27:50.40 ID:+Ky81vJdO

Prrrrr、Prrrrr、

 「……私よ。
  そろそろ例の記事が刷り上がった頃だと思って……なに?
  ……載せられないって、どう言うこと?
  会社が潰れるって……あなた、私に逆らってどうなるか――――

  ――――なんですって?

  ……わかったわ、ちょっと待って頂戴」ピッ…






 「……」ピッ、ピッ、ピッ、……

Prrrrr、Prrrrr、Prrrrr、……


146 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 23:32:01.00 ID:+Ky81vJdO

 「……そう、わかったわ。
  えぇ……無かったことにしてもらって、結構よ。
  適当に処分して頂戴。……任せるわ。それじゃ……」ピッ



 「……ふふ、うふふ……
  あはっ、あはははっ……

  ……あぁーあ……まんまとしてやられたわけね……うふふふっ……」


150 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 23:37:54.41 ID:+Ky81vJdO

P「――――今回はお世話になりました」

 「もう、ベッドの中では敬語使っちゃダメって言ったでしょ?」

P「あぁ……ごめんよ。
  でも、ほんとにありがとう」

 「いいわ、気にしないで。
  私もあの女の鼻っ柱を折ってやれて、スカッとしてるんだから。
  それに……んふっ、こんなにすごいの、もらっちゃったし、ね?」


152 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 23:39:54.58 ID:kERUAT+m0

このPどんだけイケメンなんだ


154 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 23:40:10.75 ID:0+/rhqo80

やり手のP


156 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 23:43:36.15 ID:+Ky81vJdO

 「でも、まさかあの女も、  広告の大株主の社長が君と繋がってるなんて、
  夢にも思わなかっただろうね」

P「はは……色々世間を教えてくれたことに関しては、あの人に感謝してるよ」

 「嫌よ、そんなこと言っちゃ……ねぇ、私に近付いたのって――――」

P「――――もちろん、愛してるのはお前だよ。
  俺には  銀行頭取なんて肩書きは、どうでもいいんだ。
  ……許してくれるかい?」

 「今回だけよ? んふ……あっ……」

P「……」


164 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 23:48:56.70 ID:+Ky81vJdO

P「――――あの記事はな、全部嘘だ。
  俺はお前達に、汚い仕事は絶対にさせたくない。
  俺を信じてくれ、千早」

千早「……ます」

P「ん?」

千早「プロデューサーのこと、信じます」

P「千早……ありがとう。
  ……春香は、どうだ?」

春香「聞くまでもないですよ、もう。
   プロデューサーのこと、信じてます」

P「……ありがとう、二人とも。
  つらい思いさせてごめんな……これからも、一緒に頑張ろうな」ギュッ

千早・春香「はい……っ!」


166 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 23:56:32.35 ID:+Ky81vJdO

P(あれ以降、妙な記事が載ることは無かったし、
  あの記事もさほど話題にはならなかった。
  961プロの妨害工作もあったが、広告を通して圧力を掛けると、
  割とすぐに大人しくなった。やはり広告代理店は強い――――
  ―――― 取締役とは、今でも持ちつ持たれつの関係だ。
  その方が利益になる。
  765プロに取っても、アイドル達に取っても。

  俺は絶対に、千早や、春香や、美希や、他の誰にも、俺以外の誰にも、
  汚い仕事はやらせはしない。あの子達を誑かす奴は、
  どんな手を使ってでも、必ず排除する。

  例え、俺が頭まで泥水に浸かることになっても。
  幾つ、彼女達に嘘を重ねることになっても)


167 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 23:58:20.97 ID:bGjXUmVY0

このPかっけぇけど役得だな


175 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/05(木) 00:06:57.90 ID:vMSChNiSO

美希「ハニー、なにか心配ごと?」

P「あぁ、いや、ちょっと考えごとしてただけだ」

美希「んー、もうすぐミキの誕生日だから、結婚できる日も近いなー、とか?
   あ、ミキ的には最初は女の子がいいの!」

春香「ちょ、ちょ、ちょっと美希!
   何言ってるのよ!」

美希「だってハニーは美希のハニーなんだもーん!」ギュウーッ

P「お、おい美希、離れろって……」

響「あぁーっ! 美希、ずるいぞーっ!」

伊織「ま、まったく……美希は子供ね、プロデューサー困らせて」

美希「デコちゃんが言っても説得力無いの」

伊織「なんですってぇーっ!」

雪歩「け、喧嘩はだめですぅー」

律子「こらー! 事務所で暴れないの!」
ヴー、ヴー、ヴー、


177 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/05(木) 00:10:18.31 ID:vMSChNiSO

P「おっと、ちょっと電話だ」

千早「……」

P「そんな顔するなって。
  仕事の打ち合わせだよ、千早。ほら」
【  テレビ広報さん】

P「な?」

千早「……はい、ごめんなさい」

P「ははは、心配してくれて嬉しいよ。
  じゃあ、また後でな」

美希「ハニー、早く帰ってきてーなのー!」

P「はいはい」

ガチャッ、
……バタン。






P「さて……」


179 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/05(木) 00:18:26.78 ID:vMSChNiSO

 「あら、しばらくぶりね」

P「……そうですね」

 「聞いてるわよ、色々活躍してるみたいじゃない」

P「おかげさまで」

 「うふふ、いつ見てもいい顔……それにいい目……」

P「……急ぎますので。それでは」

 「えぇ、また……」





 「あの……今の方は……?」

P「ちょっとした知り合いですよ。仕事のね」

 「そ、そうですか……
  あの、これから、お食事、一緒に、なんて……」

P「もちろん、構いませんよ」

 「ほんとですかっ? それじゃあ――――」

P「――――、――――」


185 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/05(木) 00:27:04.78 ID:vMSChNiSO

 「ひょっとして私、……すごいアイドルをプロデュースしちゃったのかもね。

  ふふ……うふふふ……あははははは……」








高木社長が現役を退いて数年後、765プロは芸能界最大のプロダクションとなる。
在籍するトップアイドル達の活躍もさることながら、
彼女らに絶大な信頼を置かれている新社長の経営・営業手腕は、
既に芸能界の神話となりつつあった。

――――果たして、その裏の顔を知るものは少なく、
そしてそれを口外するものは、誰もいない。

【END】


165 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 23:49:52.61 ID:9zvU520Z0

広告の大株主?
広告会社のってことでいいんだよな



200 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/05(木) 00:37:33.29 ID:vMSChNiSO

わざわざスレ立て直してくれた人、ありがとう。
たまにはPが本当の意味で主人公でも良いよね。

>>165
原作に無い登場人物・団体名は全て「  」。
Pに取って興味の無いものは全て「  」。


195 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/05(木) 00:32:53.23 ID:LBQZavxQ0


たまにはこんなのもイイネ!



203 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/05(木) 00:53:17.55 ID:E+CrCb+j0


久々にいいSSだった


この記事へのコメント

- S.T - 2012年07月29日 11:37:44

電通?

- 名無しさん - 2012年09月02日 22:53:02

時々無性に読みたくなる位好きなSS

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