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淡「宮永先輩、キスしてください」 照「しつこい」

引用元: ・
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 22:15:07.05 ID:kg1e+zKN0

淡「先輩、本読んでないでこっち向いてください」

照「嫌」ペラッ

淡「なんでですか」

照「振り向いたらキスされる」

淡「自意識過剰です」

照「さっき自分が言ってたことを忘れたの? それに顔が近すぎる」ペラッ

淡「ああ、これですか。 宮永先輩の髪っていい匂いしますよね」

照「淡、変態?」

淡「宮永先輩限定で、そうかもしれません」

照「今の内に直したほうがいい」ペラッ

淡「仕方ないじゃないですか、余すところなく好きなんですから」

照「……ああそう」


淡「ちゅー」

照「残念」ヒョイッ

淡「……先輩のばか」



2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 22:17:16.14 ID:kg1e+zKN0

淡「私のファーストキスいりませんか?」

照「……」ペラッ

淡「はぁ、相変わらず冷たい人ですね。 早くしないとそこら辺の野良猫にあげちゃいますよ」

照「それはダメ」

淡「じゃあ早くしてください。 いっそのこと、強引にしてしまいましょうか?」

照「それもダメ」ペラッ

淡「ですよね。 だからこうやって聞いてるんですが、全く良い返事が返ってこないのはなぜでしょう」

淡「先輩、もしかして私のこと嫌いですか?」

照「淡は極端。 それとこれとは別」

淡「極端ですか。 極端でもいいですよ、それくらい宮永先輩のことが好きですから」

照「……そ」ペラッ

淡「っていうか読書やめてください」

照「わかった」パタッ


8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 22:19:10.82 ID:kg1e+zKN0

淡「先輩、じゃあ抱っこしてください」

照「……まぁ、それくらいなら」

淡「やった」

照「ほら」ポンポン


淡「こうして膝に乗せてくれるのに、ちゅーはしてくれないんですね」

照「明らかにレベルが違う」

淡「先輩のレベルが低すぎます。 ポケモンで言うと8くらいですね。 低っ」

照「お前、仮にも私のことが……えっと、好きなんだよな?」

淡「はい」

照「物言いがひどすぎる」

淡「いいえ、違いますよ。 低いですが、大好きだからこそ、時間をかけてゆっくりいけばいいし、いく自信があります」

淡「そう思っただけです」

照「……あっそ」

淡「照れましたか?」

照「多少は慣れたよ」


11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 22:21:42.25 ID:kg1e+zKN0

淡「膝の上もいいですけど、こうしてると宮永先輩の顔が見えません」

照「求めたのは淡だ」

淡「そうですね。 許しが出るならもっと求めます」

照「……うわっ。 急にこっち向きに座るな……っ」

淡「あの、緊張しますか? 私はこんなに先輩の顔が近くて、心臓バクバクですが」

淡「ああ、先輩もですね。 こうしていると、私たちの鼓動が連動してるように思えて気絶しそうです」

照「……なぁ、動けない。 腕を後ろに回すな」

淡「ああ、確かにそうですね。 ということは、このまま顔を近づけるだけで、自動的にキスできることになりますね」

照「……」

淡「してほしいですか?」

照「いや、その……」

淡「まぁ、安心してください。 こう見えても、無理矢理したような形にはしたくありませんから」

淡「だから、早く許可をください」

照「……ダメだ」

淡「ばか」


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 22:23:02.96 ID:kg1e+zKN0

淡「おでこ」ツンッ

淡「ほっぺ」プニッ

淡「はな」ツンッ

照「……っ」

淡「口は?」

照「ダメだ」

淡「そうですか」

照「……心臓に悪い、やめろ」

淡「でしょうね。 先輩、顔真っ赤ですよ。 顔だけ暑苦しいです」

照「淡、お前だって人のこと言えない」

淡「そうですね。 お風呂でのぼせた時ですら、こんなにはならなかったです」


照「……そろそろ皆が来る。 降りろ」

淡「はぁ。 このまま二人でいたいんですけどね」

照「公私は別けろ」

淡「わかってますよ」


15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 22:24:39.89 ID:kg1e+zKN0

淡「先輩、汗だらだらですね。 ちゃんと拭かないとバレちゃいますよ? 拭いてあげましょうか」

照「……ねぇ、淡。 その、なんていうか……制服で顔を拭くな」

淡「なんでですか」

照「は、腹が見える……」

淡「もっと見ます? お腹だけじゃなくて、望むならどこでも構いません」

照「いいから、やめろ。 制服もシワになる」

淡「はぁ、全く。 仕方のない人ですね」

照「こっちのセリフ。 これ貸すから、それで拭いて」

淡「えへへ、ありがとうございます」スッ

照「……ちょっと、さり気なくポケットにしまわないで」

淡「あ、ごめんなさい。 どうぞ」スッ

照「明らかに柄が違う」

淡「私のです」

照「自分があるなら最初から使って……」

淡「まあまあ。 交換しましょ。 私、先輩のハンカチがいいです」


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 22:27:29.48 ID:kg1e+zKN0

淡「私、スタイル結構いいと思うんですけどね。 私の全部は宮永先輩のものですよ?」

照「だからって、いきなり見せられても」

淡「本当に根性なしですね。 骨なしチキンどころか、中の肉すらなさそうです」

照「淡は私をどうしたいんだよ……」

淡「難しい質問ですが、当面の目標は唇を奪いたいです」

照「一々ストレートすぎる……」

淡「仕方ないでしょう。 包み隠してる余裕がないくらい好きなんですから」

淡「それにですね。 それくらいでないと、宮永先輩みたいな固い人とはやっていけません」

淡「……ですから、ちゅーしましょう」

照「は、はぁ!?」

淡「先輩、耐えられそうにありません。 猫が寝てる時に苛めたくなるような、今そんな感覚です」

照「強引にしないっていったのは淡!」

淡「知りません。 いつまでも過去を見ていたら成長できませんよ」グイッ

照「……ちょっ! だれか!」バタバタ


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 22:29:34.95 ID:kg1e+zKN0

淡「……冗談ですよ」スッ

照「あっ……え、と……」

淡「あれ、もしかして期待しました? そうでしたらごめんなさい」

照「明らかに目が本気だった……」

淡「当たり前です。 先輩に対してはいつも本気ですよ」

照「……淡はなんでそんなに積極的なの」

淡「愚問ですね。 先輩が好きだからですよ」

照「知ってる」

淡「はい。 ただ、先輩が考えてるよりも、ずっとずっと好きなんですよね、これが」

淡「先輩が本好きで読書をするように、私も先輩が好きだから積極的になってます。 本が好きなのに読書を

せずにどうしますか」

淡「1から100まで先輩が好きです。 先輩はどうですか? 私のこと好きですか?」

照「……そりゃあ、まぁ」

淡「即答してほしかったですね」

淡(先輩、キスもしてくれないし……本当に私の事好きなんですか?)


21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 22:34:10.30 ID:kg1e+zKN0

淡「先輩、帰りましょ」

照「うん」


淡「……今日の部活、私のトータルは部内トップでした」

照「ああ。 最近は元々の強さに、更に磨きがかかってる」

淡「……違いますよ、そうじゃないです」

照「どういうこと」

淡「『強い』だとか『磨きが』だとか、そういう具体的な言葉は他の人に言ってあげてください」

淡「私はもっと抽象的な、『おめでとう』だとか『頑張ったな』だとか、そういう言葉が欲しいです」

照「……そうだな、悪かった。 淡はいい子、私が目をかけただけある」ナデナデ

淡「えへへ、私も単純ですねぇ。 ちなみに先輩って、そういう感情的な部分から出る言葉、本当似合いません」

照「淡が言わせたんじゃ……」

淡「そういう感情的な言葉は、私だけが聞けると思うと嬉しいんですよ」

淡「多少なりとも独占欲はあります。 わかります?」

照「どうだろうか。 どうせそれも似合わないんでしょ」

淡(独占欲が出るほど、あなたは私のことが好きなんでしょうか?)


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 22:37:52.87 ID:kg1e+zKN0

淡「独り言言いますね」

照「一緒に帰ってるのにか」

淡「宮永先輩のクールなところが好きです。 その裏にある暖かさが好きです。
  それを隠そうと公私を別け、理を優先して行動するところが好きです」

照「……」

淡「実は優しく面倒見がいいところが好きです。 鋭さと鈍さが好きです。
  クソ真面目で単純なところが好きです。 自分のペースに巻き込むところが好きです」

照「後半は文句のあるところじゃないか」

淡「独り言です」

淡「宮永先輩は、一体私のどこが好きなんでしょうかね」

照「……私は、淡の」

淡「人と帰ってる時に独り言ですか? 口塞ぎますよ。 口で」

照「それは困る……っていうか淡だけおかしい、理不尽」

淡「そうですかね」


淡(答えは、私に宮永先輩から愛されている自覚がついてから聞きますよ)

淡(キスするのも拒否されて……こうしてべったりなのも、自信のなさの表れなのかな)


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 22:40:35.32 ID:kg1e+zKN0

淡「決めました」

照「何を」

淡「もう、こちらからキスをしてくれ、とは頼みません」

照「それは助かる」

淡「いえ、助けません。 頼まない代わりに、宮永先輩のほうからキスをもらおうと思いますので」

淡「いつでもいいですよ? 恋人らしい優しいキスでも、ボロ雑巾より乱暴な扱いをされながらのキスでもいいです」

照「もう少し、自分のことを大事にしたらどうだ」

淡「自分のことよりも、宮永先輩のほうが大事ですから」

淡「こういうのは重いですか? すみません」

照「そういうわけじゃないが……あんまり行き過ぎたのも悪いと思う」

淡「いいじゃないですか。 私が行きすぎても、先輩がブレーキをかけてくれるとわかってますから」

照「……確かに、その役目はいつも私だ」

淡「というかブレーキしかかけられてませんね。 そのうちエンジンかけてくださいよ」

照「……うん」


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 22:43:55.71 ID:kg1e+zKN0

淡「先輩って、身長的にちょうどいいですよね。 一緒にいると安心します」

照「淡の背が小さいだけ」

淡「言ってくれますね」

照「淡のいつもの弄りと比べれば、こんなの言った内に入らない」

淡「私のは照れ隠しですよ。 先輩はそういうことがないでしょうから、わからないのも無理ありません」

照「そういうもの?」

淡「はい」


照「……いきなり背伸びして、どうしたんだ」

淡「先輩、顔が近いです」

照「淡が近づけてるんでしょ」

淡「そうですね。 これだけ近いと、先輩が望むなら簡単にキスできちゃいますね」

照「……なぁ」

淡「こんな即興の発想では、キスしたくなりませんか? 残念です」

照「……」

淡「……それじゃ先輩、また明日」


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 22:46:32.55 ID:kg1e+zKN0

淡「宮永先輩、今日もキスしてくれなかったなぁ」ゴロゴロ

淡「私は帰宅した後も、先輩との一日を思い出し悶えているというのに」ゴロゴロ

淡「結局、私の気持ちは一方通行なのかな」

…………
………
……

淡「お邪魔します」

照「淡、靴脱いで。 じゃないと私が上がれない」

淡「……私が数十回と告白して軽く振られていた関係が続く中、ついに宮永先輩から『気持ちの整理を』と言わせることに成功したんです」

淡「それでまた数日待たせるなんて、さすがに待ちきれませんよ。 さあ、早く返事ください、さあ!」

照「玄関でか……とりあえず上がってくれよ」

淡「仕方ないですね。 先輩のそういうところが玉に瑕です」

淡「もちろん、そこも含めて好きですよ?」


30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 22:49:39.56 ID:kg1e+zKN0

淡「で、返事まだですか?」

照「また私が飲んだコップで飲んでる……」

淡「へーんーじー」

照「コップ置いて」ズイッ

淡「ちょっ……その冷たい顔、少しビックリ、いやドキッとしました」

照「自分から返事を求めておいて、ジュース飲みながら聞くのはないと思う」

淡「宮永先輩……。 4回目以降の私の告白を、読書をしながら聞き流していたのは誰ですか?」

淡「ま、とはいえ、置きますけどね。 先輩からの言葉は、心臓に染み込ませたいので」

照「じ……じゃあ、言う」

淡「かもん」


照「わ、私も淡のことが……す、す、すき……です……」

淡「……もう1回」


32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 22:52:09.70 ID:kg1e+zKN0

照「え?」

淡「もう1回」

照「……ねぇ、ちょっと」

淡「ダメですか?」

照「色々とおかしい」

淡「先輩だって、好きな本は何度も読み返すでしょう。 私も先輩の言葉は何度でも聞きたいです」

照「……却下」

淡「恥ずかしいですか? 顔、赤いですよ」

照「……で、どうなの」

淡「それ聞いちゃいます? 今更言うまでもないでしょう。 これで先輩の彼女として、大手を振って歩けます」

淡「まぁ、先輩の一度きりの言葉、しっかり無縁にしまっておきます。 とろけそうです……生きててよかった」

照「……そ」

淡「っていうかとろけちゃいました。 腰抜けて立てません……抱っこしてください」

照「はいはい」


33: 無縁 → 胸 2012/06/25(月) 22:53:51.74 ID:kg1e+zKN0

……
………
…………

淡「あの時の宮永先輩はどこいったのかな」

淡「まぁ、宮永先輩みたいなクールな人を好きになってしまった代償だし、受け入れるしかなさそう」

淡「しかし、宮永先輩からキスを引き出すためにはどうすれば……」

淡「逆の立場で考えてみよう」

淡「……だめだ。 私からしたら、先輩が何してようとキスしたくなっちゃう」

淡「うーん……うーん……」


淡「とりあえず、思いついたのだけメモしておこう」


36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 22:55:56.19 ID:kg1e+zKN0

淡「おはようございます」

照「おはよう、それと急に抱きつくな」

淡「きもちーです」

照「頭押し付けて、犬みたいだぞ」

淡「先輩の犬なら歓迎ですね」

照「変なこと言うもんじゃない。 後、ここ目立つ……」

淡「はぁ……いい匂いです」

照「……わかったよ、少しだけなら」

淡「ありがとうございます」


淡(私の匂いをつけて、先輩をドキッとさせる作戦)

淡(逆に私が先輩の匂いにドキッとしてしまった……。 っていうか先輩、どちらかと言うと目立つことを気にしてたし)

淡(これは失敗かなぁ)

淡(……甘えられたのは成功だけど)


37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 22:57:58.79 ID:kg1e+zKN0

淡「先輩」

照「?」

淡「ゴミがついてますよ、取ってあげます」

照「自分で取れる」

淡(ばか)

照「取れた?」

淡「……いえ、全然」

照「じゃあ、取って」

淡「最初からそういってください……よっと」

照「ちょ、顔近っ……」

淡「はい、もう大丈夫ですよ」

照「う、うん……」


淡(ゴミなんかありませんしね)

淡(いい加減に理由をつけて顔を近づける作戦、これも失敗……っていうか、これ昨日やってた)

淡(……宮永先輩がちょっとだけ照れてくれたのは成功)


39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 23:00:46.07 ID:kg1e+zKN0

淡「先輩、それ一口ください」

照「うん」

淡「……あーんは?」

照「……わ、わかったって」

淡「んー♪」

照「口についてる」

淡「取ってください。 ちゅー」

照「普通に取るから」スッ

淡「……はぁ。 逆の立場なら、私は迷わずちゅーっといきたいところですね。 先輩早くご飯粒でもつけないかな」

照「つけたところで、淡からはキスしないって言ってたはず」

淡「はいはい、そうですね」


淡(こんな単純なのじゃあ、さすがに無理がありますか? わかってましたが)

淡(これも失敗……でも先輩と食事できるのは成功)

淡(昼休みはいつもこうしてるけどね)


41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 23:04:03.87 ID:kg1e+zKN0

照「今日は妙に構ってきてない?」

淡「そうですかね。 いつもこんなものでしょう」

照「……確かに」

淡「嫌ですか?」

照「全然。 淡、前に言ってた」

淡「何をでしょうか」

照「こういうのは『愛情表現』だ、って。 今日のもそうだと思う。 なら、別に」

淡「……えへへ、そういうの、反則ですよ。 そんなことをしてるから、私がいつまで経っても先輩から離れようとしないんです」

照「もうそれでいいよ」

淡「ずるいずるい。 そういいつつ、キスはしてくれないんでしょう?」

照「……まぁ、そうなる」

淡「はぁ、それもずるいですね」

淡(飴とムチ……まぁムチというほどのものではありませんが、まさにそんな感じですね)

淡(宮永先輩の思い通りに進んでるのは納得行きませんが、それが心地いいのだから、仕方ないんでしょうか)


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 23:08:31.06 ID:kg1e+zKN0

淡「ごめんなさい、教室に忘れ物取りに行ってきます」

照「ん」

淡「ついでにおトイレ寄って行きますから、寂しくなっても泣かないように」

照「そんなことするわけない」

淡「残念、先輩の涙は安くなさそうですものね」ガチャッ


菫「……あれ? 今日は大星と一緒じゃないのか。 珍しい」ガチャッ

照「教室に行った」

菫「そうか。 じゃあ私も飲み物を買ってくる」

照「待って。 ここにいて」

菫「は?」

照「菫がいる時は淡が暴走しない」

菫「暴走? どういうことだ」

照「それはいえない」

菫「……ああ、キスのことか?」


43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 23:09:46.64 ID:zRPgtO5x0

そういやバレてた


44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 23:11:11.97 ID:kg1e+zKN0

照「! な、なんで知ってるの……」

菫「いやな、照が早く来て読書をしているのは知っているが、結構前から大星も早く来るようになっただろう」

照「うん」

菫「で、数週間前に、悪気はなかったんだが……大星が『キスしてください』って言って、照が了承したのを聞いてしまってな」

照「……」

菫「てっきりそういう関係なんだと思ったんだが……違うのか?」

照「……まぁ、なんというか、淡とは付き合ってる。 そこは正しい」

菫「他にどこが違うんだ」

照「キスはしてない」

菫「? 意味がわからない」

照「あれは、その、なんというか、指を口につけて、その指を淡の口に、なんというか……」

菫「ああ、そういうことか。 些細な違いじゃないのか?」


46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 23:14:37.29 ID:kg1e+zKN0

照「全然違う。 最近淡が、それじゃない直接のキスをしようとしてくる」

菫「付き合ってるならいいだろ……それを暴走というのは、大星が可哀想だぞ」

照「いや、だって」

菫「照と大星は歳の差もあるんだ。 大星からしてみれば、したくなるのも当然だろうな」

菫「……もしかして、1回もしてないのか?」

照「うん」

菫「お前なぁ……」

照「だから、ここにいて。 菫がいれば、淡も誘ってこない」

菫「その話を聞いた後で残れと? 大星が可哀想だぞ」

菫「仮にも付き合ってるなら、それくらいのことはしてやったほうが喜ぶだろ」

照「冷たい」

菫「お前ほどじゃない。 じゃあな、遠回りして戻ってくるから」ガチャッ


48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 23:18:42.49 ID:kg1e+zKN0

淡「戻りました」

照「……おかえり」

淡「あ、さっき弘世先輩見ましたよ。 職員室に用事があるとかで、遅れるそうです」

照(菫、絶対ウソついてる……)

淡「ふぅ、おいしい」ゴクゴク

照「……それ、もしかして嫌がらせ?」

淡「いいえ、ちゃんと宮永先輩の分も買ってきてます。 そのあたりは抜かりありません」

照「どこにもないけど」

淡「私が今手に持ってるじゃないですか。 はい、どうぞ」グイッ

照「……最近そればっかり。 貰うけど」ゴクッ

淡「仕方ないじゃないですか、いつまで経っても直接キスしてくれないんですから。 関節キスで我慢するしか」

淡「指もありますけどね。 ……あの、やってくれませんか」

照「……わかった」ピトッ

淡「えへへ。 これだけでも、脳内物質の出過ぎで脳が破裂しそうになりますよ」


50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 23:21:24.26 ID:kg1e+zKN0

淡「ちゅー」パクッ

照「!? ちょ、ちょちょちょっ」

淡「ぷはっ。 おいしいです」

照「なにやってるの……」

淡「これが口なら最高なんですけどね。 指で我慢しておいてあげます」

照「淡のせいでべたべた」

淡「ごめんなさい、責任とって拭きます。 手貸してください」

照「ほら」スッ

淡「……んー♪」パクッ

照「!?!?!?」

淡「……ふぅ。 いいですね、こういうの」

照「私は良くない……」

淡「そうやって見向きもしてくれないところも、大好きですよ」


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 23:24:01.39 ID:kg1e+zKN0

淡「とはいえ、そんな赤ちゃんみたいな手じゃあ、麻雀牌に触れませんね」

照「誰がやったと思ってるんだ……」

淡「やったのは私ですが、宮永先輩がやらせてようなものです」

淡「いつまでも焦らすからですよ? 歯型つけてやろうかとも思いましたが、それはさすがにやめました」

照「痛いこと言わないで」

淡「こういうことされても、宮永先輩は冷静ですよね。 大好きです」

照「……」

淡「で、そろそろ口のほうにする気になりましたか? 口だったら、いちいち洗わずに済むのですが」

淡「むしろ洗いたくありませんね」

照「だから、そういう変なことを言うなと言ってるだろう」

淡「本心です」

照「……はぁ、とりあえず洗いに行く」

淡「そうですね。 麻雀できませんし」

照「誰のせいで」


54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 23:27:17.42 ID:kg1e+zKN0

照「なんでついてきてるの」

淡「知ってますか? 兎は寂しいと死ぬんですよ」

照「兎なのか?」

淡「いいえ、先輩の彼女です」

照「ああ、そう……。 大体『兎が寂しいと死ぬ』なんてのは嘘だぞ」

淡「私の宮永先輩に対する気持ちは本物ですけどね」

照「私に繋げすぎ、全然会話が噛み合ってない。 後、手離して」

淡「えっ……」

照「いや、手洗えない」

淡「あ、そっちですか……嫌われたかと」

照「淡は細かいことに敏感すぎると思う」

淡「さあ。 私が敏感なんだか、宮永先輩が鈍いんだか」

照「淡が拘りすぎ」

淡「そういうことにしておきましょうか。 大好きな先輩の顔を立てておいてあげます」


57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 23:30:01.99 ID:kg1e+zKN0

淡「先輩、洗うの長いです。 そんなに嫌でしたか?」

照「だから、違う。 もう部活が始まる時間だから、牌を触る前についでに洗っているだけ」

淡「ごめんなさい、知ってて言いました。 そういう律儀なところも好きです」

照「……」

淡「私も洗いましょう。 失礼しますね」スッ

照「なんでこっち? 隣にも場所あるじゃないか」

淡「いいじゃないですか、細かいことは」

照「細かいこと気にしてるのは淡。 狭い」

淡「普段の距離が離れすぎてるんですよ。 私はこれくらい窮屈なほうが好きです」

照「……まぁ、いいけど」


淡「先輩、泡ください」

照「押せば出てくるぞ」

淡「いいですよ、もう。 そっちの手から勝手にもらいますから」ギュッ

照「……面倒なことを」


58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 23:32:57.73 ID:kg1e+zKN0

淡「泡が少なくて洗いにくいです」

照「流してる途中に手を握ってきたのは淡だろう」

淡「はい」

照「大体、素直に新しいのを出せばいいのに」

淡「いいんですよ、これで」

照「よくわからない」

淡「でしょうね。 細かいことを気にするのは、所詮私だけですか」

照「……」

淡「ああ、先輩の泡が流されてゆく……」

照「なんだその言い方」

淡「私たちの関係も、この泡のように少ないんでしょうかね」

淡「こうやっていつか流されそうで、毎日毎日不安でなりません」

照「……ねぇ」


61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 23:35:37.03 ID:kg1e+zKN0

照「今日はやけに責めるような発言が多いじゃないか」

淡「いつもじゃないですか? それに責めているわけではなく、アピールとか、照れ隠しに裏返し、色々です」

照「今日は明らかに性質が違うんだよ」

淡「……そうかもしれませんね」

照「……どうかしたのか」

淡「ねぇ、先輩。 私たちって付き合ってるんですよね」

照「……ああ」

淡「それなのに、声をかけ、行動に表すのは私ばかり」

淡「先輩が何を考えているのか、どれくらい、どういうように私のことが好きなのか。 なんだかよくわからなくなったんです」

照「……」

淡「あ、勘違いしないで欲しいのですが、嫌いになったわけじゃないですよ?」

淡「先輩は元々、感情をあまり外に出す方ではありませんから。 そこも大好きです、愛してます」

淡「それでも、不安になる時は不安になります。 ごめんなさい」

照「……謝ることじゃないだろ」

淡「私は先輩の隣にいられるだけで幸せです。 のはずなのに、こんなことを思って申し訳ないです」


64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 23:38:07.45 ID:kg1e+zKN0

照「……おい」

淡「宮永先輩は私の好きな人で、楽しい人で、大事な人で、尊敬する人で、私の彼女です」

淡「私は宮永先輩に恋するために生まれてきて、宮永先輩に恋するために16年間生きていたのだと思います」

照「大げさ……じゃあないんだよな、お前の場合」

淡「はい。 私はこんな感じですが、先輩は私のどこが好きなんでしょうか?」

淡「安心してください、同じようなものを先輩に求めているわけじゃありません。 これは私がおかしいだけ」

淡「ただ、先輩は私のどこが好きなのか、私は1つもわかってません。 なので、少し不安になってしまいました」

照「……言ってもいいの?」

淡「聞かせてください」

照「知らないからな……」


照「淡、このゲーム、お前の勝ちだよ」

淡「なにいって……んっ!?」

照「んちゅっ……」

淡「んぅっ……っ……」

照「……ふはぁっ」


65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 23:38:51.16 ID:kg1e+zKN0

淡「……な、なな、なに、やって……」

照「『いつでもいい』とか言ってたのはお前だ。 したかった、だからした」

淡「うあっ……あぁ、わわわ……」

照「私は淡みたいに器用じゃないから、言葉を並べることはできない。 だから、1度しか言わないぞ」

照「淡が私に見せてくれる、その真っ直ぐな心が好きだ」

淡「あぁっ……はい、はいっ……ありが、とう、ござい、ます……」

照「……淡、赤すぎ。 自分から言ったのに、いざされると動揺して動けなくなるなんて」

淡「だって……えっと、あの……」

照「先に言っておく。 自分のしたことは自分で責任を取って」

照「緊張してたし、年上だから。 そういう理由で我慢してたのを外したのは、淡だからな」

淡「ちょ……んっ!」

淡「……うぁっ……んっ……」

照「…………んむっ」


66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 23:39:29.07 ID:7D91bofpi

うっひょー!


68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 23:39:56.80 ID:kg1e+zKN0

照「……ふぅ」

淡「あっ……あ……」ドサッ

照「……大丈夫? 意識ある?」

淡「……ぃ……」

照「あるか。 じゃあ早く立って」

淡「……」

照「お前ウブすぎだ、また腰抜けてるぞ。 よいしょ」

淡「……」グデッ

照「顔上げて、無理なら勝手にあげるから……あつっ」グイッ

淡「……ぇ」

照「んぐっ……くぷっ……」

淡「……ぅ……んっ」


菫「照も大星もどこいったんだ? 部活が始まろうって時に」ガチャッ

照「あ」

菫「……は?」


70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 23:41:08.62 ID:kg1e+zKN0

菫「……何してんだお前」

照「気のせい」

菫「……舌がよだれで繋がってるんだが」

照「気のせい」

菫「確かに、私は『大星に構ってやれ』と言ったが、まさか短時間でそこまでするやつがいたとは……」

菫「……おい、こんな状態で部活できるのか?」

照「とりあえず顔冷やす」スッ

淡「……! いかないで!」ギュッ

照「……安心して」

淡「先輩、好きです……」

淡「えへへ、へへ……好き、好きです……」

照「……私も」


菫「お前ら、そういうのは校外でやれよ……」

おわれ


72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 23:42:03.03 ID:zRPgtO5x0

おわるな

甘々すばら乙


74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/25(月) 23:43:37.71 ID:NC7qBY+X0

甘くて良かった
乙乙


79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/26(火) 00:01:19.43 ID:HVZdr32n0

すばら乙


81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/26(火) 00:17:48.84 ID:JWbfOOpl0

おつおつ


次→淡「宮永先輩、抱いてください」 照「しつこい」

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