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淡「宮永先輩、付き合ってください」 照「しつこい」

引用元: ・http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1340465979/
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 00:39:39.30 ID:+UF0FQiT0

照「いい加減にして」ペラッ

淡「先輩こそいい加減にしてくださいよ。 私が何回告白したと思ってるんですか?」

照「今日で8回目。 慣れてきたから告白って感じがしない」

淡「それは先輩の立場の話で、私は毎回真剣です」

照「それなら私も毎回真剣。 世の中には通ることと通らないことがある」ペラッ

淡「通してくださいよ。 っていうか私が告白してる横で、なんで本読んでるんですか」

照「私が読書してる時に淡がきたんでしょ」

淡「普通は告白された直後に読書なんてできませんよ」

照「もはや日常」ペラッ

淡「悪い返事でもいいので、せめて読書やめて、真剣に答えてくれませんか?」

照「……」スッ

淡「! やっと振り向いて……」

照「ごめんなさい、付き合えません。 これでいい? 読書に戻る」

淡「……」


8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 00:45:26.10 ID:+UF0FQiT0

淡「ちょっと、いくらなんでもひどいと思いますけど」

照「『悪い返事でもいい』って言ったのは淡の方」ペラッ

淡「前から思ってましたけど、宮永先輩って他人に冷たすぎる気がします」

淡「もう少し人を思いやる心とかを……具体的には後輩とか、もっと具体的には私とか」

照「冷たいわけじゃないし、思いやりも持ってる。 ただ淡とは付き合えない。 それだけ」

照「その私を好きになったのは淡なんだから、それくらいで文句を言う方がおかしい」ペラッ

淡「いやでも、交際してる仲であろうと、良い物は良いし、悪いものは悪いんですよ」

照「交際してない」

淡「してくださいよ」

照「しつこい。 読書に集中させて」ペラッ

淡「本当冷たいですね。 宮永先輩の悪いところです」

照「じゃあ、私のことなんか好きじゃなくていいでしょ」

淡「いや、そういうクールなところも含めて好きですけどね」

照「……あっそう」


12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 00:47:37.97 ID:cu/QIDCq0

ほう…このパターンもなかなか


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 00:48:57.53 ID:BW5KTG8I0

まったく・・・罪な女だ


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 00:52:02.70 ID:+UF0FQiT0

淡「相変わらず読書は続けるんですね」

淡「そのメンタルがあったからこそ、インターハイチャンプになったんでしょうか?」

照「皮肉? 読書は私の日課」ペラッ

淡「知ってます。 だからこそ、宮永先輩しかいない早い時間を狙って来てるんですよ」

照「無駄な努力だと思う」

淡「無駄じゃあないですよ。 こうやって先輩と夫婦喧嘩してる時間も好きですから」

照「夫婦じゃない」ペラッ

淡「でも早く来るために努力してることは事実ですね。 後輩の努力を踏みにじる気ですか?」

照「自分の都合を押し付ける人は好きじゃない」

淡「押し付けてませんよ。 あくまで告白がokするまで、先輩は私の彼女じゃありませんからね」

照「わかってるならこれっきりにして」ペラッ

淡「ま、okもらうまでは何度でも告白し続ける気ですけどね。 先輩、好きです」

照「知ってる」

淡「付き合ってください」

照「無理」ペラッ


21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 00:58:39.19 ID:+UF0FQiT0

淡「……」

照「……」

淡「先輩」スッ

照「何……いたっ」プニッ

淡「うわっ、こんな古臭い手法に引っかかるなんて」

照「高校生にもなってみっともない」

淡「そうやって型にはまった考えを持っていると、いつか痛い目見ますよ」

照「それとこれとは別」

淡「だから、頑固になってないで早く私と付き合ってください」

照「……」ペラッ

淡「あーあ、とうとう無視を決めましたか。 まあ構いませんけどね。 振り向くのも時間の問題なので」

淡「あー、先輩のほっぺ柔らかかったなぁ」

淡「……本当は振り向いた時にちゅーしちゃっても良かったんですけど」

照「! ……」


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 01:03:01.19 ID:+UF0FQiT0

淡「あ、今反応しましたね。 宮永先輩のことなら、細かい動作でもわかりますよ」

照「びっくりしただけ」ペラッ

淡「無視はやめてくれましたか」

照「……」

淡「先輩、こっち向いてくださいって」

照「……」

淡「無視がわざとらしいですよ。 照れてるんでしょうか? 照だけに」

照「寒い」ペラッ

淡「全然無視できてませんね」

照「無視してるほうが厄介だと理解したから」

淡「別に先輩を弄ってるわけじゃないですよ。 本当に好きだからこうしてるだけで」

照「それなら好きな人の都合も考えて欲しい」ペラッ

淡「そんなこと言われましても」


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 01:03:26.72 ID:cu/QIDCq0

うざかわいい


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 01:07:29.90 ID:+UF0FQiT0

淡「その本、私の愛の告白よりもいいものなんですか?」

照「好きな人の新作。 集中させて」ペラッ

淡「え、ちょっと好きな人ってだれなんですか!?」

照「好きな人って、好きな作者のこと」

淡「あ、ああ、そうですか……ってそうですよね」

照「普通間違えない」

淡「仕方ないじゃないですか。 普通好きな人が目の前で『なんとかが好き』なんて言ったら、嫌でも同様します」

照「それは淡が落ち着いてないだけ」ペラッ

淡「皆そうなんですって。 先輩って恋したことありません?」

照「ない」

淡「あー、先輩って無性愛者っぽいですよね。 顔も性格もオーラも」

淡「まぁ、私も宮永先輩が初恋ですから、理解したのは最近ですけどね」

照「……あっそう」


31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 01:15:01.34 ID:+UF0FQiT0

淡「思ったんですけど」

照「何」

淡「弘世先輩に対して話す時と私に対して話す時」

淡「なんというか、少しだけ雰囲気違いません?」

照「淡と違って、菫とは日常会話が多い」

照「それに菫とは長い付き合いだから当然のこと」ペラッ

淡「うわっ、ハッキリ言いますね。 そういうところ好きですよ、もちろん深い意味で」

淡「私も、後2年生まれるのが早かったら、また少し違ったんでしょうか」

照「同じこと。 仮に菫に告白されたとしても、私は受けない」ペラッ

淡「あまり考えたくありませんね」


菫「また2人が一番乗りか?」

淡「あ、先輩こんにちは」

菫「2人の仲が良くなるのは喜ばしいことだ。 照は人間関係によく壁を作るから余計にそう思う」

淡「……そうですか」


32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 01:21:04.45 ID:+UF0FQiT0

菫「お、もうこんな時間か。 そろそろ解散にしよう」

照「そうだ。 菫、これ返す」

菫「そういえば貸してたな。 面白かったか?」

照「うん」

菫「ならよかった。 そうそう、この続編がちょうど今日発売するんだが、本屋に寄ってもいいか?」

照「構わない」

淡(……)


淡「ちょ、先輩、今日私と帰る約束じゃないですか!」

照「え」

菫「なんだ、そうなのか? 早く言ってくれればいいのに」

照「そんな約束してな……」

淡「ごめんなさい、弘世先輩。 宮永先輩借りていきますね!」


照「……どういうつもり」

淡「正直、少し嫉妬しました。 いや、大分嫉妬しました。 自己中ですよね、すみません」


34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 01:25:49.49 ID:+UF0FQiT0

照「わかってるならそういうことはやめたほうがいい」

淡「わかりました、じゃあもうしません。 けど、せめて今日限り一緒に帰らせてください」

照「淡、何か勘違いしてない?」

淡「はい?」

照「私は淡のことを拒否してるわけじゃない。 一緒に帰りたいなら、事前に言えばいいだけ」

淡「……ほ、ほんとですか!? じゃあ毎日帰りましょ!」

照「それはそれで……」

淡「そうだ! 私気になってた喫茶店があるんですよ! このまま行きましょ!」

照「話聞いて……」


淡「先輩、何頼みますか?」

照「……ねぇ」

淡「先輩、先に言っておきますけど、手引っ張ってもあんまり抵抗してませんでしたよね」

淡「満更でもないんじゃないんですか?」

照「まぁ、喫茶店くらいならいいか」

淡「そうこなくっちゃ!」


40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 01:30:48.01 ID:+UF0FQiT0

照「ただ一つ言いたいことがある」

淡「とうとう私と付き合ってくれるんですか?」

照「全然違う。 なんで私の隣にくっついてるの?」

淡「ダメですか?」

照「注目の的になる」

淡「じゃあ膝の上なら」

照「もっとダメ」

淡「ひとつ、膝の上。 ふたつ、先輩の隣。 さあどっち!」

照「……もういいよ、隣で」

淡「ちなみに、みっつで私と付き合う、ってのもありますよ」

照「いいからメニュー見せて。 身動き取れない」

淡「はいはい」


41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 01:35:28.13 ID:+UF0FQiT0

淡「先輩の頼んだ飲み物、おいしそうですね」

照「飲む?」

淡「本気で言ってます? 関節キスですね」

照「私はそういう意味で言ったわけじゃないし、気にしてない」

淡「そうですか、私はめっちゃ気にしてます」

照「飲むのか飲まないのか、どっち」

淡「飲みます飲みます、次のチャンスがいつかわかりませんしね」ゴクッ

淡「……ふぅ、美味しいですね。 先輩が飲んだ後だからでしょうか」

照「気持ち悪いこと言わないで」

淡「ひどいですね。 あ、私の飲みます?」

照「じゃあ一口」ゴクッ

淡「……そんなに関節キスがしたいですか。 私は直接でもいいですよ」

照「だから、そういう意味じゃない」

淡「残念」


43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 01:44:05.27 ID:+UF0FQiT0

淡「結局、先輩に奢ってもらっちゃいましたね」

照「先輩として当然のこと」

淡「ありがとうございます」

淡「でも、先輩だとか後輩だとかじゃなくて、一個人として私を見てくださいよ」

照「『後輩の努力を』とか言ってた口から出る言葉じゃない」

淡「や、結構本気で」

照「心配しなくても、淡のことは一個人として見ている」

淡「……それって『麻雀部として』とかが前に付きますよね」

淡「なんというか、後輩の延長線上のような」

照「? そんな事言われても、淡をただの後輩と思ってないのは本当のことだし」

淡「はぁ、そうですか。 嬉しいですけど、それは私の望んでる特別とは違う形なんでしょうね」

照「そうなるかもしれない。 何度も言ってるけど、諦めたほうが早いと思う」

淡「それは私が決めることです」



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 01:51:34.69 ID:+UF0FQiT0

照「私こっちだから」

淡「あ、そうですか。 遠回りして……なんて」

照「今更遅いし、帰宅を遅くする趣味はない」

淡「でも私と一緒に喫茶店行ってくれたじゃないですか」

照「……それとこれとは別問題」

淡「はぁ、先輩のことはよくわかりませんね。 そこも好きですよ」

淡「……私、宮永先輩のこともう少し知りたいです」

照「だから、無理だって」

淡「まだ具体的なこと言ってませんけど」

照「言う前からわかる。 変な意味が含まない形でなら、別に教えて上げてもいいけど」

淡「変じゃありません、私の気持ちは真っ直ぐですよ」

照「わかった、わかった……また明日」

淡「明日も一緒に帰ってくださいね」

照「ああ」


淡「……生殺しにされてる気分ですよ、こっちは」


47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 01:57:07.49 ID:+UF0FQiT0

淡「先輩、帰りましょ!」

照「はいはい」

菫「最近毎日一緒に帰ってないか」

淡「そうなんですよ! 先輩ったら私と一緒に帰りたいらしくて」

照「言ってない」

菫「はは、妬けるな。 休日も体調壊さないようにな」

淡(……妬けるのはこっちの方ですよ)


淡「先輩、手繋いでください」

照「え……」

淡「ダメですか?」

照「……それくらいなら、まぁ」

淡「やった!」ギュッ

照「ちょっと、痛い」

淡「あっ、ごめんなさい。 少し興奮しちゃって」


49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 02:05:22.91 ID:+UF0FQiT0

淡「先輩とこうして一緒に帰れて、あわよくば手まで繋げて、嬉しい限りです」

照「そ」

淡「もちろんマックスは先輩と付き合うことですけどね。 まぁ、今はこれで我慢します」

照「今は、ねぇ……」

淡「はい。 そのうち我慢できなくなるかもしれません」

淡「……先輩は告白の後にいつも『こっちの気持ちを考えて』みたいなこと言いますけど、それは先輩にも言えますよ」

淡「私の気持ち、少しは考えたことあります?」

照「あんなに毎日告白されてれば、それくらい誰でもわかる」

淡「わかってたら、私が『手繋いでください』なんて言っても、繋ごうとしませんよ」

照「? 淡から言ってきたことじゃないのか」

淡「……はぁ、先輩は鈍チンなんでしょうか」

淡(そうやって中途半端に私を救うから、私はいつまでも宮永先輩のことが好きでいてしまうんですよね)

照「せっかく手繋いでやったのに、なんでそんな不機嫌そうなんだ」

淡「……いや、もういいです。 私以外の子と、こういうことしないでくださいね」

照「縛られる筋合いはないし、大体そんなこと言ってくるのも淡くらいだ」


50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 02:14:50.26 ID:+UF0FQiT0

照「じゃ、また月曜日」

淡「先輩と歩いてると、時間があっという間に過ぎますね」

淡「それじゃあ、おやすみなさい」

照「ああ」


淡「はぁ……宮永先輩、どうして私に振り向いてくれないだろう」ゴロゴロ

淡「っていうか、せっかく先輩と一緒に帰ってるんだし、家とか教えてもらえばよかった」ゴロゴロ

淡「……! いいこと思いついた! この頭脳を持った自分が憎い!」

From:宮永先輩
本文:明日飽いてますか? 合いてたらデート活きましょう、向かえに行くのでお家教えてください。

淡「……なんか色々すっ飛ばしてる気がするけど、先輩にはこれくらいスッキリした文のほうがいいかな。 送信」

淡「! きた!」ドキドキ

Re:
本文:予定は別にないが……漢字間違えすぎだぞ。

淡「~~!!」

淡「どうしよう……ダメな後輩だと思われてないかな……」


51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 02:20:44.99 ID:+UF0FQiT0

淡「先輩とデート♪ 先輩とデート♪」ガンッ

淡「いったい!! ああ、なんで小指ってこんなに出っ張ってるの……」

淡「そうだ、せっかく休日に先輩と会うんだから、ちゃんと考えて洋服選ばないと」


prrrr

淡「……うーん……はーい」

照『おい、起きろ』

淡「!! えっ、今何時ですか!?」

照『自分の携帯に聞け』

淡「……あっ! すいません!!」

照『そっちから誘ったんだろう。 まぁいい、駅前の喫茶店にいるからな』ガチャッ

淡「……はぁ、色々考えて寝不足だし結局遅刻しちゃうし……」

淡「先輩怒ってないかなぁ……っ、やばっ、泣くな泣くな!」

淡「大丈夫、先輩の優しさは私が一番わかってる! とにかく早く行かなきゃ」


57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 02:28:10.83 ID:+UF0FQiT0

淡「ご、ごめんなさい!」

照「待ってたぞ」

淡「……あの、怒ってないんですか? 1時間遅刻したんですよ?」

照「? 別にこれくらいで怒る必要もないだろ」

照「待ってる間に朝食は食べたから、淡も何か頼んだらどうだ」

淡「……やっぱり、先輩は優しいですね。 大好きです」

淡「でも、できることなら朝食は待ってて欲しかったですね」

淡「仮にも私は先輩に恋してるんですから、一緒に食べたいと思うのが筋です」

照「なんで後から来てそんなに偉そうなんだ……」

淡「えへへ、でも怒らないんですね」

照「……変なこと言ってないで、早く注文しろ」

淡「やっぱり宮永先輩を好きになってよかったです。 さ、何食べよっかなー♪」

照「……」


61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 02:34:54.83 ID:+UF0FQiT0

照「……」ペラッ

淡「ちょ、ちょっと先輩ってば」

照「何?」

淡「人が食べてて暇とはいえ、読書はやめてくださいよ。 デート中ですよ?」

照「仕方ないだろ、他にすることがないんだから」ペラッ

淡「私の食べてる様子でも見ててくださいよ」

照「そんな趣味はない」

淡「私は先輩の食べてる様子、見たかったですね。 何食べてるかとか」

照「私がさっき頼んだのは、淡が今食べてるそれだぞ」ペラッ

淡「えっ、ほんと?」

照「そんなウソついてどうするんだ」

淡「……えへへ、やった! 最高です♪」

照「そんなに喜ぶことか? 同じものなんて、誰かと食べに行くなら普通に頼んだりするだろ」

淡「先輩はわからなくていいですよ。 どうしても知りたいなら、私と付き合えばわかることです」

照「変なの」ペラッ


64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 02:40:11.89 ID:+UF0FQiT0

淡「ごちそうさまでした」

淡「先輩、食後にジュースでも飲みませんか?」

照「なんで私に聞くんだ。 もう朝食は済んでる」

淡「いや、ここってメニューに恋人限定のジュースがあるんですよ。 ベタなやつ」

照「ここはよく利用するが、そんなのはないぞ」

淡「あ、じゃあ賭けます? 私が頼んで出てきたら、一緒にそれ飲んでください」

照「まあいいよ。 ないものはないから」

淡「……そうですね。 すみません、このジュースください」


照「普通のミックスジュースだろ」

淡「まあまあ、ちょっと待っててください……えい」プス

淡「さあどうぞ」

照「……これ、ストロー2つ刺しただけ」

淡「細かいことは気にしないでくださいよ! さあ私の勝ちです、一緒に飲んでください」

照「……はぁ」

淡「なんだかんだで付き合ってくれるんですね」


65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 02:45:29.66 ID:+UF0FQiT0

照「ところで、どこ行くか決まっているのか?」

淡「……あー」

淡(興奮しててすっかり忘れてた……)

照「おい、何も考えてないのか」

淡「……まぁ、そうなりますね」

淡「いや、宮永先輩が悪いんですよ? 私の誘いに即答してくれたせいで、色々舞い上がって忘れちゃってました」

淡「先輩が私のハートを掴んだのが、全ての元凶です」

照「……その図々しさはどこから来るんだ」

淡「愛ですよ」

淡「ま、何もしないんじゃあ、味気ないですよね。 映画でも見に行きましょうか」

照「淡に任せる」

淡「いいんですか? ちょっと危ないところとか連れてっちゃうかもしれませんね」

照「映画」

淡「先輩って二つ条件を出されたら、絶対その中から選択しますよね。 正直扱いやすいです」

淡「そういう生真面目なところも好きなんですよね、これが」


69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 02:52:00.02 ID:+UF0FQiT0

淡「先輩、どれ見たいですか?」

照「なんでもいい」

淡「……はぁ、先輩こそ、その冷静さはどこから来るんでしょうね」

淡「デートって、もう少しその、ニコニコしながらするものでしょう」

照「淡にとってはそうでも、私にとっては普通のお出かけ」

淡「確かに、私が勝手に興奮してるだけですけどね。 仕方ない、先輩の笑顔は、彼女になるその時までとっときましょう」


淡「じゃ、これにしましょうか。 すみません、チケット2つ」スッ

照「……いい、私が払う」

淡「あの、また先輩後輩って話ですか? 私が遅れてきたんだから、私が持ちます」

淡「それに言いましたよ、そういう立場抜きがいいです、と」

淡「『宮永先輩』と呼んでますけど、私の中では『先輩』ではなく『宮永照』という個人です」

淡「先輩にも『後輩』じゃなくて『大星淡』として扱って欲しいですね」

照「……まぁ、そこまで言うなら」


71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 02:58:12.70 ID:+UF0FQiT0

淡「真っ暗になってきますね。 映画前のこの時間、なんかいいですよね」

照「わからない」

淡「でしょうね。 ま、私は宮永先輩とこうして同じものを見られるだけで幸せです」

淡「こんなに真っ暗だと、もしかしたら先輩に変ないたずらしちゃうかも」

淡「ちゅーとか」

照「? いくら淡が押しが強いとはいえ、さすがにそんなことはしないだろう」

淡「……そうですか」


淡(はぁ、結局何もできなかった……)

淡「宮永先輩のことを言えないくらい、私も単純だなぁ」

照「なんだそれ」

淡「こっちの話ですよ」


74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 03:05:04.13 ID:+UF0FQiT0

淡「これだけ長く座ってると、身体が固まって仕方ないです」

照「そうだな……んーっ」

淡「!」

淡「うわっ、宮永先輩でも、手足伸ばしたりするんですね……」

照「私だって疲れる時は疲れる」

淡「そうですけど、そんなに隙だらけというか、俗っぽいことをするのは意外です」

照「淡、お前も結構ひどいことを言うな。 私のことを言えない」

淡「ちょっとビックリしただけですよ。 でも嬉しいです」

照「?」

淡「長時間麻雀打った後でも、そんなところ見たことありませんしね」

淡「普段見られないところを見られただけでも、私は嬉しいです」

照「……そ」


75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 03:10:19.11 ID:+UF0FQiT0

淡「さて、次はどこ行きましょう」

照「私に聞くのか?」

淡「私は宮永先輩となら、どこへ行っても楽しむ自信がありますから」

照「……」

淡「先輩がなにもないなら、私はゲーセンに行きたいです」

照「ゲームするのに二人で行くのか?」

淡「あらら、先輩ってば無知ですね。 普通ですよ、普通」

照「……私なら構わないが、普通年上にそんな態度を取るもんじゃないぞ」

淡「安心してください。 私がこうやって自然体で接してるのは、宮永先輩くらいのものです」

照「で、なんでゲーセンなんだ」

淡「ゲーセンというか……先輩とプリクラが撮りたいです」

照「最初からそういえばいいだろう」

淡「回りくどい方法を選ばないと、先輩と長く会話できないじゃないですか」


78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 03:14:28.36 ID:+UF0FQiT0

淡「もしかして、プリクラとか撮ったことありませんか」

照「ないな」

淡「慣れた手つきの意外な先輩ってのも見たかったですね」

淡「私があれこれ教えるのも、新鮮でまた楽しいですけど」


淡「先輩、笑顔笑顔」

照「……」

淡「ちょっと、下手くそですよ。 雑誌とかでは、いつも営業スマイル完璧じゃないですか」

照「営業スマイルってわけじゃあないんだがな」

淡「……もしかして、雑誌の記者といるよりも、私と一緒にいるほうがつまらないんでしょうか?」

淡「……迷惑かけてごめんなさい」

照「い、いや、そういう意味じゃ……」

淡「ふふっ、冗談ですよ。 そのままでいいですよ、普段の表情が一番です」

照「そうか」


淡(少しだけ、ショック受けたのは本当ですけどね)


79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 03:17:31.27 ID:CEx9fFS60

着実にデレてるな


82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 03:20:46.39 ID:+UF0FQiT0

淡「はぁ、最高です」

淡「少しだけ微笑んでるこの笑顔。 ずっと眺めていたいです」

照「そ、そうか……なぁ、この後に写真が出てくるだけで、この値段なのか?」

淡「複数人で利用するからこそ、こういう値段が許されてるんです」

淡「あと、落書きとかできるんですよね」

照「するのか?」

淡「したいですか?」

照「いや、私はいい」

淡「なーんだ、じゃあ勝手に書いちゃいます」

照「好きにしろ」


照「……なんだこれ」

淡「あれ、見えませんか? 『好きです』って、でかでかと書いたはずですが」

照「そういう意味じゃない」

淡「色んなところに貼っちゃっていいですよ。 本当は私が多めに欲しかったんですが、なんならほとんどあげますよ」


84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 03:27:07.45 ID:+UF0FQiT0

淡「こんな細かいものでも、先輩は気を使ってくれるんですね」

照「映画はお前が出したんだろう。 これくらい出さなくてどうする」

淡「はぁ、またそういう……でも、本当は嬉しいんです。 ありがとうございます」

淡「さて、もう1回撮りましょうか」

照「え?」

淡「今のは宮永先輩の奢り。 次は私が個人的に撮りたいだけです。 さ、撮りましょ」

照「……まぁ、構わないが」

淡「♪」


淡「先輩、アイスクリームが食べたいです。 何がいいですか?」

照「抹茶」

淡「渋っ。 じゃ、行ってきますね」

照「いや、私が……」

淡「まあまあまあ、ちょっと待っててくださいよ」グイッ

照「うわっ」

淡「そこにいてくださいねー!」


86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 03:30:52.44 ID:+UF0FQiT0

淡「戻りました」

照「……なぁ、一つしかないんだが」

淡「そりゃそうですよ。 二人で食べるんです」

照「本気で言ってるのか?」

淡「先輩に対してはいつだって本気です。 そろそろ振り向いてくれてもいいんですけどねー」

淡「さあ、食べましょうか。 コーンはさっさと食べないと大変ですよ? さあ!」グイッ

照「……これをやるために、自分から買いに行ったのか」

淡「どうでしょうね」


淡(はぁ、正直抹茶はあんまり好きじゃないんだけどなぁ)

淡(宮永先輩と一緒だから食べられる感じ)

照「おいしい」

淡「そうですか、私もです」


87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 03:34:23.14 ID:+UF0FQiT0

照「……変な気を使わなくていい」

淡「えっ?」

照「少なくとも好きなものを食べる時のそれじゃないな」

淡「いや、別に私は……」

照「いいから待ってろ。 他のを買ってきてやる」

淡「……」

淡(ずるいですよ、そういうの)

淡(なんでこう、いつも空回りするんだろう。 先輩、相変わらず私の言ったことわかってないみたいだし)

淡(あーあー、こういうのしないでもらいたいなぁ。 これだから、何時まで経っても好きでたまらないんですよね)

淡「……」パクパク

淡「……まぁまぁおいしい、かな」


89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 03:37:09.36 ID:+UF0FQiT0

照「ほら、買ってきたぞ」

淡「あ、ありがとうございます」

照「……おい、抹茶は?」

淡「全部食べちゃいました」

照「お前なぁ」

淡「先輩が私を待たせた罰ですよ」

照「そんなに遅かったか? 一応急いできたんだが」

淡「はぁ、そういうところが……」

照「……?」

淡「まぁ、いいでしょう」パクパク

淡「はい、どうぞ」

照「これもか……」

淡「当たり前です」


91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 03:43:52.94 ID:+UF0FQiT0

淡「……ねえ、先輩」

照「なんだ」

淡「肩を貸して欲しいです」

照「……?」

淡「もう、ストレートに言いますね。 先輩に寄っかかりたいです」

照「……」

淡「了承と受け取りますね。 では遠慮なく」

淡「はぁ、最高ですね。 あ、読書とかしてていいですよ? 多分寝ちゃいますから」

照「人を誘っておいて寝るのか?」

淡「先輩にはわかりませんよ、私の気持ちは」

照「……嫌でもわかってはいるよ」

淡「表面上は、ですね。 中途半端な行動は良くないですよ。 さすがにそれはわかりますよね」

照「……お前が頼んでるんじゃないのか」

淡「そうですね、すみません。 ……少し眠ります、おやすみなさい」

照「ああ」


92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 03:49:58.03 ID:+UF0FQiT0

淡「……ぁ、おはようございます」

照「起きたか」

淡「どれくらい経ちましたか?」

照「2時間くらいだな。 寝不足だったのか?」

淡「まぁ、そうなりますね。 主に先輩のせいで」

照「私は何もしてない」

淡「何もしてないのが、なんかしてるんですよ……って、本は?」

照「別に読書とかはしてない。 ずっと壁に寄っかかってただけだ」

淡(……なんでだろう、なんでこんなに嬉しいんでしょうか)

淡(って、別に先輩が私に気があるわけじゃない……)

淡(それを前提に置いておかないと)

淡「はは、マネキンみたいですね」

照「段々辛口がひどくなっていってないか?」

淡「あのですね。 先輩にしたら押しの強い女に見えるかもしれませんが、私だって照れ隠しのオンパレードですよ?」

照「……」


96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 03:58:09.64 ID:+UF0FQiT0

淡「昼食とも夕食とも言えない、半端な時間になってしまいましたね」

淡「どこか食べに行きましょうか」

照「ああ」

淡「今の内に決めておきましょう。 何がいいですか?」

照「淡に任せる」

淡「本当に先輩は鈍いですね。 麻雀中の冴えてる先輩はどこにいるんでしょう」

照「おい」

淡「ふふっ、答えを教えてあげますね」

淡「私は先輩の好きなものはなんでも知りたい。 だから聞いているんです」

照「……わかったよ」

淡「で、なにが食べたいですか?」

照「じゃあ、うどんだな」

淡「あらら」

照「不満か?」

淡「いえ。 冗談でも言って欲しかったですね」


98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 04:06:02.26 ID:+UF0FQiT0

淡「なんでうどんなんですか? 居酒屋の〆じゃあないんですから」

照「うどんくらい、普通に食べるだろう。 それに、好きなものを言え、と言ったのは淡の方だ」

淡「そうですね。 教えてくれて嬉しいですよ」


照「何食べるんだ」

淡「先輩と違うものを食べます」

照「お前は私のことを好きなのか嫌いなのか、どっちなんだ」

淡「好きじゃないです、大好きです。 先輩に対しての最低値は『嫌い』ではなく『好き』、というレベルで大好きです」

淡「まあ、頼みましょうよ。 ほら、はやくはやく」


淡「先輩、それ一口ください」

照「……そんなことだろうとは思ったよ」

淡「やっと私のことをわかってきましたか。 アタックを続けてきた甲斐があります」

照「で、食べるのか、食べないのか、どっちだ」

淡「もちろんいただきますよ。 あーんしてください」

照「……はぁ、全く」


100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 04:13:10.85 ID:+UF0FQiT0

淡「ごちそうさまでした」

照「……で、この後どうするんだ」

淡「そうですね、こう半端な時間じゃあ、逆に身動き取れません」

淡「……ねえ、先輩の家に連れて行ってくれませんか?」

照「自分で言うのもなんだが、私の家は殺風景でつまらないと思うぞ」

淡「お人形だらけのほうがビックリしますよ」

淡「それにですね、私にとっては先輩の家に行くのが本命だったんですよ? つまらないとかなんとか言わないでください」

照「……そうか」

淡「まぁ、物事には順序がありますからね。 朝っぱらからいきなり押しかけては、いくらなんでも迷惑でしょう」

照「淡、お前妙なところで律儀なんだな」

淡「何言ってるんですか。 先輩だって、好きなものは大切にするでしょう。 私もそうです」

照「……とてもそうには見えないけどな」

淡「いつものあれは愛情表現です」


101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 04:18:23.45 ID:+UF0FQiT0

淡「お邪魔します」

照「今飲み物でも出すから、寛いでてくれ」


淡「ねぇ、先輩。 烏龍茶の蓋開けっぱなしですよ」

照「? 締まってるじゃないか」

淡「私が締めてあげたんです」

照「そうか、悪かったな」

淡「いえ。 しっかり整理されてる先輩らしいお部屋ですが、ちょっとだけ抜けてるところがありましたね」

淡「そういうダメな一面もあるんですね」

照「たかが蓋一つじゃないか。 失望したのか?」

淡「まさか」


104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 04:22:00.31 ID:+UF0FQiT0

淡「はぁ、おいしい。 これどこに売ってるんですか?」

照「有名だろ」

淡「そうですか、じゃあ私が見逃してるだけかもしれませんね」

淡「それか、先輩の家だからかもしれません。 料理も皿や店内の雰囲気が大事って、よく言いますもん」

照「……それはそうと、お前が今飲んでるの、私が飲んだやつだろ」

淡「いいじゃないですか、どうせ同じ中身ですし」

照「同じ中身だったら、尚更私のを飲む必要はない」

淡「厳しいですね」

照「普通だ」

淡「そうですね、いつも通りです。 やっぱりこういう先輩が一番好きです」

照「わかったから、自分のを飲め」

淡「嫌です」


105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 04:25:58.55 ID:+UF0FQiT0

淡「しかし、本当に何もありませんね。 普通の家にあるものだけです。 本は大量にありますけど」

照「悪かったな」

淡「いえ、つまらなくないですよ。 楽しいです」

淡「むしろ、何か遊べるものがあるほうが困ります」

照「なぜだ?」

淡「先輩とこうして寄り添うだけの時間のほうが、私は好きですから」

照「……」

淡「とはいえさすがに疲れました。 先輩、膝借りますね」

照「……まぁ、構わないが」

淡「おお、珍しく察しが良い。 痺れたら言ってください」

照「多分大丈夫だ」

淡「それはよかった。 多分、痺れても退きませんからね」



107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 04:34:16.45 ID:+UF0FQiT0

淡「……先輩、一ついいですか? 今更難しい注文かもしれませんが」

照「なんだ?」

淡「今までのこと、全部忘れてください」

照「……はぁ?」

淡「今までももちろん本気でしたが、最初の告白以降は、どこか諦めや弄りが入っていたかもしれませんね」

淡「半端者です。 それじゃあ思考停止と変わらないことに、ようやく気付きました」

照「……」

淡「ですから、今から、今度こそ、今度こそ心の底から言います」

淡「今までの人生で、一番本気を出します」

照「……そんな状態でか?」

淡「あはは、まぁ、少し締まらないかもしれませんが、退けそうにないですし、包まれてる内に言いたい気持ちもあります」

淡「本気です。 だから先輩も、全部忘れて、最初の時と同じように聞いてくださいね?」

照「……」


淡「好きです」

淡「宮永先輩、付き合ってください」


110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 04:39:13.30 ID:+UF0FQiT0

淡「……はぁ、スッキリしました」

淡「これで、もう先輩に構うことも、後輩らしくもない弄りをすることもないでしょう」

淡「ありがとうございました……っ」

照「……おい、何泣いてるんだ」

淡「ああ、泣いてますか……? 気が付きませんでした、そうかもしれませんね」

照「……拭け。 泣いた跡がつくぞ」

淡「別にいいですよ、というかむしろ付けたいくらいですね」

照「……」

淡「……すみません、帰ります」

照「……ちょっと待て」

淡「なんですか?」


111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 04:42:58.79 ID:HtV2aCit0

ざわ…ざわ…


112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 04:43:12.70 ID:hOc1HLqy0

どうなるんや


113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 04:44:23.54 ID:+UF0FQiT0

照「散々『返事はまだか』なんて言っておいて、私の返事は聞かないで帰る気か」

淡「何言ってるんですか、聞くまでもないです。 それとも、先輩には加虐趣味でもありますか?」

照「まあいい。 どうせその状態じゃ、主導権は私にあるんだ」

淡「はぁ、確かにそうですね」

照「……」

淡「なにしてるんですか、指なんか舐めてみっともない」

淡「プーさんの真似ですか? 似合いませんね……んっ」ピトッ

淡「……えっ、指……って、これって……」

照「……今はそれで我慢しろ」

照「今は、な」


115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 04:48:49.55 ID:+UF0FQiT0

淡「……あの、いつまで待たせるつもりですか?」

照「気持ちの整理くらい付けさせろ。 淡、お前も人のことを言えないくらい鈍い」

淡「そうですか、そうですよね……」

照「……今日はもういい、寝ろ。 どうせ明日も休日だ」

淡「わかりました。 色々と言いたいことはありますが、おやすみなさい。 嬉しいですよ、これだけでも」

照「そうか」

淡「はいっ」


淡「宮永先輩、(指で)キスしてくださいよ」

照「しつこい」

淡「ねえ、もう月曜日ですよ? 2日経ってますけど……早く早くはやくー!」

照「……はぁ、仕方ない。 今日うちこい」

淡「やった! あ、でも今(指で)キスしてくださいよ!」

照「……ほら」

菫(照と淡が部室でキスしてるのを聞いてしまった……)

おわれ


116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 04:50:35.63 ID:HtV2aCit0

乙乙乙!


118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 04:51:04.98 ID:L5YT3uoE0

乙!
実にすばらでした


120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 04:54:32.35 ID:IRMF2jhA0

実によろしい

続きも読みたい


121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 04:58:17.28 ID:K01v1jUd0

すばらっ!


122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/24(日) 05:36:33.56 ID:Tp5EeJvo0

すばら!!



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