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幼馴染み「なでろ」 男「えー」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1331258783/
このSSはSS深夜VIPのSSです
男「『えっ』って」
幼馴染み「なんでなでてくれないの?」
男「なんでって言われても」
幼馴染み「いつもなでてくれるのに」
男「なんかいじわるしたくなって」
幼馴染み「なろー」ポカポカ
男「ふふふ」
男「きかないきかない」
幼馴染み「なでろ、なでろよー」ポカポカ
男「ふふふ」
男「ふふふ」
幼馴染み「いいもん」スク
男「お?」
幼馴染み「昼ごはんつくる」
男「これはめずらしい」
幼馴染み「えらい事してなでさせる」
男「ほほー」ニヤニヤ
幼馴染み「キムチと野菜とウインナーと……昨日炊きすぎたご飯と……」ゴソゴソ
幼馴染み「これでお昼ごはんなら……んー……」
幼馴染み「よし、決めた」
男「おー」
幼馴染み「どうだ」フフン
男「キムチチャーハンですか」
幼馴染み「余り物的にこれがよかった」
男「おいしそう」
幼馴染み「食べよ食べよ」
幼馴染み「いただきまーす」
男「うん、おいしい」モグモグ
幼馴染み「でしょ」フフン
男「キムチの食感とチャーハンが合う」モグモグ
幼馴染み「ピリ辛でおいしいでしょ」モグモグ
男「うん」
幼馴染み「ふふー♪」モグモグ
幼馴染み「ごちそうさまー」
男「おいしかった」
幼馴染み「でしょでしょ」
男「えらいえらい」
幼馴染み「ふふー♪」
男「俺のぶんのプリン食べていいよ」
幼馴染み「ほんとっ?」
男「えらかったからね」
幼馴染み「やった♪」
男「辛いの食べた後だから余計甘いでしょ?」
幼馴染み「うん♪」
男「じゃあ俺部屋でレポート書いてるね」
幼馴染み「うん」モグモグ
男「ふー」
男「そろそろかな」
ダダダ バンッ
幼馴染み「うあああん」ポカポカ
男「ふふふ」
幼馴染み「なろぉお」ポカポカ
男「ふふふ」
男「だまされた」ニヤニヤ
幼馴染み「いじわるー」ポカポカ
男「プリンは?」
幼馴染み「全部食べた」
男「それまで気づかなかったの?」
幼馴染み「半分くらいで気づいた」
男「うん」
幼馴染み「けど全部食べてやった」
男「さすが」
男「ダメ」ニヤニヤ
幼馴染み「なでなさい」
男「ダメだよ」ニヤニヤ
幼馴染み「うおおー」ポカポカ
男「プリン食べたでしょ?」
幼馴染み「食べたけどー」ポカポカ
男「それでいいじゃん」ニヤニヤ
幼馴染み「甘かったけどー」ポカポカ
男「お?」
幼馴染み「あったかいでしょ」ギュー
男「あったかい」
幼馴染み「やわらかいでしょ」ギュー
男「やわらかい」
幼馴染み「なでたくなった?」
男「正直やばい」
幼馴染み「ふふー♪」
幼馴染み「えー」
男「耐えてみせる」
幼馴染み「うー」
男「いじわるしたいから」
幼馴染み「これでどーだ」スリスリ
男「うおお」
幼馴染み「おりゃおりゃー」スリスリ
幼馴染み「んうー」バタバタ
男「動けまい」
幼馴染み「そんなにやばかった?」バタバタ
男「正直やばかった」
幼馴染み「ふふ♪」パタパタ
男「もうスリスリできないでしょ」ガシッ
幼馴染み「うーうー」バタバタ
男「ふふふ」
男「ふふふ」
幼馴染み「おやつの時間だからだよー」バタバタ
男「あ」
幼馴染み「とっておいたフレンチクルーラーが」バタバタ
男「行ってきなさい」スッ
幼馴染み「ん」タタタ
男「よーし」
幼馴染み「ん」パク
男「あ」
幼馴染み「んふふ」
男「ひとりじめする気か」
幼馴染み「んーんー」ブンブン
男「こっち側から食べろと?」
幼馴染み「ん」コク
男「く……」
幼馴染み「ふふ♪」
幼馴染み「ん」
男「あなたにひとりじめされるのが癪だから」
幼馴染み「んふふー♪」
男「く……」モグモグ
幼馴染み「んー」ズイッ
男「!?」チギリ
幼馴染み「ん」モグモグ
男「く……」モグモグ
男「キスしそうだったから」
幼馴染み「うん」
男「しちゃったら耐えられない」
幼馴染み「うん」
男「なでちゃう」
幼馴染み「ふふ♪」
男「おっと」ガシッ
幼馴染み「なぜ肩をつかむ」
男「なにしようと思ったの」
幼馴染み「ちゅーを」
男「ダメ」
幼馴染み「えー」
男「してほしいけど」
幼馴染み「ちゅー」スッ
男「耐えられなくなる」ガシッ
幼馴染み「うーうー」バタバタ
男「え」
幼馴染み「ん?」
男「俺がつくるよ」
幼馴染み「夜はわたし担当だよ」
男「昼つくってもらったし」
幼馴染み「好きでやった事だからいいよ」
男「ん……」
男「うん」
幼馴染み「今日はメンチカツだよ」
男「おいしそう」
幼馴染み「うん」
幼馴染み「いただきまーす」
男「おいしい」モグモグ
幼馴染み「うん」モグモグ
男「おいしいよ」
幼馴染み「ありがと♪」
幼馴染み「カレーコロッケもおいしいよ」
男「前食べたのなんだっけ?」
幼馴染み「キーマカレーコロッケ?」
男「あれはおいしかった」
幼馴染み「カレーがとろーっとしてたよね」
幼馴染み「ごちそうさまー」
男「せめて洗い物はする」
幼馴染み「んー」
男「二食つくってもらったし」
幼馴染み「じゃあ一緒に」
男「うん」
幼馴染み「流すねー」ジャー
男「うん」カチャカチャ
幼馴染み「ふふ♪」ジャー
幼馴染み「ごめんね一番もらって」
男「んーん」ギュ
幼馴染み「きゃー♪」
男「ないみたい」
幼馴染み「どーするー?」
男「寝室行こうか」
幼馴染み「ん」コク
幼馴染み「ん///」ギュー
男「ん」ギュー
ナデナデ
幼馴染み「あ」
男「よしよし」ナデナデ
男「ん」ナデナデ
幼馴染み「んー///♪」スリスリ
男「今日はえらかったね」ナデナデ
幼馴染み「うんっ♪」
男「ん?」
幼馴染み「もっとなでてほしい」
男「いいよ」ワシャワシャ
幼馴染み「きゃー♪」
男「どのくらい?」ナデナデ
幼馴染み「一時間くらい」
男「それはキツい」
幼馴染み「でもしてくれるでしょ?」
男「今日えらかったからね」ナデナデ
幼馴染み「んうー♪」スリスリ
男「寝ちゃったか」
幼馴染み「んうー……」
男「あと15分か」ナデナデ
幼馴染み「ん……」
男「きちんとしてあげるからね」ナデナデ
幼馴染み「すうすう……」
おわり
今回もよかったぜ
面白かった
Entry ⇒ 2012.03.11 | Category ⇒ 幼馴染「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
女エルフ「ねえ」女騎士「ん?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330676924/
女エルフ「最近思うんだけど」
女騎士「?」
女エルフ「私たちってさ」
女騎士「うん」
女エルフ「ひどい目に会いすぎじゃない?」
女騎士「あー……」
女騎士「よくある話だな」
女エルフ「しかもね」
女騎士「うん」
女エルフ「その娘、処女だったんだよ……」
女騎士「うわあ…」
女エルフ「ひどいよね」
女騎士「ひどいな」
支援
女エルフ「え?同じ人間なのに?」
女騎士「半々」
女エルフ「半々?」
女騎士「うん」
女騎士「オークとか」
女エルフ「あー」
女騎士「触手とか」
女エルフ「あるある」
女エルフ「なにがさ?」
女騎士「ナニがさ」
女エルフ(笑
女騎士「どう見ても入らないよね」
女エルフ「丸太くらいあったりするよね」
女騎士「でも入れられる」
女エルフ「痛いよね…」
女騎士「痛いよ…」
女エルフ「うん」
女騎士「アレでね」
女エルフ「うんうん」
女騎士「おなか」
女エルフ・女騎士「「ボコォッ!!」」
二人「(笑
女エルフ「うん」
女騎士「触手でもさ」
女エルフ・女騎士「「ボコォッ!!」」
女エルフ「あるある」
女騎士「痛い痛い」
女エルフ「痛いね」
女エルフ「でもさ」
女騎士「うん?」
女エルフ「たまにね」
女エルフ「媚薬」
女騎士「あ~…」
女騎士「飲ませるタイプもあるけど、直接塗り込んでくるやつ」
女エルフ「そうそう」
女騎士「あれやばい」
女エルフ「やばいね」
女騎士「もう大変だった…」
女エルフ「ほほう」
女騎士「おなか」
女エルフ・女騎士「「ボコォッ」」
二人「(笑
女騎士「されてさ」
女エルフ「んで?」
女騎士「もう、奥の奥までずっこんばっこんずっこんばっこん」
女エルフ「うぅ…」
女騎士「でも媚薬のせいで乳首は立つし、締まりはよくなっちゃうし」
女エルフ「イキそうになるもんね」
女騎士「そそ。でね」
女騎士「やめない」
女エルフ「やめないよね」
女騎士「むしろ喜ぶ」
女エルフ「ありすぎる…」
女エルフ「うん…」
女騎士「しばらく犯されてたら」
女騎士「アレがびくびくしてくるのが分かるわけ」
女エルフ「うっ……」
女騎士「そうそう。すぐわかる」
女エルフ「『膣内で更に太く……!』みたいな?」
女騎士「それ」
女騎士「でさ」
女騎士「私も妊娠したくないから」
女騎士「『膣内はやめろ』って言うけど」
女騎士「ヤツら決まって」
女騎士「膣内射精」
女エルフ「容赦ないよね……」
女エルフ「どんな?」
女騎士「『膣内はやめてください』って」
女エルフ「あ~……それ一番言っちゃいけないやつだ」
女騎士「やっぱそう?」
女エルフ「絶対そう」
女エルフ「だいたい膣内に射精される」
女騎士「むしろ喜ぶ」
女エルフ「それどころか」
女エルフ「『射精すぞ!』とか叫んで」
女エルフ「一番奥まで『ズンッ!』て突いて」
女エルフ「おなか」
女エルフ・女騎士「「ボコォッ!」」
二人「(笑
女騎士「何度妊娠しかけたことか……」
女エルフ「でも」
女エルフ「悔しいことに」
女エルフ「一緒にイっちゃうわけ」
女騎士「あるある」
女エルフ「ふむ」
女騎士「量が半端ない」
女エルフ「ですよねー」
女騎士「もうドロドロ」
女騎士「妊婦かってくらいパンパンになるまで射精」
女エルフ「つらいよねー」
女エルフ「あー…」
女エルフ「抜かず?」
女騎士「そう」
女騎士「『いま射精したばっかりなのに、また膣内でおっきく…!』みたいな」
女騎士「腰抜けるよアレ」
女エルフ「頭真っ白になるもんね~」
女エルフ「わたしこないだアヘ顔にされたもん」
女騎士「うわー」
女騎士「触手に?」
女エルフ「いや、人間」
女騎士「えげつない」
女エルフ「でもあそこまでされたら」
女エルフ「そら堕ちる」
女騎士「どんなだった?」
女騎士「びくんびくんしちゃうね」
女エルフ「そう。悔しいけど、びくんびくん」
女エルフ「か~ら~の」
女エルフ「焦らしプレイ」
女騎士「うわあああ」
女エルフ「代わる代わる私の口をまるで道具のように」
女エルフ「使う使う」
女騎士「相手ばっか気持ちいいよね」
女エルフ「でさ」
女エルフ「しゃぶれよ、ってうちはまだいい」
女騎士「あ、わかった」
女騎士「頭掴んで腰ふってくるやつ」
女エルフ「それ」
女騎士「オエってなるよね」
女エルフ「でも私ら、喉耐性高いじゃん?」
女騎士「意外に吐かないよね」
女エルフ「で、喉奥に射精」
女騎士「量は?」
女エルフ「意外に多いんですわこれが」
女騎士「人間なのにね」
女エルフ「お前ら全員エビオス飲み過ぎみたいな」
女エルフ「で、一巡したかと思ったら」
女エルフ「『へへ…これで終わりと思うなよ』」
女騎士「二回目?」
女エルフ「も、あるけど背後から手下パターンだった
女騎士「うわ~」
女エルフ「10人ちょっと」
女エルフ「でも割りと少ない」
女エルフ「少ない少ない。多いときは50人とか行くし」
女騎士「ちなみに50人は」
女エルフ「お城の兵士に捕まったり(笑」
女騎士「ごめん(笑」
女騎士「うん」
女エルフ「話戻すけど」
女エルフ「フェラ」
女騎士「口んなかネバネバ」
女エルフ「あれもさ」
女エルフ「吐かせてくれるなら、まだいい」
女騎士「うんうん」
女騎士「あるあるあるある」
女エルフ「ネバネバしてるから喉にひっかかるしさ」
女騎士「しょっぱいよね」
女エルフ「苦くない?」
女騎士「あー、そっち派?」
女エルフ「いや、派とか意味わかんないし(笑」
女騎士「絡むよね」
女エルフ「うえっ、て精液だけ吐くんだけど」
女騎士「『なに吐いてんだ!』って?」
女エルフ「よくおわかりで」
女騎士「まあねえ」
女騎士「口のなか溜めさせるよね」
女エルフ「そうそう!」
女エルフ「口開いて、こっち向け~って」
女騎士「で、ごっくん?」
女エルフ「いや」
女エルフ「うがいパターンだった…」
女騎士「うえぇ……」
女騎士「うぅ」
女エルフ「翌日から地獄ですよ」
女エルフ「手マンとか」
女エルフ「ク○ニとか」
女エルフ「するくせに」
女エルフ「挿れない」
女騎士「焦らしかあ」
女エルフ「焦らしだあ」
女騎士「高いの?」
女エルフ「高い高い」
女エルフ「エルフ高いよ」
女エルフ「ていうか
女エルフ「プライド高くないエルフ少ない」
女騎士「堕ちるの早かったりするけどね(笑」
女エルフ「いきなり『んほおおお!しゅごひいあいいい!!』?(笑」
女エルフ「半々だよ、半々」
女騎士「まあ私らもだいたいそうだけど(笑」
女騎士「うん」
女エルフ「プライド高いから」
女エルフ「『へへへ…ヒクヒクしてるな。挿れて欲しいのか?』」
女エルフ「って言われたときに」
女エルフ「ふざけるな!誰がキサマらなんぞ…」
女エルフ「と」
女騎士「あー……」
女騎士「でもモジモジ?」
女エルフ「モジモジですよホント……」
女騎士「うん?」
女エルフ「目の前で」
女エルフ「他の女と」
女エルフ「ヤリだす」
女騎士「あ~」
女エルフ「うむ」
女騎士「あれ、だいたい知り合いじゃない?」
女エルフ「友人か姉か妹か母さんかその辺りだね」
女騎士「ちなみにそのときは?」
女エルフ「妹でした」
女騎士「おー」
女エルフ「可愛い。弱気だからなお可愛い」
女騎士「イジメられちゃうタイプか」
女エルフ「それはもう。エルフのくせにけしからんわけで」
女エルフ「そんな妹が高速ピストン」
女エルフ「なんかトロ顔で甘ったるく喘ぐし」
女エルフ「我慢できないっしょ?」
女騎士「できないかもね…」
女エルフ「だよねー」
女騎士「つらそう」
女エルフ「うん。だから言ったんです」
女エルフ「『お願いします……』って」
女騎士「堕ちた?
女エルフ「まだ」
女エルフ「で、そいつのチ○コが」
女エルフ「おなか」
女エルフ・女騎士「「ボコォッ!!」」
女エルフ「ならんならん(笑」
女騎士「ならんか(笑」
女エルフ「でね」
女騎士「うん」
女エルフ「散々焦らされたせいか」
女エルフ「やばい」
女騎士「おおぅ」
女エルフ「死ぬかと思った」
女騎士「あれか」
女エルフ「あれだ」
女エルフ「『んほおおおお!』」
女エルフ「アヘ顔」
女騎士「仕方ない」
女エルフ「『膣内に射精すぞ!』って言ったのね」
女騎士「ふむ」
女エルフ「アヘ顔晒したとはいえ」
女エルフ「まだ堕ちてないから」
女騎士「ほう」
女エルフ「だから」
女エルフ「膣内はやめて!って言ったの」
女エルフ「そしたら」
女エルフ「まさかの」
女エルフ「外だし」
女騎士「おほっ」
女騎士「うんうん」
女エルフ「散々じらされたあと」
女エルフ「ようやく入れたと思った直後の」
女エルフ「それですよ」
女騎士「モジモジしちゃう?」
女エルフ「モジモジどころじゃないよ……思わず『あっ…』とか言っちゃたもん…」
女エルフ「『なんだ?膣内に欲しかったのか?』って」
女エルフ「もうね」
女エルフ「感服したね」
女エルフ「あ、こいつには勝てないって」
女騎士「で?」
女エルフ「そっからはあんまり覚えてない…」
女騎士「堕ちたか…」
女エルフ「もちろん」
女エルフ「まあ、今は姉妹そろって元気だからいいよ」
女騎士「あー」
女騎士「ていうか私もそうだけど」
女エルフ「うん」
女騎士「よく助かるよね」
女エルフ「意外に最後は助かるよね」
女騎士「うんうん」
女エルフ「まあ魔法使えるし」
女騎士「私は剣」
女エルフ「非力じゃない娘もわりと多いもんね」
女騎士「逃げる力、地味にあるしね」
女エルフ「あるね」
女騎士「…ん?」
女エルフ「ん?」
女エルフ「うん」
女騎士「何でわたしたち捕まるんだっけ」
女エルフ「えっ」
女エルフ「……薬?」
女エルフ「人質とか」
女騎士「う~ん。それもあるけど」
女騎士「叩き伏せられるパターンが」
女エルフ「ボスか」
女騎士「ボスだな」
女騎士「で、捕まったあとも用意周到」
女エルフ「媚薬?」
女騎士「力を奪う的な首輪とか」
女エルフ「ああ」
女エルフ「あれ誰が作ってんのかな」
女騎士「わかんないけどあれ困る」
女騎士「抵抗できなくなるもん」
女騎士「力入らないことをいいことに」
女騎士「好き勝手してくるよね。手下」
女エルフ「憂さ晴らししてくるね」
女騎士「無理やり壁に押し付けたりしてさ」
女騎士「『へへ!今までのお返ししてやるぜ』『おら、ケツだせや!』みたいなパターン多いよ」
女騎士「お前ら女を犯す以外選択肢ないのかと」
女エルフ「ねー」
女騎士「で。しかもボスな人って陰湿だし?」
女エルフ「例えば?」
女騎士「なんか」
女騎士「私の場合は」
女騎士「公衆面前輪姦とか」
女エルフ「あー、あるあるある」
女騎士「『ド淫乱な変態雌豚だ!』とか」
女エルフ「言葉責めは基本だよね」
女騎士「あれホント恥ずかしい」
女騎士「あまつさえさ」
女騎士「民衆にヤラせるでしょ」
女エルフ「そーそー」
女騎士「なにがどうなってるか知らないけど」
女騎士「民衆の男ども、普通にチ○コ突っ込んでくるし」
女騎士「それだけならまだしも」
女騎士「『ああ…女騎士様が』『女騎士様、すみません』とか」
女騎士「『女騎士様になんてことを』みたいなノリで」
女騎士「膣内射精しまくるなと」
女エルフ「尊敬されるだけいいよ…エルフはなんか物みたいな扱い多いよ」
女騎士「悲しい」
女エルフ「大抵拘束されてるしね…」
女騎士「そう。あれ、なんていうんだろ」
女騎士「首と手首固定する道具」
女騎士「あれに何度お世話になったか……」
女エルフ「ん~?」
女騎士「個人的に一番つらいのは」
女騎士「相手が人間とか触手とか魔物とかじゃなくて」
女騎士「犬」
女エルフ「獣姦か~」
女エルフ「グロいよね。妙に赤黒いし」
女騎士「先のほうがゴリゴリしててつらい」
女騎士「ていうか」
女騎士「四つん這いになっただけで」
女騎士「的確に挿入してくる」
女エルフ「豚とかも
女騎士「豚はやばいね」
女騎士「うんうん」
女騎士「ところでさ」
女騎士「あれはどうよ」
女エルフ「あれ?」
女騎士「肉体改造系」
女エルフ「ふたなりか」
女騎士「うむ」
女騎士「私はなんか変な種埋め込まれたらチ○コ生えたよ」
女エルフ「しかもチ○コ凄い敏感だし」
女騎士「確かに」
女エルフ「チ○コ少し触られただけで『うあっ』てなる」
女騎士「でも射精、地味に気持ちよかったりするから困るよ」
女エルフ「金○マはないのになぜか射精できるんだもんね」
女エルフ「ん」
女騎士「さっきの動物の話だけど」
女エルフ「急にどうしたの」
女騎士「いや」
女騎士「言い忘れた動物がいた」
女エルフ「ん?」
女騎士「馬」
女エルフ「あー、あー」
女エルフ「長いし太いしバックで容赦ない」
女騎士「うんうん」
女エルフ「触手や魔物でもないのに」
女エルフ「おなか」
女騎士「ボコォッ!」
女騎士「あれ?」
女エルフ「ごめん。もういいかな(笑」
女騎士「恥ずかしい……///」
女騎士「うん」
女エルフ「たま~に純愛あるよね」
女騎士「あるある!」
女エルフ「好きだった人とかね」
女騎士「いいよねー」
女エルフ「ちょっとだけ強引にキスされたりしてさ」
女騎士「ベッドイン!」
女騎士「でも改造されて死んじゃったりね…」
女エルフ「ね……」ハァ
女騎士「レイプから始まる恋か」
女エルフ「うん」
女エルフ「けどさ」
女エルフ「ないよね、実際」
女騎士「……うーん」
女エルフ「えっ?」
女騎士「えっ」
女騎士「いや」
女騎士「あるわけではないんだけど」
女エルフ「ふむ」
女騎士「たぶん私」
女騎士「こ、ここだけの話……」
女騎士「……ドMかもしれない」
女エルフ「詳しく」
女騎士「ほら、さっきから話してるけど」
女騎士「無理やり……ってシチュエーション多いじゃん?」
女エルフ「うむ」
女騎士「今はこんな話し方してるけど」
女騎士「普段はわりと」
女騎士「『貴様らクズに私は屈せぬ』とか言うわけですよ」
女エルフ「まあ私も似たタイプ」
女騎士「いざ責められると」
女騎士「すぐに頬が上気するわ」
女騎士「乳首は立つわ。濡れるわ」
女エルフ「だいたいみんなそうだよ。うちら変態ばっかじゃん」
女騎士「うーん。そんでね」
女騎士「『はは!騎士様はとんだ淫乱だな!』」
女騎士「とか言われるとなぜか」
女騎士「『締まりがよくなったぞ!』『興奮してるのか変態が!』」
女騎士「……みたいに、よく言われたり…」
女エルフ「いるいる」
女騎士「極めつけは針とか蝋燭ですよ」
女エルフ「きついね」
女騎士「でしょ?だけど……」
女騎士「乳首に針刺されたり」
女エルフ「痛い痛い」
女騎士「お尻に蝋燭たらされたり」
女エルフ「熱い熱い」
女騎士「……気持ちよくなることが」
女エルフ「安心しなよ。私らじゃ普通」
女騎士「そっか」ホッ
女エルフ「うん?」
女騎士「私ら、使われてない場所ないよね…」
女エルフ「大抵はね…」
女騎士「お尻もさ」
女エルフ「うん」
女騎士「触手とかで腸がボコボコになるくらいに荒らされたし」
女エルフ「ひどいときは口から出てくるよね」
女騎士「なんかもう綺麗な場所残ってないよね」
女エルフ「極めると、脳姦やら眼孔姦とかもあるらしいし」
女騎士「乳首拡張で乳首に挿入されたって同僚もいたみたい…」
女騎士「想像つかないもんね」
女エルフ「ホント大変だよ…」
女騎士「うんうん……あ」
女エルフ「ん?」
女騎士「もうこんな時間だ」
女騎士「うん」
女騎士「今から」
女騎士「盗賊を退治しにいかなきゃ」
女エルフ「あー」
女エルフ「そういや」
女エルフ「私も森に攻めてくるオークを迎撃しなくちゃいけないんだった」
女エルフ「うん」
女騎士「気をつけてね」
女エルフ「お互いね」
女騎士「じゃーねー」
女エルフ「また今度~」
―――
――
盗賊「へへへ…自分の状況わかってんのか?」
女騎士「くっ!まさか私がこんなやつに…!」
盗賊「今までの例をたっぷりしてやるぜ」
女騎士「や、やめろ……そんなもの私に…い、いやあああああ!!」
―――
――
オーク「グフッ」
女エルフ「妹をはなしなさい!」
妹エルフ「姉さん、来ちゃダメ!」
女エルフ「くっ――な、なに!?やめろ、貴様ら私に触るな…い、いやああああああっ!」
―――
――
女騎士「久しぶり」
女エルフ「何かあった?」
女騎士「いつも通り」
女エルフ「だよねー」
女騎士「ていうか」
女エルフ「うん」
女騎士「騎士やめようかな」
おわり☆
最早様式美だなww
女騎士はやめられるけどエルフは…
面白かったよー
満足満足
Entry ⇒ 2012.03.11 | Category ⇒ その他 | Comments (0) | Trackbacks (0)
男「クラスの怖い女子が部室にきた」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1308384313/
女「あん?」
男「な、何故この部室に……?」
女「……なんか文句あんのかよ」
男「い、いえ、滅相もございません」
女「……チッ」
男「……」
女「……」
男「……なにこれ」ボソッ
女「あぁん?」
男「い、いえ! なんでもございません!」
女「……お前、何部だよ」
男「え? え?」
女「何部かって聞いてんだよ!!」
男「や、やめてぇぇぇ! 殴らないでぇぇ!!」バッ
女「……」
男「……あ、あれ?」
女「……チッ」
男「……」
男(……怖いよう、怖いよう、ここ写真部だよぉ、なんなんだよぉ)
女「……」
男「……」
男(ホントに何しにきたんだよぉ、怖いよう)
女「……何部なんだよ」
男「……しゃ、写真部です……というか、外に書いてありますけど……」
女「あ?」
男「ひぃ! な、なんでもないです!!」
女「……」
男「……」
女「……部員は?」
男「……お、俺だけです……」
女「……そうかよ」
男「……は、はい」
女「……」
男「……」
男(誰かあああ!! 気まずいよおおお!!)
男「え!? あ、はい……廃部の危機ってやつです……」
女「……チッ」
男「ご、ごめんなさいいい! 一人でごめんなさいいいい!!」
女「……黙ってろ」
男「は、はいぃ!」ビクッ
女「……」
男「……」
女「……っても……ぞ」ボソッ
男「……え?」
女「入部して……ってもいいぞ」
男「え、えーっと……すみません、よく聞こえませんでした……」
女「……」
男「……えっ?」
女「……」
男(……なにこれ)
女「……チッ」スタスタ ガララッ、ピシャッ
男「……か、帰っちゃった……」
男「……な、なんだったんだよ」
男「よく分からない人だ……」
男「はぁ……なんだかどっと疲れた……今日はもう帰ろう」
友「で? で? どうだったのよ!? ねぇねぇ!」
女「う、うっせーな」
友「男くんの部室に行ったんでしょ!? 何があったの!? せっかく待ってたんだから聞かせてよぉ!」
女「べ、別になんもねぇよ」
友「何もない訳ないでしょ!? 勇気出して行ったんじゃん! あんたが何もせずに帰ってくるなんt」
女「な、何もできなかったんだよ……」
友「……えっ?」
友「何もできなかった……?」
女「……」コクン
友「……き、緊張して?」
女「…………」コクン
友「……ありゃ~」
女「……ほっとけよ」
友「ホントに何もしなかったの? 会話も何も?」
女「……そりゃ、ちょっとはしたけどよ……」
友「え!? どんな!?」パアァ
女「……チッ」
友「いいじゃんいいじゃんそれくらいさっ!」
女「……ここは……何部だって」
友「……えっ?」
女「それと……部員は一人かって……」
友「……あの、あのさ?」
女「……なんだよ」ボソッ
友「ほ、他には?」
女「……」
友(えぇぇぇぇぇぇぇっ!)
友「……だからってそんな分かりきったこと聞かなくても……。
男くんが一人で写真部続けてるってこのクラスじゃまぁまぁ有名じゃん」
女「うっ……」
友「……しっかし驚いたねぇ。あんたが急に男の部室はどこだなんて聞いてくるんだもん」
女「……文句あんのかよ」
友「ね? ね? 好きなんでしょ!?」
女「あ、あぁぁん!?」ガタッ
友「どこに惚れたのよ? ねぇねぇ!」ニヤニヤ
女「テ、テメェそれ以上言うとブッ殺すぞ!!!!」
友「お~怖い怖い」
女「チッ……」
友「でも、教えてくれたっていいんじゃない? これからあんたと男くんの、
フォーリンラブを成就させるために力を貸す私にくらいさ!」
女「……な、なぁにがフォーリンラブだよ……背筋がゾッとするね」
友「あれ? じゃあ男くんに近づきたくないの?」
女「……」
友「はい聞こえた! 今心の声が聞こえたよ!!
『そりゃあたいだって近づきたいさ……でも恥ずかしいんだもん!』って聞こえてきたよ!」
女「テ、テメェなぁ……」プルプル
友「でも本心はそんな感じでしょ?」
女「ち、ちげーよ」
友「隠さなくったって分かります。あんたと何年友達やってきたと思ってんの」
女「……チッ……かなわねぇな……」
友「ふふんっ」
女「そのツラどうにかしろよ……」
友「それ無理、かわいいんだもんあんた」ニヤニヤ
女「バ、バカにすんな!」
友「してないよ~? ただ本心を言っただけ」
女「くそっ……」
友「で?」
女「はぁ……なんつーか……あ、あいつの、たった一人なのに部活を続ける心意気っつうか……」
友「あ~、わかる、わかるよ。あんた一本気のある男好きだもんねぇ」
女「……わ、悪いかよ」
友「ぜ~んぜん悪くないよ? 言ったでしょ、協力する」
女「……あ、ありがと」
友「ふふっ」
女「わ、笑ってんじゃねぇ!!」
女「……」
友「じゃないと何も進まないよ?」
女「……わ、わかったよ」
友「よしよし。なんか聞きたいこととかないの?」
女「あ?」
友「今日話せなかったんでしょ? 一つくらい質問準備しておけば?」
女「……か、彼女は」
友「ストーップ、早いでしょ!」ビシッ
女「……じゃ、じゃあ趣味とか」
友「写真でしょ」
女「くっ……好きな食べ物」
友「口下手か! って、そうだった」
女「……やっぱ行くのやめる」
友「おぉぉいっ!! 分かった! 分かったから! 私が考えるから! ね!?」
女「……くそっ」
友「『部員募集してる?』 うん、これでいこう!」
友「もしそれで募集してるって言ってくれたら流れで写真部入部できるし、
イコール男くんとお近づきになれちゃうし? 完璧ねっ!」
女「……そ、そんな上手くいくのかよ」
友「やってみなきゃ分からないよ! さ、ファイトファイト!」
女「……わ、わかったよ」
男(えぇぇぇぇぇぇぇ!? また来てるぅぅぅぅぅぅ!?)
男(それも俺より早く来て先に椅子に腰かけちゃってるぅぅぅぅぅぅ!?)
男(何これぇぇぇぇぇぇ!? 助けて!! 誰か助けてぇぇぇぇ!!)
女「……」
男「……」
女「……」
男「……」
男(落ち着け!! 落ち着け俺!! 一回落ち着け!!)スーハースーハー
男「……あ、あの」
女「あぁ?」ギロッ
男「ひぃぃぃ!! ごめんなさいいい!!!」
男(落ち着くとか関係なく怖いよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!)
女「……チッ」
男「ひっ……」
女「……おい」
男「は、はいい! なんでしょう!?」
女「……何部だよ」
男「……えっ?」
女「こ、ここは何部なんだよ!!」
男(えぇぇぇぇぇ!! それ昨日聞いてきたじゃん!! 写真部って言ったじゃん!!
なにこの人!? 昨日とは違う人なの!? いやそんな訳あるかっ!!)
男「……しゃ、写真部です」
女「……」
男「……」
男「俺一人です」
女「……チッ」
男「ご、ごめんなさい……」
男(だって昨日と同じ流れだったからつい……)
女「……そ、それじゃあ」
男「ん?」
女「ぶ、ぶぶ、ぶい、部員、部員っ、ぶ」
男「え? なに?」
女「ぶい、部員、ぼ、ぼしゅ、募集」
男(え? 何? ちょっと? おち、落ち着いて? ねえ? 何? 大丈夫なの?)
男「……い、一度大きく息を吸ってから……」
女「……」スゥー
男「……」
女「……」スゥー
男「……」
女「~っ!」ピクピク
男「す、吸いすぎ! 吸いすぎだから! なると思ったよ!! ほら、息吐いて!!」
女「……ハァ……ハァ」ギロッ
男「あ、あぁぁ!! す、すみませんん!!! うっかりタメ口を!!」
女「ハァ……ハァ……ぶ、部員とか……ぼ、募集……してねぇのかよ……」
男「……えっ?」
女「だ、だから、募集してるのかしてねぇのかって聞いてんだよ!!!!」
男「ひぃぃぃ!! し、してますしてます!! なんせ廃部の危機ですから!! しまくってます!!」
女「ほ、本当だろうな!?」
男「えっ? あ、はい」
女「……」
男「……」
女「……」チラッ
男「……」
女「……」チラッ
男「……」
男(え? 違うよね? 違うよね? なんかすっごいチラチラ見てくるけどまさかそんなはずないよね? そうだよね?)
女「……」チラッ
男「……あ、あの」
女「!! な、なんだよ」
男「……もしかして……いやまさかとは思うんですけど……」
女「な、なんだコラ、言いたいことあるなら早く言えコラ」
男「ひいぃっ、い、いや、その……もしかして、入部希望なのかな~……なんて、あ、あはは! あははは!」
女「~っ!」ガタッ
男「ご、ごめんなさい!! やっぱ違いますよね!! 生意気言ってすみませんでしたぁぁぁ!!」
女「……こ、これ……」スッ
男「……えっ?」
女「……く、くそっ……は、早く受け取れボケェ!!」
男「ひゃあ! ご、ごめんなさい!! こ、これ……えっ?」
男(ハッ! まさか……これが果たし状ってやつかぁぁぁぁ!! うわあああ!!)
男(何時!? 何時に屋上行けばいいんですかぁぁぁぁぁ!!!)ペラッ
男(……『入部届け』っておぉぉぉい!!!!!! びっくりして損しt……えっ?)
女「……」
男「……」
女「……」
男「……」
女「……」
男「……あ、あの、入部届けは顧問の方に……」
女「」バッ スタスタ、ガララッピシャッ、タッタッタッタ
男「…………」
友「そ、それで慌てて職員室まで走って行ったの? ぷっくく、ぶはっ!」
女「わ、笑うんじゃねぇ!!」
友「ひー、だ、だって……むはっ!!」プスプス
女「テ、テメェ……!!」
友「ご、ごめんごめん。で、承認してもらったの? 顧問の先生には」
女「……か、かなり驚いてたけどな」
友「そりゃそうだよねぇ、あんたが部活なんて職員室にスコールが降るよ~」
女「……」
友「ま、何はともあれこれで正式に男くんとキャッキャキャッキャできる訳だし、よかったじゃん!」ニヤニヤ
女「んな事するか!!」
友「え? したくないの?」
女「う、うるせぇ!!」
友「冗談冗談、そんなに照れなくても」
女「チッ……」
女「ま、まぁな」
友「ニヤけてるよ」
女「あ? ニ、ニヤけてねぇよ」
友「ニヤけてたよ?」
女「……う、うっせぇな、いいじゃねぇか別に」
友「嬉しい?」
女「……そ、そりゃあ」
友「」ニヤッ
女「う、嬉しくねぇよ!! ちくしょう!!」
友「もう、あんたってばホント素直じゃないねぇ」ニヤニヤ
女「テ、テメェが茶化すからだろうが!!」
友「ふっふっふー」
女「あ? 何をだよ」
友「明日男くんに話すこと!」
女「……嫌な予感しかしねぇな」
友「『男くんと一緒の部活に入れてよかった』」
女「却下」
友「えぇぇ? なんでぇ? 本心じゃん! 素直な気持ちじゃん!」
女「チッ……言えるかよ、んなこと」
友「素直にならないと自分の気持ちに気付いてもらえないよ?」
女「くっ……」
友「ん? 大体、何?」
女「……ガ、ガラじゃねぇし……」
友「んもー、分かってないなぁ。ギャップだよギャップ!」
女「あぁん?」
友「男くんがあんたに持ってるイメージどんなだと思う?」
女「……男、ビビってるからな」
友「そう! そこだよ! そこ! あんたが照れ隠しに叫ぶからじゃん」
女「し、仕方ねぇだろ……どんな反応すりゃいいかわからねぇんだよ」
友「じゃあさ、もしそんなコワーイあんたが急に可愛らしくなったらどう思う?」
女「気色悪ぃな」
友「もー!」
女「あ?」
友「あんたさ、顔は良いんだよ。でも格好がね」
女「な、なんだよ……かっこいいじゃねぇか」
友「まずその長いスカート、短くしなさい」
女「はぁ!? んなことできっかよ」
友「男くんは短いスカートの方が好きみたいだよ?」
女「……なんだと……」
友(適当だけど……)
友「少しでも男くんの理想に近づきたくないの?」
女「くっ……ちくしょう……ちくしょおおお!!」
友「はい、私の予備貸してあげるから、スカート折りましょうねぇー」テキパキ
友「顔赤すぎだよあんた」
女「う、うっせぇ! 脱ぐ!!」
友「な、なんでなんで!? 似合ってる!! 似合ってるから!!」
女「嘘つくな!!」
友「ホントだって!! それなら男くんもイチコロだと思うよ! うん!」
女「……ほ、ほんとかよ」
友「お世辞じゃなくて、本当に似合ってるから。むしろ私があんたに惚れそう」
女「……」
友「いやいやそこ引くところじゃないでしょ」
女「なんだよ急に」
友「ズバリ!! 『好きなタイプは?』」
女「バッ!! き、聞けるかよ!!」
友「これには二つの意味があるのだよ、ふふふーん」
女「あ?」
友「今あんたに必要なのは積極性なの、あんたは叫んで自分を隠しちゃうからね」
女「……」
友「好きなタイプを聞くことによって男はこう考えるの。
『なんでこの子、俺の好きなタイプを……? もしかして』 そう、正に『あんたのことが気になるんだからね』アピール!
そしてさらに男くんの好きなタイプを聞き出すことによって具体的な対策が思い浮かぶという
まさに一石二鳥の質問なのである!」
女「……」
友「ハイ決まり! 明日もがんばろう!」
女「……ちょ、ちょっと待て」
次の日写真部
男「女さん、正式に入部したのか……」
男「大丈夫かな……俺、生きて高校卒業できるかな……」
男「……というか、なんで入部したんだろう……」
男「写真に興味があるのかな……」
男「……わからない」
男「!!」
女「……お、おう」
男「あっ……よ、ようこそ……」
女「……」
男「……あ、あの、どうぞ、座ってください」
女「……」スタスタ、ストン
男「……」
女「……」
男「……」
女「……」
男(会話ねええええ!! ぶ、部長としてなんか話さないと!! 何話す!?
いやー、いい御天気ですね、ハハハ。……俺つまんねえええ!!)
女「あ?」
男「ひっ、……え、えっと……女さんは……どうしてこの部活に入部したんですか?」
女「……」
男「……」
女「……」
男「……あ、あの……しゃ、写真に興味は?」
女「……ね、ねぇな」
男「……え、えーっと」
女「……」
男「……じゃ、じゃあ、どうして?」
女「……お、お前、お前が!! お、お前!!」ガタッ
男「え!? え!?」
男「え!? え!?」
女「う、うるせぇ!!」
男(えぇぇぇぇぇぇ!?)
女「……チッ……く、くそっ……」
男(な、なんなの? なんかすごい顔赤いけど大丈夫なのかなこの人……)
女「……見、見んじゃねぇよ」
男「ひぃ! ご、ごめんなさい!!」
男(なんか触れちゃいけないところに触れてしまったんだろうか……)
男(スカートもいつもみたいに長くないし……正直、こっちの方が似合ってるよな)
男(……こ、怖いけど……い、言ってみようかな……な、生意気かな……。
俺みたいなやつに言われても嬉しくないかな……いやでも……このまま無言も気まずいし……。
かといって何話せばいいか分からないし……よ、よし……)
女「……」
男「……」
女「……」
男「……あ、あの」
女「……あ?」
男「……ス、スカート……長さ、いつもと違いますよね?」
女「……んなっ!」
男「……い、いやあ、アハハッ! す、すみません……」
女「……うっ、あぅ……」
男「ひぃぃ!! や、やっぱりダメでしたよね!! キモイですよね!! ホントすみません!!」
女「お、お前は……どっちが、いいんだよ」ボソッ
男「……え?」
女「だ、だから!! 短いのと長いの!! どっちがいいんだよ!!」
男「え!? お、俺!? ですか!?」
女「そ、そうだよ!!」
男「ど、どっちでもいいですけど!! お、女さんは、み、短い方g」
女「……み、短い方?」
男「え、ええ!! えっと、えーっと……」
女「……そ、そうかよ…………そ、その、……に、ににに、にあっ、似合って、る、るか?」
男「え?」
女「な、なんでもねぇよ!!!!」
男「ひぃぃ!! ごめんなさい!!」
女「……あ?」
男「……み、短いスカート……よ、よく似合ってると思います。な、なんちゃって……あ、いや、その、
ふ、普段と違う姿というか! な、なんというか、し、新鮮で……って、何言ってんだ俺!!
ご、ごめんなさい! 気持ち悪いですよね!」
女「……」
男「えっと、えっと……」
女「……」ガタッ
男「えっ?」
女「……」スタスタ、ガチャッバタン、タッタッタ
男「え? え?」
男「……か、帰っちゃった……やばい……やばい……どうしよう……」
男「お、俺が生意気言ったから……お、怒ったんだ……」
男「……謝らないと……」
友「へぇ~! よかったじゃん!!」
女「……」コクン
友「やっぱり私の考えに狂いは無しだね! というか、だから長いスカート捨てようとしてたんだ」
女「……」コクン
友(さすがに止めたけどね……)
友「全く、急にゴミ箱に向かって歩き始めた時は何事かと思ったよ」
女「……お、男が短い方がいいってなら……も、もう必要ねぇだろ……」
友「もうもう赤らめちゃって! 妬けちゃうな!」ニヤニヤ
女「……う、うるせぇ……」
ガラッ
友「ん?」
男「ご、ごめんなさいいい!!」
友「……はっ?」
友「ちょっ、え!? 何!?」
男「生意気言いましたあああ!!!」
友「ちょ、お、落ち着いて!! 一回落ち着いて!? ね!?」
男「なんでもしますからああ!!」
友「あ、あんた何したのよ!!」
女「えっ、あ、うぁ……そ、その……ま、舞い上がっちまって……か、勝手に部室を……」
友「はぁぁぁ!? 何も言わずに!?」
女「……」コクン
男「処女以外ならなんでも捧げますからああああ!!!」
友「ちょ、あんたうっさい!!!!」
セクハラ発言かなんかで怒らせたと思って謝罪しに追いかけてきたと」
男「はい……」
友「はぁー……」
女「うっ……」
友「あのね、男くん」
男「な、なんでしょう……」
友「この子、全く怒ってないから」
男「えっ?」
友「むしろ、ものすっごーく喜んでるから」
女「お、おいテメェ!!」
友「事実でしょ?」
女「……うぅ」
男「どういう……」
友「この子、言ってることと思ってることは真逆だから」
男「え?」
女「ち、ちげぇよ!!」
友「『本当はあってるけど恥ずかしいから言わないでぇ!!』」
女「ハァァ!? テ、テメェ……」
友「『それ以上言うと色々バレちゃうから言わないでぇ!!』」
女「こ、こいつ……」プルプル
友「あんたね、これ以上のチャンスないよ?」
男「チャ、チャンス……?」
友「あ、ううん、こっちの話」
友「ズバリ聞くけど、男くん、女にどういう印象持ってる?」
男「……そ、それは……」
友「……怖いでしょ?」
男「ひぃぃ!! ごめんなさい!!」
友「……肯定してるようなもんじゃん」
女「……」
男(……あれ? お、怒らない……)
友「あのさ、せっかく一緒の部活なんだからさ、仲良く行こうよ」
男「そ、それはもちろん……そうできたら素晴らしいなと思ってますけど……」
女「……チッ」
友「私が思うに! 問題はどちらにもあるのです!!」
男「……す、すみません……」
友「ほらそれ!!」
男「……ご、ごめん……なさい」
友「なさい!!!!」
男「ひぃぃぃ!! ご、ごめん!! で、でもやっぱり怖くて……」
友「私達は怖くありません!!」
男「……ご、ごめん……」
友「それでいいの。あんたはどうなのよ」
女「あ?」
友「敬語じゃない方がいいでしょ?」
女「……そ、そりゃあ……なんつーか、堅苦しいっつうか……」
友「だって」
男「……は、はい」
友「ほらまた!! あーもう!! 決めた!!」
男「う、うん……」
友「で、あんたは?」
女「……」
友「あーんーたーは??」
女「……な、仲良く……な、なりてぇよ……」
友「」ニヤ
女「テ、テメェ!! わざと言わせやがったな!!」
友「なんのことかな~っと。それで、本題なんだけど」
友「男くんは敬語をやめなさい!! 女は一つでもいいから素直になりなさい!!」
友「以上!!」
男「えーっと……」
女「す、素直になれって……ど、どうすりゃいいんだよ」
男「えぇぇぇぇ!? む、無理無理!! 無理だって!!」
女「は、ハアァ!?」
友「何を言うか!! いい!? 今の状況を乗り越えるにはね、男くんも女もデカイ壁を乗り越える必要があるの!!
ちっちゃい階段を細々とのぼってちゃ埒が明かないの!!
やっとタメ口で話せるようになったのが卒業式でした、なんてそんなのでもいいの!?
いうなれば荒療治よ荒療治!!」
男「で、でも……」チラッ
女「な、なんだよ」
男「ひぃぃ!」
友「ほらそこ!! 威嚇しない!!」
女「し、してねぇよバカ!!」
男(何言ってんだこの人……)
友「はい聞こえた! 今心の声聞こえた!!
私のことうっすらバカにしたでしょ!?」
男「えぇぇ!? も、申し訳ありませんでしたぁぁぁ!!」
友「もう! とにかく殴りあうくらいの極端な荒療治が必要なの! わかった!?」
女「……そうだよな……青春の男達みてぇに……熱さが必要なんだよな……」
友「よしっ!!」
男(なんか納得してるうううう!? というか俺達男同士じゃないから!!!!)
友「男くんもわかった!?」
男「ぐっ……う、うん、わかったよ。確かに、一気に距離を縮めないと、どうにもなんないかもしれない。
……ちょ、ちょっと勇気が足りないけど……」
友「大丈夫大丈夫!」
男「……え、えーっと……では……」
女「……」
男「うっ……お、女!」
女「!!」ガタッ
男「さん」
友「ストップストーップ!!!!」
男「ダメだああ!!!」
友「ちょっとあんた! 何で拳握って立ち上がるの!?」
女「し、仕方ねぇだろ!! よ、よび、呼び捨て!!」
友「あーもう分かった分かった。どんだけウブなの?」
女「う、うるせぇ!! な、慣れてねぇんだよ!!」
友「次は大丈夫だよね? ね?」
女「……うぅ」
なんか逆に緊張しちゃうでしょ?」
男「う、うん……」
友「それじゃ、ちょっと耳貸して」
男「ん?」
友「ゴーニョゴニョ! ゴニョ! ゴニョー!!! ……言える?」
男「う、うん。それくらいなら」
友「はいどうぞ!」
男「えーっと……ひ、人が足りなくて廃部の危機だったけど、お、女が入部してくれて助かったよ! ありがとう」
女「……あぅ……」
男「……え、と」
女「……」
男「……」
女「~っ!」ジタバタ
友「はいはい暴れない暴れない。嬉しいなら嬉しいってそう言えばいいのに」
どう? ちょっとは壁取り除かれた感じする?」
男「う、う~ん……とりあえず敬語は使わない方がいいってのは分かったよ」
友「上出来上出来!」
女「……お、おい」
友「ん?」
女「す、素直になるっつっても……い、一体何をすりゃいいんだよ」
友「そんなの簡単じゃん」
女「あ、あぁ?」
友「今こそ男くんの好きなタイプを聞く時だよ」ボソッ
女「なっ!! で、できるかよっ!!」
友「できるできないじゃありません!! するんです!!」
女「む、無理だ!!」
友「素直になりなさい!! あんたかわいいんだから!! ね!?」
男「え!? あ、うん」
女「あ、あぁぁぁん!?」ガタッ
男「ひいい!! ごめんなさい!!」
友「もう! なんでそこで威嚇するの!!」
男「な、何でしょう!?」
友「男くん! 敬語に戻ってる!! 女も凄まない!!」
男「あ、ご、ごめん!」
女「チッ……」
女「お、おい……お、おと、男!」
男「な、何!?」ドキッ
女「……テ、テメ、テメェ、テメ、す、好きな! タ、タタタタ」
男「す、好きな!?」
女「好きなタイ、タ、タイプ、タ、タ、タイプ、タイ」
男「す、好きなタ、タイプ?」
女「そ、それだよちくしょう!! あ、あんのかコラァ!!!!」
男「ひ、ひいいい!! あ、あります! あります!! ごめんなさい!!!!」
友(……ダメだこりゃ)
男(な、なんでそんな質問を……)
男「そ、それは、女性のってことでいいんだよね?」
女「お、おう。そ、そうだよ……は、早く言えよコラ」
友「凄まない!」
女「く、くそっ……」
男「え、えーっと……贅沢かもしれないけど……お、俺の趣味に、理解を示してくれる人だと、
嬉しいっていうか、その……や、やっぱり、俺にとって写真は大切なものだし……そこが分かりあえたら、す、すごく素敵だと……」
女「……」
男「……え? えーっと……だ、大丈夫?」
友「……ほっといてあげて。顔が赤いのは体調不良でもなんでもなくてズキュンと何かが刺さった印だから」
男「う、うん?」
友「簡単に言うとね、男くんのその一本気な姿勢にもっと恋しちゃいまs」
女「う、ううっせぇ!! それ以上言うなバカ!!」
友「ぷくくっ! 本心だ!」ニヤニヤ
女「うぅ~っ!! く、くそぉっ!!」
そ、そんなはずはない! ありえないありえない!)
男(お、女さんが……お、俺のことを……? いやいやいやいや!! …………で、でも……。
よ、要素は、揃ってるよな? …………勘違いじゃない可能性も……
ないとは言い切れない……かもしれない……
という可能性が50%くらいはあるのかもしれない…………わ、わからない……今はまだ)
女「お、男!」
男「え!? な、何?」
女「しゃ、写真には……その、あんまり興味ねぇけどよ……」
男「う、うん」
女「ぶ、部活は……毎日ちゃんと出るつもりだからよ…………よ、よろしく」
男「…………」
女「……あ、あぁん? テ、テメェシカトk」
男「ぷ、ぷくくっ! ぶっ!」
女「な、何笑ってんだよテメェ!!」
男「ご、ごめん!! ぶはっ! わ、わざわざ、律儀だなと思って……ぶほっ!」
女「あ、あぁん!? テ、テメェ!! 挨拶とか誠意とかそういうのはなぁ!! だ、大事なんだよ!!」
男「う、うん! わ、分かってる! けど……ぶふっ!」
友「それ必要以上に重視するのあんたの世界だけだからね」
女「う、うるせぇな!! わかんねぇんだよ!!」
友「ま、いいと思うけどね。ウケたみたいだし」
女「ウ、ウケ狙いじゃねぇ!!」
女「」ズキューン
男「それじゃあ、俺はもう帰るから、また明日の部活で!」
女「あ、あた、あたふ、また、あし、あした、あt」
友「何言ってるのかわからないよ?」
女「ま、また……明日……」
男「うん! それじゃ!」
女「……」
友「……よかったね」
女「……」コクン
友「……あんたが今日から皆勤賞になりそうで怖いね」
女「……」コクン
友「……ふふっ」
友「え? ダメダメ、帰らせないよ?」
女「あ? まだなんかあんのか?」
友「もう! 現状に安心しきって未来を見据えないのは愚かな行為だよ!
かの有名な作家も精神的に向上心のない者は馬鹿だって言ってたでしょ!?」
女「あ? 西森博之か?」
友「全然違うじゃん! それあんたがいっつも読んでる漫画の作者でしょ!?
夏目漱石の「こころ」だよ!」
女「あー、夏目漱石な」
友「分かってるのかな……まぁいいや。言いたいことは、あんたまだゴールじゃないでしょ? ってこと!」
女「あん?」
友「むしろやっとスタートラインだね!! ゴールは男くんと付き合う!! 違う?」
女「つ、付き合、付き合うっつったって……」
友「私はそんなに遠いことじゃないと思うけど?」
女「お、おう……」
友「男くんの好きなタイプは聞きました。正直あんたはこれもうクリアしてると思うんだよね」
女「そ、そうか!?」
友「急に笑顔になったね。男くんは趣味に理解を示してほしいんでしょ?
あんたは男くんの趣味に没頭する姿に惚れたんだから、ノープロブレムじゃん!」
女「へへっ、まぁな」
友「調子に乗らない。いくら無問題だと言っても、ずーっと写真に興味持たないってのもよくないと思うよ?」
女「な、なんでだよ」
友「いい? 趣味に没頭している人は同じ趣味を持っている人が傍にいるとすごく嬉しいの!
だから、あんたは写真部の活動を通して、幸いまだ2年もあるんだから、しっかりと勉強すること!」
女「……わ、わかったよ」
友「明日男くんにする質問を発表しちゃおうと思います!」
女「……」ゴクリ
友「『彼女いるの?』」
女「ちょっ! ま、待てコラ!!」
友「何?」
女「そ、それはまだ早いって言ってたじゃねぇか!!」
友「あの時はね。でももう大丈夫だと思うよ? 今日あんたが好きなタイプを聞いた時、
『私はあんたのことが気になるんだからねアピール』に成功してたっぽいし。二人の距離も縮まったし。
それに、これはあんたも一番気になることでしょ?」
女「うっ……そ、そうだけどよ……」
友「積極性の上に積極性を上乗せして勝負!! スピード命!! 男くんもあんたのことかわいいって言ってたしさ」
女「……くっ」
男「」ガラッ
女「……お、おう」
男「あ、先に来てたんだ」
女「ま、まぁな」
男「……」
女「……」
男「えと」
女「あ、あのよ!」
男「えっと……何?」
女「……い、いや、な、なんでもねぇ」
男「ん?」
女「なんでもねぇから、お、男の用事を言え」
男「え、えーっと……とりあえず、お茶でも飲もうか」
女「あ?」
男「アハハ……いや、簡単なものだけど……ティーバッグだし……」
女「……」
男「……じゃ、じゃあ淹れるからちょっと待ってて」
女「ま、待てよ……」
男「え?」
女「……わ、わた、私が……い、淹れてやっから……す、座ってろ」
男「……いいの?」
女「い、いいから座ってろっつってんだ!!」ガタッ
男「わ、わかった!! わかったから!! 拳握らないで!!」
女「……ま、待ってろ……」
男(……りょ、料理とかそういう類はできるのかな……)
男「あ、ありがとう……」ズズッ
女「……」
男「……こ、これは……」
女「……な、なんだよ」
男「……う、うまい……」
女「そ、そうかよ……」ニヤッ
男「なんで? 俺の時と全然違うんだけど……」
女「カ、カップをあっためたり、蓋したりとか色々コツがあんだよ」
男「す、すげぇ!! すげぇよ女!」
女「あ、あんま褒めんなボケ!」
男「えぇぇぇっ!?」
男(ああ……いいなあ……なんかいいなあこういうの……)
男(女の人が食器を洗ってる後ろ姿を眺めながらのほほんと……
こんな奥さんがいたらなあ……って、何考えてんだ)
男(ハッ!! カメラカメラ!!)
男「……」
女「……」カチャカチャ
男「……」パシャッ
女「!!」クルッ
男「あ、やべっ」
女「テ、テメェコラァ!! な、何許可なしに撮ってんだバカ!!」カァ
男「ご、ごめん!! つ、つい……な、なんかすごく良い風景だったから……」
女「く、くそっ……」
友「えぇぇぇぇ!?」
女「な、なんだよ」
友「何それ何それ何その展開!!」
女「う、うっせぇよ」
友「だって!! 男くんとお出かけなんて!! 何それ!!」
女「ぶ、部活だっつってんだろ。郊外に出て写真撮ろうってだけだ」
友「でもでもでもでも!! あんた!!」
女「あ?」
友「もう彼女いるかいないか聞けなかったなんてどうでもいいよこの際!!」
女「うっ……」
友「ふ、服!! 服買いに行こう!!」
女「は、ハァ!?」
女「……か、考えてもなかった……」
友「ね!? よし行こう! すぐ行こう!!」
女「ちょ、ちょちょ、ちょっと待てよ!! い、今ある服じゃいけねぇのかよ?」
友「ダメに決まってるじゃん! あんたどうせ特攻服しか持ってないでしょ!?」
女「んな訳あるか!! というか特攻服なんざ一着も持ってねぇよ……」
友「あれ? そうなの?」
女「あのな……私、暴走族とかじゃねぇから……」
友「でも出来る限りおしゃれしたいでしょ?」
女「……」
友「ハイ決まり。行こう!」
女「……わ、わかったよ」
友「そういえばなんでそんな流れになったの?」
女「……と、とりあえず最初は何すりゃいいかわかんねぇから、
男の写真撮る姿を見て学びたいって言ったんだよ」
友「へぇー、ふーん」
女「な、なんだよ、文句あんのか?」
友「べっつにー、あんたも積極性出てきたじゃん! って思って」ニヤニヤ
女「チッ……う、動かねぇと変わらねぇっつったのはテメェだろ?」
友「そうだね。うんうん良い調子!」
友「その調子なら、明日彼女いるかどうか聞けるね!!」
女「うっ」ギクッ
友「逃れられない運命なのであーる。じゃないと一線越えられないよ?」
女「な、んだよその言い方」
友「あ、これなんてどう?」カチャ
友「おぉぉぉ!! あんたその性格だからかっこいいイメージしかなかったけど、かわいいのも大丈夫じゃん!!」
女「……ほ、本当だろうな? もし騙してやがったら」
友「騙す訳ないでしょー。似合ってるって」
女「……そ、そうか? ……ぜ、全然慣れねぇ……なんだこのフリフリ」
友「男くんのハートもイチコロよ!!」
女「……じゃ、じゃあこれにする……」
友「ふっふっふー」
女(……ほ、本当に大丈夫なんだろうなこの格好……)
女(に、似合ってるよな? 大丈夫だよな? ……ど、どっかに姿見とかねぇかn)
男「お、おはよう……」
女「おわっ!! あ、な、お、おう、男かよ。なんだよ?」
男「なんだよって、待ち合わせしてたじゃん」
女「あ、そ、そうだったな」
男「待たせた?」
女「ハァ!? い、いや、ま、待ってねぇよ」
男「そ、そう? なら良かった。なんか不安そうな顔してたから」
女「ふう……」
男「じゃあ、適当に街歩こうか。気に入った場所あれば勝手に写真撮るけど、本当にこんなんでいいの?」
女「あ? お、おう! わ、私は、つ、ついて行くから、気にすんな」
男「わ、わかった」
女「……」スタスタ
男(…………な、なんだこれ!! かわいいいいい!! 気のせい!? いや違うよな!?)
男(というか何俺落ち着き払ってんの!? いつからそんな余裕のある男に!?)
男(いや内心焦りまくってるから余裕ないか!! というか何その服!?)
男(メチャクチャ似合ってるんですけどおおお!! これがギャップっていうやつか!!!)
男「お、俺ももっとちゃんとしてくればよかった……」
女「あ?」
男「え? ……あ、あれ!?」
女「……あ?」
男「ん? えっ? 何?」
女「…………ちゃ、ちゃんとって、なにをだよ」
男「……あ、ありゃ? 声に出てた?」
女「……お、おう」
男「……」
女「……」
女「あ?」
男(こ、これ言っていいの!? いいのこれ!? キモイとか思われるんじゃね!?)
女「な、なんだよ。言うことあるならハッキリ言えよ」
女「……そ、それともなんだよ……テ、テメェは……て、適当に今日を迎えたのかよ」
男「い、いや、そ、そうじゃなくて!!」
女「……じゃ、じゃあ、ちゃんとってなんだよ」
男(な、なんかまずい方向になってる気がするし、もう思いきって本心言っちゃおう!!
うん!! ぶちまけちゃおう俺!!)
男「え、っと…………お、女の……」
女「あ?」
男「……ふ、服装がとてもよくお似合いになられていて!! か、可愛いなと思ったので!!
お、俺はこんなダサい格好でいいのだろうかと思い『ちゃんと』とか言っちゃいましたあああ!!!」
女「なっ!! ……あ、ぅ……」
男「……え、えと……」
女「……テ、テメェェェェェ!!!!!」
男「ひいい!!! ご、ごめんなさいいい!!!」
なんというか…下品なんですけど…フフ
殴っちゃいましてね…壁…
男(……あ、あれ? な、殴られなかった……)
女「くぅ……うぅ……」カアァァ
男「ちょ、え!? だ、大丈夫!?」
女「……ダ、ダメだ……」
男「え!? ダ、ダメなの!?」
女「ち、ちが…………う、嬉し……」
男「う、嬉し?」
女「ハッ……うぁ、ち、ちげぇよ!! う、嬉しいとかじゃねぇよ!!!!」
男「え!? え!?」
女(……な、なんだこりゃぁ……ど、どうすりゃいいんだよちくしょお!!)
女「……お、おう……」
男「……そ、その……ごめん。なんか急に変なこと言って……」
女「……」
男「……」
女「……」
男「……」
女「……テ、テメェ」
男「……な、何?」
女「……か、かの、かのj、かの、か、かの」
男「え? え?」
女「か、かの、か彼女!!!!」
男「か、彼女……?」
女「か、彼女!!!!」
女「かの、彼女!!!! い、いい、いるのか!?!?」
男「いっ!? か、彼女!? い、いません!!」
女「あぁ!? い、いねぇのか!?」
男「い、いませんいません!!!!」
女「ほ、ホントか!?!?」
男「ほ、ほんと!!」
女「……」
男「……え!?」
女「……」ヘタリ
男「え!? ちょ、ちょっと!!」
友「んぶはっ!! むはっ!! ぶふぅぅ!!」
女「わ、笑いすぎなんだよテメェはよぉ!!」
友「むはっ!! だ、だって……んぶふぁ!! ぶほぉ!!」
女「チッ……く、くそっ」
友「ぷふっ……で、でもすご、すごいよあんた……ぶほっ!」
女「笑いながら言われても嬉しくねぇよ」
友「い、いや、ホントに……むはっ! こ、ここ数日で、物凄い進歩だと思うよ」
女「はいはいありがとよ」
友「ご、ごめんごめん! …………よしっ! もう大丈夫だから!!」
女「チッ……」
友「でも本当に良かったね、男くんに彼女いなくて」
女「……お、おう」
女「あ? なんだよそれ」
友「もう! 分かってるでしょ? あれだよ、あーれっ」
女「あ、あれ? わ、わかんねぇな」
友「分かってるくせにー、告白じゃん!!」
女「ハ、ハアァ!? ん、んなことできっかよ!!」
友「今回ばかりは私にまっかせなさい!!」
女「あ? ど、どういうことだよ」
友「私は気になるのです!! そう!! 男くんの気持ちが!!」
女「あ、あぁん?」
友「ということで、突撃しちゃいたいと思ってるんだけど、どう?」
女「ど、どうって言われても、わ、わかるかよ……」
女「んなっ!!」
友「だってね? 普通なんとも思ってない子の服を褒めるのにそこまで考える?
『自分もちゃんとすればよかった』って、それってつまり自分は不釣り合いだって考えたってことじゃん?
何かしら思いがないとそんなこと思わないよね? ね?」
女「……さ、さぁな……」
友「もう! そんなのだったら勝手に突撃しちゃうよ? いいの!?」
女「す、好きにしろよ……」
友「あれ? いいんだ? ……あっ、わかった……あんたも知りたいんだ?」
女「あ、あぁん!?」
友「あんたのその反応は肯定も同然なんだよーっと」
女「く、くそっ……」
友「ということでっ!」
男「え、えーっと……」
友「残念でした! 今日は女は来ないよー」
男「そ、そうなんだ……」
友「」ニヤッ
友「がっかり? がっかりしちゃう?」
男「そ!! それは……うん、まあ」
友「いいね、男くんは素直でやりやすいね」
男「え? ど、どういうこと?」
友「ね、正直に聞いちゃうけど」
男「何?」
友「女のこと、どう思ってる?」ニヤッ
男「ど、どどどうって……どう?」
友「そう、どう」
友「ありゃ、バレてたか」
男「し、質問しながらあんなにニヤけてたら気づくよ」
友「え? ニ、ニヤけてた?」
男「う、うん」
友「ありゃ……とまあそんなことは置いといて、どうなの?」
男「な、なんというか……す、すごく……その、か、かわいらしいなとは……思う」
友「かわいらしい?」
男「う、うん……た、たまに怖いけど……その、あ、あの仲良くなった日の放課後から、なんというか……
ちょ、ちょっと気になっちゃって……」
友「好きなタイプ聞かれたから?」ニヤッ
男「ま、またニヤけてるよ……」
友「ありゃっ」
友「ふっふっふ」
男「な、何?」
友「なーんでも。それで、日々が過ぎていく中で思いは蓄積されかわいい私服と『彼女いるの?』でノックアウトと」
男「なっ!!」
友「ふっふっふー、図星? 図星でしょ?」
男「……な、なんか悔しい」
友「と、いうことはつまり男くんはもう……」
男「……うっ……うん……す、好き……だと、思う」
友「むっはっは!!」
男「え!? な、なに!? なにその笑い!!」
ガラッ
男「え!?」
女「あぅ……」フルフル
男(えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?)
男「こ、この人一番怖いよおおお!!」
友「むはっ!! むははっ!! むっはっは!!」
女「……」
男「うぐっ……」
男「……あ、あの、さ、さっきの……その……聞いてた? よね?」
女「……」コクン
男「や、やっぱりか……あっ、えっと……な、なんだこれ……ど、どうすれば……」
女「……お、男」
男「な、何!?」
女「よ、よく聞け!!」
男「え!? は、はい!!」
男「え!? え!?」
女「す、すすす、す、すk、す、すすす!」
男「え? なに!?」
女「お、おとk、男が、そ、その、す、すすすす」
男「す!?」
女「す、す、好き、す、好きいいいい!!!!!」
男「……えぇぇぇぇぇ!? や、やったああああ!!!!!」バンザーイ
女「ぅあぅ…………くっ、テ、テメェェェェェェェェ!!!!!!」グッ
男「えぇぇぇぇぇぇなんでぇぇぇぇぇぇぇ!?」
友「むはっ!!」
うっかり男の胸倉を掴み手を出しそうになった女の頬は真っ赤だったとさ
終わり
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. / .::r'' '''tr‐-:: : 、: : :::,': : : : :.:,':.:.:.l 筋肉に自身のあるそこのアナタ!一緒にお仕事してみませんか?
/ ゙: ::'. :' : : :,:': : : : .:,::': :.:.:{ 壁を殴るだけの簡単なお仕事です!
二時間半で!!!
5時間お願いします
よかった。
さっぱり終わって僕満足
|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| 壁殴り代行会社は壁殴り代行サービスについて、
||冬季休業中| 予想を大きく上回る売れ行きと、スタッフ不足の為、
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| ::| お客様やお取引先様ならびに関係者の皆様に
_| ::|_ 多大なご迷惑をおかけしますことを、心より深くお詫び申し上げます
Entry ⇒ 2012.03.10 | Category ⇒ 男女「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
女面接官「どうぞ」 男「失礼します」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1310566384/
男「はい、私○○大学○○学部所属の男と申します」
女面接官「ありがとうございます。では早速面接の方に移りたいと思います」
男「はい」
女面接官「大学時代に打ち込んだものは何かありますか?」
男「はい、私は資格取得を目指し努力していました。その結果○○検定1級を取得することができました」
女面接官「そうですか。では、次の質問です」
男「はい」
女面接官「私に打ち込みたいものはありますか?」
男「すみません。もう一度お願いします」
男「……申し訳ありません。少し考えるお時間を頂けますか」
女面接官「分かりました。どうぞ」
男「……」
女面接官「……」
男「……」
女面接官「……」
男「……」
女面接官「……」
男「……ムチ、ですかね」
女面接官「わかりました。では次の質問です」
男「はい」
女面接官「あなたが我が社を希望した理由を教えて下さい」
男「はい。私が御社を希望した理由は、大学時代に取得した資格を存分に生かすことができると考えたからです」
女面接官「わかりました。では、重ねてお聞きします」
男「はい」
女面接官「あなたが我が社を希望した理由は、大学時代に得た能力を発揮できるという理由と、
私がいるという2つの理由ですか?」
男「すみません、もう一度お願いします」
女面接官「あなたが我が社を希望した理由は能力の発揮と私の存在ですか?」
男「……」
女面接官「……」
男「……いいえ」
女面接官「……」
男「……」
女面接官「……ですよね。では次の質問です」
男「はい」
女面接官「自己PRしていいですか?」
男「はい、私は……って、え?」
女面接官「自己PRしていいですか?」
男「えっ……? ……えっ?」
女面接官「え?」
男「え?」
女面接官「えっ!?」
男「……」
女面接官「……」
男「……ど、どうぞ」
女面接官「はい」
女面接官「私は、ご飯粒は残さず食べることを心がけています」
男「……は、はぁ」
女面接官「理由は、残さず食べないとお米の神様に怒られるからです」
男「……そ、そうなんですか」
女面接官「……」
男「……え!? お、終わりですか……?」
女面接官「は、箸もちゃんと持てますよ!?」
男「え? ……あ、いや……はい」
女面接官「……何か質問はありますか?」
男「えーっと……特にありません」
女面接官「それでは次の質問です」
男「あ、はい」
女面接官「あなたの長所は……」
男「はい、わたくs」
女面接官「まだ質問の途中ですよ?」
男「あ! も、申し訳ありません」
女面接官「いえ。では。……あなたの長所は、こんな私の相手をしてくれる優しい心を持っているところですが、
今度お食事でもご一緒にどうですか?」
男「え? デ、デートですか……?」
女面接官「そ、そそそんなっ! デートだなんて……」ポッ
男「いや、あのーですね……私はその……」
女面接官「ダメですか……?」
男「そ、その……節度をもった関係をですね……いやいや、えー……っと、なんだこれ。
教授の面接練習じゃこんなのなかったぞこれ、どうすりゃいいんだこれ」
女面接官「……ご飯を食した後の器の綺麗さには定評があります。
理由は綺麗に食べないとお米の神様n」
男「あ、いえ、それは先ほどお伺いさせていただきました」
女面接官「箸もちゃんと持てます」
男「は、はい。そちらも先ほど……」
女面接官「後は……後は……」
男「い、いえ、無理をなさらず!」
女面接官「す、好きな食べ物はチャーハンとハンバーグです。
料理は一応人並み程度には振舞えます。好きな音楽は北風小僧の寒太郎と……えっと、えと……」
男「あ、あの! あの! 落ち着いてください! 自己PRはもう終わりましたから! あの!」
女面接官「あ、そうでしたね。……すみません。私としたことが」
男「い、いえ……」
女面接官「では、質問に戻ります」
男「は、はい……」
女面接官「あなたの長所h」
男「はい! 私の長所は!」
女面接官「未だに呆れずに私の相手をしてくれる菩薩のような広い心を持っているところですが、
あなたから見た私の長所を教えて下さい」
男「努力すると! って……」
女面接会「時間制限は1時間です」
男「い、いえ……そんなに必要ありません……。絶対に」
女面接官「……」
男「……」
女面接官「……」
男「……お、お米を綺麗に食べることができるところ……ですかね」
女面接官「……」テレッ
男「……なんだこれ」
男「はい……」
女面接官「最近関心のあることはなんですか?」
男「は、はい! 最近は大きなニュースがたくさん取り上げられていますが、
その中でもやはり一層関心を引かれる出来事は○○です。というのも、この○○は私の得意分野に密接に関わることであり、
御社の業界にも多大な影響を与えております。なので私はこの出来事について自分なりに考え、意見を持つようにしています」
女面接官「わかりました、では、重ねて質問です」
男「はい」
女面接官「最近関心のある出来事は○○ということでしたが、あなたのその関心が少しでも私に向くことはありますか?」
男「……」
女面接官「……」チラッ
男「……」
女面接官「……」モジモジ
男「……申し訳ありません。少々お時間をいただけますか?」
女面接官「どうぞ」
女面接官「……」
男「……」
女面接官「……」
男「……」
女面接官「……」
男「……申し訳ありません。私の知識経験が未熟なため、その質問にお答えすることができません」
女面接官「わかりました……。では次の質問です」
男「はい」
女面接官「あなたの弱み、短所を教えて下さい」
男「はい。私の短所は、未知の経験に遭遇してしまうと、判断力が一時的に低下してしまうことだと今分かりました」
女面接官「そしてその判断力の低下を補うために私が存在しているということですが、それはどういう意味ですか?」
男「……えっ?」
女面接官「……なんだか、素敵じゃないですか?」
男「すみません。もう二度お願いします」
男「……」
女面接官「では次の質問です」
男(あ、流された……)
男「は、はい」
女面接官「あなたが我が社に入ってからやってみたいことはなんですか?」
男「はい、やはり自らの技能を生かした仕事をしてみたいです。具体的には~などです」
女面接官「わかりました。一つよろしいですか?」
男「はい?」
女面接官「私はあなたが我が社に入社したら一緒に映画を観てみたいです」
男「えっ?」
女面接官「では次の質問です」
男「えっ? えっ!?」
女面接官「あなたがこれまでに一番感動した瞬間はいつですか?」
男「はい。やはり努力が報われた瞬間である、資格試験に合格したときです。
私はこの資格取得において本当に多くのことを学びました。特に学べて良かったなと思うことは
努力の先に待っている喜びです。これを知ることにより、私はどんなことにも意欲が湧くようになりました」
女面接官「ありがとうございます。では重ねて質問です」
男「はい」
女面接官「私の一番の感動はあなたと深く関わっています。
率直にお聞きいたしますが、その時は来ると思いますか?」
男「……」
女面接官「……」
男「……0パーセントではないと思います」
女面接官「!!」
女面接官「り、りゆ、りゆ、理由は!?」
男「……はい。理由は、私が心の奥底で『おかしな面接だな』と思い、
その意義に疑問を持ちながらも何故かこの場から動くことができないからです」
女面接官「そ、それはつまり……?」
男「……私をこの空間に縛り付けている要素がこの空間のどこかにあるということです。
現段階では自分でもわからない部分が多いのですが、何かの心理的要因が働いているのは確かです。
それは緊張なのか、あなたの魅力なのか、義務なのか、私にはよく分かりません」
女面接官「……」ドキドキ
男「しかし、一つ不思議なことがあるのです」
女面接官「な、なんですか?」
男「私の深層心理に働き掛けるものはストレスなどの負の要素ではなく、
どこか心地の良い、じれったさのようなものを感じる正の要素だということが、
私の脳内でハッキリしているということです」
女面接官「……」
男「……」
女面接官「……」
男「……」
男「面接の途中ですが、こちらから一つ質問をさせていただいてもよろしいでしょうか」
女面接官「どうぞ」
男「この心地よさの正体はなんだと思いますか?」
女面接官「えっ?」
男「……」
女面接官「……」
男「……」
女面接官「……申し訳ありません。少し考えるお時間を頂けますか?」
男「どうぞ」
女面接官「……」
男「……」
女面接官「……考えた結果、私の頭に疑問が浮かんできました。
しかしその疑問を解決するには、あなたの協力が必要なのです」
男「はい、なんですか?」
女面接官「私の目を見てもらえますか?」
男「はい……?」ジッ
女面接官「……」ジッ
男「……」ジーッ
女面接官「……」
男「……」ジーッ
女面接官「……」ボンッ
男「……えっ」
女面接官「も、もも、もういいです、だいじょぶ、大丈夫です」ポッ
女面接官「……コホン。はい、あなたは自らに働いている心理的要因が義務からくるものなのか、
はたまた緊張か、私の魅力か、分からないと言っていました」
男「おっしゃる通りです」
女面接官「そこで私は疑問に思った訳です。それを調べる方法はないのか、と」
男「調べる方法……」
女面接官「はい。そして見つけ出したのです。『私と見つめ合う』ことがその答えだと」
男「……」
女面接官「いいですか? 私と見つめ合うことであなたの心理状況は次の内いずれかに変化したはずです。
1、緊張からくるストレス 2、魅力からくる高鳴り 3、義務感からくる利己的な探究心」
男「……」
女面接官「そこで重ねて質問です。今のあなたの心理状況は、1・2・3の内どれですか?」
男「自らの心理状況を具体的に説明することは容易ではありません」
女面接官「はい」
男「なので私の解答には若干の差異が発生している可能性も否めません。
それを踏まえていただいたうえでお答えするのであれば」
女面接官「はい、大丈夫です」
男「2です」
女面接官「!!」
私自身私の深層心理を理解できているわけではありません。
ただ、あなたの素直な瞳にあの短い時間の中で少し心動いたということは事実です」
女面接官「なるほど。よくわかりました」
男「ご期待に添えず申し訳ありません」
女面接官「!!」ドキッ
男「……あの、どうされました?」
女面接官「あ、あな、あなたは、私の『期待』を、り、理解しているのですか?」
男「……」
女面接官「……」
男「……」
女面接官「……」
男「……いや、そりゃそうでしょ」
女面接官「……ですよね。慌てて思考能力が一時的に低下してしまいました」
男「はい」
女面接官「これまでに直面した困難なことはなんですか? また、それをどう乗り越えましたか?」
男「はい。これまでに直面した困難なことはある企業での面接で、突然面接官にアプローチをかけられたことです。
私はその場において、あくまで面接官と入社希望者という立場を守っていましたが、
いっそのこと男女として向き合ってみようと開き直ってみた結果、予想外の結果を得ることができました」
女面接官「予想外の結果……とは、なんですか?」
男「先ほども申し上げた通り、じれったい心地よさです。私はこの困難を乗り越え、
よりリラックスした気持ちで面接官の方と話ができるようになりました」
女面接官「わかりました。では最後に何か質問はありますか?」
男「はい」
女面接官「どうぞ」
男「……お米が一粒も残らないお椀を見るにはどうしたらいいですか?」
女面接官「!!」
終わり
乙
乙
Entry ⇒ 2012.03.10 | Category ⇒ 男女「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
京子「リセット!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330255929/
京子「うえええん」
「どうして泣いてるの?」
京子「う、うう、みんなが、わたしにいじわるするの……」
「そっか……」
京子「うう、ひっく……」
「ともだちとか、いないの?」
京子「……うん」グスン
「ともだち、ほしい?」
京子「……」コクン
「じゃあ」
京子「……?」
「じゃあ、私が」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
京子「結衣~、手に何か書いてあるよ?」
結衣「ん?ああ、今日帰りに買おうと思ってた物なんだ」
結衣「こうして書いておけば、忘れないだろ?」
京子「なるほど!」
ちなつ「流石です!結衣先輩!」
あかり「結衣ちゃんはしっかりものだよねぇ」
京子「よし!わたしも結衣を見習って、忘れないように手に書いておこう!」カキカキ
結衣「なんて書いたの?」
京子「あかり」
あかり「んん!?」
ちなつ「あれ、あかりちゃん、居たんだ」
あかり「最初から居たよ!?」
千歳「お邪魔しますなあ」
京子「ありゃ、綾乃に千歳じゃん、どしたの?」
綾乃「と、歳納京子、またプリント忘れてるでしょ!」
京子「あ、ごめんごめん!明日出すから許してよぉ」
綾乃「だ、だめよ!これは今日まとめる必要があるプリントだから、すぐに出して!」
京子「ええー、わたし、プリント家に忘れてきちゃったんだけど……」
綾乃「し、仕方ないわね、予備を渡してあげるから、生徒会室まで来て頂戴!」
京子「ううう……じゃ、みんな、ちょっと行ってくるよ」
京子「いいっていいって、子供じゃないんだし」
結衣「……いや、子供だろ、ほらちょっとこっちおいで」
京子「え?」テコテコ
結衣「……」クイッ
京子「あ」
結衣「ん、これでちゃんとリボン真っ直ぐになったね」
京子「あ、ありがと、結衣///」
結衣「何時もの事だよ」ニコ
綾乃「……」
ちなつ「……」
あかり「……」
京子「おっじゃまっしまーす!」ドーン
綾乃「も、もう乱暴に開けないでっ」
綾乃「ほら、歳納京子、さっさとプリントを済ましてしまいなさい!」ピラッ
京子「はーい、椅子借りるね?」ガタゴト
千歳「あはは、歳納さん、ゆっくりしていってな?」
千歳「綾乃ちゃん、うちはちょっと外に出てるさかい……」ボソ
綾乃「え、ええっ、歳納京子と二人っきりにするつもり!?」ボソボソ
千歳「今日こそ、頑張ってな?」ボソ
綾乃「う、うう///」
千歳「ふふふ……」
綾乃「お、お疲れ様、歳納京子」
京子「ふー、じゃ、私は娯楽部に戻るよ」ガタッ
綾乃「ま、待ちなさい!」
京子「へ?」
綾乃「ちょ、ちょっと、休憩していきなさいよ、ほ、ほら、プリンもあるし」
京子「おお!くれるの!?」
綾乃「ええ、いいわよ、今日はプリン余ってるしね」
京子「あやの大好き!」
綾乃「///」
綾乃「そ、そう、それは良かったわ」
京子「しかし、綾乃も大変だよね、プリント忘れた子の為に部室まで一々出張するなんて」モグモグ
綾乃「べ、別にプリント忘れた子全員の所に行ってる訳じゃないわよ……」
京子「ん?」
綾乃「こんな事やってるの、歳納京子に対してだけ、よ///」
京子「あー……確かに……私、頻繁に忘れるからなあ……」
綾乃「……そういう、意味じゃなくて」
京子「え、じゃ、なんで?」
綾乃「……と、歳納京子に会いたいから、その、プリントを口実に、してる、だけよ……」ボソ
京子「へ?」
綾乃「///」
綾乃「だ、だから!」ドンッ
京子「……!」ドキッ
綾乃「と、歳納京子……」スッ
京子(う、うあ、綾乃の顔、近い……)
綾乃「わ、わたしは……」
京子「……」ドキドキ
綾乃「歳納京子のことが好きで……会いたいから、プリントを取りに行ってるのよっ///」
京子「……」
京子「え、えっ、ええっ、えええっ!?」
綾乃「///」カアーッ
綾乃「あのっ……歳納京子!」
京子「は、はいっ///」
綾乃「だ、だから、こ、恋人として、つ、つ、つ、つきあって……」
綾乃「くださいいいっ///」ペコー
京子「あ、あやの……」
綾乃「///」ペコー
京子(綾乃、凄く、真剣だ、ど、どうしよう……)
京子(わ、わたし、綾乃の事、嫌いじゃないし、寧ろ好きだし、けど)
京子(け、けど……)
綾乃「……!」
京子「い、一日だけ、考えさせてくれないかな」
綾乃「歳納京子……」
京子「私もいい加減な気持ちで返答とかしたくないし……明日の朝にはちゃんと返事するから」
京子「お、お願い!」
綾乃「ええ、も、勿論いいわよっ!」
京子「ありがと、綾乃……」ホッ
綾乃「……私のほうこそ、ありがと」
京子「え?」
綾乃「ちゃんと私の事を真剣に考えてくれて、嬉しかったから……」
京子「綾乃……」
綾乃「だから、歳納京子、変な気遣いとかは、あの、不要だから……」
京子「うん……」
京子(綾乃、本当に私の事を想ってくれてるんだな……ありがとう……)
京子(私も、ちゃんとその誠意に応えないと……)
京子「……」
結衣「……京子、どうしたの、さっきから何か沈んでるけど」
京子「え?」
結衣「綾乃に酷いこと言われた?」
京子「そ、そういう訳じゃないけど……」
結衣「京子、みずくさいよ?悩んでることがあったらちゃんと言ってよ」
京子「う、うん……」
京子(結衣、小さい頃から私の王子様だった、結衣)
京子(正直に言うと、凄く惹かれてる……)
京子(けど、結衣は私の事を、どう思ってるんだろ)
結衣「ん?」
京子「じ、実は、私、綾乃に告白されたんだ」
結衣「ふーん……」
京子「……」
結衣「……え」
京子「好きです、恋人になってくださいって」
結衣「……」
京子「けど、すぐに返事は出来なくて、明日の朝まで待ってもらうようにお願いした」
結衣「……そ、そっか」
結衣「ど、どうしようって?」
京子「私が決めなくちゃならない問題だって言うのは判る、けど、あの」チラッ
結衣「……」
京子「結衣の意見も、聞きたいかなって……」
結衣「私の、意見……」
京子「……」ドキドキ
結衣「……いいんじゃないかな」
京子「……え」
結衣「綾乃、良い子だしさ、京子と、きっとお似合いだよ」
京子「……ゆ、結衣」
京子「結衣は、結衣はそれでいいの?」
結衣「うん、私にとってもいい話だしね、ほら、京子のお守りをしなくてよくなるし」
京子「……!」
結衣「……」
京子「そ、そっか……」
結衣「うん……」
京子「……うん、わかった、参考になったよ、ありがと、結衣」
結衣「……うん」
結衣「……」
京子「……じゃ、私はこっちだから」
結衣「……京子、あの、私は」
京子「ばいばい、結衣」タッ
結衣「あ……」
京子(わたし、馬鹿だな、何勘違いしてたんだろ、恥ずかしい)
京子(けど、これで私の気持ちも決った、ありがとう、結衣……)
京子「綾乃!」
綾乃「と、歳納京子!?」
京子「あはは、そんなに驚かなくてもいいじゃん、綾乃」
綾乃「だ、だって、貴女の通学路はここから随分離れてるでしょ?」
京子「うん、綾乃に会いたくて、早起きしてこっちまで来たんだ」
綾乃「……え」
京子「……綾乃!」ガシッ
綾乃「は、はひっ!」
京子「き、昨日の告白の返事だけど……」
綾乃「え、ええっ……い、今、聞かせてくれるの?」
京子「うん、早い方がいいでしょ?」
京子「私も、私も綾乃の事が」
綾乃「あっ、ま、待ってってっ///」
京子「好き!」
綾乃「……!」ドキューン
京子「大好き!」
綾乃「……!!」ドキュンドキューン
京子「愛してる!」
綾乃「……!!!」ドゴーンッ
京子「だ、だから、あの、恋人になってくださいっ///」
綾乃「あっ、あっあっあっ///」
綾乃「だ、駄目なわけ、ないじゃないっ……」
京子「あやの……?」
綾乃「あ、ありがとう、歳納京子……」ウルッ
綾乃「私を、私を選んでくれて、ありがとう……」ヒック
京子「あ、綾乃、泣いてるの?」
綾乃「な、ないてなんて、ないわよぉ」グスン
京子「あやの……」キュン
京子「ごめんね、綾乃、泣かないで……」
綾乃「と、としのうきょうこ、としのうきょうこぉっ」ギュッ
京子「あやの……」ナデナデ
京子(綾乃、泣くくらい私のことが好きだったんだ……)
京子(凄く、綾乃の事が愛おしい)
京子(綾乃、私の事を好きになってくれて、ありがとう……)
京子「という訳で、綾乃と付き合うことになりました!」
ちなつ「お、おめでとうございます!京子先輩!」
あかり「京子ちゃん、幸せそうで良かったよぉ」ニコ
結衣「……おめでとう、京子」
京子「えへへ、照れますな///」
あかり「……けど、杉浦先輩、生徒会で忙しいだろうから、京子ちゃん寂しく無いかな?」
結衣「……そっか」
京子「という訳で、今からさっそく生徒会の手伝いに行こうと思います!」
京子「結衣、あとは宜しくね!」
結衣「……うん、任せてよ、京子」
あかり「行ってらっしゃい、京子ちゃん」
京子「綾乃~、書類整理終わったよ?」
綾乃「は、早いわね」
京子「だって、早く仕事終わらせれば、綾乃と遊ぶ時間が増えるじゃないですかっ♪」ダキッ
綾乃「も、もう、歳納京子、抱きついてこないで、みんな見てるじゃない///」テレテレ
千歳「……」ドロリ
向日葵「い、池田先輩から粘液状の鼻血がっ」
綾乃「千歳……」
千歳「歳納さん」
京子「ん?」
千歳「綾乃ちゃんを、幸せにしてあげてな?」
京子「……うん、私、大好きな綾乃をいっぱいいっぱい、幸せにしてあげる!」ニコ
綾乃「も、もうっ///」
千歳「……うん」ニコ
~娯楽部~
京子「それでさ、綾乃ったらラムレーズンを生徒会の冷蔵庫いっぱいに用意してくれてさ」
ちなつ「す、杉浦先輩、尽くしすぎです……」
あかり「あはは、京子ちゃん、良かったねぇ」
結衣「……」
京子「結衣、聞いてる?」
結衣「……え、あ、うん」
京子「うーん、結衣、何か顔色悪くない?」
結衣「……そんな事無いよ」
京子「ちなつちゃん、結衣どうしちゃったの?」
ちなつ「わ、判りません、最近ずっと、調子が悪いみたいで……」
あかり「……」
京子「もー、結衣、一人だと自堕落になっちゃうのかなあ」
京子「よし、今日は久しぶりに結衣の家に泊まりに行って生活環境を改善してあげよう!」
結衣「……いや、いいよ」
京子「遠慮しなくていいって、結衣~」
結衣「……いいって言ってるだろ」
ちなつ「あ、いいですね、結衣先輩の家にお泊り!」
あかり「うわあ、お泊り会、久しぶりだねえ」
結衣「いらないって言ってるだろ!」ガンッ
京子「……!」ビクッ
ちなつ「……!」ビクッ
あかり「……」
結衣「……あ、ごめん……」
ちなつ「……」
あかり「……」
京子「……」
結衣「あの、さ、ちなつちゃんと、あかりは、泊まりに来てもいいよ」
ちなつ「え……」
京子「……え」
あかり「……結衣ちゃん、京子ちゃんは?」
結衣「……京子は、駄目」
京子「な、なんで、結衣、何でそんないじわる、言うの?」ウルッ
京子「う、うん、けど」
結衣「なら、他の女の子の家に泊まったりなんかしちゃ、駄目だ」
京子「え、え、ど、どういう意味?」
結衣「綾乃が私と京子の関係を誤解したら可愛そうだろ、そういうの、よく無いと私は思う」
京子「結衣……」
ちなつ「結衣先輩……」
あかり「……」
結衣「……!」
京子「そ、そうすればさ、綾乃も別に気にしないと思うし、ね、そうしよう」
結衣「……やめて」
京子「今から携帯で綾乃に確認を」ピッ
結衣「……」ガッ
京子「ゆ、結衣、何するの!携帯返して!」
結衣「……」バキッ
京子「結衣!?」
ガシッバキッ
結衣「はぁ……はぁ……」
京子「ゆ、結衣、酷いよ、私の携帯を壊すなんて……」プルプル
結衣「……京子のほうが、酷いよ」
京子「え……」
結衣「な、なんで、私に構うの?」
京子「ゆ、結衣?」
結衣「わたし、わたし我慢しようとしてるのに、どうして、どうして京子の方から構って来るんだよ!」ウルッ
京子「結衣、な、泣いてるの?」
結衣「わ、私の気持ちも知らないで!」グスン
京子「結衣、あの、わたし、何か悪いこと……」ビクビク
結衣「京子の事なんて、大嫌いだ!」
京子「……!」
結衣「……!」ビクッ
京子「ひ、ひどいよ、ゆい、ひどいよぉ」グスン
結衣「あ、ああ……」ジリッ
京子「ゆいに、そんなこと言われるなんて……ううっ」ヒック
結衣「きょ、きょうこ、あの、ごめ……」
京子「わ、わたしだって、わたしだって」グスン
結衣「やめ、やめて……言わないで……」
京子「わたしだって、ゆいのこと!」ヒックヒック
京子「だいっきらい!」
結衣「……は、はは」
結衣「あはははははははははははははははは」
ちなつ「ゆ、結衣先輩……」
あかり「……」
結衣「そう、そうだよね、京子は私のことが嫌いなんだよね」
結衣「だから私より綾乃の事を選んだんだろ」
京子「な、なに言ってるの、結衣」グスン
結衣「し、知ってたくせに」
京子「え……」
結衣「私が京子の事好きだって、知ってたくせに!」
京子「……!」
ちなつ「結衣先輩!」
あかり「結衣ちゃん!」
京子「……ゆ、結衣が、私の事を……?」
あかり「京子ちゃん……」
ちなつ「わ、わたし、結衣先輩を探しに行って来ます!」タッ
あかり「……」
京子「私、結衣に聞いたもん、そしたら応援してくれるって……」
あかり「……京子ちゃん」
京子「あ、あかり……」
あかり「……京子ちゃんは、どうしたい?」
京子「わ、私は、私は……」
あかり「あかりは、あかりは京子ちゃんの味方だから」
あかり「だから、聞かせて、京子ちゃんが望むことを」
京子「結衣と、仲直りしたいよ、このままなんて、嫌だよぉ……」ウルッ
あかり「そっか……」
京子「ううっ、ひっく……」グスン
あかり「じゃあ」
京子「……?」
あかり「じゃあ、私が」
あかり「結衣ちゃんを探すの手伝ってあげる」ニコ
京子「ゆ、結衣!」
結衣「……京子、良くここが分かったね」
京子「あ、あかりが教えてくれたんだ、きっとここにいるだろうって」
結衣「……そっか」
京子「あ、あの、結衣、私謝らないといけないことが……」
結衣「……うん、聞くよ、京子」
京子「……ごめん、私、結衣の気持ちをちゃんと考えてなかった」
京子「自分の事しか、考えてなかった」
京子「結衣が私の事を好きで、ずっと我慢してくれてるなんて、思ってなかった……」
結衣「……」
京子「ご、ごめんなさい!」
結衣「……」クスッ
結衣「京子は、優しいなあ……」
京子「そ、そんな事無いよ、結衣の気持ちに気づいてあげられなかったんだし……」
結衣「いや、京子は優しいよ」
京子「結衣……」
結衣「好きでも無い私の為に、そんなに必死になってくれるんだもん」
京子「結衣、それは違うよ!」
結衣「……何が違うの?」
京子「わ、私は、あの、結衣のことが、好きだよ!」
結衣「それは、どういう意味で好きなの?」
京子「ど、どういう意味って……」
結衣「幼馴染とか、友達とか、そういうレベルじゃなくて」
結衣「抱きしめてえっちな事をしたいって思うほど、好きなんだよ」
京子「ゆ、結衣……」
結衣「京子が言う『好き』は、私のこの気持ちに応えてくれるの?」
京子「……!」
結衣「……」
京子「……ご、ごめん」
京子「……」
結衣「……ふふふ」
京子「ゆ、結衣?」
結衣「……判ってたよ、京子」
結衣「綾乃と結ばれた京子は、絶対に私を選ばないだろうなって」
京子「結衣……ごめん」
結衣「……謝る必要は無いのに、やっぱり京子は優しいね」ニコ
京子「結衣?」
結衣「だから、耐え切れなくなった私が壊れちゃう前に」
結衣「壊れた私が、京子を傷つけてしまう前に」
京子「結衣、だ、だめ」
結衣「……終わらせちゃうね」
京子「……結衣、駄目だよ、柵の外に出たら」
京子「あぶないよ……」
おい
結衣「京子……」フワッ
結衣「幸せになってね」ニコリ
グシャッ
京子「……あ」
京子「う、うそ、うそだ、こ、こんなの」
京子「結衣が……飛び降りるなんて」
京子「こんなの、夢に決まってる……そうに決って……」
京子「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
幸せになんてなれるはずがない
あれはきっと
結衣の復讐だったんだ
結衣の気持ちを判ってあげられなかった
私への復讐
京子「うえええん」
「どうして泣いてるの?」
京子「う、うう、ゆいが、ゆいがしんじゃったの……」
「そっか……」
京子「うう、ひっく……」
「ゆいちゃんのこと、好き?」
京子「……うん」グスン
「また、ゆいちゃんと仲良くしたい?」
京子「……」コクン
「じゃあ」
京子「……?」
「じゃあ、私が」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
京子「結衣~、手に何か書いてあるよ?」
結衣「ん?ああ、今日帰りに買おうと思ってた物なんだ」
結衣「こうして書いておけば、忘れないだろ?」
京子「なるほど!」
ちなつ「流石です!結衣先輩!」
あかり「結衣ちゃんはしっかりものだよねぇ」
京子「よし!わたしも結衣を見習って、忘れないように手に書いておこう!」カキカキ
結衣「なんて書いたの?」
京子「あかり」
あかり「んん!?」
ちなつ「あれ、赤座さん、居たんだ」
あかり「最初から居たよ!?」
千歳「……おじゃましますな」
京子「ありゃ、千鶴に千歳じゃん、どったの」
千鶴「お前、またプリント出し忘れてるだろ」アイアンクロー
京子「い、痛い!痛いって千鶴!」
千鶴「はーやーくーだーせー」グイグイ
結衣「ま、まあまあ、千鶴、落ち着いて……」
ちなつ「千鶴先輩も何時も大変ですよね」
千鶴「まあ、私は生徒会副会長だから、こういうのも仕事のうち」
京子「うう、顔に手形がついた……」
千鶴「ほら、プリント持ってきてやったから、早く書け」
京子「はーい」
千歳「……え、ああ、確か赤座さんやったかな……なんやろ」
あかり「いえ、何か元気がないかなって」
京子「ほへ、千歳、どうかしたの?」
千鶴「お前はプリントを早く終わらせろ」
京子「えー、けど千歳の事も心配じゃん」
千鶴「た、確かに姉さんの事は大切なことだけど……」
千歳「あはは、ごめんな、心配かけさせて……」
京子「ん?」
千歳「な、なんか、忘れてへん?」
京子「え、他にもプリントってあったっけ」
千歳「い、いや、プリントとちごて」
京子「他に忘れてること……?」
京子「うーん……わかんないや」
千歳「そ、そんな訳無いやろ、歳納さん」
京子「千歳?」
京子「ち、千歳、どうしたの、落ち着いて」
千歳「な、なんでなん!?なんでみんな、あの子の事、忘れてしもうてるん!?」
結衣「あ、あの子って?」
千鶴「姉さん、落ち着いて……」
千歳「う、うち、うちも名前覚えてへんけど、確かに、確かにいたんや……」ウルッ
千歳「うちの、大切な友達で、何時も頑張り屋さんで、歳納さんのことが大好きな……」ヒック
京子「わ、私のことが?」
千歳「た、確かに、確かに居たはずなんや、なんで、なんで……居なかったことに……」グスン
あかり「千歳先輩……」
千鶴「姉さん、落ち着いて、姉さん!」
京子「ち、千歳?」
千歳「いやや!!やめ、やめて!」ガクガク
結衣「ち、千鶴、保健室、保健室連れて行こう!」ガシッ
千鶴「ね、姉さん、大丈夫、私がついてるから、ね?」ガシッ
千歳「忘れとう、ない、うちの、うちの友達なんや、大切な、忘れ……と、ない……」
京子「千歳……」
あかり「……」
結衣「京子、本当にいくの?」
京子「うん……入院しちゃったとは言っても、私と千歳は友達だったし」
結衣「けど、心の病気だから、あんまり人に会わないほうがいいかもって千鶴が言ってたし……」
京子「それでも、それでも会いたいんだよ、結衣」
結衣「……ん、判った」
千鶴「来てくれて、ありがとう、歳納、船見さん……」
千鶴「今なら、落ち着いてるから、面会しても問題ないと思う……」
京子「ありがとう、千鶴……」
京子(千鶴も、凄くやつれちゃってるな……)
結衣「ほら、京子、行こう?」
京子「う、うん」
京子「ち、千歳?お見舞いに来たんだけど」
千歳「あ、歳納さんや、ほら、歳納さん来てくれはったよ」ブツブツ
結衣「ち、千歳、誰と話してるの?」
千歳「良かったなあ、ほんま、良かったなあ」ブツブツ
京子「千歳……」
千歳「ほら、照れてんと、ちゃんと歳納さんに挨拶してあげなあかんよ」ブツブツ
結衣「……千歳、やめてよ、そこには誰も居ないじゃないか」
京子「結衣!」
千歳「何言うてるん、船見さん」キョトン
結衣「……」ゾクッ
京子「ち、千歳」
千歳「あやのちゃん、ちゃんとここに居てるやん」
京子「あや、の……」
千歳「ほら、あやのちゃん、照れてへんと、歳納さんの前に出てきてあげて」ブツブツ
京子「あ……や……の」
結衣「京子、駄目、千歳の言葉を聴いちゃ駄目、あ、頭がおかしくなる」
結衣「ほら、もう帰ろう、やっぱり来ちゃいけなかったんだよ!」グイッ
京子「う、うん……」
千歳「ふふふ、あやのちゃんは、ほんま、照れ屋さんなんやから……」ブツブツ
バタンッ
結衣「う、うん、私たちの言葉、届かなかったみたい……ごめん……」
千鶴「そ、そうか……」
結衣「さ、京子、もう帰ろう」
京子「う、うん」
京子「アヤノ」ブツブツ
京子「あやの」ブツブツ
京子「……」
京子「綾乃……」
『ちゃんと私の事を真剣に考えてくれて、嬉しかったから……』
『わ、わたし、どんな返事されても、それを受け入れるわ』
京子「あ、あ、あ、綾乃、綾乃!」
結衣「きょ、京子?」
京子「そ、そうだよ、私、どうして綾乃の事、忘れて……!」
結衣「京子、駄目だ、千歳の妄想に囚われちゃ駄目だ!」
京子「ゆ、結衣、けど、わたし、わたし綾乃の事覚えて……!」
結衣「頼む、京子、お願いだからおかしくならないで、わたし、わたし」
結衣「大好きな京子がおかしくなるのなんて、嫌だよ!」ウルッ
京子「結衣……」
京子「あ、あれ、さっきまで頭に浮かんでた誰かの記憶が、どんどん薄く……」
結衣「きょ、京子?」グスン
京子「え、結衣、なんで泣いてるのさ」
結衣「よ、良かった、元に戻ってくれて、良かったよお」ギュッ
京子「ちょ、結衣、こんな所でやめてよっ///」
結衣「京子、京子ぉっ」ギューッ
京子「結衣……何か心配かけさせちゃったのかな……ごめんね」
京子「結衣?」
結衣「好き、なんだ……」
京子「え、あ、あの、それって///」
結衣「幼馴染とか、友達とか、そういうレベルじゃなくて」
結衣「きょ、京子の事を、一人の女の子として好きなんだよ」
結衣「ずっと大切に抱きしめていたいって思うほど、好きなんだよ」
京子「///」
京子「あ、あの、私は、私は……」
千鶴「……歳納」
京子「う、うあ!?」
結衣「ち、千鶴、居たの!?」
千鶴「……」
京子「え、あ、あの、千鶴?」
千鶴「姉さんが」
京子「ち、ちとせが、どうかしたの?」
千鶴「自殺した」
「わすれたくない」
「わすれるな」
それが千歳が残した言葉
それは多分
名前も覚えていないあの子を忘れて幸せになろうとした私への
復讐の言葉なのだろう
京子「うえええん」
「どうして泣いてるの?」
京子「う、うう、ちとせが、わたしにひどいことを言うの……」
「そっか……」
京子「うう、ひっく……」
「ひどいこと、言われたくない?」
京子「……うん」グスン
「じゃあ」
京子「……?」
「じゃあ、私が」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
京子「結衣~、手に何か書いてあるよ?」
結衣「ん?ああ、今日帰りに買おうと思ってた物なんだ」
結衣「こうして書いておけば、忘れないだろ?」
京子「なるほど!」
ちなつ「流石です!結衣先輩!」
京子「よし!わたしも結衣を見習って、忘れないように手に書いておこう!」カキカキ
結衣「なんて書いたの?」
京子「あかり」
ちなつ「あかりって……ああ、赤座さんの事ですか?」
京子「うん、あかりも娯楽部部員なんだよ」
結衣「一応、私と京子の幼馴染なんだけど、めったに顔見ないなあ」
京子「最近、学校にも来て無いみたいだし……ちょっと心配だよ……」
京子「え、あ、忘れてた……けど、まあ明日でいいんじゃない?今日はこれからあかりの家に行こうよ!」
結衣「だーめ、ほら、コピーとっといてあげたから、ちゃんと書いて生徒会に提出してきな」
京子「はーい」ムスー
ちなつ「何か、結衣先輩って、京子先輩のお姉さんみたいですね」
結衣「まあなあ、小さい頃から一人でこいつの面倒見てたし、確かに姉妹みたいな感じなのかも」
京子「私のほうが先に生まれたから私のほうが姉だよね?」
結衣「それでもいいから、早くプリント書きなよ、京子お姉ちゃん?」
京子「///」
結衣「お、お前、何赤くなってるの///」
京子「だ、だって結衣が突然お姉ちゃんとか言い出すし///」
ちなつ「……」ムスー
結衣「ち、ちなつちゃん、そんな狭い所に割り込んでこなくてもっ」
京子「ちなつちゃん、私とひっつきたくて来てくれたんだよね~♪」
ちなつ「違いますけど?」
京子「ちなつちゃん冷たいっ」
結衣「あはは……けど、双子なんて見たこと無いよね、実際は」
京子「あー、確かに見たこと無いね、一度は会ってみたいかも!」
結衣「ん、じゃあ一緒に生徒会室へ届けに行こうか」
京子「いや、私一人で行けるって、子供じゃないんだし」
結衣「……いや、子供だろ、ほらちょっとこっちおいで」
京子「え?」テコテコ
結衣「……」クイッ
京子「あ」
結衣「ん、これでちゃんとリボン真っ直ぐになったね」
京子「あ、ありがと、結衣///」
結衣「何時もの事だよ」ニコ
ちなつ「……」ムスー
結衣「いや、校門のところで待ってるよ」
京子「ありがと、結衣にゃん!」
結衣「寄り道せずに戻って来いよ~」
京子「生徒会に知り合いとか居ないから、寄り道なんてしようがないですよーだ」
ちなつ「……」
京子「はー、生徒会室に入るの、緊張するなあ……」
京子「スーーハーー」
コンッコンッ
京子「お、お邪魔しまーす、プリント届けに……」ガラッ
『ほら、歳納京子、さっさとプリントを済ましてしまいなさい!』
『あはは、歳納さん、ゆっくりしていってな?」
京子「……え」
京子(え、今の声、なんだったんだろ……あ、名前と用件言わないと)
京子「……あ、ご、ごめん、私、2-5の歳納京子です、プリント届けに来ました」
向日葵「歳納先輩、申し訳ありません、わざわざ届けていただいて」
京子「う、うん……いいけど、あの」
向日葵「?」
京子「生徒会って、三人だけだっけ?」
向日葵「ええ、二年の方は誰もいらっしゃらなくて……正直、ちょっと苦労しています」クスッ
向日葵「いえいえ、これも生徒会副会長として当然の勤めですから」ニコ
櫻子「……」イラッ
向日葵「ふくかいちょーとして、当然の」チラッ
櫻子「何度も同じ事いうな!馬鹿向日葵!」ブンッ
向日葵「いたっ……ペン投げないでちょうだい、櫻子!」
京子「……」クスッ
京子「いや、いいよ、じゃ、私は部活に戻るね」ニコ
向日葵「はい、また何かありましたら、生徒会副会長のこの向日葵に」
京子「うん、ありがとうね、向日葵ちゃん」
京子「では、失礼しました……」
パタン
京子(生徒会って固いイメージしかなかったけど、わりと緩い感じの組織なんだなあ)
京子「また機会があれば遊びに行こうっと!」
京子「さて、結衣が待ってるから急がないと……」タッタッタッ
京子「あ、ちなつちゃんと結衣、居た居た」
京子(あ、あれ、二人とも、寄り添って……)
京子(……え、き、キス、してる?)
結衣「……あ、きょ、京子///」
ちなつ「……」
京子「あ、あはは、ご、ごめん、何か、邪魔しちゃったか……な……」ジリッ
結衣「ち、違うんだ、京子、話を聞いてっ!」
ちなつ「違わないですよ、京子先輩、ご想像の通りです」
京子「ち、ちなつ、ちゃん」
ちなつ「私と結衣先輩は、そういう関係ですから、京子先輩は……」
結衣「……!」
パチンッ
京子「……!」
ちなつ「……あ」ポカン
結衣「ちなつちゃん、そういう悪い冗談は止めて」
京子「ゆ、結衣が、ちなつちゃんを……」
ちなつ「ぶ、ぶった、結衣先輩が、結衣先輩が、私を……」ウルッ
結衣「京子、違うんだ、さっきのキスはちなつちゃんが無理やり……」
京子「え……」
ちなつ「う、うわああああああああああああああん!」タッタッタッ
京子「あ、ち、ちなつちゃん!」
結衣「……」
結衣「さっき、ちなつちゃんに抱きつかれて、その、告白されたんだ」
京子「え……」
結衣「……」
京子「そ、それで、あの、結衣はなんて応えたの……?」
結衣「……ちなつちゃんの想いに応えることはできないって」
京子「ど、どうして!?結衣だって、ちなつちゃんの事はかわいいって言ってたじゃん!」
結衣「あれは、後輩として可愛いって意味だよ、けど、ちなつちゃんはそれでは満足できないって」
結衣「そ、そしたら、突然、あの、キスされて……」
結衣「そ、それは!きょ、京子の前で、変な嘘つくから、つい……」
京子「う、うん、確かに嘘はよくないけど、ちゃんと口で言ってあげれば……」
結衣「……嘘が問題なんじゃなくて、京子の前でってのが、嫌だったんだよ」ボソ
京子「へ?」
結衣「だ、だって、京子に勘違いされたら、わたし、わたし……」
京子「ゆ、結衣?」
結衣「……京子」ガシッ
京子「ふえ///」
京子「あ、あの、結衣?」
結衣「わ、私は、京子の事が、好きなんだ、子供の頃から、ずっと」
京子「……!」
結衣「京子以外の子とは結ばれるつもりは無いし、京子が他の子と結ばれるのも、嫌なんだ!」
京子「ゆ、ゆい///」
結衣「だ、だから、お願い、わ、私と、つ、付き合って///」
結衣「……ちなつちゃんの事は、私が対処しておくから、京子が気に病む事じゃないよ」
京子「け、けど……」
結衣「……大丈夫、さっきはぶっちゃったけど、今度はちゃんと話するから……」
京子「……」
結衣「い、今すぐ返事を聞かせてくれなくてもいいから、さ」
京子「う、うん……」
結衣「……」
京子「……」
結衣「京子、あの、今日は……」
京子「あ、ご、ごめん、今日は一人で家に帰るよ……」
結衣「そ、そっか……」
京子(結衣が、私の事を好きで、ちなつちゃんは結衣の事が好き……)
京子(私が結衣を受け入れれば、ちなつちゃんが悲しんじゃう……)
京子(私、2人とも悲しませたくないよ……)
京子(どうしよう……どうしたら、いいのかな……)
京子「……あ」
ちなつ「……」
京子「ちなつ、ちゃん」
京子「え、あ、うん……嘘は、いけないよね」
ちなつ「……はい、嘘は、いけないと思います」
京子「……うん」
ちなつ「……」
京子「……」
ちなつ「京子先輩、結衣先輩に告白されたんですよね?」
京子「……え、ど、どうしてそれを」
ちなつ「私を見て、眼を逸らしましたし……」
京子(流石にちなつちゃん、勘が鋭いな……)
京子「……うん、私、結衣に告白されたよ」
京子「わ、わたしは、その……」
ちなつ「嘘は、いけませんよね、京子先輩」
京子「え……?」
ちなつ「京子先輩は、結衣先輩の事を、多分、好きじゃないと思います」
京子「え、そ、そんな事無いよ、結衣の事は、その」
ちなつ「姉妹として、友達として、幼馴染として、好きなんじゃないですか?」
京子「……!」ドキッ
京子(そ、そうなのかも、だって、結衣は私の姉妹みたいなもので、幼馴染で、友達で)
京子(け、けど、結衣は私の王子様だって、小さい頃からずっと思ってて……)
京子「……!」ビクッ
ちなつ「結衣先輩の事を、愛していないのに、安全牌として確保してる……卑怯ですよ」
京子「わ、私は……そんなつもりは……」
ちなつ「じゃあ、正直に、嘘をつかずに言ってください」
ちなつ「結衣先輩の事を、どう思ってるのかを」
京子「わ、私は、私は……」
『京子が言う『好き』は、私のこの気持ちに応えてくれるの?』
『……ご、ごめん』
京子(私、本当にそうなのかな、本当に、結衣のこと、好きじゃないのかな……)
ちなつ「……応えられないんですね」
京子「あ……」
ちなつ「私は、即答できます、結衣先輩のことが好き、大好き」
ちなつ「恋人になりたいんです」
京子「……」
ちなつ「京子先輩、悩むくらいなら邪魔しないでください、お願いします……」
京子「……う、ん」
京子(な、なに、返事してるの、私)
京子(駄目だよ、ちなつちゃんに結衣を取られちゃうよ)
京子(……取られちゃうって、何)
京子(結衣は物じゃないんだから、そんな考え方するのはおかしいよね)
京子(じゃあ、じゃあわたし、やっぱり、結衣の事、その程度にしか考えてなかったんじゃ……)
京子「あ、あかり……」
あかり「どうしたの、こんな所に一人で」
京子「あ……」
京子(ちなつちゃん、何時の間にか居なくなってる……)
京子(何も応えられない私に飽きれて、家に帰っちゃったのかな……)
あかり「……京子ちゃん?」
京子「あ、うん、なんでもないよ、あかり」ニコ
京子(……何の関係も無いあかりを不安にさせちゃ駄目だよね)
あかり「……うん、あかり、もう学校には行かない事になってるから」
京子「……え?」
あかり「……ちょっと家庭の事情でね、しばらく休学する事にしたの」
京子「え、ええー!な、何でそんな大切なこと、言ってくれなかったの!」
あかり「あはは、ごめんね、京子ちゃん」
京子「最近、娯楽部にも来ないし、心配してたのに!」
あかり「……あかりの事、心配してくれてたの?」
京子「うん、当たり前だよ、幼馴染で友達なんだし」
あかり「……そっかぁ……嬉しいなあ」ニコ
京子「ん……?」
あかり「あのね、あのね、あかり、京子ちゃんが、だーいすき!」
京子「あかり……」
あかり「もし京子ちゃんが何か悪いことをしてたとしても、あかりは絶対それを否定しないから」
あかり「だから、京子ちゃん、何があって、どうしたいのか、あかりに言ってみて?」
京子「べ、別に何もないよ、何時も通りの可愛い京子ちゃんだろ?」
あかり「……うん、京子ちゃんは可愛いねえ」ニコ
京子「よ、よせやい///」
あかり「けど、何時も通りって言うのは嘘」
京子「……!」
あかり「京子ちゃんに何か辛い事があったんだってことくらい、判るよ」
京子「……」
あかり「あかりじゃ、頼りにならないかもしれないけど……話を聞いてあげる事くらいならできると思うから」
あかり「ね?京子ちゃん」
京子「あか……り……」
京子「わ、わたし、わたしっ……」ウルッ
あかり「……京子ちゃん、泣かないで」ナデナデ
あかり「そっか……結衣ちゃんとちなつちゃんが……」
京子「わ、わたし、どうしたらいいのか、判らなくて」ヒック
あかり「うん……」ナデナデ
京子「結衣も、ちなつちゃんも傷つけたくないよ……」グスン
あかり「京子ちゃんは優しいね……」ナデナデ
京子「……や、やさしくないよ、これは……」
京子「ただ、我儘なだけ……」
あかり「うん……けど、あかりは、京子ちゃんのそういう所が好きだから……」
京子「あかり……私、どうしたらいいのかな……」
京子「う……」
あかり「けどね、京子ちゃん」
京子「……?」
あかり「あかりは、京子ちゃんがどんな選択をしても、京子ちゃんの味方だから」
京子「あかり……」
あかり「だから、京子ちゃんの思うとおり、やってみて?」
京子「わ、私の思うとおり……」
京子(けど、どうしてだろう、結衣を拒絶してしまった記憶が少し残ってる)
京子(こんな私と一緒になっても、結衣は幸せになれないんじゃないかな……)
京子(けど、結衣を無条件に愛してあげられるちなつちゃんなら)
京子(ちなつちゃんなら、結衣を幸せにしてあげられるんじゃ)
京子(なら、私は、私は……)
京子「あ、あかり……」
あかり「ん?」
京子「……私、決めたよ」
あかり「そっか……」
あかり「頑張って、京子ちゃん」ニコ
結衣「京子!」タッタッタッ
京子「結衣、おはよう、ごめんね、朝から呼び出して」
結衣「い、いや、いいけどさ……どうかしたの?」
京子「え……?」
結衣「ちょっと顔色悪いからさ……」
京子「……何でも無いよ、ちょっと寝不足なだけ」
結衣「そっか……」
結衣「ん?」
京子「昨日の、告白の事なんだけど……」
結衣「……うん」
京子「あ、あれの返事、今するね……」
結衣「あ……う、うん」ドキドキ
京子「スーーハーー」
結衣「……」ドキドキドキ
京子「ごめん、結衣とは恋人にはなれない」
結衣「……え?」
京子「結衣の事は、あの、友達としてしか、見れないみたい……ご、ごめん」
結衣「……」
京子「……」
結衣「……あははは」
京子「……結衣?」
結衣「あのさ、京子、その冗談はちょっとキツいよ……」
京子「……」
結衣「きょ、京子、私の事、好きだろ?」
京子「うん」
結衣「ほ、ほら、だったら……!」
京子「友達として、好き」
結衣「……」
京子「嘘じゃないよ、結衣」
結衣「う、嘘だよ、だって、私、京子の事なら何でもわかるよ?」
結衣「京子が私と一緒に寝るときにどれだけドキドキしてたかも、知ってるんだから!」
結衣「ちゃ、ちゃんと鼓動が、私に伝わってたんだからな!」
京子「……結衣」
結衣「な、なに?」
京子「それは、私の鼓動が伝わってたんじゃなくて……結衣の鼓動が自分の身体に響いてただけだよ」
結衣「……そんな事、ない」
京子「そうだって」
結衣「そんなことない!」
京子「……!」
結衣「そ、そうなのか?だったら、ちなつちゃんを問い詰めて……!」
京子「違うよ、結衣、これは私が自分で考えた結論」
京子「結衣にとって都合が悪い結論だからって、ちなつちゃんに罪を押しつけるのは止めてあげて」
結衣「きょ、きょうこ……」
京子「……恋人にはなれないけど、あの、友達ではあるからさ」
京子「これまで通りの関係を続ける……って言うのは、ど、どうかな?」
結衣「……」
京子「結衣……?」
結衣「……」フラッ
結衣「……」フラッフラッ
京子(……ちなつちゃん、あとは、宜しくね)
京子(ゆいを、ゆいを支えてあげてね……)
京子「……さて、私も学校に行こうっと」
京子「学校行って、結衣がいる教室で授業を受けて」
京子「結衣がいる娯楽部で放課後を過ごして」
京子「結衣と下校して」
京子「それで……それで……」ウルッ
京子「そんな日常は、もう戻ってこないんだよね……私は、そういう道を選んだんだから……」
~2-5教室~
京子「……」ジー
ユイセンパイ、ハヤクー
……ワカッタカラ、ヒッパラナイデ
京子(ちなつちゃん、凄いパワーだな、結衣を引っ張ってる)
京子(結衣も、渋々ながら、楽しそうにしてるじゃん)
京子(もしかしたら、遠くない未来……)
京子(こんな事もあったなーって、結衣と笑いあって話せる日が、また来るかも)
京子(そうしたら、ちなつちゃんともまた親しくしてもらえて)
京子(あかりも呼んで、娯楽部で皆集まって過ごして)
京子(結衣の家にお泊りしたり)
京子(そういう事が出来るようになる日が来るかも……)
京子(そう考えると、少し楽しいな)
京子「……よし、帰ろう」
京子「余は満足じゃ」
京子「ただーいまー……」
京子「……ん、何か荷物来てる」
京子「……なんだろね、これ、差出人は……ゆ、結衣!?」ドキッ
京子(結衣から、に、荷物?何だろ)ドキドキ
京子(というか、何ドキドキしてるの、まだ結衣に未練あるのか私はっ)
京子「な、何が入ってるんだろ」ガサガサ
京子「……結衣の家に置いたままになってた、ハブラシ」
京子「お茶碗……カップ、バスタオル、下着、シャツ」
京子「……全部、全部、私のだ」
京子「……」
京子「そっか、私が結衣の家に行く事は、もう無いんだから」
京子「返されて当然だよ、ね」
京子「……」ゴソッ
京子「ふふ、懐かしいな、このハブラシ……カップ……」
京子「私と結衣の思い出が詰まった、色々な雑用品……」
京子「返されちゃった……」
京子「……」ズキッ
京子(あ、あれ……)
京子(いやだ、結衣、いやだよ、こ、こんな、何で、私と結衣の思い出なのに……)ズキッズキッ
京子(そ、そっか……)ズキッズキッ
京子(そんな物、もう結衣には必要ないんだね……)ズキッズキッ
京子(結衣にとって私はもう、本当に、要らない存在になっちゃったんだ)バキッ
京子「……あ」ガク
京子(だ……めだ……何かが、私の中で、何かが)
京子(折れた)
京子(もう……学校も、行かない)
京子(外にも、出ない)
京子(何も、見ない)
京子(何も、信じない)
京子(何も……何も……)
京子(何も望まない)
京子(もういいよ……)
京子(もういい……)
京子(もう……)
こうして、私は心を閉ざした
誰の声も受け入れず
部屋の中でずっと過ごした
何年か経って
結衣達が無事卒業したという話を聞いたこともあったが
私の心は何も動かなかった
京子「うえええん」
「どうして泣いてるの?」
京子「わたし、ひとりはいやなの、さびしいのは、いやなの……」
「そっか……」
京子「うう、ひっく……」
「じゃあ」
京子「……?」
「じゃあ、私が」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
京子「結衣~、手に何か書いてあるよ?」
結衣「ん?ああ、今日帰りに買おうと思ってた物なんだ」
結衣「こうして書いておけば、忘れないだろ?」
京子「なるほど!」
京子「よし!わたしも結衣を見習って、忘れないように手に書いておこう!」カキカキ
結衣「なんて書いたの?」
京子「あかり」
結衣「あかり?蛍光灯でも買うの?」
京子「へ?いや、あかりだよ、ほら」
結衣「え?」
京子「幼馴染のあかりだって」
結衣「幼馴染って……私と京子だけだろ?」
京子「え……?」
京子「……」
結衣「ま、非公式な部活だし、生徒会の人達も何も言ってこないし、気にしなくていいと思うけどね」
結衣「こ、今年も、あの、2人で過ごそうよ、京子///」
京子「え……?」
結衣「……はぁ、京子は相変わらずマイペースだよね」ツネッ
京子「い、いたいっ、頬ひっぱらないで結衣っ」
結衣「はいはい」パッ
結衣「……そうだな、ちょっと心配だから、見せてみて?」
京子「んー」
結衣「……うん、ちょっとだけ腫れてるね」
京子「あー、やっぱり……結衣、どう責任取ってくれるのさ~」
結衣「ん、こんなもの……」チュッ
結衣「こんな腫れ、舐めておけば治るよ///」
京子「ゆ、ゆい、何するのさ///」
結衣「な、なにって、子供の頃、よく傷舐めてやってただろっ///」
京子「た、確かに、あの、やってたけどさっ///」
結衣「じゃあいいじゃん、別にいいじゃんっ///」
京子「う、ううー///」
結衣「あ、耳かきしてあげてもいいよ、京子好きでしょ?」
京子「あ、あの、結衣さん、何でそんなにテンション高めなの?」
結衣「だ、だって、あの、もう私達、二年生だぞ?」
京子「う、うん」
結衣「一年の頃と同じ事ばっかりやってても仕方ないだろ」
結衣「だからさ、ちょっと2人の関係も、一歩進めてみようかなって」
京子「い、一歩ってなにさっ」
結衣「だ、だから、あの、ほら、チューとか……」
京子「ちゅ、ちゅーか……え?」
結衣「……」
京子「……」
結衣「///」カーッ
京子「///」カーッ
結衣「え、え、私何か変な事言ったかっ///」
京子「ちゅ、ちゅーって言っただろ、チューって///」
結衣「い、言ったよ、けど変じゃないだろっ///」
京子「へ、変だよ、友達同士でチューとか変だよっ///」
結衣「じゃ、じゃあ、あの、友達じゃなくなればいいよなっ///」
京子「え……」
京子「あっ///」
結衣「あ、あのさ、京子、私、ずっと京子に言いたかったことが///」
京子(う、うあ、結衣の顔、近い……)
『わ、わたしは……』
『歳納京子のことが好きで……会いたいから、プリントを取りに行ってるのよっ///』
京子「……え、誰?」
結衣「は?」
『幼馴染とか、友達とか、そういうレベルじゃなくて』
『きょ、京子の事を、一人の女の子として好きなんだよ』
京子「あ、あれ、ゆい……?」
結衣「な、なに?」
京子「え、あ……ご、ごめん」
『京子以外の子とは結ばれるつもりは無いし、京子が他の子と結ばれるのも、嫌なんだ!』
京子「結衣に、何度も告白された記憶が……」
京子(それに、知らない女の子の声も)
結衣「わ、わたしまだ告白してないぞ」
京子「う、うん、そだよね……」
結衣「きょ、京子、泣いてるの?」
京子「あ、あれ、何で私……」ポロポロ
結衣「……京子」ギュッ
京子「あ……」
結衣「ごめんね、私、ちょっと急ぎ過ぎたかも……京子を不安にさせちゃったよね」ナデナデ
京子「あ///」
京子(結衣が、頭撫でてくれた……)
京子(気持ちいいな、あの時も、頭撫でて貰って……)
『……京子ちゃん、泣かないで』
『京子ちゃんは優しいね……』
京子「……あかりだ」
結衣「ん?」ナデナデ
結衣「あかり……?」
京子「うん、私達の幼馴染の、あかり」
結衣「だから、私達に他の幼馴染は……」
京子「そういうゴッコ遊びでも、駄目?」
結衣「……」ハァ
結衣「じゃあ、架空の幼馴染を探すロールプレイングをするって事?」
京子「さっすが、結衣、察しがいいね」
結衣「回りくどいなあ、京子の遊びは……ま、いいけどね」
結衣「私は京子がくれる楽しいが好きだから」ニコ
京子「ありがと、結衣」ニコ
京子(けど、結衣が忘れてて私が忘れてない存在がある)
京子(幼馴染の、あかり)
京子(きっと、あかりに聞けば、何を忘れてるのか判るはず……)
京子(あかり、待っててね)
京子「おーい、あかりー」
結衣「あかりー」
京子「あーかーりー」
結衣「……あのさ、京子」
京子「ん?」
結衣「この遊び、どうやったら終りなの?」
京子「そりゃ、あかりを見つけるまでだよ?」
京子「あー……確かにそれはちょっと辛いね」
結衣「だろ?」
京子「あかりあかりって言ってたらあかりがゲシュタルト崩壊起こしそうだし」
結衣「い、いや、そういう意味じゃなくて」
京子「何か、奇抜な呼び方を……そうだ」
京子「アッカリーンというのはどうかな?」
結衣「そんな呼び方……いいな」
京子「でしょ?」
結衣「なんだろ、まるで自分が名付けたかのような呼び方だ」
結衣「あっかりーん、アッカリーン!」
京子「アッカリーン!」
結衣「アッカリーン!」
京子「アッカリーン!」クスッ
結衣「アッカリーン~♪」クスクス
京子「アッカリィーン」クスクス
結衣「あははははは!」
京子「あはは、結衣がおかしくなっちゃった」
結衣「きょ、京子だってっ」クスクス
京子「あー、何か久しぶりに笑った気がするよ」
結衣「そっか?昨日もこんな感じで笑ってただろ?」
京子「うん、そうなんだけどね……」
京子「えー、もうちょっと探そうよ」
結衣「駄目、晩御飯の支度もしないといけないし」
京子「ぶー、結衣のケチ」
結衣「もう、京子は……ほら、ラムレーズン買ってやるから」
京子「ほんと?」
結衣「うん」
京子「じゃあ……今日はこれまでにしよっか」
結衣「また明日、だな」
京子「うん」
京子「アッカリーン、また明日……」
~放課後~
結衣「なあ、京子、今日もあかりを探しに行くの?」
京子「うん、見つけるまで続けるつもり」
結衣「……」
京子「結衣?」
結衣「あのさ、京子と一緒にそういう遊びをするのは楽しいけど」
結衣「そろそろ、別の遊びをしようよ」
京子「え?」
結衣「ほら、買い物行ったり、映画行ったりさ」
結衣「あ、勿論、あかり探しもするよ、けど、毎日はしなくていいと思うし」
京子「結衣……」
京子「やだ」
結衣「……京子」
京子「私はあかりを探すから、行きたいなら結衣一人で行って来てよ」
結衣「……」
京子「……」
結衣「あの、さ、京子」
京子「なに?」
結衣「京子の中では、あかりって子は存在するんだろ?遊びとかじゃなくて」
京子「……うん」
結衣「それは、あの……私が知らない京子個人の幼馴染って事なの?」
京子「え?」
結衣「京子、本当はその子が好きで、会いたくて探してるんじゃないかなって……あはは」
『あかりは、あかりは京子ちゃんの味方だから』
『あのね、あのね、あかり、京子ちゃんが、だーいすき!』
京子「そ、それは無い……と、思う」
結衣「……」
京子「だ、だってあのあかりだよ?お子ちゃまなあかりだよ?」
京子「無いって!好きになるなんてっ!」
結衣「……そう」
京子「え?」
結衣「私は、もうあかり探しには付き合わないから」
京子「ゆ、結衣……?」
結衣「他の遊びをする気になったら、呼んでよ……」
京子「ちょ、ゆい、どうしたの?」
京子「ゆいっ!」
京子「私が無理言ったから、怒っちゃったのかな……」
京子「こんな時、あかりなら、怒らずについてきてくれるのに……」
京子「……だめだめ」ブンブン
京子「結衣とあかりを比べるような事考えちゃ、2人に失礼だよ……」
京子「そ、そうだ、あかりを見つけて、何を忘れてるのかを教えてもらえれば、結衣もきっと判ってくれるよね……」
京子「あかりー?アッカリーン!」
~路地裏~
京子「おーい、アッカリーンやーい!」
~小学校前~
京子「あかりー?」
~中学校前~
京子「あかりさーん」
~娯楽部前~
京子「あかり……」
京子「あれから、何日も探してるのに、どうして……」
京子(……本当は、あかりなんて、居ないのかな)
京子(変な記憶も、所謂デジャブってヤツで、記憶が変なふうに組み上がって出来ただけの物なのかな……)
京子(もしそうなら……結衣にわるい事しちゃったな……)
京子「2人っきりの友達なんだし、結衣の傍から離れるべきじゃなかったんだ……」
京子「もう、あかり探しは、やめよう……」
京子「……結衣、娯楽部に来てるかな」
京子「……」ソーッ
キョウコ、キョウコォ
京子「あ、結衣の声がする……やっぱり、結衣、来てるんだ」
京子「よーし、いきなり襖を開けて脅かしちゃおっと……」
キョウコォ……
京子(何で私の名前を何度も呼んでるんだろ……ま、中に入れば判るよね)
キョウコッキョウコッ
京子「はーい!京子ちゃんでーす!」ドーン
結衣「……!?」グスン
京子「え……」
結衣「きょ、京子……?」ゴシゴシ
京子「ゆ、結衣、泣いてたの……?」
結衣「え、いや、あの、ほら、この漫画見てたら、ちょっと感動して泣けてきちゃって……」
京子「……それ、ギャグ漫画だけど」
結衣「あ、うん、面白くて泣けてきたんだ……」ゴシゴシ
京子(私が、あかり探しとかしてる間、結衣は1人で寂しく、この部室にいたのかな……)
京子(泣いちゃうくらい寂しい思いをしながら……)
京子(わたし、馬鹿だ、忘れちゃったことなんて、もうどうでもいいじゃないか)
京子(だって、だって私には、こんな素敵な女の子が傍に居てくれるんだから……)
結衣「あ、京子、ちょっと待ってね、今お茶を」
京子「ゆーい」ギュッ
結衣「あ……」
京子「……ごめんね、寂しがらせて」
結衣「……別に、寂しくなんて無かったよ」
京子「そっか……」
京子「……それでも、ごめんね」
結衣「へ、変な奴だな、謝る必要なんてないのに」グスン
京子「……結衣、わたし」
『わすれたくない』
『わすれるな』
京子(うるさい、邪魔するな)
京子「わたし、結衣の事が……」
『京子先輩は、卑怯です』
京子「……」
結衣「京子?」
京子「結衣、わたしは、結衣の事を、愛してるよ」
京子「愛してます」
結衣「……」ポカン
京子「……」
結衣「……」ポカン
京子「ゆ、結衣、何か言ってよ///」
京子「///」
結衣「あの、京子……もう一度、言ってくれるかな?」
京子「え、えー!」
結衣「ごめん、本当にごめん、最初の言葉聞いて、頭が真っ白になってたから、その次の言葉聞いてなかったの」
京子「そ、そんなの、やだよ///」
結衣「お、お願い、京子、ね?ね?」
京子「う、ううーっ///」
京子「あ、愛してますっ///」ムスッ
結衣「……」ポー
京子「……結衣さん」
結衣「あ、あの、もう一回」ポー
京子「や、やだ///」
結衣「お願い、もう一回!」
京子「結衣、その前に言うべきこと、あるでしょ!」
結衣「え……あ、そ、そうだな」
結衣「私も、京子の事を、愛してる、ずっと一緒に居たい」
京子「……」ポー
結衣「京子?」
京子「え、あ、あの……嬉しかった///」
結衣「……うん」ニコ
結衣「じゃあ、あの、京子の告白、もう一回、もう一回聞かせて?」
京子「や、やだって!もう十分でしょっ///」
結衣「何度だって聞きたいよ、だって、ずっと待ってた言葉だから!」
京子「やだっ」
結衣「聞かせてっ」
京子「やーだっ!」
結衣「京子っ!」
京子「……あー、もー!判ったからっ///」
「何度でも聞かせてあげるよ、2人っきりの時間は、まだ沢山あるんだから」
京子「うえええん」
あかり「どうして泣いてるの?」
京子「う、うう、みんなが、わたしにいじわるするの……」
あかり「そっか……」
京子「うう、ひっく……」
あかり「ともだちとか、いないの?」
京子「……うん」グスン
あかり「ともだち、ほしい?」
京子「……」コクン
あかり「じゃあ」
京子「……?」
あかり「じゃあ、私が」
京子「お願い?」
あかり「うん、あかり、天使様から、何でもお願いが叶う力をわけて貰ったんだ!」
京子「天使様から?」
あかり「うん!」
あかり「だから、このお願いは、絶対に効くよ!」
京子「ほ、ほんと?あかりちゃん、私にも、友達ができる?」
あかり「うん!」
あかり「お願いします、京子ちゃんに、たくさん友達ができるような世界にしてください!」
京子「お、お願い、叶ったのかな」
あかり「うん、叶ったと思うよ、何時もの通り、何かがあかりの中から抜き取られたような感覚があったし」
京子「あ、ありがとう!えっと、あの、名前なんだっけ……」
あかり「あかりだよ!?さっき名前呼んでくれたよね!?」
京子「あ、そ、そうだった……ごめんね、あかりちゃん」
京子(あかりは、私の為に、お願いをしてくれた)
京子(それから、あかりが友達になってくれて)
京子(結衣と出会って)
京子(色んな友達と出会って)
京子(綾乃や千歳と出会って)
京子(ちなつちゃんや、千鶴や、ひまっちゃんや、櫻子ちゃんや、会長さんや、西垣ちゃんと出会って)
京子(毎日が、楽しかった)
京子(けど)
あかり「どうして泣いてるの?」
京子「う、うう、ゆいが、ゆいがしんじゃったの……」
あかり「そっか……」
京子「うう、ひっく……」
あかり「ゆいちゃんのこと、好き?」
京子「……うん」グスン
あかり「また、ゆいちゃんと仲良くしたい?」
京子「……」コクン
あかり「じゃあ」
京子「……?」
あかり「じゃあ、私が」
あかり「京子ちゃんと結衣ちゃんが、また仲良くなれるようにしてあげる」
あかり「お願いします、こんな悲しい事は起こらないようにして、京子ちゃんが結衣ちゃんと仲良くできるような世界にしてあげてください」
京子(そしたら千歳まで、おかしくなっちゃって)
京子(自殺しちゃって)
京子(……私は、またあかりに縋って)
あかり「どうして泣いてるの?」
京子「う、うう、ちとせが、わたしにひどいことを言うの……」
あかり「そっか……」
京子「うう、ひっく……」
あかり「ひどいこと、言われたくない?」
京子「……うん」グスン
あかり「じゃあ」
京子「……?」
あかり「じゃあ、私が」
あかり「千歳先輩が京子ちゃんに酷いこと言わないように、してあげる」
あかり「お願いします、京子ちゃんが千歳先輩に酷いことを言われないような世界にしてあげてください」
京子(結衣の想いとちなつちゃんの想いに耐えられなくなった私は)
京子(考える事を放棄して)
京子(お見舞いに来てくれたあかりに、また泣きついて)
あかり「どうして泣いてるの?」
京子「わたし、ひとりはいやなの、さびしいのは、いやなの……」
あかり「そっか……」
京子「うう、ひっく……」
あかり「じゃあ」
京子「……?」
あかり「じゃあ、私が」
あかり「京子ちゃんが寂しくないようにしてあげる」
あかり「お願いします、京子ちゃんがこんな寂しい目にあわないような世界にしてあげてください」
京子(……そしてお願いをするたびに、あかりの存在は、薄くなっていった)
京子(最後に、あかりを見つけられなかったのは、きっと)
京子(きっと、気配だけじゃなく、あかりの姿自体が、薄くなってしまったからだと思う)
京子(それが、願い事の代償)
京子(本当は、私が払うべきだった、代償)
京子(私がずっと忘れてた事)
京子(私のせいで、消えちゃった)
京子(こんな、こんなことなら)
京子(ずっと、一人でいればよかった)
京子(ごめんね、ごめんね、みんな)
京子(ごめんね、結衣)
京子(ごめんね、あかり)
京子「……?」
「じゃあ、私が」
京子「あかり?」
「京子ちゃんのお願い、叶えてあげる」
「だから、もう泣かないで」
京子「あかり、だめ、やめて、もういいから」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「京子ちゃんに友達がいなくても、寂しくない世界にしてあげてください」
京子「この書類、間違ってるわ、修正お願いね」
書記「は、はい……」
会計「副会長様、相変わらず厳しいー!」ボソッ
書記「聞かれるわよ」ボソ
会計「聞かれても気にしないって、あの人」ボソ
会計「小学校の頃から、ずーっと友達いなくて、それでも自分を曲げずにまっすぐ生きてきた人だもん」ボソ
会計「これくらいの陰口でへそ曲げるような人じゃないよ」ボソ
書記「顔は綺麗なんだけどねえ」ボソ
京子(子供の頃から、ずっと)
京子(不思議と寂しいと思った事は無い)
京子(きっと、これからも一人で生きて行くんだろうな、わたしは)
京子(別に、平気だけど)
京子「……ん?」
京子「そういえば、茶道部部室の無断使用の噂があったよね」
書記「え、あ、はい、本当に噂だけで実害は無いんですけど」
書記「茶道部部室に入って行く人影を見た、という話が幾つか」
京子(なら、今の人影が、その無断使用者?)
京子(……生徒会副会長としては、放っておけないかな)
京子「私はちょっと茶道部の様子を見てくるから、貴女達はそのまま仕事を続けててね」
書記会計「「はーい」」
京子「……扉は、閉まってる」ガタガタ
京子「やっぱり気のせいかな」
京子「一応、中を確認してみようか……茶道部の鍵は借りてきてるし」カチャカチャ
ガラッ
京子「……何だろ、一度も来た事ないはずなのに」
京子「何か親近感が……」
京子「……ふぅ」
京子「結局、無駄骨、と」
京子「……まあいいか、座布団もあるみたいだし、ちょっと休憩して行こう」
ポフッ
京子(あ、何か、本当に安らぐ)
京子(……不思議だな、こうしてると、何か声が聞こえてくる気が)
『ん、これでちゃんとリボン真っ直ぐになったね』
『流石です!結衣先輩!』
『結衣ちゃんはしっかりものだよねぇ』
『としのーきょーこー!』
『お邪魔しますなあ』
『た、確かに姉さんの事は大切なことだけど……』
京子「……気のせいだよ」
京子「私には、こうやって語り合う友達なんて、居なかったんだから」
京子「まだ、仕事が溜まって……」
京子「……あれ」
京子「……これ、私の字だけど、何時書いたんだっけ」
『よし!わたしも結衣を見習って、忘れないように手に書いておこう!』
『なんて書いたの?』
京子「あかり」
京子「……あかり」
「うん、あかりは、ずっと傍に居るよ」
京子「あかり……」
「どうしたの、京子ちゃん」
京子「……ごめん」
京子「あかりの事まで、忘れちゃってて、ごめん」
「ね?」
京子「うん……あかり、もう一度だけ、お願いしてくれるかな、それで最後だから」
「うん、あかりは、京子ちゃんのお願い、何でも聞くよ」
京子「ありがとう、あかり」
京子「じゃあ」
京子「全部のお願いごとをなかった事にして、あかりを元に戻してください」
京子「今だって、友達なんて一人も居ないよ」
「ううん、今の世界は友達がいなくても京子ちゃんが寂しくないようになってるから」
「けど、全部元に戻ったら……」
京子「……いいよ」
「京子ちゃん……また泣いちゃうよ?」
京子「うん、泣くと思う」
京子「けど、私が泣いたとしても、その世界には、あかりや」
京子「結衣や、綾乃や、千歳や千鶴や、ちなつちゃんやひまっちゃんや櫻子ちゃんや会長さんや西垣ちゃんが居てくれるから」
京子「私が頑張れば、きっとその人達は、友達になってくれるだろうから」
京子「だから、いいよ」
「……うん、わかった、京子ちゃんがそう言うなら」
京子「うん……」
「京子、ちゃん」
京子「ん?」
「だいすき」
京子「私も、あかりが大好きだよ……」
京子「ずっと、守ってくれて、ありがとう……」
「全部のお願いごとをなかった事にして、全部を元に戻して」
「どうして泣いてるの?」
京子「う、うう、みんなが、わたしにいじわるするの……」
「そっか……」
京子「うう、ひっく……」
「ともだちとか、いないの?」
京子「……うん」グスン
「ともだち、ほしい?」
京子「……」コクン
「じゃあ」
京子「……?」
「じゃあ、私が」
あかり「私が、友達になってあげる!」
一人目のお友達、あかりちゃん
あかりちゃん、言ってた
これから、どんどん友達を増やそうって
友達が増えれば、喧嘩してしまう事もあるだろうけど
泣かずにちゃんと自分の力で向かい合えば
仲直りできるって
わたしも、あかりちゃんみたいに、なれればいいな
あかりちゃん、だいすき
完
よかったよ
面白かった
ええはなしやでほんま・・・
Entry ⇒ 2012.03.10 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
エトナ「殿下ー、弱点克服したいって本気ですかー?」
そのままにしておくワケにはいかんからな」
ラハール「別世界の魔王が攻めてきたとき、こんな弱点のせいでやられて
しまったら死んでも死にきれん」
エトナ「まー、それもそうですね」
ラハール「だからオレ様は弱点を克服することに決めたのだ!
克服して、完全無欠の魔王になってやる!」
ラハール「ハーッハッハッハッハッハッハっ!」
ラハール「うむ!貴様も知ってのとおりオレ様の弱点はあのムチプリだ。
あのムチプリを前にするとどーしても身体が動かなくなる」
エトナ「はあ」
ラハール「そこでだ!ムチプリを克服する為にまずは徐々に慣らそうと思う」
ラハール「そう!女体だ!女体に慣れる特訓をするのだ!!!」
エトナ「なるほどー。それで超絶美少女悪魔であるこのエトナちゃん
に白羽の矢が立ったってワケですねー?」ビシッ!
ラハール「うむ!貴様は女だが胸がぺったんこだからな!最初のステップ
にしては丁度よかろう!」
エトナ「…………」ビキッ!
・
・
・
ラハール「はっ!?ここは!?」バッ
エトナ「あれー、どうしたんです、殿下ー?」
ラハール「あ、いや」
ラハール(おかしいな。何故オレ様はこんなところで寝ていたのだ?)
ラハール「おい、エトナ…」クルッ
エトナ「死ねっ!!!」ゴオッ
ラハール「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」ササッ
エトナ「ちっ」
ラハール「貴様、何をする!?」
ラハール「お前なー。そんな武器で攻撃するなんて、オレ様を起こしたいのか
殺したいのかどっちなんだ?」
エトナ「殺したかったんです♪」
ラハール「む?」
エトナ「あ、いえ。どっちでも…」
ラハール「それよりエトナ、オレ様はなぜこんな所で寝ていたのだ?」クルッ
エトナ「えーっと、確か特訓するためとか言ってましたよ」
ラハール「特訓!?このオレ様が?」
エトナ「ええ、なんでもムチプリを克服するとかなんとか」
ラハール「ああ、そーだった、そーだった!それで確か……」チラッ
エトナ「はい♪」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ラハール「…………フ、フロンにお願いに行こうとしたんだったか?」タラッ
エトナ「はい♪なんだ殿下ちゃんと覚えてたんじゃないですかー♪
そーですよ!『ペチャパイの』フロンちゃんにとこに行く
とこだったんですよー」
エトナ「『あたしじゃなくて』!『フロンちゃんの!』」
ラハール「だ、だよな…そーだよな?」タラッ
ラハール(な、なぜかは分からんが一刻も早くこの場を去った方が
良い気がする。オレ様の第六感がそう告げている!)
ラハール「で、では行って来る!後は任せた」
エトナ「はい殿下!行ってらっしゃーい!」ヒラヒラ
『フロンの☝部屋❤』
ラハール「おい、フロン。入るぞー」ガチャ
フロン「あっ、ダメ!ダメです!そんなところ汚いですよぅ!うわー…
うおー…ふおおおおおおおおおお!!!!」
ラハール「…………」
フロン「あんっ!ダメ!だめですぅ!」
ラハール「おい」ガシッ
フロン「え?」
ラハール「……」
フロン「……」
フロン「えええええええええええええええええええええええええ!?」
ラハール「なんでって、この城はオレ様のものだからオレ様がいても不思議
ではあるまい」
フロン「そーじゃなくて!どーして乙女の部屋にノックもせずに入ってきて
るんですか、あなたは!」
ラハール「一応、声はかけたぞ?」
フロン「わたしは返事してないですよ!?」
フロン「悪魔でも魔王でも乙女の部屋は許可なく入っちゃいけないんですー!
聖域なんですよ!聖域!」
ラハール「聖域~?このゴミ溜めがか?」
フロン「うぅぅぅぅぅ…」
ラハール「そんなことより貴様は布団かぶっていったい何をやってるんだ?」
フロン「!!! あ、あのこれは、その……」
フロン「い、いやだなー、ラハールさん!そんなことあるワケない
じゃないですかー」
ラハール「ふん、天使のくせにおもらしとは恥ずかしい奴め」
フロン「お、おもらしなんかしてませんからっ!」
ラハール「じゃあ、布団あげてもいいんだな?」
フロン「ぐっ…」
ラハール「ふっ、やはりな……やーい、おもらし天使ー♪」
フロン「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬ…」
オレ様の言う事を聞くんだな」
フロン「だから!わたしはおもらししてないって!」
ラハール「往生際が悪いぞフロン!どんなに隠したってこの布団のしみが
動かぬ証拠――」」バッ
フロン「え?」
ラハール「……え?」パチクリ
フロン「き!?」
フロン「きゃああああああああああああああああああああああああ!?」
ラハール「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
ラハール「ぐはっ!?」
フロン「うわあああああああああああああああああああん!!!!」バキッ
ラハール「ごへっ!?」
フロン「ばかあああああああああああああああああああああ!!!!!」ズドン!
ラハール「ぐへはあああああああああっ!?」
・
・
・
ラハール「う……うーん?」ムクッ
ラハール「い、いたたたたた……ここはいったい…?」
フロン「……」ムスッ!
ラハール「お、おお、フロン」
フロン「ラハールさん…」
ラハール「ん?」
フロン「覚えてますか?」
ラハール「覚えている?何を?」
ラハール「さっきまで……はて……そういえば記憶がはっきりしないが
オレ様はなぜこんな所にいるのだ?」
フロン「本当に覚えてないんですね?」ジトー
ラハール「だから今それを聞いて!」
フロン「そうですか」ニコッ
ラハール「!?」ゾクッ
フロン「きっと頭に重度の怪我を負って記憶が消えてしまっただけです。
心配いりません」
ラハール「記憶が無くなるって……問題だらけだろ!」
フロン「いいんです!心配ありませんからっ!」ゴゥッ
ラハール「そ、そーなのか?」ビクッ
フロン「はい♪」ニコッ
ラハール「おいフロン。オレ様はどうして貴様の部屋にいるのだ?」
フロン「そんなのわたしが知るワケないじゃないですかー」
ラハール「お前がオレ様を連れてきたんじゃないのか?」
フロン「ラ、ラハールさんが勝手に入ってきたんじゃないですか!」
ラハール「そうなのか?」
フロン「当り前です!どーしてわたしがラハールさんを部屋に呼ばなくちゃ
ならないんですか!ぷんぷん!」
ラハール(オレ様が自分で来たのになんで記憶を失ってんだ…こいつ何か
隠してるんじゃ…)ジィッ
フロン「なんです?」ギロッ
ラハール「いや、別に…………ん?なんだこれ?」ヒョイ
カチッ
ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ…
ラハール「……」
フロン「……」
ラハール(お、思いだしたぁ…)サァァァァ
フロン(か、片づけ忘れてたぁ!)
ラハール「……」チラッ
フロン「……」チラッ
ラ・フ「あはははっははははは。あははははははははははははははははははは!」
ラハール「さらばだっ!」ダッ
フロン「に、逃がしませんよっ!」バッ
ラハール「どけ、フロン!」
フロン「いーえ、その様子だとどーやら思いだしたみたいですね!」
ラハール「お、思いだしてなんかない!ただオレ様はちょっとお腹の
調子が悪くなってきたからトイレに行こーかなーと…」
フロン「行かせません!」
ラハール「なっ!?」
ラハール「お、お前はもう十分殴ったではないか!これ以上やるといくら
オレ様でも本気で死ぬぞ!?」
フロン「やっぱり、思いだしてたんですね?」
ラハール「あ……」
フロン「その記憶!完全に消し去るまで!」バッ
ラハール「ちょ!?」
フロン「いざ!」ダッ
フロン「えっ?」
ラハール「! チャンス!!!」
ラハール「うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」ダダダダッ
フロン「あっ、し、しまった!」
ラハール「ハーッハッハッハッハッハ!さらばだぁ!」ダッ
フロン「に、にがしちゃいましたぁ!うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
エトナ「ねえ、フロンちゃん?」
フロン「エトナさんのせいですよぉ!」クルッ
エトナ「えぇっ?あたしなんか不味った?」
フロン「不味すぎです!」
エトナ「うーん。なんか良く分かんないけどごめんね?」
フロン「ど、どーしましょぉ…」ショボン
ラハール「はあ、はあ、はあ……ふう、ここまで逃げれば大丈夫だろ」
ラハール「よっこいせっと。はー、つかれたぁ…」ドサッ
ラハール「…………それにしてもフロンがまさかあんなことを…」
ラハール「女のあそこって、あんなに拡がるものだったんだな」
ラハール「あんなにでっかい馬のチンチンが入るなんて……」
ラハール「い、いかん!なにを考えているのだオレ様は!?」
ラハール「だが、なんだこれは?股間が……あつい」ムクムク
ラハール「く、くそっ…!どうしたというのだ!たかがフロンの股間を
見た程度で……股間を……うっ」ムクムク
ラハール「だ、ダメだ。抑えきれない!」ボロン
ラハール「な、なぜかちんちんを擦ると妙に気持ちいい…」
ラハール「はあ、はあ、はあ……し、しかしこんなトコで裸になってるのを
他の悪魔に見られては……だが……」シュッシュッシュ
ラハール「はあ、はあ、はあ……む?あそこの木のあたりなら」
ラハール「よしっ!」バッ
ラハール「こ、ここなら誰にも見られずに出来るな」
ラハール「はあはあはあはあはあ!」シュッシュッシュ
ラハール「な、なんだかこの木の幹がさっきのフロンの股間に見えてきた…」
ラハール「は、はあ、はあっ!」
ラハール「く、来るっ!ナニカ!ナニか来るっ!」シュッシュッシュ
ラハール「うわああああああああああ!!!」ドピュッ ピュピュッ
木「!!!」ピカァァァァァァァァ
ラハール「な、なんだぁ!?」
ラハール「……え?」
アーチャー「…………はじめまして」ベタベタ
ラハール「あ、ああ。こちらこそはじめまして」
アーチャー「……」
ラハール「…………」
ラハール「えええええええええええええええええええっ!?」
アーチャー「あなたが絶頂した瞬間です」
ラハール「絶頂…?よ、よく分からんがなんで突然目の前に現れたりしたのだ!」
アーチャー「何故って……丁度生まれるタイミングでしたから」
ラハール「生まれる?」
アーチャー「はい。私たちは木から生まれる悪魔ですから」
アーチャー「それより…」
ラハール「む?」
アーチャー「いつまで全裸のままでいるつもりですか?」
ラハール「え?」キョロキョロ
ラハール「う、うわぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!?」バババババッ
アーチャー「そりゃ、まあ…」
ラハール「殺す!」ジャキッ
アーチャー「…………」
ラハール「な、なにか言え!」
アーチャー「感想ですか?そうですね……すこし、小さいと思います」
ラハール「誰がちんちんの話をしろと言った!?命乞いはしないのかと
聞いているのだ!」
絶望的なので…」←レベル1
ラハール「た、たしかに…」←レベル3000
アーチャー「はい」
ラハール「だ、だが良いのか?生まれてすぐに死ぬなど、やりたいことが
沢山あるだろう?」
アーチャー「そーですね。出来れば長生きしたいです」
ラハール「だったら!」
アーチャー「まあ、悪魔ですし、死んでもどうせすぐ転生出来ますから」
ラハール「そ、そうか…そうだったな…」
アーチャー「はい」スッ
ラハール「では!」バッ
アーチャー「…………」
アーチャー「? ……どうしたのですか?」
ラハール「いや、ちょっと待て」スッ
ラハール(もしオレ様がこいつを殺した場合こいつの記憶はどうなるのだ?)
アーチャー「?」
ほとんど……となると、つまりこいつはオレ様がちんちんを
擦ってる記憶を持ったまま生まれ変わる?)
ラハール(そんなことになったら…)
エトナ「あっれー?殿下ってば大きな木の下でちんちん擦ってたんですかぁ?」
プリニー「さすが殿下ッス!いくら悪魔でも全裸で魔界を歩くなんて無理っス!
そこに痺れるッス!憧れるッス!」
フロン「ぷっ、ラハールさんって変態ですね」クスクスクス
ラハール「うおおおおおおおおおおお!?魔王としてのオレ様の
威厳がぁぁぁぁ!?」
誰かに喋ったたら終わりだぁぁぁ!)
アーチャー「あのー、殺さないんですか?」
ラハール「ぐぬぬぬぬぬぬ…」
ラハール(かと言って記憶を完全に消し去れるかどうかなんて…)
ラハール(こいつの次の転生先も分からないんじゃあ確かめようが……
っていうか気付いた頃にはもう…うぅぅぅぅ)
アーチャー「え?」
ラハール「見逃してやると言っているんだ。ありがたく思うんだな!」
アーチャー「はあ…どうも…」ペコッ
ラハール「…………」
アーチャー「あの、まだ何か?」
ラハール「いや、確かにオレ様は貴様を見逃してやる。見逃してやるが、
貴様はオレ様に借りが出来たワケだ」
アーチャー「そーですね」
ラハール「そこでだ!貴様はその借りを返すべくオレ様の部下になれ!」
アーチャー「えー…」
アーチャー「嫌ですよー。だって殺されても転生出来るんですから別に
見逃してもらわなくたって…」
アーチャー「というより、むしろアテもなく、ひたすらあなたの様な子供に
コキ使われるなんてぞっとします」
ラハール「オレ様は子供じゃない!」
アーチャー「……そうでしょうか?」チラッ
ラハール「ぐぬぬぬぬぬぬ!そ、それに生まれたばっかりの貴様の方が
年下ではないか!」
アーチャー「まあ、それはそーですけど…」
のが嫌だとでも?」ギロッ
アーチャー「魔王?あなたが?」
ラハール「そーだ!驚いたかぁ?」
アーチャー「ぷっ」
ラハール「笑うなぁ!!!」イラッ
ラハール「貴様、オレ様が魔王だと信じてないだろう…」
アーチャー「信じてますよー、少しは」
ラハール「あと、本当に貴様はアーチャーなのか?なんか今まで見てきた
奴らと少し違うような気が……見た目は一緒のペッタ……ゴホン!
一緒みたいだが」
アーチャー「あー、それはー…………別に気にすることないですよ」
ラハール「? ……むぅ、まあいいか」
ってことはここずっと一人芝居かwww
ラハール「あ、ちょっと…」
アーチャー「なんです?」
ラハール「い、今は少しワケがあって城には戻れないのだ」
アーチャー「…………」ジトー
ラハール「ああっ!貴様、また疑っているな!?」
アーチャー「だって、魔王なのに魔王城に入れないって…」
ラハール「わ、ワケがあるのだ!」
アーチャー「ふーん…」
仕方ないのかもしれませんね」ニコッ
ラハール「オ◯ニー?なんだそれは?」
アーチャー「え、知らないんですか?」
ラハール「知っていたなら聞くわけなかろう!なんだ、オ◯ニーというのは?」
アーチャー「ふーん」ニヤニヤ
アーチャー「知りたいですか?」
ラハール「当り前だ!」
アーチャー「どーしよっかなー?」クスクス
ラハール「貴様!オレ様の部下だろう!さっさと教えろ!」
アーチャー「うーん、……嫌です♪」
ラハール「なっ!?」
アーチャー「魔王様にはこういうのはまだ早いと思いますからー」ニコニコ
アーチャー「気にいらなければ殺して頂いて結構ですよ?」クスクス
ラハール「く、くそぅ!」
アーチャー「ふふふ……やっぱり殺せないんですね♪」ニコニコ
ラハール「貴様ぁぁぁ~~~~!」
アーチャー「殺したいのに殺せない葛藤と戦ってる魔王様、素敵です♪」
ラハール「この、悪魔め!」
アーチャー「ありがとうございます。悪魔冥利に尽きます」ニコニコ
ラハール「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬ…」
ラハール(な、なんとか……こいつをなんとかしなければ城に
帰るどころじゃないぞ!?)
ラハール(そうだ。たしかマデラスと戦ったとき、あいつはエトナの記憶を
……。だからあいつは……!これだ!)
ラハール(こいつをマデラスの所まで連れて行き、記憶を奪えばオレ様の
恥ずかしい記憶は完璧に消せる!ついでに記憶の奪い方を習って
フロンの記憶も消せば城に戻れる!)
ラハール「よしっ!目的地が決まった!行くぞ!」
アーチャー「はーい」
フロン「あうぅぅ……ラハールさんドコいったんでしょー?」
エトナ「ねー、フロンちゃーん。いーかげんなんで殿下探してるか教えて
欲しーんだけどー」
フロン「ええっ!?そ、それは…」
エトナ「なによー。教えてくんないの?あたし無償で働くのって苦手
なのよねー。せめて理由だけでも教えてよー。おねがーい」
フロン「うぅぅぅ…」
当たり前なのー?」
フロン「そ、そんなことないですっ!」
エトナ「だったら、ねー良いじゃん良いじゃん♪」
フロン「じ、実は……」
エトナ「……」プルプル
フロン「……と、いうわけなんです。シクシク」
エトナ「あーっははははははははははっ!あははははははははははっ!」
エトナ「で、殿下にオ◯ニー見られたから記憶消すために探してるぅ!?」
フロン「エ、エトナさん!声が大きいですよっ!しー!しー!」
エトナ「あははははははははははははははははははっ!あ~~~~ははははははははははっ」
エトナ「ひーひー、お腹くるしー」
エトナ「あーっと、ちょっと待って。あたし気になるんだけど、
ちなみそれ、どんな格好でしてたの?」
フロン「それは……えーっとお尻突き上げて、こう……
お布団かぶってたところを……」
エトナ「あははははははははっはははははっ!」ゲラゲラ
フロン「エトナさんっ!」
フロン「うぅぅぅぅぅ……昔はこんなにしたくなることなかったんですけど
堕天使になってからというもの性欲が強くなりすぎてしまって…」
エトナ「あー、確かに魔界の空気は天使には辛いかもねー」
フロン「魔界の空気?魔界の空気を吸うとエッチになっちゃうんですか?」
エトナ「そりゃそーでしょー、魔界の女悪魔の有名どころなんて
皆エロいじゃん。きっと魔界に住んでるからエロエロなのよー」
エトナ「どーかなー?」ニヤニヤ
プリニー「エトナ様はエッチな妄想よくしてるけど、変なトコで乙女チック
っすから他の女悪魔みたいにビッチではないッスよ」
プリニー2「こないだなんかポエムまで書いてたっスし」
プリニー3「オレは隠し部屋で日記見つけたっス」
プリニー4「意外と貞操観念しっかりしてる悪魔なんスねー、エトナ様」
フロン「へー…」
エトナ「って、あんたらいつの間に!?」
エトナ「戻りましたっス!じゃねえええええええええええええええええっ!!!」
プリニーズ「ひいっ!?」ビクッ
エトナ「あんたら、なんであたしの秘密知ってんのよ!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
プリニー「そ、それは…」
プリニー2「いやー、俺ら元々マデラス様にエトナ様の見張りとして
派遣されてた監視役っすから…」
プリニー3「エトナ様のことなら大抵知ってるっスよ!」ビシッ
プリニー4「うっ……ほ、本当ッス。マデラス様はエトナ様の弱みを徹底的に
握って飼いならすために、記憶以外にもエトナ様のありとあらゆる
情報を集めてたっス」
エトナ「具体的には?」
プリニー4「う……えーと、まずエトナ様の生理周期、食事、排泄回数、
排泄物の味、臭い、オ◯ニーの回数、お尻の穴のしわの数
などなど…」
エトナ「へえ…」プルプル
フロン「うっわー、凄い変態さんですねぇ」
おい
仕事だったから…」
エトナ「言い訳すんな!!!」ガシッ
ボカアアアアアアアアアン!!!!
プリニー2「ひいっ!?」
エトナ「マデラスのやろー、どうやら前回のおしおきじゃ、ぜーんぜん
足りてなかったみたいねぇ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
フロン「あのー、エトナさん?」
殿下探しは後は一人でやってね」ニコッ
プリニー2「ひいいいいいいい」ガタガタガタガタ
エトナ「着いて来な、プリニー隊!あんたたちはマデラスを殺ったあとに
おしおきしてあげるから!」
プリニー3「やっぱりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」ブルブルブルブル
エトナ「それとも、今死にたい?」
プリニー4「どっちも嫌っすぅぅぅぅぅぅぅうぅ!!!」ガタガタガタ
エトナ「いいから黙って着いてくる!ほらっ!」ガシッ
ズルズルズルズル
フロン「みなさん、お気をつけてー…」フルフル
フロン「……」
フロン「はぁ……けっきょく一人で探すはめになっちゃいましたか…」
フロン「いや、でもこんな所でくじけてなんかいられません!」
フロン「ラハールさんの記憶を完璧に消し去るまで、わたしは闘い続けます!」
フロン「とー!」
ラハール「……おい」
アーチャー「はい」
ラハール「なんだ、この荷物は!?」
アーチャー「なにって、アイテムですけど」
ラハール「そんなことは分かってる!いったいなんでこんなにアイテムを
拾っているのかと聞いているのだ!」
アーチャー「えー、だって使うじゃないですか」
ラハール「こんなに使ってたまるか!」
しれないけど、わたしレベル1ですからねー」
アーチャー「どーしてもアイテムは多めに持っとかないと、すぐに
死んじゃいますから」
ラハール「だからって何もこんなに……本当にこの噛んだガムとか使うのか?
食べ残しだぞ、これ…」
アーチャー「いやだなー、それは私のじゃなくて魔王様用ですよー」
ラハール「はあ?」
ラハール「あーん?」
アーチャー「えいっ♪」ポイッ
ラハール「ふぐっ!?」
アーチャー「よーく味わってくださいね?」ニコニコ
ラハール「貴様、いったい何のつもり……うっ!?」
アーチャー「おぉ、さすが魔界の毒蛾の鱗粉!レベル3000の魔王様を
痺れさせるなんて♪」
ラハール「貴様、まさかさっきのガムに仕掛けを…」
アーチャー「はい♪別魔界の毒蛾の鱗粉なんですけど効果バッチシですね」
ラハール「べ、別魔界ぃ!?」
アーチャー「ヴェルダイムとかいう田舎の魔界です。聞いたことありません?」
アーチャー「そーですかー」
ラハール「それより、なぜ貴様が別魔界のアイテムなど持っておるのだ!
生まれたばかりのくせにおかしいではないか!」
アーチャー「あーっと、実はわたし生まれたっていうか、転生して来たっていうか…」
アーチャー「はい」
ラハール「じゃあ転生前はなんだというのだ!まさか別魔界の魔王とでも
言うつもりではあるまいな?」
アーチャー「あー、魔王じゃないです」
ラハール「ふん、やはり…」
アーチャー「超魔王です」
ラハール「はあっ!?」
だろう?貴様とは似ても似つかぬいかつい奴だぞ!?」
ラハール「貴様は、その超魔王バールだと言うのか!?」
アーチャー「……すみません、ウソです」
ラハール「ウソかよっ!」
アーチャー「いやー、魔王様って本当に魔王様だったんですね。
私ウソだと思ってました」
アーチャー「あ、これ解毒剤です、どうぞ」スッ
ラハール「おい、意味が分からんぞ。説明しろ」
ちょっと試しただけです」
ラハール「おい」
アーチャー「けど普通そうでしょう?生まれたばかりの私に向かって
勢いよくぶっかけてる子供を魔王だなんて誰も思いませんよ」
ラハール「……」
アーチャー「でも、まさか超魔王バール様の名前が出て、しかも超魔王様
が封印されてる事まで知ってるなんて間違いなくあなたは
魔王様です。よかったですね誤解が解けて」
ラハール「あのなぁ……はぁ、言葉も出てこん」
アーチャー「はい。でも安心して下さい。今は信じてますから」
アーチャー「はい?」
ラハール「なんで貴様は別魔界のアイテムを持っておるのだ?おかしいだろ」
アーチャー「持ってるっていうか、買ったんです。ローゼンクイン商会で」
ラハール「はあ!?」
アーチャー「さいきん不況みたいで色々仕入れてるみたいですよ。脅したら
沢山くれました」
ラハール「脅したらって、お前……」
アーチャー「さっきもこれ貰っちゃいました。馬のチンチン、ほらっ」プランプラン
ラハール「こんなのも売ってるのか!?」
アーチャー「最近の売れ筋(裏筋)ナンバーワンみたいですよ?」ニコッ
手に入れたのかと思っていたが、通販かなにかで買っていたんだな…」
ラハール「これで魔王城の財政が傾いていた理由が分かったぞ!あの女共め!」
ラハール「一時期テレビやネット通販でやたらと買い物してたと思ったら
こんなもんまで魔王城の経費で落としてたんだな!」
アーチャー「通販?ああ、あの万能ロボとかのことですか?」
ラハール「そーだ!万能包丁がついてくるとか言って、あまり役にも立たん
ロボットを買ったりと、なにかと通販で買い物しまくってたのだ!
しかもツケで!」
アーチャー「……そういえば魔王様、頭がボーッとしたりとかはしませんか?」
ラハール「む?よく分かったな。そうなのだ。実はさっきから頭が重くて……」
ラハール「はっ!?」
アーチャー「よかった、ちゃんと効いたんですね。忘却剤と堕落剤」
ラハール「き、貴様!もしやさっきの解毒剤というのは…」クラクラ
アーチャー「はい、ウソです♪中身はド忘れ状態と堕落状態にしちゃう
お薬です♪」
ラハール「な……なんだとっ…」
ラハール「くっ……!」
アーチャー「知ってます?どんなに強い悪魔でも状態異常にしちゃえば
簡単に倒せるんですよ?」クスクス
アーチャー「ストーリー序盤でお金もなくて武器も弱い悪魔のレベル上げ
には最適ですよね。この方法」クスクス
オレ様は……」
アーチャー「まあ、普通ならそうですけど……さらに魔王様を毒状態に
すればどうでしょう?」
ラハール「!?」
アーチャー「そして私と魔王様は仲間ですので携帯袋から……」ゴソゴソ
アーチャー「ほらっ♪」ヌゥ
ラハール(ま、魔剣良綱っ!?)
アーチャー「ふふっ♪」
ラハール「くそっ!も、目的はなんだ!?そして貴様は誰なんだ!?」
アーチャー「目的?とくにないです。誰か?悪魔ですよ、ただの」ニコッ
ラハール「ぐぅっ……」
ラハール「くっ……!!!」
エトナ「どっせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇいい!!!」
アーチャー「はっ!?」サッ
エトナ「あっちゃー、避けられるとは……やるね、あんた」
ラハール「エトナ!」
エトナ「あっ、殿下。お久しぶりでーす。フロンちゃん怒ってましたよ?」
ラハール「話は後だ。何とかしろ!」
エトナ「そんな言い方されると助けたくなくなっちゃうな―」クスクスクス
エトナ「はいはい。プリニー隊!」
プリニー2「はいっス!殿下、この薬を…」
ラハール「うむ!」ゴクゴクゴク
アーチャー「ちっ!」
ラハール「ハーッハッハッハッハッハ!形勢逆転だなぁ?」シャキーン
エトナ「あー、魔剣良綱レベル100!なんであんたが!」
アーチャー「貰った。そこの魔王様にね」
エトナ「殿下~」ジロッ
ラハール「ち、ちがう!あいつが勝手に奪ってったんだ!」
エトナ「ほんとですか~?」
ラハール「少しはオレ様を信じろ!」
ではないな?何者だ!?」
アーチャー?「ふふふふふふふふふ……」ズズズズズズ
プリニー2「うわっ、身体が黒っぽくなってるッス!」
アーチャー「わたしは裏時空の受け渡し人…」
ラハール「裏…」
エトナ「…時空?」
もう一つの魔界…」
ラハール「ふん!その魔界への受け渡し人がお前だと?」
アーチャー「そうだ…」
エトナ「ふーん。でもなんでまたこんな所にいるワケ?」
アーチャー?「強い波動を感じたからだ…」
アーチャー?「裏魔界の住人達はあまりに強くて暇を持て余している。
そこでこちらの魔界で、ある一定の強さに達した者を
本当に通用するかどうか、わたしが見極めて連れて行く
というわけだ」
アーチャー?「違う」
エトナ「え?」
アーチャー?「お前ではなく、用があるのは魔王だけだ」
エトナ「カッチーン!最高に礼儀が鳴ってない奴ねー」
エトナ「殿下ー、こいつあたしが倒しちゃっても良いですよねー?」
とくと見せつけるいい機会ではないか!」
ラハール「貴様は手を出すな!」
エトナ「カッチーン……このガキャー、こっちが下手に出てりゃ偉そうに!
良いんですか?こんなとこでもたもたやってるとフロンちゃん
に殺されますよー?」
ラハール「ぐっ……」
フロン「心配いりませんって♪もう見つけちゃいましたから~」ニコニコ
ラハール「……え?」サァァァァァ
フロン「ラハールさん!覚悟して下さいね?」ギュ
ラハール「うおおおおおおおおおおおおっ!?」ササッ
ラハール「こ、殺す気か!?」ドキドキ
フロン「当り前じゃないですかー、殺す気でやらないと記憶なんて
すぐに戻っちゃうんですよー?」
ラハール「こいつ……」
ラハール「あれ……オレ様の武器…………あ!」
ラハール「ああああああ!オレ様の魔剣良綱ぁぁぁぁぁ!!!」
アーチャー?「ふふふふふふ……」
ラハール「あのヤロー……」
ラハール(どうする?いくらオレ様でも武器なしの状態でフロンを相手に
するのは……)
プリニー3「こ、怖いッス」ガタガタ
ラハール「おい、プリニー。これ装備しろ」サッ
プリニー3「え?こ、これって……宇宙筋…」
ラハール「さっさとせんかあ!」
プリニー3「は、はいっス!」バッ
ラハール「よーし!装備したな?では……いっけえええええええ!!!!」ドシュン
プリニー3「や、やっぱりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
フロン「残念ながら爆発に巻き込まれそうだったので先に逃げてました。
ごめんなさいプリニーさん。あなたの死は無駄死にです」ササッ
ラハール「なっ、いつの間に後ろに!?」
フロン「ではラハールさん、覚悟してくださいねっ?」ニコッ
ラハール「うわあああああああああああああああああ!?」
アーチャー?「……」
エトナ「無口な奴ー。これだから色が黒い奴は陰気なのよねー」
アーチャー?「ふっ…」
エトナ「あぁっ!いま笑ったっしょ、絶対!」
アーチャー「ション便臭い小娘がいきがる程、裏地空は甘くはない」ヒュンヒュンヒュン
エトナ「ふん!そこまで言うなら見せてもらいましょーか、裏地空の力って奴を!」
エトナ「へ?」
アーチャー?「言い忘れていたが、私が魔王を試そうとしていたとき、
すでにこのフィールドは裏時空につなげてあった」
エトナ「意味分かんない奴ねー。裏時空がなんだってんのよ?」
アーチャー?「冥土の土産に教えてやる。プレイする時はターン経過に
気をつけろ」
エトナ「はあ?」
アーチャー「この世界にはダーク太陽というモノが存在する」
エトナ「ん?なにこの音…?」
アーチャー?「つまり……『ゲームオーバー』だ」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
エトナ「いいいっ!?ちょ…!?」
アーチャー?「さようなら……魔王とそのしもべ達。貴様たちに
裏面はまだ早かったようだ」
アーチャー?「なんだ、生きていたのか……だがもう手遅れ…」
ラハール「ふん!甘いな、貴様は。これはゲームなどではない。そして
あの太陽が落ちて来る前に貴様を倒せばそれであの太陽は消える。
そうだろう?」
アーチャー?「そうだったところで武器を持たないあなたがどうやって…」
ラハール「武器なら……ここにある!!!」
アーチャー?「ふっ、ふふふふふふふふ♪まさかとは思うが馬のチンチンで
この魔剣良綱と戦うと?無謀だ。それに第一それは防具!武器の
代わりには……」
ラハール「それは……どうかな?」ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ
アーチャー?「なっ、馬のチンチンが小刻みに震えだした!?」
ラハール「そうだ!オレ様はすっかり忘れていたが、フロンが布団の中で
尻穴にこれを突っ込んでいた時も、そしてオレ様が記憶を
取り戻した時も、たしかにこれは震えていた!!!」
ラハール「これはスイッチを入れることにより、防具から武器に変化する
幻のアイテムっ!」
アーチャー?「!」バッ
フロン「」ピクピク
ラハール「くらえ裏時空の受け渡し人!!!これが……これが魔王ラハール様
の力だあああああああああああああああああ!!!!」
ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!!!
アーチャー?「あああああああああああああああああん!!!」
フロン「ラハールさん!今日はわたしにしてくれるって約束した
じゃないですかー!」フリフリ
ラハール「あー、ちょっと待ってろ。あとちょっとだから…」
アルラウネ「あああああん❤そこぉぉぉぉぉぉ!」
エトナ「だめよ、フロンちゃん!殿下は次はあたしにしてくれるって
言ってんだから!」ピチャピチャ
アーチャー?「あの……その……」モジモジ
女盗賊「……ぼくのハート、盗まれちゃった…」
ラハールは弱点を克服するとまではいかないが、つるペタ少女に
囲まれながら、淫らな生活を送っていた。
この様子だともう少しすれば、ムチプリを完全に克服するのも
そう遠い未来ではないのかもしれない……
エトナ「殿下ー、弱点克服したいって本気ですかー?」 終わり
読んでくれた人ありがとーございました
終わるのかーせっかくのディスガイアSSなのに残念だ
非常によかった
Entry ⇒ 2012.03.10 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
貴音「あなた様、月を見に行きませんか?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330180340/
「ん?」
急に放たれた貴音の言葉
書類をまとめていた手が止まる
「今宵はとても月が綺麗です。私と、月見と洒落込みませんか?」
今日の残っている仕事は、デスクワークが少しだけ、時間はあまりかからない
「わかった。もうしばらく待ってくれないか?」
と、返事をした
「わかりました。夜はまだこれからです、ゆっくりと待たせて頂きます」
「ああ、すぐ終わらせるからさ」
カタカタ、ペラリ、カタカタ、ペラリ、まるでリズムを取っているかのようで面白い
「ふふっ、いつもは賑やかな事務所も、今は嘘のように静かですね」
「そうだな、でも、こういう時間も大切なんじゃないか?それに静かな時間は好きだよ」
「そうですね。あなた様の言うとおりかも知れません」
お互いの息遣いが聞こえてしまいそうな程、静かで、ゆっくりとした時間が流れている
騒がしく、忙しい毎日を忘れさせてくれるような心地だ
不思議と作業が捗り、キーボードを打つスピードが上がる
「今日の業務は終了っと」
「貴音、待たせたな、準備して行こうか」
「わかりました。それでは私は準備をして参りますので、五分ほどしたら屋上へと来てくださいますか?」
…屋上?
「移動しなくて良いのは助かるが、何をするつもりだ?」
「秘密、です」
少し微笑みながら、ウインクをした
「それでは、お待ちしておりますね」
「ああ、また後でな」
五分なんてあっという間だ、最終チェックをしてから屋上へと向かうことにする
階段を上がり、屋上へと続くドアを開けた
そこに待っていたのは赤いシートに座り、空を見上げる貴音と、お盆に載っているお銚子
月光を受けた銀の髪がまるで輝いているようで、声をかける事を忘れ、しばらく貴音に見入ってしまった
「あっ、あなた様」
俺に気づいた貴音は優雅に姿勢を正し
「本日もお疲れ様でございました。ゆっくりとお寛ぎくださいませ」
三つ指を立てて挨拶をした
気軽に「そうさせてもらうよ」などと言えない雰囲気に俺は思わず敬語で返す
「ふふっ、そう緊張せずに、りらっくすなさって下さい」
貴音が俺を隣に座らせるように促してくれる
「どうぞ、この席はあなた様のために作ったのですから」
「はい、私の隣にお掛けください」
ふぅ、ようやく一息つくことができる
「あなた様、ご覧になって下さい。今日はこんなにも月が綺麗なのです」
貴音に言われて空を見上げると、大きな丸い月が見えた
「こんなに大きくて綺麗で、手を伸ばせば掴めてしまいそうですね」
「ああ、そうかもな」
手をかざして貴音が微笑む
「ふふっ」
「ははっ」
仕事のせいで、という言い訳で、夜空を見上げることなど最近は全くしなかった
なかなか綺麗なものだ
「ところであなた様、お酒はいける方ですか?」
「嗜む程度ってところかな」
すっ、とおちょこを差し出され、迷うことなく受け取った
これは貴音の私物か?とも思ったが
「給湯室にあったのです。丁度いいので拝借いたしました」
うーん、こんなもの持ち歩く子は想像がつかない…
「ああ、ありがとう」
貴音から酌を受ける
なんてことない動作なのに、妙に型にはまっていて、とても綺麗だ
「うん、美味いな」
「ふふっ、良かったです」
風情がある。とは、こういうことを言うのだろう
「貴音は飲まないのか?」
「私はまだ未成年ですよ、あなた様」
「そうか。…本当は駄目だけれど、俺だけ飲むのも寂しいし、少し付き合ってくれないか?」
「仕方ないですね。では、少しだけ」
「よし、そうこなくちゃな」
酒が注がれるのを待つ貴音を見て、疑問に思ったことを聞いてみる
「さっき思ったんだけれど、妙に手馴れていると言うか、場慣れしているな」
ふぅん、『くに』ねぇ…
「それは聞いたら教えてくれるのか?」
貴音は、ふふっと微笑んで
「残念ですが、お答えできません」
「ただ一つ言えるとすれば、疚しいことはしておりません。懐かしい思い出の一つです」
「そ、そうか…なら良いんだけれど」
大半の人間が、四条貴音はどんな人物なのか?と問われたら、ミステリアスな人間だと答えるだろう
それが貴音の魅力の一つでもあるのだろうけれど
「えっ?はは…すまない」
「私は今、気分がとても良いので、許してあげます」
相変わらず勘が鋭いな
「あなた様、見てください、月がおちょこの中にもう一つ。とても綺麗ですね」
こくり、と嚥下して、「ふぅ…」と息を吐く姿に、何故かどきりとした
「さぁ、あなた様の番です、どうぞ」
「ああ…ありがとう」
おちょこを受け取り、二度目の酌を受ける
「あなた様、とっぷあいどるになる、とはどのようなことなのでしょうか?」
貴音からの、少し迷っているような視線
「そのままの意味じゃないのか?」
そういや、貴音がトップアイドルを目指す理由は聞いたことがなかったな
なかなかに難しい質問だ
「一般的に言えば、ランクを上げたり、ライブの入場者数、CDの売り上げとかか」
「それもあるでしょう。…質問を変えます、あなた様の考えるとっぷあいどるとは何ですか?」
「俺の考える、トップアイドル?」
理想のアイドル…か
ランク?それだけか?ライブの入場者数?そんなものが理想?CDの売り上げ?もっと根本的なもので…
アイドルがアイドルたる、俺が描く理想のアイドル…
「少し、くさい言葉だけど良いか?」
貴音を納得させられるかはわからないけれど、俺の本心を話そう
「俺の理想のアイドル、それは皆に夢を与えて、皆を笑顔にできるアイドルだ」
「夢と笑顔を、ですか?」
「ああ、皆にとびっきりの笑顔を、そして、とびっきりの夢を」
「ああ、皆にとびっきりの笑顔を、そして、とびっきりの夢を」
…嘘偽りのない言葉だけれど、少し恥ずかしいな
「あなた様らしいですね。安心致しました」
「少し恥ずかしかったけどな」
「少しも恥ずかしいことなどありません。貴方様の嘘偽りの無い言葉を聞いて、決心致しました」
「決心?それは聞いてもいいのかな?」
ふふっと貴音は微笑んで
「ええ。私はとっぷあいどるになります、あなた様と共に」
望むところだ。俺がお前をトップアイドルにしてみせる。長い道のりだろうけれど
「他にもあるのか?」
「とっぷあいどるになることができたなら、褒美が欲しいのです」
「褒美?俺にできることなら何でもいいぞ」
貴音は少し考えるそぶりをした後に、今日一番の笑顔を見せて
「私を、あなた様だけの、あいどるにして頂きたいのです」
俺を見つめる赤紫色の瞳
さらさらと風になびく銀の髪
不意に鼓動が早くなるのを感じた
言葉につまり、ただ呆然としてしまう
どれくらいそうしていただろう
自分の腕に当たる、柔らかな感触と、優しい声で、我に返る
にこり、と笑う、貴音の艶のある声が響く
「…ですが」
貴音は、すぅ、と息を吸い込み
「この四条貴音。必ずやあなた様だけの、あいどるになってみせます」
凛とした声で、力強い意思で、本日二度目の宣言をしたのだった
おわり
短くすっきりしたのも良いな
貴音可愛いよ貴音
次は響でも書こう
Entry ⇒ 2012.03.10 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
上条「この口がなぁ…黙ってりゃ可愛いのに」ムギュ 御坂「ふぐー!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330342676/
上条「黙ってりゃ可愛いのになー」
美琴「え?今なんて?」
上条「んー、静かにしてたらかわいいのになーって。でもお前そんなキャラじゃないもんなー」
美琴「ッ//私だって静かにできるわよ!こうおしとやかにしとけばいいんでしょ?」
美琴「できるわよ!!じゃ、じゃあ今日一日大人しくしてあげるから付き合いなさいよ」
美琴「い、今のは今日一日ってことであって!その変な意味じゃないからね!!」
上条「えー、どうせ無理だしいいですよー」
美琴「できるって言ってんでしょ!!さっきから無理無理ってうるさいわね!!」ビリビリ
美琴「ちょっ///あんたねぇ……」
上条「お、静かになった。これいいかもなー」
美琴「早く手どけなさいよ……」
上条「おいおい、ほんとにおとなしいな。お前こういうの弱いのか?」ナデナデ
美琴「ふにゃー……ボンッ!」
美琴「だだだ、大丈夫よ!!だから早く手どけなさいって言ってんでしょうが」
上条「おー、わりーわりー。で、どこ行くよ」
美琴「行くって何よ」
上条「えーっと御坂さんが一日付き合えって言ってきたんじゃなかったでしょうか?」
美琴「あんたさっき嫌だって言ったじゃない」
もっと甘々な方向にすればよかった
上条「いやー、もしものときの必殺技も見つけたしなー。」
美琴「あっそう、じゃあとりあえずセブンスミストにでも付き合いなさいよ」
上条「ちょっと待った。上条さんとのお約束第一条今日一日敬語でできるだけお嬢様っぽく過ごすこと」
上条「第二条ビリビリ禁止。もちろん暴力も」
美琴「何よそれ」
上条「あとはそうだなどうせなら服もそんな感じにしたいなお前そんなの持ってないの?なんて言うか深窓の令嬢っぽいやつ」
上条「敬語」
美琴「ぐっ、えー、そんなのないですよー」
上条「じゃあ、しょうがないかセブンスミストだっけ?行くか」
美琴「えぇ、そうしましょうか」ヒクヒク
続けてください
上条「でも、セブンスミストで何するんだ?」
美琴「えーと、ゴホン少しお洋服を見ようかと」
上条「おー、ちょうど良いじゃん。可愛いの探して着れば良いじゃん」
美琴「はあ?!さっき言ってたようなやつ?いやよ」
上条「敬語な。似合うと思うんだけどなー。金余ってんだろ?」
美琴「あんた今最低なこと言ってるわよ。あっと、では少しなら(これでこいつを落とせると思えば……)」
美琴(落とせるなんて何考えてんのよ!!でもかわいいって言ってくれるかも…)モジモジ
美琴「違うわよ!ち、ちがいますわよ。オホホ」
上条「んー、なんか違うな」
美琴「なにがですの?」
上条「なんかオホホとかは違うわ。御坂は元気系だしもっとこう後輩らしくというか妹っぽく?」
美琴「はあ?!あんたがお嬢様っぽくとか言ったんでしょうが!!」
美琴「なんでそうなるのよ!」
上条「じゃあ、もう帰ろうかなー」
美琴「わかったわよ。やりゃあいいんでしょ」
上条「呼び方は上条先輩な」
美琴「はあ?!」
上条「いいじゃねえか。ほんとに先輩なんだし。ほら練習。上条先輩こんにちわ。はいどうぞ」
美琴「か、上条先輩こんにちわ」
上条「よろしい」
美琴「ち、ちょっとなんで下の名前なんですか?」
上条「いや、先輩後輩ですしそっちのほうがいいかと。ほら早く行かないと着く前に日がくれちまいますよー」
美琴「わかりましたよ。ほら先輩急ぎますよ!」
上条「おー、いいんじゃないか?でも上条さん的にはやっぱり上条先輩がいいんですが」
美琴「しつこいと嫌われますよ先輩」
上条「ついたな。何から見るんだ?」
美琴「もう、さっき言ったじゃないですかー。服ですよ服!ホラホラ早く!」
上条「おう。(やべー、ドキッとしちまった)」
洋服売場
美琴「先輩こんなのどうですか?」
上条「さすがにそれは子供っぽすぎるんじゃないでしょうか?そこまでしなくてもいいんだぜー?ハハハ」
美琴「巣の趣味が子供っぽくって悪かったわねえ!!」ビリビリ
上条「ちょっとこんな所でビリビリしたら服が!!」ニギッ手をつかむ
美琴「ふなっ!!///」
美琴ヴィジョン
上条「手を握っていればビリビリしないで済むし安心だろ?(キリッ」
美琴「うん……」
上条(いつもなら怒るのになんで?)
上条「いいんじゃないですか?上条さんのイメージにぴったりですよ」
美琴「ホントですか?じゃあ試着して見ますね!」
上条「あのー、美琴。手を離してくれないと試着できないんじゃないんですか?さすがに入るわけにはいけないんで」
美琴「ッナ!!///わかってますよ!!うるさいなー」
上条「はいはい。じゃあいってらっしゃーい」
上条「じゃーんって……」
美琴「いいじゃないですか!//それより感想!!!」
上条「んー、似合うと思うぞ」
美琴「……ありがとう」
美琴「店員さんこれください。あ、このまま来て帰りますんで」
上条「校則なんじゃないのか?いいのか?」
美琴「たまにはいいんですよ」
上条「えーっとそのすいませんがおごりでしょうか?上条さん財布が……」
美琴「アイスぐらいおごりますよ。付き合ってくれたお礼です」
上条「それはありがたいです」
上条「しかしもう夕方になってたなんてなー」ペロペロ
美琴「楽しい時はすぐ過ぎちゃいますね」
上条「あのさー、今日思ったんですけどやっぱ美琴はいつもの美琴が一番だな」
上条「そりゃ素直だったりビリビリしないのはいいけどさ。なんかいつもの美琴が一番可愛いよ。それにビリビリはいつも手をつないでればいいことだしな……」ポリポリ
美琴「ななな、何言ってんのよ////頭打ったの?」
上条「頭も打ってないし、まじですよ。その……明日とかこれからもずっと手をつないでいいか?」
美琴「べ、べつに私は嫌じゃないけど……むしろ嬉しいし」
上条「え?いまなんと?」
美琴「手をつないでくれると嬉しいって言ったの!!何度も言わせんなバカ」
上条「ありがとう美琴!!」ダキッ
美琴「にゃっ///ちょ、ちょっと!」
上条「これからもよろしくな」
美琴「……うん」
おわれ
まあ乙
Entry ⇒ 2012.03.10 | Category ⇒ 禁書目録SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
千早「何度も何度も壁とばかり……他の言葉を知らないの?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329797649/
美希「そんなことを言ったって千早さんはどう見ても壁なの。あふぅ」
千早「..くっ....」
春香「み、美希ちゃんやめなよ....」アセアセ
美希「春香もそんなこと言って本当は千早さんのこと壁だと思ってるでしょ?」
千早「...え?」
春香「わ、私はそんなこと...」
美希「春香の嘘は分かりやすいの」
千早「くっ....」
春香「ち、違うよ!!私は千早ちゃんのこと壁だなんて思ってないから!!」
千早「...本当なの?」ズイッ
春香「うっ..う、うん(か、顔が近いよ千早ちゃん!)」
美希「でも千早さんって確かやよいより小さいの。それは言い逃れ出来ないと思うな」
千早「.......」ズ-ン
春香「ゆ、勇気出して千早ちゃん!!」
帰宅中なんで家に帰ってから書きます
美希「それにただの壁から元気は出ないの♪あはっ☆」
春香「ちょっとあんまりだよ美希!千早ちゃんは他の子より少し胸がないだけで...!」
千早「もういいの春香....」
春香「千早ちゃん....」
美希「美希は眠くなったの。おやすみなの。あふぅ」
亜美「...ってあれ?」
真美「....どしたのこの空気?」
春香「あっ、亜美と真美おはよう」
春香「実はねいろいろあって....」
亜美「ん→?いろいろって何→?」
真美「真美達わかんな→い。教えてはるるん」
真美「千早お姉(c)が沈んでるって事は~?」
亜美「まさかムネムネのことですかな~?」
春香「え!?」
千早「......」ズズーン
亜美・真美「はるるんは分かりやすいですな~」
春香「だ、だから違うってば!ね、ねぇ千早ちゃん!?」
千早「......そうよあなた達の言うとおり胸のことよ」
春香「.....」
亜美「大当たり~!」
真美「やりましたな亜美探偵!」
春香「つまらぬって....」
真美「でもでも~なんでまた急にそんな話に?」
千早「それは少し前の話になるわ....」
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千早「あら、おはよう春香」
美希「おはようなの~」
春香「あれ?Pさんは?」
美希「ハニーなら仕事で少し出かけたの」
千早「少ししたら戻ってくるそうよ」
春香「なんだ~Pさんいないのか~」
春香「うん。今日は手作りクッキーを作ってきたから食べてもらおうと思って」
千早「春香の..!手作り....!クッキー......!」ガタッ
美希「美希お腹空いたの。だから春香クッキー食べさせてなの」グ~
春香「う~ん.....まあでもいないなら三人で食べよっか!」
春香「Pさんにはまた明日作ってくればいいもんね」
千早「そうね!そうしましょ!」
千早「とってもおしいわ!きっといいお嫁さんになるわ!いいえ今なりましょ!」ボリボリ
春香「えへへ///いいお嫁さんだなんてそんな///」テレテレ
千早「あら?」
美希「もうクッキーが残り1つなの」
春香「あっ、私はいいから二人で食べて」
千早「ちょっと待ちなさい」
美希「千早さんどうしたの?」
千早「春香は二人で食べてと言ったわ。だから私に食べる権利はあるわ」
美希「むーそんなの関係ないの!美希はお腹が空いてるの!」
千早「いいえ関係なくないわ!そんなこと言うんだったら私にクッキーを全て寄こしなさい!」
千早「いいえ春香は私のお嫁さんなのよ!そう!つまり春香の作った物は私の物なのよ!」
春香(千早ちゃん今、お嫁さんって...///)
美希「そんな理論ジャイアンもビックリなの...。それよりクッキーは美希が頂くの!」
千早「そんなことさせないわ!ぼえ~!」
美希「うぐっ..!耳が痛いの!」
千早「ゲット!」
美希「くっ...やられたの..!」
千早「これが愛の力よ」ファサァ
美希「千早さんの壁!返すの!」
千早「嫌よ。いただきます」ボリボリ
美希「千早さんの壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁璧壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁壁!」
春香(ま、間違い探し!?)
美希「それにクッキーだって壁みたいな胸の千早さんより、美希みたいなFカップの胸の人に食べられたほうが嬉しいの!!!」
美希「...って、.なんか叫んだら疲れたの。これも全部壁の千早さんのせいなの。あふぅ」
亜美「う~ん....どっちもどっちですな~」
真美「しかもミキミキは寝ちゃってるし」
美希「zzZZZ」
春香「ごめんね私がもう少しクッキー焼いてくれば良かったんだけど...」
千早「いいえ春香は悪くないわ!私を壁と言った美希が悪いのよ!」
亜美「そうそう。ムネムネがないのは亜美達もだからさ→」
千早「本当に!?仲間ね私達!」
亜美・真美「いぇ→い!」
千早「ところであなた達はいくつなのかしら?」
真美「真美達?真美達は13歳だよ→」
亜美「え→っと確か78だったかな」
千早「な、ななじゅうはち...!?」
亜美「それに真美は最近また少し大きくなったんじゃないっけ?」
真美「あ、亜美!恥ずかしいからやめてよ!///」
千早「.......」
亜美「んっふっふ~これは少し揉ませてもらう必要がありそうですなぁ~」モミモミ
真美「んんっ....///や、やめっ.....///」
春香「二人ともはしたないからやめなさい!」
亜美「ちぇ~。はるるんお母さんみたいなの→」
真美「亜美のえっち...///」
<カン..カン...カン
亜美「おっ誰か事務所の階段を登ってきますな」
真美「誰だろ→ね」
<チッ...チ・チ....ッパ....ボインボ.....♪
春香「な、なんか懐かしい歌が聞こえてくるんだけど....」
亜美・真美「この歌を歌うのははまさか......!」
P「ボインボイーン♪...っと、おはようみんな!」
亜美・真美「やっぱり兄(c)だ→!!」
P「おお亜美と真美元気か?」
亜美「うん!すごぶる元気だよ→!」ダキッ
真美「真美も元気だよ..//」
P「?真美は抱きついてこないのか?」カモンカモン
真美「ま、真美は今日はいいや!///」アセアセ
P(亜美の発展途上おっぱいが....。大きいのもいいけど発展途上も捨てがたいな)
春香「Pさんおはようございます!」
P「よう春香!なんかいい匂いがするな!」
春香「えへへ・・・わかっちゃいました?Pさんの為にクッキーを焼いてきたんです!」
P「そうか、それはうれしいな!」
P「食べちゃったならしょうがないな。明日楽しみにしてるよ!」
P「よう!千早げん......きか?」
千早「......」
P「....どうしたんだ千早?」
春香「実は....かくかくしかじかあって...」
P「そうか...そんなことが」
P「ま、まあ胸なんて人それぞれだからな!どんなに大きくても形がダメな人もいるって聞くし!」
春香「ほ、ほらPさんもこう言ってることだしっ!」
千早「....形?ふふ....形を作ることすらできないのはどうすればいいのかしら?」
P・春香(なんて死んだ目をしてるの...!?)
千早「そうすれば私も巨乳と呼ばれるようになるのよ!」
千早「.....ぐすっ....なるのよ....!」
亜美(自分で言って悲しくなっちゃったんだね...)
真美(泣くくらいないわなきゃいいのに....)
春香(.....泣いてる千早ちゃん.....すごくイイ!!)
P(泣いてる千早というのもそそるな)
P(ん?誰か来るぞ?)
春香(足音が3つ....!?)
亜美(この状況でムネムネがデカイ人がきたら千早お姉(c)さらにへこむね...)
真美(例えばお姫ちんとかりっちゃんとか...)
P・春香・亜美・真美(あずささん(お姉(c))とか)
<.....アラ~......ウフ.....ヨネ~....
<...ナン....ンヨウナ!...
<アズ...モソウオ....マス?
貴音「おはようございます皆様」タユン
律子「おはようみんな!」タユン
あずさ「あら~おはようございます~」タユユン
P・春香・亜美・真美「Oh........」
千早「うっ....ぐすっ.....くっ.....」
貴音「如月千早、何か困り事でも?」
あずさ「ダメですよ~Pさん。女の子を泣かせちゃ~。メッ」
P「えっ!?」
律子「やっぱりPさんだったんですか!後で説教です!」
貴音「...貴方様が女の子を泣かせるなどわたくしは失望しました」
P「......」
真美「そうだよ→!」
亜美「そうだそうだ→!」
律子「本当なの?...それはごめんなさい」
貴音「なんと!?それならばわたくしも謝ります」
あずさ「あらあら~私ったら勘違いしてたわ~ごめんなさいね~」
律子「...じゃあどうしてこんな状態になってるの?」
春香「そ、それは.....そのー....」
亜美「実はね→千早お姉(c)ミキミキに」
真美「壁って言われて凹んじゃって....」
春香「それで千早ちゃん以外の全人類の女性の胸が無くなれなんて言い出しちゃって...」
律子「相当重症ね....」
あずさ「何とかしてあげられないかしら~」
亜美「あずさお姉(c)は何もしないほうがいいかもね....」
真美「うんうん。100%逆効果になるよね....」
あずさ「そうかしら~」
P「自覚なしですか...」
千早「ぐすっ....それはいつかしら...?」
春香「うぐっ....それは...」
真美「はるるんが何を言ったて」
亜美「さっきからこの調子なんだよ→」
P「どうにかならないか律子」
律子「わ、私に聞かれても!そ、そんなにプロポーション良くないですし!」アセアセ
春香「わ、私そいえば大きい人の胸を揉ませてもらうと大きくなるって聞いたことあります!」
千早「......大きく....なる...?」ピクッ
P「ほ、本当か!?」
P「それなら試してみるしかないな千早!」
小鳥(入ろうとしたら賑やかでドアからこっそり覗いてみてたけど.....なんという百合展開!!)ピヨッー!
小鳥(...それにしても外は寒いわ。でも我慢よ小鳥!)ピヨピヨ
千早「大きくなるなら試してみるしかないわ!!さあ揉ませなさい!!」
P「きゅ、急に元気に...」
千早「まずは律子!あなたからよ!」
律子「なっ!?えっ!?私!?」
千早「さあ揉ませるのよ!私の野望の為に!!」ガバッ
千早「くっ...なんてデカさなの!悔しいわ!」モミモミ
律子「.....んっ...///ち、千早....あなたが今何をしてるのか...わかってるの...?//...あうっ..///」
千早「憎い憎いわ!こんなものをぶら下げて!」モミモミモミモミ
律子「ぷ、P殿ぉ...///や、やめさせて...くだ....あっ//.....さい....///」
P(なんて素晴らしい光景!くそぅ!ここにカメラがあれば!!)
貴音「!?」ビクッ
千早「あなたよ!!」
貴音「め、面妖な!」
あずさ(私は最後なのね~。正直逃げたいわ~)
亜美・真美(千早お姉(c)がただの乳揉みマシーンと化してるよぉ~)
貴音「き、如月千早!待ちなさい!あなたは仮にも女という身!女の子同士でなどとおかしいと思いませんか!?」アトズサリー
千早「...仮にも...女....?」ピクッ
千早「関係ないわー!!」シュバッ
春香(千早ちゃんがおかしくなっちゃった!わ、私にはしてくれないのかな...?)ドキドキ
千早「四条貴音恐るべしっ!!」モミモミモミ
貴音「..あっ....//..っん....はぁ.....///」
P(貴音は息遣いがエロいなー)
貴音「はぁあん...////あ、貴方さまぁ...//...た、助けて...んっ...//」
千早「なんて柔らかさなの!くっ...」モミモミ
春香(揉みながら涙目になってる....)
貴音「め、面妖なぁ....///」
千早「次はメインディッシュですよ、あずささん」
あずさ「あ、あら~(全力で逃げたいわ~)」
小鳥(ピヨー!いいのが撮れたわ!カメラを持ってきて正解だったわね!)ピヨピヨ
あずさ「そ、それはうれしいと思うわ~」アトズサリー
千早「そうですか.....。私はね765プロ一小さいんですよ。この気持ちわかりますか?」テクテクテク
千早「わからないでしょうね!一番大きいあなたには!....くっ....」
P(なぜこうも自分を自分の首を絞める様なこと言うんだ...)
千早「....だから分けてください!その胸を!恵まれない私に!!」ガシッ
あずさ「きゃ~!」
春香(泣きながら揉んでる....)
亜美(そんなに惨めな気分になるなら....)
真美(なぜ揉む.....)
P(あずささんデカイなー)
あずさ「あっ...///ま、待って~千早ちゃん....んっ...//」
千早「...うっ......一体どんな柔軟材を使ってるの.....」モミモミ
あずさ「メ、メキシコダウニーの.....あっ...///で、デラックス.....んっ.....//....グラマーよ...//」
P(あずささん真面目に嘘を答えたらダメですよ...)
千早「...デラックス....グラマー...それを使えば私もっ!!」モミモミ
あずさ「もう許して~///」
春香(大きくなるなら今度買ってみようかな)
あずさ「あっ...や、やっと終わった....//」
<カツ...カツ...
P(誰か来るぞ?)
<ピヨコ、ジムショノマエデデナニシテルンダゾ?
<ウワワッ!ヒビキチャン!
ガチャ
ヌー
P「小鳥さん?何してるんです?」ニコニコ
小鳥「あーれー」ズルズルー
P「千早!喜べ!巨乳がもう一人と響が追加だ!」
小鳥「ピヨッ!?」
響「え!?一体何事だぞ!?」
千早「巨乳な子はいねがー!!」
ピヨーーーーーーー!!!!
だぞーーーーーーーー!!!
P「小鳥さん、カメラは俺が没収します」
次、俺な
響「だぞー///」ビクンビクン
千早「ふふふふふ、これで一歩巨乳に近づいた気がするわっ!!」
亜美「そ、それはよかったね千早お姉(c)....」
真美「ま、真美達にはよくわからないけど.....」
ガチャ
???「ちょっと!あんた達朝からうるさいんじゃない!?」
???「うっうー!叫び声が聞こえましたー」
亜美「おっは→!」
伊織「ご機嫌よう。亜美と真美」
やよい「亜美真美おはよう!」ガルウィング
P「やあ二人ともおはよう」
やよい「プロデューサーさんハイ、ターッチ!」パチン
伊織「おはようじゃないわよ!なんで朝から事務所で人が倒れてるのよ!」
律子・貴音・あずさ・小鳥・響「......」ビクンビクン
伊織「御機嫌よう春香」
やよい「おはようございます!」ガルウィング
春香「これには少し訳があるの...ア、アハハ...」
伊織「??とにかく隠し事は許さないわ!この伊織ちゃんに全て話しなさい!ニヒヒ」
やよい「私も聞きたいですー!」
やよい「はわっ!」
伊織「はぁ....。一体何事かと思ったらそんな話だったのね」
やよい「千早さんかわいそうですー」
伊織「気持ちはわからなくも無いけど....少しやりすぎじゃないかしら?」
千早「いいえ!そんなことは無いわ!!!やりすぎなくらいが丁度いいのよ!!!!」
伊織「きゅ、急に大声出さないで頂戴!ビックリするでしょ!」
千早「高槻さん......!!!」ジーン
千早「.....高槻さんとってもかわいい!!」ギュー
やよい「はわっ!///」
伊織「ちょっとやよいに何するのよ!」
亜美「おやおや→?」
真美「いおりんやきもちでも焼いてるんですかな→?」
伊織「なっ、バカじゃないの!そ、そんなのやくはずないでしょ!///」
P(伊織のツンデレは今日も冴え渡ってるな)
春香(私が何言ってもハグなんてしてくれなかったのに!)
春香「ち、千早ちゃん!やよいが苦しがってるから離してあげなよ!」
伊織「そ、そうよ!さっさとやよいを離しなさいよ!」
やよい「わ、私は別にこのままでいいかなーって///」
千早「ああ!!なんて愛らしいの!!」ギュー
春香「いいから離れてよ千早ちゃん!!」ググー
伊織「やよいを返しなさい!!ほら早く逃げなさいやよい!!」ガシッ
やよい「い、伊織ちゃん!そんなに強く引っ張ったら...///」
千早「ああ...高槻さん....待って....!!」
千早「何するの!二人とも!私の心の傷を癒してくれる天使になんてことを!」
P(やよいマジ天使)
伊織「どんなことを言ったってやよいは返して貰ったからね!」
伊織「..あっちに行きましょ、やよい」
伊織「良いから一緒にあっちに行きましょ」グイッ
やよい「ち、千早さん........」
千早「ま、待って...高槻さん.....」ガクッ
亜美「あれれ→失恋?」
真美「真美達もあっち行こ→よ」
亜美「うん!」
春香「千早ちゃん....」
P「うおっとっと(真美の胸が当たってる...!ウヒョー!)」
真美(んっふっふ~当ててんのよ)
春香「大丈夫?千早ちゃん...?」
千早「春香....高槻さんが....」
春香「千早ちゃんはやよいのことが好き?」
春香「...うん。千早ちゃんならそう言うと思ってた」
春香「それじゃあ千早ちゃん」
千早「何かしら?」
春香「あのね、その、わ、私のことは.....好き?///」
春香「だ、だから!わ、私のことは好き?かなって//」
千早「なに言ってるの当たり前じゃない。私は春香のことを親友として尊敬してるし、好きよ」
春香「....あ、あのね違うの千早ちゃん!その、何ていうか...親友としてじゃなくて...」
千早「?してじゃなく?」
春香「だ、だからその...ひ、一人の女の子として、天海春香としてす、好きかっていうことなのっ!」
春香「や、やっぱり何でもないや!今の忘れて千早ちゃん!」
千早「.......」
春香「あ、あれ?..おかしいな?.....なんで泣いてるんだろ...」ポロポロ
春香「わ、私屋上に行って来るね!」ダッ
千早「.....」
千早「....待って春香」グイッ
春香「..え?」
チュッ
春香「ち、千早ちゃん....!!??」
千早「....春香ごめんなさい。貴方の気持ちに気づいてあげられなくて」
千早「私が落ち込んでいた時も励ましてくれたのはあなただったわね」
千早「ありがとう春香」
春香「千早ちゃん...///」
千早「そして好きよ春香」
春香「そ、それって...」
千早「ええ一人の女の子として、天海春香としてのあなたが好きなの」
千早「うふふ、どうして泣いてるのよ。そこは喜ぶところでしょ?」
春香「だってぇ....うっ...ぐすっ....」ポロポロ
千早「もう、春香は泣き虫ね」ナデナデ
春香「...ち、千早ちゃん....私、やよいよりも...かわいい仕草できないかもしれないよ..!?」
千早「私はそれでもいいわ」
春香「や、やよいよりも..かわいい表情できないかもしれないよ..!?」
千早「ええ、私はそれでも大丈夫よ」
千早「だって、春香はそんなことしなくてもかわいいじゃない」
千早「よしよし」ナデナデ
春香「....千早ちゃん...あのね....私ずっとこうしてたい....」ギュー
千早「いいわよ。春香の気が済むまでこうしてましょ」ナデナデ
春香「ねぇ千早ちゃん..」
千早「何かしら?」
春香「....大好き!」
千早「クスッ..私もよ」
真「おっはよー...」
雪歩「お、おはよ.....」
真「....」
雪歩「....」
ギィーバタン
真「.......雪歩今の見た?」
雪歩「う、うん//なんかラブラブだったね真ちゃん//」
真「そっとしておこうか」
雪歩「う、うん//」
真美「な、なんかキュンキュンしちゃうね!」
やよい「はわっ!すごいですー」
伊織「ニヒヒ!作戦大成功ね!」
P「はるちは!はるちは!」
P「まあまあ、おなかも空いたし練乳でもかけて魚肉ソーセージでも食べるか」
美希「なんかえっちぃの。あふぅ」
終わり
保守、支援してくれた人たちありがとうなんだぞ!
本来は千早乳搾り路線で進めるつもりだったけどいつのまにかはるちは路線になってたぞ!
自分真と雪歩は忘れてた訳じゃないぞ!本当だぞ!
SS書くのは本当しんどいぞ!
自分これから明日のテスト最終日に向けて勉強するからさようならだぞ!!
最近よく書いてるけどテスト大丈夫なんか?
SS書くのすら死にかけだぞ!
心配してくれてありがとうだぞ!
Entry ⇒ 2012.03.10 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
サスケ「ナルトォ・・・・・」 ナルト「サスケェ・・・・・」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330695148/
サスケ「誰やあれ・・・・・」
ナルト「俺の兄弟子やで・・・・・」
サスケ「やらしい目しとるで・・・・・」
ナルト「失礼な事言ったらあかんで・・・・・」
サスケ「えっ・・・・・」
長門「長門やよろしく・・・・・」
サスケ「・・・・・」
ナルト「どないしたんや・・・・・」
サスケ「・・・・・」
ナルト「サスケェ・・・・・」
サスケ「ハァ・・・・・ハァ・・・・・」
ナルト「サスケェ・・・・・?」
サスケ「・・・・・」
ナルト「あかん過呼吸や・・・・・」
ナルト「大丈夫や・・・・・」
サスケ「治まったわ・・・・・」
ナルト「心配かけんなや・・・・・」
サスケ「すまんなァ・・・・・」
長門「医者連れてったろか・・・・・」
サスケ「触んなや・・・・・」
ナルト「サスケェ・・・・・」
サスケ「こんな奴がええんかナルト・・・・・」
ナルト「失礼なこと言うなや・・・・・」
サスケ「もう絶交やでお前とは・・・・・」
ナルト「ええで・・・・・」
サスケ「・・・・・」
長門「ええんか・・・・・」
ナルト「ええんや・・・・・」
イタチ「落ち込むとオ◯ニーする癖は変わらんな・・・・・」
サスケ「イタチィ・・・・・」
イタチ「何かあったんか・・・・・」
サスケ「ナルトが奪われたんや・・・・・」
イタチ「ナルト君がか・・・・・」
サスケ「俺悔しいわ・・・・・」
イタチ「泣いたらあかんで・・・・・」
サスケ「悔しいわ・・・・・」
イタチ「解った兄ちゃんが取り戻したるわ・・・・・」
サスケ「すまんなァ・・・・・」
イタチ「行くで鬼鮫・・・・・」
鬼鮫「えっ・・・・・」
イタチ「行くで・・・・・」
鬼鮫「お、おう・・・・・」
ナルト「イタチィ・・・・・」
長門「イタチィ・・・・・」
イタチ「何で俺の名前知ってるんや・・・・・」
長門「僕はペインやで・・・・・」
鬼鮫「嘘やリーダーはもっと怖い顔しとるわ・・・・・」
長門「ホンマやで・・・・・」
イタチ「証拠はあるんか・・・・・」
長門「声が一緒やろ・・・・・」
イタチ「ホンマや・・・・・」
ナルト「どういうことだってばよ・・・・・」
イタチ「帰るで鬼鮫・・・・・」
鬼鮫「絶対リーダーとちゃいますよ・・・・・」
イタチ「帰るで・・・・・」
鬼鮫「・・・・・」
イタチ「兄ちゃんの会社の上司やったわ・・・・・」
鬼鮫「ちゃうであれは・・・・・」
サスケ「強いんか・・・・・」
イタチ「強いで・・・・・」
鬼鮫「絶対にちゃうで・・・・・」
サスケ「すまんなァ兄さん・・・・・」
イタチ「ええんやで・・・・・」
鬼鮫「リーダーとちゃうで・・・・・」
イタチ「声が一緒やったやろ・・・・・」
鬼鮫「イタチはん・・・・・」
イタチ「兄ちゃんにできる事あったら何かしたるで・・・・・」
サスケ「もうええよ・・・・・」
イタチ「サスケェ・・・・・」
ディダラ「うちはのガキ・・・・・」
サスケ「誰や・・・・・」
ディダラ「イタチの同僚や忘れたんか・・・・・うん」
サスケ「知らんなァ・・・・・」
ディダラ「イタチに頼まれて来てあげたんやで・・・・・うん」
サスケ「兄さん・・・・・」
ディダラ「そいつを倒したら俺イタチより強いやろ・・・・・」
サスケ「それは無いで・・・・・」
ディダラ「弟想いの兄ちゃんやであれは・・・・・」
サスケ「せやろ・・・・・」
ディダラ「芸術は爆発やで・・・・・」
長門「ディダラ・・・・・」
デイダラ「えっ知ってんの・・・・・」
長門「僕や・・・・・」
デイダラ「誰や・・・・・」
長門「解るやろ・・・・・」
デイダラ「誰や・・・・・」
サソリ「リーダーや・・・・・」
デイダラ「サソリの旦那・・・・・」
サソリ「帰るで・・・・・」
デイダラ「ちゃうやろ・・・・・」
サソリ「・・・・・?」
デイダラ「リーダーとちゃうで・・・・・」
デイダラ「リーダーは顔に色々と刺さってるで・・・・・」
サソリ「でもリーダーやで・・・・・」
デイダラ「全然ちゃうで・・・・・」
サソリ「声が一緒やろ・・・・・」
デイダラ「絶対にちゃうで・・・・・」
サソリ「・・・・・」
デイダラ「・・・・・」
サソリ「コンビ解散やな・・・・・」
デイダラ「ええで・・・・・」
長門「勝手に解散したらアカンで・・・・・」
デイダラ「余計なお世話や・・・・・」
デイダラ「相方と喧嘩して別れたわ・・・・・」
サスケ「そうか・・・・・」
ゼツ「サイキンアツマリガワルイトオモッタラ・・・・・」
サスケ「キモ・・・・・」
デイダラ「ゼツ・・・・・」
ゼツ「呼ばれてるでみんな・・・・・」
サスケ「俺もか・・・・・?」
ゼツ「キミモキョウハトクベツヤ・・・・・」
デイダラ「俺はもう組織を抜けるで・・・・・」
ゼツ「何でや・・・・・」
デイダラ「信用できへんのや・・・・・」
ゼツ「スキニセエヤ・・・・・」
長門「暁解散しよと思ってるんや・・・・・」
ナルト「何でや・・・・・」
長門「大人の事情やで・・・・・」
ナルト「さよか・・・・・」
長門「・・・・・」
ナルト「・・・・・」
長門「・・・・・」
ナルト「何で解散するんや・・・・・」
長門「言えへんよ・・・・・」
ナルト「教えてや・・・・・」
長門「・・・・・」
小南「誰やこの子・・・・・」
ゼツ「イタチノオトウトヤデ」
イタチ「サスケェ・・・・・」
角都「兄弟揃って暁入り何て珍しいで・・・・・」
サスケ「体験入社やで・・・・・」
角都「・・・・・」
小南「ペインが行方不明になったんや・・・・・」
イタチ「僕見たで・・・・・」
小南「ホンマか・・・・・?」
イタチ「木の葉隠れの里におるで・・・・・」
小南「解ったわ・・・・・」
長門「・・・・・」
イタチ「まだ居たんか・・・・・」
ナルト「イタチィ・・・・・」
イタチ「小南はんが来るで・・・・・」
長門「アカン・・・・・」
ナルト「どういうことだってばよ・・・・・」
長門「逃げるで・・・・・」
イタチ「逃がさへんで・・・・・」
長門「・・・・・」
イタチ「写輪眼するで・・・・・」
長門「僕は幻術やでイタチ・・・・・」
イタチ「・・・・・!?」
長門「いつまでも同じ場所におるわけないやろ・・・・・」
イタチ「確かに・・・・・」
長門「逃げるで・・・・・」
ナルト「お、おう・・・・・」
イタチ「・・・・・」
鬼鮫「逃げられてますよ・・・・・」
イタチ「あれは幻術やで・・・・・」
鬼鮫「・・・・・?」
イタチ「幻術なんや・・・・・」
鬼鮫「イタチはんが言うなら・・・・・」
サソリ「幻術とちゃうやろ・・・・・」
イタチ「幻術やで・・・・・」
サスケ「ナルトに会いたくないんや・・・・・」
角都「友達と喧嘩したらアカンで・・・・・」
サスケ「友達ちゃうわ・・・・・」
角都「・・・・・」
飛段「いくで角都・・・・・」
角都「ああ・・・・・」
飛段「自分はええんか・・・・・」
サスケ「ええんや・・・・・」
ゼツ「コウカイスルデ・・・・・」
サスケ「しつこいで・・・・・」
イタチ「逃げられてしまいましたわ・・・・・」
サソリ「・・・・・」
イタチ「幻術のせいやで・・・・・」
小南「追うわよ・・・・・」
サソリ「へい・・・・・」
鬼鮫「女性に命令されるなんて私たちも落ちたものですね・・・・・」
サソリ「めっちゃ強いんやであの人・・・・・」
長門「訳ありなんや・・・・・」
ナルト「・・・・・」
長門「大人の事情や・・・・・」
ナルト「どういうことだってばよ・・・・・」
長門「・・・・・」
角都「・・・・・」
飛段「何で連れてくんや・・・・・」
角都「別にええやろ・・・・・」
飛段「ええけど・・・・・」
サスケ「離せェ・・・・・」
角都「・・・・・」
飛段「・・・・・」
サスケ「離せェ・・・・・」
イタチ「ナルト君の行先なら解るで・・・・・」
小南「ホンマか・・・・・」
イタチ「イルカはんって人の家に行くはずや・・・・・」
小南「さよか・・・・・」
鬼鮫「行きましょうか・・・・・」
サソリ「せやな・・・・・」
イタチ「・・・・・」
鬼鮫「どうしたんですか・・・・・」
イタチ「何で僕らこんなことしてるん・・・・・」
鬼鮫「小南はんに聞いてください・・・・・」
イタチ「・・・・・」
小南「・・・・・」
イタチ「突撃しましょ・・・・・」
イルカ「えっ・・・・・」
イタチ「ナルト君居ませんか・・・・・」
イルカ「おらへんで・・・・・」
イタチ「そうですか・・・・・」
イルカ「待ち・・・・・」
イタチ「・・・・・?」
イルカ「扉直せや・・・・・」
イタチ「これは幻術ですわ・・・・・」
イルカ「・・・・・?」
イタチ「悪い幻術ですわ・・・・・」
角都「あれは・・・・・」
弥彦「・・・・・」
飛段「リーダーや・・・・・」
角都「こら・・・・・」
弥彦「ん・・・・・?」
飛段「みんなお前を探してるんやで・・・・・」
弥彦「・・・・・?」
飛段「・・・・・」
弥彦「誰や・・・・・」
飛段「何やとクソリーダー・・・・・」
弥彦「失礼やで自分・・・・・」
飛段「ムカつく奴や・・・・・」
サスケ「離せェ・・・・・」
飛段「リーダーやろ・・・・・」
角都「声がちゃう・・・・・」
飛段「見た目一緒やろ・・・・・」
角都「あんたペインはんか・・・・・?」
弥彦「ちゃう」
角都「ほら・・・・・」
飛段「せやな・・・・・」
サスケ「離せェ・・・・・」
イタチ「どこやろ・・・・・」
鬼鮫「鮫肌が倒れた方向へ歩きましょ・・・・・」
小南「せやな・・・・・」
鬼鮫「あっちや・・・・・」
サソリ「ホンマかいな・・・・・」
鬼鮫「鮫肌は便利なんやで・・・・・」
サソリ「・・・・・」
小南「行こか・・・・・」
イタチ「へい・・・・・」
長門「せやな・・・・・」
ナルト「ラーメン食おうや・・・・・」
長門「・・・・・」
ナルト「ええやろ・・・・・」
長門「ええで・・・・・」
イタチ「ラーメン食いましょか・・・・・」
小南「ええよ・・・・・」
鬼鮫「・・・・・」
サソリ「あれ九尾のガキちゃうか・・・・・」
イタチ「幻術だろ・・・・・」
サソリ「ちゃうやろ・・・・・」
小南「喧嘩したらアカンで・・・・・」
イタチ「すんまへん・・・・・」
ゼツ「みんな集まってるで・・・・・」
デイダラ「知らんよ・・・・・」
ゼツ「サソリモサビシソウニシテルデ・・・・・」
デイダラ「旦那ァ・・・・・」
ゼツ「イタチも今度ワザと負けたるゆうてたで・・・・・」
デイダラ「イタチィ・・・・・」
ゼツ「イマナラモドレルデ・・・・・」
デイダラ「ゼツ案内せいや・・・・・」
ゼツ「おお・・・・・」
鬼鮫「幻術ちゃいますよ・・・・・」
イタチ「サソリ・・・・・」
サソリ「何や・・・・・」
イタチ「話かけてみ・・・・・」
サソリ「おーい・・・・・」
ナルト「何だってばよ・・・・・」
イタチ「あれ・・・・・」
小南「長門ォ・・・・・」
長門「万事休すや・・・・・」
イタチ「幻術ですわ・・・・・」
小南「ちゃうから・・・・・」
イタチ「ホンマですよ・・・・・」
小南「ちょっと黙り・・・・・」
イタチ「はい・・・・・」
長門「関係あらへんやろ・・・・・」
イタチ「喧嘩したらあきまへんよ・・・・・」
ナルト「どういうことだってばよ・・・・・」
小南「・・・・・」
長門「僕のことはほっといてや・・・・・」
鬼鮫「大変なことになりましたね・・・・・」
サソリ「せやな・・・・・」
イタチ「他人事ちゃうで・・・・・」
鬼鮫「・・・・・?」
イタチ「どっちの味方つけばええんや・・・・・」
サソリ「・・・・・」
イタチ「痴話喧嘩やな・・・・・」
長門「いやや離せや・・・・・」
小南「逃げんな・・・・・」
鬼鮫「嫌がってますよ・・・・・」
小南「無理にでも連れてくで・・・・・」
長門「イタチィ鬼鮫ェサソリィ・・・・・」
イタチ「はい・・・・・」
長門「助けてや・・・・・」
イタチ「解りました・・・・・」
小南「・・・・・」
イタチ「めっちゃ睨んでるで・・・・・」
サソリ「せやな・・・・・」
サスケ「離せェ・・・・・」
弥彦「何で俺まで・・・・・」
角都「自分俺の相棒しこたまぶん殴って気絶させたやろ・・・・・」
弥彦「いきなりやったから・・・・・」
角都「二人も運ぶのきつかったで・・・・・」
弥彦「すまんな・・・・・」
角都「まあええや・・・・・」
弥彦「・・・・・」
角都「行くでェ・・・・・」
サスケ「離せェ・・・・・」
ナルト「ええで・・・・・」
大蛇丸「待ちなさい・・・・・」
イタチ「大蛇丸ゥ・・・・・」
ナルト「オカマ野郎ゥ・・・・・」
大蛇丸「久しぶりね二人とも・・・・・」
小南「大蛇丸・・・・・」
大蛇丸「二人揃って喧嘩して・・・・・」
長門「・・・・・」
大蛇丸「自来也が泣いてるわよ・・・・・」
長門「・・・・・」
大蛇丸「眼を瞑りなさい・・・・・」
小南「・・・・・」
大蛇丸「自来也の泣き声が聞こえるでしょ・・・・・」
鬼鮫「聞こえませんねェ・・・・・」
ナルト「役立たずな奴やで・・・・・」
角都「こんなところで・・・・・」
長門「弥彦ォ・・・・・」
弥彦「長門ォ・・・・・」
長門「よくもヌケヌケと・・・・・」
弥彦「・・・・・」
長門「僕は知ってるんやで・・・・・」
弥彦「・・・・・?」
長門「弥彦と小南が夜な夜なスケベなことしてるの・・・・・」
大蛇丸「面白いことになってきたわね・・・・・」
イタチ「せやな・・・・・」
長門「バレバレなんやで僕も子供とちゃうんやで・・・・・」
弥彦「・・・・・」
サソリ「つまりだ・・・・・」
大蛇丸「例えばの隣でサスケくんとイタチがしてるのよ・・・・・」
ナルト「・・・・・?」
大蛇丸「恥ずかしくて言えないわ・・・・・」
サソリ「あれだろ角都・・・・・」
角都「セ◯クスや・・・・・」
ナルト「そういうこと・・・・・」
大蛇丸「さすがに呑み込みが早いわね・・・・・」
イタチ「大した奴やで・・・・・」
サスケ「ナルトォ・・・・・」
ナルト「サスケェ・・・・・」
弥彦「仕方あらへんやろ・・・・・」
長門「自来也先生が旅立ってすぐ後のことやで・・・・・」
小南「・・・・・」
長門「毎晩のように僕はチンチンをシゴいてたんや・・・・・」
イタチ「酷い話やで・・・・・」
角都「同情するで・・・・・」
弥彦「男と女ってのはいずれそうなる運命なんや・・・・・」
長門「・・・・・」
弥彦「仕方ないんや・・・・・」
ナルト「どういうことだってばよ・・・・・」
大蛇丸「君にはまだ早いわね・・・・・」
長門「ごめんなさいって頭下げてくれや・・・・・」
弥彦「・・・・・」
イタチ「それだけでええんか・・・・・」
鬼鮫「案外簡単な人ですね・・・・・」
デイダラ「おおやっとるな・・・・・」
サソリ「デイダラァ・・・・・」
ゼツ「メズラシイナ・・・・・/暁が全員集合だね・・・・・」
長門「頼むわァ頭下げてくれや・・・・・」
弥彦「・・・・・」
小南「・・・・・」
小南「ごめん・・・・・」
長門「それでええんや・・・・・」
イタチ「許せサスケ・・・・・」
サスケ「触んなや・・・・・」
長門「ええよ僕もう許すわ・・・・・」
鬼鮫「ラーメン伸びてますよ・・・・・」
長門「その変わりやる時は僕に一声かけてや・・・・・」
デイダラ「引っ越すとかそういう考えは無いんか・・・・・」
サソリ「どうした・・・・・」
イタチ「小南はん妊娠してるで・・・・・」
ナルト「どういうことだってばよ・・・・・」
イタチ「写輪眼舐めたらアカンで・・・・・」
角都「さすがや・・・・・」
デイダラ「天才やな・・・・・」
長門「良かったやないか・・・・・」
弥彦「お、おう・・・・・」
大蛇丸「天国の自来也も喜んでるわね・・・・・」
ナルト「エロ仙人・・・・・」
長門「自来也先生ェ・・・・・」
ナルト「ええってことよ・・・・・」
イタチ「サスケェ・・・・・」
サスケ「イタチィ・・・・・」
鬼鮫「行きますよ・・・・・」
長門「さよならや・・・・・」
ナルト「ほなな・・・・・」
サソリ「子供ぐらい俺の手で簡単に作れるんやけどな・・・・・」
デイダラ「解るわ・・・・・」
飛段「何があったんや・・・・・」
角都「色々や・・・・・」
飛段「・・・・・?」
サスケ「暁は不況の煽りで潰れたらしいな・・・・・」
ナルト「小南の子供生まれたらしいで・・・・・」
サスケ「ホンマか・・・・・」
ナルト「名前は【自来也】や・・・・・」
サスケ「師匠の名前を取ったんやな・・・・・」
ナルト「ええ奴らやで・・・・・」
サスケ「せやな・・・・・」
サスケ「それぞれ里に戻ったらしいで・・・・・」
ナルト「ええんか・・・・・」
サスケ「豪い怒られたらしいで・・・・・」
ナルト「せやろな・・・・・」
サスケ「俺も子供欲しいで・・・・・」
ナルト「せやな・・・・・」
サスケ「何でできへんのやろ・・・・・」
ナルト「解らへん・・・・・」
サスケ「気長に待とか・・・・・」
ナルト「いつか出きるやろ・・・・・」
終
やはり天才か……
Entry ⇒ 2012.03.10 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
C.C.「ばれんたいん……ですか?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330661011/
ルル「何だC.C.、お前バレンタインを知らないのか」
C.C.「すっ、すみませんご主人様……」
ルル「いや、謝ることはないんだが」
ルル「バレンタインというのはだな、女性が意中の男にチョコレートを渡す日なんだ」
C.C.「チョコレートを……?」
ルル「ああ。一般的に、バレンタインにチョコを渡すイコール愛の告白と認識されている」
C.C.「こっ、こく!?」
ルル「だから毎年この日が来るたびに、男どもは皆そわそわしたり挙動不審になったりするのさ」
ルル「ほら、あいつがいい例だ」
星刻「天子様……天子様はチョコを下さるだろうか……ハート型のチョコとか良いなぁ……アァテンシサマ…」ブツブツ
ルル「見ろ。あの星刻ですら腑抜けと化している」
C.C.「気持ち悪いですね」
ルル「それから友人に渡す義理チョコというものもあるんだ。まあ大半の男共が求めているのは本命だがな」
C.C.「……あの、ご主人様には本命チョコを貰いたい人はいるんですか?」
ルル「俺か?俺には特に意中の相手などいないが……」
ルル「まあ黒の騎士団の連中から今朝どっさり義理チョコを渡されたからな。俺はそれだけで嬉しい」
C.C.「カ、カレンさんからは?」
ルル「あいつにはチロルチョコを投げつけられたよ。今や品薄になっているものをわざわざな」
C.C.「そうですか……」
C.C.「あ、あのっ、ご主人様。もしよろしければ私からもチョコを―――……」
オレンジ「ジェレミア・ゴットバルト推参ッ!!」
ルル「ジェレミア!?」
ルル「一体どこから……。今の話を聞いていたのか?」
ジェレミア「ルルーシュ様が必要とするならば、私はどこへでも駆けつけましょう」
C.C.「おいオレンジ」
ジェレミア「さあどうぞルルーシュ様。私の心ばかりのプレゼントでございます」
ルル「む……これはチョコか?」
ジェレミア「オレンジソースを使った手作りチョコレートです。最高の出来と自負しております」
ルル「気持ちは嬉しいが、ジェレミア。バレンタインのチョコとは女が男に渡すものだ。悪いが……」
ジェレミア「何と!ルルーシュ様、ご存じないのですか?最近巷では男同志の『友チョコ』や『逆チョコ』なる新しいスタイルが生まれているのです」
ジェレミア「故に私は『忠義チョコ』をルルーシュ様にと!」
ルル「成程、これは済まない事をしてしまったな……忠義チョコ、ありがたく頂こう」
ジェレミア「お、おお……ルルーシュ様!身に余るお言葉です!」
ジェレミア「それでは私は任務がありますので失礼致します!」バッ
ルル「ああ、頼んだぞジェレミア。お前の忠義を見せてくれ」
ルル「……はは、まさかジェレミアからチョコを貰うとはな。なあC.C.――――…」
ルル「む?C.C.はどこに行った?」
ダダダダダ…
C.C.「―――咲世子さんっ!」バンッ!!
咲世子「あら」
咲世子「どうしたのですかC.C.様、そんなに慌てて」
C.C.「あの、わたしにチョコの作り方を教えてくださいっ!」
咲世子「……あぁ…」
咲世子「ルルーシュ様に差し上げるのですね?」
C.C.「ひぅっ!?」
C.C.「ど、どうしてそれを……!?」
咲世子「ふふ。今のC.C.様は分かりやすいお方ですから」
C.C.「うう……///」
咲世子「ですが、ルルーシュ様に差し上げるならば最高のチョコをお作りしなければなりませんね」
咲世子「材料や道具は全て私が揃えましょう。C.C.様はルルーシュ様の自室でお待ちください」
C.C.「あ、はい……お願いします咲世子さん!」
ロロ「聞いたよC.C.……」コソ…
ロロ「僕の兄さんにチョコを渡すだって……?しかも手作り……?」
ロロ「ふふ、そんなことさせないよ♪あのツンデレな小汚いハーフ女は見逃してやったけど」
ロロ「僕の兄さんに手を出す奴は誰だろうと……フヒヒヒヒ…」
ラクシャータ「はいはーい、無粋な邪魔するんじゃないよブラコン君」ゴキッ
ロロ「」
ズルズル…
はよかけ!
C.C.「た、ただいま戻りましたご主人様!」
ルル「む。戻ってきたか、何処へ行っていたんだC.C.?突然いなくなるから心配したぞ」
C.C.「ごっ、ごめんなさい!ありがとうごじゃいます!」
ルル「はは、謝るか礼を言うかどちらかにしろ。いや、そもそも謝る必要はないんだ」
ルル「お前が無事ならそれでいい。そろそろ咲世子に捜索させようとしていたところだ」
咲世子「お呼びですかルルーシュ様」
ルル「おわっ」
ルル「驚かせるな咲世子、心臓に悪い。いつの間に、しかもどこから入ったんだ……」
咲世子「申し訳ございませんルルーシュ様」
咲世子「ところで、しばらくこの部屋を使わせていただきます。その間ルルーシュ様は外でお待ちください」
ルル「は?」
C.C.「咲世子さんっ!?」
咲世子「さあ、お出になって下さい」グイッ
ルル「お、おい何だ!何なんだ突然!納得のいく説明をしろ咲世子!」
咲世子「女の秘密です」
ルル「意味がわからん!」
咲世子「何でも良いからさっさと出ろモヤシ」ゲシッ
ルル「ぐはっ!?」
玉城「あん?誰だお前、ゼロの部屋の前で何やってんだ」
ルル「いや、追い出されてしまってな……」
玉城「は?おいおい、ガキのくせにこの俺様に向かってタメ口かよ。お前新入りだろ」
ルル(しまった!今は仮面をつけていない!)
玉城「俺が誰だか分かってんのか?ゼロの親友玉城様だぞ!ああん!?」ギロッ
ルル「すいませんでした何でもないです玉城サン!」
咲世子「さあ、邪魔者は消えましたC.C.様」
咲世子「道具は揃えてあります。チョコ作りに入りましょう」
C.C.「あ、あの……もしかしてここで作るんですか?しかもご主人様追い出しちゃいましたし」
咲世子「作る過程でルルーシュ様がいては困るでしょう。気持ちは渡すときに伝えるものです」
咲世子「それにこの部屋が一番安全なのです。艦内の厨房ではあのブラコ……いえ、誰かに邪魔される恐れがあります」
咲世子「この部屋ならセキュリティが厳しく邪魔者が入ることもありません」
C.C.「な、なるほどっ」
ジェレミア「ふん、甘いな」
咲世子「!」
C.C.「オレンジさん!?」
ジェレミア「その名で呼ぶな!」
ジェレミア「ルルーシュ様の悲鳴が聞こえたので駆けつけてみれば……お前達」
咲世子「邪魔をなさるおつもりですかジェレミア卿」チャキ
C.C.「ひぇぇ……」
ジェレミア「いや、邪魔をする気など毛頭無い。ルルーシュ様へのチョコ作り、結構ではないか」
C.C.「え……?」
―――――――――――――
――――――――――
咲世子「そうです。そうやってチョコを細かく砕いて……」
C.C.「ええと、これを湯煎で溶かせばいいんですよね。あっ、零れちゃった…」
咲世子「少しくらいなら大丈夫ですよ。あ、ほら溶けてきました。次は水飴と砂糖を」
C.C.「はっ、はいっ」
咲世子「良いですね。あとはひたすら混ぜるだけです」
C.C.「うんしょ、うんしょ……」コネコネ
咲世子「――――どういうつもりですか?」コソッ
ジェレミア「何がだ」
咲世子「普段のあなたならば、C.C.様の邪魔をしそうなものですが」
ジェレミア「……」
ジェレミア「昨夜、ルルーシュ様の独り言を聞いてしまってな」
咲世子「独り言?」
ジェレミア「C.C.は明日チョコをくれるだろうか……、と物憂げな声がな」
ジェレミア「トイレの中から聴こえてきたのだ」
咲世子「……」
ジェレミア「ふふ、外で私が聞き耳を立てているとも知らずに」
咲世子「……」
ジェレミア「ふふふ……」
咲世子「やはり貴方ストーカーですね」
ジェレミア「黙れ」
ジェレミア「それが今日になってC.C.がバレンタインを知らないと明らかになった」
ジェレミア「ルルーシュ様は口には出さずともご傷心のご様子……。せめてもと、私の持っていたチョコを差し上げたのだが」
咲世子「え……?ということは、ジェレミア卿も誰かに渡すつもりだったのですか?」
ジェレミア「その通りだ。忠義チョコなどその場の思いつきに過ぎん」
咲世子「……あの、誰に渡そうとしていたのですか?参考までに」
ジェレミア「……」
ジェレミア「そんなことはどうでもいい!///」
ジェレミア「だがルルーシュ様のお心を慰めて差し上げることは出来なかった……」
ジェレミア「しかし今C.C.がルルーシュ様へのチョコを作っている。ならば私に出来ることは完成を見届けることのみ!」
咲世子「ジェレミア卿……」
ジェレミア「まあチョコなど来年また作ればいいだけのこと。私はルルーシュ様に忠誠を誓ったのだ。私情は挟まん」
咲世子「……」
咲世子「ジェレミア卿。バレンタインのチョコレートは何も逆チョコだけではないのですよ……?」ゴソゴソ
C.C.(何か背後で桃色オーラが広がっている気がします……)
C.C.(でもそんなことより、ご主人様のためのチョコレートを完成させないと!)
C.C.「……ご主人様、喜んでくれるかな」
C.C.(でもこれは本命チョコ……。これを渡すイコール、こここ告白ってご主人様言ってたたた)
C.C.(わたしなんかが告白したらご主人様を困らせてしまうかも……)
C.C.(最悪捨てられちゃったり……ううん、今度のご主人様は多分そんなことしない)
C.C.(でもご主人様を困らせるのはいやだなぁ……)
C.C.(でも、バレンタインデーは好きな人にチョコレートを渡す日だって)
C.C.(でも、でも……)
C.C.「ううー……」
ジェレミア「何をうじうじ悩んでいる!チョコを混ぜる手が止まっているぞ!」
C.C.「はひっ!?」ビクッ
ジェレミア「細かいことをいつまでも考えるな!お前の気持ちをそのまま全力で伝えれば良いのだ!」
C.C.「オレンジさん……」
ジェレミア「だからオレンジではないと……いやもうこの際どうでもいい、それよりもだ!」
オレンジ「とにかく、全力でチョコを完成させるのだ」
オレンジ「そうすればルルーシュ様は必ず受け止めて下さる。どのような形でも、相手の気持ちをきちんと理解してくださる御方だ」
咲世子「そうですよC.C.様。まずは気持ちを伝えなければ何も始まりません」
C.C.「……わ、わかりました!わたし頑張ります!」
-斑鳩艦内 蜃気楼コックピット-
ルル「……せめて仮面だけは手に入れようと128通りの自室攻略方法を考えた」
ルル「しかしその全てがシミュレーション段階で失敗。咲世子がいる時点でどうしようもない」
ルル「対抗しうるジェレミアも任務地から突然消えてしまったとかで連絡がつかん」
ルル「ここだけが俺のセーフティスペース、か……」
ルル「……」
ルル「くそがっ、玉城のヤツあとで覚えておけよ……!」グスッ
ルル「全部玉城のせいだ、玉城の……」
<ゴシュジンサマー
ルル「……ん?」ガシャッ
C.C.「ご主人様、降りてきてくださいっ。お部屋占領してごめんなさい、終わりました!」
ルル「そうか、だがゼロの姿でないと俺は艦内をうろつくこともできないんだ。すまないC.C.、マスクを―――…」
C.C.「マスクも持ってきました!」
ルル「ほわあっ!」ダッ
C.C.「ああっ、飛び降りたら危ないですご主人様ー!」
ルル「ふう、これで一安心だ……ありがとうC.C.。助かったよ」スチャッ
C.C.「い…いえ、お礼なんてとんでもないです。それよりもご主人様を追い出してしまって……」
ルル「いや、気にしないでいい。そもそも実行犯は咲世子だ」
ルル「だがあの部屋で一体何をしていたんだ?」
C.C.「それは……その」
ルル「話したくないなら話さないで良いんだぞ。咲世子も女の秘密だと言っていたし」
C.C.「ち、ちがうんです!むしろご主人さまに話さないと意味が無いと言いますか何と言いますか……!」
ルル「落ち着け。様子がおかしいぞC.C.、どうしたんだ」
C.C.「あぅ……」
C.C.「~~~~~!///」ギュッ
ルル「……?」
C.C.「あの、……これ!受け取ってくださいご主人さま!」バッ
ルル「―――これは…」
C.C.「へ、へたっぴですけどチョコです!本命です!手作りです!えと、あのあのあの……!?」
ルル「だから落ち着け。まずは落ち着け」
ルル「……」ジッ
C.C.「……うぅ///」
ルル「俺に……くれるのか?」
C.C.「は、はい。ご主人様のために作りました」
ルル「本命とは本当か……?」
C.C.「………はい///」
ルル「……」
ルル「……ここで食べてもいいだろうか」
C.C.「ふえっ?」
C.C.「えと……、どうぞっ!」
ルル「それからもう一つ」
ルル「食べさせてくれないか」
C.C.「」ポカーン
C.C.「たっ、食べっ、た、はわわわわ!!?///」
ルル「ダメ、だろうか……?」
-天井-
咲世子「あのルルーシュ様が完全に冷静さを失っています……」
ジェレミア「ぬあああああっ!!ルルーシュ様の全力のおねだり顔ー!?」
咲世子「静かにしてくださいジェレミア卿、見つかってしまいます!」
C.C.「うぅー……~~~~~っ///」
C.C.「わ、分かりました。ご主人さま、お口を開けてください!」スッ
ルル「すまない、ありがとうC.C.」
ルル「」パクッ
ルル「……」モグモグ
C.C.「ど、どうでしょうか……?」
C.C.「あの、おいしくなかったら言ってください…」
C.C.「お菓子なんて初めて作ったので上手く出来てるかどうか―――…」
ルル「美味い」
C.C.「ぁ―――…」
ルル「美味いよC.C.。最高に美味い」
C.C.「あ、ありがとうございますっ……!」ホロッ
ルル「いや、礼を言わなければならないのは俺の方だ」
ルル「手づくりのチョコ、ありがとう。とても嬉しいぞC.C.」
C.C.「うぅ、よかったです……」
いつまで俺を苦しめる
ルル「しかし……これは今からホワイトデーの準備に取りかからなければいけないな」
C.C.「ほわいとでー?」
ルル「ああ、今日から一か月先の三月十四日……男がバレンタインのお返しをする日だ」
ルル「だから返事はそのときにしよう」
C.C.「ええっ!?」ガーン
ルル「はは、すまない。こんな美味い手作りチョコを貰ったんだ、俺もそれ相応のものでC.C.に返したいんだよ」
C.C.「……あ、えとっ、それはつまり……」
ルル「……」
ルル「ホワイトデーまでは内緒だ」
C.C.「ええーっ!?」ガーン
さ よ な ら ギ ア ス !
童帝爆発しろ
ギアススレが減ってるので立てた
>>110
俺 も 苦 し い
続きまして記憶ありバージョンのC.Cバレンタイン編です
どうぞ
C.C.「誰か貰える宛てでもあるのか?」
ルルーシュ「当たり前だ。この日のために数か月前から下準備をしていた」
C.C.「ほう?流石は童貞ボウヤだな、俗な風習にそこまで必死になるか。いつもの冷静さはどこへやら」
ルル「黙れ魔女!」
C.C.「む……」
>>116
こんな感じか
最初こっちで書こうと思ったけど挫折したからやめた
途中までなら投下する
ルル「いいか。バレンタインとは全世界の男の夢なんだ」
ルル「今日だけはブリタニアも日本人も関係なく、すべての男達がドキドキそわそわして挙動不審になってしまう。それほどまでに特別な日なんだ」
ルル「恐らくはあの星刻でさえな……」
C.C.「気持ち悪いな」
ルル「まあそう言うな。どうせ奴には天子をチラ見するのが限界なんだ、少しは同情してやれ」
C.C.「身分の差だな」
ルル「だがその点、俺にはイレブンの憧れ『ゼロ』と学園のアイドル『ルルーシュ』という二つの顔がある」
C.C.「アイドル?」
ルル「まず黒の騎士団の女性陣からのチョコは数百を超えるだろう。既に玉城達に回収BOXを作らせてある」
ルル「そしてアッシュフォード学園のアイドル副会長ルルーシュへのチョコ。こちらもリヴァルに回収BOXを作らせた」
ルル「ククク、どうだC.C.。完璧だろう?」
C.C.「ふん、どうだかな……」
ルル「何だ、俺があまりにモテるからすねているのか?心配するな。お前からもちゃんと貰ってやる」
C.C.「そういうことじゃない。まあ私が言わなくともいずれ分かるさ」
C.C.「それから、私はお前用のチョコなど用意していないぞ」
ルル「なっ、何だと!?」ガーン
C.C.「な、何だ。お前にしては珍しく大袈裟なリアクションをとるじゃないか」
ルル「C.C.お前、俺にチョコを用意していないのか……?」
ルル「俺とお前は共犯者じゃなかったのか!裏切り者め!」
C.C.「共犯者とはチョコをくれる人間という意味だったか?」
ルル「くっ……お前には失望したぞC.C.。お前だけはどんなことがあっても俺の味方だと思っていたのに」
C.C.「ふん、残念だったな童貞ボウヤ」
ジェレミア「ご心配なくルルーシュ様。このジェレミア・ゴッドバルトが最高級のチョコレートを用意しております故」
ルル「ジェレミア!?」
ルル「一体どこから……。今の話を聞いていたのか?」
ジェレミア「ルルーシュ様が必要とすれば、私はどこへでも駆けつけましょう」
C.C.「おいオレンジ」
ジェレミア「む、C.C.。貴様ルルーシュ様にチョコを差し上げないとはどういうことだ」
C.C.「チョコをやるやらないは私の勝手だろう」
ジェレミア「ふん……紅月に取られても知らんぞ?」
C.C.「なっ…」
ジェレミア「彼女は明日勝負に出ると聞いた。お前が対抗馬だと思っていたが、まさか意地を張って用意していないとはな」
ジェレミア「これで紅月の勝ちは決まったも同然だ。笑止!」
C.C.「ぐぬぬぬぬ……」
ジェレミア「それにな」
C.C.「……まだ何かあるのか」ジロッ
ジェレミア「ついうっかりとだが、先程ルルーシュ様の独り言を聞いてしまったのだ」
C.C.「独り言、だと……?」
ジェレミア「ああ。ルルーシュ様は先程トイレに行かれただろう?」
C.C.「ああ、確かにな」
ジェレミア「個室という一人の空間はやはり誰でも気が抜けてしまうものだ。ルルーシュ様でさえも」
C.C.「も、勿体付けないで早く言えオレンジ!」
ルル「おいジェレミア、二人で何をこそこそと話しているんだ?」
ジェレミア「いえいえルルーシュ様、何でもありませーん」
ジェレミア「続きが気になるかC.C.?」
C.C.「……うるさい」
ジェレミア「ククク、そう拗ねるな。これ以上無い耳寄りな情報だぞ」
ジェレミア「ルルーシュ様は言っていた。『C.C.はチョコをくれるだろうか』、と」
C.C.「!?」
ジェレミア「しかもまるで恋する少年のような物憂げな声でな。何度も同じような事を呟いていたよ」
C.C.「た、たしかか」
ジェレミア「疑うのならば本人に聞いてみればいい」
C.C.「そ、そんなこと出来るわけが……ッ!」
ジェレミア「落ち着けC.C.、息が上がっているぞ?顔も赤い。ルルーシュ様に気付かれてしまう」
C.C.「……」スーハースーハー
ジェレミア「面白いな貴様」
C.C.「オレンジのくせにわたしをからかう気か……」
ジェレミア「いやいや、むしろ応援してやろうというのだ」
ジェレミア「私の情報に偽りはない。お前が素直になりチョコを渡しさえすれば、ルルーシュ様は間違いなく落ちる」
ジェレミア「ルルーシュ様は普段滅多にご自身の望みをおっしゃらない方。だから私はその望みを叶えて差し上げたいのだ」
C.C.「……わ、わかった。考えておく」
ジェレミア「ふふふ……」
ルル「おい、本当にお前ら何をこそこそしている?」
C.C.「な、何でもないと言っているだろう!」
-斑鳩艦内 通路-
C.C.「くっ、私が素直に……だと…?あのオレンジくんめ」テクテク
カレン「―――あ、C.C.じゃない」
C.C.「カ、カレン!?」
カレン「……何よその驚きようは」
C.C.「うるさい。それより何だその荷物は」
カレン「あ、これ?」ドッサリ
カレン「騎士団みんなにチョコを配ろうと思って。材料を買い込んできたのよ」
カレン「やっぱりイベント事はみんな楽しみにしてるからね。ついでに女性団員の分まで買って来ちゃったわ」
C.C.「ほう、それは結構なことだな」
C.C.「……ところでお前、本命はいるのか?」
カレン「はいっ!?」
C.C.「どうなんだ」
カレン「なん…っ、何であんたにそんなこと教えなきゃいけないのよ!」
C.C.「ムキになるあたり、やはりいるのか……」
カレン「……いたらどうなのよ」
C.C.「いや、何でもない」
C.C.「荷物を持っているのに時間をとらせて済まなかった。じゃあな」
カレン「ちょっと、C.C.……?」
カレン「…あいつ一体どうしちゃったのかしら。C.C.が謝るなんて重症だわ」
-夜中 ゼロ私室-
C.C.「チーズくん、わたしは素直になるべきなのか……?」
チーズくん「うん、そうすればルルーシュともっとなかよくなれるんじゃないかな!」
C.C.「そ、そうか。そうだなっ。少しがんばってみるか…」
チーズくん「うん、がんばってシーツー!」
C.C.「よーし!」
ルル「……あいつは布団の中で何をぶつぶつ言っているんだ」
-翌日-
C.C.「ラクシャータ」
ラクシャータ「あーら、C.C.じゃない。どうしたの?あんたが私の所を訪ねてくるなんて」
C.C.「その……」
C.C.「チョコレートの作り方を教えてくれないか」
ラクシャータ「はあ?私がチョコ作れるような女に見える?」
C.C.「そうだな。手間をとらせた」バーイ
ラクシャータ「早っ!ちょっとぉ!?少しくらいフォロー入れていきなさいよ!」
C.C.「セシル」
セシル「ごめんなさい、まだ仕事があるの」
C.C.「千葉っ」
千葉「すまない、機体の調整で忙しいんだ」
C.C.「ディートハルトッ!!」
ディートハルト「何故私が?」
C.C.「さ、咲世子」
咲世子「C.C.様ではありませんか。どうしました」
C.C.「チョコレートの作り方を教えてください……」バタッ
咲世子「あらあら……」
―――――――――――――――
―――――――――――
――――――――――
咲世子「はい、ラッピングも出来ました」
C.C.「ありがとう咲世子。最初からお前に頼んでいればよかったよ」
咲世子「ふふ」
咲世子「ところで、渡すときにおっしゃる言葉は決めていらっしゃいますか?」
C.C.「いや……正直それ以前に、これを渡すかどうかで悩んでいるところだ」ギュ…
咲世子「どうしてですか?C.C.様からチョコを渡されたらルルーシュ様はお喜びになりますよ?」
C.C.「……そう思うか?」
咲世子「ええ。きっと」ニコ
C.C.「そっ、そうかっ」パァッ
咲世子「ところで、渡す際に言う言葉ですが……―――…が良いと思われます」コソコソ
C.C.「ふむふむ、なるほど」
C.C.「…では奴の所に行くか。済まない咲世子、何から何まで世話になった」
咲世子「いってらっしゃいませ。C.C.様のお気持ち、伝わると良いですね」
C.C.「……ふん、もし受け取らなかったら地獄を見せてやるだけだ」
咲世子「ふふ、お手柔らかに。一応私のご主人様でもありますので」
ルル「チョコの喰い過ぎで気持ちが悪い……うう」
C.C.「……」
C.C.「死ね。そのまま高血糖で倒れて死ね」ゲシッ
ルル「ぐふっ!?や、やめろ!腹はやめてくれ!」
C.C.「……ところでお前、カレンからはもうチョコを貰ったのか?」ギシ…
ルル「カレン?ああ、貰ったが」
C.C.「っ!?」ガタッ
ルル「な、なんだ!?どうした!」
C.C.「い、いやっ……なんでも、ない…」
C.C.「……」
ルル「何なんだ、おかしなやつだな……」
C.C.「……」ソワソワ
ルル「……」
C.C.「……」チラッ
ルル「だから何なんだお前は」
C.C.「返事、したのか」
ルル「は?」
C.C.「返事はしたのかと訊いているんだ……」
ルル「何を言っているのか分からんのだが」
C.C.「カレンから告白されたんだろう!?本命のチョコレートと一緒に!」
ルル「……どこから情報を得たのかは知らんが、俺は誰からも告白などされていないぞ?」
C.C.「――――、は…?」
ルル「ほら見ろ、カレンからもらったチョコレート。他の団員と全く同じチョコケーキだ」
ルル「しかも回収BOXの中に放り込まれていた。『カレン』とだけ油性マジックで書かれてな」
C.C.「……」
C.C.(どういうことだこれは?昨夜ジェレミアは確かにカレンが勝負に出ると……)
ルル「まったく、何をムキになっているんだお前は」
カレン(……C.C.がチョコチョコ言って走り回ってる、なんて聞いたら嫌でも勘付くわよねー、あはは)
カレン「C.C.相手じゃ勝ち目ないからなぁ……悔しいけど、頑張りなさいよC.C.」
C.C.「―――カレンのやつ、本命が他にいたんだろうか……」
ルル「何か言ったか?」
C.C.「い、いや何でもないっ」
C.C.「それで、つまりお前は誰からも本命チョコを貰っていないんだな?」
ルル「何度も言わせるな。俺だって一応男だ、少し落ち込むぞ……」
C.C.「ふ、ふん……所詮は童貞ボウヤだな」
C.C.「仕方がない、哀れだからこの私が―――…」
C.C.(!)
C.C.(いや待て。こんな言い方をしてはいつもと同じだ……)
咲世子『ところで、渡す際に言う言葉ですが……』
咲世子『やはり素直な言葉をぶつけた方が良いと思います』
咲世子『ルルーシュ様も、失礼ですが貴女も多少ひねくれたお方です。曖昧で遠回しな言いかたではうやむやに終わってしまう恐れがありますから』
C.C.「……」
ルル「おい、C.C.?」
C.C.(素直な、言葉……)
C.C.(ルルーシュに私のチョコを受け取ってほしい。食べて欲しい)
C.C.「……」
C.C.「くっ、喰らえルルーシュっ!」ガァッ
ルル「何をだ!?お前の鉄拳か!?」
C.C.「ちっ、違う!間違えた!やり直しだ!」
ルル「何だか良く分からんが落ち着け」
C.C.(な、何をやっているんだ私は…!もっと他に言うことがあるだろう)
C.C.「つ、つまりだなっ。その……」
C.C.「……、これ」ズイッ
ルル「……え」
ルル「これは何の冗談だ?」
C.C.「ほ、本気だッ!///」
ルル「……俺にはチョコをくれないんじゃなかったのか?」
C.C.「あれは嘘だ…っ」
ルル「……」
C.C.「……」
C.C.「ルルーシュ、私はお前が好きだ……」
ルル「……」
ルル「……」
C.C.「な、なんとかいえっ」
ルル「……」ギュッ
C.C.「ふぁっ!?」
C.C.「お、おいルルーシュ!?」アタフタ
ルル「……」ギュー
C.C.(あわ、あわわわわ)←パニック
ルル「いや、まさかお前から告白されるとはな……」ギュー
ルル「何と言ったらいいのか。正直言葉にならない」
ルル「だが……」
ルル「ありがとう、嬉しいぞC.C.」
C.C.「くぅ……///」
ルル「あと実はな、俺からも渡すものがある」
C.C.「え…?」
ルル「昨日お前から貰えないと分かって、意地になってやめようかとも思ったんだが」ゴソゴソ
ルル「逆チョコと言うやつを用意してみた」
C.C.「」
C.C.「わたしにか……?」
ルル「当たり前だろう、お前の他に誰がいる」
ルル「俺がお前のために、お前のことを思って作った」
ルル「……俺もお前が好きだ。受け取ってくれるか?C.C.」
C.C.「ルルーシュ……」
C.C.「――――…もちろんだっ」
さ よ な ら ギ ア ス !
乙!
ニヤニヤできたありがとう
Entry ⇒ 2012.03.10 | Category ⇒ コードギアスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
魔王「勇者がデュエルモンスターズで勝負をつけたいだと?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330171862/
魔王「よく分からんな。なんだそのデュエルなんとかというのは」
側近「さぁ?」
魔王「ちょっと手紙貸してみろ」バッ
魔王「えっと・・・なんだこれは」
(勇者「この世界のデュエルパワーを我が物としようとは!魔王!)
(勇者「お前の野望はこの俺の魂のデッキで打ち砕いてやる!)
(勇者「世界の平和は俺達のデュエルロードの先にある!)
(勇者「〇月×日 荒野のデュエル場にてデュエルモンスターズで勝負だ!勇者一同)」
魔王「何言ってんだこいつ」
魔王「しかしデュエルモンスターズとは?」
側近「デュエルって決闘のことですよね」
魔王「では、モンスターで決闘しようという挑戦状か!!」
側近「かもしれませんねー」
魔王「ぬぬぬ・・・・・・勇者どもめ。我ら魔族を手なずけたというのか!」
魔王「行くぞ!!側近!!裏切り者もろとも滅ぼしてくれる!」
側近「あ、モンスター同士で戦うなら魔物もつれていかないと」
魔王「そうだな。よし!では何人かつれていくか」
勇者「来たか・・・よく逃げ出さなかったものだな」
魔王「当然だ!ん?お前たちのモンスターはどこだ?」
勇者「それならしっかりここにあるぜ!」バンッ
魔王「そのポケットの中にか!?」
側近「随分小さいモンスターですね。どうせ雑魚でしょう」
勇者「俺のデッキに雑魚モンスターなんていない!!」
戦士「ディスティニーが・・・・・・見える!!」
賢者「はぁ・・・どうしてこうなった」
魔王「随分な自信だな。ではこちらから行くぞ!!」
勇者「待て!!まずは・・・魔法使い!行け!」
魔法使い「ええ!任せて!」
魔王「なに?」
側近「1対1でやろうってことじゃないですか?」
魔法使い「じゃあ行くわよ!!先行は私がもらうわ!」
魔王「は?先行!?」
側近「な・・・・・・何のことでしょう?」
魔王「わ・・・・・・私に聞くな!」
魔法使い「ドロー!」
側近「な・・・・・・何か来ますよ!」
ゴーレム「おおよ!!」
ドスドスドス
魔法使い「あたしはモンスターカードを裏守備表示でセット・・・・・・」
ゴーレム「おらあああああああああああ!」
ドゴオオン
魔法使い「きゃああああああああああ!」
ズサー
魔法使い「・・・・・・」
ビクンビクンッ
魔王「よし!!ゴーレムよくやった!!」
側近「いやぁ、なんかカード出して何かブツブツいってたからビビっちゃいましたよ」
魔王「あれは何かの魔術儀式か何かであろう。ふっふっふ。これで1勝だな?勇者」
勇者「・・・・・・」
魔王「おい、勇者?」
勇者「き・・・・・・貴様あああああああ!!貴様にデュエリスト魂はないのかああああ!」
戦士「卑怯者めえええええええ!」
魔王「え?おい、何言ってるんだ?こいつら」
側近「さあ?」
戦士「そうだそうだ!」
側近「な、なんかルール違反みたいですよ?魔王様」
魔王「そ、そうだったのか?」
勇者「当たり前だ!デュエルモンスターズで勝負だと言っただろう!」
魔王「だから魔物(モンスター)で決闘(デュエル)したじゃないか」
勇者「違う!!ルールでカードが40枚以上必要なの!」
魔王「カ・・・・・・カード?」
勇者「カードも持ってないのか!?町に売ってるからやり直しだ!」
戦士「そうだそうだ!今のはノーカンだからな!」
勇者「来週同じ場所でもう一回やり直しだ!」
スタスタッ
側近「なんかルール違反とか言ってましたね」
魔王「とりあえず何かあいつらが持ってたカードが40枚あればいいのか?」
側近「そのようですね。まぁそれが決闘のルールならやるしかないですかね」
魔王「よし、人間に化けて町に行って見るか」
魔王「本当にここか?」
側近「聞き込みによると間違いないかと」
魔王「中に子供しかおらんぞ」
側近「そのようで」
魔王「玩具屋ではないのか?ここは」
側近「ですねー」
魔王「なぜ決闘に必要なものがこんなところに売っておるのだ」
魔王「そうだな」
カランッ
魔王「これか?5枚で150Gだと!?」
側近「結構高いですね」
遊星「おい、デュエルしろよ」
側近「は?」
魔王「まだカードを持っておらぬ」
遊星「・・・・・・」
魔王「デジタルモンスターズ。これか」
側近「なんかそれっぽいカードですね」
魔王「よし!店主!これを40枚くれ!」
魔王「ふぁーっはっは!勇者め。ズタボロにしてくれる!」
側近「しかし結構な出費でしたねー」
魔王「ああ、全部で1200Gとはな。こんなものより鉄の剣のほうが威力があると思うのだがな」
遊星「おい、デュエルしろよ」
魔王「やかましい!!」
ドガッ
遊星「・・・・・・」
魔王「なんなのだ、まったく。人間の町で流行っておるのか」
側近「人間界も変わりましたねー」
魔王「ふっふっふ。来たな勇者!今度は先に待っておったぞ!」
勇者「デッキは作ってきたんだろうな」
魔法使い「あなたの魂のデッキ!見せてもらうわ!」
戦士「ディステニーが呼んでいる・・・・・・」
賢者「あの・・・・・・この人たちの相手マジメにしなくても・・・・・・」
勇者「黙れ!賢者!!お前もデュエリスト仲間だろ!」
魔王「よし!見ろ!!これで良いのであろう!!」
バッ
勇者「そ・・・・・・それは!?」
戦士「デジタルモンスターズ・・・・・・」
魔法使い「デジモンカードじゃない!それ!」
魔王「は?違うのか?」
側近「同じに見えますが・・・・・」
勇者「おじいちゃんのお使いか!!お前らは!!」
側近「そうそう!1200Gもしたんですよ!!1200G!!」
勇者「馬鹿な事をいうな!!駄目だ駄目!ちゃんと公式カード買って来い!」
魔王「ほ・・・・・・本当にこれじゃだめなのか?」
勇者「当然だ!」
魔王「1200Gもしたんだが・・・・・・」
勇者「なんだ、そんなはした金!!」
魔王「は・・・・・はした金だと!?
戦士「俺は80万Gくらいだ」
魔法使い「あたしなんか200万はくだらないわ」
勇者「魔法使いのデッキマジすげーものなー」
魔法使い「え・・・・・・えへへ。そ、そんな褒めないでよ」テレテレ
賢者「パーティの資金が全部カードに・・・・・・」
側近「200万Gってそんな紙切れに・・・・・・」
勇者「紙切れじゃない!!これは!このカードの1枚1枚が俺の大切な仲間なんだ!!」
戦士「おお!勇者よく言った!」
魔法使い「それでこそ魂で繋がったデッキマスターよ!」
賢者「はぁ・・・・・・デュエル脳パーティ抜けたい・・・・・・」
側近「いえ、さすがにそこまでは・・・・・・」
魔王「だな。どうするか」
勇者「気にするな。デッキの強さは値段じゃない!デュエルタクティクス次第では全てのカードが活きるんだ!」
魔王「何言ってんだ、こいつ」
側近「作戦しだいでお金かけなくてもいいってことじゃないですか」
魔王「お・・・・・・おう」
勇者「ほんとに大丈夫か?ほらっ、1枚やるから。これと同じ裏の柄のカードだぞ。間違えんなよ」
ピッ
勇者「俺の魂のカードだ。受け取れ!」
魔王「ああ」
勇者「じゃあな!」
スタスタ
魔王「クリボーと書いてある。う~んこれでどうやって戦うのだ?」
側近「まぁ40枚揃えて戦ってみればいいでしょう」
クリボー(くりくりぃ~)
魔王「ん?側近何か言ったか?」
側近「いえ、何も」
魔王「そうか。では、また町へ行くか」
店主「あいよ、で、どれにするね?」
魔王「え?この中から選ぶのか?」
側近「どれがいいんでしょう」
店主「どれも5枚入ってるよ。中は開けてのお楽しみ」
魔王「なぜ中が見えんのだ!全部同じカードだろう!」
側近「そうですよ!好きなの選ばせてくださいよ」
店主「そういわれてもねー。何が出るからわからないから楽しいというか・・・・・・」
側近「あっ!!魔王様。これも同じカードですよ」
魔王「1枚・・・・・・・10000Gだと!?」
側近「こっちは5枚で150Gなのに!」
魔王「店主!!貴様詐欺師だな!!」
グイッ
店主「うぐっ・・・・・・」
魔王「1枚30Gのカードを10000Gで売るとは!許さんぞ!」
店主「そ、それ激レアなんで・・・・・・」
店主「げほっ・・・・・・この袋に入ってるのでたまにしか出ないカードがあるだよ。それがコレ」
魔王「なんでそんな不平等なことをするのだ」
店主「それは・・・・・・その方が射幸心を煽っていっぱい売れるというか何と言うか・・・・・・」ゴニョゴニョ
側近「もういいでしょ。まぁ40枚あればいいならこの安い方にしましょうね」
魔王「そうだな、では安いの40枚で」
店主「毎度ー」
勇者「いよいよだな・・・・・・」
魔王「ああ」
勇者「そっちは誰が出る」
魔王「くくっ・・・・・・ここは私が自ら戦おうではないか!」
勇者「いきなり大将か。いいデュエルエナジーを感じるぜ!じゃあ、こっちは戦士!頼むぞ!」
戦士「おうよ!」
戦士「じゃあ行くぜ!先行は俺が貰った!!ドロー!」
賢者「せめてサイコロ振ってくださいよ。これだからデュエル脳は・・・・・・」
魔王「しょ・・・・・・召喚だと!?」キョロキョロ
魔王「側近、どこだ!?どこに魔物が召喚された?」
側近「わ・・・・・・分かりません。ど、どういうことでしょう」
魔王「これは・・・・・・こちらもやってやらねばな」
戦士「お前の番だぞ。ドローしろよ」
魔王「どろー?カードをめくればいいのか?」
戦士「ってお前まだ手札もないじゃねーか!」
魔王「まぁいい!どろー!」ペロッ
魔王「私も召喚魔法を見せてくれよう!」
ゴゴゴゴゴゴゴ
魔王「我は闇を統べるもの・・・・・・闇を生みしもの・・・・・・暁の星を滅せんとするものよ」
魔王「出でよ!!ロー・・・・・・シツハク・・・・・・バウシュ・・・・・・アリ!!」
ヴォーン
魔王「ヴァンパイア!!」
ヴァンパイア「ヒャッハー!!」
ヴァンパイア「魔王様!!お呼びで!」
魔王「ああ、相手は・・・・・・あいつだ!」
ヴァンパイア「了解っす!滅殺呪法陣!!」
バリバリバリバリ
戦士「ぐああああああああああああああああ!」
魔王「よくやった!!」
勇者「よくやってない!!おい!!これ前やったから!!」
魔王「なんだ、またイチャモンか」
勇者「ルール守れっての!」
魔王「ちゃんと40枚カード持ってきたではないか」
勇者「え・・・・・・えっと、ちょっと聞くがルールブック読んだか?」
魔王「はぁ?なんだそれは」
側近「決闘はルール無用が基本ですよねー?」
勇者「足りないから!まだルールあるから」
魔王「聞いておらんぞ」
勇者「とにかくルールブック買って読んでくること!いいな!」
魔王「え、また金使うのか!?」
側近「お金かかりますねー」
勇者「じゃあ、また来週な」
ヴァンパイア「あの・・・・・・俺帰っていいすか」
側近「3回目くらいですね」
店主「またあんたらかい」
魔王「ああ、店主。このカードのルールブックをくれ」
店主「へ?あんたらルールも知らずにそれ買ったの?」
側近「必要にかられて仕方なくですけどね」
魔王「困ったものだ」
店主「そうかい。じゃ、ほれっ、これルールブック」
魔王「これか、結構薄いな。いくらだ?」
店主「代金はいいよ。取っときな」
魔王「だが・・・・・・」
店主「大事な決闘のためなんだろ?眼でわかるぜ」
店主「いいっていいて!俺も昔はちっと名の知れたデュエリストだったのさ」
魔王「はぁ」
店主「あれは今から10年前だったか・・・・・・」
側近「あの、その話長くなります?」
勇者「ルールは覚えてきたな!」
魔王「そこそこ覚えたぞ!」
勇者「全部覚えろよ!」
魔王「最初に5枚カードを手札にして、互いに1枚ずつドローして決闘するのだろう!」
勇者「基本は覚えてきたようだな」
魔王「さあ、いつでもこい!」
勇者「じゃあ、前と同じでいいか。戦士!行け!」
戦士「おっしゃー!」
戦士「じゃあ、先行はもらったぜ!」
賢者「だからサイコロ・・・・・・」
魔王「ほほぅ、いきなり高い攻撃力のモンスターを出してきたな」
勇者「おっ、結構普通に分かってんじゃん」
側近「魔王様がんばってー」
魔王「では私のターンだな。えっと・・・・・・ここから1枚めくって・・・・・・」ペラッ
魔王「それから・・・・・・」
魔王「えっと・・・・・・」
魔王「あ、ドロー!って言うのであったな」
魔王「これを召喚して・・・・・・・」
魔王「あ、名前を言うのであったな。えっと古代の機械合成獣だ」
魔王「攻撃力2300だから勝ちだな」
魔王「それからえっと・・・・・・魔法カードの強欲な壷を使うぞ」
魔王「2枚引いてもいいんだな」ペラペラッ
勇者「あー、魔王。なんか色々つっこみ所があるんだが」
勇者「ちょっと待てって!」
魔王「なんだうるさいな」
勇者「ルール理解してねーじゃねーか!」
魔王「なんだと!?さっき読んだからだいたい理解しておるわ!」
勇者「だったらなんで★6の古代の機械合成獣をいきなり召喚してんだよ!」
魔王「なんだ、駄目なのか?」
勇者「駄目!」
魔王「なぜだ」
魔王「生贄だと!?誰を!?側近にそんな残酷なことが出来るものか!!」
側近「え!?私!?」ビクッ
勇者「誰があんたらに生贄になれって言った!★が5~6のモンスターを呼ぶには1体のモンスターカードを墓地に送らないといけないの!」
魔王「そうなのか?」
側近「ええ、なんかそんなようなことがルールブックに書いてある」
魔王「それはすまなかった」
魔王「えっと・・・・・・じゃあ・・・・・・グリーンガジェットを・・・・・・」
勇者「ちょっと待て。まだ突っ込むところがあるから」
勇者「さっき使った『強欲な壷』だけど」
魔王「ああ、2枚引けるんだぞ。ほらっ、ここに書いてある。なっ、ほらっ!ここ!」
勇者「それ禁止カードだから」
魔王「はっ!?」
勇者「それ使っちゃ駄目なカードだから」
魔王「なんだと!!ちゃんと買ったんだぞ!公式のカードだぞ!」
側近「ま、魔王様!本当に使っちゃ駄目みたいです」
魔王「な・・・・・・なんだと・・・・・・なぜ使えないカードを売ったのだ」
側近「酷いですね・・・・・・」
勇者「よくあることだ」
勇者「強すぎるカードは禁止されてしまうんだ」
魔王「では、その分金は返してもらえるのだろうな!」
勇者「それはない」
側近「使えないカードでお金を取る・・・・・・なんと酷い」
勇者「つーか、ちょっとデッキ見せろ!」
バッ
魔王「あ!まだ決闘の最中だぞ!」
勇者「無効だ!無効!やりなおし!」
魔王「な・・・・・・何をするうううううううう!」
勇者「ほれっ、これでやり直しだ」
魔王「3枚も減って、37枚になってしまったぞ」
勇者「あちゃー」
側近「魔王様!これ!店主が切り札って言ってくれたカード」
魔王「おお!それがあったな」
側近「この3枚入れましょうよ」
勇者「ちょっと見せろ」
勇者「こ・・・・・・これは・・・・・・」
戦士「どうした勇者!?」
勇者「いや、デュエリストのプライドにかけてばらしはしないが・・・・・・」
魔王「これでいいな?」
勇者「まあいいだろ」
戦士「あ!ずりぃ!」
賢者「あんたが言うな」
側近「魔王様、ほらっ、ルールブック読みながらいきましょ」
魔王「ああ」
魔王「えっと・・・・・・1枚引いて」
魔王「あ、またドローっていうの忘れた」
魔王「ドロー!えっとイエローガジェットを召喚」
魔王「それから・・・・・・」
側近「効果ですよ!イエローガジェットの効果!」
魔王「あ、そうだ。イエローガジェットの効果発動」
魔王「で・・・・・・なんだっけ」
魔王「ってデッキ見てもいいのか?」
側近「いいみたいです」
魔王「じゃあ、えっと」ペラペラ
魔王「あった。じゃあグリーンガジェットを手札に加えて・・・・・・」
側近「魔王様!デッキをシャッフルするみたいです」
魔王「わかった」
グチャグチャ
魔王「このくらいでいいか」
魔王「よし!攻撃・・・・・」
側近「魔王様!1ターン目は攻撃できません!」
魔王「・・・・・・」
戦士「・・・・・・」
魔法使い「・・・・・・」
賢者「・・・・・・」
勇者「・・・・・・・」
側近「魔王様!ターンエンド!ターンエンドって言って!」
魔王「ターンエンド」
戦士「おせえよ!!!!!!」
それに比べて勇者パーティのとげとげしさと言ったらもう
戦士「じゃあ俺のターン!ドロー!俺はエーリアンテレパスを通常召喚!!」
戦士「さらに、エーリアンと名のついたモンスターが召喚された時、このカードを特殊召喚することができる!」
戦士「いでよ!エーリアンドッグ!」
戦士「エーリアンドッグの効果発動!この効果で特殊召喚された時、相手モンスターにエーリアンカウンターを2つ置くことができる」
戦士「俺はイエローガジェットにAカウンター2つを置く」
戦士「さらにエーリアンテレパスの効果発動!」」
戦士「1ターンに1度相手モンスターのAカウンターを1つ取り除くことで魔法罠カードを1枚破壊する!」
戦士「俺はその伏せカードを破壊するぜ!」
戦士「さらにエーリアンテレパスでイエローガジェットを攻撃」
戦士「エーリアンテレパスの攻撃力は1600、イエローガジェットは1200、魔王!お前に差の400のダメージだ」
戦士「さらにエーリアンドッグでダイレクトアタック!1500のダメージ」
戦士「お前の残りライフは6100だ」
魔王「何言ってんだ、こいつ」
側近「えっと、魔王様の出したカード全部破壊されちゃったみたいです」
魔王「なんと」
魔王「それにこいつ1回に2体もモンスターだしたぞ!いいのか!?」
側近「えっと特殊召喚っていうのはいいみたいですよ。通常召喚っていうのが1回だけみたいで」
魔王「うーん・・・・・・困ったな」
戦士「ターンエンドだ。ほらっ、早くしろ」
魔王「うーん、これをこうして・・・・・・」
戦士「引いてから考えろよ」
勇者「戦士!!お前デュエリスト魂を忘れたか!ルールとマナーを守って!」
戦士「わ、わぁってるよ!さあ!お前のディスティニードローを見せてみろ!」
魔王「よし、ドロー!っと。今回はいえたぞ!」
側近「魔王様がんばれ!」
魔王「じゃあこの中から・・・・・・これだ!フィールド魔法の歯車街を発動させる」
魔王「えーっとえと、これは・・・・・・アンティークギアと名のついたモンスターを召喚するときに生贄が1つ少なくなる」
魔王「でいいか?」
戦士「俺に聞くな」
側近「おっけーです」
戦士「だから俺に確認すんな」
魔王「古代の機械合成獣でエーリアンテレパスを攻撃!」
魔王「古代の機械合成獣の攻撃力が2300、エーリアンテレパスが1600だから戦死に700のダメージだ」
魔王「これで私のライフが6100、戦士のライフが7300だな?」
側近「魔王様かっこいー」
魔王「カードを1枚セットしてターンエンドだ」
戦士「来い・・・・・・来い俺のディスティニー!燃えるぜ!デュエル魂!」
戦士「みんな・・・・・・俺に力を分けてくれ!さあ来い!」
戦士「来る・・・・・・・来る・・・・・・」
戦士「来た・・・・・・来たぞおおおおおおおお!」
魔王「あれは何をやっているのだ?」
側近「さあ?」
魔王「あれで引くカードが変わるわけでもあるまいに」
側近「あんなのルールブックに書いてませんよ」
戦士「来た!!ドロー!!」
賢者「帰りたい・・・・・・」
戦士「エーリアンモナイトの効果発動!」
戦士「このカードは通常召喚された時、墓地のエーリアンと名のつく★4以下のモンスターを特殊召喚することが出来る!」
戦士「復活しろ!エーリアンテレパス!」
魔王「また特殊召喚か」
側近「なんかずるいですね。こっちは地道にかんばってるのに」
魔王「ちゅーにんぐ?」
戦士「いでよ!シンクロモンスター!宇宙砦ゴルガー!!」
魔王「しんくろ?」
戦士「そしてビッグバンシュートを古代の機械合成獣に装備する。これで古代の機械合成獣の攻撃力は400上がって2700になる」
魔王「ん?わざわざ私のモンスターの攻撃力を上げてくれるのか?」
側近「馬鹿ですねー」
戦士「さらに光の護封剣を発動。魔王!お前は3ターン攻撃できない」
魔王「えー」
戦士「ビッグバンシュートの効果発動!この装備カードはフィールドから離れた時、装備していたモンスターは除外される」
戦士「古代の機械合成獣を除外!」
戦士「そして、宇宙砦ゴルガーとエーリアンドッグでダイレクトアタック!2600+1500で4100のダメージだ!」
戦士「これでお前の残りライフは2000だ。ターンエンド」
魔王「よくわからん・・・・・・」
側近「えっと・・・・・・また魔王様のカードが全滅です」
魔王「なんと」
側近「どうしましょう」
魔王「何か色々やってたな」
側近「魔王様もあれやってみます?」
魔王「あれって・・・・・・さっき戦士がドローする時にやってたあれか?」
側近「ええ、なんか効果あるかも」
魔王「だが、断る。というか嫌だ」
側近「えー」
魔王「ドロー」ペラッ
魔王「うーん・・・・・・」
魔王「これで、もう1枚引けるな」
魔王「ドローっと、それからえっと」
戦士「おい、待て。俺のライフが回復するぞ」
魔王「は?」
戦士「ほらっ、よくみろ。成金ゴブリンの効果」
魔王「あ、そうか。じゃあ戦士のライフが1000回復して8300か」
側近「魔王様が2000ですから随分離れちゃいましたねー」
魔王「まだこれからだ」
魔王「くくっ・・・・・・先ほど自分のカードを戻したりなんだり変な事をしていたな、戦士」
戦士「はぁ?」
魔王「お前は眠れる獅子を起こしてしまったようだ」
側近「何か思いついたんですか?」
魔王「ああ、このカードだ!魔法カード!サイクロン!」
魔王「壊すのは!私の歯車街だ!」
魔王「歯車街が破壊された時、手札・デッキ・墓地からアンディークギアと名のついたモンスターを特殊召喚できる」
魔王「いでよ!えっと・・・・・・ちょっと待ってろよ」
魔王「うーん・・・・・・うーん・・・・・・」
ペラペラ
魔王「どれがいいかな・・・・・・」
魔王「よ・・・・・・よし!これ!これだ!」
魔王「古代の機械巨竜!!攻撃力3000で宇宙砦ゴルガーの2600より上だぞ!」
魔王「宇宙砦ゴルガーを攻撃!400のダメージだな」
魔王「カードを1枚セットしてターンエンドだ」
魔王「くっくっく。これは倒せまい」
魔王「これで私のライフが2000、お前のライフが7900だ」
戦士「俺は魔法カード、強制転移を発動!」
戦士「フィールドの古代の機械巨竜とエーリアンドッグのコントロールを入れ替える!」
魔王「ちょっ!!」
魔王「側近!あんなのありか!?私のモンスターが取られてしまったぞ!」
側近「えーっと今調べてますので・・・・・・」
戦士「古代の機械巨竜でエーリアンドッグを攻撃!」
魔王ちょっと待て!まだ側近が調べてるでしょうが!」
戦士「3000ー1500で1500のダメージを受けてもらうぜ!」
戦士「これでお前のライフは残り500。風前の灯だな」
勇者「さすが魔界の王だけはあるな」
賢者「・・・・・・カードゲームでしょ」
魔王「どうする!?どうする側近!」
側近「わ、私に聞かれても」
側近「あ!そうです!店主が言ってましたよ!あれがあれば絶対負けないって!」
魔王「よ・・・・・よし・・・・・・引くぞ。絶対引き当てる・・・・・・」
魔王「当たれ・・・・・・当たれ当たれ」
勇者「おお!なんか熱くなってきたぞ!」
魔法使い「ここから逆転するカードっていったいなにかしらね」
戦士「わくわくしてきたぜえ」
魔王「いくぞ・・・・・来い!ドロー!」
戦士「は?セットするだけか?」
魔法使い「拍子抜けね」
勇者「油断するな!分からないぞ!」
戦士「おう、じゃあ俺のターンだな。ドロー!」
魔王「リバースカードオープン!」
戦士「このタイミングで!?」
戦士「自爆・・・・・・」
魔法使い「スイッチ・・・・・・」
勇者「だと・・・・・・」
魔王「えっと・・・・・相手より7000ポイント以上ライフが下回ってる時にお互いのライフを0にする」
側近「魔王様かっこいいー!」
魔王「ふはははははは!どうだ!負けなかったぞ!」
勇者「こいつら・・・・・・」
魔法使い「確かに初心者には使いやすいかもね・・・・・・それ」
戦士「納得いかねーぞ!絶対俺のほうが強いって!」
勇者「そうだ!正々堂々勝負しやがれ!」
魔王「なんだと!貴様らのルールで戦ってやっただろうが!」
側近「そうですよ!魔王様はがんばりました!」
いいな
魔王「禁止カードなのか?」
側近「いえ、使ってもいいみたいですよ」
魔王「ならば問題あるまい」
戦士「そんなんじゃ楽しくないだろうが!ルールとマナーを守って楽しく遊びましょう!」
魔王「楽しく?」
側近「遊びましょう?」
賢者「まったく・・・・・・子供の遊びにそんなにむきになることもないでしょう」
側近「子供の・・・・・・・?」
魔王「遊び・・・・・・だと!?」
初心者に勝ちにいってドヤ顔しようとしてる時点で…
魔王「貴様ら子供の遊びに私達をつきあわせたというのか!?」
側近「決闘じゃなかったんですか!!」
戦士「決闘だ!そう!ディスティニーとライフをかけたな」
魔王「何言ってんだ、こいつ」
魔法使い「世界の命運は私達のデュエルエナジーにかかってるのよ!」
賢者「あんまりこの人たち相手にしないでください。調子に乗りますので・・・・・・」
魔王「子供の遊びに我らを呼び出すとは・・・・・・ぐぬぬ」
魔王「許さん!」
ゴゴゴゴゴゴゴ
賢者「ちょっ!ちょっと!この人たち精神はまだ子供ですから!ゆるし・・・・・・」
魔王「広域究極破滅呪縛!!」
ドゴオオオオオオオオオオオン!
側近「あー、魔王様またライロデッキですか。ずるいーガチデッキばっか」
魔王「ふはははは!勝てばいいのだ勝てば!」
側近「もっとネタデッキで楽しみましょうよー」
魔王「ふむ、まぁそうだな。悪かった」
側近「そういえばなんかエクシーズとか言うルールが出来たみたいですよー」
魔王「ほほぅ」
側近「あ、大嵐来た」
魔王「なっ、ちょっと待て!」
側近「だめですぅ」
遊星「おい、デュエルしろよ」
おしまい
デュエルを書くつもりはなかったんだけど、なんか書いてしまった
今は反省しています
クリボーがなんか伏線かと思ったらそんなこと無かったぜ
Entry ⇒ 2012.03.09 | Category ⇒ 勇者魔王「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
シャロ「アンリエットさんに部屋に一人で来てって言われましたー」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330186994/
シャロ「代わりにベッドで一緒に寝ましょうって言われましたー」
シャロ「でもベッドで眠ることはないそうですー」
シャロ「百合がどうって言ってましたけどエリーさん、どういうことかわかりますか?」
エリー「え、えっと///」
頼んだ
エリー「あ…あの、シャロ…?」
シャロ「約束の時間なので行ってきます!」ビシッ
エリー「ま、待って…」
シャロ「収穫だ!収穫だー!!」ガチャ バタン
エリー「あうぅ…」カアァ
ネロ「あれ、エリーどうしたの?シャロはー?」
エリー「大人の…階段を…昇っちゃう…!」
ネロ「はぁ?」
アンリエット「…シャーロック・シェリンフォード」
アンリエット「…ここに来たということは…その」
アンリエット「…いい、と言う事なのかしら?」
シャロ「(胃袋の)準備はいつでもOK!ばっちこーいです!」
アンリエット「うふふ…ついにこの日がきましたわ…!」
シャロ「はうぅ~!おなかいっぱいご飯を食べれるなんて久しぶりですー!」
アンリエット(シャーロック…こどもだと思ってましたけど、積極的…!)ゴクリ
アンリエット「で、では…私のベッドに…」ドキドキ
シャロ「早くしないと食堂がしまっちゃいますー!!」
アンリエット「……へ?」
シャロ「は~や~く~!」
アンリエット(そ、そっち…!?くっ、ご飯で釣ったのが仇になりましたわ)
アンリエット(…まぁいいですわ、お楽しみは後にとっておくもの…!)
アンリエット「えぇ、行きましょうかシャーロック」ギュ
アンリエット「いや…その、ほら夜の廊下は危ないですから…」
シャロ「あかり、ついてますよ?」
アンリエット「……………」パッ
アンリエット「行きますわよ…シャーロック……」スタスタ
シャロ「あぁん、待ってくださいー」
シャロ「アンリエットさん、歩くの早いですー」モタモタ
アンリエット「仕方がないですわね…私と手を繋いで歩きましょう」ギュ
シャロ「ありがとうございます!」
アンリエット(よし)
アンリエット「好きなものを頼みなさい…」
石流(なぜ、アンリエット様はシャーロックに塩を送るような事を…)
石流(…いや、深き慈悲の御心がそうさせるのだろう、あまりに食うに困るシャーロックを見かねて…)
石流(素晴らしい、なんと崇高な…!)ゾクゾク
シャロ「かまぼこくださーい!!」
石流「了解した」
石流「…アンリエット様もなにかお食べになられますか」
アンリエット「…シャーロック」
石流「は?」
シャロ「とってもおいしいですー!!」モギュモギュ
アンリエット「ふふ、そう」ニコッ
シャロ「ネロと、エリーさんと、コーデリアさんにも食べさせて…」
アンリエット「駄目よ」ギラッ
アンリエット「この事は、私と貴女だけの秘密…」
アンリエット「今夜は、貴方は私と二人きり…そうでしょう?」
シャロ「そ、そうでした…!」アセアセ
石流(私もいるのだが…)
アンリエット(エルキュール・バートン…まぁ彼女なら口外はしないでしょうし、大丈夫でしょう)
アンリエット(…でも)
アンリエット「イケない子ね…シャーロック…」
シャロ「ごめんなさい!アンリエットさん!」ビクッ
アンリエット「イケない子には…おしおきしなくちゃ…ね?」グイッ
シャロ「あっ」
アンリエット「来なさい」
シャロ「ま、待っ…!あぁう~…!」ズルズル
アンリエット「……」ポイッ
シャロ「わぶっ!?」ドサッ
シャロ「ひ、ひどいです…まだかまぼこ残ってたのに…!」
アンリエット「そんなもの、またいくらでも食べさせてあげますわ」ギシッ
シャロ「あ、アンリエット…さん?」ドキッ
アンリエット「シャーロック…ひどい子ですわ」
アンリエット「焦らしに焦らして…そのうえ、私達の蜜月を他人に漏らすなんて…」
シャロ「み、みつげ…?よく分かりませんけどごめんなさい!」
アンリエット「それこそ一日千秋…ですのよ」
アンリエット「ね…?だから、もういいでしょう?」ドキドキ
シャロ(わ、わたしと?待ってた?なにを?)
シャロ(あっ!?私とかまぼこを食べるのをずっと待ってたってことですね!?)バチコーン
シャロ「そ、それなら!言ってくれればよかったのに!」
アンリエット「え!?」
シャロ「私なら、(かまぼこなら)いつだって大歓迎ですよー!」
アンリエット「しゃ、シャーロックぅ…!」ジーン
シャロ「あっ!?」
アンリエット「シャーロック…!シャーロックっ…!!」スリスリ
シャロ「んっ…!あ、アンリエットさん、くすぐったいです…!」
シャロ「そ、それに…!」
アンリエット「?」
シャロ「おっぱいが…あたって…!」カアァ
アンリエット「あぁ…あててますの」
シャロ「えぇ!?」
アンリエット「別に…初めてさわったわけでもないでしょう?」ポヨンポヨン
アンリエット「緊張してますの…?かわいいわね」
アンリエット「いつもと違ってしおらしい、困った顔…!そそりますわぁ…!」ゾクッ
シャロ「アンリエットさん…なんだか、おかしいですよぉ…」
アンリエット「貴女もおかしくなりましょう?」スッ
アンリエット「ん……」チュー
シャロ「むぐっ!?」ビクッ
シャロ(なっ!?あ、アンリエットさん!?)
シャロ「むぐ、んぅ…!ん、ぁ…!やぁ…っ!」
シャロ(アンリエットさんのべろがっ、絡んでっ)
シャロ「あっ…!あ…」
シャロ「はじめて…だったのに」
アンリエット「あら、そうでしたの」
シャロ「ってなんで落ち着いてるんですかー!」
シャロ「ひどいですー!なんでこんな…」
アンリエット「今から細かい事でごたごた言ってると体が持ちませんよ?」
シャロ「……へ?」
シャロ「も、もしかして…まだやるんですか?」
アンリエット「ええ、もちろん」
シャロ「あぅ…!あし、さわっちゃだめですぅ…」ビクンッ
シャロ「な、なんでこんなことするんですか…?」
アンリエット「言ったじゃない…私と寝ましょうって」
シャロ「……?」
シャロ「……………」
シャロ「えええええええ!?寝るってそういう意味だったんですかあああああ!?」
アンリエット「え!?今気づいたの!?」
シャロ「だ、だって…ご飯食べることしか考えてませんでしたー!!」
アンリエット「な、なんてこと…!」ガクッ
アンリエット(何も気づいていないシャーロックをベッドに連れ込んで、心を掴んだ気になって…)
アンリエット(策士策に溺れる…ですわね)
シャロ「あのー…アンリエット、さん?」
アンリエット「…シャーロック」
シャロ「えっと…うーんと、その…」モジモジ
アンリエット「…もういいですわ、部屋にお帰りなさい…」ハァ
シャロ「い、嫌…です」
アンリエット「!?」
の別の意味を理解できているシャロに感動した
シャロ「その、私と…寝たいんですか?」
アンリエット「え…?」
シャロ「だ、だからぁ!私と…そういう事、したいですか?」
アンリエット「………!?」ゴクリ
シャロ「えっと…アンリエットさんが、そう思ってるんなら…」
シャロ「私…いいかな、って」
アンリエット「キマシタワーー!!!」ガタン
シャロ「ひぃっ」ビクッ
シャロ「ひゃああ!!」
アンリエット「い…いいんですのね?本当にいいんですのね!?」
シャロ「ちょ、ちょっと待ってくださーい!!」アセアセ
アンリエット「もう待てません!!」ガバッ
シャロ「ぎにゃああああああ」
アンリエット「あぁ…!シャーロックの肌、綺麗ね…」ウットリ
アンリエット「何度夢に見た事か…!私、寝る前のイメージトレーニングで毎日かかさず練習してましたのよ」
シャロ「うわぁ…」
アンリエット「……好き、なんですもの」
アンリエット「仕方ないでしょう?貴女のことを好きになってしまったのだから」
アンリエット「名探偵の名を欲しいままにした貴女が…!ダメダメになってしまったあとの貴女も…!」
アンリエット「貴女と言う存在が私の心を逮捕した!!」
アンリエット「全部、全部大好きでたまらないのよ!!」
シャロ「……アンリエットさん」ドキッ
アンリエット「枕もとには貴女のぬいぐるみ配備済みですわ」
シャロ「うわぁ…」
シャロ「は、はいっ!?」
アンリエット「私を捕まえた責任は取ってもらうわよ…?」
アンリエット「それとも私じゃ駄目かしら…?」
シャロ「だめじゃないです!!」
シャロ「わ、私も…かっこいいアンリエットさんのこと…!」ドキドキ
アンリエット「シャーロック…!」
シャロ「流石にさっきのはひきましたけどぉ!!」
アンリエット「口に出さないで…」
シャロ「ダメダメになっちゃった私たちに、優しくしてくれたアンリエットさん…」
シャロ「かまぼこをいっぱい食べさせてくれたアンリエットさん…」
シャロ「そんなアンリエットさんになら…私…!」
アンリエット「シャーロック!」ギュー
アンリエット「う、うれしいですわ…!私、ずっと…!」
シャロ「シャロ、って…呼んでください」
アンリエット「シャロ…」
シャロ「アンリエットさん…?泣いてるんですか…?」
アンリエット「いえ、これは鼻血です」
シャロ「なぜ!?」
アンリエット「だって、これから貴女の体を好きにできると思うと…」
シャロ「うぅ…優しくしてくださいね?」
アンリエット「保証はしかねますわね…」チュッ
シャロ「んー……」ギュー
シャロ(アンリエットさんのくちびる…あったかいです…)
シャロ(なんだか、安心します…)
シャロ「は、はいぃ…」ドキドキ
シャロ(こ、こんなことになるなら着替えてくればよかったです…!)
アンリエット「ふふ…シャロは自分の体を触った事はあるの…?」モミモミ
シャロ「んっ…!そ、そんなのないですぅ…!」
シャロ「お、おっぱいだってっ…!さわったことなんてぇ…」
アンリエット「本当に?」フニフニ
シャロ「全部、アンリエットさんがはじめて…です…」カアァ
アンリエット「でも、ミルキィホームズの方たちは放っておかなかったんじゃなくて?」
シャロ「それって、どういう…?」
アンリエット「譲崎ネロが、エルキュール・バートンが、コーデリア・グラウカが…」
アンリエット「あなたに手を出さないか…気が気でなかったですわ」モミモミ
シャロ「み、みんなはそんな事しないですぅ!」
アンリエット「そうかしら?本当に?」チュー
シャロ「んあぅっ!?す、吸っちゃだめぇ…!」ビクッ
アンリエット「ミルキィホームズ、明智小衣、小林オペラ…」
アンリエット「何故こうも、私の周りにはライバルが多いのかしら?」ペロペロ
シャロ「ん、あぁっ!うぁあっ…!」
アンリエット(なんとなく、子供だと思って侮ってましたけど)
アンリエット(物凄いイケないことをしてるみたい…背徳的ですわ)
シャロ「んっ…ぅ、あうぅ…!」ビクンッ
シャロ「あ…アンリ、エット、さんっ」
シャロ「そんな…おっぱいばっかり、だめですぅっ…!」
アンリエット「シャロは胸を触られるのは嫌い…?」
シャロ「きっ…嫌いじゃ、ないですけどっ…!」
シャロ「おっぱいばっかり触られると…」
シャロ「つらい、です…」
アンリエット「どこがどう辛いのか、言ってくれないと分かりませんわ」
シャロ「うぅ…今日のアンリエットさん、いじわるです…」
シャロ「え…えっーと…」モジモジ
アンリエット「ほら、早く…」グリッ
シャロ「い、言いますからっ…触らないでくださいぃ…!」
シャロ「……アンリエットさんに、おっぱい触られると」
シャロ「触られてるのはおっぱいなのに…なぜか」
シャロ「おなかの中が、きゅんっ…てしてぇ…」
シャロ「わ、わたし…おかしくなっちゃいそうです…!」プルプル
シャロ「で?って…!」
アンリエット「それで、貴女は私にどうして欲しいのかしら?」
シャロ「そんなぁ…!」
アンリエット「口に出してくれないとと分かりませんわ…」
シャロ(うぅ…アンリエットさん、絶対分かっててやってます…)
シャロ(でも…)
シャロ(なんででしょう…今はアンリエットさんに触られてないのに…)
シャロ(おなかの奥が、へんなかんじ…ですぅ…!)ゾクゾクッ
アンリエット「さ、早く」
アンリエット「はい?」
シャロ「私、もう我慢できません…」
シャロ「私の…ここも、触ってくださいぃ…」
シャロ「じゃないと…私、わたしっ」ダキッ
アンリエット「…よく言えました、いい子ですわね」ナデナデ
シャロ「ん…」
アンリエット「ご褒美にたくさんいじめてあげますわ…」スッ
シャロ「あ…アンリエットさん…」
シャロ「あんっ…!うぅっ、んぅ…!!」ギュゥ
シャロ「あんり、えっとさ…!んぁぅっ!」ビクンッ
アンリエット「ふふ、恥ずかしがらずに声を出しなさい?シャロ」
シャロ「やぁ…!そ、そんなのできませんっ…!」
アンリエット(顔真っ赤にして、息を荒げて…かわいいですわ)
アンリエット(普段のシャロからは、想像もつかない顔)
アンリエット(私だけが見れる…私だけの物…!シャロ…!)
アンリエット「ほらほら、ずっとこのままで…いいのかしら」スリスリ
シャロ「い、いじわる…やだぁっ…!」グスッ
シャロ「アンリエットさん…!」ギュー
アンリエット(少しいじめすぎたかしら)
アンリエット「じゃあ…いきますわよ?」
シャロ「はやくぅ…!」ドキドキ
アンリエット「…………」グッ
シャロ「あっ…!んっ、くぅ…!!」
シャロ「アンリエットさんのゆびぃ…きもちいいですぅ…!」ガクガク
アンリエット(シャロの中…熱くてとろとろですわ)グイッ
シャロ「あんっ…アンリエットさん、もっとぉ…!」
アンリエット(…また鼻血でそう)
アンリエット(シャロ…自分から腰をおしつけて)
アンリエット(細い腰…愛おしいですわ)
アンリエット(誰にも渡さない…私だけのもの…)
アンリエット「シャロ…愛してますわ」
シャロ「わ、わたしもっ…!アンリエットさんすきですぅ…!」ゼェゼェ
シャロ「キス…してくださいぃっ…」
アンリエット「…っ!シャロっ…!」ガバッ
シャロ「アンリエットさん、アンリエットさん!!」ギュー
アンリエット「シャロぉー!!」
シャロ「アンリエットさーん!!」
シャロ「………うぅ」グッタリ
アンリエット「大丈夫ですか…シャーロック」ツヤツヤ
シャロ「大丈夫ですぅ…」ヘロヘロ
アンリエット「体中よだれだらけ…」フキフキ
アンリエット「ちょっと無茶しすぎたかしら…」
シャロ「えへへ…でも私は好きですよー、よだれー」ニコッ
アンリエット「……?」
シャロ「おなか空きましたぁー…」グウゥゥゥ
アンリエット「そうね…かまぼこでも食べに行きましょうか」
アンリエット「なにか?」
シャロ「また、アンリエットさんのお部屋に来てもいいですか?」
アンリエット「……えぇ、いいですわ」
アンリエット「かまぼこ用意して待ってますから」
シャロ「えへへ…」
シャロ「また、シャロって呼んでくださいね」
…
石流「究極にして至高…美しさの頂、桃源郷はここにあったのか…」
根津「はぁ?俺にも分かるように説明しろよっ!」
二十里「一番美しいのはこの僕!!エキサイティング、マーベラス、ビューティフォートゥエンティー↑!!!!!」ヌギッ
おしまい
素晴らしかった
お疲れ
さぁつぎのインスピレーションを沸かせるんだ
Entry ⇒ 2012.03.09 | Category ⇒ ミルキィホームズSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
男「エロい事したいから能力くれ」 神「うむ」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1329835292/
このSSはSS深夜VIPのSSです
男「まあそうだな」
神「それによってどんな能力を与えたものかも考えなきゃならんしの」
男「ふむ」
神「というかバトルものに出てくるような能力も使いようによってはエロい事できるぞ」
男「なに?」
男「なぜいきなり若く、しかもうちの学校の制服になったんだ」
神「明日おまえの学校についていって実践してやろうと思ってな」
男「マジかよ、サンキュー」
神「うむ」
神「では始めるか」
男「おう」
神「まずは基本からいくか、時間を止める能力じゃ」
男「定番だな」
ピタ
男「これで時間が止まったのか?」
神「そうじゃ、わしとおまえ以外はな。ではあの女子にするか」
男「ほほう、水玉か」
神「パンチラと違い、好きなだけ見れるぞ」ジー
男「それはいいな、水玉の数まで数えて把握しよう」ジー
男「おおっ」
神「ふむ、きれいな尻じゃの。それにとてもやわらかい」プニプニ
男「うめえー生尻うめえー」ペロペロ
男「おお」クルクル
神「言っておくがその水玉パンツ、見つからんようにせえよ」
男「この女子からしたら突如パンツ消えたように感じるだけだろ」
神「まあそれはそうじゃが」スッ
女子「!?!?」
女子(ぱ、パンツが急に!?どうして!?)
男「バトルでもエロでも基本だな」
神「ふむ、まあこういう事じゃ」チョイ
ビュウウウ!
女子2「きゃっ!?」バッ!
女子3「いやっ!?」バサッ!
男「白に黄色か」
神「時間を操る能力よりもずっとエロの幅は狭くなる、しかし突如めくれあがるスカートとその奥のパンツ、なにより恥ずかしがる女の子を見れるぶん、こちらのほうがパンチラマニア向けじゃな」チョイチョイ
女子2「ちょっ、と、止まらなっ……」チラッチラッ
女子3「なんでこんな吹き上げてっ……ちょ、ちょっとお!」チラッチラッ
男子S ウオオースゲーダブルパンチラ ザワザワ
男「風神って風神雷神の?」
神「ああ。わしも風は起こせるが普段はもっぱら風神に任せておる。時々突風でJKのスカートがめくれてパンツが見えるのはあやつの気まぐれなプレゼントじゃぞ」
男「今度うまい店奢りで連れていくって伝えといてくれ」
神「いや、あやつは女子が夏服になると突然の雨を降らす」
男「透けブラを狙ってるのか」
神「しかも雲1つない晴天からマジで奇襲かけてくるからな。近くの店に非難した透けブラJKの集団がいるその店に、人間に化けて入って眺めとる」
男「それは壮観だろうな」
神「白いブラの場合はうまくすれば乳首まで見えると言っておった」
男「バトルでは定番だけどエロい事できるのか?」
神「いやいや、これは下手すると今までで一番エロいぞ」
男「なに?」
女子4 スタスタ
神「スカートの周辺のみ重力を無くして……」スッ
バッ!
女子4「きゃっ!?」
男「おお、パンモロ!」
神「まだまだ、見ておれ」
男「あれはまさか……」
神「そう、風と違って『めくれている状態がデフォ』のためじゃ」
女子4「やっ!いやっ!」ググ
男「ピンクのパンツ……」ハアハア
神「さらに重力を強める事も可能じゃ。つまりあのパンツを……」スッ
女子4「っ!?いやぁあ!?」
男「す、すげえ、生まれたままの下半身が」ハアハア
神「あえてスカートが脱がされるのではなくめくれっぱなしなのがまたいいじゃろ?」
男「またマニアックだな」
神「無駄じゃ無駄じゃ、はき直させたりはせん。そのパンツの今の重さ実質は数十キロにもなっておる」
男「用意周到だな」
女子4「も、もういやぁ!」スッ
神「おっと、隠しきれないとはいえ手で隠すか」
男「最後の手段だな」
神「なあに、となればあの女子の制服の袖の重力を無くして……」スッ
女子4「いやぁああ!?」
神「万歳状態、Iの字拘束ともいうの」
男「なあ、せっかくだから制服とブラも」
神「そうじゃな、ほれ」スッ
ブワッ ズルウ!
女子4「きゃあぁあ!?」
神「ほほ、いい乳をしておる。乳の重力を無くして戻し、無くして戻しと」
プルンプルン
男「おっぱいが上下に揺れて……」ハアハア
女子4「せ、せめて隠させてよぉ……」グスン
男「ああ、たしかにあれは強烈な隠し玉だ」
男「ところで、これも基本だが、透視能力は?」
神「ああ、たしかにあれは悪くない。下着も裸も見放題。出会う全ての女子の全ての下着を把握できる、ある意味究極の夢じゃ」
男「だったら」
神「ただな、見えるだけで触れもしない。先程のように脱がすのも無理、そして唯一の利点の下着と裸の監察じゃが、これが信じられないことに飽きてくるのじゃよ」
神「海の家を経営しておるものは若い女子の水着を見てもなんとも思わなくなる、というのと同じじゃな」
男「人間って贅沢だな」
男「ありがたい事だ」
神「では遠慮なく乗っからせてもらって変身能力じゃな」
男「おう」
神「まずは子供に変身する、それから……」
男「おっと、子供になるのなら放課後まで待ってくれ、より良い結果を得られる」
神「ほう、では待ってみるか」
神「で、わざわざ学校を離れてこのボロい銭湯にまで来たのはなぜじゃ?」
男「神が考えてたのは子供だからスカートめくりやらパイもみが許される程度だろう?」
神「そうじゃな」
男「もちろんそれも素晴らしい。しかしここではもっといい事ができる」
神「ほほう」
男「見ての通りボロボロの銭湯、料金は安いが老人すら滅多に来ない、しかし……」
男「この曜日は練習を終えて汗を流したいテニス部の女子達が来るのだよ」ククク
神「ほほう、それはまた……」
男「間違えて女湯に入った幼稚園児に化け、堂々と女子達の裸を見ようじゃないか」
神「温泉でなくとも熱い風呂はいいのう」
男「さっきまで学生だったり今は子供だったりだけど、ほんとの姿はじいちゃんだからな」
神「まあテニス部女子達が来たらこの口調もやめるわい」
男「まあやめなくてもアニメかなんかのマネだと思われるだろうがな」
キャッキャッ ガララ
神「おお!」
男「きたぞ!」
テニス部2「今日きつかったねー」
テニス部3「大会前だからしかたないよー」
テニス部4「早く体洗おー」
その他テニス部 キャッキャッ
男「なあ、天国ってここか?」
神「いや……これは本物よりも天国じゃ」
テニス部6「せっけんなくなってるー」
男 ジー
神 ジー
テニス部「どうしたんだろあの子たち」
テニス部2「男女間違えたんじゃない?あの年なら漢字読めないだろうし」
男「同年代女子の裸、裸」ハアハア
神「やはりたまらんのう、いやたまらん」ジュルリ
テニス部4「ふふーん、どう?」フンゾリ
男「はあはあ」
神「うひょ、巨乳が見せつけるような体勢を」ハアハア
テニス部5「あっ」パサ
テニス部5「タオル落としちゃったー」スッ
男神「!!」
男「全裸でタオル拾うためしゃがむとは」ハアハア
神「アソコ丸見えじゃったな」ハアハア
男「おい見ろよ、あの尻は芸術だぜ」
神「あのコはちっぱいを気にしてさっきの巨乳を見つめてるのがかわいいのう」
男「ただ乳首はあのちっぱいの勝ちだな」
神「うむ」
男神「えっ?」
テニス部2「あたしたち子供大好きなんだー」ギュウ
男(うひょひょひょひょwwwおっぱいがおっぱいがwwwあなたの抱きしめてるのは同じクラスの男ですぞwww)
テニス部「ずるーい、あたしはこのコ」ギュウ
神(うひょwww乳首が頬に当たってwww)
テニス部「かわいいー!」ギュウ
テニス部2「やわらかーい!」ギュウ
男神(やわらかーい!!)
男「だな」ツヤツヤ
神「さて次は催眠じゃ」
男「おう」
神「なんじゃ?」
男「催眠というのは理性を抜かして本能に命令する技術、だから大概の命令はきくが、『裸や下着を見られる』というのは本能的な嫌悪感だから命令してもきいてくれない、と本で読んだぞ」
神「ふふ、なあに、きちんと考えはあるわい」ニヤ
女子5「?なんですかお兄さん?」
神「…………」ジー
女子5「あ……」クラ
女子5「う……」グッタリ
神「ここは温泉の女湯、ここは温泉の女湯」ジー
女子5「あ……気持ちよさそう……」
神「そう、誰もいない貸し切りじゃ」
女子5「疲れた……」
神「うむ、ゆっくりつかって疲れをとれ」
男「なるほどな……」
神「あとは隠れて見とればよい、他のやつらに見つかると面倒じゃからな」
男「策士だな、たしかに異性が誰もいない場所で、服を脱ぐのが当然の風呂ならば、理性があっても脱いでつかるからな」
神「よいこの催眠術師は真似しちゃダメじゃぞ」
神「ぐふふふwww」
男「完全にストリーキングだな。ところで」
おっさん「はあはあ」
サラリーマン「カメラ、カメラを」ピロリン
男子中学生「AVじゃない人の裸、裸」ハアハア
男「男しか通りかからず一切止めるやついないんだがなにかしたか?」
神「さあてなんのことやら」
神「さて、分身能力じゃの。今回は『実体があるタイプの分身』でいく」
男「おう」
神「そして昨日の変身能力も使って」ドロン
神「かわいらしい5つ子の完成じゃ」
男「うむ」
神「お主も同じようにして合計10人じゃな」スッ
男「サンキュー」ドロン
女子6 スタスタ
神「てーい!」バサッ
女子6「きゃあっ!?」
男「スカートめくり!スカートめくり!」バサッバサッ
女子6「きゃっ!?きゃあぁあ!?」
神2「いくぞー!」
男2「おう!」
神2男2「パンツ下ろし!」ズルウ!
女子6「いやぁあ!?」
神3「パンツが引っ掛かってこけたぞー!いまだー!」
ノシノシ、ガシ
女子6「やっ、乗らないでっ、動けなっ……」
神4「いい尻だなー」ニヤ
男4「ではでは」
神5「さっそく」
男5「いただきまーす!」
神4「むふ、むふふふ」ペロペロ
男4「ぴちゃぴちゃ……ペロ」
神5「ペロペロ……ペロペロペロ」
男5「ぐふふwwwぺちゃぺちゃ」
女子6「いやあっ!舐めないでっ、ふああ!?」ビクン!
男6「くくく」モミモミ
女子6「んっ、ふあ!」ビクン!
神7「こちょこちょこちょこちょwww」
男7「こおちょこちょこちょこちょこちょwww」
神8「くすぐれー!」コチョコチョ
男8「おっしゃwww」コチョコチョ
女子6「きゃっ!?あははははは!や、やめて、あははははは!」
男9「ボタンはずしてねwww」プチプチ
神10「当然ブラジャーもwww」
男10「ホックはずしてずりあげてwww」ズリ
女子6「あははははは!やめて!あははははは!こんなかっこ!あはははははは!ひああっ!はははははは!」
男「道のまん中で全裸で気絶したが」
神「いい思いしたじゃろ?」
男「まあな」
男「うーん……」
神「言っとくが1つだけじゃぞ」
男「よし、決めた」
神「ほう、早いな」
男「うん」
神「で、なんにする?やはり変身か重力か時間あたりかの?」
男「いいや」
男「おまえと友達になることにしたわ」
おわり
Entry ⇒ 2012.03.09 | Category ⇒ その他 | Comments (0) | Trackbacks (0)
響「今度の休日に貴音と二人で出かけることになったぞ!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329652422/
あとは頼んだぞ
響「なんだぞ貴音」
貴音「ついさきほどぷろでゅーさーからこのような面妖なものを貰ったのですが...」
響「...これは遊園地のチケットだぞ!」
貴音「ほう遊園地のちけっとでしたか。二枚ありますしそれでは響今度の休日一緒に行きませんか?」
響「いいぞ!!自分貴音と遊園地に行けてうれしいぞ!」
P「フフッ.....成功ですね小鳥さん」
小鳥「ええ、ここまで上手くいくとは自分が怖いですね」
P・小鳥「名づけて!ひびたかこそが至高!作戦!!!」
P(それにしても小鳥さんはいい胸してるな。挟まれたい)
小鳥(Pさん×美希ちゃんも王道だけど響ちゃん×貴音ちゃんも鉄板ね)
P・小鳥「ぐふふふふふふふふ」
響「な、なんか変な視線がして寒気がするぞ...」ブルッ
貴音「はて?どうしたのですか響。寒いなら私のかーでぃがんを貸しましょう」ファサ
響「いいのか貴音?そしたら貴音が寒くなるかもしれないんだぞ?」
貴音「私は構いません。それよりも響に風邪をひかれては一緒に遊園地に行けませんから」
響「ありがとうだぞ、貴音!」
P「ええ」
小鳥「寒がる響ちゃんに貴音ちゃんがやさしくカーディガンを羽織らせる...なんて素晴らしいの!!」グッ
小鳥「これだけでご飯2杯はいけるわ!!」ピヨピヨ
P(...カーディガンを脱いだ貴音は薄着になったから胸のデカさがさらに強調されたな)
P(うひょーあれでおっぱい往復ビンタされたい)
響「自分いつも休日はイヌ美達の世話をしてたから友達と遊ぶなんて初めてなんだぞ!」
貴音「フフ...響は本当にかわいいですね」
響「ふぇ//い、今かわいいって言ったのか?//」
貴音「ええ。響はとてもかわいらしいと言いました」
響「た、貴音にそんなこと言われると自分照れるぞ//」テレテレ
小鳥「Pさん!今の録画してますか!?」
P「ご安心ください。ちゃんと録画してますよ。後でブルーレイに焼いて1500円でお渡しします」
小鳥「お金取るんですか...」
P「それにしても赤面する響はかわいいな」
P(これで泣き顔だったら最高のオカズなんだけどな)
貴音「私は響にお任せします」
響「それじゃあ10時に遊園地の前に集合だぞ!遅れたらダメなんだぞ!」
貴音「ええ分かりました。ふふ....響と遊園地。楽しみですね」
響「自分たくさんオシャレして行くんだぞ!!」
P「まあ妥当な時間ですね。それで服装とかどうしましょう?」
小鳥「ここはやはり...」
小鳥(...ハッ!で、でーと!?これはもしやPさんを独り占めなんじゃ....)
小鳥(P「小鳥さんの私服かわいいですね」小鳥「そ、そんな褒めたって...//」)
小鳥(...なーんて)
小鳥「キャー!//」クネクネ
小鳥「...うふふふふふ男の人とデートなんて初めてなんです....」ブツブツ
P「おーいおーい」
小鳥「あ、あれ?ここは遊園地じゃ?」
P「何言ってるんですか。今からその遊園地に行く時の服装をどうするか聞いてるんですよ」
小鳥「変に変装しても怪しいと思うので私服で行きましょう」
P「...私服ですか。りょ、了解しました」
P(服なんて普段着るスーツと縄とボンテージぐらいしかないぞ!?しょうがないユニクロで買うか...)
小鳥(クククク!小鳥の時代到来よ!!).
響「へへん!はりきって30分前に着いちゃったんだぞ!」
響「自分はやっぱり完璧なのさー」
響「遊園地とっっても楽しみなんだぞ!」
響「しかも貴音と二人きりで.....」
響「ふ、二人きり....////」カァァ
小鳥「何気なく自分で言ったことが恥ずかしくて顔が赤くなる響ちゃんはかわいいわー!!」ハァハァ
小鳥「私も響ちゃんくらいの時先生のことをお母さんって言って赤面したからわかるわその気持ち」
小鳥「フフ青春ね」
小鳥「...それにしてもPさん遅いわね。女の子とのデートの時は30分以上前に来るのが常識なのに」
P「小鳥さーん」
小鳥「やっときましたね。それとPさん静かに。バレてしまいますよ」シー
P「す、すいません。ところで二人は来ましたか?」
小鳥「..いえそれが貴音ちゃんがまだ来てないんです」
P「貴音がですか....珍しいですね。貴音に何もなきゃいいんですが」
P「?なんですか、って言われても私服ですけど...」
小鳥「.....私服に普通縄はついてませんよ」
P「縄単体だとダメかなと思って縄着きの服を買ったんです。カッコイイでしょ?」
P「名前もSHIBARI MA-1っていうんですよ」
P「ちぇー店員さんも「最高に似合ってます」って言ってたのに...」
小鳥「...ふぅ。それでPさんどうします?貴音ちゃんがまだ来てないんですけど..」
P「ここは貴音を信じて待ちましょう。あいつは絶対来ますよ」
響「集合時間になったんだぞ....」
響「貴音がまだ来ないんだぞ。まさか貴音は自分との約束を忘れたんじゃ...」
響「ひ、酷いぞ!自分こんなにオシャレして楽しみにしてたのに...」ウル
響「うぐ....ぐすっ.....たかねぇ.....ひぐっ....」
小鳥「あ、あらあら..。響ちゃん泣いちゃってるわ..どうしましょPさん」オロオロ
P「う~ん....。貴音は一体.....」
P・小鳥「でも」
P・小鳥「泣いた響(ちゃん)も超かわいい!!」
P(響のやつ以外と胸あるんだな。今度事故に見せかけて魚肉ソーセージ挟んでみるか)
貴音「ふふ....私としたことが浮かれて家を早く出てしまったようですね」テクテク
貴音「この調子だと集合時間の30分前についてしまいますね」
貴音「...響と遊園地。なんて楽しみなんでしょうか」
貴音「おや?あれは....」
あずさ「あら~?ここは何処かしら?」
あずさ「あら~貴音ちゃん。おはよう」
あずさ「実はね~事務所に行こうとしたらいつの間にか知らないこんな所にいたのよ~」
貴音「それはとても面妖ですね」
貴音「幸いここら辺の道は知っているので、行き方をお教えしましょう」
貴音「いえ気にする程ではありません」
貴音「それでは、この道を右に行き次に左に曲がり道なりにいくと....」ペラペラ
あずさ「...わかったわ~この道を右ね。それじゃあね貴音ちゃん」テクテク
貴音「....お待ちくださいあずさ。その道は左です。..不安ですね。私が一緒に付いて案内をしましょう」
あずさ「本当にありがとうね貴音ちゃん」ペコリ
あずさ「...でもいいのかしら?」
貴音「はて?一体何がでしょう?」
あずさ「貴音ちゃんもどこかに行こうとしてたんじゃないかしら~」
貴音「そ、そうでした!道案内のせいですっかりと忘れていました!」
あずさ「ばいば~い」ヒラヒラ
貴音「集合時間までほとんど時間がありませんっ!これは走らねば!」ダッ
あずさ「.......うふふ、.愛って素敵ね~」
小鳥「あれから響ちゃん泣いたままですね...」
P「正直堪らないですね...」ジュルッ
小鳥「やっぱりPさんもですか!私も同じ気持ちなんです!」
P「ふふっ、僕の観覧車がメリーゴーランドしてて今凄い大変です」
小鳥(Pさんの観覧車がメリーゴーランドが...。私のことも回して欲しいわ!)
響「...ぐすっ......貴音....」
響「遅れたらダメ、って言ったにひどいぞぉ....」
響「...ひっぐ.....な、泣いたらダメなんだぞ自分...」ゴシゴシ
響「...ハックション!...外にずっといるから少し寒いんだぞ」ズズッ
響「..早く来て欲しいぞ...」
??「遅れて申し訳ございません響!」
貴音「申し訳ございません響。ずいぶん待ったでしょう」
響「そうなんだぞっ!集合時間の30分前から待ってたんだぞ!」
貴音「それはそれは。どうかお許しください響」
響「嫌なんだぞ!自分貴音を許さないからな!」プイッ
貴音「...それならば私は響が許してくれるように如何なる罰をも受けましょう」
響「それは自分の考えた罰ゲームを受けるってことなのか?」
貴音「罰げーむ...ふふ、発想もかわいらしいですね響は」
響「..なっ..//か、からかうんじゃないぞ貴音!自分は今怒ってるんだぞ!」//
響「わ、わかったぞ」
響「・・・・ント・・・・ダゾ・・・・//」ボソボソ
貴音「はて?響、小さな声で聞き取りにくかったのでもう一回言って貰ってよろしいでしょうか」
響「.................じ、自分とて、て、手を繋ぐんだぞ!///」カァァ
響「...い、いいから早く手を繋ぐんだぞ!//自分は貴音をずっと待ってて自分寒いんだぞ!///」
貴音「ふふ...分かりました」ギュッ
響「ひゃあ!///きゅ、急に手を繋ぐとビックリするんだぞ!///」
響「そ、それでも繋ぐ時は何か言って欲しいぞ///」
貴音「ふふ...そうですか。それでは、繋ぎますよ響」ギュ
響「う、うん//」ギュー
小鳥「キタわーーーーーー!!!」ハァハァ
P「ひびたか!ひびたか!」ハァハァ
小鳥「はぁ...なんて美しいのかしら...」
小鳥「Pさん!録画の方は!?」
P「ぬかりありませんよ。SDカードは3000円、ブルーレイは4500円でお売りいたしますから」●REC
小鳥(またお金を取るのね..)
貴音「それでは参りましょう」
響「う、うん//」
貴音「どうしたのですか響?顔が赤いですよ?ま、まさか本当に風邪をひいたのでは!?」
響「そ、そんなことないぞ//」
貴音「ダメですよ響、我慢しては。それでは熱を測りますね」ピト
響(か、顔が近いんだぞ//)
小鳥「キャー!!Pさん録画!録画!!」
小鳥「素晴らしすぎて鼻血が止まらないわ!!」
P(二人とも向かい合ってるあの状態で二人のおっぱいに挟まれたい)ハァハァ
貴音「おや?熱はありませんね。なんと面妖な」
響「だ、だから自分は大丈夫だっていったんだぞ!//なんたって自分は完璧だからな!」
貴音「そうですか。これは余計なお世話だったようですね」
響「そ、そんなことないぞ!心配してくれてうれしいんだぞ!」
貴音「.....響?どうしたのですか響?」
響「..ご、ごめんだぞ。つ、つい貴音の手がその...」
貴音「私の手がどうかしたのでしょうか?」
貴音「ふふ....そうですか、それならば一回手を離しましょう」
響「な、なんでだぞ!?」
貴音「ふふふ、冗談ですよ冗談。戸惑う響もかわいいですね」
響「ひどいんだぞ貴音//」
響「賛成だぞ!」
貴音「楽しみですね響」
響「うん//二人でいーっぱい楽しむんだぞ!」
終わり
保守、支援してくださった皆さんありがとうだぞ!
粗末な文と内容は勘弁してほしいぞ!
また見かけたらよろしくだぞ!
>>95
旅行のSS?これが二作目なので違うと思うぞ!
Entry ⇒ 2012.03.09 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
勇者「『なんとか王さま』から毎日手紙がくるの♪」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329575947/
はじめまして、
今回あなたが勇者に選ばれたことを、とても嬉しく思います。
これから私の所まで辿り着く道のりは険しいものでしょう。
ですが、私そんな試練を乗り越えて強くなったあなたに会うことをここで待ってばかりでは居られませんでしたので、こうして手紙を送ります。
これからあなたここに着くまで手紙を送りながらあなたの成長を手伝うつもりです。
お手を煩わせるようで申し訳ないですが、これも勇者のためになるものだと思って軽く思わないでほしいと思う所存です。
では、以後また連絡します
魔王より
勇者「…王?…前の漢字変な文字。わからないや。王さまの名前なのかな」
聞いた話によると、あなたは未だに仲間を入れずに戦っているようですね。
スライムぐらいの弱い魔物とたたかう時はまだ大丈夫ですが、この先のことを考えて、仲間を増やしたら如何でしょうか。
仲間は酒店に行って探したり、傭兵を雇ったりしたら良いと思います。
あなたが良い勇者なら、きっとあなたの心を信じて仲間になってくれる人が現れると思います。
魔王より
勇者「仲間…よし、頑張ってろう」
・・・
・・
・
勇者「これからよろしくね」
女戦士「おう」
女僧侶「精一杯勇者さまをお支えします」
女魔法使い「べ、別にあんたが好きで仲間になってあげたとかじゃないんだからねっ」
無事に仲間を集めたようですね。おめでとうございます。
でも、男女の比が合わないことが以後パーティーによくない影響与えるかもしれません。
男女二人ずつあった方が一番良かったのですが、今更言っても仕方がありません。
全ては勇者勇者の器量にかかっています。
日々是精進してください。
魔王より
勇者「そうなんだ。でも、なんとか王さまの言う通り、パーティーを組んだからには、しっかりマオウの城までいけるように頑張ろう」
女戦士「ん?なんだ、勇者その手紙」
勇者「あ、これ、王さまからの手紙」
女戦士「ふーん」
今日初めて魔物と戦ったらしいですね。
勇者は自分がスライムを間違って踏んで転んでしまったことが凄くかっこ悪くてみっともないと思ったようですが、
……たしかに少しカッコ悪かったことは事実です。私が戦士さんだったとしても、きっと大笑いしたことでしょう。
ですが、そんなことでへこたれてはこれから勇者として旅を続けることができません。
宿屋に引きこもっていたら嫌な過去が書き換えられるというものでもありません。
どんな勇者だって最初はlv1から始まるものです。
最初の頃の失敗はまだまだかわいいもの。
今日の失敗を乗り越えて、もっと強い勇者になっていくあなたの姿を見たいと思います。
魔王より
勇者「………」ぐすん
僧侶「勇者さま、勇者さま、大丈夫ですか?」コンコン
勇者「あ、僧侶さん」
僧侶「女戦士さんがごめんなさいって伝えて欲しいって言ってました」
僧侶「今日のことは本当にごめんなさい。ですから…」
勇者「ありがとう、僧侶さん」
僧侶「勇者さま?」
勇者「もう大丈夫だから、明日もまた頑張ろうね」
僧侶「…はいっ」
今日の戦いでは見事にスライムを討ち取りましたね。
昨日の失敗を乗り越えて見事に成長したあなたに褒めの言葉を送ります。
今回のことであなたの勇者としての自覚が少しでも冴えてきたのであれば、
この事件はきっとあなたにとっても私にとっても良いことだったのだと思います。
これからもその調子で頑張ってください。
魔王より
勇者「……えへへ、ほめられた」
魔法使い「うわっ、なにニヤニヤしてんの、気持ちわるっ」
勇者へ
今あなたが通っている道は、道のりが険しくて、次の村に辿り着くには魔物が沢山ある峡谷を通らなければなりません。
十分な準備をしてから挑んでください。
魔王より
女戦士「よしっ、んじゃ行こうか」
勇者「あ、待って、行く前に道具屋寄って行こう」
魔法使い「別に回復アイテムとか尽きてないじゃない」
僧侶「そうですね。次の村で武器など替えることも考えたら、ここで道具に金を使うのは…」
勇者「ダメだよ。ここから先は魔物沢山あるんだから、ちゃんと準備していかないとダメ」
女戦士「勇者なんでそんなこと知ってんだ?」
勇者「いいから、早く道具屋行く」
僧侶「勇者さまの言う通り回復薬をちゃんと準備して来なかったら、もうとっくにアイテムが底を尽きたことでしょう」
魔法使い「まぁ、あんたとしてはちゃんと考えたんじゃない」
勇者「ふぅ……よかった。ありがと、なんとか王さま」
勇者「でも、どうやって王さま、いつもボクの居る所に手紙を送られるのかな」
無事に峡谷を通られたようですね。
苦労が多かった分、その結実も良いもの。きっと今頃随分とlvが上がったことでしょう。
全てが終わった後なので言わせていただきますと、
実は勇者に少し嘘をつきました。
勇者が行ったその道は、普段は塞がれている危険な道で、
人たちが通る道はもっと歩きやすくて魔物も出ない所にありました。
勇者の成長のためとは言え、騙したことに対して申し訳ないと思います。
ですがそれでも、私はこれがあなたのためになったのなら例えあなたに怒られようともそれで宜しいと思います
魔王より
勇者「なんとか王さま……怒ってなんてないよ」
勇者「ありがとう」
人の優しさは魔物と人間の大きな差の一つだと思いますが、
それでも勇者の優しさはたまに甘すぎるとまで憶えてきます。
今日だって村に居た乞食にお金をあげましたね。自分たちの旅費も豊かじゃないというのに。
人のことを考えるその心は尊く思いますが、そのような行為はその者にも何の得にもなりません。
今度からは慎むことをお勧めします。
魔王より
勇者「僧侶さんたちにも言わないでこっそりやったことなのにどうしてわかっちゃったの?!」
勇者「うー、でもボクそういうの見ると無視して通りすぎることなんてできないよ…」
女戦士さんと僧侶さんが喧嘩しましたね。
二人を仲直りしようとするあなたの意気は良いのですが、
喧嘩する原因も知らないまま仲直りさせようとしても、二人ともあなたが相手の肩を持つと思うばかりで
状況は更に悪くなるばかりです。
まずは喧嘩する理由を知ることから始めましょう。
勇者「ねー、魔法使いちゃん、なんで僧侶さんと戦士さん仲悪くなったの?」
魔法使い「あんたが馬鹿だからじゃないの?自分で考えなさい」
勇者「そんなこと言ったって分からないものはわからないよ」
勇者「僧侶さんと戦士さん戦ってるの、ボクもう見たくない」
勇者「もしかしてボクが悪いのだったら直すから、なんで怒ったのか教えてよ」
僧侶「勇者さまは何も悪くありません」
僧侶「悪いのはあの卑猥な女がいけないんです」
戦士「誰が卑猥な女だ!」ガタン!
僧侶「しかも礼儀もしりません」
戦士「なにー!」
勇者「二人ともやめてよ!!」
私は二人が喧嘩する原因を探しなさいと助言したはずなのですが、
どうして勇者さんまで怒って部屋に篭っているのか私にはさっぱりです。
でも、3日ぐらい勇者が顔を出さないせいで、戦士さんも僧侶さんも喧嘩をやめて勇者さんの機嫌取りをしようとしているので
過程はともあれうまくパーティーの崩壊を止めたと評価するべきかもしれません。
ちなみに知らないようですから言っておきますが、
二人が喧嘩した原因があなたが3日連続で戦士の隣の椅子で夕飯を食べたことから始まりました。
その後僧侶さんが戦士さんが危ない時に回復をしてあげなかったり、
その後仕返しに戦士さんがちゃんと僧侶さんを庇ってくれなかったりしながらどんどん二人の仲が悪くなったのです。
原因がわかったのならこれからは平等に仲間たちを扱うことです。
魔王より
勇者「……なんでそんな理由で喧嘩しなきゃいけないの?」
戦士「ゆうしゃーー」
僧侶「勇者さま、ごめんなさい、もう許してください」
勇者へ
あなたはもう少し自分の立場を自覚した方が良いと思います。
もっと自分がどんな者なのかしっかり考えて行動するべきなのです。
今日の魔法使いさんとの出来事もそうです。
いつものように罵倒に近い言い方をする魔法使いさんに
「魔法使いちゃんは喧嘩ボクのこと嫌いになんてならないもんね」
とか言って
いいですか、勇者。
以前の出来事で僧侶さんや戦士さんがあなたのことを疎く思っていると考えているあなたは、
まだまだ勇者として足りない者ということを自ら認めているのです。
しかもあなたの失言に魔法使いさんはその場で顔を赤くして倒れる始末です。
そんな調子ではいつ誰かが突発な行動を起こしてもおかしくありません。
だいたお(くどくど
勇者「…勇者としての自覚が足りない……のか、やっぱボクって」
魔法使い「勇者、な、なにしてんのよ。あ、あんたがお粥食わせてあげるって言ったのよ?レディーを待たせるつもりなの?」
勇者「あ、ごめん、はい、あーん」
魔法使い「/////」アーン
僧侶、戦士「」
今直ぐあなたが居る所に言って長々と説教してあげたい気持ちは山々ですが我慢しましょう。
さっさと出発してください。
魔王より
勇者「なんとか王さま、なんか怒ってるのかな。ボクなんかした?」シュン
勇者へ
次の村なのですが、
魔物の上位クラスのドラゴンが住んでいます。
と言ってドラゴンと戦わなければいけないのかというとそういうことではありません。
ドラゴンはなかなか礼儀を知る良い魔族なので、
寧ろ話し合うと良いことを教えてもらえるかもしれません。
魔王より
勇者「ドラゴンか…見たことないな。どんな魔物なんだろう」wkwk
だから言いましたね。
なんであなたはそう簡単に人に心を許しちゃうのですか。
そんなのだから皆勘違いしてそうあなたに付きまとうのです。
あなたが惚れたその娘はそこんところの竜族の王の娘なんです。
竜の王から私にどうすればいいのかって陳情書が飛んできました。
私は出来るだけ娘を説得して戻ってくるようにしてくださいって言っておきましたから、勇者もその娘にうまく言って帰らせてください。
勇者「そういうわけだから竜娘ちゃん、家に帰ってくれない」
竜娘「ヤダ」
魔王使い「ちょっと、勇者から離れなさいよ」
僧侶「そ、そうです。いつまでそう抱きついているつもりですか」
竜娘「かーー」
戦士「うわっ、こいつ火吹きやがった!」
あなたという勇者は……
魔王ともあろう私が自らあなたの揉め事を解決してあげなければならないのですか?
そんなんじゃいつまで経っても私の居る所まで辿りつけないじゃないですか。
助けてあげるのは今回だけですから、
ちゃんと私が居る場所まで来てください。
魔王より
竜娘「モウ、カエル」ガタガタブルブル
勇者「そ、そうなんだ…(なんか震えてるけど大丈夫かな)」
勇者「またここに来たら会えるよね」
竜娘「! うん!絶対来てね!♪」
戦士「(絶対こねー)」
僧侶「(帰ってくる時は別の道を)」
魔法使い「(私が勇者を守らないと…)」
勇者「この前竜娘ちゃんと居た時にもボクが知らない間に来てたみたいだけど」
勇者「ここの近くに居るのかな」
勇者「手紙だっていつもボクが寝てる間に来るし」
勇者「よし、今度は寝ないで手紙を持ってくる人に聞いてみよう」
魔法使い「……すー」
勇者「(魔法使いちゃんは寝ちゃったし)」
勇者「(後は誰が手紙を持ってくるか待つだけだね)」
勇者「(手紙、王さまが持ってくるわけじゃないだろうし、誰か使いの人が持ってくるのかな)」
勇者「(なんとか王さまに言いたいこととかたくさんあるのに)」
勇者「(いつもありがとうとも言いたいし、いつになったら会えるのかも聞きたいし、いつも厳しく言うけどやっぱりボクのために言ってくれて嬉しいとも伝えたいし)」
勇者「(どこの王さまなのかだけでもわかったら、ボクからも王さまに手紙送られるかな)」
勇者「(ボク漢字とかはちょっと苦手だけど)」
勇者「(もうどんどん眠くなって来た)」
勇者「(でも、ここまで待ったのにここで寝ちゃうと……)」
朝
勇者「……う…ん?」
勇者「はっ!寝ちゃった!」
勇者「手紙は…?」
勇者「…あれ?来てない」
勇者「(あれから3日ぐらい待ったけど手紙来なかった。なんでだろう)」
魔法使い「ちょっと、聞いてんの?」
勇者「ふえ?な、何?」
魔法使い「…もうダメね。僧侶、今夜こいつと一緒の布団で寝なさいよ。もう見てられない」
僧侶「はい、喜んで!」ガタッ
戦士「ちょっと、そんなのなら私が…」
僧侶「私が引き受けたのになんで戦士さんが出てくるのですか?」
戦士「ぐぬぬ……!」
勇者「…眠い」フアー
最近私の後を探ろうとしてましたね?
そんなことで寝不足になるなんてあなたはたまに本当に馬鹿なことをします。
そう焦らずとも時が来れば私に逢えますから、
あなたは今やるべきことをしっかりやってください。
そう、今あなたがやるべきことは、まず睡眠補充と、
後は、もう少し真面目に人の話に返事をすることです。
魔王より
僧侶「はい、なんでしょうか、勇者さま」
勇者「……」
僧侶「勇者さま?」
勇者「ううん、やっぱなんでもない」
僧侶「…良くはわかりませんが、困ったことがあったら私に教えてください。いつでも相談に乗りますから」
勇者「ありがとう、僧侶さん、でも、ほんとなんでもない。別に大したことじゃなかった」
勇者「(人に手紙見せると怒られるかな)」
あなたが勇者になって随分長い年月が経ちましたね。
あなたは最初の時とあまり変わらない気がします。
相変わらず優しくて周りの視線に鈍くて、それでも皆に愛される子です。
それに比べて私はこの城に閉じ込められて外に出ることも出来ずに、
ただただ勇者を待っているばかり。
早くこういう手紙ではなく、あなたを直接見れる日が来ればいいのですが…
失礼、少し愚痴ってしまいました。
明日に着く村なのですが……(ry
勇者「……王さま?」
旅をはじめるばかりのあなたが失敗した時、私はそれでもまだ大丈夫だって言いましたね。
でも、今回ばかりは私からもあなたを叱らせて頂きます。
トロールを相手する時には少しでも気が緩んではいけないものです。
少しの放心が命取り。
戦士さんがうまく対応してくれてなければ、あなたの失策のせいでパーティーに死人が出ていたかもしれません。
今回のあなたの情けない行動には本当に失望しました。
そんなんじゃあ、私は……
勇者「……ごめんなさい」
勇者「だって…不安なんだもん」
勇者「最近なんとか王さまの手紙が変に変わって…」
勇者「なんとか王さま、なんだかとっても不安そうで、ボクまで……」
戦士「この前トロールと戦ってる時だってな。なんかいつもより動きが鈍かったよ」
魔法使い「あいつが間抜け面するのはいつものことだけど、最近と来たらもう最悪よ。一体何があったの?」
戦士「そういえば、勇者って良く手紙もらうよな」
僧侶「そうですね。どこに行っても、勇者さまに手紙が送られてきますね」
魔法使い「見ようとしても絶対見せてくれないしな」
僧侶「もしかして、その手紙が原因で……?」
戦士「試してみる価値はあるな。これからもこんな調子だと旅にも支障出るし」
勇者「あ、僧侶さん」
僧侶「…」
勇者「ごめんね、皆心配してるよね」
僧侶「…はい」
勇者「ごめん…ボクなんか最近全然ダメダメだね」
僧侶「勇者さま、以前私に相談いいかけていたことがありましたね」
僧侶「最近勇者さまが元気がないのと、それが何か関係してるのでしょうか」
僧侶「どのようなことか、私が聞いても宜しいでしょうか」
勇者「…」
僧侶「ダメ、でしょうか」
勇者「…ううん、ダメじゃないよ」
勇者「コレ以上皆に迷惑かけたくないし」
勇者「王さまだって、ボクがこうしてるの見たらきっとまた怒るだろうし」
戦士「すごい量だな、全部持ってたのか?」
勇者「なんか捨てるのって勿体ないかなぁって思って」
魔法使い「……もしかして、王さまって女の人なの?」
僧侶、戦士「!」ガタッ
勇者「ぼ、ボクも分からないけど…」
魔法使い「まぁ、取り敢えず最初から読んでみましょう」
はじめまして、
今回あなたが勇者に選ばれたことを、とても嬉しく思います」
戦士「ちなみにこれいつから来たんだ?」
勇者「えっと、皆と会う一週間前。ほぼ勇者に選ばれた直後だった」
僧侶「これから私の所まで辿り着く道のりは険しいものでしょう。
ですが、私そんな試練を乗り越えて強くなったあなたに会うことをここで待ってばかりでは居られませんでしたので、こうして手紙を送ります」
僧侶「……」
魔法使い「…なんかおかしくない」
僧侶「と、取り敢えず全部読んでみましょう」
僧侶「これからあなたここに着くまで手紙を送りながらあなたの成長を手伝うつもりです。
お手を煩わせるようで申し訳ないですが、これも勇者のためになるものだと思って軽く思わないでほしいと思う所存です。
では、以後また連絡します」
僧侶「魔王(まおう)より 」
三人「え?」
勇者「え?」
勇者「すごい偶然だね」ニパー
勇者「いや、どう見ても偶然じゃないでしょ!」
魔法使い「ちょっとどういうこと?なんで魔王から手紙が来てるの?」
僧侶「勇者さま、この手紙たちを、旅を始めてからずっともらいつづけたのですか?」
勇者「そうだよ」
勇者「ボクが辛い時に励ましてくれたり」
勇者「頑張った時褒めてくれたりしたの」
勇者「毎日この王さまの手紙を読むのが一番楽しみだった♪」
三人「……」
勇者「王さま、なんか元気なさそうな言い方してて」
勇者「いつもならもっと強そうな書き方するのに」
勇者「最近は全然弱々しくて、何かあるのかなぁと思ったら…」
勇者「なんか元気が出なくて……」
戦士「……まさか知らない所にこんな伏兵があったとはな」
僧侶「完敗です」
魔法使い「私ほどの女が、なんて失態を…」
勇者「ふえ?」
魔王「…つまらない」
側近「魔王さま、そろそろ政務を…」
魔王「うるさい!私に指図する気?!」メラゾーマ
側近「!魔王さま」
魔王「何よ!自分だけ楽しそうにしてて!」
魔王「…最初の所は面白そうな子でいいかなぁって思ったのに」
魔王「仲間を全部女の染め上げて」
魔王「三人とも落としたのでは足らずに」
魔王「竜族の姫まで弄んで」
魔王「そんなんでいつ私の所まで来るというのよ!」
魔王「こんな勇者じゃなくても、他に強い奴らなんていくらでも居るわ」
魔王「もう手紙なんて送らない!」
魔王「あんたなんてここに来ないでいつまでも女たちと遊んでなさいよ!」
魔王「ばーか!」
魔王「ああ、寂しい…」
僧侶「そこで勇者たちが来るのも待ち続けるのです」
戦士「でも、良く考えてみると、魔王も暇だよな。勇者が来るまでいつまでも待たなきゃいけないって」
僧侶「その間に勇者さまは色んなものを見て色んな所にいって、色んな人に会えます」
勇者「じゃあ、なんとか王さまがボクを嫌いになったのって、ボクが早く来ないからなの?」
魔法使い「ただの駄々こねでしょ。他の女と遊んでないで早く私の所に来なさいよって」
戦士「いや、ていうかなんで魔王が勇者にこんな手紙送るんだよ」
僧侶「それは…あれですね」
戦士「あれって?」
僧侶「仕様です」
戦士「…わけがわからん」
魔王「弱いくせに仲間と一緒に冒険とかはじめちゃってさ」
魔王「スライムもろくに倒せなかったくせに」
魔王「旅してる間にどんどん強くなって、魔王の所にまで来る」
魔王「でも、遅いのよ。あんたがここまで来るの」
魔王「あんたがあの数多い冒険の中で色んな思い出を作ってる間」
魔王「私はこの薄汚い城に座って」
魔王「あなたと勝つか負けるか、死ぬか生きるか、のただ一回の戦いをするだけ」
魔王「あなたはその長い冒険の末に得るものもりもり沢山でしょ?」
魔王「でも私は最後にあなたに殺されるか、それともあなたのその大事な思い出たちをぶち壊すかのどっちしかやることがないのよ」
魔王「そんな私の気持ちなんて知りもしないで」
魔王「あっちこっちで女をキャッキャウフフしながら私に来る日はどんどん遠くなるし」
魔王「待ってあげるにも限度というものがあるでしょ?」
魔王「それを見ているだけの私の気持ちは日々枯れていくのよ」
魔王「おかしいと思う?」
魔王「自分を倒しにくる奴を心から待ち受けてるのって」
魔王「だってそれだけなのよ」
魔王「あんたは他に大切なものなんていっぱいあるでしょうけど」
魔王「私には勇者しか居ないの」
眠くて脳みそが変になっちゃってる。見逃してください。
魔王「勇者は役不足だったら途中で諦めたりも出来るし」
魔王「セーブしたままいつまでも冒険の書を終わらせないことも出来る」
魔王「自分好き勝手な終わり方しても誰一人も文句は言わないでしょうね」
魔王「だってそれが人間だもの」
魔王「でも私は」
魔王「そんなあなたに捨てられたまま」
魔王「いつまでもここで独りで居なきゃならないのよ」
魔王「…いっそここに来て私を倒してよ」
魔王「その方がすっきりするから」
魔王「……せっかく色々苦労して手紙なんて送ったりもしたのに」
魔王「これでもう何回目勇者にフラれたのかしらね」
魔王「もういっそのこと待つのやめて私が攻めに行ってやろうかな」
魔王「……弱い勇者なんて相手しても何の意味もないし…」
魔王「今回はちょっと期待してたのに」
魔王「手紙送るの、忘れちゃった」
魔王「…もう良い。もう手紙なんて書かないもん」
魔王「どうせ面倒くさかったし」
魔王「礼儀正しく書こうとすっごく苦労したのに」
魔王「素出した方が良かったかな…」
魔王「あぁ、もうやめやめ」
魔王「あんなヘタレな勇者にもう期待しても無駄よ」
魔王「……あれ?なにこれ」
魔王「…手紙?」
はじめまして、勇者です。
魔王「…え?」
魔王「どういうこと?なんで勇者がここに手紙なんて送られたんだよ」
この手紙は魔王使いちゃんと僧侶さんに手伝ってもらって書いて、送ったものです。
魔法使いちゃんの話によると、魔王さまが私に手紙を送る時に使った魔法の術式を見つけて、それを逆方向に動かしたら
この手紙が魔王さまの元までうまく届くだろうって言ってました。
ボクは難しいことは良くわからないから
この手紙を魔王さまがちゃんと読んでくれることを祈るばかりです。
そして、この手紙が届いたのなら、魔王さまに絶対言いたいことがあります。
魔王さまの手紙があったから、今のボクがここに居るのだと思っています。
魔王さまの助けがなかったら、弱いボクなんてもうとっくに勇者なんてやめていたかもしれません。
そんなボクを支えてくれたのは、毎日ごとくボクを励まして、叱ってくれた魔王さまの手紙でした。
だから、今度はボクが、魔王さまの力になってあげる番です。
でも、それはきっとボクを助けてくれた魔王さまも同じだって思うから、
ボクはこう言うことを迷わないつもりです。
魔王さま、ボクは絶対に魔王さまを倒しに行きます。
だから、魔王さまも、ボクが途中で倒れたりしないように、ちゃんと助けてくださいね。
いつになるかまだ知りませんが、魔王さまを直接会える日が来ると、
その時はもしかすると、戦わずにもっと違う方法で解決できちゃうかもしれません。
正直な話、今まで手紙を送ってくれたのが魔王さまだって知って、ボクはとても嬉しかったです。
魔王さまは、きっとボクが人間のために倒さなければならない悪い魔王とかじゃないって思いました。
魔王を倒すための勇者一行ってわけではないけど、
この世界は勇者としてじゃなくても旅する場所は沢山あります。
魔王さまさえ良ければ、魔王さまとも一緒にそんな旅がしてみたいです。
その方が手紙だけでこう話し合ってるよりも、ずっとずっと楽しいだろうと思いますから。
魔王さまからもらった手紙を全部集めたら、本当にたくさんでした。
僧侶さんはこう言ってました。
きっと魔王さまも、ボクに手紙を送ってる間楽しかったはずだって。
ボクは今この手紙を書いている間、とても嬉しくて言葉では言い切れません。
魔王さまもボクに手紙を書く時、こんな気分だっただろうと思います。
そして、もしそうだったら、
きっと魔王さまも、今ボクが考えていることと同じことを考えているだろうと思います。
早く強くなって、魔王さまに会いに行きます。
それまで、ずっと手紙、お願いします。
勇者より
魔王「…何」
魔王「私あんな酷いこと言ったのに」
魔王「このなんとも思ってないかのような文体」
魔王「この勇者なんでこんなに馬鹿なの?」
魔王「なんでこんなに優しいの?」
魔王「……」
魔王「手紙、書こうか」
朝起きたらあなたからの手紙があって驚きました。
なんといいますか…
ありがとうございます。
きっと私は、
あなたの楽しい姿や、その笑顔を妬んでいたのだと思います。
こんな私のためにあんな優しい言葉を送ってくれるのは
この世できっと勇者あなた一人しか居ないでしょう。
だからこそ、私はあなたと出会うその日が待ち遠しいのです。
でも、その内容は以前のようなアドバイス的な内容ばかりではないと思います。
あなたにいつも言いましたよね。
あなたは自分自身のことをあまり良くわかってないみたいです。
己を知ることは全ての戦いの基本になります。
あなたの場合、自分が持っている武器が何かを知らないからこそそんなに強いのかもしれませんけどね。
今はご丁寧に断っておきましょう。
あくまで私は魔王、あなたは勇者。
戦わなくてはならない運命なのです。
もっとも、
私は自分より弱い人に従うつもりはありませんので、
そんな平和ボケた話をするつもりでしたらまず魔王の私に勝ってからにしてください。
あなたに手紙を送ったことは。
少なくとも今は……早くあなたがここに辿り着いて欲しいばかりです。
そして、あなたに手紙を送りながらあなたを待つこの日々を、
もう少し楽しませていただきます。
ありがとうございます、勇者。
魔王より
戦士「勇者の奴、嬉しそうだな」
僧侶「無理もありません。また魔王さんから手紙がくるようになったのですから…少し複雑ですが」
魔法使い「あの手紙書いてる奴、本当に私たちが倒しに行く魔王なのかな。別の奴がいたずらしてるんじゃないかな」
戦士「さあ、でもまぁ、勇者が喜んでるから、今はそれでいいんじゃね?」
僧侶「私もそう思います。少なくとも今は……」
勇者「あ、皆」
戦士「あ、こっち見た」
魔法使い「あれは絶対自慢するつもりだろうな」
勇者「ほら、みて」
勇者「また『魔王さま』から手紙が来たの♪」
終わり
なんか途中で雑談挟んでごめん。
自分ってそういうの結構好きなんだけど、読む側にしてはそういうのあるとやっぱ邪魔なのかな。
とにかく、もう遅いし皆寝てよ。
日曜日だからって朝を寝過ごしたら損だからね。
どっちの側も良かった
昨日の勇者は魔王まで辿り着けたのだろーか
なんかスレ主勇者みたいなやつだな。
Entry ⇒ 2012.03.09 | Category ⇒ 勇者魔王「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
七咲「いつまでこうしているんですか?」橘「ずっと」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330274016/
橘「大丈夫だよ。おかげで、校内残っている生徒は、みんな帰ったからね」
七咲「どういう事ですか?」
橘「つまり……こうしていても見つからないって事さっ!」ムギュー
七咲「なっ!?」
橘「どうだ、動けないだろう」
七咲「せ、先輩……」
橘「水泳部はもうみんな帰った。つまり、ここに来る生徒はもういない」キリッ
七咲「だ、だからって、その……先生とかが」
橘「七咲、あまり僕を舐めないほうがいい。舐めてもいいけど、僕は舐める方が好きだ」
七咲「え……?」
橘「先生がここの施錠の確認に来るまでには、まだあと二時間ある。だからあと二時間は、ここには誰も来ないってわけさッ!」
橘「ふっふっふ、紳士の嗜みさ」
七咲「わけがわかりません」
橘「うーん、図書室で勉強をするひりをして、毎回ちょっとづつ帰る時間を遅くするんだ」
橘「そうすれば、いずれ確認の先生に会える」
橘「それを繰り返して、当番の先生、曜日、場合によってはその日の気温まで計算に入れ、綿密な調査から導き出された答え……それが二時間後なんだ」
七咲「……一体、どこからその気力が生まれるんですか」
橘「決まってるじゃないか」
七咲「先輩……相変わらずですね」
橘「でも、嫌ってわけじゃないんだろ?」
七咲「何を今更言うんですか、先輩の彼女を舐めないでください」ギュー
橘「それでこそだよ、七咲」
橘「進展?」
七咲「こう……先輩の背後から、タコの足のような触手が現れて……とか」
橘「ま、待ってよ七咲! 僕は触手に目覚めかけはしているけれど、七咲にそんな事をしたいとは、思ってないよ!!」
七咲「……冗談ですよ」
橘「はっ!?」
七咲「先輩、触手は……ちょっと私は遠慮しますね」
七咲「私じゃなければ、するんですか?」
橘「そ、そんな事ないよっ!」
七咲「でも、触手に目覚めかけているんですよね?」
橘「そ、それは……」
七咲「先輩は、破廉恥ですね」
橘「ごもっともです……」
橘「……予想されていたのか」
七咲「当然です。私は先輩の彼女ですよ」
橘「僕の彼女ってすごいね」
七咲「気づくのが遅いですよ、先輩」ギュー
橘「?」
七咲いつまでこうしているんですか?」
橘「ずっと」
七咲「先生が来るまでって事ですか?」
橘「ずっと」
七咲「……本当に、ずっと、ですか?」
橘「ずっと」
橘「ふっふっふ、紳士に二言は無いよ」
七咲「なら、私だってずっと先輩を離しません」ギュー
橘「じゃあ、先に離した方が負け……だね」
七咲「負けるはずがありません」
七咲「ひやぁっ!?」
七咲「……驚いたら、離すと思ったら大間違いですよ」
橘「ひょんなほほ、ほくはっへほほっへはいは!(そんな事、僕だって思ってないさ!)」
七咲「人の耳を噛みながら言われても……」
橘「ひはふはいはろ? (痛く無いだろ?)」
七咲「ええ、まぁ……」
橘「はははひはははへ! (アマガミだからね!)」
七咲「うまくないですよ、先輩」
七咲「……ふふ、まだまだですね」
橘「だけど、七咲もわかっただろう?」
七咲「何をですか?」
橘「この戦い、僕の勝利だということさ」
橘「でもね七咲、意思の問題じゃないんだ」
七咲「そんな……」
橘「このむぎゅー戦争、両手は使えず、足はまともに動けない戦い。唯一武器となるのは何か、わかるかい?」
七咲「それは、頭……っ!? まさか、でも、そんなっ!」
七咲「くぅ……」
橘「身長差……男女のどうしようも無い隔たりが、この戦争を動かすのさ」
七咲「そんな……事って……っ!」
橘「悲しいけど、これ、戦争なのよね」
七咲「顎に……頭突きをするくらいしか……」
橘「痛いからやめてね?」
七咲「わかってますよ」
七咲「でも、まさかこんな劣勢に立たされるなんて……」
七咲「え……ひゃっ!」
橘「言っただろう。僕は舐める方が好きなんだ!」
七咲「だからって、なんで眉間なんですか!」
橘「眉間に皺を作った七咲を、見たくなかったんだよ」
七咲「先輩……」
七咲「ん……せ、先輩……」
橘「今日くらい、負けてもいいんだよ」ペロリ
七咲「だ、だめ……」
橘「意地をはったって……良いことなんて、無いんだよ」ハムハム
七咲「せ、先輩……」
橘「なんだい?」
七咲「……ちょっと痛いの、我慢してくださいね」
七咲「身長差なんて、崩してしまえばいいんです」
橘「いてて……なるほどね」
七咲「押し倒して、私が上に乗る……身長差なんて関係無い。いいえ、上にいる分、私の方が有利です」
橘「だが、僕は紳士だよ」
七咲「紳士の彼女の力……覚悟してください」
橘「良いだろう、来いっ! 七咲! その力、僕に見せて見ろ!!」
七咲「はぁっ……はぁっ……さすがですね、先輩」
橘「はぁっ……はぁっ……七咲こそ、力をつけたね」
七咲「まだ、紳士には及びませんか……」
橘「まだ負けないよ。でも七咲が、水泳を応用した時は、負けるかと思ったね」
七咲「で、でも結局、欠点が見つかって……」
橘「また、挑むんだね」
その一時間を一時間かけて説明しろよ
橘「……紳士淑女の比べ合いは決着しても、まだ勝負は続いているからね」
七咲「こっちでは、負けませんよ……くしゅん!」
橘「あぁ、さすがに抱き合ってても寒いね」
七咲「帰ります?」
七咲「どうやって、起き上がります?」
橘「うーん、そうだな。七咲、ちょっと足を動かすね」
七咲「え、あ、はい」
七咲「正座みたいに、折りたたんでいる、んですよね? 見えないですけど」
橘「そう、ちょっと床が痛いけど、これで準備はオーケーだ」
七咲「でも、これじゃあ何も」
橘「見せてあげるよ、紳士の本当の力を」
橘「ID腹筋で鍛えられた腹筋は、二人の体を……持ち上げるッ!」
橘「七咲は軽いからね」
七咲「ありがとうございます……でも先輩」
橘「?」
七咲「この体制、すごくエッチですね」
橘「……ッ!? (正座をした僕の膝に、七咲が座っている……こ、これはっ!!!)」
七咲「いけると思ったのに……」
橘「でもね、七咲。七咲が僕の上に座っているのに、僕から離れる事は出来ないだろう(物理的に)」
七咲「そうでしたっ!」
七咲「は、はい、持ちました」
橘「よし、じゃあ、帰るよ」
七咲「え……きゃぁっ!?」
橘「七咲、出来る事なら、足でもしがみついてくれないかな。ちょっと歩きにくいよ」
七咲「なんの前置きも無く、持ち上げるからですよ!」
七咲「本気で言ってます?」
橘「七咲は、負けるのと、抱き上げられて帰るのと、抱き合いながら四つ足で帰るの、どれがいい?」
七咲「……こ、このままでお願いします」
橘「よし、じゃあ、このまま帰るよ!」
七咲「だ、誰にも見つからないでくださいね!」
七咲「はい!」
橘「くっ!? 緊急事態だ」
七咲「ど、どうしたんですか?」
橘「生徒会長……絢辻さんが、校門に立っている」
橘「もう、他の門はとじられている。僕達の道は、あそこにしか無い」
七咲「で、でも……それじゃあ」
橘「……七咲、僕の鞄から防寒着を出してくれ」
七咲「これですか?」
橘「……大きめの物を買って、本当に良かった」
七咲「ま、まさか」
橘「い、いやぁ、うん、いろいろあってね」
絢辻「食堂で、いっぱいご飯でも、食べたの?」
橘「え?」
絢辻「随分と……大きなお腹ね」
橘「!?」デスヨネー
絢辻「へぇ……最近の食堂はすごいのね」
橘「あ、ぼ、僕が無理を言って食堂で残り物を貰っただけだから、秘密にしてね!」
絢辻「そこじゃないわ」
絢辻「食堂でご飯を食べると、首から毛が生えるなんて、初めて知ったわ」
橘「な、七咲、もっと頭を下げて!」コソコソ
七咲「無茶言わないでください!」コソコソ
橘「い、いやぁ、色々食べたからなぁ……」
絢辻「コンクリートブロックでも食べたの? 背中、二つくらい四角い物が入ってるみたいよ」
橘「な、七咲、鞄をどうにか出来ない?」コソコソ
七咲「どうしろってんですか!」コソコソ
橘「え、えっと……」
絢辻「転ぶと危ないわよ。せめて手くらいは出しなさい」
絢辻「出ないと、転んだ時に『お腹に入った何か』が怪我するわよ」
橘「……絢辻さん、それは無いよ」
橘「死んでもお腹は守ってみせるよ」
七咲「先輩……」
絢辻「……はぁ、ならさっさと帰りなさい。暗くなると、本当に転ぶわよ」
橘「……! あ、ありがとう! 絢辻さん!」
絢辻「……まったく、末永くお幸せに。呆れるしかないわ」スタスタ
橘「……行っちゃった」
橘「なったんだよね?」
七咲「私には、声しか聞こえていませんでしたので、何とも……」
橘「息苦しく無かった?」
七咲「多少はありましたけど、もう先輩達の会話でハラハラして……それどころじゃ無かったですね」
橘「あはは……」
七咲「上着はいいんですか?」
橘「二人で着ると、思ってたより熱いからね。七咲は欲しい?」
七咲「見られたくないのはありますけれど……まぁ、いいです。いっそ見せびらかしましょう!」
橘「それでこそ、淑女だよ! ……たぶん」
橘「ばれた?」
七咲「この歩き方、私が帰り道を主張出来ません」
橘「そりゃ、僕が持ち上げているからね」
七咲「先輩、せこいです」
橘「じゃあ、七咲から離す?」
七咲「絶対に、嫌です」
七咲「どうしたんですか?」
橘「いや、美也が……」
七咲「見つかるのが嫌なら、離したっていいんですよ?」
橘「絶対に、嫌だ」
橘「七咲こそ、見つかってもいいの?」
七咲「この状況なら、誘拐犯は先輩ですから」
橘「七咲、せこい」
七咲「先輩に言われたくありません」
七咲「いつでもどうぞ。私からは見えませんから」
橘「うおおおおおおおおおおおっ!!!」ガチャ
美也「にぃに、遅い! 紗江ちゃんの家にお泊まりだから、晩御飯はいらないよ! それに逢ちゃんに連絡できないんだけど、何か……」
橘「た、ただいま……」
美也「…………はぁ」
橘「な、慣れたって……」
七咲「美也ちゃん、これには深い事情が……」
美也「抱きしめあって、先に離した方の負け……とかじゃないの?」
橘、七咲「なっ!?」
橘「え、あ、そうなのか」
美也「逢ちゃん、紗江ちゃんの家に泊まっている事にしておくね」
七咲「美也ちゃん……」
美也「もう、ご近所で有名なバカップルだから、今更何にも言わないよ。ううん、むしろ応援してらんだよ」
橘「美也……」
美也「にぃに、お父さんから伝言」
橘「は、はい!」
美也「孫は、三人がいい」
橘「おいおい……」
美也「じゃ、もう行くね。二人とも寝坊しないようにね!」ダダダダ
七咲「美也ちゃん!」
橘「行っちゃったな」
橘「……どうした?」
七咲「晩御飯、どうします?」
橘「ご飯と玉子はあったはずだ」
七咲「じゃあ、卵かけご飯ですね」
橘「だな」
橘「しかたないだろ、離れられないんだから」
七咲「えっち」
橘「七咲だって、そうじゃないか」
七咲「先輩がそうしたんですよ」
橘「……否定はしないで置くよ」
橘、七咲「いただきます」
七咲「相手の肩ごしって、食べにくいですね」
橘「たしかにそうだな」
七咲「……先輩、ほっぺにご飯ついてますよ」ペロリ
橘「僕が気付くより前に、舐めとらないでくれよ」
七咲「どうしてですか?」
橘「不意打ちだと、舐められる事が楽しめないじゃないか!」
七咲「!? ……すみません、私がもっと深く考えるべきでした」
七咲「でも先輩。舐められるより舐める方が、良いんじゃありませんでしたっけ」
橘「場合による」
橘「僕と七咲に出来ない事は無いからね」
七咲「それもそうですね」
橘「お風呂は明日の朝に入ろうか」
七咲「なら、もう寝ます?」
橘「そうだね」
橘「結局、制服のまま、寝るんだからね。でもさ、僕はこれでいいと思うよ」
七咲「え?」
橘「これくらい、バカで丁度良いって事」
橘「でも、妬ましいから、いつかそうなろうと思える」
橘「梅原なんかよく言うよ。俺も早くバカップルになってやる、ってさ」
橘「だからね、僕達はこのまんま、呆れるくらいバカップルでいよう」
橘「世界中が……まで行かなくても、知ってる人がみーんなバカップルになれるまで、こうして僕達はバカップルらしく抱き合っていよう」
七咲「先輩……」
七咲「そうですね!」
橘「それじゃあ、寝ようか」
七咲「はい、おやすみなさい、先輩」
結局、寝ている間に離れたので、引き分けとなりました
おわり
最近アマガミSS完走してなさすぎだよ
もっと書き手の人達、頑張ろうぜ!
猛烈に眠いから寝るよ
昼まで残っていたら、蛇足な続きを書く
橘「仕方ないだろ、審判出来ない状況だったんだから」
七咲「まだ、続きします?」
橘「いや、いいよ。もう十分だ」
七咲「え…………」
七咲「・・・・・・先輩が先輩で良かったです」
橘「褒めてる?」
七咲「恋人としては、絶賛ですね」
橘「そりゃ良かった」
七咲「先輩が先で良いですよ。一番風呂は亭主が入るものですから」
橘「良妻だね」
七咲「誰の彼女だと思っているんですか」
橘「じゃあ、お湯溜めてくるよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
橘「七咲ー、じゃあ先に入るねー」
七咲「はい! ゆっくり浸かって来てください」
橘(これ、お決まりのパターンだよね?)
橘「お決まりのパターンだ、七咲なら僕の彼女なら……必ず来る!」
七咲「せんぱーい、湯加減どうですかー?」
橘「ほら来た!」
七咲「嫌そうですね」
橘「そんな事ないよ!!」
橘「じゃあ……こほん。お願いしようかな」
七咲「失礼します」
橘「バスタオル・・・・・・なんだかこの前のクリスマスイヴみたいだ」
七咲「水着・・・・・・着てると思います?」
橘「……着てる。断言する」
七咲
橘「七咲が、僕の彼女であるように、僕は七咲の彼氏だからね。当然さ」
七咲「それもそうですね。……っと、その前にこれを着てください」
橘「これって、僕の水着じゃないか」
七咲「先輩・・・・・・昨日の続き、このお風呂で短期決戦と行きませんか?」
橘「・・・・・・成る程、いいよ。紳士はいかなる挑戦も受けて立つからね」
七咲「『月刊競泳水着、四月号』ですか? 先輩最近、あの雑誌がお気に入りですよね」
橘「んなっ!? 七咲、何故それを……」
七咲「特に最近、あの雑誌は方向性が固まってきていますし、先輩の趣味と合ったんですか?」
橘「そうだね、あの雑誌、編集長が変わってから、スレンダーな体によるゆるやかな曲線美にこだわってくれて、僕としては嬉しいかぎr……ごめん、今の忘れて」
七咲「良妻ですから、先輩の趣味趣向以外は忘れますね」
橘「全部忘れてっ!」
七咲「昨日のむぎゅー戦争及びその中で行われた紳士淑女力競い合い。私は一敗一引き分けと、決して良いとは言えない結果でした」
橘「……リベンジか」
七咲「はい。私は是が非でも勝つために、自分に有利な戦いを申し込みます」
橘「…………」
七咲「紳士淑女力競い合いR《リターンズ》~貴方は一線を踏みとどまれるか~!!!」
七咲「言葉は必要、無いですよね」
橘「紳士に二言は無い。そして、紳士が紳士である限り、一線を越える事も無い」
七咲「…・・・では、お背中を流しますね」
橘「ばっちこい。七咲」
七咲「行った事あるんですか?」ゴシゴシ
橘「あるわけないよ!」
七咲「そりゃ良かったです」ゴシゴシ
橘(普通に背中を流しているだけ……? 七咲、一体何を企んでいる?)
橘「と、当然だよ・・・・・・ひゃっ!?」
七咲「好きなだけ、警戒してください」ツー
橘(くっ……話している隙に、おへそに手を回された……)
七咲「めいっぱい意識してください。もっと気にしてください」ツンツン
七咲「そして……私の事を、しっかりと感じてください」ピタリ
七咲「先輩が、そうさせてるんですよ。ほらほら、一線超えちゃいましょうよ」スリスリ
橘「くっ……七咲、少し成長した?」
七咲「0.5センチほど」
橘「破壊力を上げおって……苦しむのは、下々の民ばかりなのだぞ」
七咲「先輩が……決断してくれれば、全て終わります」
橘「紳士、だからね」
七咲「わかりました、私も本気で行きましょう」スルリ
橘「何を……これはっ!?」
七咲「感じますか、布じゃない、人の肌の感触を。聞こえますか、私の心臓の高鳴りが」
橘「肩の……紐を……」
橘「七咲……」
七咲「一緒に、行きましょう。先輩」
橘「七咲……ッ!」
七咲「二人でなら、どんな困難だってっ!」
橘「僕は、七咲の魂胆を見破ったよ」
七咲「なっ!?」
橘「だけれど、僕の勝利条件が、結局わからないままだ」
七咲「それは……最初に」
橘「そう、『言わなくてもわかる』これが七咲の作った罠……違うかい?」
七咲「…………」
橘「普通に考えれば、『僕が七咲に対して一線を越えない』事が勝利条件だろう」
橘「だが、これは嘘だ。これは『紳士淑女力競い合いR《リターンズ》~貴方は一線を踏みとどまれるか~』……つまり、紳士淑女。僕の勝利条件も七咲と同じだ」
橘「『僕が七咲に一線を越えさせる』……受け身になっていた僕には、絶対に辿り着けない勝利条件さ」
橘「僕は……これより攻勢に出る!」
七咲「きゃっ……」
七咲「なっ……」
橘「良くできた罠だよ。僕も序盤で完全にはまっていた」
七咲「どうして……わかったんですか」
橘「簡単さ、『一線を越える』の定義があいまいなんだ」
橘「だから僕は、その定義での『一線を越える』にかからない領域で、七咲に手を出そうとする」
橘「言うまでも無く、この恰好で抱きしめたり、くすぐったり……だ」
橘「だがこの戦いに審判はいない。落ち着いて、客観的に二人で自分たちを眺めた時に、その様はどう見えるだろうか」
橘「七咲に限界まで押しやられた僕が、変な理屈を作って七咲にエッチなイタズラをしようとした。そう見えるだろう?」
橘「それは……ある種の『一線を越えた』だ」
橘「誘い受けもここまで来れば凄まじいね。我が彼女ながら、感心するよ」
七咲「完敗です……私の策略を、全部見透かされました。私は、また勝てなかった……」
橘「そうだね、七咲は勝てなかった。でも、負けてもいない」
七咲「え……でも、私は『先輩に一線を越えさせる』事が出来ませんでした」
橘「僕の勝利条件は、曖昧なままだ。だからここで定義しよう」
橘「僕の勝利条件は『七咲に一線を越えさせる』事だ。そして七咲は『競泳水着の肩の紐を、ずらした』だけにすぎない。これは一線を超えたことにはならないね」
七咲「じゃあ……勝負は……」
橘「引き分け、かな」
橘「じゃあ、交渉だ」
七咲「え……」
橘「僕は、七咲に背中を流してもらいたい。エッチなのも勝負も関係無しに、ね」
七咲「先輩……」
橘「やってくれる、かな?」
七咲「当然です! しっかり洗いますね!」
デート編行きます
七咲「ただ単に、先輩の家にいられなくなっただけですよね」
橘「仕方ないじゃないか。両親に会うには、まだ僕たちのレベルは……」
七咲「この前の、『紳士淑女カップルバトル!』は……私達の圧倒的敗北でしたからね」
橘「知らなかったよ、僕。自分が、あんなに無力だったなんて」
七咲「先輩のせいじゃありません。あの時、先輩の足を引っ張ったのは私で……」
橘「でも、こうして僕たちは特訓をしている。いつかは、あの二人に勝てる日が来るさ」
七咲「はい、頑張りましょう!」
七咲「今日は、『普通』にお買いものをしたいと思います」
橘「『普通』に?」
七咲「はい。『普通』に」
橘「てっきり、いきなり勝負かと思ったんだけどなぁ」
七咲「ふふ……勝負は、時を見なければ勝てませんから」
七咲「荷物持ちみたいにさせてしまって、すみません」
橘「いやいや、これも紳士の仕事だからね」
七咲「なら、私も……淑女としてお返しをしなきゃいけませんね」
橘「え?」
七咲「ちょっと待っていてください、買ってきます」タタタタ
橘「なんだか、嫌な予感がするなぁ……」
橘「それは……たこやき?」
七咲「はい、焼き立てたこやき五個です」
橘「それで、どうするんだい?」
七咲「先輩、勝負してください」
七咲「『たこやきはふはふポッキーゲーム』です!」
橘(はふはふの意味は……おそらくあつあつのたこやきを食べる時の音……そしてポッキーゲーム……)
橘(なんだか、危険な香りだ)
七咲「先輩、ルール説明をしましょうか?」
橘「あぁ、頼むよ七咲。まったく見当がつかないんだ」
七咲「嘘ですね」
橘「!?」
七咲「先輩は嘘をついています。もう気づいているんでしょう? このゲームが、一体どういうゲームなのか」
七咲「わかりました。説明します」
七咲「まず、たこやきをポッキーゲームのようにして、二人でくわえます。そして、双方食べて行きます。先に『たこ』を食べた方が勝ち。以上です」
橘「勝負は『たこ』か……」
七咲「なお、たこやきは五個あるので、五回勝負で勝利数を競います。良いですか?」
橘「……わかった、やってみよう」
橘(そうか、わかったぞ。なら、勝負はこの一個目だ!)
七咲「へあ、ほほはいあーがはっははふあーふぉえふ(では、このタイマーがなったらスタートです)」
橘「いーあおう、あけほひあいひょーいえ(いいだろう、火傷しないようにね)」
七咲「ふおんへふ(愚問です)」
ピピピピピピピピピピピピピ
橘(そんなっ!? 七咲が止まらない? これでは……くぅ……)
七咲「先輩……思っていたよりも弱いですね」
橘「どうして……七咲はそのペースで食べられるんだい?」
七咲「私がもう一勝したら、教えてあげます」
橘「残念だな、じゃあ教えてもらえないや」
七咲「ちょろいもんですね。では教えてあげましょう」
七咲「水泳部は、毎年創設祭でおでんを作っています。もちろん、創設祭の前には予行練習も有ります」
橘「ま、まさか……」
七咲「そう、そのまさかですよ、先輩。友達と一緒に行った『大根早食い競争』……過酷な女の争いが、結果として私に『熱を苦しながら食べる』術を教えてくれた」
橘「そう、か……それであんなに速かったんだね」
七咲「はい……」
橘(そう、たこやきは冷めるんだ! もう、次からはちょっと熱くても、危険じゃない!)
橘「次は……勝つ!」
七咲「王手ですよ、頑張ってください、先輩」
橘「紳士の本領は、ここからさ!」
橘(一口で、七咲を傷つけないように!)
七咲「んむっ!?」
橘「七咲も、まだまだ乙女だね。いくらちょっと大きなたこやきだからって、一口で食べられないなんて」モグモグモグモグ
七咲「ふふふ、それでこそ先輩ですよ」
橘「さぁ、反撃開始だ!」
ガヤガヤ ザワザワ
「あれ、もしかして……」「どうしたの……うわぁ、あいつらまたあんな事……」「凄いよね、憧れちゃうよね!」「やめておきなさい、恵子。あなたには無理よ」「えーそんなー」
ワイワイ ザワザワ
橘(ギャラリーが増えたな……なら、ここで僕が華麗に一勝して、ラストの一戦で魅せるッ!)
七咲「ひひあふよ、へんあい(行きますよ、先輩)」
ピピピピピピピピピピピピ
橘「こんなにギャラリーがいる中で、恥ずかしい負け方はしたくないからね」
七咲「本当は、これを使いたくは無かったのですが……」スッ
橘「それは……ソースの小袋ッ!?」
七咲「そうです……そして私は、本来この五個全てに使うべき袋を、残りの一個に全てかけます!」
橘(それは……一口で食べようとする僕にはあまり関係が無いはずだ。むしろ普通に食べる七咲にとって、食べにくくなるんじゃ……)
橘(いや、違う! これは七咲の決意だ! 七咲も、一口で食べる気なんだ! 己を劣勢に置くことで、己の覚悟を決める……やるじゃないか)
橘(早く、早く始まってくれッ!)
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピ
橘(くっ……口の位置は互角……『たこ』はどこだっ!)
橘(僕の口の中にはいない、幸い七咲の口には繋がったままだ……今ならっ!)
七咲「ん、んむ……ッ!」
橘(七咲の舌が侵入して来たっ!? でも、こっちに『たこ』は……)
「ねぇ、あれさ」「熱烈だぁ」「妬ましや……」「……ディープ」「逮捕されればいいのに」
橘(無いぞ、どこにも……どこにも『たこ』が無いぞっ!?)
七咲「はぁっ……はぁっ……」
橘「……七咲、『たこ』は?」
七咲「先輩が食べたんじゃ無いんですか?」
橘「僕の方にも……無かったね」
七咲「じゃあ……」
橘「たこなし……だったって訳か」
七咲「お店に抗議して、もう一個もらいます?」
橘「いや、いいよ。たこなしだったおかげで、どさくさに紛れて良い思いをした気がするから」
七咲「え?」
橘「あんなにいたギャラリーが、どん引きして帰るくらい……傍から見てもディープだったみたいだから」
七咲「あぁ……たしかに……」
橘「まぁ、そういう日もあるよね」
七咲「次回こそ勝ちますからね」
橘「紳士はいついかなる挑戦でも受けよう」
七咲「約束ですよ」
橘「……わかった」
七咲「いつまでも、こうして一緒にいましょうね」
橘「うん、ずっとずっと一緒にね」
おわり
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勇次郎「ひなだおッッッ!!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331139674/
〔/ / l \.!、l ::ヽ;;;;;;;;;;;;;;; ; ; : :/ f;;;;ヽ _,,/_.. -‐ ''゙: : : : : ;;;
l二|二i / / .,!、 {ミ、 ヽ : :、;;;;;; ; ; ; ::,,;{ ヾ_シ _,/ ,/ : : : : : : : : : ;;;;;
.─┴─ , イ / {: : :≡=ヽ≡=-‐/: _:,; -‐_ヽ,,__,,,ノ./ : : : : : ::::_ --‐´: :
|二二| / | ∠/ ヽ: ; - : : l :/:/: : ; ; ; ; : :ヽ ,,__,/. . ; : :-‐ : : : : : : : : : :
|----| | ,/ /: : : : :l/, ': : : : : : : : : . . . . . . : /;;;;;: :-‐. . . : : : : : : :
/ ̄ ̄ヽ / .{ : : : :丿: : : : : : : : : : : . . . . . . !.::: : : : : : : : : : : : : : : : :
/ ヽ: : /: : : : : : : : : : : : : : : : :;;;;;;;;;;;; ; ; ; ; ; : : : : : : : : : : :
_l_ ヽ/ ┼‐‐‐ァ {.. / ⌒γ ‐- 、: : : : : : : : : : : . . . . . . . . : : : : : : : : :
./|ヽ三|三 | /  ̄フ { ..:::丿: : : : :): : : : : : . . . . . . . : : : : : : : : : : :
. / | ヽl / .| / ヽ;;;;__::::::-‐: : : : : : : ‐-: : : : : : . . . . . . . . : :
| / _| ヽ \ } : : : : : : : : ___,,,,,,,,,,,,,___ : : : : : :_____: : : ヽ .: : :
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ヘ /l ト、 |\、 /\ /\゙i { ; : : : : : : : : : ヾ;; : : : ://;;;;;;;;;: : : :
V | ,l ヽ| V ゙ .i : : : : : : : : : : : : : : : -´:;;;;;;;;;;;: : : : :
バキ「~~~~~~ッッ」
なんでか勇次郎に萌えた
疲れてるのか
Entry ⇒ 2012.03.09 | Category ⇒ 版権物SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
女帝「反乱軍ですって!?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330516146/
大臣「……以上が、現在の我が国の収支報告となります。
財政的にはなんら問題ありません」
女帝「うん、ありがとう」
執事「女帝様」
女帝「なに?」
執事「しきりにうんうん頷いてましたけど、ホントに理解できてます?」
女帝「も、もちろん!」
執事「じゃあ、私に説明してみて下さい」
女帝「ごめんなさい」
兵士「女帝様、大変ですっ!」
女帝「ど、どうしたの!?」
兵士「反乱軍が城に攻め込んできましたっ!」
女帝「反乱軍ですって!?」
執事「………」
執事「お前たちは、いったいなにをやっていたんだ!」
兵士「も、申し訳ありません! なにしろ敵は強く……!
まもなく敵はこの部屋にやってくるでしょう!」
女帝「くっ……なんてことなの……」
農民「もう、この帝国の圧政には耐えられないっす!
反乱っす! 革命っす! 俺が国を変えてやるっす!」
女帝「帝国に逆らうなんていい度胸じゃない!」
女帝も剣を抜いた。
大臣「すいません、私は執務に戻ってよろしいでしょうか?」
女帝「あ、どうぞ」
農民「俺の鎌で、成敗してくれるっす! 喰らえっ!」ブオンッ
執事「女帝様っ!」
女帝「きゃああっ!」
女帝「う、うぐぐ……この栄光ある帝国が滅びてしまうとは……。
む、無双……」
執事「無念ですよ」ボソッ
女帝「む、無念……」ドサッ
執事「ああ……女帝様ぁっ!」
農民は鎌を天に掲げ、誇らしげに宣言した。
農民「女帝は滅びたっす! これからは俺たち農民がこの国の支配者っす!
農民の、農民による、農民のための国にするっす!」
こうして女帝の死とともに帝国は崩壊し、新たな時代が始まろうとしていた。
執事「悪いな、忙しいのに」
農民「いえいえ、俺も面白かったっすから」
女帝「迫真の演技だったわ」
農民「女帝様、ちゃんと大臣様や執事さんのいうことを聞くんすよ。
お二人を困らせちゃダメっすよ」ナデナデ
女帝「うんっ!」
農民「じゃあ、これ」
女帝「チョコレート!?」
農民「町で買ってきたんすよ。あとで食べて下さいっす」
女帝「ありがとう!」
執事「ああ、ありがとう」
農民に続き、兵士も出て行った。
執事「………」
執事「女帝様」
女帝「なに?」
執事「昨日、今朝はちょっとしたイベントがあると聞いていましたが、
なんなんですか、今の茶番は」
(私もついノッてしまったが)
女帝「ひどい、茶番だなんて……!」
執事「すいません。私の乏しい語彙力では、
今のやり取りを表現する他の単語が浮かびませんでした」
だから昨日のうちに、農民と兵士に頼んでおいたの」
執事「今のが帝国っぽいこと、ですか……?」
女帝「帝国といったら、圧政と反乱でしょ」
執事(えぇ~……)
執事「どこからそんな知識を得たんですか?」
女帝「本で読んだの」
執事(きっと、なんかの小説だな……)
なになにっす、っていうやつ。他の国じゃ絶対許されませんよ」
女帝「たしかにちょっと無礼だったかもしれないけど……。
撫でてくれたし、チョコくれたし、許してあげる」
執事(安い君主だなぁ)
執事「しかし、一国の君主が下々の者からもらったものを
毒味もなしに食べてはいけません。私が毒味しましょう」サッ
女帝「あ」
執事は女帝からチョコレートを奪い取った。
執事「では、一口」モグッ
女帝(え……これってまさか……間接キス!?)
女帝「え?」
執事「これはなかなか……」パクパク
女帝「ちょっ……」
執事「ちょうどいい甘さでデリシャスです」モグモグ
女帝「あ、あぁ……」
執事「すいません、ほとんど食べちゃって。
こんなちっぽけなのをお渡しするのはかえって失礼なんで、全部食べますね」モグッ
女帝「………」
執事「あ、すいません。つい……」
女帝「な、なんでぇ……」ポロッ
執事(えぇ~……)
「す、すいません。あとで新しいの買ってきますから……」
女帝「新しいのじゃダメなの!」
女帝「農民がくれて、執事がかじったやつが欲しかったのに!」
執事(よく分からないが、こだわりがあるのか……)
執事「ならば、圧政者らしく私を死刑にして下さい」
女帝「え!?」
女帝「く、首を……」
執事「首がイヤなら、手でも足でもかまいません。
少し時間はかかりますが、血が流れて死ぬでしょう。
女帝様のチョコレートを食べた罪、この命で償います」
執事「さぁ」
女帝「うっ……」
執事「さぁ!」
女帝「で、できないよ……そんなこと……」
女帝は剣を床に落とした。
女帝「ご、ごめんなさい……」
執事「分かればいいんです」
我が帝国はとても小さいですからね」
執事「領内にあるのはこの城と、さっきの農民が暮らしている町だけです」
執事「帝国どころか、国と呼べるかも怪しい規模です」
女帝「………」
執事「しかも、この帝国は三つの強国に囲まれております」
執事「北には強大な騎士団を抱えるナイト共和国、
東には、魔法の研究が栄えているメイジ共和国、
西には屈強な猛獣を兵として扱うサバンナ共和国」
執事「いずれもこの帝国より大きい都市を、いくつも持つ大国です」
今でも三国を束ねているのは帝国ということになっていますが、
そんなしきたりはもはや形骸化してますしね」
執事「帝国っぽいことといえば他国侵略ですが、
どの国に戦争を仕掛けても一瞬で勝負はつくでしょう」
執事「なにせ、我が帝国の兵力はさっきの兵士含め10名足らずですから」
女帝「んもう、そんなこと分かってるわよ……!」
女帝「しょうがないじゃない、私がこの国を作ったわけじゃないんだし。
でもせっかくだから、帝国っぽいことをしたかっただけよ」
執事(まずいな、落ち込まれてしまった)
執事「……仕方ありませんね」
執事「じゃあ、町に重税の取り立てにでもいきますか?」
女帝「うん、そうする!」
執事「では食事を取ったら、町に取り立てに向かいましょう」
女帝「楽しみだわ。帝国領民に私の恐ろしさを骨の髄まで味わわせてやらなきゃ!」
女帝「あ、あとチョコレートも買ってね」
執事「はいはい(町でチョコレートを買う君主をだれが恐れるというのか)」
町民「お、女帝様と執事さん!」
町民「これから仕事なんですが、見学していきませんか?」
女帝「ダメダメ、今日の私は暴君モードなの。
残念だけど、あなたたちと馴れ合うつもりはないわ」
執事(暴君モード……初耳だな)
町民「はぁ、そうなんですか」
女帝「だから今日は重税を取り立てに来たの」サッ
女帝「ちょーだい」
町民「………」
町民「くそぉっ……このお金だけは……!
持っていかれたら家族は食えなくなってしまうんです!
でも仕方ありません……持っていって下さい」チャリン
女帝は小銭を手に入れた。
女帝「どうもありがとう!」
執事(どうもありがとう、女帝様に付き合ってくれて)
女帝「お仕事頑張ってね」
執事「今度来た時は見学させてもらうんで」
女帝「見て見て、さっそく税を取り立てたわ!」
執事「さすがです、おみごと!
すぐにも、領民が激怒して反乱を起こしますよ、きっと」
女帝「うん、私には才能があるのかも!」
執事(ダメだ、この方には暴君の素質がまるでない……)
執事(いや、なくていいのか)
執事(知らず知らずのうちに、私も女帝様のペースに飲まれてるな……)
八百屋「いい野菜が入ってるんで、ぜひ持っていって下さいよ」
女帝「八百屋さん、今日の私はいつもの私じゃないの。
重税を取り立てる泣く子も黙る暴君なのよ」
八百屋「な、なるほど……」
八百屋「……じゃあ、年貢としてこの大根持っていって下さい!」
女帝「やった!」
女帝は大根を手に入れた。
執事「……よかったですね」
(ようするに、もらえればなんでもいいんだな)
女帝「うん、城に戻ったら執事の大好物、ふろふき大根作ってあげる」
執事「ホントですかっ!?」
(ありがとう八百屋! ナイス八百屋!)
~
老婆「じゃあ、このお人形をあげましょうかね」
女帝「わっ、可愛い!」
執事(高そうだけどいいのかな……)
~
農民「さっきはどうもっす! 芋がいっぱいあるので、どうぞっす!」
女帝「うん、これはいい芋だわ」
執事「いい晩ご飯になりますね」
~
町長「ふぉっふぉっ、じゃあこの町を全て差し上げましょう」
女帝「えっ、いいの!? さすがにそれはまずいんじゃ……」
執事(あなたが国で一番偉いでしょうに……)
女帝「執事が怪我したら巻いてあげるから、なるべく早く怪我してね」
執事「かしこまりました(絶対イヤだ)」
~
木こり「斧を持ってかれたら仕事ができないんで……。
切り株くらいしかあげるものがないなぁ……」
女帝「じゃあ執事、お願いね」
執事(これ持って帰るの!?)
~
少女「あたしの絵本あげます!」
女帝「ぜひ読ませてもらうね」
執事(もう税でもなんでもないな。というか、切り株重すぎ……!)ヨロッ
女帝と執事の鬼のような徴税に逆らえる領民は、誰一人としていなかった。
女帝「だいぶ税が徴収できたわね」
執事「そうですね……」ドスン
執事「ところで、この切り株はどうするつもりですか?
すんごく重かったんですけど」ハァハァ
女帝「う~ん、そうねぇ……。じゃあ森に戻してきてくれる?」
執事「え……?」
女帝「やっぱり切り株は森にあった方がいいかなぁ~なんて」
執事「え……?」ギロッ
女帝「ご、ごめんなさい。椅子にするから、椅子にするから」
執事「助かりました。あやうく私が反乱軍になるところでしたよ」
女帝「はい、どうぞ」
女帝「たっぷりあるからね」
執事「いただきますっ!」
執事「うまい……うまい……!」モシャモシャ
女帝「もっと味わって食べてよ」
執事「す、すいません。でも、手が止まらないんです!」モシャモシャ
執事「うますぎるっ!」モシャモシャ
女帝「ふふ、ありがとう」
執事(切り株を運んで疲れ切った体に、大根の味が染みわたる……!)
執事「どうでしたか、今日は?」
女帝「うん、とても楽しかった」
執事「そうですか。それはなによりです」
女帝「いつかまた、やってもいい?」
執事「かまいませんが……切り株とかをもらうのは止めて下さいね。
私は明日、両腕を動かせないでしょう」
女帝「分かったわ」
執事「では、おやすみなさいませ」
女帝「おやすみなさい」
帝国の長い一日が終わりを告げた。
ところがおよそ700年前、当時の皇帝は帝国の解体を決意した。
領土や権力の膨らみすぎを懸念しての判断と伝えられている。
皇帝は三人の優秀な部下にそれぞれ領土を託し、国として独立させ、
帝国はいわば三国にとっての象徴として落ち着くことになった。
この三国こそが、帝国を囲む三強国、
『ナイト共和国』『メイジ共和国』『サバンナ共和国』である。
女帝も執事と大臣たちと町を訪れ、祭りを楽しんでいた。
大臣「女帝様、楽しんでおられますかな?」
女帝「うん、とっても!」
執事「さっきからいくら祭りだからって食べすぎですよ……。
太っても知りませんよ?」
女帝「いいじゃない、私痩せてるし」
執事「特に胸は発展途上中ですしね」
女帝「うるさい」
女帝「あら農民、どうしたの?」
農民「あっちで町長が、めったにやらないスーパー町長ダンスを披露するそうっすよ!」
女帝「なにそれ、見たい!」
執事「行きましょうか」
大臣「………」
女帝「大臣はいかないの?」
大臣「私はけっこうです」
大臣(ずっと前、あれを見てトラウマになったからな……)
スゥゥゥパァァァ町長ダンスッ!」
町長「ほあーっ!!!」
スーパー町長ダンスは凄まじかった。
女帝「どうなってるの、これは……」
執事「関節がありえない方向に曲がってますが……目の錯覚ですよね?」
農民「こりゃ、すげえっす……」
八百屋「ひどくひん曲がったきゅうりみたいだ」
町民「これが幻のスーパー町長ダンスか!」
(幻になるわけだ……)
木こり「人間技じゃない……」
少女「ママーッ! 町長さんがすごいことになってるよーっ!」
町医者「まさに人体の神秘……! 医学の常識を超越している……」
老婆「おやおや、町長もまだまだ元気だねぇ」
女帝「え、えぇと……」カチンコチン
執事(さすがに緊張してるな……)
「頑張ってーっ!」 「しっかりー!」 「ゆっくりでいいですよーっ!」
女帝「……こほん」
女帝「今日はとても楽しかったわ。町長のダンスは怖かったけど……。
いっぱい食べて、踊って、笑って……」
女帝「私はまだまだ君主として未熟かもしれないけれど……」
女帝「これからも頑張るので、よろしくお願いしますっ!」ペコッ
「応援してます!」 「こちらこそ!」 「いつでも町に遊びに来て下さい!」
執事(君主の挨拶っぽくはないけど……ま、いっか)パチパチ
大臣「さてと、夜も更けたことだし城に戻るとしようか」
執事「そうですね」
女帝「執事」
執事「はい?」
女帝「前に私、帝国っぽいことをしたいっていったけど、もうやらないわ」
執事「おや、どうしてです?」
女帝「あんなにいい人たちに向けて圧政をするなんて、とんでもないもの。
私は暴君じゃなく、みんなに慕われる君主を目指すわ」
執事「女帝様がそう感じられたなら、きっとそれは正しいのでしょう。
少なくとも私は全力であなたを応援しますよ」
女帝「ありがとう」
執事「では、おやすみなさいませ」
女帝「おやすみなさい」
最初こそ、三国は帝国を中心にまとまり、理想的な関係を築いていた。
しかし、力をつけた三国はいつしか傲慢になっていった。
そして今や、三国にとって、帝国などあってないような存在と化していた。
唯一の幸運といえば、帝国には確かな平和があることであるが、
この平和も決して盤石なものではなかった。
執事「またか……」
大臣「どうしたのかね?」
執事「サバンナ共和国とメイジ共和国の国境で小競り合いがあったんですよ。
この間もナイト共和国の騎士団がわざと他二国との国境線に槍を投げつけるなんて
事件がありましたし……」
執事「このままじゃ……」
大臣「まちがいなく戦争だろうな」
なにもこんな時に……」
大臣「いや、むしろこの時期だからだろう」
大臣「三国はいずれも他の二国を疎んじている。
どの国も来月の大会議で大義名分を作り、戦争を仕掛けたいのだろう。
だからこうやってチマチマ火種を用意しておるのだ」
執事「たしかに……大会議が近づくと三国はいつも険悪になりますしね」
執事「しかし、あの三国に戦争なんてやられたら……」
大臣「この帝国も巻き込まれ、滅亡するだろうな」
執事「……ですよね」
執事「女帝様、来月はこの城に三国首脳が集まり、五年に一度の大会議があります。
初めてのことで大変でしょうが、頑張って下さいね」
執事「たしか、前回の会議は父君である先代皇帝が出られたんですよね。
まだ私が城に務めるようになる前のことですが……」
女帝「うん……」
執事「あ、いや……」
(しまった、亡くなられた両親のことを思い出させてしまったか?)
女帝「戦争……起こるの?」
執事「え?」
女帝「いくら私でも分かるよ。
今度の大会議を、三つの国が戦争のきっかけにしたいことくらい」
女帝「あの三国の仲の悪さは、今まで戦争がなかったのが不思議なくらいだもの」
執事「女帝様……」
女帝「戦争を止める方法はないの!?」
執事「なにをいってるんですか……戦争なんか起きませんよ。
これまでも起きそうで、ずっと起こらなかったじゃないですか」
執事「今回もきっと大丈夫──」
女帝「はぐらかさないで!」
執事「!」
執事「……ないです」
執事「700年前ならいざ知らず、今の帝国にはなんの力もありません。
戦争を止めるだけの権力も、武力も……」
女帝「………」
領土を始めとした諸問題にケチをつけあったりするにちがいありません」
執事「みるみるうちに会議はヒートアップします」
執事「やがて、どこかの国がいうでしょう。“戦争しかない”と」
他の二国ももちろん受けて立つでしょう」
執事「そしてこの三国の象徴たる帝国から、首脳たちは号令を発します。
他の二国を滅ぼせ、と」
執事「こうなったらもう、神ですら戦いを止めることはできません。
拮抗した実力を持つ三国による、戦争の幕開けです」
女帝「そうなったら……どうなるの……?」
執事「何千、何万と人が死ぬでしょうね。
数十年、下手すれば百年以上決着はつかないかもしれません。
あちこちに地獄絵図が広がるでしょう」
執事「………」
女帝「教えて……」
執事「この帝国もまちがいなく戦火に巻き込まれるはずです。
下手すると、最初の戦場がここになるかもしれません。
そうなれば……」
女帝「そうなれば……?」
執事「………」
女帝「みんな、殺されちゃうの……?」
執事「……はい」
女帝「なんであんなに大きく豊かな国同士が戦わなきゃいけないの……?
仲良くすればいいじゃない!」
女帝「なんで町の人々が殺されなきゃならないの……?
悪いことなんて一つもしてないのに……」
女帝「元々あの三国は、この帝国から独立したんでしょう……?
なのに、なんで私はなにもできないのっ!?」
女帝「どうしてなのっ!?」
女帝「教えてっ!」
女帝「教えてよ……執事」
執事「……すいません」
執事「いえ、あなたの疑問はごもっともです。
にもかかわらず、なにも答えられない私が悪いんです」
女帝「………」
女帝「じゃあ、私は自分にできることをする」
執事「え?」
女帝「今のうちに、町のみんなを避難させてくる!」ダッ
執事「えぇっ!?」
農民「ふんふ~ん」
女帝「あっ、農民!」
農民「おや、どうしたんっすか、怖い顔して。もっとスマイルっすよ!」
女帝「来月、この国で大会議があるの、知ってるでしょ?」
農民「もちろんっす。この帝国を囲む三国がやってくるっすよね?」
女帝「多分分かってるとは思うんだけど……。
きっと会議をきっかけにして、あの三国は大きな戦争を起こすの……。
そしたらこの帝国も巻き込まれてしまうわ、だから避難してっ!」
農民「………」
農民「……女帝様はどうするっすか?」
農民「ハハ、じゃあ俺だけが逃げるわけにはいかないっすね。
これでも俺、この国も女帝様も大好きなんすよ。
だから、逃げませんっす」
農民「俺は最後の最後まで、畑を耕すつもりっすよ」
女帝「こ、これは命令なのよっ!」
農民「聞けない命令もあるっすよ。じゃあ、農作業があるんでこれで……」スタスタ
女帝「あっ……」
町民「逃げるのは無理ですね……。自分の命も大切だけど、この国も好きですから
もちろん女帝様のこともね」
~
八百屋「俺はこの国が滅ぶ時まで、八百屋であり続けますよ。
ところでいい人参があるんで、持っていって下さい」
~
町長「ふぉっふぉっ……この国と町がなくなる時は、ワシもなくなる時ですじゃ。
生まれも育ちもこの町ですからな……」
ならば私はここにいなくてはなりません」
~
老婆「私は最後までここに残りますよ……ごめんなさいね」
~
木こり「この国の森にはいい木がいっぱいあるんですよ。
見捨てるわけにはいきません」
~
少女「だいじょーぶ、あたしが女帝さまを守ってあげるから!」
女帝「なんでよぉっ!」
女帝「なんでみんな、逃げてくれないの……!」
執事「それだけこの国とあなたが愛されているということですよ」
女帝「………」
女帝「……だったら」
女帝「私が正真正銘、だれもが認める暴君になれば、
みんな避難してくれるかもしれないってことだよね?」
女帝「私がメチャクチャすれば、みんな帝国に愛想を尽かして
逃げてくれるかもしれないよね?」
執事「……そうかもしれませんね」
女帝「!」
執事「どうしてもやるとおっしゃるのであれば、
前にいったように私を極刑にしてからおやり下さい」
女帝「そ、そんなこと……」
執事「あなたにはできませんよね?」
女帝「………」
執事「この土壇場で皆を裏切って、どうするんですか……!」
女帝「ごめんなさい……!」
女帝「でも……私、どうしていいのか……!」
執事「いくら悩んでも答えが出るものではありません。
とにかく、今夜はおやすみ下さい」
女帝「うん、分かった……」
大勢の兵隊が押し寄せてきた。
10名からなる帝国兵たちは瞬く間に全員殺された。
そして、敵兵は女帝たちがいる部屋になだれ込んできた。
敵兵「死ねっ!」グサッ
大臣「ぐわあぁっ!」
敵兵「あとはお前らだけだ……」
執事「くそっ、町の人々はどうしたんだ!」
敵兵「全員殺したよ。町には火を放った……なにもかも燃えているさ。
すぐお前らもあの世に送ってやる!」
敵兵の槍が、執事の胸を貫いた。
執事「がふっ……! じょ、女帝様……申し、訳あり……」
女帝「し、執事ーっ! 執事ーっ!」
帝国城 寝室──
バタンッ!
執事「どうしましたかっ!」
女帝「ゆ、夢……」ハァハァ
執事「ものすごい悲鳴でしたが、なにがあったんですか!?」
女帝「ううん……ちょっと変な夢を見ただけ……」
執事「そうですか……」
女帝「ねぇ……もう少しだけ、ここにいてくれる?」
執事「かしこまりました」
三国首脳を説得することもできません」
執事「しかし……最後まであなたのおそばにいますから……。
なにもできない私ですが、それだけは必ず果たします」
女帝「ありがとう……」
執事「どういたしまして」
女帝「執事の顔を見て安心したら、眠くなってきちゃった……」ウト…
女帝「ふぁ……」ウトウト…
女帝「すぅ……」
執事(ふぅ、今度は悪夢を見ることはなさそうだな。
おそらく戦争の夢かなにかを見たんだろう……)
執事(どうにかして、不安をやわらげてあげたいものだが……)
女帝「昨日はありがとう。おかげでぐっすり眠れたわ」
執事「それはなによりです」
執事「三国とて戦争が起これば、自国も無事では済まないことは理解しているはずです。
大丈夫、戦争なんて起こりませんよ」
女帝「うん……。今は三国を信じるしかないよね」
執事「さ、今日はいかがいたしましょう?」
女帝「勉強でもしようかな」
執事「ではお食事が済み次第、図書室に向かいましょう」
女帝「うんっ!」
女帝や執事の祈りも空しく、帝国に入ってくるニュースは不穏なものばかりだった。
『ナイト共和国、またも騎士団による挑発行為』
『サバンナ共和国、猛獣軍団を率いて国境にて威嚇行為』
『メイジ共和国、魔法兵らが大規模な魔法実験』
三国とも、帝国での大会議を発端とし、開戦しようとしているのは明らかだった。
そして、ついに誰もが恐れる大会議当日となってしまった。
女帝「いよいよね……」
大臣「おそらく三国とも、ある程度の軍を率いて帝国領に入るでしょう。
会議には私と執事も同席いたします。
護衛として、兵士一名にもついてもらいます」
女帝「うん、分かった」
執事「……兵士、いざとなったら頼むぞ」チラッ
兵士「が、頑張りまーすっ!」ガタガタ
執事(悪いけど、全く頼りにならないな)
大臣(さて、いよいよか……。どうなるか……)
ナイト共和国の元首は大統領である。
大統領「ふん、いつ来てもさびれた国だ。
名目上のこととはいえ、こんな国が栄光ある我が国の宗主国などと
プライドを大いに傷つけられてしまう」
騎士団長「まったくですな」
大統領「もっとも、今日でこの国も見納めだがな。会議が終われば戦争だ。
手始めに騎士団を率いて、この帝国の町を滅ぼせ。
騎士たちのいいウォーミングアップになるだろう」
騎士団長「はっ!」
メイジ共和国の元首は首相である。
首相「ふふふ……帝国解体をきっかけに誕生した三国が、
ついに雌雄を決する時が来たのですね」
首相「これまで戦争は起きそうで起きませんでしたが、今日はちがいます」
魔法兵長「はい、魔法兵団の力を思い知らせてやりましょう」
首相「会議が終わったら、まずはこの帝国の町を焼き払いなさい。
開戦の狼煙代わりになるでしょう」
魔法兵長「おおせのままに」
サバンナ共和国の元首は軍団長である。
軍団長「猛獣どもは?」
部下「みんな腹を空かせてますよ。調教部隊の準備も完了しています」
軍団長「よし、戦争が始まったらこの帝国の人間をたらふく食わせてやれ。
こんなちっぽけな国、もう用はないからな!」
部下「お任せを!」
最初に到着したのは、ナイト共和国の大統領と騎士団長だった。
大統領「おやおや、帝国の方々はもう席についておられましたか。
待たせてしまったかな?」
大臣「いえいえ。さ、どうぞお席に」
大統領と騎士団長が女帝に近づいていく。
大統領「ハッハッハ。ずいぶんと、顔が強張っておりますな。
まぁお嬢さんはそこで座っていればいいのですから、楽なものでしょうな」
女帝「い、いえそんなことは……」
大統領「まだ若いのに一国の君主とは大したものです。
年齢に合わせ、椅子ももっと小さい方がよろしいのではないかな?」
騎士団長「ふっ……今日はジョークが冴えてますな、大統領」
女帝「………!」
大統領たちの態度に、宗主国の君主への敬意は微塵もなかった。
執事(このヤロウ……!)
彼はたしかに女帝を心の中でよく小馬鹿にする。
が、同時に尊敬してもいる。
未熟ながらも毎日君主として務めを果たしている女帝を軽々しく扱われたことを、
どうしても許すことができなかった。
執事「ぶっ、無礼ではありませんか!」
女帝「!」
大統領「!?」
騎士団長「!?」
大臣「!」
兵士「!」
執事「我が帝国は貴国の宗主国であり、女帝様はあなた方の統治者なのです。
その方に対し、そのような軽口を叩かれるとは
あまりにも無礼ではありませんか!」
女帝(し、執事……)
執事(やってしまったぁ~~~~~!)
大統領「これはこれは、申し訳なかった。無礼があったことをお詫びいたします」
(ふん、生意気なことを……)
大統領「おい、騎士団長」パチン
騎士団長「はっ」
執事のもとに、騎士団長が近づいてきた。
バキッ!
執事「がふっ!」ドサッ
騎士団長「失敬、手が滑りました」ツカツカ
執事は騎士団長から裏拳をプレゼントされた。
執事「い、いいんです、女帝様……。
一国の首脳がたかが執事に指摘されて謝罪したんです。
女帝様がこれ以上なにかいえば、敗者に鞭打つことになりますから」
女帝「………」
女帝(ありがとう、執事……)
大統領(なにが敗者だ。この帝国は、騎士団によって今日で滅びるんだよ)
執事(これが精一杯だ……。我ながら情けない……)
しかし、大臣と兵士は執事に向けてさりげなく親指を立てていた。
執事もハンカチで鼻血を拭きながら、彼らに親指を立てた。
彼らもやはり、女帝に対して敬意を払うことはなかった。
帝国陣営──
女帝「………」
大臣「では、三国ともに揃いましたので、大会議を開始いたします」
ナイト共和国陣営──
大統領(いよいよ戦争の始まりか……)
騎士団長(今日から我が騎士団の栄光の日々が始まる……!)
メイジ共和国陣営──
首相(この大会議も今日が最後となりますねぇ……)
魔法兵長(魔法こそ最強の武力だと世に知らしめてやる)
サバンナ共和国陣営──
軍団長(ふんっ、どいつもこいつも我らの餌に過ぎん!)
部下(猛獣ども、もうすぐ大暴れさせてやるぞ)
大統領「さっそくだが、他の二国に申し上げたい」
大統領「我が国が誇る騎士団は世界でもっとも誇り高く、勇猛果敢である。
貴国らの軍隊など、まったく問題にならん」
大統領「貴国らを平定しようと思えば、いつでも平定できる」
大統領「ただし……我が国に主要都市のいくつかを差し出し、
なおかつ毎年貢ぎ物を捧げる……というのであれば、
今後も変わらぬ付き合いをしてもよい、と考えている」
執事(なんつう始まり方だよ……)
軍団長「ハッハッハ、大した自信だな。ナイト共和国」
軍団長「だが、我らの国でも同じことがいえるのか?」
大統領「なんだと?」
軍団長「キサマらの騎士団など、我らの国に組み入れたとしても、
とても危なっかしくて戦場には出せん。
なぜなら、猛獣軍団の方が騎士団より圧倒的に優れているからな」
大統領「ほう……?」ピクッ
もし戦ったなら、騎士のノロマな剣や槍など軽々とかわし、
鍛えた牙と顎で、鎧ごと騎士を噛み砕くだろうよ」
大統領「これは面白い冗談だ。我が騎士団が、ケダモノにやられるなどと……」
軍団長「ケダモノだと……?
どうやら、アンタは訓練された猛獣の知性を知らんようだな。
無知とは哀れなものだ。いや、ある意味幸せなのかもしれん」
大統領「ふん、そんなもの知りたくもない」
軍団長「メイジ共和国の魔法兵団とて同じことだ。
のんびり呪文を唱えている間に、魔法兵は喉笛を噛みちぎられてるさ」
首相「ふふふ……これは聞き捨てなりませんね。
魔法は術者次第では村や町を丸ごと消し飛ばすことも可能です」
首相「鈍重な騎士団や知恵のない獣など、まとめて葬り去れるでしょうね」
基本的な接近戦ができぬ連中など、我が騎士団の神速の突撃によって
瞬く間に打ち砕いてしまえる」
首相「神速の突撃……? ずいぶん笑わせてくれますねぇ。
近づく前に魔法兵に焼き尽くされる滑稽な騎士の姿が目に浮かびますよ」
軍団長「どちらにせよ、接近戦に自信はないというわけだ。
ノロマな騎士団では無理だろうが、猛獣軍団の前ではただの餌だな」
首相「ふふふ、ケダモノなど魔法に怯えてすぐ逃げてしまうでしょうね」
大統領「我が騎士団の突撃の前には、ケダモノの爪や牙など通用せん」
軍団長「ふん。キサマらの国の軍隊など、敵を餌とし進軍する猛獣軍団になすすべなく
食われていくだろうよ」
三国首脳が口角泡を飛ばし、軍事力を誇示し合い、
各々の国が抱える問題点に難癖をつけ合う。
子供の口喧嘩にも似た、強国同士の意地の張り合い。
まもなく始まる戦争の前哨戦として、三国とも他の二国を口でやり込めたいのだ。
いやむしろ、この口論もまた戦争と呼べるのかもしれない。
いうまでもなく、帝国の人間は蚊帳の外である。
口を挟む余地など全くなかった。
大統領「やはり、貴国らとは分かり合えぬ運命にあるようだ。
戦争しかあるまい。我が国の騎士団の恐ろしさを知らしめてくれよう」
首相「ふふふ、やれるものならどうぞおやりになって下さい。
二国とも魔法兵団によって蹂躙される定めなのですから」
軍団長「勝利するのは我がサバンナ共和国だがな。
ナイト共和国とメイジ共和国、ちょうどいい餌場になるだろう」
大統領(騎士団長に命じて、まずはこの帝国を滅ぼすとするか)
首相(予定通り帝国の町を焼き払い、魔法の恐ろしさを見せてあげるとしましょう)
軍団長(帝国の人間どもを、猛獣たちの前菜にしてやる)
会議は終わった。
三国首脳が、それぞれ命令を下そうとする。
その時だった。
女帝「──待ってっ!」
女帝「わ、私はこれでもあなたたち三国を束ねる帝国の皇帝です……。
会議の最後に、私の話を聞いてもらいたいの」
大統領「ほう」
首相「面白い、うかがいましょうか」
軍団長「ふむ」
女帝「……ありがとう」
女帝は席から立ち上がった。
女帝「この帝国が巻き込まれたくないということも、もちろんあるけど、
私はあなたたちにも傷ついて欲しくないの……」
女帝「あなたたち三国が戦争をすれば、どこが勝つにせよ、
大勢の人が死ぬに決まっている……!」
女帝「私は帝国皇帝として、それを見過ごすわけにはいかない!」
女帝「だから……だからっ……!」
女帝「戦争をしないで、欲しいの……!」
息を切らしつつ、女帝は席についた。
執事は女帝が紡いだ言葉の数々に、感動を覚えていた。
執事(勇気を振り絞られましたね、女帝様……)
執事(殺気立つ強国の指導者たちに臆することなく、自分の意見を述べる。
並の人間ではできることではありません。少なくとも私は無理です)
執事(お約束した通り、私は最後まであなたのおそばにおりますよ)
首相「ふふふ、たしかに戦争はよくありませんねぇ」
軍団長「うむ、戦争が始まれば大勢が死ぬことになる」
すぐさま三国首脳は、そばに立つ各々の軍の最高司令官に命じる。
大統領「騎士団長、騎士団をすみやかに帝国から撤退させよ!
むろん、二国に対する挑発行為は、今後厳禁とする!」
騎士団長「はっ!」
首相「魔法兵長、兵団も同じく撤退させなさい。
我が兵団は、今後国内の治安維持を第一に動くのです」
魔法兵長「おおせのままに」
軍団長「猛獣軍団と調教部隊に帰国命令を出せ!
国に戻り次第、ヤツらに存分には肉を与えてやれよ」
部下「お任せを!」
三国の軍隊ともに、あっという間に帝国から撤退した。
また、各国首脳と司令官も女帝に挨拶すると、それぞれの国に帰っていった。
ここ数ヶ月で極限まで達した緊張は、わずか半日であっけなく雲散霧消してしまった。
女帝「みんな、帰っちゃったわね」
執事「えぇ……」
執事(これで、本当に戦争は回避されたのか……?)
執事(いや、和解したと見せかけて奇襲をかける、なんて常套手段だ。
危機が完全に去ったわけではない……)
執事「終わりましたね、女帝様。本当にお疲れ様でした」
女帝「うん……でも、本当に大丈夫かな?」
執事「まだ、なんともいえませんが……」
執事「彼らもやはりここで戦争を始めることはリスクが大きいと、
判断したのではないでしょうか」
何も起こることはなく日は沈み、夜になった。
女帝「おやすみ、執事」
執事「今日は特にお疲れでしょう。ゆっくりお休みください」
女帝「うん、ありがとう」
執事「では、失礼いたします」
執事(今日は本当に長かった……)
執事(しかし、いったいなぜ戦争は回避されたんだろうか?)
執事(あの会議での彼らの殺気が演技だったとはとても思えない……)
執事(いったい三国にはどんな戦略があって、会議を戦争のきっかけにしなかったのか。
気になるが……まさか本人たちに聞けるはずもない)
執事(考えて結論が出るものでもないだろうし……)
執事(私も寝るとするか)
執事(せっかくだから、兵士や大臣にも一言声をかけてから眠るとしよう)
まず、執事は兵士のもとに向かった。
執事「今日はお疲れだったね」
兵士「えぇ、生きた心地がしませんでしたよ。
はっきりいって、今日自分は死ぬと思っていましたし」
執事「私もだよ」
兵士「しかし、最後に女帝様が彼らに自分の意見をいってくれたので、
帝国の人間としてはスッキリしましたよ」
執事「ああ。私でさえ、女帝様が口を開くことはないと思っていたからな」
兵士「では、自分はもう少し城内の警備があるので……」
執事「頼むよ。ではおやすみ」
部屋のドアはわずかに開いており、まだ明かりがついていた。
執事(よかった、まだ起きていたか)スタスタ
すると、部屋の中から大臣の独り言が聞こえた。
大臣「ふぅ……忙しい一日だった」
大臣「これで、また五年間は平和が保たれるというわけか」
執事「!?」
執事(今の独り言、どういうことだ……!?)
一瞬迷ったが、やはり執事は自分の好奇心を抑えることができなかった。
部屋のドアを開く。
ギィ……
大臣「!」
執事「大臣……盗み聞きをするつもりはなかったのですが、聞いてしまいました」
執事「今のは……いったいどういう意味ですか?」
執事「………」
大臣「……まぁ、いいだろう。いずれは君にも話すつもりだった。
そこへかけたまえ」
執事「……失礼します」ガタッ
大臣はゆっくりと息を吐いた。
大臣「さてと」
大臣「君も気になっていたのだろうね」
大臣「なぜ、不可避だったはずの戦争が、回避されたのか……」
執事「当然ですよ。だれもが今日、戦争が始まると思っていたでしょう。
今まで起こりそうで起こらなかった戦争が、今日こそ始まってしまう、と……」
執事「自分なりに考えてはみましたが、答えは出ませんでした。
会議は子供の喧嘩のような有様で、あとはもうゴーサインを待つだけ
という状態でしたし」
大臣「だが、戦争は起こらなかった」
大臣「女帝様が戦争をするな、と訴えたことによって……」
執事「えぇ、女帝様は本当によく勇気を振り絞られたと思います。
三国首脳があの言葉で心を打たれて戦争をやめた、というのは
さすがにないでしょうが……」
大臣「あるんだよ」
執事「え?」
大臣「戦争を回避できたのは、会議の最後に女帝様が不戦を訴えたからに他ならない」
大臣「紛れもなく、女帝様のお力によるものなのだ」
執事「たしかに私は強国のトップたちに向けて、
堂々と自分の意見を述べた女帝様のお姿に感動すら覚えました」
執事「しかし、発言自体は……こういっては失礼かもしれませんが、
勃発寸前の戦争を止めるほどの説得力があったとは思えません」
大臣「君のいうことは正しいのかもしれない。だが……説得力など関係ないんだ」
大臣「女帝様が、三国首脳に向けて命令とも取れる言葉を発した。
この行為にこそ意味があるんだ」
執事「どういうことです?」
執事「大臣の言葉からは、三国の首脳は女帝様にいわれるがままに動いた、
というように聞こえるんですが」
大臣「その通りだ」
大臣「女帝様に命じられた以上、彼らが戦争を起こすことはできない。
この命令の効力は……だいたい五年ぐらいといったところか」
執事「つまり、三国の首脳は女帝様のご命令には絶対服従ということなんですか!?」
大臣「少しちがうな」
大臣「あの命令は首脳に同席していた騎士団長ら軍司令官にも有効だった」
大臣「もっとはっきりいってしまうと──」
大臣「ナイト共和国、メイジ共和国、サバンナ共和国の全国民は、
この帝国の皇帝に命じられたら絶対に逆らえないんだ」
大臣「700年前から……ずっとな」
執事「なっ……!(なんて力だ、まるで神じゃないか)」
大臣「この力は、700年前の皇帝が三国の独立を承認するのと引き換えに、
得た能力とされている。神から授かったという説もある。
以来、歴代皇帝は例外なくこの力を備えているという」
大臣「おぞましい能力だよ」
大臣「当時の皇帝は大きくなりすぎた帝国を危惧して、帝国を解体したんじゃない。
優秀な三人の部下に国を与え、競わせ、そして強くなった三国を
自分の手足のように操りたかったがために、独立させたのだ」
大臣「大会議は帝国と三国が一堂に会する場などではない。
皇帝が三国首脳に、新たな命令を下すための行事に過ぎない」
大臣「だが、700年前の皇帝の思惑とは裏腹に、歴代皇帝は穏健な方ばかりで、
これまで帝国皇帝によって大きな戦争が引き起こされることはなかった。
むろん、私がお仕えした先帝も穏やかな方だった」
執事「ならばなぜ、大臣は女帝様にこのことをお教えしなかったのですか!?」
執事「大臣が女帝様に“大会議で戦争をやめろといって下さい”といえば、
簡単に戦争は回避できたじゃありませんか!」
執事「あなたは悩み苦しむ女帝様を、見て見ぬふりをしていたのですか!?」
執事「!」
大臣「皇帝に自身の力について教えるのは成人してから、という決まりになっている。
それに……」
大臣「私が今のように助言をして、女帝様が戦争を止めたとしよう」
大臣「だが、それはいったいだれの命令だ?」
執事「!」
だからこそ、臣下が立ち入るなど絶対あってはならない。
絶対不可侵の領域なのだよ」
大臣「たとえ女帝様がどんなに平和を望んでいたとしても──」
大臣「我々が助言をし、女帝様に命令させるなど、絶対にあってはならないのだ」
そしてその命令は、女帝様の心から出でたものでなければならないのだ」
執事「たとえこの国が滅んでもですか? 大勢の人が死ぬことになってもですか?」
大臣「そうだ」
大臣「逆に、女帝様が三国を率いて世界中を侵略する、という決心をされたとしても」
大臣「私は止めないだろう」
大臣「むろん、あの三国はこの力のことを知らない」
大臣「この力のことを知るのは、歴代皇帝とごく一部の側近のみ。
歴代の側近は内政はともかく、この力に関しては一切助言をしてこなかった」
大臣「だから、先帝夫妻が不運な事故で亡くなられた時、
私は平和が終わる時が来たのかもしれないと覚悟をしたよ」
大臣「しかも、参加した君ならば分かるだろうが、あの大会議で意見をいうのは
並大抵の胆力ではできないことだからな」
大臣「だが、女帝様はあの場で“戦争をするな”といってくれた」
大臣「だからこうして、我々は昨日と変わらぬ平和な夜を享受することができる」
きっと君のおかげなのだろうと思っている」
執事「私の……ですか?」
大臣「ナイト共和国の連中が女帝様を侮辱した時、君は彼らに抗議をしてみせた」
執事「あれがですか? ただ殴られただけですけど……」
そうなれば、今頃この帝国は火の海になっていただろう」
執事「………」
大臣「疑問を解くはずが、かえって混乱させてしまったようだ」
大臣「さて、ずいぶん話が長くなってしまった。そろそろ眠るとしよう」
この城に雇われましたが……」
執事「もしかして、私の役割ってメチャクチャ重要なのでは?」
大臣「ああ、世界の運命を左右するくらいにな」
世界を征服することすら可能かもしれない」
大臣「だが、私は君ならば信頼できると思って話したまでだ」
(独り言を聞かれてしまった、というのもあるが)
大臣「あとは君次第だ。おやすみ」
執事「は、はい……」
女帝「おはよう、執事」
執事「……お、おはようございますっ! 女帝様!」
女帝「ど、どうしたの!?」
執事「え!?」
執事「ハ、ハハ……私はいつも通りですよ、いつも通り!」
女帝「………」
この日、女帝と執事は町を散策するなどして過ごしたが、
執事はいつものように振る舞うことができなかった。
執事(ダメだ……。女帝様の近くにいるだけで、大臣の話が頭にチラついて
緊張してしまう……)
執事(とはいっても、女帝様が背負われている過酷な運命や、
この帝国や三国の命運の一端を私が握っているということを考えると、
どうしても恐ろしくなってしまう……)
執事(なんだ? 私の寝室のドアに手紙が挟んである)
執事(この字は……女帝様だ!)ピラッ
執事(いつの間に……)
直接いうのがどうしても恥ずかしかったので、手紙にしました。
昨日、会議前に他の国からバカにされた時、本当は泣きそうになっていました。
とても怖くて、悔しかったんです。
でも、執事がすぐに彼らに怒ってくれたから、泣かずに済みました。
本当にありがとう。
今日の執事は少し様子が変だったけど、殴られたところがまだ痛かったんですか?
調子が悪かったら、遠慮せず言って下さい。
私、いっぱいふろふき大根作るから。
私は執事が大好きです。
おやすみなさい。
執事(女帝様に余計な心配をかけてしまって……)
執事(私は三国を操る力を持つ女帝様に仕えているんではなく、
心優しい君主である女帝様に仕えているんだ)
執事(女帝様がどんな力を持っていようと、関係ない。
私にできることは──)
執事(いつものように、女帝様のおそばにいることだ)
女帝(やっぱり手紙なんかやめとけばよかったかな……)
執事「おはようございます、女帝様」
女帝「お、おはよう」
執事「ハハハ、なんだか昨日と逆ですね」
執事「手紙、拝見いたしました。ご心配をおかけして申し訳ありません。
私はもう大丈夫です。昨日は少し風邪をひいておりまして」
執事「ただし、ふろふき大根を食べないと、再発しそうなんですが……」
女帝「分かったわ。今夜作ってあげるから」
執事「ありがとうございます」
大臣(ふふふ、女帝様と執事は、なかなかいい主従関係なのかもしれんな。
帝国の未来に幸多からんことを……)
そして、この三国に囲まれている小さな帝国がある。
帝国を名乗るにはあまりにも小さい、人々から忘れ去られた国家。
いつ壊れてもおかしくない平和だ。
しかし、女帝や執事のような君主と側近がある限り、
この地の平和は守られていくことだろう……。
おわり
かなり面白くて見入ってしまった
Entry ⇒ 2012.03.09 | Category ⇒ その他 | Comments (0) | Trackbacks (0)
美希「ハニーがイケメン過ぎて辛い……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329879001/
千早「そうね、でも私はどちらかと言うと好みの顔だわ」
美希「千早さんはハニーの事、好き?」
千早「私の事を理解してくれて、音楽のお仕事を最優先にしてくれるからとても信頼しているわ」
春香「私もプロデューサーさんの事は好きだよ?」
美希「う~ん…ミキの感覚がおかしいのかな?」
P「何の話してんの?」
美希「あ、ハニー!!」
P「?」
春香「さっきから美希がプロデューサーさんの事、イケメンだって言ってたんですよ」
P「俺が?それは無いだろう。ものすごく普通だと思うぞ」
千早「私はどちらかと言えば好みのタイプです」
P「おっ、千早にそう言われるのは意外だな。でもすごく嬉しいぞ」ナデナデ…
千早「はい…ふふっ」
春香(あれ?本来そこは私のポジションじゃ…)
美希「ハニーはイケメンなの。ミキ、ハニーに一目惚れなの」
美希「ミキ的にはかなりのイケメンさんなの」
P「そうかい。ありがとな」ナデナデ…
美希「ハニー…大きな手、大好き」
P「はいはい、俺も大好きだよ。皆そろそろレッスンだろ?」
千早「はい、この三人でダンスのレッスンです」
美希「ハニーも見に来て欲しいの。見に来ないと死ぬの」
P「良い機会だから俺も一緒に行くよ」
美希「それが良いの!!」ダキッ
P「おいおい、あんまりくっつくなよ」
美希「ハニー!!」
春香(あれ?私のターン…来ないの?)
~♪
P(皆、本当に上手くなったな…)
美希「…」チラ
美希(ハニー…かっこいいの。目が離せないよ…)
フラ…
美希「ふぇ?」
こてん…
千早「ちょっと美希!?大丈夫!?」
春香「美希!?」
P「美希…珍しいな」
美希「あらら…」
美希「ん…ハニーが抱っこしてくれたら立つよ?」
P「そうか、ほらよ」ぎゅ…
美希「あ、ハニー…優しいの」
P「ほら、ちゃんと立って」
美希「はいなの」
P「よし、あんまり気を抜くなよ?」
美希「ハニーに見惚れてたらコケちゃった」
P「お前は…」
美希「ハニー…かっこいいの」
P「お前はそればっかりだな…まあ、悪い気はしないけどな」
美希「ハニー!!終わったの!!」ガバッ
P「おっと、危ないぞ」
美希「ハニー、ミキいっぱい頑張ったから褒めないとダメなの。泣くの」
P「はいはい、美希はよく頑張ったな」ナデナデ…
美希「ん…ハニーのナデナデ大好き」
春香「美希、汗臭いんだから、そんなにくっつくとプロデューサーさんに嫌われちゃうよ?」
美希「ハニーはそんな事くらいでミキの事嫌いにならないよね?」
P「そうだな、それだけ頑張った証拠だから別に構わないよ」
美希「ハニー!!大好き!!」
春香(落ち着け…ここから挽回する方法を考えるんだ…)
P「お前たちはまだ若いからな。別に臭く無いんだよ」
千早「私も…ですか?」
P「そうだな、多分臭わないと思うよ?」
千早「それなら…私も確認してみてください」
P「え?」
千早「臭くないか…確かめてください」
P「それはさすがに気が引けるよ…」
千早「お願いします…」
P「…」
クンクン…
千早「や…息があたって…くすぐったいです…」
クンクン…
千早「プロデューサー…やぁ…」
千早「はい…」ドキドキ…
美希「千早さん、顔真っ赤なの。大丈夫?」
千早「ええ…私、先に着替えてきます」タタタッ
P「…」
美希「ハニーのエッチ!!」
P「何でだよ!?」
美希「ミキのならいつでもクンクンして良いよ?」
P「しないよ、俺はそう言うフェチじゃない」
美希「ふ~ん…」
P(正直…ちょっと興奮しました…)
春香(千早ちゃん…先回りされるとは…ちいいっ!!)
美希「と言う事で皆にハニーがイケメンかどうか聞いていきたいと思うの」
P「だから俺は普通だって」
美希「普通ならミキはこんなに辛くならないの」
真「何の話してるの?」
美希「あ、真クン。ハニーってイケメンだよね?」
真「プロデューサーが?う~ん…イケメンとは…ちょっと違うんじゃない?」
美希「え~!!」
真「でも…かっこいいとは思うよ。ボク達の為に一生懸命仕事取ってきてくれるし」
美希「それってかっこいいとは違う気がするの」
真「何でさ?仕事の出来る男はすごくかっこいいよ?イケメンでも仕事がからっきしなら幻滅しちゃうし」
美希「なるほどなの…」
真「見た目も誠実そうだしボクとしてはその辺の顔が良いだけの人よりはプロデューサーの方がかっこいいと思うな」
真「わわっ!?恥ずかしいですよ!!」
雪歩「真ちゃん、どうしたの?」
P「よ~しよしよし!!」
真「プロデューサー!!ボク子供じゃないですってば!!」
雪歩「真ちゃん…可愛いな」
美希「雪歩はハニーの事、イケメンだと思う?」
雪歩「プロデューサーが?」
美希「うん、イケメンだよね?」
雪歩「イケメンとはちょっと違うけど…かっこいいとは思うよ?」
雪歩「私たちはまだ子供だから…大人のかっこよさをすごく感じるんだ」
美希「大人のかっこよさ?」
雪歩「うん、落ち着いてるし…いつでも私たちの事を考えてくれているし」
美希「ハニーの頭の中はミキの事でいっぱいなの」
雪歩「私、プロデューサーなら近くにいても怖くないし…もっと傍に居たいな…なんて」
美希(まずいの…思わぬ所に敵がいたの)
P「よ~しよしよし!!」
真「プロデューサー!!ドサクサに紛れて変な所触らないでください!!」
美希「響、ハニーってイケメンだよね?」
響「…」
美希「響?」
響「自分、プロデューサーは全然好みじゃないぞ」
美希「え~!!」
P「いや、好みの問題なんだから別に良いじゃないか」
響「プロデューサーは何か冴えないし、男らしくないし…ちょっとオッサン臭いぞ」
P「う…まあ、お前達からすれば俺はオッサンだよな…」
P「響」
響「何?」
P「気を付けて行ってこいよ」
響「ん…」スタスタ…
P「美希」
美希「ハニー…」
P「あれがむしろ普通の反応だ。響を悪く思うなよ?」
美希「うん、わかった」
P「それじゃ、俺はちょっと出るよ」
美希「うん…」
スタスタ…
P「おっさん…これは傷つくな」
スタスタ…
P「もう少し身なりに気を使うか…」
やよい「プロデューサー!!」
P「お、やよい。レッスンの帰りか?」
やよい「はい!!」
P「なあ…俺っておっさん臭い?」
やよい「おじさん?」
P「いや、ちょっとそう言われてさ」
やよい「おじさんと言うよりは…お兄ちゃんですね」
P「お兄ちゃん?」
やよい「はい!!プロデューサーは私のお兄ちゃんです!!」
やよい「はい!!ずっとお兄ちゃんが欲しかったので嬉しいです!!」
P「そうかそうか。やよいは可愛いなあ」ナデナデ
やよい「私は妹なので今度プロデューサーのお家にご飯を作りにいきます」
P「妹の手料理か。楽しみにしてるよ」
やよい「はい!!美味しいの作ります!!」
P「じゃあ今日は俺がやよいにメシ奢っちゃうぞ」
やよい「うっう~!!嬉しいです!!」
P「よし、行こうか」
やよい「はい、あの…後でプロデューサーのお部屋のカギを貸して欲しいです」
やよい「朝からお邪魔してお掃除とかもやりたいです。お休みの邪魔をしたくないので勝手に入ります」
P「なんだ、そんな事か。カギは二本とも持ち歩いてるから…ほら」
チャリ…
やよい「わあ…ありがとうございます」
P「今度の休みにでも勝手に入ってくれて良いよ」
やよい「はい!!いっぱい頑張りますね!!」
P(やよいは妹みたいなものだからなに一つ問題ない。うん)
やよい(うっう~…計画通りです…)
春香「あ、響ちゃん。どこか行くの?」
響「春香か…別に」
春香「今から伊織たちと合流するんだけど、少しお茶でも飲んで行かない?」
響「うん、いいよ」
春香「それじゃ、いこ?」
響「ん…」
響(プロデューサー…ごめんなさい)
伊織「こっちよ」
亜美「ひびきんだ~」
あずさ「響ちゃん、いらっしゃい」
律子「響、何か元気がないわね」
響「別に何でもないぞ」
春香「久しぶりにパフェでも食べようかな~」
響「春香、最近少し丸くなってきたから控えた方がいいぞ?」
春香「のワの」
亜美「あちゃ~兄ちゃんはイケメンとは程遠いな~」
伊織「あれがイケメンなら随分イケメンの壁って低くなったものね」
あずさ「私はとても好みだわ。優しそうだし…何だか可愛い」
律子「私は、どうかしら…あの人、私にライバル意識むき出しなのよね…」
春香「そうなんですか?」
律子「この前なんて…『千早を売り出しまくって竜宮小町なんてけちょんけちょんのぴゃ~にしてやる』って言われたわ…」
伊織「あいつ…ガキね」
亜美「でも安心してられないよね~千早お姉ちゃんって兄ちゃんの信者だから何でもすると思うよ?」
律子「でも大丈夫、私がいる限り765プロの看板は竜宮小町のものよ」
春香「でも…次の定例ライブからトリは千早ちゃんになるみたいです…」
伊織「え?」
亜美「おりょ?」
あずさ「まあ、千早ちゃん…すごいわね~」
律子「はあぁぁぁぁ!?」
響「今、売り時だから仕方ないと思うぞ」
律子「あのおっさん…許さないわ…」
伊織「美希にベタベタされてるからって勘違いしてるのね…あのバカ」
律子「私の中ではフツメンからブサメンに格下げよ」
春香「確かに最近のプロデューサーさんはちょっと勘違いしてる所があるかもね」
響「それ、どう言う意味だ?」
春香「美希にくっつかれたり千早ちゃんに全面的に信頼されたり…実は自分の事をかっこいいとか思ってるかも知れないよね」
律子「それはあるかも知れないわね」
伊織「そうね、その通りだわ」
伊織(竜宮小町になってから…全然構ってくれないし…バカ…)
春香「さっきだって真も雪歩も答えるのに困ってたもん。本人目の前で悪い事なんて言えないよ」
律子「あちゃ~」
春香「そうかな?でも、私たちの事エッチな目で見てる時もあるよ?」
あずさ「そうね、私はそう言う目で見てもらえない方が悲しいけど」
春香「とにかく、私たちはプロデューサーさんに悪く思われたらお仕事無くなっちゃうから、ある程度のご機嫌は取らないといけない所が辛いよね」
春香(よし!!ここで一気に上げるんだ!!)
響「もう…やめてよ…」
春香「え?響ちゃん?」
響「プロデューサーを悪く言うな!!」
伊織「あんた、どうしたのよ?」
律子「そうよ、こんなの冗談なんだから…ね?」
亜美「ひびきん…怒ってる…」
響「自分は…プロデューサーの事、好きだ」
春香「え?」
あずさ「まあ」
伊織「あの…お兄ちゃん的な意味よね?」
響「恋人とか…最後はお嫁さんになりたい…」
春香「のワの」
春香(響ちゃんがここで暴走するなんて…ちいい!!)
響「アイドル続けなきゃプロデューサーの傍には居られないから…今は頑張る」
響「春香と伊織と律子はプロデューサーの事が嫌いみたいだからライバルは美希と千早だぞ…今日はそれがわかって良かった」
春香「あの…響ちゃん、あのね?」
響「今からプロデューサーの所に行ってさっきの事、謝ってくる。お金はここに置いとくぞ」
スタスタ…
亜美「乙女ですなあ~」
伊織「響があそこまでだなんて…」
春香(何故だ…何故全てが噛み合わない…)
P「さっきは何だったんだ…響が猛烈に謝ってきて…」
美希「やっぱりハニーはイケメンだったって結論が出たからだと思うな」
ガチャ
真美「たっだいま~」
P「おう、おかえり」
美希「ねえねえ、ハニーってすっごくイケメンだよね?」
真美「え?兄ちゃんが?」
美希「うん!!」
真美「あはははははははっ!!イケメンの基準っていつからそんなに下がったの~!!」
美希「ハニーはイケメンなの!!」
P「いや、真美の方が正しいぞ…俺も段々辛くなってきた…」
真美「でも、真美は別にイケメンが好きなわけじゃないからさ?」
真美「うん、全然構わないよ?」
P「そりゃそうだろ。仕事仲間が別にイケメンである必要もないからな」
真美「真美、兄ちゃんの顔も好きだよ。でも、顔だけが好きなわけじゃないから…」
美希「じゃあ、どう言う所が好きなの?」
真美「真美の事、守ってくれる所だよ。後は優しい所とか…あったかい所とか」
P「真美…」
真美「真美はその辺のチャラチャラしたイケメンより兄ちゃんの方が好きだな」
美希「何か…押されてる気がするの…」
P「真美…ありがとう」ナデ…
真美「きゃっ!?」
真美「兄ちゃん!!女の子の髪に気軽に触れちゃダメだよ!!」
P「え?ええっ?」
真美「真美に何かする時はちゃんと言ってからにして!」
P「えと、じゃあ…頭撫でるよ?」
真美「……ん」
ナデナデ…
真美「ん…兄ちゃん…」
P(何か色っぽいな…)
真美「あ…耳、触っちゃ…やだよ…」
P「あ、ご、ごめん…」
真美「もう…兄ちゃんのエッチ…」
美希「ハニー、美希もなでなでするの」
P「はいはい」
ナデナデ…
美希「気持ちいいの…抱っこもしないとダメなの」
P「わがままだな…これでいいか?」
ぎゅ…
美希「あん…ハニー、積極的で嬉しい…くんくん」
真美(ミキミキ…いいなぁ…)
P(美希は扱いが楽で助かるよ)
美希「ハニーなら…美希のどこ触ってもいいの」
美希「うん、他の男の人は少し触れただけで気持ち悪いよ?」
P「俺は良いのか?」
美希「ん…ハニーの匂い、大好き…ミキ、ハニーなら何されてもいいの」
真美「じゃあさ、ここでも触らせてあげれば?」
ガシ…
P「え?真美?何で俺の手を掴んで…」
真美「ほりゃ」
ムニュ…
P「え…」
ムニムニ…
美希「あ…ハニー…そこ、おっぱいだよ?」
真美「でもミキミキがどこ触っても良いって言ってたよ?」
プニプニ
美希「あん…ハニー…や…」
P「美希!これは俺の意志じゃない!信じてくれ!!」
プニプニ…プニプニ…
美希「あっ…もっと優しくして欲しいの…
P(真美…何て力だ…)
ムニュムニュ…ムニュムニュ…
美希「ハニー…お願い…顔、見ないで…んふ…やん…」
ガチャ…
貴音「ただいま戻りました…貴方様?」
真美「むにむに~」
美希「ハニー…もう…いじめないで欲しいの…」
貴音「面妖な…」
真美「は~い」
真美(兄ちゃん…後の方は自分で揉んでた…)
美希「はあ…はあ…はあ…ハニー…キス、して欲しいの…ん…してくれたら…もっと揉んでいいよ?」
P「美希、目を覚ませ」
ぺしぺし
美希「……はっ!?ミキ、ちょっとだけおかしくなってたの」
P「良かった…元に戻って…」
P(美希、なんてけしからん胸だ…)
真美(兄ちゃんのエッチ…ミキミキのじゃなくて真美の胸触りなよ…)
トコトコ…
貴音「何やら賑やかでしたが、どの様な話題であったのでしょうか?」
真美「ミキミキが兄ちゃんの事イケメンって言ってたんだよ」
貴音「まあ、それで…いけめんとは、どの様な意味なのですか?」
真美「顔がかっこいい事だよ」
貴音「かっこいい…ですか?」
じ~…
P「…」
貴音(かっこいい…私には普通の殿方の顔にしか見えません…)
真美「お姫ちん、どうかな?」
貴音「とても普通の顔だと思います」
P「ですよね~」
貴音「そうですね…言葉で表すのは少し難しいかも知れません」
真美「じゃあどうすれば分かりやすいかな?」
貴音「距離…と言うのはどうでしょうか?」
真美「距離?」
貴音「そう、人と人はその人に対して、許容出来る距離と言うものがあります」
P「なるほど」
貴音「貴方様にどれくらい近づけるか…それで貴方様に対する心の距離を知っていただければ…いかがでしょうか?」
真美「それは良いね~」
貴音「では、参ります…」
P「ああ、これで良い?」
貴音「はい、失礼します…」
ぽふ…
真美「いきなり真横なんだね」
貴音「貴方様、腕を抱きしめても…良いですか?」
P「…どうぞ」
ぎゅ…
P「貴音…胸、当たってる…」
貴音「構いません…私は気になりません」
P「俺が…気になるよ」
貴音「しばらく…このままで居させてください…」
真美(あれ?もしかしてお姫ちん…兄ちゃんとイチャイチャしたいだけじゃ…)
貴音「~♪」
P「そうか…良かったな」
貴音「はい、このまま眠ってしまいそうです」
P「少し寝ていいよ。起こしてあげるから」
貴音「はい……」すう…すう…
真美「寝ちゃった…」
P「疲れてるんだよ…少しそっとしといてやろう」
ガチャ…
美希「ふう…ただいまなの」
真美「ミキミキ、遅かったね?」
美希「えっ!?そうかな?」
真美(ミキミキ、わかりやすい…)
P「疲れてるんだよ。そっとしといてやってくれ」
美希「うん、じゃあミキは反対側で寝るの」
ぽふ…
P「おいおい、両手が塞がってしまうじゃないか」
美希「さっきミキのおっぱい揉んだんだからこれくらい我慢するの」
P「あれは真美が…」
美希「ハニー、ウソはダメなの」
P「はい…ごめんなさい…」
美希「それじゃ、おやすみなの…」
真美「あ…出遅れた…」
美希「すやすや…」
真美「どうしよう…一番重要な拠点を両方とも占領されちった…」
P「後は、俺の膝の上くらいしか無いな…」
真美「そんな…お尻が当たって恥ずかしいよ…」
P「でも、そこしか身体は空いてないんだ…済まない」
真美「仕方ない…兄ちゃん、いくよ?」
ぽふ…
P「体重、後ろにかけて良いぞ?」
真美「うん、ありがと…」
P「真美は軽いな」
真美「ん…真美も眠たくなってきた…」
美希「すやすや…」
真美「すやすや…」
P(女の子って何でこんなにあったかいんだろう…俺も…眠い…)
P「……ぐう」
真美「あ…兄ちゃ、くしゅぐったい…」
美希「ハニー…して、いい…よ?」
貴音「貴方様…らぁめん…」
P「……ぐう」
真美「あん…まだ、ダメだよ…」
春香「この甘いドーナツを食べてもらおう。そして…いっぱい甘えちゃおう」
ガチャ
春香「ただいまです!!」
春香「プロデューサーさ~ん。帰ってきましたよ~」
貴音「すやすや…」
美希「すやすや…」
真美「すやすや…」
P「……ぐう」
春香「……なんだこれ?」
春香「はあ…」
貴音「あむあむ…」
春香(ドーナツ…貴音さんが全部食べちゃった…)
美希「あふ…そろそろ帰るの」
真美「うん、まだちょっと眠いね~」
P「皆、明日は休みだからゆっくり過ごしてくれ」
美希「はいなの」
貴音「そうですね…ゆっくりと眠ると致します」
真美「亜美たちは明日もお仕事なんだって」
春香「大変だね~」
春香(明日…夕方ごろにサプライズでプロデューサーさんの家にゴハンを作りに行こう…)
ガチャ
P「ふう…今日もお疲れ様だ…」
P「明日はやよいが来そうだな…早目だって言ってたから10時には来るだろう」
P「今日は美希のおかげで色々と疲れたからさっさと寝よう…」
P「それじゃ…おやすみなの…」
やよい「うっう~…ねむいよぉ…」
やよい「でも、早くに行くって約束したから守らないと…」
やよい「えへへ…カギがあるから…」
ガチャ…
やよい「簡単に入れちゃいます」
やよい「少しずつお片づけして…」
ゴソゴソ…
やよい「眠たくなったらプロデューサーと一緒に寝ちゃおう…」
やよい「あんまり散らかってなかったからすぐに終わっちゃった…」
やよい「ふぁあ…眠たいな…」
P「……んが…」
やよい「プロデューサー…かわい…」
やよい「お隣、借りちゃいますね?」
やよい「服、シワになるから…」
ぬぎぬぎ…
やよい「それじゃ…お邪魔します」
ゴソゴソ…
やよい「プロデューサー…抱っこしますね…」
ぎゅ…
やよい「あったかいな…」
やよい「おやすみなさい…お兄ちゃん…」
P「ん…何か…居るのか?」
やよい「すやすや…」
P「いつの間に来てたんだ?まだ7時じゃないか」
やよい「ん…プロデューサー…」
P「いらっしゃい…」
ナデナデ…
やよい「んゆ…もう少しだけ一緒に寝ませんか?」
P「いいよ。腕枕してやるよ」
やよい「はい…お兄ちゃん…」
P「おやすみ…やよい」
やよい「ふぁい…おやしゅみなさい…」
P「お兄ちゃん…か」
やよい「んにゃ…お兄ちゃんの胸…あったかい…」
P「ん…やよい、おはよう」
やよい「ふぁい…おはようございましゅ…お兄ちゃん」
P「俺はお兄ちゃんになったのか?」
やよい「あい…お仕事の無い日はお兄ちゃんになるんでしゅ…」
P「そうか、じゃあ今日はやよいのお兄ちゃんになるよ」
やよい「えへへ…お兄ちゃんができちゃった…」
P「悪いな、ごちそうになるよ」
やよい「はい、美味しいの作ります」
コンコン
P「はいよ…」
ガチャ…
千早「おはようございます。プロデューサー」
P「おはよう。何か用?」
千早「今日はお休みなのでプロデューサーに遊んでもらおうと思って来ました」
P「やよいも来てるから上がっていいよ」
千早「はい、お邪魔します」
やよい「あ、千早さん。おはようございます」
千早「高槻さん。美味しそうね」
やよい「ふぇ?フレンチトーストがですか?」
千早「ええ、それも美味しそうだわ…」
ヌギヌギ…
P「千早!?何で服脱いでるの!?」
千早「だって…高槻さんもプロデューサーも下着姿なんですもの」
やよい「あ…忘れてました。作り終わったら着ますね」
千早「なら私も高槻さんが作り終わるまでこのままでいます」
P「千早はダメだ…刺激的すぎるから…」
千早「プロデューサーの下着姿もかなり刺激的なので問題ありません」
P「千早…服着て?」
千早(今日の行動によってプロデューサーと高槻さんをダブルゲット出来る確率は格段に上がる…しっかりと考えながら行動しましょう)
P「話聞いてるかな?」
千早「高槻さんのお尻…食べたいわ…」
千早「早速食べましょう。高槻さんを添えて」
やよい「?」
P「やよいをどうやって添えるんだ?」
千早「プロデューサー、膝の上に座りますね?」
ぽふ…
P「うわ…千早、やばいって…」
やよい「いただきま~す」パクパク
千早「いただきます」モグモグ
P「俺…食べにくい…」パクパク
千早「あん…プロデューサー、あんまり動くと…ん…」
P「何で服を着ないんだよ…」
千早「皆が着てないのに一人だけ着たら寂しいじゃないですか」モグモグ
千早(プロデューサーの…元気ね)
千早「高槻さん、そのオレンジのチェックの下着…とっても可愛いわ」
やよい「千早さんも水色、とってもお似合いです~」
P「そろそろ服着ようか?」
やよい「めんどうです~」
千早「高槻さんの下着を見れなくなるので却下です」
P「俺は…着て良いよね?」
千早・やよい「ダメです」
P(着ないと隠せないだろ…)
ドンドン!!ドンドン!!
ガチャ…
美希「ハニー!!何だかハニーに危機が迫ってる気がして急いで来たの!!」
P「ああ…もう遅いかもね」
美希「お邪魔しますなの」
トコトコ
やよい「あ、美希さん」
千早「美希、いらっしゃい。歓迎するわ」
美希(何で二人とも下着姿なの?)
美希「美希…負けないよ?」
ヌギヌギ…
P「やめろ!!お前は本当にシャレにならない!!」
美希「止めないで欲しいの!これは戦いなの!!」
ふぁさ…
P「ああ…なんて言う事だ…」
千早「くっ…」
美希「ハニー…これがハニーのお嫁さんの身体なの。最強なの」
P「そんな事は前から分かってるよ…なんで脱ぐんだ」
美希「ミキは負けず嫌いなの。でもこれはミキの圧勝なの」えへん
P「…ゴクリ」
美希「このおっぱい…ハニーが昨日揉んだんだよ?」
P「思い出させるなよ…」
美希「ハニー…今日も揉んでいいからね?」
P(するわけ無いだろって言えない自分が情けない…)
美希「ミキ、ちょっと眠たいかも」
千早「私もあまり寝てなくて…」
やよい「じゃあ今日はダラダラ過ごしませんか?」
美希「ハニーの匂い…たまらないの」
千早「これから休日はここで寝る事にしましょう」
やよい「あの、プロデューサー…カギをお返しします」
P「ん、もう良いのか?」
やよい「はい、今日の為にお借りしましたから…」
美希(やよい…油断できない相手なの。でも、もう返したから…大丈夫だよね)
やよい(うっう~…もう3本複製したから用済みです)
千早(プロデューサーと高槻さんをゲットするのよ…慎重に…慎重に…)
千早「高槻さん…お尻舐めたいわ…」
美希「ミキはハニーに密着するから場所取らないよ?」
千早「私は反対側にいるから大丈夫です」
やよい「私は…お兄ちゃんの上に乗るから一番場所を取りません」
P(うわ…すごく女の子の匂いばっかりでクラクラする…)
やよい「!?」
美希「やよい、どうしたの?」
やよい「いえ、何でもありませんよ?」
やよい(お兄ちゃん…おっきくなってる…)
美希「ハニー…もっと強く抱っこして欲しいの」
千早「私も…もっと構ってください」
P(俺…絶対に保たないな…)
やよい(お兄ちゃん…こんなになってたら…苦しいよね?)
千早「すやすや…」
P「皆、朝早くから無理するから…まあ、寝てくれた方がありがたいけどな」
やよい「ティッシュ…取って来ます」
トコトコ…
P(ん?鼻でもかむのか?)
トコトコ
やよい「これで大丈夫です」
P「花粉症対策か?」
やよい「あの、お兄ちゃんの…辛く無いですか?」
P「え?」
やよい「パンツ…少し下ろしますね?」
スルスル
P「やよい!?ダメだよ!」
やよい「二人が起きますよ?」
やよい「わあ…すごく辛そうです…」
P「見ちゃダメだって…やよい…」
やよい「私もエッチな事くらいちゃんと知ってます。触るのは初めてですけど…」
さわ…
P「う…やよい…ダメだ…」
さわさわ…
やよい「私たちのせいでお兄ちゃんが辛いのはダメです。楽にしててください…」
ふにふに…ふにふに…
P「あ…やよい…」
やよい「お兄ちゃん…かわい…ここ、とっても熱いです」
こしこし…こしこし…
P「やよい…ダメだ…そんな事したら…出るから…」
やよい「出してすっきりしたら…皆で遊びましょ?」
P(やよいがこんな事するなんて…予想外だ…)
P「ん…んん…」
シコシコ
やよい「んふ…ぴちゃ…ちゅ…」
シコシコ…シコシコ…
やよい「ぷあ…お兄ちゃん…ちょっとだけ舐めても良いですか?」
P「やよい…お願いだ…これ以上は」
やよい「これ、お兄ちゃんのおちんちん…」
ぺろ…ぺろ…
P「あ…やよい…ダメだ…」
やよい「お兄ちゃん…いつ出しても良いよ?」
ぺろぺろ…ぺろぺろ…
P(このままじゃ…やよいの口に…)
やよい「そろそろ…ですね」
あむ…あむ…
P「もう…ダメだ…」
やよい(あ…おっきくなって…)
ビュルッ ビュルッビュルッ
やよい「んむっ!?んんんんっ!!」
P「あ…やよい…あ…」
やよい「んく…ん…こくん…こくん…」
P(飲んでる…やよいが…俺のを…)
やよい「ふ…ん…ぷはっ…」
P「やよい…ごめん…」
やよい「気持ち良かったですか?」
P「うん…」
やよい「今キレイにしますね」
ぺろぺろ…
やよい「お兄ちゃんが大好きですから…何でもしちゃいます」
P「あんまり無茶はダメだぞ?」
やよい「はぁい」
千早(何て事…高槻さんがプロデューサーの…おちんちん…舐めてた…)
千早「……トイレ」
むくり
P「千早、トイレはあっちな?」
トテトテ…
やよい「もう一回…しますね?」
P「ダメだって、千早が…」
やよい「しばらくは帰って来ませんから…」
あむ…
P「あっ!?やよい…」
美希「おにぎり…おいし…の」
やよい「やっと収まりました。良かったです~」
P「やよい…ごめんな」
ナデナデ…
やよい「いっぱい出してくれて嬉しいです。私、お昼ご飯の準備をしますね」
トテトテ…
美希「んん…おはよなの…」
P「美希、起きたか…」
美希「えへへ…ちゅ…」
P「ん…」
美希「ん…ふ…ちゅ…」
P「お前…キスは…」
美希「うん…初めてなの」
美希「ハニーとならどこでもいいよ?後ね…目が覚めたらハニーの顔が近くにあったのが嬉しくて…我慢出来なかったの」
P「お前は…可愛いな」
ぎゅ…
美希「あん…そんな事されると…我慢出来なくなるの」
P「何が?」
美希「エッチ…したくなるの…」
P(くそ…さっきしてもらったばかりなのに…)
美希「エッチ…する?」
P「ダメだ…二人にバレるぞ」
美希「やよいはお料理に夢中だし、千早さんは全然帰ってこないし大丈夫だよ?」
P「お前の声が出るだろ」
美希「我慢するの。だから…しよ?」
美希「ん…ハニーも裸になって」
P「わかった…」
ゴソゴソ…
美希「ハニー…ハニーのお嫁さんの身体、最強でしょ?」
P「ああ、すごく綺麗だよ」
美希「うん、ハニーのために毎日お手入れしてるの」
P「いい子だ…俺の事、好きでいてくれてありがとうな」
ナデナデ…
美希「ミキは他の皆と違うよ?ハニーの事だけ…一生愛するの」
P「そうか…でも、バレないかな」
美希「ミキはハニーとなら誰かが見てても全然構わないの。ハニーの事しか見えてないから…」
むにむに…むにむに…
美希「ん…ハニーに揉んでもらう為に大きくなったんだよ?もっと…もっと揉んで?」
P「可愛い事言って…俺が我慢出来なくなるだろ」
美希「我慢出来なくてもいいの。そんなハニーも見てみたいな」
P「美希の事…襲っちゃうんだぞ?」
むにゅ…むにゅ…
美希「あん…ハニーに襲われちゃうの?」
P「そうだよ。だからあんまり可愛い事ばっかり言っちゃダメだ」
美希「ハニーに襲われてみたいな…こんなラブラブなのも良いけど…はぁん…先っちょ…いじめないで欲しいの」
P「じゃあ、こっち…いじめるね?」
くちゅ…くちゅ…
P「凄く濡れてるね。ちょっと触っただけで指がふやけそうだよ」
美希「そんなの…知らないの…やあ…あっ…指、やあ…指で…しないで欲しいの…」
P「じゃあ、何なら良いんだ?」
くちゅ…
美希「んふ…ハニーの…ん…おちん、ちん…挿れて?」
P「良いのか?結構痛いらしいぞ」
美希「大丈夫なの…ミキはハニーを…愛してるから…」
P「それじゃ…身体の力を抜いて足、広げて?」
美希「ん…これで良い?」
P「良いよ…じゃあ、挿れるよ?」
美希「はいなの…」
ズブ…
美希「んっ!…ハニーの…おっきい…」
ズブ…ズブ…
美希「はっ!ああっ!?太いの…苦しいの…」
ズブ…ズブ…ズブ…
美希「やあ…お腹、苦しいの…いやぁ…」
P「もう少し…もう少しだからな」
ナデナデ…
美希「ん…頑張る…」
ズブ…ズブ…
P「ここ…美希のだよ?」
美希「うん…ミキの初めて…あげる」
ズブ…ズブ…ブチ…
美希「あっ!?…あっ…あっ…ああっ…」
美希「いた…い…痛いの…ハニー…ハニー…」
P「痛いよな?ごめんな…」
美希「ハニー…愛してる…愛してる…」
P「美希…」
ぎゅ…
美希「嬉しいの…やっと言葉だけじゃない関係になれたの…」
P「そうか…痛いのは大丈夫か?」
美希「すごく痛いの…でも…ハニーのお嫁さんだから頑張るの」
P「美希は俺のお嫁さんなのか?」
美希「うん…ミキの事、あげちゃったから…お嫁さんになったの」
P「そんな事言われると我慢出来なくなるよ」
美希「あっ…あっ…ハニー…動いてる…」
ズプ…ズプ…ズプ
美希「ハニー…あんっ…我慢はダメなの…くぅん…いっぱい動いてね?」
P「ああ、もう止まれないよ」
ズプ…ズプ…ズプ
美希「んっ…はぁん…やあ…んんっ…」
P「美希…気持ちいいよ」
美希「ミキはまだ痛いの…あん…でも、ハニーの切なそうな顔見てたら…んふ…変な気持ちに…やぁん…」
P「俺、あんまり保たない…」
美希「ん…ミキに…いっぱい出してね?」
ジュポ…ジュポ…ジュポ…
美希「ハニー…中…出して」
P「そんな事したら…」
美希「初めてだから…ハニーの事、全部受け入れたいの」
ジュポッ!ジュポッ!!
P「ああっ…もう出る…出るよ…」
美希「はあっ!!出して!ミキの中に…全部出して!!」
P「美希!!出る!!」
美希「!?」
ビュルッ!ビュルビュルビュル!!!
美希「あっ…出てる…ハニーの…いっぱい出てる…嬉しい…ミキ、ちゃんと出来たの…」
P「美希…気持ち良かったよ。ありがとな」
美希「やんっ…ハニーの…まだ出てるの…ハニーのエッチ」
トコトコ…
P「あ、千早が帰ってきた」
美希「千早さん、遅かったの」
千早「え、ええ…ちょっと考え事を…」
P「そんな格好じゃ寒いだろ?早くベッドにおいで」
千早「はい、プロデューサー」
ゴソゴソ…
千早「!?」
千早(何で…二人とも何も着てないのかしら…何時の間にか下着姿じゃなくて裸で過ごすのがデフォになっているわ…」
P「千早?」
千早「私も…脱ぎます」
ゴソゴソ…
P(しまった…俺たち何も着てない…)
P「……どうぞ」
ぴた…
千早「あ…これ、すごく気持ちいいですね」
美希「ミキ、眠たくなっちゃった…あふ…」
P「何か俺も…眠い」
千早(私は…頑張りすぎて…眠いわ…)
美希「すやすや…」
千早「すやすや…」
P「……んが…」
やよい「皆さん、お昼ご飯…って寝てますね」
やよい「じゃあ、私もお兄ちゃんの上で…」
やよい「あれ?何で何も着てないんだろ?」
やよい「……私も脱ごっと」
ヌギヌギ…
ぎゅ…
やよい「この様子だと…どちらかと…しちゃってるよね…」
美希「ハニー…結婚式…明日、だね…」
やよい「美希さんかな?何か幸せそうだし…」
千早「プロデューサー…そんな強引に…あん…」
やよい「千早さんかも…出遅れちゃったな…」
美希「春香…春香はどうしてそうなっちゃったの…」
やよい「お兄ちゃん…私も…してくださいね…」
P「……んご……」
P「ごちそうさま~」
やよい「寝過ぎてゴハンが遅くなっちゃいましたね」
美希「でも、こんなにダラダラしたのは久し振りなの」
千早「そうね、そろそろ定例ライブだし、これくらいのお休みはちょうど良いわ」
やよい「そう言えば今度の定例ライブは千早さんがメインなんですよね~」
P「いやぁ、俺の千早が竜宮小町を超える瞬間に立ち会えると思うと感動だよな」
千早「はい…貴方の千早がこれからは765プロの看板になって見せますよ」
美希「千早さん…かっこいいの!」
P(下着姿じゃなかったらもっとかっこいいよ)
P「今日は来客が多いな。はいよ~」
ガチャ
真美「兄ちゃん…って、だらしないカッコ…」
P「いや、これには色々とあってだな」
真美「お邪魔しま~す」
やよい「あ、真美だぁ」
千早「あら、今日は賑やかね」
美希「これで5人なの」
真美「うん…賑やかだね…」
真美(何でみんな下着姿何だろ…ここでのルールなのかな…」
P「真美、脱がなくていいぞ?」
真美「あ、当たり前だよ!恥ずかしいもん!!」
やよい(真美、そんなんじゃここでは勝てないよ?)
P「はあ…こっちおいで」
美希「わぁい」
ぽふ…
やよい「美希さん、後で交代してくださいね?」
美希「とても前向きに善処するの」
千早「高槻さん…」
さわさわ…
やよい「ひゃあっ!?千早さん、お尻触りましたね!?」
千早「知らないわ。気のせいじゃないかしら」
真美「真美の知ってるみんなじゃない…どうしよう」
美希「ハニー、後で一緒にお風呂はいろ?」
千早「私も手伝うわ」
ぷち…
やよい「あっ!?千早さん!!ブラのホック外しましたね!?」
千早(可愛いピンク色…まずは高槻さんを攻略しましょう)
やよい(千早さんの様子がおかしいです…警戒しないと…)
千早「しっかりお手伝いするわねぐへへ」
真美「……真美も脱ごっと」
ヌギヌギ…
ボフッ
真美「兄ちゃんの匂いと…変な匂いが混じってる…でも…」
クンクン…
真美「何か…エッチな匂いだな…」
クニクニ…
真美「あ…ダメだよ…みんな居るのに…」
クニクニ…
真美「あっ…止まらないよ…やん…」
クニュ…クニュ…
真美「兄ちゃん…ごめんなさい…真美は悪い子だね…」
クニュクニュ…
真美「あん…気持ちいいよ…やあ…ん…」
美希「今日はみんなが来て賑やかなの」
P「元はと言えばお前がきっかけじゃないか」
美希「そうなの?」
P「俺がイケメンとか触れ回ってその結果がこれだよ」
美希「ふ~ん…どうでもいいの」
P「お前なぁ…」
美希「それよりも…ハニー?」
P「何だ?」
美希「ミキね、今すぐにでもハニーのお嫁さんになりたいの」
P「お前はまだ15歳だぞ?」
美希「その15歳のミキを傷物にしたハニーは責任を取らないとダメだなって思うの」
P「傷物って…」
美希「ミキの初めては結婚する人にって決めてたの。だからハニーはミキをお嫁さんにしないと死んじゃうの」
美希「ハニー…悲しいの」
P「3年…3年待ってくれ」
美希「ふぇ?」
P「俺はプロデューサーだからな、お前の才能を腐らせる事はしたくない」
美希「うん…」
P「だからお前が18歳になるまでは続けて欲しいんだよ」
美希「その後…結婚してくれる?」
P「お前がその時に俺の事を好きだったら…俺も覚悟を決めるよ」
美希「じゃあ、さっさと竜宮小町と千早さんを抜いてトップアイドルにならないとダメだね」
P「そうだな、千早にとって一番のライバルはお前になると思うよ」
美希「うん!3年くらいでハニーへの愛は揺るがないよ」
P「ここ、風呂場だぞ?」
美希「ささっとしちゃえば大丈夫なの…ミキ、さっきからここ…濡れちゃってるの」
くちゅ…
P「美希…いけない子だ。大人をそんな風に誘って…どうなるかわかってるのか?」
美希「わかんないの…だから…教えて欲しいの…」
P「そうか…じゃあ、教えてあげるよ…」
美希「うん…きて…」
P「美希…」
美希「ああっ!?ハニーに襲われちゃうの…」
ーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ーー
ー
千早「高槻さん…プロデューサーとあんなエッチな事して…いけない子ね」
くちゅくちゅ…
やよい「ごめんなさい…許してください…ああっ…指…やあ…」
千早「今度は一緒に…プロデューサーとエッチな事、しましょうね?」
くちゅくちゅ…
やよい「はいっ…だから…あっ…もう…んふ…やめて…もう…イキたくないよぉ…」
千早「言う事を聞けたから…これで終わりにしてあげるわ…」
クニッ!
やよい「やああああああっ!!ダメですぅぅぅぅぅぅぅっ!!」
プシャー!!
千早(堕ちたわね…後はプロデューサーに集中しましょう)
やよい「あ…は…ちは…や…さ…」ビクビク
真美「兄ちゃん…イケメンじゃないけど…大好き…」
くちゅ…
真美「あ…ダメだよ…もう…」
くちゅ…くちゅ…
真美「兄ちゃん…切ないよぉ…真美の事…襲って欲しいよ…」
くちゅ…
真美「兄ちゃん…兄ちゃん…」
くちゅ…くちゅ…
真美「兄ちゃん…真美のエッチな所…見て…」
美希「無理なの!!もう…何回も出されてお腹壊れちゃうの!!」
P「くっ!!美希っ!!」
ビュルルルルッ!!
美希「やあああああああっ!?また出てるの!!いやあああああっ!!」
P「美希…美希…」
ビュルッ…ビュルッ…
美希「ああっ…止まらないの…ハニー…許して欲しいの…」
P「はあ…はあ…美希…可愛いよ…」
ナデナデ…
美希「18歳になる前に…赤ちゃんできちゃうの…」
美希(あ…別にいっか…早くお嫁さんになれるの…)
美希「……しあわせ…なの」
P「ちょっと長居しすぎたな…」
美希「ミキも大声だしちゃったの。多分バレてるの」
P「その割には気にしてなさそうだな」
美希「うん、その方が都合がいいの」
P「部屋に戻るの…気まずいな」
美希「~♪」
真美「すやすや…」
やよい「すやすや…」
千早「すやすや…」
P「みんな…寝てるな」
美希「毎日忙しいから仕方ないの」
P「そうだな、みんな頑張ってるもんな…本当はいつも眠たいんだ」
美希「ハニー、あっちでテレビ見よ?」
P「そうだな…」
真美「んにゃ…寝ちった…」
やよい「ん…身体、痛いよぉ…」
千早「もう暗いわね…」
P「お、起きたか。三人ともよく寝てたぞ」
美希「そろそろ晩御飯なの」
P「そうか…みんなで何か食べに行く?」
やよい「私が作りますよ~」
千早「私も外には出たくありません」
コンコン…
P「こんな時間に…誰だ?」
ガチャ
貴音「貴方様…お腹が空いてしまいました」
貴音「ええ…今月のお給料が底をついてしまいました…」
やよい「貴音さんってお給料少ないんですか?」
千早「そんなはずは無いわ。売れっ子だから月に50万円はもらっているはずよ」
真美「すご~い!真美の倍以上だ~!」
P「もう少し無駄遣いを減らさなきゃダメだぞ?」
貴音「はい…当面は貴方様の所で食事のお世話になる事にします」
貴音(月に50万円も食べるはずがありません…健啖家で売り出して良かった…)
貴音「それにしても…何故下着姿なのでしょうか?」
P「俺にもわからない」
ヌギヌギ…
P「貴音…お前は美希以上にシャレにならないから脱いじゃダメ」
貴音「ふう…」
ふぁさ…
やよい「はわわ…すごいです…」
千早「くっ…」
真美「けしからん乳だ~」
美希「さすが貴音なの…でも、総合的には決して負けてないの」
貴音「貴方様…お腹が空きました…」
P「そうだな、買い物に行かないと何も無いぞ」
やよい「あ、私が行きましょうか?」
千早「高槻さんが行くなら私も行くわ」
やよい(千早さんは怖いから嫌です…)
春香「そろそろプロデューサーさんもお腹空かせてるだろうな~」
ガサガサ
春香「スーパーでいっぱい買い物してきたからこれで肉じゃがを作ってポイント稼ぐよ~」
響「あ、春香…どこ行くんだ?」
春香「響ちゃん、今からプロデューサーさんの所に行くんだよ。一緒に来る?」
響「…行く、自分も連れて行って欲しいぞ」
春香「ん…じゃあ、行こっか?」
響「うん…」
春香(大丈夫…一人増えたくらいで私は負けないもん)
響(プロデューサーに…甘えたいぞ)
春香「ここがプロデューサーさんのお家だよ」
響「プロデューサー…」
コンコン
春香「プロデューサーさ~ん!春香です~!」
ガチャ
P「春香か、どうしたんだ?」
春香「ひゃあ!?プロデューサーさん!何で下着姿なんですか!?」
P「色々とあってな…で、どうした?」
春香「さっきそこで響ちゃんと会ったんですよ。だから二人で晩御飯を作りに来ました!」
ヒョイ
春香「ええっ!?何でやよいが…しかも下着姿なんですか!?」
響「プロデューサー…不潔だぞ」
P「いや、違うんだ…聞いてくれ」
春香「お邪魔します!!」
響「ガサ入れだぞ!!」
ドカドカ!!
美希「春香?こんな時間に遊びに来たの?」
真美「はるるんだ~いらっしゃ~い」
千早「あら、春香じゃない。ゆっくりして行ってね」
貴音「春香…ご飯を作りに来てくれたのですね…」
春香「え…みんな下着姿だ…」
響「こんなに居たのか…プロデューサーって本当にエッチなんだな」
美希「さすがやよいなの!」
千早(買い物ついでに首輪とリードを買っておきたかったのに…)
やよい(千早さんと買い物に行くリスクを回避出来て良かった…)
春香「やよい…それ、肉じゃがを…」
貴音「春香…多人数の時は汁物が良いのです。基本ですよ?」
やよい「お米はいっぱいあるので問題ないです~」
P「今日はカレーかぁ」
春香(何故だ…どこを間違えた…今日は肉じゃがでプロデューサーさんに家庭的なアピールをするはずだったのに…)
やよい「じゃあ、野菜を切ってください」
響「ん…」
P「響はお手伝いの出来る良い子だな…」
ナデナデ…
響「ん…頑張るぞ…」
春香(響ちゃん…そこは私のポジションだよ?)
響(プロデューサーに褒められたぞ…)
春香(ここは…脱ぐしかない!!)
ヌギヌギ…
真美「はるるんって何気にプロポーションいいよね」
千早「春香もなかなか美味しそうじゅるり」
美希「ミキには敵わないって思うな」
春香(みんな…何で平気なんだろ…恥ずかしいよぉ…)
やよい「完成です~」
貴音「ああ…ようやく食べられるのですね…涙が…」
春香「やよい~手伝うよ」
やよい「ご飯を入れてください~」
春香「は~い」
美希「何だか妙にお腹が空いたの」
真美「今日はあんまり食べてないの?」
美希「ううん、ちゃんと食べてるよ?」
響「美希はプロポーションが売りなんだから食べ過ぎはダメだぞ?」
美希「ん…気をつけるの」
美希(ハニーとエッチ…しすぎたの。今日はしあわせいっぱいなの!)
貴音「空腹にはたまらない匂いです…」
P「この部屋でこんな大人数のメシなんて初めてだ…」
P「下着姿のアイドルがカレーを食べる姿…ファンがみたらショック死するな…」
美希「でもハニーは嬉しいはずなの」
貴音「そうなのですか?」
P「本来は嬉しいはずなんだ…でも今はその感覚が完全にマヒしてるみたいだな」
春香「私は来たばかりだから恥ずかしくて死にそうですよ…」
P「無理しないで服着ろよ。この状況が異常なだけだからさ」
春香「それは負けだと思うのでこのままいきます!」
P「春香はどうしてそうなっちゃたんだろう…」
響「プロデューサー」
P「ん?」
響「甘えて…いい?」
P「よくわからないけど別に構わないぞ?」
ぽふ…
P(うわ…柔らかいな…)
響「プロデューサーが自分に食べさせて欲しいんだ」
P「それは良いけど俺が食べられなくなるぞ」
春香(ここがチャンスだ!!行くぞ!!)
美希「ハニー、あ~ん」
P「あむ…」
春香「!?」
美希「美希が食べさせてあげるから安心して響のお世話していいよ?」
春香(美希…あなたには未来が見えるの?)
美希(春香、良い間だったけど…お嫁さんは最強なの)
千早「高槻さん、あ~ん」
やよい「…」ぷい
千早(ああ…早く服従させたいわ)ゾクゾク
響「あむ…もぐもぐ…」
貴音「響、良かったですね」
響「ん…」
P「響は可愛いなあ」
ナデナデ…
響「プロデューサー、自分…プロデューサーの事…好きだぞ」
P「うんうん、嬉しいよ」
響(今はこれで良い…いつか、ちゃんとした告白をするんだ…)
真美「真美ね~今日はここにお泊りだよ~」
千早「そうね、夜遅くに出歩くのは良くないわ」
美希「え~!?みんな泊まるならミキもお泊りコースなの!!」
春香「私、家が遠いから後少しで終電が無くなっちゃいます(嘘)」
P「みんな着替えはどうするんだ?」
千早「コンビニに下着くらいは売ってると思います」
美希「貴音のはミキが買ってきてあげるの」
貴音「まあ、美希…感謝します」
千早「高槻さん…首輪とか似合うと思うんだけど…どうかしら?」
やよい「…」ぷい
千早(一日でも早く高槻さんをペットに…じゅるり)
やよい「私は後片付けをするので春香さんにお願いします」
春香「うん、いいよ~」
千早(春香…高槻さんの次は…あなたよ)
真美「兄ちゃん、何か欲しいものある?」
P「え?俺はついて行かなくて良いの?」
響「大人数の女の子と一緒にコンビニ行って、下着を選んでる所を他の人が見たら…完全に変態扱いされるぞ」
P「なるほど…でも心配だな」
春香「そうですよ!痴漢さんなんてブーメランフックで一撃です!!」
P「はは…頼もしいな」
真美「それじゃあお姫ちんとやよいっちは兄ちゃんのお守りをよろしくね~」
やよい「は~い!」
貴音「早く帰ってくるのですよ?あと、ファミチキをあるだけ買ってきてください」
春香「貴音さん、まだ入るんだ…」
美希「それじゃあ、行ってくるの~」
バタン
やよい(千早さん…変態歌姫さんだったんだ…)
ぎゅ…
P「どうしたんだ?」
やよい「今日はお兄ちゃんのとなりで寝たいです」
P「ん?別にいいけど」
やよい(千早さん…このまま帰らないかなぁ)
ちゅ…
P「あ…」
やよい「これからはありがとうの代わりにほっぺにチュウ…ですよ?」
貴音「まあ、やよい…とても可愛い」
やよい「食器洗ってきますね」
トテトテ
P「やよいはいつでも可愛いなあ」
貴音「私は…可愛くありませんか?」
P「貴音?」
貴音「可愛くありませんか?」
P「貴音は可愛いって言うよりは綺麗…だな」
貴音「私は貴方様に可愛いと言われたいのです」
貴音「一人は…寂しいのです」
ぎゅ…
P「みんなが居ない間に甘えるのか?」
貴音「はい…いつもは美希や春香がそばに居るのでなかなか機会が無いのです」
P「いつでも甘えてくれて良いんだぞ?」
貴音「だから…今からみんなが帰って来るまで甘えます」
P「そうか…抱きしめて良い?」
貴音「お好きに…」
ぎゅ…
貴音「あ…貴方様…とても良いです…」
さわさわ…
P「背中、白くて綺麗だな」
貴音「ん…ゾクゾクします…はん…」
P(これはヤバい…襲ってしまいそうだ)
P「お腹とか…どうかな?」
ナデナデ…
貴音「あん…あったかいです…もっと…」
P「…」
むにゅ…
貴音「あっ!?そこは…胸は…いけません…」
P「貴音…目の前にこんな胸があったら…触らないバカなんて居ないと思うんだ」
むにゅ…むにゅ…
貴音「ああっ…貴方様…んん…御慈悲を…やぁ…」
P「そんな声出したら余計に止まらないよ?」
ぷにゅぷにゅ…
貴音「そんな…これは勝手に…ああん…貴方様は…いけずです」
貴音「貴方様…申し訳ありません」
P「我慢出来なくなってきた…」
貴音「貴方様!?どうか…どうか堪えてください…」
P「これ、触ってみろよ…」
貴音「え…これは貴方様の…何て事でしょう…」
P「せっかくみんなが下着姿だから感覚がマヒしてきて今日は耐えられそうだったのに…貴音が悪いんだぞ?」
貴音「こんなに大きくなって…どうすれば貴方様を慰める事が出来るでしょうか」
P「貴音と…最後まですれば収まるよ?」
貴音「貴方様…お許しください…御慈悲を…」
P「ダメだよ…みんなはあと30分は帰ってこないよ。ここから最寄りのコンビニまで結構あるからね」
貴音「ああ…貴方様…」
貴音「はい…貴方様…」
ころん…
P「下着…いらないよな?」
貴音「貴方様…脱がさないでください…」
P「あれ?ホックが無い」
貴音「貴方様…これはフロントホックです」
P「あ、本当だ」
プチ…
貴音「ああ…見ないでください…恥ずかしくて死んでしまいそうです…」
P「下も…脱がすよ」
スルスル…
貴音「貴方様…今ならまだ後戻りできます…だから…」
P「貴音、脱がしにくいからお尻上げて?」
貴音「…はい」
貴音「はい…私はどうなってしまうのでしょうか…」
P「俺の事を誘ったからお仕置きされるんだよ。仕方無いよね?」
貴音「ああ…どうか…痛くしないでください…御慈悲を…貴方様…」
P「貴音は初めて?」
貴音「はい…」
P「痛いと思うけど…頑張るんだよ」
貴音「そんな…貴方様…」
やよい「お兄ちゃん!!どこですか~!!」
P「やよい~どうした~?」
やよい「あ、眠たいんですか?」
P「いや、貴音が気分が悪いらしくて寝かしつけてたんだ」
やよい「貴音さん、大丈夫ですか?」
貴音「はい…大丈夫ですよ」
やよい「私、シャワー浴びてきて良いですか?」
P「ああ、行っといで」
やよい「は~い」
トテトテ…
P「行ったな…貴音、続きだよ」
貴音「…はい」
貴音「貴方様が…私に触れるからです」
P「貴音はエッチで可愛いな…」
ナデナデ…
貴音「可愛い…嬉しいです…貴方様」
P「俺も我慢出来ないから…挿れるよ?」
貴音「あの…貴方様」
P「どうした…もう逃げられないよ?」
貴音「私、とても怖がりなのです…だから…ひと思いに…してください」
P「ん…わかった…良いんだね?」
貴音「貴方様…怖くてどうにかなってしまいそうです」
P「脚、広げて…」
貴音「はい…」
貴音「はい…貴方様…どうぞ…」
ズブ…ズブブブ…
貴音「はああっ!?貴方様!!貴方様!!」
ズブブブブ…
貴音「あっ…痛い…痛いです…くうぅぅぅっ!!」
ズブブブ…ブチッ!!
貴音「あああああっ!?痛い!!貴方様!!助けて!!」
P「貴音…」
ぎゅ…
貴音「貴方様…痛いのです…助けてください…」
P「ごめんな…最初だけは誰でも痛いんだ…抱きしめるから頑張ってくれ」
貴音「貴方様のが…お腹いっぱいに入ってきてます…」
貴音「貴方様…お慕いしております…んん…大きい…」
真美(兄ちゃんとエッチ…してるなんて…)
P「貴音、動くぞ…」
貴音「はい…気持ちよくなってください」
ズプ…ズプ…ズプ…
貴音「あっ…あっ…貴方様…激しいです…あはっ…いやっ…」
真美(お姫ちん…そんなエッチな声出して…ダメだよぉ…)
くちゅ…くちゅ…
貴音「んんっ…ふ…あんっ…しびれてしまいそうです…やんっ…」
真美(お姫ちんのあそこ…兄ちゃんのが入ってる…あんなに大きいのに…)
くちゅ…くちゅ…
貴音「ああっ…そんな…気持ち…いいです…貴方様…はぁん…」
貴音「貴方様!?出てしまうのですか!?」
P「貴音は…どこに出して欲しい…くぅ…」
貴音「中は…中はいけません…中だけはお許しください…」
P「俺は…貴音の中が良いな…」
ズプッ!ズプッ!ズプッ!ズプッ!
貴音「いけません…赤ちゃんが…出来てしまいます…」
真美(兄ちゃん…出しちゃうの?お姫ちんの中に出しちゃうの?)
P「あ…もう…出るよ…」
貴音「貴方様!?ダメっ!!御慈悲をっ!!」
真美(お姫ちん…兄ちゃんの身体に脚を絡めながら言っても説得力無いよぉ…)
P「貴音…出るぞ!!」
貴音「ひいっ!?」
ビュルッ!!ビュルビュルビュルッ!!
貴音「いやあああっ!?貴方様!!貴方様!!出てます!!だめええええっ!!!!」
真美(お姫ちん…幸せそうな顔…)
貴音「貴方様はいけずです…こんなお仕置きをするなんて…」
P「貴音が可愛かったんだよ。仕方ないだろ?」
貴音「私が…可愛いからですか?」
P「ああ…すごく可愛いよ」
貴音「それなら…仕方ありませんね」
P「そろそろみんな帰ってくるな」
貴音「はい、間に合って良かったです…」
真美「たっだいま~!!(棒読み)」
P「あ、真美が帰ってきたみたいだな」
貴音「ギリギリでした…」
真美「お姫ちん、ファミチキいっぱい買ってきたよ~」
貴音「まあ、ありがとう」
美希「ただいまなの~」
春香「結構歩いたね~」
響「意外と不便だな…」
千早「高槻さん…どこに行ったのかしら」
P「やよいならお風呂だよ」
千早「私も入ってきます」
タタタッ…
やよい「きゃ~~~~!!!!!」
ドゴォ!!
春香「千早ちゃんはやよいの事になると人が変わっちゃうね」
P「千早…変態歌姫だったのか」
千早「ふふ…愛の一撃をもらったわ…」
やよい(千早さん…早く移籍しないかなぁ)
真美「揚げたてじゃなかったからね~」
貴音「まあ、大した問題ではありません」モグモグ
真美(お姫ちんのエッチを覗いてる間に冷めちった…)
千早「交代でお風呂に入りましょうか。まずは私と高槻さんで良いかしら?」
やよい「…」プイ
千早(近い未来…あなたは私の指を愛おしそうに舐め回す事になるのよ…)
やよい「お兄ちゃんと入ります」
響「美希、貴音、一緒に入ろ?」
美希「いいよ」
貴音「はい…響は甘えん坊ですね」
響「ん…」
真美「真美は…恥ずかしいから一人で入るね?」
春香「私…プロデューサーとやよいと一緒に入ります」
トボトボ…
真美「悲しい背中だね…」
やよい「変態歌姫さんの哀愁漂う背中です~」
貴音「やよい、声に出ていますよ?」
美希「響、肩揉んで欲しいの…」
響「胸でかいのって大変だな」
モミモミ
美希「ありがとうなの…あふ…」
真美(さっきの見たせいで…おまたがムズムズするよぉ…)モジモジ
P「俺、ちょっと散歩行ってくるよ」
美希「いってらっしゃいなの~」
春香「あ、私も行きます」
P「春香、寒くない?」
春香「手が少し冷えるから…手を繋いでください」
P「ん…」
きゅ…
春香「わあ…嬉しいです」
P「大げさだな」
春香「~♪」
P「寝る時はどうしようか?」
春香「プロデューサーさん、お布団は余分にあるんですか?」
P「ベッドの他には3つだな」
春香「何人かで寝たら充分ですよ」
P「そうだな…」
春香「私、プロデューサーさんの隣がいいです」
春香「はい…これで予約完了です」
P「今日はお前が来てくれて助かったよ」
春香「そうなんですか?」
P「夕飯、どうしようか悩んでたからさ」
春香「あはは…お役に立てて良かったです」
P「お前はさ、全体のリーダーだからこれからもよろしく頼むぞ」
春香「プロデューサーさんは私の事、そう思ってくれてるんですか?」
P「今までの定例ライブもお前が中心だったから上手く行ったんだ」
春香「そっか…私、必要とされてるんですね」
P「当たり前だろ」
春香「良かった…プロデューサーさんのお役に立てて…」
春香「はい、頑張りますけど…ちょっとだけおねだりしても良いですか?」
P「春香がおねだりって…珍しいな」
春香「次も頑張ります…だから前払いで欲しいんです」
P「俺が買える範囲で頼むぞ?」
春香「お金は要りませんよ?」
P「?」
春香「キス…してください」
P「抱きしめながら…じゃなくても良いのか?」
春香「じゃあ、それも追加です。壊れそうになるくらい…抱きしめてキスしてください」
P「春香…」
春香「今日は…ずっと我慢してました。これくらい、良いですよね?」
P「いいよ…春香は我慢の出来る良い子だな」
春香「はい…これからも良い子でいますね」
ぎゅ…
春香「あん…気持ち良いですね…抱きしめてもらうのって」
P「春香…泣いてるの?」
春香「え?泣いてないですよ?」
P「涙、出てる…」
春香「ほんとだ…えへへ…」
P「嫌な事でもあったのか?」
春香「嫌な事は無いんですけど…今日は全然…思うように…ぐすっ…」
P「しばらくこのままが良いか?」
春香「…」こくん
P「キスしたくなったら言ってくれ」
春香「はい…」
春香(今日は最後に良い事…あったな…)
ぎゅうう…
春香「あっ…プロデューサーさん…強い…です…」
P「春香、いつでも甘えてくれて良いからな」
春香「はい、これからは誰にも遠慮しません…」
P「ああ、それくらいで良いんだよ」
春香「プロデューサーさん…キス、しましょ?」
P「ん…春香、目を閉じて?」
春香「はい…どうぞ…」
ちゅ…
春香「ん…ちゅ…」
春香(すごい…本当にプロデューサーさんとキスしちゃった…)
春香「んむ…ん…ふ…」
春香(私のファーストキス、最高の思い出になっちゃった)
春香「ん…ぷは…」
春香「はいっ!!」
P「少しは悲しくなくなったか?」
春香「今はとってもポカポカあったかいです!!」
P「お前は泣いてるより笑ってる方が可愛いな」
春香「それなら…プロデューサーさんの前ではずっと笑ってますね」
P「疲れたらいつでも甘えてくれよ?」
春香「はい!!美希にも遠慮しませんよ」
P「俺はこれから大変だな」
春香「覚悟してくださいね?」
P「はいはい」
春香「えへへ…大好きです!!」
春香「みんなお風呂は入った?」
美希「後は春香たちだけなの」
やよい「お兄ちゃん、早く入りましょう」
春香「プロデューサーさんと一緒にお風呂…」
P「いや、俺は一人で最後に入るよ」
やよい「お兄ちゃん…」
春香「プロデューサーさん、3人だから大丈夫ですよ?」
P「やよいはともかく…春香がなぁ…」
春香「私、プロデューサーさんの背中…流したいです」
P「それは嬉しいな…」
やよい「早く行きましょう!!」
千早(高槻さん…私も一緒にイキたいわ…うふふ…)
貴音(千早…煩悩が漏れていますよ…)
春香「プロデューサーさんの背中、お父さんより大きいです」
ゴシゴシ
P「そうなのか?」
春香「はい!!とっても頼りがいがあります」
P「アイドル二人と混浴か…考えたら恐ろしい事だな」
やよい「お兄ちゃん…千早さん以外で看板になるアイドルって居ませんか?」
P「え?」
やよい「居ませんか?」
P「そうだな…ここに居る春香と美希でも良いとは思うな」
春香「私は…看板とかはどうでも良いかな?」
やよい「じゃあ…美希さんを看板にしませんか?」
P「でもな…千早はすごくCDが売れてるからなぁ」
春香「そうですね~私も買ってます」
やよい「千早さんは…ダメだと思います」
春香「そうだよ?私、千早ちゃんのファンだもん」
やよい「むう…」
やよい(社長に掛け合うしか無いよぉ…)
春香「はい、流しま~す」
ザパ~
P「ありがとう。今度は俺が春香の背中を流すよ」
春香「えへへ…お願いします」
P「はいよ。心を込めて頑張るよ」
ゴシゴシ
春香「やんっ!?プロデューサーさん、もっと優しくしてください」
P「これくらい?」
ゴシゴシ
春香「あはははっ!くすぐったいです~」
やよい「…何とかしないと」
響「貴音、美希、一緒に寝よ?」
美希「じゃあ貴音に腕枕してもらうの」
響「うん、貴音の腕枕…久しぶりだぞ」
貴音「響は本当に甘えん坊ですね」
響「ん…」
美希「美希たちは三人で寝るね?」
P「ああ、やよいは…俺とだな」
やよい「はい…守って欲しいです」
P「?」
春香「私も…一緒です」
P「ああ、そうだな」
やよい「春香さん…お願いがあります」
春香「なぁに?」
やよい「ごにょごにょ…」
千早「どうしたの?食べていいの?」
春香「まずはあっちのベッドにいこ?」
千早「もう…春香ったら…がっついちゃダメよ?」
春香「?」
トコトコ
春香「千早ちゃん…寝て?」
千早「春香…いけない子ね…」
ころん
春香「えっと…これをこうして…」
ガチャン!!
千早「え?春香?」
春香「最近の手錠って頑丈なんだね~」
千早(春香…こんなアブノーマルなプレイ…いけないわ)
千早「春香?どう言う事?」
春香「じゃあ、私はあっちでプロデューサーさんと寝てくるね?」
千早「春香…そんな…ひどいわ」
春香「朝になったら外してあげるから…ね?」
千早「春香…」ウルウル…
春香「おやすみなさい…千早ちゃん」
ちゅ…
千早「あ…」
春香「ほっぺだからいいよね?」
トコトコ…
千早「春香も本格的に…ゴクリ」
貴音「千早、声に出ていますよ?」
カチ…
春香「あはは…真っ暗です~」
やよい「眠たいです~」
P「真美は一人で寝るのか?」
真美「うん、寂しくなったら兄ちゃんの上にでも乗っかって寝るよ~」
P「わかった。手加減してくれよ?」
真美「らじゃ~」
真美(おまた…ムズムズする…一人じゃないとバレちゃうもんね…)
P「春香、やよい、おやすみ」
やよい「んにゃ…」
春香「よっぽど疲れてたんですね」
P「見えない何かと戦ってたんだろうな」
千早(春香と高槻さんをペットに…鼻血が止まらないわ)
どうしてこうなった!
P「ん?」
ちゅ…
春香「えへへ…おやすみのキスです」
P「甘えん坊」
春香「はい…ずっと甘えん坊ですよ」
P「春香、おやすみ…」
春香「はい…おやすみなさい…プロデューサーさん…」
やよい「ん…千早さん…今までお疲れ様でした…むにゃ…」
春香(今日は…いい一日だった…)
春香「ふふっ…」
P(春香…元気になって良かった…)
貴音「貴方様…いけません…御慈悲を…んん…」
美希「ハニー…出来ちゃった…さんかげ…つ…あふ…」
千早「あ…高槻さん…温めたこんにゃくなんて…らめぇ…」ビクンビクン
真美「あん…兄ちゃん…真美のここ…切ないよぉ…」
くちゅくちゅ…
真美「兄ちゃんの…挿れて…かき回して…」
くちゅくちゅ…
真美「あは…もう…イク…イっちゃう…」
ビクンビクン!!
真美「はあ…はあ…もう一回だけ…」
くちゅくちゅ…
春香「プロデューサーさん…私の事…大好きですよね…えへへ…」
P「はいはい、大好きですよ」
ぽふぽふ
春香「ふぁ…きもちい…」
P「それにしても千早はやよいに何をしたんだ?」
やよい「千早さんが行方不明…大変ですねぇ(棒読み)」
P「この嫌われ具合…ただ事じゃないぞ…」
春香「ぷろりゅーさーさん…」
P「俺も寝よう…おやすみ、みんな」
春香「プロデューサーさん、朝ですよ~」
ちゅ…
春香「プロデューサーさん…」
ちゅ…ちゅ…
P「春香…おはよう」
春香「おはようございます」
ちゅ…
P「お前な…」
春香「まだ誰も起きてませんよ?」
ちゅ…ちゅ…
P「お前…キス魔だったのか」
春香「はい、プロデューサーさんにだけキス魔になります」
やよい「んにゃ…千早さんはもう見つかりませんよね?」
P「やよい、残念だがここは現実の世界だ」
春香「おはよ、やよい」
ちゅ…
やよい「わあ…春香さん…おはようございます」
P(春香にキスされるのは平気なんだな…)
真美「…眠い」
春香「真美、おはよ」
ちゅ…
真美「うひゃあ!?」
春香「夜更かしでもしてたの?」
真美「ううん…なかなか寝付けなくてさ」
春香「そうなんだ」
真美(ずっと一人エッチしてたなんて言えないよぉ…)
春香「あ、千早ちゃんの手錠外さないと」
千早「春香…このプレイは今まで経験した事の無い快感を与えてくれたわ…」
春香「よくわかんないな~」
千早「春香にはまだ知らない世界がたくさんあるのよ」
春香「あんまり興味ないな~」
ちゅ…
千早「あ…また」
春香「美希達起こしてくるね~」
千早「…」
千早「春香を…食べたいわ!!」ドン!!
春香「おはよう、美希」
ちゅ…
美希「春香って…キス魔なの?」
春香「うん」
響「ん…春香?」
春香「おはよ、響ちゃん」
ちゅ…
響「おはよ、春香…」
春香「貴音さん、起きてください」
ちゅ…
貴音「春香…キスではお腹を満たす事は出来ないのです…」
春香「朝ごはんの用意しますね~」
タタタッ…
美希「春香は朝から元気なの…」
やよい「千早さんはアメリカに行く事をオススメします」
千早「アメリカ?ええ、いずれ行く事になるわね」
千早(あなたと春香ををペットとして連れて行くのよ…げへへ)
やよい「千早さんはアメリカに永住すれば良いと思います」
千早「それは少し本気で考えているわ」
千早(高槻さん…そんなにアメリカがいいのかしら?)
やよい(今日早速社長に相談です…)
美希「ハニー、おはようなの」
P「おはよう」
美希「おはようのキスするの」
P「みんな起きてるからダメ」
美希「そんなのってないの」
春香「みんな~!!早く朝ごはん食べないと遅刻するよ~!!」
P「そろそろ事務所行くぞ。みんな外出ろよ」
春香「は~い!」
美希「まだ眠いの…」
真美「うう…寝不足だ…死にたい…」
響「急なお泊りだったけど…楽しかった」
貴音「ええ…そうですね」
やよい「よく考えたら昨日は一回も外に出てないです~」
P(長い一日だったな…)
春香「プロデューサーさん、行きましょ」
P「ああ、そうだな」
千早(昨日は少しだけ計画にズレが生じてしまったけれど…問題ない、いけるわ!!)
響(プロデューサーにも甘えられたし、貴音とも久しぶりに一緒に居られたし…いい休日だったな…)
貴音(これからも健啖家で通しましょう…これであの方の部屋へ行くきっかけが無限に広がるはずです…)
真美(しばらくは一人エッチ禁止…それ以外何にもないよ…)
美希(ハニーはすっごくエッチだから18歳になるまでに赤ちゃん出来ちゃうの。これでお嫁さんに一歩近づいたの」
春香(ずっと…ずっと側で甘えていたいな…大好きなプロデューサーさんに…)
ちゅ…
P「えっ!?」
美希「ああああっ!?春香!!今ハニーにキスしたの!!」
春香「えっ?気のせいじゃない?」
美希「ちゃんと見たの!!ほっぺにちゅってしたの!!」
春香「そうなんだ~」
美希「いくら春香でもハニーは渡さないよ!?」
グイッ
P「おっと…美希、いきなり引っ張るな」
美希「ハニーはミキのモノなの!!」
グイッ!!
P「おいっ!?春香!?」
美希「あっ!?」
春香「プロデューサーさんは私のモノになるんだから…負けないよ?」
美希「ミキだって負けないの!!」
春香「私、さっさとトップアイドルになってプロデューサーさんと結婚するんだから」
美希「ミキもトップアイドルになってからハニーの赤ちゃん産むもん!!」
春香「勝つのは私だよ!!」
美希「違うの!!ミキなの!!」
春香「ね?プロデューサーさん」
美希「ハニー、ミキだよね?」
P「はあ…困ったな…」
終わり
おつおつ
次はやよいの72追放計画やな
とにかく乙乙!!
Entry ⇒ 2012.03.08 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
従姉「男くんとけっこんするー!」 男「」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330491320/
従姉「男くーん」
男「ほらほら、こんなとこで寝ないで。玄関は冷えるから」
従姉「あらら…天井が回ってるよー」
男「ほら、ちゃんと歩いて」
従姉「あははは」
まで妄想したのに!
従姉「うへへへ~・・・だって男くんは従姉の旦那さんだも~ん!!」ダキッ
男「はいはい夢はお布団の中で見ましょうね?」
従妹「すいません男さん、いつもいつも姉がご迷惑をおかけして・・・」
男「いやいやそんな!従妹ちゃんが謝ることじゃないよ?」
男「なんだかんだで飲ませちゃう僕にも責任が・・・」
従妹「そんなことありません!私の責任です!」
男「いやいや僕の責任だよ!」
従姉「男く~ん!!」ギュッ
従妹「このバカ姉!!!」
こんなところまで妄想したよ
男「く、苦しい…」ジタバタ
従妹「こら!離しなさい!」
従姉「いーやーっ!」
男「ちょ…死ぬ…」
従妹「はーなーせー!」グイグイ
従姉「あははは…ぐぅ…」コテッ
男「はあ、はあ…従姉?」
従妹「…寝たみたいですね」
男「はあ…助かったよ従妹ちゃん」
ってな感じか?
男「いやそんな悪いよ」
従妹「そんなことありません!それにこんなに手が冷たいんですし・・・」
男「!?」
従妹「あっ!ごめんなさい、急に手なんか握っちゃって・・・」
男「いいいや気にしてななないよ!?」アセアセ
従妹「だけどホントに冷たいですね・・・やっぱり上がっていってください」
従妹「元はといえば姉のせいですから・・・さっ、どうぞどうぞ!」ギュッ
男(手をぎゅっと握られてしまった!!暖かい・・・)
男「じゃ、じゃあお言葉に甘えて・・・」
ってことになるのかな?
従妹「あ、そうですね…このままじゃ風邪ひきますから…」
男「部屋まで運ぶよ」ヒョイ
従妹「あ」
男「従姉の部屋どこ?」
従妹「こっちです」
従妹(いいなぁ…男さんに御姫様だっこされて…)
でどうだ?
従姉「えへへ・・・おとこくんはわたしのおむこさん~・・・」
男「・・・まったく」ナデナデ
従妹(あっ・・・今度は頭ナデナデされてる・・・お姉ちゃんばっかりずるいよぉ!)
従妹(私だってお姫様抱っことか頭ナデナデとかされたい!!)
っていうことになるわけだよ
従妹「!?」
男「やばい!何か受けるもの!!」
従妹「は、はい!」サッ
男「おう!…って、ゴミ箱!?」
従妹「あ」
従姉「うぷっ」
男「あ!まずい!」サッ
従姉「うえっぷっ!」ゲロゲロゲロッピ
男「ふぅ…間に合った」
従妹「ごめんなさい、男さん…」
男「いや、助かったよ従妹ちゃん」ナデナデ
従妹「あ…」
ってなとこだろう
従妹「え、えへへ///」テレテレ
従姉「うぇぇ・・・みずぅ・・・」
従妹「・・・」
男「・・・水とお薬持ってこようか」
従妹「ですね」
ってかんじかな?
男「あ、ありがと」
従妹「いえ、そんな…すみません」
男「…へ?」
従妹「お姉ちゃんが迷惑かけちゃって…」
男「あはは、迷惑だなんて思ってないから」
従妹「でも…」
男「それより早く持っていかないとな」
従妹「あ、はい」
でどうだ?
従姉「うぅぅ・・・」
従妹「飲み過ぎはダメだっていつも言ってるのに・・・」
男「あははは」
従姉「んぅ~・・・飲ませて~」アーン
男「はいはい」
従姉「口移しで~」アーン
男「はいはい・・・・・・ん?」
従妹「お姉ちゃん!!?」
となるのかな?
男「い、従妹ちゃん?」
従妹「酔ってるからって何でも許されるわけじゃありません!」
男「だからってコップの水を直接従姉の口に注ぐのは…」
従姉「ごほごほっ…うーん…」
従妹「…確かにやりすぎましたか。布団が濡れちゃいましたね」
男「そこかよ!」
従妹「…タオル取ってきます」
パタン
従妹(ど、どうしよう…男さん、引いちゃってた…)
てなことになっちまったけど
男「もう大丈夫なのか?」
従姉「吐いて楽になったみたい・・・よっと」
男「びしょびしょだな。今従妹ちゃんがタオル持ってくるから」
従姉「よく出来た妹ねぇ・・・私に似て」
男「全然似てないぞ」
従姉「あら失礼ね!おっぱいなんかそっくりなんだからね!」
男「そんなところ誰も言ってないだろうが」
男「確かに出来の良い妹だな。お前に似ず」
従姉「似てるよ」
男「似てない」
てな感じで修正をはじめてだな
従姉「そうね。私なら先に男くんの唇を奪っちゃうわね」
男「だろうな」
従姉「ふふっ…で?どうするの?」
男「どうする…とは?」
従姉「妹のことよ。今頃落ち込んでるわよ?」
男「なんで?」
従姉「…相変わらず鈍いわねぇ…」
男は従姉と恋仲で補正する?
従姉「ふら~っと行って、何か手伝うことないかな?って言いながら」
従姉「手をぎゅっと握ってやればいいのよっ!」
男「なななんで手を握る必要が!?」
従姉「ヘタレ~!黙って握ってきなさい!!」
男「ヘタレじゃない!!あぁ分かった行ってきてやろうじゃないか!!」
男「握ってきてやろうじゃないか!!」
ガチャッバタン
従姉「・・・へへへっ、お姉ちゃんは妹の役に立てたかな?」
男と従妹をくっつければいいと思うのよ
従妹「はぁ…」
ガチャ
男「おーい従妹ちゃん。なんか手伝うことあるか?」
ドキッ
従妹「え?あっ!いえ…」
男「そうか?」
従妹「は、はい。タオルありました」
男「そっか。じゃあ持ってくよ」
従妹「いえ、私が持っていきますから」パタパタ
ズルッ
従妹「あっ!」
男「あぶない!」ギュッ
男(思わず抱きしめちまった…)
てな感じで
従妹 ドキドキ…
従妹(男さんの胸…ドキドキいってる…)
男「えっと…その…」
従妹「あっ!」バッ
男「…タオル持っていってくる…」
従妹「…すいません」
ガチャ
男「ほら、タオル」
従姉「あ、さんきゅー…で?」
男「なにが?」
従姉「妹の手、握ったの?」
男「あ、いや…」
従姉「はあ?」
仲間が居ないとつまんねー…
従姉「おお!それでそれで?」ズイッ
男「そんな身を乗り出さなくても…タオルをもらって来た」
従姉「はあ?」
男「しょうがないだろ?ドキドキしちまって何したらいいかわかんなかったんだから…」
従姉「…このチキン!」
男「言い返す言葉もありません…」
従姉「男くん、あんた妹のこと好きなんでしょ!?」
男「なっ!」
従姉「それぐらい分かるわよ」
男「え?いや!…えっと…ええーっ!?」
従姉「で?どうなの?」
男「……う、うん」
従姉「どれぐらい?」
従姉「だから、どれぐらい好きなの?」
男「そんなの分かんねーって…ずっと従妹ちゃんしか意識しなかったんだから…」
従姉「はあ…そんなに好きなら告白すればいいのに」
男「それは…無理です」
従姉「妹、モテるよ?告白したオトコなんてそれこそ両手じゃ足りないよ?」
男「…」
従姉「でもね、妹は全部断ってきた。なんでか分かる?」
男「それは…なんでだろ…」
従姉「鈍いわねぇ…男君が好きだからに決まってるでしょ?」
男「…………はい?」
従姉「まだわかんないの?男くんと妹は両思いだって言ってるの!」
男「え?ちょっ…ちょっとまって?えっと…」
男「いや…分かりました…まだちょっと混乱してるけど…」
従姉「それで、どうしたい?」
男「…へ?」
従姉「だからね、妹と付き合いたいの?」
男「そりゃあ…付き合いたいよ」
従姉「…だってさ」
男「え?」
従妹「…//」
従姉「さっき部屋に入ってきたの。男くん、私のほう向いてたからわかんなかったでしょうけど」
男「い、いつから?」
従妹「…『どれぐらい?』から…」
男「なっ!」
従妹・男「「…//」」
従姉「ほらっ!二人ともここで告白しなさい」
男「はあ?」
従姉「あたりまえでしょ?妹はまだ聞いてないんだから。男くんからのこ・く・は・く♪」
男「ちょっ」
従妹「男さん…私…」
男「あっ!ちょっと待った!!」
従妹「え?」
従妹「…うん」
従姉「ほら、早くしなさい!」
男「うるさいって!…あの、従妹さん?」
従妹「は、はい!」
男「…好きです!付き合って下さい!!」
従妹「はいっ!喜んで!!」
男「あ、ありがとう!」ギュッ
従妹「あ…//」
従姉「ひゅーひゅー♪」
従妹「うう…なんか恥ずかしい…」
男「俺も…」
従姉「で?妹は何か用があってここに来たんじゃないの?」
従妹「あ…お風呂が沸いたから…お姉ちゃん入るかなって…」
従妹「…ごめんね?」
従姉「いいわよ。それより…しっかりね?」
従妹「え?」
パタン
男「…さて、じゃあ俺は…」
従妹「あ、ちょっと待ってください!」
男「ん?なんd…ん!」
チュッ
従妹「…私のファーストキスだからね!」
~END~
Entry ⇒ 2012.03.08 | Category ⇒ 兄弟姉妹「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
岡部「誰か…いるのか?」紅莉栖「」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330271470/
岡部「くっ…!」ダッ
岡部「はあ、はあ…なんてことだ…」
岡部「【牧瀬紅莉栖が刺されたらしい…】っと」
岡部「…いや、やっぱり送信はやめておこう」
岡部「機関にメールの内容を知られるかもしれん。今日見たことは俺の胸の中に留めておこう。」
岡部(どういうことだ…?)
岡部(牧瀬紅莉栖は確かに死んでいたはずだ…)
岡部(しかし…何故いつまでたっても彼女の死が報道されないのだ…?)
紅莉栖「!」
岡部(なっ…!)
紅莉栖「…やっと会えた」
岡部「?」
紅莉栖「あなたを探していたんです…」
岡部「?」
紅莉栖「助けて貰った時のお礼がいいたくて…」
岡部(さっぱり分からん…)
岡部(一応話を合わせておくか…)
岡部「な、なるほど…」
岡部「こ、これが世界の選択というならば」
岡部「エル・プサイ・コングルゥ」
岡部(…未来のことは誰にも分からない)
岡部(だからこそ)
岡部(この再会が示すように無限の可能性があるのだろう)
岡部(これが…)
岡部(運命石の扉の選択だよ)
~fin~
岡部「という感じにならなかったのか?」
紅莉栖「ならないわね。もしメールを送らなかったら過去改変が起きてるから。」
岡部「しかし1話の世界線はシュタインズゲートの世界線なのだろう?」
紅莉栖「は?」
岡部「え?」
紅莉栖「…いや1話はβ世界線でしょ?メタルうーぱのままだし、私は死んでるし」
岡部「しかし1話の未来オカりんの叫び声はどう考えても自分の腹に包丁が刺さってる叫び声だろう?」
紅莉栖「ま、まあ…それは…。てか自分で自分のことオカりんって…」
岡部「黙れ。この際キャラなどどうでもいい。つまりそれならシュタインズゲートの世界線じゃないのか?」
紅莉栖「うーん…でもシュタインズゲートの世界線なら1話でうーぱが出てるはずでしょ?」
岡部「そこだ。そもそもシュタインズゲートの世界線の過去オカりんはどうやって論文が燃えるのを回避したんだ?」
紅莉栖「…確かに。最初からうーぱなら論文はもともと燃えてることになるから…」
岡部「どーうした助手よ。これが俗に言う矛盾というやつかー?」
紅莉栖「うーん…」
岡部「どうした?早く認めろ。1話はシュタインズゲートの世界線だと」
紅莉栖「…まあ、1話がシュタインズゲートの世界線かどうかはとりあえず置いといて」
岡部「おい」
紅莉栖「…仮に1話がシュタインズゲートの世界線だと仮定して…」
岡部「うむ」
紅莉栖「あんたは何が言いたいの?」
岡部「つまり俺は理想の世界線であるシュタインズゲートから、わざわざ自分からバッドエーンドのβ世界線に移動したことになる」
紅莉栖「そうね」
岡部「…完全な無駄手間だろう」
紅莉栖「…そうね」
岡部「…」
紅莉栖「…」
紅莉栖「ま、まあでも、それも経験だと思えば…!」
岡部「なんだ?フォローしてくれているのか?助手よ」
紅莉栖「し、してない!励ましてあげようとか考えてないんだから!」
岡部「分かりやすい奴だ」ギュッ
紅莉栖「え…?」
紅莉栖「ちょ、ちょっと!何抱きついて…て、てかさっきから何が言いたい!?」
岡部「俺が言いたいことはただ1つだけだ」
紅莉栖「え?」
岡部「シュタインズゲートの世界線においてもアトラクタフィールドの収束は存在する」
紅莉栖「なっ」
チビる前に叫び声聞いたからティーナの死体(仮)を見た。
叫び声は二回あった。
そういやそうだったな
紅莉栖「ま、まさかまた誰かが死ぬ運命に…?」
岡部「そういうことではない。」
紅莉栖「じゃ、じゃあ…?」
岡部「この世界線においてどんな未来を選ぼうとも、岡部倫太郎と牧瀬紅莉栖はアトラクタフィールドの収束により必ず結ばれる運命にあるのだ」
紅莉栖「あ…」
岡部「何度離れようとしても絶対に離れられんぞ」
牧瀬紅莉栖「…そんなのずるい」
岡部「これは宇宙の法則であり世界の構造そのものなのだから仕方ないのだ助ー手よー」
紅莉栖「…こんな時までチャカさないでよ」
岡部「む…そ、そうだな…ゴホン」
紅莉栖「…」
岡部「助手…いや、牧瀬紅莉栖。」
紅莉栖「はい。」
岡部「結婚してくれ」
紅莉栖「…はい。」
ダル「オカりーん。プロポーズの時くらい厨二病から離れた方が良いと思われ」
まゆり「でもーまゆしぃはそんなオカりんの方が好きなのです。」
岡部「な、なんだなんなのだお前達は!? どこから沸いてきた!」
ダル「牧瀬氏がそろそろプロポーズされるかもしれないから」
まゆり「まゆしぃ達も一緒に来て欲しいーって」
紅莉栖「ゴメンねー岡部」
岡部「な…。プレミアムプロポーズプロジェクトが既に予測されていたというのか…」
岡部「くっ…たかが助手の分際で…」
紅莉栖「もう貴方の奥さんになったんでしょ?」
岡部「ぐぬぬ…ふっ、まあいい。こういう結果になったことことも全て」
紅莉栖「そうね」
「運命石の扉の選択だよ」
~fin~
最近シュタゲを全話みて
「1話はシュタインズゲートの世界線なのか?」
「最終回の過去オカりんはうーぱが出た世界線でどうやって現在オカりんと同じ道を辿るのか?」
と疑問に思ったので書き初めたのに気づいたら結婚させてしまっていた。
誰かシュタゲに詳しい奴がいたら教えて欲しい。
読んでくれてありがとう。
乙
俺の考えだと、一話の世界線はβ世界線
最終話は俺も考えていくつか思ったの書いてみる
①過去オカリンのオペレーションスクルドは紅莉栖を助けるだけ
②紅莉栖が死ぬと思ったまま世界線変動したらβ世界線じゃなくてSG世界線になる
③メタルウーパ以外の原因で論文が無事。過去オカリンはその原因を取り除く
結局答え出なかった
わざわざサンクス。
やはり1話はβ世界線か…
タイムリープものは馬鹿にはよく分からん…
教えてくれてありがとう
Entry ⇒ 2012.03.08 | Category ⇒ シュタインズゲートSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
澪「禿げたあああああああああああ」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1326245952/
このSSはSS深夜VIPのSSです
二期の絵だと思わなくなった
しかし、梓が登場してからは…
紬「澪ちゃん待って!!」
澪「ムギか……邪魔しないでくれ、私にはもう希望が無いんだ」
紬「落ち着いて澪ちゃん、話を聞いて!」
澪「いいんだ、わかってるから……ムギも心の中では私のことを嘲笑しているんだろう」
紬「澪ちゃん!!」
澪「……ごめん、ムギはちっとも悪く無いのに」
紬「いいのよ、神経質になってしまうのも当然だわ。 でもね、悲観するのはまだ早いわよ」
澪「少し前……まで?」
紬「そう、正確には一年前ね。 お父さんは育毛剤の開発に多額の財産を注ぎ込み、ついに完成させたわ」
紬「見る見るうちに髪が生える、魔法のような育毛剤を」
澪「!?」
紬「ふふ、どう? 生きる希望、湧いてきたでしょう?」
澪「……ああ、一条の光が見えてきたよ」
澪「……ありがとう」
紬「親友の悩みは私の悩みよ、私は自分のしたいことをするだけ」
澪「ほんと……ムギには足を向けて寝られないな」
紬「今日お願いしてみるから、明日まで待ってね」
澪「うん、わかった」
紬「澪ちゃん、どうぞ」
澪「これで、私の髪が生えてくるのか」
紬「ええ、十二時間でりっちゃんくらいには伸びると思うわ」
澪「ありがとう……本当に、感謝しきれない」
紬「親友だもの、当然よ」
澪「親友だけど、お金はきちんと払わさせてもらうよ」
紬「そんな、別にいいのに」
澪「金銭に関してはきちんとしておきたいんだ、親友だからこそ」
紬「わかったわ、少しずつでいいからね」
澪「ああ」
紬「ええ、私がやってあげる」
澪「何から何まですまない」
紬「気にしないで、一度やってみたかったの」ペタペタ
澪「はは、それは嘘だな」
紬「うふふ、どうかしらね」ペタペタ
澪「十二時間、だったか」
紬「ええ、あっという間よ」
澪「そうか、なんだか緊張するな」
紬「あ……そうだ、この薬には少し副作用があるらしいわ」
澪「そうなのか?」
紬「うん、といっても一ヶ月くらいのものだそうよ」
澪「い、痛かったりするのか……?」
紬「安心して、そういうのじゃないから」
澪「そっか……」ホッ
紬「ちょっとばかりホルモンバランスが崩壊して、えっちな気分になるだけだから」
澪「」
紬「あ、少し生えてきたわ!」
澪「ちょ、ちょっと待って。 え?」
紬「すごいわ、どんどん伸びてる!」
澪「ねぇ、ちょっと話を……」
紬「あ、ごめんなさい……澪ちゃんの頭は見世物なんかじゃないわね。 念のため今日は安静にした方がいいわ、それじゃあまた明日!」
澪「え、えぇー……」
澪「…………」ハアハア
澪(確かに、もう髪は腰の位置まで伸びた)ハアハア
澪(そしてムギの言う通り、今朝から身体の様子がおかしい)ハアハア
澪「うぅ……ムズムズする」ハアハア
澪「……そろそろ出ないと、遅刻してしまうな」スタッ
澪「行こう……」ハアハア
澪「一歩歩くごとに……振動がっ……!」ハアハア
澪「んっ……くぅ……んん……やっ……あぁ……ひっ」ハアハア
澪「だ、駄目だ……腰に、力が」ヘナヘナ
澪(立てない……)
澪「いや……今立ち止まったら……確実に遅刻だ」ヨチヨチ
澪「這ってでも……辿り着いてみせる!!」ハアハア
澪「やっと……門の前まで来れた」ハアハア
唯「澪ちゃん!?」
澪「ああ……唯か、どうしたんだ?」ハアハア
唯「それはこっちの台詞だよ! 澪ちゃんどうしたの!?」
澪「いや、少し体調がな……」ハアハア
唯「具合が悪いなら休まなきゃ! 無理して学校来ても意味ないよ!!」
澪「だよな……思考もまともに働かなくて」ハアハア
唯「ほら、おんぶしてあげるから」
澪「……恩に着るよ」ハアハア
唯「親友だもん、当たり前のことだよ」ニコッ
澪「…………」ムラムラ
澪「……唯、部室に」ハァハア
唯「そだね、部室なら横になれるし」テクテク
澪「…………」ハァハア
唯「澪ちゃん、大丈夫?」
澪「大丈夫だ……問題ない」ハァハア
唯「それにしてはすごく辛そうだけれど……あんまり無理しちゃ駄目だよ」
澪「ああ……肝に命じておくよ」ハァハア
澪「…………」ハァハア
キンコーンカンコーン
唯「やば、もう一限目始まっちゃった!?」アタフタ
澪「唯」ハァハア
唯「ごめん澪ちゃん、私忙なむぐっ!?」
澪「…………」チュー
唯「ん……ぁ……」チュー
澪「…………ぷはぁっ」
澪「ごめん唯、もう我慢できない」ハァハア
唯「や、やめ……んんっ」ガクンッ
澪「唯……唯……」ジュルッ
唯「そん……なっ……なめちゃ……あっ」ゾクッ
澪「唯……唯!!」ニュプッ
唯「あふっ……やっ……んっ……ひぁっ……んぁっ!?」
澪「唯! 唯!!」ズッズッ
唯「やっ……ぁぁ……ひんっ……あっ……いやぁぁぁぁっ!!」ビクンッビクンッ
唯「責任、とってくれる?」
澪「うっ……うん」
唯「あはは、冗談だよ」
澪「唯……」
唯「そういう事情なら仕方ないよ、私も嫌じゃなかったし」ニコッ
澪「……ありがとう」
唯「それじゃ、私は授業があるから」
澪「ああ、頑張って」フリフリ
唯「澪ちゃんはしっかり休んでてね、隣にエリザベス置いとくよ」
澪「うん」
澪(駄目だ、また変な気分に……)ハァハア
澪「……寝てしまえば、何とかなるのかもしれないな」
澪(問題は眠れるかどうかだが、一体どうしたものか)
澪(うーん……)
澪(……………)
澪「…………ぐぅ」スヤスヤ
澪「ん……ここは、私の家?」
澪「……どうして私はバニースーツを身に纏っているのだろうか、ご丁寧にウサ耳まで付いてる」サワサワ
澪「部室で寝ていたはずだけど、一体いつの間……に!?」
ウサギ「…………」
澪「これは、私のぬいぐるみ……だよな」
澪「……それにしては大きい、軽くニメートルはありそうだ」
ウサギ「…………」ズイッ
澪「ひぃ!?」
澪「うぐっ!!」
澪(ぬいぐるみの大きな巨体に、押さえ込まれてしまった)
澪(ファンシーな見た目に相反して、何とも力強い)
澪「なんて、冷静に検分してる場合じゃ……!?」ピトッ
澪「な、なんだ? ぬいぐるみなのに、固い所が……」サワサワ
澪「ま、まさか……!」
ウサギ「…………」ムクムクッ
澪「駄目だ……そんな、やめて……んっ」
ウサギ「…………」ミチミチッ
澪「ひぎぃっ!?」
ウサギ「…………」ズッ
澪「いやっ! ふ……あっ! あっ!!」ビクッ
ウサギ「…………」ズプッ
澪「あひぃぃぃんっ!!」ビクビクッ
澪「んっ! やっ! はぁんっ!」ビクッビクッ
ウサギ「…………」パンパンパン
澪「あひん! あひっ! はひん!」ビクッビクッ
ウサギ「…………」パンパン
澪「らめっ! ひっ! あっ! あっ!!」ビクッビクッ
澪「んぅぅぅぅぅっ!!」ビクンッビクンッ
――
澪「部室、か……」キョロキョロ
澪「さっきのは、夢だったわけだな」
澪「そして、こんな夢を見てしまった原因は恐らく」
澪「今現在私にのしかかっている、エリザベスに他ならないであろう」
澪「……なんて、冷静に分析しとる場合じゃないっちゅーに」
澪「!?」ゾクッ
澪(不覚……余計なことを考えたら、再び降臨してしまった)ハァハァ
澪「エリザベス……」クチュ
澪「んんっ……はぁ……エリザベスぅ!」クチュクチュ
澪「エリザベス! エリザベスぅぅ!!」クチュクチュ
澪「くぅぅぅぅぅぅん!!」ビクンッ
梓「」
澪「つい、体が動いてしまった」
澪「これからは、気をつけないとな……ん?」
梓「」
澪「」
澪(な、何で梓がここに……!? いや、そんなことよりも)
澪(梓に、見られた!)
澪(私がエリザベスとの行為に耽っていた所を、見られてしまった!!)
澪(それは何とも興奮する……否! まずい、非常に不味い!!)
澪(かくなる上は……)この間わずか二秒
澪「梓確保ぉぉ!!」ガシッ
梓「にゃっ!?」ビクッ
澪「ふぅ……なぜか部室にあった縄とタオルで、梓を縛り上げてしまった」
梓「むーっ! むーっ!」ジタバタ
澪「ごめんな、梓。 今すぐに縄を解……」
澪「いや、今なら梓を好き放題できるんじゃ……」ハァハァ
梓「!?」
澪「ふふ、梓……」ハァハァ
梓「むぐー!!」ジタバタ
梓「むぐぅぅぅ……」ウルウル
澪「さて、次は生えてるかどうかのチェックをするとしよう」ズルズル
梓「むぐぅぅぅ!!」ジタバタ
ガチャッ
律「ちーっす! ってあれ、澪来てたん……だ?」
梓「むぐー! むぐー!」
澪「律か、授業お疲れ様」
律「あ、ああ……いや、ちょっと待て」
澪「さあ、わからないな。 今とは何時、『じょうきょう』とはどのような漢字を当てるんだ?」
律「そこからわからないのかよ! ってかそれパクリ!!」
梓「むぐむぐっ! むぐーむぐっ!」
律「んん……うん、なるほど。 澪が出し抜けに襲いかかってきて、成すがままに縛られてしまったと」
澪「よくわかったな」
律「ああ、まあ……梓とは、アレだからな。 いや、それはともかく」
律「とりあえず、梓の縄を解いてやれ」
澪「断る」
律「は、はぁ!?」
律「いやいや、何でだよ!」
澪「話せば長くなるが、それでもあえて説明するならば」
澪「梓と交尾がしたいからだ!」キリッ
律「」
梓「」
澪「梓と交尾がしたい身体!!」ヌギヌギ
律「待てぇぇい!!」ガシッ
律「『何だ?』じゃない、服を着ろ」
澪「着たままヤれと言うのか?」
律「違う、するなと言っているんだ」
澪「私と梓による愛の育みを、邪魔する権利が律にあるとでも?」
律「あたしには無いかもしれんがな」スルスル
梓「ぷはぁ!!」
律「梓にはあるだろ、個人の意志を尊重しろ」
澪「むぅぅ」プクー
律「よしよし、怖かったな。 それと先輩を呼び捨てはやめろ」ナデナデ
律「それで、澪。 お前は授業も出ずに、一体何をやっているんだ?」
澪「実は、かくかくしかじかで」
律「……いや、そんないかにも省略されてますよ的な言葉を使われてもわからないから」
澪「ちぃっ」
律「舌打ちすんな」
澪説明中
澪「…………」ハァハァ
律「……どうやら、本当みたいだな」
澪「すまん、副作用で仕方ないとはいえ、梓には乱暴なことをしてしまったな」
梓「い、いえ! 私なら大丈夫です」
澪「そうか! なら今からでも私と」
律「…………」ゴツン
澪「痛い」サスサス
梓「りつー!」ダキッ
律「呼び捨てはやめろ」ナデナデ
律「とても抑えているようには見えなかったけどな」
澪「だけど梓が房事をしたくないというのであれば、仕方がない」
澪「私も既に大人料金を払っている身だ、ここは引こう」
律「おお!」
澪「ただし、交換条件がある」
律「おお……?」
澪「私のお尻を叩いてくれ」
律「」
律「いや、聞こえた。 できれば聞こえて欲しくはなかったが、遺憾にも聞こえてしまった」
澪「そうか、では頼む」フリフリ
律「……一回でいいか?」
澪「いや、ドラムスティックで軽快にリズムを刻んでくれ。 曲目はそうだな……定番のふわふわ時間で」
梓「り、りつー!」ブルブル
律「あ、ああ……怖いよな、あたしも怖い。 それと呼び捨てはやめろ」
律「い、嫌だ」
澪「はぁ?」
律「断る、と言ったんだ」
澪「断るのはいいが、すると勢い余って私が梓に襲いかかってしまう可能性も否めないぞ」
律「くっ…………わかった」
梓「り、りつぅぅ!!」
律「背に腹はかえられんからな、致し方ない。 そして呼び捨てはやめろ」
澪「では、頼んだぞ」フリフリ
澪「うん、よろしく」フリフリ
律「…………」ペチッ
澪「んんんっ!!」ビクンッ
律「!?」ビクッ
澪「ふぅ……はぁ……どうした?」
律「い、いや……何でもない」タンッ
澪「ひぁんっ!!」ビクンッ
梓「りつぅぅ! りつぅぅ!!」ブルブル
律(地獄絵図だ……)
澪「ひぃぃん!!」ゾクッ
律「…………」タタッタタタッ
澪「やんっ! あはぁん! ふぁっ!」ビクッビクッ
律「…………」タタタッタタタッタタタッ
澪「ひぃっ! あっ! あふっ! うにゅぅぅぅぅん!?」ビクンッビクンッ
律「…………」タタタタタタタタタッ
澪「あへぇ…………」ビクンッビクンッ
梓「りつ! りつ!!」ガシッ
律「な、なんだ? 別にやましい気持ちなんかないぞ?」
梓「そうじゃなくて、澪先輩……気絶してる」
澪「」ビクンッビクンッ
律「これは……つまり、終わった……のか?」ヘタリ
梓「りつぅぅ!!」ダキッ
律「はは、はぁ……疲れた」ナデナデ
紬「satisfaction......」ウットリ
紬「できることなら、梓ちゃんやりっちゃんともドッキングをして欲しかったのだけれど……ううん、そこまで高望みするのも野暮よね」
紬「唯ちゃんとは結合してくれたし、一晩かけてカメラを設置した甲斐があったというものだわ」ウフフ
唯「へえ、カメラなんてあったんだ?」
紬「ええ、キーボードや食器棚、机の下から窓にエアコンまで、あらゆる所にカメラを…………え!?」クルッ
唯「…………」ニコニコ
紬「あわわわわ」ガクブル
純「というのが事件のあらまし、といっても梓が澪先輩や唯先輩から聞いた話を又聞きしたものだから、実際に起きたこととは多少の差異があるだろうけどね」
菫「……それで、その後はどうなったんですか?」
純「うん、それから一ヶ月もの間紬先輩は、澪先輩のはけ口に宛行われたそうだよ。 自業自得という言葉が合致する事象なんて、実際に起こり得るものだったんだね」アハハ
菫「長年お仕えしてきた身としては、かなりショッキングな話です」
純「こないだ箝口令が解かれたんだよ、本題へ移る前置きとしてこの話題に触れざるを得なくてね」
菫「随分と長い前置きですね」
純「まあね……さて、ここからが本題。 今の話を通じて、スミーレに聞きたいことがあるんだけど」
菫「は、はい……」ゴクリ
純「癖毛が一昼夜で直る薬とか無い?」
菫「ありません」キッパリ
-fin-
乙乙
こっちがほしい
けいおんSSもっと増えねーかな
Entry ⇒ 2012.03.08 | Category ⇒ けいおん!SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
恭介「さやか、可愛くなってきたよな……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329998362/
さやか「やっほ、恭介。お見舞いに来たよ!」
恭介「いらっしゃい、さやか」
さやか「よっこいせ、っと」
恭介「………」ジッ
さやか「? どうかした、恭介?」
恭介「あ、いや……」
恭介(さやか、可愛くなってきたよな……)
恭介(いや、可愛くって言い方はちょっと違うかな。こう、色気?が出てきたよね)
恭介(胸もなんか知らないうちに自己主張し始めてるし……)
さやか「ど、どうしたの恭介?じっと見られると、恥ずかしいじゃん」
恭介「あ、ゴメンゴメン。なんでもないんだ」
さやか「………」
恭介(ああダメだ、なんか気付いちゃったらもうそればっかり気になってしまう)
恭介(それほど大きいってわけでもないけど、これくらいがむしろベストなのかもしれないな)
さやか「そう言えば、最近ウチのクラスに転校生が―――」
恭介(うん、大きいのはいいと思うけど、これくらいあれば十分って範囲に収まってるよねさやかの胸は)
恭介(腰もいい感じにくびれが出てきたし、これはもう立派な大人の女性と言っても過言じゃないね)
さやか「……恭介?聞いてる?」
恭介「ああ、うん聞いてるよ」
さやか「それで、その転校生がまた―――」
恭介(頼めば、胸くらい触らせてくれるかな……いや、いくら幼馴染でもさすがにそれは無理かな)
恭介(第一、僕たち恋人ってわけでもないし……いやでも待てよ)
さやか「………」
恭介「うん、毎日お見舞いに来てくれてありがとうね、さやか」
さやか「いいのいいの、気にしないってことで!幼馴染なんだしさ!」
恭介(幼馴染……今日ほどこの言葉が僕の心に響いたことはなかったな)
さやか「……」
恭介「あ……いや、うん、でもさ、やっぱりこうして来てくれると、僕もありがたいし」
さやか「そう?それじゃ、感謝の言葉、ありがたく受け取っておくことにするよ!」
さやか「じゃね、恭介!」ガララ
恭介「……ふぅ」
恭介「今日もさやかの体を堪能させてもらった……」
さやか「なんか、最近恭介の様子がおかしいような気がするんだよね……」
まどか「え?上条くん?」
さやか「うん。なんて言うか、あたしを見る目がどことなく熱が籠ってるような……」
ほむら「あなたの事を好きになったんじゃなくて?」
さやか「えっ!?い、いやまさか……」
ほむら「隠さなくっても、わたしもまどかもなんとなく気付いているわよ?あなたの気持ちは」
さやか「あ、あたしの気持ちって……?」
ほむら「あなた、上条恭介のことが好きなのでしょう?」
さやか「い、いやいやまさか!」
ほむら「隠さずに言えば、わたしたちも協力してあげないでもないのよ?ね、まどか?」
まどか「うん、そうだね。さやかちゃん、隠してるつもりなんだろうけど……悪いけど、仲のいい人ならみんな気付いてるんじゃないかな」
さやか「……っ……え、えと……」カァァ
さやか「なんだろう、あたしが話しかけても上の空って感じで……」
ほむら「……ほむ。なるほどね」
さやか「え?」
ほむら「間違いなく、彼はあなたに惚れてるわね」
さやか「ま、まさかそんな……都合のいい話が……」
ほむら「とりあえず、そうね。わたしたちも、その彼のお見舞いに行ってもいいかしら?」
さやか「え?あの……どういうこと?」
ほむら「あなたがいない時に、彼の気持ちを探ってみようと思うの」
さやか「なんか……卑怯じゃない?それ」
ほむら「恋と言うのはそんなものよ」ホムッ
まどか「わたしは上条くんとは既に顔見知りだから、行っても不自然には思われないよね?」
まどか「ウェヒヒ、うんわかったよ」
さやか「あたしはどうすれば……」
ほむら「あなたはしばらくお見舞い禁止ね」
さやか「えぇっ!?どうしてさ!?」
ほむら「あら、行きたいの?」ニヤニヤ
さやか「え、あ、えっと……べ、別に行きたいってわけじゃ……」
ほむら「ならいいでしょう?一日くらい行かなくっても、問題ないわ」
さやか「う~……」
恭介「ああ、さやか早く来ないかな……」ソワソワ
恭介「今まで毎日のように来てくれてたのに、今日はなんだか遅いな……」ソワソワ
恭介「早くさやかの体を舐めまわすように眺めたい……」ソワソワ
ガララ
恭介「! さやか?」
まどか「こ、こんにちは上条くん!」
恭介「!?」
まどか「き、今日はさやかちゃん、用事があって来れないみたいで……代わりと言ってはなんだけど、さやかちゃんの親友代表ってことでわたしが来たの」
恭介(鹿目さん……?いや、この際鹿目さんでもいいか。体を堪能させてもらうとしよう)
恭介「あ、うん」
まどか「………え、ええっと……」
恭介(うーん……さやかと比べたら、色々と物足りないな)
恭介(胸も大きいってわけじゃないし、腰のくびれもイマイチだ)
まどか「あ、そ、そういえばね、この前さやかちゃんが―――」
恭介(なんだろう、こう……さやかの体を眺めてる時と違って、込み上げて来るものがないな)
恭介(ああ、そうか。なんて表現したらいいのかわかったよ)
まどか「……か、上条くん?話、聞いてる?」
恭介「キミは幼児体型なんだね」
まどか「!?」
まどか「え、えっと……?え?上条くん?」
恭介「キミじゃ物足りないな。やっぱりさやかが来てくれないと、僕の熱い思いは報われないよ」
まどか「え?え?」
恭介「ごめん、鹿目さん。無理に来てもらうことないよ。さやかが来れない日、って言うのは珍しいけれど、まぁ今日くらいは僕も我慢出来るし」
まどか「……ぅ」ジワァ
恭介「? どうかしたかい?」
まどか「上条くんのスケベぇぇぇ!!」ダッ
恭介「あ、鹿目さん!……行っちゃった」
ほむら「帰って来たわね、まd」
まどか「さやかちゃああああんっ!!」ダキッ
さやか「おぉぉううっ!?どうした、まどか!?」
まどか「あの人ダメだよ!なんかもう、色々と!」
さやか「なんか言われたの?」
ほむら「………」
まどか「あ、あたしの体が、幼児体型って……」グスグス
ほむら「ほう……」ジャコッ
さやか「ほむら、落ち着け落ち着け!」
まどか「だって、現にわたし言われたもんっ!」グス
ほむら「……制裁が必要みたいね、彼には」
さやか「ちょっ、落ち着けってばほむらっ!」
ほむら「わたしは落ち着いているわ。と言うことで、ちょっと彼のところまで行ってくるわ」
さやか「あ、ほむら!……行っちゃった」
まどか「さやかちゃぁん……」グスグス
さやか「とりあえず、まどかも泣きやみなって。きっと何かの間違いだからさ」
まどか「うぅっ……」グス
ガララ
恭介「! さやかかい!?」
ほむら「残念、わたしよ」
恭介「!?」
ほむら「こうして顔を合わせるのは初めてね、上条恭介」
恭介「だ、誰だキミは?」
ほむら「美樹さやかから話は聞いていないのかしら?転校生の、暁美ほむらよ」
恭介「転校生……そう言えば、そんな話をしてたような気もするな」
ほむら(あなたは普段美樹さやかとどんな話をしてると言うの……?)
恭介(ふむ……鹿目さんと違って、すらっと長身……スタイルも悪くは無い)
恭介(それに、黒髪ロング……これだけでポイントはかなり高いはずなんだが……)
ほむら「聞いてるのかしら?」
恭介「ああ、うん聞いてるよ。確かに、さっきまで鹿目さんはここにいたけれど……すぐに出て行っちゃったよ」
ほむら「あなたが酷い事を言ったからではないのかしら?」
恭介(何かが足りない……ああ、そうか)
恭介「胸がないんだ」
ほむら「!?」
恭介「だからこう……込み上げて来るものがないんだね」
ほむら「な……な……」ワナワナ
恭介「暁美さんのスタイルで胸があれば、僕のストライクゾーンだったかもしれないけれど……」
恭介「胸がないとやっぱり物足りないね」
ほむら「ほむっ!!」バチーン!!
恭介「ぶっ!!」ドサッ
ほむら「人の気にしてることをずけずけと!!デリカシーと言うものがないのかしら!?」
恭介「いや、僕は思ったことを言ってるだけなんだけど……」
ほむら「……もういいわ、あなたに構っている程わたしも暇じゃないの!」
ほむら「さようなら、上条恭介。二度とあなたの顔、見たくないわ」ガララ ピシャ
恭介「……今の一撃、響いたな。なるほど、胸がなくてもそっちなら関係ないのか……」
ほむら「………」ゴゴゴゴ
さやか「………え、えっと……」
ほむら「帰りましょう、まどか。時間を無駄にした気分よ」
まどか「う、うん」←ちょっと落ち着いた
さやか「……何があったって言うのさ……」
さやか「と、とりあえずあたしもお見舞い、行ってみよう。直接聞いてみればいいよね」
ガララ
恭介「今度は誰……?」
さやか「や、やっほ、恭介」
恭介「さやかっ!!」パァァ
さやか「あ、あはは!やっぱり来ちゃった!」
恭介「いやいや、いいんだよ。ほら、座って」
さやか「う、うん」(いつも通りの恭介……だよね?)
恭介(やっぱりさやかの体が一番見ごたえあるよね。眼福眼福)ニコニコ
さやか(……まどかとほむらの勘違いだよね、やっぱり。恭介はいつも通りだし)
ほむら「……」ムスッ
まどか「……」ショボン
さやか「え、えっと……」
ほむら「美樹さやか。悪い事は言わないわ、あの男はやめておきなさい」
さやか「いや、あの後あたし普通にお見舞い行ったけど、いつも通りだったよ。まどかとほむらの勘違いなんじゃないの?」
ほむら「まどかもわたしも彼に直接悪口を言われているのよ?勘違いも何もないと思うのだけれど」
さやか「うーん……解釈の違いだったり、とか?」
ほむら「胸がないと言われてどう変に解釈すればいいのかしら?」
さやか「………」
仁美「お話は聞かせていただきましたわっ!」バァン!
まどか・ほむら・さやか「!?」
さやか「え、えっと、仁美?」
仁美「それで、彼の気持ちを探ろうと、そういう話ですわね!?」
さやか「今ここで話してないことまでなんで知ってるのさ!?」
仁美「それならわたくしにお任せくださいな!もう、一から十まで聞きだして見せますとも!」
ほむら「……志筑さん、ちょっといいかしら?」グイッ
仁美「? なんですの、暁美さん?」
ほむら(色々と説明が面倒だから省くけれど、あなた、上条恭介のことが好きなのよね?)ヒソヒソ
仁美(え!?ど、どうしてそれを!?)
ほむら(いいわ、あの男をさやかとくっつけるのはどうにも癪だし、あなたが彼を落としてくれるとありがたいわ)ヒソヒソ
仁美(え、ええとその……わ、わかりましたわっ!わたくしなんかでよければっ!)
恭介「今日もさやか、来てくれるかなぁ」
ガララ
恭介「!」
仁美「し、失礼しますわ」オズオズ
恭介「………えっと、キミは確か……」
仁美「志筑仁美ですわ、上条さん」
恭介「ああ、うん……」(なんで志筑さんが僕のお見舞いになんか……?)
仁美(き、緊張しますわね、ほぼ密室に二人きりですと……)
恭介(ただ……どうしても、気になる部分がひとつ)
仁美「あ、あの、上条さん?」
恭介「その頭は、パーマをかけてるのかな?」
仁美「っ! え、ええそうですけれど……」(この髪形、気に入ってくれたのでしょうか……?)
恭介「いや、確かにパーマをかけてると大人びて見えるけれど……」
恭介「キミの地毛の色も相まって、あれだね」
恭介「ワカメに見えるよね」
仁美「!?」
恭介「それ以外はさやかといい勝負なだけに、余計に目が行ってしまうよ」
仁美「え、あ、あの……」
恭介「なんか、志筑さんの頭を見てたらお腹減ってくるなぁ」
仁美「……」ウルウル
恭介「……あれ?志筑さん?」
仁美「し、失礼しますわっ!!」ダッ
恭介「あ!……行っちゃった」
恭介「とりあえず、バナナでも食べようかな……」
さやか「あ、仁美出てきた」
仁美「っ……」ダッ
まどか「あ、仁美ちゃん!?」
ほむら「わたしが行くわ」タッ
まどか「まさか、仁美ちゃんも何か言われたのかな……?」
さやか「うーん……さすがに被害者が三人になると、あたしも恭介のこと庇いきれなくなりそうだね……」
ほむら「志筑さん、大丈夫?」
仁美「うぅっ……上条さんがあのような事を言うとは思いませんでしたわっ……もう、彼の事を好きでいられませんわ……」
ほむら(……今までループしてきた世界では、ほとんどの確率で二人はくっついていたと言うのに、容赦ないのね……)
・M
・正直
こんな奴にマミさん会わせたら…
さやか「仁美は?」
ほむら「家に帰したわ。酷くショックを受けていたみたいね」
さやか「……あたし、ちょっと恭介に確認した方がいいんじゃないかな?」
ほむら「いえ、その前にもう二人ほど、彼に会わせて確かめたいことがあるわ」
まどか「え、二人って……まさか?」
ほむら「ええ。巴マミと、佐倉杏子ね」
ほむら「この二人を相手にして酷い事を言うようなら、もう救いようがないってことになるでしょう?」
さやか「マミさんはともかく、杏子はまずいんじゃないかな……もしホントにそういうことになったら、勢い余って殺しかねないよ?」
ほむら「それならそれで世の為になるわ」
まどか「うん、そうだね。わたしも賛成かな」
さやか(あたしじゃもう既に庇いきれなくなりつつある……)
杏子「おい、わざわざ悪口言われるってわかってて行くバカがどこにいるんだよ?」
マミ「そうね……わたしもそれはゴメンね」
ほむら「美樹さやかの恋がかかっているのよ。どうにか、了承してくれないかしら?」
杏子「うーん……思わず手ぇ出ちまってもかまわねぇってんなら行ってやってもいいけど」
ほむら「ええ、そうなった場合は仕方ないわ」
杏子「本気かよ……?」
ほむら「これでもわたしはわたしなりに美樹さやかのことを思って行動しているの」
さやか「なんか色々と複雑な心境だけど……お願い出来ないかな?」
杏子「ちっ、しゃあねぇな……行くだけ行ってやるか」
マミ「そうね、ホントに美樹さんの為になるのなら……」
ほむら「ああそうそう、二人一緒に行かずに、一人ずつ行って欲しいの」
ほむら「二人一緒だと、何も発言しない恐れがあるわ」
さやか「なんか徹底してるね……何が目的だったっけ?」
杏子「えーと、上条上条……おっ、あった。ここか」
ガララ
恭介「さやかかい?」
杏子「いや、さやかじゃねぇよ」
恭介「? だ、誰?」
杏子「さやかの……まぁ、なんつーか、友達だ」ポリポリ
杏子(こういう自己紹介はちっと照れ臭いな……)
恭介「ああ、さやかの友達か。さやかから話を聞いたのかい?」
杏子「まぁそんなとこだ。椅子、座っていいか?」
恭介「うん、いいよ」
杏子(悪い奴な印象はとりあえずねぇな……)
恭介(文句のつけどころがないな。スタイルもいいし)
杏子(さやかの話の通り、人をじろじろと見る奴だな……)
恭介(うん、これなら問題ない。眼福だ)ニコニコ
杏子「………」
恭介「………」
杏子(特になんも言ってこねぇ……?)
恭介「………♪」
杏子(むしろ機嫌よくねぇか……なんか、居心地わりぃな……)
恭介「ん、何?」
杏子「まどかやほむらが来た時に、お前、なんか言ったのか?」
恭介「え?なんかって?」
杏子「ほら、こう……人を傷つけるようなこととか」
恭介「僕は僕の思ったことしか言っていないはずだけど……?」
杏子「具体的に言ってみろ」ギロ
恭介「……ああ、その顔いいね」
杏子「!?」
杏子「え、ちょ……」
恭介「さやかには及ばないけど、キミも中々見ごたえのあるいい体をしてるね」
杏子「な、なんだよいきなり……」
恭介「キミさえよければ、今後も僕のお見舞いに来てほしいんだけれど?」
杏子(なんだこいつ……何を考えてるのかさっぱりわかんねぇ……)
恭介「ダメかな?」
杏子「わ、悪い。あたし、もう行くわ」スタスタスタ
恭介「あ……行っちゃった」
ほむら「しかめっ面ね。どんなことを言われたのかしら?」
杏子「……いや、なんも」
まどか・ほむら「!?」
杏子「あいつ、お前らが言うほど悪い奴じゃねぇんじゃねぇかな。確かにちょっとエロいとこはあるみてぇだけど」
さやか「ほ、ほら!杏子が行っても何もなかったんだし、きっとまどかとほむらも何かの間違いだったんだよ!」
ほむら「そんな馬鹿な……」
まどか「杏子ちゃん、上条くんのこと庇ってない?」
杏子「いや、あいつを庇う理由なんかねぇだろ」
ほむら(どういうこと……?)
ほむら「後はあなたに全てがかかっているのよ。お願い、行ってきて、マミ」
マミ「で、でも彼、佐倉さん曰くちょっとエロいところがあるって……」
ほむら「マミの体なら大丈夫!自信を持ちなさい!」
マミ「それは褒められているのかしら……まぁ、いいわ。それじゃ、ちょっと行ってくるわね」
杏子「つかあいつ、天然の女たらしじゃねぇかな?」
さやか「いや、あんたは人の幼馴染をなんだと思ってんのさ……」
恭介「はい、どうぞ」(なんか久々にノックされた気がするな……誰だろう?)
ガララ
マミ「こんにちは。ええと……上条くん、よね?」
恭介「!?」
マミ「あ、あら?違った?」
恭介「いえ、ぼ、僕が上条ですけどっ!?」
マミ「よかった。美樹さんから話は聞いてるわ。わたしは巴マミ」
恭介「最近はさやかの友達がよく来るんですけど……何かあったんですか?」
マミ「わたしもよくわからないけれど……あなたのことが心配だから、じゃないかしら?」
マミ(な、なんだか居心地が悪いわ……)
恭介(とにかく胸がすごいことになってる。なんだあれは。最早凶器じゃないか)
恭介(あれで人を殺せそうだよな……主に窒息的な意味で)
マミ「あ、あの……?」
恭介「すみません、ちょっと黙っていてくれますか?」
マミ(なんなの……?)
恭介(でも、胸以外は平均的……むしろ、少しふとましいとさえ言える)
恭介(しかしそんなことを言うのは無粋だと思えるほどに、自己主張の激しい胸だ)
恭介(さやかがこれくらいの胸だったら……っ)ポタポタッ
マミ「!?」
恭介「っ……すみません、ちょっと妄想が膨らみまして……」
マミ「い、いいからティッシュをっ!」
~~~
恭介「ふぅ……」
マミ「一体何を考えていたのかしら?」
恭介「いや、あの……」
マミ「?」
恭介「えっと……その胸、なんですけど……何をしたらそこまで大きくなるんですかね?」
マミ「えっ?」
マミ「初対面の相手に対して、いきなり聞く様な話題かしら?それは」
恭介「あ、あの……もしかして、怒ってます?」
マミ「ちょっとだけ、ね。どうやらそれだけ正直だと、他の人の言ってたことも間違いではなさそうね?」
恭介「僕は誰よりも自分に正直な自信がありますからね!」
マミ「威張るようなことじゃないでしょう!反省しているのかしら!?」
恭介「すみません……」
マミ(……悪い子では、なさそうね)
マミ「いい、上条くん?自分に正直なのはいいことだけれど、なんでも思ったことをすぐ口にするのはどうかと思うわよ?」
恭介「はい、わかってはいるんですけど……」
マミ「少しは、相手の気持ちも考えて発言しなさい。いいわね?」
恭介「努力します……」
恭介「僕の幼馴染、いるんですけど……彼女、最近可愛くなってきたと思いません?」
マミ「はい?」
恭介「いや可愛いのは昔からなんですけど、なんて言うか、こう……色気!色気が出てきたと思うんですよね!」
マミ「いや、あの、ちょっと……」
恭介「それでも毎日のように僕のお見舞いに来てくれて、僕も暇してるからそれがすごいありがたくって」
恭介「でも、ちょっと困ったこともあるんですよね。こう……毎日のように近くにいられると……」
恭介「あれですよ!込み上げて来るものがあるんですよ!なんなんですかね、あれは?」
マミ(暴走し始めてるわ……どうすればいいのかしら……)
恭介「なんて言うかね、僕ももう辛抱たまらんって感じなんですよ!」
恭介「近くに座られるから、こう、決して大きいってわけじゃないけどそれなりに自己主張している胸とか」
恭介「女の子特有の甘い匂いとかもするし」
恭介「スタイルもいいじゃないですか、彼女!」
恭介「ああもう、一体僕はどうすればいいんですかね?」
マミ「ええと……それはつまり、あなたは美樹さんの事が好き、と言うこと?」
恭介「え?」
マミ「え?」
マミ「だから、あなたは美樹さんのことが好き、と言うことかしら?」
恭介「………………………おお」
マミ「なにかしら、その『合点が行った』みたいなノリは」
恭介「なるほど、言われるまで気付きませんでした。僕、彼女の事が好きだったんですね」
マミ「まさか、今までその自覚も無しに発言していたのかしら?」
恭介「ええ、ありませんでしたね」
マミ「反省しなさい!」バチンッ
恭介「オブッ!?」ドサッ
マミ「何!?じゃああなたは好きな自覚も無しに美樹さんをそう言う目で見ていたの!?」
恭介「ええと、はい、まぁ、そういうことになりますね……」
恭介「頭痛薬ありますよ?飲みますか?」
マミ「比喩表現よ!真に受けないでくれるかしら!?」
恭介「すみません……」
マミ「まぁいいわ。なら、その気持ちを早く美樹さんに伝えてあげることね」
恭介「………エ?」
マミ「どうかしたのかしら?」
恭介「ボクノキモチヲサヤカニツタエル、デスカ?」
マミ「何故カタコトで話しているの……?」
恭介「残念ですが、僕にそんな度胸はありません」
マミ「自信満々に言いきるところがいっそ清々しいわね……」
恭介「もしうまくいかなかったらどうするんですか!」
マミ「どうしてそうネガティブ方面にポジティブなのよ!?」
恭介「これで振られたら、今までお見舞いに来てくれるような微笑ましい関係も何もかもパーですよ!?」
マミ「………」
恭介「………」
マミ「残念だけれど……わたしからはそれくらいしか言えないわ」
恭介「そうですか……」
マミ「まぁ、あなたも自分の気持ちに気付けたし、一歩前進ってことで今回は終わりかしらね」
恭介「うーん……なんかこう、さやかの事が好きだって自覚が芽生えちゃったら、顔を合わせるのが恥ずかしくなりそうなんですけど」
マミ「それはさすがに知らないわよ。あなた自身の問題でしょう?」
恭介「はい、ありがとうございます」
マミ「美樹さんと恋人同士になりたいのなら、頑張りなさい?わたしは応援させてもらうわ」
恭介「ど、努力します」
マミ「それと、思ったことをすぐ口に出すのもやめること。いいわね?」
恭介「ど、努力します……」
ガララ
恭介(そうか……さやかの事が好きだったのか、僕は)
恭介(あれ、巴さんって確かさやかと知り合いだったような……っ!!?)
恭介「と、巴さああああああああああああん!!?さやかには言わないでくださいよおおおおおおおお!!!?」
他のSSでの扱いが基本的にあれだしな
ほむら「大方、あの変態に捕まっているんじゃないかしら?」
杏子「ほむらやまどかが言うような奴だとは思えねぇけどな……」
まどか「あっ、マミさん戻ってきた!」
マミ「ふぅ……」
ほむら「どうだったかしら、マミ?彼と会った感想は」
マミ「ええ。悪い子、と言うわけではなさそうと言った感じかしら」
ほむら「嘘……でも、わたしとまどかには酷い事を言ったのよ?」
マミ「思ったことをすぐ口に出す癖があるみたいね、彼は」
まどか「そ、それはつまりわたしはやっぱり……」
ほむら「いけないわね。やはりここで始末しておいた方が……」
さやか「す、ストップストップ!ほら、マミさん言ったでしょ!?ちょっと素直すぎるだけなんだってば、恭介は!」
さやか「?」
マミ「ふふ、美樹さんも、頑張ってね?」
さやか「え?」
マミ「それじゃ、わたしたちは帰りましょうか?」
ほむら「いえ、まだまどかを泣かせた愚か者の処分が済んでいないわ」
まどか「わ、わたしのことはもういいよ……わたし自身も、自覚はあるつもりだから……グスン」
マミ「彼のこと、話をした時間はそれほど長くないけれどわたしはわかったつもりよ」
マミ「あとは当事者同士の問題ってところかしらね」
さやか「えっと……それじゃ、あたしはまた恭介のお見舞いに行くんで」
マミ「ええ、行って来なさい。彼も、喜ぶと思うわ」
恭介「!」
さやか「や、やっほ!恭介」
恭介「さやか……」
さやか「マミさんと結構話しこんでたみたいだね?」
恭介「う、うん、まぁね」
恭介(こ、これは……巴さん、さやかに僕のことを全て話してしまったんじゃないだろうか……)
さやか「何の話をしてたの?」
恭介(か、カマをかけられてるのか!?これは!?)
さやか「?」
恭介「い、いや、他愛ないことだよ、あ、あははは……」
恭介「えっ?」
さやか「まどかと仁美はなんか落ち込んでるし、ほむらはすごいご乱心だし……」
恭介「え、えっとね……」
恭介(巴さんに『思ったことをすぐ口に出すな』って言われてるからな……)
さやか「正直に言って?場合によっては……」
恭介「い、言うよ!だから、その、ちょっと待ってくれ!」
恭介「ええと、確か鹿目さんには……幼児体型、って言ったんだったかな」
さやか「!?」
恭介「いや、悪かったって思ってる!ホント、ホントだって!」
さやか「……ほむらには?」
恭介「む、胸がない、と言ったような……」
さやか「……………仁美には?」
恭介「髪がワカメに見える、と……」
さやか「………」
恭介「悪かったと思ってます、ホントです」(うう、さやかの目が怖い……)
さやか「悪気はあったの?」
恭介「悪気はありませんでした、ホントです」
さやか「………それじゃ、今度まどか達を連れて来るから、ちゃんと謝ってよ?」
恭介「もう僕に会ってくれないんじゃないでしょうか……」
さやか「その辺のフォローはあたしがしとくから」
恭介「すみません、ホントすみません……」
ほむら「わたし、もう彼の顔は見たくないのだけれど?」
まどか「わ、わたしも会いたくないかな……」
仁美「……複雑な心境ですわ」
さやか「いやまぁ、みんなの気持ちはわかるけどさ。でも恭介も反省してるみたいだし、謝りたいって言ってたから、それで許してあげてよ」
ほむら「それは彼の態度次第ね」
さやか「うーん……、それじゃ、行くよ」
ガララ
恭介「あ、さy」
さやか「約束通り、連れてきたよ」
まどか「……」
ほむら「……」
仁美「……」
恭介「」
恭介「! あ、あぁうんっ!」
恭介「え、えっと……この度は、皆々様方お揃いで、僕の病室へようこそ、あ、アハハ……」
ほむら「挨拶はいいわ。わたしたちに言うべきことがあるんじゃないのかしら?」
恭介「え、ええはいそれはもうっ!先日は大変失礼な事を言ってしまい、今回それの謝罪をしたいと思いましてですね、えっと……」
恭介「すみませんでしたぁっ!!」ガバァッ
まどか「えと……謝罪もそうなんだけど、なんであんなことを言ったのかの本音を聞きたいかな、なんて……」
恭介「それは、その……」
ほむら「何か言いづらいことでもあるのかしら?」
恭介「じ、実はですね、僕、どうやら思ったことをすぐ口に出してしまう癖があるようで、僕も治したいとは思っているのですが……」
恭介「それはもう、海より深く反省しています……」
仁美「どちらにしても、もうわたくし、以前のように接する事は出来そうにありませんわ」
恭介「僕のことはいくら嫌ってくれても構いませんが、えと、さやかは何も悪くないので、嫌うのは僕だけにしていただけたらな、と……」
まどか「………」
ほむら「………」
仁美「………」
さやか(ちょっとだけ恭介が不憫に思えてきた……完全に自業自得なんだけどさ……)
まどか「うん……」
仁美「お顔を上げてください、上条さん」
恭介「え、ええと……それじゃ、その……許していただけるのでしょうか……?」
ほむら「あなたの誠意は伝わったけれど、それとこれとは話が別ね」
恭介「スミマセンデシタ……」
ほむら「反省していると言うのは伝わったわ。ね?二人とも」
まどか「う、うん……まぁ、上条くんがわたしのことをどう見ていたのかはわかったよ」
仁美「わたくしも、よくわかりましたわ」
ほむら「あなたが今後同じことを言わないと誓えるのなら、わたしはもう気にしないわ」
まどか「わ、わたしも……自覚は、一応あるつもりだから……」
仁美「わたくし、この髪形変えた方がよろしいのかしら……?」
さやか(お?なんか許す流れになってる?)
恭介「わ、詫び……ですか?」
ほむら「あなたの反省の証として何かひとつ、欲しいと言っているの」
恭介「は、反省の証と言われましても、その……何をしたらいいのでしょうか……?」
ほむら「あなたの心中をひとつ、ここで告白してもらおうかしら」
恭介「!?」
ほむら「誰にだって、ひとつくらい人に言えない秘密があるでしょう?」
ほむら「それをここで吐露することで、反省の証としてあげるわ」
恭介「ぼ、僕の心中ですか……それは、その……」
ほむら「あら?言えないのかしら?」
ほむら「そうね。何かあるでしょう?」
恭介「………じ、実はその……」
まどか「ほ、ほむらちゃん、もう許してあげてもいいんじゃないのかな……?」
ほむら「ダメよ、ここで許したらこいつはまた調子に乗るに決まっているわ」
恭介(人に言えないことと言ったら……やっぱり、あれしかないよな……)
ほむら「さあ、言いなさい」
恭介「き、昨日自覚したばかりの事なのですが………」
恭介「ぼ、僕はどうやら、さやかの事が好き、みたいで、その」
ほむら・まどか・仁美「!?」
さやか「!!!??」
ほむら「………」
まどか「………」
仁美「………」
さやか「え、ちょっ、あの……」
恭介「でも、僕が告白出来るようなことと言ったらこれくらいしかなくてですね、その……」
恭介「第一、僕は基本的に隠し事をしない人間ですので、ホントにこれくらいしかなくて……」
ほむら「……なんか、ごめんなさい」
まどか(き、気まずいよ仁美ちゃんっ!!)
仁美「」
恭介「ほ、ホントですかっ!?」ガバッ
ほむら「まさか今ここでそんな爆弾発言が出るとは思っていなかったもの」
ほむら「行きましょう、まどか、志筑さん」
まどか「仁美ちゃん?」
仁美「うふふふふふふ、なんですかぁ鹿目さん?」
まどか「ひ、仁美ちゃんっ?どうしたの?」
仁美「いえ、なんでもありませんわぁ。それじゃ上条さん、美樹さん、ご機嫌よう」
ほむら(志筑仁美……心中察するわ)
さやか「えと、あの、恭介……?」
恭介「ん、何、さやか?」
さやか「さっき言ったことだけど、その……」
恭介「? さっき言ったこと……?」
さやか「あ、あたしの事が好きだとか、なんとか……」
恭介「……―――!!?」
さやか「ほ、本気……なの……?」
恭介「いいいいいいいいいいやそれはそのええと………」
さやか「まさか、嘘、だったの……?」
恭介「い、いやホントだよっ!?う、うん、昨日ね、巴さんと話をしててねっ!うん!それで自覚したんだよ、うんっ!」
恭介(い、勢い余って色々言っちゃったような気がするけど……ど、どうなるんだ、僕は一体……っ!?)
恭介(なぜこんなことになったんだ!?いや、全ては僕の正直さが招いた結果か!!)
恭介(こ、こんな空気で告白なんかしたって、イエスなんて貰えるわけない……)
恭介「……短い、春だったな……」
さやか「え?恭介?」
恭介「ははは、幻滅したよね……そうさ、僕は思ったことをすぐ口に出すような、そんな男さ……」
恭介「もういいや。この際だから全部言っちゃおうか?」
さやか「いや、ちょっと待ってよ恭介!なんでもう諦めモードなの!?」
恭介「え?」
さやか「え?」
さやか「う、うん……わかってるよ」
恭介「キミの親友に酷い事を言っちゃう最低な奴だよ?」
さやか「うん、わかってるよ」
恭介「ぐっ!」グサッ
さやか「でも、それとこれとは話が別……いや、別とも言い切れないっか」
恭介「ど、どういうこと?」
さやか「あたしは、その……そう言うところも含めて、恭介のこと……えと、好き、だよ?」
恭介「………はい?」
恭介「えっと……さやか?」
さやか「でも、そんくらいであたしが恭介のこと嫌いになるわけないよ」
恭介「っ!?」
さやか「もう……なんであたしが恭介の為にここまでしたと思ってるのさ?」
恭介「え、いや、そりゃ幼馴染が嫌われるのはいやだからとかそんな感じじゃ?」
さやか「ただの幼馴染の為だけにここまですると思う?」
恭介「………思う」
さやか「はぁ……あんたも相当鈍いねぇ」
恭介「え?じゃあ何?僕たち両思いってこと?」
さやか「まぁ……そんな感じでひとつ」
さやか「……もう、女の子の方から言わなきゃわかんないの?」
恭介「えっ?」
さやか「両思いだってことがわかったんなら……その後に、続く言葉があるんじゃないの?」
恭介「あ、あぁそうだねっ!え、ええっと……それじゃ……」
恭介「ちょっと、僕の近くに来てくれる?」
さやか「?」トコトコ
恭介「ん」グイッ
さやか「え」グラリ
チュッ
恭介「両思いなら、これくらいは普通だよね?」
さやか「ちょっ、え、なんでっ……!?」
恭介「あれ、違った?」
さやか「~~~~~~……恭介の馬鹿っ!!」ダッ
ガララ ピシャッ
恭介「……あれ?僕なんか間違えた?」
さやか「はぁっ、はぁっ……」
さやか「……もう、恭介の馬鹿……!」
恭介「はぁ……昨日は結局あれ以降はさやか、来てくれなかった……」
恭介「僕、なんか間違えたかなぁ……」
ガララ ヒョコッ
恭介「?」
さやか「………」ジーッ
恭介「あ、さやか。来てくれたんだ」
さやか「………ん」オズオズ
恭介「どうかした?なんか、様子おかしいけど?」
さやか「き、昨日は、その、ゴメン」
恭介「え?さやかが謝ることなんて何もないでしょ?」
恭介「ああ、別に気にしてない……ことはないけど、いいよ、うん」
さやか「それで、えっと……」
恭介「?」
さやか「あ、あたしたちさっ!両思いなんだよね!?」
恭介「うん、そうだね」
さやか「なら、さ……つ、付き合おっか?」
恭介「え?」
さやか「え?」
恭介「いや、僕はもうすっかりそのつもりだったんだけど……」
さやか「~~~……だから恭介は馬鹿なんだよ……」
さやか「お互いの気持ちを知っただけで、まだ付き合ってはいないの!」
恭介「そうだったの!?」
さやか「だから、こういうことを女の子の口から言わせないでよ……」
恭介「あー……ごめん」
恭介「んー………コホン!それじゃ、改めまして……」
恭介「僕と、付き合ってくれる?」
さやか「……うん!」
終わり
恭介がまどか、ほむら、仁美をディスったりしたけど
俺はまどマギキャラはみんな好きだ!
それだけ言いたかった
よかったよ
お疲れ様でした
さて、続きが楽しみだ。
恭介「いやぁ、やっと退院出来たよ」
さやか「退院おめでと、恭介」
恭介「でも、腕はもう治らないみたいなんだ……」
さやか「……」
恭介「奇跡か魔法でもあれば、治るんだろうけど……はは、今更、都合のいいことなんて言えないよね」
さやか「奇跡か魔法でしか治せないんだったら、さ……」
恭介「え?」
さやか「後は、自分でその奇跡を掴み取るしかないよ、恭介」
恭介「……うん、そうだね」
さやか「あたしは、恭介の支えになるからさ。元気出してよ。ね?」
恭介「さやかが側にいてくれるんなら……奇跡も、掴めそうかな」
さやか「その意気だ、恭介!頑張れ!」
蛇足終わり
Entry ⇒ 2012.03.08 | Category ⇒ まどかマギカSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
弟「気まずい」姉「……」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1329748541/
このSSはSS深夜VIPのSSです
弟「ただいまー」ガチャ
姉「…」トントン
弟「このように僕が帰ってくるとそそくさと自分の部屋に行ってしまいます」
弟「因みに僕は部活で遅いのでご飯が遅いのです」
姉「…」トコトコ
弟「ちようど良いところにお姉ちゃんが降りて来ました」
姉「…」
弟「お姉ちゃん!ご飯美味しかったよ!」
姉「そ…」トントン
弟「返事を貰えました!今日は機嫌がいいみたいです」
弟の部屋
弟「最近僕はパソコンにはまりはじめました」
弟「なになに?『最近妹が素っ気ない』か」
弟「『分かる、姉がいるんだけど話しすらしてくれない』っ
と」
姉「今日も会話出来なかったな…」
姉「弟…いっつも私に話し掛けてくれるのに…」
姉「はぁ…スマホでもしよ」
姉「やっぱ使いにくい…」
姉「ん…?『最近妹が素っ気ない』…か」
『分かる、姉がいるんだけど話しすらしてくれない』
姉「『きっと事情があるんだよ、察して挙げな』…っと」
弟(どんな事情なんだろ…寂しいな…)
友「で、昨日もダメだったと」
姉「はい…」
友「素直になっちゃえば良いのに」
姉「それが出来ないから相談してるんじゃない」
ピポパ
トゥルルルル
ピッ
友「もしもしー?」
友弟『おう、姉ちゃんどうした?』
友「どうした?じゃねぇよ、購買でパン買ってこい」
友弟『は?またかよ』
友「文句言ってねぇで買ってこい」
友弟『へいへい』
ピッ
その辺はノリ
友弟「ってことで行ってくる」
弟「大変だね」
友弟「ま、ちょうど俺も買いにいくつもりだったからな」
弟「姉思いだね」ニヤニヤ
友弟「ばっ…俺ののついでだよ!ついで!」
友「あんがとー」
友弟「じゃ、俺帰るわ」
友「うむ、ご苦労じゃった」フリフリ
姉「いい弟君だね」
友「ま、いいパシリよ」
姉「もう一人弟として欲しいくらい」
友「だ、ダメだよ!あいつはあたし専用なんだから!」
姉「はいはい」ニヤニヤ
弟「ただいまー」
姉「…」(なんか言わなきゃ!おかえり!?…いや…むむむ…)トントン
弟「今日も駄目っぽいなぁ…」
姉の部屋
姉「はっ…!?」
姉「あ、戻って来てる…」
姉(やっちゃったー!!)
姉「あ、もしかしたらすれっどとかいうのを建てれば相談に乗ってくれるかも!」
姉「えっと…『弟に冷たく当たっちゃうんだけどどうすれば良い?』っと」
姉「え?スペック?えーっと…」
弟「やっぱりお姉ちゃんの料理は美味しいですはい」
弟「さて…パソコンでもしますか」
弟「え?…『弟に冷たく当たっちゃうん だけどどうすれば良い?』…って…」
弟「みてみよう」カチッ
弟「好き…」
弟「いや!まだお姉ちゃんだと決まった訳じゃないんだ!」フルフル
弟「…こ、これは…」
弟「スペックが全部一緒…?」
弟「お姉ちゃん入るよ!」ガチャ
姉「え…?きゃっ!」
弟「ちょっとスマホ見せて」
姉「う…うん」
弟「やっぱり」
姉「弟…これは…」
姉「だって…弟を好きになっちゃうなんて変だし…」
姉「は、はずかしいから…」
弟「あぁ、もう可愛いなぁ…」ギュッ
弟「お姉ちゃ?・ん」ギュウウ
姉「あ…ぁ…」
弟「ん…?どうしたの?」
姉「」
弟「あ、気絶してる」
弟「いいじゃん!可愛かったよ、お姉ちゃん!」
終わり
ってやつか?
書く気あるなら書けばいいし無いなら書かなきゃいいさ、自分で決めれ
姉「どうも、弟となかを戻して更に仲良くなった姉です」
姉「突然ですが皆さんに報告があります」
姉「おーい!一緒に買い物いこー?」
弟「めんどくさい、勝手に行けば?」
姉「一緒に行きたいのになー」
弟「…早く順備して」
姉「行ってくれるの?」
弟「買いたい物があったのを思いだしただけだよ」
弟「あっそ…」
姉「弟は楽しくないの?」
弟「あんまり」
商店街
姉「はぁ?・あのネックレス綺麗ね」
弟「そーだね」
姉「あ、ごめんね、寄り道はこのぐらいにして行こう」
姉「へ…?」
弟「僕が買いたいのがあったから買ってくる」
姉「うん!」
ショッピングセンター
弟「買い物って本なんだ」
姉「うん、ここぐらいでしか取り扱ってなくてさ」
弟「うん」
夕食後、姉の部屋
姉「ふぅ…いいお湯だったー」ホカホカ
姉「ん…?これ…」
姉「あのネックレスだ…」
姉「ふふふ…」
姉「原因は私はが弟をどう思ってるか気付いてなかったから積極的になれたけど」
姉「知ってから恥ずかしくなっちゃったんだと思われます」
姉「そこで私は弟に積極的にアタックすることで」
姉「あの子のシスコンを復活させることにしたのです!」
姉「お礼はあした言おうっと、おやすみー」
朝
姉「おはよー!」
弟「ん…」
姉「なによ?元気無いじゃない」
弟「気にしないで良いよ」
姉「そう…気をつけてね」
友「で、両思いになれたと」
姉「恥ずかしい言い方だけど…そう」
友「良かったじゃない!あ、またちょっと待ってね」
ピポパ
トゥルルルル
ピッ
友弟「ほほう、急に恥ずかしくなったと」
弟「うん…」
友弟「ま、誰にもよくあることさ、俺だって―――」
トゥルルルル
ピッ
友『もしもしー』
友弟「おー姉ちゃん、また購買か?」
友『それもあるんだけどまた別の用事、あとで図書室ね』
友弟「おう!了解」
ピッ
弟「行ってらっしゃい」
図書室
友「で、どうだった?」
友弟「なにが」
友「弟の様子よ!嬉しそうだったとか」
友弟「あーそれなんけどさ」
友弟「どうするんだ?」
友「今回ばかりは自分たちで解決してもらわないとね」
友弟「そうだな…」
友「でも懐かしいわ~前のあんたもそういうことあったわねぇ」
友弟「うるせぇ!」
友弟「ああ」
友「ちゃんと伝えてきなさい」
友弟「おぉ」
弟「長かったね」
友弟「ちょいと姉ちゃんと話してきたんだ」
弟「へー」
友弟「あ、俺と姉ちゃんからお前に一つだけ」
弟「なに?」
友弟「自分に素直になれよ」
家
弟「ただいま…」
姉「おかえりー」ダキッ
弟「え?」
姉「遅かったわねぇ」ギュウウ
弟「」
姉「弟…?」
姉「!?」ビクッ
弟「お姉ちゃん!お姉ちゃん!」ギュウウ
姉「え…?えぇぇぇ!?」
弟「大好き!!超大好き!!」ギュウウ
姉「ふぁ…は…」
弟「お姉ちゃん…?」
弟「あ、また気絶してる…」
弟「おねぇちゃーん」ギュウウ
終わりセカンド
Entry ⇒ 2012.03.08 | Category ⇒ 兄弟姉妹「」SS | Comments (1) | Trackbacks (0)
男「捕まった」 エルフ「ふふふ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330343764/
男「(俺のいた国とエルフ族が戦争を始めて約1ヶ月)」
男「(開戦してからしばらくは、我が国とエルフ族の戦力は5分5分だった)」
男「(しかし、しばらくすると強力な魔法を使用してくるエルフ族が優勢となり)」
男「(我が国は劣勢となった)」
男「(そこで政府は数でゴリ押しをするために、俺達一般市民や低階級の者にも召集令状を出した)」
男「(そして俺は戦争に参加するはめになった)」
男「(……現在は本隊からはぐれて迷子中である)」
男「……おーい!誰かいないか?」
男「いい歳こいて、森の中で迷子になるとは……」
男「……めんどくさいから、このまま逃げようかな?」
男「まだ死にたくないし、終戦までどこかに隠れて」
男「終わったら、家で酒でも飲むか!」
男「そうと決まったら早いとここの森から抜けるか!」
男「……」
男「森から出れない……」
男「というか自分がどこにいるのかもわからないのに、迂闊だった……」
グギュルルルルルル
男「……腹減ったな」
男「……ん?なんだ?あれは」
男「とりあえず、中に入ろうかな」
男「……待てよ?これは罠かもしれない」
男「入った瞬間に、背後からやられるかも……」
グギュルルルルルルル
男「……飢え死にするよりはましかもな」
男「お邪魔しまーす……」
男「……誰もいないのか?」
男「……食料は無いかな?」
男「……台所だな」
男「なにかないかな?」ガサゴソ
トコトコ
エルフ「……」
男「うーん」ガサゴソ
エルフ「(戦争がめんどくさいからここの小屋に隠れてたのに)」
エルフ「(まさか人間が入ってくるとは)」
男「なにも無いなー」ガサゴソ
エルフ「(盗人?)」
エルフ「(偵察?)」
エルフ「(……それとも殺しに?)」グッ
男「ん?なんだ?」
エルフ「覚悟!!」ダッ
男「え?」
ゴッ!
ドサッ
男「」ピクピク
エルフ「やっちゃった……」
エルフ「でも、まだ息をしているみたいだし」
エルフ「監視も兼ねて、捕まえておこう……」
____
__
_
ジャリッ
男「ん?……鎖か?これ?」ジャリッ
男「というか、なんで俺はベットに首輪で繋がれているんだ?」
エルフ「起きた?」
男「!?」
エルフ「なにをそんなに驚いているの?」
男「エ……エルフか?」
エルフ「うん」
男「(どうやらこの小屋はエルフの罠だったらしい)」
男「(しかも、相手はエルフ、何をされるかわかったものじゃない、最悪だ)」
男「……殺すのか?」
エルフ「?」
男「エルフ族からしたら、人間は敵だもんな」
男「お前は俺を殺す気だな!」
エルフ「え?、貴方は私を殺しにきたんじゃないの?」
男「……は?」
男「……ちょっと待ってくれ」
エルフ「何?」
男「君は、俺がこの場所を知っていて、襲撃しに来たとでも?」
エルフ「うん」
男「……それは誤解だ、俺は腹が減ってなにか食べ物がないかこの小屋にだな」
グギュルルルルルルルル
男「……」
男「うん」
エルフ「そう……」
男「だったら、この鎖を外してくれないか?」ジャリッ
エルフ「なんで?」
男「俺は君に危害は加えないし、逃げた後もここの場所は誰にも教えないから!」
エルフ「……だーめ!」
男「はぁ!?」
エルフ「逃がした後に貴方がここの場所を誰かに教えないとは限らない!」
男「待ってくれよ!絶対に誰にも言わないから!」
男「ッ!?……そうだよ」
エルフ「なら、ここで窃盗罪で監禁する!」
男「はあ!?冗談じゃない!!」
エルフ「うるさい!盗人!」
男「しょうがないだろ!腹が」
グギュルルルルルルル
男「……減ってたんだから」
男「っおい!どこに行くんだよ!」ジャリッ
男「おい!」
男「(ったく!なんなんだよ!この状況!ついてねぇ!)」
男「(まさかエルフに捕まるとは……)」
男「(……このまま放置されて餓死するのか?俺は)」
__________
_____
___
_
男「(エルフは外に出たっきり戻ってこない)」
男「(本気で俺を餓死させるつもりか……)」
グギュルルルルルルルル
男「(……喉が渇いた、腹が減った)」
男「(思えば、最後に飲んだのは川の水だな)」
男「(あれはクソ不味かった、泥の味しかしなかったし、硬水だし)」
男「(あんな水が最後の晩餐になるとは……)」
ガチャッ
男「!?」
男「……」
エルフ「……寝てるのかな?」
エルフ「……出来たら起こせばいいかな?」
ザクッザクッザクッ
男「(向こうの部屋から刃物で何かを切る音がする……)」
男「(……殺されるのか?俺は)」
男「(あっちでなにかやっているみたいだが)」
トコトコトコトコ
男「(おっと……)」
男「……」
エルフ「おーい」ユサユサ
男「(揺するなよ……)」
エルフ「ご飯できたから起きてよ」ユサユサ
男「(……え?)」
エルフ「うん、お腹空いてたみたいだしね」
男「毒でも入れてるのか?」
エルフ「入れるわけないでしょ」
男「……信用できないな」
エルフ「……」スッ
男「?」
エルフ「はむっ」パクッ
エルフ「信用してくれないから、毒味してあげてるの」モグモグ
男「……わかったよ、食べるよ」ジャリッ
男「……首輪のせいでそっちのテーブルまで行けないんだけど」
エルフ「わかった」トコトコ
男「?」
エルフ「はい、あーん」スッ
男「……別に手は自由だからそこまでしなくても」
エルフ「いいの!」グイッ
エルフ「あーん」スッ
男「……早い、味わわせろよ」
エルフ「……で、味はどうなの?」
男「……」モグモグ
エルフ「早く」
男「塩味が薄い」
エルフ「……ちょっと待ってて」トコトコ
男「?」
エルフ「塩」
男「……でかい箱だな」
エルフ「はい」ドバッ
男「うわ!?料理に大量の塩を入れるな!」
エルフ「え?味が薄いっていうから」
男「限度を考えろよ!」
エルフ「……ふふふ」クスクス
男「なんだよ」
男「……うるせえ」
エルフ「もうご飯食べさせてあげないよ?」
男「それは困るな」
エルフ「正直だね」スッ
男「ったく……」パクッ
男「っ!?」ビクッ
エルフ「どうしたの?」
男「……しょっぱい、水くれ」
エルフ「はいはい」トコトコ
エルフ「何?」
男「……トイレ行きたいんだけど」
エルフ「へ?」
男「トイレ」
エルフ「行けばいいじゃん」
男「首輪」ジャリッ
エルフ「あっ……」
エルフ「……」
男「な?」
エルフ「だめ、逃げないとは限らないし」
男「……」
エルフ「図星ね」
男「じゃあ、漏らすわ」
エルフ「それもダメ!」
男「なんか、首輪したままトイレって落ち着かないな」シャー
エルフ「しょうがないじゃない、逃げるかもしれないし」
男「……ペットの気分だ」シャー
エルフ「ふふふ、いい気味ね人間」
男「なんだと!」クルッ
エルフ「うわあ!?おしっこかけないでよ!」
男「うるせえ!エルフ風情が!」シャー
男「ごめんなさい」
エルフ「別にペットらしくその汚いものを切ってもいいのよ?」
男「すいませんでした、早くそのナイフをさげてください」
エルフ「……次は許さないから」
男「(危うく男の勲章を失くすとこだった)」フゥ
男「俺も体洗いたいな」
エルフ「だめ!逃げられるかもしれないし」
男「……汚くなるぞ?」
エルフ「別に!捕虜みたいなものだもん!」
男「いいんだな?臭くなるし、部屋の中が蛆とハエだらけになるぞ?」
エルフ「……それは困るかも」
男「だろ!」
エルフ「なに?」
男「なんで首輪に手錠までしなくちゃいけないんだ?」
エルフ「背後から襲われたら困るし」
男「だかからって、森の中を両手を封じながら歩くのも危険だと思うが」
エルフ「別にいいの!」
男「……はぁ」
エルフ「こっち見ないでよ?」
男「……だったら首輪の鎖を手から離せばいいじゃないか」
エルフ「だめ!逃げるし」
男「……へいへい」
男「(いくら相手がエルフといえど、女の裸は見たいな)」
エルフ「……見ないでよ?」
男「(見たくなるんだなそれが)」
男「……」チラッ
男「(悪くは無いな)」
男「(もう少し、胸にボリュームが欲しいところだが)」
エルフ「?」
男「(おっと)」スッ
エルフ「気のせいかな?」ゴシゴシ
男「(もう少し堪能しようか)」ジー
男「おう」ニヤニヤ
エルフ「なんでニヤニヤしてるの?」
男「なんでもない」ニヤニヤ
エルフ「そう」
男「そうだ」
エルフ「なに?」
男「俺の裸をじろじろ見るのは止めてもらいたいんだけど」
エルフ「目を離したら逃げるじゃん」
男「見られながらだと、なんか落ち着かないんだよ」
エルフ「ダメ!」
男「ったく……」
エルフ「(男の人の裸……)」ジー
エルフ「ええ」ニヤニヤ
男「なんでニヤニヤしてんだ?」
エルフ「なんでも」ニヤニヤ
男「そうか」
エルフ「そうよ」
男「ベットは一つしかないけど」
エルフ「……うーん」
男「いいよ、俺は床で寝るから」
エルフ「だめ!逃げるかもしれないし!」
男「じゃあ、どうするんだ?」
エルフ「私が隣で見張っていればいいじゃない」
男「……添い寝?」
エルフ「うん」
エルフ「zzz」
男「(なんで俺はロープでグルグル巻きなんだ?)」
エルフ「zzz」
男「(寝顔もかわいいなコイツ)」
男「(少し、ムラムラしてきたけど)」
男「(これじゃあ、身動きがとれない)」
男「……」ボー
エルフ「寝不足?」
男「まあな」
エルフ「……朝ご飯作ってくる」トコトコ
男「(昨日は結局寝れなかった)」
男「……今のうちに」ゴソゴソ
男「……」シュッシュッシュッ
エルフ「ねえ」
男「うわあああああああああああああああああああああああああ!?」
男「(危ねえ……危うく見られるところだった)」ゴソゴソ
エルフ「なにか隠してるの?」
男「いや?なんでもない」
エルフ「そう」トコトコ
男「……迂闊にオナニーもできん」
_________
______
___
_
男「(エルフはあれからも俺の首輪は外さなかった)」
男「(しかし、だんだん料理も俺好みの味付けになってきている)」
男「(オナニーできないのを除けば、マシかもしれない)」
男「(添い寝さえなければ!!)」
男「むぐっ」パクッ
エルフ「じゃあ食器片付けるね?」トコトコ
男「ああ」
男「(完全に介護生活になってきている)」
男「(しかし、ムラムラは収まらない)」ムラムラ
エルフ「ねえ」
男「なんだ?」
エルフ「さっき森の中でこんなものを拾ったんだけど」スッ
エルフ「へーこれお酒なんだ、フタが空かないけど」
男「まかせろ」グッ
キュポン
男「フタが空いたぞ」スッ
エルフ「わーい!お酒飲んでみたかったんだ!」
男「飲んだことないのか?」
エルフ「うん」
エルフ「どうしたの?」
男「ん?戦争が終わったら自宅で酒でもゆっくり飲んでたいなと思ってさ」
エルフ「自宅……」
男「ああ、戦争が終わったら家に帰らせてくれよ?」
エルフ「……うん」
男「?」
男「はいはい」
エルフ「うぐっ」ゴクゴク
男「っ!?直接ビンで飲むなよ!」
エルフ「っぷは!おいしいねこれ!」
男「……満足したようでなにより」
エルフ「ウグッ!」ゴクゴク
男「……俺の分は?」
男「全部飲みやがった……」
エルフ「……」
男「どうした?」
エルフ「……ウプッ!?」
男「っおい!はやくトイレ行け!」
エルフ「っっっ!!」ダダダダダダ
オエー ビチャビチャ
男「イッキ飲みなんてするから……」
エルフ「……」ゴクゴク
男「まったく……」
エルフ「……ねえ」ボソッ
男「なんだ?」
エルフ「貴方は、この戦争が終わったら帰るの?」
男「は?」
エルフ「ここは嫌?」
男「何言ってるんだ?」
男「お前何言って」
エルフ「……///」ポー
男「(こいつ、酔ってる!?)」
エルフ「……」トコトコ
男「おいっ!?なにするつもりだ!!」
男「顔を近づけるな!!」
エルフ「グヘヘヘヘ」グググ
男「おい!やめ」
ブチュ
男「っ!?」ジタバタ
エルフ「っ……はぁ……はぁ……」クチュクチュ
男「(ゲロ味のディープキス!?)」
エルフ「っ……はっ……はあ……」クチュクチュ
男「(でも止めてほしくない!不思議!)」クチュクチュ
エルフ「っぷは!」チュポン
タラー
男「……糸すげー」タラー
男「うおっ!?」ドサッ
エルフ「げへへへへへへ」ジー
男「……なんで、俺のソーセージ様を見ているんだ?」
エルフ「……」スッ
ジィー
男「チャックが!?」ボロン
エルフ「グヘヘヘヘヘヘ」ガシッ
男「ひうん!?」ビクッ
男「っっっフェラだと!?」
エルフ「……んっ……ん」チュポッチュポッ
男「おおうっ!?」ビクッ
男「(なにげにうまいぞこいつ!)」
エルフ「んっ……んっ」ジュルジュル
男「いっ!?」ビクッ
エルフ「んん……んっ……んっ」チュポッチュポッ
男「うおうっ!?」ビクッ
男「もう無理いいいいいいいい!!」ビクッビクッ
ドビュルルルルルル
エルフ「うんんんんっ!?」ゴクンッ
男「……全部飲みやがったコイツ!!」
エルフ「……ウプッ!?」
男「っ!?トイレ!」
エルフ「ううううっ!!」ダダダダダダダダダ
オエー ビチャビチャ
男「なんか……吐かれると悲しいな」
男「はい水」スッ
エルフ「んっんっ」ゴクゴク
エルフ「……」コトッ
男「……あのー」
エルフ「……私ね」
男「ん?どうした」
エルフ「貴方に行ってほしくないの」
男「は?」
男「……なんでだ?」
エルフ「……貴方とここ一ヶ月過ごして、楽しかったの」
エルフ「今までロクに異性と話した事もなかったし、人間とも」
男「……」
エルフ「私、戦争に参加したくなくて、この小屋に逃げてきたの」
男「まあ、俺もだな」
エルフ「そして、貴方に出会った」
男「……」
男「監禁だけどな」
エルフ「……どっか行ってほしくなかったから」
エルフ「貴方といるとポカポカするの」
男「……」
エルフ「心が、体が」
エルフ「ねえ」ジワッ
エルフ「どこにも行かないでよ」ポタポタ
エルフ「え?」ポタポタ
男「俺はどこにも行かない、お前と一緒に居てやる」
エルフ「いいの?」ポタポタ
男「ああ、どうせ自宅には誰もいないからな」
エルフ「本当?」
男「うん」
エルフ「っ!!」ダッ
男「うおっ!?急に抱きつくな!」
エルフ「……うれ…し」ダキッ
男「……っふう」ナデナデ
エルフ「……なんで?」
男「いいから」
エルフ「……わかった」カチャ
男「っ隙あり!」ドンッ
エルフ「キャッ!?」ドサッ
男「ふふふ、形勢逆転だな」
エルフ「……何を?」
男「さっきは一方的だったからな!今度は俺からやらせてもらおうか!」ガバッ
エルフ「……好きにしていいよ?」
エルフ「……はい」ヌギヌギ
パサッ
男「……わんだふぉ」
エルフ「……///」モジモジ
男「……触っていい?」
エルフ「……はい///」
エルフ「ひうんっ!?」ビクンッ
男「どうやら胸が弱いとみた」ツンツン
エルフ「むっねばかりっは!やめてっ!!」ビクビク
男「じゃあ、下の口でも見ようか、足広げて」
エルフ「……///」バッ
男「(見事なM字開脚だ!)」
エルフ「……そんなに、見ないでよ!///」
男「ターゲット!ロックオン!」
エルフ「?」
男「フィンガーロケット発射!!」シュッ
クチュ
エルフ「っ!?」ビクッ
男「まだ、9発も残しているぞ!ぐふふふ!」
エルフ「……ふぇ?」
男「下のお口に俺がディープキスでもしてやろう」
エルフ「え?」
ペチャペチャ
男「ふへへへへへ…ほうら!」ペロペロ
エルフ「うっ…ん……んん」ビクビク
男「舌突撃!」ジュプ
プッ
男「」
エルフ「……あの?」
男「(臭い!?臭い!)」
男「ウプッ!?」ダダダダダダダダ
エルフ「ちょっと!?どこ行くんですか!?」
オエー ビチャビチャ
エルフ「」
エルフ「……」
男「……ごめん」
エルフ「……流石に吐くのは引くよ」
男「……悪い、まさかあんなに臭いとは」
エルフ「……」
男「続きしようか」ドンッ
エルフ「えっ!?」ドサッ
エルフ「……吐いてる間に自分でしたから」
男「そうか……していいんだな?」
エルフ「どうぞ」ニコッ
男「入れるぞ?」グッ
エルフ「……多分そこは尿道」
男「おお、確かに小さいな、これか」ズプッ
エルフ「いっ!?」」
男「……もしかして、初めてなの?」
エルフ「っうん!……っはぁ…はぁ」
男「……ゆっくりのがいいか?それともイッキか?」
男「てえいっ!!」ズンッ
エルフ「ひぎいいいいいいぃっ!?痛い!?」ビグンッビグンッ
男「今まで監禁されてきたんだ、言うとおりにすると思うなよ!」パンパンッ
エルフ「あっ……あんっ……ああ…んっ///」パンパン
男「……もう感じてるのか、早いな」パンパン
エルフ「ひっ……んんっ…あああっ///」パンパン
男「俺も、もうそろそろ限界が!!」パンパン
エルフ「あんっ……あひぃ!?///」パンパンパン
男「しかし、まだ行けるうううううううう!!」パンパンパンパンパンパンパン
エルフ「ひいいいいいいぃん!?/////」ビクビクッ
男「と、ここで限界だああああ!!」ドビュルルルルル
エルフ「中に来てるううううううう!?」ビクビクンッ
エルフ「……」グッタリ
男「勢いで中に出してしまった……」
エルフ「……zzz」スゥスゥ
男「寝たか……」ナデナデ
男「……心配するな、お前と一緒に居てやるよ」
________
_____
__
_
男「(一度、エロイことを覚えたエルフは)」
男「(あれから毎晩毎晩体を求めてきた)」
男「(……それを断りきれない俺だった)」
男「(そしてまた、首輪を付けられた)」ジャリッ
男「食料を探しにいくといったきり帰ってこない」
男「……なにかあったのか?」
ガチャッ
男「エルフか?」
男「え?」
兵士「おいっ!大丈夫か!」ダッ
男「え?なんでうちの国の兵士がここに?」
兵士「来てくれ!ここに囚われている男を見つけたぞ!」
男「待て!なんの話だ?」
兵士「助けにきたんだ!」
男「助け?俺は助けなんていらない!」
男「俺はここにエルフと住んでいるだけだ!」
兵士「……こりゃ、幻術にやられているな」
男「は?」
兵士「安心しな、さっきそこら辺でお前を監禁していたエルフを捕らえたんだ」
兵士「もう大丈夫だ」カチャカチャ
男「……」
兵士「ほら、こんな薄暗い所から早く出よう」
男「……」スタスタ
兵士「(こりゃ、精神的にやられてるな)」
男「(今はエルフ族の残党狩り)」
男「(エルフは見つけしだい、オスは殺し、メスは奴隷にする)」
男「(……人間側の大勝利)」
男「(結局俺は、エルフの姿を見ることなく国に帰ることになった)」
男「(……約束したのに)」
店主「おいおいお客さん、もう何杯目だ?」
男「うるせぇ!さっさとだせよ!」ドンッ
店主「ったく……」ゴソゴソ
男「……」ヒック
男「(酒を飲んでもイライラする)」
男「っんむ」ゴクゴクッ
男「(胸がモヤモヤする)」
男「……夜か」ヨロヨロ
男「帰るか……」ヨロヨロ
男「どこに?」
男「あの小屋に?エルフはもういないのに」
男「それとも、あの寂しい我が家か?」
男「俺はどこに行きたいんだ?」
男「……」ヨロヨロ
男「わからない」ヨロヨロ
______
___
_
男「……いつの間にか階段で寝てたのか俺は」
男「……あいつはもういない」
男「いない」ジワッ
男「……いいじゃないか、監禁されてたのから脱出できたんだ」ポタポタ
男「なに……泣いてるんだ?俺」ポタポタ
男「ああ、これは嬉し泣きか」ポタポタ
男「あははははははははははははははははは!」ポタポタ
男「はははははははははははあはっはははは!」ポタポタ
ドンッ!
「っ気をつけろ!クソが!」
男「……」ヨロヨロ
「おいっ!調子乗ってんじゃねえぞ!」
バキッ!
男「ぐっ!?」ドサッ
「ざまあみろ!」ペッ
男「おえっ!」ビチャビチャ
男「……飲みすぎたか」
『イッキ飲みなんてするから』
男「……っはは!エルフの事言えないな!俺も!」
男「エルフはもういないのにさ!」
男「あいつも今頃奴隷に……」
男「……奴隷か」
男「……ああ、なんだ、アイツに会うのは簡単なことじゃないか」
エルフ「(捕らえられてもう1週間)」
エルフ「(私以外の仲間はほとんど売られてしまった)」
エルフ「(どうやら、処女とやらはとても貴重品らしい)」
エルフ「(そうじゃない私はまだ誰にも買われてない)」
エルフ「(……あの人はどうしているのだろう)」
「いいのかい?まだ新築みたいだけど」
男「ああ、なんなら家の中身ごとくれてやる」
「そうか」
男「いくらだ?」
「ほれ」スッ
男「……結構あるな」パラパラ
「まあ、それくらいあったら、中古のエルフくらいは買えるな」
男「中古か……」
トコトコ
エルフ「(……誰か来た)」
商人「お前を買う奴が現れた、出ろ」
エルフ「(とうとう、買われちゃうのか)」
商人「ったく、珍しい客だ、わざわざ中古を買うなんて」
商人「まあ、在庫処分になっていいけど」
エルフ「……」トコトコ
エルフ「……はい」
商人「まあ、悪く思うなよ」
商人「呪うなら、自分の運命でも呪いな」
エルフ「……」トコトコ
ガチャッ
エルフ「……なんで貴方が?」
男「俺がお前を買ったんだよ」
エルフ「……」
男「なんだ?」
エルフ「……」ポタポタ
男「うおっ!?泣くなよ!」
エルフ「なんで……買ってくれたの?」ポタポタ
男「……言ったじゃねえか」
エルフ「え?」ポタポタ
エルフ「っわあああああん!」ガシッ
男「おい!いきなり抱きつくな!」
エルフ「怖かった!知らない人間に買われてどんな目にあうか想像してたら!」ポタポタ
男「……」ナデナデ
エルフ「もう、貴方に会えないと思ってた!」ポタポタ
男「……」ギュッ
エルフ「でも!会えた!」ポタポタ
男「……そうだな」
_________
_____
___
_
エルフ「いいの?」
男「なにがだ?」
エルフ「あんなボロボロの小屋よりも、街のほうが」
男「……あの国には奴隷にされたエルフがたくさんいる」
エルフ「……」
男「正直見てるとさ、胸糞悪いね、俺もお前もな」
エルフ「……うん」
男「それに、お前を奴隷だとは思いたくない」
男「おっ、本当だ」
エルフ「……本当にいいの?」
男「……いくら小奇麗な家にいたって、この小屋での思い出には匹敵しない」
エルフ「……」タタタタタ
男「いきなり走ってどうした?」
エルフ「おかえりなさい!」
男「……っはははは!」ケラケラ
エルフ「笑わないでよ!」
男「悪い、あまりにも予想外すぎて」
エルフ「……返事は?」
男「ただいま!」
おしまい
いちゃラブ後日談とかあると嬉しい
ちょっと森の中駆け回ってくる
途中どうなるかと思ったがハッピーエンドでよかった!
コンコンコンコン
男「……」コンコンコンコン
エルフ「ねえ」
男「今、とても集中しているんだ、後で」
エルフ「……ねえ」
男「なんだよ!」
エルフ「板の向き逆だけど」
男「うおっ!?」
男「……」
エルフ「なにこのオブジェ、カクカクだけど」
男「俺の……自信作です」
エルフ「へえ」ゲシッ
ガシャン
男「うわあああああ!?マイチェアーが!!」
エルフ「……手先が不器用なんだから変なことしないの!」
エルフ「ご飯できたから、家に入ろうよ?」
男「飯か」スクッ
エルフ「……立ち直り早いね」
男「まあな」
エルフ「ふふふ」
男「笑うな」
エルフ「……」ジー
男「どうした?」
エルフ「あーん」スッ
男「……またそれか」
男「あむっ!」パクッ
エルフ「ふふふ」
男「まったく……」
男「なんだ?」
エルフ「……」チョンチョン
男「ん?腹を指刺してどうした?」
エルフ「……できたの」
男「へ?」
エルフ「赤ちゃん」
男「え」
男「えええええええええええええええっ!?」
エルフ「うん」
男「うわああああああ、今のうちに名前を考えないとおおおおお!!」
エルフ「慌てすぎ」
男「いやいや、だってだって!俺とお前の子だよ?そりゃうれしいさ!」
エルフ「そうね」
男「いやっほおおおおおおおおおおおお!」ダダダダダダダダダ
男「また首輪かよ」ジャリッ
エルフ「しばらく反省!」
男「とほほ、捕まった」
エルフ「ふふふ」
おしまい
Entry ⇒ 2012.03.08 | Category ⇒ その他 | Comments (0) | Trackbacks (0)
妹「Q・E・D!Q・E・D!」兄「え?」 番外編
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330434405/
前→妹「Q・E・D!Q・E・D!」兄「え?」
妹友「妹ちゃん、かえろー」
妹「そうですね」
妹友「むふふ」
妹「なんですか、その笑いは」
妹友「今日さ、デートなんだー」
妹「サッカー部の彼氏とは仲直りしたんですか?」
妹友「な訳無いでしょー……あいつの話はもういいから。思い出すだけで股間が熱くなるわ」
妹「そ、そうですか」
妹友「妹ちゃんももてるのに、全然だよね」
妹「私は別に同級生とかに興味ないです」
妹友「ふーん……あ、それでね、プレゼントもらっちゃってさー」
妹「え、まだ付き合ってないのにですか」
妹友「手紙と一緒にもらったんだー」
妹「はぁ……豪儀な方ですね」
妹友「野球部の男くん、知ってる?」
妹「あ、知ってますよ」
妹友「その男くんにさ、このネックレスを……あれ……あれれ」ゴソゴソ
妹「ネックレスですか……はぁ……いいですね」
妹友「な、無いっ!」
妹「は?」
妹友「な、無いよっ!無いっないいいいいっ」
妹「ちょ、ちょっと落ち着いて下さいっ!」
兄「うーん暇だなぁ……」ピコピコ
兄「リオレウスを狩るのももう飽きてしまった」ピコピコ
兄「まだ妹が事件だQ・E・Dだの騒いでるほうが……いやそれは無いわ」
妹「兄さん兄さーんっ!」バァン
兄「うおっ!何事かっ」
妹「事件ですっ!Q・E・Dですっ!」
妹友「こ、こんにちわー」
兄「また君か」
妹友「えーんえーん」シクシク
兄「あのさぁ、それは警察に落し物かなんかで届けたほうが」
妹「午後の体育までは身につけてたそうなんですよ」
兄「それで、なんで気がついたのがこの時間なんだ?」
妹友「だってー……貰ったばっかだったから気がつかなかったんだもーん」
兄「そういうもんかねえ」
妹「兄さん、何とかしてあげましょう」
兄「とは言ってもなぁ、鞄とか机をひっくり返したほうが早いと思うぞ?」
兄「ふーん……となると、盗まれたとか」
妹友「げっマジ?」
兄「どこに置いてあったの?」
妹友「えっとー……先生に見つかると怒られるから、制服と一緒に机の上に置いたと思うんだけどー……」
兄「思うんだけど、何?」
妹友「あんまり自信ないや、てへぺろ」
兄「ズコー」
妹「に、兄さんしっかり」
妹友「そうなの」キリッ
妹「そこは自信たっぷりに言うところじゃないですよ、妹友ちゃん」
妹友「だってー……」
兄「うーん、悪いけどこれは無理だよ」
妹友「ええー!そんなー……」
兄「探すのを止めたときによく見つかるらしいから、それまで待つのがいいんじゃないかな」
妹「確かにこれはちょっと厳しそうですね……」
兄「もう一回探しに行ってもおそらく見つからないと思うし」
妹友「でもー……今日の夜、会う約束してるんですよー……」
妹「やっぱり、相手はがっかりするんじゃないでしょうか」
妹友「だよねー」
兄「金属アレルギーが出て駄目だったとかは?」
妹友「アレルギーが出にくいネックレスなんですよー」
兄「八方塞がりだな。素直に謝るのが吉とみた」
妹友「でもー……貰ったばっかりのものなくすなんて、サイテーじゃないですかー……」
兄「まぁいい気はしないだろうけど、そんなに致命的なものでもないと思うんだけどな」
兄「聞こう」
妹「妹友ちゃんが貰ったネックレスなんですけど……おんなじ物がまだ売ってるんですよ」
兄「へぇ、そうなんだ」
妹「それで……ちょっと反則気味かもしれないですけど、それを買って身につければ問題ないんじゃないかと思うんです」
兄「名案といえば名案だな。妹友ちゃんが黙ってれば誰も傷つかない」
妹友「それでー……そのー……」
妹「ちょっと見て来たんですけど、値段がその……私たちには手が出なくて」
兄「え?」
妹「……兄さん、節約生活してるから、まだ退職金余ってますよね」
兄「ま、まさか……」
兄「ええー!」
妹友「この通りですっ!必ず体で返しますからっ!」ドゲザァッ
妹「ちょっと、ドサクサ紛れに何を」
兄「えーと、いくらあればいいのかな」ヒーフーミー
妹「兄さんっ!私というものがありながらっ!」
兄「ちょ……いでで、待てって、落ち着けよ」
妹友「むふふ」
兄「貸すのは構わないけど……」
妹「ちゃんと現金で返してくださいね!」
妹友「大丈夫、絶対正月にはお年玉で返しますー!」
兄「おい、まだ3月なわけだが」
妹「兄さん、ごめんなさい」
兄「んー……いいよ別に。金は天下の回り物ともいうし」
妹「考えたけど、これ以上のQ・E・Dは無かったんです」
兄「Q・E・Dの使い方が未だに微妙だなお前は」
妹「これでとりあえず事件解決ですね」
兄「ま、とりあえず済んだみたいだし一緒にモンハンやろーぜ」
妹「はい、PSPとってきますね」
兄「うーん、平和だなぁ」
妹「おはよう、妹友ちゃん」
妹友「あ、おはよー!昨日はありがとねー」
妹「特に問題なかったですか?そっちは」
妹友「うーん……問題といえば問題あったかなぁ」
妹「え、もしかしてバレましたか……?」
妹友「誘ってんのにさー、手出してこないんだもん。チキンだよねー」
妹「そ、そういう話ですか。まったくもう」
妹友「妹ちゃんだって好きなくせにー」
妹「こほん。置いていきますよ」
妹友「あ、待ってよー!」
妹「うわっと……また手紙が入ってます」
妹友「またー?一日何通貰うのよあんた」
妹「平均して4通くらいでしょうか」
妹友「はやく彼氏つくりなよー」
妹「心の中にいるからいいんですっ」
妹友「あー私にも入ってる!」
妹「良かったですね」
妹「随分ふくらみがありますね」
妹友「よっぽど私に伝えたい気持ちがあるんだわ……ん?」
妹「どうしたんですか?」
妹友「なんかおもーい。なんか入ってるよ」ジャラジャラ
妹「お金みたいな音ですね」
妹友「そういう発想は無かったわ……どれどれー」
妹「なんでちょっと嬉しそうなんでしょうか……」
妹友「っっっっ!!!」
妹「?……妹友ちゃん?」
妹友「うっそ……何これ……何なのコレぇっ!」ジャラン
妹「……ネックレス……ですね……」
妹友「ボロボロになってる……何で、何でこんな風になってんの…っ!」
妹「こ、これは……ひどいですっ……」
兄「ちょwwwwオメガ強すぎwwwww」ピコピコ
兄「魔法剣士が有効という話だが、レベルが低すぎるんだなきっと」ピコピコ
兄「ほとんどレベル上げしてこなかったしな……うーんめんどくせ」
兄「……」
兄「……むぅ、なにやら胸騒ぎが」
兄「こういう時は大抵、妹が」
妹「兄さん兄さーーーんっ!」バァンッ
兄「ほらな」
兄「おい、お前ら学校は」
妹「体調不良ということにして休みました」
兄「昨日の夕方もおんなじことがあったというのに、今日は一体なんなんだよ」
妹「ちょっと、これをみてみて下さい」ジャラン
兄「なんだこれ、ヤンキーが財布に付けるチェーンみたいだな」
妹友「ぐす……えーんえーん」シクシク
妹「兄さんっ!これはネックレスですっ」
兄「えー……全然そういう風に見えないけど」
妹「よく見ると元はちゃんとしたものだというのがわかります」
兄「あ、本当だ……」
妹「……これは、昨日買ったのではなく、なくしたと思っていたほうです」
兄「随分ボロボロのを貰ったんだな、ひどい男だ」
妹「兄さん兄さん、違います」
兄「え、違うの」
妹「もしそうだったら、妹友ちゃんがこんなに泣く訳ないじゃないですか」
妹友「ひっくっ……ひっく」
兄「と、いうことはつまり……」
妹「誰かがこんな風にしたんです。これは事件です」
兄「な、なんだってー!」
妹「妹友ちゃん、しっかり……」
兄「うーん、これはひどいなぁ」
妹友「もし見つかったら、いっこは質に入れようと思ってたのにー……」
妹「あうっ……」
兄「余計なことさえ言わなきゃいい子なのにな」
妹友「いけね」
兄「心当たりはあるのか?」
妹友「心当たり?」
兄「こーいうことしそうな奴、周りにいるのかってことだけど」
妹友「それは……なくもないけど」
妹友「うん……そうです」
妹「怨恨の線が強そうですね」
妹友「そんなー……」
兄「だなぁ……その人はモテるタイプなんだろ、きっと」
妹「結構人気のある男の子ですよ」
兄「ふーん……」
妹友「そうなの」
兄「前はサッカー部だったし、スポーツやってる人が好きなの?」
妹友「運動部系の人って、クラスでも目立つ感じが多いじゃないですかー。力関係とかも」
兄「まぁ、そういう傾向はあるかもしれんな」
妹友「そういうのがなんか好きっていうかー」
兄「なるほど」
妹友「あ、でもお兄さんみたいにそういうのに無頓着な感じの人も好きですよ」
兄「そ、そう。ありがとう」
妹「兄さんは単に友達が少なかっただけですよね」
兄「おいやめろ頼むやめてください」
妹友「犯人を見つけてボコボコにしたいです!」
妹「ちょっと待ってください、それはちょっと」
妹友「だってーだってだって!」
兄「気持ちはわかるけどなぁ……先生にいったほうがいいんじゃない?」
妹友「えー……だってこれ、みようによってはイジメだよね」
兄「うーん、まぁ」
妹友「イジメはかっこ悪いけど、イジメられてるのが周りにばれてもかっこ悪いし」
兄「ふむふむ」
妹「事が公になって、もっとわかりにくいやり方で陰湿なことをされたりしたらもっと困ると思います」
兄「それは一理あるか……」
兄「俺部外者だけど……」
妹「兄さんもうちの学校の卒業生ですから、入るくらいは大丈夫ですよきっと」
兄「うーん……大丈夫かなぁ」
妹友「お兄さん、お願いします……報酬はいつもどおり、私の体で払いますからー」ペコリ
兄「ちょ」
妹「………にいぃいさんっっっ、どういうことですかっ!!!」
兄「待て違う、妹友ちゃんの冗だアッー!」
妹友「むふ」
兄「何か懐かしいな」
妹「久しぶりの母校はどうですか?」
兄「なんというか、胸のこの辺りがキュンとなるな」
妹「……キモイです。置いていきますよ」
兄「一応、職員室とかに挨拶に行ったほうがいいのかな?」
妹「そうですね。私と一緒にいればそう怪しまれることも無いでしょう」
兄「だな」
妹「通りすがりがてら玄関も見ていきましょう」
兄「はーい」
兄「この下駄箱に入ってたのか?」
妹「そうですよ。ここが妹友ちゃんの靴箱です」
兄「警察が科学捜査すれば一発だろうけどな」
妹「手袋をしていれば証拠なんて残らないですよ」
兄「ま、そうだけど……こっちがお前の?」
妹「そうです」
兄「なんか入ってるぞ、まさか」ガチャ
妹「またですか……今朝も回収したばっかりなのに」ドサササ
兄「げっ……ラブレター?」
妹「今日はちょっと多いですね」
兄「ちょっとってレベルじゃねーぞ」
妹「ふふ、もしかして危機感を感じてますか?」
兄「な、んなわけないし」
妹「ふーん、じゃあこの中の誰かと……」
兄「おいこら、ちょっと待ちなさい」
妹「ふふふ、冗談ですよっ」
兄「ったく……あ、妹友ちゃんのほうにも何か入ってるな」
妹「妹友ちゃんも結構貰うみたいです」
兄「ふーん……かわいいしなぁ」
妹「そうですね……」
兄「……」
妹「……」
兄「あからさまに怪しいな……」
妹「そうですね……」
妹「い、いいんでしょうか」
兄「多少、プライベートな部分にも手を突っ込まないと解決しないよ」
妹「そ、そうですよね……もし普通のラブレターだったらどうしますか?」
兄「そんときは普通にもどそう。閉じてるところを慎重に剥がしてくれよ」
妹「2通ありますね。はい、こっちは兄さんで」
兄「あいよ」
妹「慎重に……慎重に……」ビリビリ
兄「へくしっ!!!」ビリャリャリャッ
妹「に、兄さんっ!何してるんですか!」
兄「不可抗力だ!仕方ないだろっ!」
兄「悪かったってば」
妹「……こっちは普通のラブレターですね。『君が好きさ、大好きさ。』と書き出しが」
兄「頭悪そうな文章だなおい」
妹「これくらいストレートなほうがいいかもしれませんよ」
兄「そんなもんかねぇ……こっちはどうかな」
妹「どうですか?」
兄「うわ……ビンゴだな」
妹「見せてください」
『別れろ別れろ別れろ別れろ別れろ別れろ別れろ別れろ別れろ別れろ別れろ別れろ』
兄「なんかこえぇええええッ!」
妹「こ、これはちょっと背筋が寒くなりますね……」
妹「こ、この手紙どうしますか?」
兄「見せないほうがいいだろうな。またショック受けるだけだ」
妹「そうですね……」
兄「もう一回見せて」
妹「ご丁寧にPCでプリントアウトしてますね」
兄「男か女かもわからないな……」
妹「便箋は昨日と同じです」
兄「ってことは、複数に悪く思われてる可能性は下がったかな……」
兄「ふぅ、まさか昔の担任の先生に捕まって30分も話し込んでしまうとは」
妹「兄さんが無職なせいで説教までされましたね」
兄「俺だって好きで働いてないわけじゃないぞっ」
妹「でも、ぐうたらしてるのもまんざらではない、と」
兄「そうそう……ってこら」
妹「まぁ私はいつでも兄さんと遊べるからいいですけど」
兄「そいつは良かった」
妹「ところで、どうしてグラウンドなんですか?」
兄「あー、その彼氏って野球部なんだろ?ちょっと見ておこうかと思って」
妹「ネックレスの件に関係ありますかね?」
兄「そう決め付けてるわけじゃないけど、何か閃くかもと思ってさ」
妹「さすが兄さんです」
兄「頑張ってるなー」
妹「兄さんも野球でもはじめたらどうですか?」
兄「何のためにだよ」
妹「健康のためにです」
部員「バッチコーイ」
部員「しゃーこいやおらー」
オタ「バッチwコーイwwでごwざwるwww」
兄「な、なんか変なのも混じってるな……」
妹「あ、あれでもちゃんとした部員なんですよ」
兄「そうは見えんが。太ってるし」
妹「趣味はフィギュア製作らしいですが、ギャップ萌えのために野球部に入ったとかなんとか」
兄「あいつが犯人だったら楽そうだけどな……バカそうだし」
お前ら?
俺はこんなんじゃねぇしww
こんなんじゃ•••••ねぇし•••
俺、ちゃんと中学は野球してたぜ
俺サッカー派だから
いや俺らは基本卓球部か帰宅部だろ
妹「えーっと、あそこのブルペンで投げてる人ですね」
兄「おぉ、エースって奴か」
妹「エースは隣の人ですね。例えるならダルビッシュとメガネッシュさんでしょうか」
兄「ふーん、……その近くにいる女の子は?」
妹「マネージャーさんですね。あの……兄さんちょっと耳を」
兄「なになに」
妹「個人的には、今回あの人が一番怪しいと思ってるんです」ヒソヒソ
兄「ほうほう、聞かせてくれ」
妹「その……彼女とは同学年なんですが」
兄「うん」
妹「妹友ちゃんの彼氏と昔から仲が良くて、好きなんじゃないかって前からうわさになってたんです」ヒソヒソ
兄「ほー……」
妹「はい。でも、実際怪しいんですよ」
兄「どうして?」
妹「体育は、彼女のクラスと合同なんです」
兄「……なる」
妹「彼女なら、盗る機会があったと思うんです」
兄「うーん、そうか……ちょっと話がしてみたいけど」
妹「え、でも……」
兄「難しいよなぁ、やっぱり」
兄「ギョギョ」
妹「こんにちわ、先生」
先生「うむ。そこに居るのは兄じゃないか。ヒョットコみたいな顔してても騙されんぞ」
兄「いやーあははは。先生もお変わりなく」
先生「こんなところでどうしたんだ。卒業したくせに野球に興味あるのか」
兄「いや、妹の迎えに来て通りすがっただけです」
先生「そうか、ところでお前は今なにしとるんだ」
兄「えーと……」
先生「まさかニートではあるまいな……」
兄「いやそのあの」
先生「貴様っ!あれほど在学中に口を酸っぱくして指導したにもかかわらずっ!ちょっと来いっ!」
兄「あーれー」
妹「に、兄さん、私は先に行ってますから……」
兄「待ってー」
妹「お疲れ様でした、兄さん」
兄「二時間も説教するなんて尋常じゃないぞ」
妹「野球部のコーチのはずなんですけどね」
兄「職務放棄じゃないのか?まったく……」
妹「進展の無いまますっかり日が暮れてしまいましたね、兄さんのせいで」
兄「颯爽と逃げたくせに何を言うかお前は」
妹「野球部の練習も終わったみたいです……」
兄「仕方ない、今日のところは帰るか……」
兄「俺はなんかストレスで下痢気味だわ」グルルル
妹「ちょっと兄さん、いくら兄さんでも漏らしたらヒきますから!」
兄「そこまでではないけど、用を足したいな」
妹「トイレ、近くには無いですよ」
兄「学校は閉まったかな?」
妹「多分、駄目ですね」
兄「この建物は?」
妹「ここは女子寮ですよ。向こうが男子寮。」
兄「新しいな。最近できたのか」
妹「遠方からの生徒が増えましたからね」
兄「ふーん……いてて」グギュルル
妹「あっ……マネージャーさん、こんばんわ」
マネ「珍しいわね、こんなところで」
妹「え、えとー、そうですね、えへへへ……」
マネ「その男の人は?もしかして彼氏?」
兄「兄です……」グギュルルル
マネ「ど、どうしてお腹を押さえてるんですか?お兄さん」
妹「ちょっと緩くなってるみたいです」
マネ「あら、それは大変ね」
兄「よ、良ければトイレをかして貰えると嬉しいんだけど……」
兄「別に……ちょっとイントネーションがこっちの人と違うから、勘で言ってみただけだよ」グギュルル
マネ「わぁ、何か探偵さんみたいですねお兄さん」
兄「はは……で、貸してもらえるかな?」
マネ「うーん、女子寮は男子禁制なんだけど……」
兄「や、やっぱりそういう落ちか……」グルルル
マネ「妹ちゃんのお兄さんということだから、いいですよ。悪い人じゃなさそうだし」
兄「助かったー」
妹「良かったですね、兄さん」
兄「アッー!アッー!」←排泄中
マネ「な、なんで声をだすのっ」
妹「兄さんっ!恥ずかしい真似はやめてくださいっ!!」
兄「そんなこと言われても……アッーー!!」
マネ「い、今ほどワンルームを悲しんだことはないわ……」
妹「ごめんなさいぃい……」
マネ「ププ、でも楽しいお兄さんね」
妹「楽しいは楽しいんですけど……これはちょっと」
兄「アッー!」
マネ「ぷっ……あははははっ」
妹「にーーーいーーーさーーーんっっっ!!」
兄「ふぅ……君は命の恩人だ、ありがとう」スッ
マネ「あ、あの……握手はいいんですけど手は洗いましたか……?」
妹「まったく、サイテーです」
兄「そんなに怒るなよ」
マネ「はい、下痢した後水分を取らないと脱水になりますから」コト
兄「あ、ありがとう」
妹「いいんですか?お茶までいただいて」
マネ「いいわよ別に。どうせ私一人だし」
兄「おい、いい子じゃないか……」ヒソヒソ
妹「べ、別に私は最初から悪いひとだなんて言ってないですよ……」ヒソヒソ
マネ「?」
マネ「もともと私物が少ないですから」
兄「さすが女の子の部屋ってところだな」
妹「むっ!私の部屋だって綺麗ですよ」
兄「わかってるってば……」
マネ「ホントに少ないんですよ……部屋はベッドと勉強机があるくらいですし」
兄「ここって、築何年だろ」
マネ「去年、建てたらしいですけど……」
兄「どおりで綺麗なはずだな」
妹「そんなこと聞いてどうするんですか?住みたいんですか?」ジト
兄「いちいち突っかかってくるなよ、うっとおしいな」
妹「な、なんですってー!」
マネ「仲良しなのねぇ、お兄さんと」
マネ「残念ながら、空き部屋はないですよお兄さん」
妹「……」ツンツン
兄「ふーん……あ、もうひとつお願いがあるんだけど……」
マネ「なんですか?」
兄「さっき急いでズボンを脱いだら、ベルトのバックルが壊れちゃってさ、ペンチとかはさみとか貸してもらえないかな」
妹「どんだけ我慢してたんですか!」
兄「俺は二時間も我慢してたんだぞお前」
妹「トイレに行かせてくださいって言えばよかったでしょう?」
兄「あいつにそんなこといえるわけ無いだろうに……」
マネ「ごめんなさい、私持ってないです。爪切りくらいしか」
兄「それでいいや」
妹「そういうことは家に帰ってからやってください」
兄「皆で食べるの?」
マネ「そうですね、食堂で寮生があつまって食べます」
兄「ここでは料理しないんだ」
マネ「キッチンないですから」
兄「あ、本当だ」
妹「ほらほら兄さん、そろそろ行きますよ」
兄「はいはい……それじゃ、おじゃましました」
マネ「くすっ……何のお構いもできませんで」
妹「ちょっと可愛いとすぐこうなるんだからっ!ほら兄さんっ!」
妹「兄さんはほんっとーにどすけべですっ!」
兄「開口一番それかい」
妹「きっと私がいなかったら電話番号からスリーサイズまで根掘り葉掘り聞いたに違いないです」
兄「何を根拠にそんな」
妹「そんなにあそこが気に入ったんですか?」
兄「まぁ、女子寮って言葉はかなり魅かれるものがある」
妹「女子寮の管理人とか就職すればいいんじゃないですか?」
兄「昔そーいうエロゲーもあったな」
妹「何がですか」
兄「とりあえず、あの部屋で壊したんじゃないのはわかったけど……うーん……」
妹「な、何の話ですか?」
兄「ネックレスだけど……あの子じゃないとなると一体」
妹「ど、どうしてです?」
兄「お前がもし人様のものをパクってぶっ壊してやろうと思ったら、どこでする」
妹「それは……河原とか?」
兄「そんなオープンな環境で誰かに見つかる可能性があってもか?」
妹「えーと、家ですかね」
兄「やっぱそうだよなぁ……」
妹「改めて見ると、そうですね」
兄「これはちょっとそこらのハサミとか爪切りじゃ無理だろうけど、あそこは包丁もないみたいだし」
妹「何かにぶつけて壊したんじゃないですか?」
兄「壁も床もテーブルも傷ひとつないし、部屋の外でやるわけにもいかないだろ。もちろん風呂トイレも確認したけど」
妹「に、兄さん……いつトイレとお風呂を」
兄「大声を出して悟られないように頑張って漁ってみた。ユニットだったから手間が省けた」
妹「……」
兄「破片らしきものもないし、まぁあの子はシロでいいんじゃない」
妹「兄さんっ」ダキッ
兄「うおぉうっ!」ドタ
兄「大したことは何もしてないんだけど……」
妹「そんなことないです……やっぱり私の助手なだけはあります」
兄「え?俺のほうが助手なの?」
妹「そうですけど。不満ですか?」
兄「いや別に……まぁいいか」
妹「ご褒美に今日は一緒に寝てあげます」
兄「結局まだ何もわかってないんだけど」
妹「明日からの捜査に期待ですね」
兄「もう諦めるという選択肢はないの」
妹「そんなものはないです」
兄「うーん、多少決めうちでいくしかないのか……?」
兄「学校で生徒が使えるPCはここだけなんだな」
妹「あとは、情報処理室ですけど……授業以外は鍵が掛かってます」
兄「そっちはプリンタは?」
妹「無いです。基本的にプリントアウトすることが無いので」
兄「ふーん、そりゃ好都合だな」
妹「どうしてですか?」
兄「あの子の部屋PC無かったし、もしあの子だったらここであの怪奇レターを書いたのかもと思って」
妹「な、なるほど……でも、友達の家とか」
兄「その可能性もあるけどな。まずは試してみよう」
妹「何をするんです?」
兄「同じものを作ってみるんだよ。何かわかるかもしれないし」
妹「どのPCでも同じじゃないですか?そんなの」
兄「まぁみてろって」カタカタ
妹「なんでメモ帳なんですか?」
兄「それ、ワードじゃなくてメモ帳で書いてるじゃん」
妹「ど、どうしてわかるんですか」
兄「プリントアウトした時にワードとメモ帳じゃちょっと違うんだよ。よしおk」
妹「あ、出てきました」ウィーン
兄「司書さんに、インク交換したのはいつか聞いてきてくれ」
妹「むっ!なんか私が助手みたいです」
兄「ちょ、大事なとこなんだからごねんなよ」
妹「ちゃんと私に分かるように説明してくださーい!じゃなきゃ行きませんっ」
兄「二つを見比べてみたら分かるだろ、最初の手紙はインクが薄くなってる」
妹「……言われて見れば微妙にそうですね」
妹「まぁそうだと思いますけど」
兄「何百人もいるんだからすぐ気がついて交換するはずだ」
妹「ふむふむ」
兄「この手紙を書いた後、インクを交換したなら振り出しだ。もしここ最近交換して無いなら」
妹「……ここでプリントアウトした可能性は極めて低いということですね」
兄「新しいのはばっちり印刷されてるからな」
妹「ふ、ふんっ!私だってそれくらい気がついてましたからっ!」
兄「嘘くさいな、もう」
妹「と、とりあえず今回は大人しく聞いてきてあげます」
兄「頼むぞー」
兄「やっぱりかぁ。ありがとう」
妹「つまり、家にPCとプリンタがある人があの手紙を書いたわけですね。マネージャーさんはシロなんですね」
兄「あくまで可能性が低くなったってことだけど。他に怪しい人もいないのがちょっとなぁ」
妹「なんだか犯人に近づいてきた気がしますね」
兄「100メートル先のゴールに、2メートルくらいは近づいたかな……」
妹「それでもある程度は絞り込めるような気がします」
兄「うーん……もうちょっと聞き込みしていかないと」
妹友「ぉにいさーん!妹ちゃーん!」タタタタ
兄「お、妹友ちゃんが走ってくる」
兄「あぁ、例の彼氏の」
妹「私たちもちょうど行こうと思ってたんです」
妹友「ほんと?じゃ、一緒にいこー」
妹「はい」
兄「元気そうで良かった」
妹友「むふ、ラブレターもらっちゃったしー」
兄「あ、あぁそうなんだ……」
妹友「なんかバカっぽい文章だったけど、やっぱ嬉しいよねこういうの」
兄「おそらく昨日のやつだろうな」ヒソヒソ
妹「でしょうね」ヒソヒソ
妹友「しかもね、封綴じた後に一回開けたみたいでね、それがまた可愛いっていうかーくすぐられるっていうかー」
妹「すみません……それ私です……」ボソ
妹友「なんかいったー?」
妹「……な、何も」ブンブン
妹「そうですよ」
妹友「ドゥフフ、みてみて」バッ
兄「フェイスタオル?」
妹友「これでね、投球練習で流した汗を拭いてあげようと思ってるの」
妹「わぁ……意外と少女ちっくですね」
妹友「喜んでくれるかなー……」
妹「私はいいと思います」
兄「衆人環視の中でそんなことするなんてどんな羞恥プレイだよ……」
妹友「それじゃ私、ちょっと行ってくるから」
妹「行ってらっしゃい」
兄「はいよ」
部員「バッチコーイ」
部員「しゃーおらー」
オタ「大wリーグwボールww3号wwwww」
部員「てめーはスパイク磨いとけボケー」
兄「あいつ明らかに浮いてるけど」
妹「本人気にしてないみたいだしいいんじゃないでしょうか……」
兄「昨日のマネージャーさんもいるみたいだな」
妹「そりゃマネージャーですし」
兄「んー……なんかもめてないか?あそこ」
妹「え?」
妹友「ちょっとだけだし、いいじゃん」
マネ「練習の邪魔になるの!そんなこともわかんないの?」
妹友「そんなー……だって私たち」
マネ「付き合ってるからとか、関係ないからね!」
兄「やっほー」
妹「に、兄さん」
兄「喧嘩は良くないと思って」
マネ「……別に喧嘩してるわけじゃないです。ただこの子が」
妹友「何よー!前は別に良かったじゃない。私のほかにもおんなじことしてるひといたよー」
マネ「前は前、今は今!もうすぐ選抜があるんだから、時間を無駄にできないの!わかったら行ってちょうだい」
兄「うわ……」
妹「けんけんがくがくですね……」
マネ「分かってるなら向こうに行って下さい」
妹友「こいつむかつくー」
兄「好きな人にタオルの差し入れくらい、いいんじゃないかな……監督もいないみたいだし」
妹「に、兄さん……」
兄「ちょっとユルい考えかもしれないけど、それも青春の1ページってことでさ」
妹友「そーだそーだ」
マネ「……駄目です」
兄「えっ」
マネ「お話は聞きましたけど。とにかく許可しません。お引取りください」
妹友「えー……厳しすぎ……」
兄「むむむ」
妹「と、とにかく一度向こうに行きましょう……ほら」
兄「悪い悪い」
妹友「あーあーつまんないのー……」
兄「昨日話したときは、もう少し話の分かる子だと思ったんだけど」
妹「確かに、ちょっと厳しすぎるような気もしましたけど」
妹友「あーあー、もうお兄さんにあげる。このタオル」
兄「こんなもん貰ってどうしろと」
妹友「それ、顔も拭けるし、体も拭けるし、いざという時はお腹にかけて寝たり最後は雑巾にもできちゃう万能タオルだよー」
兄「それを世間ではフェイスタオルというんだ」
妹友「むふ、ばれた。じゃーねー!」
妹「どうしますか?」
兄「一度帰って、考えを整理しようかな」
妹「兄さんがそういうなら」
兄「じゃ、行くか……」
部員「おーい!伏せろー!」
妹「え?」
兄「ファ、ファールボールが……危ないぞっ!!」
妹「きゃーーーっ!!」
兄「ひでぶっ!!!」
兄「うーーーん……」
妹「兄さん兄さん、大丈夫ですか……?」ユサユサ
兄「お、ここは……」
妹「大丈夫ですか?吐き気とかは無いですか?」
兄「あれ、一体俺はどうしたんだっけ」
妹「兄さんは私をかばって、頭にボールが当たって……」
兄「あらら……お前は平気だったのか?」
妹「もうっ!今は兄さんの話をしてるんですよっ!」
兄「ご、ごめん」
兄「そんな大げさな」
妹「大げさじゃないです!硬球が当たったんですよっ!」
兄「お前にあたらなくて良かったなぁ」
妹「兄さんがかばってくれたからです……」
兄「かっこいいだろ」
妹「はい……じゃなくてっ!まずはヨダレを拭いてからそういう事を言ってくださいっ!」
兄「フッフフ……タオル貰っといて良かった」ゴシゴシ
先生「気がついたか」ガララ
兄「どーも」
兄「そんな大げさな」
妹「明日にでも無理やり引っ張って行きます」
兄「げ……」
先生「頭の怪我は用心しすぎてしすぎるということはない。悪いことは言わんから病院にいっておけ」
兄「はーい……」
先生「一応、打球を打った選手も連れてきたからな。謝罪したいそうだ」
兄「え……いいっすよ別にそんな」
先生「いいぞ、入って来い」
オタ「グププwwwwどうも申し訳ありませんwwでwごwざwるww」ガララ
兄「お前かい」
兄「あーもういいもういい。頭が痛くなる」
先生「そもそもお前はスパイクを磨けといっておいただろうが!」
オタ「しかし大佐www拙者もww部員のはしくれww」
先生「ワシまで頭が痛くなってきた」
兄「かえろっかなぁ、もう」
オタ「お詫びにwwwこれを持っていくでござるwww」
兄「色紙?」
オタ「拙者のサインでごwざwるwww」
兄「滅茶苦茶いらねぇ」
オタ「グププwwそれを説明するとなると24時間では足らんでござるwwそもそもの成り立ちはww」
兄「あーもういいもういい……?」
妹「帰りましょう兄さん。私も頭痛を引き起こしそうです」
兄「なぁ、サインに余白が多いからさ、もう少し書いてくれ」
オタ「ラジャーwwwでござるww」
兄「えーとな……『栄冠を君に』じゃなくて『栄冠が君に』」
オタ「いい言葉でござるwwよりアクティブにでござるwww」サラサラ
兄「あとは……『めざせ、珍プレー好プレー』」
オタ「うはwwwwプロを目指せとwwwww」サラサラ
兄「おk、これくらいでいいかな」
先生「物好きもいたもんだのー」
妹「何してるんですか、もう……」
兄「うー……腫れてきたな……」
妹「明日は病院に行かなきゃ駄目ですよ」
兄「わかってるよ」ガサ
妹「何を見てるんですか?」
兄「ラブレター」
妹「なんななななな、なんですってー!!」
兄「お、俺のじゃないって!妹友ちゃんのタオルに挟まってたんだよ」
妹「あ、そーいうことですか」
兄「ちょっとオタ君の色紙とって」
妹「えー……触りたくも無いんですけど」
兄「まぁまぁ、俺はあんまり動いちゃ駄目っていわれてるし」
妹「はい、どうぞ」ポイ
兄「投げるなよ」
妹「何がですか?」
兄「この字なんだけど、ほら」
妹「んー……きったない字です。読みにくいです」
兄「この汚さが最初ひっかかったんだけど、『大』の字だけ似てるくらいならそんなに気にしなかったんだよ」
妹「といいますと」
兄「『君』『が』『大』『好』『さ』全部おんなじだろ、ほら」
妹「あ……本当ですね」
兄「『き』は『さ』とほとんど同じ字体だから省いたけど、それにしてもこれは似すぎだなぁ」
妹「こ、これを確かめるために書かせたんですか?」
兄「うん」
兄「ラブレターが無記名なのもなんかおかしい気もしてたし」
妹「つまり、どういうことになるんでしょう」
兄「わかんない」
妹「えっ」
兄「なんか繋がりそうなんだけど……いまいち決め手にかけるんだよな」
妹「今回のネックレスとオタ君のラブレターに関係があるんでしょうか……」
兄「なんにせよ明日だな、ちょっとカマかけてみれば簡単にボロを出すかもしれない」
妹「午前中は病院に行きますからね!」
兄「分かってるってば」
妹「何も異常がなくて良かったですね」
兄「日ごろの行いがいいからな」
妹「普段はゲームしてるだけな気がしますけど」
兄「なにおう」
妹「さ、それより学校に行きましょう」
兄「おし、行くか……」
妹「今日はそろそろ解決したいですね」
兄「また野球のボールが飛んできても困るしな」
妹「今度は私が兄さんを庇ってあげます」
兄「今から行けば、ちょうど放課後かな……」
兄「着いたな」
妹「なんか学校休んだのに学校に来るって窮屈な感じがします」
兄「なんだそれ」
妹「なんとなく身の置き所がないというか」
兄「わかるわかる」
妹「またグラウンドでいいんですか?」
兄「うん、話してみないとわかんないしな」
妹「何か作戦でもあるんですか?」
兄「や、何も考えてないけど。なるようになるだろ」
妹「ええー!昨日偉そうに話しかけないでとかいったくせに!」
兄「頭が痛かっただけだってば」
妹「うぅ、不安になってきました……」
部員「バッチコーイ」
部員「しゃーおらー」
オタ「ヒーローでwござるwwH2でござるwww」
兄「相変わらずだな」
妹「オタ君に用があるんですか?」
兄「だなー。おーいおーい」
オタ「グププww拙者のふぁんでござるなwww」
兄「ちょっと借りてもいいですか?」
部員「バッチコーイどうぞー」
部員「しゃーおらーいつまででも」
オタ「wwwwwww」
兄「メンタル強すぎだろこいつ……」
妹「取り柄といえば取り柄ですよね」
兄「それはまぁ、あとでいいんだけど」
オタ「親戚のお子さんのぶんも書くでござるww」
兄「人気者なんだろうなぁ」
オタ「ござるよww選抜出場でござるからww」
兄「彼女とかいるの?」
妹「いるわけ無いです……」
オタ「二次元にはwwwたくさんいるでござるがwww」
兄「そ、そうなんだ……でも、二次元だと触れないじゃないか」
オタ「wwwフィギュアなら愛でることができるでござるwww」
妹「う、うわあ……」
兄「ひ、ひくなひくな」
オタ「興味あるでござるかwwww」
兄「まあ少しはあるかな」
妹「兄さん!キモイです」
兄「いいから静かに」
妹「全然関係ないじゃない話じゃないですか……」
兄「なんかあーいうのって、自作したりするのもアリなんだよな」
オタ「うはwwwでござるwww魔改造でござるよww」
兄「君もやるの?」
オタ「当然でござるwwww」
兄「ふむふむ……」
妹「理解できない世界です」
兄「ちょっとネットで見たけど、本格的にやろうと思ったら大変そうでさ」
オタ「wwwww」
兄「道具とかも揃えないといけないみたいだし」
オタ「肯定wwwでござるwww」
兄「ナイフとか、やすりとかで削ったりするんだろ?俺、手先器用じゃないし」
オタ「慣れでござるよwww慣れればスパスパいけるでござるww」
兄「ネックレスくらいならスパスパいけちゃう?」
オタ「」ビク
妹「あ……」
オタ「な、なんなななななんでござるかwwwww?ネックwwレwスww訳不明www」
妹「日本語が怪しくなってます……」
兄「はは、冗談だよ。まさかそんなことするわけないよな。意味ないし」
オタ「wwwwwwwwwwww」
妹「笑ってごまかそうとしてるのか、地なのか判別不能ですね」
オタ「話がwww見えないwwww」
兄「フィギュアの話はもういいや、別の話にしよう」
オタ「把握wwww」
兄「最近は名前なしラブレターって流行ってんのかな?」
オタ「」ビク
妹「か、完璧黒ですこの人……っ!」
兄「限りなく黒に近いグレーってところかな……」
兄「あ、マネージャーさん」
オタ「wwwwww」
マネ「何してるの、はやく練習に戻って」
オタ「了解でござるwwww」タタタタ
妹「あ、待ってくださいっ!」
兄「いや、あいつはもういいや」
妹「どうしてですか!あからさまに怪しかったです!」
マネ「まったくもー……二日続けてなんなのよ」
兄「悪かった。ちょっとフィギュアとネックレスについて話を」
マネ「ふーん。何でもいいけど練習の邪魔しちゃだめですよ」
マネ「べ、別にいいけど……次から気をつけてくれれば」
兄「妹友ちゃんもさ、悪気はなかったんだよ」
マネ「……それはわかりますけど」
兄「彼氏に貰ったプレゼントなくしちゃったみたいでさ、あー見えて落ち込んでるらしい」
マネ「彼女、うっかりさんですからね。ネックレスなんて失くさないでしょ普通」
兄「ネックレスとは一言も言ってないけど」
マネ「え…?」
妹「むむむ」
マネ「えーと、さっきの話の流れで……」
兄「フィギュアとネックレスの話をしたとは言ったけどね」
マネ「あ、この前話してたの聞いたの……失くしたって大騒ぎしてたもん」
妹「私は初耳ですけど」
マネ「妹ちゃんが学校休んでる時にっ!!」
兄「ま、妹友ちゃんなら友達相手にそうやって騒ぐのもありうる話だよな」
マネ「で、でしょ!」
兄「でもさ、なくなってないんだ。本当は」
マネ「ふーん、よ、良かったじゃない……」
兄「借りてきたんだけど見る?綺麗だよな、これ」ジャラ
マネ「う、嘘……っ!!!」
兄「嘘、とは?」
マネ「くぅううう……!」
マネ「な、なにそれっ!インチキじゃないっ!!」
兄「なくなったその日のうちに買ったんだ。失くしたのは皆に内緒にしてな」
妹「兄さんがお金だしてあげたんですよー」
マネ「え……」
兄「だから、学校の友達にネックレスがなくなったなんて言ったりしない。さっき君はなんていったっけ」
マネ「う……うぅ……」
兄「さっきのは嘘だと思う。君がそういう嘘をつかなくちゃいけなかった理由は多分」
マネ「うわあああああああああああああっ」ダッ
妹「に、逃げたっ」
兄「こ、このタイミングで逃げるか!?」
兄「待ってー」
妹「何してるんですか兄さんっ!」タタタタ
兄「き、昨日の後遺症でフラフラする……」フラフラ
妹「一番肝心なときにーー!!」タタタタ
兄「さらに日ごろの運動不足が追い討ちを」ドタドタ
妹「冷静に解説しなくてもいいですっ!走って下さいっ!!」
妹友「…………てめぇだったのかぁあああああああっ」ドゴッ
マネ「ぎゃふんッ!!!」
兄「うお」
妹「妹友ちゃんっ」
妹友「うっすうっすー」
マネ「うぅーーん……」
兄「お、気がついたかな」
妹「みたいですね」
妹友「じゃあもう一回眠らせてあげないとね」バキボキ
兄「なんでこんな好戦的なのこの子」
妹「昔からこうですよ」
妹友「二人とも草食系すぎー。そんなんじゃこれからの世の中生きていけないですよー」
マネ「ここは……」
兄「一応目立たないところにと思って、ここ先生も生徒も来ない穴場だし」
妹「さすが卒業生ですね」
マネ「ひ、ひぃいいいい」
妹友「てめーの手下が全部吐いたぞコラ?」
マネ「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいいいいいっ!!」
妹友「スットロいこといってんじゃねーぞゴラッ!謝ってすむなら警察も探偵もいらねーんだよッ」
兄「待って待って、それじゃ話もできないじゃないか……」
妹「一応理由くらいは聞いてもいいと思いますよ?」
妹友「ケッ……」
兄「あのオタ君にいろいろ手伝ってもらったみたいだけど」
妹「今後、卒業まで朝倉南さんの物まねで接する約束って相当きつかったと思います」
兄「そりゃかえって失敗に終わってよかったんじゃないかな……」
マネ「うぅ……はい……」
マネ「……」
妹「理由を話せばもしかすると、全殺しが半殺しになる可能性もあります」
妹友「笑えねー理由だったら分かってるんだろうなオイ」
兄「いや、笑いとかいらないから」
妹「いいにくいなら私から言ってあげますけど」
妹友「つーか理由なんてひとつでしょ。私と男くんが付き合うのが気に入らないんだから」
兄「やっぱそうなの?」
マネ「……」コク
妹友「ほらね」
マネ「うぅ……うん、ずっと前から」
兄「告白すればよかったのに」
妹友「そーだそーだ。卑怯なことしないで正面からこいっての」
兄「入学当初から好きだったの?」
マネ「……」コク
妹「ずっとうわさになってましたからね」
兄「ま、想いが深いぶんなかなか言い出せないってこともあるんだろう」
マネ「は、はい……」
兄「そっか」
妹友「何よーこの同情の流れはー!あんなことされたってのにさー」
妹「まぁ、恋をすると人は冷静じゃいられなくなるという良い典型ですね」
兄「綺麗にまとめたな」
妹「今回も無事にQ・E・Dですね」
妹友「じゃーね、ばいばいきーん」
マネ「うん……あ、待って」
妹友「あん?まだ文句あんの」
マネ「そうじゃなくて……あの」
兄「you、喋っちゃいなyo」
妹「キモイです、兄さん」
マネ「私、好きなんです……」
妹友「わ、分かったってばそれは……私にはとめる権利ないし、言うだけ言ってみればっ」
兄「まぁまぁ」
マネ「だから、好きなんです、妹友ちゃんのことっ!」
妹「えっ」
兄「えっ」
妹友「えっ」
兄「はー……」
妹「こ、これはなんとも」
妹友「こ、このひともしかして……ビアンなの……?」
兄「これは人類♂にとって大きな損失」
マネ「す、好きです……だから、付き合ってくださいっ!」
妹友「はいいいいいいいいっ?」
兄「正面から真っ向勝負だな」
妹「こ、これは……厳しいですね」
妹友「待って、無理だよー!」
マネ「え、別に……いい友達だと思うけど」
妹「仲良かったみたいですけど」
マネ「ただそれだけなの」
妹友「私がタオル持ってったら冷たくあしらったのは?」
マネ「妹友ちゃんの幸せそうな顔みると嫉妬に狂いそうで」
兄「なるほど、筋は通るけど」
妹「証明終了ですね」
妹友「ちょっと、何納得してるんですかー」
マネ「お願いっ!私ネコも立ちも両方いけますからっ!」ヒシ
妹「ネコと立ちって何ですか?」ヒソヒソ
兄「受けと攻めの事だろうな……」ヒソヒソ
妹「そうですね」
妹友「ちょっとー!」
兄「あとは二人で話し合って解決してくれ」
妹「私はそういう形もありだと思いますよ」
妹友「ま、待ってー!」
マネ「お、お願いーーーっ!行かないでっ!」
妹友「アッー」
次は4部でお会いしましょう(ウソ)
次も期待してる。
めっちゃ面白かった
そのうち4部でスレ立てしてくれ
四部も見たいです
Entry ⇒ 2012.03.07 | Category ⇒ 兄弟姉妹「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
妹「Q・E・D!Q・E・D!」兄「え?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330434405/
兄「なんでそんなことを俺に聞くんだ」
妹「お気に入りのしましまパンツだったんですけど……」
兄「ほうほう」
妹「兄さん、縞ぱん好きですよね」
兄「う、うん……まぁかわいいよなあーいうパンツ」
妹「以上、証明終了です。犯人は兄さんです」
兄「むちゃくちゃやがな」
妹「洗濯機の中も、物干し場も探しましたけどみつかりませんでした」
兄「タンスに入ってたんじゃないの?」
妹「無くなったのに気がついたのは今日ですけど」
兄「ふむ」
妹「お風呂で昨日脱いだものなんですよ」
兄「となると、物干し場で盗まれたとか」
妹「兄さんの部屋を確認させて下さい」
兄「やだよ、そんなあらぬ疑いで押し入られるのは」
妹「確認拒否……証明終了です。犯人は兄さんです」
兄「使い方間違ってないか?」
妹「間違ってません」
妹「それは多分、そのパンツを寄り代にして私を慰み者にするためかと」
兄「遠まわしに直接的な表現方法をありがとう。でもな」
妹「はい?」
兄「妹で欲情したりしない。だからお前のパンツを盗んだりはしない」
妹「それを証明できますか?」
兄「証明って言われても」
妹「……これを見てください」ファサ
兄「!?」
妹「イチゴ柄のパンツなんですけど、これもお気に入りなんです」
兄「な、なんでたくしあげて見せるんだよ……」
兄「しないしない」
妹「どうして前かがみになるんですか?」
兄「もともと猫背だから」
妹「よく見えるようにストッキングも脱ぎますね」スルスル
兄「やめろー!」
妹「膝まででいいですね……さぁ兄さん、よく見てください」
兄「あうぅ」
妹「鼻息も荒く、顔面紅潮を確認。欲情していると判断。兄さんは妹のパンツで興奮してますね」
妹「兄さんは妹のパンツで興奮する人間である。そのため私のパンツ盗難に関わっている可能性も否定できません」
兄「いくらなんでも強引杉」
妹「……」ファサ
兄「よせって」
妹「縞ぱんを返してくれたらこっちのパンツを差し上げますから」
兄「だから盗ってないってば!」
兄「もういいだろ、俺は忙しいんだ」
妹「忙しいといってもゲームでしょう」
兄「ゲームだって大事な用事なんだ」
妹「兄さんが犯人でないのなら、私のパンツ捜索に付き合ってください」
兄「えー……」
妹「この事件には何か大きな組織の力が関与している可能性があります」
兄「組織ってなんだよ」
妹「それではまず現場検証からはじめたいと思います」
兄「待ってー」
妹「私は昨日の夜、ここで服を脱いでお風呂に入りました」
兄「当たり前だろ。ここ以外でどこで脱ぐんだ」
妹「兄さんは部屋で脱いでからお風呂に行くでしょう?」
兄「たまにはそういう時もあるけど……もともと薄着のときとか」
妹「お風呂上りまでには確かにあったんです」
兄「ふーん、洗濯したんだろ」
妹「ブラジャーがあるから、それは無いです」
兄「あ……本当だ」
兄「どうって言われても」
妹「しましまでしょう?」
兄「う、うん……」
妹「かわいいと思いませんか?」
兄「えーと、うん。まぁ……」
妹「どうして前かがみになるんですか?」
兄「う、うるさいな」
妹「上下セットだから、下だけなくなると非常に困るんです」
兄「それはなんとなくわからんでもない」
妹「兄さんの部屋にある可能性のほうが非常に高いです」
兄「まだ言うか」
妹「確かに洗濯籠の中にいれたんですよ」
兄「ふーん……」
妹「そのときの状況を再現すると、こうです」スルスル
兄「ちょ、なんで服を脱ぐんだよっ!」
妹「実況見分の一種です」プチ
兄「こ、こら」
妹「兄さんは妹の胸でなんか欲情しないでしょう?」プルン
兄「あぅぅ……」
妹「そして、パンツはこう脱いで」スルスル
兄「……」
妹「このかごに入れました」ポイ
妹「そして私はお風呂に」ガララ
兄「おい、風呂から上がるまではあったんだからいいだろ。そこまで再現しなくても」
妹「あ……そうですね」
兄「まったく」
妹「でも、せっかくだから一緒に入りませんか?」
兄「な、なんななな」
妹「さぁ、はやくズボンを脱いで下さい」カチャカチャ
兄「何をするんだ!」
妹「いいからはやくー!」ズルル
兄「あーれー」
兄「な、何すんだよっ」
妹「最悪、兄さんがはいている可能性も考慮したのですが」
兄「お前の兄貴像はどこまで最低なんだよ」
妹「これでQ・E・Dならだいぶ楽だったんですが……」
兄「いいから服を着ろって!」
妹「去年までは一緒にお風呂に入ってたじゃありませんか」
兄「去年は去年、今年は今年だ」
妹「話をまとめると、昨日の夜から今日の夜にかけて私のパンツはなくなりました」
兄「うむ、期間が長すぎて特定が難しいな」
妹「この家でその間ずっと滞在し、なおかつフリーダムだったのは兄さんだけです」
兄「痛いところをついてくるな」
妹「そしてご覧の通り、物干し場にも私の縞ぱんはありません」
兄「もっとよく探してみろよ……手伝ってやるから」ゴソゴソ
妹「一見協力的な人が実は真犯人はよくあるパターン……これでまた兄さんにフラグが立ちました」
兄「どないせいちゅーねん」
妹「なんですか?」
兄「フッフフ、よくも人を犯人扱いしてくれたな」
妹「?」
兄「これを見ろ」ドーン
妹「縞ぱん!?ど、どこにあったんですか」
兄「いや、これ普通に干してあったから」
妹「よ、よく見せてください」
兄「ほれ」
妹「……」
兄「これでこのばかげた騒ぎも終結だな」
妹「……これはお母さんのです。私のではありません」
兄「げろげろ」
兄「くぅう、母ちゃんのパンツに触ってしまった」
妹「ちゃんと洗濯してますよ?」
兄「そういう問題じゃない」
妹「私のは洗濯してなくても盗るくせに?」
兄「しつこいなぁ。ていうか盗るのは洗う前じゃないと意味無いだろ」
妹「……今の発言は危険ですね。自分が犯人だと認めたようなものです」
兄「違うってば!一般的にはそうだろ」
妹「まあ、まだ証明終了しないでおきます」
兄「あくまで第一容疑者なんだな、俺は」
兄「うーん、お前のは……平気かな」
妹「ふ、ふーん……どうしてですか?やっぱり妹に欲情する変態だから?」
兄「棘があるなぁ、もう」
妹「最初から言ってくれれば、兄さんにさしあげても良かったのに」
兄「誘導尋問のつもりか」
妹「母さんのパンツじゃだめなんですか?」
兄「俺が犯人じゃないという前提で話すけど、母さんのパンツとか無理。有り得ない。見たくも無い。キモイ」
母「ほほー……あんたいい根性してるわね」ボキバキ
妹「あ、母さん」
兄「ひぎぃ」
妹「災難でしたね」
兄「お前母さんいるの知ってて話したろ……ったく」
妹「ふふ、どうでしょう」
兄「ここはもう実況見分おしまいか?」
妹「あ、これは私のパンツですよ」ヒラヒラ
兄「よせって」
妹「ゴムが少しゆるくなってるんです、ほらほら」ビヨーン
兄「やめろー!」
妹「やはり妹のパンツに過剰な反応を……怪しさは募るばかり、マル」
兄「何書いてるんだ?」
妹「捜査日記です。こうしてデータを蓄積して論理を構築していくのが私のやり方です」
兄「一丁前のことをいいやがる」
妹「そこまではスタート時点でわかってたことですから」
兄「カラスがつついて持っていった可能性は?」
妹「推理小説は人が犯人でなくてはなりません。そういう決まりがあるんです」
兄「チンパンジーが犯人の推理小説の名作を知ってるけど」
妹「そ、それはもう古いです」
兄「どの道、鳥が犯人だったらお手上げだけどな」
妹「とりあえず、次は私の部屋ですね」
兄「まだ続くのか……」
兄「なんで風呂場で脱いだパンツをお前の部屋で探すんだ?」
妹「可能性としてはいくつか考えられます」
兄「聞こう」
妹「まず、私の縞ぱんだけ母さんが洗濯し、干せたところでタンスにしまった」
兄「なんでお前のだけ別口で洗うんだよ。そんなに汚れてたのか?」
妹「兄さん、口の利き方に注意して下さい」ゴリッ
兄「足を踏むのはやめてくれ、痛い」
妹「どんなにありえなそうなことでも、他の可能性を排除し、残ったものが真実です」
兄「ホームズの決め台詞だな」
妹「もうひとつは、兄さんがその獣欲をみたした後、何食わぬ顔でタンスにしまいこんだ……」
兄「そこまで露骨に間抜けな犯行を犯す奴がいるだろうか」
妹「いるんですよ、世の中には結構」
兄「ここはまだ確認してないのか?」
妹「はい」
兄「早い段階で探すべきところだろ。もしあったらどうしてくれるんだ」
妹「その時は縞ぱんを兄さんに差しあげます」
兄「いや、いらないから」
妹「そろそろ本当のことをいってもいいんですよ?」
兄「バカなこと言ってないで見てみよう」ガラ
妹「そこは、私の下着がいっぱい入ってます」
兄「そ、そのようだな……」
妹「どうですか?ありますか?」
兄「うーん……」ゴソゴソ
妹「えっちですね。私の下着の山に手を突っ込んで」
兄「そんなこというなら手伝わないぞ」
妹「それはまた別のですね」
兄「この、黒と白のやつは」
妹「それも違います。無くなったのは水色のですから」
兄「なんでそんなに一杯縞ぱん持ってんだよ」
妹「にいさ……男性が好む下着だと聞いて」
兄「人によると思うけどな」ゴソゴソ
妹「に、兄さん。あんまり引っ掻き回さないでください」
兄「調べてるんだからしかたないだろ……おや」
妹「なんですか?」
兄「トランクスがあるけど、これもお前の?」
妹「ギク」
兄「なんだよ、その露骨に怪しい反応は」
妹「そ、それは母さんが捨てるっていってたもので」
兄「え?そうなの?」
妹「もったいないから、私が部屋着にしてたんです……けっして兄さんみたいな使い方はしてないです」
兄「俺みたいなってなんだよ」
妹「こう……私の下着で、ごしごししてるんですよね?」シュッシュ
兄「パントマイムは止せ、生々しい」
妹「わ、私は他のところを調べますから!あんまり散らかさないでくださいね」
兄「はいはい」
兄「なんだよ、タンスにはないぞ」
妹「ここを見てください」
兄「窓枠……なんだよ、これがどうした」
妹「よく見てください。窓枠に少しだけ土がついています」
兄「あ、本当だなぁ……なんだこれは」
妹「これは、賊が外から私の部屋に侵入してきた可能性を示すものです」
兄「そうかなぁ……猫かなんかだと思うけど」
妹「兄さんが昨夜、あるいは今日の昼、ここから侵入し、タンスからパンツを盗んでいった……」
兄「ちょ」
妹「兄さんの靴に土が付着していればQ・E・Dですね……検めさせてもらいますよ」
兄「仮に俺が犯人でも、なんでわざわざ外から入らなくちゃいけないんだよ」
妹「そう思わせることが兄さんの作戦です。靴を持ってきてください、さぁさぁ」
妹「うぅ……そんなはずは」
兄「犯人俺説から少し離れたほうがいいんじゃないのか?」
妹「あ、洗ったんです!靴を洗って、何食わぬ顔で持ってきた……」
兄「そもそもここ二階じゃないか。伝って登れるような雨どいも無い」
妹「それはきっと、兄さんが部屋から窓伝いに侵入してきたんです」
兄「それなら、靴を履いてるのは変じゃないか?」
妹「あぅぅ……」
兄「もーいいだろ。新しいのを買ってやるから諦めろ」
妹「まだですッ!兄さんの部屋を確認します」
兄「あーもう、好きにしてくれ」
兄「どこを調べるんだ?」
妹「というか兄さん、散らかってますね」
兄「まぁ、こんなもんだろ」
妹「だめですよ、いくら冬でもウジがわきます、こんな部屋」
兄「そんなに汚くも無いと思うんだが…」
妹「とりあえず兄さんの部屋の掃除もかねて捜索しましょう」
兄「えぇー……いいよ」
妹「駄目です。依然として一番怪しいのは兄さんなんですよ」
兄「はいはい」
妹「いま掃除機を持ってきますから、ちょっと待っててください」
兄「悪いな、部屋の掃除までさせて」
妹「捜査のためですから、気にしないでください」
兄「この本もまとめて捨てるか」
妹「ちゃんと資源ごみにださないと駄目ですからね」
兄「わかってるよ」ペラッ
妹「掃除の最中に古い雑誌を読み返すのは止めましょう」
兄「ついな」
妹「『……らめぇッッ!おにいひゃ……イクよぉっ……』」
兄「音読はやめような」
妹「これは重要な証拠になりますね。裁判の際には提出させていただきます」
兄「たまたまこういう漫画も連載してるってだけだろ!」
兄「見つかったか?お前のパンツは」
妹「……見つからないです」
兄「つまり、この部屋にはないってことだ」
妹「お、おかしいです……そんなはずは」
兄「ふーむ……」
妹「やっぱり兄さんが履いてるんです、そうに違いありません」
兄「さっき確認したじゃないか。履いてないし」
妹「この家のどこにも無いのです。パンツが一人で歩き回るはず無いでしょう」
兄「そらま、そうだけど」
兄「聞こう」
妹「……女の子のパンツは、非常に面積が小さいです。それはわかりますか?」
兄「言ってる事はわかるけど、意味がわからない」
妹「つまり、その上からボクサーパンツを履けば、見た目はわかりません」
兄「なんという暴論」
妹「この事件の真相は……兄さんのパンツ二枚重ねによる犯行の隠匿、これでQ・E・Dです」
兄「ま、待て」
妹「待ちません、いきますよー!」ズルルル
兄「アッー!」
妹「あれ……履いてない」
兄「さっきからそう言ってるじゃないか!」
妹「そ、そんな……私の推理が……」
兄「推理と思いつきの違いを学ぼうな」
妹「むっ……!生意気です」
兄「それよりパンツをもとに戻してくれ、寒い」
妹「ふーふー」
兄「息を吹きかけるなっ」
妹「なんか、芋虫みたいです」ジーッ
兄「凝視するなよ」
妹「……くんくん」
兄「においを嗅ぐのも止めてくれ」
兄「ご覧の通りだ」
妹「しかし、私のパンツを何らかの事情で使用した可能性は否定できません」
兄「はぁ……なんだか面倒くさくなってきた」
妹「何かしら証拠が挙がる気がしますので、調べさせてもらいます」
兄「は?」
妹「何か、水色の繊維でもみつかれば、重大な証拠になるんですが」サワサワ
兄「うひゃひほうっ!」
妹「へんな声を出さないでください……糸くずひとつでも大事な証拠になるんです」サワサワ
兄「うおぉ……」ムクムク
兄「な、なんだよっ!」
妹「おちんちん、大きくなってきました」サワサワ
兄「触られると大きくなるのは自然の摂理だ」
妹「ふぅーん……シワがなくなって調べやすくなりました」ツンツン
兄「つつくな」
妹「……れろっ」ペロ
兄「な、なんで舐めるんだよっ!」
妹「つ、つい……」
兄「くぅっ……だから使ってないって……」
妹「兄さん、この毛の中が怪しいです」サワサワ
兄「そんなこといわれても」
妹「んー……顔に棒が当たって邪魔です……」ニギッ
兄「はふぅ!」
妹「ん?兄さん?」ニギニギ
兄「握るのは止めてくれ」
妹「へぇ……どうしてですか?」ニギニギ
兄「ちょっと変な気持ちになるから」
妹「兄さん兄さん」シコシコ
兄「しごくなー!」
妹「あはは、これは面白いです」
兄「ほ、本当のことって……」ビクビク
妹「私の縞ぱん、返してください」シコシコシコ
兄「だ、だから知らないってば」
妹「まだ、そんなことを言うんですか……ぱくっ」カプ
兄「っ!」
妹「パンツなんか盗まなくても、ちゅぱ……言ってくれればいいのに」チュパチュパ
兄「盗んでないっ」
妹「待っふぇくらふぁいね、今脱ぎまふから…」シュル
兄「な、なんでパンツを」
妹「……私のパンツで……こうしたんじゃないんですか?」シコシコシコシコ
兄「アッー!」
妹「さぁ兄さん、いい加減吐いてください」
妹「汚してもいいですよ……洗濯しますから」シコシコシコ
兄「ま、また無くなったらどうするんだよ」ビクン
妹「また無くなったら兄さんと一緒に探します」シコシコシコ
兄「そ、そんなに簡単にパンツがなくなるわけないだろ」ビクン
妹「ふふ、そうですね」シコシコシコ
兄「つまり……最初からそんなものは無かった……と」ビクビクン
妹「えっ…」シコシコシコ
兄「俺の推理では、お前の狂言の線が非常に濃厚だ」
妹「」ギク
兄「そもそも、お前のその縞ぱんとやらを、俺は見たことがない」
妹「それが根拠ですか……?買ったばかりかもしれないですよ」シコシコシコ
兄「いつもお前は、買ったばかりのパンツは俺に見せてくるじゃないか……」ビクビクン
妹「縞のブラジャーがありましたけど……それは?」シコシコシコ
兄「上下のアンバランスで萌えを刺激するためのお前の作戦……」
妹「完璧です……兄さん」シコシコシコシコ
兄「こ、これが俺のQ・E・Dだッ!」ドピュピュ
妹「きゃッ!!か、顔に……」
兄「ふぅ……」
第一部完
妹「兄さん兄さん」
兄「ん?どうした」
妹「冷蔵庫にプリンがあったんですけど」
兄「あーあったな」
妹「兄さんプリン好きですよね?」
兄「まぁ好物だな」
妹「あれば食べちゃいませんか?」
兄「ちょっと待って」
妹「犯人は兄さんでQ・E・D!」
兄「またかい」
兄「あのさ、こないだもそうだったけど」
妹「なんですか?」
兄「なんで俺が第一容疑者なんだよ。他にも食いそうな奴いるだろう」
妹「居ないです。兄さんが一番怪しいです」
兄「大体あのプリンは俺がお前に買ってきた奴じゃないか」
妹「そうですが」
兄「なんで俺がお前に買ってきた奴を俺が食うんだ?論理的におかしくないか」
妹「自分が買ってきたもの→だから食べてもいい→食べた……以上、証明終了です」
兄「おまえ探偵だけは向いてないな」
妹「むっ、失礼な」
妹「まだそんなことをいいますか」
兄「でもなぁ、ホントに知らないんだって」
妹「そこまで言うのであれば、私も後には引けないです」
兄「ど、どうしようっていうんだ」
妹「私のプリン捜索に一緒に付き合ってもらいますよ」
兄「やれやれ……」
妹「さ、行きましょう兄さん。まずは現場検証です」
兄「待ってー」
妹「ここが犯行現場です」
兄「そんな大げさな」
妹「この冷蔵庫の中に今朝は確かに入ってたんですよ」
兄「それは俺も見た」
妹「最後に見たのはいつですか?」
兄「えーと、朝飯のときかなぁ」
妹「私と一緒ですね。その時どう思いましたか?」
兄「え、別に。プリンがあるなぁって」
妹「食べたいと思いませんでしたか?」
兄「えーと、まぁ……っておい、何書いてんだよ」
妹「兄さんの発言は証拠として記録に残します。つまり食べたいという意思はあった、と」
兄「陰険な警察みたいな真似しやがって」
妹「ち、違いますっ!今度はちゃんとプリンは存在してます」
兄「そうだけど、自分で食べて騒いでるとか」
妹「それは有り得ません。なぜなら私は今一刻も早くプリンを食べたいと願ってますから」
兄「結構マジっぽいな」
妹「私は冷蔵庫の中をもう一度見てみます……兄さんはゴミ箱のなかに空がないか見てみてください」
兄「なんで俺が……」ゴソゴソ
兄「うわ、くっさいなぁゴミ箱……」ゴソゴソ
妹「後でちゃんと手を洗ってくださいね」
兄「わかってるよ、もう」
妹「んー……無いですね」ポヨン
兄「こら、お前の尻が当たって邪魔だ」
妹「セクハラですね、兄さん」ポヨンポヨン
兄「物探しに集中できないから」
妹「甘いものを食べた後は私のお尻で欲情ですか?いい気なもんですね」ポヨンポヨン
兄「お前わざとやってるだろ!」
妹「冷蔵庫とゴミ箱の位置関係により、この結果は必然です」ポヨンポヨン
兄「くっ、ゴミ箱を向こうに持っていけばいい」ガタタ
妹「あっ兄さん!」
兄「ゴミ箱にあったこれは?プリンのカラ」
妹「蓋をよく見せてください……あ、これは違いますね」
兄「どうしてそういい切れる」
妹「蓋にはマジックで名前を書いておいたんですよ」
兄「あ、あっそう……」
妹「つまり犯人はキッチンで食べたのではなく、いずこかへプリンを持ち去った可能性が高いです」
兄「まぁここで食ってるのをお前に見つかったら面倒だしな」
妹「さて、どうしましょうか」
兄「新しいのを買ってやるからもういいだろ」
妹「駄目です。あの日あの時兄さんが買ってくれたプリンは世界でただひとつなんです」
兄「おおげさだなぁ」
妹「?」
兄「家族全員に聞けばいいだろ。プリン食ったかって」
妹「家族はほぼ出かけています。平日の昼間ですから」
兄「あ、そう……」
妹「兄さん、歯みがきをしたのはいつですか?」
兄「え?朝飯の後だけど」
妹「その後何か飲んだり食べたりしましたか?」
兄「いや、ついさっきのことだし」
妹「ふぅん……私もそうです」
兄「え?」
妹「だから、私とキスしましょう」
兄「な、なんでえっ!」
妹「兄さんが犯人であれば、口腔内にカラメルやバニラエッセンス等の残渣物があると仮定」
兄「残ってなかったらどうするんだよ」
妹「同時に私がプリンを食べていないという証明にもなりQ・E・Dです」
兄「まて、少し落ち着きたまえ」
妹「私は落ち着いてますよ、兄さん……さ」ギュ
兄「手を繋いでどうするつもりだ」
妹「諦めてキスしましょう……大丈夫、私も初めてですけどカウントしませんから」
兄「わー!」
兄「んっ……」
妹「はぁ……兄さん、くひを開けてください……れろっ……」
兄「あ、あーん……」
妹「れるっ……ちゅば……ちゅっ……んっ!ぷはぁ…」クチュクチュ
兄「な、長いんじゃないか」
妹「そんなことないれす……ちゅっ……ちゅっ……もっと舐めないと……わかりません……」チュバチュバ
兄「んむっ」
妹「はぁっ……!兄さん……兄さん……ちゅぱっ……」ギュ
兄「な、なんでしがみついてくるんだよっ」
妹「もっと奥まで……舐めないと……れるっ」クチュクチュ
兄「こ、こうか」
妹「はむっ」カプ
兄「!?」
妹「んっ……変です……甘くない……」レロレロ
兄「だから、食べてないってば……」
妹「私のはどうですか?」チュパチュパ
兄「ん……特に、甘くは無い……」
妹「お互い、犯人では無い、ということですね……」
兄「うん……」
妹「もう一回しましょうか」
兄「えっ」
妹「もしかしたら、奥歯のほうに証拠が残ってるかもしれないです」チュ
兄「んむむむむっ」
妹「兄さん……兄さん」チュパチュパ
妹「たくさん探しましたけど、どうも兄さんは犯人では無いですね」
兄「最初からそう言ってるだろ!」
妹「私はどうでしたか?」
兄「いや、プリンっぽい味は無かった」
妹「謎は深まるばかりですね……」
兄「買ってやるって、な。もういいだろ」
妹「二つ買ってくれますか?」
兄「なんでだよっ!無くなったのは一個だろ!」
妹「無くなった分も合わせて、二つ食べたいです」
兄「あーもうわかったよ」
妹「えへへ、兄さん大好きですっ」ギュ
妹「私も一緒に行っていいですか?」
兄「そこのコンビニにいくだけだぞ」
妹「二人でお出かけしたいですから」
兄「ふぅん……しかし、いいのか?真犯人は」
妹「迷宮入りの事件も多々あるものですよ、世の中には」
兄「もっとちゃんと探せば出てきそうだけどな」
おばあちゃん「お兄ちゃんやー」
兄「あれ、婆ちゃんいたのか」
妹「!?」
兄「うん、わかった」
妹「き、気をつけてください、お婆ちゃん」
おばあちゃん「あぁ、妹ちゃん、さっきはプリンありがとうねー」
兄「は?」
妹「」
おばあちゃん「とっても美味しかったよー」
妹「そ、それは良かったです」
兄「おい、どういうことだ」
妹「うぅ、急にお腹が」タタタッ
兄「まてやー」
おばあちゃん「おやおやー」
兄「ったく、また自作自演かよ」
おばあちゃん「ほっほっほ、お兄ちゃんに構って欲しいんじゃないのかねー」
兄「なんだよ、見てたの?」
おばあちゃん「二人でハグハグしてたのは見てたよー」
兄「げげ」
おばあちゃん「ほっほっほ、仲が良くていいねー」
兄「仲がいいというか、えーと」
兄「人の失業を喜ぶなんて、あいつは鬼か」
おばあちゃん「妹ちゃんはねー、お兄ちゃんが大好きだからねー」
兄「そうなの?」
おばあちゃん「いっつも、お兄ちゃんの話ばっかりしてたんだよー」
妹「おばあちゃあああああああんっ!」
兄「トイレから大声が」
おばあちゃん「ほっほっほ、じゃあ出かけようかねー」
兄「いってらっしゃい」
妹「おばあちゃんっ!それ以上話したらここで首吊って自殺しますから!」
兄「もう行ったぞ……」
妹「……いやです」
兄「察するにお前は」
妹「なんですか?」
兄「構って欲しかっただけなのか?」
妹「……それが兄さんのQ・E・Dですか?」
兄「うむ」
妹「底の浅い推理ですね」
兄「もう推理ってレベルじゃない気もするけど……」
妹「おばあちゃんが言った事は気にしないでください。アルツハイマーが進んでいるんです」
兄「ひでえこと言うなぁ」
妹「いいんですか?」
兄「いいから出て来いよ。行くぞ」
妹「ど、どこにですか」
兄「プリン買うんだろ。婆ちゃんのぶんもあわせて3つ」
妹「……いいんですか?」
兄「しかたないだろ……お前が食べたいっていうんだから」
妹「け、計画通りっ!です」ガチャ
兄「ウンコは流したか?」
妹「してないですっ!」
~2部完~
兄「なんだよ一体」
妹「私たちに仕事の依頼が来ました」
兄「は?」
妹「事件です。私の灰色の脳細胞が疼いています」
兄「いや、俺たち探偵じゃないだろ」
妹「探偵には免許も資格もいりませんよ。自分が探偵だと思えば探偵なのです」
兄「何の実績も無いのに……」
妹「私たちはすでに『縞ぱん事件』『消えたプリン事件』を解決したじゃないですか」
兄「どっちもお前の自作自演だったわけだが」
妹「ぴこぴこはいつでもできますから」ブチ
兄「アッー!セーブしてないのにー!」
妹「さ、依頼人が向こうで待ってます」グイ
兄「ったくしょーがないな……どうなってるんだ」
妹「行きますよ、兄さん」
兄「待ってー」
妹「色々あります」
妹友「こんにちわー」
兄「なんだよ、依頼人とか言ってお前の友達じゃないか」
妹「始めはこうして知り合いの悩みを解決するものです。そのうち口コミで評判が広がるものですよ」
兄「広まっても困るんだけど……」
妹友「むふふ」
妹「今お茶を出しますから、ちょっと待っててください」
妹友「はーい。お兄さん久しぶりー」
兄「あぁ、相変わらず元気そうで何より」
妹友「そうでもないの。もうハートブレイク寸前なの」
兄「そ、そうなんだ」
妹「詳しくお伺いしましょう」カチャ
妹友「ありがとー」
妹友「んーと、私の彼氏のことなんだけどー」
兄「あ、彼氏いるんだ」
妹友「私たちくらいの年なら、普通いるよー」
兄「へぇ、妹には居ないけどな」
妹「わ、私はどうでもいいです!兄さんだって彼女も居ないし仕事も無いじゃないですか」
兄「どっちも不可抗力だろ」
妹「恋人は努力次第で作ることができます」
兄「見解の相違だな。がんばっても出来ない奴は出来ない」
妹「それを証明できますか?頑張れば付き合えない人はいないです。努力が足りないんです」
兄「それがお前のQ・E・Dか?じゃあ頑張れば芸能人ともサッカー選手ともつきあえるってのか?」
妹「芸能人だろうがスポーツ選手だろうが実の兄だろうが私は付き合えると思います」
兄「最後に変なの混じってなかった?」
妹「混じってません」
妹友「あのー……」
妹「ごめんなさい。話の続きをどうぞ」
妹友「えーとね、付き合ってる彼氏が最近冷たいって言うか」
兄「ふむ」
妹友「構ってくれないっていうか、会ってても素っ気無いというかー」
兄「なんか普通の恋愛相談みたくなってるけど」
妹「最後まで話を聞きましょう」
兄「はいはい……ちなみに付き合って何ヶ月?」
妹友「3ヶ月っすー」
兄「あー……それは別れの周期だな」
妹「そうなんです?」
兄「よく言うだろ、3の周期で訪れるってやつだ」
兄「ほほう……ちなみに彼氏はイケメンなの?」
妹友「んー、お兄さんと同じくらいには」
兄「はっはっは、そりゃモテるだろうなー」ドヤッ
妹友「そうなんですよーえへへ」
妹「……」
兄「なんだよ」
妹「別に」
妹友「それで、彼氏の素行調査をお願いしたいんですけどー」
兄「素行調査って……なんか地味だな」
兄「そういうのは警察の仕事じゃないの?探偵は頭を使ってぱぱっと解決するもんだろ」
妹「それは警察の能力が低かった前時代の話です」
兄「俺たちそもそも素人だけど……」
妹「ほんとの探偵さんに頼むと、費用も時間もかかりますからね」
兄「一種の浮気調査みたいなもんかな?」
妹友「浮気してるかわかんないけど、そうだと思いますー」
兄「ふーん、もし浮気してたらどうするの?」
妹友「んー……別れるかなー。私も時間無駄にしたくないし」
兄「浮気してなかったら?」
妹友「最近様子がおかしい理由を突き止めて欲しいですー」
兄「なるほど……」
妹「これは責任重大ですよ兄さん。ひとつのカップルの命運が私たちの手に委ねられてるんです」
兄「まぁ、プリンとかパンツとは一線を画す話ではあるけど」
兄「え?なんでまた」
妹友「えへへー、捜査の状況を逐一知りたいもん。だめかなぁ」
妹「だ、だめですッ!」
妹友「えーなんでー」
兄「駄目だぞ、探偵といったってサービス業なんだ。要望をむげに断るわけにもいかん」ピピ
妹友「ありがとー!」
妹「ちょっと兄さんっ」
妹友「ねーお兄さん、寝れないときとか夜メールしてもいい?」
兄「あ、あぁうんいいよ(かわいいなぁ)」
妹「な、なんですかこの流れは……」
兄「ここがその彼氏の通ってる学校か……」
妹「私たちの隣の地区にある学校ですね」
兄「ていうかどうやって知り合ったんだ?」
妹「妹友ちゃんとは部活で知り合ったらしいですよ」
兄「ふーん……ていうか、学校の中の様子を探れないのは痛いな」
妹「写真は預かってます。この方が出てきたら尾行開始です」
兄「でもさぁ、素行調査なんて一日で結果がでるとは限らないじゃん」
妹「そうですね」
兄「まさか何か起きるまでずっと続けるのか?」
妹「最低でも日々の行動をアルゴリズム化できるまでは続ける必要がありますよね」
兄「最悪だぁ」
妹「兄さんは暇だからいいじゃないですか」
妹「だらしないですよ、兄さん」
兄「もうやだ、帰る。立ってるだけでつまんないし」
妹「こら、駄目ですよ。仕事なんですから」
兄「報酬も無いのに……うぅ寒い」
妹「ほら、手を握ってあげますから」ギュ
兄「あ、ありがとう」
妹「こうして立ってれば、きっとカップルに間違われて怪しさ半減です」
兄「そうかなぁ……」
妹「ついでに腕を組んでもいいですか?」
兄「こ、こら、体を押し付けるな」
キーンコーンカーンコーン
妹「授業が終わったみたいですね」
兄「お前が学校どうしたかは聞くまい」
兄「……」
妹「……来ないですね」
兄「学校でだべってるとか」
妹「その可能性もありますね」
兄「それか部活やってるんだろ?グラウンドか体育館とか」
妹「その可能性もありますね」
兄「もしかして妹友ちゃんと約束あるとか」
妹「だったらすぐ出てくるでしょう。頭を使って下さい」
兄「……」ムカ
妹「寒いからって思考停止してたらだめです……って兄さん!」
兄「なんだ?」
妹「ど、どうしてお尻を触るんですか……んっ……!」
兄「いやぁ頭が上手く働かなくてつい」
兄「どうした」モゾモゾ
妹「スカートの中から手を出して下さい。対象があらわれました」
兄「お、本当だ」
妹「さ、尾行を開始しますよ……気が付かれない様に注意して下さい」
兄「面識ないんだから平気だろ、見られても」
妹「いいからこっちです」コソコソ
兄「はいはい」コソコソ
兄「しかし写真で見たときも思ったけど、スポ根って顔だなぁ」
妹「アニメでいそうな顔です」
兄「あーいう顔が好きなのな?妹友ちゃんは」
妹「なんでも、サッカー部の主将だとか」
兄「ふーん……そりゃモテるだろうな」
妹「そうですね、私はあんまり興味ないですけど」
兄「しかし、どこに行くんだろうなぁ」
妹「歩行速度から推定して、何か目的のあるものと思われます」
兄「繁華街のほうに向かってるけど、家は向こうなのかな」
妹「兄さん、人が多いですけど見失わないようにしましょう。こっちです」
兄「待ってー」
兄「お、ツタヤに行くみたいだぞ」
妹「何かDVDでも借りるんでしょうか」
兄「さぁなぁ……とりあえず俺たちも入ろう」
妹「そうですね」
店員「いらっしゃいませー」
男「……」キョロキョロ
兄「何か挙動不審だな……」
兄「邦画コーナーにいくみたいだ」
妹「洋画には『用が』無いんですね」
兄「……」
妹「……」
兄「……」
妹「笑うとか、つまらなければつまらないとか、何かしらリアクションが無いと悲しいです」
兄「すいませーん!暖房効いてないみたいなんですけどっ」
店員「えっ!そんなことないと思うんですけど……」
妹「もうっ!兄さん!!」バシバシ
兄「あはは……悪かったよ」
妹「もうっ!勇気を出して言ったのにっ」
妹「邦画コーナーでうろちょろしてますね」
兄「あ、あの辺はセクシー映画だな」
妹「セクシー映画とは」
兄「アダルトビデオコーナーに入る勇気が無い人用のコーナーだな」
妹「サッカー部主将のくせに気が小さいですね……」
兄「それは関係ない。それにあれはあれで需要があるんだぞ」
妹「兄さんも借りたことがあるんですか?」
兄「古いにっかつとかは妙にエロイんだよな……」
男「……」カタ
妹「あ、手に取りましたね」
兄「彼には妙に親近感がわくなぁ」
妹「帰ったら一緒に観ましょうね」
兄「なんでホラー映画なんだよ」
妹「兄さんがビビるのを見るのが好きなんです」
兄「ちょっと性格悪いんじゃないか?」
妹「兄さんの借りたのは何ですか?」
兄「『ミート・ザ・ペアレンツ』だな」
妹「好きですね、それ……」
男「……」スタスタ
兄「おっと、次だ次」
兄「しかしあれだな、こうして尾行してると」
妹「なんですか?」
兄「いや、人のプライベートを覗き見している感が物凄いな」
妹「仕方ないです、それが仕事ですからね」
兄「しかも、それをちょっと楽しいと感じてる自分がいる」
妹「あ、それはなんとなくわかります」
兄「興信所でバイトしてみようかな」
妹「私もやりたいです」
男「ん?」チラ
兄「おっと……自然に自然に」
妹「手を繋ぎましょう。カップルだと思われるように」
兄「そうだな」ギュ
兄「しかし、どこに行くんだろうな」
妹「さぁ……」
兄「家に帰るんじゃないっぽいけど」
妹「妹友ちゃんとは約束してないみたいですね。さっきメールで確認しましたから」
兄「ふーん……となると、ホントに浮気とかだったりして……」
妹「それをしっかり確かめましょう」
兄「おう……ってなんか」
妹「何です?」
妹「え……兄さん……」
兄「ひくなひくな!マジだってば!」
妹「幻聴じゃないんですか?」
兄「本当だってば、どこからだろ」
幼女「……ぁーん…わぁーーん……」
男「大丈夫?お母さんはどこかな?」
幼女「……わかんない……」
兄「おや」
幼女「うん……ありがとう」
男「肩車をして、すいませーーーん!この子のお母さんはいませんかーーーー!」
兄「うぉ、道のど真ん中で叫び始めた」
妹「でも、いい人ですね」
兄「これはプラス査定だな……」
妹「ちょっと兄さん、面接してるんじゃないんですからね」
兄「そ、それはわかってるけど」
妹「誰に優しくしてようが、浮気してたらそのままちゃんと報告するんですからねっ」
兄「わかってるって……つーかまだ疑いがほんのちょっとあるだけなんだろ?」
妹「それはそうですけど……」
お母さん「幼女ちゃーんっ!」
幼女「おかあさーん!このお兄ちゃんがねっ」
兄「……」
男「……」
兄「今度は一人ファミレスかぁ」
妹「私たちはこの辺に座りましょうか」
兄「うん」
妹「さ、兄さん、何か食べましょう」
兄「おいおい、尾行中だぞ」
妹「向こうも注文してますし、何も頼まないのもおかしいですよ」
兄「そりゃそうか……じゃ、パスタでも適当に」
妹「カルボナーラとバジリコにしますから、半分こしましょう兄さん」
兄「はいはい」
妹「あと、いちごミルク頼んでいいですか?」
兄「お前普通に食事を楽しむ気まんまんだな」
妹「腹が減っては探偵はできませんから」
妹「何がですか?」ズズズ
兄「普通、あの年頃の男の子が一人でファミレスなんてこないだろ」モグモグ
妹「それは世間一般の普通であって、彼の普通はどうだかわかりませんよ」モグモグ
兄「そりゃそうだけど、俺がいいたいのは待ち合わせの可能性が高いなって事」モグモグ
妹「あっ!兄さん!半分以上食べましたね!」
兄「お前だってもう4/5は食ってるじゃないか!何が半分こだよっ」
?「おまたー」
男「よっ」
兄「あ……」
男「いいよ、そんなに待ってないから」
兄「うは……ビンゴかぁ」
妹「こ、これは……大当たりみたいですね」
兄「女の子の顔、わかるか?お前と同じ制服みたいだけど……」
妹「ちょ、ちょっとここからだとわからないです……」
兄「つーかすげぇ髪型だな……アフロっぽいけど」
妹「きっとブラックミュージックをリスペクトしてるんですね」
兄「あんな髪型のやつ学校にいたらすぐわかるだろ、心当たりはないのか?」
妹「えーと、生徒はたくさんいますから……よくわからないです」
兄「うーむ、まぁ顔が可愛けりゃあの髪型もありなのかなぁ」
妹「だ、駄目ですよ……もし知り合いだったら気まずいです」
兄「おいおい、そんな消極的な」
妹「とりあえず、カメラで証拠を押さえておきましょう」パシャリ
兄「おっ準備がいいな」
妹「探偵7つ道具の一つです」
兄「あとの6つは?」
妹「えーと……順次登場予定です」
兄「適当なこといってごまかしただろ今」
男「それじゃ行こうか」
女「うんっ!今日はどこつれてってくれるのー?」
兄「出るみたいだな。いくぞっ!」
兄「映画館かぁ、デートって感じだな」
妹「この時点でただの友達って線はなさそうですね」
兄「うん……何観るんだろうな」
男「何が観たい?」
女「えっとねー!アフロ田中がいいなっ」
兄「ぶっ」
妹「どうしたんですか?」
兄「いや、おかしくて思わず噴いてしまった」
妹「私は3丁目の夕日64が観たいですね……」
兄「俺もそっちがいいな、せっかく観るなら」
男「……アフロ田中また今度にして、今日は3丁目の夕日にしない?」
女「うー。いいけどさー」
兄「お、やった」
妹「私たちもチケットを買いましょう」
『じゅんのすけぇええええええっ』
兄「うぅっ吉岡くんの演技は泣けるわ」
妹「はい、兄さんハンカチですよ」
兄「ありがと」チーン
妹「ふふ、涙もろいんですね」
兄「1と2はトータルで30回は観たからな。思い入れが半端ないんだ」
女「……んもう、だめだってばぁ……こんなところで……」
男「……大丈夫だって、誰も見てないから」
妹「に、兄さんっ……なんか不穏な感じです」
兄「あ、そういや尾行してるんだっけか……」
兄「ただのセフレかもよ?本命は妹友ちゃんで」
妹「そ、そんなの都合が良すぎますっ!許せないですっ!」
兄「いまはそんなことより映画のほうが大事だ。ちょっと黙っててくれ」
妹「もう……」
兄「昭和っていいよね」
妹「私は平成生まれだからわからないです」
兄「今度はゲーセンか。もう普通にデートだな、あれは」
妹「間違いありませんね」
兄「何してるんだろ」
妹「あれはUFOキャッチャーですね」
男「大物捕ったどー!」
女「きゃーすごーい」
兄「観察されてるともしらずはしゃいでやがる」
妹「私も撮ります」パシャリ
兄「こんだけ証拠があれば充分だな、きっと」
妹「兄さん兄さん、私たちも少し遊びませんか?」
兄「そうだなぁ……まだあいつらはここにいそうだし」
妹「兄さんと一緒にプリクラが撮りたいです」
兄「了解」
兄「いや、普通に撮っても面白くないだろ……」
妹「こういうのは面白くなくてもいいんですっ!」
兄「ほらほら、モタモタしてると置いていかれるぞ」
妹「あっ待ってください」
兄「でも、お前はよく写ってるな」
妹「え……そうですか?」
兄「ケータイに張って置こうかな」ペタ
妹「……」
兄「どした」
妹「な、なんでもないです……行きましょう」
兄「だいぶ、時間も遅くなってきたけど平気か?」
妹「私は大丈夫ですよ」
男「……」
女「……」
兄「あーあー……よりそうように歩いちゃってまあ」
妹「これはもう言い逃れできませんね」パシャリ
兄「妹友ちゃんにはかわいそうな結果になってしまったな」
妹「仕方ないです……どんなことでも知らないより知ったほうがいいです」
兄「それもホームズのセリフだな」
男「……なぁ……いい?」
女「……うん、私もえっち、したい……」
兄「うぉ、なんて刺激的な……彼女の髪がアフロじゃなければ」
妹「鼻の下伸ばしてないで追いかけますよっ!あそこのホテルですっ!」ダッ
兄「ちょ、ちょっとまって」
兄「なぁ、何もわざわざ俺たちまで中に入らなくても」
妹「駄目ですよ、最後まで真実を追究するんです」
兄「とはいえ、俺たちだけでこの部屋に入ってもしかたないだろ……」
妹「大丈夫です、使われてるのはこの部屋と隣の部屋だけですから」
兄「なんでそんなことがわかるんだ?」
妹「フロントで確認しました」
兄「で、どうするんだこれから」
妹「盗聴を開始します」
兄「へっ」
妹「正確に言うと、聴診器ですけど」
兄「ヴィレッジとかで売ってるやつか」
妹「これを壁に当てると、隣の部屋の物音くらいは……」ピト
兄「聞こえるのか?」
妹「よく兄さんの部屋の音はこれで聞いてますけど」
兄「おい、ちょっと聞き捨てならんことを今」
妹「しっ!静かにっ……!」
兄「……」
妹「聞いてみて下さい兄さん。決定的な証拠です」
兄「ど、どれどれ」ゴクリ
兄「おおぅ……これは素晴らしい」
妹「聞こえますか?」
兄「よく聞こえるぞ。なんということでしょう」
妹「これはもう完全にアウトですね」
兄「うむ……うむ……」
隣部屋『あっあっあっ!あーーーーーーっ……!』
兄「や、やべぇ……勃起してきた」ムクムク
妹「に、兄さん……」
兄「不可抗力だ、勘弁してくれ」
兄「ちょ」
妹「いいから……兄さんは隣の物音を聞いていてください」カチャカチャ
兄「う、うん」
妹「すっごく、大きくなってます」ポロン
兄「な、なんでかなぁ」
妹「盗聴、興奮してるんですか?」シコシコシコ
兄「さ、さぁ」
妹「ふふ、ほんとにえっちですね兄さん」カプ
兄「!?」
妹「んっ……れろっ……ちゅっ…ぢゅっ……ぷはぁ……」チュパチュパ
兄「うっ……」
隣部屋『やぁああっ……!いっちゃうよぉ……!』
兄「や、やばい……なんだこの状況は」
兄「はぁはぁ……」
妹「ちゅぱっ……じゅるっ……れる……隣はどうですか?」チュバチュバ
兄「ま、まだ盛り上がってるみたいで」
妹「そう……ですか……んっんっ……んっんっ…」シコシコシコ
兄「うぅううっ……ちょっと待って」
妹「どうしてでふか……れるっ……じゅる……れろれろ」シコシコシコ
兄「も、もう出そうだから」
妹「そうなんですか……?いいですよ、口の中に出しても……」シコシコシコ
兄「うっ……うっうああっ!」
妹「んっ……じゅるるるっ……!んっ!!」
兄「い、イクッ!!」ドピュルルル
妹「んん~~ッ!!!」
兄「す、すまん……つい頭を押さえてしまって」
妹「い、いいですけど……けほけほ」
妹「ちょっと、疲れてしまいました……」
兄「まだ、時間あるから寝たらいいんじゃないかな」
妹「ごめんなさい……いいですか?」
兄「時間が来たら起こしてやるから」
妹「わかりました、お願いします」コテ
兄「……」
妹「くーくー……」
兄「寝たか……」
兄「あれ、そういやなにしに来たんだっけ……」
男「ふぅ……」
女「ねーねー、もう一回しようよ」
男「いや、もう時間ないんじゃないかな」
女「あ、そうだねー」
男「シャワー浴びてきたら?汗かいたでしょ」
女「うん、私が先でいいの?」
男「いいよ、ていうかいつまでそのアフロのかつらかぶってるの?」
女「あ、忘れてた」スポ
男「ププ、結構似合ってたけど」
妹友「そうかなぁ、あー頭痒かった」
妹友「んー、お兄ちゃんと尾行の振りしてデートしたいって妹ちゃんが」
男「普通に頼めばいいじゃないか」
妹友「好きなんでしょ、こういうの」
男「変わった子だね」
妹友「ねーねー聞かれてるの知っててするのって興奮するね」
男「はは、また頼もうか」
妹友「それもいいかもー」
妹友「で、どうでしたかー?」
兄「うん、非常にいいづらいんだけど」
妹「気を確かに持って聞いて下さい」
妹友「うんうん、聞くよー」
兄「結果から先に言うと、黒だな」
妹友「あっちゃー、やっぱりね」
妹「妹友ちゃん、気を落とさないでくださいね」
妹友「うんうん、わかってるわかってる」
兄「な、なんか余裕あるな」
妹友「そんなことないですよー」
妹友「うっわー、アフロ髪だー」
妹「街中ではかなり目立ってました」
妹友「この女の子と浮気してたの?」
兄「あぁ、ホテルにも行ってたみたい」
妹友「ふーん」
兄「俺の言うことじゃないけど、彼氏とは別れたほうが……」
妹友「うーん、一時の気の迷いなら許してあげる。」
兄「え?」
妹「さすが妹友ちゃん、こころが広いです」
兄「こないだは二股かけられるくらいなら別れるとか言ってなかったっけ」
妹友「やっぱり彼氏大好きだしー、サッカー部だしー主将だしー」
兄「あれま」
妹友「私だけですよー」
妹「私は……殺します」
兄「こわっ!ボソっと言うなよ」
妹友「とにかく、これで調査は終了ですね。ありがとうございましたー」
兄「あ、でも」
妹友「なーに?あ、もしかして私と付き合いたいとか?でもなー」
妹「それはだめですっ!」
兄「い、いや……その彼氏なんだけど次の日もまた、違う子とデートしててさ」
妹友「えっ」
妹「えっ」
妹友「ど、どういうことっ」
妹「え……さ、さぁ」
兄「これが次の日の写真。茶髪で結構遊んでそうな感じだった」
妹友「がびーん」
妹「い、妹友ちゃん、しっかり」
兄「で、これが昨日の写真……ラブホ前で撮ったんだけど。また違う子だな」
妹「な、なんて絶倫ですか」
兄「まぁ……妹友ちゃんがいいっていうならこれはこれでおしまいだな」
妹友「う……ぅう……」
妹「い、妹友ちゃん……?」
妹友「うがぁああああああああああああああああっ!!!!!殺す!絶対殺すぅっ!!」
兄「うおおおっ!」ビク
妹「お、落ち着いて下さい」
兄「さっきまでと反応が違いすぎる」
妹友「待ってろやぁドグサレチンポがぁあああああっ」ダダダダッ
兄「あ、待って……」
妹「……行っちゃいましたね」
兄「あーあ、マジで殺したりするんじゃないだろうな」
妹「まったくもう、なんであんなことしたんですか」
兄「いや、そういう話だっただろ……」
妹「そ、それはそうなんですけどっ!」
兄「なんにせよ、浮気調査はもうごめんだなぁ。気が滅入るよ」
妹「うぅ、こんなはずではなかったんですが……」
兄「なんだって?」
妹「なんでもないですっ」
保守ありがとうございます。いっこうにクオリティがあがらず申し訳ない
Entry ⇒ 2012.03.07 | Category ⇒ 兄弟姉妹「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
少女「あなた誰?」 宇宙人「えっ宇宙人ですけど」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330324785/
宇宙人「そうですよ」
少女「……」
少女「……」ツン
宇宙人「あっ何するんですかやめてください」
少女「……うりうり」ツンツン
宇宙人「あっそこは目ですから!痛い!痛いです!」
少女「えっなにそれこわい。何でそんなとこに目がついてるの?」
宇宙人「えっおかしいですか? えっ? えっ……」
宇宙人「す、すいません……緊張して汗が」
少女「えっそれ汗なの?」
宇宙人「えっなに? なんですか? おかしいですかわたし」
少女「……」
宇宙人「あ……あの……。急に黙られると不安になります」
少女「これ耳?」
宇宙人「あっあっダメですそこはひっぱらないで! 気持ちよくなっちゃいますから! あッ!」
少女「えっごめん」ビクッ
宇宙人「ふー……ふー……。び、びっくりしました」
宇宙人「……もう、気をつけてくださいね。同族同士だったら攻撃と見なされて裁判モノですよ」
少女「このぷらんぷらんしてる変なのは……一応、手足なのかしら。だとしても本数がおかしなことになってるし」
少女「ほんとに宇宙人ってこと?」
宇宙人「いえ、自分のことを宇宙人だとは特に思ってないんですが……あなたからすればそうでしょう」
少女「宇宙から来たの?」
宇宙人「そうですよ」
少女「……」
少女「宇宙人は宇宙人語をしゃべるんじゃないの?」
宇宙人「あーそれは私たちの言語とあなたたちの言語を同時に相互翻訳する機械を使ってるからですよ」
少女「?」
宇宙人「えっと……と、とにかくお互いの言葉が通じるようになる特殊な技術を使ってるんです」
少女「ふーん」
宇宙人「それはもちろん! あなた方の現在の科学技術レベルは、我々が4万年ほど前に通り過ぎた地点ですね」
少女「……」
少女「えい」ツン
宇宙人「あっ! 痛いです! ツンツンしないで!」
少女「いばらないでよ」ツンツン
宇宙人「ごめんなさい! もういばらないですから! いばらないって約束します!」
少女「……そう」
少女「でもツンツンする」ツンツン
宇宙人「あっ! ダメです! そこはダメ!」
少女「……」
宇宙人「まぁ、多少不安はありますが……選り好みできる立場でもありませんし、あなたで我慢します」
宇宙人「すみませんが、しばらくここに置いてもらえませんか?」
少女「どうして?」
宇宙人「先程も簡単に説明しましたが、私の生体維持と宇宙船稼働のための動力源を確保する必要があるんです」
宇宙人「当面は母船と短時間の通信を可能とするだけのエネルギー採取で何とかなりますから、そんなに大量でなくてもよいのですが」
少女「動力源……石油とか?」
宇宙人「いえ、私たちが動力源とするのは生物の『感情』です」
少女「……意味がわからないわ」
宇宙人「えっ」
宇宙人「我々にとってはもはや当たり前のことなのですが、あなたの星の科学レベルでは意味不明なのも無理はないです」
少女「えい」ツン
宇宙人「えっ! いや、今のは別にいばったわけじゃ! すみません!」
少女「……続けて」
宇宙人「と……とにかくですね、我々は生物の『感情』を動力源に変換する技術をもってるんです」
宇宙人「それも知性の高い生命体の感情ほど純質で、エネルギー変換効率も高いのです」
少女「よく分からないけど、わたしが怒ったり笑ったり泣いたりすればいいの?」
宇宙人「そうです! 理解してくださって嬉しいです!」
宇宙人「大丈夫です。そんな心配はいりません」
宇宙人「感情を生み出す能力を奪うわけではなく、生み出された結果としての感情を利用するだけですから」
少女「じゃあいいけど」
宇宙人「ありがとうございます。それでは感情採取装置を身体にとりつけさせて下さいね」
少女「……いいけど」
宇宙人「しからば……よいしょっと」ペタペタ
少女「あっ! エッチ!」
宇宙人「えっ」
少女「……エッチぃ」
宇宙人「い、いえわざとじゃありません。というかそもそも種が違うのでやましい気持ちとかないですから」
少女「ふーん」
宇宙人「とりあえず笑ってみて下さい」
少女「……」
少女「う……うふふ?」
宇宙人「ダメですね。全然ダメダメです。気持ちがこもってません」
少女「……」
少女「えい」ツン
宇宙人「あっ! 痛い! なんでですか!? すみません!」
宇宙人「そうしたいのは山々なのですが、我々は半分生物じゃないので、感情の変換効率が悪すぎるのです」
少女「えっ」
宇宙人「えっ何ですか? 驚くところですか?」
少女「驚くところだと思う。半分は生き物じゃないの?」
宇宙人「そうですよ。宇宙では半生命体は珍しくもありません」
少女「生命以外のもう半分はなんなの?」
宇宙人「色々な場合がありますが違いますが、我々の種族の場合には『情報体』ですね」
少女「じょうほうたい?」
宇宙人「情報体というのは一種の物理的存在です。しかしあなた方の知性では正確には理解できないでしょう」
宇宙人「……そうですね、お化けみたいなものだと考えて下さい」
宇宙人「粗雑な説明にならざるを得ませんが……我々も大昔の祖先は、宇宙の何処にでもいるようなごく普通の生物だったのです」
宇宙人「しかし、生命力や身体能力、情報伝達や情報蓄積などの様々な点で純粋な生命体は効率が悪いということになりまして」
宇宙人「遠い過去に身体の機械化が始まり、やがては機械化から情報体化へとトレンドが移行しました」
宇宙人「その結果『肉体の檻』は突破しましたが、生命体は生命体の限界を超え出られないため、完全な情報体にもなれなかったのです」
宇宙人「そのような経緯で、現在の半情報体・半生命体に落ち着いたわけですね」
少女「??」
宇宙人「いえ、分からないなら無理に理解しなくていいです」
宇宙人「ともかくこの情報体という身は色々と便利ではあるのですが……」
宇宙人「生体維持に生物の感情が必要となり、にもかかわらず自分たち自身の感情のエネルギー変換効率は純粋な生命体よりも劣化してしまった、と」
宇宙人「結果論ではありますが、何事も完璧にうまくいくということはないという良い教訓ですね」
少女「ふーん……。やっぱりよく分からないや」
宇宙人「基本的には生物の感情なら何でもよいのですが、高出力のものほどありがたいです」
少女「たとえば?」
宇宙人「たとえば……オルガスムスなどはその代表例でしょうか」
少女「おるがす……??」
宇宙人「性的絶頂時の感情、つまり極限的な快感の情動です。たいていの生物にとってこの類の感情は爆発的エネルギーを内在させていますから」
宇宙人「あなた方の種の交配方法は確か……最もノーマルな二者間交配でしたよね」
宇宙人「私としては、あなたがガツンガツン交配に励んでくれれば嬉しい限りです」
少女「……」
少女「…………」
少女「………………」ツンツンツンツンツンツンツンツン!!!!
宇宙人「痛い! っていうか強い! 何ですか! 何でそんな急に!! あッ! すみませんすみません!!」
宇宙人「いてて……『そういうこと』って何ですか?」
少女「……」スッ
宇宙人「あっすみません! よく分かりませんが分わかりました!」
宇宙人「……って、あ!」
少女「?」
宇宙人「今しがた、強い感情が生じたようですね。この色と形は……羞恥心?」
少女「……」
宇宙人「あぁ……なるほど! そういえば交配事情に羞恥を感じる文化が稀にあると聞いたことがあります。特に未開文明に散見されるとか」
宇宙人「へぇ~実際に遭遇したのは初めてです。へぇ~」
少女「……」
少女「…………」ツンツンツンツン!!!
宇宙人「痛ッ! すみません! あっこれはどうやら怒りの感情ですね! ありがたいです! あっでも痛い!」
宇宙人「学校ですか。何を学ぶので?」
少女「いろいろよ。文字とか数とか……地理とか歴史とか、生き物のこととか」
宇宙人「なるほど。どのような仕方で学ぶのですか?」
少女「どのようにって……。先生が前に立って説明して、みんながそれを聞いて学ぶの。当たり前でしょ?」
宇宙人「……」
少女「なに?」
宇宙人「いえ……やはり随分と非効率的だなと思っただけです」
少女「?」
少女「……わたしはもう行くから、いい子でお留守番しててよね」
宇宙人「はい。いってらっしゃい」
少女「……」
宇宙人「おかえりなさい」
少女「……ただいま」
宇宙人「学校はそんなにイヤな所なのですか?」
少女「……えっ」
宇宙人「この部屋であなたの感情をモニタリングしていましたが、継続的に強い感情が生起していました」
少女「……」
宇宙人「『恐怖』という感情です。それほどまでにあなたを怯えさせる要因が学校にはあるんですか?」
少女「別にいいでしょ。あなたは私の『怖い』って感情を手に入れられて満足じゃないの?」
宇宙人「ええまぁそうなんですが……恐怖という感情は生命力を鈍らせる働きがあります」
宇宙人「私としては感情採取が順調で喜ばしい反面、寄生先のあなたに死なれても困るので、やや複雑な気持ちです」
少女「……」
少女「……ふん。相手の気持ちを汲んで、言葉を選ぶことすらできないのね」
少女「そんな気持ちわるい容姿でも『私たちと同じように感情豊かなんだ』って驚いたけれど、やっぱり別の生き物ってことかしら」
少女「満足がいくまでいくらでも感情を提供してあげるわ。だから……もう黙ってて」
宇宙人「……」
宇宙人「……意外に饒舌な方だったんですね。少し驚きました」
少女「……もう寝る」
宇宙人「……」
宇宙人「どうしました急に?」
少女「!! ……パパが呼んでるッ!」ガバッ
少女「ッ!」ダッ
宇宙人「??」
宇宙人「……」
宇宙人「……」
宇宙人「……」
宇宙人「……」
宇宙人「また……『恐怖』の色と形。それに『悲しみ』の色と形も」
宇宙人「おかえりなさい」
少女「……」
宇宙人「また何か辛いことがあったようですね」
少女「……」
少女「……私たちの種族は、あなたたち宇宙人とは違って何でもないことに恐怖を感じるようにできてるだけよ」
少女「みんなそうなの。私だけじゃなくて」
宇宙人「……」
宇宙人「こめかみの所……アザになってますよ」
少女「……」
少女「……おやすみ」
少女「……」
宇宙人「おかえりなさい」
少女「……ただいま」
宇宙人「今日も学校は辛かったのですか?」
少女「……」
宇宙人「いじめですね?」
少女「……」
宇宙人「いじめは生物にとってある程度普遍的です。知能の低い生物種にすらいじめはあります」
宇宙人「ましてあなた方のようにある程度発達した知性をもつ種族にいじめがあるのは自然なことです。想像に難くありません」
宇宙人「学校の級友たちばかりではない。お父様やお母様にもいじめられているのでは?」
少女「……」
宇宙人「……」
少女「……」
宇宙人「……」
少女「……」
宇宙人「………………殺してあげましょうか?」
少女「……えっ?」
少女「……なにそれ」
宇宙人「あなたには一宿一飯どころではない恩義がありますから」
宇宙人「一切の痕跡を残さず消滅させることも可能ですし……」
宇宙人「お望みならば、苦しませながら相手の生命を断つこともできますよ?」
少女「……」
少女「……ダメだよ、そんなの」
宇宙人「どうしてですか?」
少女「だって……」
少女「だって、悪いのは私だもの」
安心した
少女「……わたしはもらわれっ子で、パパとママは嫌々わたしを養ってくれてるの」
少女「ママは『親戚の子だからって貧乏クジ引かされてこっちは散々よ』って言って、怒ったり、叩いたりするの……」
少女「パパはわたしのこと、その…………身体を撫でてきたりとか……」
少女「でも、わたしはパパとママのおかげで生きていられるんだから、多少のことは我慢しないといけないの」
宇宙人「……」
宇宙人「学校のことは?」
少女「……」
少女「……お風呂にはたまにしか入れないし、お洋服もほとんど持ってないから、みんなに『臭い』とか『汚い』って言われてるの」
少女「仕方ないよ……自分でも汚いって思うもん」
宇宙人「……」
少女「学校のみんなも……私が汚いから仕方ないんだよ」
宇宙人「……」
宇宙人「あなたはとても賢いのですね」
少女「えっ?」
宇宙人「あなたの種族の同年代の個体と比較すると、随分と聡明のようです」
宇宙人「自分を取りまく環境を正確に理解しており、その上で自分の感情を抑制する術を心得ています」
少女「……」
少女「なにそれ……変なの」
宇宙人「……ただ、これは私があなた方の種族の『責任』の概念をきちんと理解していないだけなのかもしれませんが……」
宇宙人「私には、あなたが『責任』と『原因』とを混同しているように見えます」
少女「??」
宇宙人「いじめの原因は、確かにあなた自身にもあるのでしょう」
宇宙人「もらわれっ子であるという事実や清潔感がないという印象はあなた自身に付与される属性であって、確かにこれらはいじめの一因となっていると推察されます」
少女「……」
宇宙人「しかし、そういった事実や印象によって、あなたのお父様やお母様に対して、またあなたの学校の級友に対して、あなたをいじめることの免罪符が与えられるわけではありません」
宇宙人「他方でまた、彼ら彼女らのいじめという行為の『責任』は、本来的にその行為遂行者である彼ら彼女ら自身が引き受けるものでしょう」
宇宙人「にもかかわらず、そのいじめという行為の責任があなたにまで分与されると考えてしまうのは、あなたが『原因』の帰属先と『責任』の帰属先とを混同しているからです」
少女「……」
少女「……ごめんなさい。難しくてよく分からないわ」
宇宙人「……つまり簡単に言うとですね、仮にいじめの原因があなたにあったとしても、いじめの責任はあなたにはないということです」
宇宙人「あなたは、悪くないのですよ」
宇宙人「あなたにも色々な事情があって、それ故にいじめられているのでしょう」
宇宙人「しかしだからといって、それは『あなたが悪い』わけではないですし、まして『仕方のない』ことでもありません」
宇宙人「あなたが望むならば、あなたをいじめる存在を皆殺しにしてみせましょう。それで問題解決です」
少女「……」
少女「ありがとう。少し驚いたけど……あなた、慰めてくれてたのね」
宇宙人「いえ、というよりも『いじめっ子排除プラン』の採用を説得していたつもりだったのですが……」
少女「でも、ダメよやっぱり」
少女「学校のみんなが死んだら、その子たちのパパやママはとても悲しいだろうし」
少女「今のパパやママを死なせちゃったら、天国にいる本当のパパとママはきっとわたしを叱るもの……」
宇宙人「……」
少女「でもありがとね。何だか少しスッキリしちゃった」
少女「昨夜のこと……悪かったわ」
宇宙人「え?」
少女「ほら、あなたのこと『気持ちわるい』って言ったでしょ」
少女「言ってからずっと……後悔してたの」
宇宙人「ああそんなことですか。気にする必要ないですよ。私から見ればあなたの姿形もそうとう変ですし」
少女「そ、そう……。まぁいいわ。だったらお互い様ね」
少女「でも、あなたは……そうね、鼻はぷっくりとしてて可愛いと思わないでもないわよ」
宇宙人「そうですか? あなたの鼻は、私にはあまり可愛いとは思えないのですが……」
少女「ちょーしにのるなッ!」ツンツン
宇宙人「あっ! 痛い! やめてください! えへへ!」
少女「……もうッ! なんでちょっと嬉しそうなのよ……バカ」
宇宙人「これを身につけて下さい」
少女「? なにこれ」
宇宙人「携帯型の防犯装置です。今日あなたがいないうちに作っておきました」
少女「……危ないものじゃないの?」
宇宙人「他人に危害を加えるものではありませんので心配しないでください。外部から強制的に他者の自律神経系に作用する微弱な電流を放出します」
少女「??」
宇宙人「その装置から出る電流にはリラックス効果がある、とでも思って下さい」
宇宙人「怒りっぽい人が少しだけ怒りっぽくなくなる程度の影響力ですし、後遺症などの心配も必要ありません」
宇宙人「いじめの根絶はできませんが、緩和効果くらいはあるはずです」
少女「……ありがとう」
宇宙人「……おや。暖かい色と形ですね。喜んでもらえたようで何よりです」
宇宙人「おかえりなさい」
少女「ただいま! ねぇ聞いて、今日お友達ができたの!」
宇宙人「おやそうなんですか」
少女「うん! きっとあなたがくれたお守りのおかげね」
宇宙人「それはよかったですね。男の子ですか、女の子ですか?」
少女「女の子よ。……男の子は、ちょっと怖いわ」
宇宙人「……」
少女「そういえば、あなたって男の子? それとも女の子?」
宇宙人「私ですか? その分類で言うならば、一応『女の子』ですね」
宇宙人「なんですか?」
少女「てっきりあなたのことだから、『我々には性別などない』って言うのかと」
宇宙人「いえ、そんなことはありません。ただこの性別にはもはや高次の社会的意味合いは薄いでしょうね。種の存続という点に限った生物学的特色に過ぎないものです」
宇宙人「とはいえ、その交配についてもあなたが想像する営みとは食い違っているかもしれません」
少女「こ、こうはいって……」
宇宙人「ああ、すみません。性事情に羞恥を感じる文化をお持ちでしたよね」
少女「別にいいけど……それじゃあ、あなた達の場合どうやって子どもができるの?」
宇宙人「生命情報の直截的な連結と分裂です」
少女「?」
宇宙人「この『半分』というのは文字通り身体の半分ずつがそうなっているという意味ではありません」
宇宙人「『生命』という事象を科学的に解析することに成功した我々の祖先は、さらに続けてその生命現象を情報体として存続させる技術を確立させたのです」
宇宙人「つまり、我々は『生命と情報体』の二つで出来ているのではなく……正確に言えば『生命としての情報体』なのです」
少女「……」
少女「……あいかわらずよく分からないわ」
宇宙人「たとえば私が子どもを作ろうとしたら、自分の生命情報の一部と他者の生命情報の一部を直截的に繋ぎあわせた後、分離させます」
宇宙人「そうすると新たな生命情報が誕生するわけです。言うなればそれが、私の子どもですね」
少女「はぁ……なんだかすごいのね」
宇宙人「いえ、むしろある意味では原始的とさえ言うべきかもしれませんよ」
宇宙人「しかし、この情報体というやつも一長一短でして」
宇宙人「同種間での情報伝達・情報蓄積・情報処理といった点では素晴らしい効率性をもつのですが、いかんせん情報体化していない種族とのコミュニケーションをはかるのが不得手なのです」
宇宙人「この点については現在も改良が続いているので、時間が解決してくれる問題だとは思いますが……」
宇宙人「現時点では非情報体の他種族とコミュニケーションをとる場合、『肉人形』を情報伝達の媒体として使うという何とも原始的方法をとっているんです」
少女「肉人形?」
宇宙人「今あなたの目の前にある私の身体のことです」
少女「えっなにそれ」
宇宙人「私にとってこの身体は借り物です。別の身体を用意すればそちらに移ることもできますし、この身体が損傷しても私自身が死ぬことはありません」
宇宙人「とはいえ、我々にも個体ごとの趣味嗜好というものがあります。この肉人形も私の趣味で選びました」
宇宙人「どうでしょう? 人気モデルの女型なんですが……少しくらいは、かわいいと思いませんか?」
少女「えっ」
宇宙人「えっ」
少女「ただいま! 今日はお友達と一緒にお昼ごはんを食べたのよ!」
宇宙人「おかえりなさい。それはとてもよかったですね」
宇宙人「感情モニタリングでも、『喜び』や『楽しみ』といった暖かい色や形が続いていましたよ」
少女「うふふ。あなたが来てからなんだか幸せよ」
宇宙人「でもそれだけではなく『緊張』……いえ、『戸惑い』といった感情も継続的に観測されましたが」
少女「あ……」
少女「実はね……男の子に告白されたの」
宇宙人「ほほぅ」
少女「こんなこと初めてだから、どうすればいいか分からなくって……」
少女「へっ?」
宇宙人「できればズッコンバッコン励んで頂きたいですね」
宇宙人「彼氏が床上手であることを祈ります。あなたも幸せですし、私も感情採取ができて嬉しいです」
少女「……」
宇宙人「……あ」
少女「だーかーらー」
宇宙人「あっ、ちょっまっ」
少女「そーゆーこと言わないでって言ってるでしょ!」ツンツンツンツンツンツン!!!
宇宙人「あっ! 痛い! 痛いです! うっかりです! うっかりですってば!」
宇宙人「今は生体維持を可能にするだけの最小限のエネルギーしか使ってないので仕方ないんですよ」
少女「ふーん」
宇宙人「そんな疑いの眼差しを向けないでください」
宇宙人「そもそも我々の種族は、個体ごとの嗜好の違いはあっても、情報蓄積や情報処理は共有化できるため、賢さという点での個体差はあってないようなものなんです」
宇宙人「もっとも、知識の均質化は嗜好の方向性さえも限定してしまうので、趣味・嗜好の個体差も些細なものだったりするのですが」
宇宙人「このような個体間の多様性欠如というのも、情報体化のデメリットかもしれませんね」
少女「へぇ~。趣味や嗜好が限定されるって、例えば好きな男の子が被ったりとか大変じゃない?」
宇宙人「いえ、性愛などの感情は退化しています。我々の仲間内でもごく一部の者たちが趣味的に娯しむものでしかありません」
宇宙人「以前にも説明しましたが我々の生殖活動は肉体を必要としませんので、性欲などの低次欲求も退化してしまっているのです」
宇宙人「性欲が退化すれば、愛情も退化するものです。ついでに言えば、食欲や睡眠欲なども退化していますね」
宇宙人「色々ありますが、大部分は……生存欲と知識欲ですね」
少女「へぇ~不思議。『食べたい』って欲求は消えたのに、『生きたい』なんて基本的な欲求は残ったんだ」
宇宙人「それが生命体としての限界というやつです」
宇宙人「生命体である以上、自己の生命の存続を求めずにはいられない」
宇宙人「生命現象の知的解析に成功してなお、我々は『自らが生命体である』というその事実を乗り越えることはできなかったのです」
少女「ふぅん。でも何だかつまらないわ。あなた女の子よね? それなのに、これまでもこれからも……好きな男の子はいないってこと?」
宇宙人「ええ。しかし別段そのことを不満にも思いません」
宇宙人「自分の子孫を残すのも、情報体コミュニティを存続させるための義務程度に考えています。他の仲間の多くもきっとそうでしょう」
宇宙人「色々ありますが、大部分は……生存欲と知識欲ですね」
少女「へぇ~不思議。『食べたい』って欲求は消えたのに、『生きたい』なんて基本的な欲求は残ったんだ」
宇宙人「それが生命体としての限界というやつです」
宇宙人「生命体である以上、自己の生命の存続を求めずにはいられない」
宇宙人「生命現象の知的解析に成功してなお、我々は『自らが生命体である』というその事実を乗り越えることはできなかったのです」
少女「ふぅん。でも何だかつまらないわ。あなた女の子よね?」
少女「それなのに、これまでもこれからも……好きな男の子はいないってこと?」
宇宙人「ええ。しかし別段そのことを不満にも思いません」
宇宙人「自分の子孫を残すのも、情報体コミュニティを存続させるための義務程度に考えています。他の仲間の多くもきっとそうでしょう」
少女「別にあなたにそんなこと期待してないわ」
宇宙人「十分なエネルギーさえあれば、仲間と共有しているデータベースを参照することで適切なアドバイスを引き出すこともできるのですが、残念です」
少女「いいって言ってるでしょ別に」
少女「どっちにしろ……男の子は少し怖いもの。お付き合いはお断りするわ」
宇宙人「そうですか。残念です」
少女「なんであなたが残念がるのよ……って、いいわ答えなくて」
宇宙人「いえ、別に交配のことだけではありません」
宇宙人「恋愛を楽しんでくだされば『喜び』や『楽しみ』などの様々な感情採取が効率的に行えそうなので、残念だと思ったのです」
少女「それは申し訳ないわね。でも、一朝一夕に性格なんて変えられないもの」
宇宙人「ええ、まぁ先を急ぐ旅でもありませんので、気長に待たせて頂きます」
宇宙人「今日はどうされたんですか」
少女「……」
宇宙人「お父様やお母様と、何かあったので?」
少女「……」
宇宙人「これまでにない『恐怖』の感情が観測されました」
宇宙人「長時間続けばあなたの生命活動に支障を来たしかねない程の強さです」
少女「……」
宇宙人「……」
少女「……」
少女「…………パパ、が」
少女「…………パパが、『一緒にお風呂に入ろう』って」
少女「……」
少女「……」
少女「……さ」ジワ…
宇宙人「さ?」
少女「……さ、さわ、られたの」ポロポロ…
宇宙人「……」
少女「……色々な、ところ……さわられた、の……」ポロポロ…
宇宙人「……」
宇宙人「…………やはり、排除しましょう」
少女「……だ、だめだよ。それはだめ……」
宇宙人「……」
少女「天国のパパとママが……許してくれないもん……」グス…
宇宙人「手を下すのは私ですし、あなたの意向によって行うわけでもありません。前にも説明したでしょう? 行為の責任は行為遂行者にあるものです」
宇宙人「もちろんこの原則にも例外はあり得ます」
宇宙人「行為を遂行した者と責任を負う者が必ずしも一対一対応するとは限りませんし、積極的に行為を為さなかったとしても消極的な関与によって責任が生じることもある」
宇宙人「しかし今回の件は、私があなたの意向を無視して勝手に行うことです。私の行為を生じさせた淵源があなたにあったとしても、その行為の責任はあなたにはない」
宇宙人「私があなたを悩ませる存在を排除したとしても、あなた自身がそのことで苦しむ必要はありません」
少女「やっぱり、それはだめだよ」グシグシ…
宇宙人「……」
少女「その話を聞いた上で頷いてしまったら、私にも責任があると思うし……」
少女「仮にあなたが私の意思とは無関係にやったとしても、それでも私は責任を感じちゃうよ」
宇宙人「それは……」
少女「理屈じゃないの。……そういうものなの」
宇宙人「……しかしそれではどうすれば」
少女「どうしようもないんだよ。言ったでしょ。……『仕方ない』んだって」
宇宙人「……」
少女「……」
少女「……ただいま」
宇宙人「ここ最近、学校では穏やかな感情の色と形が続いていましたが、今日はどうされたんですか」
少女「……」
宇宙人「また以前のような『恐怖』や『悲しみ』の色と形で揺れていました」
少女「……」
少女「友達がね、私のこと……裏切り者だって」
宇宙人「……どういうことですか?」
宇宙人「確かお付き合いを断ったのですよね」
少女「……うん」
少女「私の友達がね、その男の子のことが好きだったんだって」
宇宙人「ふむ」
少女「それで、私がその男の子に告白されたことが、友達にばれちゃって」
少女「『裏切り者だ』って」
宇宙人「?? よく分かりませんね」
宇宙人「あなたがその友達の好きな男の子が誰かを知っていて、その上で、友達に断りなく男の子とお付き合いをしたならば、裏切り者となじられるのも無理はないと思いますが」
少女「……」
少女「……『可哀想だからお友達になってあげたのに、私の好きな男の子に告白されるなんて最低』って言われたわ」
少女「わたし……裏切り者なのかな」
宇宙人「……」
宇宙人「……あなたは彼女に対して、その男の子のことで偽りを働いたわけではありません」
宇宙人「しかし、彼女はあなたに期待を裏切られたと感じたのでしょう」
少女「期待、を?」
宇宙人「ええ。僅かな情報からの推測ですが、彼女はあなたを見下していたのです」
少女「……」
宇宙人「彼女はあなたに、『自分よりも可哀想な子』『自分よりも不幸な子』であることを望み、期待していたのです」
宇宙人「しかし、彼女が好意を向ける男の子は、自分にではなく、よりにもよって『自分よりも可哀想な子』であるはずのあなたを選んだ」
宇宙人「そのとき、彼女にとってあなたは『自分よりも可哀想な子』ではなくなってしまった。彼女の期待が裏切られてしまったのです」
宇宙人「そのような期待を抱いていた彼女があなたのことを裏切り者だと感じてしまうのは仕方のないことかもしれません」
宇宙人「しかし、だからといってあなたが裏切り者だという評価は、客観的に見て妥当なものだとは言い難い」
少女「……どうして?」
宇宙人「彼女はあなたと友好関係をもつに当たり、『常に自分よりも可哀想な子であれ』という契約を結んだわけではありません」
少女「……」
宇宙人「そしてまた、彼女のあなたに対する『常に自分よりも可哀想な子であってほしい』という期待も、あなたの種族の価値観に鑑みるに、正当な期待であるとは言い難い」
宇宙人「『無闇矢鱈に暴力を振るわないでほしい』という期待や、『私の陰口を叩かないでほしい』といった期待は、あなた方の文化では種族間関係における正当な期待と言えるでしょうが、彼女の期待についてはそうは言えないということです」
少女「……」
宇宙人「……分かりにくければ、はっきりと言いましょう」
宇宙人「あなたは、悪くない」
宇宙人「……」
宇宙人「彼女はあなたに身勝手な期待を抱いた」
宇宙人「そして、その身勝手な期待が叶わないことを嘆いているだけです」
宇宙人「期待も落胆も自分の世界の中で自己完結しているのですから、これは全き自己責任と言えるでしょう」
少女「……」
宇宙人「あなたに責任はない。あなたは悪くないのです」
少女「……」
少女「……『責任』ってね、突然誰かのもとに生まれたり、いつの間にかなくなったりするものじゃないと私は思うの」
宇宙人「え?」
少女「たぶん、責任って、自分のものとして引き受けるものなんじゃないのかな」
宇宙人「引き受ける、ですか」
少女「うん……うまく説明できないんだけど。きっとね……覚悟が、必要なの」
宇宙人「……」
少女「どんな悪い事をしたって、その行為の結果を受け止める覚悟がないなら、それは自分自身に責任を引き受けてないってことなの」
少女「誰かの悪口を言ったって、誰かを殺したって……、その事実から目を背けているなら、そこには『覚悟』が……『責任』がないんじゃないかな。『無責任』なまま……じゃないのかなって」
少女「逆にね、仮にそれが自分に非のないことだとしても……」
少女「そのことを自分自身の問題として受け止めてしまったなら、それはもう、その問題を自分の『責任』として引き受けたってことになるんじゃないかと思うの」
少女「責任って、覚悟の形なんだと思うわ……」
宇宙人「……」
少女「……」
少女「ううん……違うの。そういうことじゃなくて……」
少女「たとえばね、ある人が悪い事をして、それを他の誰かが『悪いことだ』って指摘して、強制的に罰を与えたとするでしょ」
少女「でもその罰を受けた当人が、自分の行為の結果や、受けた罰について何処吹く風な態度だったら、やっぱりその人は『責任』を果たしていないんだと思う」
宇宙人「……」
少女「周りの人は、その人は『罰を受けた』んだから立派に『責任を果たした』んだって考えるかもしれないけど」
少女「私は……その人は責任を果たしてないと思う」
少女「だってその人は、最初から最後まで、自らが負うべき責任を自分のものとして引き受けていなかったんだもの」
少女「自分の責任なんて無関係に、ただ罰を受けただけに過ぎないわ」
宇宙人「……ふむ」
少女「でも理屈じゃなくて……彼女を傷つけてしまった事実を、私はもう既に自分のものとして引き受けてしまっているの」
少女「自分の意思とは無関係に、彼女の言葉を引き受けてしまっているから……」
少女「だから、私には彼女を裏切ったんだっていう責任が、やっぱりあるんだと思う」
宇宙人「……」
宇宙人「あなたがそう言うなら、これ以上は何も言いません」
宇宙人「しかし、それは辛い生き方ですよ?」
少女「……そう、かな」
宇宙人「あなたの考え方は、自分自身に過失がない場合ですら、本来負う必要のない責任を無理に背負いこむ者の思考です」
宇宙人「それは自身に対して一点の曇りすら看過すまいという狭量な態度であり、また柔軟性のない思考であると言えます」
少女「……」
少女「…………もう、寝るわ」
宇宙人「……はい。おやすみなさい」
少女「……」
宇宙人「おかえりなさい」
少女「……」
宇宙人「日に日に『恐怖』の色は濃く、形は激しくなっています」
少女「……」
宇宙人「そんなに辛いなら、学校になど行かなければよいのでは?」
少女「……」
少女「……友達が、ほしいの」
宇宙人「……」
少女「……」
宇宙人「何ですか?」
少女「あなたには、お友達、いるの?」
宇宙人「……ふむ」
宇宙人「情報交換を頻繁に行う個体はいますが……それはきっと、あなた方が言うところの『友達』ではないでしょうね」
少女「……そう」
少女「あなたも……友達いないんだ」
宇宙人「……」
少女「ふふ……ふ……」
宇宙人「どうして嬉しそうなんですか?」
少女「……別に」
宇宙人「……わたしは、あなたの生命の弱まりが心配です」
少女「……」
少女「『感情』の供給源がなくなるのが心配なだけじゃないの」
宇宙人「……」
少女「……ごめんなさい」
宇宙人「……」
少女「ママが呼んでるわ」
宇宙人「はい。いってらっしゃい」
少女「……」
宇宙人「学校に行かないのですか?」
少女「……今日は休みなの」
宇宙人「ああ……そうでしたか。何を読んでいるので?」
少女「小説よ。SF小説」
宇宙人「へぇ。小説を読むのがお好きなんですか」
少女「ええ。ここ最近は余り読んでなかったけど、小説に限らず本を読むのは好きなのよ」
宇宙人「なるほどなるほど。年齢のわりに語彙が豊富なわけがわかりました」
少女「本を読んでいるときだけはね……なんだか心が落ち着くの」
少女「想像の世界で活躍する主人公たちに感情移入している間は、嫌なことを忘れられるもの」
少女「いま読んでるのは……宇宙人と出会った女の子のお話なの」
宇宙人「え?」
少女「ある日突然、一人の女の子のもとに宇宙人がやってくるの」
少女「宇宙人は変な姿形をしているんだけど、なぜだか憎めないヤツで……」
少女「次第にね、女の子と宇宙人は心を通わせて、仲良くなっていくの」
宇宙人「……」
少女「ふふ。まるで、今の私たちみたいでしょう?」
宇宙人「……」
少女「本当に、まるで……まるで、私たちのことを描いたみたいなお話……」
宇宙人「……」
宇宙人「……」
少女「そういえば、あなたはどうしてこの星にやってきたの?」
宇宙人「……」
宇宙人「我々の種族の生体維持には、他の生命体の『感情』が不可欠であることは何度もお話ししたと思いますが」
宇宙人「これは必然的に、生命体、それも高次の知性をもつ生命体の存在が、我々の種族の存亡の鍵になるということです」
少女「あぁ、つまり……」
宇宙人「はい。我々は常に感情エネルギー採集地の開拓を行なっているのです」
宇宙人「私はこの星に現地調査として赴いた開拓員の一人です。私以外にも、何人かの仲間がこの星に降り立っています」
宇宙人「しかし、思いがけない事故で宇宙船の一部機能が壊れてしまったため、こうしてあなたにお世話になっているわけですね」
少女「……なるほど。そういうことだったのね」
少女「ん?」
宇宙人「私たちが、どのような経緯で出会ったか覚えていますか?」
少女「……」
少女「……え?」
宇宙人「……なぜ、宇宙人の私が、あなたのもとに来たのか。私たちの出会いの記憶が、あなたにはありますか?」
少女「……えっ、え?」
少女「あ……」
宇宙人「……」
少女「……お、覚えてるわ。それはもう、も、もちろん!」
宇宙人「……」
宇宙人「……そうですか。それならばいいのです」
少女「……ヒック…………ヒック……」
宇宙人「……どうしたのですか」
少女「……ヒック……もぅやだぁ……」ポロポロ
宇宙人「……」
宇宙人「また、お父様に悪戯をされたのですか?」
少女「……ヒック……グス……………」ポロポロ
宇宙人「……」
少女「……ヒック……」ポロポロ…
宇宙人「……」
少女「……」
宇宙人「……」
少女「……」
宇宙人「……」
少女「……」
少女「…………今日、『二度と学校に来るな』って言われたわ」
少女「……何度も、何度も」
宇宙人「……」
少女「……」
宇宙人「……血が、出ています」
少女「……」
宇宙人「……」
少女「……ママが投げつけた物が、ぶつかったのよ」
宇宙人「……」
少女「……」
宇宙人「手当てした方がよいと思います。手伝いますよ」
少女「……」
少女「……ありがとう」
少女「……」
宇宙人「……」
少女「今日は、友達だったあの娘に叩かれたわ」
宇宙人「……」
少女「靴を隠されて、教科書に落書きをされて、下着を脱がされて教室の前に貼り出されたの」
宇宙人「……」
少女「貼り出された下着の前で膝をつかされて、『ごめんなさい』って言えって、言われたわ」
少女「『生まれてきてごめんなさい』って言えって」
少女「わたし、ごめんなさいって言ったわ。そしたら次は……」
少女「『こんな私が生きていることを許してくれてありがとう』って言えって」
宇宙人「……」
少女「『私たちに感謝しなさい』って言うの……」
宇宙人「……」
少女「……」
少女「パパが」
宇宙人「え?」
少女「パパが……最近エスカレートしてるの……」
宇宙人「……」
少女「きっと、もう時間がないと思う……」
少女「取り返しのつかないことが起こってしまうまで、もう、ほとんど時間が残ってないと思うの……」
宇宙人「……」
少女「ねぇ……」
宇宙人「なんですか?」
少女「私たちは……どうして、他の誰かをいじめるのかな」
宇宙人「……」
少女「……あなた、物知りだから分かるでしょ?」
少女「どうして弱いものいじめなんて起こるの?」
宇宙人「……」
少女「どうして、みんな、お互いに優しくなれないんだろう」
少女「欲求?」
宇宙人「奪い、殺して、食べる……生命の営みの基本です」
宇宙人「攻撃欲求、征服欲求、生命の根底にはこれらの欲求が横たわっています」
宇宙人「ある程度知性を発達させたあなた方のような種族にもなお、これらの欲求は根強く存在している」
少女「……」
宇宙人「承認されたい、権威を誇りたい……社会性の獲得によってこのような欲求も生じます」
宇宙人「攻撃欲求、征服欲求、示威欲求、あなたのお父様の場合は性的欲求ですが……いずれにせよ、欲求を満たすことで快感が得られます」
少女「……」
宇宙人「あなたのお母様は、あなたを養っている現況に不満をもっておられます」
宇宙人「不満の解消は、これもまた消極的ながら気持ちのよいものです」
少女「……」
宇宙人「他人との関わりの中で満たされ、解消されることで、快感が得られる類のものだと言えます」
宇宙人「気持ちがよいのです」
宇宙人「いじめは気持ちが良い」
宇宙人「だからなくなりません。気持ちのよいことは誰もがしたいと思うことですから」
少女「……」
宇宙人「あなたは、彼らにとって悦楽の遊具に過ぎません」
宇宙人「……それが、あなたの知りたがっている答えです」
少女「……」
少女「……そう」
宇宙人「……」
少女「……そう、なんだ」
少女「……」
宇宙人「……」
少女「ねえ」
宇宙人「なんですか?」
少女「私も連れていってくれない?」
宇宙人「連れていってとは……宇宙に、ですか?」
少女「……うん」
宇宙人「無理です」
少女「……」
少女「……どうして?」
宇宙人「第一に、私には感情エネルギー採集地を開拓する開拓員としての役目があります」
宇宙人「こうして協力してくれているあなたには感謝していますが、だからといって自分の任務を疎かにすることはできません」
宇宙人「そして、そもそも、現地民をこの星の外に連れ出せるだけの権限は、一開拓員の私にはありません」
少女「……」
宇宙人「第二に、私が利用する宇宙船には、肉体そのままではなく……情報体の形でしか乗船できません」
宇宙人「この肉人形……私の身体も、この星への下船時に構築したものであって、もともとこの姿形のまま宇宙船に乗っていたわけではありません」
宇宙人「つまり宇宙船に搭乗させるにはあなたを情報体化させねばならないわけですが、そもそも異種族の情報体化は、我々の種族の法では禁止されています」
宇宙人「以上より、その提案に頷くことはできません」
少女「……そう」
宇宙人「はい。……申し訳ありませんが、諦めて下さい」
宇宙人「え?」
少女「あのSF小説の主人公の女の子、ね……」
少女「最後の結末で、宇宙人と共に宇宙に旅立つの」
宇宙人「……」
少女「幸せそうな顔で、弾む足取りで、胸を夢一杯の期待でふくらませて……」
少女「宇宙人と手をとり合って……宇宙にね、飛び立つのよ……」
宇宙人「……」
少女「とても……幸せな結末でしょう?」
少女「……幸せな、……とても幸せな結末なの……」
少女「私もね、この星を飛び出せたら、きっと幸せな未来が待っているんじゃないかって……そう思うの……」
宇宙人「……」
少女「え?」
宇宙人「もし、すべてが解決して幸せになれたなら……何をしたいですか?」
少女「……」
少女「そうだね……」
少女「あなたの生まれた星に行ってみたいかな」
宇宙人「……」
少女「って、あなたには生まれ故郷なんてないんだっけ?」
宇宙人「……そうですね」
少女「ふふ……でもいい。決めたの。それを私の夢ってことにするわ」
少女「全部うまくいくようなことがあったら、あなたの生まれ故郷でね、変な姿をした変な宇宙人たちに囲まれて……幸せに暮らすの」
宇宙人「……」
宇宙人「今日は、どうされたんですか?」
少女「……」
宇宙人「ひどい顔色ですよ」
少女「……」
宇宙人「……」
少女「……何でもないわ」
宇宙人「……」
少女「……何でもない」
少女「……いつものことだもの」
少女「……」
宇宙人「……」
少女「最近なんだか身体が重いの……」
宇宙人「あなたの生命力の薄弱化は把握しています」
少女「……ねえ。私を連れて行くことができないなら……優しく殺してくれない?」
宇宙人「え?」
少女「あなた、前に言っていたでしょう。『一切の痕跡を残さず消滅させる』ことができるって」
宇宙人「……ええ」
少女「だったら、私を殺して? 痛みを感じる間もなく、一瞬で……」
宇宙人「……」
少女「……」
少女「……どうして」
宇宙人「……」
少女「どうしてよ……」
少女「どうしてよぉッッ!!!」
少女「あなた、私の友達でしょう!?」
宇宙人「……」
少女「ね? ねぇ? 友達だよね私たちッ!」
少女「お願いだから『そうだ』と言って! あなただけが友達なの! あなただけが優しくしてくれるの!」
宇宙人「……」
宇宙人「……」
少女「友達だって言って! 『あなたの友達だよ』って!!」
宇宙人「……」
少女「みんな、私をいじめるのッ! この世界には幸せなことなんて一つもないッ!!」
少女「でも、あなたは違うでしょう!? あなたはいつも私に優しくしてくれたもの! この広い宇宙の中で、あなただけがッ!!」
宇宙人「……」
少女「あなただけが私を見てくれたのッ!! だからッ……だから、お願いだからぁッ!! 『友達だ』って言ってよぉッッ!!!」
宇宙人「……」
宇宙人「……あなたは」
宇宙人「……」
宇宙人「……あなたは、私の……友達です」
少女「……そう」
少女「だったら、私のお願いを聞いてくれるよね?」
宇宙人「……」
少女「……お願い。本当に……本当に辛いの……」
少女「身体が引き千切られそうで……魂が散り散りになりそうなの……」
宇宙人「……」
少女「……お願い。わたしを、殺して」
宇宙人「……」
宇宙人「……それは、できません」
少女「……」
宇宙人「……」
少女「だったら……もう何もいらない」
少女「もう、どうでもいい」
宇宙人「……」
少女「みんな、互いに優しくなることができずに……」
少女「私も、この地獄から逃げることすらできないなら……」
少女「こんな世界……」
少女「こんな、世界……」
──────もう、なくなっちゃえばいい
宇宙人「では、なくしてしまいましょう」
少女「……え?」
宇宙人「……」
少女「だ、だめだよ! や……やっぱり今のはなし! みんなを殺すなんて……ッ!!」
宇宙人「……いいえ」
宇宙人「違います。そんなことをする必要はないんです」
宇宙人「世界を……『あなたの世界』をなくしてしまうには、たった一言で十分ですから」
少女「……」
少女「……な……なにを、言って……?」
少女「え?」
宇宙人「いえ、以前に一度言ったことがあるのですが、あなたの反応が劇的だったので、以後そのことは禁句としていたのです」
少女「……なんの、こと?」
少女「あなた……一体、なにを言っているのよッ!?」
宇宙人「あなたも、薄々気づいているんじゃないですか?」
宇宙人「世界は……」
少女「……や、」
宇宙人「あなたの『その世界』は……」
少女「……や、やめてッ!」
宇宙人「────すべて、あなたの妄想なんです」
宇宙人「あなたを虐待する両親は存在していません」
宇宙人「あなたは学校にも行っていませんし、級友からいじめを受けてもいません」
宇宙人「……すべて、あなたの妄想です」
少女「…………は、」
少女「……は、はは。なに言ってるの……」
少女「そんなの嘘よ。だって、私には記憶があるもの」
少女「友達に罵倒された、ママに叩かれた、パパに身体を触られたッ……生々しい記憶があるものッ!」
宇宙人「……」
宇宙人「……ええ。確かにそれらの記憶はすべて本物です」
宇宙人「紛うことなき、あなた自身の本当の記憶ですよ」
少女「え?? さっき、……から、一体何を……? 意味がわからないんだけど」
少女「……それ、は」
宇宙人「あなたは……」
宇宙人「…………────自分の、実の両親を殺したんですよね」
少女「………………ぇ」
宇宙人「あなたと出会ってすぐに、異常には気が付きました」
宇宙人「そこで、悪いとは思いましたが、あなたの睡眠中に記憶を探らせてもらったのです」
少女「………………」
宇宙人「あなたが受けていた虐待は、養父母によるものではありません」
宇宙人「あなたを本当に虐待していたのは……実の両親でした」
宇宙人「あなたの存在を疎んじ、罵倒し、暴力を振るっていたのは実の母親」
宇宙人「そして、あなたに性的虐待を行なっていたのは、実の父親です」
宇宙人「浴室にてあなたに乱暴を働こうとした父親を、あなたは突き飛ばしてしまい……」
宇宙人「足を滑らした彼は転んで、……打ち所が悪かったのですね」
宇宙人「あっけなく、死んでしまいました」
少女「……ぅ…………ぁ」
宇宙人「父親の死が露見すれば、どのような仕打ちを母親から受けるか……」
宇宙人「場合によっては殺されるか……、そうでなくても死ぬほどの折檻を受けることは容易に想像できたのでしょう」
宇宙人「あなたは、母親を手にかけた」
少女「……ぅ、グッ……やめ……て……」ブルブル
宇宙人「刃物で一突きです。父親の場合とは違って、こちらは明確な殺意をもって行った殺害でした」
宇宙人「いえ、お父様の殺害についても過失というより……やはり多少なりとも殺意があったのではないですか」
宇宙人「一面では非常に理性的であり、他方では全く逃避的でした」
宇宙人「両親の遺体を風呂場に突っ込んで隠したかと思えば、隠蔽工作もせずに放置しておいた」
宇宙人「実の両親の死を受け入れているように見えて、養父母の存在を盲信しつつ自傷行為によって過去の虐待を自ら再現した」
宇宙人「また、学校に行くように見せかけておいて、周りの目も気にせず日がな一日公園でぼんやりして過ごしていました」
少女「……やめ、て……もう…………やめて……」ブルブル
宇宙人「いいえ……やめません。あなたはもう限界です」
宇宙人「死んだ両親の代わりとなる優しい養父母の存在を夢想し、学校の級友たちとの暖かな交流を空想しようとした」
宇宙人「妄想の世界で偽りの温もりに包まれていられるならば、その先に果てるとしてもきっと幸せだったことでしょう」
少女「……ウップ………はぁ……はぁ……」ブルブル
宇宙人「しかし、生まれてこの方『幸せな自分』を一度も経験したことがなく、不幸な体験しか知らなかったあなたは……」
宇宙人「妄想の中でさえ、幸せな自分を思い描くことができなかったんです」
少女「……あぁ……ああ"あ"ぁ"…………」ブルブル
宇宙人「妄想の中の養父母の虐待は、かつてあなたの実の両親が、実際にあなたに体験させた虐待そのままに他ならない」
宇宙人「現実で不幸だったあなたは、思い通りになるはずの妄想の中ですら……不幸だったのです」
少女「……はぁー……はぁー……」ポロポロ…
宇宙人「この地域の官憲組織の整備が不充分であったことは不幸中の幸いでしたね」
宇宙人「もし充分な機構が整っていれば、数日と経たずに捕まっていたことでしょう」
宇宙人「あなたの身体には……屍臭が染み付いていますから」
宇宙人「……以上が、あなたの『本当の世界』です」
少女「……………ッ……」ポロポロ…
少女「……どう、して……」
宇宙人「……」
少女「どうして……話したの?」
宇宙人「……あなたは、妄想に憑き殺されそうになっていた」
宇宙人「黙っておくのはこれが限界だと感じました」
少女「……」
宇宙人「……」
少女「……そ、う」
宇宙人「……はい」
宇宙人「……何でしょうか」
少女「あなたも……」
少女「あなたも……私の妄想の産物なの?」
宇宙人「……」
少女「……」
宇宙人「……はい、そうです」
少女「………………そっか」
少女「……やっぱり……そうよね。当たり前だよね。だって、この世に宇宙人なんているはずないもん、ね……」
少女「あなたと私の関係……あのSF小説の内容にそっくり、だったもの……」
少女「妄想相手に『お友達』なんて……みじめを通り越して、滑稽ッ……で……」グスッ
少女「皆……みんな……みーーーんなッ! 私の……一人遊び、だったんだぁッッ……あははっ」ポロ…
少女「あはは……あはははっ…………」ポロポロ…
少女「どうして……私は、パパを……殺しちゃったんだろう……」
少女「どう、じでっ……ママを"……こ、殺しちゃっだん、だろうッ……」グスッ
少女「あ、あはははははっ……あははは………」ポロポロ…
少女「あは……あぁぁ……あ”あ”あ”あぁぁぁ…………」ポロポロポロ…
少女「……ぅう"う"、ぁ"あ"……う"わあ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁぁぁぁぁんッッ!!!」ポロポロポロ…
少女「ごめん、なさい……ごめん"な"ざい……ごめん"な"さいごめんなざいごめんなさいッッッ!!!」ポロポロポロ…
少女「パパぁ……ママぁ……」ポロポロポロ…
少女「パパぁッ! ママぁッ! ごめんな"ざい"! ごめんなざい"ぃッ! う"あ"あ"あぁぁぁ……」ポロポロポロポロ…
宇宙人「……」
宇宙人「……」
宇宙人「……落ち着きましたか」
少女「……」
少女「……」
少女「…………うん、少しだけ」グスッ
宇宙人「……」
少女「……もう、私のそばにいなくてもいいんだよ」
少女「これ以上妄想にしがみついて逃避を続けてたら、死んじゃったパパとママに申し訳ないもの」
宇宙人「……そうですか」
宇宙人「確かに。もう既に十分な量の感情採取が行えましたから。これ以上ここに留まる理由もありませんね」
少女「そう、なんだ」
宇宙人「あなたの茶番につき合う必要ももうない。わたしは、あなたの世界から退散しましょう」
少女「うん……それが、いいよ」
少女「……」
少女「前に私が言ったこと……覚えてる?」
宇宙人「……」
少女「『どんな悪い事をしたって、その行為の結果を受け止める覚悟がないなら、それは自分自身に責任を引き受けてないってこと』だ」
少女「『誰かの悪口を言ったって、誰かを殺したって……、その事実から目を背けているなら、そこには覚悟が……責任がない』んだって」
少女「……偉そうなこと言って、自分の責任から逃げていたのは私だったね」
宇宙人「……」
少女「今度ばかりは『あなたは悪くない』だなんて言わないでね」
少女「私は、殺したの」
少女「自分の意志で、……殺したのよ」
宇宙人「責任は覚悟の形……でしたね」
少女「ふふ。なんだ……ちゃんと覚えてるじゃない」
少女「……なんて、私が覚えてることだもの。私の妄想のあなたが、覚えてないはずないものね」
宇宙人「……」
少女「わたしは自分の行為の責任を、自分自身で引き受けなきゃいけない」
少女「だからね、死のうと思うの……わたし」
宇宙人「……」
少女「ひょっとすると他に、もっときちんとした責任の取り方があるのかもしれない」
少女「でも、これが……私の、私なりの責任の取り方よ」
少女「私が自分自身に引き受けた……『覚悟の形』なの」
少女「……うん」
宇宙人「わたしには、あなたの覚悟を否定する権利はありません」
少女「……うん」
宇宙人「ですから、ここであなたのもとを去ろうと思います」
少女「……」
少女「そっか」
宇宙人「はい。通信を回復させられる程度には動力源も回復しましたし、母船と通信が可能になれば向こう側でこちらを引っ張ってくれます」
少女「それじゃ、これでお別れ……だね」
宇宙人「……はい」
少女「私の妄想に過ぎないとしても……、あなたと過ごした時間は楽しかったわ」
宇宙人「……はい」
少女「ありがとう。本当に感謝してるの」
宇宙人「いえ……こちらこそ、私の生体維持および宇宙船の動力源供給の協力、感謝します」
少女「ふふ。最後の最後まで……そのキャラは崩さないんだ。私の妄想もなかなかのものね」
宇宙人「……もう会うことはないでしょう。これでお別れです」
少女「うん。ばいばい……妄想世界の宇宙人さん……」
宇宙人「さようなら。……薄幸の少女さん」
少女「……」
少女「……ほんとうに、一瞬にして消えてしまうのね」
少女「跡形もなく……まるで蜃気楼のように」
少女「……」
少女「……さよなら」
少女「結局わたしは、最初から最後まで、一人ぼっちだったんだね……」
少女「……」
少女「パパ、ママ……」
少女「パパとママは……私のこと、愛してなかったのかなぁ……」
少女「パパの愛情は、ふつうの父親の愛情とは違ってたもんね……」
少女「でも、私は……」
少女「……」
少女「私は、二人のことが大好きだよ」
少女「……今でも、二人のこと、だ、大好き、だよ」グスッ
少女「だから、ね」ポロ…
少女「もし天国にいけたら、三人で仲良くできるかなぁ……」ポロポロ…
少女「また三人で、一から、やり直せるかな……」ポロポロ…
少女「……」
少女「……無理、か。私はきっと、地獄行きだよね……」ポロポロ…
…………こんなにも、こんなにも、辛いことばかりで
…………せめて
…………せめてこの眠りだけでも
…………安らかなものでありますように
…………さようなら
…………ばいばい、宇宙人さん
────…………
───………
──さい
少女「……」
──して下さい
少女「……ぅ……」
──目を覚まして下さい!
少女「…………ぇ?」
宇宙人「目を覚まして下さい! お願いしますから!」
少女「…………」
少女「…………どう、して?」
宇宙人「……ッ」
少女「わたし、……覚悟したつもり、だったのになぁ……まだ、妄想を見続けてるなんて……覚悟、足りなかったのかな……」
宇宙人「しゃべらないでください!」
宇宙人「腹部を刃物で刺したのですね……」
少女「……ぅ……ゴフッ…………」
宇宙人「わたしは……あなたに謝らねばならないことがあります」
宇宙人「自分の任務を優先しようとする余り、……あなたに嘘をついたんです」
少女「……」
少女「……ぇ?」
宇宙人「偽りの家族も、偽りの級友も、確かにすべてあなたの妄想でした」
宇宙人「それは、……否定しようもない事実です」
宇宙人「しかし私は実在します」
少女「……」
宇宙人「あなたの世界はあべこべだったんです」
宇宙人「事実と思えることが実は妄想で、……逆に妄想としか考えられない私の存在は事実でした」
宇宙人「……そのことを伝えなかった私を、どうか許してください」
少女「……」
宇宙人「一見すると荒唐無稽に思える私の存在こそが、あなたにとっては────ただ一つの真実だったのです」
少女「……ほんと、に? ほんとにあなた、は……存在するの?」
宇宙人「はい」
少女「……妄想じゃ、なくて?」
宇宙人「妄想ではありません。ここに、きちんと実在しています」
少女「でも……コフッ……なん、で?」
少女「どうして……戻って、きたの?」
宇宙人「……」
宇宙人「私がここに来たのは、自分の『責任』を果たすためです」
少女「……せき、にん?」
宇宙人「私にはあなたの覚悟を否定することはできません」
少女「……」
宇宙人「あなたが見せた高潔なその意思を否定することなど、私にはできない」
宇宙人「……ですから」
宇宙人「ですから、私は私なりに、私の覚悟をあなたに示すことにしました」
少女「……」
宇宙人「私は、己の全身全霊をささげて……あなたを救ってみせる」
宇宙人「あなたを苦しめる全ての障害から、あなたを守ってみせます」
宇宙人「それが……私の『覚悟の形』です」
少女「……」
少女「…………わたし、を?」
宇宙人「ッ!? しっかりしてください!!」
少女「…………して」
宇宙人「え?」
少女「…………どう、して、……わたしなんか、を?」
宇宙人「……」
宇宙人「……そんな。いまさら何を言っているんです」
少女「ぇ?」
宇宙人「そんなの決まっているじゃないですか」
少女「……」
宇宙人「あなたは……」
宇宙人「あなたは、この広い宇宙の中で、たった一人の────」
宇宙人「──────私の、お友達でしょう?」
宇宙人「友達のためなら、いくらでも『覚悟』をもつことができます」
宇宙人「私はあなたの全存在を……自らの果たすべき『責任』として、引き受けることを誓います」
少女「……あ、……あぁ────」ジワ
宇宙人「待って下さい、今処方をしますから!」
少女「……もう、────いいわ」ポロ……
少女「……死ぬ間際に、こんな……素敵な、友達が……できたんだもの」ポロポロ…
宇宙人「……あなたを死なせたりしません!」
少女「あなたが妄想でも、……ゴフッ……実在、していても、……もう、どちらでもいい」ポロポロポロ…
少女「ありがと、ね……」ポロ…
少女「私を、友達だと言ってくれ、て……ありが、とう……」
宇宙人「ちょっと! しっかり────」
────その瞬間、彼女は……事切れた
私は星を去った
しかし、調査任務を無事に遂行し終えたとは言い難い
母船に通信して向こうに引っ張ってもらってもらい、帰還して動力源を確保したのも束の間、先程発ったばかりの星へと無断で取って返したのだ
……しかし、彼女の死は避けようがなかった
私の躊躇いが、運命を分けたのだろうか
後悔が鈍い想念となってかけ巡る
確かに……母船に戻る前の段階で彼女を無理やり情報体化して連れだしたところで、
動力源を確保するために母船に帰還すれば即お縄だっただろう
結局は、こうするしかなかったのだと自分自身を無理やり納得させるしかない
過去へは……戻れないからだ
情報体同士の情報共有化はできない
そんなことをすれば、第三者に自分の位置をあからさまに教えるようなものだ
いずれ何らかの策を講じる必要があるが、当面はローカルな情報に頼らざるを得ない
──故郷にでも帰ろうか
そんなことを考えつつ舵を取る
……宇宙船の航行速度はとてつもなく速い
というか宇宙船と言っても、そもそも物理的形状をもった船に乗っているわけではないのだ
この宇宙船もまた一種の情報体に過ぎない
無形飛行の中で……私は今、前に進んでいるのだろうか、それとも逃げているのだろうか
「責任……か」
ぼんやりと意識を宙に浮かべて、独りごちる
今更になって何故か…………彼女との出会いが脳裏をめぐった
──……
─…
──通信機のトラブルで母船に帰還することができなくなり、動力源も底をついてしまったものの、
とりあえず目的の星に辿りつくことができたため、私はその段階でも比較的状況を楽観視していた
あまり物事を深刻に考えすぎないのは、他の個体とは異なる、私という個体の特性だろうか
「とは言え、気軽に出歩くのはマズイですよね~」
本来であれば、この星で接触をとる種族の姿に似せた肉人形を用意すべきところなのだが、その程度の動力源すら残っていなかったのだ
仕方なく私は現状ですぐに作ることのできる肉人形────我々の種族の祖先の姿形を模したものだ────を用意することにした
こうなると軽々には行動できない
こんな姿で街を悠々と闊歩しようものなら、たちまち衆目を集め、捉えられたり解剖されちゃったりするだろう
いや、この身体を解剖されたからといって死にはしないのだが
「あなた誰?」
──探すまでもなく見つかってしまった
「えっ宇宙人ですけど」
つい本当のことを答えてしまう自分の馬鹿正直さが憎らしい
「へぇ~」
なんだか目をキラキラさせていらっしゃる
「私ね、宇宙人とお友達になるのが夢だったの!」
──ほほぅ
「私も寄生さk……ゲフンゲフン……現地民のお友達ができるのは嬉しいです!」
そんな風に、無邪気な生き物ですよ~という感じのアピールをして彼女に近づいた
──異変は彼女の家に入った瞬間に気づいた
腐臭……いや、屍臭だこれは
「さあ、あなたが思っているものとは随分違うと思いますが……」
臭いの出所は……1階……バスルームだろうか
「それにしてもあなた……変な姿してるのね。宇宙人ってみんなこんななの?」
「いえ、そうとも限りません。そもそもこの形は借り物で、私にとっての定型ではないので」
「ん? どういうこと?」
──彼女はこの臭いに気づいていないのか?
…………いや、気付かないはずはない
気づいている上で、『気にしていない』のだ……
彼女と会話しつつも、私は臭いの元が気になって仕方なく、どこか上の空だった
「えっ!? いいけど……宇宙人もトイレ行くの?」
「ええ……そんなもんです」
──もちろん嘘だ
1階に降りてバスルームを確認する
腐った死体を二体発見した
「──ふむ」
この種族には同族の死体をバスルームに放置する文化でもあっただろうか?
「いや、ないですないです」
自分のとぼけた発想に自分で突っ込むという何だかのんべりとした情報処理を行った後、2階の彼女の部屋に戻った
「あぁ、ただいまです」
少女は自室でくつろいでいた
「あの……一つ聞きたいことがあるのですが」
「なに?」
「バスルームの死体は何ですか?」
「……」
「?」
「……」
「あのぉ~」
──き、気絶してる
なんだこの子……
目を覚ました一言目がそれだった
「えっ宇宙人ですけど」
それに馬鹿正直に返す私も私だが……って、何だか既視感
「ウチュージン?」
「そうですよ」
──ああ、なるほど
この子、イカレてるんだな
そう判断した私は、同時に、『むしろこれは好都合なんじゃないか?』……そう考えた
宇宙人の存在を何の躊躇もなく受け入れている時点でかなり頭がおかしいが、
感情採取を目的としている私にとっては、過剰に警戒されない分やりやすいと言える
そんなこんなで、私は彼女を寄生先に選ぶことにしたのだった
────……
──……
─…
彼女の不幸な境遇や、その不幸な妄想の内容を悟った後も、特別、同情心は生じなかった
『いじめっ子排除プラン』も、彼女の生命力を弱らせないようにする方便でしかなかったし、
実際にその排除プランが彼女の賛同を得たとしても、適当に振舞って妄想の方向性を変えてやればいい程度に考えていたのだ
とは言えその妄想の方向性を変えてやるには、何らかの方法で『両親や級友が死んだ』と彼女に誤認させねばならなかった
もし虐待が妄想ではなく、現実に起こっていることであれば彼女の意向を無視してさっさと殺害を遂行していただろうが……
妄想の中の相手となるとそうすることもできず、彼女の動向に多少ヤキモキしていたのも確かだ
……そう、彼女には本当にヤキモキさせられた
それはひとえに、彼女のその偏向した考え方によるも所が大きい
小娘の戯れ言でしかなく、一笑に付してしかるべき妄言のはずだ
それなのに私の内なる変化をもたらしたのもまた……彼女のその言葉だった
妄想の友人に傷つけられた彼女が、友人の告発を自らの責任として受け止めようとする姿は滑稽でもあり、何故か美しくもあった
『生命の有り様』を美しいと感じる
これは我々の種族にとって退化した感情のはずだ
それなのに彼女の『覚悟』は……何故か私の琴線に触れ、私の魂を揺さぶった
そして、自身の両親を殺めた罪を引き受け、終には自らの命に幕を引こうと決意したその『覚悟』を見るに至って──
私は、彼女を、この美しいものを守らねばならないという強烈な衝動に襲われたのだ
その際、往々にして『選んだその先で何を失うか』という視点は忘れられがちだ
そして、一度選択して先に進んでしまえばもはや失われたものに気など払わず、やがて、『自分が失ったのだ』という事実すら忘却の彼方へ追いやってしまう
その無数の忘却の果てに今の我々の姿があるとすれば、果たして、これまでの選択が正しかったのだろうかと、自分たちの道程に対する懸念が生じるだろう
疑い始めては前に進めない
だから私の仲間たちは疑念を抱かず、立ち止まることなく、忘却を恐れず、勇敢に前を向いて進んでいくのだ
────そう
ただ私は、そんな彼らと道を違えたに過ぎない
根底的な断絶でもって、彼らと訣別したのだ
私が彼女に対して抱いた、心を震わせつつ胸の奥からこみ上げてくるあの内なる情動
私は自分の仲間たちがかつて忘却したものに固執し、取り残される側に自らも残留することを、あえて選んだのだ
────そこまでする価値があるというのか?
それこそ、聞くまでもないことだ
……暖かく
……穏やかで
……勇気を湧かせ
……胸を熱くする
……何よりも尊い──────
少女「────ねえ。むっつりと思索にふけってないで、私とおしゃべりしなさいよ」
宇宙人「えっ……あぁ、すみません。さて、どんなお話をしましょうか?」
────元気な笑顔を見せてくれる彼女を守ること以上に、大切なものなどないのだから
少女「ん~~~~ッッ!!」
少女「……ッ、はぁ~~!! 久しぶりの地面ね!」
宇宙人「長旅お疲れ様でした」
少女「本当よ! 宇宙船の中つまんないんだもの。歩けないし、食事もできないし」
宇宙人「あなたは情報体になったんですから、運動する必要も食事する必要もないんですよ?」
宇宙人「その代わりに、我々と同じく感情エネルギーが必要な存在になってしまいましたが」
少女「……まぁ、それはまだいいんだけど。この身体はなに?」
宇宙人「我々の種族の祖先の形を模した肉人形ですね。私がこれまでに使っていたのと同タイプのやつですよ」
少女「……元の身体がいい」
宇宙人「そこは我慢してくださいよ。あなたは……あなたの肉体は間違いなく死んだんですから」
宇宙人「一般的な生物種としての死を迎えたことは間違いないでしょうね」
宇宙人「ただ、肉体の死と生命の死とは本来、別の現象なんです」
宇宙人「生命が肉体と不可離に結びついてる状態で肉体が滅びると、生命も肉体の死に引きずられて死んでしまいますが」
宇宙人「私や、今のあなたのように、生命を情報体の形で単独で存在させられるならば、肉体が死んでも生命は滅びません」
宇宙人「もっとも、肉体の寿命とは別に生命それ自体にも寿命がありますから、情報体になったからといって永遠に生きられるということではないんですが」
宇宙人「ふむ。簡潔に言えば……」
宇宙人「あなたが肉体的な死を迎えた後、時間的猶予は全くありませんでしたが、何とかあなたの生命の情報体化に成功したので、あなたの生命それ自体は死なずにすんだんです」
宇宙人「とはいえ、あなたの肉体が失われたことは残念に思っています」
宇宙人「もっとどうにかできなかったものかと、後悔していますよ」
少女「それは……まぁ仕方がなかったから、別にいいんだけど」
宇宙人「……で、情報体になったあなたを宇宙船に乗せて、逃亡航行の果て、私の故郷にたどり着いた……というわけですね」
少女「……」
少女「やっぱりよく分からない」
少女「緑も多いし、水も多い。空気は……少し淀んでいるけど、そのうち馴染むと思うし」
宇宙人「気に入っていただけて何よりです」
宇宙人「一時期は地殻変動や気候変動、我々自身による森林伐採や資源採掘とかでひどい有り様だったんですが、長年の努力によってずいぶん改善しました」
宇宙人「今や異星人も少なくないので、歓迎……とまでいかないでしょうが、邪険に扱われることもないはずです」
少女「へぇ~。……ここ、あなたの故郷って言ってたけど、別にここで生まれたわけではないんでしょう?」
宇宙人「ええもちろん。正確に言えば、私の種族の祖先たちが住んでいた星ですね」
宇宙人「いま私やあなたが使っているこの肉人形ですが、これが私の祖先の姿形だったようですよ」
少女「ふーん。変なの……」
宇宙人「まぁまぁ、ほとぼりが冷めたらあなたの種族用の肉人形を用意してあげますから。今しばらくは我慢してくださいよ」
少女「……わかった。我慢する」
宇宙人「? ええ、そうですね」
少女「だ、だからぁ……ちゃんと『責任』とってってことよ!」
少女「こんな星で、一人っきりでほっぽり出されたらたまったものじゃないし」
宇宙人「ああなるほど。大丈夫ですよ、きちんと面倒見ますから」
宇宙人「……しかし今の文脈、今の言葉の意趣、そしてあなたの種族の文化的背景から考えるに、この『責任とって』という台詞は……」
宇宙人「結婚の申し込み? プロポーズというやつでしょうか」
少女「……え? なに言ってるの?」
宇宙人「ふむ。まぁ一生連れ添うくらいの覚悟は元よりありますが、あなたに『そういう意図』があるとなると……」
宇宙人「性別の壁……、いえ……そもそも種族という大きな壁が……」ブツブツ
宇宙人「……ええ。分かりました。大丈夫です」
少女「え、何が?」
宇宙人「種族の違いがあるので子どもを作ることは不可能ですが、性生活で欲求不満にはさせません」
少女「はぁ?」
宇宙人「なに、不安になることはありません。性愛欲は我々にとって退化した欲求にすぎませんが、私の仲間でもエクスタシーを娯楽的に楽しむ者たちはいます」
宇宙人「その手の営みも研究し尽くされ、膨大な知識の蓄積があるのですよ。数万年にわたって発展してきた禁断の性技を披露致しましょう」
少女「……」
少女「……ほんッッとに」プルプル…
宇宙人「?」
少女「学ばないわねあなたはッッ!!!」ツンツンツンツンツンツン!!!
宇宙人「あっ! 痛い! 痛いです! でもなんか懐かしい! でも痛い!」
少女「だからなんで少し嬉しそうなのよ! このバカ!」
宇宙人「えへへ、すみません」
少女「……ほら、当面の亡命先に行くんでしょ?」
宇宙人「ええ、参りましょう」
少女「……って、ああもう歩きにくい!!」
宇宙人「申し訳ないですが、こればっかりは慣れてもらうしかないですね~」
少女「どうしてあなたはこんな身体でひょいひょいと歩けるの!?」
宇宙人「慣れですよ、慣れ」
少女「だいたいね……」
少女「そもそも、────なんだって脚が二本しかないわけ!? おかしいじゃない常識的に考えて!」
少女「脚も二本なら腕も二本! 不便ったらないわ!」
少女「それに身体全体もなんか縦にひょろっと長くて重心が安定しないし!」
少女「だいたいこのてっぺんについてるサワサワしたやつ何なの!?」
宇宙人「『髪』って言うんですよ。黒髪サラサラのロングストレートです。とってもお似合いですよ」
宇宙人「目もクリクリとしてて、鼻筋が通っていて、とても美人さんな顔立ちです」
宇宙人「体型はあなたの年代に合わせた小柄なものですが…………我々の種族の肉人形愛好家の間では、人気の高いモデルなんですよその身体」
少女「そんなこと言われても、おかしいものはおかしいって感じるんだからしょうがないじゃない!」
少女「…………はぁ。元の身体が恋しいわ」
宇宙人「ふふ。少しの間の我慢ですってば。ね?」
──彼女が長い髪をたなびかせて振り返る
宇宙人「何ですか?」
少女「この星のことよ。なんていう名前なの?」
姿形がどのようであれ、彼女の強さとその煌めきには何の変わりもなく
宇宙人「あれ? 最初に言いませんでしたっけ?」
少女「聞いたかどうかも忘れちゃったわ」
その傍らに立ち、共に『覚悟』を持って未来を見据えられるならば、そこにあるのは希望だけで────
宇宙人「ふふ。そうですか」
宇宙人「私の故郷である、この星は────」
宇宙人「──────『地球』っていうんです。素敵な名前でしょ?」
全編を通した叙述トリックについては,勘のよい人なら >>1, >>2, >>6 当たりの表現で早々に疑いを抱くはず
宇宙人は4万年後の人間で、少女こそが(人間側から見れば)宇宙人だった
過去作は「男と少女」のイチャイチャSSと見せかけて、実は『利他主義』をテーマとした物語
今回は「少女と宇宙人」のほのぼのSSと見せかけて、実は『責任』をテーマとした物語
もし次回作があれば『教育』か『宗教』か……あるいは他に気に入ったテーマがあればそれで書くかもしれない
もしまたSSを書く機会があれば読んでくれ!
※過去作
男「パン……食べるか?」 少女「……」
夫「この先何があろうと、僕が守るから」 妻「………」
男「そして誰もいなくなった」
おつ
面白かったよ
ぜひまた書いてください
Entry ⇒ 2012.03.07 | Category ⇒ 男女「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
スネーク「こちらスネーク、未来ガジェット研究所に潜入した」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330482008/
スネーク「俺はどうすればいい?」
大佐『その研究所でタイムマシンが開発されたという情報が入った・・』
スネーク「タイムマシン?そんなもの本当に開発されていたとしたら・・」
大佐『あぁ・・世界はタイムマシンを巡って戦争になるだろう。それもとても大きな戦争にな』
スネーク「つまり俺の任務はそのタイムマシンを破壊しろという事だな?」
大佐『そういう事だ。それでスネーク、研究所の中はどのような感じになっている』
スネーク「普通の部屋だな・・特に何もない。」
大佐『タイムマシンらしきものも見当たらないのか?』
スネーク「あぁ・・日用品らしき物しか置いてない。本当にタイムマシンなんて開発されたのか?」
大佐『ある組織からの確かな情報だ。何としてでも見つけ出して破壊してくれ。』
スネーク「分かった。」
大佐『健闘をいのる・・。』プツン
みたいなのを誰かが書いてくれるはず・・ナイカ
スネーク「遮光カーテンで、部屋を二つに分けているようだ……」
スネーク「タイムマシンがあるとすれば、この奥か」サァー
紅莉栖「んっ……岡部? 帰ってきたの……?」ゴシゴシ
スネーク「……」スッ
紅莉栖「!」トゥルンッ!
スネーク「……」バッ グイッ
紅莉栖「むー! むー!」バタバタ
スネーク「……悪く思うな」キュ
紅莉栖「」クタッ
スネーク「くそっ……大佐! どういうことだ、情報と違う! 女が居た!」
大佐『牧瀬紅莉栖、そのラボに在籍する研究員の一人のようだ』
スネーク「もう少しゲノム兵を呼ばれるところだったぞ、頭の上に!が出ていた」
大佐『現場は生き物だ、多少のトラブルには目を瞑ってもらわんと困る。そもそも日本にゲノム兵は居ないぞスネーク』
スネーク「それはそうだが……」
スネーク「……くそっ、切れた」
トゥルル トゥルル
スネーク「何だ?」ピッ
オタコン『僕だよスネーク』
スネーク「ああ、どうした」
オタコン『まずいことになった。今メイクイーンにゃん×2から岡部と橋田が出たところだ。予想より早い』
スネーク「……時間は?」
オタコン『そうだな、早ければ後四十分ってところだ』
スネーク「肝心のタイムマシンがまだだが、見た目の情報は無いのか?」
オタコン『そこまでは……、ただ、それほどコンパクトなものではないはずだよ』
スネーク「だが、部屋を見渡す限りそれらしいものはない」
オタコン『家電を調べてみたらどうだい? 偽装されている可能性もあるよ』
スネーク「ああ」
オタコン『ところで……そこの女の子なんだけど……』
オタコン『君がフェミニストで良かった』
スネーク「まさか。だが、俺は殺し屋でもない」
オタコン『どうにか起こして情報を引き出せないかな?』
スネーク「まだ大丈夫だとは思うが、次は顔を覚えられるぞ」
オタコン『オプションのカモフラージュから、フェイスを変更するんだ』
スネーク「……こうか?」キュ
オタコン『スネーク……それ、僕じゃないか……』
スネーク「一番日本に似合っている」
オタコン『そ、そうかい? まあ構わないけど。アキバなんて、もう暫く行っていないな……』フゥ
スネーク「お前もくれば良かっただろう」
オタコン『どうかな。こうして上空に居られるだけでも行幸だよ、離陸許可が下りるとは思えない』
スネーク「パラがある」
オタコン『よしてくれ……それじゃ、頑張って』
スネーク「ああ」
紅莉栖「」☆☆☆
スネーク「……」ポンポン
紅莉栖「」☆☆ ピンッ ^☆
スネーク「……」ポンポン
紅莉栖「」☆ ピンッ ^☆
スネーク「」ポン
紅莉栖「うっ……あれ? 私、何で床に……」フラ ^☆
スネーク「動くな」チャ
紅莉栖「な!? えっ……?」
スネーク「口を閉じろ。YESなら一回、NOなら二回首を振れ」
紅莉栖「」コク
スネーク「よし、良い子だ。……ここにタイムマシンがあるな?」
紅莉栖「……」
スネーク「手荒な真似はしたくない、正直に答えてくれ」
スネーク「ここにあるんだろう?」
紅莉栖「だ……誰から聞いたの……?」
スネーク「……質問しているのはこっちだ。どこにある?」
紅莉栖「喋ったら……いけないんでしょう?」キッ
スネーク「ん? ああ……だが、君はもう話しているし、叫ぶタイミングも失ったようだ。話してくれ」
紅莉栖「タイムマシンを、どうする気なの……?」
スネーク「そんなものは、この世界にあってはいけない」
紅莉栖「……」
スネーク「今度は俺よりも怖い連中が押し寄せてくるぞ。情報は売られている、その証拠が俺だ」
カンコン カンコン
スネーク(予定より早い……)
紅莉栖「おかっ……」フムー!
スネーク「こっちへ来い」グッ
スネーク「……」
岡部「帰ったぞ……ん? 助手?」
ダル「ふぃー……暑くて死にそうだお」
岡部「助手が見当たらないが」
ダル「トイレじゃないん?」
岡部「何だ、この人が二人は入れそうなピンク色のダンボールは……」
ダル「さぁ……なんぞこれ、『ラブダンボール』?」
紅莉栖・ダンボール内(……あなた、結構バカでしょ)
スネーク・ダンボール内(黙っていてくれ……)グイ
紅莉栖(……)ムー!
岡部「ん? どこからか、助手の声がしなかったか?」?
ダル「え? 聞こえなかったけど。それよりこれ、牧瀬氏の荷物?」
岡部「気のせいか……」
ダル「オカリンオカリン、コーラの在庫が切れている件について」ガチャ
紅莉栖(何で気づかないの!?)ムームー!
岡部「ドクペはやらんぞ」
ダル「飲まないって……」
岡部「ふむ……助手は買い物か?」キョロキョロ
ダル「仕方ない、暑いけどコンビニいくお……」
岡部「む、ならば俺も同行しよう」
ダル「過保護だなぁオカリンは、そんなに牧瀬氏が心配?」
岡部「ばっ! 誰もそんなことは言っていないだろう!?」
ダル「はいはい」ガチャ
岡部「おい! 待てダル!」タッ
カンカンカン
牧瀬(oh...)
スネーク「ふぅ……どうやら行ったようだな。オタコン」
オタコン『ああ、二人にはMk-2をつけておくよ』
紅莉栖「……貴方、何者なの?」
スネーク「見ての通り、科学者だ」
紅莉栖「顔と、体格があってない……それ、特殊メイク?」
スネーク「フェイスカムだ」
紅莉栖「貴方が何にしろ、タイムマシンは……壊させない……」
スネーク「なら家ごと吹き飛ばすことになる」
紅莉栖「そんなこと、あたなに出来るのかしら……ダンボールに隠れるような人が……」
スネーク「むぅ……」
紅莉栖「スーパーまで行ったとしても、往復20分は掛からないわよ? 後何分あるかしら?」
スネーク「……そんなものが本当にあれば、戦争になるぞ」
紅莉栖「…………」
大佐『スネーク、もう良い。今回は撤収だ』
スネーク「……なぜだ? タイムマシンがあることは確かだ、この部屋にあるもの全てを吹き飛ばせば…」
大佐『……予定が変わったのだ。タイムマシンは回収しなければならない』
大佐『大声を出すなスネーク』
スネーク「回収して、そしてどうする?」
大佐『スネーク、らしくないぞ。冷静になれ。それを考えるのは君でも私でもない』
スネーク「……」
紅莉栖(独り言……? 無線……?)
大佐『彼女は機内に収容する、合流地点で待っているぞ』プツンッ
スネーク「……悪いが、また眠っていてくれ」キュ
紅莉栖「」クテッ
スネーク「オタコン!」
オタコン『ああ、ラボの前にタクシーを呼んでおいたよ』
スネーク「よし、意識不明の急病人を運ぶとしよう」グイッ
カンカンカン
岡部&ダル「!」トゥルン!
スネーク「」
スネーク「……」ポイッ
ダル「ちょっ! 牧瀬氏が飛んできた件! って……お、重いおっ!」ググッ
スネーク「……」パシッ
岡部「あいたっ」
スネーク「ラボの責任者、岡部倫太郎だな?」グッ
岡部「いたたたたた! そ、そうだ……我こそが、狂気のマッドサイエンティ……腕が痛い! ヘルプ!」
スネーク「よし、お前が来い……運転手、車を出せ」チャ
ドライバー「ど、どちらまで…………?」
スネーク「とりあえず出せ! 早く!」バンッ
ブルルルル
ダル「ちょ……オカリンが誘拐された件について……」
紅莉栖「」グッタリ
ダル「牧瀬氏……死んでるわけじゃないよね? あ、息してるか……」
ダル「……なんぞこれwwwww」
ダル「牧瀬氏、牧瀬氏!」ポンポン
紅莉栖「んっ……あれ? 私……」
ダル「ふぅ……もう少しで理性が崩壊するところだったんだぜ……」
紅莉栖「このHENTAI! って……ん? メガネでオタクっぽいムキムキの外人は……?」
ダル「何か、オカリンを浚っていったけど……」
紅莉栖「ちょっ!? な、何で可愛い私じゃなくて、あんなボロボロのおっさん連れていったのよ!」
ダル「ちょwwwおちけつwwww 突っ込むとこはそこじゃないだろJK」
紅莉栖「け、警察には連絡したの!?」
ダル「ごめん、まだ。ダルにゃん的に、牧瀬氏がグッタリしててそれどころじゃなかったし」
紅莉栖「そ、そう……ごめんね、心配かけて」
ダル「惚れんなよ?」キリッ
紅莉栖「誰が惚れるかっ!」
プルルルル
紅莉栖「ん? 岡部から電話……?」
岡部「すみません……全てお話しますので、命だけは勘弁してください……」ブルブル
スネーク「……まだ何も言っていないが」
オタコン「君がタイムマシンの開発者? 写真では老けて見えたけど、話してみると随分若いね」
岡部「ええ、まあ……」
オタコン「コーヒー飲むかい?」コトッ
スネーク「おい、オタコン……」
オタコン「スネーク……彼は一般人なんだよ。これくらい良いじゃないか」
スネーク「hmm...」
岡部「あ、ありがとうございます」ジー
オタコン「大丈夫、何も入っていないよ。僕のと交換するかい?」スッ
岡部「い、いえ……」チビッ
スネーク「で、あのラボにタイムマシンがあるんだな?」
岡部「……一つ、一つだけお願いが。命だけは…」
スネーク「ああ、別にあんたを殺しはしない」
スネーク「?」
岡部「他の、他のラボメンには、手を……手を、出すな」ガクガク
スネーク「震えながら凄まれてもな……」
岡部「……出さないでください」
スネーク「ああ……まあ、彼女は気を失っていただけだ、今頃起きているだろう」
岡部「」ホッ
スネーク「見た目よりタフらしい」
岡部「紅莉栖が……ですか」
スネーク「いや、あんたがだ」ポンポン
岡部「…………タイムマシンはまだ、完成していないですよ」
スネーク「何だと?」
岡部「ククク……我が助手が作業を続けていれば、今頃は完成していただろうがな……」
オタコン「メールを過去に飛ばせるんだろう? まだ改良中だったのかい?」
岡部「……あ、はい」
岡部「ちなみに、タイムマシンではなく、電話レンジ(仮)という正式名称が」
オタコン「かっこかりなのに、正式名称なのかい?」
岡部「ほう……貴様は中々見所があるようだな!」
スネーク「オタコン話が逸れる……。それに、こいつは二重人格か何かか?」
オタコン「厨二秒って奴じゃないかな。日本のコメディアンが作った言葉だけど」
スネーク「……その話はまた後で聞こう。で、岡部」
岡部「はぁ……ええとですね……」
カクカク シカジカ
オタコン「……凄いね。SERNって、あのSERNかい?」
岡部「いかにも」
スネーク(また態度がでかくなったな……)ハァ
オタコン「ダルという人に是非会ってみたいところだ」
岡部「ところで……本当にあんたたちは、戦争の回避を目的にしてるだけなんだな?」
スネーク「少なくとも俺はそうだ。上はどうだかな……」
スネーク「話は聞いていただろう? タイムマシンは完成していない」
大佐『……すぐに、岡部倫太郎から指示を出させるんだ。タイムマシンを完成させるように』
スネーク「…………」
大佐『私も……好きで君にこんなことを言っているわけではないのだ……』
スネーク「……また『姪っ子が人質に』なんて言うんじゃないだろうな?」
大佐『……妻だ』
スネーク「……」ハァ
スネーク「完成させ、それを回収すればいいんだな?」
大佐『ありがとう、スネーク。やってくれるか』
スネーク「……再婚してたのか?」
大佐『む……まあ、色々あってな』
スネーク「全く……」
岡部「……牧瀬に電話をすればいいのか?」
スネーク「ああ」
紅莉栖「もしもし……? 岡部っ!? ぶ、無事なの!?」
岡部『岡部ではない! 俺は狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院――――』
紅莉栖「あっそ、じゃあ切るわね」プツッ
プルルルル
紅莉栖「はろー」
岡部『もしもし? 岡部です。ちょっとお話を聞いて頂けませんでしょうか……』
紅莉栖「……ホントに無事なの?」
岡部『ああ、どうやらタイムマシンを奪う気らしいが……悪い人間ではなさそうだ』
紅莉栖「まあ……ダンボールに隠れるような人だしね……ちょっと分かるけど……」
紅莉栖「私は二度も気絶させられたわけだが」
岡部『そ、そうか……災難だったな』
紅莉栖「で、何なの? タイムマシンを持って来いって? ていうか全部喋ったの?」
岡部『いや……まあ……』
紅莉栖「はぁ……」
紅莉栖「だから、助手じゃないっていっとろーが」
岡部『紅莉栖よ』
紅莉栖「だから……な、なんて?」ドキドキ
岡部『二度は言わん。紅莉栖よ、電話レンジ(仮)を完成させるのだ。今すぐナウ』
紅莉栖「あんた……脅されてるんじゃないの? それ……」
岡部『……なきにしもあらずというか、仕方あるまい』
紅莉栖「それで良いの? あんたは、それで良い訳?」
岡部『ラボメンを守るのが、俺の役目だ……最も、相手が約束を守るとは限らんが……』
紅莉栖「岡部…………良いわ、完成させたげる」キュン
岡部『頼む』
ツーツー
岡部「これで良いか……?」
スネーク「ああ、ラボまで送ろう。オタコン……」
オタコン「ちょっと待ってくれスネーク。これ、こいつを見てくれ」
スネーク「どうした?」
オタコン「首都圏の交通機能が麻痺してる」
スネーク「線路だらけだな、東京は」
オタコン「おかしいよ……、こんなこと、普通はありえない。特に、アキバは陸の孤島みたいになってる」
スネーク「……俺たち以外にも、動いたか?」
オタコン「そうかもね……もし、彼の話が本当だとするなら……」
スネーク「俺も行こう、もう少し高度を下げられるか?」
オタコン「ああ」
スネーク「岡部、飛ぶぞ」
岡部「は?」
岡部「ぬぉおおおおおおおお!!」
スネーク「口を閉じろ! 舌を噛むぞっ!」
― ラボ周辺 ―
スネーク「見ろ、人気が全く無い」
岡部「た、確かに不気味だ……」
スネーク「先に行っていろ、俺は他に用事をすませる」
岡部「ど……どういうことだ……?」
スネーク「良いからラボまで走れ」
岡部「くそっ! 走るのは、苦手なんだっ!」ダッ
カンカンカン ガチャ
岡部「紅莉栖! ダル! 無事か!?」
紅莉栖「ちょ、何よ帰ってきて早々……あんたこそ、大丈夫だったの?」
ダル「オカリン大丈夫? 顔色ヤバイお」
岡部「あいつら以外にも、タイムマシンを狙っている奴らが居て…………あ、れ……? まゆりは……?」
ダル「なんなん? ちゃんと説明しろし、オカリン」
岡部「我々は現在、機関に狙われているのだ……割とマジで」
ダル「妄想乙……とは言えないか、さっきの人がらみなん?」
岡部「ああ……とにかく、ここから出てどこか遠くへ……」
岡部(アキバは陸の孤島……)
紅莉栖「岡部?」
岡部「と、とにかく、俺はまゆりを探しに……!」
ガチャ
スネーク「待たせたな」
まゆり「トゥットゥルー♪ 何だか変な人に誘拐されてきたのです」
スネーク「……」
岡部「スネーク! 信じていたぞ!」ガシッ
スネーク「あ、ああ……」
紅莉栖&ダル(誰……?)
紅莉栖「え? 出来てるけど……」
スネーク「よし、それを持ってここを出るぞ。全員ついて……」
ブロロロロ
岡部「何だ? こんな時間に……」
スネーク「全員、窓から離れろ」グイッ
岡部「おおっ、急に引っ張らないでくれ……」
スネーク「オタコン……」
オタコン『バンから出てきた、1…2…6人。全員SMGを持ってる』
スネーク「お前たちは伏せていろ」
岡部「じゅ、銃撃戦になるのか?」
スネーク「ああ」チャ
岡部「おい、スネーク……どう見ても、ただのハンドガンなんだが……それだけか?」
スネーク「大丈夫、無限バンダナだ」
紅莉栖&ダル(だから誰だよこのおっさん……)
ラウンダーサブリーダー「全員その場をうご……あ?」
スネーク「」コキッ
ラウンダー「なっ……こいつ!? どこから……」
スネーク「」キュ
ラウンダー「くそっ!」パパパ
スネーク「」パンパン
ラウンダーさん達「」シーン
岡部「……助かった、のか?」
オタコン『まだまだ来るよスネーク! バンが三台止まった!』
スネーク「まだ来るぞ! 全員伏せていろ!」
紅莉栖「まゆりっ!」
スネーク「!?」
岡部「ま……ゆ……り……?」
ダル「あばばば」
スネーク「…………」
紅莉栖「まゆりっ! まゆりっ!」
ダル「……」
岡部「あぁああああああっ!!」
スネーク「……岡部!」ガンッ
岡部「がっ……! な、何を……!?」
スネーク「動くんだろう……?」クイッ
岡部「電話……レンジ……」
スネーク「……行け!」
紅莉栖「お、岡部っ!? だ、ダメよっ! まだテストもしてないのに……!」
岡部「飛べよぉおおおおおおおおお!」
鈴羽(あれ? 出番は……?)
――――――
――――
――
スネーク「日本は平和だな……」
オタコン「そうだね、これだけ治安の良い国も少ない」
スネーク「たまには、観光というのも良いもんだ」
オタコン「まさかスネークとこうして、アキバを歩くことになるとは思いもしなかったよ」
スネーク「俺もだ。しかし、タバコをどこで吸えばいいんだ?」
オタコン「いい加減、もうやめたらどうだい?」
スネーク「そう言うな……おい、あんた。この辺りに喫煙所は無いか?」
岡部「」
スネーク「ん? どうした、日本語が変か? 喫煙所の場所を教えてくれ」
岡部「スネーク……」
スネーク「!」
岡部「……ありがとう」
スネーク「………………?」
オタコン「メイクイーンにゃん×2の場所も聞いてくれないかな? スネーク」 完
世界戦がシュタインズゲードに以降して、未来が変わったんだよ。というオチ
投げてないよ、予定通りだよ
岡部「ここだ」
スネーク「これがメイドカフェか」
オタコン「思い出した、ここだよここ。ありがとうそこの彼」
スネーク「こいつが君に感謝しているぞ」
岡部「あ、ああ……その、俺も同席して構わないか?」
スネーク「ああ、現地のガイドが丁度ほしいと思っていたところだ。剥きだしですまないが」スッ
岡部「いや、金は良い。少し、頼みを聞いて欲しい……」
スネーク「……いいだろう、中で話せるか?」
岡部「ああ」
オタコン「スネーク! 早く行こうよ!」
スネーク「オフなんだ、デイヴにしてくれオタコン」
オタコン「分かったよデイヴ」
スネーク「それで、話って?」
岡部「彼は良いのか?」
スネーク「ああ、何でもここは五回目らしい。久しぶりで場所を覚えてなかったようだが」
オタコン「フェイリスたん!」
フェイリス「きゃー! お久しぶりだにゃん、オタコンお兄ちゃん!」
スネーク「彼女、英語が話せるんだな」
岡部「俺も初耳だが……」
スネーク「で、話っていうのは?」
岡部「俺のことを、覚えていないか……?」
スネーク「? そういえば、あんたは俺のことを知っているようだったな」
岡部「ああ、俺は……岡部倫太郎だ」
スネーク「……すまないが、覚えていないな。どこで会った?」
岡部「ここだ、日本でだ」
スネーク「おいおい……俺は日本には初めてきたんだぞ?」
まゆり「トゥットゥルー♪ オカリン、オカリン、その人は?」
岡部「ああ、ちょっとした知り合いでな」
スネーク「……」
岡部「スネーク、コーヒーで良いか?」
スネーク「ああ」
フェイリス「凶真ー! 来てるなら声を掛けてくれなきゃダメにゃん!」
岡部「フゥーハハハハ! 俺が来たことに気づけないとは、お前もたるんでいるようだな! フェイリス!」
スネーク「!」ガタッ
岡部「……ど、どうしたスネーク?」
スネーク「いや、デジャヴを感じてな……」
岡部「……! この、狂気のマッドサイエンティストに、見覚えがあるようだな?」
スネーク「…………鳳凰院……凶真?」
岡部「そうだ! 我こそが世界の支配構造を破壊するもの! 鳳凰院凶真だ!」
スネーク「……これは、どういうことだ?」
フェイリス「この私が、ついていけないにゃんて……!」ギリッ
スネーク「コーヒーを頼む」
フェイリス「はいにゃん♪」クルッ
岡部「スネーク……どこまで思い出した?」
スネーク「曖昧な記憶だが、確かに俺はお前と会っているようだな」
岡部「そうだ。思い出してくれ、頼む!」
スネーク「……襲撃があり、まゆりが倒れ、お前は過去に飛んだ」
岡部「そうだ!」
スネーク「そして、パラドックスが起きて未来が変わった?」
岡部「まあ、そのようなものだ。正確には、世界線が移動したのだ」
スネーク「頭が痛いな……。それで、俺に頼みたいこととは? タイムマシンはまだあるのか?」
岡部「ああ、順を追って説明しよう……」
カクカク シカジカ
スネーク「なるほどな……」
岡部「そうだ」
スネーク「そのためには、俺の協力が必要だと……未来のお前からメールが届いた?」
岡部「その通りだ。頼むスネーク、あんたに頼むしかないんだ」
スネーク「……一度は乗りかかった船だ。良いだろう」
オタコン「マユリ! 僕だよ! 覚えてないないかい!?」
まゆり「え、えっと……?」ニコッ
オタコン「KAWAII!」
岡部「……出ないか?」
スネーク「その方が良さそうだ。行くぞオタコン」
オタコン「えっ!? ど、どうしたんだよスネーク! まだオムライスに名前を書いて魔法を掛けてもらってない!」
スネーク「また後で来よう、用事が出来た」グイッ
オタコン「フェイリスたん! まゆしぃ!」ズルズル
ダル「……なんぞこれ?」
スネーク「こちらスネーク、ラジオ会館の屋上へ侵入した。大佐、指示をくれ」
岡部「……何を一人でブツブツ言っているんだ?」
スネーク「いや、無線が恋しくてな……」
岡部「オペレーション・スクルドの概要は理解したか?」
スネーク「ああ、岡部をだませば良いのだろう? 大丈夫だ、俺に考えがある」
岡部「そうだ。俺はメタルうーぱーを回収する」
スネーク「俺はナカバチとやらを撃退し、紅莉栖を血祭りにあげれば良いというわけだ」
岡部「あ……ああ、まあ……そういうことだな」
オタコン「スネーク、タイムマシンの調整終わったよ」
鈴羽「驚いた……父さん以外に、これをメンテナンスできる人が居るなんて……」
オタコン「でも残念だな。結局世界線が移動してしまえば、今の記憶は無くなってしまうんだろう?」
岡部「いや……少なくとも、俺は皆のことを忘れはしない」
スネーク「…………彼女は?」
鈴羽「やあ、貴方がおじさんの言ってた英雄さん?」
鈴羽「ふーん」
スネーク「……良い身体をしているな」
岡部「ちょ、スネーク何を言っているんだ!?」
オタコン「スネーク……」
スネーク「そういう意味じゃない……。鍛えられた良い身体をしている」
鈴羽「ありがとう。私も貴方みたいな戦士に会えて光栄だよ」スッ
スネーク「そうか」グッ
岡部「行くぞ……スネーク」
スネーク「ああ」
鈴羽「二人とも乗って」
オタコン「スネーク、これを」スッ
スネーク「持ってきていたのか……」
オタコン「備えあれば憂いなしだよ、スネーク」
スネーク「行って来る」
鈴羽「二人とも、大丈夫?」
岡部「吐きそうだ……」
スネーク「ああ……」
鈴羽「ごめんね、狭くて」
スネーク(性欲を持て余す)
鈴羽「どしたの? スネーク?」
スネーク「デイビットだ。デイヴで良い。どうせ忘れてしまうのだろうが……」
鈴羽「うん……でも、きっと覚えてるよ」
岡部「よく平気だな、スネーク……」
スネーク「弾丸のように飛ばされる潜水艦の中よりはマシだ」
岡部「……」
スネーク「こちらスネーク。過去への潜入に成功した」
紅莉栖「」ブラブラ
スネーク「予定時刻通りだな……ここで、彼女は父親に刺されるのか」
スネーク「むごい話だ……」
紅莉栖「……何だか、妙に聞き覚えのある声がするのは気のせいかしら」
スネーク「……」
中鉢「――――」
紅莉栖「――――」
スネーク「始まったな……」スッ
中鉢「な、何だっ!? ナイフが……浮いて……?」
スネーク「」ヒュンヒュンヒュン
中鉢「ひぃいいいい! く、くるなっ! 何なんだ一体!」タタタタッ
スネーク「初代は殴っても首を絞めても、気づかれなかったんだがな……」カチッ
紅莉栖「なっ! ひ、人……? 何で急に人が……!」
紅莉栖「あれ……あなた、どこかで……」
スネーク「悪いな、少し眠っていてくれ」パシッ
紅莉栖「ちょ……!?」
スネーク「」キュ
紅莉栖「この締め心地、思い出し――――!」クテッ
スネーク「……リーディングシュタイナーは未来の記憶も引き出せるのか?」ドサッ
紅莉栖「」チーン
スネーク「あとはこのツチノコを使って、血糊を撒けば完成だ」ザクッ
ブシャアアアアアアア
スネーク「……少し多すぎたか?」
プルル プルル
スネーク「!」ピッ
パラメディック『スネーク! まさかツチノコを食べたの――!?』プチッ
スネーク「……? 混戦してるらしい……メイリンに声がよく似ていたが……」
スネーク「岡部、こっちは終わったぞ。現場を見てみろ、なかなかエグいことになっている」
岡部「もう前に見たから良い! それより俺が来る!」
スネーク「俺が来る? 随分哲学的なことを言うんだな、自分はどこへも行きやしない。いつも共にある」
岡部「そういうことじゃない! 過去の俺が来る! 見つかったら大変なことになるぞ!」
スネーク「これを使え」スッ
岡部「何だ、このちょっとステキな機械は」
スネーク「ステルス迷彩だ、こう使う」カチッ
岡部「おお! こ、こんなものが!」カチッ
スネーク(来たぞ、喋らなければ大丈夫だ)ヒソヒソ
岡部(ああ……)ヒソヒソ
過去岡部「な……な…………なんじゃこりゃあああああああああ!! メディーック! メディーック!」
――――――
――――
――
スネーク「日本は平和だな……」
オタコン「そうだね、これだけ治安の良い国も少ない」
スネーク「たまには、観光というのも良いもんだ」
オタコン「まさかスネークとこうして、アキバを歩くことになるとは思いもしなかったよ」
スネーク「俺もだ。しかし、タバコをどこで吸えばいいんだ?」
オタコン「いい加減、もうやめたらどうだい?」
スネーク「そう言うな……おい、あんた。この辺りに喫煙所は無いか?」
岡部「」
スネーク「ん? どうした、日本語が変か? 喫煙所の場所を教えてくれ」
岡部「スネーク……」
スネーク「!」
岡部「……ありがとう」
スネーク「なに、俺も中々楽しかった。紅莉栖によろしく言っておいてくれ、首を何度も絞めてすまなかったと」
岡部「!」トゥルン! 完
「はい、岡部倫太郎は最後まで気づきませんでしたね」
「ええ」
「はい……。勿論です」
「薄々は気づいているようですが……」
「問題ありません、本当に重視すべきは牧瀬紅莉栖です」
「どうでしょう……彼は、岡部よりだと思いますが……」
「はい。リーディングシュタイナーを持っているのは、自分だけだと……」
「ええ」
「ありがとうございます」
「大統領」
乙
乙
Entry ⇒ 2012.03.07 | Category ⇒ シュタインズゲートSS | Comments (1) | Trackbacks (0)