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番外個体「そんなもんかもねぇ」
元スレ:番外個体「そんなもんかもねぇ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324386154/
始まるよ!
上条さんのハーレム話だけど主人公は一方通行さんだよ!
お相手は番外個体さんだよ!たぶん一週間かからず終わるよ!気楽にみてってね!
~とある日、黄泉川家にて
番外個体「おいーっす、一方通行。やけに遅いお目覚めで」
一方通行「うっせー。何時に起きようが俺の勝手だ」
番外「あ、私知ってるよ。重役出勤って奴でしょ?」
一方「ぜんぜん違うけどな」
番外「うっわ、居候の癖に偉そうだねぇ。礼儀の欠片もありゃしない。死んだ方がいいんじゃない?」
一方「・・・・・・」がじがじ
番外「・・・何食ってんの?」
一方「カロリーメェト」
番外「いい加減飽きないの?」
一方「昨日はチョコ味だったしィ」
番外「栄養とか大丈夫なん?野菜食えよ」
一方「カロリーメェトはなァ、完璧なンだよ。パーフェクト食品なンだ」
番外「んな訳ないじゃん。まあ、栄養失調で倒れたらミサカがサクッと殺してあげるから安心してね」
一方「……」
番外「・・・何?どしたの?」
一方「いや、別にィ。それより黄泉川はどうしたんだ?」
番外「ん、なんかデートどか言って出てった」
一方「ふーん、あっそ。まあ、どうでもいい」
番外「あんたが聞いてきたんじゃん。はい、コーヒー」
一方「おォ、ありが・・・」
番外「・・・・・・」
一方「・・・・・・」
番外「・・・・・・」
一方「・・・すまん、今なんつった?」
番外「え?いや、だからコーヒーが」
一方「いや、その前」
番外「ん?ああ、黄泉川彼氏出来たらしいよ」
一方「ええええええええええええええええええええええええええええ!!!」
番外「しかも教え子らしいよ」
一方「あsdfghjkl;んdさlkfhじゃlf!!!!???」
番外「・・・・・・」
一方「・・・・・・」
番外「・・・・・・」
一方「よく考えたらどうでも良かったわ」ズズズ
番外「まあ、むしろよく今まで独身だったよね」
一方「もうギリギリの線まで来てたからな。いやはや喜ばしい」
番外「あんたがそこはかとなく上から目線なのが鼻につくね」
一方「で、どんな奴なンだ?」
番外「さあ?名前だけ聞いたんだけど、忘れちゃった」
一方「よく考えたらどうでもいいわ」ズズズ
番外「あ、思い出した」
番外「確か、カミジョーとかいう奴だった」
一方「ぶっふうううううううううううううううううう!!!」
番外「・・・・・・」ポヤポタ
一方「がっっ、つっ、はっ、がはっ」ゼェゼェ
番外「・・・人にコーヒーぶちまけて謝罪の一つも無し?」
一方「ちょ、ちょま、の、喉にカロリーメェトが詰まって・・・」
番外「んな奴見たことねーし!」
一方「まあ落ち着けよ。カロリーメェト食うか?チョコ味だぞ?」
番外「どうしよう。このまま殺しちゃおうかなこいつ」
一方「おいおい穏やかじゃねェな」
番外「人をコーヒー塗れにしておいてなんだその言い草は」
一方「しっかし、相手が三下とはな。嫌な予感がする」
番外「何?そんなエグイ奴だっけ?」
一方「身も蓋も無いことを言えばそうなんだが…まあ、黄泉川自身が納得して決めたんならいいンじゃねェか」
番外「おや、随分と素っ気ない言い草だね」
一方「あいつも大の大人だからなァ。向こうから求められたならまだしも、俺がグチグチ口出しすることじゃねェ」
番外「結構ドライなんだね。『愛する家族をそこらへんの青二才なんかにやれん!』とか言い出すかと思ったのに」
一方「俺はンな話し方しねェよ・・・ま、見守るのもまた愛、って奴だ」
番外「ふーん」
番外「そんなもんかねぇ」
―――――三日後。
芳川「…ただいま」
番外「ああ、おかえりー。朝帰り、とは結構な御身分で」ハグハグ
芳川「あら、あなただけ?」
番外「うん。一方通行は変な金髪のチンピラとどっか行っちゃった」ハグハグ
芳川「あら、朝早くから元気ね。どこに行ったの?」
番外「なんだっけかな。確か爽やかな男同士でタマを足でいじくりまわしてブチ込みに行くとかなんとか」ハグハグ
芳川「……」
番外「……」ハグハグ
芳川「…まあ、趣味は人それぞれだものね」
番外「そうだね」ハグハグ
芳川「私はちょっと寝るわ。なんか頭が痛くなってきたし」
番外「そりゃ大変だ。早く寝た方がいいよ。なんたって朝帰りなんだから」ハグハグ
芳川「……」
番外「どしたの?」ハグハグ
芳川「聞かないの?なんで朝帰りだったか」
番外「んーまあぶっちゃけそんなに興味は…」
芳川「実はね、私最近ある人と付き合い始めたの」
番外「あれ?私の話聞いてた?」
芳川「今日はその人の家に泊ってたのよ。だから今帰ってきたの」
番外「あーこれ完全に聞いてないね。自分語り始めちゃったね]
芳川「彼ったら、情熱的に私を愛してくれて・・・素敵な一夜だったわ」
番外「ほうほうお惚気ですか。おめでとう」
芳川「それほどでもないわ」
番外「褒めてないけどね。まあいいや。で、相手はどんな奴なん?」
芳川「上条当麻っていう子よ」
番外「ぶふううううううううううううううううううううう!!!!!」
芳川「うっわきたねぇ!」
番外「よ、よ、芳川、今なんて…」
芳川「…それより前に言うことがあるんじゃないかしら」ベットリ
番外「そんなことはどうでもいいんだよ!」
芳川「ぶっとばすわよ?」
番外「…因みにさ、そのこと黄泉川には話した?」
芳川「話したわ。お互い納得済みよ」
番外「…ってことは黄泉川は」
芳川「ええ、彼は平等に愛してくれるから大丈夫よ」
番外「はあああああああああああああ!?」
芳川「何を驚いてるのよ。一夫多妻制なんて、イスラム圏では当たり前のことよ」
番外「あばばばばばばば」
番外「…ってことがあったんだけど」
一方「何?最後の声」
番外「ミサカよく解んないけどさ、たぶんこれ二股って奴だよね?」
一方「……」
番外「だとしたらさ、これって止めた方がいいのかな?」
一方「いいことを教えてやる。『なになにした方がいいのかな』って人に聞くときは、だいたいお前がそれをしたい時だ」
番外「そうなの?それってミサカだけ?それともみんな?」
一方「大概の奴はそうだ」
番外「ふーん、じゃあ止めようかな」
一方「・・・まあ、個人的にはあんま手ェ出すべきじゃねェとは思うがな」
番外「そんなもんなん?」
一方「ああ・・・それに、たぶん言っても聞きやしねェ」
番外「・・・まあ別にいいんだけどね。可能なら、あんま面倒な事したくないし」
一方「気になンのか?」
番外「まあ、ぶっちゃけ少し」
一方「……」
一方「…面倒な目にあいたくねェってのは同感だ。二人はとりあえずほっとこうぜ」
番外「とりあえず、そうする理由が知りたいんだけど」
一方「…あいつらはもういい大人だ。本人が納得してンなら、俺が手を出すことじゃねェ」
番外「なんかこの前も同じようなこと言ってたよね。ホントに大丈夫なの?それで」
一方「・・・18にも届かねェガキに心配されなきゃデートも出来ねェようなタマでもねェよ」
番外「ふーん」
番外「…そんなもんかねぇ」
―――――そのまた二日後。
一方通行「・・・・・・」モグモグ
打ち止め「あ、一方通行おはよう!ってミサカはミサカは浮き立つ気持ちを抑えきれずに挨拶してみたり!」
一方通行「おォ。なンだ?やけにご機嫌じゃねェか」
打ち止め「へへっ!解っちゃう?実はねー」
一方通行「ちょっと待って。コーヒー淹れるから」
打ち止め「・・・カフェイン無きゃ会話も出来ないの?」
一方通行「かのサヴァランも言っている。『精神がコーヒーの鞭をくらうからこそ、有象無象までが大挙して、オリンポスの山や記憶の殿堂への道を押しすすむことがあたうのであろう』、と」
打ち止め「全然意味が解らないよ、ってミサカはミサカはなんだか頭痛がしてきたり・・・」
一方通行「コーヒーを飲めば解る。だから飲め。喉からあふれ出るまで」
打ち止め「イヤだよ。程度を知ってよ」
一方通行「ったく、ああ言えばこういう奴だ」
打ち止め「すっげー理不尽だよね。別にいいけど」
一方通行「で?話って何?」
打ち止め「え?ああ、えーとね・・・」
打ち止め「ミサカにも彼氏さんができたのだ!ってミサカはミサカは重大発表してみたり!!」
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・・・・」
打ち止め「・・・・・・・・・・・・・???」
一方通行「・・・・・・!・・・・・・・・・・・・!!!!」
打ち止め「・・・あれ?ノーリアクションは酷いんじゃない!?ってミサカはミサカは予想外の冷たい仕打ちに動揺してみたり・・・」
一方通行「・・・・・・・・・夢でも見てンだろ。顔洗って来い」ガタガタ
打ち止め「大丈夫?なんかものすごい勢いで震えてるみたいだけど」
一方通行「うるせェ。黙って向こうに行け。俺のカロリーメェトタイムを犯すことはなんびとたりとも許さん」
打ち止め「あ、それちょっと解る。ベジタブル味が最高だよね、ってミサカはミサカは・・・」
一方通行「打ち止めァ!!!!俺はお前をそんな子に育てた覚えはありませんっ!!!」
打ち止め「え?いやカロリーメイト如きでそんなに怒らなくても」
一方通行「そっちじゃねェよ!その前だよ!!」
打ち止め「解り難いなぁ・・・彼氏ができたこと?ってミサカはミサカは念のために確認してみたり」
一方通行「そうそうそれ・・・どういうことだァ?」
打ち止め「だからそのまんまだよ。彼氏が出来たの」
一方通行「ふーん、あっそう。お幸せに」
打ち止め「え?さっきと全然反応が違うよ?ってミサカはミサカは急激な変貌に驚きを覚えたり・・・」
一方通行「別にお前がそれでいいンなら、俺の意見なンかカスほどの価値もねェだろ」
打ち止め「一方通行・・・」
一方通行「好きにすればいいンじゃねェか?少なくとも、邪魔したりはしねェから安心しろ」
打ち止め「・・・・・・」
一方通行「どうした?」
打ち止め「ううん・・・ミサカ、絶対に幸せになるからね」
一方通行「おうおう、勝手にやれ・・・で、相手はどんなやつなンだ?」ゴクゴク
打ち止め「あなたも良く知ってる人だよ!」
一方通行「え?」
打ち止め「ヒーローさん!」
一方通行「ぶっふううううううううううううううううううううううううううう!!!!」
打ち止め「うっわきたね!」
一方通行「・・・ってことを、目をきらきらさせながら語られた」
番外個体「すっげーな。カミジョーさん」
一方通行「確か知り合いが二挺拳銃の殺し屋とツテがあったな。ちょっと連絡を取ってみよう」
番外個体「落ち着け」
一方通行「すまねェ、ちょっと動転してた」
番外個体「まあ、あんたにとっちゃ紫の上みたいなもんだからね」
一方通行「何言ってんだお前」
番外個体「で、どうする訳?」
一方通行「あァ?」
番外個体「気に入らないんでしょ?ふざけんなって叫んで引き剥がしちゃえば?」
一方通行「・・・あのなァ、本人が幸せになるかって所を、俺が気に入らねェとか言って邪魔できる訳がねェだろォが」
番外個体「あ、気に入らないのは認めるんだ」
一方通行「・・・まあな」
番外個体「うーん、よく解んないなぁ・・・それって何?”愛”って奴なの?」
一方通行「・・・・・・あァ、そうだ」
番外個体「それってさ、”正しい”の?」
一方通行「正しいさ。正しいに決まっている。間違ってないに決まってる」
一方通行「・・・そうに違いねェ」
番外個体「・・・・・・」
番外個体「そんなもんかねぇ」
―――――翌日。
番外個体「・・・ってことが最近あってさぁ」
美琴「・・・・・・それを何故、わたしに?」
番外個体「あ、お姉さまそういえばカミジョーさんにフラれたんだっけ。ごめんねこんな話して」
美琴「ふ、フラれてないし!どっちかといえば、こ、こっちからフッてやったようなもんだし!」
番外個体「告白しない間にいつの間にか彼女が出来ていて結局諦めたお姉さまと、それでも突っ込んだ打ち止め。どこで差がついたのか。慢心、環境の違い・・・」
美琴「うっさいわね!八股するような奴、こっちから願い下げよ!」
番外個体「え?今八人もいんの?」
美琴「え?う、うん。黄泉川って人と、芳川って人でしょ、インデックスでしょ?五和さんに神裂さんに、佐天さんと初春と黒子で八人」
番外個体「マジぱねぇ」
美琴「あと麦野さんが攻略中との情報が」
番外個体「うわぁ、結構えげつねぇ言葉使うんだね」
美琴「でも、なんかみんな受け入れてるっぽいのよね。それなりに秩序があって、お互い嫉妬したりしないっていうか」
番外個体「完璧なハーレムだね」
美琴「ただ部屋はめちゃくちゃ手狭だって佐天さんが言ってた」
番外個体「むしろあの部屋に住んでんのかよ」
美琴「なんか今度引っ越すって言ってたよ」
番外個体「・・・・・・」
美琴「何よ」
番外個体「お姉さまさ、もっかいアタックしてみれば?ハーレムの仲間入りできるんじゃない?」
美琴「絶っ対しない!」
番外個体「なんで?」
美琴「だっておかしいじゃない!好きな人が九人もいるなんて!」
番外個体「そういうこともあるんじゃない?受け入れてあげたら?」
美琴「わたしは無理ね」
番外個体「うーん、ミサカよく解んないけどさ、好きな人の決めたことを受け入れるってのも、”愛”なんでしょ?」
美琴「・・・・・・」
番外個体「ってことはさ、今の状況を受け入れたその九人ってのは、単純にお姉さまよりカミジョーさんを愛してたってことなんじゃない?」
美琴「・・・・・・そうかもしれないけど、仕方ないじゃない。だって私はあいつに”恋”してたんだもん」
番外個体「”恋”?それって”愛”とは違うの?同じようなもんなんじゃないの?」
美琴「同じ人もいるかもしんないけど、私は違ったの!」
番外個体「・・・・・・」
美琴「・・・何よ」
番外個体「いや、ね?ミサカさ、愛とか恋とか、よくわかんないんだよね」
美琴「はぁ?」
番外個体「ほら、ミサカってクローンじゃん?で、生まれてそんな経ってないからさ、そういう経験も特に無いわけよ」
美琴「・・・う、うん」
番外個体「今回のことってさ、ミサカが”愛”を知るにはいい機会じゃん?だから折角だから、いろいろ聞いてみたいわけ」
美琴「・・・なるほど」
番外個体「って訳で、もっと具体的に教えてよ。”恋”って何?」
美琴「えー?・・・うーん・・・えーと、その・・・」
番外個体「その?」
美琴「・・・・・・わ、わたしだけを見て欲しかった、っていうか・・・」
番外個体「うわぁ」
美琴「うっさいわね!」
番外個体「で、それがお姉さまの”恋”だったと」
美琴「うう・・・まあ、そうだけど・・・」
番外個体「それってさ、嬉しいの?」
美琴「え?」
番外個体「”愛”ってのを向けられたら、向けられた方が嬉しいのはなんとなく解るよ。自分のことを受け入れてくれるわけだから」
美琴「・・・うん」
番外個体「でもさ、”恋”ってどうなの?要するに、それって相手に対する要求なんでしょ?」
美琴「そうだけど・・・」
番外個体「そんなもん向けられて嬉しいの?鬱陶しいだけなんじゃないの?」
美琴「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
美琴「・・・でも、それを喜んでくれる人だったらいいなぁって、思ってたのよ」
番外個体「・・・・・・」
美琴「実際にはそうじゃなくて、あいつはもっといろんな人に愛を向けることを選んだわけ。その時点で私の恋は破れちゃった。だから私は、あいつのところに行くつもりは無いわ」
番外個体「・・・ふーん、人間って難しいねぇ。クローンの私には、やっぱよく解んないよ」
美琴「何言ってんのよ。あんただって人間じゃない」
番外個体「・・・・・・」
美琴「きっとあんたも、いつか”恋”をするわよ」
番外個体「・・・・・・」
番外個体「・・・・・・そんなもんかねぇ」
―――――さらに三日後。
番外個体「ただいまー」
一方通行「おォ」
番外個体「・・・・・・」
一方通行「・・・どうした?」
番外個体「・・・何?その荷物」
一方通行「ちょっとな」
番外個体「いや、ちょっとってレベルじゃないでしょ。夜逃げレベルじゃん。今更借金で首が回らなくなったの?」
一方通行「いや、そういう訳じゃねェンだが・・・」
黄泉川「一方通行・・・ホントに出て行くじゃん?」
番外個体「え?出てくの?」
一方通行「おォ」
番外個体「はぁ?なんでよ」
芳川「気をつけて暮らしなさいね」
番外個体「え?止めねーの?」
黄泉川「たまには帰ってくるじゃんよ」
一方通行「いや、ホントマジ無理なんで勘弁してください」
番外個体「ちょ、ちょっと待って!ホントに話が見えないんだけど!」
一方通行「あァ?あァ、そういやオマエまだ知らないんだったな。実は・・・」
上条「愛穂、トイレはどこだ?」
黄泉川「突き当りを右じゃん」
上条「あ、ここか。・・・・・・」
黄泉川「どうしたじゃん?」
上条「なんか悪いな。こんな家に住まわせてもらって」
黄泉川「なに言ってるじゃん!水臭いじゃん!私とオマエの仲じゃん!」
番外個体「・・・・・・」
一方通行「・・・ってことだ」
番外個体「全然わかんないんだけど」
佐天「あ、今日からお世話になる佐天涙子です」
初春「同じく初春飾利です」
黒子「ジャッジメントですの!」
番外個体「おい最後だけおかしいぞ」
インデックス「13人で暮らすには、とーまの家は狭すぎるんだよ!」
番外個体「え?また増えたの?」
五和「そこで黄泉川さんと芳川さんが自宅を提供してくれるということで、みんなで移ってきたんです」
神裂「この部屋から私たちの新しい生活が始まるのですね」
オルソラ「よいお天気なのです」
番外個体「あんたら誰だよ」
打ち止め「正直ミサカも把握しきれてないの」
番外個体「・・・なんだか頭痛くなってきた」
一方通行「そんな訳で一緒に暮らすのはちょっとキツいンじゃねェかな、と思った次第でして」
黄泉川「そんなの気にすることないじゃんよ」
一方通行「いや、気にしないとか無理なんで。もうすでに胃に穴が開きそうなンですけど」
番外個体「・・・金とかあんの?」
一方通行「今までだって払ってたしな。変わンねェよ」
番外個体「一人暮らしとかできんの?」
一方通行「バカにすンな」
番外個体「住むトコ無いでしょ。見つけてから行けば?」
一方通行「マンションいくつか持ってるからそのどっか行くわ」
番外個体「何も今すぐ出て行かなくてもいいんじゃない?もうちょっとゆっくりと・・・」
一方通行「住居も決まってんのに残る意味あンのか?」
番外個体「・・・まあそうなんだけど・・・うーん、なんか釈然としないな」
一方通行「あっそ・・・で、オマエはどォすンだ?」
番外個体「え?」
一方通行「え?じゃねェよ。年増女共の愛の巣に、部外者は邪魔だろ。俺のトコにでも来るか?」
番外個体「あはっ、酷い冗談。なんだってミサカがわざわざアンタに付いてかなくちゃいけないのさ。気持ち悪すぎて吐き気するよ。ひょっとしてロリコン?ミサカまだ10歳くらいなんだけど」
一方通行「別に手ェ出したりしねェよ。ただ、もし行くトコがねェなら泊めてやるぞって話だ」
番外個体「はぁ?頭沸いてんの?そんなことしたらストレスで血ぃ吐いて死んじゃうって。無理無理」
一方通行「だったら、ハーレムの仲間入りでもすンのか」
番外個体「・・・・・・」
芳川「ねぇ、別に私たち何もあなたたちを追い出そうとしたいわけじゃ無いのよ?むしろ、残ってくれるのならば大歓迎なのだけど」
黄泉川「そのとおりじゃん!」
打ち止め「異議なーし」
インデックス「勿論なんだよ!」
五和「当然です」
神裂「そもそもここはあなたの家なのですから、文句があろうはずもありません」
番外個体「・・・・・・」
一方通行「・・・・・・」
番外個体「・・・どうすればいいんだろう。よくわかんないや」
一方通行「そりゃあ…」
一方通行「………………。」
番外個体「…?どしたの?」
一方通行「…いや、お前が自分で考えて決めればいいンじゃねェか?」
番外個体「…そんなもんなの?」
一方通行「そんなもんも何も、てめェも一人の人間だろォが。自分のことくらい自分で決めろ」
番外個体「えー、めんどくせー・・・そうだ、一方通行はどうして欲しいわけ?」
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・何度も言った様に、俺は”オマエが納得して決めた”のなら、それを尊重する。俺の希望をねじ込むことはねェ」
番外個体「・・・あっそ」
番外個体「そんなもんかねぇ・・・・・・」
―――――翌日。
美琴「・・・・・・」
番外個体「・・・どしたの?なんか燃え尽きてるよ?」
美琴「…昨日門限破っちゃって…」
番外個体「またぁ?お姉さまもこりないねぇ」
美琴「そしたら…」
番外個体「うん」
美琴「・・・・・・ベレッタが・・・」
番外個体「うん?」
美琴「ケツマンコに」
番外個体「なんの話だよ」
美琴「私はまだ処女だ!!」
番外個体「ギリギリっぽいなぁ」
美琴「ギリギリじゃねーし!逃げ切ったし!よしんば入っててもまだ穴は一つ残ってるし!」
番外個体「その台詞がすでにギリギリだよね」
美琴「それはそうとして、なんかすごい話ね」
番外個体「何が?ケツが?」
美琴「違うわ!あんたの家・・・っていうか黄泉川さんの家」
番外個体「ああ、それ?ホントだよ。昨日とか何時までギシギシやってたと思う?朝の五時だよ!?十時になっても誰一人おきてこねーし。おかげで朝飯は今日もカロリーメイトだよ」
美琴「あら、あれ好きなの?」
番外個体「別に好きだから食ってるわけじゃないよ。昨日まで住んでいた真っ白けのロリコンがやたら買いこんであって、それしか無かったから仕方なく食ってるだけ」
美琴「なんだ、残念」
番外個体「いや、しかしあれだね。ベジタブル味ってのはひでーもんだね。やたらあればっか残ってたから何かと思ったら・・・」
美琴「おいちょっと表出ろ」
番外個体「え?」
美琴「・・・いや、なんでもないわ。ちょっと眩暈がして・・・」
番外個体「大丈夫?無理は禁物だよ」
美琴「うるさい!チョコ味チーズ味の尖兵にほどこしなんて受けないわ!」
番外個体「なんの話をしているの?そして何と戦っているの?」
美琴「ごめん、なんでもないわ・・・で、あんたは結局どうするの?一人暮らしでもする?」
番外個体「それもいい案なんだけど・・・まあ、とりあえず、もう少しあの家に残ってようかと思うんだ」
美琴「はぁ?あんだけ文句言っておいて?なんでよ」
番外個体「いや、なんていうかさ、あの人達”愛”って奴で繋がってるんでしょ?」
美琴「・・・・・・」
番外個体「ミサカもその”愛”ってのに興味あるからさ、あそこに残ればちょっと解るようになるかなーって思って」
美琴「・・・あんたのさ、その”愛”に対するあくなき執念ってどこから来てるわけ?」
番外個体「・・・さあ?解んないや。クローンだから、普通の人間に憧れてるとか、そういう感じじゃない?」
美琴「・・・・・・」
美琴「私は・・・・・・あんたのこと愛してるから」
番外個体「ごめんそういう趣味はないんだ」
美琴「あんたはちゃんと愛されてるから。愛されてるってことは、きっとあんたもその人に愛を向けてるってことだから」
番外個体「・・・・・・」
美琴「だからあせる必要は無いのよ。あんたはちゃんと”愛”を持ってるんだから。この御坂様が保証してやるわ。間違いない」
番外個体「・・・ごめん、お姉さま。やっぱりミサカにはよく解んないや」
美琴「それでもいいわ。何も難しく考えることはないのよ。”愛”は気が付けばそこにある物なんだから」
番外個体「気がつけばそこに、か」
番外個体「そんなもんかねぇ」
―――――同日、同時刻。
浜面「・・・ってそりゃミスチルだろうが!」
一方通行「いきなりなに言ってんだ?オマエ」
浜面「いや、なんか言わなきゃいけない気がした」
一方通行「・・・大丈夫・・・じゃあねェか、元から」
浜面「大丈夫だよ!問題ねえよ!でもさぁ、なんかやんなきゃいけない気がするときあるじゃん!そういうのを逃したくないの!俺は!」
一方通行「ねェよ。そンなン」
浜面「あるよ。俺は唯一、それを逃さなかったことだけを誇りに生きている」
一方通行「・・・・・・」
浜面「・・・てな冗談は置いといてよ、さっさと用件ってのを教えてくれよ。俺これから買い物行かなきゃなんないんだよ」
一方通行「・・・・・・」
浜面「聞いてる?」
一方通行「・・・おォ。あまりの寒さに意識が飛んじまった」
浜面「そこまで!?」
一方通行「自覚してねェのか・・・残念な奴だ」
浜面「うるせぇ!・・・で、なんで俺呼んだの?」
一方通行「暇つぶし」
浜面「はぁ!ふざけんなよ・・・ああ、ひょっとして番外個体ちゃんと喧嘩でもしたか?」
一方通行「あァ?」
浜面(あれ?ひょっとして当たりじゃね?)
一方通行「・・・ンなコトでテメェ引っ張り出すわけねェだろ」
浜面「じゃあ何があったんだよ」
一方通行「・・・・・・」
浜面(だんまりかよ・・・めんどくせー)
浜面「そういやよ、上条のハーレムの話知ってるか?最近全然会ってねーから噂でしかねーんだけどさ、あいつ今二桁の女の子と一緒に暮らしてるらしいぜ」
一方通行「・・・・・・」
浜面「なんでも人が増えすぎて部屋が手狭になってきたから引っ越すんだってよ。その引越し先も、ハーレムの女の家なんだってさ!麦野もなんだかんだアプローチかけられてたらしいけど、結局断ったみたいだぜ」
一方通行「・・・・・・」
浜面「いやーでも羨ましいよなぁ、かわいー女の子をとっかえひっかえだろ?男の夢だよな!」
一方通行「・・・オマエそんなこと言ってると愛想つかされるんじゃねェ?」
浜面「はっはっは、大丈夫俺らラブラブだし」
一方通行「そんなこと言ってる間に、どこぞのハーレムの仲間入りしてたりしてなァ」
浜面「いやいや、ありえねえって」
一方通行「どうだかなァ。なんてったって、稀代のフラグ建築士が相手だからなァ」
浜面「・・・あれ?なにこれすんごいやばい気がしてきた」
一方通行「いつの間にか『ごめんはまづら。もっと好きな人ができちゃった』とか言ってきたり」
浜面「いやだー!そんなのいやだー!」
一方通行「・・・ってなことがあったらどうすンだ?オマエ」
浜面「どうするっつったって、理后がそういうなら諦めるしかねーよ・・・」
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・だよなァ」
浜面「理后ー!行かないでくれー!」
一方通行「うるせェ。妄想で取り乱すな。つーか叫ぶな」
浜面「あーでも諦め切れねー」
一方通行「あァ?さっき諦めるっつってたじゃねェか」
浜面「うん、やっぱ無理だな。だって好きだし」
一方通行「・・・コロコロ意見変えやがって、このバカ面が」
浜面「ま、実際はその時になんねえと解んねーし」
一方通行「身も蓋もねェな」
浜面「とはいえそんな目にはあいたくねーしな。そうならねー為にも、俺は買い物に行かなければならないって訳だ」
一方通行「・・・前から言おうと思ってたンだが、オマエ完全にヒモだよな」
浜面「ヒモじゃねーよ!社長だって何度も言ったじゃん!」
一方通行「三ヶ月誰も客が来ない何でも屋の店主は社長とは呼べねェよ」
浜面「今は休暇なの!でっかい仕事終わったから余裕あるって何度も言っただろーが!」
一方通行「うるせェ叫ぶなニート」
浜面「いっつも思うけど、家事手伝いってニートに入るのかな」
一方通行「入るんじゃねェか?」
浜面「え、じゃあ俺今ニートじゃん」
一方通行「いや、そんなマジレスいらねェンだけど」
浜面「マジじゃねーよ!ジョークだよ!!解れよ!」
一方通行「無茶言うな・・・」
浜面「つーかよ、それ言ったらお前だってニートじゃねーか!働いてねーし、居候だし」
一方通行「生憎一人暮らしを始めたばっかでな。どこぞのスキルアウト崩れとは身分が違ェ」
浜面「え?お前あの家出たの?」
一方通行「あァ?文句あンのか?」
浜面「キレるポイントおかしいだろ・・・で、何で出たの?」
一方通行「どォでもいいだろ、ンなコトは」
浜面「まーそーだな。でもあれじゃないか、寂しがったんじゃねーか?番外個体ちゃんとか、打ち止めちゃんとか」
一方通行「別にィ、普通だった」
浜面「そんなことねーだろ。平気ぶってても、きっと影で寂しがってたりするぜ?」
一方通行「そんなタマじゃねェよ」
浜面「いーや、間違いないね。俺にはわかる!」
一方通行「・・・・・・」
一方通行「そンなもンかねェ」
―――――同日、夜。
番外個体「そんな訳でですね」
黄泉川「・・・・・・」
芳川「・・・・・・」
打ち止め「・・・・・・」
番外個体「きっと奪うでも与えるでもないものってのがどんなもんなのか知ってみたいわけです」
黄泉川「それミスチルじゃんね」
番外個体「みすちる?何それ、おいしいの?」
佐天「いや、食べるものじゃないですよ」
オルソラ「バター和えは美味しいのでございます」
インデックス「食べてみたいんだよ!」
佐天「話聞いてた?」
初春「有名なポップバンドの名前ですよね」
神裂「・・・訂正してください、彼らはロックバンドです」
初春「ロック(笑)ツェッペリンのセカンド100回聞いて出直せ(笑)」
神裂「この腐れお花畑がっ…!!」
初春「腐ってねーよ」
番外個体「あー・・・話戻していい?」
黒子「ジャッジメントですの!」
番外個体「こいつ一体何なの?」
初春「ジャッジメントです」
番外個体「いや、そーいう話じゃなくて」
佐天「私とタメです」
番外個体「いやそーいう話でもなくて」
黒子「レズです」
番外個体「そんなカミングアウトは聞きたくなかった」
芳川「で、愛がどんなものか知りたい、と」
番外個体「ああ、芳川は話を戻してくれるんだね。助かるよ」
神裂「愛ですか・・・言葉で説明するのは難しいですね」
五和「そうですねぇ・・・強いて言えば、ドキドキ、といいますか」
番外個体「ドキドキ」
オルソラ「愛を感じると胸がぽかぽかするのでございますよ」
番外個体「ぽかぽか」
打ち止め「好きな人に触ったり声を聞いたりすると、キュンってなるんだよ、ってミサカはミサカは自分の経験を話してみたり」
番外個体「胸キュン・・・とりあえず、こんな感じの要素を満たしていれば、それが”愛”ってこと?」
芳川「うん、まあ、そんな感じじゃない?」
番外個体「適当だなー。なんか実感湧かないや」
黄泉川「番外個体はそんなことを感じた記憶は無いじゃん?」
番外個体「うーん、正直記憶に無いねぇ。だから、やっぱ解んない」
オルソラ「それならば、愛を感じてみればいいのでございますよ」
番外個体「身も蓋もねー意見だなー」
芳川「あら、あの子がああいうのにはそれなりに根拠があるのよ?」
番外個体「根拠?」
芳川「ええ。だって私達は、ある人への愛で繋がっているんだから」
番外個体「・・・・・・はい?」
五和「そうですね、きっと彼なら、あなたに愛を与えてくれるはずです」
番外個体「え?」
神裂「すばらしい・・・あなたも私たちの愛の輪の中に加わるのですね」
番外個体「・・・つまりミサカもあんた達のハーレムランドに仲間入りしろ、と」
黄泉川「理解が早くて助かるじゃん」
番外個体「無理だね」
黄泉川「じゃん!?」
番外個体「だってさ、ミサカはカミジョーさんのこと全然好きじゃないからねぇ。まあ、悪い人だとは思わないけど」
芳川「それの何が問題なの?」
番外個体「いや、だって芳川たちはみんなカミジョーさんが好きだからそこに居るんでしょ?ミサカみたいなのがただ仲間入りしたって、あなた達が感じる愛なんて感じられるわけ無いじゃん」
芳川「あら、別に良いじゃない。これから好きになればいいのよ」
番外個体「はあ、まあそれはそうなんですけど・・・どうやって?」
佐天「まずはデートしてみたらどうですか?」
番外個体「でぇと?」
佐天「はい!一緒に一日過ごせば、二人の距離が急接近するかも!きゃっ!」
黒子「チョロいですの!」
番外個体「殴っていいかな」
五和「いやぁ、私に聞かれても」
番外個体「てかなんであのツインテールここにいんの?レズなんでしょ?」
五和「いやぁ、私に聞かれても」
番外個体「喧嘩売ってんのか」
黄泉川「冗談は抜きにしてもいい案だと思うじゃん。まず愛を感じるには、お互いのことを良く知ることが大切じゃん」
番外個体「はあ」
黄泉川「ここに居たらどうせみんなで取り合いになっちゃうし、どこか出かけて二人っきりの時間を作るのは、お互いを知る上でいい手段だと思うじゃん」
番外個体「えー・・・」
芳川「私もそれが一番だと思うわ」
神裂「同感です」
五和「仲間が増えるのは大歓迎です」
佐天「面白そう!」
オルソラ「明日はたらこスパゲッティでありますのよ」
インデックス「わーい、わーい」
打ち止め「わーい、わーい」
初春「みすちるwwwwwwww深海wwww」
黒子「ジャッジメントですの!」
芳川「・・・・・・」
芳川「ほら、みんなもこう言ってることだし」
番外個体「結構ばっさりスルーするんだね」
黄泉川「ま、何事もまずやってみることが肝心じゃん。あいつはすげーいい奴だから、きっと番外個体も好きになるじゃんよ」
番外個体「・・・・・・」
番外個体「・・・そんなもんかねぇ」
―――――翌日。
番外個体「・・・そんな感じでこれからカミジョーさんとでーとすることになったよ」
美琴「・・・なんかこう、秩序の無い世の中にドロップキックかましてやりたい気分になるね」
番外個体「お姉さまも誘ってみたら?なんかあの人、デートならEverybody goesらしいよ」
美琴「オイなんでミスチル被せた」
番外個体「へ?みすちるって何?それおいしいの?」
美琴「・・・ホントに知らない?」
番外個体「うん。食べ物じゃないのは知ってる」
美琴「・・・まあいいや。それで、あんたアイツとデートすれば、”愛”てのが解ると思ってるわけ?」
番外個体「ううん。そんなに簡単じゃ無いでしょ」
美琴「そうね。それにもっといい方法がありそうだし」
番外個体「でも考えすぎで行動に困る、自分の不器用さは嫌いなんだ」
美琴「お前絶対ミスチル知ってるだろ」
番外個体「だから知らないって」
美琴「微妙に改変して使いやがって」
番外個体「何のことだかわからないよお姉さま」
美琴「・・・っていうか、あんたもあのハーレムの仲間入りするつもりなわけ?」
番外個体「今のところは全く無いねぇ。何度も言うけど、ミサカは”愛”ってのに興味があるだけだよ。あそこに居るのは、あの人たちが”愛”ってのを持っているっぽいからで、そいつに興味があるだけだからね」
美琴「・・・・・・」
番外個体「じゃなかったら、あんな肩身の狭い桃色空間とっくに出てってるよ」
美琴「じゃあさ、もし。もしもその”愛”をアイツが与えてくれたら、あそこに居るわけ?」
番外個体「まあ、そんな可能性もあるんじゃない?」
美琴「!!」
美琴(ひょっとして・・・満更でも無い感じ!?)
番外個体「まあ、でも正直その可能性は無いんじゃないかな?同じ家に住んでるから何度か話したけど、それっぽいもの全然感じなかったし」
美琴「そんなの解らないじゃない!」
番外個体「うわっ」
美琴「どうせあんただって、壊れるほどの抱擁とキスで、胸の鐘の音を鳴らしちゃったりするんでしょ!?」
番外個体「何言ってるか解らないけど動揺していることは伝わった」
美琴「・・・でもさ、実際いいわけ?好きでもない奴とデートとかしても」
番外個体「別に」
美琴「もっと大事に考えなさいよ!あーんなことやこーんなことされちゃったりするかもしれないのよ!」
番外個体「まあ、別にいいんじゃない?そりゃ積極的にやりたいかって言われたら微妙だけどさ、一度経験してみないと、それがいいことか悪いことかなんて解りようが無いじゃん」
美琴「そりゃそうだけど・・・」
番外個体「それにさ、別にデートとかキスとか、別に順番とか関係ないじゃん。制限回数があるわけでも無いんだし」
美琴「そ、そうなんだけど・・・えーと、ほら、もうちょっといろんな人と相談してからでもいいんじゃない?」
番外個体「一方通行には話したよ」
美琴「あー・・・えー・・・えー?」
番外個体「あいつも『お前が決めたならそれでいい』って言ってたし、やっぱりこういうのはチャレンジしてみないと駄目かなーって」
美琴「・・・・・・あいつ、そんな事を」
番外個体「うん」
美琴「救いようがねぇ」
番外個体「うん?」
美琴「いや、なんでもないわ・・・どうしてもデートはするって訳ね?」
番外個体「・・・お姉さまはさ、何でミサカをでーとに行かせたくないの?」
美琴「それは・・・その、あんたに後悔して欲しくないから・・・」
番外個体「後悔なんかしないって」
美琴「そりゃあんたにとっては何でもないことかもしれないわよ!?でも、世間一般では好きでもない奴とキスしたりとかするのはおかしいでしょ!」
番外個体「だからさ、ミサカはその世間一般ってのがどんなもんか知りたいんだって。よっぽど大事なモノなんでしょ?それ」
美琴「・・・・・・」
番外個体「そんな大事なものならさ、なんとしてでも手に入れたいなって思うじゃん。その為の手段になるんだったら、別に構わない訳。実際何人もの人とキスしたりデートしたりする奴は居るんだから、それをしたからって”普通の人間”じゃあなくなるなんてことは無いでしょ?」
美琴「・・・・・・」
番外個体「お、もうこんな時間じゃん。待ち合わせに遅れるからミサカもう行くね。ばいばーい」
美琴「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
美琴「そんなもん・・・な訳あるかっ!!」
―――――同日、同時刻。とあるファミレスにて。
浜面「俺・・・思うんだけどよ」
一方通行「あァ?」
浜面「ミスチルじゃなくて、イエモンにすりゃ良かったわ」
一方通行「何の話だよ」
浜面「ミスチルの歌詞とかぶっちゃけ良く知らねーんだよ!イエモンだったら!もっとポンポン歌詞が出てくるのに!!」
一方通行「ぶっちゃけそンなでもねェだろ」
浜面「うん」
一方通行「つーか、お前暇人だな。なンかやることねェのかよ」
浜面「お前が呼び出しといてそれはねーだろ!それに別にいいじゃん暇だって!誰にも迷惑かけてねーし!」
一方通行「・・・お前のためを思って教えてやるよ。家でゴロゴロしてるだけの夫を疎ましく思わない妻が居るわけねェだろ」
浜面「やめろよ!そこはかとなくリアルじゃねーか!」
一方通行「俺はお前のためを思って外に呼び出してやってンだ。ありがたく思え。そして謝罪しろ」
浜面「そんなこと言って・・・あれだろ?ホントは寂しいんだろ」
一方通行「ほざけ。なンで、俺がテメェと会えないことを寂しがらなきゃならねェンだよ」
浜面「ちげーって。一人暮らし始めて、身近に誰も居なくなったのが、だよ」
一方通行「・・・ンな訳ねェだろ」
浜面「いやー、学園都市第一位なんて看板を背負った奴でも人恋しさに泣いてしまうって訳だな」
一方通行「・・・・・・」カチッ
浜面「痛いトコ突かれて逆ギレするくらいなら賢ぶってんなよ。バッカじゃねーの」
一方通行「・・・・・・」
浜面「せめて番外個体ちゃんくらい連れてっちゃえばよかったじゃん。なんなら無理やりでも攫って・・・」
一方通行「すいませン、アンチスキルですか?目の前に未成年誘拐を示唆するアホ顔の金髪がいるンすけど」
浜面「すいません調子乗りましたー!!・・・ん?」
一方通行「?どうした?」
浜面「あ、いや、なんか向こうから凄い勢いで見知った女の子が走って」
美琴「殺すオラっ!!」
一方通行「ごふっ」
浜面「背後からランニング稲妻レッグドロップを放とうとしていた」
一方通行「遅ェよ!!さっさと教えろ!」
浜面「えー・・・だってそんなバイオレンスな展開になるとは思わねーだろ?」
一方通行「俺だって思わねェよ!」
美琴「イナズマッ!!」
浜面「いや、それは放つ前に言うものだぞ」
一方通行「このネタ解る奴いねェだろ・・・」
美琴「んなことはどーでもいいのよ!あんたのせいで!番外個体がアイツとデートする羽目になっちゃったじゃない!どう責任取ってくれるのよ!」
浜面「は?デート?いや、そもそもあいつって誰?」
一方通行「・・・なんでオレのせいなンだ?そりゃあいつが自分で決めたことだろォが。オレはああしろこうしろと指図した覚えなンてねェ!」
美琴「はぁ!?あんたホントにそれでいいわけ!?あの子が好きでもねー男とキスしたりしてもいいの!?ていうかそういうの軽々しくするもんじゃないでしょ!ちゃんとそこらへん教えときなさいよ!」
一方通行「・・・あいつだってガキじゃねェンだ。自分で判断して、決めたンなら仕方ねェだろ」
浜面「あ、そのフレーズ聞き覚えあるぜ!打ち止めちゃんにも同じようなこと言っただろ?」
一方通行「うるせェ、お前は黙って・・・・・・」
美琴「・・・?」
一方通行「・・・おい、なンでオマエがそれを知ってる?」
浜面「え?ほら、三日前に打ち止めちゃんが、カミジョーのハーレムに加わったって嘘ついたろ?あの後滝壺に愚痴ってたんだよ」
一方通行「・・・・・・」
浜面「なんか前から相談に乗ってたみたいでさ。俺らはお前相手じゃ効き目ねーんじゃねーのって予想してたけど、なんかあたっちまったみたいだな。あっはっはっは・・・」
一方通行「・・・アレ嘘だったのかよ」
浜面「え?まだネタばらししてなかったの?」
美琴「つーかそれくらい気づきなさいよ」
一方通行「ンなの気づく訳ねェだろ」
浜面「・・・え?じゃあ、あれは本気で言ってたのか?『好きにすれば?』、って奴」
一方通行「・・・・・・」
浜面「そうなのか・・・てっきり冗談だと受け取ったから、あんなつれない反応したと思ってたぜ」
一方通行「・・・・・・」
浜面「・・・なんつーか、あれだな、お前妙に大人なんだな」
一方通行「あァ?当たり前だろ。バカ面とは違ェンだよ」
浜面「そうだな。ちょっと俺とは違いすぎて、やっぱお前とは合わねーわ」
一方通行「はァ?何言ってンだ?」
浜面「御坂、行こうぜ」
美琴「え、ちょ、ちょっと、まだ話は・・・」
浜面「何言ったって無駄だって。それに・・・」
一方通行「・・・・・・」
浜面「俺はもうお前と話してたくねーし」
一方通行「・・・はァ?」
浜面「おっと、これは俺が決めたことだぜ?自分で決めたことだったら尊重してくれるんだろ?お前の願望を捩じ込んだりはしねーんだろ?」
一方通行「・・・・・・」
浜面「・・・じゃあな、一方通行。もう呼び出すなよ。いこーぜ、御坂」
美琴「え、ちょ、ちょっと・・・」
浜面「いいからいいから」
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・クソっ。何だってンだ。俺は間違っちゃいねェ」
―――『うーん、よく解んないなぁ・・・それって何?”愛”って奴なの?』
一方通行「あいつらは一人の人間だ。ちゃんとした個を持ってンだ。それを俺が犯していいはずがねェ」
―――『それってさ、”正しい”の?』
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・・・・クソが」
―――『うーん・・・そうだ、一方通行はどうして欲しいわけ?』
一方通行「クソ、クソ、クソっ」
―――『はぁ!?あんたホントにそれでいいわけ!?あの子が好きでもねー男とキスしたりしてもいいの!?』
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・・・・良い訳ねェだろっ!!!!!!!!」
―――――同日、とある路上にて。
美琴「ちょ、ちょっと、そろそろ手を離してよ」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・浜面さん?」
浜面「・・・どうしよう」
美琴「はい?」
浜面「やべぇ!絶対殺される!どうしよう!!」
美琴「え?え?」
浜面「ああああああああ!!!なんかカッとなっちまったんだよ!しゃーねーじゃん!どうしてもいいたくなっちゃったんだって!!だってなんかムカついたんだもん!」
美琴「ちょ、ちょ、落ち着け」
浜面「やべぇよ・・・絶対ガチ切れしてたよ、一方通行の奴・・・絶対次あったら殺されるわ・・・」
美琴「・・・いや、たぶん大丈夫だと思うけど」
浜面「・・・・・・いっそ」チラッ
美琴「オイこっち見んな」
浜面「超電磁砲って即死できるのかな?」
美琴「物騒なこと言ってんじゃねーよ」
浜面「御坂、滝壺に伝えてくれ。俺はお前を世界で一番愛していたと」
美琴「知るか!・・・ってねェ!あれ見て!」
浜面「そうだ、せっかくだから500円玉使ってくれ。豪勢に死にたい」
美琴「知らないわよ!ってか安!あんたの豪勢安っ!」
浜面「だってお前札だったら燃えちゃうじゃねーか。バカだなー」
美琴「ほんとに当てるぞ超電磁砲」
浜面「御坂!俺は一体何を見ればいいんだ!?」
美琴「・・・・・・」
浜面「あれ・・・か・・・?」
美琴「え?」
10039号「パパ、ミサカあれがほし~い、ってミサカはパパにおねだりしてみたりしてぇ~」
冥土帰し「はっはっは、全く仕方の無い子だな。いいよ、買ってあげよう」
10039号「やったぁ~、ミサカ、パパのことマジ大好き~みたいな~、ってミサカはちょろいなって思ったり~」
冥土帰し「はっはっは、その代わり今日も帰ったらナースプレイだぞ?」
10039号「いや~ん、もうパパったらスッケベ~、ってミサカは爺を嘲り笑ってみたり~」
美琴「・・・・・・」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・なんちゅうもんを・・・なんちゅうもんを見つけてくれたんや・・・」ポロポロ
浜面「・・・なんつーか・・・すまん・・・」
美琴「見てはいけないものを見てしまった感が半端無い」
浜面「見なかったことにしよう」
美琴「そうしよう・・・」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・・・・あ、浜面さん!あれ見て!!」
浜面「え?・・・あ、あれは・・・!!」
上条「・・・本当にいいのか?」
番外個体「うん、まあ、別に問題ないんじゃない?」
美琴「デート中、みたいね・・・」
浜面「・・・本当だったのか」
美琴「嘘であんな騒ぐわけないでしょ!」
浜面「いや、あの子も一方通行の気を引きたいだけかと思ったんだ・・・でも違うんだな。本当にデートしてるのか・・・」
美琴「・・・たぶん、それ合ってるのよ」
浜面「はぁ?気を引きたいがために嘘をついて、で気をひけなかったら好きでもない奴とデートすんのか?それじゃあただのやけくそじゃねーか」
美琴「違うわよ。合ってるのは、『気をひきたい』ってとこだけ。あの子は何も嘘なんかついてないわ」
浜面「・・・意味解んねー」
美琴「浜面さんとか私が考えているよりも・・・たぶんずっと真摯で純粋なのよ。きっと」
浜面「ふーん・・・って、おい、なんか雰囲気やばくねーか?」
美琴「え?」
上条「・・・行くぞ」
番外個体「うん、いいよ」
浜面「・・・おい、あれラブホじゃねーか?」
美琴「嘘でしょ!?追いかけるわよ!」
浜面「ええ?俺も!?・・・解ったよ」
絹旗「あれ?誰かと思ったら超浜面じゃないですか?何やってるんですかこんなところで」
浜面「き、絹旗!?何故こんな場所に!?」
美琴「ほら、浜面さん、早く行かないと番外個体が・・・」
絹旗「・・・・・・」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
絹旗「・・・ほう、真昼間から女性とラブホテルですか。超お楽しみのようで」
浜面「絹旗さん!それ誤解だから!本当に全く持って誤解だから!!」
絹旗「安心してください。滝壺さんにはちゃんと話しておきますから。確実に、超詳細に」
浜面「やめてぇぇえええええええええ!!!」
美琴「ちょ、違うわよ!なんで私がこんな奴とラブホなんか行かなきゃなんないのよ!」
絹旗「そうですか・・・私の目にはあなたが浜面を超誘っていたように見えましたが・・・」
美琴「くっ・・・それは、その、のっぴきならない事情が・・・」
浜面「御坂の妹が変な奴に騙されてラブホに連れ込まれちまったから助けに行くんだよ」
絹旗「ほう・・・あのラブホに入っていった御坂さんのそっくりさんは妹だったんですか・・・その割には、御坂さんより成長していたように見えましたが」
浜面「なあ、お前本当は全部見てただろ」
美琴「真昼間からラブホを見つめる女とかマジ引くわ」
絹旗「妹のほうが超胸が大きいんですね、御坂さん(笑)」
美琴「てめぇえええええええええええ!!!」
浜面「おい落ち着け貧乳」
美琴「ぶっ殺すぞ」
絹旗「超貧乳というな。慎み深いといえ」
浜面「いや、超貧乳とか言った覚えがねぇよ・・・ん?おい!あれ・・・」
美琴「遺伝子のせいだと信じてたのに・・・あんなの酷いよ・・・」シクシク
絹旗「気持ちは解ります・・・」
浜面「おいなに慰めあってんだ貧乳同盟」
絹旗「浜面後で超ぶっとばす・・・うん?」
美琴「どうしたの?」
絹旗「・・・いや、なんだか、ラブホに一人で入っていく人が見えたもので」
美琴「・・・・・・」
浜面「・・・・・・」
絹旗「白い人でしたね。一方通行みたいな」
美琴&浜面『はぁ?』
―――――同時刻。ラブホ内のとある部屋で。
一方通行「よォ」
番外個体「・・・・・・」
一方通行「・・・楽しそうなコトしてンじゃねェか。もうヤったのかァ?」
番外個体「・・・・・・」
番外個体「・・・一方通行?」
一方通行「お前なンでバスローブなンか着てンだ?」
番外個体「え?カミジョーさんがここに来たらこれに着替えるのがマナーだって言ってたから…変だった?」
一方通行「いや、別にそういう訳じゃねェが…うン、まあいいや」
番外個体「・・・で、何しに来たの?因みにまだ何もしてないよ」
一方通行「……」
番外個体「…?」
一方通行「・・・・・・シンプルな話なンだ」
一方通行「俺も・・・」
――――『あるよ。俺は唯一、それを逃さなかったことだけを誇りに生きている』
一方通行「誇りって奴を、見てみたくなった」
番外個体「はぁ?」
一方通行「悪ィな番外個体」
一方通行「”攫う”ぞ」
上条(イヤー最近ついてるなー)
上条(俺って実はモテる奴だったんだなー。今日もハッスルしちゃうぞ!)
上条「お待たせー。出たぞー」
しーん。。。。。
上条「・・・・・・」
上条「あれ?誰もいない…」
上条「…????」
―――――10分後、一方通行の家にて。
一方通行「着いたぞ」
番外個体「・・・ここで暮らしてんの?」
一方通行「あァ」
番外個体「ふーん・・・思ったより手狭だ。一人暮らしの大学生みたい」
一方通行「狭ェ方が落ち着く」
番外個体「ぶひゃひゃ。なんだそれ、貧乏くせー」
一方通行「貧乏くせェ奴らと、貧乏くせェ所で暮らしてたからな」
番外個体「ふーん、まあ、確かにミサカはそうかも。少なくても高級品じゃあ無いね。なんてったって、欠陥品だ。普通の人間が普通に持ってるものとやらが、一切合財わかりゃしない」
一方通行「・・・・・・」
番外個体「でも、ミサカなりにそれを埋めようとしてるのは解って欲しいな。出来損ないに纏わりつかれてムカつくのは解るけどさ、人の努力って奴を邪魔するのは止めて欲しいんだけど」
一方通行「努力、ねェ。自分の欲しいもののために、男に股開くのが、努力ねェ」
番外個体「うーん、お姉さまにも言われたんだけどさ、それってそんな悪いことなの?なんかピンと来ないんだよね」
一方通行「・・・・・・」
番外個体「だってさ、自分の欲しいもののために何かを犠牲にするって普通じゃん。見ず知らずの人に触られるのが好きって訳じゃないけど、仕方ないんじゃないの?」
一方通行「・・・・・・」
番外個体「黄泉川とか、芳川とかも、セックスは愛を得る手段の一つだって言ってたし、ヤってそれが解るんなら、それもいいかなと思うんだけど」
一方通行「イヤなンだよ」
番外個体「へ?」
一方通行「俺がイヤなんだ。だからやるな」
番外個体「………」
一方通行「……」
番外個体「…はい?え?ちょっとよく意味が解んないんだけど」
一方通行「……だからだな、俺は、お前が、そこらへんの三下とイチャイチャするのが、酷く気に入らねェ」
番外個体「だから止めろと」
一方通行「あァ」
番外個体「え?ミサカ個人の意思って奴はどうなるわけ?」
一方通行「知らねェ。とにかくだな、あー、えーと…」
番外個体「……」
一方通行「なンつーか、ほかの奴なんかじゃなく、俺を見てて欲しいっつーか…」
番外個体「……はぁ?」
一方通行「…今のは忘れろ」
番外個体「……どういう意味?」
一方通行「すまン。俺もよく分からねェ」
番外個体「意味解んねーし…ん?」
一方通行「どした?」
番外個体「いや、今の台詞、どっかで聞いた覚えがあるような…」
番外個体(いつだったっけな…あ、そうだ、この前お姉さまと話した時だ)
『・・・・・・わ、わたしだけを見て欲しかった、っていうか・・・』
番外個体(おお、これだこれだ……ん?)
『で、それがお姉さまの”恋”だったと』
『うう・・・まあ、そうだけど・・・』
番外個体(……)
番外個体「……」
番外個体「ええええええええええええええええええ!!!!」
一方通行「うおっ、なンだよ」
番外個体「あ、あん、あん、なに、な、な、な…」
一方通行「え?何マジ何?」
番外個体(ま、ま、まさか…)
番外個体(一方通行はミサカに”恋”してるってこと!?)
番外個体(……ってことは、一方通行はミサカが好きってことなんだ!)
番外個体(こんな欠陥品で、愛も普通もわからないようなミサカが好きなんだ)
番外個体(だから、自分以外見て欲しくないんだ。それくらい、ミサカを求めてるっていうことなんだ…)ドキ・・・
番外個体「・・・・・・」ドキドキ
一方通行「…おい、何さっきから黙ってんだァ?」
番外個体(どうしよう、それって…)ドキドキドキ
番外個体(すっごい嬉しいかもしんない…)ドキドキドキドキ
番外個体「・・・・・・!」ドキドキ
一方通行「・・・どした?」
番外個体「な、なんでもないよばーか!ばーかばーか!!」ドキドキ
一方通行「え?なんでこんなに馬鹿にされなきゃなんないの?ちょっと傷つくんだけど」
番外個体「……!!」キュン!!
一方通行「…スルーかよ」
番外個体「…だ、だいたいさぁ!?何でアンタの言うとおりにしなきゃなんないのさ!」アセアセ
一方通行「いや、まあ確かにそうなンだが・・・」
番外個体「・・・・・・」ドキドキ
番外個体(やばいやばいやばい顔熱いマジ熱い…ぽかぽかってレベルじゃねぇ!!)ドキドキ
一方通行「…スマンちょっと錯乱してたな。やっぱ。忘れろ」
番外個体「嫌だっ!!」ドキドキ
一方通行「はい?」
番外個体「え?いや、その、あれだ!あの、えーと、あ、そうだ!これから散々馬鹿にしてやるんだから、忘れて何かやるもんか!」ドキドキ
一方通行「いや、『そうだ!』って言われても」
番外個体「うるさいばーかばーかばかばかばか!」
一方通行「お前そんなボキャブラリー無かったか?」
番外個体「うっ……」
番外個体(まずい、このままじゃどんどんボロが出る…話題変えなきゃ…)
番外個体「話題…話題…」
一方通行「…何ブツブツ言ってンだァ?」
番外個体「そういえばさ・・・」
一方通行「うン?」
番外個体「ずっとバスローブっつーのもアレだから着替えたいんだけど、なんかない?」
一方通行「・・・(そういえば着替えのことすっかり忘れてたわ)」
―――――同日、夜。
美琴「・・・・・・」
美琴(あの子大丈夫だったのかしら・・・結局あの後どうなったかよく解んなかったのよね)
コンコン。
美琴(・・・ノック?黒子は・・・)
黒子「お姉さま・・・むにゃむにゃ・・・」
美琴「寝てるわね」
黒子「うふふ・・・可愛がってあげますわぁ・・・」
美琴「・・・・・・」
コンコンコン。
美琴(こんな真夜中に訪問者・・・っておかしいだろ)
美琴(・・・・・・)
美琴(まあいいか)
美琴「はーい」ガチャ
一方通行「よォ」
美琴「なんでさも普通のように来てんだよ。ここ女子寮なんだけど」
一方通行「すぐ出る。とりあえずこいつを預かってくれ」
美琴「はぁ?こいつって・・・」
番外個体「」スヤスヤ
美琴「・・・・・・」
一方通行「じゃ、預けたから。それじゃ!」
美琴「おい、ちょっと待て」
一方通行「何だよ。オマエがすぐ出てけって言ったンじゃねェか」
美琴「いや言ってねーし。それよりまず説明しろ」
一方通行「あァ?番外個体を連れてきました。預かってください。以上」
美琴「簡単すぎだろ」
一方通行「別にいいだろ」
美琴「あんた一人暮らしなんでしょ?自分ち泊めればいいじゃない」
一方通行「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
一方通行「・・・今日のあの雰囲気で一緒に居たらヤバイ」
美琴「はぁ?」
一方通行「耐え切れない気がした。だからここに持ってきた」
美琴「うわぁ」
一方通行「つー訳だ、置いてくぞ」
美琴「ヘタレ」
一方通行「何とでも言え。まだ早ェ」
美琴「はいはい。解ったわ。預かってやるからさっさと帰りなさい」
一方通行「悪ィな」
美琴「…一方通行」
一方通行「なンだよ、まだ何かあンのか?」
美琴「気をつけて帰りなさい。誰にも見つからないように」
一方通行「???」
―――――二分後。
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・オイ、こりゃ何の真似だァ?」
寮監「何の真似だ、とはこちらの台詞だよ。ここは女子寮だ。勝手に入るのであれば、それなりの対処をしなければならない」
一方通行「そりゃ悪かったな。もう帰るから許してくれ」
寮監「そういう訳にもいかんのだよ。。。何せ、私は”これを楽しみに”しているのだからね」
一方通行「・・・あァ?」
寮監「学園都市、第一位、一方通行」
一方通行「・・・・・・」
寮監「ああ、なんて甘い響きだ。きっと強いのだろう。最強なのだろう。この学園都市という、下らない檻に囲い込まれたガキンチョの中で、並ぶものの居ない存在として己が春を甘受しているのだろう」
一方通行「回りくでェババアだな。行き送れて頭が狂ったか?」
寮監「素晴らしい・・・その長く細く、身の程を知らず伸びた鼻っ柱を叩き折るのはどれほどの愉悦であろう・・・少し前にも、とある女子を叩き潰してやったよ」
一方通行「ハッ、そこらへんのケツの青いガキ蹴飛ばして自慢話たァ、随分とスケールの小せェこった」
寮監「徹底的に叩き潰してやった。追い回し、引きずり回し、嬲り回して、請わせた。これ以上規則を破るのであれば・・・貴様のケツマンコにベレッタを突っ込んでやるぞ、と言ってやった」
一方通行「チープな銃を使ってやがる」
寮監「それが良いのだよ。中国の能無し共が金のためだけに量産した粗悪な鉄くずで、”レベル5を追い詰めるのがたまらない”」
一方通行「・・・・・・」
一方通行「…オイ、今なンて言った?」
寮監「ふふ、怖気づいたのかね。あの時は、そうだ、君の言う”ケツの青いレベル5の少女”が、あまりにも惨めに懇願するものだから、興が削がれてね。本意では無かったが、解放してやったよ・・・さて、少々話が長くなりすぎた」
寮監「・・・死刑を、執行しよう」コォォォォォォォ
一方通行「!!!」
一方通行(な、なンだこのオーラは・・・ヤバイ・・・)
寮監「逃がさんよ・・・…君は”最強”だからな、件の少女とは違い、それなりの装備を持って相手をしよう。感謝したまえ」
一方通行「・・・S&W M500とフェイファー・ツェリザカの二丁拳銃!?頭狂ってンじゃねェか!?」
寮監「くく・・・聞いたことくらいはあるんじゃないか?”二挺拳銃の殺し屋”の話・・・」
一方通行「・・・まさか!」
寮監「くくく、この街は素晴らしい。どこぞの何でも屋のフケ顔の金髪男に、第二学区の寂れたタバコ屋で、セブンスターを三カートン買ってきてもらえば、こんなモノも手に入る・・・」
―――『今は休暇なの!でっかい仕事終わったから余裕あるって何度も言っただろーが!』
一方通行「・・・あの野郎・・・仕事選べってンだ・・・」
寮監「彼を責めるのはお門違いだよ。なんと言っても、彼はこのことを知らないのだからね。勿論金払いの良さには、多少の不安を抱いたようだが」
一方通行「クソが・・・」
寮監「君は私の領地を侵した・・・故に、その咎の責を問わねばならない。なぁに、たいしたことは無い。貴様のケツに銃口を突っ込んで、引き金を引かせてくれればいい。それだけで君は解放される。簡単だろ?」
一方通行「・・・お断りだ」
寮監「そういきり立つな。ならば無理やりやるだけだ。どちらにしろ、結末は変わらない・・・」
寮監「私を楽しませてくれよ?第一位」ニタァ
一方通行「・・・・!!!・・(来るっ!!!)」
―――――翌日。
浜面「・・・・・・」
一方通行「・・・・・・」
浜面「・・・・・・」
一方通行「ケツに・・・」
浜面「・・・・・・」
一方通行「ケツにM500が・・・」
浜面「ねぇ、さっきから何の話してんの!?」
一方通行「入ってねェぞ!ギリギリ逃げ切った!」
浜面「何がドコ入るんだよ」
一方通行「ケツの穴に50口径のマグナムが、だ」
浜面「恐ろしすぎるだろ」
一方通行「くそっ・・・なんなんだあいつ。フェイファー・ツェリザカ片手でぶん回す奴なンか聞いたことねェぞ・・・」
浜面「第一位でも苦戦すンのかよ」
一方通行「苦戦どころか逃亡がやっとだった」
浜面「何それ怖い」
一方通行「人生で一番死に近づいたひと時だったな」
浜面「オマエ一体誰と戦ってきたんだよ」
一方通行「それは・・・」
番外個体「あ、ヘタレの一方通行さんじゃーん。こんなトコで何してんの?」
一方通行「・・・・・・」
浜面「あ、番外個体ちゃんじゃん。ちっす」
番外個体「あ、浜面さんじゃん。お姉さまと一緒にラブホ入ろうとしたんだって?」
浜面「誤解だから!それマジで誤解だから!!」
一方通行「オマエ・・・いつかやると思ってたよ」
浜面「だから誤解だっつってんだろ!人の話を聞けお前ら!!」
美琴「そうよ!なんで私がこんなフケ顔と一緒にラブホ行かなきゃなんないのよ!言われた方の気持ちを考えなさいよ!!」
一方通行「いや、お前も考えろよ」
浜面「俺の心はものすんごい勢いで砕かれたよ。粉々だよ」
一方通行「つーか、オマエ居たんだな」
美琴「ずっと居たわ」
一方通行「影も胸も薄いな」
美琴「おい誰かハンマー持って来い。こいつの頭かち割る」
浜面「そういや話は戻るけどさ、ヘタレって何?」
一方通行「!!」
番外個体「なんでも同じ家に二人っきりで泊まっていながら全然手を出さずにあまつさえ片方を寝ている間にお姉さまのところに運んじゃう人をへたれって言うってお姉さまが言ってた」
浜面「・・・・・・」
一方通行「・・・なンだよ」
浜面「いや、別に」
美琴「実際ヘタレだと思うわ」
一方通行「それはオマエが言っちゃうとこの一連の流れなンだったのって感じになっちゃうよね、たぶん」
番外個体「あ、ヘタレ、ミサカのドリンクバー取ってきて。コーヒー」
一方通行「あァ?なンで俺が・・・」
番外個体「あーあ、言っちゃおうかな。魔法の言葉があるんだけどな。なんか昨日言ってたな、俺はオマエに・・・とかなんとか」
一方通行「くそがァっ!」
美琴「あ、私オレンジジュース」
浜面「俺コーラ」
一方通行「オマエら便乗してンじゃねェぞ!!」
番外個体「はやくドリンク飲みたいなー」
一方通行「後で覚えてろよ!」
美琴「・・・すごいわね、確かに魔法の言葉だ」
浜面「全くだな。まさかあいつが俺のジュースを取りに行くなんてことがありえるとは」
番外個体「そだね、なんか面白いし、しばらくはこれで散々弄ってやろう」
美琴「詳しくはなんて言われたわけ?」
番外個体「…それは内緒」
美琴「・・・番外個体」
番外個体「ん?にゃに?」
美琴「また昨日みたいなこと、するつもりはあるの?」
番外個体「昨日みたいなことって・・・ああ、カミジョーさんとのデート?ないない」
浜面「やけにあっさりとしてんな」
番外個体「んー、やっぱあんま楽しくなかったしね。ラブホまで言ったのも、デート自体に思ったより収穫が無かったからなわけだし、そこまで行けば”愛”ってのが解るかなーって思ったんだよ」
美琴「もうデートする気が無いってことは、自分なりに解ったの?その、”愛”って奴」
番外個体「いんや、全然」
浜面「え?駄目じゃん。いや、駄目じゃないけど」
番外個体「どっちだよ」
美琴「じゃあ、何で?」
番外個体「んー、まあ、一方通行がやって欲しくなさそうだったからねぇ。あんなんでも、ミサカよりいろんなこと知ってるし、たぶんミサカのことを一番良く知ってる人だからね。あの人が言うんなら、まあやんないほうがいいんだろうなって思ったんだよ」
浜面「へー、信頼してんだな」
番外個体「まあ、ほどほどにね。あともう一つ理由があってさ」
美琴「もう一つ?」
番外個体「うん。まあ自分でもよく解んない感情なんだけどさ、なんか・・・」
番外個体「一方通行以外とは、そういうのしたくないなぁ、って思ったんだよね」
美琴「・・・・・・」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・ええ!?」
浜面「・・・はぁ!?」
番外個体「ま、そんな訳で、ああいう手段で”愛”ってのを理解しようとするのはとりあえず中止にしようかと思った訳。どっちかというと、”愛”どうこうよりこっちの感情を理解したいってのが先に着てる感じかな。だから、とりあえず一方通行を基準にして生活してみようかな、って思ったわけ」
浜面「え?これ実はすげぇ爆弾発言なんじゃねぇの?」
美琴「なんか事態が悪化している気がしないでもない」
一方通行「オイ、持ってきたぞオラ」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
一方通行「な、なンだよ」
浜面「オマエ・・・どこから聞いてた?」
一方通行「?どこからって・・・全然聞いてるわけねェだろ。俺ドリンクバー行ってたし」
浜面「だよな!あっはっは、ならいいんだ、うん」
一方通行「・・・オイ、テメェら一体何の話していやがった」
浜面「え?いやー、えーと・・・御坂、ほら、教えてやれよ」
美琴「え?あ、あたし!?えーと・・・えーと・・・」
一方通行「・・・・・・」
番外個体「・・・・・・」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・あ、愛について」
一方通行「・・・前からヤバイとは思ってたが、ついにオマエも頭の中が花畑に・・・」
浜面「惜しい人を亡くしたな」
美琴「ちょ!違うわよ!番外個体はずっと”愛”ってのを知りたかった訳でしょ!?だから、二人で教えてあげてたのよ!ね?浜面さん!」
浜面「え?お、おう、そうだ!そうだぜ!?」
一方通行「・・・・・・」
番外個体「・・・何?」
一方通行「・・・なァ、オマエら、本当に”愛”について話してたのか?」
番外個体「愛、ねぇ・・・・・・」
一方通行「・・・・・・」
番外個体「まあ、正直なところ、ミサカにもよくわかんない」
一方通行「はァ?」
番外個体「うん、でも、ひょっとしたら……」
番外個体「そんなもんかもねぇ」ニコッ
(終わり)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324386154/
1 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/20(火) 22:02:34.85 ID:qmDVbjYC0
始まるよ!
上条さんのハーレム話だけど主人公は一方通行さんだよ!
お相手は番外個体さんだよ!たぶん一週間かからず終わるよ!気楽にみてってね!
2 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/20(火) 22:03:54.99 ID:qmDVbjYC0
~とある日、黄泉川家にて
番外個体「おいーっす、一方通行。やけに遅いお目覚めで」
一方通行「うっせー。何時に起きようが俺の勝手だ」
番外「あ、私知ってるよ。重役出勤って奴でしょ?」
一方「ぜんぜん違うけどな」
番外「うっわ、居候の癖に偉そうだねぇ。礼儀の欠片もありゃしない。死んだ方がいいんじゃない?」
一方「・・・・・・」がじがじ
番外「・・・何食ってんの?」
一方「カロリーメェト」
番外「いい加減飽きないの?」
一方「昨日はチョコ味だったしィ」
番外「栄養とか大丈夫なん?野菜食えよ」
一方「カロリーメェトはなァ、完璧なンだよ。パーフェクト食品なンだ」
番外「んな訳ないじゃん。まあ、栄養失調で倒れたらミサカがサクッと殺してあげるから安心してね」
一方「……」
番外「・・・何?どしたの?」
3 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/20(火) 22:04:35.43 ID:qmDVbjYC0
一方「いや、別にィ。それより黄泉川はどうしたんだ?」
番外「ん、なんかデートどか言って出てった」
一方「ふーん、あっそ。まあ、どうでもいい」
番外「あんたが聞いてきたんじゃん。はい、コーヒー」
一方「おォ、ありが・・・」
番外「・・・・・・」
一方「・・・・・・」
番外「・・・・・・」
一方「・・・すまん、今なんつった?」
番外「え?いや、だからコーヒーが」
一方「いや、その前」
番外「ん?ああ、黄泉川彼氏出来たらしいよ」
一方「ええええええええええええええええええええええええええええ!!!」
番外「しかも教え子らしいよ」
一方「あsdfghjkl;んdさlkfhじゃlf!!!!???」
番外「・・・・・・」
4 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/20(火) 22:05:02.61 ID:qmDVbjYC0
一方「・・・・・・」
番外「・・・・・・」
一方「よく考えたらどうでも良かったわ」ズズズ
番外「まあ、むしろよく今まで独身だったよね」
一方「もうギリギリの線まで来てたからな。いやはや喜ばしい」
番外「あんたがそこはかとなく上から目線なのが鼻につくね」
一方「で、どんな奴なンだ?」
番外「さあ?名前だけ聞いたんだけど、忘れちゃった」
一方「よく考えたらどうでもいいわ」ズズズ
番外「あ、思い出した」
5 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/20(火) 22:05:50.23 ID:qmDVbjYC0
番外「確か、カミジョーとかいう奴だった」
一方「ぶっふうううううううううううううううううう!!!」
6 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/20(火) 22:06:49.43 ID:qmDVbjYC0
番外「・・・・・・」ポヤポタ
一方「がっっ、つっ、はっ、がはっ」ゼェゼェ
番外「・・・人にコーヒーぶちまけて謝罪の一つも無し?」
一方「ちょ、ちょま、の、喉にカロリーメェトが詰まって・・・」
番外「んな奴見たことねーし!」
一方「まあ落ち着けよ。カロリーメェト食うか?チョコ味だぞ?」
番外「どうしよう。このまま殺しちゃおうかなこいつ」
一方「おいおい穏やかじゃねェな」
番外「人をコーヒー塗れにしておいてなんだその言い草は」
7 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/20(火) 22:07:26.28 ID:qmDVbjYC0
一方「しっかし、相手が三下とはな。嫌な予感がする」
番外「何?そんなエグイ奴だっけ?」
一方「身も蓋も無いことを言えばそうなんだが…まあ、黄泉川自身が納得して決めたんならいいンじゃねェか」
番外「おや、随分と素っ気ない言い草だね」
一方「あいつも大の大人だからなァ。向こうから求められたならまだしも、俺がグチグチ口出しすることじゃねェ」
番外「結構ドライなんだね。『愛する家族をそこらへんの青二才なんかにやれん!』とか言い出すかと思ったのに」
一方「俺はンな話し方しねェよ・・・ま、見守るのもまた愛、って奴だ」
番外「ふーん」
番外「そんなもんかねぇ」
8 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/20(火) 22:08:08.83 ID:qmDVbjYC0
―――――三日後。
芳川「…ただいま」
番外「ああ、おかえりー。朝帰り、とは結構な御身分で」ハグハグ
芳川「あら、あなただけ?」
番外「うん。一方通行は変な金髪のチンピラとどっか行っちゃった」ハグハグ
芳川「あら、朝早くから元気ね。どこに行ったの?」
番外「なんだっけかな。確か爽やかな男同士でタマを足でいじくりまわしてブチ込みに行くとかなんとか」ハグハグ
芳川「……」
番外「……」ハグハグ
芳川「…まあ、趣味は人それぞれだものね」
番外「そうだね」ハグハグ
9 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/20(火) 22:08:54.99 ID:qmDVbjYC0
芳川「私はちょっと寝るわ。なんか頭が痛くなってきたし」
番外「そりゃ大変だ。早く寝た方がいいよ。なんたって朝帰りなんだから」ハグハグ
芳川「……」
番外「どしたの?」ハグハグ
芳川「聞かないの?なんで朝帰りだったか」
番外「んーまあぶっちゃけそんなに興味は…」
芳川「実はね、私最近ある人と付き合い始めたの」
番外「あれ?私の話聞いてた?」
芳川「今日はその人の家に泊ってたのよ。だから今帰ってきたの」
番外「あーこれ完全に聞いてないね。自分語り始めちゃったね]
芳川「彼ったら、情熱的に私を愛してくれて・・・素敵な一夜だったわ」
番外「ほうほうお惚気ですか。おめでとう」
芳川「それほどでもないわ」
番外「褒めてないけどね。まあいいや。で、相手はどんな奴なん?」
10 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/20(火) 22:09:24.56 ID:qmDVbjYC0
芳川「上条当麻っていう子よ」
番外「ぶふううううううううううううううううううううう!!!!!」
芳川「うっわきたねぇ!」
11 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/20(火) 22:10:10.04 ID:qmDVbjYC0
番外「よ、よ、芳川、今なんて…」
芳川「…それより前に言うことがあるんじゃないかしら」ベットリ
番外「そんなことはどうでもいいんだよ!」
芳川「ぶっとばすわよ?」
番外「…因みにさ、そのこと黄泉川には話した?」
芳川「話したわ。お互い納得済みよ」
番外「…ってことは黄泉川は」
芳川「ええ、彼は平等に愛してくれるから大丈夫よ」
番外「はあああああああああああああ!?」
芳川「何を驚いてるのよ。一夫多妻制なんて、イスラム圏では当たり前のことよ」
番外「あばばばばばばば」
12 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/20(火) 22:10:58.45 ID:qmDVbjYC0
番外「…ってことがあったんだけど」
一方「何?最後の声」
番外「ミサカよく解んないけどさ、たぶんこれ二股って奴だよね?」
一方「……」
番外「だとしたらさ、これって止めた方がいいのかな?」
一方「いいことを教えてやる。『なになにした方がいいのかな』って人に聞くときは、だいたいお前がそれをしたい時だ」
番外「そうなの?それってミサカだけ?それともみんな?」
一方「大概の奴はそうだ」
番外「ふーん、じゃあ止めようかな」
一方「・・・まあ、個人的にはあんま手ェ出すべきじゃねェとは思うがな」
番外「そんなもんなん?」
一方「ああ・・・それに、たぶん言っても聞きやしねェ」
13 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/20(火) 22:11:47.16 ID:qmDVbjYC0
番外「・・・まあ別にいいんだけどね。可能なら、あんま面倒な事したくないし」
一方「気になンのか?」
番外「まあ、ぶっちゃけ少し」
一方「……」
一方「…面倒な目にあいたくねェってのは同感だ。二人はとりあえずほっとこうぜ」
番外「とりあえず、そうする理由が知りたいんだけど」
一方「…あいつらはもういい大人だ。本人が納得してンなら、俺が手を出すことじゃねェ」
番外「なんかこの前も同じようなこと言ってたよね。ホントに大丈夫なの?それで」
一方「・・・18にも届かねェガキに心配されなきゃデートも出来ねェようなタマでもねェよ」
番外「ふーん」
番外「…そんなもんかねぇ」
14 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/20(火) 22:12:46.20 ID:qmDVbjYC0
―――――そのまた二日後。
一方通行「・・・・・・」モグモグ
打ち止め「あ、一方通行おはよう!ってミサカはミサカは浮き立つ気持ちを抑えきれずに挨拶してみたり!」
一方通行「おォ。なンだ?やけにご機嫌じゃねェか」
打ち止め「へへっ!解っちゃう?実はねー」
一方通行「ちょっと待って。コーヒー淹れるから」
打ち止め「・・・カフェイン無きゃ会話も出来ないの?」
一方通行「かのサヴァランも言っている。『精神がコーヒーの鞭をくらうからこそ、有象無象までが大挙して、オリンポスの山や記憶の殿堂への道を押しすすむことがあたうのであろう』、と」
打ち止め「全然意味が解らないよ、ってミサカはミサカはなんだか頭痛がしてきたり・・・」
一方通行「コーヒーを飲めば解る。だから飲め。喉からあふれ出るまで」
打ち止め「イヤだよ。程度を知ってよ」
一方通行「ったく、ああ言えばこういう奴だ」
打ち止め「すっげー理不尽だよね。別にいいけど」
15 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/20(火) 22:13:19.00 ID:qmDVbjYC0
一方通行「で?話って何?」
打ち止め「え?ああ、えーとね・・・」
打ち止め「ミサカにも彼氏さんができたのだ!ってミサカはミサカは重大発表してみたり!!」
一方通行「・・・・・・」
16 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/20(火) 22:13:59.99 ID:qmDVbjYC0
一方通行「・・・・・・」
打ち止め「・・・・・・・・・・・・・???」
一方通行「・・・・・・!・・・・・・・・・・・・!!!!」
打ち止め「・・・あれ?ノーリアクションは酷いんじゃない!?ってミサカはミサカは予想外の冷たい仕打ちに動揺してみたり・・・」
一方通行「・・・・・・・・・夢でも見てンだろ。顔洗って来い」ガタガタ
打ち止め「大丈夫?なんかものすごい勢いで震えてるみたいだけど」
一方通行「うるせェ。黙って向こうに行け。俺のカロリーメェトタイムを犯すことはなんびとたりとも許さん」
打ち止め「あ、それちょっと解る。ベジタブル味が最高だよね、ってミサカはミサカは・・・」
一方通行「打ち止めァ!!!!俺はお前をそんな子に育てた覚えはありませんっ!!!」
打ち止め「え?いやカロリーメイト如きでそんなに怒らなくても」
一方通行「そっちじゃねェよ!その前だよ!!」
打ち止め「解り難いなぁ・・・彼氏ができたこと?ってミサカはミサカは念のために確認してみたり」
一方通行「そうそうそれ・・・どういうことだァ?」
17 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/20(火) 22:14:29.19 ID:qmDVbjYC0
打ち止め「だからそのまんまだよ。彼氏が出来たの」
一方通行「ふーん、あっそう。お幸せに」
打ち止め「え?さっきと全然反応が違うよ?ってミサカはミサカは急激な変貌に驚きを覚えたり・・・」
一方通行「別にお前がそれでいいンなら、俺の意見なンかカスほどの価値もねェだろ」
打ち止め「一方通行・・・」
一方通行「好きにすればいいンじゃねェか?少なくとも、邪魔したりはしねェから安心しろ」
打ち止め「・・・・・・」
一方通行「どうした?」
打ち止め「ううん・・・ミサカ、絶対に幸せになるからね」
一方通行「おうおう、勝手にやれ・・・で、相手はどんなやつなンだ?」ゴクゴク
打ち止め「あなたも良く知ってる人だよ!」
一方通行「え?」
18 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/20(火) 22:15:14.29 ID:qmDVbjYC0
打ち止め「ヒーローさん!」
一方通行「ぶっふううううううううううううううううううううううううううう!!!!」
打ち止め「うっわきたね!」
19 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/20(火) 22:15:47.50 ID:qmDVbjYC0
一方通行「・・・ってことを、目をきらきらさせながら語られた」
番外個体「すっげーな。カミジョーさん」
一方通行「確か知り合いが二挺拳銃の殺し屋とツテがあったな。ちょっと連絡を取ってみよう」
番外個体「落ち着け」
一方通行「すまねェ、ちょっと動転してた」
番外個体「まあ、あんたにとっちゃ紫の上みたいなもんだからね」
一方通行「何言ってんだお前」
20 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/20(火) 22:16:24.46 ID:qmDVbjYC0
番外個体「で、どうする訳?」
一方通行「あァ?」
番外個体「気に入らないんでしょ?ふざけんなって叫んで引き剥がしちゃえば?」
一方通行「・・・あのなァ、本人が幸せになるかって所を、俺が気に入らねェとか言って邪魔できる訳がねェだろォが」
番外個体「あ、気に入らないのは認めるんだ」
一方通行「・・・まあな」
番外個体「うーん、よく解んないなぁ・・・それって何?”愛”って奴なの?」
一方通行「・・・・・・あァ、そうだ」
番外個体「それってさ、”正しい”の?」
一方通行「正しいさ。正しいに決まっている。間違ってないに決まってる」
21 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/20(火) 22:16:57.36 ID:qmDVbjYC0
一方通行「・・・そうに違いねェ」
番外個体「・・・・・・」
番外個体「そんなもんかねぇ」
37 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/21(水) 21:29:58.94 ID:H1rr/R0+0
―――――翌日。
番外個体「・・・ってことが最近あってさぁ」
美琴「・・・・・・それを何故、わたしに?」
番外個体「あ、お姉さまそういえばカミジョーさんにフラれたんだっけ。ごめんねこんな話して」
美琴「ふ、フラれてないし!どっちかといえば、こ、こっちからフッてやったようなもんだし!」
番外個体「告白しない間にいつの間にか彼女が出来ていて結局諦めたお姉さまと、それでも突っ込んだ打ち止め。どこで差がついたのか。慢心、環境の違い・・・」
美琴「うっさいわね!八股するような奴、こっちから願い下げよ!」
番外個体「え?今八人もいんの?」
美琴「え?う、うん。黄泉川って人と、芳川って人でしょ、インデックスでしょ?五和さんに神裂さんに、佐天さんと初春と黒子で八人」
番外個体「マジぱねぇ」
美琴「あと麦野さんが攻略中との情報が」
番外個体「うわぁ、結構えげつねぇ言葉使うんだね」
38 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/21(水) 21:30:34.83 ID:H1rr/R0+0
美琴「でも、なんかみんな受け入れてるっぽいのよね。それなりに秩序があって、お互い嫉妬したりしないっていうか」
番外個体「完璧なハーレムだね」
美琴「ただ部屋はめちゃくちゃ手狭だって佐天さんが言ってた」
番外個体「むしろあの部屋に住んでんのかよ」
美琴「なんか今度引っ越すって言ってたよ」
番外個体「・・・・・・」
美琴「何よ」
番外個体「お姉さまさ、もっかいアタックしてみれば?ハーレムの仲間入りできるんじゃない?」
美琴「絶っ対しない!」
番外個体「なんで?」
39 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/21(水) 21:31:27.79 ID:H1rr/R0+0
美琴「だっておかしいじゃない!好きな人が九人もいるなんて!」
番外個体「そういうこともあるんじゃない?受け入れてあげたら?」
美琴「わたしは無理ね」
番外個体「うーん、ミサカよく解んないけどさ、好きな人の決めたことを受け入れるってのも、”愛”なんでしょ?」
美琴「・・・・・・」
番外個体「ってことはさ、今の状況を受け入れたその九人ってのは、単純にお姉さまよりカミジョーさんを愛してたってことなんじゃない?」
美琴「・・・・・・そうかもしれないけど、仕方ないじゃない。だって私はあいつに”恋”してたんだもん」
番外個体「”恋”?それって”愛”とは違うの?同じようなもんなんじゃないの?」
美琴「同じ人もいるかもしんないけど、私は違ったの!」
番外個体「・・・・・・」
美琴「・・・何よ」
番外個体「いや、ね?ミサカさ、愛とか恋とか、よくわかんないんだよね」
美琴「はぁ?」
40 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/21(水) 21:32:06.89 ID:H1rr/R0+0
番外個体「ほら、ミサカってクローンじゃん?で、生まれてそんな経ってないからさ、そういう経験も特に無いわけよ」
美琴「・・・う、うん」
番外個体「今回のことってさ、ミサカが”愛”を知るにはいい機会じゃん?だから折角だから、いろいろ聞いてみたいわけ」
美琴「・・・なるほど」
番外個体「って訳で、もっと具体的に教えてよ。”恋”って何?」
美琴「えー?・・・うーん・・・えーと、その・・・」
番外個体「その?」
美琴「・・・・・・わ、わたしだけを見て欲しかった、っていうか・・・」
番外個体「うわぁ」
美琴「うっさいわね!」
番外個体「で、それがお姉さまの”恋”だったと」
美琴「うう・・・まあ、そうだけど・・・」
41 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/21(水) 21:32:53.39 ID:H1rr/R0+0
番外個体「それってさ、嬉しいの?」
美琴「え?」
番外個体「”愛”ってのを向けられたら、向けられた方が嬉しいのはなんとなく解るよ。自分のことを受け入れてくれるわけだから」
美琴「・・・うん」
番外個体「でもさ、”恋”ってどうなの?要するに、それって相手に対する要求なんでしょ?」
美琴「そうだけど・・・」
番外個体「そんなもん向けられて嬉しいの?鬱陶しいだけなんじゃないの?」
美琴「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
42 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/21(水) 21:33:17.57 ID:H1rr/R0+0
美琴「・・・でも、それを喜んでくれる人だったらいいなぁって、思ってたのよ」
番外個体「・・・・・・」
43 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/21(水) 21:33:51.96 ID:H1rr/R0+0
美琴「実際にはそうじゃなくて、あいつはもっといろんな人に愛を向けることを選んだわけ。その時点で私の恋は破れちゃった。だから私は、あいつのところに行くつもりは無いわ」
番外個体「・・・ふーん、人間って難しいねぇ。クローンの私には、やっぱよく解んないよ」
美琴「何言ってんのよ。あんただって人間じゃない」
番外個体「・・・・・・」
美琴「きっとあんたも、いつか”恋”をするわよ」
番外個体「・・・・・・」
番外個体「・・・・・・そんなもんかねぇ」
44 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/21(水) 21:36:24.96 ID:H1rr/R0+0
―――――さらに三日後。
番外個体「ただいまー」
一方通行「おォ」
番外個体「・・・・・・」
一方通行「・・・どうした?」
番外個体「・・・何?その荷物」
一方通行「ちょっとな」
番外個体「いや、ちょっとってレベルじゃないでしょ。夜逃げレベルじゃん。今更借金で首が回らなくなったの?」
一方通行「いや、そういう訳じゃねェンだが・・・」
黄泉川「一方通行・・・ホントに出て行くじゃん?」
番外個体「え?出てくの?」
一方通行「おォ」
番外個体「はぁ?なんでよ」
45 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/21(水) 21:36:59.93 ID:H1rr/R0+0
芳川「気をつけて暮らしなさいね」
番外個体「え?止めねーの?」
黄泉川「たまには帰ってくるじゃんよ」
一方通行「いや、ホントマジ無理なんで勘弁してください」
番外個体「ちょ、ちょっと待って!ホントに話が見えないんだけど!」
一方通行「あァ?あァ、そういやオマエまだ知らないんだったな。実は・・・」
46 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/21(水) 21:37:31.36 ID:H1rr/R0+0
上条「愛穂、トイレはどこだ?」
黄泉川「突き当りを右じゃん」
上条「あ、ここか。・・・・・・」
黄泉川「どうしたじゃん?」
上条「なんか悪いな。こんな家に住まわせてもらって」
黄泉川「なに言ってるじゃん!水臭いじゃん!私とオマエの仲じゃん!」
47 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/21(水) 21:38:25.17 ID:H1rr/R0+0
番外個体「・・・・・・」
一方通行「・・・ってことだ」
番外個体「全然わかんないんだけど」
佐天「あ、今日からお世話になる佐天涙子です」
初春「同じく初春飾利です」
黒子「ジャッジメントですの!」
番外個体「おい最後だけおかしいぞ」
インデックス「13人で暮らすには、とーまの家は狭すぎるんだよ!」
番外個体「え?また増えたの?」
五和「そこで黄泉川さんと芳川さんが自宅を提供してくれるということで、みんなで移ってきたんです」
神裂「この部屋から私たちの新しい生活が始まるのですね」
オルソラ「よいお天気なのです」
番外個体「あんたら誰だよ」
打ち止め「正直ミサカも把握しきれてないの」
番外個体「・・・なんだか頭痛くなってきた」
48 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/21(水) 21:39:31.72 ID:H1rr/R0+0
一方通行「そんな訳で一緒に暮らすのはちょっとキツいンじゃねェかな、と思った次第でして」
黄泉川「そんなの気にすることないじゃんよ」
一方通行「いや、気にしないとか無理なんで。もうすでに胃に穴が開きそうなンですけど」
番外個体「・・・金とかあんの?」
一方通行「今までだって払ってたしな。変わンねェよ」
番外個体「一人暮らしとかできんの?」
一方通行「バカにすンな」
番外個体「住むトコ無いでしょ。見つけてから行けば?」
一方通行「マンションいくつか持ってるからそのどっか行くわ」
番外個体「何も今すぐ出て行かなくてもいいんじゃない?もうちょっとゆっくりと・・・」
一方通行「住居も決まってんのに残る意味あンのか?」
番外個体「・・・まあそうなんだけど・・・うーん、なんか釈然としないな」
49 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/21(水) 21:40:08.88 ID:H1rr/R0+0
一方通行「あっそ・・・で、オマエはどォすンだ?」
番外個体「え?」
一方通行「え?じゃねェよ。年増女共の愛の巣に、部外者は邪魔だろ。俺のトコにでも来るか?」
番外個体「あはっ、酷い冗談。なんだってミサカがわざわざアンタに付いてかなくちゃいけないのさ。気持ち悪すぎて吐き気するよ。ひょっとしてロリコン?ミサカまだ10歳くらいなんだけど」
一方通行「別に手ェ出したりしねェよ。ただ、もし行くトコがねェなら泊めてやるぞって話だ」
番外個体「はぁ?頭沸いてんの?そんなことしたらストレスで血ぃ吐いて死んじゃうって。無理無理」
一方通行「だったら、ハーレムの仲間入りでもすンのか」
番外個体「・・・・・・」
芳川「ねぇ、別に私たち何もあなたたちを追い出そうとしたいわけじゃ無いのよ?むしろ、残ってくれるのならば大歓迎なのだけど」
黄泉川「そのとおりじゃん!」
打ち止め「異議なーし」
インデックス「勿論なんだよ!」
五和「当然です」
神裂「そもそもここはあなたの家なのですから、文句があろうはずもありません」
番外個体「・・・・・・」
一方通行「・・・・・・」
50 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/21(水) 21:40:55.72 ID:H1rr/R0+0
番外個体「・・・どうすればいいんだろう。よくわかんないや」
一方通行「そりゃあ…」
一方通行「………………。」
番外個体「…?どしたの?」
一方通行「…いや、お前が自分で考えて決めればいいンじゃねェか?」
番外個体「…そんなもんなの?」
一方通行「そんなもんも何も、てめェも一人の人間だろォが。自分のことくらい自分で決めろ」
番外個体「えー、めんどくせー・・・そうだ、一方通行はどうして欲しいわけ?」
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・何度も言った様に、俺は”オマエが納得して決めた”のなら、それを尊重する。俺の希望をねじ込むことはねェ」
番外個体「・・・あっそ」
番外個体「そんなもんかねぇ・・・・・・」
51 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/21(水) 21:42:56.17 ID:H1rr/R0+0
―――――翌日。
美琴「・・・・・・」
番外個体「・・・どしたの?なんか燃え尽きてるよ?」
美琴「…昨日門限破っちゃって…」
番外個体「またぁ?お姉さまもこりないねぇ」
美琴「そしたら…」
番外個体「うん」
美琴「・・・・・・ベレッタが・・・」
番外個体「うん?」
美琴「ケツマンコに」
番外個体「なんの話だよ」
美琴「私はまだ処女だ!!」
番外個体「ギリギリっぽいなぁ」
美琴「ギリギリじゃねーし!逃げ切ったし!よしんば入っててもまだ穴は一つ残ってるし!」
番外個体「その台詞がすでにギリギリだよね」
52 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/21(水) 21:43:59.71 ID:H1rr/R0+0
美琴「それはそうとして、なんかすごい話ね」
番外個体「何が?ケツが?」
美琴「違うわ!あんたの家・・・っていうか黄泉川さんの家」
番外個体「ああ、それ?ホントだよ。昨日とか何時までギシギシやってたと思う?朝の五時だよ!?十時になっても誰一人おきてこねーし。おかげで朝飯は今日もカロリーメイトだよ」
美琴「あら、あれ好きなの?」
番外個体「別に好きだから食ってるわけじゃないよ。昨日まで住んでいた真っ白けのロリコンがやたら買いこんであって、それしか無かったから仕方なく食ってるだけ」
美琴「なんだ、残念」
番外個体「いや、しかしあれだね。ベジタブル味ってのはひでーもんだね。やたらあればっか残ってたから何かと思ったら・・・」
美琴「おいちょっと表出ろ」
番外個体「え?」
美琴「・・・いや、なんでもないわ。ちょっと眩暈がして・・・」
番外個体「大丈夫?無理は禁物だよ」
美琴「うるさい!チョコ味チーズ味の尖兵にほどこしなんて受けないわ!」
番外個体「なんの話をしているの?そして何と戦っているの?」
53 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/21(水) 21:45:04.47 ID:H1rr/R0+0
美琴「ごめん、なんでもないわ・・・で、あんたは結局どうするの?一人暮らしでもする?」
番外個体「それもいい案なんだけど・・・まあ、とりあえず、もう少しあの家に残ってようかと思うんだ」
美琴「はぁ?あんだけ文句言っておいて?なんでよ」
番外個体「いや、なんていうかさ、あの人達”愛”って奴で繋がってるんでしょ?」
美琴「・・・・・・」
番外個体「ミサカもその”愛”ってのに興味あるからさ、あそこに残ればちょっと解るようになるかなーって思って」
美琴「・・・あんたのさ、その”愛”に対するあくなき執念ってどこから来てるわけ?」
番外個体「・・・さあ?解んないや。クローンだから、普通の人間に憧れてるとか、そういう感じじゃない?」
美琴「・・・・・・」
54 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/21(水) 21:45:43.94 ID:H1rr/R0+0
美琴「私は・・・・・・あんたのこと愛してるから」
番外個体「ごめんそういう趣味はないんだ」
美琴「あんたはちゃんと愛されてるから。愛されてるってことは、きっとあんたもその人に愛を向けてるってことだから」
番外個体「・・・・・・」
美琴「だからあせる必要は無いのよ。あんたはちゃんと”愛”を持ってるんだから。この御坂様が保証してやるわ。間違いない」
番外個体「・・・ごめん、お姉さま。やっぱりミサカにはよく解んないや」
美琴「それでもいいわ。何も難しく考えることはないのよ。”愛”は気が付けばそこにある物なんだから」
番外個体「気がつけばそこに、か」
番外個体「そんなもんかねぇ」
78 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:15:13.67 ID:QQJWOBZW0
―――――同日、同時刻。
浜面「・・・ってそりゃミスチルだろうが!」
一方通行「いきなりなに言ってんだ?オマエ」
浜面「いや、なんか言わなきゃいけない気がした」
一方通行「・・・大丈夫・・・じゃあねェか、元から」
浜面「大丈夫だよ!問題ねえよ!でもさぁ、なんかやんなきゃいけない気がするときあるじゃん!そういうのを逃したくないの!俺は!」
一方通行「ねェよ。そンなン」
浜面「あるよ。俺は唯一、それを逃さなかったことだけを誇りに生きている」
一方通行「・・・・・・」
浜面「・・・てな冗談は置いといてよ、さっさと用件ってのを教えてくれよ。俺これから買い物行かなきゃなんないんだよ」
一方通行「・・・・・・」
浜面「聞いてる?」
一方通行「・・・おォ。あまりの寒さに意識が飛んじまった」
浜面「そこまで!?」
79 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:16:09.95 ID:QQJWOBZW0
一方通行「自覚してねェのか・・・残念な奴だ」
浜面「うるせぇ!・・・で、なんで俺呼んだの?」
一方通行「暇つぶし」
浜面「はぁ!ふざけんなよ・・・ああ、ひょっとして番外個体ちゃんと喧嘩でもしたか?」
一方通行「あァ?」
浜面(あれ?ひょっとして当たりじゃね?)
一方通行「・・・ンなコトでテメェ引っ張り出すわけねェだろ」
浜面「じゃあ何があったんだよ」
一方通行「・・・・・・」
浜面(だんまりかよ・・・めんどくせー)
浜面「そういやよ、上条のハーレムの話知ってるか?最近全然会ってねーから噂でしかねーんだけどさ、あいつ今二桁の女の子と一緒に暮らしてるらしいぜ」
一方通行「・・・・・・」
80 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:16:58.77 ID:QQJWOBZW0
浜面「なんでも人が増えすぎて部屋が手狭になってきたから引っ越すんだってよ。その引越し先も、ハーレムの女の家なんだってさ!麦野もなんだかんだアプローチかけられてたらしいけど、結局断ったみたいだぜ」
一方通行「・・・・・・」
浜面「いやーでも羨ましいよなぁ、かわいー女の子をとっかえひっかえだろ?男の夢だよな!」
一方通行「・・・オマエそんなこと言ってると愛想つかされるんじゃねェ?」
浜面「はっはっは、大丈夫俺らラブラブだし」
一方通行「そんなこと言ってる間に、どこぞのハーレムの仲間入りしてたりしてなァ」
浜面「いやいや、ありえねえって」
一方通行「どうだかなァ。なんてったって、稀代のフラグ建築士が相手だからなァ」
浜面「・・・あれ?なにこれすんごいやばい気がしてきた」
一方通行「いつの間にか『ごめんはまづら。もっと好きな人ができちゃった』とか言ってきたり」
浜面「いやだー!そんなのいやだー!」
一方通行「・・・ってなことがあったらどうすンだ?オマエ」
浜面「どうするっつったって、理后がそういうなら諦めるしかねーよ・・・」
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・だよなァ」
81 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:17:46.96 ID:QQJWOBZW0
浜面「理后ー!行かないでくれー!」
一方通行「うるせェ。妄想で取り乱すな。つーか叫ぶな」
浜面「あーでも諦め切れねー」
一方通行「あァ?さっき諦めるっつってたじゃねェか」
浜面「うん、やっぱ無理だな。だって好きだし」
一方通行「・・・コロコロ意見変えやがって、このバカ面が」
浜面「ま、実際はその時になんねえと解んねーし」
一方通行「身も蓋もねェな」
浜面「とはいえそんな目にはあいたくねーしな。そうならねー為にも、俺は買い物に行かなければならないって訳だ」
一方通行「・・・前から言おうと思ってたンだが、オマエ完全にヒモだよな」
浜面「ヒモじゃねーよ!社長だって何度も言ったじゃん!」
一方通行「三ヶ月誰も客が来ない何でも屋の店主は社長とは呼べねェよ」
浜面「今は休暇なの!でっかい仕事終わったから余裕あるって何度も言っただろーが!」
一方通行「うるせェ叫ぶなニート」
82 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:18:29.56 ID:QQJWOBZW0
浜面「いっつも思うけど、家事手伝いってニートに入るのかな」
一方通行「入るんじゃねェか?」
浜面「え、じゃあ俺今ニートじゃん」
一方通行「いや、そんなマジレスいらねェンだけど」
浜面「マジじゃねーよ!ジョークだよ!!解れよ!」
一方通行「無茶言うな・・・」
浜面「つーかよ、それ言ったらお前だってニートじゃねーか!働いてねーし、居候だし」
一方通行「生憎一人暮らしを始めたばっかでな。どこぞのスキルアウト崩れとは身分が違ェ」
浜面「え?お前あの家出たの?」
一方通行「あァ?文句あンのか?」
浜面「キレるポイントおかしいだろ・・・で、何で出たの?」
一方通行「どォでもいいだろ、ンなコトは」
83 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:19:03.56 ID:QQJWOBZW0
浜面「まーそーだな。でもあれじゃないか、寂しがったんじゃねーか?番外個体ちゃんとか、打ち止めちゃんとか」
一方通行「別にィ、普通だった」
浜面「そんなことねーだろ。平気ぶってても、きっと影で寂しがってたりするぜ?」
一方通行「そんなタマじゃねェよ」
浜面「いーや、間違いないね。俺にはわかる!」
一方通行「・・・・・・」
一方通行「そンなもンかねェ」
84 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:19:47.28 ID:QQJWOBZW0
―――――同日、夜。
番外個体「そんな訳でですね」
黄泉川「・・・・・・」
芳川「・・・・・・」
打ち止め「・・・・・・」
番外個体「きっと奪うでも与えるでもないものってのがどんなもんなのか知ってみたいわけです」
黄泉川「それミスチルじゃんね」
番外個体「みすちる?何それ、おいしいの?」
佐天「いや、食べるものじゃないですよ」
オルソラ「バター和えは美味しいのでございます」
インデックス「食べてみたいんだよ!」
佐天「話聞いてた?」
85 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:21:14.40 ID:QQJWOBZW0
初春「有名なポップバンドの名前ですよね」
神裂「・・・訂正してください、彼らはロックバンドです」
初春「ロック(笑)ツェッペリンのセカンド100回聞いて出直せ(笑)」
神裂「この腐れお花畑がっ…!!」
初春「腐ってねーよ」
番外個体「あー・・・話戻していい?」
黒子「ジャッジメントですの!」
番外個体「こいつ一体何なの?」
86 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:21:46.55 ID:QQJWOBZW0
初春「ジャッジメントです」
番外個体「いや、そーいう話じゃなくて」
佐天「私とタメです」
番外個体「いやそーいう話でもなくて」
黒子「レズです」
番外個体「そんなカミングアウトは聞きたくなかった」
芳川「で、愛がどんなものか知りたい、と」
番外個体「ああ、芳川は話を戻してくれるんだね。助かるよ」
87 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:22:29.07 ID:QQJWOBZW0
神裂「愛ですか・・・言葉で説明するのは難しいですね」
五和「そうですねぇ・・・強いて言えば、ドキドキ、といいますか」
番外個体「ドキドキ」
オルソラ「愛を感じると胸がぽかぽかするのでございますよ」
番外個体「ぽかぽか」
打ち止め「好きな人に触ったり声を聞いたりすると、キュンってなるんだよ、ってミサカはミサカは自分の経験を話してみたり」
番外個体「胸キュン・・・とりあえず、こんな感じの要素を満たしていれば、それが”愛”ってこと?」
芳川「うん、まあ、そんな感じじゃない?」
番外個体「適当だなー。なんか実感湧かないや」
88 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:23:03.53 ID:QQJWOBZW0
黄泉川「番外個体はそんなことを感じた記憶は無いじゃん?」
番外個体「うーん、正直記憶に無いねぇ。だから、やっぱ解んない」
オルソラ「それならば、愛を感じてみればいいのでございますよ」
番外個体「身も蓋もねー意見だなー」
芳川「あら、あの子がああいうのにはそれなりに根拠があるのよ?」
番外個体「根拠?」
芳川「ええ。だって私達は、ある人への愛で繋がっているんだから」
番外個体「・・・・・・はい?」
五和「そうですね、きっと彼なら、あなたに愛を与えてくれるはずです」
番外個体「え?」
神裂「すばらしい・・・あなたも私たちの愛の輪の中に加わるのですね」
番外個体「・・・つまりミサカもあんた達のハーレムランドに仲間入りしろ、と」
黄泉川「理解が早くて助かるじゃん」
89 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:25:26.60 ID:QQJWOBZW0
番外個体「無理だね」
黄泉川「じゃん!?」
番外個体「だってさ、ミサカはカミジョーさんのこと全然好きじゃないからねぇ。まあ、悪い人だとは思わないけど」
芳川「それの何が問題なの?」
番外個体「いや、だって芳川たちはみんなカミジョーさんが好きだからそこに居るんでしょ?ミサカみたいなのがただ仲間入りしたって、あなた達が感じる愛なんて感じられるわけ無いじゃん」
芳川「あら、別に良いじゃない。これから好きになればいいのよ」
番外個体「はあ、まあそれはそうなんですけど・・・どうやって?」
佐天「まずはデートしてみたらどうですか?」
番外個体「でぇと?」
佐天「はい!一緒に一日過ごせば、二人の距離が急接近するかも!きゃっ!」
黒子「チョロいですの!」
番外個体「殴っていいかな」
五和「いやぁ、私に聞かれても」
番外個体「てかなんであのツインテールここにいんの?レズなんでしょ?」
五和「いやぁ、私に聞かれても」
番外個体「喧嘩売ってんのか」
90 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:26:16.89 ID:QQJWOBZW0
黄泉川「冗談は抜きにしてもいい案だと思うじゃん。まず愛を感じるには、お互いのことを良く知ることが大切じゃん」
番外個体「はあ」
黄泉川「ここに居たらどうせみんなで取り合いになっちゃうし、どこか出かけて二人っきりの時間を作るのは、お互いを知る上でいい手段だと思うじゃん」
番外個体「えー・・・」
芳川「私もそれが一番だと思うわ」
神裂「同感です」
五和「仲間が増えるのは大歓迎です」
佐天「面白そう!」
オルソラ「明日はたらこスパゲッティでありますのよ」
インデックス「わーい、わーい」
打ち止め「わーい、わーい」
初春「みすちるwwwwwwww深海wwww」
黒子「ジャッジメントですの!」
芳川「・・・・・・」
芳川「ほら、みんなもこう言ってることだし」
番外個体「結構ばっさりスルーするんだね」
91 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:26:47.83 ID:QQJWOBZW0
黄泉川「ま、何事もまずやってみることが肝心じゃん。あいつはすげーいい奴だから、きっと番外個体も好きになるじゃんよ」
番外個体「・・・・・・」
番外個体「・・・そんなもんかねぇ」
92 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:27:50.30 ID:QQJWOBZW0
―――――翌日。
番外個体「・・・そんな感じでこれからカミジョーさんとでーとすることになったよ」
美琴「・・・なんかこう、秩序の無い世の中にドロップキックかましてやりたい気分になるね」
番外個体「お姉さまも誘ってみたら?なんかあの人、デートならEverybody goesらしいよ」
美琴「オイなんでミスチル被せた」
番外個体「へ?みすちるって何?それおいしいの?」
美琴「・・・ホントに知らない?」
番外個体「うん。食べ物じゃないのは知ってる」
美琴「・・・まあいいや。それで、あんたアイツとデートすれば、”愛”てのが解ると思ってるわけ?」
番外個体「ううん。そんなに簡単じゃ無いでしょ」
美琴「そうね。それにもっといい方法がありそうだし」
番外個体「でも考えすぎで行動に困る、自分の不器用さは嫌いなんだ」
美琴「お前絶対ミスチル知ってるだろ」
93 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:28:28.83 ID:QQJWOBZW0
番外個体「だから知らないって」
美琴「微妙に改変して使いやがって」
番外個体「何のことだかわからないよお姉さま」
美琴「・・・っていうか、あんたもあのハーレムの仲間入りするつもりなわけ?」
番外個体「今のところは全く無いねぇ。何度も言うけど、ミサカは”愛”ってのに興味があるだけだよ。あそこに居るのは、あの人たちが”愛”ってのを持っているっぽいからで、そいつに興味があるだけだからね」
美琴「・・・・・・」
番外個体「じゃなかったら、あんな肩身の狭い桃色空間とっくに出てってるよ」
美琴「じゃあさ、もし。もしもその”愛”をアイツが与えてくれたら、あそこに居るわけ?」
番外個体「まあ、そんな可能性もあるんじゃない?」
美琴「!!」
美琴(ひょっとして・・・満更でも無い感じ!?)
94 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:29:23.05 ID:QQJWOBZW0
番外個体「まあ、でも正直その可能性は無いんじゃないかな?同じ家に住んでるから何度か話したけど、それっぽいもの全然感じなかったし」
美琴「そんなの解らないじゃない!」
番外個体「うわっ」
美琴「どうせあんただって、壊れるほどの抱擁とキスで、胸の鐘の音を鳴らしちゃったりするんでしょ!?」
番外個体「何言ってるか解らないけど動揺していることは伝わった」
美琴「・・・でもさ、実際いいわけ?好きでもない奴とデートとかしても」
番外個体「別に」
美琴「もっと大事に考えなさいよ!あーんなことやこーんなことされちゃったりするかもしれないのよ!」
番外個体「まあ、別にいいんじゃない?そりゃ積極的にやりたいかって言われたら微妙だけどさ、一度経験してみないと、それがいいことか悪いことかなんて解りようが無いじゃん」
美琴「そりゃそうだけど・・・」
番外個体「それにさ、別にデートとかキスとか、別に順番とか関係ないじゃん。制限回数があるわけでも無いんだし」
美琴「そ、そうなんだけど・・・えーと、ほら、もうちょっといろんな人と相談してからでもいいんじゃない?」
番外個体「一方通行には話したよ」
美琴「あー・・・えー・・・えー?」
95 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:30:25.61 ID:QQJWOBZW0
番外個体「あいつも『お前が決めたならそれでいい』って言ってたし、やっぱりこういうのはチャレンジしてみないと駄目かなーって」
美琴「・・・・・・あいつ、そんな事を」
番外個体「うん」
美琴「救いようがねぇ」
番外個体「うん?」
美琴「いや、なんでもないわ・・・どうしてもデートはするって訳ね?」
番外個体「・・・お姉さまはさ、何でミサカをでーとに行かせたくないの?」
美琴「それは・・・その、あんたに後悔して欲しくないから・・・」
番外個体「後悔なんかしないって」
美琴「そりゃあんたにとっては何でもないことかもしれないわよ!?でも、世間一般では好きでもない奴とキスしたりとかするのはおかしいでしょ!」
番外個体「だからさ、ミサカはその世間一般ってのがどんなもんか知りたいんだって。よっぽど大事なモノなんでしょ?それ」
美琴「・・・・・・」
番外個体「そんな大事なものならさ、なんとしてでも手に入れたいなって思うじゃん。その為の手段になるんだったら、別に構わない訳。実際何人もの人とキスしたりデートしたりする奴は居るんだから、それをしたからって”普通の人間”じゃあなくなるなんてことは無いでしょ?」
美琴「・・・・・・」
番外個体「お、もうこんな時間じゃん。待ち合わせに遅れるからミサカもう行くね。ばいばーい」
美琴「・・・・・・」
96 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:30:58.69 ID:QQJWOBZW0
美琴「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
美琴「そんなもん・・・な訳あるかっ!!」
97 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:31:41.02 ID:QQJWOBZW0
―――――同日、同時刻。とあるファミレスにて。
浜面「俺・・・思うんだけどよ」
一方通行「あァ?」
浜面「ミスチルじゃなくて、イエモンにすりゃ良かったわ」
一方通行「何の話だよ」
浜面「ミスチルの歌詞とかぶっちゃけ良く知らねーんだよ!イエモンだったら!もっとポンポン歌詞が出てくるのに!!」
一方通行「ぶっちゃけそンなでもねェだろ」
浜面「うん」
98 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:32:20.61 ID:QQJWOBZW0
一方通行「つーか、お前暇人だな。なンかやることねェのかよ」
浜面「お前が呼び出しといてそれはねーだろ!それに別にいいじゃん暇だって!誰にも迷惑かけてねーし!」
一方通行「・・・お前のためを思って教えてやるよ。家でゴロゴロしてるだけの夫を疎ましく思わない妻が居るわけねェだろ」
浜面「やめろよ!そこはかとなくリアルじゃねーか!」
一方通行「俺はお前のためを思って外に呼び出してやってンだ。ありがたく思え。そして謝罪しろ」
浜面「そんなこと言って・・・あれだろ?ホントは寂しいんだろ」
一方通行「ほざけ。なンで、俺がテメェと会えないことを寂しがらなきゃならねェンだよ」
浜面「ちげーって。一人暮らし始めて、身近に誰も居なくなったのが、だよ」
一方通行「・・・ンな訳ねェだろ」
浜面「いやー、学園都市第一位なんて看板を背負った奴でも人恋しさに泣いてしまうって訳だな」
一方通行「・・・・・・」カチッ
浜面「痛いトコ突かれて逆ギレするくらいなら賢ぶってんなよ。バッカじゃねーの」
一方通行「・・・・・・」
浜面「せめて番外個体ちゃんくらい連れてっちゃえばよかったじゃん。なんなら無理やりでも攫って・・・」
一方通行「すいませン、アンチスキルですか?目の前に未成年誘拐を示唆するアホ顔の金髪がいるンすけど」
浜面「すいません調子乗りましたー!!・・・ん?」
99 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:34:11.20 ID:QQJWOBZW0
一方通行「?どうした?」
浜面「あ、いや、なんか向こうから凄い勢いで見知った女の子が走って」
美琴「殺すオラっ!!」
一方通行「ごふっ」
浜面「背後からランニング稲妻レッグドロップを放とうとしていた」
一方通行「遅ェよ!!さっさと教えろ!」
浜面「えー・・・だってそんなバイオレンスな展開になるとは思わねーだろ?」
一方通行「俺だって思わねェよ!」
美琴「イナズマッ!!」
浜面「いや、それは放つ前に言うものだぞ」
一方通行「このネタ解る奴いねェだろ・・・」
100 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:34:57.89 ID:QQJWOBZW0
美琴「んなことはどーでもいいのよ!あんたのせいで!番外個体がアイツとデートする羽目になっちゃったじゃない!どう責任取ってくれるのよ!」
浜面「は?デート?いや、そもそもあいつって誰?」
一方通行「・・・なんでオレのせいなンだ?そりゃあいつが自分で決めたことだろォが。オレはああしろこうしろと指図した覚えなンてねェ!」
美琴「はぁ!?あんたホントにそれでいいわけ!?あの子が好きでもねー男とキスしたりしてもいいの!?ていうかそういうの軽々しくするもんじゃないでしょ!ちゃんとそこらへん教えときなさいよ!」
一方通行「・・・あいつだってガキじゃねェンだ。自分で判断して、決めたンなら仕方ねェだろ」
浜面「あ、そのフレーズ聞き覚えあるぜ!打ち止めちゃんにも同じようなこと言っただろ?」
一方通行「うるせェ、お前は黙って・・・・・・」
美琴「・・・?」
一方通行「・・・おい、なンでオマエがそれを知ってる?」
浜面「え?ほら、三日前に打ち止めちゃんが、カミジョーのハーレムに加わったって嘘ついたろ?あの後滝壺に愚痴ってたんだよ」
一方通行「・・・・・・」
浜面「なんか前から相談に乗ってたみたいでさ。俺らはお前相手じゃ効き目ねーんじゃねーのって予想してたけど、なんかあたっちまったみたいだな。あっはっはっは・・・」
一方通行「・・・アレ嘘だったのかよ」
浜面「え?まだネタばらししてなかったの?」
美琴「つーかそれくらい気づきなさいよ」
一方通行「ンなの気づく訳ねェだろ」
101 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:35:49.56 ID:QQJWOBZW0
浜面「・・・え?じゃあ、あれは本気で言ってたのか?『好きにすれば?』、って奴」
一方通行「・・・・・・」
浜面「そうなのか・・・てっきり冗談だと受け取ったから、あんなつれない反応したと思ってたぜ」
一方通行「・・・・・・」
浜面「・・・なんつーか、あれだな、お前妙に大人なんだな」
一方通行「あァ?当たり前だろ。バカ面とは違ェンだよ」
浜面「そうだな。ちょっと俺とは違いすぎて、やっぱお前とは合わねーわ」
一方通行「はァ?何言ってンだ?」
浜面「御坂、行こうぜ」
美琴「え、ちょ、ちょっと、まだ話は・・・」
浜面「何言ったって無駄だって。それに・・・」
一方通行「・・・・・・」
浜面「俺はもうお前と話してたくねーし」
一方通行「・・・はァ?」
浜面「おっと、これは俺が決めたことだぜ?自分で決めたことだったら尊重してくれるんだろ?お前の願望を捩じ込んだりはしねーんだろ?」
一方通行「・・・・・・」
浜面「・・・じゃあな、一方通行。もう呼び出すなよ。いこーぜ、御坂」
美琴「え、ちょ、ちょっと・・・」
浜面「いいからいいから」
一方通行「・・・・・・」
102 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:36:30.36 ID:QQJWOBZW0
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・クソっ。何だってンだ。俺は間違っちゃいねェ」
―――『うーん、よく解んないなぁ・・・それって何?”愛”って奴なの?』
一方通行「あいつらは一人の人間だ。ちゃんとした個を持ってンだ。それを俺が犯していいはずがねェ」
―――『それってさ、”正しい”の?』
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・・・・クソが」
103 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/22(木) 21:37:01.22 ID:QQJWOBZW0
―――『うーん・・・そうだ、一方通行はどうして欲しいわけ?』
一方通行「クソ、クソ、クソっ」
―――『はぁ!?あんたホントにそれでいいわけ!?あの子が好きでもねー男とキスしたりしてもいいの!?』
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・・・・良い訳ねェだろっ!!!!!!!!」
122 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 19:36:55.10 ID:jupDyepg0
―――――同日、とある路上にて。
美琴「ちょ、ちょっと、そろそろ手を離してよ」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・浜面さん?」
浜面「・・・どうしよう」
美琴「はい?」
浜面「やべぇ!絶対殺される!どうしよう!!」
美琴「え?え?」
浜面「ああああああああ!!!なんかカッとなっちまったんだよ!しゃーねーじゃん!どうしてもいいたくなっちゃったんだって!!だってなんかムカついたんだもん!」
美琴「ちょ、ちょ、落ち着け」
123 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 19:37:52.72 ID:jupDyepg0
浜面「やべぇよ・・・絶対ガチ切れしてたよ、一方通行の奴・・・絶対次あったら殺されるわ・・・」
美琴「・・・いや、たぶん大丈夫だと思うけど」
浜面「・・・・・・いっそ」チラッ
美琴「オイこっち見んな」
浜面「超電磁砲って即死できるのかな?」
美琴「物騒なこと言ってんじゃねーよ」
浜面「御坂、滝壺に伝えてくれ。俺はお前を世界で一番愛していたと」
美琴「知るか!・・・ってねェ!あれ見て!」
浜面「そうだ、せっかくだから500円玉使ってくれ。豪勢に死にたい」
美琴「知らないわよ!ってか安!あんたの豪勢安っ!」
124 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 19:38:37.43 ID:jupDyepg0
浜面「だってお前札だったら燃えちゃうじゃねーか。バカだなー」
美琴「ほんとに当てるぞ超電磁砲」
浜面「御坂!俺は一体何を見ればいいんだ!?」
美琴「・・・・・・」
浜面「あれ・・・か・・・?」
美琴「え?」
10039号「パパ、ミサカあれがほし~い、ってミサカはパパにおねだりしてみたりしてぇ~」
冥土帰し「はっはっは、全く仕方の無い子だな。いいよ、買ってあげよう」
10039号「やったぁ~、ミサカ、パパのことマジ大好き~みたいな~、ってミサカはちょろいなって思ったり~」
冥土帰し「はっはっは、その代わり今日も帰ったらナースプレイだぞ?」
10039号「いや~ん、もうパパったらスッケベ~、ってミサカは爺を嘲り笑ってみたり~」
美琴「・・・・・・」
浜面「・・・・・・」
125 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 19:39:18.25 ID:jupDyepg0
美琴「・・・・・・」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・なんちゅうもんを・・・なんちゅうもんを見つけてくれたんや・・・」ポロポロ
浜面「・・・なんつーか・・・すまん・・・」
美琴「見てはいけないものを見てしまった感が半端無い」
浜面「見なかったことにしよう」
美琴「そうしよう・・・」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・・・・あ、浜面さん!あれ見て!!」
浜面「え?・・・あ、あれは・・・!!」
126 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 19:39:58.36 ID:jupDyepg0
上条「・・・本当にいいのか?」
番外個体「うん、まあ、別に問題ないんじゃない?」
美琴「デート中、みたいね・・・」
浜面「・・・本当だったのか」
美琴「嘘であんな騒ぐわけないでしょ!」
浜面「いや、あの子も一方通行の気を引きたいだけかと思ったんだ・・・でも違うんだな。本当にデートしてるのか・・・」
美琴「・・・たぶん、それ合ってるのよ」
浜面「はぁ?気を引きたいがために嘘をついて、で気をひけなかったら好きでもない奴とデートすんのか?それじゃあただのやけくそじゃねーか」
美琴「違うわよ。合ってるのは、『気をひきたい』ってとこだけ。あの子は何も嘘なんかついてないわ」
浜面「・・・意味解んねー」
美琴「浜面さんとか私が考えているよりも・・・たぶんずっと真摯で純粋なのよ。きっと」
127 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 19:40:37.13 ID:jupDyepg0
浜面「ふーん・・・って、おい、なんか雰囲気やばくねーか?」
美琴「え?」
上条「・・・行くぞ」
番外個体「うん、いいよ」
浜面「・・・おい、あれラブホじゃねーか?」
美琴「嘘でしょ!?追いかけるわよ!」
浜面「ええ?俺も!?・・・解ったよ」
絹旗「あれ?誰かと思ったら超浜面じゃないですか?何やってるんですかこんなところで」
浜面「き、絹旗!?何故こんな場所に!?」
美琴「ほら、浜面さん、早く行かないと番外個体が・・・」
絹旗「・・・・・・」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
128 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 19:41:27.73 ID:jupDyepg0
絹旗「・・・ほう、真昼間から女性とラブホテルですか。超お楽しみのようで」
浜面「絹旗さん!それ誤解だから!本当に全く持って誤解だから!!」
絹旗「安心してください。滝壺さんにはちゃんと話しておきますから。確実に、超詳細に」
浜面「やめてぇぇえええええええええ!!!」
美琴「ちょ、違うわよ!なんで私がこんな奴とラブホなんか行かなきゃなんないのよ!」
絹旗「そうですか・・・私の目にはあなたが浜面を超誘っていたように見えましたが・・・」
美琴「くっ・・・それは、その、のっぴきならない事情が・・・」
浜面「御坂の妹が変な奴に騙されてラブホに連れ込まれちまったから助けに行くんだよ」
絹旗「ほう・・・あのラブホに入っていった御坂さんのそっくりさんは妹だったんですか・・・その割には、御坂さんより成長していたように見えましたが」
浜面「なあ、お前本当は全部見てただろ」
美琴「真昼間からラブホを見つめる女とかマジ引くわ」
絹旗「妹のほうが超胸が大きいんですね、御坂さん(笑)」
美琴「てめぇえええええええええええ!!!」
129 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 19:42:11.73 ID:jupDyepg0
浜面「おい落ち着け貧乳」
美琴「ぶっ殺すぞ」
絹旗「超貧乳というな。慎み深いといえ」
浜面「いや、超貧乳とか言った覚えがねぇよ・・・ん?おい!あれ・・・」
美琴「遺伝子のせいだと信じてたのに・・・あんなの酷いよ・・・」シクシク
絹旗「気持ちは解ります・・・」
浜面「おいなに慰めあってんだ貧乳同盟」
絹旗「浜面後で超ぶっとばす・・・うん?」
美琴「どうしたの?」
絹旗「・・・いや、なんだか、ラブホに一人で入っていく人が見えたもので」
美琴「・・・・・・」
浜面「・・・・・・」
絹旗「白い人でしたね。一方通行みたいな」
美琴&浜面『はぁ?』
130 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 19:42:58.47 ID:jupDyepg0
―――――同時刻。ラブホ内のとある部屋で。
一方通行「よォ」
番外個体「・・・・・・」
一方通行「・・・楽しそうなコトしてンじゃねェか。もうヤったのかァ?」
番外個体「・・・・・・」
番外個体「・・・一方通行?」
一方通行「お前なンでバスローブなンか着てンだ?」
番外個体「え?カミジョーさんがここに来たらこれに着替えるのがマナーだって言ってたから…変だった?」
一方通行「いや、別にそういう訳じゃねェが…うン、まあいいや」
131 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 19:43:39.23 ID:jupDyepg0
番外個体「・・・で、何しに来たの?因みにまだ何もしてないよ」
一方通行「……」
番外個体「…?」
一方通行「・・・・・・シンプルな話なンだ」
一方通行「俺も・・・」
――――『あるよ。俺は唯一、それを逃さなかったことだけを誇りに生きている』
一方通行「誇りって奴を、見てみたくなった」
132 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 19:44:07.25 ID:jupDyepg0
番外個体「はぁ?」
一方通行「悪ィな番外個体」
一方通行「”攫う”ぞ」
133 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 19:44:35.66 ID:jupDyepg0
上条(イヤー最近ついてるなー)
上条(俺って実はモテる奴だったんだなー。今日もハッスルしちゃうぞ!)
上条「お待たせー。出たぞー」
しーん。。。。。
上条「・・・・・・」
上条「あれ?誰もいない…」
上条「…????」
136 SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 19:58:48.02 ID:ODjo4dI9o
上条さんモテるって自覚しちゃうとこんな感じなんかな
139 SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 20:04:11.92 ID:F6HFW8Am0
上条さん一通に振り向いてほしい打ち止めとかのために演技でもしてるかと思ったら素だったwwwwww
148 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 21:49:27.31 ID:jupDyepg0
―――――10分後、一方通行の家にて。
一方通行「着いたぞ」
番外個体「・・・ここで暮らしてんの?」
一方通行「あァ」
番外個体「ふーん・・・思ったより手狭だ。一人暮らしの大学生みたい」
一方通行「狭ェ方が落ち着く」
番外個体「ぶひゃひゃ。なんだそれ、貧乏くせー」
一方通行「貧乏くせェ奴らと、貧乏くせェ所で暮らしてたからな」
番外個体「ふーん、まあ、確かにミサカはそうかも。少なくても高級品じゃあ無いね。なんてったって、欠陥品だ。普通の人間が普通に持ってるものとやらが、一切合財わかりゃしない」
一方通行「・・・・・・」
番外個体「でも、ミサカなりにそれを埋めようとしてるのは解って欲しいな。出来損ないに纏わりつかれてムカつくのは解るけどさ、人の努力って奴を邪魔するのは止めて欲しいんだけど」
一方通行「努力、ねェ。自分の欲しいもののために、男に股開くのが、努力ねェ」
番外個体「うーん、お姉さまにも言われたんだけどさ、それってそんな悪いことなの?なんかピンと来ないんだよね」
一方通行「・・・・・・」
149 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 21:50:12.71 ID:jupDyepg0
番外個体「だってさ、自分の欲しいもののために何かを犠牲にするって普通じゃん。見ず知らずの人に触られるのが好きって訳じゃないけど、仕方ないんじゃないの?」
一方通行「・・・・・・」
番外個体「黄泉川とか、芳川とかも、セックスは愛を得る手段の一つだって言ってたし、ヤってそれが解るんなら、それもいいかなと思うんだけど」
一方通行「イヤなンだよ」
番外個体「へ?」
一方通行「俺がイヤなんだ。だからやるな」
番外個体「………」
一方通行「……」
番外個体「…はい?え?ちょっとよく意味が解んないんだけど」
一方通行「……だからだな、俺は、お前が、そこらへんの三下とイチャイチャするのが、酷く気に入らねェ」
番外個体「だから止めろと」
一方通行「あァ」
150 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 21:50:51.60 ID:jupDyepg0
番外個体「え?ミサカ個人の意思って奴はどうなるわけ?」
一方通行「知らねェ。とにかくだな、あー、えーと…」
番外個体「……」
一方通行「なンつーか、ほかの奴なんかじゃなく、俺を見てて欲しいっつーか…」
番外個体「……はぁ?」
一方通行「…今のは忘れろ」
番外個体「……どういう意味?」
一方通行「すまン。俺もよく分からねェ」
番外個体「意味解んねーし…ん?」
一方通行「どした?」
番外個体「いや、今の台詞、どっかで聞いた覚えがあるような…」
151 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 21:52:21.72 ID:jupDyepg0
番外個体(いつだったっけな…あ、そうだ、この前お姉さまと話した時だ)
『・・・・・・わ、わたしだけを見て欲しかった、っていうか・・・』
番外個体(おお、これだこれだ……ん?)
『で、それがお姉さまの”恋”だったと』
『うう・・・まあ、そうだけど・・・』
番外個体(……)
番外個体「……」
番外個体「ええええええええええええええええええ!!!!」
一方通行「うおっ、なンだよ」
152 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 21:52:53.15 ID:jupDyepg0
番外個体「あ、あん、あん、なに、な、な、な…」
一方通行「え?何マジ何?」
番外個体(ま、ま、まさか…)
番外個体(一方通行はミサカに”恋”してるってこと!?)
番外個体(……ってことは、一方通行はミサカが好きってことなんだ!)
番外個体(こんな欠陥品で、愛も普通もわからないようなミサカが好きなんだ)
番外個体(だから、自分以外見て欲しくないんだ。それくらい、ミサカを求めてるっていうことなんだ…)ドキ・・・
153 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 21:53:21.66 ID:jupDyepg0
番外個体「・・・・・・」ドキドキ
一方通行「…おい、何さっきから黙ってんだァ?」
番外個体(どうしよう、それって…)ドキドキドキ
154 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 21:53:49.88 ID:jupDyepg0
番外個体(すっごい嬉しいかもしんない…)ドキドキドキドキ
155 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 21:54:29.17 ID:jupDyepg0
番外個体「・・・・・・!」ドキドキ
一方通行「・・・どした?」
番外個体「な、なんでもないよばーか!ばーかばーか!!」ドキドキ
一方通行「え?なんでこんなに馬鹿にされなきゃなんないの?ちょっと傷つくんだけど」
番外個体「……!!」キュン!!
一方通行「…スルーかよ」
番外個体「…だ、だいたいさぁ!?何でアンタの言うとおりにしなきゃなんないのさ!」アセアセ
一方通行「いや、まあ確かにそうなンだが・・・」
番外個体「・・・・・・」ドキドキ
番外個体(やばいやばいやばい顔熱いマジ熱い…ぽかぽかってレベルじゃねぇ!!)ドキドキ
156 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 21:54:57.70 ID:jupDyepg0
一方通行「…スマンちょっと錯乱してたな。やっぱ。忘れろ」
番外個体「嫌だっ!!」ドキドキ
一方通行「はい?」
番外個体「え?いや、その、あれだ!あの、えーと、あ、そうだ!これから散々馬鹿にしてやるんだから、忘れて何かやるもんか!」ドキドキ
一方通行「いや、『そうだ!』って言われても」
番外個体「うるさいばーかばーかばかばかばか!」
一方通行「お前そんなボキャブラリー無かったか?」
番外個体「うっ……」
番外個体(まずい、このままじゃどんどんボロが出る…話題変えなきゃ…)
番外個体「話題…話題…」
一方通行「…何ブツブツ言ってンだァ?」
157 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 21:55:24.77 ID:jupDyepg0
番外個体「そういえばさ・・・」
一方通行「うン?」
番外個体「ずっとバスローブっつーのもアレだから着替えたいんだけど、なんかない?」
一方通行「・・・(そういえば着替えのことすっかり忘れてたわ)」
158 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 21:56:07.26 ID:jupDyepg0
―――――同日、夜。
美琴「・・・・・・」
美琴(あの子大丈夫だったのかしら・・・結局あの後どうなったかよく解んなかったのよね)
コンコン。
美琴(・・・ノック?黒子は・・・)
黒子「お姉さま・・・むにゃむにゃ・・・」
美琴「寝てるわね」
黒子「うふふ・・・可愛がってあげますわぁ・・・」
美琴「・・・・・・」
コンコンコン。
美琴(こんな真夜中に訪問者・・・っておかしいだろ)
美琴(・・・・・・)
美琴(まあいいか)
159 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 21:56:36.49 ID:jupDyepg0
美琴「はーい」ガチャ
一方通行「よォ」
美琴「なんでさも普通のように来てんだよ。ここ女子寮なんだけど」
一方通行「すぐ出る。とりあえずこいつを預かってくれ」
美琴「はぁ?こいつって・・・」
番外個体「」スヤスヤ
美琴「・・・・・・」
一方通行「じゃ、預けたから。それじゃ!」
美琴「おい、ちょっと待て」
一方通行「何だよ。オマエがすぐ出てけって言ったンじゃねェか」
美琴「いや言ってねーし。それよりまず説明しろ」
一方通行「あァ?番外個体を連れてきました。預かってください。以上」
美琴「簡単すぎだろ」
160 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 21:58:33.34 ID:jupDyepg0
一方通行「別にいいだろ」
美琴「あんた一人暮らしなんでしょ?自分ち泊めればいいじゃない」
一方通行「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
一方通行「・・・今日のあの雰囲気で一緒に居たらヤバイ」
美琴「はぁ?」
一方通行「耐え切れない気がした。だからここに持ってきた」
美琴「うわぁ」
一方通行「つー訳だ、置いてくぞ」
美琴「ヘタレ」
一方通行「何とでも言え。まだ早ェ」
美琴「はいはい。解ったわ。預かってやるからさっさと帰りなさい」
一方通行「悪ィな」
美琴「…一方通行」
一方通行「なンだよ、まだ何かあンのか?」
美琴「気をつけて帰りなさい。誰にも見つからないように」
一方通行「???」
161 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 21:59:06.20 ID:jupDyepg0
―――――二分後。
一方通行「・・・・・・」
一方通行「・・・オイ、こりゃ何の真似だァ?」
寮監「何の真似だ、とはこちらの台詞だよ。ここは女子寮だ。勝手に入るのであれば、それなりの対処をしなければならない」
一方通行「そりゃ悪かったな。もう帰るから許してくれ」
寮監「そういう訳にもいかんのだよ。。。何せ、私は”これを楽しみに”しているのだからね」
一方通行「・・・あァ?」
寮監「学園都市、第一位、一方通行」
一方通行「・・・・・・」
寮監「ああ、なんて甘い響きだ。きっと強いのだろう。最強なのだろう。この学園都市という、下らない檻に囲い込まれたガキンチョの中で、並ぶものの居ない存在として己が春を甘受しているのだろう」
一方通行「回りくでェババアだな。行き送れて頭が狂ったか?」
162 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 21:59:42.85 ID:jupDyepg0
寮監「素晴らしい・・・その長く細く、身の程を知らず伸びた鼻っ柱を叩き折るのはどれほどの愉悦であろう・・・少し前にも、とある女子を叩き潰してやったよ」
一方通行「ハッ、そこらへんのケツの青いガキ蹴飛ばして自慢話たァ、随分とスケールの小せェこった」
寮監「徹底的に叩き潰してやった。追い回し、引きずり回し、嬲り回して、請わせた。これ以上規則を破るのであれば・・・貴様のケツマンコにベレッタを突っ込んでやるぞ、と言ってやった」
一方通行「チープな銃を使ってやがる」
寮監「それが良いのだよ。中国の能無し共が金のためだけに量産した粗悪な鉄くずで、”レベル5を追い詰めるのがたまらない”」
一方通行「・・・・・・」
一方通行「…オイ、今なンて言った?」
163 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 22:00:13.84 ID:jupDyepg0
寮監「ふふ、怖気づいたのかね。あの時は、そうだ、君の言う”ケツの青いレベル5の少女”が、あまりにも惨めに懇願するものだから、興が削がれてね。本意では無かったが、解放してやったよ・・・さて、少々話が長くなりすぎた」
寮監「・・・死刑を、執行しよう」コォォォォォォォ
一方通行「!!!」
一方通行(な、なンだこのオーラは・・・ヤバイ・・・)
164 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 22:00:44.10 ID:jupDyepg0
寮監「逃がさんよ・・・…君は”最強”だからな、件の少女とは違い、それなりの装備を持って相手をしよう。感謝したまえ」
一方通行「・・・S&W M500とフェイファー・ツェリザカの二丁拳銃!?頭狂ってンじゃねェか!?」
寮監「くく・・・聞いたことくらいはあるんじゃないか?”二挺拳銃の殺し屋”の話・・・」
一方通行「・・・まさか!」
寮監「くくく、この街は素晴らしい。どこぞの何でも屋のフケ顔の金髪男に、第二学区の寂れたタバコ屋で、セブンスターを三カートン買ってきてもらえば、こんなモノも手に入る・・・」
―――『今は休暇なの!でっかい仕事終わったから余裕あるって何度も言っただろーが!』
一方通行「・・・あの野郎・・・仕事選べってンだ・・・」
寮監「彼を責めるのはお門違いだよ。なんと言っても、彼はこのことを知らないのだからね。勿論金払いの良さには、多少の不安を抱いたようだが」
一方通行「クソが・・・」
165 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 22:01:16.92 ID:jupDyepg0
寮監「君は私の領地を侵した・・・故に、その咎の責を問わねばならない。なぁに、たいしたことは無い。貴様のケツに銃口を突っ込んで、引き金を引かせてくれればいい。それだけで君は解放される。簡単だろ?」
一方通行「・・・お断りだ」
寮監「そういきり立つな。ならば無理やりやるだけだ。どちらにしろ、結末は変わらない・・・」
寮監「私を楽しませてくれよ?第一位」ニタァ
一方通行「・・・・!!!・・(来るっ!!!)」
166 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 22:02:02.49 ID:jupDyepg0
―――――翌日。
浜面「・・・・・・」
一方通行「・・・・・・」
浜面「・・・・・・」
一方通行「ケツに・・・」
浜面「・・・・・・」
一方通行「ケツにM500が・・・」
浜面「ねぇ、さっきから何の話してんの!?」
一方通行「入ってねェぞ!ギリギリ逃げ切った!」
浜面「何がドコ入るんだよ」
一方通行「ケツの穴に50口径のマグナムが、だ」
浜面「恐ろしすぎるだろ」
167 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 22:02:48.46 ID:jupDyepg0
一方通行「くそっ・・・なんなんだあいつ。フェイファー・ツェリザカ片手でぶん回す奴なンか聞いたことねェぞ・・・」
浜面「第一位でも苦戦すンのかよ」
一方通行「苦戦どころか逃亡がやっとだった」
浜面「何それ怖い」
一方通行「人生で一番死に近づいたひと時だったな」
浜面「オマエ一体誰と戦ってきたんだよ」
一方通行「それは・・・」
番外個体「あ、ヘタレの一方通行さんじゃーん。こんなトコで何してんの?」
一方通行「・・・・・・」
浜面「あ、番外個体ちゃんじゃん。ちっす」
番外個体「あ、浜面さんじゃん。お姉さまと一緒にラブホ入ろうとしたんだって?」
浜面「誤解だから!それマジで誤解だから!!」
一方通行「オマエ・・・いつかやると思ってたよ」
浜面「だから誤解だっつってんだろ!人の話を聞けお前ら!!」
168 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 22:03:35.61 ID:jupDyepg0
美琴「そうよ!なんで私がこんなフケ顔と一緒にラブホ行かなきゃなんないのよ!言われた方の気持ちを考えなさいよ!!」
一方通行「いや、お前も考えろよ」
浜面「俺の心はものすんごい勢いで砕かれたよ。粉々だよ」
一方通行「つーか、オマエ居たんだな」
美琴「ずっと居たわ」
一方通行「影も胸も薄いな」
美琴「おい誰かハンマー持って来い。こいつの頭かち割る」
浜面「そういや話は戻るけどさ、ヘタレって何?」
一方通行「!!」
番外個体「なんでも同じ家に二人っきりで泊まっていながら全然手を出さずにあまつさえ片方を寝ている間にお姉さまのところに運んじゃう人をへたれって言うってお姉さまが言ってた」
浜面「・・・・・・」
一方通行「・・・なンだよ」
浜面「いや、別に」
169 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 22:05:15.45 ID:jupDyepg0
美琴「実際ヘタレだと思うわ」
一方通行「それはオマエが言っちゃうとこの一連の流れなンだったのって感じになっちゃうよね、たぶん」
番外個体「あ、ヘタレ、ミサカのドリンクバー取ってきて。コーヒー」
一方通行「あァ?なンで俺が・・・」
番外個体「あーあ、言っちゃおうかな。魔法の言葉があるんだけどな。なんか昨日言ってたな、俺はオマエに・・・とかなんとか」
一方通行「くそがァっ!」
美琴「あ、私オレンジジュース」
浜面「俺コーラ」
一方通行「オマエら便乗してンじゃねェぞ!!」
番外個体「はやくドリンク飲みたいなー」
一方通行「後で覚えてろよ!」
170 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 22:05:42.44 ID:jupDyepg0
美琴「・・・すごいわね、確かに魔法の言葉だ」
浜面「全くだな。まさかあいつが俺のジュースを取りに行くなんてことがありえるとは」
番外個体「そだね、なんか面白いし、しばらくはこれで散々弄ってやろう」
美琴「詳しくはなんて言われたわけ?」
番外個体「…それは内緒」
美琴「・・・番外個体」
番外個体「ん?にゃに?」
美琴「また昨日みたいなこと、するつもりはあるの?」
番外個体「昨日みたいなことって・・・ああ、カミジョーさんとのデート?ないない」
浜面「やけにあっさりとしてんな」
171 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 22:06:19.14 ID:jupDyepg0
番外個体「んー、やっぱあんま楽しくなかったしね。ラブホまで言ったのも、デート自体に思ったより収穫が無かったからなわけだし、そこまで行けば”愛”ってのが解るかなーって思ったんだよ」
美琴「もうデートする気が無いってことは、自分なりに解ったの?その、”愛”って奴」
番外個体「いんや、全然」
浜面「え?駄目じゃん。いや、駄目じゃないけど」
番外個体「どっちだよ」
美琴「じゃあ、何で?」
番外個体「んー、まあ、一方通行がやって欲しくなさそうだったからねぇ。あんなんでも、ミサカよりいろんなこと知ってるし、たぶんミサカのことを一番良く知ってる人だからね。あの人が言うんなら、まあやんないほうがいいんだろうなって思ったんだよ」
浜面「へー、信頼してんだな」
番外個体「まあ、ほどほどにね。あともう一つ理由があってさ」
美琴「もう一つ?」
番外個体「うん。まあ自分でもよく解んない感情なんだけどさ、なんか・・・」
172 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 22:07:01.94 ID:jupDyepg0
番外個体「一方通行以外とは、そういうのしたくないなぁ、って思ったんだよね」
173 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 22:07:37.47 ID:jupDyepg0
美琴「・・・・・・」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・ええ!?」
浜面「・・・はぁ!?」
番外個体「ま、そんな訳で、ああいう手段で”愛”ってのを理解しようとするのはとりあえず中止にしようかと思った訳。どっちかというと、”愛”どうこうよりこっちの感情を理解したいってのが先に着てる感じかな。だから、とりあえず一方通行を基準にして生活してみようかな、って思ったわけ」
浜面「え?これ実はすげぇ爆弾発言なんじゃねぇの?」
美琴「なんか事態が悪化している気がしないでもない」
一方通行「オイ、持ってきたぞオラ」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・・・・」
一方通行「な、なンだよ」
174 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 22:08:20.53 ID:jupDyepg0
浜面「オマエ・・・どこから聞いてた?」
一方通行「?どこからって・・・全然聞いてるわけねェだろ。俺ドリンクバー行ってたし」
浜面「だよな!あっはっは、ならいいんだ、うん」
一方通行「・・・オイ、テメェら一体何の話していやがった」
浜面「え?いやー、えーと・・・御坂、ほら、教えてやれよ」
美琴「え?あ、あたし!?えーと・・・えーと・・・」
一方通行「・・・・・・」
番外個体「・・・・・・」
浜面「・・・・・・」
美琴「・・・あ、愛について」
一方通行「・・・前からヤバイとは思ってたが、ついにオマエも頭の中が花畑に・・・」
浜面「惜しい人を亡くしたな」
美琴「ちょ!違うわよ!番外個体はずっと”愛”ってのを知りたかった訳でしょ!?だから、二人で教えてあげてたのよ!ね?浜面さん!」
浜面「え?お、おう、そうだ!そうだぜ!?」
175 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 22:09:12.14 ID:jupDyepg0
一方通行「・・・・・・」
番外個体「・・・何?」
一方通行「・・・なァ、オマエら、本当に”愛”について話してたのか?」
番外個体「愛、ねぇ・・・・・・」
一方通行「・・・・・・」
番外個体「まあ、正直なところ、ミサカにもよくわかんない」
一方通行「はァ?」
番外個体「うん、でも、ひょっとしたら……」
番外個体「そんなもんかもねぇ」ニコッ
(終わり)
178 SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 22:12:35.08 ID:o8Ene0D90
乙。
正直無理矢理過ぎないか?打ち切り作品みたいだよ。
一方通行からも番外個体からもいつそれらしい感情がにおわされたのかわからないんだけど…
番外通行は大好物な筈なのに…悶える結末のはずなのに、全然こなかった。
正直無理矢理過ぎないか?打ち切り作品みたいだよ。
一方通行からも番外個体からもいつそれらしい感情がにおわされたのかわからないんだけど…
番外通行は大好物な筈なのに…悶える結末のはずなのに、全然こなかった。
181 SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 22:26:41.30 ID:sULlFQNAO
乙!
>>178
これ位が丁度いい。元々悪意の塊で出来てんだから、イチャラブとかじゃなくてプラトニックな関係になるだろうし
>>178
これ位が丁度いい。元々悪意の塊で出来てんだから、イチャラブとかじゃなくてプラトニックな関係になるだろうし
182 ◆bPFZPdrjnM 2011/12/23(金) 22:32:39.94 ID:jupDyepg0
>>178
番外個体はあの時はじめて自覚したんだろうから、それまでに書いていないのは割と大丈夫だと思う。
一方通行は自分を抑えて器の大きい意見をあえて言おうとしてる描写入れたつもりだったけど、そこらへんが伝えられなかったのは申し訳ない。
番外個体はあの時はじめて自覚したんだろうから、それまでに書いていないのは割と大丈夫だと思う。
一方通行は自分を抑えて器の大きい意見をあえて言おうとしてる描写入れたつもりだったけど、そこらへんが伝えられなかったのは申し訳ない。
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