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橘「また雨か……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331472613/
【止んでない】
橘「~♪」
絢辻「……」
橘「♪」
絢辻「ちょっと」
橘「?」
絢辻「なんでそんな機嫌がいいのよ」
橘「いや、なんかこうやって絢辻さんと雨が上がるのを待つなんて新鮮だったからつい」
絢辻「はぁ、まったく暢気ね。……でもこの雨待っててやむのかしら」
橘「うーん、どうだろう。もしかしたらやまないかもね」
絢辻「うん? なんでよ?」
橘「絢辻さんが傘を忘れてくるなんて珍しいことがあったから、かな」
絢辻「…なによそれ」
橘「あはは、でも本当に珍しいからね」
絢辻「……うぅ、今日は珍しく橘君も強気ね」
橘「そうかな?」
絢辻「そうよ」
橘「機嫌がいいからかもね」
絢辻「……そう」
絢辻「ねぇ」
橘「うん?」
絢辻「雨、やむのかしら……」
橘「さぁ、どうだろう」
絢辻「やむと思う?」
橘「もう少しやまないでいてほしいとは思うかな」
絢辻「……」
橘「絢辻さんはやむと思う?」
絢辻「……わたしも……」ボソッ
橘「そうなんだ?」
絢辻「確認しないで、二度も言わないわ」
橘「そっか」
絢辻「ちょっとそのニヤニヤするのやめなさい」
橘「……してるかな?」
絢辻「えぇ、顔にでてるわよ」
橘「そんなつもりはないんだけどなぁ」
絢辻「つもりはなくてもしてるわよ」
橘「……」
絢辻「……」
橘「あ、雨が弱くなったね」
絢辻「あら、ほんとね」
橘「もうすぐやむかもね」
絢辻「……」
橘「……」
絢辻「……」
橘「……あ、やんだ」
絢辻「……」
橘「よかったね、絢辻さん。これで帰れるよ?……絢辻さん?」
絢辻「……まだ」
橘「……?」
絢辻「まだ少し降ってる」
橘「え、でも……」
絢辻「降ってる」
橘「…………そうだね」
絢辻「そうよ」
橘「……」
絢辻「……ちょっとニヤつかないっ!」
【待つこと】
梨穂子「雨だねえ」
橘「雨だな」
梨穂子「傘、盗られちゃったね」
橘「僕は忘れてきただけだけどね」
梨穂子「あはは、もっと駄目じゃんか~」
橘「にしても悪い奴もいるもんだな」
梨穂子「そうだね~」
橘「……梨穂子はもっと怒っていいと思うよ」
梨穂子「えー?」
橘「いや、普通傘盗られた怒るだろ?」
梨穂子「あ、そっか。 でももしかしたら、事情ありかもしれないよ~」
橘「なんだそれ」
梨穂子「例えばー、この後にどうしても制服で出席しないといけないような場所に行く用事があって、
濡れるわけにはいかなくてしかたなくー、とか?」
橘「その場合でも、そんな用があるのに傘をもってきてない奴が悪いと思うけどね」
梨穂子「なるほど~」
橘「ま、傘を持ってきてない僕がいうのも変な話だけどね」
梨穂子「あはは」
梨穂子「やまないねー」
橘「……さっきから梨穂子、機嫌よくないか?」
梨穂子「えー、そうかな~?」
橘「傘を盗られて、こんなところで雨が上がるのを待つはめになったっていうのに、
その上機嫌はなんなんだ?」
梨穂子「上機嫌ってわけではないけど……でもこうやって待ってるのも嫌いじゃないよ」
橘「?」
梨穂子「こうやって純一と一緒なら嫌じゃないよ、って」
橘「……う、何気に恥ずかしいことを言うな」
梨穂子「えへへ、そうかな?」
梨穂子「なにさー、その顔」
橘「いや、梨穂子は楽しそうでいいなぁって」
梨穂子「純一は楽しくない?」
橘「いや、楽しいのは楽しいけど」
梨穂子「けど?」
橘「とりあえず帰りたいかな」
梨穂子「……ふーん」
橘「帰って梨穂子と温かいお茶でも飲みたい」
梨穂子「……えへへ、そっか」
梨穂子「そうだね~」
橘「ん、こうやってるのも悪くないんじゃなかったのか?」
梨穂子「ん、もう純一意地悪だよー」
橘「あはは、ごめんごめん」
梨穂子「待ってるのは嫌いじゃないよ……? でも待ってるだけじゃあね……」
橘「?」
橘「……う」
梨穂子「えへへ、さっきの仕返しだよ~」
橘「……よし、帰ってお茶でも飲むときに出そうと思ってたとっておきの和菓子は梨穂子はなしだな」
梨穂子「えぇっ、そんな~」
橘「よかったな、梨穂子。僕もダイエットに協力してやるよ」
梨穂子「純一~」
橘「あはは」
【距離】
七咲「やみませんねえ」
橘「やまないなぁ」
七咲「水泳部が休みの日に限ってこれですよ」
橘「そうだな。せっかく一緒にどこか寄っていこうと思ったのになあ」
七咲「先輩の普段の行いなんじゃないですか?」
橘「な、僕の普段の行いは良い……良いと思う……はず?」
七咲「なんで自信なさげなんですかっ」
橘「いやぁだってさ」
七咲「だっても、なにもないです」
七咲「な、私はいつも良いですよ?」
橘「ふぅん……」
七咲「なんなんですか、その含みのある言い方は」
橘「僕、この前美也に七咲が授業中うとうとしてたっていう話をきいたけどなぁ」
七咲「え」
橘「……」にやにや
七咲「あ、あれはちょっと前の日に眠りが浅くて夜中に目覚めてしまったせいで……」
七咲「え?」
橘「本当だったんだ」
七咲「え?」
橘「美也に聞いたっていうのは嘘」
七咲「っ!!……先輩あとが酷いですよ~」
橘「あはは、ごめんごめん。つい仕返しがしたくなって」
七咲「むー、嘘は嫌いです」
橘「ごめんってばななさき~」
七咲「……はぁ、しかたない先輩ですね」
七咲「?」
橘「眠りが浅かったって、なにか悩みでもあったの?」
七咲「いえ……」
橘「?」
七咲「その、変な夢を見てしまったせいで」
橘「あぁ、なるほど」
七咲「それが気になってしまって眠れなくて」
橘「ちなみにどんな夢?」
七咲「…っ! 秘密です」
七咲「秘密ったら秘密です」
橘「む、仕方ない。聞き出すのは諦めるよ」
七咲「そうしてください」
橘「……にしても」
七咲「?」
橘「雨やまないなぁ……」
七咲「そうですね~」
七咲「……」
橘「……」
七咲「あ、あの先輩」
橘「ん?」
七咲「その、も、もうちょっとそっちに寄っていいですか?」
橘「へ? うん」
七咲「……じゃ、じゃあ失礼します」
橘「な、七咲!?」
七咲「なんですか?」
橘「こ、これは近すぎないかな」
橘「……僕としては嬉しいけどね」
七咲「ふふっ、先輩ならそういうと思いました」
橘「なんでもお見通しのわけか」
七咲「……」
橘「……七咲?」
七咲「……先輩がいなくなる夢をみました」
橘「はい?」
七咲「さっきの夢の話です」
七咲「こうやって近づいても、いつのまにか先輩がいなくなってるんです」
橘「……」
七咲「ふふ、私も先輩のことを馬鹿にできませんね」
橘「そっか」
七咲「よく考えてみれば、私と先輩の一年って差はどう考えても埋まらないんですよね」
橘「……」
七咲「考えても仕方ないことだったんです」
七咲「はい、先輩」
橘「僕も少しそっちに寄っていいかな」
七咲「え、でもこれ以上は」
橘「いいかな?」
七咲「……はい」
橘「じゃあお言葉に甘えて」
七咲「ちょ、ちょっと先輩、近いっていうかこれじゃあ密着……」
橘「七咲も腕でもからめればいいんじゃないかな?」
七咲「……そうですね」
七咲「先輩の赤い顔をみたら、どうでもよくなりました」
橘「七咲も鏡をみたほうがいいぞ」
七咲「いえ、私は先輩と違って自分のことはわかってます」
橘「そっか」
七咲「……」
橘「……」
七咲「……雨、やみませんねぇ」
橘「やまないなあ」
【あめふり】
橘「やまないなぁ」
薫「……」
橘「やま……」
薫「すとーーっぷ」
橘「?」
薫「すとっぷ!」
橘「なんなんだ」
橘「う、まぁやむやまないは別にしても、気は滅入るかもなぁ」
薫「そうでしょ。だから禁止」
橘「わかったよ……」
薫「……」
橘「……」
薫「ねぇ……」
橘「うん?」
橘「う、見てたのか……」
薫「梅原君、傘もってきてたじゃない」
橘「そ、そういう薫だって田中さんと帰ればよかったんじゃないのか?」
薫「う……」
橘「……」
薫「……」
橘「ぷ、くく……」
薫「あはははは」
薫「えぇ、そうね。これじゃあ恵子にからかわれても仕方ないわ」
橘「田中さんなにかいってたのか?」
薫「あんたと相合傘して帰るんだ~?だってさ。 ぷぷ、まさかあんたも傘忘れてるとね」
橘「僕は薫が持ってるかなあと期待してたんだけどね」
薫「残念ー、あたしも朝は天気予報なんてみてる時間がなかったのよ」
橘「遅刻してきたのにか?」
薫「遅刻してきたからじゃない」
橘「……なるほど、薫らしいや」
橘「あはは」
薫「まったく」
橘「……」
薫「……」
橘「……」
薫「あー、やまないわねえ……あっ」
橘「っぷ、薫ー」
薫「あはは、ついよ、つい」
薫「ま、いいじゃない細かいことは。にしてもあれね、こう見事な土砂降りだと」
橘「だと?」
薫「こう、なにかに残したくなるわね」
橘「……例えば、絵とか?」
薫「ああ、いいかもしれないわね」
薫「……テーマは……彼女にフラれて雨の中立ち尽くす男、とかどう?」
橘「雨が降るとふるにかけてるつもりか?」
橘「っていわれても……」
薫「でも絵にはなるでしょ」
橘「そうか~? 僕はどっちかというと女の子が雨に濡れてこう透けて……はっ!?」
薫「へぇ~」
橘「いや、今のは、それこそついというかだな……」
薫「ま、あんたのことだからそんなことだろうと思ってたけど」
橘「(う、僕は一体日頃からどうおもわれてるんだ……)
橘「それ、薫がフる役目になるぞ」
薫「右の頬と左の頬どっちがいい?」
橘「なんでたたかれること前提なんだよ! というかフラれる役なんてやらないからな」
橘「それに冗談でもそういうこと言うなよ」
薫「……う、ごめん」
薫「でも」
橘「うん?」
薫「不安になった?」
橘「う……」
薫「そうなんだ」
橘「なっ、ま、まさか!? ここにきて見事な紅葉マークを!?」
薫「アンタね、あたしをなんだと思ってるのよ」
橘「薫」
薫「どういう意味よっ! ……まぁ、いいわ」
橘「なんだ、なにか……」
薫「はやく」
橘「これでいいのか」
薫「――」
橘「!!」
薫「……///」
橘「……」
橘「といわれてもなぁ」
薫「あ、もしかして叩かれたかったとか?」
橘「そんなわけあるかっ」
薫「……まったく、こっちだって恥ずかしい思いをしてるんだからもうちょっと反応があってもいいでしょ?」
橘「あ、ああなんというか……ご馳走さまでした」
薫「ぷっ、くく、なにそれ」
橘「仕方ないだろ! こっちもびっくりしたんだから」
薫「あー、はいはい」
橘「う、くそ、薫め、覚えてろよ。今度は僕から突然に同じことやってやるからな」
橘「僕の本気を見せてやろうじゃないか」
薫「返り討ちにしてやるわ」
橘「いや、返り討ちはやめてほしいな」
薫「本気を見せるんじゃなかったの?」
橘「……雨やまないなぁ」
薫「ごまかしたわね」
橘「……」
薫「やまないわね~」
橘「やまないなあ」
【二人きり】
橘「せめてもう少し小降りになればなぁ」
紗江「そうですね」
橘「大丈夫、紗江ちゃん?……まったく美也のやつ先に帰っちゃうとは薄情なやつだ」
紗江「仕方ないです。私も残ってやることがありましたし、
美也ちゃんは私が傘を忘れたってことは知らないと思います。それに……」
橘「?」
紗江「先輩と一緒だからいいです」
橘「そ、そっか」
橘「?」
紗江「ごめんなさい先輩。私が傘を持ってきていたら先輩も帰れたんですよね」
橘「え、いや紗江ちゃんが謝ることじゃ……」
橘「それにそれを言うなら、僕も謝らないとね。
僕が傘を持ってきていたら紗江ちゃんを入れて帰ってあげることができたからね」
紗江「先輩……」
橘「ま、いまさら後悔しても仕方ないよ」
紗江「そう……ですね」
橘「それにさっき紗江ちゃんが言ったように、僕も嬉しいしね」
紗江「クスッ、よかったです」
紗江「そうですね」
橘「見事に学校に閉じ込められちゃったなぁ」
紗江「なんだかそう聞くと……」
橘「?」
紗江「雨の線が格子みたいに見えます」
橘「あはは、ここはじゃあ牢屋かなにかかな」
紗江「ふふ、先輩、助けてくれますか?」
橘「困ったな。僕もその中に閉じ込められてるだけどなぁ」
橘「……二人きりだったらよかったんだけど」
紗江「?」
橘「いや、紗江ちゃんがかわいくてつい……」
紗江「え?」
橘「う、ううんなんでもないよ」
紗江「?」
橘「にしてもやまないね」
紗江「そうですね」
橘「……」
橘「そう?」
紗江「はい、でも心臓は凄くはやくて……」
橘「紗江ちゃん?」
紗江「……雨もそんなに悪くないですね」
橘「……そうだね」
紗江「時間が経つのが遅く、もっと遅くなってしまえばいいんです」
橘「え?」
紗江「そうすれば、先輩も卒業してしまうのが……」
橘「……」
紗江「……ごめんなさいせんぱい。変なことをいってしまって」
橘「紗江ちゃん……」
橘「……」
紗江「あ、あの……先輩」
橘「?」
紗江「その……さっきの……」
橘「さっき?」
紗江「さっきの……」
橘「?」
紗江「さっきの……言葉の続きをきかせてもらえませんか」
橘「え?」
紗江「あぅ……」
橘「……」
紗江「……」
橘「……二人きりだったら本当によかったのになあ」
紗江「…!」
橘「そうしたら今すぐ紗江ちゃんを抱きしめられるんだけど」
紗江「先輩」
橘「あはは……ちょっとキザだったかな」
紗江「クスッ」
紗江「ふふ、先輩私は……その……かまいませんよ…?」
橘「え?」
紗江「私なら大丈夫ですよ……?」
橘「う……紗江ちゃん、それ反則……」
紗江「?」
橘「えっと……そのいいのかな?」
紗江「……」コクリ
橘「……」
橘「――」ぎゅう
紗江「――」
橘「……」
紗江「……」
橘「あ、あめやまないね」
紗江「そ、そうですね……」
橘「先輩? 帰らないでこんなところでなにやってるんですか?」
森島「あ、橘君。ナイスタイミングね」
橘「?」
森島「ふふ、こっちにちょっと」カムカム
橘「窓からなにを見て……ああなるほど」
森島「凄いでしょー」
橘「そうですね、色とりどりで綺麗です」
橘「でも男は黒とか紺とかばっかりですね」
森島「そうなのよ~、男の子ももっとかわいい傘を持てばいいのに」
橘「……それはどうでしょう」
森島「えぇー」
橘「ところで、先輩」
森島「うん?」
橘「ここ2年の廊下ですよ? しかも放課後になにを……」
森島「あぁー、そうだった」
橘「?」
橘「え?」
森島「ふふ、でもその様子じゃキミも私と一緒みたいだね」
橘「はい、すいません」
森島「あぁ、そんなにションボリしないで」
橘「でも」
森島「いいのいいの、こうやって雨を上がるのを待つのも乙だしね♪」
森島「雷は困るけど……」
橘「あはは……あれ、でも塚原先輩あたりに頼めば帰れたんじゃ」
森島「むむ、ひびきに言ったらまた呆れられちゃうじゃない」
森島「そうなのよ~、この前傘忘れたときもひびきちゃんったら……」
橘「……先輩、前の雨の時も傘忘れたんですか?」
森島「あ……あはは、ど、どうだったかしら?」
森島「……それに、キミと帰りたかったの」
橘「……はい」
森島「ふふ、顔を真っ赤にしちゃってかわいいんだから」
橘「でも、どうしましょう」
森島「そうでさねぇ」
橘「雨、上がるといいんですが……」
橘「先輩?」
森島「うん?」
橘「なにかありました?」
森島「……ありゃりゃ、分かっちゃうかぁ」
橘「?」
森島「もっと、もっとキミと一緒にいる時間をつくろうと思ってたんだけど」
橘「え?」
森島「ほら、私この前まで受験があったからね」
橘「なるほど」
森島「でもね、さっき待ってる間に分かっちゃった」
橘「……なにをですか?」
森島「あぁ、寂しかったのは自分のほうだったんだー ってね」
橘「先輩……」
森島「ふふ、橘君のせいだよ?」
橘「……じゃあ、やっぱりもう少し雨は降っていたほうがいいですね」
森島「……そうだね」
橘「外はカラフルですね」
森島「ふふ、そうだね」
【雨日和】
橘「やまないねえ」
裡沙「えへへ」
橘「裡沙ちゃん?」
裡沙「あ、ううんなんでもないの」
橘「?」
裡沙「ただ、嬉しかっただけ」
橘「雨、すきなの?」
裡沙「ううん、そうじゃないの」
橘「?」
裡沙「こうやって橘君と雨が上がるのを待ってる自分なんて、想像できなかったから…」
おそろいみたいでいいですよね」
橘「あはは、そっか」
裡沙「雨もこんなに楽しいものだなんて知らなかった」
橘「そうだね、裡沙ちゃんを見てると僕もなんだか楽しくなってくるよ」
裡沙「雨雨ふれふれ♪」
橘「それじゃあ、帰れないよ」
裡沙「……それじゃあ、学校にお泊り、なんて」
橘「あはは、面白いかもね」
裡沙「あの二人の秘密の部屋で……」
橘「……ゴクリ」
橘「裡沙ちゃん、それは僕に心配させてよ」
裡沙「あはは」
橘「でも、本当に土砂振りだなぁ」
裡沙「あ」
橘「裡沙ちゃん?」
裡沙「……もしアタシが傘を持ってきてたら相合傘で帰れたんだよね」
橘「?」
裡沙「……なんてことに」
橘「り、裡沙ちゃん?」
裡沙「うぅ」
裡沙「そ、そうだよね」
橘「だからその時の楽しみにとっておくよ」
裡沙「えへへ」
橘「……」
裡沙「……」
橘「雨やまないねー」
裡沙「やまないといいですねー」
橘「え!?」
裡沙「ふふ、冗談です」
裡沙「でも少し本当」
裡沙「やまないなら、ずっとあなたと一緒にいられるって考えると……」
橘「……」
裡沙「……」
橘「やんでも……一緒だよ」
裡沙「……」
裡沙「……アタシ今ずるいこといったんだ……」
橘「?」
裡沙「今、内心で橘君ならそういってくれかな、って期待していいました」
裡沙「たまにずるいこと考えちゃうことがあるんです」
裡沙「さっきみたいに橘君なら、って言う風に」
橘「……僕もあるよ」
裡沙「え?」
橘「僕も裡沙ちゃんに好かれたいからね、だからそういうところもあると思う」
裡沙「ふふ、やっぱり橘君は優しいなぁ」
橘「裡沙ちゃん」
裡沙「……ありがとう、橘君。アタシを好きになってくれて」
裡沙「橘君?」
橘「裡沙ちゃん、それじゃあこれで終わりみたいだよ」
裡沙「え?」
橘「好きになってくれてじゃあ、そこで終わりみたいだよ。だってこれからも好きになっていくんだから」
裡沙「……橘君」
橘「だから、えっとその……」
裡沙「クスッ、ありがとう。本当にアタシの初恋が、好きになった人があなたでよかった」
橘「……裡沙ちゃん」
裡沙「うん、いいよ」
裡沙「――」
橘「……」
裡沙「……」
裡沙「えへへ、嬉しいな」
橘「……裡沙ちゃん」
裡沙「?」
橘「えっと、その頭を撫でてもいいかな?」
裡沙「え?」
裡沙「……うん、お願いします」
橘「――」なでなで
裡沙「えへへ……雨が好きになっちゃいそうかも……」
橘「あはは、それはいいかもね」
裡沙「でも」
橘「?」
裡沙「ううん、なんでもないです」
裡沙「(きっとあなたがいてくれたら、どんな日でも好きになれるよ)」
橘「塚原先輩、珍しいですね」
塚原「あぁ、キミか」
橘「先輩もですか?」
塚原「ふふ、ということは橘君もなのね」
橘「でも、先輩が傘を忘れるなんて」
塚原「ふふ、私もたまにね」
橘「あはは、先輩の意外な一面をみた気がします」
塚原「意外……かな?」
橘「そうですね、意外ですけど……でもかわいらしいと思いますよ」
塚原「そ、そう……」
橘「? はい」
はぁ……
塚原「え、えぇ、私は水泳部のことで少し残っていたから、
あの子は受験生なのに待たせて時間を奪っちゃうわけにはいかないでしょう?」
橘「あぁ、なるほど……でも森島先輩なら気にしないんじゃ」
塚原「そうなんだけどね。ううん、そうだからこそ、かな?」
橘「?」
塚原「そうだからこそ、はるかには心配はかけられわね、ってね」
橘「あぁ、なるほど」
塚原「あ、はるかには内緒ね」
橘「えぇ」
塚原「ありがとう」
塚原「え?」
橘「先輩と秘密の共有ができました」
塚原「そ、そんな大層なものじゃないと思うけど」
橘「あはは、それに塚原先輩は凄いなぁって再認識できましたしね」
塚原「ちょ、ちょっと橘君!?」
塚原「……あ、雨やまないね」
橘「そうですね」
塚原「……」チラッ
橘「……」
塚原「……」チラッ
橘「……ん、どうかしましたか?」
塚原「い、いえ、な、なんでもないの」
塚原「ふふ、大丈夫よ。心配ないと思うわよ」
橘「そうですか?」
塚原「キミは面白いね」
橘「え? やっぱり顔になにか」
塚原「クスッ、違うわよ」
橘「?」
塚原「いいえ、なんでもないの」
橘「ええ、どういうことなんですか、気になりますよー」
塚原「ふふ、雨やまないわねー」
橘「塚原せんぱーい」
でも眠気
紗江ちゃん見てる間の保守とあと支援ありがとう
大変よろしゅうございました
全員可愛い過ぎましたぜ、ひびき先輩がいて良かったよー
スト子久しぶりに見たかも
Entry ⇒ 2012.03.18 | Category ⇒ アマガミSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
橘「塚原先輩とお茶をしよう」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331131486/
橘「先輩と二人きりっていうのは珍しいですね」
塚原「そうだね。クスっ、君はやっぱりはるかがいたほうがようかったかな?」
橘「い、いえそういうわけじゃ……」
塚原「そう?」
橘「はい」
塚原「はぁ、なるほどね」
橘「?」
塚原「そういうところ、か」
橘「はい?」
塚原「ううん、こっちの話」
【心配】
塚原「ちなみにはるかは今図書室で勉強中よ」
橘「そういえばこの前、図書室で勉強してるのを見かけました」
塚原「ちゃんと勉強してたかしら?」
橘「はい、ちゃんと勉強してましたよ」
塚原「まぁ、あの子も受験生だものね。それはそうよね」
橘「え?」
塚原「うん?」
橘「あ、受験勉強の話ですか」
塚原「……どういう意味なの?」
橘「いえ、この前話かけた時は子犬の写真が載った本を見て、勉強中って言ってたので、
なにかそういう勉強でも必要なのかと……」
塚原「……」
塚原「ちょっと心配になってきたから見てきてもいいかしら?」
橘「なんかお母さんみたいですね」
塚原「う……はるかにも言われたことがあるけど、それは褒め言葉なの?」
橘「はい?」
塚原「なんだか老けてるっていわれてるみたい」
橘「いえっ、そういうことではなく!!」ガタッ
塚原「た、橘君?」
橘「つい包まれたくなるような母性があるといいますか……そう、いうなれば包容力!
そういう包容力がすごく魅力的で」
塚原「ちょ、ちょっとキミ」
橘「はっ……!」
橘「(しまった……つい力説してしまった)」
塚原「うん、そのとりあえず落ち着こうね」
橘「……はい」
塚原「うん……なんというか……ね?」
橘「(あれ、塚原先輩の顔が真っ赤に……これはレアだぞ!)」
【以心伝心】
塚原「~~~~~」
橘「~~~~」
塚原「ふふ、そうね……あっ」
橘「どうかしました?」
塚原「今、はるかが問題が解けなくて呻いてるわね」
橘「……!?」
塚原「きっともうすぐサボりはじめるんでしょうね、はぁ……」
橘「エ、エスパーですか」
塚原「え?」
【犬畜生】
塚原「橘君ははるかのお気に入りだからね」
橘「えっ、本当ですか!?」ガタッ
塚原「えぇ、最近よく話してるもの」
橘「……た、例えばどんな風に」ゴクリッ
塚原「そうね、懐いてくる様子がワンちゃんみたいだとか」
橘「ほ、他には」
塚原「怒られた時にシュンとする目がワンちゃんみたいでかわいいとか」
橘「……はい」
塚原「あとはしっぽがあれば完璧ね、とかかしら」
橘「……」
【大丈夫じゃない】
橘「(くっ、まさかこれほどまでに犬野郎に思われていたなんて……)」
塚原「橘君、大丈夫?」
橘「(いや、でも別に犬としても悪くないっていうか、むしろ犬にしかできないこととか)」
塚原「おーい」
橘「(そう例えばお風呂とか!! いいっ、いいぞ! 犬ならば飼い主と一緒にお風呂に入ってもおかしくないし」
塚原「」
橘「うん、いいぞ犬人生!」
塚原「ねぇ、橘君?」
橘「はい」キリッ
塚原「頭は大丈夫?」
【お手上げ】
橘「そういえば、先輩はお医者さんになるんでしたよね」
塚原「……ごめんなさい橘君」
橘「はい?」
塚原「さすがに私でも橘君の頭は治してあげられそうにないわ」
橘「……」
【意地悪ひびきちゃん】
塚原「と、まぁ冗談はおいといて」
橘「(冗談だったのか……)」
塚原「私の相手は小さい子ばかりだから、キミはどっちみち関係ないね」
橘「あ、そうですね」
塚原「あ、でも大きな子供って意味では……」
橘「先輩、さっきから地味にグサグサきます……」
塚原「クスッ、ちょっとした意趣返しってやつかな」
塚原「私ももう卒業なのよね」
橘「そうですね」
塚原「3年間なんて早いものね」
橘「あはは、楽しい時間はすぎるのが早いっていいますし」
塚原「そうね……うん?」
橘「なにかありました?」
塚原「ううん、今この三年間で楽しかったことを思い出そうとしてたんだけど」
橘「?」
塚原「なんで真っ先にでてくるのがはるかのフォローしてるところなんだろうね」
【輝日東の女王】
塚原「そういうのもはるかのおかげで楽しいことがいっぱいあったからなんだろうけどね」
橘「あぁ、なんとなくわかります。森島先輩の周りにいると楽しいことがたくさん起こる気がします」
塚原「いろんなことの中心にいるような子だからね」
橘「あの空気はきっと森島先輩にしか出せないんでしょうね」
塚原「ふふっ」
橘「どうかしましたか?」
塚原「いえ、橘君ははるかのことをよく見てるなって」
【物陰にて】
???「くしゅん。むむむ、二人とも私が勉強してる間に仲良くしちゃって~」
美也「♪」スタスタ
美也「あ、森島先輩こんにちはです。こんな物陰に隠れてなにを……」
森島「美也ちゃん! 見て、そして聞いて」
美也「はい?」
森島「あそこあそこ」
美也「塚原先輩と……おにいちゃん!?」
森島「そうなの。二人とも私が勉強に励んでいるのを置いてイチャイチャしてるのよ~」
美也「せ、先輩……勉強はいいんですか?」
森島「あ、もう美也ちゃんまでそんなことを言うのね~」
森島「そういうこはこうよ~」ギュー
美也「ふみゃー」
森島「ふふふ、美也ちゃんは温かいわねぇ」
美也「にゃー」
【予感】
塚原「む、またはるかが誰かに迷惑をかけている気が」
橘「あはは、先輩は今勉強中なんでしょう? なら気のせいなんじゃ」
塚原「……そうね。さすがにはるかも今の時期にそんな、ね?」
橘「ですよね」
塚原「……」
橘「……」
塚原「橘君、今ちょっと心配にならなかった?」
橘「……ちょっとだけ」
【沈黙】
塚原「でも、ああ見えてもはるかは色んなこと考えているから大丈夫よ」
橘「そうですね。今も勉強を頑張ってるのがその証拠ですよね」
塚原「……」
橘「……」
塚原「橘君、なんでちょっと黙ったのかしら」
橘「塚原先輩こそ」
【人には言えない】
塚原「橘君は七咲とも仲がよかったわね」
橘「まぁそうなんですかね」
塚原「ふぅん……」ニヤニヤ
橘「?」
塚原「そういえば何をきっかけに知り合ったの?」
橘「何を……えっとあれは……七咲のスカーt……」
塚原「?」
橘「い、いえ。えぇっと、どうだったかな……あはは」
塚原「?」
【部長】
橘「水泳部は安心ですね」
塚原「えぇ、そうね。七咲はしっかりしてるから」
橘「……寂しいですか?」
塚原「どうだろうね」
橘「先輩?」
塚原「やっぱり安心感みたいなのがあるじゃない。七咲になら、っていう」
橘「あぁ、なるほど」
塚原「そういうのが真っ先にあるから、安心したっていうのが強いかな」
橘「部長って大変ですねえ」
塚原「……大変なのかな?」
橘「そういえるところが塚原先輩の凄いところだと思います」
塚原「そう、かな?」
橘「えぇ」
塚原「なんだか照れるわね」
【覗き常習犯】
塚原「といっても、来年の部長はまだ楽させてあげるつもりよ」
橘「(うん……? どういう意味だろう)」
塚原「ふふ、だって来年ははるかがいないじゃない」
橘「……ああ、なるほど」
【覗き常習犯2号】
塚原「あ、でも……」
橘「はい?」
塚原「……はるかの置き土産的な子が目の前にいたわね」
橘「……!?」
塚原「さて、七咲に注意しておかないと」
橘「せ、先輩!」
塚原「ふふ、冗談よ」
【タイムの伸び】
塚原「っていっても、そう気負わせるわけにもいかないんだけどね」
橘「七咲ですか?」
塚原「ええ、肩に力が入ってたら水泳はタイムおちちゃうからね」
橘「なるほど」
塚原「切り替えがうまくできる、っていうのならいいんだけど」
橘「? ……七咲ならできるんじゃ」
塚原「ふふっ、それができたのなら七咲はタイムで悩まなかったのかもしれないわね」
橘「?」
塚原「なにかあったら支えてあげてね?」
橘「……?」
橘「はい」
【一緒に焚き火を囲むような関係】
橘「塚原先輩はどうだったんですか?」
塚原「私? そうね、私はなんだかんだ言ってはるかに助けられてたのかもしれないわね」
橘「…先輩と森島先輩の関係はなんだかいいですね」
塚原「クスッ、そう? ありがとう」
塚原「でも、キミと梅原君みたいなものじゃないかしら」
橘「ぼくと梅原ですか?」
塚原「えぇ、そんな感じの関係じゃないかしら」
橘「……」ウーン
塚原「橘君?」
橘「つまりはお宝本を共有しあうような関係ですかっ!?」
塚原「は?」
【肩入れ】
塚原「あ、そっか……」
橘「?」
塚原「私が七咲を頼むって言ってしまえば、七咲に肩入れした形になるのね……」ボソッ
橘「先輩?」
塚原「でもはるかに対しても……」
橘「えーっと、先輩」
塚原「え? あ、ううん。なんでもないのよ?」
橘「はぁ」
【タイプ】
塚原「うーん……」
橘「(先輩どうしたんだろうか)」
塚原「ねぇ、橘君。一つきいていいかしら?」
橘「はい?」
塚原「橘君の好きなタイプって?」
橘「そうですね……ってはい!?」
塚原「だから橘君の女性の好み。少し参考にしたいの」
橘「(ええええええええええ、なんなんだ……え? うん、参考にしたいって……え?)」
塚原「じっー」
橘「(あれ、つまりはそういうことなのか……先輩が……?)」
塚原「(……橘君はどうして固まってしまったの?)」
塚原「……あっ」
塚原「(……もしかして私はとんでもないことを口にしたんじゃ)」
塚原「(橘君の好みが知りたいって……充分誤解させる……)」
塚原「……」
塚原「あ、あのね橘君、誤解よ?」
橘「へ?」
塚原「そういう意味じゃないのよ? ただ単に会話の一環としてそういう話をしただけよ」
橘「あぁ、なんだ。てっきりそういう意味なんじゃないかと期待してしまいましたよ」
塚原「き、期待!?」
橘「あっ。いえ、その、今のはついと言いますかなんというか……」
塚原「……///」
???「森島先輩に……美也ちゃん? なにしてるんですかこんなところで」
森島「わおっ、今日は1年生祭りね」
美也「あ、逢ちゃん。た、たすけて」
七咲「……? とりあえずなんでこんなところで森島先輩は美也ちゃんに抱きついてるんですか?」
森島「ふふ、あれよあれ」
七咲「はい?……あれは……塚原先輩と橘先輩?」
森島「そうなのよっ! あのひびきちゃんと橘君が二人だけできゃっきゃうふふしてるのよ!」
七咲「へぇ……」じっ
森島「ふふ、逢ちゃんも興味しんしんなのね?」
七咲「な、なんでそうなるんですか」じっー
森島「といいながらも、視線は向こうなのね」
美也「(みゃーはいつになったら開放されるんだろう……)」
七咲「……あ、なんだか塚原先輩が真っ赤になってるんですが……」
七咲「まさか橘先輩が塚原先輩にもセクハラまがいのことを……!?」
森島「ふふ、逢ちゃん今は「見」よ! 「見」に専念するのよ」
森島「溜めて溜めてあとでひびきちゃんたちに詰め寄っちゃうんだから♪」
【も】
美也「(……どうでもいいけど)」
美也「(今、逢ちゃんが「塚原先輩にも」って言ったけど)」
美也「(「も」ってことは……)」
美也「(まさかにぃに……)」
美也「(……き、聞き間違いだよね……?)」
美也「……」
美也「(……ま、みゃーし~らないっと)」
塚原「年もあければいよいよ最後の学期、ね」
橘「そのころには、もう卒業式を残すだけって感じなんですかね」
塚原「そうね、あとは生徒会選挙くらいかしら」
橘「生徒会選挙……塚原先輩とか似合いそうですね」
塚原「ふふ、でも私はもういないよ」
橘「残念です」
塚原「クスッ、お世辞でもありがとう」
塚原「そういえば、年もあけて一ヶ月もすればバレンタインね」
橘「塚原先輩は誰かにあげるんですか」
塚原「ふふ、残念ながら相手が、ね」
塚原「でも、そうねはるかにはあげないとなにか言われそうかも」
橘「塚原先輩はやっぱり手作りだったり?」
塚原「……はぁ」
橘「先輩?」
塚原「できればいいんだけどね……駄目なのよ……」
橘「はい?」
塚原「その料理は……そんなに得意じゃないというか……」もじもじ
橘「なるほど……でも」
塚原「?」
橘「うまくできた市販品と一生懸命作った手作りの二つだったら、
森島先輩は後者のほうが喜んでくれると思いますよ」
塚原「……そっか。そうね」
【責任】
塚原「ふふ、私をその気にさせた橘君にはどう責任をとってもらおうかしら」
橘「え?」
塚原「例えば、味見役とかね」
橘「……」
塚原「……嫌、かな?」
橘「いえ、よろこんで!!」
塚原「でも、そんなに期待したらダメだよ。 本当に私は拙いから……」
橘「それでも期待しますよ」
塚原「え?」
橘「だって塚原先輩の手作りですよ。 おいしいとかおいしくないとそういう次元をこえてますって」
橘「それに料理って状況によっておいしさとかかわるじゃないですか」
塚原「うん、まぁそういうこともあるね」
橘「塚原先輩の手作りって状況を考えると、おいしいに決まってるじゃないですか」
塚原「……」
橘「(……う、あまりの嬉しさについ昂ぶってしまったぞ)」
塚原「はぁ、まったくキミは……」
橘「はぁ、すいません」
塚原「謝ることないのよ……うん、でもそうね。そういうところが、なのね」
橘「?」
塚原「なんでもないわ、クスッ」
【複雑な問題】
塚原「でも、橘君なら何個か普通にもらえるんじゃない?」
橘「……」
塚原「なんとなくごめんなさい」
橘「いえ……」
【辛口】
塚原「そういえば、彼女はどうなの? よく一緒に実行委員の仕事をしてたのを見かけたけど」
橘「……絢辻さんのことですか?」
塚原「そう」
橘「……」
塚原「……?」
橘「(仮にもらえたとしても、間違いなくなにか仕掛けが……なんて言っても信じてもらえないだろうしなぁ)」
???「あの先輩方、ここでなにをしてらっしゃるんですか?」
森島「うん?」
七咲「え?」
絢辻「いえ、さきほどからここで動いていないようなので、なにかあったのかと」
森島「わおっ、絢辻さん」
絢辻「は、はい?」
森島「ふふ、絢辻さんも橘君の匂いに釣られてきたのね~」
絢辻「は? 橘君?」
森島「あれよあれよ♪」
絢辻「あれ?……橘君と塚原先輩ですか」
森島「そうなのよ、二人ともさっきからいい感じなのなんのって……」
絢辻「……」じっー
絢辻「へぇ……いないと思ったらこんなところで、ねぇ」ボソッ
七咲「(……!? いまなんか絢辻先輩のほうから寒気がしたけど……き、気のせいだよね)」
【帰りたい】
森島「じっー」
七咲「じっー」
絢辻「じっー」
美也「……」
美也「(結局絢辻先輩をも森島先輩は引き込んでしまった……)」
美也「(みゃーはいつになったら帰れるんだろう)」
美也「(……まんま肉まん食べたい)」
【3倍】
塚原「そっか。なら他にもらえるあてとかは?」
橘「あ、義理なら」
塚原「へぇ、なかなか橘君も……」
橘「うん?」
塚原「いいえ、なんでもないわ。続けて」
橘「といっても、20円チョコなんですけどね」
塚原「ふふ、かわいらしいわね」
橘「……」
塚原「どうしたの」
橘「いえ、ホワイトデーの取立てを考えると……」
塚原「なるほどね」
【サボリ常習犯】
橘「薫に毎年哀れみの目でみられながら……あぁ、今年もそんなことに……ぐぬぬ」
塚原「あぁ、棚町さんのことなのね」
橘「あ、先輩はそういえば補習とかで薫をしってるでしたね」
塚原「えぇ…………なかなか補習にも出てこないみたいだけど……」
橘「……薫の代わりに謝っておきます。なんかすいません」
【看板娘】
塚原「棚町さんは運動神経いいのにね」
橘「ああ、あいつはたしかに運動は凄くできますね……ただ本人が」
塚原「?」
橘「気分屋ですから」
塚原「……少しもったいないって思ってもいいのかしら」
橘「あ、やっぱりそう思いますか」
塚原「えぇ、正直水泳部に勧誘したかったかもね」
橘「まぁでもあいつの場合、バイトがありますから」
塚原「駅前のファミレスでウェイトレスさんをしているんだっけ?」
橘「いえ、用心棒です」
塚原「え?」
橘「用心棒です」
塚原「でも、そうね。きちんと補習にでてくるようには言っておいてもらえるかしら?」
橘「僕が、ですか?」
塚原「えぇ」
橘「……正直に言っていいですか?」
塚原「?」
橘「僕が薫にそれをつたえるとします」
塚原「うん」
橘「なぜか補習を僕に押し付けて逃げていく姿しか思い浮かばないです」
塚原「……」
橘「きっと薫って男の名前にもありがちだから、バレないとかいって押し切られそうな未来が見えます」
塚原「そ、その時は私が橘君を指導してあげるわ?」
橘「!!」
橘「……って、先輩。趣旨かわってませんか?」
塚原「そうね……言った後に私も気付いたわよ」
???「絢辻さん、あんたこんなところでなにしてんの?」
絢辻「げっ、棚町さん」
薫「あんた今、げって言ったわね」
絢辻「……言ってないわよ」
薫「……まぁ、いいわ。こんなところで大所帯で何を」
森島「あっちよあっち」クイックィッ
薫「へ?」
七咲「あ、森島先輩。なんか和やかな雰囲気で会話が進んでますよ」
薫「……」
絢辻「見ての通りよ」
絢辻「え?」
薫「なによっ!面白そうなことしてるじゃない。あたしも混ぜなさい」
美也「(また一人増えてしまった……みゃーが帰れる日は来るのか……)」
薫「ふふふ、見なさいあの純一の顔。きっとなにか怒られてるのよ」
【どうして……】
森島「うーん、やっぱりここからじゃ表情とか見えにくいわねぇ」
薫「あ、森島先輩、あたし双眼鏡もってますよー」
森島「わおっ、ナイスよ棚町さん」
絢辻「なんであなたそんなもの持ってるのよ……」
薫「たまたまよ、たまたま」
美也「(……どうしてこうなった)」
【頼り】
橘「でも、先輩は物事を教えるのが凄く上手そうですね」
塚原「そうなのかな?」
橘「そうですよ。
七咲が凄く尊敬してますし、やっぱり信頼されるってことはそういうところがあるんですよ」
塚原「ふふ、なんだかくすぐったいわね」
橘「……先輩ひとつ聞いて良いですか?」
塚原「なにかしら?」
橘「水泳部とかで、自分に自信がない子とかいませんでした?」
塚原「え、うん。まぁそうね。そういう子も中にはいるわね」
橘「そういう子にはどういったアドバイスをしているんですか?」
塚原「……その前にひとついいかしら。橘君、キミはどうしてそんなことを聞くのかな?」
橘「い、いえ、ちょっと身近といいますか、近くに凄く可愛くていい子なのに自信がない子がいまして」
塚原「それで?」
橘「それで成り行きじょう、それを克服するのを手伝うといいますか……」
塚原「そっか。なるほどね、だから私に」
橘「はい」
塚原「でも、いいかしら?」
塚原「その子はキミを頼ったのよ? 橘君をね。 その意味をよく考えてみてほしいの」
橘「はい……」
塚原「それでもなにかほしい?」
橘「いえ、そうですね。これは僕が考えることでした」
塚原「ちなみにその子はどんな子なの」
橘「えっ? えっと、そうですね」
橘「一年生の背は小さくて、小動物系といいますか、それなのに出るところは出て」
塚原「……橘君、その説明のしかた他の女の子にはしないほうがいいわよ」
橘「え?」
塚原「きっと反感かっちゃうからね」
【溜息】
塚原「にしても……」
橘「?」
塚原「(この子の周りはレベルが高いわね……)」
塚原「はぁ……」
橘「先輩?」
塚原「(あらっ、なんで私が溜息をついているのかしら……)」
塚原「(……きっとはるかや七咲のことを思って、ついただけよね)」
塚原「(……)」チラッ
橘「?」
塚原「うっ……///」
橘「先輩?」
???「み、美也ちゃん?」
美也「紗江ちゃん!!」
七咲「中多さん」
紗江「あ、逢ちゃんも。……一緒に帰ろうって言っていたのに、いないから探したよ?」
美也「ご、ごめんね紗江ちゃん。ついこの状況で」
森島「わおっ、またかわいい子が増えたわ」
森島「今年の一年生は本当にキュートねぇ」
紗江「え? あわわ」
森島「ふふ、なんてふかふかなの!」ぎゅう
紗江「ええ……こ、この状況は……」
美也「(あぁ、紗江ちゃんも捕まってしまった……)」
美也「(はたしてみゃーが帰れる日が来るのか……)」
【いつものはなし】
塚原「きみはいつもはるかとどんな話をしてるの」
橘「どんな、ですか……そうですね」
塚原「ふふ、ならはるかと話をするみたいにして、少し話してみましょうか」
橘「あはは、面白そうですね」
橘「(……っていってもどんな話をしてたっけなぁ……とりあえずこの前話したのは……」
橘「修学旅行の時に備え付けのテレビで、アダルトチャンネルを見たことあります?」
塚原「!?」
橘「(しまったあああああああ、つい思い出したことが口にでてしまったああああああ)」
塚原「た、橘君……?キミはいつもはるかとそんな会話してるの!?」
橘「い、いえそういうわけじゃ」
橘「(まさか愕然とする塚原先輩を見ることになるとは……)」
橘「(いや、でもレアな顔を見れたと思うとアリ……なのか……)」
塚原「はぁ……ちなみにはるかはなんて言ってたの?」
橘「同じ部屋の子が悪ふざけで付けたって……」
塚原「あぁ、そういえばそんなことも……」
橘「ちなみに塚原先輩が顔真っ赤にしてたって話もききましたよ」
塚原「あの子ってば、なんてことを……」
橘「あはは、でもそういう先輩もかわいいと思いますよ」
塚原「うぅ……」
塚原「にしてもはるかったら、自分のことを棚にあげて……」
橘「へ?」
塚原「自分だって顔を真っ赤にしてたのよ?」
橘「えっ? でも自分は平気だったって……」
塚原「ふふ、きっとキミの前で先輩ぶりたかったのよ」
橘「そういうものなんですか?」
塚原「くすっ、きっとそうよ」」
橘「あ、でもそれを言っちゃ駄目なんじゃ」
塚原「はるかも私のこと言ってたみたいだからおあいこ」
橘「あはは、なるほど。そうですね」
橘「前にこうしてリンゴジュースをご馳走してもらったことありましたよね」
塚原「ああ、あのときね」
橘「正直、テラスに呼び出されてって告白されるのかと思っちゃいましたよ、はは」
塚原「え?」
塚原「……」ボンッ
橘「ま、ありえないことだったわけですけど」
塚原「……」
橘「塚原先輩?」
塚原「……た、たまにキミはまっすぐすぎるところがあると思うよ//」
橘「はぁ」
【幼馴染】
塚原「そういえば、橘君は桜井さんと幼馴染なんだっけ?」
橘「え、なんで先輩がそれを」
塚原「ふふ、桜井さんに聞いたのよ」
橘「……あっ、そっか。あいつも水泳補習の常連でしたっけ」
塚原「真面目にはやってるんだけどね」
橘「あはは、りほ……っと、桜井は運動が苦手ですから」
塚原「そうなの?」
橘「でも、一生懸命やってるのは確かですよ。僕が保証します」
塚原「ふふ、仲がいいのね」
【女の子の気持ち】
橘「あ、泳ぐ前に水泳はかなりカロリーを消費するって言ってやれば、ペースは上がるかもしれませんね」
塚原「それを私が言うの?」
橘「え、はい」
塚原「無理よ」
橘「え?」
塚原「それはキミと彼女の距離感だから言えることね」
塚原「それに私が言うと変に思われちゃうでしょ」
塚原「なんで、この人に悩みが分かるのって」
橘「あ、なるほど」
塚原「気をつけないと駄目よ?」
???「あれ~、こんなところでなにしてるの~」
美也「り、りほちゃん」
梨穂子「はおー、美也ちゃん。……えっ? なんでこんなところでみんなかたまって」
森島「わおっ、ナイスな挨拶ね」
梨穂子「えへへ、そうですか~」
森島「グーよ♪」
薫「あ、森島先輩。純一が怒られはじめました」
梨穂子「え?純一?」
七咲「そうなんですか?」
森島「そうなのよ。こう、めっ!てかんじで」
七咲「へぇ~。クスッ、なんだかかわいらしいですね」
森島「そうなの。怒ってるひびきちゃんも怖いけどかわいいから困るの」
絢辻「(塚原先輩……心中お察しします)」
梨穂子「えぇっ、純一が塚原先輩に怒られてる?」
美也「(りほちゃん……マイペースすぎるよ……)」
絢辻「き、お、つ、け、な、い、お、た、め、お、っとこんなものかしら……」
薫「……あんた読唇術なんてどこで……」
絢辻「私くらいじゃ一人しか追えないし、あやふやにしかわからないけどね」
薫「……無駄に万能ね」
絢辻「無駄じゃなかったじゃない」
森島「本当にすごいわねぇ、絢辻さん」
絢辻「いえ、たまたまできただけですから」ニコッ
薫「(どんなたまたまなのよ……)」
塚原「さてと、そろそろお開きとしましょうか」
橘「あ、そうですね。結構話してましたね」
塚原「そうね、時間も結構たってたみたい」
塚原「それに……どうやらキミは本当に人脈が広いみたいね」チラッ
「!?」 ガサガサ
橘「塚原先輩、なにか向こうのほうにあるんですか?」
塚原「クスっ、いいえ、なんでもないのよ」
橘「?」
塚原「? えぇ、いいわよ」
橘「今日は楽しかったですか?」
塚原「……」
塚原「そうね、楽しかったわ。いろんな話もきけたしね」
橘「そうですか、よかった」
塚原「ふふ、それじゃあ。よかったらまた誘ってね」
橘「はい、是非」
【冷えるよ?】
スタスタ
塚原「……っと、橘君はもう行ったわね」
塚原「……」
塚原「あなたたちも風邪をひかないうちにもどったほうがいいわよ」
「!?」ガサガサ
塚原「ふふ、それじゃあね」
【物陰にて 番外】
???「まさかあの塚原先輩とまで仲良くなってるなんて」
???「橘君……」
???「それにしても、陰で見てたあの人たちはなってないよ!」
???「場所取りも気配の消し方も、あんなんじゃすぐにわかっちゃうよ」
???「ふふふ、やっぱり私しか橘君を守ってあげられないね」
???「……」
???「私も橘君とお茶会したいなあ……」
???「いっぱいお話して、それでいっぱい橘君のことを聞いて、もっと好きになって」
???「私のことも知ってもらって……それで、そのあとはあんなことやこんなことになっても仕方ないよね」
???「きゃー///」
【後日 図書室にて】
森島「ひ、び、き。なにを読んでるの?」
塚原「は、はるか!? もう、急にあらわれないでよ」ガサッ
森島「えー、ひびきちゃんが教室にいないから探したんだからねっ」
塚原「そ、そうなの?」
森島「うん。そ・れ・で、なにを後ろに隠したの?」
塚原「か、隠してないわよ?」
森島「じっー」
塚原「う」
森島「じっー」
森島「……料理の本?」
塚原「そうよ……わかった?」
森島「なるほどね、とうとうひびきちゃんも花嫁修業をはじめたのね」
塚原「はい!?」
森島「隠さなくっていいんだから」
塚原「……」
森島「……あれ、違うの?」
塚原「違うわよ! はぁ……まったくはるかったら」
森島「だって、ひびきちゃんが真剣にだったから、そうかと」
塚原「う……私そんなに真剣に眺めてた?」
森島「うん」
塚原「うぅ……そっか」
森島「?」
森島「?」
塚原「いいえ、こっちの話……ってはるかも関係あるか」
森島「うん?なんの話?」
塚原「今年ははるかにあげるバレンタインチョコを手作りにしようかなって話よ」
森島「わおっ、本当ひびきちゃん!」
塚原「こんなことで嘘をついてどうするのよ」
森島「わおっ、じゃあ今年は私も手作りねっ」
塚原「またはるかのお兄さんやお母さんにとめられるんじゃない?」
森島「そ、そんなことないんだから」
塚原「ふふ、どうだか」
保守させてすまんかった。あとありがとう
ひびきちゃんかわ
Entry ⇒ 2012.03.14 | Category ⇒ アマガミSS | Comments (1) | Trackbacks (0)
七咲「いつまでこうしているんですか?」橘「ずっと」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330274016/
橘「大丈夫だよ。おかげで、校内残っている生徒は、みんな帰ったからね」
七咲「どういう事ですか?」
橘「つまり……こうしていても見つからないって事さっ!」ムギュー
七咲「なっ!?」
橘「どうだ、動けないだろう」
七咲「せ、先輩……」
橘「水泳部はもうみんな帰った。つまり、ここに来る生徒はもういない」キリッ
七咲「だ、だからって、その……先生とかが」
橘「七咲、あまり僕を舐めないほうがいい。舐めてもいいけど、僕は舐める方が好きだ」
七咲「え……?」
橘「先生がここの施錠の確認に来るまでには、まだあと二時間ある。だからあと二時間は、ここには誰も来ないってわけさッ!」
橘「ふっふっふ、紳士の嗜みさ」
七咲「わけがわかりません」
橘「うーん、図書室で勉強をするひりをして、毎回ちょっとづつ帰る時間を遅くするんだ」
橘「そうすれば、いずれ確認の先生に会える」
橘「それを繰り返して、当番の先生、曜日、場合によってはその日の気温まで計算に入れ、綿密な調査から導き出された答え……それが二時間後なんだ」
七咲「……一体、どこからその気力が生まれるんですか」
橘「決まってるじゃないか」
七咲「先輩……相変わらずですね」
橘「でも、嫌ってわけじゃないんだろ?」
七咲「何を今更言うんですか、先輩の彼女を舐めないでください」ギュー
橘「それでこそだよ、七咲」
橘「進展?」
七咲「こう……先輩の背後から、タコの足のような触手が現れて……とか」
橘「ま、待ってよ七咲! 僕は触手に目覚めかけはしているけれど、七咲にそんな事をしたいとは、思ってないよ!!」
七咲「……冗談ですよ」
橘「はっ!?」
七咲「先輩、触手は……ちょっと私は遠慮しますね」
七咲「私じゃなければ、するんですか?」
橘「そ、そんな事ないよっ!」
七咲「でも、触手に目覚めかけているんですよね?」
橘「そ、それは……」
七咲「先輩は、破廉恥ですね」
橘「ごもっともです……」
橘「……予想されていたのか」
七咲「当然です。私は先輩の彼女ですよ」
橘「僕の彼女ってすごいね」
七咲「気づくのが遅いですよ、先輩」ギュー
橘「?」
七咲いつまでこうしているんですか?」
橘「ずっと」
七咲「先生が来るまでって事ですか?」
橘「ずっと」
七咲「……本当に、ずっと、ですか?」
橘「ずっと」
橘「ふっふっふ、紳士に二言は無いよ」
七咲「なら、私だってずっと先輩を離しません」ギュー
橘「じゃあ、先に離した方が負け……だね」
七咲「負けるはずがありません」
七咲「ひやぁっ!?」
七咲「……驚いたら、離すと思ったら大間違いですよ」
橘「ひょんなほほ、ほくはっへほほっへはいは!(そんな事、僕だって思ってないさ!)」
七咲「人の耳を噛みながら言われても……」
橘「ひはふはいはろ? (痛く無いだろ?)」
七咲「ええ、まぁ……」
橘「はははひはははへ! (アマガミだからね!)」
七咲「うまくないですよ、先輩」
七咲「……ふふ、まだまだですね」
橘「だけど、七咲もわかっただろう?」
七咲「何をですか?」
橘「この戦い、僕の勝利だということさ」
橘「でもね七咲、意思の問題じゃないんだ」
七咲「そんな……」
橘「このむぎゅー戦争、両手は使えず、足はまともに動けない戦い。唯一武器となるのは何か、わかるかい?」
七咲「それは、頭……っ!? まさか、でも、そんなっ!」
七咲「くぅ……」
橘「身長差……男女のどうしようも無い隔たりが、この戦争を動かすのさ」
七咲「そんな……事って……っ!」
橘「悲しいけど、これ、戦争なのよね」
七咲「顎に……頭突きをするくらいしか……」
橘「痛いからやめてね?」
七咲「わかってますよ」
七咲「でも、まさかこんな劣勢に立たされるなんて……」
七咲「え……ひゃっ!」
橘「言っただろう。僕は舐める方が好きなんだ!」
七咲「だからって、なんで眉間なんですか!」
橘「眉間に皺を作った七咲を、見たくなかったんだよ」
七咲「先輩……」
七咲「ん……せ、先輩……」
橘「今日くらい、負けてもいいんだよ」ペロリ
七咲「だ、だめ……」
橘「意地をはったって……良いことなんて、無いんだよ」ハムハム
七咲「せ、先輩……」
橘「なんだい?」
七咲「……ちょっと痛いの、我慢してくださいね」
七咲「身長差なんて、崩してしまえばいいんです」
橘「いてて……なるほどね」
七咲「押し倒して、私が上に乗る……身長差なんて関係無い。いいえ、上にいる分、私の方が有利です」
橘「だが、僕は紳士だよ」
七咲「紳士の彼女の力……覚悟してください」
橘「良いだろう、来いっ! 七咲! その力、僕に見せて見ろ!!」
七咲「はぁっ……はぁっ……さすがですね、先輩」
橘「はぁっ……はぁっ……七咲こそ、力をつけたね」
七咲「まだ、紳士には及びませんか……」
橘「まだ負けないよ。でも七咲が、水泳を応用した時は、負けるかと思ったね」
七咲「で、でも結局、欠点が見つかって……」
橘「また、挑むんだね」
その一時間を一時間かけて説明しろよ
橘「……紳士淑女の比べ合いは決着しても、まだ勝負は続いているからね」
七咲「こっちでは、負けませんよ……くしゅん!」
橘「あぁ、さすがに抱き合ってても寒いね」
七咲「帰ります?」
七咲「どうやって、起き上がります?」
橘「うーん、そうだな。七咲、ちょっと足を動かすね」
七咲「え、あ、はい」
七咲「正座みたいに、折りたたんでいる、んですよね? 見えないですけど」
橘「そう、ちょっと床が痛いけど、これで準備はオーケーだ」
七咲「でも、これじゃあ何も」
橘「見せてあげるよ、紳士の本当の力を」
橘「ID腹筋で鍛えられた腹筋は、二人の体を……持ち上げるッ!」
橘「七咲は軽いからね」
七咲「ありがとうございます……でも先輩」
橘「?」
七咲「この体制、すごくエッチですね」
橘「……ッ!? (正座をした僕の膝に、七咲が座っている……こ、これはっ!!!)」
七咲「いけると思ったのに……」
橘「でもね、七咲。七咲が僕の上に座っているのに、僕から離れる事は出来ないだろう(物理的に)」
七咲「そうでしたっ!」
七咲「は、はい、持ちました」
橘「よし、じゃあ、帰るよ」
七咲「え……きゃぁっ!?」
橘「七咲、出来る事なら、足でもしがみついてくれないかな。ちょっと歩きにくいよ」
七咲「なんの前置きも無く、持ち上げるからですよ!」
七咲「本気で言ってます?」
橘「七咲は、負けるのと、抱き上げられて帰るのと、抱き合いながら四つ足で帰るの、どれがいい?」
七咲「……こ、このままでお願いします」
橘「よし、じゃあ、このまま帰るよ!」
七咲「だ、誰にも見つからないでくださいね!」
七咲「はい!」
橘「くっ!? 緊急事態だ」
七咲「ど、どうしたんですか?」
橘「生徒会長……絢辻さんが、校門に立っている」
橘「もう、他の門はとじられている。僕達の道は、あそこにしか無い」
七咲「で、でも……それじゃあ」
橘「……七咲、僕の鞄から防寒着を出してくれ」
七咲「これですか?」
橘「……大きめの物を買って、本当に良かった」
七咲「ま、まさか」
橘「い、いやぁ、うん、いろいろあってね」
絢辻「食堂で、いっぱいご飯でも、食べたの?」
橘「え?」
絢辻「随分と……大きなお腹ね」
橘「!?」デスヨネー
絢辻「へぇ……最近の食堂はすごいのね」
橘「あ、ぼ、僕が無理を言って食堂で残り物を貰っただけだから、秘密にしてね!」
絢辻「そこじゃないわ」
絢辻「食堂でご飯を食べると、首から毛が生えるなんて、初めて知ったわ」
橘「な、七咲、もっと頭を下げて!」コソコソ
七咲「無茶言わないでください!」コソコソ
橘「い、いやぁ、色々食べたからなぁ……」
絢辻「コンクリートブロックでも食べたの? 背中、二つくらい四角い物が入ってるみたいよ」
橘「な、七咲、鞄をどうにか出来ない?」コソコソ
七咲「どうしろってんですか!」コソコソ
橘「え、えっと……」
絢辻「転ぶと危ないわよ。せめて手くらいは出しなさい」
絢辻「出ないと、転んだ時に『お腹に入った何か』が怪我するわよ」
橘「……絢辻さん、それは無いよ」
橘「死んでもお腹は守ってみせるよ」
七咲「先輩……」
絢辻「……はぁ、ならさっさと帰りなさい。暗くなると、本当に転ぶわよ」
橘「……! あ、ありがとう! 絢辻さん!」
絢辻「……まったく、末永くお幸せに。呆れるしかないわ」スタスタ
橘「……行っちゃった」
橘「なったんだよね?」
七咲「私には、声しか聞こえていませんでしたので、何とも……」
橘「息苦しく無かった?」
七咲「多少はありましたけど、もう先輩達の会話でハラハラして……それどころじゃ無かったですね」
橘「あはは……」
七咲「上着はいいんですか?」
橘「二人で着ると、思ってたより熱いからね。七咲は欲しい?」
七咲「見られたくないのはありますけれど……まぁ、いいです。いっそ見せびらかしましょう!」
橘「それでこそ、淑女だよ! ……たぶん」
橘「ばれた?」
七咲「この歩き方、私が帰り道を主張出来ません」
橘「そりゃ、僕が持ち上げているからね」
七咲「先輩、せこいです」
橘「じゃあ、七咲から離す?」
七咲「絶対に、嫌です」
七咲「どうしたんですか?」
橘「いや、美也が……」
七咲「見つかるのが嫌なら、離したっていいんですよ?」
橘「絶対に、嫌だ」
橘「七咲こそ、見つかってもいいの?」
七咲「この状況なら、誘拐犯は先輩ですから」
橘「七咲、せこい」
七咲「先輩に言われたくありません」
七咲「いつでもどうぞ。私からは見えませんから」
橘「うおおおおおおおおおおおっ!!!」ガチャ
美也「にぃに、遅い! 紗江ちゃんの家にお泊まりだから、晩御飯はいらないよ! それに逢ちゃんに連絡できないんだけど、何か……」
橘「た、ただいま……」
美也「…………はぁ」
橘「な、慣れたって……」
七咲「美也ちゃん、これには深い事情が……」
美也「抱きしめあって、先に離した方の負け……とかじゃないの?」
橘、七咲「なっ!?」
橘「え、あ、そうなのか」
美也「逢ちゃん、紗江ちゃんの家に泊まっている事にしておくね」
七咲「美也ちゃん……」
美也「もう、ご近所で有名なバカップルだから、今更何にも言わないよ。ううん、むしろ応援してらんだよ」
橘「美也……」
美也「にぃに、お父さんから伝言」
橘「は、はい!」
美也「孫は、三人がいい」
橘「おいおい……」
美也「じゃ、もう行くね。二人とも寝坊しないようにね!」ダダダダ
七咲「美也ちゃん!」
橘「行っちゃったな」
橘「……どうした?」
七咲「晩御飯、どうします?」
橘「ご飯と玉子はあったはずだ」
七咲「じゃあ、卵かけご飯ですね」
橘「だな」
橘「しかたないだろ、離れられないんだから」
七咲「えっち」
橘「七咲だって、そうじゃないか」
七咲「先輩がそうしたんですよ」
橘「……否定はしないで置くよ」
橘、七咲「いただきます」
七咲「相手の肩ごしって、食べにくいですね」
橘「たしかにそうだな」
七咲「……先輩、ほっぺにご飯ついてますよ」ペロリ
橘「僕が気付くより前に、舐めとらないでくれよ」
七咲「どうしてですか?」
橘「不意打ちだと、舐められる事が楽しめないじゃないか!」
七咲「!? ……すみません、私がもっと深く考えるべきでした」
七咲「でも先輩。舐められるより舐める方が、良いんじゃありませんでしたっけ」
橘「場合による」
橘「僕と七咲に出来ない事は無いからね」
七咲「それもそうですね」
橘「お風呂は明日の朝に入ろうか」
七咲「なら、もう寝ます?」
橘「そうだね」
橘「結局、制服のまま、寝るんだからね。でもさ、僕はこれでいいと思うよ」
七咲「え?」
橘「これくらい、バカで丁度良いって事」
橘「でも、妬ましいから、いつかそうなろうと思える」
橘「梅原なんかよく言うよ。俺も早くバカップルになってやる、ってさ」
橘「だからね、僕達はこのまんま、呆れるくらいバカップルでいよう」
橘「世界中が……まで行かなくても、知ってる人がみーんなバカップルになれるまで、こうして僕達はバカップルらしく抱き合っていよう」
七咲「先輩……」
七咲「そうですね!」
橘「それじゃあ、寝ようか」
七咲「はい、おやすみなさい、先輩」
結局、寝ている間に離れたので、引き分けとなりました
おわり
最近アマガミSS完走してなさすぎだよ
もっと書き手の人達、頑張ろうぜ!
猛烈に眠いから寝るよ
昼まで残っていたら、蛇足な続きを書く
橘「仕方ないだろ、審判出来ない状況だったんだから」
七咲「まだ、続きします?」
橘「いや、いいよ。もう十分だ」
七咲「え…………」
七咲「・・・・・・先輩が先輩で良かったです」
橘「褒めてる?」
七咲「恋人としては、絶賛ですね」
橘「そりゃ良かった」
七咲「先輩が先で良いですよ。一番風呂は亭主が入るものですから」
橘「良妻だね」
七咲「誰の彼女だと思っているんですか」
橘「じゃあ、お湯溜めてくるよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
橘「七咲ー、じゃあ先に入るねー」
七咲「はい! ゆっくり浸かって来てください」
橘(これ、お決まりのパターンだよね?)
橘「お決まりのパターンだ、七咲なら僕の彼女なら……必ず来る!」
七咲「せんぱーい、湯加減どうですかー?」
橘「ほら来た!」
七咲「嫌そうですね」
橘「そんな事ないよ!!」
橘「じゃあ……こほん。お願いしようかな」
七咲「失礼します」
橘「バスタオル・・・・・・なんだかこの前のクリスマスイヴみたいだ」
七咲「水着・・・・・・着てると思います?」
橘「……着てる。断言する」
七咲
橘「七咲が、僕の彼女であるように、僕は七咲の彼氏だからね。当然さ」
七咲「それもそうですね。……っと、その前にこれを着てください」
橘「これって、僕の水着じゃないか」
七咲「先輩・・・・・・昨日の続き、このお風呂で短期決戦と行きませんか?」
橘「・・・・・・成る程、いいよ。紳士はいかなる挑戦も受けて立つからね」
七咲「『月刊競泳水着、四月号』ですか? 先輩最近、あの雑誌がお気に入りですよね」
橘「んなっ!? 七咲、何故それを……」
七咲「特に最近、あの雑誌は方向性が固まってきていますし、先輩の趣味と合ったんですか?」
橘「そうだね、あの雑誌、編集長が変わってから、スレンダーな体によるゆるやかな曲線美にこだわってくれて、僕としては嬉しいかぎr……ごめん、今の忘れて」
七咲「良妻ですから、先輩の趣味趣向以外は忘れますね」
橘「全部忘れてっ!」
七咲「昨日のむぎゅー戦争及びその中で行われた紳士淑女力競い合い。私は一敗一引き分けと、決して良いとは言えない結果でした」
橘「……リベンジか」
七咲「はい。私は是が非でも勝つために、自分に有利な戦いを申し込みます」
橘「…………」
七咲「紳士淑女力競い合いR《リターンズ》~貴方は一線を踏みとどまれるか~!!!」
七咲「言葉は必要、無いですよね」
橘「紳士に二言は無い。そして、紳士が紳士である限り、一線を越える事も無い」
七咲「…・・・では、お背中を流しますね」
橘「ばっちこい。七咲」
七咲「行った事あるんですか?」ゴシゴシ
橘「あるわけないよ!」
七咲「そりゃ良かったです」ゴシゴシ
橘(普通に背中を流しているだけ……? 七咲、一体何を企んでいる?)
橘「と、当然だよ・・・・・・ひゃっ!?」
七咲「好きなだけ、警戒してください」ツー
橘(くっ……話している隙に、おへそに手を回された……)
七咲「めいっぱい意識してください。もっと気にしてください」ツンツン
七咲「そして……私の事を、しっかりと感じてください」ピタリ
七咲「先輩が、そうさせてるんですよ。ほらほら、一線超えちゃいましょうよ」スリスリ
橘「くっ……七咲、少し成長した?」
七咲「0.5センチほど」
橘「破壊力を上げおって……苦しむのは、下々の民ばかりなのだぞ」
七咲「先輩が……決断してくれれば、全て終わります」
橘「紳士、だからね」
七咲「わかりました、私も本気で行きましょう」スルリ
橘「何を……これはっ!?」
七咲「感じますか、布じゃない、人の肌の感触を。聞こえますか、私の心臓の高鳴りが」
橘「肩の……紐を……」
橘「七咲……」
七咲「一緒に、行きましょう。先輩」
橘「七咲……ッ!」
七咲「二人でなら、どんな困難だってっ!」
橘「僕は、七咲の魂胆を見破ったよ」
七咲「なっ!?」
橘「だけれど、僕の勝利条件が、結局わからないままだ」
七咲「それは……最初に」
橘「そう、『言わなくてもわかる』これが七咲の作った罠……違うかい?」
七咲「…………」
橘「普通に考えれば、『僕が七咲に対して一線を越えない』事が勝利条件だろう」
橘「だが、これは嘘だ。これは『紳士淑女力競い合いR《リターンズ》~貴方は一線を踏みとどまれるか~』……つまり、紳士淑女。僕の勝利条件も七咲と同じだ」
橘「『僕が七咲に一線を越えさせる』……受け身になっていた僕には、絶対に辿り着けない勝利条件さ」
橘「僕は……これより攻勢に出る!」
七咲「きゃっ……」
七咲「なっ……」
橘「良くできた罠だよ。僕も序盤で完全にはまっていた」
七咲「どうして……わかったんですか」
橘「簡単さ、『一線を越える』の定義があいまいなんだ」
橘「だから僕は、その定義での『一線を越える』にかからない領域で、七咲に手を出そうとする」
橘「言うまでも無く、この恰好で抱きしめたり、くすぐったり……だ」
橘「だがこの戦いに審判はいない。落ち着いて、客観的に二人で自分たちを眺めた時に、その様はどう見えるだろうか」
橘「七咲に限界まで押しやられた僕が、変な理屈を作って七咲にエッチなイタズラをしようとした。そう見えるだろう?」
橘「それは……ある種の『一線を越えた』だ」
橘「誘い受けもここまで来れば凄まじいね。我が彼女ながら、感心するよ」
七咲「完敗です……私の策略を、全部見透かされました。私は、また勝てなかった……」
橘「そうだね、七咲は勝てなかった。でも、負けてもいない」
七咲「え……でも、私は『先輩に一線を越えさせる』事が出来ませんでした」
橘「僕の勝利条件は、曖昧なままだ。だからここで定義しよう」
橘「僕の勝利条件は『七咲に一線を越えさせる』事だ。そして七咲は『競泳水着の肩の紐を、ずらした』だけにすぎない。これは一線を超えたことにはならないね」
七咲「じゃあ……勝負は……」
橘「引き分け、かな」
橘「じゃあ、交渉だ」
七咲「え……」
橘「僕は、七咲に背中を流してもらいたい。エッチなのも勝負も関係無しに、ね」
七咲「先輩……」
橘「やってくれる、かな?」
七咲「当然です! しっかり洗いますね!」
デート編行きます
七咲「ただ単に、先輩の家にいられなくなっただけですよね」
橘「仕方ないじゃないか。両親に会うには、まだ僕たちのレベルは……」
七咲「この前の、『紳士淑女カップルバトル!』は……私達の圧倒的敗北でしたからね」
橘「知らなかったよ、僕。自分が、あんなに無力だったなんて」
七咲「先輩のせいじゃありません。あの時、先輩の足を引っ張ったのは私で……」
橘「でも、こうして僕たちは特訓をしている。いつかは、あの二人に勝てる日が来るさ」
七咲「はい、頑張りましょう!」
七咲「今日は、『普通』にお買いものをしたいと思います」
橘「『普通』に?」
七咲「はい。『普通』に」
橘「てっきり、いきなり勝負かと思ったんだけどなぁ」
七咲「ふふ……勝負は、時を見なければ勝てませんから」
七咲「荷物持ちみたいにさせてしまって、すみません」
橘「いやいや、これも紳士の仕事だからね」
七咲「なら、私も……淑女としてお返しをしなきゃいけませんね」
橘「え?」
七咲「ちょっと待っていてください、買ってきます」タタタタ
橘「なんだか、嫌な予感がするなぁ……」
橘「それは……たこやき?」
七咲「はい、焼き立てたこやき五個です」
橘「それで、どうするんだい?」
七咲「先輩、勝負してください」
七咲「『たこやきはふはふポッキーゲーム』です!」
橘(はふはふの意味は……おそらくあつあつのたこやきを食べる時の音……そしてポッキーゲーム……)
橘(なんだか、危険な香りだ)
七咲「先輩、ルール説明をしましょうか?」
橘「あぁ、頼むよ七咲。まったく見当がつかないんだ」
七咲「嘘ですね」
橘「!?」
七咲「先輩は嘘をついています。もう気づいているんでしょう? このゲームが、一体どういうゲームなのか」
七咲「わかりました。説明します」
七咲「まず、たこやきをポッキーゲームのようにして、二人でくわえます。そして、双方食べて行きます。先に『たこ』を食べた方が勝ち。以上です」
橘「勝負は『たこ』か……」
七咲「なお、たこやきは五個あるので、五回勝負で勝利数を競います。良いですか?」
橘「……わかった、やってみよう」
橘(そうか、わかったぞ。なら、勝負はこの一個目だ!)
七咲「へあ、ほほはいあーがはっははふあーふぉえふ(では、このタイマーがなったらスタートです)」
橘「いーあおう、あけほひあいひょーいえ(いいだろう、火傷しないようにね)」
七咲「ふおんへふ(愚問です)」
ピピピピピピピピピピピピピ
橘(そんなっ!? 七咲が止まらない? これでは……くぅ……)
七咲「先輩……思っていたよりも弱いですね」
橘「どうして……七咲はそのペースで食べられるんだい?」
七咲「私がもう一勝したら、教えてあげます」
橘「残念だな、じゃあ教えてもらえないや」
七咲「ちょろいもんですね。では教えてあげましょう」
七咲「水泳部は、毎年創設祭でおでんを作っています。もちろん、創設祭の前には予行練習も有ります」
橘「ま、まさか……」
七咲「そう、そのまさかですよ、先輩。友達と一緒に行った『大根早食い競争』……過酷な女の争いが、結果として私に『熱を苦しながら食べる』術を教えてくれた」
橘「そう、か……それであんなに速かったんだね」
七咲「はい……」
橘(そう、たこやきは冷めるんだ! もう、次からはちょっと熱くても、危険じゃない!)
橘「次は……勝つ!」
七咲「王手ですよ、頑張ってください、先輩」
橘「紳士の本領は、ここからさ!」
橘(一口で、七咲を傷つけないように!)
七咲「んむっ!?」
橘「七咲も、まだまだ乙女だね。いくらちょっと大きなたこやきだからって、一口で食べられないなんて」モグモグモグモグ
七咲「ふふふ、それでこそ先輩ですよ」
橘「さぁ、反撃開始だ!」
ガヤガヤ ザワザワ
「あれ、もしかして……」「どうしたの……うわぁ、あいつらまたあんな事……」「凄いよね、憧れちゃうよね!」「やめておきなさい、恵子。あなたには無理よ」「えーそんなー」
ワイワイ ザワザワ
橘(ギャラリーが増えたな……なら、ここで僕が華麗に一勝して、ラストの一戦で魅せるッ!)
七咲「ひひあふよ、へんあい(行きますよ、先輩)」
ピピピピピピピピピピピピ
橘「こんなにギャラリーがいる中で、恥ずかしい負け方はしたくないからね」
七咲「本当は、これを使いたくは無かったのですが……」スッ
橘「それは……ソースの小袋ッ!?」
七咲「そうです……そして私は、本来この五個全てに使うべき袋を、残りの一個に全てかけます!」
橘(それは……一口で食べようとする僕にはあまり関係が無いはずだ。むしろ普通に食べる七咲にとって、食べにくくなるんじゃ……)
橘(いや、違う! これは七咲の決意だ! 七咲も、一口で食べる気なんだ! 己を劣勢に置くことで、己の覚悟を決める……やるじゃないか)
橘(早く、早く始まってくれッ!)
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピ
橘(くっ……口の位置は互角……『たこ』はどこだっ!)
橘(僕の口の中にはいない、幸い七咲の口には繋がったままだ……今ならっ!)
七咲「ん、んむ……ッ!」
橘(七咲の舌が侵入して来たっ!? でも、こっちに『たこ』は……)
「ねぇ、あれさ」「熱烈だぁ」「妬ましや……」「……ディープ」「逮捕されればいいのに」
橘(無いぞ、どこにも……どこにも『たこ』が無いぞっ!?)
七咲「はぁっ……はぁっ……」
橘「……七咲、『たこ』は?」
七咲「先輩が食べたんじゃ無いんですか?」
橘「僕の方にも……無かったね」
七咲「じゃあ……」
橘「たこなし……だったって訳か」
七咲「お店に抗議して、もう一個もらいます?」
橘「いや、いいよ。たこなしだったおかげで、どさくさに紛れて良い思いをした気がするから」
七咲「え?」
橘「あんなにいたギャラリーが、どん引きして帰るくらい……傍から見てもディープだったみたいだから」
七咲「あぁ……たしかに……」
橘「まぁ、そういう日もあるよね」
七咲「次回こそ勝ちますからね」
橘「紳士はいついかなる挑戦でも受けよう」
七咲「約束ですよ」
橘「……わかった」
七咲「いつまでも、こうして一緒にいましょうね」
橘「うん、ずっとずっと一緒にね」
おわり
Entry ⇒ 2012.03.09 | Category ⇒ アマガミSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
橘純一「Hになればなるほど硬くなるものなーんだ?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328780954/
橘「え?」
絢辻「だから鉛筆でしょ?」
絢辻「突然真剣な顔をして聞きたいことがあるって言い出すからびっくりしちゃったじゃない?」
絢辻「で、用事はそれだけなの?」
橘「……こ、これはないよ」
梅原「あぁ……そりゃないぜ。絢辻さん」
棚町「ホント、絢辻さんにはガッカリだわ」
田中「絢辻さん!見損なったよ!」
絢辻「えっ?えっ?」
絢辻「ど、どういうことなのよ!?」
橘「行こう……これ以上は無駄だよ」
梅原「そうだな」
棚町「はぁ……つまらない女になっちゃって」
田中「じゃあね、絢辻さん」
絢辻「せめてどういうことなのか説明して!」
橘「昨日、梅原達と話し合ったんだよ」
橘「絢辻さんはどこまでなら面白い対応ができるかって」
梅原「それでだな、大将に変な質問をさせて反応を見てみようってことになったわけだ」
棚町「あたし達の見解では、顔を赤くして純一を叱った後に、ハッと気づいたように正しい答えをして締めてくれるってとこだったんだけど」
田中「即答だもん。ガッカリ」
絢辻「な、何よ!それ!?」
橘「絢辻さんなら、わかっていながらも付き合ってくれると思ったんだけどなぁ……」
梅原「大将……元気だせよ?な?」
田中「橘君は悪くないよ?悪いのは……」
絢辻「わ、私だっていうの!?」
橘「……薫、田中さん……いいんだよ、もう」
橘「悪いのは……僕だからさ」
梅原「……大将」
棚町「……あんた」
田中「……橘君」
橘「ごめんね、絢辻さん。下らないことで貴重な時間を奪ってしまって」
橘「じゃあ、またね……」
絢辻(た、橘君ってあんな悲しそうな顔できたの!?)
絢辻(……急に罪悪感が)
絢辻(……素直に謝ろう、うん)
絢辻「ま、待って……待って!橘君!」
絢辻「……そんな顔をするのはやめてよ」
絢辻「橘君……ごめんなさい」
棚町「あ、あんたが空気を読めればこんなことにはッ!!?」
田中「か、薫!?」
梅原「棚町!落ち着け!」
橘「やめろ!薫!」
棚町「!?」ビクッ
棚町「……ごめん」
橘「言い争っても、僕らのトキメキは帰ってこないよ」
橘「だから、今日はもう帰ろう?」
橘「……今日、僕らの間には何もなかったんだよ」
絢辻「…………」
絢辻(…………私の……バカ)
絢辻(……橘君に嫌われちゃったかな)
絢辻「…………ハァ」ズーン
梅原「おいおい、絢辻さんこの世の終わりが来たみたいな沈み方してるぞ」
棚町「何だか可哀想になってきちゃったわね」
田中「橘君も……凄いことになってるよ?」
橘「…………僕は何にドキドキすればいいんだ」
橘「……無力だなぁ」
橘「今すぐ帰って押入れに篭りたい……」
橘「……何だい?梅原?」
梅原「の、望みを捨てんなよ!」
橘「……望み?何のこと?」
梅原「あ、絢辻さんはあんなことになっちまったけどよ!」
梅原「他にも大将には女の子の友達いるだろ!?」
橘「……うん、まぁね」
梅原「最初の趣旨とはズレちまうけどさ」
梅原「きっと……きっとだ!」
梅原「大将をドキドキさせる答をしてくれる子はいるはずだぜ!?」
橘「………そうかな?」
棚町「何を弱気になってんのよ!?」
田中「そうだよ!橘君、自信を持って!」
橘「みんな……」
橘「僕……また頑張ってみるよ!」
梅原「おう!その意気だぜ!」
橘「そうと決まればジッとしていられないよ!」
橘「ちょっと行ってくる!」
梅原「おう!」
棚町「あんたはやっぱりそうじゃないとね!」
田中「橘君!頑張ってね!」
橘「うおおおおおおッ!」
スタタタタタ……
棚町「……さて、次は」
梅原「絢辻さんだな」
田中「橘君と違って、難しそうだね」
棚町「あんたはどうするの?」
絢辻「私は取り返しのつかないことをしてしまったから」
絢辻「どうするもこうするも……」
田中「この意気地なし!!」
絢辻「!?」
梅原(た、田中さんが!?)
棚町(恵子が吠えた!?)
田中「何で橘君のことを追いかけないの!?」
絢辻「お、追いかけたって……」
田中「勉強熱心なんじゃなかったの!?」
田中「橘君が喜ぶような反応を勉強しようとは思わないの!?」
田中「そこでただ座ってるだけじゃ、橘君取られちゃうよ!?」
田中「た、たまには熱血してみたりするのもいいかな~って」
梅原「びっくりしたぜ!」
棚町「やるじゃない、恵子」
田中「えへへっ」
絢辻「……田中さんの癖に好き放題いってくれちゃってさ」
絢辻「そうね。後悔して自分に酔うなんて愚か者のすることね」
絢辻「私は……そうじゃない!」
絢辻「というわけで、敵情視察してくるこら」
絢辻「あとはよろしく」
タタタタ
田中「あ、何か元気になったみたいだよ?」
梅原「よかった、よかった」
棚町「さて、あとはどうなることやら」
森島「あ、橘くん」
橘「今お時間ありますか?」
森島「うん、大丈夫だよ。どうしたの?」
橘「そ、その……先輩にお尋ねしたいことがあって!」キリッ
森島「……その様子だと真面目な話みたいね」
森島「どうしたのかな?」
橘「あ、あの……僕……どうしても気になることがあって!」
橘「そ、その!先輩!!」
橘「え、Hになればなるほど硬くなるものって何ですかね!?」
森島「……ふぇ?」
橘「ですから!Hになればなるほど硬くなるものって何かご存知ですか!?」
森島「ほ、本気で聞いてるの?」
橘「僕は本気です!!」
森島「Hになればなるほどかぁ……」
森島「……////」
森島「そ、そんなもの私の口から言えるわけないでしょ!?」
橘「ぼ、僕は先輩の口から聞きたいんです!」
森島「……本気なの?」
橘「は、はい!」
森島「……もう!そんな眼をしてもダメなんだからね!」
橘「そ、そんな……」
森島「わ、わかった!答えるから」
森島「ちゃんと答えるから、そんな顔しないで?ね?」
橘「先輩……」
森島「聞き逃しちゃった、なんて許さないんだから!」
橘「は、はい!お願いします」
森島「……え、Hになればなるほど硬くなるもの」
森島「……それは、ね?」
橘「………」ドキドキ
森島「………え、鉛筆////」
橘「え、鉛筆!?そうだったのか!」
森島「もう……こんなこと恥ずかしいこと他の子に言わせちゃダメよ?」
橘「は、はい!ありがとうございました!」
森島「Goodよ、橘君!」
森島「まさか真面目な顔であんなことを聞いてくるなんて!ぷぷぷっ!」
橘「いや~、先輩がノリのいい人で助かりましたよ、本当に」
森島「あ、私からも橘君に聞きたいことがあったんだけど?」
橘「はい、何ですか?」
森島「クラスの子が話してたんだけどね」
森島「あのね?毛だらけの棒を口に入れて動かす行為ってなぁに?」
橘「えっ」
森島「何でも白いものが口からこぼれてくるとかどうとか」
森島「どうしたの?顔赤いよ?」
森島「でね、クラスの子の話を聞いてたら」
森島「私も橘くんにしてあげたくなっちゃった!」
橘「な、な……なんてことを……」
森島「ん?ますます顔を赤くしちゃって!」
森島「もう、エッチなんだからぁ」ニヤニヤ
橘「せ、先輩!ズルいですよ!?」
橘「そんこと言われたら、あっちにしか考えがいかないじゃないですか!?」
森島「ん?あっちって何かな?」ニヤニヤ
橘「……ぼ、僕に言わせるつもりですか!?」
森島「うん!」
森島「わお!いい返事!」
橘「こ、答えは……」
森島「うんうん!答えは?」
橘「フェ……は、歯磨きですよね!?」
森島「え?フェ?」
森島「むむむっ…………/////」
森島「ま、まさかそういう風にやり返されるとは思ってなかったわ」
橘「先輩も顔が真っ赤ですよ?」
森島「う、うるさーい!」
橘「え?歯磨きをですか?」
森島「そ、そう!橘君に歯磨きをしてるところを想像しちゃったら、小っ恥ずかしくなっただけで!」
森島「べ、別にいやらしいことなんて考えてないよ!?」
橘「……いやらしいこと?何の話ですか?」
森島「むむむっ、白々しいにも程が……/////」
森島「も、もう!橘くんのバカッ!」
タタタタタ……
森島「ベーっ!」
橘「先輩、走ってどっかに行っちゃったよ」
橘「わざわざ曲がり角であっかんべーしてく辺りが先輩だな、うん」
橘「次は誰に聞こうかな!」
梨穂子「あっ、純一!」
橘「さて、早速だけど……」
梨穂子「うん、なになに?」
橘「クイズです。素直に、思った通りにお答え下さい」
橘「正解者にはココアを一本進呈します」
梨穂子「えぇー!?本当に!?」
梨穂子「私頑張っちゃうよ~!」
橘「さて、問題」
梨穂子「デケデン!」
橘「Hになればなる程硬くなるものは何?」
梨穂子「……えぇ~!?」
橘「ココアいらないのか?」
梨穂子「ほ、欲しい!けど……/////」
橘「制限時間……五秒前、四、三、二、一……」
梨穂子「ま、待ってよ!」
梨穂子「ヒントは?ヒントはないの!?」
橘「ヒントかぁ……うん、ヒントがあってもいいよね」
橘「じゃあ、いくつか梨穂子の質問に答えるよ」
梨穂子「う~ん、それじゃあね」
梨穂子「じゅ、純一もそれを持ってるよね?」
橘「勿論だよ」
橘「そうだなぁ、高校生はあまり持ってないかも」
梨穂子「ね、年齢関係あるの!?」
橘「うん。そういえば、梨穂子は僕のを使ったこともあるよ」
梨穂子「えぇ!?私が純一のを!?」
橘「最近はそうでもないけど、小学校の時とかよく僕のを使ってたろ?」
橘「『やっぱり純一のは握りやすくていいね!』っていいながらさ」
梨穂子「わ、私……何てことを////」
梨穂子「………ないよ」
梨穂子「純一?何でそういことを言わせようとするの?」
橘「恥ずかしがってる梨穂子が可愛いからかな」
梨穂子「か、可愛い!?」
梨穂子「………純一の、ばか」
梨穂子「わかった、答えるよ」
梨穂子「ココア……二本買ってね?」
橘「え?二本も飲むのか?」
梨穂子「純一と一緒に飲みたい」
橘「う、うん。それは構わないけど」
梨穂子「………」スーハースーハー
梨穂子「覚悟が決まったよ」
梨穂子「うんとね、答えは~」
梨穂子「答えは……うぅっ、やっぱり恥ずかしい」
梨穂子「あのね?純一?聞き返さないでね?」
橘「う、うん」
梨穂子「その問題の答えは!」
梨穂子「おちん……////」
橘(おちん……?)
橘「ま、待て!梨穂子!落ち着け!」
橘「それ以上いけない!」
梨穂子「な、何!?」
橘「冷静になるんだ!!そっちじゃない!」
梨穂子「え?そっちじゃない?」
梨穂子「……あぁ!!」
橘「はい、ココア」
梨穂子「……純一にまんまと嵌められてしまったのです」
橘「だ、だって!まさか引っかかる人がいるなんて思ってなかったんだよ!」
梨穂子「ほんっとうに恥ずかしかったんだよ!?」
梨穂子「じゅ、純一が……いきなり可愛いとかいうから……悪い」
橘「ごめん……」
梨穂子「ん~、今回は許してあげるけど……」
梨穂子「あっ」
橘「どうした?」
梨穂子「仕返し……していい?」
橘「……それ聞いたら仕返しにならないだろ?」
梨穂子「えへへっ、言われてみればそうだね」
橘「何だ?」
梨穂子「『いっぱい』の『い』を『お』に変えて言ってみて?」
橘「え?」
梨穂子「ほらほら、早く~」
橘(ぼ、僕……試されてるのか?)
橘(中途半端はよくないな……よし!)
橘「おっぱい!」
梨穂子「もうエッチなことばっかり考えてるから、そうなっ」
橘「おっぱい!おっぱい!」
梨穂子「ちょっ、ちょっと?純一?」
橘「おっぱい!おっぱい!おっぱい!おっぱい!」
梨穂子「や、やめて!?みんな見てるから!」
橘「おっぱい!おっぱい!おっぱい!おっぱい!」ブンブン
梨穂子「そ、そんな腕を上下に振りながら叫ばないでよぉ~!」
橘「や、やらなきゃいけない気がしたんだ!」
橘「これに関しては梨穂子にだって責任はある!」
橘「これに懲りたら、僕を甘く見ないことだな!」キリッ
梨穂子「うぅ、自分から仕掛けたことだから何も言い返せない」
梨穂子「あのさ、純一?」
梨穂子「私だからいいけど、他の子を同じ目に合わせたら大変なことになるからね?」
橘「う、うん。気をつけるよ」
梨穂子「わかればよろしい!」ビシィッ
梨穂子「じゃあ、私行くね」
橘「うん、またね」
橘「さて、次は?」
橘「塚原先輩!」
塚原「ん?あぁ、橘君?」
森島「私もいるんだけどなぁ!?」
橘「む、無視したわけでは……」
森島「ついさっきは世話になったわね……?」ゴゴゴゴゴゴ
森島「今回は負けないんだから!」
塚原「ちょっと?何の話なの?」
橘「あー、実はですね」
橘「あっ」
森島「……橘君、一時休戦よ?わかってるわね?」
橘「えぇ、もちろんです」
橘・森島「ふふふふふふふ……フゥー、ハハハハハハッ」
塚原「ちょっと!?急に高笑いしだしてどうしちゃったの!?」
塚原「な、何?」
森島「これからひびきちゃんがいやらしい子だってことを証明してあげるわ!」
塚原「はいはい、何を馬鹿なことを……えっ?」
森島「橘くんは知らないかも知れないけど、ひびきちゃんは三年生の間では名の知れたエロ大臣なのよ?」
塚原「何を急に言い出すの!?」
塚原「た、橘君もいるんだよ!?」
森島「橘くんがいるから、よ?」
橘「つ、塚原先輩っていやらしかったんですか!?」
塚原「そ、そんなことは……ないと思う」
森島「チャック……あいてるよ?」
橘「え?チャック?……あっ!?」
橘「す、すみません!!壊れちゃってるみたいで、油断すると勝手に降りてくるんですよ」
塚原(た、橘君のチャックが……)
塚原「…………」ジー
森島(ひびき……やっぱり興味のあるお年頃なのね……)
橘(嘘なのに……ただ森島先輩にあわせただけなのに……)
森島・橘(いやらしいなぁ……)
森島「これから橘君が質問するからさ」
森島「素直な気持ちで答えてね?」
塚原「え、えぇ」
橘「では……塚原先輩」
橘「Hになればなるほど硬くなるものって何かわかりますか?」
塚原「え?」
森島「ヒントはね、橘くんも持ってるものだよ!」
塚原「………….」
塚原「////////////」
森島「んん?どうしたのかなぁ?」
橘「塚原先輩?黙られちゃうと困るんですが……」
塚原「そ、それはね!その……」
森島「黒光りしてるよね!」
塚原「く、黒光り!?」
塚原「Hだと硬くなる……」
塚原「た、橘君にも……」
森島「さぁさぁ、答えてちょうだい!」
橘「出来れば大きな声でお願いします!」
塚原「そ、そんなの……私……できないよぉ//////////」
塚原「いやらしい子だと思われちゃうし……」
森島「はい、五秒前ー!」
塚原「ま、待って!心の準備が!」
森島「四!三!二!一!」
橘「さぁ、答えてください!」
塚原「ーーーーーーッ!!」
塚原「ごめんなさい……許して」
塚原「私ははるかの言う通りいやらしい子でした……」
森島「え?恥をかくのはこれからよ?」
森島「橘くん?答えを教えてあげて?」
橘「あ、はい」
橘「塚原先輩?どんな想像をしたんですか?」
橘「答えは……鉛筆ですよ?」
塚原「えっ?……あっ、そっか」
塚原「…………」
塚原「あ~~~ッ!!!!!」ジタバタジタバタ
橘「いつも冷静な塚原先輩がここまで取り乱すなんて」
森島「ふふふっ、じたんだ踏んでるひびきちゃん可愛い!」
塚原「は、嵌めたわね!?私を嵌めたわね!?」
森島「この耳年増のオマセさん!」
塚原「~~ッッッ!/////」
橘「冷静に考えればすぐにわかりそうなものなんですけどね」
塚原「だ、だって!意識させることばっかり言うから!」
塚原「そ、そう!これは悪質な誘導尋問なのよ!!」
森島「……Hになればなるほど硬くなるのはひびきの頭みたいね」キリッ
塚原「は、はるか!もう許さないよ!!」
森島「うわ~い、ひびきが怒った~!」ピャー
塚原「ま、待ちなさい!はるか!」
橘「あ~、面白かった」
橘「次はどうしようかな」
愛歌「なんと奇遇な」
橘「あ、こんにちは」
夕月「いきなりで悪いんだけどさ、ちょっと手を貸せ!」
愛歌「お前の善意が我々を救う」
橘「え?どうしたんですか?」
夕月「いやぁ~、部室の炬燵が壊れちまってさ」
夕月「新しいのを貰う手筈はととのったんだけどな」
愛歌「ここだけの話、炬燵の癖に重すぎて運べない」
夕月「だから手伝ってくれないか?お茶くらい出すからさ!」
橘「あ、あの……交換条件ってわけじゃないんですが」
橘「運び終わったら、僕の質問に答えて貰っていいですか?」
夕月「質問だぁ?それは別に構わないよ」
愛歌「交渉成立」
橘「この炬燵……本当に洒落にならないくらい重かったですね」
夕月「助かったよ、橘」
愛歌「礼をいうぞ」
夕月「あ、そういえば質問がどーのこーのいってたな?」
愛歌「何が知りたい?美味しいうどんの作り方か?」
橘「う、うどんも魅力的なんですけど……今回はそれじゃなくてですね」
橘「……先にちょっといいですか?」
夕月「何だ?」
橘「け、蹴らないで下さいね?」
夕月「それは質問を聞いてから検討してやるよ」
愛歌「悪いようにはしない、安心しろ」
橘「あ、あのですね」
橘「Hになればなるほど硬くなるものってわかりますか?」
夕月「……は?」
愛歌「……ほう?」
夕月「そんなの鉛筆に決まって」
愛歌「待て、結論を急ぐな」
夕月「だ、だってさ!こいつポルノ野郎全開だろ!?」
愛歌「何故ここでのってやらない?」
愛歌「仮に森島なら面白おかしくしてくれるはずだ」
愛歌「……悔しくないのか?」
夕月「……わかったよ、私が先走ってたな」
橘「えっ?」
愛歌「もう一度聞け」
橘「……Hになればなるほど硬くなるものって何かわかりますか?」
夕月「な、何を言い出すんだよ!橘!/////」
夕月「このポルノ野郎!!」ゲシッ
橘「け、蹴らないで!」
愛歌「……橘」
橘「は、はい!」
愛歌「ちなみに私は硬い方が好きだ」
夕月「お、おい!何を言ってるんだよ!」
愛歌「素直になれ」
愛歌「硬くて太いの好きだろう?」
夕月「そ、それは……////」
夕月「ふ、太い方が握り易いからな!」
愛歌「私のに入り切らず、裂けそうになったことがある」
橘「む、無理しすぎですよ!」
夕月「あ~、わかるわかる!意固地になって入れようとしちまうんだよな!」
夕月「若かったからな……あの頃は」
夕月「入れすぎてパンパンになったりしてな!」
橘「ぱ、パンパンに!?」
愛歌「……ついつい何本も欲しくなる時もある」
愛歌「女の子だから、な////」
夕月「そうそう、集めたくなっちまうよな!」
夕月・愛歌「鉛筆ってさ」
橘「あ、ありがとうございました!」
橘「え?それは……」
愛歌「吐け」ズイッ
橘「ち、近いですって!そんなに顔を近づけないで下さい!」
夕月「ここまでしたんだぞ!?教えてくれてもいいだろ!?」ズイッ
橘「ゆ、夕月先輩も顔近いです!」
夕月・愛歌「さぁ、どっちだ!?」
橘「ぼ、僕は!森島先輩のが好きです!」
夕月「そうか……だよな」
愛歌「正直によく言った」
夕月「橘……この借りはきっと返すからな!」
愛歌「覚えてろよー」
橘「さて……次、いってみよう!」
中多「あ……しぇんぱい」
橘「今時間大丈夫かな?」
中多「は、はい……その……大丈夫です」
橘「ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
中多「わ、私に……お、お答えできる……ことならば」
橘「あのさ、紗江ちゃん?」
橘「ちょっとわからなくて困ってるんだけどさ」
中多「は、はい!な、何が……ですか?」
橘「Hになればなる程硬くなるものがあるらしいんだけど、それって何かな?」
中多「え!?」
中多「そ、そ……それは……////」モジモジ
橘「う、うん。どうしたの?」
中多「え……Hになれば……なる程硬くなるもの……」
中多「そ、それは!」
グイッ
橘「さ、紗江ちゃん!?」
ムニュ……
中多「い、今……硬くなろうとしてる……ものです」
橘「さ、紗江ちゃん!?まずいよ!」
中多「ま、まずいことなんてないです!」
中多「そ、その……もっと触って下さい!」
橘「えぇ!?」
中多「それで……もっと硬くなったら、私……嬉しいです!」
中多(……で、でも……答えはそれしかないよね?)
中多(しぇ、しぇんぱい……私……)
橘「さ、紗江ちゃん?大丈夫?」
中多「て、手を……」
橘「ててお?」
中多(やっぱり無理!恥ずかしい!)
中多「し、失礼します!」
タタタタタ……
橘「さ、紗江ちゃん!?」
橘「……いかんなぁ、いかんいかん」
橘「……次か」
橘「あ、七咲」
七咲「今はお暇ですか?」
橘「暇だよ」
七咲「ですよね、先輩のことだからきっと暇なんだろうと思ってました」
七咲「その……お暇でしたら少し後輩の質問に答えてみませんか?」
橘「うん。いいよ。僕で答えられることなら」
七咲「最近、一部で流行ってる問い掛けらしいんですけど」
七咲「Hになればなる程硬くなるものってなぁに?」
橘「!?」
七咲「どうしたんですか?」
橘「いや、それがどうかしたの?」
七咲「いえ、私……恥ずかしながら答えが本当にわからなくて」
七咲「先輩は何だかわかりますか?」
橘(待て、純一!冷静になれ!)
橘(もう少し七咲の話を聞こうじゃないか)
橘「あのさ、検討もつかないの?」
七咲「いえ、もしかして……って思うところはあるんですが」
橘「それって?」
七咲「鉛筆、なんですが」
七咲「……まさかそんなつまらない答えの筈がないと思いまして」
橘(ちゃんと分かってるんじゃないか!)
七咲「Hなことといえば先輩かな、と思いまして」
七咲「……教えて下さい、先輩?」ウルッ
橘(そ、そんな潤んだ上目遣いで僕を見ないでよ!)
いいぞもっとやれ
橘(『鉛筆だよ!この耳年増さん!』っていうのがあって初めて成り立つものなわけで)
橘(……真面目に行くべきなのか?)
橘「あー、七咲?」
七咲「はい、何ですか?」
橘「七咲は保健体育の授業真面目に聞いてなかった方?」
七咲「いえ、真面目に聞いてました」
七咲「ちゃんと教科書に蛍光ペンで印つけたりしてましたし」
七咲「あ、テストではクラス最高点をとりましたよ!ふふっ」
橘(じゃあ、何でわからないんだよ!?)
橘(絶対にわかってやってるな!?そうなんだな!?)
橘(……それなら、僕にも考えがあるぞ!)
七咲「はい」
橘「こうね、先輩として役に立ちたいんだけどさ」
橘「その……Hになればなる程硬くなるものってヤツ、僕も話には聞いてるんだけどね」
橘「実はね男性の身体の一部らしいよ?」
七咲「そ、そうなんですか!?」
七咲「じゃあ、先輩にもありますよね!?見せて下さい!」
橘(え?水泳部はみんな興味津々なお年頃なの?……いやらしいなぁ)
橘「実物を見せられれば良かったんだけどさ……ごめん」
橘「僕には……残念ながらないんだ」
七咲「!?」
橘「いや、そういうわけじゃないよ」
橘「その部分……統計的には日本人だと五人に一人くらいの割合でしかないらしくて」
橘「……ごめんね?僕にはなくて」
七咲「……何で?」
橘「え?」
七咲「何でそういうすぐバレる嘘をつくんですか!?」
橘「その言葉、そのまま返すよ!このエロスク水!」
七咲「失礼な!スク水ではなく、競泳用です!」
橘「そこの問題じゃないよ!この思春期め!」
七咲「第二次性徴と呼んで下さい!」
橘「恥じらいも何もあったもんじゃないよ!」
七咲「そんなこといって……本当は先輩も私に見せたいんじゃないですか!?」
橘「ぼ、僕は見せ付けて得るタイプじゃないよ!?」
七咲「そうですね……粗末そうですしね!」
橘「くっ、安い挑発を……!」
七咲「あ、私は大丈夫ですよ?たとえ粗末でも先輩のは先輩のですから」
七咲「……ちゃんと受け入れますよ?」
橘「もう!付き合ってられないよ!」
七咲「あ、待って下さいよー、せんぱーい?」
橘「思春期……第二次性徴も程々にね!」
橘「次……いってみようか!」
絢辻さん、ごめん
棚町「純一?首尾の方はどうなの?」
橘「みんな面白い反応をしてくれて、僕は幸せを感じずにはいられないよ!」
棚町「へ~、よかったじゃん?」
棚町「……で、その報告をする為に戻ってきたわけじゃないんでしょ?」
橘「さすが、薫。話が早い」
棚町「ふふふっ……あたしを誰だと思ってるの?」
橘「では、早速」
棚町「かかってらっしゃい!」
橘「『ち』で始まる、股間の辺りについてるものって何?」
棚町「……え?同じネタを被せてくると思ったのに……」
橘「さぁさぁ!答えた、答えた!」
棚町「ちょ、ちょっと待って!」
棚町「こ、股間の辺りで……『ち』?」
棚町「ず、ズルいわよ!?そんなの答えられるわけが」
橘「なんだ……薫もこの程度、か」
橘「僕はどうやら棚町薫という人間を過大評価していたようだね……」
棚町「ま、待って!あたしを見捨てないで!」
棚町「……ヒントは?ヒントはないの?」
橘「おや?薫ほどの女でもヒントが欲しいのかい?」
棚町「ほ、欲しい!ヒ、ヒントを……この卑しい私めににお与え下さい!」
橘「全く……いやらしいお嬢ちゃんだぜ!」
棚町「……ばか////」
橘「僕にも勿論ついてるけど、薫にも時々ついてるよ」
棚町「あ、あたしにも!?」
橘「あとね、実は股間以外にもついてることがあるよ」
棚町「な、何それ……怖い」
橘「う~ん、ヒントはこんなもんかな」
橘「……さぁ、答えるんだ!」
棚町「わ、わかっわよ!そんなに焦らせないで!!」
棚町「そ、その……恥ずかしいから、耳打ちでいい?」
橘「耳打ちで?薫も恥ずかしいことかあるの?」
棚町「あ、あたしだって女の子なのよ!?」
棚町「恥ずかしい時くらい……あるよ」
橘「……わかった、耳打ちでいいよ」
棚町「あ、あのね……答えは……////」
棚町「…………チャック//////」ヒソヒソ
橘「さすが薫だね、僕は今モーレツに感動しているよ!」
棚町「……絢辻さんには辛く当たっちゃったから……この位はやらないと、ね」
橘「あ、そういえば絢辻さんは?姿が見えないようだけど」
棚町「あれ?出会ってないの?」
橘「うん、暫く姿を見てないなぁ」
棚町(上手にステルスしてるのね、絢辻さん)
棚町(純一……あんた全部見られてるわよ?)
棚町「……まだ終わりじゃないんでしょ?」
橘「う、うん!僕はまだ続けるつもりだよ!」
棚町「あんたも好きねぇ……ま、気を付けていってらっしゃい」
橘「うん、じゃあまた後でね!」
橘「う~ん、次は誰に聞こうかな?」
麻耶「橘君?どうしたの?」
橘「そ、その……質問がありまして」
麻耶「やっと真面目に勉強してくれる気になったのね、橘君……」
麻耶「長かった……ここまで来るのにどれだけ時間がかかったか……」
麻耶「……わかった!絢辻さんの影響でしょ?最近仲がいいものね?」
橘「い、いえ……申し訳ないのですが授業のことでは……」
麻耶「え?そうなの?」
麻耶「……残念だけど、まぁ生徒の質問に答えるのが教師の役目だものね」
麻耶「で、何なの?」
橘「人生経験豊富な高橋先生ならご存知だと思うのですが!」
麻耶「何?美味しいお酒の飲み方?」
麻耶「気持ちはわかるけど、高校生は飲酒しちゃダメよ?」
橘「そ、それも気になりますが!そうではなく!」
橘「Hになればなるほど硬くなるものって何ですか!?」
麻耶「…………なっ!?」
麻耶「……橘君?」
麻耶「それ、流行ってるの?」
橘「えっ?」
麻耶「橘君で10人目よ?それを私に聞くの」
橘(し、しまった!出遅れたのか!)
橘(そういえば……七咲が『一部で流行ってる』っていってたけど、本当だったのか!)
橘「い、いえ!身に覚えが……」
橘(……あるなぁ、うん)
麻耶「全く、何が目的だかわからないけど、大人をからかうんじゃありません!」
麻耶「第一ね、そんなことを女性の口から言わせるなんてセクハラよ?」
橘「えっ?」
麻耶「な、何?変なこといったかしら?」
橘(さすが高橋先生だッ!平然と間違えているッ!そこに痺れるッ!憧れるッ!)
橘「あ、あの……先生?」
橘「先生は、勘違いしてますよ?」
麻耶「えっ?何が?」
橘「この質問の答えは……鉛筆です」
麻耶「…………えっ?」
麻耶「えんぴつ?…………そ、そっか。鉛筆ね」
麻耶「そうよね、鉛筆よね……////////」
橘「す、すみません!どうしても高橋先生の反応が見てみたくて!」
麻耶「な、何で私なの!?絢辻さんとか森島さんとか、あなたには可愛い女の子の友達が沢山いるでしょ!?」
麻耶「恥ずかしがらせたいなら、私じゃなくて彼女達にやった方がいいでしょ?」
橘「いえ!僕は高橋先生の反応が見たかったんです!」
麻耶「だ、だから何でなの!?」
橘「だ、だって……先生はお綺麗ですから……」
麻耶「えっ……もうっ!////」
麻耶「お、大人をからかうんじゃありません!」
麻耶「……橘君?あとで職員室に来なさい?気が済むまで説教してあげるから」
麻耶「逃げたら許さないからね?」
ツカツカツカツカ……
橘「どうしよう、処刑されちゃうよ!」
橘「と、とりあえず次だ!」
橘「あ、絢辻さん!」
橘「何だか……久しぶりに会えた気がするよ」
絢辻「そうね……私はあなたのことをずっと見てたけど」
橘「えっ?」
絢辻「あの時質問にうまく答えられなかったから、今後の為に参考にしようと思ってね」
橘「何もそこまでしなくてもいいのに」
絢辻「か、勘違いしないで!?出来ないことを出来ないまま放っておくのが嫌なだけよ!?」
絢辻「それに演技の幅を広げるのは私の為になるからね」
橘「ははっ、絢辻さんらしいよ」
絢辻「それでね、まだ上手くできるかわからないから……じ、自信はあるんだけどね」
絢辻「だから……私に質問して?」
橘「うん。わかった」
橘「じゃあねぇ……二人が身体を密着しあって、出したら終わりなことって何?」
橘「質問しろっていったのは絢辻さんじゃないか!?」
橘「じゃあ、別のにする?」
絢辻「……だ、大丈夫!平気よ!」
橘「う~ん、絢辻さんのことだからヒントはいらないかな?」
絢辻「いいえ、思い込みで間違いたくないから」
絢辻「ヒントをちょうだい?」
橘「え~とね、二人でするとはいったけどね」
橘「僕はしばしば一人ですることになるよ」
絢辻「……そうね、私は一人ですることの方が多いわね。というか……恥ずかしいけど、一人でしたことしかないし」
橘「それとね、一回絢辻さんとしてみたいな」
絢辻「えっ!?」
絢辻「もう!何でそういうことを平気で言えるの!?」
絢辻「……私だって、橘君と……一回と言わずに何回でもしたいわよ!」
絢辻「橘君……」
橘「その……答えを聞いてもいいかな?」
絢辻「えぇ、もう覚悟を決めたから」
絢辻「二人が身体を密着しあって、出したら終わりなもの……それはね?」
橘「…………ゴクリ」
絢辻「……それは、ね」
橘「……うん」
絢辻「日本の国技、相撲よね?」
橘「……正解!」
橘「うん、よかったと思うよ」
絢辻「そ、そう?素直に受け取っておくわね。付き合ってくれてありがとう」
橘「いやいや、元はといえば僕のせいだし」
絢辻「でも、慣れないことはするもんじゃないわね……変な汗をかいちゃったわよ」
橘「その調子で世の中の男をドキドキさせてくといいと思うよ、僕は」
絢辻「私がドキドキさせたい男は一人だけしかいないけどね」ボソッ
橘「え?何か言った?」
絢辻「何でもないわよ?ただの一人言……いえ、一人相撲ね」
絢辻「じゃあ、私は溜まった仕事を片付けに行くから」
絢辻「またね、橘君」
橘「うん、またあとでね」
橘「……次?どうしようねぇ」
美也「あ、にぃに……じゃなくてお兄ちゃん?何してんの?」
橘「ちょっと浪漫を求めて徘徊中、ってとこかな」
美也「はぁ……学校で馬鹿なことするのやめてよね?」
美也「恥ずかしいのは私なんだからさ」
橘「ぼ、僕だって恥ずかしいんだぞ!?」
美也「お兄ちゃんのは自業自得だし、何だかんだで楽しんでるでしょ!?」
美也「私は一方的に『お兄ちゃんがまた馬鹿なことしてたぞ』って報告されるだけなんだからね!?」
橘「当事者でもないのに恥をかくのは納得いかないって?」
美也「そういうこと!」
橘「……じゃあ、美也も当事者になるか?」
美也「えっ?」
美也「私に恥をかかせないでっていってるの!」
橘「でも、結局恥をかくことになるなら、当事者だった方が諦めがつくだろ?」
美也「お、お兄ちゃんが恥ずかしいことしなければいいだけでしょ?」
橘「それは無理だよ、美也」
美也「は?」
橘「例えば紗江ちゃんのブラのホックが突然外れたとしよう」
橘「そこで僕が『ああ、そうなの……大変だね』ってスルーしちゃう」
橘「そんな僕の姿を見たいのか!?」
美也「うぅ、それはそれで見たくないかも……」
橘「だろ?だから僕は紳士的な振る舞いをやめる気はないよ」
美也「……納得いかないけど、言いたいことはわかったよ」
橘「簡単なことだよ、これから僕のする質問に答えてくれればいい」
美也「……え?それだけなの?」
美也「脱いだり、舐めたりしないの!?」
橘「ば、バカ!そんなわけないだろ!?」
美也「ふ~ん?まぁ、いいけどさ」
美也「で、質問って?」
橘「え~とな、美也?」
橘「入れると身体が熱くなる『ぼう』って何だかわかるか?」
美也「……えぇ!?」
橘「もう一度言おうか?入れると身体が」
美也「わ、わかったから!二回も言わなくていいって!」
美也(ここはとりあえず)
美也「……わかんないっ!」
橘「本当にわからないのか?」
美也「ねぇ?ヒントは?みゃーにヒントはないの?」
橘「ヒント?ヒントか……」
橘「美也は毎日いれてるぞ、その『ぼう』」
美也「え?毎日入れてるの?」
橘「ここの所寒い日が続いてるからね」
橘「ちなみに僕も毎日入れてるぞ」
美也「へ、変態!!」
橘「え?何が?」
美也「な、何でもないよ!このバカにぃに!」
美也「そんな「ぼう」なんて毎日入れてるわけないでしょ!?」
橘「こ、こら!誤解を招きそうなことをいうな!思春期で多感な七咲に謝れ!」
橘「……それに学校から帰ってきたら真っ先に入れてるだろ?」
美也「そ、そんなことないもん!」
橘「何を言ってるんだ?」
橘「『にっしっし~!みゃーは地球に優しくない女なのだ!』って得意気にいってたじゃないか!」
美也「あっ……そういうことか」
美也「にぃにの馬鹿!紛らわしいよ!!」
橘「そうなるのはお前がいやらしい子だからだろ?」
美也「違うもん!いやらしい子じゃないもん!」
橘「いいからいいから……で、答えは?」
美也「……暖房でしょ?」
橘「……どうした?顔を真っ赤にして?」
橘「これはもう暖房いらずかな?」
美也「~~~~~ッ!!///////」
美也「……うがー!許さん!」バッ
橘「こ、こら!暴力に訴えるなんて自分がいやらしい子だって認めたようなもんだぞ!?」
美也「問答無用!」
橘「や、やめろ!やるならせめて優しくして……うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
橘「酷い目にあったよ……」
橘「次……ってもう全員回ったかな?」
橘「そ、その声は……田中さん!?」
?「ち、違うよぅ!?田中Bとかそういうのじゃないよ!?」
橘「た、田中さんじゃないの?」
?「わ、私は」
絢辻「おらっしゃぁっ!」
?「ちょ、ちょっと何?きゃー!!」
デーンッ!
橘「で、出たー!絢辻さんの上手投げだ」
絢辻「ふぅ……何でもないのよ、この子は」
?「何でもなくなんて……」
絢辻「私と一緒に来てくれるわね?」
?「えっ」
絢辻「来てくれるわよね?」
?「……はい」
橘「……何を言ってるのか分からないと思うけど、僕も何が起きたのかよくわからないよ」
橘「……どういうことなんだろうな、梅原?」
梅原「俺に聞くなよ……わからねぇよ、そんなの」
梅原「絢辻さんが関係してそうなんだろ?絢辻さんに聞けばわかるんじゃないか?」
橘「それがさ、そのことに触れようとすると物凄く怖い顔をしてさ」
橘「『忘れなさい』っていわれるんだよ」
橘「……深く知ってはいけないことなのかな?」
梅原「お、おう……色々と大変なんだな」
田中「そんなよくわからない隠しキャラのことなんかより!」
田中「ねぇ、次はどうするの!?」
田中「そ、そろそろ私の出番だと思うよ?」
橘「僕の知ってる女の子の所には大体行ってしまったし」
田中「私はー?」
橘「困ったなぁ。もう終わりかな?」
田中「だからさ!わ・た・しは!?」
梅原「おいおい、伊藤さんのとこいってないだろ?忘れてやるなよ」
田中「私もいるよー?おーい?」
橘「香苗さんは僕の専門外だからさ」
梅原「専門外?大将にもそんなのあるのか?」
橘「というか、僕が行ったら人選ミスだよ」
梅原「そうかぁ?」
田中「…………私も……私もいるのに……」
梅原「おう」
橘「僕は供給過多だからさ、今」
梅原「何がいいたいんだ?大将?」
橘「……香苗さんの所には梅原が行くべきだってこと」
梅原「お、俺が!?」
橘「梅原ならできるよね?」
梅原「だ、だがしかしだな……さすがに恥ずかしくないか?」
橘「大丈夫だよ、梅原」
橘「今、校内では教師陣をも巻き込んだ『紛らわしい問い掛け』ブームが起きてるから」
橘「乗るしかない!このビッグウェーブに!」
橘「あぁ……梅原ならやれるさ!」
梅原「俺、行くぜ……じゃあな!」
橘「健闘を祈る!」
田中「梅原君……行っちゃったね」
橘「うん……早速心配になってきちゃったよ」
田中「ブームだ、なんて言っちゃったしね」
田中「でも、それはただ情報の正確さに欠けてただけだよね?」
橘「そうだね……『紛らわしい問い掛け』がブームなのは『一部で』だからね」
田中「……橘君ったら、悪い人なんだから」
橘「……田中さんもね?」
香苗「あ、梅原じゃん!」
香苗「ちょうどいい所に来てくれたね!」
梅原「へ?なんだ、なんだ?」
香苗「いやー、どうしても使いたいネタがあったんだけどさ」
香苗「中々ちょうどいい相手がいなくてね」
梅原「へへっ、ネタは新鮮なうちにつかわねぇとな!」
梅原「俺でよければ、受けて立つぜ!」
香苗「じゃあね……ちょっと恥ずかしいんだけど」
香苗「Hになればなるほど硬くなるモノって何かわかる?」
梅原「なん……だと……?」
梅原「い、伊藤さん?そのネタはどこで仕入れたんだ?」
香苗「えーとね、桜井が橘のヤツに唐突に振られたネタらしくてさ」
梅原(だよな……さすが大将だぜ……)
香苗「『大恥かいたよ、うわーん』って泣きついてきちゃってね」
香苗「これは私が再利用しない手はないな、とね!」
香苗「でさでさ!それはそうと、早く答えてよ!」
梅原「お、おう」
梅原(む、難しいぜ!絢辻さんにダメ出した手前、中途半端なことはできねぇ!)
梅原(大将ならこういう時どうする!?どう切り抜けるんだ!?)
梅原(あくまで紳士的に解決するんだ、俺!)
梅原(えぇい!腹をくくれ!)
梅原「い、伊藤さん?」
梅原「その……例のブツなんだけど」
梅原「俺も勿論もってるけど、ちょっと柔らかめなんだよな」
香苗「へ、へぇ?そうなんだ?」
梅原「でも柔らかい方が都合がいいんだよ」
梅原「俺さ、強く押し付ける方だからさ……もし硬かったら傷つけちまうだろ?」
香苗「う、うん!傷つけるのはよくないよね!」
梅原「でも……この前、ついつい力が入っちゃって」
梅原「折っちまったんだよ……豪快に」
香苗「えぇ!?折ったの!?」
梅原「先っぽだけ、だけどな」
香苗「そ、その後どうしたの?どうやって切り抜けたの?」
梅原「大将が二本持ってたから一本借りたんだよ」
香苗「橘って二本もってるんだ?へぇ……やるじゃん、アイツ」
梅原「俺のより少し硬めだったから違和感あったけど」
梅原「ま、何とかなったんだよ」
香苗「梅原のはどうしたの?」
梅原「勿論すぐに削ったぜ!少し短くなっちまったけど、仕方ないよな」
香苗「そうだね……使ってたら短くなるもんね!」
梅原「そうなんだよなぁ……あんまり短くなる前に交換するのがベストだな」
梅原「え、鉛筆はよ!」
梅原「へへっ、伊達に大将と長年つるんでるわけじゃねぇからな!」
香苗「きっと桜井が今の話を聞いてたら顔を真っ赤に染めてたと思う」
梅原「おいおい、そんなことしたら大将に怒られちまうだろ?」
香苗「はははっ!そうだね!」
梅原「伊藤さん……その、な?」
香苗「うん………」
梅原・香苗「…………」
森島「そこッ!安易なラブコメ展開禁止ッ!」
梅原「も、森島先輩!?」
森島「あ、梅原君じゃん……これはこれは、いい所を取り押さえたぞ」ニヤニヤ
森島「橘くんに報告だーッ!」ピャー
梅原「ちょっと、待って!待ってくださいよ!」
バタバタ……
香苗「……はははっ、何て間の悪い」
森島「ごめんね……?テンション上がっちゃってついつい」
橘「ついつい、じゃないですよ?先輩?」
森島「ううっ、橘くんまでひびきみたいなことをいいだして……」
田中「でも、しょうがないよね……事故だもん」
橘「た、田中さん!?」
梅原「いいんだよ、もう」
梅原「紳士力の足りない俺が悪いんだぜ?全部……な?」
森島「じゃあ、鍛えちゃう?鍛えちゃうのね!?」
梅原「鍛えてくれるんですか!?」
森島「なら、早速ひびきちゃん辺りで特訓ね!」
田中「えええええ!?私はー!?」
ひとまず終わり
面白かったまた書いてくれ
乙
面白かった
また書いてくれ
Entry ⇒ 2012.02.12 | Category ⇒ アマガミSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
橘純一「な、七咲が記憶喪失に!?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327249369/
橘「え、え~と?」
七咲「例えばの話ですよ、例えばの」
橘「そんなこと急にいわれても……」
七咲「……わかりました。視点を変えましょう」
七咲「これは先輩の妄想力を試すテストです」
橘「な、何だって!?」ピクッ
七咲「高得点ならご褒美に……」
橘「待って!そこから先はいわないで!」
七咲「え?」
橘「それこそ妄想させてよ!ご褒美を!」
七咲「……ですよね」
橘「う~ん、記憶を取り戻させる為に色々やってみるかな」
橘「……例えば~」
ガサゴソ
橘「あった、あった」
橘「これを着たら何か思い出すんじゃないかな、と」
七咲「なっ……何で先輩が女子の水着持ってるんですか!?」
七咲「し、しかもこれ塚原先輩の水着じゃないですか!?」
七咲「……何やってんだ!この変態!」
橘「ち、違うんだ!僕の話を聞いてくれ!」
七咲(どんな弁解をしてくれるのかな?)
七咲「……意味がわかりません」
七咲「どういうことですか?」
橘「さっき森島先輩が息を切らせながら僕のところに走ってきてね」
ー
ーー
ーーー
森島「た、橘君!お願い!何も聞かないでこれを預かって!」
森島「私、追われてるから……それじゃあ!」ダッ
塚原「はるかー!待ちなさい!」
ーーー
ーー
ー
橘「みたいな」
七咲「ま、ますます意味がわからないですよ!?」
橘「……僕だって意味がわからないよ」
橘「でも、預からない訳にはいかないだろ?」
七咲「この人は……」
七咲「これは私が没収します!」
七咲「あとで塚原先輩に返しておきますから」
橘「だ、ダメだよ!」
橘「それは僕が森島先輩から託されたものなんだ!」
橘「そんなことされたら僕と森島先輩との間の信頼関係が崩れ去ってしまうよ!」
七咲「だからといって、見過ごすわけには」
橘「……他の水着」
七咲「え?」
橘「代わりに他の水着を差し出せば、森島先輩も許してくれるかもしれない!」
七咲「は、はぁ!?」
橘「だ、だから七咲!僕に七咲の水着をくれないか!?」
橘「……わかったよ、七咲」
橘「そうやって僕と先輩との関係をソエンにしてしまえばいいさ」
七咲「は、はぁ」
橘「うん、七咲は何も間違えてないよ」
橘「不適切なのは僕と先輩の関係だったね……」
七咲「わかりました!わかりましたから!」
七咲「私が一肌脱げばすむ話なんですね!?」
橘「ほ、本当に!?」
七咲「もうこんな力技禁止ですよ!?」
七咲「あと先輩との不適切な関係って言い回しをやめてください!」
七咲「……アダルトな感じがするので」
スッ
橘「い、いやっほおおおおおおう!七咲の水着だ!」
七咲「ぜ、絶対に変なことに使わないで下さいよ!?」
七咲「変なことにつかったら……絶交ですからね!?」
橘「わ、わかってるよ!」
橘「間違えても『な、何て伸縮性だ……サイヤ人のバトルスーツか!?』とかやらないから!」
橘「それと『スク水ってこんな味なのか……夢も何もあったもんじゃないな』とかやらないよ!?」
七咲「ぐ、具体的なのやめてください!バカなんじゃないですか!?」
橘「お、落ち着いて!?冗談だよ?」
七咲「先輩の冗談は冗談に聞こえません!」
橘「記憶喪失の七咲に水着を着せてみよう!って話だよ」
七咲「余計な一言をつけないでください」
七咲「……真面目に答えてくださいね?」
七咲「私が記憶喪失になったらどうするんですか?」
橘「水着は我ながらいいアイディアだと思ったんだけど」
橘「う~ん、そうだなぁ」
橘「……美也と紗江ちゃんにも協力してもらおうかな」
橘「僕一人で何かするよりもいいと思うし」
七咲「……真っ当なところできましたね」
橘「きっと早く回復するはずだよ」
七咲「……先輩?」
橘「何?僕の完璧な対応にびっくりした?」
七咲「つまらないです!」
橘「えぇ!?」
七咲「何で斜め上の発想をしてくれないんですか!?本当に橘先輩なんですか!?」
橘「真面目に答えろっていったのは七咲じゃないか!?」
七咲「真面目に斜め上なのが先輩の持ち味です!」
橘「何てことだ……何だか僕がスゴくダメな人みたいじゃないか」
七咲「……今更何を言ってるんですか?」
橘「……ですよね」
七咲「何ですか?」
橘「七咲は僕がメロンパンになったらどうする?」
七咲「……またわけのわからないことを聞きますね」
橘「しかもメロンパンになってしまった僕を、残虐仮面超人絢辻詞が一口サイズにちぎって梅原の口に詰め込もうとしてるの」
橘「七咲ならどうする?」
七咲「どうしようもないじゃないですか、それ」
橘「はい、死んだ!」
七咲「え?」
橘「クールを通り越して冷血なスポーツ少女に見捨てられたせいで僕死んだよ!」
七咲「や、やめてください!人聞きの悪い!」
橘「哀れな僕を助けてくれよ!七咲!」
七咲「助けます!助けますから!」
七咲「そういう、今にも泣きそうな目で私を見ないでください!」
七咲「……そうですね」
七咲「私が食べてやりますよ、先輩を」
橘「え?」
七咲「残虐裏表超人絢辻詞の手から先輩を奪い取り!」
七咲「私が食べてやります!」
橘「た、食べられたら僕が死んじゃうじゃないか!」
七咲「大丈夫ですよ?」
七咲「先輩は私の身体の一部となって、永遠に生きるのですよ……ふふふ」
橘「怖いよ……怖すぎるよ……」
七咲「……ですね」
橘「七咲?今僕らに差し迫ってる問題が何かわかるかい?」
七咲「……生命の危機?」
橘「そうだね、これはもうダメかもしれないね」
七咲「せ、先輩がいけないんですよ?わけのわからないことを言い出すから、いけないんです!」
橘「七咲だってノリノリだったじゃないか!」
七咲「……言い合いはもうやめましょう」
橘「そうだね……それよりも」
橘・七咲「逃げなきゃ!」
絢辻「橘君!?誰が残虐仮面超人だって!?」
絢辻「それとそこのあなた!その男に何を吹き込まれてるの!?」
絢辻「……ま、待ちなさいよ!待って!……逃げんな!」
橘「……七咲は見逃してあげてくれないかな?」
七咲「い、いえ!先輩を見逃してあげてください!」
絢辻「……わかったわ、私も鬼じゃないからね」
絢辻「……二人は同じお墓に埋めてあげるわ」
橘「ははっ……絢辻さんは優しいなぁ!」
七咲「先輩、ずっと一緒ですよ?」
絢辻「……こんなときにまでイチャイチャしないでよ、腹立つ」
絢辻「はぁ……私も二人の会話を盗み聞きしてて悪かったわよ」
絢辻「……いいわ、次の言葉を大声で復唱したら許してあげる」
絢辻「絢辻さんは裏表のない正義超人です」
絢辻「はい、復唱」
橘・七咲「あ、絢辻さんは裏表のない正義超人です!」
絢辻「……よろしい」
七咲「……怖かったですね」
七咲「ゾックめ」ボソッ
絢辻「だ、誰がゾックよ!?」
橘「ま、まだいたの!?」
七咲「絢辻イヤーは地獄耳ですね」
橘「……デビルマン?」
絢辻「だからね、人を悪魔扱いしないでよ……私だって傷つくからね?」
絢辻「……もう帰る」
橘「……ま、待ってよ!絢辻さん!」
七咲「あ、先輩……」
七咲「……浮気者め」
おわり
終わってた…
まだできるだろ!信じてる!
多分七咲編が終わったんだよ
橘「す、すみません!」
森島「君には失望したわ、橘君」
森島「さようなら」
橘「ま、待ってください!」
橘「か、代わりにこれを!」
森島「ひびきのではない水着に興味は……ってこれ!」
橘「はい!七咲の水着です!」
森島「何てことなの……あの水着は最早身体の一部とまでいわれた逢ちゃんから水着を剥いだというの!?」
森島「……わかったわ。これに免じて今回の件は不問にしてあげる」
森島「橘君……あなた、やるじゃない!」
橘「せ、先輩!」
森島「もう……私のことは、はるかと」
塚原「頭の痛くなる会話をするのやめてちょうだい」
美也 脱げちゃう水着
じゃあこれで書く
純一「なぁ梨穂子」
梨穂子「なぁに?純一」
純一「プールいかないか」
梨穂子「えー寒いからやだよ~」
純一「今僕は無性に泳ぎたいんだ。じゃあ温水プールなら文句はないだろ?」
梨穂子「で…でも……」
純一「あーわかった。また梨穂子太ったから水着はいら」
梨穂子「あーーーうるさい!いいよ!行こうよ温水プール!純一のいじわる!」
純一「お、怒るなよ。じゃあ次の土曜日、約束だからな」
梨穂子「う………うん」
美也「おかえりーにぃに!なんか用?」
純一「美也、俺の水着知らないか?」
美也「えーなになにぃ~プールいくの?こんな寒い季節ににぃに頭おかしくなっちゃった?」
純一「違うって!温水プールに行くんだよ。」
美也「うわぁ~いいなぁ~!みゃーもつれてけー!!!」
純一「ああ、いいよ。それじゃあ水着しまってあるとこ教えてくれ」
美也「やったあぁ!!!(水着新調しちゃおっかな)」
梨穂子→美也
の呼び掛けかたってなんぞ
逆は美也ちゃん じゃなかったかな
あと橘さんの一人称は僕な
純一「あ、でも梨穂子も一緒だからな」
美也「え、あ、りほちゃんも一緒なんだ」
純一「ん?なんか問題でもあるのか?」
美也「ううんなんでもない!(りほちゃんナイスバデーだからなぁ……)」
僕だったか
脳内変換よろ
土曜日
純一「ようし!待ちに待った土曜日だぞ!今日はいっぱい楽しむぞおおお」
美也「にぃに朝からうるさいよ。どうしてそんなにやる気なの」
梨穂子「美也ちゃーん!純一~!おはよー」
純一「遅いぞ梨穂子!」
梨穂子「あはは…冬の布団は吸引力抜群で……」
美也「まぁまぁにぃに、落ち着いて落ち着いて。ま、外は寒いし早くプール入って暖まろうよ!」
純一「そうだな!なにせここにはワイン風呂や蜂蜜風呂もあるしな!」
梨穂子「えー蜂蜜風呂!?」
純一「いいか梨穂子、飲むなよ?」
梨穂子「もう!わかってるよ!」
美也「あはは!じゃ、レッツゴー!」
純一「どうも!よぉし梨穂子と美也の鍵はこれだ!じゃぁまた後で」
美也「はーい。じゃありほちゃん!一緒に着替えよ?」
梨穂子「うん、わかった」
~女子更衣室~
美也「りほちゃんは今日は水着どんなの?」
梨穂子「去年買ったやつだよ~たぶん……着れると思う」
美也「あーどうだろうねー随分とここは成長してるしなぁ~にしし」モミッ
梨穂子「ひゃ!美也ちゃんこんなとこで触らないで」
美也「もう!羨ましいなこのこの!」
梨穂子「着替えられないよ~!」
美也(みゃーは全然成長してないな……)
梨穂子「ご利益なんてそんなのないよ~!」
美也「にしし~!さーて着替え着替え♪」ヌギヌギ
梨穂子「うん、そだね」ヌギヌギ タユン
美也(うわっ服の上からしか見てなかったけど)
梨穂子「脱ぎにくい……」ボインボイン
美也(これは胸にお尻があるみたいだよ……)ガーン
梨穂子「うーん去年はちゃんと着れたのに……ううっ」
純一「いっちにいっちに」
美也「にぃに~お待たせー」
純一「!?きたか!?」
美也「うん、というかみゃーはもう中に着てきたからさー」クルリ
純一「り、梨穂子は?」
美也「りほちゃんはまだ着替えてるよ~ってにぃに!せっかくの水着に感想はないのかな!」
純一「あ、ああそうか。似合ってるよ、そのビキニうん。可愛いと思う」キリッ
美也「(うひゃー!!!)」
梨穂子「お待たせ~…また遅れちゃった」
純一「梨穂子遅いじゃないk」
梨穂子(うう、胸が苦しい………)ムッチリ
美也(うわっ!りほちゃんちょっとこれはエッチすぎる谷間がっ!)
梨穂子「やっぱりちょっとサイズあってなかったかな………」
美也(あってないどころじゃないよ。こぼれそうだよ………)
美也「ってにぃになんでしゃがんでるの?」
純一「屈伸運動だよ。こっちむかないでくれ。」
梨穂子「あ、プール前には準備体操だよね~!美也ちゃんも一緒にやろうよ」
美也「うん、そうだね~じゃあまずは屈伸運動からね!」
梨穂子「いっちに」ボインボイン
梨穂子「さんし」ブルンブルン
美也「ごー…ろく…しち…はち」
梨穂子「ごーろく、しちはち」ポヨンポヨン
純一「」
美也「にぃに、どうしてタオルを腰に巻いてるの」
純一「しっ!ちょっと静かに」
美也「にぃにの変態エッチスケベ!!!」バッ
純一「うわあああタオルを取るなああああ!」
梨穂子「純一~!プールサイドでうつ伏せは痛いよ~!」
美也「準備体操終わるまでタオルは没収だからね!そこでおとなしくしててよ!」
美也「ふーんじゃあ何を見てたのにぃに?」ジロ
純一「実にいいプールサイドだ!水はけがとてもいい!材質はなにかな!」
梨穂子「あはは、なにそれ~!純一は面白いね~」
美也「もう!あっちで準備体操しよっりほちゃん!」
梨穂子「あ、うん。美也ちゃんまって~」プルプル
梨穂子「純一まだプールサイドでうつ伏せだよ……?」
美也「ああ、大丈夫大丈夫にぃにはプールサイドフェチなんだよ」
梨穂子「え………えぇ~…それはどうなの…」
美也「(みゃーにもきかないで!)とりあえず仕切り直しってことで準備体操しよ!にしし」
梨穂子「う…うん、そうだねー」
いっちにさんし
DQN男A「ねぇあそこにいる2人可愛くネ?」
DQN男B「ああ、あれはホットだな。とくにあのスレンダーなほうたまんねぇ」
DQN男A「よし、今日はあの子たちナンパすっゾ」
梨穂子「さんし」
DQN男A「あのーすいません、ちょっといいですカ?」
梨穂子「?」
DQN男B「(うわっ!こっちも可愛いぞ…これはあたりだな)」
DQN男A「実はー僕ら2人、友達探してて~友達が迷子になっちゃったんですヨ」
美也「へ、へぇ~…そうなんですか…」
DQN男B「」ニコニコ
DQN男A「8歳くらいの姪なんですけどネ、困ってるんでス。今ごろどこかで泣いてるワ」
美也「あ~そうなんですか…じゃ、じゃあ係員さんに行ったほうが」
DQN男B「いや、本当に困ってて、ぜひお姉さんに助けてほしいんすよ。頼んます。」
梨穂子「私、あ、でも、う」
梨穂子「うう……どうする美也ちゃん…」
美也「じゃ、じゃあ…案内するだけなら……」
DQN男B「まじか!いやぁ助かった!助かった!早速案内頼むよ!」
梨穂子「あ、ちょ、純一が…」
美也「にぃにどうしよう……」
純一「遅いなあ…プールサイド硬い……」
梨穂子「え……」
美也「ちょっと!そういうのセクハラですよ!人またせているので行くなら早く行きますよ」
DQN男B「まぁそんなに怒んなって。君、水着可愛いね~細い君によく似合ってるよ~」ナデナデ
美也「さ、触らないでください」
梨穂子「やめてください!」バッ
美也「りほちゃん……」
梨穂子「い、い、嫌がってる……じゃないですかぁ…」
DQN男B「あーあーごめんねごめんね。つい可愛いくてさアハハ…」
DQN男A「こいつは手が早くてサ、俺からもごめんナ」
美也「ごめんね、りほちゃん。はやく案内してとっととにぃにんところ戻ろう」コショココショコ
梨穂子「う、うん…」
DQN男B「うわっ俺もだワ(笑)」
DQN男A「こりゃ、やばいナ、個人情報とナ」
DQN男B「個人情報満載だもんな~」
美也「わかりましたよ、シャワールームまで案内します。早く取ってきてくださいねっ!」ムッ
梨穂子「……」
DQN男A「いやー助かるヨ!あれがないとマジやばいからナ、ホント、ホント」
DQN男B(さ~て勝負にでるか)
純一「くそっ…まだ収まらない……」ペター
ガチャ
美也「ここがシャワールームですよ(方向音痴にもほどがあるよ!なんなの!)」ムスッ
DQN男A「よし誰もいないナ」
梨穂子「え……」
DQN男B「いやーそれにしても君たちって本当に可愛いなぁ!」
美也「な、なんなのあんたたち……」
DQN男A「なぁ、俺たちとちょっと遊ばネ?優しくすっからサ」ギュッ
梨穂子「や…やめて……」
美也「ちょっと!りほちゃんの腕離してよ!」フシャー
DQN男B「まぁまぁそうどなんなって、きっと気持ちいいぜ」サワサワ
美也(うぎゃああ腰に腕を回された!)
DQN男B「うぎゃっ!いてぇ!」
DQN男A「あ、このクソあま…!」
美也(ぶたれる)
?「ちょっと待った!!!!」
DQN男A・B「!?」
梨穂子「あ、あれは」
美也「にぃに水泳帽顔に被ってなにやってんの」
ピュア「だっ…だれだそのニイニとかいう紳士は!い…意味がわからない!」
梨穂子「純一…た……たすけて……」
ピュア「よし!今行くぞ!食らえ!塩素ブロックアタック!」
DQN男A・B「うわっ!目が!」
ピュア「行くぞ!俺の手を話すなよ!!!」ギュッギュッ
梨穂子「ひゃっ」
美也「あっ!にぃに!」
ピュア「逃げろお!!!」
三人「はぁはぁ…」
美也「もう!にぃに!遅いよ!どーしてもっと早い来てくれなかったの!?」
純一「う………仕方ないだろ……。あそこが立てばこちらが立つ。男の世界は難しいんだからな」
梨穂子「う、純一……こ…怖ったよぉ……」ボロボロ
純一「わっ!わっ!?わ、悪かったよ!悪かったから梨穂子泣かないでくれ」
美也「……ぎゅ」
純一「美也?」
美也「ばかにぃに、みゃーも怖かった…」
純一「わかった、わかったよ。2人とも怖かったな…。せっかくの温水施設だ、まずはワイン風呂入ろう。ね?」
梨穂子「ぐすっ…ブドウのいい匂いだねぐすっ」スンスン
純一「あははそうだなぁいい匂いだ」
美也「…」
梨穂子「…」スンスン
純一「なんだか酔っちゃいそうだなぁーあはは」
美也「…」
梨穂子「…」スンスン
純一「腕にしがみつかれてる……動けない……」
美也「にぃに、こっちは怖い思いしたんだからね!これくらい男の役目だよ!」
梨穂子「純一……もう少しこうしててもいい?すごく安心するんだぁ~…」スンスン
純一「わかったよ、梨穂子が言うなら仕方ない。梨穂子、もう少しこっち来ていいよ」
美也「…みゃーもいく……」ギュッ
梨穂子「う……うん…」ポヨン
純一(ひ、左腕に危険物あり!!!)
美也「?なに?」
純一(これはまぁ危険とは程遠いな)
美也「あ!今すっごく失礼なこと思ったでしょ!」
純一「ギクッ」
美也「どうせにぃにはりほちゃんのおっぱいに釘付けだもんねー!」
梨穂子「えっ、ええええ!あ………純一のエッチ」
純一「いや、違っ、というか押し付けたのは梨穂子お前」
美也「にしし、みゃーの微乳を見下した罰なのだ!でも!りほちゃんのおっぱいはみゃーから見ても魅力的なのだー!」モミモミッ
梨穂子「あん、も~!美也ちゃんっば!」
純一「」
梨穂子「純一も助けてよぉ~!」
美也「あはは冗談、冗談、ってアレ?りほちゃん…水着……」
梨穂子「ほえ?」
美也「りほちゃん!!!」
梨穂子「ふえ?」
美也「とりゃっ」ギュッ
梨穂子「きゃ!美也ちゃん?いきなり抱きついてどうしたの~?」
美也「周りに人はいない?」ギュッ
梨穂子「う、うん。純一がいるけど……抱き締め合うってなんか恥ずかしいね~…エヘヘ」
美也「りほちゃん……落ち着いて聞いてほしいんだけど」
梨穂子「?」
美也「りほちゃんの水着の上がない」ボソッ
梨穂子「ええ!!!うそだあ!!!あ!!」
純一「?どうしたんだ梨穂子。美也と相撲か?」
梨穂子(ほ、ほんとにないよおおおお)
純一「ほらきたどうしたどすこいどすこい!!!」
美也「逆に何処かへ行った水着はこのお湯のせいでよくわからない諸刃の剣。」ボソボソ
純一「のこった!のこった!」
美也「でもこの体勢で探すしかない。一緒に探そ?」ボソボソ
梨穂子「うん…わかった……。美也ちゃん、絶対絶対離さないでね?」
美也「うん、絶対離さないよ」にしし
純一「それいけ!梨穂子の海!おせっおせっ寄り切り!」
梨穂子「うん…わかった~…。美也ちゃんと抱き合ってまるで美也ちゃんはコアラさんみたいだね~フフ」
美也(りほちゃんのんきすぎるよ!!)
純一「梨穂子が動いた!!押せ梨穂子!押すんだ!」
梨穂子「美也ちゃん、お風呂の端に着いたよ」
美也「よぉうし、じゃあ後は足で探って水着を見つけるだけだよ」
純一「なんだこの布」
美也「にぃにに見つかる前に見つけてのぼせる前に出よ?」
純一「なんか見たことあるなこれ」
梨穂子「う、うんそうだね…」
純一「一応キャプチャーしておくか」
美也「にぃに、そのイカスアイマスクどうしたの?」
純一「拾った」
美也「そっかぁ」
美也(ああ、みゃーの目の前でマシュマロさん目の前がモニュモニュしてるよ……)
梨穂子「吸水口…吸水口…きゃあ!」ツルッ
美也「ハブッ息できなっ」
ザッバーン!!!
純一「!!!お、おい大丈夫か!」
美也「ブクブク……」
純一「美也!」
梨穂子「いたた…尻餅ついちゃった……」
純一「梨穂子も大丈夫k」
美也「ブクブク……はっ!りほちゃん!!!」
梨穂子「!?」
美也「」
純一「」
梨穂子「きゃああああああ純一見ないでええええ!!!」
美也「あ~~~~~!!!」
純一「えっえ何!?」
美也「に~~~~ぃに~~~!!!!アイマスクじゃないよそれ!!!!」
純一「そ、そんな●サイズのアイマスクってここに書いてあ……」
美也「りほちゃんに返しなさい!!!このエロバカ変態にぃに!!!!」
純一「ご、ごめえええええん!!!」
美也「にぃに!にぃにのせいでまた梨穂子ちゃんショック受けちゃったよ!」
純一「またって……まぁそうか……僕のせいか……うん……。
梨穂子……ごめんな……梨穂子のこと今日は散々な目にあわせてさ……。」
梨穂子「もう……許さないだから~…こんどパフェ奢るなら……許す……」
純一「ああ、ほんとに悪かったと思ってる。でもいいのか、怠けなりにダイエットしてたんだろ?…」
梨穂子「…純一はさ…私の体型とか……どう思う?」
純一「僕は……僕は……梨穂子がどんな体型であっても梨穂子は梨穂子だと思う」
純一「太っててもいい。体型なんてどうでもいいんだ。」
純一「大切な梨穂子が笑っていてくれるなら……さ」
梨穂子「じゅん……いち……」
美也(は……会話に入れないよ~!)うにゃー
美也「おおーなーんだかウォータースライダーとかやりたいなあ!!!みゃーは!」ピョンピョン
純一「な、なんだよいきなり」
美也「だからウォータースライダーだよにぃに!早くてジャバーってやつ!やりたい!」
純一「ウォータースライダーねー…僕早いの苦手で」
梨穂子「私も…苦手かな…あはは」
美也「あーっもう!2人ともだらしないなぁ!ここのは日本一でっかいウォータースライダーなんだよ!」
美也「こんな機会ないよ!記念でもいいからやろうよ!」ピョンピョン
梨穂子「うー…でも速いのはな~…」
純一「美也がそこまで言うなら」
梨穂子「あー!純一~!純一の裏切りもの~!!」
美也「にしし~じゃ!きまりだね!早くいこっ!」
梨穂子「うわぁ……おっきいよ純一ぃ~」
美也「にぃにまた屈伸運動?」
純一「そうだな、梨穂子。流石は日本一のウォータースライダーだ…これはすごいな……」
美也「これはみゃーもテレビで見たより凄くってビックリだよ~」ワクワク
美也「よぉ~し!じゃあ早速乗り物借りてこようよ~!」ドキドキ
純一「お………おう、わかった」
純一「これ、座る所1つしかないぞ?」
美也「これは1人が座ってその足の間にもう一人が座るんだよ」
梨穂子「へ~」
美也「にぃには変態だから前ね」
純一「ええ!それはもう決定事項なの!?」
美也「当たり前じゃん、りほちゃんにセクハラしたら大変だからね!」
純一「ん?ちょっと待てよ?2人しか乗れないってことは」
梨穂子「純一は2回乗るんだよ~」
純一「」
そもそも男は内臓が一部外に出ているから絶叫物が苦手なのは無理もない話で」
美也「も~この鈍感にぃに!!!いいからりほちゃんと乗ってくる!次はみゃーとなんだから」
純一「う………わかった……」ゴクリ
純一「梨穂子……いこっか…」
梨穂子「うん…優しくしてね?純一?」
美也「なぜそうなる!!!」
純一「言うな梨穂子。僕だって怖いさ、でもやるしかないんだ…」
梨穂子「もうダメだよ~既に物凄い高いし……」
純一「よし、ここが入り口か……乗り物に浮かせるから先に乗って」
梨穂子「純一……」
純一「大丈夫、ちゃんと僕の肩にしがみついてるんだ」
梨穂子「うん、わかったよ」
純一「よ、よぉうし!い、いくぞ!」
梨穂子「うん!」
うわあああああああああああ
きゃあああああああああああ
うおおおおおおおおおたまんねえええええ
きゃあああああああああああ
うはははははははははははは
きゃあああああああああああ
ザッバーン
純一「あは…あはは…最後は乗り物から投げ飛ばされた…ははは…も、物凄い地獄と背中の天国だったよ…」
梨穂子「も、もうだめ……ぎ……ぎぶ……」ブクブク
純一「うわあああ梨穂子が浮かんでるううううう」
美也「り、りほちゃん大丈夫~?」
純一「中でグルングルン回ったからね、相当目が回ったんだろう」
梨穂子「うーん、もうダメだあ~…2度と乗りたくないよ~……」
純一「大丈夫か?具合は良くなったか?」
梨穂子「うん~まだ少し目が回ってるけどね…美也ちゃんと純一の番でしょ?私はいいから行って来て」
純一「わかった。すぐ滑って戻ってくるからここにいろよ?誰かについていくなよ~」
梨穂子「わかったよ~ぉ、いってらっしゃ~い」ヒラヒラ
純一「じゃ、美也いこっか」
美也「うん、りほちゃんいってくるね~」
純一「そんなはしゃぐなよ~もう少しゆっくり……うお…やっぱり高い……」
美也「もう!にぃにったらいつまでも階段登ってんの!早く早く!」
純一「ウォータースライダーは逃げないぞ、美也」
美也「よーし!到着~♪にぃには後ろね!」
純一「え?僕は前じゃなくていいの?」
美也「えっと…だってさっきは前だったでしょ?それにみゃーは一番前で風を感じたいのだ!」
純一「なんだよそれ、石嶺聡子か」
美也「さ、早く乗って!それとにぃに……美也のこと離さないでね?」
純一「え?あ、うん」
美也「じゃー出発進行~♪」
うわあああああああああああ
きゃあああああああああああ
なにこれすごおおおおおおい
うわあああああああああああ
たのしいいいいいいいいいい
うわあああああああああああ
にぃに声うるさいよおおおお
ザッバーン
梨穂子「あ、純一おかえりー」
純一「あ、梨穂子、プールサイドまでお出迎えか」
梨穂子「うん、少ししたらよくなったから……あれ、美也ちゃんは?」
純一「あれ?確か一緒に吹き飛ばされて……」
美也「………」
梨穂子「みやちゃん?」
純一「おい美也、なんで乗り物抱えて」
美也「にぃにの変態!実の妹の水着をどさくさに紛れて脱がすなんて信っじられない!」
純一「」
梨穂子「」
純一「違う!誤解だ!僕はそんな、脱がすなんて……いやまてよ……そういえば」
~~~~~~~~~~
純一「うわあああああああああああ」ギュッ
美也(うわぁ~にいにの胸板がっががが)
純一「うわあああああああああああ」ギュッグイッ
美也(あっ、にいに、それは水着の私の紐だよぉっ!)
うわあああああああザパーン!!!!
~~~~~~~~~~~~~
純一(あの時引っ張ったのはあわわわわ)
美也「にいに!誰かがくる前に早く探してえええええ」
純一「はぁ今日は散々だったなぁ」
美也「まったくだよ!にいにはおっぱいが好きだからって脱がすなんて信じられないよ!」
純一「いや脱がすだなんて、というか美也だって梨穂子の脱がしたじゃないか」
梨穂子「あー!蜂蜜風呂入り忘れた!」
純一「プッくふふ、梨穂子らしいな」
梨穂子「ええーなんでよぉ~それ楽しみにしてたのにい!」
純一「梨穂子、今日は時間がなかったんだ、また今度いこう!ね?」
梨穂子「むう…約束だよ」
純一「うん約束だ」
美也「なんやかんやでみゃーは楽しかったよ。また連れてってね、にいに」
純一「うん、また行こうな」キリッ
終わり!
どうだ!ミッションコンプリート!
Entry ⇒ 2012.02.03 | Category ⇒ アマガミSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
絢辻「あたしが棚町薫で」棚町「あたしが絢辻詞」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327762829/
棚町「あたしに聞かれてもわからないわよ」
絢辻「夢じゃないのよね」
棚町「確かめてみる?」
グニニ
絢辻「いたっ、痛いから! つねるなら自分のほっぺをつねりなさいよ!」
棚町「どう? 夢じゃないってわかった?」
絢辻「そうね。どうやら現実みたいよ」
棚町「残念ね。あたしとしても夢だった方が嬉しかったんだけど」
絢辻「ホントどういうことなのよ。なんで、なんで……なんであたしたちの体と中身が入れ替わってんのよーっ!」
棚町「漫画じゃないんだから……と言いたいところだけど、それしか考えられないわね」
絢辻「お約束すぎるわよ」
棚町「はぁ……あなたが急に飛び出してくるから」
絢辻「あたしのせいにしないでよ! あたしは転びそうになってたアンタを助けようと思ってたのよ!」
棚町「誰も助けてなんて頼んでないでしょ。ひとりでどうにかなったわよ」
絢辻「あんな盛大に滑っといてなに言ってんのよ。パンツ丸見えだったわよ」
棚町「えっ!?」
絢辻「嘘だけどね」
絢辻「もう1回ふたりで落ちてみる?」
棚町「できればその方法以外でいきたいわね」
絢辻「たしかにね……今も体のそこかしこが痛いし」
棚町「他になにかない?」
絢辻「なんであたしに聞くのよ。頭いいんだからアンタも考えなさいよ」
棚町「考えてるわよ。ただ漫画をよく読んでそうなあなたの方がなにか知ってると思って」
絢辻「うーん、そうねぇ……雷にうたれるとか?」
棚町「不可能でしょ……」
棚町「使えないわね」
絢辻「だったらアンタがなんかいいアイディア出しなさいよ!」
棚町「う……」
絢辻「ほら見なさい。アンタだってなにも思い浮かばないんじゃないの」
棚町「も、もう授業がはじまるし一旦教室に戻りましょ」
絢辻「この状態で戻んの!?」
棚町「あたしはあくまで優等生として通ってるんだから、そのイメージを崩すような行動はしないでよ」
絢辻「ただ猫被ってるだけでしょうが」
棚町「棚町さん、わかったわね?」
絢辻「あーはいはい。わかったわよ」
絢辻「お。おーい、純一」
棚町「なっ……!?」
橘「へ……あ、絢辻さん? どうしたの?」
絢辻「は? アンタなに言って……あ」
橘「え?」
絢辻「ご、ごめんごめん。ちょっとアンタの――じゃなくて、あなたの名前を呼んでみたくなったの」
橘「そ、そうなんだ。急に名前で呼ばれたから驚いたよ」
絢辻「あ、あはは。気にしないで、橘君」
絢辻(この口調めんどくさぁ……)
棚町(早急に手をうたないと……あたしの尊厳が壊される前に)
高橋「それじゃあ絢辻さん、この問いに答えてくれる?」
絢辻「あ、あたしですか?」
高橋「ええ、いつもどおりよろしく」
絢辻「はぁい……えーっとですね……」
高橋「どうしたの? 絢辻さんならすぐわかるようなことでしょ?」
絢辻「そう言われても……お、織田信長?」
高橋「は……? 絢辻さん、受けを狙わなくてもいいのよ?」
絢辻「す、すいません、勘違いしてました! 坂本龍馬ですね!?」
高橋「……今、室町時代の話をしてるんだけど」
棚町(はやくなんとかしないと……)
橘「絢辻さん、今日はどうしたの? 調子悪いの?」
絢辻「そういうわけじゃないんだけどね……」
橘「絢辻さんが先生からの質問に答えられないところなんてはじめて見たよ」
絢辻「あたしもはじめてよ……」
橘(なんか素が出ちゃってるような気がするけど、本当にどうしたんだろう)
棚町「ねぇ、純一」
橘「ん? どうした、薫」
棚町「ちょっと絢辻さんに話があるから借りていい?」
橘「別にいいけど、お前が絢辻さんに話なんて珍しいね」
棚町「うん、ちょっとねー」
絢辻(なんでこいつは完璧にあたしを演じられんのよ)
棚町「棚町さん、あなたは午後の授業出ないでいいわ。いいえ、出ないでちょうだい」
絢辻「は? なんでよ」
棚町「あなたがあまりにバカだからよっ!」
絢辻「うわっ。急に大声出さないでよ」
棚町「あの程度の問題にも答えられないなんて……あなた、裏口入学でもしたの?」
絢辻「失礼ね、ちゃんと実力で入ったわよ!」
棚町「信じられないわね。ああ、もう最悪だわ……あたしが今まで培ってきた信頼が……」
絢辻「そんな気にしないで大丈夫でしょ。寝惚けてたと思われるだけじゃない?」
棚町「このあたしが授業中に居眠りなんてするわけないでしょ!」
絢辻「……そういえばアンタが居眠りこいてるとこ見たことないわね」
絢辻「それは構わないけど、あの優等生・絢辻さんが授業サボったりしていいわけ?」
棚町「問題ないわ。きっと先生方もあなたの間抜けぶりを見て、頭をうったんじゃないかと疑ってるだろうから」
絢辻「実際階段から落ちたしね」
棚町「それよりも明日からどうするかよ。学校を休むわけにもいかないし」
絢辻「元に戻る方法があればいいんだけどねぇ」
棚町「……棚町さん、今日の放課後空いてる?」
絢辻「今日? バイトないから大丈夫だけど」
棚町「じゃあ放課後は図書室で勉強会をするわよ」
絢辻「ええっ!? なんでそんなことすんの!?」
棚町「せめて恥をかかないくらいになってもらわないとあたしが困るわ」
絢辻「ねぇ……ホントにやんの?」
棚町「もちろんよ」
絢辻「明日から気をつけるから今日はやめない?」
棚町「気をつけてどうにかなることじゃないでしょ。もともと出来ないんだから」
絢辻「そうだけどさぁ……」
棚町「ほら、はやくペンを持ちなさい。一般常識も知らないようじゃ生きていけないわよ」
絢辻「大丈夫よ。あたし、勉強はできないけど仕事はできるから」
棚町「ダメです。はい、まずは日本史からね」
絢辻「いやぁ……」
絢辻「これわかんないんだけど」
棚町「……」
絢辻「ちょっと聞いてる? これわかんないって言ってんの」
棚町「はぁ……」
絢辻「なんでため息吐くのよ」
棚町「あなたの学力の低さに驚いているのよ。ここまでひとつも自力で解けてないじゃない」
絢辻「うっさいわね。日本史とか嫌いなのよ」
棚町「嫌いで片付けられるレベルじゃないわよ。脳の病気を疑ってしまうわ」
絢辻「アンタ、あたしのことバカにしすぎでしょ!?」
棚町「実際にバカなんだからしょうがないでしょ」
棚町「ふーん。じゃあどの教科が得意なの?」
絢辻「そうね、数学とかなら割とできるわよ」
棚町「だったらこの問題を解いてみて」
絢辻「これくらい余裕よ。こうやってあーやってこうして……どう?」
棚町「うん、正解ね。こっちの問題は?」
絢辻「んーまずは倍角で……次は合成かな……こっからは……」
棚町「その後はこうするのよ」
絢辻「あ、なるほど」
棚町「一応、数学が得意ってのは本当みたいね」
絢辻「少しは信じなさいよ」
棚町「それは判別式じゃなくて円の中心との距離を使うのよ」
絢辻「中心との距離? あ、点と直線の距離ね」
棚町「そういうこと。公式は覚えてる?」
絢辻「モチのロンよ」
棚町「じゃあ大丈夫ね。そのまま計算してみて」
絢辻「……」ジーッ
棚町「どうしたの? あたしの顔になにかついてる?」
絢辻「ううん。アンタって教えるの上手いのね」
棚町「そうかしら。あなたがちゃんと理解しようとしてるからだと思うけど」
棚町「構わないけど、あなたはそれでいいの?」
絢辻「うん。アンタが教えてくれるならできる気がする」
棚町「数学は基礎ができていたから応用問題も解けたのよ。日本史は基礎からボロボロじゃないの、あなた」
絢辻「だからアンタが基礎から教えてくれるんでしょ?」
棚町「まぁ、そのつもりだけど……」
絢辻「んじゃはやく教えて」
棚町「なによ、急にやる気になって……気持ち悪いわね」
絢辻「気持ち悪いは言いすぎでしょ!?」
棚町「今絢辻さんに勉強教えてもらってんのよ」
橘「薫がテスト前でもないのに勉強するなんて珍しいね。ん……?」
棚町「なに?」
橘「こら薫。なにが教えてもらってるだ。自分は問題集も出してないじゃないか」
棚町「こ、これには理由が……」
橘「どうせお前のことだから絢辻さんに全部やらせてたんだろう。まったく」
棚町「もうそういうことでいいわよ……」
橘「絢辻さん、あんまり薫を甘やかさないようにね」
絢辻「う、うん……」
棚町「本当ね。あなたがボロを出さないか不安でしょうがないわ」
絢辻「アンタが上手すぎんのよ。どうしてそこまであたしっぽく話せるの?」
棚町「あなたは声が大きいから、普段から話し声がよく聞こえるのよ」
絢辻「……これからは気をつけることにする」
棚町「それよりも橘君のあなたに対する保護者ぶりの方が気になるわね」
絢辻「あーあれは昔からよ。なんだかんだ面倒見いいのよね、あいつ」
棚町「きっとあなたが今まで散々無茶をしてきたからでしょうね」
絢辻「もしかして羨ましい?」
棚町「別に羨ましいわけじゃ……」
絢辻「はあぁ……久々に授業以外の時間に勉強したわ」
棚町「授業中にしっかり話を聞いてたら、もう少しマシだと思うけど」
絢辻「嫌いな教科だとどうしても聞く気にならないのよねー」
棚町「それは勉強してると言わないわね」
絢辻「アンタがあたしの家庭教師になってくれるってんならちゃんとやるわよ」
棚町「たまに教えるくらいならいいわよ」
絢辻「じゃあ早速物理の宿題のことなんだけど……」
棚町「言っておくけど、代わりに解いたりはしないからね」
絢辻「ちぇっ」
棚町「お互いの家に帰るしかないでしょ。体の方の」
絢辻「あたし、アンタんちなんて知らないわよ」
棚町「案内するからいいわよ。それよりも家での過ごし方の方が問題ね」
絢辻「そうね。トイレの場所とかちゃんと教えてよ」
棚町「あなたって能天気ね……」
絢辻「へ?」
棚町「普通、家族との接し方を気にしない?」
絢辻「ウチは9時くらいにお母さん帰ってくると思うから、挨拶するくらいでいいわよ。それまでに洗濯物取り込んで畳んどいて」
棚町「あら、あなたが家事の手伝いなんてするのね」
棚町「え……そうなの?」
絢辻「そうよぉ。あ、あとお風呂も掃除して沸かしといてね」
棚町「わかったわ。あなたは極力あたしの家族と関わらないようにして」
絢辻「話してたら絶対ボロが出るからね」
棚町「それもあるけど……まぁいいわ。部屋にいれば基本的には話しかけてこないと思うから」
絢辻「ずっと部屋にいるってのも退屈ねぇ」
棚町「我慢しなさい。細かいことは帰りながら話しましょ」
絢辻「オッケー」
絢辻「……おはよ」
棚町「おはよう。やけに元気がないわね」
絢辻「なんだか気疲れしちゃって……やっぱり人の家だからかしら」
棚町「それもあるだろうけど……あたしの家族はどう思った?」
絢辻「うーん……言っちゃ悪いけど、アンタって両親と仲悪いでしょ?」
棚町「やっぱりわかってしまうわよね」
絢辻「うん。一緒にご飯食べてるときの空気とかすごいきつかったわ」
棚町「でしょうね。昔から変わらないわ」
絢辻「ホントお姉さんだけが救いだったわよ」
棚町「……え?」
絢辻「お姉さんは話しやすくて助かったわ。アンタの言ってたとおりド天然だったけど、そのおかげでバレなかったし」
棚町「姉と話したの……?」
絢辻「話しただけじゃないわよ。お風呂入ろうと思ったらちょうどお姉さんとかち合って、一緒に入ろうって言われてさ」
棚町「……もしかして一緒に入ったの?」
絢辻「うん。あたしはひとりっ子だから、ああいうのはじめてですごい面白かったわ」
棚町「なんでそんなことしてしまったのよ……」
絢辻「特に断る理由もなかったし。いやーいいわね姉って。あたしも兄弟姉妹ほしかったなぁ」
棚町「そう……ほしいならあげるわよ、あんな姉でいいのなら」
絢辻「アンタ……なんか怒ってる?」
棚町「別に」
棚町「そうね。まず教科書や参考書の類が1冊もないことに驚いたわ」
絢辻「勉強する気だったの!?」
棚町「勝手もわからないから、それしかやることがなかったのよ」
絢辻「なんていうか……やっぱりアンタは次元の違う人間ね」
棚町「しょうがないからあなたのノートを見たけど、まったく意味をなしてないし」
絢辻「あはは……」
棚町「と言うわけで、暇つぶしに補足しておいてあげたから参考にしなさい」
絢辻「え、そこまでしてくれたの?」
棚町「言ったでしょ、ただの暇つぶしよ」
棚町「あなたは大変だったでしょう」
絢辻「そこまでじゃないわよ。親とは食事のときしか顔合わせなかったし。むしろ髪の方が大変だったわ」
棚町「ああ、洗うのがってこと?」
絢辻「そうそう。長い髪なんて今までしたことなかったから、どう洗えばいいのか悩んだわ。時間もかかるし」
棚町「あたしだってそうよ。この髪を洗うの大変だったわ」
絢辻「雨の日が一番辛いのよ」
棚町「今も頭が重いわね。いっそ切ってしまいたいわ」
絢辻「やめてよ!?」
橘「お、薫じゃないか。今日は早起きできたみたいだな」
棚町(橘君との距離が近いことだけは役得ね)
棚町「いつも早起きしてるわよ。そのままもう一度寝ちゃうだけで」
橘「それは早起きじゃなくて二度寝と言うんだぞ」
棚町「細かいことはいいじゃない。アンタだってはやくあたしに会えて嬉しいでしょ」
橘「嬉しいなんて一言も……お、おい! なんでくっついてくるんだ!」
棚町「いいでしょーあたしと純一の仲なんだから。それともイヤ?」
橘「嫌ではないけど……」
棚町「じゃあもっとくっついちゃう!」
橘「そうは言ってないだろ!」
棚町(こういうことが自然にできるんだもの、棚町さんは羨ましいわね)
橘「薫が意味もなくくっついてくるんだよ……絢辻さん、なんか言ってやってくれない?」
絢辻「棚町さん? じゅ……橘君も嫌がってるみたいだし、やめてあげたら?」
棚町「平気よぉ。だってこいつ、ホントはこういうことされて嬉しいのよ。た・と・え・ばぁ……」
ハムッ
橘「うわぁあっ!? 耳を噛むな、耳を!」
棚町「ね? 嬉しそうでしょ?」ニヤニヤ
絢辻(絶対わかっててやってるわね、こいつ……)
棚町「へぇ……なに?」
絢辻「……じゅんいち~!」
ダキッ
橘「えぇぇっ! どうしちゃったの、絢辻さん!」
絢辻「棚町さんだけじゃなくて、あたしも構って?」
棚町「ちょっと! それはあた……絢辻さんのキャラじゃないでしょ!」
絢辻「別にいいでしょー。イメチェンよ、イメチェン」
棚町「そんなの求めてないから! はやく橘君から離れなさい!」
絢辻「いーや。純一、ほっぺにキスしてあげよっか?」
棚町「きゃあぁぁああ!」
梅原「……一体なにが起きてるんだ」
田中「絢辻さんも疲れてるんだよ、きっと」
絢辻「アンタだってあたしの唇で純一の耳噛んだじゃない」
棚町「普段からしてるんだから別にいいでしょ!」
絢辻「あ、そういうこと言っちゃうんだ。だったらもっとすごいことを――」
棚町「いやぁぁぁぁあっ!? 離れる、離れるから! あなたも離れて!」
絢辻「最初からそうしてればいいのよ、まったく」
棚町「はぁ、はぁ……寿命が縮んだわ」
絢辻「あたしの体で変なことしようとするからよ」
橘(どういう会話なんだ……いつから薫の体は絢辻さんのものになったんだ)
絢辻「外でご飯食べるとやっぱり寒いわね」
棚町「ブレザー着なさいよ。あたしはそんな格好しないわよ」
絢辻「ボタンしめてリボンつけてるんだから許してよ。これだけでもなんかうざったいのよ?」
棚町「あなたの普段の服装がだらしないのよ。とにかくブレザーは着て」
絢辻「なんでよ。ブレザーくらい着なくても注意されないわよ」
棚町「胸のラインがあからさまに出ちゃうでしょ。起伏に乏しい体のあなたにはわからないでしょうけど」
絢辻「き、起伏に乏しい!?」
棚町「貧相と言い換えても問題ないわね」
絢辻「貧相ですってぇ!?」
絢辻「アンタの体だって肩こるほど胸大きくないでしょうが!」
棚町「橘君の視線を奪うくらいにはあるわよ。あなたは……聞くまでもないわね」
絢辻「成長中だからいいのよ! これから大きくなんのっ!」
棚町「成長中……? これで?」
絢辻「そ、そうよ! すぐブラを買い換えないといけないんだから!」
棚町「不思議ね。あなたの部屋にあったものは全部同じサイズだったんだけど」
絢辻「ちょ、アンタなに見てんの!?」
棚町「つけずにくるわけにもいかないでしょ」
絢辻「そりゃそうだけど……」
棚町「ひとつ忠告しておいてあげるけど、この年齢でキャラもののバックプリントはやめた方がいいわよ」
絢辻「だぁぁぁっ!? アンタどこまで見たのよーっ!」
棚町「そういうことにしておいてあげるわ」
絢辻「なんか妙に悟った対応されると余計腹が立つんだけど!?」
棚町「……ぷっ」
絢辻「笑った!? 今笑ったでしょ!」
棚町「下着の話はおいといて、もうこれ以上の成長は期待しない方がいいわよ」
絢辻「成長って……また胸の話!?」
棚町「橘君を誘惑したいなら、せめてあたしくらいはないと」
絢辻「アンタの体で誘惑したってあいつがなびくとは思えないわね」
棚町「あら、そんなことないわよ?」
絢辻「え……ど、どういうこと!?」
棚町「うふふふふ」
絢辻「答えなさいよーっ!」
棚町「棚町さん、はやく用意して」
絢辻「なんで?」
棚町「今日も勉強会をするからに決まってるでしょ。まさか昨日だけで終わると思ってたの?」
絢辻「えーまたやんのぉ……あ、それ無理よ」
棚町「どうしてよ」
絢辻「今日あたしバイト入ってるもん」
棚町「バイト、バイトねぇ……え、バイト!?」
絢辻「よろしく頼むわよ、棚町薫!」
絢辻「へーきへーき。ファミレスで普段ウェイトレスさんがやってることをそのままやればいいのよ」
棚町「それだけでできるわけないじゃない!」
絢辻「そうは言ってもねぇ……ドタキャンなんてできないし、無断で休むなんてもってのほかよ」
棚町「あなたが出なさいよ。棚町薫の代わりですって言って」
絢辻「それこそできるわけないっての」
棚町「じゃあ縮毛矯正した棚町薫ってことにして……」
絢辻「顔が違いすぎるでしょ!?」
棚町「そうね、体のふくよかさも全然違うし」
絢辻「まだそのネタを引っ張るか……」
棚町「本気……?」
絢辻「大丈夫よ。あたしの見たところ、アンタは仕事できそうなタイプだし」
棚町「だからって……ねぇ、あなたもついてきてよ」
絢辻「関係者じゃないと入れないって」
棚町「お客として席にいてくれるだけでいいから」
絢辻「それくらいならいいけど」
棚町「はぁ……やっぱりはやく元に戻る方法を見つけないといけないわね」
絢辻「どうせならテスト終わってからがいいわね」
棚町「あぁ、心配事がまた増えたわ……」
棚町「オーダーを受けたらこれに入力すればいいのね」
絢辻「そうそう。あと常にまわりを気にしとくのよ。コーヒーのおかわりとか」
棚町「わかったわ。多少ミスしてもあなたの評価が下がるだけだものね」
絢辻「下げないでもらえるっ!?」
棚町「冗談よ。精一杯やるから、おかしなところがあったらすぐ言って」
絢辻「ん、りょーかい。やらしい目で見てくる人いるけどあんま気にしちゃダメよ」
棚町「そういう人を追い出す用心棒があなたじゃないの?」
絢辻「そこまで軽口言えるなら大丈夫そうね」
客A「あっつぅ!?」
棚町「あ!? も、申し訳ございません!」
客B「これ頼んでないんだけど」
棚町「え……あ、間違いました! 申し訳ございません!」
ガッシャーン!
棚町「し、失礼致しました!」
店長「棚町君、今日何枚割れば気がすむの!?」
棚町「す、すいませ~ん……」
絢辻(仕事はすぐ覚えられたけど、意外とドジなのね……あたしの体なのに)
絢辻「おつかれ~。どうだった? はじめてのバイトは」
棚町「見ての通り、散々だったわ……」
絢辻「ま、最初は誰だってあんなもんよ。アンタの場合は研修もなかったわけだし」
棚町「ごめんなさい、本当にあなたの評価を下げてしまって……」
絢辻「気にしないでいいって。ちょっと調子が悪かったくらいに思われただけでしょ」
棚町「7枚もお皿を割っても?」
絢辻「そうよ。アンタはよくやってたわ。あたしにはわかる」
棚町「慰めでもそう言われると助かるわね」
絢辻「慰めなんかじゃないわよ。あたしは思ったことは隠さず言うから」
棚町「……ありがと」
棚町「いいわよ、あんな家に帰りたいって思う人なんていないだろうから」
絢辻「……アンタってホントに家族が嫌いなのね」
棚町「今はまだマシよ。あまり干渉してこないからね。昔はもっとひどかった」
絢辻「人それぞれ、なにかしら問題を抱えてるもんなのよね」
棚町「そうね。今さらあの人たちになにも期待してないからどうでもいいわ」
絢辻「さて、と。暗い話はここまでにしてさっさと帰りますか」
棚町「あなた、あたしの家に帰りたくないんでしょ? だったら自分の家に帰ればいいんじゃない?」
絢辻「いや、無理でしょ。あたしは今絢辻詞なんだし」
棚町「友だちが泊まりに来たってことにすれば大丈夫よ。わざわざあんな家に帰る必要ないわ」
絢辻「ふあぁ……やっぱり自分の部屋っていいわぁ」
棚町「今日はいろいろと疲れたわ……もう寝ちゃおうかしら」
絢辻「ちょっと、お風呂は入ってよ」
棚町「わかってるけど……布団の柔らかさが心地よすぎて……」
絢辻「もうはやくお風呂入って寝ちゃいましょ。ほら、起きる起きる」
棚町「あなた先入っていいわよ……あたしは待ってるから」
絢辻「そしたらアンタ絶対寝るでしょ! いいから起きなさい!」
棚町「わかったわよ……」
棚町「……だからって一緒に入る必要ある?」
絢辻「せっかくのお泊りなんだからいいじゃない。時間も節約できるし」
棚町「狭いんだけど」
絢辻「アンタの体の余計な肉のせいじゃない?」
棚町「余計? むしろ適切でしょ」
絢辻「これが?」
ムニュ
棚町「ちょっと! 乱暴に扱わないで!」
絢辻「普通に触っただけなのに……」
棚町「銭湯でも行けば存分に楽しめるわよ?」
絢辻「そういうことじゃないでしょ……小さい頃、お姉さんと一緒に入ったりしなかったの?」
棚町「あたしの記憶にはないわね。物心つく前はどうかわからないけど」
絢辻「もったいないわね。あたしにもし姉がいたら、絶対一緒に入るのに」
棚町「だからほしいならあげるって言ってるでしょ」
絢辻「アンタって姉の話になるとすぐ怒るのね」
棚町「気づいてるなら控えてもらえると嬉しいんだけど」
棚町「議論するまでもなく小さいわね」
絢辻「あ、アンタだってそんな大きくないでしょ!」
棚町「自分から振ってきといてなにを言ってるのよ。今はあなたの胸の話をしてるのよ」
絢辻「そうだけど……」
棚町「でもそこまで気にすることじゃないと思うわよ」
絢辻「いやというほどからかってきたアンタがそれを言うか……」
棚町「まあ、橘君の好みは大きい方だろうけどね。ふふっ」
絢辻「勝ち誇ったような顔すんなっ!」
絢辻「んなことしても結果的にアンタが得するだけでしょ」
棚町「大した得じゃないわ。今までも押しつけるくらいなら……」
絢辻「し、したの!?」
棚町「どうかしらね。橘君に聞いてみたらわかるんじゃない?」
絢辻「アンタって意外と大胆……?」
棚町「教室でいちゃついてるあなたには勝てないわよ」
絢辻「あれはいちゃついてるわけじゃないのよー。結局友だちのノリっていうか……」
棚町「なにをしても友だちにしか見られないのは大変ね」
絢辻「そうなのよぉ……あいつニブチンだから……」
棚町(……なんであたしが相談されてるのかしら)
絢辻「近すぎて意識してもらえないのよ」
棚町「それは贅沢な悩みね。あなたにはあたしの悩みなんてわからないでしょう?」
絢辻「家族のこと?」
棚町「橘君の話してるのになんで家族が出てくるのよっ」
絢辻「あ、わかったわ。あたしがいるせいで純一が全然振り向いてくれないのね」
棚町「そんなわけないでしょ。あなたは彼に異性として見てもらえてないんだから」
絢辻「言いすぎじゃない!?」
棚町「もうその話はいいわ。あたしの悩みわね……」
絢辻「うん……」
棚町「……彼のことを名前で呼べないのよ」
棚町「そう思うでしょ? でもね、あたしはこんな些細なことですごく悩んでるのよ」
絢辻「だって名前で呼ぶなんて……普通に呼べばいいだけでしょ?」
棚町「急に名前で呼びはじめたら不自然だわ」
絢辻「そーう? そういえばあたしはなんであいつと名前で呼び合うようになったんだっけ……」
棚町「ぜひ参考にしたいわね」
絢辻「……覚えてないわ」
棚町「はぁ……この頭は無駄に重いだけなの?」
絢辻「無駄とか言わないで! これでも気に入ってるんだから!」
棚町「どうやって?」
絢辻「アンタが細かいこと気にしすぎなだけで、あっちはきっと喜ぶって」
棚町「引かれたりしないかしら」
絢辻「ないない。きっと餌をもらった犬みたいに喜ぶわよ」
棚町「その姿は想像に難くないわね」
絢辻「ところでアンタは純一から名前で呼ばれたいの?」
棚町「か、彼から名前で……? やだ、そんな……詞だなんて……」
ボタボタ
絢辻「は……? ちょ、ちょっとアンタ! それ!」
棚町「え……」
絢辻「鼻血出てきてるわよ!」
絢辻「ホント驚いたわ。人の体で興奮しないでよ」
棚町「こ、興奮したわけじゃないわよ! のぼせちゃっただけよ!」
絢辻「純一から名前で呼ばれることを想像して興奮したんでしょ」
棚町「このあたしがその程度のことで興奮するわけないでしょ!」
絢辻「彼から名前で? やだ、そんな……詞だなんて……」
棚町「ぶっ!? な、なにを言って……!」
絢辻「もうこの台詞は一生忘れられそうにないわね。やだ、そんな……詞だなんて……ぷっ、あはははは!」
棚町「……命が惜しくないみたいね」
絢辻「やーね、ちょっとからかっただけじゃない。そんな怒らないでよ。つ・か・さ」
棚町(最悪だわ……一生の不覚よ……)
絢辻「これほど自分の布団で寝られることを嬉しいと思った日はないわ」
棚町「あたしもさすがに自分の部屋が恋しいわね……明日こそ絶対元に戻りましょう」
絢辻「戻るってどうやってよ」
棚町「最悪、またふたりで階段から落ちるしかないでしょうね」
絢辻「できれば痛くない方法がいいんだけどなぁ」
棚町「もうそんな甘いことは言ってられないわ。あなた、明日もバイト入ってるんでしょう?」
絢辻「そういえばそうね。アンタがやってくれるってんなら全然構わないわよ」
棚町「それがいやだから絶対に戻るのよ」
絢辻「慣れれば面白いのに」
棚町「用事はすんだの?」
絢辻「うん。準備オーケーよ」
棚町「さて……じゃあやるわよ」
絢辻「……自分から飛び降りるとなると怖いもんね」
棚町「下手したら死ぬわね」
絢辻「さらに怖いこと言わないでよっ」
棚町「大丈夫、きっとうまくいくわ」
絢辻「どっから出てくんのよ、その自信は……まぁいいけど。それじゃ押すわよ?」
棚町「ええ。おもいっきりやってちょうだい」
ドンッ
絢辻「ど、どう!?」
棚町「目の前に……」
絢辻「相手の顔があるってことは……」
棚町「成功よ! い、いたっ……! 肩、痛い……」
絢辻「強くぶつけたんでしょ。念のため保健室に行きましょう」
棚町「イタタタ……でも階段から転げ落ちてこれだけの怪我ですんだんだから奇跡的よね」
絢辻「そうね。きっとあなたのおかげだわ」
棚町「いや、あたしはなにも……」
絢辻「あたしの体が下にならないようにしてくれたでしょ。気づいてるわよ」
棚町(ただそのときの自分の体が下にならないようにしただけなんだけどね……)
絢辻「あ、橘君。今少し時間ある?」
橘「時間はあるけど……」
絢辻「けど……? なにか用事でもあるの?」
橘「いや、さっきの話はやっぱりやめたのかなぁと」
絢辻「さっきの話?なんのこと?」
橘「え? 自分から言ったことをもう忘れちゃったの?」
絢辻「ご、ごめんなさい。ド忘れしてしまったわ。私、なにを言ったんだっけ?」
橘「えっと……その、お互い名前で呼び合おうって話、だけど……」
絢辻「……へ?」
橘「僕としては一向に構わないというか、むしろ嬉しいんだけど……やっぱり絢辻さんはいやだった?」
絢辻「ち、違うわ。本当に忘れてただけで……これからは名前で呼んでくれる? じゅ……純一」
橘「もちろんだよ、詞。それでどうしたの? 時間ならいくらでもあるけど」
絢辻「あ、そうなの。棚町さんがさっき階段で転んで、今保健室にいるの」
橘「薫が怪我したの?」
絢辻「うん。だから保健室に行ってあげてくれる? きっとあなたが来たら喜ぶだろうから」
橘「今さら僕の顔を見てあいつが喜ぶかな……まあいいや。とりあえず行ってみるよ」
絢辻「それとね、ひとつアドバイスなんだけど……」
橘「失礼しまーす」
棚町「あら? どうしたのよ、純一。お腹でも壊した?」
橘「絢辻さんからお前が怪我したって聞いてね。大丈夫なのか?」
棚町「どういう風の吹き回しよ。アンタがあたしの心配だなんて」
橘「怪我をしたって聞いたら心配くらいするさ。なにせお前は……お、女の子なんだから」
棚町「な……なに言ってんのよ! 昔からこのくらいの怪我ならよくあったでしょ!」
橘「そうだね。だから僕はお前が心配でいつもそばにいたんだよ」
棚町「また保護者面して……」
橘「保護者なんかじゃないさ。薫は……僕にとって大切な人だから心配してるんだよ」
棚町「大切って……もう、なんなのよ急に……」
絢辻「どう? 肩の方はまだ痛む?」
棚町「痛いけど大丈夫よ。バイトには出られるわ。それよりも……純一に気持ち悪いこと言わせたのはアンタでしょ?」
絢辻「さぁ、なんのことかしら? あたしはただもう少し素直になってみたらって言っただけよ?」
棚町「ったく、余計なことして……」
絢辻「あなたのお節介のお返しよ」
棚町「あたしは元に戻ったらアンタが驚くようにしてただけだから」
絢辻「あなたも素直じゃないわね」
棚町「ふん……もうバイト行くわ。あ、それとさ」
絢辻「なに?」
棚町「テスト前になったらさ……また、勉強教えてくれる?」
絢辻「……しょうがないわね。あなただけの特別サービスよ?」
棚町「ふふっ、てんきゅ」
乙
乙
いいものだな
Entry ⇒ 2012.01.31 | Category ⇒ アマガミSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
橘純一「にゃんにゃん!ごろにゃーん!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1327827007/
タタタタ……
橘「ひびきちゃーん!」
塚原「ん?……橘君?」
橘「にゃんにゃ~ん!ごろにゃ~ん!」ダキッ
塚原「ちょ、ちょっと!何するの!?離れなさい!」
橘「うりうり~!」
塚原「み、見られてるから!周りに見られてるから!」
橘「ひびきったら、相変わらずいい身体してるじゃない……ゴクリ」
塚原「た、橘君………////」
森島「み、見つけた!」
森島「せ、先輩!?人の身体だと思って馬鹿なことをするのやめてください!」
橘「あ~、もう見つかっちゃったか~」
塚原「えっ?えっ?」
森島「は、はい。さっき曲がり角でぶつかってしまって」
橘「お互いに頭をぶつけたら、入れ替わっちゃってね!」
塚原「……そ、そんな馬鹿なことがあるはずないでしょ!?」
森島「そんなこと言われても……」
橘「常識にとらわれて、今こうして現実に起こってることから眼を背けるのは愚かしいことじゃない?」
塚原「どうせ入れ替わったふりをして、私を陥れようって魂胆だよね?」
橘・森島「………」
森島「ち、違いますよ!?」
橘「そ、そうよ!そんなわけないじゃない!?」
塚原(……今の間は何?)
橘「こんな馬鹿なことでひびきちゃんを陥れられたら苦労しないわ!」
塚原「……証拠」
橘・森島「へ?」
塚原「二人が入れ替わったって証拠を見せて?」
森島「証拠ですか?」
橘「証拠って何すればいいの?」
塚原「そうね……はるかは知っているけど、橘君は知らないであろうことを答えてもらうとか」
橘「……そんなことでいいの?」
塚原「えぇ」
橘「え~とね、じゃあ」
橘「ひびきちゃんの身体の恥ずかしい部分に黒子があるって話でいい?」
塚原「!?」
森島「せ、先輩!詳しくお願いします!」
森島「ふむふむ」
塚原「わ、わかったから!もうやめて!」
橘「え~、それじゃあ証拠にならないでしょ?」
森島「そ、そうですよ!塚原先輩!」
森島「ですから!森島先輩もっと詳しくお願いします!!」
橘「でね、ひびきったら実はあんなところに」
塚原「私が悪かった!疑った私が悪かったから、もうやめて!?」
橘「信じてくれる?」
塚原「し、信じるから!」
森島「……詳しく聞きたかった」
橘「そうなの」
森島「身体が入れ替わったとわかるやいなや、森島先輩が走ってどこかにいってしまった時はどうしようかと思いましたよ」
橘「だって、せっかく橘君の身体なんだから、普段できないような悪戯しないともったいないかなって」
塚原「だからってね、私にやらなくてもいいじゃない?」
森島「そういう意味では大成功ですね」
橘「……私は意外と満更でもないひびきちゃんの反応にショックを受けたけどね」
塚原「……!?」
橘「本当は嬉しかったんでしょ~?このっこのっ!」
塚原「そ、それは……////」
橘「そんなことじゃないでしょ?どうなの?どうなの~?」
塚原「しつこいよ、はるか?」
橘「は~い、ごめんなさい」
塚原「身体の入れ替わりにはよくある話なんだけど」
塚原「……あなた達、これからどうするの?」
森島「え?何がですか?」
塚原「入れ替わりに比べたら些細な問題かもしれないけど」
塚原「その……お風呂とかトイレとか」
橘・森島「あ」
森島「何てことだ……入れ替わってしまったことに動転してそこまで考えてなかった……」
橘「悪戯することしか考えてなかったわ……」
塚原「やっぱりね」
森島「……あの森島先輩の身体」
森島「……ゴクリ」
橘「た、橘く~ん?よからぬことを考えちゃダメよ?」
森島「ぼ、僕!」
森島「ちょっと男子生徒の夢を叶えてきます!」
タタタタタタ
橘「こ、コラ!橘くん!?」
塚原「追いかけないと大変なことになりそうね……」
橘「ひびき、行こう!」
森島「失礼しまーす!」
男子生徒A「え?森島先輩?」
男子生徒B「何で二年教室に?」
男子生徒C「どうせ橘だろ?」
ザワザワ……
森島「……う、梅原君?」
梅原「あ、森島先輩。こんにちは」
森島「……あのね?」
梅原「大将……橘なら見ての通り、今はいませんよ?」
梅原「何か急ぎで用事がありましたか?」
森島「違うの!」
森島「私ね……その……」
森島「ちょっと一緒に来て!」
梅原「どうしたんですか?」
梅原「……もしかして、橘のことで何か相談でも?」
森島「相談……といえばそうなんだけどね」
森島「君、橘くんと仲がよかったよね?」
梅原「えぇ」
森島「じゃあさ……彼の下着の好みとか知ってるかな?」
梅原「それは知ってますけど……って、えぇ!?」
森島「あのね、私が今日着けてる下着、橘くんの好み的にはどうかなって」
森島「ちょっと、見てもらいたいんだけど……」
梅原「せ、先輩!?」
森島「梅原君にだったら……見せても……ううん、違う」
森島「私ね、梅原君に見てもらいたいの!」
梅原(な、何だ、この展開!?)
森島「だ、ダメかな……?」
森島「そうだよね、ダメだよね」シュン
森島「梅原君……私ってそんなに魅力ないかな?」
梅原(な、何だ何だ!?)
梅原(そんな目で俺を見ないでくれ!)
梅原(……チクショー!大将はいつもこんなことをしてるのかよ!?)
塚原「あ、いたよ!はるか!」
橘「だ、ダメー!」
森島「……あ、見つかっちゃった」
橘「き、きなさい!」
塚原「橘君?君が私にそこまで説教されたいとは知らなかったよ」
森島「は、ははは……」
森島「ぼ、僕は!森島先輩の魅力をもっと多くの人に知ってもらおうと!」
橘「私はあんなキャラじゃないよ!?」
橘「そ、それに……今日の下着はちょっと見せられないかな~って」
森島「えぇ!?」
塚原「はるか、余計なことを言わないで?」
塚原「で、橘君?」
森島「……ごめんなさい」
橘「まぁ、未遂に終わったし、今回は許してあげる」
橘「でも、二度とこんなマネしちゃダメよ!?」
森島「は、はい!すみませんでした!」
塚原「……はるかも橘君の身体を悪用しちゃ駄目だからね?」
橘「は~い」
塚原「戻り方がわかるまで、しばらく入れ替わってなきゃいけないと思うけど」
橘「……私気付いたんだけどね」
森島「どうしたんですか?」
橘「家に帰れば美也ちゃんが私を待っているのよね!?」
森島「そうですね」
塚原「家族は厄介かもしれないね」
橘「一つ屋根の下に美也ちゃんと……」
橘「だ、ダメよ、美也ちゃん……私達兄妹なんだから……」ハァハァ
塚原「悪用するなっていったばかりでしょ!」
橘「……ダメかな?」
森島「ダメです!僕の身体で美也と一線を超えるような真似は控えて下さい!」
塚原「正体を隠すのが下手そうなはるかは……とりあえず、今日は私の家に泊まるってことで」
橘「え?」
森島「ぼ、僕の身体ですよ!?」
塚原「あ、大丈夫。今日は家族が出払ってるから」
森島「そ、そういう問題じゃ」
塚原「変なことなんてしないから」
森島「は、はぁ」
橘「じゃあさー、お風呂一緒に入ったりしちゃう!?」
塚原「さ、さすがに中身がはるかでもそれは……/////」
森島「自分の家ってどっちのですか?」
塚原「橘家の方に」
森島「……美也のところにお泊りにきたって設定ですか?」
塚原「飲み込みが早くて助かるわ。一晩くらいなら何とかなるでしょ?」
塚原「さすがの橘君でも、いきなりはるかの家族を欺くのは難しいでしょ?」
森島「は、はぁ……そうですね」
塚原「じゃあ、そんな感じでね」
橘「おじゃましまーす!」
塚原「はるか!玄関先で騒ぐなっていつもいってるでしょ!?」
塚原「……私は着替えてくるから、適当に寛いでて?」
橘「はーい!」
橘(さて、と)
橘(いやー、まずいことになったなぁ……)
橘(ここまで上手くいくとは思わなかった)
橘(……現実的に入れ替わりなんてあるわけないじゃないか!)
橘(だけど、今更言い出せないよなぁ……)
さすが変態紳士とラブリー
橘(そして……!演技とはいえ、あまりにもお互いを理解してる行動が怖い!)
橘(全部ぶっつけ本番だよ!)
橘(……しかし、塚原先輩って恥ずかしい所に黒子があるのか)
橘(あの時はもう駄目だと思って適当なことを言ってみたけど、意外と当たるものだなぁ)
橘(そのせいで森島先輩にいらぬ弁解しなきゃいけなくなったけど)
橘(……怖かったなぁ、あの眼)
橘(明日適当に元に戻ったことにして、有耶無耶にしよう)
橘(その為には……)
塚原「お待たせー、はるか」
橘(今晩を乗り切らなくては!)
塚原「はい、これ」
橘「ジャージ?」
塚原「お父さんが運動するって言い出して買ったんだけど、結局一度もきなかったヤツ」
塚原「多分、サイズはぴったりだと思うから」
橘「わお!さすがひびきちゃんね!」
橘「その心遣い、さすが私のお母さんと言われてるだけはあるわ!」
塚原「はいはい」
塚原「あ、ご飯どうする?」
橘「え?ひびきちゃんが作ってくれるんじゃないの?」
塚原「……はるかにしてはいい感じの嫌味をいうわね」
橘(し、しまった!)
塚原「それとも、実験台になってくれるの?」ニヤニヤ
橘「やだなぁ~、本気にしないでよ!」
塚原「……私の料理なんて、いくら中身がはるかでも橘君の身体に食べさせる訳にはいかないからね」
橘「も、もう!ひびきったら!聞いてるこっちが恥ずかしいよ!」
塚原「というわけで、出前にするけど」
塚原「何か食べたいものある?」
橘「そうだな~」
橘「ピザ!ピザがいいな!」
塚原「あら?橘君の為にダイエット中じゃなかったの?」ニヤニヤ
橘「わ、私の身体じゃないからいいの!」
塚原「わけのわからないはしゃぎ方しないでよ」
塚原「橘君の影響なの?最近、輪をかけて酷いよ?」
橘「そ、そうかな!?ひびきったらひど~い!」
橘(……ぼ、僕ってそんな変なはしゃぎ方してるのか)
橘(明日からは自重しよう)
塚原「さて」
橘・塚原「いただきます」
橘「う~ん、美味しい!」
塚原「…………」
橘「ん?どうしたの?美味しいよ?」
塚原「はるかって……猫舌じゃなかったっけ?」
橘「……え」
橘(や、やってしまった!自分の卑しい食欲が憎い!)
橘(どうする?どうする?)
橘(仕方ない……力技で押し通る!)
橘「こ、こういうのは気分の問題なの!」
塚原「き、気分の!?」
橘「それにそこまで熱くないよ?」
橘「チーズが沸騰してるってわけでもないしね!」
塚原「……それもそうね」
塚原「冷めない内に食べちゃいましょうか」
橘(危ない、危ない……気をつけよう)
橘「わーい!一緒に入ろ!」
塚原「だ、だからね!一緒になんて入らないっていったでしょ!?」
橘「え~、いつも一緒に入ってるのに」
橘(……ぼ、僕……とんでもないこと言ってないか?)
橘(だけど……口が勝手に動いてしまうよ!)
橘「橘君の裸を見るいい機会だと思うけどな~」
橘「じゃあ、私はあとでじっくりと……」
塚原「ず、ずるいよ!?」
橘「え?」
塚原「……じゃなくて!」
橘「み、水着!?」
塚原「水着を着て一緒に入る!」
橘「えぇ!?」
塚原「は、はるか!?勘違いしないで?」
塚原「こ、これは……そ、そう!」
塚原「あなたが橘君の身体に変なことをしないか見張る為なんだからね?」
橘「う、うん」
橘「で、でも……私は何を着れば?」
塚原「そ、それもそうね……」
橘(僕だって見境なく見せつけるような分別のない男ではないからね……それには賛成だな)
橘(……でも急にどうしちゃったんだろう?)
橘(もう!いやらしいひびきちゃんなんだから!)
橘(……おっと、心の声まで森島先輩にする必要はないよね)
塚原「はるか~?入るよ?」
橘「……あれっ?」
橘「ひ、ひびきちゃんが……」
橘「競泳でもスクールでもない水着を着てる!?」
橘(び、ビキニ!?ビキニって!)
橘(これは一大事だよ!)
橘(と、とりあえず……)
橘「ひびきちゃんったら!だいた~ん!」
塚原「や、やめてよ!はるか!」
橘「それどうしたの?」
塚原「去年の夏に着ようかな~、と思って買ったんだけどね」
塚原「結局、恥ずかしくて着れなかったんだけど」
塚原「せっかくだから、着てみようかなって」
塚原「似合わない?」
橘「ううん、すっごく似合ってるよ!」
橘「これは男どもが放っておかないぞ~?」
塚原「も、もう!」
橘(見られたら「このっ!このっ!」じゃすまされないよ!)
橘(告発したいのは君だけ!君だけ!)
橘(……って笑えないよ!)
橘(……よし!ここは梅原とのしっぽりとした関係でも想像して乗り切ろう!)
シュン……
橘(……よし!効果はバツグンだぞ!)
塚原「はるか……背中洗ってあげるね?」
橘「う、うん!」
ムニュ……
橘(む、ムニュ!?ムニュって何!?)
塚原「どうしたの?」
橘「な、何してるの?」
塚原「え?背中を洗ってるだけだよ?」
橘「そ、そうじゃなくて!」
塚原「……いつもこうやって洗ってってせがんでくるじゃない?」
橘(い、いつも!?森島先輩と塚原先輩っていつもこんなことしてるの!?)
橘(つ、塚原先輩の柔らかい何かが僕の背中に……!?)
橘(何かって何だろうね、ははっ)
橘(……だ、ダメだ!橘純一!現実と向き合うな!)
橘(妄想の世界へ逃げるんだ!)
橘(うおぉぉぉぉん!梅原ぁ~!)
橘(……お陰で何とか乗り切れた)
橘(かなり危ないところだったよ!)
橘(……さて、あとは)
塚原「はるか?ちょっと早いけどもう寝よっか」
橘「う、うん!」
橘「でも、私はどこで寝ればいいの?」
塚原「あら?一緒に寝るって言い出さないの?」
橘「さ、さすがにそれはね!橘君の身体だし!」
塚原「……あなたの線引きがわからないわ、はるか」
塚原「でも、そうね」
塚原「あなたって寝相が悪いから一緒に寝たくないし」
塚原「う~ん、お父さんの布団でいいか」
塚原「夜中に『ひびきちゃぁぁ~ん、寂しいよぉ……怖い夢見ちゃったよぉ……』って起こされたくないしね」
橘「も、もう!そんなことしないって!」
塚原「ふふっ、オネショも駄目よ?」
橘「しないもん!」
塚原「それじゃ、電気消すよ?」
橘「う、うん!お休み、ひびきちゃん」
塚原「……お休み、はるか」
橘(……一睡もできなかった)
橘(塚原先輩の寝息とか、寝返りする時の衣擦れの音とか……)
橘(僕の脳天を直撃しっぱなしで、とても寝られる環境じゃないよ!)
橘(ん?待てよ……これを言い換えれば)
橘(……塚原先輩に寝かせてもらえなかった?)
橘(何てことだ……いやらしい女だったんですね、塚原先輩……)
橘(……さて、馬鹿なこと考えてないで起きなきゃ)
ゴソゴソ
塚原「……橘く……いや、はるかだったわね」
塚原「もう起きるの?」
橘「一回橘君の家に帰って、学校の準備しなくちゃいけないし」
塚原「……それもそうね」
塚原「私もそろそろ起きなきゃ……七咲の朝練に付き合う約束してるし」
橘「ただいま」
美也「あ、お帰り」
森島「おかえり~」
美也「……って凄いクマできてるし!」
美也「お兄ちゃん、どこで何してたの!?せっかくお兄ちゃんの大好きな森島先輩が泊まりに来てくれてたのに」
橘「ははっ……ちょっと梅原と徹夜で語り明かさなきゃいけないことがあってね」
美也「ふ~ん?どうせいやらしいことなんでしょ?」
橘「ち、違うよ!?」
美也「ま、何でもいいけど」
美也「私は用事があるから、もう家出るけど」
美也「戸締りよろしくね?」
橘「わかったよ」
橘「……はい」
森島「その……ね、うん」
森島「お疲れさま!」
橘「先輩……もうこんな悪戯はやめましょう?」
森島「えぇ?まだ続けるんじゃないの?」
橘「か、勘弁してください!この通りです!」
森島「ふふっ、冗談よ。冗談」
橘「は、はい!」
森島「ひびきとは……何もなかったのよね?」
橘「な、何もないです!」
森島「ふ~ん?」
森島「じゃあ、その目の下のクマはどうしたのかな?」
橘「こ、これは……その……」
橘「き、緊張して眠れなくて!」
森島「本当に?何か二人でしてたんじゃないの?」
橘「違いますって!」
森島「……ウソはついてないみたいね」
橘(朝からラブリーチェックは辛い!)
橘「え、えぇ!?」ギクッ
森島「演技とはいえ、そんなこと口走ってたからね」
森島「どうなの?ねぇねぇ?」
橘「……正直にいうと入りました」
橘「で、でも水着着用で!」
森島「……それ橘くんの提案?」
橘「いえ、塚原先輩の提案です!」
森島「わお……ひびきが……あのひびきがアホなことしてる!?」
森島「あの子にそこまでさせるなんて、さすが橘くんね!」
橘(……なんか褒められちゃったぞ!)
森島「ひびきちゃんったら橘君とお風呂入ったんだ……ズルい!」
橘「せ、先輩!?」
橘「あの~、先輩?」
森島「あ、冗談だよ?顔真っ赤にしちゃって可愛い~!」
橘「も、もう!やめてくださいよ!」
森島「さて、と」
森島「一緒に学校へ行こうか、橘君?」
橘「先輩は一度家に帰らなくて大丈夫ですか?」
森島「うん、問題ないよ?」
橘「僕ちょっと準備してくるんで、少し待ってて下さい」
森島「うん!」
橘「は、はい!僕の家の前でまたぶつかってしまって」
森島「頭をズガーン!とね」
塚原「全てが唐突だね、あなた達は」
橘「でも戻れてよかったですよ」
森島「本当よね!自分の身体って最高!」
塚原「あら?はるかはわりと橘君の身体を楽しんでなかった?」
塚原「『すご~い!男の人の身体ってこうなるんだ!』って」
森島「……え?」
塚原「『ひびきちゃんも触ってみてよ!凄いよ!』って」
森島「……えぇ!?な、何してるのよ!?」
橘「そ、そんなことしてないですよ!?」
塚原「……やっとボロを出したわね」ニヤリ
森島「……うん、怖かったね」
橘「どこからバレてたんですかね?」
森島「あの様子だと最初からわかってて付き合ってくれてたのかもね」
橘「じゃあ泊まりに来いってのも」
森島「わかっててやってたんじゃない?」
森島「私が止めに入らなかったのは計算外だったと思うけど」
橘(塚原先輩……わかっててお風呂で……)
森島「とにかく、今回のことでわかったことがあるわ」
橘「ですね」
橘・森島「ひびきちゃんは意外と大胆でいやらしい!」
完
安定の橘さんで安心した
Entry ⇒ 2012.01.30 | Category ⇒ アマガミSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
橘「絢辻さん、ブースの申請をしたいんだけど……」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1326869248/
橘「コレなんだけど……」ピラッ
絢辻「フリーハグ……?」
橘「うん。今年の創設祭でフリーハグをしようと思うんだ」
絢辻「いいけど、あなた一人でやるつもり?」
橘「う、うん……」
絢辻「フリーってことは非営利活動よね」
橘「勿論だよ」
絢辻「それで、いきなりどうしてこんな事しようと思ったの?」
橘「うん、自分の為じゃなくて皆の為に何かしたいと思ったんだ」
橘「僕にできる事はあんまり無いけど、……これならできそうだったから」
橘「ありがとう!絢辻さん!」
絢辻「ただし、混雑を緩和する措置を用意しておくこと。良いわね?」
橘「大丈夫だよ、そんなに混むわけがないから!」
絢辻「分かったの?分からないの?」ギロッ
橘「わ、分かりました!」
絢辻「そう。……じゃあ、ここに署名して手続きは終わりよ」
橘「あ、ありがとう、絢辻さん」
絢辻「私は私の仕事をしただけだから……」
橘「うん。じゃあ、またね!絢辻さん」
絢辻(まったく……、人の気も知らないで……)
梅原「おう、大将!大将は創設祭で出店するらしいな」
橘「えぇ?どこからそれを?」
梅原「一部ではもっぱら話題になってるらしいぜ」
橘「そ、そうだったのか……」
梅原「ところで大将……、いったい何で出店するんだ?」
橘「フリーハグだよ……、梅原」
梅原「フリーハグ?」
橘「そう。求めに応じて無料でハグをするんだ」
梅原「そ、そんなのがあるのか」
橘「うん、どうやら海外ではあるらしいんだけど……」
梅原「しかし、日本で人が集まるのか?」
橘「まぁ、来なかったら企画倒れになっちゃうけど……」
愛と平和の伝導
橘「皆に少しでも恩を返したいんだ」
橘「僕のような人も減るかもしれないし……」
梅原「た……、大将!やっぱり大将はすげぇヤツだ」
橘「梅原……」
田中「うんうん。私もちょっと感動しちゃったよ……」
橘「た、田中さんっ!?」
棚町「アンタもようやくアタシたちのありがたみが分かってきたようね」
橘「か、薫までっ!?……きいてたの?」
マサ「おう、おれたちも」
橘「皆に少しでも恩を返したいんだ」
橘「僕のような人も減るかもしれないし……」
梅原「た……、大将!やっぱり大将はすげぇヤツだ」
橘「梅原……」
田中「うんうん。私もちょっと感動しちゃったよ……」
橘「た、田中さんっ!?」
棚町「アンタもようやくアタシたちのありがたみが分かってきたようね」
橘「か、薫までっ!?……きいてたの?」
マサ「おう、おれたちも協力するぜっ!」
橘「みんな……」
<ヤッテヤルゾー!!オーー!!
高橋「教室の中から……?いったい何かしら……?」
高橋「橘くんが、……胴上げされてる?」
美也「なんだかにいにの教室が騒がしかったみたいだね」
橘「う、うん。まぁ、いろいろあってね……」
美也「ふーん、いいけど、あんまりのみゃーの恥ずかしくなるようなことしちゃダメダメだからね!」
橘「し、しないよ!そんなこと」
美也「ホントかな~~?」
橘「うん。あ、でも、……」
美也「ん?」
橘「実は僕、創設祭の時にフリーハグをすることにしたんだ」
美也「ふりーはぐ?……ってなに?」
…………
……
…
橘「もうちょっと静かにしないと迷惑だろ。美也……」
美也「でもでも、にいには知らないヒトともハグするって事だよね」
橘「それがフリーハグだからね」
美也「むむむ~~、みゃーがいないからってえっちっちな事しちゃダメだからね!」
橘「な、なんでそうなるんだよ!」
美也「じゃあ、ちゃんとみゃーに誓える?」
橘「な、なんで美也に誓うんだ?」
美也「いいから。……ちゃんと誓って!」
橘「う、わ、分かったよ。絶対しないから」
美也「ヨシっ!それなら許す!」ダキッ
美也「にしししし~~、そんなんじゃダメダメぇ。にいにはふりーはぐをするんだよ?これは練習なのだ~~」
橘「そ、そうだった……。僕はフリーハグを……。よぅし、美也、もう一度だ!!」
美也「そうそう!その息だよ!」ハグー
橘(ん、なんだか美也が柔らかく感じるぞ……。それに、いい匂いもする……)
美也「にいに~~」スリスリ
橘「み、美也……。ちょっとくっつき過ぎじゃ……」
美也「はぁ~~。にいには分かってないなぁ」
美也「いい、にいに?にいには色んな人をハグだけで満足させないといけないんだよ?」
美也「おざなりなハグだと、返って相手の人を傷つけちゃうでしょ!」
橘「そ、そうだったのか……。」
美也「だから、ちゃんと相手の気持ちになってハグしなきゃダメなの!分かった?」
橘「ありがとう美也!フリーハグに大事なものが分かったよ!さぁ、もういちど練習だ!来い!!」
…………
……
…
練習は夜がふけるまで続いた。
橘「え?僕のブースってツリーの前だったの?」
絢辻「えぇ、そうよ。クラスの皆にも頼まれちゃって……。仕方なく、仕方なーくこの場所を使わせる事にしたの」ニコッ
橘(うっ、……あの顔は意地悪する時の絢辻さんだ)
絢辻「あら、何か言いたそうね?」
橘「え?い、いえ滅相もありません!」
絢辻「そうじゃなくて、……まぁ、いいわお礼は皆にいう事ね。それじゃ……」
橘「あ、うん」
絢辻「あ、そうそう。別にこの列って誰が並んでもいいのよね?」
橘「勿論だよ!」
絢辻「そう。ほどほどにね……」
橘(それにしても、梅原達が用意したサクラが予定より多いぞ……。なんでだろう?)
梅原「よう大将!始まる前からスゴい行列になってるな……」
橘「やあ、梅原。……そうだよ!梅原達のサクラが予定より多いなって」
梅原「それは違うぜ、大将。俺たちの用意したサクラは実は予定を割っちまってな……」
梅原「ほら、ちょうどあのモブ子さんのあたりまでだ……」
橘「え?じゃあ……」
梅原「おうよ、人気者は辛いってか……。そのうち差し入れでも持ってくるぜ。そろそろ、始まるだろう?」
アナウンス「これより、第××回、輝日東高校創設祭を開園します……」
梅原「んじゃーな!」
橘「うめはらっ!!」
梅原「……ん?」
橘「ありがとう!!」
梅原「おう!」ニカッ
橘「さーーって、僕も頑張るぞ!」
???「た、橘くん……」
橘「え、え~~っと、きみは……?」
橘「たしか、最初は棚町か田中さんってひとのはずだったんだけど……」
???「わ、わたしは……、田中Bです!」
橘「えぇ!?君も田中さんなの?なんだか声は似てるけど」
田中B「はい、あの、どうしても、私……、一番が良くって」
橘「そうだったんだ。ありがとう」
田中B(た、た、た、た、た、橘くんにありがとうって!橘くんにありがとうって!橘くんにありがとうって!…………)
橘「あ~~っ、えっと、」
田中B「ハッ、あの、す、すみません」
橘「うん、じゃあハグするよ?」
田中B「まって!!!」
橘「ええぇっ!?」
橘「じゃあ、いくよ」ギュ
田中B(どうしよう、私、今、橘くんにハグされてる……。匂いとか大丈夫かな?今日はもう三回もシャワーを浴びて、爪も切って、髪も整えて、コートも買って、香水もつけてきたけど……)
橘(やっぱり女の子っていい匂いだな……)
<ジカンデース
橘「あ、田中Bさん。もう時間だって。最初に時間使い過ぎちゃったねって……、田中Bさん!大丈夫!?」
田中B「きゅ~~~~~」パタン
…………
……
…
橘(鼻血出して倒れちゃったみたいだけど、あの娘大丈夫かなぁ……)
<ツギノヒト、イレマース
橘「はーい」
塚原「あなたも随分と思い切った事をしたわね……」
橘「森島先輩に塚原先輩!こんなに早い整理券をよく取れましたね」
森島「うん、なんだか気になっちゃって。並んでる男の子に声を掛けたら2番と3番の整理券をくれたの!」
塚原「無理言って悪い事しちゃったみたいね……」
橘「あ、いえ……。どうせ、若い番号はサクラなんですけど……ハハハ」
森島「あら、そうだったの?私てっきり橘くんに気を寄せてる娘が多いのかと思って心配しちゃった」
橘「あははは……。森島先輩の為にならいつでもココは空けておきますよ」
森島「もう、そういう事言うの反則よ……///」
橘「え、あ、いや……」
塚原「ちょっとはるか、惚気もいいけど、そんな事してるとあっという間に時間なくなっちゃうわよ」
森島「あ~~ん、もう、響ちゃんのいじわる~~」
橘「そ、そうですね。じゃあ、そろそろハグをしましょうか?」
橘「あ、はい!!」
橘(森島先輩のおねだりポーズ……。なんてカワイイんだ!抱きつきたい!抱きついてモフモフしたい!)
橘「し、失礼します!」ムギューー
森島「わお!意外と力強いのね。それに、なんでかしら……。橘くんに抱きしめられてるととっても安心なのよね……」
橘「ぼ、僕も……。森島先輩を抱きしめてると……」
森島「橘くん……」
橘「センパイ……」
塚原「ゴホン、ンッ、ンン~~!」
森島「ひ、響ちゃん!?」ガバッ
塚原「はぁ、あなたたちを見てるともうお腹いっぱいよ」
森島「うぅ~~、響ちゃんが冷たい~~」
森島「わお!グーよ、橘くん。そのアイディアスゴく良いわ」
塚原「わ、わたし!?えと、私は、ほら、はるかの付き添いみたいなものだから……」
森島「ほ~~ら、響ちゃんも恥ずかしがらない!」
塚原「でも抱き合うのはちょっと、やっぱり恥ずかしいわね///」
橘「でしたら、後ろからハグしますよ」
塚原「えぇ!?なんでそうなるのよ!」
橘「あすなろ抱きって言うらしいですけど……」
森島「橘くん、いえ、ワンちゃん。私の響ちゃんを後ろから抱きしめるのを許可するわ!ゴーゴー!」
橘「わんわ~~ん」ギュー
塚原「きゃあっ、ちょっと……、ん、」
塚原(彼の頬と触れ合って……///)カァーッ
森島「真っ赤な響ちゃんもスゴく可愛いわ♪」
<ジカンデース
橘「え~っと、さすがそれは……」
塚原「こ、こ~ら、はるか。ムチャ言わないの。ゴメンなさいね」
橘「いえ、そんな……」
森島「ちぇ~~、残念。面白かったからまた来るわね、バイ♪」
森島「ほ~~ら、響ちゃんはやく~!」
塚原「今、行くから。……それじゃまた、
今度ね」
橘「はい、お待ちしてます……。あの、」
塚原「……?」
橘「さっきの塚原先輩、最高に可愛かったです」
塚原「もう、お世辞でもそういう事言わないの。じゃあね///」
橘(お世辞じゃないんですけど……)
<ツギノヒト、イレマース
橘「は~~い」
梅原「どんどん人が流れて行くな……」
田中「うん。スゴい行列だね」
棚町「うげ、バイト終わって来て見たら何よ、この行列は~~!!」
田中「あっ、薫!ふふっ、お疲れ様……」
棚町「ありがとう、恵子……。にしてもスゴい人よね~~、いまから並ぶのはちょっと気が引けるわね」
田中「でも、並ばないとハグしてもらえないよ……。ほらまだ、人増えてるもん」
棚町「う~ん、終わってからってのも面白くないし、いっちょ行きますか!」
棚町「と、言うわけだからゴメンね梅原くん。行くわよ、恵子!」
梅原「おう、頑張って来いよ!応援するぜ」
田中「待ってよ薫~~!!」
…………
……
…
橘(そろそろ40人は超えたかな……)
橘(まだまだいくぞ!なんだか、こうしていると皆に温もりを与えるサンタみたいだな……)
<ツギノヒト、イレマース
橘「あ、は~~い」
美也「やっほ~~!」
橘「み、美也!」
中多「あの………」
橘「中多さんも!」
美也「にしししし~~、紗江ちゃんが並んでみたいっていうから並んでみたの」
橘「えぇ、本当に?!」
中多「……はい。本当です///」
中多「いえ、その、……ご迷惑ですよね」
橘「そんな事ないよ!中多さんが来てくれて僕もスゴく嬉しいよ」
中多「そ、そんな……///」
美也「紗江ちゃんはみゃーの大切な友達だからえっちっちなことは絶対ダメなんだからね」
橘「そ、そんなことはしないよ」
美也「そっか。……じゃあ紗江ちゃん、にいににハグしてもらうと良いよ」
中多「えぇ!美也ちゃん……。あ、あの、……しぇんぱい」
橘「ん?」
中多「ぎゅーっとして下さい」
橘「う、うん。行くよ」ギュー
橘(この肉感なのに、中多さんの体はスゴく軽いぞ……)
橘(この感じ、なんだろう。)
橘「美也、ちょっと離れてくれないか?」
美也「え、うん。良いけど……」
橘「中多さん……」
中多「は、はい!教官!」
橘「しっかり掴まっててね」
中多「ふぇ?」フワッ
中多「え、あ、先輩!回ってます!」
橘「怖いかな……?」
中多「いえ、とっても……、とっても楽しいです」ギュウ
二人「アハハハハーーー」クルクル
美也「みゃ、みゃーーもやる!!」
……
…
<ジカンデース
美也「ふぅ、なかなか楽しかったよ。にいに」
中多「はい、スゴく楽しかったです」
橘「そっか、喜んでくれたら嬉しいよ。また来てね……」
美也「にしししし~~、じゃあね、にいに」
中多「さようなら、しぇんぱい」
橘「うん、あとでね」ナデナデ
<ツギノヒト、イレマース
橘「はーーい」
モブB「あすなろ抱きしてもらえるってホントですかぁ?」
モブC「この人がウワサの橘さんなんだぁ~~」
モブD「もっと激しくメチャクチャにしてよ!!」
モブE,F
………
……
…
橘(なんだか噂が広まって要求がハードになって来たぞ。だけど、僕は建てた矜恃を簡単に曲げたりなんかしないぞ!)
<ツギノヒト、イレマース
橘「はーーい」
橘(被り物の女の子……?誰だろう)
???「あら~~、愛想悪いわねぇ」
橘「え?」
高橋「担任の声も忘れたの~~?」
橘「た、たかh、ムグッ……」
高橋「(ちょっと!外の子たちにバレるでしょ!)」ヒソヒソ
橘「(ス、スミマセン……。先生)」ヒソヒソ
高橋「(絢辻さんに聞いたのよ。誰でも大丈夫って)」
橘「(えぇ、その為に制服まで揃えたんですか?)」
高橋「(べ、別にそう言うわけじゃないけど……。どうぞって渡されたから……。別に私の趣味じゃ……)」
高橋「(は、恥ずかしいんだからあんまり触れないでよ///)」
橘「(わ、わかりました)」
高橋「(じゃあ、……はい!)」
橘「(あ、はい。じゃあ……)」ギュー
高橋「(な~~に?橘くん……)」
橘「(あ、いえ、……別に何も)///」
高橋「(もう、えっちね……。でも思春期だからしょうがないわよね)」スッ
橘「(せ、せんせい……、何を!?んむっ)」チュッ
高橋「んっふ、……んちゅ。ハァハァ……、逃げちゃダーメ。んー-」
<ジカンデース
橘「ん、んー。んーー。」トントン
高橋「はぁ、残念。それじゃまた後でね……」
橘(キス、されたのか………)
<ツギノヒト、イレマース
橘「え、あ、あ、ちょっとだけ待って下さい……」
梨穂子「やっほ~、じゅんいち~」
橘「り、梨穂子!?」
梨穂子「ん?どうしたの?」
橘「あ、いや何でもない。ちょっと意外だったから……。香苗さんと一緒じゃないの?」
梨穂子「ん~と、香苗ちゃんはなんでも、狩り?にいって来るらしいよ」
橘「そ、そうなんだ」
梨穂子「うん。えへへ~~、ねえ、じゅんいち」
橘「ん?」
橘「まったく、梨穂子はカワイイなぁ!」ナデナデ
梨穂子「えぇ!!///」
橘「梨穂子はカワイイなぁ!!」ナデナデ
梨穂子「えへへ~~///」
橘「梨穂子はカワイイなぁ!!!」
梨穂子「ふにゃ~、極楽ですな~」
橘(梨穂子を抱きしめると、指が沈むのが心地良いなぁ)
梨穂子「ひゃあ!?そこをつまんじゃだめぇ~~」ジタバタ
橘(なんだか面白くなって来たぞ……)
梨穂子「やぁ、ちょっとじゅんいち!そこくすぐったいよ///」
橘(許せ、梨穂子……)モミモミ
…………
……
…
梨穂子「もう、じゅんいちったら~~」プクー
橘「こ、今度、一緒に駅向かいのケーキ買って来てあげるから」
梨穂子「本当、それじゃあしょうがありませんなぁ~。」
橘「あ、ありがとうございます……」
梨穂子「でも、どうせなら一緒に行こうよ~」
橘「う、うん。いいよ」
<ジカンデース
梨穂子「もう、時間みたいだね」
橘「うん、また後でね」
<ツギノヒト、イレマース
橘「はーーい」
橘(ちょっとみてみようかな……)チラッ
棚町「ハロー!やってるーー!?ってきゃあ!」
橘「うわぁ!」
棚町「な、……な・な・なんでアンタがそんなトコにいんのよ!?ビックリするじゃない!?」
橘「僕の方がビックリしたよ。ちょっと外見ようとしたら薫が立ってるんだもん」
橘「呼ばれてから入ってくると思ってたのに」
棚町「だって……、待ちきれなかったのよ///」
橘「え?……えぇ!?」
棚町「あ、や、ダメ!やっぱり、今のナシ!!///」
橘「う、うん。良いけど……」
棚町「良くない!アタシがそれを良いって言うのは良いけど、アンタがどうでもいいみたいにいうのはダメなの!」
棚町「う、うん。アタシも何言ってるかちょっと分かってないかも……」
橘「やれやれ……」
棚町「い、良いじゃない別に///」
橘「うん、良いけど。ホラッ、そこだと寒いだろ。早く入れよ」
棚町「あ、……うん」スーハースーハー
橘「何してるんだ?」
棚町「ヨシっ、おっ邪魔しまーす!」
橘「うん」
棚町「ね、ねぇ……」ソワソワ
橘「ん?どうしたの?」
棚町「その、……アタシは今からは、は、ハグされるのよね?」
棚町「で、でも大体はハグ、……してるわけじゃない?///」カァーッ
橘「う、うん」
棚町「そんな時に他の人達はどうしてたのかなー、なんて思ったりもするわけよ///」
橘「うん」
棚町「そ、それで、……あー、もうこんなの全然アタシらしくない!っていうかアタシばっかり恥ずかしがってバカみたいじゃない!」
棚町「ほら、ハグ、……しなさいよ///」
橘「うん、行くよ。薫」スッ
棚町「あっ///」ビクッ
橘「薫、どこかくすぐったいところとかないか」
棚町「そうね、強いて言うならココロがムズかゆいわね……。ふふっ、なんか、ホーント変な感じ」
橘「そう言われても……」
棚町「でも、嫌いじゃないよ///」
<ジカンデース
橘「うん。なんだかあっという間だったよ」
棚町「じゃあ、この続きはまた今度ってことね」
橘「つ、続きがあるの?」
棚町「あったりまえでしょ~。ちゃんと覚悟しときなさいよ!それじゃ、テンキュね!」
橘「う、うん」
<ツギノヒト、イレマース
橘「はーーい」
橘「なんとか乗り切れそうだぞ。次は誰だろう?」
田中B「あのー、今日は二度目なんですけど……」
橘「あ、えーっと、一番初めにきてくれた娘だよね?」
田中B「はい!名前は--」
橘「田中Bさん、だよね?」ニコッ
田中B「あ、ハイ……」シュン
橘「あの時は倒れちゃったから気になってたんだ。大事が無くてよかったよ」
田中B「それは大丈夫だったんですけど……、その、お願いがあるんです!!」
橘「うん。自分にできる事ならなんでも言ってよ!」
田中B「あの!今までの女の子にやってきたハグを全部して欲しいんです!」
橘「」
田中B「じゃあ、それでお願いします」
橘「分かったよ。じゃあ一個一個やって行くよ……」
…………
……
…
<ジカンデース
橘「ハァハァ……、きょ、今日はここまでにしとこうか……」
田中B「ハァハァ……、はい」ヨロヨロ
橘(また倒れそうだけど、大丈夫かな?)
田中B「また、………来ますから」
橘「う、うん。またね」
<ツギノヒト、イレマース
橘「はーーい」
橘「あれ、絢辻さん?」
絢辻「安心して良いわよ。私の後ろに行列なんてないから。一人だけ面倒な娘がいたけどね」
橘(たぶんあの娘だな……)
絢辻「ちゃんとこっちを見る」グイッ
橘「は、はい!!」
絢辻「この腕でいったい何人を抱きしめたのかしらね……」ツツツーー
橘「あ、絢辻さん……」
絢辻「知ってる?私って結構、嫉妬深いのよ……。ねぇ、橘くん……」
橘「はい!!」
絢辻「許可したのも私だから今回の事を責めはしないけれど……、この創設祭のあとの事も同じだとは思わない事ね……」
橘「あ、あぁ……、うん」
絢辻「待って、あなた、そのダッフルコートのままハグするつもり?匂いが移るじゃない」
橘「は、はい!!脱ぎます」バサッ
絢辻「聞き分けのいい子は好きよ」ニコッ
橘「うぅ……、これは思ったより寒いぞ」ブルブル
絢辻「だーれーが、悪いかったのでしょうか?」
橘「ぼ、僕です……」
絢辻「正解です。正解者にはなにか褒美を与えないといけないわね。なにが良いかしら?」
橘「絢辻さんにハグをしたいです!」
絢辻「良いわよ。でもちゃんと、私のコートに入ること……良いわね?」
橘「は、……はい」
絢辻「良いお返事ね」
橘「は、はい!!」ドキドキ
絢辻「ほら、寒いんだからさっさとする!」
橘「は、はい!!」ギュウ
橘(あれ、絢辻さん……、ブレザーを着てない?ブラウスだけじゃないか!?)
絢辻「色んな娘があなたの服に匂いをわざと残してたの知ってた?」ギュウ
橘「え?そうだったの?」
絢辻「まったく、呆れるわね。襟元、裾、背中、マフラー、手袋、ベルトやブレザーのゴージまでベッタリ……」
絢辻「不愉快だわ。冬季休業になったらすぐにクリーニングにかける事ね」
橘「う、うん……。分かったよ」
橘「ぼくも、そう思ってたところだよ」サワサワ
絢辻「後ろをまさぐっても無駄よ、。だって今日はフロントホックだもの?」
橘「えぇ!!なんだって!」
絢辻「フフ、っぷりお仕置きが欲しいよね……」
<ジカンデース
絢辻「なんで?私の後ろは誰もいないはずよ!」
七咲「ほだされたらダメですよ?先輩」
絢辻「あなた……」
橘「七咲?」
七咲「水泳部の片付け、自分は免除になりました。さて、先輩。私にもハグして貰いますよ」ニコッ
絢辻「あら?万年ダウンが嫉妬かしら?色気のない娘は辛いわね」
七咲「そうでしょうか?まぁ、色仕掛けの回数は私の方が多いんですけどね……」
絢辻(まだ、申し送りが残ってるから本当は長居はできないし、まだ橘くんで遊ぶつもりだったけど……)
七咲「さぁ、先輩。その男を譲っていただけますか?」
絢辻「あら残念ね……。まぁしょうがないか……。橘くん、ちょっとコッチを向いてくれるかな?」
橘「え?こ、こう?」
絢辻「そう。……動かないでね」チュッ
橘「んーッ!」
七咲「な!?」
絢辻「はい、おしまい。……じゃあ、お仕事行って来るわね」サッ
橘「あ、うん……」
橘(絢辻さんの指は細くて、ひんやりしてなんだかエロかったぞ……)ドキドキ
…………
……
…
橘「な、七咲……」
七咲「ふふ、そんなに慌てなくても大丈夫ですよ。……先輩」
橘「あ、うん……」
七咲「ほら、座って下さいよ。先輩……」
橘「でも、ハグを……」
七咲「いいですから……」
橘「分かったよ……」トスッ
橘「な、七咲……。膝の上に座るのは……」
七咲「?……ダメですか」
橘「別に良いけど……」
橘(く、……七咲の乗ってる太ももに神経が)
七咲「えっちぃのはダメですよ。……お兄ちゃん」
橘「お兄ちゃん!?」
七咲「一度、こうやって甘えてみたかったんです」
橘(な、七咲が逆手にネクタイを握って、上目遣いで……)
橘「あ、うん」
七咲「おにーちゃぁん♪」ムギュー
橘「な、七咲……」
七咲「私のダウン姿は色っぽくないそうです。……私にもさっきのアレをお願いします」
橘「さっきのって……」
七咲「はい、お兄ちゃんのコートにいれて下さい」
橘「う、うん。それぐらいならお安い御用だけど……」マフッ
橘「そう、なのかな?」ドキドキ
七咲「はい、とっても暖かいですよ」
橘「そ、そっか……」
七咲「でも足が少しだけ、寒いですね……」
橘「座ってるとどうしても出ちゃうからね……」
七咲「あの、……さすってくれませんか?」
橘「さ、さするって太ももを……?」
七咲「はい、……そうですが」キョトン
橘(い、良いのか……。しかし、……うん。これは七咲が寒いから仕方なく、仕方なくなんだ……)サスサス
七咲「ん、……」ビクッ
橘「え、えぇ?!僕は……」
七咲「大丈夫ですよ、分かってますから」
橘「……お、驚かさないでよ」
七咲「あの……」ジーーッ
橘「ど、どうしたの……」ドキッ
七咲「さっきからだんだんスカートの位置が上がって来ているんですが……」
橘「そ、それは……、な、七咲が寒いと思って」
七咲「本当に、お兄ちゃんは変態さんですね」
橘「う、……」
七咲「ですが、そういうところも嫌いじゃないですよ」
七咲(でも、もう、後ろもいないし……、さっきのヒトみたいにキ、キスなんかしちゃっても……、いいのかな?)ドキドキ
橘「どうしたの?俯いて……」
七咲「あの!……あ、えっと、コッチを向いて下さい」
橘「う、うん。……向いてるけど」
七咲「そのまま、目を閉じてじっとしてて下さいね……」スッ
七咲(先輩のくちびる……。もうちょっと、……あとちょっと、ふ、触れーー)
橘・七咲「えぇ!?」
七咲「な、あ、ありえません!誰が!」
絢辻「ゴメンなさいね、このブースも片付けなくちゃいけないから」ニコッ
マサ(以下、数十名)「ということだ。イチャイチャ中に悪いが今宵に幸せ者は作らん!!そうだろ、みんな!!!」
一同「うおおおぉぉぉぉ!!!!!」
橘「絢辻さん!?それに、みんな!?」
七咲「そ、そんな……」
絢辻「あら、本当にゴメンなさい。さ、皆さん、片付けてください」ニコッ
一同「はいっ!!」
…………
……
…
あっという間ね。ビックリしちゃう……。さてと、」
七咲「な、なんですか?先輩は渡しませんから!」キッ
橘「七咲……」
男達「スマナイ……、お嬢ちゃん」ガッシ
七咲「え、きゃあ、…ちょっと、やめてください!」
橘「な、七咲ッ!!」
絢辻「私はあなたに言ったわよね?祭りのあとの事は看過しないって……」
橘「でも、だからって七咲には手を出すな!」
絢辻「ふ~~ん、まだあの娘のことを気にするの。……これは教育が必要みたいね」
絢辻「みんな、やっちゃって良いわよ……」
一同「うっす!!!」
マサ「すまん、橘……」
マサ「安心しろ。あのお嬢ちゃんには何もしない。用があるのはお前だ……」
橘「えぇ!?ますます意味が……」ドサッ
橘「痛ったたた……、ええ!?」
目の前には○○ちゃん親衛隊と書かれたハッピの男達だった。どうやら輝日東高校にはいろんな人の親衛隊があるらしい……。
橘(というか、僕も初耳だぞ!)
マサ「きいてくれ、みんな!この男には延べ211人分の間接ハグが宿っている……」
一同「うおおおぉぉぉぉ!!!」
マサ「さらに絢辻さんからの情報によると、どこかしらにお前らの想い人の残り香があるらしい!」
一同「うおおおぉぉぉぉ!!!」
マサ「一人20秒だ!掛かれ~~!!」
一同「うおおおぉぉぉぉ!!!」ドドドドド
橘「うわあああぁぁぁ!!!!」
その夜、空にはひときわ大きな流星が堕ちたという。
美也「まったく、にいにはバカなんだから!!」
おわり
えっ
なんだか5時に目が覚めたので、出勤前に書きました、といっても最後の方はバスの中ですが……
保守して下さった方々には最後駆け足になってしまって申し訳ないです
ちなみに薫の髪をストレートにする人とは別人です
それではごきげんよう
Entry ⇒ 2012.01.23 | Category ⇒ アマガミSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
橘純一「薫の髪の毛をサラサラにしてみよう!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1326764949/
梅原「どうした、大将?」
橘「薫を薫たらしめてる、一番重要なものはなんだ!?」
梅原「……悪友キャラか?」
橘「それもそうだけど、違う!」
橘「やっぱり、あの髪型だろ!?」
梅原「確かに特徴的すぎる特徴ではあるな」
橘「というわけで、僕は薫の髪の毛をサラサラにしてやろうと思うんだ!」
田中「えええええええええ!?」
田中「そ、そんなことしたら!薫が薫じゃなくなっちゃうよ!?」
梅原「そ、そうだぜ!棚町が少し目立つモブキャラになっちまう!」
橘「……僕はやると決めたんだ!」
橘「新たな発見の為なら……多少の犠牲は!」
梅原「犠牲になるのは棚町だけだろ!?」
橘「でも、見てみたいだろ?」
梅原「そ、それは……」
田中「ちょっと見たいかも……」
橘「とにかく!僕は行くよ!」
橘「……骨は拾ってくれよ?」
ダダッ
田中「た、橘君!」
梅原「大将……無茶しやがって」
①ヘアアイロンを使う
②縮毛をあててもらう
③カツラを被せる
橘「……の三つかな、考えられるのは」
橘「③は別な遊び心が生まれて、目的を見失いそうだし」
橘「②は……さすがに薫に直毛を強いる期間が長すぎる……!」
橘「①だな、ここは。うん、そうしよう。そう決めた!」
橘「そうと決まれば行動だ!」
橘「……ヘアアイロンといえば、あの人だな。うん、あの人に相談してみよう!」
森島「あ、橘君じゃない。どうしたの?」
橘「ぼ、僕と付き合ってください!」
森島「え、えぇぇ!?////」
橘「……買い物に行くの」
森島「……あ、うん。定番のヤツね」
森島「何の買い物に付き合えばいいの?」
森島「もしかして……下着!?下着なのね!?」
橘「ち、違いますよ!」
橘「その……ヘアアイロンが欲しくて」
橘「えぇ!どうしても真っ直ぐにしてやりたい髪の毛があるんです!」
森島「はは~ん?また何か面白いこと思いついたのね!?」
森島「そうとわかれば全力で協力するわ!」
森島「お買い物は今日の放課後でいいかな?」
橘「は、はい!よろしくお願いします!」
橘「先輩!ありがとうございました!」
橘「これならどんなに頑固なくせ毛でも真っ直ぐにしてやれそうです!」
森島「ふふっ、橘君の力に慣れて嬉しいわ」
森島「あんなに真剣な眼差しで選ぶなんて……よっぽど真っ直ぐにしたかったのね?」
橘「これは僕にしかできないことなんです!」
森島「ところで、橘君?使い方わかるの?」
橘「え、いや……説明書を読めばなんとかなるかなぁ、と思ってたんですが」
森島「甘い……甘いわよ!橘君!」
森島「そんなに簡単なものじゃないのよ!くせ毛を伸ばすのは!」
森島「というわけで、これから練習ね!」
橘「練習と言っても……何でですか?」
森島「私の髪の毛」クルクル
橘「あっ」
森島「お邪魔しまーす!」
森島「美也ちゃんは!?美也ちゃんはいないの!?」
橘「まだ帰ってきてないみたいですね」
森島「そっかぁ……」ガックリ
森島「じゃあ、早速だけど練習しようか?」
橘「居間でします?」
森島「う~ん、せっかくだから橘君のお部屋にお邪魔しちゃおうかな!」
橘「ぼ、僕の部屋でですか!?」
森島「ダメだった?……あ、もしかしてエッチな本が出っぱなしとか?」ニヤニヤ
橘「ち、違いますよ!」
森島「なら別にいいじゃない?」
橘「わ、わかりましたよ!こっちです!」
橘「片付いてなくて、すみません」
森島「さてと、いやらしい本はどこかな?」ガサゴソ
橘「な、何してるんですか!?」
森島「あ、あった!え~と……愛しのご主人様?僕は貴女の犬だワン?」
橘「せ、先輩!?そ、そんなの持ってませんから!」
橘「しかも隠し場所はそこじゃないです!」
森島「へ~、じゃあどこにあるのかな?」
橘「そ、それは今は関係ないですよね!?」
森島「もう!橘君のいけず!」
橘「と、とにかく!練習しますよ、練習!」
森島「は~い」
森島「挟んで、伸ばす」
森島「これだけよ?」
橘「はい」
森島「でもね、橘君?この単純な作業が曲者なのよ」
森島「挟む力と伸ばす方向、それとかける時間ね」
森島「力強く挟んで長い時間かければいいってものじゃないのよ?」
森島「特に今回伸ばしたいのは自分の髪の毛じゃないでしょ?」
森島「女の子にとって髪の毛は大事なんだから!」
森島「ま、色々やってみようか!」
橘「は、はい!お願いします!」
森島「や、やん!力いれすぎよ!?」
橘「す、すみません!」
森島「も、もう!初めてだからって力み過ぎ!」
橘「こ、このくらいですか?」
森島「そ、それだと弱いかな……もう少し力強く」
橘「こ、こうですか?」
森島「あ、あん!いいよ!橘君!その調子!」
橘「は、はい!」
森島「ちょ、ちょっと!熱い!橘君熱いよ!時間かけ過ぎ!」
橘「すみません……焦がしてしまいました……」
森島「私の……橘君に傷物にされちゃったよ……」
美也「……ゴホン!」
森島「そうそう!別に変なことは……」
美也「二人の絡みはいちいち紛らわしいの!わざとやってるでしょ!?」
橘「そ、そんなことないぞ!?」
森島「わ、わざとじゃないよ?」
美也「……じゃあ美也が見ててあげるから、続きやってみようか?」
橘「み、美也が見てるんじゃ手を抜けませんね!森島先輩!」
森島「そ、そうね!真面目にやらなきゃね、橘君!」
美也「……さっさとやる!」
橘・森島「は、はい!」
森島「おめでとう、橘君」
美也「にぃに……頑張ったね」
橘「い、今の僕なら!」
森島「えぇ……どんな癖毛でも真っ直ぐにできるはずよ?」
橘「いやっほぉぉぉぉぉう!」
美也「で、にぃに?何の為にこんなことを?」
橘「明日になればわかるさ、美也」
森島「明日が楽しみね!橘君!」
橘・森島「ふふふ、フゥーハハハハハハッ」
美也「にぃに達が物凄く悪い顔してる……」
美也「嫌な予感がするよ……」
橘「僕なら出来る……僕なら出来る!」
棚町「なに一人でぶつぶつ呟いてんの?危ない人みたいよ?」
橘「か、薫!?」
橘「ふふふ……フゥー、ハハハハハハッ!」
棚町「な、何よ!何がそんなにおかしいのよ!?」
橘「時に薫!薫は直麺と縮れ麺どっちが好きだ!?」
棚町「え?急に何を」
橘「答えるんだッ!」
棚町「!?」ビクッ
棚町「い、いきなり大きい声出さないでよ!」
棚町「そうね……美味しければどっちでもいいわ」
橘「そうか、それは都合がいい!」
橘「いやね、薫の髪の毛を真っ直ぐにしてみようかなって」
棚町「……テンションの上がり下がりが激しいわね」
棚町「それぐらい別に構わないけど?」
橘「だよな……その髪型は薫のアイデンティティだもんな。断られることはわかって……え?」
棚町「だから、別に構わないって」
橘「薫!お前正気か!?」
棚町「ちょうど髪型変えてみようかなって思ってたし」
橘「何てことだ……薫が自分を見失いそうになってるじゃないか……」
棚町「自分を見失いそうなのは、あんたでしょうが」
橘「も、もちろん!この日の為にヘアアイロンも買ったし、修行もしてきた!」
棚町「はぁ……あんたのその無駄な行動力が時々怖くなるわ」
棚町「お願いしちゃおうかな、そこまでしてくれたなら」
橘「任せて!薫をどこに出ても恥ずかしくないサラサラヘアーにしてみせるから!」
棚町「そ、そういうのいいから!」
棚町「やるなら早くしてよね!」
橘「では早速」
棚町「あ、焦がしたら承知しないからね?」
橘「薫!僕を誰だと思っ」
棚町「はいはい、わかったから早くして」
橘「……わかった」
橘「よいしょっと」
キュッ……スー……
棚町「……んっ!」
橘「あ、熱かった?」
棚町「ううん、そうじゃなくて……」
棚町(あたし、髪の毛を伸ばされてるだけよね!?)
棚町(何か変な気持ちよさが!こいつ、何の修行してきたのよ!?)
橘「……薫?」
棚町「つ、続けて?」
橘「う、うん」
キュッ……スー……
棚町「……んんっ……はぁ……」
キュッ……スー……
棚町「……あっ!そ、そこは!」ビクンッ
橘「薫、動かないで」
棚町「そ、そんなこと言われても……あ、あん!」
キュッ……スー……
棚町「うぅっ……じゅ、じゅんいちぃ……」トロン……
橘(な、何だか薫が大変なことになってるけど!ぼ、僕のせいじゃない!)
キュッ……スー……
棚町「……/////」ビクンビクンッ
棚町「も、もう終わりなのぉ……?」
橘「うん、サラサラになったよ!」
橘「はい、鏡」
棚町「……嘘……これがあたし……!?」
橘「街中で出会っても薫だと気付かずにスルーしちゃいそうだよ、僕」
棚町「……な、何なのよ!?この正統派だけど、コレジャナイみたいな!?」
橘「薫……ごめん」
棚町「あ、謝んないでよ!?」ガタッ
橘「うわっ!掴みかからないでよ!」
棚町「純一のバカ!」
橘「ちょっ……そんなに揺らしたらバランスがっ!」
橘「う、うわぁ!」
バターン!
棚町「……」
橘(い、今!僕に馬乗りになってるのは薫なんだよな!)
橘(そ、そう!髪の毛がサラサラなだけの薫!)
橘(取っ組み合いになるのだって初めてじゃないじゃないか!)
橘(……なのに!)
橘(し、知らない人に馬乗りになられてるみたいで、ドキドキが止まらないよ!)
棚町「なによ……急に大人しくなっちゃって」
橘「それは……そのっ……」
橘「何だかドキドキしちゃって」
棚町「!?」
橘「サラサラの薫が新鮮で、つい」
棚町「な、何!?つまり……お、女の子として意識しちゃったみたいな!?」
橘「そ、そういうことだね……何だか薫が薫じゃないみたいだ」
棚町「!?」
棚町「もう……バカ!」
棚町「まぁ、いいわ」
棚町「こんなことであんたをドキドキさせられるなら、しばらく直毛でいようかなって」
橘「えぇ!?」
棚町「その方が楽しそうじゃない!?」
梅原「おい、大将」
梅原「薫、わざわざ美容院で真っ直ぐにしてきたらしいぞ?」
田中「薫が……私の薫がぁ!エントロピー高めな薫がぁ!!」
梅原「大将、何したんだよ?」
橘「ぼ、僕は何もしてないよ!?」
棚町「あ、純一!おはよ!」
ギュ……カミカミッ
橘「か、薫!耳を噛まないで!」
スッ
棚町「純一、ドキドキした?」ニヤニヤ
橘「ど、ドキドキしたから!もうやめてよ!」
棚町「え?嫌よ?」
棚町「こらからは、もっと純一をドキドキさせてやるんだからね!?」
完
梅原「その目は懲りてないな、大将?」
田中「また犠牲になる人がいるの……?」
橘「あえて問うけど、アマガミで一番サラサラヘアーなのって誰だろうな?」
梅原「……まさか、大将!?」
橘「僕は!絢辻さんのサラサラな髪の毛を!」
橘「クルックルッなことにしてやろうと思っている!」
田中「橘君、死ぬ気なの?」
梅原「……大将、勇気と無謀は違うぞ?」
橘「梅原……これは義務だ」
梅原「義務?」
橘「クラスメイトが一人真っ直ぐになってしまったから!」
橘「一人クルクルしたことにしなくてはバランスがとれない!」
絢辻「へぇ?面白いこと考えてるじゃない?」
梅原「あ、絢辻さん!?」
田中「……聞いてたの?」
絢辻「あんなに大きい声で騒いでたら、嫌でも聞こえると思うけど?」
絢辻「で、橘君?……本気なの?」
橘「……絢辻さん、僕の目を見て欲しい!」
梅原「た、大将!?」
絢辻「……そう、本気なのね」
橘「…………」ジー
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
田中(空気が張り詰めてる!)
梅原(た、大将が一歩も引いてない!?あの絢辻さんには頭の上がらない大将が!?)
絢辻「……負けたわ、あなたには」
橘「わかってくれたの?」
絢辻「えぇ、ここまで真剣な橘君を見たのは初めて」
絢辻「……いいわ、巻きなさい?」
絢辻「ただし!中途半端なことをしたら……」
橘「わかってる!」
絢辻「そう?ま、精々頑張りなさい」
橘「僕は……負けない!」
森島「……今度は巻くのね?」
橘「は、はい!」
森島「私の教えは厳しいわよ?」
橘「覚悟の上です!」
森島「……その目、嘘はついてないようね」
森島「いいわ!私についてきなさい!」
橘「し、師匠!」
森島「巻いて行こう!」
塚原「……何してるの、あなた達?」
森島「もう!こういうのはノリが大事なの!」
橘「……すみません、塚原先輩」
塚原「な、何で私なの!?前みたいにはるかでいいじゃない!?」
森島「えー?だって私のらもう巻いてあるし?」
塚原「……寝癖なんでしょ、それ?」
森島「細かいことはいいの!」
森島「……それにあんまりうだうだ言ってると、橘君にあのことバラすよ?」
塚原「そ、それは!?……わ、わかったわよ、好きにしなさい!」
橘(あのこと!?あのことって何!?)
森島「よろしい、では始めますか!」
森島「女性の髪の毛を熟知している橘君にとっては」クルクルッ
森島「巻くだけの簡単な作業」クルクルッ
森島「必要に応じて道具は使い分ければいし」クルクルッ
森島「必要なのは全体のバランスをとるセンスかな」クルクルッ
森島「はい、できた!」
橘「こ、神々しい……!」
塚原「ちょっと!はるか!?どんな髪型にしたのよ!?」
森島「ベルサイユの薔薇みたいな?」
塚原「!?」
橘「もしくはお蝶婦人ですね」
塚原「どんな髪型よ!?」
森島「……と、まぁ、このようにね」
森島「技術は素晴らしくても、女の子を怒らせるような髪型にしちゃダメよ?橘君?」
橘「わ、わかりました!」
塚原「そんなわかりきったことの為に私の髪型が……」
森島「大丈夫!ちゃんと元に戻せるから!」
塚原「ほ、本当に直せるのね?」
森島「……確実に痛むけどね、髪の毛」
塚原「え?」
森島「人類の進歩の為に犠牲はつきもの……!」
森島「ごめんなさい……でも、あなたのキューティクルは無駄にしないわ!」
塚原「わ、私の髪の毛が……」
橘「塩素に晒さられてる分、痛むの早そうですね」
塚原「い、いやぁぁぁぁぁぁ!」
ーーーー
ーー
ー
橘「し、師匠!」
森島「えぇ、橘君……」
森島「……私が教えることはもうないわ!」
橘「あ、ありがとうございました!」
森島「いいのよ、橘君」
森島「礼はそこで悶絶してるひびきちゃんにいいなさい?」
塚原「私のキューティクル……うぅ……」
塚原「それに……橘君のせいで……お嫁にいけないよぉ……恥ずかしいところ沢山見られちゃったよぉ……」ビクンビクン
橘「つ、塚原先輩!ありがとうごさいました!」
絢辻「あら?てっきりなかったことにでもされるかと思ってたけど」
橘「そ、そんなわけないだろ!僕は絢辻さんの髪の毛を巻く為にここにきたんだ!」
絢辻「そう……橘君には期待してるわよ?」
ゴゴゴゴゴゴ……
橘(こ、この殺気!中途半端なことをしたら殺られる!)
梅原「大将……」
田中「橘君……頑張って」
棚町「負けんじゃないわよ!」
橘(でも僕は……負けない!)
橘「よし!巻いて行こう!」
絢辻「あら?何でかしら?」
橘「絢辻さんには結果だけを評価して貰いたいんだ」
橘「過程は……見せたくない」
絢辻「わかったわ……橘君の思うように巻いてね」スッ
橘「よし!えーと、じゃあこの辺を……」
クルクルッ
絢辻「んあっ!」ビクンッ
梅原「……何なんだろうな、あの現象」
田中「え~と、髪の毛を巻いてるだけだよね?」
棚町(……頑張って、絢辻さん)
クルクルッ
絢辻「~~っ!」
絢辻「ハァハァ……え?もう?」
橘「目を開けて、鏡を見て欲しい」
絢辻「うん……」
絢辻「……え?」
クルクル~ッ
梅原「……プッ……ククッ」
田中「……た、橘君……ププッ」
棚町「……大したヤツよ、あんた」
絢辻「な、何よ、これ!」
絢辻「何でよりによって、ロココ調なのよ!?」
絢辻「……私も鬼じゃないわ、橘君?」
絢辻「弁解があるなら聞いてあげる」
橘「……だって!絢辻さんは元々が可愛いから!」
橘「普通に巻いただけじゃ、普通に可愛いんだもの!」
絢辻「……なっ!?」
橘「それじゃあ中途半端だろ!だから……!」
橘「決してネタに走ったわけじゃない!これは……」
橘「僕なりの誠意だ!」
絢辻「ハッ!バッカじゃないの!?」
絢辻「……そんなこと言われたら怒れないじゃないの」
橘「え、本当!?」
絢辻「ただし!」
絢辻「ちゃんと可愛くしてよね……あなた好みの髪型にして」
橘「う、うん!」
橘「じゃあ、とりあえず元に戻さなきゃ」
橘「えーと」
絢辻「あっ!そんな触り方したら……んっ!」
梅原「……茶番だったな」
田中「……そうだね」
棚町(私も純一に髪の毛いじられたい!)
絢辻「橘君」
橘「あ、絢辻さん!髪の毛、自分で巻いてみたの?」
絢辻「どう?」
橘「似合ってていいと思うよ!」
絢辻「あ、あのさ!ちゃんと巻けてる?」
橘「巻けてると思うけど……」
絢辻「私ね!やるなら完璧にやりたいの!」
絢辻「だから……ま、巻き方を教えなさい!」
絢辻「私の髪の毛触っていいから……」
橘「じゃあ、放課後でいいかな?」
絢辻「えぇ……待ってるから!」
梅原「納得いかないねーよ」
完
ごめんね?でもiPhoneだから仕方ないよね……?
続くって書くところを完って書いちゃったんだろ?
梅原「何だよ、もうやることないだろ」
田中「そうだよ!次は刈るの!?」
橘「か、刈るのはさすがにないよ!」
橘「僕は髪の毛の色には寛容な方でね」
橘「何色だろうが似合ってればいいと思ってた」
橘「だがしかし!」
梅原「……日本人なら黒だってか?」
橘「梅原ぁ!そこはキリッと言わせてくれよ!!」
梅原「大将……で、次は誰がターゲットなんだ?」
橘「……いや、違うよ?」
田中「ええええええええ!?私の出番じゃないの!?」
梅原「じゃあ、誰だよ?勿体ぶらないで教えてくれよ?」
橘「梨穂子」
梅原「お、おい!親しき仲にも……だぜ!?」
橘「いや!僕には梨穂子しか見えない!」
橘「梨穂子の髪色を……」
橘「修正してやる!」
梅原「……それがいいたかっただけだな?」
橘「……うん」
梅原「桜井さんなら、大将が黒にして欲しいって頼めば黒くしてくるんじゃないか?」
橘「何てことだ……それじゃあ僕の染髪技術が向上しないじゃないか……」
田中「橘君……どこを目指してるの……?」
梅原「というかな、大将?大将の周りの女の子は大将が黒がいいなぁっていったら」
橘「だ、黙れ!僕がこの手で染めてやるんだ!」
橘「うぉぉぉぉぉぉぉん!」
ダダダッ……ガラッ……ピシャッ!
梅原「わかんねぇ……大将がわかんねぇよ……」
田中「橘君……あの目」
森島「わお!もしかして!ドレッドヘアーに挑戦なのね!?」
橘「……違いますよ?」
森島「え~?違うの!?」
橘「今度は、染めます」
森島「今度は女の子を橘君色に染めるのね!?」
森島「困っちゃうなぁ……私はもう染まってるしなぁ……/////」
橘「ち、違いますよ!髪の毛を黒くするんです!」
森島「……それは結局同じことよ、橘君?」
森島「あなたの好みの色にはするんだから、橘色に染める以外の何物でもないわ!」キリッ
橘「は、はぁ」
森島「……コホン」
森島「突っ込みなさいよ!下手でもいいから!」
橘「この子……誰です?」
?「私!上さ……モガッ!」
森島「え~?知らない子だよ?そこの角から覗いてたから、捕まえてみただけで」
森島「ちょうど茶色い髪の毛だし、ちょうどいいかなって!」
?「ん~!ん~!」
橘「……何でそんなに必死にその子の口を抑えてるんです?」
森島「大変なことになるからよ、この子が登場すると」
森島「……具体的にいえば、あなたの人間関係が崩壊するわね」
森島「……騒がない、自己紹介しない、自分がモブの一員だという自覚を持つなら戒めを解いてあげるけど?」
?「……」コクッコクッ
森島「そう、いい子ね!」
森島「まず、このモブAさんの髪の毛を綺麗に洗ってみようか」
森島「ま、橘君なら余裕よね!」
橘「……ごめんね、モブAさん……」
シャカシャカ……
モブA「い、いや……ん!」ピクッ
森島「それでね、洗い終わったらしっかり乾かす!」
橘「……モブAはあんまりじゃないですか?」
森島「ん~、じゃあ田中Bで」
橘「田中Bさん、乾かすよ?」
ブォー…
田中B「そ、そんな触り方……橘君……んっ!」
森島「橘君、帰ろっか♪」
田中B「!?」
橘「ほ、放置ってそういうことなんですか!?」
橘「こ、こう……放置時間とか洗い流すとか……ありますよね!?」
森島「な~んだ、橘君わかってるじゃない!」
森島「分かり切ってることを教える必要はないわよね?」
森島「じゃあ、帰りましょ!」
橘「よっぽど田中Bさんに恨みがあるんだな、先輩……」
橘「田中Bさん、ごめんね……」
森島「でも仕方ないよね!」
橘「何だか不安だけど、染髪技術も会得したぞ!」
橘「あとは梨穂子に出会えれば……ってあそこにいるじゃないか!」
橘「お~い、梨穂子~!」
梨穂子「あ、純一~!」
橘「……って何で髪の毛黒くしてるんだよぉ!」
梨穂子「こ、これはね!!」
梨穂子「う、梅原君が……純一が黒髪の桜井さんを見たがってるって言ってたから」
梨穂子「へへっ……に、似合う?」
橘「似合う。似合いすぎる……あー、もう!梨穂子はかわいいなぁ!!!」
梨穂子「そ、そんなに褒めないでよ~/////」
橘「梅原……僕はお前を許さないぞ!」
橘「僕の技術のお披露目だけじゃなくて……」
橘「……田中Bさんの髪まで無駄にしたんだッ!」
橘「待ってろよ!梅原!」
橘「う、梅原ァ!」
絢辻「……遅かったわね、橘君」
棚町「不届き者は捕まえておいたわよ?」
田中「梅原君のせいで……私が無駄に散ったような気がするの!」
梅原「ち、違うんだ!大将!お、俺は!」
橘「梅原……」
橘「お前なんて……」
橘「僕色に染まってしまえ!」
梅原「た、たいしょぉ~ん!」
中多「……わ、私の……夢が叶ったような気がする」
完
では七咲を
梅原「……さすがにもういいだろ!?」
田中「あ!梅原君の髪の毛を刈るんでしょ!私もやってみたいな!」
橘「それは魅力的だね、田中さん」
橘「僕はまだ許してないからな!?」
梅原「悪かった、俺が悪かったから……もうやめてくれよ……」
橘「……それはそうと!」
橘「痛んだ髪の毛って放っておけないよね!」
田中「あー、私わかったよ!次は!」
橘「そう!トリートメントでもしてみようかなって!」
橘「……チッ」
橘「でね、田中さん?」
橘「髪が痛んだ女の子といえば?」
田中「わ、私も痛んでるよ!」
橘「そうだね!水泳部の七咲だね!」
田中「……う、うん!七咲さんだよね!」
橘「というわけで!七咲の痛んだ髪の毛をキューティクルなことにしてやる!」
田中「が、頑張って!」
橘「……田中さんのはあとでこっそり、ね?」ボソッ
田中「わ、私!待ってるから!」
橘「えぇ、次はトリートメントを」
森島「ふ~ん?つけて流せばぁ?」
橘「せ、先輩……?」
森島「だって橘君が他の女の子を喜ばせるお手伝するの面倒臭いもん」
森島「私の髪の毛はいじってくれないもんなー」
橘「……」
森島「今の橘君ならトリートメントくらい余裕でできますよーだ!」
橘「も、森島先輩!」
森島「な、何よ?」
橘「ぼ、僕の初めては先輩ですよ!?」
森島「……ほぇ?」
森島「橘君!?」
橘「今の僕があるのは先輩のお陰なんです!」
橘「それに……僕をこんな男にしたのは先輩なんですよ?」
橘「先輩……今更酷いですよ……」グスン
森島「な、泣かないでよ!橘君!」
森島「私が悪かったから!」
森島「あ、あのね……?私も初めてだったの……」
森島「なのに……橘君、あのあと何もしてくれないし……」
森島「だから……つい意地悪してみたくなっただけなの!」
橘「せ……先輩!!」
森島「橘君……私のことは……はるかって」
塚原「だから何なのよ、あなた達は」
橘「わーい!ひ・び・き!ひ・び・き!」
塚原「な、なんでよ!?あそこで誰かが止めに入らないときらきら~♪って流れてくるでしょ!?」
森島「う~ん、それもそうね」
森島「では……今回も空気の読めたひびきちゃんが練習台だよ!」
橘「いやっほぉぉぉぉぉう!ひ・び・き!ひ・び・き!」
塚原「だ、だからね?何で私なの!?」
森島「え?この前の件で痛んでるし、ちょうどいいんじゃない?」
橘「ですね」
塚原「他人事のようにいってくれるじゃない、あなた達?」
塚原「ちょっと、はるか!?」
森島「さっきは冷たくいっちゃったけど、本当につけて流すだけの作業だからねー」
森島「さて、ここで問題。そんな単純作業で差がつくのは何故でしょうか?」
橘「……心ですね!」
森島「……合格よ!橘君!」
森島「そう!相手の髪の毛を思いやる心……それが大事なの!」
森島「やれ技術だのやれトリートメントの質がなんだの言ってるうちは三流よ!」
塚原「そんなこといったら何でも心で解け……ブフッ」
森島「あ、ごめんね?シャワーで流してるときに喋るから~」
橘(時には強引さも必要なんだな!)
森島「ほら、橘君?触ってみて?」
橘「は、はい!」
塚原「んっ……!」
橘「さ、サラサラだ!これはいつまでも触っていたい!!」
森島「ふふ、わかった?これが私からひびきちゃんへの想いの力なのよ?」
森島「……だからね、正直橘君が他の女の子をサラサラにするのは複雑な気分かな」
森島「だから……あとで私の髪の毛をサラッサラにしに来てね!」
橘「ありがとうございました!僕、いってきます!」
森島「いってらっしゃい!」
塚原「……うわっ、あんなに痛んでた私の髪の毛が本当にサラサラしてるし……」
塚原「はるかって……何なの?」
森島「ん?ひひぎったら物足りなそうね?」
森島「もしかして、橘君にやってもらいたかったの?このっこのっ!」
塚原「そ、そんなんじゃないわよ!/////」
橘「水泳部かな、まだ」
橘「よし!プールを覗いてみよう!」
橘「け、決して不純な動機ではないからね!」
橘「七咲を探すだけなんだから!」
七咲「……私を探してるのはわかったので、一人で騒ぐのやめてください」
橘「七咲!?」
七咲「はい」
橘「七咲!七咲にお願いがあるんだ!」
七咲「私に、ですか?」
七咲「……エッチなことは嫌ですよ?」
橘「そ、そんなんじゃないよ!僕はただ!」
橘「う、うん!塩素で痛んでるかなと思って」
七咲「……確かに痛んでます」
七咲「そうですね、いい機会なのでお願いしてもいいですか?」
橘「ありがとう、七咲!」
七咲「ふふっ、先輩は変な人ですよね。トリートメントさせて欲しいなんて」
七咲「……はっ!まさかよからぬことを……」
橘「ち、違うよ!?僕はただ純粋に七咲の痛んだ髪の毛をサラサラにしたいだけなんだ!」
七咲「……何でそんなに必死なのかわかりませんが……嘘はついてないみたいですね」
七咲「お願いしますね、先輩?」
橘「う、うん!」
七咲「はい、どうぞ?」
橘「痛かったり、むず痒かったら言ってね?」
ワシャワシャ
七咲「は、はぅっ!」ピクッ
橘「くすぐったかった?」
七咲「い、いえ……そういうっ!わけではない……んっ……ですがっ」
七咲(私、髪の毛洗われてるだけだよね!?)
橘「そっか。じゃあ続けるね」
七咲「んんっ……ふっ……せ、せんぱぁい……そ、そこ!」
橘「あ、ここ痒いの?」
七咲「ち、ちがっ……そうじゃなくて……そ、そこは……あっ……ふっ……はぁ……」フルフルッ
七咲「……あっ!」ビクンビクン……
橘「七咲?」
七咲「す、すみません!何でもないんです!」
七咲「ま、待って!先輩!」
橘「うん?どうしたの?」
七咲「そ、その……優しくしてください!」
橘「それは勿論だよ?」
七咲「…………せ、先輩の……バカッ」ボソッ
橘「じゃあ、トリートメントするよー?」
七咲「は、はい!」
橘(僕の心……七咲の髪の毛をサラサラにしたいという想い!)
橘(七咲に届け!)
七咲「あっ!先輩、そ……そんな……!」
七咲「私……私っ……!」
ーーーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
ファッサー……
橘「ふぅ……よかった、上手くいって」
七咲「そ、その……先輩?」
七咲「これからも時々でいいんでトリートメントしてもらってもいいですか!?」
橘「構わないよ?」
七咲「や、約束!約束しましたからね!?」
橘「う、うん」
七咲「わ、私は買い出しとか色々あるんでこれで失礼します!」
タタタタタッ……
橘「……サラサラになったのがそんなに嬉しかったのかな?」
完
橘「はぁ……」
橘「僕は無力だッ!」ドンッ!
梅原「ど、どうしちまったんだよ、大将!?」
橘「年下の引っ込みじあんな女の子を何とかしたい……!」
橘「髪型を変えてイメチェンでもして……自信を持たせてやりたい!」
橘「だけど……僕はハサミを持ったことがない!」
橘「そんな無力な自分が……悔しいッ!」
梅原「……あのさー、大将?」
梅原「大将のことだから、やってみたら意外とできるんじゃないか?」
梅原「というかな、大将?無理に切らなくても今まで何人もイメチェンさせて……」
橘「うるさい!僕の向上心がそれを許さないんだ!」
田中「橘君……」
梅原「ええい!大将!俺の髪の毛を試しに切ってみろ!」
橘「う、梅原!?」
梅原「大将ならきっとできるはず!俺は信じてるぜ!?」
橘「……後悔することになるよ?」
梅原「男梅原!二言はないぜ!」
橘「そうか……わかった」
橘「じゃ、切ってみよっか☆」
田中「わーい!」
田中「ま、待って!私がいい感じに刈ってあげるからーっ!」
バタバタ……
橘「だから言ったんだ……」
橘「僕は無力だ……」
絢辻「それは違うわ、橘君」
橘「あ、絢辻さん!?」
絢辻「だって、梅原君は短髪だから……」
絢辻「ああなるのは切る前からわかってたことよ?」
橘「あ、それもそっか」
絢辻「まったく橘君ったら、そそっかしいんだから!」
橘「いやー、参っちゃうよね、ハハハッ」
橘「は、はい!僕はどうしてもやらなきゃいけないんです!」
森島「ご、ごめんなさい!無力な先輩を許して!」
森島「さすがに私もそこまでは……」
橘「森島先輩……」
森島「あ、でも心構えと練習台の確保なら出来るよ?」
橘「え?」
森島「田中B!そこにいるのはわかってるのよ!?」
森島「素直に出てこないと牛乳を……」
田中B「わ、わかりました!私、田中Bです!れ、練習台になりますから!」
森島「よろしい」
橘「田中Bさん……」
森島「こうするんだけど」
森島「えーい!」
ズバスバッ
橘「も、森島先輩!?そんなハサミの入れ方したら!?」
田中B「きゃ、きゃぁぁぁぁぁぁぁ!」
橘「た、田中Bさんの髪型がっ!」
森島「何てことだ……何だか大変なことになっちゃったぞ!」
橘「……楽しそうですね、先輩」
森島「さて、橘君?」
森島「田中Bさんの運命はあなたにかかってるわよ」
森島「可愛くしてあげなさい!」
橘「そ、そんな!僕にはそんな技術は!」
森島「もう、バカッ!」
パシーン!
森島「大切なのは……!」
橘「心!心なんだ!」
森島「そうよ!相手を可愛くしてやりたいという心!それがあればきっとできるわ!」
橘「そ、そうか……そうだよな!」
森島「それにね、橘君?」
森島「あなたには妄想エンジンと変態グラフィックボードが載ってるから」
森島「それのイメージ通りに切れれば、上手くいくわよ」
橘「そ、そうだった!僕は美容師じゃない!」
橘「変態紳士だ!」
橘「田中Bさん!今すぐ君を可愛くしてみせる!」
田中B「私、どんなことになっても橘君を恨まないから!」
森島「……つまんなーい!」
橘「えぇ!?」
森島「どっちに転んでも面白いと思ってたのに!」
森島「橘君ったら、普通に可愛く仕上げちゃうし!」
森島「ほら、あなたも鏡をみてみなさい?つまらないことになってるから」
田中B「こ、これが……私ですか!?」パァァァァァ……
田中B「橘君!ありがとう!」
田中B「私!このことは忘れないから!」
森島「……チッ」
田中B「ひ、ひぃ!」
田中B「わ、私はこれで……失礼します!」
タタタッ
森島「……橘君ったら罪作りな男!」
橘「わ、悪いの僕ですか!?」
橘「……ただし女の子限定でね!」
橘「さて……中多さんは……?」
中多「しぇ、しぇんぱい?」
橘「なんと奇遇な!」
中多「ひゃ、ひゃい!?」
橘「あ、あのさ!紗江ちゃん?」
中多「しぇ、しぇんぱい!あ……あの!私を……」
中多「か、変えてください!」
橘「わお!展開はやーい!」
中多「わ、私は……み、美也ちゃんみたいに……はっきり喋れるようになりたいです!」
中多「それと……しぇんぱい好みの女に……////」
橘「……ふむ」
中多「」
橘「わかったよ、紗江ちゃん!」
橘「きっと君を変えてみせる!」
中多「お、お願いします!」
橘「燃え上がれ!僕の妄想力ッ!」
橘「……見えた!」
チョキン
中多「…………」
橘「んでもって、ここを短く……」
パサッ
中多「…………」
橘「ここは軽くするんじでー」
シャッシャッ
中多(ど、どうしよう……しぇんぱいに髪の毛切ってもらうの気持ちいい……!)
中多(で、でも……こ、声を出したり動いたらしぇんぱい集中できないよね……)
中多(……がまんっ!)
橘「んー……ここが僕の妄想とは~」
ーーーー
ーー
ー
橘「かなり短くしちゃったけど……気に入らなかったらごめんね?」
橘(美也と七咲の髪型を足して二で割ってさらに香苗さんを足したような、そんな髪型になっちゃったけど)
中多「先輩……凄くいいです!」
中多「何だか私、変われそうです!!」
中多「ありがとうございました!」
中多「美也ちゃんと逢ちゃんに見せてきます!」
タタタタッ
橘「わお!変わるの早い!」
完
絢辻「……モブは帰りなさい?」
田中B「そんな……酷いよ!」
棚町「あれ?この子って……」
梅原「田中Bさんというか……」
田中「え?田中Bさんは田中Bさんだよ?」
田中「隠れてないとダメだよ?」
田中B「ふ、フラグが!だって一通り……」
田中「田中は田中らしく日陰者で暮らすの!」
田中B「わ、私は田中じゃなくて上崎……」
田中「田中Bだよね!?」ドンッ
田中B「……はい、田中Bでした……」
田中B「帰ります……日陰に」
トボトボ
橘「な、何だったんだ……」
田中「次はどうするのかな?」
橘「……美容室で髪切った後ってマッサージしてもらうよね?」
絢辻「あー、肩凝るなぁ……最近忙しいからなぁ」チラチラッ
棚町「あざとい、あざとすぎる!」
橘「これには僕でもドン引きだよ!」
絢辻「な、なによ!?」
梅原「じゃあ、大将?次はマッサージか?」
橘「……違うよなぁ」
絢辻「残念……」
橘「他に何か……何かないのか!?」
田中「パックもあるよね!」
橘「パック?あぁ……パック、パックか。えぇ、パック!?」
絢辻「そのホックの件を思い出したから、みたいな反応やめなさい!」
橘「それだ!パック!」
棚町「ど、どうしたのよ、あんた!」
橘「ちょっとお肌が曲がり角、な女性にパックしたい!」
梅原「ぶっ飛ばされるぞ……その発言」
絢辻「いいんじゃない?ちょうどいい年増もいるし?」
田中「あぁ、高橋先生ね!」
棚町「け、恵子!?」
橘「えぇ!パックです!」
森島「だってさぁ、ひびきちゃーん?」
塚原「……さすがにぶっ飛ばすわよ、はるか!?」
森島「そんなに怒ってると小皺が増えちゃうぞ~?」
塚原「!?」
塚原「も、もう!はるかが悪いんでしょ!?」
橘「まぁまぁ、塚原先輩」
森島「うーん、パックねぇ……」
森島「ひびきちゃんはツルッツルだから練習台としては不適よねぇ……」
森島「田中Bもツルツルだし……」
森島「ぶっつけ本番でいこう!」
橘「ですよね」
高橋「橘君?」
橘「今、お時間いただけますか?」
高橋「え、えぇ……構わないけど」
高橋「何か授業でわからないことがあった?それとも悩み?」
橘「どちらかといえば……悩みですね」
高橋「そう?じゃあ場所を変えようか」
橘(こ、ここまでは思惑通り!)
橘(僕……上手くやれるかなぁ?)
橘(いや、やるんだ!やるしかない!)
橘「た、高橋先生!ぼ、僕は……!」
高橋(な、何!?この鬼気迫る感じ!?ただごとじゃないの!?)
橘「ぼ、僕は!高橋先生に……そ、その!」
高橋(ま、まさか!告白!告白されるの!?)
高橋(駄目よ、橘君!私達は教師と生徒!いくらなんでも越えられない壁が……!)
橘「高橋先生に!パックがしたいんです!」
高橋「だ、駄目よ橘君!いくらなんでも……えっ?」
橘「パックが!したいんです!」
高橋「え、えーと……どういうことなの?」
高橋「詳しく話して?」
橘「さらに!教師同士の付き合いでお疲れになっていると思います!」
橘「心身ともに疲弊した高橋先生から……せめて!せめて、お顔からだけでも疲労の色を取り除き!」
橘「僕らの美人教師、高橋麻耶に戻っていただきたいのです!」
高橋「橘君?……えーとね?」
高橋「何かよくわからないけど、私を気遣ってくれてるのよね?」
高橋「ありかだいんだけど……その、ねぇ?」
橘「ぼ、僕が高橋先生に出来ることは……パックくらいしかないんです!」
高橋「いやね?その……勉強ちゃんとして問題起こさなければいいだけなんだけど……」
橘「……なにそれ、つまんなーい」
高橋「た、橘君!?」
橘「……ではなくて!先生!」
高橋「橘君?最近あなたが校内で美容師紛いのことをしているのは聞いてるわよ?」
高橋「それに……やたら腕がよくて、みんな綺麗になってるこも」
高橋「橘君?私を綺麗に……して貰えるかな?」
高橋「最近ね……疲れてるのは本当だし」
高橋「わ、私もあなたの魔法にかかりたい!」
橘「……高橋先生」
橘「僕に任せてください!」
橘「必ず綺麗にします!」
高橋「橘君……お願い!」
橘「すみません」
高橋「いいのよ。……予想より老けててびっくりした?」
橘「いえ……その……お綺麗ですよ?」
高橋「あ、あなたがいうとお世辞に聞こえないから質が悪いのよ!」
橘「お、お世辞になんがじゃ!」
高橋「まぁ、いいわ。それで、次は?」
橘「お顔の産毛を……剃らせていただきます!」
高橋「わかったわ」
橘「で、ではクリームを!」
ヌリヌリ
高橋「……手際いいのね?」
橘「……僕の師匠は大事なのは心だって言ってました」
橘「これはやり慣れてるから、とかではなくて……」
高橋「…………////」
橘「え、えーと!蒸しタオル!蒸しタオル載せますね!!」
橘(これくらいの温度ならちょうどいいかな?)
スッ……
高橋(あっ……温かくて気持ちいい……)
高橋(何だかリラックスしてきちゃったな)
高橋(……橘君、優しいんだ)
高橋「大丈夫よ!私は橘君を信じてる」
橘「で、では……」
橘(せ、先生の柔肌を傷つけないように……慎重に……慎重に!)
ショリ……ショリ……
高橋(剃刀の刃を通してもわかる……彼、緊張してるけど……)
高橋(絶対に私を傷つけない……そんな確信がある!)
橘「ふぅ!終わりました!」
高橋「ふふっ、お疲れ様!」
橘「そ、それは僕の台詞ですよ!?」
高橋「……それもそうね!」
橘「あ、もう一度蒸しタオル載せますから」
高橋「うん」
高橋「ひ、ひゃっ!」ビクン
橘「す、すみません!くすぐったかったですか?」
高橋「ち、違うの……私が動いたら皺になっちゃうわよね、こちらこそごめんなさい」
高橋「……続けて?」
橘「は、はい!」
高橋「…………」
高橋(た、橘君の手で触られると何故か気持ちいい!)
高橋(産毛剃ってもらったから、敏感になってるのかな……?)
高橋(……生徒の前でみっともない姿をみせられないし、我慢!我慢よ、麻耶!)
ーーーーーーー
ーーーー
ーー
ー
高橋「……化粧のノリも凄いし」
高橋「……橘君、あなたは一体なんなの?」
高橋「美容師、本当に目指してみたら?」
橘「いや~、僕なんて趣味でやってるくらいがちょうどいいんですよ」
高橋「そうかな?私、橘君のいるお店なら毎週いっちゃうけど?」
橘「あ、ありがとうごさいます!」
高橋「こちらこそ、ありがとう……」
高橋「……橘君!」
梅原「何か最近、麻耶ちゃん輝いてるよなぁ」
田中「若く見えるよね!」
絢辻「橘君……私も疲れが顔に出てると思うんだけど?」
棚町「あ、あたしもバイト最近多くてさ~!」
田中「ふ、二人とも!?」
梅原「……わかりやすすぎるぜ!」
橘「……本当に美容師目指そっかなぁ」
完
橘「ない」
美也「えー!みんなやってもらってるじゃん!?」
橘「……美也、仮にだぞ?」
橘「これまでの流れを踏まえて、お前の出来が一番よかったら……僕はどうすればいい!?」
橘「キミキスか!?サヨナラしてきた!!なのか!?」
美也「そ、それを持ち出すのは反則だよ!」
橘「……だろ?」
橘「だから僕は美也には何もしない」
橘「何もしちゃいけないんだ……」
美也「にぃに……」
橘「え?」
美也「キミキスといえば『実験する?』だよ!」
橘「ふ、二見さんが何だっていうんだよ!?」
美也「みゃーがいいたいのは……」
美也「やってみなくちゃわからないでしょ!?ってこと!」
美也「やらずに決めつけるなんて、にぃにらしくないよ!!」
橘「み、美也……!!」
橘「いいのか?実験の結果が偉いことになっても?」
美也「もう!進歩に犠牲はつきものだよ、バカにぃに!」
美也「みゃーは……別にそれでもいいから」
美也「そのときはにぃにの好きにすればいい!」
橘「美也……わかったよ!」
橘「僕はやるよ!!」
美也「それでこそにぃにだよ!」
美也「うん、いいよ」
橘「まずお湯で流すぞ」
シャー……
橘「湯加減大丈夫か?」
美也「……だ、だいじょっ……ぶだよっ」
美也(こ、これが逢ちゃんと紗江ちゃんの言ってたヤツか!)
橘「お湯だけである程度洗うからな?」
美也「あっ……うん!」
美也「んんーっ!あっ……ふっ……!」ジタバタ
橘「おいおい、暴れるなよ!」
美也「だ、だって!」
橘「美也、シャンプーするぞ」
美也「う、うん……いいよ、にぃに……」
美也「きて……?」
橘(えーっと、しっかり泡だてて)
ワシワシ
橘「美也?痒いところあるか?」
美也「あ、そ、そこ!そこが……んっ!いいな……?」
橘「ここか?」
美也「ち、ちがっ!そ、そこじゃなくて……」
橘「こっちか?」
美也「そ、そう!そこ!んんっ……にぃにぃ……」トローン
橘「……美也、気持ちいいのか?」
美也「う、うん……気持ちいいよぉ……」
橘「それはよかった」
橘「……美也、乾かし終わったぞ」
美也「ん、あぁ……もう終わりなの?」
橘「そ、そんなこと言われてもなぁ!?」
美也「……で、実験の結果はどうなの?」
橘「美也、僕はな……お前を……」
美也「……うん」
橘「ちゃんと妹として見れてたみたいだぞ?」
美也「……そ、そっか!そうだよね!」
美也「よかったー!にぃにが相原純一じゃなくて!」
橘「こ、こら!相原さんをあまり悪くいうもんじゃないぞ!」
美也(へへっ、ちょっと残念かな)
完
乙
愛歌「私もかまえ」
橘「……わかりましたよ」
橘「ツインテールにでもしてみますね?」
橘「よいしょっと」
愛歌「んっ…….」
愛歌「……/////」
橘「出来ました!」
愛歌「橘」
愛歌「お前は凄い」
愛歌「私が太鼓判を押そう」
橘「は、はぁ……」
完
夕月「橘ッ!!」
橘「先輩は……そうですね」
橘「分け目を変えてみましょう!」
橘「知ってます?心理学には分け目の話があってですね……」
夕月「………////」
橘「出来ましたよ?」
夕月「橘ッ!」
夕月「お前はな、その……何ていうか……ズルい男だな」
橘「え?あ、はい……すみません」
完
橘「香苗さんには僕からはできない!」
橘「梅原……お前がやるんだ!」
梅原「お、俺!?」
橘「……大事なのは心だ!」
梅原「お、おう!」
梅原「か、香苗さん!?あ、あのさ……」
香苗「ん?梅原?」
梅原「か、香苗さんの髪を……!」
香苗「いいよ?」ニコッ
梅原「や、やったぜ!!」
森島「うんうん、心ね!」
完
橘「黒沢さんの髪の毛をいじろう!」
絢辻「やらせないわよ?」
橘「な、何で!?」
絢辻「私以外にはしないって……」
絢辻「誓約……してくれたじゃない////」
橘「アマガミSS+は好評放送中!」
絢辻「紳士なら見なさいよ?」
黒沢「あれ?私の出番は!?」
黒沢「絢辻詞!あんたには絶対に!」
黒沢「……勝てない、な」
完
蒔原「あれ?橘君?」
橘「ま、蒔原さん!?」
蒔原「その、ね?」
橘「田中Bから聞いたよ?」
蒔原「私……その……」
橘「いやー、ありがとう!」
橘「蒔原さんがいなかったら、アマガミ始まらなかったよ!」
橘「このっこのっ!」
ワシワシ!
蒔原「あ、あん!橘君!?」
橘「このっ!このっ!」
田中B「根に持ってるよね、やっぱり」
完
縁「私の髪の毛どうかな?」
橘「あ、三つ編みにでもしてみます?」
キュッキュッ
縁「…………」
橘「ツヤツヤでいい髪の毛ですね」
橘「はい、できました!」
縁「橘君の、ありがとー!」
橘「いえいえー」
縁「す、凄かった……」
完
あざっす!!
Entry ⇒ 2012.01.20 | Category ⇒ アマガミSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
美也「みゃーのベッドに……みゃーのじゃない髪の毛が落ちてたよ」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1326443895/
美也「へぇ。にぃには、どうして落ちてたのか知ってるんだ」
純一「い、いや。知らない。み、美也の、と、友達のじゃないの?」
美也「この間掃除したばっかりだよ」
美也「……みゃーのベッドで、誰と、なにしたの?」
美也「……」ジトー
純一「……ぼ、僕がこの間みゃーのベッドで寝転んだんだ!!」
美也「へ?」
純一「だからその髪は、たぶん僕のだよ、ごめん」
美也「ど……どうしてそんな嘘つくの!?これどう見ても、女の子のじゃん!!」ビシッ
純一「い、いや……それは……」
ほらウィッグ!
落ちを先に言われた……
オイ・・・
謝罪はよ
純一「えっと……」
美也「言えないようなこと!?言えないような……やらしいことしたんでしょ!!」
純一「その……」
美也「サイテー!サイテーにぃに!変態!不潔!どうして」
美也「どうして……みゃーのベッドで……そんなこと……」
1、このまま、実は女装でした、で女装したにぃにと、みゃーが
いちゃいちゃする話
2、本当に誰か別のヒロインの髪。名前明記。
美也「か、かつら?」
美也「……」ジー
美也「これがぁ?」
純一「う、うん」
美也「女装?」
純一「うん……」
美也「……じゃあかつら見せて」
純一「え゙」
美也「……やっぱり嘘じゃん」
純一「い、いや!ほんとだって」
美也「……もういい。にぃにのこと、見損なったよ!!」
純一「美也……」
美也「ってことが昨日あってさー」
七咲「そ、そうなんだ……」
七咲「……」
中多「で、でも……なにか……事情があったのかも」
美也「どんな事情?それに、それなら言えるはずじゃん」
中多「そ、それは……」
七咲「……」
美也「?どうしたの?逢ちゃん」
七咲「へ!?な、なにが?」
美也「ぼーっとしてるから」
美也「逢ちゃん……私の話聞いてた?」
七咲「も、もちろん。聞いてたよ」
美也「じゃあ、逢ちゃんも信じられないと思うよね?」
七咲「う、うん……そうだね」
美也「まったく。ほんとに誰となにしたんだろ」
中多「先輩は……付き合ってる人、いるのかな」
美也「うーん……いるっぽいんだよね。まだ教えてくれないけど」
七咲「……」
純一「ねえ、逢。ここ、どこだと思う?」
七咲「え?えっと、先輩の家、じゃないんですか?え、そ、外には出てないんですよね?」目隠しプレイ中
純一「ははっ、もちろんだよ。靴はいたりはしなかったでしょ?」
七咲「え、えっと」
七咲(扉の外には出たみたいだから、先輩の部屋じゃない)
七咲(階段も降りてない)
純一「……時間切れだよ。逢」トンッ
七咲「え」バサッ
七咲「べ、ベッド……?」
純一「ここはね。美也の部屋……さ」
さすが紳士やでぇ…
純一「うん。そのベッドで、美也は毎日寝起きしているんだ」
七咲「そ、そうなんですか……え、でも、なんでここに」
純一「……興奮しない?」
七咲「え」
純一「友達の部屋で、するのって」
七咲「ええ!?」
七咲(先輩の馬鹿……あんなことするから……)
七咲(掃除、しっかりできてなかったんだ……)
七咲(先輩、またしようなんて言ってたけど……これじゃあ)
美也「逢ちゃん?」
七咲「へ?あ……ご、ごめんね。そうだね、しんじ」
美也「?チャイム鳴ったから教室戻ろうって話だったんだけど」
七咲「え゙」
七咲「そ、そうだったね」
七咲「い、いこっか」
美也「……」ジー
美也(逢ちゃんが、やたらにぃにと仲良くなってたのもその辺……)
美也(しかも、最近逢ちゃんは付き合い悪い……別の誰かと、いつも予定があるみたいに)ハッ
美也「もしかして!」ガタッ
先生「……どうした、橘」
美也「え」
先生「今は授業中なんだが」
美也「あ、その……すみません///」
中多(美也ちゃん……)
美也(紗江ちゃん。えへ、やっちゃった)
七咲(美也ちゃん?)
美也(あ、逢ちゃん……)サッ
七咲(え……目線、反らされた……?)
美也「……なに?」
七咲「えっと、さっきは、その、どうしたのかなって。授業中に急に立ってたから」
美也「あ、あれは……別に……なんでもないよ。逢ちゃんには関係ないし」
七咲「え」
関係ないし
関係ないし
関係ないし
美也「……逢ちゃん。今日もお昼部活の友達と?」
七咲「え、う、うん」
七咲(とにかく、先輩と話さないと)
美也「へえ。そーなんだ」
梅「おいおい大将。今日何度目だい?」
純一「え?何が?」
梅「ため息だよ。今日は多いぞ。朝からずーっと暗い顔してさ」
純一「ああ……ちょっとな」
梅「彼女と喧嘩でもしたのかい?」
純一「そんなんじゃないよ……はぁ」
梅「おいおいやっとお昼だってーのに、そんな暗くてどうするんだよ。なんなら、俺がおごって」
純一「梅原……」
七咲(先輩……)コッソリ
純一「あ」
梅「もしくは、この秘蔵のお宝本を」
純一「ご、ごめん梅原!また今度おごってくれ」ダッ
梅「?急に走り出して、いったい何事だい」
純一「このポンプ小屋なら、たぶんね」
七咲「……」
純一「……」
純一「えっと……聞いた?」
七咲「はい……」
純一「美也のやつ……もう言いふらして」
七咲「先輩」ジトー
純一「……はい。ごめんなさい。調子に乗った僕が悪かったよ」
七咲「そうですよ。あんな、いないからって、美也ちゃんの部屋で……///」
七咲「もう。先輩のせいで、今日は美也ちゃんの前で顔から火が出るかと思いました」
純一「……」
七咲「しばらくは――」
純一「七咲だって、興奮してたくせに」
七咲「う……そ、そんなこと」
純一「いいや。してたね。美也の服着た時とか」
七咲「あ、あれは……先輩が変なこと言うから」
純一「美也は明日、その制服を来て学校に行くんだよ」
七咲「い、言い直さないでください!」
純一「……ねえ、どうだった?」
七咲「な、何がですか」
七咲「や、やめてください……」
純一「美也の前で、美也の制服を見て、美也の部屋でした時のことを思い出して?」
七咲「そ、そんな……」
純一「七咲……これからしばらくは、放課後は会わないほうがいいよね」
七咲「そ、そうですね」
純一「じゃあ……」
七咲「や、やめてください……わ、私は今後の事を話し合おうと思って……」
純一「でも、だからってわざわざポンプ小屋まで来る必要、あったかな?」
パキッ
七咲「!」
純一「逢……」
七咲「ど、どいてください」ドンッ
純一「え」
純一「うわわわわ」ドテッ
七咲「っ!」ガチャッ
七咲「いない……?誰も?」
純一「いたたた。どうしたんだい?」
純一「なに?」
七咲「やっぱり、しばらくは学校でも合うの控えたほうがいいと思います」
純一「ええ!」
七咲「……はぁ。美也ちゃんのことがなければ、いっそ付き合ってるって言ってもいいんですけど」
七咲「先輩のせいで、そんなこと言ったら、美也ちゃん許してくれないでしょうし」
純一「うう、全部僕のせいなんだ」
七咲「当然です」
七咲「じゃあ、もうここから別れましょう」
純一「逢……せめて、その……」
七咲「……」
純一「ほ、ほら。しばらくがいつになるかわからないし」
七咲「……はい」キス体勢
純一「逢……」
七咲「……」
サワサワ
七咲「……先輩?」ペシン
純一「ご、ごめん」
七咲「つ、塚原先輩!彼氏って」
塚原「見てたらばればれじゃない。いい加減、教えてくれないのかなーって思ってたんだけど」
七咲「……///」
七咲「ほ、他の人の前では言わないでくださいね」
塚原「どうして?恥ずかしいの?かわいいね、逢は」
七咲「うう///」
美也「あーいちゃん 」
七咲「」
塚原「あら、こんにちは」
七咲「み、美也ちゃん!?」
七咲「そ、そーなんだ」
塚原「へえ。今日は妹さんの」
七咲「し、失礼します!いこ、美也ちゃん!」
美也「あ、待ってよー」
塚原「あらあら」クスクス
七咲「はぁはぁ」
美也「はぁはぁ。どうしたの?逢ちゃん」
七咲「え」
美也「急に走り出すから」
美也「私、もう少し先輩と話してから帰りたかったなー」
美也「え、そうなの」
七咲「う、うん。だから、美也ちゃんともあんまりおしゃべりしたり寄り道は」
美也「そっかー。残念だなー」
七咲「じゃあ」
美也「……逢ちゃん。最近付き合い悪いよね」
七咲「え……」
美也「あ、ううん。なんでもない。じゃあね」
七咲「う、うん」
トントントン
純一「お、遅かったな」
美也「……」プイッスタスタスタ
純一「ま、待て美也!これを見ろ!」
美也「なに?」チラッ
美也「」
純一「こ、これが!昨日言ってたかつらだ!」
純一「さ、さらに!ちょっと待ってろよ」
数分後
美也「」
純一「こ、この格好で……その、女の子の部屋で過ごしたくて……その……」
美也「……変態」
純一「ま、待ってくれ!僕は変態じゃなくて紳士――」
美也「……」スタスタスタ
ガチャッ
バタン
美也「っっっ!!!」
美也「な、なにあれ!!?」バンバンバン
美也「に、にぃにが!にぃにが!あんな服!!!」
美也「あは、あははは、お腹痛い!ぜんっぜん似合ってないしぷふふふふふふ」
美也「か、かつらまで!い、いきできない」
美也「……」
美也「……あんなことまでして、隠したいこと、したんだ」
美也「素直に言って、謝ってくれればいいのに……」
美也「逢ちゃんも逢ちゃんだよ。正直に言ってくれれば……みゃーだって」
美也「はあ、なんかもう、怒ってたのどうでもよくなっちゃった」
美也「でも、またこんなことあったらやだし……」
美也「……ちょっと、二人をこらしめてみようかな」
美也「よーし」
美也「やるぞー」オー!
コンコン
美也「ビクッは、はーい」
純一「美也?さっきのはな」
美也(あ、そうだ)
美也「ほんとに許してほしい?」
純一「!う、うん!」
美也「じゃあ、みゃーがにぃにの部屋をノックしたら、ちょっと待ってまたみゃー部屋に来て」
純一「?わかったよ」
美也「あ!またさっきの格好でね!にしし」
純一「ええ!?」
美也「……許してほしくないの?」
純一「わ、わかったよ……」
美也「じゃあ、後でねにしし」
純一「?」
コンコン
純一「き、きた!じ、じゃあ……ちょっと待って」
コンコン
純一「み、美也?」
美也「にしし、入っていいよー」
純一「(機嫌、直ったのか?)じ、じゃあ。入るぞ」ガチャッ
パシャッパシャッ
純一「うわ!」
美也「もう!に、じゃなかった、ねぇね!顔隠しちゃダメ!」
純一「ええ!か、カメラ!?」
美也「にしし、ほらほら、かわいいポーズとって!ね、ねぇね!」
純一「か、かわいいポーズ!?」
美也「ふぅ、このくらいでいいかな」
純一「……そ、その写真は、どうするんだい?」
美也「え?んー、どうしよかっなー」
美也「明日、みんなに見せようかなー」
純一「ええ!そ、それだけは……」
美也「じゃあ、ほんとのこと言ってよ」
純一「う……だ、だから僕は」
美也「女装大好き?」
純一「う、うん……」
美也「ふーん……」
純一「う、うん」
美也「……許して欲しかったら、しばらくはみゃーの言うこと聞いて」
純一「……はい」
美也「じゃあ、今日はこのくらいでいいや」
純一「え、えっと……」
美也「……勝手に出てけば」
純一「ご、ごめんな。美也……」
美也(謝るくらいなら、ほんとのこと言ってよ)
美也「じゃじゃーん」
中多「どうしたの?美也ちゃん」
七咲「写真……?」
美也「にしし、見てみて」
中多「あ、せんぱ……い……」
七咲「え」
美也「すごいでしょー」
中多「」
七咲「先輩の……女装写真……?」
美也「そう!お兄ちゃんってば、この間許しくれーこの格好でーって来たから、写真撮ってやった」
七咲「へ、へー」
中多「」ブルブル
美也「まあ、ほんとは女装じゃないんだろうけど、ここまでするなんてねー」
七咲「……」
中多「」ブルブル
美也「いったい、誰のこと庇ってるんだろうねー」
七咲「……」
七咲(先輩……私のために……)
美也「まあ、ほんとのこと言うまでは、しばらくにぃにには、女装させちゃおっかなーって」
中多「み、美也ちゃん!」
美也「へ」ビクッ
七咲「」ビクッ
中多「焼き増ししてもいい!?」
中多「あ、あと……先輩に女装させる時は……私も……呼んで?」
美也「う、うん」
七咲「……」
美也「あ、逢ちゃんも来る?」
七咲「え……?わ、私は……」
美也「実際に見ると、ほんとに面白いよ?にぃにの女装」
梅「今日はまたどうした、大将」
純一「え、な、なにが?は、まさか」
梅「あん?いや、やたらそわそわしてるからさ」
純一「あ、ああ、ちょっと」
梅「またかよ。だから、何度も言うけどよ、なんでも相談していいんだぜ?」
純一「ああ、ありがとう……」
純一「……」
純一(あの写真を取られてから数日……美也は、もう現像したんだろうか……)
純一(少なくとも、梅原や、僕の友達はまだ見てないようだし、無差別にばらまかれてもいないようだけど……)
七咲「……」コッソリ
純一(逢?どうして……)ガタッ
梅「大将?」
純一「ごめん、ちょっとトイレ!」
梅「……青春かねえ」
校舎裏
純一「ど、どうしたんだい、逢」
七咲「先輩……私見ました」
純一「え゙。も、もしかして……」
七咲「はい……女装写真を……」
純一「幻滅させちゃったかな……」
七咲「そんな!だって先輩は、私が美也ちゃんと喧嘩しないように……」
純一「……ははっ、いいんだよ。元はといえば、僕が悪かったんだし」
純一「幻滅か……今さらだよね。調子にのって、逢にはあんなことさせて」
七咲「……先輩。やっぱり、正直に言ったほうが」
純一「でも……言える?美也のベッドであんなことしちゃったなんて……」
七咲「それは……」
七咲「先輩……」
七咲(先輩の女装……)ブルッ
純一「だから、美也が全部許してくれるまで、僕が女装し続けるよ。そして……いっそ女装を極めてみせる」
七咲「」ブルブル
純一「ん?逢?」
七咲「い……いえ……なんでも……ぷっ」
純一「……」
純一「はーい、純子でぇーす」ウラゴエ
七咲「」ブフッ
純一「ははっ、ごめんごめん」
純一「ま、逢はそう深刻にならないで」
純一「そうやって笑っていてよ」
七咲「でも……」
純一「大丈夫」
七咲「え」
純一「心配しなくても、いくら女装したって、心まで女の人になったりしないよ」
七咲「え、いえ、私が心配してるのは」
純一「ははっほら、授業始まるよ」
七咲「あ……先輩」
美也「というわけで、今日はお兄ちゃんに女装してもらいまーす!」
中多「お、おー」
七咲「……」
純一「……」
純一「み、美也?なんで二人もいるんだ……?」
美也「なに?やなの?なんでも言うこと聞いてくれるんでしょ?」
純一「……はい」
美也「じゃあまずはー」
中多「み、美也ちゃん……私も
服持ってきたの……」
美也「え、ほんとー。見せてー」
七咲「先輩……」
美也「ほらお兄ちゃん、決まったからこれ着て」
純一「はーい……」
美也「今日はこのくらいかなー」
中多「いっぱい……写真撮れた」
七咲「お疲れさまです、先輩」
純一「うん……」
美也「じゃあ次は」
純一「またやるのか……」
美也「当然でしょ。そうだ、女装して町歩いてみるっていうのはどう?」
中多「え……」
七咲「え」
純一「……」
七咲「美也ちゃん……」
純一「……」
美也「まあ、にぃにが嫌なら、ほんとのこと言ってくれたら、やめてもいいけどー」
純一「……やるよ」
七咲「先輩……」
中多「先輩が、女装して町を……」
純一「それで、いつやるんだ」
美也「そ、そうだね。じゃあ今度の……」
七咲「先輩……」
中多「あの……じゃあ、その時のお洋服、選んでもいい、ですか?」
美也「そうだねー」
七咲「……」
中多「ばいばい、美也ちゃん。さようなら、先輩」
七咲「失礼します」
美也「ばいばーい」
純一「じゃあね」
美也「……さあて、また今度もよろしくね、にぃに」
純一「はいはい」
ガチャッ
七咲「あの……」
美也「あれ?逢ちゃん?」
純一「逢……?」
美也「どうしたの?」
七咲「ごめんなさい……」
純一「ハッあ、逢!」
七咲「美也ちゃん」
美也「……なあに?」
七咲「先輩と……付き合ってるのは、私なんだよ」
美也「……」
純一「逢……」
七咲「ずっと黙ってて、ごめんね。一番最初に、言うべきだったよね」
七咲「いいんです、先輩。理由なんて、美也ちゃんには関係ないですし」
美也「やっぱり、逢ちゃんだったんだ」
七咲「うん」
美也「逢ちゃん」
七咲「……」
美也「良かったね。ふつつかな兄ですが、よろしくお願いします」
七咲「美也……ちゃん……ごめん、ごめんね!」
美也「もういいよ……正直に言ってくれれば」
美也「それで、私の部屋で、何をしたの」
美也「正直に言ってくれるんだよね?」
純一「その……」
美也「」
美也「そ、そんなことしたの!!?」
純一「う、うん……」
七咲「///」
美也「……呆れた」
美也「逢ちゃんが、ちょっと照れてるのは気になるけど」
美也「つまり、私の部屋まで逢ちゃんを連れてって」
美也「そ、その……そそそ、そういうことを、しようとしたのは、にぃに、なんだね」
純一「ま、まあ……」
純一「はい……」
美也「逢ちゃんも」
七咲「はい……」
美也「じゃあ、その罰はね」
純一「……」ゴクリッ
七咲「……」ゴクリッ
純一「女装した上に目隠しなんて……」
七咲「私ができるだけ、人通りのなさそうな道を選びますから……」
純一「うん、頼んだよ。逢」ギュッ
七咲「……///」
中多「き、気を付けて……」
七咲「先輩、じゃあ、歩きますよ」
純一「う、うん」
美也『いい、逢ちゃん。お兄ちゃんに、この中から適当に台詞を言ってね』
七咲(うう……)
純一「ははっ、目が見えない状態で外を歩くと、さすがに怖いね……」
七咲「先輩……」
純一「え、なに?」
七咲「み、みんな、純子ちゃんのことを見てますよ……」
純一「じゅ……?って、え?人いるの?」
純一「そ、そうなんだ……」
七咲「あ」
純一「な、なに?」
七咲「いえ、今知り合いがいたような気が」
純一「ええ!?し、知り合い?僕も知ってる?」
七咲「は、はい」
純一「べ、別の道行かない?」
七咲「え?どうしてですか?いっそ見せましょうよ」
七咲「純子ちゃん」
純一「え」
七咲「あまり大きな声を出すと、注目されますよ。それに、女言葉を話さないと」
純一「お、女言葉……?」
七咲「はい」
純一「こ……こう、かしら?」
七咲「ぷふっ、え、ええ。いいです」
美也「ぷぷぷ、に、にぃに……」
中多「……先輩がんばって」REC
七咲「まあ、罰ですからね」
純一(うう、目は見えないし。しかも女装だし……なんか視線は感じるし、なんだろう、この状況……)
七咲「あ、風が」
純一「え」ブワサー
七咲「せ、先輩!スカート押さえて!」
純一「え、え?まさか……」
七咲「ええ……モロでした」
純一「ええ!?」
純一「み、見た?」
七咲「え、ええ……下着は男物なんですね」
純一「そ、そりゃあね」
プッ
七咲「え、えーっと、はい……笑われてます」
純一「そんな……」
七咲「先輩……」
七咲(恥じらう姿がかわいい……)
中多「」ハァハァハァ
美也「うえー。やなパンチラー」
純一「ま、まだ続けなくちゃいけないの?」
七咲「はい。決められた時間まで、まだかなりありますし」
純一「え、もう一時間は歩かなかった?」
七咲「まだ二十分です」
「あれ、もしかして……」
純一「え、き、聞き覚えのある声が……」
誰がいい?
直下
純一「か、薫!?薫なのか!?」
棚町「ぶふっ、ひひ、な、なにその格好」
純一「い、いや、これはだな」
七咲「先輩、女言葉」ボソッ
純一「ええ!?」
七咲「実は、美也ちゃんからの指示なんです。お願いします」
純一「……か、薫には関係ないでしょ!」
棚町「へ?い、今の」
純一「な、なによ!」
棚町「ひ、ひー、ひひひ、だ、だめ……いきできない……」
純一「げ、この声は」
棚町「あ、恵子ー、ちょ、ちょっとこっち来て」
田中「なになにー?」
田中「え、この人誰?」
棚町「よーく顔見てごらんなさい、ぷぷぷ」
純一「……」ドキドキ
田中「目隠ししてるけど……え、た、橘くん?」
棚町「ぶふっ、そ、そうなのよ、ひひひ。ほ、ほら純一、なんかしゃべりなさい」
純一「……」
田中「え、えっと……し、趣味は人それぞれ」
純一「ち、ちがうん」
美也「……」ジー
純一「違うのよ田中さん!」
田中「よ?」
棚町「」
純一「こ、これにはふかーいわけがあるのよ!」
田中「へ……へー」目線反らし
棚町「はー……はー……」
田中「あれ?あなた」
七咲「すいません。私たち、そろそろ」
純一(やっと解放――)
棚町「あ!ちょっと待って!」
七咲「……な、なんですか?」
棚町「カメラ持ってくるから、ちょーっち待ってくんない?」
純一「だ、駄目に決まってるでしょ!!」
上の美也のカットインは、実際に橘さんに見えたわけじゃなくて、
どこかで監視しているはずって思い出した描写で
純一「駄目ったら駄目よ!」
棚町「ぷっ、け、けちー」
純一「じゃあ、私たちは行くから」
田中「う、うん。さようなら」
田中(違う意味でもさようなら、橘君)
純一「あ、このことは、絶対に誰にも言わないでよ!」
棚町「えー」
純一「薫!」
棚町「はいはい」
七咲「大変でしたね……」
純一「これで僕のあだ名は、明日からオカマ野郎だ……ふふふ」
七咲「先輩……」
純一「あ、時間は?」
七咲「まだまだです……」
純一「はぁ……こうなったらもうやけよ!さあ逢!ちゃっちゃといきましょう!」
七咲「は、はい」
純一「え?美也?」
七咲「どうしたの?」
美也「にしし、お着替えたーいむ!今度はこれに着替えて。あ、目隠し取っていいから、そこの公園のトイレでね」
純一「ぷはぁ」
純一「あー、目が見えないだけなのにすごく疲れた……」
中多「先輩、お疲れさまです……どうぞ」
純一「あ、ありがとう。中多さん」ゴクゴク
純一「せ、急かすなよ」
純一「おい……これって」
美也「うん。うちの制服」
純一「まさか……」
美也「次は学校ね!」
純一「だ、駄目に決まってるだろ!!」
美也「……変態。お父さんとお母さんに」
純一「わ、わかったよ!」
美也「はい、目隠し」
純一「目隠しまだやるのか……」
七咲「は、はい……」
純一「ひ、人の声が増えてきてない?」
七咲「は、はい。下校時刻のピークは過ぎてますが、それでも生徒がけっこういますので……」
純一「が、学校まではあとどのくらいかしら?」
七咲「もうすぐですね……」
純一「そ、そう……」
純一(うう、どうかばれませんように!!)
純一(かつらと目隠しで、そう簡単にはわからない……はず!)
純一(あ、終わった)
誰がいい?
直下
純一「な、七咲、早く進んで」ボソボソ
七咲「は、はい」ボソボソ
絢辻「ちょっと待ちなさい」
純一「な、なんでしょう」ウラゴエ
絢辻「あなた、なんで目隠しをしているの?危ないわよ」
純一「い、いえ、これはその……」ウラゴエ
絢辻「あと、あなたみたいな生徒、うちにいたかしら?見覚えがないんだけれど」
純一「転入したばかりなんですぅ」ウラゴエ
七咲「あ、あの、私たち急ぎますので」
絢辻「……そう」
純一「ご、ごきげんよう」ウラゴエ
絢辻「ごきげんよう、橘君」
純一「き、気づいてたの!?」
絢辻「ええ。一目で気づいたわよ」
純一「じゃあなんで」
絢辻「面白そうだったから、つい」
純一「ひどいよ、絢辻さん……」
絢辻「そんなことより、なんて格好をしているの、橘君」
純一「こ、これはその、やむにやまれぬ事情がありまして……」
絢辻「へぇ。私てっきり、あなたの趣味なのかと思ったわ」
純一「違うよ!!」
絢辻「まあ、どっちでもいいけど」
純一「よくないよ……」
絢辻「その格好で学校に行く気?死ぬわよ(社会的に)」
絢辻「そ、そうなんだ」
絢辻「気を付けてね。あと、あなたも」
七咲「私ですか?」
絢辻「よくわからないけど、がんばってね」
七咲「は、はい。ありがとうございます」
絢辻「それじゃあ」
純一「う、うん。さようなら、絢辻さん」
純一「はー、さすが絢辻さんだなあ。まったく笑わなかったよ。薫とは大違いだな」
絢辻「……」キョロキョロ
絢辻「(割愛)」
純一「そ、そっか。じゃあかえ」
美也「ダメダメ。一周してきて。そしたら、帰っていいから」
純一「美也!?またお前はどこから……」
美也「私たち、ずーっと見てるからね」
中多「ビデオにも、撮ってます」
純一「え!?き、聞いてないぞ!!」
美也「はいはい、早く行ってらっしゃーい」
美也「ほら、逢ちゃん」
七咲「う、うん」
純一「くそー!」
美也「女の子は糞なんていわなーい」
七咲「せ、先輩。もう少しですから」
純一「うん……でもどうせまた誰か」
「あ」
純一「やっぱり……」
誰?
直下
純一「……」
梨穂子「うーん?あのー、私の勘違いかもしれないんだけど、あなた」
純一「そうだよ!僕だよ!!」
梨穂子「わわわ、や、やっぱり純一だー」
純一「……」
梨穂子「でも純一、どうして女の子の格好をしてるの?」
純一「なんだっていいだろ……」
梨穂子「えー、気になるよー」
七咲「美也ちゃんが……」ボソボソ
純一「はぁ……」
純一「とにかく、私は急いでいるから、じゃあね、梨穂子」
梨穂子「私?ぷぷ、なにそれ。言葉まで女の子ごっこ?」
純一「だから、気にしないでって」
梨穂子「でも純一、結構似合ってるね。その格好」
純一「え」
中多「……」コクコクコク
梨穂子「かわいいよ、純一」
純一「へ、変なこと言うなよ///」
七咲「……」ムッ
純一「あ、逢?」
梨穂子「うんうん。また今度他の服を来ているところも見たいなあ」
純一「たぶん、もう着ない……」
梨穂子「えー、もったいないよー」
七咲「先輩、今度私と二人きりの時に」
純一「わ、わかったわよ。考えておくから……」
七咲「え」
梨穂子「やったー」
純一「ほら、七咲。行こう?」
七咲「あ、はい」
梨穂子「じゃあねー」
純一「はいはい」
素晴らしい
純一「なにかしら?」
七咲「もしかして……癖になってますか?」
純一「え゙、そ、そんなことないわよ」
七咲「あやしい……」
純一「ほ、ほら。早く行こう?一周ってまだなの?」
七咲「あ、いえ。もう少しで終わりですね」
純一「よーし、じゃあ」
「あら、あなた」
七咲「も、森島先輩……」
森島「ねえ、響見なかった?ずっと探して」
純一「……」
森島「あなた……」
純一「……」
森島「どうして目隠ししているの?」
純一「……」
七咲「い、いえ、これは……」
森島「んー?ていうかあなた。見たことあるような……」
森島「あ、響ちゃん!」
塚原「もう、こんなところいたの?教室で待っててって」
塚原「あれ?七咲?」
七咲「は、はい……」
塚原「どうしたの?部活休みなのにこんな遅くまで」
七咲「い、いえ……わ、忘れ物をしたので、一度帰ったんですけど、戻ってきたんです」
塚原「へぇ」
塚原「あれ?そっちの子は」
純一「……」
森島「逢ちゃんのお友だち?」
塚原「……」ジー
純一「……」
純一(な、なんだろう。見えないはずなのに、突き刺さるような視線を感じるぞ)
塚原「あなた」
純一「」ビクッ
塚原「もし何かの罰ゲームだったりしたらだけど、目隠しは危険よ」
純一「……」コクコク
塚原「七咲も、止めてあげないと」
七咲「す、すいません……」
塚原「事故が起きてからじゃ遅いのよ」
塚原「高校生にもなって、こういう悪ふざけは」
七咲「……」
純一「ち、違うんです!!」
塚原「え」
森島「わーお」
純一「これには深いわけが……七咲は悪くないんです!!」
塚原「た……橘君!?」
森島「えー、あなただったの!?あは、すごーい!ベリーキュート!似合ってるわよ!」
純一「あ、やば」
純一「え、えーっと……」
塚原「」絶句
純一「こ、これにはふかーいわけが……」
塚原「ば、罰ゲーム?」
七咲「……」
純一「似たようなものです……」
森島「あ、そうだ!これからうちに来ない!?きっと橘君に似合う服がたくさんあるから!」
塚原「ちょっと……黙ってて、はるか……」クラクラ
純一「も、もちろんです!」
塚原「……行きすぎた恋人同士の、その、そういうのでも、ないのね?」
七咲「は、はい!ありえません!」
森島「え?そうなの?二人ってそうだったの?」
塚原「……」
純一「……」
七咲「……」
森島「そういえば、さっきからずーっと手を繋いでて、二人ともかわいいカップルね!」
塚原「もう何も聞かないから……気を付けてね」
純一「はい……」
七咲「はい……」
塚原「橘君……」
純一「あ、はい?」
塚原「あなたには、七咲のこと任せてもいいって思っているんだから、あまり変なことはしないように」
純一「は、はい」
森島「そうよ!男の子はナイトなんだから、しっかり女の子を守らないと!あ、でも今は二人ともプリンセスね!」
純一「はあ」
七咲「じ、じゃあ、失礼します」
純一「失礼します」
塚原「さようなら」
森島「じゃあねー」
七咲「そうですね……」
純一「はあ、これで僕の知り合いでも、見られたくない人たちにはほとんど出会ったよ……」
七咲「御愁傷様です……」
純一「なんかもう、どうでもうよくなってきた……」
七咲「……」
純一「でも、それだけのこと、しちゃったってことかな」
七咲「先輩……」
七咲「先輩……」
美也「反省したようじゃな……」
純一「美也!」
美也「もう、目隠しをとってよいぞよ」
七咲「ぞよ?」
美也「わしは、それを二人に知って欲しかったのじゃ……」
美也「今日のことを乗り越えて、二人は、かけがいのない宝物が手に入れたはずじゃ」
美也「それを大事にするのじゃよ」
美也「あと、妹の美也ちゃんも大切にするように」
美也「さらばじゃ!」
七咲「……」ポカーン
純一「えっと……終わり?」
七咲「みたいですね」
純一「帰ろっか」
七咲「はい……でも」
純一「でも?」
七咲「あの、先輩の着替えって」
純一「あ!美也!」
シーン
七咲「行っちゃったみたいですね……」
純一「女装したまま帰るのか……」
純一「逢……どうかな」
七咲「はい、似合ってます」
純一「そ、そうかな……」
七咲「先輩。背は高いですけど、お化粧したら結構女の子に見えますね」
純一「そ、そう?」
七咲「はい。じゃあ」スッ
純一「あ……」
七咲「ふふふ。まったく、目隠しプレイがそんなに好きなんですか?これじゃあ、女の子に見えませんよ?」
純一「だって……」
七咲「ほんとにもう、先輩は変態ですね」
七咲「美也ちゃんがこれを知ったら、また怒られますよ」
純一「ま、また……」
純一「あ、逢……早く……お願い」
おわり
いい仕事だった
乙
Entry ⇒ 2012.01.19 | Category ⇒ アマガミSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
橘「晴れた」
【化かしたり被ったり】
橘「晴れたね」
絢辻「……」
絢辻「晴れたね、じゃないわよ。えぇ、たしかに空は晴れたわよ? でも雨は降ってるじゃない」
橘「天気雨ってやつかな?」
絢辻「狐の嫁入りとも言うわね」
橘「………」
絢辻「ちょっと待ちなさい。今、変なこと考えたでしょ?」
橘「え? いや、その……」
絢辻「いいなさい」
橘「あはは……」
絢辻「言・い・な・さ・い」
橘「……はい。でも絢辻さん怒らない?」
絢辻「怒られるようなことを考えたの?」
橘「いやぁ、狐って聞いて絢辻さんはどこか狐っぽいところがあるなぁって……」
絢辻「はあ?」
橘「いや、狐って人を化かす力があるとか……言ったり……言わなかったり……あはは……」
絢辻「ふーん、橘君そんなこと考えてたんだ? へぇ」
橘「……ごめんなさい」
絢辻「……ふふ、冗談よ。それほど怒ってないわ」
橘「え?」
絢辻「あ、そっか。こういうところがそういう風に連想させたのね。……人を化かす……か」
橘「絢辻さん?」
絢辻「……ねぇ、橘君。私はもう化かす必要も猫をかぶる必要もないのよね?」
絢辻「あなただけの前ではそんな必要はないのよね?」
橘「……僕はそうあってほしいな」
絢辻「……ばか」
【待ち】
絢辻「にしても狐の嫁入りねぇ……」
橘「?」
絢辻「(……嫁入り、か……深読みのしすぎよね……まさかこの鈍感に限って、ね)」
橘「どうしたの絢辻さん?」
絢辻「ううん、橘君に期待しててもいいのかな って思っただけよ?」
橘「?」
【まどろみ】
梨穂子「うーん、やっぱり晴れたら気持ちいいよ~」
橘「おーい、梨穂子」
梨穂子「あ、じゅんいち~」
橘「こんなところでなにやってるんだ?」
梨穂子「えへへ、見てのとおり日向ぼっこだよ~」
橘「日向ぼっこって……この時期には少し寒いだろ?」
梨穂子「うーん、そうかなぁ? 晴れてて気持ち良いよ?」
橘「はは、なんだか梨穂子らしいや」
梨穂子「む、どういう意味かな~それは」
橘「そのままの意味だよ」
梨穂子「うーん、まいっか。 それより純一もどう?」
橘「どう……って、梨穂子がベンチを占領してるじゃないか」
梨穂子「あ、そっか。……あ、そうだ」
橘「?」
梨穂子「それじゃぁ、はい純一。ここに座って良いよ」
橘「? ……それじゃぁ」
梨穂子「それでー、こう」ゴロン
橘「え?」
梨穂子「えへへ」
橘「梨穂子、さすがにこれは恥ずかしいっていうか……男の膝枕なんて固いだけだろ?」
梨穂子「そうかな~。 きもちいいよ?」
橘「むしろ逆じゃないか?」
梨穂子「純一、してほしかったの?」
橘「そりゃしてほしいかしてほしくないか、で言ったらしてほしいけど」
梨穂子「えへへ正直だね~。 じゃぁ、今度はしてあげるね……」
梨穂子「だから……いまは……このまま……」ウトウト
橘「……まったく梨穂子は仕方ないなぁ」
【雨上がり】
橘「晴れたね」
七咲「そうですね。よかったですね先輩」
橘「そうだなぁ。やっぱり初詣に行くのに雨だったら困るもんなぁ」
七咲「ふふ、そのほうが人がいなくていいかもしれませんよ?」
橘「あ、そっか。七咲はうるさい場所なんかは嫌いなんだっけ?」
七咲「そうですね。あまり好きな方じゃありませんけど……」
橘「ならあのまま雨のほうがよかったかな?」
七咲「……」
橘「七咲?」
七咲「もうっ、変な気遣いはなしです」
橘「でも……」
七咲「でももなしです。それに私を誘ってきた先輩の楽しそうな顔を見ると断れないじゃないですか」
橘「あはは、僕そんな顔してたかな」
七咲「してました。それに……」
橘「それに?」
七咲「(先輩と一緒なことに少し楽しみにしてた自分もいますし……)」
橘「?」
七咲「ふふ、なんでもないです。ほらほら、先輩はやく行きましょう?」
【晴れ模様】
薫「晴れたわよ!」
橘「やけにテンションが高いなぁ薫」
薫「そりゃそうよ。だってここのところ雨とか雪とかばっかりだったじゃない」
橘「雨は嫌いか?」
薫「雨の日は髪の毛がねぇ……」
橘「雪は?」
薫「寒いじゃない」
橘「……」
薫「……なによ?」
橘「いや、薫らしいと思って」
薫「どういう意味よ?」
橘「そのままの意味だよ」
薫「む……純一のくせに生意気ね」
橘「そりゃどうも。あ、薫しばらく晴れが続くみたいだぞ?」
薫「え、ほんと? ってアンタ今自分に攻撃が来る前に話し逸らそうとしたでしょ」
橘「あ、わかったか」
薫「あんたのことはお見通しよ、っと」ガンッ
橘「……結局殴られるのか!」
薫「いやね、スキンシップじゃない?ス・キ・ン・シ・ッ・プ」
橘「……僕の体がもたない気がするよ」
薫「仕方ないわね。じゃぁ純一はこういうスキンシップのほうがお好みかしら?」グイッ
橘「な、薫!? 何する気だ近い近い」
薫「………」
橘「………」
薫「く、ぷくく……あんた今キスされると思ったでしょ?」
橘「……う、少しだけ」
薫「あははは、純一ってば顔あかーい!」
橘「ぐ、卑怯だぞ、薫!男の純情をもてあそぶとは」
薫「あははは、アンタ最高」
橘「……言っとくが、薫。お前も顔赤いぞ」
薫「え?」
橘「やろうとしたほうも顔赤くしてるなんて世話ないよ」ニヤニヤ
薫「え、嘘? ちょっとあんたそのにやけ面やめなさい!」
【独占欲?】
橘「晴れたね!」
紗江「ふふ、そうですね。先輩は晴れのほうがお好きですか?」
橘「うん、やっぱり晴れたほうが気持ちいいしね。それに」
紗江「?」
橘「紗江ちゃんとこうやってデートするときに、雨だと紗江ちゃんがこっちに来るのに大変だしね、電車であっても。」
紗江「先輩……」
橘「あ、でもそういうときは僕がそっち行けばいいのか」
紗江「い、いえ。先輩に悪いです」
橘「はは、僕もいつも紗江ちゃんに思うことは一緒だよ。……うん、次からはそうすればいいね」
紗江「でも……」
橘「でもはなしだよ」
紗江「……ありがとうございます先輩」
橘「(……こんな尊敬の眼差しを見せられると)」
橘「(雨の時にちょっと濡れてしまって色っぽい紗江ちゃんを他の男にみせたくない、なんて言えないなぁ)」
紗江「先輩?」
橘「ううん、なんでもないよ」
【嫉妬】
森島「ほら、橘君晴れよ晴れ! プール観察日和よ!」
橘「またプールですか? でもこの前怒られたばかりじゃ……」
森島「もうっ、それでも男の子なの? すぐそこには楽園があるのよ?」
橘「……いや、でも」
森島「(……いま間は少し迷ったのかしら? もう一押しね♪)」
森島「いい橘君? 今プールにはひびきちゃんがいるのよ? それにきっと逢ちゃんもいるわ」
橘「……」ゴクリ
森島「む……」
橘「……よし、やりましょう先輩……ってあれ、どうしたんですか?」
森島「むむむ、やっぱり今回はなしよー」
橘「えー」
森島「そのかわり君は今から私と下校デートよ♪」
橘「!!」
橘「お供します!」
森島「わおっ、いいお返事ね。ふふ、そんな君にはいいことがあるかもね?」
橘「……ゴクリッ」
森島「どんなことかは下校中のお楽しみね♪」
【ストーキング魂】
裡沙「晴れたね橘君」
橘「裡沙ちゃんは晴れたほうが好き?」
裡沙「うーん……あなたの好きな天気が好きだよ?」
橘「あはは」
裡沙「あ、でも」
橘「?」
裡沙「雨の時は、外で待ち伏s……」
橘「え?」
裡沙「う、ううん!待ち合わせ!そう待ち合わせしているときとか困るよね」
橘「…? そうだね」
裡沙「雪の時は外で待っていると寒いし……」
橘「あー、わかるよ」
橘「(……ところでなんで裡沙ちゃんはこんなに遠い眼をしているんだろう……)」
裡沙「だからやっぱり晴れたほうが好き……かな」
裡沙「……でももうそんな必要もないんだよね」ボソボソ
橘「?」
【安らぎ】
橘「七咲と好きな場所の話を前にしたよね」
七咲「ああ、ありましたね。布団の中って答えたんでしたっけ?」
橘「うんうん。でさ、ということは七咲は結構すぐに布団に入って寝られるタイプ?」
七咲「さぁ、どうでしょう。やっぱり日によると思いますけど……」
橘「眠れないときとかは何を考えてるの?」
七咲「そうですね、最近は……」
橘「うん」
七咲「…………///」カァ
橘「七咲?」
七咲「(最近は橘先輩のことばっかりなんて言えない……!!)」
七咲「な、なにも考えてませんよ!?」
【人柄】
七咲「でも急にどうしたんですか?」
橘「いやぁ、昨日なかなか寝付けなくってね。なにか寝よう寝ようと思うたびに目が覚めていって……」
七咲「ああ、わかります」
橘「だから、ふと疑問に思っただけだよ?」
七咲「ふーん、そうなんですか。 で、先輩はいつも眠る前に何を考えてるんですか?」
橘「………」
七咲「……なにか今の間でなんとなく想像がついた気がします」
【無理です】
橘「あ、いやもちろん七咲のことだよ?」
七咲「なっ!? なにを言ってるんですか」
橘「今度七咲とどういうところに行こうか、とか七咲はなにが喜ぶだろうか、とか」
七咲「先輩……」
橘「他にも」
七咲「クスッ、もういいですよ先輩。わかりましたから」
橘「え?」
七咲「ただしエッチな想像はなし……いえ、先輩には無理ですね。控えてくださいね」
橘「なんか僕のイメージが……」
七咲「でも無理でしょう?」
橘「(……自分のことなのになんだか情けなくなってきたぞ)」
【染み付いた性根】
絢辻「はぁ? 私が夢にでてきたって?」
橘「うん」
絢辻「……へぇ、そうなんだー。橘君の夢の中で私はどんなエッチなことをさせられたのかしら」
絢辻「あぁ、きっと橘君の夢の中で恥ずかしい格好とかさせられたのね……」
橘「(……夢の中でもコキ使われてたって言ったらどんな顔をするだろう……)」
絢辻「ちょっと聞いてるの?」
橘「う、うん。聞いてるよ?」
【イメージ】
絢辻「で、真面目な話どんな夢だったの?」
橘「え?」
橘「………」
橘「………」タラタラ
絢辻「ど・ん・な・夢?」
橘「……えっと、その、あ、絢辻さんに……」
絢辻「正直に言いなさい」
橘「夢の中でもコキ使われてました!!」
絢辻「………」
橘「………」
絢辻「(橘君の中の私はどんな認識なのかしら)」
【願望】
絢辻「あなたなにか変な願望でもあるんじゃない?」
橘「そんなことないと思うんだけどなぁ」
絢辻「(にしても、もう少し色っぽい夢とかじゃないのかしら)」
絢辻「(そりゃあ、そっちにしても多分私は似たようなことを言ってるだろうけど……)」
絢辻「(……ってこれじゃあ橘君にそういう夢を見て欲しかったみたいじゃない!!)」
絢辻「………」ブンブン
橘「絢辻さん?」
絢辻「なによ」ギロッ
【正夢】
絢辻「まぁ、お話もこのぐらいにして」
橘「へ?」
絢辻「へ?じゃないわよ。ほら、そこに資料の束があるでしょ」
橘「あ、これかな」
絢辻「そう、それ。それを職員室に持っていって頂戴」
橘「………」
絢辻「どうしたの橘君?……今回も手伝うっていったのはあなたなんだからね?」
橘「(……あぁ僕が見たあの夢、あれ正夢だったんだなぁ)」
絢辻「ちょっと橘君、きいてるの?」
【覗き】
森島「橘君、大変よ!」
橘「な、慌ててどうしたんですか?」
森島「覗きが出たらしいわよ!」
橘「え?」
森島「覗きが出たらしいわ」
橘「すいません、もう少し詳しくおしえていたただけませんか?」
森島「あのね、ひびきちゃんがね。最近プールに覗きが出るって言うの」
橘「あ、プールですか」
森島「そうよ~。まったく許せないわね。私のひびきちゃんの水着姿を覗こうなんて」
橘「(塚原先輩の水着……ゴクリッ……おっと、だめだ先輩は真面目な話をしてるんだ)」
橘「それは許せないですね!」
森島「ね、橘君もやっぱりそう思うでしょ」
橘「はい」
森島「だからね」
橘「?」
――――――
橘「こうなるんですか」
森島「こらっ、橘君。体を屈めなさい。私達で犯人を捕まえるのよ」
【犯人はこの中にいるっ……!!】
橘「…………」
森島「…………」
橘「…………犯人現れませんねぇ」
森島「うーん、おかしいなぁ。ひびきちゃんは連日のようにって言ってたんだけど」
橘「今日はこないんじゃないですか?」
森島「そうかなぁ?………あ、橘君見てみて、ひびきちゃんが泳ぐわよ」
橘「え?」
橘「(……これははたして僕も見ていいものなのか)」
森島「うーん、ここのところひびきちゃんは絶好調みたいね」
橘「え?」
森島「うん?」
橘「……先輩ちょっといいですか?」
森島「なにかな?」
橘「ここのところってことは先輩はいつもここに?」
森島「そうね、最近はひびきちゃんの様子を見に来てるわね」
橘「……………………先輩はいつもここに来てる時、覗いてる人をみたことありますか?」
森島「うん? 言われてみればないわ。むむむ、おかしわね~」
橘「…………それって」
森島「?」
【身内の犯行】
プール
七咲「塚原先輩」
塚原「え?」
七咲「またです」
塚原「あら、おかしいわね。一応はるかには言ったつもりなんだけど」
七咲「しかも増えてます」
塚原「え?………あれは橘君……か」
塚原「…………はぁ」
塚原「(……はるかに遠まわしに言ったのが間違いだったのかしら)」
【いつもどおり】
橘「絢辻さん、テストはどうだった?」
絢辻「なに? ……いつもどおりだけど」
橘「そっか……え?」
絢辻「?」
橘「(……僕がほとんど見たことないような点数ばかりだよ)」
橘「わかっていたけど、改めて知らされると壮観だね……」
絢辻「はい?」
【格の違い】
橘「一学期のころは、英語は何点だった?」
絢辻「えっと、××だったかしら」
橘「国語は?」
絢辻「××よ」
橘「歴史は?」
絢辻「歴史は少し勘違いしていたところがあったのよね……たしか××だったかしら」
橘「(……勘違いしてたところがあっても、××点……!! 僕の答案じゃ見たことないよ……)」
絢辻「どうしたの?」
橘「絢辻さん、勉強を教えてください!!」
【どうみてもセクハラです】
橘「あ、ちなみに一学期の頃の保健のテストは?」
絢辻「たしか……って、ちょっと待ちなさい」
絢辻「それを聞いてどうするの?」
橘「いやぁ、純粋な好奇心で……」
絢辻「……」ジィ
橘「ごめんなさい!」
【90over】
橘「あ、あの……ちなみに点数は……」
絢辻「………よ」ボソボソ
橘「え?」
絢辻「××!!」
絢辻「あ、あなたがなに考えているのか知らないけど私はどれも高得点じゃないと気がすまないだけなんだからね」
橘「ま、まだなにも言ってないよ?」
絢辻「………///」カァ
絢辻「この変態、スケベ、セクハラ!!」
【姉っぽさ】
美也「おにいちゃんと紗江ちゃんが結婚したら、紗江ちゃんはみゃーのねぇねになるね」
紗江「え、結婚……」カァ
美也「うーん、でも紗江ちゃんがねぇねか」
紗江「ねぇね………」
美也「ねぇねっていうからには、紗江ちゃんももうちょっと自信をもたなきゃね」
紗江「(……どういうことなんだろう?)」
美也「にしし、なんていったってみゃーのねぇねになるんだからね」
紗江「そ、そういうものなのかなぁ?」
美也「そうだよ。そんなんだったらみゃーのほうがねぇねっぽくなっちゃうよ?」
紗江「(……どういう基準なんだろう)」
【圧倒的な物量】
橘「なに意味がわからないことを言ってるんだ、美也」
美也「あ、お兄ちゃん」
紗江「こんにちわ、先輩」
橘「こんにちわ紗江ちゃん」
美也「もう、紗江ちゃんとみゃーの話に入ってこないでよ」
橘「な、美也がわけわかんないこと言ってるからだろう」
橘「それに、紗江ちゃんは美也よりよっぽどねぇねだと思うぞ」
紗江「ふぇ……」
美也「むー、なにさにぃに。例えばどのへんさー」
橘「え、どのへんって……それは……」ジィ
紗江「せ、先輩……あんまり見ないでください///」
美也「この……」
橘「この?」
美也「馬鹿にぃにー! なにさ紗江ちゃんの胸ばっかり見ちゃってさ」
美也「にぃになんて紗江ちゃんのフカフカで窒息しちゃえー」
紗江「……////」カァ
【中身は?】
橘「薫のとこのファミレスって制服は可愛いよな」
薫「……制服は?」
橘「あぁ、うん。ファミレスにしては味もいいよ」
薫「ふーん……他は?」
橘「えっ、他?……うーん値段は普通だと思うし……」
薫「あんたねー」
橘「あ、そうか。制服を着てる子も可愛いよ」
薫「ふふん、分かればいいのよ」
橘「(……当たり前すぎて言わなかっただけなんだけどなぁ)」
薫「♪」
【将来性】
本屋
橘「(今週はあのお宝本の発売日だぞ……!!)」
橘「あれ、あそこにいるのは……」
橘「(七咲の弟じゃないか)」
橘「(しかもあそこはお宝本コーナー……)」
橘「(……む、あの手にもってるのは)」
橘「(うんうん、あの本良いんだよねー。とくに今月は特集が……)」
橘「(あ、本を替えた)」
橘「(おお、あの本は……七咲の弟……あなどれないじゃないか)」
――――
後日
橘「七咲の弟はきっと将来有望だよ」
七咲「はい?」
【風物詩】
梨穂子「うぅ……また増えたよ~じゅんいち~」
橘「またか。ちなみに何kg増えたんだ?」
梨穂子「うう……××キロ……」ゴニョゴニョ
橘「ああ……それはまた……」
梨穂子「どうしよう純一~。新年早々ダイエットだよ~」
橘「………」
梨穂子「じゅんいち?」
橘「いや、あはは。毎年、この時期になると梨穂子のこの叫びを聞いてるなぁって」
梨穂子「笑いごとじゃないよぉ~」
【魔性】
橘「正直な話、たまに教官って呼び方が懐かしくなるよ」
紗江「え?」
橘「いや、紗江ちゃんに教官って呼ばれるとちょっとクルものがあるっていうか」
紗江「そうなんですか?」
橘「そう、その目だよ。その目で教官って呼ばれると」
紗江「……えっと、その教官……?」
橘「!!」
橘「(……久々だと不覚にもクラっときてしまった)」
紗江「せ、先輩。大丈夫ですか?」
【バカのつくカップル】
七咲「塚原先輩」
塚原「あぁ、七咲」
七咲「どうしたんですか? こんなところで」
塚原「それがはるかと橘君が喧嘩…………」
―――
橘「はるかー、愛してるー!!」
森島「私もよー、ダーリン!」
―――
七咲「なんですか、この廊下に響く恥ずかしい応答は」
塚原「はぁ……あの子たちったら」
七咲「?」
塚原「ただのあの子たち流の仲直りよ」
七咲「……前もこんなことありませんでしたっけ?」
【被害大】
塚原「でも、本人達はまったく周りの目を気にしてないからいいとして」
七咲「……いいとして?」
塚原「聞いてるこっちの身にもなってほしいわね」
七咲「あぁ……あそこの男子なんて膝をついて悔しがってますよ」
塚原「そうなのよね、あのアマアマな雰囲気に周りの被害が酷いのよ。とくにはるかに憧れている子ってまだ多いでしょ?」
七咲「……橘先輩いつか刺されるんじゃないですかね」
塚原「…………」
【被害小】
裡沙「……ぐぬぬ」
黒沢「……ぐぬぬ」
【クッキング七咲】
七咲「先輩ってそれなりに料理はできるんですよね?」
橘「レパートリーとかはそんなにないけどね。ほら、美也があの通りだからせめて僕は多少はね……」
七咲「ふーん、そうですか」
橘「七咲?」
七咲「い、いえあの……ほら、男の人の心を掴むには胃からって言うじゃないですか……」ゴニョゴニョ
七咲「だから、その……」
橘「はは、心配ないよ。僕なんかより七咲の作ったほうがおいしいに決まってるし、僕なんてイチコロだよ」
橘「それに、仮にそうじゃなくても僕なら七咲の作った料理なら喜んで食べるよ? 例え塩と砂糖を間違った料理とかでも」
七咲「先輩…………」
七咲「……はっ! も、もうそんな漫画みたいな間違い実際にするわけないじゃないですかっ///」
【漫画みたいな間違い】
橘「(……でも美也はそれをやるんだよなぁ……)」
七咲「先輩?」
【片鱗】
橘「今年のクリスマスは紗江ちゃんと過ごせてよかったよ」
紗江「先輩は去年は?」
橘「あぁ、去年はたしか梅原と一緒に馬鹿騒ぎしてたなぁ」
紗江「梅原先輩とですか?」
橘「うん、本当にあいつには救われるよ」
紗江「(先輩と梅原先輩がクリスマスに……)」
紗江「あわわわ……」
橘「紗江ちゃん?」
紗江「な、なんでもないです」
【起床】
「……きなさい……ちょっと起きなさい!」
橘「う、うーん……」
橘「……!!」ガバッ
絢辻「おはよう橘君」ニコッ
橘「おはよう……あ、あやつじさん」
絢辻「……」ジィ
橘「……」
絢辻「絢辻さんに起こしてもらったらすぐに起きれる気がするよー、とか前にいってたのはどの口かしら?」
橘「こ、この口……かな?」
絢辻「えぇ、「かな?」じゃなく間違いなくその口よ」
橘「……あれ、ところで絢辻さん本当に起こしにきてくれたの?」
絢辻「……たまたまよ」
橘「(……素直じゃないなぁ)」
橘「(絢辻さんの家は近いわけでもないのに……わざわざ僕のために)」
絢辻「な、なによ?」
橘「いや、絢辻さんは素敵な人だなって」
絢辻「な、馬鹿なこといってないではやく起きなさい」
【なんだかんだいってやってくれる……はず】
橘「新妻風の起こし方なんてどうだろう……」
絢辻「はぁ?」
橘「あれ?……僕もしかして口に出してた……?」
絢辻「もしかしなくても出てたわよ……へぇ、橘君は私にそういうのをご所望なんだ~、ふーん」
橘「え、やってくれるの!?」
絢辻「やるわけないでしょ馬鹿!」
絢辻「……そもそも新妻風ってどんな感じなのよ……」ボソボソ
【帰宅】
裡沙「お帰りなさい、あなた」ニコ
橘「た、ただいま裡沙ちゃん」
橘「(料理中にお出迎えしてくれるのは嬉しいけど、包丁持って迎えられると分かっててもちょっと怖いものがあるなぁ)」
裡沙「?」
【二人下校】
放課後
橘「こんにちは、塚原先輩」
塚原「あら、橘君? はるかと一緒じゃなかったの?」
橘「森島先輩ですか? 今日はあってないですね」
塚原「あれ、おかしいな。 いないからキミと一緒だと思ってたんだけど」
橘「?」
塚原「キミは今帰り?」
橘「あ、はい」
塚原「そう。じゃぁ一緒に帰ろうか」
橘「え? 塚原先輩とですか」
塚原「あ、いやだったかな?」
橘「いえ、喜んで!」
【初心】
下校路
橘「塚原先輩は今日は部活はお休みですか?」
塚原「えぇ、プールが補習につかうってことで……」
橘「へぇ、そうなんですか……」
塚原「うん」
橘「………」
塚原「………」
橘「(塚原先輩と二人きりなんてなんだか緊張するなぁ)」ゴクリ
塚原「(まさか橘君と一緒に帰ることになるなんてね……にしても私がこんなに緊張するなんて……)」
橘・塚原「……//」テレッ
みゃーをもっと!
【ラブリーは見てる】
森島「ああん、もうひびきちゃんも橘くんもかわいいわねぇ~♪」
美也「あ、森島先輩。こんなところに隠れてなにをやってるんですか?」
森島「わおっ、ナイスタイミングね。美也ちゃん」
美也「?」
森島「あ、美也ちゃん隠れて」
美也「はぁ……」
森島「うふふ……今君のお兄ちゃんとひびきちゃんの初々しい下校風景を見守ってたのよ」
美也「え、お兄ちゃん?」
森島「ほら、あそこよあそこ……」
美也「(……あれはにぃにと塚原先輩……もうにぃにったらだらしない顔しちゃってさ……)」
森島「あー、そこよそこ。思い切って手を繋ぐのよ!」
【じゃれあい】
美也「あ、裡沙ちゃん」
裡沙「美也ちゃん」
美也「どうしたの?」
裡沙「ふふふ、今日はあの人とデートなの」
美也「え、おにいちゃんと?」
裡沙「うん♪」
美也「………」
裡沙「ふふふ♪」
美也「みゃーも行く」
裡沙「ダメ」
美也「なんでさー」
裡沙「あの人と私のデートなの~! だから美也ちゃんはダメ。 そもそもなんで美也ちゃんがついてくるのよ」
美也「にぃにと裡沙ちゃんを二人きりになんてしたらどう暴走するかわからないからね」
裡沙「暴走……って、別にあの人と私は恋人だからいいの~!」
美也「うう、みゃーも行くー」
裡沙「ダメー」
美也「なにさー」
裡沙「なによー」
美也・裡沙「ふぅーっ」
【親猫の気持ち】
橘「……裡沙ちゃんと美也の声がすると思って見に来たら」
橘「……修羅場になってるよ」
橘「……」
橘「(……なんだか子猫の喧嘩みたいだなぁ)」
【まんま肉まん】
橘「ずっと思ってたんだけど」
七咲「?」
橘「美也があれだけまんま肉まんが好きな理由は、食べていればあんな風になれると思っているからなんじゃないだろうか」
七咲「……? あんな風にとは?」
橘「ほら、美也はお子様体系だから」
七咲「あぁ、そういうことですか」
橘「僕は美也に一度兄として教えてやるべきなんじゃないだろうか」
橘「まんま肉まんを食べ続けていても、美也の胸はまんま肉まんのようには膨らまないってことを」
七咲「とりあえず先輩、その話美也ちゃんにしたらひっかかれますよ?」
【お見通し】
純一の部屋
薫「勉強会をすると見せかけて、抜き打ちで純一の部屋をチェックします」
橘「薫が勉強会なんて言い出すのはおかしいと思ったら……ところでそのチェックすることに対する僕の意見は?」
薫「却下よ」
橘「まだなにもいってないじゃないか!」
薫「ふふん、純一の考えなんかあたしにはお見通しよ」
橘「……くっ」
橘「(まぁいい……薫に僕の巧妙なお宝本の隠し場所がわかるはずがない)」
薫「うーん……」キョロキョロ
橘「……」
薫「あそこね」スタスタ
橘「!!」
薫「……ほーら、ここに一冊、二冊、三冊……わぁあんたどれだけこんな所に隠してるのよ」
橘「(……一発で……)」
【以心】
薫「あはは、だからいったでしょ? あんたの考えはお見通しだって」
橘「ぐ……もう気は済んだだろ……」
薫「……」ジィ
橘「……」
薫「……まだあるわね。さぁ、次いってみよー」
橘「……!! もう許して!」
【嫉妬】
薫「あー、出るわ出るわ。あんたこんなにも隠してどうするつもりだったの?」
橘「くっ、薫には分からないだろ!」
薫「あはは、たしかにあたしにはわかんないわ」
橘「(くそ、薫め。覚えてろよ……)」
薫「まぁ、あんたの面白い顔も見れたことだし今回はこの本の山返してあげるわ」
橘「……!!」
橘「(薫……)」
薫「次はうまいこと隠しなさい? あたしに見つからないようなところにね」
橘「……」
薫「どうしたのよ、純一」
橘「薫、僕は今ちょっと感動した」
薫「まったく……でも妬かないってわけじゃないんだからね」
橘「……」コクコク
【目は口ほどに】
薫「よろしい、じゃあこれ返してあげる」
薫「にしても、あんたこの量見る限りじゃ、学校とかにも隠してそうね……なんて」
橘「……」サッ
薫「……あんたまさか……」
橘「……」タラタラ
薫「ねぇ、純一なんで今目を逸らしたの? なんでそんなに汗をかいてるの?」
橘「……」
薫「……」
橘「……」
薫「さて、学校へ行きましょうか、純一?」
【今の幸せ、後の皺寄せ】
梨穂子「えへへ~♪」
香苗「桜井、どうしたの? そんな嬉しそうな顔して?」
梨穂子「えー、そんな顔してたかなぁ」
香苗「してたわよ」
梨穂子「えへへ」
香苗「(こりゃ、橘君となにかあったわね)」
香苗「旦那とデートの約束でもしたの?」
梨穂子「えーっ、すごい香苗ちゃん! 当たりだよ~」
香苗「あんたのことだからそんなことだろうと思ったわ。で、どこに行くの?」
梨穂子「えっとね、駅前に新しくできたアイス屋さん」
香苗「あー、あそこのことね」
梨穂子「ふふ、最近ね。アイスにちょっとはまってるんだー。 この前は純一とパフェを食べにいったんだけどねー」
香苗「へぇ、そうなんだ」
香苗「(……こりゃ後一ヵ月後にはまたダイエットで泣きついてくるなぁ)」
【和】
香苗「橘君と桜井を見てるとさー」
梅原「うん?」
香苗「なんていうか、カップルに対する嫉妬よりも、和むって感じがするわ」
梅原「あー、ああ見えて大将もどこかまったりしてるとこがあるからなぁ……」
香苗「うーん、やっぱり和むわ」
【紳士力】
橘「今日は寒いね」
裡沙「そうだね」
橘「こういう日は熱いお風呂に入りたくなるよ」
裡沙「(お風呂……)」
裡沙「……!!」ピコーン
裡沙「(橘君と一緒にお風呂に入って……背中を流してあげて……きゃー、新婚さんみたい!!)」
橘「裡沙ちゃん?」
裡沙「あ、あの……あなたのおうちに行っていいかな?」
橘「うん? どうしたの?」
裡沙「その……あなたの背中を流してあげる」
橘「!!」
橘「(お、お、お、落ち着け僕。こ、これはどういうことだ……たしかにお風呂の話をしていたけど)」
橘「……」ギュー
橘「痛い。夢じゃない」
裡沙「た、橘君?」
【過ち】
お風呂場
裡沙「なんでこうなるのさー」
美也「にしし、みゃーの目が黒いうちはエッチなことはさせないのだ」
裡沙「もうっ、美也ちゃんと入ってもなんにも得られるものがないよ!」
美也「じゃぁ、裡沙ちゃん帰ればよかったじゃん」
裡沙「ちがうのー」
美也「まったく、みゃーが放っておいたらどんな過ちが犯されることだったか」
裡沙「過ちじゃないよ! 」
美也「ほら、裡沙ちゃんいつまでもそうしてると風邪ひくよー」
裡沙「むぅ……」
【のけもの】
居間
橘「……お風呂場楽しそうだなぁ……」
橘「あぁ、裡沙ちゃんと美也がお風呂か……」
橘「…………クスン」
【鼻歌】
梨穂子「寒くなってくると、お風呂が長くなるよね~」
橘「うーん、なんとなく分かる気がするけど、そういうものか?」
梨穂子「そうだよ~」
橘「梨穂子はお風呂の中で歌でもうたってそうだなぁ」
梨穂子「え?」
橘「うん?」
梨穂子「……純一、覗いたの?」
橘「なっ、覗けるわけないだろ!!」
梨穂子「だよねぇ~」
橘「(図星だったのか)」
【髪】
橘「絢辻さんはお風呂とか大変そうだね」
絢辻「はい?」
橘「あ、いや、髪の毛とか長くて綺麗だし大変そうだなぁって」
絢辻「(綺麗……ね)」
絢辻「あぁ、そういうこと」
橘「あはは」
絢辻「でも、慣れたら別に苦とも感じないわよ?」
橘「あー、そういうものなんだー。切ったりとか考えたことある?」
絢辻「そうね……今のところは考えたことないわね」
絢辻「……」
橘「絢辻さん?」
絢辻「……あなたは短いほうが好きなの?」
橘「え? 僕は絢辻さんならどれも似合うと思うからどれも好きだよ?」
絢辻「そ、そう」テレ
絢辻「……ふふ、そうね。結婚でもしたら切ってみようかな?」
【ねぇね】
裡沙「ふふ、私も美也ちゃんのねぇねになるんだよね」
美也「裡沙ちゃんがねぇね……うーんピンとこないなぁ」
裡沙「ピンとこなくても、ねぇねだよ」
美也「むむ、でも裡沙ちゃんはねぇねっぽくないよ」
裡沙「なによー」
美也「だって、裡沙ちゃんみゃーより胸小さいじゃん」
裡沙「美也ちゃんよりはあるよっ!」
美也『うっそだー。美也のほうがあるよ」
裡沙「むむむ」
美也「ふしゃー」
裡沙「……ふふ、でも仮にちっちゃくてもあの人に大きくしてもらうからいいよ」
美也「むー、みゃーはそんな邪悪な行為認めないよ」
裡沙「美也ちゃんには関係ないでしょー!」
美也「あるよー。にぃにはみゃーのにぃにだもん。踏み外さないように美也がしっかりしてないと」
裡沙「だから踏み外して良いのっー!」
美也「ダメだよ」
裡沙「いいの!」
ついでにスレタイ天気ネタも尽きた
次も期待してる
次もお待ちしております
Entry ⇒ 2012.01.08 | Category ⇒ アマガミSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
美也「にぃにが押入れから出てこない・・・」
美也「確か雑誌にネットに書き込むだけでお金が貰える簡単なアルバイトが募集してあったよね」
美也「待っててね!にぃに!」
・
・
・
・
・
・
・
・
美也「…すごぉい。あっという間に10万円も貯まっちゃった」
美也「これからどうしよう>>8」
美也「はい。お願いします!」
絢辻「分かったわ。私に協力できることがあるなら何でもするわ」(面倒くさいわね…何で私がこんなことを)
絢辻「では早速…橘く~ん、私よ、同じクラスの絢辻詞」
絢辻「ちょっとここ開けてくれないかな?橘君の顔が見たいの」
ドンドンドン!
―――押入れ―――
橘(な、何で絢辻さんが…)
橘(…取り合えずここはしばらく静観しよう)
ドンドンドン ドンドンドン
絢辻「…返事がないわね」(この私を知らん振りするとはいい度胸ね…あとでおしおきが必要だわ)
美也「もぉ~…にぃに!いい加減にしなさい!!」
美也「こうなったら力ずくでも――」
絢辻「待って、妹さん。ここは私に任せて」
美也「…はい」
絢辻(さて…どうしたものかしら…)
絢辻(…>>17でもしてみようかしら)
絢辻「えーっと…美也ちゃん…だったわよね?」
美也「はい。橘美也です」
絢辻「うん、それじゃあ美也ちゃん!いきなりだけど野球拳しましょう!」
美也「え…や、野球拳…」
橘(なっ!!?)
絢辻「ルールは知ってるわよね?」
美也「は…はい…」
絢辻「じゃあ早速始めましょ」
美也「で、でも…ちょっと恥ずかしい…///」モジモジ
絢辻「大丈夫よ。女の子同士なんだから」
美也「は、はい…///」カァー
絢辻「やーきゅうー、す~るならーこーいう具合にしやしゃんせ~♪」ウキウキ
美也「ア、アウト!セーフ!」
絢辻「よよいの…」
絢辻・美也「よい!」
美也「ふえ…負けちゃった…」ポカーン
絢辻「うふふ。まずは私の一勝ね…それじゃあ最初はその黒の靴下を片方脱いでくれないかしら?」
美也「うぅ~…恥ずかしいよぉ…にぃに~…///」ドキドキ
橘(ふ…二人とも何をやってるんだ…)ドキドキ
橘(ひ、非常に気になるぞ…まさか女の子同士でいかがわしいことをやってるんじゃないだろうな!)
橘(そんなこと兄として許せるだろうか、いや許せるわけがない(反語)!)
橘(…どうする)
1、押入れから出る
2、押入れから出ない
>>37
橘(これはおそらくどうにかして押入れから僕を引きずり出すためのトラップだ。そうに違いない!)
橘(ふふふ…絢辻さん、どうやら僕を少し甘く見すぎてたようだね。そんな手にひっかかるほど馬鹿じゃないんだよ。僕は)
橘(それに…)
ブスッ!
橘(どうだ…指で押入れの襖に直径約5mmの穴を開けたよ。これで外の様子が見れる!)
橘(さぁ存分に踊ってもらうよ…絢辻さん、美也!)ククク
美也「やっ…///。な、何か恥ずかしいからあんまり見ないで…///」アセアセ
絢辻「恥ずかしがることないわよ…私以外誰も見ていないんだから…」
絢辻「……」ちらっ
―――押入れ―。――
絢辻(…変態の橘君のことだから襖を少し開けて覗くかと思ってたけど…)
絢辻(まさか襖に小さい穴を開けるとは…迂闊だったわ。これじゃあこのまま続けても進展はなさそうね)
絢辻(…どうしましょ>>56)
1、続ける
2、他の事をやる(その場合は>>56の行動を取る)
絢辻「それであなたにも協力してもらいたいんだけど」
美也「逢ちゃん…このままじゃにぃにが押入れに篭りっぱなしの駄目人間になっちゃう…」
絢辻(それは元からだけどね)
七咲「それにしても…何で橘先輩は押入れに篭っちゃったんでしょうかね」
絢辻「そういえばそうね…美也ちゃん、知ってる?」
美也「ううん…知りません」
七咲「まずは会話して理由を聞きましょうよ」
絢辻「そうね…そうしましょう」
―――押入れ―。――
橘(今度は七咲か…)
橘『なんだい?言っておくけど僕は押入れから出ないよ』
七咲「違うんです。私は先輩が押入れに篭った理由を知りたいんです」
七咲「話して……くれませんか?」
橘『……』
七咲(……だんまりか)
七咲(こうなったら>>72)
1、優しく問いただす
2、強気で問い詰める
3、押入れに火をつける
橘『……七咲?』
七咲「あのですね先輩…私達はわざわざ時間を割いてここにいるんですよ。分かってるんですか?」
橘『う……』
七咲「絢辻先輩は実行委員の仕事や勉強する時間を、私は水泳の練習をする時間を、美也ちゃんは…よく分からないけど」
七咲「橘先輩がずっとそこにいたいならそれはそれで別にかまわないんですよ」
七咲「どうせ私達には取るに足らないことなんですから」
七咲「いや、むしろずっとそこにいて下さい。その方が社会のためですし」
橘『……』
絢辻(七咲さん……やるわね)
橘(流石にここまで言われたらむしろここから出たくなってきたというか…)
橘(ここは…>>89)
1、出る
2、出ない
出て謝るけど以降七咲を無視する
ガラッ
橘「……」
絢辻・七咲・美也「あっ」
橘「ただいま……美也、絢辻さん」
美也「にぃに…」ウルウル
絢辻「橘君…」チッ
七咲「先輩…出てきてくれたんですね」
橘「チッ……塩素臭いんだよ…」ボソッ
七咲「え……」
こうして僕は押入れから篭るのを止めたが、以降七咲を無視し続けたのでみんなから総スカンをくらい今度は自分の殻に篭るようになった
~BAD END~
美也「どうしよう…>>111」
美也「というわけでりほちゃん、どうしよ~!」バタバタ
梨穂子「お、落ち着いて美也ちゃん……とりあえず純一に話を聞いてみようよ」
梨穂子「お~い……純一?」
―――押入れ―――
橘(……梨穂子か)
橘(梨穂子には悪いけど僕は絶対にここを出る気はないんだ…そう簡単に口を開いてやるものか!)
梨穂子「……返事がないねー」
美也「にぃにの馬鹿。あんぽんたん」
梨穂子「ん~……じゃあ>>122しよっか!」
美也「え…。りほちゃん、手伝ってもらっといて言うのもなんだけど……それ今やることかな…?」
橘(…助かった。梨穂子はアホだからどうやら僕はここを出なくて済みそうだ…ありがたやありがたや)
梨穂子「じゃあいくよー、まずは美也ちゃん!しりとりの’り’。はい!」
美也「え…り…り…りんご」
梨穂子「えっと…ご~…ごりら♪」
橘『……ラッパ』ボソッ
梨穂子「…あ~……純一やっと喋ってくれた…」
橘『なっ……し、しまった!』
梨穂子「えへへ」
美也「おぉ~!りほちゃん、やるぅ~!」パチパチ
橘『……梨穂子に教える義理はないね』ツン
美也「にぃに!そんな言い方ないでしょ!りほちゃんはにぃにのために――」
梨穂子「ううん、いいの美也ちゃん。私が勝手にやってるだけだから」
美也「りほちゃん…」
梨穂子「……純一もごめんね。余計なおせっかいだったかな」
橘『……』
梨穂子「おわびに>>146するね…」
橘『なっ!!?』ビクッ
美也「えっ……キ、キ、キ、キスゥ~///」
梨穂子「……うん///」テレッ
純一『だ…誰と誰が……?』
梨穂子「もちろん……じゅ、純一と私が…///」
梨穂子(い、言っちゃった……ど、ど、どうしよぉ~!)ドキドキ
美也「にぃにとりほちゃんがキスにぃにとりほちゃんがキスにぃにとりほちゃんが…」ブツブツ
―――押入れ―――
橘(キ、キス……)ゴクリッ
橘(……したい)
橘(したい!したい!梨穂子とキスしたいっ!!)
橘(…しかしキスをするためには押入れから出ないことには…)
橘(…どうする>>165)
1、出る
2、出ない
橘(たかが女の子とのキスぐらいで揺らいでしまうほど僕の決意は弱かったのか!?)
橘(…落ち着け…落ち着け…)スーハースーハー
橘(……よしっ)
梨穂子「……純一?」
橘『…梨穂子。悪いけど僕はまだ押入れから出るわけにはいかないんだよ』
梨穂子「…そ、そう……」シュン
美也(りほちゃんかわいそう……にぃにのばか)
美也「りほちゃん……」
梨穂子(恥ずかしくてこれ以上ここにいられないよぉ……)
梨穂子「じゃあね美也ちゃん…」
美也「う、うん…またね」
梨穂子「じゅ…純一も…早くそこから出てきてね…。あんまり美也ちゃん困らせたらいけないよ」
橘『……』
梨穂子「それじゃあ…」
バタンッ
美也「…あ~あ……りほちゃん帰っちゃった」
橘『……』
しばらくして押入れから出た僕は梨穂子の気持ちを受け入れなかったことを後悔し、その後は梨穂子とはどこかギクシャクした関係のまま高校生活を送っていった
~BAD END~
美也「にぃにが押入れから出てこない…」
美也「どうしよう…>>190」
橘『……』
美也「で、出てきたらみゃーのおっぱい触らせてあげるよー…///」ボソッ
橘『……』
美也「……///」テレテレ
橘『まな板には興味ない』
美也「どうしよう…>>201」
1、押入れに火をつける
2、包丁を差し込む
3、安価>>201
ガラッ!
橘「う、うわっ?!み…美也!油断してる時に無理矢理開けるなんて卑怯だぞっ!!」アセアセ
美也「うるさいっ!にぃには黙ってて!」シャー!
ぎゅっ
橘「うっ……」
ぎゅっぎゅっ
橘「うぅっ……!」
美也「ほ、ほらっ!に、にぃになんかここを足で踏まれれば身動きが取れなくなるくせにっ!!」
ぎゅっぎゅっぎゅっ
美也「ほ、ほらほらほらほらっ!」///ドキドキ
橘「う、うわぁぁぁああああ……」
ジョォォォオオオ…
美也「あ……」
橘「う、ううう……」ビクンビクンッ
美也「な…なにこれ…にぃにのズボン濡れてる…?私の靴下も濡れちゃった…」
橘「……」
美也「まさかにぃに……高校生にもなってお漏らししちゃったの…?」
橘「……」コクン
美也(にぃにお漏らしさせちゃった…///)ドキドキ
美也(こ、これからどうしよう…>>220)
美也「……」カガミカガミ
橘「み、美也どうしたんだ…急に四つん這いになって…?」
美也「…にぃにごめんね…みゃーが綺麗にしてあげるからね…」ペロッ
橘「なっ!!?み…美也…汚い…」
ペロペロペロ ペロペロペロ
美也(ん……何か少し苦い…それにところどころ白い液体も混ざってるしって…え…?)ペロペロ
美也「……にぃに」
橘「み…美也…?」
美也「この白いのもしかして……」
橘「う……うん…。おしっこと一緒に出ちゃった…」コクン
美也「に…にぃに!それ早病院行った方がいいよっ!生物学的にありえないよっ!!」
橘「えっ……」サーッ
こうして僕は美也に促されるまま病院に足を運んだ。美也の言ったとおり僕は睾丸の病気を患っていたが、幸いにも早期発見出来たので大事には至らなかった
今はリハビリに専念している
~病院END~
美也「にぃにが押入れから出てこない…」
美也「どうしよう…>>235」
┏━┛ ┗━┓┃ ┃┏━┛ ┗━┓┃ ┃┃ ┃ ┃ ┃
┃ ┃┗━┓ ┏━┛┗━┓ ┏━┛┗━━━┓ ┃┃ ┃ ┃ ┃
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┃┃┃ ┃┃┃ ┃ ┗━┓┃ ━ ┏━┛ ┏━┛ ┃ ┏━┛ ┃
┗┛┗━┛┗┛ ┗━━━┛┗━━━┛ ┗━━━┛ ┗━━━┛
梅原「まぁまぁ美也ちゃん、落ち着けって」
梅原「どうせ女の子と喧嘩しちゃったりしたんだろう…いつものことじゃないか」
美也「う~ん…でもいつもならこんなに長時間押入れに篭ったりしないんだけど…」
梅原「ハァ~…仕方ねえなぁ。ここはいっちょ俺が大将の為に一肌脱いでやりますか!」
橘『無駄だよ。梅原』
梅原「大将……」
橘『僕は何があっても今ここから出るわけには行かないからな…』
梅原「ふっ……望むところでぇ…」ニヤッ
美也(にぃに……梅ちゃんとは普通に喋るんだ…ちょっとショック)ションボリ
梅原「そうだな……まずは>>247」
橘『なっ!!?』ゾクッ
美也「ほるか…?」
梅原「あー…美也ちゃん」
美也「なぁに?」
梅原「ちょっと今から二人だけで男同士の会話がしたいから……ちょっと部屋から少し出ててくれないかな?」
美也「ん…?分かった…。じゃあにぃにの事お願いね、梅ちゃん!」
梅原「ああ、任しとけって!」ドンッ
橘『だ、駄目だ美也!梅原の言うとおりにするなっ!!』
美也「……何さ。今頃みゃーに話しかけたりして…」ブツブツ
橘『美也!頼むっ!!』
美也「べーだ!もう遅いですよ~だ!…それじゃあ梅ちゃん、よろしくね♪」
梅原「おうよ」
バタンッ・・・
橘『…ああ……』
橘『う、梅原……取り合えず話合おうじゃないか!』
橘『ま、まずは俺の言い分を聞いてくれないか!じ、実は俺――」
梅原「―――大将」
橘『な…何だよっ……!?」ドキドキ
梅原「…今の俺………全裸なんだぜ」
橘『ひぃっ!!?」ゾクゥ
ドスッ!
橘『う、うわっ!?』
―――押入れ―U――
梅原「……まずは襖を掘ってやったぜ…」
橘(ど、ど、ど、どうしよう………>>280」ガクガク ブルブル
橘(だ、駄目だ…俺はまだ携帯電話なんて持ってない…もう終わりだ…)
梅原「た、大将…大将…ハァハァ…!」フリフリ
ズボッ! ズボッ! ズボッ!
―U――押入れ―U―U―U―
橘『ひ…ヒィッィィイイイ!!!』ブルブル
橘(ま、まだ諦めちゃ駄目だ!念だ!念で薫を呼ぶんだっ!!)
橘(薫来い薫来い薫来い薫来い薫来い…)
橘(うおおおおおおお!!!!)
???「ごめんくださ~い!」
ピーンポーン
美也「あ…呼び鈴の音が…お客さんかな?」
とてとてとて
棚町「こんにちわ~!美也ちゃん久しぶりー!」オッス
美也「あ…棚町先輩。来てくれたんですか?」
棚町「うん…あんまり大した用事じゃなかったからこっち優先しちゃった♪」
美也「す、すいません。わざわざにぃになんかのために…」
棚町「いいっていいって!美也ちゃんが謝る必要なんてないよ」
棚町「悪いのは今頃押し入れなんかに引きこもってるあいつなんだから…」
美也「はい…今は梅ちゃんと一緒にいるんですけど」
棚町「梅原君が?」
美也「はい。…何でも二人だけで男同士の話がしたいから外で待ってろって…」
棚町「プッ…く、くふふふふ…青春だねぇ」シミジミ
美也「はぁ」
棚町(そういうことなら邪魔しないようにこっそりドアを開けて見守りますか…)
棚町(そーっと、そぉーっと…)ソォー
ガチャ…
梅原「ふんっ!ふんっ!ふんっ!」
ズボッ!ズボッ!ズボッ!
棚町「」アングリ
棚町(……こ…これは…)
美也「?」
美也「棚町先輩……どうかしたんですか?」
ヒョイッ
棚町「っ!!?」
棚町「み…見ちゃ駄目ッ!!!」
ガチャっ!
美也「え……」
棚町「ご、ごめんね美也ちゃん……きゅ、急に大きい声出したりして…」ゼーハーゼーハー
美也「い、いえ……それより大丈夫ですか?…凄い顔が赤いですよ…熱があるんじゃ…?」
棚町「う、ううん!気にしないで!大丈夫よ!」アセアセ
棚町(そ、それにしても……)
棚町(私はこれからどうすれば……>>322)
美也「え…でも、梅ちゃん二人だけで話したいって――」
棚町「いいのっ!大丈夫!私に任せて!」
ガシッ
美也「ふ、ふえ?」
棚町「いいこと、美也ちゃん。私がいいって言うまで絶対に部屋に入ってきちゃ駄目よ…絶対だからね」
美也「は…はい…」
棚町「……それじゃあ言ってくるわ」
ガチャ・・・
バタンッ
梅原「大将!大将!!大将!!!」ハァハァ
ズボッ!ズボッ!ズボッ!
棚町「梅原君」
梅原「うぉぉぉおおおおおっっ!!!」
棚町「梅原君ッ!!」
梅原「なっ…棚町…!お、おまえいつからそこにっ……!?」ビクッ
棚町「ついさっきよ…あなたが押入れの襖に穴開けてる頃から」
梅原「最初からじゃないか!」
棚町「凄いスタミナね…さすが剣道部。…いや、寿司屋の息子」ジーッ
梅原「おうよ!クロマグロよっ!」
棚町「あんた…本当に押入れの中入ってるのね…。穴のせいでもう顔が少し見えてるけど」
橘『は、話は後だ!薫!梅原の奴を何とかしてくれ!!』
梅原「チッ……あと少しで半壊だったってのによぉ…ちくしょお…」シブシブ
橘『は、早く!早くしてくれ、薫!!』ガクガク
棚町「ううん……純一」
橘『へ……』
棚町「私はね………あなた達に混ざりに来たの」
梅原「た、棚町ィ…」ジーン
橘『そ…そんな…薫……』
棚町「……それにね純一」ボソッ
橘『え……』
棚町「さ、最近ね…私…実はアンタのことがスキって気持ちに気づいちゃって…///」モジモジ
橘『!!?』
棚町「だ、だからね……い、一緒にえっちなことしよ…」
橘『か、薫…』ドキドキ
棚町「わ…私アンタと二人で夫婦マン座位やってみたいな……///」
橘(か、薫と一緒に大人の階段のぼってみるのも悪くはないかも……梅原もいるけど)
橘(もう押入れはほぼ半壊してるけど…>>372)
1、出る
2、出ない
ガラッ!
橘「か…薫!」
棚町「純一!出てきてくれたのね!!」
梅原「信じてたぜ!大将っ!!」
橘「ああ…心配かけたな………薫、梅原」
薫「…ヒック…グスッ……う、うん!うん!うん!」グシグシ
梅原「た、た、た、たいしょぉぉぉおおおおお!!うわぁぁああんんん!!!」ブワアア
橘「さぁ………始めようか」
俺はその後、薫と梅原両方と付き合うことになった。二人とも俺が二股をかけることには快く了承してくれた
しかし美也だけは最後まで納得させることは出来なかった。しかしいつか美也も俺と薫と梅原の仲を認めてくれる日が来るだろう
なぜならアイツは俺の妹なのだから
~GOOD END?~
美也「にぃにが押入れから出てこない…」
美也「どうしよう…>>405」
美也「すみません…こんな理由で家まで呼んじゃって…」
森島「そんなの~いいのいいの!美也ちゃん、全然気にしないで!」
塚原「うん。私も今日は特に予定なかったから」
美也「ありがとうございます」
森島「…それで、困ったワンちゃんはどこに隠れてるのかな~♪」ウキウキ
塚原「……楽しそうね、はるか」
森島「う~ん…何かここニオウわねー…。もしかして、ここかなぁ~♪」
―――押入れ―――
橘『……』
森島「ここを開けるワンッ!」
橘『……』
森島「……うぅ~。応えてくれない…」
塚原「はるか……」ハァー
森島「…仕方ない。もう>>430しちゃうぞ!」
塚原「…はあ?」
美也「ま…まんま肉まん…」ジュルリ
森島「もう言うことを聞かない悪いワンちゃん何か放っておいて今日は三人でまんま肉まん祭りでもしましょ!」
美也「やたーー!!まんま肉まん祭りだー!!」バンザーイ
森島「あーん、もう!なんてかわいいの!!」
ぎゅっ
美也「ふえ…?」
塚原「やれやれ…じゃあ私買出しに行って来るから。まんま肉まんだけ買いに行くのもなんだし、ついでに買ってきて欲しいものとかある?」
森島「えーっとねぇ…じゃあ>>444も買ってきてくれる?」
塚原「び…媚薬…ってそんなものどこに売ってあるのよ!」
森島「あ、待って。今住所教えるから。森島はるかって名前出せば店員さん分かってくれるから」
塚原「そ…そう///。じゃあ行って来るわ…」
ガチャ
森島「気をつけてねー。響ちゃん、迷子になっちゃだめよ♪」
塚原「もう…」
バタンッ
森島「楽しみねー、美也ちゃん♪まんま肉まん祭り!」
美也「まんま肉まん!まんま肉まん!」
橘『いいなぁ……僕も混ざりたいけど今は…』グゥー
塚原「買ってきたわよ。まんま肉まんと…その……び、媚薬を///」
森島「わーお♪響ちゃん、偉い偉い」ナデナデ
塚原「もう…買うの恥ずかしかったんだからね」
美也「まんま!まんま!」ウキウキ
塚原「それじゃあこの買ってきた大量のまんま肉まんの中にー…」
ちゅーっ
塚原「えっ…」
森島「この媚薬を注入しまーす♪」
橘『な、何っ!』
塚原「ちょ…ちょっとはるか!何してるのよっ!」
美也「肉まん!肉まん!」ルンルン
森島「そして肉まんの乗ったお皿をぐ~るぐ~るぐ~るぐ~る…」
森島「はいっ、完成!これより第一回チキチキまんま肉まんロシアンルーレット祭りを行います!ぱふぱふー♪」
森島「わざわざ説明する必要はないわね…響、美也ちゃん」
美也「は…はい」ゴクリ
橘(い…いいなぁ…僕もお腹空いてきちゃった…)
グゥー!
森島「…あれーどこからかお腹の音が聞こえてくるなぁー…」
森島「もしワンちゃんが自分から顔を見せてくれたらわざわざ犬小屋まで行かなくて済むんだけどなー・・・」チラッ
橘(!!?)
橘(も…森島先輩…明らかに誘ってるぞ…)
橘(……どうする>>474)
1、押入れから出る
2、押入れから出ない
森島「…ちぇー、つまんないのー…。もう三人だけで始めちゃうんだからね!」
美也「森島先輩!早く早く!」
森島「分かったわ♪それじゃあみんな一個ずつ手にとって」ヒョイ
美也「これっ!一番おっきい!」ヒョイ
塚原「そ、それじゃあ私はこの小さいのを…」ヒョイ
森島「二人とも、準備はいい?いっせーのーせ!で三人同時に食べるんだからね」
塚原「うん…」
美也「分かりました!」
森島「それじゃあいくわよ……いっせーのーせっ!!」
パクッ
森島(さぁ……誰に媚薬入りが当たるのかしら…♪)わくわく
誰に?>>500
美也「おいし~♪」モフモフ
森島(即効性の薬だから…あの様子だと美也ちゃんもセーフみたいね)
森島(響は…)チラッ
塚原「……ンッ♪……アンッ……///」モジモジ
森島(ビンゴッ♪)
森島「響ちゃん…どうしたの…?顔が赤いわよ……」フゥー
塚原「ひゃ、ひゃうぅ///!?…だ…駄目……耳に息を吹きかけないでェ……♪」ビクンッ
美也(う…うわー……な、何かえっちだ…///)ドキドキ
森島(こんな響ちゃん滅多に見られないから何か悪戯したくなっちゃう…?」ウズウズ
森島(何しよう…>>515)
森島「……」ムンズッ
美也「え…森島先輩…まだ薬使うんですか…?」
森島「…いただきます」
ゴキュゴキュ
美也「!?も、森島先輩!どうしたんですか!?」
森島(ふ、ふふふ…ひ…ひびきっ!!)「モ、モガガガ…モガ…モガガッ!!」
塚原「ふぇ…♪は、はるかぁ……///)ポワーン
森島「…ンッ…ヒビキィ…ヒビキィ……♪」クチュクチュ
塚原「アンッ……ダメッ…ハルカ……ッ///」クチュクチュ
美也「あ…」ポカーン
橘(……ちょっとだけ様子を見てみるか)
そーっ
橘(…!!?こ、これは……森島先輩と塚原先輩が…べ、ベロチューしてる……!?」
橘(そ、それを我が妹があっけにとられたような表情をして見ている!!)
橘(一体何がどうしたらこんな状況に……)
橘(……)ハァハァ
橘(す…凄い…もっと間近で見たい…)
橘(……どうする)
1、出る
2、出ない
3、安価の指示
>>530
橘(……はるか……響……もっとだ…もっといやらしくお互いを求めるんだ…)ハァハァ
しこしこ しこしこ
橘(そ、そう!いいぞはるか!どうやら響の弱点を掴んだみたいだな…そこを重点的に責めるんだ!)ハァハァ
しこしこ しこしこ
橘(ひ…響はいつも強気のくせにこういう時は完全に受けに回るんだな…クゥッ…ハァハァ…)
しこしこ しこしこ
橘「うっ……駄目だ……で、でるうううう!!!)
ビュッ!ドバババババ…
橘(はぁはぁ……ふ、布団の上にかけてしまった……まぁいいか…全裸で寝てる時に夢精したのと同じことだ…)ハァハァ
塚原「…ほ、ほんとだぁ……しゅごおぉい……♪」トローン
橘(し、しまった!?気づかれたか…)
森島「ねーえ!ワンちゃん…一緒にお犬さんごっこしよ♪」ハァハァ
ドンドン! ドンドン!
塚原「た、橘くぅん…///お願い……開けて…♪」ハァハァ
ドンドン! ドンドン!
―――押入れ―――
橘(…どうしよう……す、すごい襖を叩かれてる…)
橘(い…いっそ僕も押入れの外に出て先輩達と……)
美也「ど、どうしよう…」オロオロ
森島「…ヤンッ…あれぇ…♪美也ちゃんが一人でと~っても寂しそうにしてるわよ…響…ンンッ…♪」ニヤァ
塚原「…ンッ…ほんとだ……仲間に入れてあげなきゃかわいそうよね…アンッ…はるか…♪」
美也「や…やだ…助けて……にぃに…」プルプル
橘(ま、まずい…このままじゃ美也の貞操が危ない…!)ギリッ
橘(ど…どうする……>>590)
これは非常に大事な選択です
一歩間違えばDEAD ENDになってしまう危険すらあります
慎重に選んで下さい
1、それでも押入れから出ない
2、押入れから出て森島先輩と塚原先輩に加勢する
3、押入れから出て美也を助ける
美也「助けて……にぃに……」ウルウル
ガラッ
橘「……」
美也「に…にぃに!!」パアアア
美也「た、助けにきてくれたんだね!にぃに!」ガバッ
橘「……」
美也「……にぃに?」
ガバッ!
美也「……え」
橘「ご…ごめんよ美也…僕もう我慢できないんだ……」
美也「や…やだよそんなの……にぃにぃ……」ヒック
森島「だぁーいじょうぶよ、美也ちゃん♪美也ちゃんもすぐに気持ちよくなるんらからぁ…///」ハァハァ
塚原「橘くぅん…よく出来ました……後でごほうびをあげましょおねえ…♪」ハァハァ
美也「や…やだ…助けて…にぃに……にぃにーーー!!!」
美也も最初は泣きながら嫌がっていたけど徐々に自分から求めるようにまでなった
最後は三人の顔にぶっかけて祭りの幕を閉じた
それから数日後
美也「にぃに…久しぶりに一緒にお風呂に入っか…背中流してあげるよ」
橘「おっ…そうか、懐かしいな…美也に背中流してもらうの」
美也「うん」
橘「じゃあよろしく頼むよ」
美也「うん」
橘「ふぅー…いやー久しぶりに妹に背中を流してもらうのもいいなぁ…」
美也「そう…」
橘「うん……気持ちいい……」
橘「んっ?何か妙に熱い…って……これ……血……?」
グラッ
バタンッ
美也「にぃにが悪いんだからね…」
―BAD END―
橘「美也!大丈夫か!」
ガラッ!
美也「に…にぃに!!」
橘「もうにぃにが来たから大丈夫だぞ…」
美也「うん…にぃに…にぃに…」グスン
こうして森島先輩と塚原先輩が正気を取り戻すまで二人から美也を守り、夕方には二人とも元の優しい先輩達に戻ったのだった
橘「ん…ああ。ようやく完成したところだからおいで、美也」
―――押入れ―――
美也「……す、すごい……これって…」
橘「ああ…結局クリスマスになっても彼女は出来ずじまいだったけどさ…それでも美也にはだいぶ世話になったから」
美也「すごい……クリスマスツリーのお星様だ…」
橘「うん……美也の為につくったんだ。喜んでもらえたかな?」
美也「うん…うん…ありがと…にぃに」グシグシ
橘「…メリークリスマス、美也」
美也「うん!メリークリスマス、にぃに!にしししし!」
~HAPPY END~
終わりです。ありがとうございました
面白かった
|l| i|li , __ _ ニ_,,..,,,,_
l|!・ω・ :l. __ ̄ ̄ ̄ / ・ω・≡
!i ;li  ̄ ̄ ̄ キ 三
i!| |i  ̄ ̄  ̄ =`'ー-三‐ ―
/ ; / ; ;
; _,/.,,,// / ヒュンッ
/・ω・ /
| / i/ こ、これは乙の軌跡じゃないんだからねっ!
//ー--/´
: /
/ /;
ニ_,,..,,,,,_
/ ・ω・`ヽ ニ≡ ; .: ダッ
キ 三 三 人/! , ;
=`'ー-三‐ ―_____从ノ レ, 、
Entry ⇒ 2012.01.06 | Category ⇒ アマガミSS | Comments (0) | Trackbacks (0)