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宥「恋人に射ち堕とされた日」
引用元:
「失礼、親族の方は………」
玄「私です」
「親御さんは?」
玄「すぐには来られない状態なので……まだ」
晴絵「あの、私はこの子の部活の顧問です、私では」
「……わかりました、ではこちらに」
菫「わ、私も……!」
晴絵「駄目よ弘世さん、いくら貴方が宥の恋人と言っても」
玄「いいの、赤土さん」
晴絵「玄?」
玄「……弘世さんも知っておかなくちゃいけない事だから」
晴絵「……はぁ……わかった」
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 19:30:07.64 ID:9rkA5XTJ0
宥「それじゃあ玄ちゃん、お留守番お願いね」」
玄「おまかせあれっ!」
宥「それじゃあ……行ってくるね」
玄「うん、いってらっしゃい、お姉ちゃん」
玄「……」
玄(お姉ちゃんは恋人さんとお出かけかぁ~)
玄(いいなぁ……私もお姉ちゃんとお出かけしたいよ~)
玄(……でもお姉ちゃんの恋人ってどんな人なんだろう?)
玄(……まあいっか!)
玄(さて、私は旅館のお手伝いをしなきゃ!)
玄「おまかせあれっ!」
宥「それじゃあ……行ってくるね」
玄「うん、いってらっしゃい、お姉ちゃん」
玄「……」
玄(お姉ちゃんは恋人さんとお出かけかぁ~)
玄(いいなぁ……私もお姉ちゃんとお出かけしたいよ~)
玄(……でもお姉ちゃんの恋人ってどんな人なんだろう?)
玄(……まあいっか!)
玄(さて、私は旅館のお手伝いをしなきゃ!)
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 19:32:13.28 ID:9rkA5XTJ0
菫「……!」
菫「宥、こっちだ!」
宥「ご、ごめんね……待たせちゃった?」
菫「いや、こっちもさっき来た所さ」
宥「わざわざ東京から来て貰って……ごめんね」
菫「いいさ、私も宥の住んでいる所を自分の目で見たかったんだ」
菫「……それに、宥の親御さんにも挨拶しておきたいしな」
宥「んもう……菫ちゃん///」
菫「……///」
菫「さ、さて!街を案内してくれるんだよな?」
菫「早速行こうか!」
宥「うん」
………
……
…
菫「宥、こっちだ!」
宥「ご、ごめんね……待たせちゃった?」
菫「いや、こっちもさっき来た所さ」
宥「わざわざ東京から来て貰って……ごめんね」
菫「いいさ、私も宥の住んでいる所を自分の目で見たかったんだ」
菫「……それに、宥の親御さんにも挨拶しておきたいしな」
宥「んもう……菫ちゃん///」
菫「……///」
菫「さ、さて!街を案内してくれるんだよな?」
菫「早速行こうか!」
宥「うん」
………
……
…
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 19:38:31.35 ID:9rkA5XTJ0
菫「ここは……ボウリング場?」
宥「うん……同じ部員の子がここでお手伝いしてるの」ウィーン
灼「いらっしゃ……あれ、宥さん?」
宥「こんにちは、灼ちゃん」
灼「珍しい、今日はどうして……って、白糸台の!」
菫「……」ペコ
宥「うん、ちょっと街を案内してたんだぁ」
灼「え、じゃあもしかして……宥さんの恋人って」
宥「う、うん……///」
灼「へえ、そうなんだ……おめでとう」
宥「え、あ、ありがとう……?」
宥「うん……同じ部員の子がここでお手伝いしてるの」ウィーン
灼「いらっしゃ……あれ、宥さん?」
宥「こんにちは、灼ちゃん」
灼「珍しい、今日はどうして……って、白糸台の!」
菫「……」ペコ
宥「うん、ちょっと街を案内してたんだぁ」
灼「え、じゃあもしかして……宥さんの恋人って」
宥「う、うん……///」
灼「へえ、そうなんだ……おめでとう」
宥「え、あ、ありがとう……?」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 19:44:47.53 ID:9rkA5XTJ0
灼「せっかくだし、やっていく?サービスしとくよ」
宥「え、でも私ボウリングは苦手だし……」
灼「デートでのボウリングは定番中の定番だし、やっておいても損は無いと思う」
宥「そ、そうかな……?」
灼「そう」
宥「……じゃ、じゃあ1回だけやろうかな……」
宥「菫ちゃんもいい?」
菫「あ、ああ……私もあまり得意ではないが」
灼「じゃあ決まりだね、じゃあこれ。3番レーンね」
宥「え、でも私ボウリングは苦手だし……」
灼「デートでのボウリングは定番中の定番だし、やっておいても損は無いと思う」
宥「そ、そうかな……?」
灼「そう」
宥「……じゃ、じゃあ1回だけやろうかな……」
宥「菫ちゃんもいい?」
菫「あ、ああ……私もあまり得意ではないが」
灼「じゃあ決まりだね、じゃあこれ。3番レーンね」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 19:50:16.90 ID:9rkA5XTJ0
ガコンガコン...
菫「……ふぅ」
菫「スコアは……108か」
菫(私自身、ボウリングは数えるくらいしかやった事はないが……)
菫(まぁこんなもんか)
菫(それに対して……)
宥「……」
宥「……ボウリングって難しい」
菫(宥のスコアは……34か)
菫「宥は本当に苦手なんだな」
宥「わ、私……あんまりこういうのやった事ないから……」
菫「……ふぅ」
菫「スコアは……108か」
菫(私自身、ボウリングは数えるくらいしかやった事はないが……)
菫(まぁこんなもんか)
菫(それに対して……)
宥「……」
宥「……ボウリングって難しい」
菫(宥のスコアは……34か)
菫「宥は本当に苦手なんだな」
宥「わ、私……あんまりこういうのやった事ないから……」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 19:56:10.27 ID:9rkA5XTJ0
宥「菫ちゃんはすごいね」
菫「そ、そうか?私もあんまりボウリングはやった事がないんだが……」
宥「……なんかずるい」
菫「い、いや……そう言われてもな……」
菫「こればっかりは慣れなんじゃないか?」
宥「むー……」
菫「……そろそろ出ようか、まだ案内してくれるんだろう?」
宥「……」
宥「……うん」
………
……
…
菫「そ、そうか?私もあんまりボウリングはやった事がないんだが……」
宥「……なんかずるい」
菫「い、いや……そう言われてもな……」
菫「こればっかりは慣れなんじゃないか?」
宥「むー……」
菫「……そろそろ出ようか、まだ案内してくれるんだろう?」
宥「……」
宥「……うん」
………
……
…
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 20:02:09.53 ID:9rkA5XTJ0
宥「……っ……ふぅっ」
菫「……?」
菫「宥、顔が少し赤いけど大丈夫か?」
宥「えっ?そうかな?」
菫「あ、ああ……」
宥「うーん……きっとボウリングで疲れちゃったのかも」
菫「少し休むか?」
宥「ううん、大丈夫。それにもうすぐ目的地だから」
菫「この先が目的地……?」
菫「……?」
菫「宥、顔が少し赤いけど大丈夫か?」
宥「えっ?そうかな?」
菫「あ、ああ……」
宥「うーん……きっとボウリングで疲れちゃったのかも」
菫「少し休むか?」
宥「ううん、大丈夫。それにもうすぐ目的地だから」
菫「この先が目的地……?」
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 20:07:04.96 ID:9rkA5XTJ0
菫「……」
菫「ここは……神社か?」
宥「うん、ここにも部員の子がいてね……」
『あれー?宥姉?それと……白糸台の!?』
『えっ、宥さん!?』
宥「こんにちは、憧ちゃん、穏乃ちゃん」
憧「どうしたのこんなところで……というかその人、白糸台の人だよね?」
宥「うん」
憧「へえー、じゃああの話本当だったんだ!」
穏乃「なんの話?」
憧「宥姉に恋人が出来たって話だよ!」
菫「ここは……神社か?」
宥「うん、ここにも部員の子がいてね……」
『あれー?宥姉?それと……白糸台の!?』
『えっ、宥さん!?』
宥「こんにちは、憧ちゃん、穏乃ちゃん」
憧「どうしたのこんなところで……というかその人、白糸台の人だよね?」
宥「うん」
憧「へえー、じゃああの話本当だったんだ!」
穏乃「なんの話?」
憧「宥姉に恋人が出来たって話だよ!」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 20:12:08.23 ID:9rkA5XTJ0
穏乃「えー!!宥さん恋人いたのー!?」
憧「じゃあ、もしかしてその人が?」
宥「うん……菫ちゃんだよ」
菫「……」ペコ
穏乃「わあー……!」
穏乃(間近で見るとかっこいい人だなぁ……)
憧(むっ……)
憧「ゆっ!宥姉はどうしてここに?」
宥「えっとね、菫ちゃんに街を案内してるの」
憧「街を案内?」
宥「うん、それで憧ちゃん家の神社も寄ってみたの」
憧「じゃあ、もしかしてその人が?」
宥「うん……菫ちゃんだよ」
菫「……」ペコ
穏乃「わあー……!」
穏乃(間近で見るとかっこいい人だなぁ……)
憧(むっ……)
憧「ゆっ!宥姉はどうしてここに?」
宥「えっとね、菫ちゃんに街を案内してるの」
憧「街を案内?」
宥「うん、それで憧ちゃん家の神社も寄ってみたの」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 20:18:19.13 ID:9rkA5XTJ0
憧「ふうん、そうなんだ。でもうちに来ても何も無いよ?」
宥「え、えっと……本当に寄っただけだから」
憧「でもせっかく来て貰ってなんだし……そうだ」
憧「おみくじでも引いて行ってみる?」
穏乃「おみくじ!?」
憧「あんたが反応してどうすんのよ」
宥「おみくじ……面白そう」
憧「やる?お代はちゃんと頂くけど」
宥「うん、菫ちゃんもやるよね?」
菫「あ、ああ……」
………
……
…
宥「え、えっと……本当に寄っただけだから」
憧「でもせっかく来て貰ってなんだし……そうだ」
憧「おみくじでも引いて行ってみる?」
穏乃「おみくじ!?」
憧「あんたが反応してどうすんのよ」
宥「おみくじ……面白そう」
憧「やる?お代はちゃんと頂くけど」
宥「うん、菫ちゃんもやるよね?」
菫「あ、ああ……」
………
……
…
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 20:23:32.75 ID:9rkA5XTJ0
宥「えっと……11番です」
「はい、じゃあこれね」
菫「私は……37番」
「37番……はい、これね」
宥「ありがとうございます」
宥「えっと……わわ、大凶……」
菫「……大凶」
憧「うわ……二人して大凶って」
菫「……おい、この神社……凶ばっかり置いてあるんじゃないだろうな?」
憧「そんなわけないでしょ、おみくじの大凶って相当少ない方よ」
憧「ふたりとも同じの引いたんだから、むしろレアよ」
宥「そうなのかな?」
菫「いや、さすがにそれはどうなんだ……」
「はい、じゃあこれね」
菫「私は……37番」
「37番……はい、これね」
宥「ありがとうございます」
宥「えっと……わわ、大凶……」
菫「……大凶」
憧「うわ……二人して大凶って」
菫「……おい、この神社……凶ばっかり置いてあるんじゃないだろうな?」
憧「そんなわけないでしょ、おみくじの大凶って相当少ない方よ」
憧「ふたりとも同じの引いたんだから、むしろレアよ」
宥「そうなのかな?」
菫「いや、さすがにそれはどうなんだ……」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 20:28:47.05 ID:9rkA5XTJ0
穏乃「何て書いてあったんですかー?」
宥「えっと……恋愛、別れの気配……病気、危機迫る……注意されたし」
菫「……恋愛、別れの気配……失物、二度と戻らず」
菫「……おい」
憧「あ、あたしは知らないわよ!」
憧「よっぽど運が悪かったんじゃないの!」
宥「た、たまたまだよっ菫ちゃん」
菫「はぁ……まぁおみくじなんてこんなものだろうさ」
菫「さっさと結んでしまおう」
宥「うん」
穏乃「憧ー!私もおみくじ引きたーい!」
憧「あーはいはい」
宥「えっと……恋愛、別れの気配……病気、危機迫る……注意されたし」
菫「……恋愛、別れの気配……失物、二度と戻らず」
菫「……おい」
憧「あ、あたしは知らないわよ!」
憧「よっぽど運が悪かったんじゃないの!」
宥「た、たまたまだよっ菫ちゃん」
菫「はぁ……まぁおみくじなんてこんなものだろうさ」
菫「さっさと結んでしまおう」
宥「うん」
穏乃「憧ー!私もおみくじ引きたーい!」
憧「あーはいはい」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 20:33:12.93 ID:9rkA5XTJ0
菫「……よしっと」
菫「宥の方も終わったか?」
宥「……」
菫「……宥?」
宥「えっ?」
菫「いや……ボーッとしてどうしたんだ?」
宥「う、ううん、なんでもないよ」
菫「……?」
宥「……それじゃあ、次の場所行こう?」
菫「あ、ああ……」
菫「宥の方も終わったか?」
宥「……」
菫「……宥?」
宥「えっ?」
菫「いや……ボーッとしてどうしたんだ?」
宥「う、ううん、なんでもないよ」
菫「……?」
宥「……それじゃあ、次の場所行こう?」
菫「あ、ああ……」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 20:38:31.84 ID:9rkA5XTJ0
………
……
…
菫「……」
宥「……はぁっ……はぁっ」
菫「……宥?」
宥「っ……えっ?な、なに?」
菫「い、いや……本当に大丈夫か?さっきよりも顔が赤くなってるし……」
宥「……う、うん……大丈……夫…………」フラッ
菫「宥っ!」
……
…
菫「……」
宥「……はぁっ……はぁっ」
菫「……宥?」
宥「っ……えっ?な、なに?」
菫「い、いや……本当に大丈夫か?さっきよりも顔が赤くなってるし……」
宥「……う、うん……大丈……夫…………」フラッ
菫「宥っ!」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 20:44:01.40 ID:9rkA5XTJ0
菫(なんだ……!?宥の身体がすごい熱い……!)
菫(熱とか風邪とかそういうレベルじゃないぞ!?)
菫(どうする、とにかくまずは119…………なッ!?)
菫(アンテナが1本も立たないだと!?)
菫(くそっ!こんな時に限って電波が……!)
菫(一旦神社の方に戻って……いや、距離がありすぎる!)
菫(近くの民家まで……無理だ、宥をここには置いていけない)
菫(どうすればいいんだ……!!)
菫(熱とか風邪とかそういうレベルじゃないぞ!?)
菫(どうする、とにかくまずは119…………なッ!?)
菫(アンテナが1本も立たないだと!?)
菫(くそっ!こんな時に限って電波が……!)
菫(一旦神社の方に戻って……いや、距離がありすぎる!)
菫(近くの民家まで……無理だ、宥をここには置いていけない)
菫(どうすればいいんだ……!!)
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 20:49:07.17 ID:9rkA5XTJ0
ゴォォ...
望「ごめんねー付き合わせちゃって」
晴絵「別にいいわよ、私も暇だったし」
望「そう言ってもらえると助かるよ」
望「……ん?誰か倒れてる」キィイ
晴絵「え?……あれは、宥!?」ガチャ
晴絵「宥!!ちょっと、どうしたの!!」
菫「すみません!この子、すごい熱みたいで倒れちゃって!」
晴絵「あなた白糸台の……いや、今はそれどころじゃないわ」
晴絵「とにかく車に乗せて!病院に行くわよ!」
菫「っ……はい!」
晴絵「望!」
望「わかってるわ、急いで病院に向かうよ!」
望「ごめんねー付き合わせちゃって」
晴絵「別にいいわよ、私も暇だったし」
望「そう言ってもらえると助かるよ」
望「……ん?誰か倒れてる」キィイ
晴絵「え?……あれは、宥!?」ガチャ
晴絵「宥!!ちょっと、どうしたの!!」
菫「すみません!この子、すごい熱みたいで倒れちゃって!」
晴絵「あなた白糸台の……いや、今はそれどころじゃないわ」
晴絵「とにかく車に乗せて!病院に行くわよ!」
菫「っ……はい!」
晴絵「望!」
望「わかってるわ、急いで病院に向かうよ!」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 20:55:58.25 ID:9rkA5XTJ0
キィイ...
晴絵「すみません、急患です!」
「はい!?……松実さん!?」
「これはっ……まずいわね!すぐに運んで頂戴!」
「はい!」
菫「ゆ、宥……!」
晴絵「あなたはここにいなさい」
晴絵「私は玄の家に電話するから、望は急いで迎えに行ってきて!」
望「わかったわ」
晴絵「すみません、急患です!」
「はい!?……松実さん!?」
「これはっ……まずいわね!すぐに運んで頂戴!」
「はい!」
菫「ゆ、宥……!」
晴絵「あなたはここにいなさい」
晴絵「私は玄の家に電話するから、望は急いで迎えに行ってきて!」
望「わかったわ」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 21:01:18.75 ID:9rkA5XTJ0
………
……
…
憧「……はぁっ……はぁっ!ハルエ!宥姉は!?」
晴絵「憧!?みんなまで!」
玄「それで……お姉ちゃんは」
晴絵「……今は集中治療室よ」
晴絵「それより玄、お父さんはどうしたの」
玄「お父さんは……今出張で出かけてて、他のみんなも手が放せないほど忙しくて……」
晴絵「娘が倒れたのよ!?あなたのお父さんはなにやってるの!!」
望「晴絵、落ち着きなさい」
晴絵「……っ!くそっ」
……
…
憧「……はぁっ……はぁっ!ハルエ!宥姉は!?」
晴絵「憧!?みんなまで!」
玄「それで……お姉ちゃんは」
晴絵「……今は集中治療室よ」
晴絵「それより玄、お父さんはどうしたの」
玄「お父さんは……今出張で出かけてて、他のみんなも手が放せないほど忙しくて……」
晴絵「娘が倒れたのよ!?あなたのお父さんはなにやってるの!!」
望「晴絵、落ち着きなさい」
晴絵「……っ!くそっ」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 21:07:25.91 ID:9rkA5XTJ0
灼「でも宥さん、さっき来た時は元気そうだったのに……」
穏乃「灼さんの所にも行ったんですか?」
晴絵「どういうこと?」
灼「さっき宥さんが恋人とボウリングしに来てた」
穏乃「私は憧の家にいて……そこに宥さんとその人が……」
菫「……」
玄(っ……この人……!)
晴絵「……あなた、弘世菫ね」
菫「……そうだが」
晴絵「ずっと宥と一緒にいたみたいだけど」
菫「……ああ、ずっと一緒にいた」
晴絵「宥が倒れてた時も一緒にいたのよね?」
菫「……」
菫「……」コクッ
穏乃「灼さんの所にも行ったんですか?」
晴絵「どういうこと?」
灼「さっき宥さんが恋人とボウリングしに来てた」
穏乃「私は憧の家にいて……そこに宥さんとその人が……」
菫「……」
玄(っ……この人……!)
晴絵「……あなた、弘世菫ね」
菫「……そうだが」
晴絵「ずっと宥と一緒にいたみたいだけど」
菫「……ああ、ずっと一緒にいた」
晴絵「宥が倒れてた時も一緒にいたのよね?」
菫「……」
菫「……」コクッ
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 21:12:02.33 ID:9rkA5XTJ0
晴絵「その時の状況を詳しく教えてもらえる?」
菫「……」
菫「……わからないんだ、最初はあんなに元気だったのに」
菫「神社から移動中、急に倒れたんだ……」
晴絵「急に倒れた?」
菫「ああ……」
晴絵「……他に変わった事はなかった?」
菫「……」
菫「そういえば……顔が赤かったような」
玄「……!」
晴絵「顔?」
菫「あ、ああ……ボウリング終わった後、少し顔が赤かったんだ」
菫「本人はボウリングで疲れたと言っていたが……」
菫「神社から移動する時には、ボーッとしていて……顔も更に赤かった」
晴絵「それであの子、あんなに熱かったのね……」
菫「……」
菫「……わからないんだ、最初はあんなに元気だったのに」
菫「神社から移動中、急に倒れたんだ……」
晴絵「急に倒れた?」
菫「ああ……」
晴絵「……他に変わった事はなかった?」
菫「……」
菫「そういえば……顔が赤かったような」
玄「……!」
晴絵「顔?」
菫「あ、ああ……ボウリング終わった後、少し顔が赤かったんだ」
菫「本人はボウリングで疲れたと言っていたが……」
菫「神社から移動する時には、ボーッとしていて……顔も更に赤かった」
晴絵「それであの子、あんなに熱かったのね……」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 21:17:59.52 ID:9rkA5XTJ0
ガチャッ
「「!?」」
菫「ゆ、宥!?」
憧「宥姉!?」
晴絵「先生!宥の状態は!?」
「……率直に申し上げますと、我々の手には負えません」
「覚悟を……しておいてください」
穏乃「覚悟って……」
灼「つまり……もう長くないってこと」
憧「嘘……そんな……」
菫「っ……!!」ガシッ
菫「おい貴様!医者だろう!!なんとかならないのか!」
晴絵「お、おい!」
「「!?」」
菫「ゆ、宥!?」
憧「宥姉!?」
晴絵「先生!宥の状態は!?」
「……率直に申し上げますと、我々の手には負えません」
「覚悟を……しておいてください」
穏乃「覚悟って……」
灼「つまり……もう長くないってこと」
憧「嘘……そんな……」
菫「っ……!!」ガシッ
菫「おい貴様!医者だろう!!なんとかならないのか!」
晴絵「お、おい!」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 21:22:59.53 ID:9rkA5XTJ0
「……なんとかなるものなら、なんとかしてあげたいものですが」
菫「なんとかするのがあんたらの仕事だろうが……!!」
憧「ちょっと!やめなってば!」
「……失礼します」
菫「そんな……嘘だろ……」
穏乃「宥さんは……このまま助からないの?」
灼「……」
晴絵「くそっ……!私達にはどうする事もできないのか!」
――無理だよ――
菫「……っ!?」
菫「なんとかするのがあんたらの仕事だろうが……!!」
憧「ちょっと!やめなってば!」
「……失礼します」
菫「そんな……嘘だろ……」
穏乃「宥さんは……このまま助からないの?」
灼「……」
晴絵「くそっ……!私達にはどうする事もできないのか!」
――無理だよ――
菫「……っ!?」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 21:26:31.86 ID:9rkA5XTJ0
憧「玄!?」
灼「どういうこと?」
玄「お姉ちゃんはもう助からないよ」
晴絵「……おい玄、どういうことだ」
玄「そのまんまの意味だよ」
玄「お姉ちゃんは助からない、もうすぐ死ぬ」
菫「……っ!!」
晴絵「……玄!!」
灼「どういうこと?」
玄「お姉ちゃんはもう助からないよ」
晴絵「……おい玄、どういうことだ」
玄「そのまんまの意味だよ」
玄「お姉ちゃんは助からない、もうすぐ死ぬ」
菫「……っ!!」
晴絵「……玄!!」
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 21:29:02.30 ID:9rkA5XTJ0
玄「だってこれは”呪い”だから」
穏乃「のろ……い?」
憧「玄……何言ってるの?」
晴絵「”呪い”だと?そんなオカルト誰が信じるって言うんだ?」
玄「みんな不思議に思わなかったのかな、お姉ちゃんって異様に寒がりだよね」
玄「おかしいよね、普通夏場に長袖着てマフラーまでしないもん」
灼「それは……そういう体質の人も中にはいると思う」
玄「ありえない、ううん、ありえないよ」
玄「いくらそういう体質の人がいたとしても、限度があるよ」
玄「でもお姉ちゃんは特別、”呪い”を背負った人だから」
菫「お前……宥の何を知っている?」
穏乃「のろ……い?」
憧「玄……何言ってるの?」
晴絵「”呪い”だと?そんなオカルト誰が信じるって言うんだ?」
玄「みんな不思議に思わなかったのかな、お姉ちゃんって異様に寒がりだよね」
玄「おかしいよね、普通夏場に長袖着てマフラーまでしないもん」
灼「それは……そういう体質の人も中にはいると思う」
玄「ありえない、ううん、ありえないよ」
玄「いくらそういう体質の人がいたとしても、限度があるよ」
玄「でもお姉ちゃんは特別、”呪い”を背負った人だから」
菫「お前……宥の何を知っている?」
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 21:32:14.88 ID:9rkA5XTJ0
玄「知っているのは貴方の方なんじゃないかな」
菫「何?」
玄「弘世さん……だったよね、小さい頃に山で遭難した事ない?」(※当SSでの設定です)
菫「な……何故それを知っている」
菫「確かに私は、小さい頃に山で遭難し助けられた事がある」
菫「しかし、それが今回の件と何か関係があるのか?」
玄「……その時一緒に遭難したのは、弘世さん一人じゃないよね」
菫「……ッ……まさか、おまえ……」
玄「ううん、私じゃないよ」
――その時遭難したのは、弘世さんともう一人……私のお姉ちゃん――
菫「何?」
玄「弘世さん……だったよね、小さい頃に山で遭難した事ない?」(※当SSでの設定です)
菫「な……何故それを知っている」
菫「確かに私は、小さい頃に山で遭難し助けられた事がある」
菫「しかし、それが今回の件と何か関係があるのか?」
玄「……その時一緒に遭難したのは、弘世さん一人じゃないよね」
菫「……ッ……まさか、おまえ……」
玄「ううん、私じゃないよ」
――その時遭難したのは、弘世さんともう一人……私のお姉ちゃん――
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 21:35:18.26 ID:9rkA5XTJ0
菫「まさか……あの時の子が宥だって言うのか?」
菫「冗談はよしてくれ……だとしたらある意味すごい再会だな」
玄「冗談じゃないよ、と言っても私もつい最近知ったんだけどね」
玄「遭難した時、お姉ちゃんは弘世さんを助けるために”呪い”を負ったの」
菫「”呪い”を負った……?馬鹿な、何を言っている」
菫「大体、”呪い”なんて……―――」
――『早く逃げて』――
菫「……ッ」
玄「……思い出した?」
菫「冗談はよしてくれ……だとしたらある意味すごい再会だな」
玄「冗談じゃないよ、と言っても私もつい最近知ったんだけどね」
玄「遭難した時、お姉ちゃんは弘世さんを助けるために”呪い”を負ったの」
菫「”呪い”を負った……?馬鹿な、何を言っている」
菫「大体、”呪い”なんて……―――」
――『早く逃げて』――
菫「……ッ」
玄「……思い出した?」
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 21:38:02.12 ID:9rkA5XTJ0
菫「嘘……だろ……だって、あれは……」
玄「そう……弘世さんとお姉ちゃんが遭難した時、お姉ちゃんは”傷”を負った」
玄「野犬から弘世さんを守る為に……」
菫「あ、あれは……でも野犬に噛まれただけだろう……」
菫「私達もすぐに発見されて、その子はすぐに病院へ連れていかれたはずだ」
玄「うん、治療も成功し命に別状はなかったよ」
玄「……ある病気を残して」
晴絵「病気……まさか」
菫「……それが、あの異様な寒がりなのか?」
玄「……」
玄「そう……弘世さんとお姉ちゃんが遭難した時、お姉ちゃんは”傷”を負った」
玄「野犬から弘世さんを守る為に……」
菫「あ、あれは……でも野犬に噛まれただけだろう……」
菫「私達もすぐに発見されて、その子はすぐに病院へ連れていかれたはずだ」
玄「うん、治療も成功し命に別状はなかったよ」
玄「……ある病気を残して」
晴絵「病気……まさか」
菫「……それが、あの異様な寒がりなのか?」
玄「……」
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 21:41:18.32 ID:9rkA5XTJ0
玄「それ以降、お姉ちゃんは寒がりになったの」
玄「誰もが目を疑うくらいの厚着をして、男の子たちには虐められて」
玄「時には今回のように発作を起こして、病院に運ばれて……」
菫「……”呪い”」
玄「……」
ガチャ
「松実さんが目を覚ましました!!」
「「!?」」
菫「ゆ、宥!!」
玄「誰もが目を疑うくらいの厚着をして、男の子たちには虐められて」
玄「時には今回のように発作を起こして、病院に運ばれて……」
菫「……”呪い”」
玄「……」
ガチャ
「松実さんが目を覚ましました!!」
「「!?」」
菫「ゆ、宥!!」
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 21:43:15.05 ID:9rkA5XTJ0
宥「……あ……れ、菫ちゃん……?」
菫「宥……!」
晴絵「宥!私が分かるか!?」
宥「……?赤土さん?それにみんな……」
憧「宥姉……よかったぁ」
灼「うん……」
玄「お姉ちゃん……」
宥「玄ちゃん……」
菫「宥……!」
晴絵「宥!私が分かるか!?」
宥「……?赤土さん?それにみんな……」
憧「宥姉……よかったぁ」
灼「うん……」
玄「お姉ちゃん……」
宥「玄ちゃん……」
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 21:46:00.09 ID:9rkA5XTJ0
「失礼、親族の方は………」
玄「私です」
「親御さんは?」
玄「すぐには来られない状態なので……まだ」
晴絵「あの、私はこの子の部活の顧問です、私では」
「……わかりました、ではこちらに」
菫「わ、私も……!」
晴絵「駄目よ弘世さん、いくら貴方が宥の恋人と言っても」
玄「いいの、赤土さん」
晴絵「玄?」
玄「……弘世さんも知っておかなくちゃいけない事だから」
晴絵「……はぁ……わかった」
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 21:49:32.25 ID:9rkA5XTJ0
……
…
晴絵「見たこともないウイルス?」
「はい……このような事は初めてで……我々では対処できません」
晴絵「それなら……急いで専門の病院に見せた方が」
「……おそらく、その頃にはもう」
菫「そんな……」
「彼女がこうして目を覚ましたこと自体が奇跡なんです」
「彼女は精々持って……あと数日。いえ、明日かもしれない」
菫「……どうしようも出来ないのか!」
「……残念ながら」
菫「……っ――」
…
晴絵「見たこともないウイルス?」
「はい……このような事は初めてで……我々では対処できません」
晴絵「それなら……急いで専門の病院に見せた方が」
「……おそらく、その頃にはもう」
菫「そんな……」
「彼女がこうして目を覚ましたこと自体が奇跡なんです」
「彼女は精々持って……あと数日。いえ、明日かもしれない」
菫「……どうしようも出来ないのか!」
「……残念ながら」
菫「……っ――」
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 21:52:04.17 ID:9rkA5XTJ0
………
……
…
灼「……あ、ハルちゃん!」
憧「晴絵!玄!」
穏乃「宥さんは……!」
晴絵「……」フルフル
晴絵「精々持って数日……ヘタすりゃ明日かもしれないとさ……」
灼「そんな……」
憧「嘘……」
穏乃「……どうにか出来ないんですか?」
晴絵「……悔しい気持ちは私も一緒だ」
灼「……玄はそれでいいの?」
玄「……私達にはどうする事もできないよ」
玄(だからせめて……最期はお姉ちゃんの好きにさせてあげたい)
……
…
灼「……あ、ハルちゃん!」
憧「晴絵!玄!」
穏乃「宥さんは……!」
晴絵「……」フルフル
晴絵「精々持って数日……ヘタすりゃ明日かもしれないとさ……」
灼「そんな……」
憧「嘘……」
穏乃「……どうにか出来ないんですか?」
晴絵「……悔しい気持ちは私も一緒だ」
灼「……玄はそれでいいの?」
玄「……私達にはどうする事もできないよ」
玄(だからせめて……最期はお姉ちゃんの好きにさせてあげたい)
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 21:55:16.71 ID:9rkA5XTJ0
………
……
…
菫「……」
宥「……そう」
宥「私……もうすぐ死んじゃうんだね」
菫「……っ、まだ決まったわけじゃない」
菫「医者の言う事が全て正しいと決まったわけじゃない!」
菫「きっと、また奇跡だって!」
宥「……ありがとう、菫ちゃん」
菫「……ゆ……う……?」
宥「……いつか、こんな日が来るんじゃないかって思ってた」
……
…
菫「……」
宥「……そう」
宥「私……もうすぐ死んじゃうんだね」
菫「……っ、まだ決まったわけじゃない」
菫「医者の言う事が全て正しいと決まったわけじゃない!」
菫「きっと、また奇跡だって!」
宥「……ありがとう、菫ちゃん」
菫「……ゆ……う……?」
宥「……いつか、こんな日が来るんじゃないかって思ってた」
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 21:58:20.71 ID:9rkA5XTJ0
菫「……私の……」
菫「私のせいなのか……?」
菫「私があの時、宥に助けられたから……」
宥「……ううん、違うよ」
宥「菫ちゃんを助けたのは、私の意思だから」
宥「菫ちゃんのせいじゃないよ」
菫「でも!!」
菫「宥はそれでいいのか!?」
菫「もうすぐ死ぬかもしれないんだぞ!?」
宥「……」
宥「ねえ菫ちゃん、夜にまたここへ来てくれる?」
菫「えっ……」
菫「私のせいなのか……?」
菫「私があの時、宥に助けられたから……」
宥「……ううん、違うよ」
宥「菫ちゃんを助けたのは、私の意思だから」
宥「菫ちゃんのせいじゃないよ」
菫「でも!!」
菫「宥はそれでいいのか!?」
菫「もうすぐ死ぬかもしれないんだぞ!?」
宥「……」
宥「ねえ菫ちゃん、夜にまたここへ来てくれる?」
菫「えっ……」
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 22:01:00.99 ID:9rkA5XTJ0
宥「……それも、夜遅い時間に看護師さんには見つからないように」
菫「夜遅く……どうして?」
宥「それから…………」ヒソヒソ
菫「……」
菫「宥、一体何を」
宥「おねがい」
菫「……っ」
菫「……わかった」
宥「……それじゃあ私、少し眠るから」
菫「ああ、また後で……な、必ずだぞ」
宥「……うん」
………
……
…
菫「夜遅く……どうして?」
宥「それから…………」ヒソヒソ
菫「……」
菫「宥、一体何を」
宥「おねがい」
菫「……っ」
菫「……わかった」
宥「……それじゃあ私、少し眠るから」
菫「ああ、また後で……な、必ずだぞ」
宥「……うん」
………
……
…
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 22:04:19.29 ID:9rkA5XTJ0
…
……
………
『きゃあっ!な、なに!』
『犬……!っ……!あぶない!』
『き、きみ!!何してるの!!』
『早く逃げて!―――あああっ!!』
『……う……うああああああ!!』
『な……!?こ、この犬っ!!!』
『アア…‥ああああっ!!痛いっ……痛いよ!!』
『このっ!!あっちいけ!!』
『はぁっ……はぁっ……はぁっ……』
『やっと行った…………っ!?きみ!大丈夫!?』
『は……はっ……だ、大丈夫だよ……っ?った……』
『血がこんなに……!誰か!!早くたすけて!!!』
『助けて――――』
……
………
『きゃあっ!な、なに!』
『犬……!っ……!あぶない!』
『き、きみ!!何してるの!!』
『早く逃げて!―――あああっ!!』
『……う……うああああああ!!』
『な……!?こ、この犬っ!!!』
『アア…‥ああああっ!!痛いっ……痛いよ!!』
『このっ!!あっちいけ!!』
『はぁっ……はぁっ……はぁっ……』
『やっと行った…………っ!?きみ!大丈夫!?』
『は……はっ……だ、大丈夫だよ……っ?った……』
『血がこんなに……!誰か!!早くたすけて!!!』
『助けて――――』
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 22:07:13.52 ID:9rkA5XTJ0
宥「……」
宥「……夢……」
宥「……懐かしい夢」
宥「思えば……あの時に菫ちゃんと会ってたんだね」
宥「なんだか……運命みたい」
カラカラ...
宥「……菫ちゃん?」
菫「……ああ」
宥「来てくれたんだね」
菫「……当たり前だろ」
宥「うん、じゃあ……行こうか……」ヨッ
菫「宥!?立っちゃ駄目だ、寝てないと!」
宥「いいの、行かせて」
菫「行くって……どこに……」
宥「……着いてきて」
宥「……夢……」
宥「……懐かしい夢」
宥「思えば……あの時に菫ちゃんと会ってたんだね」
宥「なんだか……運命みたい」
カラカラ...
宥「……菫ちゃん?」
菫「……ああ」
宥「来てくれたんだね」
菫「……当たり前だろ」
宥「うん、じゃあ……行こうか……」ヨッ
菫「宥!?立っちゃ駄目だ、寝てないと!」
宥「いいの、行かせて」
菫「行くって……どこに……」
宥「……着いてきて」
81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 22:10:51.92 ID:9rkA5XTJ0
ザァァア...
菫「……ここは、川?」
宥「うん……最期に菫ちゃんと二人で見たかったから」
菫「……最期なんて言わないでくれ」
菫「私はこれからもずっと宥と一緒にいるつもりだ」
菫「だから……」
宥「……」
宥「ごめんね」
菫「宥……っ!」
宥「……」
宥「……ねえ菫ちゃん……私の最期のお願い聞いてくれる?」
――私を殺して……?――
菫「……ここは、川?」
宥「うん……最期に菫ちゃんと二人で見たかったから」
菫「……最期なんて言わないでくれ」
菫「私はこれからもずっと宥と一緒にいるつもりだ」
菫「だから……」
宥「……」
宥「ごめんね」
菫「宥……っ!」
宥「……」
宥「……ねえ菫ちゃん……私の最期のお願い聞いてくれる?」
――私を殺して……?――
82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 22:13:13.42 ID:9rkA5XTJ0
菫「宥……?な、なにを言っているんだ……」
菫「そんなこと……っ、そんなことできる訳ないだろう!!」
宥「……おねがい」
菫「……まさかその為に、私に”コレ”を持ってこさせたのか?」
宥「……」
宥「どうせ死ぬのなら……せめて菫ちゃんの手で……」
菫「……」
菫「……どうして、どうしてなんだ!」
菫「どうして愛する人を、殺さねばならんのだ!!」
菫「こんなにも好きで好きで堪らない恋人を、私に殺せだと?おかしいだろう!!」
宥「……」
宥「ごめんね」
菫「……っ……」
菫「……私が聞きたいのは、そんな言葉じゃない……」
宥「……」
菫「そんなこと……っ、そんなことできる訳ないだろう!!」
宥「……おねがい」
菫「……まさかその為に、私に”コレ”を持ってこさせたのか?」
宥「……」
宥「どうせ死ぬのなら……せめて菫ちゃんの手で……」
菫「……」
菫「……どうして、どうしてなんだ!」
菫「どうして愛する人を、殺さねばならんのだ!!」
菫「こんなにも好きで好きで堪らない恋人を、私に殺せだと?おかしいだろう!!」
宥「……」
宥「ごめんね」
菫「……っ……」
菫「……私が聞きたいのは、そんな言葉じゃない……」
宥「……」
85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 22:18:11.33 ID:9rkA5XTJ0
宥「……菫ちゃん」
宥「私、菫ちゃんと出会えて良かったよ」
菫「……」
宥「短い間だったけど、菫ちゃんと色んな事が出来て楽しかったよ」
菫「やめてくれ……」
宥「ううん、菫ちゃんだけじゃない。皆とも出会えて、とても楽しかった」
菫「やめてくれ」
宥「私、最高に楽しい人生だったよ」
菫「やめてくれ!!!」
宥「……」
宥「私、菫ちゃんと出会えて良かったよ」
菫「……」
宥「短い間だったけど、菫ちゃんと色んな事が出来て楽しかったよ」
菫「やめてくれ……」
宥「ううん、菫ちゃんだけじゃない。皆とも出会えて、とても楽しかった」
菫「やめてくれ」
宥「私、最高に楽しい人生だったよ」
菫「やめてくれ!!!」
宥「……」
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 22:22:04.98 ID:9rkA5XTJ0
菫「無理だよ……私に宥を殺める事なんて出来ない!」
菫「どうして……どうしてなんだ!!」
宥「……」
宥「……私はもう、明日まで生きられない」
宥「だから、最期は菫ちゃんの手で……私を」
菫「……そんなこと……っ」
宥「菫ちゃんは、私に深い”呪い”を負わせた」
宥「だから……今度は私が菫ちゃんに”呪い”を負わせる番」
菫「どうして……どうしてなんだ!!」
宥「……」
宥「……私はもう、明日まで生きられない」
宥「だから、最期は菫ちゃんの手で……私を」
菫「……そんなこと……っ」
宥「菫ちゃんは、私に深い”呪い”を負わせた」
宥「だから……今度は私が菫ちゃんに”呪い”を負わせる番」
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 22:27:53.10 ID:9rkA5XTJ0
菫「……っ」
菫「……卑怯だよ、宥」
宥「……ごめんね」
宥「だから、おねがい……」
菫「……」
宥「……菫ちゃん」
菫「……っ」
カチャ... ギギギ...
宥「菫ちゃん……」
菫「……っ!!」
――愛してる――
菫「……卑怯だよ、宥」
宥「……ごめんね」
宥「だから、おねがい……」
菫「……」
宥「……菫ちゃん」
菫「……っ」
カチャ... ギギギ...
宥「菫ちゃん……」
菫「……っ!!」
――愛してる――
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 22:32:51.61 ID:9rkA5XTJ0
―――………タァン―――
宥「っ……グァはぁっ!」ドサッ
菫「ゆ、宥!!」
宥「す……すみれちゃ……」
菫「宥!宥!!」
宥「あり……がと……う」
菫「っ!!」
宥「すみ……れちゃ……ん」
宥「きす……して……っ……?」
菫「っ宥……!」
―――んッ
宥「っ……グァはぁっ!」ドサッ
菫「ゆ、宥!!」
宥「す……すみれちゃ……」
菫「宥!宥!!」
宥「あり……がと……う」
菫「っ!!」
宥「すみ……れちゃ……ん」
宥「きす……して……っ……?」
菫「っ宥……!」
―――んッ
95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 22:36:06.11 ID:9rkA5XTJ0
宥「っ……大好……き……」
菫「宥っ……?」
宥「……」
菫「……お、おい……宥?」
宥「……」
菫「……」
菫「……っ……――――!!!」
『うっあああああ……――――っ!!!』
菫「宥っ……?」
宥「……」
菫「……お、おい……宥?」
宥「……」
菫「……」
菫「……っ……――――!!!」
『うっあああああ……――――っ!!!』
97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 22:39:18.70 ID:9rkA5XTJ0
………
……
…
菫「……」
菫「……これが……私の”呪い”なのか……宥」
菫「この”呪い”はあまりにも辛すぎるよ……」
菫「……宥を失った私に、生きる理由はもう無い」
菫「……宥……」
菫「私も今……そっちへ行くよ」
カチャ... ギギギ...
……
…
菫「……」
菫「……これが……私の”呪い”なのか……宥」
菫「この”呪い”はあまりにも辛すぎるよ……」
菫「……宥を失った私に、生きる理由はもう無い」
菫「……宥……」
菫「私も今……そっちへ行くよ」
カチャ... ギギギ...
98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 22:42:29.10 ID:9rkA5XTJ0
――あの日二人出会わなければ――
――殺し合う事もなかったけれど――
――こんなにも深く誰かを愛することを――
――知らずに生きたでしょう――
菫「宥……」
菫「大好き……だよ――」
――――タァン……
――愛する人を失った世界には どんな色の花が咲くのだろう――
カン
――殺し合う事もなかったけれど――
――こんなにも深く誰かを愛することを――
――知らずに生きたでしょう――
菫「宥……」
菫「大好き……だよ――」
――――タァン……
――愛する人を失った世界には どんな色の花が咲くのだろう――
カン
99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 22:44:11.92 ID:9rkA5XTJ0
――物語は続く――
――幾度と無く開かれる 楽園への扉――
――第四の地平線――
――幾度と無く開かれる 楽園への扉――
――第四の地平線――
105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 22:48:12.26 ID:9rkA5XTJ0
という訳で、SoundHorizonより”恋人に射ち堕とされた日”を元ネタに書かせていただきました
作中での”呪い”や”傷”は、
宥の傷=野犬に噛まれた時、傷は癒える。
宥の呪い=傷によって出来た寒がり症、それによって長く生きられないこと。
菫の呪い=恋人を失い、殺めた罪という呪い。
という解釈をして頂ければ……
作中での”呪い”や”傷”は、
宥の傷=野犬に噛まれた時、傷は癒える。
宥の呪い=傷によって出来た寒がり症、それによって長く生きられないこと。
菫の呪い=恋人を失い、殺めた罪という呪い。
という解釈をして頂ければ……
101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 22:44:43.27 ID:Tu31obok0
同時に終わった!乙!
103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 22:44:47.93 ID:0LLdhs8c0
乙ッス。
まさかこんな結末になるとは……。
まさかこんな結末になるとは……。
108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/02(金) 22:49:45.36 ID:bVtP/cjvO
キャップの次は尭深「yield」でお願い
この記事へのコメント
なんで普通の女子高生がそんなものを・・・
永遠の少年で書けるものなら書いてみろ
もし臨海のネリーが運命奏者の設定を引き継ぐなら、黒の予言書周りに使えそうだけど...
サンホラ系SSとは珍しい
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- 名無しさん - 2012年11月03日 00:13:18