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怜「見えへん…一巡先も…」
引用元: ・http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1341874100/
準決勝先鋒戦オーラス2本場
怜「ここから先は皆がくれた一巡先や…」
怜「皆ごめん、もうい一回だけ無茶するわ…」
照「……」
怜「トリプルっ…!三巡先や……!」
怜「━━━━っ!」
二巡後宮永が四筒切りリーチ━━━━
その巡で私が白を切って新道寺が鳴いて一発消し━━━━
・
・
・
怜(見えたっ……!))
怜(クッ……もう顔も上げられへん…)
怜(視覚はもう未来視だけが頼りや…)
照「……」
照「リーチ」
怜(キタっ…!)
怜(もう一度 三巡先へっ……!)
・
・
・
怜「ここで来るんか…阿知賀、松見玄……!」
2巡後聴牌━━━━(それをサポートするために危険牌を切らなあかん)
二索切り━━━━(それをもう一度新道寺が鳴いて宮永のツモ番を飛ばす)
聴牌━━━━(道を作る…!そのために真ん中の5萬を…!)
阿知賀はドラ切りのリーチ━━━━(このままやと阿知賀の当たり牌をウチがつかむ…)
が、宮永がツモ切るその牌は八萬━━━━(ウチが鳴ける牌…)
即ち宮永はツモ切るしかない 阿知賀の倍満の当たり牌をっ……!
怜(20万点も持ってる宮永にとっては焼け石に水やろうけど…)
怜(それでもっ…!)打:五索
玄(五索…危そうな所…)
玄(聴牌できた…でもそれだとドラを切らないと…うっ…)打:二索
煌「ポンッ…!」
玄「ひっ…!」(ロンじゃなかった…)
怜「……」打:五萬
玄「また危そうなところ…ひょっとして助けてくれてるのかな」
・
・
・
怜「なんや、色々考えてるようやけど阿知賀がドラ切りリーチをするのは予見済み」
怜「事情は知らんが阿知賀にはドラを切れない事情…トラウマ諸々があったんやろう」
怜「それをこのたった1巡で乗り越えてくるんやろうな……」
怜「頑張ったな そろそろその泣き顔やめてもええ頃やで」
怜「後はウチが宮永の八萬を鳴いて改変完了や…」
怜「気早いけどホッとしたせいか体がなんか楽に…」
━━━━ッ!
照「……」
怜「何で」
怜「何で 宮永 八筒切りリーチしとるん?」
怜「すり替え? いや、このカメラ有りの衆人環視の中それはありえへん」
怜「……確かにウチは宮永のリーチ牌を直接見たわけやあらへん リーチ宣言を聞いただけ」
怜「けど未来視は絶対… あれのビジョンが崩れるなんてない」
怜「何や… 何が起きとるんやっ……!」
千里山女子高校 控え室
竜華「…♪」
セーラ「何や竜華嬉しそうやな このまま負けるかもしれへんのに」
竜華「…え、スマン いやだってな」
竜華「怜の顔色が今までより よっぽどええ色しとるやさかい」
セーラ「…?」
竜華「まるで 事故に合う前の怜みたいに」
準決勝試合室
怜「体に重さを感じへん、改変したせいでまだ未来視は戻って来ーへんが」
怜「今なら何巡先でも…って今はそんなことより宮永をっ……!」
怜「あれ……鏡…? とうとう幻覚まで視えるようになったん…」
怜「そんで、何やあのけったいな灯篭は…?」
照「……」
怜「7、8つ程あって 2つ明かりが灯っとる」
怜「ハハ…もうわけわからんわ」
白糸台高校選手控え室
菫「終わったな」
淡「そーですね、あの技デメリットも引き受けるんで結構危険ですけど」
菫「照の嗅覚がそうさせたんだ アレをやらなきゃ少々マズいことになると」
淡「多分あの千里山の子が頑張って振り込ませられるあたりですかねぇ」
菫「……照魔鏡の役割それは相手の本質…能力を【映す】ことだが」
菫「それは本来の力の一端に過ぎない」
菫「照魔鏡の真の力とは……」
淡「……」ニヤッ
菫「相手の能力を【移す】ことだ」
準決勝試合会場
怜「…ッアカン! 真相はともかく宮永が八筒切りリーチをしたということは…!」
怜「逆に、阿知賀の あのリーチ牌は……!」
玄(そうだった…どうしても別れなきゃいけない人)
玄(前に向かうために別れを選ぶ人…見送る人…)
玄(私はいつも待つほうだったけど……)
怜(やめっ…!だめやっ…!)
玄(穏乃ちゃんや赤土先生、憧ちゃんや灼ちゃんは戻ってきてくれた…)
玄(お姉ちゃんとは前よりもっと遊ぶようになった…!)
玄(和ちゃんは戻ってきてくれる変わらないけど)
玄(今一緒のお祭りに参加してるっ……!)
玄(別れることはよくあることで私は慣れてるはずだったんだ……!)
玄(今まで自分から別れを決めたことはなかったけど前に向かうために!)
怜(お願いやっ…!それだけは…!阿知賀しかドラをツモれないなら
ドラさえ切らなければ宮永の待ちは実質枯れ…!それで流局…
打点制限の性質上この連荘を止められる筈なんや…!)
玄(一端お別れっ……!)
実況解説席
こーこ「またしても和了ってしまったぁああ!7連続和了!」
こーこ「しかも今回の和了は和了り牌の六筒と北が切れて
残る牌がドラの三筒のみという悪形待ちをなんなく和了!」
健夜「まるで千里山の園城寺選手のような和了りでしたね」
こーこ「しかしこれは松見選手を責められない!リーチをかければ倍満の手!
例えドラとはいえ勝負しないわけにはいかなかったぁぁあ!」
健夜「……松見玄選手は今大会初めてのドラ切りですね」
こーこ「えっそーなんですか」
健夜「はい、恐らく自身の能力の誓約にも似た理由で」
こーこ「能力?誓約?」
健夜「あっ…いえゴホン それはともかくとして今回はもっとすごい和了りですよ」
こーこ「へっ?」
健夜「阿知賀がドラを切ったということは…… 裏ドラが」
準決勝試合室
照「リーチ混一中三暗刻ドラ1に 裏が3つ 36000の2本場は36600」
玄「…ひっ……あ…あ……」
怜「倍満…宮永に喰らわせるはずの倍満が……
逆に和了られてしもた どころか3倍満…!?」
怜「何の悪夢やこれは…」
白糸台:212800→246400
千里山:80900
新道寺:48200
阿知賀:58100→24500
実況解説席
こーこ「裏ドラがモロ乗りぃぃい!流石だチャンピオン!!」
健夜「松実玄選手の能力…あれはかなり高位の常時支配系の能力です」
こーこ「えっ…あっ…はいぃ?」
健夜「いかに鳴こうと未来を読もうとどのような手段を用いても阿知賀以外に
ドラがいくことはありません」
健夜「さらに注目すべきは裏ドラの支配」
健夜「この試合リーチが何度かありましたがその全てに裏ドラはつきませんでした」
健夜「恐らく、ドラ、カンドラ、裏ドラ、赤ドラ、その全てを松実選手は文字通り支配しています」
健夜「しかしあのドラ切りリーチ それが支配を雲散霧消に帰した…」
こーこ「えーっと、ちょっと待ってくださいね 色々とチンプンカンプンなんですがね」
こーこ「松実選手が裏ドラを占領するのは分かりました」
こーこ「でも、松実選手がドラを切るまで裏ドラは松実選手のものだったんでしょう」
こーこ「けどそれがドラを切った瞬間になくなるなんて物理的にありえないでしょう」
健夜「ありえます 観測されていない以上 どのような配置もありえるんです」
こーこ「そんなアホな」
健夜「そうですね…逆説的にこの局、松実選手がドラを切ることは
“あらかじめ”決まっていたんです」
健夜「だから裏ドラがほかの選手にも乗るような配置に”あらかじめ”なっていた
そう考えたほうが分かりやすいかもしれませんね」
こーこ「……」
白糸台高校選手控え室
淡「今更ですけどこの解説の人すごいですね」
菫「小鍛治プロは本物だよ もっとも偽物がプロになれるわけないがな」
淡「それにしても いつ宮永先輩は千里山の未来視を【移した】んでしょうかねぇ」
菫「恐らく、照がリーチをかけるその直前でだろう」
菫「鳴きでツモ番をズラしても照に和了られたのに仰天していたからな
奴は常時未来視ができない。未来視に逆らうと何巡か未来視ができなくなるんだろう」
菫「その隙を狙った」
菫「未来視発動不可状態で奪い、利用しすぐさま返せばそうそう気づかれない」
菫「そして、もし気づかれたとしても後の祭り」
菫「その後未来視が発動可になった千里山だが、恐らくその未来は間違った未来だ」
淡「どーしてです?」
菫「私は照魔鏡を持ってないので詳しいことは分からないが
あの未来視は、どれだけ1巡に時間がかかろうと
そのままの1巡先が視えるという代物なんだろう」
菫「それはつまり未来視を持たぬ者以外はどんなに思考をこらしても
未来を変えることはできないということだ」
菫「ここで小鍛治プロのさっきの言葉を借りよう“あらかじめ決まっている”」
菫「千里山のにとって一局はゲームの様なものだ」
菫「ゲームというのは多大な選択肢によって様々なパターンを見せるが
所詮そのパターンというのは完全に不確定なのではなく“あらかじめ決まっている”
麻雀もあらかじめ積まれている為同じだ」
菫「リーチ、鳴きによって選択肢を変更し和了というEDを目指す」
菫「そしてこの選択肢を選べるのは千里山だけであるが」
菫「照が未来視を使えるようになったため、存在しない選択肢が発生
つまりは“ゲームそのもの”が変わってしまった」
菫「千里山の未来視には“あらかじめ決まっているゲーム”の選択肢しか見えない
が、実際は照の変更したものになっている」
菫「未来視の能力者が2人以上の場合後から変更した未来の方が現実は優先される
照魔鏡によって能力を【映した】ときに照はそこまで見切っていたんだ」
淡「白糸台に来て色々と慣れてきましたが、流石にオカルトだと吐き捨てたくなりますね」
菫「まぁ何にせよこれでうちの勝ちは決まった」
淡「いやぁ~まだわかりませんよ~ あれですよ奇跡ってのがおこるかもしれませんよ~(笑)」
菫「そうか、淡は1年だからまだ見たことないのか」
淡「へ?」
菫「勘違いしているやつが多いが、厳密には照の連続和了に打点制限など存在しない」
淡「へ?」
菫「あれの本質は前局に和了ったのよりも高めの役が和了れるように牌を支配することだ」
菫「つまり通常通りことが進めば誰も連続和了を止められない」
菫「それを今までの対戦者は未来視や他の支配によって強引に食い止めてきた」
淡「それって結局打点制限とどう違うんですか?」
菫「淡……」
菫「3倍満より上の役は何だ?」
淡「……」
菫「…ん? どうやら照は千里山からもう一度未来視を自分に【移した】らしいな」
淡「優しいですね、宮永先輩」
菫「よく見ておけ あれが宮永照だ」
準決勝試合室
怜「クッ…何や…おかしい…」
怜「未来視が戻るのが遅すぎる…この配牌は早い」
怜「未来視さえできれば恐らく3巡もあれば和了れる手やのにっ…!」
照「……」カチャッカチャ
煌「……?」
玄「?」
怜「理牌?いつも一打後にやってたのに…何で」
照「ツモ 16300オール」
白糸台:246400→295300
千里山:80900→64600
新道寺:48200→31900
阿知賀:24500→8200
実況解説席
こーこ「てっ……天和ぉおおだああああ!!!」
こーこ「何ということでしょうか!これこそ正真正銘誰も止めることはできません!」
こーこ「これがチャンピオンの器がなせる天命なのかぁ!?」
健夜「……宮永選手に3倍満を和了らせた以上仕方ありませんね」
こーこ「ではでは?まさか次はダブルが来るのか!?」
健夜「いえ、この大会にダブルはありませんから次に来るのはまた一五〇〇点からだと」
こーこ「おぉ、それは他の選手にも一筋の光明か!?」
健夜「残念ながらこの一五〇〇点と最初に和了った一五〇〇点は比べものになりません」
健夜「次の1500点はダブル役満クラスの支配 最早誰も止めることはできません」
こーこ「……?」
準決勝試合室
オーラス四本場
照「ロン 一五〇〇は二七〇〇」
オーラス五本場
照「ロン 七七〇〇は九二〇〇」
オーラス六本場
照「ロン 一一六〇〇は一三四〇〇」
白糸台:294300→319600
千里山:64600
新道寺:31900→6600
阿知賀:8200
実況解説席
こーこ「宮永選手これで十一連続和了!」
こーこ「天和以降は新道寺から直撃を与え続けています」
健夜「宮永照の下家はモロに支配を受けますから回避することは難しいでしょう」
こーこ「えーっと どういうこと?」
健夜「宮永選手の連続和了には前局よりも高く和了ることができるよう支配をかけています」
健夜「それはイコール他家よりも早く和了れる支配でもあります
他家の和了はそのまま打点が0になる意味でもありますから」
健夜「遅くても三巡 早ければ一巡目 そんな和了りが続いています」
健夜「即ち 最も早く和了れるような支配である以上 宮永選手の下家は
自身から最も早い巡目の打牌であるために支配の影響を受けやすいんです」
こーこ「分かったような、分からないような…」
南四局7本場
照「リーチ」
煌(ダブルリーチ……!)
実況解説席
こーこ「アァーっとこれは新道寺絶体絶命かぁ!?」
健夜「いえこれはむしろ千里山の方が……」
準決勝試合会場
煌「おりゃっ!」打:二萬
照「……」
煌(通りましたか…… 当たり前と言えばそうですがね)
怜「…ハァ…ック…ハァ……」
煌(……千里山?)
怜「見えへん…一巡先も…」打:九萬
照「ロン 36000は38100」
白糸台:319600→357700
千里山:64600→26500
新道寺:6600
阿知賀:8200
実況解説席
こーこ「チャンピオンの12連続和了!ダブリー一発混一三暗刻ドラ3が炸裂ぅ!」
健夜「ドラの縛りがなくなり広い手で早く和了れるようになりましたね」
こーこ「そしてそしてぇ!ハネ満だった手が一発と裏ドラがついたことにより!」
こーこ「和了らせてしまった三倍満!!」
こーこ「最早次の山は触れたくすらありません!」
健夜「いえ、次の局 天和はきません」
こーこ「あれ?そうなんですか」
健夜「名門新道寺の先鋒…だというのにあの打ち筋から察するに花田煌は…」
こーこ「ん?」
健夜「いえ、それより千里山はもう…」
こーこ「えっ? 千里山はまだ3万近くありますよ
他の高校は宮永選手が役満をツモるだけで飛ぶので
むしろ千里山の2位出場は決まったようなものじゃ…」
健夜「ええ、飛んじゃうんですよ 宮永選手が役満をツモると」
健夜「新道寺の 花田煌が」
準決勝試合会場
オーラス八本場
怜「…なぁ 返して」
照「……」
玄「?」
煌「?」
怜「うちの“未来”返してぇな……」
照「……試合が終われば返すつもりだった もうすぐ終わる」
怜「ええから!」
照「…そう」
ゴシャァァァアアア
怜(また鏡が出てきよった…! そんで灯篭の光が…消えた)
怜(━━━━ッ!)
怜(アッ…!アァアアアア)
ポタ… ポタタ…
玄(えっ……!?)
煌(千里山の…エース…?)
玄(泣いて…る…?)
照「……」
実況解説席
こーこ「千里山の園城寺選手いきなり立ち上がったと思ったら
放心しております」
健夜「……」
こーこ「園城寺選手は病弱という報告を聞いていますが、やはり
この試合の心労で体力に限界が!?」
健夜「……オーラス8本場ですね」
こーこ「えっ……いやそうですけど……ってあぁ!?なんと園城寺選手
倒れて山に突っ込んだぁ!?やはり体に無理が?」
健夜「……」
準決勝試合会場
玄「園城寺さん!? 大丈夫ですか?」
怜「すまんな…うち病弱やし」
怜「チョンボしてしもたな満貫払いやな」
照「……」
白糸台:357700→363800
千里山:26500→18500
新道寺:6600→8600
阿知賀:8200→10200
実況解説席
こーこ「倒れた時にはどうなるものかと思いましたが、試合は続行されるようです」
こーこ「しかし今後体調の不振による行為がなされた場合すぐさま代わりの選手を
千里山は用意しないといけません」
健夜「……園城寺選手が宮永照の対面、松実選手が上家
この席順がもたらした不運ですね」
こーこ「…っとぉ、風水か何かですか?」
健夜「……」
準決勝試合会場
怜(これでさっきのと変わらんかったらもう…ウチは…千里山は終わりや)
煌(千里山のエース…先ほどのは失礼ながらワザとに見えましたがまさか……)
照「……」打:三索
煌(今回は天和はなしですか、まぁそれだと私が飛びますしね)
煌(今、宮永照が役満を貼っているのなら私は今絶対安全圏にいる)
煌(なら、今私がすべきことは危険牌を切ることで他の選手に安全を促し)
煌(この連荘地獄から抜け出すこと 無論私自身も和了りを全力で狙っていきますがね)
煌(とはいえ、千里山のほうに関しては心配は無用でしょう)
煌(いかに役満手とはいえ、事実上出和了りしかできない)
煌(未来を読める千里山なら振込はありえないハズ)打:八索
怜(……確かに変わったけどな、そうか宮永…アンタは…)
怜「……九種九牌」パラッ
東南西北北白撥中一九19⑨⑨
煌「なっ…!」
照「……」
実況解説席
こーこ「何と…千里山…役満手を放棄しました…」
健夜「……」
こーこ「……ハハ」
準決勝試合会場
オーラス9本場
玄(園城寺さん…さっきのって…)
照「……」打:北
煌(先ほどの九種九牌……そういうことですか)打:三萬
怜(……チョンボする前のと同じ手やな)
怜(宮永……アンタは……)打:五筒
照「ロン 48000は50700」
白糸台:363800→414500
千里山:18500→-32200
新道寺:8600
阿知賀:10200
実況解説席
こーこ「…………決まったぁ!これにて準決勝は何と先鋒戦で終了!!」
こーこ「け、決勝進出は白糸台高校と阿知賀女子学園にぃ、決まりましたぁ……」
健夜「……無理してテンション上げなくてもいいと思うよ 引いてるよね、明らかに」
こーこ「い、いえ すいません…ではっ!」
こーこ「何と宮永選手!この試合だけで稼いだ点棒は三十万以上!!」
こーこ「強い!強すぎる!!?最早麻雀で扱う数量ではありません!」
こーこ「果たしてこのチャンピオンを討ち果たす選手は今後現れるのかぁ!?」
健夜「宮永選手の手は純正九蓮宝燈9面待ち…」
健夜「対して園城寺選手の配牌は全て筒子 即ち回避不可」
健夜「園城寺選手が未来を読める能力の持ち主であると言われていましたが」
健夜「それが確かなら彼女は配牌が配られる前から、河に捨てるまで」
健夜「自分が役満に振り込む姿が見えていたんでしょう」
健夜「彼女の不運は宮永照の対面だったこと上家であれば回避はできたでしょう
その場合は他の誰かが犠牲になるでしょうけど」
準決勝試合会場
照「……」スタッ
煌「……」
怜「……」
玄「……」
玄「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
怜「何で、アンタが謝ってんの」
玄「だって私がドラを切ったから…」
怜「関係あらへん 元々そうするようにこっちでも仕組んどったんや」
玄「でも、この試合一番頑張ってたのは園城寺さんなのに 私が…」
怜「これ以上喋らんといて」
玄「……」
怜「勝ってくれ…」
玄「え……」
怜「ウチはもう戦えられへん 色んな意味でな だからせめて勝ってくれ」
玄「…………………はい」
全日本高校生麻雀大会会場 外
咲「終わったかな…」
咲「多分飛ばしたのかな お姉ちゃん」
咲「……ちょっとだけ覗いてみよう」
廊下
照「……」スタスタ
淡「せんぱ~い」見てましたよ~かっこよかったぁ!
照「そうか お前は打てなくて退屈だったろう」
淡「まぁ 確かにそうですけど でもでも先輩の勇姿を見れたからいいです」
淡「あぁでも 何で最後 千里山に未来視を【移し】ちゃったんですか?」
照「一度使ってみたが あれは相当体力を消耗する」
照「試しに3巡先とやらに潜ってみたが、その後数秒は意識を失っていた」
淡「ゲ まじ」
照「使ったのは一度だけでそれ以降はストックに保管しておいたが」
照「どうやらあの能力は持ってるだけで所有者の体力をかなり蝕む」
照「私に病弱設定はいらない」
淡「ハハそうですね 要するにあれは呪われた装備的なものだと」
照「…?」
淡「あぁいや さっき菫先輩と話してるときにゲームの例えが
でてきたもんですから…ってあの娘」
咲「…!」タタ
淡「あれ?逃げちゃった 先輩のサインとか欲しかったんじゃないですか?」
照「……照魔鏡のストックは全部で8つある」
淡「…?」
照「能力の器がでかいほどストックを消費する 未来視は2つだ」
淡「ハァ それで?」
照「……そのストック全てを使っても喰いきれなかった能力の使い手がいた」
淡「えっ!?」
照「先ほどの、清澄の大将……」
淡「じゃあ、まさか……」
照「ああ お前の倒すべき相手だよ」
反対側廊下
玄「うぅ… どうしよう お姉ちゃん達に合わせる顔が無いよ…」
玄「皆はやさしいけど…けど…」
ドンッ!
玄「アイタタ す、すいません!」
咲「いえ、こちらも前を見ずに走ってて…」
玄「ひっ!」
咲「……?」
玄(この人この前廊下ですれ違った怖い人だよ…どうしよう)
咲「あの大丈夫ですか 手貸しましょうか?」
玄「えっ…あ、いえ大丈夫です」
玄(あれ?なんかイメージと違う ていうかさっきまで会っていたような…)
咲「?」
玄「……」
玄「あ! あの! もしかして宮永照の親族の方ですか?」
咲「! え 何で」
玄「えっとあの さっきまで戦っててすごく似ててあの…えと」
咲「お姉ちゃんと戦ったんですか!?」
玄「あ、はい そのぉ そうですけど 全然歯が立たなかったっていうか」
咲「飛び終了ですよね?どこの高校が勝ち残ったか知ってます」
玄「えと……一応私のところの…」
咲「…!すいません準決勝の試合の話聞かせてもらえませんか」
・
・
・
玄「それで、最後は園城寺さんが役満を振り込んで終了しました……」
咲「……」
玄「でも最後のだけじゃなく途中から園城寺さんは振り込むようになって…」
咲「照魔鏡…」
玄「え?」
咲「途中でその園城寺さんて人の未来視を【移し】たんだと思う」
玄「…そんなことできるんですか」
咲「できるよ私もそうさせてもらったから」
玄「え?」
咲「私は元々本当になんの取り柄もない娘だったの
お姉ちゃんは連続和了と照魔鏡でもう最初っから無双だったけどね」
玄「……」
咲「そんなある日私がお姉ちゃんにねだったの 一つだけでいいから私にも能力頂戴って」
咲「照魔鏡の【移す】対象は自分だけじゃない 他の人にもできるから」
咲「私はこうして能力を貰った」
咲「それが嶺上開花の力」
玄「……」
咲「お姉ちゃんが言うには そもそもカン材が中々できないから
ストックの邪魔にしかならなかったんだって」
玄「へー…」
咲「けど私には それが最高の相性だった」
玄「え」
咲「勝つことも負けることもしないようプラスマイナスゼロになる力が欲しかった」
玄「な、なんでですか?」
咲「理由は下らないよ 勝つと怒られて負けたら損するから」
玄「……」
咲「でもそんな風に打つためには どうしても符の調整が必要だった」
咲「それで毎日、毎日プラスマイナスゼロを目指し、こなし続けた」
玄「……!」
咲「すると次第にカン材が集まってきて 自由に点数の調整ができてきたの」
玄(私もドラを大切にするようにしてたらドラが集まるようになったけど
宮永さんのは…何というか別次元だなぁ)
咲「でもそんな打ち方をしていたら段々周りから変な目で見られるようになっちゃて」
咲「結構ヤなことも言われたりして」
玄「……」
咲「だからお姉ちゃんに頼んだの もうこの能力はいらない【移し】て欲しいって」
咲「けど、お姉ちゃんは私の願いを聞いてくれなかった 何だかすごい冷めた目をして
どこか遠くに行っちゃった」
玄「何でお姉さんは【移し】てくれなかったんでしょう」
咲「わかんない 多分勝手なこという私に呆れたんじゃないかなって
でも会って話してみたらきっと分かる!」
玄「が、頑張ってください!」
咲「頑張るのは松実ちゃんのほうだよ~」
玄「え?」
咲「だって決勝戦で戦うんでしょ お姉ちゃんと」
玄「あ!そうだったぁ…」
咲「アハハ」
咲「だって最初ぶつかったとき本当に深刻そうな顔してたのに
そのことをスッカリ忘れてるんだもん」
玄「うぅ…でも次やったら今度こそ飛ばされちゃうかも」
咲「……飛ばされる」
咲「……そっか松実ちゃんが飛ばされちゃったら私のとこも負け」
玄「咲ちゃん?」
咲「そしたら お姉ちゃんは話してくれないかもしれないな…」
玄「…?」
咲「松実ちゃん!特訓しよう!」
玄「はい!?」
咲「もしあなたが もしくは他の誰かが飛ばされちゃったら私は
お姉ちゃんと話すことができなくなるかもしれない」
咲「だからそのドラ収集体質を特訓させてうまく飛ばないようにするの!」
玄「そ、そんなの」
咲「できる!私の意見だけど松実ちゃんのドラ支配のカギはカンドラにあるの」
玄「……?」
咲「そう…だから鍛えればあなたは勝てる」
玄「えっ…えぇ~ あのすごく嬉しいんですけど自分のとこの高校はいいんですか?」
咲「そりゃあ優希ちゃんは大事だよ!でも一番大切なことは誰も飛ばないこと」
咲「あなたぐらいの支配力があれば それがかなうの!」
玄「し、支配力ぅ?」
咲「それじゃ行こう!」
玄「ちょ、ちょっと待ってぇ~」
・
・
・
照(私はかつて咲に重い荷を背負わせてしまった)
照(自分で与えときながら回収することができなかった
あの力は既に10倍もの器になっていた)
照(私は姉失格だ 咲、お前は私の妹なんかじゃない)
照(妹を救えぬ姉なんかいるはずがないだろう)
照(が、今なら…照魔鏡の強化もできた)
照(ストックも常に空にしておくよう心掛けている)
照(待っていろ この大会が終わったらもう一度家族で麻雀をしよう)
照(だから私は強くなり続ける…!)
終わり
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 07:48:20.58 ID:PPgrkL7x0
準決勝先鋒戦オーラス2本場
怜「ここから先は皆がくれた一巡先や…」
怜「皆ごめん、もうい一回だけ無茶するわ…」
照「……」
怜「トリプルっ…!三巡先や……!」
怜「━━━━っ!」
二巡後宮永が四筒切りリーチ━━━━
その巡で私が白を切って新道寺が鳴いて一発消し━━━━
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 07:50:18.28 ID:PPgrkL7x0
・
・
・
怜(見えたっ……!))
怜(クッ……もう顔も上げられへん…)
怜(視覚はもう未来視だけが頼りや…)
照「……」
照「リーチ」
怜(キタっ…!)
怜(もう一度 三巡先へっ……!)
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 07:54:02.89 ID:PPgrkL7x0
・
・
・
怜「ここで来るんか…阿知賀、松見玄……!」
2巡後聴牌━━━━(それをサポートするために危険牌を切らなあかん)
二索切り━━━━(それをもう一度新道寺が鳴いて宮永のツモ番を飛ばす)
聴牌━━━━(道を作る…!そのために真ん中の5萬を…!)
阿知賀はドラ切りのリーチ━━━━(このままやと阿知賀の当たり牌をウチがつかむ…)
が、宮永がツモ切るその牌は八萬━━━━(ウチが鳴ける牌…)
即ち宮永はツモ切るしかない 阿知賀の倍満の当たり牌をっ……!
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 07:58:00.51 ID:PPgrkL7x0
怜(20万点も持ってる宮永にとっては焼け石に水やろうけど…)
怜(それでもっ…!)打:五索
玄(五索…危そうな所…)
玄(聴牌できた…でもそれだとドラを切らないと…うっ…)打:二索
煌「ポンッ…!」
玄「ひっ…!」(ロンじゃなかった…)
怜「……」打:五萬
玄「また危そうなところ…ひょっとして助けてくれてるのかな」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 08:02:03.82 ID:PPgrkL7x0
・
・
・
怜「なんや、色々考えてるようやけど阿知賀がドラ切りリーチをするのは予見済み」
怜「事情は知らんが阿知賀にはドラを切れない事情…トラウマ諸々があったんやろう」
怜「それをこのたった1巡で乗り越えてくるんやろうな……」
怜「頑張ったな そろそろその泣き顔やめてもええ頃やで」
怜「後はウチが宮永の八萬を鳴いて改変完了や…」
怜「気早いけどホッとしたせいか体がなんか楽に…」
━━━━ッ!
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 08:05:31.02 ID:PPgrkL7x0
照「……」
怜「何で」
怜「何で 宮永 八筒切りリーチしとるん?」
怜「すり替え? いや、このカメラ有りの衆人環視の中それはありえへん」
怜「……確かにウチは宮永のリーチ牌を直接見たわけやあらへん リーチ宣言を聞いただけ」
怜「けど未来視は絶対… あれのビジョンが崩れるなんてない」
怜「何や… 何が起きとるんやっ……!」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 08:08:15.35 ID:PPgrkL7x0
千里山女子高校 控え室
竜華「…♪」
セーラ「何や竜華嬉しそうやな このまま負けるかもしれへんのに」
竜華「…え、スマン いやだってな」
竜華「怜の顔色が今までより よっぽどええ色しとるやさかい」
セーラ「…?」
竜華「まるで 事故に合う前の怜みたいに」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 08:11:34.55 ID:PPgrkL7x0
準決勝試合室
怜「体に重さを感じへん、改変したせいでまだ未来視は戻って来ーへんが」
怜「今なら何巡先でも…って今はそんなことより宮永をっ……!」
怜「あれ……鏡…? とうとう幻覚まで視えるようになったん…」
怜「そんで、何やあのけったいな灯篭は…?」
照「……」
怜「7、8つ程あって 2つ明かりが灯っとる」
怜「ハハ…もうわけわからんわ」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 08:15:49.09 ID:PPgrkL7x0
白糸台高校選手控え室
菫「終わったな」
淡「そーですね、あの技デメリットも引き受けるんで結構危険ですけど」
菫「照の嗅覚がそうさせたんだ アレをやらなきゃ少々マズいことになると」
淡「多分あの千里山の子が頑張って振り込ませられるあたりですかねぇ」
菫「……照魔鏡の役割それは相手の本質…能力を【映す】ことだが」
菫「それは本来の力の一端に過ぎない」
菫「照魔鏡の真の力とは……」
淡「……」ニヤッ
菫「相手の能力を【移す】ことだ」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 08:19:16.94 ID:PPgrkL7x0
準決勝試合会場
怜「…ッアカン! 真相はともかく宮永が八筒切りリーチをしたということは…!」
怜「逆に、阿知賀の あのリーチ牌は……!」
玄(そうだった…どうしても別れなきゃいけない人)
玄(前に向かうために別れを選ぶ人…見送る人…)
玄(私はいつも待つほうだったけど……)
怜(やめっ…!だめやっ…!)
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 08:22:14.83 ID:PPgrkL7x0
玄(穏乃ちゃんや赤土先生、憧ちゃんや灼ちゃんは戻ってきてくれた…)
玄(お姉ちゃんとは前よりもっと遊ぶようになった…!)
玄(和ちゃんは戻ってきてくれる変わらないけど)
玄(今一緒のお祭りに参加してるっ……!)
玄(別れることはよくあることで私は慣れてるはずだったんだ……!)
玄(今まで自分から別れを決めたことはなかったけど前に向かうために!)
怜(お願いやっ…!それだけは…!阿知賀しかドラをツモれないなら
ドラさえ切らなければ宮永の待ちは実質枯れ…!それで流局…
打点制限の性質上この連荘を止められる筈なんや…!)
玄(一端お別れっ……!)
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 08:25:37.68 ID:PPgrkL7x0
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 08:28:29.47 ID:PPgrkL7x0
実況解説席
こーこ「またしても和了ってしまったぁああ!7連続和了!」
こーこ「しかも今回の和了は和了り牌の六筒と北が切れて
残る牌がドラの三筒のみという悪形待ちをなんなく和了!」
健夜「まるで千里山の園城寺選手のような和了りでしたね」
こーこ「しかしこれは松見選手を責められない!リーチをかければ倍満の手!
例えドラとはいえ勝負しないわけにはいかなかったぁぁあ!」
健夜「……松見玄選手は今大会初めてのドラ切りですね」
こーこ「えっそーなんですか」
健夜「はい、恐らく自身の能力の誓約にも似た理由で」
こーこ「能力?誓約?」
健夜「あっ…いえゴホン それはともかくとして今回はもっとすごい和了りですよ」
こーこ「へっ?」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 08:31:49.25 ID:PPgrkL7x0
健夜「阿知賀がドラを切ったということは…… 裏ドラが」
準決勝試合室
照「リーチ混一中三暗刻ドラ1に 裏が3つ 36000の2本場は36600」
玄「…ひっ……あ…あ……」
怜「倍満…宮永に喰らわせるはずの倍満が……
逆に和了られてしもた どころか3倍満…!?」
怜「何の悪夢やこれは…」
白糸台:212800→246400
千里山:80900
新道寺:48200
阿知賀:58100→24500
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 08:39:45.13 ID:PPgrkL7x0
実況解説席
こーこ「裏ドラがモロ乗りぃぃい!流石だチャンピオン!!」
健夜「松実玄選手の能力…あれはかなり高位の常時支配系の能力です」
こーこ「えっ…あっ…はいぃ?」
健夜「いかに鳴こうと未来を読もうとどのような手段を用いても阿知賀以外に
ドラがいくことはありません」
健夜「さらに注目すべきは裏ドラの支配」
健夜「この試合リーチが何度かありましたがその全てに裏ドラはつきませんでした」
健夜「恐らく、ドラ、カンドラ、裏ドラ、赤ドラ、その全てを松実選手は文字通り支配しています」
健夜「しかしあのドラ切りリーチ それが支配を雲散霧消に帰した…」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 08:42:24.08 ID:PPgrkL7x0
こーこ「えーっと、ちょっと待ってくださいね 色々とチンプンカンプンなんですがね」
こーこ「松実選手が裏ドラを占領するのは分かりました」
こーこ「でも、松実選手がドラを切るまで裏ドラは松実選手のものだったんでしょう」
こーこ「けどそれがドラを切った瞬間になくなるなんて物理的にありえないでしょう」
健夜「ありえます 観測されていない以上 どのような配置もありえるんです」
こーこ「そんなアホな」
健夜「そうですね…逆説的にこの局、松実選手がドラを切ることは
“あらかじめ”決まっていたんです」
健夜「だから裏ドラがほかの選手にも乗るような配置に”あらかじめ”なっていた
そう考えたほうが分かりやすいかもしれませんね」
こーこ「……」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 08:45:52.72 ID:PPgrkL7x0
白糸台高校選手控え室
淡「今更ですけどこの解説の人すごいですね」
菫「小鍛治プロは本物だよ もっとも偽物がプロになれるわけないがな」
淡「それにしても いつ宮永先輩は千里山の未来視を【移した】んでしょうかねぇ」
菫「恐らく、照がリーチをかけるその直前でだろう」
菫「鳴きでツモ番をズラしても照に和了られたのに仰天していたからな
奴は常時未来視ができない。未来視に逆らうと何巡か未来視ができなくなるんだろう」
菫「その隙を狙った」
菫「未来視発動不可状態で奪い、利用しすぐさま返せばそうそう気づかれない」
菫「そして、もし気づかれたとしても後の祭り」
菫「その後未来視が発動可になった千里山だが、恐らくその未来は間違った未来だ」
淡「どーしてです?」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 08:50:21.71 ID:PPgrkL7x0
菫「私は照魔鏡を持ってないので詳しいことは分からないが
あの未来視は、どれだけ1巡に時間がかかろうと
そのままの1巡先が視えるという代物なんだろう」
菫「それはつまり未来視を持たぬ者以外はどんなに思考をこらしても
未来を変えることはできないということだ」
菫「ここで小鍛治プロのさっきの言葉を借りよう“あらかじめ決まっている”」
菫「千里山のにとって一局はゲームの様なものだ」
菫「ゲームというのは多大な選択肢によって様々なパターンを見せるが
所詮そのパターンというのは完全に不確定なのではなく“あらかじめ決まっている”
麻雀もあらかじめ積まれている為同じだ」
菫「リーチ、鳴きによって選択肢を変更し和了というEDを目指す」
菫「そしてこの選択肢を選べるのは千里山だけであるが」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 08:52:02.42 ID:L0mt1plr0
「小鍛冶プロ可愛い」って思ってた男性ファンもドン引きするレベルの
中二発言を全国ネットで流してしまったな。これは結婚できない
中二発言を全国ネットで流してしまったな。これは結婚できない
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 08:53:46.80 ID:PPgrkL7x0
菫「照が未来視を使えるようになったため、存在しない選択肢が発生
つまりは“ゲームそのもの”が変わってしまった」
菫「千里山の未来視には“あらかじめ決まっているゲーム”の選択肢しか見えない
が、実際は照の変更したものになっている」
菫「未来視の能力者が2人以上の場合後から変更した未来の方が現実は優先される
照魔鏡によって能力を【映した】ときに照はそこまで見切っていたんだ」
淡「白糸台に来て色々と慣れてきましたが、流石にオカルトだと吐き捨てたくなりますね」
菫「まぁ何にせよこれでうちの勝ちは決まった」
淡「いやぁ~まだわかりませんよ~ あれですよ奇跡ってのがおこるかもしれませんよ~(笑)」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 08:57:06.83 ID:PPgrkL7x0
菫「そうか、淡は1年だからまだ見たことないのか」
淡「へ?」
菫「勘違いしているやつが多いが、厳密には照の連続和了に打点制限など存在しない」
淡「へ?」
菫「あれの本質は前局に和了ったのよりも高めの役が和了れるように牌を支配することだ」
菫「つまり通常通りことが進めば誰も連続和了を止められない」
菫「それを今までの対戦者は未来視や他の支配によって強引に食い止めてきた」
淡「それって結局打点制限とどう違うんですか?」
菫「淡……」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 09:00:36.10 ID:PPgrkL7x0
菫「3倍満より上の役は何だ?」
淡「……」
菫「…ん? どうやら照は千里山からもう一度未来視を自分に【移した】らしいな」
淡「優しいですね、宮永先輩」
菫「よく見ておけ あれが宮永照だ」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 09:03:41.91 ID:PPgrkL7x0
準決勝試合室
怜「クッ…何や…おかしい…」
怜「未来視が戻るのが遅すぎる…この配牌は早い」
怜「未来視さえできれば恐らく3巡もあれば和了れる手やのにっ…!」
照「……」カチャッカチャ
煌「……?」
玄「?」
怜「理牌?いつも一打後にやってたのに…何で」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 09:07:41.75 ID:PPgrkL7x0
照「ツモ 16300オール」
白糸台:246400→295300
千里山:80900→64600
新道寺:48200→31900
阿知賀:24500→8200
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 09:10:32.78 ID:tTLnDnKk0
アカン
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 09:12:06.68 ID:PPgrkL7x0
実況解説席
こーこ「てっ……天和ぉおおだああああ!!!」
こーこ「何ということでしょうか!これこそ正真正銘誰も止めることはできません!」
こーこ「これがチャンピオンの器がなせる天命なのかぁ!?」
健夜「……宮永選手に3倍満を和了らせた以上仕方ありませんね」
こーこ「ではでは?まさか次はダブルが来るのか!?」
健夜「いえ、この大会にダブルはありませんから次に来るのはまた一五〇〇点からだと」
こーこ「おぉ、それは他の選手にも一筋の光明か!?」
健夜「残念ながらこの一五〇〇点と最初に和了った一五〇〇点は比べものになりません」
健夜「次の1500点はダブル役満クラスの支配 最早誰も止めることはできません」
こーこ「……?」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 09:15:47.21 ID:PPgrkL7x0
準決勝試合室
オーラス四本場
照「ロン 一五〇〇は二七〇〇」
オーラス五本場
照「ロン 七七〇〇は九二〇〇」
オーラス六本場
照「ロン 一一六〇〇は一三四〇〇」
白糸台:294300→319600
千里山:64600
新道寺:31900→6600
阿知賀:8200
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 09:20:13.26 ID:PPgrkL7x0
実況解説席
こーこ「宮永選手これで十一連続和了!」
こーこ「天和以降は新道寺から直撃を与え続けています」
健夜「宮永照の下家はモロに支配を受けますから回避することは難しいでしょう」
こーこ「えーっと どういうこと?」
健夜「宮永選手の連続和了には前局よりも高く和了ることができるよう支配をかけています」
健夜「それはイコール他家よりも早く和了れる支配でもあります
他家の和了はそのまま打点が0になる意味でもありますから」
健夜「遅くても三巡 早ければ一巡目 そんな和了りが続いています」
健夜「即ち 最も早く和了れるような支配である以上 宮永選手の下家は
自身から最も早い巡目の打牌であるために支配の影響を受けやすいんです」
こーこ「分かったような、分からないような…」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 09:23:33.42 ID:PPgrkL7x0
南四局7本場
照「リーチ」
煌(ダブルリーチ……!)
実況解説席
こーこ「アァーっとこれは新道寺絶体絶命かぁ!?」
健夜「いえこれはむしろ千里山の方が……」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 09:27:09.05 ID:PPgrkL7x0
準決勝試合会場
煌「おりゃっ!」打:二萬
照「……」
煌(通りましたか…… 当たり前と言えばそうですがね)
怜「…ハァ…ック…ハァ……」
煌(……千里山?)
怜「見えへん…一巡先も…」打:九萬
照「ロン 36000は38100」
白糸台:319600→357700
千里山:64600→26500
新道寺:6600
阿知賀:8200
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 09:30:37.64 ID:PPgrkL7x0
実況解説席
こーこ「チャンピオンの12連続和了!ダブリー一発混一三暗刻ドラ3が炸裂ぅ!」
健夜「ドラの縛りがなくなり広い手で早く和了れるようになりましたね」
こーこ「そしてそしてぇ!ハネ満だった手が一発と裏ドラがついたことにより!」
こーこ「和了らせてしまった三倍満!!」
こーこ「最早次の山は触れたくすらありません!」
健夜「いえ、次の局 天和はきません」
こーこ「あれ?そうなんですか」
健夜「名門新道寺の先鋒…だというのにあの打ち筋から察するに花田煌は…」
こーこ「ん?」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 09:33:40.07 ID:PPgrkL7x0
健夜「いえ、それより千里山はもう…」
こーこ「えっ? 千里山はまだ3万近くありますよ
他の高校は宮永選手が役満をツモるだけで飛ぶので
むしろ千里山の2位出場は決まったようなものじゃ…」
健夜「ええ、飛んじゃうんですよ 宮永選手が役満をツモると」
健夜「新道寺の 花田煌が」
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 09:36:48.72 ID:PPgrkL7x0
準決勝試合会場
オーラス八本場
怜「…なぁ 返して」
照「……」
玄「?」
煌「?」
怜「うちの“未来”返してぇな……」
照「……試合が終われば返すつもりだった もうすぐ終わる」
怜「ええから!」
照「…そう」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 09:41:08.30 ID:PPgrkL7x0
ゴシャァァァアアア
怜(また鏡が出てきよった…! そんで灯篭の光が…消えた)
怜(━━━━ッ!)
怜(アッ…!アァアアアア)
ポタ… ポタタ…
玄(えっ……!?)
煌(千里山の…エース…?)
玄(泣いて…る…?)
照「……」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 09:45:15.55 ID:PPgrkL7x0
実況解説席
こーこ「千里山の園城寺選手いきなり立ち上がったと思ったら
放心しております」
健夜「……」
こーこ「園城寺選手は病弱という報告を聞いていますが、やはり
この試合の心労で体力に限界が!?」
健夜「……オーラス8本場ですね」
こーこ「えっ……いやそうですけど……ってあぁ!?なんと園城寺選手
倒れて山に突っ込んだぁ!?やはり体に無理が?」
健夜「……」
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 09:53:21.02 ID:PPgrkL7x0
準決勝試合会場
玄「園城寺さん!? 大丈夫ですか?」
怜「すまんな…うち病弱やし」
怜「チョンボしてしもたな満貫払いやな」
照「……」
白糸台:357700→363800
千里山:26500→18500
新道寺:6600→8600
阿知賀:8200→10200
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 09:57:52.47 ID:c5JGaHhmi
イケメン
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 09:58:21.47 ID:PPgrkL7x0
実況解説席
こーこ「倒れた時にはどうなるものかと思いましたが、試合は続行されるようです」
こーこ「しかし今後体調の不振による行為がなされた場合すぐさま代わりの選手を
千里山は用意しないといけません」
健夜「……園城寺選手が宮永照の対面、松実選手が上家
この席順がもたらした不運ですね」
こーこ「…っとぉ、風水か何かですか?」
健夜「……」
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:02:19.50 ID:PPgrkL7x0
準決勝試合会場
怜(これでさっきのと変わらんかったらもう…ウチは…千里山は終わりや)
煌(千里山のエース…先ほどのは失礼ながらワザとに見えましたがまさか……)
照「……」打:三索
煌(今回は天和はなしですか、まぁそれだと私が飛びますしね)
煌(今、宮永照が役満を貼っているのなら私は今絶対安全圏にいる)
煌(なら、今私がすべきことは危険牌を切ることで他の選手に安全を促し)
煌(この連荘地獄から抜け出すこと 無論私自身も和了りを全力で狙っていきますがね)
煌(とはいえ、千里山のほうに関しては心配は無用でしょう)
煌(いかに役満手とはいえ、事実上出和了りしかできない)
煌(未来を読める千里山なら振込はありえないハズ)打:八索
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:12:13.52 ID:PPgrkL7x0
怜(……確かに変わったけどな、そうか宮永…アンタは…)
怜「……九種九牌」パラッ
東南西北北白撥中一九19⑨⑨
煌「なっ…!」
照「……」
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:14:37.34 ID:PPgrkL7x0
実況解説席
こーこ「何と…千里山…役満手を放棄しました…」
健夜「……」
こーこ「……ハハ」
準決勝試合会場
オーラス9本場
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:18:02.04 ID:PPgrkL7x0
玄(園城寺さん…さっきのって…)
照「……」打:北
煌(先ほどの九種九牌……そういうことですか)打:三萬
怜(……チョンボする前のと同じ手やな)
怜(宮永……アンタは……)打:五筒
照「ロン 48000は50700」
白糸台:363800→414500
千里山:18500→-32200
新道寺:8600
阿知賀:10200
72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:22:02.60 ID:PPgrkL7x0
実況解説席
こーこ「…………決まったぁ!これにて準決勝は何と先鋒戦で終了!!」
こーこ「け、決勝進出は白糸台高校と阿知賀女子学園にぃ、決まりましたぁ……」
健夜「……無理してテンション上げなくてもいいと思うよ 引いてるよね、明らかに」
こーこ「い、いえ すいません…ではっ!」
こーこ「何と宮永選手!この試合だけで稼いだ点棒は三十万以上!!」
こーこ「強い!強すぎる!!?最早麻雀で扱う数量ではありません!」
こーこ「果たしてこのチャンピオンを討ち果たす選手は今後現れるのかぁ!?」
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:24:40.61 ID:PPgrkL7x0
健夜「宮永選手の手は純正九蓮宝燈9面待ち…」
健夜「対して園城寺選手の配牌は全て筒子 即ち回避不可」
健夜「園城寺選手が未来を読める能力の持ち主であると言われていましたが」
健夜「それが確かなら彼女は配牌が配られる前から、河に捨てるまで」
健夜「自分が役満に振り込む姿が見えていたんでしょう」
健夜「彼女の不運は宮永照の対面だったこと上家であれば回避はできたでしょう
その場合は他の誰かが犠牲になるでしょうけど」
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:25:33.38 ID:PPgrkL7x0
あれ?大会だと九種九牌ないのか…
すいませんスルーしてくれるとありがたいです
すいませんスルーしてくれるとありがたいです
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:28:36.22 ID:PPgrkL7x0
準決勝試合会場
照「……」スタッ
煌「……」
怜「……」
玄「……」
玄「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
怜「何で、アンタが謝ってんの」
玄「だって私がドラを切ったから…」
怜「関係あらへん 元々そうするようにこっちでも仕組んどったんや」
玄「でも、この試合一番頑張ってたのは園城寺さんなのに 私が…」
怜「これ以上喋らんといて」
玄「……」
79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:31:09.02 ID:PPgrkL7x0
怜「勝ってくれ…」
玄「え……」
怜「ウチはもう戦えられへん 色んな意味でな だからせめて勝ってくれ」
玄「…………………はい」
全日本高校生麻雀大会会場 外
咲「終わったかな…」
咲「多分飛ばしたのかな お姉ちゃん」
咲「……ちょっとだけ覗いてみよう」
80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:33:45.29 ID:PPgrkL7x0
廊下
照「……」スタスタ
淡「せんぱ~い」見てましたよ~かっこよかったぁ!
照「そうか お前は打てなくて退屈だったろう」
淡「まぁ 確かにそうですけど でもでも先輩の勇姿を見れたからいいです」
淡「あぁでも 何で最後 千里山に未来視を【移し】ちゃったんですか?」
照「一度使ってみたが あれは相当体力を消耗する」
照「試しに3巡先とやらに潜ってみたが、その後数秒は意識を失っていた」
淡「ゲ まじ」
81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:35:26.23 ID:PPgrkL7x0
照「使ったのは一度だけでそれ以降はストックに保管しておいたが」
照「どうやらあの能力は持ってるだけで所有者の体力をかなり蝕む」
照「私に病弱設定はいらない」
淡「ハハそうですね 要するにあれは呪われた装備的なものだと」
照「…?」
淡「あぁいや さっき菫先輩と話してるときにゲームの例えが
でてきたもんですから…ってあの娘」
咲「…!」タタ
82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:37:04.38 ID:PPgrkL7x0
淡「あれ?逃げちゃった 先輩のサインとか欲しかったんじゃないですか?」
照「……照魔鏡のストックは全部で8つある」
淡「…?」
照「能力の器がでかいほどストックを消費する 未来視は2つだ」
淡「ハァ それで?」
照「……そのストック全てを使っても喰いきれなかった能力の使い手がいた」
淡「えっ!?」
照「先ほどの、清澄の大将……」
淡「じゃあ、まさか……」
照「ああ お前の倒すべき相手だよ」
84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:39:05.38 ID:PPgrkL7x0
反対側廊下
玄「うぅ… どうしよう お姉ちゃん達に合わせる顔が無いよ…」
玄「皆はやさしいけど…けど…」
ドンッ!
玄「アイタタ す、すいません!」
咲「いえ、こちらも前を見ずに走ってて…」
玄「ひっ!」
咲「……?」
玄(この人この前廊下ですれ違った怖い人だよ…どうしよう)
85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:41:04.08 ID:PPgrkL7x0
咲「あの大丈夫ですか 手貸しましょうか?」
玄「えっ…あ、いえ大丈夫です」
玄(あれ?なんかイメージと違う ていうかさっきまで会っていたような…)
咲「?」
玄「……」
玄「あ! あの! もしかして宮永照の親族の方ですか?」
咲「! え 何で」
玄「えっとあの さっきまで戦っててすごく似ててあの…えと」
咲「お姉ちゃんと戦ったんですか!?」
玄「あ、はい そのぉ そうですけど 全然歯が立たなかったっていうか」
咲「飛び終了ですよね?どこの高校が勝ち残ったか知ってます」
玄「えと……一応私のところの…」
咲「…!すいません準決勝の試合の話聞かせてもらえませんか」
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:44:05.05 ID:PPgrkL7x0
・
・
・
玄「それで、最後は園城寺さんが役満を振り込んで終了しました……」
咲「……」
玄「でも最後のだけじゃなく途中から園城寺さんは振り込むようになって…」
咲「照魔鏡…」
玄「え?」
咲「途中でその園城寺さんて人の未来視を【移し】たんだと思う」
玄「…そんなことできるんですか」
咲「できるよ私もそうさせてもらったから」
玄「え?」
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:45:31.88 ID:PPgrkL7x0
咲「私は元々本当になんの取り柄もない娘だったの
お姉ちゃんは連続和了と照魔鏡でもう最初っから無双だったけどね」
玄「……」
咲「そんなある日私がお姉ちゃんにねだったの 一つだけでいいから私にも能力頂戴って」
咲「照魔鏡の【移す】対象は自分だけじゃない 他の人にもできるから」
咲「私はこうして能力を貰った」
咲「それが嶺上開花の力」
玄「……」
咲「お姉ちゃんが言うには そもそもカン材が中々できないから
ストックの邪魔にしかならなかったんだって」
玄「へー…」
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:47:53.49 ID:PPgrkL7x0
咲「けど私には それが最高の相性だった」
玄「え」
咲「勝つことも負けることもしないようプラスマイナスゼロになる力が欲しかった」
玄「な、なんでですか?」
咲「理由は下らないよ 勝つと怒られて負けたら損するから」
玄「……」
咲「でもそんな風に打つためには どうしても符の調整が必要だった」
咲「それで毎日、毎日プラスマイナスゼロを目指し、こなし続けた」
玄「……!」
咲「すると次第にカン材が集まってきて 自由に点数の調整ができてきたの」
玄(私もドラを大切にするようにしてたらドラが集まるようになったけど
宮永さんのは…何というか別次元だなぁ)
89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:49:43.91 ID:PPgrkL7x0
咲「でもそんな打ち方をしていたら段々周りから変な目で見られるようになっちゃて」
咲「結構ヤなことも言われたりして」
玄「……」
咲「だからお姉ちゃんに頼んだの もうこの能力はいらない【移し】て欲しいって」
咲「けど、お姉ちゃんは私の願いを聞いてくれなかった 何だかすごい冷めた目をして
どこか遠くに行っちゃった」
玄「何でお姉さんは【移し】てくれなかったんでしょう」
咲「わかんない 多分勝手なこという私に呆れたんじゃないかなって
でも会って話してみたらきっと分かる!」
玄「が、頑張ってください!」
咲「頑張るのは松実ちゃんのほうだよ~」
玄「え?」
咲「だって決勝戦で戦うんでしょ お姉ちゃんと」
玄「あ!そうだったぁ…」
咲「アハハ」
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:51:15.43 ID:PPgrkL7x0
咲「だって最初ぶつかったとき本当に深刻そうな顔してたのに
そのことをスッカリ忘れてるんだもん」
玄「うぅ…でも次やったら今度こそ飛ばされちゃうかも」
咲「……飛ばされる」
咲「……そっか松実ちゃんが飛ばされちゃったら私のとこも負け」
玄「咲ちゃん?」
咲「そしたら お姉ちゃんは話してくれないかもしれないな…」
玄「…?」
咲「松実ちゃん!特訓しよう!」
玄「はい!?」
91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:52:47.03 ID:PPgrkL7x0
咲「もしあなたが もしくは他の誰かが飛ばされちゃったら私は
お姉ちゃんと話すことができなくなるかもしれない」
咲「だからそのドラ収集体質を特訓させてうまく飛ばないようにするの!」
玄「そ、そんなの」
咲「できる!私の意見だけど松実ちゃんのドラ支配のカギはカンドラにあるの」
玄「……?」
咲「そう…だから鍛えればあなたは勝てる」
玄「えっ…えぇ~ あのすごく嬉しいんですけど自分のとこの高校はいいんですか?」
咲「そりゃあ優希ちゃんは大事だよ!でも一番大切なことは誰も飛ばないこと」
咲「あなたぐらいの支配力があれば それがかなうの!」
玄「し、支配力ぅ?」
咲「それじゃ行こう!」
玄「ちょ、ちょっと待ってぇ~」
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:53:01.92 ID:VCv0XVN30
特訓って何やんだよw
93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:54:49.39 ID:PPgrkL7x0
・
・
・
照(私はかつて咲に重い荷を背負わせてしまった)
照(自分で与えときながら回収することができなかった
あの力は既に10倍もの器になっていた)
照(私は姉失格だ 咲、お前は私の妹なんかじゃない)
照(妹を救えぬ姉なんかいるはずがないだろう)
照(が、今なら…照魔鏡の強化もできた)
照(ストックも常に空にしておくよう心掛けている)
照(待っていろ この大会が終わったらもう一度家族で麻雀をしよう)
照(だから私は強くなり続ける…!)
終わり
94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 10:55:58.93 ID:PPgrkL7x0
最後駆け足になったがこれで終わり
途中ミスがあったけど許してくれ
もう出かけるます お疲れさまでした
途中ミスがあったけど許してくれ
もう出かけるます お疲れさまでした
99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 11:18:29.48 ID:rodeYWnS0
乙です!
麻雀SSはミスがどうしてもでるから気にしないで!
麻雀SSはミスがどうしてもでるから気にしないで!
104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 11:58:36.22 ID:cw8pioZT0
咲さんが鍛えたらドラだけで四槓子しそうだなw
105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 12:26:35.63 ID:JYdwidP1O
乙
106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 12:45:32.98 ID:IZhBdCrX0
逆に咲さんが強くなってカンドラまで乗るようになってしまう可能性が…
108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/10(火) 13:12:52.21 ID:PFB8iPCE0
乙!
この記事へのコメント
読んで損した気分になったのはこれが初めてかも!!
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- 名無しさん - 2012年07月19日 19:44:46
こじ付けに等しい超能力設定と闘牌
厨二病にも程があるレベル
原作に対する冒涜も甚だしい