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阿良々木「戦場ヶ原をフッてみる」
元スレ:阿良々木「戦場ヶ原をフッてみる」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330092418/
戦場ヶ原「あら阿良々木君、何をふざけたことを言ってやがるのかしら」
阿良々木「すまない戦場ヶ原」
戦場ヶ原「謝らないで。ところで何を言ったの」
阿良々木「僕と別れてくれないか」
戦場ヶ原「そう、細胞分裂したいのね。わかったは、チェンソーでいいかしら」
阿良々木「それは僕が真っ二つに分かれるってことだろうが!というかチェンソーがあるのか!?」
戦場ヶ原「コンビニに売っているわよ、知らないの」
阿良々木「少なくとも僕が行くようなコンビニにはない!」
みたいな感じでのらりくらいと別れ話の話題を反らそうと必死になるガハラさんをお願いします
阿良々木「戦場ヶ原、僕はお前のそういうところにもう付いていけないんだ」
戦場ヶ原「どういうところかはっきりと言いなさい。そういうところ、阿良々木君の悪いところよ」
阿良々木「ツン過ぎてデレが少ないところだよ!」
戦場ヶ原「大好きよ阿良々木君」
阿良々木「いきなりデレた!?」
戦場ヶ原「てへり、どう?」
阿良々木「かわいくないっ!いきなり頭をこつんとしてベロを出したところで無表情なお前ではかわいくないっ!」
戦場ヶ原「あら失礼ね。こんなに尽くす彼女は他にいないわ、そうこの宇宙のどこにも」
阿良々木「規模がでかい!!」
戦場ヶ原「私のどこが悪いのかしら」
阿良々木「さっき言っただろ。僕はそう、もっと普通な恋人が欲しいんだ」
戦場ヶ原「普通とは何かしら。阿良々木君、あなたはもしかして自分の思う、考える全てが普通だとでも思っているの」
阿良々木「別にそうじゃない。でもな、眼球に鉛筆の先を突き立てられる彼氏の身にもなってみろ」
戦場ヶ原「不満かしら」
阿良々木「不満しかねぇよ」
戦場ヶ原「もっとハードなプレーがいいのね」
阿良々木「そうじゃない!!もっとソフトにしろ、むしろ優しくしろっ!!」
戦場ヶ原「それよりも阿良々木君、わたしはうまいぼぉが食べたい気分」
阿良々木「露骨に話題を変えてきた!」
戦場ヶ原「私が好きなのは、お好み焼き味よ。知ってたかしら」
阿良々木「知らない!というかうまいぼぉの話題なんてした覚えがないんだが」
戦場ヶ原「そんな、うそ、知らないなんて……」
阿良々木「そこまでショックを受けることか?」
戦場ヶ原「いいえ、別にどうでもいいわ……でも、一番好きなのは阿良々木君よ」
阿良々木「キュンとこない!!無理やり過ぎる言葉運びで胸にキュンとこない!!」
戦場ヶ原「ねぇ、そんなことより」
阿良々木「そんなこともどんなこともない。戦場ヶ原、俺はお前とはいっしょに居られないんだ」
化物語、偽者語のアニメしか知らない、という言い訳を先にさせてくれ
戦場ヶ原「どうして、なぜ。本当に私には理解できないの」
阿良々木「なぁ戦場ヶ原。お前は本当に心当たりがないのか」
戦場ヶ原「ないわ」
阿良々木「即答かよっ!!」
戦場ヶ原「強いて言うなら……大丈夫よ阿良々木君。確かにあなたと比較すると、釣り合いが取れないのかもしれないけれど」
阿良々木「僕の容姿のことを言ってるんだな!?そうなんだな!?」
戦場ヶ原「体重の話しよ」
阿良々木「体重で釣り合う恋人ってどうなんだ!?」
戦場ヶ原「……阿良々木君」
阿良々木「なんだよ」
戦場ヶ原「今夜は帰さないわよ」
阿良々木「かっこいいこと言った!?」
戦場ヶ原「ふふん」
阿良々木「……戦場ヶ原、どうすれば僕の話を聞いてくれるんだ?」
戦場ヶ原「そうね。キス、しましょう阿良々木君」
阿良々木「お、おい戦場ヶ原……いきなりそんな寄ってくるな……」
戦場ヶ原「どうしてかしら。私たちは恋人よ、キスくらいなら私にだってできるわ」
阿良々木「とりあえず落ち着け!」
戦場ヶ原「……」
戦場ヶ原「仕方ないわ。今だけは言うことを聞いてあげる、感謝なさい阿良々木君」
阿良々木「あーありがとう戦場ヶ原っ!」
戦場ヶ原「なによその態度。割と本気で傷つくのだけれども」
阿良々木「すまん。確かに少し悪かった」
戦場ヶ原「じゃあもっと私を大切にしなさい」
阿良々木「はい、そうしま……じゃない!!」
戦場ヶ原「……ちっ」
阿良々木「いま舌打ちしたのか!?戦場ヶ原、恐ろしい子!!」
阿良々木「とにかく、別れないか僕ら」
戦場ヶ原「いやよ」
阿良々木「どうしてなんだ。自分で言うのもなんだが、僕みたいなさえない男は他にたくさん――」
戦場ヶ原「あなたはばかだったわね。阿良々木君ほどの男の子なんてそう居ないわ」
阿良々木「吸血鬼属性のことを言っているのか」
戦場ヶ原「鈍感もここまでくると凶器かしら。鈍器で殺害できるレベルね」
阿良々木「僕の鈍感さで人を殺してしまうのか!?」
戦場ヶ原「少なくとも」
阿良々木「否定しろよ!!」
阿良々木「そう、そこなんだ戦場ヶ原」
戦場ヶ原「そことはどこを指して言っているの。もしかして、いやだわ、厭らしい……」
阿良々木「やめて、そんなゴミを見るような目で机の上から見下さないで!!」
戦場ヶ原「もっと見下してあげる」
阿良々木「天井の柱にまで登るくらいか!?というか落ちたら危ない!!」
戦場ヶ原「心配してくれているのね、嬉しいわ」
阿良々木「誰だって心配する、降りてくるんだ戦場ヶ原」
戦場ヶ原「優しく受けてとめて」
阿良々木「飛び降りる予告をするな!」
阿良々木「とにかくだ戦場ヶ原。その僕を罵倒する数々の暴言が耐えられなくなってきたんだ」
戦場ヶ原「…………」
阿良々木「だから、別れよう。きっと僕らは上手くいかない」
戦場ヶ原「あら、目にゴミが入ったかしら。目薬を差してくるわ」
阿良々木「ああ、それくらいなら」
戦場ヶ原「いやよ、別れたくないわ」ウルウル
阿良々木「だから露骨すぎるぞ戦場ヶ原!?」
戦場ヶ原「女の涙は武器なのよ、知らなかったのね」
阿良々木「偽者の武器なんて通用するか」
戦場ヶ原「…ええ、偽者よ。でも阿良々木君にならもしかするとと思って」
阿良々木「その自信はどこから来るんだ!?」
阿良々木「別れよう、戦場ヶ原」
戦場ヶ原「これで5度目の別れ話です」
阿良々木「どこかの帰国子弟がボーカルのバンドグループの数字ばかりのタイトルの歌詞の一部を引用したような言い方をするな」
戦場ヶ原「私の答えは、いやよ」
阿良々木「……どうすれば別れてくれるんだ」
戦場ヶ原「阿良々木君と今別れてしまうと、きっと他の女の子達が黙っていないと思うの」
阿良々木「まさか。僕はモテない非実在的青少年だぞ」
戦場ヶ原「その鈍感さ、何度も言うけれど人を殺すわよ。少なくとも私が死にそう」
戦場ヶ原「逆に問いかけるわ。どうすれば別れないで済むのかしら」
阿良々木「残念ながらその選択枝はどこにもない」
戦場ヶ原「待っていればバッドエンドを回避できるっていう」
阿良々木「そんな都合のいい展開はない」
戦場ヶ原「ご都合主義って知っているかしら阿良々木君」
阿良々木「真に残念だがこれは現実だ。ジャプの週刊誌の主人公のような展開は用意されていない」
戦場ヶ原「なら私は私なりの方法で阿良々木君を引き止めるしかないのね」
阿良々木「お前はどうしてそこまで意固地になっているんだ」
戦場ヶ原「あなたが好きだから」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「キュンとしたかしら」
阿良々木「認めたくないが、認めるしかない……」
戦場ヶ原「そう」
阿良々木「しかしだ、これはあくまでも数字にすると1キュンだ。今までの数え切れないツンに比べると些細なものでしかない」
戦場ヶ原「でも阿良々木君、考えてもみて欲しいの。私と別れるということはこのキュンを味わうことができなくなってしまうのよ」
阿良々木「キュンを頂く前にお前の暴言に僕が潰されてしまいそうだ」
戦場ヶ原「大丈夫、修理なら工作なら得意よ」
阿良々木「そういう問題じゃねぇ!というか僕の心はもっと繊細だ!」
戦場ヶ原「何を言っているのかしら、あなたの肉体の話をしているのよ」
阿良々木「暴言だけで潰れる僕の肉体!工作程度で治されてしまう僕の肉体ってなんなんだ!!」
戦場ヶ原「……えと」
阿良々木「そろそろ僕は帰りたいのだが」
戦場ヶ原「何を言っているの阿良々木君。まだ話しは終わっていないのよ」
阿良々木「二人の関係はもう終わりそうだけどな」
戦場ヶ原「お願い、待って、もう少しだけでも話しをしましょう」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「お願い……します、阿良々木君」
阿良々木「お前のそんな顔、初めて見た」
戦場ヶ原「それもそうよ。なんだか、今行かせてしまうと、もう元の関係には戻れない気がするのよ」
阿良々木「……わかったよ戦場ヶ原。でも、家に電話くらいはさせてくれ。もう夜中に差し掛かる時間帯だ」
戦場ヶ原「わかったわ」
阿良々木「電話をしてきた。火憐ちゃんがすごく怒ってた」
戦場ヶ原「……どうかしら」
阿良々木「っておい戦場ヶ原!なんでお前下着姿になってんだ!」
戦場ヶ原「腹を割って話しましょう阿良々木君」
阿良々木「だからって腹を見せる必要はない!風邪を引かれたら困るから、早く服を着てくれ!」
戦場ヶ原「本当にそれでいいのかしら。女の子の下着姿なんてそう易々と見られるものでもないと思うのだけど」
阿良々木「……服を着るんだ戦場ヶ原。それだとマジメな話しができないだろ」
戦場ヶ原「わかったわ阿良々木君。だからそう怒らないで欲しいの」
阿良々木「ああ。ってどうしてパジャマなんだ!?」
戦場ヶ原「もう布団も敷いてあるわ」
阿良々木「既成事実を作ろうとしている!」
戦場ヶ原「ねぇ阿良々木君、今日はどんな日だったかしら」
阿良々木「お昼過ぎに待ち合わせして、買い物行って」
戦場ヶ原「あまり面白くなかった映画を見て、晩御飯をいっしょに食べたわ」
阿良々木「普通のデートだな、客観的には」
戦場ヶ原「阿良々木君とのデート、すごく楽しかったわ」
阿良々木「その間、遅刻もしていないのに遅刻扱いにされ、買い物では我侭を言われ、ポップコーンは思わせぶりなあーんだけだった」
戦場ヶ原「え」
阿良々木「晩御飯なんて、僕が作ったのに美味しいとも言ってくれなかった」
戦場ヶ原「それは全部照れていたのよ、理解して」
阿良々木「いま素直になられても信用できないぞ戦場ヶ原」
戦場ヶ原「いま素直にならないと、阿良々木君を手放してしまいそうだからよ」
阿良々木「もう僕はお前がわからないんだ。だから僕はお前といっしょに居ても」
戦場ヶ原「それ以上言うと、ホッチキスで口内を刺すことになるのだけど」
阿良々木「はは、そういえば最初もそんな出会いだった気がする」
戦場ヶ原「ふふふ、ええ、そうだったわ」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「……」
阿良々木「なぁ」
戦場ヶ原「いや、別れるなんて絶対にいや。もしそうなると、私はあなたを殺すしかない」
阿良々木「神原でも殺し切れない僕をどうやって殺すんだ」
戦場ヶ原「一生かけてでも殺してみせるわ」
阿良々木「まるでストーカーみたいだな」
戦場ヶ原「いいえ、スナイパーよ」
阿良々木「命の危機がより高まった!」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「ココアでも入れましょうか」
阿良々木「いいや結構だ」
戦場ヶ原「そう……」
阿良々木「……せんじょう」
戦場ヶ原「じゃあトランプをしましょう阿良々木君」
阿良々木「そんな空気じゃないと僕は思う」
戦場ヶ原「……そう」
阿良々木「いつまで話題を反らすつもりなんだ戦場ヶ原」
戦場ヶ原「いつになく強気ね」
阿良々木「お前を相手にしているんだからな。これくらい強気にならないと話しができない」
戦場ヶ原「買い被られたものね。私だったその辺りにいる普通の女の子なのよ」
戦場ヶ原「今だって必死にあなたを引き止める術を考えているの」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「素直じゃない、ひねくれた私がだめかしら。それとも、ツンばかりで暴言が多い私がだめなのかしら」
阿良々木「それは」
戦場ヶ原「両方とも、よね。いいえ、もしかすると、もっと何かがあるのかもしれない」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「我侭なところ? めんどくさいメンヘラ女なところ? ねぇ、お願い、教えて……下さい……」
阿良々木「いろいろと理由はあるんだが、最大の理由はお前がもう信じられないんだ」
戦場ヶ原「阿良々木君に嘘を言ったことなんてないわ」
阿良々木「そうかもしれない。いや実際にはお前の言う通りだ。僕はお前に嘘をつかれたことがない。でも、だからこそ、罵倒や暴言も事実と受け止めたとき、お前の愛が信じられない」
戦場ヶ原「そんな」
阿良々木「何でも言おう、改めて言わせてもらう。別れよう、戦場ヶ原」
戦場ヶ原「……目薬を差してきます」
阿良々木「また目にゴミが入ったのか」
戦場ヶ原「……」
阿良々木「おい、少し目薬やりすぎじゃないのか」
戦場ヶ原「黙りなさい。あまりに大きなゴミが入ってしまったせいで」
阿良々木「……戦場ヶ原?」
戦場ヶ原「だめ、ゴミが取れないの。目薬が足りないなんて初めての経験ね」
阿良々木「もう止めろ。逆に目に悪いっ!」
戦場ヶ原「なっ!? 離しなさい阿良々木君っ!」
阿良々木「もしかして、泣いているのか?」
戦場ヶ原「……目にゴミが入っただけ、何度も言わせないで」
阿良々木「だが」
戦場ヶ原「離しなさいっ! もう、これ以上惨めな思いをさせないで、私を見ないで」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「お願い阿良々木君、本当にお願い。私と別れるなんて言わないで」
阿良々木「……無理だ。お前の涙を見ても、それが本当なのかどうかさえ解らない」
戦場ヶ原「私が解らないというなら、それなら少しづつ私を教えてあげるから」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「私の好きな食べ物も、ブランドも、本も、趣味も、なにもかも教えるから。好みが合わないというならあなたに合わせる。あなたが好むものがあるなら、願うものがあるなら精一杯叶えてみせる手に入れてみせる」
阿良々木「……僕が欲しいのはそういうものじゃない」
戦場ヶ原「……初めて、今までで初めて阿良々木君が解らなくなってきた」
戦場ヶ原「……阿良々木君」
阿良々木「どうした戦場ヶ原、僕の手を掴んでどうするつもりなんだ」
戦場ヶ原「……」
阿良々木「戦場ヶ原! どうして胸に持っていく必要がある!」
戦場ヶ原「……ねぇ阿良々木君、私の胸、鼓動が激しいのわかるかしら」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「今日は、最初のうちは大好きな阿良々木君とのデートで胸が高鳴っていたわ。でも今は…、あなたと別れるのが怖くてこんな風になってしまったの」
阿良々木「戦場ヶ原……」
戦場ヶ原「お願い阿良々木君、もう一度だけチャンスを下さい。あなたが望むものを与えられるように努力する……」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「……阿良々木君」
阿良々木「別れよう」
戦場ヶ原「……」
阿良々木「もう、戦場ヶ原も解っているだろ。もとには戻れない」
戦場ヶ原「……」
阿良々木「今までありがとうな、こんな冴えない奴を好きになってくれて」
戦場ヶ原「……」
阿良々木「……離してくれないだろうか」
戦場ヶ原「……や、よ」
阿良々木「……戦場ヶ原?」
戦場ヶ原「いや、いやに決まってるわ……うぅっ……」
阿良々木「で、でもだな」
戦場ヶ原「だってこんなの……私が一方的に悪いみたいで……ひっく……でも、じ、実際には……私が……」
阿良々木「ごめんな」
戦場ヶ原「謝らないで……うぅ、ひっく……阿良々木君は悪くない……から……」
阿良々木「……もう、お互い辛いだけだと思うんだよ」
戦場ヶ原「いやぁっ……おねがいです、おねがいします……おねがいだからぁ……ひっ、うぅぅ……あぁ」」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「好きなの、あなたが好きで、あなたに会えるだけで毎日幸せで、それだけでいいの……」
阿良々木「……もうやめよう戦場ヶ原」
戦場ヶ原「―――っ!!!」
阿良々木「さよならだよ」
戦場ヶ原「いやっ、おねがい、行かないで!」
阿良々木「でも安心しろ、当分は誰かと付き合ったりはしないからさ」
戦場ヶ原「そうじゃないっ!! わたしが、わたしが阿良々木君の隣にいられないなら、それなら……」
阿良々木「……ああ、そうだよな」
戦場ヶ原「……あなたを殺すわ」
阿良々木「はは、まさかカッターナイフで……元カノに腹を……引き裂かれるなんてな…………」
戦場ヶ原「……」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「……うぅ、あああ……ぁぁ、ひっく……うぅうぅう」
阿良々木「ごめんな、この程度じゃ死なないんだよ僕は」
戦場ヶ原「……いいえ、死んだわ……わたしが好きだった阿良々木暦は死んだ、死んでしまったから……」
阿良々木「……そうか」
戦場ヶ原「もう帰って……ゾンビは怖いわ……」
阿良々木「ああ、帰るよ。戦場ヶ原」
戦場ヶ原「……さようなら」
阿良々木「……さようなら」
happy end
戦場ヶ原「……」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「……」
阿良々木「……なぁ、僕はてっきり刺されるかと思っていたんだが」
戦場ヶ原「ふふ、そんなこと……できるはずないわ……ばか」
阿良々木「どうしてなんだ戦場ヶ原」
戦場ヶ原「いい加減に理解しなさい。私は阿良々木君が好き、愛しているの、傷付けたくなんてないの」
阿良々木「戦場ヶ原?」
戦場ヶ原「きっとこのカッターナイフで刺してしまうと、阿良々木君の心まで傷つけてしまいそうだと思ったのよ」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「阿良々木君はお人よしで優しいから、きっと私の全部を受け入れてくれるから。このカッターナイフだってきっと真っ直ぐ受け入れてしまうわ」
阿良々木「……戦場ヶ原」
戦場ヶ原「そうして私の失恋をまっすぐ受け入れてしまって、自分ばっかり背負い込んで……」
阿良々木「それこそ僕を買いかぶり過ぎだ」
戦場ヶ原「……ねぇ阿良々木君、どうして私と別れたいって思ったのかしら」
阿良々木「だからそれは何度も言っているだろう。お前の暴言とか」
戦場ヶ原「嘘はよくないわ阿良々木君」
戦場ヶ原「あなたはわたしを甘く見ているのね。私は、阿良々木ストーカーなのよ、あなたの知らないことなんて何一つないわ」
阿良々木「それは違うな戦場ヶ原。僕は素直な気持ちでお前と別れようと思ったんだ」
戦場ヶ原「……いいえ違うわ。そんなの、阿良々木君が言うような言葉ではないもの」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「何が怖いのかしら。本音を言う事?それとも、自分のこと?」
阿良々木「だからっ!」
戦場ヶ原「正直に話してちょうだい」
阿良々木「それは命令なのか?」
戦場ヶ原「お願いよ。私の命を懸けてもいい」
阿良々木「……」
阿良々木「どうしてそんなことに命を懸けられるんだお前は」
戦場ヶ原「それはね、あなたを誰よりも、何よりも信じているからよ」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「別に阿良々木君は気にしなくていいわ。遺書には彼氏にふられて自殺しましたって書くもの」
阿良々木「はは。それだと僕に対する世間の目が厳しくなってしまうな」
戦場ヶ原「そうなりたくなかったら、正直に理由を話しなさい」
阿良々木「……わかったよ、言うよ」
阿良々木「実は僕はすごく怖がりだ」
戦場ヶ原「そうなの」
阿良々木「そして自分のことばかり考えている最低な奴だ」
戦場ヶ原「私ほどではないけど?」
阿良々木「あはは。あとさ、僕って吸血鬼属性だろ」
戦場ヶ原「ええそうね」
阿良々木「……きっと、あと数百年以上は生きるだろう」
戦場ヶ原「……」
阿良々木「そうするとさ、きっと将来、周りには誰もいないんだよ」
戦場ヶ原「……ええ」
阿良々木「もちろんお前もだ。羽川も神原も千石も、八九寺だってどうなるかわからない」
戦場ヶ原「そうね」
阿良々木「妹たちや、僕の両親もいない」
戦場ヶ原「ええ」
阿良々木「そして何よりも苦痛なのは、お前がいなくなることなんだ」
戦場ヶ原「……」
阿良々木「これ以上さ、お前を好きなると……別れが怖いんだよ」
戦場ヶ原「……阿良々木君」
阿良々木「きっと、生きている限りはお前を忘れられない。記憶だって色あせさせない自信がある。今までだって、お前との思い出は大事にしてある」
戦場ヶ原「やばい、かっこよすぎ……」
阿良々木「だからって、僕は将来自殺をする訳にもいかない。僕一人の命じゃないから」
戦場ヶ原「……」
阿良々木「だから、これ以上お前を好きになる前に、別れてしまえばって……はは、本当に僕って最低な奴だ、臆病者だな」
戦場ヶ原「そうね、その通りだわ」
阿良々木「ああ、そうだ……」
阿良々木「これでわかっただろ。僕がお前と別れたい理由をさ」
戦場ヶ原「わかったわ」
阿良々木「じゃあ、これでさよならだ」
戦場ヶ原「あなたは何を言っているのかしら?」
阿良々木「……は?」
戦場ヶ原「そんなあなたの身勝手な理由で別れるとでも思っているのかしら。このど低脳は本当にどうしようもないわ。あなた本当に人間?」
阿良々木「いや、吸血鬼だ。というか突然元気になったな戦場ヶ原……」
戦場ヶ原「元気じゃないわ。というかこれは照れ隠し」
阿良々木「はぁ?」
戦場ヶ原「そんな、数百年先の未来まで続く愛の告白を受けて喜ばない女なんていないわ。少なくとも私は嬉しいと思うけれど」
阿良々木「……お前って本当に変わっているよな」
戦場ヶ原「それに、これで二度目よ。あなたの前で泣いてしまったの」
阿良々木「確かに」
戦場ヶ原「一度目はまぁいいとしましょう。でも、今回のは許せない。忘れなさい、私が泣いてしまったこと」
阿良々木「なんでだよ」
戦場ヶ原「……私は普通の人間だもの、あと70年くらいすれば死ぬかもしれない」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「だから、私の残りの人生において、あなたの前だけでは笑顔であり続けるわ」
阿良々木「どうしてだよ」
戦場ヶ原「そうすれば、あなたは私と過ごした幸せな記憶を胸に抱いて生きていけるじゃない」
阿良々木「……戦場ヶ原」
戦場ヶ原「悔しいかしら。一度は泣かしたはずの女が、常に笑顔でしか思い出せなくなってしまうなんて」
阿良々木「……ああ、悔しいさ!」
戦場ヶ原「だから阿良々木君、わたしと今別れるなんて言わないで頂戴」
阿良々木「戦場ヶ原、お前」
戦場ヶ原「私が死んでしまった先でも、私を思い出す度に幸せな気持ちになれるように呪いをかける必要があるんだもの」
阿良々木「……そうか、俺は呪われる必要があるんだな」
戦場ヶ原「ええそうよ、その通りよ。だから、これからもずっと宜しくお願いするわ」
阿良々木「そこまで言われてしまったら、僕も言い返すことができなくなるな。ああ、よろしく。死が二人を分かつそのときまで」
―――――
――――――――・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
~~~数百年後~~~
忍「カカ、お前様、どうしたんじゃ? 空ばかり見上げてにやにやしおって」
暦「ああ、昔のことを思い出していたんだよ」
fin
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1330092418/
6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 23:31:10.57 ID:nM/XeAzX0
戦場ヶ原「あら阿良々木君、何をふざけたことを言ってやがるのかしら」
阿良々木「すまない戦場ヶ原」
戦場ヶ原「謝らないで。ところで何を言ったの」
阿良々木「僕と別れてくれないか」
戦場ヶ原「そう、細胞分裂したいのね。わかったは、チェンソーでいいかしら」
阿良々木「それは僕が真っ二つに分かれるってことだろうが!というかチェンソーがあるのか!?」
戦場ヶ原「コンビニに売っているわよ、知らないの」
阿良々木「少なくとも僕が行くようなコンビニにはない!」
みたいな感じでのらりくらいと別れ話の話題を反らそうと必死になるガハラさんをお願いします
9 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 23:36:51.75 ID:nM/XeAzX0
阿良々木「戦場ヶ原、僕はお前のそういうところにもう付いていけないんだ」
戦場ヶ原「どういうところかはっきりと言いなさい。そういうところ、阿良々木君の悪いところよ」
阿良々木「ツン過ぎてデレが少ないところだよ!」
戦場ヶ原「大好きよ阿良々木君」
阿良々木「いきなりデレた!?」
戦場ヶ原「てへり、どう?」
阿良々木「かわいくないっ!いきなり頭をこつんとしてベロを出したところで無表情なお前ではかわいくないっ!」
戦場ヶ原「あら失礼ね。こんなに尽くす彼女は他にいないわ、そうこの宇宙のどこにも」
阿良々木「規模がでかい!!」
10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 23:40:02.86 ID:nM/XeAzX0
戦場ヶ原「私のどこが悪いのかしら」
阿良々木「さっき言っただろ。僕はそう、もっと普通な恋人が欲しいんだ」
戦場ヶ原「普通とは何かしら。阿良々木君、あなたはもしかして自分の思う、考える全てが普通だとでも思っているの」
阿良々木「別にそうじゃない。でもな、眼球に鉛筆の先を突き立てられる彼氏の身にもなってみろ」
戦場ヶ原「不満かしら」
阿良々木「不満しかねぇよ」
戦場ヶ原「もっとハードなプレーがいいのね」
阿良々木「そうじゃない!!もっとソフトにしろ、むしろ優しくしろっ!!」
16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 23:46:28.77 ID:nM/XeAzX0
戦場ヶ原「それよりも阿良々木君、わたしはうまいぼぉが食べたい気分」
阿良々木「露骨に話題を変えてきた!」
戦場ヶ原「私が好きなのは、お好み焼き味よ。知ってたかしら」
阿良々木「知らない!というかうまいぼぉの話題なんてした覚えがないんだが」
戦場ヶ原「そんな、うそ、知らないなんて……」
阿良々木「そこまでショックを受けることか?」
戦場ヶ原「いいえ、別にどうでもいいわ……でも、一番好きなのは阿良々木君よ」
阿良々木「キュンとこない!!無理やり過ぎる言葉運びで胸にキュンとこない!!」
戦場ヶ原「ねぇ、そんなことより」
阿良々木「そんなこともどんなこともない。戦場ヶ原、俺はお前とはいっしょに居られないんだ」
化物語、偽者語のアニメしか知らない、という言い訳を先にさせてくれ
20 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 23:49:39.76 ID:nM/XeAzX0
戦場ヶ原「どうして、なぜ。本当に私には理解できないの」
阿良々木「なぁ戦場ヶ原。お前は本当に心当たりがないのか」
戦場ヶ原「ないわ」
阿良々木「即答かよっ!!」
戦場ヶ原「強いて言うなら……大丈夫よ阿良々木君。確かにあなたと比較すると、釣り合いが取れないのかもしれないけれど」
阿良々木「僕の容姿のことを言ってるんだな!?そうなんだな!?」
戦場ヶ原「体重の話しよ」
阿良々木「体重で釣り合う恋人ってどうなんだ!?」
24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 23:53:52.51 ID:nM/XeAzX0
戦場ヶ原「……阿良々木君」
阿良々木「なんだよ」
戦場ヶ原「今夜は帰さないわよ」
阿良々木「かっこいいこと言った!?」
戦場ヶ原「ふふん」
阿良々木「……戦場ヶ原、どうすれば僕の話を聞いてくれるんだ?」
戦場ヶ原「そうね。キス、しましょう阿良々木君」
阿良々木「お、おい戦場ヶ原……いきなりそんな寄ってくるな……」
戦場ヶ原「どうしてかしら。私たちは恋人よ、キスくらいなら私にだってできるわ」
阿良々木「とりあえず落ち着け!」
戦場ヶ原「……」
27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/24(金) 23:56:32.48 ID:nM/XeAzX0
戦場ヶ原「仕方ないわ。今だけは言うことを聞いてあげる、感謝なさい阿良々木君」
阿良々木「あーありがとう戦場ヶ原っ!」
戦場ヶ原「なによその態度。割と本気で傷つくのだけれども」
阿良々木「すまん。確かに少し悪かった」
戦場ヶ原「じゃあもっと私を大切にしなさい」
阿良々木「はい、そうしま……じゃない!!」
戦場ヶ原「……ちっ」
阿良々木「いま舌打ちしたのか!?戦場ヶ原、恐ろしい子!!」
32 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 00:00:02.82 ID:DpK0G6630
阿良々木「とにかく、別れないか僕ら」
戦場ヶ原「いやよ」
阿良々木「どうしてなんだ。自分で言うのもなんだが、僕みたいなさえない男は他にたくさん――」
戦場ヶ原「あなたはばかだったわね。阿良々木君ほどの男の子なんてそう居ないわ」
阿良々木「吸血鬼属性のことを言っているのか」
戦場ヶ原「鈍感もここまでくると凶器かしら。鈍器で殺害できるレベルね」
阿良々木「僕の鈍感さで人を殺してしまうのか!?」
戦場ヶ原「少なくとも」
阿良々木「否定しろよ!!」
33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 00:03:30.97 ID:DpK0G6630
阿良々木「そう、そこなんだ戦場ヶ原」
戦場ヶ原「そことはどこを指して言っているの。もしかして、いやだわ、厭らしい……」
阿良々木「やめて、そんなゴミを見るような目で机の上から見下さないで!!」
戦場ヶ原「もっと見下してあげる」
阿良々木「天井の柱にまで登るくらいか!?というか落ちたら危ない!!」
戦場ヶ原「心配してくれているのね、嬉しいわ」
阿良々木「誰だって心配する、降りてくるんだ戦場ヶ原」
戦場ヶ原「優しく受けてとめて」
阿良々木「飛び降りる予告をするな!」
34 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 00:07:20.87 ID:DpK0G6630
阿良々木「とにかくだ戦場ヶ原。その僕を罵倒する数々の暴言が耐えられなくなってきたんだ」
戦場ヶ原「…………」
阿良々木「だから、別れよう。きっと僕らは上手くいかない」
戦場ヶ原「あら、目にゴミが入ったかしら。目薬を差してくるわ」
阿良々木「ああ、それくらいなら」
戦場ヶ原「いやよ、別れたくないわ」ウルウル
阿良々木「だから露骨すぎるぞ戦場ヶ原!?」
戦場ヶ原「女の涙は武器なのよ、知らなかったのね」
阿良々木「偽者の武器なんて通用するか」
戦場ヶ原「…ええ、偽者よ。でも阿良々木君にならもしかするとと思って」
阿良々木「その自信はどこから来るんだ!?」
36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 00:12:55.68 ID:DpK0G6630
阿良々木「別れよう、戦場ヶ原」
戦場ヶ原「これで5度目の別れ話です」
阿良々木「どこかの帰国子弟がボーカルのバンドグループの数字ばかりのタイトルの歌詞の一部を引用したような言い方をするな」
戦場ヶ原「私の答えは、いやよ」
阿良々木「……どうすれば別れてくれるんだ」
戦場ヶ原「阿良々木君と今別れてしまうと、きっと他の女の子達が黙っていないと思うの」
阿良々木「まさか。僕はモテない非実在的青少年だぞ」
戦場ヶ原「その鈍感さ、何度も言うけれど人を殺すわよ。少なくとも私が死にそう」
40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 00:17:41.81 ID:DpK0G6630
戦場ヶ原「逆に問いかけるわ。どうすれば別れないで済むのかしら」
阿良々木「残念ながらその選択枝はどこにもない」
戦場ヶ原「待っていればバッドエンドを回避できるっていう」
阿良々木「そんな都合のいい展開はない」
戦場ヶ原「ご都合主義って知っているかしら阿良々木君」
阿良々木「真に残念だがこれは現実だ。ジャプの週刊誌の主人公のような展開は用意されていない」
戦場ヶ原「なら私は私なりの方法で阿良々木君を引き止めるしかないのね」
阿良々木「お前はどうしてそこまで意固地になっているんだ」
戦場ヶ原「あなたが好きだから」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「キュンとしたかしら」
阿良々木「認めたくないが、認めるしかない……」
41 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 00:22:17.10 ID:DpK0G6630
戦場ヶ原「そう」
阿良々木「しかしだ、これはあくまでも数字にすると1キュンだ。今までの数え切れないツンに比べると些細なものでしかない」
戦場ヶ原「でも阿良々木君、考えてもみて欲しいの。私と別れるということはこのキュンを味わうことができなくなってしまうのよ」
阿良々木「キュンを頂く前にお前の暴言に僕が潰されてしまいそうだ」
戦場ヶ原「大丈夫、修理なら工作なら得意よ」
阿良々木「そういう問題じゃねぇ!というか僕の心はもっと繊細だ!」
戦場ヶ原「何を言っているのかしら、あなたの肉体の話をしているのよ」
阿良々木「暴言だけで潰れる僕の肉体!工作程度で治されてしまう僕の肉体ってなんなんだ!!」
42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 00:23:10.39 ID:DpK0G6630
>>41
戦場ヶ原「大丈夫、修理なら工作なら得意よ」
↓
戦場ヶ原「大丈夫、工作なら得意よ」
戦場ヶ原「大丈夫、修理なら工作なら得意よ」
↓
戦場ヶ原「大丈夫、工作なら得意よ」
43 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 00:27:00.65 ID:DpK0G6630
戦場ヶ原「……えと」
阿良々木「そろそろ僕は帰りたいのだが」
戦場ヶ原「何を言っているの阿良々木君。まだ話しは終わっていないのよ」
阿良々木「二人の関係はもう終わりそうだけどな」
戦場ヶ原「お願い、待って、もう少しだけでも話しをしましょう」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「お願い……します、阿良々木君」
阿良々木「お前のそんな顔、初めて見た」
戦場ヶ原「それもそうよ。なんだか、今行かせてしまうと、もう元の関係には戻れない気がするのよ」
阿良々木「……わかったよ戦場ヶ原。でも、家に電話くらいはさせてくれ。もう夜中に差し掛かる時間帯だ」
戦場ヶ原「わかったわ」
44 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 00:27:10.95 ID:g04403fM0
なんだかんだでいちゃいちゃしてるじゃねーか
46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 00:32:06.30 ID:DpK0G6630
阿良々木「電話をしてきた。火憐ちゃんがすごく怒ってた」
戦場ヶ原「……どうかしら」
阿良々木「っておい戦場ヶ原!なんでお前下着姿になってんだ!」
戦場ヶ原「腹を割って話しましょう阿良々木君」
阿良々木「だからって腹を見せる必要はない!風邪を引かれたら困るから、早く服を着てくれ!」
戦場ヶ原「本当にそれでいいのかしら。女の子の下着姿なんてそう易々と見られるものでもないと思うのだけど」
阿良々木「……服を着るんだ戦場ヶ原。それだとマジメな話しができないだろ」
戦場ヶ原「わかったわ阿良々木君。だからそう怒らないで欲しいの」
阿良々木「ああ。ってどうしてパジャマなんだ!?」
戦場ヶ原「もう布団も敷いてあるわ」
阿良々木「既成事実を作ろうとしている!」
48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 00:37:12.98 ID:DpK0G6630
戦場ヶ原「ねぇ阿良々木君、今日はどんな日だったかしら」
阿良々木「お昼過ぎに待ち合わせして、買い物行って」
戦場ヶ原「あまり面白くなかった映画を見て、晩御飯をいっしょに食べたわ」
阿良々木「普通のデートだな、客観的には」
戦場ヶ原「阿良々木君とのデート、すごく楽しかったわ」
阿良々木「その間、遅刻もしていないのに遅刻扱いにされ、買い物では我侭を言われ、ポップコーンは思わせぶりなあーんだけだった」
戦場ヶ原「え」
阿良々木「晩御飯なんて、僕が作ったのに美味しいとも言ってくれなかった」
戦場ヶ原「それは全部照れていたのよ、理解して」
阿良々木「いま素直になられても信用できないぞ戦場ヶ原」
戦場ヶ原「いま素直にならないと、阿良々木君を手放してしまいそうだからよ」
52 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 00:42:47.26 ID:DpK0G6630
阿良々木「もう僕はお前がわからないんだ。だから僕はお前といっしょに居ても」
戦場ヶ原「それ以上言うと、ホッチキスで口内を刺すことになるのだけど」
阿良々木「はは、そういえば最初もそんな出会いだった気がする」
戦場ヶ原「ふふふ、ええ、そうだったわ」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「……」
阿良々木「なぁ」
戦場ヶ原「いや、別れるなんて絶対にいや。もしそうなると、私はあなたを殺すしかない」
阿良々木「神原でも殺し切れない僕をどうやって殺すんだ」
戦場ヶ原「一生かけてでも殺してみせるわ」
阿良々木「まるでストーカーみたいだな」
戦場ヶ原「いいえ、スナイパーよ」
阿良々木「命の危機がより高まった!」
53 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 00:49:34.04 ID:DpK0G6630
阿良々木「……」
戦場ヶ原「ココアでも入れましょうか」
阿良々木「いいや結構だ」
戦場ヶ原「そう……」
阿良々木「……せんじょう」
戦場ヶ原「じゃあトランプをしましょう阿良々木君」
阿良々木「そんな空気じゃないと僕は思う」
戦場ヶ原「……そう」
阿良々木「いつまで話題を反らすつもりなんだ戦場ヶ原」
戦場ヶ原「いつになく強気ね」
阿良々木「お前を相手にしているんだからな。これくらい強気にならないと話しができない」
戦場ヶ原「買い被られたものね。私だったその辺りにいる普通の女の子なのよ」
55 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 00:55:37.21 ID:DpK0G6630
戦場ヶ原「今だって必死にあなたを引き止める術を考えているの」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「素直じゃない、ひねくれた私がだめかしら。それとも、ツンばかりで暴言が多い私がだめなのかしら」
阿良々木「それは」
戦場ヶ原「両方とも、よね。いいえ、もしかすると、もっと何かがあるのかもしれない」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「我侭なところ? めんどくさいメンヘラ女なところ? ねぇ、お願い、教えて……下さい……」
阿良々木「いろいろと理由はあるんだが、最大の理由はお前がもう信じられないんだ」
戦場ヶ原「阿良々木君に嘘を言ったことなんてないわ」
阿良々木「そうかもしれない。いや実際にはお前の言う通りだ。僕はお前に嘘をつかれたことがない。でも、だからこそ、罵倒や暴言も事実と受け止めたとき、お前の愛が信じられない」
戦場ヶ原「そんな」
阿良々木「何でも言おう、改めて言わせてもらう。別れよう、戦場ヶ原」
60 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 00:59:02.40 ID:DpK0G6630
戦場ヶ原「……目薬を差してきます」
阿良々木「また目にゴミが入ったのか」
戦場ヶ原「……」
阿良々木「おい、少し目薬やりすぎじゃないのか」
戦場ヶ原「黙りなさい。あまりに大きなゴミが入ってしまったせいで」
阿良々木「……戦場ヶ原?」
戦場ヶ原「だめ、ゴミが取れないの。目薬が足りないなんて初めての経験ね」
阿良々木「もう止めろ。逆に目に悪いっ!」
戦場ヶ原「なっ!? 離しなさい阿良々木君っ!」
66 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:06:03.10 ID:DpK0G6630
阿良々木「もしかして、泣いているのか?」
戦場ヶ原「……目にゴミが入っただけ、何度も言わせないで」
阿良々木「だが」
戦場ヶ原「離しなさいっ! もう、これ以上惨めな思いをさせないで、私を見ないで」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「お願い阿良々木君、本当にお願い。私と別れるなんて言わないで」
阿良々木「……無理だ。お前の涙を見ても、それが本当なのかどうかさえ解らない」
戦場ヶ原「私が解らないというなら、それなら少しづつ私を教えてあげるから」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「私の好きな食べ物も、ブランドも、本も、趣味も、なにもかも教えるから。好みが合わないというならあなたに合わせる。あなたが好むものがあるなら、願うものがあるなら精一杯叶えてみせる手に入れてみせる」
阿良々木「……僕が欲しいのはそういうものじゃない」
戦場ヶ原「……初めて、今までで初めて阿良々木君が解らなくなってきた」
67 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:10:06.26 ID:DpK0G6630
戦場ヶ原「……阿良々木君」
阿良々木「どうした戦場ヶ原、僕の手を掴んでどうするつもりなんだ」
戦場ヶ原「……」
阿良々木「戦場ヶ原! どうして胸に持っていく必要がある!」
戦場ヶ原「……ねぇ阿良々木君、私の胸、鼓動が激しいのわかるかしら」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「今日は、最初のうちは大好きな阿良々木君とのデートで胸が高鳴っていたわ。でも今は…、あなたと別れるのが怖くてこんな風になってしまったの」
阿良々木「戦場ヶ原……」
戦場ヶ原「お願い阿良々木君、もう一度だけチャンスを下さい。あなたが望むものを与えられるように努力する……」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「……阿良々木君」
68 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:11:11.92 ID:DpK0G6630
付き合うか別れるか
>>77までの多数決で決めるんでオナシャス
>>77までの多数決で決めるんでオナシャス
69 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:11:42.28 ID:eMhJK4Aq0
突き合う
71 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:12:04.19 ID:B5XjEt4rO
別れる
72 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:12:15.41 ID:IrDFzgfi0
付き合う
74 ◆S.PtdgMO6E 2012/02/25(土) 01:12:23.18 ID:O0sdMQbP0
別れる
75 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:12:23.68 ID:ZEKOFCXT0
別れんなよ
76 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:12:30.62 ID:5314hu6Q0
突き合う
77 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:12:38.90 ID:hVQNzj4tO
別れる
94 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:17:41.11 ID:DpK0G6630
阿良々木「別れよう」
戦場ヶ原「……」
阿良々木「もう、戦場ヶ原も解っているだろ。もとには戻れない」
戦場ヶ原「……」
阿良々木「今までありがとうな、こんな冴えない奴を好きになってくれて」
戦場ヶ原「……」
阿良々木「……離してくれないだろうか」
戦場ヶ原「……や、よ」
阿良々木「……戦場ヶ原?」
100 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:22:13.58 ID:DpK0G6630
戦場ヶ原「いや、いやに決まってるわ……うぅっ……」
阿良々木「で、でもだな」
戦場ヶ原「だってこんなの……私が一方的に悪いみたいで……ひっく……でも、じ、実際には……私が……」
阿良々木「ごめんな」
戦場ヶ原「謝らないで……うぅ、ひっく……阿良々木君は悪くない……から……」
阿良々木「……もう、お互い辛いだけだと思うんだよ」
戦場ヶ原「いやぁっ……おねがいです、おねがいします……おねがいだからぁ……ひっ、うぅぅ……あぁ」」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「好きなの、あなたが好きで、あなたに会えるだけで毎日幸せで、それだけでいいの……」
108 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:26:53.88 ID:DpK0G6630
阿良々木「……もうやめよう戦場ヶ原」
戦場ヶ原「―――っ!!!」
阿良々木「さよならだよ」
戦場ヶ原「いやっ、おねがい、行かないで!」
阿良々木「でも安心しろ、当分は誰かと付き合ったりはしないからさ」
戦場ヶ原「そうじゃないっ!! わたしが、わたしが阿良々木君の隣にいられないなら、それなら……」
阿良々木「……ああ、そうだよな」
戦場ヶ原「……あなたを殺すわ」
阿良々木「はは、まさかカッターナイフで……元カノに腹を……引き裂かれるなんてな…………」
118 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:30:23.61 ID:DpK0G6630
戦場ヶ原「……」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「……うぅ、あああ……ぁぁ、ひっく……うぅうぅう」
阿良々木「ごめんな、この程度じゃ死なないんだよ僕は」
戦場ヶ原「……いいえ、死んだわ……わたしが好きだった阿良々木暦は死んだ、死んでしまったから……」
阿良々木「……そうか」
戦場ヶ原「もう帰って……ゾンビは怖いわ……」
阿良々木「ああ、帰るよ。戦場ヶ原」
戦場ヶ原「……さようなら」
阿良々木「……さようなら」
happy end
104 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:25:26.33 ID:G5zHDDFy0
>>69-77なら有効投票で
つき合う:4
別れる:3でつき合うだと思ったが
つき合う:4
別れる:3でつき合うだと思ったが
121 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:31:21.46 ID:DpK0G6630
>>75
ややこいんだよ、おもっくそ勘違いしてしまったじゃねぇかよ、>>104みて気付いてマジで焦ったじゃねぇかよ……
ややこいんだよ、おもっくそ勘違いしてしまったじゃねぇかよ、>>104みて気付いてマジで焦ったじゃねぇかよ……
124 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:32:05.22 ID:DpK0G6630
という訳で、bad endを書くのでお暇な人はお付き合いしてください
130 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:35:01.75 ID:DpK0G6630
>>108から
阿良々木「……もうやめよう戦場ヶ原」
戦場ヶ原「―――っ!!!」
阿良々木「さよならだよ」
戦場ヶ原「いやっ、おねがい、行かないで!」
阿良々木「でも安心しろ、当分は誰かと付き合ったりはしないからさ」
戦場ヶ原「そうじゃないっ!! わたしが、わたしが阿良々木君の隣にいられないなら、それなら……」
阿良々木「……ああ、そうだよな」
戦場ヶ原「……あなたを殺すわ」
阿良々木「…………」
阿良々木「……もうやめよう戦場ヶ原」
戦場ヶ原「―――っ!!!」
阿良々木「さよならだよ」
戦場ヶ原「いやっ、おねがい、行かないで!」
阿良々木「でも安心しろ、当分は誰かと付き合ったりはしないからさ」
戦場ヶ原「そうじゃないっ!! わたしが、わたしが阿良々木君の隣にいられないなら、それなら……」
阿良々木「……ああ、そうだよな」
戦場ヶ原「……あなたを殺すわ」
阿良々木「…………」
136 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:37:44.32 ID:DpK0G6630
戦場ヶ原「……」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「……」
阿良々木「……なぁ、僕はてっきり刺されるかと思っていたんだが」
戦場ヶ原「ふふ、そんなこと……できるはずないわ……ばか」
阿良々木「どうしてなんだ戦場ヶ原」
戦場ヶ原「いい加減に理解しなさい。私は阿良々木君が好き、愛しているの、傷付けたくなんてないの」
阿良々木「戦場ヶ原?」
139 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:42:22.17 ID:DpK0G6630
戦場ヶ原「きっとこのカッターナイフで刺してしまうと、阿良々木君の心まで傷つけてしまいそうだと思ったのよ」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「阿良々木君はお人よしで優しいから、きっと私の全部を受け入れてくれるから。このカッターナイフだってきっと真っ直ぐ受け入れてしまうわ」
阿良々木「……戦場ヶ原」
戦場ヶ原「そうして私の失恋をまっすぐ受け入れてしまって、自分ばっかり背負い込んで……」
阿良々木「それこそ僕を買いかぶり過ぎだ」
戦場ヶ原「……ねぇ阿良々木君、どうして私と別れたいって思ったのかしら」
阿良々木「だからそれは何度も言っているだろう。お前の暴言とか」
戦場ヶ原「嘘はよくないわ阿良々木君」
140 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:46:43.71 ID:DpK0G6630
戦場ヶ原「あなたはわたしを甘く見ているのね。私は、阿良々木ストーカーなのよ、あなたの知らないことなんて何一つないわ」
阿良々木「それは違うな戦場ヶ原。僕は素直な気持ちでお前と別れようと思ったんだ」
戦場ヶ原「……いいえ違うわ。そんなの、阿良々木君が言うような言葉ではないもの」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「何が怖いのかしら。本音を言う事?それとも、自分のこと?」
阿良々木「だからっ!」
戦場ヶ原「正直に話してちょうだい」
阿良々木「それは命令なのか?」
戦場ヶ原「お願いよ。私の命を懸けてもいい」
阿良々木「……」
142 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:48:57.59 ID:DpK0G6630
阿良々木「どうしてそんなことに命を懸けられるんだお前は」
戦場ヶ原「それはね、あなたを誰よりも、何よりも信じているからよ」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「別に阿良々木君は気にしなくていいわ。遺書には彼氏にふられて自殺しましたって書くもの」
阿良々木「はは。それだと僕に対する世間の目が厳しくなってしまうな」
戦場ヶ原「そうなりたくなかったら、正直に理由を話しなさい」
阿良々木「……わかったよ、言うよ」
144 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:51:20.49 ID:DpK0G6630
阿良々木「実は僕はすごく怖がりだ」
戦場ヶ原「そうなの」
阿良々木「そして自分のことばかり考えている最低な奴だ」
戦場ヶ原「私ほどではないけど?」
阿良々木「あはは。あとさ、僕って吸血鬼属性だろ」
戦場ヶ原「ええそうね」
阿良々木「……きっと、あと数百年以上は生きるだろう」
戦場ヶ原「……」
148 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:54:54.74 ID:DpK0G6630
阿良々木「そうするとさ、きっと将来、周りには誰もいないんだよ」
戦場ヶ原「……ええ」
阿良々木「もちろんお前もだ。羽川も神原も千石も、八九寺だってどうなるかわからない」
戦場ヶ原「そうね」
阿良々木「妹たちや、僕の両親もいない」
戦場ヶ原「ええ」
阿良々木「そして何よりも苦痛なのは、お前がいなくなることなんだ」
戦場ヶ原「……」
152 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 01:59:23.50 ID:DpK0G6630
阿良々木「これ以上さ、お前を好きなると……別れが怖いんだよ」
戦場ヶ原「……阿良々木君」
阿良々木「きっと、生きている限りはお前を忘れられない。記憶だって色あせさせない自信がある。今までだって、お前との思い出は大事にしてある」
戦場ヶ原「やばい、かっこよすぎ……」
阿良々木「だからって、僕は将来自殺をする訳にもいかない。僕一人の命じゃないから」
戦場ヶ原「……」
阿良々木「だから、これ以上お前を好きになる前に、別れてしまえばって……はは、本当に僕って最低な奴だ、臆病者だな」
戦場ヶ原「そうね、その通りだわ」
阿良々木「ああ、そうだ……」
158 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 02:03:43.67 ID:DpK0G6630
阿良々木「これでわかっただろ。僕がお前と別れたい理由をさ」
戦場ヶ原「わかったわ」
阿良々木「じゃあ、これでさよならだ」
戦場ヶ原「あなたは何を言っているのかしら?」
阿良々木「……は?」
戦場ヶ原「そんなあなたの身勝手な理由で別れるとでも思っているのかしら。このど低脳は本当にどうしようもないわ。あなた本当に人間?」
阿良々木「いや、吸血鬼だ。というか突然元気になったな戦場ヶ原……」
戦場ヶ原「元気じゃないわ。というかこれは照れ隠し」
阿良々木「はぁ?」
戦場ヶ原「そんな、数百年先の未来まで続く愛の告白を受けて喜ばない女なんていないわ。少なくとも私は嬉しいと思うけれど」
阿良々木「……お前って本当に変わっているよな」
160 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 02:07:47.19 ID:DpK0G6630
戦場ヶ原「それに、これで二度目よ。あなたの前で泣いてしまったの」
阿良々木「確かに」
戦場ヶ原「一度目はまぁいいとしましょう。でも、今回のは許せない。忘れなさい、私が泣いてしまったこと」
阿良々木「なんでだよ」
戦場ヶ原「……私は普通の人間だもの、あと70年くらいすれば死ぬかもしれない」
阿良々木「……」
戦場ヶ原「だから、私の残りの人生において、あなたの前だけでは笑顔であり続けるわ」
阿良々木「どうしてだよ」
戦場ヶ原「そうすれば、あなたは私と過ごした幸せな記憶を胸に抱いて生きていけるじゃない」
阿良々木「……戦場ヶ原」
戦場ヶ原「悔しいかしら。一度は泣かしたはずの女が、常に笑顔でしか思い出せなくなってしまうなんて」
阿良々木「……ああ、悔しいさ!」
164 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 02:11:25.77 ID:DpK0G6630
戦場ヶ原「だから阿良々木君、わたしと今別れるなんて言わないで頂戴」
阿良々木「戦場ヶ原、お前」
戦場ヶ原「私が死んでしまった先でも、私を思い出す度に幸せな気持ちになれるように呪いをかける必要があるんだもの」
阿良々木「……そうか、俺は呪われる必要があるんだな」
戦場ヶ原「ええそうよ、その通りよ。だから、これからもずっと宜しくお願いするわ」
阿良々木「そこまで言われてしまったら、僕も言い返すことができなくなるな。ああ、よろしく。死が二人を分かつそのときまで」
169 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 02:13:52.97 ID:DpK0G6630
―――――
――――――――・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
~~~数百年後~~~
忍「カカ、お前様、どうしたんじゃ? 空ばかり見上げてにやにやしおって」
暦「ああ、昔のことを思い出していたんだよ」
fin
175 ◆jwzTa4PnO. 2012/02/25(土) 02:15:47.19 ID:DpK0G6630
終わりましたぜ
いままで読んでくれてサンクス!
西尾のSSは初めて書いたけど楽しかった><
ガハラさんが一番好きです><
いままで読んでくれてサンクス!
西尾のSSは初めて書いたけど楽しかった><
ガハラさんが一番好きです><
183 PRまーみん ◆DQBsFF3IrQ 2012/02/25(土) 02:18:03.80 ID:W4ETxOt1O
乙でした
ガハラさんの色んな一面が見れて可愛くて仕方なかったよ
また書いてね
ガハラさんの色んな一面が見れて可愛くて仕方なかったよ
また書いてね
185 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 02:20:29.51 ID:DpK0G6630
190 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 02:28:43.32 ID:44Wa6vd00
これで原作未読か、大した奴だ・・・
194 忍法帖【Lv=5,xxxP】 2012/02/25(土) 02:33:15.31 ID:yShEM4Sv0
素直に文才に感心した
乙
乙
197 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/25(土) 02:36:11.77 ID:h1Ot5LJuO
素晴らしい乙
Entry ⇒ 2012.03.01 | Category ⇒ 化物語SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
女「どうせ、一人寂しく過ごしてるんでしょ?」
元スレ:女「どうせ、一人寂しく過ごしてるんでしょ?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329563778/
女「でもさ、ゆく年くる年って、年の部分を人に変えたらなんか嫌な言葉だよね」
男「ん?行く人来る人ってことか?別に嫌な言葉だとは思わないけど」
別れがあって、新しい出会いがある。
そんな感じの意味に、捉えることが出来ると思う。
それは、特に嫌な言葉ではなく、むしろなにか良い言葉のような、そんな感じにさえ思える。
女「逝く人来る人って、どうなのかなって」
男「なんか重い!」
逝く人とかやめてくれ!
まあ人が逝って、新しい人が生まれて来ると考えれば、それは自然の摂理であって、確かにそうなのだけれども。
でも今までの展開から、話の重さが変わりすぎだろう。
女「まあそれは冗談として、行く人来る人って、行く年来る年と違って、必ずじゃないんだよね」
男「?」
・・・
男「落ち着いたか?」
女「うん・・・。さっきはごめんね」
男「まあ別にかまわないけど・・・。」
あれから周りの目が気になって、仕方なかったけどな。
どこからともなく、「若いっていいなー」みたいな声が聞こえ始めたときは、恥ずかしくて逃げ出したかったよ。
女「やっと男からその言葉を聞けて、つい嬉しくなっちゃって・・・」
男「だからって泣くなよ・・・」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329563778/
1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 20:16:18.50 ID:Zg3Yn1Fd0
12月31日。
今日は、世間で言う大晦日というやつだ。
世間でなんて、まるで他人事のような言い方をしてはみたが、なにも俺が12月31日を、大晦日と呼んでいないと言うわけではない。
12月31日、それは俺からしたって、むしろ誰からしたって、大晦日は大晦日だろう。
ただ、誰からしたって大晦日は大晦日なわけだが、誰もが同じ大晦日なわけではないだろう。
俺が過ごす大晦日、他の人間が過ごす大晦日、同じ大晦日であっても、全く別の大晦日なのだ。
例えば、家族と過ごしたり、恋人と過ごしたり、友達と過ごしたりなど、その人によって様々だ。
今例えに出したのは、誰かと過ごす者であったが、それは大半の人間がそうであろうと思ったからだ。
一人で過ごす者もいるだろうが、それはたぶん少数だろう。
統計を取ったわけではないので、本当のところどうなのかはわからないが。
ただ俺が悲観して、そう思い込んでいるだけなのかもしれない。
・・・悲観して。
そう、俺は悲観している。
今日は、世間で言う大晦日というやつだ。
世間でなんて、まるで他人事のような言い方をしてはみたが、なにも俺が12月31日を、大晦日と呼んでいないと言うわけではない。
12月31日、それは俺からしたって、むしろ誰からしたって、大晦日は大晦日だろう。
ただ、誰からしたって大晦日は大晦日なわけだが、誰もが同じ大晦日なわけではないだろう。
俺が過ごす大晦日、他の人間が過ごす大晦日、同じ大晦日であっても、全く別の大晦日なのだ。
例えば、家族と過ごしたり、恋人と過ごしたり、友達と過ごしたりなど、その人によって様々だ。
今例えに出したのは、誰かと過ごす者であったが、それは大半の人間がそうであろうと思ったからだ。
一人で過ごす者もいるだろうが、それはたぶん少数だろう。
統計を取ったわけではないので、本当のところどうなのかはわからないが。
ただ俺が悲観して、そう思い込んでいるだけなのかもしれない。
・・・悲観して。
そう、俺は悲観している。
5 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 20:19:55.43 ID:Zg3Yn1Fd0
なぜならば、俺はその少数派だと思われる中の、一人なのだから。
まあ散々周りくどく説明はしてきたが、ここまでのことを簡潔に説明するならば、
「俺は大晦日に一人でいる。」
ただそれだけ。
それだけの状況を説明するだけで、これだけ長くかかってしまったのは、俺がこの現実を受け入れるのが嫌だったからだろう。
なんてかっこよく振る舞ってみたものの、結局のところ、俺は寂しいだけなのだ。
大学に入って初めての大晦日。
そして、俺がこのアパートで一人暮らしを始めて、初めての大晦日。
悲しいことに、俺には恋人なんてものはいない。
さすがに友達はいるが、今日は声がかからなかった。
まあ散々周りくどく説明はしてきたが、ここまでのことを簡潔に説明するならば、
「俺は大晦日に一人でいる。」
ただそれだけ。
それだけの状況を説明するだけで、これだけ長くかかってしまったのは、俺がこの現実を受け入れるのが嫌だったからだろう。
なんてかっこよく振る舞ってみたものの、結局のところ、俺は寂しいだけなのだ。
大学に入って初めての大晦日。
そして、俺がこのアパートで一人暮らしを始めて、初めての大晦日。
悲しいことに、俺には恋人なんてものはいない。
さすがに友達はいるが、今日は声がかからなかった。
8 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 20:23:04.97 ID:Zg3Yn1Fd0
別に友達が少ないとか、俺だけ声がかからなかったとか、そういうわけではないので、勘違いしないでほしい。
友達がいるからと言って、必ず大晦日に声がかかるわけではないだろう。
だからと言って、俺から友達に声をかけるとか、そんな積極性を俺は持ち合わせてはいないので、こうして一人、予定もなく家にいるのだ。
去年までは、予定がなくとも、半ば強制イベントでもあるかのように、家族と過ごしたりしていた。
ただ、今年は違う。
予定がないというのは、一人で過ごすと同義になってしまうのである。
大晦日なのだから、予定がなければ実家に帰ればいいんじゃないか?と思うかもしれない。
しかしそれは、貧乏学生の俺にとっては、難しいことなのだ。
俺が今住んでいるところは、実家のある田舎まで、新幹線で一時間半といったところだ。
さっきは難しいなんて言ったが、実際は難しくなんてないだろう。
帰ろうと思えばすぐ帰れるし、その分のお金がないわけでもない。
友達がいるからと言って、必ず大晦日に声がかかるわけではないだろう。
だからと言って、俺から友達に声をかけるとか、そんな積極性を俺は持ち合わせてはいないので、こうして一人、予定もなく家にいるのだ。
去年までは、予定がなくとも、半ば強制イベントでもあるかのように、家族と過ごしたりしていた。
ただ、今年は違う。
予定がないというのは、一人で過ごすと同義になってしまうのである。
大晦日なのだから、予定がなければ実家に帰ればいいんじゃないか?と思うかもしれない。
しかしそれは、貧乏学生の俺にとっては、難しいことなのだ。
俺が今住んでいるところは、実家のある田舎まで、新幹線で一時間半といったところだ。
さっきは難しいなんて言ったが、実際は難しくなんてないだろう。
帰ろうと思えばすぐ帰れるし、その分のお金がないわけでもない。
11 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 20:25:58.81 ID:Zg3Yn1Fd0
ただ、そこはやはり貧乏学生。
少しでもお金を残して、自分のお小遣いとして使いたいのだ。
言わば節約というやつである。
決してケチなわけではない。
これはあくまで節約なのだ。
男「・・・うん、節約」
まるで自分にそう言い聞かせるかのように、そう呟いた。
そう自分に言い聞かせなければ、男一人で大晦日を過ごすという寂しさ、虚しさが、どんどんとこみ上げてくるからだ。
・・・まあそう言い聞かせていること自体、とても虚しいことではあるような気がするけれども。
少しでもお金を残して、自分のお小遣いとして使いたいのだ。
言わば節約というやつである。
決してケチなわけではない。
これはあくまで節約なのだ。
男「・・・うん、節約」
まるで自分にそう言い聞かせるかのように、そう呟いた。
そう自分に言い聞かせなければ、男一人で大晦日を過ごすという寂しさ、虚しさが、どんどんとこみ上げてくるからだ。
・・・まあそう言い聞かせていること自体、とても虚しいことではあるような気がするけれども。
13 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 20:28:49.77 ID:Zg3Yn1Fd0
男「とりあえずテレビでもつけるか・・・」
この虚しさを少しでも和らげようと、テレビをつける。
一通りチャンネルを回してみたが、どの番組も年越しの特番をやっていた。
芸能人たちが、ワイワイと楽しそうにしている様子が、テレビに映し出しされている。
男「はは・・・。大晦日の番組って、こんなにおもしろくなかったっけ」
去年までは、大晦日の番組は普段の番組と違うという理由で、どこか楽しみで、おもしろかったような気がする。
それが今は、ただただ虚しさがこみ上げてくるだけのような気がした。
しかし、ここでテレビを消しても、部屋が静かになるだけで、余計虚しくなるだけのような気がしたので、とりあえずそのままテレビを見ることにした。
男「はあ・・・。年明けまであと一時間ってとこか」
時計を見ると、時刻は夜の11時をまわっていた。
年が明けたからといって、なにが起こるというわけでもないのだが、とりあえず年が明けるまでは起きているつもりでいた。
ピンポーン
この虚しさを少しでも和らげようと、テレビをつける。
一通りチャンネルを回してみたが、どの番組も年越しの特番をやっていた。
芸能人たちが、ワイワイと楽しそうにしている様子が、テレビに映し出しされている。
男「はは・・・。大晦日の番組って、こんなにおもしろくなかったっけ」
去年までは、大晦日の番組は普段の番組と違うという理由で、どこか楽しみで、おもしろかったような気がする。
それが今は、ただただ虚しさがこみ上げてくるだけのような気がした。
しかし、ここでテレビを消しても、部屋が静かになるだけで、余計虚しくなるだけのような気がしたので、とりあえずそのままテレビを見ることにした。
男「はあ・・・。年明けまであと一時間ってとこか」
時計を見ると、時刻は夜の11時をまわっていた。
年が明けたからといって、なにが起こるというわけでもないのだが、とりあえず年が明けるまでは起きているつもりでいた。
ピンポーン
16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 20:31:27.01 ID:Zg3Yn1Fd0
インターホンの音。
テレビの音しか聞こえないこの部屋に、突然無機質な機械音が鳴り響く。
男「こんな時間に、しかも大晦日に一体誰だ?ピザなんて頼んだ覚えはないけど・・・」
本当にピザの配達が来たのだと思ったわけではないが、そんなことを口に出してみた。
言ってみただけだ。
一人暮らしをしていると、自然と独り言も多くなってしまうものだ。
男「はいはーい。今開けまーす」
そう言って、俺は誰が来たのかを確認することもなく、ドアノブに手をかける。
多少無防備なような気もするが、男の一人暮らしなんてこんなものだろう。
これが若い女の子だったのなら、無防備すぎるとも思うが。
ガチャッ
男「どちらさまでしょ―」
言葉がそこで止まってしまう。
テレビの音しか聞こえないこの部屋に、突然無機質な機械音が鳴り響く。
男「こんな時間に、しかも大晦日に一体誰だ?ピザなんて頼んだ覚えはないけど・・・」
本当にピザの配達が来たのだと思ったわけではないが、そんなことを口に出してみた。
言ってみただけだ。
一人暮らしをしていると、自然と独り言も多くなってしまうものだ。
男「はいはーい。今開けまーす」
そう言って、俺は誰が来たのかを確認することもなく、ドアノブに手をかける。
多少無防備なような気もするが、男の一人暮らしなんてこんなものだろう。
これが若い女の子だったのなら、無防備すぎるとも思うが。
ガチャッ
男「どちらさまでしょ―」
言葉がそこで止まってしまう。
17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 20:34:29.04 ID:Zg3Yn1Fd0
一瞬なにが起こっているのか、わからなかった。
なぜなら、ドアの向こうにいたのは、よく見知った顔だったからだ。
いや、それだけの理由では、普通はこんな反応にはならないだろう。
俺がこんな反応をしてしまった理由は、よく見知った顔ではあるが、ここにいるのがおかしい人物であったからだ。
「久しぶり。来ちゃった」
いやいやいやいや。
来ちゃったじゃねえよ。
そんなこと、現実で言ってるやつ初めて見たから。
って重要なのは、そこではない。
男「なんで女がここにいるんだ・・・?」
なぜなら、ドアの向こうにいたのは、よく見知った顔だったからだ。
いや、それだけの理由では、普通はこんな反応にはならないだろう。
俺がこんな反応をしてしまった理由は、よく見知った顔ではあるが、ここにいるのがおかしい人物であったからだ。
「久しぶり。来ちゃった」
いやいやいやいや。
来ちゃったじゃねえよ。
そんなこと、現実で言ってるやつ初めて見たから。
って重要なのは、そこではない。
男「なんで女がここにいるんだ・・・?」
18 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 20:37:48.52 ID:Zg3Yn1Fd0
今目の前に立っているのは、小、中、高と一緒の学校だった、女だ。
実家から家も近く、いわゆる幼馴染というやつなのだろうか。
・・・なのだろうかなんて、そんな疑問めいた感じで言ってみたものの、特になにか深い意味があるわけではない。
ごめんなさい。
ただ単に、恥ずかしかっただけです。
この歳で幼馴染どうこうなんなんて、恥ずかしかっただけです。
正真正銘の幼馴染というやつだ。
女「どうせ、一人寂しく過ごしてるんでしょ?」
女「だから、私が来てあげたんだよ」
そう言って、女は部屋を見渡し、
女「・・・やっぱりね」
と呟いた。
男「いやいや、やっぱりってなんだよ!と言うより、そもそもなんでお前がこんな所にいるんだよ!」
実家から家も近く、いわゆる幼馴染というやつなのだろうか。
・・・なのだろうかなんて、そんな疑問めいた感じで言ってみたものの、特になにか深い意味があるわけではない。
ごめんなさい。
ただ単に、恥ずかしかっただけです。
この歳で幼馴染どうこうなんなんて、恥ずかしかっただけです。
正真正銘の幼馴染というやつだ。
女「どうせ、一人寂しく過ごしてるんでしょ?」
女「だから、私が来てあげたんだよ」
そう言って、女は部屋を見渡し、
女「・・・やっぱりね」
と呟いた。
男「いやいや、やっぱりってなんだよ!と言うより、そもそもなんでお前がこんな所にいるんだよ!」
19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 20:40:19.51 ID:Zg3Yn1Fd0
女がここにいるはずがない。
それは、こいつが小、中、高と一緒だった、地元の幼馴染だからである。
さすがに大学までは一緒ではない。
こいつは、高校を卒業したあと、地元を出て、都会の大学へと進学したはずだ。
まあここも地元に比べれば、十分都会ではあるのだが、それよりももっと都会。
俺よりも、地元より遠いところに行ったはずだ。
その女がどうしてここに?
女「久しぶりに会ったのに、その言い方酷いよ!」
久しぶり、その通りだ。
俺は高校を卒業してから、女と会うどころか、連絡すらろくにとっていなかった。
なのでもちろん、俺の住んでいるアパートの場所だって、教えた覚えはないのだ。
いくら幼馴染と言えど、住むところが別になってしまえば、そんなものだろう。
それは、こいつが小、中、高と一緒だった、地元の幼馴染だからである。
さすがに大学までは一緒ではない。
こいつは、高校を卒業したあと、地元を出て、都会の大学へと進学したはずだ。
まあここも地元に比べれば、十分都会ではあるのだが、それよりももっと都会。
俺よりも、地元より遠いところに行ったはずだ。
その女がどうしてここに?
女「久しぶりに会ったのに、その言い方酷いよ!」
久しぶり、その通りだ。
俺は高校を卒業してから、女と会うどころか、連絡すらろくにとっていなかった。
なのでもちろん、俺の住んでいるアパートの場所だって、教えた覚えはないのだ。
いくら幼馴染と言えど、住むところが別になってしまえば、そんなものだろう。
21 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 20:43:14.45 ID:Zg3Yn1Fd0
地元の知り合いなんて、仲が良かったとしても、会わなくなれば、自然と疎遠になっていくものだ。
実際、地元では俺達は仲が良かった。
むしろ、仲が良すぎるくらいだったのだろう。
二人でいることが多かったので、よく付き合っているものだと、勘違いされていたくらいだ。
実際はそんなことはなく、俺と女が付き合うことはなかった。
いや、形にしてして付き合うことはなかったものの、実際は付き合っているのと同じだったのかもしれない。
俺は女のことを嫌いではなかったし、女も俺のことを嫌いではなかった。
・・・嫌いではなかったなんて、じゃあ好きでもなかったのかよ、なんて言われそうだが。
自分で言うのもなんだが、俺は恥ずかしかったりすると、少し見栄を張るくせがある。
ごめんなさい。
見栄を張らずに、正確に言うのであれば、俺達はお互い好きあっていたのだ。
両想いというやつだ。
実際、地元では俺達は仲が良かった。
むしろ、仲が良すぎるくらいだったのだろう。
二人でいることが多かったので、よく付き合っているものだと、勘違いされていたくらいだ。
実際はそんなことはなく、俺と女が付き合うことはなかった。
いや、形にしてして付き合うことはなかったものの、実際は付き合っているのと同じだったのかもしれない。
俺は女のことを嫌いではなかったし、女も俺のことを嫌いではなかった。
・・・嫌いではなかったなんて、じゃあ好きでもなかったのかよ、なんて言われそうだが。
自分で言うのもなんだが、俺は恥ずかしかったりすると、少し見栄を張るくせがある。
ごめんなさい。
見栄を張らずに、正確に言うのであれば、俺達はお互い好きあっていたのだ。
両想いというやつだ。
22 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 20:46:09.65 ID:Zg3Yn1Fd0
しかし、それをお互い確認したわけではない。
俺から女に好きだなんて言ったこともないし、女から好きだなんて言われたこともない。
じゃあお前の片思いだろ!変な妄想してんじゃねえよ!
と思うかもしれないけれど、というより、大半がそう思うだろうけれど。
しかし、俺達は両想いだった、と俺は断定できる。
なにかそう断定出来る、確たる理由があるわけではないのだが、俺にはわかるのだ。
なんでわかるんだよと言われても、わかるものはわかるのだから、そうとしか言いようがない。
それは女も同じだろう。
女も、俺が女のことを好きだったことなんて、わかっていたはずだ。
しかし、俺達はそれを、お互い口にすることはなかった。
ではなぜ、俺達は両想いだとわかっていて、お互いそれを口にはしなかったのか。
簡単なことだ。
この微妙な距離感が、俺達にとって、とてもいい距離感だったというだけだ。
俺から女に好きだなんて言ったこともないし、女から好きだなんて言われたこともない。
じゃあお前の片思いだろ!変な妄想してんじゃねえよ!
と思うかもしれないけれど、というより、大半がそう思うだろうけれど。
しかし、俺達は両想いだった、と俺は断定できる。
なにかそう断定出来る、確たる理由があるわけではないのだが、俺にはわかるのだ。
なんでわかるんだよと言われても、わかるものはわかるのだから、そうとしか言いようがない。
それは女も同じだろう。
女も、俺が女のことを好きだったことなんて、わかっていたはずだ。
しかし、俺達はそれを、お互い口にすることはなかった。
ではなぜ、俺達は両想いだとわかっていて、お互いそれを口にはしなかったのか。
簡単なことだ。
この微妙な距離感が、俺達にとって、とてもいい距離感だったというだけだ。
23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 20:49:04.74 ID:Zg3Yn1Fd0
・・・と言うのも、ちょっと恥ずかしくて見栄を張りました。
ごめんなさい。
まあ見栄を張ったと言っても、嘘をついたと言うわけではない。
確かに、この微妙な距離感が、俺達にとっていい距離感だった、というのは本当だが、所詮それは後付けでしかない。
ただ単に、俺は女との関係が崩れるのが怖かっただけだ。
あまり女に近づきすぎて、俺達の関係を崩したくはなかった。
それならば、このままの距離感を保っていた方がいいだろうと、俺は思っていたのだ。
よく、友達以上恋人未満なんて言葉を聞くが、まさしく俺達は、それだったのかもしれない。
まあそれは、今となっては昔のことだ。
今さら女に好きとか嫌いとか、そういう感情を持ってはいない。
というより、全然連絡もとっていなかったので、そんな感情は、忘れてしまっていたのだろう。
それなのに、今ここに、こうして女が俺の前にいることが、不思議でしょうがなかった。
ごめんなさい。
まあ見栄を張ったと言っても、嘘をついたと言うわけではない。
確かに、この微妙な距離感が、俺達にとっていい距離感だった、というのは本当だが、所詮それは後付けでしかない。
ただ単に、俺は女との関係が崩れるのが怖かっただけだ。
あまり女に近づきすぎて、俺達の関係を崩したくはなかった。
それならば、このままの距離感を保っていた方がいいだろうと、俺は思っていたのだ。
よく、友達以上恋人未満なんて言葉を聞くが、まさしく俺達は、それだったのかもしれない。
まあそれは、今となっては昔のことだ。
今さら女に好きとか嫌いとか、そういう感情を持ってはいない。
というより、全然連絡もとっていなかったので、そんな感情は、忘れてしまっていたのだろう。
それなのに、今ここに、こうして女が俺の前にいることが、不思議でしょうがなかった。
24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 20:52:11.47 ID:Zg3Yn1Fd0
男「酷いとかじゃなくて、なんでお前が俺の部屋に来たのかを聞いてるんだよ!」
女「あー、そういうことか」
そういうことかって、むしろそれ以外になにがあるんだか、俺は聞いてみたい。
しかしここでそんなツッコミをしたならば、いつになっても本題を聞くことが出来なくなると思ったので、俺は我慢する。
女「男が一人で寂しそうにしてると思ったから、来たんだよ?」
男「そうじゃねえよ!!」
・・・ツッコんでしまった。
我慢していたこともあって、なかなかキレのあるツッコミだったと思う。
自画自賛だ。
そうでもしなければ、やってられない。
女「あー、そういうことか」
そういうことかって、むしろそれ以外になにがあるんだか、俺は聞いてみたい。
しかしここでそんなツッコミをしたならば、いつになっても本題を聞くことが出来なくなると思ったので、俺は我慢する。
女「男が一人で寂しそうにしてると思ったから、来たんだよ?」
男「そうじゃねえよ!!」
・・・ツッコんでしまった。
我慢していたこともあって、なかなかキレのあるツッコミだったと思う。
自画自賛だ。
そうでもしなければ、やってられない。
25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 20:54:52.42 ID:Zg3Yn1Fd0
男「・・・はあ」
俺はため息をつき、少し気持ちを落ち着かせる。
男「それはさっきも聞いたよ。こうなったら、一つずつ疑問点を解決していこう。OK?」
女「OK!」
男「じゃあまず一つ・・・っとその前に、そういえばここ玄関だったな」
そう言って、俺は自分達がまだ玄関で話していたことに気付いた。
玄関で長話もなんだろう。
これが全く知らない相手ならともかく、こいつは幼馴染だ。
部屋にあげることに、特に躊躇はない。
男「とりあえずあがれよ」
女「ありがとう」
なので俺は、ひとまず女を部屋にあげてから、詳しい話を聞くことにした。
俺はため息をつき、少し気持ちを落ち着かせる。
男「それはさっきも聞いたよ。こうなったら、一つずつ疑問点を解決していこう。OK?」
女「OK!」
男「じゃあまず一つ・・・っとその前に、そういえばここ玄関だったな」
そう言って、俺は自分達がまだ玄関で話していたことに気付いた。
玄関で長話もなんだろう。
これが全く知らない相手ならともかく、こいつは幼馴染だ。
部屋にあげることに、特に躊躇はない。
男「とりあえずあがれよ」
女「ありがとう」
なので俺は、ひとまず女を部屋にあげてから、詳しい話を聞くことにした。
26 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 20:58:07.14 ID:Zg3Yn1Fd0
女「へー。それなりに綺麗にしてるんだね」
男「まあな。というより、物がないだけだけどな」
女「ふーん」
そんな声をだしながら、女は部屋を見渡す。
あまりジロジロと見ないでほしい。
そんなに見られると、さすがに俺も恥ずかしくなってくる。
女「あ!それより、台所借りてもいい?」
男「台所?」
女「うん!やっぱり大晦日って言ったら、年越しそばでしょ!」
まあ確かにその通りだろう。
俺も年越しそばは食べるつもりでいたので、準備はしていたのだ。
まあカップ麺のものではあるが。
男「まあな。というより、物がないだけだけどな」
女「ふーん」
そんな声をだしながら、女は部屋を見渡す。
あまりジロジロと見ないでほしい。
そんなに見られると、さすがに俺も恥ずかしくなってくる。
女「あ!それより、台所借りてもいい?」
男「台所?」
女「うん!やっぱり大晦日って言ったら、年越しそばでしょ!」
まあ確かにその通りだろう。
俺も年越しそばは食べるつもりでいたので、準備はしていたのだ。
まあカップ麺のものではあるが。
29 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:01:51.46 ID:Zg3Yn1Fd0
男「これから作るのか?」
女「うん!」
そう言うと、女はゴソゴソと、自分で持ってきた荷物から、なにかを取り出す。
女「じゃーん!」
男「おお。年越しそばの材料か。準備いいな」
女「まあね!だから台所使っていい?」
男「まあ別にそれはかまわないけど・・・」
年越しそばを作ってくれるというのなら、それは是非ともよろしくお願いしますと言うところだ。
カップ麺で年を越すくらいなら、手作りの年越しそばで、年を越した方がいいに決まっている。
だから台所を貸すことについては、なんの問題もない。
貸すことについては、だ。
問題なのは、
男「まだ疑問点を解決していない!」
というところだ。
女「うん!」
そう言うと、女はゴソゴソと、自分で持ってきた荷物から、なにかを取り出す。
女「じゃーん!」
男「おお。年越しそばの材料か。準備いいな」
女「まあね!だから台所使っていい?」
男「まあ別にそれはかまわないけど・・・」
年越しそばを作ってくれるというのなら、それは是非ともよろしくお願いしますと言うところだ。
カップ麺で年を越すくらいなら、手作りの年越しそばで、年を越した方がいいに決まっている。
だから台所を貸すことについては、なんの問題もない。
貸すことについては、だ。
問題なのは、
男「まだ疑問点を解決していない!」
というところだ。
31 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:05:07.77 ID:Zg3Yn1Fd0
女「ああ、そういえば。でも早く作らないと、年越しに間に合わないから、作りながらでいい?」
男「いいけど・・・」
女「じゃあ台所借りるね」
そう言って女は台所の方に向かい、料理を始めた。
なんだか俺以外の人間が、この部屋で料理をしているなんて、とても不思議な光景のように思える。
男「じゃあとりあえず一つ目」
俺は料理をしている女の背中にむけて声をかける。
料理をしている人にむけて、手伝うわけでもなく、ただ質問をなげかけているだけだなんて、少し罪悪感のような気まずさを感じはしたが、仕方ないだろう。
女がそうしろと言ったわけだし。
男「なんで俺の住んでるところを知ってるんだ?」
女「それはおばさんから聞いたからだよ」
男「母さんから?」
男「いいけど・・・」
女「じゃあ台所借りるね」
そう言って女は台所の方に向かい、料理を始めた。
なんだか俺以外の人間が、この部屋で料理をしているなんて、とても不思議な光景のように思える。
男「じゃあとりあえず一つ目」
俺は料理をしている女の背中にむけて声をかける。
料理をしている人にむけて、手伝うわけでもなく、ただ質問をなげかけているだけだなんて、少し罪悪感のような気まずさを感じはしたが、仕方ないだろう。
女がそうしろと言ったわけだし。
男「なんで俺の住んでるところを知ってるんだ?」
女「それはおばさんから聞いたからだよ」
男「母さんから?」
32 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:08:03.60 ID:Zg3Yn1Fd0
女「うん。本当は私、年末年始は実家に帰るつもりだったから、しばらく前に実家に電話したんだ。そしたらうちのお母さんが、おばさんから男は帰って来ないって話を聞いたって言うから、私から男の実家に電話したの」
なんでそこで俺の実家に電話するんだよ。
なにか、色々と間違っていると思うのだが。
女「そしておばさんに聞いたら、男が帰って来ないって意地張ってるって言うから、なら私が様子を見に行きますってなったわけ」
男「なったわけ。って全然意味がわからねえよ!なんでそうなるんだよ!」
というより、そもそも俺は意地を張って帰らないと言っていたわけではない!
あくまで節約のためだ!
・・・節約のためだ!
女「そうは言うけど、おばさん男のこと心配してたよ?全然帰ってこないし、それどころか連絡すらくれないって」
男「まあそれは悪いとは思ってるけど・・・」
女「だから、私が様子を見てくるので安心してくださいって話になったの。それならおばさんも、少しは安心だって言ってくれたから」
なんでそこで俺の実家に電話するんだよ。
なにか、色々と間違っていると思うのだが。
女「そしておばさんに聞いたら、男が帰って来ないって意地張ってるって言うから、なら私が様子を見に行きますってなったわけ」
男「なったわけ。って全然意味がわからねえよ!なんでそうなるんだよ!」
というより、そもそも俺は意地を張って帰らないと言っていたわけではない!
あくまで節約のためだ!
・・・節約のためだ!
女「そうは言うけど、おばさん男のこと心配してたよ?全然帰ってこないし、それどころか連絡すらくれないって」
男「まあそれは悪いとは思ってるけど・・・」
女「だから、私が様子を見てくるので安心してくださいって話になったの。それならおばさんも、少しは安心だって言ってくれたから」
33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:11:48.76 ID:Zg3Yn1Fd0
なるほど。
つまり、母さんが俺を心配していたから、代わりに女が来たというわけか。
どうやら俺は、母さんにも女にも、迷惑をかけてしまったようだ。
なんだか突然、申し訳ないような気持ちでいっぱいになる。
男「でもそう言うことなら、なんで来る前に俺に連絡しなかったんだ?俺に予定があって、この部屋にいなかったら大変だったろ?」
女「それは大丈夫!」
男「大丈夫?」
自信満々といった感じだ。
それこそ、津波でも押し寄せてくるんじゃないかと思うほど、溢れんばかりの自信がある、といった感じだ。
つまり、母さんが俺を心配していたから、代わりに女が来たというわけか。
どうやら俺は、母さんにも女にも、迷惑をかけてしまったようだ。
なんだか突然、申し訳ないような気持ちでいっぱいになる。
男「でもそう言うことなら、なんで来る前に俺に連絡しなかったんだ?俺に予定があって、この部屋にいなかったら大変だったろ?」
女「それは大丈夫!」
男「大丈夫?」
自信満々といった感じだ。
それこそ、津波でも押し寄せてくるんじゃないかと思うほど、溢れんばかりの自信がある、といった感じだ。
34 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:14:51.11 ID:Zg3Yn1Fd0
俺に予定がないことを、事前に知っていたのだろうか?
実家にも、そこまでは言っていなかったはずだけれど・・・。
女「男が一人寂しく家にいる姿が、容易に想像出来たからね」
男「ただの予想!?」
女「というより、むしろその姿しか浮かばなかったよ」
男「失礼!」
ただの予想だけで、女はあそこまで自信ありげにしていたっていうのか!?
そこまで自信たっぷりに、一人だと思われる俺って・・・。
女「男って友達いないの?」
男「いるよ!というか、もう俺を傷つけるのはやめて!」
これ以上は、俺の繊細な心がもたないから!
実家にも、そこまでは言っていなかったはずだけれど・・・。
女「男が一人寂しく家にいる姿が、容易に想像出来たからね」
男「ただの予想!?」
女「というより、むしろその姿しか浮かばなかったよ」
男「失礼!」
ただの予想だけで、女はあそこまで自信ありげにしていたっていうのか!?
そこまで自信たっぷりに、一人だと思われる俺って・・・。
女「男って友達いないの?」
男「いるよ!というか、もう俺を傷つけるのはやめて!」
これ以上は、俺の繊細な心がもたないから!
35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:17:54.43 ID:Zg3Yn1Fd0
女「なんて、冗談だよ」
男「え?」
冗談?
よかった・・・。
大晦日に、一人でいる姿しか想像出来ないような、そんな人間に思われているなんて、とてもじゃないが悲しすぎる。
女「さすがに、友達がいないわけはないよね!」
男「そこ!?」
女「え・・・?本当にいなかったの・・・?」
男「いや、そうじゃないから!そういうつもりで言ったわけじゃないから!」
だから、そんな哀れみの目で俺を見るのはやめてくれ!
友達は本当に、ちゃんといるから!
というか、俺が一人でいる姿しか想像出来ないって言うのは、冗談じゃなかったのかよ!
男「え?」
冗談?
よかった・・・。
大晦日に、一人でいる姿しか想像出来ないような、そんな人間に思われているなんて、とてもじゃないが悲しすぎる。
女「さすがに、友達がいないわけはないよね!」
男「そこ!?」
女「え・・・?本当にいなかったの・・・?」
男「いや、そうじゃないから!そういうつもりで言ったわけじゃないから!」
だから、そんな哀れみの目で俺を見るのはやめてくれ!
友達は本当に、ちゃんといるから!
というか、俺が一人でいる姿しか想像出来ないって言うのは、冗談じゃなかったのかよ!
36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:22:03.69 ID:Zg3Yn1Fd0
女「でも、どうせ彼女はいないんでしょ?」
男「どうせってなんだよ。勝手に決め付けんなよ」
女「じゃあいるの?」
男「・・・いないけど」
女「だろうね」
男「だろうねってなんだよ!」
女と話していると、本当に疲れる。
でもその反面、なにか癒されるような、居心地がいいような、そんな不思議な気分になるのも事実だ。
俺は昔から、女といるこの雰囲気が、好きだったのだ。
男「どうせってなんだよ。勝手に決め付けんなよ」
女「じゃあいるの?」
男「・・・いないけど」
女「だろうね」
男「だろうねってなんだよ!」
女と話していると、本当に疲れる。
でもその反面、なにか癒されるような、居心地がいいような、そんな不思議な気分になるのも事実だ。
俺は昔から、女といるこの雰囲気が、好きだったのだ。
37 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:25:14.01 ID:Zg3Yn1Fd0
男「そういうお前こそ、彼氏なんていないんだろ?」
女「どっちだと思う?」
男「なんで質問に質問で返してくるんだよ・・・。というか、どっちもなにも、初めから彼氏いないんだろ?って聞いてるだろ?」
女「ふふっ。ご想像にお任せします」
男「え・・・?もしかしているのか・・・?」
ドクンと、心臓が高鳴ったような気がした。
女の意味深な言い方に、動揺してしまったのだろうか。
もし彼氏がいたところで、今さら俺には関係のないことのはずなのに。
女「いるわけないじゃん。もうちょっと考えようよ」
男「ってじゃあ最初からそう言えよ!少し焦っただろ!」
女「焦った?」
男「あ・・・」
女「どっちだと思う?」
男「なんで質問に質問で返してくるんだよ・・・。というか、どっちもなにも、初めから彼氏いないんだろ?って聞いてるだろ?」
女「ふふっ。ご想像にお任せします」
男「え・・・?もしかしているのか・・・?」
ドクンと、心臓が高鳴ったような気がした。
女の意味深な言い方に、動揺してしまったのだろうか。
もし彼氏がいたところで、今さら俺には関係のないことのはずなのに。
女「いるわけないじゃん。もうちょっと考えようよ」
男「ってじゃあ最初からそう言えよ!少し焦っただろ!」
女「焦った?」
男「あ・・・」
38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:28:16.58 ID:Zg3Yn1Fd0
無意識のうちに、つい口にでてしまった言葉だった。
つまり、これが俺の本音なのであろう。
俺はいまだに、女が好きなのだ。
考えてもみれば、当然であろう。
俺はただ単に、しばらく会ってもいなかった女への想いを、忘れていただけなのだ。
忘れていただけで、無くしていたわけではない。
それを久しぶりに女に会って、女への想いを見つけ出して、思い出しただけ。
女「ふふっ。でも私もちょっと安心したかな」
男「え?それってどういう―」
女「出来た!年越しそば完成だよ!」
どうやら年越しそばが、出来あがったようだった。
どうだ!と言わんばかりの勢いで、女は俺のことを見ながら声をあげる。
その声に、俺の疑問の声はかき消されてしまった。
つまり、これが俺の本音なのであろう。
俺はいまだに、女が好きなのだ。
考えてもみれば、当然であろう。
俺はただ単に、しばらく会ってもいなかった女への想いを、忘れていただけなのだ。
忘れていただけで、無くしていたわけではない。
それを久しぶりに女に会って、女への想いを見つけ出して、思い出しただけ。
女「ふふっ。でも私もちょっと安心したかな」
男「え?それってどういう―」
女「出来た!年越しそば完成だよ!」
どうやら年越しそばが、出来あがったようだった。
どうだ!と言わんばかりの勢いで、女は俺のことを見ながら声をあげる。
その声に、俺の疑問の声はかき消されてしまった。
39 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:31:07.39 ID:Zg3Yn1Fd0
女「じゃああっちの部屋に持って行って食べよ?」
男「ああ・・・。そうだな」
そう言って、俺達はそばを持って、テーブルを囲むように座る。
テーブルなんて言ってはみたが、所謂こたつだ。
冬を乗り切る為には、このこたつという物は、欠かせないアイテムである。
これさえあれば、他の暖房器具はいらないと言ってもいい。
・・・なんて、また見栄を張ってしまった。
いくらこたつがあっても、他の暖房器具がいらないなんてことはないだろう。
ただ、見栄を張ったのではあるのだが、これは事実でもある。
どういうことかというと、俺の家には、こたつ以外の暖房器具がないのである。
こたつがあるから他の暖房器具なんていらない、と思ってそうしているのではなく、節約の為にそうしているだけだ。
ケチなのではなく、節約をしているだけだ。
俺は倹約家なのだ。
男「ああ・・・。そうだな」
そう言って、俺達はそばを持って、テーブルを囲むように座る。
テーブルなんて言ってはみたが、所謂こたつだ。
冬を乗り切る為には、このこたつという物は、欠かせないアイテムである。
これさえあれば、他の暖房器具はいらないと言ってもいい。
・・・なんて、また見栄を張ってしまった。
いくらこたつがあっても、他の暖房器具がいらないなんてことはないだろう。
ただ、見栄を張ったのではあるのだが、これは事実でもある。
どういうことかというと、俺の家には、こたつ以外の暖房器具がないのである。
こたつがあるから他の暖房器具なんていらない、と思ってそうしているのではなく、節約の為にそうしているだけだ。
ケチなのではなく、節約をしているだけだ。
俺は倹約家なのだ。
42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:33:33.10 ID:Zg3Yn1Fd0
そんなことを考えていると、
女「さっきから思ってたんだけど、男の部屋って寒いよね?ファンヒーターとかってないの?」
と、女が聞いてきた。
なんてタイムリーな質問なんだ。
こいつは俺の心が読めるのか?
などと一瞬思ったが、俺の部屋は冗談抜きで寒いのだ。
その寒さゆえに、純粋に出てきた疑問なのだろう。
男「残念ながらこたつしかないよ。賢く節約ってやつかな?」
女「ふーん。部屋だけじゃなくて、懐まで寒いんだ」
余計なお世話だ!
別にお金がないんじゃなくて、節約してるだけなんだって!
女「さっきから思ってたんだけど、男の部屋って寒いよね?ファンヒーターとかってないの?」
と、女が聞いてきた。
なんてタイムリーな質問なんだ。
こいつは俺の心が読めるのか?
などと一瞬思ったが、俺の部屋は冗談抜きで寒いのだ。
その寒さゆえに、純粋に出てきた疑問なのだろう。
男「残念ながらこたつしかないよ。賢く節約ってやつかな?」
女「ふーん。部屋だけじゃなくて、懐まで寒いんだ」
余計なお世話だ!
別にお金がないんじゃなくて、節約してるだけなんだって!
44 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:36:06.47 ID:Zg3Yn1Fd0
女「寒いから、早くそばでも食べて温まろ?」
男「はいはい。寒くて悪かったですね。ったく・・・いただきます」
一々こいつの言葉には、棘があるような気がする。
まあそれは、女が俺に心を許しているという表れなのだろうけど。
というより、そうでなければ俺が不憫すぎる。
ズルッ
男「うまい・・・」
女「本当に!?よかったー」
女は、俺が食べるのをジッと見つめていたようで、俺のうまいと言う言葉を聞くと、とても嬉しそうに笑顔をむけた。
そして一通り喜んだあと、女もいただきますと、笑顔でそばを食べ始めた。
それにしても、本当においしい。
女ってこんなに料理うまかったっけ?
男「はいはい。寒くて悪かったですね。ったく・・・いただきます」
一々こいつの言葉には、棘があるような気がする。
まあそれは、女が俺に心を許しているという表れなのだろうけど。
というより、そうでなければ俺が不憫すぎる。
ズルッ
男「うまい・・・」
女「本当に!?よかったー」
女は、俺が食べるのをジッと見つめていたようで、俺のうまいと言う言葉を聞くと、とても嬉しそうに笑顔をむけた。
そして一通り喜んだあと、女もいただきますと、笑顔でそばを食べ始めた。
それにしても、本当においしい。
女ってこんなに料理うまかったっけ?
45 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:38:46.86 ID:Zg3Yn1Fd0
男「料理の勉強でも始めたのか?」
女「まあね。でもまだ、レパートリーは年越しそばしかないんだけどね」
男「少なっ!」
というか、それを果たしてレパートリーと言っていいのか!?
レパートリーもなにも、年越しそば限定じゃねえか!
作れるのが、年越しそば限定ってなんだよ!
そんな奴、日本中を探したってなかなか見つからねえよ!
・・・・・・たぶん。
男「それにしても、なんで年越しそばなんだ?他にも色々と料理はあるだろ。なにも、こんな大晦日にしか食べないような料理を、わざわざ最初に勉強しなくても・・・」
女「大晦日にしか食べないからだよ」
男「え?」
女「それじゃちょっと違うか。どちらかと言うと、大晦日に食べるから、かな」
女「まあね。でもまだ、レパートリーは年越しそばしかないんだけどね」
男「少なっ!」
というか、それを果たしてレパートリーと言っていいのか!?
レパートリーもなにも、年越しそば限定じゃねえか!
作れるのが、年越しそば限定ってなんだよ!
そんな奴、日本中を探したってなかなか見つからねえよ!
・・・・・・たぶん。
男「それにしても、なんで年越しそばなんだ?他にも色々と料理はあるだろ。なにも、こんな大晦日にしか食べないような料理を、わざわざ最初に勉強しなくても・・・」
女「大晦日にしか食べないからだよ」
男「え?」
女「それじゃちょっと違うか。どちらかと言うと、大晦日に食べるから、かな」
47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:41:39.49 ID:Zg3Yn1Fd0
男「大晦日に食べるから?そんなに大晦日を大切にしてるのか?」
大晦日には、年越しそばを絶対食べなければいけないとか、そういうことなのだろうか。
昔から女はそうだったか?
そんな記憶はなかったと思うけど・・・。
女「・・・ばーか」
男「いきなりばか呼ばわり!?この流れで!?」
女「この流れだからだよ。なんでわからないかな・・・。そんなことだから、彼女できないんだよ」
男「なっ・・・!できないんじゃなくて、作らないんだよ!」
女「また強がり?男はすぐ見栄張るからね」
さすが幼馴染。
よくご存知でらっしゃる。
でもこれは見栄を張っているわけではない。
本当に作らないんだ。
大晦日には、年越しそばを絶対食べなければいけないとか、そういうことなのだろうか。
昔から女はそうだったか?
そんな記憶はなかったと思うけど・・・。
女「・・・ばーか」
男「いきなりばか呼ばわり!?この流れで!?」
女「この流れだからだよ。なんでわからないかな・・・。そんなことだから、彼女できないんだよ」
男「なっ・・・!できないんじゃなくて、作らないんだよ!」
女「また強がり?男はすぐ見栄張るからね」
さすが幼馴染。
よくご存知でらっしゃる。
でもこれは見栄を張っているわけではない。
本当に作らないんだ。
48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:44:26.68 ID:Zg3Yn1Fd0
なぜなら―
男「俺はお前のことがっ・・・!」
女「え・・・?わ・・・私のことが・・・?」
男「うっ・・・・・えっと・・・・・・し、心配!そう!心配だからだよ!」
―心配だから。
そんな訳がない。
そんな訳のわからない理由の訳がない。
でもやっぱり俺には、本当のことを言う勇気がない。
女「え?心配?」
そんな俺の言葉に、女はキョトンとした顔をしている。
当然だろう。
自分でも、自分の発言にキョトンとしているのだ。
男「俺はお前のことがっ・・・!」
女「え・・・?わ・・・私のことが・・・?」
男「うっ・・・・・えっと・・・・・・し、心配!そう!心配だからだよ!」
―心配だから。
そんな訳がない。
そんな訳のわからない理由の訳がない。
でもやっぱり俺には、本当のことを言う勇気がない。
女「え?心配?」
そんな俺の言葉に、女はキョトンとした顔をしている。
当然だろう。
自分でも、自分の発言にキョトンとしているのだ。
49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:46:47.71 ID:Zg3Yn1Fd0
男「お、お前も俺なんかに先越されたらショックだろ?だからお前がショックを受けないように心配しているというか・・・」
それでも俺は、訳のわからない言い分けのようなことを、続けてしまう。
本当に訳がわからない。
テンパっているにしても、もっとマシな言い訳があるだろう・・・。
女「本当にばーか・・・」
男「・・・うるせえよ」
俺がばかなのくらいわかってるよ。
結局、昔から俺はなにも変わっていない。
ばかで、見栄っ張りで、そして臆病だ。
そんな自分に嫌気がさす。
男「・・・」
女「・・・」
沈黙が続く。
それでも俺は、訳のわからない言い分けのようなことを、続けてしまう。
本当に訳がわからない。
テンパっているにしても、もっとマシな言い訳があるだろう・・・。
女「本当にばーか・・・」
男「・・・うるせえよ」
俺がばかなのくらいわかってるよ。
結局、昔から俺はなにも変わっていない。
ばかで、見栄っ張りで、そして臆病だ。
そんな自分に嫌気がさす。
男「・・・」
女「・・・」
沈黙が続く。
50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:48:52.43 ID:Zg3Yn1Fd0
次になにを話せばいいのか、わからなくなってしまった。
俺のばかな発言によって、突然気まずくなってしまったのだ。
そんなことを考えると、どんどんと自己嫌悪に陥ってしまい、益々気まずさが加速してしまう。
『新年まで、残り10秒を切りました!』
すると、突然テレビから、もう少しで今年も終わるという知らせが聞こえてきた。
『5、4、3、2、1!』
『新年明けましておめでとうございます!』
年越しまでのカウントダウンがなされ、新年がおとずれる。
この部屋とは対照的に、テレビの中では、とても盛り上がっている様子だった。
女「年・・・明けちゃったね」
男「そうだな・・・」
俺のばかな発言によって、突然気まずくなってしまったのだ。
そんなことを考えると、どんどんと自己嫌悪に陥ってしまい、益々気まずさが加速してしまう。
『新年まで、残り10秒を切りました!』
すると、突然テレビから、もう少しで今年も終わるという知らせが聞こえてきた。
『5、4、3、2、1!』
『新年明けましておめでとうございます!』
年越しまでのカウントダウンがなされ、新年がおとずれる。
この部屋とは対照的に、テレビの中では、とても盛り上がっている様子だった。
女「年・・・明けちゃったね」
男「そうだな・・・」
51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:51:12.42 ID:Zg3Yn1Fd0
女「明けましておめでとうございます。今年はよろしくお願いします」
男「なんで今年『は』なんだよ」
そこは今年もだろ。
去年だって、一昨年だって、その前の年だって、ずっとずっとよろしくしてきただろ。
女「じゃあ・・・今年こそはよろしくお願いします」
男「今年こそは・・・」
・・・。
本当に俺はばかなやつだ。
そして、お前もばかなやつだよ。
男「こちらこそ、今年こそはよろしくお願いします」
女「・・・男がそれ言うの?なんかずるいよ」
ずるい。
確かにそうかもしれない。
男「なんで今年『は』なんだよ」
そこは今年もだろ。
去年だって、一昨年だって、その前の年だって、ずっとずっとよろしくしてきただろ。
女「じゃあ・・・今年こそはよろしくお願いします」
男「今年こそは・・・」
・・・。
本当に俺はばかなやつだ。
そして、お前もばかなやつだよ。
男「こちらこそ、今年こそはよろしくお願いします」
女「・・・男がそれ言うの?なんかずるいよ」
ずるい。
確かにそうかもしれない。
52 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:53:47.90 ID:Zg3Yn1Fd0
でもやっぱり俺は、ばかで見栄っ張りで臆病で、それは新年を迎えたからって、変わらない。
しかし、変わらないけど、変われはする。
男「先に言ったのはそっちだろ?これでおあいこだ」
女「むー」
女は頬を膨らませ、機嫌が悪そうに、俺を睨みつけている。
怒っているのをアピールしているのだろうが、全く怖くはない。
それどころか、女のその顔を見て、俺は別のことを思ってしまった。
男「かわいい顔してるぞ」
女「なっ・・・!」
今度は顔を真っ赤にさせ、目をパチクリとさせている。
表情豊かなやつだな。
色々な顔が見れて、ずっと見ていても飽きなさそうだ。
しかし、変わらないけど、変われはする。
男「先に言ったのはそっちだろ?これでおあいこだ」
女「むー」
女は頬を膨らませ、機嫌が悪そうに、俺を睨みつけている。
怒っているのをアピールしているのだろうが、全く怖くはない。
それどころか、女のその顔を見て、俺は別のことを思ってしまった。
男「かわいい顔してるぞ」
女「なっ・・・!」
今度は顔を真っ赤にさせ、目をパチクリとさせている。
表情豊かなやつだな。
色々な顔が見れて、ずっと見ていても飽きなさそうだ。
53 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:56:03.44 ID:Zg3Yn1Fd0
男「よし!じゃあ初詣でも行こう!」
しかし、俺は唐突に初詣を提案する。
女の顔をずっと見ているのも、楽しそうだとは思ったが、やはり、正月と言ったら初詣だろう。
女「・・・初詣?」
男「ああ。ここから少し行ったところに、神社があるんだ」
新年明けて早々、こんなに早い時間から初詣に行った経験があまりないので、これから行くと考えただけで、少し心が躍ってしまう。
まあそもそも、初詣は心躍らせて行くようなものではないのだろうけど。
女「ちょっと待って!」
俺が初詣に行く準備を始めようと立ち上がると、突然女が声をあげ、俺の腕をつかんだ。
女「その前に、どうしても男に言いたいことがあるの!」
しかし、俺は唐突に初詣を提案する。
女の顔をずっと見ているのも、楽しそうだとは思ったが、やはり、正月と言ったら初詣だろう。
女「・・・初詣?」
男「ああ。ここから少し行ったところに、神社があるんだ」
新年明けて早々、こんなに早い時間から初詣に行った経験があまりないので、これから行くと考えただけで、少し心が躍ってしまう。
まあそもそも、初詣は心躍らせて行くようなものではないのだろうけど。
女「ちょっと待って!」
俺が初詣に行く準備を始めようと立ち上がると、突然女が声をあげ、俺の腕をつかんだ。
女「その前に、どうしても男に言いたいことがあるの!」
54 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:58:22.18 ID:Zg3Yn1Fd0
女の瞳は、まっすぐと俺のことを見ている。
その表情を見れば、さすがにばかな俺でも、なにか大事な話があるということくらいわかる。
そのくらい、女は真剣な表情をしていた。
女「さっき、彼女ができないんじゃなくて、作らないって言ったよね?作らないって言うのは、見栄じゃなくて本当だとしても、できないんじゃなくてってところは、やっぱり見栄だよね?作ろうと思っても、できないでしょ?」
男「ぶっっ!!そこつっこむかよ!!」
確かに見栄張ったかもしれないけどさあ!
というか、ここぞとばかりにかっこつけて、見栄張りましたけどもさあ!
男「それって今改めて言うことか!?」
その表情を見れば、さすがにばかな俺でも、なにか大事な話があるということくらいわかる。
そのくらい、女は真剣な表情をしていた。
女「さっき、彼女ができないんじゃなくて、作らないって言ったよね?作らないって言うのは、見栄じゃなくて本当だとしても、できないんじゃなくてってところは、やっぱり見栄だよね?作ろうと思っても、できないでしょ?」
男「ぶっっ!!そこつっこむかよ!!」
確かに見栄張ったかもしれないけどさあ!
というか、ここぞとばかりにかっこつけて、見栄張りましたけどもさあ!
男「それって今改めて言うことか!?」
58 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:00:48.99 ID:Zg3Yn1Fd0
・・・
女「うわー・・・凄いね」
男「・・・ああ。こんなに人がいるとはな・・・」
俺達は、近くの神社に来ていた。
この辺では、それなりに有名な神社らしく、初詣といえばここらしい。
なにが有名で、なぜ初詣といえばここなのかはわからないが、そんなものだろう。
こんなにも人が集まってはいるが、この中で、この神社についてちゃんと説明できる人なんて、ごくわずかしかいないだろう。
それどころか、ここにいる人達の中で、この神社に参拝に来るのは、初詣だけだと言う人がほとんどではないだろうか。
正月だから、とりあえず初詣にでも行っておこう。と言うだけで来ている人達が、ほとんどだろう。
そんな形だけの初詣に、もはや意味なんてあるのかわからないが、まあ俺もそんなことをとやかく言える立場ではない。
かく言う俺も、そういう人達の中の一人なわけだから。
女「うわー・・・凄いね」
男「・・・ああ。こんなに人がいるとはな・・・」
俺達は、近くの神社に来ていた。
この辺では、それなりに有名な神社らしく、初詣といえばここらしい。
なにが有名で、なぜ初詣といえばここなのかはわからないが、そんなものだろう。
こんなにも人が集まってはいるが、この中で、この神社についてちゃんと説明できる人なんて、ごくわずかしかいないだろう。
それどころか、ここにいる人達の中で、この神社に参拝に来るのは、初詣だけだと言う人がほとんどではないだろうか。
正月だから、とりあえず初詣にでも行っておこう。と言うだけで来ている人達が、ほとんどだろう。
そんな形だけの初詣に、もはや意味なんてあるのかわからないが、まあ俺もそんなことをとやかく言える立場ではない。
かく言う俺も、そういう人達の中の一人なわけだから。
59 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:03:30.75 ID:Zg3Yn1Fd0
女「見て!人がゴミのようだよ!」
男「やめろ!その発言は色々とアウトだから!」
なにがアウトだかは言わないが、アウトだ!
そうじゃなくとも、周りの人達をゴミ呼ばわりするのはやめろ!
こっちを睨んでいる人達がいるじゃないか!
女「ワロス!!」
男「惜しい!呪文を唱えようとしたんだろうけど、なにかが違う!」
そして、それじゃ余計周りの人達を煽っているように聞こえるからやめて!
周りの人達のこっちを見る目が、全然ワロエナイから!
とりあえずこの場から逃げ出さないと、周りの目が気まずい・・・。
男「ほら行くぞ!」
この場から逃げ出すために、俺は女の手をとり、視界の奥の方に見える、列の最後尾の方へと向かった。
男「やめろ!その発言は色々とアウトだから!」
なにがアウトだかは言わないが、アウトだ!
そうじゃなくとも、周りの人達をゴミ呼ばわりするのはやめろ!
こっちを睨んでいる人達がいるじゃないか!
女「ワロス!!」
男「惜しい!呪文を唱えようとしたんだろうけど、なにかが違う!」
そして、それじゃ余計周りの人達を煽っているように聞こえるからやめて!
周りの人達のこっちを見る目が、全然ワロエナイから!
とりあえずこの場から逃げ出さないと、周りの目が気まずい・・・。
男「ほら行くぞ!」
この場から逃げ出すために、俺は女の手をとり、視界の奥の方に見える、列の最後尾の方へと向かった。
61 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:05:35.34 ID:Zg3Yn1Fd0
女「あ・・・」
男「ん?あっ・・・ごめん!」
慌てて手を離す。
焦っていたとはとはいえ、とっさに女の手を握っていたことに気づいたからだ。
女もいきなり手を握られたことに対して、声を出してしまったのだろう。
女「手が、手がぁー!」
男「ってそれが言いたかっただけかよ!もうそのネタはいいから!」
そしてその発言、何気に傷つくから!
俺に手を握られたら、手がどうなるって言うんだよ!
ちょっと照れちまった俺の純情を返せ!
女「ごめんごめん」
女は、あまり申し訳なくなさそうに謝る。
嘘でも、もう少し申し訳ないという気持ちをだしてもいいと思う。
男「ん?あっ・・・ごめん!」
慌てて手を離す。
焦っていたとはとはいえ、とっさに女の手を握っていたことに気づいたからだ。
女もいきなり手を握られたことに対して、声を出してしまったのだろう。
女「手が、手がぁー!」
男「ってそれが言いたかっただけかよ!もうそのネタはいいから!」
そしてその発言、何気に傷つくから!
俺に手を握られたら、手がどうなるって言うんだよ!
ちょっと照れちまった俺の純情を返せ!
女「ごめんごめん」
女は、あまり申し訳なくなさそうに謝る。
嘘でも、もう少し申し訳ないという気持ちをだしてもいいと思う。
62 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:08:06.51 ID:Zg3Yn1Fd0
女「・・・はい」
と、今度は少し恥ずかしそうに、自分の手を差し出してきた。
男「え?」
女「・・・ばか」
そう言った女の顔は、この寒さのせいなのか、恥ずかしさからなのかはわからないが、少し赤みがかかっていた。
もう一度手を握れと言うことなのだろう。
それにしても、この上目遣いは反則だ。
ただでさえ、手を握るということだけで、ドキドキしてしまうのに、その表情で尚更ドキドキしてしまう。
俺は今、心音が外に聞こえてしまうのではないかと言うくらい、心臓がフル回転している。
男「ああ・・・ごめん。ちょっと待って」
女「三分間待ってやる!」
男「・・・」
と、今度は少し恥ずかしそうに、自分の手を差し出してきた。
男「え?」
女「・・・ばか」
そう言った女の顔は、この寒さのせいなのか、恥ずかしさからなのかはわからないが、少し赤みがかかっていた。
もう一度手を握れと言うことなのだろう。
それにしても、この上目遣いは反則だ。
ただでさえ、手を握るということだけで、ドキドキしてしまうのに、その表情で尚更ドキドキしてしまう。
俺は今、心音が外に聞こえてしまうのではないかと言うくらい、心臓がフル回転している。
男「ああ・・・ごめん。ちょっと待って」
女「三分間待ってやる!」
男「・・・」
63 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:10:13.49 ID:Zg3Yn1Fd0
えっとー・・・、最後尾はあっちみたいだな。
今から並び始めて、参拝できるまで、あとどれくらいかかるのだろう。
気が遠くなりそうだ。
女「ごめん待ってよー!三分間じゃなくて、五分間でもいいから!」
最後尾に並び始めた俺のもとへ、慌てて女が駆け寄ってくる。
なにか見当違いなことを言っているような気がするが、気にしない。
こうなると、気にしたら負けだと思う。
女「ごめん冗談だから。今度こそ手をつなご?」
男「もういいよ。そもそも、もう最後尾まで来たわけだし、手をつなぐ必要もないだろ」
そう言って、俺は自分が着ていたダウンジャケットのポケットに、手をつっこむ。
散々からかわれた俺の、小さな仕返しのつもりだ。
女「むー・・・こうなったらこうだ!」
男「ちょっ!おまっ!」
今から並び始めて、参拝できるまで、あとどれくらいかかるのだろう。
気が遠くなりそうだ。
女「ごめん待ってよー!三分間じゃなくて、五分間でもいいから!」
最後尾に並び始めた俺のもとへ、慌てて女が駆け寄ってくる。
なにか見当違いなことを言っているような気がするが、気にしない。
こうなると、気にしたら負けだと思う。
女「ごめん冗談だから。今度こそ手をつなご?」
男「もういいよ。そもそも、もう最後尾まで来たわけだし、手をつなぐ必要もないだろ」
そう言って、俺は自分が着ていたダウンジャケットのポケットに、手をつっこむ。
散々からかわれた俺の、小さな仕返しのつもりだ。
女「むー・・・こうなったらこうだ!」
男「ちょっ!おまっ!」
64 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:12:37.99 ID:Zg3Yn1Fd0
女が俺のポケットに手をつっこんできた。
小さなポケットの中で、女の小さな手のぬくもりが伝わってくる。
女「へへ。男の手暖かい」
男「・・・ったく。はぐれないように握っててやるよ」
そう言って、俺はポケットの中で、女の手を握った。
俺も甘いやつだ。
散々からかわれたあげく、最後にはこうやって、女の言うがままに手を握ってしまうのだから。
いや・・・これも見栄なのだろう。
女の言うがままになんて言ったけれど、俺が女の手を握りたかっただけなのだから。
男「お前の手、暖かいな」
男「知ってるか?手が暖かいのは、子供らしいぞ」
少しからかってみる。
女の思惑通りに、こうやって手を握ることになってしまったことが、少し癪だったからだ。
小さなポケットの中で、女の小さな手のぬくもりが伝わってくる。
女「へへ。男の手暖かい」
男「・・・ったく。はぐれないように握っててやるよ」
そう言って、俺はポケットの中で、女の手を握った。
俺も甘いやつだ。
散々からかわれたあげく、最後にはこうやって、女の言うがままに手を握ってしまうのだから。
いや・・・これも見栄なのだろう。
女の言うがままになんて言ったけれど、俺が女の手を握りたかっただけなのだから。
男「お前の手、暖かいな」
男「知ってるか?手が暖かいのは、子供らしいぞ」
少しからかってみる。
女の思惑通りに、こうやって手を握ることになってしまったことが、少し癪だったからだ。
66 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:14:54.03 ID:Zg3Yn1Fd0
女「・・・ロリコン」
男「なんで!?」
今の発言のどこに、ロリコン要素があったって言うんだ!?
今の発言だけでロリコンって、随分ロリコンのハードルって下がったんだな!
女「男の部屋に、自作のロリコン検定1級の賞状があったから、まさかとは思ってたけど・・・」
男「そんなのねえよ!あらぬ誤解を招くからやめろ!」
とんでもねえ話だ!
そんなの自作するわけねえだろ!
自分の名前が入ったロリコン検定1級の賞状を、ニヤニヤしながら作ってる自分の姿を想像しちまったよ!
そんなの自作してたら、まさかどころか、完璧にアウトだろ!
正真正銘そっち側の人間だ!
男「なんで!?」
今の発言のどこに、ロリコン要素があったって言うんだ!?
今の発言だけでロリコンって、随分ロリコンのハードルって下がったんだな!
女「男の部屋に、自作のロリコン検定1級の賞状があったから、まさかとは思ってたけど・・・」
男「そんなのねえよ!あらぬ誤解を招くからやめろ!」
とんでもねえ話だ!
そんなの自作するわけねえだろ!
自分の名前が入ったロリコン検定1級の賞状を、ニヤニヤしながら作ってる自分の姿を想像しちまったよ!
そんなの自作してたら、まさかどころか、完璧にアウトだろ!
正真正銘そっち側の人間だ!
67 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:17:12.09 ID:Zg3Yn1Fd0
女「じゃああそこにいる、両親と手をつないだ女の子―」
女「・・・ごめん・・・機嫌そこねた・・・?」
女は途中までなにかを言いかけたかと思うと、今度は申し訳なさそうに謝ってきた。
自分がとんでもない話をしていることに、気づいたのだろうか。
嘘の話まで作って、俺をロリコンに仕立て上げようとするとは、本当にとんでもない話だ。
まあ俺は、女のこういうことには慣れているから、一々そんなことでは怒らないけども。
男「いや、別にいいけど・・・」
女「よかった・・・。女の子なんて言ったから、機嫌そこねたかと思って・・・」
男「?」
女の子なんて言ったから?
・・・なぜだろう。
なんだか話がかみ合っていないよう気がする・・・。
女「・・・ごめん・・・機嫌そこねた・・・?」
女は途中までなにかを言いかけたかと思うと、今度は申し訳なさそうに謝ってきた。
自分がとんでもない話をしていることに、気づいたのだろうか。
嘘の話まで作って、俺をロリコンに仕立て上げようとするとは、本当にとんでもない話だ。
まあ俺は、女のこういうことには慣れているから、一々そんなことでは怒らないけども。
男「いや、別にいいけど・・・」
女「よかった・・・。女の子なんて言ったから、機嫌そこねたかと思って・・・」
男「?」
女の子なんて言ったから?
・・・なぜだろう。
なんだか話がかみ合っていないよう気がする・・・。
68 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:19:29.39 ID:Zg3Yn1Fd0
女「じゃああそこにいる、両親と手をつないだ幼女―」
男「幼女!?」
こいつ女の子を幼女に言い換えやがった!
幼女ではなく、女の子と言ったことに、俺が怒ったとでも思ったってことか!?
女「ロリコンの人は、女の子って言うより幼女って言ったほうがいいのかなって」
男「知らねえよ!」
俺はロリコンじゃないから、そんなこだわりはない!
そもそも、ロリコンの人にそんなこだわりがあるのかよ!
それこそ女の作り話じゃないのか?
女「まあ恒例の男の見栄張りはおいといて、」
そこは見栄じゃねえ!
本当に俺はそんなの知らないんだって!
女「男はあの子かわいいと思う?」
男「幼女!?」
こいつ女の子を幼女に言い換えやがった!
幼女ではなく、女の子と言ったことに、俺が怒ったとでも思ったってことか!?
女「ロリコンの人は、女の子って言うより幼女って言ったほうがいいのかなって」
男「知らねえよ!」
俺はロリコンじゃないから、そんなこだわりはない!
そもそも、ロリコンの人にそんなこだわりがあるのかよ!
それこそ女の作り話じゃないのか?
女「まあ恒例の男の見栄張りはおいといて、」
そこは見栄じゃねえ!
本当に俺はそんなの知らないんだって!
女「男はあの子かわいいと思う?」
69 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:21:41.59 ID:Zg3Yn1Fd0
俺は女の見ている方へと視線を移す。
そこには、お父さんとお母さんと娘だと思われる、三人家族がいた。
見た感じ、娘は小学生にあがるかあがらないかといったくらいの年だろうか。
女はあの子のことを、かわいいと思うか聞いているのだろう。
男「かわいいと思うよ」
素直に感想を述べる。
俺は子供が嫌いなわけではないので、素直にかわいいと思った。
女「・・・」
男「そこで黙るなよ!別に変な意味はないから!」
純粋に、子供としてかわいいと思っただけだ。
女「じゃあ、ああいう子好き?嫌い?」
その聞き方、なにか悪意があるとしか思えない。
だいたいなんで二択なんだよ。
好きか嫌いかの二択であれば、選択肢は一つしかないようなものだろう。
そこには、お父さんとお母さんと娘だと思われる、三人家族がいた。
見た感じ、娘は小学生にあがるかあがらないかといったくらいの年だろうか。
女はあの子のことを、かわいいと思うか聞いているのだろう。
男「かわいいと思うよ」
素直に感想を述べる。
俺は子供が嫌いなわけではないので、素直にかわいいと思った。
女「・・・」
男「そこで黙るなよ!別に変な意味はないから!」
純粋に、子供としてかわいいと思っただけだ。
女「じゃあ、ああいう子好き?嫌い?」
その聞き方、なにか悪意があるとしか思えない。
だいたいなんで二択なんだよ。
好きか嫌いかの二択であれば、選択肢は一つしかないようなものだろう。
71 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:23:58.96 ID:Zg3Yn1Fd0
男「好きだよ」
女「うわー・・・幼女が好きって公言しちゃったよ・・・」
男「違うっていうの!そしてその幼女がって言うのやめろ!」
幼女って言い方だけで、途端に危ない臭いが増す!
幼女好きとか、その言葉だけでお巡りさんが動き出しそうだ。
女「幼女って言うのをやめようじょ」
男「・・・」
そんな馬鹿な話をしながら、俺達の順番が来るのを待っていた。
周囲から、蔑むような目で見られていたことは、言うまでもないだろう。
特に子連れの親に。
もとい、幼女連れの親に。
女「うわー・・・幼女が好きって公言しちゃったよ・・・」
男「違うっていうの!そしてその幼女がって言うのやめろ!」
幼女って言い方だけで、途端に危ない臭いが増す!
幼女好きとか、その言葉だけでお巡りさんが動き出しそうだ。
女「幼女って言うのをやめようじょ」
男「・・・」
そんな馬鹿な話をしながら、俺達の順番が来るのを待っていた。
周囲から、蔑むような目で見られていたことは、言うまでもないだろう。
特に子連れの親に。
もとい、幼女連れの親に。
72 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:26:25.61 ID:Zg3Yn1Fd0
・・・
女「やっとお参り出来たね」
男「ああ。色々と疲れたけどな」
俺達は、相当な時間がかかってはしまったが、無事に参拝を済ませることができた。
並ぶのにも、あれから続いた女との馬鹿な話にも、ダブルで疲れてしまって、疲労感マックスではあるが。
女「男はなにをお願いしたの?」
男「お願い?そんなのしたかなー」
とぼけてみる。
まあこういうところでは、しっかりとお願いをする俺なのだ。
お願いが、初詣の醍醐味と言っても過言ではないと、俺は思っている。
でもお願いの内容を、女には言いたくない。
言わない。
言えない。
女「やっとお参り出来たね」
男「ああ。色々と疲れたけどな」
俺達は、相当な時間がかかってはしまったが、無事に参拝を済ませることができた。
並ぶのにも、あれから続いた女との馬鹿な話にも、ダブルで疲れてしまって、疲労感マックスではあるが。
女「男はなにをお願いしたの?」
男「お願い?そんなのしたかなー」
とぼけてみる。
まあこういうところでは、しっかりとお願いをする俺なのだ。
お願いが、初詣の醍醐味と言っても過言ではないと、俺は思っている。
でもお願いの内容を、女には言いたくない。
言わない。
言えない。
73 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:28:41.33 ID:Zg3Yn1Fd0
女「わかった!世界中の女を幼女にしてくださいとか、そんな感じでしょ!」
男「そんなお願いしねえよ!」
いつまでそれを引っ張るんだ!
お前はどうしても俺をロリコンに仕立て上げたいのかよ!
そんな馬鹿みたいなお願いをするわけないだろ。
男「お願いは、人に言うと叶わなくなるんだよ。だから秘密だ」
女「えー」
女はつまらないといった風に、むすっとした顔をしている。
女がなにをお願いしたのか、少し気にはなったが、自分でこう言ってしまった手前、聞くことはできないだろう。
なので、別の話題をだしてこの話を終わらせる。
男「そんなお願いしねえよ!」
いつまでそれを引っ張るんだ!
お前はどうしても俺をロリコンに仕立て上げたいのかよ!
そんな馬鹿みたいなお願いをするわけないだろ。
男「お願いは、人に言うと叶わなくなるんだよ。だから秘密だ」
女「えー」
女はつまらないといった風に、むすっとした顔をしている。
女がなにをお願いしたのか、少し気にはなったが、自分でこう言ってしまった手前、聞くことはできないだろう。
なので、別の話題をだしてこの話を終わらせる。
74 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:30:55.55 ID:Zg3Yn1Fd0
男「せっかくだから、おみくじでもやってこうぜ」
女「おみくじやりたい!男には絶対負けないから!」
男「負けないって、おみくじは勝ち負けを競うものじゃないだろ・・・」
そんなことを話しながら、俺達はおみくじをするために、移動することにした。
女が異様に張り切っているみたいだったが、そういう奴に限って悪い結果しか出ないんだよ。
ご愁傷様。
・・・
女「おみくじやりたい!男には絶対負けないから!」
男「負けないって、おみくじは勝ち負けを競うものじゃないだろ・・・」
そんなことを話しながら、俺達はおみくじをするために、移動することにした。
女が異様に張り切っているみたいだったが、そういう奴に限って悪い結果しか出ないんだよ。
ご愁傷様。
・・・
76 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:33:08.35 ID:Zg3Yn1Fd0
女「よし!じゃあいくよ!」
おみくじをやっている所まで来た俺達は、早速おみくじを引くところだった。
女「えい!」
女が勢いよくおみくじを引く。
そんなに勢いをつけたって、結果は変わらないだろう。
女「やったー!大吉!」
喜びを体全体で表しながら、はしゃいでいる。
どうやら女は大吉だったらしい。
俺の予想は外れてしまったようだ。
まあこういう時もあるだろう。
悪い方に外れたのではなく、良い方に外れたのだから、よかっただろう。
おみくじをやっている所まで来た俺達は、早速おみくじを引くところだった。
女「えい!」
女が勢いよくおみくじを引く。
そんなに勢いをつけたって、結果は変わらないだろう。
女「やったー!大吉!」
喜びを体全体で表しながら、はしゃいでいる。
どうやら女は大吉だったらしい。
俺の予想は外れてしまったようだ。
まあこういう時もあるだろう。
悪い方に外れたのではなく、良い方に外れたのだから、よかっただろう。
77 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:35:17.37 ID:Zg3Yn1Fd0
さて次は俺だ。
男「こんなのどれでも変わらねえよ」
とりあえず手についたものを引く。
時間をかけて選んだところで、中身がわかるわけではないのだから、どれを選んでも一緒だろう。
おみくじなんて、結局は自分の運に任せるしかない。
男「どれどれ・・・」
そして俺は、おみくじの結果を確認する。
男「なん・・・だと・・・?」
男「こんなのどれでも変わらねえよ」
とりあえず手についたものを引く。
時間をかけて選んだところで、中身がわかるわけではないのだから、どれを選んでも一緒だろう。
おみくじなんて、結局は自分の運に任せるしかない。
男「どれどれ・・・」
そして俺は、おみくじの結果を確認する。
男「なん・・・だと・・・?」
78 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:37:46.28 ID:Zg3Yn1Fd0
そのおみくじから俺の目に飛び込んできたものは、予想外の二文字だった。
うまく伝えることが出来ないかもしれないが、
『大凶』
そんな風に見えなくもない。
なんせ、俺はこんな字を見たことがないので、なんて読むのかもわからない。
だい・・・きち・・・?
最近の大吉は、こういう字を書くのだろうか?
まったく困ったものだ。
『だいきち』なら大吉と書いて欲しい。
これが近代化というやつなのだろうか。
うまく伝えることが出来ないかもしれないが、
『大凶』
そんな風に見えなくもない。
なんせ、俺はこんな字を見たことがないので、なんて読むのかもわからない。
だい・・・きち・・・?
最近の大吉は、こういう字を書くのだろうか?
まったく困ったものだ。
『だいきち』なら大吉と書いて欲しい。
これが近代化というやつなのだろうか。
79 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:39:49.05 ID:Zg3Yn1Fd0
女「あっ!男大凶だー!」
男「うるせえよ!勝手に人の見るなよ!」
・・・ああそうですよ。
そうですとも。
そんなのわかっていましたとも。
こんなのが、近代化な訳がない。
『だいきち』と読める訳がない。
どう見ても『だいきょう』です。
本当にありがとうございました。
女「DA☆I☆KYO☆U」
男「なんかいらつくからその言い方やめろ」
男「うるせえよ!勝手に人の見るなよ!」
・・・ああそうですよ。
そうですとも。
そんなのわかっていましたとも。
こんなのが、近代化な訳がない。
『だいきち』と読める訳がない。
どう見ても『だいきょう』です。
本当にありがとうございました。
女「DA☆I☆KYO☆U」
男「なんかいらつくからその言い方やめろ」
80 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:41:56.38 ID:Zg3Yn1Fd0
女「はっはっは!また男君に勝ってしまった」
男「またってなんだよ。俺は他にいつ負けたんだよ」
女「敗北を知りたい」
男「くっ・・・」
なんという屈辱だ・・・。
おみくじは勝ち負けじゃないはずなのに・・・。
別に負けたとかではないはずなのに・・・。
しかしこの、滲み出る敗北感の様なものは一体なんなんだ・・・。
まさかこの俺が大凶とは・・・・。
っ!
ふっ、なるほどな。
そういうことか。
男「またってなんだよ。俺は他にいつ負けたんだよ」
女「敗北を知りたい」
男「くっ・・・」
なんという屈辱だ・・・。
おみくじは勝ち負けじゃないはずなのに・・・。
別に負けたとかではないはずなのに・・・。
しかしこの、滲み出る敗北感の様なものは一体なんなんだ・・・。
まさかこの俺が大凶とは・・・・。
っ!
ふっ、なるほどな。
そういうことか。
81 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:44:02.97 ID:Zg3Yn1Fd0
男「くっくっくっ・・・おもしろい。まさかこんなところにまで、奴らの手がのびてるとはな・・・」
女「奴ら?」
エンジェルス・ノティス
男「ああ。これは機関による陰謀だったんだ!大吉の力によって、俺の秘められし力が覚醒することを恐れた、機関による陰謀だったんだよ!」
女「痛い!痛いよ男!エンなんとかとか言っちゃってるけど、所詮大吉の力だからね!?大吉の力で目覚めるとか、なかなかのかっこわるさだよ!?」
男「近づくな!!俺の秘められし力の覚醒に伴う暴走に、巻き込まれたいのか!?」
女「秘められし力は、大吉の力で覚醒するんじゃなかったの!?男は大凶だよ!?早くも設定ミスだよ!」
男「あっ」
女「そして周囲から浴びせられる痛い目に、すでに私は巻き込まれてるよ!」
男「うっ・・・」
冷静になって周りを見てみると、痛い目の集中砲火のようになっていた。
ちょっとふざけてみたつもりが、本気になりすぎてしまったらしい。
・・・恥ずかしい。
女「奴ら?」
エンジェルス・ノティス
男「ああ。これは機関による陰謀だったんだ!大吉の力によって、俺の秘められし力が覚醒することを恐れた、機関による陰謀だったんだよ!」
女「痛い!痛いよ男!エンなんとかとか言っちゃってるけど、所詮大吉の力だからね!?大吉の力で目覚めるとか、なかなかのかっこわるさだよ!?」
男「近づくな!!俺の秘められし力の覚醒に伴う暴走に、巻き込まれたいのか!?」
女「秘められし力は、大吉の力で覚醒するんじゃなかったの!?男は大凶だよ!?早くも設定ミスだよ!」
男「あっ」
女「そして周囲から浴びせられる痛い目に、すでに私は巻き込まれてるよ!」
男「うっ・・・」
冷静になって周りを見てみると、痛い目の集中砲火のようになっていた。
ちょっとふざけてみたつもりが、本気になりすぎてしまったらしい。
・・・恥ずかしい。
83 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:46:25.66 ID:Zg3Yn1Fd0
女「まったく・・・。周りの人達の目が痛いよ」
男「申し訳ない」
女「まあ子供達は楽しそうに、こっちを見てるけど・・・」
周りを見渡すと、大人達は相変わらず残念そうな目でこちらを見ていたが、子供達は目をキラキラと輝かせてこちらを見ていた。
どうやら子供達にはうけたらしい。
俺はこの子供達と、同じレベルということか・・・。
女「でも見てるのは男の子ばっかりで、男が大好きな幼女は見てないけどね」
男「男の子だけでもいいよ!」
幼女に見られたいなんて願望ないから!
むしろ男の子でも女の子でも、俺を見ないでほしい。
残念な大人をそっとしておいてほしい。
女「え・・・?ロリコンでショタコンなの・・・?」
男「そうじゃねえ!」
俺のキャラがわからなくなるから、これ以上はもうやめろ!
俺は至ってノーマルだ!
男「申し訳ない」
女「まあ子供達は楽しそうに、こっちを見てるけど・・・」
周りを見渡すと、大人達は相変わらず残念そうな目でこちらを見ていたが、子供達は目をキラキラと輝かせてこちらを見ていた。
どうやら子供達にはうけたらしい。
俺はこの子供達と、同じレベルということか・・・。
女「でも見てるのは男の子ばっかりで、男が大好きな幼女は見てないけどね」
男「男の子だけでもいいよ!」
幼女に見られたいなんて願望ないから!
むしろ男の子でも女の子でも、俺を見ないでほしい。
残念な大人をそっとしておいてほしい。
女「え・・・?ロリコンでショタコンなの・・・?」
男「そうじゃねえ!」
俺のキャラがわからなくなるから、これ以上はもうやめろ!
俺は至ってノーマルだ!
84 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:47:47.98 ID:cJK7IipD0
大凶ってレアだから運が良いとも言えるんだよな
要は考え方次第、ってだけの話だけど
要は考え方次第、ってだけの話だけど
85 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:48:36.59 ID:Zg3Yn1Fd0
男「それよりおみくじの話だよ!」
女「ああ、男が大凶を引いたって話ね」
男「くっ・・・」
そういえば俺は大凶を引いたんだった・・・。
またこの話をぶり返すのは失敗だったぜ・・・。
男「で・・・でも、考えてもみれば、逆に大凶を引くなんて凄いことだよな?こういうのって、大吉より大凶の方が少ないらしいぞ?」
女「ふーん。男がそれで納得するならいいんじゃない?大凶には変わりないけど」
男「くっ・・・」
なんというこだ・・・。
自分でフォローをいれたつもりなのに、逆に惨めな気持ちにさせられてしまった。
恐るべき大凶パワー。
女「ああ、男が大凶を引いたって話ね」
男「くっ・・・」
そういえば俺は大凶を引いたんだった・・・。
またこの話をぶり返すのは失敗だったぜ・・・。
男「で・・・でも、考えてもみれば、逆に大凶を引くなんて凄いことだよな?こういうのって、大吉より大凶の方が少ないらしいぞ?」
女「ふーん。男がそれで納得するならいいんじゃない?大凶には変わりないけど」
男「くっ・・・」
なんというこだ・・・。
自分でフォローをいれたつもりなのに、逆に惨めな気持ちにさせられてしまった。
恐るべき大凶パワー。
86 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:50:47.13 ID:Zg3Yn1Fd0
女「でも大丈夫だよ。私は大吉だから」
男「なんだよ。自慢かよ」
女「そういうことじゃなくて、私がいつも男のそばにいてあげるってこと。私の大吉パワーで、男の大凶パワーを打ち消してあげるから」
男「あ、ああ・・・」
確かにその考えはありかもしれないけど、いつもそばにいてあげるって・・・。
こいつはたまにさらっと恥ずかしいことを言うよな。
そもそも、そんなの無理だろ。
お互い住んでいるところも違うわけだし。
・・・付き合っているわけでもないし。
でもそれを口には出さない。
否定はしない。
否定はしたくない。
だから俺は、そこには触れないで、別のところに論点をもっていく。
男「なんだよ。自慢かよ」
女「そういうことじゃなくて、私がいつも男のそばにいてあげるってこと。私の大吉パワーで、男の大凶パワーを打ち消してあげるから」
男「あ、ああ・・・」
確かにその考えはありかもしれないけど、いつもそばにいてあげるって・・・。
こいつはたまにさらっと恥ずかしいことを言うよな。
そもそも、そんなの無理だろ。
お互い住んでいるところも違うわけだし。
・・・付き合っているわけでもないし。
でもそれを口には出さない。
否定はしない。
否定はしたくない。
だから俺は、そこには触れないで、別のところに論点をもっていく。
87 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:52:52.54 ID:Zg3Yn1Fd0
男「でも、女の大吉パワーで俺の大凶パワーを打ち消せるとは限らないだろ?逆に、俺の大凶パワーが女の大吉パワーを打ち消すかもしれないぜ?」
女「そっか・・・」
そう言った女の表情は、どこか残念そうだった。
それは俺が話に触れなかったことに対してなのか、女の大吉パワーを打ち消してしまうと言ったことに対してなのかはわからないが。
女「じゃあ勝負だね!」
残念そうにしていた顔から一変、今度は楽しそうな顔をむける。
本当にこいつは、コロコロと表情が変わるやつだ。
男「勝負?」
女「私の大吉パワーが勝つか、男の大凶パワーが勝つか、勝負!」
男「また勝負か・・・」
女「そっか・・・」
そう言った女の表情は、どこか残念そうだった。
それは俺が話に触れなかったことに対してなのか、女の大吉パワーを打ち消してしまうと言ったことに対してなのかはわからないが。
女「じゃあ勝負だね!」
残念そうにしていた顔から一変、今度は楽しそうな顔をむける。
本当にこいつは、コロコロと表情が変わるやつだ。
男「勝負?」
女「私の大吉パワーが勝つか、男の大凶パワーが勝つか、勝負!」
男「また勝負か・・・」
88 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:56:32.47 ID:Zg3Yn1Fd0
まあ女らしいと言えば女らしい。
しかし、こんなにも勝ちたくないと思った勝負も珍しい。
どうか俺の不戦敗にしていただきたい。
女「やる気でてきたでしょ!」
男「でねえよ」
そもそも、俺がやる気をだしたところで、勝てるとかそういう話じゃないだろ。
俺のやる気に呼応して、大凶パワーも力が増すのかよ。
今まさに、とんでもないペアリングが、完成されようとしているようだ。
男「そんなことより、次は初日の出でも見に行こうぜ」
とんでもないペアリングが完成されてしまう前に、俺は別の話題を振ることにした。
参拝までの待ち時間やおみくじやらで、すでに結構な時間が経ってしまっている。
こんな時間になってしまったのなら、もう少し待てば初日の出も拝めるだろう。
しかし、こんなにも勝ちたくないと思った勝負も珍しい。
どうか俺の不戦敗にしていただきたい。
女「やる気でてきたでしょ!」
男「でねえよ」
そもそも、俺がやる気をだしたところで、勝てるとかそういう話じゃないだろ。
俺のやる気に呼応して、大凶パワーも力が増すのかよ。
今まさに、とんでもないペアリングが、完成されようとしているようだ。
男「そんなことより、次は初日の出でも見に行こうぜ」
とんでもないペアリングが完成されてしまう前に、俺は別の話題を振ることにした。
参拝までの待ち時間やおみくじやらで、すでに結構な時間が経ってしまっている。
こんな時間になってしまったのなら、もう少し待てば初日の出も拝めるだろう。
89 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:58:56.36 ID:Zg3Yn1Fd0
女「見る!私初日の出見るの初めて!」
男「それはよかった。初日の出は、いつもの日の出と違って、美しさが格別なんだぜ?」
女「そうなんだー!楽しみ!」
まあ俺も初日の出なんて、見たことないんだけど。
でもこういうのは気持ちの問題だろう。
きっと、初日の出補正がかかって、綺麗に見えるはずだ。
男「よし。じゃあ見に行こう!」
女「うん!」
男「それはよかった。初日の出は、いつもの日の出と違って、美しさが格別なんだぜ?」
女「そうなんだー!楽しみ!」
まあ俺も初日の出なんて、見たことないんだけど。
でもこういうのは気持ちの問題だろう。
きっと、初日の出補正がかかって、綺麗に見えるはずだ。
男「よし。じゃあ見に行こう!」
女「うん!」
91 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:01:17.92 ID:Zg3Yn1Fd0
・・・
男「あともう少しで日の出だな・・・」
女「そうだね。楽しみ」
俺達はさっきの神社から少し歩いて、日の出が綺麗に見える、丘のようになっている場所に来ていた。
周りには、ちらほらと人が集まっている。
やはりここは、この辺ではそれなりに有名な、初日の出スポットなのだろう。
女「ちょっと寒いね・・・」
男「ああ・・・」
それもそうだろう。
日付が変わってから今まで、ずっと外にいるのだ。
どれだけ着込んでいても、やはり寒くなる。
男「あともう少しで日の出だな・・・」
女「そうだね。楽しみ」
俺達はさっきの神社から少し歩いて、日の出が綺麗に見える、丘のようになっている場所に来ていた。
周りには、ちらほらと人が集まっている。
やはりここは、この辺ではそれなりに有名な、初日の出スポットなのだろう。
女「ちょっと寒いね・・・」
男「ああ・・・」
それもそうだろう。
日付が変わってから今まで、ずっと外にいるのだ。
どれだけ着込んでいても、やはり寒くなる。
92 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:03:47.03 ID:Zg3Yn1Fd0
男「手・・・握っていいか?」
女「・・・うん」
俺はそっと女の手を握る。
女は寒いと言っていたが、その手はとても温かい。
やっぱり子供なんじゃないか?なんて、心の中でクスッと笑う。
女「男の手あったかい。子供だね」
男「そうきたか・・・」
先手を取られてしまった。
ちなみにさっき俺が似たようなことを言った時は、ロリコンって言われたんだけど・・・。
男「お前の手もあったかいよ。俺達二人ともまだ子供なのかもな」
女「かもね」
そう言って、女はおかしそうにふふっと笑った。
女「・・・うん」
俺はそっと女の手を握る。
女は寒いと言っていたが、その手はとても温かい。
やっぱり子供なんじゃないか?なんて、心の中でクスッと笑う。
女「男の手あったかい。子供だね」
男「そうきたか・・・」
先手を取られてしまった。
ちなみにさっき俺が似たようなことを言った時は、ロリコンって言われたんだけど・・・。
男「お前の手もあったかいよ。俺達二人ともまだ子供なのかもな」
女「かもね」
そう言って、女はおかしそうにふふっと笑った。
93 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:05:56.78 ID:Zg3Yn1Fd0
女「でも子供の頃の男は、もっとかわいかったかな」
男「それはお互い様だろ。お前も昔はかわいかったよ」
女「それって、今はかわいくないって意味?」
女は頬をぷくっと膨らませる。
指でつっつけば、割れてしまいそうだ。
男「今は・・・どうかな」
女「どうかなって曖昧!そういうところが、君達日本人の悪いところだよ!」
男「君達って、お前も日本人だろ。お前のそういうところは、昔から変わらないよな」
明るくて、ちょっとお調子者で、でもやさしくて。
いつも俺を気にかけてくれている。
今回だって、俺の為にわざわざここまで来てくれたんだ。
今も昔も、それは変わらない。
男「それはお互い様だろ。お前も昔はかわいかったよ」
女「それって、今はかわいくないって意味?」
女は頬をぷくっと膨らませる。
指でつっつけば、割れてしまいそうだ。
男「今は・・・どうかな」
女「どうかなって曖昧!そういうところが、君達日本人の悪いところだよ!」
男「君達って、お前も日本人だろ。お前のそういうところは、昔から変わらないよな」
明るくて、ちょっとお調子者で、でもやさしくて。
いつも俺を気にかけてくれている。
今回だって、俺の為にわざわざここまで来てくれたんだ。
今も昔も、それは変わらない。
94 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:08:04.08 ID:Zg3Yn1Fd0
男「・・・変わっているようで、変わっていないのかな」
女「どうかな・・・。案外変わらないようで、変わっているのかも」
変わらないようで、変わっている、か・・・。
実際そうなのかもしれないな。
女も昔から変わらないと思ったけど、本当は変わっているのかもしれない。
いや、変わっているのだろう。
俺だって、昔から変わっていないわけではない。
いい意味でも、悪い意味でも、人は変わっていくものだ。
男「いつのまにか去年も終わって、今年にかわったもんな。俺達もそうやって、いつのまにか変わっていくんだろうな」
女「私達は年とは違うけどね」
・・・ごもっともな意見だな。
ちょっと雰囲気にのまれて、かっこつけすぎたかな・・・。
恥ずかしい・・・。
女「どうかな・・・。案外変わらないようで、変わっているのかも」
変わらないようで、変わっている、か・・・。
実際そうなのかもしれないな。
女も昔から変わらないと思ったけど、本当は変わっているのかもしれない。
いや、変わっているのだろう。
俺だって、昔から変わっていないわけではない。
いい意味でも、悪い意味でも、人は変わっていくものだ。
男「いつのまにか去年も終わって、今年にかわったもんな。俺達もそうやって、いつのまにか変わっていくんだろうな」
女「私達は年とは違うけどね」
・・・ごもっともな意見だな。
ちょっと雰囲気にのまれて、かっこつけすぎたかな・・・。
恥ずかしい・・・。
96 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:10:21.24 ID:Zg3Yn1Fd0
女「でも、年は私達と違って、一度終わって新しくかわるって感じだよね」
男「まあ大晦日で年が終わって、元旦から新しい年がくるからな」
そういう風に考えれば、俺達のかわるとは、全然違うものなのだろう。
所詮考え方の違いであって、そんなことを考えたところで、なんの意味もないのだろうけど。
そういえば、古い年が行って、新しい年が来るみたいな言葉あったよな・・・。
えっと・・・
男「ゆく年―」
女「さる年」
男「そこで去っちゃダメだろ!いつまで経っても年が来ねえよ!」
そこは行く年来る年だ。
行く年去る年とか、年が行ってそのまままた去るなんて、そんなの悲惨すぎるだろ。
男「まあ大晦日で年が終わって、元旦から新しい年がくるからな」
そういう風に考えれば、俺達のかわるとは、全然違うものなのだろう。
所詮考え方の違いであって、そんなことを考えたところで、なんの意味もないのだろうけど。
そういえば、古い年が行って、新しい年が来るみたいな言葉あったよな・・・。
えっと・・・
男「ゆく年―」
女「さる年」
男「そこで去っちゃダメだろ!いつまで経っても年が来ねえよ!」
そこは行く年来る年だ。
行く年去る年とか、年が行ってそのまままた去るなんて、そんなの悲惨すぎるだろ。
97 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:12:37.31 ID:Zg3Yn1Fd0
女「ちっちっちっ。去る年じゃなくて、申年ってことだよ」
男「申年?」
女「そう。年が行って、今度は申年が来るってこと」
あー、なるほど。
それなら年が行きっぱなしで、来ないということはないわけか。
ふむ、ひとまず安心だ。
男「って今年は申年じゃねえ!辰年だ!」
危うく騙されるところだった!
申年が来るのなんて、まだまだ先じゃないか。
女「じゃあ行く年辰年?」
男「もはや全く関係なくなっちゃったよ!」
それがありなら、もうなんでもありだろ。
十二支全てで成り立ってしまう。
全十二パターンを、一年ごとに使い分けるようだ。
そうなったら、もはや最初の行く年なんか取ってしまって、申年とか、辰年とか、そのままでよくなってしまうだろう。
男「申年?」
女「そう。年が行って、今度は申年が来るってこと」
あー、なるほど。
それなら年が行きっぱなしで、来ないということはないわけか。
ふむ、ひとまず安心だ。
男「って今年は申年じゃねえ!辰年だ!」
危うく騙されるところだった!
申年が来るのなんて、まだまだ先じゃないか。
女「じゃあ行く年辰年?」
男「もはや全く関係なくなっちゃったよ!」
それがありなら、もうなんでもありだろ。
十二支全てで成り立ってしまう。
全十二パターンを、一年ごとに使い分けるようだ。
そうなったら、もはや最初の行く年なんか取ってしまって、申年とか、辰年とか、そのままでよくなってしまうだろう。
98 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:14:41.30 ID:Zg3Yn1Fd0
女「でもさ、ゆく年くる年って、年の部分を人に変えたらなんか嫌な言葉だよね」
男「ん?行く人来る人ってことか?別に嫌な言葉だとは思わないけど」
別れがあって、新しい出会いがある。
そんな感じの意味に、捉えることが出来ると思う。
それは、特に嫌な言葉ではなく、むしろなにか良い言葉のような、そんな感じにさえ思える。
女「逝く人来る人って、どうなのかなって」
男「なんか重い!」
逝く人とかやめてくれ!
まあ人が逝って、新しい人が生まれて来ると考えれば、それは自然の摂理であって、確かにそうなのだけれども。
でも今までの展開から、話の重さが変わりすぎだろう。
女「まあそれは冗談として、行く人来る人って、行く年来る年と違って、必ずじゃないんだよね」
男「?」
100 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:16:47.81 ID:Zg3Yn1Fd0
必ずじゃない?
女の言わんとしていることが、よく伝わってこない。
なにが必ずではないというのだろうか。
女「年って言うのは、必ず行くものだよね。そしてそれと同時に、年が行けば、必ず年が来るわけだよ」
男「えっとー・・・つまり、今年が終われば、次は必ず来年が来る、とかそういう意味か?」
女「うん。まあそういう意味だね。でも人って言うのは、必ず行って、必ず来るものじゃないと思うの」
男「・・・必ず行って、必ず来るものじゃない?」
女「つまり、わかり易く言い換えれば、人って言うのは、必ずしも別れがあって、必ずしも出会いがあるわけではないでしょ?年と違って、行く人を止めることは出来るし、来る人が来ないかもしれない」
そして、女は少し間をあけ、
女「・・・人は年と違って、別れたくなければ、別れなくていいんだよ」
と言った。
その顔はとても真剣な表情をしていて、でもどこか寂しそうで・・・。
女の表情も、そして俺達の間のなにかも、崩れてしまいそうな気がした。
女の言わんとしていることが、よく伝わってこない。
なにが必ずではないというのだろうか。
女「年って言うのは、必ず行くものだよね。そしてそれと同時に、年が行けば、必ず年が来るわけだよ」
男「えっとー・・・つまり、今年が終われば、次は必ず来年が来る、とかそういう意味か?」
女「うん。まあそういう意味だね。でも人って言うのは、必ず行って、必ず来るものじゃないと思うの」
男「・・・必ず行って、必ず来るものじゃない?」
女「つまり、わかり易く言い換えれば、人って言うのは、必ずしも別れがあって、必ずしも出会いがあるわけではないでしょ?年と違って、行く人を止めることは出来るし、来る人が来ないかもしれない」
そして、女は少し間をあけ、
女「・・・人は年と違って、別れたくなければ、別れなくていいんだよ」
と言った。
その顔はとても真剣な表情をしていて、でもどこか寂しそうで・・・。
女の表情も、そして俺達の間のなにかも、崩れてしまいそうな気がした。
101 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:18:56.32 ID:Zg3Yn1Fd0
女「私、高校を卒業してから今日まで、男と全く会ってもなければ連絡もとってなくて、このまま疎遠になっていくんじゃないかと思った。そんなことを考えたら、なんだか急に寂しくなっちゃって・・・会いたくなっちゃったの・・・」
男「女・・・」
それでわざわざ、俺のところに来たということか・・・。
俺の母さんが心配してたからなんて言ってたけど、結局は俺に会いたかっただけだったってことだ。
お前も俺に負けず劣らず見栄っ張りじゃないか・・・。
でもやっぱり、見栄っ張りでは俺の方が上だ。
男「俺も・・・寂しかった・・・」
男「本当は女に会いたくてしょうがなかったんだ・・・」
男「女・・・」
それでわざわざ、俺のところに来たということか・・・。
俺の母さんが心配してたからなんて言ってたけど、結局は俺に会いたかっただけだったってことだ。
お前も俺に負けず劣らず見栄っ張りじゃないか・・・。
でもやっぱり、見栄っ張りでは俺の方が上だ。
男「俺も・・・寂しかった・・・」
男「本当は女に会いたくてしょうがなかったんだ・・・」
102 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:21:16.71 ID:Zg3Yn1Fd0
今日まで女のことを忘れたことはない。
女が俺の家に来た時、なんでいるんだ?みたいなことを、平然な顔をして言ったが、あれは見栄だ。
内心嬉しくてしょうがなかった。
女への想いを忘れていて、それを思い出したなんて言ったが、あれも見栄だ。
思い出したもなにも、最初から忘れてなんていない。
全部、見栄だ。
俺の話は、見栄で固められた話だ。
もしかしたら、今までの話、ここまでの出来事、全部見栄だったのかもしれない。
常日頃から見栄を張っている俺には、それが見栄なのか、真実なのか、もはやわからなくなっているのかもしれない。
でも、そんなことはもうどうでもいい。
見栄を張るのは終わりだ。
女が俺の家に来た時、なんでいるんだ?みたいなことを、平然な顔をして言ったが、あれは見栄だ。
内心嬉しくてしょうがなかった。
女への想いを忘れていて、それを思い出したなんて言ったが、あれも見栄だ。
思い出したもなにも、最初から忘れてなんていない。
全部、見栄だ。
俺の話は、見栄で固められた話だ。
もしかしたら、今までの話、ここまでの出来事、全部見栄だったのかもしれない。
常日頃から見栄を張っている俺には、それが見栄なのか、真実なのか、もはやわからなくなっているのかもしれない。
でも、そんなことはもうどうでもいい。
見栄を張るのは終わりだ。
103 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:23:32.94 ID:Zg3Yn1Fd0
男「俺は・・・・」
ここからの話は全て、見栄ではなく、真実だ。
嘘偽りない―
いや、言うなれば見栄偽りない、真実の話。
俺の本当の気持ち。
男「女のことが好きだ!付きあってくれ!」
女「・・・・・・・・・」
沈黙。
女は俯いてなにも言わない。
このタイミングでの俺の発言は、失敗だったのだろうか・・・。
ここからの話は全て、見栄ではなく、真実だ。
嘘偽りない―
いや、言うなれば見栄偽りない、真実の話。
俺の本当の気持ち。
男「女のことが好きだ!付きあってくれ!」
女「・・・・・・・・・」
沈黙。
女は俯いてなにも言わない。
このタイミングでの俺の発言は、失敗だったのだろうか・・・。
104 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:25:52.59 ID:Zg3Yn1Fd0
女「・・・・・・・うぐっ・・・ひっく・・こちらこぞお願いじます」
男「え!?泣き!?というかOK!?でも泣き!?」
喜んでいいの!?
でも泣いてる女の横で、俺だけ喜んでいいの!?
というより、なんで泣いてんの!?
女「だっで・・・やっと言ってくれて・・・」
女「嬉じぐて・・・」
男「わ、わかったから、とりあえず落ち着け。な?」
女「・・・うん」
俺も人のことを言えないくらい、落ち着いたほうがいい動揺っぷりだったように思えるが・・・。
でもまずは女が泣いているのを、どうにか落ち着かせようと、俺は必死にかける言葉を探す。
男「え!?泣き!?というかOK!?でも泣き!?」
喜んでいいの!?
でも泣いてる女の横で、俺だけ喜んでいいの!?
というより、なんで泣いてんの!?
女「だっで・・・やっと言ってくれて・・・」
女「嬉じぐて・・・」
男「わ、わかったから、とりあえず落ち着け。な?」
女「・・・うん」
俺も人のことを言えないくらい、落ち着いたほうがいい動揺っぷりだったように思えるが・・・。
でもまずは女が泣いているのを、どうにか落ち着かせようと、俺は必死にかける言葉を探す。
105 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:28:03.38 ID:Zg3Yn1Fd0
そして、俺なりにチョイスした言葉をかける。
男「大丈夫だ。俺がそばにいてやるから」
女「うわーん!男にそばにいてあげるって言われたー!」
男「なんで更に泣くんだよ!」
さっきより号泣じゃないか。
必死にチョイスした言葉だったはずなのに、かける言葉を間違えたか?
女「男が・・・女心を全然わかってないからだよ・・・」
男「悪かったよ。頭撫でててやるから、少し落ち着け」
女「うわーん!男が頭撫でてくれるってー!」
男「いやだから本当落ち着けって!」
いい加減、周りがざわつき始めたから!
これじゃ俺が、女を泣かせたみたいじゃないか!
・・・まあ実際そうなんだろうけど。
でも頼むから、俺にも喜びの余韻に浸らせてくれ!
男「大丈夫だ。俺がそばにいてやるから」
女「うわーん!男にそばにいてあげるって言われたー!」
男「なんで更に泣くんだよ!」
さっきより号泣じゃないか。
必死にチョイスした言葉だったはずなのに、かける言葉を間違えたか?
女「男が・・・女心を全然わかってないからだよ・・・」
男「悪かったよ。頭撫でててやるから、少し落ち着け」
女「うわーん!男が頭撫でてくれるってー!」
男「いやだから本当落ち着けって!」
いい加減、周りがざわつき始めたから!
これじゃ俺が、女を泣かせたみたいじゃないか!
・・・まあ実際そうなんだろうけど。
でも頼むから、俺にも喜びの余韻に浸らせてくれ!
107 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:30:20.41 ID:Zg3Yn1Fd0
・・・
男「落ち着いたか?」
女「うん・・・。さっきはごめんね」
男「まあ別にかまわないけど・・・。」
あれから周りの目が気になって、仕方なかったけどな。
どこからともなく、「若いっていいなー」みたいな声が聞こえ始めたときは、恥ずかしくて逃げ出したかったよ。
女「やっと男からその言葉を聞けて、つい嬉しくなっちゃって・・・」
男「だからって泣くなよ・・・」
109 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:32:21.94 ID:Zg3Yn1Fd0
女「だって私、生まれたときからその言葉ずっと待ってたんだよ?」
男「それは嘘だ!」
お前と初めて会ったのは、そんな昔の話じゃない!
もう少し成長してからだ!
女「むしろ前世から」
男「それも嘘だ!いや・・・でも本当なのか・・・?」
当たり前だが、俺に前世の記憶なんてものはない。
だからこいつに前世の記憶があるというのなら、俺に否定することはできない。
もしかしてこいつ、前世の記憶があるとでも・・・
女「そんなわけないじゃん。前世なんて知らないよ」
男「そりゃそうだ!」
前世なんてわかるわけねえよ!
そんなの覚えているなら、それこそ今更言うかよって話だ。
男「それは嘘だ!」
お前と初めて会ったのは、そんな昔の話じゃない!
もう少し成長してからだ!
女「むしろ前世から」
男「それも嘘だ!いや・・・でも本当なのか・・・?」
当たり前だが、俺に前世の記憶なんてものはない。
だからこいつに前世の記憶があるというのなら、俺に否定することはできない。
もしかしてこいつ、前世の記憶があるとでも・・・
女「そんなわけないじゃん。前世なんて知らないよ」
男「そりゃそうだ!」
前世なんてわかるわけねえよ!
そんなの覚えているなら、それこそ今更言うかよって話だ。
110 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:34:26.95 ID:Zg3Yn1Fd0
女「でも、ずっと待ってたって言うのは本当だよ?」
男「ごめん・・・。待たせちまったな」
女「本当だよ。前世の時からだから、かれこれ―」
男「もうそれはいいって!」
でもまあ、女が言うほど大袈裟な時間ではないが、この言葉を言うまでに時間がかかったのは事実だ。
それこそ、何年、十何年と。
女「そう言えば、私の初詣のお願い叶っちゃった」
男「俺もだよ」
初詣のお願い。
今更あえて言うことでもないので、なにをお願いしたかは言わないが、俺も女も願い事は一緒だったのだろう。
女「大吉パワーのおかげもあるのかな?」
エンジェルス・ノティス
男「大吉の力か!?」
女「ちがうよ」
男「・・・」
男「ごめん・・・。待たせちまったな」
女「本当だよ。前世の時からだから、かれこれ―」
男「もうそれはいいって!」
でもまあ、女が言うほど大袈裟な時間ではないが、この言葉を言うまでに時間がかかったのは事実だ。
それこそ、何年、十何年と。
女「そう言えば、私の初詣のお願い叶っちゃった」
男「俺もだよ」
初詣のお願い。
今更あえて言うことでもないので、なにをお願いしたかは言わないが、俺も女も願い事は一緒だったのだろう。
女「大吉パワーのおかげもあるのかな?」
エンジェルス・ノティス
男「大吉の力か!?」
女「ちがうよ」
男「・・・」
111 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:36:37.35 ID:Zg3Yn1Fd0
女「でも私は大吉パワーで幸せになれたんだったとしたら、案外男は大凶パワーで不幸せになるのかもね。私と付き合うことで」
そう言いながら、女はおかしそうにふふっと笑う。
なんだかこいつ幸せそうだなあと思いながらも、俺は、
男「やなこと言うなよ・・・」
と、少し暗くなってしまう。
それが付き合い始めた彼氏に、彼女が言うことかよ。
私と付き合うことで不幸になるかもねって・・・。
女「冗談だよ。男の大凶パワーは私の大吉パワーに打ち消されちゃったんだよ」
男「だといいけど・・・」
女「きっとそうだよ。だから私の勝ち」
男「勝ち?」
そう言いながら、女はおかしそうにふふっと笑う。
なんだかこいつ幸せそうだなあと思いながらも、俺は、
男「やなこと言うなよ・・・」
と、少し暗くなってしまう。
それが付き合い始めた彼氏に、彼女が言うことかよ。
私と付き合うことで不幸になるかもねって・・・。
女「冗談だよ。男の大凶パワーは私の大吉パワーに打ち消されちゃったんだよ」
男「だといいけど・・・」
女「きっとそうだよ。だから私の勝ち」
男「勝ち?」
112 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:38:44.34 ID:Zg3Yn1Fd0
ああ・・・。
そういえば、そんなことで女と勝負してたんだった。
全く勝つ気はなかったから、忘れてたけど。
女「だから罰ゲームとして、なんでも言うこと聞いてね?」
男「そんな罰ゲームあったか!?」
女「今作った」
男「理不尽!」
勝ってから罰ゲーム決めるとか、傲慢すぎるだろ!
まあ元から勝ちたくない勝負ではあったけども。
男「・・・で、罰ゲームってなんだよ?」
こういうときの女は、なにを言っても無駄だということを俺は知っているので、半ば諦めの様な感じで、罰ゲームの内容を促す。
こういうのは、さっさと済ませてしまった方がいいだろう。
あとから言われるのも面倒くさい。
そういえば、そんなことで女と勝負してたんだった。
全く勝つ気はなかったから、忘れてたけど。
女「だから罰ゲームとして、なんでも言うこと聞いてね?」
男「そんな罰ゲームあったか!?」
女「今作った」
男「理不尽!」
勝ってから罰ゲーム決めるとか、傲慢すぎるだろ!
まあ元から勝ちたくない勝負ではあったけども。
男「・・・で、罰ゲームってなんだよ?」
こういうときの女は、なにを言っても無駄だということを俺は知っているので、半ば諦めの様な感じで、罰ゲームの内容を促す。
こういうのは、さっさと済ませてしまった方がいいだろう。
あとから言われるのも面倒くさい。
113 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:41:32.68 ID:Zg3Yn1Fd0
女「・・・私とずっと一緒にいてください」
男「へ?」
予想だにしなかった女の言葉に、俺は素っ頓狂な声をあげてしまう。
女「だからっ、私とずっと一緒にいてって言ったのっ!」
男「いや、それはわかったけど・・・。そんなことでいいのか?」
俺は思ったことを、素直に口にする。
女のことだからどうせ、「日の出と同時に俺はロリコンだーって大声で叫んで」とか、そういう理不尽な罰ゲームを言うものだとばかり思っていた。
それがこんな罰ゲームだなんて、一体どこの俺が予想しただろうか・・・。
女「そんなことって、私にとっては大事な事だもん!」
男「いやそういう意味じゃなくて、そんな簡単なことでいいのかって話。むしろ罰ゲームどころか、俺にとってはご褒美と言ってもいいくらいだぜ?」
女「っ!なんで男は、そんな恥ずかしいこと平気で言うかな!」
男「罰ゲームじゃなくても、最初からそうするつもりでいたからな」
女「あうぅ・・・」
男「へ?」
予想だにしなかった女の言葉に、俺は素っ頓狂な声をあげてしまう。
女「だからっ、私とずっと一緒にいてって言ったのっ!」
男「いや、それはわかったけど・・・。そんなことでいいのか?」
俺は思ったことを、素直に口にする。
女のことだからどうせ、「日の出と同時に俺はロリコンだーって大声で叫んで」とか、そういう理不尽な罰ゲームを言うものだとばかり思っていた。
それがこんな罰ゲームだなんて、一体どこの俺が予想しただろうか・・・。
女「そんなことって、私にとっては大事な事だもん!」
男「いやそういう意味じゃなくて、そんな簡単なことでいいのかって話。むしろ罰ゲームどころか、俺にとってはご褒美と言ってもいいくらいだぜ?」
女「っ!なんで男は、そんな恥ずかしいこと平気で言うかな!」
男「罰ゲームじゃなくても、最初からそうするつもりでいたからな」
女「あうぅ・・・」
114 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:43:38.93 ID:Zg3Yn1Fd0
女は恥ずかしそうに、顔を真っ赤にして俯いてしまった。
まあ実は俺も、平気で言ってはいないんだけどな。
あんな臭いセリフ、言った後に火が噴き出そうな程恥ずかしくなってしまった・・・。
男「まああれだ。そんなこと罰ゲームで言われなくたって、俺はお前とずっと一緒にいるよ」
女「男・・・。ありがとう・・・」
男「そんな礼を言われることじゃないだろ」
むしろ俺からも、ずっと一緒にいてくださいとお願いしたっていいくらいだ。
まあそんなこと、恥ずかしいから言えないけども。
・・・でもよくよく考えてみれば、俺がさっき言った言葉も、十分恥ずかしいよな。
・・・。
やべー・・・超恥ずかしいんですけど・・・。
まあ実は俺も、平気で言ってはいないんだけどな。
あんな臭いセリフ、言った後に火が噴き出そうな程恥ずかしくなってしまった・・・。
男「まああれだ。そんなこと罰ゲームで言われなくたって、俺はお前とずっと一緒にいるよ」
女「男・・・。ありがとう・・・」
男「そんな礼を言われることじゃないだろ」
むしろ俺からも、ずっと一緒にいてくださいとお願いしたっていいくらいだ。
まあそんなこと、恥ずかしいから言えないけども。
・・・でもよくよく考えてみれば、俺がさっき言った言葉も、十分恥ずかしいよな。
・・・。
やべー・・・超恥ずかしいんですけど・・・。
115 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:45:42.66 ID:Zg3Yn1Fd0
女「じゃあ罰ゲームだなんて思わないってこと?」
男「あ、ああ。当然だろ」
自分の言葉を思い出して、急に恥ずかしくなってしまった俺は、必死に平然を装うとする。
俺の顔、今真っ赤かも・・・。
女「それなら、罰ゲームは他のを考えないとね!」
男「っておい!なんでそんな話になるんだ!」
女「なにがいいかなー」
男「人の話を聞け!」
とんでもないやつだ。
一人で恥ずかしくなって、顔を真っ赤にしている場合じゃないぞ。
今度こそ、とんでもない理不尽な要求がくるはずだ・・・。
女「じゃあ、日の出と同時に俺はロリコンだーって大声で叫んで!」
男「やっぱりそうきたか!」
男「あ、ああ。当然だろ」
自分の言葉を思い出して、急に恥ずかしくなってしまった俺は、必死に平然を装うとする。
俺の顔、今真っ赤かも・・・。
女「それなら、罰ゲームは他のを考えないとね!」
男「っておい!なんでそんな話になるんだ!」
女「なにがいいかなー」
男「人の話を聞け!」
とんでもないやつだ。
一人で恥ずかしくなって、顔を真っ赤にしている場合じゃないぞ。
今度こそ、とんでもない理不尽な要求がくるはずだ・・・。
女「じゃあ、日の出と同時に俺はロリコンだーって大声で叫んで!」
男「やっぱりそうきたか!」
116 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:47:58.55 ID:Zg3Yn1Fd0
やはりこいつは、期待を裏切らないやつだぜ。
そんなところで、期待を裏切られなくても、なにも嬉しくないけれど。
女「なんて、冗談だよ。彼氏がそんなこと叫び始めたら、私が恥ずかしいもん」
男「彼氏じゃなかったら、よかったのかよ」
女「うん。男が私と付き合ってなかったら、言わせてた」
男「その基準がわかんねえ!」
彼氏でも彼氏じゃなくても、一緒にいるやつがそんなこと叫び始めたら、普通に恥ずかしいわ!
彼氏になっていなかったら叫ばされていたんだと思うと、改めて彼氏になれてよかったと思う。
いや、でも待て・・・。
もし彼氏にならなければ、そもそも罰ゲーム自体なかったわけで・・・。
女「馬鹿がなにかを必死に考えてる」
男「突然人を馬鹿呼ばわりするな!」
人が少し真剣に考えてるだけでこれだ。
あともう少しで、なにか真理のようなものに辿り着けるような気がしたのに。
そんなところで、期待を裏切られなくても、なにも嬉しくないけれど。
女「なんて、冗談だよ。彼氏がそんなこと叫び始めたら、私が恥ずかしいもん」
男「彼氏じゃなかったら、よかったのかよ」
女「うん。男が私と付き合ってなかったら、言わせてた」
男「その基準がわかんねえ!」
彼氏でも彼氏じゃなくても、一緒にいるやつがそんなこと叫び始めたら、普通に恥ずかしいわ!
彼氏になっていなかったら叫ばされていたんだと思うと、改めて彼氏になれてよかったと思う。
いや、でも待て・・・。
もし彼氏にならなければ、そもそも罰ゲーム自体なかったわけで・・・。
女「馬鹿がなにかを必死に考えてる」
男「突然人を馬鹿呼ばわりするな!」
人が少し真剣に考えてるだけでこれだ。
あともう少しで、なにか真理のようなものに辿り着けるような気がしたのに。
117 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:50:04.87 ID:Zg3Yn1Fd0
女「でもそんな男も好きだよ」
男「こいつ・・・」
そんなこと言われたら、なにも言い返せないだろ。
こいつだって、平気な顔して恥ずかしいこと言ってんじゃねえかよ。
女「あっ!男見て!」
男「え?」
俺は突然声をあげた女に反応し、その見ている方へと視線をむける。
男「おお・・・」
そこには、綺麗に空をオレンジ色に染める、眩しいくらいの日の出があった。
女「綺麗だね・・・」
男「そうだな・・・」
男「こいつ・・・」
そんなこと言われたら、なにも言い返せないだろ。
こいつだって、平気な顔して恥ずかしいこと言ってんじゃねえかよ。
女「あっ!男見て!」
男「え?」
俺は突然声をあげた女に反応し、その見ている方へと視線をむける。
男「おお・・・」
そこには、綺麗に空をオレンジ色に染める、眩しいくらいの日の出があった。
女「綺麗だね・・・」
男「そうだな・・・」
118 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:52:06.47 ID:Zg3Yn1Fd0
初日の出を見るのは初めてだったが、思った通り綺麗な日の出だった。
いや。
思っていたより、凄く綺麗だった。
こんなにも綺麗なのなら、見に来た甲斐があったというものだ。
男「・・・」
女「・・・」
俺達は、しばらくの間、初日の出に見入っていた。
周りには他にも人はいるのだが、二人だけしかいないような、そんな気さえしてくる。
・・・。
静まり返る時間。
そんな中、沈黙を破るように女が口を開いた。
いや。
思っていたより、凄く綺麗だった。
こんなにも綺麗なのなら、見に来た甲斐があったというものだ。
男「・・・」
女「・・・」
俺達は、しばらくの間、初日の出に見入っていた。
周りには他にも人はいるのだが、二人だけしかいないような、そんな気さえしてくる。
・・・。
静まり返る時間。
そんな中、沈黙を破るように女が口を開いた。
120 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:55:52.50 ID:Zg3Yn1Fd0
女「来年も一緒に見にこようね・・・」
男「ああ」
女「ちゃんと予定空けておいてよ?」
男「わかってるよ」
言われなくても、予定なんておけておくさ。
と言ったって、こいつの場合、次は必ずこう言うはずだ。
女「あっ。そんなこと言わなくても、」
女「どうせ、一人寂しく過ごしてるんでしょ?」
ってな。
男「ああ」
女「ちゃんと予定空けておいてよ?」
男「わかってるよ」
言われなくても、予定なんておけておくさ。
と言ったって、こいつの場合、次は必ずこう言うはずだ。
女「あっ。そんなこと言わなくても、」
女「どうせ、一人寂しく過ごしてるんでしょ?」
ってな。
121 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:58:17.77 ID:Zg3Yn1Fd0
前までの俺なら、そんなことねえよ!なんて見栄を張っていたかもしれないけど、もう見栄を張るのはやめた。
俺は素直に答える。
男「そうだな。お前との予定以外は入らないよ」
来年も、そのまた次の年も、さらにそのまた次の年も、ずっとお前以外との予定は入らない。
入らないし、いれない。
男「だから、これからもずっと一緒にいよう」
女「ぷっ。なに真顔で臭いセリフ言ってるの?恥ずかしいよ?」
男「ちょっ!空気呼んでくれ!」
今ちょっとかっこつけたいところだったんだよ!
というか、そういうこと言うのやめて!
本当に恥ずかしくなってくるから!
俺は素直に答える。
男「そうだな。お前との予定以外は入らないよ」
来年も、そのまた次の年も、さらにそのまた次の年も、ずっとお前以外との予定は入らない。
入らないし、いれない。
男「だから、これからもずっと一緒にいよう」
女「ぷっ。なに真顔で臭いセリフ言ってるの?恥ずかしいよ?」
男「ちょっ!空気呼んでくれ!」
今ちょっとかっこつけたいところだったんだよ!
というか、そういうこと言うのやめて!
本当に恥ずかしくなってくるから!
122 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:00:30.16 ID:4imTV9Gi0
女「でも、そんな男が好きだよ!」
男「まったく・・・」
本当にこいつは調子いいやつだよ。
ふざけてみたり、笑ったり、怒ったり、泣いたり。
こいつと一緒にいるのには、俺の体力がいくつあっても持たないかもしれない。
でも、俺はそれでもいいと思ってる。
なんてったって、俺はこいつの彼氏なのだから。
こいつは俺の彼女なのだから。
そしてなにより、
男「俺もそんな女が好きだ!」
俺達は、こんな感じでいつまでもずっと一緒にいるのだろう。
これは見栄なんかではなく、俺が心からそう思えたから。
fin.
男「まったく・・・」
本当にこいつは調子いいやつだよ。
ふざけてみたり、笑ったり、怒ったり、泣いたり。
こいつと一緒にいるのには、俺の体力がいくつあっても持たないかもしれない。
でも、俺はそれでもいいと思ってる。
なんてったって、俺はこいつの彼氏なのだから。
こいつは俺の彼女なのだから。
そしてなにより、
男「俺もそんな女が好きだ!」
俺達は、こんな感じでいつまでもずっと一緒にいるのだろう。
これは見栄なんかではなく、俺が心からそう思えたから。
fin.
125 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:05:45.17 ID:Zg3Yn1Fd0
終わりです。
最後まで見てくださった方、ありがとうございました。
SS書くのも、むしろスレ建てするのも初めてだったので、とりあえずVIPでやってみたんだけど、なんか場違いだったかも・・・。
ごめんです。
最後まで見てくださった方、ありがとうございました。
SS書くのも、むしろスレ建てするのも初めてだったので、とりあえずVIPでやってみたんだけど、なんか場違いだったかも・・・。
ごめんです。
124 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:05:26.14 ID:/uyHpWC6O
乙
126 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:07:49.69 ID:cJK7IipD0
乙
Entry ⇒ 2012.03.01 | Category ⇒ 男女「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
魔王「これからも宜しく頼むぞ勇者よ!」勇者「あぁ、こちらこそな」
元スレ:魔王「これからも宜しく頼むぞ勇者よ!」勇者「あぁ、こちらこそな」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329567196/
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329567196/
1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:13:16.05 ID:pk9DlHq00
~魔王城にて~
勇者「おい!」
魔王「……僕は今忙しいんだ。後にしてくれ」
勇者「……」
勇者(……こいつが新しい魔王なのか?)
勇者(まだ、子供じゃないか……)
魔王「……何だ、僕に何か用か?」ジロ
勇者「あ、ああ……」
魔王「用事があるなら、外の用紙に記入して呼び出しを待っていろ」
勇者「用紙?」
魔王「扉の所に書いてあったはずだが。見なかったのか?」
勇者「そういえば何か書いてあったような……」
魔王「…………」
勇者「おい!」
魔王「……僕は今忙しいんだ。後にしてくれ」
勇者「……」
勇者(……こいつが新しい魔王なのか?)
勇者(まだ、子供じゃないか……)
魔王「……何だ、僕に何か用か?」ジロ
勇者「あ、ああ……」
魔王「用事があるなら、外の用紙に記入して呼び出しを待っていろ」
勇者「用紙?」
魔王「扉の所に書いてあったはずだが。見なかったのか?」
勇者「そういえば何か書いてあったような……」
魔王「…………」
2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:13:58.10 ID:pk9DlHq00
勇者(魔王を倒したっていうのに、世界は一向に平和にならない)
勇者(それどころか、魔物が人を襲う事件は増える一方……)
勇者(不思議に思って、魔王城の様子を見に来たら……)
勇者(……)
魔王「……おい」
勇者「お、おう!」
魔王「用事があるなら、外の用紙に記入をして待てと言ったはずだが?」
勇者「お前が魔王だな?」
魔王「人に名前を尋ねる時は、まず自分から名乗るのが礼儀ではないか?」
勇者「そ、そうだな……(何だ……こいつは調子が狂う……)」
魔王「それで、お前は誰だ?」
勇者「お、俺は勇者だ。お前が新しい魔王か?」
魔王「……そうか、お前が勇者か。お尋ねのとおり、僕が第72代の魔王だ」
勇者(……やはり、この子供が魔王なのか)
勇者(それどころか、魔物が人を襲う事件は増える一方……)
勇者(不思議に思って、魔王城の様子を見に来たら……)
勇者(……)
魔王「……おい」
勇者「お、おう!」
魔王「用事があるなら、外の用紙に記入をして待てと言ったはずだが?」
勇者「お前が魔王だな?」
魔王「人に名前を尋ねる時は、まず自分から名乗るのが礼儀ではないか?」
勇者「そ、そうだな……(何だ……こいつは調子が狂う……)」
魔王「それで、お前は誰だ?」
勇者「お、俺は勇者だ。お前が新しい魔王か?」
魔王「……そうか、お前が勇者か。お尋ねのとおり、僕が第72代の魔王だ」
勇者(……やはり、この子供が魔王なのか)
4 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:15:47.65 ID:pk9DlHq00
魔王「それで……勇者が僕に一体何の用だ?」
勇者「魔王を倒したのに、モンスターが人を襲う事件が最近増え続けている」
魔王「……そのようだな」
勇者「新しい魔王、お前の差し金だな!」
魔王「違う」
勇者「嘘をつけ。ならどうして魔物が人々を襲うんだ?」
魔王「…………」
勇者「どうした、答えてみろ」チャキッ
魔王「その物騒な物をしまえ」
勇者「うるさい。お前を倒して世界の平和を守る!」
魔王「……はぁ。その調子で父さまを殺したのだな」
勇者「何?」
魔王「魔物が人々を襲うのはお前のせいだぞ、勇者よ」
勇者「魔王を倒したのに、モンスターが人を襲う事件が最近増え続けている」
魔王「……そのようだな」
勇者「新しい魔王、お前の差し金だな!」
魔王「違う」
勇者「嘘をつけ。ならどうして魔物が人々を襲うんだ?」
魔王「…………」
勇者「どうした、答えてみろ」チャキッ
魔王「その物騒な物をしまえ」
勇者「うるさい。お前を倒して世界の平和を守る!」
魔王「……はぁ。その調子で父さまを殺したのだな」
勇者「何?」
魔王「魔物が人々を襲うのはお前のせいだぞ、勇者よ」
5 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:20:29.52 ID:pk9DlHq00
勇者「ふざけた事を言うな!」
魔王「ふざけてなんかいない。魔物が人々を襲うのは、間違いなくお前のせいなんだよ」
勇者「そんな言葉に惑わされる俺だと思うのか?」
魔王「惑わすも何も事実だ。嘘だと思うなら、僕を殺してみるがいい」
勇者「は?」
魔王「僕は抵抗しない。だが、僕を殺しても何も変わらないぞ」
勇者「……そうやって油断させるつもりか?」
魔王「疑り深い奴だな」
勇者「当たり前だ、お前は魔王だろう」
魔王「僕には父さまのような力はない。抵抗するだけ無駄だからな」
勇者(確かに見かけは子供だが……)
魔王「ふざけてなんかいない。魔物が人々を襲うのは、間違いなくお前のせいなんだよ」
勇者「そんな言葉に惑わされる俺だと思うのか?」
魔王「惑わすも何も事実だ。嘘だと思うなら、僕を殺してみるがいい」
勇者「は?」
魔王「僕は抵抗しない。だが、僕を殺しても何も変わらないぞ」
勇者「……そうやって油断させるつもりか?」
魔王「疑り深い奴だな」
勇者「当たり前だ、お前は魔王だろう」
魔王「僕には父さまのような力はない。抵抗するだけ無駄だからな」
勇者(確かに見かけは子供だが……)
6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:24:02.18 ID:pk9DlHq00
魔王「どうした、殺さないのか?」
勇者「……『俺のせい』というのはどういう事だ?」
魔王「お前達が父さま……先代の魔王を殺した事で魔界はどうなったと思う?」
勇者「……どう、とは?」
魔王「はぁ……」
勇者「何だ、その馬鹿にしたような溜め息は!」
魔王「溜め息もつきたくなる。まぁ、座れ」
勇者「……」
魔王「……座りたくなければそのままでも構わない。だが長くなるぞ」
勇者「それで、魔界がどうだっていうんだ?」
魔王「……その話だったな。魔界にもお前達人間の世界と同じように秩序があってな」
勇者「秩序だと?」
魔王「あぁ、そうだ。人間の世界は王や領主が国を統治する、これは間違いないな?」
勇者「それがどうした?」
勇者「……『俺のせい』というのはどういう事だ?」
魔王「お前達が父さま……先代の魔王を殺した事で魔界はどうなったと思う?」
勇者「……どう、とは?」
魔王「はぁ……」
勇者「何だ、その馬鹿にしたような溜め息は!」
魔王「溜め息もつきたくなる。まぁ、座れ」
勇者「……」
魔王「……座りたくなければそのままでも構わない。だが長くなるぞ」
勇者「それで、魔界がどうだっていうんだ?」
魔王「……その話だったな。魔界にもお前達人間の世界と同じように秩序があってな」
勇者「秩序だと?」
魔王「あぁ、そうだ。人間の世界は王や領主が国を統治する、これは間違いないな?」
勇者「それがどうした?」
7 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:29:17.20 ID:pk9DlHq00
魔王「魔界も同様に魔王が魔界全体を、そして魔王に任命された領主が各地を統治している」
勇者「……」
魔王「更に言うなら領主は領内に代官を派遣し、領内の各街や村を統治している」
勇者「……」
魔王「そして各街や村はそれぞれの長が……って聞いているか?」
勇者「あ、あぁ、聞いている」
魔王「そうか、続けるぞ?」
勇者「……続けてくれ」
魔王「人間の世界でも定められた法と秩序の下、各地が統治されている訳だが……」
勇者「あぁ」
魔王「その頂点たる王が突然殺された場合、国はどうなる?」
勇者「えっと……」
勇者「……」
魔王「更に言うなら領主は領内に代官を派遣し、領内の各街や村を統治している」
勇者「……」
魔王「そして各街や村はそれぞれの長が……って聞いているか?」
勇者「あ、あぁ、聞いている」
魔王「そうか、続けるぞ?」
勇者「……続けてくれ」
魔王「人間の世界でも定められた法と秩序の下、各地が統治されている訳だが……」
勇者「あぁ」
魔王「その頂点たる王が突然殺された場合、国はどうなる?」
勇者「えっと……」
9 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:32:28.05 ID:pk9DlHq00
魔王「通常の代替わりとは違い、一国の王が殺されたんだ」
勇者「……」
魔王「国政は混乱し、次の王の座を狙った権力闘争が始まり……」
勇者「……」
魔王「統制が緩んだ中で、私腹を肥やそうとする輩が跋扈し、統治は行き届かなくなる」
勇者「今の魔界がそうだと?」
魔王「そうだ。形式上は先代の子供という事で、僕が第72代の魔王という事になっているが……」
勇者「……」
魔王「僕が力のない事を理由に、一部の領主はそれに不満を持っている」
勇者「ちょ、ちょっと待ってくれ」
魔王「何だ?」
勇者「俺が魔王を倒す前も、魔物は人を襲っていた」
魔王「そうだな」
勇者「俺が魔王を倒したからといって、魔物が人を襲う理由にはならないだろう?」
勇者「……」
魔王「国政は混乱し、次の王の座を狙った権力闘争が始まり……」
勇者「……」
魔王「統制が緩んだ中で、私腹を肥やそうとする輩が跋扈し、統治は行き届かなくなる」
勇者「今の魔界がそうだと?」
魔王「そうだ。形式上は先代の子供という事で、僕が第72代の魔王という事になっているが……」
勇者「……」
魔王「僕が力のない事を理由に、一部の領主はそれに不満を持っている」
勇者「ちょ、ちょっと待ってくれ」
魔王「何だ?」
勇者「俺が魔王を倒す前も、魔物は人を襲っていた」
魔王「そうだな」
勇者「俺が魔王を倒したからといって、魔物が人を襲う理由にはならないだろう?」
11 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:36:39.65 ID:pk9DlHq00
魔王「人間の世界では優れた治世の下であっても、窃盗、暴力、殺人などの犯罪は発生しているはずだが?」
勇者「それは……確かに」
魔王「全ての者が善良であるとは限らない、それは人間の世界でも魔物の世界でも同じだ」
勇者「……つまり、どういう事だ?」
魔王「一部の者は統治を嫌い、好き勝手な行動をする」
勇者「それが人間を襲う魔物だとでも?」
魔王「厳密に言えばそうとばかりも言えないが、少なくとも先代魔王は理由もなく人を襲うのは禁止していた」
勇者「いや、しかし……」
魔王「考えてみろ。魔物の軍勢が統制をもって人間の世界を襲えば、世界征服なぞ容易い事と思わないか?」
勇者「……」
魔王「少なくとも父さまにはその意思がなかった。だからあの程度の小競り合いで済んでいたんだぞ?」
勇者「あの程度だと!」
魔王「被害が出ているのはお互い様だ。お前達だって幾多の魔物を殺しているだろう?」
勇者「それは魔物が人を襲うからじゃないか!」
魔王「本当にそうなのか?」
勇者「それは……確かに」
魔王「全ての者が善良であるとは限らない、それは人間の世界でも魔物の世界でも同じだ」
勇者「……つまり、どういう事だ?」
魔王「一部の者は統治を嫌い、好き勝手な行動をする」
勇者「それが人間を襲う魔物だとでも?」
魔王「厳密に言えばそうとばかりも言えないが、少なくとも先代魔王は理由もなく人を襲うのは禁止していた」
勇者「いや、しかし……」
魔王「考えてみろ。魔物の軍勢が統制をもって人間の世界を襲えば、世界征服なぞ容易い事と思わないか?」
勇者「……」
魔王「少なくとも父さまにはその意思がなかった。だからあの程度の小競り合いで済んでいたんだぞ?」
勇者「あの程度だと!」
魔王「被害が出ているのはお互い様だ。お前達だって幾多の魔物を殺しているだろう?」
勇者「それは魔物が人を襲うからじゃないか!」
魔王「本当にそうなのか?」
12 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:41:16.07 ID:pk9DlHq00
勇者「何だと?」
魔王「お前達が殺した全ての魔物は、本当に人を襲っていたのかと聞いているんだ」
勇者「それは……」
魔王「たまたまそこに住んでいただけ、たまたまそこを通りがかっただけ」
勇者「……」
魔王「そういった魔物を殺さなかったと、お前は言い切れるのか?」
勇者「うっ……」
魔王「……まぁ、その事でお前を責めても何も解決しないな。すまない」
勇者「いや……」
魔王「それで、どこまで話したかな?」
勇者「……魔王が理由もなく人を襲うのを禁止していた」
魔王「あぁ、そうだ。父さまは理由もなく人を襲うのを禁止していた」
勇者「何故、何故魔王は人を襲うのを禁止していたんだ?」
魔王「愚問だな。お前は理由もなく人を襲うのか?」
魔王「お前達が殺した全ての魔物は、本当に人を襲っていたのかと聞いているんだ」
勇者「それは……」
魔王「たまたまそこに住んでいただけ、たまたまそこを通りがかっただけ」
勇者「……」
魔王「そういった魔物を殺さなかったと、お前は言い切れるのか?」
勇者「うっ……」
魔王「……まぁ、その事でお前を責めても何も解決しないな。すまない」
勇者「いや……」
魔王「それで、どこまで話したかな?」
勇者「……魔王が理由もなく人を襲うのを禁止していた」
魔王「あぁ、そうだ。父さまは理由もなく人を襲うのを禁止していた」
勇者「何故、何故魔王は人を襲うのを禁止していたんだ?」
魔王「愚問だな。お前は理由もなく人を襲うのか?」
15 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:45:56.19 ID:pk9DlHq00
勇者「そんな事する訳ないだろう!」
魔王「ではそういう事だ……と言っても納得出来ないといった様子だな」
勇者「当たり前だ」
魔王「……そうだな。お前は魔物という定義を一体何だと考えている?」
勇者「人を襲う化け物だ」
魔王「では、人を襲わない化け物は魔物ではないのか?」
勇者「む……」
魔王「言っておくが、僕は生まれてから人間を殺した事など一度たりともないぞ」
勇者「むむ……」
魔王「お前の言を借りるなら、僕は魔物でない事になる」
勇者「むむむ……」
魔王「だが僕は魔王だ。お前達人間が定義する魔物の王だ、形だけとはいえな」
勇者「……何が言いたい?」
魔王「ではそういう事だ……と言っても納得出来ないといった様子だな」
勇者「当たり前だ」
魔王「……そうだな。お前は魔物という定義を一体何だと考えている?」
勇者「人を襲う化け物だ」
魔王「では、人を襲わない化け物は魔物ではないのか?」
勇者「む……」
魔王「言っておくが、僕は生まれてから人間を殺した事など一度たりともないぞ」
勇者「むむ……」
魔王「お前の言を借りるなら、僕は魔物でない事になる」
勇者「むむむ……」
魔王「だが僕は魔王だ。お前達人間が定義する魔物の王だ、形だけとはいえな」
勇者「……何が言いたい?」
16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:50:18.13 ID:pk9DlHq00
魔王「野に暮らす野獣も腹が空けば人を襲う事も、そして人が人を襲う事もある」
勇者「……そうだな」
魔王「だから、人を襲う事は魔物の定義とは言えない。そうだな?」
勇者「……確かに、そうだ」
魔王「では、魔物とは何なのだ?」
勇者「……よく、わからない」
魔王「よくわからない、それこそが答えではないか?」
勇者「何?」
魔王「よくわからないから恐れ、蔑み、敵視する。人間とはそういうものだろう?」
勇者「……」
魔王「一口に魔物といっても多くの種族がいる」
勇者「種族?」
魔王「そうだ。僕のような魔族をはじめ、代表的なところでいえば竜族、鬼族、獣族、妖精族、不死族……」
勇者「お前は魔族なのか?」
魔王「父さまも僕も魔族だな。力よりも魔力に優れた種族だ」
勇者「……そうだな」
魔王「だから、人を襲う事は魔物の定義とは言えない。そうだな?」
勇者「……確かに、そうだ」
魔王「では、魔物とは何なのだ?」
勇者「……よく、わからない」
魔王「よくわからない、それこそが答えではないか?」
勇者「何?」
魔王「よくわからないから恐れ、蔑み、敵視する。人間とはそういうものだろう?」
勇者「……」
魔王「一口に魔物といっても多くの種族がいる」
勇者「種族?」
魔王「そうだ。僕のような魔族をはじめ、代表的なところでいえば竜族、鬼族、獣族、妖精族、不死族……」
勇者「お前は魔族なのか?」
魔王「父さまも僕も魔族だな。力よりも魔力に優れた種族だ」
17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:53:25.36 ID:pk9DlHq00
勇者「……不死の者も種族になるのか?」
魔王「厳密には不死とは言えないがな。他の種族と比べて死ににくいというだけの話だ」
勇者「確かに殺せなくはなかったな……」
魔王「話はまだ続くが、座らなくても良いのか?」
勇者「結構だ」
魔王「そうか、では話を続けよう」
勇者「あぁ」
魔王「種として考えるなら、人間は動物の中の一種だな?」
勇者「……そうだ」
魔王「お前達の言うところの、よくわからない種族を総称するのが魔物だ」
勇者「総称……」
魔王「動物、植物、同じように魔物というくくりがある。それだけの事だ」
魔王「厳密には不死とは言えないがな。他の種族と比べて死ににくいというだけの話だ」
勇者「確かに殺せなくはなかったな……」
魔王「話はまだ続くが、座らなくても良いのか?」
勇者「結構だ」
魔王「そうか、では話を続けよう」
勇者「あぁ」
魔王「種として考えるなら、人間は動物の中の一種だな?」
勇者「……そうだ」
魔王「お前達の言うところの、よくわからない種族を総称するのが魔物だ」
勇者「総称……」
魔王「動物、植物、同じように魔物というくくりがある。それだけの事だ」
19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 21:58:17.30 ID:pk9DlHq00
魔王「腹が減った為、人の集落を襲う魔物は確かにいるだろう」
勇者「そうだ!」
魔王「だが人間も飢えを満たす為に他の動植物を殺す」
勇者「……」
魔王「金銀財宝が欲しいが為に、人の集落を襲う魔物もいる」
勇者「そうだ……」
魔王「どうした? 急に元気がなくなってきたぞ?」
勇者「金銀財宝が欲しいが為に、人の集落を襲う人間もいる……」
魔王「その通りだ。わかっているじゃないか」
勇者「うるさい」
魔王「欲を満たそうとして無闇に人を襲えば、大規模な争いに発展する」
勇者「それが『理由なく人を襲う事を禁止』していた理由か」
魔王「その通りだ」
勇者「そうだ!」
魔王「だが人間も飢えを満たす為に他の動植物を殺す」
勇者「……」
魔王「金銀財宝が欲しいが為に、人の集落を襲う魔物もいる」
勇者「そうだ……」
魔王「どうした? 急に元気がなくなってきたぞ?」
勇者「金銀財宝が欲しいが為に、人の集落を襲う人間もいる……」
魔王「その通りだ。わかっているじゃないか」
勇者「うるさい」
魔王「欲を満たそうとして無闇に人を襲えば、大規模な争いに発展する」
勇者「それが『理由なく人を襲う事を禁止』していた理由か」
魔王「その通りだ」
20 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:03:00.15 ID:pk9DlHq00
魔王「人間と大規模な争いになれば、無用の犠牲が多数出てしまうからな」
勇者「……」
魔王「だが、一部の者は父さまの命令を無視して人を襲い続けた」
勇者「どうしてだ?」
魔王「泥棒に物を盗む理由を尋ねるのに等しいな」
勇者「……」
魔王「まぁ、己の力を誇示しようとしていた、そういう馬鹿者がいる事も確かだ」
勇者「力を誇示?」
魔王「父さまの統治に対する当てつけのようなものだ。権力闘争はどこにでもあるからな」
勇者「魔物も人間も同じか……」
魔王「そうだな。欲という部分では人間も相当なものだ」
勇者「その連中は……どうにも出来ないか……」
魔王「あぁ、難しい。魔物も人間も同じだ」
勇者「……」
魔王「だが、一部の者は父さまの命令を無視して人を襲い続けた」
勇者「どうしてだ?」
魔王「泥棒に物を盗む理由を尋ねるのに等しいな」
勇者「……」
魔王「まぁ、己の力を誇示しようとしていた、そういう馬鹿者がいる事も確かだ」
勇者「力を誇示?」
魔王「父さまの統治に対する当てつけのようなものだ。権力闘争はどこにでもあるからな」
勇者「魔物も人間も同じか……」
魔王「そうだな。欲という部分では人間も相当なものだ」
勇者「その連中は……どうにも出来ないか……」
魔王「あぁ、難しい。魔物も人間も同じだ」
22 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:06:06.36 ID:pk9DlHq00
魔王「そうこうしている内に現れたのが、お前達勇者一行だ」
勇者「……」
魔王「勇者がこの城にやってくるのは必然だ」
勇者「必然? 魔王を俺達が来るのを予想していたのか?」
魔王「大した理由もなく魔物が人を襲ったのだからな、何かしらの報復があってしかるべきだろう?」
勇者「報復……」
魔王「お前達はこの城に乗り込み、父さまと父さまの側近達を殺して颯爽と去っていった」
勇者「……もういい」
魔王「魔王という抑止を失った魔界は混乱を極め……」
勇者「……やめてくれ」
魔王「己の権力を拡大しようと目論む者は小競り合いを始め、欲望の赴くままに人間を襲う者も増えた」
勇者「…………」
魔王「これが先代魔王亡き後の魔界の実態だ」
勇者「俺達の……俺のせいなのか?」
勇者「……」
魔王「勇者がこの城にやってくるのは必然だ」
勇者「必然? 魔王を俺達が来るのを予想していたのか?」
魔王「大した理由もなく魔物が人を襲ったのだからな、何かしらの報復があってしかるべきだろう?」
勇者「報復……」
魔王「お前達はこの城に乗り込み、父さまと父さまの側近達を殺して颯爽と去っていった」
勇者「……もういい」
魔王「魔王という抑止を失った魔界は混乱を極め……」
勇者「……やめてくれ」
魔王「己の権力を拡大しようと目論む者は小競り合いを始め、欲望の赴くままに人間を襲う者も増えた」
勇者「…………」
魔王「これが先代魔王亡き後の魔界の実態だ」
勇者「俺達の……俺のせいなのか?」
25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:12:05.92 ID:pk9DlHq00
魔王「……厳密に言うなら、お前達のせいとばかりも言えない」
勇者「何故だ? お前の父を殺したのは俺達だぞ」
魔王「命令を聞かなかった者達を抑え切れず、処罰も出来なかった。父さまにも責任はある」
勇者「しかし……」
魔王「人間を襲う魔物がいた事は、揺るがしようもない事実だ」
勇者「あぁ……」
魔王「だから、お前達が取った行動は正当防衛といえるだろう。結果はどうであれ」
勇者「お前は俺が憎くないのか?」
魔王「父さまを殺した敵(かたき)だからな。憎くないといえば嘘になる」
勇者「…………」
魔王「しかし、さっき言ったように父さまには魔王としての責があった」
勇者「魔王としての責……」
魔王「それにお前を殺して、父さまが生き返る訳でもない」
勇者「それはそうだが……」
勇者「何故だ? お前の父を殺したのは俺達だぞ」
魔王「命令を聞かなかった者達を抑え切れず、処罰も出来なかった。父さまにも責任はある」
勇者「しかし……」
魔王「人間を襲う魔物がいた事は、揺るがしようもない事実だ」
勇者「あぁ……」
魔王「だから、お前達が取った行動は正当防衛といえるだろう。結果はどうであれ」
勇者「お前は俺が憎くないのか?」
魔王「父さまを殺した敵(かたき)だからな。憎くないといえば嘘になる」
勇者「…………」
魔王「しかし、さっき言ったように父さまには魔王としての責があった」
勇者「魔王としての責……」
魔王「それにお前を殺して、父さまが生き返る訳でもない」
勇者「それはそうだが……」
26 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:17:34.93 ID:pk9DlHq00
魔王「更に言うなら、僕は父さまが残した魔界を建て直すのに忙しい」
勇者「建て直す?」
魔王「そうだ。幾ら力がないとはいえ、僕が第72代魔王だからな」
勇者「……」
魔王「個人的な事を言わせてもらえば、父さまの残した国が荒廃していくのは見たくない」
勇者(こんな子供が……そこまで考えているのか)
魔王「だから僕にはお前の相手をしている暇が……どうした、さっきから黙って?」
勇者「いや……勇者としての責というものを考えていた」
魔王「勇者としての責?」
勇者「あぁ、そうだ。お前の父は魔王としての責を真っ当した。俺は……どうなのだろう?」
魔王「勇者の責など、人助け以外に何があるというのだ」
勇者「人助け……」
魔王「勇者のお前がそんな調子では、父さまも報われないな」
勇者「…………」
勇者「建て直す?」
魔王「そうだ。幾ら力がないとはいえ、僕が第72代魔王だからな」
勇者「……」
魔王「個人的な事を言わせてもらえば、父さまの残した国が荒廃していくのは見たくない」
勇者(こんな子供が……そこまで考えているのか)
魔王「だから僕にはお前の相手をしている暇が……どうした、さっきから黙って?」
勇者「いや……勇者としての責というものを考えていた」
魔王「勇者としての責?」
勇者「あぁ、そうだ。お前の父は魔王としての責を真っ当した。俺は……どうなのだろう?」
魔王「勇者の責など、人助け以外に何があるというのだ」
勇者「人助け……」
魔王「勇者のお前がそんな調子では、父さまも報われないな」
勇者「…………」
27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:22:23.73 ID:pk9DlHq00
魔王「…………」
勇者「…………」
魔王「全く……暇な奴はくだらない事で頭を悩ますな」
勇者「……そうだな」
魔王「ちょうどいい。暇なら忙しい僕を手伝え」
勇者「はぁ? 一体何を言い出すんだ?」
魔王「僕は忙しくて困っている。困っている人を助けるのが勇者の責だろう」
勇者「お前は人じゃないだろ!」
魔王「細かい事を……お前みたいな細かい奴はモテないと相場が決まっている」
勇者「う、うるさい、ほっとけ!」
魔王「図星か。勇者のクセにモテないとか……哀れな奴め」
勇者「くぅ……言いたい放題言いやがって……」
魔王「とにかく、僕が忙しいのはお前にも責任があるんだ」
勇者「……痛いところを突く奴だな」
魔王「治世が安定すれば、人を襲う魔物は減る。僕達の利害は一致するはずだが?」
勇者「…………」
魔王「全く……暇な奴はくだらない事で頭を悩ますな」
勇者「……そうだな」
魔王「ちょうどいい。暇なら忙しい僕を手伝え」
勇者「はぁ? 一体何を言い出すんだ?」
魔王「僕は忙しくて困っている。困っている人を助けるのが勇者の責だろう」
勇者「お前は人じゃないだろ!」
魔王「細かい事を……お前みたいな細かい奴はモテないと相場が決まっている」
勇者「う、うるさい、ほっとけ!」
魔王「図星か。勇者のクセにモテないとか……哀れな奴め」
勇者「くぅ……言いたい放題言いやがって……」
魔王「とにかく、僕が忙しいのはお前にも責任があるんだ」
勇者「……痛いところを突く奴だな」
魔王「治世が安定すれば、人を襲う魔物は減る。僕達の利害は一致するはずだが?」
28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:26:30.37 ID:pk9DlHq00
魔王「安心しろ。勇者としての道に背くような事をしろとは言わないし、些少だが報酬もちゃんと出す」
勇者「報酬はいらない……が、手伝うかどうかはまだ……」
魔王「考える時間が欲しいか? よかろう」チリンチリン
……コンコンコンコン
魔王「……入れ」
―――ガチャッ
骸骨「お呼びですか、魔王様?」
勇者(骨だ……しかも執事服を着た骨だ……)
魔王「客間を一間用意してくれ。あとは食事の準備もな」
骸骨「はて、お客人とは珍しい。どなた様で?」
魔王「あぁ、勇者殿だ。くれぐれも失礼のないようにな」
骸骨「さようでございますか……って勇者ですと!?」
魔王「何を驚いている」
骸骨「あ、当たり前です! 先代様を始め多数の方が勇者の毒牙にかかったのですぞ!」
勇者(これが当然の反応だな。それにしても毒牙とか……)
勇者「報酬はいらない……が、手伝うかどうかはまだ……」
魔王「考える時間が欲しいか? よかろう」チリンチリン
……コンコンコンコン
魔王「……入れ」
―――ガチャッ
骸骨「お呼びですか、魔王様?」
勇者(骨だ……しかも執事服を着た骨だ……)
魔王「客間を一間用意してくれ。あとは食事の準備もな」
骸骨「はて、お客人とは珍しい。どなた様で?」
魔王「あぁ、勇者殿だ。くれぐれも失礼のないようにな」
骸骨「さようでございますか……って勇者ですと!?」
魔王「何を驚いている」
骸骨「あ、当たり前です! 先代様を始め多数の方が勇者の毒牙にかかったのですぞ!」
勇者(これが当然の反応だな。それにしても毒牙とか……)
30 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:32:56.86 ID:pk9DlHq00
魔王「だが今は僕の客人だ。何か問題があるのか?」
骸骨「い、いえ。魔王様がそう仰るのでしたら……」
魔王「では、すぐに客間の準備を頼む」
骸骨「承知致しました」
---ガチャッ
魔王「すまんな。騒がしくて」
勇者「いや、あれが普通の反応じゃないか?」
魔王「そうか? 僕の手伝いをしてくれるのなら、人間だろうが勇者だろうが大歓迎だ」
勇者「流石に大雑把過ぎるだろう。それにまだ、お前の手伝いをすると決めた訳じゃない」
魔王「僕を殺しても、魔物が人を襲い続ける事はわかってもらえたと思うが?」
勇者「それは……」
魔王「僕の事を手伝えば、魔界の統治が進み魔物が人を襲う事が減るぞ?」
勇者「うっ……」
魔王「ちなみに勇者に手伝って貰いたい案件は……うむ、これだ」
勇者「こ、これは!?」
骸骨「い、いえ。魔王様がそう仰るのでしたら……」
魔王「では、すぐに客間の準備を頼む」
骸骨「承知致しました」
---ガチャッ
魔王「すまんな。騒がしくて」
勇者「いや、あれが普通の反応じゃないか?」
魔王「そうか? 僕の手伝いをしてくれるのなら、人間だろうが勇者だろうが大歓迎だ」
勇者「流石に大雑把過ぎるだろう。それにまだ、お前の手伝いをすると決めた訳じゃない」
魔王「僕を殺しても、魔物が人を襲い続ける事はわかってもらえたと思うが?」
勇者「それは……」
魔王「僕の事を手伝えば、魔界の統治が進み魔物が人を襲う事が減るぞ?」
勇者「うっ……」
魔王「ちなみに勇者に手伝って貰いたい案件は……うむ、これだ」
勇者「こ、これは!?」
32 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:37:36.47 ID:pk9DlHq00
勇者「……すまないが何が書かれてるのかわからない」
魔王「魔物の言葉だからな。そこの眼鏡があるだろう?」
勇者「……これか?」
魔王「あぁ、それを着ければ、大抵の言語は読めるはずだ」
勇者「おぉ、本当だ。読めるようになったぞ」
魔王「便利だろう? 辺境では独自の言語を使う種族もいるからな。こういう道具は欠かせんのだ」
勇者「んん……これは、訴状か?」
魔王「ああ、ここから三日程の距離にある村で、妖精族と獣族が水場を巡って争っているようだ」
勇者「水場を?」
魔王「そうだ。本来なら両種族で、仲良く水を使っていたはずなのだがな」
勇者「ふむ……」
魔王「両種族から自らの正当性を主張する訴状が届いているが、現地に行ってみなければ原因が見えてこない」
勇者「誰か人をやって、状況を確認すればいいんじゃないのか?」
魔王「その誰か達をお前達が殺してしてまったのだが?」
勇者「うぐっ……」
魔王「魔物の言葉だからな。そこの眼鏡があるだろう?」
勇者「……これか?」
魔王「あぁ、それを着ければ、大抵の言語は読めるはずだ」
勇者「おぉ、本当だ。読めるようになったぞ」
魔王「便利だろう? 辺境では独自の言語を使う種族もいるからな。こういう道具は欠かせんのだ」
勇者「んん……これは、訴状か?」
魔王「ああ、ここから三日程の距離にある村で、妖精族と獣族が水場を巡って争っているようだ」
勇者「水場を?」
魔王「そうだ。本来なら両種族で、仲良く水を使っていたはずなのだがな」
勇者「ふむ……」
魔王「両種族から自らの正当性を主張する訴状が届いているが、現地に行ってみなければ原因が見えてこない」
勇者「誰か人をやって、状況を確認すればいいんじゃないのか?」
魔王「その誰か達をお前達が殺してしてまったのだが?」
勇者「うぐっ……」
34 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:41:43.60 ID:pk9DlHq00
魔王「……実際のところ、信用の出来る者は別の案件で出払っている」
勇者「そこで俺が現地に行って、状況を確認してくるという事か……」
魔王「その通りだ。状況を確認した上で、出来るものなら揉め事を解決して欲しい」
勇者「これじゃあ、まるでお役所仕事じゃないか」
魔王「当たり前だ。魔王の仕事の大半は、そのお役所仕事だぞ」
勇者「そうなのか?」
魔王「先ほど説明したと思うが……お前は魔王を何だと思っているんだ?」
勇者「えっと、世界の支配を目論む悪の首領、と思ってた」
魔王「……小鬼も呆れる程の低脳な発想だ」
勇者「だ、だから『思っていた』と言っただろう!」
魔王「……まぁいい。人間に我々の生活を見てもらう、良い機会であると思う」
……コンコンコンコン
骸骨「お部屋の準備が整いました」
魔王「そうか。では勇者殿を案内してやってくれ。勇者殿、前向きな回答を期待しているぞ」
勇者「そこで俺が現地に行って、状況を確認してくるという事か……」
魔王「その通りだ。状況を確認した上で、出来るものなら揉め事を解決して欲しい」
勇者「これじゃあ、まるでお役所仕事じゃないか」
魔王「当たり前だ。魔王の仕事の大半は、そのお役所仕事だぞ」
勇者「そうなのか?」
魔王「先ほど説明したと思うが……お前は魔王を何だと思っているんだ?」
勇者「えっと、世界の支配を目論む悪の首領、と思ってた」
魔王「……小鬼も呆れる程の低脳な発想だ」
勇者「だ、だから『思っていた』と言っただろう!」
魔王「……まぁいい。人間に我々の生活を見てもらう、良い機会であると思う」
……コンコンコンコン
骸骨「お部屋の準備が整いました」
魔王「そうか。では勇者殿を案内してやってくれ。勇者殿、前向きな回答を期待しているぞ」
35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:45:29.78 ID:pk9DlHq00
骸骨「……こちらです」
勇者「すまない」
骸骨「いえ……お気になさらずに」
勇者「…………」
骸骨「…………」チラッ
勇者「え……と、何か?」
骸骨「……いえ」
勇者「そうか」
骸骨「…………」
勇者「…………」
骸骨「あ、あの……」チラッ
勇者「うん?」
骸骨「ゆ、勇者殿はいつまでこちらに滞在のご予定で?」
勇者「さぁ……俺にもわからない」
骸骨「……さようですか」
勇者「すまない」
骸骨「いえ……お気になさらずに」
勇者「…………」
骸骨「…………」チラッ
勇者「え……と、何か?」
骸骨「……いえ」
勇者「そうか」
骸骨「…………」
勇者「…………」
骸骨「あ、あの……」チラッ
勇者「うん?」
骸骨「ゆ、勇者殿はいつまでこちらに滞在のご予定で?」
勇者「さぁ……俺にもわからない」
骸骨「……さようですか」
36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:50:07.70 ID:pk9DlHq00
骸骨「こちらです、どうぞ……」
―――ガチャ……ギィーッ
勇者「これは……凄いな」
骸骨「お気に召して頂けましたでしょうか?」
勇者「気に入るも何も、こんな豪奢な部屋に泊まるは初めてだ。王様の城よりも凄い」
骸骨「そう仰って頂けると、魔王様もお喜びになられます」
勇者「……なぁ?」
骸骨「なんでございましょう?」
勇者「今の魔王には、信用出来る部下があまりいないのか?」
骸骨「……勇者殿によって、先代魔王派幹部の大半は命を落としてしまいましたので」
勇者「そうだったな」
骸骨「魔王様は……」
勇者「……」
骸骨「魔王様は例え御一人になられようとも、父上様の残されたこの国を建て直すお覚悟です」
―――ガチャ……ギィーッ
勇者「これは……凄いな」
骸骨「お気に召して頂けましたでしょうか?」
勇者「気に入るも何も、こんな豪奢な部屋に泊まるは初めてだ。王様の城よりも凄い」
骸骨「そう仰って頂けると、魔王様もお喜びになられます」
勇者「……なぁ?」
骸骨「なんでございましょう?」
勇者「今の魔王には、信用出来る部下があまりいないのか?」
骸骨「……勇者殿によって、先代魔王派幹部の大半は命を落としてしまいましたので」
勇者「そうだったな」
骸骨「魔王様は……」
勇者「……」
骸骨「魔王様は例え御一人になられようとも、父上様の残されたこの国を建て直すお覚悟です」
37 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:55:42.05 ID:pk9DlHq00
骸骨「数少ない信用も力のある者は、問題を治める為に各地を飛び回り」
勇者「……」
骸骨「この城にいるのは、私を含めて魔王様の身の回りのお世話をするのが関の山程度の者ばかり」
勇者「だから、魔王の部屋に行くまで誰とも会わなかったのか」
骸骨男「はい。年端も行かぬ魔王様が、御一人で国政に頭を悩ましているお姿は、見るに耐えません」
勇者「俺に……どうしろと?」
骸骨「勇者殿は先代様の敵(かたき)。魔王様も思う所はおありでしょう」
勇者「当然、だな」
骸骨「その勇者殿のお力すら借りようとなされている、魔王様の苦渋をお察しください」
勇者「……話を聞いていたのか?」
骸骨「はい、大変失礼ながら。勇者殿と対峙されている魔王様の安全がわかりかねたもので」
勇者「魔王は良い部下を持っているんだな」
骸骨「勇者殿のお言葉は嬉しく思いますが、魔王様に知れて御不興をかいましょう」
勇者「子供扱いするなって?」
骸骨「……プッ!?」
勇者「……」
骸骨「この城にいるのは、私を含めて魔王様の身の回りのお世話をするのが関の山程度の者ばかり」
勇者「だから、魔王の部屋に行くまで誰とも会わなかったのか」
骸骨男「はい。年端も行かぬ魔王様が、御一人で国政に頭を悩ましているお姿は、見るに耐えません」
勇者「俺に……どうしろと?」
骸骨「勇者殿は先代様の敵(かたき)。魔王様も思う所はおありでしょう」
勇者「当然、だな」
骸骨「その勇者殿のお力すら借りようとなされている、魔王様の苦渋をお察しください」
勇者「……話を聞いていたのか?」
骸骨「はい、大変失礼ながら。勇者殿と対峙されている魔王様の安全がわかりかねたもので」
勇者「魔王は良い部下を持っているんだな」
骸骨「勇者殿のお言葉は嬉しく思いますが、魔王様に知れて御不興をかいましょう」
勇者「子供扱いするなって?」
骸骨「……プッ!?」
38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 22:59:35.10 ID:pk9DlHq00
勇者「見た目で判断して悪いが、骨でも笑うんだな」
骸骨「……いえ。私の方こそ見苦しい姿をお見せしました」
勇者「いや、何だか安心したよ。魔物でも冗談が通じるんだな、ってさ」
骸骨「我々も笑い、喜び、怒り、哀しみ、そして泣きもします」
勇者「人間と同じなんだな」
骸骨「はい、姿形は違うとはいえ、感情を持ち合わせているのはあなた方と同様です」
勇者「そうか……」
骸骨「少し無駄話が過ぎましたようで。では私はこれで失礼します」
勇者「あぁ、ありがとう」
骸骨「お食事は後でお部屋にお持ち致します」
勇者「そこまで気を遣わないでくれ」
骸骨「魔王様の御命令ですので。お口に合うかどうかはわかりませんが」
勇者「口に合う合わないの問題じゃないんだが……」
骸骨「では、僭越ながら目の前で私めがお毒見をしましょうか?」
勇者「……骨に毒は効かないだろう」
骸骨「……いえ。私の方こそ見苦しい姿をお見せしました」
勇者「いや、何だか安心したよ。魔物でも冗談が通じるんだな、ってさ」
骸骨「我々も笑い、喜び、怒り、哀しみ、そして泣きもします」
勇者「人間と同じなんだな」
骸骨「はい、姿形は違うとはいえ、感情を持ち合わせているのはあなた方と同様です」
勇者「そうか……」
骸骨「少し無駄話が過ぎましたようで。では私はこれで失礼します」
勇者「あぁ、ありがとう」
骸骨「お食事は後でお部屋にお持ち致します」
勇者「そこまで気を遣わないでくれ」
骸骨「魔王様の御命令ですので。お口に合うかどうかはわかりませんが」
勇者「口に合う合わないの問題じゃないんだが……」
骸骨「では、僭越ながら目の前で私めがお毒見をしましょうか?」
勇者「……骨に毒は効かないだろう」
40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:04:48.74 ID:pk9DlHq00
勇者「ふぅ……何だかんだでお腹がいっぱいだ」
勇者(出てきた料理は見た目も味もおかしな所はなかった)
勇者(おかしいどころか、非常に美味しかったと言わざるを得ない)
勇者(結局……出された料理は全て食べてしまった)
勇者(……魔王城の料理に舌鼓を打つ勇者ってどうなんだ?)
勇者(…………)
勇者(さて、これからどうしたものか……)
勇者(魔王『困っている人を助けるのが勇者の責だろう』)
勇者(骸骨『魔王様の苦渋をお察しください』)
勇者(やる事は一つなんだろうが……)
勇者(本当にいいのか、それで?)
勇者「ふぁぁ……」
勇者(駄目だ。お腹がいっぱいになったせいか、眠くて頭が働かない……)
勇者(魔王城で……寛ぎ……過ぎ……だ、ろ……)
勇者「……すぅ……すぅ」
勇者(出てきた料理は見た目も味もおかしな所はなかった)
勇者(おかしいどころか、非常に美味しかったと言わざるを得ない)
勇者(結局……出された料理は全て食べてしまった)
勇者(……魔王城の料理に舌鼓を打つ勇者ってどうなんだ?)
勇者(…………)
勇者(さて、これからどうしたものか……)
勇者(魔王『困っている人を助けるのが勇者の責だろう』)
勇者(骸骨『魔王様の苦渋をお察しください』)
勇者(やる事は一つなんだろうが……)
勇者(本当にいいのか、それで?)
勇者「ふぁぁ……」
勇者(駄目だ。お腹がいっぱいになったせいか、眠くて頭が働かない……)
勇者(魔王城で……寛ぎ……過ぎ……だ、ろ……)
勇者「……すぅ……すぅ」
41 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:08:27.15 ID:pk9DlHq00
~~翌朝 魔王城にて~~
勇者「ふぁ……久しぶりに腹いっぱい食べたせいか熟睡だったな……」
骸骨『……魔王様、せめて何か口になさってください』
魔王『僕にはそんな暇はない』
勇者「……入るぞ」
骸骨「これは勇者殿」
魔王「……昨夜はぐっすりと休んだようだな」
勇者「美味しい食事にふかふかのベッド。これでゆっくりと眠れない方がどうかしている」
魔王「そうか、それは良かった」
勇者「で、一体何の騒ぎだ?」
骸骨「実は……魔王様が朝食をお召し上がりになってくださらないのです」
魔王「おい、余計な事を言うな」
勇者「いつもこんな調子なのか?」
骸骨「はぁ……お恥ずかしながら」
魔王「何度も同じ事を僕に言わせるな。僕は食事を摂る時間も惜しいんだ」
勇者「ふぁ……久しぶりに腹いっぱい食べたせいか熟睡だったな……」
骸骨『……魔王様、せめて何か口になさってください』
魔王『僕にはそんな暇はない』
勇者「……入るぞ」
骸骨「これは勇者殿」
魔王「……昨夜はぐっすりと休んだようだな」
勇者「美味しい食事にふかふかのベッド。これでゆっくりと眠れない方がどうかしている」
魔王「そうか、それは良かった」
勇者「で、一体何の騒ぎだ?」
骸骨「実は……魔王様が朝食をお召し上がりになってくださらないのです」
魔王「おい、余計な事を言うな」
勇者「いつもこんな調子なのか?」
骸骨「はぁ……お恥ずかしながら」
魔王「何度も同じ事を僕に言わせるな。僕は食事を摂る時間も惜しいんだ」
42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:11:46.98 ID:pk9DlHq00
勇者「一つ確認なんだが?」
魔王「何だ?」
勇者「俺はお前の客人という事でいいんだよな?」
魔王「……そうだが?」
勇者「なら、客の食事につきあえ。それが主人の役目というものだろう」
魔王「何!?」
勇者「お前は骸骨に対して、俺の事と客として扱えと命じたはずだ」
骸骨「はい! その通りでございます」
魔王「…………」
勇者「なら、お前は主としての役目を果たすべきだと思うが?」
魔王「……骸骨、貴様の入れ知恵か?」
骸骨「と、とんでもございません!?」
勇者「俺自身の考えだ。こいつは関係ない」
魔王「ふん……いいだろう。食事の準備をしろ」
骸骨「は、はいっ!」
魔王「何だ?」
勇者「俺はお前の客人という事でいいんだよな?」
魔王「……そうだが?」
勇者「なら、客の食事につきあえ。それが主人の役目というものだろう」
魔王「何!?」
勇者「お前は骸骨に対して、俺の事と客として扱えと命じたはずだ」
骸骨「はい! その通りでございます」
魔王「…………」
勇者「なら、お前は主としての役目を果たすべきだと思うが?」
魔王「……骸骨、貴様の入れ知恵か?」
骸骨「と、とんでもございません!?」
勇者「俺自身の考えだ。こいつは関係ない」
魔王「ふん……いいだろう。食事の準備をしろ」
骸骨「は、はいっ!」
43 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:16:04.05 ID:pk9DlHq00
魔王「僕の貴重な時間を使っているんだ。有意義な話を聞かせてくれるんだろうな?」
勇者「食事の時ぐらい小難しい顔をするのは止めろ。せっかくお前の為に作ってくれているんだぞ」
魔王「何を……」
勇者「魔王なんだろう、お前は?」
魔王「そうだ。それがどうしたというのだ?」
勇者「なら、部下の気持ちも少しは考えてやれよ」
魔王「部下の気持ち、だと?」
勇者「俺のせいでお前が忙しくなったのは、すまないと思っている」
魔王「全くだ」
勇者「だが、それと部下に心配を掛けるのは別の話じゃないのか?」
魔王「……」
勇者「俺が言えた義理じゃないのはわかっているが、少しは骸骨達の気持ちも酌んでやれ」
魔王「……ふん」
骸骨「さぁさぁ、食事の準備が出来ましたよ」
勇者「うん、美味しそうじゃないか」
勇者「食事の時ぐらい小難しい顔をするのは止めろ。せっかくお前の為に作ってくれているんだぞ」
魔王「何を……」
勇者「魔王なんだろう、お前は?」
魔王「そうだ。それがどうしたというのだ?」
勇者「なら、部下の気持ちも少しは考えてやれよ」
魔王「部下の気持ち、だと?」
勇者「俺のせいでお前が忙しくなったのは、すまないと思っている」
魔王「全くだ」
勇者「だが、それと部下に心配を掛けるのは別の話じゃないのか?」
魔王「……」
勇者「俺が言えた義理じゃないのはわかっているが、少しは骸骨達の気持ちも酌んでやれ」
魔王「……ふん」
骸骨「さぁさぁ、食事の準備が出来ましたよ」
勇者「うん、美味しそうじゃないか」
45 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:20:52.68 ID:pk9DlHq00
魔王「まさか……この僕が勇者に説教をされるとはな」
勇者「説教とかそんな堅苦しいもんじゃない。ただ……」
魔王「『ただ……』何だ?」
勇者「心から心配してくれる人がいるという事は、かけがえのないものだって事だよ」
魔王「何だ、それは? お前にだって一人や二人位いるだろう、勇者なんだから」
勇者「『勇者』としての俺を心配する人はいても、『俺自身』となるとどうだろうな?」
魔王「……どういう事だ?」
勇者「俺の家族は魔物に襲われて死んでいる」
魔王「そうか……すまない」
勇者「お前が謝る事じゃない。それに俺もお前の父親を殺している」
魔王「そうだな……」
勇者「そうそう、昨日の仕事だが引き受ける事にした」
魔王「本当か!?」
勇者「説教とかそんな堅苦しいもんじゃない。ただ……」
魔王「『ただ……』何だ?」
勇者「心から心配してくれる人がいるという事は、かけがえのないものだって事だよ」
魔王「何だ、それは? お前にだって一人や二人位いるだろう、勇者なんだから」
勇者「『勇者』としての俺を心配する人はいても、『俺自身』となるとどうだろうな?」
魔王「……どういう事だ?」
勇者「俺の家族は魔物に襲われて死んでいる」
魔王「そうか……すまない」
勇者「お前が謝る事じゃない。それに俺もお前の父親を殺している」
魔王「そうだな……」
勇者「そうそう、昨日の仕事だが引き受ける事にした」
魔王「本当か!?」
47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:25:14.64 ID:pk9DlHq00
勇者「ここまできて嘘をついてどうなる?」
魔王「そうか。訴状が届いてる村は直轄地だからな。何とかしてやりたいと思っていたのだ」
勇者「お前の話を簡単に信用するのもどうかと思ったが……」
魔王「ふむ」
勇者「状況を判断して、お前が嘘をついているとは思えないからな」
魔王「当たり前だ。お前に嘘をつく暇など僕にはない」
勇者「それで、訴状が届く前の村の状況を教えて欲しい」
魔王「状況か……異種族同士が役割分担をし共同生活を送る、ごく平和な村だったはずだ」
勇者「役割分担?」
魔王「細かな作業に長けた妖精族が耕作を担当し、運動能力に長けた獣族が狩りと村の守りを担当している」
勇者「これまでに大きな揉め事はなかったのか?」
魔王「僕が把握している限りでは聞いた事がないな」
勇者「それが現在は水場を巡って両種族が争っている、と」
魔王「そういう事だ」
魔王「そうか。訴状が届いてる村は直轄地だからな。何とかしてやりたいと思っていたのだ」
勇者「お前の話を簡単に信用するのもどうかと思ったが……」
魔王「ふむ」
勇者「状況を判断して、お前が嘘をついているとは思えないからな」
魔王「当たり前だ。お前に嘘をつく暇など僕にはない」
勇者「それで、訴状が届く前の村の状況を教えて欲しい」
魔王「状況か……異種族同士が役割分担をし共同生活を送る、ごく平和な村だったはずだ」
勇者「役割分担?」
魔王「細かな作業に長けた妖精族が耕作を担当し、運動能力に長けた獣族が狩りと村の守りを担当している」
勇者「これまでに大きな揉め事はなかったのか?」
魔王「僕が把握している限りでは聞いた事がないな」
勇者「それが現在は水場を巡って両種族が争っている、と」
魔王「そういう事だ」
49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:30:16.45 ID:pk9DlHq00
勇者「では、食事が済み次第、早速村に向かおう」
魔王「そうしてもらえると助かる」
勇者「村までの地図、それと馬を用意してもらえないか?」
魔王「わかった。おい?」
骸骨「はっ……」
魔王「勇者殿の旅の準備を。それと例のあれを」
骸骨「承知致しました」
勇者「……例のあれ?」
魔王「流石にその格好で魔界をうろつくと、目立って仕方ないだろうと思ってな」
勇者「目立つか?」
魔王「あぁ、魔界では白を基調とした格好は好まれないからな。悪い意味で目立つ」
骸骨「……お持ちいたしました」
勇者「これは?」
魔王「魔王親衛隊の装束だ」
魔王「そうしてもらえると助かる」
勇者「村までの地図、それと馬を用意してもらえないか?」
魔王「わかった。おい?」
骸骨「はっ……」
魔王「勇者殿の旅の準備を。それと例のあれを」
骸骨「承知致しました」
勇者「……例のあれ?」
魔王「流石にその格好で魔界をうろつくと、目立って仕方ないだろうと思ってな」
勇者「目立つか?」
魔王「あぁ、魔界では白を基調とした格好は好まれないからな。悪い意味で目立つ」
骸骨「……お持ちいたしました」
勇者「これは?」
魔王「魔王親衛隊の装束だ」
52 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:35:29.81 ID:pk9DlHq00
魔王「サーコートゆえ、これなら今の装備でも身に纏(まと)う事が出来よう」
勇者「本当に、これを着なければならんのか?」
魔王「変に目立つよりはいいだろう? それに身分の証明にもなる」
勇者「勇者の俺が魔王親衛隊などと……仲間が見たら気でも狂ったのかと思うだろうな」
魔王「ほう……」
勇者「何だ?」
魔王「思いの外似合うではないか」
骸骨「はい。よくお似合いです、勇者殿」
勇者「……冗談はよせ」
魔王「勇者の実力なら親衛隊長も夢ではないぞ?」
骸骨「左様でございます」
勇者「……本気で言ってるのか、お前ら?」
魔王「まぁ、勇者業を廃業したい思ったら考えてくれ」
勇者「……その時になったら考えさせてもらう」
骸骨「その時が楽しみです」
勇者「本当に、これを着なければならんのか?」
魔王「変に目立つよりはいいだろう? それに身分の証明にもなる」
勇者「勇者の俺が魔王親衛隊などと……仲間が見たら気でも狂ったのかと思うだろうな」
魔王「ほう……」
勇者「何だ?」
魔王「思いの外似合うではないか」
骸骨「はい。よくお似合いです、勇者殿」
勇者「……冗談はよせ」
魔王「勇者の実力なら親衛隊長も夢ではないぞ?」
骸骨「左様でございます」
勇者「……本気で言ってるのか、お前ら?」
魔王「まぁ、勇者業を廃業したい思ったら考えてくれ」
勇者「……その時になったら考えさせてもらう」
骸骨「その時が楽しみです」
54 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:41:50.58 ID:pk9DlHq00
勇者「おい……」
骸骨「何でございましょう?」
勇者「本当に、こいつに乗らなきゃならんのか?」
骸骨「徒歩で行かれるには、流石に距離がありますゆえ。魔王様のお心遣いです」
勇者(姿形は馬のようだが、全身に鱗、おまけに頭には山羊の角まで生えている……)
骸骨「この子は気性も良く、乗り手の指示に素直に従います」
勇者「そうか……姿形はかなりのじゃじゃ馬に見える」
骸骨「普通の馬より体力もあって、多少の無理な行軍にも耐えられましょう」
勇者「よーしよしよし……うん、確かに気性は良さそうだな」
骸骨「この子も勇者殿を気に入ったようですね」
勇者「では、行ってくるか」
骸骨「ほぉ……そうしてらっしゃると、本当に親衛隊のようです」
勇者「……頼むからやめてくれ」
骸骨「その真紅のマントなど、幾多の返り血を浴びたようで……」
勇者「すまない、そこは否定出来ない」
骸骨「何でございましょう?」
勇者「本当に、こいつに乗らなきゃならんのか?」
骸骨「徒歩で行かれるには、流石に距離がありますゆえ。魔王様のお心遣いです」
勇者(姿形は馬のようだが、全身に鱗、おまけに頭には山羊の角まで生えている……)
骸骨「この子は気性も良く、乗り手の指示に素直に従います」
勇者「そうか……姿形はかなりのじゃじゃ馬に見える」
骸骨「普通の馬より体力もあって、多少の無理な行軍にも耐えられましょう」
勇者「よーしよしよし……うん、確かに気性は良さそうだな」
骸骨「この子も勇者殿を気に入ったようですね」
勇者「では、行ってくるか」
骸骨「ほぉ……そうしてらっしゃると、本当に親衛隊のようです」
勇者「……頼むからやめてくれ」
骸骨「その真紅のマントなど、幾多の返り血を浴びたようで……」
勇者「すまない、そこは否定出来ない」
56 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:45:14.66 ID:pk9DlHq00
骸骨「では、くれぐれも宜しくお願い致します」ペコリ
勇者「どこまで出来るか、今の時点では何とも言えないけどな」
骸骨「魔王様の代官が来たというだけで、村の皆の気持ちも違ってきましょう」
勇者「俺は新たな魔王親衛隊の一員で代官として派遣された、これでいいんだな?」
骸骨「はい。くれぐれも勇者という事がバレないようにお願いします」
勇者「バレたら大変な騒ぎになるだろうな」
骸骨「そうなった場合、勇者殿が魔王様の名前を騙ったいう事で処理しますゆえ」
勇者「……酷い扱いだ」
骸骨「冗談でございますよ」
勇者「あんたは表情がないから、本気か冗談かわからん」
骸骨「……道中お気をつけて」
勇者「魔王の世話は大変だろうが、あんたも頑張れよ」
骸骨「それはこの一命を賭しております」
勇者「では、行ってくる!」
勇者「どこまで出来るか、今の時点では何とも言えないけどな」
骸骨「魔王様の代官が来たというだけで、村の皆の気持ちも違ってきましょう」
勇者「俺は新たな魔王親衛隊の一員で代官として派遣された、これでいいんだな?」
骸骨「はい。くれぐれも勇者という事がバレないようにお願いします」
勇者「バレたら大変な騒ぎになるだろうな」
骸骨「そうなった場合、勇者殿が魔王様の名前を騙ったいう事で処理しますゆえ」
勇者「……酷い扱いだ」
骸骨「冗談でございますよ」
勇者「あんたは表情がないから、本気か冗談かわからん」
骸骨「……道中お気をつけて」
勇者「魔王の世話は大変だろうが、あんたも頑張れよ」
骸骨「それはこの一命を賭しております」
勇者「では、行ってくる!」
58 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:50:11.07 ID:pk9DlHq00
~翌日 妖精・獣族の村近郊にて~
勇者「ふう。お前が頑張ってくれたお陰で、思いの外早く村に着きそうだな」
勇者「地図によると、もう間もなくのはずだが……」
??「止まれっ!」
勇者(……何だ?)
??「貴様、何者だ。何処から来た!」
勇者(……こいつがら獣族か?)
獣族A「フシュッ!! 黙ってないで何とか言ったらどうだ!」
勇者「俺のこの格好を見てわからないのか?」
獣族B「何?」
獣族C「お、おい……あの胸の紋章はまさか……」
勇者「お前達の訴状を受け、魔王様の命により参った! 誰か話のわかる者はいないのか!」
獣族A「ま、魔王様の!? も、申し訳ございません!」
獣族B「こ、これは大変失礼を……」
獣族C「知らぬ事とはいえ……お許しください!」
勇者「ふう。お前が頑張ってくれたお陰で、思いの外早く村に着きそうだな」
勇者「地図によると、もう間もなくのはずだが……」
??「止まれっ!」
勇者(……何だ?)
??「貴様、何者だ。何処から来た!」
勇者(……こいつがら獣族か?)
獣族A「フシュッ!! 黙ってないで何とか言ったらどうだ!」
勇者「俺のこの格好を見てわからないのか?」
獣族B「何?」
獣族C「お、おい……あの胸の紋章はまさか……」
勇者「お前達の訴状を受け、魔王様の命により参った! 誰か話のわかる者はいないのか!」
獣族A「ま、魔王様の!? も、申し訳ございません!」
獣族B「こ、これは大変失礼を……」
獣族C「知らぬ事とはいえ……お許しください!」
60 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:52:49.72 ID:pk9DlHq00
勇者「頭を上げてくれ。そのままでは話し辛くてかなわん」
獣族A「は、ははっ……」
勇者「それで、話のわかる者はこの中にはいないのか?」
獣族B「なぁ……」
獣族A「い、いや……俺は……」
勇者(困ったな……これじゃあ話が進みそうにない)
勇者(しかし、これが獣族か……人間に動物の耳がついてるだけに見える……)
勇者(ふむ……尻尾もついているようだし、仕草も動物っぽいといえば……)
獣族C「あ、あの……」
勇者「うん、どうした?」
獣族C「はい。村までおいで頂ければ、我らの若君が説明出来るかと……」
勇者「若君?」
獣族C「はい。訴状を上申したのは若君で……」
勇者「そうか。では、案内してくれるか?」
獣族C「は、はいっ!」
獣族A「は、ははっ……」
勇者「それで、話のわかる者はこの中にはいないのか?」
獣族B「なぁ……」
獣族A「い、いや……俺は……」
勇者(困ったな……これじゃあ話が進みそうにない)
勇者(しかし、これが獣族か……人間に動物の耳がついてるだけに見える……)
勇者(ふむ……尻尾もついているようだし、仕草も動物っぽいといえば……)
獣族C「あ、あの……」
勇者「うん、どうした?」
獣族C「はい。村までおいで頂ければ、我らの若君が説明出来るかと……」
勇者「若君?」
獣族C「はい。訴状を上申したのは若君で……」
勇者「そうか。では、案内してくれるか?」
獣族C「は、はいっ!」
62 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 23:57:54.78 ID:pk9DlHq00
~~村中心部にて~~
獣族C「代官殿、あちらが我らの族長の家です」
勇者「……随分と大きな家だな」
獣族B「はい、若君もあそこにおいでです」
勇者(……幾ら族長の家とはいえ、造りが少し立派過ぎないか?)
勇者(他の家が簡易な造りなだけに、余計にそれが目に付くな……)
勇者「族長殿がいるのに、若君が訴状を書いたとはどういう事だ?」
獣族C「実は、族長は病で臥せっております。そこで若君が族長に代わって……」
勇者「族長殿は病気なのか……こんな時に大変じゃないか」
獣族B「はぁ……それも今回の事と関係がありまして……」
勇者「族長殿の病気が?」
獣族C「はい。それについても若君から、話をお聞き頂ければわかると思います」
勇者「そうなのか?」
獣族C「はい」
獣族C「代官殿、あちらが我らの族長の家です」
勇者「……随分と大きな家だな」
獣族B「はい、若君もあそこにおいでです」
勇者(……幾ら族長の家とはいえ、造りが少し立派過ぎないか?)
勇者(他の家が簡易な造りなだけに、余計にそれが目に付くな……)
勇者「族長殿がいるのに、若君が訴状を書いたとはどういう事だ?」
獣族C「実は、族長は病で臥せっております。そこで若君が族長に代わって……」
勇者「族長殿は病気なのか……こんな時に大変じゃないか」
獣族B「はぁ……それも今回の事と関係がありまして……」
勇者「族長殿の病気が?」
獣族C「はい。それについても若君から、話をお聞き頂ければわかると思います」
勇者「そうなのか?」
獣族C「はい」
64 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:01:49.54 ID:FCnxZg5m0
勇者「それにしても、随分としっかりしているのだな、若君という人物は」
獣族A「それは勿論です! 若君さえいらっしゃれば、我々も安泰で……」
獣族B「おい! 不謹慎だぞ!」
獣族A「あっ!? ……す、すまん」
獣族C「幾ら若君が立派なお方とはいえ、族長の容態と若君のお気持ちを考えろ」
獣族A「うぐぅ……」
勇者(……若君という人物は、彼らの中でも相当信頼されているようだな)
勇者「……族長殿の容態は相当悪いのか?」
獣族C「そうですね……病の原因もよくわからずじまいで……」
獣族A「それもこれも、全て妖精族の連中のせいだ!」
勇者「妖精族のせい?」
獣族B「お前は少し黙っていろ!」
獣族A「ぐるぅ……」
獣族A「それは勿論です! 若君さえいらっしゃれば、我々も安泰で……」
獣族B「おい! 不謹慎だぞ!」
獣族A「あっ!? ……す、すまん」
獣族C「幾ら若君が立派なお方とはいえ、族長の容態と若君のお気持ちを考えろ」
獣族A「うぐぅ……」
勇者(……若君という人物は、彼らの中でも相当信頼されているようだな)
勇者「……族長殿の容態は相当悪いのか?」
獣族C「そうですね……病の原因もよくわからずじまいで……」
獣族A「それもこれも、全て妖精族の連中のせいだ!」
勇者「妖精族のせい?」
獣族B「お前は少し黙っていろ!」
獣族A「ぐるぅ……」
68 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:06:24.13 ID:FCnxZg5m0
勇者(ふむ。族長は病気で臥せっており、原因は不明)
勇者(獣族Aが『妖精族のせい』と言ったが、これは確証のない事だろう)
勇者(それとも、そう判断するだけの理由があるのか?)
勇者(そして、現在は若君と呼ばれる獣族が、族長に代わり部族をまとめている)
勇者(若君というからには、族長の息子か何かだろうか?)
獣族A「若君! いらっしゃいますか!」ドンドンドン
??「騒がしいぞ。何事だ?」
勇者(あれ? この声……)
獣族C「魔王様の代官殿が参られました。詳しい話を聞きたいとの事です」
??「なに!? 代官殿が参られたのか」ガチャッ
勇者(……こ、こいつが若君?)
??「おぉ!? その紋章は間違いなく魔王様のもの!」
勇者(若君というから、男だとばかり思っていたが……)
獣族娘「遠路はるばるよく参られました。ささッ、中にお入り下さい」
勇者(まさか女だったとは……)
勇者(獣族Aが『妖精族のせい』と言ったが、これは確証のない事だろう)
勇者(それとも、そう判断するだけの理由があるのか?)
勇者(そして、現在は若君と呼ばれる獣族が、族長に代わり部族をまとめている)
勇者(若君というからには、族長の息子か何かだろうか?)
獣族A「若君! いらっしゃいますか!」ドンドンドン
??「騒がしいぞ。何事だ?」
勇者(あれ? この声……)
獣族C「魔王様の代官殿が参られました。詳しい話を聞きたいとの事です」
??「なに!? 代官殿が参られたのか」ガチャッ
勇者(……こ、こいつが若君?)
??「おぉ!? その紋章は間違いなく魔王様のもの!」
勇者(若君というから、男だとばかり思っていたが……)
獣族娘「遠路はるばるよく参られました。ささッ、中にお入り下さい」
勇者(まさか女だったとは……)
69 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:07:36.16 ID:FCnxZg5m0
~族長の家にて~
勇者「では、妖精族の作った農作物を食べている者を中心として、原因不明の病に倒れたと?」
獣族娘「その通りだ」
勇者「本当に農作物が原因なのか? 流行病という事は?」
獣族娘「それなら我々も病になるはず。だが、看病をしている者に病が移る様子はない」
勇者「今、元気な者達は、妖精族が作った農作物を食べなかったのか?」
族長娘「……ある程度の個人差はあるようだ。それに若い者は肉を中心に食べるからな」
勇者「なるほど……」
勇者(獣族Aが『妖精族のせい』と言っていたのは、これが理由か)
勇者(しかし、これだけでは妖精族のせいとは断定出来ないぞ……)
勇者「……族長にはお会い出来るか?」
獣族娘「会うのは問題ない。ただ……」
勇者「ただ……どうした?」
獣族娘「いや、会っていただければわかるだろう。こちらに来てくれ」
勇者「では、妖精族の作った農作物を食べている者を中心として、原因不明の病に倒れたと?」
獣族娘「その通りだ」
勇者「本当に農作物が原因なのか? 流行病という事は?」
獣族娘「それなら我々も病になるはず。だが、看病をしている者に病が移る様子はない」
勇者「今、元気な者達は、妖精族が作った農作物を食べなかったのか?」
族長娘「……ある程度の個人差はあるようだ。それに若い者は肉を中心に食べるからな」
勇者「なるほど……」
勇者(獣族Aが『妖精族のせい』と言っていたのは、これが理由か)
勇者(しかし、これだけでは妖精族のせいとは断定出来ないぞ……)
勇者「……族長にはお会い出来るか?」
獣族娘「会うのは問題ない。ただ……」
勇者「ただ……どうした?」
獣族娘「いや、会っていただければわかるだろう。こちらに来てくれ」
71 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:10:27.02 ID:FCnxZg5m0
獣族娘「……父上は倒れてから、ほとんどの時間をこうして眠られている」
勇者(この顔色……ひどいな)
獣族娘「どうしてもと言うなら起こしてもいいが、意識が朦朧として話もロクに……」
勇者「いや、それには及ばない」
獣族娘「……そうか」
勇者「少し族長の容態を診させてもらいたい。すまないが外してもらえないだろうか?」
獣族娘「……代官殿は医術の心得もあるのか?」
勇者「かじった程度だが……各地を回っている関係で多少な」
獣族娘「そうか、それなら是非お願いしたい。何かあれば声を掛けてくれ」
勇者(……とは言ったものの)
勇者(俺の知っている医術など、たかだか知れている)
勇者(大抵は僧侶がなんとかしてくれたからな……)
勇者(くそ……僧侶がここにいてくれたら)
勇者(……熱はない、な。呼吸は……多少荒いか?)
勇者(何よりもこの顔色……どす黒くなっているじゃないか)
勇者(この顔色……ひどいな)
獣族娘「どうしてもと言うなら起こしてもいいが、意識が朦朧として話もロクに……」
勇者「いや、それには及ばない」
獣族娘「……そうか」
勇者「少し族長の容態を診させてもらいたい。すまないが外してもらえないだろうか?」
獣族娘「……代官殿は医術の心得もあるのか?」
勇者「かじった程度だが……各地を回っている関係で多少な」
獣族娘「そうか、それなら是非お願いしたい。何かあれば声を掛けてくれ」
勇者(……とは言ったものの)
勇者(俺の知っている医術など、たかだか知れている)
勇者(大抵は僧侶がなんとかしてくれたからな……)
勇者(くそ……僧侶がここにいてくれたら)
勇者(……熱はない、な。呼吸は……多少荒いか?)
勇者(何よりもこの顔色……どす黒くなっているじゃないか)
73 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:13:37.28 ID:FCnxZg5m0
勇者(病気というより、毒物の症状に見えなくもないが……)
勇者(……試してみるか?)
―――パァァァ
族長「……うぅっ」
勇者(……どうだ?)
族長「……すぅ……すぅ……すぅ」
勇者(呼吸が安定してきた!?)
勇者(うん。顔色もさっきと比べて、大分良くなってきたぞ!)
族長「う、うっ……」
勇者「気がついたか?」
族長「……お主は……誰だ?」
勇者「俺は魔王様の命でこの村に来た」
族長「魔王様の……? うぐッ……」
勇者「まだ動くな。病気の原因は取り除いたが、大分体力を消耗しているはずだ」
族長「そ、そうか……お主が病を……」
勇者(……試してみるか?)
―――パァァァ
族長「……うぅっ」
勇者(……どうだ?)
族長「……すぅ……すぅ……すぅ」
勇者(呼吸が安定してきた!?)
勇者(うん。顔色もさっきと比べて、大分良くなってきたぞ!)
族長「う、うっ……」
勇者「気がついたか?」
族長「……お主は……誰だ?」
勇者「俺は魔王様の命でこの村に来た」
族長「魔王様の……? うぐッ……」
勇者「まだ動くな。病気の原因は取り除いたが、大分体力を消耗しているはずだ」
族長「そ、そうか……お主が病を……」
76 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:16:10.62 ID:FCnxZg5m0
勇者「おい、ちょっと来てくれないか?」
獣族娘「……どうかしたのか?」ガチャッ
族長「おぉ……娘ではないか」
獣族娘「父上! 気がつかれたのか!!」
族長「うむ。どうやら、この方が病を取り除いてくれたようだ」
獣族娘「代官殿が!?」
勇者「……多分だが、これで大丈夫じゃないかと思う」
獣族娘「一体何を……顔色も良くなられて……」
勇者「体力を消耗しているだろうから、しばらくは安静が必要だとは思うが……ってうわ!?」
獣族娘「ありがとう! 本当にありがとうございます!」ペロペロ
勇者「こ、こら!? 抱きつくな! 顔を舐めるな!」
獣族娘「父上にもしもの事があったと思ったら……ぅぅ」グスッ
族長「これ、その辺にしておけ。代官殿がお困りではないか」
勇者(しかし、本当に解毒の呪文が効くとは……)
勇者(……病気の原因は毒で間違いないのか)
獣族娘「……どうかしたのか?」ガチャッ
族長「おぉ……娘ではないか」
獣族娘「父上! 気がつかれたのか!!」
族長「うむ。どうやら、この方が病を取り除いてくれたようだ」
獣族娘「代官殿が!?」
勇者「……多分だが、これで大丈夫じゃないかと思う」
獣族娘「一体何を……顔色も良くなられて……」
勇者「体力を消耗しているだろうから、しばらくは安静が必要だとは思うが……ってうわ!?」
獣族娘「ありがとう! 本当にありがとうございます!」ペロペロ
勇者「こ、こら!? 抱きつくな! 顔を舐めるな!」
獣族娘「父上にもしもの事があったと思ったら……ぅぅ」グスッ
族長「これ、その辺にしておけ。代官殿がお困りではないか」
勇者(しかし、本当に解毒の呪文が効くとは……)
勇者(……病気の原因は毒で間違いないのか)
78 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:20:00.27 ID:FCnxZg5m0
~~村外れにて~~
獣族娘「今の者で病に罹っていたのは最後だ」
勇者「そうか、ひとまずはこれで安心だな」
獣族娘「少しお疲れのようだが……大丈夫か?」
勇者「あぁ、問題ない。お前の方こそ、少し顔色が悪そうに見えるが……大丈夫か?」
獣族娘「父上に代わって、族長の任を代行してきたからだろう。疲れが出ているだけだと思う……」
勇者「そうか、あまり無理はするなよ」
獣族娘「お気遣い感謝する」
勇者(ぶっきら棒だが礼儀正しい娘だ)
勇者(父親の意識が戻った時は、歳相応の態度になっていたが……)
勇者(獣族の誰もがこの娘に会うと、親愛の情を持って接しているのがわかる)
勇者(獣族もこうして接していると、人間と全く変わらないように思う)
勇者(魔物だという事を思わず忘れそうになる程に……)
獣族娘「代官殿は、これからどうなされるおつもりですか?」
勇者「……ん、そうだな。今度は妖精族の集落の方に行ってみるつもりだ」
獣族娘「今の者で病に罹っていたのは最後だ」
勇者「そうか、ひとまずはこれで安心だな」
獣族娘「少しお疲れのようだが……大丈夫か?」
勇者「あぁ、問題ない。お前の方こそ、少し顔色が悪そうに見えるが……大丈夫か?」
獣族娘「父上に代わって、族長の任を代行してきたからだろう。疲れが出ているだけだと思う……」
勇者「そうか、あまり無理はするなよ」
獣族娘「お気遣い感謝する」
勇者(ぶっきら棒だが礼儀正しい娘だ)
勇者(父親の意識が戻った時は、歳相応の態度になっていたが……)
勇者(獣族の誰もがこの娘に会うと、親愛の情を持って接しているのがわかる)
勇者(獣族もこうして接していると、人間と全く変わらないように思う)
勇者(魔物だという事を思わず忘れそうになる程に……)
獣族娘「代官殿は、これからどうなされるおつもりですか?」
勇者「……ん、そうだな。今度は妖精族の集落の方に行ってみるつもりだ」
79 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:22:47.42 ID:FCnxZg5m0
獣族娘「妖精族の?」
勇者「あぁ、今回の病の原因が本当に妖精族にあるのか、確かめなければならないからな」
獣族娘「しかし危険なのでは?」
勇者「危険も何も、妖精族は元々大人しい一族と聞いている」
獣族娘「それは、そうですが……」
勇者「その妖精族が農作物に何か細工をして、病気を広めるなど考え難い」
獣族娘「私にはよくわかりません。ただ、皆が倒れた事のみが事実なので」
勇者「よくわからないからといって、水場を封鎖して妖精族を隔離するのはやり過ぎではないか?」
獣族娘「よくわからないから封鎖したのです! あの状況で危険を冒すわけにはいきません!」
勇者(魔王『よくわからないから恐れ、蔑み、敵視する。人間とはそういうものだろう?』)
勇者「!?(……クソっ……お前の言う通りだ、魔王)」
獣族娘「……代官殿?」
勇者「あぁ、何でもな……」
獣族娘「う……ぅぅ……」バタッ
勇者「おいっ! どうした? しっかりしろ!?」
勇者「あぁ、今回の病の原因が本当に妖精族にあるのか、確かめなければならないからな」
獣族娘「しかし危険なのでは?」
勇者「危険も何も、妖精族は元々大人しい一族と聞いている」
獣族娘「それは、そうですが……」
勇者「その妖精族が農作物に何か細工をして、病気を広めるなど考え難い」
獣族娘「私にはよくわかりません。ただ、皆が倒れた事のみが事実なので」
勇者「よくわからないからといって、水場を封鎖して妖精族を隔離するのはやり過ぎではないか?」
獣族娘「よくわからないから封鎖したのです! あの状況で危険を冒すわけにはいきません!」
勇者(魔王『よくわからないから恐れ、蔑み、敵視する。人間とはそういうものだろう?』)
勇者「!?(……クソっ……お前の言う通りだ、魔王)」
獣族娘「……代官殿?」
勇者「あぁ、何でもな……」
獣族娘「う……ぅぅ……」バタッ
勇者「おいっ! どうした? しっかりしろ!?」
82 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:25:43.66 ID:FCnxZg5m0
獣族娘「ぅぅ……っ」
勇者(呼吸も荒いし、どんどん顔色が悪くなってきてる。他の連中の症状と同じだ)
獣族娘「はぁはぁはぁ……」
勇者(今までの病人達は意識もなかったから、人払いをして解毒魔法を使って治療したが……)
獣族娘「ぐふっ!?」ビクン
勇者(獣族娘にはまだ意識が……くっ、そんな事言ってる場合じゃない!)
―――パァァァ
獣族娘「あ、うぅ……これ……は?」
勇者「……大丈夫か?」
獣族娘「あぁ……私も知らないうちに病に侵されていたのか……不覚だ」
勇者「原因が何かわからないからな、不覚も何もない」
獣族娘「ところで……先ほどの代官殿が使われた術は一体?」
勇者「……」
獣族娘「病を一瞬にして治す……代官殿はまるで……伝説の勇者のようだな」
勇者「っ!?」
勇者(呼吸も荒いし、どんどん顔色が悪くなってきてる。他の連中の症状と同じだ)
獣族娘「はぁはぁはぁ……」
勇者(今までの病人達は意識もなかったから、人払いをして解毒魔法を使って治療したが……)
獣族娘「ぐふっ!?」ビクン
勇者(獣族娘にはまだ意識が……くっ、そんな事言ってる場合じゃない!)
―――パァァァ
獣族娘「あ、うぅ……これ……は?」
勇者「……大丈夫か?」
獣族娘「あぁ……私も知らないうちに病に侵されていたのか……不覚だ」
勇者「原因が何かわからないからな、不覚も何もない」
獣族娘「ところで……先ほどの代官殿が使われた術は一体?」
勇者「……」
獣族娘「病を一瞬にして治す……代官殿はまるで……伝説の勇者のようだな」
勇者「っ!?」
84 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:28:24.41 ID:FCnxZg5m0
勇者(マズいマズい……こいつはマズい!?)
獣族娘「代官殿もご存知だろう、伝説の勇者の話を?」
勇者「さ、さぁ……よくは……」
勇者(勇者『バレたら大変な騒ぎになるだろうな』)
勇者(骸骨『そうなった場合、勇者殿が魔王様の名前を騙ったいう事で処理しますゆえ』)
勇者(勇者が魔王の名前を騙ったなど、償っても償い切れない恥だぞ!?)
獣族娘「何と!? 子供でも知っている話ですぞ?」
勇者「お、俺は人間界に派遣されて長かったから……よくは……」
勇者(どうする……どうやって誤魔化せばいい?)
獣族娘「そうでしたか……人間界に派遣など……随分と苦労されたのだな」
勇者(あれ……何だか様子が? バレた訳じゃないのか?)
獣族娘「簡単にで宜しければ、私がお聞かせしようか?」
勇者「そ、そうだな。少し休憩するのに丁度いいかもしれない」
獣族娘「伝説の勇者の話とは、魔界に大昔から伝わるおとぎ話の一つだ」
獣族娘「代官殿もご存知だろう、伝説の勇者の話を?」
勇者「さ、さぁ……よくは……」
勇者(勇者『バレたら大変な騒ぎになるだろうな』)
勇者(骸骨『そうなった場合、勇者殿が魔王様の名前を騙ったいう事で処理しますゆえ』)
勇者(勇者が魔王の名前を騙ったなど、償っても償い切れない恥だぞ!?)
獣族娘「何と!? 子供でも知っている話ですぞ?」
勇者「お、俺は人間界に派遣されて長かったから……よくは……」
勇者(どうする……どうやって誤魔化せばいい?)
獣族娘「そうでしたか……人間界に派遣など……随分と苦労されたのだな」
勇者(あれ……何だか様子が? バレた訳じゃないのか?)
獣族娘「簡単にで宜しければ、私がお聞かせしようか?」
勇者「そ、そうだな。少し休憩するのに丁度いいかもしれない」
獣族娘「伝説の勇者の話とは、魔界に大昔から伝わるおとぎ話の一つだ」
85 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:31:29.98 ID:FCnxZg5m0
勇者(魔界に?)
獣族娘「私も幼い頃にを父上からこの話を聞いて、心をときめかせたものだ」
勇者「こ、心を?」
獣族娘「そ、そうだ。おかしいか?///」
勇者「い、いや、そんな事はない。続けてくれ」
獣族娘「……んんっ/// その勇者は混乱した魔界に突如現れ……」
勇者「ふむ……」
獣族娘「魔王様の片腕として獅子奮迅の働きをし、混乱した魔界を治めていく」
勇者(魔王の片腕……)
獣族娘「小さな子供であれば、自分がその勇者となって、魔王様をお助けしたいと、夜な夜な夢見たものだ」
勇者「そうなのか?」
獣族娘「我らの村は魔王様の直轄地であり、城に近い事もあって、特にそういった意識を持つ子供が多かったと思う」
勇者「その忠心、魔王様が聞けばお喜びになられるだろう」
獣族娘「そう思うか!? そうであってくれれば、どれだけ嬉しい事か……だが……」
勇者「だが、どうした?」
獣族娘「私も幼い頃にを父上からこの話を聞いて、心をときめかせたものだ」
勇者「こ、心を?」
獣族娘「そ、そうだ。おかしいか?///」
勇者「い、いや、そんな事はない。続けてくれ」
獣族娘「……んんっ/// その勇者は混乱した魔界に突如現れ……」
勇者「ふむ……」
獣族娘「魔王様の片腕として獅子奮迅の働きをし、混乱した魔界を治めていく」
勇者(魔王の片腕……)
獣族娘「小さな子供であれば、自分がその勇者となって、魔王様をお助けしたいと、夜な夜な夢見たものだ」
勇者「そうなのか?」
獣族娘「我らの村は魔王様の直轄地であり、城に近い事もあって、特にそういった意識を持つ子供が多かったと思う」
勇者「その忠心、魔王様が聞けばお喜びになられるだろう」
獣族娘「そう思うか!? そうであってくれれば、どれだけ嬉しい事か……だが……」
勇者「だが、どうした?」
86 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:34:27.75 ID:FCnxZg5m0
獣族娘「我らは先代の魔王様を人間共が手に掛けた時、何もする事が出来なかった……」
勇者「……」
獣族娘「先代の魔王様は……」
獣族娘「事ある事に我らを気に掛けてくれ、この村にお立ち寄りくださる事さえあったのだ」
勇者「魔王……様が?」
獣族娘「ん?」
勇者「いや……続けてくれ」
獣族娘「魔王様が気晴らしに狩りをされる時など、我らの村をよく休憩所としてお使いくだされた」
勇者「……」
獣族娘「私の父上は族長だからという事もあり、よく魔王様のお世話を仰せつかったものだ」
勇者(お世話……魔王が滞在する事があるから、あんなに立派な造りになっていたのか)
獣族娘「私も小さい頃に、何度かお声を掛けて頂いた事があってな」
勇者「魔王様にか?」
獣族娘「そうだ。『早く大きくなって私の手助けをしてくれ』とな」
勇者「……」
勇者「……」
獣族娘「先代の魔王様は……」
獣族娘「事ある事に我らを気に掛けてくれ、この村にお立ち寄りくださる事さえあったのだ」
勇者「魔王……様が?」
獣族娘「ん?」
勇者「いや……続けてくれ」
獣族娘「魔王様が気晴らしに狩りをされる時など、我らの村をよく休憩所としてお使いくだされた」
勇者「……」
獣族娘「私の父上は族長だからという事もあり、よく魔王様のお世話を仰せつかったものだ」
勇者(お世話……魔王が滞在する事があるから、あんなに立派な造りになっていたのか)
獣族娘「私も小さい頃に、何度かお声を掛けて頂いた事があってな」
勇者「魔王様にか?」
獣族娘「そうだ。『早く大きくなって私の手助けをしてくれ』とな」
勇者「……」
89 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:37:58.92 ID:FCnxZg5m0
獣族娘「も、もちろん今になってみれば、子供に対する社交辞令だというのはわかっているぞ///」
勇者(あの俺達と戦った魔王が……)
獣族娘「だか、当時は嬉しくて夜も眠れない程だった。周りの仲間からも羨ましがられてな」
勇者(世界征服を企む邪悪の徒と決めつけ……)
獣族娘「魔王様にお声を掛けて頂いた事も、魔王様のお世話を父上が仰せつかった事も……」
勇者(俺達が戦い、倒したあの魔王が……)
獣族娘「全ての事が誇らしく思えたものだった」
勇者(こんなにもこの娘に……いや、この村の獣族に慕われてる)
獣族娘「だが、いつ頃からだろうか……魔王様のお姿を見なくなって……」
勇者「姿を見なくなった?」
獣族娘「そうだ。いつだっただろうか? 一部の勢力が魔王様の治世を快く思っていないと……」
勇者(魔王のやり方に不満のある者達……力を誇示しようとしている者達……)
獣族娘「『その対処の為に、しばらくはこの村に来られないかもしれない』」
獣族娘「魔王様がそのように仰られたと、父上から聞かされた事があってな……」
勇者「魔王……様がそんな事を?」
勇者(あの俺達と戦った魔王が……)
獣族娘「だか、当時は嬉しくて夜も眠れない程だった。周りの仲間からも羨ましがられてな」
勇者(世界征服を企む邪悪の徒と決めつけ……)
獣族娘「魔王様にお声を掛けて頂いた事も、魔王様のお世話を父上が仰せつかった事も……」
勇者(俺達が戦い、倒したあの魔王が……)
獣族娘「全ての事が誇らしく思えたものだった」
勇者(こんなにもこの娘に……いや、この村の獣族に慕われてる)
獣族娘「だが、いつ頃からだろうか……魔王様のお姿を見なくなって……」
勇者「姿を見なくなった?」
獣族娘「そうだ。いつだっただろうか? 一部の勢力が魔王様の治世を快く思っていないと……」
勇者(魔王のやり方に不満のある者達……力を誇示しようとしている者達……)
獣族娘「『その対処の為に、しばらくはこの村に来られないかもしれない』」
獣族娘「魔王様がそのように仰られたと、父上から聞かされた事があってな……」
勇者「魔王……様がそんな事を?」
90 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:41:12.72 ID:FCnxZg5m0
獣族娘「私が直接聞いた訳ではないがな」
勇者「そうか……」
獣族娘「その時程早く大きく、そして強くなりたいと願った事はない」
勇者「どうしてそう願った?」
獣族娘「魔王様に逆らう連中を、私が懲らしめてやろうと思ってな。笑ってくれ、子供の浅薄な考えだ」
勇者「笑わないさ。俺と違って立派な動機だ」
獣族娘「代官殿も小さな頃に『大きくなりたい、強くなりたい』と思った事があったのか?」
勇者「あぁ……早く大きく、そして強くなりたいとな」
獣族娘「よければ、理由を聞かせてもらえないだろうか?」
勇者「……復讐心だよ」
獣族娘「えっ!?」
勇者「小さい頃に家族を殺されて、その復讐の為に大きく、強くなりたいと願ったんだ」
獣族娘「嫌な思いをさせてしまったな……すまない」
勇者「もう目的は果たした……だからもういいんだ……」
獣族娘「そうか!? それは良かったじゃないか」
勇者「そうか……」
獣族娘「その時程早く大きく、そして強くなりたいと願った事はない」
勇者「どうしてそう願った?」
獣族娘「魔王様に逆らう連中を、私が懲らしめてやろうと思ってな。笑ってくれ、子供の浅薄な考えだ」
勇者「笑わないさ。俺と違って立派な動機だ」
獣族娘「代官殿も小さな頃に『大きくなりたい、強くなりたい』と思った事があったのか?」
勇者「あぁ……早く大きく、そして強くなりたいとな」
獣族娘「よければ、理由を聞かせてもらえないだろうか?」
勇者「……復讐心だよ」
獣族娘「えっ!?」
勇者「小さい頃に家族を殺されて、その復讐の為に大きく、強くなりたいと願ったんだ」
獣族娘「嫌な思いをさせてしまったな……すまない」
勇者「もう目的は果たした……だからもういいんだ……」
獣族娘「そうか!? それは良かったじゃないか」
92 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:44:18.49 ID:FCnxZg5m0
勇者(そう……目的は果たした……はずだ)
獣族娘「私がそう思いながら過ごす内の事だ……先代の魔王様が人間共の手に掛けられたのは!」
勇者(そう……俺達が殺した……)
獣族娘「先代の魔王様が崩御された後、その一粒種が後を継がれたと聞いてな」
勇者(世界平和という立派な名目を隠れ蓑にして、自分の復讐の為に……)
獣族娘「我らは哀しみの中で、新しい魔王様を盛り立てようと心に誓ったのだが……」
勇者(俺が魔王を殺した事を言えば、この娘はどんな顔をするだろうか?)
獣族娘「お姿を見る事も、お声を聞く事も叶わないまま、今回の事件が起こってな」
勇者(……馬鹿な考えだ。もう……やめよう)
獣族娘「訴状を上申してみたものの、何の音沙汰もなく……正直、見捨てられたと諦めた者もいた」
勇者「魔王様は、お前達の事を気にかけておいでだ」
獣族娘「はい! そして代官殿を遣わされた。そうですね?」
勇者「その通りだ。『本当なら、自ら出向いて何とかしてやりたい』とも仰られていた」
獣族娘「魔王様がそのようなお言葉を……我らは見捨てられたなどと、何と愚かな事を考えていたのだ……」
獣族娘「私がそう思いながら過ごす内の事だ……先代の魔王様が人間共の手に掛けられたのは!」
勇者(そう……俺達が殺した……)
獣族娘「先代の魔王様が崩御された後、その一粒種が後を継がれたと聞いてな」
勇者(世界平和という立派な名目を隠れ蓑にして、自分の復讐の為に……)
獣族娘「我らは哀しみの中で、新しい魔王様を盛り立てようと心に誓ったのだが……」
勇者(俺が魔王を殺した事を言えば、この娘はどんな顔をするだろうか?)
獣族娘「お姿を見る事も、お声を聞く事も叶わないまま、今回の事件が起こってな」
勇者(……馬鹿な考えだ。もう……やめよう)
獣族娘「訴状を上申してみたものの、何の音沙汰もなく……正直、見捨てられたと諦めた者もいた」
勇者「魔王様は、お前達の事を気にかけておいでだ」
獣族娘「はい! そして代官殿を遣わされた。そうですね?」
勇者「その通りだ。『本当なら、自ら出向いて何とかしてやりたい』とも仰られていた」
獣族娘「魔王様がそのようなお言葉を……我らは見捨てられたなどと、何と愚かな事を考えていたのだ……」
94 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:45:56.16 ID:FCnxZg5m0
勇者「さて、そろそろ妖精族の所に向かうか」
獣族娘「も、申し訳ない。私のつまらない話で時間を取ってしまい……」
勇者「いや、お前達の考えている事がわかって嬉しかった。ありがとう」
獣族娘「そ、そう言って頂けると私も嬉しく思う///」
勇者「妖精族の所へはどう行けばいい?」
獣族娘「それなら、私が案内を……」
勇者「いや、獣族が一緒だと揉め事になる可能性もある。場所だけ教えてくれ」
獣族娘「しかし……代官殿を一人で行かせたとあっては、私が父上に叱られてしまう」
勇者「……土地勘のあるお前が一緒なら、確かに心強い事もあるだろう」
獣族娘「だったら!」
勇者「しかし、いざ何かあった場合、族長殿に俺が顔向け出来ない」
獣族娘「私が弱いと侮られるか!」
勇者「勘違いするな。お前が弱いと言ってるんじゃない。病み上がりの体を厭(いと)え」
獣族娘「……そうまで仰られるのなら、私の実力を見ていただこう!」
勇者「……は?」
獣族娘「も、申し訳ない。私のつまらない話で時間を取ってしまい……」
勇者「いや、お前達の考えている事がわかって嬉しかった。ありがとう」
獣族娘「そ、そう言って頂けると私も嬉しく思う///」
勇者「妖精族の所へはどう行けばいい?」
獣族娘「それなら、私が案内を……」
勇者「いや、獣族が一緒だと揉め事になる可能性もある。場所だけ教えてくれ」
獣族娘「しかし……代官殿を一人で行かせたとあっては、私が父上に叱られてしまう」
勇者「……土地勘のあるお前が一緒なら、確かに心強い事もあるだろう」
獣族娘「だったら!」
勇者「しかし、いざ何かあった場合、族長殿に俺が顔向け出来ない」
獣族娘「私が弱いと侮られるか!」
勇者「勘違いするな。お前が弱いと言ってるんじゃない。病み上がりの体を厭(いと)え」
獣族娘「……そうまで仰られるのなら、私の実力を見ていただこう!」
勇者「……は?」
96 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:48:43.38 ID:FCnxZg5m0
~~村 中央広場にて~~
獣族男「若君ー負けるな!!」
獣族女「若様~頑張ってくださ~い♪」
勇者「……どうしてこうなった?」
族長「まぁまぁ、ワシらの習慣みたいなものですな」
勇者「習慣?」
族長「ワシらは互いの意見を通す時に、こうして戦うのが決まりでしてな」
勇者「良い意見と強い事とは等しくないだろう?」
族長「意見を出して、それを通す事には責任が伴う。違いますかな?」
勇者「それは……確かにそうだが」
族長「その意見を採用した結果、物事が悪い方に向かったとしますな」
勇者「あぁ」
族長「その悪い方に向かった時に、責任を以ってそれを覆す力が必要とは思いませんか?」
勇者「……ひどい暴力主義だ」
族長「少なくとも、ワシらはそう考えています。まぁ……そういった訳で、頑張ってくだされ」
獣族男「若君ー負けるな!!」
獣族女「若様~頑張ってくださ~い♪」
勇者「……どうしてこうなった?」
族長「まぁまぁ、ワシらの習慣みたいなものですな」
勇者「習慣?」
族長「ワシらは互いの意見を通す時に、こうして戦うのが決まりでしてな」
勇者「良い意見と強い事とは等しくないだろう?」
族長「意見を出して、それを通す事には責任が伴う。違いますかな?」
勇者「それは……確かにそうだが」
族長「その意見を採用した結果、物事が悪い方に向かったとしますな」
勇者「あぁ」
族長「その悪い方に向かった時に、責任を以ってそれを覆す力が必要とは思いませんか?」
勇者「……ひどい暴力主義だ」
族長「少なくとも、ワシらはそう考えています。まぁ……そういった訳で、頑張ってくだされ」
99 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:52:24.77 ID:FCnxZg5m0
勇者「それにしても族長殿」
族長「何でしょうかな?」
勇者「起きていて、体は大丈夫なのか?」
族長「……元気な姿を皆に見せる事も族長の仕事ですからな」ヒソヒソ
勇者「そうか……大変だな、族長というのも」
族長「それに……」
勇者「それに……何だ?」
族長「この事件が起きて以来、久しぶりの戦いです。見逃す手はありませんな」
勇者「……呆れた奴だ。自分の娘が心配じゃないのか?」
族長「この村では、ワシの次に強いのがワシの娘ですぞ?」
勇者「……おい。だから心配しないのか?」
族長「それでも代官殿には敵わんでしょうな」ヒソヒソ
勇者「それがわかっているなら……」ヒソヒソ
族長「慢心した鼻っ柱を叩き折ってやってくだされ。上には上がいるのだと」ヒソヒソ
勇者「はぁ……そういう事か」
族長「何でしょうかな?」
勇者「起きていて、体は大丈夫なのか?」
族長「……元気な姿を皆に見せる事も族長の仕事ですからな」ヒソヒソ
勇者「そうか……大変だな、族長というのも」
族長「それに……」
勇者「それに……何だ?」
族長「この事件が起きて以来、久しぶりの戦いです。見逃す手はありませんな」
勇者「……呆れた奴だ。自分の娘が心配じゃないのか?」
族長「この村では、ワシの次に強いのがワシの娘ですぞ?」
勇者「……おい。だから心配しないのか?」
族長「それでも代官殿には敵わんでしょうな」ヒソヒソ
勇者「それがわかっているなら……」ヒソヒソ
族長「慢心した鼻っ柱を叩き折ってやってくだされ。上には上がいるのだと」ヒソヒソ
勇者「はぁ……そういう事か」
100 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:55:15.45 ID:FCnxZg5m0
族長「では皆の衆! 魔王様の代官殿とワシの娘の戦いを始めるぞ!!」
獣族達「「「うぉぉぉっっっ!!!!」」」ガンガンガンガン
勇者(凄い盛り上がりだな……)
勇者(そうか……これが皆の不満や鬱屈とした気持ちを、解消する手段でもあるのか)
獣族娘「代官殿、悪いがつきあってもらうぞ」
勇者「これでお前が納得するなら、まぁ仕方がない」
獣族娘「くっ、また私を侮るのか!」
勇者「すまない。そういうつもりじゃないんだが……」
獣族娘「好きな武器を取れ!」
勇者「お前はどうするつもりだ?」
獣族娘「私は……こうだ!!」
獣族達「「「うぉぉぉっっっ!!!!」」」ガンガンガンガン
勇者(うぉ!? 顔が豹のような猛獣に変わった!?)
獣族娘「これが私の武器ダ!」
勇者(なるほど……あの鋭く伸びた爪がそうか。獣族の名前は伊達じゃなかった訳だ)
獣族達「「「うぉぉぉっっっ!!!!」」」ガンガンガンガン
勇者(凄い盛り上がりだな……)
勇者(そうか……これが皆の不満や鬱屈とした気持ちを、解消する手段でもあるのか)
獣族娘「代官殿、悪いがつきあってもらうぞ」
勇者「これでお前が納得するなら、まぁ仕方がない」
獣族娘「くっ、また私を侮るのか!」
勇者「すまない。そういうつもりじゃないんだが……」
獣族娘「好きな武器を取れ!」
勇者「お前はどうするつもりだ?」
獣族娘「私は……こうだ!!」
獣族達「「「うぉぉぉっっっ!!!!」」」ガンガンガンガン
勇者(うぉ!? 顔が豹のような猛獣に変わった!?)
獣族娘「これが私の武器ダ!」
勇者(なるほど……あの鋭く伸びた爪がそうか。獣族の名前は伊達じゃなかった訳だ)
102 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 00:58:21.12 ID:FCnxZg5m0
獣族娘「どうした代官殿、早く武器を取レ!」
勇者「うーん……」キョロキョロ
獣族娘「……まさか臆したのではないだろうナ?」
勇者「あ、俺はこれでいいや」
獣族娘「何?」
獣族「「「…………」」」ザワザワ
獣族娘「……その手にある小枝ハ……一体どういうつもりダ?」
勇者「どうもこうも……これが俺の武器だけど」
獣族娘「その腰の剣は飾りカ!」
勇者「飾りではないが今は必要ない」
獣族娘「ここまで馬鹿にされたのは、生まれて初めてダ。幾ら魔王様の代官殿とはいえ許さン!」
族長「双方……準備は良いな?」
勇者「あぁ」
獣族娘「問題なイ!」
族長「では……始めい!!」
勇者「うーん……」キョロキョロ
獣族娘「……まさか臆したのではないだろうナ?」
勇者「あ、俺はこれでいいや」
獣族娘「何?」
獣族「「「…………」」」ザワザワ
獣族娘「……その手にある小枝ハ……一体どういうつもりダ?」
勇者「どうもこうも……これが俺の武器だけど」
獣族娘「その腰の剣は飾りカ!」
勇者「飾りではないが今は必要ない」
獣族娘「ここまで馬鹿にされたのは、生まれて初めてダ。幾ら魔王様の代官殿とはいえ許さン!」
族長「双方……準備は良いな?」
勇者「あぁ」
獣族娘「問題なイ!」
族長「では……始めい!!」
103 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 01:01:54.26 ID:FCnxZg5m0
勇者(変身した分、速さは……予想より少し上か……)
獣族娘「どうしタ! 避けてばかりでは私に勝てないゾ!」
勇者(……動きが直線的過ぎる)ヒョイ
獣族娘「あッ!?」ズテンッ!
獣族男「わ、若君!?」
獣族女「若様~頑張って!!」
獣族娘「くッ……足を掛けるなど卑怯ナ……」
勇者(どうだ?)チラッ
族長「…………」
勇者(流石に転ばせたくらいじゃ、終わらないか……)
獣族娘「何をよそ見をしていルッ!!」ダッ
勇者(……仕方ない)
勇者「……いくぞ」ヒュン
獣族娘「何!?」
獣族娘「どうしタ! 避けてばかりでは私に勝てないゾ!」
勇者(……動きが直線的過ぎる)ヒョイ
獣族娘「あッ!?」ズテンッ!
獣族男「わ、若君!?」
獣族女「若様~頑張って!!」
獣族娘「くッ……足を掛けるなど卑怯ナ……」
勇者(どうだ?)チラッ
族長「…………」
勇者(流石に転ばせたくらいじゃ、終わらないか……)
獣族娘「何をよそ見をしていルッ!!」ダッ
勇者(……仕方ない)
勇者「……いくぞ」ヒュン
獣族娘「何!?」
104 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 01:05:28.27 ID:FCnxZg5m0
勇者「……筋もいい」
獣族娘「くッ!?」
勇者「……速さも、申し分ない」
獣族娘(わ、私が押されている……たかが小枝だぞ!?)
勇者「……だが動きが……単調だ」シュッ
獣族娘「なッ!? うわッ!?」ズテンッ!
勇者「……虚の動きに惑わされ引っ掛かる。実戦経験の少ない証拠だ」
獣族娘「う……あッ……(いつの間に……小枝が目の前に……)」
勇者「死んでるぞ?」
獣族娘(ただの小枝を手にしているだけなのに……この代官殿の威圧感は……何だ?)
勇者「まだ、続けるか?」
獣族娘(て、手が震えて……私は怯えているの、か?)
獣族娘「わ、私ノ……負けダ……」
族長「それまでっ! この試合、代官殿の勝ちとする!」
獣族達「「「うぉぉぉっっっ!!!!」」」ガンガンガンガン
獣族娘「くッ!?」
勇者「……速さも、申し分ない」
獣族娘(わ、私が押されている……たかが小枝だぞ!?)
勇者「……だが動きが……単調だ」シュッ
獣族娘「なッ!? うわッ!?」ズテンッ!
勇者「……虚の動きに惑わされ引っ掛かる。実戦経験の少ない証拠だ」
獣族娘「う……あッ……(いつの間に……小枝が目の前に……)」
勇者「死んでるぞ?」
獣族娘(ただの小枝を手にしているだけなのに……この代官殿の威圧感は……何だ?)
勇者「まだ、続けるか?」
獣族娘(て、手が震えて……私は怯えているの、か?)
獣族娘「わ、私ノ……負けダ……」
族長「それまでっ! この試合、代官殿の勝ちとする!」
獣族達「「「うぉぉぉっっっ!!!!」」」ガンガンガンガン
105 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 01:08:37.53 ID:FCnxZg5m0
勇者「ふぅ……立てるな?」
獣族娘「は……い」
族長「どうだ、上には上がおるであろう?」
獣族娘「父上……まさか、父上以外の男に私が負けるとは、思いもしませんでした」
族長「そりゃぁそうだわい。ワシがやっても同じ結果だったろうからの」
獣族娘「は?」
族長「耳が遠くなったか? ワシがやっても、万に一つも勝てはせんと言っておる」
勇者「え、えーと……族長殿……その辺りで……」
獣族娘「父上が万に一つも勝てないなどと……冗談が過ぎる」
族長「……ワシが戦いの事で、冗談を言った事があったか?」ギロッ
獣族娘「あ……いや……」
族長「少しは成長したと思って喜んでおったが……」
勇者(娘の尻尾が丸まってるじゃないか……族長の一睨みで完全に萎縮してしまったな)
族長「戦った相手の力量もわからんとは……お前もまだまだのようだのう」
獣族娘「も、申し訳ありません……」
獣族娘「は……い」
族長「どうだ、上には上がおるであろう?」
獣族娘「父上……まさか、父上以外の男に私が負けるとは、思いもしませんでした」
族長「そりゃぁそうだわい。ワシがやっても同じ結果だったろうからの」
獣族娘「は?」
族長「耳が遠くなったか? ワシがやっても、万に一つも勝てはせんと言っておる」
勇者「え、えーと……族長殿……その辺りで……」
獣族娘「父上が万に一つも勝てないなどと……冗談が過ぎる」
族長「……ワシが戦いの事で、冗談を言った事があったか?」ギロッ
獣族娘「あ……いや……」
族長「少しは成長したと思って喜んでおったが……」
勇者(娘の尻尾が丸まってるじゃないか……族長の一睨みで完全に萎縮してしまったな)
族長「戦った相手の力量もわからんとは……お前もまだまだのようだのう」
獣族娘「も、申し訳ありません……」
108 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 01:11:26.82 ID:FCnxZg5m0
勇者「で、では、俺はそろそろ妖精族のところに……」
獣族娘「お待ち下さい、代官殿!」
勇者「まだ何か……っておい! 何をする気だ!?」
獣族娘「……」ペロペロ
獣族男「おい……」ザワザワ
獣族女「まさか若様が……」ザワザワ
勇者「ちょ、ちょっと!? これは一体?」
族長「代官殿。相手の足を舐める行為は、ワシらの間で『忠誠を捧げます』という意味だ」
勇者「なっ!?」
獣族娘「私は自分の弱さを……あなたに思い知らされました」
勇者「だ、だからって、どうして俺に忠誠を?」
獣族娘「この村でも、私より強い者は父上しかおりません。男達にも負けはしなかった」
勇者「い、いや……」
獣族娘「魔王様の親衛隊とはいえ、あなたにも遅れを取るはずがないと……」
獣族娘「……正直、心の底で馬鹿にしておりました」
獣族娘「お待ち下さい、代官殿!」
勇者「まだ何か……っておい! 何をする気だ!?」
獣族娘「……」ペロペロ
獣族男「おい……」ザワザワ
獣族女「まさか若様が……」ザワザワ
勇者「ちょ、ちょっと!? これは一体?」
族長「代官殿。相手の足を舐める行為は、ワシらの間で『忠誠を捧げます』という意味だ」
勇者「なっ!?」
獣族娘「私は自分の弱さを……あなたに思い知らされました」
勇者「だ、だからって、どうして俺に忠誠を?」
獣族娘「この村でも、私より強い者は父上しかおりません。男達にも負けはしなかった」
勇者「い、いや……」
獣族娘「魔王様の親衛隊とはいえ、あなたにも遅れを取るはずがないと……」
獣族娘「……正直、心の底で馬鹿にしておりました」
109 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 01:14:36.94 ID:FCnxZg5m0
獣族娘「試合前にも何度も、やめるように私に仰ってくださいましたね?」
勇者(さ、さっきまでと態度が違う……)
獣族娘「私はあなたが、臆病風に吹かれているのだとばかり思っておりました」
勇者「まぁ、普通はそう思われて当然だが……」
獣族娘「本当は私に恥をかかせないよう、そうお考えであったのではありませんか?」
勇者(いや、単に目立ちたくなかっただけなんだが……)
獣族娘「先ほどの戦いで、実力の彼我を身をもって知る事が出来ました」
勇者「だから忠誠っていうのはおかしいだろ?」
獣族娘「決めていたのです」
勇者「な、何を……?」
獣族娘「わ、私よりも強い方に……こ、この身も心も捧げようと///」
獣族達「「「おぉ……!?」」」」ドヨドヨ
勇者「待て待て待て待て!!!」
獣族娘「はい?」
勇者(さ、さっきまでと態度が違う……)
獣族娘「私はあなたが、臆病風に吹かれているのだとばかり思っておりました」
勇者「まぁ、普通はそう思われて当然だが……」
獣族娘「本当は私に恥をかかせないよう、そうお考えであったのではありませんか?」
勇者(いや、単に目立ちたくなかっただけなんだが……)
獣族娘「先ほどの戦いで、実力の彼我を身をもって知る事が出来ました」
勇者「だから忠誠っていうのはおかしいだろ?」
獣族娘「決めていたのです」
勇者「な、何を……?」
獣族娘「わ、私よりも強い方に……こ、この身も心も捧げようと///」
獣族達「「「おぉ……!?」」」」ドヨドヨ
勇者「待て待て待て待て!!!」
獣族娘「はい?」
113 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 01:17:12.07 ID:FCnxZg5m0
勇者「さっき族長殿は『忠誠を捧げる』って言ったよな?」
族長「言いましたな」
勇者「どうして身も心も捧げるって事になるの? 表現がおかしくない??」
獣族娘「忠誠を捧げる事と、身も心も捧げる事は同意ではありませんか?」
勇者「だとしても、どうして顔を赤らめてるんだよ!?」
獣族娘「そ、それは……///」
族長「娘の気持ちも察してくだされ」
勇者「いや、任務中だから、俺! それに魔王様の事を慕ってるんでしょ?」
獣族娘「魔王様の親衛隊であるあなたに忠義を尽くす事と、魔王様への忠義は矛盾しません」
勇者「ぞ、族長殿?」
族長「ふふっ、娘を頼みますぞ、代官殿」
獣族娘「父上……///」
勇者「よ、妖精族の所に行ってきます!」ダッ
族長「……逃げられたかのう? どうするつもりだ?」
獣族娘「私は……諦めません」
族長「言いましたな」
勇者「どうして身も心も捧げるって事になるの? 表現がおかしくない??」
獣族娘「忠誠を捧げる事と、身も心も捧げる事は同意ではありませんか?」
勇者「だとしても、どうして顔を赤らめてるんだよ!?」
獣族娘「そ、それは……///」
族長「娘の気持ちも察してくだされ」
勇者「いや、任務中だから、俺! それに魔王様の事を慕ってるんでしょ?」
獣族娘「魔王様の親衛隊であるあなたに忠義を尽くす事と、魔王様への忠義は矛盾しません」
勇者「ぞ、族長殿?」
族長「ふふっ、娘を頼みますぞ、代官殿」
獣族娘「父上……///」
勇者「よ、妖精族の所に行ってきます!」ダッ
族長「……逃げられたかのう? どうするつもりだ?」
獣族娘「私は……諦めません」
116 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 01:20:49.02 ID:FCnxZg5m0
~~妖精族の集落~~
勇者「では、あなた方の農作物を食べたのが病気の原因だが、それは水が汚染されているせいだと?」
妖精族長「はい。獣族の方々に被害が出てから、わかった事なのですが……」
勇者「汚染の原因はわかっているのですか?」
妖精族長「毒を持った虫が、水場で繁殖した可能性が、極めて高いと思われます」
勇者「虫ですか……」
妖精族長「水を撒く事で農作物に毒性が蓄積され、それを食べた事で被害が広がったのだと思います」
勇者「今もその虫は、水場に?」
妖精族長「おそらくは……早く対処しなければ、水を飲み続けている方も被害に遭われてしまいます」
勇者「獣族はそれに気づいてる様子はありませんでした」
妖精族長「毒自体は無味無臭ですから……ただ、症状が特徴的ですから、虫の毒とわかります」
勇者「なるほど……」
妖精族長「獣族の方々に話を聞いてもらおうとしたのですが、警戒され話も聞いてもらえず……」
勇者「それで城に訴状を?」
妖精族長「はい……私達の話は聞いてもらえなくても、魔王様からならばと思い……」
勇者「では、あなた方の農作物を食べたのが病気の原因だが、それは水が汚染されているせいだと?」
妖精族長「はい。獣族の方々に被害が出てから、わかった事なのですが……」
勇者「汚染の原因はわかっているのですか?」
妖精族長「毒を持った虫が、水場で繁殖した可能性が、極めて高いと思われます」
勇者「虫ですか……」
妖精族長「水を撒く事で農作物に毒性が蓄積され、それを食べた事で被害が広がったのだと思います」
勇者「今もその虫は、水場に?」
妖精族長「おそらくは……早く対処しなければ、水を飲み続けている方も被害に遭われてしまいます」
勇者「獣族はそれに気づいてる様子はありませんでした」
妖精族長「毒自体は無味無臭ですから……ただ、症状が特徴的ですから、虫の毒とわかります」
勇者「なるほど……」
妖精族長「獣族の方々に話を聞いてもらおうとしたのですが、警戒され話も聞いてもらえず……」
勇者「それで城に訴状を?」
妖精族長「はい……私達の話は聞いてもらえなくても、魔王様からならばと思い……」
118 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 01:23:31.27 ID:FCnxZg5m0
勇者「それで、虫と毒に対する対処方法はあるのですか?」
妖精族長「この粉を水場に撒けば、虫は死滅すると思います」
勇者「そんな便利なものがあるのですか?」
妖精族長「はい。実は数百年前にも同じ毒虫が発生した事がございまして」
勇者「数百年前、ですか?」
妖精族長「えぇ。その時は先代の魔王様がこの粉を使って、虫を退治してくださいました」
勇者「先代の?」
妖精族長「はい。この粉は魔王様がもしもの為にと、我々に置いていってくださったのです」
勇者「……もしかすると、その毒を中和する薬もあるのですか?」
妖精族長「作成方法を残していってくださいましたので……既に薬は作らせております」
勇者「そこまで用意周到に……しかも後の事まで考えて……」
妖精族長「先代様の慧眼に、ただただ感謝するばかりですわ」
勇者(ここでも魔王は慕われている……俺がした事は本当に正しかったのか?)
妖精族長「代官さま?」
勇者「……一緒に獣族達のところに来ていただけますか? 俺が間に入って話をします」
妖精族長「この粉を水場に撒けば、虫は死滅すると思います」
勇者「そんな便利なものがあるのですか?」
妖精族長「はい。実は数百年前にも同じ毒虫が発生した事がございまして」
勇者「数百年前、ですか?」
妖精族長「えぇ。その時は先代の魔王様がこの粉を使って、虫を退治してくださいました」
勇者「先代の?」
妖精族長「はい。この粉は魔王様がもしもの為にと、我々に置いていってくださったのです」
勇者「……もしかすると、その毒を中和する薬もあるのですか?」
妖精族長「作成方法を残していってくださいましたので……既に薬は作らせております」
勇者「そこまで用意周到に……しかも後の事まで考えて……」
妖精族長「先代様の慧眼に、ただただ感謝するばかりですわ」
勇者(ここでも魔王は慕われている……俺がした事は本当に正しかったのか?)
妖精族長「代官さま?」
勇者「……一緒に獣族達のところに来ていただけますか? 俺が間に入って話をします」
120 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 01:27:00.06 ID:FCnxZg5m0
~~二日後 街道にて~~
勇者(あれから、妖精族の長を連れて、獣族達に事情を説明したが……)
勇者(獣族達は警戒し、妖精族が作った毒の中和薬を飲む事を頑なに拒んだ)
勇者(そこで、安全を証明する為に、まず俺がその中和薬を飲もうとすると……)
勇者(獣族の族長と獣族娘の二人が、自ら進んで妖精族の中和薬を飲んでくれた)
勇者(その二人の様子を見て、他の獣族達も中和薬を飲んでくれ……)
勇者(その後は獣族と妖精族で水場へ行き、魔王が作ったという虫を駆除する粉を水場に撒いた)
勇者(すると、みるみる内に浮き上がってきた虫の屍骸で水面が覆い尽くされた)
勇者(その光景を見て、妖精族の言う事を疑う獣族はもはやおらず……)
勇者(虫の屍骸をせっせと水場から取り除く作業に忙殺された)
勇者(妖精族の長の話では……)
勇者(虫の卵がまだ残っているので、半月程は同じ作業を毎日行わなければいけないらしい)
勇者(もちろん、念の為に毒の中和薬も、毎日飲み続ける必要があるそうだ)
勇者(今回の揉め事の原因も判明し、獣族と妖精族の関係も修復)
勇者(魔王に渡す為にと、妖精族の長から粉と中和薬をわけてもらい、村をあとにしたのだが……)
勇者(あれから、妖精族の長を連れて、獣族達に事情を説明したが……)
勇者(獣族達は警戒し、妖精族が作った毒の中和薬を飲む事を頑なに拒んだ)
勇者(そこで、安全を証明する為に、まず俺がその中和薬を飲もうとすると……)
勇者(獣族の族長と獣族娘の二人が、自ら進んで妖精族の中和薬を飲んでくれた)
勇者(その二人の様子を見て、他の獣族達も中和薬を飲んでくれ……)
勇者(その後は獣族と妖精族で水場へ行き、魔王が作ったという虫を駆除する粉を水場に撒いた)
勇者(すると、みるみる内に浮き上がってきた虫の屍骸で水面が覆い尽くされた)
勇者(その光景を見て、妖精族の言う事を疑う獣族はもはやおらず……)
勇者(虫の屍骸をせっせと水場から取り除く作業に忙殺された)
勇者(妖精族の長の話では……)
勇者(虫の卵がまだ残っているので、半月程は同じ作業を毎日行わなければいけないらしい)
勇者(もちろん、念の為に毒の中和薬も、毎日飲み続ける必要があるそうだ)
勇者(今回の揉め事の原因も判明し、獣族と妖精族の関係も修復)
勇者(魔王に渡す為にと、妖精族の長から粉と中和薬をわけてもらい、村をあとにしたのだが……)
122 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 01:28:59.96 ID:FCnxZg5m0
獣族娘「代官殿、まもなくですね」
勇者「ああ……」
獣族A「魔王様のお城に行くのは初めてです!」
勇者「そうか……」
獣族B「元気がありませんね。お疲れですか?」
勇者「いや……」
獣族C「私はこれで三度目です。一度目は子供の頃に、二度目は訴状を届けに上がった時に」
勇者「お前が持ってきてくれたのか、ご苦労だったな……」
勇者(獣族娘を含めた四人の獣族が俺について行くと言い出して……今に至る)
勇者(これ以上の厄介事を背負い込みたくない俺は、全力でそれを断ろうとした)
勇者(すると獣族の族長が『魔王様へ御礼を申し上げる為と代官殿の護衛の為』と言い出した)
勇者(魔王への礼はともかく、俺に護衛が必要ない事はわかっているはずだ)
勇者(礼は俺が伝えておくと彼らに告げると……)
勇者(族長が『娘がワシの名代で不服なら、ワシが代官殿に同行する』と言い出し始めた)
勇者「ああ……」
獣族A「魔王様のお城に行くのは初めてです!」
勇者「そうか……」
獣族B「元気がありませんね。お疲れですか?」
勇者「いや……」
獣族C「私はこれで三度目です。一度目は子供の頃に、二度目は訴状を届けに上がった時に」
勇者「お前が持ってきてくれたのか、ご苦労だったな……」
勇者(獣族娘を含めた四人の獣族が俺について行くと言い出して……今に至る)
勇者(これ以上の厄介事を背負い込みたくない俺は、全力でそれを断ろうとした)
勇者(すると獣族の族長が『魔王様へ御礼を申し上げる為と代官殿の護衛の為』と言い出した)
勇者(魔王への礼はともかく、俺に護衛が必要ない事はわかっているはずだ)
勇者(礼は俺が伝えておくと彼らに告げると……)
勇者(族長が『娘がワシの名代で不服なら、ワシが代官殿に同行する』と言い出し始めた)
124 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 01:31:41.39 ID:FCnxZg5m0
勇者(あまり頑なに断り続けていると、更に厄介な事になりそうな予感がしたので……)
勇者(獣族娘達の同行を渋々ながらも許可する事にした)
勇者(『娘を頼みますぞ』とにこやかに笑う族長の顔は、完全に娘を思う親の顔だった)
勇者(親の気持ちというものは、人間も魔物も変わらないのだろう……と思う)チラッ
獣族娘「な、何でしょうか?///」
勇者「通常なら徒歩で三日はかかる行程だ。幾ら速度を落としているとはいえ、疲れていないか?」
獣族娘「お気遣いありがとうございます。ですが、我らは体力には自信がありますゆえ」
勇者「そうか。もうすぐ城に着くから頑張ってくれ」
獣族娘「はいっ!」
勇者(……城に着いたら、獣族娘達の事を魔王にどう説明したものか)
勇者(ややこしい事にならなければいいんだが……)
勇者(そういえば、妖精族の長は俺の事を何か察していたのか、何度か何か言いたそうにしていたな)
勇者(別れ際にも何か言いたそうにしていたが、俺が目で制すると何も言わずに頭を下げた)
勇者(魔物とはいえ、やはりああいう慎み深い女性が……)
獣族娘「代官殿、城が見えて参りましたぞ!」
勇者(獣族娘達の同行を渋々ながらも許可する事にした)
勇者(『娘を頼みますぞ』とにこやかに笑う族長の顔は、完全に娘を思う親の顔だった)
勇者(親の気持ちというものは、人間も魔物も変わらないのだろう……と思う)チラッ
獣族娘「な、何でしょうか?///」
勇者「通常なら徒歩で三日はかかる行程だ。幾ら速度を落としているとはいえ、疲れていないか?」
獣族娘「お気遣いありがとうございます。ですが、我らは体力には自信がありますゆえ」
勇者「そうか。もうすぐ城に着くから頑張ってくれ」
獣族娘「はいっ!」
勇者(……城に着いたら、獣族娘達の事を魔王にどう説明したものか)
勇者(ややこしい事にならなければいいんだが……)
勇者(そういえば、妖精族の長は俺の事を何か察していたのか、何度か何か言いたそうにしていたな)
勇者(別れ際にも何か言いたそうにしていたが、俺が目で制すると何も言わずに頭を下げた)
勇者(魔物とはいえ、やはりああいう慎み深い女性が……)
獣族娘「代官殿、城が見えて参りましたぞ!」
125 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 01:33:52.95 ID:FCnxZg5m0
~~魔王城にて~~
勇者「お前達はここで待っていてくれ」
獣族娘「はい」
…………
勇者「おーい骸骨ーどこにいるんだー?」
骸骨「おかえりなさいませ。随分と早いお帰りでしたね。村の方は如何でした?」
勇者「あぁ、まぁ無事に片づいたかな」
骸骨「さようですか。それは上々にございます」
勇者「それで村での事を魔王に説明したいんだが、ちょっと困った事があってな……」
骸骨「お連れの方々ですか?」
勇者「何だ知っていたのか!?」
骸骨「この城に掛けられた探知魔法がございますので、勇者殿にお連れがいらっしゃる事は」
勇者「城にそんな仕掛けがあるのか?」
骸骨「……詳しい事は申せませんが、この城に近づく者がいればわかるようになっております」
勇者「……それじゃあ、最初にここに来た時も、俺が来たってはわかってたんじゃないのか?」
勇者「お前達はここで待っていてくれ」
獣族娘「はい」
…………
勇者「おーい骸骨ーどこにいるんだー?」
骸骨「おかえりなさいませ。随分と早いお帰りでしたね。村の方は如何でした?」
勇者「あぁ、まぁ無事に片づいたかな」
骸骨「さようですか。それは上々にございます」
勇者「それで村での事を魔王に説明したいんだが、ちょっと困った事があってな……」
骸骨「お連れの方々ですか?」
勇者「何だ知っていたのか!?」
骸骨「この城に掛けられた探知魔法がございますので、勇者殿にお連れがいらっしゃる事は」
勇者「城にそんな仕掛けがあるのか?」
骸骨「……詳しい事は申せませんが、この城に近づく者がいればわかるようになっております」
勇者「……それじゃあ、最初にここに来た時も、俺が来たってはわかってたんじゃないのか?」
129 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 01:36:36.16 ID:FCnxZg5m0
骸骨「……魔王様はご存知だったと思いますが、私には何も仰られませんでした」
勇者「どういう事だ?」
骸骨「さぁ? こればかりは魔王様にお尋ねしなければ……私には何とも申せません」
勇者「……」
骸骨「その魔王様が勇者殿をお待ちになられています。お連れの方々もご一緒にと」
勇者「あいつらも一緒に?」
骸骨「はい。そのように仰せつかっております。それと……」
勇者「まだ何かあるのか?」
骸骨「以前お会いした執務室ではなく、玉座の間に来るようにとの事です」
勇者「玉座の間だと?」
骸骨「勇者殿はご存知の場所ではありませんか?」
勇者「……俺達と先代の魔王が戦った場所。そうだな?」
骸骨「その通りです。では確かにお伝えしました」スッ
勇者(……どういうつもりだ、魔王?)
勇者「どういう事だ?」
骸骨「さぁ? こればかりは魔王様にお尋ねしなければ……私には何とも申せません」
勇者「……」
骸骨「その魔王様が勇者殿をお待ちになられています。お連れの方々もご一緒にと」
勇者「あいつらも一緒に?」
骸骨「はい。そのように仰せつかっております。それと……」
勇者「まだ何かあるのか?」
骸骨「以前お会いした執務室ではなく、玉座の間に来るようにとの事です」
勇者「玉座の間だと?」
骸骨「勇者殿はご存知の場所ではありませんか?」
勇者「……俺達と先代の魔王が戦った場所。そうだな?」
骸骨「その通りです。では確かにお伝えしました」スッ
勇者(……どういうつもりだ、魔王?)
130 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 01:39:59.85 ID:FCnxZg5m0
~~魔王城 玉座の間入口にて~~
獣族娘「まさか、本当に魔王様にお目どおりが叶うとはな」
獣族A「駄目だ……緊張で心臓が止まりそうだ……」
獣族B「わ、我らはどうすればよいのでしょうか、代官殿?」
獣族C「う、うろたえるな、情けない」
勇者「お前達、少し落ち着け。誰も取って食いやしないんだから」
獣族娘「代官殿の仰る通りだ。我らは何一つやましい事などないのだからな」
勇者(……ふぅ、獣族娘は大丈夫そうだが、他の連中は完全に舞い上がっているな)
勇者(しかし、こうしてこの扉の前に立つと、半年前の戦いの事を思い出すな)
勇者(まさか……戦いになるなんて事はないだろうが……)
勇者(……考えても仕方ない)
勇者「おい、お前達。入るぞ?」
獣族娘「お願いします」
獣族ABC「「「お、お願いしますっ!」」」
―――ガチャッ……ギィィィィ
獣族娘「まさか、本当に魔王様にお目どおりが叶うとはな」
獣族A「駄目だ……緊張で心臓が止まりそうだ……」
獣族B「わ、我らはどうすればよいのでしょうか、代官殿?」
獣族C「う、うろたえるな、情けない」
勇者「お前達、少し落ち着け。誰も取って食いやしないんだから」
獣族娘「代官殿の仰る通りだ。我らは何一つやましい事などないのだからな」
勇者(……ふぅ、獣族娘は大丈夫そうだが、他の連中は完全に舞い上がっているな)
勇者(しかし、こうしてこの扉の前に立つと、半年前の戦いの事を思い出すな)
勇者(まさか……戦いになるなんて事はないだろうが……)
勇者(……考えても仕方ない)
勇者「おい、お前達。入るぞ?」
獣族娘「お願いします」
獣族ABC「「「お、お願いしますっ!」」」
―――ガチャッ……ギィィィィ
131 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 01:42:09.57 ID:FCnxZg5m0
~~魔王城 玉座の間にて~~
骸骨「皆の者よく参った。前へ」
勇者(骸骨の奴……わざわざ先回りしてここに来ていたのか)
獣族A「ほ、骨だ……」
獣族B「ま、前へって言われたって……」
獣族C「ど、どうします?」
獣族娘「……代官殿?」
勇者「……余計な事を言わずに、俺の後ろについて来い」
勇者(玉座に魔王の姿がない……どういう事だ)
骸骨「そこで止まり、控えるがよい」
獣族A「ひ、控えろって??」
勇者「膝まづいて待てという事だ」
獣族B「そ、そうか……」
獣族C「す、凄い……この絨毯足が埋まるぞ?」
獣族娘「お前達ときたら……」
骸骨「皆の者よく参った。前へ」
勇者(骸骨の奴……わざわざ先回りしてここに来ていたのか)
獣族A「ほ、骨だ……」
獣族B「ま、前へって言われたって……」
獣族C「ど、どうします?」
獣族娘「……代官殿?」
勇者「……余計な事を言わずに、俺の後ろについて来い」
勇者(玉座に魔王の姿がない……どういう事だ)
骸骨「そこで止まり、控えるがよい」
獣族A「ひ、控えろって??」
勇者「膝まづいて待てという事だ」
獣族B「そ、そうか……」
獣族C「す、凄い……この絨毯足が埋まるぞ?」
獣族娘「お前達ときたら……」
136 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 01:45:48.09 ID:FCnxZg5m0
―――10分経過―――
獣族A「な、なぁ……?」
獣族B「な、何だ?」
獣族A「俺達、いつまで待てばいいんだ?」
獣族C「だ、代官殿?」
獣族娘「お前達、少しは静かに待てないのか」
勇者(こいつらじゃないが、いつまで待たせるつもりだ?)
勇者(骸骨の奴もじっと突っ立ったままだし……)
魔王「……おぉ、もう来ておったか」
勇者(……やっと、お出ましか)
魔王「何を畏(かしこ)まっている。さぁ面(おもて)をあげよ」
獣族A「えっ!?」
獣族B「あ、あれが……」
獣族C「……魔王、様?」
獣族娘「こ、子供……?」
獣族A「な、なぁ……?」
獣族B「な、何だ?」
獣族A「俺達、いつまで待てばいいんだ?」
獣族C「だ、代官殿?」
獣族娘「お前達、少しは静かに待てないのか」
勇者(こいつらじゃないが、いつまで待たせるつもりだ?)
勇者(骸骨の奴もじっと突っ立ったままだし……)
魔王「……おぉ、もう来ておったか」
勇者(……やっと、お出ましか)
魔王「何を畏(かしこ)まっている。さぁ面(おもて)をあげよ」
獣族A「えっ!?」
獣族B「あ、あれが……」
獣族C「……魔王、様?」
獣族娘「こ、子供……?」
139 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 01:49:15.49 ID:FCnxZg5m0
魔王「よく参ったな。僕が第72代の魔王だ……って何を呆けている?」
獣族娘「あ、あの……」
骸骨「許しもなく魔王様に直接口を訊こうなど、無礼であるぞ!」
獣族娘「は、ははっ! 申し訳ありません!」
魔王「良い良い、彼らは僕の民だ」
骸骨「はっ……」
魔王「お前達、言いたい事があるなら、何なりと申せ」
獣族娘「はっ……し、しかし……」
魔王「……時間がもったいない。僕が申せと言っているのだぞ?」
獣族娘「わ、私は近郊村の獣族族長の娘にございます」
魔王「おぉ、お前が族長の娘か、久しいな。此度(こたび)は対応が遅れてすまなかったな」
獣族娘「そ、そんな……勿体無いお言葉です」
勇者(……久しい? どういう事だ?)
勇者(獣族娘は、場の空気に飲まれて気づいていないみたいだが……)
勇者(まるで、獣族娘の事を知っているような口ぶりじゃないか)
獣族娘「あ、あの……」
骸骨「許しもなく魔王様に直接口を訊こうなど、無礼であるぞ!」
獣族娘「は、ははっ! 申し訳ありません!」
魔王「良い良い、彼らは僕の民だ」
骸骨「はっ……」
魔王「お前達、言いたい事があるなら、何なりと申せ」
獣族娘「はっ……し、しかし……」
魔王「……時間がもったいない。僕が申せと言っているのだぞ?」
獣族娘「わ、私は近郊村の獣族族長の娘にございます」
魔王「おぉ、お前が族長の娘か、久しいな。此度(こたび)は対応が遅れてすまなかったな」
獣族娘「そ、そんな……勿体無いお言葉です」
勇者(……久しい? どういう事だ?)
勇者(獣族娘は、場の空気に飲まれて気づいていないみたいだが……)
勇者(まるで、獣族娘の事を知っているような口ぶりじゃないか)
141 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 01:52:39.83 ID:FCnxZg5m0
魔王「して、族長は息災か?」
獣族娘「は、はい」
魔王「そうか息災であるか。お前も父親は大事にしろよ」
獣族娘「あ、あの……」
魔王「なんだ?」
獣族「ま、魔王様は父をご存知なのですか?」
魔王「……そうか。お前が憶えておらぬのも無理はないか」
獣族娘「え、えっと……」
魔王「父さま……先代の魔王に随行して、僕がお前の村に行ったのは、お前がまだ赤ん坊の頃だからな」
獣族娘「は?」
魔王「……何か、おかしな事を言ったか?」
獣族娘「し、失礼ですが、魔王様はお幾つなのでしょう?」
勇者(いい質問だ。それは俺も疑問に思っていた)
魔王「僕の歳? 確か今年で113歳だが……それがどうかしたか?」
勇者「ひゃくじゅうさんさい!?」
獣族娘「は、はい」
魔王「そうか息災であるか。お前も父親は大事にしろよ」
獣族娘「あ、あの……」
魔王「なんだ?」
獣族「ま、魔王様は父をご存知なのですか?」
魔王「……そうか。お前が憶えておらぬのも無理はないか」
獣族娘「え、えっと……」
魔王「父さま……先代の魔王に随行して、僕がお前の村に行ったのは、お前がまだ赤ん坊の頃だからな」
獣族娘「は?」
魔王「……何か、おかしな事を言ったか?」
獣族娘「し、失礼ですが、魔王様はお幾つなのでしょう?」
勇者(いい質問だ。それは俺も疑問に思っていた)
魔王「僕の歳? 確か今年で113歳だが……それがどうかしたか?」
勇者「ひゃくじゅうさんさい!?」
142 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 01:55:40.06 ID:FCnxZg5m0
魔王「突然大きな声を出すな。驚くではないか」
勇者「す、すまん。いや、しかし……」
魔王「しかし何だ?」
勇者「いや、まさか俺より年上とは思ってなかったから……」
魔王「一体幾つだと思っていたのだ?」
勇者「じゅ、10歳ぐらいかと……」
魔王「馬鹿め、僕は魔族だぞ。お前達と一緒にするな」
勇者「そ、そうか……」
魔王「まあいい。して勇者よ。首尾はどうであった?」
勇者「おいっ!!!」
骸骨「ま、魔王様……勇者である事は内緒のはずでは?」
獣族A「ゆ、勇者?」
獣族B「どういう事だ?」
獣族C「さ、さぁ?」
獣族娘「だ、代官殿……」
勇者「す、すまん。いや、しかし……」
魔王「しかし何だ?」
勇者「いや、まさか俺より年上とは思ってなかったから……」
魔王「一体幾つだと思っていたのだ?」
勇者「じゅ、10歳ぐらいかと……」
魔王「馬鹿め、僕は魔族だぞ。お前達と一緒にするな」
勇者「そ、そうか……」
魔王「まあいい。して勇者よ。首尾はどうであった?」
勇者「おいっ!!!」
骸骨「ま、魔王様……勇者である事は内緒のはずでは?」
獣族A「ゆ、勇者?」
獣族B「どういう事だ?」
獣族C「さ、さぁ?」
獣族娘「だ、代官殿……」
144 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 01:59:03.24 ID:FCnxZg5m0
勇者「ま、待て。こ、これはだな……」
獣族娘「やはり、そうでしたか……」
勇者「なっ? 落ち着いて話を聞け?」
獣族娘「やはり、代官殿は伝説にある魔界の勇者だったのですね!!」
勇者「……はい?」
獣族娘「我らを癒した術といい、父上も敵わぬ武といい、只者ではないと思っておりました!」
勇者「い、いや……」
獣族娘「何より、魔王様の命により、我らの村を救ってくださったのがその証拠!」
勇者「ちょ、ちょっと待て……」
獣族娘「数々の無礼、重ね重ねお詫びいたします!」
勇者「な、何を言って……」
魔王「獣族娘よ。お前が言う通り、この者は伝説にある魔界の勇者だ」
勇者「ど、どういうつもりだ、魔王!」
魔王「現在の魔界の現状を憂いて、僕の手助けをしてもらっておる」ニヤリ
勇者「は、はめられた……」
獣族娘「やはり、そうでしたか……」
勇者「なっ? 落ち着いて話を聞け?」
獣族娘「やはり、代官殿は伝説にある魔界の勇者だったのですね!!」
勇者「……はい?」
獣族娘「我らを癒した術といい、父上も敵わぬ武といい、只者ではないと思っておりました!」
勇者「い、いや……」
獣族娘「何より、魔王様の命により、我らの村を救ってくださったのがその証拠!」
勇者「ちょ、ちょっと待て……」
獣族娘「数々の無礼、重ね重ねお詫びいたします!」
勇者「な、何を言って……」
魔王「獣族娘よ。お前が言う通り、この者は伝説にある魔界の勇者だ」
勇者「ど、どういうつもりだ、魔王!」
魔王「現在の魔界の現状を憂いて、僕の手助けをしてもらっておる」ニヤリ
勇者「は、はめられた……」
147 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 02:02:17.29 ID:FCnxZg5m0
~~翌日 魔王城にて~~
魔王「それでは、お前達はこの城に残るというのだな?」
獣族娘「はっ、私の忠義は魔王様と勇者殿に捧げております」
魔王「頼もしい言葉ではないか。なぁ、勇者よ?」
勇者「……お前、最初から企んでたな?」
魔王「何の事だ? 企むなどと勇者の言葉とは思えんな」
勇者「……ふん」
魔王「まあいい。お前には手伝ってもらいたい事がまだ山ほどあるからな」
勇者「まだ俺に何かやらせるつもりか!」
獣族娘「ご安心ください。私も微力ながら勇者殿のお手伝いをさせていただきます」
魔王「聞いたか勇者よ? 健気な娘ではないか」
勇者「うるさい!」
獣族娘「や、やはり私などが一緒では、ご迷惑なのですね……」
勇者「い、いや、あんたに言ったんじゃなくて……」
魔王「それでは、お前達はこの城に残るというのだな?」
獣族娘「はっ、私の忠義は魔王様と勇者殿に捧げております」
魔王「頼もしい言葉ではないか。なぁ、勇者よ?」
勇者「……お前、最初から企んでたな?」
魔王「何の事だ? 企むなどと勇者の言葉とは思えんな」
勇者「……ふん」
魔王「まあいい。お前には手伝ってもらいたい事がまだ山ほどあるからな」
勇者「まだ俺に何かやらせるつもりか!」
獣族娘「ご安心ください。私も微力ながら勇者殿のお手伝いをさせていただきます」
魔王「聞いたか勇者よ? 健気な娘ではないか」
勇者「うるさい!」
獣族娘「や、やはり私などが一緒では、ご迷惑なのですね……」
勇者「い、いや、あんたに言ったんじゃなくて……」
148 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 02:02:37.49 ID:P58b8il60
魔王親衛隊なのに魔王にタメ口は大丈夫か
150 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 02:04:34.42 ID:FCnxZg5m0
獣族娘「では!」
勇者「……もう勝手にしてくれ」
骸骨「うんうん。微笑ましい光景ですね、魔王様」
魔王「ふん。馬鹿騒ぎも程々にして欲しいな」
勇者「お前が言うな!」
魔王「僕と勇者の利害は一致しているはずだ。そうだな?」
勇者「くっ、それはそうだが……」
魔王「それに、僕には勇者の力が必要なんだ」
勇者「……急にしおらしくなるなよ」
魔王「悔しいが、今の僕の力だけでは、な」
勇者「わかったよ。但し、道に外れるような真似は困るぞ?」
魔王「これからも宜しく頼むぞ勇者よ」
勇者「あぁ、こちらこそ」
おわり
勇者「……もう勝手にしてくれ」
骸骨「うんうん。微笑ましい光景ですね、魔王様」
魔王「ふん。馬鹿騒ぎも程々にして欲しいな」
勇者「お前が言うな!」
魔王「僕と勇者の利害は一致しているはずだ。そうだな?」
勇者「くっ、それはそうだが……」
魔王「それに、僕には勇者の力が必要なんだ」
勇者「……急にしおらしくなるなよ」
魔王「悔しいが、今の僕の力だけでは、な」
勇者「わかったよ。但し、道に外れるような真似は困るぞ?」
魔王「これからも宜しく頼むぞ勇者よ」
勇者「あぁ、こちらこそ」
おわり
151 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 02:06:07.33 ID:FCnxZg5m0
ご覧頂いた方、支援して頂いた方、ありがとうございました
153 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 02:06:26.44 ID:TEk0Ier10
面白かった
乙ん
乙ん
156 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 02:07:48.01 ID:+zMLTE7L0
乙乙!
続編を執筆する予定はあるのかい?
続編を執筆する予定はあるのかい?
157 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 02:08:56.88 ID:FCnxZg5m0
>>156
幾らでも続編は出来そうだけど、蛇足になりそうなので
幾らでも続編は出来そうだけど、蛇足になりそうなので
168 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 02:33:18.71 ID:Jc1wpStN0
これは面白かった
終わるのが惜しいな
終わるのが惜しいな
169 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/19(日) 02:36:17.56 ID:I6lhjjMg0
乙
色々話が膨らみそうだが、さっと終わるのも良いもんだな
ダラダラ続けてgdgdになるよりは余程いい
色々話が膨らみそうだが、さっと終わるのも良いもんだな
ダラダラ続けてgdgdになるよりは余程いい
Entry ⇒ 2012.03.01 | Category ⇒ 勇者魔王「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
愛「765プロのプロデューサーさんの家にお泊まりです!」
元スレ:愛「765プロのプロデューサーさんの家にお泊まりです!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329713672/
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329713672/
1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 13:54:32.07 ID:92pqCloh0
愛「お邪魔しまーす!」
P「散らかってて悪いけど……」
愛「いえ、おかまいなく!」
P「女の子が泊まりに来てるのに、構わないわけにもいかないよ」
愛「そんなのあたし、全然気にしませんよ?」
P「俺が気にするんだって……」
こんにちは! あたしは日高愛、13歳の女の子です!
背もちっちゃい、胸もちっちゃいとアイドルらしくない体型ですけど、876プロでアイドルやってます!
今日はちょっとした事情があって、765プロのプロデューサーさんの家にお泊まりに来ました!
男の人の家に泊まるのは初めてだから、なんだかドキドキします……!
P「散らかってて悪いけど……」
愛「いえ、おかまいなく!」
P「女の子が泊まりに来てるのに、構わないわけにもいかないよ」
愛「そんなのあたし、全然気にしませんよ?」
P「俺が気にするんだって……」
こんにちは! あたしは日高愛、13歳の女の子です!
背もちっちゃい、胸もちっちゃいとアイドルらしくない体型ですけど、876プロでアイドルやってます!
今日はちょっとした事情があって、765プロのプロデューサーさんの家にお泊まりに来ました!
男の人の家に泊まるのは初めてだから、なんだかドキドキします……!
3 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 13:55:54.31 ID:92pqCloh0
なんで876プロのあたしが、765プロのプロデューサーさんの家に泊まるのかって?
それは、3日前のコトでした……
【876プロ事務所】
愛「おはようございまーす!」
涼「おはよう、愛ちゃん」
絵理「今日は一段と、元気?」
愛「はいっ! なんと朝の占いが一位だったんですよ!」
涼「へぇ~、珍しいね。いつも悪かったーって言ってるのに」
愛「そうなんです! だから今日はいいことあるかも!」
それは、3日前のコトでした……
【876プロ事務所】
愛「おはようございまーす!」
涼「おはよう、愛ちゃん」
絵理「今日は一段と、元気?」
愛「はいっ! なんと朝の占いが一位だったんですよ!」
涼「へぇ~、珍しいね。いつも悪かったーって言ってるのに」
愛「そうなんです! だから今日はいいことあるかも!」
5 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 13:58:00.25 ID:92pqCloh0
まなみ「……愛ちゃん、ちょっと」
愛「あっ、まなみさん。おはようございます!」
まなみ「ええ、おはよう。来ていきなりで悪いんだけど、ちょっと会議室まで来てくれる?」
愛「はい……?」
まなみさんは、あたしのマネージャーさんです。
でもマネージャーのお仕事の他にも、色々とお世話になってるんですよ!
それにしてもどうしたんでしょう、まなみさん。なんだか深刻な顔をしてます。
あたしは普段のぼうっとしたまなみさんの方が好きだなぁ。
……なんて失礼なことを考えながら会議室に行くと、石川社長が待ってました。
石川「おはよう、愛」
愛「おはようございます!」
愛「あっ、まなみさん。おはようございます!」
まなみ「ええ、おはよう。来ていきなりで悪いんだけど、ちょっと会議室まで来てくれる?」
愛「はい……?」
まなみさんは、あたしのマネージャーさんです。
でもマネージャーのお仕事の他にも、色々とお世話になってるんですよ!
それにしてもどうしたんでしょう、まなみさん。なんだか深刻な顔をしてます。
あたしは普段のぼうっとしたまなみさんの方が好きだなぁ。
……なんて失礼なことを考えながら会議室に行くと、石川社長が待ってました。
石川「おはよう、愛」
愛「おはようございます!」
6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 14:00:46.95 ID:92pqCloh0
石川「愛。実はあなたに映画の仕事が来てるんだけど……」
愛「へっ……え、映画ですか!?」
すごい! 朝の占いはやっぱり当たってました!
CD出したりCMに出たりって仕事はしてきましたけど、映画は初めてです!
これを機会に、あたしも一躍有名になったりして!
石川「それが、手放しにも喜べないのよね」
愛「……えっ?」
まなみ「実はその映画、恋愛映画なの。しかも愛ちゃんは、幼妻の役で抜擢されてて……」
愛「お、おさなづま?」
愛「へっ……え、映画ですか!?」
すごい! 朝の占いはやっぱり当たってました!
CD出したりCMに出たりって仕事はしてきましたけど、映画は初めてです!
これを機会に、あたしも一躍有名になったりして!
石川「それが、手放しにも喜べないのよね」
愛「……えっ?」
まなみ「実はその映画、恋愛映画なの。しかも愛ちゃんは、幼妻の役で抜擢されてて……」
愛「お、おさなづま?」
9 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 14:04:14.22 ID:92pqCloh0
石川「妻ってことは、恋愛感情を知ってなきゃいけないってこと」
愛「れんあい……」
石川「愛。ハッキリ言うけど……あなた、恋すらしたことないでしょう」
愛「うっ…………」
ず、図星ですっ。あたし、そんなに男の子で知り合いとかいないし……
仲がいいのは涼さんくらいですけど、そういう目で見たことってないんですよね。
それに涼さんがあたしにだけ教えてくれたんですけど、
涼さんは絵理さんと付き合ってるらしいです。だから今から恋愛対象にするっていうのはちょっと。
石川「おまけに同棲シーンまであるらしいから、あなたには厳しいかもね」
まなみ「残念だけど、今回は見送りの方がいいかもしれないわ」
愛「そ、そんな……」
愛「れんあい……」
石川「愛。ハッキリ言うけど……あなた、恋すらしたことないでしょう」
愛「うっ…………」
ず、図星ですっ。あたし、そんなに男の子で知り合いとかいないし……
仲がいいのは涼さんくらいですけど、そういう目で見たことってないんですよね。
それに涼さんがあたしにだけ教えてくれたんですけど、
涼さんは絵理さんと付き合ってるらしいです。だから今から恋愛対象にするっていうのはちょっと。
石川「おまけに同棲シーンまであるらしいから、あなたには厳しいかもね」
まなみ「残念だけど、今回は見送りの方がいいかもしれないわ」
愛「そ、そんな……」
10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 14:07:25.81 ID:92pqCloh0
愛「……でもあたし、やりたいですっ!」
まなみ「愛ちゃん……」
愛「やらせてください! 恋愛でも同棲でも、何でも練習しますから!」
せっかく貰えた映画の仕事、簡単に諦められません!
それに今までだって、前が見えないままでもなんとか進んできたんです。
これくらいで諦めてたらママに怒られちゃいます!
石川「……分かったわ、愛」
まなみ「社長!?」
石川「あなたがそう言うことも考えて、実は準備だけはしてあるの」
愛「準備?」
石川「ええ。あなたが恋愛や同棲を練習するための、準備をね」
まなみ「愛ちゃん……」
愛「やらせてください! 恋愛でも同棲でも、何でも練習しますから!」
せっかく貰えた映画の仕事、簡単に諦められません!
それに今までだって、前が見えないままでもなんとか進んできたんです。
これくらいで諦めてたらママに怒られちゃいます!
石川「……分かったわ、愛」
まなみ「社長!?」
石川「あなたがそう言うことも考えて、実は準備だけはしてあるの」
愛「準備?」
石川「ええ。あなたが恋愛や同棲を練習するための、準備をね」
12 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 14:10:39.88 ID:92pqCloh0
そう言うと社長は自分の携帯電話を取り出し、どこかにかけ始めました。
まなみさんは頭を抱えてるし。いったい、準備ってなんなんでしょう?
石川「876プロの石川です。高木社長にお取次ぎ願えますでしょうか」
石川「……あ、高木社長。先ほど依頼した件なのですが……」
石川「はい、はい……ありがとうございます。それでは、3日後からということで」
石川「では、失礼します」
社長は電話を切ると、あたしとまなみさんの顔を見て笑顔を浮かべました。
笑顔っていうか……怪しい微笑なんですけど。
石川「……OKだそうよ、愛」
愛「はぁ……なにがですか?」
まなみ「ほ、本当にお願いするなんて。愛ちゃんに何かあったらどうするんですか?」
石川「大丈夫でしょう。その人には何度か会ってるけどそういう人じゃなさそうだったから」
まなみさんは頭を抱えてるし。いったい、準備ってなんなんでしょう?
石川「876プロの石川です。高木社長にお取次ぎ願えますでしょうか」
石川「……あ、高木社長。先ほど依頼した件なのですが……」
石川「はい、はい……ありがとうございます。それでは、3日後からということで」
石川「では、失礼します」
社長は電話を切ると、あたしとまなみさんの顔を見て笑顔を浮かべました。
笑顔っていうか……怪しい微笑なんですけど。
石川「……OKだそうよ、愛」
愛「はぁ……なにがですか?」
まなみ「ほ、本当にお願いするなんて。愛ちゃんに何かあったらどうするんですか?」
石川「大丈夫でしょう。その人には何度か会ってるけどそういう人じゃなさそうだったから」
14 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 14:14:16.03 ID:92pqCloh0
【3日後 765プロ事務所】
まなみ「では、ウチの愛をよろしくお願いします」
高木「任せておきたまえ。石川社長にはいつもよくしてもらっているし、これくらいはしないとな」
まなみ「ありがとうございます。愛ちゃん……私はもう帰るから、くれぐれも失礼のないようにね」
愛「はい!」
社長から言われた練習っていうのは、765プロのプロデューサーさんの家にお泊まりすることでした!
なんでも、身近に男の人を置くことで異性を意識するようにして、ギジテキに恋愛感情を生み出すそうです。
それにお泊まりする間に奥さんっぽいことをすることで、同棲の感覚も掴めるんだとか。
そんなことを思いつくなんて、やっぱり社長はすごい人ですっ!
まなみ「では、ウチの愛をよろしくお願いします」
高木「任せておきたまえ。石川社長にはいつもよくしてもらっているし、これくらいはしないとな」
まなみ「ありがとうございます。愛ちゃん……私はもう帰るから、くれぐれも失礼のないようにね」
愛「はい!」
社長から言われた練習っていうのは、765プロのプロデューサーさんの家にお泊まりすることでした!
なんでも、身近に男の人を置くことで異性を意識するようにして、ギジテキに恋愛感情を生み出すそうです。
それにお泊まりする間に奥さんっぽいことをすることで、同棲の感覚も掴めるんだとか。
そんなことを思いつくなんて、やっぱり社長はすごい人ですっ!
16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 14:18:37.22 ID:92pqCloh0
高木「……それで、肝心の彼がなぜここにいないのかね。日高くんが来ることは伝えてあっただろう?」
小鳥「飛び入りでどうしても外せない仕事が入ったみたいです。でもさっき、急いで帰るって電話が」
その時、事務所のドアが勢いよく開きました。
そこにいたのは、私が憧れる765プロのアイドル、天海春香さんと……
P「すみません、遅くなりました!」
春香「ただいまー! あ、あれっ? 愛ちゃん、なんでウチの事務所に?」
P「ごめん、待たせたか?」
愛「いえ、全然ですっ!」
この人が、765プロのプロデューサーさんなんですね!
第一印象は、誠実そうな人。あたし、この人の家に泊まるんだ……ちょっとワクワクしてきました!
小鳥「飛び入りでどうしても外せない仕事が入ったみたいです。でもさっき、急いで帰るって電話が」
その時、事務所のドアが勢いよく開きました。
そこにいたのは、私が憧れる765プロのアイドル、天海春香さんと……
P「すみません、遅くなりました!」
春香「ただいまー! あ、あれっ? 愛ちゃん、なんでウチの事務所に?」
P「ごめん、待たせたか?」
愛「いえ、全然ですっ!」
この人が、765プロのプロデューサーさんなんですね!
第一印象は、誠実そうな人。あたし、この人の家に泊まるんだ……ちょっとワクワクしてきました!
17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 14:21:33.73 ID:92pqCloh0
そんなことがあって、今に至るわけなんです。
プロデューサーさんの家に泊まるなんて彼女さんに悪いんじゃないかなって思ったんだけど……
今はアパートに一人暮らしで彼女さんもいないらしくて、あっさり引き受けてくれました!
プロデューサーさんって、すごくいい人ですね!
P「こんな狭い部屋でごめんな。片付けるからちょっと待ってて」
愛「お手伝いします!」
P「いやいや、いいよ。その辺でくつろいでてくれればいいから」
愛「そういうワケにはいきません! あたし、幼妻ですから!」
P「……そういえば、映画の練習なんだっけ。じゃあ、少し手伝ってもらおうかな」
愛「はいっ!」
プロデューサーさんの家に泊まるなんて彼女さんに悪いんじゃないかなって思ったんだけど……
今はアパートに一人暮らしで彼女さんもいないらしくて、あっさり引き受けてくれました!
プロデューサーさんって、すごくいい人ですね!
P「こんな狭い部屋でごめんな。片付けるからちょっと待ってて」
愛「お手伝いします!」
P「いやいや、いいよ。その辺でくつろいでてくれればいいから」
愛「そういうワケにはいきません! あたし、幼妻ですから!」
P「……そういえば、映画の練習なんだっけ。じゃあ、少し手伝ってもらおうかな」
愛「はいっ!」
19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 14:24:13.45 ID:92pqCloh0
愛「これはどこに置けばいいですか?」
P「あっちの棚の上にお願い」
愛「はーい! ついでに棚の上も拭いちゃいますね」
P「助かるよ」
あははっ! なんか楽しいです! うまく表現できないけど……
男の人の部屋を、その人と一緒に掃除する。事務所を掃除するのとはちょっと違う感覚です!
愛「ふんふんふ~ん♪ いーまーめーざーしてーくー♪」
P「ゴキゲンだなぁ、日高さん」
愛「えへへ……あっ、あたしのことは『愛』って呼んでください!」
P「愛か……じゃあ愛ちゃんって呼ぶよ?」
愛「はいっ、どんどん呼んでください!」
P「あっちの棚の上にお願い」
愛「はーい! ついでに棚の上も拭いちゃいますね」
P「助かるよ」
あははっ! なんか楽しいです! うまく表現できないけど……
男の人の部屋を、その人と一緒に掃除する。事務所を掃除するのとはちょっと違う感覚です!
愛「ふんふんふ~ん♪ いーまーめーざーしてーくー♪」
P「ゴキゲンだなぁ、日高さん」
愛「えへへ……あっ、あたしのことは『愛』って呼んでください!」
P「愛か……じゃあ愛ちゃんって呼ぶよ?」
愛「はいっ、どんどん呼んでください!」
20 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 14:27:14.45 ID:92pqCloh0
その後はプロデューサーさんとおしゃべりしながらお掃除して、終わった時にはもう2時間くらい過ぎてました。
おしゃべりするのが楽しすぎて、途中から全然進んでなかったんです……反省。
P「ふー。おつかれ」
愛「おつかれさまでしたー!」
P「愛ちゃんは元気だなぁ。俺なんかもうヘトヘトだよ……」
愛「あっ、そうだ! 飲み物持ってきます! 冷蔵庫、冷蔵庫っと」
P「……ごめん。飲む物、何も無いと思う」
……ホントだ。一人暮らしの男の人ってあんまり物置かないって聞いてたけど、
冷蔵庫の中まで空っぽだなんて思いませんでした。プロデューサーさん、料理とかしないのかな?
おしゃべりするのが楽しすぎて、途中から全然進んでなかったんです……反省。
P「ふー。おつかれ」
愛「おつかれさまでしたー!」
P「愛ちゃんは元気だなぁ。俺なんかもうヘトヘトだよ……」
愛「あっ、そうだ! 飲み物持ってきます! 冷蔵庫、冷蔵庫っと」
P「……ごめん。飲む物、何も無いと思う」
……ホントだ。一人暮らしの男の人ってあんまり物置かないって聞いてたけど、
冷蔵庫の中まで空っぽだなんて思いませんでした。プロデューサーさん、料理とかしないのかな?
21 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 14:30:06.01 ID:92pqCloh0
愛「それなら、ちょっと買いに行ってきます!」
P「じゃあ俺も行くよ」
愛「いえっ! プロデューサーさんは休んでてください!」
P「いや……飲み物買うついでに、近場のスーパーとかコンビニとか教えとこうと思って」
愛「あっ、そうですね! そういうことならよろしくお願いします!」
P「オッケー。支度するから1分待って」
愛「はーい!」
プロデューサーさん、疲れてるのに優しいです!
どうしてこんないい人に彼女がいないのか、すっごく不思議です……
P「じゃあ俺も行くよ」
愛「いえっ! プロデューサーさんは休んでてください!」
P「いや……飲み物買うついでに、近場のスーパーとかコンビニとか教えとこうと思って」
愛「あっ、そうですね! そういうことならよろしくお願いします!」
P「オッケー。支度するから1分待って」
愛「はーい!」
プロデューサーさん、疲れてるのに優しいです!
どうしてこんないい人に彼女がいないのか、すっごく不思議です……
23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 14:32:52.50 ID:92pqCloh0
というわけで、プロデューサーさんと一緒にお買い物です。
飲み物の他には何を買えばいいのかな?
P「……愛ちゃんにお願いがあるんだけど」
愛「はいっ、なんですか?」
P「さっき部屋を見て分かったと思うけど。俺は炊事も掃除も洗濯も、ほとんどしないんだ」
愛「あ、あはは……そうみたいですね」
P「そこで、愛ちゃんにそれを全部任せたい!」
愛「え……いいんですか?」
そういうのって、なんだかプロデューサーさんに悪いなあ。急にずかずかと上がりこんで、
図々しく身の回りのお世話を始める女の子なんて、迷惑がられないかな……
飲み物の他には何を買えばいいのかな?
P「……愛ちゃんにお願いがあるんだけど」
愛「はいっ、なんですか?」
P「さっき部屋を見て分かったと思うけど。俺は炊事も掃除も洗濯も、ほとんどしないんだ」
愛「あ、あはは……そうみたいですね」
P「そこで、愛ちゃんにそれを全部任せたい!」
愛「え……いいんですか?」
そういうのって、なんだかプロデューサーさんに悪いなあ。急にずかずかと上がりこんで、
図々しく身の回りのお世話を始める女の子なんて、迷惑がられないかな……
25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 14:37:08.10 ID:92pqCloh0
P「いいも何も、俺が頼んでるんだから」
愛「……わ、わかりました! やらせてもらいますねっ!」
P「うん、よろしくね」
愛「はいっ」
……あっ。もしかしてこれ、幼妻の特訓なのかな?
そうだとしたらプロデューサーさん、あたしの練習のことを気にかけてくれてるんだ……
愛「……えへへっ! じゃあプロデューサーさん、今日は何が食べたいですか?」
P「おっ、リクエストありなの? それなら無難に肉じゃがを」
愛「了解ですっ! おいしいの作れるように頑張りますね!」
愛「……わ、わかりました! やらせてもらいますねっ!」
P「うん、よろしくね」
愛「はいっ」
……あっ。もしかしてこれ、幼妻の特訓なのかな?
そうだとしたらプロデューサーさん、あたしの練習のことを気にかけてくれてるんだ……
愛「……えへへっ! じゃあプロデューサーさん、今日は何が食べたいですか?」
P「おっ、リクエストありなの? それなら無難に肉じゃがを」
愛「了解ですっ! おいしいの作れるように頑張りますね!」
26 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 14:40:09.81 ID:92pqCloh0
1時間後。
色々と買い込んだあたし達はたくさんの食材や飲み物をぶら下げて、プロデューサーさんの部屋に戻ってきました。
お金を払うとき『いいよ、俺が出すから』って言ってくれたプロデューサーさん……かっこよかったです!
P「はぁ、はぁ……疲れた……」
愛「ごめんなさい、いっぱい持ってもらって」
P「気にしないでくれ。女の子にこんなに持たせられないからな……」
愛「はいっ、どうぞ」
P「おっ……気がきくな。いいお嫁さんになるよ、きっと」
買ってきたばかりのポカリをプロデューサーさんに渡しました。
……いいお嫁さんかぁ。幼妻になるための練習、順調かも!
色々と買い込んだあたし達はたくさんの食材や飲み物をぶら下げて、プロデューサーさんの部屋に戻ってきました。
お金を払うとき『いいよ、俺が出すから』って言ってくれたプロデューサーさん……かっこよかったです!
P「はぁ、はぁ……疲れた……」
愛「ごめんなさい、いっぱい持ってもらって」
P「気にしないでくれ。女の子にこんなに持たせられないからな……」
愛「はいっ、どうぞ」
P「おっ……気がきくな。いいお嫁さんになるよ、きっと」
買ってきたばかりのポカリをプロデューサーさんに渡しました。
……いいお嫁さんかぁ。幼妻になるための練習、順調かも!
27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 14:42:48.85 ID:92pqCloh0
P「ぷはぁ……愛ちゃんも飲んだら?」
愛「じゃあ、いただきます!」
実はあたしも結構喉乾いてたんですよね。プロデューサーさんってやっぱり優しいなぁ。
断るのも失礼かなって思ったから、プロデューサーさんが置いたペットボトルに遠慮なく手を伸ばしました。
愛「んぐっ、んぐっ……」
うーん……動いた後のポカリはすっごくおいしいです!
あっ、勢い良く飲んでたらあっという間に空になっちゃいました!
P「え……『何か』飲んだら、って意味だったんだけど……」
愛「? はい。だからポカリ貰っちゃいました!」
P「……愛ちゃんが気にしてないなら、いいけど」
愛「?」
どうしたんでしょう、プロデューサーさん。
なんだか気まずそうです。なんで目を合わせてくれないんですか?
愛「じゃあ、いただきます!」
実はあたしも結構喉乾いてたんですよね。プロデューサーさんってやっぱり優しいなぁ。
断るのも失礼かなって思ったから、プロデューサーさんが置いたペットボトルに遠慮なく手を伸ばしました。
愛「んぐっ、んぐっ……」
うーん……動いた後のポカリはすっごくおいしいです!
あっ、勢い良く飲んでたらあっという間に空になっちゃいました!
P「え……『何か』飲んだら、って意味だったんだけど……」
愛「? はい。だからポカリ貰っちゃいました!」
P「……愛ちゃんが気にしてないなら、いいけど」
愛「?」
どうしたんでしょう、プロデューサーさん。
なんだか気まずそうです。なんで目を合わせてくれないんですか?
29 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 14:45:08.17 ID:92pqCloh0
P「……まあ、こんな感じなんじゃないか」
愛「へっ?」
P「同棲。俺もやったことないけど。一緒に掃除して、買い物行って、ご飯作って、ってさ」
愛「なるほど! あたし、自然とそんなことしてたんですね!」
P「最初は石川社長もとんでもないこと言うなって思ったけど、案外悪くないみたいだな」
愛「でも、掃除も買い物もプロデューサーさんの提案ですから! プロデューサーさんもすごいです!」
P「はは……ウチのアイドルは型破りなのが多くてさ。これくらいならまだ楽な方だよ」
愛「へー、そうなんですか?」
P「『教科書がすべてじゃない、限界なんてない世界』……まさにアイドルの世界って、そうだと思うよ」
愛「あ…………」
そのフレーズは、あたしのデビュー曲『HELLO!!』の一部分です。
プロデューサーさん。あたしみたいな目立たないアイドルの歌、覚えててくれたんですね……
愛「へっ?」
P「同棲。俺もやったことないけど。一緒に掃除して、買い物行って、ご飯作って、ってさ」
愛「なるほど! あたし、自然とそんなことしてたんですね!」
P「最初は石川社長もとんでもないこと言うなって思ったけど、案外悪くないみたいだな」
愛「でも、掃除も買い物もプロデューサーさんの提案ですから! プロデューサーさんもすごいです!」
P「はは……ウチのアイドルは型破りなのが多くてさ。これくらいならまだ楽な方だよ」
愛「へー、そうなんですか?」
P「『教科書がすべてじゃない、限界なんてない世界』……まさにアイドルの世界って、そうだと思うよ」
愛「あ…………」
そのフレーズは、あたしのデビュー曲『HELLO!!』の一部分です。
プロデューサーさん。あたしみたいな目立たないアイドルの歌、覚えててくれたんですね……
31 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 14:49:08.47 ID:92pqCloh0
夕食時。あたしは今、腕によりをかけて肉じゃがその他もろもろを作ってます!
一方プロデューサーさんは、ごろんと横になりながらテレビを観てます。
ああして最近のトレンドをチェックするのも仕事の1つなんだそうです。
愛「BRAND NEW TOUCH はーじーめよーう♪ SAY HELLO~♪」
P「……愛ちゃん、歌」
愛「あっ、うるさかったですか?」
P「いや、上手いなって思ってさ。876もいい子を育ててるなあ」
愛「そ……そんなことないですよぉ。えへへ……」
P「……ところで、ゴハンまだ?」
愛「あっ、はいはい。もうすぐできますよ!」
あはっ! プロデューサーさん、子供みたいですっ!
一方プロデューサーさんは、ごろんと横になりながらテレビを観てます。
ああして最近のトレンドをチェックするのも仕事の1つなんだそうです。
愛「BRAND NEW TOUCH はーじーめよーう♪ SAY HELLO~♪」
P「……愛ちゃん、歌」
愛「あっ、うるさかったですか?」
P「いや、上手いなって思ってさ。876もいい子を育ててるなあ」
愛「そ……そんなことないですよぉ。えへへ……」
P「……ところで、ゴハンまだ?」
愛「あっ、はいはい。もうすぐできますよ!」
あはっ! プロデューサーさん、子供みたいですっ!
34 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 14:52:32.48 ID:92pqCloh0
P「いただきます」
愛「はい、召し上がれ!」
P「…………」
愛「……どうかしましたか?」
P「いや。『召し上がれ』なんて言われたの、どれくらいぶりだろうって……」
プロデューサーさん、長い間1人暮らしだったせいか、ちょっと切なそうです。
ママはあたしを1人で育ててたとき、あたしがいたから寂しくなかったって言ってました。
あたしは生まれてからずっとママがそばにいたけど、誰もいない生活なんて、あたしだったら絶対耐えられない……
愛「……プロデューサーさん。これからはあたしがいますよ!」
P「…………愛ちゃん」
愛「あたしが一緒にいます。プロデューサーさんが、寂しくないように……」
愛「はい、召し上がれ!」
P「…………」
愛「……どうかしましたか?」
P「いや。『召し上がれ』なんて言われたの、どれくらいぶりだろうって……」
プロデューサーさん、長い間1人暮らしだったせいか、ちょっと切なそうです。
ママはあたしを1人で育ててたとき、あたしがいたから寂しくなかったって言ってました。
あたしは生まれてからずっとママがそばにいたけど、誰もいない生活なんて、あたしだったら絶対耐えられない……
愛「……プロデューサーさん。これからはあたしがいますよ!」
P「…………愛ちゃん」
愛「あたしが一緒にいます。プロデューサーさんが、寂しくないように……」
35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 14:55:58.93 ID:92pqCloh0
ちょっとしんみりとしちゃいました。
でも、プロデューサーさんは小さな声で『ありがとう』って言った後、食事に手をつけてくれました。
P「……うまい!」
愛「ホントですか!?」
P「うん、マジでうまい。こういうの食べちゃうと、コンビニ弁当食ってるのがバカらしく思えてくるな」
愛「えへへ……これからは毎日作ってあげますよっ!」
P「ぜひ頼む! 今の愛ちゃん、本当に幼妻って感じだ」
愛「お嫁さんにしたくなりますか!?」
P「なるね。俺ならほっとかないな」
愛「もー、プロデューサーさんったら!」
照れ隠しに思わずプロデューサーさんの背中を叩いたら、バンッ、ってすごい音がして。
口に肉じゃがを運んでいたプロデューサーさんは、口の中のじゃがいもを盛大に吹き出しました。
ご、ごめんなさいプロデューサーさん。やっちゃいました……
でも、プロデューサーさんは小さな声で『ありがとう』って言った後、食事に手をつけてくれました。
P「……うまい!」
愛「ホントですか!?」
P「うん、マジでうまい。こういうの食べちゃうと、コンビニ弁当食ってるのがバカらしく思えてくるな」
愛「えへへ……これからは毎日作ってあげますよっ!」
P「ぜひ頼む! 今の愛ちゃん、本当に幼妻って感じだ」
愛「お嫁さんにしたくなりますか!?」
P「なるね。俺ならほっとかないな」
愛「もー、プロデューサーさんったら!」
照れ隠しに思わずプロデューサーさんの背中を叩いたら、バンッ、ってすごい音がして。
口に肉じゃがを運んでいたプロデューサーさんは、口の中のじゃがいもを盛大に吹き出しました。
ご、ごめんなさいプロデューサーさん。やっちゃいました……
37 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 14:58:51.62 ID:92pqCloh0
P「ご馳走様でした」
愛「おそまつさまでした!」
P「あー、幸せだ……俺はこういう生活がしたかったんだよな」
愛「だから、あたしがいるじゃないですか!」
P「でも愛ちゃんも、ずっとここに泊まるわけじゃないだろ?」
愛「あ……そう、ですね……」
あたしはあくまでも映画のための練習として泊まりに来てるだけ。
本当に同棲しているわけじゃないんです。プロデューサーさんとも今日会ったばっかりですし。
……でもプロデューサーさんといる時間は、今までに感じたことのない楽しさがありました。
たったの数時間で『もっと一緒にいたい』って思ってしまうあたしは、どこかおかしいんでしょうか……
愛「おそまつさまでした!」
P「あー、幸せだ……俺はこういう生活がしたかったんだよな」
愛「だから、あたしがいるじゃないですか!」
P「でも愛ちゃんも、ずっとここに泊まるわけじゃないだろ?」
愛「あ……そう、ですね……」
あたしはあくまでも映画のための練習として泊まりに来てるだけ。
本当に同棲しているわけじゃないんです。プロデューサーさんとも今日会ったばっかりですし。
……でもプロデューサーさんといる時間は、今までに感じたことのない楽しさがありました。
たったの数時間で『もっと一緒にいたい』って思ってしまうあたしは、どこかおかしいんでしょうか……
39 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 15:04:34.16 ID:92pqCloh0
P「さて。夕食も食べたし、風呂にでも入るか」
愛「……べ、別々ですよね?」
P「!? あ、あああ当たり前だろ!?」
愛「で、ですよね! 良かった……」
P「いやーないって! 13歳と一緒にお風呂とかないわー! ないない、色々総合的に考えてそれはない!」
あたしだって、いくら同棲(の練習)って言ったって、男の人と一緒に入るなんてできないです。
緊張しちゃうし、プロデューサーさんだってあたしの体なんか見ても嬉しくないと思うし……
愛「……それにしても、人の家のお風呂に入るのって久しぶりです! 忘れ物とかないかなぁ」
P「ちゃんと寝巻きは持ってきてるの? あと風呂で使うシャンプーとか」
愛「はい、ちゃんと持ってきてます!」
P「じゃあバスタオルとかは置いとくから、ごゆっくり」
愛「……べ、別々ですよね?」
P「!? あ、あああ当たり前だろ!?」
愛「で、ですよね! 良かった……」
P「いやーないって! 13歳と一緒にお風呂とかないわー! ないない、色々総合的に考えてそれはない!」
あたしだって、いくら同棲(の練習)って言ったって、男の人と一緒に入るなんてできないです。
緊張しちゃうし、プロデューサーさんだってあたしの体なんか見ても嬉しくないと思うし……
愛「……それにしても、人の家のお風呂に入るのって久しぶりです! 忘れ物とかないかなぁ」
P「ちゃんと寝巻きは持ってきてるの? あと風呂で使うシャンプーとか」
愛「はい、ちゃんと持ってきてます!」
P「じゃあバスタオルとかは置いとくから、ごゆっくり」
40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 15:09:54.40 ID:92pqCloh0
愛「いえっ、ここはプロデューサーさんが先に入ってください!」
P「え、なんで?」
愛「だってこの家はプロデューサーさんの家じゃないですか。ふつう、ご主人が先じゃないですか?」
P「……そっか、そういう考え方もあるか。でも愛ちゃん、幼妻になりたいんだろ?」
愛「そうですけど……」
P「俺は亭主関白にはならないつもりだから、奥さんにそういうのを強いたりしない……と思う」
愛「………………」
P「ってことで、愛ちゃんが先に入ることに抵抗は無いな。ほら、入っておいで」
愛「……そういうことなら、遠慮なく!」
ありがとう、プロデューサーさん! 奥さんのこともしっかり考えてくれるなんて、
将来プロデューサーさんのお嫁さんになる人はすごく幸せだと思います!
P「え、なんで?」
愛「だってこの家はプロデューサーさんの家じゃないですか。ふつう、ご主人が先じゃないですか?」
P「……そっか、そういう考え方もあるか。でも愛ちゃん、幼妻になりたいんだろ?」
愛「そうですけど……」
P「俺は亭主関白にはならないつもりだから、奥さんにそういうのを強いたりしない……と思う」
愛「………………」
P「ってことで、愛ちゃんが先に入ることに抵抗は無いな。ほら、入っておいで」
愛「……そういうことなら、遠慮なく!」
ありがとう、プロデューサーさん! 奥さんのこともしっかり考えてくれるなんて、
将来プロデューサーさんのお嫁さんになる人はすごく幸せだと思います!
41 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 15:12:23.26 ID:92pqCloh0
【お風呂】
愛「……はぁ。プロデューサーさん、かっこいいなあ。優しいし、頼りになるし……」
愛「ずっと先の話だけど、あんな人と結婚できたらいいのになぁ」
愛「結婚……きっとパパも素敵な人だったんだろうな。ママ、今でも楽しそうに話してくれるもん」
愛「ふぅ…………」
愛「……よく考えたら、この湯船っていつもプロデューサーさんが使ってるんだよね」
愛「………………」
愛「……ハッ!? だ、ダメダメ! いま匂い嗅ごうとしちゃった……」
愛「うう。こ、こんなのあたし、ヘンタイさんだよぉー!」
愛「……はぁ。プロデューサーさん、かっこいいなあ。優しいし、頼りになるし……」
愛「ずっと先の話だけど、あんな人と結婚できたらいいのになぁ」
愛「結婚……きっとパパも素敵な人だったんだろうな。ママ、今でも楽しそうに話してくれるもん」
愛「ふぅ…………」
愛「……よく考えたら、この湯船っていつもプロデューサーさんが使ってるんだよね」
愛「………………」
愛「……ハッ!? だ、ダメダメ! いま匂い嗅ごうとしちゃった……」
愛「うう。こ、こんなのあたし、ヘンタイさんだよぉー!」
43 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 15:16:17.59 ID:92pqCloh0
お風呂から上がっても、顔はまだ熱いままでした。
あたし、人の家のお風呂でなんてことしちゃったんだろう……
黄色の下地に星柄の模様がたくさん付いたパジャマを来て、
またテレビを観ているプロデューサーさんのところに向かいます。
愛「上がりましたよー!」
P「ああ…………おっ、可愛い」
愛「…………なんですか?」
P「い、いや。お、俺も入ってくるかなー?」
愛「はいっ」
P「あっ、このいい匂い……愛ちゃんって香水付ける派?」
愛「……急になんですか? あたしは付けない派ですよ!」
P「それなら、次の日でもシャンプーの香りが直に楽しめ……って俺は何言ってんだ!?」
愛「…………??」
あたし、人の家のお風呂でなんてことしちゃったんだろう……
黄色の下地に星柄の模様がたくさん付いたパジャマを来て、
またテレビを観ているプロデューサーさんのところに向かいます。
愛「上がりましたよー!」
P「ああ…………おっ、可愛い」
愛「…………なんですか?」
P「い、いや。お、俺も入ってくるかなー?」
愛「はいっ」
P「あっ、このいい匂い……愛ちゃんって香水付ける派?」
愛「……急になんですか? あたしは付けない派ですよ!」
P「それなら、次の日でもシャンプーの香りが直に楽しめ……って俺は何言ってんだ!?」
愛「…………??」
45 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 15:19:05.29 ID:92pqCloh0
プロデューサーさんがお風呂に入ってる間に食器は洗っておきました。
明日の準備もできてるし、あとは寝るだけです!
愛「……でも、寝るには早いなぁ」
愛「いつもだったらママのファッション誌とか読んだりするけど、そんなの無いし……」
愛「プロデューサーさんとおしゃべりしたくても、プロデューサーさんはお風呂だし」
と、そこで目に入ったのはプロデューサーさんのパソコン。
ログインしっぱなしになっているので、あたしでもネットくらいならできそうです。
愛「……そうだ! ちょっとパソコン借りて、ネットサーフィンでもしようっと!」
愛「まずは、絵理さんとサイネリアさんのサイトをチェックするよー!」
明日の準備もできてるし、あとは寝るだけです!
愛「……でも、寝るには早いなぁ」
愛「いつもだったらママのファッション誌とか読んだりするけど、そんなの無いし……」
愛「プロデューサーさんとおしゃべりしたくても、プロデューサーさんはお風呂だし」
と、そこで目に入ったのはプロデューサーさんのパソコン。
ログインしっぱなしになっているので、あたしでもネットくらいならできそうです。
愛「……そうだ! ちょっとパソコン借りて、ネットサーフィンでもしようっと!」
愛「まずは、絵理さんとサイネリアさんのサイトをチェックするよー!」
46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 15:24:08.02 ID:92pqCloh0
愛「へー、絵理さん今日はお菓子作ったんだ! あの絵理さんが……」
愛「絵理さん、涼さんと付き合い始めてから色々変わりましたね! すごいです!」
愛「サイネリアさんは相変わらず色々な名前で呼ばれてて、ファンの人に愛されてるなぁ」
愛「そうだ、あたしも『サイサリスさん』って書いておこうっと!」
愛「よし、チェック終わったよー! えーと、またぐーぐるを……」
愛「……あっ、ボタン間違えて履歴出しちゃった!」
愛「………………えっ」
『日高愛 HELLO!! PV』
『日高愛 ALIVE PV』
『876 給料 転職』
『961 給料 転職』
『中学生 接し方』
愛「……これって、プロデューサーさんの検索履歴、だよね……?」
愛「プロデューサーさん。あたしのこと、真剣に考えてくれてる……」
愛「絵理さん、涼さんと付き合い始めてから色々変わりましたね! すごいです!」
愛「サイネリアさんは相変わらず色々な名前で呼ばれてて、ファンの人に愛されてるなぁ」
愛「そうだ、あたしも『サイサリスさん』って書いておこうっと!」
愛「よし、チェック終わったよー! えーと、またぐーぐるを……」
愛「……あっ、ボタン間違えて履歴出しちゃった!」
愛「………………えっ」
『日高愛 HELLO!! PV』
『日高愛 ALIVE PV』
『876 給料 転職』
『961 給料 転職』
『中学生 接し方』
愛「……これって、プロデューサーさんの検索履歴、だよね……?」
愛「プロデューサーさん。あたしのこと、真剣に考えてくれてる……」
47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 15:27:31.27 ID:92pqCloh0
愛「はぁ……」
他にもぐーぐるの履歴を見てみると、
あたしとうまくコミュニケーションをとろうと思って調べたあとが、たくさんありました。
それに比べてあたしときたら、服や日用品くらいを持ってきたくらいです。
なにも考えてないんだなあ、あたしって……
愛「……そうだ! プロデューサーさんを見習って、あたしも調べてみよっと!」
愛「えーっと。『プロデューサーさんと仲良くする方法』っと」
……あれ? なんだか全然関係ないサイトしか出てきません。
調べ方が悪かったのかな。こんな時に絵理さんがいればなぁ……
他にもぐーぐるの履歴を見てみると、
あたしとうまくコミュニケーションをとろうと思って調べたあとが、たくさんありました。
それに比べてあたしときたら、服や日用品くらいを持ってきたくらいです。
なにも考えてないんだなあ、あたしって……
愛「……そうだ! プロデューサーさんを見習って、あたしも調べてみよっと!」
愛「えーっと。『プロデューサーさんと仲良くする方法』っと」
……あれ? なんだか全然関係ないサイトしか出てきません。
調べ方が悪かったのかな。こんな時に絵理さんがいればなぁ……
49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 15:30:58.81 ID:92pqCloh0
そんなこんなで30分くらい調べてたんですけど、結局仲良くなる方法は見つかりませんでした。
『同棲の基本』とか『男の人が喜ぶ料理』とかは、結構いろんなサイトがあったのに。
P「ふぅ~。サッパリした」
愛「あっ、プロデューサーさん」
P「……ちょっ、愛ちゃん! 何してんの!?」
愛「えっ?」
P「勝手に人のパソコン使っちゃダメだろ! 履歴とか見られたら困るって!」
愛「あ……ご、ごめんなさい……」
……すごく怒られてしまいました。
あたし、いつもママのパソコン使ってるからぜんぜん気にしてなかったんです。
もしかしてプロデューサーさんに嫌われちゃったかな……
『同棲の基本』とか『男の人が喜ぶ料理』とかは、結構いろんなサイトがあったのに。
P「ふぅ~。サッパリした」
愛「あっ、プロデューサーさん」
P「……ちょっ、愛ちゃん! 何してんの!?」
愛「えっ?」
P「勝手に人のパソコン使っちゃダメだろ! 履歴とか見られたら困るって!」
愛「あ……ご、ごめんなさい……」
……すごく怒られてしまいました。
あたし、いつもママのパソコン使ってるからぜんぜん気にしてなかったんです。
もしかしてプロデューサーさんに嫌われちゃったかな……
51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 15:33:45.85 ID:92pqCloh0
P「……まあ、次から気をつけてくれればいいから。使いたい時はちゃんと言ってくれよ」
愛「はい……あ、あのっ」
P「ん?」
愛「ホントにごめんなさい! でも、あたし謝りますから!」
愛「プロデューサーさんの言うこと、何でもしますから! だから……」
愛「キライに……ならないで、ください……」
やだな。あたし、泣きそう……すっかりプロデューサーさんに依存してる。
よく言われるんです。あたしは元気な分、逆にへこみやすいって。
P「……なるわけないだろ? これくらいのことでさ」
愛「ホントですか!?」
P「お、おう……」
愛「はい……あ、あのっ」
P「ん?」
愛「ホントにごめんなさい! でも、あたし謝りますから!」
愛「プロデューサーさんの言うこと、何でもしますから! だから……」
愛「キライに……ならないで、ください……」
やだな。あたし、泣きそう……すっかりプロデューサーさんに依存してる。
よく言われるんです。あたしは元気な分、逆にへこみやすいって。
P「……なるわけないだろ? これくらいのことでさ」
愛「ホントですか!?」
P「お、おう……」
53 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 15:36:35.76 ID:92pqCloh0
P「愛ちゃんってすっごく元気だけど、へこむ時も激しそうだよね」
愛「えっ? なんでわかるんですか!?」
P「……ついでに、復活も早いって言われない?」
愛「あ、はい! 涼さんや絵理さんにも言われました!」
P「だろうねー」
プロデューサーさんが納得したような顔でうなずいてます。
あたしって、そんなにわかりやすい性格かなぁ?
P「まぁ、そこがいいんだけど」
愛「……プロデューサーさん、何か言いましたか?」
P「…………なんでもない」
愛「えっ? なんでわかるんですか!?」
P「……ついでに、復活も早いって言われない?」
愛「あ、はい! 涼さんや絵理さんにも言われました!」
P「だろうねー」
プロデューサーさんが納得したような顔でうなずいてます。
あたしって、そんなにわかりやすい性格かなぁ?
P「まぁ、そこがいいんだけど」
愛「……プロデューサーさん、何か言いましたか?」
P「…………なんでもない」
55 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 15:43:18.93 ID:92pqCloh0
プロデューサーさんと仲直りした後は、また一緒にテレビを観てました。
時代劇の再放送がやってたのでなんとなく観てたんですけど、あたしって結構こういうの好きなんですよね!
愛「あっ、危ない!」
愛「ダメっ、そっちは……あっ、あっ」
愛「お……おぉー!!」
愛「いけー! てやー!」
その時、『ごん!』っていうすごい音がしました。
なんだろー? って思って横を見たら、プロデューサーさんが顔を押さえてうずくまってました。
なんか夢中で拳を振り回してたら、プロデューサーさんの顔に当たっちゃったみたいです……!?
P「うぐぐ……か、顔が……」
愛「ご、ごめんなさいプロデューサーさん! 濡れたタオル持ってきますね!」
時代劇の再放送がやってたのでなんとなく観てたんですけど、あたしって結構こういうの好きなんですよね!
愛「あっ、危ない!」
愛「ダメっ、そっちは……あっ、あっ」
愛「お……おぉー!!」
愛「いけー! てやー!」
その時、『ごん!』っていうすごい音がしました。
なんだろー? って思って横を見たら、プロデューサーさんが顔を押さえてうずくまってました。
なんか夢中で拳を振り回してたら、プロデューサーさんの顔に当たっちゃったみたいです……!?
P「うぐぐ……か、顔が……」
愛「ご、ごめんなさいプロデューサーさん! 濡れたタオル持ってきますね!」
58 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 15:49:33.75 ID:92pqCloh0
水で濡らしたタオルをプロデューサーさんに渡しました。
またやっちゃった……もうやだ! なんでこうなっちゃうんだろう……
P「あ、ありがとう。心配ないよ、意外と丈夫だから」
愛「救急車呼ばなくていいですか!?」
P「呼ばなくていいです!」
愛「……そうですか? はぁぁぁ。ごめんなさい、プロデューサーさん……」
P「もういいって。誰だって調子の悪い日くらいある」
愛「それは、そうかもしれませんけど……」
P「もう今日は寝よう。いろいろあって疲れただろ?」
愛「……そう、ですね」
体はぜんぜん疲れてないけど……なんだか精神的に疲れちゃいました。
だから今日はもう、プロデューサーさんの言う通りおやすみすることにします。
またやっちゃった……もうやだ! なんでこうなっちゃうんだろう……
P「あ、ありがとう。心配ないよ、意外と丈夫だから」
愛「救急車呼ばなくていいですか!?」
P「呼ばなくていいです!」
愛「……そうですか? はぁぁぁ。ごめんなさい、プロデューサーさん……」
P「もういいって。誰だって調子の悪い日くらいある」
愛「それは、そうかもしれませんけど……」
P「もう今日は寝よう。いろいろあって疲れただろ?」
愛「……そう、ですね」
体はぜんぜん疲れてないけど……なんだか精神的に疲れちゃいました。
だから今日はもう、プロデューサーさんの言う通りおやすみすることにします。
59 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 15:55:10.81 ID:92pqCloh0
愛「……あれ? そういえばプロデューサーさん」
P「なんだ?」
愛「あたし、どこで寝ればいいんですか?」
P「そりゃもちろん……あ!?」
プロデューサーさん、なんだかすごくビックリしてます。
あたし、またなにか変なコト言ったかな?
P「しまった……愛ちゃんの分の布団、用意するの忘れてた!」
愛「えっ?」
P「……どうしよう」
P「なんだ?」
愛「あたし、どこで寝ればいいんですか?」
P「そりゃもちろん……あ!?」
プロデューサーさん、なんだかすごくビックリしてます。
あたし、またなにか変なコト言ったかな?
P「しまった……愛ちゃんの分の布団、用意するの忘れてた!」
愛「えっ?」
P「……どうしよう」
61 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 16:00:15.23 ID:92pqCloh0
愛「あたし、床でいいですよ?」
P「ダメだ! 夜は冷えるんだ、床なんかで寝たら風邪ひくだろ」
愛「じゃあ……」
P「俺が床で寝るよ」
愛「それもダメです! そしたらプロデューサーさんが風邪引いちゃいますよー!」
P「でも、それしかないって。愛ちゃんに風邪なんか引かせたら石川社長に殺されるよ」
愛「うう……」
あたし、幼妻の練習をしてるってことは、一応奥さんってことです。
旦那さんを床で寝かせるなんて、やっていいことじゃないですよね……?
P「ダメだ! 夜は冷えるんだ、床なんかで寝たら風邪ひくだろ」
愛「じゃあ……」
P「俺が床で寝るよ」
愛「それもダメです! そしたらプロデューサーさんが風邪引いちゃいますよー!」
P「でも、それしかないって。愛ちゃんに風邪なんか引かせたら石川社長に殺されるよ」
愛「うう……」
あたし、幼妻の練習をしてるってことは、一応奥さんってことです。
旦那さんを床で寝かせるなんて、やっていいことじゃないですよね……?
63 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 16:04:42.86 ID:92pqCloh0
愛「……あっ!」
閃きましたー! 1つだけ、2人が風邪をひかなくていい方法がありますっ!
……でも、これってすっごくイケナイことのような気がします。
あたし、ヘンな女の子だって思われないかなあ……
愛「……あの、プロデューサーさん」
P「ん?」
愛「とりあえずお布団は、1つはあるんですよね?」
P「ああ。俺が普段使ってるヤツだけど」
愛「じゃあ……プロデューサーさん」
愛「…………あたしと、寝てくれませんか?」
閃きましたー! 1つだけ、2人が風邪をひかなくていい方法がありますっ!
……でも、これってすっごくイケナイことのような気がします。
あたし、ヘンな女の子だって思われないかなあ……
愛「……あの、プロデューサーさん」
P「ん?」
愛「とりあえずお布団は、1つはあるんですよね?」
P「ああ。俺が普段使ってるヤツだけど」
愛「じゃあ……プロデューサーさん」
愛「…………あたしと、寝てくれませんか?」
65 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 16:09:30.61 ID:92pqCloh0
P「………………」
あれっ。プロデューサーさん、『はとがまめでっぽーくらった』みたいな顔してる。
もしもーし、プロデューサーさん?
P「……ハッ!?」
愛「プロデューサーさん、大丈夫ですか?」
P「あ、ああ……『寝る』ってそういう意味じゃないよな。愛ちゃんの言うことだし」
愛「あーっ! なんだか分からないけどプロデューサーさん、今バカにしたー!」
P「し、してないしてない! 俺が勝手に勘違いしてただけです、ハイ!」
愛「……勘違いって何ですか? あたし、一緒に寝たいって言っただけですよっ」
P「だよなー、俺はうっかり……」
P「……い、いやぁ!? それもまずいんじゃないのかな!?」
あれっ。プロデューサーさん、『はとがまめでっぽーくらった』みたいな顔してる。
もしもーし、プロデューサーさん?
P「……ハッ!?」
愛「プロデューサーさん、大丈夫ですか?」
P「あ、ああ……『寝る』ってそういう意味じゃないよな。愛ちゃんの言うことだし」
愛「あーっ! なんだか分からないけどプロデューサーさん、今バカにしたー!」
P「し、してないしてない! 俺が勝手に勘違いしてただけです、ハイ!」
愛「……勘違いって何ですか? あたし、一緒に寝たいって言っただけですよっ」
P「だよなー、俺はうっかり……」
P「……い、いやぁ!? それもまずいんじゃないのかな!?」
66 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 16:12:11.49 ID:92pqCloh0
愛「だいじょーぶですっ! ママだってお風呂は別々ですけど、たまに一緒に寝てますし!」
P「そういう問題じゃなく、倫理的にだな」
愛「リンリテキ?」
P「……あぁ、もう! どう説明すればいいんだ?」
愛「…………なんだかよくわかりませんけど、早く寝ましょう! お布団はここですか?」
P「いや、そこじゃなくてあっちの押入れ。て、なに話進めてんの!?」
愛「こっちかあー! おりゃー!」
押入れからお布団を取り出すと、ぺったんこになった敷き布団と、薄目の掛け布団が出てきました。
きっとこれ、かなり長い間干してないんだろうなあ。明日にでも干しておこうっと!
P「そういう問題じゃなく、倫理的にだな」
愛「リンリテキ?」
P「……あぁ、もう! どう説明すればいいんだ?」
愛「…………なんだかよくわかりませんけど、早く寝ましょう! お布団はここですか?」
P「いや、そこじゃなくてあっちの押入れ。て、なに話進めてんの!?」
愛「こっちかあー! おりゃー!」
押入れからお布団を取り出すと、ぺったんこになった敷き布団と、薄目の掛け布団が出てきました。
きっとこれ、かなり長い間干してないんだろうなあ。明日にでも干しておこうっと!
67 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 16:14:35.70 ID:92pqCloh0
愛「ふぁぁ……お布団見たら、急に眠くなってきちゃいました」
P「あ、そう。もういいや……俺は床で」
愛「そうはいきませんよっ! えいっ!」
P「おう!?」
あたしはプロデューサーさんの腕を引っ張って、揃ってお布団に倒れこみました。
これなら意固地になってるプロデューサーさんも、あたしと一緒に寝てくれますよね!
P「ヴォアアァァァ!! ち、近い近い近い!」
愛「なにがですか?」
P「な、なにって……!!」
P「あ、そう。もういいや……俺は床で」
愛「そうはいきませんよっ! えいっ!」
P「おう!?」
あたしはプロデューサーさんの腕を引っ張って、揃ってお布団に倒れこみました。
これなら意固地になってるプロデューサーさんも、あたしと一緒に寝てくれますよね!
P「ヴォアアァァァ!! ち、近い近い近い!」
愛「なにがですか?」
P「な、なにって……!!」
69 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 16:18:09.97 ID:92pqCloh0
P「か、顔とか、体とか! くっつきすぎだろ!?」
愛「かお…………」
そう言われて、改めてプロデューサーさんの顔を見てみると。
確かに、すっごく近くって。まるでドラマのキスシーンみたいな……
愛「…………ふぇっ?」
……あ、あれっ。なんだろうこれ。顔、熱くなってきた!?
おっ、おかしいなー!? あたし、一緒に寝るとか全然平気なはずなのに!?
P「……ほら。愛ちゃん、顔真っ赤になってるし」
愛「ぷ、プロデューサーさんだって真っ赤じゃないですかー」
P「いやいや、愛ちゃんの方が……」
愛「いえいえ、プロデューサーさんの方が……」
愛「かお…………」
そう言われて、改めてプロデューサーさんの顔を見てみると。
確かに、すっごく近くって。まるでドラマのキスシーンみたいな……
愛「…………ふぇっ?」
……あ、あれっ。なんだろうこれ。顔、熱くなってきた!?
おっ、おかしいなー!? あたし、一緒に寝るとか全然平気なはずなのに!?
P「……ほら。愛ちゃん、顔真っ赤になってるし」
愛「ぷ、プロデューサーさんだって真っ赤じゃないですかー」
P「いやいや、愛ちゃんの方が……」
愛「いえいえ、プロデューサーさんの方が……」
73 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 16:21:32.85 ID:92pqCloh0
P「こ、こんな状態で一緒に寝るのか?」
愛「は、はいっ!」
もうここまで来たら引けません!
あたしだって、ちっぽけだけどプライドくらいありますっ!
P「そ、そうか。そこまで言うなら、俺も腹をくくるよ」
愛「それじゃあ……プロデューサーさん?」
P「……ああ。ほら、布団かけるよ」
愛「あ……は、はいっ」
プロデューサーさんが、優しく布団をかけてくれました。
1つ分のお布団に、2人はちょっと入れないです。だから、あたしは……
愛「ぷ、プロデューサーさん……嫌だったら、言ってくださいね?」
P「え…………うぉ」
プロデューサーさんに、ぎゅっと抱きついてみました。
こうすればお布団にも入れますし。何よりも、プロデューサーさんがあったかいから……
愛「は、はいっ!」
もうここまで来たら引けません!
あたしだって、ちっぽけだけどプライドくらいありますっ!
P「そ、そうか。そこまで言うなら、俺も腹をくくるよ」
愛「それじゃあ……プロデューサーさん?」
P「……ああ。ほら、布団かけるよ」
愛「あ……は、はいっ」
プロデューサーさんが、優しく布団をかけてくれました。
1つ分のお布団に、2人はちょっと入れないです。だから、あたしは……
愛「ぷ、プロデューサーさん……嫌だったら、言ってくださいね?」
P「え…………うぉ」
プロデューサーさんに、ぎゅっと抱きついてみました。
こうすればお布団にも入れますし。何よりも、プロデューサーさんがあったかいから……
75 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 16:24:48.76 ID:92pqCloh0
P「おいっ、さすがにこれは……」
愛「………………う」
お、落ち着いてみたらすっごい恥ずかしいよー!
なんでいつも勢いでやっちゃうの、あたしのバカぁー!
P「『水平リーベ僕の船』……ぶつぶつ……」
愛「……プロデューサーさん。なにつぶやいてるんですか?」
P「こ、この状態は男にとっちゃ拷問なんだ。煩悩を打ち払うために関係ないことを……」
愛「ぼんのーって……えっ?」
も、もしかしてプロデューサーさん。
あたしに……こんなちんちくりんのあたしなんかに、その…… う、嘘だよね!?
愛「………………う」
お、落ち着いてみたらすっごい恥ずかしいよー!
なんでいつも勢いでやっちゃうの、あたしのバカぁー!
P「『水平リーベ僕の船』……ぶつぶつ……」
愛「……プロデューサーさん。なにつぶやいてるんですか?」
P「こ、この状態は男にとっちゃ拷問なんだ。煩悩を打ち払うために関係ないことを……」
愛「ぼんのーって……えっ?」
も、もしかしてプロデューサーさん。
あたしに……こんなちんちくりんのあたしなんかに、その…… う、嘘だよね!?
77 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 16:27:38.33 ID:92pqCloh0
愛「プロデューサーさん、あの……」
P「『なんと立派な平城京』……ぶつぶつ……」
愛「……もー、プロデューサーさんったら。いいもんっ。おやすみなさい!」
なんだか相手をしてもらえなさそうだったので、もう寝ちゃいます。
ちょっとくらいお話してから寝たかったのに……
それにしても。プロデューサーさんはもしかしてあたしのこと、少し意識してたのかな……
P「……え、その体勢のまま寝るの? 俺、抱きつかれてると身動きとれないんだけど」
愛「知りませんっ。あたしの抱き枕になってください」
P「…………まったく」
あ……頭、なでなでされてる。気持ちいいです……
……ぜんぜん違いました。意識してるのは、あたしの方……
一緒に寝るくらいなんでもないと思ってたのに、気がついたら真っ赤になって、こんなことして。
あたし……本当に、プロデューサーさんのお嫁さんに、なりたい、な…………zzz……
P「『なんと立派な平城京』……ぶつぶつ……」
愛「……もー、プロデューサーさんったら。いいもんっ。おやすみなさい!」
なんだか相手をしてもらえなさそうだったので、もう寝ちゃいます。
ちょっとくらいお話してから寝たかったのに……
それにしても。プロデューサーさんはもしかしてあたしのこと、少し意識してたのかな……
P「……え、その体勢のまま寝るの? 俺、抱きつかれてると身動きとれないんだけど」
愛「知りませんっ。あたしの抱き枕になってください」
P「…………まったく」
あ……頭、なでなでされてる。気持ちいいです……
……ぜんぜん違いました。意識してるのは、あたしの方……
一緒に寝るくらいなんでもないと思ってたのに、気がついたら真っ赤になって、こんなことして。
あたし……本当に、プロデューサーさんのお嫁さんに、なりたい、な…………zzz……
81 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 16:30:25.28 ID:92pqCloh0
―――翌朝。
延々と眠り続けていたあたしは、元気な雀たちの鳴き声で目を覚ましました。
愛「…………ん……っ」
愛「ふぁぁ……あれ? ここ、あたしの部屋じゃない……」
知らない天井が、あたしの目に入ってきました。
……昨日、何かあったんだっけ? 寝起きで頭がボーッとしててよく思い出せない。
それよりさっきからあたし、何か抱き抱えてる。なんだろう、抱き枕かな。
P「zzz……」
愛「………………」
……え? 男の人?
あ、あたし男の人と一緒に寝てるの!?
しかもすっごい抱きついちゃってるし! なっ、なんでぇー!?
延々と眠り続けていたあたしは、元気な雀たちの鳴き声で目を覚ましました。
愛「…………ん……っ」
愛「ふぁぁ……あれ? ここ、あたしの部屋じゃない……」
知らない天井が、あたしの目に入ってきました。
……昨日、何かあったんだっけ? 寝起きで頭がボーッとしててよく思い出せない。
それよりさっきからあたし、何か抱き抱えてる。なんだろう、抱き枕かな。
P「zzz……」
愛「………………」
……え? 男の人?
あ、あたし男の人と一緒に寝てるの!?
しかもすっごい抱きついちゃってるし! なっ、なんでぇー!?
82 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 16:34:07.12 ID:92pqCloh0
P「……ん。あ、おはよ……愛ちゃん」
愛「あ…………」
お、思い出しました!
そういえばあたし、765プロのプロデューサーさんの家にお泊まりに来てたんでした。
しかも一緒に寝ようって言ったのは、あたしだった!
あぁー! 思い出してきた! い、一気に眠気なんか吹っ飛んじゃったよー!
愛「……お、おはようございますっ」
P「いま何時ぃ~?」
愛「え、えーと。10時半ですね」
P「10時半ね~。10時半……」
P「……え。今日って、平日?」
愛「はい。そうですよ?」
愛「あ…………」
お、思い出しました!
そういえばあたし、765プロのプロデューサーさんの家にお泊まりに来てたんでした。
しかも一緒に寝ようって言ったのは、あたしだった!
あぁー! 思い出してきた! い、一気に眠気なんか吹っ飛んじゃったよー!
愛「……お、おはようございますっ」
P「いま何時ぃ~?」
愛「え、えーと。10時半ですね」
P「10時半ね~。10時半……」
P「……え。今日って、平日?」
愛「はい。そうですよ?」
84 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 16:38:12.66 ID:92pqCloh0
P「うぎゃあああああ!! 遅刻だあああああああ!!」
愛「お、落ち着いてくださいっ!」
P「落ち着いてられないって! 目覚ましかけ忘れてたんだ……早く支度しないと!」
そっか。765プロだとプロデューサーは毎日事務所に行かなきゃいけないんだ。
876プロは結構自由だから、尾崎さんはよく午後から事務所に来てるけど。
P「今からだとどんなに急いでも出社は11時過ぎ……定時の9時から2時間も遅刻だ」
愛「あ、そういえば朝ごはんは……」
P「ごめんいらない! そっちの背広取って!」
愛「はっ、はい!」
壁にかかっていた背広一式を取って、プロデューサーさんに渡しました。
プロデューサーさんは受け取ると同時に寝巻きを脱ぎ始め……
……ちょ、ちょっと! もしかしてプロデューサーさん、ここで着替えるつもりですか!?
愛「お、落ち着いてくださいっ!」
P「落ち着いてられないって! 目覚ましかけ忘れてたんだ……早く支度しないと!」
そっか。765プロだとプロデューサーは毎日事務所に行かなきゃいけないんだ。
876プロは結構自由だから、尾崎さんはよく午後から事務所に来てるけど。
P「今からだとどんなに急いでも出社は11時過ぎ……定時の9時から2時間も遅刻だ」
愛「あ、そういえば朝ごはんは……」
P「ごめんいらない! そっちの背広取って!」
愛「はっ、はい!」
壁にかかっていた背広一式を取って、プロデューサーさんに渡しました。
プロデューサーさんは受け取ると同時に寝巻きを脱ぎ始め……
……ちょ、ちょっと! もしかしてプロデューサーさん、ここで着替えるつもりですか!?
88 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 16:43:24.42 ID:92pqCloh0
愛「きゃあっ!?」
P「あ……ご、ごめん! でも急ぎなんだって!」
愛「あたし、あっち向いてますっ」
P「……助かります。って、愛ちゃんも急がなくていいの?」
愛「今日のお仕事は夕方からなので!」
後ろのプロデューサーさんに元気よく返事するあたし。
夕方からはCMの撮影があるんです。カップラーメンのCMだったかなあ。
P「そっか。それじゃあ留守番頼むな。訪問販売は居留守でいいから」
愛「はいっ、わかりました!」
ドタバタと慌ただしく着替えるプロデューサーさん。
プロデューサーさんが出かけたらあたしも着替えよっと!
P「あ……ご、ごめん! でも急ぎなんだって!」
愛「あたし、あっち向いてますっ」
P「……助かります。って、愛ちゃんも急がなくていいの?」
愛「今日のお仕事は夕方からなので!」
後ろのプロデューサーさんに元気よく返事するあたし。
夕方からはCMの撮影があるんです。カップラーメンのCMだったかなあ。
P「そっか。それじゃあ留守番頼むな。訪問販売は居留守でいいから」
愛「はいっ、わかりました!」
ドタバタと慌ただしく着替えるプロデューサーさん。
プロデューサーさんが出かけたらあたしも着替えよっと!
89 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 16:46:36.03 ID:92pqCloh0
P「よし、オッケー! 歯磨きは事務所でいいか……」
愛「忘れ物無いですかっ?」
P「無いと思う……よし、行ってき」
愛「あっ、プロデューサーさん!」
P「なに!? まだ何か……」
急いでるのにごめんなさい、プロデューサーさん。
あたしはプロデューサーさんの首元に手をやり、紺色のネクタイをキュッと締め直しました。
愛「もう、ずれてましたよっ! 気をつけて行ってらっしゃい!」
P「お……い、行ってきます」
愛「はいっ」
愛「忘れ物無いですかっ?」
P「無いと思う……よし、行ってき」
愛「あっ、プロデューサーさん!」
P「なに!? まだ何か……」
急いでるのにごめんなさい、プロデューサーさん。
あたしはプロデューサーさんの首元に手をやり、紺色のネクタイをキュッと締め直しました。
愛「もう、ずれてましたよっ! 気をつけて行ってらっしゃい!」
P「お……い、行ってきます」
愛「はいっ」
91 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 16:51:30.61 ID:92pqCloh0
愛「プロデューサーさんも出かけたことだし……あたしはお掃除するよー!」
昨日軽くお掃除したけど、実はこの部屋、まだあまり片付いてないんです。
掃除機かけたりお布団干したり、色々やることありそう!
愛「まず窓を開けて、テーブルや棚を拭いて、掃除機かけて……」
愛「それから洗濯もしないと。プロデューサーさんの服、昨日のお掃除で洗濯かごに入れっぱなしだし」
愛「あっ。静かにお掃除しないとお隣りさんに迷惑かかっちゃう……」
あたしは普段、お掃除やお洗濯もママと分担してやってます。
でも一人暮らしだと、お仕事もあるのに一人で全部やらないといけないんですね。
せっかくあたしがいるんだから、ここはあたしが活躍しないと!
愛「この際だからトイレもお風呂もキレイにしちゃいます!」
愛「ごまえー♪ ごまえー♪ がんばーってーゆっきまっしょー♪」
あっ、そういえばお掃除するときって、よくベッドの下に1円玉やなくした本が落ちてるんですよね。
何か見つけたら、分かりやすいようにテーブルの上に置いておこうっと!
昨日軽くお掃除したけど、実はこの部屋、まだあまり片付いてないんです。
掃除機かけたりお布団干したり、色々やることありそう!
愛「まず窓を開けて、テーブルや棚を拭いて、掃除機かけて……」
愛「それから洗濯もしないと。プロデューサーさんの服、昨日のお掃除で洗濯かごに入れっぱなしだし」
愛「あっ。静かにお掃除しないとお隣りさんに迷惑かかっちゃう……」
あたしは普段、お掃除やお洗濯もママと分担してやってます。
でも一人暮らしだと、お仕事もあるのに一人で全部やらないといけないんですね。
せっかくあたしがいるんだから、ここはあたしが活躍しないと!
愛「この際だからトイレもお風呂もキレイにしちゃいます!」
愛「ごまえー♪ ごまえー♪ がんばーってーゆっきまっしょー♪」
あっ、そういえばお掃除するときって、よくベッドの下に1円玉やなくした本が落ちてるんですよね。
何か見つけたら、分かりやすいようにテーブルの上に置いておこうっと!
93 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 16:52:28.67 ID:/K4jv5ml0
愛さん それ以上イケナイ
95 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 16:54:14.18 ID:mUmQBHWF0
おいやめろ
97 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 16:56:30.59 ID:92pqCloh0
【876プロ事務所】
愛「おはようございまーす!」
絵理「おはよう。もう夕方だよ?」
愛「あっ、そうでした。涼さんは来てないんですか?」
絵理「涼さんは……さっき夢子さんに呼ばれて、出ていった?」
愛「夢子さんが来てたんですか?」
絵理「うん。涼さんに大事な話があるって」
愛「えっ!?」
桜井夢子さんは、涼さんのモトカノです。
今はフリーのアイドルやってるって聞きましたけど、なんでウチの事務所に……
愛「おはようございまーす!」
絵理「おはよう。もう夕方だよ?」
愛「あっ、そうでした。涼さんは来てないんですか?」
絵理「涼さんは……さっき夢子さんに呼ばれて、出ていった?」
愛「夢子さんが来てたんですか?」
絵理「うん。涼さんに大事な話があるって」
愛「えっ!?」
桜井夢子さんは、涼さんのモトカノです。
今はフリーのアイドルやってるって聞きましたけど、なんでウチの事務所に……
98 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 17:03:17.67 ID:92pqCloh0
もしかして夢子さん、涼さんとヨリを戻そうとしてるんじゃ!?
愛「絵理さん、落ち着いてる場合じゃないですよ!」
絵理「……どうして?」
愛「だって、このままだと涼さん取られちゃいますよっ!」
絵理「あ……それなら、心配ない?」
愛「ええっ!?」
心配ないわけないよー! 夢子さんが今でも涼さんのこと好きだったらどうするの!?
もうっ、絵理さんはぜんぜん分かってない!
涼さんはさっき出ていったばかりみたいだから、事務所を出たところにいるかも!
急ごう、あたしがなんとかしないと!
愛「絵理さん、落ち着いてる場合じゃないですよ!」
絵理「……どうして?」
愛「だって、このままだと涼さん取られちゃいますよっ!」
絵理「あ……それなら、心配ない?」
愛「ええっ!?」
心配ないわけないよー! 夢子さんが今でも涼さんのこと好きだったらどうするの!?
もうっ、絵理さんはぜんぜん分かってない!
涼さんはさっき出ていったばかりみたいだから、事務所を出たところにいるかも!
急ごう、あたしがなんとかしないと!
99 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 17:07:16.19 ID:92pqCloh0
夢子「はい、涼」
涼「ありがとう夢子ちゃん。わざわざ届けに来てくれて」
夢子「べ、別にいいわよ。他の用事のついでよ、ついで」
いたー!!
涼さんと……夢子さん!!
愛「ダメぇぇぇぇ!!」
夢子「え、なに……ごふぅっ!?」
あたしは、渾身のタックルを夢子さんにヒットさせました!
が、勢いのついたあたし達は、2人揃ってアスファルトの上に叩きつけられて……
愛「うう……い、痛いよー!」
夢子「つぅ……! い、痛いってあんたね! それはこっちのセリフよ!」
涼「ありがとう夢子ちゃん。わざわざ届けに来てくれて」
夢子「べ、別にいいわよ。他の用事のついでよ、ついで」
いたー!!
涼さんと……夢子さん!!
愛「ダメぇぇぇぇ!!」
夢子「え、なに……ごふぅっ!?」
あたしは、渾身のタックルを夢子さんにヒットさせました!
が、勢いのついたあたし達は、2人揃ってアスファルトの上に叩きつけられて……
愛「うう……い、痛いよー!」
夢子「つぅ……! い、痛いってあんたね! それはこっちのセリフよ!」
100 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 17:11:03.32 ID:92pqCloh0
涼「愛ちゃん、夢子ちゃん!」
夢子「あたたっ、背中打ってるし……どういうつもりよあんたは!」
愛「うぅ、だって夢子さん! 涼さんを取るなんてダメですよー!」
夢子「……は?」
涼「僕を取るって……何の話?」
愛「……あ、あれ?」
絵理「愛ちゃん。たぶん、誤解してる?」
涼「絵理ちゃん!」
絵理さん。いつの間にか絵理さんも事務所から出てきたみたいです。
あたしが誤解してるって、どういうことだろう?
夢子「あたたっ、背中打ってるし……どういうつもりよあんたは!」
愛「うぅ、だって夢子さん! 涼さんを取るなんてダメですよー!」
夢子「……は?」
涼「僕を取るって……何の話?」
愛「……あ、あれ?」
絵理「愛ちゃん。たぶん、誤解してる?」
涼「絵理ちゃん!」
絵理さん。いつの間にか絵理さんも事務所から出てきたみたいです。
あたしが誤解してるって、どういうことだろう?
102 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 17:16:16.93 ID:92pqCloh0
それから10分後。
愛「じゃあ、夢子さんは涼さんにCDを貸しに来ただけなんですか?」
夢子「だからそう言ってるじゃない」
涼「廃盤になったCDを夢子ちゃんが持ってるって言うから、貸してって頼んだの」
愛「それ、絵理さんも知ってたんですか?」
絵理「うん。涼さんから聞いた」
愛「あう……」
またあたし、一人で突っ走っちゃったみたいです。
アイドルになって色々成長したと思ったのに、どうしてこのクセは治らないんだろう。
夢子「ていうかあたし、どんな女だと思われてんの? そこまで未練がましくないわよ」
絵理「ホント?」
夢子「……たぶん」
涼「た、たぶんって……」
愛「じゃあ、夢子さんは涼さんにCDを貸しに来ただけなんですか?」
夢子「だからそう言ってるじゃない」
涼「廃盤になったCDを夢子ちゃんが持ってるって言うから、貸してって頼んだの」
愛「それ、絵理さんも知ってたんですか?」
絵理「うん。涼さんから聞いた」
愛「あう……」
またあたし、一人で突っ走っちゃったみたいです。
アイドルになって色々成長したと思ったのに、どうしてこのクセは治らないんだろう。
夢子「ていうかあたし、どんな女だと思われてんの? そこまで未練がましくないわよ」
絵理「ホント?」
夢子「……たぶん」
涼「た、たぶんって……」
104 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 17:20:59.69 ID:92pqCloh0
【876プロ事務所】
夢子「あたし、お邪魔してていいのかしら」
涼「いいと思うけど……そういえば夢子ちゃん、何か用事があったんじゃなかったの?」
夢子「へ? 用事?」
涼「ほら、CD持ってきてくれたのは他の用事のついでだって」
夢子「あ……べ、別にいいでしょ。用事はキャンセルになったっていうか」
涼「ふーん、それならいいんだけど……」
絵理「……涼さん、ぜんぜん気付いてないよね」
愛「まぁ、涼さんですから。きっと絵理さんも苦労したんですよね」
絵理「ううん。現在進行形で、苦労してる?」
愛「……涼さん……」
夢子「あたし、お邪魔してていいのかしら」
涼「いいと思うけど……そういえば夢子ちゃん、何か用事があったんじゃなかったの?」
夢子「へ? 用事?」
涼「ほら、CD持ってきてくれたのは他の用事のついでだって」
夢子「あ……べ、別にいいでしょ。用事はキャンセルになったっていうか」
涼「ふーん、それならいいんだけど……」
絵理「……涼さん、ぜんぜん気付いてないよね」
愛「まぁ、涼さんですから。きっと絵理さんも苦労したんですよね」
絵理「ううん。現在進行形で、苦労してる?」
愛「……涼さん……」
105 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 17:25:14.75 ID:92pqCloh0
涼「そういえば夢子ちゃん。最近よくウチでお仕事してるよね」
夢子「フリーになってから、石川社長にいくつか仕事回してもらってるのよ」
涼「それならもう、876プロに入ればいいのに」
夢子「……あんたと絵理が仲良くしてんの、見てられないもん」
涼「え? ごめん、途中から聞こえなかったんだけど……」
夢子「なんでもないわよ、バカ!」
涼「え、ええぇぇぇ?」
うわぁ……いくらモトカノとは言っても、夢子さんがちょっとかわいそうです。
涼さん、そんなこと続けてたらいつか刺されちゃいますよ!
夢子「フリーになってから、石川社長にいくつか仕事回してもらってるのよ」
涼「それならもう、876プロに入ればいいのに」
夢子「……あんたと絵理が仲良くしてんの、見てられないもん」
涼「え? ごめん、途中から聞こえなかったんだけど……」
夢子「なんでもないわよ、バカ!」
涼「え、ええぇぇぇ?」
うわぁ……いくらモトカノとは言っても、夢子さんがちょっとかわいそうです。
涼さん、そんなこと続けてたらいつか刺されちゃいますよ!
106 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 17:28:56.38 ID:92pqCloh0
まなみ「あ……そういえば愛ちゃん」
愛「はいっ、なんですか?」
まなみ「同棲生活は順調?」
涼「え……!?」
絵理「ど……」
夢子「どどど同棲ィィィィ!? あ、あんたが!?」
愛「はいっ。あたし今、765プロのプロデューサーさんと一緒に住んでるんです!」
涼「あの人!? うわぁ。律子姉ちゃん、愛ちゃんに負けちゃったんだ……」
実際には、恋愛や同棲の練習なんですけどね。
あ、でも……お嫁さんになりたいって思ってるのは、結構ホンキです!
これって恋愛感情? ただ一緒にいたいだけ? その辺はまだよくわかってないですけど。
愛「はいっ、なんですか?」
まなみ「同棲生活は順調?」
涼「え……!?」
絵理「ど……」
夢子「どどど同棲ィィィィ!? あ、あんたが!?」
愛「はいっ。あたし今、765プロのプロデューサーさんと一緒に住んでるんです!」
涼「あの人!? うわぁ。律子姉ちゃん、愛ちゃんに負けちゃったんだ……」
実際には、恋愛や同棲の練習なんですけどね。
あ、でも……お嫁さんになりたいって思ってるのは、結構ホンキです!
これって恋愛感情? ただ一緒にいたいだけ? その辺はまだよくわかってないですけど。
108 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 17:33:47.64 ID:92pqCloh0
愛「同棲生活、楽しんでますっ!」
まなみ「そう。最初はどうなることかと思ったけど、それならいいかなあ」
夢子「う、嘘でしょ……あんたがそこまで進んでるなんて」
絵理「ちょっと、意外?」
涼「そもそもアイドルが同棲するのって、876プロ的にはアリなんだ……大変じゃなかった?」
愛「あたしの場合は、社長がいろいろお手伝いしてくれたので!」
涼「社長が自分から同棲の手助けをしてくれたの!? し、信じられないよ……」
絵理「愛ちゃんがアリなら……わたしたちも同棲する? 涼さん」
涼「えっ……い、いいの?」
絵理「わたしは一人暮らしだし。涼さんが望むのなら……いつでも?」
涼「……ゴクリ」
涼さんの生唾を飲む音が聞こえました。もしかして涼さん、結構その気なんじゃ……
同棲っていろいろありますけど、なんだかんだで楽しいですから!
涼さんや絵理さんも、同じように思ってくれるといいなー!
まなみ「そう。最初はどうなることかと思ったけど、それならいいかなあ」
夢子「う、嘘でしょ……あんたがそこまで進んでるなんて」
絵理「ちょっと、意外?」
涼「そもそもアイドルが同棲するのって、876プロ的にはアリなんだ……大変じゃなかった?」
愛「あたしの場合は、社長がいろいろお手伝いしてくれたので!」
涼「社長が自分から同棲の手助けをしてくれたの!? し、信じられないよ……」
絵理「愛ちゃんがアリなら……わたしたちも同棲する? 涼さん」
涼「えっ……い、いいの?」
絵理「わたしは一人暮らしだし。涼さんが望むのなら……いつでも?」
涼「……ゴクリ」
涼さんの生唾を飲む音が聞こえました。もしかして涼さん、結構その気なんじゃ……
同棲っていろいろありますけど、なんだかんだで楽しいですから!
涼さんや絵理さんも、同じように思ってくれるといいなー!
110 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 17:39:00.58 ID:92pqCloh0
夢子「あああああ!! 人前でイチャイチャするんじゃない!」
涼「ぎゃおおおおおん!! 夢子ちゃん、ほっぺたつねらないで~!!」
愛「もー夢子さんってば、やっぱり未練たらたらですねっ」
夢子「だって……好きな気持ちって、そんな簡単に切り替えられるもんじゃないわよ!」
絵理「新しい恋に、生きて?」
夢子「ぐっ……あ、あんたが言うな!! 飴玉食べさせるわよ!?」
絵理「ひうっ!?」
出ました! あれが多くのライバルを蹴落してきた恐怖の飴玉です!
涼さんに説得されてやめたって聞きましたけど、なんでまだ持ち歩いてるんですか……?
絵理さんは、夢子さんのこと分かっててヒドいこと言ってるような気がしますけど……
三角関係のドロ沼展開にはならないように気をつけてくださいね!
涼「ぎゃおおおおおん!! 夢子ちゃん、ほっぺたつねらないで~!!」
愛「もー夢子さんってば、やっぱり未練たらたらですねっ」
夢子「だって……好きな気持ちって、そんな簡単に切り替えられるもんじゃないわよ!」
絵理「新しい恋に、生きて?」
夢子「ぐっ……あ、あんたが言うな!! 飴玉食べさせるわよ!?」
絵理「ひうっ!?」
出ました! あれが多くのライバルを蹴落してきた恐怖の飴玉です!
涼さんに説得されてやめたって聞きましたけど、なんでまだ持ち歩いてるんですか……?
絵理さんは、夢子さんのこと分かっててヒドいこと言ってるような気がしますけど……
三角関係のドロ沼展開にはならないように気をつけてくださいね!
119 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 18:11:23.69 ID:92pqCloh0
【CM撮影スタジオ】
愛「よろしくお願いしまーす!」
監督「はい、よろしくねー」
まなみ「今日はもう1人アイドルが来ると聞いてるんですけど……」
監督「そっちもさっき挨拶に来たところだから、今は更衣室で着替えてるんじゃないかな」
愛「ちょっとご挨拶してきます!」
まなみ「ああ待って愛ちゃん、私も行くから!」
もう1人のアイドルって、誰だろう。あたしの知ってる人かな?
876プロの誰かじゃないのは分かるけど……
愛「よろしくお願いしまーす!」
監督「はい、よろしくねー」
まなみ「今日はもう1人アイドルが来ると聞いてるんですけど……」
監督「そっちもさっき挨拶に来たところだから、今は更衣室で着替えてるんじゃないかな」
愛「ちょっとご挨拶してきます!」
まなみ「ああ待って愛ちゃん、私も行くから!」
もう1人のアイドルって、誰だろう。あたしの知ってる人かな?
876プロの誰かじゃないのは分かるけど……
121 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 18:15:37.75 ID:92pqCloh0
大きな撮影スタジオだと、楽屋、メイク部屋、更衣室がバラバラなんてことがあるんですよね。
あたしもこんなところで仕事できるくらいにはなったんだ……
ちょっと感動しながら、あたしは近くにあった更衣室の扉を勢い良く開けました。
愛「こんにちはー!」
貴音「……ごきげんよう」
愛「わっ……すごい」
そこにいたのは、絵本の中から飛び出してきたような……素敵なお姫様でした。
上も下も下着姿で、ちょっと困ったような顔をしてましたけど。
まなみ「あ、愛ちゃん! いきなり開けちゃダメでしょ!」
貴音「愛……それではあなたが本日共に撮影に臨む、876プロの日高愛でしょうか?」
愛「はい! よろしくお願いしますっ!」
まなみ「あなたも普通に応対してないで、少しは焦ってください!」
貴音「ああ、申し訳ありません。わたくし、なにぶん世俗の常識に疎く……」
あたしもこんなところで仕事できるくらいにはなったんだ……
ちょっと感動しながら、あたしは近くにあった更衣室の扉を勢い良く開けました。
愛「こんにちはー!」
貴音「……ごきげんよう」
愛「わっ……すごい」
そこにいたのは、絵本の中から飛び出してきたような……素敵なお姫様でした。
上も下も下着姿で、ちょっと困ったような顔をしてましたけど。
まなみ「あ、愛ちゃん! いきなり開けちゃダメでしょ!」
貴音「愛……それではあなたが本日共に撮影に臨む、876プロの日高愛でしょうか?」
愛「はい! よろしくお願いしますっ!」
まなみ「あなたも普通に応対してないで、少しは焦ってください!」
貴音「ああ、申し訳ありません。わたくし、なにぶん世俗の常識に疎く……」
122 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 18:19:21.49 ID:92pqCloh0
貴音「わたくし、四条貴音と申します。日高愛、今後とも良いお付き合いを」
愛「はいっ! って『四条貴音』さん?」
そのお名前、どこかで聞いたことがあります。
それに、この人の特徴。
綺麗な銀色の髪、透き通るような声、男の人並みに高い身長、おっきい胸とお尻……
これも知ってるような気がするよー。どこで聞いたんだっけ?
愛「……あっ! そうだ、絵理さんが言ってた人だ!」
貴音「絵理さん……とは、もしや水谷絵理のことでしょうか」
愛「はい!」
貴音「そうですか、彼女からわたくしのことを……そういえば水谷絵理も876プロでしたね」
愛「あたしと絵理さんは同期なんです!」
愛「はいっ! って『四条貴音』さん?」
そのお名前、どこかで聞いたことがあります。
それに、この人の特徴。
綺麗な銀色の髪、透き通るような声、男の人並みに高い身長、おっきい胸とお尻……
これも知ってるような気がするよー。どこで聞いたんだっけ?
愛「……あっ! そうだ、絵理さんが言ってた人だ!」
貴音「絵理さん……とは、もしや水谷絵理のことでしょうか」
愛「はい!」
貴音「そうですか、彼女からわたくしのことを……そういえば水谷絵理も876プロでしたね」
愛「あたしと絵理さんは同期なんです!」
123 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 18:22:52.16 ID:92pqCloh0
貴音「そうでしたか。水谷絵理の同期であるならば、あなたにも期待できましょう。日高愛」
愛「え、ええっ!? あ、あたしなんて微妙ですよ……このお仕事でも四条さんと釣り合うかどうか」
貴音「微妙、とは?」
愛「……会っていきなりなんですけど。あたし、四条さんみたいな人に憧れてるんです」
貴音「わたくしに……」
愛「髪が長くて、声も綺麗で、スタイル良くて。ママもそうなんです。ママは、あたしの目標です」
貴音「……それでは、あなたの母親も」
愛「はい、アイドルでした。それもかなり有名だったみたいで、あたしいつも比較されちゃって」
貴音「………………」
あたしのママ、日高舞。
一児の母になってからはアイドルを引退したけど、アイドルだった頃はもう凄かったみたい。
ママ一人の行動であまりにお金が動くから、その名前を聞けばこの業界で震えない人はいないとか。
そんなママと四条さんのまとう雰囲気が、本当にそっくりだったんです。
愛「……ママや四条さんと比べたら、あたしって……」
愛「え、ええっ!? あ、あたしなんて微妙ですよ……このお仕事でも四条さんと釣り合うかどうか」
貴音「微妙、とは?」
愛「……会っていきなりなんですけど。あたし、四条さんみたいな人に憧れてるんです」
貴音「わたくしに……」
愛「髪が長くて、声も綺麗で、スタイル良くて。ママもそうなんです。ママは、あたしの目標です」
貴音「……それでは、あなたの母親も」
愛「はい、アイドルでした。それもかなり有名だったみたいで、あたしいつも比較されちゃって」
貴音「………………」
あたしのママ、日高舞。
一児の母になってからはアイドルを引退したけど、アイドルだった頃はもう凄かったみたい。
ママ一人の行動であまりにお金が動くから、その名前を聞けばこの業界で震えない人はいないとか。
そんなママと四条さんのまとう雰囲気が、本当にそっくりだったんです。
愛「……ママや四条さんと比べたら、あたしって……」
125 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 18:27:46.22 ID:92pqCloh0
貴音「……日高愛。自分を卑下するのは感心しません」
愛「えっ?」
貴音「例えば、髪が短いのはあなたの武器です」
愛「武器……ですか?」
貴音「ええ。わたくしは短髪でより似合う髪型を知らぬ故、長髪にしているだけ」
愛「でも、スタイルは……」
貴音「小さいからこそ、快活な少女といういめーじが生まれるのです。それはあなたの特権ではありませんか」
愛「歌は?」
貴音「練習すれば上手くなりましょう。あなたはまだ若く、伸び白も大きいのですから」
愛「…………四条さん」
貴音「『貴音』と呼んでください。共にトップアイドルを目指して精進致しましょう、日高愛」
……ありがとう、貴音さん。やっぱり今のあたしじゃ貴音さんには勝てそうにないです。
単純に能力や見た目の問題じゃなくて、いろいろと。
でも、がんばりますね! 貴音さんに……そしてママに、いつか追いつくために!
愛「えっ?」
貴音「例えば、髪が短いのはあなたの武器です」
愛「武器……ですか?」
貴音「ええ。わたくしは短髪でより似合う髪型を知らぬ故、長髪にしているだけ」
愛「でも、スタイルは……」
貴音「小さいからこそ、快活な少女といういめーじが生まれるのです。それはあなたの特権ではありませんか」
愛「歌は?」
貴音「練習すれば上手くなりましょう。あなたはまだ若く、伸び白も大きいのですから」
愛「…………四条さん」
貴音「『貴音』と呼んでください。共にトップアイドルを目指して精進致しましょう、日高愛」
……ありがとう、貴音さん。やっぱり今のあたしじゃ貴音さんには勝てそうにないです。
単純に能力や見た目の問題じゃなくて、いろいろと。
でも、がんばりますね! 貴音さんに……そしてママに、いつか追いつくために!
126 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 18:32:58.31 ID:92pqCloh0
貴音『美味でした……らぁめんおかわり』
愛『たるき亭カップヌードル! 今なら抽選で、日高愛か四条貴音との握手券が付いてくるよー!』
監督「はいオッケイ! 二人とも良かったよ!」
愛「ありがとうございますっ!」
貴音「ありがたきお言葉……」
愛「CM、どんなデキになるのか楽しみですね!」
貴音「まこと、その通りです。ところで日高愛。この後、所用などはありますでしょうか」
愛「いえ、特に無いですよっ。ですよね、まなみさん」
まなみ「ええ。今日はこれだけね」
貴音「では、少しお時間を頂戴したいのですが」
愛『たるき亭カップヌードル! 今なら抽選で、日高愛か四条貴音との握手券が付いてくるよー!』
監督「はいオッケイ! 二人とも良かったよ!」
愛「ありがとうございますっ!」
貴音「ありがたきお言葉……」
愛「CM、どんなデキになるのか楽しみですね!」
貴音「まこと、その通りです。ところで日高愛。この後、所用などはありますでしょうか」
愛「いえ、特に無いですよっ。ですよね、まなみさん」
まなみ「ええ。今日はこれだけね」
貴音「では、少しお時間を頂戴したいのですが」
130 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 18:39:57.17 ID:92pqCloh0
まなみさんと別れた後、貴音さんに連れてこられたのは商店街のラーメン屋さんでした。
店員さん達が腕を組んで並んでるポスターがいっぱい貼ってあります!
店の中に入るとお客さんは一人もいなくて、店員さんが一人いるだけでした。
大将「へいらっしゃい! おっ、貴音ちゃん」
貴音「ごきげんよう。いつものをお願い致します。こちらの方にも、量を4分の1で」
大将「あいよっ」
愛「ここ、よく来るんですか?」
貴音「はい。ここを選んだのはらぁめんが美味なのと、話しやすい雰囲気があるからです」
愛「話しやすい雰囲気?」
貴音「店の方が、わたくしをアイドルとして見ないので」
あっ、それちょっと分かります。でもアイドルの宿命として、ある程度は割りきってますけど。
最初の方は『サインください』『握手してください』って言われると嬉しいんだけど、
ファンが増えてプライベートにも影響が出てくると、ちょっと困っちゃうんですよね……
店員さん達が腕を組んで並んでるポスターがいっぱい貼ってあります!
店の中に入るとお客さんは一人もいなくて、店員さんが一人いるだけでした。
大将「へいらっしゃい! おっ、貴音ちゃん」
貴音「ごきげんよう。いつものをお願い致します。こちらの方にも、量を4分の1で」
大将「あいよっ」
愛「ここ、よく来るんですか?」
貴音「はい。ここを選んだのはらぁめんが美味なのと、話しやすい雰囲気があるからです」
愛「話しやすい雰囲気?」
貴音「店の方が、わたくしをアイドルとして見ないので」
あっ、それちょっと分かります。でもアイドルの宿命として、ある程度は割りきってますけど。
最初の方は『サインください』『握手してください』って言われると嬉しいんだけど、
ファンが増えてプライベートにも影響が出てくると、ちょっと困っちゃうんですよね……
131 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 18:44:12.34 ID:92pqCloh0
愛「じゃあ、あたしに何か話が……」
貴音「はい。話と言っても、単に言葉を交わしたいと思う限り。特別な話があるわけではないのです」
へっ?
それって、あんまり大事じゃない話……趣味とか、どうでもいい話がしたいってこと?
貴音「例えばわたくし達の話、音楽の話、らぁめんの話、トップアイドルの話、らぁめんの話……」
愛「ラーメン2回入ってましたよ!?」
貴音「む……面妖な」
貴音さんって見た目は固そうなイメージだけど、ホントは全然そんなことないみたい!
特に、こんなお姫様みたいな人がラーメン大好きだなんて、最初は誰も思わないんだろうなあ。
あ、その意外性で今日のCMにも採用されたのかも?
貴音「はい。話と言っても、単に言葉を交わしたいと思う限り。特別な話があるわけではないのです」
へっ?
それって、あんまり大事じゃない話……趣味とか、どうでもいい話がしたいってこと?
貴音「例えばわたくし達の話、音楽の話、らぁめんの話、トップアイドルの話、らぁめんの話……」
愛「ラーメン2回入ってましたよ!?」
貴音「む……面妖な」
貴音さんって見た目は固そうなイメージだけど、ホントは全然そんなことないみたい!
特に、こんなお姫様みたいな人がラーメン大好きだなんて、最初は誰も思わないんだろうなあ。
あ、その意外性で今日のCMにも採用されたのかも?
133 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 18:47:58.60 ID:92pqCloh0
お店にいたのは1時間くらい。その間、貴音さんとはいろいろな話をしました!
途中でちょっと失敗しちゃいましたけど……
貴音「我が765プロのプロデューサーと同棲、ですか」
愛「はい!」
貴音「……その話、あまり外でしない方が良いかと思います」
愛「えっ?」
貴音「どこに『ぱぱらっち』が潜んでいるか分かりません」
愛「あっ……そ、そうでした! アイドルが同棲なんて知られたら」
そこでハッと気付きました。
今の話、店員さんに聞かれたんじゃ……
大将「うわぁ~、モバマスに夢中になって何も聞こえてなかったぞぉ~」
愛「………………」
貴音「感謝しましょう、日高愛。わたくし達はこういう方々に支えられているのですから」
それって、気を使ってくれるファンってことですか? それとも、オタ……
途中でちょっと失敗しちゃいましたけど……
貴音「我が765プロのプロデューサーと同棲、ですか」
愛「はい!」
貴音「……その話、あまり外でしない方が良いかと思います」
愛「えっ?」
貴音「どこに『ぱぱらっち』が潜んでいるか分かりません」
愛「あっ……そ、そうでした! アイドルが同棲なんて知られたら」
そこでハッと気付きました。
今の話、店員さんに聞かれたんじゃ……
大将「うわぁ~、モバマスに夢中になって何も聞こえてなかったぞぉ~」
愛「………………」
貴音「感謝しましょう、日高愛。わたくし達はこういう方々に支えられているのですから」
それって、気を使ってくれるファンってことですか? それとも、オタ……
134 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 18:51:55.20 ID:92pqCloh0
【プロデューサーの部屋】
愛「ただいまー!」
愛「……あっ、まだプロデューサーさん帰ってきてないんだ。お夕飯の準備でもしておこうっと」
愛「あとは干してあったお布団や洗濯物を取り込んで……」
愛「えっと、プロデューサーさんの服はどこに片付ければいいんだろ?」
愛「…………プロデューサーさんの、服」
愛「………………」
もふっ、と。
プロデューサーさんのワイシャツに、顔を埋めてみました。
時間が時間なのですっかり冷たくなってます。でも……
愛「……これが、プロデューサーさんの匂いかぁ。プロデューサーさんは、いつもこれを着てるんだ……」
愛「お風呂のときもそうだったけど……あたし、やっぱり変な子なのかな」
P「ただいまー」
愛「うっひゃああぁぁぁぁ!?」
愛「ただいまー!」
愛「……あっ、まだプロデューサーさん帰ってきてないんだ。お夕飯の準備でもしておこうっと」
愛「あとは干してあったお布団や洗濯物を取り込んで……」
愛「えっと、プロデューサーさんの服はどこに片付ければいいんだろ?」
愛「…………プロデューサーさんの、服」
愛「………………」
もふっ、と。
プロデューサーさんのワイシャツに、顔を埋めてみました。
時間が時間なのですっかり冷たくなってます。でも……
愛「……これが、プロデューサーさんの匂いかぁ。プロデューサーさんは、いつもこれを着てるんだ……」
愛「お風呂のときもそうだったけど……あたし、やっぱり変な子なのかな」
P「ただいまー」
愛「うっひゃああぁぁぁぁ!?」
148 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 19:10:07.04 ID:92pqCloh0
愛「おっ、おかえりなさいっ!」
P「今日の仕事はどうだった?」
愛「はっ、はい! 絶好調でした!?」
P「なんで疑問形なんだ……」
ああっ、ホントだー!? 絵理さんじゃないんだから!
もう、あたしテンパりすぎです!
P「あ、それ……俺のワイシャツ?」
愛「は、はいっ」
P「洗濯しといてくれたのか。ありがとな」
愛「これも妻の務めですっ!」
P「……ちなみにトランクスとかも一緒にあったと思うけど、それも洗ったの?」
愛「いえっ! 色移りしないように分けて洗いました!」
P「いや、そういうことじゃないんだけどね……」
P「今日の仕事はどうだった?」
愛「はっ、はい! 絶好調でした!?」
P「なんで疑問形なんだ……」
ああっ、ホントだー!? 絵理さんじゃないんだから!
もう、あたしテンパりすぎです!
P「あ、それ……俺のワイシャツ?」
愛「は、はいっ」
P「洗濯しといてくれたのか。ありがとな」
愛「これも妻の務めですっ!」
P「……ちなみにトランクスとかも一緒にあったと思うけど、それも洗ったの?」
愛「いえっ! 色移りしないように分けて洗いました!」
P「いや、そういうことじゃないんだけどね……」
150 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 19:14:58.10 ID:92pqCloh0
あ……そっか。トランクスって、プロデューサーさんの……
そんなの全然意識してなかったのに。でも、なんだか急に恥ずかしくなってきました……
昨日の夜、一緒のお布団で寝たときもそうでしたけど。
一度意識しちゃうと、もう元には戻れないような気がします。
うう、なんだかモヤモヤするよー!
P「愛ちゃん、顔が赤くなってるけど大丈夫?」
愛「だ、だいじょーぶです!」
P「熱とか出てないか? おでこで測ってみる?」
愛「い、いいれすっ!」
噛んだー!! あたしのバカァァァ!!
でもプロデューサーさんとおでこなんかくっつけたら、顔から火どころじゃ済まないよー!!
そんなの全然意識してなかったのに。でも、なんだか急に恥ずかしくなってきました……
昨日の夜、一緒のお布団で寝たときもそうでしたけど。
一度意識しちゃうと、もう元には戻れないような気がします。
うう、なんだかモヤモヤするよー!
P「愛ちゃん、顔が赤くなってるけど大丈夫?」
愛「だ、だいじょーぶです!」
P「熱とか出てないか? おでこで測ってみる?」
愛「い、いいれすっ!」
噛んだー!! あたしのバカァァァ!!
でもプロデューサーさんとおでこなんかくっつけたら、顔から火どころじゃ済まないよー!!
154 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 19:19:58.30 ID:92pqCloh0
愛「あ、あとっ! 他にもお掃除とかもしておきました!」
P「え? そんなことまでしてくれたのか。本当に助かるなぁ」
愛「で、ベッドの下にいっぱい本が落ちてたので、それは本棚に並べてありますっ」
P「…………!?」
愛「え……エッチな本は、まとめて隅っこに置いておきました……」
P「うぎゃあああああ!! お、終わった……」
愛「だ、だいじょーぶですっ! 男の人はそういう本持ってるってママも言ってましたから!」
P「違うんだ……見られたっていう事実が俺には大ダメージなんだ……」
愛「でもあたし、気にしません! プロデューサーさんがひんにゅー好きのヘンタイさんでも!」
P「げぶぁっ」
あっ、プロデューサーさん!? しっかりして、プロデューサーさぁん!
P「え? そんなことまでしてくれたのか。本当に助かるなぁ」
愛「で、ベッドの下にいっぱい本が落ちてたので、それは本棚に並べてありますっ」
P「…………!?」
愛「え……エッチな本は、まとめて隅っこに置いておきました……」
P「うぎゃあああああ!! お、終わった……」
愛「だ、だいじょーぶですっ! 男の人はそういう本持ってるってママも言ってましたから!」
P「違うんだ……見られたっていう事実が俺には大ダメージなんだ……」
愛「でもあたし、気にしません! プロデューサーさんがひんにゅー好きのヘンタイさんでも!」
P「げぶぁっ」
あっ、プロデューサーさん!? しっかりして、プロデューサーさぁん!
160 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 19:25:18.67 ID:92pqCloh0
それからは、少し遅めの夕食を摂りつつ……
あたしはプロデューサーさんに、今日あったことを報告してました。
愛「あたし、ママにコンプレックスがあるのかもしれないです」
P「ママっていうと、日高舞か……あの人は本当に凄かったらしいな」
愛「でも貴音さんが励ましてくれて、これからもっと頑張れる気がしてきました!」
P「そっか。貴音には今度、俺から礼を言っとくよ」
愛「プロデューサーさんから?」
P「『ウチの嫁を助けてくれてありがとう』ってさ」
愛「あ、あぅ……嫁、って……」
ほんとにお嫁さんにしてくれますか、プロデューサーさん?
……なーんて、言えるわけもないんですけど! えへへ……
あたしはプロデューサーさんに、今日あったことを報告してました。
愛「あたし、ママにコンプレックスがあるのかもしれないです」
P「ママっていうと、日高舞か……あの人は本当に凄かったらしいな」
愛「でも貴音さんが励ましてくれて、これからもっと頑張れる気がしてきました!」
P「そっか。貴音には今度、俺から礼を言っとくよ」
愛「プロデューサーさんから?」
P「『ウチの嫁を助けてくれてありがとう』ってさ」
愛「あ、あぅ……嫁、って……」
ほんとにお嫁さんにしてくれますか、プロデューサーさん?
……なーんて、言えるわけもないんですけど! えへへ……
164 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 19:31:05.63 ID:92pqCloh0
P「愛ちゃんは掃除も炊事も洗濯も全部やってくれて、立派に『お嫁さん』してるよ」
愛「……本当に、そう思ってますか?」
P「うん。どこに嫁に出しても恥ずかしくないって」
愛「じゃあ……あたし、お嫁に行こうかなぁ」
P「……え?」
愛「あたし、まだ13歳ですから。あと3年経って結婚できるようになったら、お嫁に行きたいです!」
P「い、いきなりだな。肝心の結婚相手はどうするんだ?」
愛「それは……いるような、いないような……」
P「な、なんだそれ。即答できないくらいならやめておいた方がいい。うん、やめとこう」
……プロデューサーさん、何か焦ってる? 気のせいかなぁ。
P「ち……ちなみに、なんでハッキリしてないんだ?」
愛「今の自分の気持ちが、恋愛感情なのか、ただ信頼してるっていうだけなのか、分からなくて……」
愛「……本当に、そう思ってますか?」
P「うん。どこに嫁に出しても恥ずかしくないって」
愛「じゃあ……あたし、お嫁に行こうかなぁ」
P「……え?」
愛「あたし、まだ13歳ですから。あと3年経って結婚できるようになったら、お嫁に行きたいです!」
P「い、いきなりだな。肝心の結婚相手はどうするんだ?」
愛「それは……いるような、いないような……」
P「な、なんだそれ。即答できないくらいならやめておいた方がいい。うん、やめとこう」
……プロデューサーさん、何か焦ってる? 気のせいかなぁ。
P「ち……ちなみに、なんでハッキリしてないんだ?」
愛「今の自分の気持ちが、恋愛感情なのか、ただ信頼してるっていうだけなのか、分からなくて……」
166 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 19:36:22.13 ID:92pqCloh0
愛「簡単に言うと、ある人のことが好きだって言えるのか、よくわからないんです」
P「……そういうことか。友達や同期に相談してみるとか」
愛「そう、ですね……」
P「……あと、俺とか」
愛「プロデューサーさんに?」
P「何でも手伝うから、相談に乗れることがあったら言ってくれ。複雑な気分だけど……」
愛「……『何でも』ですか?」
P「ああ」
愛「…………あはっ! きっと後悔しちゃいますよ、それ」
P「こ、後悔? なんでだ?」
愛「あはははっ!!」
言った以上は責任取ってくださいね、プロデューサーさん!
あたしがどんな相談をしても、ゼッタイに!
P「……そういうことか。友達や同期に相談してみるとか」
愛「そう、ですね……」
P「……あと、俺とか」
愛「プロデューサーさんに?」
P「何でも手伝うから、相談に乗れることがあったら言ってくれ。複雑な気分だけど……」
愛「……『何でも』ですか?」
P「ああ」
愛「…………あはっ! きっと後悔しちゃいますよ、それ」
P「こ、後悔? なんでだ?」
愛「あはははっ!!」
言った以上は責任取ってくださいね、プロデューサーさん!
あたしがどんな相談をしても、ゼッタイに!
169 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 19:42:04.22 ID:92pqCloh0
―――同棲生活、三日目の朝。
ちゃんと目覚ましをかけたおかげで、寝坊はしなかったんですけど。
愛「……おはようございます」
P「うん、おはよう……」
またあたし、プロデューサーさんに抱きついてるし……
ほら、プロデューサーさんも気まずそう。
昨日と違うのは、プロデューサーさんもあたしを抱きしめてるってことくらい。
……あ、あれ? これってもしかして……
愛「あの……痛いです、プロデューサーさん」
P「……!? ご、ごめん!」
愛「い、いえっ……」
二人して、ふいっと顔を反らしてしまいました。
な、なんか気まずくも甘ったるい雰囲気っていうか。朝からこんなのでいいのかなぁ……
そういえば昨日、お布団買いに行くって話はまったくしなかったんだっけ。
夜になったら二人とも、自然と同じお布団に入ってたし……もう買わなくてもいいのかな。
ちゃんと目覚ましをかけたおかげで、寝坊はしなかったんですけど。
愛「……おはようございます」
P「うん、おはよう……」
またあたし、プロデューサーさんに抱きついてるし……
ほら、プロデューサーさんも気まずそう。
昨日と違うのは、プロデューサーさんもあたしを抱きしめてるってことくらい。
……あ、あれ? これってもしかして……
愛「あの……痛いです、プロデューサーさん」
P「……!? ご、ごめん!」
愛「い、いえっ……」
二人して、ふいっと顔を反らしてしまいました。
な、なんか気まずくも甘ったるい雰囲気っていうか。朝からこんなのでいいのかなぁ……
そういえば昨日、お布団買いに行くって話はまったくしなかったんだっけ。
夜になったら二人とも、自然と同じお布団に入ってたし……もう買わなくてもいいのかな。
171 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 19:45:37.19 ID:92pqCloh0
プロデューサーさんが着替えている間に、あたしは軽めの朝食を作ります。
昨日の残りのごはんとインスタントのお味噌汁、それにささっと作ったベーコンエッグです。
P「おっ、今日も美味そうだ。いただきます」
愛「召し上がれ! 今日は遅くなりますか?」
P「いや、昨日と同じくらいかな」
愛「じゃあ夕食作って待ってますね!」
P「うん、楽しみにしてる。愛ちゃんも仕事の方、がんばって」
愛「はいっ!」
いいな、こういうの……プロデューサーさんも同棲生活に憧れてたって言ってたし。
でも、これは映画の練習。あたし、あと何日くらいこうしていられるんだろう……
昨日の残りのごはんとインスタントのお味噌汁、それにささっと作ったベーコンエッグです。
P「おっ、今日も美味そうだ。いただきます」
愛「召し上がれ! 今日は遅くなりますか?」
P「いや、昨日と同じくらいかな」
愛「じゃあ夕食作って待ってますね!」
P「うん、楽しみにしてる。愛ちゃんも仕事の方、がんばって」
愛「はいっ!」
いいな、こういうの……プロデューサーさんも同棲生活に憧れてたって言ってたし。
でも、これは映画の練習。あたし、あと何日くらいこうしていられるんだろう……
172 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 19:49:54.10 ID:92pqCloh0
そんな朝の雰囲気を満喫していると。
『ピンポーン』
……と、呼び鈴が鳴りました。
愛「あたし、出てきますね」
P「ま、待てっ!」
愛「えっ?」
P「こんな時間に俺の家に来るヤツは、一人しか考えられない……」
プロデューサーさんの顔が険しくなっていきます。
だ、誰なんだろう。そんな物騒な人が来てるのかな。
愛「こ、怖い人ですかっ?」
P「ある意味怖いな……愛ちゃんは絶対に姿を見せちゃダメだ」
愛「は……はいっ」
『ピンポーン』
……と、呼び鈴が鳴りました。
愛「あたし、出てきますね」
P「ま、待てっ!」
愛「えっ?」
P「こんな時間に俺の家に来るヤツは、一人しか考えられない……」
プロデューサーさんの顔が険しくなっていきます。
だ、誰なんだろう。そんな物騒な人が来てるのかな。
愛「こ、怖い人ですかっ?」
P「ある意味怖いな……愛ちゃんは絶対に姿を見せちゃダメだ」
愛「は……はいっ」
173 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 19:53:18.40 ID:92pqCloh0
あたしは壁に隠れて聞き耳を立てました。ここなら玄関からは見えませんし。
美希「ハニー、おはよう!」
P「あ、ああ。おはよう美希」
美希「最近お仕事が忙しくて来れなかったけど、久しぶりに迎えに来たの!」
今の声……それにプロデューサーさんが『美希』って言ってたから、きっと美希センパイだ!
な、なんか嫌な予感がするよー!
美希「……あれ? ベーコンの匂いがするの」
P「い、今の今まで朝メシだったからな」
美希「ハニー、料理ほとんどできないって言ってなかった?」
P「……さ、最近練習してるんだ」
美希「ふーん……」
P「もういいだろ。すぐ支度するから、早く行くぞ」
美希「ハニー、おはよう!」
P「あ、ああ。おはよう美希」
美希「最近お仕事が忙しくて来れなかったけど、久しぶりに迎えに来たの!」
今の声……それにプロデューサーさんが『美希』って言ってたから、きっと美希センパイだ!
な、なんか嫌な予感がするよー!
美希「……あれ? ベーコンの匂いがするの」
P「い、今の今まで朝メシだったからな」
美希「ハニー、料理ほとんどできないって言ってなかった?」
P「……さ、最近練習してるんだ」
美希「ふーん……」
P「もういいだろ。すぐ支度するから、早く行くぞ」
174 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 19:55:58.61 ID:92pqCloh0
美希「ハニー、なんでせかすの? まだ時間あるのに」
P「べ、別にせかしてなんかないぞ」
美希「ハッキリ言って、すっごく怪しいの。さっきから何か焦ってるし。ミキに隠し事してない?」
P「そ、そんなわけないだろ……」
美希「それに、玄関から見えるだけでも前来た時よりずいぶん片付いてるの」
P「それは……お、大掃除をしたんだよ」
美希「……なんとなくだけど、ハニーは女の子を連れ込んでるって、ミキ的には思うな」
み、美希センパイ鋭いです!
そういえば美希センパイ、プロデューサーさんのことが気になるって言ってたような。
あたしがプロデューサーさんと同棲してるなんて知ったら、美希センパイ……
P「な、何を根拠にそんな」
美希「女物のクツもあるし」
P「えっ!? 昨日片付けといたはず……あっ」
P「べ、別にせかしてなんかないぞ」
美希「ハッキリ言って、すっごく怪しいの。さっきから何か焦ってるし。ミキに隠し事してない?」
P「そ、そんなわけないだろ……」
美希「それに、玄関から見えるだけでも前来た時よりずいぶん片付いてるの」
P「それは……お、大掃除をしたんだよ」
美希「……なんとなくだけど、ハニーは女の子を連れ込んでるって、ミキ的には思うな」
み、美希センパイ鋭いです!
そういえば美希センパイ、プロデューサーさんのことが気になるって言ってたような。
あたしがプロデューサーさんと同棲してるなんて知ったら、美希センパイ……
P「な、何を根拠にそんな」
美希「女物のクツもあるし」
P「えっ!? 昨日片付けといたはず……あっ」
176 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 19:58:52.82 ID:aXnY14le0
やだ美希怖い
201 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 20:49:28.46 ID:92pqCloh0
美希「『昨日片付けといた』って言った? ハニー」
P「そ、それはだな……」
み、美希センパイ凄すぎるよー!
美希センパイが来ることを見越して、プロデューサーさんはあたしのクツを片付けておいたみたいです。
それだけでも凄いのに、美希センパイはそれを囮に、更にプロデューサーさんをひっかけて……
美希「ハニー。誰なの?」
P「え……」
美希「この奥に……ハニーの部屋に、誰がいるの?」
P「……………‥」
美希「そう。その子を守るんだね。ミキよりその子が大事なんだ」
P「そ、そういう問題じゃないだろ……?」
美希「………………」
P「そ、それはだな……」
み、美希センパイ凄すぎるよー!
美希センパイが来ることを見越して、プロデューサーさんはあたしのクツを片付けておいたみたいです。
それだけでも凄いのに、美希センパイはそれを囮に、更にプロデューサーさんをひっかけて……
美希「ハニー。誰なの?」
P「え……」
美希「この奥に……ハニーの部屋に、誰がいるの?」
P「……………‥」
美希「そう。その子を守るんだね。ミキよりその子が大事なんだ」
P「そ、そういう問題じゃないだろ……?」
美希「………………」
205 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 20:54:33.73 ID:92pqCloh0
美希「えいっ」
P「あっ! 勝手に靴棚を……」
美希「ほら、あったの」
P「ぐ……」
うそ……あたしのクツ、見つかっちゃったみたいです。
でもいくら美希センパイでも、それが誰の物かまでは分かりませんよね……?
美希「……ふーん。ミキ、このクツに見覚えあるの」
P「えっ!?」
美希「ミキ、ファッションにはうるさいから。誰が履いてたかなんてすぐ分かるよ」
P「う、うそつけ」
美希「じゃあ、試してみる?」
美希「……そこにいるんだよね、愛」
P「あっ! 勝手に靴棚を……」
美希「ほら、あったの」
P「ぐ……」
うそ……あたしのクツ、見つかっちゃったみたいです。
でもいくら美希センパイでも、それが誰の物かまでは分かりませんよね……?
美希「……ふーん。ミキ、このクツに見覚えあるの」
P「えっ!?」
美希「ミキ、ファッションにはうるさいから。誰が履いてたかなんてすぐ分かるよ」
P「う、うそつけ」
美希「じゃあ、試してみる?」
美希「……そこにいるんだよね、愛」
206 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 20:55:08.34 ID:aXnY14le0
いつの間にかホラーになってるぞ
209 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 20:58:46.73 ID:92pqCloh0
バ、バレてるー!?
美希センパイ、ベーコンの匂いからあたしにたどり着くなんて……どこの探偵さんですか!?
美希「間違ってないよね? ハニー」
P「…………愛ちゃん、出ておいで」
……プロデューサーさんが言うなら、と。
あたしはおずおずと、美希センパイの前に姿を現しました。
美希「……久しぶりだよね、愛」
愛「はい……」
美希「いつから住んでるの?」
愛「一昨日から、です……」
美希「ミキがハニーのこと好きだって、知ってるんだよね?」
愛「…………はい」
パンッ!って音。
その音から少し遅れて、あたしの頬に痛みが走りました。
……叩かれた、あたし。あの美希センパイに……
美希センパイ、ベーコンの匂いからあたしにたどり着くなんて……どこの探偵さんですか!?
美希「間違ってないよね? ハニー」
P「…………愛ちゃん、出ておいで」
……プロデューサーさんが言うなら、と。
あたしはおずおずと、美希センパイの前に姿を現しました。
美希「……久しぶりだよね、愛」
愛「はい……」
美希「いつから住んでるの?」
愛「一昨日から、です……」
美希「ミキがハニーのこと好きだって、知ってるんだよね?」
愛「…………はい」
パンッ!って音。
その音から少し遅れて、あたしの頬に痛みが走りました。
……叩かれた、あたし。あの美希センパイに……
219 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 21:03:02.01 ID:92pqCloh0
美希「サイテーなの! ミキの気持ち分かっててそういうことするんだね、愛って」
愛「…………」
この同棲はあくまでも映画の練習で、本当の同棲じゃないこと。
プロデューサーさんが選ばれたのは、石川社長と高木社長の意向だってこと。
美希センパイがプロデューサーさんを、そこまで好きだなんて知らなかったこと。
色々言いたいことはあったけど……
その時、あたしが言えたのは。
愛「……ごめんなさい」
……たった、それだけでした。
愛「…………」
この同棲はあくまでも映画の練習で、本当の同棲じゃないこと。
プロデューサーさんが選ばれたのは、石川社長と高木社長の意向だってこと。
美希センパイがプロデューサーさんを、そこまで好きだなんて知らなかったこと。
色々言いたいことはあったけど……
その時、あたしが言えたのは。
愛「……ごめんなさい」
……たった、それだけでした。
220 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 21:03:18.46 ID:aBpebQqO0
これ周りに説明不足すぎるだろwwww
224 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 21:06:24.24 ID:92pqCloh0
美希「……謝るくらいなら最初からするなって、誰かに言われなかった?」
愛「………………」
美希「ハニー。今日はミキ、帰るね」
P「え……帰るって、まだ朝だぞ! 仕事は!?」
美希「知らない。ハニーがなんとかして」
P「お、おい!」
プロデューサーさんの静止する声も無視して、美希センパイは走り去っていきました。
あたしのせいだ。あたしが練習とか言って、こんなことしてるから……
あたしが……あたしがプロデューサーさんにも美希センパイにも、迷惑かけてるんだ!!
愛「うぅ……うわぁぁぁぁぁん!!」
P「なっ!? 泣くなよ愛ちゃん!」
愛「だって、だってぇぇぇ! ああぁぁぁぁん!!」
愛「………………」
美希「ハニー。今日はミキ、帰るね」
P「え……帰るって、まだ朝だぞ! 仕事は!?」
美希「知らない。ハニーがなんとかして」
P「お、おい!」
プロデューサーさんの静止する声も無視して、美希センパイは走り去っていきました。
あたしのせいだ。あたしが練習とか言って、こんなことしてるから……
あたしが……あたしがプロデューサーさんにも美希センパイにも、迷惑かけてるんだ!!
愛「うぅ……うわぁぁぁぁぁん!!」
P「なっ!? 泣くなよ愛ちゃん!」
愛「だって、だってぇぇぇ! ああぁぁぁぁん!!」
230 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 21:11:05.68 ID:92pqCloh0
それから30分くらい経って、あたしはようやく泣き止むことができました。
プロデューサーさんはさっきまで横であたしをなだめてくれてましたけど、
あたしが落ち着いたからか、今は事務所に電話をかけてるみたいです。
P「はい、風邪が酷いので今日は休ませてください……はい、失礼します」
P「これでよし……愛ちゃん、もう大丈夫?」
愛「ぐず……は、はいぃ……」
P「765プロと876プロの事務所には電話しておいたから。俺達、今日は休みだよ」
愛「えっ……ぷ、プロデューサーさんまでお休みしなくても」
P「1日くらいなら律子がうまくやってくれる。愛ちゃんもレッスンだったし、1日分なら後で取り戻せるよ」
誰かにそばにいて欲しかった。それは正直な気持ちです。
でもあたし、またプロデューサーさんに迷惑かけてます……
プロデューサーさんはさっきまで横であたしをなだめてくれてましたけど、
あたしが落ち着いたからか、今は事務所に電話をかけてるみたいです。
P「はい、風邪が酷いので今日は休ませてください……はい、失礼します」
P「これでよし……愛ちゃん、もう大丈夫?」
愛「ぐず……は、はいぃ……」
P「765プロと876プロの事務所には電話しておいたから。俺達、今日は休みだよ」
愛「えっ……ぷ、プロデューサーさんまでお休みしなくても」
P「1日くらいなら律子がうまくやってくれる。愛ちゃんもレッスンだったし、1日分なら後で取り戻せるよ」
誰かにそばにいて欲しかった。それは正直な気持ちです。
でもあたし、またプロデューサーさんに迷惑かけてます……
232 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 21:20:34.04 ID:92pqCloh0
P「それに、俺の嫁をほっとくわけにはいかないだろ」
愛「嫁って……それは、練習で……」
P「練習でも、嫁は嫁だ」
愛「………………」
こんな時でも優しいんですね、プロデューサーさん……
プロデューサーさんは、美希センパイを追いかけずにあたしのそばにいてくれました。
そんなことしたら事務所に行ったとき、美希センパイに何を言われるか分からないのに……
P「無理はしなくていいからな。元を正せば、全面的に俺が悪いんだ……」
P「こんなの償いになるか分からないけど、今日は一日一緒にいるよ」
愛「…………っ!」
『あたしが傷つけば、この人はあたしのそばにいてくれる』
……あたし、今そう考えてた! こんな状況を、あたしは内心喜んでるの!?
嫌、イヤイヤイヤァッ!!
あたし、こんな風に考えたくないのに! こんなのやだ、やだよぉ……
愛「嫁って……それは、練習で……」
P「練習でも、嫁は嫁だ」
愛「………………」
こんな時でも優しいんですね、プロデューサーさん……
プロデューサーさんは、美希センパイを追いかけずにあたしのそばにいてくれました。
そんなことしたら事務所に行ったとき、美希センパイに何を言われるか分からないのに……
P「無理はしなくていいからな。元を正せば、全面的に俺が悪いんだ……」
P「こんなの償いになるか分からないけど、今日は一日一緒にいるよ」
愛「…………っ!」
『あたしが傷つけば、この人はあたしのそばにいてくれる』
……あたし、今そう考えてた! こんな状況を、あたしは内心喜んでるの!?
嫌、イヤイヤイヤァッ!!
あたし、こんな風に考えたくないのに! こんなのやだ、やだよぉ……
237 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 21:23:50.08 ID:92pqCloh0
愛「……このままじゃ、ダメ……あたし、今日にでも出ていきます」
P「え?」
あたしの中に、気持ち悪い感情が渦巻いてる。
こんな状態でプロデューサーさんのそばにいたくない!
愛「短い間でしたけどっ、お世話に」
P「ダメだ!!」
愛「えっ……」
なんで。
なんで止めちゃうんですか、プロデューサーさん。
あたし、もう……
P「え?」
あたしの中に、気持ち悪い感情が渦巻いてる。
こんな状態でプロデューサーさんのそばにいたくない!
愛「短い間でしたけどっ、お世話に」
P「ダメだ!!」
愛「えっ……」
なんで。
なんで止めちゃうんですか、プロデューサーさん。
あたし、もう……
240 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 21:27:09.37 ID:92pqCloh0
あたしが出ていこうとすると、プロデューサーさんが
背中からぎゅっと……あたしの小さな体を抱きしめました。
P「バカなこと言うな。勝手にいなくなったら俺も困る」
愛「……ほんと、ですか?」
P「嫁に出せるくらいだって、昨日言っただろ?」
愛「はい……言われました」
P「たった数日だけど、一緒にいて楽しかった。俺の支えになってくれてた」
愛「あたしも……あたしもですっ。プロデューサーさんに、いっぱい助けられました……!」
背中からぎゅっと……あたしの小さな体を抱きしめました。
P「バカなこと言うな。勝手にいなくなったら俺も困る」
愛「……ほんと、ですか?」
P「嫁に出せるくらいだって、昨日言っただろ?」
愛「はい……言われました」
P「たった数日だけど、一緒にいて楽しかった。俺の支えになってくれてた」
愛「あたしも……あたしもですっ。プロデューサーさんに、いっぱい助けられました……!」
245 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 21:29:38.27 ID:92pqCloh0
P「もう俺、愛ちゃんのいない家なんて考えられないよ」
愛「……それじゃあ、あたしここにいてもいいんですか?」
P「ずっといればいい」
愛「プロデューサーさん……」
P「あと、だらしない俺の面倒見てくれる人、他にいないし」
愛「…………」
さ、最後のはちょっと余計です、プロデューサーさん。
あたし、せっかく感動してたのに……
愛「……それじゃあ、あたしここにいてもいいんですか?」
P「ずっといればいい」
愛「プロデューサーさん……」
P「あと、だらしない俺の面倒見てくれる人、他にいないし」
愛「…………」
さ、最後のはちょっと余計です、プロデューサーさん。
あたし、せっかく感動してたのに……
248 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 21:31:34.55 ID:92pqCloh0
愛「でもプロデューサーさん。美希センパイのことは……」
P「俺は美希が好きなわけじゃない。あいつは俺が面倒を見てるアイドル、それだけだよ」
愛「……美希センパイに好きって言われて、プロデューサーさんも好きになったり」
P「ならないって。俺が好きなのは……」
愛「…………」
P「……言うとまずいような気がするから、やめとく」
愛「え、えぇー!?」
プロデューサーさん、ここまで来てそれはあんまりですよー!
そこが肝心なんじゃないですかー!!
P「いや、さすがに13歳は……」
愛「……じゅうさんさい?」
P「あっ」
P「俺は美希が好きなわけじゃない。あいつは俺が面倒を見てるアイドル、それだけだよ」
愛「……美希センパイに好きって言われて、プロデューサーさんも好きになったり」
P「ならないって。俺が好きなのは……」
愛「…………」
P「……言うとまずいような気がするから、やめとく」
愛「え、えぇー!?」
プロデューサーさん、ここまで来てそれはあんまりですよー!
そこが肝心なんじゃないですかー!!
P「いや、さすがに13歳は……」
愛「……じゅうさんさい?」
P「あっ」
253 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 21:35:51.29 ID:92pqCloh0
愛「そ、それって……もしかして」
P「……ていうか『ずっといればいい』って言っといて、隠す意味もないな、これ」
愛「うそ……嘘ですよね」
P「嘘じゃない。俺、愛ちゃんのことが……好きだ」
ずっと。
ずっと聞きたかった言葉。
一生あたしに向けられることなんて無いって、思ってた言葉。
愛「……プロデューサーさん。あたし、こんなのですよ?」
愛「涼さんや絵理さんみたいに、デキる人じゃないし……」
愛「貴音さんみたいな魅力もなくて、美希センパイと違って何度も失敗して……」
愛「プロデューサーさんがいれば何でもいいって思っちゃう、汚い子ですよ……?」
P「いいじゃないか、人間らしくて。完璧超人なんてつまらないだろ?」
P「……ていうか『ずっといればいい』って言っといて、隠す意味もないな、これ」
愛「うそ……嘘ですよね」
P「嘘じゃない。俺、愛ちゃんのことが……好きだ」
ずっと。
ずっと聞きたかった言葉。
一生あたしに向けられることなんて無いって、思ってた言葉。
愛「……プロデューサーさん。あたし、こんなのですよ?」
愛「涼さんや絵理さんみたいに、デキる人じゃないし……」
愛「貴音さんみたいな魅力もなくて、美希センパイと違って何度も失敗して……」
愛「プロデューサーさんがいれば何でもいいって思っちゃう、汚い子ですよ……?」
P「いいじゃないか、人間らしくて。完璧超人なんてつまらないだろ?」
258 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 21:38:16.51 ID:92pqCloh0
愛「……プロデューサーさん」
もし、嬉しい時に一緒に喜びたいって思える人がいるのなら。
もし、つらい時にそばにいて欲しいって思える人がいるのなら。
愛「あたしプロデューサーさんのこと、すっごく信頼してます」
その人がきっと『好きな人』なんだよね。
あたし、同棲だけじゃなくて……恋愛もいつの間にか練習できてたんだ。
愛「プロデューサーさんもあたしのこと、頼ってくれてる……と思います」
お嫁さんになりたい。それって、ただ頼るだけで生まれる気持ちじゃない。
だとしたらあたし、そう思った時からずっと……
愛「でもあたし、もう一歩先の関係に進みたい!」
愛「プロデューサーさん!! あたし、プロデューサーさんが大好きですっ!!」
もし、嬉しい時に一緒に喜びたいって思える人がいるのなら。
もし、つらい時にそばにいて欲しいって思える人がいるのなら。
愛「あたしプロデューサーさんのこと、すっごく信頼してます」
その人がきっと『好きな人』なんだよね。
あたし、同棲だけじゃなくて……恋愛もいつの間にか練習できてたんだ。
愛「プロデューサーさんもあたしのこと、頼ってくれてる……と思います」
お嫁さんになりたい。それって、ただ頼るだけで生まれる気持ちじゃない。
だとしたらあたし、そう思った時からずっと……
愛「でもあたし、もう一歩先の関係に進みたい!」
愛「プロデューサーさん!! あたし、プロデューサーさんが大好きですっ!!」
264 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 21:41:14.80 ID:92pqCloh0
P「……愛ちゃん」
愛「あたし! 自分の気持ちに気付いてませんでした!」
P「あの」
愛「プロデューサーさんと一緒にいて、毎日楽しかったのに!」
P「ちょっ」
愛「好きって気持ちが分からなくて、ずっと悩んでたんです!」
愛「でも分かったんです! どろどろで暗い気持ちになったとき、ずっと、ずっと」
愛「あたし、プロデューサーさんのことを考えていたんです!」
愛「プロデューサーさんと一緒にいたい……これまでも、これからも!」
愛「あたしを……プロデューサーさんのお嫁さんにしてください!!」
愛「あたし! 自分の気持ちに気付いてませんでした!」
P「あの」
愛「プロデューサーさんと一緒にいて、毎日楽しかったのに!」
P「ちょっ」
愛「好きって気持ちが分からなくて、ずっと悩んでたんです!」
愛「でも分かったんです! どろどろで暗い気持ちになったとき、ずっと、ずっと」
愛「あたし、プロデューサーさんのことを考えていたんです!」
愛「プロデューサーさんと一緒にいたい……これまでも、これからも!」
愛「あたしを……プロデューサーさんのお嫁さんにしてください!!」
270 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 21:45:38.99 ID:92pqCloh0
P「……先に言われた」
愛「えっ?」
P「俺が『嫁に来てくれ』って言うつもりだったのに……」
愛「え……えええっ!?」
あぁぁぁ!! こんな時まであたし、何やってるんだろう……
プロポーズしてもらうチャンスも、プロデューサーさんの見せ場も、一緒に潰しちゃったよー!
P「……まあいっか。こっちの方が愛ちゃんらしいし」
愛「そ、その言われ方は複雑ですけど……」
P「これで、俺もいずれは妻帯者になるのか。節約して金貯めるかぁ」
愛「えへへ……あたし達、結婚するよー!」
P「あと3年経ったらな」
愛「いっぱい子供作るよー!」
P「……絶対それ外で言うなよ。俺捕まっちゃうから」
愛「えっ?」
P「俺が『嫁に来てくれ』って言うつもりだったのに……」
愛「え……えええっ!?」
あぁぁぁ!! こんな時まであたし、何やってるんだろう……
プロポーズしてもらうチャンスも、プロデューサーさんの見せ場も、一緒に潰しちゃったよー!
P「……まあいっか。こっちの方が愛ちゃんらしいし」
愛「そ、その言われ方は複雑ですけど……」
P「これで、俺もいずれは妻帯者になるのか。節約して金貯めるかぁ」
愛「えへへ……あたし達、結婚するよー!」
P「あと3年経ったらな」
愛「いっぱい子供作るよー!」
P「……絶対それ外で言うなよ。俺捕まっちゃうから」
271 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 21:46:00.40 ID:oVzJCuWd0
えんだあああああああああああああ
279 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 21:50:45.86 ID:92pqCloh0
【同棲生活4日目 876プロ事務所】
高木「はっはっは……いやあ、また1つ876プロとの繋がりが強くなったね」
石川「そうですね。ある程度予想はできてましたけど」
まなみ「もう、社長! そんな軽い話じゃないですよ!?」
P「………………」
愛「………………」
次の日。
あたしとプロデューサーさんは、876プロの事務所に一部の人を集めて、あたし達の関係を話しました。
予想通り、まなみさんは怒ってましたけど……
社長は意外と冷静だったっていうか、何も言ってこなかったんです。
石川「まあ男と女だから、そういうこともあるわよ。涼と絵理みたいにね」
あれぇー!? 涼さんと絵理さんのこと、社長知ってたんですか!?
じゃああの二人ってうまく隠してるつもりで、実は社長に弄ばれてるだけってことに……
高木「はっはっは……いやあ、また1つ876プロとの繋がりが強くなったね」
石川「そうですね。ある程度予想はできてましたけど」
まなみ「もう、社長! そんな軽い話じゃないですよ!?」
P「………………」
愛「………………」
次の日。
あたしとプロデューサーさんは、876プロの事務所に一部の人を集めて、あたし達の関係を話しました。
予想通り、まなみさんは怒ってましたけど……
社長は意外と冷静だったっていうか、何も言ってこなかったんです。
石川「まあ男と女だから、そういうこともあるわよ。涼と絵理みたいにね」
あれぇー!? 涼さんと絵理さんのこと、社長知ってたんですか!?
じゃああの二人ってうまく隠してるつもりで、実は社長に弄ばれてるだけってことに……
282 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 21:55:03.49 ID:92pqCloh0
石川「とにかく、ファンや記者にバレないように。デートしたいなら変装してやりなさい」
愛「はいっ」
石川「バレたら即クビよ。知ってると思うけど、私は身内でも容赦ないから」
愛「は、はいぃ……」
男の子の涼さんが無理やり女の子アイドルにされたことを考えると、
たぶん、バレた時にはあたしも一瞬でクビにされちゃうと思います……
まなみ「社長……はぁ、もういいです。社長命令なら従いますっ」
石川「それが懸命よ、決定事項を覆す気もないし。あと、他に知らせておくべき人はいないの?」
P「それが……1人だけ、大ボスがいるというか……」
高木「むぅ。確かにかなり手ごわいと思うが、怪我だけはしないようにな」
P「はは……状況次第ですね」
愛「………………」
愛「はいっ」
石川「バレたら即クビよ。知ってると思うけど、私は身内でも容赦ないから」
愛「は、はいぃ……」
男の子の涼さんが無理やり女の子アイドルにされたことを考えると、
たぶん、バレた時にはあたしも一瞬でクビにされちゃうと思います……
まなみ「社長……はぁ、もういいです。社長命令なら従いますっ」
石川「それが懸命よ、決定事項を覆す気もないし。あと、他に知らせておくべき人はいないの?」
P「それが……1人だけ、大ボスがいるというか……」
高木「むぅ。確かにかなり手ごわいと思うが、怪我だけはしないようにな」
P「はは……状況次第ですね」
愛「………………」
286 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 21:58:49.07 ID:92pqCloh0
【765プロ事務所】
P「おはよう、みんな」
真「おはようございまーす」
P「あれ? 今日は真だけか?」
ソファに座って雑誌を読んでいたのは、765プロのアイドル、菊地真さんでした。
美希センパイ、来てないのかな……
真「あっちの仮眠室で美希がフテ寝してますよ。昨日無断欠勤して、さっきまで社長にお説教されてたんで」
P「ちょうどいい。真、悪いんだが1時間ほど、外で時間潰してきてくれないか?」
真「……大事な話ですか? 愛もいるところを見ると、愛絡みの何かなんでしょうけど」
P「おはよう、みんな」
真「おはようございまーす」
P「あれ? 今日は真だけか?」
ソファに座って雑誌を読んでいたのは、765プロのアイドル、菊地真さんでした。
美希センパイ、来てないのかな……
真「あっちの仮眠室で美希がフテ寝してますよ。昨日無断欠勤して、さっきまで社長にお説教されてたんで」
P「ちょうどいい。真、悪いんだが1時間ほど、外で時間潰してきてくれないか?」
真「……大事な話ですか? 愛もいるところを見ると、愛絡みの何かなんでしょうけど」
288 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:01:43.12 ID:92pqCloh0
真さんがあたしとプロデューサーさんの面持ちを見て、急に真剣な顔になりました。
本当なら久しぶりに会った真さんにご挨拶したいところなんですけど、今日は……
真「……分かりました。その代わり、今度のステージはフリフリの衣装でお願いしますね!」
P「か、考えとく……」
真「やーりぃ! じゃ、行ってきまーす」
一転、破顔して意気揚々と出かける真さん。
この空気を少しでも和らげるために、わざとテンションを上げてくれたのかもしれません。
でもあたし、『考えておくわ』って言われたものの、
希望が叶わないままズルズルと女の子アイドルやってる人、一人知ってますけど……
それは言わぬが花、ってやつだと思います。ありがとう、真さん!
本当なら久しぶりに会った真さんにご挨拶したいところなんですけど、今日は……
真「……分かりました。その代わり、今度のステージはフリフリの衣装でお願いしますね!」
P「か、考えとく……」
真「やーりぃ! じゃ、行ってきまーす」
一転、破顔して意気揚々と出かける真さん。
この空気を少しでも和らげるために、わざとテンションを上げてくれたのかもしれません。
でもあたし、『考えておくわ』って言われたものの、
希望が叶わないままズルズルと女の子アイドルやってる人、一人知ってますけど……
それは言わぬが花、ってやつだと思います。ありがとう、真さん!
291 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:05:57.89 ID:92pqCloh0
仮眠室の前まで来て、ちょっと緊張してきました。もしかしたら、取っ組み合いのケンカになるのかも。
……でも。
愛「プロデューサーさん。あたし、一人で行ってもいいですかっ」
P「な……なんで急に」
愛「……女の子って、男の人の前では飾る生き物なんです。もちろん、あたしだってそうです」
愛「美希センパイと本心で話すには、あたしが一人で話さないとダメだと思うんです」
P「…………決意は固いみたいだな。分かった、ここで待ってる」
愛「ごめんなさい、ワガママ言って」
P「俺こそ、全部愛ちゃんに押しつけて……」
愛「そんなこと、いいんです。それより、無事に帰ってこられたら……キスしてくださいね!」
P「!?」
愛「約束ですよー!」
あたしは、声にならない叫びを上げているプロデューサーさんを尻目に、仮眠室の扉を開けました。
あはは……どうなっちゃうのかな、あたし。
……でも。
愛「プロデューサーさん。あたし、一人で行ってもいいですかっ」
P「な……なんで急に」
愛「……女の子って、男の人の前では飾る生き物なんです。もちろん、あたしだってそうです」
愛「美希センパイと本心で話すには、あたしが一人で話さないとダメだと思うんです」
P「…………決意は固いみたいだな。分かった、ここで待ってる」
愛「ごめんなさい、ワガママ言って」
P「俺こそ、全部愛ちゃんに押しつけて……」
愛「そんなこと、いいんです。それより、無事に帰ってこられたら……キスしてくださいね!」
P「!?」
愛「約束ですよー!」
あたしは、声にならない叫びを上げているプロデューサーさんを尻目に、仮眠室の扉を開けました。
あはは……どうなっちゃうのかな、あたし。
294 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:09:37.21 ID:92pqCloh0
仮眠室に入ると、中は真っ暗でした。
電気をつけて、扉に鍵をかけます。誰も入ってこられないように。
美希「………………」
……いました。美希センパイ、うつ伏せで寝てます。
美希「……何の用?」
愛「起きてたんですね」
美希「昨日あんなことがあったのに、グースカ寝てられるほど図太くないの」
愛「さっきまでフテ寝してたって聞きましたけど」
美希「……真くんのバカ。もうカワイイ服の売ってるとこ、教えてあげないもん」
電気をつけて、扉に鍵をかけます。誰も入ってこられないように。
美希「………………」
……いました。美希センパイ、うつ伏せで寝てます。
美希「……何の用?」
愛「起きてたんですね」
美希「昨日あんなことがあったのに、グースカ寝てられるほど図太くないの」
愛「さっきまでフテ寝してたって聞きましたけど」
美希「……真くんのバカ。もうカワイイ服の売ってるとこ、教えてあげないもん」
299 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:13:01.44 ID:92pqCloh0
愛「美希センパイ。起きてください」
美希「やなの」
愛「大事なお話があるんです」
美希「聞きたくないの」
愛「美希センパイ!」
美希センパイの腕を掴んで、無理やり引き起こします。
こんなお話、寝転がりながらじゃできないです……!
愛「…………あっ」
美希「ッ! 見ないでッ!!」
……美希センパイは、目の下が真っ赤でした。それに、ずいぶん顔色も悪いです。
寝不足とか寝過ぎとかじゃなくて、きっと一晩中……
美希「やなの」
愛「大事なお話があるんです」
美希「聞きたくないの」
愛「美希センパイ!」
美希センパイの腕を掴んで、無理やり引き起こします。
こんなお話、寝転がりながらじゃできないです……!
愛「…………あっ」
美希「ッ! 見ないでッ!!」
……美希センパイは、目の下が真っ赤でした。それに、ずいぶん顔色も悪いです。
寝不足とか寝過ぎとかじゃなくて、きっと一晩中……
302 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:16:10.64 ID:92pqCloh0
美希「やだ……やだ、見ないでよ……」
愛「美希センパイ……」
美希「だって美希、ハニーが好きなの……愛に取られたくないんだもん……」
愛「あたしだって! プロデューサーさんが好きなんです!」
美希「……っ!!」
ぺちん、と。
また、美希センパイに叩かれました。あの時とは違って、弱々しい手で……
美希「なんで? ミキの何がダメなの?」
愛「………………」
美希「腕組んだり、毎日会いに行ったり、色々アピールしたのに! なんで!?」
愛「美希センパイ……」
美希「だって美希、ハニーが好きなの……愛に取られたくないんだもん……」
愛「あたしだって! プロデューサーさんが好きなんです!」
美希「……っ!!」
ぺちん、と。
また、美希センパイに叩かれました。あの時とは違って、弱々しい手で……
美希「なんで? ミキの何がダメなの?」
愛「………………」
美希「腕組んだり、毎日会いに行ったり、色々アピールしたのに! なんで!?」
307 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:19:12.82 ID:92pqCloh0
美希センパイにぐいぐいと詰め寄られてます。
だ、ダメ! ここで引いたらダメです! あたし、プロデューサーさんのお嫁さんになるんだから!
愛「……あたしバカだから、よくわかんないですけど」
愛「あたしは、プロデューサーさんを頼りにしてます。プロデューサーさんもあたしを頼りにしてくれてます」
愛「……たぶん美希センパイは、一方通行なんです」
美希「一方通行……?」
愛「プロデューサーさんの支えになるようなこと、一度くらいしてあげましたか?」
美希「………………」
愛「プロデューサーさんがいつも寂しがってたって、知ってましたか?」
美希「え……そ、そんなこと、ハニーは一度も……」
愛「好きな人に、好き好きってアピールするだけでいいわけないじゃないですか!」
愛「なんでその人のことを知ろうって……好きになってもらおうとしないんですか!」
美希「……う……うう……」
だ、ダメ! ここで引いたらダメです! あたし、プロデューサーさんのお嫁さんになるんだから!
愛「……あたしバカだから、よくわかんないですけど」
愛「あたしは、プロデューサーさんを頼りにしてます。プロデューサーさんもあたしを頼りにしてくれてます」
愛「……たぶん美希センパイは、一方通行なんです」
美希「一方通行……?」
愛「プロデューサーさんの支えになるようなこと、一度くらいしてあげましたか?」
美希「………………」
愛「プロデューサーさんがいつも寂しがってたって、知ってましたか?」
美希「え……そ、そんなこと、ハニーは一度も……」
愛「好きな人に、好き好きってアピールするだけでいいわけないじゃないですか!」
愛「なんでその人のことを知ろうって……好きになってもらおうとしないんですか!」
美希「……う……うう……」
313 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:21:10.09 ID:92pqCloh0
愛「最初は、映画の練習でした。でも恋愛も同棲も、気が付けば練習じゃなくなってました」
愛「あたし、プロデューサーさんにどんどん惹かれていきました」
愛「一度は迷惑かけてる自分が嫌になって離れようとしましたけど、プロデューサーさんが止めてくれました」
愛「あたしが必要だから、ずっといればいいって言ってくれました」
愛「だから、美希センパイには悪いけど……あたし、プロデューサーさんだけは譲れません!」
美希「………………」
愛「………………」
うう、沈黙が怖いよう……
美希センパイ、何か言ってくれないかなあ。
美希「……愛」
愛「はいっ!?」
愛「あたし、プロデューサーさんにどんどん惹かれていきました」
愛「一度は迷惑かけてる自分が嫌になって離れようとしましたけど、プロデューサーさんが止めてくれました」
愛「あたしが必要だから、ずっといればいいって言ってくれました」
愛「だから、美希センパイには悪いけど……あたし、プロデューサーさんだけは譲れません!」
美希「………………」
愛「………………」
うう、沈黙が怖いよう……
美希センパイ、何か言ってくれないかなあ。
美希「……愛」
愛「はいっ!?」
317 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:23:54.12 ID:92pqCloh0
美希「ハニーは……愛に告白したの?」
愛「は、はいっ。好きって言ってもらえました」
美希「……そのときハニー……ミキのこと、何か言ってた?」
愛「え? あ……」
1つだけ、ありました。
でも、これは……
美希「言って。そうでないと、ミキ……」
愛「…………」
『俺は美希が好きなわけじゃない。あいつは俺が面倒を見てるアイドル、それだけだよ』
美希「……そう、なんだ。あは、アハハハハ」
愛「美希センパイ!?」
愛「は、はいっ。好きって言ってもらえました」
美希「……そのときハニー……ミキのこと、何か言ってた?」
愛「え? あ……」
1つだけ、ありました。
でも、これは……
美希「言って。そうでないと、ミキ……」
愛「…………」
『俺は美希が好きなわけじゃない。あいつは俺が面倒を見てるアイドル、それだけだよ』
美希「……そう、なんだ。あは、アハハハハ」
愛「美希センパイ!?」
327 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:28:38.88 ID:92pqCloh0
美希「ミキ、バッカみたい……一人でその気になって、ハニーの奥さん気取って」
美希「もう、サイアク……ひくっ、えぐっ……」
愛「……美希センパイ」
美希センパイみたいに強気に生きてる人でも、やっぱり悲しいと泣いちゃうんだ。
その美希センパイを泣かせたのは……あたしなんですね。
愛「……ごめんなさい」
美希「あっ、謝るくらいならするなって、ひっく、言ったのに……愛の、バカァ……ぐすっ……」
愛「美希センパイ」
美希「うぐっ……ちょっと、一人にして……お願い」
愛「でもあたし、今の美希センパイを……」
美希「だいじょうぶ……死んだりしないから。ね……?」
愛「…………はい」
美希「もう、サイアク……ひくっ、えぐっ……」
愛「……美希センパイ」
美希センパイみたいに強気に生きてる人でも、やっぱり悲しいと泣いちゃうんだ。
その美希センパイを泣かせたのは……あたしなんですね。
愛「……ごめんなさい」
美希「あっ、謝るくらいならするなって、ひっく、言ったのに……愛の、バカァ……ぐすっ……」
愛「美希センパイ」
美希「うぐっ……ちょっと、一人にして……お願い」
愛「でもあたし、今の美希センパイを……」
美希「だいじょうぶ……死んだりしないから。ね……?」
愛「…………はい」
331 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:34:31.30 ID:92pqCloh0
外に出ると、プロデューサーさん……だけじゃなくて、765プロのセンパイ達も集まってました。
それに、事務の人も、765プロの社長さんも。
P「……お、おかえり。ケガは無いか? 刺されてないか?」
愛「はい、平気ですっ! 無事に帰ってきましたー!」
真「あぁー、良かった……」
愛「……なんで真さんや、他のみんながいるんですか?」
真「気になって戻ってきちゃったよ。美希は美希で、なんか思いつめてる様子だったし」
伊織「仕事が終わって事務所に戻ったら、なんか大変なことになってたんだもの」
やよい「うっうー! 二人が付き合ってるって聞いてびっくりしました!」
愛「……え? どうして知ってるんですか?」
P「……すまん、愛ちゃん。追及に耐えきれず……」
愛「えぇっ!?」
なんでプロデューサーさんから喋っちゃうんですか! さっきバレたらクビって話したとこなのに!
社長やまなみさん相手ならともかく……そんなにポンポン喋ってたらスキャンダルになっちゃいますよ!
それに、事務の人も、765プロの社長さんも。
P「……お、おかえり。ケガは無いか? 刺されてないか?」
愛「はい、平気ですっ! 無事に帰ってきましたー!」
真「あぁー、良かった……」
愛「……なんで真さんや、他のみんながいるんですか?」
真「気になって戻ってきちゃったよ。美希は美希で、なんか思いつめてる様子だったし」
伊織「仕事が終わって事務所に戻ったら、なんか大変なことになってたんだもの」
やよい「うっうー! 二人が付き合ってるって聞いてびっくりしました!」
愛「……え? どうして知ってるんですか?」
P「……すまん、愛ちゃん。追及に耐えきれず……」
愛「えぇっ!?」
なんでプロデューサーさんから喋っちゃうんですか! さっきバレたらクビって話したとこなのに!
社長やまなみさん相手ならともかく……そんなにポンポン喋ってたらスキャンダルになっちゃいますよ!
334 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:38:19.58 ID:92pqCloh0
春香「美希、大丈夫かなぁ」
千早「美希のプロデューサーへの依存は相当なものだったから、心配ね……」
愛「あ……あたしのせい、ですよね……」
律子「……そんなことはないわ」
貴音「ええ。あなたが良心に苛まれる必要はありません。この勝負を判定したのはプロデューサーです」
愛「あっ、貴音さん……」
貴音「プロデューサーが星井美希ではなく日高愛を選択したのです。誇りこそすれ、責められる謂われなどありましょうか」
愛「でも、あたし……」
その時……再び、仮眠室のドアが開きました。
千早「美希のプロデューサーへの依存は相当なものだったから、心配ね……」
愛「あ……あたしのせい、ですよね……」
律子「……そんなことはないわ」
貴音「ええ。あなたが良心に苛まれる必要はありません。この勝負を判定したのはプロデューサーです」
愛「あっ、貴音さん……」
貴音「プロデューサーが星井美希ではなく日高愛を選択したのです。誇りこそすれ、責められる謂われなどありましょうか」
愛「でも、あたし……」
その時……再び、仮眠室のドアが開きました。
339 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:41:52.94 ID:92pqCloh0
美希「……愛。ミキ、大丈夫だよ」
愛「美希センパイ!」
良かった、美希センパイ……
あんなこと言ってたけど、ほんとは死んじゃうんじゃないかって、あたし、あたし……!
愛「う、ううっ……うぇ、えぇぇぇぇぇん」
美希「あはっ、なんで泣くの……泣きたいのはミキの方なの」
響「美希! お、お前……ひどい顔だぞ!」
あずさ「あらあら~、綺麗な顔が台無しよ~?」
亜美「ミキミキ、そんなのでトップアイドルになれんの→?」
P「お、おいお前達……なんてこと言うんだ!?」
愛「美希センパイ!」
良かった、美希センパイ……
あんなこと言ってたけど、ほんとは死んじゃうんじゃないかって、あたし、あたし……!
愛「う、ううっ……うぇ、えぇぇぇぇぇん」
美希「あはっ、なんで泣くの……泣きたいのはミキの方なの」
響「美希! お、お前……ひどい顔だぞ!」
あずさ「あらあら~、綺麗な顔が台無しよ~?」
亜美「ミキミキ、そんなのでトップアイドルになれんの→?」
P「お、おいお前達……なんてこと言うんだ!?」
341 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:45:56.21 ID:92pqCloh0
765プロの皆さんが、美希センパイを囲んで……すごく簡単に言うと、バカにしてます。
でも、今の美希センパイにそんなこと言ったら……
美希「……みんな、ありがとなの」
愛「…………え?」
真「へへっ。プロデューサーにべったりじゃなくても生きていけそう?」
伊織「凹んだくらいでレッスンが疎かになるようじゃ、アイドルとしてオシマイなんだからね!」
美希「大丈夫なの! でも響、ひどい顔は言い過ぎだってミキ思うな」
響「な……なんくるないさー!」
……そっか。これがあの有名な、765プロの『団結』なんですね。
失恋したら……優しい言葉をかけるだけじゃ立ち直れないって、みんな知ってるんだ。
こういうとこ、あたし達はまだまだダメだなぁ……
P「……そういうことだったのか」
愛「プロデューサーさん……輪に入れてないですよ」
P「男には分からないモノもあるんだよ……」
でも、今の美希センパイにそんなこと言ったら……
美希「……みんな、ありがとなの」
愛「…………え?」
真「へへっ。プロデューサーにべったりじゃなくても生きていけそう?」
伊織「凹んだくらいでレッスンが疎かになるようじゃ、アイドルとしてオシマイなんだからね!」
美希「大丈夫なの! でも響、ひどい顔は言い過ぎだってミキ思うな」
響「な……なんくるないさー!」
……そっか。これがあの有名な、765プロの『団結』なんですね。
失恋したら……優しい言葉をかけるだけじゃ立ち直れないって、みんな知ってるんだ。
こういうとこ、あたし達はまだまだダメだなぁ……
P「……そういうことだったのか」
愛「プロデューサーさん……輪に入れてないですよ」
P「男には分からないモノもあるんだよ……」
342 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:47:59.60 ID:92pqCloh0
美希「ねぇ、愛」
愛「はいっ」
美希「ぜったいに、ハニーと別れたりしないでね。別れたら、ミキが貰っちゃうから」
愛「わっ、わかりましたっ!」
美希「ハニ……プロデューサー!」
P「はい!」
美希「この子にもしも飽きたら、すぐに呼び出してね?」
P「そ、そんなところで持ち歌を使うな!」
美希「私のものにならなくていい、そばにいるだけでいい……」
P「や……やめろ!」
美希センパイ。元気なフリしてるけど、強がってるだけです。
あたし、ぜったいプロデューサーさんと幸せになります。美希センパイの分まで……
愛「はいっ」
美希「ぜったいに、ハニーと別れたりしないでね。別れたら、ミキが貰っちゃうから」
愛「わっ、わかりましたっ!」
美希「ハニ……プロデューサー!」
P「はい!」
美希「この子にもしも飽きたら、すぐに呼び出してね?」
P「そ、そんなところで持ち歌を使うな!」
美希「私のものにならなくていい、そばにいるだけでいい……」
P「や……やめろ!」
美希センパイ。元気なフリしてるけど、強がってるだけです。
あたし、ぜったいプロデューサーさんと幸せになります。美希センパイの分まで……
344 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:50:50.98 ID:92pqCloh0
【プロデューサーの部屋】
P「今日は大変な1日だったな……」
愛「はいっ。でも、事務所のみんなに認めてもらえて良かったです!」
P「特に……美希にな」
愛「……はい! そ、それでプロデューサーさん」
P「なんだ?」
愛「約束。覚えてますか?」
P「約束?」
愛「美希センパイと話す前に言った、アレです!」
P「アレ…………あっ」
『それより、無事に帰ってこられたら……キスしてくださいね!』
P「今日は大変な1日だったな……」
愛「はいっ。でも、事務所のみんなに認めてもらえて良かったです!」
P「特に……美希にな」
愛「……はい! そ、それでプロデューサーさん」
P「なんだ?」
愛「約束。覚えてますか?」
P「約束?」
愛「美希センパイと話す前に言った、アレです!」
P「アレ…………あっ」
『それより、無事に帰ってこられたら……キスしてくださいね!』
346 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:53:37.04 ID:92pqCloh0
愛「あれ、無かったことにしてください!」
P「はっ!?」
愛「プロデューサーさんも、あたしみたいな子供にはそういうことしづらいだろうし。あたし、16歳になるまで待ちます!」
P「……愛ちゃん」
愛「あ、あたしはいいんです。ホントはしたいですけどガマンします!」
愛「それにもしかしたらプロデューサーさん、あたしに愛想が尽きて心変わりしちゃうかもしれないし……」
愛「だからプロデューサーさん。これからは……んんっ!?」
………………
…………
……
P「はっ!?」
愛「プロデューサーさんも、あたしみたいな子供にはそういうことしづらいだろうし。あたし、16歳になるまで待ちます!」
P「……愛ちゃん」
愛「あ、あたしはいいんです。ホントはしたいですけどガマンします!」
愛「それにもしかしたらプロデューサーさん、あたしに愛想が尽きて心変わりしちゃうかもしれないし……」
愛「だからプロデューサーさん。これからは……んんっ!?」
………………
…………
……
347 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:55:08.74 ID:aXnY14le0
通報した
351 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:55:57.61 ID:tYjZ/uw/0
おまわりさんこちらです
354 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:56:35.86 ID:92pqCloh0
P「……心変わりなんか、するわけないだろ」
愛「そっ、そうですかっ? ふっ、ふひひひっ……」
P「愛ちゃん愛ちゃん、アイドルにあるまじき顔になってる!」
き、キスしちゃった……!
しかもあたしからじゃなくて、プロデューサーさんから!
だ、だめだよぉ。だめなのに、ニヤニヤしちゃうよぉ……
愛「えへ……大好き、プロデューサーさんっ」
P「んぐっ!?」
今度はあたしから、お返しのキス。
難しいキスの仕方とかは分からないから、唇を重ねるだけの簡単なキス。
これだけでもあたし、プロデューサーさんと繋がってるって思えるから……
愛「そっ、そうですかっ? ふっ、ふひひひっ……」
P「愛ちゃん愛ちゃん、アイドルにあるまじき顔になってる!」
き、キスしちゃった……!
しかもあたしからじゃなくて、プロデューサーさんから!
だ、だめだよぉ。だめなのに、ニヤニヤしちゃうよぉ……
愛「えへ……大好き、プロデューサーさんっ」
P「んぐっ!?」
今度はあたしから、お返しのキス。
難しいキスの仕方とかは分からないから、唇を重ねるだけの簡単なキス。
これだけでもあたし、プロデューサーさんと繋がってるって思えるから……
355 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:56:49.66 ID:oVzJCuWd0
おまわりさん・・・いや、幸せそうだしいいか
358 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:59:12.33 ID:h2UY2wHr0
おまわりさんこっちじゃなかったあっちです
360 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 22:59:43.89 ID:92pqCloh0
P「……むぐ」
愛「ぷは! い、息ができないですっ!」
P「……鼻ですればいいだろ?」
愛「あっ、そっか。あたしバカだなぁ……」
P「……ところでさっき、何言おうとしたんだ? 『これからは』って」
愛「あ、それは……キスもしないのなら『これからは別々のお布団で寝ましょう』って」
P「はい却下ー」
愛「……えっ」
P「愛ちゃんは俺の嫁なんだから、同じ布団で寝ないのはおかしい」
愛「あ、あれ? プロデューサーさん?」
な、なんかプロデューサーさん、目が据わってますよ?
あたし、何か変なスイッチ踏んじゃった!?
愛「ぷは! い、息ができないですっ!」
P「……鼻ですればいいだろ?」
愛「あっ、そっか。あたしバカだなぁ……」
P「……ところでさっき、何言おうとしたんだ? 『これからは』って」
愛「あ、それは……キスもしないのなら『これからは別々のお布団で寝ましょう』って」
P「はい却下ー」
愛「……えっ」
P「愛ちゃんは俺の嫁なんだから、同じ布団で寝ないのはおかしい」
愛「あ、あれ? プロデューサーさん?」
な、なんかプロデューサーさん、目が据わってますよ?
あたし、何か変なスイッチ踏んじゃった!?
361 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 23:00:21.08 ID:oVzJCuWd0
やっぱり言うか
おまわりさんこの糞野郎です
おまわりさんこの糞野郎です
362 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 23:00:48.90 ID:pGMX299p0
おまわりさん あっちじゃなかった やっぱこっちです
370 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 23:03:13.04 ID:92pqCloh0
その夜。
いつものように、プロデューサーさんと一緒にお布団に入ったんですけど……
P「愛ちゃん。かわいい、かわいいよ」
愛「う、うう……」
P「愛ちゃんはかわいい」
愛「わかりましたからぁ……」
P「キスしたい」
愛「は、はい。んっ……もう、プロデューサーさんっ」
あの時から、すっかりプロデューサーさんがおかしくなっちゃいました。
特にお布団に入ってからはずっと、かわいいって言われて、抱きしめられて、キスされて……
ぜ、ぜんぜん悪い気はしないんですけどね。
むしろ嬉しいっていうか! もっとして欲しいっていうか!
いつものように、プロデューサーさんと一緒にお布団に入ったんですけど……
P「愛ちゃん。かわいい、かわいいよ」
愛「う、うう……」
P「愛ちゃんはかわいい」
愛「わかりましたからぁ……」
P「キスしたい」
愛「は、はい。んっ……もう、プロデューサーさんっ」
あの時から、すっかりプロデューサーさんがおかしくなっちゃいました。
特にお布団に入ってからはずっと、かわいいって言われて、抱きしめられて、キスされて……
ぜ、ぜんぜん悪い気はしないんですけどね。
むしろ嬉しいっていうか! もっとして欲しいっていうか!
377 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 23:08:19.18 ID:92pqCloh0
愛「プロデューサーさん……こ、これ以上はダメですよっ!」
P「16歳になるまで?」
愛「そうです! そ、その代わり……」
P「その代わり?」
愛「……今日は、いっぱいキスしていいです。何回でも、どこにでも」
P「へぇ……キスして『いいです』?」
愛「……うう。キスして、ください! あたしだってガマンしてたんですからっ!」
P「ごめんごめん。それじゃ、朝まで……する?」
愛「……はいっ! いっぱいしましょう!」
……最初は、ただの映画の練習でした。でもその練習で、プロデューサーさんに会って、一緒に過ごして……
ようやく、分かったんです。恋愛も、同棲も……幸せも!
プロデューサーさんのお嫁さんになって、プロデューサーさんと一緒にいられて……
愛「あたし……ホントに幸せだよー!」
終わりだよー!
P「16歳になるまで?」
愛「そうです! そ、その代わり……」
P「その代わり?」
愛「……今日は、いっぱいキスしていいです。何回でも、どこにでも」
P「へぇ……キスして『いいです』?」
愛「……うう。キスして、ください! あたしだってガマンしてたんですからっ!」
P「ごめんごめん。それじゃ、朝まで……する?」
愛「……はいっ! いっぱいしましょう!」
……最初は、ただの映画の練習でした。でもその練習で、プロデューサーさんに会って、一緒に過ごして……
ようやく、分かったんです。恋愛も、同棲も……幸せも!
プロデューサーさんのお嫁さんになって、プロデューサーさんと一緒にいられて……
愛「あたし……ホントに幸せだよー!」
終わりだよー!
378 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 23:08:48.57 ID:aBpebQqO0
乙だよー!
381 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 23:09:21.85 ID:h2UY2wHr0
乙だよーーーーー!
387 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 23:10:36.28 ID:YzGRHZ260
乙だよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
392 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 23:11:35.94 ID:92pqCloh0
悲しいのは、俺が美希以外の女の子をメインに書くとほぼ確実に美希が不幸になるということ
この間書いた響とPが沖縄行くやつもそうなったしな……
この間書いた響とPが沖縄行くやつもそうなったしな……
393 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/20(月) 23:12:00.45 ID:bsLZGowV0
乙なの……だよーーー!
Entry ⇒ 2012.03.01 | Category ⇒ アイマスSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
京子「今日はテレビゲームをするぞ!」 結衣「え?」
元スレ:京子「今日はテレビゲームをするぞ!」 結衣「え?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329223259/
あかり「やった!名古屋についたあ!」
京子「ぬわあ!あとちょっとだったのに~」
結衣「おめでとうあかり。でも油断はするなよ?」
あかり「えへへ・・・ありがとう結衣ちゃん」
ちなつ「・・・」
結衣(ちなつちゃんが気になるな・・・さっきからカードマスにばかり止まっている・・・)
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1329223259/
1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 21:40:59.62 ID:8KmgC4LO0
結衣「・・・部室にテレビゲームなんかないぞ?」
ちなつ「そうですよ!急に何を言い出すんですか?まあいつものことですけど・・・」
あかり「でも楽しそうだなぁ~ あかり、なもクエやりたーい!」
京子「結衣の家に行くぞー!」
結衣「やっぱりかよ!」
ちなつ「結衣先輩のお家・・・!」ワクワク
ちなつ「そうですよ!急に何を言い出すんですか?まあいつものことですけど・・・」
あかり「でも楽しそうだなぁ~ あかり、なもクエやりたーい!」
京子「結衣の家に行くぞー!」
結衣「やっぱりかよ!」
ちなつ「結衣先輩のお家・・・!」ワクワク
2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 21:45:49.71 ID:8KmgC4LO0
少女移動中・・・・・・・
あかり「楽しみだね~」
ちなつ「ところで京子先輩、何のゲームをするんですか?」
京子「それはついてからのお楽しみ~」
結衣「変なゲームじゃないよな?」
あかり「楽しみだね~」
ちなつ「ところで京子先輩、何のゲームをするんですか?」
京子「それはついてからのお楽しみ~」
結衣「変なゲームじゃないよな?」
3 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 21:51:39.64 ID:8KmgC4LO0
ちなつ「あれ?こんなとこにスーパーなんてありましたっけ?」
結衣「ああ。最近できたスーパーだよ。今開店セール中で安いんだ。お菓子でも買ってく?」
京子「お!いいねぇ!さっすが結衣様!」
結衣「誰が結衣様だ」
結衣「ああ。最近できたスーパーだよ。今開店セール中で安いんだ。お菓子でも買ってく?」
京子「お!いいねぇ!さっすが結衣様!」
結衣「誰が結衣様だ」
4 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 21:57:20.66 ID:8KmgC4LO0
地獄ストアー
京子「すごい名前だな・・・」
あかり「いもチップス買おうっと」ウスシオー
ちなつ「私は結衣先輩と同じやつにしようっと!」
京子「ラムレーズン♪」ドサドサ
結衣「こんなにたくさん持ってくるなよ!」
京子「すごい名前だな・・・」
あかり「いもチップス買おうっと」ウスシオー
ちなつ「私は結衣先輩と同じやつにしようっと!」
京子「ラムレーズン♪」ドサドサ
結衣「こんなにたくさん持ってくるなよ!」
7 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 22:02:37.84 ID:8KmgC4LO0
アリアヤシター
京子「ふんふ~ん♪」
結衣「結局大量のラムレーズン・・・」
京子「そんなに怒るなよ~」
結衣「お前のラムレーズンで、うちの冷凍庫が圧迫されるんだよ!自分家に持って帰れよ!」
ちなつ「そうですよ!京子先輩、あまり私の結衣先輩に迷惑かけちゃだめですよぅ!」
結衣(いつのまに私はちなつちゃんの所有物に・・・)
京子「ふんふ~ん♪」
結衣「結局大量のラムレーズン・・・」
京子「そんなに怒るなよ~」
結衣「お前のラムレーズンで、うちの冷凍庫が圧迫されるんだよ!自分家に持って帰れよ!」
ちなつ「そうですよ!京子先輩、あまり私の結衣先輩に迷惑かけちゃだめですよぅ!」
結衣(いつのまに私はちなつちゃんの所有物に・・・)
10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 22:10:16.71 ID:8KmgC4LO0
京子「いいじゃん~結衣の家にはちょくちょく行くんだしー」
ちなつ「なんですって!?今のセリフは聞き捨てなりませんよ京子先輩! どういうことですか結衣先輩!」
結衣「え!?あぁ~・・・まあ、ほぼ毎日きてるな・・・休日は絶対に来るし・・・
急に同人誌の原稿を手伝ってほしい、って押しかけてきたりしたこともあったな・・・」
ちなつ「キィーーーー!なんてうらやましい!私も結衣先輩の家におしかけてもいいですか?」
結衣「えぇ!?・・・まぁいいけど・・・(これから大変そうだ・・・)」
京子「ちなちゅちゃんは是非とも私の家に!」
ちなつ「お断りします」キッパリ
京子「orz」
あかり「げ、元気だして・・・」
ちなつ「なんですって!?今のセリフは聞き捨てなりませんよ京子先輩! どういうことですか結衣先輩!」
結衣「え!?あぁ~・・・まあ、ほぼ毎日きてるな・・・休日は絶対に来るし・・・
急に同人誌の原稿を手伝ってほしい、って押しかけてきたりしたこともあったな・・・」
ちなつ「キィーーーー!なんてうらやましい!私も結衣先輩の家におしかけてもいいですか?」
結衣「えぇ!?・・・まぁいいけど・・・(これから大変そうだ・・・)」
京子「ちなちゅちゃんは是非とも私の家に!」
ちなつ「お断りします」キッパリ
京子「orz」
あかり「げ、元気だして・・・」
12 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 22:15:52.18 ID:8KmgC4LO0
ゆいのおうち
京子「とうちゃーく!」
結衣「よいしょ・・・っと」
京子「じゃあ早速プレイするぞー!」
あかり「京子ちゃん。いったい何のゲームをするの?」
京子「ふっふっふ・・・これだっ!!」ジャーン
京子「とうちゃーく!」
結衣「よいしょ・・・っと」
京子「じゃあ早速プレイするぞー!」
あかり「京子ちゃん。いったい何のゲームをするの?」
京子「ふっふっふ・・・これだっ!!」ジャーン
15 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 22:20:53.03 ID:8KmgC4LO0
ちなつ「マリオカートですか?」
京子「ちょうど4人いることだし、これで対戦だ!」
あかり「わぁ~い面白そう!」
京子「もちろん普通に対戦しても面白いが・・・もっと面白くするために罰ゲームを用意しました!」メダチタガール
結衣「その箱まだあったのか」
京子「最下位は中にある紙をひいて、書いてある内容を実行すること!」
「始めるぞー!」
京子「ちょうど4人いることだし、これで対戦だ!」
あかり「わぁ~い面白そう!」
京子「もちろん普通に対戦しても面白いが・・・もっと面白くするために罰ゲームを用意しました!」メダチタガール
結衣「その箱まだあったのか」
京子「最下位は中にある紙をひいて、書いてある内容を実行すること!」
「始めるぞー!」
18 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 22:26:20.71 ID:8KmgC4LO0
ウィーン カチッ ニーンテンドーイヤッフゥー!
キャラクター選択中・・・・・・・
ちなつ「私はピーチにしようっと」
京子「結衣はやっぱりクッパかドンキー?」ニヤニヤ
結衣「どんなイメージだよ!・・・ヨッシーにしよう」
京子「じゃあ私はキノピオ!」
あかり(あかりはマリオにしようかなぁ~やっぱり、あの存在感にはあこがれるよね!うん!マリオにしよう!)
ちなつ「すみません結衣先輩、ちょっとトイレ借りますね」ドンッ
あかり「あうっ」ズルッポチッ
京子「お?全員決まったな?じゃあコース選択に進むか」
あかり「あっ・・・ちょ・・・」
京子「あかりはルイージかぁ~イメージ通りだな!」
結衣(あかり・・・不憫な子・・・)
キャラクター選択中・・・・・・・
ちなつ「私はピーチにしようっと」
京子「結衣はやっぱりクッパかドンキー?」ニヤニヤ
結衣「どんなイメージだよ!・・・ヨッシーにしよう」
京子「じゃあ私はキノピオ!」
あかり(あかりはマリオにしようかなぁ~やっぱり、あの存在感にはあこがれるよね!うん!マリオにしよう!)
ちなつ「すみません結衣先輩、ちょっとトイレ借りますね」ドンッ
あかり「あうっ」ズルッポチッ
京子「お?全員決まったな?じゃあコース選択に進むか」
あかり「あっ・・・ちょ・・・」
京子「あかりはルイージかぁ~イメージ通りだな!」
結衣(あかり・・・不憫な子・・・)
20 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 22:31:48.97 ID:8KmgC4LO0
京子「4コースの合計得点で勝負な!」
ブオーンキキードカーン
京子「結衣がすごいうまい・・・」
結衣「お前にだけは負けたくないからな」
ちなつ「結衣先輩・・・ステキです!」
あかり「みんな待ってよぉ~」
ブオーンキキードカーン
京子「結衣がすごいうまい・・・」
結衣「お前にだけは負けたくないからな」
ちなつ「結衣先輩・・・ステキです!」
あかり「みんな待ってよぉ~」
22 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 22:37:50.48 ID:8KmgC4LO0
京子と結衣による猛烈な1位争い!
虎視眈々とチャンスを窺いつつ、つかず離れずの3位をキープするチーナ!
一方、われらが主役のあかりは!!!
あかり「みんな速いなー」
5位やら6位やら微妙な順位ををうろうろしていた!
京子「喰らえ結衣っ!赤コウラ!」
結衣「うわぁ!?やられた!」
ちなつ「結衣先輩の仇! 3連赤コウラ!」
京子「おぅあ!わざと止まってまで当てにくるとは・・・」
ちなつ「ふふふふふ・・・」
結衣「(ちなつちゃん黒いな)・・・あ、しまった落ちた!」
虎視眈々とチャンスを窺いつつ、つかず離れずの3位をキープするチーナ!
一方、われらが主役のあかりは!!!
あかり「みんな速いなー」
5位やら6位やら微妙な順位ををうろうろしていた!
京子「喰らえ結衣っ!赤コウラ!」
結衣「うわぁ!?やられた!」
ちなつ「結衣先輩の仇! 3連赤コウラ!」
京子「おぅあ!わざと止まってまで当てにくるとは・・・」
ちなつ「ふふふふふ・・・」
結衣「(ちなつちゃん黒いな)・・・あ、しまった落ちた!」
24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 22:43:16.17 ID:8KmgC4LO0
あかり「やったーゴールだー」
ち京結「!?」
京子「いつのまに・・・」
結衣「全く気づかなかった・・・」
ちなつ「存在感の無さはゲームでも健在・・・?」
あかり「違うよ!? 3人がケンカしてる間に横通ったよ!?」プンスカ
結衣「これで4コース終わったな」
京子「最終結果はどうなった?」
ち京結「!?」
京子「いつのまに・・・」
結衣「全く気づかなかった・・・」
ちなつ「存在感の無さはゲームでも健在・・・?」
あかり「違うよ!? 3人がケンカしてる間に横通ったよ!?」プンスカ
結衣「これで4コース終わったな」
京子「最終結果はどうなった?」
26 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 22:45:09.52 ID:sGDDBA/g0
あかりちゃんなら常時テレサとか引けそうだな
27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 22:49:39.35 ID:8KmgC4LO0
結衣 1位
京子 2位
あかり3位
ちなつ4位
ちなつ「私が最下位ですか!?」
結衣「最後にあかりが逆転勝ちしたからね」
ちなつ「うぅ・・・」
京子「結衣に負けるとは・・・」
あかり「でも京子ちゃんもすごくうまかったよ?」
京子「あかりはいい子だなぁ~」ナデナデ
あかり「えへへ」
京子 2位
あかり3位
ちなつ4位
ちなつ「私が最下位ですか!?」
結衣「最後にあかりが逆転勝ちしたからね」
ちなつ「うぅ・・・」
京子「結衣に負けるとは・・・」
あかり「でも京子ちゃんもすごくうまかったよ?」
京子「あかりはいい子だなぁ~」ナデナデ
あかり「えへへ」
28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 22:55:22.33 ID:8KmgC4LO0
京子「じゃあちなつちゃん!1枚ひいて!」
ちなつ「しょうがないですね・・・」シブシブ
あかり「何が書いてあるんだろうね~」
結衣「まあみんなのモラル次第だな」
あかり「?」
罰ゲーム内容>>30
ちなつ「しょうがないですね・・・」シブシブ
あかり「何が書いてあるんだろうね~」
結衣「まあみんなのモラル次第だな」
あかり「?」
罰ゲーム内容>>30
30 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 22:56:17.19 ID:kdT9nHDR0
くすぐられる
31 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 23:02:25.01 ID:8KmgC4LO0
ちなつ「『くすぐられる』?」
京子「よっしゃ!みんなちなつちゃんをくすぐれ!」モニュ
ちなつ「きゃああああ!?ドコ触ってるんですか京子先輩!」
結衣「おいコラ」ガスッ
京子「いてっ なにするんだよぉ~」
結衣「普通にくすぐれよ」
ちなつ「でもぉ、結衣先輩になら、私・・・どこくすぐられてもいいですよ?」
京子「なっ・・・!」
結衣「ええっと・・・」
あかり「えいっえいっ」コチョコチョ
京子「よっしゃ!みんなちなつちゃんをくすぐれ!」モニュ
ちなつ「きゃああああ!?ドコ触ってるんですか京子先輩!」
結衣「おいコラ」ガスッ
京子「いてっ なにするんだよぉ~」
結衣「普通にくすぐれよ」
ちなつ「でもぉ、結衣先輩になら、私・・・どこくすぐられてもいいですよ?」
京子「なっ・・・!」
結衣「ええっと・・・」
あかり「えいっえいっ」コチョコチョ
35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 23:07:56.49 ID:8KmgC4LO0
あかり(全然きいてない・・・)
ちなつ「結衣先輩はやく~」
京子「雌豹のポーズ・・・だと・・・」
結衣「・・・じゃあ失礼して・・・」コチョコチョ
ちなつ「ひゃんっ!!・・・んっ・・・やんっ!・・・結衣先輩、手つきがいやらしいですよぅ・・・///」
結衣「ごめんちなつちゃん///そういうつもりは無いんだけど///」
京子「ぐぬぬ・・・」
あかり(あれ?あかりがくすぐったときは無反応だったのに・・・)
ちなつ「結衣先輩はやく~」
京子「雌豹のポーズ・・・だと・・・」
結衣「・・・じゃあ失礼して・・・」コチョコチョ
ちなつ「ひゃんっ!!・・・んっ・・・やんっ!・・・結衣先輩、手つきがいやらしいですよぅ・・・///」
結衣「ごめんちなつちゃん///そういうつもりは無いんだけど///」
京子「ぐぬぬ・・・」
あかり(あれ?あかりがくすぐったときは無反応だったのに・・・)
36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 23:12:48.59 ID:8KmgC4LO0
ちなつ「ハァ・・・ハァ・・・///」
結衣(つい夢中になってしまった・・・///)
京子「くそう・・・ 気を取り直して次のゲームだ!」
あかり「京子ちゃん、こんどは何をするの?」
京子「これだっ!」テッテレー
結衣(つい夢中になってしまった・・・///)
京子「くそう・・・ 気を取り直して次のゲームだ!」
あかり「京子ちゃん、こんどは何をするの?」
京子「これだっ!」テッテレー
38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 23:19:16.56 ID:8KmgC4LO0
結衣「桃鉄か」
あかり「あかりは初めてやるゲームだなー」
ちなつ「私はやったことありますよ」
あかり「どんなゲームなの?」
ちなつ「えっとねー。他人を蹴落としてお金を集めるゲームだよ」
あかり「えぇっ!?」
結衣「いやちょっと違うぞ!?」
あかり「あかりは初めてやるゲームだなー」
ちなつ「私はやったことありますよ」
あかり「どんなゲームなの?」
ちなつ「えっとねー。他人を蹴落としてお金を集めるゲームだよ」
あかり「えぇっ!?」
結衣「いやちょっと違うぞ!?」
37 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 23:15:56.57 ID:t6qnCnlj0
あかりに罰ゲームがきますように・・・
41 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 23:24:31.44 ID:8KmgC4LO0
京子「まあスゴロクみたいなもんだよ サイコロ振って、目的地を目指す。目的地についたらお金がたくさんもらえる!」
結衣「お金で物件を買って・・・まあ、スゴロクと経営シュミレーションを混ぜたようなゲームだよ」
あかり「へえ・・・なんか難しそうだねぇ・・・あかり、うまくできるかなぁ?」
京子「大丈夫大丈夫!とにかくやろうぜ!習うより慣れろって言うじゃん!」
ちなつ「今度は罰ゲームにならないように頑張ります!」
あかり(>>37さんの思惑通りにならないように頑張ろうっと!)
結衣「お金で物件を買って・・・まあ、スゴロクと経営シュミレーションを混ぜたようなゲームだよ」
あかり「へえ・・・なんか難しそうだねぇ・・・あかり、うまくできるかなぁ?」
京子「大丈夫大丈夫!とにかくやろうぜ!習うより慣れろって言うじゃん!」
ちなつ「今度は罰ゲームにならないように頑張ります!」
あかり(>>37さんの思惑通りにならないように頑張ろうっと!)
44 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 23:30:18.54 ID:8KmgC4LO0
京子「よし、じゃあ99年で・・・」
結衣「おいコラ」
ちなつ「5年勝負で、資産の一番多かった人の勝ちですよ~」
シャチョウノミナサン! スミヨイニホンヲウンタラカンタラ~
あかり「社長になれるんだね~なんかえらくなった気分!」
サイショノモクテキチハ・・・ナゴヤデス!
結衣「名古屋か。けっこう近いな」
京子「手羽先食べた~い!」
結衣「おいコラ」
ちなつ「5年勝負で、資産の一番多かった人の勝ちですよ~」
シャチョウノミナサン! スミヨイニホンヲウンタラカンタラ~
あかり「社長になれるんだね~なんかえらくなった気分!」
サイショノモクテキチハ・・・ナゴヤデス!
結衣「名古屋か。けっこう近いな」
京子「手羽先食べた~い!」
46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 23:35:34.31 ID:8KmgC4LO0
あかり「いろんな色のマスがあるね~」
結衣「青はお金が貰えるマス。赤はお金を取られるマス。黄色はカードが貰えるマスだよ」
京子「地名が書いてあるのは物件マス!物件を買えるんだよ。物件があると1年ごとに収益としてお金が貰えるよ。」
ちなつ「でも今はみんなあんまりお金持ってないから、今は止まらない方がいいかもね」
あかり「へぇ~ なるほど・・・ありがとう!」
結衣「青はお金が貰えるマス。赤はお金を取られるマス。黄色はカードが貰えるマスだよ」
京子「地名が書いてあるのは物件マス!物件を買えるんだよ。物件があると1年ごとに収益としてお金が貰えるよ。」
ちなつ「でも今はみんなあんまりお金持ってないから、今は止まらない方がいいかもね」
あかり「へぇ~ なるほど・・・ありがとう!」
47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 23:41:35.97 ID:8KmgC4LO0
あかり「やった!名古屋についたあ!」
京子「ぬわあ!あとちょっとだったのに~」
結衣「おめでとうあかり。でも油断はするなよ?」
あかり「えへへ・・・ありがとう結衣ちゃん」
ちなつ「・・・」
結衣(ちなつちゃんが気になるな・・・さっきからカードマスにばかり止まっている・・・)
49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 23:46:20.08 ID:kmT1vR9/0
ちーなガチだな
50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 23:46:49.83 ID:8KmgC4LO0
アカリシャチョウ オメデトウゴザイマス! ココデイチバン トオカッタ チナツシャチョウ ニハ ビンボウガミ ガツキマース!
あかり「あれ?これは何?」
結衣「ああ。貧乏神だよ。一番目的地から遠かった人につくペナルティだ。毎ターン、何かしら悪さをしていくんだ」
京子「でもほかの人になすりつけることもできるから注意したほうがいいよ」
あかり「へぇ~可愛い顔して、いじわるなんだね~」
京結(可愛いかコレ!?)
あかり「あれ?これは何?」
結衣「ああ。貧乏神だよ。一番目的地から遠かった人につくペナルティだ。毎ターン、何かしら悪さをしていくんだ」
京子「でもほかの人になすりつけることもできるから注意したほうがいいよ」
あかり「へぇ~可愛い顔して、いじわるなんだね~」
京結(可愛いかコレ!?)
51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 23:52:00.16 ID:8KmgC4LO0
ちなつ「ふっふっふ・・・今です!」
ちなつ社長は 特急カードを使った! サイコロが3つになった!
京子「なにぃ!?」
結衣「このためにプラスマスに止まらず、カードマスにばかり止まっていたのか!」
ちなつ「京子先輩!プレゼントですよ!」
京子「やられた!」
あかり「ふぇ~ちなつちゃんすご~い」
ちなつ「桃鉄は頭脳戦なんだよ~」
ちなつ社長は 特急カードを使った! サイコロが3つになった!
京子「なにぃ!?」
結衣「このためにプラスマスに止まらず、カードマスにばかり止まっていたのか!」
ちなつ「京子先輩!プレゼントですよ!」
京子「やられた!」
あかり「ふぇ~ちなつちゃんすご~い」
ちなつ「桃鉄は頭脳戦なんだよ~」
52 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/14(火) 23:58:24.75 ID:8KmgC4LO0
京子「ぐぬぬ・・・」
結衣「ちなつちゃん・・・恐ろしい子!」
京子「くっ・・・こんな時にかぎってサイコロの目は小さいのしかでねぇ!」
結衣「あ~そんなもんだよな~」
貧乏神「京子社長の物件をポイッチョ!売るのねん!」
ちなつ「おーっほっほっほ!とどめの牛歩カードですよ!」
京子「うう・・・」
あかり「京子ちゃんが牛さんになっちゃった・・・」
結衣(ちなつちゃんガチだ・・・)
結衣「ちなつちゃん・・・恐ろしい子!」
京子「くっ・・・こんな時にかぎってサイコロの目は小さいのしかでねぇ!」
結衣「あ~そんなもんだよな~」
貧乏神「京子社長の物件をポイッチョ!売るのねん!」
ちなつ「おーっほっほっほ!とどめの牛歩カードですよ!」
京子「うう・・・」
あかり「京子ちゃんが牛さんになっちゃった・・・」
結衣(ちなつちゃんガチだ・・・)
53 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 00:03:14.67 ID:LeviQf2U0
あかり「あかりも頑張ろうーっと・・・」
結衣「まあ頑張れよ」
京子「まだチャンスはあると思いたい!」
途中経過
ちなつ1位
結衣 2位
あかり3位
京子 4位
結衣「まあ頑張れよ」
京子「まだチャンスはあると思いたい!」
途中経過
ちなつ1位
結衣 2位
あかり3位
京子 4位
55 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 00:09:27.10 ID:LeviQf2U0
チーナの圧倒的リード!このリードは揺らぐことは無いのか!?
ちなつ「喰らえ!冬眠カード!」
攻撃系のカードを多様し、トップを守るチーナ!
結衣「出雲買占めっと・・・これで3つ目か」
「水田買っておこうかな」
堅実に資産を増やしていく結衣!
あかり「わぁ~い目的地に到着!」
ちなつ「いつのまに!?」
結衣「ゲームでも存在感の(ry」
あかり「もう~ひどいよぉ~」プンスカ
われらが主人公のあかり!
京子「・・・」
ダークホース京子! 勝つのはいったい誰なのか!
ちなつ「喰らえ!冬眠カード!」
攻撃系のカードを多様し、トップを守るチーナ!
結衣「出雲買占めっと・・・これで3つ目か」
「水田買っておこうかな」
堅実に資産を増やしていく結衣!
あかり「わぁ~い目的地に到着!」
ちなつ「いつのまに!?」
結衣「ゲームでも存在感の(ry」
あかり「もう~ひどいよぉ~」プンスカ
われらが主人公のあかり!
京子「・・・」
ダークホース京子! 勝つのはいったい誰なのか!
58 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 00:14:23.40 ID:LeviQf2U0
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
キーングボンビー!
あかり「うわぁ!?何?なに?」
結衣「うお・・・キングボンビーか。こいつは貧乏神の凶悪なやつだよ。」
ちなつ「京子先輩、大丈夫ですか?」
京子「とりゃあ!!一発逆転してやるー!」
ちなつ「無理ですよ~さすがに総資産の差が大きすぎますもん」
京子「これにかける!ぶっとびカード!」
キーングボンビー!
あかり「うわぁ!?何?なに?」
結衣「うお・・・キングボンビーか。こいつは貧乏神の凶悪なやつだよ。」
ちなつ「京子先輩、大丈夫ですか?」
京子「とりゃあ!!一発逆転してやるー!」
ちなつ「無理ですよ~さすがに総資産の差が大きすぎますもん」
京子「これにかける!ぶっとびカード!」
61 >>59 ほのぼのですかね 2012/02/15(水) 00:20:07.53 ID:LeviQf2U0
ホールインワン!
ちなつ「う・・・うそ?」
結衣「な・・・うそだろ?」
京子「やった!」
あかり「京子ちゃんすごーい!」
京子「貧乏神地獄にさようなら~」
あかり「・・・ん!?あかりにキングボンビーがついてる!?」
ちなつ「う・・・うそ?」
結衣「な・・・うそだろ?」
京子「やった!」
あかり「京子ちゃんすごーい!」
京子「貧乏神地獄にさようなら~」
あかり「・・・ん!?あかりにキングボンビーがついてる!?」
64 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 00:25:14.10 ID:LeviQf2U0
Kボンビー「サイコロを10個ふって~」
あかり「ふえぇ~!?そ、そんなに!?」
Kボンビー「カードを全部~」
あかり「そ、そんな!?」
Kボンビー「ボンビラス星に~」
あかり「なにそれぇ~!!」
京子「銀河鉄道~♪」
ちなつ「なんという逆転劇・・・」
あかり「ふえぇ~!?そ、そんなに!?」
Kボンビー「カードを全部~」
あかり「そ、そんな!?」
Kボンビー「ボンビラス星に~」
あかり「なにそれぇ~!!」
京子「銀河鉄道~♪」
ちなつ「なんという逆転劇・・・」
65 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 00:30:03.88 ID:LeviQf2U0
桃「社長のみなさん、おつかれさまでした!」
夜「それでは、最終結果の発表です!」
京子 1位
ちなつ 2位
結衣 3位
あかり 4位
あかり「負けちゃったよぅ・・・」
夜「それでは、最終結果の発表です!」
京子 1位
ちなつ 2位
結衣 3位
あかり 4位
あかり「負けちゃったよぅ・・・」
66 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 00:34:55.65 ID:LeviQf2U0
結衣「おしかったな。京子のミラクルさえ無かったら結果は変わってただろうに・・・」
京子「すまんなあかり。漢の勝負とは非常なものなんだよ」
結衣「女だろ」
ちなつ「さあさああかりちゃん!罰ゲームの時間だよ!」
あかり「よーし・・・あかりのターン!ドロー!」
結衣(あかりご乱心?)
京子「何て書いてあった?」
あかり「えっとね・・・>>69」
京子「すまんなあかり。漢の勝負とは非常なものなんだよ」
結衣「女だろ」
ちなつ「さあさああかりちゃん!罰ゲームの時間だよ!」
あかり「よーし・・・あかりのターン!ドロー!」
結衣(あかりご乱心?)
京子「何て書いてあった?」
あかり「えっとね・・・>>69」
69 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 00:36:17.48 ID:VZF1YI3T0
さらに存在感が薄くなる
70 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 00:39:03.72 ID:4P2mlpnX0
アッカリーン
71 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 00:41:07.36 ID:LeviQf2U0
あかり「『さらに存在感が薄くなる』・・・?」
「ってええ?これは困るよ!ってか罰ゲームなのコレ!?」
結衣「確かに・・・罰ゲームかな?」
ちなつ「さあ?」
京子「さらに存在感が薄くなったら消えちゃうかもね」
あかり「京子ちゃんひd ???「歳納京子ーーーーーーーーー!!!」バンッ!!
???「おじゃまします~」
「ってええ?これは困るよ!ってか罰ゲームなのコレ!?」
結衣「確かに・・・罰ゲームかな?」
ちなつ「さあ?」
京子「さらに存在感が薄くなったら消えちゃうかもね」
あかり「京子ちゃんひd ???「歳納京子ーーーーーーーーー!!!」バンッ!!
???「おじゃまします~」
73 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 00:46:11.09 ID:LeviQf2U0
京子「あれ?千歳に綾乃?どうして?」
綾乃「楽しそうなことをしてるから飛んできたわ!」
千歳「ウチは見学をしにきたで~」
結衣「綾乃たちって私の家知ってたっけ?」
綾乃「べっ別に気になって後をつけたとかそんなんじゃないからね!
生徒会の力を使えば住所を調べるのなんて造作もないことなんだから!」
千歳「ご迷惑おかけします~」
ちなつ「なにそれこわい」
綾乃「楽しそうなことをしてるから飛んできたわ!」
千歳「ウチは見学をしにきたで~」
結衣「綾乃たちって私の家知ってたっけ?」
綾乃「べっ別に気になって後をつけたとかそんなんじゃないからね!
生徒会の力を使えば住所を調べるのなんて造作もないことなんだから!」
千歳「ご迷惑おかけします~」
ちなつ「なにそれこわい」
75 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 00:51:13.05 ID:LeviQf2U0
綾乃「と・に・か・く!こっからは私も参加させてもらうわよ!」
京子「ふっふ~ん?負けてベソかくなよ?」
綾乃「なっ・・・!泣かないわよ!」
千歳「にぎやかでええな~」
ちなつ「お菓子開けますね~」
結衣「2人の分のジュース、持ってくるね」
千歳「あ、おかまいなく~」
あかり「あ・・・あかりの存在感が・・・」
京子「ふっふ~ん?負けてベソかくなよ?」
綾乃「なっ・・・!泣かないわよ!」
千歳「にぎやかでええな~」
ちなつ「お菓子開けますね~」
結衣「2人の分のジュース、持ってくるね」
千歳「あ、おかまいなく~」
あかり「あ・・・あかりの存在感が・・・」
76 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 00:53:35.51 ID:4P2mlpnX0
あかりおわた
78 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 00:58:23.35 ID:LeviQf2U0
綾乃「で?何のゲームをするのかしら?」
京子「決めてない!」
綾乃「え?」
京子「だから~決めてない!」
綾乃「何よそれ!どーすんのよ!」
兄者「そういう時は安価だな」サッ
弟者「そうだな。VIPだしな」シュッ
ちなつ「誰!?」
結衣「ああ。隣に住んでる流石さんだよ。時々お世話になってるんだ」
ちなつ「一瞬で消えたように見えましたけど・・・」
結衣「風の様に現れて風の様に消えていく兄弟なんだ」
千歳「おもろいご近所さんやね~」
京子「決めてない!」
綾乃「え?」
京子「だから~決めてない!」
綾乃「何よそれ!どーすんのよ!」
兄者「そういう時は安価だな」サッ
弟者「そうだな。VIPだしな」シュッ
ちなつ「誰!?」
結衣「ああ。隣に住んでる流石さんだよ。時々お世話になってるんだ」
ちなつ「一瞬で消えたように見えましたけど・・・」
結衣「風の様に現れて風の様に消えていく兄弟なんだ」
千歳「おもろいご近所さんやね~」
79 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 01:01:30.98 ID:aWVOQD7/0
流石やで
82 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 01:03:02.57 ID:6bCDZnsO0
ゆるゆりSSで流石兄弟見るなんて誰が予想できたか
83 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 01:05:01.51 ID:LeviQf2U0
京子「よし!じゃあ安価するか!」
綾乃「大丈夫かしら・・・」
結衣「gdgdになりそうな予感・・・」
京子「だーいじょうぶだって!」
ちなつ「じゃあ>>86に決めてもらいましょう」
綾乃「大丈夫かしら・・・」
結衣「gdgdになりそうな予感・・・」
京子「だーいじょうぶだって!」
ちなつ「じゃあ>>86に決めてもらいましょう」
86 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 01:07:07.81 ID:fkkvh/DF0
王様ゲーム
90 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 01:12:09.78 ID:LeviQf2U0
京子「王様ゲームだって!」
結衣「テレビゲームじゃねぇし」
千歳「でも安価は絶対やで」
綾乃「お・・・王様ゲームですって!?」
ちなつ(これは結衣先輩との距離を縮めるチャンス!?)
京子(ちなちゅとチュッチュできるかも!?)
綾乃(もしかして歳納京子とあんなことやこんなことを・・・!?キャー!)
千歳(大豊作の予感がするで!!!)
あかり(目立つチャンスかも!頑張らなきゃ!)
結衣「テレビゲームじゃねぇし」
千歳「でも安価は絶対やで」
綾乃「お・・・王様ゲームですって!?」
ちなつ(これは結衣先輩との距離を縮めるチャンス!?)
京子(ちなちゅとチュッチュできるかも!?)
綾乃(もしかして歳納京子とあんなことやこんなことを・・・!?キャー!)
千歳(大豊作の予感がするで!!!)
あかり(目立つチャンスかも!頑張らなきゃ!)
93 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 01:19:22.95 ID:LeviQf2U0
結衣「割り箸に番号と王冠マークを描いて・・・っと」
京子「準備は整ったようだな!」
綾乃「ま、負けないわよ!」
千歳「綾乃ちゃん。王様ゲームに勝ち負けはあらへんで?」
京子(否!これは・・・)ちなつ(誰が一番美味しい思いをするかの・・・)あかり(勝負!)
ドドドドドドドド
結衣(みんなからオーラが見える・・・)
京子「準備は整ったようだな!」
綾乃「ま、負けないわよ!」
千歳「綾乃ちゃん。王様ゲームに勝ち負けはあらへんで?」
京子(否!これは・・・)ちなつ(誰が一番美味しい思いをするかの・・・)あかり(勝負!)
ドドドドドドドド
結衣(みんなからオーラが見える・・・)
94 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 01:24:15.64 ID:LeviQf2U0
京子「よーし!じゃあせーの・・・」
「「「「「「王様だーれだ!!!」」」」」」
結衣「ハズレか・・・」
綾乃「私も違うわ・・・」
ちなつ「私もです」
あかり「あかりの割り箸だけ何にも描いてないよぉ~!」
京子「え」
結衣「ゴメンあかりが引いたやつだけ書き忘れたみたいだ」
あかり「カップルごっこを思い出したよ・・・」
千歳「仕切りなおしやね~」
「「「「「「王様だーれだ!!!」」」」」」
結衣「ハズレか・・・」
綾乃「私も違うわ・・・」
ちなつ「私もです」
あかり「あかりの割り箸だけ何にも描いてないよぉ~!」
京子「え」
結衣「ゴメンあかりが引いたやつだけ書き忘れたみたいだ」
あかり「カップルごっこを思い出したよ・・・」
千歳「仕切りなおしやね~」
98 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 01:29:11.56 ID:LeviQf2U0
千歳「どんな展開になるかは安価次第やで~」
京子「書き溜めはもう無いからな!」
綾乃「コホン。気を取り直して・・・せーの」
「「「「「「王様だーれだ!!!」」」」」」
結衣「>>101が王様か」
京子「書き溜めはもう無いからな!」
綾乃「コホン。気を取り直して・・・せーの」
「「「「「「王様だーれだ!!!」」」」」」
結衣「>>101が王様か」
101 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 01:31:38.80 ID:4P2mlpnX0
京子
102 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 01:34:37.96 ID:LeviQf2U0
京子「私だーー!」
ちなつ「一番王様になったらダメそうな人が王様に!」
京子「なんだとー?」
綾乃「早く命令を言いなさい!」
京子「おっとそうだったな・・・どうしようかな・・・よし、>>106にしよう!」
ちなつ「一番王様になったらダメそうな人が王様に!」
京子「なんだとー?」
綾乃「早く命令を言いなさい!」
京子「おっとそうだったな・・・どうしようかな・・・よし、>>106にしよう!」
106 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 01:36:42.17 ID:VZF1YI3T0
4番と王様がキス!
110 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 01:40:25.05 ID:LeviQf2U0
兄者「すまん言い方が悪かったな・・・」
弟者「みんなを混乱させちまったな、>>1よ」
兄者「番号じゃなくて名前でおk こっちで番号は情報操作する」
弟者「と、いうことで今回は4番と王様がキスなので、4番が誰なのか安価するぜ」
兄者「ということで>>111」
弟者「みんなを混乱させちまったな、>>1よ」
兄者「番号じゃなくて名前でおk こっちで番号は情報操作する」
弟者「と、いうことで今回は4番と王様がキスなので、4番が誰なのか安価するぜ」
兄者「ということで>>111」
111 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 01:41:01.81 ID:CxpGpa3k0
千歳
115 >>109こまけぇこたぁいいんんだよ!AA略 2012/02/15(水) 01:47:46.35 ID:LeviQf2U0
京子「4番が王様である私にキスをするのだー!」
綾乃「なっ・・・!何言ってるのよ!」
京子「おやおや?その慌てっぷりは綾乃が4番かな?」
綾乃「違うわよ・・・私は2番よ・・・」
あかり(杉浦先輩落ち込んでるなぁ~・・・)「あかりは3番だよ~」
結衣「私は1番だ」
京子(これは!ちなつちゃんくるか!!?)
ちなつ「5番です」
京子「なにぃ!?ってことは・・・?」
千歳「私4番やわ~」
綾乃「なっ・・・!何言ってるのよ!」
京子「おやおや?その慌てっぷりは綾乃が4番かな?」
綾乃「違うわよ・・・私は2番よ・・・」
あかり(杉浦先輩落ち込んでるなぁ~・・・)「あかりは3番だよ~」
結衣「私は1番だ」
京子(これは!ちなつちゃんくるか!!?)
ちなつ「5番です」
京子「なにぃ!?ってことは・・・?」
千歳「私4番やわ~」
122 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 01:55:20.64 ID:LeviQf2U0
千歳(まさかウチ自身が百合体験をすることになるとは)
「歳納さんよろしゅうな~」
京子「お、おう」
千歳「じゃあ失礼して・・・」チュッ
京子「んっ・・・」クチュ
千歳「ん・・・ふっ・・・ちゅ・・・」ペロペロ
京子「ふわぁっ・・・!」
千歳「ふふっ・・・とひのうふぁん。かわいいなぁ~」ペロッ
あかり「すごい・・・///」
「歳納さんよろしゅうな~」
京子「お、おう」
千歳「じゃあ失礼して・・・」チュッ
京子「んっ・・・」クチュ
千歳「ん・・・ふっ・・・ちゅ・・・」ペロペロ
京子「ふわぁっ・・・!」
千歳「ふふっ・・・とひのうふぁん。かわいいなぁ~」ペロッ
あかり「すごい・・・///」
124 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 01:57:23.05 ID:r2kfhU0U0
キマシタワー///
125 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 01:58:47.61 ID:pc127u7p0
ノリノリだなwwwwwwwww
126 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 02:00:10.44 ID:LeviQf2U0
千歳「もういっかい・・・」
京子「・・・・・///」
綾乃「ちょっと待ちなさーい!ストップストップストックホルムよ!」
結衣「ブフゥ」
千歳「ほぇ・・・?」
綾乃「1回で終わりよ!2人だけの空間になってたわよ!」
千歳「夢中になってもうたわ~」
京子「///」
ちなつ「若干キャラ崩壊してたような・・・」
あかり「ノリノリだったね~」
京子「・・・・・///」
綾乃「ちょっと待ちなさーい!ストップストップストックホルムよ!」
結衣「ブフゥ」
千歳「ほぇ・・・?」
綾乃「1回で終わりよ!2人だけの空間になってたわよ!」
千歳「夢中になってもうたわ~」
京子「///」
ちなつ「若干キャラ崩壊してたような・・・」
あかり「ノリノリだったね~」
132 キマシタワー建設ありがとうございます 2012/02/15(水) 02:06:36.07 ID:LeviQf2U0
綾乃「2回戦、行くわよ!今度こそ私が王様になってみせるわ!」
ちなつ「わたしだって・・・!」
あかり「せーのっ」
「「「「「「王様だーれだ!!!」」」」」」
京子「>>135が王様だね」
ちなつ「わたしだって・・・!」
あかり「せーのっ」
「「「「「「王様だーれだ!!!」」」」」」
京子「>>135が王様だね」
135 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 02:07:59.89 ID:VZF1YI3T0
まさかのあかりちゃん!
140 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 02:11:37.90 ID:LeviQf2U0
あかり「やったぁ!あかりが王様だよ!これで目立てる!」
千歳「赤座さん、よかったな~」
あかり「じゃあ命令内容を>>さん。お願いします!あかりが目立ちそうなのを!」
結衣「命令内容と、それに関わる人の名前をお願いします」ペコリ
千歳「赤座さん、よかったな~」
あかり「じゃあ命令内容を>>さん。お願いします!あかりが目立ちそうなのを!」
結衣「命令内容と、それに関わる人の名前をお願いします」ペコリ
141 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 02:12:00.25 ID:YO+KAFol0
安価がないwwwwww
149 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 02:13:43.86 ID:VZF1YI3T0
もしかしたら>>さんってあかりちゃんの事じゃあ・・・・
151 >>149 その発想はなかった 2012/02/15(水) 02:16:46.20 ID:LeviQf2U0
あかり「安価ミスしちゃったよぅ・・・」
ちなつ「もう!気をつけてよね!」
あかり「ゴメンなさい・・・」
京子「せっかくだから、安価分けようか。>>145がそう言ってる」
綾乃「それもいいかもしれないわね」
あかり「じゃあ・・・命令内容を>>155さんに」
「それに関わる人を>>159さんに決めてもらいます!」
ちなつ「もう!気をつけてよね!」
あかり「ゴメンなさい・・・」
京子「せっかくだから、安価分けようか。>>145がそう言ってる」
綾乃「それもいいかもしれないわね」
あかり「じゃあ・・・命令内容を>>155さんに」
「それに関わる人を>>159さんに決めてもらいます!」
155 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 02:18:27.34 ID:YO+KAFol0
流石家に突撃
159 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 02:19:51.14 ID:fkkvh/DF0
ちなつ
162 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 02:24:11.77 ID:LeviQf2U0
あかり「えーっと・・・2番の人が流石家に突撃!」
結衣「おいコラ」
京子「なにそれ面白そう!・・・ちぇー、1番か・・・」
千歳「ウチは5番や~」
綾乃「私は・・・4番ね」
結衣「ったく・・・私は3番だ」
京子「ってことは・・・?」
ちなつ「わ・・・私ですかぁ!?」
結衣「おいコラ」
京子「なにそれ面白そう!・・・ちぇー、1番か・・・」
千歳「ウチは5番や~」
綾乃「私は・・・4番ね」
結衣「ったく・・・私は3番だ」
京子「ってことは・・・?」
ちなつ「わ・・・私ですかぁ!?」
165 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 02:30:06.76 ID:LeviQf2U0
ちなつ「大体突撃って何するんですか?」
千歳「そりゃあもちろん言葉通りの意味やで?」
あかり「ちなつちゃん。ふぁいと!」
ちなつ「ふぁいと!じゃないよ!」
京子「はい、武器はエアガンでいいかな?」
ちなつ「ほんとに行くんですか!?」
綾乃「吉川さん・・・」ケイレイ
結衣(これはまずいな・・・流石家のお母さん、めっちゃ怖いんだよな・・・)
ちなつを助けますか?>>167
千歳「そりゃあもちろん言葉通りの意味やで?」
あかり「ちなつちゃん。ふぁいと!」
ちなつ「ふぁいと!じゃないよ!」
京子「はい、武器はエアガンでいいかな?」
ちなつ「ほんとに行くんですか!?」
綾乃「吉川さん・・・」ケイレイ
結衣(これはまずいな・・・流石家のお母さん、めっちゃ怖いんだよな・・・)
ちなつを助けますか?>>167
167 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 02:32:01.87 ID:fkkvh/DF0
否
171 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 02:34:57.09 ID:LeviQf2U0
結衣(でもどうなるか私も気になるな・・・)
「ちなつちゃん」
ちなつ「はいっ!何ですかぁ?結衣先輩?」
結衣「えーっと・・・頑張ってね?」
ちなつ「はい!ちなつ二等兵、逝ってきます!」
「ちなつちゃん」
ちなつ「はいっ!何ですかぁ?結衣先輩?」
結衣「えーっと・・・頑張ってね?」
ちなつ「はい!ちなつ二等兵、逝ってきます!」
174 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 02:40:26.66 ID:LeviQf2U0
あかり「ドキドキするね~」
結衣「そうだな・・・」ワクワク
流石家
兄者「なになに・・・?ソニンタン激エロ画像とな?これはクリックするしかないだろ常考」
弟者「まて兄者!怪しすぎるぞそのURL!ブラクラの可能性がおおいにある!」
兄者「なーに大丈夫だってwwほーれポチッとな」
兄者「おk 蓮画像ゲット」
弟者「精神的ブラクラゲットとは・・・流石だよな俺ら」
バーーーーン!!!!
兄者「な、なんだ!?」
ちなつ「手をあげろー!」
弟者「ちなつさんご乱心!?」
結衣「そうだな・・・」ワクワク
流石家
兄者「なになに・・・?ソニンタン激エロ画像とな?これはクリックするしかないだろ常考」
弟者「まて兄者!怪しすぎるぞそのURL!ブラクラの可能性がおおいにある!」
兄者「なーに大丈夫だってwwほーれポチッとな」
兄者「おk 蓮画像ゲット」
弟者「精神的ブラクラゲットとは・・・流石だよな俺ら」
バーーーーン!!!!
兄者「な、なんだ!?」
ちなつ「手をあげろー!」
弟者「ちなつさんご乱心!?」
176 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 02:46:52.36 ID:LeviQf2U0
ちなつ「大人しく結衣先輩のエロ画像を出しなさい!」
兄者「待て待て。時に落ち着け。俺らはそんな画像もっていないぜ」
弟者「とらのあなかメロンブックスに行けばエロ本はあるぜ」
ちなつ「黙りなさい!!」
兄者「そもそもなぜこのような行動を?」
ちなつ「安価です」
弟者「なんとはた迷惑な安価」
兄者「VIPと言えば安価って言ったのがまずかったか!・・・あ」
ちなつ「?」
弟者「チナツサン。後ろ・・・」
ちなつ「え?」
.@@@
@# _、_@
(# ノ`)
_〃` ^ 〈
兄者「待て待て。時に落ち着け。俺らはそんな画像もっていないぜ」
弟者「とらのあなかメロンブックスに行けばエロ本はあるぜ」
ちなつ「黙りなさい!!」
兄者「そもそもなぜこのような行動を?」
ちなつ「安価です」
弟者「なんとはた迷惑な安価」
兄者「VIPと言えば安価って言ったのがまずかったか!・・・あ」
ちなつ「?」
弟者「チナツサン。後ろ・・・」
ちなつ「え?」
.@@@
@# _、_@
(# ノ`)
_〃` ^ 〈
178 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 02:48:08.01 ID:r2kfhU0U0
Oh...
180 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 02:51:41.88 ID:LeviQf2U0
母者「あんたら!何騒いでるんだい!近所迷惑だろうが!」
兄者「待て母者!俺らは悪くない!そこの少女がだな・・・」
母者「問答無用!」
_, -=''"" ̄ ̄""=-―,.、
_,=、  ̄=.、
彡 "" - ,
> ヽ
:" .__=__  ̄=.、 \
/ 彡⌒ | |@@@=--,、 ヽ .' , .. ∧_∧ ギャーーーー!!
/彡" /~ニ | @# _、_@ "ヽ ヽ .∴ ' ( )
/ ( /_/ |(# ノ`) \ ミ ・,‘ r⌒> _/ /
ヽ ミ .|ヽ,- ^ ⌒ヽ. ,_ ミ ,i ’| y'⌒ ⌒i
 ̄| ミ ノ|ヽ Y|三) ヽ .| | / ノ |
| | / \_ノ |ミ ij , ー' /´ヾ_ノ
ヽ ヽ | | |i / , ノ
"ー、 | | ノ / / /
ヽ ヽ ノ / / / / ,'
ヽ ヽ // / / /| |
/ ) / / !、_/ / 〉
/ / / |__/
| |
\_|
弟者「兄者ーーーー!!」
ちなつ「」ガクガクブルブル
兄者「待て母者!俺らは悪くない!そこの少女がだな・・・」
母者「問答無用!」
_, -=''"" ̄ ̄""=-―,.、
_,=、  ̄=.、
彡 "" - ,
> ヽ
:" .__=__  ̄=.、 \
/ 彡⌒ | |@@@=--,、 ヽ .' , .. ∧_∧ ギャーーーー!!
/彡" /~ニ | @# _、_@ "ヽ ヽ .∴ ' ( )
/ ( /_/ |(# ノ`) \ ミ ・,‘ r⌒> _/ /
ヽ ミ .|ヽ,- ^ ⌒ヽ. ,_ ミ ,i ’| y'⌒ ⌒i
 ̄| ミ ノ|ヽ Y|三) ヽ .| | / ノ |
| | / \_ノ |ミ ij , ー' /´ヾ_ノ
ヽ ヽ | | |i / , ノ
"ー、 | | ノ / / /
ヽ ヽ ノ / / / / ,'
ヽ ヽ // / / /| |
/ ) / / !、_/ / 〉
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弟者「兄者ーーーー!!」
ちなつ「」ガクガクブルブル
181 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 02:56:36.33 ID:LeviQf2U0
ちなつ「殺らなきゃ・・・殺られる!」
ちなつ「うわあああああああああ!!!」
母者「フンッ!」
ドタンバタンズコーンドタバタドタバタドドドドド
綾乃「すごい音ね・・・」
結衣「ちなつちゃん・・・ごめん・・・」
京子「無茶しやがって・・・(AA略」
千歳「ほな、吉川さん抜きで3回戦行く~?」
あかり「こっくり・・・こっくり・・・」
京子「あかりがもう寝る寸前だ!」
ちなつ「うわあああああああああ!!!」
母者「フンッ!」
ドタンバタンズコーンドタバタドタバタドドドドド
綾乃「すごい音ね・・・」
結衣「ちなつちゃん・・・ごめん・・・」
京子「無茶しやがって・・・(AA略」
千歳「ほな、吉川さん抜きで3回戦行く~?」
あかり「こっくり・・・こっくり・・・」
京子「あかりがもう寝る寸前だ!」
182 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 02:57:00.84 ID:r2kfhU0U0
最早AAがなつかしいな……
184 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 03:02:19.38 ID:LeviQf2U0
千歳「ほな、そろそろお開きにしよか~」
綾乃「急に押しかけて悪かったわね」
結衣「いいよ、楽しかったし せっかくだし、泊まっていきなよ」
京子「いいの?やっりー!」
結衣「お前には言ってないよ・・・まあいいけどさ」
綾乃「じゃあお言葉に甘えようかしら・・・」
千歳「お世話になります~」
あかり「むにゃむにゃ・・・」
結衣「布団しくよ~」
京子「今日は楽しかったね~」
結衣「テレビゲーム関係なくなってたけどな・・・」
千歳「まあ楽しかったし、ええんとちゃう?」
綾乃「またみんなで遊びたいわね」
京子「今度はちっぱいちゃんたちも誘おう!」
綾乃「急に押しかけて悪かったわね」
結衣「いいよ、楽しかったし せっかくだし、泊まっていきなよ」
京子「いいの?やっりー!」
結衣「お前には言ってないよ・・・まあいいけどさ」
綾乃「じゃあお言葉に甘えようかしら・・・」
千歳「お世話になります~」
あかり「むにゃむにゃ・・・」
結衣「布団しくよ~」
京子「今日は楽しかったね~」
結衣「テレビゲーム関係なくなってたけどな・・・」
千歳「まあ楽しかったし、ええんとちゃう?」
綾乃「またみんなで遊びたいわね」
京子「今度はちっぱいちゃんたちも誘おう!」
185 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 03:05:06.55 ID:LeviQf2U0
綾乃「そうね・・・次はもっと大人数で遊びましょう」
京子「うん!」
結衣「電気消すよ~」
「「「「おやすみ~」」」」
おしまい
京子「うん!」
結衣「電気消すよ~」
「「「「おやすみ~」」」」
おしまい
187 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 03:08:46.32 ID:aJ8W8z81O
乙ー
ちなつちゃん……
ちなつちゃん……
190 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 03:10:49.12 ID:LeviQf2U0
終わりです・・・
最後の方、グダグダになってスミマセン。
桃鉄の終わりまでは書き溜めがあり、適当にあかりちゃんを罰ゲームでいじめて終わり。
という形にしようと思っていたのですが、予想以上に長引いてしまいました。安価スレって難しい!
こんな時間まで駄スレをみてくださりありがとうございました。
>>187
ちなつは犠牲となったのだ・・・
最後の方、グダグダになってスミマセン。
桃鉄の終わりまでは書き溜めがあり、適当にあかりちゃんを罰ゲームでいじめて終わり。
という形にしようと思っていたのですが、予想以上に長引いてしまいました。安価スレって難しい!
こんな時間まで駄スレをみてくださりありがとうございました。
>>187
ちなつは犠牲となったのだ・・・
192 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 03:14:06.02 ID:80YQGXG80
おっつりん
193 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 03:15:08.95 ID:BuJIQJb10
乙
196 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/15(水) 04:20:24.91 ID:ugWCOnhp0
乙乙
Entry ⇒ 2012.03.01 | Category ⇒ ゆるゆりSS | Comments (0) | Trackbacks (0)
風呂桶「は、入っちゃらめぇぇええ!!」
元スレ:風呂桶「は、入っちゃらめぇぇええ!!」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/14562/1329407550/
このSSはSS深夜VIPのSSです
これは…
今学校だけど
ふぅ…
\ ,-/ _/ ,,‐''-''ヽ ,,-‐'''‐-、 /ノ / ノ / /,,-─/
/ / '" / / ,,-、 /、ヽ\ ゙i;,-''" / ./ /─''''" ̄ ,,/
おい・・・ / ./ / ,,,-‐'"-/ / ./ ゙" "\ ゙i;, | 、// / " ,,,/
/ ,-''/ / ,,-''"_ / // ヽ l / レ'/~ /‐/
/ / | l| ,,-'"/゙/,」| / ..::;;;,,, } / |~ ,,-‐,,,-''' //~
/ /-'''''| | /l /‐'''/'' .人 i' .:: :;'" / / l ノ゙i// ,,-‐'"──==
//'" ゙i;: | /‐' ./,, ,,ノ ゙i;,. | _,,-ヾ.// ノ ,-''" l | ‐'" ,,,-‐二
レ' ヽl:i' ./ )'、‐,\゙i;: | ,,,-‐二-┬ナ" /‐'"‐ 〉 ,i'───'''" ̄~-''"
,-‐',ヽ|'" ./゙ヽ-ゝ='\゙i,'''ヽ -゙=‐' '" ,‐'ノ,, /‐''" ,,-‐'''"~
/ / ;;:. ──ヽ, ゙i;'''''' , ゙ "-‐'''''""" 〔_,/ ゙ヽ'-'"~ おめぇら、ココ
/ / / ,; ,,_}_ ゙、 ./__,, _,, / \
,;' / ,;;;:;:/;: ,, ~ ヽ ヽ. ヽニ‐'、 / / ゙i,_ おかしいんじゃねぇか?
./ '' ,l,,,,,,/ 〉 ゙ヽ、 '''' :;l ,,-''" / ゙i.\
/ / ヽ / ゙ヽ、--イ~;;:'" // ::;:;:;: | \
i /  ̄ ゙̄" |;:" // ヽ-‐'''"~l|
./ ゙''''ヽ、,,-‐''" .i /,;'" _,,,,,,,,,_,,,-‐'''-''"~ |
(" ̄"'''''‐--、,,_i' // '",,-─'''" ,,,-‐'",-‐'" ,,,,-‐ .___|
i' ゙'':::::::::::::::::::::::} _/''-'''"~ ,,,-‐'",,-'''" ,,,-‐二-‐''''" ゙ヽ
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1 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/17(金) 00:52:30 ID:YKISJIQY
男「さて、寝る前にシャワーでも浴びるか・・・ぬぎぬぎ」
風呂桶「あっ、こんばんわ。男さん。」
男「おう、今日もシャワーな。」
風呂「は・・・・はい・・・・・・。」
シゃー・・・・・
風呂「(男さん、最近全然お風呂に浸かってくれない・・・)」
風呂「(忙しいのは分かるけど・・・なんだか、焦らされてるみたいで・・・・)」
風呂桶「あっ、こんばんわ。男さん。」
男「おう、今日もシャワーな。」
風呂「は・・・・はい・・・・・・。」
シゃー・・・・・
風呂「(男さん、最近全然お風呂に浸かってくれない・・・)」
風呂「(忙しいのは分かるけど・・・なんだか、焦らされてるみたいで・・・・)」
2 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/17(金) 00:55:14 ID:YKISJIQY
男「ふぅ・・・・気持ちよかった。」
風呂「あ、あの男さん・・・?」
男「どうした?」
風呂「その・・・た、たまにはお風呂に浸かっていきませんか?」
風呂「血行も良くなりますし、寝つきもいいですよ?」
男「ん~、明日も早いしなぁ・・・また今度な?」
風呂「はい・・・・わかりました・・・・・・(ダメ!もっと積極的に攻めなきゃ!明日こそ!)」
風呂「あ、あの男さん・・・?」
男「どうした?」
風呂「その・・・た、たまにはお風呂に浸かっていきませんか?」
風呂「血行も良くなりますし、寝つきもいいですよ?」
男「ん~、明日も早いしなぁ・・・また今度な?」
風呂「はい・・・・わかりました・・・・・・(ダメ!もっと積極的に攻めなきゃ!明日こそ!)」
3 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/17(金) 00:57:46 ID:YKISJIQY
男「シャワーはいるか。」
風呂「男さん!」
男「な、なんだよ・・・」
風呂「今日こそはお風呂に浸かってもらいますからね!」
男「わ、わかったよ・・・・」
風呂「(やった!これで男さんと・・・・ふふふふふ)」
男「じゃあ、お湯張るからちょっと待ってろよ?」
風呂「はい。」
ジャー・・・・・
風呂「んっ・・・・熱いのがいっぱい・・・・・」
風呂「男さん!」
男「な、なんだよ・・・」
風呂「今日こそはお風呂に浸かってもらいますからね!」
男「わ、わかったよ・・・・」
風呂「(やった!これで男さんと・・・・ふふふふふ)」
男「じゃあ、お湯張るからちょっと待ってろよ?」
風呂「はい。」
ジャー・・・・・
風呂「んっ・・・・熱いのがいっぱい・・・・・」
5 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/17(金) 01:03:10 ID:YKISJIQY
風呂「はぁはぁ・・・・お、男さん?もう準備・・・万端ですよ・・・・はぁはぁ・・・・」
男「おう、じゃあ浸かるとするか。」
風呂「えっ、きゅ、急にそんな・・・・ひぐぅっ!!」
ざばーん・・・・
風呂「お、男さんが入ってくるぅ!!びちょびちょの私の膣中に入ってくりゅぅ!!」
男「はぁはぁ・・・・久しぶりに風呂に浸かると、息切れするな。」
風呂「そ、そうですね・・・・はぁはぁ・・・・・」
男「PSPでもするか。ZIPロックで防水は万全だ。」
風呂「はい!もっと楽しんでいって下さいね♪」
風呂「(でも、なんだか物足りない・・・・そうだ!)」
男「おう、じゃあ浸かるとするか。」
風呂「えっ、きゅ、急にそんな・・・・ひぐぅっ!!」
ざばーん・・・・
風呂「お、男さんが入ってくるぅ!!びちょびちょの私の膣中に入ってくりゅぅ!!」
男「はぁはぁ・・・・久しぶりに風呂に浸かると、息切れするな。」
風呂「そ、そうですね・・・・はぁはぁ・・・・・」
男「PSPでもするか。ZIPロックで防水は万全だ。」
風呂「はい!もっと楽しんでいって下さいね♪」
風呂「(でも、なんだか物足りない・・・・そうだ!)」
6 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/17(金) 04:11:07 ID:YKISJIQY
風呂「じゃ、ジャグジーとかどうですか?」
男「あぁ、そういえばそんな機能もあったな。よろしく頼むよ。」
風呂「任せてください!」
ゴポポポポポポッ・・・・・
男「あ、あのさ・・・・」
風呂「ハイ、なんでしょうか?」
男「どうい、して俺の股間ばかり狙うんだ?」
レポートが字bdが美r地やお
男「あぁ、そういえばそんな機能もあったな。よろしく頼むよ。」
風呂「任せてください!」
ゴポポポポポポッ・・・・・
男「あ、あのさ・・・・」
風呂「ハイ、なんでしょうか?」
男「どうい、して俺の股間ばかり狙うんだ?」
レポートが字bdが美r地やお
7 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/17(金) 06:22:06 ID:Kb90Q8uk
レポートがどうした
8 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/17(金) 08:43:26 ID:YKISJIQY
>>7
>レポートが字bdが美r地やお
なんじゃこりゃあああ
酒飲んでて記憶に無い・・・
恐らくこの後爆睡てしまったんだ。
無視してくんろ
>レポートが字bdが美r地やお
なんじゃこりゃあああ
酒飲んでて記憶に無い・・・
恐らくこの後爆睡てしまったんだ。
無視してくんろ
9 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/17(金) 08:52:54 ID:YKISJIQY
風呂「もしかして、気持ちよくないですか・・・・?」こぽぉ・・・・
男「いや・・・・気持ちいいんだが、なんつーかこう・・・・。集中できないんだが。」
風呂「ごめんなさい・・・(久しぶりすぎてちょっとやりすぎちゃったかなぁ・・・)」
風呂「男さん、気持ちいいですか?」
男「あぁ・・・。ただ、ちょっと湯加減がなぁ・・・。温いかもしれない。」
風呂「わかりました、すぐ温めます!」
男「あぁ、いい感じだ・・・。」
風呂「あ、熱いぃー!あはぁっ!あっあっ!!熱いのがいっぱいぃ!!」
男「だ、大丈夫か?」ざばざば
風呂「う、動いちゃだめですぅっ!膣中がぁ!膣中が擦れてぇ・・・ひぐぅっ!!」
男「いや・・・・気持ちいいんだが、なんつーかこう・・・・。集中できないんだが。」
風呂「ごめんなさい・・・(久しぶりすぎてちょっとやりすぎちゃったかなぁ・・・)」
風呂「男さん、気持ちいいですか?」
男「あぁ・・・。ただ、ちょっと湯加減がなぁ・・・。温いかもしれない。」
風呂「わかりました、すぐ温めます!」
男「あぁ、いい感じだ・・・。」
風呂「あ、熱いぃー!あはぁっ!あっあっ!!熱いのがいっぱいぃ!!」
男「だ、大丈夫か?」ざばざば
風呂「う、動いちゃだめですぅっ!膣中がぁ!膣中が擦れてぇ・・・ひぐぅっ!!」
10 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/17(金) 08:57:46 ID:YKISJIQY
男「やっぱり大丈夫じゃないだろ・・・」
風呂「そ、そんなことは・・・・はぁはぁ・・・・・」
風呂「そんなことより、男さん最近お仕事の方はどうですか?」
男「ん~、まぁぼちぼちかな。そっちは?」
風呂「ぼちぼちです!男さんが久しぶりにお風呂にちゃんと浸かって貰えたんで」
風呂「今日はとっても嬉しいですけど・・・。」
男「やっぱり入ったほうが嬉しいのか?」
風呂「い、いえ・・・無理に入らなくてもいいんですよ?ただ、嬉しいだけです。」
風呂「次は、気が向いた時でいいので・・・・。」
男「わかった。」
風呂「そ、そんなことは・・・・はぁはぁ・・・・・」
風呂「そんなことより、男さん最近お仕事の方はどうですか?」
男「ん~、まぁぼちぼちかな。そっちは?」
風呂「ぼちぼちです!男さんが久しぶりにお風呂にちゃんと浸かって貰えたんで」
風呂「今日はとっても嬉しいですけど・・・。」
男「やっぱり入ったほうが嬉しいのか?」
風呂「い、いえ・・・無理に入らなくてもいいんですよ?ただ、嬉しいだけです。」
風呂「次は、気が向いた時でいいので・・・・。」
男「わかった。」
11 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/17(金) 09:01:44 ID:YKISJIQY
男「さぁて、そろそろ上がるか。よいしょ・・・・えいっ」
ごぽぽぽぽぽぽ・・・・
風呂「えっ!?はぅうううう!!」
風呂「お、男さんのエキスが溶け出したお湯があああでてりゅううう!!」
風呂「いっぱい、いっぱいぃ・・・・はうぅうううっ!もっと!もっと出してぇっ!」
男「(これが苦手なんだよなぁ・・・・)」
風呂「すごいたくさん・・・・出てりゅ!出てりゅぅうううのぉおおお!!」
こぽぉ・・・・
風呂「はぁ・・・・はぁ・・・・・・す、すごく良かったです・・・・・・・。」
ごぽぽぽぽぽぽ・・・・
風呂「えっ!?はぅうううう!!」
風呂「お、男さんのエキスが溶け出したお湯があああでてりゅううう!!」
風呂「いっぱい、いっぱいぃ・・・・はうぅうううっ!もっと!もっと出してぇっ!」
男「(これが苦手なんだよなぁ・・・・)」
風呂「すごいたくさん・・・・出てりゅ!出てりゅぅうううのぉおおお!!」
こぽぉ・・・・
風呂「はぁ・・・・はぁ・・・・・・す、すごく良かったです・・・・・・・。」
12 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/17(金) 09:05:40 ID:YKISJIQY
男「(こんな声聴いてるとむらむらしてくるな・・・・)」
男「なぁ、風呂桶。ここが弱いのか?」
風呂「ら、らめぇ!配水管さわっちゃらめぇぇええ!!」
男「じゃあ、ここに俺のナニを入れればどうなるかな?」
風呂「汚いです!汚いから止めて下さい!!」
男「そんなこと無いよ・・・風呂のここ、すごく綺麗だ・・・・。」
風呂「う、嘘です・・・そんな・・・はぅっ!」
男「ほら、全部入ったぞ?淫乱な風呂桶だなぁ、お前は。」
風呂「お、男さんだから・・・・男さんだからいいんですよぉ・・・・。」
男「風呂桶・・・・。」
男「なぁ、風呂桶。ここが弱いのか?」
風呂「ら、らめぇ!配水管さわっちゃらめぇぇええ!!」
男「じゃあ、ここに俺のナニを入れればどうなるかな?」
風呂「汚いです!汚いから止めて下さい!!」
男「そんなこと無いよ・・・風呂のここ、すごく綺麗だ・・・・。」
風呂「う、嘘です・・・そんな・・・はぅっ!」
男「ほら、全部入ったぞ?淫乱な風呂桶だなぁ、お前は。」
風呂「お、男さんだから・・・・男さんだからいいんですよぉ・・・・。」
男「風呂桶・・・・。」
14 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/17(金) 09:14:11 ID:YKISJIQY
男「動かすぞ!」じゅぽじゅぽ
風呂「お、男さんの固いのがぁ!私のパッキンに当たってぇ!はぅぅうう!!」
男「そ、そろそろ出るぞ・・・!」
風呂「下さい!男さんのおちんぽミルクいっぱいぃ配水管に下しゃいぃっ!はうぅ!!」
男「・・・・くっ!」どぴゅどぴゅ
風呂「出てりゅぅっ!いっぱい男さんのおちんぽミルクが出てりゅぅううう!!」こぽこぽ
男「なかなか良かったぞ。風呂の膣中・・・・。」
風呂「本当ですか?毎日してくれてもいいんですよ・・・?私妊娠しませんし・・・その、膣中に出しても・・・。」
男「そうだな。じゃあこれからはそうさせてもらおうかな・・・・。」
風呂「お、男さん・・・・これからは毎日お風呂入ってくれると嬉しいです・・・。」
男「さすがにそれは時間的に・・・・。」
風呂「勝手にガス代上げちゃいますよ!」ぷんぷん
男「わかったわかった・・・できるだけ入るようにするよ」
風呂「えへへ、男さんありがとうございますぅ~」
END
風呂「お、男さんの固いのがぁ!私のパッキンに当たってぇ!はぅぅうう!!」
男「そ、そろそろ出るぞ・・・!」
風呂「下さい!男さんのおちんぽミルクいっぱいぃ配水管に下しゃいぃっ!はうぅ!!」
男「・・・・くっ!」どぴゅどぴゅ
風呂「出てりゅぅっ!いっぱい男さんのおちんぽミルクが出てりゅぅううう!!」こぽこぽ
男「なかなか良かったぞ。風呂の膣中・・・・。」
風呂「本当ですか?毎日してくれてもいいんですよ・・・?私妊娠しませんし・・・その、膣中に出しても・・・。」
男「そうだな。じゃあこれからはそうさせてもらおうかな・・・・。」
風呂「お、男さん・・・・これからは毎日お風呂入ってくれると嬉しいです・・・。」
男「さすがにそれは時間的に・・・・。」
風呂「勝手にガス代上げちゃいますよ!」ぷんぷん
男「わかったわかった・・・できるだけ入るようにするよ」
風呂「えへへ、男さんありがとうございますぅ~」
END
15 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/02/17(金) 09:45:05 ID:9zQt9JhI
これは…
今学校だけど
ふぅ…
17 !ninja 2012/02/17(金) 14:18:16 ID:RHB8rR/I
\ ,-/ _/ ,,‐''-''ヽ ,,-‐'''‐-、 /ノ / ノ / /,,-─/
/ / '" / / ,,-、 /、ヽ\ ゙i;,-''" / ./ /─''''" ̄ ,,/
おい・・・ / ./ / ,,,-‐'"-/ / ./ ゙" "\ ゙i;, | 、// / " ,,,/
/ ,-''/ / ,,-''"_ / // ヽ l / レ'/~ /‐/
/ / | l| ,,-'"/゙/,」| / ..::;;;,,, } / |~ ,,-‐,,,-''' //~
/ /-'''''| | /l /‐'''/'' .人 i' .:: :;'" / / l ノ゙i// ,,-‐'"──==
//'" ゙i;: | /‐' ./,, ,,ノ ゙i;,. | _,,-ヾ.// ノ ,-''" l | ‐'" ,,,-‐二
レ' ヽl:i' ./ )'、‐,\゙i;: | ,,,-‐二-┬ナ" /‐'"‐ 〉 ,i'───'''" ̄~-''"
,-‐',ヽ|'" ./゙ヽ-ゝ='\゙i,'''ヽ -゙=‐' '" ,‐'ノ,, /‐''" ,,-‐'''"~
/ / ;;:. ──ヽ, ゙i;'''''' , ゙ "-‐'''''""" 〔_,/ ゙ヽ'-'"~ おめぇら、ココ
/ / / ,; ,,_}_ ゙、 ./__,, _,, / \
,;' / ,;;;:;:/;: ,, ~ ヽ ヽ. ヽニ‐'、 / / ゙i,_ おかしいんじゃねぇか?
./ '' ,l,,,,,,/ 〉 ゙ヽ、 '''' :;l ,,-''" / ゙i.\
/ / ヽ / ゙ヽ、--イ~;;:'" // ::;:;:;: | \
i /  ̄ ゙̄" |;:" // ヽ-‐'''"~l|
./ ゙''''ヽ、,,-‐''" .i /,;'" _,,,,,,,,,_,,,-‐'''-''"~ |
(" ̄"'''''‐--、,,_i' // '",,-─'''" ,,,-‐'",-‐'" ,,,,-‐ .___|
i' ゙'':::::::::::::::::::::::} _/''-'''"~ ,,,-‐'",,-'''" ,,,-‐二-‐''''" ゙ヽ
Entry ⇒ 2012.03.01 | Category ⇒ その他 | Comments (0) | Trackbacks (0)
男「す、好きです!セックスレスを前提に付き合ってください!」
元スレ:男「す、好きです!セックスレスを前提に付き合ってください!」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328877892/
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1328877892/
1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 21:44:52.44 ID:rIPUJswK0
*告白
男「す、好きです!セックスレスを前提に付き合ってください」
女「え?」
男「だ、だからその、君のことが…好き、ってことで…」
女「いや、いや、いや」
男「もしかして、だ、だめ……」
女「いやいや、ダメとは言ってないけど」
男「じゃあOK!?」
女「いや、OKっていうか、その、え?」
男「す、好きです!」
女「いや、うん、それはわかったから。うん、え?」
男「す、好きです!セックスレスを前提に付き合ってください」
女「え?」
男「だ、だからその、君のことが…好き、ってことで…」
女「いや、いや、いや」
男「もしかして、だ、だめ……」
女「いやいや、ダメとは言ってないけど」
男「じゃあOK!?」
女「いや、OKっていうか、その、え?」
男「す、好きです!」
女「いや、うん、それはわかったから。うん、え?」
6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 21:46:06.64 ID:rIPUJswK0
*復唱
男「ごめん、急だよな、返事はいますぐじゃなくてもいいから…さ」
女「いや、いや、いますぐとかそういう問題じゃなく、え?」
男「俺、いつまででも、待ってるから…お前の返事」
女「うん、それは嬉しいんだけど、うん、ごめん、ちょっともう一回お願いできる?」
男「もう一回?」
女「その、最初に言ったことを」
男「……わかった。何度でも言うよ、お前のことが好きだ!」
女「……」
男「女さんが好きだ!!」
女「……」
男「俺のこの熱く迸る気持ちを受け取ってくれ!」
女「最初に言ったことだって言ってんだろ」
男「ごめん、急だよな、返事はいますぐじゃなくてもいいから…さ」
女「いや、いや、いますぐとかそういう問題じゃなく、え?」
男「俺、いつまででも、待ってるから…お前の返事」
女「うん、それは嬉しいんだけど、うん、ごめん、ちょっともう一回お願いできる?」
男「もう一回?」
女「その、最初に言ったことを」
男「……わかった。何度でも言うよ、お前のことが好きだ!」
女「……」
男「女さんが好きだ!!」
女「……」
男「俺のこの熱く迸る気持ちを受け取ってくれ!」
女「最初に言ったことだって言ってんだろ」
8 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 21:47:44.86 ID:rIPUJswK0
*セックスレス
男「セックスレスを前提に付き合ってください!」
女「ああ、やっぱりそう言ったの」
男「言ったよ」
女「そう」
男「うん」
女「……え?」
男「え?」
女「いや、え?」
男「君のことを想うと俺の胸はまるで灼熱の太陽に焦がされる砂漠の岩のような」
女「黙れ」
男「セックスレスを前提に付き合ってください!」
女「ああ、やっぱりそう言ったの」
男「言ったよ」
女「そう」
男「うん」
女「……え?」
男「え?」
女「いや、え?」
男「君のことを想うと俺の胸はまるで灼熱の太陽に焦がされる砂漠の岩のような」
女「黙れ」
10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 21:48:55.64 ID:rIPUJswK0
*妙
女「おかしいよね」
男「なにが?」
女「いや、なにがって」
男「告白したことがおかしい?」
女「いや、いや。告白したことはね、うん、おかしくないよ。でも、どうして私に告白したの?」
男「それはもちろん、女さんが好きだからだよ」
女「うん、そうだよね、うん、そうなるよね、うん」
男「どこがおかしいの?」
女「いやいやいや」
女「おかしいよね」
男「なにが?」
女「いや、なにがって」
男「告白したことがおかしい?」
女「いや、いや。告白したことはね、うん、おかしくないよ。でも、どうして私に告白したの?」
男「それはもちろん、女さんが好きだからだよ」
女「うん、そうだよね、うん、そうなるよね、うん」
男「どこがおかしいの?」
女「いやいやいや」
11 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 21:50:36.55 ID:rIPUJswK0
*罰ゲ
女「もしかしてこれ罰ゲ?」
男「え?」
女「近くで男くんの友達が見てるとかそんなんじゃ…」
男「どうして俺がそんなことをするんだよ!」
女「うん、そうだよね、うん、ごめん」
男「ひどいよ、女さんは俺が遊びでこんなことをしていると思ってるの?」
女「う、ううん。違うよね、男くんは遊びでこんなことする人じゃないもの」
男「そう、俺の女さんへの気持ちは本当の本当に、真剣なんだ!」
女「折れろよ」
女「もしかしてこれ罰ゲ?」
男「え?」
女「近くで男くんの友達が見てるとかそんなんじゃ…」
男「どうして俺がそんなことをするんだよ!」
女「うん、そうだよね、うん、ごめん」
男「ひどいよ、女さんは俺が遊びでこんなことをしていると思ってるの?」
女「う、ううん。違うよね、男くんは遊びでこんなことする人じゃないもの」
男「そう、俺の女さんへの気持ちは本当の本当に、真剣なんだ!」
女「折れろよ」
14 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 21:52:03.56 ID:rIPUJswK0
*煮え切らない
男「…わかったよ、女さんは俺と付き合いたくないんだね」
女「え、ど、どうしてそうなるの」
男「さっきから全然煮え切らないじゃないか」
女「うん、だって、うん」
男「いいよ気を使わなくて。でもこれからも友達でいてくれたら…」
女「ちょちょちょっと!付き合いたくないとは言ってないから!」
男「え?でも」
女「うん、うん、ね、男くんは、私のことが、好き、なんだよね?」
男「うん、そうだよ」
女「私も……ね、男くんのこと……その、嫌いじゃないかなって」
男「……!じゃあ俺とセックスレスを前提に付き合ってくれる…!」
女「クソが」
男「…わかったよ、女さんは俺と付き合いたくないんだね」
女「え、ど、どうしてそうなるの」
男「さっきから全然煮え切らないじゃないか」
女「うん、だって、うん」
男「いいよ気を使わなくて。でもこれからも友達でいてくれたら…」
女「ちょちょちょっと!付き合いたくないとは言ってないから!」
男「え?でも」
女「うん、うん、ね、男くんは、私のことが、好き、なんだよね?」
男「うん、そうだよ」
女「私も……ね、男くんのこと……その、嫌いじゃないかなって」
男「……!じゃあ俺とセックスレスを前提に付き合ってくれる…!」
女「クソが」
17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 21:54:00.42 ID:V6gkCFpWO
サブタイのお陰かなんとなく四コマみたいな感じで脳に入ってくる
21 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 21:56:01.21 ID:rIPUJswK0
*愛
男「もう、なんなんだよ」
女「こっちのセリフなんだけど」
男「なんでさ。俺何か変なこと言ったかな」
女「ねぇ男くん。愛ってなんだと思う?」
男「難しいな」
女「愛って認め合うことだと思うの」
男「そういう風にも見れそうだね」
女「お互いの心も、体も、全部」
男「もちろん俺は女さんのすべてを認めるよ」
女「どうやって?」
男「それはもちろん、けけ、結婚…!」
女「結婚!?あ、そ、そっか…男くんってそういう考え方だったんだね。
そうだね、貞操観念はそうあるべきだよね。そういうことは、結婚してから…か」
男「…いきなり結婚なんて言ったら引かれるかなと思って…」
女「ちょっと古いかもしれないけど、私いいと思うよ、男くんのお付き合いの考え方」
男「ほ、ほんとに?じゃあ…あ、改めて告白しようかな。
…女さん!好きです!結婚とセックスレスを前提に付き合ってください!」
女「異議あり!」
男「もう、なんなんだよ」
女「こっちのセリフなんだけど」
男「なんでさ。俺何か変なこと言ったかな」
女「ねぇ男くん。愛ってなんだと思う?」
男「難しいな」
女「愛って認め合うことだと思うの」
男「そういう風にも見れそうだね」
女「お互いの心も、体も、全部」
男「もちろん俺は女さんのすべてを認めるよ」
女「どうやって?」
男「それはもちろん、けけ、結婚…!」
女「結婚!?あ、そ、そっか…男くんってそういう考え方だったんだね。
そうだね、貞操観念はそうあるべきだよね。そういうことは、結婚してから…か」
男「…いきなり結婚なんて言ったら引かれるかなと思って…」
女「ちょっと古いかもしれないけど、私いいと思うよ、男くんのお付き合いの考え方」
男「ほ、ほんとに?じゃあ…あ、改めて告白しようかな。
…女さん!好きです!結婚とセックスレスを前提に付き合ってください!」
女「異議あり!」
24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:00:02.09 ID:rIPUJswK0
*欲しいもの
女「ごめんやっぱり私ちょっと認められない男くんの考え方」
男「女さんは俺のこと愛してはくれないのか…」
女「あ、や、違うの、ただちょっと考え方が古いかなーみたいな、いや古いとか以前の問題なんだけど」
男「よくわからないよ、俺くらいの現代人はいないのに。ほらiPhone」
女「現代人の定義はiPhoneを持っていることじゃないよ」
男「そりゃね。持ってるだけで使いこなせてないやつはたくさんいるさ。でも俺は違う。
Macだって持ってるし自分で欲しいアプリの開発だってやってるんだ」
女「想いを伝えるのって難しいね」
男「そう、作り手の想いを結晶化させることは難しい。だからなかなかいいものは作れない。
でも真に欲しいものはこの手で創り上げるしかないんだ。女さんは何が欲しい?」
女「愛が欲しい」
女「ごめんやっぱり私ちょっと認められない男くんの考え方」
男「女さんは俺のこと愛してはくれないのか…」
女「あ、や、違うの、ただちょっと考え方が古いかなーみたいな、いや古いとか以前の問題なんだけど」
男「よくわからないよ、俺くらいの現代人はいないのに。ほらiPhone」
女「現代人の定義はiPhoneを持っていることじゃないよ」
男「そりゃね。持ってるだけで使いこなせてないやつはたくさんいるさ。でも俺は違う。
Macだって持ってるし自分で欲しいアプリの開発だってやってるんだ」
女「想いを伝えるのって難しいね」
男「そう、作り手の想いを結晶化させることは難しい。だからなかなかいいものは作れない。
でも真に欲しいものはこの手で創り上げるしかないんだ。女さんは何が欲しい?」
女「愛が欲しい」
32 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:07:37.35 ID:rIPUJswK0
*ナニ
男「告白中にそんなこと言われるとは思わなかった」
女「ああよかった、告白中だってこと男くん覚えてたんだね」
男「ひどいな、それじゃまるで俺がふざけてるみたいじゃんか!」
女「いっそふざけててほしいくらいだけど」
男「そんな言い草!俺はいつだって真面目なのに」
女「ふざけろ」
男「俺のこの気持ちはいい加減なものじゃないんだ!」
女「いい加減にしろ」
男「なんだよその態度、俺が何したって言うのさ!?」
女「ナニもしてねぇよ!」
男「告白中にそんなこと言われるとは思わなかった」
女「ああよかった、告白中だってこと男くん覚えてたんだね」
男「ひどいな、それじゃまるで俺がふざけてるみたいじゃんか!」
女「いっそふざけててほしいくらいだけど」
男「そんな言い草!俺はいつだって真面目なのに」
女「ふざけろ」
男「俺のこの気持ちはいい加減なものじゃないんだ!」
女「いい加減にしろ」
男「なんだよその態度、俺が何したって言うのさ!?」
女「ナニもしてねぇよ!」
33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:11:09.58 ID:rIPUJswK0
*サブタイ
男「俺の気持ちは伝わらないのか」
女「なにがしたいのかわからない」
男「理解されなくてもいい!でもこれだけはわかってほしい、俺は自分のやりだしたことはなんと言われようと曲げないよ!」
女「好かれる気ある?」
男「俺の気持ちは伝わらないのか」
女「なにがしたいのかわからない」
男「理解されなくてもいい!でもこれだけはわかってほしい、俺は自分のやりだしたことはなんと言われようと曲げないよ!」
女「好かれる気ある?」
34 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:13:08.60 ID:rIPUJswK0
*本を捨てるならBOOKOFF
男「結局女さんは俺にどうしてほしいんだよ」
女「私の口から言わせたいの?」
男「言ってくれなきゃわかんないよ」
女「はいはいはい、言ってあげるわこの変態野郎、耳かっぽじってよく聞けよ」
男「さっきからすごい口悪いよね」
女「だからね、その、せ、せ…」
男「せ?」
女「せ、せ、せ」
男「せ」
女「正義の話をしよう」
男「これから?」
男「結局女さんは俺にどうしてほしいんだよ」
女「私の口から言わせたいの?」
男「言ってくれなきゃわかんないよ」
女「はいはいはい、言ってあげるわこの変態野郎、耳かっぽじってよく聞けよ」
男「さっきからすごい口悪いよね」
女「だからね、その、せ、せ…」
男「せ?」
女「せ、せ、せ」
男「せ」
女「正義の話をしよう」
男「これから?」
35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:15:32.77 ID:rIPUJswK0
*せいぎ
男「正義なんて言うけど、人によって正義なんていろいろだよね。ただ正義の実現方法としては、やっぱ政治への参加って大事だと思う」
女「うんごめん別に今正義の話はしたくないかな」
男「でもさっき」
女「忘れて」
男「女さんは政治不信なのかな。たしかに政治家は選挙前に言っていたことも忘れて約束も守らずにやりたい放題だけど」
女「言いたい放題だね」
男「俺は違う、俺は言ったことを忘れないし、必ず約束を守る!」
女「そこに正義はあるのか」
男「正義なんて言うけど、人によって正義なんていろいろだよね。ただ正義の実現方法としては、やっぱ政治への参加って大事だと思う」
女「うんごめん別に今正義の話はしたくないかな」
男「でもさっき」
女「忘れて」
男「女さんは政治不信なのかな。たしかに政治家は選挙前に言っていたことも忘れて約束も守らずにやりたい放題だけど」
女「言いたい放題だね」
男「俺は違う、俺は言ったことを忘れないし、必ず約束を守る!」
女「そこに正義はあるのか」
36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:17:01.01 ID:rIPUJswK0
*責任
男「あはは…厳しいな。そうだね、表面的な字面に惑わされず、その本質を知るべきだね」
女「大切なことは意味を考えることだよ」
男「うん」
女「ところで結婚ってどういう意味なのかな」
男「難しいな」
女「結婚って、責任を取るってことだと思う」
男「そういう見方もできるかな」
女「責任取ってくれる?」
男「もちろん!」
女「どうやって?」
男「君を一生傷つけないことを誓うよ!」
女「もうアベしちゃおっかな」
男「あはは…厳しいな。そうだね、表面的な字面に惑わされず、その本質を知るべきだね」
女「大切なことは意味を考えることだよ」
男「うん」
女「ところで結婚ってどういう意味なのかな」
男「難しいな」
女「結婚って、責任を取るってことだと思う」
男「そういう見方もできるかな」
女「責任取ってくれる?」
男「もちろん!」
女「どうやって?」
男「君を一生傷つけないことを誓うよ!」
女「もうアベしちゃおっかな」
37 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:19:22.99 ID:rIPUJswK0
*ジャガジャガジャンジャンジャーン
男「それは朝日新聞のつくった造語だよ」
女「どうでもいいよ」
男「よくないよ。それに俺安倍ちゃん好きだったし。あの人の理念には共感するところがあったな」
女「うん、今はちょっと理念とかどうでもいいかな。もっと実際的、現実的な話というか」
男「ああ…たしかに結果的には一年で政権を手放すことになったわけだから、現実は厳しいよ」
女「ねぇもうちょっと目の前の現実を見たほうがいいんじゃない?」
男「そうだね、でも小事のために大局を潰すようじゃろくな政治じゃないと思うんだよ」
女「ロンドンは燃えている!!」
男「それは朝日新聞のつくった造語だよ」
女「どうでもいいよ」
男「よくないよ。それに俺安倍ちゃん好きだったし。あの人の理念には共感するところがあったな」
女「うん、今はちょっと理念とかどうでもいいかな。もっと実際的、現実的な話というか」
男「ああ…たしかに結果的には一年で政権を手放すことになったわけだから、現実は厳しいよ」
女「ねぇもうちょっと目の前の現実を見たほうがいいんじゃない?」
男「そうだね、でも小事のために大局を潰すようじゃろくな政治じゃないと思うんだよ」
女「ロンドンは燃えている!!」
40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:22:35.49 ID:rIPUJswK0
*タブー
男「女さんはあまり安倍さん好きじゃないんだね。民主党支持かい?」
女「別にそんなことはないけど」
男「うーん、じゃあみんなの党とか、地方の政党だけど橋下さんの維新の会の躍進ぶりが…」
女「うん、ちょっと政治から離れようか」
男「あ、無党派?最近だとそれが一番多いのかな」
女「人の話聞いてる?」
男「もちろん、政治はまず国民の声を聞くところから始まるからね」
女「じゃあ池田大作の素晴らしさについて語ろうか」
男「女さんのことが好きです!」
男「女さんはあまり安倍さん好きじゃないんだね。民主党支持かい?」
女「別にそんなことはないけど」
男「うーん、じゃあみんなの党とか、地方の政党だけど橋下さんの維新の会の躍進ぶりが…」
女「うん、ちょっと政治から離れようか」
男「あ、無党派?最近だとそれが一番多いのかな」
女「人の話聞いてる?」
男「もちろん、政治はまず国民の声を聞くところから始まるからね」
女「じゃあ池田大作の素晴らしさについて語ろうか」
男「女さんのことが好きです!」
42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:23:42.24 ID:rIPUJswK0
*人間の本能
女「人間の三大欲求ってあるよね」
男「睡眠欲と食欲、性欲だね」
女「人間たるもの理性は大事だけれど、生物である以上本能を蔑ろにしてもよくないと思うの」
男「これでも自分のことはうまくコントロールできてるつもりだよ」
女「どうやって?」
男「別に普通だよ。眠いときには寝て、必要以上は寝ないようにして、無理はしないようにして」
女「うん」
男「お腹がすいたら食べて、食べ過ぎないようにして」
女「うんうん」
男「まぁその、したくなったらするときもあるかな」
女「うんうんうん!」
男「でもだいじょうぶ、全部一人で管理できること、女さんに迷惑はかけないよ!」
女「ひとでなし!!」
女「人間の三大欲求ってあるよね」
男「睡眠欲と食欲、性欲だね」
女「人間たるもの理性は大事だけれど、生物である以上本能を蔑ろにしてもよくないと思うの」
男「これでも自分のことはうまくコントロールできてるつもりだよ」
女「どうやって?」
男「別に普通だよ。眠いときには寝て、必要以上は寝ないようにして、無理はしないようにして」
女「うん」
男「お腹がすいたら食べて、食べ過ぎないようにして」
女「うんうん」
男「まぁその、したくなったらするときもあるかな」
女「うんうんうん!」
男「でもだいじょうぶ、全部一人で管理できること、女さんに迷惑はかけないよ!」
女「ひとでなし!!」
43 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:24:42.03 ID:rIPUJswK0
*俺の心650円/h
男「俺、女さんがわからなくなってきた」
女「私も男くんがわからない」
男「男と女ってそういうものなのかもね」
女「男くんは本当に男?」
男「どういう意味?」
女「男の子ってもっとこう…ね?その、女の子とさ…」
男「うん」
女「キャバクラとか最近だったらガールズバーとか、そういうのもあるくらいだし、風俗街なんてのもあったりするでしょ、
だから、男の子って基本的にこう女の子といろんなことしたいみたいな感じのことを思ってるのかなって…」
男「女さん!」
女「はい!?」
男「愛は、金じゃ買えない」
女「てめぇこの野郎」
男「俺、女さんがわからなくなってきた」
女「私も男くんがわからない」
男「男と女ってそういうものなのかもね」
女「男くんは本当に男?」
男「どういう意味?」
女「男の子ってもっとこう…ね?その、女の子とさ…」
男「うん」
女「キャバクラとか最近だったらガールズバーとか、そういうのもあるくらいだし、風俗街なんてのもあったりするでしょ、
だから、男の子って基本的にこう女の子といろんなことしたいみたいな感じのことを思ってるのかなって…」
男「女さん!」
女「はい!?」
男「愛は、金じゃ買えない」
女「てめぇこの野郎」
45 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:25:39.86 ID:rIPUJswK0
*地球が逆さになればいい
男「俺別に間違えたこと言ってないと思うんだけど」
女「根本的に間違えてると思うの」
男「なにが?」
女「根の深い間違いは口で言われてもわからないものなのよね」
男「けど何も言わないと何もわからないよ」
女「口にすることで余計にこじれることだってあるわ」
男「沈黙は金だなんて、そんなのはこの狭い島国に伝わる昔話だよ。今はそういう時代じゃない」
女「時と場所で変わるものもあれば、普遍的にして変わらないものもあるでしょ。
大事なことはいつだって変わらないものなの」
男「そんなのまやかしだね。万物流転、諸行無常。イデアなんてありはしない」
女「じゃあ男くんの私への気持ちもいつか変わってしまうの?」
男「やられたな!たしかに俺の女さんへのこの気持ちだけは永遠にして不変、
地球が逆さになったって変わらないよ!」
女「別れましょう」
男「俺別に間違えたこと言ってないと思うんだけど」
女「根本的に間違えてると思うの」
男「なにが?」
女「根の深い間違いは口で言われてもわからないものなのよね」
男「けど何も言わないと何もわからないよ」
女「口にすることで余計にこじれることだってあるわ」
男「沈黙は金だなんて、そんなのはこの狭い島国に伝わる昔話だよ。今はそういう時代じゃない」
女「時と場所で変わるものもあれば、普遍的にして変わらないものもあるでしょ。
大事なことはいつだって変わらないものなの」
男「そんなのまやかしだね。万物流転、諸行無常。イデアなんてありはしない」
女「じゃあ男くんの私への気持ちもいつか変わってしまうの?」
男「やられたな!たしかに俺の女さんへのこの気持ちだけは永遠にして不変、
地球が逆さになったって変わらないよ!」
女「別れましょう」
46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:26:45.03 ID:rIPUJswK0
*愛の伝達関数
男「まだ付き合ってもないのに別れ話を持ちかけられてしまった」
女「私のほうこそ、どうあっても私とは付き合いたくないと言われてるような気がしてならないわ」
男「やっぱり、俺の気持ちは伝わらないのか」
女「私の想いは伝わらないのね」
男「伝わってるよ!」
女「なにが伝わってるのよ!」
男「セックスしたいんじゃないの?」
女「絶対私と付き合う気ないよね」
男「まだ付き合ってもないのに別れ話を持ちかけられてしまった」
女「私のほうこそ、どうあっても私とは付き合いたくないと言われてるような気がしてならないわ」
男「やっぱり、俺の気持ちは伝わらないのか」
女「私の想いは伝わらないのね」
男「伝わってるよ!」
女「なにが伝わってるのよ!」
男「セックスしたいんじゃないの?」
女「絶対私と付き合う気ないよね」
49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:28:02.76 ID:rIPUJswK0
*辞書
男「あれ、違った?」
女「あーあ、男くんの辞書にデリカシーはないのね」
男「失礼な、あるよ!デリカシーとは、感情、心配りなどの繊細さ。微妙さのことだよ」
女「本物の辞書みたいなこと言うんだね」
男「本物の辞書に載ってたんだよ」
女「調べたことがあるんだね」
男「あるんだよ」
女「ごめんね」
男「うん」
男「あれ、違った?」
女「あーあ、男くんの辞書にデリカシーはないのね」
男「失礼な、あるよ!デリカシーとは、感情、心配りなどの繊細さ。微妙さのことだよ」
女「本物の辞書みたいなこと言うんだね」
男「本物の辞書に載ってたんだよ」
女「調べたことがあるんだね」
男「あるんだよ」
女「ごめんね」
男「うん」
50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:28:46.43 ID:rIPUJswK0
*生命
女「わかった。もうハッキリ言う。
私は子供が欲しいけど、キリストの母親になれるとは思ってない。なりたくもない。
だから男くんさえその気になってくれるなら、付き合ってもいいわ」
男「養子制度とかあるしね」
女「うん、私の言い方が悪かったかな。
もうちょっと正確に言うと、男くんの愛を私が受け入れることで、私たち二人の子供をつくりたいの」
男「体外受精みたいな」
女「うん、私の言い方が悪かったわ。
もうちょっと正確に言うと、男くんの下腹部についている男性固有の生殖器と呼ばれる凸型の部位を、
私の下腹部にある凹型の女性の生殖器、女性器の中に入れて、
そのまま男くんは私に優しい愛の言葉をかけながら、精巣で作られた幾億の生命体を体外に排出することで、
私の染色体と男くんの染色体を合わせた受精卵を形成し、
それは私の胎内で少しずつ育ち分化をすすめ最終的に一人の人間となって
そして二人力を合わせてその愛おしい大切な命を育てていく、そういう過程を踏みたいのね」
男「つまりセックスだね」
女「わかった。もうハッキリ言う。
私は子供が欲しいけど、キリストの母親になれるとは思ってない。なりたくもない。
だから男くんさえその気になってくれるなら、付き合ってもいいわ」
男「養子制度とかあるしね」
女「うん、私の言い方が悪かったかな。
もうちょっと正確に言うと、男くんの愛を私が受け入れることで、私たち二人の子供をつくりたいの」
男「体外受精みたいな」
女「うん、私の言い方が悪かったわ。
もうちょっと正確に言うと、男くんの下腹部についている男性固有の生殖器と呼ばれる凸型の部位を、
私の下腹部にある凹型の女性の生殖器、女性器の中に入れて、
そのまま男くんは私に優しい愛の言葉をかけながら、精巣で作られた幾億の生命体を体外に排出することで、
私の染色体と男くんの染色体を合わせた受精卵を形成し、
それは私の胎内で少しずつ育ち分化をすすめ最終的に一人の人間となって
そして二人力を合わせてその愛おしい大切な命を育てていく、そういう過程を踏みたいのね」
男「つまりセックスだね」
54 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:31:35.43 ID:rIPUJswK0
*理解
女「わかってくれてありがとう、泣きたい」
男「俺も変わってるけど女さんも変わってるよね」
女「告白されてこんな惨めな気分になったのって私くらいよきっと」
男「そんな惨めになることないのに」
女「ねぇ男くん、私って可愛くないかな」
男「可愛くない女に告白する男なんているもんか」
女「ならどうして?」
男「俺は純粋に、女さんが好きなんだよ。やましい気持ちがあるわけじゃない」
女「やましいことじゃないと思う」
男「でも俺がそういうことしたいから付き合ってくださいって言ったら女さん嫌だろ?」
女「それは嫌だけど、まったくしたくないと言われるのも辛いというか」
男「じゃあほどほどにしたいから付き合ってくださいって言えばいいのかよ」
女「っていうかそういう情報告白のときにいる?」
女「わかってくれてありがとう、泣きたい」
男「俺も変わってるけど女さんも変わってるよね」
女「告白されてこんな惨めな気分になったのって私くらいよきっと」
男「そんな惨めになることないのに」
女「ねぇ男くん、私って可愛くないかな」
男「可愛くない女に告白する男なんているもんか」
女「ならどうして?」
男「俺は純粋に、女さんが好きなんだよ。やましい気持ちがあるわけじゃない」
女「やましいことじゃないと思う」
男「でも俺がそういうことしたいから付き合ってくださいって言ったら女さん嫌だろ?」
女「それは嫌だけど、まったくしたくないと言われるのも辛いというか」
男「じゃあほどほどにしたいから付き合ってくださいって言えばいいのかよ」
女「っていうかそういう情報告白のときにいる?」
57 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:32:52.75 ID:rIPUJswK0
*裁判
男「でも付き合ってから実はそういうの嫌だって言うのも変だろ」
女「それはそうだけど」
男「わかってくれよ、俺はただ女さんが好きなだけなんだ」
女「好きならするべきことがあると思う」
男「だから結婚したいとまで言ってるじゃないか」
女「セックスレスって立派な離婚の理由になるんだよ」
男「法律がなんだ!そんなもので俺の愛は曲げられない!」
女「へし折るぞ」
男「でも付き合ってから実はそういうの嫌だって言うのも変だろ」
女「それはそうだけど」
男「わかってくれよ、俺はただ女さんが好きなだけなんだ」
女「好きならするべきことがあると思う」
男「だから結婚したいとまで言ってるじゃないか」
女「セックスレスって立派な離婚の理由になるんだよ」
男「法律がなんだ!そんなもので俺の愛は曲げられない!」
女「へし折るぞ」
58 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:34:12.43 ID:rIPUJswK0
*笑顔
女「あーもう、わかったわかった。男くんは私のことからかって喜んでるんでしょ」
男「なんでそうなる」
女「うるさい!うるさい!この最低男!クズ!!もう二度と私の前に現れるな!!」バチーン
男「痛ぁっ!?く…いつつ…う……うへへ」
女「え」
男「あ」
女「……なんで、笑ってるの」
男「へ…いや、別に…うひひ…あれ」
女「かつてない笑みなんだけど」
男「は……はは……うひ」
女「……」
女「あーもう、わかったわかった。男くんは私のことからかって喜んでるんでしょ」
男「なんでそうなる」
女「うるさい!うるさい!この最低男!クズ!!もう二度と私の前に現れるな!!」バチーン
男「痛ぁっ!?く…いつつ…う……うへへ」
女「え」
男「あ」
女「……なんで、笑ってるの」
男「へ…いや、別に…うひひ…あれ」
女「かつてない笑みなんだけど」
男「は……はは……うひ」
女「……」
60 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:35:39.42 ID:rIPUJswK0
*最後に愛は勝つ
男「……」
女「……」
男「そうだよ…」
女「え?」
男「俺は…俺は、俺は、ド変態なんだよっ!!」
女「ええええええええええ」
男「女さんに罵られたり、ぶっ叩かれたり、蹴っ飛ばされたり、踏んづけられたり、そんなことをされると、
すごく、すっごく興奮するんだよ!!というかそれ以外じゃ全然ダメなんだよおおおおおおお!!!!」
女「ダメなの!?」
男「でもでも、そんなの、そんなの絶対おかしいだろ?女さんも嫌だろ?
けどもし女さんと付き合うことになって、そういう関係になったりしたら…俺、絶対に自分を抑えられないと思う!
でも女さんのことは好きだ…一緒にいたい…だから、そもそもそういうことをしなければって。
これが、これが、これが俺の愛なんだよ!!」
女「愛が痛い」
男「……」
女「……」
男「そうだよ…」
女「え?」
男「俺は…俺は、俺は、ド変態なんだよっ!!」
女「ええええええええええ」
男「女さんに罵られたり、ぶっ叩かれたり、蹴っ飛ばされたり、踏んづけられたり、そんなことをされると、
すごく、すっごく興奮するんだよ!!というかそれ以外じゃ全然ダメなんだよおおおおおおお!!!!」
女「ダメなの!?」
男「でもでも、そんなの、そんなの絶対おかしいだろ?女さんも嫌だろ?
けどもし女さんと付き合うことになって、そういう関係になったりしたら…俺、絶対に自分を抑えられないと思う!
でも女さんのことは好きだ…一緒にいたい…だから、そもそもそういうことをしなければって。
これが、これが、これが俺の愛なんだよ!!」
女「愛が痛い」
61 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:38:34.48 ID:rIPUJswK0
*認めてほしい
女「……あのさ」
男「え?」
女「いいよ」
男「え、え」
女「人間、誰にだって人と違うところはあるよ。
言ったよね、愛って認め合うことだと思うって」
男「お、女さん…!」
女「だから私、男くんのこと受け入れるよ」ニコッ
男「だから笑顔じゃ興奮しねぇんだよ」
女「……あのさ」
男「え?」
女「いいよ」
男「え、え」
女「人間、誰にだって人と違うところはあるよ。
言ったよね、愛って認め合うことだと思うって」
男「お、女さん…!」
女「だから私、男くんのこと受け入れるよ」ニコッ
男「だから笑顔じゃ興奮しねぇんだよ」
62 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:40:17.30 ID:rIPUJswK0
*君の瞳に恋してる
女「……あのね」
男「ご、ごめん」
女「…いいけど。……で、男くんは私にどうしてほしい?」
男「そ、そうだな…ちょっとその、踏んでくれたりしたらそれでいいです」
女「……うん」
男「あとできればその、虫けらを踏みつぶすような感じで…」
女「……うん」
男「それとよかったら、素足で踏んでもらえるとなおいい感じかと」
女「……うん」
男「靴下だけバージョンも欲しい!」
女「調子のんなよ」ギロ
男「ああその目!その目がいい!そんな感じで!」
女「……あのね」
男「ご、ごめん」
女「…いいけど。……で、男くんは私にどうしてほしい?」
男「そ、そうだな…ちょっとその、踏んでくれたりしたらそれでいいです」
女「……うん」
男「あとできればその、虫けらを踏みつぶすような感じで…」
女「……うん」
男「それとよかったら、素足で踏んでもらえるとなおいい感じかと」
女「……うん」
男「靴下だけバージョンも欲しい!」
女「調子のんなよ」ギロ
男「ああその目!その目がいい!そんな感じで!」
65 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:42:59.50 ID:rIPUJswK0
*サイコ
女「……」
男「ご、ごめん」
女「……いいけど」
男「あの…もしかして女さんもさ、俺に認めてほしいことってあるんじゃないの?」
女「……男くん、私に、踏んで欲しいって言ったよね」
男「僭越ながら」
女「いいよ。…男くんさえ、耐えられるなら」
男「耐えるもなにもご褒美です」
女「ふふふ……あはははは、いひひひひ」
男「え?」
女「けけ、くけけ、きゃひは、ふ、ひひぃっ…」
男「だいじょうぶだよ女さん、魅力的な笑顔だよ」
女「笑い方じゃねぇよ」
女「……」
男「ご、ごめん」
女「……いいけど」
男「あの…もしかして女さんもさ、俺に認めてほしいことってあるんじゃないの?」
女「……男くん、私に、踏んで欲しいって言ったよね」
男「僭越ながら」
女「いいよ。…男くんさえ、耐えられるなら」
男「耐えるもなにもご褒美です」
女「ふふふ……あはははは、いひひひひ」
男「え?」
女「けけ、くけけ、きゃひは、ふ、ひひぃっ…」
男「だいじょうぶだよ女さん、魅力的な笑顔だよ」
女「笑い方じゃねぇよ」
69 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:46:41.49 ID:rIPUJswK0
*ゲロ
女「ふふふ」
男「どうしたのささっきから」
女「ふふふふ」
男「え?女さん急に靴なんか脱いでどうする……んん!?な、なんだろう、突然異臭が…!」
女「ふふふふふ」
男「世界中のあらゆるゲロが混ざり合って夏場の車に長時間密閉されてたみたいな臭いがする!」
女「ふふ……え?そんなに臭い?」
男「うん」
女「……」
男「今更靴履きなおしても遅いよ!?」
女「ふふふ」
男「どうしたのささっきから」
女「ふふふふ」
男「え?女さん急に靴なんか脱いでどうする……んん!?な、なんだろう、突然異臭が…!」
女「ふふふふふ」
男「世界中のあらゆるゲロが混ざり合って夏場の車に長時間密閉されてたみたいな臭いがする!」
女「ふふ……え?そんなに臭い?」
男「うん」
女「……」
男「今更靴履きなおしても遅いよ!?」
70 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:49:34.26 ID:rIPUJswK0
*異臭
男「そ…そうか、そういうことだったのか」
女「ええ、そうよ…そういうことなの」
男「その靴すごい。陰ながらこれだけのものを封印してたんだ。すごい。というか可哀想。
生まれ変わっても女さんの靴にだけはなりたくない」
女「うんごめんちょっと普通に傷つくからやめて?」
男「ごめん。いろいろ辛い思いをしてきたんだよね」
女「そうね…日曜日の朝、父親は私の顔を見ながらしみじみと『お前の足は臭いなぁ…』って呟いたわ」
男「けっこうショックだな」
女「以来私は家では室内用の靴を履いている。私の靴下を母は割り箸で掴んでいる」
男「野原ひろしみたい」
女「そう私の足は、まるで野原ひろしのように臭いの!」
男「多分もっと臭い」
男「そ…そうか、そういうことだったのか」
女「ええ、そうよ…そういうことなの」
男「その靴すごい。陰ながらこれだけのものを封印してたんだ。すごい。というか可哀想。
生まれ変わっても女さんの靴にだけはなりたくない」
女「うんごめんちょっと普通に傷つくからやめて?」
男「ごめん。いろいろ辛い思いをしてきたんだよね」
女「そうね…日曜日の朝、父親は私の顔を見ながらしみじみと『お前の足は臭いなぁ…』って呟いたわ」
男「けっこうショックだな」
女「以来私は家では室内用の靴を履いている。私の靴下を母は割り箸で掴んでいる」
男「野原ひろしみたい」
女「そう私の足は、まるで野原ひろしのように臭いの!」
男「多分もっと臭い」
71 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:51:21.07 ID:rIPUJswK0
*変態男と足臭少女←こんなタイトルのラノベがあったはず
女「……」
男「あ、いや。でもさ、野原ひろしだって立派に家庭築いてるじゃないか」
女「でも私は35歳のオッサン係長じゃない!」
男「だいじょうぶだよ、今は7割が課長にもなれないんだって本で読んだよ」
女「足臭OLには一文の価値だってないのよ!」
男「俺は全然OK、どんとこいだよ」
女「え?」
男「足臭OL大いに結構ってことさ。
正直女さんのそんな臭い足で踏まれる屈辱を考えただけで、俺は、俺は……」
女「男くん…」ウルウル
女「……」
男「あ、いや。でもさ、野原ひろしだって立派に家庭築いてるじゃないか」
女「でも私は35歳のオッサン係長じゃない!」
男「だいじょうぶだよ、今は7割が課長にもなれないんだって本で読んだよ」
女「足臭OLには一文の価値だってないのよ!」
男「俺は全然OK、どんとこいだよ」
女「え?」
男「足臭OL大いに結構ってことさ。
正直女さんのそんな臭い足で踏まれる屈辱を考えただけで、俺は、俺は……」
女「男くん…」ウルウル
73 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:52:31.54 ID:rIPUJswK0
*素敵だね
女「本当にいいの?」
男「もちろんだよ」
女「こんな臭い足の女だよ?」ヌギ
男「おふぅ!!げぼぉ、ぐふぅ…う、その足を俺の頭に…」
女「そんな、男くんの鼻に私の足を接近させるようなこと…でもやっちゃう」
男「げ、げろげろ、お、俺、最高にいい気分だ…よぉっ!」
女「素敵……これが私たちの愛なのね……」
女「本当にいいの?」
男「もちろんだよ」
女「こんな臭い足の女だよ?」ヌギ
男「おふぅ!!げぼぉ、ぐふぅ…う、その足を俺の頭に…」
女「そんな、男くんの鼻に私の足を接近させるようなこと…でもやっちゃう」
男「げ、げろげろ、お、俺、最高にいい気分だ…よぉっ!」
女「素敵……これが私たちの愛なのね……」
74 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:53:57.43 ID:rIPUJswK0
*女王様
男「そうだよ!これが俺たちの愛…うう、臭い……その臭い足でもっと強く踏んでください!」
女「こ、こう?」
男「くぅ!いい!!さらに女王様っぽく罵倒してください!!」
女「この変態がぁ!!」
男「はいぃぃ!!!」
女「私の足をお舐めっ!!!」
男「無理」
男「そうだよ!これが俺たちの愛…うう、臭い……その臭い足でもっと強く踏んでください!」
女「こ、こう?」
男「くぅ!いい!!さらに女王様っぽく罵倒してください!!」
女「この変態がぁ!!」
男「はいぃぃ!!!」
女「私の足をお舐めっ!!!」
男「無理」
75 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:54:50.12 ID:ubUctwwc0
素に戻るな
76 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:55:32.79 ID:+FFb0IEv0
ワロタ
81 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 22:59:52.07 ID:rIPUJswK0
*言葉にできない
女「……ぐすん」
男「あ、や、その」
女「男くんの気持ちはよくわかったわ。やっぱり無理だよねこんな足臭女」
男「そんなことないよ…ただちょっと俺のレベルが低いというか経験値不足というか」
女「言い訳なんて聞きたくない」
男「でもいつか、女さんの犯罪的に臭い足を舐められるようになりたいと思う」
女「男くん……」
男「はは、ちょっとクサかったかな?まるで君の足みたいに」
女「ぶっ飛ばすぞ変態野郎」
女「……ぐすん」
男「あ、や、その」
女「男くんの気持ちはよくわかったわ。やっぱり無理だよねこんな足臭女」
男「そんなことないよ…ただちょっと俺のレベルが低いというか経験値不足というか」
女「言い訳なんて聞きたくない」
男「でもいつか、女さんの犯罪的に臭い足を舐められるようになりたいと思う」
女「男くん……」
男「はは、ちょっとクサかったかな?まるで君の足みたいに」
女「ぶっ飛ばすぞ変態野郎」
83 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 23:02:56.19 ID:rIPUJswK0
*ラストシーン
男「いい罵倒だね、女さんわかってきたね」
女「うんいやこれは別に喜んでくれたならいいんだけどねもう」
男「俺たちけっこう、お似合いってやつなのかな」
女「…そうだね、もう私たち、怖いものなんてないよね」
男「ああ!それじゃ改めて」
女「はい」
男「好きです!変態セックスを前提に付き合ってください!」
女「キモイ。足の臭い嗅げ」ギロ
男「ほぅ…」
こうして二人は幸せに暮らしましたとさ。はっぴーえんどで、おしまいです。
男「いい罵倒だね、女さんわかってきたね」
女「うんいやこれは別に喜んでくれたならいいんだけどねもう」
男「俺たちけっこう、お似合いってやつなのかな」
女「…そうだね、もう私たち、怖いものなんてないよね」
男「ああ!それじゃ改めて」
女「はい」
男「好きです!変態セックスを前提に付き合ってください!」
女「キモイ。足の臭い嗅げ」ギロ
男「ほぅ…」
こうして二人は幸せに暮らしましたとさ。はっぴーえんどで、おしまいです。
84 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 23:04:08.83 ID:yKpMCHyS0
え?
え?
え?
85 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 23:05:09.39 ID:GqTWeZvI0
お、乙
102 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 23:30:17.51 ID:rIPUJswK0
おしまいまで読んでくれた人ありがとう。
おわりっぽくないですか…。でもこんなしょうもない話を膨らませるのは多分人生の浪費。
でもきっとそんな無駄こそ人生。生まれ変わったらアメーバになりたい。
サブタイイラネは>>1にとってショックであった。
でもサブタイ好きだから仕方ない。
そろそろ寝よう。そんじゃね、ありがとさん。
おわりっぽくないですか…。でもこんなしょうもない話を膨らませるのは多分人生の浪費。
でもきっとそんな無駄こそ人生。生まれ変わったらアメーバになりたい。
サブタイイラネは>>1にとってショックであった。
でもサブタイ好きだから仕方ない。
そろそろ寝よう。そんじゃね、ありがとさん。
89 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 23:06:39.50 ID:arGR4+tp0
これは4コマにしたい出来
90 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 23:08:58.83 ID:rVpqzjirO
というか4コマを意識した各タイトルだろうな
91 以下、名無しにかわりましてGOOD!がお送りします 2012/02/10(金) 23:09:24.69 ID:qMUBpJs10
乙
99 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/10(金) 23:17:51.40 ID:Nq15PUBmO
面白かった
乙
乙
Entry ⇒ 2012.03.01 | Category ⇒ 男女「」SS | Comments (0) | Trackbacks (0)
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